板内を「甘」で検索すればすぐ出てくる
サンクス
連レスになって悪いが、作者は甘スレのことを知らなかったので、偶然の一致だと思われまする。
幼馴染、純愛、新婚、甘えん坊の4スレをブックマークしている俺に死角はなかった
>>624 その中だと純愛だけ未ブクマだったが今から常駐するか
えーと
>>603で所望された話の続きを書き始めました
とりあえず起承転結の「承」、その1ができたので、投下します
俺と紅葉が友達になってから、数日が経った。
今日は『母』こと静子さんの他に、ちょっとした来客があった。
俺たちに縁が深い、しかし「俺たち」の知らない面々である。
「紅葉ぃ、心配したんだから〜っ!」
入ってくるなり紅葉に抱きつく女。
「え、あ、あの?」
「あぁ、頭にケガしてるし!でもお肌とかはいつもと同じだぁー」
困惑する紅葉をよそに、そのまま頬擦りを始めてしまう。何だこの女。
「ちょ、ちょっとアンタ」
よくわからないが、怪我人なんだから大事に扱え、と言おうとしたとき、
「こら、三雲。秋吉が困ってるだろう」
「ほらほら、とっとと離れる」
後から入って来た二人の男に引き剥がされた。
「あ、もう!いいじゃないスキンシップくらい!いつものことよ?」
お楽しみを邪魔されたかのように頬を膨らませる女。しかし、
「その『いつも』がわからないのがこの二人だろう。話を聞いてなかったのか?」
男の一言に、うーと唸って、黙り込んだ。
何がなんだかわからない俺。紅葉も同様、ポカンとした表情を浮かべている。
そんな様子に気付いたか、もう一人の男が苦笑しながら話しかけてくる。
「あー、ごめんな?たぶん、二人とも俺らのことわからんと思うから、軽く自己紹介するわ」
結論から言えば、彼らは俺たちの友人だった。
紅葉に頬擦りを仕掛けた女が、三雲 裕美(みくも ひろみ)。
三雲の行動を止めて黙らせた男が、神崎 博彦(かんざき ひろひこ)。
俺たち二人に自己紹介をすると言ったのが、牧野 和樹(まきの かずき)。
高校時代を共に過ごしたという彼らは、俺と紅葉が事故に会ったことを聞き、
わざわざ見舞いに来てくれたのだという。
……残念ながら、彼らのことも思い出せなかったが。
「でもさー、大変だよね。記憶がなくなっちゃうなんて」
ちっとも大変そうじゃない口調で三雲が言う。
「せっかく紅葉が目を覚ましたって聞いて走ってきたのに、私のこと忘れてるんだもの」
「ご、ごめんなさい……」
申し訳なさそうにちぢこまる紅葉。いや、別にお前が悪いわけじゃないと思うぞ。
紅葉の様子に気付いたか、三雲もちょっとばつが悪そうな顔をして、フォローに入る。
「う、ううん!紅葉が悪いわけじゃないのよ?ただね……」
「ただ?」
顔を伏せた三雲を覗き込むように見つめる紅葉。と、三雲はニヤリと口の端を吊り上げ、
「せっかく紅葉と私が築いた色々な関係を忘れられちゃって、お姉さん少し寂しいのよー」
ずいぶんと楽しそうに、そんなことを言った。
「い、色々な関係?」
疑問を口にした紅葉に、更に楽しそうな表情を浮かべる三雲。
そのまま紅葉の耳に顔を近付け、小さな声でひそひそと話し続ける。
「そうよー、おんなじ大学で、女の子同士だったから、あんなこととか、こんなこととか……」
「……え、え?わ、私、そんなことまで……!?」
三雲の言葉に顔を赤らめる紅葉。
何だ。
女の子同士で何をするというのだ。
二人の(というか三雲の)話が気になって、つい身体がそちらに傾いてしまう。
一体何を話してるのか、耳をそばだてようとしたところで、
「三雲、勝手なことを吹き込むな」
ここまで黙っていた神崎が、再び三雲を引き剥がす。
「もう、また邪魔して!」
「お前が話すとややこしくなる。少し静かにしていろ」
またも文句を言う三雲を一蹴する神崎。
「まぁまぁお二人さん、そうカッカせず、な?」
間に入ったのは牧野だった。
牧野はニコニコとした表情をこちらに向けて、
「気ぃ悪くせんといてな?俺らと君らは、こんな感じで毎日つるんでたんよ」
と、流暢な(?)関西弁で話す。
「今日は二人の目が覚めたって亮平のオカンに聞いて来た次第。スマンなぁ、騒がしゅうて」
「い、いや。わざわざありがとな」
