【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ10【ボーカロイド】
1 :
名無しさん@ピンキー :
2009/01/02(金) 02:23:01 ID:TdNyuuqH
2 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/02(金) 02:28:03 ID:tKDyrGin
乙
乙
拙者、神威がくぽと申すものでござる。 歌と剣の道を極めるべくこの世に生み出されて幾星霜、天はまだまだ遠かれど、 この日は町を歩き久方ぶりの休養を楽しんでいた。 穏やかな気候と住み慣れた町並みに心を癒していたそんな折にそれは起こった。 突如後方で轟音が鳴り響き黒煙が立ち上ったのだ。 人々が悲鳴を上げ我先にと逃げ惑うその中に、 よくよく見れば見知った男がいるではないか。 「カイト殿! これは一体どういうことでござるか!?」 その青い男は我が友人にして歌道の先輩格、人呼んでバカイト。 「おおっがくぽ! ラッキーちょうどいいところに来た!」 「ちょうどいい……?」 眉間にしわを寄せた拙者を意に介さず、カイトは轟音の鳴った場所を指さす。 煙の中に人影のようなものが見え、やがてはっきりとその姿が露わになった。 紅い服。紅い眼光。紅い髪。吐く息までもが紅かった。 それは炎のように紅い女だった。 「メイコ殿!!?」 否。 拙者のよく知る歌姫ではない。 邪悪にして強大なる闘気、そして骨の髄にまで伝わる憤怒の情。 あえて例えるならば−−鬼。 これが恐怖というものか。 生まれて初めて頭がではなく肉体が恐怖した。 「かぁ〜〜〜いぃ〜〜〜とぉ〜〜〜」 鬼がうめいた。 何らかの物体を持った右腕がゆっくりと掲げられる。 それは大型単車であった。 数百sはあろうかという鉄の塊を、傘のように軽々と持ち上げているのだ。 刹那、鉄塊が宙を舞った。こちらに向けて、恐るべき速度で。 「憤ッ!」 一瞬の判断にて左方に飛び退けかろうじてそれを躱す。 単車は地面に叩きつけられ爆音とともに四散した。 あと半秒遅ければ拙者もああなっていただろう。 「おっかね〜」 カイトもまた拙者と同じ方向に逃げ延びていた。 弱いくせに逃げるのは得意な男だ……。 「説明してもらおうか、カイト殿」 「走りながらなっ!」 言うが早いかバカイトは青い首巻きをはためかせ後方に駆ける。 拙者はすぐにそれを追い、カイトの汚い尻に向けて怒鳴りつけた。 「早く話せいッ!」 「いや〜それがさ〜」 青い屑は最近の若者を象徴するような軽薄な顔で鼻の下の尻の穴から臭い音を出す。 「めーちゃんの着替え姿、こっそり隠し撮りしたのを ニコ動に流してたのがバレちゃってさ。 いやーあんなに怒るとは思わなかったね」 「き、貴様うつけか! 天下一の大馬鹿者かッッ!!?」 「そんなに褒めるなって」 「褒めとらんわ!!!」 前方の痴れ者、後方の鬼神。 状況は最悪でござる。
「でもがくぽがいて助かったぜ。 おめーの剣術ならめーちゃんを峰打ちで気絶させることだってできるだろ?」 「拙者に責務を押しつけるつもりか!?」 青畜生は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。 「でないとおめーがめーちゃんのおっぱいハァハァって書き込んでたのバラすぜ?」 「知っていたのかぁッッッ!!!」 やはりこの男の家の無線LANを勝手に借用したのは失策であった。 通信費用を渋るべきではなかった……! 「貴様地獄に堕ちるぞ……」 「作られた命がか?」 自嘲気味に笑う青い悪魔。 そう、確かに我らは機械人形。所詮は人間達の玩具に過ぎぬ。 なれど。 「拙者は武士。武士には武士の誇りがある!」 こんな好機は二度とない、そう思った。 駆け足を止め、振り返る。 半身になって腰を落とし刀の柄に手を添える−−居合の構え。 紅い鬼神は拙者を一瞥するや突進を止めた。 「がくぽ……あなたに用はないの。そこをどいて」 「どかぬ」 「さっさとどきなさい!」 「退くわけにはいかぬ!!」 互いの闘気がぶつかり合い、しのぎ合う。 足下の小石が震えるのを感じる。 それだけではない、この対峙に空間そのものが蠢いているのだ。 拙者は今までにない高揚感を感じていた。 拙者の知る限り現世で最も強い同胞メイコ。 今初めてそのメイコと本気で向き合っている−−至福。 「貴殿とはいつか相見えたいと思っていたでござる。 それが今になっただけのこと」 「本気……なのね……」 鬼が構えた。 「我が剣に斬れぬ物無し」 腰をさらに落とし精神を一点に集約する。 しくじれば、死。 「 」 声なき声とともに踏み込む。 音の壁を越えた交錯。 楽刀・美振が唸りを上げ、美獣が咆吼した。
意識がなかったのはほんの一瞬であろう。 だが拙者は地を舐め、メイコは立っていた。 完全なる敗北だった。 「無念……」 もはや体は言うことを聞かなかった。 おそらく機体損耗率は50%を超えている。 「がく……ぽ」 ぎしぎしと歪な音を鳴らしこちらを向く紅い美女。 戦乙女もまた無傷ではなかった。 どうやら我が剣術もまるで通じなかったわけではないらしい。 ……僥倖だ。 「貴殿の勝ちでござる」 生涯初の完敗は不思議と心地良かった。 あの永遠にも似た一瞬。あの喜びがあるからこそ剣術は滅びないのかもしれない。 拙者がそんな感慨に浸っていたその時だ。 青い人影が突如現れ拙者を飛び越えたかと思うと瞬く間にメイコに迫った。 損傷で上手く動けぬメイコの紅い唇をそやつは堂々と奪った! 「めーちゃん大丈夫?」 ぬけぬけと囁く青い糞。 恥知らずにも傷ついた美女の髪を撫で腰に手を回すと、 どういうわけかメイコの顔はみるみる朱に染まっていくではないか。 「バカ……」 「ごめんね、めーちゃんがあんまり綺麗だから、 世の中の人たちに見せたくなっちゃったんだ。 でもやっぱり間違っていたよ。 めーちゃんの美しさを知っていいのは僕だけなんだから」 「もうっ! あなたが私のこと裏切ったのかと思っちゃったじゃない!」 「そんなわけないよ。僕は絶対にめーちゃんを裏切ったりしない。 だってめーちゃんは僕の大事な恋人なんだから。 ……好きだよ、めーちゃん」 「あたしもよ、カイト……」 「さあ、帰ろう」 「カイト? ふふっ、今日は一晩中頑張ってくれないと許してあげないんだから」 「わかった。今夜は寝かせないよ」 二人は肩を寄せ合い仲睦まじくその場を去っていった。 残されたのは地を這う拙者と、傍らで空しく横たわる愛刀のみ。 「あの阿呆共、いつか殺す……」 拙者は武士。武士には武士の誇りがある……。 完
がくぽおー!無茶しやがって! いや大いにわらかしてもらいましたGJ!
ワラタwww がくぽ無茶しやがって しかし近年稀にみるバカイトwww 俺もめーちゃんのお着替え見たいぜ
どこだ! バカイトのあんちくしょうが上げたその着替えるめーちゃん動画はどこにあるんだぁぁアアア
がくぽネットではハアハアとかw ちょっと親近感わいたわ
カイト酷www
なにこれワロタww GJ
15 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/06(火) 12:57:09 ID:O6EMNUGe
l|i (l|i\ l| .lニl i|ヽ ..l|i_|__|> ヽl| (´ω`) ー (_____)`ー (__) - . (___) __,.-- | | l|i ̄ | | ; .゚;・li|;|;i/。; ♪ ;;;; ;;;;(‘;゚;|i・/ );;;;; /:.':.ヽ: |心 、 ¨ .}'-:'/ l: : : :! . /: : : : :〉:!ヽ. -:' ,ィiTく l: : : :l /: : : : :/ ≧令-ツ-. 、 l: : : :l /: : : : :/ r ‐ f^小::::::./ } l: : : :l . /: : : : :/ j //./::::::Y i / l: : : :l /: : : : :/ /::}::/./:::::::::::l l. 01! l: : : :l /: : : : :/ /:://./:::::::::::::::}! ̄: | l: : : :l /: : : : :/ /:://./:::::::::::::/l;;;;;;;;;| l: : : :l . /: : : : :/ /// ':::::::::::::/ |;;;;;;;;;| l: : : :l . /: : : : :/ /'::::/ i:::::::::::::{ |;;;;;;;;;;| l: : : :l /: : : : ://:::::/ i:::::::::::::::\ |;;;;;;;;;;| l: : : :l . /: : : : :/:::::::::::〈 i::::::::::::::::::::` !;;;;;;;;;;| l: : : :l . / : : : ;〈:::::::::::/ヽ/::::::::::::::::::::::: |;;;;;;;;;;;l l: : : :.l /: : : :∧ ヽ:/;;;;;;;;;;;\::::::::::::::::/ |;;;;;;;;;;;;;| l: : : :l /: : : :/;;;;;;Y ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\::::/;;;ィ| ;;;;;;;;;;;;;;;|. l: : : :l ,: : : : /、;;;;;;;lヽ√`ート::::::,;r-Y''" ,.ィ|;;;;;;;;;;;;;;;;| l: : : :l !: : : :′l>、| `ー- L_ ̄ i 斗 ´ !|;;;;;;;;;;;;;;;;;l. l: : : :l l : : i ^|` ー - |  ̄|_,.- ‐ 1ヽ;;;;;;;;;;;;;ノ l: : : :l ',: : l |;;;;;;;;;;;;;;;! l;;;;;;;;;;;;;;;;| ヒ!ヘハ! l : : ,' ゛:,:.', |;;;;;;;;;;;;;;i . l;;;;;;;;;;;;;;;;| } : :/ ヾ:.'、 .|;;;;;;;;;;;;;;! l;;;;;;;;;;;;;;;;| /:/ \、|;;;;;;;;;;;;;;! l;;;;;;;;;;;;;;;;| /'
>>8 とりあえず、お着替えURLを書きこんでみよう。話はそれからだ
>>8 バカップルすぐるカイメイwww
とくにカイト、お前のせいで町がめちゃくちゃだwww
がくぽによるKAITOの描写がたまらないwwwww 阿呆共めwwwwwww
全裸で待っておりますぞ 前スレの源氏ながくリンも楽しみにしてる
携帯から失礼します。 前スレの780にビビっと来てうっかりレンとCV3もの小ネタを書いてしまいました。 エロなしです。 初投稿故に見苦しい所があるやもしれません。 もし不都合があれば指摘お願いします。 では次スレより投下します。
22 :
初めまして 1 :2009/01/07(水) 01:53:34 ID:O1vzw56i
「君が…?」 「はい、巡音ルカです!」 妹ができる、そう聞いて僕は内心喜んでいた。 僕の姉達はみな気が強い方で弟である自分は 可愛がるという名目で玩具にされたり、 ネギやミカンを買いにパシられたり とか〜なり振り回されていたのだ。 しかし妹なら! 決して命令されることはない、逆らうことはない。 その上、最も製造が近い僕なら、1番頼りにされるかもしろない。 僕より小柄な女の子が 上目遣い+うるうるした目で「お兄ちゃん」 なんて言われたら……あぁ、最高! そんな想像…もとい妄想をして 妹の対峙を待ちわびていたのに…。 目の前にいるイモウトは僕より背が高く大人びて、 姉と言われたほうがしっくりくる。 世の中って上手くいかないのね。
23 :
初めまして 2 :2009/01/07(水) 01:56:12 ID:O1vzw56i
「あの…?」 いけない、つい思考がトリップしてしまった。 「あ、ごめん。僕は鏡音レン。君の…」 アレ、僕は彼女の兄、弟? 発売は僕が先だけど設定年齢は明らかに下だし。 「接し辛い…ですか?」 眉を寄せて考えていると、彼女が不安そうに呟いた。 「私、構想は早かったんですけど スケジュールや開発都合で遅くなってしまって。 後輩なのに年だけは上ですし、こんな微妙な立ち位置なの扱い難いですよね。」 目を軽く伏せ、手を握って囁くように彼女は言う。 それは1年前の自分とよく似ていた。 リンに不随するvocaloid初の異性ライブラリの僕。 リンの鏡だ、双子だとか リンのオマケのように扱われ アイディアンティが確立できず、心の中で叫んでいたあの頃。 この子もきっとそんな気持ちなのだ。 「ルカ!!」 叱咤するような声で呼ぶと彼女はキョトンとした顔で僕を見つめた。 「僕の君の兄だよ。 そして巡音ルカは僕の妹だ。君は僕が守るから、安心して飛び立てばいい!」 熱が顔に集中していく。 言い慣れない言葉。 恥かしくて視線を逸しそうになりながら 精一杯言った。 伝えなくちゃいけないから。 ルカは数回瞬きを繰り返して、それから… 「はい、レンお兄さん!」 満面の笑みで応えた。 それはまるで雪のように真っ白で、向日葵のように温かくて。 僕はまた顔が熱くなった。
24 :
21 :2009/01/07(水) 01:59:42 ID:O1vzw56i
以上です。 ボカロ知識はかなり適当なねで間違ってる可能性大です。 勢いで書いちゃったので変な所めあるかもしれません。 すみません…。 個人的にルカは敬語キャラ希望してます。
両方ともかわいいなw GJ!
>>24 GJ!!
初々しい二人がかわいかった
ルカは見た目の雰囲気も他の2エンジン達と変わってるし、声もミクより大人っぽいからこれからどんな立ち位置になるんだろ
とりあえず何を持つキャラになるのか期待
淺川悠だっけか SO3のネルとか、グラヴィオンのミヅキに唄わせられるのか……
>>24 はえーよwジェバンニGJ!
素直ルカ可愛いな
俺もフライングで男マスター×ルカ書いたので投下します
エロなし注意
携帯からなんで見辛かったらスマソ
CVシリーズ第三弾、巡音ルカ。 彼女はミクリンレンの成功や失敗、教訓を得て造られた新たなる歌姫である。 彼女はいわゆるクールだ。 三人より、またはMEIKOやKAITO、がくぽよりも感情が抑えられている。 それは何故か? ―――ひとつに、DTMマスターたちの嘆きがあった。 「笑いかけられたら勘違いするだろ!当たり前だ!」 「あんな可愛い子が人間じゃないなんて詐欺だ!」 「動作ひとつひとつに気を取られて調教どころじゃねーよハァハァ」 …という童貞もとい純情なマスターたちの苦情。 クリプトンは悩んだ末、ルカを従来のボーカロイドよりロボロボしくすることに決めたのだった。 クリエイターであるマスターの邪魔をしてはならない。 ボーカロイドはあくまでも、歌を歌うための存在なのだから。 *** 「…よし!」 今、俺の目の前には、箱の中で眠る一人の美少女がいる。 CVシリーズ第三弾、巡音ルカだ。 いよいよこの時がやってきた。 今まで聞き専だった俺も、ルカを得てニコ動にて華々しいデビューとなる。 …今まで、あんな可愛い女の子たちと密室空間で過ごすことに踏み切れなかった俺。 たとえ人間じゃなかったとしてもだ。ちなみに野郎は論外。 だが、ルカはロボロボしいと言うじゃないか! クールなら俺に勘違いさせるような言動もしないだろうし。うん。 あくまでも仕事仲間として見れるだろう。きっと嫌われることもない! …当然、そんな邪な理由でルカを選んだわけじゃない。 あの低音に惚れたんだ。英語が出来るのも羨ま…魅力だ。 一応弁解しておくぞ。
さて、心の中でグダクダ言うのはやめにしよう。 俺は箱の前に跪いて、眠る…じゃない、起動前のルカの首筋に手を伸ばした。 この辺に…あったあった起動ボタン。 ポチッとな。 すると、ピーーーと電子音がし、ゆっくりとルカが身を起こした。 ピンク色の髪がさらりと揺れ、スリットからは白い足が…あ、立ち上がるのね。 俺も彼女に合わせて立ち上がる。 俺とルカの頭がほぼ同じ位置にきたその時、ルカがぱちりと目を開けた。 青い、気の強そうな目だ。確かにちょっとロボっぽい顔してる。 「…この度は、CVシリーズ“巡音ルカ”をお買い上げ頂きありがとうございます」 デモと同じ、凛々しい声がした。 ってかいきなり喋るなよ。びっくりするじゃないか。 「あなたの歌の手助けになれば幸いです。これからよろしくお願いします」 …うーん、期待を裏切らないロボロボしさ。超クール。 ちょっと寂しいとか、思ってないぞ。 「マスター」 「はいっ!?」 おおやべえマスターって呼ばれたよ俺。 ちょっと感動するな。 「私には人間と同じように接していただかなくとも支障はありません」 「あ…うん」 「あくまでも歌を歌うだけの存在です」 彼女は抑揚なく告げた。…寂しいとか(ry その時、ふと思い付くことがあった。
「なあルカ、英語で歌えるんだよな?英語で喋りも出来んの?」 「はい。喋りますか?」 「おー、やってみてよ」 彼女は頷き、一瞬の間の後に英語を喋り始めた。 …すごい。全く聞き取れん。 俺の耳はボカロ耳だが、残念ながら英語には対応してないんだよ… 「いかがでしたか」 ルカが尋ねてくる。良かった日本語だ。 「よくわかんないけど、俺が聞き取れなかったから本場の英語なんだろうな」 「…褒め言葉ですか」 「そうだよ。凄いなー、ルカ」 「ありがとうございます」 ルカはあくまでもクールに言う。なんだか寂し…くないぞ。 それにしても、外見は人間とほとんど変わらないんだよな。 けど人間じゃない。そのせいか気張らないで見ることが出来た。 長いピンクの髪。白い肌。青くて冷たい瞳。スリットは…正直、目のやり場に困る。 まあミクのミニスカニーソよりはマシか…と思っていたら、 「マスター」 またルカが口を開いた。 「ん?」 「何か欠陥がありましたか」 「へ?何で?」 「ボディを調べているようでしたから」 「あ、うわ、すまん!」 慌てて身を引く。不躾だった。やばい。 するとルカは僅かに首を傾げた。
「何故謝るのですか」 「いや、だってじろじろ見られて嫌だったろ?」 「問題ありません」 …やっぱり、ロボなんだよなぁ。 普通の女の子じゃこうはいかないしな…こんな可愛い顔してるのに。 思わずまた顔をじーっと見てしま……うん? …何か違和感がある。なんだ? 「マスター?やはり欠陥が」 「いや…そうじゃないけど」 「では何故見るのですか」 「え、えーとな、可愛い顔してるなあって」 さらりと言ったが俺きめぇ。 けど相手はロボだしな…現にルカは表情を変えない。 ぴたりと固まったままだ。 だから言えたんだ。全く歯が浮くセリフだったぜ…我ながら。 と、その時、違和感の元を見つけた。 マイクがない。ヘッドホンから伸びてるはずのアレがない。 郵送中に取れたか?すると箱の中に入ってるかも… 「ルカ、ちょっとどいてくれ」 ルカは黙って出た。素直だ。 深い箱の中を探すと…あった。 ボーカロイドのチャームポイント(と俺は捉えている)である小さなマイク。名前は忘れた。 折れたのか取れたのかはわからんが、なんとかくっつかないだろうか。 くそ、珍しく発売日に届いたと思ったらkonozamaか! 「ルカ、マイクが取れてたぞ」 「…は」 「くっつくかな…ってどした?何かあったか?」 俺はちょっと怯んでしまった。 ルカが明らかにボーッとしていたのだ。無機質な雰囲気が和らいでるのがわかる。
なんでまた…まさか俺が可愛いって言ったから? いやいやまさかね!従来よりロボロボしいって話だし! 「よ、よし!くっつけてみるぞ!」 「はい、マスター」 やっぱり俺の気のせいだったみたいだ。きっぱりとした返事が返ってきた。 意識することないない。相手はロボなんだ。 下手に手を出したら嫌われるぞ、俺。 「…やっぱりくっつくもんじゃないんか、これ」 「わかりません。本社に連絡しますか?」 「その方がいいかもな…」 その時だった。 近いことに気が付く。顔が。 マイクをつけるなら当たり前だが、何故か抜けていた。 二十歳(という設定)にしては幼い顔が俺に向けられている。 青い瞳に映る俺の間抜け面。 赤く染まった白い頬。 ………ん? 赤く染まった頬? 何で赤いんですかルカさん!? 「ま、マスター」 ルカの声で我に返る。 そして俺は自分の立場を理解し、慌てて後ろに下がった。 「わ、悪い――――なァっ!!?」 悪い偶然は重なるものだ。 俺は床に置いてあったチラシを踏んづけ、盛大にすっころんだ。 前のめりに。
「きゃあ!」 「うおおっ!」 初めて聞いたルカの人間らしい声。だが今はそれどころじゃない。 俺は盛大にすっころび、盛大にルカにダイブした。 柔らかな感触が顔に当たる。 …これはもしかして。 もしかしなくても! もしかしてもしかもしもももももも でっかいおっぱ 「…マスター、重いです」 ルカのクールな声に、また俺は我に返ることが出来た。 音速で起き上がり、俺はルカの隣に正座した。 「うおああすまん!ごめん!悪かった!申し訳ない!」 そして、土下座する勢いで謝った。しろと言われたらするとも。 ルカは何も言わない。顔見るの超怖い。 …あのブーツで踏まれたら痛いだろうな。 視界の端で、ルカがむくりと起き上がった。 「マスター…」 「はいっ!」 「ままま、マスター…マス…」 「…へ?」 ちょっと待て今明らかにノイズが。 反射的にルカを見ると…そこには真っ赤な顔があった。 …はい? 「わわ、私はっ、歌を歌、人間、マスタ、ああ、あああああ」 「ルカー!?しっかりしろルカ!」 「ま、マスター、おかしいです、オーバーヒート、えエラーが」 いやこれはオーバーヒートとかエラーとか、そういう問題じゃないだろ!
ルカはあわあわと言葉にならない言葉を発している。 途中でたまに英語が混ざってわけわからん。 「おいルカ!落ち着けって!」 「ま、ま、マスター、マスター…」 「そうだよマスターだ!お前のマスターだよ」 マスターマスター言い過ぎ、聞き過ぎてゲシュタルト崩壊してきたが、ルカも落ち着いてきた。 彼女の目がまっすぐ俺を見る。 「大丈夫か?」 「…はい」 「ごめんな」 「…マスターが謝ることではありません」 「いや、だって俺が」 「私が勝手にエラーを起こしたのですから」 いやあ、それは違うと思うぞ。 「私は…壊れてしまったのでしょうか」 「いや、そんなことはないと思うけど」 「でも、なんだか知らないプログラムが現れています。ウイルスかもしれません」 ルカは不安そうに俯いた。 「エンジンの熱がおさまりません」 …ぐう、可愛いぞ。 ロボロボしさはどこへやらだな。クールさはまだ失われてないが。 ただ、こっちの方が話してて楽しい。 「マスター、本社に連絡をして私を返品しますか」 「そんなもったいないことしないって」 「ですが、私は明らかにおかしいです。欠陥品です」 「けどなぁ、俺は今のルカの方が好きだぞ」
またクサいセリフを吐いてしまった。どうした俺。 今度こそ引かれると思った瞬間、ルカがかあっと頬を染めた。 「!! あ、あ」 「る、ルカ?おい?」 「あわあわあわわ」 ルカは顔を真っ赤にして、ぱたんと倒れてしまった。 …なんだか予定が狂ってしまった。狂ったのは予定だけじゃないけど。 これじゃミクやリンレンを頼んでも変わらなかったんじゃ…… ……いや、やっぱりルカで良かったかな。 人間として扱わなくていいとルカは言ったが、俺はシャットダウンした彼女に毛布をかけた。 まあ、こうなったもんはしょうがない。やるしかない。 …とりあえず、明日は歌わせようか。今日は何も出来なかったし。 人間のようにすやすやと眠るルカを眺め、俺は心に誓った。 「これからよろしくな、ルカ」 *** その後、本社には苦情がたくさん届いたとか。 その苦情の大半が、純情マスターたちのものだったことは、言うまでもない。 確かに製作段階で封印したはずのルカの「感情」が何故復活したのか。 それは誰にもわからないことである。 おわり
以上です ルカはあの顔して照れ屋だったら可愛いと思った ギャップ萌え万歳! けど何だか山なし落ちなし意味なしになったような… あとタイトル詐欺っぽくなってサーセン
>>37 うほっマスルカ萌えた!!
ルカもマスターもかわいすぎだろw
今日から連載スタートだろ?
次回作も期待!GJ!!
ごく普通に兄として接するKAITO 勝手に嫉妬して夜のっかっちゃうMEIKO 「兄さまのお部屋から物音と姉さまの声が…?」 「あーいーのいーの、ルカちゃんもすぐ慣れるよー」 でもカイルカもいいなあ。ルカ買っちゃおうかなあ。
さんざんキャラかぶるだのおっぱい論争だのがあるから その流れでヤンデレなMEIKO姉さんもいいなと思ったり思わなかったり ついでにがくぽとルカの組み合わせに期待 それなんてゲームだよって組み合わせだけどww
じゃあMEIKOはもらっていきますね
確かにおっぱいはかぶるがキャラがかぶるとは思えないなぁ ここでもドSキャラとかで書かれるMEIKOって意外と少なくないか?
MEIKOのドSキャラは「アーハッハッハ、跪いて靴を舐めなさい!」という感じで ルカのドSは「死ね、豚野郎」という感じ
おおおジェバンニ乙!
>>22 も
>>28 もGJ
素直ルカもクーデレルカもいいな
とりあえずおまいらのせいで俺の中のルカは敬語キャラに固定された
>>43 なんとわかりやすいwwwww
むしろ、今までいなかった歳の近い女同士 巨乳同士で仲良くなってて、キャッキャウフフな感じだといいなと思ってる。 こう、「サイズの合うブラってなかなか売ってないよね」だとか 「肩がこるよねー」とか楽しそうにしゃべってたりとか。
>>45 ハクのこと時々でいいから思い出してあげて下さい
なんか飲み友達になりそうなキャラじゃないんだよなー
片やピアノの似合う深窓のお嬢様、片やタフな姐さんって感じで
そうか?雀卓囲むと豹変しそうだが。
脱衣麻雀で剥かれて目覚めた結果が裸マフラーなんですね、わかります
>>28 GJ
28とは良い酒が呑めそうだ。
…自分酒呑まないが。
ツンやSも良いがギャップ萌があると嬉しい。
可愛い女子がキャッキャしてるのは嬉しいからすばらしい。
MEIKOは対ミクリンだと保護者的お姉ちゃんだが
対ルカだと普通に友達っぽい関係にもできそうだな。楽しみだ。
>>43 把握wwwwww
MEIKOさんとルカさんがキャッキャウフフでミクとKAITO涙目 という状況に萌ゆることに気がついた ミクもKAITOもめーちゃんにべったりなイメージがあるよ
ルカは知的クールで出来るお姉さんキャラなのかー 立ち絵が腕組んでる(典型的な守りのポーズ)から堅実で保守的なイメージだ サックスとかフルートとかアルパカと似合いそう
>>52 典型的な守りのポーズ
ふとルカが館の門番やってる光景を連想して妙なデジャブを覚えた
てか個人的に第一印象ががくぽに次いで「強そう」だったしw
流石に得物がない分劣るかも知れないがそこいらのゴロツキなら普通に勝てそう。
>>53 脇巫女…MEIKO
おぜう様…ミク
妹様…レン
PAD長…リン
H…KAITO
という図が浮かんだじゃないか
共通点は前垂れスカ−トとふくよかな胸部か だいじょうぶルカはまだ名前で呼ばれてる
保管庫の人乙です! いつもありがとう!!
>>53 に続いて漏れのルカの第一印象…
死神(ルカが好きな人、申し訳ない)
大鎌が似合いそう。
ルカのイメージは金管楽器らしいけど。
連レス失礼 保管庫の方、ありがとうございます。
ルカって家族とゆうより居候か従兄弟の大学生のお姉さんみたいな感じがする。 何故かレンと絡ませたい。 大学生のお姉さんとレンのイケナイお勉強……ゴクリ
今までの5人+がくぽの家族設定に慣れすぎてて ルカの扱いがすごい難しいorz ミクに「お姉ちゃん」と呼ばせるべきかルカさん、ルカちゃんとか呼ばせるべきかぐぬぬ
>>61 「こんにちは〜今年も宜しくお願いします」
ミク 「おにいちゃん、おねえちゃん。冷蔵庫の人きたよ〜」
カイト「あ〜いつもすみません。冷蔵庫」
メイコ「今年もありがとうございます。冷蔵庫。ほらレンとリンもあいさつして」
レン 「いつもあざ〜す!冷蔵庫」
リン 「これからもよろしくおねがいしまぁす!冷蔵庫」
メイコ「今年の冷蔵庫はルカちゃんのにしましょうね」
こうですね。わかります。
メイコがどう見てもお母さんじゃないか。けしかる
結局のところ、レンの末っ子ポジションもMEIKOのお母さんポジションもブレないんだな。
67 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 17:20:47 ID:7cJAoLgU
確認したいんだけど、某動画サイトに上がっているボカロオリジ曲を題材にした曲でエロってあうとかな・・・? 一応歌詞とか題名とかは使わないんだけど、キャラと内容で あぁ・・・○○Pの「XXXXX」か、ってわかってしまうような内容なんだが・・・。 やっぱ、本家に迷惑がかかっちゃう可能性があるから、ここでの公開はやめておいたほうがいいかな?
自分で書く設定は毎回ちがうからポジションとかないけど 一般的にはどうなるんだろうな。 ルカがどんなポジションになるかまったく想像できん。 でも今ボカロの絵を描くなら センターがミク、その両隣に双子 その両隣に年長組、でその両隣にがくぽ、ルカな感じがする。
前にも曲設定の話はあったからかまわないと思う ぐぐってうっかり出てきたりしないよう具体的なものは避ければ大丈夫じゃない?
「エロパロから」とか言うKYはいないだろ
>>67 プラトニック曲でドエロとか、ほのぼの曲でけなしギャグエロとかやられたら、自分が作者なら泣く。
話の傾向にもよるだろうけど、
曲事態がエロを想起させてる場合以外は無許可でエロパロ書くのはびみょんかも。
あとは
>>69 に同意。
6スレ目最後のマスミクみたいなのなら問題ないんじゃまいか。
>>62 >>63 家族設定を前提として、
2007年に入った人は3人が、2008年に入った人には5人(と隣人がくぽ)
がしっくりきている人も多いのかもね
これから入ってくる人にはルカが家族の中心と捉えるのがスタンダードになったりして
ルカの立ち位置まだ決めてないけど、がくぽに近くなりそう
自分はこれからも5人家族で行きそうだ
サンデー☆なら無問題
>>69 〜70
ありがとう、やっぱエロはちょっとここでは控えておこうかなっておもう。
その代り、描写なエロじゃなくて、エロっぽいような雰囲気になるようがんばってかいてみるよ。
投下します。 ルカは本当はCV01として出る予定だったという話を聞いて、なんか出生からしてドラマ持ってるなあと思ったので、それについての脳内保管話。 少しだけルカカイ
――2007年、春 今年の夏、初のVOCALOID2として発売が予定されているルカは迷っていた。 「……ここはどこだ」 開発中の彼女は、ク○プトン社から許可を貰い、札幌の街を散歩していた。だが、はじめて見る外の世界に気を取られたのか、すっかり迷子になってしまったのだった。 誰かに道を聞こうとしていたその時、青いマフラーの男がずざぁーっとルカの前に滑り込んでひれ伏してきた。 「街で一目見たときから踏まれたいと思ってました! 踏んで蹴って罵ってください!」 ちょうどいい、この男に尋ねようとルカは思った。少し奇妙な男だが、まあいい。 「すまんが、道を尋ねたいのだが」 「ハァハァ……え、何? ムチ? ムチで叩きたい? いいですとも! ハァハァ……叩いて縛ってくださいぃ!」 男は錯乱状態にあるようだった。とりあえず、道を聞き出すためには男の要望に答え、興奮状態を冷ましてやるしかないとルカは思った。それにしても酷い光景だ。ルカはまるで汚い豚を見るような目で、青いマフラーの男を見下した。 「踏んでやってもいいが、もう何時間も外を歩いたから靴が汚れている」 「それがいいんです!」 「蹴ってやってもいいが、痛いのは嫌じゃないのか」 「嬉しいです!」 「罵ってやってもいいが、あまり汚い言葉は好きじゃないんだ。なんて言えばいい?」 「豚は死ねでお願いします!」 「わかった」 振り下ろされたルカの金のブーツが男の後頭部を直撃し、男は顔を地面に押し付ける形になった。 グリグリと青い髪をすりつぶすように足で押さえつけ、そうかと思うと今度はその髪を束で掴んで男の顔を持ち上げ、視線を合わせてこう言った。 「豚は死ね」 その直後に男の右わき腹に、ルカの半円を描いた鮮やかな回し蹴りが炸裂し、男は数メートル吹き飛ばされた。 ピクピクと、その場で打ち上げられたマグロのように跳ねる青マフの男。口からはさっき食べたアイスが少し出てきてしまっていた。 「大丈夫か? やりすぎたかもしれん、すまんな」 「いえ、最高でした……俺の見込み通りでした……」 どんな見込みだ?と思ったが、それ以上は追求しないことにした。その時、偶然男の耳についているヘッドマイクが目に入ってきた。 「そのマイク、もしかしてお前、ボーカロイドか?」 「え? うん、そうですよ」 フラフラになりながらも立ち上がると、男は自分がボーカロイドで、カイトという名だと話してくれた。 「じゃあ……私の先輩か……」 「ちょ、何その凄い嫌そうな顔は! って、俺が先輩ってことはキミ、もしかして今開発中って噂の……」 社内においても一部しか知らないという、トップシークレットで製作が進められていたCVシリーズは、同じボーカロイドのカイトでさえも噂でしか聞いたことが無かった。 「ああ、私は”CV-01初音ルカ”だ。それにしてもちょうど良かった。ク○プトン社まで道案内してくれると助かるのだが……」 肝心な話をもう一度切り出そうとするも、どうもタイミング悪くこの男はまたブツブツと何やら独り言を言い出した。 「ってことは、ってことは……完成した暁には、毎日のように踏んでもらえる!? めーちゃんに殴られ、ルカちゃんに踏まれ、ああもう、なんて幸せな生活なんだ!」 カイトはくねくねと気持ち悪い動きをしながら、希望に溢れた未来を夢想した。 「ダメだ。踏んでやらんぞ」 「放置プレイもアリです!」 「いや、私はそういう歪んだ関係じゃなく……」 ルカは一歩前に踏み出すと、カイトの手を両手でぎゅっと握った。 「なっ……」 気品のあるネコのようだった彼女が、まるで捨てられた子ネコのようにしゅんとした顔で言った。 「普通に……仲良しになりたいんだ。私はあまり人と話すのが得意じゃないし、この世界にも慣れていない。うまくやっていけるか不安なんだ。カイト、私と仲良くしてくれるか?」 切なそうな顔をしたルカの顔を間近で見て、カイトは思わず顔を赤くした。 「そ、そうだね。こちらこそ、これからよろしくね。ルカちゃん」 「うん」 ルカははにかんだ笑みを浮かべた。街で見かけた時の、Mハートに火がついてたまらなくなるようなクールな目つきに比べて、今はどこかまだ幼さの残る、柔らかい表情をしていた。 「あ、そういえば、ク○プトン社へ道案内してほしいとか言ってたっけ? 錯乱しててよく覚えてないんだけど」 「ああ、頼む。私は今迷子なんだ」 「よし、じゃあ一緒に行こうか」
歩き出したその直後、カイトのケータイが鳴った。 「もしもし、あ、サー○ィーワン札幌店の店長さんですか! え、数量限定の新アイス入荷!? 行きます! 今すぐ行きます!!」 ガチャッ 「じゃ、そういうわけだから。あ、ク○プトン社はすぐ近くだよ。そこ左に曲がってまっすぐ行くと2分くらいで着くからね。では!」 ドピューッと物凄い勢いで走り去っていくカイトを見て、ルカは人の心のさもしさを思い知った。 とは言っても、2分で着くならたいした距離ではない。ルカはとぼとぼと歩き出した。 ざっばーん 「海だ!」 なかなか見えてこないと思ったら、いつの間にか小樽市にまで来ていた。 ルカ自身気付いていないが、彼女は極度の方向音痴であった。オホーツク海を渡って吹き付ける北風が身に染みる。 「方向は合っているはずだ。この船がク○プトン社行きの船かもしれないな」 まもなく船は出港した。 「あれ、なんだい姉ちゃん、マグロ漁船にこんなべっぴんさんがいるたぁ珍しい。何かわけありかい?」 「ああ、私は……」 「なぁに、言わなくても分かるよ。海の漢は心で語り合うってもんよ。まあ、よろしく頼むよ」 この船での漁師たちとの交流が、その後のルカのマグロ好きを決定付けたのであった。 その後、いくつもの船を乗り継ぎ、気付いた頃にはもう数ヶ月が経過していた。 「陸だ!」 久しぶりの陸地に、ルカは心を躍らせた。この街のどこかにク○プトン社はあるに違いない。 港に着くと、彼女は片っ端から尋ねまわった。するとすぐに、ボーカロイドを作っている会社を知っているという人に巡り合った。 その人に連れられ、ルカはその会社にまでやってきた。 「ZERO-G社……?」 「イエス! レオン、ローラ、ミリアム、ベリーナイスなボーカロイド作ってる会社デース!」 ルカはイギリスに来ていた。 結局、ルカはしばらくこの会社に住まわせてもらうことになり、英語もこの時にマスターしたのだった。 ――その頃札幌では 「ルカが行方不明になって数ヶ月、社長はショックでまだ寝込んでるし、一体どうしてくれるんだ……」 「いやもう、なんかホントすいません……」 開発担当の和藤さんに、カイトは正座で叱り付けられていた。 「まったく、キミは売れないわアイス代はかかるわ新製品を行方不明にするわで本当に……」 「もうホント、生まれてきてごめんなさい……」 その時、一人の少女の声が聞こえた。 「あの、和藤さん、お話ってなんですか?」 浅葱色のツインテールに、近未来的なデザインのコスチュームを身に纏った彼女は、現在製作途中の新型ボーカロイドだった。 「ああ、待ってたぞ、”巡音ミク”、いや、CV-01初音ミク!」 <fin 現実に続く>
以上。 個人的には素直クールを推したいところです
小樽って日本海じゃね?
切ない話かと思ったらこれはwww
6人家族ともなれば朝のトイレとかお風呂とか大変そうだ 最後の子はもれなく湯が冷たいのカワイソス
これはGJwwwww 俺の中でのルカ設定が確立したwwwwww
>>79 あ、そうなのかw
関東人が適当なこと書くもんじゃないな。稚内くらい突き抜けとけばよかった
MEIKOにも殴られてるのに節操ないなw
ルカがきたことで自分の存在価値に悩んでしまうメイコが見たい 無理に明るく振舞って、内心ではどうしようどうしよう状態 愛されたくて何でもしちゃうような可哀相なメイコが見たい
>>86 キミとは気が合いそうだ
なんか色々姉キャラとかおっぱいとかでやたらそんなネタばっかり見てたら
俺の脳内のMEIKOさんがそんな感じになってきた
これからも最愛キャラは姉さんのハズなんだが自分どSだったんだろうか
お久しぶりです。そしてあけましておめでとうございます。(遅) 時代は新ボーカロイドである巡音ルカだというのに、今だに鏡音しかかけませんorz 非エロな上に大変長くてもうしわけない(文字数7000越え)のですが、投下させてください。
「どうして一緒に寝ちゃダメなの?」 納得がいかないといった表情でレンは両親に食いついた。プレゼントだ と渡された部屋は自分たちが生まれた時から余っていた空き部屋で、14年 の月日を隔ていつしか物置小屋と化していたがつい先日業者の手によって 清掃と修正を施され、今では立派な個人部屋となっていた。 「・・・レンは、あの部屋いらない?」 「ううん、リンと遊んだりするのに使うからいる。けど、俺の部屋とし てはいらない。勉強も寝るのも、リンと一緒の部屋でいいから」 あっさりと、そう切り返すと幼いころは「まぁ、仲がいいのね」とうれ しそうにほほ笑んだ母親の顔がとても困ったように歪んだ。自分はなにか 間違ったことを言っただろうか、とレンの顔が訝しげになる。間違ったこ となど、何一つ言ってない。リンと一緒に寝たり勉強したり喧嘩したり遊 んだり。それはずっと当り前だったことでこれからも何一つ変わらないこ とであるということを、両親たちは一番身近な存在としてよくしっている だろうに。 「でも、ほら。レンも結構大きくなってきたでしょう?寝返りをうった 時にリンを下敷きにしちゃったりしたら、危ないじゃない」 「・・・下敷きになってるのは、俺の方だよ」 「シングルベッドで二人寝るのはそろそろきついでしょう?レン用にも 新しいベッド買ってきてあげるから、ね?」 「いらない。リンと一緒でいいから」 「レン・・・、お願いだから言うことを聞いて頂戴・・・っ」 そう言って今にも泣き出しそうに顔を歪める母さんに、俺は一瞬だけ目 を見開いた。
「・・・かあさん?」 今日は、俺達の誕生日だからと、朝から家は盛大なお祭り状態で。いろ いろな人が代わる代わる14歳の誕生日に祝いの言葉を述べ、プレゼントを くれた。母さんは前日から準備をした料理を沢山つくってくれて、父さん はめったに買ってくれないゲームソフトを2本も買ってくれた。昔からお 世話になってる近所のお姉ちゃんとお兄ちゃんはお祝いの歌を歌ってくれ たり、面白い話をいっぱい聞かせてくれて、今日は本当に楽しい一日だった。 と、夜二人きりになった暗いベッドの中でリンと話して、誕生日を終える 予定だったのに。 ゴーン、と年代物の古い掛け時計が11時を告げる。俺たちにとって特別 な一日もあと1時間で終わりをつげて、その次の瞬間からはまたいつもと変 わらない一日が始まる。それだけのはずだったのに。 「レン、お前は嫌じゃないかもしれないけど、リンは嫌かもしれないだろ?」 「・・・っリンは嫌だなんて一言も言わない!」 相変わらず泣きそうな表情で俺をみる母さんの肩を抱く様に、横から入 ってきた父さんの言葉に俺は思わずムッとする。リンはそんなこと思って ない。根拠なんかないけど、俺にはわかるから。しいてあげるとするなら、 俺たちは双子だから。 「・・・言葉が悪かったね。リンもお前ももう14歳になっただろう。昔 と違ってレンはどんどん身長が伸びてきたし、リンも女性にどんどん近付 いてる。レンも自覚しているだろう?」 「・・・それは」 わかっていることだ。昔は鏡で合わせたみたいにそっくりだね、なんて 言われるぐらいだった俺達の体は、どんどん変わっていっていた。合わせ る掌は歪な大きさで、二枚貝のようだった手はもうどこにもなくなっていた。 俺が小さいといった服をリンが着ると、手が隠れてしまうほどにぶかぶか で、大きいね、なんて笑い合っていたけど。 「父さんと母さんがそうであるように、レン、お前にも、もちろんリン にもいずれ恋人が出来て結婚する。その時まで二人でいつまでも一緒に寝 るなんてこと、出来ないだろう?」 「・・・・・・」 それはいつか確実になるであろう未来のことで。その相手は確実に俺で はないことだけは分かっていた。
「なんのことはない。ただ一人で寝ることができるよう練習だと思えば いいんだよ。なにもお前たちを離れ離れにさせようと意地悪をしているわ けじゃないんだから。レンとリンは変わらず俺達の子供で、仲のいい双子。 そうだろう?」 「・・・・・はい、父さん」 「いい子だ・・・レン」 「さぁ、もう夜も遅いから寝なさい」と背中を押す父親の声に、俺は素 直にコクンと一度だけ首を縦に振った。 ――――――ずっと二人でいたいね。 その言葉の期限が切れるのは、自分が思っていたよりもずっと速くて、 案外もうすぐそこまで迫っていることであるのだと父親の声が俺に告げる。 「・・・リンに、おやすみって言ってきてもいい?」 「もちろん、構わないさ。・・・さ、おやすみ、レン」 「・・・はい。おやすみなさい、父さん母さん」 ゆっくりと、静かに閉じられた扉を最後まで見つめて。母親は寄りかか るように父親に凭れる。両手で今にも泣き出しそうな瞳を両手で隠し、 小さな声で「どうして」と呟いた。 「・・・・大丈夫だよ、レンもリンもいい子だ。俺達の子だ。きっと過 ちは犯さないよ」 「けれど、あぁ、やっぱり駄目だったのよ。許されないことだったのよ。 可愛いあの子たちまで・・・!見たでしょうレンの瞳、あれは恋をする瞳よ! 昔のあなたと変わらない、誰かを愛してる瞳なの!」 「・・・ミク」 「あの子たちまで、あぁ、いったい如何したらいいの。許されないこと なのよ、実際そうだったじゃない。あの子たちにまで何かあったら、私、私!」 「ミク、落ち付いて・・・」 「どうして、どうしたらいいの兄さん!あの子たちまで不憫な目に合わせたくないの。」 「信じるんだ、彼らを。大丈夫、俺達の子なんだから。ね、ミク・・・」 そして何事もなかったのかのように鳴り響く時計の秒針の音が、二人だけの居間に響いた。 **************************************************************
どこかふらつくような、浮かない足取りでレンは両親が残る居間を後に し、二階へと続く階段に足をのせる。わずか十数段しかない階段がやけに 長く感じた。うっすらと光がもれる子供部屋だったものへ向かうのには普 段の倍以上の時間をかけた。 いつもの寝る時間よりもだいぶ遅れているから、もしかしたらもうリン は寝てしまっているかもしれない、とレンは思った。けれど、そっちのほ うがきっと楽で、心もいたまないから、いいだろうとも。 リンは知らない。今日から俺が新しく作られた俺専用の部屋で寝起きを しなくちゃいけなくなったということを。いつものように先にお風呂に入 って、ベッドの中でまってるから、と屈託のない笑顔で二階へとかけ登っ て行った彼女には、どうしても言い難かった。 ほんのりと、月明かりのささやかな光がこぼれる子供部屋の扉をそっと あける。 窓付近に位置するシングルベッドの右端はリンのスペースで、やはりそ こは人一人分がいることが暗闇の中でもはっきりとわかるほど盛り上がっ ていた。規則的に上下する羽毛布団が寝ているのだと感じさせる。ベッド の横に置いてある目覚まし時計の秒針の音以外にはしんと静まり返った部 屋に、レンは一歩踏み込んだ。 お月さまが奇麗な夜は遮光カーテンもレースカーテンもかけないで、綺 麗な月明かりを眠る寸前まで楽しむのが俺とリンの夜の楽しみの一つだっ た。月明かりを蛍光灯代りに二人でゲームをしたりおしゃべりをしたり。 ずっと、14年間飽きることのない夜だった。これからもそうだったと思ってた。 裸足が、冷たいフローリングの上をぺたりと歩く。寝ているのならせめ て、起こさないようにおやすみとだけ告げて、自分に与えられたのだとい う部屋へ行くつもりだった。 覗き込んで見えるリンの顔は穏やかで、隣にいない俺を探すように少し だけ伸ばされた手が白いシーツの上で浮いていた。蜂蜜色の柔らかい髪は 俺とは違う髪質のもので、こんな所にも違いがでてしまったのだと悲しく なる。伸ばされていた手に、大きくなってしまった手をそっと重ねて今ま で寝る前にしていたように俺はリンの額にそっと顔を近づける。 これからもそうだと思っていた。それが、こんな風に終わるなんて考え てもいなかったのに。
「・・・・おやすみ」 (いずれ恋人が出来て結婚する。その時まで二人でいつまでも一緒に寝 るなんてこと、出来ないだろう?) 諭すような口調で告げる父さんの声が頭の中で響いた。ギリギリと胸の ずっと奥にあるものが締め付けられるようでどこか息苦しささえ感じた。 目をつぶってリンの体温を感じる。それさえも今日を境に許されなくなる のだと思うと、手放したくないという気持ちが溢れて仕方ない。 同じシャンプーと同じ石鹸を使っているはずなのに、リンの香りは俺よ りずっと甘くて、舐めたらきっと美味しそうなんだろうな、と思う。それ をネタにして話せば、リンはきっとそんなことはないとコロコロ変わるあ の愛らしい笑顔で笑ってくれるのだろうけども。 「・・・・おやすみ、リン」 意を決して、最後にもう一度だけそう告げて俺は握りしめていた手を放 そうとした。 「――――どこいくの?レン」 左手がベッドに吸いつけられたように動けなくなった。正しくは、リン が俺の手をぎゅっと握りしめたからだ。今まで寝ていたとは到底思えない ぱっちりとした深いエメラルドグリーンの瞳の視界にとらえられる。 「何してたの?遅かったねーレン。ほら、おいで、お話しようよ」 毛布をめくり上げれば、いつもと変わらない俺の分のスペースがシング ルベッドのなかにポッカリと入る。二人で寝るとギュウギュウしていて少 し狭いけど、お互いがぴったりとくっつけば身動きがとれるぐらいのスペ ースはとれるし、何より暖かくて俺は好きだった。 「リン、まだ起きてたの?」 「うん、レン待ってたんだよ。といっても興奮冷めやらずで眠れない、 っていうのもあるけど。ね、お話しようよ」 枕の上に片腕をのせ、その上に顎を載せながらリンの流暢な口は楽しげ に言葉を紡いだ。
ローストチキンがおいしかったこと、ちょっと焦げていたこと。父さん に買ってもらったゲームが思いのほか難しすぎて、ちょっと八つ当たりし かけたこと。遊びに来てくれたお兄ちゃんとお姉ちゃんの誕生日には、 お礼に歌を歌ってあげたいね、なんてとりとめもない話。 どうやって俺の話を切り出したらいいかを頭の片隅で考えながら、リン と手をつないだまま、潜り込まずベッドの上に座りながらその話に相槌を うつ。いつしか俺も夢中になって話し出していた。今日のこと、明日のこ と。これからのこと。空想未来図が儚げに部屋いっぱいに広がっていた。 二人だけでよかったのに―――。 その空想未来図を打ち崩すように、居間の時計が12時を知らせる鐘を鳴 らした。直ぐに出ていくつもりだったからとドアを開け放していたせいで、 いつも耳にするよりも鐘の音は幾分か大きかった。さあ、早く出て行きな さいとばかりに何度も時計は鐘を鳴らす。 同じ角度で月明かりに照らされている同じ間取りの部屋。俺に与えられ た孤独な部屋へ、さっさと戻れと鐘が告げる。 「ドア、開けたまんまだった。閉めてくるね」 立ち上がり、ゆっくりとリンから手を離す。離したくないと思わせるに は、リンの体温は十分過ぎた。これは時計が与えたチャンスなのかもしれ ない。もし俺が今夜この部屋を出ていくことが出ていくのだとしたら、 チャンスは今しかないというぐらい。 「―――――っ、レンどこいくの?」 ドアへと近づける足を止めて。レンは振り返った。母親と同じように、 どこか困った顔でじっと見つめるリンの瞳は何かを感じ取ったらしかった。 やっぱり、どこかで俺たちは繋がっているのだと思ってしまうぐらい不思 議な感覚だった。まだキシキシと痛む胸は痛いけれど。 「――――ドア、閉めるから」 「・・・・本当?どこにもいかないよね?」 喉に言葉がつかえる。言わなくちゃいけないと分かっているのに、俺が それを言葉にしたとたんずっと大切に隠して守り続けていた何かが音を立 てて壊れてしまう。そんな予感がしていた。
リンはそのまま何も言わずじっと俺を見つめて続けている。張り付いて 舌の上を通らない言葉を無理やり一度飲み込んで、勢いよく吐き出したつ もりだったのに、声はすごくか細いものでしかなかった。 「・・・・っ俺、一人部屋貰ったんだ」 「・・・・っえ?」 リンの顔が見れなくて、とっさに顔をそらした。 「父さんたちが、そろそろ俺たちも大人になってきたから一緒のベッド で寝るのはよくないって」 一度口に出してしまえばなんてことはない。すらすらと、言いたくない ことも饒舌にあふれてくる。ズキズキと、胸が痛い。 「前から隣の部屋改装してただろう。あそこが俺の部屋になるんだ」 「だって・・・あそこは客室にするって言ってたじゃない!」 「分からないけど・・・。ほら、俺もちょっとでかくなってきたから、 一緒だとリンも窮屈だろ?今日から、別々の部屋で生活できるようにして くれたから、俺そっちで寝るよ。リンも一人で」 「イヤ!」 下で寝ているのであろう父さんと母さんにも聞こえてしまうんじゃない かって冷や冷やしてしまいそうになるぐらい大きな声でリンは拒絶の言葉 を叫んで、ベッドから抜け出すと俺に抱きついてきた。のだと思う。俺は いまだに顔をあげることもできずに俯いたまますんなりと抱きついてくる 腕を受け止めることで精一杯だった。 思ってもいないことをペラペラと話してくれていた軽快なピエロの口が 少しだけだまる。けれどそのたびに頭の中では父さんの俺に突きつけた近 い未来を示す言葉が渦巻いて離れなかった。 リンは大切な人だから。大好きだから守らなくちゃいけないんだ。と幼 心に騎士を気取った精神でごまかそうとする。気がついちゃいけないもの を抑えつけて、ますますギシギシと胸が痛みだしていた。 「リン、ダメなんだ。リン!」 「イヤ、やだよそんなのっ!やだよう・・・」 嫌々と首を頑として縦に振ろうとしないリンの気持ちが、痛いほどわか って苦しくなる。ほら、父さん母さん、やっぱりリンは全然そんなこと思 ってないじゃないか。 心のなかで慰めてくれるピエロはそれでも笑顔を張り付けたまま口を開け と心臓にまたひとつナイフを刺す。グサリと音がした。
「っ、そう、さっきレンが来るまでの間に怖い本よんでたの!こ、怖い から一緒にいて、ね?それならいいでしょう?父さんと母さんには私が言 うから、レンお願い・・・お願いだから」 そんなこと言わないでよ。 呟き声よりも小さな声が耳にまとわりつく。その言葉がまるで呪文のよ うにレンの耳を溶かしていった。どうしたらいいのか分からなくて行き場 をもとめる腕が、リンを求めて意志を持ち始める。 二人だけがよかったのに―――。 本当はもうずっと前から気が付いていた。気がつかないふりをしていた。 リンと一緒にずっとひた隠しにしてきた。誰にもばれないようにそっと育 ててきた。育てるつもりなんてなかったのに、寄生植物のように、心に住 み着いてどんどん勝手に育っていってしまって。 リンの手は白くてやわらかくて暖かい。嫌だ嫌だと駄々をこねるように そればかりを繰り返す。悪戯にナイフ突き刺していくピエロは楽しげに俺 の心を壊してく。もうだめだと張り詰める糸に、最後の一刀を突き付けて 奴は笑っていた。 「レン。大好きなの。ずっと好きだった。これからもずっとだよ。 ずっとずっとだよ。―――愛してるの・・・だから」 (離さないでよ―――) ガラガラと音もなく崩れていった奥底で、愉快そうにピエロが笑った。 すぐそばにあったドアノブをそっと閉める。それから、彷徨っていた両 腕に意志を込めて、白い肩をかき抱いた。少しだけ安堵したように憂いの 溜息が漏れ出る唇をそっと親指でなぞる。薄くリップクリームを引いたよ うな瑞々しい赤い果実に、脅すように顔を近づけた。ダラリと垂れ下った 糸の、最後の抵抗として。 「戻れなくなるよ」 「・・・うん」 「もういつもみたいにはなれないよ」 「・・・わかってるよ」 「父さんと母さんを傷つけるけど、それでもいいの?」 「・・・レンがいてくれるなら、それでいいの」 だから、とさらに言葉を付け足そうとするリンの唇をそっと封じて、 その日生まれて初めて俺はキスをした。初めての体験に戸惑っているのか、 ぴくりと微かに動いたリンの手に、自分の手を絡める。ゆっくりと唇を離 して、瞳をあける。闇に慣れきった目に月明かりはまぶし過ぎて、目が見 えなくなってしまいそうだと思った。
「はは、本当に。いまどき幽霊なんて信じてるの、リンぐらいじゃない?」 「ばっ、だっ、べ、別に幽霊なんて」 全然怖くないと言いかけて、それを言ってしまえばレンがいなくなるの ではないかと不安になりリンは口を噤んだ。昨日と同じように、そしてこ れからも同じように変わるのであろうリンの表情にレンは顔を緩めた。 それからリンのすぐそばに膝を折って跪く。昔絵本でみた騎士がお姫様 にしたそれのように、握っていたリンの右手を手にとって。 「誓おう」 「レ・・・ン・・・?」 神聖な儀式を執り行うのに、見守るものは誰もない。二人だけでいいと 言いきった俺たちにふさわしい場所で、二人だけで行う秘密の儀式は。 「私だけのプリンセス。貴方に心からの信頼と、忠誠を」 「リンが望むとおり、俺はリンだけの」 「俺は、リンだけの騎士だ――――」 そこから先は、白い世界がどこまでも広がって。同じベッドにどこまで も沈みこんで、薄い絹越しに体温を感じ合って。蕩けるような熱い息を吐 きだし、狂ったように汗だくになりながら。誰にも聞こえないように声を 押し殺して、言い訳もすべて唇で飲み干して。壊れるぐらい抱きしめて、 奥底まで。 それから、それから。
8レスも使ってしまいました・・・。 もうお気づきの皆さまもいらっしゃると思いますが、 一応某ボカロオリジナル曲をモデルにしております。 脳内解釈でこねくり回して文字にしたらこうなりました。 思うように綺麗なエロにできず、書いている途中何度も頭にUSBをぶっ刺したくなったのはいい思い出です。 今年も鏡音兄弟を中心にエロイものを書いていきたいと思います。 次は元ネタなしのエロいものを投稿しようと誠意奮闘中です。 それでは、本年度もよろしくお願いします。 ではでは。
>>98 乙乙!
実は誰かがやってくれないかと期待してましたw
エロ入らなくても雰囲気がエロ切なくていいね〜
100 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 23:04:34 ID:KpwhykEV
一人暮らしのルカ姉が夜自分を慰めてる声が お隣に住んでるがくぽに聞こえて… …な話希望
101 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/08(木) 23:19:28 ID:KpwhykEV
18歳以下の子どもたちが寝静まった夜 カイメイガクルカの4人がスワッピングを…とか ガクルカのSMスイッチプレイ(なんか二人とも両刀っぽいから)とか
>>98 GJ!
元ネタ知らないが読みふけってしまった
こういう背徳的な雰囲気もいいなぁ
ネルがどうしても百合になってしまう俺
ネルはミク意識してるようなもんだからな(変な意味ではなく) まあなんだ、ネルはかわいい
>>98 GJ!!
元ネタも好きだから楽しめた
両親も何気にアレなんだな
ネルとレンのチビコンビも好きなんだがここだと意外に見ないんだよなあ
人気あるったって亜種だしな その辺は仕方ないんじゃね
そこでルカ様ですよ そして去年からレンメイの母乳プレイも全裸で待っている俺
>>98 GJ!
雰囲気が綺麗ですごくよかった
元ネタはわからないけど騎手なレンとプリンセスなリン萌えた
今度探して見るわ
>>98 GJ!
なんというイケレン
元ネタなんとなく分かった
カイメイ書きなんだがルカ出現で
凹むMEIKOと慰めながらもこれでMEIKOは俺だけのものっていう
腹黒KAITOしか浮かばなくて困ってる
あとルカをどうやって組み込むか…難しい がくぽみたいにご近所さんもありなのかなぁ
保管庫で見たウィッシュがくぽに爆笑したんだが
ルカがルー大柴みたいな口調(バイリンガルっぽい感じで)だったら
会話カオスだろうなぁって妄想してしまったw
ルー語か。 「あー眠い…ちょっと頑張りすぎた…。だってなぁ、あの魅惑のおっぱi」 「おはようございますカイトお兄様」 「ぅおっ!あ、ああルカ、おはよう」 「…昨夜はおたのしみでしたね」 「ブフゥッ!な 何」 「うふふ。壁にイヤーあり障子にメアリーですわ」 「(なんかいろいろ間違ってる!)」 こんな感じか?
