【三語のお題で】三題噺inエロパロ【エロを書け!】

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1名無しさん@ピンキー
ここは三題噺でエロいお話を書くスレです。

三題噺とは、与えられたお題三つを使って即興で話を作るという割と伝統ある創作の一形態です。
何でも、小説の練習をするには一番いいとか。……創作文芸板からパクって……げふんげふん。

1.基本的に、前の投稿者が決めた三つの語(句)を使って文章を書く。
2.執筆していたために遅れて、お題が次に移ってしまっても、勿体ないから気にせず投稿する。
3.お題が複数出た場合は、先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
4.分量はなるべく一回の投稿で終わる量に。形式から言って、超長編はかんべん。書きながら投稿なんて論外。
5.シリーズものを書きたいときは、それぞれの章を別々の三題噺で書くと良いかもしれない。
6.内容は基本的に自由だが、エロ推奨。エロくなくても、おもしろければそれでよい。内容が気に入らなくても叩いてはいけない。
7.一般的な性向を持つ人に不快感を与えるような内容や二次創作の場合は、マナーとして注意書きを。ただし何度も言うが叩いてはいけない。

このスレはみんなで仲良く楽しむスレです。あらゆる人を認め、追い出しや叩きなどはしないようにしましょう。
マナーやルールを知らない人には、やさしく教えてあげましょう。
ただし荒らしさんだけは華麗にスルーの方向で。
2名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 14:44:15 ID:/3bKSOUM
最初のお題って誰が出すんですか?
31:2009/01/17(土) 14:51:33 ID:FiVmoEt9
どうしましょう?
誰が出してもいいですけど。立てたものの責任として、なんか適当に……

「セーラー服」「大根」「不確定性理論」 とかが出てしまいました。辞書で適当に引いたら。

もしよろしければ上記のお題でよろしくお願いします。難しかったら、流してもらってもかまいません。
41:2009/01/17(土) 14:53:58 ID:FiVmoEt9
あ、違うっ。最後のは、「不確定性原理」だ!
すいません。散ってきます。
5名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 15:54:06 ID:H18J2MJY
前スレは……いつの間にか落ちてたのか
6名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 17:36:12 ID:UZRIGvG1
なんかこのスレも即死しそうな悪寒が……。
7名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 04:51:23 ID:0O+6LGeL
そんなことはさせたくない
8名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 15:45:52 ID:/X76fJGp
作品投下されるまで、保守れれば……。
即死って、一週間以内で三十レスでしたっけ。容量(KB)で判定されるとか言う噂も……。
9名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 03:41:21 ID:yiPxGWfm
とりあえず保守協力
10名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 07:16:02 ID:LpBZXrmL
保守協力協力
11名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 10:50:51 ID:sunk6UQe
「セーラー服、大根、不確定性原理」

夏の暑い日のことだった。
学校から帰ってきた私はセーラー服のまま。
扇風機の前に鎮座して、送られてくる風を身に余すことなく受けていた。
額にかいた汗が扇風機の風で冷まされるのが気持ちいい。
お母さんは、ついさっき買い物にいったので夕方までは帰ってこない。
今頃はスーパーで文明の利器の力を満喫してるんだろうな。
羨ましいとは思うけど、とてもそのためだけに外に出る気にはなれない。
あんまり暑いので冷えたお茶でも飲もうと思った。
冷蔵庫を開けると新聞紙に包まれて、何かが置いてあった。
何の気なしに開いてみると、中には大根が二本。
普通は野菜室に入れるものだけど、入りきらなかったんだろう。
双子みたいに甲乙つけがたい立派な大根だった。
二つの大きさを正確に測ることはできない。
こういうのを不確定性原理っていうんだっけ?
きっと、その時は暑さで頭がおかしくなってたに違いなかった。
入れてみればわかるんじゃないかな。
そんなことを素で考えてしまったんだから。
別に私が淫乱だとか野菜マニアだとか、そんな事実は絶対にない。
とにかく魔が刺したとしか言い様がなかった。
暑い最中、窓ガラスを閉めて、カーテンを閉めて。
本当に頭がいかれてたとしか思えない。
気がつくと、汗ぐっしょりで畳の上に寝転がっていた。
セーラー服が汗でべっとりと体にはりつくぐらい。
サウナの中でフルに運動したみたいなものだろうか。
検証はしっかりと行ったのか、大根は二つともぬるっとしていた。
とりあえず、その間のことは覚えてないし、思い出したいとも思わない。
冷静になった私は、大根を洗って急いで元に戻した。

その晩のおかずが風呂吹き大根で
お父さんが、この大根おいしいね、と言ったのを
私は、きっと一生忘れないだろう。
12名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 10:58:15 ID:FeFtxdxC
募集スレの求人見て来ましたー

・お題の使い方について
 例えば「大根」は「だいこん」が使ってあればいい(【大混】乱とか)のか
 それとも厳密に「大根」として使われなければいけない(最【大根】長とかもNG?)のか
 また、お題がちゃんと使われているか分かりやすいように強調などをしておいたほうがいいのか
・タイトル等の扱いについて
 個別スルーがしやすいように個々人でタイトルをつけたほうがいいのか
 それとも挑戦作品の抽出などがしやすいように
 お題を特定の書式でタイトルに入れたりしたほうがいいのか

前例を見ることが出来ず、そうした暗黙の了解がよく分からないのでスレに沿う形での投稿になるか分かりませんが
ひとまず露払いなどさせていただければと思います
今のところ「お題:」が特徴キーになるかと思いますので、NG等にご利用ください
では以下2レスほど使わせていただきますね
【セーラー服】っていいよなー、と思う。
制服マニアであるつもりはないけれど、こう、上着の襟やら裾やらから手を差し入れてむにむにする時の
この言いようのないイチャイチャ感はたまらないものがあるよね。
あえてチャックを開けずに侵入するのがポイント。
そこそこ余裕はあるけどでもちょっぴり不自由、そういうのがいいんです。
困難であるほど達成する喜びがある、障害があるほど燃え上がる。
ヒトってそういうものだと思うんだ。

「その最【大根】を求めるなら、極限を使ったほうが楽なんじゃないかなぁ」

背中から抱きしめるようにして耳元で囁いてあげる。いや、家庭教師ですから。
右手でおなかを抱き寄せながら、左手の指先は制服の裾から侵略開始。
キャミソール砦を越え、てのひら本隊はスポーツブラ平原に到達。
……平原とか実際に言ったら殴られるだろうなぁ。
でもささやかながら弾力があってやわらかい、このふくらみって素晴らしいものだと思う。
自分は巨乳好きのつもりだったけど、てのひらサイズもなかなかどうして。やはりおっぱいに貴賎なしだよね!
足の間にぺたんと座った教え子の胸を弄りながらそんなことを思うのでした。
だって演習中って暇なんだもの……。



初めて出会ったときの第一印象は、大人しそうな娘、だった。
勉強嫌いのようにも見えないし、むしろ今までの人生経験からすれば秀才タイプにしか見えない子。
物腰は落ち着いてるし、授業のノートだってちゃんと取っている。
とてもじゃないけど、下から数えたほうが明らかに早い成績の子だとは思えなくて困惑したものだ。

で、実際に家庭教師をやってみると分かってきた。
この娘、好奇心の強すぎる天才タイプなんだ。
授業で強調される本筋よりも、垣間見える脇道にばかり興味が引かれて授業に身が入らないという。
画一教育では掬い上げられないタイプ、というと偉そうだけれど。
要は脱線した脇道のサブ知識をちゃんと満たしてあげながら本筋に誘導すればいいというだけ。
一学期だけで万年潜航の原子力潜水艦が急浮上して学年30位以内に落ち着いたのだから、
親御さんの喜びようといったらそれはもう。
こうして顔パスになっちゃったくらい。

ただまぁ、言うは易く行うは難し。
こうした天才タイプを教えようと思うなら広範な知識が要求されるわけで。
驚異的な吸収力を見せる教え子を前に、今日はどんな脱線がくるのかと毎回怯えながらの指導でございました。
物理で光の粒子性といった話から【不確定性原理】にまで及んだ時なんて冷や汗ものでしたよ。
量子力学が特異とされるのは、状態を一意に記述できるマクロ世界で簡単に例示できるものではないから。
そんな現実的な例で示すのが難しいものを、自分も先日講義で習ったばかりという付け焼き刃の知識で
満足に教えられるはずもなく。
先人は言いました。
「分かったつもりになっていることと、人に教えられるだけの理解をしていることとの間には雲泥の差がある」と。
いやまったく。
そんなわけで大学で借りてきた本を頬寄せ合って読んだりと、いっしょに量子力学の勉強をしたりもしましたね。
「優秀な生徒を得ると、教師としての限界を感じるもんだ。それが苦しくもあり、楽しくもあるんだよ」
そんな恩師の言葉をこんなに早く噛み締めることになるとは思わなかった次第でございます。

今のような関係に至ったのも、決して私のせいではございませんのですよ。
軽薄な男は皆そう言う? いやいや、いやいや。
確かにかわいい娘だったし、ちょっとくらいは甘酸っぱいイベントとかもあるといいなぁ、
なんて期待がなかったといったら嘘になるんですけどさ。
ええとまぁ、彼女も思春期真っ只中の娘さんでして。
その強い好奇心はそっち方面にも枝葉を伸ばしていましてね。
それで誘われるままホイホイついていっちゃって……。
それだけ信頼してもらってるということではあるんだろうけど、年上の男が流されるままというのは、うん……。
男ってみんな種馬だよねと思うわけであります。私も例外ではなかったようで。
んっ、んっ、と時おり零れる吐息を楽しみつつ、彼女の胸の感触に酔い痴れる夏の午後。
腕の中には愛しい女の子、シャンプーの香りに包まれながら。
はー、下着越しにさわさわと撫で回してるだけなのにどうしてこんなに楽しいんだろうね。
クーラーが効いてる部屋なのに僅かにしっとりしてきたブラについ煽られちゃって、指先をそろそろとその内側へ。
てのひらに吸い付くような、かすかに汗ばんだ冷ややかな肌へこの手の温度を直に伝えるように。
そっと押し頂くようにして包み込み、やわやわと指を動かすこの瞬間の
その安堵とも満足感とも言えないこの感慨はなんだろう。何度経験しようと飽きないよね。
クーラーが効きすぎてるのか、それとも他人に肌を触れられてることによる緊張なのか、
固くこわばった先っぽへ不意打ち気味に指を走らせてみたりするのもまた愉しい。
ミルクをねだる子猫のような甘い声が上がるんだもの。そりゃくにくにしちゃったりもするさ。
そんなこんなで(一方的に)いちゃいちゃしていたら、いつの間にか彼女の黒瞳がこちらを見上げていた。
何かを求めるように潤んだ瞳。半開きの艶やかなくちびる。
吸い寄せられるように自然と唇を合わせていた。彼女もそれを拒まない。
突き動かされる情動。ああ、口づけを交わすこの瞬間だけは。
うん、キス魔になる人の気持ちが分かるような気がするんだ。

唇が離れたあとも、彼女はまだじっとこちらを見つめていた。
……あぁ!
どうやら演習ノルマは終わったよ、ということだったらしい。
拒否はされなかったし、これはムリヤリというわけではなかった……よね?
次いで彼女は身をひねりながらつい、と視線を自分のおしりの辺りへ落とした。
……ええ、言うまでもなくガッチガチになっていて、しっかり彼女のおしりに押し付けられておりました。
ちょっといたたまれない瞬間。
そして彼女は少しスカートの腰を浮かせ、左手のひとさしゆびで私のジーンズの股間をなぞり上げながら、
いつものように、まるで何かの儀式のように、

「……せんせ、わたしのこと、好き?」

そんな言葉を投げかけてくるのでした。



毎度のことだけど、剣が峰に立たされたような気持ちになるよね!
プレイボーイってほんとすごいって思う! こんなやりとりさえのらりくらりとかわしてしまえるんだから!
私みたいな小心者には絶対にできないよ!

ああ。彼女に向けるこの感情は、果たして一意に定義することができるものなんだろうか。

──愛おしい。かけがえなく大切で、失いたくない。

その想いの運動量は把握できるけれど。

──それは親愛? 性愛? それとも、ただの性欲?

この想いはどこに根ざしているのか、その座標がどうしても特定できなくて。
嗚呼、人の心にも不確定性原理。
今日も今日とて物の理の深奥を垣間見る、そんな今日この頃なのでありました。
助けて、アインシュタイン大先生!
15名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 11:03:35 ID:FeFtxdxC
以上です
リロードし忘れの挙げ句にノンブルミス、お恥ずかしい限りです

……えーと、次のお題はどうしましょうか?
16名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:18:19 ID:IHHAa1gw
ああ、先を越されてる…と思ったらお題の指定がないので
そのまま同じお題で投下します。

お題「セーラー服」「大根」「不確定性原理」
17名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:19:36 ID:IHHAa1gw
 目が覚めると少女は俺にしなだれかかるように体を寄せていた。
 少女の身を包むセーラー服を最後に洗ったのはいつだろうか。
 彼女が転がり込んできてからというもの、俺の生活リズムに狂いが生じたのはいまさら確認するまでもない事実だった。
「起きた?」
「また変な夢を見た」
「ボクのせいかな」
「イエス、と答えてもどうせおまえは家に帰らないだろうからノゥと言っておく」
「ふふ、じつに誠実だね、キミは」
 少女は変わっていることに自分のことを“ボク”と呼び、五つ以上も年上である俺のことを“キミ”と呼んだ。
 芝居がかった口調であるにもかかわらず、男のように後ろ髪が短く、どこか人と違う場所を見ているような虚ろな瞳の少女には逆に似つかわしく感じた。
 見た目からして違和感のある少女には違和感のあるしゃべり方が似合っている。彼女自身はそのしゃべり方をとくに変だとは思っていないようだった。
 不思議な雰囲気の少女はかってに俺の下宿に居候を始め、まるで出ていくつもりがなさそうだった。
 何週間も人の家にあがりこみ、平然としていられるなんて普通じゃない。それを許す俺も俺だが、彼女の居候を無下にできないのにはささやかな理由があった。
「あ、今朝もキミはこんなにして、まるでボクの愛撫を心待ちにしていたみたいだ」
「これは生理現象というやつだ。寝起きの男なら誰でもこうなる」
 少女は俺の膨張した下半身を静めるように、優しげな手つきで撫ではじめた。
 下着の上からでもやわらかい感触が伝わってくる。寝起きでワイルドな俺は少女の白い指先の動きに身を任せていた。
 筋張った箇所をくすぐられてむずがゆい感触が背筋を駆け上がった。
「ボクの指がいとおしいんだね。わかるよ、ボクも待ち遠しかったもの」
「おまえは、いや……」
 問おうとした内容は少女の素性を探る言葉だった。
 おそらく訊ねたところでまともな回答は得られないだろう。それは幾度となく繰り返された質問だった。
 名前も住所も分からない。それでいて俺のファンだと一方的に名乗ってくるのは卑怯だった。誰も自分のファンをないがしろにしたいとは思わないのだから。
「どんどん熱くなってる……。この硬さと熱さを調べようにも不確定性原理によるなら揺らぎのない値は算出できないのだろうね」
「またお得意の哲学か」
「ちがうよ、量子力学さ。大学生ならシュレディンガーの猫くらい聞いたことあるでしょう?」
 哲学も量子力学も似たようなものだ。日本史を専門にしている俺にとってはファンタジー映画に出てくる魔法使いが唱える呪文と同じくらい耳慣れない単語だ。
 少女は頻繁に小難しい言葉を持ち出しては何がおかしいのか、笑顔で俺の下半身を愛でるのだった。
18名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:20:46 ID:IHHAa1gw
「そのナントカ原理を応用すればおまえが家に帰るように仕向けられるかな」
「うん、無理だね。すべてを受け入れたほうがキミのためだよ」
 少女は俺にまたがり、スカートの内側で二人の下着をこすりあわせた。
 俺の硬くなった部分が少女のやわらかい部分に食い込み、擦れ合い、擬似的な挿入感によって快楽が増していく。
「おまえは俺のこと知っているのに、これって不公平だと思わないか?」
「ボクはキミの大根なところを気に入っているんだ。気を悪くしないでくれよ? キミはお世辞にもいい役者じゃないんだから、数少ないファンであるボクの言うことは聞いておいたほうがいいわけさ」
 暴論ではあったが俺のおそらく唯一といってもいいファンの言葉は絶対だった。
 こすりつけられる快感に息があがる。酸素を求める俺の唇に少女のそれが吸い付いた。
 唾液を流し込まれ、仕方なく飲み干して空気を吸い込む。擦り上げられ、のぼりつめる心地に腰が砕けそうだ。
「ほら、ボクのなかに出すんだよ。目一杯出して、ボクを孕ませてごらん」
 下着越しに感じる女性器のぬくもり。
 俺は名も知らぬ少女に種付けする空想を描きながら射精した。断続的に精を吐き出し、くたびれたところに少女の罵声が降ってきた。
「たったこれっぽっちでボクが満足できると思うのかな? キミは壊れるまでボクを犯しつづけないといけないんだ。さあ、はやく大きくして、ボクを満足させてくれたまえ」
 少女は腰をくねらせ、まるで暴れ馬を乗りこなそうとするウェスタンヒロインのように俺の下半身を刺激した。
 俺は頭がおかしくなってしまったのかもしれない。毎日、少女のような形をした悪魔的な何かが俺に取りつき、精力をむさぼり喰らっていく。
 これがひどく写実的な夢だったとしたら俺ははやく夢から目覚め、大学の講義に出て、サークルの仲間といっしょに次の演目の練習をしなければならないのだ。
 だが俺の下腹部にある分身はリアルでやわらかい圧迫感にやられてすっかりできあがっていた。
 俺の上で暴れるセーラー服に、そのスカートの内部に囚われてしまっている。
 俺はオスとして少女に敗北していることを悟った。
「キミはボクのために踊るんだ。デウス・エクス・マキナが現れるその時まで、キミはボクの言いなりだよ」
 少女は屈託のない笑顔で唇を押し付けてきた。
 間近で見つめ合った少女の瞳に吸い込まれ、俺は頭のどこかで彼女のことをかわいいかもしれない、と思った。


 おしまい
19名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:23:24 ID:IHHAa1gw
以上です。読んでくれた人に感謝。
楽しんでもらえたら幸い。

次のお題は自分が決めていいのかな…?
よろしければ「水着」「チョコ」「二度」でお願いします。
20名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 20:09:54 ID:YFwGTo0A
>>15 >>19
どっちも面白かった!!
GJ!GJ!!
21名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 20:14:30 ID:KZ1+nv8R
>>11
>>13
>>17
まとめてGJ!いいね。おもしろかった。
22名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 23:26:08 ID:/Si6aJ0A
お三方GJです!
23「水着」「チョコ」「二度」:2009/01/22(木) 05:46:31 ID:ih5hvxH6
バレンタインデーまであと三日。
私は今、準備の真っ最中だ。

「よし、これでチョコはいいかな?」

指でペロっと生クリームを混ぜたチョコレートの味見をする。

「うん、おいしい♪」

甘さもほどよく、柔らかさもいいかんじだ。
それを塗るはけを準備して――
『……の最高気温は五度、最低気温は二度となっており、明日も寒い一日になるでしょう』
つけていたテレビからそんな声が聞こえてくる。

「うわぁ〜 明日も寒そ〜」

私、寒いの苦手なんだよな〜

「やっぱ、水着も用意しようかな……」

いやいやと頭を横にブンブンと振る。
そんな軟弱なことでどうする。寒さなんて気合いでカバーだ!

「よっし!」

気をとり直して準備を進める。

「あとは……私が入れる大きさの箱を用意して――」



私の『セルフコーティングチョコ』の完成はもうすぐそこだ。
24名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 19:31:20 ID:MZIdkO8s
>>gj は、反応速っ!
25名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:34:37 ID:OZ5C+Uw6
こんないっぺんに読めちゃっていいんだろうかw
26名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:51:51 ID:xj+b664G
何というか、感激です……。
まさか、あの無茶なお題で三人もの方が書いてくださるとは……!
一時期、自分が適当に出したお題のせいでいきなりスレがつぶれるかと思いましたがorz

 みなさん、とてもGJです!

>>11 簡潔な文体の中ににじみ出てくるようなエロスを感じました。大根が二本と言うところが、また何とも……。
>>15 大根を最大根で使うとは、アイディアがすごいです。また、文中の冗句もおもしろくて、教え子さんがかわいいw
>>19 これはもう、何とも言えないです。洗練された文体と言い、少女の妖艶でミステリアスな所と言い、異様に魅力的な作品でした。
ところでもしや、これはデモンベ……こほん。次のお題もありがとうございました。

そして、
>>23 反応の速さがすごいです。お題を出されてそうぱっと書ける能力がうらやましい……。女の子のかわいらしさが出ていて良かったです。

1があまり出しゃばってもあれなので、私はこの辺で退去します。
ただ、感謝と謝罪を伝えたかったので。また、保守に協力してくださった皆さんも、ありがとうございました!
27名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:55:01 ID:xj+b664G
あと……、ちょっと蛇足です。

このような無数の名作の後ではお目汚しにしかならないと思いますが、
「このままスレがつぶれるくらいなら、自分で出したお題を自分で消化して保守してしまえ!」と超絶外道なことを考えて
書いてしまった駄文があるので、投下させていただきとうございます。
消そうかなとも迷いましたが、一応がんばって書いたから、やっぱりそれはちょっと切ないので。

一個前のお題ですが、「セーラー服」「大根」「不確定性原理」です。
28名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:58:17 ID:xj+b664G
「うぬー。意味不明だ。難しすぎる……」
「何が難しいの?」
「……て、うおあ!!!」

 机でパソコンに向かって唸り声を上げる俺に、空中に浮かんだ大根が話しかけてきた。
 思わず椅子から転げ落ちる。
 よくよく見ればこれは煮物にしようと昨日スーパーで買った……ではなくて、大根が話しかけてくるわけない。
話しかけているのは、腹話術の人形のごとく大根を手に持ってこっちの顔に向けてきている一人の少女だ。
 年の頃は、まだ思春期に入ったばかりと言うくらいか。まるで美術館に飾られている等身大の西洋アンティークドールのように
整った容姿をした、非常識なまでの美少女だった。
 彼女をだいぶ見慣れているはずの俺でさえも、不意に出てこられると思わず呼吸が止まってしまう。
 もしかしたら、彼女を天使だと言っても疑うものはいないかもしれない。それほどまでに美しかった。
 まるで黄金を紡いで糸にしたような、美しい金色の髪。染み一つ無い透き通るように白い肌に、少女らしい柔らかな曲線の描いた頬、
透明感のある桜色のくちびる。そして、高純度のサファイアのような澄んだ青の大きな瞳。そのあまりにも整いすぎた容姿は、
少女に幻想的な雰囲気を帯びさせていて、少女の周りだけ世界が違うように感じるほどだ。
 唯一の難点と言えば少々無表情な所か。だが逆にそれが彼女の美貌の完璧さをよりいっそう際だてているとも言える。
 そんな少女が着ているのは、近くの中高一貫お嬢様学校のセーラー服だった。どうも、学校の帰りに直接こっちに遊びに来た
らしい。といっても、彼女の家は隣だが。
 ……あと、対外的には非常に言いにくいのだが、彼女は俺の恋人だった。

「いや、不確定性原理の意味が分からない。それ以上になぜお前が大根で話しかけてくるのかが分からない」
「ふーん。じゃあ、不確定性原理については私が教えてあげる。それから、大根言うな。私はジョセフィーヌ」
 無表情に言う人形っぽい少女。
 ジョセフィーヌというのは、いつも彼女が胸に抱いて腹話術に使っているお人形さんのことである。
普段はフリルのたくさん付いた少女趣味な服を着ていることが多い彼女が人形を抱いていると、
人形が人形を抱いているみたいでちょっとほほえましいのだが、今は大根なのでとてもシュールだ。
 どうしたのだろうか、ジョセフィーヌ。たぶん、虫干しか洗濯中か家に忘れたかのどれかであろう。で、人形がないと
落ち着かないから人の家の大根を勝手にパクっていると。
 よりにもよってなぜに大根。
 まあ、あまりそこをつつくのもあれなので、スルーすることにする。
「で、詩歌は不確定性原理の意味が分かるのか? この間まで小学生だったくせに」
「……愚問。量子力学においてある二つの物理量たとえば、一個の粒子の運動量と位置などは、一方を正確に計ろうとすると
他方が無限大に不正確になるため、同時に正確に測定することは出来ず、どうしてもある程度の不確定さを伴ってしか語る
ことが出来ないという原理。運動量と位置の不確定さの積は必ずプランク定数の……」
「すまん、意味分からん」
 そういや時々忘れそうになるが、彼女は天才だった。
 だいたい、俺が大学に入れたのも彼女が勉強を時々教えてくれていたのが大きい。だが、少し考えてみてくれ、いくら
結果的にそこそこ胸を張れるレベルの大学に合格したとはいえ、小学生に教えられながら受験勉強した俺の気持ちを。
 ……まあ、当然、純粋に受験勉強だけをしていたわけではなかったのだが。
29名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:59:11 ID:xj+b664G
「むぅ。もう少し解りやすく言うと、ちっちゃい世界はてきとー」
「適当すぎるわっ! それはそうと、いちいち大根使うの止めてくれ……。大根に勉強教えられているみたいで、なんか切なくなる」
 小学校卒業したての奴に教えられるのとどっちが情けないかは考えないでおく。
 彼女は俺の言葉に無表情にうなづくと、スカートをつまみ上げ、何の脈絡もなく、床に転がる俺の膝の上に乗ってきた。
そのまま、仔猫が飼い主にじゃれるように俺の胸元に向かって頬をすり寄せる。
 無表情のまま甘えられると、何とも言えない妙な矛盾を感じるのだが、もういい加減慣れた。
「つまり、不確定性原理とは、世界は割とあやふやな状態で存在しているので確率的にしか論じることが出来ないと言うことを意味している。
しかしこれは実際に世界は確定した状態で存在するが、人間が正確に測定できないために確率的にしか論じられないわけではない」
「はあ」
「これに関連して、興味深い話がある。二重スリット実験と、シュレディンガーの猫。教養として知っておいても損はない……ん」
「……ん?」
 そう言いながら、詩歌が顔を上げる。間近にある究極的なまでに整った顔にどきりとする間もなく、口づけられた。どうも
キスがしたかったらしい。
 少女のやわらかく温かいくちびるの感触と、ふわりと漂ってきた甘いような香りに、少し思考がぼやける。
「……二重スリット実験とは、電子を撃ち出し、二つの細長い穴が付いた板を通して、スクリーンにぶつけて跡を残すという実験。
詳しい説明は省くが、その干渉などの結果から、観測者が観測するかしないかが対象に大きな影響を与えると言うことが解った。
つまり対象は観測されるまでは全ての可能性が同時に存在している特殊な状態にあり、観測されることで初めて一つの可能性が
選ばれる。これを波動関数の収束という」
 どうでもいいが、しおらしく甘えるか偉そうに説明するかのどちらかにして欲しい。
 ちょっとカオスだ。
 ただでさえ説明の意味がほとんど分からないのに。あ、しかも気が付いたらまた大根持ってるし……。
「シュレディンガーの猫とは……ぁ……こほん。この二重スリット実験の不条理さを巨視的に理解できるようにした
思考実験」
 ほんのちょっとだけ聞こえた「……ぁ」と言う声は、俺が詩歌の首筋に口付けたからだった。詩歌は少し恥ずかしかったのか
頬だけを赤く染め、非難するようにこちらを一瞬見たが、すぐに説明を再開した。
 年上の威厳のかけらもないので、こういう所くらいでは反撃をしないと。いや、全然威厳の回復になって無いどころか、
さらなる失墜を招いているような気がしないでもないが。ただでさえ近所からはロリコン扱いなのに。
「たとえば、半減期が一時間の放射性元素をスイッチとした毒ガスの発生装置と猫を同じ箱に入れる。一時間後には、五十パーセントの
確率で放射性元素はα崩壊を起こし、毒ガスが発生して猫は死ぬ」
「えらく非道いことをするな……」
「大丈夫。思考実験つまり仮定の話だから猫は死なない。何なら代わりにシュレディンガーという人間を箱の中に入れてもいい」
「よけい非道いわっ」
 とりあえず、さっきからずっと大根に驚いて椅子から転がり落ちた体勢のまま詩歌に甘えられているため、何だか少女に
押し倒されているみたいな情けない格好になっているので、そろそろ起きることにする。
 少女もついでに抱き上げると、当然のように俺の首に手を回し、遊園地で親に甘える子供みたいにべたーっと抱きついてきた。
 そのまま歩いていって、ベッドにでも座る。……他意はない。ただ単に広いから。
30名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:00:35 ID:xj+b664G
「しかし、この放射性元素にも不確定性の原理が適応されるため、一時間後、観測するまでは、α崩壊が起きた状態と
起きなかった状態が一対一で同時に存在していることになる。つまり、それによって毒ガスが発生するため、ガス室に入れられた
シュレディンガー博士も観測するまで生きている状態と死んでいる状態が重なって存在することになる。そして、観測して初めて、
つまり誰かがガス室の扉を開けて初めて、波動関数が収束し、生きているか死んでいるか決まるという。不条理」
「確かに不条理だな。シュレディンガーの扱いが……」
 かわいそうなシュレディンガーさん(誰)。詩歌の適当な思い付きでガス室に入れられてしまった。
 というか、何でシュレディンガーがガス室に入れられる話をしていたのだろう。確か、一個を正確に計ると、もう一個が正確に
測れなくなるとか言う不確定性原理の話をしていたはずだが……。まあ、どちらにしろ小学校卒業したての少女と
いちゃいちゃしながらする類の会話ではないことは確かだ。いろんな意味で。
「結論として、観測されるまではあらゆる可能性が不確定であり、観測することで初めて結果が決まるという、近代以前の
主観と客観が分離していない時代の、人間中心的な考え方が最先端の物理学から導き出されるという、また不条理。実に興味深い」 
「そうだな。確かに、興味深い。だが、やっぱりお前らみたいな天才の考えることは難しすぎてよく解らん」
「これくらいは理解してもらわないと困る。仮にも貴方は……ひっ」
 今の「……ひっ」というのは、俺がさりげなく詩歌のささやかな胸を触ったせいで。ああ、ダメだ、もう、いろいろな威厳の失墜は
免れないぞ。が、詩歌の反応がおもしろいから止めるつもりもない。
「んっ……うぅ……ぁぁ」
 敏感なのか、微妙に涙目になりながら、逃げるように華奢な身体をよじる詩歌を見ると実にほほえましい、そしてちょっと
背筋がぞくぞくする。ああ、相変わらずかわいいな。胸もやわらかい。あまりないけど。
 話が終わったようなので、そのまま詩歌をいじることにした。
 しばらくベッドの上でもぞもぞしていると、
「……うー」
「すねるな、すねるな」
「そうじゃない……。人が話しているときに貴方があまりにもちょっかいを出すから、ちょっと催(もよお)してきた。
……その、責任を取ってもらいたい」
 相変わらず無表情だが白磁のような頬を赤くして、澄んだ青の大きな瞳を目をそらしながら言う。
 もちろん、そんなことを言われて、正気でいられる訳はなかった。
 気が付けば、詩歌の着ているセーラー服に手をかけている自分がいた。
31名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:01:19 ID:xj+b664G

 そうして、約一時間後。



「……そういえば」
「ん。なんだ? まだなんかあるのか」
「私はこの間、生殖機能を獲得した」
「……は?」
「つまり、初潮を迎えた」
 性交の後の興奮で少し紅潮した人形のような美貌からゆっくりと視線を下ろし、乱れたセーラー服を経て、
まだ繋がっている少女と自分の結合部に視線をやる。
 そこは溢れた白い何かでドロドロになっていた。あのあと結局三回もしたんだから、当たり前と言えば当たり前だ。
お互いが少し身をよじるだけで、くちゅりと音がする。
「というわけなので、今回から性行為をした場合、妊娠するかどうかは不確定。……観測するまで解らない」
「そ、そ、そう言う大事なことはもっと早くに言えーーーー!!!」

 落ちのつもりだろうか。
 満足したようにちょっと微笑む少女の笑みが、天使ではなく小悪魔の笑みに見えたのは気のせいではあるまい。




 ちなみに、ジョセフィーヌが虫干しから戻ってきたので、あの大根はおでんにして食べた。
 赤飯とおでんの組み合わせはどうなのだろう……。
32名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 23:56:42 ID:gYsIG3m1
GJ!
人物描写が簡潔で具体的ですね

ところで皆さん次のお題は?
33水着チョコ二度(1/3):2009/01/25(日) 02:45:37 ID:TV+lMEqk
キッチンタイマーが鳴る寸前、昴さんが止めた。
真冬だというのに上半身は裸で、セパレートの水着の上だけ着けている。
その水着が、胸を覆う白いギブスを落ちないように止めていた。
でも、昴さんが無造作にブラを外しても、すっかり固まった薄いギプスは、
大きな乳房を美しい形そのままに包み込んだままだった。
両脇から指を入れ、注意深く空気を入れると、やっと型から抜け出して、
少し赤くなった乳房がギブスからこぼれ落ちて揺れた。
ぼくはお湯で絞ったタオルを渡し、昴さんが、型取り材の屑が残る肌を、
ごしごし拭くのを見守った。
「北斗、洗って」
タオルの中で揉まれてる胸をずっと見ていたかったけど、見透かしたみたいに
昴さんが言った。
ぼくはしぶしぶ、外されたギプスを手に、キッチンシンクに向き直った。

うちは中高一貫のでかい学校なのだが、偶然というのは起きるもので、
去年ぼくが美術部に入部したとき、現役部員は高等部の昴さん一人だけだった。
しかも顧問の先生がほとんど放任状態で、ぼくらたった二人の美術部員は、
学年や性別を超えてすぐに親しくなった。
ぶっちゃけ、ぼくらはお互い好みのタイプだったのだ。
冬休み、部活動(とセックス)からの帰り道、バレンタインデーに、乳房を
型どりしたチョコを量産して売ろう、と変なこと言い出したのは、昴さんだった。
女の子たちに、である。
「大きさでバレませんか」
「おっぱいチョコを貰って喜ぶような男がさあ、ガールフレンドの胸の大きさ
把握してると思う?」
「‥‥そうかもしれませんね」
プレゼントされる男たちがかわいそうになった。
昴さんは、両腕を頭上で組んで、豊かなバストを誇らしげに突き出した。
「少しぐらい夢を見せてあげたっていいじゃない」
34水着チョコ二度(2/3):2009/01/25(日) 02:49:43 ID:TV+lMEqk
というわけで、バレンタインデーの前の週、昴さんの家が留守の間に、
ギプスとチョコの材料を持ち込んだのだった。
ぼくは、うっとりするような胸の形が陰刻されたギプスを、壊さないように
慎重に洗いながら、さっき、昴さんが、一番いい形に型が取れるのはどれだろうと、
上半身裸のままいろんなポーズをとってたときのことを思い出していた。
ベッドに仰向けになってちょっと平らになったのとか、四つんばいになった時の
下に思いきり突き出したのとか、うつ伏せになった胸の両側にはみ出したのとか‥‥
「どどどれもすっごく美味しそうですよ」
「よだれ拭きなさい」
結局、普通にしてるときのが無難だろうということになり、ベッドに腰掛けた
昴さんの胸に、ぼくはハンドクリームをたっぷり塗って、その上に、お湯で溶いた
型取り材に浸したガーゼを隙間なく貼っていった。
その手触り‥‥
「壊しちゃダメよ」
いつの間にか昴さんが背後にぴったりくっついていた。
残念なことに、もう服を着てた。
でも、その手が、ぼくの前の、下の方に回って‥‥
突然だが、ぼくは下半身裸だった。昴さんが脱ぐときに、不公平だからって、
ぼくにも脱がせたのだ。
寒いのでTシャツは着てるけど、後はエプロン一枚で、その中に滑り込んだ柔らかい
二つの手のひらが、ぼくを包み込んだ。
「勃ってる」
「だって‥‥思い出しちゃって」
すこし冷たかった昴さんの手がすぐに暖まるくらい、ぼくのあそこは赤熱していた。
「ねえ‥‥ちょっと思いついたんだけど」

ぼくは、裸でベッドの上に横たわり、昴さんの胸に顔を埋めるようにして、
おっぱいにむしゃぶりついていた。両手で乳房を束ねるように掴み、両方の乳首を
一度に口に含んで、舌で転がして感触を楽しんだ。
苦しい。
昴さんの方が背が高いから、ぼくに乳首をあてがったまま、体を丸めたぼくのお尻に
手が届く。
ぼくは昴さんの指にお尻の穴を犯されていた。
お腹の中の、すごく気持ちがいいところを、昴さんに捏ねられて、何度も射精しそうに
なった。
でも、ぼくのペニスは、根元を、射精できないように縛られている。
ペニスは、陰毛を巻き込まないための穴を開けたガーゼを貫き、その上でギプスに
包まれていた。
ぼくは、絶頂寸前にまでエネルギーを注入されたまま、解放することを許されず、
ずっとハンマーのような快感に責めさいなまれている。
「固まるまでしぼませちゃダメよ」
ぼくは思いきり吸っていた乳首を離し、喘ぎながら何か言った。
すごく恥ずかしいことみたいな気がするけど、性感のほかに何もなくなったように
意識が薄れていて、思い出せない。
昴さんが遠くでクスクス笑ってる。
それから、ぼくのお尻に指を突き立てたまま、体の向きを変えて、あそこをぼくの
顔にこすりつけてきた。
35水着チョコ二度(3/3):2009/01/25(日) 02:54:11 ID:TV+lMEqk
「北斗、すごかったよ」
昴さんの顔からおっぱいまで、ぼくの精液でべとべとに汚れていた。
ペニスの根元の拘束をほどいたとたん、ぼくはギプスの中に射精してしまい、
行き場を失った精液がギプスの入り口から噴き出して、ぼくの股座はひどいことに
なっている。
ところが、昴さんがギプスを取り外したら、とつぜん二度目の射精がほとばしったのだ。
「我慢するの、好きなの? それともお尻?」
「関係ないですよ」
ぼくは精液まみれの昴さんを引き寄せてキスをした。
(好きなのは昴さん)

ギプスに石膏を流し込んで雄型を作り、さらに石膏雌型を作って、できたチョコの
サンプルを学校に持ち込むと、十個以上も注文が集まった。
しかも、自分の胸を型取りしてほしいという注文がそれ以上にあった。
材料代や手間賃をふっかけたが、それでも自分の胸のほうがいいという女の子が
多かったのだ。
よかったですね、ボーイフレンドの皆さん。
お金の使い道を考えて、ホクホクしながらの帰り道、昴さんが突然言った。
「‥‥北斗も、あのチョコ欲しい?」
「本物の方がいいです」
「そうよねえ」
昴さんは鞄の中から白いゴムのような棒状のものを取り出した。
なんだか見覚えがある。
「あっそれ、ぼくの」
「学校で会えない時入れてみたりしたんだけど、やっぱり私も本物のほうがいいな」
道端に放り捨てようとするのを慌てて止めた。
「やっやめてくださいよ! 誰かが拾ったらどうするんです」
「北斗のだなんてバレるわけないでしょ」
「使われちゃうかも知れないじゃないですか」
「まさか‥‥でもそうね。コピーでも、北斗は私だけのものだしね」
そう言って、手にしたぼくのコピーの先っちょをペロっと舐めた。
それから、どこかで聞き覚えのある声で、クスクスと笑った。
36名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 10:01:00 ID:1GpPBFVI
 職人募集スレを見て、面白そうな企画なので何ぞ支援をと
必死で一本こさえてる間に何と言う投下ラッシュ。
 そんな中に素人が割り込んで良いのだろうかと思いつつ、
折角なんで置いて行きます。

 以下2レス拝借。お題は「水着」「チョコ」「二度」。
37お題「水着」「チョコ」「二度」:2009/01/25(日) 10:04:50 ID:1GpPBFVI
 「あぁ! 俺は今、猛烈に感動しているっ!」
 とあるワンルームマンションの一室で、男は感動に打ち震えていた。
「なっ、何をそんな大袈裟な……こんな事で感動しないでよ」
 男の前に立ったエプロン姿の女は困り顔で言う。
「だってさ、小さい頃からの夢がようやく現実になったんですよ? 嬉しくないはずが
無いじゃないですかぁ」
「嫌な子供ね。じゃ、お鍋の支度するから、そこで大人しく待ってなさいよ」
「はいはい、待ってますよぉ〜」
 男はいそいそとコタツに入り、キッチンに立つ女の後姿を見る。
 女は赤いエプロンの下に紺色のビキニしか着けておらず、高く纏めた黒髪と着衣の
鮮やかな色が、彼女の肌の白さと成熟した肢体の柔らかな輪郭を強調している。
『そんな恥ずかしい真似は出来ない』
『冷え性が辛いんだけど』
『風邪引いたら責任取ってくれるの?』
 などなど、真面目で恥ずかしがり屋な年上の彼女を拝みに拝み倒し、
『……裸は嫌だけど【水着】なら……』
 と、ようやく実現した野望であった。
(うは〜幸せっ。生きてて良かったぁ〜)
 天板に顎を預けて至福の表情を浮かべる男を、女はちらりと振り返る。
(恥ずかしいなぁもう。何がそんなに楽しいのかしら?)
 顔を真っ赤に染めながら、女はフルーツを切り分けて皿に盛る。
 今日のお昼は【チョコ】レートフォンデュ。
『ほら、バレンタインデーが近いから近所のスーパーにチョコレートが一杯並んでて、
横にあったフォンデュ鍋と一緒に衝動買いしちゃったんですよ〜』
 正月太りを気にしてダイエットしていた−−それもあって裸エプロンを拒んでいた訳
だが−−彼女にとって、糖分と脂肪の塊であるそれは不倶戴天の敵であったはずだが、
男の笑顔に押し切られ、冷蔵庫の中の果物を総動員して作る事になってしまった。
(……何で断れないのかなぁ私)
 鍋の中のチョコレートを溶かし混ぜながら女は思う。
 去年の春、彼女が預かるパン屋のアルバイトに彼が応募して来た時から、彼には調子を
狂わされっぱなしだ。
 志望の動機を聞いたら『はい、店長さんに一目惚れしました』などと臆面も無く
のたまい、人手不足で仕方なく雇ってみれば仕事に恋に全力投球。
 就職以来仕事一徹で浮いた話一つ無かった彼女が、若者の猛攻に敢え無く陥落し、今、
こうして間抜けな格好でキッチンに立っている。
(相手は大学生よ? 私と八つも違うのよ? なのに何で……)
 恥ずかしさと情けなさを紛らわそうとぐりぐり鍋を掻き混ぜていた彼女は、不意に首筋
に生温かい風を感じ、びくっとなった。
「志奈子さ〜ん、まだですかぁ? 俺もう待ち切れないんですけど〜」
「まだよ、大人しく……って、こら! 何してるのよ!」
38お題「水着」「チョコ」「二度」:2009/01/25(日) 10:08:52 ID:1GpPBFVI
「いや〜、志奈子さんのまん丸いお尻を見てたら、だんだんと別の欲望がですね、食欲を
上回りそうな勢いなのですよ」
 男は女を後ろから抱きすくめ、エプロンの下に両手を差し入れて豊かな双丘をむにむに
と揉みしだく。
「ちょっ……もう! 危ないじゃないの!」
「気にしない気にしない。あ、チョコ焦げてませんか?」
「えっ?」
「隙あり!」
 鍋に気を取られた隙に、男は女の体を抱え込んだ。
「ひゃっ!?」
 突然甘い痺れが背中を駆け上り、体がびくんと震える。
「あれ〜? まだ何もしてないのにぬるぬるしてますよ、ここ。ひょっとして期待
してたんですか?」
「そっ、そんな事、ある訳……やっ! あんっ!」
 女は腕を振り解こうとするが、一回り大きな男の腕からは逃げられず、エプロンの下で
もぞもぞと動く指に鼻掛かった悲鳴を上げる。
「ん〜志奈子さん可愛いなぁ。食べちゃいたいくらい可愛いです。て言うか食べます。
いただきま〜す」
 男は女の敏感な部分をいじりながら耳たぶを甘噛みし、首筋を舌でなぞる。
「あぁっ! やめっ、だめぇ……っ!」
 最早逃げられない事を悟った女は、せめてコンロの火を消そうと、かろうじて動かせる
右手を伸ばすが、押し寄せる快感の波に力が萎え、くしゃりと崩れ折れてしまった。
「……志奈子さん」
 興奮冷めやらず喘ぐ女の横に膝をつき、男はコンロのスイッチを切った。
「このままガッツリいただいちゃってもよろしいでしょうか?」
「……駄目って言っても聞かないくせに」
「まぁそうですけど」
 全く悪びれた様子の無い男に、女は大きな溜め息をつき、視線を逸らした。
 胸の中にあるのは若い恋人に対する諦めと、求められ高められる事の喜び。
 相反する思いに今日も流され、彼女は抵抗を諦めた。
「……一度だけよ。料理が駄目になっちゃうから」



