>>1 「メリー・クリスマースッ!」
2003年12月24日、
ドアを開けた途端、あっけらかんとしたかけ声と共にネギの頭にクラッカーが降り注いだ。
「メリークリスマスです、千雨さん」
「ちうでーすっ♪ささっ、どーぞネギせんせー」
場所は女子寮、ちうにいそいそと案内されてネギは千雨の部屋に入って行った。
「へぇー、サンタさんですかぁ」
「季節ものの新作コス、いーでしょー」
赤いサンタ姿のちうがくるりと回る。
「かわいーです♪」
「ありがとーネギせんせー」
ちうが、腰を曲げてくしゅくしゅとネギの髪の毛を撫で、ネギが照れ笑いを浮かべる。
「やっほー♪今日もちうは綺麗だぴょーん♪」
くるくると回転するちうを前に、ネギがパチパチと手を叩く。
白い縁取りの赤い服に帽子も被った姿は確かにサンタクロースだが、
さり気なく襟元はVカットに抉れ、くるくると回転するちうの綺麗な脚をミニスカートが引き立てていた。
「ふっふーんっ、ネギせんせー、ちうのクリスマスコスもっと見たい?」
「はい、見たいです」
あっけらかんとしたちうの言葉に、ネギが素直に応じた。
「はーい」
挙手したちうがバスルームに引っ込む。
「の、ぞ、い、ち、ゃ、駄目よネギせんせい♪」
ひょいと首を覗かせたちうが指を振って言った。
「あううー、そんな事しませんよー」
「嘘ぴょーん、ネギせんせーそんな事しないもんねー紳士だもんねー、
でもぉー、ネギせんせーだったらいいよーアハハー♪」
「どう、ネギせんせー?」
「き、きれーです」
頭の後ろで腕を組んで、ちょっと横を向いたポーズを決めたちうに、
ちょっとぽーっとなったネギが答えた。
ちうのコスはブラックサンタ。
黒い厚手の布地に白いもふもふの縁取りはサンタのものだが、そのカットは思い切ったものだった。
思い切ったミニスカで胸の下もすっぱりカット。
透明なストラップで支えた肩出しのラインは見事にV字に抉れて
そこから覗く谷間の形の良さを強調している。背中はほとんど紐の交差で支えているだけだ。
そのため、陽気にくるくると回るちうの前では、既にネギがちょんちょんと指先を合わせて俯いている。
「あー、先生呼んどいて立ちっ放しってあれですねーネギせんせー。
ちょっと待って下さいねー」
テキパキと用意がされ、ガラステーブルの前のソファーに座ったネギが、
隣のちうとスパークリングジュースの注がれたシャンパングラスをカチンと合わせる。
>>2 「メリー・クリスマス」
「メリー・クリスマス」
ちょっと頬を染めて照れ笑いするネギに、ちうはにこっと笑みを向ける。
「はい、あーん♪」
「いいっ、いいですよちうさんっ」
「私からじゃやなのー?」
「い、いえ、いただきます」
「どう?私の手作りクッキー?」
「おいしーです♪」
「良かったー♪」
それはネギの本心だった。だが、隣のちうの嬉しそうな笑顔を見たネギは、また下を向き、俯く。
「暖房効き杉かなー?汗だらだらだけどー」
「い、あ、そうですね…でもその、ちうさんが…」
「え?」
「ちうさんが寒かったりしたら」
「…アハハー、心配してくれるんだネギせんせー。いい子いい子」
「あううー」
再び、ちうがネギの頭をくしゅくしゅと撫でる。
「ちゃーんと見てるんだねーネギせんせー。どこ見てるのかなー?」
「あ、いえ、その…」
「いーのいーの、このコスのぉー、一番のチャームポイント見てくれてるんだからー」
俯くネギの前で、ちうは、両腕で胸を軽く挟む様にネギに近づく。
「必殺グラビアポーズッ、こーゆー風にすると綺麗に見えるって、どうネギせんせー?」
「は、はい。綺麗ですちうさん」
「ぶーっ、って、全然見てないじゃないのぉー」
口を尖らせたちうが、ネギの頬を両手で挟んで目を合わせる。
「ご、ごめんなさい…」
「ふふーんっ、やっぱお子ちゃまは花より団子、サンタさんはお楽しみで。
ちょーっとあっちで待っててねー」
「いいよー」
バスルームに追いやられ、ちうの声にリビングに戻ったネギの目が点になる。
「え、えーっとちうさん、これ…」
「ちうクリスマスバージョン究極変身、クリスマスケーキコスゥーッ♪
あ、ザジちゃんありがとね」
ホイップのチューブを置いたザジがこくんと頷いて出て行く。
呆然とするネギの前では、ビニールシートに仰向けに横たわったちうの全身でホイップが渦巻き、
色々とトッピングがなされていた。
「だ、駄目ですよちうさん、食べ物を粗末にしたら…」
飲まれっ放しだったネギが、先生らしい言葉を発した。
>>3 「あれれー、分かってないなーネギせんせー、
これって日本の裏伝統習俗の一つなんだよー」
「え?そうなんですか?」
「そうなんです、ニョタイモリって言う由緒正しい作法で、「ラ○ジ○グ・サ○」って言う
映画でも紹介されたんだからー」
「…あ、そ、そうなんですか…えーと、それで…」
「日本名物無礼講、そのままお口で召し上がれ。食べ物を粗末にしたらいけませんよネギ先生」
真面目な口調で言ってにこっと笑うちうに、ネギがふらふらと近づいた。
そして、「遠い所」からそろそろと、甘いクリームに吸い付く。
「ジェントルマンでもー、遠慮してたらお正月になっちゃうよー。
もっとちゅうちゅうしてぺろぺろしてもいーの私が体張ってネギせんせーにお出しする
究極のケーキなんだからー♪」
「は、はい」
そう言われると、何か遠慮するのが悪い様な気がして来る。
「あ、んっ」
「あうっ」
ちうの色っぽい声とぴくっとした動きに、ネギが一瞬退く。
「いいの、くすぐったくて、気持ちいーの」
「そ、そうですか」
「そうですの…うんっ、あううん♪」
ネギとしては段々気が気では無くなって来たが、
それでも、今さら逃げられないので、ネギにしてもくすぐったいちうの声を聞きながらクリームを舐め
体に浮かぶフルーツを食べる。
「あ、あの…」
クリームに彩られてこんもりとボリュームを見せる膨らみを前にしたネギに、
ちうはにっこりと笑みを見せた。
「あ、んんいいよネギせんせぇ…はうっ、それっ、イチゴじゃなぁーい♪」
「あううっ、ごめんなさいっ」
「でもぉ、これもニョタイモリのお楽しみ、生身のちうも召し上がれ、
ちうもぉ、あまーくお料理されちゃったのネギせんせーのためにぃ。
だからー、痛くしないで召し上がれ」
「はい…」
「あんっ、そ、そうあううんっ♪」
いつしか、ピンと尖ったピンク色の乳首に無心にちゅうちゅう吸い付くネギを前に、
ちうは喉を反らして可愛らしいうめき声を上げる。その声が又、ネギを乳房に執着させる。
「おっぱい大好きなんだねネギ先生」
「あ、う…」
真っ赤な顔でハッと顔を上げるネギが、にこっと笑ったちうの屈託のない笑顔を見る。
「おっぱいも気持ちいーけど、まだ、残ってるよデコレーションちうケーキ」
「あ、は、はい」
ちうに促されるまま、ネギの舌は、ちうのくすくす笑いと甘い喘ぎ声と共に
ちうのお臍をくすぐりその下へと艶やかな線を引いていく。
大変すまん、個人的事情により一時離脱する。
なるべく早く復帰するが今回はここまでです。
待ってるぞー
しかしネギまスレっていつの間にか無くなってたよなぁ
なんでなん?
>>6 ですね。忘れられていたのでしょうか。
投下中に中座を余儀なくされてしまいました。行儀の悪い事ですいません。
では、前編の続き投下します。
>>4 「あ、あの…」
さすがにこの先は、と仰ぎ見たネギの躊躇をちうの笑みが振り払う。
ネギが知るにはまだ早い淫靡な笑みを受け、
ネギは、まずは太股を彩るホイップの流れを脳味噌をくすぐる様な声を聞きながら綺麗に舐め取る。
「毛のトコはてきとーでいいよ、引っ掛かると美味しくないでしょ。
美味しいのはもっと下だからー」
「は、はい…」
「そう、そこ…はううっ!」
「ちうさんっ!?」
「ん、んっ、いいっ、ネギ先生いいっ、だから、だからもっと、もっとちうのケーキ、
ちっちゃいイチゴもぺろぺろしてぇ」
「は、はいっ」
気が付いた時には、クリームはほとんど残されていなかった。
ぴちぴちと若々しい肌と、
そして、それとは少し色の違うピンク色の粘膜がネギの目の前でそのままターゲットになる。
熱く柔らかで、そして繊細なネギの舌の洗礼を受け続けるちうは、既に両脚を曲げて身を縮こめ、
ひぃひぃ喘ぐばかりだ。その喘ぎ声が誠実に女性を喜ばせようと言うネギの本能を呼び覚まし
その末恐ろしい舌技を更なる高見へと導く。
「あ、あの、ちうさん、ちうさんその、何かとろとろと…」
「う、うん、いいの。ネギ先生にぺろぺろしてもらってすっごく気持ちいーから、
だから、ちうケーキ、おまけのシロップ一杯出て来てるの。
だから、ちうのシロップも一杯どーぞネギせんせーあうううっ!」
>>7 「は、はい…」
だが、それと共に、ネギも自覚せずにはおれない。ちうがネギの目の前で喘ぎ、悶え、
ぽーっと上気した白い肌もとろとろに熟れた初々しいピンク色の粘膜も全てを晒している前では、
ネギも何かたまらなく熱く、それは、自分の体の一部ではもう自分でもどうにもならない程になっている事を。
「あっ、ああっ、あーっ…」
だが、それでも、ビクンと大きく振動して脱力したちうの前では、
やっぱり女の子優先のネギが慌ててちうの顔を覗き込む。
そんな、心配そうなネギの顔に、ちうがくすっと笑った。
「あの、ちうさん、大丈夫…」
「大丈夫大丈夫、ネギ先生が上手過ぎるから、ちょっと気持ちよくなり過ぎちゃっただけ」
ちゅっと頬にキスをされたネギが、かあっと熱くなる頬を自覚する。
「ふふっ、やっぱりお行儀悪いね。ネギ先生紳士なんだから、ちゃんと後始末してあげる」
目の前にいるのは、すっかりケーキを食べ尽くされ文字通り全裸のちう。
そのちうが、ネギの頬のクリームやシロップをぺろぺろと舐め取る。
ネギは、只、真っ赤な顔でされるがままだった。
「可愛い、ネギ先生」
ちうが、ネギの両肩に手を置いて、半開きの眼差しを向けて言った。
「きれーです、ちうさん…」
そーっと唇が近づく二人の横では、ゴゴゴゴゴと言う効果音と共に、
燃える目の千雨サンタが巨大人参を振り上げていた。
>>8 「あううー…ちうさんっ!?」
「これが夏休み中の修羅場なんかだったらフツーに死んでる筈なんだが…
何がちうさんだバカガキッ!」
「え?あ?だってちうさん…」
ネギの目の前で、丸裸のちうの豊かな曲線が見る見る単純化され、気付いた時にはパッと消失していた。
「いやー、ごめんねー、ちうちゃんにさー、新作コスのマネキンに使わせてくれってゴーレム貸したげたら
見事に逃亡されちゃってさー、学園中ぐるっと一回りしてここ戻って来ちゃった」
