金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 3話目

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612名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 04:27:07 ID:eURPHvt4
男(の父親)が女(の父の会社)に借金しててその借金肩代わりしてるから返済する迄くっつけないのに萌えた
それまでは超ドSに男を虐めてイビってた女の子が気持が通じてからずっとオロオロするんだよ・・・スレ向きだよな?
613名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 08:00:12 ID:LZFIwqTk
借金肩代わりしてもらう代わりに、いいようにされるってのが好き。
614名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 00:35:06 ID:/FC+10U7
>>611
結局祖母が納得しないので俺が貯金してた額とそれでも足りない残り額を払うことを祖母と約束して無事離婚しました
え、フラグ?そんなのありませんよ
勘当された上にもうすぐ魔法使いですあばばばばば
615名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 14:18:58 ID:foqGDr0h
もうやめて!
616名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 17:15:18 ID:cR46595B
>>615
金持ち「お困りかい。お嬢ちゃん」
617名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:28:07 ID:eVG9Wctg
民主当選の悲観論だと、これから凄まじい負担増という意見が多いな。このスレ的にはどうだろうか?
618名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:29:28 ID:Ph7+BZY+
現実の政治ネタは持ち込むのやめようぜ
619名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:45:31 ID:LCOcZzbu
民政党伊沢さんの出番だな
620名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:50:52 ID:mVtRJbX/
お金大好き
621名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 03:34:05 ID:FMu+AkRj
>>619
まだ銀と金ネタを引っ張るのかw
622名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 19:34:05 ID:8QZEGdF8
銀と金ほど金が絡む作品はそうそう無いとはいえw
623名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:20:20 ID:qRRLNRG+
確か福本スレあったな
624名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 22:28:52 ID:eKMx4Wy8
これのことかい

【アカギ】福本漫画のエロパロ2【カイジ】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237041529/l50
625名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 18:57:25 ID:nf4RXBgv
そうそう
626名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 07:14:20 ID:oEhZ9wzo
しかし福本キャラに困ってる女の子
助けそうな金持ちって居ないよな
627名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 16:07:02 ID:eoc9xp6x
少なくとも美心が金に困っててもだれも助けなさそうだ。
628名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 18:56:42 ID:3DPVuTHC
>>626
兵藤とか在全は助けそうだけどな。
助けた後は監禁しそうだけど。
629名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 23:30:48 ID:g7YSFVyu
果たしてそれは助かっているのか
630名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 01:53:21 ID:DNdE4wTm
美心、スタイルはいいんだけどな
631名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 15:39:22 ID:a12xYz64
サブマリン
632名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:35:33 ID:ltV6uOlS
美心のドジンがあることに驚いた
633名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 20:56:38 ID:sRwm/ie7
書き手さんこねぇかな…
634名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 18:13:10 ID:QRkWrxjV
将来の夢はあしながおじさんです
635名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 12:20:47 ID:f3BS6DoY
このスレは銭形の親分さんが活躍するスレですか?
636名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 18:32:42 ID:6SnAwWZd
>>635
だからそうじゃ無ぇってw
637名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:34:05 ID:mg10Ia8R
ヒロインを襲おうとした奴を金の延べ棒でフルボッコ
638名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:33:41 ID:Eu8Xbas6
それなんてサンタクロース
639名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 02:36:21 ID:e63+19kP
むぇって?
なぇって?
640名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 17:40:55 ID:TP2qq266
>>639
ねぇ
641名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 02:31:09 ID:DguP4r2k
俺が可愛らしい少女だったら皆助けてくれるのかな…
642名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 10:00:58 ID:rvlY0L1C
もちろんですとも
643名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 09:19:55 ID:uagmCDXX
なに? 子供が欲しいとな?
それなら俺の金に詰まってるモノを沢山注いであげよう
644名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 19:10:24 ID:b3JEBPA0
ご安心くださいお嬢さん、>>643なる不届き者は、私の雇ったSPが捕らえましたよ
645名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 19:33:20 ID:3IKyKcJC
SP=スペルマ
646名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:38:08 ID:hWtv+F1l
ヘッドホンの音質の悪さに困っている女の子のために端子をコーティングをして上げるスレですか?