自分の交友関係に関西弁を操る男がいたことに驚きつつ、礼を言う。
「紅葉ちゃんも大変やったねぇ。傷とか残らんかった?」
「は、はい!大丈夫です、ありがとう」
紅葉に話を振る牧野と、なぜか慌てた風な紅葉。
……たぶん紅葉は三雲の話を反芻していたんだろうが。
そんな紅葉を笑顔で眺める牧野だったが、ふと俺を見て、
「ところで亮平。ジブン、いつ帰ってきたん?」
そんなことを聞いてきた。
それからしばらく、俺たちは他愛もない会話を続けた。
高校時代の思い出や、大学での過ごし方。友達の話など。
「何かジブンとは久しぶりに話すなぁ。3年のときには塾やなんやで話ができへんかったし」
なんて牧野は言ってたが、俺にとっては初対面の気分だ。
自分の知らない「氷川 亮平」を友人に聞かされるのは、何だか不思議な気持ちになった。
紅葉に関しては、三雲が最近の動向を妄想を交えながら話し、そのたびに牧野に突っ込まれていた。
いちいち真に受ける紅葉がずっと真っ赤な顔をしていて、それがまた三雲を煽ったわけだが。
そんな感じで楽しい時間はあっという間に過ぎ、そろそろ三人が帰る時間になった。
「結局、春海ちゃんは来ずじまいかいな」
帰りぎわ、ふと牧野がそんなことを言った。
「ハルミちゃん?」
唐突に出てきた新たな人物の名前。誰だ、それ。
俺の顔に浮かんだ疑問符に気付いたか、説明しようとする牧野。
「ん?あぁ、春海ちゃんはな、」
「牧野」
そして、神崎がそれを止めた。睨むように牧野を見つめている。
何となく、場の雰囲気が固まる。
……俺は何か、まずいことを聞いたか?
「……あ、あぁ。スマンな」
剣呑な空気を読んでか、牧野が部屋の出口へ向かう。
「ほな、また。元気で過ごしな」
「あ、あぁ。今日はありがとう」
振り返って手を振る牧野に、俺も手を上げて返す。
「それじゃ、また来るから。紅葉、早く元気になってね!」
「うん、裕美ありがとうね」
さんざんからかわれている内に、三雲とはすっかり打ち解けたらしい。
紅葉は笑顔で三雲を見送る。
「…………」
最後に残ったのは神崎だ。
無言で、俺をじっと見ている。
思えば今日、神崎とは一言も話していない。三雲が話し続けてたのもあるが。
「……ど、どうした?」
沈黙に耐えられず、話しかける。「いや……」
何かを考え込むような、そんな雰囲気である。
……何で、そんなに苦しそうな顔をしてるんだ。
何かを後悔しているような、そんな表情を浮かべる神崎。どうしたというのだろう。
そのまま、再び沈黙が続く。
しばらく考え込むような様子だった神崎が、何かを言おうと口を開き、
「博彦、帰るんちゃうんかー?」
牧野の声に中断される。
タイミングを逸した。神崎は口を閉ざし、
「また来る。元気でな」
一言、そのまま病室を出て行った。
「……何だったんだろうな」
「……さぁ」
首を傾げる俺と紅葉。
彼らの足音が、だんだん遠くなっていた。
「でも、いい人たちばかりだったね」
三人が帰った後、俺と紅葉は彼らの話をしていた。
「まぁ、悪い奴らではなさそうだが。お前、三雲に散々いじられてたろ」
「あ、あれは確かにちょっと恥ずかしかったけど……」
あはは、と苦笑いの紅葉。
まぁ、あれは彼女なりの気づかいだったと思おう。おかげですぐに打ち解けたしな。
「あんな感じで仲良かったんだろうね、私たち」
「たぶんな。実感はないけど」
結局、彼らとの会話でわかったのは、自分たちの高校時代のこと。
残念なことに、記憶の復帰までには至らなかった。しかし、
「あぁいう友人に囲まれてて、よかったと思う」
それは本心からの言葉だ。
彼らとの学校生活は、さぞかし充実していたことだろう。
紅葉も俺の言葉に頷く。そのままポツリと、
「早く思い出したいなぁ……」
なんて、小さな声でつぶやいた。
俺も心のなかで同意する。
ま、すぐに思い出せるだろう。
仲のいい友人が大事じゃないわけないからな。
いくつか、気付くべきだった。
彼らの話に出て来なかった「ハルミちゃん」のこと。
何かを告げようとしていた神崎のこと。
何より、仲の良いはずの彼らに、俺の帰郷を知らせてなかったこと。
……その意味に気付くのは、もう少し後のことだった。
……とりあえず、今日はここまで。幼なじみ成分ないじゃん!