パタパタと現れたハルナが頭を掻いて言う。
「だーかーらー、マネキンのゴーレムが何故エロちうである必要がある?」
「あ、は、は…サイナラー」
千雨にぐわっと血走った目を向けられて、ハルナはさっさと逃走した。
ブツ切りになってすいませんが前編終了です。
後編は近々投下する予定です。
それでは、「リボンなナイト08」後編投下開始します。
>>9 「さて、と…なーにやってんだバカガキ気付かんかいゴラアアァァァァァァァ!!」
「あううー、ごめんなさぁーいっ!」
頭を抱えて泣き声を出すネギが千雨にぽかぽかと殴られる。
これが夏休みで別の相手であればとっくにどっちかの命がない。
「あ、あの、それで、それが千雨さんの今回のコスですか?」
「あ、ああ」
話題反らし気味のネギの言葉に、ミニスカサンタの千雨がちょっと腕を広げて見せた。
「わあー、やっぱりきれーです」
「ふんっ、今さらお世辞はいらねーよ」
「お世辞じゃないですよ、サンタさん、凄く可愛いです」
ネギがにこっと笑うと、とても叶わない。今さらながらに千雨はかああっと赤くなる自分の頬と共に実感する。
「そーかそーか…ん?それ食ったのか?」
「ええ、美味しかったです」
「まあ、いちおー私の手作りクッキーだからな。もっと食べるか?」
「はい、いただきます」
かくして、サンタ姿の千雨とネギがちょこんとソファーに掛ける。
「ま、あれだ、メリー・クリスマス」
「メリー・クリスマス」
千雨が新しいグラスを用意し、再びスパークリングで乾杯する。
「おいしーです」
「まあなー、いっつもだったらうp用に一人で焼いて撮影だけして
てめぇで食ってピエロにお裾分けするくらいだから、ま、美味しく食べてくれて有り難うな」
「はい」
千雨は、クッキーを食べながらにこっと笑ったネギが赤い顔で俯いたのに気付く。
千雨のサンタコスは、エロちう程ではないが脚線美を活かすミニスカで、
白く縁取られながら緩やかなVネックのベアトップになっている。
「なーに想像してんだエロガキ?お人形相手でももうちょっとだったのに惜しかったなーってか?」
眼鏡をテーブルに置き、千雨がにまっと笑みを浮かべた。
「あううー、違いますよぉー」
元々、コスプレネトアをしているぐらいだから露出趣味が無いでもない。
ライブでそれをやる度胸は無いしリスクを恐れる頭脳はあるが、それだけに、
あの勇壮さはどこへやら、まるで小動物の様に縮こまり照れている
顔に図星と書かれたネギの姿に千雨は生唾を禁じ得なかった。
だが、問題は、ネギがスパークリングのグラスを手にしていた事だった。
>>10 「あうっ!」
「何やってんだよガキッ!」
ばしゃっと波打ったドリンクがネギの衣服に降り注ぎ、千雨がハンカチを取り出す。
「あっ、千雨、さんっ…あううっ!」
目の前が真っ白になる刹那、ネギが目の当たりにしていたのは、
目の前で身をかがめて汚れを拭き取ろうとする千雨、その緩んだサンタコスの隙間だった。
「………」
「…うっ…ぐすっ…えぐっ…」
「まあー、あれだ」
わざと盛大に嘆息した千雨が、空笑いして言った。
「まあー、あれだ、事故だ事故、私も思い切し掴んじまって悪かったって、
この学園のこのクラスじゃよくあるだろ、非常識な事故って奴が。
何せカリスマネットアイドル×代目ブログの女王生き写しのエロエロコスプレが、
っつーか、もうコスですらなかったのにあそこまで迫られて、
健全な男だったら当然っつーか、そーゆー事になってても仕方ないとか、
いや、授業で精通の仕組みとかネットとかでだな。
そーやー事だから気にするな私も気にしないからメソメソするなってな」
「…うぐっ…ぐすっ…でも、千雨さんに…僕、千雨さんに…」
「あー、ったく…」
ネギの両肩に手を置いた千雨だったが、涙に濡れた顔で見上げられ、言葉に詰まった。
そして、行き場を失った思いが行動に移されていた。
「ん、っ、千雨、さん…」
「うるさい黙れ」
「んんっ!んー…」
重なっていた唇が離れ、ネギが目をぱちくりさせている。千雨自身驚いているが、
こうなっては退くに退けない。
「千雨、さん?」
「本物のキスはどーですかネギ先生?ちゃーんと見てたんですからね…ん、んっ!?」
ネギが、千雨を抱き寄せて逆襲した。
「んっ、ん、んーっ!」
脱力した千雨は、気が付いた時には目の前でにっこりと天使の笑みを見た。
「さっきは、まだでした。もうちょっとの所で千雨さんに止められましたから。
だから、良かったです。本当の千雨さんで」
「…アホーッ!…」
かああっと頬を染めた千雨の理不尽なパンチがネギを殴り飛ばしていた。
>>11 「あううーっ…」
床までぶっ飛び、涙を浮かべて身を起こしたネギは、目の前に優しい笑みを浮かべた千雨の顔を見た。
そして、今度こそ、どちらともなく唇を重ねていた。
糸を引いて唇が離れ、共に照れ笑いして見つめ合う。
「あーあ、結局服汚れっぱなしだったな…ん?…」
千雨が、ネギを撫でる掌を止める。
「あっ…」
「ふーん、さっきあんだけメソメソしてるのにもう復活してるのかよエロガキ」
「あっ、そ、それはその…」
「そーかそーか、本物の千雨のセクシーコスも悪くねーってか」
「いえ」
「何?」
「凄く、凄く綺麗です、千雨さんのサンタさん」
この、ストレートな褒め言葉に千雨は弱かった。
「ったく、これだからガキは…
んじゃあ、ちうクリスマスバージョンの最終変身形態も見せてやんねーとな」
「え?」
千雨の言葉にちょっと期待するネギの前で、千雨はもぞもぞとサンタ服をいじり始めた。
「ふふっ…メリー・クリスマス!」
「わあー…」
これはちうのコスプレだと言い聞かせる様にパーッと腕を開いた千雨の前で、
ネギはぽーっとなっていた。
その姿はほとんど丸裸と言っても良く、
その上からワインレッドのリボンがフンドシ状に巻かれ胸の上で結ばれていた。
「どーですか、ネギ先生?」
「え、えっと、その、綺麗です凄く」
真っ赤な頬で目線を反らしながら言うネギを前に、千雨は不適な笑みを浮かべる。
「顔真っ赤になってるぞ。まーた妄想逞しくしてんだろーがエロガキ」
腰をかがめた千雨が、リボンからはみ出す膨らみを目の前にして床に座るネギの頬をつんと突く。
「あ、あの、それも、ネットにアップするんだったんですか?」
「んー?何だ?他の野郎には見せたくねーってか?」
「い、いえ、その、あんまりそのそーゆーのはネットだと色々危ないって、しずな先生からも…」
「心配してくれてんのか」
「先生ですから」
「そーか、ありがとよ。ま、そんなドジ踏まねーけどな。これはな…」
「?」
「これは、本当はこれは、みんなに見せるコスじゃない。
プレゼントはわ、た、し、そう言う意味なんだよネギ先生」
>>12 「千雨さん?」
「気分でやってみただけ、まだ早いかとも思ったけどさ、
いや、間違いなく早いんだけど、ネギ先生も、もう男なんだな」
千雨が、ネギの手を取ってリボンの端を握らせた。
「いいよ、ネギ先生。ネギ先生へのプレゼント、今はネギ先生だけの私。
こんな臭い事、特別な日でもなきゃ言えるかよ。
私を見て、ネギ先生。ディスプレイのちうでも人形のちうでも無い私をさ」
「…はい…」
半分ぐらいなんだか分からないけど、精一杯の心だけは通じていた。
引っ張られ、解かれたリボンがぱさりと床に落ち、ネギがほーっと息を吐く。
「…どう、かな?…もう、コスですらない私ってさ…」
気が付いた様に千雨が胸の前で腕を合わせ、ちらっと上目遣いにネギを見る。
「綺麗です、凄く、やっぱり千雨さんきれーです」
「そーかそーか」
千雨は、無理やり不敵な笑みを作った。
「じゃ、ネギ先生も…」
「え?」
「私だけ裸にしておくんですかネギ先生?それに、汚れっ放しじゃ失礼でしょう」
「は、はい…」
「大丈夫、私に、任せて…」
千雨の言葉に理屈として説得されながら、目を閉じてぷるぷると震えるネギに千雨が言った。
まず、ベルトを外しファスナーを下ろし、上着に手を掛け、上半身を裸に剥く。
“…やっぱ、いいガタイしてんなガキが…なんつーか、たまらん…”
無駄なく逞しいネギの胸板にじゅるりとヨダレが出そうになるのすら感じながら、
千雨はネギの下半身に手を掛ける。
“…引っ掛かるな、これか…慎重に…”
「あうっ!」
ぴょこんと飛び出す空気の感触に、ネギが甲高い声を上げる。
「こんな風になってんだ。どうですか、ネギ先生?」
「は、はい、その…」
取りあえずハンケチで汚れを拭いながら千雨が言うが、
幼さを見せながらも力一杯反り返ったものをそうされていてはなかなか声も出せない。
「ちょっと、乾いて来てるのかな?やっぱこう言う時は定番の…」
「あうううっ!」
大きく脚を広げて床に座ったままのネギが、目を見開いて背筋を反らした。
>>13 「…あ…ああああ…千雨さんっ…」
顔面から滴を滴らせ、咳き込む千雨を前にネギの顔が真っ青になる。
「あ、あのそのっ、ごめんなさいっ、僕、僕また我慢出来なくてっ!」
言い募るネギの脳天に、二度ほどハンケチで頬をこすった千雨がガコンと拳を振り下ろす。
「ごめんなさい…」
「だーかーらー、いちいち謝るんじゃねー、好きでやってんだから。
で、気持ち良かったか?」
「は、はい、凄く…なんか、凄く、さっきよりも気持ちよくて…」
「うえっ、やっぱマズイ。
ま、こーゆー時にいきなしこーしてくれるのが当たり前とか勘違いするなよ、私がたまたまやっただけだ。
さ、行くぞ」
「?…あーーーーーーうーーーーーーー」
いつもとは逆に千雨に強制連行されたネギが、ユニットバスに放り込まれる。
「あ、あのっ、自分で洗えますっ!」
「そーやって、いっつも神楽坂から逃げ回ってるの誰なんだかなー」
“…ああ…神楽坂から、な…”
だが、今、ネギと共に一糸まとわぬ姿でバスルームにいるのは自分。千雨は自分に言い聞かせる。
「あううー」
「ほー、あんなに何回も出してるのに、またこんな風になるんですね、ネギ先生」
「あうううっ、そ、それは、千雨さんが、その…」
「んー、私のせいってか?」
「あ、いえ、そのっ、千雨さんが裸で、綺麗で、こんな側に、だから僕もう…」
「もう我慢出来ねーってか?」
不敵に笑う千雨は、切羽詰まった表情でこくんと頷くネギの顔に頬が熱くなった。
「触りたいか?」
かすれた声で静かに尋ねる千雨に、ネギが頷いた。
「あ、っ…」
「千雨さんっ?」
「大丈夫だって、いちいち心配すんな」
「はい…千雨さんのおっぱい、ぷるぷるして柔らかくて気持ちいいです」
「あ、ああそうかあ、っ…」