647名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 22:59:32 ID:kONGGD+K
おい携帯厨wwこれww
http://negishi.s11.dxbeat.com/AD-tune.htm
648名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 03:22:54 ID:ja+wGkBt
目の前にお腹を空かした少女が倒れている!
しかし今月は自分もピンチ!
あなたはどうする?
649名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 06:54:11 ID:3DkIVGqt
どっかのカード会社のCM宜しく手札は3枚!、ですね。わかりま(ry
650名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 16:35:31 ID:dSwvN0o4
とりあえず犯す
餌付け
お持ち帰り

どうすんのよ?!俺!
651名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 18:44:13 ID:iqEww1ni
お持ち帰りして餌付けした後に犯せばいいんだよ
652名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 20:46:18 ID:tJSfR3C3
>>650
自分で言っておいてあれだが、凄いカードを3枚引いたなwww
653名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 19:54:31 ID:AWMD0G+n
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/body/1253330495/
661レス目

名古屋市中川区宮脇町2-12-1
マサキ歯科クリニック


おまいらのちからでヤブ医者から助けてあげて
654名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 03:58:15 ID:vHce0lf1
ネコがカリカリを買いたくて「金を出せ」というコピペが好きで書いた。
反省はしない。
9レスくらい。NGはお手数ですがIDでお願いします。
655名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 03:58:28 ID:vHce0lf1
何かが突っ込んできた、と感じたと同時に身体が勝手に動いていた。半歩退きつつ、
走り込んできたそいつの首に手刀を入れる。
やけに骨張った細い感触に驚く暇もない。
ぎゃっと叫んだそいつは、頭から地面に突っ込みそうになり、両手で庇ったものの
纏っていたマントで足がもつれ、結局路地の隅にあるゴミ置き場に転がりながら激突した。
金を出せ、とかなんとか言っていたから正当防衛だと思うが、他に職がなかったから
仕方なくとはいえ軍属で食っている。一般市民に暴行を加えたとなると問題になる。
「おい、大丈夫か?」
転んだままこれっぽっちも動かないそれに声をかけた。
「う、う……」
ゴミの中からずぼっと出てきた顔は薄汚れていた。涙の筋が何本もついている。
すでに乾いた物もあるところを見ると、しばらく顔も洗っていないに違いない。
「か、金をだせぇ!」
泣きながらそいつはまだ、両手でしっかりと細いカッターナイフを握った。
力が入りすぎてぶるぶる震えている。
「金? 金が要るのか?」
「要る」
「いくら」
そいつは目をまん丸にして俺を見た。
「おい。いくら要るんだ、と聞いてるんだ」
「そんなこと、聞かれたこと無かった」
なんだよ。何度も重ねた犯行かよ。
「たいていこうやって転ばされたり殴られたりして、その後はさっさといなくなっちゃうから
誰も聞いてくれたことなんか……っ、ふ、うっく……」