 しかし、若い欲望は一度では収まらず、【二度】三度と求めた結果、料理はお八つ時を
も過ぎてしまい、風味の落ちたそれを食べながら「今日の失敗を教訓に当日は女体盛りで
行きましょう」と言った男をどつき倒した女であった。



39名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 10:19:58 ID:1GpPBFVI
 ども、お粗末さまでした。

 ところで、前の方がお題を出してらっしゃらないんですが、
次のお題を出すのは何日か待った方がよろしいでしょうか?
 こう言うスレに来る事が余り無いので勝手が今一分からない
のですが、余り次々出すと収拾が付かなくなりそうなので。
40名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:09:31 ID:g5P7o9Dv
>>39
GJです。なんとなくエロくて面白かった。
お題は>>1の1でいいんじゃないですか。
前の投稿者が忘れてるなら、あなたがだすべきかと思います。

創作文芸のは、読み手側からお題を出してるらしいね。
怖い方の三題話は、今は知らないけど、お題だけで連載作ってる人もいたね。 
41名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 21:19:08 ID:t2YfcyvP
>>1の3もあるからゆるく考えればいいかと

どれもこれも面白いですGJです
人によってまったく違う解釈をしてキーワードを使っているのが面白いね
じつに興味深い
42名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 23:46:28 ID:Puzsby6+
皆さんGJ!!!
参加出来るものならしてぇ〜
43名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 06:43:57 ID:coaoqamW
面白いスレだね
職人さん募集あげ
44名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 19:11:57 ID:SsMcIJLW
俺は>>23なんだけど他の作品も読みたくてお題を出さなかったんだ。
けどそろそろ一週間。明日になったら俺が次のお題出すけどいい?
45名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 19:45:04 ID:MUSlHQgu
いいんじゃない?
46名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 22:56:34 ID:coaoqamW
おkおk
47名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:26:30 ID:pxlolKdj
新しいお題が出てもしばらくは投下出来るんだよな?
4844:2009/01/28(水) 01:19:04 ID:ZXIaD4HR
>>1の2があるから書き上げた以上は気にせず投下するべきだと思う。

あと水曜になったし一応お題を出します。
「猫」「雪」「さんぽ」の三つでよろしく。
49名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 05:58:29 ID:xfv97BQo
投下します。
お題は「猫」「雪」「さんぽ」、エロなしです。
50名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 06:00:06 ID:xfv97BQo
 二月も下旬を迎え、冬が終わろうとしていた。
 降り積もった雪は日を追うごとに大地へ染み込み、すぐそこまで春が来ていることが窺えた。
 僕はチャーハンで膨れたお腹をさすりながら縁側に横になった。昼下がりのうららかな日差しが心地いい。
 高校生にしては年寄りくさいかもしれないが、僕はひなたぼっこが大好きだ。
「美雪さん美雪さん、食後のお茶を一杯所望したいですじゃ」
「食べてすぐ横になると牛になっちゃうんだよ?」
「僕が牛になったら美雪とおそろいかもね。それも悪くないかなー」
「もう! けーちゃんったら!」
 僕の冗談に美雪はその大きな胸を隠すように腕を交差させた。
 幼馴染みの美雪はいわゆるお隣さんで家族ぐるみの付き合いをしている。休日に僕の両親が不在のとき、こうして美雪が簡単なものを作りに来てくれるのが習慣になっていた。今日の昼ごはんは美雪の料理のなかでもとりわけスパイシーで定評のある特製チャーハンだった。
「はい、粗茶ですがどーぞ。……もう、だらしないんだから」
「お、ありがとう美雪。おまえも座りなよ。今日はずいぶんあったかいよ」
 湯飲みをずずっと啜り、すぐ横を指し示した。
 美雪は運んできた盆を置き(しっかり自分のお茶とおかきまで用意してあった)渋々といった調子で僕の隣に腰を下ろす。
 庭のところどころに残った雪がじわじわと日差しに溶かされている。
 春告草の異名をもつ梅の木にはいくつもの蕾が芽吹き、いまにも可憐な花を咲かせる気配があった。うちの庭に春が訪れる日はそう遠くないだろう。
「なんだかいいよなぁ、こういうの。お茶を飲んで、お日様の恵みを全身に浴びてさ」
「けーちゃんってつくづくおじいちゃんっぽいよね」
「でもそういうところが好きなの……、だろ?」
「言ってませーん、そんなこと一言も言ってませーん」
 冗談を笑って受け流してくれる美雪とこうして縁側に座る、それは僕らが出会ってから十数年間ちっとも変わらない風景だった。
 おなじ食べものを分け合い、おなじ学校で勉強し、おなじ街で育った僕と美雪は家族のようなものなのかもしれない。そこにいるのが当然で、むしろ片割れがいないことに違和感をおぼえてしまうような関係は夫婦となんら変わりがない気がする。
 何十年も経ったとき、縁側でお茶を啜る僕の横に美雪が何食わぬ顔で座っている光景が当たりまえのように想像できた。
 僕の人生にとって美雪は欠かすことのできない人物であり、それは美雪にとってもおなじことが言えるのだろう、と僕は少しだけ傲慢に幼馴染みのことを評価した。
「なぁ、美雪」
「んー?」
 おかきに夢中でこちらを見ようともしない美雪の腕をつかみ、僕は背中から縁側に倒れこんだ。
 自然、仰向けの僕を美雪が押し倒したような格好になった。美雪のやわらかくて大きな胸がクッションのように潰れた。
51名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 06:00:57 ID:xfv97BQo
「な、なになに、けーちゃん?」
「こうやってさ、好きな女の子と折り重なってひなたぼっこするのって最高に気持ちいいんだよ」
「け、けーちゃん……」
 美雪の頬がかすかに赤くなった。
 ちょっとやそっとの下ネタでは動じない美雪でもストレートに気持ちをぶつけられると意外にかわいい一面を見せたりする。
 普段から見慣れている幼馴染みのものとはいえ、こういった愛らしい表情はとても新鮮で僕の胸を苦しくさせた。
「あったかいだろう、美雪」
「……うん」
 僕の胸に耳を当てている美雪には聞こえているだろうか。早鐘のように打ち鳴らされている僕の鼓動が。
 とくんとくん、と血潮の流れが速まったのはおまえのせいなんだよ、とちゃんと伝わっているだろうか。
 午後の日差しが重なりあった僕らに降りそそぐ。さきほどよりさらに暖かくなっているのが分かった。
 けれど二月の下旬なので暑すぎるところまでは行かない。汗ばむ一歩手前のちょうどいい温度が僕と美雪の体をじんわりと温めてくれる。
 僕の鼻先を美雪のシャンプーの香りがくすぐり、干したての布団のようなお日様のにおいが僕らを包み込んだ。
 この一瞬がいっそ永遠になってしまえばいいと思う。
 美雪はおいしいものが食べられなくなるから反対するだろうけど、僕は気持ちのいい日向で気持ちのいい相棒と寝転がっていられさえすればそれでよかった。きっと幸せってそんなものなんじゃないかな、なんてこっそりと人生を達観してみたり。
「美雪」
 美雪の顔が持ち上がった。すこし眠たげに目を細めている。
「キス、したいな」
「……誰かに見られたら恥ずかしいよ」
「誰も見ちゃいないさ。うちの生垣は背が高いんだ」
 納得しかねるように眉をひそめていた美雪は無言の押し問答の末、あきらめたように目をつむった。
 美雪の体を上にずらし、僕は彼女の前髪をうしろへ払ってあげた。何度も経験しているはずのキスにも緊張の色を滲ませている。
 いつまでも初々しい幼馴染みの唇に顔を近づける。
 唇が重なり合おうとしたそのとき、不意に庭のほうから葉擦れの音が聞こえた。
「え、え?」
 がさりと音のしたほうに美雪の視線が向かった。つられて僕もそちらに目を向ける。
 庭の片隅、美雪の家とは逆のお隣さんのほうから音がしたのは確かなようだ。
 生垣の足元、高さ十センチくらいのあたりがもぞもぞと動き、静まったかと思ったら何かが飛び出してきた。
 黒と茶と白のまだら模様が入り混じった大きな三毛猫だった。
52名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 06:02:37 ID:xfv97BQo
「な、なんだ、猫かぁ……」
「そういや今日はまだ通ってなかったな。よっす!」
「知り合いなの?」
「ここのところよく通るようになったオス猫だよ。飼い主はいるみたいだけど家は知らない」
「ふーん……」
 三毛猫は僕らの視線など意にも介さない様子で堂々と人の庭を横切っていく。
「そういえば昔からけーちゃん家の庭ってさ」
「うん、なんか知らないけど猫の散歩道なんだよな。うちの親父が小さいころからそうらしいし、なにか猫が通りたくなるような魅力があるのかも分からんね」
「不思議だよねぇ」
 思わぬ闖入者は僕らのラブシーンを邪魔してそのまま反対側の生垣に到達、ごそごそと強引に体を潜り込ませて消えていった。
 猫は人の都合なんて考えない気ままな生きものだ。じゃれたいときに体をこすりつけてきて、でも用がなければ見向きもしない。
 気分屋のくせに人気だけはあるペットだった。
「……猫を飼うのもいいかもな」
「はいはい、おばあちゃんは反対しませんよ」
「そのときはおまえも面倒みるんだから適当なこと言ってると後悔するよ?」
「なんでわたしまで――――」
 やかましい言葉は唇を重ねることで封じた。
 不意打ちに美雪の目が大きく見開かれた。
「バカだな。猫は老夫婦が飼ってなんぼなんだ。何十年も先の話だけど、僕は口にしたことは実行する男だよ」
 きょとんとした美雪の顔にやがて理解の色が広がっていった。
 僕の言葉の意味するところに気付いた幼馴染みは耳まで赤くしてから、ぽつりとつぶやいた。
「…………けーちゃんのバカ」
「好きだよ、美雪」
 僕らは誰の目もない庭先で、さんさんと降りそそぐ日差しを浴びながらキスを交わした。



 おしまい
53名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 06:06:39 ID:xfv97BQo
以上です。読んでくれた人に感謝。
楽しんでもらえたら幸い。

>>26
感想どもー。
デモンベインは名前しか知らないので、たぶんご想像のものとは異なるかな、と思います。
54名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:55:53 ID:ZXIaD4HR
GJ

書くの早いな〜
55名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 08:58:35 ID:ytKacSJW
GJ!
56名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 18:29:06 ID:bwaL0HRZ
よく干した布団のにおいと、
かすかに香るお茶の香りがほのぼので良かったです。ぐっじょぶ!
三題でお話を作れるくらいの技量だからか、良作多いですね
57名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:58:09 ID:xRVVASxj
age
58名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:09:01 ID:synhMvS8
水曜だし次のお題出しか?

「路地裏」

ほかふたつは任せた↓↓
59名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:27:00 ID:94lU/e+6
「大豆」「ウィンドウズビスタ」
60名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 09:49:36 ID:eukXZ1zX
さすがにこのお題は難しかったのかな?
61名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:55:51 ID:+ecy0h0z
「路地裏」「大豆」「ウィンドウズビスタ」
難しいと聞いちゃ引き下がれません。



僕がブルースクリーンを乱発させるWindows3.1に怒りをぶつけながら締め切りに追われている頃、
君は元気一杯のきりん組さんだった。
路地裏を曲がったところにある、宮間ばあちゃんのお豆腐屋さんで、
君は保育園からの帰り道、いつも大豆のおからをもらっていたね。
僕のことをセンセ、センセと呼んでくれたけど、
君に「センセは何のセンセなの?」と聞かれたときには、正直途方にくれた。
「そうだね、国語の先生かなあ」とかなんとか、適当なことを言ったのを覚えてる。

僕がメモリ不足を乱発させるWindows98に怒りをぶつけながら締め切りに追われている頃、
君はおしゃまな小学校6年生だった。
いつまでたっても赤いランドセルと黄色い帽子が似合う女の子だった。
僕のことをあいかわらずセンセイ、センセイと呼んで、よく遊びにきてくれたね。
僕の家にあるのは、コンピューターと本棚くらいだったけれど
君はいつも僕の本棚から古いSFやブルーバックスを抜き出しては、
「センセイ、これ意味がわかんないよ」と怒っていた。

僕がいつまでたっても起動しないWindows2KProに怒りをぶつけながら締め切りに追われている頃、
君はセーラー服が良く似合う中学生だった。
紺色の地味な制服に、赤いリボンがとっても印象的で、
「センセイ、わたし中学生になったんだよ!」と玄関に君が駆け込んできたとき、
たぶん初めて僕は君に恋をしたんだと思う。
君はあいかわらず僕の本棚から新書やメチエを抜き出しては、
「センセイは難しい本ばっかり読んでるんだねえ」と感心してた。

僕が唐突にフリーズを繰り返すWindowsXPに怒りをぶつけながら締め切りに追われている頃、
君は高校2年生になっていた。君は僕の憧れで、嫉妬の対象でもあった。
君は控えめに言っても天才少女で、もう僕なんて叶わないほど完璧で綺麗な文章を書いていた。
でも君は、新人賞に応募しろという僕の勧めに、首を縦には振らなかったね。
「わたしはセンセイの文章が好き。センセイの文章を読んでるのが、一番幸せ」
そう言って、豆腐屋の跡地にできたセブンイレブンで買った僕のおやつの豆大福を盗み食いしては、セーラー服に粉がついたと怒っていた。
僕はなけなしの貯金を崩して、君が大学に通えるように、こっそりと君の学校の先生にお金を預けた。
ある日、君が「センセイ、わたし奨学金の試験に受かったよ!」と嬉しそうに飛び込んできたとき、ぼくは心底ほっとした。

僕がFEPを起動しただけで再インストールを要求するWindowsVistaに怒りをぶつけながら締め切りに追われている頃、
君はついに文壇にデビューした。
女子大生が書いたその小説は、あっというまにマスコミの話題をかっさらって、君は日本で一番有名な文学少女になった。
ワイドショーのインタビューを受けて、しどろもどろでトンチンカンな答えを返す君の様子を、だいぶ後になってYoutubeで見た。

でも僕がその動画を見ている頃、君は熱狂的なストーカーの待ち伏せにあって、死んだ。

いまでも、僕は君のことを忘れない。一生、忘れることはないだろう。
僕の布団には、今でも君の匂いがほのかに残っているような気がする。
だから僕は、いつまでも押入れから布団を下ろすことができない。きっと僕は、布団に顔をうずめて泣くだろうから。

そんなことで、君の名残を失ってしまいたくないから。

君がいなくなってから、もうすぐ3年が経とうとしている。
僕は自分のPCに、Windows7をインストールすることにした。
62名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:59:50 ID:+ecy0h0z
投下終了です。初めてメモを取りながらエロパロ書きました。
それでも年代関係はちょっといい加減です。すみません。
63名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:40:59 ID:L12j1tq9
ここといい5行スレといい

リビドーじゃなく頭で書かれたSSはなかなかキビシイね…
64名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 17:31:43 ID:eukXZ1zX
せつないが、おもしろい。

こういう、時代を感じさせるものの遍歴と、その時代を生きた人の人生を重ねて回顧する作風って、往々にして切ない作品が多いような気がする。
やはり、人の生き死にが絡む話になるからだろうか。もちろん、それが悪い、とかではなく。

ともかく、GJでした。
適当な頃合いに、また新しいお題を出してくださいね。
65名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 20:29:13 ID:6Pk4e9d/
切なくも綺麗な作品でした。
1レスで時の流れを感じさせるのがすごいです。
66名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 21:29:56 ID:n62FcAll
>>61
この雰囲気すごく好みだ
淡々としていて切なくて
GJ

時間も大分経ってますし、次のお題お願いします。
67名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 21:53:10 ID:GH7eu8Wb
あっと、お題を残し忘れてました。失礼をば。
じゃあ……手元にあるマニュアル類からランダム抜粋で


「インフレ」「さくら」「テルミン」

よろしくお願いします。
68名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 01:25:57 ID:ilo6w4nH
>>61
ああ、せつない…
淡白な文章がまるで涙をこらえているかのように感じられて良かったです
こういう雰囲気、いいなぁ
69インフレ さくら テルミン:2009/02/18(水) 12:57:30 ID:w8c5AWFF

大正7年、ロシア革命の大混乱に乗じ、シベリアに進攻した帝国陸軍は、
その年の冬までに、シベリアの半分を制圧し、そのまま現地に駐留した。

さびれた港だったウラジオストクは、日本軍の基地として、大いに繁栄し、
酒場が増え、怪しげな店も増え、俺みたいな奴が遊蕩に耽ることになった。

その夜も、俺は退屈きわまる司令部から遁走して、軍用マントの襟を立て、
残雪に汚れたスベトランスカヤ街を通って、駅の裏の小さな娼館を訪れた。

新顔が入っている、というので引き受けることにして、石壁の部屋に入ると、
濡れた軍靴を脱ぎ捨て、ペチカの前に座りこんで、薪の燃えるのを眺めた。

しばらくして、部屋にきた娘は、すすけた巻毛の金髪に、緑の瞳をしていた。

別嬪さん、と呼びかけてみても答えずに、扉の近くに立ち尽くしているので、
寄っていき、きゃしゃな肩に手を置こうとしたら、ノン!と叫んで泣き出した。

唐突にフランス語が出るのは、モスクワあたりの貴族の娘に決まっていて、
家族が革命でやられたか、白軍で戦死したか、あるいは両方かもしれない。

シベリアでは、どこにでも転がっている哀話なので、すっかり白けてしまい、
お嬢さんを無視して、ウォッカを一杯あおり、寝台に横になって目を閉じた。

どれくらいの時間が経ったのか、肩に指先が触れたようで、目を開けると、
緑の瞳が、心細げな、問いかけるような眼差しで、こっちを覗きこんでいる。

花代は払うよ、と言って笑いかけてやったら、驚いた顔をして、目を伏せた。

しばらくして、娘は部屋を出ていき、木製の小さな箱を抱えて、戻ってきて、
箱にはアンテナが立っていたので、通信機かと思いきや、楽器なのだった。

せめて音楽でも、という誠意なのだろうが、その音色は奇怪なものだった。

石造りの壁に反響し、ゆらめいて、化物屋敷にいるような気分になったが、
娘の手の動きが、しなやかで美しいので、それを見ているのは楽しかった。

そのうち、自分でもやってみたくなって、試してみたが、思ったよりも難しく、
旋律にならないので、娘は初めて笑顔を見せて、手を取って教えてくれた。

指導の甲斐あって、まず「ラ」の音が出るようになり、次に「シ」の音が出て、
「さ・く・ら・さ・く・ら」と奏でてみると、娘はうれしそうに微笑んで、うなずいた。

さくら   さくら   やよいの   そらは   みわたす   かぎり

娘は立ち上がると、旋律にあわせて、舞踏会のように優雅に踊ってみせ、
背後の窓に降りはじめた雪は、さくらの花びらの舞い落ちるように見えた。


その週末から、ウラジオストク界隈のインフレは、恐ろしい勢いで進行した。

司令部は無能をさらけ出し、闇商人が活躍し、こっちの財布は空になって、
結果、あの娼館を再訪する機会もないまま、俺は内地へ帰されてしまった。

数年後、モスクワ発の外電で、ペトログラード大学のテルミンという学者が、
電子を利用した、まったく新しい楽器を発明した、というニュースを耳にした。

あの小さな楽器が、どういう経緯で、新発明になったのか、知る由もないが、
今も、春になって隅田川の桜を見るたびに、あのロシア娘のことを思い出す。
70名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 12:59:30 ID:w8c5AWFF

以上、お後がよろしいようで。
71名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 13:16:03 ID:TuuYxyfw
体裁といい内容といい、まことお美事にございます。
72名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:13:26 ID:l3GMXDnQ
もうお題も2度更新されて、遅くなってますが「猫」「雪」「さんぽ」投下します。
ちょっと長いですが見ていってください。
それではドゾー。
73名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:17:09 ID:l3GMXDnQ
「ちょっと、上杉君!廊下は走らないでって言ってるでしょ!」
 如月も半ばの寒々しい廊下に、若宮美雪の声が飛ぶ。中学生最後の年も押し迫り、
何となくみんながそわそわしていても、クラス委員の態度は変わらない。
寒いから教室移動など早く済ませようと考える中学生男子が、
ついその足を速めてしまうというのもよくある話、無理からぬことではあったが、
この場合、正義は祐介に味方しなかった。
「あ、その……ゴメン」
 素直に頭をさげる祐介。しかし、正義はまたも祐介を突き放した。
「廊下を走ったらぶつかった時危ないでしょ?上杉君の運動神経がいくら良くても、
不慮の事態が起こらないとはいえないわけ。第一音がうるさいし―――大体アナタ最近たるみ過ぎ!
高校A判定だからって、そんなことじゃ落ちるわよ?そうならないように、ふだんから生活態度を―――」
 そこまで言いかけて、自分の声のほうがうるさいことに気づいたのか、コホン、とわざとらしい咳払いをして、
「と、とにかく、廊下は走らないでよね。わかったわねっ!」
 祐介をひとにらみすると、くるりと背を向けて、足早に教室の方へ向かっていってしまった。
74名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:19:18 ID:l3GMXDnQ
「お前も災難だなあ」
 祐介は最近、同じクラスの友人に同情される。
「何が?」
「若宮さんのことだよ。お前にはやけにつらく当たるだろ。よっぽど嫌われてんのな」
 そう言った友人の顔には、『上杉が若宮さんに好かれてなくて、本当によかったなあ』という描き文字が浮かんでいたが、
祐介は気づかない振りをして、
「ああ……」
 とあいまいに返事をした。
「若宮さんもな、顔とスタイルは言うことないんだけどなあ。あれでもう少し性格がおしとやかというか、女の子っぽけりゃなあ。
このままじゃ将来、異性関係で苦労するんじゃないのか」
 友人の顔の描き文字に、『もしそうなったら、俺が若宮さんの全てを受け止める!』というのが増えていた。
(そうか、あいつ、案外モテるんだな……)
 今頃になって気づいている祐介。そういうことには鈍いのである。
「しょうがないだろ、あいつもあいつで大変なんじゃないのか。……色々と」
「お、度量の大きいとこ見せるなあ。まさか本当は狙ってるんじゃないだろうな?」
「バーカ、そんな訳ないだろ。これ以上ごちゃごちゃ言われたくないだけだよ」
この話はこれで終わり、と言わんばかりに、祐介は携帯を取り出した。
75名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:24:11 ID:l3GMXDnQ
校庭の脇にある、市でいちばんの面積を誇るこの中学校のプール、その女子更衣室。
真冬の放課後の今、利用するどころか近寄る者さえいない、鉄筋コンクリート製の無機質な部屋で、
若宮美雪は白い肌を一層白くさせ、寒さに身を震わせていた。
 それもそのはず、美雪が今身に着けているものといえば、学校指定の女子用スクール水着、そして頭に乗せた猫耳ヘアバンドだけである。
 二十歳といっても通用するほどに女性として成熟した肉体は、もはや中学生用の水着などにはおさまらず、
男の目を惑わすには十分すぎるバストとヒップのラインを、そのしっとりした紺色のナイロン地にくっきりと浮かび上がらせていた。
寒さに耐えようと、目をぎゅっと閉じて、自身の乳房を両手でかき抱き、腰をくいっと後ろに突き出すようなポーズを取ることで、
よりその豊かさが強調されており、輪郭のはっきりした美形の顔立ちと、大きい猫耳のアンバランスさが、よりいっそう劣情を掻き立てる姿であった。
 やがてドアの向こうに聞こえる乾いた足音。感電したかのように身をすくめ、期待と不安の入り混じった表情でドアノブについているサムターンの回転を見つめるその瞳に、
顔の下半分をマフラーの中にうずめた上杉祐介の顔が映った。
 美雪の表情のゲージが、一気に期待の方に振り切れる。他の誰にも見せない満面の笑顔が、祐介に向けられる。
「ちゃんと言いつけを守ったじゃないか。いい子だ」
 この寒空の下、美雪が水着一枚で、ここにいたのは祐介の命令だった。廊下の一件の後、美雪の携帯に入ったメールがそれであった。
 『放課後、プールの女子更衣室。この間買ってあげた猫耳と水着だけで待っていること。当然、会話の語尾には《にゃん》をつけるように』
 それを見た美雪は、その内容に激しく赤面しつつも、なぜか軽い足取りで自宅に取って返し、水着と、遊園地でデートした際に買ってもらった
猫耳のヘアバンドを持参して、今こうして祐介の来るのを待っていた、というわけである。
 この真冬にプールの施設に近づこうなどと考える者は何かの罰ゲームでもない限りあるはずも無く、ここにふたりだけの密室が作られた。
「よかった、上杉君が来てくれて。もし来てくれなかったらどうしようかと思った…にゃん」
 うれしそうに、祐介の胸にすりすりと頭を押し付けてくる美雪。むにっとした柔らかい胸の感触が、厚着を通しても伝わってくる。
何度も抱いた身体が、本当にメス猫にじゃれ付かれているような気分になるから不思議である。
「バカだな、美雪のことを忘れるわけないじゃないか」
 形よくとがった小さい顎をくいっと持ち上げ、いきなり唇を奪う。
美雪にとって、地獄から天国へ押し上げられた瞬間だった。
「にゃ・・・ぅふ」
 一瞬だけ見開かれた眼は、徐々に力を失い、陶酔の世界へと誘われる。お互いの唇を唾液でべとべとにし、熱い舌をねぶりつくす。
全身全霊で唇をぶつけてくる美少女を、祐介は少しもたじろぐことなく受け止めた。
 少し息苦しくなって、唇をそっと離す。唾液で濡れた祐介の唇を、美雪が舌で丁寧に舐め取った。
76名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:28:01 ID:l3GMXDnQ
「さっきはずいぶんきついことを言ってくれたじゃないか。本当に嫌われちゃったかと思ったよ」
「だって……だって、上杉君がみんなの前では俺を嫌ってるように見せて、馴れ馴れしくするなって言うから……
本当は私だって、上杉君とずっと一緒にいたいのに、にゃん」
 濡れたままの唇を突き出し、今にも泣き出しそうな表情で、上目遣いに見つめてくる美雪。しかし祐介は、こんな時決して優しい態度など見せない。
「イヤなら、もうやめるか?そんなに無理強いするのも可哀相だし」
「ひどいにゃ……私が上杉君に逆らえないの、知ってるくせに」
 今度は本当に、美雪の眼から大粒の涙があふれ出した。それをぬぐおうともしないまま、濡れた視線を祐介に向けてくる。
この校内一のクールビューティなメス猫は、祐介に心の底まで捧げきっていた。
 祐介はその反応に満足げな笑みを漏らすと、冷たい指で、頬をつたう涙をぬぐってやる。
「ごめんごめん、美雪があんまり可愛いから、つい意地悪を言ってみたくなるんだよ」
 祐介自身、自分で言っていて歯が浮くような台詞だが、その言葉で美雪の美貌は歓喜に満たされる。
世界中でその感想を抱く者が祐介ただ一人であったとしても、美雪の笑顔は変わらないだろう。
「上杉君……好きにゃ」
 静かに瞳を閉じ、祐介を待つ美雪に、祐介はもう一度、唇のご褒美を与えてやる。
いじめた直後に優しくするという、どこかのヒモが使っていそうな手口ではあるが、美雪の心にはそれが福音のように響いている。
 ちゅば。ぴちゅ。ぷちゃ。
お互いの唾液を、二つの舌で攪拌する音だけが響き、何かを捜し求めるように、美雪の背中と祐介の腰に回された手が這い回る。
制服姿の祐介と違い、水着一枚の美雪は、ほとんど直に素肌を愛撫されているに等しい。祐介の舌をねぶるストロークが大きくなり、
荒くなる呼吸が、美少女の肉体の変化を如実に物語っていた。
 やがて祐介の左手は、背中から背骨をゆっくりと撫で下げ、ヒップの方へと進んでくる。同時進行の右手は、肋骨に沿って、
腋に軽く触れたかと思うと、次の瞬間には綺麗な釣り鐘型の乳房をわしづかみにしていた。
親指を押し上げるように、ゆっくりとした回転で、たわわなふくらみを蹂躙し始めた。
 左手は存分にヒップを堪能した後、ついに祐介にだけ独占を許した部分へと移動して行く。
 いつものブラやパンティではなく、スクール水着のざらざらとした独特の生地の脇から進入してくる祐介の手指は、
その裸身にいつもと違う電流を流すのだった。
 今の美雪に出来るのは、祐介の肩にもたれかかり、
その両手のなすがままに、敏感な反応と嬌声で、祐介の諧謔心をあおりたてることだけだった。
「やぁっ……!くぅん……」
 途切れ途切れの息遣いと、責めを乞う女体の甘え泣きが、無機質なコンクリートの塊にこだましていた。
77名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:34:30 ID:l3GMXDnQ
スクール水着というのは、本来見たり触ったりして愉しむ物ではないが、
美雪が身に着けた水着は祐介の眼と手を愉しませるためのものである。
 同様に、本来は外側にある水を、身体の中に浸入させないようにするためのものだが、
美雪が身に着けた水着は、美雪の体液を外に逃がさないようにするためのものである。
そして黒猫の猫耳は、美雪が祐介のペットであり所有物だということを、
その心に、身体に刻み込むためのものである。
すでに首筋の辺りまで流れ落ちているふたりの唾液、思春期女子の独特の匂いを放つ汗、
そして美雪のバルトリン氏腺から分泌される粘液、その全てが気密性の高いナイロン地に閉じ込められ、
高濃度のフェロモンとなって祐介を刺激する。 
 しかし祐介は、美雪が与えられた快感の海を溺れ続けた果てに、
物欲しげな瞳で祐介の貌と下半身を往復させるまで、そ知らぬふりを続けるだけだった。
「美雪、俺を見ているだけじゃわからないよ。何をして欲しいのか、具体的に言ってよ」
「舐めたい…です」
「猫語は?」
「う、う、上杉君のおちんちん…な、舐めさせてください、にゃ」
 確かに目覚め始めた女としての欲望を抑えきれず、真っ赤に染まった美貌の、
ぬらぬらと光るなまめかしい唇からその台詞が出ても、祐介は自分からズボンを脱ぐような真似はしてくれない。
羞恥と期待に震える手でベルトをはずし、口でファスナーを下げ、明らかに飛び出しそうな部分を持っているトランクスにうつろな眼差しを向けて、
丁寧に脱がさなければならないのだ。
 やがて、その布の奥から、濃い紅色をした、棍棒のようなペニスが姿を現す。
初めのうちは怖いだけだったこの勃起も、自分と祐介をつないでくれる器官だと知った今は、むしろいとおしささえ感じるようになっていた。
グロテスクにも大きくエラを張ったペニスは、美雪の顔の先数センチで、まるで独立した生命体のように脈打っている。
「上杉君の……すごく、元気………もう、こんなに……」
 愛情と欲情に潤んだ瞳をペニスに絡めながら、大げさではなく女神にたとえられるその美貌を、ゆっくりと祐介の股間に沈めていく。
 膨張した亀頭にそっと柔らかな美唇を重ね、そのままゆっくりと野太いペニスを呑みこんでいく。生温かい口腔で包み込み、
その下でエラの部分を刺激すると、祐介がうめき声を漏らした。
「うっ、美雪……上手いぞ」
 足元にひざまずく美雪の頭を、祐介はよしよしと撫でてくれる。まさにペットを誉めるようにされることが、美雪には何よりも嬉しかった。
「うんっ……あむ………好き……ふぁ」
 もっと祐介に悦んでもらいたくて、美雪は執拗にペニスを舐め続ける。玉袋の後ろを爪の先でくすぐりながら、裏筋に何度も舌を往復させ、そのまま亀頭をためらいなく咥えこむと、尿道口の中まで舌を差し入れる。
すでに祐介の股間は美雪の唾液でべっとりと濡れ光っていた。
78名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:38:09 ID:l3GMXDnQ
「ああっ……もう駄目、欲しい……にゃ」
 先に耐え切れなくなったのは、奉仕をしている方の美雪だった。ペニスを優しくしごく手は止めずに、
いまだ涙の乾いていない瞳で上目遣いに祐介を見つめ、紺色の水着の下の、桜色に上気した肢体を淫らにくねらせながら哀願する。
「お願い……上杉君の立派なおちんちんで、私の、美雪の恥ずかしい所をたっぷりいじめて……欲しいのにゃん」
 ひざと手のひらを床につけ、ヒップを祐介の方へ突き出しながら、いやらしく振ってみせる。まさに猫同士の交尾のごとく、
祐介が四つん這いの女を後ろから犯すのを何より好むのを、美雪はよく知っているのだ。
「よし、いくよ、美雪」
 今度ばかりは美雪を焦らさなかったのは、さしもの祐介も、可愛い同級生の、
全身からあふれ出すエロティックには抗し切れなかったのだ。
 美雪のヒップに手を這わせ、生地の感触と、尻部のむっちりした感触の対比をしばらく愉しんだ後、
祐介がゆっくりと腰を前に突き出した。
水着の股布をずらし、恥液でしとどに濡れた外陰唇を割って、ペニスが肉穴に突き立てられた。
「ああんっ……上杉君っ……」
 腰を震わせ、美雪は歓喜の牝声をあげた。美雪の奥深く突き刺さったペニスを、
二枚のビラが招き入れるように吸い付いている。
「いいんっ……もっと……もっと下さい……」
好きな男のペニスを膣に入れられることがこんなにも気持ちいいなんて。
祐介の熱い肉体をもっと感じたくて、ついいやらしく激しい突きをせがんでしまう。
「これか?これが好きなのか?」
 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅという粘着音とともに、美雪の子宮めがけて激しい突きをくれながら、
祐介が美雪の耳もとで問いかけてくる。
「ああンっ、はああっ……好き…きもちいいから大好き……にゃん」
 上杉君のおちんちん、すごく大きい……私を使って射精しようとしてる……びゅる、びゅるってたくさん精子出そうとしてる……
 おちんちんいっぱい動かして、私のなかに元気な精子、たっぷり射精してね……
 背後からの激しい責め。動物と同じように、性器だけをくっつけて性交している。祐介も自分も、所詮はオスとメスなのだと思い知らされる。
 瞬間、祐介の指が美雪の女腰をぐい、と引き寄せた。射精が近くなり、メス猫の膣に精液を注ぎ込もうとしているのだ。それに応えるように、
 美雪もヒップを突き出し、より濃い精子をおねだりする。
 ふたりの表情が、申し合わせたように切羽詰ったものになってゆく。
「あくんっ……いい……来ちゃう、来ちゃうっ!」
「おおっ、美雪……っ」
 無意識の膣圧上昇に、祐介がたまらず声をあげた。美雪の子宮の直前で、ペニスが一段と膨張する。
「いいっ……いいですっ……上杉君っ、あんっ、膣内で……膣内でイッてにゃ!」
 「イクよっ……美雪!」
  水着の生地が限界まで伸びた。若いペニスの先端から、濃い精液が勢いよく子宮の中へ注入されていく。
 かっきり30秒かかった、何日かぶりの美雪の中への膣内射精。愛する祐介の精子をたっぷり注ぎ込まれた美雪の女性器は、
 恥ずかしそうに、しかしちょっぴりうれしそうに、ひくひくと収縮を繰り返していた。
79名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:39:54 ID:l3GMXDnQ
ふと我に返ると、子猫がミルクを飲むように、美雪が自分の乳首に舌を這わせていた。
美雪の柔らかく温かい女体を、スクール水着の生地で包むと、なんともいえない心地よさがある。
しばらく病みつきになりそうだ。
照れ隠しに美雪の唇を奪う。美雪は一瞬戸惑った貌をみせたものの、すぐに受け入れる。
「こういうときのキスって、嬉しい」
 祐介にだけ向けられる微笑み。
「だいぶ猫コスプレが気に入ったみたいじゃないか。本物の猫を抱いているようだったよ」
「もう、こんな格好させて……すごく恥ずかしかったんだからね?でも、まあ……普通にするより、その、よかったけど」
語尾を限りなく小さく、ちらちらと祐介の表情を伺う。その顔を眺める祐介の頭に、またサディスティックなアイディアが閃く。
「そんなに気に入ったなら、今度はみんなに見てもらおうか?お散歩プレイ」
「ちょっ、人前なんて………………う〜ん、でも、どうせ見てもらうなら、猫耳じゃなくて、ヒョウ柄とかないのかな?大人っぽいやつ」
「ヒョウ柄?ひょっとして美雪、本当に目覚めちゃった?」
「ヒョウ柄っていうか……チータ?」
「え?」
「さんぽ進んで二歩下がる、ってね☆」
「美雪のそういうとこ、絶望的だな★」
80名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:41:43 ID:l3GMXDnQ
以上でございます。またいつか、機会があれば・・・
ありがとうございました。
81名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 12:55:14 ID:7poN8F70
GJ!エロかった
雪は名前に使われがちなんだなw
最後の美雪のジョーク?だけよく分からなかった(三歩と散歩かけてるのは分かったけど)
82名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 14:39:49 ID:kY3e+Y23
>>81
365歩のマーチ チータ  で、ぐぐってみそ。
・・・ってか、若い子は「3歩進んで2歩さがる」っていうのが通じないのか・・・ OTZ
83名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 14:54:27 ID:FZnVX/YT
次のお題が「3歩進んで2歩下がる」と聞いて飛んできました
84名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 17:14:21 ID:oA6GT/6f
この中学生ぐらいの女の子が365歩のマーチに引っ掛けたおやじギャグをいう、ってのがなかなか良いんじゃまいか

しかし「猫」と聞いて猫耳プレイが出るとは思わなかったw
85名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 19:14:29 ID:7poN8F70
>>82
なるほど!
その歌は知っていたけど歌っている人の愛称がチータなのね
教えてくれてありがとう
86名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 23:25:11 ID:qUdnjemN
一週間過ぎたし次のお題行きますか?
「金曜日」「ビタミン」「爪切り」でお願いします。
87名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 11:41:19 ID:6ojnfq4z
書いてみました

「金曜日」「ビタミン」「爪切り」



ぜんまい仕掛けのおもちゃが、活発に動いていながら何かのきっかけで動きを止める、
ちょっと触れるとまた動き出す。
妹はそれに似ていた。ふとした瞬間、何秒か、時には何分もの間、そのままの姿勢で
動かなくなるのだ。それはパントマイムの芸のように、周囲の音や空気の揺らぎすら
止まって見えるほどの制止だった。料理しているときに、並んで歩いている時に、前
触れも無く妹は動きを止めた。ビタミンのバランスが悪いからだよ、と妹は説明して
いた。

その妹はソファーの上に小さく体育座りになっていた。湯上りのために体は上気し、
ショートパンツと薄手のシャツが、体にぴったりと張り付いている。足の指をわきわ
きと動かしながら、かるく前後に揺れている。

――ねえ、もう金曜日だね

ああ、休みだからゆっくりできるな、僕はそう答える。妹は、そうだね、と簡単に答
えた。爪切りを右手に持って、膝を抱えた姿勢のまま、背中を丸めて足の爪を切って
いる。
そして、そのまま動きを止めた。
眼は呆然と開いたまま、濡れた髪がむきだしの膝の上に流れている。生気はあるもの
の思考が見えず。眠っている猫のような、そのまま十数秒、妹はこのとき、いったい
何を考えているのだろうか。
足の先を見ると、爪切りが左足の第二指にかけられたまま止まっていた。乳白色の爪
が半分だけ指先から離れている。指に力が入っているようには見えず、爪切りはそれ
自体の摩擦力だけで指に吸いついていた。

――そんな格好で止まると、危ないぞ。

僕の声が耳に入っているのかいないのか、妹は動かない。もとより、この時に外部
からの反応で目覚めたことは一度もない。僕は爪切りを妹の手から取り上げて、床
に膝立ちで座りこみ、ソファーの上で体育座りの姿勢でいる妹の爪を、慎重に切っ
ていく。相手よりも低い位置で女性の爪を切るというのは、不思議な感覚だった。
妹の指先にはほのかに熱が残り、肌は朝顔の花弁のようにしっとりとしている。
僕は視線を上げた。妹は裾口が大きなショートパンツを履いていたため、この位置
からだと薄手の下着がはっきりと見えた。僕は吸い寄せられるように立てひざの間
に右手をねじ込み、その布に指の背を当てる。熱を持っている。指が溶けそうなほ
どに熱い。
僕の指はその薄布を左に押しやり、狭い視界の中に妹の秘めたものを見つける。僕
の指がその表面をこねるように撫でたり、肉厚な部分を左右に押し広げてみたり、
膣口の入り口に指の腹を押し当てて、ちょうどロクロの上で回る粘土のつぼ、その
口を広げる時にするように円を描いて指を這い回らせるうちに、妹の局部はますま
す熱を帯びて蠕動し、汗とも他の何かとも付かぬ湿度がそのあたりの空気を淫らに
蒸らし、やがて入り口から奥へと押し入っていく僕の人差し指と中指を、生き物が
エサを飲み込むようにスムーズに受け入れる。
88名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 11:43:25 ID:6ojnfq4z


その中はとても柔らかかったけれど、その柔らかさのままに僕の指を締め上げようと
してきた。あらゆる部分が僕の指に敏感に震え、怯えるように縮こまり、押し出そう
とするかのように洞窟をよじらせ、あるいはさらに深くへ招こうとするかのように歓
喜にうねる。僕は第一間接から先を曲げて、穴を掘り広げるように動かしたり、指の
先に意識を移して襞々の触感を確かめたり、じわじわと沸いてくる愛液をさらに壁面
に塗りつけるように動かしたり、二本の指をゆっくりと前後にスライドさせたりもし
た。
そのたびに妹の体は緊張と弛緩を繰り返し、熱はさらに高まっていった。飲み込んだ
はずの小さな生き物が、腹の中で暴れまわっているような感覚だろうか。Gスポット
を指先でこつこつとノックしたり、二本の指がぐるりと膣内で一回転するときの反応
は特に大きく。洞窟全体が驚いたようにぎゅっとすぼまり、次いでいっぺんに愛液が
溢れてきて僕の指に絡みつく。
すねの間にわずかにのぞく妹の局部は、次第に激しさを増す僕の指に反応してか、そ
の入り口までもぴくぴくと小刻みに震わせていた。局部の上側に見える淫核が僕の指
にこすれて勃起し、つぼみから体を出す。僕はそれに合わせて親指を伸ばし、淫核に
直接指の腹をつけて、その包皮と実体の間に入り込もうとするかのようにそれをいじ
めた。妹は局部以外の部分はまったく動こうとせず、僕の手首を両足で締め付けるこ
ともなかった。だが、その息は確かに少しだけ速くなり、僕の指が特別に敏感なとこ
ろにぐいとねじこまれると、妹の全身がびりっと震えるのが分かった。まったく体に
力を入れない相手でありながら、それでも確実で先鋭な快楽が全身を走るというのは
どのような感覚なのだろうか。

僕の一方的で徹底的な蹂躙は七分あまりも続き。やがて、妹がその体に意識を取り戻
そうとするのを感じ取ると、溶けかけのアイスクリームのようにどろどろになった指
を静かに引き抜き、ティッシュで指と妹自身を拭いた。妹はまだ少し息が荒かったが、
爪切りが手からなくなっているのに気付くと、静かに僕のほうを見た。

――なあ、おまえさ

僕は問う。

――止まってる間、どんなこと考えてる?