“…いや…何だ、胸だけで、気持ちいいドコじゃ…なっ…”
「あああっ!」
狭いバスタブで千雨に密着しながらちゅううと乳首に吸い付いていたネギは、
悲鳴と共にバスタブに預けた背をピンと反らした千雨から
愛の鉄拳を叩き込まれた。
>>14 程なく、丸で姉弟の様な美少女美少年が、全身からほこほこと湯気を立てながら
何となく照れ笑いを交わして並んでベッドに腰掛けた。
並んで座った二人が、どちらともなく目を閉じ、唇を重ねる。
「…あの…千雨さん…」
透明な糸を引きながら唇が離れ、ちょっと心配そうに言うネギに、千雨は断固として頷いた。
もう、これ以上の質問は紳士として男として無礼なのだと、
これが千雨の女としての覚悟なのだとネギは悟っていた。
千雨をベッドに横たえたネギは、自らの望むままにバスタオルをむしり取る。
意思の力で腕の動きを辛うじて抑え込んだ千雨の体が形のいい乳房諸共ぶるりと震える。
「…温かい…いい匂い…」
しっとりと瑞々しい乳房を口に含み、左手でその手触りを確かめるネギはそれだけで陶然としていた。
だが、当初余裕の慈母の笑みを浮かべてうっとりしていた千雨の方はそれでは済まなかった。
「ちょ、ちょっ、おまっ、あっ、ああー…」
「千雨さあん」
心配してゆさゆさと揺さぶった千雨のアッパーで天井に突き刺さっていたネギが
ベッドに戻って情けない涙声を出す。
「てめっ、パイオツだけでイカせてんじゃねーだからその歳でどーゆー女殺しなんだよっ!」
「あううー、ごめんなさぁーいっ」
何だか知らないけど、習性でドツく千雨に習性で謝るネギの微笑ましい光景が展開する。
「ごめんなさ…うぷっ」
ぎゅっと胸にネギの顔を抱き締めた千雨は、にへらっと笑みを浮かべていた。
「ま、いーけどさ、気持ち良かったから。ここまで来たらもちっと素直になんねーとな。
おっぱい大好きなんだろエロガキ」
「はい…千雨さんのおっぱい、柔らかくて温かくて、ぷるぷるしていい匂い…」
「ん、んっ…又かよ…おっぱいもいいけどな…」
「あっ…」
千雨が、ネギの右手を取って導いた。
「ここまで来てんだ、こっちの方も、な」
「…あ…なんかトロトロって…千雨さん、これってやっぱり…」
「…知ってんなら聞くな、結構恥ずかし…ああっ!」
「千雨さんっ?」
「いいからっ、でも、そこさ、そこ、気持ちいいんだけど気持ちい過ぎて…」
「あうっ!」
見当を付けた千雨の指が、幼いながらも懸命に頭を出した所を一瞬ぎゅっと摘んだ。
「な、気持ちい過ぎて敏感過ぎるんだよ私のここもさ、だから…はうううっ!…」
「そっとですね、そっと、こんな感じですか?こうですか千雨さん」
「あ、あ、ああ、あ…」
はあはあと息を吐く千雨に、ぎゅっと抱き締められ、辛うじてネギの指の動きが止まる。
>>15 「千雨、さん?」
「ああ、ネギ、先生…すげぇな、これが私が出したのかよ…」
潤んだ瞳でネギを見た千雨が、手首まで濡れたネギの手を見る。
「はい、千雨さん、千雨さんのあそこ、凄く熱くぬるぬるしてて…」
「じゃあ、そろそろかな…」
相手がガキだからと自分に言い聞かせ、軽く膝を立てて大きく脚を開いてベッドに横たわる千雨の前で、
ネギはぽーっとその神秘の部分を目の当たりに、食い入る様に見入っていた。
真っ赤な顔でごくりと息を呑んだ千雨が、ネギの手を取って改めてそこへと導く。
「ここ、ここから溢れてるの、分かるだろ。これってさ、本当はネギ先生の、おっ、おおっ…」
しかし、ネギの指の動きは、千雨に講義の時間を与えなかった。
潜り込んだ中指が探り当てた時の千雨の反応を、ネギの鋭敏な天然女たらしの感性が逃す事は無かった。
「ち、ちょっ、まっ…」
「ここが気持ちいいですか、千雨さん?」
「あ、ああ、そうだよ、気持ちいい、だから、ちょっ」
「そうですか、気持ちいいんですか、ここも気持ちいいんだすよね♪
こんな風に、ぷっくり膨らんできれーです。そっと撫でてあげて…」
「まっ、中と外、ダブルちょっ、あひいぃぃぃぃ…」
「あー、一応言っておくが、小便じゃないからそれだけは言っておく。
だから上手過ぎるんだよガキが何考えて何やって生きてんだよエロガキイッ!」
顎からぽたぽた滴を滴らせ、呆然と千雨を見ているネギに千雨が叫ぶ。
そして、その唇をちゅっと吸う。
「たからさ…もう、ネギ先生も我慢出来ないんだろ、先っぽからとろとろさせてビンビン痛そうにして」
「あうっ!」
「いいって、隠さなくても、私の散々見てるんだし。
さっきから私ばっか一人でひぃひぃひぃひぃってさ、すっげー恥ずかしい。
ネギ先生も気持ちいい事、私で気持ちいい事したいっつーかさせる、
ちう様にここまでの事させた以上、絶対させるいーか分かったか?」
「はい」
顎から滴らせながらにこっと笑うネギを前に、千雨は熱くなる頬を自覚しぐっと拳を堪える。
「詰まり、ネギ先生の気持ちいい所を私の気持ちいい所に入れる。
やり方はまあ、指とおんなじだ、そう言う事だ」
再びベッドに横たわって脚を開いた千雨は、真っ赤な顔でぎゅっとネギを睨んでいる。
「はい、千雨さん…こう、ですか…」
ネギにもやって分かって来た。それが照れ隠しなのだと。
「おっ、ネギ先生のお豆に当たって…く、うっ…つっ…」
「千雨さんっ?」
「い、いいっ、いいからっ」
それは、明らかに苦悶の表情だったが、千雨に気圧されたネギはそれ以上は聞かず、侵入を続けた。
何より、ぐにぐにと呑み込まれる未知の感触は、もうネギ自身でも止められるものではなかった。
「…はううっ!」
「くうっ…」
>>16 「あの…千雨さん…」
「んー?」
ネギにのし掛かられ、肌と肌が触れ合い何より一番敏感な所を繋げたまま、
まどろんでいた千雨が返事する。
「…あの…大丈夫ですか?
さっき、何か痛そうな…」
「ああ、女のあそこって敏感だからさ、乱暴にすると痛かったりするんだ、特に最初はな、
私も最初だから聞いてるだけだけど」
「あのっ…」
言いかけたネギが、既に解かれた髪の毛を優しく撫でられて言葉を止める。
「覚悟の上だよ、こーゆー事するんだから。
なんつーか、今さらながら変態染みてるって言うかこんな事に純真なネギ先生誘い込んで、
謝るんなら私の方だ」
「そんな事、ないです。僕だって、千雨さんとこんなエッチな、その、僕もしたいって…」
「バーカ、だから、こーんなガキのエロ心に付け込む方が悪い、っつーか犯罪なの世間では。
ま、今んトコお互い納得してんだからいーけどさ。
けど、気を付けろよ、これが生物学的に何を意味するか、分かってるよな?
今日は、たまたま私が大丈夫な日だっただけだ、うっかり余所でおんなじ事したら
一発妊娠なんてのザラだからな、何せ、先生のドロドロに濃いぃ赤ちゃんの素を
私のお腹ん中、赤ちゃんのゆりかごにたぁーっぷり入れてもらったんですから」
「あうううっ」
それがようやく頭の中で理屈として繋がったネギが青くなる。
「あのっ、本当に大丈夫、なんですかっ?」
「ああ、大丈夫だ安心しろ」
そうとでも言っておかないと洒落にならない相手だと、
千雨が一番よく知っていたし、自分でもそう言い聞かせたい思いだった。
「最高のクリスマスプレゼント、有り難うございますネギ先生」
「え?」
「大好きな男性と初めてこう言う事をする、女にとって一生一度、すっごく特別なプレゼントですから」
「あ、あの、その…」
あわあわとするネギを、千雨は静かに抱き締めた。
「特別な日の特別な思い出、それだけで十分です。責任取れとか絶対言いませんから」
「僕も…嬉しいです、千雨さんの最高のクリスマスプレゼント。
千雨さんと、大好きな女性と初めてこう言う事するのって」
「有り難うな、嬉しいよ。その後に三十人くらい大切な女が続いてもさ。
ま、バチ当たりなのかも知れないけど、今夜は特別な夜、後腐れの無いお祭りで、
神楽坂にも本屋にも内緒の夜だ、決着は余所で付ける、そう言う事でいいだろ?」
「はい…その…有り難うございます」
まだ、どこか後ろめたい迷いの見える潔癖な少年、そんな所にも惹かれたのだと千雨は自覚する。
>>17 「Melly X’mas」
「Melly X’masです、千雨さん」
千雨が促し、二人は唇を重ねた。
「あっ」
「ふーん、やっぱり元気なエロガキなんですねーネギ先生」
「あの…」
「ん?」
「もう一回その、いいですか?さっきはその、千雨さん気持ち良すぎて、その、すぐに…」
「いいって、こーなったらもー遠慮なしでさ、矢でも鉄砲でも持って来いっての」
「はいっ!」
「ん、あっ、ちょっ、あんまし張り切り…いいいいっ!!」
「いいんですね、いいんですねっ気持ちいいんですねっ!!」
ネギの上でぷるぷる美乳を揺らしては絶叫し、
ネギに可愛いお尻を向けて前後に振り振り回転掛けながら絶叫し、その度に熱い口づけを交わした千雨が、
最後の力を振り絞ったアッパーの後にベッドの上の真っ白な灰になったのは程なくの事だった。
「う、うーん…」
何か、どこかの部屋をガンゴンゴンと反射して飛び回った気がするネギが、
女子寮の廊下でぶんぶんと頭を振っていた。
「あれ…僕?…ああ、そうそう、運動部の皆さんの部屋パーティーにお呼ばれしてたんでしたっけ」
腕時計を見たネギが、何故か廊下に放り出されていた服に着替えててくてくと歩き出し、
目的の部屋で四発のクラッカーに出迎えられて部屋に入る。
程なく、可愛らしい四人のミニスカサンタがパチパチ手を叩くネギの周りを行進し、
共に意味ありげな、恋する乙女の笑みを交わしていた。
リボンなナイト08−了−
後書きと言う程の事も無い季節のエロ話をお送りしました。
一足お先のMelly X’mas
>>1 スレ立て乙&GJ!!
お帰りなさい、ずっと待っていました!これからも期待しています!!
20 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 22:23:25 ID:/1L6ri8n
保守
21 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:52:00 ID:QXG3FBo/
晒し
保守
24 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 19:09:24 ID:InKWtuvu
保守
>>1の保管場所に全部保管されてないけどなんで?
他にもあるの?
新年からヤるのって秘め初めだっけ?姫初めだっけ?
>>27 後者だと思われ
これは期待していいのか?
ウホッ!