そいつはぼろぼろ涙をこぼした。
古ぼけたマントの端で顔を擦って涙を拭く。
「できるだけたくさん」
たくさんっつってもなあ。食うに困らないていどには持っているが、こいつの言う
『できるだけたくさん』がどのていどかわからない。
「何に使うんだ」
「ご飯、買う」
「メシぃ!? んなもん別に」
「合成じゃない豆を買いたいんだ」
近頃じゃなんでも遺伝子組み換えや合成で、天然物は少ない。
特にタンパク質の類は合成が容易なのか手ごろな価格で品物も豊富に出回っているが、
そのおかげで天然物は庶民の口には入らなくなった。
「豆を買ってどうする」
「母さんに食べさせる」
「母親、どうした」
「病気でずっと寝てるんだ」
そいつは、ずるっ、と鼻を啜った。
「どんどんやせ細っちゃって。スープしか飲めなくなって。ちょっと前までは
家の外で作ってたキャベツを入れてたんだけど」
「キャベツなんか作れんのか!?」
野菜類もそのほとんどが工場で生産される。植物なんだからどうにかして育てているんだろう
と思うが、店先に並ぶのは色つやも形も双子や三つ子のように瓜二つで空恐ろしくもある。
「だけど、こないだの一斉摘発で全部掘り返されちゃって」
ぐすっ、と音がした。また啜り上げたらしい。鼻をかむ紙さえ持ってないのか。
「いまはもう、水みたいに薄いスープに、残ってるキャベツの繊維が浮いてるだけで。
これじゃ母さんはどんどん弱っていく」
いや、それすでに弱ってるだろう。
とはっきり言うのも憚られて俺は代わりに溜息をひとつついた。
「豆を買うのはいいが、戻して煮込んでたら時間がかかるだろうが」
「でも」
でも、じゃねえよ。
まだゴミの中に突っ立っているそいつの腕を取って引っ張った。
6562/9:2009/10/08(木) 03:58:47 ID:vHce0lf1
手首が驚くほど細い。まるで鶏ガラを握ってるみたいだ。
「おまえは?」
「え?」
「おまえは食ってんのか?」
ためらいがちにこくりと頷く。
「スープ、飲んでる」
「その水みたいな薄いスープか」
今度は比較的しっかり頷いた。
それ、食ってる内に入らない。
「ちょっと来い」
ぽきりと折れてしまいそうな細い手首を掴んで路地を抜ける。
「ちょ、ちょ! どこ行くんだよ。お、俺帰らないと母さんが」
「母さんにメシ食わさないとダメなんだろうが。来い」
そのかわり天然物は諦めろ。
にぎやかな通りを抜け、食欲をそそる香りで立ちこめる屋台街へと入っていく。
十数種類の粥を常に置いている屋台を覗いた。
「豆入りってある?」
「あるよ。塩味のと甘いのと」
「甘い? 気持ち悪い粥だな」
「気持ち悪くないよ。小豆と栗と。おいしいよ」
逃げようとして俺の手を振りほどこうと頑張っているチビに声をかけた。
「おい。おまえの母ちゃんは甘い物は好きか?」
「知らない」
知らないっておまえ。
「甘い物なんてもう何年も食べてない」
屋台の親父に向き直る。
「その甘い粥、一番でかいパックでくれ」
テイクアウト用のパックは最大で六人前くらい入ったはずだ。
投げたコインを器用に片手で受けて、親父は、あいよ、と笑った。


「母さん、ただいま! お粥だよ! 食べられる!?」
チビは、いまにも崩れていきそうな斜めに倒れている家の中に入っていった。
俺、ここに入って大丈夫だろうか。
おそるおそるドアを開けて中を覗き込む。
病人のいる、特有の甘く饐えたにおいがする。動物の腐敗するにおいに近いのかも
しれない。だとすればそれは死臭だ。
チビの母親はおそらくもう長くない。
「母さん、寝てるの?」
勢い込んで粥の入ったパックを持って入っていったチビの声が小さくなる。
「母さん……?」
やばい。
チビが、ベッドに寝る母親に手を伸ばしかけたのをとめた。
「なんで? ねえ、なんで母さん……」
限界まで見開いた目がおろおろと泳ぐ。
熱々の粥が入ったパックを落としかねない、と先にそれを手から抜き取った。
「わかってんだろ? おまえの母ちゃんは寝てるんじゃない」
長くない、どころじゃなかった。
遅かった。
「うそ……。だって、私が家を出るときはまだ……」
私?