妹はまだ水気を残している髪をかき上げて、刺激の名残のためか、陶然とうるんだ
瞳のままに答えた。

――お兄ちゃんのこととか、考えてるよ

僕は安心し、わずかに微笑んでみせた。明日の土曜日は二人で家で過ごし、妹が止
まった時にどのようにそれを介抱するか、僕はそればかりを考えていた。
89名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 06:31:47 ID:Bv/y7zJ8
GJ!
ここは基本的に書き手の人が読んでるスレのような気がしてきました。
90名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 06:35:30 ID:9oZ+aT3V
GJ!
こういう柔らかい作品好き
っていうか初めてきたけどみなさん上手くて勉強になります

過疎ぎみっぽいんであげてみますね。良作がもったいない
91名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 09:28:21 ID:c/VjWP3m

りんご
おへそ
92名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 07:25:55 ID:KBNaUpC4
遊園地

93名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 21:58:45 ID:0lARTasO
ほしゅ
94名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 17:44:28 ID:hfXUWE3j


95名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 14:21:34 ID:Jm57Tur4
通行人の視線が痛い。
俺は駅前ロ−タリ−のベンチに座っている。人通りが多いのは仕方無い。
ちらほら雪が降ってるのに屋外のベンチに座ってるのも、まあ変な奴に見えるかも知れない。
だが、その視線の原因は、俺じゃ無い。
すぐ隣に腰掛けてる少女なのだ。
さっきからずうっと空を見上げたままで、ポカ−ンと口を開けている。
言っておくが、俺の連れじゃない。俺はここで待ち合わせがあるのだ。
しかし、通行人には俺の連れに見えても仕方無い。俺だって通行人なら、不審な視線を投げるだろう。
場所を変えようか、とも思ったが、寒いので動きたくない。大体、俺の方が先に座ってたのだ。
少女の方に視線をやると、相変わらず同じ姿勢のままだ。
割と綺麗な顔立ちだが、全体から幼い印象をうける。
真っ赤なハ−フコ−トで体のラインが分からないから、余計そう見えるのかもしれない。
ふと、少女がこちらを向いた。俺は慌てて視線をそらし、腕時計を見た。
もうすぐ16時。待ち合わせの14時はとっくに過ぎてる上に、何度携帯鳴らしても、メ−ルすら来ない。
すっぽかされた事は分かっているのだが、ここを立ち去って、後で「遅れて行ったらもう居なかった」などと言われたくない。
しかしもういい加減、限界だった。
ふと、隣の少女もここで待ち合わせなのか、と思った。
それ以外にこんな寒いのに屋外のベンチで、ずっと座ってる理由が無い。
俺はなんとなく親近感を感じ、「待ち合わせですか」と声をかけようとして
「さっきから、何してんの?」と、全然、別の言葉をかけてしまった。
少女は顔をこちらに向け、くすりと笑い、「雪を食べてるの」と答えた。
「雪?」
俺は空を見上げた。灰色の曇り空から、突然目の前に雪が湧き出してきて、顔に降りかかる。
そう言えばガキの頃、俺もやったなぁ・・・と思いつつ、
「ずいぶん、ヒマな遊びだな。今、待ち合わせ中?」
少女は少し曇った顔になり、「うん・・でも、来そうに無いの」と答えた。
「へぇ・・こっちもだよ。もう帰ろうと思ってたんだけど、最後に気になったもんでね」
「彼女さんですか?」
「いや・・・」行き着けのキャバクラ嬢だなんて言えやしない。
俺だって、他の男なら「営業ト−クにきまってんだろw」と笑う所だ。
「まあ、まだそこまで、行ってないんだけどね」とごまかす。

96えれぽん:2009/03/29(日) 15:08:58 ID:Jm57Tur4
途中で書き込んでしまいました・・・orz
初めてなもんで多めに見て下さい
お題は>>91さんの 雪・りんご・おへそです
続き投下

「なんでこうなったんだろ・・・」
俺は熱いシャワ−を浴びながら、苦笑した。
少女と話しているうちに、「寒いから、どっかでコ−ヒ−でも飲まないか」となり、
いつのまにか「ふられたもん同士でデ−ト」て話になり、居酒屋で飲み、そして今、ホテルに居る。
「でも、断らなかったもんなぁ・・・」
さすがにホテルまでつきあうとは思ってなかったので、冗談で誘ったら、あっさりついて来たのだ。
慣れてる感じの子では無い。むしろ、緊張してるのがはっきりと分かった。
「援助とかじゃ無いよなぁ・・・」
それならそれで構わない。軍資金はあるのだ。でも、そんな様子も無かった。
体を拭いてバスル−ムを出ると、少女はベッドに腰掛け、天井を見ていた。
「ここには、雪なんて降らないぞ」
声をかけると、少女はこちらを見て、顔を赤らめた。まあ、下半身にタオルをまいただけの格好では無理も無い。
「空いたよ。入っておいで」
少女はうつむいたまま、動こうとしない。まだ、真っ赤なハ−フコ−トさえ脱いで無かった。
実はまだ、少女の名前すら知らない。お互いに名乗らなかったのだ。深い事情も聞かなかった。
ただ、お互いの待ち合わせ相手の愚痴をこぼしあっただけだ。
俺の方は多少美化して、職場の女といい感じになり、デ−トに誘ったらすっぽかされた、と言ってある。
彼女の方は、大学の先輩と付き合っていたが、二股かけられてた事でケンカとなり、今日、仲直りの為呼び出したのだと言う。
もちろん、彼女の言う事だって、どこまで本当かは分からない。
もしかして、ホテルまで来た事、後悔してんのかな・・と思いながら、少女の横に座る。
そのまま、少女の肩を抱いて引き寄せた。
「ん・・」
少女は少しビクッとしたが、抵抗はしない。セミロングの黒髪をなでながら、唇を合わせる。
少女は目を閉じて、されるがままだ。俺はゆっくりとベッドに押し倒し、彼女の服を脱がせ始めた。
真っ赤なハ−フコ−トを剥ぎ取りながら、
「まるでリンゴの皮を剥いてるみたいだな」と言うと、少女は目を開けてクスッと笑った。
97えれぽん:2009/03/29(日) 15:40:01 ID:Jm57Tur4
別に童貞て訳じゃないが、女の服を脱がせるのは初めてだった。
それでも悪戦苦闘しながら、最後の一枚両足から剥ぎ取った。
「ん?」
少女の下着は、かすかに湿りがあった。
あまりに無抵抗なので、内心怯えてるんじゃ無いかと心配だったのだが、少女の方も興奮しているようだ。
少女の上にのしかかり、左手で顔を引き寄せ、唇を奪う。
そして右手は滑らかな腹部を滑らせ、ダイレクトに恥丘に進入させる。
「あんっ!」
少女が唇を離してのけぞった。俺の指は淡い茂みを掻き分け、秘裂をさぐる。
やはり、濡れている。
完全にリミッタ−の外れた俺は、少女の微乳に吸い付いていった。
手の平にすっぽりと収まるふくらみを、やんわりと揉みながら、桜色の乳首を舌でころがす。
気の済むまで責めて、少女の唇を吸う。
彼女は相変わらずされるがままだが、明らかにあえぎ声が変わってきた。
さっきまで閉じていた唇も、今は俺の舌の進入を拒もうとしない。
白い肌が桃色に上気して、うっすらと汗ばんできた。
俺は飽きることなく、少女の甘い肌をすみずみまで味わい尽くした。
98えれぽん:2009/03/29(日) 16:30:23 ID:Jm57Tur4
「じゃあ、入れるぞ」
俺は少女の細い両足を静かに開いた。
「うん・・・」
少女は目を閉じたまま頷く。すでに何度も軽い絶頂を味わった様で、ぼうっとした表情だ。
俺は片手で自分のモノを誘導しつつ、少女の陰裂に突き刺していった。
「んうっ・・・」
少女の身体が軽く跳ね上がった。が、俺のモノは何の抵抗も無く飲み込まれて行く。
「大丈夫か?」
「うん・・大丈夫だよ」
少女が笑う。
俺はさらに深く押し込んだ。
「はぁう!」
少女は声に成らない悲鳴を上げ、細い手を俺の首に巻きつけ、しがみついた。
「動くぞ」
「あ・・・らめぇ・・・」
「もう止まんねえよ」
俺は腰の動きを早めてゆく。
「ああ・・おへそに・・・裏側からおへそにあたってるのォ!」
少女がしがみついた細腕に力を込めて来る。
「あ・・あんっ・・・ひっ・・・はああ!!」
いつのまにか、少女は両足を俺の腰に巻きつけ、無意識に腰を使い始めていた。
同時に少女の内部が別の生き物の様に締め付けてくる。
あまりの気持ち良さに、おれはもう耐え切れなかった。
「くっ・・・イクぞ!」
「あっ・・はああああっ!!!!!!!!!!!」
俺は少女の中で思いっきり爆発した。後から後から快感が押し寄せ、2度3度と射精する。
少女は放心状態のまま、荒い息だけを吐き出している。
俺は少女に覆い被さり、半開きの唇に舌を潜り込ませた。
99えれぽん:2009/03/29(日) 17:33:24 ID:Jm57Tur4
「なあ・・・」
俺は少女に腕枕して、煙草を吸っていた。
あれから休憩も取らずに、もう一度少女の身体に挑み、さすがにへばっていた。
少女が「なぁに」と言いたげな視線を向ける。
「今さら聞くのもあれだけど・・・何で・・・その・・・」
処女では無かったとは言え、明らかに彼女はあまり経験が無かった。
だから今まで素人一人、後は風俗でしか女性経験の無い俺でもリ−ド出来たのだ。
「つまり・・・俺と寝たのかと・・・」
少女は視線を外して、しばらく天井を眺めていたが、
「・・・君がね」ポツリと言った。
「ん?」彼氏の事だろう。俺は何故かそいつの嫉妬を覚えた。
「浮気したの」
「ああ・・言ってたな」
「でも、浮気じゃ無い、て言うの」
「何だ、そりゃ」
「誘われて・・・つい、つまみ食いしただけで、本気じゃ無いんだ、て」
「それは・・・また、勝手な言い草だな」
「でしょ」少女は笑った。「でも言うのよ。男ならみんなそうだって」
「え?」
「本命の女がいても、食えそうな女がいたら、つまみ食いするのが男の生理だって」
「・・・」
「だから、実験してみたの」
「!?」
「でも、私から声かけるなんて出来なくて・・・」
「・・・・俺が声かけたってわけか・・・」
「ごめんね。でも、なんかスッキリしちゃった」
少女は天井を見つめたまま、くすくすと笑った。
「これで私も浮気したわけだし,エッチもあんまり好きじゃ無かったのに、初めていっちゃったし」
「いや・・俺が言うのもなんだが、そんな男ばっかりじゃ無いぞ?」
「それは、どうやって見分ければいいの?」
「・・・」
俺は答えられなかった。

結局、最後まで名前も聞けず、少女と別れた。
彼氏とよりを戻すのか、別れるのか、それも分からない。
ただ、俺は「少女」を「女」に変えてしまったんだと、なんとなくそう思った。
あれから雪が降る度に、口を開けてる少女が居るんじゃないかと、周りを見渡す癖がついてしまった。


以上です。
かなり強引にまとめてみました。
難しいもんですね・・・
御講評、御意見、お願いしまつ。
100名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 13:24:13 ID:pam8GQT0
GJ!!
虚しさと切なさを同時に感じられて良かったです
101名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 00:54:28 ID:RD/IePEu
GJ!
思わずニヤリとするような話で良かった。
102名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 17:42:59 ID:jGi0SE9W
>>97
GJ
へそ何処にあったっけ?
103えれぽん:2009/04/05(日) 20:21:11 ID:SdFQhF0K
>>100>>101 ありがとうございます。
>>102
すいません1行だけ・・・
「ああ・・おへそに・・・裏側からおへそにあたってるのォ!」
でごまかしてますw
この勢いで>>92の遊園地 鋸 傘
も書いてみようかと思います。
104えれぽん:2009/04/06(月) 00:26:55 ID:RcdyIH7G
投下
 
俺、心配性なんですよ。
よくあるじゃないですか。外出先で「鍵閉めたっけ」みたいな事が気になる人。
俺、自分で言うのもなんだけど、それがかなり極端なんです。
でも、それを逆手にとる事で、短所を長所に変える事が出来たんですよ。
ほら、「備え有れば憂い無し」てゆうでしょ?あれですよ、あれ。
何事にも完璧な準備をする。普通の人間なら見過ごす所も、俺は見落としません。
だから、友人達には「ゴルゴ」てあだ名で呼ばれてます。それ位、用心深いんですよ。

で・・・例の件なんですけどね。
発端は、その、英子さんとですね、遊園地でデ−トて事になりましてね。
その、それまでは何て言うか・・・友達以上、恋人未満だったわけですよ。
だから、「これで決める」て言うか、ええ、メチャ気合入れたわけですよ。
当然、念入りに準備しました。どんなトラブルにも対応出切る様に。
雨天に備えて傘はもちろん、ありとあらゆる場面を想定し、考えられる限りの準備を整えましたよ。
そして、デ−ト当日・・・
105えれぽん:2009/04/06(月) 00:46:55 ID:RcdyIH7G
遊園地は楽しかったですよ。
行く時も裏道とか、完璧に調べたから、渋滞にもかからなかったし。
園内でも、どの施設が人気あるとか、その位置関係まで調べてたから、効率良く回れたし。
英子さんも楽しんでくれて・・・まあ、俺の希望通りの展開で・・・
遊園地からの帰りに、ついに、ホテルに連れ込めたわけです。
あの・・・この先も話すんですか?はあ・・・
実は、俺・・・童貞でして・・・連れ込んだはいいものの、そこで頭、真っ白になったんですよ。
もちろん、友人の話とか、本とか、予習はしてました。
英子さんの方は、俺の前にも何人かと付き合ってたんで、余裕ありましてね。
俺が初めて、て事も打ち明けてましたし、
「初めてが私でうれしい・・・頑張ってリ−ドするからね(はあと)」
てな感じで、
「ね・・・チュ−・・・して・・・」
俺は緊張しつつ・・・え?そこはいいんですか?じゃあ、はしょりますね。
何もかもが上手くいってたんですよ。英子さんから、あの一言を聞くまでは・・・
106えれぽん:2009/04/06(月) 01:17:37 ID:RcdyIH7G
「そろそろ、ゴムつけてね。私がつけてあげた方がいい?」
え・・・ゴム?
し、しまった−!!!俺とした事が、完全に想定外だった!!!
しょせん、童貞ですよね。一番肝心なものを忘れてたんです。
俺、「いや、恥ずかしいから、バスル−ムでつけてくるよ」てごまかして、バッグを持って風呂場に逃げたんですよ。
バカですよねえ・・・ゴムなんて、ホテルには常備されてんのに、そこは初心者ですから、頭が回らなかったんです。
とにかくもう、「何とかしなきゃ、何とかしなきゃ」て。
ゴム忘れた、て言ったら、やっぱり今日は中止だよな。下手すると、これっきり、だ。
なんせ、どんな状況でもク−ル!どんなトラブルも即対応!てのが俺の売りで・・・英子さんもそこを買ってくれてるわけで・・・
そこで、気付いたんですよ。俺は、どんな状況にも対応出切る様、このバッグに色んな物を入れてある。
・・・もしかしたら、ゴムの代用品があるかも!
傘は・・・ダメ。暴漢対策用のスタンガンに、地震対策の非常食、ろうそくにロ−プ、手動ラジオ・・・
工具一式もあるな。ハンマ−に鋸にガムテ−プにドライバ−・・・!そうだ!
俺は閃いたんですよ。これで代用品が自作出切るって。
まず、シャワ−のホ−スを鋸で切断。俺のと同じ長さにして、はめる。
んで、先端をガムテ−プで塞ぐ。後は、部屋の電気を消せば・・・
完璧じゃん!
いや、その時はそう思ったんですよ。相手が痛いだろって?いや、それは思いつきませんでした。
とにかく、俺は作業にかかったんです。そして・・・
107えれぽん:2009/04/06(月) 01:41:48 ID:RcdyIH7G
「刑事さん。どうでした?例の凶悪変質者」
「ん?・・・ああ」
顔見知りの記者が食いついてくる。
つい先ほど連行したばかりなのに、あいかわらず、情報が早い。
どうせ、大体の内容はホテルの従業員から取材済みだろう。しかし・・・
「さっきまで、取り調べてたんでしょ。怖いですよねェ・・・
 被害者が事前に気付いて逃げたから良かったものの、風呂から妙な物音が聞こえるんで様子を見に行ったら、
 右手に鋸、左手にガムテ−プですからねェ・・・
 しかもバッグの中にゃ、スタンガン・ろうそく・ロ−プ・ハンマ−まであったとか。
 一体どれだけ変態なのかと・・・あれ?ちょっと?刑事さん?
 何、爆笑してるんですか?刑事さん?」

108名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 01:09:14 ID:yqcIzDOt
GJ

それから投下したら三語指定して帰ってね
誰ともわからん人が指定するより、書いて投下した人が指定する方が信用できる
109えれぽん:2009/04/07(火) 01:44:04 ID:zb0GeHYl
>>108 ああ、ごめん
まだ>>94が残ってたもんで・・・

お題 鯖 歌舞伎 ツンデレ
110名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 20:24:44 ID:oC3BrQxP

温泉
雨宿り
111名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 18:00:50 ID:kwjzcBCt
三脚
お礼
場所取り
112名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 23:41:09 ID:QZUYTjL1
いやいやいや……どれで書いたらいいの?
113名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 00:03:57 ID:mC95eNGC
・SS投下後、一番最初に投下されたお題が効力を持つ
もしくは
・次に投下する人の自由にまかせる
 ただしお題を全部消化する必要はなく、お題を採用されなかった人も文句は言わない

この辺が妥当な線かと
114名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 21:32:57 ID:4pefrHyU
ほしゅ
115 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/13(月) 02:02:28 ID:QR5NI+mQ
誘導されて来ました。
こういうのは初めてなので勝手がわかりませんが、
先の書き手>>109さんのお題【鯖】【歌舞伎】【ツンデレ】で書いてみました。

注意:二次創作(ラグナロクオンライン)
その辺のファンタジー系ネットゲームです。
故郷の国から船に乗って数週間。
ジャスは泉水の国アマツの地面を踏んだ。
「ここが……アマツ……」
辺りを見回してみると、確かにルーンミッドガッツ王国では見慣れない
木でできた家々、漆喰や瓦作りの城壁が目につく。
街のあちこちに生えている桜の樹。着物姿の男や女。
落ち着いた色合いの美しい和風の風景に、彼は目を奪われていた。

ぼーっとしていると、後ろからいきなり
怒鳴り声がかけられて、ジャスは身をすくめた。
「ジャス、何してるの !? 早く行くわよ!」
「あ、ああ……すまん、フローラ」
そこに立っていたのは、見事な金髪を短く切りそろえた少女だった。
ところどころ十字架がついた紺のローブの腰に手を当て、
目をつり上げて彼をにらみつけている。
フローラは神の使徒、治癒と補助を得意とするプリーストだった。

対するジャスは燃えるような赤毛の男で、身にまとっているのは
フローラと同じ色の衣装だったが、その出で立ちは明らかに違う。
体のラインがくっきり浮き出た戦闘服のような衣の上に
胸部や手足など、怪我のしやすい部分には幾重にも硬い布が巻かれている。
騎士などと違って動きやすい、闇と夜に生きる者の装いをした彼は
明らかにこの桜の舞い散る風景の中で浮いていた。
彼はアサシン。短剣を手に敵を殺す暗殺者だ。

二人は昔からの知り合いで、何度かの冒険を経てパートナーになった仲だった。
ジャスが前に出て敵を倒し、フローラが支援と回復を担当する。
暗殺者と聖職者。対立する存在の二人だったが
彼らは見た目よりはるかに息の合ったコンビである。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
虚空を切り裂き、この国ならではの片刃の太刀が襲いかかる。
まともに喰らえばただでは済まないその斬撃を、ジャスは身をひねりかわした。
「――甘いなっ !! 俺に触れられると思ったか !?」
体をひねった勢いを活かし、流れる動作で右手の短剣を敵に叩き込む。
フローラの聖水によって清められたその刃は、苦も無く相手を切り裂いた。

倒れふした黒衣の男の死骸をあさり、手裏剣と呼ばれる武器を手に入れる。
歌舞伎の仮面をつけた忍び、カブキ忍者はそれなりに稼げる敵だった。
「これで50体か……フローラ、そろそろ休憩しないか?
 もうこの部屋の敵は全部片しただろう」
「ふん、すぐ弱音吐いちゃって……いいわ、許したげる」
強がりを言ってはいるが、支援と回復にかかりきりだった
フローラの魔力もそろそろ限界のはずだ。
敵もいなくなったし、少し休憩した方がいい。
二人は武器をしまい、大きく息を吐いて木の床に座り込んだ。

ジャスとフローラが国を離れ、このアマツにまでやってきた理由は
ここに熟練者のみが一攫千金を狙えるダンジョンが存在するからだった。
先ほどのカブキ忍者然り、武者の亡霊こと銃奇兵、酒瓶を持った天狗など
ここには故郷の国ではお目にかかれない魔物が生息し、獲物を待ち受けている。
強敵揃いのダンジョンだったが、二人は何とか敵を倒し続け
既にそこそこの稼ぎを手にしていた。

アマツに行こうと言い出したのは、言うまでもなくフローラだった。
ジャスは暗殺者という職の癖に何事にも消極的で、
相方の少女にいつも引っ張り回されている。
たまに困らされることもあるが、彼はこの強気な少女を憎からず思っていたし
実を言うと彼女の方も、ジャスを誰よりも大事に思っていた。

むっつりと口を引き結んで、壁を背に座る金髪のプリースト。
彼はそんな少女を笑みを浮かべて眺め、すぐ横にひざまずいた。
「……何よ? ジャス」
「んー、ただ待つってのも退屈だからさ……」
ジャスは手を伸ばし、ローブの上からフローラの乳房をわし掴みにした。
「ちょ、ちょっと……こんなところで……」
「いいだろ? どうせ他に誰も来やしないさ」
暗いダンジョンの中、二人っきり。
その事実に彼女は頬を赤らめ、ためらいがちにうなずいた。
暗殺者の血塗られた手が聖女の乳房を揉みしだく。
「あ、ああ、ジャス……」
「……いつもより感度が良くないか? やっぱり興奮してるんだな」
「そんなこと……ない、わよ……」
両手で口を押さえ、首を振るフローラの双丘をローブの上から丁寧に
マッサージし、立ち上がってきた乳首をジャスは布越しにつねり上げた。
「……こんなに先っぽを硬くして言うセリフじゃないな」
「――ひあぁっ !?」

身をよじり嬌声をあげたフローラの桃色の唇を、彼の口が塞いだ。
「はん……ん……んんっ……!」
舌を入れてやると、おずおずと彼女も舌を伸ばして唾を塗りたくってくる。
いつもは気の強いプリーストも、彼と二人になると
目を伏せておどおどとジャスに奉仕する、ただのか弱い少女でしかなかった。
――ズズッ、ジュルジュルジュルルッ……!
合わさった口から彼女の唾液を吸い上げると、フローラは驚きに目を見開き
青く透き通った瞳いっぱいにジャスの姿を映し出した。

ジャスが口を離すと、彼女はへたり込んで熱っぽい視線を彼に向けてきた。
普段彼をにらみつけるその青い目が、今はこう語っていた。
――もっと、して。
「フローラ……可愛いよ、フローラ……」
愛しげに彼がその名を呼んだことに気を良くしたのか、
金髪の少女の口元がゆるみ、濡れた唇がだらしなく開かれた。

フローラのローブに手を伸ばし、太ももに大きく入ったスリット部分から
彼女の下着に手をかけると、一度だけ少女がビクリと震えた。
恐怖のせいではなく、期待のためだった。
清純な白のショーツの脇を両手でつまみ、ジャスは
抵抗もしないフローラの下着をゆっくりと引きずりおろしていく。

――と、そのとき。
「………… !?」
何の前触れもなくジャスが、フローラが、そして世界が消え去った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
『サーバーとの接続がキャンセルされました』
「――うおおおおぉおぉぉっ !?」
机の上のモニタに表示されたメッセージを前に、亮は頭をかかえて叫んだ。
「またっ! またっ! 鯖キャンですかっ !?
 いい加減に仕事して下さいよ癌呆さん!
 糞会社でググったらトップに来る企業だからって客ナメてんじゃねーぞ!」
心の怒りを声に変え、管理会社への悪態をぶちまける。
せっかくいいところだったのに――。
このゲームにおいて回線が切断されるのは決して珍しいことではないが、
それでもタイミングというものがあろう。

「――鯖キャン、しちゃったね……亮くん」
椅子の背もたれに体を預けて絶叫する亮の後ろから、
残念そうな少女の声が聞こえてきた。
長いストレートの黒髪を床に垂らし、ノートパソコンの前で
ゴロゴロとうつ伏せに寝転んでいる。
彼女の名は真耶。亮の幼馴染にして一応付き合っている仲でもある。

彼の前では大人しく控え目な恋人になっている真耶だったが
そんな恥ずかしい姿は人に見せられないと、
普段は勝気で尊大な少女を演じている。
もちろん、このネットゲームの世界でもそのツンデレぶりは健在だった。
ああして他のプレイヤーがいない場所ではディスプレイを見つめ
思いつく限りの語彙を駆使してジャスこと亮を誘惑する。

実のところ、彼女がこのゲームをやっている理由は
半分以上がああした亮との淫らなやり取りにあると言ってよい。
そのために毎月1500円も支払うのは馬鹿馬鹿しい話だったが
他のプレイヤーに強気な少女役を演じるのもその楽しみの一つだった。
「ちぇ、仕方ない……ムカついたからこっちで再開しようぜ」
「うん……いいよ、亮くん」
自分の体に手を伸ばしてきた亮を愛しげに見つめ、真耶は彼に身を預けた。
120 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/13(月) 02:11:15 ID:QR5NI+mQ
以上となります。
なかなか難しいですね、勉強になりました。
たまたま直前にツンデレスレに投下してて助かりました。

ではこれにて失礼致します。
次のお題は【ピンク】【遅刻】【トマト】ということで。
121名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 22:26:26 ID:98qC6mhV
いざ書こうとするとなかなか難しいね
122へっぽこくん:2009/04/21(火) 19:06:14 ID:/cV/hcDx
『遅刻!遅刻!!遅刻!!!』
叫びながら、トースト片手に、玄関から走って出ていく。
もはや、毎日の恒例行事だ。
紺色のセーラー服が似合う少女。
ショートカットの瞳の大きな少女である私の名前は、物野葉積(もののはづみ)。

しかし、今日は何かが違った。
学校までの最後のコーナーを一気に走りぬけようとした瞬間に、自転車にぶつかった…

『…大丈夫ですか?』
何度も言われていたらしいが、まだ、目の前にはピンクのカーテンがかかったままであった。
なんとなく、夢の世界と現世の間をゆらゆらしていたのだが、その声によって、何とか現世に帰ってこれた。
あやうく、死んだバーちゃんの手招きに応じるところだった。

結構長い間、気を失っていたらしい。彼女の自宅にの寝室で寝かされている。
『…失礼だとは思いましたが、生徒手帳を拝見させていただきました。』
つまりは、学校には連絡してくれたということらしい。
『なさけねぇ〜なぁ〜』と、呟く。元来男勝りの性格なので、ついつい男言葉を使ってしまう。
『大丈夫ですか、頭から血が出てましたけど…』
『え?かすり傷ですよ、大丈夫大丈夫』
『いえいえ、トマトをざっくり割ったみたいな出血でしたが…』
…うげぇ、そんな出血をしたのか、通りでふらふらするわけだ…
『ところで、私、何で裸なんですか?』
『ん?気にしないでいいわよ』と、家主のきれいなおねーさんは、なぜか服を脱ぎはじめた…
『え?え?え?で、何で脱いでるんですか?』
『それも、気にしないでいいわよ』と言いながら、脱ぎ終わったおねーさんが近づいてくる。
…なになになに?何が起こってるの??
私の中ではうずめく『?』。ひたすら、ぐるぐる『?』が回る。
『!!!!!』その時に、びっくりした私。
なんと、きれいなおねーさんには、チンチンが生えてる!!
『あなた、可愛かったから、前から狙っていたのよね。』
『なななななな…』もはや言葉にならない私。
『でも、ちょっとぶつかるだけだったのに、いきなりトマトみたいに頭割れちゃうし…』
…それって、犯罪なんじゃ…
『でも、部屋に連れ込む時に、みんなが手伝ってくれて助かったわ』
…傷害罪・監禁目的誘拐罪・暴行罪…
思いつく範囲で、頭の中で罪状を並べてみる…
『ん?不安そうな顔をしてるけど?え、犯罪?』
そうそう、犯罪者だよ、あなた…
『大丈夫、これは合意のもとで行われるんだから…』
…絶対合意なんてしないってば…

そして、彼女(彼?)の攻めがはじまった。
正確に15分30秒後に、ピンクに染まった身体で、私は合意を認め、彼女(彼)の身体を求めていたのであった…


う〜む、無理やりでしたね
お題
『幼女』『夢精』『老化』です。
お願いします。

123名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:39:41 ID:fHp7BJIO
保守
124名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 19:57:27 ID:rv9cBF84
保守
125名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:04:19 ID:LPMzB1vK
hosyu
126名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 13:49:06 ID:py2ktANW

落ち
意味
127えれぽん:2009/05/28(木) 23:04:05 ID:YffFTwOQ
お題
『幼女』『夢精』『老化』

「御目覚めなさい。ダイ・・・」

「ん・・・」
朝だ。
誰かに起こされた気がしたが、そんなはずも無い。俺は一人暮らしなのだから。
「ん?・・・あ、あ・・・」
まだ頭は醒め切ってないが、すぐに違和感に気付いた
夢精だ。何年ぶりだろう。そう言えば良い夢を見た覚えがある。
・・・しかし、もうすぐ四十になろうというのに夢精とは。
俺の性欲だけは「老化」と言う言葉とは無縁の様だ。
ため息をつきながら、のそのそと体を捻り、ティッシュペ−パ−に手を伸ばす。
「?!」
枕元に見たことの無い女がにっこりと微笑んでいた。
「おはようございます。大賢者様」
見たことも無い良い女だ。明らかに日本人じゃないが、じゃあ何人だろう?髪の色からして透き通った薄緑・・・
「私が何者か、それは大した事ではありません。私はあなたの覚醒を告げる使者のようなもの・・・」
女は俺の心を読んだかのように答え、微笑んだ。
「か、かくせい?」
「はい。あなた様は大賢者として覚醒されました」
「え〜と・・・心当たりが無いんですが」
俺は普通の、というよりやや下流のリ−マンでしかない。
「あなたもお耳にされた事があるはずです。30歳まで童貞を貫けば、魔法使いになれると」
「・・・ああ、ありましたね」
「さらに、魔法使いになってから100回目の夢精で大賢者になれるのです!!」
128えれぽん:2009/05/28(木) 23:43:37 ID:YffFTwOQ
俺はまだ夢を見てるんだろうか?
いや、俺の五感は確実に現実として認識している。
「えっと・・・あなたの話だと、俺は今まで魔法使いだったんですか?」
「その通りです、大賢者様」
「でも、魔法なんて、俺、使えませんよ?」
「MPの上限が0ですもの」
「MP?・・・それはどうやって貯めるんですか?」
「・・・女性と経験を積まれれば、EXPが上がり、それに応じてMPの上限が上がります」
「じゃあ、大賢者っつっても・・・」
「はい。EXPが0ですから、MPも上限0です」
意味ねえじゃん。確かに俺は童貞歴=現在までの人生だが。ちょっとムッときた。
「しかし、このままですと、あなたは神の領域まで到達しかねません。なんとか大賢者でストップして頂かないと」
「そんな事言われてもな・・・出来るんならとっくにやってるし、俺、もう40だよ?」
あんたがやらせろ、と言おうとして踏み止まった。こいつの下半身が透けてる。少なくとも人間じゃ無い。
「ですから、私が参りました」女は自分の指から指輪を外し、俺に差し出す。
「それは祈りの指輪と申しまして、一度だけ、どんな魔法も使えます。それで、あなたが望まれる形の初体験を遂げて下さい。
後は経験に応じてMPの上限が上がりますし、その範囲内で魔法は使い放題。一晩眠ればMPは回復します。
魔法で経験を積んで、さらにMPの上限を上げて・・・どんな人生も大賢者様次第ですわ」
俺は指輪を受け取り、夢の様な話に興奮したが、ふと疑問を感じた。
「魔法って・・・どんな魔法が使えんの?」
すると女は一冊の本を差し出した。
「ここに全ての魔法の名称と効能、消費MPが書いてあります。今回は祈りの指輪がありますから、消費MPは無関係ですが・・・
ただし、一回しか使えませんから、その一回で目的を遂げて下さい」
「えっと・・・その、要するにあれなんだけど・・・あの、相手によってEXPも違うの?」
「もちろんです。あなたにとって思い入れのある相手やシチュエ−ションであるほど高くなります」
女は私の目を覗き込み、また心を読み取ったかの様に言った。
「あなたが今お考えの相手と成功したならば、その一回でレベル10はうpしますわ」
それが最後の言葉だった。女は消え、俺の手に指輪とガイドブックが残った。
「そうか・・・レベル10うpか・・・」
やるしかない。俺の永年の夢・・・そしてついに実現しなかった夢・・・
「幼女とやりまくるぞ−!!!」
129えれぽん:2009/05/29(金) 00:35:16 ID:OqttplN5
小学生達がゾロゾロと歩いている。下校時間だ。
俺は木陰に止めた車の中から、一見居眠りしてるふりをしてタ−ゲットをチェックする。
元々、営業中に見つけた休憩場所だが、丁度通学路になっているようで、大体この時間には下校する小学生を観察出来るのだ。今日は有休を取り、万全の体制で張り込んだ。
タ−ゲットはもう決まってる。名前も知らない少女だが(最近の小学生は名札が無い)、一目見た時から恋に落ちてしまった。
俺の20年以上の炉歴の中でも、最高のストライクと言える少女だ。
思えばこの性癖の為、まともな人生を棒に振ってきた。度胸も無く、また人並みに羞恥心や良心の呵責なんてものもあったから、常に観察だけ。
本物に手を出した事は一度も無い。だが、今日からの俺は違う!なにせ、魔法が使えるのだ!
問題は・・・
「メラ、ヒャド・・・は役に立たんな。マホト−ンもギラも・・・」
ガイドブックに載ってる魔法にろくなものが無いのだ。
「幼女とやれる魔法・・・メダパニで混乱させるか?ルカニで防御力を・・・いや、ラリホ−で眠らせて・・・」
どれも普通に犯罪だ。いや、犯罪なのは百も承知だが、捕まっては意味が無い。
「やはり、モシャスだな・・・」
少女が母親(らしき人)と買い物しているのを見かけた時、携帯で密かに撮影した事がある。この映像を元にモシャスで変身。少女を車に乗せるのだ。
これなら少女をすんなり拉致できるし、目撃者が多数いても問題無い。むしろありがたい。
後は力づくで・・・でも、泣かれたらどうしよう?そこから先は考えない事にする。
「あ・・・」
少女だ。同い年位の少女とおしゃべりしながら歩いてくる。すぐ後ろに4人連れの男子児童がふざけ合いながら続く。
「よし、そろそろ・・・ん?」
子供達の悲鳴が聞こえた。
130えれぽん:2009/05/29(金) 01:03:01 ID:OqttplN5
あ、と思う間も無かった。
前方のカ−ブから現われたダンプが、大きく外にふくらんで、歩道に突っ込んで来たのだ。
俺の目の前で、子供達が人形の様に弾き飛ばされ、タイヤの下に巻き込まれてゆく。
目の前で何が起こったか理解できたのは、ダンプがガ−ドレ−ルを引き千切りながら、ようやく停車した後だった。
反射的に車を降りる。周囲の家からも人が飛び出してきた。
「・・・・」
さっきまで元気に歩いてた子供達が、道路のあちこちに散らばって、ピクリとも動かない。
ダンプの下から、あの少女の足がのぞいている。
俺は慌てて走りよったが、上半身は完全に踏み潰されていた。
周囲ではここの近所のおばさん達が悲鳴を上げ、子供達の体をゆすりながら泣き叫んでいたが、俺の耳には別世界の声に聞こえた。
俺は、呆然としながら立ち尽くしていたが、ふとある事に気付き、車にかけ戻った。
「確か・・・復活の呪文が・・・」
ガイドブックをめくる。あった。だが・・・
「魔法は一回しか使えないんだよな・・・」
俺は、もう一度、悲惨な事故現場を振り向く。
「・・・どうせ、嫌がる女の子を無理矢理、なんて俺には出来ないし」
ああいうのは「妄想」だから楽しいのだ。俺はガイドを読んだ。
「ザオラルは成功するとは限らない・・・ザオリクは一人だけ・・・ザオリ−マは俺には使えない・・・」
俺はようやく希望の呪文を見つけた。
「・・・・・」
俺は指輪を握り、目を閉じた。
まあ、いいか。これはこれで悪くない結末だ。
「メガザル!!」
131えれぽん:2009/05/29(金) 01:09:52 ID:OqttplN5
すいません。
予想外に長くなりました。
最初はやりまくる話にしようかと思ったんですが、
途中で軌道修正したもので・・・
つ−か、エロ話で「幼女」ていうお題はちょっとw
次回のお題は
「核実験」「インフルエンザ」「大学教授」
です。
132名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 14:52:13 ID:Q2v412bR
おおおおい! 終わりかよ! メガザルかあー、予想外だったー…
エロくはないがGJでした。
133「核実験」「インフルエンザ」「大学教授」 :2009/06/07(日) 11:55:19 ID:aN7DFaRe
「繊維が乾燥するメカニズムを、ミズキは知ってるか?」
 唐突に問われても、私は咄嗟に答えを用意できなかった。アキラは戸惑う私の姿に小さく笑い、得意げに語る。
「第一に水の蒸発、第二に毛管現象による水の移動と保持。そして最後に、繊維と水との水素結合を切断する過程だ」
 プライベートな二人きりの空間でも、頭から研究の事が離れないらしい。アキラらしいと言えばアキラらしいけれど、
ロマンの欠片もあったものじゃない。
 だいたいアキラの話した内容は、聞かされるまでもなく知っている。なぜならアキラとは同じ研究室だから。
不意を突かれて答えに戸惑った私に、アキラは呆れ加減な眼差しを向ける。

 材質は絹か木綿か、シーツか雑巾か。乾かす布は水浸しか半乾きか。その時の気温や湿度は幾らなのか。
さらに細かな要因を挙げれば、気圧まで絡んでくる。
 そんな難しい実験をともなう卒研テーマを与えられても、嫌な顔ひとつせず真面目に取り組んでいる。
 アキラの粘り強さには、ほとほと感心するばかりだ。同じ事をやれと言われても、根性のない私には到底無理だろう。
 蒸気圧曲線も毛管現象も水素結合も、調べ尽くされた古典的なネタだ。組み合わせて数式化すれば簡単なのに、
なぜうちの研究室ではプリミティブな実験を繰り返すのだろうか。
「ミズキは理論家だな。頭の中にあるのは数式ばっかりだ」
 苦笑するアキラの物言いは、若干皮肉めいて聞こえた。
「大学教授でも目指すつもりなら、これだけは伝えておこう。数式とは、その気になれば如何なる現象でも表現できてしまう。
そして数式は、数式自身が正しい事を証明できない」
 だから実際の現象を、実験で確認する必要がある、とこの後には続く。説得力がありそうな言葉だが、実は教授の受け売りだ。
それもつい先日の報告会で、私が教授から受けた戒めの言葉だった。あの時受けた重圧感が、私の胸中に蘇る。
 アキラは明らかに機嫌を損ねている。確信を持ってアキラにそう訊くと、アキラは頷いて溜息を一つ。
「研究が進めば、この湿気もあっという間に吹き飛ばす乾燥機ができるのだろうに」
 言ってアキラが仰向けのまま片膝を立てる。ぐちゅり、と濡れたスポンジのような水音が形の良い尻の下で響く。
ほっそりとした両脚の付け根辺りに、いまだに乾き切らぬ体液を纏って息衝いているアキラ。
 その下で、座布団くらいの面積を持った染みが出来ていた。

「どうするんだミズキ。久し振りに外でお泊りするのに、びしょ濡れになったベッドで一晩過ごせというのか?」
 ずぶ濡れになったシーツを指差して、アキラは怒ったような口調で私に尋ねる。
 けれど私の視線はその染みよりも、むしろアキラの滑らかな股間に向けられていた。
 当然だろう。
 小顔の童顔に、中学生のような肢体のアキラ。とても成人女性のそれとは思えない、恥毛すら満足に生え揃わない場所が、
プラスティックの太い棒を捻じ込まれて激しく潮を吹き出したのだ。
 身体の中で唸る機械を引き抜いてくれ、と必死で乞いながら、気も狂わんばかりに足を泳がせた美少女。
 いかに理性的な人間であろうとも、小柄な優等生がはしたなく乱れる様には、嗜虐心を煽られようものだ。
 今さら弁解の言葉も思い浮かばなかった。だからと言って無策でいるのもアキラに悪い。
「バスタオルでも敷いておこうか? 少しは水気を吸い取ってくれるだろうから」
 情けない、とアキラは力なく吐き捨てた。
「実に凡百な発想だな。乾燥プロセスを研究する学生の発言とは思えない」
 容赦の無いアキラの言葉に、私も項垂れるしかない。私の反応を確かめるためか、アキラもしばらく沈黙する。
 やがて静まり返ったホテルの一室に、アキラの透明な声が響く。
「こんな事になるのなら、アキラに道具なんか使わないで欲しかった。お腹の中で核実験を強行されたかと思ったぞ」
「つい歯止めが利かなくなってしまったんだ。本当に済まない」
「どうだか。口では謝っても、アキラのここに興味深々のようだしな」
 視線に気付かれていたのか、と身構える。アキラが肘をついて半身を起こし、理知的な瞳に淫魔のごとき笑みを浮かべた。
134「核実験」「インフルエンザ」「大学教授」 :2009/06/07(日) 11:56:07 ID:aN7DFaRe
 彼女の指が、抜けるように白くて弾力のある肌を這う。小さな臍から下腹部へ、そして私を受け入れた部分へと滑走する。
「ミズキのロリコン。このケダモノ」
 おどけた口調でアキラは微笑むと、指でゆっくりと左右に開いてゆく。
 これ見よがしに行為の残滓を示したアキラ。その亀裂が何度潮を噴き出し、何度私を飲み込んで果てたのかすら思い出せない。
生温かい湿った空気にアキラの匂いが混じってくる。色素の薄い女の入り口は、彼女の体格相応に狭い。
蜜に引き寄せられ、美味しそうなアキラの部分に顔を近づけてゆく私に大して、優越感を感じたのだろうか。
 小さな唇を妖しげに蠢かせ、瞳に勝気な色を浮かべてアキラは囁く。
「ミズキのせいで、踏み越えてはならない何かに目覚めてしまいそうだ」

 言った途端アキラはクシュン、と首を激しく揺らし、あっという間に淫魔から素の彼女へと逆戻りしてしまった。
 慌てて取り繕っても時既に遅し。子供っぽいクシャミをする姿を、ばっちりと見てしまったから。
 自分自身の身体を両手で抱き締めて、ばつの悪そうに私を見上げる。
「寒い」
 頬を膨らませ、アキラは恨めし気に私を睨む。確かに全裸では寒かろう。インフルエンザにでも罹ったら大事だ。
アキラの背に手を回し、やけに冷たい彼女の両肩を掌に包み込む。アキラも最初は嫌がる素振りを見せたものの、
程よく肌が暖まってくるにつれ、形ばかりの抵抗を徐々に止めてゆく。
「ミズキ」
 くいくい、と湿った下腹部を私に押し付けてきた。どうやらアキラも、先程の強烈な体験が燻っているらしい。
「固くなっているんだから、早くすればいい。アキラはミズキを受け入れてきたし、これからもそうするつもりだ」
 だが今は誘いに乗ってやるつもりはない。声に苛立ちを交えて催促するアキラの頬を、優しく撫でてやる。
「慌てるな。アキラが私を名前で呼んでくれたら、応えてやるから」
 なっ、とアキラが言葉を喉に詰まらせた。
 みるみる内に茹蛸のような真っ赤な顔になって、彼女はぷいとそっぽを向いてしまう。実に滑稽だ。
 毛も生え揃わぬ恥部を見せ付けるのは平気な癖に、私を名前で呼ぶのは恥ずかしいのか。だが。
「付き合い始めた時から、名前を呼んでもらった記憶がない。もし私が君を苗字で呼んだらどう思う?」
 ぴくり、とアキラの髪が揺れた。顔を見られまいとするかのように、首を頑なに横向きにしたまま彼女が答える。
「……二人の心が離れてしまったような気持ちになる」
「だろう? 私はいつもそんな気分だよ。君を何度も抱いたけど、私はまだ君を手に入れていないんだ」
 何かを考え込むように固まったアキラの肌に、唇でそっと触れる。反応はなくとも、根気よくキスを繰り返してやる。
やがて彼女は唐突に私と向かい合った。アキラの目が潤んでいたのは、お互いの鼻をぶつけてしまった為だろう。
「一郎……して?」
 頬を桜色に染めながらも、決意を込めた勝気な視線を私に送る。こんなアキラが、ずっと前から欲しかった。
 お互いの唇を丹念に味わってから、にゅるりと音を立てて恋人の胎内へと身を沈めた。

 ――アキラさんを私に下さい。
 遅かれ早かれ、串田家にこんなお伺いを立てる日も訪れるだろう。
135名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 11:57:25 ID:aN7DFaRe
すぐバレる性別ミスリードに挑戦したら、キャラがありえない性格になっちまった
せめて名前でご勘弁をば