期待保守
保守
補しゅ
保守
保守
龍宮隊長…
37 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 10:24:35 ID:z0X+8nNx
ほしゅ
テオ×ネギで一つ
39 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 12:10:53 ID:5/wKIDsB
age
えー、G・Pen上の麗奴です。
早速ですが、季節の新作「09'ネギ節分の豆を食べる」、投下開始します
(使い回しタイトルばかりですいません)。
短期全二回投下予定です。
第一回投下、入ります。
2004年2月3日、
女子寮の一室では、龍宮真名が独り、レ○バンのシューティング・グラスを装着して
ガットリング・ガンを磨いていた。
女子寮643号室。
「いただきまーす」
ネギが、先端にちょいちょいと醤油を付けた海苔巻きをはむっと口にしていた。
「美味しい、ネギ君?」
テーブルを挟んだ向こうで、木乃香がにこにこ微笑んでいた。
「はい、日本では今日が節分でこの恵方巻きを食べるんですね」
「ええ、まあ、どちらかと言うと最近の風習ですが…」
お呼ばれしていた刹那が、苦笑して言った。
「でも、小さい頃一緒に食べてたなぁせっちゃん」
「え、ええ…」
「あ、せっちゃんご飯粒」
「い、いけませんお嬢様」
「もー、又お嬢様言うー」
「それで、このお豆は…」
ネギが、目の前の升を持ち上げて言う。
「あー、それまだ食べない、どっちかって言うとそっちの方がメインだから」
明日菜が言った時、玄関からチャイムが聞こえた。
「はーい」
木乃香がのんびり返答しながら立ち上がり、刹那がほっと胸を撫で下ろしていた。
「うおーっ、悪い子イネガー♪」
「がおー♪(棒読み)」
ハリボテの金棒を手にリビングに現れて、
両腕を広げて可愛らしく威嚇する虎縞ビキニ姿の裕奈とアキラを前に、
恵方巻きをくわえたままのネギの目は点になっていた。
「えーっと、これは女子寮の恒例行事で、毎年クラスごとにくじ引きで当番決めて、
鬼になって部屋を回ってるって訳」
アキラと共に頭に人参を二本装着した裕奈が、説明しながら腰に手を当ててにかっと笑った。
「去年は那波さん達の所やったもんなー♪」
木乃香が言った。
>>40 「それでは、始めましょうか」
升を手に刹那が言い明日菜が促す。
「はい、ネギもネギも」
「えっと、確か、節分ってお豆で…」
「そ、鬼に豆をぶつけるの、こうやってね、鬼はー、外おーっ!」
「鬼はー外っ!!」
「きゃあきゃあきゃあ」
「わーわー(棒読み)」
「えっと、あの、いいんですか?」
楽しそうだから良さそうではあるが、ネギとしては聞き返してしまう。
「節分と言うのは、鬼に豆をぶつけて追い払う事で、
厄払い、一年の悪い事を追い払って福、幸福を内に呼び込む、そう言う行事です」
「そ、いーからいーからじゃんじゃんやっちゃってー、そう言う日本の伝統行事なんだからー」
刹那の説明に裕奈がにかっと笑って言い、その後ろではアキラが優しく微笑んでいる。
「それでは、鬼はー、外ーっ」
「はいもっと元気よくーっ、一年の始まりなんだからー、この部屋だけいい事逃げちゃうよーっ」
ぱらぱらと豆を投げるネギに裕奈が言う。
「はいっ、鬼はー外ーっ!」
「たたたっ!その調子その調子っ」
裕奈が弾けるお肌に苦笑して言う。
「よーし、じゃんじゃん行くわよーっ、鬼はー外ぉーっ!」
「鬼はぁー外ぉーっ!!」
643号室斬り込み隊長神楽坂明日菜の号令で、一斉攻撃が開始された。
「鬼はー外ぉっ!福はぁー内いっ!!」
「きゃあきゃあきゃあ」
「わーわー」
裕奈と一緒に逃げ惑いながら、アキラがふと視線を向けると、
なんだかんだ言って思い切り叫んで体を動かしたネギが快活に笑っていた。
“…だんだん楽しくなってきた…”
「鬼はー外ぉーっ!」
「あたたっ、うぉーっ!」
「きゃーきゃー」
そんなアキラに木乃香のひとつかみがヒットし、アキラは両腕を前のめりに木乃香を威嚇し
刹那が思わず木乃香に前に回っていた。
「はい、せっちゃん」
「はい」
背後の木乃香の声に、刹那はにっこり振り返る。
「鬼はー外ぉーっ(×2)」
「うおーうおー」
「きゃあきゃあきゃあ」
笑って逃げ惑っていた裕奈がちょっと視線を向けると、ネギがふと手を止めてぽーっと立ち尽くしていた。
>>41 「ネギ君もう終わり?」
裕奈がにかっと笑って尋ね、ネギがハッとした表情を見せる。
「い、いえっ、鬼はー外ぉーっ!」
「きゃあきゃあ♪」
ミルクの様な頬にぽーっと朱を差したまま、ネギが慌てた様に豆を引っ掴んでバラ撒き、
裕奈が飛び跳ねる様に逃げ惑う。
そんな裕奈の、たぷんたぷんと虎縞からはみ出しそうな揺れに、又、目が吸い寄せられたネギが、
ぶんぶんと頭を振る。
「はい終わりぃー」
ハッとネギが後ろを向くと、明日菜が笑って升を逆さに振っていた。
「うちもや」
「私もです」
「あ、ぼ、僕もです」
「どうもー」
「それじゃあ、お休みなさい」
「お休みなさい」
「また明日ねー」
麗しきビキニ鬼が辞去した後、木乃香は換気扇のスイッチを入れた。
「はーい、お待ちどー。焼けたでー、イワシの丸干しやー」
「いただきまーす」
「はふ、はふっ、おいしーです♪」
「あれっ!?」
ふと、飲物の追加に台所に立った明日菜が悲鳴を上げた。
「どうしたん明日菜?」
「やだ、これゆーな達んトコのじゃない?」
明日菜が、目に付いた伝票を取り上げて言った。
「ほんまや。そう言えば、ちょっと数が違ごうてたなぁ。
お店に取りに行った時すぐ近くやったから」
「ちょっと行って来ましょうか、困ってるかも知れませんし」
「ネギ、行ってくれる?お願い」
プロローグみたいになりましたが、第一回投下、終了です。
次の投下いく前に、一言。
全国一千万のゆーなスキーの皆々様、マジごめんなさい。
先に謝っときます。
今回はここまでです。続きは折を見て。
43 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:28:19 ID:ZniRyU22
うほgj
では、第二回完結編投下、入ります。
>>42 「あー、しんどー」
「お疲れー」
回り終わって裕奈とアキラが一休みしている部屋に、
猫の目怪盗が虎縞になった様な姿のまき絵と、
下は水着のビキニショーツでも上はお腹から上と肩から内側がすっぽり入る虎縞水着の亜子が姿を現す。
「じゃあ、食べよう」
台所からアキラが恵方巻きを持って来る。
「いっただっきまーすっ♪」
「エビフライおいしー♪」
「こっちもぶっといの入ってるなぁ、やっぱ恵方巻きは景気ようないと」
「お茶お代わり持って来るねー」
まき絵が立ち上がった。
「きっつー、締めすぎだってこれー」
みんなと共に着替え前の裕奈が、脇腹の紐の下をぽりぽり掻いて言った。
台所近くで、まき絵は、チャイムに気付いてそちらに向かう。
「上がって上がってー♪」
「ん?」
テーブルの前であぐらをかき、左手に外したビキニブラをぶら下げて恵方巻きをくわえた裕奈の前で、
ネギが呆然と突っ立っていた。
「ごごごごめんなさいっ!」
ネギの悲鳴と共に、二人はぱっと背中合わせになった。
「んー、んー、んーっ!」
「ちょっと裕奈っ!?」
アキラの悲鳴にネギが振り返ると、アキラが突っ伏した裕奈の裸の背中を掌で叩いている所だった。
「大丈夫ですかゆーなさんっ!」
「大丈夫大丈夫、優しいねネギ君」
後ろに首を向けた裕奈が、生理的に涙のにじんだ目をネギに向けてにかっと笑う。
「先生ですから」
ふーっと胸を撫で下ろしたネギが言い、改めて裕奈を見たネギがわたたっと後退する。
「H♪」
「い、いえ、その、僕っ、なな、何もゆーなさんのおっぱいとか何も見てませんからっ」
胸の前に左腕を回した裕奈が、首を振ってわたわたするネギにこつんと右手の拳を下ろす。
「ごめんねー、女子校暮らし長いからさー、恥じらいってのがちょっとねー」
「は、はあ…」
カラカラ笑う裕奈の前で、ネギは背中を向けて俯いていた。
うつむいたままちょんちょんと指先を合わせて黙り込んだネギの横顔を覗き、
ミルクの様な頬が真っ赤に染まっているのを見てにまっと笑った裕奈の唇からは、ヨダレが一筋溢れていた。
>>44 「ネーギ君」
「はい…はわわっ!」
「うおおーっ」
「はわわわっ!」
ネギが振り返った途端に両腕を上げて威嚇する裕奈に、ネギはたたたっと跳ねる様に後退する。
「うおーっ、がおーっ、悪い子イネガー、おっぱい怖い子イネガー」
「はわわっ!駄目ですよゆーなさんイギリス紳士としてあうううっ!」
「痴女や…」
「痴女がいるよ…」
呆然と呟く亜子とまき絵の前で、ぶるんぶるんと豪快で奇妙な追いかけっこが展開されていた。
「ゆーな、いい加減に…」
どちらを向いたらいいか分からない状態で逃げ回っていたネギが、
不意に、顔にばふっとした感触を覚えながら行き止まりに突き当たった。
「…はわわっ!ごごっ、ごめんなさいアキラさんっ!!…」
ずぼっと胸の谷間から顔を出したネギが上を見上げ、慌てて後退した。
「い、いえ、ネギ先生こちらこそ。ゆーなっ、いい加減…」
「わ、分かった、分かった、にゃはは」
アキラの目が光り出す前に笑ってごまかす付き合いの長い裕奈だが、
それでもそのまま左手を腰に当ててぽりぽり後頭部を掻いているのだから、
ネギとしてはそっぽを向いてしまう。
「あっ」
「そやっ」
成り行きを見守っていたまき絵と亜子が、同時にぴょこんと声を上げた。
「うちらもそろそろ豆まきしよう豆まき」
「そ、そうそう、ゆーなもいい加減着替えて」
「そ、そーだね」
「それじゃあ、僕はそろそろ」
「うん、有り難う」
「あったあった」
「お豆やでー…」
テーブルの対面に立って豆の升を取ってそこから移動しようとしたまき絵と亜子が、
何となく慌ただしく移動を開始していたその他の一同の前で正面衝突する。
「ひゃっ!」
「わあっ!」
「へっ?」
「わっ」
「あっ」
バラ撒かれた硬い豆はほとんど同時にそれぞれの足の裏に入り込み、コントの様な阿鼻叫喚の巷が現出した。
「わっ!」
「危ないっ、ネギ君っ!!」
>>45 本来、武術の達人であるネギにとって受け身などなんでもない事なのだが、
それでも、目の前で転倒しようとするネギへと倒れ込みそうになった裕奈は、
とっさにネギに飛び付いていた。
そのまま、ぎゅっと全身に押し付けられる感触に、ネギは自分の頬、その他の場所の熱さを痛い程感じる。
「アキラパーッスッ!!」
「はいっ!?」
勢い余るのを感じた裕奈の声に、尻餅を着いていたアキラが悲鳴を上げながら小さな先生の体を受け止めた。
“…ネギ先生小さい、でも、やっぱり結構しっかり…”
「ううっ!」
既に到達していた限界が弾けたネギのうめき声で、
床での回転が止まった後、自分がぎゅーっとネギを抱き締めていた事にアキラは気付いた。
「ネギ先生?」
そして、目の前で真っ青になっているネギの異変にアキラが気付く。
ネギの目から、ぼろりと一粒の涙がこぼれ落ちた。
「ご、ごめんネギ君。調子乗り過ぎた。ネギ君が悪い訳じゃないから、悪いの私だし、
ま、その、ほら、健康な男の子ならフツーの事とか聞いてるし」
「そ、そやそや、ゆーなが悪い、なーんて事あらへんてうちの兄貴なんてもうあれやあれ」
「そう、事故、事故だって事故、私の弟だってさーなんたらかんたらー、ネギ君もお年頃なんだねーアハハー」
「と、とにかく、シャワー入ろ、このままじゃ帰れないでしょ、バレたら私達もアスナに殺されるし。
その、お風呂で洗濯していいから、ね」
一番しっかりしている筈のアキラがフリーズしている中、沈黙の内に辛うじて事態を察した裕奈が
しゃくり上げるネギに言い、ネギがとぼとぼと浴室に向かう。
「…ネギ先生…」
うつむいてぽつりと言うアキラに、一同顔を見合わせた。
「…うぐっ、えぐっ…」
シャワーの降り注ぐユニットバスの中で、啜り泣きながら座り込んでいたネギが、
気配に気が付いてハッと振り返った。
「ゆーなさん、アキラさんっ!?」
ネギがわたわたしている間に、登場した裕奈とアキラは唯一身に着けていたバスタオルもとって
広くもない浴槽に入り込んでいた。
「あ、あああのっ、ゆーなさんアキラさん」
「うちの部屋の事故だからさー、責任持ってぴっかぴかにして上げるねーネギくーん」
「だだ、駄目ですよゆーなさんっ、自分で出来ますっ!!」
「なーんて言って、いっつもアスナに引っ張り戻されてるお子ちゃまって誰だったかなー」
「あううー」
それを言われると弱い。にかっと笑った裕奈が、まだうつむき加減のアキラをちらっと見る。
「それに、きちんときれいにしとかないと、やっぱアスナ怖いからねネギ君の事だとさー。アキラ」
「ごめんね、ネギ君」
「いえ…」
アキラに羽交い締めにされ、直接背中に伝わる感触に、ネギは見る見るそこここに血が昇るのを自覚した。
>>46 「うわー、こんな風になるんだー、いきなり元気になってー」
「ううっ…あうっ!」
泣き出しそうになったネギの肩を、裕奈ががしっと掴んでいた。
「いいよ、ネギ君。私がいいって言ってるんだからいいの。ネギ君が悪いんじゃないの。
アキラ綺麗だからさ、あんな状態だったらネギ君があんな事になるのも当然だし、
それが男の子ってもんなんだって、ネギ君先生でしょ保健体育とか知ってるんでしょ?