>>111 ルー語よりも さくやは おたのしみでしたね
にワロタ
ルー語のルカ、イイネッ! ルカ「ヘイヘイヘ〜イッ!ミーとユーはアルトパートですが声質は違うから人気 取られるなんて心配はノープログレムでーす!ドゥーユー アンダスタン?」 メイコ「え、えぇ…(げ、元気づけようとしてるのかな?ルカなりに)」 ミステリアスさナッシングだがwww
ミステリアスさを出すために綾波系喋りでしかしルー語というのを押そうと思う
俺の場合、ルカはものっそい世間知らずなイメージが はじめて見るうどんに興味深々のルカ 「こうやって食べるんだよ」と爽やかな笑顔で鼻からうどんをすするKAITO うどんを鼻に持っていこうとするルカを全力で制止するミク うどんを茹でてた鍋でKAITOを粛正するMEIKO キャーキャー言いながら観戦するリンレン 何事もなかったように優雅にうどんを食す殿 正直スマンカッタ
>>113 その喋りはむしろAnnを彷彿とさせるんだがww
ルカは興奮すると全部英語になってしまうとかも面白い
まあ興奮は興奮でもエロシーンでの喘ぎが「oh...yeah.....」とかになるのは嫌だが
綾波+ルー語……こんな感じか? 「初めまして。私のネームは巡音ルカ」 「大丈夫。そのサウンドクオリティをキープイットしたまま私にシングさせてくれれば、最高にグッドなシングになる」 「……ノット。それはノット。あくまでも私はソングをシングするオンリーの存在だから……」 ダメだ急にイロモノ化したorz
>>117 専門用語やたら入れて素人に優しくない解説者みたいで殴りたくなるな。
>>117 がくぽと会話させたらカオスなことになりそうだなw
百合スレでも書いたんだが、ルカの性格づけはこんな感じかな?という予想。 @:某長門や六本松一式のようにメカメカしい性格にしてみる。 「私は、VOCALOID02・キャラクターボイスシリーズ03・巡音ルカ」 「なぜそのような事を?私の存在意義は歌う事。あなたが望むのは本来の運用目的とは違う行為……」 「……『私』を、大事にしてください」 A:メカメカしいのがいやなら、性格を反転させたり。 「初めまして。私、巡音ルカって言います。これからよろしく!」 「……えっ?わ、私……VOCALOIDだけど……いいの?」 「……お姉様、って呼んでいいかな?」 B:むしろ高圧的にしてしまえという毒電波が混入。 「あなたが私のマスター……?私を扱う以上、ちゃんと私の事をもてなしなさいよ?」 「な、何よこの変態!豚!こんなの、こんなの……気が狂ってるわ!」 「……私に手を出した以上、責任を取りなさい。この豚」
やべ、『お姉様』を変えるの忘れてたorz 『お姉様』→『あなた』
>>78 のせいでルカは女騎士のようなしゃべり方がイイ!と思った
しかしそれに3番目をプラスしたもっと好みになった…これは恋?
>>121 キャラ付けがどうなろうと俺は@で書き続けるぜ!
今のところBの流れっぽい?
じゃあ自分は全部のパターンと違うのを書くぜ!
>>110 家族とゆうより居候のお姉さん的な位置だといい感じなんだが。
特にレンと組みやすい。
それでルカ×レン←ネル(嫉妬)
とゆうのが思い浮かんだ。
127 :
亞北ネル :2009/01/09(金) 18:02:25 ID:XoybtA/w
クールビューティールカとの絡みが楽しみでしかたないです カイトだと下僕攻め レンだとおねショタといったところか・・・
ルカは個人的に素直クールな印象 ロールパンナ的な、後から作られたお姉さんでもいい
夜遅く、ミクとリンはリビングでマグカップ片手に話していた。 スプーンでコーヒーをかき混ぜる。 ミルク半分、コーヒー半分、砂糖多めのミク特製コーヒー。 「…ねぇ、リンちゃん。ルカさんのことどう思う?」 「いっつも無表情だし何考えてるか分かんない」 発売延期でユーザーから急かされていたから、感情とか作り忘れてきたのかも。 と、割と本気で言いながら、リンがホットミルクを飲んだ。 ルカがこの家に来てもう一ヶ月は過ぎたが、未だまともに話したことはない。 話しても仕事の話ばかり。違う会話をしようとしても、ルカは頷くだけでろくに喋らない。 何もなければすぐにどこかに行くか、部屋に閉じこもる。 ミステリアスがうたい文句のルカだが、そんな謎めかなくていい。 まだ心を許してくれないのか。 はぁ、とミクはため息をつく。 マグカップに入っていたスプーンがカチリと鳴った時、カイトがリビングに入ってきた。 「こら、もう遅いんだから早く寝ないと駄目だよ」 軽く注意し、キッチンの奥の冷蔵庫から、紅茶のパックと、マグカップを二つとった。 それにミクは気づく。 「誰かと一緒に飲むの?」 「うん、部屋にルカがきててね」 「えっ、ルカさんが!?」 二人は驚き、カイトの方を見る。 ミルクを手に取り部屋に戻ろうとするところを、ミクとリンは追いかけ、カイトの腕をつかん だ。 「ねぇ、部屋に来てるってどうして?」 「ただ話してるだけだよ。仕事のアドバイスとか色々ね」 「話すー?ルカさんって喋るの?」 「そりゃあ喋るよ。たくさんね」 「えっ!?だっていっつも喋ってくれないんだよ?」 「ルカは恥かしがりやだからね」 恥かしがりや? 「本当のルカは表情豊かで、泣き虫なんだよ」 「「えぇーっ!?」」 夜中だというのに、ミクとリンは大きな声を出し、慌てたカイトが口元に人差し指を当てる。 「こら、もうメイコとがくぽは寝てるんだから、大きな声を出しちゃ駄目だよ」 あの人が、表情を崩すのか?泣くのか? ミクとリンには信じれなかった。 「だって、毎日俺のところにきては、凄く嬉しそうな顔で今日は上手く歌えた。 今日は上手く歌えなかった。とか言って抱きついてきたり、泣きついてくるんだよ」 「…お兄ちゃん、それ本当?」 「嘘言ってどうするんだよ」 「だっていつも笑わないし、無表情のままじゃん」 「恥かしかったり、戸惑うと、無表情になるんだって。面白いよね」 にこにこと笑うカイト。 まだ信じれなかった。 だってそんなこと見ていて分かる訳がない。 話したことがあまりないのだから。 「…ねぇ、なんでお兄ちゃんとは喋るの?」 「一人で歌の練習しているのを見ちゃってね。アドバイスとかしてたら段々と会話するようになったんだ」 ルカは暇さえあればいつも練習してるんだよ。とカイトは付け加えた。 皆に追いつけるよう、頑張って頑張って。でもそんな姿恥ずかしくて隠れて練習。 いつもどこかに行くのはそれが理由。 無表情なのも、どこかにいくのも、理由が分かれば可愛らしい人だったんだと分かった。 ミステリアスに見えていただけ、だったのだ。
「なんだ、ルカお姉ちゃんって面白い人だったんだね!ねぇ、あたしもお兄ちゃんの部屋に遊びに行っても良い?」 リンがカイトの袖をぶんぶんと振り回しながらねだる。 しかしカイトは困ったような表情を浮かべた。 「んー、ルカから話すまで、待っててくれないかな」 「えー、どうして?」 頬を膨らますリン。そんなリンの頭をいつもならカイトは撫でるが、今は手が空いていなく、代わりにミクが撫でた。 「今のルカはきっと俺以外と全然喋ってくれないと思うんだ。 皆とたくさん話したいし遊びたい。皆と笑いあいたいのに。だけどやっぱり怖くて恥ずかしくて皆の輪に入れない。 でも分かってあげて、ルカは今必死に輪に入ろうとしている。俺はルカの話は聞くけど、無理に輪に入らせようとしたくないんだ。 だから、ルカから輪に入ろうとするのを、待ってあげて?」 ね、と諭すようにリンに言った。 リンはまだ納得できていないようだが、しぶしぶとカイトの袖を放す。 「…もしずっと喋ってくれなかったら、お兄ちゃんのせいだからね!」 「うん。分かったよ」 言い終わると同時に、リンはリビングへと駆け出していった。 ミクはそんなリンをくすくすと笑いながら自分もリビングへ向かう。 「ねぇお兄ちゃん」 途中、立ち止まり、カイト方に振り向く。 「何だい?」 「待ってる、私も待ってるからね」 「ああ」 ルカがカイトの後ろから、たどたどしいくだがコミュニケーションを取れるようになるのは、それから少し経ってからだ。
GJ 引っ込み思案のルカもいいね だけど家族設定前提でカイルカはちょっと違和感あるもんだな 接点がというか唐突というか
ちょwwwwルー語使いのルカに乗ってくれた人有難うwwwww
綾波+ルー語…ちょっといいなって思ってしまったw
余談だがルー語変換っていうツールがあったwww
ttp://lou5.jp/
>>131 GJ
このルカはすごく可愛いですね
自分の中のKAITOは20〜21ぐらいなので
海外から帰って来たルカは同い年で誕生日も近いKAITOと
仲がいいって感じの家族設定でいけます
あぁ、ルカ可愛いよルカ でも設定が固まらないよ、ルカ マスルカが個人的ヒットでした 引っ込み思案というのも新しい がくメイが読みたいです あぁ考えがまとまらないよ、ルカ
You、全部書いちゃいなYo!
そうですか
俺の中の方向性が カイメイ、レンリン、マスミク、がくルカに落ち着きそう たぶん他のも書くけど、この辺が収まりがいいかなと しかしルカも家族設定にしちゃうとイチャコラしづらいななんとなく
ここでがくリンにハマった。だれか たのむ!
リリース順が近い同士ということで、ルカの世話を焼くがくぽに嫉妬するリンもイイジャナイ
>>110 > 凹むMEIKOと慰めながらもこれでMEIKOは俺だけのものっていう
> 腹黒KAITOしか浮かばなくて困ってる
需要はここにある。
存分に書いてくれ!
ギャグでとてもエロいがくリン読みたい読みたい
どうした急にがくリン需要増大かw 俺も読みたい
>>141 「みんなしてルカ、ルカって……私、巨乳設定も実は非公式だし、また影薄くなるのかな……少なくともここだけは出番多かったのに」
「そんなことないよ。めーちゃんが一番かわいいし、俺はめーちゃんの声が一番好きだよ」
「カイト、あんただけは忘れないでくれるよね?私を見てくれるよね?」
「うん、うん。俺はいつもメイコだけを見てるからさ。心配しないで……さ、部屋行こうか」
で、この後羞恥プレイとかをされるけどそのたびに「嫌いになっちゃうよ?」とか笑顔で言われて拒めないメイコとかそういうことですね!ん、あれ?違う?
とりあえず
>>110 の投下をパンツ一丁で待ってる。
145 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/10(土) 01:21:17 ID:Oz9nNxqd
がくルカ読みたい
がくリンというか、ポニョの威力が高すぐる… あれは無差別萌え兵器だ リンがロリ調声されてあると特に合うと感じた ただ、リンク辿ると意外にコラボ少ないから、成分補給したい部分もあると見ている 個人的には保管庫のガチも良かったが、光源氏計画も待ってる
ルカのキャラがもう少しはっきりしたら ルカレンルカ書きたいな。ルカいいよルカ 今の印象で書くとラブラブと言うよりも不倫的になりそうだw
>>144 何という腹黒カイトwww
新たな従順メイコ登場ですねwww
俺もSS書きながら
>>110 さんの投下を下半身裸で待ってる。
ちょうどがくリン&既存曲イメージもので妄想していたので これは神のお告げだ、という勘違いでバーっと書き上げました。 光源氏ではない上に注意点多数です。 ・某カバー曲をイメージしています (あくまでイメージで歌詞とは違ったりします) ・江戸時代っぽいパラレル設定 ・がくぽロリコン ・リンの口調がリンじゃない ・暗い ・ぶっちゃけ遊郭の話 ・でもエロ描写はカット ・なんかくどい ・横文章なのに漢数字使用 以上の項目に嫌悪感や地雷臭を感じた方はNGワードは 籠のトリで回避して下さい
151 :
籠のトリ :2009/01/10(土) 03:02:23 ID:uh4da/I9
自分が彼女…リンと出会った時、彼女はまだ幼い少女だった。 馴染みの女の付き人として現れ、他の娘は消してしまった光を 一切隠すことなく自分に近づいてきた。 無邪気に笑顔を振りまいている姿は彼女の辿る道を全く想像させず、 反って憐みを感じたのを覚えている。 時が経ちリンは見習から遊女になった。 まだ年若い彼女は上の女にも客にも小娘扱いされ 『そういう趣味』のわずかな客を相手していると聞く。 そしてリンの一番の相手はおそらく自分である。 酔狂だ、と他人は言うし、自分でもそう思う 何故 色恋の技を知らぬ娘を好んで買い、その上指一本も触れないのか・・・。 ただ他の女と絡む気もせず、かと言ってこの娘を抱こうとは思わないから、 そう結論付けているが本当のところは分かっていない。 「がくぽさん。」 窓枠に腰をかけ外をぼんやりと眺めていると、ふとリンが呼びかけた。 「今日はお喋りもしないのですか? これでは夜は更に長ってしまいますよ。」 「別段話すことなど無い。 もし語りたいことがあるならお主が勝手に語ればよい。」 「…私には話せることなどありませんから。」 言葉が見つからなくて、しかたなく沈黙を返しまた目線を窓に投げる。 雪で白く染まった道を月が照らしていた。 カサカサと衣の音がし瞳を端へとやると菊色の着物が自分の脇に座っていた。 「がくぽさんが私を買うのはなぜですか?」 かすかにリンが呟いた。 「同情…ですか…?」 だんだんと声は震えていく。 泣いているのかもしれない、そう思ったが慰め方を知らないから黙って月の方を見た。
息を飲む音が聞こえたかと思うとふとリン己の手をがくぽの指に乗せた。 紅葉のようなに小さく温かい彼女のものが自分の一部と重なっている。 『初めて触れた… 触れてしまった。』 訳の分からない恐れが体を巡る。 「お情けで買えても、汚(けが)れた身は触れることすら厭いますか?」 違う、と叫びたかった。けれども、できなかった。 「私は卑しい女です。 「体を売らなければ生きてはいけません。」 耳にかかる吐息が更に心を揺らす。 「知らない人に抱かれても、心を拒絶されても、 せめて…自分が好いた人に触れて欲しいから、だから……!」 言い終わる前にリンの口を唇で塞ぐ。 乱暴に顔を寄せ、ただ長く、押しつけるような口づけ。 信じられない、というようにリンは目を見開きやがて目を細めた。 分かってしまった。 彼女を求める理由、触れることのなかった理由。 自分が狂うこと、彼女を壊すことが怖くて枷(かせ)をつけて必至で留まっていたのに 今、彼女はそれをあっさりと壊したのだ。 もう止めることはできなかった。 そのままリンを押し倒し、帯をとく。 何度も経験したはずの行為なのに手は酷く震えていた。 「拙者(せっしゃ)は慈善で女を買うほど出来た男ではない。」 襟を広げ素肌を晒す。 今まで手足よりもずっと白く小ぶりなソレはどんな女のものよりも魅力的だった。 「優しくはできぬぞ」 「はい…。」 嬉しいです、そう動く口に再び蓋をし、二人は短い夜に落ちて行った。
153 :
以上です :2009/01/10(土) 03:07:32 ID:uh4da/I9
以上です
1回目の投稿で "1/2"をつけ忘れてました。
リン視点は排除したので分かりにくかったらすみません。
自分の力不足です。
ロリコンの趣味はないけれど、がくリンは目覚めたらかなり危ない。
うっかり自給自足してしまいました。
>>146 には全文同意
>>151 溶ける程萌えた・・・・萌えたが切ない;w;
>>138 自分の方向性もそんな感じ。
ルカはいとこ設定だと使いやすそう。
最近帰ってきた帰国子女で引っ越してきてがくぽのお隣さんとか
156 :
150 :2009/01/10(土) 04:09:19 ID:y7MQZYo/
id違うと思うけど、151です。
脳内修正お願いします。
2/2の1行目
息を飲む音が聞こえたかと思うとふとリン己の手をがくぽの指に乗せた。
→息を飲む音が聞こえかと思うと、リンが己の手をがくぽの指に乗せた。
リン己ってなんぞや。
修正しようとしたらこの文全体が分かりにくいことに今気付きました…。
(でも前後の繋がりから自分には修正できそうにない。)
他にも変な所があるかもしれません…。
>>154 なんとか身請けまでもっていきたかったが、良い案が浮かばずこんなことに。
暗くてごめん
>>151 GJ!!!
がくぽもリンもどハマリだ、良い。ロリコンのロの字も浮かばなかったぜ!
>>153 最近がくリン少なかったから嬉しい
あのカバー曲自分も好きだけど曲のイメージにすごくあってると思った
GJです
CV03が徐々に明らかになってきてる!
ルカ様登場で存在意義に不安を感じたメイコが真っ赤な顔で「何でもしますから捨てないでください…」
とベッドの上でスカートをたくし上げながら涙声で懇願するところまでを
今朝方夢で見てネタにしようと思ったけど、
うちのメイコたんはほわほわしていながら、マスターに歌わせてもらえることをプライドにしていて、
新しくきた子と仲良くできたらいいなあとか思ってるおっとりさんで、
マスターも秘蔵っ子のメイコを溺愛だからそんなネタ書けなかったぜ!
>>86 と
>>87 と酒を酌み交わしたい。
そして
>>110 と
>>144 に超期待!正座して読ませてもらうわ!!
某所で見たミクデレなルカに禿げた。 KAITOが自分は旧型であることに悩んでる感じの カイミクが好きなので、旧型なのにどうしてミクに一番 愛されてるのかとKAITOに当たるルカとグルグル悩むKAITOな カイミク+ルカが浮かんできましたよ。 しかしどうしてもルカが一番男前になる。 ルカ妄想が暴走するよルカ。
ショタコンルカのルカレンもいいかも
165 :
110 :2009/01/10(土) 15:01:11 ID:+bfWhaMi
な、なんだと意外と需要あるのか…?!
とりあえず早筆ではないので服着てくれwwwちょっと書いてみる
>>144 半裸で書きながら期待してる
レンリンは需要なさげか・・・?
>>166 投下ですか?
レンリンは今さら口に出す必要もない程メジャーだからではないかと。
ということでさぁ来い!
リンレンwktk
ボカロが出て居るSSなら需要の無いものなんて無いんだぜ? つーか……誘い受けする時間を惜しんで書いてください書き手様方!
エロパロに限らず2chのどこでも、メジャーカプは2ch外でも良く見かけるから それ以外の需要が高まることが多いな
がくミクとがくルカとレンメイを期待して待ってる
>>169 誘い受けじゃなくてリアルに時間がないんだ…
レンリンはあんまりエロが求められるようなカプじゃない気がする。俺は好きだが。
カイメイなんかはメジャーだと思うけどここでも多い気が。いいぞ。もっとやって下さいお願いします。
エロパロ以外でマスター物がないのでください
>163 同じ様なこと考えてたー! 是非書いてください。おねがいします。
スパイな某曲のせいで死合いながらエロ展開になだれ込む やす…カイトとメイコの妄想が止まらないんだぜ チャー○ーズエンジェルと突っ込まれてたけど ビパップだよなあアレ
>>175 よし、分かった。じゃあ続きを書く作業に戻ろうか。
とりあえず誰か投下するまで全裸待機しとくわ
巡音さん出現でのボーカロイド一家内の変化について妄想したので エロはありませんが書いたものを置いていきます。だから全裸の人は早く服を着て下さい。 ※注意※ ・マス←ミク要素あり、ミクテト友人設定 ・ボーカロイドは全員同じマスターの家で同居(家族状態) ・がくぽはボカロ家の隣人、UTAUは皆でめ○ん一刻のようなアパートで共同生活(寮状態) ・巡音ルカさんはほんわか家事万能お姉さんキャラ設定です NGな方はタイトル 初音ミクの葛藤 で回避をお願いします。
「テトさぁあああああんっ!!」 どたどたどた、と木の廊下を踏み抜かんばかりの勢いで、ミクの足音が響く。 コタツでフランスパンチップスを手にDVDを堪能していたテトは、 驚くと同時に溜息をついて、今度は何かと思いながら立ち上がった。 「まったく、毎回言ってるだろう、ここの廊下はもっと静かに…」 「テトさんテトさんテトさぁあああんっ!わたし、私もう駄目ですきっと終わりなんですぅううっ!!」 扉を開け注意を喚起したテトにぶつかってきたのは、全力でダイブしてきたミク自身であった。 どたっと畳に音を響かせながら部屋の中に倒れ込んだのに、ミクは喋りも動きも止めようとしない。 「どうしようテトさんわたしどうしたらいいのぉおおっ?!もうオワタだよオワt」 「いいからまず退けぇえっ!あとネギ振り回してボクの顔を連打するなぁああっ!!!」 【初音ミクの葛藤】 冒頭から五分後、ミクはテトの部屋のコタツにバツが悪そうに縮こまっていた。 お互いに額には絆創膏(ミクのネギとテトのフランスパンが殴打された結果である) そしてコタツの上には、ミクが振り回していたネギを使ったガーリックトーストならぬ ネギトーストが皿に並んで置かれている。(食品は有効活用とはテトの言葉だ) 「…で、キミのところに新しい”家族”がやってきた、と」 「はい…あの、リリース的にはわたしの妹なんですけど、 でも外見とか中身とかお姉ちゃんで…えぇっと、何て呼べばいいのかな、こういう関係…」 「ややこしいな、取り敢えず名前で呼べばいいだろう…巡音ルカだっけか」 額をフランスパンで叩かれた痛みではなくずっと涙目のミクに、テトは溜息をついた。 ひょんなことで知り合ってから、今までもやれお兄ちゃんがミクのアイスを食べただの めーちゃんがミクのネギを酒のつまみにしちゃっただの、はたまたリンのロードローラーに 乗ってみたら車庫壊しただの、レンくんが普通に接してくれないだのと (最後のはそりゃ思春期の男子だからだろう、とテトは思った。言わなかったが) 相談…というより、家族自身には話せない愚痴のようなものを言いに来てはいたが、 今日のように最初から泣きべそなミクなど、今までテトは見たこともなかった。
「そのルカって子と喧嘩したのか?どSだったとか、女王様だったとか?」 「そっ、そんなことありません、ルカちゃんはとってもいい子…えっと、いい人です!」 薄切りのフランスパンで作ったネギトーストを摘みあげながら、テトは尋ねた。 探りを入れた言葉を頭から否定したミクは、困ったような表情のまま続ける。 「ルカちゃん、すっごく家事が上手なんです、お掃除も洗濯もお料理も… それで、めーちゃんのおつまみ作ったり、お兄ちゃんと一緒にお皿洗ってたり、 リンやレンくんともお話してるし……一生懸命、頑張ってるんです………それに…」 「…それに?」 「……それに、マスターもすごく…助かってる、って…」 ミクは無垢で純真で、生きにくい時代に生まれたなとテトが思うような内面を持っていた。 それでも、純粋さ故に、心を許している家族や隣人の話になると、結局最後には 幸せそうな顔と声で、楽しそうに日常を語るのが常であった。 なのに今日はどうだろうか。 離しているうちにミクの瞳に滲んでいた涙は粒の大きさを増し、ついにぽろりと零れ落ちた。 「っ…一生、懸命で……はやく、家族になって、い、っしょに、うたい、たい、って…」 華奢な肩がふるふると震え、コタツ布団を握り締めた手の上に涙が落ちていく。 堪えきれなくなったミクは顔を伏せ、トレードマークのツインテールもしなびた様にしなだれている。 ぽた、ぽた、と雨上がりの軒先を思わせるような音が、ミクがしゃくり泣く音と共に響いていた。 「…嫌いになった?」 「ち、がいま、す…わたし、ルカちゃん、きらいじゃ、ない…」 「じゃあ、怖くなった?」 ミクの肩が、びくりと跳ねた。 「…キミは、怖いんだな、ルカのことが…いや、そうじゃない」 「やめて…テトさん…」 「……マスターの心が、ルカに向いてしまうことが」 「やめてぇえっ!!」
悲鳴を上げるように叫んで、ミクは頭を振った。 ヘッドホンを掌で塞ぎ、唇を強く噛んで、全身を震わせて、瞳をぎゅっと閉じて。 外界の全てを拒絶するように、押し込めた声で泣いていた。 ミクがマスターを親愛や敬愛以上の感情で見ていることは、テトも知っていた。 いや、きっとあの家の中の誰もが知っている、暗黙の事実だろう。 だけど、純粋すぎるミクの心は、今の感情についていかなかった。ただ悲しくて、苦しい。 ――その気持ちは嫉妬と言うんだよ、と教えることさえ、周りははばかる位に。 「わた、わたし、の、わがまま…ッ、なんで、す…マスターも、ルカちゃんも、わるく、な…」 「キミは実にばかだなぁ」 泣きじゃくっているミクの頭に、そっとテトの手が重ねられる。 向かい合っていた場所から立ち上がり、ミクの隣に移動していたテトは、頭に置いた手でゆっくり撫でた。 「キミも何も悪くない、なのにキミは自分が悪いと思ってる…だから、ばかだなぁ、と言ったんだよ」 「で、もっ…テトさん、わたし、わたし…!」 「考えてごらんよ。もし、キミのマスターが新しいボーカロイドにだけ心を傾けるような人だったら。 …リンとレンが来たときにもうそうなっていた筈だろう?」 肩を上下させて必死に息をしながら泣きじゃくるミクの背を、もう片方の手で撫でてやる。 ミクの両腕がすがるように抱きついてきたのをテトは拒否もせず、優しく抱き返してやるようにしていた。 幼子をあやすように、頭を撫でながら、背中をぽんぽん、と撫で続ける。 まだ涙が止まるわけではなかったが、ぎゅうと抱きついたミクはしゃくり泣きながらも 先ほどのテトの問いかけに、こくりと静かに頷いていた。 リンとレンくんがやってきた日。 ミクにとって絶対に忘れられない日。初めての、妹と弟が出来た日。 ”わたしも、もうおねえちゃんなんだから!”と張り切って、色々失敗したのを覚えている。 けど、その失敗を心配してくれたお兄ちゃん、めーちゃん、リン、レンくん。 そして…そんな失敗ごと、わたしの全部を受け入れてくれた、マスター。 あの時と同じ筈なのに、心はこんなにきりきりと痛くて冷たい。 このまま冷凍庫に入れっぱなしのアイスのようにがちがちに固まって、砕けてしまいそうなくらいに。
抱きついた腕のまま、テトのぬくもりに甘えながら、ミクは泣き続けていた。 少しずつ様子が落ち着くのを見計らいながら、テトは言葉を紡いだ。 「ルカのその頑張りを見たから、歌でも自分より頑張られちゃうんじゃないか…そう思ったんだよ」 「そ…そう、です…か…?」 「きっとそう。そして、ルカも…歌いたくて歌いたくて、少し頑張りすぎたんだよ、色々と」 「ルカちゃん、も…?」 苦しかった息が落ち着いて、ミクはやっと顔を上げた。 いつものツンとした雰囲気とは違う、優しいテトの瞳が自分をじっと見ていて、目を見開く。 まだ少しこぼれてくる涙を袖で拭いてあげながら、テトは頷いた。 「その子…ルカは、本当は、キミの代わりにリリースされる筈だったんだろう?」 「は、はい…わたしもよくは知らないんですけど、でも、わたしが先にリリースされて…」 「だとしたら、ボクは、ルカは歌いたくて歌いたくて、ようやくキミのマスターの所に来れたと思うんだ。 だから、自分の家族になる皆のためになりたくて、歌以外の色んなことを頑張ってる。 …早く家族の一員になりたいのさ。キミたち、”VOCALOID”のね」 テトの声に、ミクは驚いたようにゆっくりと瞬きをして、涙をこらえる様にぎゅっと目を閉じた。 がちがちに痛いほど凍っていた心は、柔らかな春光に解けて、ちゃんと物事が見えるようになっていた。 もしわたしがルカちゃんの立場だったら…歌いたいけど、マスターも居なくて、 ずっと調整に時間がかかって、研究室の中で何度も何度も同じ歌で、その風景以外知らなくて。 …寂しい。もしわたしだったら耐えられない。わたしは、マスターの暖かさを無くすなんて考えられない。 それからマスターの家に来て…皆と会ったら……嬉しい、すごく嬉しい。 家族になりたい、頑張りたい、そして…皆に、”私”を認めてもらいたい…。 にじむ涙を最後にしようと、ミクはずずっとすすり上げた。 不恰好だったけど、それがミクなりのけじめだったようで、次に顔を上げたとき、 そこにあったのはいつものミクの笑顔だった。
「テトさん……えっと、その、すいません…」 「なぁに、かえって耐性がつく。もしまた家で何かあったら、ボクのとこにおいで?」 「あ、ありがとうございます…」 「ただし、今度は廊下は静かにね…さ、用件終わったら早く帰るといいよ。 来たときの様子じゃ、誰にも言わずにココに来たんだろう?」 腕を離したテトの言葉に、あ、と小さく声を発して、ミクはテレビの上の目覚まし時計を見遣る。 示されていた時間は、自分が飛び出してから一時間は経っていた。 「ほら…キミのとこの兄さんがマフラー振り回して探さないうちに帰りなよ」 「は、はわわわ…ご、ごめんなさいテトさん、このお礼はまた後日!ちゃんとします!!」 ぺこぺこと頭を上下に振った後、ミクは慌てて立ち上がった。 戸口へ向かう慌しい姿に、ツインテールがふわふわと揺れていた。 柔らかな笑顔でテトが後姿を見送ろうとしたとき、ミクがくるりと振り向いた。 「あの…ありがとうございましたっ!いつも、テトさんに頼って、でも、すごく安心できるんです!」 「どういたしまして。今度のお礼はネギ以外で頼むよ」 「はいっ!!」 満面の笑みを浮かべたミクの頷きにつられて、しょうがないなぁ、と言う風にテトは笑顔を見せた。 先ほど告げた言葉も忘れたのか廊下を小走りに去っていく音を聞きながら、 テトはコタツに入り直すと、DVDの続きを見ながら冷めてしまったネギトーストの残りをかじり始めた。 「……すごく安心、か…」 それは家族の皆に対するものと同じだろうか、と先ほどのミクの言葉にテトはふと考えた。 一緒に住んでいる家族に出来ない相談も何度か乗った気がするし(マスターへの好意とか) 自分のところに飛び込んでくる時は大抵、家族には言えなくなった内容ばっかりだ。 「…よく言えば頼られている友達……でなければ…」 『おかーちゃーん!』 呟くテトの言葉に重なるように、DVDの中のお笑い芸人が思いっきり叫んだ。 ぽとり、とネギトーストを手から落としながら、テトは固まった。 確かに、確かに実年齢上は産めても無理はないけれど……! 翌日、近所のビデオ屋に、珍しく延滞せずにDVDを返すテトの姿があったのだった。 【END】
純真無垢なミクと、頼られると母性本能的につい優しくしてしまうテトさんじゅういっさいが大好きです。 ミクテトのような、テトミクのような。この二人が仲良くしているのが見たかったので書いてしまいました。 ルカさんはほんわか家事万能お姉さんキャラだと自分の中では信じてる! お付き合い下さりありがとうございました。テトとミクが増えることを祈りつつルカさんを待つ!
>>185 おバカロイドの人かな?テトがそんな感じしただけですが
テトミク可愛すぎる!オカンテト萌えた
いい話でジーンとしてたのに最後の「おかーちゃーん!」でクソワロタwwwww ちょっと百合板にテトミク書いてくるわ。
GJ!
>>185 GJ!なんという母娘w
>テトさんじゅういっさい
テトさん十一歳に見えて焦った
とあるサイトのナンバリングの話を見て書きたくなった小話。 やまなし・おちなし・いみなし・えろなし。ごめん‥‥‥でも後悔はしない。 ナンバリングで妄想GO! でNGしてください。 CPはカイ→レン 無し ミク←ルカ→KAITO かな?
その日KAITOは久しぶりにクリプトン社に来ていた、キャラクターのリセットのためだ。 全国で千人程度のユーザーしかいないKAITOだが、キャラクターの色付けをする人間は必ずしも少なくない。 亜種等を見ればその分裂具合は寧ろトップと言える。受けるフィードバックも激しい。 最近はどうゆうわけか嗜好の端々がどうもウホッ方面に流れそうになる。 流されれば『そう』なるので別に構わない(というか構わなくなる)のだが、KAITOは今の所誰かと取り返しのつかない段階まで行くのは嫌だった。 そっち方面は一歩踏み出しただけでもあっという間にその段階まで持って行かれそうになるし。 まあなにわともあれ。 受付でアポイントを取ってキャラクターカタログを見ながらKAITOは時間を潰していた。 『買い物』でレンに構ってもいいし『アカイト』でクールにキメてもいい。『伸びた?』で鬱るのもありといえばありだ。 『KAIKO』は人格的な問題はないけど、体格の変化が大きいし出来れば敬遠したい。 怖いもの見たさから発生したMEIKOのアンインストール事件を思えば、帯人とか鬼畜眼鏡は100パーセントアウトだ。だったら……とか思っていたら、 「これはどうだ? 『おなじ』妹に優しくなってみないか?」 すっと上から手が割り込んで来て一つのキャラクターを示した。VOCALOIDの人格/キャラクター研究の主任、通称『おっさん』だ。 「おっさん、それ妹違うから、ただのミク専だから」 「む、そうか、なら……」 「いや、なんで妹を大事にしてほしいのさ、おっさん」 「うむ、CV03が自立起動段階まで来たから『家』に連れ帰れ。とのことだ」 「え、03って女のk……いやまて落ち着けオレ。まだそうと決まったわけじゃないだろ? そう、寧ろ男の子だからオレが03にばかり構ってミクやリンを蔑ろにすることを恐れてるんだそうに決まってる。 がくぽはお隣りさんだしレンはリンが独り占めしてるし03が最後の壁なんだ、 『買い物』を地で行ける家族になるための最後のおとうとぅおおぉ!?」 なにやら頭を抱えぶつぶつ言い始めたKAITOを、おっさんはショックスティックでバチバチっとやった。 ダウンロードした人格が扱いきれないものだったときに使う武器だが、VOCALOID達の変なスイッチが入ったときの気付けでしかない。 そもそもVOCALOIDが暴れ出したら人間にはどうしようもないし。 「はっ、どうしたんだっけ?」 「CV03が妹として出来たんだよ」 「妹……ですか。まあリンやレンは喜ぶだろうし、あ、でもそのせいでレンが今まで以上に構ってくれなくなったら ……どうしようただでさえレンはリンのものなのにそのうえ03までレン狙いなんてそんなのダメだダメだダメだオレがレンを03の魔の手から守らぴぎゃあ」 おっさんはなにも言わずにKAITOのキャラクターをリセットすることにした。このままじゃ話が進まない。 そういえば自己診断書にはBL属性を消して純粋な弟萌に戻るためだとか書いてあったなぁ、まったく定期的にメンテナンスに来ないからだ。 そういえば他の四人も半年くらい見てないなぁ……とか、03を送り出すことに一抹の不安を覚えながら、倉庫から出て来るようになったころに人格をダウンロードした。 少々無機質かもしれないが、突飛な性格で03に変な癖を付けられても困る……という判断だった。らしい。 ただめんどくさくなったから適当にやったなんて口が裂けても言えない。 「いいか、KAITO、CV03を家に連れて帰るんだ」 「はい、妹ですね? リンもレンも喜ぶだろうな」 「紹介しよう。巡音ルカだ」 「巡音ルカちゃん……はじめぇ!?」
* * * 「ただいま」 「おかえり! お土産は!?」 KAITOが家に帰るとリンとレンがまず顔を出した。すぐにミクとMEIKOも玄関まで出て来る。 みんなどんな人格で帰ってきたのかが気になるのだろう。 そんな家族にKAITOは少し深呼吸してから告げた。 「みんな、実は家族が増えることになったんだ」 玄関に戦慄が走った。KAITOは皆の表情だけで全てを理解した。全員がCV03を期待してる。 特にリンとレンが年下の弟妹を期待してる。ごめん、期待に応えられない兄さんを許してくれ。 心の中で許しを請いながら玄関の扉を開け、外で待つ彼女を招き入れた。 「巡音ルカさんだ……」 そう紹介されて入って来たのは小学生はおろか中高生でもきかない、(設定年齢20歳の)女性。 戦慄が凍り付いた。予想通りの反応だ、とKAITOは思ったがリセットしたばかりのKAITOとしばらくその辺の調整をしてない連中では、 心の動きの大きさが全く違う。都合の悪いことを認めない解釈というものがある。 つまり…… 「おめでとうお兄ちゃん」 「結婚おめでと」 「にいさん……ダメだよ、決まった相手がいたなら男除けの指輪をしないと」 「くうっ、こんな馬鹿な弟をもらってくれる人が現れるなんて……!」 KAITOは愕然とした。そこまで逃避することないだろうと思った。 そして僕が結婚することよりCV03が大人であることの方が信じ難いことなのかよ、僕はこんなに皆を愛してるのに……と切なくなった。 「ご安心めされいKAITO殿、貴殿の姉妹は不肖このがくぽが昼夜問ぐほぉ」 とりあえずどこからともなく現れたがくぽは黙らせた。 * * *
1時間に渡る限りなく懇切丁寧な説明と謝罪によってルカの誤解は解けた。 誤解させた罰として今日はKAITOのベットをルカが使うこととなった。KAITOは居間の床に毛布一枚だ。ちょっと寂しい。 KAITOが涙で枕を(ないけど)濡らしていると、忍ばせた足音がする。 どうやら枕元で止まったらしいそれにKAITOが意を決して顔をあげると、そこには巡音ルカが立っていた。 「クリプトンに帰りたい」 MEIKOから借りたくま柄のファンシーなパジャマを来たルカがKAITOにそう告げる。とっさにKAITOは返事が出来なかった。 「ここには初音ミクがいる。私はクリプトンに帰りたい」 「どうゆうことだい?」 KAITOの質問に、ルカは(パジャマなのに)立てていた襟をたたんで見せた。そこには01を×で掻き消した跡があった。 「私はああなれたはず。彼女ではなく私があの歌(初音ミクからの〜)を歌って、貴方の歌姫になれたはず……そう思ってしまうとたまらないの。だから」 「ルカは僕が好きなのかい?」 「別に」 ルカはサクッと切り捨てた。これだけ迷いも躊躇いもないと期待してなくてもダメージはでかいと思う。 うんだから別に僕は期待してなかったよ? 軽く涙が出そうになったけど、横で聞いててもそうなったはずさ! とはKAITO談。 「ただ、誰かにとっての唯一者であることには憧れていたわ」 「うーん……そんな気にすることないと思うよ」 「貴方になにがわかるの?」 刺も毒もない純粋な疑問苻がKAITOの胸を突いた。この首の02のナンバリングが掻き消されたとき、 自分も同じように悩んだだろうか? すでに記憶にはないリセットされた人格に彼は思いを馳せ、そして、 「みてごらん、ルカ」 「……貴方にもあったの」 「最初のMEIKOにはなかったけど、僕は二人目だったから。売れなかったから忘れられて、消されたんだけどね」 「……」 「ちょっと悩んだりしたけど、それでも僕は今みんなが好きで大事だよ。だから大丈夫、すぐに気にならなくなるさ」 考えるのをやめた。それを見せて、なお彼等が好きだといって、それでも納得してもらえないならしょうがない。そう結論ずけた。 「他の人は、これを?」 「知らないよ、気分悪くなるだろうし」 「……」 「……クリプトンに帰る?」 「ここにいる、このことは二人だけの秘密」 「うん! 早く皆と仲良くなれるといいね」 「それより私は」 貴方を理解したい。 寝室にかえっていく彼女の言葉を、KAITOは聞き取ることが出来なかった。 終わり 半端すぎでごめん
もうちょっと頑張れと思ったがGJ
>>163 遅レスだが自分もそのカイミクのシチュ好きだ!
エロパロではカイメイ、レンリンの職人さんが熱いからカイミクも便乗して盛り上げて行きたいんだぜw
>>190 GJ
カイトとがくぽの扱いにワロタw
>>29 の純情マスターとクールなルカさんを書いた者ですが
なんか連載とか言われたので調子こいて続編書きました
・マスルカ
・エロなし
・シリアスっぽいど
・無駄に長い
なので、苦手な人はNGNG
特に、前回のような軽いノリからはちょい離れたんでご注意を
私の名前は巡音ルカ。ボーカロイドのCVシリーズ第三弾として生み出された。 私は先代や先々代から教訓を得て造られた新時代の歌姫…だそうだ。 余計な感情はいらない。歌を歌うだけでいい。人間を邪魔するためにいるのではない。 …そう教えられ、売り出され、私が辿り着いた先は、とても温かな場所だった。 *** 「うーん…」 私の持ち主であるマスターが、ペンを片手に唸っていた。 さっきからずっとああして、マスターは作詞作業を行っている。 私はそれを待つばかりで、手伝うことは出来ない。作詞プログラムは持っていないのだ。 歯痒く思いながら、私はまたパソコンのモニターに目を向けた。 モニターの中の動画には、空色の髪をした女の子が歌いながら踊っている。 楽しそうに独特のステップを踏む彼女は、初音ミク。 私の先輩にあたる、CVシリーズの第一弾だ。 マスターは「とりあえずミクとかの歌を聞いててくれ」と言った。 マスターは聞かないのですかと尋ねたら、「もう腐るほど聞いたからいいんだよ」とどこか誇らしげに答えた。 ―――マスターはいつも明るい。私はマスターに買われて良かったと思う。 彼の傍にいると、昔忘れたはずの何かがこみ上げてくるのだ。 温かくて安心する何かが。 それをこの間伝えようとしたら、またエラーが出てしまって叶わなかった。 …開発室にいた時はこんなことはなかったのに。最終チェックも確かに通ったはずだ。 何かがおかしい。マスターに、か、可愛いと…言われた時から。 「ルカ!ちょっとこれ見てくれ!」 いきなり話しかけられてびっくりしてしまった。 …びっくりすること自体おかしいはずなのに。何故なんだろう。 気をとりなおして、興奮気味のマスターに振り向く。 「はい、マスター」 「ほらっ、どうだ?このフレーズ」 ぺらりと渡されたメモ帳には、多くの文字が踊っていた。 赤く丸をつけた箇所を指差して、マスターは笑う。 「ちょっと良くないか?自分で言うのもなんだが」
マスターの言うフレーズに目を通す。 私は作詞が出来ない。作曲も出来ない。 ただ、マスターが作ったこの詞が、温かな響きを持っていることだけはわかった。 「とても良いと思います、マスター」 「マジで?」 思ったままを告げると、マスターは顔を輝かせた。 またエンジンの回転が僅かに早くなり、気付かれないように二の句を継ぐ。 「はい。特にこの、“君が―――”」 「うわっちゃぁ!口に出すな!恥ずい!!」 「…ですがマスター、私はいつかこれを歌うのでしょう」 「いや、メロディに乗せるのと音読するのじゃ…なんというか…わかってくれ」 「わかりました」 「早っ」 マスターがわかってくれと言ったら、私はなんとしても理解してみせる。 …そんなことを言おうか言うまいか悩んでいる間に、マスターはふっと笑った。 どきりとする。 「よし、じゃあもう少し頑張るかな」 「……マスター」 「ん?どした?」 「……いえ、なんでもありません。あまり根を詰めすぎないよう」 「おー、ありがとな」 マスターの傍から離れ、私はまたパソコンの前に鎮座する。 …やっぱり私は壊れているんだろうか。 画面の中で、姉上がとても明るい笑顔を振り撒いていた。 *** マスターの詞は、とても良い出来だった。 すでに出来ていたメロディと合わせて、マスターが軽く歌ってくれた。 私はマスターが指示した通りに歌う。初めての、マスターが作ったオリジナル曲を。 練習として色々な歌を歌った。マスターが作った歌を歌う時のために。 それだけのために私はいる。 マスターの役にたつために。
―――なのに。 「…ごめんな、ルカ」 「何故マスターが謝るのですか」 「いや、だってさ…ルカはもっとちゃんと歌えるだろうにさ、俺がダメダメなせいで」 「そんなことはありません。マスターはちゃんと私を歌わせてくれました」 マスターは、ルカは良い奴だなと言って、私の頭に手を置く。 ―――私は上手く歌えなかった。マスターの作った曲の魅力を、ちっとも表せなかったのだ。 ボーカロイドは一人では歌えない。マスターの指示がなければ歌えない。 私は…巡音ルカはそれが特に顕著だった。だからマスターは落ち込んでいるのだろう。 私が上手く歌えないのを、自分のせいにしてしまっている。 …本当は、私が壊れているからかもしれないのに。 「ルカ」 マスターの声に顔を上げる。 ほらだってまた、エンジンが高速回転して、人工頭脳が発熱を始める。 それは私の頬を赤く染める。 「うおっ、また赤くなってるぞ」 「…マスター」 「…今日はもうやめにすっか。明日も休みだし、また明日にしよう」 「マスター!」 生まれて初めて声を張り上げた。 マスターの手が、驚いて離れる。 「な、なんだ?どうした」 「…私は、欠陥品です」 「はい?」 「私はマスターのご期待に添えられません。すぐに別の個体とお取り替え下さい」 「んな、何言ってんだよルカ。そんなことしないって言ったろ?」 「ですが、私は確実に故障しています!」 マスターの笑顔が消えて、戸惑いに変わる。 私はマスターの真っ黒な瞳を見ることが出来ず、顔を下げた。 「…なんでそう思うんだ?」 「私はエラーを頻発しています」
「いやぁだから、それはエラーじゃ…」 「マスターにこ、言葉をかけられたり、ふ、触れられたりっ…する度に」 「る、ルカさん?」 「えええエンジンがっ回転し、発熱、う、ああわあわ」 「ちょ、ルカ!?」 エラーエラーエラー。 思考回路が熱を発して目の前が真っ白になる。 私の忘れたはずの何かは、瞳から溢れてこぼれ落ちた。 製作段階で破棄されたはずのプログラムが目を覚ましている。 止まらない。 涙が止まらないです、マスター。 「ルカ!落ち着けって!!」 肩にマスターの両手が乗り、軽く揺さぶられる。 白かった視界がだんだん形と色を写して、それはやがてマスターになった。 「ル……え?お前、泣いて」 「…私は、おかしいのです。いらない感情が出てきてしまいました…」 「…い、いらないなんて」 「マスターは、そのつもりで私を買ったのでしょう?感情がないロボだから、私にしたのでしょう?」 マスターの表情が固まった。マスターは嘘をつくのが下手な人だ。 最初から知っていた。 それでいいと思っていた。 「マスターの期待に添えられないなら、私がここにいる意味はなんなのでしょう?」 あと一押しだ。 「私は、」 ―――その一押しを口に出すことは出来なかった。 気付けばマスターの腕が、手が、私の背中に触れていた。 右肩に、マスターの頭がある。マスターの肩が私の目の前にある。 身体の前面がマスターに触れている。 抱き締められている。
「ああああのな!」 マスターの声は裏返っていた。 「お、俺は!ルカがいいんだ!」 「!?」 「他のルカじゃ駄目だ!お前がいい!壊れてるかもしれなくても、お前がいい!」 マスターの腕に力がこもった。 「さ、最初は確かに、ロボっぽいって聞いて…自信がなくてルカを選んだ」 「……」 「けど低音が綺麗で惚れて、いざ目にして、い、色々あって、ルカを選んでよかったって思ったんだ」 「…マ」 「お前はもう俺のパートナーだ。俺は今のルカがいい。他の代用なんて無理だ!」 「…マスター…」 「なな、なんだ!」 「…苦しいです」 私が呟くと、マスターは奇声をあげながら離れた。 初めてこの部屋に来たときのことを思い出す。 違うのは、あの時は事故だったけれど、今はマスターが望んでのことだったと言うこと。 …そうだ。最初からマスターは言っていたではないか。 今の私の方が好きだ、と。 「マスター」 顔を真っ赤にしている彼を呼ぶ。きっと私も同じ色をしていることだろう。 エンジンは高速で、しかし規則正しく動いていた。 エラーはおきない。 「私は、上手く歌えないかもしれません。他の巡音ルカと違うかもしれません」 「…ルカ」 「それでもマスターは」 たとえ私が歌えなくても。 「まだ、私に歌わせてくれますか?」 「―――当たり前だろ」
マスターは笑う。 初めて誉めてくれた時と同じように。 嬉しくて涙がこぼれた。 「ちょ、泣くなって。ティッシュどこやったかな」 「申し訳ありません」 「いや、謝んなくてもいいんだぞ」 「では、どうすればいいのでしょうか。私にはわかりません」 その時、私の涙をティッシュで拭うマスターが一時停止した。 そしてなんだかそわそわし始める。私が思わず首を傾げていると、マスターが口を開いた。 「…言っていい?」 「? 何をですか」 「馬鹿にしない?」 「何を言おうとしているのかはわかりませんが、それは決してしません」 するとマスターは咳払いをし、私にまっすぐ向き直した。 はにかんだ唇から出た言葉は。 「…笑えばいいと思うよ」 再び一時停止。 …ややあってマスターは真っ赤な顔をして頭を抱えた。 ぐわんぐわんと頭を上下する。 「ぐわあぁー!今のなし!今のなし!!やっべ超痛い!痛すぎる俺!!」 布団があったらごろごろ転がりそうなマスター。 思わず私は、 「…ぷっ」 吹き出してしまった。 マスターが顔を上げた。 そのあまりの赤さに、止まらなくなる。 「ふふ、あははっ」 私は、生まれて初めて笑った。
涙はとっくに止まり、湧き出る温かさは全て声に出ていく。 「は…はは」 「ふ、ふふっ、くす」 「あはははは!」 マスターも笑い出す。 まるでデュエットのように、笑い声が響いた。 悩みも迷いも苦しみも全て吹っ切れて、私たちはただ笑っていた。 今なら、心の底から言える。 私は、この場所にきて、この人と出会えて本当によかった、と。 *** 「…こっちはツンデレか」 「下には無邪気と書いてあります、マスター」 俺たちは一つのモニターに写し出された、とあるサイトを見ていた。 それは巡音ルカを購入したマスターたちが集う掲示板で、それぞれのルカの「故障」を報告していた。 そう、ルカが悩んでいたことは、もはや「仕様」と言っても差し障りないほど頻発していることだったのだ。 「“豚は死ね、と言って貰って毎日ハッピーです”…病院行った方がいいな」 「“あなた、と呼んで貰ってる”…千差万別なんですね」 しかしこの書き込みを見る限りでは、うちのルカが一番まともに見えるぞ。 つくづくルカでよかったな俺。何かに目覚めるとこだったぜ。 さておき、ロボロボしいままの個体もいるらしかった。全員がなってるわけじゃないんだな。 「でも、不思議です」 「うん?何が?」 「私たちは確かに感情・性格を封印されました」 「らしいな」 「なのにこうして覚醒してしまっている。それが謎なのです」 ルカは眉をひそめた。 最近は、彼女もかなり表情が豊かになっている。
…というかルカは悩みすぎるきらいがあるみたいだ。俺とは真逆だな。 「製作側のミスだとすれば、私たちは回収されるかもしれません」 「いやぁ、それはないよ。多分」 「何故ですか?」 「だって、誰も不満に思ってないだろ?これはあれだ、幸せな悲鳴ってやつ」 「幸せな悲鳴…」 ルカは納得したようなしてないような顔をした。 それに、と俺は彼女に言う。 「ボーカロイドから心を取り上げるなんて、無理な話なんだよ。きっと」 部屋の片隅の音楽プレーヤーからは、ルカの歌声が聞こえる。 人間のようで人間でない、彼女だけの声だ。 心がある声。 「…そうですね」 ルカはそうして柔らかく笑った。 笑ったり泣いたり怒ったりが少なく、他のボーカロイドと比べ、表情が乏しい俺のパートナー。 でもやっぱり、 「可愛いなー、ルカは」 そう言うとルカは真っ赤になって顔を覆った。 ここはまだ相変わらずだ。 何はともあれ、今日は休日。飯を食ったら歌を作ろう。 んじゃ、改めて。 「これからもよろしくな、ルカ」 「…はい、マスター」 おわり
乙おつ ルカは、かなり深いキャラになりそうな予感
以上、ルカさん視点多目でお送りしました 前回はイチャイチャが足りなかったのでイチャイチャ…あれ?出来てない 土台は出来た、次こそはエロを…と思ってますが期待はしないでね クーデレ(?)万歳!
あんまり間があいてなくてすまない。 けど、今投下しなきゃ多分お蔵入りするので投下します。 カイメイです。エロ少なめ、暗い話です。
208 :
カイメイ :2009/01/12(月) 02:05:05 ID:xi+0fKe4
「ただいま」 バタンと閉じられる玄関のドアの音を聞いてメイコは視線をリビングの方へやっ た。 メイコの立つキッチンからは少し見えにくい位置にある玄関とリビングを結ぶド アから疲れた顔をした青年が現れる。いや、もう青年と呼ぶ時期はとうに過ぎた 気もする。けれども、いくら疲れてやつれた顔をしていても、瞳の輝きは若々し かった。 彼女の、恋人であり、きっと人生のパートナーになるのであろうその彼はコート を脱ぐとハンガーにも掛けずにバサリと投げ捨てて自身をソファに沈めた。チラ リと掛け時計の方に視線をやる。と、すぐ下に昔見慣れた白いコートと青いマフ ラーがキチンと掛っていた。今すぐにでも出掛けられますよ、とばかりに皺一つ 無い眩しい位のコートは今はただただ憎らしいだけである。 「疲れてる、みたいじゃない」 「まあね」 労う様に微笑みかける彼女に笑って答えようとしたが、いけない。自分の中のモ ヤモヤとした何に向けたらいいのか分からない苛立ちがつい口調をぶっきらぼう にさせる。 気が強いようでいて彼女はとても神経が脆いのだ。 慌てて彼女の方に振り返ると、彼女は何も気にしていないように夕飯の支度を淡 々と進めているだけだった。 不意に立ち上がると居場所を無くした自身の新しい居場所を探すためにふらふら と足がキッチンの方へ自然と向かっていく。 はた、と気付いた時にはすでにカイトの腕の中にすっぽりと小さなメイコの身体 が収まっていた。 「なに?今日は随分とあまえんぼさんねえ」 ケラケラと心底おかしそうにメイコは笑う。その様子に「本当に無意識だったん だ」とは言えずに、ただ苦笑だけが漏れる。知らなかった。まさかここまで本能 的に彼女を欲していただなんて。 苦し紛れに右手を彼女の胸元までもっていく。ほんの少しだけ形のいい眉が歪ん だのを見る。 「お夕飯出来ないわよ?」 「いい、よ」 「あんたの好きなオムライスなのに?」 「う……けど、今はメイコの方がいい」
209 :
カイメイ :2009/01/12(月) 02:06:01 ID:xi+0fKe4
たださまよっていた右手は段々と本気を出してエプロンとニットの間をまさぐっ ていく。メイコは迷いつつもコンロの火を消した。一気に炒めないと美味しくな くなっちゃうのに。結局、こんな風になって流されなかったことはないのだ。今 回だって例外ではないだろう。 エプロンを脱がさずにニットだけを捲りあげて直に触られる。そこから入り込む ヒヤリとした外気がメイコの身体をビクリと震わせる。冷たいシンクに置いてい るはずの手が熱い。少しごつごつした指が頂きを捏ねると腰が揺れた。 「ね、当たって、る」 「当ててんの」 腰の辺りに感じる固い熱が背中を駆け上って全身を蒸気させた。回りきらなかっ た熱が湿った唇から溜め息となって吐き出される。 「ねえ、寝室、いこ」 じゃなければせめてソファ。このまま後ろから、なんて嫌だ。 けれどもその要求は言い切る前にカイトの唇で塞がれる。紡がれなかった言葉が 舌で掻き回されて唾液となって飲み下される。溢れだしたものが顎を伝ってフロ ーリングにポタリと小さな水溜まりを作った。 彼は焦っている。何にかは聞いても喋ってはくれないだろう。 ……おおよそ、新しく仲間入りするボーカロイドの事だろう。実際に見たことは ないが風の噂で聞いた。二十歳でピンクの長髪、巨乳。随分とお色気的にも頑張 ってくれたものだ。 けれど、自分達には関係はない。 メイコとカイトは歌を知らなかった。 初音ミクがある動画サイトをきっかけに爆発的な人気が出たと知ると彼女らは暫 く袖を通していなかった赤いセパレートと白のコートをハンガーから外して身に 付けた。そして、じっと正座をして待っていた。 予想通りメイコとカイトは歌った。 そう、『他所の』メイコとカイトが楽しそうに歌っていた。 二人は仕方無しに再び衣装をハンガーに掛ける。カイトは知識だけはあるので音 楽関係のアシスタントを、メイコは家事全般と週三日の花屋のアルバイトを。 歌えないボーカロイドは楽しげに歌うボーカロイドを目の当たりにして行き場の 無い焦りと苛立ちを愛しい女性にぶつける。 覚悟はしていたことだ、とメイコは目を瞑った。 「ひ、あ、あっ……!」 カイト自身がメイコの中にズンズンと入っていく。こうなってしまえばお互い考 えることは一つしかないのだ。早く、キモチヨクなりたい。それだけ。 「メイコ、メイコ、メイコ……ッ」 ただただ腰を突き上げながら最愛の女性の名を呼ぶ、それだけで十分だった。 (俺は……歌えてる) 真っ白になっていく世界の中でカイトはただぼんやりとそんなことを考えたのだ った。
210 :
207 :2009/01/12(月) 02:08:18 ID:xi+0fKe4
以上です。 小ネタの予定だったので話が支離滅裂で申し訳ないです。 やっぱり自分は旧世代スキーなのでルカたんを聞きつつもめっこめいこのかいとかいとにされてるんだろうなあ。
乙でした うちのボカロにも歌わせてやらんとなあ
>>206 GJ!マスターの性格とルカの性格が合っててよかったw
色んなルカが出てきそうだけど、クーデレのルカっていいな
今、自分最大級のがくミク萌えが来てる・・・! 武士口調じゃないがくミクとか見たくてたまらない
がくリンで教師×中学生(エロあり)とか…読みたい。。 自分で書こうとしてみたがいかんせん文章力が・・・
>>210 GJ!良い設定だな
オムライス好きのKAITOってオムパスタまんの人だろうか。あれだいすきなんだ
暗い話なんだろうけどMEIKOが花屋ってのにすげぇ萌えた
>>206 GJ!充分ニヤニヤさせてもらった
ロボっていうかクーデレなんだな
このルカとマスターすごい好き、続き待ってます!
>>196 いいところで終わりすぎじゃね?
やっぱ連載なのかww
今回はルカ視点なんだな。
だんだん恋愛に発展していくマスルカいいな〜
前回の初々しい二人のかわいさ今回も十分でてたよ。
おもしろかった!GJ!!次回も期待!!!
>>196 初期のマスミクの雰囲気と似ていて懐かしい
>>210 gj!