次のお題
『タコ殴り』『イカメシ』『カニバサミ』
136名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 20:13:01 ID:hnFJGoID
兄貴は分かるが串田アキラって誰?
137名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 20:40:50 ID:MDY6+ANc
>>136
ヒント 富士サファリパーク
138名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 12:29:42 ID:wzBx5h+j
>>136
つ【戦闘メカ ザブングル】【キン肉マン Go Fight!】【太陽戦隊サンバルカン】【宇宙刑事シリーズ】
139名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 21:56:17 ID:iKTLPEFx
サファリとキン肉マンから導き出した答え
歌手?
140えれぽん:2009/06/11(木) 21:42:19 ID:zD8jFD64
『タコ殴り』『イカメシ』『カニバサミ』

俺は佐奈子の様子を窺いながら、ジワジワと間合いを詰めた。
一瞬の油断も出来ない。
柳生佐奈子。女の身でありながら、古武道柳生流歴代最強の当主。
15歳で継承者と成って以来、5年間無敗の格闘家だ。
俺はと言えば、高校時代に彼女に一目惚れ。
「私より強い男の人で無いと・・・」
生まれて初めての告白が、思わぬ理由で玉砕となって以来武門の扉を叩いている。
強くなる為じゃない。佐奈子に振り向いてもらう為だ。
彼女と戦う為には、何らかのタイトルが無ければ相手にしてもらえない。
俺は「宮本流柔術県大会優勝」のタイトルによって、ついにその資格を手に入れた。
(ちなみに県大会出場者は5人しかおらず、全国大会では一回戦負け)
正直、格闘家としての実力はお話にならない。だが、要は彼女にだけ勝てればいいのだ。
そして俺は佐奈子のあらゆる戦闘パタ−ンを調べ尽くし、その攻略法を練っていた。
「!!」
一瞬、佐奈子が視界から消える。
目にも止まらぬ速さで佐奈子がスライディングしてくる。必殺のカニバサミだ。
しかし、俺はこの攻撃を読んでいた。


141えれぽん:2009/06/11(木) 21:42:48 ID:zD8jFD64
佐奈子の長くしなやかな両足が、俺の足の絡み付いてくる。
このまま横倒しにして、マウントポジションをとるのが、彼女の必勝パタ−ンだ。
体格が違い過ぎれば不可能だが、俺程度が相手なら失敗は無い。
俺はあえて抵抗せず、倒れた。素早く体を反転させ、仰向けになる。しかし、佐奈子は素早くマウントポジションをとった。
この状態から、相手の顔目掛けての「タコ殴り」。それが佐奈子の決めワザだ。
普段は無表情な佐奈子がうっすらと微笑む。顔立ちが整ってるだけに、妙な迫力を感じた。
だが、俺の方こそ、この機会を待っていたのだ。この日の為に猛特訓した俺の秘技「イカメシ」の出番だ。
ガッチリと押さえ込まれ、上半身は起き上がれない。両手の動きも制限され、パンチを出しても彼女の顔に届かない。だが・・・
「みゃあっ」
佐奈子が悲鳴にならない声をあげた。そして、その端正で無表情な顔が、珍しく憤怒の表情を浮かべる。
無理もあるまい。俺は胸の上にのしかかっている佐奈子の腰に手を回し、彼女の形のいいお尻を撫で回したのだ。
マウントポジションは確かにやっかいな技だ。しかし、相手が惚れた女であれば、ある意味これ以上のサ−ビスは無い。
胸の上で彼女のくびれた腰が艶かしくうねり、全体重をかけて押し付けられる。
視線を上げれば、サラシを巻いてなお盛り上がるおっぱいの膨らみが揺れている。
そして、佐奈子が動く度、その甘い汗が俺の顔に降りかかってくるのだ。
とは言え、いつまでもうっとりしてはいられない。佐奈子が鉄拳の雨を降り注いでくる。
グシャッ!バキッ!
さすがに効く。まるでハンマ−だ。しかし、冷静さを欠いている為、致命打にはならない。
俺は左手で佐奈子の袴の紐を解いた。こういう時、和服は便利だ。
そして緩んだ隙間から右手を滑り込ませる。
「あ、ダメッ」
佐奈子の攻撃が止まる。なんと、彼女は下着を着けていなかった。
「着物を着る時は下着を着けないのが正式とは聞いてたが・・・さすが伝統派」
これはうれしい誤算だった。俺の右手は生のお尻の割れ目に指を這わせてゆく。
「くうっ」
佐奈子が腰を浮かせようとしたが、俺は左手で押さえ込む。
「逃がさねえよ。こっからが俺の秘技イカメシだ!!」
「イ・・イカメシ!?」
佐奈子の顔が、初めて恐怖に引きつった。
イカメシとは、イカの中にご飯を詰める北海道名物のお弁当だ。戦時中、お米が足りないのを補うべく考案されたという。
しかし、その元ネタは江戸前寿司の技法「印籠詰め」なのだ。そう、印籠と言えば・・・
「肛門だ!!!!」俺の中指が佐奈子の菊門を探り当て、ゆっくりと沈んでゆく。
「ら、らめええ!」
佐奈子が上半身のバランスを崩し、俺の上に覆い被さる。サラシを巻いた胸が俺の顔を圧迫する。
俺は仰向けのまま佐奈子を左手で抱きとめ、同時に両足を彼女の足に絡めた。
そして、俺の黄金の右手が本格的にイカメシの体勢に入る。
彼女も耳にした事はあったのだろうが、実際に見た事も受けた事も無かろう幻の技だ。
「ふふふ、これからお前の中にいろはを書いてやるよ」
「やあ、ぬ、抜いて・・・」
俺は耳を貸さず、アヌスの中の中指で、い・ろ・はの文字をなぞる。
「はっはわわわわ」
佐奈子の体から力が抜けていく。それどころか、俺にしがみついて来た。
「そら、いろはの次は2本差しだ!」
俺はさらに人差し指も突っ込む。佐奈子の体がビクンと跳ね上がった。
「おらおらおらおらおらおらおらおら」
「や、はうっ、あ、ああああ」
佐奈子は最早放心状態となり、されるがまま声にならない悲鳴を上げるだけだ。
その声もだんだんと甘い響きに変わってくる。
「これでフィニッシュだ。いくぞ16連射!!」
超高速の2本指ピストンの前に、ついに佐奈子は絶頂目掛けて上り詰めてゆく。
「あ、いく、いっちゃうよおっ!あ、らめ、いく・・・ひいっ」
可愛らしい悲鳴とともに、佐奈子はしなやかな肢体を痙攣させながら、絶頂を迎えた。
「・・・・俺の勝だな。今日から、佐奈子は俺の女だ」
佐奈子は快楽の余韻に浸りながら、こくっとうなずき返してきた。
142えれぽん:2009/06/11(木) 21:45:08 ID:zD8jFD64
やべぇ・・・・
オチが無いというか、ただのレイプものになっちゃった。

お題
「筋肉」「太陽」「刑事」です。
143名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 03:27:26 ID:c8yu/F60
名字が柳生の俺が次を書く!
144名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 04:02:27 ID:c8yu/F60
「筋肉っていいな」
女は男の、大胸筋の境を撫でた。
「私、大胸筋の谷間でパイズリしてもらうのが夢なんだ」
女はうっとりとしている。
「まずチンコ生やさなきゃ無理だろう」
男──太陽神刑事(アポロンでか)は今にもはち切れそうなフレア渦巻く肉棒を女に擦り付けた。
「お前が大胸筋でパイズリしてもらいたいのは分かったから、先ずは俺のをパイズリしてくれよ」
「仕方ないなぁ」
女は太陽神刑事のモノを挟……めなかった。
「……ペチャパイめ」
「う・る・さ・い」
女は太陽神刑事のタマタマをギュッとした。
「ヒギィぃ!」
太陽神刑事はのけ反って反応した。
太陽神刑事のドMは筋金入りだ。
「マジでドMだよね。気持ち悪い」
言いながら、女は舌先で太陽神刑事の先端をチロチロと刺激した。
タマタマにも絶妙な圧迫を加え続ける。
「お、おお……おふぅ!!」
途端に太陽神刑事はプロミネンスを迸らせた。
白熱したプロミネンスが女の舌を樋にして、女の口に流れ込む。
女は頬を紅潮させながら、目を閉じ、しばしその味を楽しんだ。
「ん」
女は目を開け、太陽神刑事にキスを迫った。
「な、何をする!俺に飲めと言うのか?!俺に、俺の!オタマジャクシさんを!んぶ」
女は太陽神刑事に口付けをした。
太陽神刑事の口に、えもいわれぬ不快な匂いが広がる。
痰に塩素の匂いを付けたような、マーボ豆腐の溶け残った片栗粉のような、
ドロッとした液体とも異物とも言いがたい何かが口に侵入する。
同時に女の舌が太陽神刑事の口内を掻き回し、その不快なプロミネンスをそこら中に塗りたくった。
太陽神刑事は興奮した。
なぜならば、ドMだから。
唇が離れ、二人の唾液と太陽神刑事のプロミネンスが混じって糸を引いた。
「自分の飲んだ感想は?」
「まずい。が、興奮した」
もう既に、太陽神刑事の股間は2回目のビッグバンの準備万端だった。
「君を孕ませたい」
太陽神刑事は率直に述べた。
「あなたで孕みたい」
女は太陽神刑事の真似をして言った。
二人が出来ちゃった結婚で結ばれたのは言うまでも無い。

終わり
145名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 04:03:44 ID:c8yu/F60
お題
「月」「骨」「犯人」
146名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 13:39:56 ID:Kwy1Nc+J
『月』『骨『犯人』

「ツモ。八千オールでラストです」
 長い黒髪をタバコの副流煙に棚引かせ、セーラー服姿の娘が薄暗く埃っぽい室内に無機質な声を響かせる。
 発声とともに倒された十三枚の骨牌へと、三人が視線を注いだ。セーラー服娘の和了手は、リーチ緑發チャンタ三暗刻。
 上家の男が羅紗張りの卓に点棒をバラまいて天を仰ぎ、対面の男が忌々しげに煙草の火を手元の灰皿へと押し付ける。
下家に座っていた男だけは、女子高生が手元に引き寄せた和了牌を冷静な眼差しで見つめる。
「一筒攫月、中国なら数満貫だね。実に古風な和了だ」
 若々しい声でそう呟き、殺伐とした雰囲気の中でただ一人だけ微笑んだ。
 少年。青年のような少年。
 下家の男から女子高生が受けた印象はそれだった。世間知らずな人生を彷彿とさせる、傲慢な笑みを口元に浮かべた少年。
コンクリートを打ちっぱなしにした四角い地下室にあって、それはえらく場違いな雰囲気を醸し出している。
 けれども今の少女にとって、青年のような少年の氏素性などに興味はない。彼女が知りたいのは――
「父を殺した犯人を教えてくれる? 勝負に勝ったら教えてくれる約束だったはずですけど」
 あくまでも無機質な声でそう尋ねる少女。青年のような少年は、彼女の顔をまっすぐに見つめる。
 大きくて円らな瞳には、意志の強そうな光。父の仇を討つために、たった一人で鉄火場に乗り込む度胸は、
少なくともただの女子高生ではない。
 だが度胸はあっても所詮は女子高生。青年のような少年が浴びせる冷笑には、そんな嘲りが含まれているようにも見えた。
「勝負に勝ったら、だって? 僕たちがそんな約束を守る理由がどこにあるんだい?」
 下家に座る青年のような少年はそう言い放つと、上家と対面の男たちに目だけで合図をする。
 男たちは我に返ると、一つ頷いて青年のような少年に頷き返す。四角い卓を飛び越えて少女に襲い掛かる。
 床に撒き散らされた何枚もの骨牌が、コンクリートと衝突してガラガラと音を立てた。

「何をするの?」
 両手と両足を二人の男に押さえ込まれ、セーラー服の少女は驚愕に目を見開いた。
「勿論、ナニをするに決まっている」
 淡々とした口調で語る、青年のような少年。彼の意を無言の内に汲み取った男たちが、紺色のスカートの中へと手を伸ばす。
太股から尻にかけて肌の上を撫で回す、二本の無骨な手。
 背筋をかけのぼる不快感に、
「いやっ!いやあああっ!」
 腰を浮かせて不愉快な手から逃れようとするも、それすら男たちにとって予想内の動きだった。
 たちまちの内に下着を抜き取られた少女の口に、たった今まで秘所を隠していた純白のそれが丸められて突っ込まれる。
 スカートの裾を腰の上まで捲り上げられ、大きく足を開かされた少女。
 女として成熟した茂みの下は、彼女の男性遍歴の乏しさを裏付けるような瑞々しいサーモンピンク。
「んー!む、んんーっ!」
 表情一つ変えず、青年のような少年は彼女の花弁に指を伸ばす。
 ごく小さな突起を指の腹で転がされるたびに、うめきいて腰を突き出す少女。
 怒りの形相で青年を睨みつけて抗議するも、目尻に浮かぶ涙を拭う事もできない。
 ぬるり、と初めて迎え入れてしまった青年のような少年の中指を、誰に教わった訳でもないのに締め付けてしまう。
 複数の男に、ゆっくりとした指の動きに合わせて息を漏らす姿を晒してしまう。
 涙はとめどなく溢れてくるのに、声を上げて泣く事もできない。抵抗する気力も、徐々に掻き消されてしまう。
少女にとっては正に悪夢だった。
 やがて――
 涙で滲んだ少女の視界の中で、充分に潤んだその場所に、青年のような少年が青い矩形の紙を宛がうのが見えた。
確かこれは、中学時代に理科の実験で見た――
 ――リトマス試験紙?
 彼女が気付いた時には既に手遅れだった。
 湿った部分が赤色に変色した紙を少女に見せつけ、青年のような少年はほくそ笑む。

「ふふふ、君の粘液は酸性だね」
147名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 13:40:33 ID:Kwy1Nc+J
「パン」「地動説」「幻魔大将軍」
148名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 13:49:13 ID:Kwy1Nc+J
あ、間違えた
×一筒攫月
○一筒撈月
149名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 20:29:01 ID:pkn942qJ
このスレ凄いな
150名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 18:53:06 ID:nH08oEeS
保守
151名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 23:07:00 ID:xL9AkKY/
「パン」「地動説」「幻魔大将軍」


俺も彼女もオタクだ
いつもコスプレしながら激しいセックスをする

明日は久々のデート
俺が法要でしばらく里帰りしていたからだ
久し振りだから燃える!
ラブホに直行してパンパンとバックから激しく突いてやろう

妄想しながらニヤケていたが大事なことを思い出す
あ、いけね!彼女に新しいコスチュームをプレゼントする約束忘れてた
言い訳のメールを打つ
「悪ィ、こないだまで俺実家に」


やだ、楽しみにしてたのに、何このメール!
趣味が合うのはいいんだけど、アイツいつも適当なんだから
(いい加減!まだ衣装群馬にあるの?)
アタシは思ったコトをそのまま抗議のメールに打つ
「いいか幻魔大将軍魔剣にあるの?」
あらやだ何この誤変換
予測変換ってやあね

時は2009年
ガリレオが地動説をめぐりドミニコ会修道士ロリーニと論争となってから実に394年後の微笑ましいひとコマであった
152名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 23:09:54 ID:xL9AkKY/
しくった

「悪ィ、こないだまで俺実家に」

「悪ィ、こないだまで俺実家にいたろ。せっかくお前に買ったコスチューム向こうに忘れてきちゃった(^^;」
153名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 23:30:40 ID:xL9AkKY/
お題 「地下街」「ミシシッピアカミミガメ」「労働基準法」
154名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 14:43:35 ID:2LxHX0pq
「地下街」「ミシシッピアカミミガメ」「労働基準法」

 彼はその光景をじっと見つめていた。
「んっ! ちょ、こ、こんなと、ふぁっ!」
 ミニスカートをまくり上げた人間の女と亀の首を露出させた人間の男が、寂れた地下街の一角で抱き合っているのだ。
 にやにやと笑う男が、手を伸ばして女の股の間に手を伸ばして、激しく動かす。
「いいじゃねえかよ。お前だってそのつもりなんだろ」
「んっ、そ、そりゃ……そのつもりは、あるけど。ひんっ!」
 女のパンツの股布がずらされた。
 その光景は、彼からすれば理解不能な代物。
 そこから零れている液体は粘性が高そうで、身につけたら気持ち良いかもしれない。そんな事を考えていた。
「だ、あぅっ! だいたい、なんっでっ! こんな、ところなのよ」
「そりゃ、お前。労働基準法の関連で今日は早上がりになっちまったし、どっかよる気にもなんねえから……なっっ!」
「ひゃくっっ!?」
 男の股間から生えた亀の頭が、女の股の間にずっぽりと収まる。
 ああすれば、気持ち良いのだろうか。
 女の股の間からこぼれ落ちる液体の量が増えていた。
「へへっ、汲々締め付けてきて、気持ち良いぜ。お前もそのつもりだったんじゃねえか」
「だ、だからっっ! あひっっ! あんっっ、ひぁっっ! あふっ!」
 激しく腰を前後させる男と、鳴き声を上げ始める女。
 中々、見物ではあった。
 また今度、連れ合いでも連れてこようかと、そんな事を考えると同時。
 男が彼を見下ろしてきた。
「……なんだぁ、ミドリガメがなんでこんな地下街にいるんだぁ!?」
 いきなり、彼は蹴飛ばされた。
 痛みに素早く歩き出して、傍にあった溝に潜り込んだ。
 この先にある地下街に設置されている、その池が彼の住処だった。


 近年、この地下街のシンボルである噴水付きの地下池、アンダーレイクでは非常に困った問題が起きていた。
 通称ミドリガメ、ミシシッピアカミミガメを棄てに来る人間が非常に多く、しかも自然繁殖もしているのだった。
155名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 14:45:19 ID:2LxHX0pq
次のお題
「日本酒」「洋酒」「禁酒」
下げ忘れ、スマンかった
156名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 15:23:14 ID:FNO3lVxW
禁酒法は、飲酒は禁じてないんだよな。
157えれぽん:2009/07/07(火) 19:18:14 ID:XKbkWqvA
お題「日本酒」「洋酒」「禁酒」

俺は、ワカメ酒が好きだ。
はっきり言って、世界に誇る日本独特の文化だと思ってる。
なぜなら、ワカメ酒は日本酒でしか味わえないからだ。
洋酒はダメ。
ビ−ルは泡だらけで飲みにくいし、ウィスキ−では強すぎる。
酒とマンコが互いにその味を高め合ってこそ、意味があるんだ。
ワイン?あれは最悪だ。白も赤も、マンコには合わない。むしろ生臭い。
俺も色んな酒を試してみたが、マンコには日本酒が最高だ。
だが、うちの嫁にはそれが理解出来ないんだ。
「変態!!」って。あげくに禁酒だよ?禁酒。
こんな女だと分かってりゃ結婚しなかったのに・・・

弁護士「それがあなたの言う奥様との性の不一致ですか?」
ああ。離婚するには充分な理由だろ?
弁護士「・・・・・・」
158えれぽん:2009/07/07(火) 19:20:37 ID:XKbkWqvA
お題「プリン」「パチンコ」「納豆」です。
159名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 16:52:15 ID:5R28VDf8
お題「プリン」「パチンコ」「納豆」

 パチンコをしていると相方からメールが来た。ちくしょう、今確変引いたってのに。でも相方の機嫌を損ねるわけにはいかない。
 いつものスタバで待ち合わせて、いつもの場所に車で向かう。部屋に入ってベッドの上に座った相方をぐいっと抱き寄せる。
「自分の方から欲しがってくるなんていけない子だな」
 違うもん、と必死に否定している相方の顎を引き寄せて唇を重ねた。
「んっ……んふっ……」
 相方のプリンのように柔らかな唇の感触を、自分の唇に感じながら。俺はそのまま舌をそっと差し入れる。
「むふっ!?」
 驚く相方を気にも留めずに舌を絡める。
「んっ!?……んっ……」
 徐々に慣れたのか、相方の方もも拙いながら舌を絡めてくる。満足したところで俺は舌をゆっくりと戻す。
「ぷはぁ……はぁ……はぁ……」
 目をとろんとさせ、息を荒くしながら顔を火照らせた相方が俺を見つめる。
「納豆みたいに糸を引いてるな」
 そう指摘した俺に相方はばかー、と恥じらってみせる。そのまま、俺は彼女を押し倒した。
「今夜も覚悟しろよ」
 そう一言、伝えて。

<了>
160名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 02:12:33 ID:8G1AKxYp
お題「プリン」「パチンコ」「納豆」

「んんっ・・・、やあっ・・・」
俺はプリンのようにフルフルと震える彼女の柔らかな胸を揉み解す。
プリンのような・・・? その時、俺はふと閃いてしまったのだ。
「なあ、いつもと違うプレイしてみてもいいか?」
胸を愛撫する手を止めて俺は彼女に尋ねる
「え・・・? いいけど・・・」
彼女は俺の台詞にきょとんとした表情を返す。
それもそうだろう、このプレイは今唐突に思いついたものだ。
「じゃあ、早速」
俺は近くにあったコンビニの袋から購入したプリンを取り出すと。
手早くカバーをめくって彼女の胸の上で逆さまに向ける。
「ちょ、何する気?」
俺の突然の行動に彼女は慌てふためく。
「プリンプレイ」
カップの底の突起をへし折ると、プリンがずるりと彼女の胸へと滑り落ちる。
「ちょ、ちょっと・・・!?」
プリンの冷たさに彼女が顔をしかめる。
俺はそんな彼女の姿に躊躇もせず、プリンと彼女の胸を鷲づかみにした。
「ひうっ…!」
ぐちゅりとプリンが砕けて、彼女の胸へと押しつけられる。
カラメルのべとついた感触と、色見がそこはかとなくエロイ。
「やだっ、やめてよっ・・・!?」
初めてのプレイに彼女は戸惑いを隠せないようだ。
しかしそんなことは俺には関係ない。
プリンのような胸を揉みながら、カラメルで色づいた桜色の突起を口に含む。
当然ながら、プリンとカラメルのまとわりついた彼女の胸は甘かった。
「ひあっ・・・、やだよっ・・・」
初めて味わう感触に、彼女の反応もいつもとは違う。
「すっげー美味いよ、お前の胸」
言いながら、舌先で彼女の乳首を舐め上げていく。
「んんっ・・・、んっ・・・」
彼女は身体を仰け反らせて、甘い吐息を漏らす。
反対側の乳首もパチンコのダイヤルを捻るように指先でくりくりとこね回す。
彼女胸を味わっているうちに、彼女はびくびくと身体を震わせる。
「あっ・・・、あああああっ・・・!」
どうやら、あっさりと絶頂を迎えてしまったらしい。
はあはあと息を乱す彼女の股間からは愛液がとろりと溢れている。
「・・・・・・」
コンビニで買ってきたのプリンだけじゃないんだよな。
アレをまとわりつかせながら、挿入したらどんな感じなんだろうか。
「なあ、新しいプレイを思いついたんだけど、してみてもいい?」
今の彼女ならきっと断ることはしないだろう。
「うん、いいよ・・・」
絶頂の余韻で熱く潤んだ瞳を俺に向けて彼女は頷く。
さすがにばれたら抵抗は必至。
「じゃあ、ちょっとSMっぽくいこうか」
俺は彼女の手首をタオルで軽く縛り上げる。
ついで、別のタオルで彼女の視界を塞ぐ。
「何をするの・・・?」
彼女は少し不安そうに俺に尋ねる。
「いいから、まかせとけって」
ああ、俺はこんな可愛い彼女を裏切ってしまうんだな。
コンビニの袋に視線を向けた、中に入っているのは納豆だ。
さすがにこんなの突っ込んだら怒るよなあ。
しかし、俺にはどうしても好奇心を抑えることはできなかった。
俺はコンビニの袋に手を伸ばし、納豆をその手に掴んだのだった。

END 「勢い」でやった「反省」はしない、パチンコを使えなかったのが「残念」だ
161名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 13:06:09 ID:Tzv8Cprp
>>160
三題噺じゃないじゃん
162名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 18:04:13 ID:/YWthTVi
>>160
まじめに三題噺する気ないのなら氏ね
163名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 20:21:08 ID:C0ndK4Sn
次のお題、「ハチ」「クモ」「カゲロウ」で誰かよろ
164名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 20:53:50 ID:sUoU3P/Y
 見上げるとハチが輪を描くように飛んでいる。縛られる事無く。
 (いいなあ…。)
 一方自分は、巨大な蜘蛛の巣に捕らえられて身動きが出来ない。ふと思った。あのハチ
はどんな一生を過ごすんだろう。最期はどうなるんだろう。自分のように蜘蛛の巣にひっ
かかって死ぬのだろうか。力尽きて大往生だろうか。
 自分はカゲロウの新種を探してここに来ていた。そして、蜘蛛の巣にひっかかった。この
巨大な蜘蛛の巣に。声を張り上げても助けは来ない。考えてみれば集落は遠くだ。来ない
のは当然だ。後は黙って脱出を試みるのみだった。
 巨大な蜘蛛の巣に引っかかった。しかし、蜘蛛の姿が見えない。ここは蜘蛛の巣だが主
人のいない蜘蛛の巣なのか。それとも、形性質は蜘蛛の巣でも主人は蜘蛛でないのか。考
えながら疲れ果てて眠りに就いた。
 目が覚めると目の前にいたのは女だ。人間の女だ。人間以外の何物でもない女がいた。
 「はじめまして。」
 「これは君の作品か。」
 「はい。私の研究の産物です。私はこの珍妙な研究の為に人に避けられてしまいまし
た。だから、かかった獲物は、逃がさない。」
 女が全身を覆う特殊な衣服のまま、私の服を剥がしにかかった。女の表情は私の裸体
を見て醜いとは思わなかったようだ。探検探索を常としているので多少は鍛えられてい
る。この巣から逃げれるほどではなかったが。
 「では。」
 女が性器をつかみ出して咥えた。暖かく、柔らかく、弾力を感じさせる口にもてあそ
ばれ、性器は角度を上げていった。
 「いただきますよ。」
 口の動きが激しくなる。考えてみれば久し振りの女だった。女の香り、女の柔らかさ
、女の締め付け、そして、女の残酷さに包まれた。
 気がついた。この女は、経験が少なくない。周りを見た。死体も墓も存在しなかった

 「死んでいった人の記録は私の記憶と記録だけに、しかし決して忘れないように保存
してあります。」
 自分もその一人になるのか。その思いは自分の意識の中で急激に大きさを増した快感に
押し出された。私は放出した。
 女がこちらを見ている。満足げにこちらを見ている。逃がしはしないつもりだろう。
(終わり)
165名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 20:55:49 ID:sUoU3P/Y
すみません
>164
のお題は「ハチ」「クモ」「カゲロウ」でした
あと、ここには
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189158507/l50
の紹介で来ました
166名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 23:53:59 ID:BO9GNbg/
167名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 00:50:04 ID:PdJBDyGz
それでは次のお題

扇風機 物干し竿 蚊帳

お願いいたします
168名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:15:23 ID:C9qdpfUY
上げ
169名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 21:53:52 ID:8RZFGDH/
 熱い。とても熱い。
 彼は蚊帳の中で目をあけた。扇風機が猛烈に回転しているがそれさえ暑さを
ごまかすには足りない。その回転は過熱を思わせる勢いではある。
 何か、この暑さを忘れさせるものが、欲しい。そう彼は扇風機の力及ばぬ奮
闘に奉仕されながら思った。
 視角を変えた。洗濯物が物干し竿に干されてなびいている。白い色が輝いて
さらにまぶしく暑さを感じる。彼はまた視角を変えようとした。
 その時女が目に映った。たなびく洗濯物の合間から見え隠れしている。女は
こちらを認めると、遠慮なしに家に上がってきた。そして蚊帳を手で上げ入り
込んできた。
 「熱いね。」「熱いよ。」
 何者かと思ったが。想像がつかない。見覚えのある顔ではない。
 「何か、いやらしい遊びしない?どうせ汗かくんだし。」
 女が誘ってきた。暑さで頭が働かない間に女が衣を脱ぎだした。細い体だっ
た。身軽に体の上に乗ってきた。
 「いきなりだけど、いただきます。」
 そう言うと女に男性器が吸い込まれた。熱い。だが活力が湧いて来た。女を
腰に乗せて突き上げた。締め付けられる。締め付けられたまま出し入れするか
らこすられる。激しい感覚が下半身に集中してる。全身が熱い。もう何もする
気にならない熱さのはずなのに気にならなかった。放出した。
 女の着物を洗って干してやった。この日差しだ。すぐ乾くだろう。水を張っ
た風呂に女と二人で浸かった。
 涼む。
 彼は胸いっぱいの息を吐いた。
 (終わり)
170名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 21:54:23 ID:8RZFGDH/
age
171名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 21:56:41 ID:3632hohy
次のお題は何にしようか
172名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 14:56:36 ID:WC8f8qjD
だいぶ前に出題されて、まだ誰も書いてないお題でいいんじゃね?
173名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 15:38:26 ID:Lf2nk66y
じゃあ

温泉
雨宿り
174名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 22:56:06 ID:GSUtYH6T
うわあ。良スレすぎる。
175名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 03:08:28 ID:I3+7Pzyz
良スレなんだけど…書くには難易度高いんだよね〜
176名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 14:21:29 ID:yK25uFKL
 その男は温泉に浸かっていた。冷えた体に湯が染み渡る。改めて彼は
一息ついた。

 彼は賭場荒らしをして逃亡した後だった。逃げる途中雨に襲われた。
豪雨だった。止む気配は無い。雨宿りするには大木も頼りなかった。洞
窟や張り出しも無い。
 男の中で肺炎の恐怖が鎌首をもたげた。必死に、雨風をしのげる何か
を探した。そして彼は温泉宿にたどり着いた。

 この豪雨では追っ手も来そうにない。気が緩み過ぎない程度に彼は大
立ち回りと逃走の疲れを落とした。気がつくと、湯煙の向こうに女がい
た。
 温泉から上がった男は後ろを見た。あの女がいた。幼げな容貌だった
。凶器になりそうな物は見当たらない。身のこなしも体術とは無縁の動
きだった。男は警戒を緩めていた。

 「この氷砂糖は私からの。」
 女が男に氷砂糖を咥えさせた。口内で甘味が広がっていく。
 二人は激しく交わった後だった。女は男に跨って暴れた。組み敷かれ
て燃え盛った。体に似合わない反応だった。快楽をむさぼるその姿も、
終えた後の落ち着きも、体の幼さと似合わない物だった。
 「言え。何が望みだ。」
 「あなた様、神部菊馬さまのその力と知恵をお借りしたい方がおりま
す。」
 筆頭秘書から無法者に身を落としてまだ日は浅い。話しの種になる騒
ぎはまだ、そう多く起こしていない。一体どうやって自分を菊馬と見抜
いたか。菊馬は幾つかの思惑を込めて返答した。
 「会おう。」
 (完)
177名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 14:23:03 ID:yK25uFKL
気がついたら三隅研次監督の「剣鬼」の二次創作になってしまった
178名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 12:31:17 ID:36LGofsq
何故大事な所をはしょる。
179名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 10:46:31 ID:bVqRxHQk
次は

掛け軸
時計


でお願いします
180名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 20:02:23 ID:k5D1hZrG
 その掛け軸の由来はわからないが、とにかくいい物である事と古い事は確かだっ
た。
 この家で生まれて育って21年が過ぎた。その日は退屈だった。雨が降って、外
には出る気にならない。本を引っ張り出すのも億劫だ。考えなしに、猫と一緒に寝
転がっていたのは掛け軸の部屋だった。
 黒は荒くれ猫だった。犬すらねじ伏せ、もし人間なら鬼をもねじ伏せる猫だった
。その蛮勇で雄猫は近寄らない。雌猫は、命知らずの遊び好きならば親しんでいる

 「黒はこんな日ならどうする?」
 黒の方を見ずにそう言った。黒の返事は、掛け軸の前に飛んで、前足で除けてそ
の向こうに飛び込む事だった。
 目を疑った。掛け軸は揺れている。揺れる掛け軸の向こうに黒い空間が見える。
胸が高鳴るのがわかる。掛け軸に近寄ると、飛び込んだ。

 目の前には巨大な時計がある。時針分針秒針があるが、どれもが動いていない。
上を見上げると、まだら色の空間に飛行船が静止している。様々な服装の人間が
、人形の様に生気の無い目をして静止している。馬車、蒸気機関車、人力車、自
動車、自転車、全てがやはり静止していた。洒落た看板と、ショウケースが虚空
に並んでいる。
 「来たか。」
 思いもよらぬ太い声に驚いて振り向いた先にいたのは、着流しの胸をはだけた
色黒の男だった。目が怪しく光っている。一目でわかった。黒だった。
 「黒…。」
 「退屈なんだろ桜花。」
 黒が近寄ってきた。分厚すぎる胸板と力強い足取りに足がすくんだ。しかし、
逃げる方へは心が一寸も動かなかった。
 「いい度胸だ気に入ったぜ。楽しませてやるからな。」
 筋肉質の腕に固定されて、口付けをした。
 「黒…いいよ…。」
 また唇が唇でふさがれた。黒の逞しい腕が、精密で静かな動きで、下へ向か
ってきた。背から腰へ、腰から…谷間へ…、谷間から…チャックの奥へと動い
た…。体が、火照りだした。息が荒れる。
 「黒…、いつもこんな事したかった?」
 「あんた、思ったより楽しめそうだな。」
 黒に優しく全裸まで剥かれた。黒の裸体はただの鉄人と言う言葉では足りな
かった。鋼鉄、玉鋼、特殊鋼、超合金、並みの猫や犬が近づけないのがわかっ
た。
 「じゃあ、いくぜ。」
 軽々と抱え上げた黒は、自分の腰を跨がせ、ゆっくりと下げていった。そし
て、狙いを定めた。初めてを、飼い猫に奪われるのを心待ちにしている自分を
おかしいとは思わなかった。
 「あっ!!あっ…くぅううう!!」

 目が覚めると元の部屋だった。痕跡の欠片も無い。全て夢だった。黒は伸び
をしている。黒を抱き上げると口付けをしてやった。
 「黒、ありがとう。」
(完)
181名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 20:12:56 ID:k5D1hZrG
書いてる内に無茶苦茶体温が上がってヤバイ
汗かきそう
182名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 17:16:54 ID:0c/W1tBn
>>180
獣姦GJ
183名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 17:38:26 ID:HTAv408O
次は

死神
少女


でお願いします
184名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:37:08 ID:ju1G1TIn
難しいな
だからこそ燃える
185名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 07:46:41 ID:xgV5gzFY
>>183
デスノートのジェラス
186名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:23:53 ID:qfklwKgF
 六之助がおかしい。高校の裏番「死神の六」が今朝に限って静かだった。無
鉄砲さとその腕っ節で大人のヤクザ者すら警戒させる六之助が、静かだった。ど
こか、哀愁じみた気配すら漂わせていた。
 「やめなよ。」
 級友の和子が止める。
 結局その時は思い止まったが、その時だけだった。衝動は復活したのだった。
 「六之助さん。」
 夕方、帰り道を待ち伏せした富子の言葉への返事は無かった。
 「何故、今日はそんなに静かでいらっしゃるのですか。」
 相変わらず返事は無かった。
 「六之助さん、人のことを詮索するのはいけないことかもしれませんが、も
しかして今朝の朝刊小説の…。」
 「言うなよ。」
 地域で最高の購読率を誇る新聞の朝刊に連載されている小説は、今日は少女
の恋の結末に達していた。悲劇だった。
 「俺は文盲じゃない。裏番が何を読もうが勝手だ。」
 「六之助さん。わたし、六之助さんのこと、慰めたい。」
 驚いた顔をした六之助が振り向いて払いのけようとしたが、遅かった。富子
は抱きついて唇を押し付けていた。
 「お前、どうかしてるんじゃないのか。」
 「いつもと同じです。前から。あなたの悲しそうな顔が、放って置けなくて。」
 「お前ごときに情けをかけられるような俺じゃない。だが…。おい!!」
 富子は既に脱いでいた。
 「いいなずけは許してくれるのか?」
 「いいなずけ?六之助さんって古風ですね。いないですよそんな人。敢えて言
えば、私は、あなたにいいなずけになって欲しかった。」
 富子の目が潤んでいた。もうこうなったら止められる者はいなかった。六之助
でさえも。
 「仕方がねえ。ありがたく、いただかせてもらうぜ。」
 同じく六之助が脱ぎ捨てた。しばし二人の影は一つになっていた。

 二人とも燃え尽きていた。
 六之助との交わりは力強かった。太い腕に抱かれ、勢いに余りある腰を打ち
付けられた。だが富子もまたむさぼった。躍動する六之助の肉体を受け止め腰
を打ち振るった。何かが取り付いたかのような激しい富子に、六之助はたまら
ず放っていた。若い二人の激烈な性の初体験だった。
 「大丈夫か。」
 「私、そんなに弱くないです。それより六之助さんは。」
 「死神の六が二度も心配されるとはな。大した奴だよお前。」
 二人は身づくろいをすると別れた。これが二人の初めての密会だった。結末は、
小説とは違った。
 (完)
187名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 16:35:54 ID:yekLgnIr
GJ!!!
188名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 23:03:23 ID:+edGYg/d
さて次のお題は何にしようか
189名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 23:10:07 ID:10382THv
触手
大蛸
幼女



・・・趣味的すぎるかな
190名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:40:03 ID:l/9h6nti
2レス拝借。お題「触手」「大蛸」「幼女」。エロ無し注意。
191名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:41:54 ID:l/9h6nti
 それは遠い夏の約束。
「指切りしよ」
 波に掘り抜かれた洞窟の中で、真っ白なワンピースを着た
【幼女】は小指を立てて両手を差し出した。
「指切り?」
 兄弟は首を傾げた。
「うん、約束のおまじない。破ったら針千本飲まなきゃいけないの」
「駄目だよ、そんな怖い事」
「ナツミにそんな事出来ないよ」
 兄弟は口々に言う。
「違うの。そのくらい嫌な事されても文句を言わないって事。ね?」
 兄弟は互いに顔を見合わせた後、幼女の小指にそっと指を絡めた。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます」
 歌うように言うと、細い指がするりと離れた。
「大人になったら絶対帰って来るからね」
「大人になったら?」
「うん、大人になったら。そしたら、ずっと一緒に暮らそうね」



 陽光さんざめく真夏の砂浜に悲鳴が巻き起こる。
 体長数メートルの蛸か烏賊のような怪物が二匹、互いに
競いながら【触手】を伸ばし、浜へと這い上がって来る。
「〜〜〜〜〜〜〜〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜」
 【大蛸】達は聞くに堪えない冒涜的な響きの音声を発し、大小
様々な触手を絡め、生臭い水飛沫を散らしながら押し引きする。
 突如始まった怪獣大決戦に海水浴客は上へ下への大騒ぎだが、
なぜか海の家のおばちゃんもアイス売りのおっちゃんも平気な顔で
商売を続けている。
   ピィィィィィィィィッ!
 突然、大蛸の前でホイッスルの音がして、大蛸の動きがピタリと
止まった。
 同時に頭部をぐり、と回すと、大蛸の前にライフセーバーと
おぼしき水着姿の美女が仁王立ちしている。
192名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:44:04 ID:l/9h6nti
「こら! お客さんに迷惑掛けちゃ駄目って言ったじゃないの!」
 女がビシッと指差して怒鳴ると、大蛸達はくしゃりと体を折り曲げ、
無理に押し潰したような声でもそもそと言い始めた。
「だって、ナツミがちっとも来てくれないんだもん」
 向かって左の怪物が言う。
「ちっともって、一昨日会ったばかりじゃないの」
「ずっと一緒に暮らそうって約束したのに」
 向かって右の怪物が言う。
「そうよ。だから、ここにいるんじゃない」
「違うもん。僕はずっとナツミの側にいたいんだもん」
「朝も昼も夜もずっと一緒にいたいんだもん」
「そんな事言われたって、お仕事しないとご飯が食べられないし……」
 ちらっと振り向くと、同僚と思しき青年が「ここはいいから行って
来い」とばかりにしっしと手を振る。
「……しょうがないなぁ、ちょっとだけよ」
 女が溜め息混じりに言うと、大蛸は頭を上げた。
「やった、ナツミと一緒」
「ナツミと一緒」
「全く、二人とも、体は大きくなったのに甘えっこなんだから……
って、きゃあぁっ!」
 大蛸の触手が健康美溢れる肢体を巻き取り、持ち上げる。
「高い! 高いって! 怖いってば!」
「お家に行こう」
「一緒に遊ぼう」
「えぇっ!? 待って待って待って! こんなお天道様が高いうち
からそんな、駄目だって!」
「昔はお昼にしてたもん」
「だって昔はお昼にしか来れなかったし!」
「昔は一杯遊んでくれたもん」
「だって二人とも体小さかったし力弱かったし意味知らなかったし!」
「ゆびきりげんまん」
「うそついたらはりせんぼんのーます」
 大蛸の兄弟は歌うように言い、茹蛸のように真っ赤になって慌てる
女を高々と掲げ、海水浴場の彼方に見える崖へと這いずって行った。
193名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:46:12 ID:l/9h6nti
 どっと払い。
 俺はようぢょに手酷い事は出来ないんだ。期待に添えなくてスマソ。
 次のお題は適当に辞書引いて「かも」「ちらし」「さいのめ」。
194名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 18:11:59 ID:VrUxRmel
>>193
そんな……馬鹿な。
寸止めだとぉぉぉぉぉ!畜生ー!
もう大人なんだから、いいじゃないか……。
195名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:02:58 ID:qUQAgooF
「かも」「ちらし」「さいのめ」

なんとなく天下の三不如意を思い出す
196名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 00:16:13 ID:PuXab4m0
保守
197名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:46:55 ID:XuE0hQpN
「かも」「ちらし」「さいのめ」
で書きました
流血表現があります
犯罪行為があります
同性愛があります
読む際はご注意を
198名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:51:08 ID:XuE0hQpN
 その女は長い間相手を遠くに眺望し続けていた。相手は鴨だ。しかし鴨は
手元から余りに遠く、そして速すぎた。とても近づけない存在だった。
 だが転機が訪れた。鴨はこちらに向いたのであった。今こそ賽を投げる時
だった。賽の目がどうなろうとその女は構わなかった。失う物は卑しい自分
の物しかない。故に失う物は価値が無い。そう女は思っていた。

 「ありがとう。本当に」
 「そんな、いいよ。困ってる時はお互い様だって」
 彼女とは鉄道駅で落ち合った。何年もヒットに恵まれないまま所属事務所
の突然の倒産で放り出され、故に貯金は多くない。収入は無かったが忙しく
、旧友とは疎遠になっていった。そこに彼女からの電話が入った。
 記憶力は、名前についても顔についても、思い出についても自信があった
。彼女の事はすぐに想像がついた。努力家で誰にでも親切な女だった。だが
仕事が忙しくなるにつれて、他の友と同じく彼女の近況もあまり知らなくな
っていった。
 片付いていて整った彼女の部屋で、二人の宴は始まった。酒も食事も安く
は無い事が明らかだった。彼女の奮発した宴に酔った。酔う内に今までの報
われない激務を罵っていた。そんな自分を彼女は優しく慰めた。優しさにも
たれかかっている内にいつしかまどろんでいた。

 「!?」
 「おはよう」
 彼女は戸惑っている。だがもう後には引けない。彼女の両腕は後ろ手に縛
ってある。足も縛ってある。猿轡も万全だ。言い逃れは出来ない。
 「!!」
 「ごめん。でも、奪いたくなるほど好きなんだ」
 彼女を抱きしめる。元女優の彼女は流石に美しかった。自分より少し大柄
で、引き締まった足に形のいい胸。そして緑の黒髪。歩く宝物は健在だった
。自分の醜さを覆い隠すように、埋没させるように、彼女を抱きしめた。
 彼女の首筋に顔を埋めた。女に抱かれる不快さに彼女は首を振って悶えた
。しかし、もう後戻りは出来ない。裸になった。彼女とは比べ物にならない
みすぼらしい裸体だ。仮に彼女が女を拒まなくとも、決して正攻法では相手
にされない裸体と自認していた。
 「ああ…」
 彼女の胸の感触を確かめながら自分の股間をなぞる。今は本物の彼女がい
る。倒錯した、そして初めての快楽に意識は余りにも脆弱だった。意識は間
もなく掻き消えた。