あんましネギ君がうじうじしてると、アキラ傷付いちゃうよ、
アキラ真面目で責任感じ易いんだから、分かるでしょネギ君」
「…はい…」
離れた裕奈に目線を合わせられたネギが、こくんと頷いた。
「ふーん、で、やっぱりそっち見ちゃうんだ」
「あううっ、あのっ、その…」
「いいっていいって、おーにさーんこーちら、手ーのなーるほーうえっ」
「?」
「ネギ君エッチなのやだったらさ、今だけ、悪い子になっちゃおうよ。
今日だけネギ君、鬼になって追っ払っちゃうの」
「はあ…!?」
裕奈の柔らかな両手で頬を挟まれ、唇を奪われたネギが目を見開いた。
「へへっ、まずは、こっから始めないとね。一杯キスしてるんだよね、ネギ君」
「は、はい、その、ごめんなさい」
「謝んなくていいって、みーんなネギ君の事大好きなんだから。
ネギ君、ゆーなのおっぱい、怖い」
「凄く、その、綺麗で、柔らかそうで…」
裕奈の問いかけに、ふるふると首を横に振ったネギが言う。
「柔らかそうかどうなのか、ホントの所、試して見て」
「はい」
両手を腰に当てた裕奈に突き出す様な態度で言われ、ネギは、そーっと両手を伸ばしてみた。
「鬼なんだからがばっと掴んでみ掴んで」
「はいっ」
「どう?」
一瞬、僅かに顔をしかめた裕奈が尋ねた。
「凄く、柔らかいです」
「ん、んっ…」
「ゆーなさん?」
「ネギ君の手、気持ちいい。もっと、もみもみしていいよ」
「こうですか?」
「んんっ、何?ネギ君、いいんだけど…」
急成長期の痛みが、ネギの繊細な掌によってじわじわと、予想しなかった程の快感に変わっていく。
そして、目の前で頬を真っ赤にしながら真剣な表情、眼差しを向けるネギを見ると、
裕奈の胸は、身も心も、何かきゅっとしたものを感じてしまう。
>>47 「あんっ」
「ゆーなさん?」
そんな裕奈の声に、心配そうに見上げる顔。ごくりと生唾を呑み込みそうになった裕奈は、
その代わり、にこっと笑みを返す。
「ネギ君、すっごい上手。ご褒美に、今度はちゅうちゅうしてみる?」
「え?」
「そ、おっぱいちゅうちゅう、興味あるんでしょこのこのー。
いいよー、ネギ君、もうこーなったらエロ教師の次は赤ちゃんでもなっちゃいなってー」
肘でネギを突きながらカラカラ笑う裕奈だったが、今でさえこうなのだから、
ネギがこの先に進めばもしかしたらもっともっと、と、言う期待が理性を振り切り始めている。
裕奈は、その事に気付いている様な気付いていない様な、ただただ、狭い浴槽の窒息しそうな暑苦しさと
ネギの全身が裕奈にもたらしている体の中から沸き起こるものに身も心も支配されつつあった。
そんな裕奈の複雑な心中を知ってか知らずか、ちろっと上目遣いに見上げたネギに
裕奈はニッと笑みを返し、ネギは、改めて目の前の豊かな膨らみに目を向ける。
たっぷりとしながらしっかりと張りのある膨らみ、その先端のピンク色の小さな蕾は可憐な程だが、
それでも、硬く上向きに尖ってその存在を示している所に、ネギはちゅっと唇を寄せた。
「ん、んっ…」
何度か、優しいキスを浴びせ、裕奈のくぐもった様な声を聞いたネギは、
意を決した様にはむっと口に含む。
「はうっ」
「ゆーなさん?んっ!?」
思わず背筋を反らして叫んだ裕奈の声に、ネギはぱっと口を離す。
裕奈は、そのネギの後頭部を右手で押さえ付け、押し付ける。
「あっ、いいっ、いいよネギ君、いいっ、ああっ…」
嬉しそうな裕奈の反応に、ネギはその声を頼りに探り当てるまま、
目の前の乳房の甘い香りと共にちゅうちゅうと乳首を吸い、時折裕奈の可愛い声が聞きたくて舌でいたずらし、
空いた掌でたっぷりとした弾力を繊細に、時に力強く掴み取る。
「うぷっ!んんっ!?」
ネギが後頭部をぎゅーっと抱かれた時には、既に浴室に熱い吐息とうめき声がくぐもった響きを続け、
顎を天井へと傾けた裕奈の唇の端からはたらりとヨダレが溢れ、
何より、狭い浴槽で密着したネギの気付かぬ所で
浴槽の床には裕奈のお尻の下から水たまりが広がりつつあった。
「ぷはっ!」
「すっごい、ネギ君」
腕の力が緩み、窒息寸前から脱出したネギが見上げると、
裕奈から潤んだ瞳を向けられながら熱い吐息混じりに言われ、ネギはドキッと胸が鳴るのを感じた。
「あ、あの、ゆーなさん…あうっ!」
「すっごく、気持ちよかったネギ君、おっぱい触られるだけでこんなに気持ちいーって
どーゆーテクニシャンなのよーネギくーん…ん?」
「あっ…」
改めてぎゅっとネギを抱き締めていた裕奈は、真っ赤になって下を向いたネギに、
身を離して優しく笑いかける。
>>48 「だよねー、ゆーなのセクシーダイナマイト零距離攻撃だもんねー」
にこにこ笑いながら、裕奈は、その豊かな膨らみにぴっぴっとベビーオイルを垂らす。
「あの、ゆーなさん?」
アキラが浴槽の縁に座り、にまっと笑って浴槽を這い始めた裕奈の姿にネギが息を呑む。
「大丈夫大丈夫、一杯気持ちよくしてくれたんだから、ネギ君も一杯気持ちよくしてあげるねー、
ネギ君が一杯気持ちよくしてくれたー、ネギ君が大好きなゆーなのおっぱいでー」
「え?あ、あうっ!」
逃げ場のないバスタブで、柔らかな双つの膨らみの間に、
幼さを残しながらも一杯に反り返ったものを上から挟み込まれ、
最初のずるっとした感触にネギはまず悲鳴をあげた。
「うわー、カチカチー、それに熱くなってるー」
「あ、うっ、ゆーなさんっ」
「どう?ゆーなのおっぱいでこーゆーの?
おっぱい大きいと、男の子ってこーゆーの喜んでくれるって」
「ゆーなさん、どこでそーゆー、あっ」
「んふっ、女の子もね、興味津々色々いけないおべんきょーするんだよー、うりうりうりー」
「凄く、柔らかくてぬるぬるして、温かい、あっ、気持ちいい、あっ、
だっ、駄目ですゆーなさんああっ!」
ネギの女の子の様な悲鳴は、それだけで裕奈の心身にきゅうっと熱く響き、
上でも下でも口からたらりとヨダレを垂らして一瞬脳裏を真っ白にするに値するものだった。
「あっ、あのっ、ゆーなさん、僕っ、僕またその…はうっ!」
ネギが謝る前に、ぺろりと顔を伝う青臭い汁に舌を這わせた裕奈は、
たらりと柔らかく垂れたネギの男に静かに唇を寄せた。
「はううっ!だっ、駄目ですよゆーなさんっ、そんな汚れてあうっ!」
「ネギ君、二回目なのに一杯出るんだねー、ちょこんってかわいーんだー」
ぺろぺろとネギの汚れをその口と舌で清めていた裕奈が、はむっとひと思いに口に含む。
「は、あっ!ゆーなさん駄目っ…」
「んっ、んんんっ…ぷはっ!可愛かったのにもうこんなにビンビンになって、
出したばっかなのに元気だねーネギ君のー」
「ゆ、ゆーなさんのお口、凄く、気持ちいいから…」
「ふふっ、じゃあ、そろそろ私も気持ち良くしてもらおーかなー」
「?」
「どう?」
促されるまま、バスタブで緩く脚を開いた裕奈のその開かれた付け根に顔を寄せたネギに裕奈が尋ねる。
シチュエーションを頭で、バクバクと心臓が鳴りそうだったが、
目の前で真っ赤になって、それでも大真面目に眼差しを向けているネギの顔を見れば、
それも裕奈の中では燃え盛る何かに変わりつつあった。
>>49 「…ピンク色で、ぬるぬるしてる…」
「それは、ネギ君が色々気持ちよくしてくれたから。
でも、もっともっと気持ちよくなるの。ネギ君、そこ、豆粒みたいの、見える?」
「はい、ピンク色で、つやつやしたのがはみ出してて、綺麗です」
「ありがと。そこがね、そこが、女の子の一番気持ちいい所。
気持ち良すぎて、触りすぎると痛いから、周りから少しずつ、優しく…あっ!」
「痛かったんですかっ?」
「ううん、すご、ネギ君。何よネギ君女の子の指よりも繊細で上手ってちょっと悔しいああっ!」
「気持ち、いいんですか?」
「気持ち、いいっ…ああっ!はっ、はあああっ!!」
恐るべき勘と器用さで、裕奈のその部分の扱いを早々にマスターし、
献身的な指導係を振り回すまでになっていたネギを前に、
裕奈は悲鳴を上げながら自らの欲求に従うしか無かった。
「あああっ!ネギ君、ネギ君っ、ネギ君のその気持ちいい指で、中、中もお願いっ!」
「中、ですか?」
「ここ、ここの中っ!」
裕奈は、思い返せば恐ろしく破廉恥な事をしたものだが、自分の指を、そこに軽く埋めて見せた。
「あんまり、奥までは駄目よ、まだ…あ、ああっ!!」
ネギの器用で繊細な指に早くも中から内側の急所を直撃され、
元々、期待と僅かな知識はあっても怖さからそこには深入りせずにいた裕奈は背筋を反り返らせて叫んでいた。
「ああっ、いいっ!ネギ君っ?え?はあああっ!!だ、駄目汚いあああっ!!」
「きれーです、ゆーなさん」
柔らかく、素晴らしく繊細な動きの舌で、ぷっくり熱く膨らんだ一番敏感な箇所をぺろぺろと撫でられ、
裕奈の悲鳴はいよいよもって切羽詰まったものになっていく。
「ああっ、いいっ、いいネギ君いいっ!ネギ君、ネギ君私の、私のお豆ちゃん、
お豆ちゃん気持ち良くぺろぺろってはああああっ!!」
「ゆーなさんっ!?」
悲鳴と共に痙攣し、ガクンと脱力した裕奈にネギは慌てて身を寄せる。
そんなネギに、裕奈はにこっと笑って唇を重ねる。
ネギは、優しく裕奈をかきだきながらそれに応じた。
「ネギ君の、熱い、お腹に当たってる。一緒に、一番気持ちいい事しよ」
「はい」
分かっているのか分かっていないのかよく分からないネギを、
裕奈は実経験の無さはおいといてお姉さんとして意を決して導いていた。
浴槽の底に尻餅を着きそれ以外を少し浮かせる形で浴槽に横たわる裕奈に、
ネギが覆い被さる形になる。
「分かる、ネギ君?ネギ君のその、元気なビンビンの男の子を、ね、ゆーなの、そこに…」
ネギが、小さく頷いた。きゅんと来る様な、真剣な、男の子の顔だった。
もう一度、ネギと裕奈が頷き合う。
>>50 「ううっ!」
「あっ」
「ゆーな、さんっ、僕ああっ…」
客観的にはほんの一瞬の事だった。
はあはあと荒い息を吐いていたネギは、裕奈にぎゅーっと抱き締められ、
その涙の浮かんだ笑顔を見た時、幸せだった。裕奈も、幸せだった。
「我慢出来ない、アキラ?」
たっぷりと二人の世界を堪能した後の裕奈に言われ、
いつしかバスタブに腰掛けたまま大柄な体を一杯に縮めて身もだえしていたアキラは、
虚を突かれたアキラの顔が見る見るユデダコの様に真っ赤になった。
「あっ、そのっ、ゆーな…」
普段のしっかり者が、標準よりは抑え込んだ態度ながらもあわあわしているのに、
裕奈はにまっと笑って隣に腰掛ける。
「ねー、ネギくーん、ほら、水着の跡、いっつも真っ白なのにピンク色に火照っちゃって、
白くておっきいおっぱい、ピンク色の乳首こーんなにピンピンなっちゃって」
「んんっ!」
「ほれほれネギ君、アキラもね、ネギ君かわいーから、見てるだけでこんななっちゃったよー」
「ああっ!」
その、アキラの逞しくも美しい太股の間に突っ込まれた裕奈の手が引き抜かれ、