「母さん! 母さん母さん母さん!」
「よせ」
ベッドに駆け寄ろうとするチビの身体は細くて硬い。だけど腰回りの骨格が明らかに違った。
「おまえ……」
うわあ、と堰を切ったように泣き出したチビに、女だったのか、と確認のために問いかけたが
返事は来なかった。
6573/9:2009/10/08(木) 03:59:03 ID:vHce0lf1
母親の遺体は公共墓地に入れてもらうことになった。
チビ――ネコがそれでいい、と言ったからだ。俺はネコの母親を簡素に弔い、
ネコを拾って、穴蔵のような古いアパートに帰った。
食糧事情も住宅事情も悪化の一途を辿っていたが、それでもまだ内地のこのあたりは
平和なものだった。政府と軍部とが結託し情報統制を行っていたから、
街には景気の良さそうなニュースしか流れていなかった。やれどこそこで戦端が開いたのを
迎え撃ち敗退させただの、敵艦隊に単身突っ込んでいったエースが敵を壊滅させた上に
無傷で帰ってきただの、子供も騙せないようなお粗末なものばかりだった。
半年経ったら俺もそこに戻らなきゃいけない。
「ネコ、メシ!」
湯気の上がる大皿をテーブルにどんと載せると、ネコがすっ飛んできた。
「今日、なに?」
拾ってきたネコを、嫌がるのも構わず風呂に入れた。一人で入らせたら
じっと突っ立ったままなので、どうした、と聞いたら風呂の入り方も知らなかった。
あの崩れかけた家ならさもありなん、と一緒に入り頭のてっぺんから足のつま先まで
ごしごしと洗ってやった結果、真っ黒に見えた肌は輝くばかりに白くなり、
パサパサしていた髪の毛も近頃は少し艶が出てきた。
そしてなにより、やっぱり女だった。
ガリガリに痩せて、あばらが浮き出て、胸にも尻にも肉なんかありはしなかったが女の身体だった。
年を聞くと十六だと言うから肝が冷えた。せいぜい十二、三だと思っていたのだ。
隊に戻るまでの半年。俺はネコを太らせて、一人で生きていけるようにしてやらなきゃいけない。
「俺様特製ピリ辛豆腐あんかけ焼きめし」
ぴたり、とネコの動きが止まる。
ゆるゆるとこちらを向く。
「辛い?」
「そんなに辛くしてない」
「でも、熱そう」
「できたてだから熱い」
ネコは猫舌だ。俺には丁度良く感じる温度のものを必死で吹いて冷まして、やっと口に入れる。
それでも舌をぺろりと出して、ヒリヒリする、と泣きそうな顔になる。
その顔が見たくて、つい熱い物ばかりを作る。
「やっぱ、お金ちょうだい」
ネコが口を尖らせて言う。
「何に使うんだ」
「ご飯、買う。ふーふーしなくても食べられるもの」
「バカ言え。おまえそんなにガリガリなんだから、少しでもぬくい物食わないと
体温が上がらないだろうが。却下だ」
むう、とネコはおかしな声を出す。
「牛乳かけたシリアルとかをカリカリ食べてみたい」
「そんな一回食っただけで飽きるようなものに憧れなくていい」
いつものやりとりだ。
金を出せ、バカを言うな、と言い合った挙げ句、ネコはようやく
自分に合う温度まで冷めたメシを食い、小さな声で、おいし、と言う。
夜、ベッドに入るネコの頭を撫でてやりながら本を読む。ネコは十六にもなって
字が読めなかった。小さな子供向けの絵本を数冊調達してきて、それを繰り返し読んでやった。
一ヶ月もしないうちに字を覚えたのか話を覚えたのかわからなかったが、生意気にも、
今日はそっちじゃなくこっちを読んでくれ、とリクエストするようになった。
「ネコ、腕出せ」
「ん」
絵本を読んでやるのが寝る前の儀式その一ならば、これはその二だ。
手首を掴む。肘の近くも掴んでみる。
「まだ細いな」
ネコがくくくと喉を鳴らして笑う。
「そっくり」
「何に?」
「これ。これの魔女」
ネコはベッドの傍らからお気に入りの絵本を持ち上げて見せた。
6584/9:2009/10/08(木) 03:59:20 ID:vHce0lf1
お菓子の家に誘われた兄と妹は魔女に捕まってしまう。妹はまだ小さいから下働きに、