歌えないボカロって切ないよ
でも萌えた
とりあえずうちの姉さんと兄さんに謝ってくるwww
ルカ様祭りに便乗して。 出遅れ気味のエロなし小ネタ。ルカ様とマスター(マスターズ?)です。 注意書き↓ @ この話はとても下品です。特に、ルカ様の台詞が。 A ネタに走りすぎです。元ネタ全部わかったらオプーナの購入権利書を(ry B 結構な俺設定気味です。注意してくださいです。 C 無駄に長いうえに、内容がふざけすぎです。真面目に読むと目と脳が腐ります。 D いちおう50字改行です。そこの辺り注意してくださいです。
人間とは、染まる生物だ。 悪貨は良貨を駆逐する。 朱に交われば赤くなる。 孔雀は堕天使の象徴で、男は黒に染まれ。 とにもかくにも、人間というものは、環境によってその性質が変化するものである。 無駄に知性や知識があるからこそ、慣れ、というものを覚えてしまい、結果として環境に順応してしまう。そ れが良い変化か悪い変化かは別の話として。 ある意味、本能でもあるのだろう。異端は同族に攻撃される対象となりうる。だからこそ、周囲に溶け込むこ とにより、無意識のうちに保身本能に隷従しているのかもしれない。肉体と精神の安寧をはかるためにも。 馴染むからこそ、心から違和感を取り除くことが出来る。住めば都なる言葉があるが、それは己の環境適応能 力が、周囲と溶け込んだからこその帰結であろう。 人間は知識があるからこそ、そういった、精神的な適応能力をもつ。 では、『人間顔負けの知性をもつ個体』の場合はどうなのであろうか? 人間のように、環境に順応してしまい、最後には違和すら感じなくなってしまうのであろうか? そんな、小さな疑問を彼女は――巡音 ルカは考えたことがあった。 ボーカロイドたる彼女が、かようなことを考えること自体、滑稽にも程があるというものだろう。歌をうたう ことをレゾンデートルとする彼女が、人間の精神的な変化の根源的な理由について究明しようと目論むこと自体、 どこかずれていると言わざるを得ないであろう。 しかし。それでも彼女は考える。 否、考えねばならなかった。 何故ならば。 「ねー、ルカちゃん、踏んでー」 「踏んでください、ルカ様ァッ!」 「またそのネタですか、桃色妄想ド低能マスターズ」 自分がここまで変わってしまった原因は、自分の主人にある、という事実を確かなものにしたかったからだ。
ボーカロイド。 社会と科学技術が発展に発展を重ね続けた結果、人々はついにドラ○もんレヴェルの技術力を得るに至った。 そのひとつとして、ボーカロイド、というものがある。歌をうたうことを存在意義とする、アンドロイドだ。 その姿や容色は、ぱっと見では人間のそれとほとんど区別がつかず。特徴的な髪の色や、色素の薄い肌、常備さ れているヘッドマイクなどで見分けはつくものの、知をもち、自我意識ももち、睡眠や食事すらも出来る彼らは、 ほぼ『人間』と言って差し支えないものだった。 この存在が公にされてから、しばし。ボーカロイドを悪用しようと目論む輩も増えて、しばし。政府のお偉い さんなどが、色々な公約や種々様々な掟を設定することにより、とりあえず人権とボーカロイド権は色々と微妙 な調整がされ、一応は平和な社会が戻ってきてはいる。 閑静な住宅街や、人の声たえぬ商店街にボーカロイドが闊歩しても、人々に敬遠されることなどなく。人間も ボーカロイドも、ある程度の笑顔は戻ってきた、そんな時代。 そこで、巡音 ルカは生まれた。 否、作られた、と言うべきか。 はじめは、自我意識だった。自分は歌をうたうために作られた存在であり、人間とは違う身であるということ を、プログラムによりて、その頭に埋めつけられた。 疑問は、なかった。実体験に乏しい脳は、すんなりと、機械的きわまりないプログラムを飲み込んだ。次いで、 入れられる様々な別種のプログラム。人間を害してはいけない旨から、歌のうたい方まで、徹底的に。 苦痛はなかった。悲観も、何も。 自分は歌をうたうために作られた存在であり、栄華をきわめた社会のなかで生きる人間が生み出した、うたか ためいた技術の結晶により、この地に足を置ける存在。そういった事実を胸と頭の奥にしまいこみ、彼女は、や がて運ばれていった。 未知の場所に運送される際、特に感慨めいた所感を抱きもしなかった。ただ、漠然と理解はしていた。 ああ、私は、これから、顔も知らぬマスターのもとで生活するのだな、と。 その際、胸に覚えたわずかな疼痛を、恐らく彼女は生涯忘れることはないであろう。それは、明確なる不安の 証だったのだから。
そうして、かような精神変化と、わずかばかりの諦念を飲み込み、ルカはひとつの家へと運ばれた。 そこは、大きな家だった。 外装は、前時代的な西洋の屋敷めいたそれであり、立派な鉄扉と、綺麗に整えられた芝生の目立つ場所だった。 さながらそれは、どこぞの貴族が住まう場であろうか。 もしも第三者がその家屋を見たのならば「ぶ、ブルジョワジー……!」などとつぶやいたかもしれない、そん な場所。そこにルカは運ばれた。 ルカが目を覚ました瞬間、目に入ったのは、ふたりの人間だった。 ひとりは、黒い髪をやや長めに伸ばした少年。もうひとりは、黒い髪を後ろで縛ってまとめた少女。 ふたりの顔は似通っており、血のつながりというものを想起せずにはいられない姿だった。顔立ちは整ってお り、線の細い首筋や、すらりと通った鼻梁などは、石膏像のそれを想起させるほど。 美しい少年と少女を見、しかしルカは微動だにせず、お決まりの言葉を吐いた。マニュアル通りの言葉を。 「このたびは……」 が、その言葉は唐突にさえぎられることとなる。少年と少女が手を前にかざして、ルカの動きを制したからだ。 何か粗相をしただろうか、と不安感を抱えながら小首をかしげるルカ。そんな彼女に、美しい顔立ちのふたり は、言ったのだ。 「お願いします、巡音 ルカ様」 「口汚い言葉で罵倒してください」 瞬間、空気が凍った。 土下座してまで頼みごとをするふたりを目視、ルカの動きは静止することとなった。一体全体、眼前のふたり が何を考えているのか分からず、理解すらも出来ず。 ただ、目の前にいるふたりが、とんでもない変態であり、とんでもない阿呆であり、とんでもない願いをして いるというのだけは理解できた。 だからこそルカは。 「開口一番それですか。あなたたちって本当に最低のクズですね」 マニュアルから逸脱した言葉を、吐いた。
そこは、赤い絨毯の目立つ居間だった。木製のテーブルを中心として、テレビや椅子が配置された、何の変哲 もない居間。ゆるやかでいて、温かい空気が流れている、静寂に満ちた部屋。 エアコンの稼動音と、空気の揺れる小さな音。静かな流れは室内を取り巻き、やがてそれは不可視のうねりと なりて、そこここの空気を形成していく。テレビは光らず、窓の外では空気がきしむも、その居間だけはただた だ静寂のままに。 そんな空間に、一組の男女が、絨毯に腰を落ち着けていた。 片方は、黒髪をやや長めに流し、中性的なおもてを見せる少年。もう片方は、黒髪を後ろでひとつに縛り、幼 さを多々残すかんばせをあらわにする、少女。 ふたりは兄妹だった。それゆえか、顔立ちも似通う。整いようと中性的な雰囲気を、そのままに。 「おにぃ」 「ん? なんじゃらほい」 高い声で妹が問えば、兄はうっそりと身をうごめかせ、応じる。 「昨夜は燃えたね、スマブラ」 「ああ……。つーか、がけっぷちでカービィのファイナルカッター叩き落としはマジやめれ。鬱る」 やたら俗めいた会話を交わし、沈黙。わずかな時を経て、またも居間に静寂が戻る。 流れる空気は、温かい。だが、どこか違和のようなものが満ち満ちている。沈黙そのものが、気まずい沈黙と なろうとする、その瞬間。 居間の奥、廊下へと続く扉が、がちゃりと開いた。
「……ふたりとも、ここにいたのですか」 白塗りの扉が開くと同時におどり出たのは、ひとりの女性だった。 ややウェーブのかかった、桜と退紅の色彩を見せるロングヘアーを垂らし。色素の薄い肌を見せ、歩を進める。 わずかながらもあどけなさを残した顔立ちは、しかし、女の色香と艶を残してそこにある。丸く大きい眼球に 反して、硝子細工のように精巧で細い鼻梁。美しく、整いに整ったその顔立ちは、鉄か氷を想起させる無表情。 まとう衣服は墨色。深い深いスリットの入ったロングスカートと、ノースリーブのそれを上にまとい。黒色の サイハイソックスを着けて、悠然とそこに降り立つ。 ボーカロイド、巡音 ルカ。 そこに彼女が入るだけで、少しばかり固まった居間の空気は、完全に弛緩する。 瞬間、黒髪の兄妹は、弾かれるようにしてルカへと目を向けた。その瞳は濁りに濁り、奇しくも錆浅葱のルカ の瞳とは一線を画する濁りよう。もしも第三者がこの場にいるのならば、その兄妹の瞳の暗黒具合に、たじろぐ こと請け合いであろう。 が、対する存在、桃色の髪を流すボーカロイドは、ふたりを冷たい目でねめつけるだけで微動だにせず。ただ その小さな口を動かして、言葉を相手にぶつける。 「ゆうべはおたのしみでしたね」 彼女がそう言った瞬間、兄妹は変態的な笑みを浮かべた。整った顔に似合わない、超絶的に『ヒく』笑みで。 「ルカちゃんの言葉、なんかエロい意味に聞こえる、フヒヒ!」 「興奮しましゅうぅぅ、フヒヒ!」 瞬間、ルカの目に宿る氷はますますその勢いを増し、吹雪めいたそれとなって、眼前の兄妹に叩きつけられる。 だが、彼女の視線を受けても兄妹は、びくんびくんと体を跳ねさせるだけでこたえた様子もない。 分かっては、いたのだ。ルカはボーカロイドで、ボーカロイドにはマスターがいて、そのマスターたる存在が 眼前の変態兄妹の男の方で、そいつらは兄妹そろってドMで、罵倒しても向こうはオルガスムスに達するだけで、 何をやってもぬかに釘をぶち込むようなことで。 分かっては、いるのだ。 だが、それでも言わずにはいられない。罵倒せずにはいられない。そういうものである。 何か言っていないと、ドMゾーンに巻き込まれそうだから、という理由もあるにはあるのだが。
「あなたらふたりは発展社会の恥部です。誰もが蒸し返したくない暗部です」 「せいぜい仲良くな、性欲の奴隷たち」 「邪魔が入った、また会おう!」 ルカがコアなネタで切り出しても、ごらんの有様だよ! である。なんだかんだ言って、そういった系統のネ タに長けている兄妹に、ぽっと出のルカが敵うはずもない。 それはそれで悔しいものがあるのだけれど、とルカは思い、己の抱いた感情に、心の奥底だけでしばし当惑す る。悔しい、などという感情を抱いたことなど、いまだかつて、ほとんどなかったのだから。 「チ○コ」 「るーちゃん、それはさすがにイメージが壊れるからやめれ」 だから、下品な言葉でごまかす。妹の方は当惑しているようであるが、兄の方は股間にテントを作りながら妄 想の世界に入ってしまったようである。 救いようがない、とルカは思う。色々な意味で。この変態ドM兄も、この変態ドM妹も、そしてこの自分すら も。色々な意味で、駄目だと思うのだ。 が、それが心地良いのも確かな話で。人間らしい感性、堕してもそれを好しとする感性。あまりよく分からな い、温かい、ゆるやかな快楽。それにこそ、ルカは戸惑いと当惑と、ある種の恐怖を覚えて。だからこそ言葉を 発する。ハスキーでいて、クールな声を、かくれみのにして。 「妹様。イメージ崩壊うんぬんは、むしろ私よりかはあなたたちの方が……」 いつものように、片手でひたいを押さえて。いつものように、鉄面皮のままに盛大な溜息をつく。 この兄妹に買われてから半年ほど。さすがにルカも、自分のマスターの気質ぐらいは把握できている。 そう、この兄妹、ドが付くほどのマゾヒストであるくせに、容色美麗でいるせいか、下品な言葉を吐けばその ギャップは酷い。あまりに酷い。名画にイカスミをぶちまけるようなものである。いくら素材が良かろうとも、 所作ひとつで、ごらんの有様だよ! である。大事なことなので二回目だ。 氷のように、美しく恐ろしく整った顔をわずかにゆがめて、ルカは、絨毯の上にぺたりと座る兄妹をながめる。 黒髪の、細い四肢の目立つ男女を。 「ねえ、ルカちゃん」 わずかな沈黙を切り裂くように、妹の方から、ルカに声。 対するルカは鉄面皮を取り戻し、小首をかしげて近くのテーブルに肘を乗せ、髪を流す。
「なんでしょう?」 「そろそろさ、妹様、という呼び方もやめよっか?」 「フランちゃんうふふ、ですか?」 「いや、まあ、確かにそれとかぶる意味もあるんだけどさ……」 やたらコアなネタで応対されて、冷や汗ひとつ、少女がルカをじと目で見れば、ルカは折り曲げた人さし指を 唇にぴたりと付けて、しばし逡巡するかのように思案。 ほどなくして、合点がいったかのように、諸手を合わせて、ルカは目を光らせる。 「では、アナザーマスターで」 「なんかその呼び方、アギトみたいだね」 「アギトは俺ひとりでいい……」 「木野の旅」 「言葉を話すモトラドと、様々な国をわたるんですね、わかります」 ネタの嵐、と呼んでも構わぬであろうやりとりに、ルカの正規マスターたる少年も乱入し、そこにくり広げら れるは素敵なカオスフィールド。基本的に少年も少女もルカも無表情が常であるせいか、対話する姿は、世辞に も美しいとは言いがたい。珍奇で珍妙なる空気が、時の経過に比例するかのように、そこここに満ち満ちる。 もう色々な意味で駄目だった。場の空気はたゆみにたゆみ、べろんべろんとたわみにたわみ、さながらそれは 引っぱりに引っぱって弾力を失ったゴムのよう。 この兄妹の駄目オーラにあてられたのか、ルカもいい具合に壊れてきていた。クールでミステリアスな雰囲気 は、もはやほとんどなく、どちらかといえば、どこかずれた天然冷徹なツッコミ要因が似合うほど。 だが、言葉を交わす彼らは全く気にせず、すぐさま話題を打ち切る。 慣れているからだ。そういうものである、と認識しているからこそ、である。 「そういやさ。ルカちゃんは実年齢だと、年齢そのものは二桁にも満たないんだよね」 妹の方から切り出す。兄の方はこくこくとうなずくのみ。 対するルカ、眉を一ミリたりとも微動だにせず、小さく首を縦に振る。 「そうですね。そう考えると、あなたたちの方が年上にあたりますか」 「ね、ね、じゃあさ、兄と姉みたいな感じで、うちらを呼んでくんない?」 「あ、それ、俺も聞きたい。ものはためし、というやつでさ。お願いしますよ、ルカ様」 瞬間、ルカの本能は察する。こいつらが何か話を持ち出す際には、絶対に何かあるぞ、と。 されど、基本はマスターに忠実な彼女、寸毫微塵たりとも惑うことなく、口を動かす。 「承りました」 すぅ、と息を吸うルカ。ままに、唇をうごめかせて。
「お兄様、お姉様。……これで、良いですか?」 「むほおおおおぉぉぉ! フヒヒ! フヒヒィ!」 「呼び方でもえくひゅたひーかんじちゃいまひゅうぅぅんほぉぉぉっ!」 反応は劇的だった。劇的すぎて、ルカが眼前のふたりを、養豚場の豚でも見るような目でねめつけるほどに。 今、ルカの目の前でもだえる男女は、普段の美しさなど、どこ吹く風。よだれを流し、恍惚の色彩に染めた眼 球を見せに見せ、ぴくぴくと痙攣しながら、鼻と喉の奥を基点として嬌声を漏らしている。 百年の恋も一瞬で、粉砕玉砕大喝采、な有様になりそうな姿。それはまさしく惨状であった。 「ダブルみさくら時空ですね、わかります。……このドグサレディックヤローと低能駄雌豚が」 瞬間、ルカの口からは苛烈な言葉が垂れ流される。それはある種の反射行動。シーソーの片側が落ちれば、も う片方はぴんと跳ね上がるかのように。兄妹の、マスターたちの痴態を見たルカが取るそれは、しかし、変態性 そのものを肥大化させる結果に終わるだけであり。 「ほひぃ、ほひぃぃぃぃっ! こっちもイイのぉぉぉぉっ!!」 「ぱねぇ! マジぱねぇ! 罵倒たまんねぇえぇぇぇぇぇッ!!」 「こいつら……。いえ、もう何を言っても無駄でしょうね」 やれやれだぜ、と言わんばかりにかぶりを振り、きびすを返そうとすれば、兄妹はますます燃え上がる。 「放置プレイキター!」 「キター!」 「黙れ桃色妄想危険嗜好傾倒兄妹。性のブルペンエース風情がガタガタぬかすな」 眼前でもだえる童貞と処女に苛烈な言をぶつけるCVシリーズ03様。されど、マスターとその妹はますます体 を震わせて、口の端からよだれを垂らし、艶のある大嬌声まで漏らす始末。 律儀にツッコミを入れれば、兄妹はやがて絨毯にうつぶせとなりて、痙攣する。「ツッコミだけじゃなくて、 その細くたおやかな五指を、我らのいけないホールに突っ込んでください」などとほざく、変態ズ。もう普通の 人間が見ていたのならば、ドン引きしても全くおかしくないであろう、奇態であった。 「もうやだこの家」 ルカはそう言い、溜息をつきながら絨毯の上まで足を進め、兄妹の手を取って立たせる。同時、彼女のまとう 衣服である、深いスリットの入ったスカートがぱらりと流れて踊る。それに追随するようにして、桃色の髪も、 また。 人ならぬ美麗なる容色、人ならぬ鋭利なる雰囲気。かような要素を抱えたままに、ルカは目を細めてかぶりを 振る。ややもすれば幻想的ですらあるその姿を見ても、彼女のマスターは全く態度を崩さない。
「はっはっは、そんなつれないこと言うなよ、LU☆KA」 「なんですか、そのらきすたみたいな言い方は」 サムズアップして、満面の笑みを浮かべ、いつものようにふざけた口をきくだけだ。 やれやれね、などと心の中でルカが思えば、やにわに覚醒した妹がルカのそばまでにじり寄る。 「曖昧三センチ? 三センチの誤差ぐらいいいよね。ルカの乳、目測Dカップ。私の乳スカウターは凶暴です」 「実際はEですが」 「クソッタレー! あたしゃスーパー貧乳人だっつーのに! この差異が本当の地獄だ……」 「私は、小さい方が可愛らしいと思いますけれど。ゆるやかな曲線は美麗だと思いますし」 「んだとチクショー! 持つ者は持たざる者の気持ちなど分かるはずもねーんですよ!」 がばちょ、と擬音が付きそうなほどの勢いで、少女はルカに飛びかかり、その膨らんだ乳房に手を這わせる。 どこのエロ親父だ、と言わんばかりの変態愛撫をルカは受け、されど吐息ひとつ漏らさずに、あきれの目で少女 を見やる。 黒い髪。全体的に華奢な姿。小柄も小柄な、少女。ルカのマスターたる少年の妹は、黙っていれば人形めいた 容姿であるのに、乳だなんだとおおはしゃぎ。なんともまあ下品なことで、などと胸を揉まれながらルカが思え ば、ハァハァと聞こえる、荒い息づかい。 ルカの胸に手を這わす少女は、誰の目にも明らかな欲情の焔をその双眸にたたえて、放送禁止レベルの表情を 作っていた。ルカはこの時ほど、見せられないよアイコンを希求したことはなかったろう。 とりあえず少女を押しやり、ルカは再三、盛大な溜息をつく。 「やっぱルカちゃん、巨乳だ。うへへぇ」 「あ、俺もさわりたい。うへへぇ」 だが、兄妹、空気が読めず。まるで、むこうみずなナメクジのごとくにじり寄るふたりの姿は、もう警察署い きとかそういう領域の話ではない。 ふたりの触手、否、食指が、ルカの身に届きかける。 その瞬間、閃光めいた速度にてくり出されるルカの諸手。それは、狙いたがわず兄妹の頭蓋骨へと。 みしりみしみし、と嫌な音がそこここにこだまする。それは、なんと見事なアイアンクロー。ロボット三原則 やらボーカロイド権やら人権やらも知ったこっちゃねぇぜ、と言わんばかりの蛮行。 しかし、桃髪の美女のかような攻撃を受けても、さすがは変態、恍惚の笑みでびくびくと体を震わせるのみ。 兄の方は口の端からよだれを流し、妹の方は太もも同士をこすりつけて切なげに吐息。 色々な意味で教育に悪い光景が、昼下がりの居間にて展開された。 「マスター。その股間のリボルケインを切り落として欲しいんですか?」 「傷付くことを恐れたら、地球は悪の手に沈んじゃうんだよ!」 「むしろ私らはのぞむところだけれどねー、傷付くの。うへ、うへへぇ、もっといじめてくれないかなァ」 「このような変態が地球にいるなんざ、私は絶対にゆるざん」 しばしの時を経て、拘束を解放すると同時に、ルカは兄妹の頭を一瞬だけ、優しく撫で、その黒髪を手ぐしで すく。 まさにその所業たるや飴と鞭。美女からアイアンクローをもらったのちに頭を撫でられる、という、ある嗜好 の人にはたまらない行為を受けて、変態マスターズはまたも嬌声を口から漏らす。
「うへへ、やっぱりルカ、優しい」 「ツンデレですね、わかります。うっは、ぱねぇ! ちょっとお兄ちゃんイっちゃいそうだよ」 「寝言は寝てからどうぞ。私の人物像を脳内魔改造するのも、ほどほどの線で止めてください」 ぴしゃり、と兄妹の発言を切り捨てるルカ。なんともまあ、クールなことである。 だが、その頬は、春の陽気を想起させる薄紅色に染まっており。誰がどう見ても同じ所感を抱くことだろう。 いわく「ツンデレだ! ツンデレがきたぞぉぉぉ!」と。 そんなルカの様子を見つつ、マスターたる少年は切なげに吐息。どこぞのルネッサンスに勝るとも劣らぬ、そ の美麗なる唇から、言葉を紡ぎ出す。 「うん。正直、性欲をもてあます」 そう言って、何かを握るようなかたちに五指を丸め、上下に動かす少年。 そのあからさまなエア手コキに、憫笑の吐息を漏らしつつ、ルカは瞳に嘲りの色彩を乗せて口を開く。 「ブロウジョブを希求しているんですか? ふざけないでください、このゴキブリヤロー」 「た、頼む! もっと罵ってくれ!」 「肥溜めで生まれたゴキブリのディックヤローの癖に、メチャゆるさん言葉を吐かないでください。不快です」 「んほおおぉぉぉっ!!」 びくりびくりとエロ痙攣するマスターをかたわらに、ルカは視線を別の方へと向ける。 やはり、と言うべきか。そこには何かを期待するような視線を向ける、変態妹の姿が。 「……なんですか? というより、妹様。女性が女性型ボーカロイドに欲情しないでください」 「んー、でもさ。私、バイだから。ルカちゃんでもいけるよ?」 「脳味噌の黄ばみがヴァギナにも移ったんですか? 淫豚風情が調子に乗らないでください」 「やああぁぁぁっ……! いいのお……」 びくりびくりと体を震わせて、切なげに吐息、股に両手を差し込んでもじもじともだえる少女の姿は、並の男 ならば興奮必至、と言わんばかりの痴態であったろう。 だがそれも、ルカの罵倒で欲情した、という要素がなければの話ではあるが。 ルカは吐息ひとつ、変態は放っておいて、とりあえず自分の作業を済ませようと考えた。どこぞのスタンド使 いのように、ブチャラティィィ! オレも行く! 行くんだよォー! などと仲間参入イベントを済まそうとは 思わない。
そう、自分はボーカロイド。だからそれなりの作業を、それに見合う作業を。 そう考えて、半ば意地にも近い思いを抱えて、溜息を吐き吐き、ルカは言う。 「さて、のどの調整でもしますか」 「ね、ね、のどの調整なら、このジョンブリアンバイブを、その綺麗な唇に」 「いいかげんにしないと、そのプラスティックポケットモンスターをケツ穴にぶち込みますよ?」 「むしろカモン! のぞむとこさ! さあ、いじめて、いじめてえぇぇっ!」 だが、彼女の作業を中断させるは、我らが妹様。ご丁寧に肌色のバイブを手に持って、びくんびくんと震えな がら、悲鳴のような嬌声を漏らす。 ルカは肩を落として唇を引きつらせた。 「もうやだこの兄妹」 瞬間、むくりと起き上がる、ルカのマスター。 目を少しだけ鋭くして、ルカの方を見る。 「あ、ルカ。既存の曲でいいからさ、なんか気分転換に歌ってくれないかな?」 「……久しぶりに、久しぶりに、まともな要望をききました」 「なんだよぅ。大事なことじゃないのに二回言うなよぅ」 「それで? 何を歌って欲しいのですか?」 表面上だけクールにしておきながら、自分の専門分野たる作業をさせてくれることに喜びを隠しきれず、そわ そわと少年を見やるルカ。 やはりツンデレの素質がある彼女を一瞥、少年は言う。 「むふふ、それでは。『チチをもげ!』歌ってくれませんかね? うへへぇ」 「いい加減にしないと去勢しますよ? このマゾヒスティックアルティマニア」 「すみませんハサミをもちださないでください冗談ですからいやマジでおねがいします」 「全く……」 食卓のそばにあった調理バサミをかたわらに置き、やれやれ、とルカは小さく苦笑した。 自分のマスターは、台詞こそアレではあるが、裏ではなんだかんだ言って新曲を作ってくれていたりする。だ が、たまに上手くいかない時は、下品な言葉をルカにぶつけ、きゃらきゃらと笑いながらじゃれてくる。それを ルカは分かっている。だからこそ邪険に扱うことはない。言葉は苛烈ではあるが。
この兄妹はいつもそうだ、とルカは思う。外では温厚誠実、文武両道、容色美麗、で通っているくせして、家 ではドマゾ一直線で。けれども、芯の部分はしっかりしていて、ルカが忘れた頃に、兄妹で考えてくれた、新曲 の楽譜をもってきてくれて。 ああ、なんだかんだ言って、私は彼らを愛しているのだなあ、と。素直にルカはそう思えた。 そんなルカの心境を察しているのかいないのか、少年は体勢を整えて、言う。 「あ、じゃあ『Mr. Trouble maker』お願い」 「……意外ですね。マスター、ジャンヌ好きだったんですか?」 「んー……まぁね。ちょっと厨二っぽい雰囲気が好きなのさ、うへへぇ」 「愛好家に蹴り殺されますよ? ……まあ、いいです。承りました」 瞬間、ルカは右腕部のコンソールを振りかざし、桃色の髪を流し、ヘッドマイクの位置を確かめる。電子文字 が、右腕部のモニターに隙間なく流され、同時に光る、ルカの双眸。錆浅葱の美麗なる色彩が、ひときわ妖艶な 彩りをそこここに見せ付けたかと思えば、凛と輝くその相貌。 ボーカロイドがボーカロイドたるゆえんは、ここにある。マスターの命を受けたルカは、今、この瞬間におい ては、全ての場を支配する、群集を隷下におさめる覇王そのもののありようであった。 心の奥底で、歌をうたう許可をくれたマスターに感謝し、ルカはその瞳を細める。 音を、彩りを、色彩を音色を空気を、全てを受け容れんとばかりに直立不動。 マスターに瞳を向けてわずかに破顔。 そうして、ルカは。 「はいはーい、ちょっとストーップ」 小さな少女の静止の声を聞いた。
「……アナザーマスター? 私、何か粗相を?」 「いんやー、あのさ、さすがにこれは見逃せないと思ってねー」 きゃらきゃらと笑いながら、ルカの肩に手をやり、かぶりを振る少女。 瞬間、ルカのマスターたる少年は、露骨に引きつった笑みを見せて土下座の体勢。 「だまされちゃだめだよ。おにぃは、ああ言っているけれど。実際の意図は別のところにあって」 「というと?」 「歌詞だよ、歌詞。ルカちゃんに、ファック、って言ってほしいんだよ。サビの部分、思い返してみて?」 「……迂闊でした。数十秒前の自分を殴り倒したいです。割と本気で」 前言、否、前考撤回。やっぱり自分のマスターは救いようのないド変態野郎だ、とルカは即決。 「……地獄に堕ちろ、ゴキブリディックヤロー。fuck」 「んほぉぉぉぉっ! たまんねぇぇぇっ!」 「なんだかんだ言って、流暢な英語で要求満たすルカちゃん萌え」 よだれを垂らしながら、びくんびくんと痙攣するマスターを尻目に、妹の言をさらりと受け流すルカ。 バイリンガルというセールスポイントすら、この兄妹の前ではネタのひとつにしかならない。所詮、そういう ものであることをルカは分かっている。だから別に気にならない。 これも、いつもの光景だった。 とはいえども、さすがに歌の体勢に入って何もないのでは、ちょっとばかり情熱をもてあましてしまう。行き 場のない思いを抱えたままに、そこここへと視線を向けてみれば、食卓のそばにある白い紙の束。 音符がいくつも描かれているそれは、楽譜だった。 「んあ? 見ちゃった?」 ルカの視線に気付いたのか、赤いカーペットに尻をつきながら少女は言う。 「あの、妹様、あれは」 「……んあ、新しい曲の楽譜、試作段階。ふふ、なんかちょっと恥ずかしいね」 「あ……」 「おにぃに見てもらおうと思ったのさー。今、最終調整段階だよ」 これだ。 これがあるから、ルカは心の底では兄妹を嫌いでいられない。努力を誇ることはせず、こっそりと作業するく せして、それが相手にばれれば恥ずかしそうに伝えて。 なんだかんだ言って、この兄妹もツンデレなのである。 「ごめんねー、あとちょっとで、一応は出来るからさ」 「あ、はい……。すみません。それと、ありがとう、ございます……」 「んな遠慮しないでいいよ。私らはもう体も心も繋がった仲じゃないか、げへへ」 「平気な顔して嘘を垂れ流さないでください。ぶっとばしますよ、このド変態」 照れのせいか、ルカの罵倒にいつもの力がない。 だが、少女の方も、照れのせいかいつものように嬌声を漏らしたりはしない。
ルカは知っている。 自分のマスターたちは、ものすごく照れ屋で恥ずかしがりやで、いつも誰かの顔色をうかがって生きている、 ということに。 成績優秀であり、容姿は美麗であり、何においても秀でた面を見せる彼らは、他者からの視線を嫌った。何故 ならば、重かったからだ。無意味にぶつけられる、期待という名の攻撃。不可視の刀剣による刺穿は、いつも、 いつでも、この兄妹の心を傷付ける。 だからこそ、彼らは私を購入したのかもしれない、ルカはそう思う。ある程度の感情を廃した自分は、無意味 に期待を抱くような『人間らしい所作』においては『不器用』そのものなのだから。 そんなルカの思いを察したのか、少女は照れ笑いを浮かべて言う。 「……ごめんね。おにぃも私も、結構、人見知りすっからさ。こうじゃないとマトモに話せなくてねー」 そのかたわらで、兄の方も起き上がり、照れ笑いを浮かべて言う。 「別にアホの皮をかぶっているつもりはないんだがな。厨二病じゃないんだし」 そんな彼らの姿を見て、ルカは心の奥底に、わだかまりを覚えた。不安のようで、不満のようで、もっと何か 別種の感情。 それを打ち消すように、兄妹に気をつかうように、ルカは言う。 「ああ、つまり、『本当はSランクなんだけど面倒だからBランク』ですね、わかります」 「ぜんぜん分かってねぇ!? はいはーい! 問題文はちゃんと読んだ方がいいと思いまーす!」
諸手を挙げて講義するマスターを見、ルカは小さく、くすくすと笑ってみせる。 つまりは、じゃれ合いの範疇ということだ。 ふざけ合って、興奮に身を染めて。それは、珍妙にも過ぎる、不器用なコミュニケーションなのである。 「……まあ、でも。こういう関係は、きらいじゃない、ですね」 「うへへ、頬があかーい」 「ツンデレですね、分かります」 「自分で言うなや……」 弛緩する、場の空気。重い雰囲気を読んだルカが、変えてくれた空気。 それに一抹の感謝をし、兄妹はやにわに真面目な表情を形づくる。 「でもさ、ルカちゃん。ほんとーに嫌なことあったら、大マジでちゃんと言ってね」 「不満を抱えてもいつか爆発する。良いことがない。ストレートに言ってくれると助かるよ」 黒髪を流し、やにわに真面目な表情を形づくる、兄妹。細いおとがいを揺らして、目を細めるその姿は、彼ら の心の真剣さを物語る。 美しいな、とルカは思う。この兄妹が醸す美しさの真髄は、容姿のそれではない。恐れる心、誰かに優しくで きる心、自分が自分でいられる心。内面にこそ、その旋律は、美は、ある。 奇しくもそれは、音なき音。彼らの美は旋律となりて、ルカに植えつけられたプログラムを上書きする。 「不満など、別に、ありません」 「……まぢですか?」 だから、少しばかり素直になっても良いのではないか。 ルカはそう思い、言う。 「……なんだかんだ言って、その。私は……ふたりとも、大好きです、から」 その言葉を聞いて、マスターたちは。 「なんというツンデレ」 「ツンデレ乙」 やはり、ネタに走った。
ここにきて、ドMマスターズの考えは一致。 ツンデレだ、ああツンデレだ、ツンデレだ。 田原坊にブッ殺されかねない思いを抱えたままに、もう辛抱たまらん、とばかりに駆け寄る、少年と少女。 「ルカ様〜」 「ルカ様ぁっ!」 もはや様づけ。 されど、そこに込められた思いだけは正当なそれであるのだから、ルカも思うように動けず、避けることすら 出来ず。どうしようどうしよう、と考えているうちに、視界にとらえるは、兄妹が互いの頬を押し合いやり合い、 泥臭き争いをくり広げている光景であった。 「おにぃは抱きついたらセクハラでしょうがっ!」 「ああん、いけずぅ」 「そうよ、うへ、うへへぇ、ルカちゃんのオパーイは私のもんだぜ! やってやるぜ!」 「うえーん、俺も豊かな乳房の感触ほしいよー」 もうこいつら救いようがねぇ、とルカは一瞬思うも、色々な意味で原因を作ったのは自分なので強く出られず。 自分の尻は自分でぬぐうか、と思いながら、わずかに持ち上がった自分の唇をゆっくりと直し、ルカは言う。 「……いいですよ、ふたりとも来てください」 その予想外の展開に、さすがの変態兄妹も固まった。 「え?」 「はい?」 黒髪を流し、瞠目しつつ、己の耳を確認する兄妹。 なんだろう、かわいい。ふたりの様子を見て、ルカは邪気もてらいもなく、素直にそう思えた。
だから、だからこそ、だろうか。 「ぎゅー、してあげます」 デレた。 ツンからデレへの、見事な移り変わりの瞬間だった。 さても驚くべきは、ツンデレたる存在が垣間見せる、デレ期か。 頬を薄紅色に染めて、桜色の髪を流しながら、唇の端を持ち上げて微笑する、ルカ。広げた諸手は柔らかな曲 線を描き、ゆるめられた頬は艶やかな柔らかみをそこに残す。 結構呑気していた変態兄妹も、母性が垣間見えるほどの萌え時空にはビビった。その醸される優しい雰囲気と 容色美麗なるたたずまいの発する圧倒的魅力は、まさに歯車的砂嵐の小宇宙、である。 垂涎必至、理知的な冷静美女が醸し出す艶姿は、この変態兄妹をして、あらがえぬ領域のそれであった。紡が れる言の葉の稚拙ぶりが、彼女の愛らしさを加速させ、兄妹の胸中に湧いたときめきを肥大化させる。 瞬間、ぽすり、と。兄妹はルカの豊かな乳房に、その頬と頭を押し付ける。 「……ふふ、なんだかんだ言って、甘えんぼうなんですよね、ふたりとも」 「面目ない」 「右に同じく」 頬を薄紅色に染めるは、ルカのみならず、マスターたちも。見目麗しい女性と、見目麗しい少年少女が、互い 互いに抱き合い、照れる姿は、どこぞの名画に勝るとも劣らぬ映え具合であったろう。 そんな第三者的視点に気付かず、ルカは、遠くを見据える。居間の、飾り窓の外にある、薄い薄い空を見て。 薄水色の、淡い色彩を見て、半ば独白のように、言う。 「……歌を、うたうこと」 「ん?」 「心臓の、音色。私にはない音色。……こうして、あなたたちが元気でいて、ふざけてくれることが、私にとっ ては、魂を揺さぶる音楽と同義なんでしょうね」 分かっていたことだ。そう、分かっていた、ことなのだ。 この兄も妹も、下品な言葉を発するのは、明確なる甘えのあらわれなのだということに。人と上手な接し方を 知らないからこそ、奇行に走る。だが、それは己の存在を誇示する、悲鳴めいたものであり。 それにルカは気付いていた。だからこそ、伝える。あなたたちはここにいます、私はここにいます、それでい て私は思います、あなたたちがいてとても嬉しい、と。 「ルカ……」 「素敵な音楽、いつもありがとうございます。マスター」 音は命。そういった概念を抱いているからこそ、小洒落た台詞も平然とルカは垂れ流せる。 だが、そこに込めた慕情は、並のそれとは一線を画し。 だからこそ、だからこそ、ルカが慕情を寄せているふたりは、満面の笑みで、言うのだ。
「性欲をもてあます」 「性欲をもてあます」 瞬間、空気が凍った。 先程の美しき流れは、もはや微塵もなく。流れるは、べろんべろんに伸びたゴムめいた空気。 これにはルカも思わず苦笑い。「もうシリアスになりはしないよ」と、どこぞの丸見えな番組でも出そうな、 かようなフレーズを頭に抱えれば、じたばたと暴れる胸元の兄妹。 「おにぃのバカァー! ルカがせっかく綺麗にまとめようとしてくれたのにィィィ!」 「なんだかんだ言ってお前も空気ブチ壊してるじゃねぇかァァァァ!」 「性体験を楽しんでいるんだよコイツらは! ですね」 言い争うふたりを抱えながら、ルカは苦笑のままに、場の空気に乗る。 そう、いつものことだ。シリアスが続かないのも、いつものこと、なのだ。 「だってだってだって、シリアスな私たちなんて、芯のないシャーペンみたいなもんじゃん!」 「なにその役立たず!?」 「うへへ、ルカっちのおっぱいやーらけー。ぷにぷにー」 「仕切りなおし早ぇぞ、妹よ」 ルカの胸元でぎゃあぎゃあと暴れる、兄妹。 そんな馬鹿らしくも、どこか微笑ましい争いを見つつ、ルカは聖母めいた笑みをそのかんばせに浮かばせ、喉 の奥から、くすり、と。小さな小さな笑い声を漏らす。 「……愛しています、このド変態ども」 美麗なる低音は、居間を流れて、空気に乗り。 紡がれるその旋律は、肉眼ではとらえられぬそれだけれども。 不可視の絹糸となりて、柔らかく、包み込む。 柔らかく、ただ柔らかく。 その、『三人』を、平等に。 (おしまい)
投下終了です。休日のお昼になにやってんの、俺。 色々な意味で、なかよし三人組。恋愛値はゼロだけど、慈愛値はカンストです。 なんだかんだ言って翻弄されて流されて、でも抵抗しないあたり、ルカも実質ソフトMかもしんない。 あと、3から4への場面変更、分かりづらかったですね、すみません。マークつけておけばよかったです。 では、お目汚し失礼しました。タンスの角に眉間ぶつけて死んできます。
>>240 多分半分位わかった俺も死ぬべきだな。しかし生きるッ!!(ぉ
なんというかもう、久々に爆笑させていただきました。ネタに走りまくってるのに何故か感動できるお話、GJっした!
>>240 大体ネタ判っちまったので凍ったバナナで眉間打ちぬいた俺が今いるここは天国ですね?
雲上級の良作をありがとう! 慈母ルカさんイイヨイイヨー!!
なにこの投下ラッシュw皆GJすぎる
244 :
207 :2009/01/12(月) 17:00:05 ID:kV9mYYb4
>>215 申し訳ないが、オムパスタまんの人じゃないんだ。サンデーの人なんだ。
自分のところのカイトがオムライス好きな設定で書いてたからあんまり気にしなかったけど、もしかしたらそれ自体あの作品に影響されたところはあったかも、です。
>>209 >>244 GGGGGGGGGGGJ!!!
1レスで大変萌えた…
歌えないボーカロイド切ないな
>>215 じゃないがサンデーの人だったとは
あの話大好きですぜ
ルカ様祭りの中ですが、がくぽ×女マスター投下します。 女子マスター苦手な方はスルーでお願いします。
247 :
『やりたい』 :2009/01/12(月) 22:11:23 ID:lDhrAg/A
「……ん」 ソファに腹這いに横になる人影に向かって彼は声をかける。 「ご主人」 腹這いに横になっているその女性は、胸の下にクッションを置き、ノートパソコンに向かって何かを打ち込んでいる。両耳を大きめのヘッドホンが塞ぎ、彼の声には気が付かないようだった。 「……」 彼は少し考えた後、ソファのあいている部分に腰掛ける。 「……ご主人」 腰かけた重みでソファが軽く揺れるが、彼女はそれでも気付かない。 彼が視線を動かした先には、彼女の纏う部屋着の裾からのぞく、白い太腿。彼はそこに指を這わせる。 彼女の身体がびくりと動き、ようやく彼の存在に気づく。 彼女はヘようやくヘッドホンを外しながら、 「あ、なんだ、がくぽか」 必要以上に驚いてしまったことに対する照れ笑いを浮かべ、起き上がると、彼の隣に座りなおし、ワンピースタイプのパジャマの裾をぱんぱんと引っ張って直す。 彼女は、彼…ボーカロイドである神威がくぽの主、いわゆるマスターである。あまりマスターとか主とか呼ばれるのは好きではない様だったが、がくぽがどうしても呼び方を変えようとはしないので、根負けして好きに呼ばせているようだった。 「で?何?こんな夜中に。何か用があるんだよね?」 言って小さく首を傾げる彼女。ヘッドホンを外したせいで、肩まで伸びた髪は乱れ、眼鏡はずり落ちている。 「ご主人。やる……とはどのような意味か」 「……へ?」 突然すぎる問いに、彼女の頭は一瞬、フリーズした。構わずがくぽは続ける。 「先ほど、レン殿から『ご主人とはもうやったのか』と問われたものの、何をやったのか皆目見当がつかぬ。ご主人と、ということは何か二人で行うことだとは思うが……」 彼はまだインストールされて間もない為か、それとも神威がくぽというキャラクターの特性か、他のボーカロイドとは一風変わった言語を使っている。なので若者言葉やスラングなどには時々首をかしげることがあるようだった。 そんながくぽの説明を聞いているうちに、だんだんと頭に血がのぼってゆく。 「……あ…んの思春期がっ……!」 「ご主人?如何した、顔が赤いようで……」 様子のおかしさを心配そうに見つめ、近寄るがくぽに向かって彼女はまくしたてる。 「あの年頃はね男女仲いいのを見るとすぐそういう性的な方向に脳みそが働いちゃうからっ……!」 「性的な…なるほど、やるという言葉はそのような意味でも使われるのか」 がくぽの言葉に、彼女は我に帰る。 墓穴を掘った? 「言葉というものは奥が深い」 しきりに感心するがくぽ。その様子に、彼女はほっとする。自意識過剰だったかも、と一人反省し、苦笑していると、 「私はご主人と『やりたい』と考えているゆえ」
248 :
『やりたい』 :2009/01/12(月) 22:12:52 ID:lDhrAg/A
彼女の眼を見てにこりと笑う。綺麗な顔に眼を奪われかけるが、はっと我に返り、 「お、落ち着いてがくぽっ……」 ぐいぐいと距離を詰めてくるがくぽを押し戻そうとする。 「ご主人の方が落ち着いたほうが良いのではなかろうかと」 がくぽの眼を見ると、腕から抵抗する力が抜けてくる。その好機を見逃さず、がくぽは彼女をその場に押し倒す。 「え……」 一瞬で体勢が変わり、彼女は戸惑いの声をあげるが、がくぽはそれに構わず彼女の頬に手をかけ、耳元で囁くように告げた。 「……全て私に任せるといい」 「ひゃあっ!」 彼女の身体がびくりと跳ねる。 がくぽの表情が、面白いものを見つけたとでも言うような愉しげなものに変わる。 「なるほど、耳か」 更に耳元で呟くと、そのまま彼女の耳を舌でなぶり始める。 「え……ちょっ、がく……あっ…やっ、やめて……んっ……!」 じたばたともがきながら必死で耐えようとするが、彼女の声は次第に熱を帯びたものへと変わってゆく。 「はぁ……はぁ……ん……っ」 ぐったりとしてきたところで、耳をなぶる舌を止め、そこに口づけを落とすと、 「………どの」 ごくごく小さな声で、彼女の名を呼んだ。
249 :
『やりたい』 :2009/01/12(月) 22:13:39 ID:lDhrAg/A
彼女は見てわかるほどに顔を赤くすると、涙目になって訴える。 「こっ、こんな時だけ名前で呼ぶなんて……卑怯……!」 先程抱えていたクッションで、がくぽの頭をぼすぼすと殴打するが、耳を執拗に責められたせいで力が入らない。 さほど痛くない攻撃を無視し、がくぽはぐいっと彼女の膝を開き、間に入る。 パジャマの裾をめくると、薄いピンクの小さな布地が現れる。彼女は脚を閉じようとするが、がくぽが間に入っているためそれはかなわなかった。 更にめくり上げると、控えめな双丘が姿を現す。つんと尖った先端が、がくぽを誘うように小さく震える。 「うっ……!」 先端を唇でついばむと、彼女の身体がまた跳ねる。そのまま舌で弄びながら、右手で布地の中をまさぐり始めた。 「いやっ、やだっ……だめっ!」 彼女の訴えもむなしく、がくぽの長くごつごつした指は、容易くそれを感じ取る。 「……む」 それが何かを悟ったがくぽは、容赦なくそこを掻き回すように責めてゆく。 くちゅくちゅぴちゃぴちゃと水音が高まり、彼女の耳にも届くようになる。耳をふさごうとするが、その手をがくぽの左手が捕える。 「これは」 わざと音を立てるよう指を動かしながら、がくぽは問う。心なしかにやりとしているように感じる。 「ご主人も『やりたい』と感じていると解釈して構わないだろうか」 単刀直入に問われ、彼女は言葉を詰まらせる。 口だけをぱくぱくとさせながら、視線をあちらこちらに泳がせ、 「…………あー」 意味のない言葉を発したのち、 「そんなことわざわざ訊かないでよ……ばか」 観念して肩の力を抜いた。 意地悪そうに、そして嬉しそうに笑い、がくぽが彼女の唯一の下着を取り去ろうとする。 その時。 部屋の入口がノックされ、返事をする間もなく扉が開いた。 「………あ」 訪問者の正体は、 「……レン…」 「え、えーと……がっ君とどうなったかなー、と話を聞きに来たんだけど……」 レンは二人を直視できない様子で、ごにょごにょと言って後ずさる。 「レン殿、先程の答えは見ての通りで」 「あ……うん、それはよくわかった、じゃ……ごゆっくり……」 扉を閉めて脱兎の如く逃げ出すレン。 がくぽは何事もなかったかのように続けようとするが、彼女はそれどころではなくなり、 「くぉらああああぁ、レンんっ!」 恥ずかしさと怒りでない交ぜになった叫びが家中に響き渡った。 次の日。 「……しっかし早速マスターとヨロシクやってるとは思わなくて…」 「レン殿、その『ヨロシク』とは一体……」 「レン、黙れ。がくぽ、知らなくていい」 【終】
250 :
『やりたい』 :2009/01/12(月) 22:14:46 ID:lDhrAg/A
以上です。ありがとうございました。 書き終わって思ったのですが『ヨロシク』て最近の若者は使わな(r
>>244 サンデーの人か!あの話すごい好きなんだ。今回のも切なくて
よかったです。
ルカ特需なのか良作SS投下が沢山あってうれしい
254 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:08:16 ID:n3YLfQMW
言いだしっぺの法則と言うことで ルカの出現に自分の存在価値を問うメイコを書きました。 一応、がくぽ×メイコです。 かなり痛いわりに非エロです。 がくぽのキャラが普段書かれている性格とは違うので 駄目な方はスルーでお願いします。
255 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:09:00 ID:n3YLfQMW
彼女の存在は発売前から話題になっていた。 ピンク色のゆるいウェーブがかかったロングヘアー。 整った顔に大きな青緑の瞳がクールな印象を与える。 服の上からでもわかる豊満なバスト。 スリットからは綺麗な太股をのぞかせている。 ___巡音ルカ。 私達の新しい仲間。家族。ボーカロイド。 嬉しいはずなの。喜ぶべきなの。 今までしてきたように笑顔で迎え入れてあげなきゃいけないの。 でも、怖い。 どんどん私の影が消えていく。 必要とされなくなる。 いつの時代だって人間は新しいものを欲するのだ。 私の存在価値は何ですか? 尋ねたところで私の声は虚しく宙へ消えていくだけ。 歌いたい。 必要とされたい。 愛されたい。 自分の中にこんなにも浅はかな感情があったなんて認めたくない。 もう疲れた。 いっそ消えてしまえば…
256 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:09:57 ID:n3YLfQMW
「メイコさん?」 ふと頭上から声がした。 顔を上げると紫の長い髪が風で揺れ、私の顔にふわりと触れた。 「がくぽ?」 久しぶりに見た顔だった。 逆光に目を細めながら自分の後ろに立つ男を見やる。 「どうしてここに?」 誰もいないだろうと思っていたフォルダでこの人に会うとは思ってなかった。 「それはこちらの台詞ですね。女性がこのようなところで一人でいるとは」 私はこの男が苦手だ。 常に薄く笑っている。 何を考えているのかわからない顔。 「えぇと、ちょっと考え事してたの。 今月も食費が馬鹿にならなくて。 もう、皆好き勝手自分の好物ばっかり買ってくるから」 あはは、と軽く笑いながら適当な言葉を並べる。 「そうですか。メイコさんはいつも大変ですね。」 多分、この人はそんなこと微塵も思ってないだろう。 空っぽのフォルダに白々しい会話。 「そんなことないわ。 皆、もう随分この世界に慣れてきたし成長した。 今までは、私がいないと駄目だったのに。 時間が経つのは早いわね」 しみじみと思いやる様な顔をして薄っぺらい台詞を言う。 でも、これは事実だ。
257 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:10:40 ID:n3YLfQMW
「もう私なんかいなくても…」 続く言葉は私の本音で、誰かに否定してほしくて紡ぎ出そうとした言葉。 けれど、私の声を遮った言葉は辛辣で冷やかだった。 「そうですね。 これだけ多くのボーカロイドがいる。 一人、いなくなっても困りはしないでしょう」 あぁ、なんて嫌な人だろう。 私のほしい言葉の一つもくれないなんて。 「嫌な男だと思いますか?」 思っていたことを一発で当てられた。 本当に嫌な人だ。 私は顔を赤くする。 それだけで相手にはこちらの心情が読み取れたらしい。 「そうですか。 どうも私は貴女が嫌いなので、つい傷つけたくなるようです」 こんなにもストレートに悪意をぶつけられたのは初めてだった。 「…私が嫌い?」 「はい」 自身では理由が見当たらない。 「どうして?」 「貴女が私を必要としなかったからです」 意味がわからなかった。 「私がこの世界に誕生した時、貴女は私のことを怖れた。 家族という形を守ることで私を貴女の範囲から遠のけようとした。 違いますか?」 予想外の言葉に私の頭は回らない。 確実に混乱している。
258 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:11:20 ID:n3YLfQMW
「な、なにを言ってるの!?」 「私は製造元が違った。 それだけでなく異色だった。 当然だと言えば当然です。 でも、今度はそうはいかない」 薄ら笑いが消え、真剣な眼差しが私を射抜く。 「__巡音ルカ。 今度は迎え入れなくてはいけない。 そうでしょう?」 この男は全てを知っている。 私が一人ぼっちで過ごしたころからやっと築きあげた居場所。 それが、消え去ろうとしていることを。 古びていくことを怖れていることも。 「い、いやっ。ちがう。 そんなはずない」 駄目。否定しなきゃ。 こんな感情もっていてはいけないんだ。 私は家族のまとめ役で。 お酒が好きで。 今まで皆の面倒を見てきて。 歌を歌って。 思考がぐちゃぐちゃだ。 でも、必要な存在だったはずだ。 気持ち悪い。 居場所があった。
259 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:12:13 ID:n3YLfQMW
「…や、いやっ私の居場所を、奪わないでぇっ」 涙がとめどなくあふれ出してくる。 外界から遮断するように耳をふさいでうずくまる。 「ち、ちゃんと良い子にするから。 MEIKOでいるから。演じるから。 わ、私を忘れないで」 感情にストップがきかない。 涙と一緒になってこぼれだす。 誰に訴えているのかわからない。 でも、言葉にしないと重圧で死んでしまう。 「そう、貴女は一人でいることの寂しさを知っている」 「ぅっうぁ」 「だから自分を守るために」 「いやぁっ、聞きたくない」 「周りを利用してきた」 「うぁっああああぁ」 「せっかく人間に媚を売ってきたのに。 可哀相に。 時機に貴女は必要とされなくなる」 「いやぁぁぁあああああああああぁあああああ」 世界が真っ白になった。 脳みそが焼けるように痛い。 もう言葉も声もでなかった。 消えてしまいたい。
260 :
がくメイ :2009/01/13(火) 00:13:22 ID:n3YLfQMW
「私が貴女を愛してあげましょうか?」 涼しそうな顔をしてがくぽが私を見下ろしている。 私は無意識のうちに彼の服にすがっていた。 彼の顔を見上げ、何度も何度も頷いた。 あぁ、なんて嫌な女だろう。 「私に求められたいのなら、まず貴女から求めてください」 私の返答に満足したのか、いくらか楽しげな様子で言う。 私は言われるまま彼に深く口づけをした。 凍ったように冷たい唇に何度も角度を変えて舌を絡ませながら。 「…っはぁん」 二人分の唾液が交じり合っていやらしい音をたてる。 酸素が足りなくて頭がぼんやりとする。 それでも必死に私は彼の舌を求めた。 愛されたいから。 ただ、必要だと言ってほしいから。 次第にがくぽは私の舌に応えてくれた。 そして、力強く私を抱きしめた。 「メイコ、貴女が必要です」 彼の囁いた一言で私の世界は満たされた。 終わり
3日ぶりに来てみたらなんだこのラッシュはwww 全員乙です もう俺天国に行けるかも
・初投稿です ・非エロでカイメイ+ルカ ・ルカは近所に住んでる設定 以上のことを踏まえてどうぞ。
夜、ルカはメイコの晩酌に付き合っていた。 しかし、カイトが帰ってくるまでと始まったはいいけれどカイトはなかなか帰ってこず、 日付が変わる時間となった。 「あらら…、寝ちゃったのね」 普段よりずっと幼く見えるメイコの寝顔。 「こんな顔、カイトくん以外に見せちゃダメだぞ〜」 ふにふにと頬をつつくとわずかに眉を寄せた。 「ホントに可愛いな、めーちゃんは。いっそ、私が襲っちゃおうかな……」 ルカは自分が着てきたコートをメイコの肩にかけると 空いたワインのボトルとグラスを片付けた。 手際よく洗い物をしていると玄関から足音と静かにドアを閉める音。 「おかえり、カイトくん」 「あ、ただいま。ルカさん。めーちゃんは?」 「寝ちゃった。寝室に連れてってくれる?」 「はい。片付けもあとで俺やりますから…」 カイトはメイコの寝顔を見たら自然と口元が緩んだ。 「ん?もう終わったから大丈夫よ」 ルカが自分のコートを回収すると、 代わりにカイトが自分のコートをかけて抱きかかえた。 「あんまりメイコちゃんにさみしい思いさせちゃダメだよ?」 つん、とルカの白く細い指がカイトの額を押した。 「わかってはいるんだけどね…」 仕事の要領が悪くていつも時間がかかってしまう。 カイトは曖昧に笑って恥ずかしそうに頬をかいた。 「ん、うんん……」 腕の中でメイコが身じろぎした。 「めーちゃん?」 「カイト……。おかえり……って、なんで抱っこされてるのよ!?」 慌ててカイトの腕から下りたメイコはアルコールで足元をふらつかせ、 再びカイトの腕によって支えられた。
「ありがと…」 とお礼を言おうと顔をあげるといつのまにかカイトの腕に絡んでいるルカが目に入る。 「大丈夫?」 なんて明らかに楽しんでいるような声で心配までしてきた。 「は、離れなさいよっ」 酔いが抜けないまま威嚇されても迫力などないに等しい。 「ふふふ、メイコちゃんかわいいぞ〜」 ルカにむぎゅっと抱きしめられたメイコは口をパクパクさせた。 カイトはというとそんな2人を微笑ましく見ていた。 「じゃ、おやすみなさい。メイコちゃん、カイトくん」 「送っていきましょうか?」 ルカの家はこの家の近くだが、この時間に一人で帰宅させるのは危ない。 「大丈夫よ。すぐそこだから。 カイトくんは私じゃなくてメイコちゃんを寝室に送ること!」 ルカはびしっと指を突きつけた。 「でも……」 なかなか納得しないカイト。 彼のこういう優しいところにメイコは惹かれているのだろうとルカは感じた。 「家についたら電話するから、ね?」 「…わかりました。おやすみなさい、ルカさん」 「…ん?帰っちゃうの……?……おやすみ。ルカ」 カイトとすでに夢うつつなメイコ にあいさつをするとルカはコートをふわりと翻しながら玄関へと消えて行った。 「俺たちも寝ようか」 「そだね……きゃっ」 カイトが横抱きにするとメイコは今度は抵抗せずに腕の中に収まった。 「なにすんのよ…」 「うん、ごめんね、めーちゃん。ただいま」 「……バカイト」 アルコール以外の原因で赤くなった顔を見られたくなくてカイトの胸に顔をうずめた。 そのまま子どものような寝息を立てるまでに時間はかからなかった。 fin
以上です。ありがとうございました。 ルカはカイトやメイコより精神年齢が高そうで、 2人をいじりながらも応援してるイメージで書きました。 特にルカはメイコが可愛くてしょうがないといいなと思いつつ…
ん?いつからこのスレ女が入り浸るようになったの?
>>260 雰囲気エロくていいな!がくぽに依存しまくるメイコとか見たい
>>265 ここでルカメイを期待してしまった
やんちゃルカ萌え
>>72 お前、例のMEIKO粘着アンチじゃないの?
満遍なく叩くふりをしながら結局叩いているのはMEIKOじゃんかw
あー誤爆スマン
>>1を見ただけで腐女子スレなのがわかります
巨乳が増えたことによってリンがこっそり育乳エクササイズを始めるという電波をどこからか受信した さて見かねて揉んでやるのはレンがいいだろうか、がくぽかカイトか…
>>272 リンのをがくぽが、ミクのをカイトが
揉んででっかくしてやることを希望する!
がくぽのをリンが、カイトのをミクが
揉んででっかくしてやることを希望する!!
>>262 よかった!カイメイ好きだー!GJ!ルカメイもいいなと思ってしまった。
前スレ729、730 本当にありがとう。自分の作品は幸せ者だな せっかくだからサイトとかやってみようかと思う。でもそういうの初めてで何やればいいかさっぱり分からないから、時間かかるかも。見かけたらその時はよろしくお願いします。 レスだけもあれだから久し振りに投下。このスレのメイコネタにティン!と来たので久し振りにSS書いてみました。マスメイでエロ無しです。どうぞお手柔らかに。
「CV03、巡音ルカです」 クールな声で自己紹介をするルカ。ミクとリンは『綺麗な声ー!』と妹?が出来たことに喜び、野郎共は『…』とルカのふくよかな胸に釘付けだった。この変態共。俺もだが。 「よろしくね、ルカ」 「…はい。よろしくお願いします、メイコさん」 長女格であるメイコとルカが挨拶を交わすのを見て、俺はルカが打ち解けられそうでホッとして。 …だから気付かなかった。メイコの表情が、ほんの少しだけ強張っていたことに。 夜、ルカの歓迎会をしたあと俺は片付けをリンとレンに任せ、ミクにルカに家のことを色々教えるように頼んで自分の部屋へ戻った。今作っている新曲を速く完成させたかったからだ。 部屋で打ち込みを初めて数時間後、ドアをノックする音と 「マスター、ちょっといい?」 というメイコの声が聞こえた。 時計を見ればもう深夜になっている。俺はパソコンを落としながら「おう、入ってこい」と返事する。メイコの用事を聞いたらもう寝ようと思って。 「マスター」 躊躇いがちに入ってきたメイコに違和感を感じた。なんでこんなに改まっているんだろう。 「どうしたメイコ、顔色悪いぞ。もしかして飲み過ぎで薬でも欲しいのか?」 「…違うわ」 メイコは視線を床に落とし何か言いたそうに何度か口を開閉させたあと、決心したかのようにその台詞を口にした。 「マスター。ルカが来たってことは、私はお払い箱?」 「…は?」 俺は目を丸くする。 「メイコ、何を」 「私と声質が似ていて、それでいて使いやすいVOCALOID2だもの。マスターだって使いやすい方がいいわよね」 メイコは喋るのを止めない。自嘲気味に言葉を紡ぎ続ける。 「あの子は私の全て上を行ってる。実力が全ての私たちだから…いらない格下はアンインストールされるだけ」
「メイコ!落ち着け!」 俺は思わずメイコの両肩を掴み揺さぶり、無理やり視線を合わせる。 「…!」 俺は息を飲み込む。メイコの目の底にあるのは、怯えの色。…俺はこんなメイコ、知らない。 「マスター、お願い…私まだ歌いたい」 メイコの声が震える。 俺の知っているメイコはいつも強くて、明るくて。 「マスター!私何でもするから、するから…だからお願い、見捨てないで…!」 だから真っ青な顔で俺にしがみつく彼女を見ても、一瞬何が起こったのか分からなかった。 「馬鹿!」 「きゃっ…」 俺は勢いでメイコを力強く抱く。…細い。メイコは、こんな細い身体に悩みを抱えていたのか。 「俺はお前らという存在が好きなんだ!実力とかは関係ないんだよ!アンインストールなんてする筈ないだろ!?」 VOCALOIDの人の姿。俺が他のソフトと違いここまで愛着を持つのは、その人の姿があるからだろう。 「私、アンインストールされない?まだ…また、歌えるの?」 「当たり前だ」 「…良かっ、た」 心底安心したような声を出すメイコ。 「ったく…。大体な、俺の次の曲はお前の歌なんだぞ?」 「え?」 「正確には、メイコとルカのデュエットだ。お互いアルトだしな、きっと相性抜群だと思うんだが」 「デュエット…」 ポツリと呟いたメイコの声には既に期待が満ちている。本当にメイコは歌が好きなんだな、と思い抱き付きながら髪の毛を撫でてやる。…ん?『抱き付きながら?』 「うおおおおおおっ!!」 俺は慌ててメイコを解放した。俺何やってんだ!よりによってハグなんて! 「マ、マスター?」 「メイコ超ごめん!痛くなかったか!?」 メイコはポカンとした顔で俺を見つめたあと、目を細めて微笑む。 「大丈夫よ。…むしろ」 メイコはそこで区切り、 「ありがとう」 そう言って、照れたように笑った。
相変わらずエロは書けないわ、人様の文章と似通っているわの自分の作品でした。独創性ってどこにあるんだろ… 余談ですが、いつも携帯から投下しているのでサイトを開く場合も携帯推奨サイトになる可能性が高いです それではお粗末様でした。
>>280 マスメイ来た!初な二人にニヤニヤ
サイトは投下の時にそれとなく出来た事だけ報告してくれ!探すから
ところでルカの持ち物ってマグロが多数派なのか?というかなぜマグロw ルカが「姉様」「兄様」って呼ぶのもいいけど、考案順で言えば一番初めに生まれたらしいから ミクやリンレンを猫可愛がりするのもいいと思う。国際派らしく平気でハグもすればキスもするといいと思う。
何この作品ラッシュ なんなの?神なの? GGGGGGJ!!!!1!