 気が付いた時は血の海だった。縛られていたはずの彼女の姿はどこにもな
い。目の前の死体は、切り刻まれて見るも無残な有様だった。自分の腕には
凶器が握られている。丁度縄を解いた所に入った盗人を無我夢中で殺し、異
常性愛者に報復として罪をなすりつけたと言う所か。
 「当然だよね」
 彼女もまた賽を振ったと言うわけだ。女は血が撒き散らされた部屋の中で
喉を突いてさらに撒き散らした。
 (劇終)
199名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 13:47:46 ID:jkZRakcd
GJ。「ちらし」をそう使ったか。
次の出題はもう少し待つ?
200名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 15:53:09 ID:o1ne2fPf
gj!
201名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 08:21:46 ID:H8EyCg/H
さて次のお題は何にしようか
202名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 10:39:44 ID:Vf61MDQA
>>198
GJ
203名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 15:28:55 ID:UZWQwbbK
他の方から出題が無いようなら、僭越ながらわたくしめから。
「金色」「薬」「揺さぶる」
204「金色」「薬」「揺さぶる」 1/2:2009/09/22(火) 01:24:05 ID:oOSaVuDy
カップ入りの葡萄酒をストローで飲み干すと、やたら酔いが早く回るように感じられた。
酔いだけではない。視界も回る。ぐるぐる回る。ふわふわに浮かぶリタ。
タンクトップに黒スパッツ姿で、ボディブレードを上下に揺さぶるリタがやけに目映い。
シェイプアップに余念のないリタの事だ。50時間ほど与えられた暇な時間を無為に過ごすより、体力の衰えを極限まで抑制したいのだろう。
むしろ以前よりも美しい肉体を作り上げたい、という思いさえ伝わってくる。いつの時代になっても、女というイキモノは綺麗になりたいらしい。
僕が見上げた天井近くで、リタは息を荒げて体操に勤しむ。
滲んだ汗でシャツが小麦色の肌に張り付き、裸体と寸分変わらぬボディラインがくっきりと浮かび上がっている。
豊満で形のよい胸。贅肉のほとんどない、括れた腰。
存在そのものがセックスアピールの塊みたいなリタと二人っきりで閉じ込められて、リピドーを我慢しろという方が酷だろう。

「ちょ、ちょっとジン?! いくら何でも強引すぎない?」
気が付いたらリタを天井に押し倒していた。手足をバタバタ泳がせて、リタが僕に抗議する。
無駄な足掻きだ。たとえ力が強くても、僕が酔っ払っていたとしても、この部屋じゃリタが僕に敵う訳がない。
「そういえばリタは初めてだったね」
キスしようと顔を近付ければ、長い黒髪を左右に振って逃れようとするリタ。けれどもそれも長くは続かない。
固く閉ざした唇を強引に奪うと、リタは観念したのか口を開いて僕の舌を受け入れる。やけに反応がいい。
普段よりも積極的に舌を絡ませてくるリタのタンクトップの上から、汗に湿って浮かび上がった固い乳首を摘んでやる。
「ダメよ……ジンお酒臭いし、わたし汗かいてるし……」
ならば、汗さえ清めればいいという訳だ。それに水は貴重品だし、シャワーだって安易に使えない。ならば――
「ああジンだめっ、やだやだやだあっ!……」
絶叫しても、リタを助けてくれる人なんて誰もいない。余裕をもってタンクトップもスパッツも脱がせ、リタを丸裸にする。
露になった小麦色の肌を、余す所なく嘗め回す。
玉のような大粒の水滴を、丁寧に丹念に清めていく。いつもリタが僕の肉棒に奉仕してくれるような舌使いで。
どこを向いても豊かで張りのある胸の先端、褐色の控えめな乳輪を頬張るころには、リタは顔を上気させて僕の為すがままになっていた。
とろとろに蕩けたリタの中は、すっかり脱力した本人の意志から離れたように、受け入れた僕に絡み付いては何度も締め付ける。
今まで経験したことのないほど熱を帯び、不規則に波打つリタの肉襞。取っ手にしがみ付き、何度もリタの尻ごと天井に叩きつける。
酔いに任せて膣内射精した瞬間、心臓まで持っていかれるような強烈な快感が容赦なく僕を襲った。

逃れようのない頭痛にグッタリ漂っていると、タンクトップとスパッツで身仕度を整えたリタが僕に苦笑する。
「ねえジン、あなた本当に宇宙生まれ? 無重力下でお酒飲んじゃダメって、地上の子供でも知ってるわよ」
宇宙旅行の初心者に飲酒を諌められるなんて、宇宙人として面目次第もない。やたら血色の良くなった笑顔のリタに、先ほどの感想を聞いてみる。
「なんだかフワフワして、気持ちよかったかも。地上と違って、最初から空も地面もないでしょう? それにいつもより頭痺れるのも早かったし。
 ちょっとクセになりそうね、宇宙って」
「リタに気に入ってもらえたら嬉しいよ。なにしろ宇宙は僕の故郷だからね。それにしても頭痛い。シンドい……」
楽になろうとして、本能的に宙返りを繰り返す。実際には上下の概念がないのだから、どれほど試しても決して楽にはならないのだが。
見かねたリタが天井を蹴り、僕へと抱き付いてきた。長い黒髪が僕を包み込む。
「お薬飲む? 少しは楽になるかも」
そのまま壁まで押し倒された。リタが腕を伸ばした先は、搭乗の時にリタの身に着けていた丈の長いパンツ。
ポケットをまさぐってリタが取り出したのは、クリアケースに入った鬱金色の粉末。一体なんの薬なんだこれは。
「見たまんま。鬱金の粉末よ。ジンってお酒好きだから、絶対酔っ払うんじゃないかと思って持ってきたの」
「なぜ宇宙時代に鬱金? えらくプリミティヴなシロモノじゃないか」
「ひいおばあちゃんが言ってたの。二日酔いには鬱金が一番だって。そうでしょ、ひいおばあちゃん」
続けてポケットから取り出した拳ほどの水晶玉が、リタと同じ身の丈をした黒髪の女性を空中に浮き上がらせる。
メモリスフィアに登録された彼女の曾祖母は、生粋の日本人だった。
205「金色」「薬」「揺さぶる」 2/2:2009/09/22(火) 01:24:46 ID:oOSaVuDy
すらりと足長なのに和装束を優雅に着こなす辺り、只者ではない雰囲気を醸し出している。
リタの瞳を切れ長にして、肌を抜けるような色白にすれば、彼女そっくりだった。
もし自分が百年前に生まれていたら、リタじゃなくて彼女を選んでいたかもしれないのだが――

『またあんた? またその男なの? 次起こす時は男変わった時か、子供生まれた時にしろって、前も言ったじゃない』
いかにも寝起きですよ、と言わんばかりに、映像の和服美人が目をこすりながら不機嫌な声で言う。
相変わらずリタの曾祖母は口が悪かった。前言撤回。同じ美人なら、やっぱりリタの方が素直で可愛い。
「ご無沙汰しております、ひいおばあさま。二年ぶりですか?」
『そのひいおばあさま、ってのやめてくれない? あんたと血の繋がりもなければ、面と向かってババア呼ばわりされるのも心外なんだけど』
じとりと湿った目で睨みつける和服美人の迫力に、僕みたいな男が太刀打ちできる訳がない。まして今は二日酔いだ。
メモリスフィアに登録された人格は、永遠に歳を取らない。だから生前で一番気に入っていた姿を選ぶことができる。
だいたい女性はリタぐらいの年頃の若い姿を好む。リタの曾祖母も例外ではない。
『で、あんた誰だっけ?』
自分の直系の子孫に向かって、日本美人が傲然と言い放つ。見た目は若いが、頭の中身はやはり老人だ。
「リタよ。ひいおばあちゃんヒドイ」
『ヒドいのはリタの方だけどね。あたし寝てたのに無理やり起こされて機嫌悪いの。つまんない用事で起こしたんだったら、また寝かせて頂戴』
「待って、ひいおばあちゃん。二日酔いには鬱金よね? ひいおばあちゃん、わたしに言ってたじゃない!」
和服美人が頭を抱えた。自分と瓜二つの天真爛漫な少女に、鬱陶しそうな目を向ける。
『……確かに言ったし、あたしも生前よく鬱金飲んでたわ。けど人が宇宙に上がる次代に鬱金はないんじゃない?』
生前の自分の行動を全否定するかのような日本美人の物言いに、リタの表情が少し翳る。慌てて日本美人が声をかけた。
『どうしたのよリタ?』
「……ひいおばあちゃんが教えてくれた鬱金、今度はジンに教えてあげようと思ってたのに」
それだけ言ってリタは黙り込んだ。気まずい時間がしばし流れる。
リタを泣かせた張本人の日本美人に非難の眼差しを送ると、彼女はふん、と小さく鼻を鳴らした。掌を返したような優しい声で、曾孫を宥め始める。
『みんながあんたみたいな子だったら、あたしも幽霊みたいに化けて出る必要もなくなるんだけど』
「いきなり何を言い出すんですか、ひいおばあさま」
『あんたは黙ってて』
はい、と日本美人の迫力に飲まれて反射的に答えてしまう。
『メモリの中のあたしはもう死んでるけど、生きてるリタの中にはあたしの教えた事がちゃんと根付いてる。命ってそういうものよ。
 あたしたち死人にとっては、それで十分満足なの。たとえそれが「二日酔いには鬱金」みたいな些細な事でも』
「ひいおばあちゃん、何言ってるのか全然わからない」
『別に今は解らなくてもいい。あたしがリタに伝えたいのは、あたしを覚えててくれてありがとう、ってこと』
映像の日本美人が、手を伸ばして小麦肌の美女の頭を撫でた。
『ごめんね、つまんない事って言って。あんたみたいな優しい子を子孫にもって、あたしは幸せ者だわ。起こしてくれてありがとう』
「ひいおばあちゃん……」
羊水に浮かんだ胎児のように身を丸めて、リタが啜り泣く。和服の美女が慈愛の眼差しを注ぐ様は、いつの時代でも絵になるものだ。
『ジン、とか言ったわね』
唐突に名前を呼ばれ、僕は気を付けの姿勢を取った。立つ地面がない分、マヌケに見えるのは許してほしい。
『あんた酔っ払ってるでしょ。すぐ鬱金飲んどけ。それと次会う時は子供の顔見せなさい。それとあたしの曾孫泣かすな。泣かせたら化けて出るから』
「僕は泣かせるつもりはありませんが、自分が泣かせるのはいいんですか?」
素朴な疑問を口にした途端、和装束の美貌が怒りに歪んだ。
「うるさい!他人の曾孫に手を出したんなら、そのひいばあちゃんの言う事を素直に聞け!あたしに口答えすんな!」
自分の言いたい事だけを言って、和服美人はメモリスフィアの記憶野にさっさと戻ってしまった。

リタに勧められた鬱金は、あっという間に不快な酔いを消し去ってくれた。
僕の故郷のL4コロニーまで、あと36時間――

<<終>>
206名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:36:25 ID:oOSaVuDy
次の三語は辞書を適当に引いて
「溶岩石」「うどん」「ゴマシオ」で
207名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 12:24:28 ID:O0tanova
>>204
GJ
208名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 16:27:01 ID:snPvXHoL
>>204
sugee
GJ
209名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 22:49:36 ID:scIQkpvO
>>206
難しい
だからこそやりがいがある
210名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:21:02 ID:/7vmxS3t
同情
誘惑
威し
211名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 00:11:42 ID:AJm7Mo8O
あげ
212名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 01:29:28 ID:+AgxozqK
>>206 「溶岩石」「うどん」「ゴマシオ」

見回す限り黒い大地が続く。
岩の影で力強く茂る名も知らぬ花に頬が緩んだ。
1歩、また1歩と歩みを進める。
目をつぶれば、あの頃の光景が色鮮やかに蘇った。
大きな木の下での指きり。初めてキスした時の感触。
親に秘密で抜け出した月が綺麗だったあの夜。
そして……お互いに身体を求め合った時の土の香り。
二人とも初めてだったから、拙かったが。
君の手が優しく胸を揉み、身体に赤い華を散らしていった。
どこに触れられてもくすぐったいだけで、笑い続けていたけれど。
それでも君は必死に私を愛してくれていた。
甘い言葉なんて聞けなかったけれど。甘い口付けをたくさんくれた。
くすぐったさは徐々に気持ちのよい刺激へと変化し始めて。
大事な所からとろりとあふれ出した液体が、君の指を濡らし。
それからゆっくりと中へ彼を誘い……それなのに、どうしても中に入れられなくって。
何度も何度も挑戦して。でもやっぱり入らなくて。
泣きそうになって自分を責める君がとても愛おしかったから、おでこにキスを一つ。

『また挑戦しましょう。明日も明後日もあるんだから』


「……君には『明日』が来なかったね」
溶岩石の隙間に残された『あの日の村』
山から降り注いだ炎が全てを飲み込み……君の明日はこの溶岩石の下に埋まってしまった。
「それなのに……私は2万回以上の『明日』が来て。でもどの『明日』にも君はいなくて。
ずっと待っていたのに。いつ君がいる『明日』が来ても良いようにあの日のまま、ずっと一人で……」
妙に身体が重く感じるのは、この場所にきたからだろうか。
地面に座り込み、荒くなった息を整えようとしたが、呼吸すらするのが辛い。
視界が白く染まる。光を求めて、天に手を伸ばし……懐かしい姿がそこにあった。
「ああ、こんなゴマシオのようになった髪じゃなくて、もっと綺麗な色に染めてくれば良かった。
もっと綺麗にしてくればよかった……君に会えるとわかっていたのならば」
「どんな姿になっても、僕は君を見間違えないよ。待たせちゃったね。さ、いこうか」
あの日のままの君の手をとり……腕に抱かれる。
いつの間にか私もあの日の姿になっていて。
長い長い口付け。懐かしい感触。

「もうどんな時も離さないよ。ね、これからはずっと一緒だから」


――地面に幸せそうな笑みを浮かべ、横たわる老女。
その周りを二匹の蝶が飛び回り……やがて太陽に向かって飛んでいった――
213名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 01:44:17 ID:RAY4d5TN
ちょ!ま!GJ!
こんな夜中に軽く瞳が潤んだぞ…
214名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 01:55:52 ID:uYORPnK1
GJ!!
切ねぇ、キレイ、と読んで「あれ? うどん」はどこ、って。

三回読んで、四回目に声を出して読んでやっと見つけた。
215名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 19:44:09 ID:n4klJ8Ly
GJ!
ストーリーが良すぎる。

>>214を見るまでうどんのことをすっかり忘れてた。
たしかにこれは気づかない。
216名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 21:34:08 ID:YjsulGsj
保守
217名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 01:54:23 ID:+RMgTz0W
>>210 同情  誘惑  威し


――アタシは夢魔。いわゆるサキュバスで、男の人を誘惑してえっちな事して精を貰っちゃう魔物☆
今日も美味しそうな男を狙ってきちゃった♪――

そこで少女は言葉に詰まった。恥ずかしそうに目を逸らし、顔を赤らめる。
ふるふると震える肩。大きな瞳から涙があふれ出した途端、顔を白い手で覆い隠した。
「ダメです。こんな品の無い台詞なんて言えません」
「いけないなぁ。仮にも君はサキュバスなんでしょ。それならば積極的に俺を襲うぐらいにならないと」
卑下た笑みを男が浮かべた。目の前には開かれたノートパソコン。
その画面いっぱいに広がるのは卑猥な女性の姿。ただし二次元。
薄いビキニのようなものだけをまとった女性が、男のモノをしゃぶり、腰を振る。
顔にかけられた白い液体をおいしそうに舐める姿もあった。
おそるおそるその画面に視線を向け、再び目を逸らした。
「やっぱりできません。こんな事するぐらいならば、火傷覚悟でシスターにでもなった方がマシです!」
「巫女でも可。……じゃなくて、それじゃあ本当に消滅しちゃうじゃないですか。
俺は君の事を思って……」
同情的な言葉に少女は顔を上げた。澄んだ青い瞳、シルクのようなさらさらの黒い髪。
身に纏うのは、清楚な白いワンピース。
この少女がエロゲーの象徴、淫魔サキュバスだといわれて、信じるものはいないだろう。
だが、それは真実なのだ。
こんな清楚な少女がサキュバス。清楚なのは見た目だけで、実はねっとりとエッチをしてくれる……
そう思うのはしょうがない。
このパソコンの前に座っていた青年もそうだった。
キツイ社会人の生活。馬鹿な上司に頭を下げ、精神をすり減らし。
紳士的に見えるのか、ちゃらちゃらとした女達には仕事を押し付けられ。
隠れた趣味が鬼畜もののエロゲーというのもしょうがない事だろう。
だから、この少女が自分の前に現れた時は、神に感謝したものだった。
だけれども……
しゃがみこんでいる少女の前に座り込み、真っ直ぐに瞳を見つめた。
「……精を食べないままだと消滅するんでしょう。だから、俺を食って」
「ダメです! こんな破廉恥な真似なんてできません!」
めそめそと泣きはじめた少女を前に、男は大きくため息をついた。
多分、このままでは美味しい思い……ではなく、この少女を救う事ができないだろう。
しばらく考え込み……画面に映っているエロゲーのキャプチャに目を留めた。
そしてある事を思い出した。
「……もしかして、キスでも精吸い取れるんじゃないですか?」
少女はきょとんとした表情になり、頬を朱色に染めた後、小さく頷いた。
「せ、性行為よりはかなり減りますが、少々ですけれど可能は可能で……ふぁ」
言葉が終わる前に、少女の唇を奪った。
柔らかい唇をこじあけ、中に進入したいという欲望に襲われそうになったが、どうにか押し留める。
本当に触れるだけの軽いキス。それなのに少女は途端に顔を真っ赤にした。
ふるふると肩を震わし、青年を睨みつけた。少し涙目のため、迫力はなかったが。
「ひどいです! いきなり接吻されるだなんて!」
「消滅させたくないんです。これで少しは消滅するまで期間伸びましたよね。
これから毎日精分けてあげますから、立派なサキュバス目指して頑張りましょう」
頭に手を置き、優しく撫でる。気持ちよさそうに目をつぶり、手の感触を楽しんでいたが、すぐに我に返って手を振り払った。
「貴方なんて嫌いです!」
「嫌いで結構です。あまりうだうだいってると押し倒して無理やりヤりますからね」
にこやかな言葉。だが、それはある意味静かなる威しであって。
「……鬼畜です……」
「鬼畜が好みなんですか。それならば遠慮なく」
慌てて逃げ出そうとする少女の首根っこを掴み、満面の笑みを浮かべ。

――今日から、どちらが淫魔だかわからない男女の奇妙な同棲生活が始まったのだった。
218名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 01:57:43 ID:+RMgTz0W
で、次のテーマ
辞書適当に引いて

女王
親戚
平日

でよろしくです。
219名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 11:55:37 ID:p7v368bh
何日か見ないでいるといつの間にか投稿されてるからこのスレはやめられない
220名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 19:32:49 ID:1M02RUwl
>>217
GJ
続き読みたい。
221「女王」「親戚」「平日」 1/2:2009/11/15(日) 11:36:16 ID:fEhMU2no
講義をサボって熱い湯に浸かり、極楽を謳歌していた俺の耳に、甲高い声が突き刺さる。
「おい、背中を流せ。自分ばかり気持ち良さそうにしているなど、不届き千万だな」
エリィが線の細い身体を泡まみれにさせたまま、目尻を吊り上げた三白眼で睨んだ。
普段はツインに結い上げている黒褐色の長い髪も、べったりと濡れてだらしなく背中に張り付いている。
バスキャップぐらい被ればいいのに。
黙って笑っていれば名実ともに世界有数の美少女なのに、色々な意味で勿体ないことだ。
「わかりましたお姫さま。あなたの騎士として、つつしんで背中をお清めいたしましょう。御意の儘に」
からかい気味に恭しく頭を下げると、エリィは泡だらけのまま傲然と俺の前に立つ。
「おニィ、妾は姫ではない。オスマン-ロマノフ-カペーの系譜に連なるカエサルであるぞ。いまだ若輩者だが、歴とした女王よ」
ふんぞり返ったエリィの歳相応な生意気さが、おかしくて仕方ない。アヒルみたく唇を尖らせたエリィを無視して腹を抱えた。
世界を統べる女王であっても、エリィなんて俺から見たら子供だ。張りのある背中に浮かぶ、玉のような水滴を眺めながらそう思う。
けれどそんな子供に未来を託さなければならないほど、かつて世界の秩序はメチャクチャに崩壊した。

人間というのは、人口の十分の一を減らさないと平和のありがたみを理解できない愚かな生き物だった。
世界全体が右肩上がりに成長していた時代とは違う。資源もエネルギーも頭打ちになってしまった現代社会では、経済活動そのものが大いなるゼロサムゲームとなってしまったのである。
成長したければ、相手の資源を奪うしかない。利害の衝突イコール戦争。
じっさい俺が生まれた二十年くらい前までは、そんな殺伐とした時代だった。戦争が終わるまでに、いくつの民族と国が地上から姿を消してしまったことか。
そんな混乱した世界を再びまとめ上げたのは、人類の叡智でも理性でもましてや宗教でもない。
もっとわかりやすい物差し、具体的に言えば血筋だ。
かつて世界を統べた王の末裔が人々の上に君臨し、皆が王の下で平等に暮らせる世界を再現する。
そしてたまたま歴史上の皇族や王家と親戚だったという理由で、新生した世界の象徴に祀り上げられてしまったのが彼女だった。
エリアンティア・アウレリア。
俺をおニィと呼ぶ幼馴染の本名は、外国語で「光り輝く向日葵」という意味らしい。
世界の希望となったエリィにはお似合いの、いい名前じゃないか。
そんな彼女はしかし、平日の昼間から一般家庭で入浴するツインテールの少女にすぎない。
エリィの裸体を眺めていると、とてもこの華奢な双肩に世界がかかっているとは誰も信じないだろう。

とりあえずエリィの背後に立ち、肌に張り付いた髪を掻き上げてやる。
やたら幼い項が現れると共に、前触れもなくエリィがビクリ、と肩を震わせた。
泡まみれの布で俺に背中を擦られるたび、強く目を瞑るローティーン。何かを堪えるように小さく悶えているが、もしかして――
「くすぐったいのか?」
「世迷言を!」
素早く振り返って俺と向き合い、牙を剥いたチワワみたいな顔で食ってかかるエリィ。全く可愛げがない。
俺に抱きついて四六時中離さなかった女児の面影といったら、俺を「おニィ」と呼ぶ所ぐらいしか残っていない。
「おニィ、妾はもう十四歳であるぞ。昔みたいにくすぐったがりなどしない。いつまでも子供扱いするな」
「いいや子供だ。もう十四なんだから、いい歳をして男と一緒に風呂に入るなよ。素っ裸の無防備な姿を俺の前に晒して大丈夫なのか?」
「どういう意味だ?昔は毎日のように、二人で湯浴みしていたというのに?」
答える代わりに、思いっきりシャワーを浴びせてやった。たちまちにしてエリィの身体を包んでいた泡が一切合財流れ去る。
育ちかけた胸の膨らみを隠そうともせず、子犬のように身震いして水滴を弾き飛ばすエリィ。本当に色気もへったくれもあったもんじゃない。
「まだまだガキっぽいけど、それでもお前だって一応は女だ。そしてお前は意識してないだろうが、俺は男なんだよ」
「……なるほど」
怒ったような表情を保ったまま、エリィが口元を緩めた。髪と同じ色をした瞳に妖しい光が宿っていた。
「つまりおニィは今でも、妾のここが気になるのだな?」
くくく、とマセた笑いを浮かべて髪を掻き上げたエリィ。
世界の女王に祭り上げられた少女が、俺の目の前でおもむろに片膝を立ててみせた。
222「女王」「親戚」「平日」 2/2:2009/11/15(日) 11:37:13 ID:fEhMU2no
すらりと形よく伸びた手足に、これから成熟を迎えようとする胸のふくらみ。ほんのりと女らしく括れはじめた腰つき。
エリィが変わったのは言葉づかいだけじゃない。ほんの女児だった昔と比べたら、身体つきは女のそれへと確実に成長を遂げている。
そして小さく窪んだ臍の下へと目を移せば。
やけに幼さが際立つ、エリィの縦すじ。
毛らしきものが全く見当たらない。おまけに大きく開脚しているにもかかわらず、花弁のような小陰唇を内に秘めたままぴったりと固く閉じている。
それでも秘裂に沿って肌の色がうっすらと桜色に色づいていた。かつて目にした肌と同色の縦すじと比べたら、徐々に育ってはきているようだが――
「どうしたおニィ? 今さら臆したか?」
エリィに呼びかけられて、心臓がどくん、と大きく脈打った。エリィが挑発するような目つきで、信じられないほど妖艶に笑っている。
「昔から妾のここを開いて、中を覗いていたではないか。そんな風におちんちんを固く反り上げながら」
昔と同じだ、とエリィは呟く。
状況だけ見れば、確かに彼女の言う通りかもしれない。だが本当にそうだろうか。
俺から離れてはや数年。その間にエリィは女王としての教育を受け、言葉づかいもすっかり姫様言葉になってしまった。
そして今、男を受け入れ子をなすために備わった器官を、自分から惜し気もなく男の視界に晒している。
何も疑わず俺に触らせていた昔とは明らかに違う。俺の視線に込められていた下心を知りながら、俺という異性の前で、それを晒してくれているのだ。
これで手を出さないなんて、俺にはそんな我慢などできそうにもない。

けれどもエリィ、もといエリアンティア・アウレルアは世界の女王だ。
いくら本人から女王の騎士に指名されたからって、俺みたいな一般人がおいそれと触ってもいいのだろうか。
だいたい今のエリィだったら何もせずとも、俺なんかより頭も身体も性格もいい男が言い寄ってくるだろうに。
どうして俺なんだ。
いくら考えても答えの出ない問題に頭を巡らせる俺の目の前で、エリィがゆっくりと臍の下に手を伸ばす。
開いてくれるのか。エリィが自身のぷっくらとした大陰唇の両脇に指を添え――
何もしない。何事もなかったかのように手を引っ込める。
肩透かしを食った俺に向けて、エリィはまるで娼婦が童貞を見下すような挑発的な笑みを浮かべた。
「妾にカエサルの肩書が備わっただけで、かつて我が物のように開いていた場所に触れられなくなったのか? 所詮おニィも、妾をカエサルとしてしか見ない男の一人なのか?」
年下の美少女が放ったその一言が、俺に何かを決意させた。

秘めやかな縦すじを、ぬちり、と指で割る。
中から意外とおいしそうに育った花弁が現れた。蜜に塗れた肉の芽に指の腹で軽く触れると、膣口がヒクリと引き締まる。
小さな穴はかなりキツそうだったが、それでも何とか男を受け入れられそうだ。
「おニィ……」
呼ばれて見上げれば、頬を真っ赤に染めた可愛いエリィ。
顎を引きよせ、互いに生まれたままの姿で唇を重ねた。
223名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 11:38:04 ID:fEhMU2no
規制解除につき投下
「移民」「鎖」「ニードロップ」
224名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 02:26:04 ID:s8nNDpiN
書き手がこない場合新しいお題は出してもいいの?
225名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 20:14:10 ID:KHFErix1
>>223 「移民」「鎖」「ニードロップ」

「イらっゃいマセ。まタ指名アリがとうでス」
拙い言葉、あどけない笑顔。見た目はまだ幼い少女なのに。
「失礼シます」
手馴れた様子で男の服を脱がし、下半身に舌を這わす。
小さく温かな口がもたらす快楽は、あっという間に男の快楽を高めてしまう。
「ふぁ? んっ」
口の中でびくびくと動く感触に、唇をつぼめ、男の欲望を受けとめた。
唇の端から零れ落ちる白い液体。褐色の肌に白というコントラストが非常に官能的で。
ぬるりとした下半身が彼の腿に擦り付けられる。髪の毛と同じ茂みが微かに生えていて少しくすぐったい。
照れた笑いを浮かべ、腰を浮かせる。横たわった男の上にのしかかり、いきり立ったモノを中へと導き。
「くっ、ちょっと待て。そんな事やったら店長にまた……」
静止しようとする男の唇をふさぐ。少しだけ寂しそうな笑み。
「お客サんと……ううん、あナたと繋がっテる時だけが幸せダから……」
壁に張られた『本番行為禁止』の紙。それならばせめてと机の避妊具に手を伸ばした。
「少し待ってくれ。ゴムをつけ……んぐっ」
「優シいね。大丈夫、もう子供デきないカら」
唇が離れた途端、健気に笑う。瞳の奥に悲しみを秘めたまま。
「タくさん愛シて」
そして彼女の中へと進入する。幼いのにするりと男のモノを飲み込む。
だが、締め付けは最高で。
男の上で腰を振る少女。肩に新たな傷跡を見つけ、男は少し眉を潜めたが。
頭の中を支配する快楽には勝てず、少女の中へ欲望を解き放った。

少女と出逢ったのは、気まぐれに入った風俗店で。
外国の少女という毛色の違ったものに手を出してみた。本当に気まぐれだったのに。
少女の笑顔という鎖に捕らえられてしまった。
徐々に通ううちに少女と打ち解けてきて、様々な事を話してくれた。
祖国では混血児として迫害され続けたこと。
父親は名も知らぬ他国の男達で、母親を無理やり犯した後、どこかへといってしまったという事。
そのせいで母親は多大な借金を負わされ、少女は『移民』という肩書きでここに売られてきたという事。
毎日、休みもなく男達の相手をさせられ、時折、店長自信にも無理やり犯されているという事。
それでも明日への希望を失わずに笑う少女。

行為が終わった後、少女は笑ってくれた。
「あ、そうイえば、言ってマせんデスカ? 前に流産サせ……してから、子供のデきない身体になっタんです」
そんな辛い事実を笑いながら話してくれる少女を強く抱きしめる。
「い、痛いテすよ。離してクださい」
「あ、すまん。……そうだ。この前言っていたもの持ってきたんだ。踊りが好きだって言っていただろ」
カバンの中から何かをとりだした。それは鮮やかな黄色のロングドレス。
ドレスを広げた少女は純粋な笑みを浮かべてくれた。年相応の微笑み。
「え、こンなのいいンですか?」
「君のために買ってきたんだから。それ着て踊り見せてくれないか」
「はいっ!」
そして……少女は踊る。ひらひらと。
黄色いドレスが風になびき、躍動感に満ちた踊りが男の前で繰り広げれる。
裸で男の上で乱れる姿も美しかったが、それ以上に目を引かれる光景。
その光景はまるで何かの花のようで。
「……ダンシング・レディ・オーキッド」
「え? 何カ言いマしたか?」
踊りを止め、呟いた言葉を尋ねる少女に、首を横に振り、少女を強く抱き寄せた。
「いいや。なんでもない。また明日もくるから」
頬にキス。顔を赤らめる少女に男は頭を優しく撫でてやり。
幸せな逢瀬はそれでおしまい。
226名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 20:16:11 ID:KHFErix1
>>225 続き

手に黄色い花束を持ち、男は急いでいた。時計を見る。そろそろ店の開店時間だ。
開店時間に少女を指名し、ぎりぎりまで延長する。そうすれば少女の負担を少しは減らせる。
「花屋で少し時間食ったからなぁ」
ぽつりと呟き、更に足を速めた。
特に今日は気合を入れないといけないのに。
前々から考えていた少女の解放。それをこっそりと行おうと思っていた。
あの店から解放されたら、少女には幸せな人生が待っているだろう。
彼女がよければ、自分のパートナーになってもらおうとも思っている。
子供が生まれなくても、少女と同じ境遇の子供達を集めて、一緒に暮らすのも良い。
「ああもう仕様がないから、今日はタクシーを」
「……案内してやる。あの世までだが」
男の耳元に響く誰かの声。腹部に熱が篭る。喉元に上がってくる鉄の香り。
女の悲鳴。膝を地面につく。熱い。身体から力が抜け、地面に横たわる。
かすれ始めた瞳に少女の黄色いドレス姿が映った気がした。手を伸ばし……その黄色い幻覚を掴み取る。
それは先ほど買ったオンシジウムの花束。普通のオンシジウムとは違い、中心に赤みの無いハニードロップという種類らしいが。
手についた赤が純粋な黄色だった花を汚してしまい……
「すまねぇ……綺麗なドレス姿を汚して」
遠ざかる意識の中で、黄色いドレスで蝶のように舞う少女が、自分のために微笑んでくれて……


「……始末したのか?」
「ああ。俺の仕事は完璧だ」
「それでは。これが報酬だ」
暗闇の中、二人の男がいくらか言葉を交わし……大きなスーツケースを持った男が部屋を後にした。
残された小太りの男は葉巻を吹かし、口元にいやらしい笑みを浮かべた。
「全く、あの女をいくらで買ったと思うんだ。あんな輩に奪われたら商売上がったりだよ。
さて、今夜は趣向を変え、一度に多人数の客に奉仕させるとするか。
丁度あの男から貰ったドレスもあるし、良い売りになるだろ」
下劣な笑い声が部屋の中に響き渡り。


「……来ナいな。まタ踊り見て欲シいのに」
少女は来るはずもない男を待ち続け。
――コンコン――
ドアのノック音に顔をほころばせ、満面の笑みで出迎える。

――その日、少女の悲鳴と鳴き声が響き渡り――

店の外にはあでやかな看板に少女の写真。
そして……『ダンシング・レディ・オーキッド入荷しました』の言葉。
男の上で狂い踊る少女。それでも少女は健気にいつまでも愛する男を待ち続け……
227名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 20:22:17 ID:KHFErix1
ニードロップは少々変則的に使ってしまいましたが……

次テーマ
「監査官」 「マイナー」 「トカゲ」で
228名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 00:05:59 ID:wnym7Aw6
保守
229名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 19:11:19 ID:+B6g5PTA
>>222
GJ
続き期待

>>224
いい。
230「監査官」「マイナー」「トカゲ」:2009/12/04(金) 18:41:22 ID:zvGKBMKV
「……なるほど。設計とは違う薬品を合成していたのですか。全くもって遺憾な事ですな」
 立ったまま報告書を読み終えると、背広の男は紙面から目を離して酷薄な笑みを浮かべた。フレームレスの奥に細く鋭い眼光を湛え、頭一つ高い目線から若い女社長を冷たく見下す。
 社長にはそれが気に入らない。
 世界の冠たるカリヨン化学の社長である彼女にとって、一介の軍人に過ぎない監査官から、社命をかけて生産した薬の出来を頭ごなしに否定される謂れなど何もなかった。
 しかもこの薬の発注元は、監査官が所属する軍の兵器開発局に他ならない。それもいきなり社長室宛てに分子の構造式を送り付け、それを大量生産するようにと依頼したのだった。
依頼といっても、軍のそれは命令と呼ぶべきだろう。なにしろ彼らの後ろ盾は軍、ひいては国家なのだ。断れば法令違反で処罰される。そればかりか非国民、いや人類の敵という烙印を押されてしまい、
会社としての企業活動が存続不可能な状態まで追い込まれてしまう。
 生物兵器。開発コード『ジェノザウラー』。
 その物質は爬虫類の大脳新皮質に対して特異的に作用し、思考や感情を著しく破壊する新薬だった。
 突如として地球侵略を開始したトカゲ星人のみを選択的に先祖がえりさせ、なおかつ人間にも地上の爬虫類にも全くダメージを与えることはない。もしこの物質が実用的なレベルで大量生産できれば、トカゲ星人が侵略を諦める公算は非常に高くなるだろう。
 持ち出し覚悟でも受けざるを得ない注文だったが、それでも会社としてできる限りのコストダウンは図ってきたつもりだった。
 それがここに来て、軍が受注を取り消すつもりだという。無情な監査官を怒鳴りつけたい気持ちを抑え、女社長はあくまでも冷静に反論する。
「仰りたいことはよく解ります。私どもも本来ならば、設計通りの分子を合成する予定でした。ですが兵器局の担当者には、17位にエトキシ基を付加させての量産方法はない、とお伝えしております。
そこをメトキシにマイナーチェンジしても構わないと、担当の方から了承もいただきました。ですから当方には何の落ち度も――」
 「しかしその結果、当初期待されていた[『ジェノザウラー』の効果は失われた。量産化を焦ったばかりに、とんだ失態を晒してしまいましたね。私たちは今、戦争をしているのですよ。時間やコストなどは瑣末な問題です。
最も重要なのは、その物質が出来るかできないか、という一点のみです。兵器局の開発したこの薬品こそ、人類の切り札だったというのに」
 聞き分けのない子供を諭すかのような物言いで社長の反論を遮り、監査官は眼鏡の鼻宛てを指で押し上げる。
「たった一個原子が増えただけで、分子の薬効は大きく変わりうる。ましてや今回は炭素一個に水素が二個、都合三個も原子が増えているではありませんか。
あなたも化学の専門家上がりなら、分子改変の怖さは理解しているでしょうに。なぜ設計図通りの分子を量産する方法を開発せず、設計図の改変などという安易な道に走ったのですか?
それとも売上高世界一のカリヨン化学も、所詮は程度の低い民間企業でしかない。そんな事実を自ら世間に向けて証明したかったのでしょうか?」
 この上なく嗜虐的な皮肉にしか聞こえない言葉ではあったが、監査官の言葉は反論のしようもない正論に裏打ちされていた。眼鏡の男から見えぬように俯いて、女社長は固く歯噛みする。
何を言っても負け惜しみにしかなるまい。それよりも女社長にとって一番重大なことは、自分の判断で会社の命運を断ちかねない致命的なミスを犯してしまったことだった。
 このまま事態が推移すれば、次の取締役会で自身の解任は免れない。そう考えた女社長が、悲痛な表情でなおも監査官に食らいつく。
「でしたらもう一度、きちんと設計通りの分子構造で合成します。分子改変をともなわない量産化の方法も開発いたしますから、本プロジェクトにつきましては継続の方向で――」
「いや、もうその必要もありません」
 目に涙を浮かべて懇願する女社長に向けて、監査官は感情の籠らぬ声でそう宣告した。
231「監査官」「マイナー」「トカゲ」:2009/12/04(金) 18:41:57 ID:zvGKBMKV
「こんな殺人的なシロモノを大量生産されたら、私も困りますからね。ただのトカゲに戻されるのはまっぴらごめんです。あなただって、下等な猿に戻りたくはないでしょう?」
 何気なく放たれた監査官の言葉に、女社長は驚愕を禁じ得なかった。
 目を丸く見開いて監査官を見る。言われてみればこの男、爬虫類を思わせる冷酷な眼差しを浮かべていたではないか。この薬でトカゲに戻されてしまうということは、つまりこの男はもしかして――
「お察しの通り、私もトカゲ星人です」
 眼鏡を外した監査官が、やたらと細長い二つに割れた舌をペロリ、と覗かせる。それだけで女社長は腰を抜かし、開脚した間抜けな格好で地べたに座り込んでしまった。
「私だけではありません。軍の上層部にも、いや政府の中枢にも我々は既に入り込んでおります。私一人を駆逐しても、代わりになるトカゲ星人はいくらでもおりますよ」
 舌先をチロチロと見せながら、監査官が背広を脱ぎ去った。ネクタイを解きワイシャツの釦を外していくと、肩幅に反して発達した大胸筋がその中から現れる。
社長の第一印象として、不覚にも抱かれたいと思ってしまった事は確かだった。引き締まった大胸筋と六つに割れた腹筋が、緑色のウロコに覆われていなければ、の話ではあるが。
 すっかり全裸となった監査官の股間にそそり立つ、二本の槍。トカゲ星人は一夫二妻が一般的であるという噂は、どうやら本当だったらしい。
「そうそう、社長には感謝しなければなりませんね。あなたが改良を加えた分子ですが、思わぬ副作用を我々にもたらしてくれましたよ」
 言いながらトカゲの監査官は、脱ぎ捨てたスーツの内ポケットからジッポほどの小瓶を取りだす。
 その中身を二本の屹立に垂らすと、女を責めてヨガらせる二股のシンボルが一層大きくなったように社長には見えた。
「改変した薬をごく薄めると、トカゲ星人の性感を大いに増幅させてくれるんですよ。我々の技術でも大量生産できる、という点も喜ばしいことです。あなたには感謝の言葉もない。
なにしろ我々の人口増加に、一役買ってくれた訳ですからね」
 恐怖のあまり失禁した女社長へにじり寄り、垂らしたローションを屹立に擦り込みながら、トカゲの監査官は愉悦混じりの笑みを彼女に向けてこう言った。

「二穴同時責め、というのも中々乙なものですな。猿から進化した地球の女は、どんな風にヨガるんだろうかねえ?」
232名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 18:42:43 ID:zvGKBMKV
『電撃』 『稲妻』 『烈風』
233名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 19:33:03 ID:SLPJLm9P
>>231
期待
234名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 23:52:16 ID:gPgOQoR3
>>232
仮面ライダーZXかよwwww
235名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 00:26:26 ID:OCMNe6WB
>>234
おれ菅田俊先生(ドックーゴ親分)の大ファンなものでw
236名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 19:34:30 ID:8yUKMi8+
審判

237名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 20:27:00 ID:/XZx9HTp
保守
238名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 17:47:55 ID:3TvSWOrG
>>232
の「電撃 稲妻 烈風」で

 窓の外は雨の幕で何も見えない。ただ時折光る稲妻とそれに照らされて光る雨
は見えた。
 条件は揃った。横にされている「あれ」は最高傑作で、完全に条件が満たされ
た実験以外に使うのが勿体なかった。今日は非の打ち所が無かった。
 スイッチを入れると避雷針が勢いよく飛び出した。外界に顔を出した避雷針は
期待通り、雷の電撃を誘ってここへと導いてくれた。
 自分にはとても用意できない天然の電流は、やはり成功が確実な強さを持って
いた。調律された電流は「あれ」へと流れ込み、跳ね上がった「あれ」は台に叩
きつけられた。そして、待ちに待った瞬間が訪れた。「あれ」が目を開いた。
 「あれ」の最初の息吹は烈風を思わせる力強い物だった。「あれ」の外見通り
の強さである。
 「ああ」
 博士はその緑の黒髪と形の良い胸を揺らして湧き上がる喜びを抑えた。彼女
の最高傑作は何の落ち度も無く目覚めてくれた。

 彼女は「あれ」を子守した。期待通りに「あれ」は子守に応えた。そして、当
然の如く彼女に恋慕を抱いた。
 力強く優しい「あれ」の腕が彼女には頼もしい。健気さを彼女はかわいらしく
思う。
 「あなたは最高。この宇宙で最高。本当よ」
 「僕は博士が最高」
 「ありがとう」
 彼女に近寄る男は大勢いたが、どれもが彼女をうんざりさせる酷いものばかり
だった。だから彼女は決心した。自分で作るのだと。

 「あれ」と彼女は深いキスをした。「あれ」の腕は博士を包みやさしく撫で上
げた。ためらいがちに腰に伸ばした手をとって博士は迎えた。
 「いいのかな」
 「いいのよ」
 博士の体の柔らかさを「あれ」は堪能した。「あれ」は当然初めてだ。博士も
また初めてだった。博士は「あれ」が目覚めた時以来の渇望を覚えた。
 「すごく硬くなってる。これはね、ここに、こうするの」
 「気持ちいい。とても気持ちいいです博士」
 「もっと動かしていいのよ」
 博士も「あれ」も荒れ狂った。「あれ」が生まれたあの日の嵐を思わせる激し
さで二人は愛の嵐にもまれた。

 疲れきって眠りに就いた「あれ」の横で博士は、この学問の道に入った日を思
い出していた。博士は心底過去の自分に感謝して眠った。
(終) 
239名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 00:24:34 ID:FY7a2EIQ
フランケンシュタインか!なんかロッキーホラーショーって映画思い出したw

過疎だし次のお題出しちゃっていいかな
「透明」「秘密」「幼心」で
240名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:36:00 ID:4gnPvGpq
とりあえず
>>236
審判 姫 牢


 (ついてない)
 本当にそう思う。だが幾ら後悔してもどうにもならない。
 (あんなでしゃばりをしなければ)

 baseballのルールを知っているのはこの村にただ一人しかいない事に自分は気がついた。
得意になった自分はそれを吹聴したのだ。それを「姫」が聞いた。
 「今度きちんとした遊びをするから審判になってよ」
 胸を張って引き受けた。目を輝かせて女達から見つめられる自分を想像していた。愚か
としか言いようが無い。

 試合の日は来た。脂汗の苦闘が始まった。投手の投げる球は悉くボールとストライクの
境目を通り、棒に当たればアウトとセーフは刹那の差だった。審判を下すたびに野次が飛
ばされ胸をつかまれ睨まれた。
 そして極め付けが最終回の最後の打席だった。姫の棒は狙い違わず投球を捕らえ、恐れ
を知らぬ姫は健脚に物を言わせて三塁打を狙った。そこで欲張りすぎた姫が三塁に達する
と同時に三塁手が捕球したのだ。苦渋の末に下した判断はセーフだった。
 しかしこれを姫が許さなかった。姫は不公平だとわめき、慌ててアウトにしようとした
のを他の女子が優柔不断だと怒鳴る。怒りが伝播して、気がつけばその場にいた全員が自
分を取り囲んでいた。鉄拳と足蹴の津波に包まれ、機を失った。目が覚めたのがこの地下
牢だ。