連作短編形式で同じようなネタを回すことはあっても、長いのは初挑戦な私
とりあえず今の流れでは、起承承転結で終わる予定。予定?未定
また次回まで、しばしお待ち下さい
さて逃げるか
長編頑張ってください
俺は気長に期待しつつ待たせてもらうぜ
酉やタイトルでググると結構HP持ってる作者さんが見つかることに驚く
ジャンプでめだかボックスの連載が始まったな。
ツンデレ成分も追加されてて期待。
あの作者の漫画はちょっと痛くて読めない
明稜帝梧桐勢十郎の女版みたいな感じだな
確かに痛いが割り切れば結構読めるぜ。おっぱい的な意味で
ただ、あれはツンデレじゃねえ。クーデレだ
ツン要素はなさそうだな
端から好意ありありだし
クーデレに見せかけたデレデレと見たが、さて
しかし小6まで風呂一緒って発想はなかったなー、いずれネタに借りようかな
西尾も結構あざといところ狙ってくるよなぁと思いつつも読んでしまう俺が
普通の漫画になるのか、それとも西尾らしく頭おかしい方向に行くのか、楽しみだ
デレというか、めだかの方はそういうの意識してないんじゃない?
意識してて目の前で下着姿とかになってるならすごいなw
コンチェルトノートの莉都みたいな、相棒感覚
男の方は意識しまくってるが
「襲っていいぞ」つうサインとかのつもりだったりとかw
「ありがとぉっ!!」は至高。
前にめだかボックスで書いてくれた人、また書いてくれないかな。
めだかの二次創作は勘弁願いたい
というかどうせめだかスレたつしょ
めだかスレは立ちそうだが
なぜめだか二次創作が駄目なのだ?
>>644 ここで西尾のウンチク語られたり、
漫画キャラ板みたいなノリで騒がれるからだろ?
ちなみにもう、めだかスレ立ってるぜ?
ここか西尾維新スレで事足りるはずなんだが誰か建てちゃったみたいなんだよな。
もし投下することがあるならば是非そちらの方にお願いしたい。
めだかは巨乳なんで興味無いッス。
愛でるならやっぱり貧乳&低身長の幼馴染みだな、うん。
>>647 電波が来たから即興を送る。
…………
千鶴は小さい。
どんくらい小さいかと言われたら一人で遊びに行くと30分に一回迷子センターにつれていかれそうになり、居酒屋では免許証と学生証を見せても酒を出してもらえない位だから相当である。
ちなみに身長135cm、体重30kgだ。
「ねぇ、大君、だーいくーん。何ぶつぶつ言ってるのー、お酒なくなっちゃったよー?」
ちなみに此処はちぃの隣家の二階にある部屋、つまりマイルームだ。
「お前な、いくら居酒屋で飲めなかったからってピッチ早すぎ、30分でチューハイ5杯は明日くるだろ」
ちぃが唯一大人に勝てるとするなら、酒飲み位だろう。ただ、こいつはその日の気分でビール一箱飲んでも平気だったり日本酒を猪口一杯口にして悪酔いしたりする。
「お酒ー、大君の口ん中のちょーだーい?」
ちぃが抱きついてきた。今日はどうやら悪酔い気味の日らしい。
「こら、そーゆーのは彼氏にやれ。」
「えー、あたしロリコン嫌いなんだけどさー」
「鏡見ろ。お前と付き合う奴はどうやってもロリコンにしかならねぇ。百万かけてもいーぞ?」
「ぐたいてきにどのへんがロリなのよー」
「お前号泣するから言わない」
「言わなきゃ犯してやる。」犯されたくないので思いつく限り言ってみる
「低身長!童顔!昼寝体質!つるぺた!お子さまランチマニア!」
「ふぇ、だいくんがいじわるだ……うわーん!!」
やっぱり泣きだした。俺は他にどう言えばいいんだよ
こんな調子で保育園からの幼馴染みと過ごす色気のない夜はどちらかが眠るまで続くのだった
いつまでこれが続くかって?