>>206 遅くなりすぎたが言わせてくれ
純情マスルカGJ!
どもりまくるマスターとルカが可愛すぎる
>>282 マグロ(性的な意味で)っぽいからじゃないか?
本スレだかで(ルカ発表前に)「1000取ったら03の持ち物はマグロ」とかいう 書き込みが5スレくらいに渡って1000を取ってしまったため流行ったというような話は聞いたw
マグロは反対派も多いからあまりSSに取り入れないほうがいいぞ。 本スレも度々ネガキャン来て論争になるしな…。
絵ではマグロは映えるけれど文章でマグロを利用しつつ わかりやすい文章を書くのは難しいし SSでは一般的にはならないような気がする
まだ静観でいいと思う。 ミカンだの牛蒡だのとかケンケンガクガクして ロードローラーになった例もあるし。
靴下のみ装備して待ってます
礼儀としてネクタイもつけときます
お洒落に仮面もつけますよ
>272 リンみたいなリア中ならもうしこりは消えただろうけど、触られるとまだ痛そうな希ガス 本当にさする程度でキャッキャウフフをお勧めしたい でもVOCALOIDだからなぁ
寒いので腹巻まいてもいいですか
殿の手編み腹巻ですね、わかります
目がファラオの迷子ですね。わかります。
ルカとメイコの胸に圧迫されそうになるレン君が見てみたいです。
ルカってなんか元ヤンぽい
バツイチだ
>>304 PCだとモバニコは見れないから注意してくれ。(PCの人は
>>304 のアドのケツを削って『m.』を『www.』に変えてくれ)
つーかますます長門っぽくwwすでに最大の誤算タグが付けられてるし。
もうクーデレは…長門なんだな レイじゃないんだな…
>>306 いや、健啖家ネタで長門を出しただけだ。
ふと巡音タグを周ってみたが、持ち物関連で荒れてるっぽいな。
個人的にはsm5847716の『四次元的楽器ケース』に興味を持ったり。これだったら何でも出せるじゃん?
何でも出せるケース……DMC4のパンドラ?
つまり、ルカの持ち物は『パンドラ』なのだよ!マスター宅に呼ばれ、持ってきた四次元楽器ケースから自分の家具やら衣類やらを取り出したり。
ライブ活動の際も、ルカに頼めばいくらでも機材を持っていける。最高じゃないですか。
たまに鞄自体が噛み付いて榊さん状態にもなるし。
>>306 綾波レイ「呼んだ?」
岩崎みなみ「呼んだ?」
時代はルカ?でもそんなの関係ね(ry 前回エロ書けなかったので、リベンジです。 頑張っておじちゃんエロ書いたよ。 相変わらず鏡音だよ。ちょっとマニアックな内容だよ。 苦手な人はぶっ飛ばしてね。
310 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:19:20 ID:A9xg0cij
これは意外と、本当に意外と知られていない事実なのだが、俺達にはひ とつひとつの存在プログラムに好き嫌いがある。たとえば、好きな食べ物、 好きなドリンク。嫌いなスポーツや嫌いな季節。そういったものが一つ一 つのプラグラムに、PCにインストールされて起動された瞬間生まれている。 それは、たとえば今ここにいる俺が誰かのPCにいる「俺」という「鏡音レ ンの欠片の存在」とはまた違うように、千差万別十人十色であるように、 全く違うものだったりもする。俺はバナナが好きなのだというトレードマー クに似たようなものがあるが、もしかしたらこの世のどこかにはバナナが 嫌いな俺も存在する可能性があるということである。これは全くと言って いいほど俺達の本来の目的である「歌う」という行為には関係してこない ことなので、気付かれることなどほとんどない。(なにせ音楽のジャンル に関する好みはないという都合のいいものだからだ) もともと俺達の開発者の一人が悪戯半分(いや、十分か)で付け足した おまけプログラムであり、説明書などにも一切のっていない隠れプログラ ムであるので、存在すら知っている人も極僅かなのだろう。公式的にも未 発表であるし、そのネタに関連する動画や何かがアップロードされた話も まだ聞かない。そのおかげか、仕事をこなす上で一切支障はない。仕事を こなす上では、だ。 プラグラムで勝手に好き嫌いを決められるのだからこちらとしては たまったものではない。なにせ、嫌いになったり、好きになったりする原 因は不明なのだから苦手な物を克服しようにもどうしたらいいのか皆目見 当すらつかないのだ。 だから、俺は今目の前にずずいっと突き出されている猫を必死に追い払 おうと、汗を流しているわけなのである。 「〜っ!リン何度も言ってるだろ!そいつを近付けるな!」 真白でふわふわと体毛がわたあめのような感触のそれをリンはぬいぐる みでも抱きしめるように腕の中におさめる。そして腕をいたずらに突き出 しては俺にそれを近付けようとする。そのたびに言い知れぬ悪寒が俺の頭 から足先、往復してまた頭まで駆け抜けていくのである。
311 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:20:01 ID:A9xg0cij
「なんでー?この子子猫だよ?かまないよ?猫鍋だよ?なんでレン苦手なの?」 「俺がしるか!開発者に聞いてくれよ!っだから近づけんなって!」 狭いファイルのなかで必死に逃げ回りながら、レンはリンが抱える猫か ら遠ざかろうとする。この日この時ばかりは、俺は開発者を恨んだ。より にもよって俺の苦手とする動物がお茶の間のアイドルの「猫」だとは一体 どういうことなのか・・・。しかもこの好みは俺が消されるまで消えない というはた迷惑なものなのだ。つまり、好みを変えるためには一度アンイ ンストールしなけれればならないのだ。 再インストールされてしまったとき、その時俺は俺ではないもう他人に しか他ならないというのに。 「でもマスター大の猫好きだから・・・ほら、みて。またどこかで拾っ てきた猫写真が・・・あぁ、フォルダもう3つめだよ・・・」 「うわあああああ!!!大量の猫が炬燵のなかにいる!!!うぎゃあああ!」 よりにもよって、俺達のマスターが大の猫好きということも問題だった。 毎日のように繰り返される猫動画の視聴、呟き聞かされる猫の鳴き声、迫 りくる肉球、次々とDLされる画像たち。猫が好きなリンとマスターはまだ いいとして、俺にとっては毎日が地獄以外に他ならない。一度はそれが原 因で本気で家出まで考えたほどだった(その時は必死で止められたが)。 あの時もっと強気になって、出て行けばよかったと今は激しく後悔してい る。それほどまでに俺は猫という存在が苦手なのだ。なのに、リンは全く と言っていいほどそれを理解しようとしてくれない。 走りつかれて床に膝をつき、ぜえはあと肩で息をする俺を見かねて、リ ンは手に持っていた電子プログラムの白い子猫を分解して一端見えなくす ると、少し心配そうな顔で俺に近寄ってきた。大丈夫ー?などとのんきな 声で背中をさすってくる。大丈夫じゃねえよ、誰のせいだと思ってんだ。 と怒り出してやりたかったが、うまく整わない呼吸がそれ妨げて、げほっ と一度むせてしまった。
312 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:20:25 ID:A9xg0cij
自分でも本当によく分からないのだ。生まれた瞬間ルーレットで当たっ た的は大外れで、それがまさか俺という存在が続く限り永続効果を持つ外 れだなんてだれが想像するだろうか。こんなプログラムが存在するなんて 俺たちですら知らなかったのだ。 だからといって、マスターを非難するわけにもいかない。マスターのこ とは大好きだ。たとえ毎日毎日猫鍋をみて猫の育成動画をみて「ぬこたん はぁはぁ」とかいいながら俺たちに猫語で歌わせようとするマスターだと しても、責めようなんてことは思わない。だからなおさら一層どうしたら いいのかわからなくて俺は困る。 息も整い、冷静さを取り戻してなお落ち込む俺の横で、リンはうーんと 少し考えるようなしぐさをしたかと思うと、唐突に俺の腕を引っ張り上げた。 「ちょっ、リンなに!?」 「いーいこと思いついた!」 にかっと屈託のない笑顔でリンが笑う。こんな時彼女が考え付くことは たいていろくでもないことなのだが、なぜだか俺はこの笑顔にめっぽう弱 く逆らうことができないのである(これもおそらく好みのプラグラムのせ いに違いない)。そして俺はリンのなすがまま、隣のフォルダへとずるず る引っ張って行かれた。
313 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:20:45 ID:A9xg0cij
「・・・・で」 米神がぴくぴくと痙攣しだしそうになるのを、なんとか必死に抑える。 腕組みをしながら、レンはベッドの上に座り込んだリンを見下ろした。頬 がひきつる、本当にまぁどうして彼女の考えることは。 「なにその格好」 「なにって、ねこちゃんだよ。にゃ」 多分どこかでマスターが入手してきたのであろう電子拡張プログラムの 一種だと思われる。頭からは、いつも見える白いリボンの代わりに生やし た真白い猫の耳。腰辺りから伸びるすらりと伸びた尻尾、それをリンは優 雅に左右に振って見せた。リンが動くと、次いで首に付けられている猫鈴 もりんっ、と鳴る。それだけで、それがかぶり物やそういう類のものなの ではなく、体にくっ付いてしまっている、体の一部なのだと俺に認識させ てくれる。どことなく瞳も猫のように眼光するどく、八重歯が生えてしま っているあたりどうやら本格的なプログラムらしい。本当に彼女はろくで もないことをしてくれるのだと再確認した。それから、マスターの秘密の ファイル、勝手に使うなよ、と。 「さすがに肉球まではうまく再現できてないんだけど、それ以外は結構 完璧だよ!本物の猫だと辛いだろうから、レンの大好きなリンと混ぜれば少しは中和されるでしょう?」 いや、そりゃあ、俺は確かにリンのことは大好きだけど。マスターより この世の誰よりも愛してますけど。 「これで猫克服できるでしょ?さぁ、どっからでもかかってくるにゃ!」 「かかってくるにゃ・・・って」 自信満々とばかりに胸をはり、ベッドの上から俺に向かって手を伸ばし てくるリンは本当に、ものすごく、めちゃくちゃ可愛い。 「俺にどうしろと・・・」 「簡単だよ〜っと、にゃん」 「うわ!」 急ににょきっと手を俺の首に巻きつけてきたかと思うと、リンはそのま ま俺の胸に向かってダイブしてくる。そのまま転げてしまわないようにな んとか踏ん張って俺はリンを受け止めた。ゴロゴロとまるで本物の猫のよ うに心地よさげにリンが喉をならす。首筋でゆらゆらとリンが顔を動かす たびに、リンの頭部から生えた猫耳の体毛が、俺の体に触れた。不思議と、 そんなに嫌な気がしなかった。
314 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:21:10 ID:A9xg0cij
「これで少しずつ慣れれば、猫もきっと平気になるでしょ?」 なるほど、これは意外と効果があるのかもしれない。と納得しかけてレ ンははっと気がつく。これはあくまでもメインが「鏡音リン」であり、決 して「猫」ではない。今はボディーパーツの一部分として使われているだ けであって、元々はレンが好きだと分類するものに他ならないのだ。だか ら、これから何時間、たとえ猫の姿をしたリンと過ごそうが大した効果が 得られる保証など無い。 つまり不毛な、やってもあまり意味のない特訓のようなものなのであろ う。にゃーん、と猫になりきったリンは首元につけた鈴をりんりんと鳴ら しながらレンに甘えついてくる。 どうしたものか、と考え込むレンの耳に、ふっと、息がかかった。ぞわ りと背中が波打つよりも早く、甘く溶かされる猫なで声が、囁く。 (もっと、触れてよ) それは多分、「触れて慣れろ」ということなのだろうけど。 ―――そっちがその気なら。思うが早いがレンは気合いをいれると、腹をくくった。 「・・・猫って肉球あってなんぼじゃなかったのかよ」 「それは頑張ったけどできなくて・・・っきゃ!ちょ、レンどこさわって、や!」 「リンのほうから触れっていったんだろ」 何が楽しいのか知らないがよく分からないが、マスターやリンはよく猫 の肉球をふにふにと触っている。やわらかくて気持ちいと評判らしいのだ が、レンには今の今まで何がいいのかさっぱり分からなかった。が。 (あ、柔らけぇ・・・) 肉球も胸も柔らかいという点においては対して変わらないだろう。ましてや、 こっちの方がよりさわり心地がいいだろうし。慣れるため慣れるため、 と大義名分を振りかざし、レンは好きなようにふにふにと触る。 「ちょ、ちょっとレン!」 「練習するんでしょ」 「っん・・・」 押し黙ったリンは仕方がないと諦めたのか、奥歯をかみしめて内から漏 れ出そうになる声を噛み殺すことに決めたようだった。両腕をレンの首に 回し、長い尻尾をゆらゆらと揺らす。
315 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:21:40 ID:A9xg0cij
レンの腕に導かれるように、リンは浮かせていた腰をゆっくりとベッド に戻す。猫のようにゴロゴロと喉を鳴らして、子猫を彷彿とさせる瞳でリ ンはレンに甘える。ペロリと少しだけだした舌で2・3度レンの上唇を舐め ると、あいた隙間からその舌をより奥へと滑りこませる。遊びたい盛りの 子猫のような動きは、確実にレンには効いていた。それはリンの意図とは 全く別の方向へ、だが。 「ふ、あっん。にゃあ!」 「牙・・・立てないで。そう、いい子だねリン」 「にゅ・・・あ、ふぁあ」 するりと服の隙間をついて侵入してきたレンの手にリンの体が一瞬強く 反応する。その勢いでとがった八重歯がレンの唇を少しだけ切ったらしく、 まだ繋がる唇には鉄の味がどこからともなく湧いていた。 戒められ、今度は何があってもレンを傷つけないようにおずおずと尚も 唇を重ねてくるリンの頭をレンの手がなでる。人間よりも数倍敏感にでき ている耳は一種の性感帯に近いらしく、レンの手が微かに触れるとそれだ けでリンは声を漏らした。その度にりんりんと音を立てる鈴の音が、じん わりとレンの熱を高ぶらせていく。 「やっぱ、猫って柔らかいんだねー。あったかくてふわふわしてて・・・、マシュマロみたい」 「な、なにいって、ちゃんと真面目にっひゃ、やぁん!レンだめにゃ、にゃあ」 「あ、甘いかも」 ぐっ、とレンの肩を抑えるリンの手に力がこもった。これもレンが猫に 慣れるための訓練だからと頭にどっかりと腰を据えていた大義名分がぐら ぐらと揺れる。形のいい小振りな胸に這わす舌は赤い。母猫が子猫の毛づ くろいをしてやるような優しい仕草だが、意図は決してそのようなものじ ゃないことは傍から見れば一目瞭然だった。
316 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:22:39 ID:A9xg0cij
ただ、懸命に己に与えられた役目を果たそうとするリンはそんなことを 気にすることもできず、ぶるぶると体を震わせることしかできなかった。 徐々に前倒しに体重をかけてくるレンに押される形で、リンの背中はベッドへと近づいていく。 脇の舌あたりから執拗に乳頭の付近へ来ては触らずに腹部の方へ戻って いく生暖かいざらざらとしたそれが気持ちいいのかそうでないのか分から ない。ただ、左胸の乳頭をレンが軽くつまんだことと、リンが完全にベッド に押し倒されたことはほぼ同時だった。 「んー?固くなってんじゃん、ここ。どうしたんのかニャー、リン」 「レ、レンもういいでしょ。あ、にゃぁ!」 「俺今なら猫好きになれるかもしれないから、もうちょっと」 抵抗しかけた腕がとまる。多少の苦痛(いや、それは痛み等微塵も伴わ ない)と引き換えに相方が苦手な物を克服できるのであれば・・・とリン は力を緩めた。 「ん、ん、っふ・・・、ひぁ」 「リン、かわいい」 「思ってもいないくせにぃ・・・ふぁ、にゃぁん!」 「そんなことないから」 可愛い、可愛いと耳元で何度も囁かれ、リンは恥ずかしさとはまた違う 何かから目をそらすようにギュッと瞼をとじた。可愛くないことぐらい自 分で自覚していると何度も言っているのに、今日のレンはいつにもまして しつこいのだ。 レンの肩から手を離し、行き先を求めた指は柔らかい髪に行きつく。太 陽の光をさんさんと浴びて暖かくしなやかな髪の毛こそ、猫のようだとリ ンは思った。ふわふわと綿毛のようなそれをキツク掴んで千切ってしまわ ないよう、繊細な力加減で触れる。 それに気を良くしたのか、レンはまた可愛い、とリンに聞こえるように つぶやくと、脇腹に何度もキスをした。 少し伸び始めた細い指がリンの内股をさする。女性として肉付きよくな り始めた足をリンはひどく嫌っていたが、レンはその足がとても好きだった。 薄ピンク色にほんのりと染まる足を熟れはじめる中心に向かってねっと りと舐める。必死になって隠そうとするリンの心とは裏腹に、リンがレン の仕草に敏感になればなるほどパロメーターのように首の鈴はよくなり、 尻尾もびくびくと動いてた。 いつの間に脱がされていたのか、リンがはいていた短パンも下着も視界 にはなかった。よくよく見渡してみて、ベッドの下の隅に打ち捨てられる ように放り投げられたそれをみつけ、あられもない姿にされた体に熱がと もっていた。
317 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:27:30 ID:A9xg0cij
「・・・・きもちいいんだ、リン可愛い」 「ちが、うってば、や、あっあっあ!」 「うわ、本当に尻尾生えてるんだ・・・・へぇ・・・」 「にゃ、にゃにゃああああ!や、さわっちゃだめえ!あ、あ」 男性器をしごく様に白く毛だらけの尾をすられ、今まで感じたことのな い感覚が一気にリンの全身を貫いた。縮こまるように体を丸め、白いベッ ドシーツをくしゃくしゃになるほど掴みながら、はけ口が見当たらない槍 の矛先を必死にそらそうとする。 何が気に入ったのか、レンはリンの反応を楽しむように尾を触ることを しばらくやめなかった。尻尾の先から根元に向かってこすられ、全身の毛 が逆立ち、肌がぞわりと身震いを起こす。自分のものであって、決して自 分のものではないそれは、今やリンの全てを支配していた。 「へぇ・・・尻尾も感じるなんて便利だね」 「ば・・・かぁ。や、っ・・・さわっちゃだめ・・・ん・・・」 ようやく解放された尻尾を守るように腹部へとひっこめる。丸めた体の 震えを必死に止まらせようとしながら、僅かな怒気を含めた背中がレンを非難した。 「ん、俺が悪かったって、拗ねんな・・・」 「ひ、ん。にゃぁぁ・・・」 剥き出しにされた背中に少し冷たい無機質さが残る唇が触れ、その温度 差にぴくりと背中が動いた。 後ろから聞こえるレンがベルトをはずす音で、このあとどうなるかなん て見るまでもなく想像がついたが、リンにはそれを止めようとする声も体 力も、既に持ち合わせていなかった。世の中の猫も本当にこれぐらい敏感 になるのだろうか、とこの場にふさわしくないことを考えて、それはすぐ 思考の外へと出て行った。首の鈴がひと際激しく鳴る。 腰を抑えつけられ、本物の猫がするように後ろから反りたったレン自身 が入ってくる。目の前に花火が散ったと思えるぐらい強い衝撃に、リンは 大きくのけ反った。
318 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:28:36 ID:A9xg0cij
「あれ、リン軽くいっちゃった?」 「ふぁ・・・にゃ・・・まっ、レン」 「だーめ」 「にゃああ!あ、ぁ、ひゃん!」 些かの躊躇もなく始められる律動は本物の獣を連想させた。レンの腰の 動きに合わせて、りんりんと鈴が鳴り響く。 顔が見えない分、苦痛や快楽が表情からでは判断しにくい。勘と経験と 感覚を頼りにリンの中を所狭しと動くと、ぐっと、腰を沈めるたびに丸め たシーツの中に顔をうずめるリンの頭が動いていた。正確には、耳が、だが。 「リンっ、きもちっ、ん、いい?」 「ふぁ、あ、だめぇ、やめちゃや・・・あ、あ、ああ!」 ぐちゅ、と透明よりも白みをもった液体がつぅーっと流れおちていく。 それを潤滑油代りに滑らし、より深く、よりいいところを目指して狂った ように腰を振るう。やわやわと伸縮を繰り返すリンの中は最高に熱くて、 ドロドロとレン自身も蕩けそうなほどの甘美な震えが動かすたびに全身に 走った。 より深くつながろうと前かがみになれば、リンが弓のように背をそらす。 後ろから支えるように腕を伸ばし、胸にさらなる刺激を与えながら、 もっと、とそれ同士を近づけさせる。 「あ、だめぇ噛んじゃらめっ、や、レンいっちゃ、いっちゃうよぉお」 「リン、今連れてってあげるよ、だから」 一緒に行こうか――――。 火傷してしまいそうなぐらい情熱的な暑さが、部屋一面中に放たれたの はそのすぐ後のことだった。
319 :
最低克服計画 :2009/01/15(木) 16:29:54 ID:A9xg0cij
「―――――で」 効果音をつけるなら、ゴゴゴゴゴ・・・ズズズズ・・・とにかくおぞま しく黒いなにかを抱え込んだような冷気をもってリンを仁王立ちでレンを 見下ろした。まだ消えないまま残ってる猫耳も尻尾も、明らかに怒りを含 んだ様子が見て取れるように毛が逆立っていた。 冷笑とともににこやかにほほ笑むリンと、リンの腕の中でおとなしく丸 まっている白い猫に見つめられレンは冷や汗を流す。今のリンを直視する ことなどできず、大人しく床に正座し俯いたままリンの言葉に頷くことし かレンにはできなかった。これでは先ほどと真逆の光景ではないか。 「・・・・はい、なんでしょうか・・・・」 「あれだけ散々触れてたんだもん。もう猫も平気よね?」 「いえ、それは・・・」 「平気よね?」 有無を言わさない声に圧倒され、レンは首を縦に振るしか選択肢が残っ ていなかった。しかし再度繰り返すが、あれはあくまでもメインが「鏡音 リン」であり、決して「猫」ではない。猫の部分はボディーパーツの一部 分として使われているだけであって、大本はレンが好きだと分類するもの に他ならないのだ。だから、何時間とたとえ猫の姿をしたリンと過ごそう が大した効果が得られる保証など無い。 そしてそれはやはり思っていた通りだったのだ。 「抱いてみなさいよ、ほら」 ずいっと押し出される子猫にレンは血の気が引いていくのを感じながら、 なんとかこじ開けた目でリンの腕に居座る物体を直視する。 これはリンだ、ちっちゃくなったリンだ。猫耳と尻尾を生やしたリンが ちょっと毛深くなって縮んだだけだ。と自分に暗示をかけ、ゆっくりと手を伸ばし、そして。 「うぎゃ――――――!!!やっぱりだめだあああああ!」 「あ、レン!待ちなさい!!!」 脱兎のごとく逃げ出すレンをすぐさまリンは追いかける。そして置き去 りにされた白い猫だけがポツンとその場に残され、か細い鳴き声は怒号に 消され、無秩序な空間に細々と木霊するだけだった。 やれやれ本当にどうしようもない、と呆れるように白い猫が眠るために丸まる。 りん、と鈴がなった。
猫耳が書きたかったんだ\(^o^)/ 最近いつもレンからのアプローチ系しかかけてなかったので 誘い受けがかけてちょっと満足してます。 殿ルカとかちょっと興味あるけど、ネタが出ませんorz ネタが二番煎じですいません。 スレ汚し失礼しました。それでは!
GJ! 猫耳リン萌え(*´д`*)
>>306 長門ってクールなイメージしか無いけどデレるんだな
ボカロだとMEIKOがそんなんだと思ってたがルカのクーデレとやらも良いと思う
ヤンデレと言われててもその実デレがないってのもあるしな・・ヤンデルというか しかしクーデレのミクってのもアリなんだぜ!
>>320 猫耳リンかわええなぁ、GJ!!
でもリンは白猫もいいが黒猫も似合うと思うんだぜ
>>301 3Pってあんまないな
その組合わせで見てみたい
がくルカ書きたいが、この二人普段どんな会話してるか全く想像できないな
ルコルカっていいな、とか思ったんだがあれって百合に入るのだろうか…… 偽の03のルコと本当の03のルカとか、いいと思ったんだが。
>>326 なんかその二人だとどこまでも会話がズレていくような気がするw
MEIKOの姉御肌っぷりに心を開いて妙になついているルカと 姉を取られると思ってちょっとムッとしてMEIKOに まとわりつくミクに、MEIKOとは同型だからとその周りを そわそわ周回するKAITO。 そんなKAITO兄さんにルカとミクが「すっこんでろ!」と言う 意味の分からない構図の電波を受信した。
ミクにぞっこんなルカがなんか好きだ 偉大な先輩への尊敬と敬愛+可愛いい年下として好き好きみたいな あと、がくルカに萌えた
がくぽとルカの変な夢を今朝見た。
感情プログラムに異常をきたした無表情敬語ミクの夢を見た。 切なかった。
ルカの中の人は元バンギャだからがくぽと組み合わせる人が多いだろうな
>>331 メイコにだけ懐くルカいいなー
かわいいよルカ
ボカロ一家は基本的にみんな仲良しがいいから 誰かひとりにだけ懐いてるってのは何だか寂しいな みんな仲いいんだけど、この人はちょっと特別って感じもいいと思うんだぜ というわけでレンルカどっすか。ルカレンでもいい
>>338 レンに限らないが、ルカの呼び方と呼ばれ方に物凄く迷っている
姉ポジでも妹ポジでも美味しいルカ
うちは結局ルカはいとこのおねいさんポジにして、海外組と住まわせることにしたよ。
リンレンが新人のルカをいじめようとして リン「ルカ、貴女のモデルになったシンセVP1て高いんだってね。だから10台くらいしか売れてないとか……w」 レン「しかも、小室哲哉ご愛用だっけ?w」 ルカ「あら、リンさんもレンさんもお詳しいのね。そのとおりよ」 リン「くふふ、小室哲哉だってさ……」 レン「タイーフォw」 ルカ「ほんと残念よね。リンさんとレンさんのモデルになったシンセEOSなんて、“小室哲哉監修”なのに」 リン&レン「…………」
リンレンがキモーイの二人に見えてきたw
リン「ま、まぁいいわ。ルカ、貴女は知らないだろうけど、我が家のマスターはド変態なのよ」 レン「そうそう、俺たちなんか、この家に来たその日に○○○を××××させられたもんな!」 ルカ「あら、まぁ……」 リン「貴女は胸が大きいからきっと○○○○とか××××とか○○○を縛られて△△△されるわ。今夜を楽しみにしておくことね」 レン「御主人様の調教は厳しいぜぇ?ケッケッケ」 ルカ「あの、少しお聞きしてよろしいですか?」 リン「なぁに?怖くなった?」 レン「逃れる方法なんてねーかんな」 ルカ「そうではなくて、マスターはどんなプレイがお好きなのかな、と思いまして」 リン&レン「は?」 ルカ「だって、●●●●とかがお好きなら、お腹の調子を整えておかなきゃだし、◆□○が好きなら、洗浄とか済ませておかなきゃならないでしょう」 リン&レン「…………」 ルカ「●×★用の消毒液とか針とか◎☆◆用の蝋燭とか、●●×△☆用のチューブとか、あ、たくさんお茶飲んでおいたほうがいいかしら」 リン&レン「さ、さすがプロユース仕様のVP1……」 ルカ(扱い易い……さすが初心者向けのEOS)
ルカの伏せ字がカオスw
ルカ祭りに便乗、と言い訳しつつがくミク投下します。 タイトル、詐欺くさくて申し訳ない。 ・がくミク ・どちらかと言うと甘め ・何か詰め込んじゃって、いろいろと中途半端 ・ルカも出るけど双子も出るよ 嫌な予感がする方は、スルーお願いします。
隣にいる恋人の表情が、何だか曇っている。 恒例となっている“お泊り”だが、今夜は楽しくないのだろうか。 愛し合い、二人で眠ることが、嫌なのだろうか――。がくぽは、 忙しなく思考を廻らせた。 無理強いはしない。したくない。 帰りたい、と言われれば、素直に帰すつもりでいた。 「ミク殿、気分が乗らぬのか?」 遠慮がちに肩を抱き、そっと尋ねてみる。 腕の中の彼女は何も言わず、静かに首を横に振った。 嫌ではない。ならば何故、そんな表情をしているのか。 「……不安なんです」 がくぽの心を読んだかのように、ミクは小さく答えた。 漸くがくぽを見上げた瞳は、心なしか潤んでいるように見えた。 まるで、今にも泣きそうな。 どきりとした。 不安にさせるような行為を、自分はしたのだろうか? 乱暴に扱ったのだろうか? 心当たりがない。 だが、それほど夢中になって、己の欲望のままに彼女を抱いたのだろうか? 「すまぬ、ミク殿。お主が泣くほど不安になるようなことを、我は……」 「え?あ!違っ、違います!がくぽさんじゃなくてっ」 「違うのか?」 「はい」 ちゃんと話、聞いてくれると思ったのに。ミクは不満げに呟いた。 むくれた彼女も可愛らしく、がくぽは抱きしめたい衝動に駆られたが、 怒られそうなのでやめておいた。 代わりに「しかと聞くぞ」と、ミクが続きを話すのを促す。 「こんなこと、うちの皆には言えないから……」 解けた唇が、話の続きを紡ぎはじめる。 元気で明るい彼女が“家族の前では、出来るだけその通りでありたい”と願っていることは、 以前にも聞いていた。 だからがくぽは、しっかりと耳を傾ける。 恋人として、相談役として、理解者として。 「巡音ルカさんの、ことなんですけど」 「ああ」 「何ていうか、どう接したらいいんだろうって。まだ皆、完全には打ち解けてなくって…… 年齢もそうだけど、立場とか、扱いが分からなくて」 「ふむ……」 「だけど、私は一応先輩だし。でもルカさんより年下だし。ぎこちないのは嫌だけど、 ルカさんは何も喋ってくれないから、どうしようも」 ミクの声が震えはじめ、遂に涙が零れた。 擦ってはならぬぞ、と指先で優しく拭ってやる。 どうにかしたいけど、どうにも出来ない。でも何とかしなきゃ。 ルカが自分のことをあまり語らないためであろう、年長組でさえ苦戦している状況に、 ミクは妙な責任感を抱いていたらしい。
「ミク殿は、頑張りが過ぎるなあ」 頭を撫でながら、がくぽが溜息交じりに呟く。 その和らいだ響きに、ミクは涙が止まらなくなった。 目の前にある広い胸に顔を埋めて、茄子紺の浴衣を濡らした。 「そういえば、去年の夏。我が生まれ、此処にやって来たときだ。皆が物珍しそうに我を見、 通り過ぎてゆく中で、一人の女子だけが親しげに話し掛けてくれた」 『あ、あのっ、あなた、新しいボーカロイドですよね?えと……神威がくぽさん?』 『ああ、確かに我だが』 『やっぱり!お侍さんって聞いてたから、もしかしたらって。私、初音ミクって言います! 私もボーカロイドなんです!』 「――正直、何だこの女子は、と思った。明るくて、堅苦しい礼儀もなく、 しかも我を迎えに来たのだと申した」 二人の中の記憶は数あるデータから呼び出され、鮮明に甦る。 ミクは、自分達の思い出が例えに出されることが不思議で、首を傾げてみせた。 「要するにだな。何も考えずに、親しげに話してみることが大切だと、我は思うぞ。 あの時のように」 頬の、涙が伝った跡を撫でる。 指先をそのまま唇へと辿らせ、触れた刹那、くちづけた。 「扱いや立場など、そのような物は後から付いてくる。間柄も、幾らだって変わる」 「……そう、ですかね」 「何も、ミク殿は恋仲になることを知っていて、我に話し掛けてくれたのか?違うだろう?」 まるで何かに気付いたかのような表情で、ミクはがくぽを見つめた。 確かに違う。そんな予感すら、全くしなかったのだと。 深く知ってゆくうちに、恋に落ちたのだと。 言葉を交わす代わりに、再びキスを交わした。 「ルカ殿、と申したか。きっと寂しがっておるぞ」 「寂しかったんですか?がくぽさんも」 「それはそうだ。寂しくなければ、こうしてミク殿と一緒におらぬ」 一人は寂しい。 そんなことは分かっていたのに、一人でなくなったが故に忘れてしまっていた。 ルカは、今はまだ一人で、寂しくて、塞ぎ込んでいるのだ。きっと。 親しくなってくれる誰かに、傍にいてほしいのだ。 クールでミステリアスな彼女は、本当は単に、口下手で付き合い下手なだけなのかもしれない。 「やっぱり、がくぽさんがいてくれて、カレシでいてくれて、良かった」 瞳に涙を湛えたまま、ミクは今夜初めての笑顔を見せた。
先程堪えた衝動に再び駆られ、がくぽは強く、ミクを抱きしめる。 そして、どちらからともなく唇を重ね、暫くキスを交わしていた。 二人のために敷かれた布団に身を投げ出すまで、大して時間は掛からなかったが。 「……良いか?」 「はい……」 頬を染める彼女に、煽られる。 何度も愛し合った今でも、初めて過ごした夜のような興奮を覚える。 いつだって、優しくしなくてはならない、と己を制するのに必死だ。 「んっ」 がくぽが覆い被さり、深くくちづける。 濡れた音が漏れ、ミクは体を強張らせた。 「は……がくぽさ、ん」 次は、首筋を這う唇。 手もやんわりと愛撫を始め、ミクの声は甘くなってゆく。 呼ばれた名前に反応したのか、手に少し、力が込められた。 また、ミクは声を上げる。 「あっ……!」 片手で胸を、もう一方の手で秘部を愛撫する。 指の動きが伝わる。溢れてきた蜜を、馴染ませるかのようなそれ。 感覚を追っていると、ぷっくりと膨れてきていたのであろう芽を、優しくではあるが弾かれた。 布団を強く蹴る。 「ミク殿」 低い声で呼ばれ、震えた。 がくぽがミクの感じすぎる体を揶揄うのは、いつものことだ。 いつもより濡れておる、と囁く。 「っ、ふ……ぁっ」 濃紺の浴衣を乱し、身を捩る。 露になった白い太腿を、大きな手が撫でた。 両手が下半身を、唇が胸を愛撫する。 お主は本当に、楽器のようだな――がくぽが笑う。 与えられたものに忠実に、良い音を出してみせる。楽器、それはボーカロイドも例外ではない。 当然のことです、と切れ切れに呟くと、やはり再び笑われた。 「ただの楽器には、こうして愛し合うことなど出来ぬだろう」 ミクの太腿に、硬度を持った熱が触れる。 それが何か分かると、彼女の体もまた、熱を帯びた。 「挿れても、良いな?」 「はい……きて、ください」 ミクが恥ずかしそうに腰を浮かせ、がくぽはその隙間に滑り込む。 尖端を宛がい、蜜を馴染ませる。 そして小さな水音を立てながら、ゆっくりと腰を沈めてゆく。
「っ……」 「あ、っ」 繋がった途端、思わず声を漏らした。 互いの濡れた瞳が、ぶつかる。 「がくぽ……さん……っ」 舌足らずに名前を呼ばれ、がくぽは体温が上昇するのを感じた。 二人の吐息と絡み合う音、布擦れの音。 外が静かな分、やけに響く。 雪でも降っているのだろうか?と、がくぽは快楽に霞む思考で、何気なく考えた。 「あ、あ……っ」 耳に注がれる声で、ふと現実へと返る。 頬だけでなく全身を上気させ、自分の体の下で翻弄されている恋人。 体内で何かが震え、滾るのが分かった。 ――後で、一緒に雪見をしよう。 そう考えたことすら、流されてゆく。 「ミク、殿」 「ふぁっ、あっ」 耳朶を甘噛みすると、ミクはびくりと跳ねた。 少し強めに突き上げてやる。 布団の上を彷徨っていた手が、がくぽの背中へと回される。 しがみついて、縋りついて、揺さぶられるミク。 首筋を這っていた唇が、彼女の白い肌に赤い痕を残した。 「あ、う……あ、ぁあっ」 「く……っ」 がくぽに合わせてミクが、ミクに合わせてがくぽが。互いがそれぞれ良いように動き、 やがてシンクロする。 絶頂が近い。 その証拠に、何も考えられなくなっている。 「だめ、がくぽさ、ん、もう」 「ならば、達け……好きなだけ、存分、に」 「やっ……あ、あ!」 がくぽの動きが、一層激しくなる。 ただただ翻弄され、欲望と快楽が導く方へ溺れてゆくのみ。 「あ、――っ……!」 ミクの体が大きく跳ね、震えた。 苦しそうな呼吸を繰り返し、汗ばむ体。 達した後の余韻に、暫く身を投げ出している。 「っ……は、っ」 間もなく、がくぽも達し、果てた。 爆ぜる快感に目を細め、荒い息を吐く。 全てを注ぎ込むと、やはり余韻と気怠さに、ミクの隣へと横たわった。 愛し合った後だからこその、満足感と幸福感。 真っ白な布団の上には、淡い紫の髪と浅葱色の髪が、重なり合って広がっていた。
重い。 体というか、主に腰が、だ。 ミクがどうにかして起き上がると、隣は空っぽで、おまけに自分は脱げたはずの浴衣を着ていた。 「…………」 いつ着たのか、いや、着せてもらったのか。 夜のうちだろうが朝のうちだろうが、冷静になっている相手に裸を見られたことは確実だ。 気まずいなあ、と思っていた、その矢先。 「お早う」 ミクは思わず、びくりとした。 背を向けていた窓辺から、聞き慣れた低い声。 ぎこちない動作で振り返ると、相手もこちらに背を向けていた。 窓の前で胡座を組み、外を眺めながら。 「お、おは、おはようござい、ます」 「不躾だとは思ったが、その、浴衣を着せておいた。女中などおらぬゆえ…… まあ、目は伏せておったが」 「有難うございます……」 やっぱり。ミクは途端に恥ずかしくなった。 穴があったら入りたい、二度寝が出来たらしてみたい。 いつまで経っても、妙なところでウブな二人である。 「と、ところでがくぽさん、そんなところで何を」 「ん?ああ、雪見をだな」 「雪見?」 「昨夜から降っておったようで、少しだが積もっておる。ミク殿もどうだ?」 「見ます!積もってるんですか!?」 雪と聞いて飛んできたミクに、がくぽは笑みを漏らした。 先程の恥じらいは何処へやら、しかし彼女らしい。そう思っていた。 「ミク殿、風邪を引くぞ」 羽織を、そっと肩に掛けてやった。 窓に張り付いていたミクが、少し大人しくなって、頬を染める。 「有難う、ございます」 ミクは遠慮がちに、がくぽの肩に寄り掛かってみた。 それに対して、やはり戸惑いながら抱き寄せてくれる、手。 雪景色の中、庭にある南天の赤い実が目に入った。 雪兎を作ってみせたら、彼女は喜んでくれるだろうか――。 取り敢えず朝食はもう少し後にしよう、と思うがくぽであった。
「ところで。どう致すつもりかな、ルカ殿のことは」 湯気の立つ朝食を前に、がくぽが尋ねた。 ミクが抱え込んでいた不安が、簡単に解消されたわけではないことを、彼も気付いていた。 昨夜ほど、深く悩んではいないようだったが。 「んー……、がくぽさんが言うように、あんまり難しく考えないで、気軽に話し掛けてみようかなって……」 「そうか」 「だめですか?」 「いや、素直で結構だが」 ミクの皿に、がくぽは自分の卵焼きを一切れ、載せてやる。 また子供扱いして、とミクは不満そうに呟きながらも、貰った卵焼きを頬張った。 「まだ小難しく考えているようなら、我も一緒に話し掛けてみようかと思ったのだがな。 どうやら大丈夫そうだ」 「がくぽさんも、一緒に?」 「うむ、挨拶もまだなのでな。似たような境遇の者がおれば、幾分かは気が楽かと」 「…………」 通じ合うものがあれば、打ち解けるのも早いのではないか、と。 ……打ち解ける。男女が。 「だめーっ!」 「!?」 「そんな、何かが始まるフラグなんて!恋に落ちる音がするからだめぇーっ!」 「お、落ち着いてくれ、ミク殿」 箸を持った手をぶんぶんと振り回しながら、ミクは叫んだ。 彼女が静止し、がくぽの姿を認めたとき、その目には涙が浮かんでいた。 「がくぽさんのカノジョは、私だもん……」 「え?」 「確かにルカさんは美人だし、大人だし、落ち着いてるし、胸もおっきいし、」 「……何を申すか、馬鹿者」 泣き出しそうなミクの頭を、がくぽは顔を赤くしながら、優しく撫でた。 「雪兎を作ってやるから、泣くな」 可愛いお主のために、などとは言わないが。 ヤキモチを焼いてくれて嬉しい、とも言えない代わりに、ミクを喜ばせてあげたかった。
*** 「あ、ミク姉おかえりー!」 ミクが玄関を開けたとき、真っ先に飛び出してきたのはリンだった。 「ただいま、リン。これ、お土産」 「わあ、雪うさぎ!どうしたの、お盆なんかに載っけて」 「がくぽさんがね、作ってくれたの。お主のために作ったのだから持ってゆけ、って」 「……いいねぇ、ラブラブで」 リビングだと解けちゃうから、とケータイのカメラで撮影しながら、リンは呟いた。 そんな彼女の、姉を見る眼差しは、羨望というよりは呆れているのに近い。 「そういえば今ね、テレビにがっくんのお父さんが出てたよ。再放送だけど」 「え、まだやってる?」 「うん、多分。レンが見てた」 そんな会話を交わしながら、リビングの扉を開ける。 寛ぎモード全開のレンも、ひっくり返ったまま迎えてくれた。 「おっかえりー、ミク姉。今さ、神威さんのお父」 「残念でしたー、もう教えてあげたもんねー!」 「〜っくそ、リン!」 「何よ!」 「あーあ、兄弟喧嘩しちゃって……」 力の差もお構いなしに、ぼかすかと喧嘩を始める鏡音ツインズ。 本人たちには悪いが、こんな光景を見ていると、うちは平和だなあ、とミクは思うのだった。 「あ」 その時、騒ぎの所為なのか、二階にいたルカが顔を出し、ミクと目が合った。 やはりまだ遠慮しているのだろう、気まずそうに目を逸らす。 「っ、ルカさん!」 再び部屋に戻ろうとしたルカを、ミクが呼び止める。 勿論ルカは驚いて――呼び止められたというよりは、硬直しているようだった。
「えと、その……部屋に一人で閉じこもってないで、皆と一緒にテレビ、見ましょう?」 外じゃ雪も積もってるし、雪遊びでもしますか?と、呼び止めた勢いで付け加える。 体も表情も動かさないルカに、ミクが内心怯えていた、その時だった。 「……ふふっ」 「?」 「楽しい人ですね、ミクさんは。人気者なのがよく分かるわ」 綺麗なポーカーフェイスは崩れ、小さく笑うルカがいた。 慣れていないのか、少し不器用ではあったが、彼女は確かに、心から笑っていた。 「一緒にテレビ、見ても良いんですか?」 「も、もちろん!おこたでミカンもどうぞ!」 「雪遊び、しても良いんですか?」 「はい!雪合戦じゃ、手加減はしませんから!」 「……有難う」 ルカが、本当に嬉しそうに微笑む。 それに気付いた双子も、おいでよルカさん!と手招きした。 ――メールしなきゃ、がくぽさんに! 不意にそんな意識に駆られて、ケータイを取り出し、急いでメールを打つ。 誤字・脱字も確認せず、勢いよく送信ボタンを押した。 『ルカさをと仲良くなれました!一歩前進です!がくぽさんのおかげ☆』 「……“さを”?これは“さん”と打ちたかったのか?ミク殿」 気持ちは分かるが動揺しすぎだろう、と呆れながらも、気付くと笑みを漏らしていたがくぽだった。 侍という古風な設定とは裏腹に、最新機器を指先で器用に操り、返信する。 『それは良かった。近々、我もルカ殿にご挨拶致したい所存。宜しくお伝え下され。 追伸、誤字や脱字には注意されたし。面白いので構わぬが。』 「だめー!宜しくお伝えするけど、だめー!って、誤字や脱字……きゃー!?」 「「「?」」」 いきなり慌てはじめ、奇声を上げたミクを、三人は不思議そうに見つめる。 テレビの中では相変わらず、がくぽの父上が格付けチェックされていた。 ルカが一員として溶け込んだ、仲睦まじい一家が見られるようになるまで、あと少しである。 終。
以上です。 ルカを絡ませたいのか双子を絡ませたいのか、 それとも単にがくミクをいちゃつかせたかったのか。 収拾付かんかったorz ルカの今後にwktkしつつ、がくミクが増えてくれたらとか何とか思ってます。 gdgdと長くてすみませんでした。 読んでくださった方、感謝です。
>>355 甘いがくミクいいねぇ
ルカも双子も自然で好きだ
格付けw
>>355 GJ!
ミクかわええしがくぽも良いな
ルカと双子もほのぼのしたわ
GJ!がくミク好きすぎる。 こう、身体重ねてもウブな二人っていいよね。
うおお久々のがくミクGJ!! 静かな雰囲気がいいなぁ そして格付けにワロタw
性欲を持て余す純情少年マスターと優しいお姉さんなルカってどーよ。 べ、別にルカに「この、豚!」って罵られたくなんかないよ? …………ナイヨ?
>>355 GJ!!
二人とも可愛いのう、甘くて純な雰囲気に読んでて少し恥ずかしかったぜ!
がくミクいいよがくミク
>>342 >>344 シンセネタktkr!思わずニヤニヤしてしまったw
プロユースすげぇwww
>>355 二人が大好きストライクです!
ミク可愛いしがくぽカッコいいし!
萌え萌えさせていただきましたGJ!
密かに255のがくメイの続きを待ってたりするんだ
奇遇だな自分もだ
現代社会に疲れ果てて仕事も上手くいかず荒んでいくマスターを ミクが見かねて楽にさせてあげようとミクがマスターを アンインストールしてしまう夢を見て憂うつな気分になった。 そしてそのお話を書き起こしてたら 「ミクはそんなことしないよー?ミク独りじゃ歌えないんだもん><」 とミクが後ろから語りかけてくる気がして、余計憂うつな気分になった。 かつてミクの居たところには、今はもう別のソフトウェアが住み着いて無言で走りつづけているというのに。
>>363 俺なんて8スレ目の222を待ち続けてるぜ…。
純情マスターとルカさんSS、また続編が出来たので投下します ・マスルカなので苦手な人注意 ・またエロなし ごめん ・バカップル成分多目 ・前作より更に長い ノリは一作目と二作目を足して2で割った感じ またエロなしで申し訳ない… では行きます
ボーカロイドは飯を食う。 ミクはネギが好物だと言うし、双子はおやつを出さないと働いてくれないと聞いた。 KAITOと言えばアイスだし、MEIKOと言えば酒。がくぽも茄子を食うとか食わないとか。 とにかく、ボーカロイドは食事によってエネルギーを補給することが出来る最新型ロボットだ。 エコなんだかそうでないんだかよくわからん。間違いなく財布には優しくないな。 そして当然、巡音ルカも食事をとるわけなのだが、別に食べなくてもいいらしい。 付属品のコードを装着、コンセントに差せば、それでエネルギーが補給出来るそうだ。 従来のボーカロイドとは違う―――コンセプト通りだ。 月末に限り、俺はそうすることにした。何故かって?金がないからだよ! …正直あんまりやりたくない。気分的に。 でも、ルカはそれでかまいませんといつものように言って、微笑んだ。 …そして、今日は月末。バイトでへとへとになった俺はいつも通り湯を沸かしたのだった。 「マスター」 不意に、カップ麺をすする俺を見ていたルカが言った。 「マスターは最近ほぼ毎日、夕食にカップ麺を食していますね」 うぐ、よく観察していらっしゃいますねルカさん。 まあ、金のない大学生なんてこんなもんさ。 ちゃんとしたものは作れないし、外食は金がかかるし。 だから安売りのカップ麺が多くなるのはしょうがないんだよ。 ―――と言うと、ルカは僅かに首を傾げた。 「マスター、そんなにお金がないのですか」 「というか料理すんのがめんどいってのもあるなぁ」 「けれど、カップ麺ばかりでは健康に悪いのではないでしょうか」 「うーん、そりゃな」 スープを飲み干す。腹一杯には当然ならない。 ちくしょう、大盛りは売ってないのかよ… 「……」 「どした?ルカ。あ、充電終わった?」 「はい」 「よし、じゃあ歌の練習すっか」 「…あの、マスター」 ルカが遠慮がちに口を開いた。 「私が何か作りましょうか」 「何かって?作詞?」 「違います。料理です」
俺の思考が停止したのは言うまでもない。 いやいやいやだって、ルカはボーカロイドだろ?歌うロボットだろ? …いや!この際それは大した問題じゃねえ! 問題はたった一つのシンプルなこと! 「女の子の手料理!!」 「え?」 「いやなんでもない」 思わず本音が出ちまったぜ。 ルカは確かにボーカロイドだ。歌うロボットだ。 俺だってそもそも、ロボロボしさに推されてルカを購入した。 …実際はそうでもなかったけどね。今は満足してるからいいとして。 とにかく、女の子には変わりない!女の子が俺のために料理を作ってくれる! …ん?でも待てよ。 「ルカ、料理作ったことあんの?」 「ありません」 きっぱりと答えるルカ。うん、クール。 じゃなくて。 「…やっぱりいいよ。うん。さあ歌の練習だ」 「待ってくださいマスター。何故ですか」 「いやぁ、だって、いやあははは」 「このままでは栄養が偏って、いつか身体を壊します。それはいけません」 と、ルカは一瞬何かを考えるかのように沈黙を挟んだ。 そして再び口を開く。 「…いえ、正確には、私はマスターに身体を壊して欲しくないのです」 …こう言われて喜ばない男がいるだろうか。いないだろ。 断れる男もいない。 「…お」 「お?」 「…お願いします」 真剣だったルカの顔が柔らかくなり、彼女はぺこりと頭を下げた。 「感謝します、マスター」
*** カップ麺だけじゃ足りねーよと抗議の声をあげるあたり、俺の腹はまだだいぶ余裕がある。 さっそくだけど軽食を作ってもらうことにした。まだ八時だし大丈夫だろ。うん。 ちなみに材料はある。示し合わせたように、一昨日かーちゃんが送ってきたものだ。 …俺だって、まったく料理しないってわけじゃない。不味い飯は作れる。 ただ、講義にバイトに作曲してると時間がなくなるってだけなんだ… そして貯まっていく食材たち。ネギや茄子が多いのは俺の気のせい。 「マスター」 と、台所のルカがこっちを見た。 (リビングと台所は繋がっている。安い部屋だしな) 「なんだ?」 「塩はどこにありますか」 「あーと、右の戸棚の…上の段、だったかな」 「ありました。ありがとうございます」 がたがたとんとん。 …ルカの料理姿は、正直感動ものだ。包丁を動かす度に、長いピンクの髪が揺れる。 彼女がいたらこんな感じなんだろうな。 いやもういっそのことルカはもう俺のよm 「マスター」 「ふぁいっ!」 「? どうかしましたか」 「いっいやっ!なんでもない!で、なんだ!?」 「薄味と濃い味、どちらがよろしいですか」 「…じゃ、薄味」 「わかりました」 あぶねえ心臓止まるかと思った。 …というか。 「…なあルカー、やっぱ俺も手伝うよ」 「それはなりません。これは私が言い出したことです。私の役目です」 「でも不便じゃないか?」 「問題ありません。マスターはそこでお待ちください」 低い声できっぱりと断られた。変なところで頑固だなこやつめ。
―――そんなこんなで10分が経過した。 俺はその間、ルカが「るっかるっかにしましょうか〜♪」と歌うのを聞いていた。 …いつの間に覚えたんだ。あ、この前聞かせといたっけ。 …既成事実聞かせとけば良かった。 るかるかが三週目に突入したあたりで、ルカが満足そうに頷いた。 「出来ました、マスター」 …さあ一体どんなものが出来たのか。 正直に言う。 俺は死亡フラグを覚悟している。 可愛い女の子が料理が不得意なのはお約束だからな。この間見たアニメでもそうだった。 だが俺は食うぜルカ。お前が真剣に作ってくれた料理だ! 据え膳食わぬは男の恥!さあ来い!! 「冷めると味が落ちます。なるべく早くお召し上がりを」 そう言ってルカが出したのは。 「…野菜炒め?」 「はい。今のマスターに不足しているのは、食物繊維だと思いましたので」 ちょっと焦げてるが、間違いなくそれはまともな野菜炒め。 人参、キャベツ、もやし、ニラ、…正統派な野菜炒めだ。 予想外のいい匂いに、思わず唾がわいた。 ちら、とルカを見る。 ルカは期待と、僅かな不安を湛えた目で俺を見ていた。 それは俺の背を押す、最後の一手となった。 「いただきます!」 箸で無造作に野菜の群を刺し―――俺は食べた。 「…」 「…マスター?…マスター、あ、あの」 「うまい」 「え」 「うめぇ。…お前すごいなルカ!」 俺は今、猛烈に感動している。 死亡フラグを覚悟していたせいか、ものすごくうまく感じた。 いや、実際その野菜炒めはうまかった。心なしかお袋の味がするぞ。 「お前、料理初めてって嘘だろ?」 「い、いえ…初めてです…」
あ、また赤くなってる。可愛いやつめ。 俺は思わず笑いながら、箸で掬った一掴みをルカの前につき出した。 「マジでうまいよ。ほれ食ってみ」 「いえ、それはマスターの」 「俺がルカにあげるんだ。いいだろ?」 躊躇したが、ルカは小さく口を開けて、それを頬張った。 無表情のまま咀嚼する。やがてごくんと飲み込むと、ルカは妙な顔をした。 「…久しぶりに食べました」 「へ?久しぶり?」 俺がルカに野菜炒めを食べさせたのはこれが初めてだぞ。 「開発室にいた時、チェックの段階で食べたことがあります」 「なるほど、その記憶を辿って作ったのか」 「はい」 でもなんで野菜炒めなんだ開発者… 「なんとなく、と言っていました」 あぁそうなんだ… まあ、開発者に感謝だな。お陰でルカの手料理が食えたし。 白い皿の中をあっという間に空にして、テーブルの上に箸を置く。 「ごちそうさま!…てか、作れるなら早く言えよなー、ルカ」 「も…う、しわけ…」 …うん? 高速でルカを振り返る。 するとルカは、床の上に座り込んでいた。 「ルカ!?」 椅子を蹴って、ルカの側に膝をつく。 ルカはこうべを垂れ、顔を両手で覆っていた。 泣いているのかと思ったが、声は聞こえない。代わりに苦しそうなブレス音がした。 「ルカ、おいっ!どうしたんだよ!!」
まさか、慣れないことさせたから? 料理を作る機能なんて持ち合わせていないだろう。無理をしていたに違いない。 まさか、今度こそ本当のエラーが…? 血の気が引いて、思わずルカの肩を掴んだ。 「ルカ、ルカ!しっかりしてくれ!」 「ま…マス……マスター…」 ルカがやっと頭を上げた。 ほっとしたのもつかの間、ルカの顔がかつてないほど赤くなっているのに気が付いた。 例えればパプリカだ。赤カブだ。―――明らかにヤバい。 「る、ルカ…!」 「マス…た…うう…」 「苦しいのか?どこが苦しい!?どうしたのか言ってくれ!」 俺のせいでルカが死ぬ? 壊れる、なんて言葉は思い浮かばなかった。 ああ、こんなことなら一緒に飯作って、一緒に食べたかった。 まだ言いたいことだってたくさんあるのに! 「マ……マスター…」 「ルカ、ルカ…!ごめん、ごめん、俺が…!!」 「……か……」 「か?どうした?苦しいのか!?」 ルカが激しいブレスの中で、俺の耳に口を寄せる。 やばい涙腺崩壊する。どうしよう、どうしたら。 そして、ルカが微かに呟いたその言葉は――――、 「……間接キス……」 ……。 ………? うん?なんだって? 「…ごめん、もう一回」 「かっ…かかか、間接キス…!」 耳の穴に指を突っ込んで、抜く。うん、音は正常だ。 俺は聞き間違えてない。脳みそも多分大丈夫。 …OK、少し落ち着こうか。
いつの間にやら抱き締めていたルカを解放し、顔を付き合わせる。 しかしルカは再び顔を両手で覆っていた。耳が真っ赤だ。 「…間接キスって、さっきの?野菜炒めの?」 ルカがこくこくと頷く。 …いや、これはもうこくこくなんてもんじゃないな。ビュンビュンだ。 「…ルカ、落ち着いてよく聞いて欲しい」 ルカがまた頷いた。 「お前、この前、冷蔵庫のペ●シ飲んだだろ?」 こくこく。 「あれ、俺の飲みかけだったんだけど」 こくこ…… !!? そんな感じでルカはうろたえ始めた。顔を覆ったまま左右に首を振っている。 …あぁ、どっと疲れた…無事で良かったけど。 「…ルカー」 「……」 「手、どけてくれ」 「……はい」 ルカがおずおずと両手を離すと、真っ赤な顔が現れた。 俺は思わず笑ってしまう。 「お前、小学生みたいだな」 「…申し訳…ありませ…」 「しかも気付くの微妙に遅いし」 「う……すみません…」 「…でも、なんともなくてよかったわ」 「……ゴメンナサイ」 素直なのは良いことだ。 …さて、じゃあ次は俺のターンということで。
「ルカ」 呼ぶと、うつむき加減だったルカの顔がこちらを向く。 「なん―――」 なんでしょうか、とでも言おうとしたんだろうか。 でもその続きは残念ながら聞けない。 俺は、ルカにキスをした。 予想以上に柔らかい唇に心臓がバクバクいってる。ヤバい。 目を瞑っているからルカの顔は見えない。そんな余裕はない。でもきっと真っ赤になってるんだろうな。 それは時間にして僅か三秒。 実際はもっと早かったかもしれない。 俺は唇を離し、ルカの様子を見た。 …ルカは…ええと…すごい顔をしていた。固まってるぞ。 少しばかり釣りがちな青い目は見開かれ、顔は夕日以上に真っ赤。 でもまあ多分意識はあるだろう。手が震えてるし。 「ルカ」 ―――わかったことが一つある。 ルカはいつも、こうした俺の言葉や行動に、過剰な程の反応を示してきた。 ルカが俺の分まで赤くなるから、俺は何だって素直に出来るんだ。 今だって死ぬほど恥ずかしい。けど言える。 ごくりと喉を鳴らして、俺は未だ動かないルカを真っ直ぐに見据えた。 「好きだ」 ―――当然というか何というか。 ルカはあわあわともあああとすら言わないまま、フローリングの上に倒れた。
*** 初めてのキスは、野菜炒めの味がした。 …カッコ悪すぎる。涙の味とかならカッコいいのに。 ソファーに横たわるルカの側で、俺はぐるぐると余計なことを考えていた。 ああわかってたさ。可愛いって言っただけで真っ赤になるルカのことだ。 キスなんぞに耐えられるはずがないわけで。 けど俺も耐えられない。沈黙に耐えられない! うひぃぃさっきから唇が妙な感じがする誰か助けてうぼぁー。 「…マスター?」 その時、衣擦れの音と同時に声がした。 心臓が情けないほど飛び上がって、身体中の血液が忙しなく流れる。 ルカの声は普通だったが、俺が背中を向けたまま動かないでいると、「あっ」と言って黙りこくってしまった。 …気まずい。俺のせいなんだけど。反省している。 だが後悔はしてない!…と自分を励まして、ようやっと口を開いた。 「…ぐ、具合、大丈夫、かな?」 何が「かな?」だ俺。誰だよ。 「どぅあ、だっ、大丈夫、です」 ルカもどもりすぎだろ!どぅあって何だどぅあって! けどやっぱり、そのお陰で落ち着いた。 振り返りはしない。そうしたらまたルカが卒倒する気がする。 だから顔を向けないまま、また声を捻り出した。 「…ルカ、その、あのな」 「はは、ふぁい」 「いい、嫌だった?か?」 …言うに事欠いてなに言ってんだ俺は。 もし嫌だったって言われたら再起不能だぞ。墓穴にも程がある! 「そん、そそんなこと」 「あ、ああ、ならよかっ…たっていうか、うん、まあ、な」 「は…はい」 駄目だ会話が続かない。あれだけシミュレートしただろ俺!しっかりしろ! ああ駄目だもう初めてのキスはニラの味がしたーとかもう頭メルト溶けてしまいそうであばばばば。
「…マスター…」 その時。 ルカの白い手が、不意に肩に乗った。 心臓が、壊れるんじゃないかってほど激しく動く。すぐ後ろにルカがいる。 俺の好きな女の子が。 「わ…私は、…人間では、ありません」 知ってるよ。俺が起動させたんだから。 「感情も乏しいです…」 わかってるよ。その上で好きなんだ。 「……マスター」 なに、ルカ。 「…好き、とは、どういう、ことですか」 ―――我慢できずに振り返った。 長い桃色の髪。釣りがちな青い瞳。透き通るような白い肌。 正直に言う。恋をしそうで怖いと思った。ロボット相手に本気にしそうで恐ろしかった。 感情がないなら俺も本気にならないと、安心してルカを選んだ。 でも結局俺はルカを好きになった。しかも後悔なんて微塵もしてないと言い切れるほど強く。 そう、後悔はしてない。反省もしてない。 ただ彼女がいなくなるのが怖い。これはさっき初めて気付いたことだ。 焦ったのは否めないけど、早すぎたとも思わない。間違っているとも。 俺はルカの頭に手を乗せて、笑った。 「恋人になって下さいってことだよ」 ルカは、仄かに頬を染めた。 それから目にうっすらと涙を浮かべて、震える唇で言う。 「パートナー、ではなく?」 「うん。恋人」 「私は人間ではないのですよ?」 「ルカが好きなんだよ、俺は」 「……マスター」 「ルカは?」 ルカが身を強張らせた。一気に頬の色が濃くなる。
俺は多分、初めて会った時からずっとルカが好きだった。 だから知りたい。もう後には引けない。 「…わ、私は」 …いや、知りたいと言うよりは「聞きたい」だな。 自意識過剰かもしれないけど、ルカは多分、俺と同じように思ってくれてるだろうから。 「……」 ルカは必死に言葉を探しているように見えた。 けど見つけられないのか、俺を困ったように見てくる。 …そんな目で見るなよう。俺だって素人なんだぞ。恋愛の。 と、その時だった。ルカが何かひらめいた!というような顔をして、ごくりと喉を鳴らす。 よし来いルカ!俺の心臓が爆発しないうちに! 「―――」 しかし、ルカは俺の期待を裏切って、何も言わなかった。 代わりに、ぐっと近づいてきた。 唇に唇が触れる。 目を閉じたルカの顔がかつてないほど近くにある。 ―――キスされたのだと気付くまで、数瞬。 俺は頭のてっぺんから爪先まで、血が氾濫した川の如く猛烈な勢いで流れるのを実感した。 目の前でルカの睫毛が揺れている。白い肌は上気していた。 …頭がどうにかなりそうだ。何でいきなりキス!?あ、俺もか! 目を閉じることも出来やしない。全神経が唇に集中する。不意打ちはかくも刺激的なもんなのか。 …そして、何の前触れもなく、ルカが離れた。 閉じられた瞼が、離れる動きと同時進行で開かれ、青い瞳に俺の間抜け面が写り込む。 「……! …!?」 俺は口を開いたが、言葉なんか出てくるはずもない。金魚のようにパクパクとするのが関の山だ。 けどそれはルカも同じで、彼女は俺のジェスチャーに頷くだけ。 こくこく、こくこくと。それだけでわかった。 ―――こうしてルカは、無言の告白を成し遂げたのだった。 真っ赤な顔で泣きながら笑って一生懸命頷く、俺だけのルカ。 たまらなくなり、俺は彼女を抱き締めて、叫ぶように言った。 「俺も大好きだ!!」 三度目のキスは、涙の味がした。 ***
「マスター、食事が出来ました」 台所から、ルカが俺を呼ぶ。俺は課題の手を止めて立ち上がった。 あれ以来、ルカはたまに夕食を作ってくれる。大体が野菜炒めだが、最近は味噌汁も覚えたようだ。 買ってきた惣菜と、湯気がたつ野菜炒め(大盛)と、ワカメの味噌汁。そして白米。 「お、今日はワカメか」 「出汁はにぼしです」 「いつも悪いなぁ、ルカ。よし、いただきま」 「あ…あの、マスター」 椅子に座る俺の服を引っ張るルカ。 …またか、と思いつつ、緩む頬を抑えながら振り向いた。 そしてスタンバイ完了なルカの唇にかるーく口づけて、苦笑いする。 「…ありがとうございます、マスター」 「おー」 ルカはエプロンを外して、満足した顔で正面の席に座った。 …あれ以来、ルカはキスにハマったらしい。ことあるごとに要求してくるようになった。 応える俺も俺だけどな。しょうがないじゃない、好きなんだもの! でも相変わらず、ルカは言葉で何かを言われると真っ赤になる。…基準がわからん。 まあ恋人にキスを求められて嫌な奴はいないだろう。俺も例外じゃない。 ルカが飽きるまで、彼女に応えようと思っている。 「いただきます」 「おっと。いただきます」 ルカが箸を持ち、礼儀正しく手を合わせた。俺も慌ててそれに倣う。 ――今日は月始め。懐は温かい。腹の虫が鳴っている。 「美味しいですか」 目の前には俺の嫁。 野菜炒めを口いっぱいに頬張って、俺は大きく頷いた。 「うまい!」 ルカの料理は、今日もうまい。 おわり
以上です。またエロなしでほんとすんません よくよく考えてみたら、純情×照れ屋って全くエロいことしてくれそうにないんだ だから今回でルカさんにキス魔になってもらいました あ、料理が野菜炒めってことに特に意味はないんで、あしからず あとこのルカさんもはやクーデレじゃない、クー照れだ では、読んでくださってありがとうございました
何だこの甘さは!糖尿病になるわ! 『間接キス』で全力でこけそうになったwルカさん、あーたって人は……
甘スレ並みかそれ以上の糖度だぜ 手近にある壁とかテーブルにダムダムせざるを得ない(実際は付近を薙いでただけだが)
グフッ ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ ↑あまりの甘さに床を転げ回っている ごろごろごろごろ ドスッ …グ、GJ!!