 「反省したか」
 「しています!」
 やや怒りが勢いを弱めた姫に答える。
 「そうか。みんな思う存分お前を痛めつけたのできっと許してくれるだろう」
 安心した隙に姫がかがみこんで顔を覗き込んだ。
 「でもな、あたしがまだ少し物足りない」
 自分が歯を小刻みに振動させて恐怖に震えている様に気がつかないまま姫は、パンツを
脱ぎ捨てた。
 「ここを、なめろ。なめて気持ちよくさせろ」

 ボロボロの姿で帰路についた。全身が痛いが、風が吹くと更に痛む。ふと牢を出る前
の事を思い出した。
 姫の赤みを増した顔、滑らかで肌理細やかな姫の肌、弾力を思わせる剛毛と、その向こうに
待ち構える谷間。
 声にならない息を吐いて姫が腰を押し付けてくる。怒らせないように、慎重に、どう
するべきかわからない中で暗中模索の舐め方をした。姫の足のかすかな膨らみと窄まり
も感じるほどに、全身の神経が冴え渡っていた。
 「っようしもういい。かえっていいぞ」
 姫は股間を手で拭うとパンツをはきなおした。

 家にたどり着くまでの間、全身の疲れがまるで呪いの様だった。
241名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:38:49 ID:4gnPvGpq
それでは
>>239
のお題で誰かお願いします
242名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 07:24:39 ID:mvwyqIn6
>>239
お題だけで抜いた
243名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 22:41:46 ID:eZbWC+uv
お題だけで抜けてしまう>>239の「透明」「秘密」「幼心」をあえて書く。


お兄ちゃんの手がそれを握ってぐっと下に引っ張った。
柔らかそうな薄い皮がずるんと動いて、つやつやしたピンク色の先端がその姿を現す。
キノコやカメの頭に喩えられるのが納得できる形をしている。
てっぺんには、よく切れる薄刃のカミソリでつけたような切れ目が一筋。
お兄ちゃんが手をもっとぐっと自分のお腹の方へ近づけた。
切れ目はぱっくりと開き、中の濃い赤い部分が見える。
そこから滲み出た液体はみるみるうちに透明の雫となって零れそうになった。
どこから出てきたものなのか目の前で見てわかっているはずなのに
なぜだか汚いとは思わなかった。
「舐められる?」
お兄ちゃんが聞く。
こくん、と頷いてお兄ちゃんのそこへ、はいつくばるようにして顔を近づけた。
ちろりと舌で舐める。
ちょっとしょっぱいような気がした。
でもそれだけ。
いやだとは思わなかった。だからお兄ちゃんが、咥えてごらん、と言うのにも
頷いてぱくりとそれを頬張った。
頭の上でお兄ちゃんが、うう、と呻る。
「子供は体温が高いって言うけど、口の中も熱いんだな」
どうしたらいいのかわからなくて、あめ玉を舐めるみたいに、口の中のお兄ちゃんを
ぺろぺろと舐め続ける。しょっぱいお汁は舐めても舐めても出てくる。
ごつん、とお兄ちゃんの手が顎に当たった。
目を上に向ける。
お兄ちゃんは目を半分くらい瞑って、小鼻をふくらませて、顔を赤くしていた。
「そのまま。そのままでいいから」
お兄ちゃんを咥えている唇に感じる薄い皮が、お兄ちゃんの手の動きに合わせて
上下に動く。硬くて太いそれもわずかに揺れるから、追いかけるように顔を動かして
唇に力を入れてみたり、窄めてみたりして離れないようにする。
はっ、はっ、と全速力で走った後のような呼吸音がする。
お兄ちゃんの熱い息が、頭の上、ちょうどつむじのあたりにかかる。
お兄ちゃんの手の動きが速くなる。
そして。
口の中に熱い液体が迸った。
「ふ、……ぐぅ…っ」
身体を引いて起こそうとしたけどお兄ちゃんの手が私の頭を押さえつけた。
「んんっ! ん、んんぅ!」
いやだ、と身を捩る。
その間にもお兄ちゃんのそれはぬるぬるとした液体をびゅくん、びゅくんと
吐き出して私の喉の奥へと流し込んでくる。
「飲める?――そう、いい子だ」
徐々に柔らかくなりつつあるお兄ちゃんを舌で押しつぶすようにしながら
口の中に溜まっていたものを飲み下した。
ぐう、と喉が鳴る。
胸のあたりがむかむかとする。
こんなことまでするとは思わなかった。興味本位でしたことだったのに、
幼心にもこれはどうもとんでもなくいけないことをしたんだ、という実感が
わいてくる。
私の頭を押さえつけていたお兄ちゃんの手はいつの間にか私の頭を撫でていた。
お兄ちゃんはすっかり柔らかくなっている。
そっと口を離して顔を上げた。
口の中も鼻の奥も喉もお腹の中もなんだか生臭い気がする。お兄ちゃんのにおいで
一杯になっている。
お兄ちゃんは私の頭を撫でて、優しげな顔で微笑んだ。
「誰にも言っちゃいけない。僕とおまえだけの秘密だよ」
その日から私とお兄ちゃんの秘密は少しずつ増えていった。
                      【続きそうに見えて終わり】
244名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 04:57:51 ID:1sWGhIqm
やはりお題のままのほうが抜ける
245名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 13:28:16 ID:sDzproF5
>>243
246名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:35:04 ID:bTq8ZtEc
次のお題は何にしようか
247名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 05:24:17 ID:QNmbtB8u
女体化 触手 種付け
248名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 09:59:00 ID:2H1l6hQf
女体化 触手 種付け

 彼女はやさしく誘ってくれた。逢瀬を重ねていよいよ仲が深くなった我が親友と
彼女はついに体を重ねる事になったのである。我が親友にどこに惹かれたかと聞け
ばどこにでもと返された。恋は盲目である。
 優しく導く彼女に従って彼は彼女の別荘を訪れた。そこには大勢の美女がいた。
奇妙である。初めての性交がこのような衆目に晒される場で行われる事に当然我が
親友は戸惑った。しかしもう遅かった。
 美女と彼女は彼を捕まえると別荘の奥へと連れ去った。戸を開けた先に見たこと
も無い生物を見た。一目見れば風変わりな植物に、よく見れば動物のように見える

 動物と動物の接触のように、容赦なく触手が親友の口に突き込まれた。狩猟を思
わせる勢いと乱暴さで正確に行われた。口に突き込まれた触手からは液体が噴き出
された。親友の手足は縛られ、腰と胸も同じく触手に固定された。親友の全力をも
ってしても動かなかった。疲れ果てた親友は諦めて一息ついた。
 突然の激痛に親友ははね上がった。全身を激痛が走り抜いている。歯を抜く、肉
離れする等と言う程度ではなかった。全身の筋肉が引き締まり、毛が逆立つ痛みで
ある。親友は耐えているのか、痛みに身を任せているのかわからなかった。
 痛みがおさまって親友は気がついた。体はすっかり変わっていた。胸は膨らみ、
尻が隆起した。そして股間が最も変わっていた。あるべき物がなくなっていた。
 親友は危惧した。危惧したとおりの事が起きた。触手が突入した。
 「あ、が、お…」
 初めての挿入に親友は顔をしかめる余裕は無かった。目を見開いてうめいた。触手
は間もなく液体を胎内に放った。生温かい液体を親友は腹の内に感じた。

 親友の回想を自分は彼女の別荘で触手に拘束されて聞いている。彼の話が正しけ
れば、この私の腹から生まれてくる物は彼女の星で食用に人気が高いらしい。私の
目の前で私の捕獲に参加した女の一人が何度目かの種付けをされている。狂うよう
に楽しんでいる。それを見て私は体が熱を帯びるのを感じた。
(終わり)
249名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 17:58:42 ID:VXrX2sgr

ところで『女体化』って単語が見つからなかったけど?
250名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:04:20 ID:Y9OX3Qca
てす
251名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 23:57:14 ID:2H1l6hQf
>>249
御免入れ忘れた
252名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 00:30:02 ID:w7zStMjQ
253名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 15:31:26 ID:b/955UBE
>>248


今度からSS書き終わった職人さんにもお題出してもらうか
とりあえず今は手元の辞書を適当に開いて
「ごめん」「サイコロ」「夢のまた夢」。
254名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 18:16:38 ID:98zfwxnq
保守っておく
255名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 12:57:57 ID:8XZREqMX
「あげ」「保守」「良スレ」
256名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 10:53:52 ID:UD+eJ6dP
>>253
「ごめん」「サイコロ」「夢のまた夢」

 「ごめん。こんなことになって」
 「何…考えてるの…」
 人生を双六にしたゲームがある。その通りだ。人生はゲームの様な物だ。
彼は今、その人生の中で大きな賭けをして負けた。全てを賭けた勝負に出
て負けたのだ。
 「思い返せば、僕にとって勝った光景は、夢のまた夢のような物だった。
賭けに出た瞬間もう負けが決まっていたのかも知れないな」
 彼女は何も返さなかった。

 久しぶりに帰ってきた彼は彼女を連れてドライブに出かけた。その終着
点と定めたのがこの大渓谷である。彼女は勿論知らなかった。告げられた
彼女は肩を振るわせた。

 「あんなサイコロ賭博に行かなきゃ…」
 やはり彼女は返事をしない。

 沈黙が車内を支配した。彼は自分の息を整えると、アクセルを踏みにか
かった。
 「待って」
 彼女が言った。
 「あなた、あの賭けに負けただけじゃない。人生が終わったって誰が決
めたの」
 レバーを握ろうとする手を彼女が止めた。
 「死ぬ気になれるなら、どんなキツい事だってできるはずだよ」
 彼が何も言わなくなった。
 その横で何かがすれる音がした。彼の目の前を布が舞った。
 「再出発の前に、やろうよ。どうせご無沙汰だったんでしょ」

 それからしばし小さな車は揺れて見えた。それが止まって車は引き返した。
 「妙に少なかったわね」
 「そりゃ、一人でやってたから」
 「まあそういうことにしてあげる。あなた女にはとことん奥手だから」
 情交の空気を満たしたまま車は走る。ようやくボタンをつけ終わった彼女の
横で、手に胸の柔らかさの余韻を残して彼はハンドルを回した。
257名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 10:54:41 ID:UD+eJ6dP
次は
>>255
のお題でお願いします
258名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 01:26:41 ID:hn6Pr1m3
>>255
「あげ」「保守」「良スレ」

人間――特に女はくだらない。
自分勝手で、喚いて、騙して、すぐに忘れる。
媚を売り、計算し、安心すると途端に醜く肥え太る。

だから私は決して自分を裏切らない理想の女を作り上げた。
それまでにあったクローン技術とロボット工学の全てを結集させた。
卵子を培養し遺伝子操作を行う段階においては、壇上の保守派を名乗る愚か者たちが
倫理観や宗教面から真っ向から反対してきたが、金を積めば黙った。
人間とはそういうものだ。

私の理想全てに叶う女はいなかったため、数百人の女から卵子の提供を受けた。
そこから生み出された彼女――マリアは、今私のペニスに貫かれて歓声をあげている。
「あぁっ…ぁ、ああ!」
「黙りなさいマリア、貞女の名を冠する君ともあろうものが。はしたない」
「申し訳、ありません!…んっ!…ぅん、…あっ!あっ!」
マリアは私の机の上で、豊かなブロンドをなびかせながら喘ぎ続けた。
きめの細やかな肌、声を漏らすまいと閉じられた薄い唇、零れ落ちそうな青い瞳はもちろん私の好みだ。
器量良・スレンダー・体躯に似合わぬ豊満な双丘、そして性感帯に埋め尽くされた肢体。

何よりこの体は朽ちることを知らない。
マリアは世界で唯一のアンドロイドだ。

「あっ、ああん…博士…私、もう…!」
「仕方のない娘ですね。人にものを請う態度も忘れたのですか」
マリアのだらしがなく開いた口から見える舌が、言葉を紡ぐために動くより早く
私は彼女の子宮口にペニスの先端を叩き付けた。
マリアは肌を快感に震わせ、膣の内部をざわざわと収縮させる。
全ては機械仕掛け。全ては虚像。マリアが私に向ける好意も。私がマリアに与える行為も。
「ほら、君の欲しいものをあげましょう」
259名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 01:31:40 ID:hn6Pr1m3
「良スレ」の使い方、これでもOKなのかが怪しいところ…

次は「捕獲」「コイン」「冷蔵庫」でお願いします
260名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:25:27 ID:XchmpX5g
>>258
あの三語で作れるとは
261名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 11:54:35 ID:M3Fz7s8O
>>259
「捕獲」「コイン」「冷蔵庫」

 僕たちはこの沼でもう一週間もテント暮らししている。目的は勿論「アレ」の捕獲だ。しかし
この調子ではまた先輩達と同じく「今回の調査では発見できませんでした。しかし我々は、この
広い沼のどこかにきっといると信じてここを離れます」と言って撮影を終了する事になりそうだ。
 冷蔵庫のようなぜいたく品は僕らには無い。代わりのクーラーボックスを開けて中の酒を飲ん
だ。疲れた体に染み渡る。クーラーボックスの中身は予定の取材期間と一緒に減って行った。残り
はそう多くない。
 「どうせ出なくても視聴率は取れるからいいが、出てくれれば」
 そして出なかった。残念ではあるが儲かる仕事を無事終えた複雑な気分で僕たちは帰途に就いた。
 「残念だったねー」
 僕の腹の上でそう言いながら腰を弾ませる、僕のライバル。
 「みんなと同じさ。大体見つからないのは想定のうちだよ」
 彼女は聞きながら胸を抱いて腰を弾ませた。
 「ウソだ。行く前すごくワクワクしてた」
 調子に乗っっていた彼女が達した。果てた僕の分身がゆっくりと脱出した。彼女に揉み抜かれた
それは鈍く光っていた。
 「あたしなら見つける。次のシーズンもう内定してるけど自信ある」
 熱い息を吐きながら彼女は自信満々で言う。
 「じゃあこのコインで占ってみるか。裏?」
 放り投げたコインを受け取った。裏だった。ますます勝ち誇る彼女の顔がかわいらしく、そして
小憎らしく僕に焼きついた。
262名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 18:25:37 ID:M3Fz7s8O
次のお題は
「浮き輪」「ザル」「ストーブ」
でお願いします
263名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 21:14:09 ID:ti3WM6Tg
「浮き輪」「ザル」「ストーブ」

「あーあ、寒くなってきたな」
彼女に声をかけて、ストーブに火を入れた。少し灯油の匂いがして、すぐに暖かくなってくる。
大きな欠伸が出た。まずいな、欠伸をすると彼女はいつもふて腐れるんだ。
『だって、一緒にいる時に欠伸をされると、私と一緒にいるのがつまらないみたいじゃない!』
お決まりの台詞。苦笑いを返すしかない俺。あーあ、やだな。
タバコに火をつけて、狭い部屋を見渡す。見慣れているんだけど、いつもこうしてしまう。
なんだか、彼女が何か捨てていそうだから。そんなことないってわかっているけど、つい。
「ん?」
棚がわずかに開いていて、そこからカラフルなものが顔を覗かせていた。
もしかしたら落ちるかも、と思って、片付けようと棚を開けたら、見事な勢いで崩落。
「いてて…」
びっくりして転んでしまった。笑われちゃうな…。
ま、気にしないで片付けよう。もう着ない服がほとんどだったから、適当に入れておけばいいや。
そして、崩落の原因…服の海に沈んでいたのは浮き輪。それからザル。
楽しい思い出が浮かんで、笑みがこぼれそうになった。


新生活に憧れをこめて、この部屋に引っ越した。
小さな菜園を使って、様々な野菜を植えた、春。

泳げないのに、海に行く!と水着と浮き輪を買った。
ビキニと浮き輪のアンバランス。可愛くて、恥ずかしかった、夏。

家庭菜園でとれた野菜を満載したザル。
欲張りすぎて、二人では食べ切れなかった、秋。

文明の利器、こたつを購入。
二人でずっとダラダラしていた、冬。

穏やかな顔の彼女に、震える手で…俺の手で、最初で最後のメイクをした。
人生で一番酒を飲み、涙を流した、春。


「まったく、馬鹿だよな」
思い出。心が震えた。声も震えた。多分、体も。
「俺、馬鹿だよな」
言葉は、誰にも届かなかった。
264名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 21:18:25 ID:ti3WM6Tg
非エロになってしまいました…。
次は「猫」「パソコン」「氷」
でお願いします
265名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 00:27:43 ID:mxi9eUtv
>>263
深い
>俺の手で、最初で最後のメイク
そう言う事か
266名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 00:47:02 ID:45t4UD32
せつないな…
267名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 08:05:04 ID:fm57Za5K
「猫」「パソコン」「氷」

「猫、飼いたいな〜」

 パソコンで猫画像を観ながら音子(おとこ)がつぶやく。

「そんなに猫が好きなら猫にでもなっちまえ」

 名前もねこと読めるしピッタリだ。

「猫になれるならなりたい。てかなる」

 何故か断言された。そして、机を漁ってると思ったら猫耳カチューシャを取り出した音子。何故持っている。

「にゃ〜」

 猫の鳴き声をしながら擦り寄ってくる音子。とりあえず喉を撫でてみた。

「ゴロゴロ」

 喉鳴らしをした。完全に猫化してるな。ハッ! まさか!

「ニャーオ」

 服に手をかけられた。なるほどそういうプレイですか。

「しかし甘い!」

 猫耳カチューシャを外す。こういう時、流されると一滴残らず絞り尽くされるのでさっさと中止させる。

「……ニャーオ」

 気にせず続ける気だこいつ!?

「まあ、待て。落ち着け。キャンユーノゥジャパニーズ?」

「ニャー」

 止める気配なし。なら秘密兵器投入。さっきまで飲んでいたお茶のコップに入ってた氷。それを音子の首筋に入れる。

「ニャウ!」

「ははははは」

 必死に氷を取ろうとする音子。その様子があまりに滑稽だったので笑ってしまった。

「……ニャーウ」

 笑ってしまった俺を今すぐぶん殴ってやりたい。今、音子は完全に人間から獣(発情期)になった。

「逃げちゃダメかな? 逃げちゃダメかな? 逃げちゃダメかな?」

「ニャアアア!」

 一瞬で脱がされる俺。明日が休みでよかった。
268名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 08:08:40 ID:fm57Za5K
非エロでサーセン。エロでも書いたけど全くエロくなかったので。
次のお題は「ノート」「黒」「窓」でお願いします。
269「ノート」「黒」「窓」:2010/03/08(月) 19:03:08 ID:tBgORQAK
三寒四温の言葉通り、昨日までの暖気はどこへやら。
低い雲に抑えられた早朝の空は、私と同じようにすぐにでも泣いてしまいそうだった。

いやに軽い学生カバンの中でペンケースがかちゃかちゃと鳴っている。
いつもの坂道を重い足取りで上れば、梢の向こう、くすんだクリーム色の校舎が見える。
「よう、おはよう」
「先生」
耳のすぐ横で声をかけられた。私は驚かなかった。
だって先生の自転車はいつも軋んだ音がするのだから。
私の横を併走する自転車。ギッギッと鳴るペダル。先生は呆れた顔をしている。
「お前、湿気た面してんなぁ」
「…後で『いつもの所』に行ってもいいですか?」
「……」
私が小さく呟くと、先生は黙って自転車のペダルを踏み込んだ。
ギッ、とまた一つ軋んだ。

校舎についてすぐ、私は生徒指導室に向かった。
先生はストーブをつけて待っていた。
私が扉を閉めて、先生が「面談中」の札をかけ、鍵を閉める。いつものように。
背中越しに急に抱き寄せられる。うなじに熱い吐息がかかる。
先生の舌が首筋を辿り、耳たぶをかすって口元に寄るから、私はそっと舌を差し出す。
柔らかな蹂躙。快感で足が震えるので、面談用の古いソファに体を預けた。

先生は私のブレザーの胸元に手を差し込み、ブラウスの上から胸を揉んでいる。
私は先生のスラックスの上から、固くなった形をたどるように指先で擦る。
濃紺のプリーツスカートが捲られ、先生の骨ばった熱い手が私の太ももを撫で上げる。
それだけで我慢が出来なくなった私は、自分でスカートの裾を引き上げると
すっかり濡れて用を成さなくなったショーツをわざと先生に見せ付けた。
先生の喉仏が上下に動く。先生の眼が獰猛になる。
脱がすか破るかと思ったけれど、それすら面倒だったのか先生は私のショーツを少しずらし
自分のトランクスから出したそれをいきなり挿入した。

気持ちよくて体が浮き上がりそうなのを、先生は私の肩をソファに押し付けて制した。
ギッギッ、ギッギッ。
古いソファのくたびれたスプリングが鳴る。
先生は歯を食いしばったまま腰を振っている。私はよく分からない叫び声をあげてしまう。
揺らされるまま見上げた視界には、窓の向こうを遮るためのカーテンしか入らなかった。
この狭い部屋で何度も先生と愛し合った。
何度も気持ちよくなって、何度も意識を飛ばした。
それも今日でおしまい。

乱れた制服と髪を直しショーツを履き替えた私は、勝手に先生の机を空けて、面談用のノートを開いた。
何人もの生徒が色々な悩みをここで語っていった痕跡。その一番最後に黒のボールペンで一言だけ。
「先生から卒業します、さようなら」
絶対に出来っこないと思っていたけど、書いている間は意外と落ち着いていた。
ソファでまどろむ先生が起きないうちに、教室に行こう。
あと数時間で卒業式が始まるのだから。
270名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 19:11:48 ID:tBgORQAK
次のお題は「桜」「ホスト」「姉妹」でお願いします。
271名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 13:09:34 ID:1kkxkBC/
>>269 GJ! 卒業シーズンにぴったりの、先生と「私」の訳アリっぽい関係と別れがよかった!

自分も「ノート」「黒」「窓」で書いてしまったので、投下します。2レス予定。
272名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 13:13:58 ID:1kkxkBC/
「とにかくドレッドノートがさ、いいんだよ」
「ふーん? ドレッドノートっていうと、ギターしか思い浮かばないけど」
「バッカ、お前、ギターのドレッドノートは、戦艦のドレッドノートから来てるんだぞ」
「へー」
「へー、じゃねえよ、超ド級、のドだって、ドレッドノートのドだし」
「わかったけど、超ド級ってあんまり今は使わない言葉だよね」
 わかってねえよ、もういい! と頬を膨らませられるだけ膨らました幼馴染は、紛うことなく僕の彼女である。
 たいがい、他人に紹介すると、どうして付き合うに至ったのか、と直接の疑問をぶつけられることこそ
なくても、非常に釈然としない顔をされる。僕も不思議だ。
 口の悪い彼女は、僕よりも言葉遣いが乱暴かもしれない。かもしれない、というより、確実にそうだ。
 ただ口が悪いだけなら最近の若い女の子にありがちなこととして済まされるかもしれないが、
加えて船舶マニアだった。ミリタリーオタクとは違うのだ、というのは彼女の弁で、実際戦艦だけでなく
潜水艦やモーターボートまでなんでもござれ、という感じだ。小型船舶操縦免許とやらも
ごく最近取得したとかいうことで、もうすぐやってくる夏休みには、僕をモーターボートに乗っけて
琵琶湖を走るのだ、と息巻いている。乗り物酔いのひどい僕には迷惑な話で、断固お断りしているのだが。
大学を出ての進路も、もちろん船の関係の仕事に就きたいらしい。
 僕には、彼女の話の六割がチンプンカンプンで、違う言語のようにすら思えることがある。最近は、彼女も
僕に船の素晴らしさを布教するのは諦めたのか、一緒にいるときはニホンゴを喋るようになっていた、
はずだったのだが。
「優」
 口を尖らしてテーブルからソファに移動してしまった彼女の名前を、呼んでみる。彼女は返事もせずに、
ソファに寝そべったままごそごそと本棚を漁った。うつぶせになった彼女のスカートの裾が危なげで、
ひやひやしながらもつい覗き込みたくなってしまう。
 おい、それは僕の本棚だ、と言いたいのは山々だったが、今更だ。こいつは、幼稚園のころからずっと、
僕の部屋に遊びに来ては本棚から勝手に本を読んでいた。僕が一人暮らしするようになっても、それは
変わらなかった。少年漫画から、お堅い文学まで、僕が読んできた本をそのまま彼女は追いかけて読む。
それはつまらないからよせ、と言っても、聞かない。一度訳を訊いてみたら、
「お前が読んだ本を読むのがいいんだよ」なんて返ってきたっけ。
 ただし、今日は見られては少しばかり気恥ずかしい訳があった。
「あ」
 捜索を止めるべく、スカート(の中身)の鑑賞をやめソファの傍に寄った甲斐もなく、優が小さく声を上げる。
本棚の、一番下の段の端、妙に真新しいその一冊を、彼女は大事そうに手にとった。
「これ……」
 差し出されたそれは、見るまでもない。“戦艦入門”――戦艦にどうやって入門したものかは疑問だが、
書店で見かけてつい買ってしまった。先だってのドレッドノートも、ばっちり載っている。
「ふーん、私のために勉強してるってわけかー?」
 にやにやと“戦艦入門”を見せびらかすようにする。こうなるから見せたくなかったんだ、と思う。それに、
こっそり彼女の趣味に明るくなって、驚かしてやろうと計画したのも、おじゃんだ。

 こっちばかりからかわれるのは面白くない。僕にだって切り札がある。
「そういえば、優、髪の色戻したんだ?」
 僕が密かに好きだったつややかな黒髪を、彼女が目が痛くなりそうな明るい茶色に染めたのは、先月のこと。
もちろん、僕は大ブーイングをしたが、個人の自由だ、と突っぱねられた。
 それが、すっかり元と同じような、吸い込まれるような黒色に戻っている。
「飽きたから。来年はシューカツだし、茶髪は一遍やってみたかっただけっ」
 ふいっとソファの背もたれの方に顔を向ける。
 別に、僕が黒髪が好きだといったからではないのだ、と暗に言っているらしい。しかしながら、よく見ると、
後ろを向いたその耳たぶが真っ赤だ。
 愛い奴め。これだから、周りにちぐはぐなカップルだなんだと言われようと、手放す気にはなれない。
 たまらず、ソファに上がって、背中から抱きしめた。
273名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 13:14:20 ID:1kkxkBC/
「やめろ」
 照れ隠しかなんなのか、じたばたともがく彼女を羽交い絞めにして、髪をなでた。
次第に抵抗も形ばかりのものになっていく。そのハリのある黒髪をかきわけ、首筋に口づけると、
「あ……っ」
 可愛らしい声を出した。彼女がこんな声を出すなんて知っているのは、僕だけだろう。
「やめ、て……」
 か細い声で、語尾もすっかり威勢がなくなっている。かまわず、その唇を自分の唇でふさいでやった。
舌でもって彼女の口腔に押し入り、味わうようにする。

 唇を離したときには、彼女はもう息も絶え絶えという体になっていて、ただ一言、荒い息の間に呟いた。
「窓」
「へ?」
 突然思いもよらない単語が彼女の口から飛び出したので、僕は随分と間抜けた声を上げてしまった。
「閉めてくれなきゃ、やだ」
 なるほど、窓は風を通すために開け放しになっている。これくらいで彼女が乱れてくれるのならば、
お安い御用だ。
 窓を閉めて戻ってくると、優はそのままの姿勢で大人しくしていた。
 僕が近寄るなり、すぐにズボンに手を伸ばしてきて、昂ぶったものを取り出そうとする。まだダメだ、と
慌てて身を離すと、彼女は再び口を尖らせる。
「だって、我慢できない」
 いつもは男みたいなその口調は、すっかり甘えたものになっていて、ちらちらと上目遣いで見つめられては
かなわなかった。僕が彼女を抱きよせ、胸のふくらみに手を伸ばすと、負けじと彼女の手も
ボクサーパンツにもぐりこんでくる。僕は少し焦って、
「おい、ダメって言ったろ?」
「いいだろー。私だって、触りたいんだし」
 彼女は、いつもの調子を取り戻し始めていた。そんな生意気なことなんて言えないくらい、乱れさせてやる。
 おとなしやかな双丘をふにふにと揉み込むと、彼女は身悶えるように体をくねらせて、僕の下半身に
伸ばされていた手も止まった。正直、こちらも余裕はないから、助かった。
 ところが、彼女は攻撃の手を緩めたわけではなかった。今度は、スカートをめくりあげ、下着越しのそれを
擦り付けてきた。刺激自体は大したことがなかったが、先ほどちらりと見えた白い太腿を思い出して、
妙に興奮した。
「ねえ……挿れて?」
 彼女の伏せられた目の上では、長いまつげが震えている。
 反則だろう、と思う。いつもは好き勝手喋り散らしているくせに、どうしてこういうときばかり
照れた仕草を見せるのか。飽きるほど見てきたはずの幼馴染が、おんなに見えた。

 結局、三回もした。というより、僕が搾り取られた形に近い。
 最初は、本能の命ずるままに、僕が腰を打ち付けた。彼女は、白い喉を見せ付けるようにしながら、
腰を揺らした。二回目からは、もうムリだ、と言ってはみたのだが、優は強引に上に乗ってきて腰を
擦り付けながら、なにかの鳴き声みたいに喘いで、何度も何度もイッた。
 今は疲れたのか、狭いソファで僕に腕枕されながら、毛布をかけたままくたりとしている。
 腕の重みが心地よい。僕の胸に頬を寄せながら、申し訳なさそうに、優が切り出した。
「ね、お願いがあるんだけど」
「何? 僕にできることなら、なんでも聞く」
 多幸感というのか、僕も妙にふわふわして調子のいい返事をする。それが運の尽きだった。
 途端、彼女がにやりと悪魔の笑みを見せた。
「よっし、じゃあ再来週の週末は旅行な! 琵琶湖! モーターボート!」
 さっきまでの恥じらいはどこへやら、勢いよく起き上がり、掛けた毛布を跳ね除ける。こら、
全裸でガッツポーズをとるな。
 でも、あんまり彼女がにっこにっこしているものだから、まあいいか、と思った。明日は、酔い止めを
大量購入しに行くとしますか。
274名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 00:46:33 ID:OvEORvAR
>>272
GJ!!
普段とギャップがある優も可愛いし、彼氏のほうも優しいヘタレな感じがいい!
275名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 22:16:14 ID:XoguTm05
>>272
優しいヘタレな彼氏いいな!GJ

「桜・ホスト・姉妹」

1レスに強引に詰め込んだもんでエロ薄めです。すまん。
276名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 22:22:43 ID:XoguTm05
 とある街の繁華街のはずれ。うす桃色の暖簾がゆらゆらゆらめく店が俺の店。
 店の名前は「うめももさくら」。
 営業時間は夜の10時から朝の7時まで。俺は店主の梅谷茂。
 年は30後半、風貌はどちらかと言えばきちんとしない方が良い男に見えるタイプらしい。
 ぼさぼさ天然パーマに無精髭の細目で長い枝の様な手足のせいか木みたいだとよく言われる。
 店員は黒猫の「さくら」と三毛猫の「もも」。この一人と2匹で店をやっている。
 酒と料理と音楽だけしか出さない店だが、けれどそんな店でも人は来る。
 何かを求めてやってくる。
 そんな人たちのために時計の針が10時を指すと、今日も俺は店の暖簾を出す。
「ち〜っす!茂さん!」
 日も変わって午前2時過ぎに常連の女が来た。何故女かと言うと名前は知らないからだ。
「今日も入ってないね!取りあえず…何でも良いや。美味しいお酒とつまみ!」
 煩い。けど客だし今日の3組目の客だから何も言わずに梅酒のソーダ割りと出しまき卵を出す。
「ありがとう!さっぱりしたもん呑みたかったんだ〜」
 こくこくっとソーダ割りを一気飲み。ぐうっとのけ反って呑んでいるから咽を酒が通って行く様がはっきり解る。
 女はかたんとカウンターにグラスを置くと大きくため息をついた。
 しばらく無言でグラスを見つめている。何かあったか聞くべきなんだろうが俺は聞かない。
 多分聞いて欲しいんだろうが、真面目に聞く気はない。興味も無いし面倒だしな。
 ゆるゆるとグラスの氷が溶けて行く。
 さくらがするするっと近づいてきて、そのグラスについた水滴をちろりと舐めた。
「ホストってさ」
 女が喋りだす。ホストねえ…ああ、こいつも騙された口かな?そう思ったが俺は何も喋らずに話を聞く事にした。
 ももが女の膝に乗って、女の顔を見上げる。女の手がもものベルベットのような毛を撫で始めた。
 くるんくるんの目で可愛い顔。おいお父さんにもエサ時間以外にもそんな顔しろよ!
「ホストって…儲るんだよね?…TVでやってるみたいに女の子一杯夢中にさせてさ…お金一杯稼いでさ…」
 そうだな。でもそりゃカリスマってやろー共でペーペーのはそんなに儲からねえぞ。
「あれ嘘だよね!妹がねハマっちゃたんだぁ…そしたらさぁ今まで一緒に貯めてたお金全部そいつに貢いじゃったの」
 ああ本当によくあるパターンだな。俺も貸せねえぞ。ま、義理も何も無いが。
「で、借金作られてあたしはソープで夜な夜なバイト。妹は…そいつの子供出来ちゃって働けないし働く気ないし」
 ももとさくらが本当に愛らしい顔で俺を見ている…
「話を聞いてやれ」という感じで…まあ愚痴くらい聞いてやるか。
 グラスの氷が溶けているのに気がついて、俺は桜の花が入った日本酒を女に出した。
 ゆらめく桜の花びらをじっと女は見つめている。
「本当に…あたし何やってんだろ?好きでもない男のチンポしゃぶって擦ってさ…嫌な思いばっかしてんの
 妹のためだって思っても…あたしばっか泣いてるのよ…もうやだ…」
 女の目からぱたぱたっと涙がこぼれ始めた…仕方ねえなあ…客も居ねえし…
 俺はカウンターに移動するとその桜の花がは入った酒をぐうっと呑むと女に口づけてその酒を飲ませる。
 ほんのり赤らむ頬。潤んだ目で女は俺を見ている。そして俺をじっと見つめる俺の愛しい猫。
 …わかったよ。お前達が何を言いたいかは解ってるから!もう!お父さんその目に弱いんだよ!
「…ちょっと待ってな?」
 俺は暖簾を下げ、店の扉の鍵を掛けた。戻って来て女にもう一度優しくキスをする。
 唇を柔らかく食みながら、女の安っぽいニットワンピースに手を突っ込んで優しく胸を揉んでやった。 
 すぐに甘い声をあげ始める。
「ん、や…シゲ…さぁん…何すんの…」
 胸と脇腹を交互になぞりながら首筋を舐め上げれば甲高い啼き声をあげた。
「…さくらともものお願いだ。特別サービス」
「…?え…」
「あんたの名前は?」
「さ、桜…上崎桜」
「あんたもさくらか、…仕事じゃねえセックスしようじゃないか?」
「え?」
「疲れてる時には、うまい酒とうまい料理と人肌が一番良いんだよ?桜」
 そう言って俺はさっさとズボンを下ろす。
「仕事でやってるからって舐めなくていいぞ。あんたは…何もしなくていいから」
 そう言って桜のワンピースをめくり、俺は潤む桜の園の中へと自分を押し挿れていった。

277名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 22:29:14 ID:XoguTm05
 暗くした店のカウンターに手をつかせ、後ろから俺は桜を攻め上げる。
 ずっとかけてあったジャズピアノの音と混じって響く桜の声、グチャグチャと響く水音。
「ふ、や、ああ!!」
 思いっきり突き上げてやると、びくっと背中が反った。
 さくらとももが俺たちをみている。
 …これでいいんだろ?


 ここは「うめももさくら」。水墨画の梅の木の様に枯れた風情の男と2匹の姉妹猫が営む酒と料理の店。
 夜の街の止まり木になればいい。辛い事があったら誰でも来れば良い。
 猫とぼさぼさの男が疲れたお客のために今日も店を開けている。



詰め込んだつもりが入らなかった…orz


278名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:04:02 ID:NHHrudbr
>>276
GJ! 猫たちの「お父さん」な茂さんがいいね。
個人的には、1レスに収まってないのも読み応えがあって好きだ。
エロありだと、1レスでは結構難しいしね。

ところで、お題は・・・?
279名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 22:14:10 ID:y/r0H0Yz
じゃ意地、笛、耳
280名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 09:03:44 ID:LbpvRoLu
あげ
281280:2010/03/17(水) 15:34:27 ID:LbpvRoLu
間違えました。あげ
282名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 23:21:03 ID:xy2c39mX
>>279
「笛が上手になりたいんだ?」
お兄さんが意地悪く笑った。
ズボンからポロリとオチンチンを引き出して。
「上達のための練習、まずはこれを舐めてみようか」
いつもと変わらない優しそうな顔。
それが大人のする行為だっていうことはわかってた。
お兄さんの言ってることが嘘だっていうことも。
「お兄さんのオチンチンを舐めるの?」
私はおずおずとお兄さんのオチンチンに触る。
お父さんのを見たことはあるけど触ったことはなかった。
ぐにゅりと柔らかくて変な感触だ。
「そうだよ、アイスクリームを舐めるみたいにね?」
にっこり笑って、お兄さんはそう言った。
その顔に私はドキリとしてしまう。
なんで、お兄さんの笑い顔に、こんなにドキドキするんだろう。
私は決心をして、お兄さんのオチンチンを口にいれた。
何とも言えない臭いがしたけど我慢した。
舌で先っちょをペロペロと舐める。
「んっ……んんっ……!?」
口の中で柔らかかったオチンチンが固くなる。
舌の先で急にムクムクと膨らんで、びっくりして顔を離してしまった。
へにょりと元気のなかったオチンチンが元気になったみたい。
私は固くなったオチンチンをもう一度舐めてみた。
さっきまでと全然、感触が違う。
「理子ちゃん、気持ちいいよ」
少し苦しそうに、お兄さんが私の名前を呼んだ。
お兄さんに気持ちいいと言ってもらえると嬉しかった。
もっと気持ちよくなってもらおうと、私は夢中になってオチンチンを舐めた。
「……理子ちゃん」
お兄さんが心配そうな、そんな顔で私を見ていた。
髪をかきわけて、お兄さんの大きな手が私の頬に触れる。
指と指の間で耳を触られると、ちょっと変な気分だった。
なんとなく、恋人同士ってこういう感じなのかなって思った。
私はお兄さんのオチンチンを舐め続けた。
「張り出した部分を舐めてみて……」
時々、お兄さんから指示がでる。
私はお兄さんに言われた通りの行動をする。
指示されたことをすると、お兄さんがびくんと反応するのも楽しい。
少しずつ、お兄さんの息が荒くなっていく。
「うっ……、理子ちゃん、出すよっ……!」
突然お兄さんが私の頭を押さえつけてきた。
口の奥に何かが飛び出してくる。
「んっ……んんんっ……!?」
どろどろした、まずいとしか言いようのない何か。
むせて手の平に吐き出したそれは白っぽくて気色悪い液体だった。
おまけに、しばらくしても口に残る後味の悪さで。
正直、二度と口にしたくないと思った。
「理子ちゃんの笛吹き、上手だったよ」
お兄さんは優しく笑って、私の頭をよしよしと撫でてくれた。
一生懸命に頑張った後に褒められるのはすごく嬉しい。
最後にでてきた液体はいやだったけど、それ以外は別にいやじゃなくて。
また笛吹きの練習をしてもいいかなって私は思った。


おわり

「電脳」「流行」「病」
283「電脳」「流行」「病」 :2010/03/18(木) 02:13:45 ID:Wic7iT/d
パソコン? ……ああ、パーソナル・コンピューターね。
ずっと昔を記録したデータにその言葉がよく出てきたっけ。
そんな言葉がさらっと出てくるなんて、キミはよっぽどの歴史オタクか、
それともキミ自身が言うとおり何世紀も前の地球からきたホモサピエンスなんだろうね。

でも不思議だよね。その時代の人たちって、そのパソコンって機械の薄っぺらい液晶だけで、
自分達が電脳世界に生きてるって思えてたんだから。
わたしの世代には到底無理だよ。この時代じゃ、電脳世界なんて周りに広がってて当然、触れて当たり前なんだから。
……おや、信じられないって顔だね?
でもキミが今飲んでる紅茶も、触ってるマグカップも、全部電脳世界のデータだよ?
キミは『それを触ってる』って感じるように脳にパルスを送られてるんだ。身も蓋もない言い方するとね。

まだこの世界に慣れてないキミのために、こっちでの流行をちょこっとだけ教えたげるね。
じゃん!あっち見て。ほら、あそこの可愛い子だよ。
……驚いた?わたしそっくりでしょ。そりゃそうだよ、わたしの脳内チップを元に成型された電脳人間だもん。
この技術ね、本当はずっと前に完成してたんだけど、最近になってようやく一般解禁になったの。
人間のデータをコピーして実体化するなど倫理にもとる!とか言って。
ま、そりゃそうだよね。だって電脳世界に具現化したなら本物も同然だもん。
そこに居るわたしだって、おっぱい触れるんだよ。ね、きもちいでしょ。
……ま、これもこっちの脳に情報が送られてきてるだけなんだけど。

ともかく、こうして触れる以上、イタズラもし放題なんだよね。

……試しにもう一人のわたしに悪戯してみる? お、乗り気だね。
じゃあそう、おっぱいしゃぶって、キスして……うわ、わたし気持ち良さそう。目とろんってしてる。
一応言っとくけど、それモードを“恋愛”にしてるからだかんね。
勘違いしてこっちのわたしに同じことしても、そんな反応してやんないよ。

おお、キミけっこう手馴れてるじゃん。うんうん、わたし髪の毛撫でられるの好き。
キスして、片手繋いで、背中撫で下ろして、ああ、もうあそこ触ってるの!?
え、え?濡れてる!?
い、いやいや、ありえないでしょ。そりゃ確かに気持ち良さそうだったけどさ……
うわうわ、解ったから!そんなぐちょぐちょ音させて搔き回さないでよ、もう。
ああ、そんなおまんこに口つけちゃって……ん?匂いしない?味もしない?
ったり前でしょうが、そんなもん無味無臭に設定してるっつうの!
え、あった方が嬉しいの?……ソレ病気でしょうよ……。

…ん〜、ずっと一人で自分弄くってるばっかりだったから分かんなかったけど、
こうして自分の身体が誰かに悪戯されるの見るのって……なんかむず痒いにゃ。
結合したキミに質問です、わたしの具合はどうですか!
……え、最高?もの凄く締まって気持ちがいい……って?
いやいや、うむ、あ、ありがとう。
…へ?わたし自身はどうかって?いやそれはプレイベートっていうか何ていうか……えと。
う、うっさいな!そうよ、処女よ!だから自分の具合なんかわかんないってば!
でもソレ、体臭みたいに意図的に隠さない限りは本人そのまんまだから、いいんじゃ…ないかな。
もういいでしょこの話。

…………。
えと、キ、キミさ、なんか、その、すっごく優しくしてくれてるよね、わたしに。あ、もう一人のね。
いくら恋愛モードにしてるとはいえ、わたし顔蕩けまくってるっていうか、目尻下がりすぎで、
こっちで見ててものすごくこっぱずかしいというか……。

その、後でいいからさ。現実のわたしも、見てみない?

おしまい

「昆布」「星」「妻」
284名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 01:41:33 ID:1lmAyCPk
>>283「昆布」「星」「妻」

「昆布だしで作るのはウチの特徴なの」
妻は、一口食べて難しそうな顔をした僕に向かって、いつもそう言った。

結婚というのは、はたまたどうして、難しいものだと思う。
それは異世界とも呼ぶべき妻の文化と、母国というべき僕の慣れ親しんだ習慣の衝突だ。
妻は昆布だしが万能調味料だと思っているし、僕はバスタオルなんて二週間に一回洗えばいいと思っている。

恋愛期間は「あばたもえくぼ」だった。同棲時代はいつでもヤれることが第一だった。
そして先月、僕たちは結婚した。金のない二人だったから、式なんて大げさにはしなかったけど。
僕は妻のことを愛している。妻は僕のことを必要としている。結婚なんてそれだけで十分だと思っていた。

籍を入れてから僕たちは気付いた。結婚後、同棲時代には我慢していた全てのことが噴出することに。
妻はバスタオルを毎日洗わないときがすまない星人だったし、僕は昆布だしよりも鰹だし派な人間だった。
そんな些細な物事はお互いの不満の種になって、どうでもいいような言い争いを生み出した。

「バスタオルを毎日洗わないなんて不潔よ! 雑菌の温床になるのよ!」
「そんなことを言って、雨の日も気にせず毎日洗った結果がこれか? タオルが一枚もないじゃないか!」
「何よ、人をずぼらみたいに言って! ウチみたいに乾燥機があればなんでも解決するのに!」
「部屋干しするなり何なりあるだろ!? そんなに乾燥機が欲しいなら実家に帰ったらどうだ!」

僕が仕事から帰ってくるたび、こういう口論が起こった。
そんな毎日に僕たちは疲れた。

最初の頃は僕が謝ったり妻が謝ったりしながら進んだはずなのに、今ではお互いの顔を見もしない。
それでも結婚まで長年付き合ってきた情ゆえか、離縁までには至らないのだが、そんな現実も些細なものだ。


僕は今、デリヘルの若い娘にペニスをしごかれながら、この長くて短い一ヶ月を思っている。
結婚一ヶ月にしてセックスレス。こういう結末を迎えるとは思ってなかった。

妻が今何をしているのか、僕は知らない。もしかしたら若い男を家に入れているのかもしれないし
出会い系サイトに頭の悪い書きこみをしているのかもしれない。

つい先月に誓った言葉が、嘘のように頭に響く。
病める時も健やかなる時も、生涯彼女を愛しぬくことを誓います、と。
285名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 02:08:06 ID:1lmAyCPk
あまりエロくならなかった、ごめん。
次のお題は「花粉」「春休み」「デート」でお願いします。
286花粉 デート 春休み:2010/03/27(土) 12:08:42 ID:eYPyf64V
百合注意!