つーっと指の間で透明な糸を引くと、アキラはバッと顔を覆ってうつむいてしまった。
「ね、ネギ君、私もういいから、アキラの事、ね」
にこっと笑った裕奈の言葉に、ネギが小さく頷いた。
「アキラさん」
アキラの前に立ったネギの前で、アキラはいやいやと首を横に振る。
「アキラさん、すごく、可愛くて、きれーです」
アキラの目が見開かれ、首の動きが止まる。
ネギがアキラの手をどけ、アキラは、涙の浮かんだ瞳でネギを見る。
「可愛いです」
ネギが静かに唇を寄せ、アキラは、拒まなかった。
アキラが、ネギをきゅっと抱き締め、ネギもアキラの背中に腕を回す。
「アキラさんの胸、大きくて、綺麗ですね。アキラさん、その…」
アキラは、残りの涙を僅かに光らせながら、苦笑して小さく頷いた。
「ああっ!」
「ね、いいでしょネギ君のおっぱい大好きもみもみちゅうちゅう」
「ゆーなっ、ああっ!」
やっと裕奈をたしなめようとしたアキラだったが、その全身を突き抜けるものはどうしようもなかった。
「恥ずかしい…」
バスタブの縁に座ったまま、緩く脚を開くアキラが消え入る様な声で言った。
「大丈夫大丈夫、そんなのすぐ忘れるから、ね、ネギ君」
「綺麗です、アキラさん」
>>51 バスタブの中に座ったネギの言葉は、本心だった。
裕奈とアキラ、共に、新鮮なピンク色に蜜が乗っててらてらと生々しくも初々しく濡れ光っていた。
その上を覆っているのは、裕奈は見苦しい程ではなくてもしっかりと元気いっぱいに黒く艶めいていたが、
アキラのそこは、ピンク色の輝きをそのまま見せる様に、
アキラ本体から見たらむしろ控え目なくらいにうっすらと飾っているだけ。
どちらも、ネギにとっては息を呑む女性の神秘であり、魅力だった。
「恥ずかしい…!」
裕奈の言葉通り、ネギのアプローチと共に、アキラは叫びを響かせてその豊かな裸体を反り返らせた。
自分でも知らない訳ではなかったピンク色の小さな宝珠が、
じわじわと入念に周囲を刺激していた指で剥き上げられ、
蜜と共に本人よりもずっと繊細な手つきで磨き上げられる。
そんな繊細で器用な指は、アキラのなかに潜り込んでもその才能を存分に発揮する。
いつしか、目を閉じて全てを忘れかけていたアキラは、ぴちゃぴちゃと言う音の正体に気付き
再び顔を覆って泣き出しそうになるが、その源から背筋、脳天へと突き抜ける真っ白なものは、
アキラにその羞恥の余裕すら与えなかった。
「とっ!」
バスタブの縁に座る姿勢で、バランスの崩れそうになるアキラをネギが支える。
「やっぱ、これはちょっと危ないよね」
指に顎を乗せて裕奈が言った。
「やっぱりアキラさん、大きいですね」
もう、すっかり普段のリーダーシップが逆転して裕奈に促されるまま、
壁に両手を着いてお尻を突き出したアキラに後ろから抱き付き、
その白く豊かな背中に頬ずりしたネギが言った。
「肩幅とかも広いし、女の子っぽくないでしょう」
「胸も大きくて、凄く、柔らかくて気持ちいいですアキラさん」
首を小さく横に振り、ネギは静かに言った。
「うわー、ジゴロー、どこで覚えるのそーゆーの」
バスタブの中で裕奈がぼそっと言う。
「アキラさん」
ネギの真摯な囁きを豊かな黒髪越しに聞き、アキラは、小さくこくんと頷いた。
「ああっ!」
お尻に当たっていた熱く、硬いものが、力強く貫く、その一撃に、アキラはくうっと頭を上げる。
「うっ、く、アキラさん、アキラさんの中、ぬるぬるしてきゅうきゅうして…」
「ふふっ、アキラ、気持ちいー?腰がくねくねして来て、ネギ君今度は根性見せよーねー♪」
「ううっ、アキラ、さん」
「ネギ先生、あっ、恥ずか、しい…」
“…だんだん気持ちよくなってきた…”
「ああっ!」
アキラの中で、ネギの男がポイントを探り当て、ネギの動きが伝わり、それはアキラの甘い悲鳴へと変わる。
「はっ、あっ、ああっ、ネギ先生ネギ君ああっ!」
「んんっ、アキラさん、アキラさんっ!」
>>52 壁に手を着き、豊かな黒髪をぞろりと垂らしながら、アキラが熱い吐息と共に喘ぎ、
あのアキラがもう貪る様に、それも年端も行かぬ男の子を求め続ける。
その、逞しい程に大柄で豊かなアキラを、可愛らしい子供先生が壊れそうな程に腰を振り、
目を閉じて一心不乱に力強い突きを浴びせ続ける。
バスタブに掛けた裕奈が目を見開き、ごくりと息を呑みその右手がもうぬるりと溢れている所をぎゅっと掴む、
その目の前で熱く甘い二つの悲鳴が絡み合い重なり合い、熱い吐息だけがその後に続いていた。
「お疲れ、ネギ君」
アキラと一時離脱のキスを交わし、バスタブに座り込んだネギの前に、
裕奈も又、たわわに実った裸体を丸出しにして座り込み、ぱくっとくわえ込んだ。
「ゆーな、さん?」
「ふふっ、ネギ君の残りと、アキラの、おいしーよネギ君。
ほらー、ネギ君のかわいーカッパ巻き、もうこんな元気な恵方巻きなってるし」
ちゅぱちゅぱとお掃除を終え、上目遣いと言う対男性必殺キラーアイを向けながら
じゅるりと唇の端を拭った裕奈に、ネギの背筋はぞくっと凍えた。
「私のお豆もいっぱいぺろぺろしてくれたもんねーネギ君。
ネギ君の恵方巻きってば、食べ応え満点だもん。モチ、一番おいしー所で、ね♪」
「あううー、シャンプーは、シャンプーはぁー」
巨人を含む三人ぎゅう詰めのバスタブから、泡と悲鳴が噴き出す。
「だーめ、女の子の匂いまでぷんぷんさせたら帰れないでしょネギ君。
もーっ、アキラもゆーなもあんなにしちゃって、しばらく腰立たなかったじゃないのネギ君てば」
裕奈にじゃぶじゃぶ丸洗いされながら悲鳴を上げるネギを、羽交い締めにしながらアキラが苦笑して見ていた。
この部屋で辛うじて着る事の出来るTシャツとショートパンツ姿のネギと
似た様な格好の裕奈、アキラがバスルームを出ると、まき絵と亜子は床で寝息を立てていた。
苦笑したアキラが、二人に上着を掛ける。
裕奈とアキラがネギを挟む形で、三人は床に座っていた。
「どうだった、ネギ君?」
「え?あ…」
裕奈の笑みに、ネギが下を向く。
「その…凄く…良かったです…」
「良かった…ゆーなとアキラの、女の子の一番大事なものだもんね」
「ですよね、やっぱり、その…」
「大丈夫だよ、ネギ君、誰かに喋ったり責任取れとか絶対言わないから、ね、アキラ」
裕奈の、真面目な響きの言葉にアキラも頷いた。
「ちょっと、羨ましかった」
「?」
「アスナとかこのかとか本屋とかさ、ずっと除け者だった訳だし」
「ごめんなさい…」
うつむくネギに、裕奈は小さく首を横に振った。
>>53 「何て言うのか、特別な絆って言うか信頼みたいな、ね。
それに、可愛いって思って、普段はちょっと頼りないかなーってトコあっても、
学園祭でもあっちの世界でも、すっごく格好良くて男前で、
そんないい男と、そんな、バッチリ戦ってるあの娘達が、そんな絆がさ。
格好いい言い方しちゃうと、そう言う順番で出会ったりなんかするのも運命だって、分かってるから
責めたりするのは筋違いだって、それはちゃんと分かってるから。でも、ちょっと羨ましい。
だからかな、なんか、調子乗ってこんな事までしちゃって。はしゃぎ過ぎたよね」
「そうですね、ちょっと、やり過ぎですねこれはやっぱり先生として」
三人が、にこっと笑って頷き合う。
「でも、素の、男の子のネギ君、見れて良かった」
「その、本当に、色々有り難うございましたゆーなさんアキラさん」
ぺこりと頭を下げるネギに、二人は小さく頷く。
「ま、あれだ、ね。やっぱまだ退学とかアスナに殺されたくない訳だし。
ちゃーんとネギ君が大人になって相手が見付かるまでは、ああ言うのは自分でしなさいって、
その、男の子ってそう言うもんなんだって、ね、ネギ君」
赤い顔で言う裕奈に、ネギも苦笑を浮かべて頷いた。
「そういうもんなんだってねー、今夜は大暴れだったもんねーネギ君。
鬼さんこちら、おっ」
そんな裕奈に、ネギはきゅっと抱き付いていた。
「えへへ」
「甘えんぼ。ゆーなのおっぱい忘れられないかー?」
「それは、無理ですよゆーなさん」
裕奈がネギの頭をくしゅくしゅと撫でて、ネギがえへへと笑う。
「じゃ、もうちょい鬼を追っ払っちゃいますか」
裕奈がにかっと笑い、ぽっと赤くなったアキラが小さく頷く。
ネギが、ちゅっちゅっと二人の唇を吸う。
既に、向かい合って意図的に寝息を立てていたまき絵と亜子の左目と右目は、一瞬開いて会話を交わしていた。
美しい黒髪が乱れ、たっぷりとした膨らみが揺れ、汗まみれの豊かな肉体が悶えくねり
シーツに止め処なく蜜を滴らせて喘ぎ悶えぷりぷりとお尻を振って懇願する。
そんな、たっぷりと成熟しながらも青さの残る瑞々しい美少女達に、
若い、と言うより幼いその見かけからは遥かかけ離れて、
既にその反則的飲み込みフル稼働の繊細過ぎる技巧と逞し過ぎる打ち込みで雄々しく君臨している。
その脇ではゴブリン×2が掛けられた上着の下からずるずると匍匐前進し、
ギシギシと振動を続けるベッドの柵にそのほっそりとした十本の指が掛かり、
四つの瞳がランランと輝いていた。
しかし、その事は、その可愛らしい使徒が全てを脱ぎ捨てキシャーッと躍り込むまでは、
その爛れた楽園の住人には知った事ではなかった。
>>54 「おー、ネギーいるかー?ちづ姉ぇからお裾分けやでー」
ザルを両手持ちに女子寮643号室を訪れた小太郎は、文字通り杖に縋り付いて生還し、
前のめりにどうと倒れて真っ白な灰になったネギの勇姿と、
その脇に座って唇をにいっと歪める明日菜を見た。
「あ、コタロー君、ちょーど良かったわー♪」
「あ、千雨ちゃん♪」
「よう…」
女子寮の廊下で、ふとそちらを見た千雨は、足を止めた。
「あ、これ、お裾分け、那波さんからみんなにだって♪」
「あ、ああ、サンキュー」
千雨は、明日菜から、真っ赤に熟れたごく一般的なスーパーでもよく見かける品種のトマトを受け取り、
引きつった笑みを浮かべる。
「で、神楽坂はこれから…」
「うん、ちょっとお裾分けに」
「どこに?」
「ちょっと、鬼ヶ島まで」
「あっそ」
千雨は、背後に小さく首を横に振る刹那と小太郎を従え、
赤いアーマーの肩当てに巨大な剣の峰を掛けてにこにこ笑って悠々進む明日菜を黙って見送る。
触らぬ神にたたり無し。
「……はどこだ!?出てこい……!!」
「山へ芝刈りに川に洗濯に行きましたあっ!!」
「ってかあんたらも同罪っ!!」
「ひいぃーっ、ごめんなさあぁあーいいいっっっ!!!」
「09'ネギ節分の豆を食べる」−了−
ゆーながDQNな痴女に気持ちよくキャラ崩壊してるしまき絵亜子に至っては省略だしorz
ゆーなとは初作品以来の付き合いでお気に入りではあるんですが今回は…もっぺん言っときます
マジごめんなさい。
まあ、そんなこんなですが、とにかく鬼ネタのエロ話って事でやってみました。
日付が変わってしまいましたが今年一年いい年でありますように。
GJ!!