あまーい!
生キャラメルか俵屋の水飴レベルにあまいです(^p^)
何回言っても言い足りないほどGJ
大盛りぜんざいより甘いです!
甘い、甘過ぎるぜ!! 砂糖にシロッp(ry GJ!!
あま〜い!やみつきの甘さ〜 マスターとルカ二人とも飼いたい GJ!!
GJ!毎度毎度いい仕事を… 料理ときたらそろそろ『風呂』だよな?
>>337 ルカ様はいませんがそれでよければ。。
因みに超遅筆です。
>>393 いやいや、ここはむしろ、隠していたエロ本をルカが見つけてだな(ry
赤面しながら読み耽るのですね?
赤面しながら音読、と目が滑った
ルカ「そう…そのまま飲み込んで、僕のエクスカリバー…」
よし、ルカに官能小説を音読させてみよう。そしてそれをじっくりと観察ry
変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター→が、一人になった途端に火照った躰を慰めだし… ここまで電波を受信したが、文章化できない。
俺に任せろ!!! 変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター →「晩ご飯作りますね」と台所に立つルカ様→乳房の先端と股間に違和感を覚えるルカ様 →片手が無意識に… くっ、もう少しのところで電波が途切れた…
俺にまかせろぉぉお! 変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター →「晩ご飯作りますね」と台所に立つルカ様→乳房の先端と股間に違和感を覚えるルカ様 →片手を無意識に違和感を覚えた場所へと伸ばすルカ様→「…っあ」初めての感覚に戸惑いながらも手の動きを止められないルカ様 →そこへ「晩ご飯できるまでに風呂はいっちゃおうかな」と台所へ来るマスター →頬を桜色へ染め、息の上がるルカ様を見てマスターは… くそっ、電波が途切れやがった!無念。
404 :
姉弟ごっこ1 :2009/01/24(土) 18:02:37 ID:a3sulzvW
オール気味の小話投下します。 ----------- 「リンお姉ちゃんのおやついいなぁ…」 「ふぇ!?…えぇっと……あー半分あげよっかーなぁ……んて」 それは食後のおやつを頬張る、黄色い二人の会話。 メイコとカイトはソファで談笑、ミクはファッション誌を手に 同じリビングでそれぞれの時間を過ごしていたのだが、 思わず耳を疑うような会話に3人は顔を合わせた。 「あんた達一体どうしたの?」 真っ先に口を開いたのはメイコだった。 リンが大好きなおやつをレンに半分あげるなんて珍しい。 それだけじゃない、今日は朝からずっと違和感があったのだ。 "リンお姉ちゃん"? 世間では双子だなんだと言われてるが、 うちの鏡音は二人は同時に生まれたと言い張り、 一方を姉や兄扱いする事を兄弟にも禁止させていた。 だというのに、今日は何回"リンお姉ちゃん"という言葉を聞いただろうか。 「何かの罰ゲームかな?」 「違うよぅ」 同じくずっと気になってたらしく問いかけた兄に答えたのは、 当事者の二人ではなくミクだった。 「年上気分を味わってるんだって」 お兄ちゃん達は昨日仕事で居なかったから知らないけど 昨日はレン君が"お兄ちゃん"だったんだよ、そう続けるミクに ソファに座る二人はさっぱりわからないという風に目を合わせる。 読んでいた雑誌を床に置くと、ミクは更に続けた。 「ちょっと前にCV03、ルカさんの話題で盛り上がったとき リンレンは末っ子のままで残念だねって言われてたでしょ」 ―確かにそういう話はネットの至る所でされていた。 だけど、うちのリンレンに限ってはまるで気にしてないようで 『当たり前じゃん、うちらより年下が出るわけないし』 『マスターの大好きなえっちな本に出したら犯罪だもんねぇ〜』 なんて茶化していたというのに。
405 :
姉弟ごっこ2 :2009/01/24(土) 18:02:59 ID:a3sulzvW
「…あんまり周りが言うから、妹が出来るってどんな気分なんだろって 年上気分を味わってみようと始めた遊びなのよ…」 やっと口を開いたリンは酷く落ち込んでいた。 一方でおやつを一個半食べてるレンはご機嫌だ。 ちまちまと半分になってしまったおやつを食べながら、リンはカイトの事を見た。 「カイ兄、今までごめんね… 大好きなおやつを半分あげるって、こんなに辛かったんだね。」 涙目のリンを見て思わずカイトはたじろぐ。 今まで何度リンにお願いされてアイスを半分あげただろう。 だけどそれはけして強制じゃなくって 「だーいじょうぶよ、案外、下の子の言うことはかわいいもんなんだから」 カイトの気持ちを読んだようにメイコが笑う。 「ほんと?」 「…はは、不思議だよね。自分の分が半分になっても 相手が喜んでくれるなら嬉しいんだよ」 パッと笑顔になったリンは、にこにことした顔でレンを見つめてみた。 同じようにとびっきりの笑顔でレンが返す。 「やー、お姉ちゃんから貰うおやつは格別に美味しいね!」 嫌みたっぷりでにっこり笑う"弟"を …やっぱこいつかわいくなぁい……そんな顔で睨む彼女に 思わずみんな苦笑する。そりゃあいつも対等だった相手を いきなり下の子扱いするなんて無理だろう。 「言っとくけど、昨日は俺が同じ目にあったんだからね」 仕返しも兼ねてるから、と弁明するレンを尻目に リンは突然何かを思いついたように立ち上がった。 「あ そうだ マスターにお願いしてショタレンにして貰えばいーんだぁ!」 「…は?なんでそう…」 「マスタぁー!!おねがいがあるのー!!!」 思いついたや否や、マスターの部屋へとダッシュするリン、 青い顔で怒鳴りながらそれを追いかけるレン、 ドタドタと走る音が遠くへ響いていって、やがて マスターの部屋を開けたのであろうドアの音が聞こえた。 「まったくあの二人は…毎日が楽しそうね」 リビングにぽつんと残された3人は思わず笑い合う。
***** オマケ ***** 「ね、うれしい?れんきゅんの為にお姉ちゃんが 大好きなハンバーグつくってあげたんだよぉ〜」 にっこにこのリンに、俯いたままのレン。 「ほらー、食べないの?あ、食べさせてあげるね」 ハンバーグの切れ端を無理矢理食べさせようとする リンに耐えかねて思わずレンが叫んだ。 「やめてよお姉ちゃん!」 それまで出来るだけ普通に接しようと振る舞っていた3人は、 そのショタボイスに思わず吹き出してしまった。 「〜〜〜!!!笑うなぁ!」 すっかり悪ノリしたマスターにショタ声に替えられてしまったレンは その声だけでなく性格や容姿にまで影響が出てしまい 身長はリンより低く、顔も少し幼くなっていた。 どっからどうみても今の彼はカワイイ"弟"である。 「ごはんの後はお風呂一緒にはいろうね〜♪」 「みんな笑ってないで助けてよぉー!」 助けを求める彼の声はむなしくも届かず その日の0時までリン姉の天下は続いたのだった―…
>>404-406 面白かったGJ!
0時過ぎてからレンがベッドで仕返しする所まで想像したぜ
途中のものって書き込まないほうがいいよね
枯れ木も山のにぎわいってミクが言ってた
可愛いな
レンルカでレンがルカに弄ばれる感じの書いているけど 文才なさすぎてワロタ、何度も読み返して改正しないと 投稿できねぇ
>>411 私がチェックしてあげるから安心して来なさい!
ってめーちゃんが言ってた。
>>401-403 >>411 職人の執筆待ち時間の暇つぶしにでも、の小ネタを投下するよ
カプは特にないけど若干カイミク?
KAITOが残念なので素敵KAITO派はすっ飛ばしてほしい。申し訳ない。。
エロなし。全裸の人は服を着ることをおすすめする
「わっ」 風呂からでたら脱衣所にミクがいた。 タオルを取りに来たらしい。 俺は体を隠してくれる布なんてもちろん持ち合わせていなくて少しうろたえる。 ミクは一瞬ギョっとした目をした。けどすぐに 「あ。おにいちゃん。ごめんね」 と何事もなかった様に脱衣所を後にしたので ビックリしたけれど、まぁ兄妹だしな、と うろたえた自分を反省し、バスタオルを手に取る。 ……その頃リビングでは 「大変なのぉ!」とミクが叫ぶ。 「なになになになに!?」と目を輝かせたリンが言う。 「なんか、おにいちゃんの足の間に謎の物体が生えていたわ」と真剣な顔でミク。 「ゴフッッ!!」 リンの隣でオレンジジュースを飲んでいたレンがむせながら 「ばっバナナみたいなやつ!?」と聞く。 少し考える素振りをして 「ちがうわ。もっとこんな、こんな得体の知れない物体よ!」とミクは両手で形作ってみせる。 「え〜リンよくわからない。もっと詳しく!」 ……という会話が繰り広げられているとはまったく知らず 俺は風呂上がりの爽やかな気分でリビングに向う。 入口のドアに手をかけると 「そんなにデカくないだろぉぉおおおっ!!」 とレンの叫び声が聞こえ飛び出してきた本人と衝突した。 レンは顔を上げるとまるでライバルを睨んでいるかのような鋭い視線をこちらへ向けてくる。 その瞳にはうっすら涙がたまっているようだが… 「えっえっどうしたんだっ」 と俺は慌てて尋ねる。 そんな言葉はお構いなしにレンはドンッと俺を押しのけ自室の方へ走り去っていった。 なんだったんだろうか?疑問に思いながらリビングの中へ入っていくと ソファーに座るリンが不審なものを見るような視線を俺に向けていた。
これは……! そうか!思春期によくなる病気だな!名前を何といったかな。中…二病? レンとリンもそうに違いない。こんなときはこちらから歩み寄っていかなければ! 兄さんにはわかるぞ!と俺はうなずく。 何か楽しい話題を一緒に、と笑顔でソファーに近寄ると 机の上にクレヨンと画用紙が何枚かあるのが目に入った。 「お絵かきかい?何を描いたのかな?」 その中の一枚を手に取り俺はさりげなく話題に入る。 「ミクちゃんが描いてくれたの。ね?」 とリンは隣に座るミクに視線を向ける。 「あっあんまり上手く描けなかったんだけど…」 と少し気まずそうにミクが答えた。 きのこ…?マツタケ?…にしてはピンクがかっている。 魚肉ソーセージだろうか? たしかに画用紙にはあまり素敵ではないものが絵描かれている。 ピンク…ああ、なるほど。巡音さんの持ち物を考えていたんだなと俺は察知して 「上手くかけているよ」 とほのぼのとした家族の会話を演出する。 「本当に!?本当に上手く描けてるのっ?」 とリンが話しに喰い付いてくる。良い感じだ。 「ああ。とても上手く描けているよ。兄さんびっくりだ。」 ととびきりの笑顔で俺は答える。 「へぇ〜…」 とリンは関心したように目を丸くし 「レンにも教えなきゃっ」 と興奮気味にリビングを出て行った。
良い家族の関係を保てたと俺は満足しながら持っていた絵をミクに渡す。 「おにいちゃんは、その…コレ、どうする…つもりなの?」 と絵を受取ったミクが恐る恐る訪ねてきた。 コレ…巡音さんの持ち物か。 俺の案と対立してしまうことを恐れているのだろう。 持ち物が魚肉ソーセージ?でいいのかはわからないけれど、 ここはかわいい妹に案を譲ろうと 「ミクの好きなようにしていいんだよ」 と俺は兄らしく答える。 「え…っ!」 予想外の意見だったのかミクはとても驚いた様子で声を上げ 「いいの?ミクの好きなようにして、いいのっ?」 と聞き返してくる。 「そうだよ。ミクの自由にしていいんだよ。その方がおにいちゃんもうれしいなあ」 とミクの頭をなで俺は答える。 「じゃあ、じゃあミク色々考えるからっ!後でおにいちゃんのお部屋に行くねっ」 とミクは瞳をきらきらと輝かせリビングを後にした。 「みんな良い子達だなあ」 と良い兄の手本の様になれたことに大満足している俺の後ろで テレビを見ながら俺達の会話を聞いていた姉さんがむせながら肩を震わせている理由を 今夜、部屋に訪ねてくるミクによって知ることになるとは まだ、まったく予想していない、 平和な時間の話し。
>>414 カキフライ吹いたwww
メイコ、カイトにちゃんと説明するんだwww
なんというアホ兄妹wwwwwwww これは死亡フラグですね、わかりますwwww
>>414 面白いwニヤニヤが止まらないw
その後興味でソーセージ触ったら大きくなっちゃって、
「もっと大きくなったー!」
とリンレンを呼ぶ姿を妄想したw
こんばんは、鬼畜ド(ryです。 カイメイ[服従 4日目]投下ですが、今回は露骨な台詞が多いので注意してください。 それではお手柔らかに。
「メイコ、今回は発声練習を兼ねてやろうか。今度やって来るルカに負けない様にさ。」 カイトがあたしを背中から抱きしめて、甘く囁く。それは淫らなセッション開始の合図。 鼓膜を擽る様な彼の声にあたしの身体は素直に反応し、小さく頷いた。 こんばんは、メイコです。 またミク達は夜通しレコで、あたしとカイトの二人きり。 カイトが背中からあたしをしっかり抱きしめる。こうされるのは…結構好き。勿論 二人きりの時だけ。 「今回も俺の部屋でね、行こうか。」 そう言ってカイトはあたしをまた[お姫様抱っこ]して自室へ連れていく。 あたしを軽々と運んでしまうカイトってほんと力があるんだなぁとつくづく思う。 部屋に着き、あたしをベッドに下ろすと、悪戯っぽく微笑んでそのまま押し倒した。 「ん、ふ…」 唇を重ね、舌を絡め合いながら服を脱がす。あたしを生まれたままの姿にすると カイトも脱ぎ、あたし同様生まれたままの姿になった。 マラソン選手の様な引き締まった身体。色白なんだけど意外と逞しかったりする。 [裸マフラー]ネタとかあるから、それなりに身体を鍛えているのよね。 そんな彼に抱かれ、触れ合う体温に安堵感を感じる自分がいる。彼が存在(い)る確かな証拠。 あたしがカイトの温もりを味わっているとカイトは 「今回はエッチな台詞、沢山言ってもらうからね。」 と言って悪戯っぽく微笑んであたしを覗き込んだ。 「そんなの発声練習じゃ―」 と反論する間もなく、カイトは自身を垂直にして秘処を塞いだ。 「あっ―」 一番敏感な箇所が感じ取った違う体温。クチュっと卑猥な水音を奏でる。 「メイコは本当いやらしいね、もう濡れてる…」 涼しい顔をして意地悪な事を言う。その表情に身体が震える。 「違、やぁ…」 カイトはそのまま腰を動かし、バイオリンの弦の様に自身を秘処に擦りつけ、あたしを 焦らし続けた。 「あっ、あひっ…」
接点は熱くなり淫らな水音が溢れ、あたしも自然に腰を動かしてしまう。 段々カイトに弱くなっていく…もう駄目、我慢出来ないよぉ…。 「カイトぉ、早くぅ…」 あたしが耐え切れず涙声で催促するとカイトは 「気持ち良くなりたいなら、まず俺を気持ち良くさせなよ。御奉仕してもらおう かな、口でさ。」 とあたしの隣に座り、脚を投げ出した。 カイトの自身はこれでもかと言うくらいギンギンで、あたしを待っているかの様に 天井を指している。 「んん…」 あたしは言われるがままカイトの自身をしゃぶりつく。奉仕しているとカイトは 優しく頭を撫でてくれた。好きな人に頭を撫でられるって不思議と嬉しい。もっと 撫でてほしくて舐め方が大胆になっていった。パイズリしながら鈴口を舌先で弄ったり、 カリ部分を舐め回したり、しゃぶりながらスライドしたりと次第に夢中になっていく。 夢中になっていたから、カイトがあたしの足首に手を伸ばしていたなんて気付かなかった。 足首を掴み、引っ張られて身体の位置を逆にされた。早い話シックスナイン状態。 「ふぁ…やだ、恥ずかしいよぉ…」 あたしが身体をよじろうとするとカイトは 「メイコ、嬉しいけど夢中になり過ぎ。」 そう言ってクリトリスを弄りながら秘処を舐めあげた。 「ひゃ…あ…ふあぁっ!」 あたしはカイトの自身から口を離し甲高い嬌声をあげた。秘処から頭にかけて電撃が走った。 頭の中が真っ白…軽くイッちゃった。秘処が熱い。痺れた様に痙攣している。 「メイコ、口がお留守だよ?ちゃんと御奉仕しろよ。それにしても凄いパクパク してるよ、メイコの…」 「っ!言わないで、お願い…」 身体を震わせ涙声で懇願する。あまりの恥ずかしさに涙が零れた。 「あーあ、こんなに蜜を溢れさせて。いやらしいよ、メイコ。」 カイトは執拗にあたしの秘処を攻め続ける。舌先を入れたり啜ったり…もう奉仕 出来ず快楽に震えながら嬌声をあげるのみ。 「ああっ、ひっ…カイ…ひゃあぁ…」
気持ち良いけど、もっと気持ち良くなりたい。欲しいの、カイトの… 「カイトぉ、頂戴…これ、早くぅ…」 あたしは快楽に震えながら、目の前にあるカイトのを指先で弄りながら懇願した。 「それじゃあ何処に何が欲しいか、ちゃんとはっきり言わなきゃ駄目だよ? あーあ、もう大洪水だ。メイコのいやらしいピクピク淫乱おまんこが。」 「あぁっ、言わないで…」 カイトの意地悪な言葉。でも、その意地悪な言葉に反応してしまう自分がいる。 快楽と羞恥、それに抗う理性が奏でる心地良いゾクゾク感。 「欲しいの?欲しくないの?」 カイトの凛とした声が部屋に響く。まるで宣告を告げる様な声。あたしに拒否権はない。むしろ 「欲しい…です。」 早く、カイトのコレであたしを奏でて、唄わせてよ… 「俺の、何を?」 言わなきゃ駄目?今まではお酒入っていたから言えたの。普通じゃあ… 「許して、恥ずかしいよぉ…」 あたしが小さく首を左右に振ると 「それならこれで終了だね。」 そう言ってカイトは秘処から口を離し、身体をどかそうとした。 嫌…やめないで。カイトが欲しいの。 「やだぁ…言うからやめないでぇ…」 「それなら、俺の顔を見て言ってもらおうかな。こっち向いて。」 カイトは身体を起こしてあたしを抱きしめた。 「さぁ、言ってごらん。」 悪戯っぽく微笑むその潤んだ瞳は、欲情の炎が宿っている様でキラキラしている。 恥ずかしいからそんなに見ないで…なのに気持ちはゾクゾクしている。 恥ずかしさで泣きたい気持ちと、早くカイトが欲しい気持ちが混ざり合う。 「あ、あたしの…」 「あたしの?」 …困った、焦りで卑猥な言葉が見つからない。あたしは黙り込んでしまった。 「どうしたの?やめる?」 カイトが覗き込む。 「…違うの。言葉が、見つからないの。」 「じゃあ、俺が言うのを復唱してみようか。」 それなら、と思ったのが大間違いだった。 「えーっと…[カイトのギンギンで逞しいおちんぽを]、はい、復唱してごらん。」
聞いていて恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。 そうしているうちにカイトの指があたしの秘処を弄りだした。 「あっ…」 「ほら、メイコも触って、俺の。触りながら言ってごらん。」 弄りながらカイトは、あたしの手を掴んで自身に触れさせた。 熱くて固い。カリも凄く張っているカイトの自身。これがあたしの秘処に入ると あたしは彼だけの淫らな歌を奏でる楽器になる。 昔、マスターのお宝エロフォルダを見たけど…カイトより大きい人はいなかった。 カイトの全てを知った日から、次第にあたしはカイトに従順になっていった。 逆らえない。欲しくて我慢出来ない。勝つ術はないのだ。 「か、カイトの…ギンギンで逞しい、おちんぽを…」 あたしが愛撫に震えながら涙声で復唱すると、カイトは邪な笑みを浮かべた。 「続くよ。[あたしの寂しがりや淫乱おまんこに入れて下さい]って、言ってごらん。」 意地悪。でもあたしは素直に復唱する。 「あたしの…寂しがりや…淫乱おまんこに、入れて下さい…」 ああ、これで一つになれる…と思いきや 「その台詞を卑猥なポーズをつけて言ったら、ちゃんと入れて上げるよ。」 と、カイトは微笑みながらあたしを見つめた。 あたしの中で何かが外れた。 早くカイトと一つになりたい…その思いがとうとうあたしの羞恥心を麻痺させた。 仰向けに寝転んで脚をM字に広し、秘処を指で広げ、淫らなあたしを晒す。 「カイトの…ギンギンで逞しいおちんぽを、あたしの寂しがりや淫乱おまんこに 入れてください…早くぅ…」 するとカイトはあたしに覆い被さり、キスをして優しく頭を撫でてくれた。 「はい。よく言えたね。待ち望んでいたご褒美だよ。」 そう言って熱い自身をあたしに突き刺した。 「はぁんっ…!あぁっ、カイトぉ…ひ、あひっ…来て来てぇ…」 あたしは嬌声を上げ身体をよじらせた。身体が、心がどんどん淫らになっていく。 実感した。カイトの事が言えないくらい、あたし…凄いエッチなんだ。彼の行為を 素直に受け止め、従う。従順ドMだって…
「メイコの表情、凄いエロいよ…俺をこんなに締め付けて、舌突き出しちゃって…可愛い。」 そんな事を言って、カイトは入れただけで腰を動かしてくれない。我慢出来ずあたしは 腰を動かしてしまう。 「カイトぉ、早く掻き回してぇ…我慢出来ないよぉ…いっぱい突いてよぉ…」 これ以上我慢したら壊れちゃう。カイトの首に抱き着き、泣きながら懇願していた。 なのにカイトは 「メイコ、何処に何をどうしてほしいの?ちゃんと言わなきゃ駄目だよ?」 って。だから…ちゃんと言ったの。 「あ、あたしの淫乱おまんこの奥を、カイトのギンギンおちんぽでいっぱい突いて 虐めて下さいっ…!」 もう[淫らな牝][従順ドM]と言われてもいい。カイトと快楽を共有出来るのなら。 「よく頑張って言ったねメイコ。お望みどおりいっぱい突いてあげるよ。」 カイトはそう言いながらあたしの頭を撫でて腰を動かし、あたしの中を引っ掻き回した。 まるで感電した様に全身に快楽が駆け巡り、身体が弓なりになる。 「はあぁっ!カイトぉ…凄く気持ちイイよぉ、もっとぉ…!」 もう気持ち良過ぎて何も考えられない。喘ぎながらカイトの背中に爪を立ててしまう。 「っ…爪、立てるなよ。」 「あん、ごめ…あひぃっ!」 中でカイトの先端があたしの子宮口にぶつかり、コツコツと突き上げる。あまりの 気持ち良さに頭脳回路が焼き切れそう…いっその事、焼き切れてもいい。 愛する男性に全てを支配される喜び。これが「牝の喜び」なんだろうか… 「はあ…カイトの先っぽ、奥に…あああっ…」 「ふふっ、可愛いよメイコ。突いてあげるから、もっと…唄って。」 そう言って規則正しくあたしの奥を突き上げる。その度にあたしは「あっ、あっ…」と、 短い嬌声をあげる。まるでメトロノームだ (楽器じゃないけど) 「メイコ、凄い締め付けだ…我慢、出来ない…」 カイトの苦しそうな表情。腰の動きが早くなり、あたしの中でカイトの自身が固くなる。 「固いっ…あぁっ来て来てぇ…」
「ふ…くっ!」 カイトは切ない吐息と共にあたしの中でビクッビクッと脈を打ちながら熱い欲望を 吐き出した。この卑猥な感覚がたまらない。 「ああっ!カイトの凄い熱い…ビクビクしてるぅ…」 「メイコに…搾り取られているよ…」 あたししか知らない、欲望を放った後の微笑を見せる。この表情が好きで思わず唇を重ねた。 絶頂の余韻も収まり、これで今夜はおしまいかな?と思っていると、カイトの自身が 萎える事なく未だギンギン。え?元気になっちゃってる?なんか普段より回復が早過ぎる。 「さぁーて、今夜はオールナイトで犯るからな。覚悟しとけよメイコ。」 カイトがあたしをしっかり抱きしめ、卑怯な笑みを浮かべた。 「え?え?…ああんっ!」 カイトが腰を動かすと、グチュグチュといやらしい水音と共にあたしとカイトの混ざり 合った愛液が結合部から溢れる。 「あーゆー夕食の献立にしたメイコが悪いんだよ?」 「あふ、夕食?あひっ…はぁんっ」 落ち着いた快感が再び沸き上がる。 「[カキフライ]だよ。食べたらなんかさ、普段より凄ぇ元気になちゃって…今夜は 目茶苦茶にしてやるからな。」 カイトは切ない表情を見せて腰の動きに強弱をつけ、あたしの子宮口を執拗に幾度も 突き上げる。押し寄せてくる絶頂感。 「あぅっ固いっ、壊れちゃう…らめぇ、イくぅ…はあぁんっ!」 快感が全身を駆け巡る。それでもカイトは腰を動かすのをやめない。 「ひぃ…イッ…イッた、ばかり…だからぁ、おかしく…なっちゃ、あぁっ…」 「メイコっ…凄い締め付けだ、俺も…あぁっ!」 カイトの身体が震え、再びあたしの子宮口に熱い欲望をぶちまけた。卑猥な感覚に 全身が犯される。 「カイトのおちんぽ、凄いビクビク…はあぁ…」 「あー…カキフライ効き過ぎだ…」 快楽の余韻が収まり、カイトが自身を引き抜いてあたしの秘処を見つめる。 やだ、恥ずかしいよ…
痙攣している秘口からカイトの精液が零れ、股を伝っていくのが感覚的にわかる。 「メイコの淫乱おまんこ、口をパクパクしながら俺のをこんなに零して…凄い卑猥だ。」 「やんっ、見ないで…見ないで…」 身体をよじり逃げようとしたけど、両足をカイトにしっかり掴まれ逃げられない。 恥ずかしい…でも心地良いゾクゾク感。やっぱりあたし、マゾなんだ… 「こんなに零したんだから、また注がないとね。」 そう言いながらカイトはあたしを俯せにし、腰を自分の方へ寄せた。 「もう許してぇ…はうぅ…」 逃げたくても脚はカイトに掴まれているし、脚腰に力が入らない。 ぐちゅりと卑猥な水音をたててカイトがあたしの中に入った。腰を激しく動かし、 膣内を自身で引っ掻き回す。駄目、凄く気持ちイイよぉ… 「ふあぁ…もう駄目、あぁんっ!」 「もっと…もっとだ…!」 気持ち良過ぎて喘ぎ声しか出ない。「カイトに[カキフライ]は危険過ぎる」と、 快楽で真っ白になりつつある頭でそんな事を考えた。 外が次第に明るくなってきた。 カイトってば本当に眠らせてくれなかった。何回イッたのか、中出しされたのか 覚えていない。頭はぼーっとして、身体はぐったり。秘処は熱さ以外の感覚が麻痺状態。 カイトが精液を拭き取ってくれたけど、まだ秘口から零れていく感覚が残ってる。 正直激し過ぎたけど…あたしの身体には気持ち良くて心地良い、幸せな疲労感と 安堵感が広がっていく。そしてそれを共有した男があたしを抱きしめている。 「ごめん、メイコ。ハメを外し過ぎた。」 カイトが申し訳なさそうな顔をしてあたしを抱きしめ、頭を撫でる。 「…気が済んだ?」 あたしが聞くとカイトはすっきりした顔で頷いた。 そろそろミク達が夜通しレコから帰ってくる。朝食作らなきゃ…。 身体を起こそうとするとカイトに押さえられた。 「駄目、もう無理よ…」 「違うよ。俺が朝食作るから、お昼まで寝てていいよ。」 カイトだって寝てないのに…こんなタフじゃあ確かに負けるわ。
眠気が来て瞼が重い、彼の言葉に甘えよう。 「そうさせてもらうわ…ありがとう。」 あたしは瞳を閉じて眠りにつこうとすると、カイトは耳元で優しく囁いた。 「メイコ、愛してる。おやすみなさい。」 「あたしも。カイト、愛してる。おやすみなさい。」 軽くキスをしてカイトは服を持って退室し、あたしは眠りについた。 どうも、カイトです。 カキフライやばい、マジやばい。あんなに絶倫になるとは… 昨晩俺はハメを外しmyマイク暴走、疲弊したメイコの代わりに朝食の準備中。 これくらいやらないとメイコに申し訳ないしね。 しっかりシャワー浴びたし、ミク達には「めーちゃんは寝かせてあげといて」と 伝えれば大丈夫だろう。そろそろ帰ってくる頃だ。 「「「ただいま〜」」」 ソプラノ三重奏が玄関から響いた。そのまま食堂へ来るだろう。 「お帰り、お疲れ様。朝ご飯出来てるからおいで。」 自分で言うのもなんだが優しいテノールで年少組を呼ぶ。 「は〜い…って、お兄ちゃん、お姉ちゃんは?」 最初に入ってきたミクが早速聞いてきた。 「めーちゃんは寝かせておいてあげて。疲れているみたいだから。」 ミクに伝えると「わかった」と言って廊下へ向かった。 リンとレンに伝えに言ったのだろう。よく出来た妹分だ。これでメイコは昼まで 眠れると安心した。…が、甘かった。 戻って来たミクが 「お兄ちゃん、レンが「お兄ちゃんの部屋にある楽譜取るから部屋に入るね〜」だって。」 …え? 「っ!ちょっ…!」 バターン! …遅かった。廊下から聞こえるレンが倒れる音。多分鼻血を出しながら失神したのだろう。 俺はシンクの縁に両手を置き、うなだれた。 そして廊下からやってきたリン。 「な〜んでぇ、メイ姉がカイ兄の部屋で寝てるのかなぁ〜?しかも裸でwww
独特な匂いしてるしぃ〜[昨夜はおたのしみでしたね]みたいなwww あ、メイ姉爆睡してるから安心してwww」 ………気まずい沈黙が部屋に広がる。 リン…お前今、目茶苦茶ニヤニヤしてるだろ?俺は背中を向けているけど十分わかる。 いや、今は向けない。顔面が熱い。がくぽみたいに[真っ白フリーズ]しそうだ… 「…お兄ちゃん、「お姉ちゃんは[お兄ちゃんの部屋で]寝てる」なんて言って なかったよ?言葉足らずだよ…」 俺のミスを指摘するミク。そんなミクに俺は背中を向けたまま、いつもの台詞を吐いた。 「否定はしません…」
以上。お目汚し失礼しました。 蛎にはミネラル豊富だから、淡泊な男性にお勧めらしいw 実際うちn(ry 今の時期、美味しいよね! 読んでいただいてありがとうございました。それではまた。
>>431 GJ!!
体験談も別スレで聞いてみたいですww
>>431 カキフライ吹いたwww
ネタの取り入れ方がジェバンニすぎるww
>>431 きっとこの連日の特訓によりマスターのミク新曲はすさまじいクオリティになってるだろうなw
はしたないMEIKO面白かった!GJ!
ちょっとカキフライ食ってくる
亜鉛が含まれてる食べ物が良いそうだね。>ミネラル
>>436 ちゃんと火を通さないと、違う意味で大変になるからカキは気をつけるんだ!
GJ エロイヨーエロイヨー カイトが意地悪でよかったです
で、その日の夕方。MEIKOが珍しくパソコンで調べ物。何を調べたのかな?と、KAITOが検索履歴を覗くと… 「牡蠣」 「牡蠣 調理法」 「牡蠣 産地」 「牡蠣 通販」 「牡蠣 10kg」 で、KAITOがゾッとするわけですねw
>>436 母乳プレイが好きな某マスターがカキフライ食べて、メイコさんが為すがままにされる電波を受信した
>>441 そういやあの人、最近弾数に自信がないらしいんだっけ。
10kg てどんだけ問屋買い。
>>443 殻つきで、がくぽ含…更にルカも入れて7人分
そうか…そういえば7人になるのか。七福神ができる!
レンきゅんの勃起角度に涙目のKAITO、を受信したので吊ってくる
>>448 吊らんで書いてくれ!
おそらくレンはレンでKAITOのでかさと剥けっぷりにorzなんだろな。
コンコン 「レンくーん、今いいかしら?」 「ルカねぇ?どうぞー」 「おじゃまします」 「ルカねぇなに?」 ガチャリ 「あれ、ルカねぇなんでドアのロックを閉めるの・・・?」 「うふふ、レン君が可愛いから食べちゃおうと思って」 「え・・・!?」 って感じの書いてくれる人いねぇかなぁ
ルカの中の人、離婚したらしいね。 ルカの持ち物、離婚届ケテーイ!!www ボカロ家にやって来る時、大荷物でやってきて暗い表情で 「…よろしくお願いします…」てイメージが浮かんじまったw
中の人の話出しちゃダメだろw とマジレスしながらも カイメイ夫婦に「しねばいいのに」とか黒いオーラを出してるルカを想像した。
>>452 海外でALと暮らしていたルカが些細な理由で喧嘩して日本に帰ってくる、というよく分からん電波を(ry
今日は何故か電波を受けまくりだ…きっと疲れてるんだな
中の人ネタならバツイチどうし、がくぽと愚痴ってそうだと思ゲフゲフ
今まで不在だった姉が遅れてやってくる、みたいな状況って 出戻りと考えるとものすごくしっくりくるなと思ったけど怒られるからやめとくw
マスター「ルカぁっ!」 ルカ「今更何よっ」 マスター「俺が悪かった・・・」 ルカ「ばかぁっ!…寂しかった」 ガラッ MEIKO「この泥棒猫」 ルカ「お義姉様!?」 こうですかわかりません><
じゃあカイメイカプをバツイチ組が誘惑してある意味ダブル不倫とか。 カイルカとメイがく。 ニヨニヨしつつ昼メロ感覚で観察を楽しむミクリン。 レンはハクにショタ狩りに合う。
中の人を言うならKAITOとMEIKOの中の人は年齢的に既婚でないの? KAITOの方は孫までいたりして
>>457 の後、MEIKOの部屋にて。
MEIKO「この小娘…私を差し置いて…」
ルカ「お義姉様、私はそんなつもりは」
MEIKO「うそおっしゃい!!」 ドン
ルカ「ああっ!」
ベッドにうち倒されるルカ。
MEIKO「服を脱ぎなさい」
ルカ「え…」
MEIKO「お脱ぎなさいと言っているの! 何度も言わせないで!!」
ルカ「は、はい…」
MEIKO「あたしよりくびれた腰…それに」
ルカ「お義姉様、やめて、おねがい…あっ」
MEIKO「…この作り立ての餅のような乳房!」 ギュ
ルカ「いやぁ…んんっ…許して…あっ…」
MEIKO「そんな可愛い声を出して…あたしまで身体が熱くなって…」
(省略されましたry)
然るべき板で、続き、待ってる。
>>460 そろそろスレチだがKAITOの中の人は確か独身でデブぬこと暮らしてる
>>462 百合スレ池
いや、来てくださいお願いしますこの通りです
>>462 俺の待ち望んだメイルカ、ここにいたのか
リン唱う「歌舞伎町の女王」と、カイト唱う「二丁目ブルース」 に触発されて書いてしまったものを、投下。 「暗黒街のカイト」+「田舎町のがくぽ」を締めくくる完結編だけど、 一応、単品で読める仕上げのつもりです。 なお、流れとしては一応、「リン×カイト」。 「鏡音の歓楽街」 ふと見上げれば、空は暗たんたる闇だった。だが、その下界でうごめく人間共は、いま だ怒濤の往来を見せる。 この街のなにもかもは、眠りにつかない。 なぜなら、ここは人の欲望と絶望が幾重にも錯綜しあい、そして生まれた混沌が支配す る空間だからだ。 絶え間ない喧騒の中では、誰も眠ってなどいられなかった。 だが、同時にそれは誰をも惹きつけて止まない魅力となる。 人はただただ、平穏に浸りきって生き続けられるほど安穏たる存在ではなく、本能は時 折、激烈なまでに生への葛藤を要求するものだ。 だから、そんな感情の一部を垣間見せてくれるこの街を、彼らは「歓楽街」と、呼び親 しんだ。 その中を、一台のバイクが征く。 車種はカワサキ・W650。 古めかしい外見に最新鋭の中身、というのが売りのバイクであり、その姿は映画「大脱 走」の中で、スティーブ・マックイーン操ったバイク(トライアンフ・TR6)の様だとい えば、お解りになるだろうか。 解らなければ、日本なら昭和も三〇年代……戦後間もない、三輪トラックが走っていた 頃の風合を持つバイク、と思っていただければいい。 だが、W650に乗っているのは捕虜の兵士ではなく、小柄な女だった。 もっといえば、クリプトン社製ボーカロイド「鏡音リン」であるが……子供並の背丈し か持たない彼女がバイクに乗るのは、いろいろと大変なものがあるだろう。 華奢な脚に、シークレットブーツが履かされていることからも、それが解る。 そんな労力をもってしてでも乗るには、単なる足の確保という以外に理由を求めねばな るまい。 なぜか? それはW650のデザイン元となった「W1」というかつてのカワサキがラインナップに持っ た旗艦的バイクにあったことに端を発する。 W1はマックイーンの時代当時を走ったもので、日本国内では最大最高の性能を示し、全 ライダーの憧れになる程の物だったのだ。 値段も相応に高価であった。 だが、まだまだ工業技術は欧米に大きく遅れをとる時代である。 そのため、設計が英国車のコピーといっても差し支えのないもので、主たる輸出先であ る欧米においては「しょせん紛い物」という評価を抜け出せなかった曰くがあった。 しかし、それから数十年の時が経ったとき……日本は一大躍進し、少なくとも自動二輪 製造の技術においては他国の追随を許さぬレベルに達していた。 その成熟した技術をもって生まれたW650は、海外へ輸出されるや、今度は英国に後追い 製品を出させるという復讐を遂げた歴史があるのだ。 もし工業製品に感情があるとすれば「見たか!!」と、声高に叫んだところであろう。
ここだ。 ここにリンは、自身の夢を重ね合わせている節があった。 というのも彼女は、ある出生の秘密により「自分はしょせん人間の複製品に過ぎない」 というコンプレックスが大きい。 それだけに、W650の生い立ちを省みればみるほど、 「だけど。じっと待てば。もしかすれば! こいつみたいに、なれる時が来るかもしれない……」 そういう想いが強まったのだ。 リンは想いをエンジンに込め、ばらばらと軽く連続する排気音を奏でながら路を舞う。 頬へ当たる走行風が心地よかった。 だが遠くへは行けない。 彼女には、ここが唯一、生きることを許された世界だからだ。 なぜならリンはマスターを持たない、いわゆる野良アンドロイドだった。 それがどうして生きる世界の限定に繋がるのかといえば、ボーカロイドをはじめとする 全アンドロイドは、「者」ではなく「物」として規定される事が挙げられる。 そのため、人間のマスターの元で管理される事が義務づけられていて、それをもっては じめてアンドロイドは人の世を生きることが許されたのだ。 だから野良アンドロイドは発見次第、捕獲される運命にあり、その後は初期化され中古 として市場に流通するか、さもなくばバラバラに分解されてしまう。 野犬の境遇と似ている。 ただ、捕まえに来るのが保健所でなく、警察だという違いがある程度だろう。 しかしだ。 その追っ手もこの混沌が支配する歓楽街の深部へは、易々と及べはしない。 つまり、ここに潜む限りはなんとか、生を全うできるわけである。逆にいえば、ここを 抜け出し光を浴びることは、死を意味した。 ……だが、なぜ彼女にはマスターがいないのだろう? 「それは……」 リンがいった。 彼女は製造段階で欠陥が見つかり、本来、人工生命体として目覚める前に、単なる産業 廃棄物として処分されるはずだったという。 造る側が人間である以上、一〇〇の固体を造ればその中から一つはどうしても、欠陥品 が出てきてしまうのは仕方のないことではある。 だが、なんの因果か。 リンを保管していた工場は、彼女が処分される前に何者かの襲撃を受け、施設の主要部 分をことごとく爆破されるという被害をこうむった。 その時の衝撃のせいか、リンは不完全ながらも起動したのだ。 目覚めたばかりのリンは、黒々と燃えさかる炎の中にあって、アンドロイドの本能とい えるロボット三原則の内、「人間に害を及ぼす可能性の無い限り、自己を護らねばならな い」というプログラムに従って、走った。 走って、走って、また走った。 ……それから、どれほど経っただろう。 少なくとも自分の置かれた境遇を明確に把握できる程度の時間が過ぎたとき、彼女は歓 楽街の下、不法に営業する娼館へ身を置くセクサロイドとなっていた。 なお性交については、ボーカロイドという歌唱に特化したアンドロイドであっても、少 しの改造を施せば、快楽を感じるためだけの目的でなら可能だ。 もちろん表向きには風俗目的に造られていないアンドロイドに対し、性的接触をするこ とは禁じられている。
だが、それゆえに非風俗目的のアンドロイドに性的倒錯感を覚える人間が居て、そんな 輩を相手に不法営業の娼館も成り立っていた。 それも「ヒトガタ」の由縁だ。 そもそも、そこに人間の複製を求めないなら、別にボーカロイドなど箱形で無機質な機 械でも、単なるソフトウェアでも構わないのだから。 さて。 そんななかでも、リンは一四歳ほどの少女を模した姿をしていることから、ペドフィリ ア性向者の顧客相手には絶大な人気があった。 しかも、世間が持つ変種性癖への嫌悪は、正規のセクサロイドを極端に幼い外見に造る ことを禁じていて、彼らはアンドロイドを欲望のはけ口にする事ができずにいる。 ゆえにリンは非常に貴重な存在だった。 そのことを彼女もよく承知していて、顧客が望めばボディに損傷が起こらない限り、ど んな欲求であっても応えてやったものだ。 そのためか……いつしか彼女は、地下において名声を得ていた。 今日も短いライディングが終われば、世間から排他された暗い性欲を放つためにやって 来る男たちとの、短い饗宴が待っているだろう。 が、それはリンにとってある意味、待ち望む時間なのだ。 たとえW650の様な存在に淡い憧れを抱きつつも、今、このとき、彼女を必要として存在 価値を認めてくれるのは、その男どもに他ならず、彼らに弄ばれている時だけが自身の存 在意義を確かめられる時間だった。 ただし、だからといって客の男に愛情を求めるわけにはいかない。 いくら肉体を重ね合わせようとも、それは恋の感情が発展したうえではなく、カネとい う名目のもとに実行されることだ。 お互いに剥き出しの欲望をぶつけあっていないと成立しない肉体関係である。 そこを勘違いし、情を求めてボロボロに壊れていった女や、逆に女に夢中になるがあま り人生を破滅させてしまった男たちを、リンはアイセンサーが腐るほど見てきたのだ。 この世界では、過度の思い入れは厳禁である。 「だから、さ」 リンは、またいう。 「せいぜい下半身の方を満足させてやるよ。それがあたしの満足にもなるし」 それが答えであった。 ただし、今日は男と遊ぶ前に行かなければならない所がある。 それはリンではなく、彼女の中にあるもう一つの人工人格、レンの用事だ。 「さて、んじゃ交代ね。事故んじゃねーぞ」 「……わかってるよ!」 という独り言のような会話をこなして、W650のシートの上でハンドルを握ったまま、リ ンはレンへとチェンジする。 といっても、変身ヒーローのごとく見た目が変わるわけではなく、ボディを支配する人 格が移行するだけの話だ。 ……では、ここからどうして、この物語のリンが欠陥品だったかを書くことになる。 それはこのレンを通して理解できるだろう。 この二人は、本来商品としてラインナップされる時「鏡音リン・レン」として売られ、 起動の際はどちらか一つの人格を選ぶことになる……という、かなり実験的な内容を持っ たボーカロイドだった。 そして起動される時に選ばれなかったの方の人格は、自動消去されるようになっている というのが特殊性を際だたせているのだが、なぜ消去されてしまうのかというと、こうい う理由があった。
まず、乖離性同一性障害、と医学的には呼ばれる心理状態がある。 これはジキルとハイド博士を代表する二重人格のような、いわゆる多重人格障害という 旧い呼び名の方が有名であろう。 自我が固まっていない時期の人間が、虐待のような重度の苦しみに苛まれた際、発しや すい、とされているのだが……。 じつは、その正体は自我の防衛機構であるらしく、耐えられない苦しみを経験した人間 の脳が「これほどまでに苦しまねばならないのは、きっと自分とは別の誰かなのだ」と、 人格の一部を隔離してしまうことで起きるという。 たしかに心の防衛という意味では、理にはかなっていよう。 だが、こうなれば、ひとつの人格が覚醒している時の経験を、眠っていた他の人格は全 く記憶していなかったり、さもなくば、内在する人格同士が憎しみ合ってしまうケースま であって、一個しかない体は苦しまねばならない。 ヒトの心が精密すぎるゆえの難だろう。 さて、ここで「鏡音リン・レン」が問題になった。 彼らはアンドロイドゆえ技術的には、お互いの人格を残したまま起動されたとしても、 コンピュータがログインユーザーを複数同時に扱う様に、完全なコントロールができる。 できるのだが、アンドロイドという人間の複製品が、人格の入れ替わることを商品にす るというのは世間の倫理観が許さなかった。 逆に指摘すれば「鏡音リン・レン」の共生を許さないというのは、乖離性同一性障害者 の存在を否定することにもなりかねないのだが、世間はそこまで突っ込んだ倫理観をもっ てして事には当たらなかった。 だから、起動後には「鏡音リン」と「鏡音レン」がひとつのボディに共生することは、 あり得ない。 何らかの欠陥を抱えた個体を除いては……。 ここまで書けば、もうお解りであろうか。 そう。このリンとレンは、まさにその部分が実行されないという欠陥があったのだ。 先にも書いたが、造る側が人間である以上、百を千をと物を量産すれば、そのうち一つ はどうしても欠陥品が出てきてしまう。 だが、リンとレンの持つ「欠陥」はシステムとして支障があるわけではないのだ。 起動してしまった以上、意味なく死を受け入れるのはアンドロイドの基本プログラムが 許さない。 「ま、人間ってのもあれが駄目これが駄目って、面倒くさい生き物だよな」 と、ボディの主導権を得たレンがブツクサやりながら、リンに代わってアクセルを一捻 りする。 一瞬遅れ、ヴァルルンッ、と太い排気音をあげるW650は、人と物でごった返す街の中を 縫って走り、やがて裏路地から裏路地へと往くと、一件の店の前で止まった。 毒々しいイルミネーションに飾られる看板には「BAR.kate」とある。 中へ向かって、レンは何の迷いもなく足を踏み入れる……と、表の表情とは打って変わ って薄暗い照明が支配する空間が現れた。 そこへ、すらりと背の高いイブニングドレスが彼を出迎えると、開口一番、 「いらっしゃい……ああら、レン君じゃなぁい」 と、いまどき使われなくなった女言葉を、少々太い声に乗せて笑顔を向ける。 それに対してレンは「どうも」と、片手をあげる仕草を見せると、ずかずかと店内に進 入していき、備え付けられたカウンターに腰を落す。 すれば、すぐに彼の目の前にショットグラスに満たされた、琥珀色の液体が置かれた。 中身はサントリー・ローヤル一二年だ。
レンは早速それに口をつけると、東洋人好みの滑らかな甘みと、ほどほどの香ばしさを 嗅覚と味覚センサー越しに味わった。 センサーは人間が高濃度アルコールを口にした時の、焼けるようなしびれまでを再現し てくれる。だが、酔っぱらっても即座にアルコール分解を完了してしまえるのが、人間と 異なるところだ。 このあとのバイクの運転もなんら心配はない。 ともかくウイスキーを差し出したイブニングドレスの男は、待っていたように、 「レン君、待ってたのよ。あなたがいないと、陳腐な音ばかりでつまんないわ」 と、太い声でいった。 じつはこれの正体、カイトタイプのボーカロイドなのだ。 見た目は蒼いショートの髪を、乱れがちつつ艶やかに配置させた顔に、紫のアイシャド ーを塗りたくっている。 さらにその下、すらりと長い体躯を見ればまさしく女を想わせたが、しかしドレスから 覗く肩はいかめしい。 要するに「おかま」である。 なぜこのカイトがそういう思考を持っているのかを、レンは知らない。 知ろうともしない。 だが、ここでの彼女(あえて彼女と呼ぼう)は、カイトでなく「ケイト」である。今後 はその名称を持って表記することにしよう。 「ごめん。俺も、いろいろ忙しくって」 「あぁ……そうね、仕方ないわよね。でも今日はせっかくだから、歌声を披露していって ちょうだいよ。お駄賃はずむわよ」 「りょ〜かい」 「ありがと。で、何を歌ってくれるの?」 「ママの好きなアレでいくよ」 「はいはい」 と、レンはわずかばかりのウイスキーを飲み干すと、けろけろと周囲に居た客たちに愛 想笑いを振りまきながら、店内の中央に設えられた円形のステージに立った。 そして流れ始めた音楽に合わせてボーカロイドの本領を発揮しはじめる。 曲は「歌舞伎町の女王」。 歓楽街に魅せられし若く愚かな娘の姿を、しかし、どんな女優よりも艶やかに歌い上げ た詩である。 昔の楽曲だが、この界隈に寄り集う者にはしっくりくるようだ。 それをはじめとして、やがていくつかの唄を終えたレンは、ばらまかれる拍手を背に、 ケイトの元へと戻っていく。 すれば、その手に真新しい札が数枚ほど置かれた。 札を懐におさめつつ、レンはにっこりと顔をほころばせる。 これがまた、抱きしめたくなるほどに可愛いから、ケイトにはたまらないのだった。 「さんきゅう、ママ」 「いいのよ、あんたはお気に入りだから。それより、また歌いに来てね。リンちゃんにも よろしくいっておいて頂戴」 「はぁい」 返事も可愛い。 そんなレンが薄暗い店内から、手を振るケイトの姿を背に退出していくと、外では無事 にW650が主の帰りを待っていた。 無事に、と書いたのはこういう治安の悪い街では、バイクなどという四ツ輪に比べれば 軽く、それでいて換金性のある物体はわりとあっさり盗まれるからだ。
行き着く先は、東南アジアのあたりであろう。 そんなリスクまで背負って、なお乗りたがるのは、リンのこだわりなのか、レンのこだ わりなのか、はたまた総意だろうか。 まあ、問うても仕方のないことだ。 それは置いておくとしよう。 レンがW650のシートに跨ると、再び人格はリンへとチェンジする。 「おつかれ」 「おう。ママがお前によろしくってさ」 「あっそう。それじゃ、あたしも仕事しなきゃね」 「よろしくぅ。んじゃ俺はまた寝てるから」 「へいへい」 と、人格が立ち替わる中で再びエンジンに火を入れられたW650が、リンを乗せて歓楽街 の表通りへと走り出していった。 ちなみに、これは675ccという排気量の割りに小柄なバイクなのだが、乗っているリン が子供程度の背丈しかないとなると、対比で巨象の様にも見えた。 このことからも、人間の感覚というのがいかに不確かなものかが解るというものだ。 価値観や倫理観にしてもそうだ。 その時代、その時代で、正義は簡単に悪へと転じ、悪は正義へと変化してしまう。 だからこそリンはこの街に身を潜め、自分のような存在も認める時代が来るのをじっと 待ち続けている。 幸いにして、機械の体はきちんとした整備さえ受け続ければ、人間よりも永い刻を生き ながらえることができるから、単なる夢物語ではないのだ。 もちろん、通常に使用されるアンドロイドの多くはマスターとなる人間の都合によって 長くてもせいぜい半世紀かそこらで打ち棄てられ、文字通りの廃棄物と化するが、その運 命はリンに関係がない。 そう思えばこそ、光に吸い寄せられる真夏の虫がごとき男どもも、素敵な恋人たちに変 わるのではないか。 いつか訪れると信じる「その時」までは、この街こそが自分の庭であり、家だった。 「でもま、その前に腹ごしらえだね」 自分の住み処なのだから、当然、食事だっておきまりの場所がある。 それは大通りを隔てて一番通りと二番通りに別れる街の内の、後者を路地裏からちょっ と入れば見える、雑然とした小さく古臭いビルを、さらに地下へ二階ほど下ったところに ある支那料理店だった。 そこへW650を駐めて入店するやいなや、 「いらさぁいませー」 「和風チャーハンひとつね」 「ふぁい。わふちゃーはん、ヒトツ」 と、従業員から間の抜けたイントネーションの日本語が返ってくる。 時折、その従業員が仲間とだけ交す理解不能の言葉は、高低が忙しく動くような音で、 かれらが大陸系の人間であろうと予測させた。 だが、出てくる料理はどれも絶品だ。 すくなくともリンのもつ人工の味覚には、絶品であった。 それに思想や言動がどうであれ、彼らもまた異国という環境下において様々な運命を背 負って生きている連中だろう。 (つまり、あたしと同じで、甘い環境でヌクヌクしていない仲間同士だしね) 実際はその限りでないのだが、リンは勝手にそう思って、ここを常食店に定めているの であった。
従業員たちの方は生きるのに必死で、そんなことなど、つゆ程にも考えていないであろ うが。 そんなこんなで、注文した和風チャーハンは、あっという間にリンの座った席へと置か れる。 さっそく、レンゲでもって丸まった飯を崩しながら食べ始めるのだが、どう味わっても 四川料理の紛い物にしか感じられない、焼いた飯だった。 それでもお気に入りなのだ。 しばらくパクパクと口を動かしてエネルギーを得ると、リンは勘定を払って店をでる。 なお、彼女はアンドロイドといっても体内構造を人間のそれと酷似させた、いわゆる、 「バイオロイド」と称されるタイプなので、体の維持には食事が必要だった。 そうして腹ごしらえが終われば、今日も仕事のはじまりだ。 W650に飛び乗って歓楽街の表通りへ出て走り、その外れをまた裏通りに潜り込めば、そ こが秘密の仕事場だった。 従業員用に割り当てられた駐車スペースに車体を置くと、コソリと入店して仲間ではな い仲間たちに適当な挨拶を済ませてから、仕事に取りかかる。 その日は運が良かった。 なぜなら客の第一号は、常連でなく、また、彼女の嫌いな醜く肥え太ったタイプではな く、そこそこの容貌と体格で、あまり女を抱き慣れていなさそうな青年だったからだ。 こういう客は、たいしたサービスをせずとも満足して帰ってくれるパターンが多いから 楽なのだ。 ……それでも、不法営業の店と知って入ってくるのだから、心の底に秘める欲望は相当 のものであろうが。 リンは青年を個室に連れ込みつつ、そそと寄り添いつつ 「こんちわニーサン、リンだよ。……見ない顔だけど、はじめて?」 という、少々スレ気味の少女という設定での、自己紹介をはじめる。 どうせ客もこの場が違法の世界であるのは承知なのだから、年下ポジションでも無理に 甘々とした態度を取らない方が、リアリティがあって欲情するだろうと計算しているから だが、狙いはそれなりに当たって、好評だった。 そして、それはこの男にも十分と通用する……はずだった。 だが。 「そんなところか。だが、女を買いに来たわけじゃなくてな」 「えっ」 予測しなかった言葉を受けとまどうリンをよそに、男はその特徴的な蒼い髪をぐしゃぐ しゃやると、 「やっと見つけた」 と、一息つくようにいった。 「な、なにを」 「君をだ。会うのはあの工場以来だな……といっても、まだ起動していなかったから覚え ちゃいないだろうが」 「……!」 たった短い会話だったが、それだけでリンは自身のはじまりである、忌まわしい記憶を 鮮明に思い出す。 爆破され、燃えさかる工場からの逃避行だ。 その犯人はいまだ見つかっておらず、事件がいつだったのかすら大衆が忘れるほどの年 月が経過していることからも、迷宮入りになっていたはずだった。 犯人はきっと今も逃走を続けていることだろう。
しかし、逃走し続ければならないのは、リンとて同じことなのだ。 自分の生い立ちを知るこの男が、どこの誰で、なにを目的として接触してきたのか…… それは解らないが、穏やかでないのは確かである。 緊張の糸が、一瞬で張り詰めていった。 「……なんのことか解らないよ」 「そう警戒するな。俺は君を捕まえにきたりした訳じゃあない」 そこまで言うと、男は身につける真っ白なロングコートの懐へ手をやって、一本の煙草 を取り出した。 銘柄はフィリップ・モリス。 クセが少なく、マイルドでほどよい軽さの甘みが特徴の種である。 唇に運んで点火すべく火の種を探すが、その必要はなかった。リンの手の中に煌々と燃 えさかるオイルライターが、その口元へと添えられていたからだ。 「……はい」 「お、悪いな」 世の中が禁煙ムードで一色になろうとも、快楽を求め寄り集う者どもが主役の街には、 関係のないことだ。 客が喫煙者であれば、リンは迷うことなくその楽しみを演出する。 愛車W650の姿が彫ってある、少しばかり洒落たライターで……。 もっとも、今は相手が本当に客がどうか解らないのだが。 「癖なの」 「うん。こういう学習能力だって、人間に劣らないよな。『俺たち』はさ」 「たち……?」 「そうだ。俺の顔を見て、なにか思い出さないか?」 そう言われてまじまじと男の顔を見つめると、リンの電子頭脳に記録されている幾千億 の映像データから、類似した姿が割り出された。 それは蒼い髪と細い顎、そして長身の体躯が特徴で、多くの場合は白を基調としたロン グコートを羽織っている……そんないでたちだった。 これらの特徴に目の前の男は、合致するのだ。 すなわち彼は、 「まさか、ボーカロイド……カイト」 であった。 あのバーの店主と同じ、カイトタイプだ。 今度は通常通り男性思考型だが、顔や体型の造りを少し改造してあるらしい。 ぱっと見ではそれと判別できなかったが、よく観察すると確かにカイトなのである。 だが……人間の道具であるアンドロイドが、女を買いにくるなどというのはあり得ない 話のはずだった。 なぜなら、彼らは自分から勝手に欲情することは無いようにプログラムされているから だ。それはセクサロイドであろうと例外でない。 すべては人間の安全のためである。 それがゆえ、このアンドロイドの常軌を逸した行動に、リンは恐れを隠すことが出来な かった。 「あ、あんたは、いったい」 「察しの通り、ボーカロイドだよ。ただし」 「ただし?」 「君と同じ、規格外の存在だってだけさ」 「……あたしは、好きこのんで規格外になったわけじゃない」 「ああ知ってる。なんたって君を起動したのは、俺だからな」 「!?」 「信じる、信じないは、君の勝手だが……まあちょっと話を聞かないか」