保守だから投下次第だよ。
650 :
千葉の戦士:2009/05/14(木) 01:59:48 ID:NX8XcjLR
「お父さん、美紀がびーる入れてあげる」
仕事を終え野球中継をツマミにビールを飲んでいた僕に、美紀が両手でビールを取るとグラスに注いだ。
まだ程度がわからないせいか、泡が吹き出しそうになったので、僕は急いでグラスを口に近づけて泡をすすった。
「お父さん、しろいおヒゲ生えた」
美紀が満面の笑みで僕の顔を見えて微笑んだ。
本当に可愛い。
美紀は、僕と綾の子供だ。美紀が生まれて、もう5年になる。
ヨチヨチ歩きだった頃の美紀の姿を思い出すと、本当に月日が過ぎるのは早いと思う。
鷲を愛する俺は喜べないwww
人間だもの
上手く書けねーよちくしょー
とりあえず投下させてくれ
ふと気が付くと、僕は空へと伸びる長い螺旋階段の途中に立っていました。
階段は気の遠くなるような長さと高さで、頂上がぼやけていてはっきりと見えません。
また、下も同じように途中で見えなくなっており、今いる場所がどれほどの高さなのかも、見当がつきません。
僕は何故、こんな場所にいるのでしょうか。
暫く考えましたが分かりません。ただ、僕は何だか、上らなくてはいけない気がしました。
僕は一段、また一段と足を踏み出します。体は軽く、自然に上へ上へと押し上げられるようです。
階段の幅は人が二人並んで歩けるほどしかなく、手すりなんて物もなく、踏み外せば下に真ッ逆さまに落ちてしまうことでしょう。
しかし、不思議と落ちる気は全くしませんでした。それどころかこの光景、どこかで見たようなことがあります。
ですが、頭が上手く回りません。思い出せません。ただ敷かれたレールを走る列車のように、僕は階段を上り続けます。
「星がきれいだね」
懐かしい声に振り返ると、背後に小学生くらいの女の子が立っていました。
「星?」
するとどうでしょうか。まるで霧の中のような周囲に、きらきらと光るものが見えてきたではありませんか。
それは確かに星。五芒の形をした、絵本やアニメで見るような。
「これが星だっけ?」
気持ちをそのまま、僕は口に出しました。雨漏りの雫を額に受けたような違和感を受けたからです。
「そうだよ。お盆のキャンプ、楽しかったな」
目の前にひらひらと、まるで落ち葉のように何かが落ちてきました。
星でした。クレヨンで枠は黒、中は黄色がやや雑に塗られた、まるで夏休みの絵日記に描かれるような、お星さま。
それが画用紙から切り取られて来たかのようでした。周囲の星と同様、僅かに光っています。
「お盆のキャンプ?」
女の子の顔を見ようとしましたが、ぼやけてよく分かりません。ただ、何か懐かしいのです。
「うん! えへへ、じゃあ先に行くよっ」
女の子は僕の隣を抜けて、駆け上がって行ってしまいました。
また暫く上ると、今度は紺の制服を着た女子高生が、階段に座っていました。
二つに分かれたお下げが、またどこか懐かしく感じます。そう、確かに見覚えがあるのです。
たださっきの女の子と同様、顔がぼやけていて、誰なのかがはっきりしません。
「待ちくたびれちゃった」
そう言って、女子高生は憂うように溜息をつきました。
「待ちくたびれた?」
意味が分からない僕は、尋ねてみました。