57 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:15:26 ID:59j3NZJI
GJ
こんこん。こんこん。
風邪を引いちゃって布団の中。あぁ、せっかくのお休みなのに私の馬鹿
「大丈夫?夏美」
あ、ちづ姉が帰ってきた。私が起き上がって出迎えようとしたら、ちづ姉は肩に手を当てて
私を布団に寝かせなおした。
「無理をしちゃだめよ。まだ顔が赤いわ」
外から帰ってきたばかりのちづ姉の冷たい手が熱っぽい私の肌に心地いい。やっぱりちづ姉は優しいなぁ。
「それより、私、夏美のためにいいもの買ってきたの」
「え?何?」
そういえば買い物袋持ってたっけ。何だろ。プリンかな?ヨーグルトかな?
「……ネギッ!」
しかも長ネギッ!や、止めて!良い笑顔で近寄ってこないで!それはダメッ!迷信、都市伝説!
何よりそんな分かりやすいオチ、だれも求めてないよちづ姉!
「あぁあーっ!」
ちづ姉は私の制止も聞かずに、私をうつぶせにひっくり返して、ネギを……首に巻いた。
ネギの香りが鼻につーんとして何か気持ち良い。冷たいし。
「うふふ、びっくりした?本当の恐怖はこれからよ」
うん、ちづ姉を信じてたよ。やっぱりちづ姉は優しいなぁ。
……あれ?今何かおかしな事を言われたような……
ん?なんでちづ姉は私のパンツ下ろしてるの?恥ずかしいよぉ…あんっ、そんなトコ触っちゃダメ…
「ち、ちづ姉…何を、んっ、くすぐったいよぉ」
ちづ姉は何も言わずに笑いながら、私のアソコをハケみたいなモノで擽ってくる。
ちくちくした感触が凄くむず痒くて気持ち良い。
「あっ、あんっ…な、何これ…っ」
首に巻いたネギの匂いに自分の汗のにおいが混ざって不思議な気分。ちづ姉も笑顔でその匂いを吸い込んで楽しそう。
「芽ネギよ。風邪にはネギが良いって言うでしょう」
芽…ネギ……?良く見たら確かに私を苛めてるのはネギ。小さいネギがいっぱい、ハケみたいに束ねられてる。
「な、やだぁ、汚いよぉ!」
「大丈夫、あとで清潔にしてあげるから」
こうして、私は風邪を引いて具合悪いのにちづ姉にたっぷり遊ばれた。
それでも次の日にはけろっと風邪が治っちゃった……ネギって凄いなぁ
==終わり。お目汚し失礼しました
59 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 19:25:31 ID:6OqVsCUX
乙です
まぁ、ちづ姉だし
60 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 18:45:34 ID:abSog7h0
保守
で、テオネギはまだかな?
保守
63 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 19:57:52 ID:JHrmhj+D
保守
64 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 03:57:23 ID:LeE5OuWf
保守
65 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 22:39:47 ID:K/Z7ClOa
じゃ、保守で
早速ですが、ネギアキラ凌辱腐臭あり作品「G・Pen上の鉄槌」投下します。
前後編全二回投下予定です。
これから前編投下しますが、前編はエロ描写が特化型になっていますのでご注意を。
それでは投下、開始します。
「あー、いたいた亜子ちゃん、これ持ってってー」
「はーい」
「…分かりました…」
「決まりだな」
ちょっとしたタイミングのズレ、運命の悪戯と言うものは世の中ままあるものでございます。
「買ってきました」
とある休憩室、ネギの腹に、飲物を受け取ったトサカの蹴りが突き刺さる。
「あーっ、トマトミルクじゃねーかっ!!
ミルクトマトっつっただろナメてんのか、あーっ!?
何だその目は自分の立場まだ分かってねーみてーだなあおいーっ!!」
トサカが歪んだ笑みを浮かべ、ネギが電撃と共に床をのたうち回る。
「か、はあっ…」
「分かってんのかぁー、俺が一言通報したらどうなるかってよぉ、
ほら、どうなんだ、あ?」
「す、すいませんでした、トサカ様…」
ぐっと歯を食いしばり、床に平伏するネギを見下ろしていたトサカが、
片膝を着いてネギの髪の毛を掴み挙げる。
「しかし、マジでこんなガキだったなんてなぁ。に、しても…」
顔を上げたネギは、にいっと笑みを浮かべたトサカの顔に、何かぞわっとしたものを覚えた。
「こうやって見ると、男にしとくのもったいねーツラしてんなぁ…」
>>66 「?」
大浴場を訪れたアキラは、奇妙な水音に気付き、そちらに足を向けた。
時間的にも、視覚的にも無人の筈なのだが、そうではない音がする。
「ネギ、君?」
辛うじてネギらしいと分かるその人影は、腰掛けに座り、上からシャワーを浴びたまま黙ってうなだれていた。
「ネギ君?確かそろそろ…」
トンとアキラが触れた肩から、ビクッと震えが伝わる。
ハッとアキラを見たネギの顔は震え、シャワー越しにも分かる程に涙に濡れて瞳の焦点は合っていなかった。
「ネギ君!?どうしたんだネギ君何があったのっ!?」
慌てて両肩を掴み、余りにも普段とはかけ離れた姿に普段の冷静さが吹っ飛んだアキラの問いにも、
ネギは嫌々するばかりだ。
「首、輪?…」
「あー、いつまで風呂入ってんだー?いい加減…ほぉ…」
休憩室の床に、現時点では絶対君主であるトサカの命に為す術無く、着替えたネギとアキラが正座をしていた。
「どう言う事、なんですか?」
俯いているネギに代わり、アキラがぐっと前を見て尋ねた。
「ああー、このガキ、お前らの先生なんだって?それでお尋ね者…知ってたんだよなぁ…」
アキラが、ぶるりと震えて下を向いた。
「いやー、死刑になりたくないからなんでもしますトサカ様って英雄の息子から土下座で頼まれたからなー、
そこまで言われたら俺としても多少は同僚のよしみって奴があるから、
こうやって奴隷扱いで勘弁してやってるって訳だ」
アキラが、ちらっと横を見る。ネギは、悔しそうに下を向く事しか出来ない。
「ネギ先生に何をしたんですか?」
「何をしたかって?ナニをしたんだよ。知りたいかアキラちゃん?
生徒が知りたいって言ってるんだけどどーすんだ先生?」
トサカの言葉に、ネギは、蒼白な顔で尋常ではない震えを見せ始めた。
「ネギ、先生?」
「ファイナルアンサーがねーなぁ。それじゃあきちんと教えてやんねーとなぁ、先生なんだからよ」
>>67 トサカがスイッチを入れ、目の前の大型テレビが作動する。
「ネギ、先生?」
その映像を目にしたアキラは、最初はよく分からなかったが、異様な光景である事は理解できた。
それが理解される内に、アキラはわなわな震えて目を丸くしてそれを見ていた。
画面にネギの端正な顔が映し出され、その口から何か肌色の物体が出入りしている。
少しカメラが引かれると、解かれた髪の毛を揺らしながら、ほぼ丸裸のネギが、
ズボンと下着を下ろしてベッドに座る大人の男性の前に跪きその股間に顔を埋めている。
アキラは吐き気を覚え、懸命に堪えた。それは、奴隷の粗相だと言う以上にネギの心を壊してしまう。
アキラの本能がその事を察知していた。
「どうだー、このガキいい顔してしゃぶってんだろー、
この睫なんてその辺の女も目じゃねーぜ」
「どうだーネギ子?」
画面の中で男が尋ねる。その正体は予想ど真ん中でトサカだった。
「お、おいふいです、トサカ様の逞しいチ○ポ、とてもおいふいです…」
「おっ」
画面の中のトサカのうめき声、画面の中でネギが目を白黒させ、唇の端から白っぽい液体が溢れる。
画面の中では、ネギが白く逞しい裸の胸板を晒しながら、
顎を反らして閉じた瞼から涙を溢れさせながら苦い薬の様に何かを飲み下している。
その行き着く事実を知るくらいの知識は真面目なアキラも持ち合わせてはいたが、
その答えは、出したくなかった。
「どうだーネギ子?」
「トサカ様の美味しいミルクを一杯飲ませていただき、ありがとうございました…」
画面の中で三つ指を突くネギ。
それを見ているアキラの傍らで、ネギは下を向き、膝の上で拳を握る事しか出来ない。
「いああああっ!」
画面が切り替わり、スピーカーからネギの悲鳴が聞こえた。
「な、何?」
画面の中では、ほぼ丸裸で四つん這いにされたネギの後ろで、下半身脱いだトサカがネギの腰を抱えていた。
「あ、あっ、いっ…」
「あ、あっ、あ…」
画面の中と外で、共にネギが呻き始めた。
「女もいーけど、たまんねー締まりだなー。ほらー、泣いてんのかほらー」
画面の中で、トサカがネギの顔を掴み上げ、その顔をカメラに晒す。
「あっ、ああっ、あっ…」
「どうだー、アキラちゃん」
呆然と画面を見るアキラにトサカが声を掛ける。
「段々、いい声で泣いて来ただろてめーの先生ってばよー。
痛いのは最初だけ、実はこーゆーの大好きなんだぜこいつー」
アキラは、思わず隣のネギを見る。ネギはただ俯くだけだ。
>>68 「どうだ、どうだおらっどうだ変態ショタ奴隷先生ネギ子ちゃんよー」
「あっ、はあっ、いいっ、いいですっ、トサカ様の逞しいオチ○チ○が僕のお腹の中でっ、
もっとズンズンああっ…」
「ほらー、色っぽい顔ではぁはぁしてんだろー、
ほら、さっきまで引っ込んでたのがビンビンなってんだぜ、このガキそのまま…」
「わあああああっ!!」
絶叫と共に走り出したネギが、電撃と共にぶっ倒れた。
「ネギ先生っ!」
「動くな、っつってんだろーっ!!」
「ぎゃあああっ!!」
「やめろっ!やめて下さいトサカさんっあああっ!」
「動くなっつーの、アキラちゃんも焼き魚いっちまうぞコラッ!!」
焦点の合わない視線を倒れたアキラに向け、ネギは力なく嫌々する。
「ネギ先生、大丈夫?…」
「あああああっ!見るなあっ!!見るな見るな見るな…」
バタバタと手を振るネギを、アキラはぎゅっと抱き締めていた。
「ああああ見るな見るな…見ないで…お願い見ないで…えぐっ、ぐすっ…」
「大丈夫、大丈夫だからネギ先生…」
アキラは、涙を流しながら、そうするしかなかった。
前編はほんの触りになりますが、いきなり腐オンリーですいません。
今回はここまでです。後編は遠からず投下します。
では、「GPen上の鉄槌」後編投下、入ります。
>>69 「ひどい…」
そして、アキラはネギを腕の中に、涙で濡れた凛々しい視線をトサカに向ける。
「あんだけの事件やっといて、生徒共々こんぐれーで見逃してやってんだから感謝してもらいてーなぁ。
今じゃすっかりマゾとケツの味覚えて
俺様のビッグマグナムでバックからガンガンぶち込まれてひぃひぃよがり狂うのが最高なんだってよ
この変態ショタ奴隷先公、クソマジメに見えて人間分からねーモンだなー」
アキラの胸の中で啜り泣くネギを、アキラは改めて優しく抱き締めた。
「とは言え、こーなって来ると、いちおー貧弱なモンぶら下げてても、
俺様にぶち込まれてどぴゅどぴゅしちまうくれーだからなー、
ツラもこんなでマジで男なのか疑いたくなるんだなこれがよー。
だからー、その○○野郎離して、ここに立てやアキラ」
コントローラーをぎゅっと握るトサカを前に、アキラは言う通りにした。
「二人共、ここで服脱いで裸になれ」
「え?」
二人共、聞き返した。
「聞こえなかったのか?裸になれって言ってんだよ」
「ま、待って、待って下さいトサカさん、アキラさんは、アキラさんは…」
「バーカ、俺は本来そっち系の人間じゃねーんだよ。
いくらてめーがかわいー顔で○○大好きな○○野郎でもよぉ、
てめーよりはこのジャイアントの方がいいっての。てめーの立場分かってんのか…」
「…分かりました…」
アキラが震える声で言う。
「ごめんなさい、アキラさん…」
「てめーも早く脱げやこの○○野郎」
「てめーはそこ座れ、しっかり前見ろ前ぇーっ」
ほぼ全裸で床に座らされ、髪の毛を掴み挙げられたネギは、
目の前に首輪以外一糸まとわぬ、その豊かな裸体をよじり腕を回し必死に隠すアキラの姿があった。
「ほーっ、バックでぶち込まれてよがり泣きの○○野郎かと思ったら、
見ろよアキラちゃん、あんなガキのちっちぇのでもおめーのヌードでしっかりおっ勃ってるぞー、
エロッぽい体してんからなぁアキラちゃんよー。
教え子のヌードがそんなに良かったかマセガキエロ教師が、だから前向けっつーの、見てーんだろ
トサカ様が見せてやるっつってんだよ何せどっちも俺様の忠実な奴隷だからなー」
「ぎゃあっ!」
「アキラさんっ!」
「いつまでカマトトぶってんだあっ!両手を頭の後ろで組んで背筋を伸ばせ背筋いっ!」
暴漢を前に、たまらなく恥ずかしい。気力を振り絞っても、頬を伝うものまでは止められない。
>>70 「おおーっ、また一段とピンピン反り返ってるの見てるよなぁー、
生徒のおっぱいがいーのかお毛々がいーのかママのおっぱい恋しくなったかー?」
野卑なヤジだと思っていても、その通りになっている自分の体がたまらなく恥ずかしい。
そして、それがアキラに見られている。否定したい心とは裏腹に、
自分のそこから伝わるのは痛いぐらいの興奮でしかなかった。
「いい感じにおっ勃って来てんなー、
そんじゃあ、アキラちゃんも見てる前で男の証明してもらおーか」
「?」
「てめーでどぴゅどぴゅ出して見せろっつってんだよ、オカズのアキラちゃんガン見してる前でよー」
「!?」
「先っぽからヨダレまで垂らして準備オッケーなんだろー、見せてやれよエロ教師がよー」
「そ、それは…許して…」
「あー?今さら何照れてんだー、いっつもやってんだろ、
俺様の目の前でエロ本オカズではあはあ出ちゃう出ちゃうってやってんだろ、えー?