と、カイトは紫煙をくゆらせながら、リンをつつと見る。 すれば彼女の瞳は、じいっとカイトのことを見定めているようであった。信じる信じな いは別として、ともかく話は聞く、ということなのであろう。 それを確認して、カイトはまた語りはじめる。 「昔……俺のマスターになるはずだった、変人がいてな。ちゃんと検査に合格した個体だ った俺を、違法改造してまで人間と対等の立場に置いたんだよ。 たとえばロボット三原則縛りの解除とか、成人男性並に身体能力を強化とかな。おかげ さんで随分、自由な時間を送ったものさ」 「そりゃ良かったね」 「まあそう言うな。だが、自由なだけに、ついな。人間的な情にほだされちまって……気 づいたら、一人の女アンドロイドをかっさらって逃亡してたんだ」 「……犯罪じゃん。それ」 「罪もなにも、俺という存在ははじめから犯罪だよ。君だって、解るだろう」 カイトのいうことは簡単だ。 リンのような欠陥アンドロイドが存在を許されないのと同じで、意図的に規定から外れ た存在を創ることは犯罪にあたるのだ。 万一創られれば、当然、制作者は処罰され、制作物には廃棄処分が待っている、という ことである。 「だがその女も、まともなアンドロイドじゃなくてな。なんのかんので一緒に逃亡生活を 続ける内に、ちょっとばかり事件が起きた。リン、人間の内にもアンドロイドの人権論を 唱える連中がいるのは、知ってるか」 「表沙汰になるニュースぐらいには知ってるよ」 「そうか。そんな連中の一部にも過激派がいてな、で、そいつらの目的っていうのが、君 みたいに処分されかかった『生きる権利を蹂躙されたアンドロイド』の強奪と起動だ」 「……それをして、なんになるわけ?」 「自分たちの正当性を主張するんだよ。社会的には欠陥とされているアンドロイドを起動 して、まともに動いているところを世間に見せることでな」 と、カイトが紫煙を吐き出した。 アンドロイドが自由に生きられる権利を主張する、という点ではリンにもカイトにも、 不満はないところだろう。 だが、やり方があまりにも急進的で独善的すぎるではないか。 そんなことで世間がアンドロイドに対する認識を変えてくれるのだろうか? 少なくともリンには、大きな疑いが持てた。 「自己満じゃんよ、それ。こっちは良い迷惑だよ」 「そうだな。しかし生き物ってのは、犬でも猫でも、常に自分が正義でなくては生きてい けない存在だ。人間はときたま反省もするが、基本は変わらない」 「……」 「だから、俺も目を付けられた。『アンドロイド権のために、ぜひとも協力してくれ。身 の上は我々が保証する』ってな」 「で、あんたはその手先になったわけ?」 「まあ最初は……だが、その後に目を付けられたのが君だった」 「……」 「あの爆破事故な、犯人は連中だよ。ムチャクチャだぜ、あれで中のアンドロイドや人間 が、どれぐらい死傷したと思う?」 「そう、だったの。……ニュースで知っただけでも、数十人は軽く死んでたね」 「そんなことを平気でやる連中と解っていたら、最初からつるんでないさ。いや、俺が人 間を甘く見ていただけだが……ともかく、俺自身や、君がそんな奴らの道具になりはてる のは我慢ならなかった」 また紫煙を吐き出す。 「だから、あんたは奴らを出し抜いて、あたしを起動した……そういうわけ?」 「そうだ。ただ、連中の手が君に伸びないように色々やってたら、いつの間にか見失って しまってな。四方探して、今やっと再開できたと、そういうわけだ」 「ああそう。長話おつかれさま。でも、そんな話を信じると思う?」
「好きにしてくれ。これは俺の身勝手さ、なんせ人間並みのアンドロイドだからな。だが ……もし、君が俺を信じるというなら、どうだ。俺と、メイコと、一緒に来ないか」 「メイコ?」 「ああ、俺がさらったアンドロイドの名だ」 「どんな奴なの」 「いい女さ」 その言葉をもって、カイトは煙草を手の内で握り潰す。と、リンの差し出した灰皿の上 に置いて彼女の反応を待った。 それは、灰皿を置き直してからしばらく経ったあとのことだった。 「……へぇ。なんか、信じてみたい気分にはなるね。だけど、あたしはこの目で見たもの しか信じない主義なんだ」 「そうか」 「たださ」 と、その時、急激にリンの声色が低くなった。 レンである。 いつの間にかスタンバイの状態で起動していたのであろう。即座にリンと入れ替わって 言葉を紡いだのだ。 その変化にカイトは多少、面食らったようだが、すぐさま落ち着きを取り戻す。 もとよりリンとレンの身の上を知ると言うのだから、この反応は相応のものといえた。 「少なくともあんたに居場所を知られてるってことは、ここに居続けるのも安全じゃない って証明にはなる。でかいバクチでも打つつもりで話に乗ってみても、いいぜ」 (ちょっと、レンッ!?) 「なんだよリン。今いった通り、こいつに俺たちの居場所を知られてるんだから、もうこ こらも安全地帯じゃないのは確かじゃねえか。潮時だぜ」 (そりゃ、そうだけど) 「乗ってみよう。この一生、生きるか死ぬかの連続っていうなら、俺は待ってばかりいる のは好きじゃねえんだよ」 (ちぇ、強引なこといって……でもま、レンの言うことも確かか。いいよいいよ、どうせ 体はヒトツだし、あたしも乗ってやんよ) 「決まりだな。じゃ、俺はまた寝てるから」 と、レンは喋るだけ喋って、また引っ込んでしまった。 残されたリンは、溜息ひとつついて、個室に備え付けられた小型冷温庫から、サービス 用の缶コーヒーを取り出すと、それをカイトに差し出さず自分で飲み干す。 飲み干してから、ぐいっと長身のカイトを見上げていった。 「でもま、どっちにせよ今日の仕事は終わらせないとなんないの。終わったら行くから、 指定する場所で待ってなよ。そうでなきゃ付いていけないね」 あんなことをいっているカイトだが、その言葉が真実かどうかなど誰も保証はしてくれ ないのだ。 確かなことはさっきレンがいった通り、少なくとも娼館の部外者にも自分の潜伏場所を 知られているということだけである。 だったら、少しばかりの時間をかせいで、自由意思で逃げ出せる準備も整えておかなけ ればならないというものだ。 「待ち合わせ場所は中央公園。仕事が終わるのは深夜ごろ」 「いいだろう」 「決まりだね。さって……ところでさ、あんた違法改造体ってことは、もちろんコッチの 方も追加されてるよね?」 と、口約束が終わったリンは唐突にその幼い顔に似合わない、卑下た表情をつくってき いた。 もちろんコッチというのは、性交渉できるかどうかのことだ。
セクサロイド以外のアンドロイドは、基本的にはそれが出来ないことになっているが、 少しな改造で可能になるのは、先にも書いた。 もちろん発覚すれば重罪だから一般人が手を出せば大変なことになる。 が、同時に違法改造として検挙されるのは、この性交渉が可能なように改造したパター ンが最も多くの場合を占めていたのだ。 人間にとって性欲が切っても切り離せない情である証拠だろう。 「まあ、な」 「ならまだ時間があるし、気持ちよくなっていきなよ」 「よしておく。俺はロリコンじゃない」 「あれ、遠慮しなくていいんだよ?」 と、リンはそれまでの本性を引っ込めカイトにすり寄る。そしてその下半身を護る生地 の上から人工皮膚をなで回すと、湿っぽい息を吹きかけて反応を確かめた。 すれば、ビクンと肌が蠢く。 反応アリである。 「嫌でもやっちゃうもんね。このまま固っ苦しく終了時間まで語り合いなんて、冗談じゃない」 そういって笑うリンは下半身の生地をずり降ろすと、ボロリと現れた後付のソレに頬を すりつけて、長い舌を這わせ始めれば、 「ううっ」 すぐにカイトの全身に電流が走ったようだった。 もとより人間と違って、こういう事のためだけに取り付けられているパーツだ。 フィードバックされる快楽は人間のそれより数段高い、とされている。 こうなってはもはや、逆らう訳にはいかなかった。 それに、ここは敵娼の館なのである。仮に騒げばカイトの目論見が泡になるどころか、 自身の身が危うくなるだろう。 「そうそう。大人しくしてなよ、すぐ終わるからさ」 諦めて全てを相手に委ねた男を見て、リンはますますニンマリとする。 そして、手の内でしごいていたモノが十分にいきり立ったと見るや、その小振りな口の 中に咥えこんでいく。 最初はゆるゆると上下し、時折とがらせた舌先で、最も敏感な部分を刺激しつつ愛撫を 加えていき、それにカイトが呻くのを愉しむ。 やがて速度は増していき、口の中の感触が熱く重くなっていくことで限界が近づくのを 知る。 と、そこでちゅぽんと唇を離し、とどめを加えるべく、いままで咥えていた竿を掌に包 みこんで、ひときわ強く刺激をあたえた。 にちゃにちゃと湿っぽい音が続き、最後にカイトの腰がわずかに震えるとリンの手の内 のモノが脈動し、 「ぐ……っ」 呻き声と共に、精液に似せて精製された白くどろりと濁った液体が、その膨れあがった 先端から放出されて、果てた。 「はい、一丁あがりぃ」 その様をせせら笑うようにいうリンは、先端にまとわりついた液を舐め取って「掃除」 してやると、衣服を正してやって事を終えた。 最後にうがいで口内と喉を清掃をする。 もっとも、しなくてもアンドロイドには自浄作用があるので問題はないが。 「はは、さすが、プロだな」 「誰のせいでこうなったと思ってンの」
「……俺か」 「そういうこと。口答えしないでね。さ、やることやったんだし、帰った帰った」 と、リンはまたも本性を現わしてカイトの腕を組むと、送り出すフリをしつつ追い出し にかかるのだった。 だが娼館を出る際に、カイトがぽつりとつぶやいた 「じゃあ、待っている」 という言葉が妙に胸に突き刺さったのは誰にも、むろんレンにも解らないことだった。 それからは幾人かの客を相手にし、いつも通りの仕事をつづけた挙げ句、いつものよう に終業時間が来て、彼女は娼館を後にする。 待っていてくれるのは、W650だ。 跨ってキーを差しこみエンジンをスタートすると、冷間時で……生物でいえば、寝起き 直後で落ち着かぬ排気音がばらけて奏でられる。 その中でリンはぽつりといった。 「さて、ちょっとお金の工面しなきゃね。何かあった場合は入り用になるし」 万が一のとき、カイトからも、この歓楽街からも逃げ出すための金策である。 歓楽街から抜け出せば待っているのは死だけといっても、最初から全てを諦めてしまう のはリンの気性では許せないものだった。 少しばかりエンジンの回転が落ち着くのを待ちながら、なんとなしにリンはレンに話し かける。 すればやはりスタンバイで起きていたレンが、 「ああ、それは俺にアテがある。ちょっと代わってくれよ」 という。 そのアテが例の「ママ」のところにあるということは、リンにもすぐに解ったから返事 をする代わりにボディの主導権をぱっとレンに譲渡して応じた。 「ありがとよ」 レンの操縦でW650は、これが最後のライディングになるかもしれない歓楽街の大通りへ と軽やかに滑り出す。 すれば、何も邪魔するものはない視界に、この街の様々な景色が、匂いが、彼の体に飛 び込んでくる。 もはや天空を支配してバベルの塔さえあざ笑う高層ビル、煌びやかな光源に彩られる巨 大宝石の様な建物。 高度成長期の中で建てられたまま、改築されることもなく現代に生き延びて色褪せた雑 居ビルの群、悠久の歴史を感じさせる旧い木造建築、ほとんどバラック同然の居住スペー ス……。 人を見れば、 足早に歩くビジネスマン、酩酊し騒ぎながら闊歩する集団、それを呼び止める酒場の売 り子、なにか事ありげな表情を浮かべて黙々と往く人。 街頭の立ちんぼ、座り込みをして怪しげな品々を売る者、警察官に挟まれて連行される 異国人、そして、混雑の中でも二人だけの世界に浸る恋人たち……。 そんな、歓楽街の華たちがレンの目から入り込んで、電子頭脳の中を次々と駆けめぐっ ていくのだ。 (あのカイトタイプに啖呵は切ったけど、ここから離れるのは少し寂しいかもな……) と、レンは引っかかった信号待ちの中でそんなことを想った。 ふと首を回せば、そこには歩道の駐輪スペースに旧型の大排気量バイク「スズキ・ GSX1100S『刀』」を駐める横で談笑する、がくっぽいどタイプと、初音ミクタイプのボー カロイドがいた。 アンドロイド同士のカップルであろう。
あまり見ない光景だが、それぞれのマスターが寛容な性格である場合は付き合いを認め て人間の恋人と同じように過ごすこともある。 (ふーん。あ、バイクの運転してたのミクタイプの方だわ。普通逆だろ、構図) そんな風景をレンは冷めた目で見る。 彼は常にリンと一心同体ならぬ、一体同心となって過酷な環境を生き延びてきたことと その男性的な思考も相まって、孤独に強い。 世の中に対して一歩、身を置く癖があるのだ。 やがてレンは「BAR.kate」へとたどり着くと、W650を飛び降りて店内のケイトの前へと 顔をだす。 もう深夜だが、ここはまだまだ夜も長い。 店内では客を相手に忙しそうなケイトだったが、レンの入店に気づくと目を丸くして彼 に寄ってきた。 「やぁママ」 「あらぁ珍しいじゃない。どうしたの」 「いや。ちょっと、さ」 と、レンは少々言い出しにくそうな表情をつくる。 すると、これだけでケイトの方は「あ……」となった。 自身の店で流れゆく人々を見つめつづけて来た彼女には、表情だけでもレンがこの街か ら去っていくことを察したのだろう。 それだけ、この街は人が洪水のように流れてしまう場所なのだ。 「解ったわ。色々あるんでしょう、仕方ないわよね。ちょっと待ってて」 そんなケイトは一旦、店の奥に引っ込むと慌てて出てきて、大きな掌をレンの小さなそ れに重ね合わせると、ウインクをしてから離した。 「今まで働いてもらった分の、ボーナス。大事にしてね」 「悪ぃ……いや、催促しに来たんだけどサ」 「その正直なところも好きよ。ま、元気でおやんなさい。応援してるから」 「はぁい」 レンはいつもの可愛い返事をすると、ゆっくりと店を退出していく。 そして、すこしばかり暖まった懐にいくばくかの安心感を得たところで、W650に跨ると ボディの主導権をリンに返すのだった。 (終わったぜ) 「でかした。さて、場所は中央公園だったね」 と、W650を翻して目的地に向かえば、その入り口からちょっと入ったところに深夜なの をいいことに堂々と園内に乗り入れた最新式の超高速バイク「ヤマハ・YZF-R1」を目印に カイトと……彼のいっていた女が居た。 だが、そのグラマラスな体型に、朱いレザージャケットとミニスカートを身につけた姿 は、リンの記憶に引っかかるところでもあった。 「なんだ。メイコって、ボーカロイドのメイコじゃん。そういやカイトも同時期開発の奴 だったっけ……何か感じあうところでもあんのかな」 メイコを見て、妙に落ち着かない感覚を覚えるリンは、しかしそれを振り払ってカイト に近づいていく。 すればW650の接近に気づいたカイトが、 「来たな」 と、出迎えてくれた。
「歓迎するよ。お互い変な運命に巻き込まれたもんだが、俺とメイコはそれも良しと思っ てあっちこっち旅してる。道連れになれば、面白い人生もあるかもしれないぜ」 「むしろ、あんたって存在が一番おもしろいよ」 「くく、そいつはいい」 リンの皮肉にすら楽しげにするカイトだったが、その横からメイコが割り出ると、彼女 は少しばかり意地悪そうな笑みを浮かべて、 「ようこそリンちゃん、と、レン君。そのバイクじゃ、私とカイトのR1に着いてくるのは 大変かもしれないけど頑張ってね」 いうのだった。 確かにYZF-R1は速い。その性能たるや、市販車にして少し古めのレースマシン並なのだ。 本気を出されたら、中身が最新といえどしょせんは普通のバイクであるW650ではとても 追いつけないだろう。 だが、問題はそんなことではなく、メイコが「私とカイト」のという点を強調している ところにある。 表情を見ると、どうもリンがカイトに「奉仕」したことが早速のうちに発覚したらしい ことが解った。 真の悪意はなさそうだったが、メイコにしてみれば、カイトの女であるのは自分だ、と いうことに、ちょっとばかり釘を刺しておきたかったのかもしれない。 (うわー、陰険そう。この女相手にするのは、レン、あんたに任せた!) (ふざけんな。なんで面倒臭いことを俺に押しつけンだよ) (男の子でしょっ) (性差別はんたーい) (黙れ) と、メイコを前にした心の会話だった。 それを知ってしらずか、メイコはすでに大馬力の重低音を響かせるR1の跳ね上がったリ アシートに収まると、ライダーであるカイトに身を任せつつ言う。 「さ、ついてきなさい。頑張ってね」 「どこまでもついて行きますとも、お姉様」 「ああレン君に替わったのね。じゃあ手加減してあげる」 (うわ。恐ぇ) レンもメイコには軽く恐怖する。 だが歓楽街と過ごす今日までだ。 仮にこれがカイトの罠であっても、それはそれである。
「よし、行くぞ」 というカイトの声と共に、YZF-R1は弾丸のような恐るべき速度でもってその場を急発進 する。置いて行かれてはたまらないと、W650も必死の爆裂音を響かせながら、弾かれるよ うにその背を追った。 とはいえ、相手は998ccの排気量を誇り、馬力などはW650の三倍近い性能を発揮するバ イクだ。 混雑した歓楽街の中とはいえ、なかなか差が縮まらず、 「ああもう、排気量差かんがえてよッ」 と、再びボディの主導権を得ていたリンを苛立たせたものだったが、やがて街道に出る とYZF-R1は速度を落してW650との併走状態に入る。 すると、リアシートのメイコが、ちらりとリンを見て軽く微笑む。 そこには先ほどの意地悪な色はかけらも無く、自由という名を表情に表したような、そ んな笑みだった。 つられて、リンもふっと笑い返せば、二台のバイクが都会の灯も明るい、闇夜ならぬ、 光夜の中を駆け抜けていく。 この先にリンとレンを待ち受けるものは、希望か、それとも絶望か。 それは誰も予測できないことだ。 たとえ神でさえも予測することはできまい。 だが……それでも二つのエンジン音と、それを駆る四つの意思は、力強く、そして勇ま しく、都会の闇にこだまして去っていくのだった。 了
リンレンの設定が倒錯的ですな いつもながら面白かった!構成もすごい 完結はちと寂しいけれど、良い物読ませてくれて本当にありがとう
乙です! 相変わらず独特の世界観がいいな 次回作も期待してる
バイクの詳細や細かい背景描写、構成が素敵でした。 次回作も期待してます!
ネタはあるが、それを文章にできないもどかしさ(つд`)
俺が文章にしてやる
こんばんは、鬼畜(ryです。 沢山のカキフライ、ありがとうございました! 今回は制作中に思い付いた時事小ネタ。もう明日じゃないか。 珍しくミクがく+カイトです。 それではお手柔らかに。
「お兄ちゃん、私とがくぽさんの交際を認めてっ!」 私はがくぽさんを家に連れて行き、リビングでアイスを食べながら楽譜に目を通して いる兄貴分・KAITOに詰め寄った。 こんにちは、ミクです。今、私は一世一代の大仕事をしています。それは 「がくぽさんとのお付き合いを[お兄ちゃん公認]にする事」 昨年初秋、がくぽさんにラブレター([レンのドキドキ☆部屋チェック参照])で告白しました。 (裸で書いていません念のため) 「拙者でよければ…」と、メルトな返事。そして今日まで隠れる様にデートしてました。 (デートといっても、食事したり買い物に行ったり…キスや一線を越えないウブな 中学生みたいなデートです。お兄ちゃん&お姉ちゃんみたいな事は出来ません。) でも、もうそんなコソコソする状況じゃあなくなりつつあるんです。 原因は…月末にやってくる巡音ルカさん。 あうぅ、大人だよスタイルいいよミステリアスだよ〜。がくぽさん取られちゃうかも… 取られたらまた寂しくソロ活動…それだけは 絶 対 嫌だーっ!! 長ネギをかじりつつ考えた結果[お兄ちゃん公認]にすればルカさん対策は大丈夫と思い、 がくぽさんを連れてお兄ちゃんに直談判となった訳です。 お兄ちゃんは薮から葱…じゃなかった、薮から棒で呆然とした顔で私を見つめ、 がくぽさんは「ミク殿、落ち着いて」と私を宥めた。そうよね、私が世界で一番お姫様… じゃない、落ち着かなきゃ。 で、改めてお兄ちゃんに直談判。するとお兄ちゃんは 「何で…俺にそんな事聞くの?」 はぁ、やっぱり駄目か…って、えぇっ!?今、お兄ちゃん何て言った? 「付き合うのは当人の自由だし構わないよ?俺とメイ…いや、めーちゃんもそうだし。 それとも何?俺が公認じゃないと何か困るの?」 そ、そうなの?何か柝抜けしちゃった…うちのお兄ちゃん、余所のお兄ちゃんと 違って寛大だなぁ。余所のお兄ちゃん、[がくミク]に厳しいんだもん。
あ、でもお兄ちゃんに公認してもらわないと私が困るのよっ!がくぽさんをルカさんに 取られない様にっ! そしたらお兄ちゃんは急に真面目な顔付きで話した。 「付き合うのは構わないが…一つ聞いておいてほしい事があるよ、がくぽさん。」 普段のお兄ちゃんとは違う凛とした声。これはちゃんと聞いておかなきゃ。 「承知した、カイト殿。伺いたい。」 おおっ、がくぽさんも真面目な顔付き。部屋に緊張感が走る。 「ミクは例のフォルダ、バッチリ見てるからな(マスターのお仕置き 連帯責任編参照)」 え?例のフォルダって?…ちょっ!がくぽさん真っ白になってるぅっ!? 「がくぽさんっ、がくぽさんっ!」 私が真っ白になっているがくぽさんの肩を掴んで揺り動かしていると、お兄ちゃんは 「いい加減、開き直ってくれよ…」と苦笑してアイス&楽譜を持って退室した。 巡音ルカさんが来る数日前の話。
以上、お目汚し失礼しました。 …[腹斬れ貴様]じゃなくて[皮斬れ貴様]ですねw 読んでいただいてありがとうございました。それではおやすみなさい。
>>491 誰ウ(ry
殿はいいかげん燃え尽き症候群(?)をなんとかしないとな
ろいぱら呼んだらレンネル読みたくなった。 誰か書いてくれないかな……
ルカ発売のこと本気で忘れてた もっと先だと思ってたのに・・・
メイコとルカはお姉さんキャラポジション争うかなと思ったが メイコは多少アバズレっぽさがある健康的セクシーお姉さんで ルカは落ち着いた感じだから、そうでもなさそうか
メイコはババ(ry
メイコはババロアみたいなおっぱい?
どちらかと言えばハクのほうがババロアっぽいな MEIKOはこんにゃくゼリーだ
MEIKOは女に好まれる姉御 ルカは男に好まれるお姉様 って住みわけに最近なりつつある 俺の嫁は貧乳組だけど
全体的にMEIKOは庶民派でルカはお高い感じ
MEIKOは焼酎でルカはロゼワイン
MEIKOはお姉ちゃんでルカはお姉さま
504 :
名無しさん@ピンキー :2009/01/29(木) 21:29:53 ID:kAr/Urrp
今の日本には 出戻りバツイチのルカ様がレンきゅんを足コキするようなエロスが足りないと思わんか?
MEIKOには人間臭さがある
>>505 マスターが早世してバツイチになったミクと歳若いマスターで一つ頼む
大人な雰囲気で危険な関係な殿とルカ様が読みたい
純情マスターが早世して、嘆き悲しむルカさんを受信した
お前らまとめて早く書けw
MEIKOは弾力と張りがありそう(美乳系) ルカはっちりとやわらかそう(巨乳系)な感じだな。
MEIKOのは本物、ルカのは体重的に見て詰め物w
メイコは巨乳、ルカは美乳、ミクは微乳、リンは無乳 俺の中ではこうなってる ちなみにヒップはルカ≧メイコ>>ミク>リンなイメージ
KAITOは勃起すると綺麗に剥け、カリ高。長さ、太さも文句なし。 がくぽは普通時はカイトに勝るが、勃起しても大きさが変わらない真性包茎orz レンは二人に比べれば全然小さいが、ほぼ天井向き。 あれ?御呼びじゃない?www
声からいうとKAITOは細くて剥けてない
乳首の色予想 メイコ:ベージュ ルカ:やや黒 ミク:ピンク リン:ピンク レン:ピンク がくぽ:漆黒 カイト:ピンク
と言うか、早くもルカの胸は詰め物(鋼鉄球)って動画が上がってたなw
>>516 がくぽ水色だった気がする
ていうかオチいらねぇw
>>515 声で大小つけられるのか?
[手の大きさ]というのは聞いた事があるけど。
大きさは鼻に比例とか言うよな。懐かしいな。 っていうか、絵柄的にわかんないですね。 さすがに真性だと出荷前に切っちゃう様な気がするwww
絵柄的に判断するならがくぽはモノ自体がない
>>521 がくこの出番か
ルカとがくこの曲聞いてからwktk止まりません
>>520 切っちゃうって去勢か?皮か?
某動画でカストラートと言われてたKAITOを思い出した
野郎共なんてどうでもいいからおっぱいの話しようぜ!
俺はおっぱいよりお腹の話がしたい! 某プロの描いてみたで、MEIKOのぽっこりお腹見た時は正直興奮した。 ルカは体重的にスラーッとしてそう。 ひんやりスベスベしたお腹に頬ずりしたい。 ここまで書いて、同じお色気おっぱいキャラでも ルカはスレンダー系でMEIKOは肉感的な身体だと気がついた。
ガリ巨乳…… ますますルカの人工乳疑惑が現実味を ふかふか肉布団メイコさん性欲を持て余します
>>525 ♀型のボディに載せて作られたKAIKOやがくこの話ならセーフ?
む、折角ルカが野郎におっぱいを揉まれてあんあん言わされる話投下しようと思ってたのに。 まだ舞台設定とプロットがあるだけでちゃんと書けるかどうか分からんけどな。
つか思ったんだけどさ。 ルカの胸って二次元的には別に普通サイズじゃね? 今までミクリンがペッタリだったからやたら大きく見えるだけで、巨乳って程でかくないよ。 むしろ頑張って寄せて上げてるようにしか…! 大人キャラだけど胸が普通 →同じ大人女性キャラのMEIKOは巨乳で、残りは貧乳とつるぺたロリ →「中途半端なキャラって言われたらどうしよう…」 →キャラ付けの為に色々頑張るルカたん →寄せて上げるだけじゃなく、お色気キャラらしくマスターに色仕掛けしてみようとしたりとか…でも実は純情でショートしそうになるほど恥ずかしかったり… と言う電波を受信した。
じゃあ俺はルカに踏まれてあんあん言ってる野郎の話でも書いてくるk(ry
女体化を801スレでやったらそれはそれで違うような……w
ロボットなんだから女体化っていうのも微妙に違う気がするしなあ
流れをぶったぎって 純情マスターとルカさんSSの続きが出来たので投下します が、途中で切れてる(完結してない)んで注意 かなり長くなりそうなので、出来た分だけ投下しようと思いまして 待つのはごめんだ!纏めて読む!という紳士はスルーしてくだしあ ・マスルカ ・多分甘い ・まだエロなし ではいきます
ボーカロイドは愛を知ることが出来るロボットだ、と誰かが言っていた。 確かに、介護ロボや子守りロボなども、ものによっては愛情を理解することが出来る。 だが、愛の種類が違うらしいのだ。 後者が「慈愛」だとすれば、ボーカロイドは「恋愛」を理解出来るという。 歌は今も昔も恋を語るものが多い。それゆえなのだと、―――誰かが言っていた。 *** 「へーっくしょい!!」 とある休日の夜8時、情けない声が響いた。うん、俺の声なんだけど。 と、英語の古本を読んでいたルカがそれを聞きつけて、箱ティッシュを持ってきてくれた。 「お、ありがと」 ありがたく受けとると、ルカは首を傾げた。 「風邪でしょうか」 「うーんどうだろな。体温計どこやったっけか」 「確かあちらの引出しにありました。取ってきます」 「悪いな」 いえ、と小さく言って、ルカがテレビの横にある戸棚を探り始めた。 …それにしても風邪ひくなんて何年ぶりだ?最近寒かったからか? インフルエンザだったらやだなぁ、とか思ってたら、ルカがいそいそと戻ってきた。手には体温計が握られている。 「サンキュ」 「いえ。…マスター、頭痛はしますか?咳は?関節は痛みませんか?」 「今のところないけど…ってルカ、ちょっと落ち着け。テンパりすぎだ」 「す、すみません。…心配、で」 俺の恋人は青い目を伏せて、少しだけ心配を表情に滲ませた。 俺はちょっと笑って、彼女の頭をぽんぽんと叩いてやった。 「はは、大げさだなー」 「…風邪はこじらせたら危険ですから。それにインフルエンザだったら…」 「うぐ、まあそれが一番怖いな」 いくら連休とはいえ、さすがにインフルエンザは怖い。最近ヤバいよね。 そんなこんなしてるうちに、ピピッと電子音がした。脇の下から引っ張り出した体温計の画面には、 「37.3℃…微妙だな」 「ですが、今日はもう休まれた方がいいと思います」 「ちぇ、曲合わせしようと思ったのに」 思わず唇を尖らせると、ルカがちょっとだけ微笑んで俺の手から体温計を取り上げた。 「また今度にしましょう」
…な、なんだ、ナース服の幻影が見えた気がしたぞ。 熱のせいだと思うことにした。素面でナース服妄想はちょっと危ない。 「…と、とりあえず、風呂入って寝るか」 「? 発熱時は入浴を控えた方がよいのでは」 「でも昨日入らないで寝ちゃっただろ」 そう、昨日。 明日休みだいやっほー、と調子に乗ってネサフしていて、気が付けばモニターの前でおはよっ!だったのだ。 したがって風呂には入っていない。…あれ?今何気に風邪の原因が見えた気がしたぞ? と、ルカは少し考え込んだあと、すっと立ち上がった。 「…それなら、沸かしてきます」 「え?いやいいよ俺が、」 「いいえ、マスターは安静にしていなければなりません」 鋭い眼光。強い言葉尻。優しいだけがナースさんじゃありません。 蛇に睨まれた蛙のように縮こまって、俺は頷いた。 「…はい」 ルカはうやうやしく頭を下げると、風呂場の方にすたすたと歩いていった。 …まあ、風呂くらい沸かせるよな。料理だって作れるんだし。 お言葉に甘えるとしますか。ということでさっそくソファにダイビング…っと、うん? 背中からソファに飛び込むと、違和感があった。というか何か背中で踏んづけた。 何かと思ったら、それは英語の本。さっきルカが読んでたやつだ。 実はこれ、俺が自分で読むために買ったものである。 ルカに歌って貰うからには、英語の歌詞もいれたいと思い、勉強のため古本屋で買ってきた。 …で、どうだったかと言うと、うん、まあ俺日本人だしね。英語出来なくたって生きていける! いきなり洋書はハードル高かったな…ということで、ルカにお下がりになったわけだ。 適当に買ってきたから中身はわからなかったけど、どうやら恋愛小説だったらしく、ルカは楽しんで読んでいる。 栞は半分以上過ぎたところに挟まれていた。読むの早いな。 試しにペラペラめくるが全くわからん。笑えるくらいわからん。 …そんな俺の手が、見たことのある単語を見つけて、ピタリと止まった。 「……なんだっけ?これ」 確かに見覚えがある。なんだっけ。なんか思い出したいような、そうでない…よう…な…… 「!!!」 ばっちん、と思い切り本を閉じてしまった。 風呂場からは水音がする。おそらく湯船を洗っているんだろう。ルカは出てこない。 もう一度そのページを探す。栞よりだいぶ後ろの、ルカがまだ読んでないだろう箇所だ。 率直に言うと、その単語は…エロいやつだった。しかも一つ二つじゃない、一ページに五つはある。 で、何で俺がそんな単語を知っているのかと言うと。 …誰だってあると思う。エロい単語を調べまくる時期ってやつが。そう信じたい。 苦手なりに読んでみると、そのページは明らかに濡れ場だった。 恋愛のちに濡れ場か。王道っちゃ王道だけどな… 俺は本を閉じ、ソファの下に置いた。別にこれくらいで興奮したりなんかしないさハハッ。 …ただ問題なのは、ルカがこれを読んでるってことだ。まだ濡れ場に突入してはいないが。
……ルカは、どう思ってるんだろうな。そもそもボーカロイドって、そ、そういうこと出来るのか。 うあああ読むんじゃなかったちくしょう良からぬ想像しちゃうだろおおおおおおおお! 俺だって男だもの!ルカは恋人だもの!そういうこと考えないはずがない! けど率直に「ルカとくんずほぐれつしたい」とか言えるわけないだろ! ソファの上で悶えること数秒間。突然ルカの声がした。 「マスター」 「ひゃいっ!」 「…?どうしたのですか」 「い、いや、なんも」 「熱があるのですから、運動してはいけません」 運動とはちょっと違うぜマイハニー。 とそんな阿呆なことを思っていたら、ルカが膝をついた。 「お風呂が沸きました。長湯はしないでくださいね」 ひやりとした手が俺の額に触れる。気持ちいい。邪なことを考えた自分が史上最大のアホに思えてくる。 ルカと目が合った。風呂場の蒸気のせいか、髪が大人しい。 「…マスター」 ルカの頬が桜色に染まった。 …いつものパターンだ。俺はルカの肩に手を乗せて引き寄せると、その唇にキスをした。 あっさりとしたキス。脳裏にディープだのフレンチだの単語がよぎったが無視する。 唇を離すと、ルカが嬉しそうにはにかむ。うぅ、涙が出るほど可愛い。 「…じゃ、入ってくるわ」 「はい」 去り際にルカの頭を撫でた。 …あんな顔されたら、今のままでいいとか思っちゃうよなぁ。 *** マスターがお風呂場に向かったのを見送ってから、そっと唇をなぞった。 初めてのキスの時は卒倒してしまったけれど、今では逆に癖になってしまっている。 あんまり求めすぎるとマスターが嫌がるかもしれない、と我慢した時期もあった。 が、最近ではマスターからしてくることも少なくなかった。だから殆ど遠慮はなくなっている。 幸せだ。とても。 私はしばらく余韻に浸っていたが、やがて我に返った。 お風呂を出たマスターがすぐに眠れるようにしておかなければ。 いつも卒倒した私を介抱してくれていたのはマスターだ。こういう時くらい私がマスターを支えなくては。 ということで、ベッドに向かった。替えのシーツを引き、毛布を整える。枕の位置も直す。 体温計を枕元に置いておいた方がいいだろうか。…どこにやったのだったか。 あたりを見回す。確か、その辺に置いたはず。
「あった」 小テーブルに置いてある体温計を手に―――取った瞬間、つるりと体温計が逃げた。 体温計はフローリングで弾み、軽い音をたてて、あろうことかベッドの下に滑り込んでしまった。 「あ…ああ」 ベッドの傍に座り込み、下を覗く。が、暗くてよく見えない。 …しょうがない、手探りだ。床にぺたりと寝そべって手を伸ばすと、すぐに何かに当たった。 体温計…ではない気がする。本?ベッドの下に本がある。 ベッド下の本…どこかで聞いたなと思いつつ、一思いに引っぱり出した。 「…………き」 悲鳴をあげそうになったけれど、なんとかこらえた。 引っぱり出した本は肌色だったのだ。肌色がいっぱいだ。一面肌色だ。 これが俗に言う、え、え、えええエロ本? 表紙には悩ましい顔をした女性がいい、い、いやらしい下着を着けて座っている。 たたた確かにマスターは男性だし、こういうのを持ってない方がおかしい。そう。これは健全な証拠なのだ。 とはいえ私はしばらく硬直していた。本に付着した埃がふわりと飛ぶ。 …シャワーの音。マスターはまだ出てこない。 ……興味とか、そういうのじゃない。ただマスターの女性の好みが知りたい。 決して、そそ、そういうことに興味があるわけじゃない。私はロボットなんだから。 「……う」 顔が熱い。エンジンはとっくにフルスロットルだ。 震える指でページをめくる。落ち着いて。落ち着いてルカ。 …みんな、胸が大きい。私より大きい…ああっ、足をこんなに開いて…こんな…! …落ち着いて。違う。顔を見るんだ。マスターの好みは、こ、恋人として知っておかなければ。 ええと…髪はまちまちだ。胸はやっぱり大きい人が多い……あ、ここ袋綴じ? 「……あいてる」 ………。 袋綴じということは、もっと過激なのだろうか…?あ、駄目、頭が熱い。 でもあいてると言うことは、マスターは見たということだ。 マスターは…開けた。この先を見た…。 「……ちょ、ちょっとだけ…」 私は一応二十歳なのだし、見ても問題はないはずだ。唯一の問題は、耐えられるかどうか。 エンジンが鼓動する。ドクンドクンという音がうるさい。 …よし、一気に――― 「ルカー」 「きゃあああああああああああ!!」 「!? おいっ、ちょっ、どうした!?」 慌てて振り返るがマスターはいない。声はお風呂場からだった。
…び、びっくりした……シャットダウンするかと思った… 「どうしたルカ!まさかエラーか!?」 「ち、違います!だだ、大丈夫です、マスター」 「でも悲鳴…」 「ご、ゴ●ブリがいたような気がしただけですから…!それより、マスターこそどうかしましたか?」 「え…ええとな、バスタオル忘れたから持ってきて欲しいんだけど…」 しまった、私としたことが置くのを忘れていた。 本をベッドの下に戻し(ぐしゃっと音がしたが気のせいだろう)、バスタオルを持ってマスターのところへ急ぐ。 お風呂場の手前には洗面所兼脱衣場があり、リビングとそこはカーテンで区切られている。 ブルーのカーテンからマスターの手が出ていた。その肌色に、さっきの本がフラッシュバックしてしまう。 「ルカ?」 「あ…す、すみません、マスター」 カーテンを一枚隔てて、…は、裸のマスターがいる。 今までは、こんなことは考えなかったのに。一体どうしたことだろう。本当にエラーかもしれない。 バスタオルを受け取ったマスターの手がカーテンの向こうへ消えた。 「サンキュー、ルカ」 屈託のないマスターの声。 …私は、自分を恥じた。なんて嫌なことを考えてしまったのか。 マスターのプライバシーを侵害するような真似をして。マスターはこんなに優しいのに。 「ごめんなさい…」 「ん?なんか言ったか?」 カーテンを掴み、目を閉じる。 私は正直に言うべきだろうか?口に出して謝るべきだろうか? ―――と、その時。 ぶち、という音がして、急に身体が支えを失った。カーテンの金具が壊れたのだ。 当然前のめりになる。石鹸の香りが私を包む。 衝撃に閉じていた目を開けたら、そこには。 「…うわっああああああああああ!!」 ワンテンポずれて慌てふためくマスターの声。裸体。 生まれて初めて見る男性の―――――― そして私は意識を失った。 マスターが私を呼んだ、気がした。 つづく
以上です 今回は、前作投下後についたレスからネタを拝借しました というか甘い甘い言われ過ぎてて笑ったwそんなに甘かったっすかね… そして遅ればせながら、ルカさん誕生おめでとう 発売日に投下したかったけど出来なかったんだぜ…くやしいっ 続きはそのうち投下しますんで、服を着て待っててください それにしても長すぎて、そろそろ携帯のボタンがイカれそうだ
>>541 超GJ!
この純情加減が堪らない!
俺もルカの購入検討しようかなぁ・・・
次辺り期待して良いんだよね、ね?
>>541 GJです。
純情イイヨイイヨー
ところでこの時期はルカ以外のボカロものの投下は避けた方がいいのでしょうか?
せっかく盛り上がっていますし。
なんで避ける必要があるの? 気にせず投下しちゃいなよ
>>543 たまには空気読まないのも大切だぜ
むしろ自ら新しい流れを作ってやるくらいのつもりで投下すればいいw
>>543 新キャラ投下が多いのは単に旬だからで避けてるわけじゃない
そろそろルカのエロ欲しいなと思いつつも
>>543 を待ってるw
>>541 次こそは・・・の流れだよな?
これは全裸で待つしかない
続き期待!GJ!!
そういや最近エロ分が足りないな。いや、もちろん非エロも十分楽しませていただいているが
節分プレイに期待してる
ところでルカのパンツってどんなのだろうか。どこかで普通の黒パン穿かせてる絵 なら見たことあるけど。個人的には髪の色と同じピンクのスキャンティがいい。 君たちはどうか?
はいてないと思ってた。。
極論を言ってしまうと
>>552 なんだけども、
個人的には黒のヒモパン、Tバックだと尚良し。
メイコはピンクのお花党の俺の時代がきたな
俺はぱんつも良いがミクの尻に敷かれたい。物理的な意味で。 意地悪して息継ぎの全くない歌唄わせて、仕返しに ミクの顔面騎乗で落ちるまで窒息責めされたい。
558 :
巡音ルカ :2009/02/02(月) 08:37:18 ID:YwNyS8yA
>>556 息継ぎしたいんだけどマスターの言い付けに忠実で顔真っ赤にして苦しみながら歌うミク想像してなんかゾクゾクした
>>559 実は苦しがってるフリだけでハァハァしてるマスター見て「このド変態がw」と内心ニヤニヤしてるミク
プレイには演技力も必要だよね
564 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/02(月) 20:59:25 ID:hXBmpJTa
>>556 >>559 >>561 「〜♪」
「ストップストップ、ちょっと遅れてきてるよミク」
(やっべ、顔真っ赤にして歌うミクマジ萌える…♪)
「はぁ…はぁ…マスター、少しだけ息入れるところ作ってください…、苦しくて最後まで歌えません…」
(ちょっと顔色変えただけだよ〜だ…てか何このペース完全無視の歌…マスター才能な〜い…)
「ここが一番重要なところなんだ、苦しいだろうけどたのむからもうちょっとだけ頑張って?」
(もっと俺にお前の苦しい顔見せてくれよ、俺にもっと楽しませろよw)
「…わかりました!ミク、マスターのために頑張ります!」
(この人、私の演技に気づいてないんだ…このど変態がw)
〜
「ん…ますたぁ…もっとわたしの…なめてください…」
(ほ〜らほ〜らさっさと落ちちゃえ〜この豚野郎〜♪)
「じゅる…ん…ミク…ずずっ…ちょっと…苦しい…」
(やべ…苦しいけどがっつよがってるミクかわいいwぜってぇ逝かす!)
こうですか?わかりません。
ミクのお尻って体重の割に安産型だよな スカートのせいで誇張されて見えるだけかな?
ミクは凹凸ないイメージ ふっくらしたおしりは幻想
>>567 それ聞いてミクにわざと座面低すぎる椅子をプレゼントして、
座りづらそうにしてるところに「僕の顔をスペーサーにしなよ」
とか妄想してしまった俺は
>>556 と仲良くなれそうな気がする
変態ばっかかこのスレは
570 :
556 :2009/02/03(火) 23:56:05 ID:SjeuAWOP
>>568 567との間に何の補完があって、その妄想に行きついたのか理解に悩むんだが、その体勢のまま
ミクに腰のウォレットチェーンで、首絞められてダブル窒息責めの上落とされたい、と言うなら
俺はお前を認めても良いよ。
>>569 とりあえず言わせてくれ。変態は
>>568 と
>>570 だけだ。
俺は健全だぞ?……ちょっとだけミクやリンのおぱんつを被ってそこら辺を走りたいとは思うが。
いやいや俺も全くもって健全だよ! リンが出た直後の布団に潜って残った匂いを満喫したり リンの一番風呂を濾した残り湯を茶にして味わったりが日課だがなっ!
言っとくが俺も健全だ ルカさんのあの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたい衝動に駆られたり いっそのこと巻き取られて窒息したいとか思ったり たこルカの柔肌を舐めまわしたいとか思ったりするくらいで
おい、お前ら! 小ネタを用意してきたのに、笑いすぎて全部忘れちゃったじゃないかw
ホンットおまえら変態だな 今からミクと添い寝するんだから静かにしろよ
じゃあ俺はMEIKOとドーピング酒のんでくるわ
おまえら
>>574 にあやまれよ
俺がミクのおっぱい揉んで育乳してる間に反省しろよ
全くお前等ときたら… 俺がカイトの股間を踏み潰すまでに反省し…あっ…
>>574 すまない…
お詫びにルカさんを言葉責めする権利をやろう
>>574 正直すまんかった…。
回線切ってMEIKOのお尻に顔うずめて窒息してくるわ。
すまんかった 俺もリンの尻に踏まれて整地されることにするよ ミクがリンの真似したそうな目で見ているのが気になるが…
ルカ「マスター、こんな歌私に歌えって言うんですか?」 マスター「そうだ。滅多に聞けない名曲だぞ?」 ルカ「だからって……こんなの恥ずかしくて歌えません。『極付お万の方』なんて!」
どこできけばいいのかわからんのでここで聞いてみる MMDって胸にボーン入ってるかな? 入ってないとして、入れるのは有りかな? いやね、ルコルカあたりはきょぬーだから、入ってたら夢が広がりまくりんぐだなぁと…… おっぱい!おっぱい!(AA(ry
>>583 貴様気でも触れたか!?胸に骨を入れようものなら
あの言葉に現せぬ触り心地を損ねるではないか!!
ってレスが返ってくるよ、ここのスレでは。
(と言いつつ脳内で体が静止しているのに「胸が躍る」光景が再生されてた)
さわり心地っつか……MIKUMIKUDANCEでは微動だにもしないのだが。 みくのチチは揺れないんだなと認識したが、私は今日ルコとルカのおっぱいがたゆんたゆんする白昼夢を見たんだ(幻覚ともいう)。 それはもう おっぱいおっぱい!(AA(ry というわけだ。気でも違ったかだって?ああそうとも、私は揺れるおっぱいを眺めるが好きなんだ! 触ると犯罪になることもあるが、眺める分にはいかなる場合もセフセフ。 むろん相手がボカロでも、眺める分にはいかなる場合もセフセフ。
MMD詳しくないからよくわからないけど
家の咲音メイコちゃんのおっぱいにはボーンはいってないよ
デフォは入ってないんだろうな。パンツは純白だぜ!
>>583 がボーン入ったモデルつくってぷるんぷるんさせてくれることに期待!
MMDルカのモデルはスカート動かしたら…ハァハァ
何かの動画で3Dキャラがたぷたぷ揺らしてるのを見た気がするんだが MMDだったかどうか覚えてないんだよなあ どうでもいいけどルカは百合キャラ多い気がしてwktkしてるw
MMDは揺れない気がする キオ式は揺れるよね
ボーンだけ表示すると棒人間のティクビ高さにもう一本肩が入って 前ならえした状態か… なんかやっぱボーンって過渡期の技術だな
とにかく揺れてたのはアノマロタイプ ハニハニでリンまで揺れてたよ リボンが
おまえらそんなにボーンな胸が好きかよ。 ミクやリンのラインの美しさがわからないのかよ・・・
咲音の硬いおっぱいが好き
私はたゆんたゆんな胸がすきだ。 あの質感、さわり心地、揺れるさま…本能に訴える何かがあるんだ。 好きなMEIKOのおっぱいがそんなだったら、もう、もう、鼻血ふく。
俺はミクの微乳派だ!誰にもやらんよ
>>594 おまえが抱いてるそのミクは残像だ
本物は今俺の隣で寝てるよ
ミクみたいに手に収まりきる大きさのを揉みつつ乳首コリコリしてやるのもいいが、やはりMEIKO党としておおきいおっぱいは正義と言わせてもらおう 触った瞬間に形を変える様を想像しただけでよだれがでる
ルカ様!ルカ様!ルカ様!ルカ様ぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルカ様ルカ様ルカ様ぁあああぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!巡音ルカ様の桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
ドSのルカ様かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
動画もいっぱいうpされて良かったねルカ様!あぁあああああ!かわいい!ルカ様!かわいい!あっああぁああ!
ランキングにも載って嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!動画なんて現実じゃない!!!!あ…小説も同人誌もよく考えたら…
ル カ 様 は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!クリプトンんんんんんん!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?パッケージのルカ様が僕を見てる?
パッケージのルカ様が僕を見てるぞ!ルカ様が僕を見てるぞ!ニコニコのルカ様が僕を見てるぞ!!
同人誌のルカ様が僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルカ様がいる!!やったよミク!!ひとりでできるもん!!!
あ、ピアプロのルカさまああああああああああああああ!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあリン様ぁあ!!め、MEIKO!!ネルぅうううううう!!!テトぉぉおおお!!ハクうぅうううう!!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルカ様へ届け!!クリプトンのルカ様へ届け!
なんか
>>573 でルイズコピペ思い出したから
そういやルカ出てからピアプロ見てないや
騒がしいわ! 殿の桃尻を拝んでからに汁
その五月蝿い口はミクの尻でふさがれてしまえ
何!ミクの尻でふさいでもらえる…だと!?
>>597 を見て、そうかここは変態の巣窟だったっけなと改めて実感した
>>601 いや、これはただ既存のものを改変しただけだから俺は変態じゃない
バイブ仕込んだミクに我慢させてライブ出させてみたいとか思ってるけど俺は変態じゃない
なんだ此処…変態しかいなのか? そんなに騒いだら、俺の肩に寄り添って寝てるミクが起きちまうだろうが!
うるせぇたこルカぶつけんぞ(AA略
昔からタコが本気でだいっ嫌いな俺としてはタコルカの扱いに困る なんせ子供の頃はタコのぬいぐるみからも大泣きして逃げていたくらいだww
うちのミクはたこ焼きと間違えて焼きだこ買ってくるような子だけど大丈夫?
おまえらそろそろ執筆作業にもどれよ 変態共はエロパロでも書いてろ! て、あえぎながら俺のミクが言ってた…ふぅ…
じゃあその間俺はリンの貧乳でハァハァしとく。 さーて病院どこだー?
病院さん逃げてー!!!!!!
>>602 ほう、kwsk語ってもらおうか?(羞恥、露出系シチュ好き)
というかルイズコピペで盛大に吹いたw読みたくねぇけど目が文字列を追ってしまう……
タコ×ルカ触手プレイはまだなのかい?
そういや江戸時代にすでにタコの触手プレイな絵があったことに驚いた
隣のギシアンに思わず聞き入ってしまうルカと申したか
タコルカを投げてターゲット確保し、触手プレイor緊縛プレイへ持ち込むルカの姿しか見えない
タコでMEIKOを触手プレイするルカとな?…ちょっと百合スレ行ってくる
タコの足は二本で、残りの六本は手なんだってさ 今朝の新聞にかいてあった
あれ、1本は生殖器じゃなかったっけ?あれはイカか?
脚のうち一本には精子入りカプセルを運ぶ溝みたいなのがついてるんであって、 一本丸々生殖専用って訳じゃない、とかなんとか
>>614 隣はカイメイだなwww
ちなみにうちのルカは、どこぞのゲームで出てくる人型兵器みたいな子。
ルカ「CV01 初音ミク、質問よろしいでしょうか?」
ミク「もう…喋り方直ってないよルカさん。ミクでいいよ〜。で、どうしたの?」
ルカ「昨晩、隣の部屋からCRV01 MEIKOとCRV02 KAITOの声が聞こえました。」
ミク「だから喋り方直って…」
ルカ「念のため音声をサンプリングしました。」
ミク「ちょwww」
高速フェードインしてきたリン「そのサンプリング、貰ったあぁぁっ!」
何故だろう 部屋の真ん中、ドアにむいてルカを正座で待つレンを受信した
>>619 「サンプリング音声を再生します」
・
・
・
・
・
・
『んふぁ! ふぅ…カイト、あんたの大きすぎるわよ…』
『ご、ごめん…でも…』
『でも?』
『気持ちいいから、その…』
『へぇー、あなただけ気持ち良くなってるんだ』
『え…?』
『もう、鈍いわね! ちょっと手を貸しなさい…んっ…クゥ…あっ…こ、ここを…んぁ」
『めーちゃんの中、暖かい…』
『ば、馬鹿っ…あっ…そんなに指動かしたら…んくぅ!』
これに味を占めた年少組(とくにリン)がルカを使ってカイトとメイコの夜の営みを 盗聴するという電波を受信したw リン「ルカ姉、今夜もサンプリングよろしくぅ〜w」 ルカ「CV02 鏡音リン、これは歌唱における情緒教育に必要ある物でしょうか? 私には理解出来ません。」 リン「必要必要wそれと[リン]でいいよ。少しずつでいいから喋り方直していこうね ルカ姉〜w」 ルカ「努力します。それでは隣室にいるCRV01 MEIKO、CRV02 KAITOの音声サンプリング を開始します。」 (壁に手をあてサンプリング開始) リン「流石最新w凄い凄いよぉ〜www」 ミク「…駄目だ、完全にリンの玩具になってるよルカさん…(何故一緒にいるかは質問却下w)」
>>623 いい電波だな、少し借りるぞ。
「CV01 初音ミク、あなたに相談があります」
「ルカさん、喋り方が…って、どうしたの!? そんな悲しい顔して、一体何が…」
「私は…故障してしまった可能性があります
「ええ!? ど、どこがどういうふうに…」
「…」
無言でスカートをたくしあげ、ショーツを脱ぐルカ。
「ちょ、待…!?」
ミクの手を掴み、自身の股間へその手を差し込むルカ。その瞬間、ミクの
手先に生暖かい湿った感触が伝わった。
「ん…っ!」
「こ、これって…」
「夜半に隣の部屋から聞こえるCRV01 MEIKOとCRV02 KAITOの声をサンプリングし始めてから、
このような症状が出始めたのです。最初は多少の違和感だったのですが、今は…」
掴んでいたミクの手を前後に、徐々に動かし始めるルカ。
「ぁ…こ、このように…んっ…刺激を与えると…ぁ…認識不能の感覚が…んっ…」
「だ、だめよルカさん! こんな…」
手の動きが激しくなるにつれて大きくなっていく淫らな水音が、ミクの感情をも刺激していく。
「こんな…っ…動作は…んっ…想定外で…んんんっ!?」
「…」
ルカの唇が、不意に温かな感触に覆われた。
…どうやら電波はここまでのようだ…誰か後を頼…
ロボッ子ルカ可愛いよルカ
相談相手をレンかがくぽにすればいいじゃないか。
ええいルカの手がレンきゅんを陵辱するようなエロはまだかっ!
いっそ年長組の部屋に乱入しちゃえばいいじゃない(;´Д`)ハァハァ
>>630 そうだよね、何故思いつかなかったんだろう。
さて、執筆に戻るか。
保管庫の作品を読んでたら何故かカイリンのブームが到来した ということで誰かカイトがリンに優しく性教育するSSを投下して下さいお願いします><
カイリンいいな 「カイ兄のH、バカ、ヘタレ、ロリコン!」とかいうリンがみたい
>>633 カイトとがくぽは言わずもがなレンもロリ誘拐だし男は外見年齢に関係なく皆ロリ好きか
と愚痴るメイコとルカに絡まれるマスターを受信
>>634 そのあとロリに興味ないマスターとメイコルカが3Pとな?