「春休みなのにどっこもいけやん」
「そやねえ。ケイ。こんなけ花粉えらいと外いけやんもんね?」
そういってサヨ姉は自分の頭を撫でる。
暖かく柔らかい手が頬、咽に触れて唇にキスされて、その次に鎖骨にゆるく噛み付かれた。
「うちも花粉症やで天気よすぎるとねえ、こうやって」
そう言って自分のジーンズに手をかける。
「家の中でしかおれやん。脱がすに?」
されるが侭にジーンズを下ろされる。
座り込まされ足を開かされる。既に膨らんでいる自分を見て黒くて長い睫毛がぴくっと動いた。
口の端がふっと上がって下着の上からねろりと舌を這わされる。
背中にゆるく電気が走って、少し震えてしまった。
そんな自分を見てサヨ姉は少し笑ってもう一回キスしてくる。
唇を何度も何度も食む様に吸い付いて唾液を送られる。
舌を咽の奥まで突っ込まれ少し苦しい。
クチの中がサヨ姉で一杯になる。
ううんクチの中だけじゃない。
頭の中もサヨ姉で一杯になった。
甘い甘いイチゴみたいな匂い。あったかくてやらしく動く舌。
温かい手が胸に触れた。既に堅く尖りかけの乳首を指でくにっといじられる。
その度にやらしい声を出す自分。
そんな自分にも興奮してしまい思わずおねだりをする。
「…早く…咬んで…?」
サヨ姉はそんな自分をみてふっと笑った。
「その顔、デートする時のあんたのママと一緒やね」
下着を下ろされ、サヨ姉は既にとろとろの自分の割れ目に舌を這わせる。
「え?…ん、ふ!」
じゅるっとやらしい音を立てられ、お腹がきゅうきゅう音を立てそうなくらい快感が下っ腹に集中してくる。
ママ?…やっぱママとサヨ姉そうなんだ。
今度から…あたしもその中入れて。
その言葉を口に出そうとした瞬間、クリトリスに吸い付かれあたしの頭は真っ白になった。


次のお題
クマ ロック 鞄
287名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 07:11:52 ID:AlquPedD
GJ!
どちらの方言か気になる
288名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 23:47:07 ID:PZrLqkUe
>>286
クマ ロック 鞄

 「先生まだですか?」
 「まだなものはまだだ」
 編集者を文豪は焦らせる。締め切りまでは十分に余裕があるのだが、スランプが
酷い。勢いに乗ればすぐに済むのだが、勢いに一向に乗れない。勢いが来る気配が
無い。
 「きっかけが、いい材が、発想と言うか感覚が、乾いている。ここ数日な」
 文豪が落ち着いた声で厳しく言った。痩身であるが、底知れぬ恐ろしさを感じる
。眼差しも暗殺者じみている。辺り中から凶悪な気配を発散してやまない男である
。そこに惹かれる女も多い。そして、この編集者もそうだった。
 「もしも、何かいい手助けになれば」
 こらえきれないように言って女が立った。鞄を置き、上着を脱いだ。すぐに下着
姿になった。
 「お前如きが手助けになれると思うか」
 不敵な態度で文豪が言い放つ。
 「なります」
 強く言って全裸になった。
 「クマや子ども向けの幼稚な絵柄があるかと思ったが」
 「バカにしないでください」
 文豪が立った。高い。音もなく脱ぎ捨てた。そのままラジオを点けた。番組は好
都合な事にハードロックである。

 「ああ!!」
 「貴様、この年寄り相手にその狂い様で、同い年相手にもたんぞ」
 若者どころか豪傑じみた責めが襲い掛かった。編集者の肌から汗が飛び、文豪に
かかる。しっかりと背後から回された手が体を締め付けて離さない。机にしがみつ
かされ、陰部を背後から勢いよく責め立てられている。文豪の太腿が尻を叩く。
 「手助けになってみせろ」
 「はい!ご主人様!」
 文豪が放出した。口元が上向いた。
 「喜べ、余裕を持って完成させれるようだ」
289名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 23:50:26 ID:PZrLqkUe
次のお題は

ガラス 酒 波
でお願いします
290名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 23:33:30 ID:jcJIIVDK
ガラス 酒 波

 「う…」
 「おぉ…」
 黒光りする器官がお互いの股間の間で見え隠れする。テーブルの上に置かれた
氷が酒に浮かんで音を立てる。
 「本当に、俺でいいのか」
 「そんなこというと、反故にしちゃうよ」
 「すまん」
 この広い湖面に二人、船を浮かべてまぐわっている。

 女は美しかった。氷像のようにも、ガラス細工のようにも見える。しかし脆さは
無い。鋭さのみが酷似している。男はそれに引き寄せられた。嶺の上へ手を伸ばし
触れようともがいた。罠があった。それを慎重に見極めて避けてたどり着いた。

 彼女との情交は極上だった。エネルギーがほとばしる。波の無い湖面でかすかに
船が揺れる。自分にこれほどの底力があったのかと男は感心した。その底力を出し
切った。女も猛った。怒張をくわえ、暴れに暴れた。

 次の日の夕刊に記事が載った。男の遺体が爆発炎上した船から回収されたとの事
だった。


次のお題は
事故 牛 飛行機
でお願いします
291名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 21:01:15 ID:sErKZqDH
書き込めた
292名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 18:09:43 ID:lNeB9z3W
  (Д´ヽ) .  フ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ボ
  .ヽ`Д´)   ッ
  (ヽ`Д).  キ
  (  ヽ`)   ア
  (   ヽ   ゲ
 ヽ(   )ノ.  ス
  .ヽ   )  ペ
  (ヽ  )   シ
  (Д´ヽ) .  ャ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ト
  .ヽ`Д´)   ル
  (ヽ`Д).  ネ
  (  ヽ`)   l
  (   ヽ   ド
 ヽ(   )ノ.  サ
  .ヽ   )  イ
  (ヽ  )   ク
  (Д´ヽ) .  ロ
  (`Д´ヽ  ン
 ヽ(`Д´)ノ   ! !
293名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 21:16:14 ID:IXnnD5s9
保守
294名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 18:39:31 ID:tUcJgvrk
事故 牛 飛行機


彼は飛行機が好きだった。
機械好きと目立ちたがりが長じて、牧場の後継ぎという
平凡な日常を飛び出し航空隊に入った。


彼と私はお隣りさんで、昔から喧嘩友達だったのが、
いつの間にか目が離せなくなっていた。
悔しいから絶対言わなかったけど、ある日彼がこう言ったのだ。

「俺、航空隊に入るよ」

*

戦争が激化し、彼の家の牧場も経営が厳しくなった。
更に彼からの連絡がぷつりと途絶え、消息が不明だという。
日に日にやつれていく彼の両親を見てたまらなくなり、
時間を作っては手伝いに行った。
牛や羊を追いながら、来る日も来る日も彼を待った。

出発の前夜、彼と私は結ばれた。
いつもの憎らしい態度とはうって変わって、馬鹿みたいに私を優しく扱った。
二人して動物みたいに舐めてじゃれあった。
心にも身体にも、蕩けるような甘さと痛みを残して。
295名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 18:46:33 ID:tUcJgvrk

「好きだよ」

嘘つき。
それならどうして、私を置いていくの。
腹立ちまぎれの言葉とは裏腹に、身体はあの夜を求めて疼く。
「…っん、あんっ……」
私は夜ごと切なさに身悶える。
もっと早く抱かれていればよかった。
素直になればよかった。
そうすれば、想うよすがも出来たかもしれないのに。
「あ、あっ、……っあああっ!」
私はひとり彼を想って果てた。


ある日、牛の世話を終え戻ろうとして、
私は手にしたバケツを取り落とした。
家畜小屋の入口に、彼が所在なげに立っているのが見えたのだ。

国の為だと出て行った彼は、戦地に行く前に訓練中の
事故で怪我を負い、ずっと入院していたのだそうだ。
手紙を書こうにも怪我で文字が書けず、退院してそのまま帰ってきたらしい。
「……心配して損した」
「何だその言い方、……っておい」
彼が急に慌てた事で自分が泣いているのに気づいた。
「馬鹿。泣くなよ」
「あんたが馬鹿すぎるんで悲しくなったのよ!」
ああ、馬鹿は私だ。
結局いつもの喧嘩腰になる。
それでも涙は止まらなくて泣きじゃくっていると、
急にふわりと抱きしめられた。
「会いたかったんだ」
「……馬鹿」
「何でそうなるんだよ!?人がせっかく」
「全然ロマンチックじゃないじゃない!」
感動の再会の筈が牛臭い牛舎で、私はといえば作業着。
するといつもの憎らしい表情で、にやりと笑った。
「そういう事なら今晩ゆっくりしてやるよ」
「馬鹿っ」
私は顔を真っ赤にして彼の口づけを受け入れた。

*
長くなってすみませんでした。
次のお題は「爪」「義肢」「フレーム」で。
296名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 08:50:45 ID:zedWWtif
GJ!
297名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 02:02:13 ID:CluxgGLq
少女はその純真故に男の毒牙にかからんとしていた。
自ら一枚ずつ衣服を脱ぎ、男の目に晒される清らかな肌は
毒婦達の磨き上げられた肌に比べれば多少荒くはあるが、
代わりに触れればはじけそうな若さがあった。
最後の下着を足から引き抜き、胸元を腕で隠しながら男に向き直る。
隠す場所が局部ではなく胸という点が少女の純潔を示すようで男には好もしく思われた。
「これはどうします?」
いたずらを企んでいるかのような含み笑い。
「君の好きにするといい。自分の一部だと思うならつけたままで良いし
 はずしたほうが自然だと思うならそうすれば良い。」
少女は薄く開いた唇に指を押し当てしばし逡巡した後
男のひざに腰をかけ、金属性の義肢を取り外した。
「これでもう、私は逃げ出すこともできません。やさしくしてくださいね。」
少女はそういって微笑むと、男の顔から眼鏡を奪った。
不鮮明な視界のふち、メタルフレームにかかる清潔に切りそろえられた爪の赤みに
男はふと、捕らえられたのは俺のほうかもしれないな、と思った。

ほのエロい感じが出せましたでしょうか? 次のお題は「宝石」「刃物」「建造物」で。
298名無しさん@ピンキー:2010/09/12(日) 19:50:53 ID:Ux8s7ZYg
「宝石」「刃物」「建造物」

随分と、ご立派な建造物ですね。

皮肉混じりに呆れた声でそう呟いた。
それには、宝石ならぬ真珠がいくつも埋め込まれているらしい。
ところどころ、柱の部分に瘤が出来ているのがわかる。
外からではわからないが、それが真珠なのだろう。
男は余程それに自信があるのか、やたらと自慢気に吹聴する。
刃物さえなければ、相手にしたくもないというのが本音だ。

突きつけられた刃物が、衣服を切り裂いていく。
頭の中は至極クリアーで、どうやって帰れってのよ馬鹿。
そんな風に冷静に考えてしまえる自分がいる。
大きな声を出して抵抗しようものなら、どうなるかわからない。
それぐらい、相手の頭の程度が低いことだけは明らかだ。

姉ちゃん、気持ちいいだろ?

そんなことを言いながら、男が胸を舐めてくる。
無理矢理されて気持ちいいわけがない。
乳首が硬くなってしまうのは生理的な反応にすぎない。
男の生温かな舌の感触に、背筋がぞくりとし肌に鳥肌が立つ。

息が乱れるのは怖いから。
変な声が漏れてしまうのは、なんでだろう。
状況が状況だけに、冷静でいられなくなっている。
男の手がスカートの中に伸びる。
触れられると濡れた布地の感触が伝わってきた。
男がにやりと笑う。
下卑たその笑いに負けた気がして、私は思わず顔を逸らした。

スカートの中に両手が入り込み、男が下着を脱がせようとする。
男を蹴り飛ばせば、逃げられるかもしれない千載一遇のチャンス。
なのに、体が動かなかった。
ただ、黙って男の行動を見つめることしかできない。

姉ちゃん、これを入れてほしいだろ?

ずっと出しっぱなしだったそこを、男が目の前で扱く。
歪な形のそれ、馬鹿馬鹿しいとさえ思えるのに。
胸の奥から奇妙な感情が膨れ上がる。
私は、黙って視線を反らす。

好きにすればいいという投げやりな気持ち。
本当は入れて欲しいという気持ちもあったのかもしれない。
男の粗末なそこが私の体に触れる。
ぐにゅりとした柔らかな感触。
先端がゆっくりと私の中へと入り込んでくる。

やっぱり、大したことないじゃない。
そう思った瞬間、口からおかしな声が漏れてしまった。
今まで味わったこともない感覚に頭がおかしくなりそうだった。
真珠の強い刺激に頭の芯まで痺れるみたいで。
手を強く握り締めて、必死に声を堪えることしかできない。

あっ、もうだめだと思った瞬間。
男が腰を引き抜き、勢いよく放たれた精液が体に飛び散った。
出すべきものを出すと、男は慌てて逃げだしていく。
いろいろと最低だ、現状を見つめ直して私は溜息をついた。
299名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 01:54:25 ID:k/03lT9e
うわ、ほんとにサイテーだ。GJ。
300名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 02:13:28 ID:qq1wbOqG
GJ。
次のお題は?
301名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 20:49:47 ID:+rvCR/cm
GJ!おもしろかった
302名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 01:10:15 ID:cG8qPzhE
人増えてきたな

お題待ちage
303名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 01:33:38 ID:a0Bf/7Yq
最後の方からお題が無いようなら出して良いですか?
もしもありましたらこちらは無視して下さって結構です。

「信頼」「放浪」「鷹」
304名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 01:40:01 ID:/9I2KPG6
「信頼」「放浪」「鷹」


「やめておいた方がいいんじゃないのか」
男は言ったが、少女は勢いよく首を振った。
「……信頼してるから」
だから、と男のたくましい胸にそっと身を寄せた。
「本当に、いいんだな。ならば容赦はしない」
男は少女を背後から押さえつけると、荒々しくのしかかった。

男は各地を放浪する、孤高の身だった。
縄張り争いに負けて地元にはいられなくなったのだという。
そんな男はろくでなしに決まっている。
しかし少女は、傷ついた男が見せる哀愁に心惹かれた。
この孤独な鷹を愛せるのは、私しかいない――――。
少女はそう信じ、男にその身体を預けた。

「あ、ああっ!やだ、そんな、汚いところ……っ!」
「何をいまさら……知ってたんだろ?」
「そ、そうだけど……あぁんっ!」
「……っあ、はあっ、ほら、孕めよ!」
男はケダモノそのものの激しさで少女を襲った。
「俺の子産んじまえよ、たくさん、なあっ」
「ああっ、そんなところから、で、でちゃうの……」







鳥のセックスはアナル同士らしいですよ。
次は「大胆」「山中」「探偵」で。
305名無しさん@ピンキー:2010/09/21(火) 01:48:07 ID:tk9jb3pu
こういうの好きだ、GJ
306名無しさん@ピンキー:2010/09/29(水) 23:09:21 ID:rZwA/zbM
「大胆」「山中」「探偵」

「山中さん?」
いつもの様に僕は彼女の名前を呼んだ。すると彼女はいつも面倒くさそうに僕を見る。
そして長い睫毛に縁取られた細い瞳と三日月のように冴えた美しさの眉毛を顰め、返事をするのだ。
「…なんですか?」
ああ、前に山深い里の氷室にぶち込まれて3日くらい放置された時の事を彷彿とさせる様な山中さんの声!
その声だけで僕の性欲がかき立てられて、僕は彼女の腕を取ってこれまた薄く冷たい唇に強引に口づけた。

冷ややかな容姿や声と裏腹に、火傷しそうなくらい熱い彼女の口の中。
それでも彼女の目は冷たいまま。
初めて会ったときから僕は彼女にある事を感じた。
そして今日、それから初めて二人きりになった。
…これって確かめるチャンス?
そう思った瞬間僕は、大胆な行動にでる事を決めた。
ずっとずっと我慢してたんだ。そして気になっていたんだ。
彼女が僕の探偵の師匠の助手として目の前に現れた時から、ずっと。
ぎゅっと手の指と指を絡ませれば、しっとりと汗を感じる。
空いた方の手をすっと彼女のスカートに手を伸ばした。
ショーツの上から軽く指を這わせれば、少しの湿り気を感じ僕は確信を得る。

「…さっさと這いつくばって僕のチンポしゃぶって?…ヘッポコ探偵の雌犬が」
そう彼女の耳元で囁くと、さっきまで冷たい光を讃えていた瞳が一気に熱を帯び蕩ける様な目で僕を見た。
そうして僕の前にしゃがみ込んで歯で僕のスラックスのジッパーを下げ、恭しく僕のモノを取り出す。
「…なんでわかったの…?」
「初めて見たときから。この女はMだって思ったんだ。さあ、今からあのヘッポコ以上に楽しませてあげる」
刹那、僕のモノは一気に膨張し、それに反応して飢えた雌の匂いを放った彼女は僕のモノに一気に吸い付いた。

ああ絶景。
口一杯にモノを頬張り必死で奉仕している。
普段僕をゴミか虫かのような目つきでみる女が僕のチンポを必死でしゃぶっているのだ。
お高い女の中身を見抜けた事に僕は突き抜ける様な快感に包まれていた。

僕の山中さん調教の日々は今日からスタートです。日記につけなきゃね?


お次 マグカップ 馬 時計
307名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 01:13:14 ID:Yjc2b3hb
おー面白かったGJ!
308名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 17:47:36 ID:XbSRrOb+
マグカップ 馬 時計

(やべ、限界かな)
俺は自分のモノを握りながら、それでも心中の弱気を悟られないよう、澄ました表情を作る
2DKの俺のアパート
隣には下着姿の真理が好奇心と冷やかしの入り交じった顔で俺の様子を眺めていた

友人関係だった幼馴染みの女
偶然の再開から居酒屋へ
互いに20代半ばで独り身だった
「余り物同士くっつくか」
冗談めかした俺の探りに真理は
「アンタそんなに溜まってんの?」
と笑って返した
コイツのそんな気安さが結構気に入っていた
「もう女日照りでさ、今ならマグカップを満タンにできるよ」
気まずくなるのはゴメンだ
俺も敢えて下品に返す
「じゃあ…賭けよっか」
真理は意味ありげにニヤリと笑った
「今日は終末だからさ、アンタのアパート行くよ」
腕を絡めてくる
「この終末でマグカップいっぱいにできたら…アタシはアンタのモノ」
その顔はいたずらっ子だった幼時のままだった


まあ、かなり溜まっていたのも事実で、俺は真理が見ている目の前で連続して射精した
真理も「オカズになったげる」と豪快に一糸纏わぬ姿になってくれた

この倒錯したシチュが精力を倍増させたが、さすがにマグカップ満タンは難題だった

すでに右手は疲労物質で溢れ、イチモツは擦りきれてヒリヒリ痛む

でも
もし志半ばで力つきたらこの場はどう治まるのだ
気まずいことこの上ない

マグカップは7分目
俺は時計に目をやって残り時間を確認すると、目の前の真理を見つめて再び右手に力を込めた
309名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 17:48:36 ID:XbSRrOb+
「…すっご〜い…」
呆れたような真理の声
「ふ…は、は」
たった今、ノルマを達成した俺は空元気の笑顔を作る

「アタシ見て、こんなに出してくれたんだよね…アンタの女で文句はないよ」

はにかんだ顔の真理が可愛くて。
抱き寄せてキスをした。
20年来の付き合いで初めてのキスは優しく甘美な味だった

「真理、しよっか」
気がつくと俺の元気も戻っていた
「アンタ、生まれ変わったら絶対種馬だね」
真理はそう言って幼子のように俺の胸に顔を埋めた



長くなりスミマセン
次は「修正液」「ホオジロザメ」「オムライス」で
3101/2:2010/09/30(木) 18:35:22 ID:yRFyjXh1
書いてる間に新しいお題が来たので、トリプル消化しています。
大胆、山中、探偵/マグカップ、馬、時計/修正液、ホオジロザメ、オムライス



 車体に会社のロゴの入ったライトバンのハンドルを握って、県道を走っている。
 先方での交渉と作業を終え社へ戻る途中だが、ちょうど昼のいい時間なので腹が減ってしょうがない。
 信号待ちで停止して、俺はギアを一速に落とす。
 助手席に座った宮沢さんは、
「私一応マニュアルで免許取ったんですけど、結局怖くてオートマしか運転できないんですよ。工藤さん、運転上手ですよね」
 と言う。
「いやいや、仕事でずっと乗ってるからそう思うだけだって」
 俺は謙虚にそう言ってみせるが、車の運転は好きだし、得意だ。運転上手は床上手、なんつって。

 俺はこの会社へ入社してからずっと、支社の技術部門で働いている。
 宮沢さんはこの支社の営業課に転属してきて二年目、入社年度では俺の一年後輩に当たる。
 黒髪のショートカットで、いかにもスポーツ得意です、って雰囲気のさっぱりした女の子だ。
 営業課の女性にしては化粧気があまりない。喋り方も媚びている感じが全くなくて男っぽい。
 彼女のそういうところが俺は好きだ。
 部署は違うが仕事上結構絡みも多いので自然と仲良くなり、先月俺の方から告白して付き合い始めることになった。
 そんな俺たちの関係をまだ他の誰も知らない。
 社内恋愛には寛容な会社なのでそれほど神経質になる必要もないのだが、
何となく気恥ずかしいのと、一応礼儀もあろうしということで。

 信号が青に変わったので、車を発進させる。【時計】を見ると、12時を回っていた。
「そろそろ昼休憩にしますか」
 このまま社に戻ると休憩時間がなくなってしまうので、外で昼食を取って帰ろうと宮沢さんへそう言うと、
宮沢さんはニコニコしながら足元に置いてある袋をがさがさとやり始めた。
「お弁当作って来たんですよ。私のと、工藤さんのぶん」
「えっ、ホント?」
「口に合うといいんですけど」
 うわーい、やったー! とはしゃぎたい気持ちを抑え、俺はクールに、
「嬉しいなあ、ありがとう」
 などと言う。宮沢さんは、
「一緒にお客さんのところに行くの、久しぶりだったんで」
 と、ウフフと笑う。可愛らしい。
 俺は近くの【山中】にある展望台へ行こうと、県道から山道に逸れた。しばらくうねうねと進むとやがて視界が開けてくる。
 サラリーマンのサボり、もとい休憩には持ってこいの場所なのだが、着いてみると誰もいなかった。
 眺めのいい場所へ車を停めて一息つく。宮沢さんって意外にも家庭的、ああ俺の幸せ者め。
 噛み締めながら俺は車を降りてライトバンのハッチを上げて、
ごちゃごちゃに置いてある荷物や工具もどけて、二人で座れるだけのスペースを空けた。
 山の空気はひんやりしていて、気持ちがいい。
 宮沢さんは腰かけて小さな弁当箱と俺のぶんと思われる大きめの弁当箱、それから水筒と【マグカップ】を二つ取り出した。
 マグカップの一つはこの間買ったやつだった。

 付き合い始めて最初のデートで俺たちはオフィスで使うためのお揃いのシンプルなマグカップを買った。
 俺のは外側が黒、内側が白。宮沢さんは外側が白で内側が黒いやつだ。
 宮沢さんはカップの裏底にマッキーの太い方で「宮 沢」と書いた。
 デカデカと【大胆】な文字だったのがやけに彼女らしくてちょっと笑った。
 俺のカップは黒地なので、【修正液】で「工藤」と書いてみた。
 うまく書けなくてヨレヨレで、俺の性格ってこんな感じ、とちょっと項垂れた。
 付き合っているのをバラしたいわけではないが、こっそりお揃いの物を使っているなんてドキドキしていい。
 フロアが違うので、まず気付く人はいない。俺たちだけの秘密だ。
3112/2:2010/09/30(木) 18:35:51 ID:yRFyjXh1

「それ、わざわざ持って来たの?」
 律儀にオフィスから持ってきたらしい宮沢さんへそう尋ねると、
「はい、お味噌汁が飲みたかったので」
 宮沢さんはそう言いながら、フリーズドライの味噌汁の封を切ってカップの中へそれぞれ取り出した。
「カップ味噌汁買っても良かったのに。コンビニ寄るくらいなら平気だよ?」
 俺がそう言うと、
「このマグカップで飲みたかったんですよ」
 と答えて、目を細めて笑った。乙女なこと言うなあ、と感心して、ちょっとほっこりしてしまう俺だ。
「でも工藤さんのマグ、設計課から盗み出してこれませんでした」
 そう困ったように宮沢さんは笑いながら、同じく営業課から持ち出してきたのだろうUSJの土産と思しき
【ホオジロザメ】がプリントされたもう一つのマグカップへ魔法瓶からお湯を注いでくれた。味噌汁の具がしわしわとほどける。
 宮沢さんの作った弁当は格別だった。
 料理上手なのかよ、俺ってばどうしよう、絶対俺にはもったいない、などとニヤけてしまう。
 あまりの腹の減りように色気もなくガツガツと弁当を平らげてしまった俺は、まだ食べている宮沢さんの食事風景を眺める。
 色白の頬に乗せたチークが変にピンク色で、それがもくもくと動くので面白い。
 オカメインコみたいで、そんな化粧があまり上手くないところも可愛い。
 とはいえ、俺はまだ宮沢さんのすっぴんを見たことはないのだが。
「ごちそうさまでした。すごく美味しかったよ、ありがとう」
 俺が言うと、宮沢さんは「良かった〜」と気の抜けた声を出すので、俺は笑った。
 
 こんな人けのない場所に二人きりで、食欲が満たされてしまうと、少々ムラッときてしまうのは男の悲しい性だ。
 ちょっと黙ると、鳥の声と風で木の葉がざわざわする音しか聞こえない。
「宮沢さん」
 と呼んで不意打ちみたいにキスをする。オカメインコの頬っぺたはきゅっと更に赤みを増したように見えた。
「仕事の合間にこう……、こういうことしてると、何かすごく悪いことしてるみたいに感じますね」
 エヘヘ、と宮沢さんはそう呟いて笑う。俺もなんだか妙に恥ずかしくなってしまった。
 そして、誰もいないからといってここで押し倒してやろうなんてことはさすがに考えていないが、
どうしても宮沢さんが欲しくてたまらなくなってしまう。
 抱き寄せてもう一度ゆっくりキスをすると、宮沢さんも応じて俺に体を摺り寄せてくれた。
 腰に回している手でスーツの上から背中や脇腹を撫でると、宮沢さんは口の端からふうっと息を漏らす。
 唇の間に舌を入れてみると、ちょっとびっくりしたように呼吸が乱れたが、すぐに少し口を開いて受け入れてくれた。
 宮沢さんの舌はねっとりと、しかし性急に俺の舌に絡んできた。
 どう動かしたらいいものか分からなくて、とにかく必死で俺の舌を探そうとしているようにも思えた。
「んっ……、ふ……」
 口の中を舐め回されながら小さく声を漏らす宮沢さんに興奮する。
 ああ、しかし今は仕事中なのだ。宮沢さんも俺もこれから社に戻れば事務処理が待っている。
 まだ足りない唇を離すと、宮沢さんはなんとなく切ないような表情をしている。多分俺もだろう。
「あのさ、弁当のお礼ってことでもないんだけど……」
 俺が改まって低い声でそう言いかけると、宮沢さんはゆっくりと頷いた。
「宮沢さん今日の晩、ウチで飯食わない?
俺の作る料理はあんま美味くないかもしれないけど、頑張って作るんで。【オムライス】とか、親子丼とかだけど……」
 俺、部屋に誘うのに必死だな。我ながら【馬】鹿さに呆れる。
 あからさま過ぎて引かれないだろうかと心配する俺に宮沢さんは、
「はい、いいですよ。明日、休みですし」
 はにかんだように答えるのだった。
 金曜日、今日は一人でビール飲みながら【探偵】ナイトスクープなど見ている夜にはならないはずだ。


   了

次のお題は「我々」「ギター」「鼻毛」
312名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 19:37:35 ID:66AxbSgF
「修正液」「ホオジロザメ」「オムライス」

 今、俺は硬直している。
 何故なら、俺の目の前にはホオジロザメがぷかぷかと浮いていて、俺の事をじっと睨みつけ
ているからだ。
 周囲を見回す。俺のワンルームアパートの部屋のベッドの上。何も変わらない、いつも通り
の部屋。あ、確か今日は日曜日だっけ。
 目を正面に戻す。そこにはホオジロザメの獰猛そうな歯がずらりと並んでいた。体長は多分
2メートルかそこら。ホオジロザメとしては小型なんだろうが、俺にとっては十分に脅威だ。
 ホオジロザメは吠えも唸りもせず、ただ俺をじっと見ている。サメって吠えたり鳴いたりす
るんだっけ?
 とりあえず、何でここにいるのか聞いてみる。
「オムライス」
「へ?」
「オムライスを作りに来たの」
「作りに来たの、って……あんた、メス? ってぇか、何故オムライス?」
「メスで悪かったわね。貴方が食べたいって言ったからじゃない。台所借りるわよ」
 サメはそう言うと、ベッドから流しへと泳いで行った。胸ヒレで器用に冷蔵庫を開けると、
卵だのケチャップだのを調理台の上に並べている。やがてまな板の上で何やら刻み始めた。
「なあ」
「何?」
 サメがこちらを振り向いた。どうやら玉ねぎを切っていたらしい。しかし、ホオジロザメっ
て涙を流すのか?
「いつ、あんたにオムライス食べたいっていったっけ?」
「呆れた。もう忘れたの?」
「申し訳ない。でも、本当に思い出せないんだ」
「もう、知らない」
 サメはまな板に向き直った。それからは何度声を掛けても振り向いてくれない。
 やがてコンロに火をつける音が聞こえたかと思うと、ジャーに残っていた冷や飯を炒める音
が聞こえてきた。
 ケチャップの匂いが漂ってくる。
 出来上がったライスを皿に移して、フライパンを軽く洗う音がして、再度コンロに点火。
 今度はバターの良い匂いがしてきた。
 胸あてにマンボウのイラストが描かれたピンクのエプロンを身につけたサメは、フライパン
の薄焼き卵にライスを乗せて形を整えて、皿に移した。
 それを2回。
「はい、おまたせ」
 サメが出来上がった2皿を持ってこっちにやって来た。内1皿を部屋の真ん中の卓袱台に置
くと、もう1皿をベッドで胡坐をかいている俺に手渡した。美味そうな匂いが部屋に充満して
いる。
「……い、いただきます」
 色々納得できない事もあるが、この匂いと黙ったまま俺を見下ろすサメの冷たい視線に負け
て、俺は皿に載っていたスプーンでオムライスを食べ始めた。
 何とも言えない緊張感のせいか、匂いだけで味がしない。
「じゃあ、私はこっちをいただきまーす」
 股のあたりからサメの声が聞こえた。見ると、立派に起き上がった俺のナニがサメの口の中
で、歯の向こうに隠されて――
「うぎゃあああああ!?」
 ナニを噛みちぎられた衝撃と自分の叫び声で、俺は目を覚ました。
 俺のワンルームアパートの部屋のベッドの上。部屋の真ん中にある卓袱台の上には2皿のオ
ムライス。股間には恋人のアイ子が居て、俺の何をしゃぶっていた。
 そう言えば昨日の夜、アイ子に朝飯を聞かれてオムライスが食べたいって答えたんだっけ。
「どうしたの?」
 何から口を話したアイ子が聞いてくる。
「お前そっくりのホオジロザメに食われる夢を見た」
「馬鹿」
 卓袱台の上にあった修整液のボトルが俺の額に命中した。

次のお題は、「風呂」「靴」「バクテリア」なんてどうでしょ?
313名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 22:02:46 ID:oYboNuGq
すげー投下ラッシュだ!
GJ!
314名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 13:01:43 ID:hSnnseuX
GJ!
しかし皆どうやってお題を決めているのかね
難しいよ
315名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 14:56:53 ID:dC1QvWTT
お題支援だけでもいいねかな?
「末裔」「仮面」「優男」
316名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 16:19:06 ID:9DwttQFN
お題たまってるんだから……
317sage:2010/10/17(日) 22:18:50 ID:upHqjK7v
「風呂」「靴」「バクテリア」

玄関の戸を開け、こんにちはーわたしですーと声をかけると、廊下の奥からぱたぱたと足音がして、遠くからわざわざありがとうねえ、とおばちゃんはいった。
わたしはさっさと脱いだ靴を揃えながら、お世話になりますとこたえた。
田舎町に住むおばちゃんの家を訪ねるのはもうずっと前から決めていたことで、本来なら五月の連休に来るはずだったのだけれど、
風邪をひいてしまいこの夏休みまで延期になっていたのだ。
いつものわたし用の部屋に荷物を置いて居間に戻ってくると、おばちゃんは四足の丸テーブルにお茶とせんべいを出して、
みきこちゃん元気そうでよかった、風邪ひいたって聞いて心配してたんだよ。
あははは、心配かけてごめんね、もう大丈夫、とせんべいに手を伸ばしながらわたしは答え、ところで悠君は?
ああ、そうだったそうだった、悠は今お風呂屋さんにいってるよ。
お風呂屋さん?
そうそう、うちの風呂釜が壊れちゃってね、ごめんなさいね、電話で話したときにいっとけばよかったね、みきこちゃんもお風呂は近所の銭湯を使ってもらうことになるんだけど、いいかしらね。
銭湯かあ、温泉以外で共同のお風呂使うの初めてだなあ、とわたし。
うちのお風呂がねえ、使えればねえ、いいんだけど、菅が古くなっててね、バクテリアが繁殖してどうとかいった話でね、
おばちゃんもよくわからないんだけど悠ならそのあたり説明してくれると思うから後で聞いてね。
悠君はおばちゃんの息子でわたしのいとこだ。機械や化学に強いのでいつもいろいろなことを教えてくれる。わたしにとっては、
頼りになるお兄さんのような存在だ。
おばちゃんは何か思いついたようににやにやすると、悠ねえ、みきこちゃんが来るって聞いてからずっとそわそわしてるのよ、
五月に来れなくなったときには傍目にもがっかりしてて。
へえー、わたしも悠君に会うの久しぶりだから楽しみです。
この前は・・・去年の秋になるのねえ・・・みきこちゃん、あの頃よりまたきれいになったわ・・・悠は相変わらずなのにねえ、やっぱり女の子はいいわあ。
おばちゃんがしげしげと見つめるのでなんだか照れくさくなって、わたしは、おやつごちそうさま、散歩に行ってきますといい残してとたとたと逃げ出した。
褒められるのはうれしいけれど、ちょっと恥ずかしい。
外に出ると陽が翳りはじめていた。お風呂にはまだ早い時間だけれど夕方には違いない。風が少しあって肌に心地よい。
ひまわりが咲く野道の真ん中をわたしは歩く。とおりがかる人は誰もいない。さびしいとは思わない。この土地の静かな感じが好きで、わたしはやって来るのだから。
細い川にかかる古い木橋のところにさしかかったとき、道の先から口笛が聴こえた。何か懐かしく感じられる旋律。それがマーラーの「大地の歌」だと気づいたときには彼が目の前にいた。
悠君だ。
生は暗く、死もまた暗い。
悠君はつぶやくと、欄干に背をもたせかけた。まるでわたしのことになど気づいていないかのように目を閉じて。
わたしは橋桁をきしませながら彼に近づいた。
悠君、久しぶり。
ゆっくりとまぶたを持ち上げて、アーモンド型の瞳をむけてきた。
やあ、久しぶり、秋以来だね。
わたしは悠君の隣に立ち欄干に背をあずけた。
おばちゃんのいうとおり、相変わらずみたいだね。
何がさ。
悠君がかすかに唇を尖らす。
気障だよ。
わたしが笑うと、少しして彼もつられて笑った。楽しい夏休みになりそうな予感がした。

お題は「ラジオ」「孤島」「善良」
318名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 13:33:30 ID:VTTZC0m+
>>1
319名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 23:49:58 ID:IirA6ha9
ここは落ちないでほしい
320名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 14:47:20 ID:dcKrRxVY
>>319
同感、保守
321名無しさん@ピンキー:2010/12/09(木) 04:22:45 ID:52llitba
我々 ギター 鼻毛

部屋でギターを弾いていたら、窓から美少女と美幼女が入ってきた。
ここ五階なんですけど。誰?
「我々は宇宙人だ」
マジで?
そういえば頭に触角が生えている。ビニールのツナギみたいなぴったりした服を着ていて、コスプレ美少女と美幼女にしか見えない。
だが何か変だ。驚いて焦ってしまってそのときは分からなかった。
「そこの生物。これは何だ」
美少女はほんのり顔を赤くしてギターを掴んだ。
「ぎ、ギターです」
思わず敬語。
「ギギターデス」
「ギター、という名前の楽器です」
「楽器……だと……」
「音を出して楽しむ物です。いいですか?」
華麗にアコギを掻き鳴らすと急に宇宙人たちの動きがぴたりと止まった。
「……っはぁんっ……」
突然甘い声をあげたかと思うと、宇宙人たちがうずくまり、ぷるぷる震えはじめた。
「ああん、何か変だと思ったのぉっ」
「やっぱり、この音がっ……」
「どうしたんですか」
宇宙人たちは二人で抱き合い、膝を擦り合わせながら身悶えしている。
「や、やめっ……」
そうか。宇宙人はギターの音に感じているのだ!
さすが宇宙人、感覚が違う。
あまりのやらしさに、僕はますます調子に乗ってギターを掻き鳴らす。
「きゃあっ!」
「あ、や……やっ、やだぁっ!だめ、い、いっちゃうのぉっ」
宇宙人達は涎を垂らしながらイッた。

「ふ……この星、気に入った」
「そうね、お姉様」
「しばらく厄介になるぞ」
「マジっすか」
勝手に部屋の中を見始めた二人を止めようと近付く。その時、違和感の正体に気がついた。
「鼻毛?」
鼻の辺りからにょろんと長い毛が生えているのだ。
これさえなければ美少女なのに!
「これか?我々の間では長いほど美しいとされていて……わ、悪かったな!短くて!」
さすが宇宙人感覚が違う。
「いや、充分長いと思うけど」
「……えっ」
ぽっと頬が赤くなる。
……それ褒めてないからね?



うん反省はしている
322名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 15:18:32 ID:zqp+lOAN
忘れてた間に来ていた…だと…

やっぱり、伸びた鼻毛を蝶結びにしたら怒られるんだろうか?
GJ
323名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 01:16:55 ID:TMVhatlW
「末裔」「仮面」「優男」


宮廷の客間は、男が見たこともない壮麗さだった。
最高級の調度品に美しい壁紙、装飾。寝台には柔らかい敷布が敷かれ、天蓋まで付いている。
しかし、この部屋は男に与えられたものではない。
「……良いのですか、お嬢様?」
振り返り声を掛けると令嬢は頷いた。
「ええ。私、貴方に決めたの」
少女の頬はほんのりと上気していた。舞踏会の仮面を外し、美しい青い目があらわになっている。
大方、男がでっちあげた英雄の末裔という肩書に惹かれただけの事だ。
今夜は仮面舞踏会だ。誰もが身元を隠して偽りの自分を楽しんでいる。
だから、この少女を騙している訳ではないのだ。
「光栄ですね」
手袋をはめたままの少女の手の甲に口付ける。
少女は特に感慨もないようだ。
美しい娘だ、求愛されるのにも慣れているのだろう。
しかし手袋の中に指を滑り込ませると身を固くした。
少女の初な反応と絹の滑らかな手触りを楽しみながら、男は空いた方の手で少女の頬を撫でた。
「……貴方の手、ざらざらしてるのね」
大発見のように言われ、今度はこちらが身を固くした。
「宮廷の、優男達とは違うわ。そうでしょう?」
言いながら、少女は男の仮面を外した。少女の青い目が悪戯っぽく笑う。
「……気付いておいでで?」
「ええ。貴方が名乗った英雄は私の母方の曾祖父よ」
思わず舌打ちする。
少女は声を上げて笑った。
名家の令嬢にしてははしたない行為だが、舞踏会の取り澄ました態度よりずっと魅力的だった。
「いいわ。楽しかったもの。それに」
少女は男の胸にそっともたれ掛かる。
箱入りのお嬢さんだと思っていたが、予想以上に積極的だ。
「貴族でなければ、恋をしていけない訳ではないわ」
香水とは違う、甘い香りが男の鼻孔をくすぐる。少女が女になるときの、隠しきれない微かな媚態。
「……道理だ」
そっと口付ければ、とろけるような唇が迎え入れてくれた。
ーーーー今夜は思ったより楽しめそうだ。
縺れるように押し倒しながら、男は寝台のカーテンを引いた。

324名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 11:46:34 ID:zWkdftGE
上品で可愛らしい小品。GJ。

ところで消化していない御題ってあと幾つあるっけ?
無ければとりあえず御題を幾つか提示。
解答者からの出題が最優先なので、採用は任意で。

「洗浄剤」「両替」「誤解」
「賛歌」「フロックコート」「どこかに」
「くつわ」「あぜ道」「日の出」
325名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 13:32:02 ID:3+AfQEtW
未消化なのは>>317の「ラジオ」「孤島」「善良」

これだけかと
326名無しさん@ピンキー:2010/12/16(木) 00:58:49 ID:hol5+kiy
あげ
327名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 04:16:39 ID:6alAC9Cm
ラジオ 孤島 善良
※人外・アホ注意!