とこきつかわれ、兄の方は太ったら食べよう、と檻に入れられ毎日ごちそうを
食べさせられる。ところが年老いた魔女は目が悪く、檻の中の兄の姿がよくわからない。
そこで妹に兄の様子を聞く。
「なんのかわりもありません。ちっとも太ってきていません」
ウソを吐いているのじゃあるまいな、と魔女は兄に腕を出すように言う。
腕の肉付きを触って確かめようと言うのだ。そして太っていない、と怒り狂う。
兄は鳥の骨を差し出して魔女に握らせていた。
とんがり帽子に、身体をすっぽりと覆ってしまうマント。
顔の中心を占める大きな鷲鼻は先端が長く垂れ、
いかにも年老いた意地悪な魔女が描かれているその絵本を、ネコはことのほか気に入っていた。
「最初はここのことだ、って思った」
「なにが」
「お菓子の家。私にとってこの家はお菓子の家だった。訳もわからないうちに母さんは
お墓に入れられちゃうし、文句をいう間もなく連れてこられて閉じ込められちゃうし、
毎日毎日朝昼晩ってご飯が出てくるし」
よかれと思ってしてやったことがえらい言われ様だ。
「ついでに毎日、こうやって太ったかどうかチェックされちゃうし」
うくく、とネコは笑う。
「でもお菓子の家にいたのは魔女じゃなかった」
「ネコ?」
「だから『おはなし』にはならないね。お休み」
説明もなく打ち切られ、仕方なく『お休み』と返して明かりを消した。


配属先の通知が来た。
時期は変わらない。だが場所が悪い。
ネコに、一ヶ月後に仕事に戻ることを告げた。
「仕事? なにをしてるの?」
毎日俺が家にいることを不思議にも思わなかったらしい。
「人殺し」
ネコの顔色が変わる。
「半年の休暇をもらってた。戻らなきゃならん。そこで聞きたいんだがおまえ、
ここを出た後行くあてはあるか?」
青ざめたままネコは首を振った。
「そんなとこ……あったら行ってる」
「だよな」
縁もゆかりもない男のところにほぼ軟禁状態で暮らす必要なんか無い。
「おまえにここを残していく。そのほかにも残してやれる物があるにはあるんだが、
ちっとばかりこっちは手続きが面倒くさい。手続きを簡単にするためにおまえ結婚しないか?」
かくん、と音を立ててネコの顎が落ちた。


「い、意味わかんない」
さっき青ざめたと思ったネコはもう真っ赤になっている。
「なんで結婚なんか」
「この家は俺の名義になってる。俺と結婚したらおまえは堂々とここに住める。
あとな、恩給が出る」
「恩給?」
「そう。結婚してたら、俺が死んだ場合おまえには毎月軍から金が支給される。
俺の死後三十年間毎月。けっこうな額だ。それがあればぜいたくさえしなきゃ暮らしていけるだろ」
「要らない! そんなの要らない!」
ネコは俺のシャツの胸ぐらを掴んだ。
もう泣いてる。特技なんじゃないかと思うくらいネコは涙を出すのが早い。
「お金なんか要らない! だから行かないで!」
「そんなわけにはいかない。俺はそれでいままで食ってきたんだから」
ここに住んでいられるのも、合成物とはいえメシの材料を買ってこられてたのも全部、
軍から給料が出ているからだ。
6595/9:2009/10/08(木) 03:59:42 ID:vHce0lf1
「手続きだけしに行こうぜ。どうせ俺は他に身よりもない。おまえに残せるなら本望だ」
ネコの顔は涙でぐしゃぐしゃになった。
「いやだ! すぐにいなくなるのになんで」
「そうしないと残せないからだ。子供がぐだぐだ文句を言うんじゃない。来い」
手首を掴む。ネコが痛がって悲鳴を上げて身体をくねらせる。
「おまえ……」
掴んだ手首はほんの少しだけふっくらと柔らかかった。
「ちょっとは肉ついた?」
ネコは真っ赤になって頷いた。
「ちゃんと……胸もある」
「それはウソだろ」
笑い飛ばすとネコはむきになって言い返してきた。
「ウソだと思うなら確かめてみろ!」
「おい。それは」
「けっ、結婚とか! するって言うんだったら! た、た、確かめろ!」