「そう。彼ね、中学校に入る前に引っ越しちゃったんだ。あの日私は、勇気を出して告白した。ずっと待っているから、って」
誰かを待っているのでしょうか。この階段を上ってくるであろう、その人を。
「彼は四年後に戻って来た。けど、私のことなんて覚えていなかった。会った時、何て言ったら良いのか、分からなかった」
辺りはいつの間にか暗くなり、雨が降っていました。優しくも物悲しい、五月雨のような雨です。
雨が、女子高生の顔を濡らします。まるで泣いているかのように、頬の辺りを滴り落ちて行くのが分かります。
ですが、不思議なことにその顔がはっきりしないのです。
「でも、好きだから。ずっとずっと、私は」
そう言うと、雨に溶けるようにして、女子高生は消えてしまいました。
やがて、頂上らしき開けた場所が見えてきました。
「ねぇ、待ってったら」
後から女性が現れました。まるで僕を追いかけて、上って来たかのようです。
そしてやはり懐かしく、やはり顔がぼやけています。
「え?」
僕は振り返り、息を切らしている女性に尋ねました。
「本当に、行くの?」
行く? 僕に言っているのでしょうか。
「僕が、何処に?」
何を訊こうとしているのかが分かりません。僕はただ、あそこに行こうと思っているだけなのに。
しかし、あそこは何処なのか僕も分かっていないのです。どうしてそんな所に行こうとしているのでしょうか。
考えようとしても、やっぱり上手くいきません。多分理由なんて、ないのだと思います。
「私を置いて、また一人で、そうやって、ずっと、馬鹿っ!」
女性はそう言うと、膝をついて項垂れてしまいました。訳が分かりません。
またその訳を、必死に考えたいとも思えないのです。何故か早く、あの場所へ行きたくてなりません。
僕は女性をそのままに、階段をまた一段ずつ、上り出します。
長かった螺旋階段が漸く一段落つき、足場らしきものが目の前に広がります。
よく見れば、まだ階段は続いていました。ただ僕が下りるべきはここだと感じたのです。
少し歩くと、大きな扉がありました。
見るとそれは木のような質感で、中央に鳥のような彫刻が施されてあります。
と、突然そのくちばしの部分が動きました。そして人が通れるほどの大きさに開いたのです。
まるで僕を待ち構えるかのようです。
いざ進もうとすると、今度は予期せぬ大きな揺れが襲ってきました。
ふと、さっきの女性が心配になった僕は階段まで戻り、下を覗き込みます。
誰もいません。それどころか階段が崩れ落ちていきます。僕のいる足場まで不安定になってきました。
僕は急いで扉の方に戻ります。見れば、くちばしがゆっくりと閉じようとしているではありませんか。
どうして自分はその先に行こうとしているのか、考えるより先に足が動きます。
が、すぐの距離なのに体が進みません。まるで、夢でも見ているかのように、自由が利かないのです。
足元は沈み始め、くちばしはもはや人の通れる大きさではなくなってしまいました。
瓦礫と共に下へ、ゆっくりと落ちていきます。
「?」
ここはどこでしょう。
僕は誰なのでしょう。
暗い場所に僕はいます。
ぼんやりと映る黒い線に白い色。
息が、苦しい。そして、胸が張り裂けるように痛い。
顔に、瑞々しい何かを感じます。これは、涙?