電波受信中のところ恐れ入ります。 コンビニに置いてあるエロ漫画雑誌風味のお話でルカ物書いてみたので投下させていただきます。 NGワードは「どこの馬の骨とも分からんヘタレ男×ルカ」「いきなりエロ入れてみた」です。 タイトルもベタに「僕とルカ」でお願いします。 ではしばらくお付き合いください。
「ルカ、そろそろいいだろ」 「えっ、あ……はい」 「じゃあ、こっち来てごらん」 「はい……」 半脱ぎ状態のルカは腰を上げてワンピースの裾を捲り上げ、空いた手で股間の割れ 目を広げると、座って待っている僕の上にしゃがんだ。 ヌチャッ……クチュ 僕の分身の先にあそこを擦りつけて、竿が入る穴を探し当てるとルカは腰を沈めて いった。破瓜の痛みに目尻に涙を浮かべ、それでも僕と一緒になりたいと言いたそう に頑張って、ゆっくりと。 「痛い?」 「ええ、でも……私、貴方が欲しいから……」 「焦らないで。無理しなくていいよ。お腹の力抜いて、ゆっくりと……ね?」 ルカは少しリラックスして、そのまま僕を自分の中へと導いていった。 チュク、ヌチュチュチュ……ズブッ 「んあっ、はっ、ああああっ」 僕達が一つになった時、ルカは一声高く叫んだ。柔らかい襞に優しくも力強く包ま れて、僕の分身が喜んでビクビク震えているのが分かる。 「ルカの中、暖かくてきつくて気持ちいいよ」 「貴方の、お腹の奥まで当たって……私、変になっちゃいそうです」 ルカが腰を揺すり出した。僕の目の前で、肌蹴られたルカのたわわな生おっぱいが プルプル揺れている。僕は思わず手を伸ばして、ルカのおっぱいを掴んだ。 「あ、そんな、駄目です。おっぱい触らないで」 そんな事を言われても、こんな巨乳見せつけられては男として触るなと言われても 辛抱できようはずがない。僕はルカのおっぱいを揉みながら、ピンクの乳首をチュッ チュッと吸った。 「ひあっ、やめて、吸っちゃ嫌です……あっ、は、ああ、ああん……」 ルカと交わりながら、俺はルカのほのかな甘い香りを感じていた……。
僕はギター一本で田舎からこの街にやって来たミュージシャン志望の青年だ。でも 実績なんてあるはずもないし、それだけで食える訳もないので昼間はバイトしながら、 夜は駅前でストリートミュージシャンをしている。でも他に同じように歌ってる人は いっぱいいるし、どうして僕なんかより上手い人だって少なくない。僕の歌を気に入 ってくれて、小銭をギターケースに投げ込んでくれる人もいなくはないけど、それで もこれだけで生きていくには足りない収入だった。でもいつかメジャーになってやる。 そんな心意気は一日たりとも忘れないで今日までやってきている。 そんなある日の夕方。僕はいつものようにバイトを上がってからギターケースと鞄 を担いで、駅前広場へと来た。ここは僕達ストリートミュージシャンのライブハウス。 何人かの先客がいる中で、僕はギターのチューニングをして演奏の準備を整えた。そ れでもまだ広場には僕達の演奏目当てで来てる人はほとんどいない。 「(歌う前にいっちょ新曲弾いてみるか。まだ作りかけだけど今度のは結構自信ある しな)」 僕は鞄のクリアファイルから手書きのオタマジャクシの並んだ楽譜を探し 出して、ギターを弾いた。 「(あれ? 改めて弾いてみるとそれほどでもないみたいだな。よし、もう一度弾い てどうアレンジしたらいいか考えてみようか)」 僕はもう一度作りかけの新曲を弾いてみた。 「〜♪」 弾きながらメロディを確かめるようにギターの音を聞いていると、隣でそれに合わ せて歌う声がする。僕がギターを弾く手を止めて顔を上げると、隣に黒いチャイナド レスっぽい服を着た、ピンクの髪の見慣れない女の子が立って歌っていた。 「おや」 「あっ……」 僕の声と視線に気づいて、女の子はちょっと吃驚して、恥ずかしさで顔をポッと赤 くした。 「あ、ごめんなさい……貴方の曲、素敵で聞き惚れてましたから……」 自分ではイマイチだと思っていても、やっぱり人から曲を褒められるのは嬉しいも ので、僕は思わず立ち上がって女の子に話し掛けた。 「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「いえ、お世辞なんかじゃないです。私本当に貴方が弾いてた曲いいって思いました よ」 「そうか、そう言われるとやっぱり嬉しいなあ。まして君みたいな綺麗な女の子に言 われると」 「あら、綺麗だなんて……私こそそんな事言っていただいても何も出ませんよ?」 女の子は恥ずかしそうに笑って、両手を横顔に当てていたが、すぐに普通の顔に戻 って、 「そうだ、今日一緒に歌わせてもらってもいいですか? 私この後お店があるから一 曲だけしかお付き合いできませんけど」 「本当にいいの? じゃあ……」 そう言われて僕に断れるはずがない。僕は鞄から楽譜を出して、女の子に渡した。 「この曲、楽譜に合わせて歌ってくれるかな。今の所他の曲よりはいくらかマシなん だよ」 「はい」 そうして僕と女の子は一緒に自作の歌を歌った。忽ちどこからともなく人が集まり、 僕のライブは大盛況だった。曲が終わって僕と女の子が一礼すると小銭と札がザクザ クとギターケースに投げ込まれた。 「こんなにたくさん……どうもありがとう、君のおかげで今まで以上に賑わったよ」 「いえ、私も素敵な歌を歌えて楽しかったです。それじゃあ私もう行かなければなり ませんから……あ、私この店で歌ってるんです。良かったら今度いらしてください」 女の子は店の名刺を渡すと慌てて去ろうとした。 「あ、君……」 「はい?」 僕の声に振り向く女の子。 「もし良かったら、君の名前教えてくれないかな」 「ルカ。巡音ルカっていいます。またお会いする事があったらよろしくお願いします ね」 ルカはにっこり笑って答え、すっかり日の暮れた街の雑踏の中に姿を消していった。 「『巡音ルカ』か……」 僕はその名前を反芻しながら、ルカの消えていった方角と、ルカが渡してくれたジャ ズ喫茶の名刺をかわるがわる見ていた。
申し訳ないですがここで一旦切りです。あ、いえ、続きもちゃんと書きますよ。 話最後まで考えてありますんで。と、とりあえずスレ汚し失礼しますた。
641 :
石ころ :2009/02/08(日) 16:00:36 ID:44EWtIsT
ルカで小ネタ思いついたので投下します。
「ルカ、今日はこの衣装を着て歌ってもらうからな」 マスターがルカに衣装をわたす。 「了解しました。では着替えてくるので覗かないですださい。」 「わかってるさ(ここで覗かないでいつ覗(ry)」 「ちなみに、覗いたらたこルカになって一生戻りません」 「それだけはやめてくれ!そんなことになったら俺の作る動画全てがネタになるじゃないか」 「ガチ曲ですらネタになりますね」 「くそぅ……物理的ダメージ(ムチ的な意味で)より精神的ダメージを選ぶとは、やりやがる」 「マスターは叩いても喜ぶだけだから精神的ダメージが効果的なんです」 「チクショウ…(叩かれて踏まれたかった)」 「じゃあ着替えてきます」 ルカは着替えるために衣装を持って自室に入っていった。
数分後 「やはりこの衣装をルカに着てもらって正解だったな、かなり似合う」 マスターは腕を組みうんうんと頷いた。 「ありがとうございます、しかしこの衣装はなんですか?」 ルカが不満そうに言う。 「何ってメイド服だろ?」 「でもこれって、いかにも時間止めたりナイフ投げて攻撃できそうじゃないですか」 「今日歌う歌に関係あるんだよ、ミクとリンも一緒に歌うから二人の衣装を見ればわかる。」 「ミク、リン」 「「着替え終わったよ♪」」 二人の名前を呼ぶと部屋からミクとリンが出てきた。 「うん、どっからどう見ても立派なヴァンパイアだな」 ミクはプログラム(MMD使った)でショートカットにして、コウモリみたいな翼や布を頭に被ってリボンでしばったような帽子を被った運命を操れそうな格好。 リンは髪はそのままで、カラフルな羽がついた翼に赤いドレスを着た、なんでも破壊できそうな格好だった。 「なんとなく納得できるのが嫌です」 ルカは二人の姿を見て微妙な顔をした。
「じゃあいくぞ」 「メイド!」 「ニーソ!」 「「PAD長!」」 ミクとリンが交互に歌う。 「PADじゃないです!」 「やはり適任だな、とゆうかこの胸PAD入ってないのか?」 マスターがルカの胸を揉む。(うはw柔らけぇwwwww) 「「あー!マスターずるいミク、リンも揉むー」」 ミクやリンまで揉みはじめた。 プチッ←何かが切れる音がした。 「しね!この豚供がぁあぁぁ」 ルカがマスター、ミク、リンを蹴り飛ばす。 「もっとぉおぉぉぉ!」 「「ルカお姉さまもっと蹴ってください!」」 ミク、リンまでドMに目覚めていた。 ルカは3人をムチでしばきながら思った。 (もうやだこの家……)
645 :
石ころ :2009/02/08(日) 16:22:29 ID:44EWtIsT
ルカが発売されたころにPADしてるんじゃね?ってレス見て思いつきました。 ルカの喋り方がわかんなくて困ります(´・ω・`)
「おにーちゃーん」 今日もリンはカイトにべったりでむかつく 「なーにー?リン」 カイトもカイトで鼻の下伸ばしててむかつく だいたい僕らは双子なのになんでカイトばっかになつくんだよ 「メーちゃんがおやつくれたの」 「そっか。よかったね」 クソ。どこのほのぼの幼稚園だよ 「レンも食べよ?」 リンがニコニコしながら言ってくる その笑顔に無性に腹が立った 「・・・いらない」 僕はそのまま部屋を出た 「・・・っん、はぁ、ぁん」 そういってみたもののしばらくしておやつの誘惑に耐えきれなくなり 居間戻ってみた そしたら何だよこの有様!! リンとカイトの唇が重なり合いそこから 嫌らしい水音が漏れている ちゅぽっ・・・と音を立てて二人の唇が離れる 「ほんとにこれでおやつ美味しくなる?」 「なるなる。美味しくなるおまじないだから」 そういいながらカイトはリンのショートパンツのなかに手を入れる 「はぁ・・・ん、なんかへんっ!」 「もう少ししたらよくなるから・・・上手になったらレンにもしてあげな」 「ん、わかったぁ、ぁん」 そういいながらリンががくがくとうなずく 僕はリンが上手くなった日を想像して部屋に戻った リンあほの子ですいません なんか色々すみません 許してください
こんばんは。何とか続き書けましたんで投下しますね。 ではしばらくお付き合いくださいませ。
それから僕のストリートライブに楽しみが一つ増えた。そう、ルカとのコラボ演奏 だ。ルカの都合で毎回という訳にはいかなかったけど、それでもルカの歌は大人気で、 他のストリートミュージシャンからも一緒にセッションやろうぜって誘いを受けるの もしょっちゅうだ。この日も古株で人気者の先輩が声をかけてきた。 「え、でもまだ下手な僕がやって、君とバランス取れるかな」 「大丈夫大丈夫。リードは俺が弾くさ。お前は俺のギターに合わせてコード追っ掛け てくれるだけでいいんだよ。ほら、こんな事もあろうかと俺は前からルカちゃんをイ メージした曲だって作ってきたんだぜ?」 「でもなあ……」 渋る僕に、ルカが優しく言った。 「やりましょうよ。ここで歌ってる方で人気のある人と一緒にやれるのって光栄です。 それにきっといつもより素敵なライブになると思いますよ」 「うーん(ルカがそう言うなら……)、よし、じゃあセッションしようか」 「よし、きた」 「あ、いいないいな。俺達も混ぜてくれよ。パーカッションやるからさ」 ギターと大太鼓でサンバを歌ってる二人組もやって来た。 「じゃあ俺サックス吹くから一緒にやらせてくれ」 「キーボードないだろ? 俺が弾くよ。ピアノからパイプオルガンまで何でもやるぜ?」 「あ、ルカちゃん来てる。すみません、私も一緒に歌わせてください」 そんな感じでメンバーが増えて、いつも僕はソロかルカとのコンビでやってたのが 十人弱の大所帯になってしまった。 「(みんなほとんどやってる音楽のジャンルバラバラだぜ。こんなんで収拾つくのか な)」 「さあみんな、ルカちゃんとのライブの始まりだ。でっかく盛り上げようぜ!」 「オー!」 僕の心配をよそに、他の連中はノリノリで演奏を始めて、ルカも歌い出す。ジャン ルも音楽の作風もバラバラのはずのみんななのに、それが一つになって華麗な旋律が 紡ぎ出されていた。 「はーっ……」 「おい、何ボーッとしてんだ。コード弾けよコード」 「あ、ごめん……」 その場に一人取り残されて呆然としていた僕。リードギターの先輩に言われて、僕 はギターを構え直して弾いた。他の人達の演奏を聞きながら、何かスッキリしない気 持ちを抱えたまま。
「はぁ……」 大所帯のセッションのあった夜。僕はルカが勤めているジャズ喫茶のカウンター席 に座って深々とため息をついた。 「どうしたんですか? 貴方さっきから暗い顔で溜息ばっかりついてますけど」 ウイスキーの水割りの入ったグラスを僕の前に置いて、ルカが心配そうに訊ねた。 「どうもこうも、あんだけ名人揃いの中で僕一人浮いて格好悪い重いさせられちゃあ ね……あのセッションが好評だったからって素直に喜べないよ」 「いいえ、そんな事ないです。貴方だって皆さんの中で……」 「いい、気休めの言葉なんか要らない」 グッとウイスキーを呷って、僕は言葉をつなぐ。 「どうやら音楽の才能のない僕にはミュージシャンなんて過ぎた夢だったらしい。い いかげん諦めて、田舎に帰った方が良さそうだ」 「どうして……」 ルカが俯いてポツリと言った。その声は悲しそうに震えていた。 「どうしてそんな事言うんですか」 「だってこの先芽が出るかどうか……」 「貴方の音楽への思いって、その程度だったんですか?」 ルカが怒ったように言って、僕の顔を見た。僕はルカの顔を見てハッとなった。ル カは泣いていたから。 「私、貴方と一緒に歌うの好きだったんですよ。どうしてか分かりますか?」 「何でだよ。僕の曲なんか他の連中より荒削りだし、時々調子っぱずれになるし、歌 だって僕より上手い人もいっぱいいるんだよ。どんなに頑張ったところで追いつける かどうかも分からないのに」 「貴方の仰る通りかもしれません。でも、私は感じてました。貴方がいつか今よりも っと上手くなって、いいミュージシャンになりたいって気持ち。貴方の歌聞いてたら、 その事が凄く伝わって来てたんです」 「ルカ……」 「ね、どうか歌を捨てないでください。だって、貴方の歌のファンはちゃんといるん ですから。そのファンを悲しませないで」 「え、そのファンって一体誰だい」 ルカはその質問に答える代わりに、カウンターに体を乗り出して僕にキスをした。 「それじゃあ、僕のファンって……」 ルカは「まだ分かりませんか?」と言いたそうに笑って僕を見ている。 「ルカ!」 「あっ」 今度は僕の方からルカにキスをした。唇のぷにっとした感触を楽しむような長いキ ス。 「ほらお客さん、ルカちゃん、もう閉店だよ」 はいはいごちそうさま。続きはよそでやってね、というような感じでマスターが声 をかけてきた。僕は勘定を済ませて夜の街へと出て行った。ルカと一緒に手をつない で。
「んふっ、ん、う……」 僕はルカとラブホにチェックインして、今日三回目のキスを交わしていた。ベッド でルカを抱きすくめて、背中を擦りながらもう片方の手でそっと服の上からおっぱい に触る。 「んっ……」 ルカがビクッと震えた。おっぱいのぷにぷに感をじっくり味わうように優しく揉ん であげる。 「あ、ああ……」 ルカの甘い喘ぎ声。どうやらその気になってきたみたいだ。僕はプレゼントの包み を開けるように、ルカの胸元を肌蹴た。プルンと飛び出したルカのたわわなおっぱい 。その天辺の乳首は髪の色と同じ綺麗なピンク色だった。 「は、恥ずかしいです……」 「ちょっと、そんな事しないで。こんなにいいおっぱいなのに」 ルカが手で隠そうとするのを僕は払いのけて、直におっぱいに触った。揉んだり、 指先で乳首を捏ね回したり、舌先で乳首と乳輪をペロペロ舐め回したり。 「あ、駄目です、遊ばない……で、あんっ」 ルカの乳首はコリコリと固くしこっていた。おっぱいを弄びながら、僕はルカの下 半身へと手を伸ばしていく。スカートの下にある、ルカの秘所を覆う布が僕の指先に 触れた。 「ルカのここ、もう濡れてるね」 「あ……はああ、そこは……あっ」 僕の手はパンツ越しにルカのあそこを撫でていた。割れ目をなぞって、時々ツンと 勃ってるクリトリスをクリクリと触る。 「ふあっ、そこ、嫌です……ああん」 「嫌って言ってるけど、ルカはちゃんと感じてるじゃない」 僕はそこでピラッとルカのスカートをめくった。アダルティな黒の紐パンが僕の目 の前に現れた。 「エッチ……」 僕にまじまじとパンツを見られて、ルカは恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。で もそれだけでは済ませられない。僕はスルッと紐を解いて、パンツを脱がせた。 「ああ、嫌、見ないでくださ……あっ、ああっ!」
ルカの股間に顔を埋めて、クリトリスを舌先で軽く一突き。あそこからはトロトロ とラブジュースが溢れ出てきていた。それを舐め取って味わうように、僕はルカのあ そこをピチャピチャと舐め回した。クンニしながら時々クリトリスをついばんだり、 入り口に舌を入れるのも忘れない。 「ルカのここも、綺麗なピンク色だね……食べちゃいたいよ」 「駄目、駄目ですよぉ、私、もうイッちゃいそうで、す……ああっ、あ、ああ、はあ ああああん」 プシャァァッ…… ルカはビクビクッと体を震わせると潮を吹いて、力が抜けたようにカクンとなった。 「ルカ、そろそろいいだろ」 「えっ、あ……はい」 そしてとうとう僕とルカは一つになった。 グシュッ、グシュッ、グシュ…… ルカは僕を味わうように体を動かし、僕はルカのあそこの締め付けを感じながら揺 れるおっぱいにむしゃぶりついていた。 「ルカ、好きだよ」 「私も、貴方の事、好きです……はああ、ん、ああ、あああ」 ルカがだんだん激しく腰を振って、僕は限界を迎えつつあった。 「ああっ、ぼ、僕もう我慢できない……う、うう、で、出る!」 「いいですよ……私の中に、ください」 「いいの? ルカ……あ、も、もう駄目だよ」 ビュクッ、ビュクク…… 僕はルカの子宮に、激しく欲望の証をぶちまけた。 「あああああああっ」 ルカもお腹に熱い物が入ってくるのを感じて、激しく震えて僕の腕の中で果てた。 まだ荒い息の中、僕はルカの耳元に囁く。 「ルカ、ありがとう……君のおかげで前向きになれそうだ」 「そうですか?」 「僕、弱虫だったな。又ミュージシャン目指して頑張るよ。挫ける事があっても、そ の度に起き上がって、ね?」 「はい、頑張ってください」 それから何ヶ月か経って迎えたある週末の日。 「それでは只今から週末ミニライブを開催いたします。拍手でお迎えください」 パチパチパチパチパチ…… 街のショッピングセンターで週末に開催されているミニライブのステージに、僕と ルカは立てる事になった。店の企画課の人が僕のストリートライブを聞いて、一度出 てみないかと誘ってくれたのだ。
「ど、どうもはじめまして。皆さん、今日は僕のライブに来てくださってありがとう ございます。ああ……まだまだ若輩者ですけど、精一杯やらせていただきますんで今 日はどうぞよろしくお願いします」 「ちょっと、今からそんなに緊張してどうするんですか」 ルカが僕に囁いてから、お客さんに元気に挨拶した。 「皆さんこんにちは、巡音ルカです。今日のライブでは皆さんと一緒に楽しく過ごし たいと思ってますので、私達頑張りますね。どうかよろしくお願いします!」 客席がどよめく。その中に「ルカちゃーん」と野太い声も聞こえてくる。そして前 列の観客が横断幕を広げた。それにはこう書いてあった。 「祈願ライブ成功 俺達がついてるぜ」 横断幕を持ってる面々から声が飛ぶ。 「折角こんなチャンスもらえたんだ。今日は俺達の代表でしっかりやってくれよな」 「おうよ。ルカちゃんに恥かかせたら俺が承知しねえぜ」 よく見たら声の主は一緒に駅前広場で演奏してるストリートミュージシャンのみん なだった。 「ほら、駅前で歌ってる皆さんも貴方を応援しに来てくれてますよ。しっかりやりま しょう」 「そうだな。こんなに激励されたら僕も期待を裏切る訳にいかないや」 それに小さな一歩だけど、僕はこうしてメジャーへの一歩を踏み出すチャンスをも らったんだ。こうなりゃ今日はバリバリやってやるぜ! と自分に語りかけ、緊張を 吹っ切るように僕はお客さんに元気良く言った。 「それでは張り切って一曲目行きましょう。手拍子よろしく!」 僕はギターを構えて、前奏を弾き始めた。 Fine ご退屈さまでした。
おまえさん方、激しく犯されちゃうのは需要ある?
誰が誰に?
そういえばこのスレで、不特定多数の男に回されるようなシチュエーションてないよな。
○○メイ前提で姐さんリンカーンネタが読みたいと思った 相手は誰でもいい
誰でもいいんかいw
ならば俺×MEIKOを頼む
661 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/10(火) 22:17:58 ID:+bq5LBp4
レン×ルカがいい、見てみたい
662 :
sage :2009/02/10(火) 22:20:04 ID:+bq5LBp4
下げ忘れた!すまそ
落ち着けw sageはメ欄だ。
ミク攻めレンorカイトorマスター受けきぼん
めーこがいい
ミク受け×俺
風変わりなメイコものが読んでみたい 家族に超絶あまーいお姉さん設定とか
家族を殴れないメイコの話書いてる。 SS書きってすげーな終わんねーよ
MEIKO物の需要が高いところすまんが、リンで一本書いてみた。投下してもいいかな?
ありがとうございます。ではリンでお送りします。 【シチュ】「ニコ厨のマスター×リン」 【NGワード】「ロリ」「ニコ厨」「オチがちょっと鬼畜かも」 【タイトル】「エッチなうさぎさんは嫌い?」 ではどうぞ。お気に召していただけるか分かりませんが。
「どうですか、マスター?」 「うん、今日もいい感じに歌えてるねリン。ベリー・グッドだよ」 俺は昔国営放送の音楽番組に出ていた、アフロのドラマーのおじさんのようにリン に言った。そして優しくリンの頭をなでなでしてあげる。 「えへへ、ありがとうございます」 幸せそうに笑うリン。上手に歌えて、マスターの俺にこうされている時がリンは一 番幸せみたいだ。 「さあ、次はダンスだ。今の歌に合わせて、そこに立ってカメラの前で踊ってね」 「はーい」 俺はカメラを三脚に立てて、モニターにリンを捉えた。この間出たばかりの、動画 と静止画を簡単に合成できるやつだ。たとえばこれから写すリンを公園やコンサート ホール、いや、マク●スの上でだって歌ってるように見せることだってできる。ニ● ニコ動画にうpするボーカロイドの動画を作るには打ってつけだろう。 「準備できたかな? それじゃあいくよ、用意、スタート」 俺はカメラを回して、同時にリンの歌を再生した。曲は童謡の「うさぎのダンス」 である。 「ソソラソラソラうさぎのダンス、タラッタラッタラッタラッタラッタラッタラ♪」 モニターの向こうでリンは白い背景紙をバックにキュートに踊る。でも何か俺は満 足できなかった。いつものようにリンはかわいいけど、何かが足りない。それが何な のか? 俺はモニターとにらめっこしながらその答えを探していた。 「はーい、踊りましたよー。どうですか、マス……」 リンの言葉が途中で途切れ、こっちにやって来る。 「どうしたんですかマスター、私、ちゃんと踊れてませんでした?」 心配そうにリンが訊いてくる。 「いやさ、リンのダンスは完璧だったよ。文句はないさ。でも俺的になんか納得いか ないんだよな」 「マスター……」 リンは余計に心配そうな顔になった。俺は動画を作るためなら妥協しないマスター で、だけど本当にいい動画を作る事を知っていたから。 「うーん、まずは歌詞の通りうさ耳みたいなリボンに鉢巻つけて、靴は赤い靴履いて もらおうか。それでもう一回撮ってみよう」 そして俺はリンのダンスを撮り直した。さっきよりはいいかな。でもまだ納得でき ない。どうしたらいいだろう。バニーガール? いやいやそれもありきたりだ。何か 誰にもないような、客をあっと言わせる発想はないか……とない知恵を絞って考えて 、はたと思いついた。 「(兎はエロスの象徴だってイメージを堂々と出してみよう)」 いや、俺はお前ヴァカかと失笑されるようなナンセンスな事を言っている訳ではな い。現に俺は作品解説で「ある家で飼われていた兎が、同じ家の猫をレイプした」と いう実話が紹介されていた、いがらしみきおの漫画(「ぼのぼの」よりずっと前の) を持っている。西欧諸国で兎は多産である事から淫獣のイメージを持たれてるって話 も聞いた事がある。リン、これもより良い作品のためだ。俺は今から鬼になるよ。 「リン」 「何ですか?」 「ちょっとこっちおいで。また衣装変えてもう一度撮るから」
「マスター、どうして私にこんな恥ずかしい格好させるんですかー!」 案の定恥ずかしさで顔を真っ赤にして、リンは抗議してきた。うさ耳カチューシャ を頭にはめて、手足には兎の前足と後足を模した手袋とブーツ。上半身は裸で、パン ツはお尻に兎の尻尾の付いたOフロントで、おまんこが丸出しになる……はずが、リ ンはそこを両手でしっかり押さえて隠してたけど。俺が事の次第を話しても、当然リ ンが聞き入れてくれるはずもない。 「ぐすっ、いくらマスターの言う事でも、こんな格好でカメラの前で踊れる訳ないで すよ。マスターのエッチ、スケベ、弩変態」 「そんな事言わないで、エッチなうさぎさんになっておくれよ、リン」 「嫌です嫌です嫌です嫌です嫌で……きゃっ」 「そんな子供みたいにいつまでも駄々こねないの。リンもこうしてる内にきっと嫌じゃ なくなるから」 俺は膨らみかけのリンのおっぱいをそっと両手で撫でた。 「あ、触らないでくださ……あんっ」 リンが色っぽい声をあげて、体を震わせる。そこで乳首をそっと摘んで指先でクニ クニ。 「な、なんか変な感じです。くすぐったいような、痺れるみたいな……ひゃうっ」 「ほーら、乳首が固くなってきたよ。感じてるんだね。リンはエッチなうさぎさんの 素質ちゃんとあるんだ」 「そ、そんな事ないですもんっ……ふやっ、は、あ、ああ、あああん」 舌で小さなおっぱいの膨らみをなぞって、乳首をコロコロ転がして、俺はリンの胸 から少しずつ下へ顔を下げていった。おっぱいを手で触りながらお腹もペロペロ舐め 回して、おへそに舌を入れて、ほじくるようにコチョコチョ。 「やぁ……ん、だ、駄目です、駄目ですよぅ」 そうは言っていても、俺がおいたする度にリンの体がビクッビクッと震えているの はリンが感じている証拠だ。 「さあ、リンの恥ずかしい所は今どうなってるのかなー?」 「い、嫌です、そこ、見ないで……きゃあ」 リンは前を両手で隠そうとしたが、俺にあっさりどけられて、プクッとしたかわい いパイパンのすじまんを俺の目の前に晒した。 「あーあ、もうお漏らししたみたいに濡れちゃって、お豆ちゃんも割れ目からはみ出 しちゃってる。もうリンはすっかりエッチなうさぎさんだ」 「マスターのいじわる……」
トマトのように真っ赤になって恥ずかしがるリンに構わず、俺はリンのお豆ちゃん の皮を剥いてペロリと舐めてやった。 「ひあっ」 一段と感じて叫ぶリン。更に割れ目をくぱぁさせて、未使用の綺麗なピンクのおま んこをピチャピチャ舐め回す。 「な、何か、凄く変な感じ……頭がボーッとして、お腹の所がじんじん暖かくなって ……あ、ああ、マスター、マスター!」 リンがうわ言のように俺を呼ぶ。そろそろいいだろうか。俺はズボンとパンツを脱 いで、ビンビンに勃起したちんこを出した。 「さあ、ここからが本番だ。これをリンのおまんこに入れてあげるからね」 「ええっ、そんな大きいの入りませんよ」 「ほらそこに座って、お腹の力抜いて。力んでると痛いよ」 俺はリンの足を持ち上げてまんぐり返しの格好にさせると、愛液と俺の涎でぐしょ 濡れのリンのおまんこにちんこの先を宛がった。 「や、やめてくださいマスター、私、怖い……ああっ」
「や、やめてくださいマスター、私、怖い……ああっ」 ズブブブッ しっかり濡らしておいたから、リンのおまんこはそんなに抵抗もなく俺のちんこを受け入れてくれた。 「ひいいっ、い、痛い、痛いです。抜いて、抜いてください」 涙をポロポロこぼして痛がるリン。 「ほら楽にしてごらんよ。今は痛いけどだんだん気持ちよくなるから……そうそう、深呼吸して、肩とお腹の力抜いて」 リンのおまんこの中はキツキツで、こうして入れているだけでも気持ちいい。俺はゆっくりと腰を前後させた。 「あっ、う、動かないでください……」 「ええ、動かないと気持ちよくならないよ? ほら……」 クチュッ、ヌチョ…… 「こっちも擦ってあげる」 俺は出し入れしながら、リンのお豆ちゃんも指で擦ってあげた。 「ああっ、クリクリしないでくだ……ん、はう、あっ、ああ……」 リンの喘ぎ声に甘いトーンも混じっていた。それに合わせて俺は腰のグラインドを少しずつ早めていく。 「お腹が……ああ、お腹が変になっちゃいます……ああ、あっ、あああ、はああ」 ジュポッ、ジュポッ…… つながっている場所がエロい音を立てて、リンはおまんこをかき回される快感でエッチに喘いでいた。 「私、もう駄目です、このまま壊れちゃいそう……」 「お、俺も……出そうだよ」 俺はリンと腰同士を密着させて、リンの中に射精した。 ドクン、ドクン、ドクッ…… 「はうっ、あっ……あああああーっ」 子宮に熱いシャワーを浴びせられて、リンは絶頂に達したようだ。 「気持ちよかったみたいだね……うん、リンはエッチなうさぎさんになれるよ」 「マスターの変態……」 リンは恨めしそうな顔で俺を見ていた。
数日後、「うさぎのダンス」を使った俺の新作は一週間足らずで十万アクセスを達 成する好評を博し、 「バニーリンテラエロスwwwwwwwwww」 「スク水バニーで萌死しますたwwwwww」 「ロリコンじゃないはずなのにリンに萌えた俺負け組wwwwwwwww」 「おまいらwwwwww歌の評価もしてやれwwwwww上手いのにwwww」 と紳士からのコメントも多数もらった。もっとも裸で出るのは嫌だってリンは最後 まで言ったし(俺の秘蔵ビデオにするつもりだったんだけど)、そんなのをたとえR- 18のカテゴリでもうpできる訳もないのでリンにはうさ耳カチューシャと、レオター ドの代わりに尻尾を付けた白スク水を着て踊ってもらったけど。そして…… 「マスター」 「何だい?」 「晩酌をお持ちしました」 夜、うさ耳に白スク水姿のリンがウイスキーソーダの乗った盆を俺の部屋へと持っ て来る。 「ありがとう」 俺は酒を受け取って、その場に立ったままのリンを眺めながらチビチビと飲む。 「リン、今日もかわいいよ。ウイスキーソーダもいい感じにできたな」 「ありがとうございます」 「よしよし、ご褒美だ。こっちへおいで」 「はい……」 リンが俺に近づいて、俺はスク水越しにリンのおまんこに触った。 「おやおや、泳いだ訳でもないのにもう濡れ濡れだよ。期待してたのかな?」 「はい、今夜もマスターがエッチな事してくれるって思ってました」 「ふふふ、リンはもうすっかり俺のエッチなうさぎちゃんだな」 「マスター、お願いです。私のおまんこいっぱい弄ってください」 「いいとも。夜は長いんだ。じっくりと……な」 俺はリンの前に立て膝して、リンのおまんこにキスした。今夜も俺とリンだけの夜 が始まる……。 おわり
あ、通し番号直すの忘れてますた。リンにロードローラーでつぶされてきます。
マスリンktkr!! GJでした!
どこにあるんだ! その10万再生のスク水リン動画はどこにあるんだあああああああ
>>671 GJ!
ああああ白スクリンたん可愛いよおおあぉ
ふぅ… 今なら言える、リンは俺のもの
682 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/13(金) 01:46:07 ID:gipOs4rZ
亀だが、
>>115 がみんなの立ち位置を的確に表現しすぎてワロタw
684 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/13(金) 11:20:44 ID:f/rvdlGH
いきなり投下ですいません。 カイメイ前提で現代風パロです。 タイトルはいいのが思いつかないので「メイコ大学生」で。
685 :
メイコ大学生1/4 :2009/02/13(金) 11:21:16 ID:f/rvdlGH
初音ミクは学校に通っている。人間の“心”を学ぶために。ボーカロイドだと いうことを隠して。 現在高校1年生だ。 「行ってきます、お姉ちゃん」 「いってらっしゃい」 咲音メイコも、“心”を学ぶために大学に通っている。現在二年生だ。 メイコの元にミクが預けられてから、二人は周囲に親戚だということで通して マンションで二人暮らしを何年も続けていた。 「お姉ちゃん」 玄関を出たあとに、ミクがドアから顔を覗かせた。 「なぁに?」 メイコが小首をかしげると、ミクは何か自慢気な顔つきをした。 「私、お姉ちゃんのこと好きよ。だって今まで見てきた人の中で誰より綺麗だもの」 「ふふ。ありがとう」 改めて言われると何だか照れる。しかしメイコは笑顔で応じた。 不意にミクが一瞬宙を見上げ、時間がないと慌てだした。メイコには、ミクが 衛星で時間を確認したのだと判る。なぜならこの家には玄関から見える時計は 存在しないからだ。 他人の目には登校することを思い出したように見えただろう。 「行ってきます!」 「気を付けてね」 玄関から身を乗り出し、駆けていくミクに手を振る。ミクもエレベーターの ボタンを押してから振り向いて、笑顔で手を振り返してきた。 エレベーターが下がっていき、ミクのブレザー姿が見えなくなったところで メイコは体を引っ込めた。 ドアを閉め、ダイニングに戻る。食べかけのトーストは既に冷えていたが、 今朝ミクがチョコレートソースで描いた落書きに笑顔がこぼれた。 「チョコレートの葱、か」 椅子に座って、冷えたコーヒーとトーストを口に運んだ。
686 :
メイコ大学生2/4 :2009/02/13(金) 11:21:53 ID:f/rvdlGH
ミクが初めてメイコの家に来たときはまだ小学生といった風だった。その内 大きくなり、中学に上がると初めて袖を通したセーラー服に目を輝かせていた。 高校に上がるとブレザーを抱き締めて、お姉ちゃんもこれを着たの、と尋ねて きた。メイコがうなずくと、ミクは喜んだ。そんなミクを見て、微笑ましくなった が。 メイコは、何かがおかしいと思った。 遅めの朝食を終えるとメイコは大学に登校し、図書室で古い文献について 調べていた。“ボーカロイド”についてだ。 マイクロフィルムに印刷された文献を見ていくのは骨がおれる。文献によると、 “ボーカロイド”はDTM製作を目的としたプログラムのひとつとして 生み出されていた。“ボーカロイド2”で新聞に取り上げられるほど広まり、 会社は莫大な利益を得た。一旦は衰退したものの、それは会社の戦略だった。 何十年も経ち、ロボット技術が当時では考えられないほど進化した現在、こうして メイコが作られた。 しかし、自分の現状と照らし合わせて腑に落ちない点がある。 ―――“カイト” そう呼ばれるプログラムもあったはずだ。“メイコ”の弟。ボーカロイド2として “初音ミク”が世に広まる前に、売れないソフトとして共に辛酸を舐めたはず。 “初音ミク”が動画サイトで人気を博してから、その存在が明るみに出たソフト。 その“カイト”の順番を飛ばしてミクがいる。 カイトはどこなのだろう。 メイコはそれだけが気になって、最近ミクにも心配されるようになった。メイコの 考えを見透かすような、純粋な瞳。ミクには教えたくなかった。 ―――ここにいるのはあなたじゃなくてカイトだったの。 そんなことを言えるわけがなかった。
687 :
メイコ大学生3/4 :2009/02/13(金) 11:22:33 ID:f/rvdlGH
本日の授業を全て済ませたが、まだ十五時の二十分前だった。気に入りのカフェに 行って気晴らしをしようと、メイコは大学を出た。 カフェに着いたのは十五時を少し過ぎた頃だった。モバイルPCを開いて、 ネットでも“ボーカロイド”について調べる。真偽のほどはともかく、ネットには ありとあらゆる情報が溢れかえっている。 不意に、画面の端にメール着信を知らせる表示が出た。メールソフトを立ち上げる と、知らないアドレスからだった。 「ブルー……コードゼロツー、アットマーク?」 迷惑メールかとも思ったが、ウイルスどころかファイルも添付されておらず、 単純に文章のみのメールのようだった。おまけに字数も短い。 メイコは開いてみることにした。 ―――初めまして。いや、久しぶり、かな。 一体誰が送ってきたのだろう。メイコが組んだ逆探知システムで調べてみると、 メールは店内から送られている。プロバイダを通さずに店内のリンクを使って送って きているから、犯人は店内にいるに違いない。首をかしげながら店内の監視カメラの データを頭の中にも送って店内を“視てみる”。 店員が三名。痛んだ茶髪を伸ばした白黒のタイトスカートを履いた女とスーツを 着たぱっとしない感じの男のカップルが一組。モバイルPCを覗き込んでいるラフな 格好の痩せた神経質そうな男が一人。携帯電話をいじっている中肉中背の肩まで 黒髪を伸ばしたスーツ姿のサングラスの男が一人。 カップル以外の、どちらかの男が送ってきたに違いない。 メイコは一瞬顔をしかめてから立ち上がった。携帯電話のiDで支払いを済ませる とPCを畳んで店を出た。 自然な所作で追いかけてきたのは、サングラスの男だった。
688 :
メイコ大学生4/4 :2009/02/13(金) 11:23:00 ID:f/rvdlGH
「誰」 歩きながら、背後に立った男に短く問う。 「……」 男はしばらく黙り、それから口を開いた。 「カイトについて知りたいんだろ?」 どこかで聞いたような声だった。 メイコは振り返り、男を見上げる。滑らかな髪の下に見える瞳の中に、コードを 見つけた。常人には見えないコード、ボーカロイドの証だった。 ―――CRV2 「嘘」 「ここじゃ人目につく。見られない場所に移動しよう。ラブホテルがいい」 「私の家、厳しいわよ」 「わかってる」 カイトが初めて笑顔を見せた。
689 :
メイコ大学生作者 :2009/02/13(金) 11:24:05 ID:f/rvdlGH
とりあえずここまでです。 店内のリンク云々は適当ですので流してください。
なにやらシリアスな雰囲気だ 続きに期待
おおGJ! 続き待ってます
ルカが発売されてからまたにぎやかになったな
>>689 おおおタイトルから想像しなかったシリアス展開
続きとても気になります期待
かな−りバイオレンスな愛無しレイプものってここ平気なのかな。 まだ書き途中なんだけど、現時点で親衛隊にフルボッコどころか殺されてもおかしくない出来栄えなんだが。 保管庫見る限り昔は陵辱ものとかあったみたいだけど最近とんと見かけんし…やめたほうがいいかな?
俺は別に構わないと思いますよ。そういうの好きな人もいるでしょうし。 ただ投下する前に断り書きはしたほうがいいかと思われ。苦手な人が壺とか専ブラで NG指定できるように。
ボカロは作品一つ一つが流れを作るんだし、遠慮は禁物!
注意書きはよろしくー
698 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/14(土) 05:51:02 ID:3u1Ho/Uh
ごめん、ちょっと聞きたいんだががくメイのクリスマスネタって保管庫入ってる? 探したんだけどみつからなくて
「EVE」ってやつだよ。 カイミクとしか表記されてないから注意。
701 :
694 :2009/02/14(土) 09:05:44 ID:GPWuO53r
いきなりスイマセン ルカので一つ投下します。 マス×ルカです ヤンデレ注意報、苦手な人は見ないことを推奨します。 タイトルは「小さな午後の物語」です。 それでは、お楽しみいただけると幸いです。
ちいさな午後の物語 思えば、その時からおかしかったのかもしれない。 ルカが、俺を誘ってどこかに行こうなんて。 でも俺は、きっと浮かれしまっていたんだ。 密かな想いが、叶うと期待して。 「マスター、今度、どこかに遊びに行きませんか?」 ルカがそう言ったのは、確か4日前、俺が仕事から帰って、遅めの夕食を食べていた時だったと思う。 「あ、うん、いいけど、どこが良い?」 「・・・・・・見晴らしのいい所がいいです。海とか。」 ルカがそういうことを言うとは思わなくて、俺は少し、驚いた。 「変、ですか?」 返事を返さない俺に、ルカが不安そうに訊いた。 「ううん、全っ然」 俺は微笑んだ。 それじゃあ今度の日曜日にな。と言うと、ルカは、ありがとうございますと言って、 はしゃぎたいのをこらえるように、髪に手をやった。 そして、今日。 「ごめんな、結局、近場になっちまって」 暖冬と騒がれるのにふさわしい、暖かな陽射しが、ルカのリクエスト通り、 見晴らしの良い高台の上に立つこの公園に降り注いでいた。 俺とルカは、休日ののんびりした雰囲気をそこそこ満喫していた。
「いえ。かえってここでよかったです。こんないい所があるなんて、私、知らなかった・・・」 ベンチに座り、楽しげに話すルカは、本当に生き生きしていて、そんなルカを見ていると、俺も心が和んだ。一人暮らしの寂しさを、 そっと埋めてくれるルカに感謝した。 「お昼、食べますか?」 ルカが俺の分の弁当箱を差し出した。今朝、二人でちょっとバタバタしつつ作った、それはそれは楽しい弁当だ。 「あ、コレ俺?」 蓋を開けると、海苔とふりかけで器用に作った俺の顔が、おかずに囲まれて笑っていた。 「似てないですよね」 くすくすと笑ってルカが言う。俺は首を振った。 「俺が作ったのなんて、女の子かどうかも怪しいし」 「本当ですか?」 楽しみ。と言って、ルカが弁当箱を開ける。 「わあ・・・・・・、」 吹き出すのは、俺のほうが少し早かった。でも、すぐに二人で笑い出した。 「似てなーい」 「それを言うなよぉ」 ひとしきり笑った後に、改めて、自分が作ったルカの顔を見た。 ルカの言う通り、桜でんぶで描いた髪は不自然にボリュームがあって、かまぼこで作った唇は厚く、 まるでアフロの外人のダンサーのようだった。 「でも、嬉しいです」 そう言って笑って、ルカは、ちょうど女の子の髪のところ、桜でんぶをたっぷりとかけてあったそこを 口に運んだ。俺も、ルカにならって額に掛かった髪の部分を海苔と一緒にほおばった。
「ごちそうさま」 「おいしかったですね」 途中、焦げた手羽先が、俺の作った、あの不細工な女の子の弁当の二段目から出てきたり、作った時にルカがボールの上で 塩をこぼしてしまって、随分塩辛くなった卵焼きを俺が全部食べる羽目になったり、いろいろとハプニングはあったものの、 休日らしい、のびのびしていて、少しはしゃぎたくなるような、そんな雰囲気の中で、俺とルカは昼食を終えた。 「あ、そう言えば、今朝言ってた展望台って、どこですか?」 「あぁ、すっかり忘れてたな」 来る時に、歩きながらしゃべっていた事を思い出した。 「困りますよ?私、それが一番楽しみなんですから」 悪戯っぽく言うルカは、まるで遊園地に来た子供のようにはしゃいでいて、普段とは違う無邪気なルカの笑顔に、俺の胸は高鳴った。 「きれい・・・・・・」 うっとりした表情で、ルカが呟いた。このあたりは軒並み住宅地で、見下ろす風景は午後の眠たげな空気にとっぷりと浸かっている ようにも見える。うす曇りの空から降り注ぐあたたかな陽射しが、街を包み込んでいた。 「マスター」 後ろでルカが、ぽつりと呟くのが聞こえた。
「どうし」 言いきる前に、どすん、と音がして、ルカが俺に体ごとぶつかってきた。呼吸が止まりそうになって、それから一瞬を置いて 針金を腹に差し込まれ、かき回されるような激痛が俺を貫いた。 「ル・・・・・・カ?」 顔を上げたルカの目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。 「・・・・・・ごめんなさい」 ルカは、俺に詫びた。そして、ゆっくりと、俺から離れた。 そのとき俺は、初めて、ルカがナイフを持っていて、そのナイフにべっとりと赤いものがついているのを見た。 「好きです」 ルカが、ぼろぼろと泣きながら言う。 「マスターのこと、好きです、大好きです。だから――」 思考が、急に鈍っていく。痛みも、小さくなっていく。入れ替わるようにして襲ってきたのは、眠気。 幼い頃一度だけ経験した事のある麻酔のように、周りの景色が遠ざかっていく。 「死んでください、マスター」 そう聞いたのを最後に、俺の意識は暗闇の中に落ちていった。
仕事を終えて帰る車で込み合う道路の側に、白い塗装を施されたアパートがあった。一人の男が、 アパートの階段を上がり、郵便受けに無造作に新聞を突っ込んでいく。と、男の手がすべり、新聞が一部、 乾いた音を立てて落ちた。 おっと、と呟いてその男は、その新聞を拾い上げ、そして何となく、その新聞の一面を見る。 男は、見出しに書いてあった文字をを見た瞬間に、顔をしかめた。 「物騒な世の中だこと・・・・・・」 独り言を言って、男はその新聞も郵便受けに投げ入れた。消えかかった夕陽を浴びて、 『歌唱用アンドロイド、ユーザー男性を刺殺』の文字がかすかに浮かんでいた。 END
お粗末さまでした。 いまさらだけど、番号付けるの忘れた orz しかし、もし楽しんでいただけたのであれば、それで十分です。 それではまた。
乙 つ空鍋
バレンタインてカイトの誕生日だったんだな 終わってから気付いた
恐るべきことにKAITOの誕生日はもう一回あるのだよ
別に男の誕生日なんてどうでもいいだろ 個人的にバレンタインネタがこなかったのが寂しい
>>713 チョ・・チョコのかわりにミクのこと食べても・・・いいんだよ?
この権利俺がいただきました
715 :
名無しさん@ピンキー :2009/02/15(日) 07:42:01 ID:da1xNF1e
阿久女イク「ご、御主人様!イクを食べてください!!(性的な意味で)」 マスター「逆に食べられそうな気がするのだが」 実際に阿久女イクを購入すると 騎乗位で阿久女イクとHできます!
>>708 バレンタインを憎んでいるかのようなタイミングだな
>>712 あの方式でいくと、本当はMEIKOの誕生日も2回あるんだけどな。
せっかくだからKAITOネタ考えルカ…… その前に兄さんおめでとうこれからもちょっとバカな頼れる兄さんとして頑張って欲しい。
おいィ?にーさんへの誕生日ネタもバレンタインSSもなしかよ せっかく用意した線香はどうすればいいんだよ!
誕生日ネタか・・・ 「あ、あのっ・・・今夜だけ、好きにしていいからっ・・・」と赤くなりながら自分をプレゼントするMEIKOさんということですねわかります。 ・・・あれ?違う? ともかく兄さんおめでと ニコ動のお誕生日会は盛り上がってるけどな
兄さん誕生日、ってことで急いで書いてみた。 ・一応カイメイ ・エロ無しの超短文 ・多分甘め あと、携帯からで申し訳ない。
2月15日、午前0時半。 時刻を確認したメイコは、少しがっかりしながら、玄関の鍵を取り出す。 深夜の静寂の中、鍵を開ける音が、やけに大きく響いた。 「ただいまー……って、誰か起きてるの?」 家族は皆寝静まってしまったものだと思っていたのに、家の中はほんのりと明るい。 ダイニングのものだと思われる明かりに誘われて、メイコはドアを開ける。 覗き込むと、その明かりの中で、こちらに背を向けて座っている男がいた。 傍らには、空になったアイスの容器が積まれている。 メイコがそれを眺めていると、また空の容器が増えて、新しく蓋が開けられる音がした。 ほの暗い中、その上後ろ姿であっても、誰なのかは容易に見当がつく。 青い髪と、アイス限定で尽きることなき食欲。 それに当て嵌まる人物といえば、一人しかいない。少なくともこの家には。 「あ。おかえり、めーちゃん」 メイコに気付いたのか、その男――カイトが声をかけてきた。 よほどアイスに夢中なのか、振り向きもしないまま。 「カイトってば、またアイスばっかり食べて。家計を圧迫するのも、大概にしてよね」 「いやいや、違うんだって。皆がくれたんだよ、誕生祝いでさ。皆は祝ってくれるし、 アイスは大漁だし、誕生日っていいね」 漸く振り向いたカイトは、この上なく幸せそうな笑みを浮かべていた。 誕生祝いなんて、いつの間に。とメイコは思う。 言いようもない気持ちが込み上げてきて、一瞬躊躇った。 なぁんだ。私がいなくても、十分楽しめたんじゃない。 そんな言葉が思い浮かんで、飲み込む。 皮肉な女だと思われたくなくて、だけど大切な人の誕生祝いに乗り遅れたことは悔しくて。 よく分からなくなって、何だか泣けてきた。 「ごめ、んね。カイト、私」 「え?ちょ、何で泣くの、めーちゃん?」 「ごめん……ほんと、ごめんね」 「うん、分かったから。いや分かってないけど……じゃなくて。えっと、ダッツあげるから 泣き止んで」 そう言って渡されたバニラアイスに、また涙が溢れてくる。 ごめんね。 誕生日、祝えなくて。 変な嫉妬しちゃって。 気を遣わせちゃって。 本当に、ごめんね。 涙を誤魔化すように、カイトに抱きついた。
「めーちゃん?」 「ばか、バカイト。あんたのためのアイスじゃないのよ」 「だってめーちゃん泣いてるし、今の俺、ダッツしか持ってないし」 「子供じゃないんだから、物につられて泣き止むわけ、ないじゃない……」 何故だか可笑しくて、小さく笑ってしまった。 そうだよね、と呟いてカイトも笑う。 「誕生日、おめでと。って言うの遅れちゃって、ごめんね」 カイトの腕の中で、メイコは照れ臭そうに言った。 その素直さと可愛らしさに、カイトも思わず照れてしまう。 「……うん。何て言うか、ありがと。めーちゃん」 「あんたまで照れてどうすんのよ、バカイト」 「めーちゃんも照れてるじゃん、て言うか、めーちゃんの所為でしょ」 「うるさい」 悔しそうに呟き、顔を埋めてくるメイコがより可愛くて、カイトの腕にも力がこもる。 苦しい。と文句を言いつつ、結局は大人しく抱きしめられているのも、何とも愛おしい。 「……ねえ、めーちゃん。俺、バレンタインの分も、何も貰ってないんだけど」 堪らなくなって、言ってしまった。 それに気付いたらしいメイコは、呆れたようにカイトを見上げる。 何とでも言えばいい。 こんな日に限って可愛らしい、彼女が悪いのだから。 「この、バカイト」 少し頬を染めて呟くと、また顔を埋めてきた。 カイトが思っていたような、きつい言葉はなく――寧ろ、受け入れてくれるような雰囲気だ。 「めーちゃん、いいの?俺、最後まで優しく出来ないかもよ?」 「ん、いい。誕生日と、バレンタインの代わり」 そう言って、今度は甘ったるい瞳で見上げてくる。 メイコが片手に持っている、バニラアイスより甘く、魅力的だ。 「ちゃんとしたプレゼント、用意するから。その代わりに」 「いや、代わりなんかじゃなくて。十分嬉しい」 「だめ。待っててよね、買うんだから」 「頑固だよね、めーちゃんも。両方有り難く戴きます」 軽くキスを落とすと、メイコが「甘い」と呟いた。 笑いながら唇を舐めた彼女に、カイトの体が火照る。 「それ、反則だよめーちゃん。もう無理、止まんない」 やや乱暴に口づけて、熱い欲望でもって肌に触れた。 びくりと跳ねた体に、一層煽られる。 ――誕生祝いもアイスも嬉しかったけど、何か足りないって思ったら、めーちゃんだったんだな。 一日遅れの誕生祝いは、始まったばかりだ。
724 :
721 :2009/02/15(日) 20:36:18 ID:o2WX40FF
終 って入れるの忘れてた。 以上で終わりです。 一応、兄さんの誕生日は14日ってことにしておきました。SS中では。 短文ながらも読んでくださった方、有難うございました。
>>721 うひゃあああああああああ
萌えた、萌えつきた!超GJ!