涙で濡れた顔で、真っ赤になって、とんでもないことを叫ぶ子供を扱いあぐねる。
「寧々子」
ネコの本当の名前を呼ぶと、ネコ――寧々子は空気の抜けきった風船のように勢いを無くした。
「でも。だって」
「でももだっても要らない。俺は十中八九死ぬ。だからそれまで我慢しろ。
そしたら後は好きに生きていいから」
確かめてみろなんて言うな。
「いやだ!」
「ネコ」
「私に残す、って言うんだったらちゃんと残して。家やお金だけじゃなく、
ちゃんとここにいたんだって、一緒に暮らしてたんだ、って証拠を残して」
泣き濡れた瞳で見上げてくるネコの決心は変わらず、俺は先に手続きだけはしよう、
とネコを促して外に出た。
公的証書を作る出張所は軍の出先機関の中にある。
ネコに住民ナンバーが無いことがわかって手間取ったが、どうにかネコを
俺の配偶者として登録できた。
「メシ、何か買って帰るか」
「いい」
言葉少なにネコは首を振った。
「ご飯食べたい」
「あ?」
「あんたの作ってくれるご飯が食べたい」
歩きながら手がぶつかってくる。掴んだら、はっとしたように顔を上げ、だが手を繋いできた。
「家に帰ろう」
帰ったら気まずいから、遠回りをしようとしているのに、ネコは他へ寄ることは許さない、
という強い意志を滲ませた声で言った。


ベッドに膝立ちになるネコの肩からストラップを滑り落とす。
やっぱりまだあばらがわかる。それでもブラの必要なていどには胸も育っていた。
ふくらみを覆い隠すように手を乗せると、あ、と声を出して目を瞑る。
「いやなら……」
「いやなんて言ってない!」
ネコはこちらをきっと睨みつけ、噛みつかんばかりに言うと、はあ、と息をはいて
また目を瞑った。
背中に手を回す。肩胛骨が見事にわかるし、背骨もごつごつと手に触れる。
どう考えたって抱き心地の良さそうな身体とは思えない。
若い肌だけは滑らかでいいにおいもしているが、それだけでできるとも思えない。
「ネコ」
ふるふると身体が細かく震えている。
「おい。ネコ」
「なに」
「初めてだろ?」
「な、なに」
その反応でわかる。初めてだ。
6606/9:2009/10/08(木) 03:59:57 ID:vHce0lf1
拾ったときは小汚いガキだと思ったんだ。女だなんて思わなかった。
初めてに決まってる。
「やめとこうぜ。わざわざ痛い思いをすることも無いだろ」
「やる」
低い声でネコは俺を睨め付けた。
「やれ。じゃなきゃ離婚の手続きしに行ってくるぞ」
「脅しになってねー」
予想外のことを言われて、げらげら笑った。
「だって! だって、私に残すために結婚しなきゃいけない、って言った!」
「言ったけどよ」
離婚したって、おまえが損するだけじゃないか。
「ネコ」
「ん」
「寧々子」
「ん……」
肌に唇を滑らせていく。
身体を支えていられないのか、ネコの上体が大きく傾いでベッドに倒れた。
のしかかっていきながらスカートをまくり上げる。
「ふ、っぇ あぁう… ぅあん」
妙に猫っぽい声を上げながら、足をもぞもぞと擦り寄せている。
内股をさすり上げて、ショーツの真ん中を触った。
「ひぅんっ!」
喉を思い切りのけぞらせて高い声を上げる。
ネコのその部分はかすかに蒸れていた。
まったく濡れ方が足りない。
耳たぶを唇で食み、こめかみにも鼻の頭にもキスを落とし、唇を合わせる。
ちゅっと音をさせて離れると、その唇が
「初めてキスした……」
と言葉を紡ぐ。
「もっといいの、教えてやる」
うっすら開いていた唇に、もう一度自分の唇を重ねた。隙間から舌を入れると、
ネコの身体がびくりと跳ねた。
俺の肩にしがみついて、どうしたらいいのかわからないみたいに硬直してる。
舌を誘い出そうとしても、口腔内をぬるぬると舐め回してみても、微動だにしない。
「気持ちよくないか?」
すごく上手いわけでもないが、下手でもないと思っていたんだが。
「あぅ……」
ネコは困ったように目を泳がせた。
「なんで舌を入れるの?」