太平洋に浮かぶ絶海の孤島。

突如発生した大型台風により足止めを食った我々エロ研は、謎の死を遂げたメイドのY江さんの死の真相に迫っていた。

「被害者のY江さんは、腹上死の可能性が高いです。裸で全身粘液ドロドロでアヘ顔でした。
それに身体についた痣……あれ、暴行の跡じゃありません。
きっと、吸盤の跡なんです」
「どういうこと?」
「言ってたでしょう、Y江さんは雨夜の翌日に限って寝坊すると。雨の夜は逢い引きしていたんです……海産物と!」
「な、なんだってー」
「ここY島はクラーケン伝説と海神鎮護の巫女の島です。恐らくY江さんは巫女の末裔だったんだ!」
「そうか……それなら全て説明がつく。Y江さんが普通の人間には興味ないと言っていたのも」
「普通のプレイでは物足りなくなってしまっていたんだ!」
「吸盤プレイだと!特殊過ぎるだろ!」
「その上触手と烏口があるんだぜ……ヤバいな」
「じゃあ、Y江さんの部屋の前廊下がぬるぬる滑るのは……」
「ああ、クラーケンの体液だろう」
「何て恐ろしいんだクラーケン!」
「ていうか日本なのにクラーケンかよ!アカエイとか海坊主とかあるだろ」
「そういう問題じゃない」
「ヤダー、君たち見てたの?」
「な、Y江さん!?」
「アタシの彼、いつもやり過ぎちゃって……その激しいところがいいんだけどさ」
「とにかく無事で良かった。でも…相手は怪物なんですよ?」
「彼はただの善良なクラーケンよ。そっとしておいて!アタシたち愛し合ってるの!」
「じゃあ仕方がない。我々には彼らの愛を止めることはできない!」



「……という話なんですが」
「本気でこの内容ラジオドラマで流せると思ってるのか?」
328名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 04:58:59 ID:kRrUnwsX
やったモン勝ちな観もあるけど軽妙なので善しw
乙です!
329327:2011/01/04(火) 04:36:48 ID:H8dhWYqr
補足
お題は>>324のでお願いします。

つい勢いで書いて投下してしまった。下手スレ行きな内容ですまんした。
330名無しさん@ピンキー:2011/01/07(金) 02:32:19 ID:9VIloo/h
あ、いや、何か微妙な感想書いちゃってゴメンなさい
これまでのと同様、普通に面白かったよ
331名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 00:04:29 ID:H+p0liwK
「くつわ」「あぜ道」「日の出」


「ねえ、あのくつわ何処にいたんでしょう? あの日の出桟橋からぐるっと回る途中のあぜ道で落とした、あの靴わ」
「なんです? それ」
怪訝そうな顔で彼女は尋ねた。
「ああ、いや、何とか言う小説家のパロディ」
「フぅん……」
それを今なんで口にしたの?
そう言いたそうに彼女はジッと私の顔を見つめる。
そんなに視ないで欲しい。
そう思っていたら彼女の唇が私の口に触れてきた。
やわらかい。

「文学の話とかしません?」
彼女は私にそう言ってきた。
彼女は図書委員の図書乃文子。
まさに本と共に生まれ本と共に死ぬ定めのようなお名前。
その彼女の舌が私の口を味わうようにじっくりと嘗め尽くしている。
(そんなに舐めるほど美味しいのかな?)
我ながら間の抜けた考えだ。
やがて彼女の右手がゆっくりと私の胸に触れてくる。
開けっ放しのドアから本を借りに来た別の娘が、私たちの姿を見て驚き頭を下げて出て行った。
こっちこそゴメン。

私の上着を半分ほど脱がし直に指で触れてくる。
ちょっと気持ちいいかも。
てゆうか上手い。
這うようにゆっくりと指先をスカートの中に入れてくるけど、じっくり責めなくていいよ。
もう逝ってるし。
てゆうか濡れてるし。

途中でカウントを辞めたくなるほどたっぷりと彼女は私の体を責め立て終わると、ゆっくりと口を開いた。
「先生、其れは太宰治です、そして、『くつわ』ではなく『くつは』です、ソレに正確には『と、言うか』ですね」
先ほどまで私を味わいつくした唇からツーっと糸が零れる。
五月蝿い、お前の次のテスト赤店確定だ。
「赤点です」

……くつわをはめられた気分だ。
332名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 00:12:03 ID:jShw3r07
有難うございました以上です。

『アオイ』『おもちゃ』『かいだん』で
333名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 00:56:20 ID:IFM1/BV8
『アオイ』『おもちゃ』『かいだん』で



「アオイカミカ、アカイカミカ」
どこの学校にも一つは存在している怪談話。
大抵は噂だけなのだが、ここの学校には実在にそのような霊が出ると有名になっている。
まだ実害はないが、誰もがそのトイレに入る事を恐れ、実質、閉鎖されているようなものだ。
そんな話を思い出しながら、ぼんやりと座る彼の耳に、再び声が聞こえてきた。
「アオイカミカ、アカイカ……」
「結婚届けの用紙」
間髪いれず呟いた彼の言葉に、その声は途中で途切れた。
「アオイカミカ、アカイカミカ」
今度は少し切羽つまった声。だが、男は表情を崩さず。
「それかお前自身でもいい」
「へ?」
情けない声が聞こえてきた方向に向かい、手を伸ばす。
何もない空間で何かを掴み、腕を引き寄せる。
何もないはずの空間から引きずりだされたのは、赤い髪に蒼い瞳をした可愛らしい少女。
ありえない状況に、少女は大きく身体を震わせ、男を見上げる。
「なんでなんで、私何もやってないよ。ただみんなを怖がらせるだけで」
「それだけやれば十分だ。さーてっと」
腕を押さえつけ、服を破り捨てる。
まだ成長していない緩やかな胸や、つるりとした丘が露になった。
「ちょっ! ボク幽霊だよ! なんでつかめるんだよ!」
「根性があれば何でもできる。では頂きます」
耳元に息を吹きかけると、ぴくりと身体を震わせ、頬が真っ赤に染まる。
つんと立った未熟な蕾を舌で転がし、足を大きく開かせた。
必死に抵抗はしてくるが、男は気にせず、持っていた縄で便器に腕を縛りつけ。
「ぎゃー変態変態変態! 誰か助け……」
「無駄だ。忘れたのか? お前が怖がらせてたせいで、このトイレには誰も近づかないことを」
ぱっくりと開かれた幼い淫唇を見つめ、舌なめずりをし。
「というわけで、たっぷりと俺の玩具にさせてもらうぞ」
「嫌! やだやだや! ふぁっんっ!」
押し込められた陰茎の感触に、少女は小さな声を上げる。
生身ならば確実に裂けているだろうが、幽霊だからか、彼の陰茎をすんなりと飲み込み、
限界まで開いた幼い淫唇は、動くたびに濡れた音を立てる。
「やだっ! 怖いなにこの感覚っ! やぁっ、んんっ」
味わった事のない快楽に、長い髪を振り乱し、大きな瞳から涙をぼろぼろと流す。
「さてっと、この怪談の幽霊はどれくらい俺に耐えられるかな。
成仏しないといいけれど」
荒々しく腰を振りながら、男は楽しげに呟いたのだった。


――そして数日後。そのトイレの怪談は――
「アオイカミカ、アカイカミカ……それとも白い液体か。
ふふ、たっぷりボクに注いで欲しいな」
選択肢が一つ増えた事に気づく人はそう多くもなく。
更に、そのトイレ以外で、何故か下半身裸で幸せそうに意識を失う者が増えたという噂が広がり。
学校の七不思議は一つ増えたのだった。



次のお題は
『直射日光』『婚約』『仕事』で。
334名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 09:11:06 ID:P+HQxV5t
「洗浄剤」「両替」「誤解」

「ボディソープじゃん、これ……」
「あ……本当だ!」
我が家には贈り物の石鹸がまだあるし、ボディソープは使い慣れないのでいつも買わないのだ。
それは優子さんも同じなのだが、あまり買い物には行かない優子さんは度々こういう失敗をしていた。
「だって!『お風呂が楽しくなる』とか『ミントの香りに包まれます』とか書いてあるじゃん!
こんなの見たら誤解するよ!誇大広告だよ!」
見ると確かにそれっぽい文句が書かれている。しかもこれはいつも買っている風呂洗剤と同じメーカーのボディソープであり、両方とも詰め替え用ということもあり全体のデザインがかなり似ていた。
「…………」
「こ、これも立派なお風呂の洗剤でしょ!?お風呂で使う洗浄剤でしょ!?」
「そうだけど……あ、万札使ってくれた?」
「うん。でも……あー、こんなことなら素直にゲームコーナーで両替機使うんだった……」
明日遊びに来る兄夫婦の甥っ子のお年玉5000円をお釣りから分け、ポチ袋に入れる。優子さんが両替も忘れていたら、これには一万円を入れざるを得なかっただろう。
この買い物は一万円札をくずすために、僕が夕食を作っている間に優子さんに行ってきてもらったのだ。
「外寒かった?お風呂沸いてるよ」
「ううん、そんなでもなかった。でも今日はもう入……」
そこまで言って優子さんが止まった。先程のボディソープを取り何やら考え込んでいる。
「やっぱりいいや。徳人くん、先に入って」
「うん……?じゃあ、ご飯食べてから入るよ」
その後は二人で夕食を食べたけど、優子さんが何を企んでいるのかはわからなかった。

夕食の後片付けを終えて風呂に入っていると、背後の脱衣所から唐突に優子さんの声が聞こえた。
「徳人くん、入るよ〜」
「ゆ、優子さん!」
「うふふ、いいこと思い付いたよ」
優子さんは一糸纏わぬ姿で風呂場に入ってくると、バスチェアーに座っている僕に抱きついてきた。
そして手に持っていたボディソープを開けて中身を手に垂らすと、膨張し始めていた僕の性器を優しく握る。
「あっ、ああっ!」
「どう?ローションみたいでしょ。しかもこっちの方が清潔よ」
確かにその通りだった。冷たいけど、独特の滑りがとても気持ちいい。独身の頃によくやったローションでのオナニーは、気持ちいいけど後でベタベタを洗い落とす必要があった。
やがてボディソープが泡立ってきて、優子さんは両手で洗うように僕の性器を扱き出した。
「あ、なんか使い過ぎちゃったね。すごい泡だらけで見えなくなっちゃった」
「ああ!ゆ、優子さん!も、もう出ます!」
「いいわよ。最近だいぶ溜め込んでたでしょ?思いっきり出しなさい」
「あ、あああああ!」

「はぁ、はぁ……」
その後は泡に塗れた胸と太腿に挟まれ、かつてない心地よさにさらに二回抜かれてしまった。
ふらふらのままお湯をかけて泡と精液を洗い落とし、二人で湯舟に浸かる。
「徳人くん、あまり言い出さないもん。明日はできないのに、すごく溜めてたでしょ」
「で、でもこれじゃ……気持ちいいけど、赤ちゃんできないよ」
「たまにはいいじゃない?それにこれせっかく買ってきたんだから、使わなきゃ損でしょ?」
「そうだね……じゃあ今度から、ボディソープにしようか」
335名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 09:13:51 ID:P+HQxV5t
お題は強引でエロは蛇足、投下すんのが恥ずかしい出来だ
お題は引き続き>>324
336名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 10:06:05 ID:x8Zxx1We
GJ!
現時点で未消化のお題
『直射日光』『婚約』『仕事』
「賛歌」「フロックコート」「どこかに」
3371/8:2011/01/27(木) 18:42:49 ID:8iSm3BPQ
お題消費にかまけてる内にgdgdと長くなってしまったけど、何も考えずに投下します
多分、8レスくらい

なお、本SSには性転換(男→女)描写がありますので、苦手な方はスルーして下さいませ

消費お題
「我々」「ギター」「鼻毛」「風呂」「靴」「バクテリア」「末裔」「仮面」「優男」「ラジオ」「孤島」「善良」
――――――
 「事実は小説よりも奇なり」なんて言葉があるが、あれは本当だ。断言出来る。
 何故なら、今、俺の身に降りかかっているのが、正に小説でも滅多にお目にかかれない状況だからだ。
 簡単に説明すると、先ず俺の所属している団体が某スパイアクション映画も真っ青になって裸足で逃げ出し
そうな正義のスパイ組織で、さっきまで潜入していたのが世界征服を企む悪の秘密結社が運営している秘密基
地in絶海の孤島。そこでちょっとしたドジを踏んだお蔭でその悪の組織に捕まり、拘束具を着せられ、チェ
ーンで宙吊りになっているのが今の俺の状態なのだ。誰だよ、あんな所にバナナの皮を捨てたのは。
「ようこそ、我々の秘密基地へ。コードネームC――通称『カタストロフィの政(まさ)』君」
「頼むからその通称は止めてくれ。当人が一番恥ずかしいんだ」
 俺の目の前にいるのは、怪しい仮面を付けた軍服姿の男。組織の調査ではコイツが悪の秘密結社のナンバー
2。この施設のトップだ。
「謙遜しなくても良い。君のお陰で我々は3つの秘密基地を失った。それも完膚なきまでに破壊されつくして、
だ」
 その点に関してはコイツの言うとおりであり、秘密結社の皆様にはお見舞い申し上げる必要があるだろう。
 俺が潜入した施設は――潜入の目的が情報収集のみだったり、仕事と関係無く偶然入り込んだだけだったと
しても――何故か最後には瓦礫の山へと変貌するのだ。お陰で組織内でも俺の事を「ゴジラ」とか「暗黒の破
壊神」とか呼ぶようになってしまった。
「ところで、君はこの基地の事をどこまで調べているのかね?」
「まだ潜入したばかりだからな。ゴミをゴミ箱に捨てられない奴等が集まった姥捨て山のような場所だ、って
事くらいしか調査出来なかったな」
「五月蝿い!」
 頬に痛みと熱が走った。
 俺が縛られて動けないのを良い事に、さっきからナンバー2氏は手に持っていた乗馬鞭で俺を好き勝手に叩
いている。もっともこの程度の痛みなら訓練を受けている俺にはそよ風のようなものだ。
 それにしてもこの反応から察するに、どうやらコイツはここへ左遷されて来たようだ。そういえば前々回潜
入して壊滅させた施設もコイツの管轄だったと聞いた事がある。その責任を取らされての左遷なんだろう。
「まあ良い。これから洗いざらい喋ってもらおう」
「そんなに簡単に喋ると思ってるのか?」
「安心したまえ。別に君を拷問にかけるつもりは無い。君にはこの基地で行なわれている研究に参加してもら
うだけだ」
 と言う事は、この施設では洗脳かマインドコントロールに関する研究が行なわれているのだろう。
 しかし、ここまで見事なドジはこの業界に入って以来初めてで情けない限りだが、一緒に潜入した相棒と別
行動をとっている時だったのは不幸中の幸いだった。あいつなら俺のドジを上手く利用して任務を成功させて
くれるだろう。
 そんな事をつらつらと考えていると、いかにも下っ端戦闘員ですといった風体のユニホームを着込んだ男が
俺に近寄って来て、俺の鼻毛を思いっきり抜いて行きやがった。
「痛っ……おい、拷問は無しじゃなかったのか?」
「君にとってこの程度は拷問の内に入らないだろう? まあ、そこで暫らく寛いでいたまえ」
 ナンバー2氏はそう言い残すと、用は済んだとばかりに部下を引き連れて去ってしまった。
 大体6畳一間、全面ガラス張りの独房風の部屋に残されたのは俺一人。脱出するには絶好の機会だが、拘束
具に一分の隙も無いため身動き一つ出来ない。敵ながら天晴れ、良い仕事をしている。
「くっ。外れそうで外れねぇ……そういや、あいつの方は大丈夫なのかな?」
 それでも色々と悪あがきをしながら、俺は相棒の無事と任務の成功を祈った。
3382/8:2011/01/27(木) 18:43:15 ID:8iSm3BPQ

 ナンバー2御一行様が出て行ってから3時間ほどして、下っ端戦闘員5人が俺を連れ出しに来た。どこかへ
移動するみたいだ。
 ここで隙を見つけて逃げ出そうという俺の考えは甘かった。奴等は大型の身長測定器みたいな器具――もし
くは小型のクレーン――に俺を吊り下げ、そのまま部屋から連れ出したのだ。
「これじゃあドナドナじゃなくて冷凍マグロだな」
 ぼやく事しか出来ない俺が運送された先には、大人十数人が楽に入れそうな大きな風呂――と言うか、小さ
なプールがあった。浴槽(?)には何やら怪しげな色をした液体が入れられている。
 浴槽のすぐ脇で身長測定器が停まると、下っ端戦闘員ズがわらわらと寄って来て俺の足に鉛か劣化ウランを
仕込んでいるらしい靴を履かせた。戦闘員ズが下がると同時にアームが伸びて、俺の体は風呂の上で宙吊りに
なった。このままだと身長と足が必要以上に伸びそうだ。
「ふっ。待たせたな、カタストロフィの政」
「だからその通称は止めろと……生憎、風呂なら間に合ってるぜ?」
「そう言うな。これから新しい人生を送る君への、私からのプレゼントなのだから」
 妙に機嫌が良くなっているナンバー2氏が自慢げに説明を始めた。
「この水槽の液体には我々が開発した特殊なバクテリアが投入されていてね。このバクテリアは与えられた設
計図通りに生物の体を加工してくれるのだよ」
「な……に?」
「そう。例えば戦闘員のDNA情報を予め採取して設計図を作っておく。戦闘員が君と戦って腕を切り落とさ
れた時、彼は自分の設計図を読み込ませたバクテリア液に浸るのだ。そのまま数日浸っているだけで切られた
腕が再生する」
「馬鹿な。そんなお伽噺、ある訳が無い」
「そうかな?」
 ナンバー2氏が片手を上げると、後ろに控えていた人物が前に出てきた。見覚えがある人食い鮫の末裔の様
な面構えを脳内で検索してみると、前回の任務で壊滅させた施設の責任者がヒットした。確か左腕を機関銃で
蜂の巣にしてやった覚えがある。
「彼を憶えているだろう。君に破壊された第3補給基地の基地指令だった男だ。君に左手の礼をしたいと言っ
てね」
 前第3補給基地指令殿はナンバー2氏の言葉に合わせて左手を俺に見せ付けてきた。傷一つ無い、綺麗な手
だった。
「馬鹿な……あの時お前の左手は肩口から先が無くなった筈……」
「ここの設備で再生したのだよ」
 ナンバー2氏が嬉しそうに言い放つ。驚いた俺の間抜け面がお気に召したようだ。
「さて、ここで問題だ。もしもバクテリアに与えられた設計図が被験者のDNAと食い違っていた場合、どう
なると思うかね?」
 設計図通りに体を再生するバクテリア……その設計図と違う体が投入された場合……?
 俺はナンバー2の言わんとする事に気が付いて、戦慄した。
 ――バクテリアは設計図通りに体を修正する。
「ま、まさか……?!」
「ふっふっふ。何やら思い至ったようだが、安心したまえ。別に君を化け物に改造する気は無い。ただ、新し
くなった君は我々に尻を振って忠誠を誓うだろう。見たまえ、これが新しい君の設計図だ」
 ナンバー2が手にしたのは、小さな壜だった。中には妙に綺麗な青色をした液体が入っている。
「この設計図をこうして、水槽に入れて――」
 壜の中身が浴槽に注ぎ込まれ、怪しい色の液体が一瞬で透明な緑色に変わった。
「設計図の読み込みが終わったな。さあ、生まれ変わって来たまえ」
 ナンバー2の合図と共に俺を釣っていたチェーンが切り離され、俺は拘束されたまま風呂の中へ落ちていっ
た。
3393/8:2011/01/27(木) 18:43:39 ID:8iSm3BPQ

 風呂の中は案外と深く、人一人を溺れさせるには勿体無いくらいの容積を持っていた。
 水深2〜3メートルと推測される風呂の底で、俺は拘束具を解こうと足掻き始めた。こんな状態でも20分
くらいは息を止めたまま行動出来るよう訓練を受けている。最後の最後まで脱出を諦めるつもりは無い。
 だが拘束具は水に濡れても緩む気配は無く、かと言って締め付けがきつくなる様子も無かった。
 ぼんやりと明るかった周囲が暗くなってきたので水面を見上げると、蓋をされているところだった。程なく
して水の中が真っ暗になる。
 顔や手など、液体に触れている肌が擦過傷みたいにチクチクと痛む。痛みと言うよりは痒みに近い刺激だ。
 やがて濡れた服や拘束具に液体が浸透してきたのか、服の下の腹や足など全身の皮膚がチクチクと痛み出し
た。何故か股間のナニの痛みが一番激しい。
(こりゃ下手な拷問よりも辛いかもしれんな)
 全身を思う存分掻きまくりたい欲求を捩じ伏せながら、俺は脱出する為の努力を続けた。
 やがて息が続かなくなって意識が朦朧とし始めた頃、俺は拘束具が緩んでいる事に気付いた。水に浸かりす
ぎてふやけたのか、理由は分からないがこれはチャンスだ。
 俺は拘束具から抜け出て靴を脱ぎ捨てると、水面を目指した。着ている服が体に纏わり付いて思ったように
前へ進めず、もどかしさばかりが募る。
 ようやく辿り着いた水面の上の蓋は予想通り固定されていたが、それでも蓋と水面の間に僅かな隙間があっ
た。俺はその隙間に口を出して新しい空気を吸い込んだ。
 文字通り一息吐いた俺は着ていた服を脱ぎ捨て、自分の体に違和感を感じた。股間のナニの先端部分と胸が、
大きくなっているような感覚だった。
 俺は真っ暗な水中で自分の胸を触ってみた。信じられない事に柔らかく膨らんでいた。全身を触って確かめ
てみる。指に触れたのは、慣れ親しんだ筋肉の存在が感じられない柔らかい肌だった。
 俺は何が起きているのか解らず、慌てて股間を触ってしまった。ナニの先端が大きくなった訳でない事が分
かった。ナニのシャフト部分が無くなって、先端部分だけになりかけていたのだ。相対的に大きくなったと感
じていたようだ。
 その先端部分だけになってしまったナニの根元に勢い余った指が食い込み、股間の裏側をこすられる感覚が
全身に広がった。
 今まで感じた事の無い体の内側からの刺激に、俺は思わず声を上げた。今まで飲み込むのを拒んでいた液体
が開いた口になだれ込む。俺が吐き出そうとするよりも早く、喉が液体を通してしまった。肺と胃が熱くなり、
意識が朦朧とし始める。
 薄れゆく意識をかき集めて考え続けた結果、俺の体は女性化していると言う結論が導き出された。拘束具は
緩んだりふやけたりした訳ではなかった。女性化した俺の体が細くなったから抜け出せたのだ。
 ありえない事実を突きつけられながら、俺の体と意識は深い闇の中へと落ちていった。

 俺が意識を取り戻したのは怪しい液体の中ではなく、清潔なシーツを敷いている巨大なベッドの上だった。
多分キングサイズとか(実在するのかは知らないが)エンペラーサイズとか、そんなサイズなんだろう。
 残念ながら両手両足には拘束具が付けられている。延びている鎖は多分ベッドの足か床に固定されているの
だろう。思いっきり引っ張ってみても緩む様子が無かった。いつもの俺ならこれくらいの太さのチェーンなら
力任せに切れるのだが、チェーンが強固な素材で出来ているのか、それとも――認めたくはないが――女にな
ってしまった俺の腕力が激減しているのか……。
 何しろ視界に映る範囲の俺の体は、どう見てもハイティーンの女の子のものとしか思えない形状なのだ。
 日焼けだの無駄毛だのとは縁の無い、白くて柔らかそうでツルツルの肌。その肌に覆われてこんもりと盛り
上がった胸は、仰向けに寝ていてこれだけなのだから結構な巨乳と推測される。そして、見た訳でなくて感覚
からの判断だが、この状況においてさえ硬化はおろか頼りなく揺れる事すらしてくれない、今は亡き(多分)
マイ・サン……。
「どうやら目が覚めたようだな」
 俺が感傷に浸りきる前に、野太い声が聞こえてきた。
「お、お前は……?!」
 初めて聞く自分の声に質問が途切れる。見事に女の子の声だった。
 俺の声を聞いたそいつ――前第3補給基地指令殿は、獲物を前にした鮫のような笑みを浮かべながらベッド
の上に乗ってきた。
3404/8:2011/01/27(木) 18:44:14 ID:8iSm3BPQ
「可愛らしい声だな。くっくっくっ……これが、あの『カタストロフィの政』の成れの果てとは」
「う、五月蝿い! 何故、こんな回りくどい事を!」
 俺もこの業界では長くやっている部類だ。女が捕まってこんな目に遭ったら、次に何をされるかくらいは見
当が付く。ただ、先程のナンバー2の話を鵜呑みにするのなら、俺の脳みそを奴等の都合の良い思考回路に作
り変える事すら出来たはずだ。何しろ男を女に性転換させているくらいだ。それくらいは可能だろう。
「俺がナンバーツ司令に頼んだのだ」
 奴は自慢げにふんぞり返った。
「ちょっと待て。ナンバーツって誰だ?」
「この基地の司令の名だ。知らなかったのか?」
 ……どうやらナンバー2氏は本名もナンバーツーだったようだ。
「司令は貴様を恐れている。最初は情報など捨てて、貴様を組織の性欲処理専門員にするつもりだったのだ」
「どっちにしても俺の行きつく先はそれしか無いようだが?」
「最終的にはそうだが、その前に俺に調教されて情報を洗いざらい喋るというコースが追加されたのだ」
 そう言うと、奴は俺の太腿を指でなぞった。指紋の一本一本までが解かりそうなザラザラとした感触が皮膚
から足全体へと拡がり、腰骨を通過してぞわぞわと背骨を這い上がってくる。
「ひぃぃッ?!」
 嫌悪感なのか快感なのか判らない寒気が、波紋のように全身を覆っていく。
「どうした? 可愛らしい悲鳴を上げて」
 今度はわき腹をなぞる。尋常ではない寒気に体中が震えた。そして、腹の奥に小さな火が灯る。
「そうそう、脳の改造は見送ったが、それ以外は若干だが常人とは違う体に改造させてもらったぞ。例えば筋
組織を脆弱化させたり、皮膚の感度や柔軟性を高めたり――」
 奴は俺の乳首を抓り、そのまま上へと引っ張った。二の腕1本分以上の高さまで、まるで搗きたての餅みた
いに乳房が伸びる。
 奴が手を放した。伸びきっていた乳房が反動と重力に乗り、バチンと小気味の良い音を立てて戻ってくる。
その衝撃と痛みに全身が震えるのを、俺は気持ち良いと感じていた。
「――痛みを快楽に置き換えるようにしたり、な」
 奴の口元が、嫌な形に歪んだ。

 それから約30分少々、俺は奴の下手糞な愛撫(と思われる行為)を受けていた。
 奴は俺の乳房を握り締めたり、捩じ切ろうとしたり、乳首を毟り取ろうとしたり……常識では拷問と言って
差し支えない行為を俺の胸にぶつけ続けていた。これなら初めて彼女とベッドインした中学生の方がナンボか
マシに思える。
 だが、一つだけ問題があった。この虐待と同レベルの愛撫に俺の体が応え始めているのだ。
 奴の繰り出す刺激を受けるごとに、俺の肌は痛みと同時に気持ち良さを感じていた。それは甘い痺れとなっ
て下腹の奥に集まり、全身に浸透していったのだ。結果、今の俺は快感と興奮に溺れきって息も絶え絶えな状
態に陥っていた。
 痛みに鈍感と言うか、快感に敏感と言うか――こいつ等は自分達の技術と情熱をもっと社会に貢献出来る方
向に使うべきだと思う。
「くくくく……もう濡れているのか? この淫乱女が」
 一応言葉責めをしているつもりらしい奴の言葉と共に、股間に太い指が侵入してきた。
 冷たくてザラザラしているモノが、俺の知らない俺の体内に入り込み、体の内側を無遠慮に抉ろうとする。
これは愛撫なんかじゃない。もっと悍ましい何かだ。
 だが、ソレに対して俺の体は更なる快感を垂れ流し始めた。
「濡れるなんてもんじゃないな。こりゃあ、お漏らしだ。そんなに俺様の愛撫が気持ち良いのか?」
 だから、お前の、愛撫で気持ち良くなってるんじゃ、ねぇ。
 残り少ない意思を掻き集めて歯を食いしばっていると、奴の指の動きが止まって引き抜かれた。
「あぁん……」
 漏れ出たのは、自分でも吃驚するくらい浅ましい吐息だった。その吐息を、唇が勝手に言葉に置き換えてい
く。
「抜いちゃ、だめぇ……」
「何故、俺様がお前の言う事を聞かねばならんのだ?」
「お願いしますぅ……早く、入れて下さぃ」
 言葉を吐き出すたびに、声がどんどん甘く、ねっとりとしていく。
「お前が俺様と組織に忠誠を誓うと言うのなら、コイツをぶち込んでやろう」
 奴は自分の股間でそそり立っている一物を俺に魅せつけた。さっきの指の何倍も太くて長い、凶悪な見てく
れの一品だ。
 喉が、ゆっくりと、生唾を飲み込んだ。思考が、壊れたラジオの様に、快楽のノイズで埋め尽くされていく。
3415/8:2011/01/27(木) 18:44:42 ID:8iSm3BPQ
 拙い。このままでは奴の言うとおりに忠誠を誓ってしまいそうだ。とにかく奴の隙を見つけて、あの極太を
捩じ込ませなければ――
 その時、冷たい空気に晒されていた穴の入口が、熱くて巨大な塊で擦り上げられた。食いしばっていた歯の
隙間から嬌声が漏れだすと、塊は遠ざかっていった。
「ほれ、返事はどうした? このまま貞操を守りきりたいのなら、それでも構わんぞ?」
 奴はそう言いながら、プルプルと震えている乳房を掴んできた。荒っぽい愛撫が新しい快感を胸に充填して
いくが、それは股間に現れた痺れには遠く及ばないものだった。
 俺は首を起こして奴の方を見た。粘土の様に捏ねられる自分の乳房の向こうで、赤黒い巨大な杭が先端から
汁を垂らしながらピクンピクンと脈打っている。
 もう、我慢出来なかった。
「ち……忠誠でも何でも誓いますから、早く、おちんちん入れてぇ!!」
「うむ、入れてやろう!」
 形振り構わない大声で叫んだかいあって、杭は即座に打ち込まれた。この速さからすると、奴の方も我慢の
限界だったのだろう。もう少し待てば何も言わずとも突っ込んで貰えたかもしれない。
 だが、そんな些細な事は既にどうでも良くなっていた。
 熱せられた巨大な杭が俺を真っ二つに引き裂きながら、胃に叩きつけられる。
 痛みと衝撃が最高にキモチイイ。こんなに気持ち良くなれるなら男になんか戻りたくない。このまま、ここ
で性奴隷として飼われたい。そんな幸福感が心と体を蹂躙し尽くしていた。
 杭は俺の中で激しく暴れていた。頭が真っ白に霞んでフワフワしている。
「ううっ、出すぞぉ!!」
 遠くから吠え声が聞こえると同時に、俺の中に溶岩流がぶちまけられた。フワフワで真っ白な世界がどんど
ん拡がっていく。
 あと一息で新しい世界が見えそうになった瞬間、溶岩流の勢いが止まった。
 熱さを残した杭が、ゆっくりと引き抜かれていく。
「だめぇ!!」
 俺は去っていく愛しい杭に戻って来て欲しくて、無意識に奴の腰に両脚を絡ませ、肉襞全てで杭を締め付け
た。
 脚の間から「ゴキュ」という音が聞こえ、腹の中で「ぐりゅ」とナニかが潰れる感触が起こる。
 それを境に、全ての快感が消えていった。

「ああん、もっとずんずんしてぇ」
 叫ぶように紡ぎだした俺の願いに、いかなる言葉も刺激も応えてくれない。
 光の中で拡散していた意識と視線の焦点が現実に戻ってくるのに併せて、現在の状況を冷静に分析しようと
する自分が気持ち良さを追及したがっている自分に取って代わる。
「……い、一体……何があった、の……?」
 慣れきらないソプラノで呟きながら、俺は奴の腰に絡めていた脚を解いた。泡を吹いた出来の悪い彫像みた
いに固まっている奴の体がゆっくりと後ろに傾き、ベッドの下へ消えていった。
「――絡めて、いた?」
 俺の両手両足は、(今の俺にとって)頑丈なチェーンで固定されていた筈だ。それが、何故?
 慌てて両手を見たが、こちらは未だチェーンに縛られていた。勿論あらん限りの力で引っ張っても切れる気
配は皆無だ。
「ふむ……中々興味深い現象だな」
 股間の向こうから聞き慣れた声が降ってきた。頭を起こして声の方を見ると、ひょろりとした優男が立って
いた。俺のドジに巻き込まれる事無く、今も潜入捜査を続けている筈の相棒――通称「デストロイヤー辰(た
つ)」だ。
「だから、その通称は使わないでくれと――」
 モノローグに突っ込みを入れつつ、相棒は床に転がっていたギターを拾い上げた。軽く鳴らして音を確かめ
てから、ショパンの「葬送」をワンフレーズ。本当に器用な奴だ。
「何やってんだ?」
「前第3補給基地司令官殿のご冥福を祈っただけさ。腰とご自慢の逸物が海鼠以下の強度になっちゃって、ま
あ……」
「腹上死みたいなもんだ。良い最期だったな」
 俺の悪態に「それもそうだな」と返しながら、相棒はギターを投げ捨てた。
「どうやら、ここはレクリエーション・ルームの様だな。ほら、こんな物まで落ちてるぜ」
 手品みたいな鮮やかさで相棒が取り出したのは、紺色の布地と、ピンク色の小さな卵だった。
3426/8:2011/01/27(木) 18:45:05 ID:8iSm3BPQ
「何だ、それ?」
「スクール水着とローター。ちなみに、この基地には女性は一人しか居ない――つまり、君だけだ」
「……あいつ等の脳みそを一度解剖してみたいな。とりあえず、この鎖を解いてくれ」
「わかった。ちょっと待ってくれ」
 相棒は、そう言いながらベッドの端に乗って、俺の股間に手を突っ込んだ。するりと入り込んだ中指が、気
持ち良いポイントを的確にマッサージする。親指が優しく、だかしっかりと、穴の傍で膨らんだ芽を転がす。
「んあぁああ……」
 イき切れず、中途半端に収まっていた体の芯の熾き火が、一瞬にして燃え盛った。腰が勝手に蠢く。
「おお。ほんの数時間前までは男だったとは思えない、よがりっぷりだな」
 その一言で、俺の羞恥心が大復活した。相棒の腕に足蹴りをかましながら、両手で股間を隠す。
「――え?」
 さっきまでは切れそうになかった鎖が、あっさり引き千切られていた。
「ふう……良いキックだったぜ……」
 ベッドの下へ蹴り出された相棒がよろよろと起き上がってきた。
「い、一体、何が……?」
「つまり、君の、その馬鹿力はイッてる最中にしか発揮出来ないみたいだ、って事さ」
「何……だと……?」
「君が奴等に捕まった時、俺は遺伝子操作を行なうオペレーター室に潜り込んだばかりだった」
 相棒はベッドの端に腰掛けながら、折れずに済んだらしい腕を揉む様に抑えた。
「すまない。奴等が君の遺伝子を好き勝手に弄るのを、ただ眺める事しか出来なかった」
「だが、それで済ませた訳じゃないんだろ?」
「まあな。お陰で操作方法は覚えられたよ。それから、奴等の隙を突いて、最低に引き下げられていた君の筋
力パラメーターを最大に上げたんだが――そのままでは、すぐにバレそうだった」
「どうやって誤魔化したんだ?」
「外部からの一定の刺激を受ける事で、筋力を上げるスイッチが入るように条件を付けた。ちゃんと調べれば
バレるが、見た目は筋力最低のままになるから、それで誤魔化せた。何しろ奴等は、君を捕まえた事で有頂天
になっていたからな」
「……俺が言うのも何だが、呆れるほどの、ウッカリぶりだな」
 俺は腕を組んで唸った。何か、真面目に諜報活動をするのが馬鹿らしく思えてきた。――もっとも、そのお
陰で、こうして助かったんだが。
「ただ、一つ問題だったのは、そのスイッチを入れる刺激が何かを確定出来なかった事だ。流石に、そこまで
の余裕は無かった」
「それで……俺が犯されるのを見物していたのか?」
「まさか。ついさっきまで、お仕事に駆けずり回ってたんだぜ? 何しろ、俺は善良な――」
「善良な破壊工作員だろ?」
「何だよ、それ……」
 俺と相棒は顔を見合わせて、小さく笑いあった。
「そうそう」
 笑った表情のまま、相棒は話を続けた。目だけが笑うのを止めている。
「奴等は君のそのよがりっぷりを、戦勝記念として保存するつもりらしいぞ」
「やはり、隠しカメラが仕込まれていたか……ちなみに衛星中継で世界各地に同時通信なんて事は?」
「そこまでは考えてなかったみたいだな。もっとも、考えたところで、現在、この基地の通信設備は全て故障
中なんだが」
「必要な情報は?」
「既に収集済み」
 つまり、この基地を破壊しつくしても問題無し、という事か。
「流石だぜ。良い仕事だ」
「お褒めいただき光栄の極み。ならば、ご褒美に、これを着てもらいたいんだが」
 そう言って、相棒は先ほどのスク水を俺の目の前に取り出した。
「お、お前――調子に乗りすぎだぞ?」
「じゃあ、裸で帰るのか? それと、筋力を上げる為にも、こっちも頼む」
「……マジかよ」
 俺は押し付けられたスク水とローターを見ながら途方に暮れたが、相棒の言う事も尤もだ。恥を忍んでスク
水に足を通した。一旦股まで上げてから少し下ろして、ローターを押し込む。冷たく硬い異物が体の奥に落ち
着いたのを確認して、もう一度クロッチを上げて密封する。
 それから布地を引き上げて肩に掛けて、皺を直す。ぱっくりと開いたままの背中とピッタリと覆われた腹の
感触の差が妙に気になる。
 最後に、溢れそうな胸を無理やり水着の中に押し込んでから、俺はベッドから降り立った。
3437/8:2011/01/27(木) 18:45:27 ID:8iSm3BPQ
「こ、これで、良いの、かな?」
「おお。上出来、上出来。似合ってるぜ?」
「五月蝿ぇ」
 顔の温度が1℃上昇したところで、相棒が俺に何かを放ってよこした。携帯電話の半分ほどの大きさの箱で、
スライド式のスイッチが一つ、付いている。
「ローターのリモコンだ。さて、そろそろ真面目に仕事を再開しないとな」
「ああ。その通りだな」
 恐る恐るリモコンのスライドスイッチをONにすると、体の中に生まれた気持ち良い振動が俺の筋力を最大
に保持出来る様に、バーをスライドして調節していく。
「んん……待ってろよぉ……今、からっ……全てを灰、に変えてぇ……あげるんだから」
 俺は隠しカメラが仕込まれていると思しき場所に向かって、可能な限り優しそうな顔で微笑んでやった。

 それから色々あって、4時間後。
 元秘密基地――現瓦礫集積所――を擁する絶海の孤島は、綺麗な更地に変貌していた。流石に「全てを灰に」
は無理だったが、人っ子一人逃がしていない筈だ。地下深くに隠してあった、緊急脱出用の潜水艦バースも、
最初の艦が発進する直前にキッチリ潰せたし。
「ふう、やれやれ……やっと、片付いた、か」
 俺は弾の切れたM1919を投げ捨てて一息吐いた。電池が切れかけているらしく、ローターの振動が緩慢
になっている。
「いや、未だだ」
 相棒がPTRS1941を構え直した先で、ヘリコプターが1機飛んでいた。
『またしてもやってくれたな、"カタストロフィの政"』
 この声からして、どうやらナンバー2氏のようだ。わざわざヘリコプターの窓から身を乗り出した上に拡声
器を使って敗北宣言をするとは、恐れ入る限りだ。
『だが、貴様のアヘ顔と我々への服従宣言はしっかり保存させてもらったぞ!』
 なにやらDVDらしき円盤を高々と見せ付けるナンバー2氏の影。

 俺は黙って足元から手頃な石を拾い上げた。重量、約500グラム程か。いつ止まってもおかしくないロー
ターの振動が、もう少しだけもってくれる事を祈りながら大きく振りかぶる。
「ふんっ!」
 そのままトルネード投法で投げつけた石は、狙い違わず件のDVDを直撃した。
『ああっ!? き、貴様ぁ、何て事うぎゃあああ』
 ナンバー2氏の放送は途中でストップして、悲鳴と爆発音に切り替わった。相棒の対戦車ライフルから放た
れた鉄鋼弾がヘリに命中したのだ。暗い火の玉と化したヘリとナンバー2氏は、黒煙を跡に残しながら海へと
消えていった。あれで生き延びていられたのなら奇跡だろう。
「今度こそ、これで終わりだな」
 相棒が構えていたライフルを地面に落として、懐から超小型通信機を取り出した。スイッチを入れて、組織
に作戦終了と撤収要請の信号を送信する。
 俺は地面に胡坐を掻いて、大きく伸びをした。既にローターの振動は消えてしまっている。
「早く、元の姿に戻りたいぜ」
「戻りたいのか?」
「やっぱり体格差が大き過ぎて動き辛いしな。あと、この体は刺激に対して敏感すぎる。あまりに危険だ」
「そうか……女の方が男より気持ち良いって聞くが、その辺はどうだった?」
「んん……中途半端ばかりで最後までイッてないかならなぁ。ただ、男よりも気持ち良いのが長く続くかな」
「ほほう。まだ最後までイッてないのか……」
「……な、何だその顔は……どうして、こっちへ迫って……あ、馬鹿、今は力が出ないんだぞ、そんぁんんん」
3448/8:2011/01/27(木) 18:45:54 ID:8iSm3BPQ
 相棒は俺の両手首を左手一つで握って拘束すると、右手で腰を引き寄せた上に、唇を重ねてきた。慌てて閉
じようとした隙間から大きな舌が捩じ込まれてきて、口の中を蹂躙し始める。
 逃げ回っていた俺の舌が絡め捕られて嬲られだすと、治まっていた腹の奥の疼きが再び熱くなってきた。
「どうせ、帰ったら元の姿に戻るんだろ……今のうちに女での快感を味わっておけよ」
 息継ぎのついでにそう囁いて、相棒は俺の唇に再び貪りつく。どうやらスイッチの入ったらしい俺の体も、
それを拒むどころか、更に求めて吸い付こうとする。
 やばい。コイツの愛撫はやばすぎる。キスと背中を撫でられるだけで、どんどん気持ち良さが増殖していく。
 まあ、良いか。
 コイツの言うとおり、帰還するまでの短い時間を有効に使おう。
「だったら、早く、味わさせてよ……」
 そう言うと、俺は解放された両手で水着を脱ぎ捨てて、アイツの大きく膨らんだズボンのジッパーを下げて
やった。

おしまい


 蛇足
 この技術を持ち帰る事に成功はしたが、結局、俺が元の体に戻る事は出来なかった。
「……男の時のDNAが、どこにも残っていないなんて、どんな罰ゲームだよ」
「髪の毛1本でもあれば良かったんだけどな。そんな時に限って綺麗に掃除しすぎて見つからないとは、なぁ」
 不貞腐れて自棄ココアを呷っている俺に、相棒がビスケットを差し出してくれた。それを引っ手繰るように
して受け取って、纏めて頬張る。相棒曰く、リスみたいで可愛いらしい。
「こうなったら――この恨みを100倍にして、奴等にぶつけてやる!!」
 頬袋に貯め込んだビスケットをココアで胃袋に流し込んだ俺は悪の組織の撲滅を改めて強く誓い、それを聞
いた相棒は奴等の為に十字を切るのだった。

 その後――
「さあ追い詰めたぞ、ナンバー2! 今度こそキッチリ引導を渡してやる!」
「おのれおのれぇ……コードネームC改めL――新通称『リヴァイアたん』! またしても我々の世界征服の
邪魔をわぶっ!?」
「五月蝿ぇッ!」

(今度こそ)おしまい
――――――
以上です
次のお題は、現在残っている>>336からお願いします

お目汚し、失礼しました
345名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 23:56:42 ID:l28LwCCM
遅ればせながらGJ!このスレで見ると大長編に感じるなw
敵がアホの子で面白かったです
346名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 12:48:36 ID:LmfmEHVQ
直射日光 婚約 仕事

婚約者に振られた。
「あなたを嫌いになったんじゃない」と言いながら、その目は既に違う男を見ていた。
「謝っても許されないよね」と呟く彼女。
「そうだね」と答えながら、僕は彼女の服を乱雑に剥いだ。勢い、上着のボタンがひとつちぎれて飛んだが、構うことなく引き裂いた。
ごめんね、ごめんね、と泣きじゃくる彼女を強引に犯した。こんなに酷くしたことはなかったのに、どうしてか今までで一番感度が良かった。
すすり泣きの合間にうっとりするような嬌声を上げ、いつの間にかいやらしく腰を使いはじめる。
「おい、気持ち良くなっていいと思ってるのか?」
はっとして動きを止める。
「勝手に動くな」
あまりに締め付けが良くて絞り取られそうになりながらも、僕は冷ややかに言った。
「ごめんなさい、私……ぁっ!」
えぐるように突き立てる。最初ほとんど濡れていなかったそこは今やぐちょぐちょで、床に染みを作り始めていた。
「あ、ぁあっ……や、だめ、あ、つよい……ぁんっ!」
眉根を寄せて、思わず腰が揺れそうになるのを堪える姿は淫乱だった。
いつもは、壊れ物のように大事に扱っていた。彼女がこれまで何度も傷ついているのを知っていたから。
「こんなに優しくしてくれたの、あなたが初めて」と、嬉しそうに笑ってくれたのに。
僕が間違っていたのか?
優しくしなければ良かったのか?傷つけるような酷いことを言って、痛々しいセックスをして。
そうして欲しかったのか?
「ゆうくん、ごめんね……」
彼女の目から、涙がこぼれる。
あられもない姿でよがりながら、汗や涎でべたべたになりながら、それでも彼女はきれいだった。
僕は耐え切れず精を吐き出した。
抜かず、今度は彼女の両脚を僕の肩に掛けて深く突く。
「だ、め、ゆうくん……っ」
「何が?」
早くも息が乱れはじめた彼女に、僕は答えた。
「謝っても許されないって言ったのは君だよ」

一晩中犯され、脚の間に液体をこびりつけ、行為の痕跡を漂わせて、それでも彼女は去った。
部屋を出る彼女の姿は、朝日の中でいっそ清々しそうにも見えた。
直射日光が室内に満ち、開け放したままやっていたのかと今更気づく。
結局、優しい男では駄目だったんだろう。
本当に彼女の男になれたのは一晩だけ、振られた後だったという訳だ。
「……仕事に行かなきゃ」
シャワーを浴びて、何か腹に入れて。
「悪い男にはひっかかるなよ」
出ていく時にそう言うと、彼女ははにかんで頷いた。
だが悪い男が彼女の理想なのだから仕方ない。ただ、幸福でありますように。
仕事までは少し時間がある。
独りの部屋で、僕は少し泣いた。
347名無しさん@ピンキー
…GJ!!!!!