どうして、こんなに、空しいのでしょうか。
どうして、こんなに、切ないのでしょうか。
目から涙が、止まりません。僕は、一体? 分かりません。分からない。
体を動かすことも、声を出すことも、何も出来ません。出来ることは僅かに開いた目から、涙を溢すだけ。
誰もいません。目の前に誰もいないのです。それが何故か、凄く哀しい。
夢か幻か、今の今まで見ていた光景が、懐かしく羨ましい。
ここは空虚でただただ、何もありません。泣きたくなるほど、何も。
いつの間にか眠っていたようです。
眠っていたということは、僕はずっと横になっていたのでしょう。
頭は割とすっきりしました。そして差し込んでくる光が、いくらか不安な気持ちを和らげてくれます。
僕は時間をかけて、現状の把握を始めることにしました。
口元にあるのは、酸素吸入器でしょうか。ここは、病院なのかもしれません。
体を、動かしたい。それなのに腕が、重い。
動いて。
動け。
「!」
ぱたっ、と少しだけ持ち上がり、また柔らかな下へ落ちます。
やっぱり僕はベッドに寝ているようです。そして、手に感じる僅かながらの違和感。
体の奥に、染み透ってくる何か。
知っています。これは、点滴。
僕が発した僅かな音に呼応するかのように、物音が聞こえました。
「ゆ、き?」
微かな声。女性のそれでした。
「ゆき!」
視界に入り、じっと覗き込んでくる女性。
目が合うと、女性はその顔をくしゃくしゃにして喜びました。
この瞬間は、形容し難いほどに嬉しかった。人がいて、僕の存在に気づいてくれたということで、どれだけ救われるかが分かりました。
そして僕は、すぐに思い出しました。
幼馴染の、三橋野叶のこと。目の前で大粒の涙を溢している彼女こそ、あの顔のぼやけた女性でした。
今ははっきりと、顔が映ります。心につかえていたものが取り払われたようで、嬉しくて僕も涙が出ました。
僕は、僕のことを忘れないでくれていた叶を、忘れてしまっていました。
子どもの頃、盆に一緒に行ったキャンプ。満天の星空を二人で見たこと。
小学校卒業前に引っ越すことになり、告白されたこと。
ずっと待っていると言われて、僕も忘れないと答えたこと。
ですが、四年後に再会した時には何もかも抜け落ちていて、僕は彼女を置きっ放しにしてしまったのです。
それなのに彼女は、ずっと付いて来ていました。気持ちを隠して、ただずっと、僕を近くで待ってくれていました。
僕が事故に遭って意識不明になった時、彼女は居ても立ってもいられずに、ずっと通いつめて看病をしてくれていました。
思い出さないままなら、そのままでも良いと。もし意識が戻ったとしても、すぐに僕の元から再び隠れようと。
生死の淵を彷徨っている中で、走馬灯のように出てきた思い出。あの階段で見たのは、三人とも彼女でした。
僅かに残っていた記憶が、そして彼女の思いがあの夢を見せたような気がします。
そして、それが僕を呼び覚ましてくれたのかもしれません。
今度は、僕が応える番です。
「お帰りなさい、ゆき」
「ただいま、叶。そしてもう、絶対に忘れない」
oh!! yeah!!
おつー。
そして容量警告。
なんだかひさしぶりに「天国への階段」を聞きたくなった
663 :
てす:2009/05/19(火) 22:36:18 ID:4X5irE4p
1
イカサレノート所有者は、ノートを自由に使う代価として、以下の条件を支払う事になる。※条件は所有者の性別で異なる。
以下は所有者が男の場合。
・ノート所有者の精子は生産能力を失う。※膣内射精を試みても、受精、及び着床は行われない。
よって、レイプ等で無理矢理に既成事実を作ろうとしても無駄である。
・ノート所有者の精液を浴びた口内、膣内、腸内の器官は、クリトリスとの強制神経接続や、尿道や肛門の弛筋化、感度の数十倍化等、様々な副作用を及ぼす。
よって、愛する二人が同時に絶頂を迎える、濃厚ラブラブセックスは不可能となる。
・ノート所有者の精液を膣内に放出された人物は、ホルモンの働きが活発となり、乳腺が極端に緩むので、僅かな刺激で母乳を撒き散らすダラシナイ身体となる。
よって、後始末の大変な面倒臭いセックスしか不可能になってしまう。
『イカサレノート』後編
ハイリスクローリターン。だけどボクは、それでもボクは、ノートの所有者になった。
ごばーく
お詫びに次スレ立てようとして、1のコピペミスった……orz
落として貰って良いです。
>>666 スレ立て乙。
過去スレリストは
>>2以降に分割した方がいいんじゃないか、
と思ってたし問題ないと思う。
>>665 スレ立て乙
ま、袖すりあうも多少の縁。またの投下をお待ちしてるよ
>>666 誘導乙。獣の数字か
次スレもいい作品に巡り合えますように
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
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|__|__|__|_ __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' )ヽ \_________
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|_|_| 从.从从 | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\ / ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/ = 完 =
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人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
从 iヽ_)// ∠ 再 開 !!!!
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)::::/∠Λ てノし)' ,.-―-、 _
______人/ :/´Д`):: ( _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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ノ')/ノ_ら ∧_∧ | いきなり出てくんな!!
、)/:./、 ( ´Д`) | ビックリしたぞゴラァ!!!
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