「そういうもんだから」
なんでだろ。考えたこともなかった。
ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて肌を吸い付けていく。胸の近くできつく吸い上げた。
「あ、あ! あぁう! んんんっ」
ばっちり残したキスマークに満足して、さらに下へとさがっていく。
臍の周りも舐め回した。くすぐったがって身を捩って大変だった。
脇腹は本当にくすぐったさしか感じないみたいで、これは開発の余地がある、
と渋い顔で告げるとネコはいつ開発する気だ、と挑発してきた。
ショーツを引き剥がす。
やはり濡れ方は少ない。
だからそこにも舌を這わせた。
「ひゃあああっ!」
素っ頓狂な、それでいて尖った悲鳴を上げて、ネコが尻でずり上がっていこうとする。
「こら待て。どこへ行く」
「そっ、そんなとこ舐めるな!」
「舐めてない」
どちらかというと唾液を垂らして濡らしてる。
「でも! やだ! 口でされるのやだ!」
「口じゃないならなにがいいんだよ? 初めてのくせにぐだぐだ抜かすな」
こっちはできるだけ痛くないように、って気を遣ってるんだから。
6617/9
「そっちこそ変な事しなくていいから、さっさとやれ!」
「変な事?」
「な、舐めたりとか……っ」
変じゃねーよ。舐めたり舐められたりは基本だろうが。
ああ、そんなこと教える暇も無いのか。
「わかった。じゃあもういい。やる」
「やれ」
情緒もへったくれもありゃしない。自分の先端から零れている液体を秘裂になすりつけた。
枯れ木も山の賑わいと言うが、こんなちょっぴりじゃ、焼け石に水のほうだろう。
抵抗のきついそこへ腰を落とし込みながら突き入れた。
ネコは、ぎにゃー、とか、うぎゃー、とかなんだかこっちの気分が萎えるような
バカバカしい悲鳴を上げて、大粒の涙を流しながらしがみついている俺の肩に
指先を食い込ませた。立てられるほどツメを伸ばしてなかったからだ。
「い…ッ」
「だから言ってやったのに」
「やかましいっ! 偉そうに!」
偉そうに、って。年の差を考えても俺が偉そうにしたって問題無いだろうが。
ひいひいと泣くネコを突いて突いて突き上げて、これでもかと揺さぶった。
やめろ、だったネコの声が、やめて、に変わる頃にやっと繋がりあってる部分が
ぐちゃぐちゃと音を立て始め、もう許して、と可愛い声が懇願する頃には
外はうっすら明るいし、白く濁ったぬめりのある液体まみれだし、時折尻が揺れ始めていた。
「ネコ」
「んぅ…」
中に出す、というのがどういうことかはわかっていた。
わかっていて――残したくてわざとやった。


泣き腫らした真っ赤な目をしたネコに見送られ家を出た。
さようならだ、ネコ。
便宜上の結婚だったとはいえ、この一ヶ月ネコはわりとそれらしい新妻ぶりを見せた。
ネコの母親のことは遺体になった後からしか知らないが、ネコの記憶では妻とは
こういう物だったのだろう。それまでの奔放ぶりはどこへやら、
かいがいしく俺の世話を焼こうとした。
経験もなく練習もしたことがないので失敗ばかりやっていたが、
めげもせずにメシの作り方も洗濯機の使い方も覚えていった。
読み書きも出来るようになってきている。
大丈夫だろう。
絶対大丈夫とは言わないが、大丈夫だろう。
未練はたっぷりあったが、概ね満足して俺は死地へ向かった。
最後までネコは俺のことを好きだなんて言わなかったし、俺も言わなかった。
そのほうがいい。
俺の残していく物がネコに必要なくなるときが来たら切り捨てることができるように。
そのためには、気持ちなんて伝えるべきじゃない。


手紙も出さなかった。
ネコからも来なかった。多分、ネコは俺がどこにいるのか知らない。
だからそれでいい。
既婚者のくせに写真も持っていないのか、とからかわれ、
そういうものに感傷を呼び起こされるやつはどんな映画でもたいてい
次のシーンで死んでる、と笑うネタにした。
そうして。
俺は死に損なった。