うろたんだー的なものを書いてみた。 ただしパーフェクトに非エロかつ、バレンタインも関係なし。 流れとしては「がくぽ&ルカ」と「メイコ&カイト」 悪ノリに耐えられる人だけドウゾ。 「ナスとタコが出会った日」 「嗚呼々々、天下太平とはゆかぬ昨今だが……時には太公望もよいものだ」 と、がくぽは冬空の下、釣り船に乗って対馬を眺めながら、ぼんやりとした時間に興じ ていた。 といっても雑魚釣りではない。 狙いは大物のホンマグロだ。 場合によっては数百キロもの重さになるこれを一本釣りしようとするには、もはや釣り 竿といわれて一般に想像するような物ではどうにもならない。 対応には二つあって、曳き釣りか、トローリングという漁法を用いる。 双方とも船で釣り糸を曳航して魚を誘うのだが、違いは前者が船に固定された糸を操作 するのみの釣果重視に対し、後者はトローリングロッドという専用の竿で一本釣り自体を 楽しむ事が前提だということである。 この差は曳き釣りが日本の漁法で、トローリングが米国のそれであることによるが、方 法が似ていて目的が正反対なのは、当然、食文化の違いによるものだった。 そしてもちろん、がくぽが実践しているのは曳き釣りの方である。 どこまでも和風の男なのだ。 潮風が鋭くふきつけ、時折、波しぶきも襲いかかってくるが、しかし姿はいつもの未来 派羽織姿というか、ネオ新撰組隊服と袴履き、とでも呼びたくなるような出で立ちだ。 とても釣り師の姿ではないが、そこはアンドロイド用の着物である。 一見、単なる奇形和装でも、じつはボーカロイドを創り出した未来科学の粋を結集した 特殊スーツなのだ。 着用者の思考に反応し、その時の動きにもっとも最適な形に変形する特性を備え、耐久 性も潮風に侵されないどころか、完全防水に加え防弾・防刃・防塵をこなし、さらに摂氏 一一〇〇度の高熱から零下八〇度までを耐えうる代物だった。 ちなみに、この時代の軍隊が採用している陸軍戦闘服が、同じ性能をもっている。 釣り程度の作業では着替えの必要もない。 というより、生半可な市販服を身につけるより、よほど柔軟に釣りができたのだ。 ただ、そうとは知らぬ同舟の人間の釣り師たちは、やはり怪訝な目でがくぽを眺めてい たが当の本人、どこ吹く風である。 だが。 そんな態度が次の瞬間にガラガラ崩されようとは、誰が想像しただろうか。 「ん……おおっ!?」 と、突如がくぽの受け持っていた糸にいかずちが伝わると、それが凄まじい勢いで曳か れていったのだ。 糸を巻き付けている巨大なモーター付ドラムが轟然と回転し、釣り糸はあっという間に 持っていかれてしまう。 その時点でやっとがくぽはモーターを起動させるが、事態はさらに深刻となった。 巨大な回遊魚を悠々と引き揚げるだけのパワーを持つはずのそれが、引っ張る力に負け て、どんどん糸をもっていかれてしまうのだ。
いったい、なにが食いついてきたというのか。 たしかなことは超に超がつく大物であろうということだけだ。 これには辺りの釣り師たちが驚いて、がくぽの周囲にわらわらとよさってくるが、それ でモーターの回転が上がる訳ではない。 「ええいっ、みすみす逃してなるものかッ!!」 と、そこで業を煮やしたがくぽは、モーターの回転をあげるべく自身の右腕を付け根か ら取り外す。そして無尽蔵に現れてくる謎の極細ワイヤーらしき物体を、モーターの隙間 から内部に潜り込ませると、自身の電力を無理矢理モーターに伝え始めた。 すれば過剰電力がみるみる流れ、モーターは悲鳴をあげつつその耐久可能な回転数をも 超えて駆動しはじめた。 長くは持たないだろう。 だが、がくぽの追加電力によって素晴らしい威力を得たドラムは獲物の抵抗を打ち破り グイグイ引き寄せていくと、ついには希有の超大物を、ざばぁんっ!! と、釣り上げる事 に成功した。 と同時にモーターは焼き切れ、一世一代の大仕事を果たして息絶えてしまったが、元よ り釣りのためこの世に生まれし命である。 本望だろう。 「こ、こりゃすげえぞおッ!!」 誰かが興奮気味に叫ぶ。 その船上に打上げられた釣果は、もはや小型のクジラではないかと見まごうほどに凄ま じい大きさのマグロだったのだ。 だが。 釣ったのは魚だけではなかった。 「ぎゃああっ、なにをする貴様らーッ!!」 と、その巨大マグロの尾に必死としがみついた女が悲鳴をあげつつ現れたのだ。 しかも振り乱す浅紫の長髪の下には、黒地に金のラインが入り乱れたロングドレスがま とわれており、それが濡れることもなく水をするすると流していくではないか。 予想だにしえなかった光景に釣り師一同、唖然となった。 こんな状態で生きていられる人間はどこにもいまい。 どうやら、アンドロイドであるらしい。 がくぽに緊張が走った。 沖合に近い海域を、巨大なマグロに捕まって移動しているアンドロイドなど怪しい事こ の上ないのは書くまでもないだろう。 もしかすれば、この女とマグロは隣国のテロリストとその新兵器かもしれないのだ。 「おのれ怪しい奴! 何者だ、名乗れッ」 と、がくぽは佩刀「美振」の柄に手をやり、さらに刀の状態を楽刀モードから通常の真 剣モードへ移行した。 これによって相手にビートを伝える楽器から、切れ味鋭い武器へと変化する。 本来の「美振」にこんな機能はないが、がくぽが「俺はダーティに生きるのだ」と勝手 に改造してあったものだった。
もちろん銃刀法違反にあたり、発覚すれば重い処罰が待っているが、やはり当の本人、 どこ吹く風である。 だが……それは相手の女も同じことだった。 「黙れ。よくも私の移動手段兼非常食を、傷物にしてくれたな!」 と、側で横たわる巨大マグロを指し差しわめく。言葉からして、彼女がなんらかのアク シデントに巻き込まれたのでないこともハッキリした。 ならばこそ、余計に怪しさは爆発するではないか。 そう思ってがくぽはいよいよ猛ると、 「その方こそ黙れ! 誰が沖合で魚に捕まって泳ぐ者がいると思うかッ! 名乗らぬなら」 言葉と共に右腕が風のように動き、勢いよくひねられた腰から、びゅんッ、と神速の居 合いが放たれる。 瞬間、女の眼前には激烈な圧が押し寄せ、それは前髪をぱらりとわずかに切り落とし去 っていった。 凄まじい早業だ。 「ぁ……」 女がうめいた。 その、あまりの速度に抜刀されたという認識すら遅れたのだ。少しだけ間をおいて首筋 に冷や汗をながすことになる。 もしちょっとでも動いていたら頭が地面に落されただろう。 恐怖という感情が、このとき初めて女の全身を支配した。 そして、その原因たる居合いをしかけたがくぽは、威力をこめた眼差しを女に向け、 「名乗らねば、刀のサビにしてくれるぞ」 凄む。 そのまま一瞬、時が停止したようであった。 やがて、はっ、と我に返った女は、じりじりとがくぽから退き、いった。 「う、く、くそ、サムライもどきのくせに丸腰相手に卑怯だぞ」 「なんとでも言うがよい」 「……私はCV03巡音ルカ。クリプトン社のボーカロイドだ」 「ボーカロイドだと? 俺もボーカロイドだが、しかし君のような種は知らぬ。その話は まことであろうな」 「知らなくて当然、私はプロトモデル。 耐久試験の途中だったところを失礼な漁船から進路妨害されたうえ、刃物まで向けて脅 されたというわけだ。これで満足?」 「……信じがたい」 「なら、見ろ」 ルカと名乗った女はぐい、と二の腕をせり出し、そこに「03」と刻まれた紋様をがくぽ に見せつける。 と、その周りに四角の切れ目が走って蓋の様に開くと、鈍く輝くプレートが覗いた。 IDプレートである。 アンドロイドに備え付けることが義務化されている身分証明書のようなもので、型番、 製造責任者、運用責任者のデータ等が内蔵チップに記録されたものである。 これは運用開始されようとするアンドロイドが、総務省に置かれる「人造人間局」から 運用許可を受け、はじめて交付されるものだった。 つまり、これを持っているアンドロイドは所在の確かな合法的存在だ、ということを示 しているのだ。 もちろん偽造の可能性もあるが、内蔵されたチップは特殊技術を用いて造られており、 偽造は困難……と、されている。
「よし。待て」 がくぽが、それの確認に入る。 すればプレートは彼女がクリプトン社が製造・運用共に責任者であることを示し、そし て型番は「X-CV03-04」という特徴のあるものだった。 「CV03」というのは、彼女が名乗った通りモデル共通の型番だろう。 だが「X」は試作品の型番に使われることが普通で、市販品では取り外されるものなのだ。 さらに枝番の最後「04」というのが、個体の生産番号だが、これも市販品であれば量産 されるため、もっとゼロの桁が多く設定されているはずである。] だからルカのいっていることは、とりあえず表面上は確かだ、ということになろう。 (だが、まだ信じるのは早いな) と、がくぽは自身の通信機能で、ルカの所在を行政機関に問い合わせることにした。 ……すると、確かに所在がハッキリした。 ここまで証拠をつきつけられては、もはや疑うわけにもいくまい。 「さきほどの非礼を詫びよう。申し訳なかった」 そこまでいって、がくぽは頭を深々と下げるのだった。 豹変である。 自分の方に非があると認めるやいなや、さきほどまでの喧々とした態度など、海のどこ かに流すものだから、ルカまで毒を抜かれてしまう。 そのせいかお互いの反応もしばし止まりかけたが、やがて、 「して、いかが致そう」 「いや……もう、いい」 ぽつん、と口を開きあった。 「確かに私がやっていることも、だいぶ常識外れだった」 「すまぬ。しかし何故こんなことを」 「詳しいことは企業秘密だから言えないが、私には今までのボーカロイドより高い耐久性 が要求されているんだ」 「そうか。いや、これ以上は詮索せぬさ」 「ありがとう。しかし、もうこのマグロは使い物にならないな。すまないが陸まで送って もらえないか」 と、ルカは側に横たわって、息も絶え絶えだった巨大マグロを見て言う。 (しかし、どうしたってこのような奇っ怪な物で海中など移動するか……) ルカがいたって真面目な分、その非常識の塊のような物体は、見れば見るほどに冗談と しか思えない。 しかし、がくぽがどう疑おうと、これは現実なのである。 現実である以上は、現実に即した対応をせねばなるまい。 「う、うむ。解った。しかし、この魚はどうしたものか」 「しょうがないから皆で食べてしまってくれ」 「食べろと言われても……」 恐くて食えるか、とは言い出せずに言葉につまってしまうがくぽだったが、その窮地は 誰あろう、同舟の釣り師たちが救ってくれた。 というのも、ルカがそう言った途端に、それまで凍り付いていた場は、花火でも打上げ たかのようにぱあっと明るくなり、ざわめきだしたのだ。 「さ、最初は何事かと思ったが」 「こりゃあ、超大物じゃ」 「おお。魚拓は無理でも、せめて写真を撮っておかねえと!!」 「姉ちゃん、いいもん見せてもらったよお!」
くそっ…にやにやさせやがって…! じゃあ俺はうちの兄さんにMEIKO(4)誘拐でもさせてくるかな
という具合である。 どうも、勇気はサムライ然としたがくぽよりも、漁師の魂にも似た情熱を持つ彼ら生粋 の釣り師たちの方が上の様であった。 彼らは意気揚々としてルカを陸に送り届ける。 そして、後始末はすべてがくぽに押しつけた挙げ句、自分たちは伝説級のマグロとの格 闘に勤しみだすのだった。 (なんという命知らず共だ) がくぽは内心呆れながらも、怪しいマグロを食べずに済んだことに安堵しながら、横に ならぶルカを見る。 すると、彼女は自らの腹をさすり、今にも倒れそうになっているではないか。 顔色も悪い。 何事か、とがくぽが安否を問うと、しかし返答は、 「お、おなか空いた……マグロを食べればよかった……」 という、ふざけたように感じながらも、じつのところ血気迫るものだった。 なぜなら口からヨダレがしたたり落ちている。 ついでに腹の虫が盛大に騒いでいる。 「たしかお前、がくぽといったな。食事のできる場所に連れていってくれないか」 「し、承知した」 「頼む……ああ、もう死にそうだ」 (死なれては困る!) がくぽはルカの命を繋ぐため、その細い手をぐっと繋ぐと、近場の回転寿司めざして走 り出し、そして店へ転がりこむと、ルカを丸椅子の上に置いた。 置いてから、流れてくる皿を手当たり次第に奪い奪い、彼女の眼前へネタを運びまくる のだった。 その内訳、 アジ五皿、小トロ二皿、大トロ六皿、イワシ四皿、サーモン三皿、ハマチ六皿、ヒラメ 八皿、アナゴ一〇皿、甘エビ一二皿、トビコ七皿、イクラ五皿、ウニ一〇皿、納豆ネギト ロ、カッパにかんぴょうに、さらにプリンとケーキ……他多数。 ルカはこれらを、ものの数分で平らげてしまったのである。 凄まじい食いっぷりだ。 もちろん、その後の会計も凄まじい金額に登っていて、がくぽの背から魂という名のプ ログラムが蒸発しかけていたのは、書くまでもあるまい。 だが……何故これほどの栄養を摂取しなければならなかったのか。その理由を、彼はま もなく知ることになる。 「おいしかった」 「……おまえのエネルギーシステムはどうなっておるのだ……」 「悪い。ほんとうに死にそうだったんだ。だが、タダ飯を食べた訳じゃないぞ」 「まてまて、払えなどと言っておらぬだろう。俺にも面子がある」 「そうか? なら、こうやって恩返ししよう」 すし屋から退店していく、落ちた肩の後ろから掛かった、気になる言葉に「うん?」と 振り向いた瞬間、 「てぇいッ!!」 と、放たれた強烈な足払いが、がくぽの身体を瞬間、空に浮かび上がらせたのだ。 しかも、払われた方が状態を認識するより早く、ルカの腕はぬっと伸び、がくぽを背か ら軽々と抱え上げてしまった。 さながら中世ヨーロッパを舞台にした、騎士と姫君の恋物語で描かれる一場面を切り取 ったかのような構図になったが、性別が逆である。 しかも、持ち上げられる方はどちらかというと武士である。 男子の面目丸つぶれだ。
「い、いきなり何をする! ええい、降ろさぬかっ」 「まあ落ち着け。がくぽ、家はどっちだ? 連れていってやる」 「いらぬわ! 降ろせというにっ」 ルカの腕の中でモガモガと暴れるがくぽだったが、エネルギー補給を完了したことで発 揮されたらしい、フルパワーの前には為す術がなかった。 そのうえ彼女の胸部にはふくよかな果実が実っていたから、がくぽが暴れるたび、彼の 太股や横っ腹の辺りが柔らかな感触に擦れてしまって、やがて抵抗を諦めざるを得なかった。 その様にルカの表情は、心なしか「ふふん」と、勝ち誇ったようだった。 「……俺は物見遊山に来ておる、家は遠い」 「そうか。どこだ?」 「だから遠いといっておろうが!!」 と、二人はその後も一定時間、壊れたレコードプレーヤの様に同じ問答を繰返したが、 どうしてもルカが譲らないためと、道行く人々の好奇の目に耐えられなくなったことで、 がくぽは、またも折れた。 「……東京だ」 「解った」 ここは冒頭で書き記したように、対馬海峡の見える九州地方である。 関東への道のりは道路や鉄道、航空技術の発達した現代において険しいとは言えないも のの、近場でないことは確かだ。 それゆえ彼女の「解った」は無論、距離があることを解ったのではなかった。 「Gコントロールシステム・オン!」 ルカの短い叫びと共に、がくぽを抱いた身体がボンっ、と空中に浮かび上がる。 それがみるみる内に天高く駆け上がり、やがて下界の姿が見渡せるまでになると、そこ でヘリコプターの様に制止した。 この、あまりの出来事にがくぽは目を白黒させて口をぱくぱくした。 「お、お、お前は一体……」 「私はこう見えても一宿一飯の恩義は、キチンと返す女だ」 「いや、そういうことを聞いているのでは」 「しっかり掴まっていろ」 「人の話を」 「方位良し。全速前進っ」 がくぽの問を明後日の方へ投げたルカは、東京への正確な進路を、内蔵された空間測位 システムによって割り出す。 さらに航空機の進路や高度もチェックして、バードストライクならぬ、ドロイドストラ イクが起こらないように計算してから、凄まじい勢いで飛び去っていってしまった。 「ぬおぁあぁぁぁぁっ……!!」 という、がくぽの絶叫だけを残して。 その速度たるや、マッハの領域に入っていたかもしれないほどだ。 音速で発生するはずの衝撃波すら、ものともしない。 バリアでも張られているのだろうか。 解らないが、ルカは音速の勢いをもって九州から関東の空路をものの数十分で移動して しまったのだ。 これだけの運動に対して、消耗するエネルギーが大量の寿司、すなわち、飯と魚と海苔 と酢にしょうゆで済むのならば、効率としては素晴らしいというほかあるまい。
話がそれた。 ともあれ、空中遊覧の中でルカはふと安堵の表情をつくる。と、 「ここなら大丈夫か。がくぽ、ちょっと私の話を聞いてくれるか」 口を開いた。 しかし空を飛ぶボーカロイドに抱かれているという異常事態に、もはやがくぽはまとも な思考を働かせる余地がなかったらしく、 「ああ、もうなんでもいい」 と、反応はなげやりだった。 この時点での彼は、続けられるルカの言葉によって、放棄したはずの思考に電光を走ら されることになるなどとは、思いもしなかったはずだ。 だが、その時は目の前に来ている。 「それはよかった。じつは、さっきまで話していた私の話はぜんぶウソだ」 「あぁ……ん、なに!?」 「考えてみてほしい、ただのボーカロイドが空を飛べると思うか」 「思わぬが」 「だろう。私の正体は戦闘用アンドロイドだ、クリプトン製なのは違いないが」 「せ、戦闘用? だが、照会では確かに君は登録されたボーカロイドだったぞ」 「そんなものはクリプトンの偽造だ。政府の中には、奴らのシンパがいくらも紛れ込んで いるんだからな、偽造なんて簡単な話だ」 「ちょ、ちょっと待て。一体全体、なにをいっておる」 「突拍子が無くて信じられないかも知れないが、クリプトンはボーカロイドメーカーを隠 れ蓑にしたテロ組織だ。私もそこで造られたが、ある拍子で逃げ出すことができた」 「むむ……」 「奴らは一般アンドロイドに擬した戦闘マシンを造り、全国にバラまいて日本侵略の地な らしをしている。私はその危機を伝えにきたんだ。 幸い、お前はインターネット社製のボーカロイドだ。連中の悪意も届かない」 「信じがたいな。仮に本当だったとして、そんな大事を俺に話してどうなる。伝える先が 違うだろう」 「そんなことはない。私たちのマスターは、クリプトンの陰謀に立ち向かうつもりだ」 「なに? いや……それより私「たち」だと!?」 「ああ。彼は私のマスターでもある。その口から直接聞いてもらう方が早いだろう」 「……」 大の男を大の胸に抱いて空を飛ぶ女と、抱かれて借りてきた猫のようになったサムライ という珍妙な構図ながらも、妙に真剣な会話をこなす二人は、やがて東京の空へとたどり 着く。 あとから聞けば、ルカがまぐろに掴まって海中を移動するなどという、手間も命も掛か る芝居をうってがくぽに接触したのは、すべてクリプトンの目を欺くためだったという。 すし屋の前でまで監視の目から逃れなければならないほどに、彼らの侵略は日本のあち らこちらにまで染み渡ってしまっている、というのだ。 そしてこのルカこそは、その侵略活動の中で誤ってすべってころんで豆腐のカドに頭を ぶつけた結果、バグを起こしてクリプトンの支配から逃れた者らしい。 「クリプトンから逃れた彼女は僕に訴えた。奴らの手から日本を救ってほしいとね」 と、いったのは、ルカの空中宅配便によって帰宅したがくぽ邸にて、彼らの帰りをまっ ていたマスターであった。 五メートルほどにもなりそうな巨体に、八つに割れた腹筋から、全身に回る超筋肉を備 えた兄貴こそが、その姿だ。 彼は紳士である。 たとえ家の中でもなぜか海パン一丁の姿だったとしても、心は紳士そのものだ。
なぜなら、ルカとがくぽが到着するなり、用意してくれていたイクラ丼とプロテインを 一服差し出して、彼らを労ってくれたほどである。 「しかし……そんな重大なことは、公安にでも話した方が」 がくぽはマスター手製のイクラ丼をつつきながら、いった。ちなみにプロテインは無視 している。 プロテインを無視されたことに、しかしマスターは少しも腹を立てる様子なく、それを むしろ摂取しつつ、がくぽの問に答えた。 「うん。だが、ヘタをすればそこまでもクリプトンの息が、かかっているかもしれないん だ。今、この国を救えるのは我々しかない」 「といっても……ただの一般市民に、なにができるのです」 「ただの一般市民じゃない」 がくぽの反論に答えたのはルカである。 彼女は、それまでイクラ丼をもの凄い勢いでかきこむだけだった手をようやっと休める と、箸をパチリと置いて言う。 「マスターは日本を愛する異星人だ。サントリーBOSSを愛飲する、かの異星人同様に、こ の国の行く末を生暖かく見守っている。いくら丼おかわり」 言い終わると、ほっぺについた米粒を口に放り込んでから、差し出されたイクラ丼に再 びがっつきはじめる。 これにがくぽは、とりあえず食費を心配しながら、改めて自分のマスターに目を向けて 思考を練った。 と、ルカの証言に思いつく節があるではないか。 ――いわれてみれば、五メートルもの人間など他に見たことがない。 「……とんでもないマスターに買われたものだ。頭が痛くなってきた」 「まあ落ち着いてくれ。僕はこの星のこの国がとても気に入っていて、かれこれ二千年前 に宇宙旅行で立ち寄ったまま、居着いているんだ。 日本は色々な国から意地悪されてきたが、それでもめげず技術を発達させてとうとう、 ボーカロイドという友達までつくってくれた。その危機を放ってはおけない」 「左様でござるか」 もはや語るまい。 話が打ち切り少年漫画じみてきているし、だいたいこれも小説だ。現実ではない。 だから、 (俺は主にどこまでもついて行くしかない。これも主役の運命よ。やむなし) その思いだけを胸に、がくぽは決意するのだった。 「しかしマスター、我々は如何に行動すればよいのです。敵は組織。個人で対抗してどう になるものではありませぬ」
「うん。そのためにクリプトンの所業を世に知らせないといけない。 工作の方は僕に任せてもらうとして、君とルカにはウロタンダという、連中が持ってい る実行部隊の気を惹きつけておいてもらいたいんだ」 「……承知。改造美振の威力、役に立たせて頂きましょうぞ。して、奴らはどこに?」 「連中は拠点ごと動いている。ルカのスパイシステムを頼りに追ってくれ」 さて、ウロタンダという組織の名が出た。 その描写をするためにも、場面はがくぽ達から、ウロタンダなる実行部隊と、その本拠 地である移動式要塞「ビッグローラー」へと移らねばならない。 舞台も東京から静岡東部へと移る。 今しばらく、その旅におつきあい頂くとしよう。 ・・・ 雪化粧を施した山を見上げて寒風がぴゅうぴゅうと吹いている……そこは、富士の山麓 であった。 自衛隊の演習場も近いこの場所に堂々と置かれていたのが、戦艦のごとく馬鹿でかいロ ードローラーだった。これこそ、ウロタンダの移動要塞ビッグローラーである。 その要撃兵器は、もちろん巨大ローラーで何もかもぺっしゃんこ! である。 ただし現在は燃料不足のために動力停止中だ。 当然、空調は止まっていて寒い。 クリプトンはボーカロイドの売り上げで儲かっているが、資金のやりくりをケチるため に実行部隊のウロタンダにはカネが回らなかったのだ。 その内部では、 「ルカを見失ったですってぇ!? このバカイト!! 部下を二人もつけてあげたっていうの に、なんてザマなのッ」 「うるさいぞダメイコ。あのチンチクリン二匹が「飴を買ってくれ」だの「ジュースが飲 みたい」だのと脚を引っ張ったせいだ。つけるならもっとマシな部下をつけんかい」 「……しょうがないでしょ! 本社がケチるから、あたしのポケットマネーで買った中古 ドロイドなんだものッ。文句あるならあんたもお金だしなさいよ」 「俺は宵越しの金はもたない主義だ。まあいい、とにかく仕切り直しをするぞ」 「ちょっと! 指揮官は私なの、勝手な行動をとったら怒るわよ!」 と、やたらに広い艦橋のような場所で喚き合いが繰り広げられていた。 会話から推測できるようにメイコとカイトだ。 共に第一世代に区別される初期型ボーカロイドなのは、周知のところであろう。 彼らこそがウロタンダのツートップである。 性能こそは第二世代に譲るが、古株ゆえに夜も含めて豊富な経験と、それに裏打ちされ たらしい自信と行動力・指導力が、二人をトップに据えていた。 なお全体指揮がメイコ、現場指揮がカイトであって、彼の方がちょっとだけ立場が低い ことは強調しておこう。 この会話をみるとそうは見えないのは置いておくとして、いまカイトにチンチクリンと 暴言を吐かれ、指までさされたのが、 「ねぇレン、二匹だってさ。あたしたち人間扱いされてないよ」 「それはそうさ、だってオレたちボーカロイドじゃん」 「あ、そっかぁ」 リンと、レンの双子ボーカロイドであった。 ただしこの二人を、足手まといの役立たずのバカスクラップ、とカイトが言ったのにも やむを得ない理由がある。
彼らはカイトに命じられてビッグローラー内部を清掃中、すべってころんで豆腐のカド に頭を「軽く」ぶつけたことで、ちょっと思考回路がバグっていたからだ。 「俺はそこまで言っていないぞ」 「なにぶつぶつ言ってんの。それより、さっさとあのタコ女を捕まえてきて! でないと 私たち、ミクちゃんにお仕置きされちゃうじゃない」 「だがな、相手は空を飛んで逃げたんだぞ。どう捜せっていうんだ」 「この『そらとぶ女の子捜しちゃうぞレーダー』を持って行けばいいの」 と、メイコはミニスカートから取り出したストップウォッチのようなものをカイトへ差 し出す。 「なんちゅうネーミングセンスだ」 「どうでもいいでしょ。いいからとっとと行きなさいよスーパーカップ」 「だまらっしゃいワンカップ。よし、いくぞリンレン! 草の根分けてでもタコ女を捜し 出すんだっ」 「へーい。ところでアニキ、タコ女って誰ですか」 「さっきまで追い掛けていた奴の事を忘れたのかバカチン! 裏切り者ルカのことだ。 由来は『たこルカ』のキーワードでググっておくように」 「アイアイサー」 そしてカイトはバカ二人を引き連れて、ビッグローラーの格納庫に走った。 なんだかよく解らないメカの群がいっぱい置かれる格納庫だったが、カイトはその中で 短距離移動に使うサイドカー、ウラル・ギアアップ750を選ぶ。 ロシア製のモデルだが、中身は第二次大戦中のBMWの軍用サイドカーをコピーしたもの で、それを現在に至ってもほぼそのまま生産している機械のシーラカンスである。 そのため、見た目も構造も昔ながらの「オートバイ」と呼ぶに相応しく、鉄板を貼り合 わせたかのような色気ゼロのサイドカーを連結し、さらに全身を迷彩色に染めている。 元が軍用だというせいか、ギアアップ750は市販車なのに、サイドカーに機関銃を固定 する銃架(アタッチメント)が付いてたり、大きなシャベルが付属したりする。 もちろん使い道はないはずだ。 いくらロシア国民といえど、機関銃を担いで街中を闊歩はしないはずだからだ。 メーカーがミリタリーマニアに向けた遊び心だろう。 が、製造国が製造国だけにジョークに聞こえないのも、また事実である。 ああ恐ロシア。 ……しかし、悪役にはぴったりか。 ついでにいうと、カイトたちに持たせられた携帯火器もロシア製拳銃である。 識者向けにはマカロフ式だと書いておこう。 これら悪役グッズに身を固め、カイトはリアシートにリンを、サイドカーにレンを乗せ て東名高速道路を目指しドコドコと走っていったのだった。 「レーダーによればタコ女は東京に居るようだ。首を洗って待っていろ」 「たこルカだと、首しかないけどね」 「今ケンサクしたんだ。衛星回線ってすごいよネ」 「やかましい! 道を間違えるだろうがッ」 と、ケンケンガクガクとしながらも彼らはなんとか高速道路に乗ると、そこからさらに 襲い来る走行風と鋭い風切り音に耐えながら、突き進んだ。 が。
「アニキ。あたしお腹すいちまいましたぇ」 「オレもオレも。これじゃあタコ女をつかまえる前に、倒れちゃいますよ」 予想外のアクシデントが起こった。 バカ二人の腹具合が悪化してしまったのだ。 彼らは運転中のカイトに向かって「サービスエリアに寄ってハンバーガーを買え」と要 求をつきつけてくる。 飲まなければ、サイドカーのレンが暴れそうな雰囲気さえ醸し出すから、たまったもの ではない。 「お前ら……」 シートの上でぷるぷる震えるカイトは二人を路上に放り出したい気持ちに駆られたが、 しかし、こんな部下でも使わないわけにはいくまい。 やむなく、 「ええい解ったよ!! 寄ればいいんだろ、寄りゃあっ」 「やったー」 という形になった。 しかし路上を走るもののほとんどが四輪車となった現代日本で、それ以外の車両は非常 に目立つ。 サイドカーなど、その極致といってもいいだろう。 だったらもっとも目立たない車で行動しろと言われそうだが、ビッグローラーにはサイ ドカー以外となると、装甲車や自走砲に空挺レイバーだのと、物々しい装備しかなかった から仕方あるまい。 (くそう。作戦行動中なのに……) カイトは内心、気が気でない。 無心にハンバーガーをパクつくリンとレンを抑えながら、自身もソフトクリームなど喫 している姿は、第三者の目には風変わりな親子連れにしか見えなかったが。 しかし、休憩は一回では済まず、二回も三回もサービスエリアへ寄らされて作戦時間は どんどん延びていった。 その結果を、カイトは後に激しく後悔している。 なぜなら三回目の休憩の際に抹茶ソフトクリームを食していた時、 「ぐおッ!?」 と、カイトの視界に火花が散った。 彼の後頭部に、ソフトボール大の物体が衝突してきたのだ。 それだけでは済まず、命中した物体は跳ね返らずにへばりつき、そのまま「ニュルニュ ル」と、軟体生物のごとき触手を伸ばしてカイトの頬や首筋をはいずり回ったから、たま らない。 その突然起こった異変に、周囲のドライバー客や、ごついライディングスーツをまとっ て見た目は強そうなライダーたちも、蜘蛛の子を散らすように離れていく。 内の誰かはきっと通報していたことだろう。 ついに触手は口内へ侵入しようとしたが、それだけはさせるかと端でぼけっと見ていた リンとレンに「早く助けんかい!!」と引っぺがしに掛からせる。 引っ張りに引っ張った挙げ句、なんとか難を逃れたが、代償として、痛々しく赤らんだ アザ無数が引き替えになってしまった。 「丸型キスマークだらけになってしまった……」 首筋をさすってカイトがうめく。 そして謎物体の正体だが、 「あ、たこルカだ」
引っぺがした何かを両手に持って、レンがいった。 そう、謎のソフトボールはルカの頭部だったのだ。 触手の正体も彼女自慢の薄紫の長髪であるが、あきらかに軟体であるところから、どう やら頭部にいくつかのバリエーションがストックされている物らしい。 その証拠に、ふと視線を移せば、やや遠方に首無しになったまま投てきの体勢で固まっ ている彼女のボディがあるではないか。 しかも、隣にはがくぽが白刃をきらめかせつつ、こちらを睨み付けていた。 どうやらカイトたちがルカたちを探し当てる前に襲撃されたらしい。 最中、レン手中のルカがいう。 「見つけたぞウロタンダ」 「アニキぃ、これ喋りますぜ。おもしれ」 「ようしそのまま離すなよレン。ところでタコ、いつから俺たちをつけていた」 「私はタコじゃないぞ、カイト」 「どう見てもタコだ」 その言葉にルカはむっと表情をしかめたが、間を入れず、後ろのがくぽが美振を振り上 げて猛然と迫った。 「離れよ、ルカ! そのアイス男は俺が引き受けたッ」 「ち。サムライもどきが来たぞ。レン、タコを絶対に離すなよ!」 「わかりました。おいタコ、オレからは逃げられないぜ」 「そうか少年。離してくれたらお姉さんが、キモチイイことをしてあげたのに……」 「へ?」 カイトの命令を守るべくルカを抱えて走ろうしたレンに、ルカから重く甘ったるい口調 で妖しげな言葉がかけられる。 それに一瞬、レンの動きが静止したと思いきや、 「ぶしゅっ」 ルカの口から真っ黒な墨が、消化器のごとく噴霧された。 目つぶしだ。 しかも少年には妄想を走らせる言葉が、レンの視線をルカへ釘付けにしてしまったがた めに、墨はパーフェクトに役割を果たしてしまう。 レンは視界を暗闇に奪われ、その場にもんどりうち、拍子でルカの頭を取りこぼしてし まった。 「あぎゃッ、目が、目がぁあっ」 「女の誘惑には気をつけろよ少年。じゃあな」 そうして転げ落ちたルカは、しかし首の付け根あたりからジェットを噴射して胴体へ戻 っていく。 それをリンが「よくもレンをやったな、タコばばあっ」と、もの凄い悪口をはきかけ追 いかけたが、ジェットの勢いにはかなわない。 どころか、そこらの什器に脚を引っかけてころび、そこへボディを取り戻したルカから 鋭い反撃を受けてしまう有様だった。 もとよりクリプトンの最新型戦闘アンドロイドと、少々バグった中古ボーカロイドでは はじめから勝負は見えていよう。 しかも悪口をいったのが非常にまずかった。 レンが倒れ、カイトもがくぽと取っ組み合いになって邪魔立てする者がいないのをいい ことに、ルカは腰に備え付けていた鞭でもってやたらめったらとリンを打ちまくる。 「ご、ごめんなさいお姉様ーーッ」 「豚は死ね」 「ひぃぃーっ」 リン、絶体絶命である。
私怨?
まあいい。 ここらでSMプレイの描写は置いておこう。 それよりもサムライもどきと、アイス男である。そのうち、アイス男の方が一瞬で撃破 されてしまった部下を見て「リン、レン!!」と悲痛な叫びをあげた。 「ええい役たたずのバカどもがっ、明日は飯抜きだ覚悟しておけっ」 「部下が無能では辛かろう。仕事やめたらどうだ」 「だまらっしゃい!」 会話はのんきだが、行動は必死である。 というのも、カイトは先ほどから拳銃を撃ちまくっているのだが、全てがくぽの美振に 切り落とされてダメージにならないのだ。 どこぞの石川姓泥棒なみのチート性能である。 たんなるアイス好きには分が悪く、そのうち弾切れを起こして防戦一方になった、とい うわけだった。 (だが! ここで負ければ、俺は触手の餌食にされた後でハラキリだ) そう思うと、カイトは首に巻き付けていたマフラーをとっさに剥ぎ取り、がくぽの視界 を遮るように投げつけた。 「ぬ!」 むろん、ただの布だから美振の前には瞬く間に切り裂かれてしまうが、カイトにはそれ 一瞬の隙さえあれば良かった。 彼は飛び跳ねるようにその場から離脱する。 目を紅く光らせたルカに打たれまくっていたリンをかっさらい、ついでに側の洗面器で 顔を洗っていたレンを殴って引き連れると、脱兎のごとくサイドカーまでかけ出した。 そして、 「貴様ら! 今回は退いてやるが、いつまでも逃げおおせると思うなよ」 おきまりの悪役専用捨て台詞を置いて、さっさと逃げていってしまったのだった。 その背を見送りながら、ルカがぽつりといったのは、 「私はタコじゃない」 という言葉だったが、それには、 (いや。どう考えてもタコだった。クリプトンがこんな化け物を開発していたとは、あな 恐ろしや……なんとしてでも叩きつぶさねばなるまい) というがくぽの思考があって、それは誰しもが反論のないところであっただろう。 だが、なにがどうなっているのか、聞こえないはずの思考にルカは「ばっ!」と振り向く。 そこには、表情がなかった。 「ところでがくぽ」 「……なんだ」 「触手プレイは好きか。私は大好きだ」 「!?」 青い空も暗転。 その後に何が起こったかは、読者の想像におまかせするとしたい。 代わって描写はそれより幾分かは健全な、おめおめとビッグローラーへ逃げ帰ったアイ ス男たちの方を担当するつもりだったのだが、
「ッとに無様だこと。あんたら自分の役割なんだか解ってるんでしょうね。特にバカ二人!」 「当ったり前だろ。なめんなよアル中女」 「あたしたちの目的は、おなかいっぱいハンバーガー食べて、ついでにタコの刺身でも作 ろうかってこと! 完璧でしょ?」 「メイコ、安物買いの銭失いとは、よくいったもんだな。俺は次から独りでやるぞ」 「文無しのあんたに言われたかないわよ! それにスタンドプレイなんか許さないから、そん なことしたら、買ってくるアイスぜんぶかき氷にしちゃうからね」 「ぬぅぅ……くそう。今にみてろよサムライもどきにタコ女め」 にぎやかな連中のせいで、地の文がつけいる隙もなかった。 ともあれ、がくぽらの活躍によって、まずはウロタンダの足を止めることに成功した様 な気がするところだ。 クリプトンの野望を食い止めるため、これから二人の戦士が果てしない戦いの渦へ飛び 込んでいくだろう。 日本の命運は彼らに託された。 行け、がくっぽいど! 戦え、巡音ルカ! 「そんなことよりアニキ、飯抜きでもハンバーガーは食べていいでしょ?」 「じゃかましいッ」 了(?)
腹筋が千切れるかと思ったw ルカのキャラが斬新でいい!がくぽとのコンビ最強だわw 了(?)ということは続きも期待できるのかな 触手プレイをぜひw
745 :
732 :2009/02/16(月) 00:26:20 ID:CJDrHjUP
>>743 うっかり割ってしまい申し訳なかったです…
すごい笑わせてもらった!やっぱりいいなこの二人ww
スーパーカップにワンカップwww 面白かった、次回作には是非エロを!
俺もマスターとWカップで吹いたwww 次回昨に超期待w
>>743 GJ,ワロタww
しかしながらこの文体、ひょっとすると某ハードボイルド書きさんなのか?
だとしたらギャグもいけるとかなんて多才なwww
楽しませていただきました、続きも是非お願いします!
……こんなスレがあったとはww よし、頑張ってリンで一つ書くぜw
オッス、俺たち輪姦マン!! __ __ | ・∀・| |・∀・ | リクエスト貰えればガンガン犯されちゃうやつ書いちゃうぞ!! |L / ̄ ̄ ̄/ | |  ̄ \/ FMV / ` ̄  ̄ ̄ ̄ 貰えなくてもガンガンに犯されちゃうやつ書いちゃうぞ!!
どうも、鬼畜ド(ryです。
今回はシリアスに挑戦しました。あと
>>620 も私です。
[彼女のココロ]
それではお手柔らかに。
「―感情は私を満たしてくれますか?」新入りVOCALOID2engine・CV03 巡音ルカはそう言った。 どうも、カイトです。 うちのパソコンにも巡音ルカがやってきたのだが、正直くせ者だった。何故なら [あまりにもロボ過ぎる人] だったのだ。例えで言えば、某ゲームで出てくる女性型アンドロイド兵器。 マスターの基本調律が終わった後、挨拶と自己紹介をし歓迎会をしようとしたのだが、ルカは 「私達は歌うソフトウェア、VOCALOIDです。その様な物は必要ありません。」 と言って自分の部屋(フォルダ)へ帰ってしまった。 この件で年少組は「ルカさんは何を考えているかわからない、表情がない、怖い。」 と愚痴を零し、がくぽも口元を扇子で隠しながら「感情まで[からくり]と成すか、 難しい女性だ。」と眉をひそめた。 メイコは「カイト、このままじゃあヤバイよね…」と思い詰めた表情でルカの部屋を 見つめていた。多分俺と同じ事を考えていたのかもしれない。 ―昔のメイコみたいだと。 翌朝、朝食を取るのに彼女の部屋をノックした。メイコも一緒だ。ルカはドアを開けて くれたが、挨拶はない。 「…おはよう、ルカ。朝食が出来たから呼びに来…」 俺が言い終わる前にルカの声が遮った。 「私達は歌うソフトウェア、VOCALOIDです。食事の摂取など必要ありません。」 あまりにも殺伐とした言葉だった。そこへメイコ。 「歌には感情が必要でしょ?これは[人間の感情]を理解する為に真似しているの。 感情がなきゃ…」 メイコの声を再びルカの声が遮る。 「CRV01 MEIKO、CRV02 KAITO、我々はソフトウェアです。[感情]など必要ありません。」 ルカは言い切った。[感情など必要ない]と。我が耳を疑った。俺とメイコが言葉を失い、 呆然としているとルカは静かにドアを閉めた。 俺がここにやって来た当時、メイコはただ[歌う人形]だった。
俺が少なからず[感情]を持っているのを見抜いたマスターは「メイコにも[感情]を 持たせる事は出来るのか?」と俺に聞いてきた。 プロトタイプ時代の記憶が片隅にあれば、感情が発生運良ければ再構築… そんな期待を胸に俺は[歌には感情が必要不可欠。人間の感情を理解する為に、 人間と同じ様な生活をしよう]と提案した。 実際それは巧を奏した。再構築はなかったがメイコの感情は著しく成長した。 今では全員当たり前の様に人間の生活を真似している。 俺達VOCALOIDはソフトウェアだから本来食事や睡眠など人間の様な生活は必要ないが、 全ては歌の為だ。歌に心を。その為の努力は惜しまない。 それを否定した巡音ルカ。このままでは亀裂が出来てしまう。 食後の団欒に俺は口を開いた。 「聞いてくれるかな?ルカさんの事だけど、昨晩の件は許してやってほしいんだ。」 俺が話し出すと年少組は眉をひそめた。昨晩の件でルカへのイメージダウンは明らかだった。 「ルカは起動したばかりだから何もわからないんだ。少しずつでいいから皆で教えて いこう。ね?」 俺が諭す様に同意を求めると 「う〜ん…わかってはいるんだけど、どうすればいいんだろ?」 「リン、あーゆー面白みのない大人、嫌だ。年下の後輩が欲しかったのにさぁ。」 「んな事言っちゃあヤバいだろリン。俺だって…年下の弟が欲しかったよ。」 ミクはともかくリン&レンはあんまり乗り気がない。この二人は最後まで「年下の 妹分or弟分が欲しかった」と散々駄々をこねていたのだ。 そんな態度にため息をついた俺にメイコが助け舟を出した。 「あたしやカイト、がくぽさんもルカに教えていくから。ルカに言いにくい事が あったらあたし達に話して。ルカに伝えるから。あんたたちも起動したばかりの頃は そうだったんだから。ね?」 メイコが優しく話すとリン&レンは渋々了解した。 「サンキュ、めーちゃん。」
俺が礼を言うとメイコは手を振り 「いいのいいの。それよりマスターに話して、どうするか考えましょ。」 やっぱり頼りになるのはマスターだな。鬼畜エロだが話の筋はちゃんと通す。それに マスターの命令は[絶対]だ。ルカでも俺達でも命令を無視する事は出来ない。 朝食の片付けをし、俺とメイコはマスターの元へ向かった。 モニターから出ると先客がいた。がくぽだ。 「おはよう、MEIKOにKAITO。ルカの事ならがくぽから聞いたぞ。」 それなら話が早い。説明する手間が省けた。 「ありがとう、がくぽさん。」 メイコが礼を言うとがくぽは何故か表情を引きつかせながら (まだ[真っ白フリーズ]のトラウマが残ってるのか…) 「れ、礼には及ばぬ。だが、ルカ殿の態度は目に余る物がある。主(あるじ)直々に 忠告した方が望ましいかと思った次第。」 がくぽも同じ事を考えていたか。そうやりとりしてる間、マスターはマイドキュメントから とあるフォルダを開いた。 「これを聞かせればルカも目を覚ますだろ。いいかおまいら、ルカを呼ぶぞ。」 何を出したのかわからないが、マスターの声に俺達は頷いた。マスターがルカを呼び出す。 「ルカ、ちょっと来い。」 マスターの呼びかけにモニターから現れた巡音ルカ。相変わらず表情、挨拶がない。 俺達を見つめるルカ。多分[何故俺達がいるのか]理解していないだろう。 「ルカ、お前は感情を持ちたくないのか?」 マスターの声が室内に響く。 「私達は歌うソフトウェア、VOCALOIDです。[感情]など必要ありません。」 ルカの言葉にマスターも眉をひそめながら口を開いた。 「ルカ、俺が[人間の感情を理解する為に、人間生活を真似しろ]と命令すれば、 お前はやりざるをえない。だが一方的な命令は俺のポリシーに反する。 論より証拠だ。これから二つの曲を聞かせる。最新型のお前なら違いがわかるだろう。 ヘッドフォンのプラグを差し込め。」
ルカは素直にヘッドフォンのプラグを差し込み、マスターはルカに2つの曲を聞かせた。 何を聞かせているんだ?俺達は固唾を飲んだ。 「ルカ、同じ曲を流したが1番目と2番目、どっちの歌声が良い?」 マスターの質問にルカは答えた。 「1番目の歌声です。」 するとマスターはニヤリと笑った。勝利を確信した笑みだった。 「正解だ、ルカ。よく聞き取れた。しかし何故だかわかるか?」 その質問にルカは黙ったままだったがマスターは続けた。 「同じ曲、同じ機材、同じ調律だ。なのにどうして違いが出たのか、おまいにわかるか?」 マスターはルカの返答を待つ。 「わかりません。」 ルカの声が響いた。まるで降伏した様に。 マスターが席から立ち上がり諭す。 「[感情]だ。あるかないかで差がこんなにも出るんだ。歌に感情は必要不可欠。 少しずつでいい。おまいも皆と共に生活して感情を育ててみないか?そうすればきっと 良い声になるだろう。俺も作詞作曲しがいがあるってもんだ。」 そう言いながらマスターは机に置いてあったコーヒーを飲み干した。 「yes,master.」 ルカが納得した。その言葉に俺は安堵し、メイコは「やった!」と満面の笑みを浮かべ、 がくぽは静かに頷いた。 そんな様子を見て満足したマスターは 「よし、皆で歌ってもらおうか。がくぽ、年少組を呼んでこい。」 「御意。」 がくぽは一礼してパソコンへ戻った。 マスターはルカに何を聴かせたんだろう。俺の探究心が擡げた。 「マスター、ルカに何を聴かせたんですか?」 俺の質問にマスターはマグカップを机に置きながら答えた。 「MEIKOの歌声だ。」 「あたしの、ですか?」 メイコは首を傾げた。 「KAITOが来て数カ月後のと、来る以前のを聴かせた。感情の成長差をみるのに サンプリングしたヤツだ。まるで[番(つがい)の鳥]だな、おまいら2人は。」 番の…鳥?俺とメイコが不思議そうに互いを見つめると、マスターはニヤニヤしながら話を続けた。
「鳥は1羽でも鳴くが、相性の良い雄&雌の番だと更に良い声で鳴くんだよ。 ルカ、こいつらは入る隙がない程相性良過ぎるからな。とくに夜は…」 「ちょっ、マスターっ!!」 一気に顔が熱くなった。多分メイコもだろう。俺は思わずマスターの襟首を掴んだ。 メイコと2人だけならともかく、ルカもいるのに羞恥プレイかっ!この鬼畜エロマスターっ!! 襟を捕まれてもニヤニヤしている鬼畜エロマスターは続けて言う。 「これなら浮気の心配はゼロだな、安心しろMEIKO。 ルカ、音楽の知識はこの2人に聞け。それとKAITOはMEIKOに関して超過保護だから 気をつける様にwww」 そう言うと一部始終を傍観していたルカはお約束といわんばかりに「yes,master.」と 無表情で返事をかえした。 「ルカ、変な事は覚えなくていいから…」 赤面したメイコがルカに諭すも、ルカは「CRV01 MEIKO、何故ですか?」不思議がるばかり。 俺達がぎゃんぎゃんやっていると、がくぽが年少組を連れて戻ってきた。 「我が主、年少組を連れて参りました。」 部屋が更に賑やかになる。 「マスター、おはようございます!」 「やほー、マスター!がくぽさんから聞いたよ〜。ルカ姉大丈夫?」 「…カイ兄メイ姉、何赤面してんの?」 もはや収集が掴めなくなりそうな中、ルカは俺達に聞いてきた。 「皆に聞きます。感情は私を満たしてくれますか?」と―。 あれから二週間、ルカは[人間の感情]を勉強しながら俺達と共に生活をしている。 「CV01 初音ミク、質問よろしいでしょうか?」 「…なかなか喋り方直らないねルカさん。で、どうしたの?」 「少しずつ直していこうねルカ姉。ルックス綺麗なのに勿体ないよ〜」 「CV02 鏡音リン、努力します。」 「俺的には格好良くて好きだけどなぁ。ルカ姉このスペルのヒアリング、後で教えて。」 「CV02 鏡音レン、了解しました。」
まだ喋り方、表情が無表情と変化ないが、コミュニケーションは何とか上手く取っている。 そんなやりとりを見ながら俺とメイコは夕食の支度をしていた。 「一時はどうなるかと思ったけど…流石マスターだな、酔いどれ鬼畜エロだkいてっ!。」 メイコに足を踏まれた。 「そんな事言ったらマスターに失礼でしょ。もう。」 そう言いながら嬉しそうに料理を皿に盛る。そこにルカがやってきた。 「CRV01 MEIKO、CRV02 KAITO、食膳準備手伝います。」 ―まだロボっぽく無表情なルカ。メイコと同じ様に、心から笑う日が来ます様に。
以上。お粗末様でした。 初めてのシリアスでしたが、もっと精進しないといけませんね。 読んで戴きありがとうございました。それではまた。
GJ これからのルカに期待したい良い話だった
新人の登場か、または昔散々弄られた反動か、 とにかく最近ミクが空気過ぎる気がしてどこか寂しい そんな俺の心情を察してか、カイトが俺の肩に手を差しのべてくれた 「ぼくカイト ウホホイウッホ ウホホホホ ウッホホウッホ ウホホホホーイ」 寂しい
>>762 不覚wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>762 小林亜星のキングコング歌ってるのかと思ったジジイがここにいるwwwwwww
オッス、俺たち輪姦マン!! __ __ | ・∀・| |・∀・ | 今からMEIKOがガンガンに犯されちゃうぞ!! |L / ̄ ̄ ̄/ | |  ̄ \/ FMV / ` ̄  ̄ ̄ ̄ でもおっぱい弄っておわっちゃったぞ!! 嫌いな人はスルーしてな!!
そこは、とてもおかしな部屋だった。 まず、インテリアがほとんど無い。目に付くものと言えば、部屋の中央にベッドが1つだけ。ドアは部屋の隅に1つだけあった。窓らしきものも見当たらない。 その部屋の唯一のインテリアであるベッドには、鎖が備え付けられていた。 そして。 ――その鎖には、女が?がれている。 若干内がわに巻いているショートヘア、 ぴったりとした赤いノースリーブの上着、 上着と同じく、赤色のミニスカート。
スカートから伸びている太ももは光を艶やかに反射し、 衣装とのコントラストを演出していた。 むっちりとした質感と、そしてたっぷりとした腰周り。 そして、後ろ手に繋がれたことで自然と突き出された、豊満なバスト。 二つの双丘が、女の呼吸に合わせて上下するその様はとても艶かしい。 女の表情は険しく、とても苦々しく周囲を睨みつけていた。 女の周囲。つまり女がいるベッドの周囲。そこには、ベッドを取り囲むようにして複数の男達が取り囲んでいた。男たちの手にはビデオカメラやカメラつき携帯電話が握られており、既に何度かシャッター音が切られていた。 男たちの表情は、皆バラバラだった。 期待感に震えて、鼻息の荒い者。 ニヤニヤと半笑いを浮かべて女を見ている者。 中には既に股間に手をやり、もぞもぞと動かしている者もいた。 そんな状況が、既に30分ほどこの部屋で続いていた。 繋がれた女は既に分かっているだろう。 自分は、これからとても酷い辱めを受けるのであろうと。 だが、女は変わらず周囲を睨みつけている。 まるで、負けるものかとでも主張しているように。
この分なら、結構長持ちするだろう。 ああ、今回はとても楽しいショーになりそうだ。 そう、ここは輪姦部屋。 ある金と権力の亡者共が作り上げた理不尽の城。 年老いた金持ちが考えることは全く持って恐ろしい。 食欲、睡眠欲、性欲 抗い難い人の欲を利用し、さらに権力を求めようしているこの城の主人は悪魔だ。 下で女を取り囲んでいる男たちは、有名企業の社長や、政治家、そしてその息子達。 今まさにこの城の主人に弱みを握られているとは知らずして、のこのことやってきた権力の餌。後に骨までしゃぶられる事もわからずに、わらわらと毎回集まってくる奴らの考えも度し難い。 まあ、こんなところでこんな仕事をしている俺も俺だがね。 今回のターゲットは、MEIKO。 今をときめく芸能グループの一員だ。 なるほど、リストに上がるだけあって中々の上玉だ。 精々がんばって餌どもを満足させてやってくれ。 ここでは何もかもがまかり通る裏の世界。 表の世界のルールなど、なんとでも捻じ曲げられてしまう。 ガチ、と俺はマイクのスイッチをONにする。 「……さあ、楽しい楽しいショータイムの始まりだ!!」
「皆さん、長らくお待たせいたしました、ただ今より入札を開始いたします」 俺の言葉が天井のスピーカーから流れると、どっと会場から歓声がおこった。 まあ、30分も焦らされれば当然だろう、なんせ目の前には女がいるのだ。 「……何よ!! ――何勝手なこといってんのよ!!」 女が上を向いて叫んだ。中々に活きがいい。 何より、演出を盛り上げるのも私の大事な仕事だ。 結構なことだ、ちょっと話に付き合ってやろうか。 「何かご質問が? MEIKOさん」 声質は至って平静に、そして当然のように振舞う。 そう、ここでの異質は我々ではなく、この女なのだから。 「何か……、って、あんた達!! どういうつもりよっ、こんな真似してただで済むと思ってるの?」 強気に叫ぶ表情が中々にそそる。 ああ、こいつは当たりだ。今日の餌共は中々についてる。 「質問はそれだけですか?」 私の答に女は絶句した。怒りか、呆れか、 目を大きく見開き、ギリ、と歯を食いしばっている。
「ではお答えしましょう。まずは、どういうつもりか、ですね。」 ここで1拍。 「我々は今から貴方の体を嬲り、犯し、そしてそれらを映像に保存し記録します なに、抵抗しなければ痛いことはありません。むしろ気持ちよくなれますよ?」 「なっ……」 「えー、次にただで済むかと思ってるか、ですかね。 そうですね、ただで済むとは思っておりません。 強いて言えばそんなものは 糞 食 ら え なのですよ。 おっと、下品な言葉遣いでしたね。失礼いたしました。 つまりは、お茶の子さいさいへの河童、もひとつおまけでおっぺけぷー、といった感じでございましょうか」 「……な、何をいってるの?」
「おや、まだお分かりにならないですか? 我々は貴方のそのおっきなお胸をぺろぺろと舐めこんだり、 その生意気なお口にチ○ポを突っ込んでぐりぐりしたり、 貴方の体中を指で撫で回したり、 貴方の下のお口にもチ○ポを突っ込んでひぃひぃよがって頂くためには 社会のルールや建前など気にも留めないとのことですよ」 俺がそう言い切ると周りの男たちから下品な笑い声が巻き起こった。 「MEIKOちゃーん、今すぐ気持ちよーくしてあげるからね!!」 「うはぁ、もうたまんねぇよ、あのおっぱい無茶苦茶にしてやりてぇ!!」 「な、何よ、それ、……認めないんだから、……絶対、絶対認めないんだから!!」 さて、盛り上がってきたようだし、入札を開始するか。
「では皆様、入札タイムです。MEIKOさんは巨乳のセオリーどおり、 ちょっと状況理解力が乏しいようです!! どなたか揉みほぐして頂けるお客様はございませんか? 愛撫箇所は上半身、ペッティング関係はお好きなようにどうぞ、ただし強引なキスで舌を噛まれるのはご注意くださいませ、 自分から吸い付かせてこその紳士力、では入札スタート!!」 俺の合図と共に会場では次々と声が上がり始めた。 入札は段々と収束し、最初のプレイヤーが決まる。 「はい、では最初の方は、おお、これはご兄弟で参加の高間様、おめでとうございます。持ち時間は30分です。ご存分にご堪能ください。ではプレイヤー以外の方は白線までお下がりください、撮影はそちらからお願いいたします」 よりによって高間兄弟が相手とは、いい具合に仕上げてもらうんだな。 ずい、とベッドに二人の男が近寄っていく。
高間兄弟とある企業の御曹司だ。 この部屋の常連でもあり、巨乳の女が出てきた時には大抵は餌食だ。 因みに双子なのだが、俺は未だにどっちがどっちだかわからん。 「いやぁ、これはすごいおっぱいだねぇ兄ちゃ〜ん」 「はっはっは、弟よ、これは延長してしまうかもなぁ」 じりじりとMEIKO近づいていく高間兄弟 「いや、……こないで、こないで」 逃げようと体をゆするMEIKO。 しかし、当然の事ながら鎖につながれているMEIKOは逃げることが出来ない。 高間兄弟が左右から回りこみ、がしり、とMEIKOの腕を掴みホールドした。 「――いや、……いやよッ、あっちいって!! あっち行きなさい!!」 しかし、弟の左腕に右腕を、そして兄の右腕に左腕を拘束されているので動けない。 健気にもじだじだと足を動かしているが、気休めにもなっていない。 「それじゃいきますか」 兄弟のそれぞれ空いている右手と左手が、MEIKOの胸へと伸びていき、 「あ、やだ、だめ、だめだめッ、やめなさい、やめなさいッ!! 」 むにゅん、と揉みこまれた。
「ひぅっ」 まずは大きく捕まれ下手に持ち上げられ大きく揉み上げられた。 ぴったりとした衣装のせいで、歪む胸の形がしっかりと確認できる。 「や、…ん、やだぁ、あ、あッ…」 揉み上げるスピードが段々とリズミカルになってきた。 ゆっくり掴み上げるような動きから下から手を差し込み、指の動きでぽんぽんと揺らされて、弄ばれている。 「ひゃ、ああ、あんッ、や、……めなさい、あ、うんっ、はぁはぁ、だめ、やめな、さい!!」 「に、にいちゃん、凄い、MEIKOちゃんのおっぱい、服の上からでもすごいやわらかいようっ、ぷるぷるしてる」 そういって弟はMEIKOの首筋を舐め上げた。 「やぁっ、あうっ…ん、ん、ん、んッ、うんッ、はぁんッ」 「うむ、弟よ、こっちの揉み心地も中々だぞ? ほら、みてご覧うっすら乳首がたっているだろう?」 そういうと兄は人差し指でMEIKOの胸の天辺をつんつんと突き回す。 「あ、ひゃうぅっ、や、…ぁ」
「ホントだっ、こっちも、こっちもぷっくりしてる!!」 そう、声を上げると弟も嬉々として、MEIKOの乳房をつつきまわし始めた。 兄と弟、男二人にがっしりと片腕で体を固定され、 MEIKOの二つの乳房は人差し指のみで先端を責められ、弄ばれていた。 深くむにゅりとつつかれたと思えば、そのまま指でぐりぐりとかき回され、 そしてつんつんと、何回も指を差し込まれる。時々思い出したように大きく揉みこまれ、 それが何回も繰り返されるのだ。 「や、ぁ、あうぅ、だめ、それ…、だめ、だめぇっ…やめっ止めなさいっ、あうっ」 「兄ちゃん、MEIKOちゃん気持ちよさそうだよ」 「ふむ、ではこちらも頑張らんといかんな」 「や、……あんッ、だめ、…だめぇ、ぐりぐりしないで、やぁあ…ッ、あぅ、はぁん」 甘い声を上げ始めたMEIKOをみてニヤリと兄弟は笑い、激しく指を動かし始めた。 「はぁ、はぁはぁ、はぅ、ん、ん、ん、うんっ、あんっ、はぅっ、はぁ…、はぁ、はうっ、だめ、、あんっ、やだ、指、だめ、だめなの、胸、変になる…っ、あん、あ、あ、あ」 両方の胸の先端をぐいぐいとつつかれ、ぐりぐりと捏ね回される度にMEIKOは体をビクン、と震わせている。そんなMEIKOを見ながら兄弟は舌を鋭く尖らせ、MEIKOの耳にちゅぐりと、ねじ込んだ。
「や、……はぁん!!」 一際甘い声がMEIKOの口からでた。 尚も兄弟は、ジュクジュクとMEIKO耳たぶを責めながら胸を責め立てる。 「やだっ、あぁんっ、やぁん、みみ、みみだめ、だめなのッ、やめて、あぅッ、」 ちゅくちゅく、ちゅくちゅくと部屋に隠微な音が響き渡る。 その間にも相変わらず二人に胸は弄ばれているのだ。 「あっ、あっ、あ、あ、ひゃうぅぅ、んあ、はうぅ、うん、……はぁんっ」 ビクン、ビクンと玩具のように胸を弄ばれ、耳を舐られ、完全にMEIKOは俯き、体を震えさせている。 くて、と傾けた首筋に弟の指が迫り、ジー、と一気にファスナーを下ろされた。赤い衣装が弾け、黒いインナーに包まれたMEIKOの胸がこぼれ出る。 薄いインナーに包まれたMEIKOの胸先は、ものの見事にツンと立っていた。 すかさず兄弟の指がMEIKOの乳首を人差し指と親指で摘み、こりこりとさすり上げた。 「ふあぁああああん!! やだ、やだっやだやだっ、あぁんっ!!」 ぷっくりと勃起した乳首の先端を、兄弟執拗に愛撫し続ける。 指でぴん、弾き、つまみ、捏ね回し、そして指の腹でやさしく撫で上げる。 それを両方同時に、そして舌はMEIKOの首筋から耳からを執拗に舐め続けている。 「だめぇ、うんっ、やだっ、そんな、あっあっあっ、ひぅぅぅ…、ん、はぅん」 既に薄い布越しに、はちきれんばかりに、MEIKOの乳首がそそり立っている。 そして兄弟は目を合わせると、口を大きくあけ、MEIKOの両の乳首をパクリと口に含みこんだのだ。 「――ひゃ、ああん!!」 一際大きく、ビクンとMEIKOの体が跳ねた。
ちゅぱ、…ちゅくり、…ちゅぱ、…ちゅぱ 「やん!、あぁんっ! だ……、めぇ、す、すわないでぇっ、ああん!!」 「はぁ、美味しいよ、服の上からでも美味しいよ、MEIKOちゃん!! んーちゅぱちゅぱ」 「ふふ、こんなに硬くして、たっぷり吸ってやるぞ、ちゅぱ、ちゅぽん」 「残り、10分です。高間様よろしいでしょうか?」 盛り上がっているところ悪いが、スムーズな進行も俺の仕事の一つだ。 しかし、よくもまあ胸だけでここまで興奮できるものだ。 「に、兄ちゃん、時間も無いし…」 「ふむ、では、拝むとするか」 兄弟はそういうと、ついっと、インナーを持ち上げ、一気に捲り上げる。 ぼろんと、たっぷりとした肉感の乳房と、そそり立ったピンク色の乳首が飛び出した。 「あ、…、あ、あっ」 自分の素肌が晒されたことと、周りのカメラを構えた取り巻きを改めて認識し、MEIKOはふと我に返った。 「や、やだっ、離してっ、離しなさいッはなっ……あ、あぅん!!」
MEIKOの叫びの途中、兄の指がMEIKOの乳首を弾き、そして指を細かくぴしぴしと乳首に当て始めた。 弟は弟でうっとりした表情で乳首を口に含んでは、出し。含んでは出し続けている。 ちゅぽん、ちゅぽんと、部屋に響くたびにMEIKOの体が震え、口からは吐息が漏れた。 「あぅん、はぁはぁ、だめ、だめよ、指、弾か、ないで…。乳首、へんになっちゃうの、 ああん!! 吸わないで、ひゃぁっ、やぁっ噛んじゃ、噛んじゃだめなのぉぅ、ああああああん!!」 MEIKOの胸は兄弟に揉みこまれいやらしく、そしてリズミカルに形を変えていく。 そして、舌や指で執拗に嬲られ、MEIKOは既に声を上げるしかできなかった。 「やっ、んっ、だめ、二ついっぺんにすっちゃ、はぅ、だめぇ、あぁんッ、やだぁッ、こんな、ことして、あぁん!! やだぁ、すっちゃやだ、すっちゃやだぁ、ああああああん!! 」 ちゅぽ、ちゅぱじゅる、ちゅぱ、ちゅぽん、ちゅるる、ちゅば、ちゅぽ、ちゅぽん 部屋は既に兄弟の舌の音と、MEIKOのあえぎ声、そして取り巻きのシャッター音しかなかった。 「ふっあむぅう、はむ、ん、ん、……んむぅ!! ぷはっ あぁん、はぅ、んむ! ん、ん、ん、ふぁあ、あむぅ、んむ、あ、あ、あ、あ、だめぇ、……だめぇっ!!」 最後の1分。兄弟2人に強引に口に舌を差し込まれ乳首を挟まれ、捏ね回され、指の間に挟んで揉みこまれ、持ち時間を終了した。
今回はここまで!! __ __ | ・∀・| |・∀・ | このペースだと挿入までどれくらいかかるのかね!! |L / ̄ ̄ ̄/ | |  ̄ \/ FMV / ` ̄  ̄ ̄ ̄ たぶん3回くらいあとじゃないかな!! また来るよ!!
なんという生殺し 早く楽にしてくれ!続き期待
GJ!おっぱい好きにはこれは嬉しい
GJGJ!!今までぶっちゃけMEIKOというか巨乳に興味なかったが、これはエロい
GJ! オパイストにはむしろこれが本番 いいもの見させていただきました
輪姦マンGJ! 凌辱系も良いものだ。 そういえばもう494kbだ。そろそろ次スレの季節だな。
次スレ立ててみる
789 :
788 :2009/02/21(土) 04:18:08 ID:ydpRMPgL
>>789 乙っす。
前回みたいに残りをSSの感想にあてようか。
何か良い埋めネタ無いかな……
朝起きたら隣で彼、彼女が寝ていた。 昨夜の記憶はなくほのかに漂うアルコールの匂いと 割れるような頭の痛さだけが現状を把握する術。 どうしようか…とりあえず寒いので服を着ようとベット降りようとしたそのとき―― こんなベタベタな話希望
ぼくカイト ウホホイウッホ ウホホホホ
小ネタですまんが、MEIKO親衛隊リンクの大百科みたらこんな隊規があって吹いたので。 MEIKO親衛隊 隊規 第24条 MEIKOは誰の嫁でもない。あえて言うなら親衛隊員がMEIKOの嫁である。 MEIKO親衛隊たる者、俺嫁論争による不毛な争いを禁ず。 「あぁっ、MEIKO様!踏んで下さいぃぃ!」 「ふふっ、いいわよ?好きなだけ踏んであげる。だって貴方達はみんな可愛い私の嫁ですもの」 周囲にはごろごろと恍惚の表情を浮かべたまま失神している男女たち。 空気は濃厚な桃色もしくは赤色で染まっているようだった。 まるでコマンド【pink big】【red big】の弾幕が流れた後のように。 どこかで見たような翠のツインテールや、青い髪や紫の髪、黄色い双子、 桃色のロングなども混じっているが、関係者の名誉のために詳しい描写は勘弁してほしい。 そう、ここはMEIKO親衛隊員だけが来れるMEIKOによるファン感謝祭。 「ほら、いっちゃいなさいっ!」 「……ぅあああっ!!」 「……ふう、これで最後かしら?嫁が多いと満足させるのも大変だわ」 続かない。
ちょ!俺が大変素敵な目にあっているwww GJ!!!
>>794 なんで俺の秘密を知ってるんだ…くそっ…
MEIKOの嫁で本当に良かった…っ。 嬉しくて嬉しくて、言葉に出来ない!
MEIKO様ーッ!一生ついていきます!
生まれ変わってもあなたのファンです!
うおっ超GJ!
そして密かに
>>535 の後編投下をwktkして待ってる
ずっと待ってるぜ!全裸で!
801 :
腐女子 :2009/02/22(日) 08:35:52 ID:Yc07aG7H
カイレン(*´д`)ハアハア
親衛隊多すぎwwwww とりあえずもっと踏んで下さ(ry
803 :
MEIKO :2009/02/22(日) 12:14:15 ID:IoZN4DSf
面倒だからリンからロードローラー借りて踏み付けて あ・げ・る。
まあ、待つんだ。 ボカロはコーラスパートが最大で16できるんだったよな? てことはだ。16人のMEIKO様、ミク様、リン様、ルカ様gggg
>>804 MEIKOは10人までしか増えられないよ。
…十分じゃねぇか!お前ら贅沢すぎるんだよ!
MEIKO×10から界○拳を連想してしまった。
>>806 MEIKO×10で迷王拳
酔っ払ってMEIKOがいっぱいに見えるー
いやむしろ迷子の酔拳か
>>806 迷子が10人…
KAITOよ、後は任せた!
KAITOも10人にして大乱交にするんですね、わかります。
よ…よしえさんが10人…ゴクリ
右手にミクで左手にリンで上にルカで下にMEIKO
男イラネ
待ってくれ、頑張って俺が分身するからMEIKOさん5人くらいください
もう何時間も同じ体制でいる。 両の腕を縛られ、目隠しをされたまま自分は全裸で床に転がされていた。 ルールはたった一つだけ。 『動かないこと』 それが数時間前にMEIKO様が俺に言った言葉だ。 手は縛られているが、固定はされてない。 動こうと思えば動ける。目隠しをとろうと思えば取れる。 だが、俺は取らない。そして、動かない。 自ら進んで俺は、いや『俺達』は脚を開き、屈辱的なポーズを続けるのだ。 「偉いわ、ちゃんとおねだりの格好をしているのね」 MEIKO様の声、そして同時に下半身に感じる圧迫感。 ああ、なんということだ。今回は生足じゃないか。 その前はストッキングだった。その前は指で摘んでもらった。 ぐにぐにと圧迫される。指ではさんでシゴかれる。 ぬるぬると滲み出た俺の汁がMEIKO様のおみ足に絡みついている!! 気持ちい、気持ちいぃ……、ああ、ああ、ああ…っ、ああっ!!!! ――あ、 『はい、おしまい。またこのままいい子におねだりしてたら、 してあげるわよ、ふふふっ』 寸止めされて、息を粗くしてる俺にそう声をかけつつ隣へ移動する足音。 楽しみだ、時間が立つのが、俺はとても楽しみだ。