今日はせっかく生のオカズ用意してゃってんだから感謝しろやおい」
「ううっ…許して…あああっ!」
「ネギ先生っ!」
「勝手に動くなっつーのっ!」
「ぎゃあっ!」
「てめーら立場分かってんのかー?俺が一言言えばてめーは死刑、
分かってて関わってたアキラちゃん青髪グズその他大勢、あんだけの事件だ十年じゃすまねーよなー。
こんぐれーで済んでる俺様の温情に感謝するのが筋だろーがあー?」
「ご、めんなさ、い…」
ネギが、ぽろぽろと涙を流しながら下を向いて呻く。
「おいおい、肝心のモンが縮んじまったじゃねーか情けねーなー、おい、アキラ」
耳打ちされたアキラの顔が引きつる。
「やんねーのか?」
屈辱に顔を歪めていたアキラが、頭の後ろで手を組み、左脚を軽く曲げ右膝を曲げて
右腿を床に平行に近い角度に上げながらネギに向けて体をよじる。
「み、見てぇ、ネギくぅん」
パチンとウインクしながらかすれた声で言うアキラを、ネギは呆然と見ていた。
それは、無惨な姿、である筈なのだが、その張りのあるたわわな膨らみを隠す事すら許されず、
伸びやかで豊かな体をよじらせてネギに向かっている。その生々しさにネギは生唾を飲む。
「おおっ、さすがアキラ、いい感じに先生誘惑されてる、ほら、あれが証拠だ、
だからとっとと始めよーぜせんせーよぉ、おおっ」
ニヤニヤ笑うトサカを前に、一度下を向いたネギは、意を決して天を向き始めた熱いものを握った。
アキラは、ニヤニヤと笑うトサカに言われるまま、首輪のみを身に着けた姿でネギを向き、
右膝を真正面に向けて立ててから、右脚をゆっくりと外側に向けて開いていく。
>>71 「ネ、ネギ君、見てネギ君みてぇアキラのオマ○コよぉ」
「いいのかよー、生徒が真っ裸ご開帳で先生誘惑って、てめーの生徒は随分とDQNいってんだなー、
お陰でエロエロ淫行教師は勃起ビンビンズリネタ不自由しませんてかー」
生徒を侮辱された時点で、本来ならば灰になってもらう所。ネギの心にはそれだけの殺気が渦巻いていた。
だが、その生徒のため、今は、こうするしかない。
そして、この卑劣な男の言う通り、アキラの素晴らしい裸体を前に、
ネギの男としての心身も又、耐えると言う事を容易ではないものとしている。
「見ろよ、ほら見ろよアキラちゃんよー、
てめーの先生は、教え子に欲情して、生徒に見られてる前であんなほっぺ真っ赤にして
あーんなかわいー声出してはぁはぁどぴゅどぴゅ発射するド変態ショタエロ淫行教師なんだってよー」
「は、はい、僕は、僕、生徒に欲情して、生徒をオカズにオナ○ーしてはぁはぁして
生徒に見られてどぴゅどぴゅするのがすっごく気持ちいー、ド変態ショタエロ淫行教師ですぅ…
あああっ…」
「…あ…ああ、あ…」
一瞬の陶酔に身を任せた後、そんなネギの目の前で突っ立っているアキラの呆然とした顔。
アキラ自身がその事に気付き、視線を外しても、ネギはガックリとうなだれる事しか出来ない。
その姿を見て、アキラはすとんとその場に座り込んだ。
「ヒヘヘヘ、バックからケツにガンガンぶち込まれてあんあん泣いてる○○野郎もいちおー男だったんだなぁ。
こんな美味しいピチピチヌードおかずにあんなどぴゅーって噴射してんだからなぁー、
教え子のヌードで抜くのがそんなによかったかエロ先生よぉー」
言葉の一つ一つに、元来が生真面目なネギは僅かに首を横に振りながら震えて俯く事しか出来ない。
「ヒヘヘヘ、んー、このデカパイが良かったんかー、んー?」
座り込んだアキラの後ろからトサカがぐにぐにと手を伸ばしても、アキラも俯いて耐える事しか出来ない。
「ひゃっ!?」
「ひゃっ!?」
そっぽを向いてキリキリと歯がみをしていたアキラが、
不意に黒くかげった三角地帯に手を突っ込まれ、甲高い悲鳴を上げた。
「おいっ、なんだこりゃあアキラぁ?」
自分の顔の横でにやっと笑うトサカに、アキラの青い顔が震えを帯びたのは、
単に不快や嫌悪のためだけではなかった。
「何だこれは、あー?」
自分の目の前で、トサカの指がにちゃーっと糸を引かせるとアキラの顔に見る見る朱が差した。
「おいガキ、これが何だか分かるか?○○○○専科の変態ショタにゃ分かんねーか?
ほらー、アキラちゃんのオマ○コのとろとろお汁だぞ。
そーかそーか、てめーもこのガキのはぁはぁしてるショタ顔マ○汁濡れ濡れたまんねーって口か。
それとも何かー、てめー秘かに友達の振りして、格下扱いのキモ傷グズから
惚れてる男かっさらってやろーって算段だったのかー?」
「!?ちっ、ちがっ…」
「ヒヘヘ、ま、どう見ても美人度ナイスバディー余計な傷も無し、アキラちゃんの圧倒的勝利だからなー、
あんなキモ傷ブスはなっから勝負なんねーんだからそんぐれー考えるわなー、いやー、女は怖いねー」
>>72 「ううっ…」
後ろから肩を抱かれ、たっぷりとした乳房をぐにぐに揉まれながら耳に刻み込まれても、
アキラは呻く事しか出来ない。
「ほらっ、見ろよ先生よぉ、変態ショタ先生のはぁはぁセン○リ見せられて、
教え子のアキラちゃんがこんなにぬるぬる濡れ濡れなってんだぜぇ」
床に尻を着けたまま、その見事な脚をM字に開くアキラ。
手で真っ赤になって涙の伝う顔を覆う事ぐらいしか出来ず、命令通りにそうしているアキラの後ろでは、
トサカが下卑た言葉を並べながら、そっと違法魔法薬を乗せた指で
言葉通りピンク色に潤んだ花園の扉を押し開き、中からとろりと溢れさせていた。
「クヒヒ、見てる見てる、お堅い面してよぉ、あのエロショタ先生がてめーの濡れ濡れマ○コ
興味津々にガン見してるぞほらー」
顔を覆う指の隙間から、アキラはさっと視線を反らすネギの真っ赤な顔を見る。
「ん、んっ!?」
そんなネギの前で、アキラの目が見開かれる。
「キキキ、そんなにいいか?ショタ先生に見られながら
てめーが軽蔑してる卑怯者にオマ○コくちゅくちゅされるのがそんなにいーかアキラぁ?」
「んんっ、ん、かはあっ!」
「ほらほらぁ、お豆クリクリされたらもう我慢出来ねー大洪水かよぉ。
乳首なんか先生に向かってピンピンに尖らせてよー、
そんな色っぺー声出してオマ○コくちゅくちゅされりゃー、先生だって気になって気になって仕方がねーぜ」
豊かな乳房を無遠慮に揉みしだき、そのいただきで硬く尖る乳首を摘む手の動きにもくらくらする。
ぐちゅぐちゅと音を立ててかき回され、つんと尖った敏感な所をなで回される度に、
アキラはそれだけで途切れそうになる意識を懸命に取り戻そうとする。
ネギには聞かせたくない。でも、呆然と目をまん丸くしているネギの前で、
漏れる声を止める事が出来ない、その事がアキラの奥底で更に昂ぶりを呼んでしまっている。
「ほら先生よぉ、教え子のアキラの淫乱オ○コ、こーやっていじくられて気持ちいーって
黒い大人のお毛々の真ん中のぱっかり赤貝がこんな風にくちゅくちゅ濡れて溢れて来るんだぜー、
いい感じに濡れてんだろえー?」
「はああっ!」
「泣いたと思えばよがり泣きかぁ、
やっぱり先生に見られて恥ずかしいより淫乱一直線なんだなアキラちゃんはよぉ」
ネギの視線を意識し、すすり泣きを始めたアキラが、
ぷくっと尖った所へのぬるりと蜜に塗れた指の感触に甲高い悲鳴を漏らし、
ばたっ、ばたっと命令の範囲内で伸びやかな脚を跳ねながら自己嫌悪と快感のスパイラルに落ち込んでいく。
「ほらほらぁ、ネギ先生がよぉ、アキラの可愛いアヘアヘ顔によがり声に、
ぷるぷるおっぱい濡れ濡れオマ○コたまんねーって目ぉまん丸にしてガン見してんぞ
この淫行変態教師がよぉ」
「んっ、んん…あああっ!」
>>73 「そーだろそーだろ、我慢なんて出来ねーだろ、
てめーもショタ先生に見られてくちゅくちゅされるのがたまんねーって淫乱変態露出狂女子○生ってなぁ、
良かったなーおい、変態同士恥ずかしがる事ねーよなぁ釣り合い取れて良かったなおいー」
言いながら、トサカはアキラの黒髪をかき分け、何やら囁く。
「ゆっ、許し…ああっ…」
「ほら、どーなんだアキラぁ?」
「は、はい、ただ今、トサカ様のショタ奴隷ネギ・スプリングフィールド先生のチ○ポは、
私どもの目の前の二度に及ぶ変態露出射精にも関わらずトサカ様の忠実な淫乱メイド牝奴隷大河内アキラの
アヘアヘ変態痴態をガン見して先っぽから先走り汁をとろとろにお漏らししながら
ビンビンに勃起しておっきしてとんがってございますですぅ」
哀れな奴隷二人が「ううっ」と呻く声が漏れ、部屋に爆笑が響き渡る
「あっ、あ、あっ駄目、ネギ先生ネギ君だめお願い嫌見ないでああぁー…」
“…ネギ先生と…全然違う…”
カクンと脱力した後、ネギの方に顔を向けない様に必死に意識を集中させたまま、
座り込んだアキラは、命じられるままにその胸に渡された油を流し込み、
目の前で下半身脱ぎで仁王立ちするトサカの中心をその深い谷間に挟み込み上下させていた。
「てめーだけそのデカパイぷるぷるイッちまってよぉ、一人で気持ちよくなんて奴隷の自覚たんねーんだよ。
てめーがエロエロだからこんなんなっちまっただろーが、キッチリ始末しろよー、
お口でするんだよ、ぺろぺろしてそのままくわえ込んでよー、先生がお手本見せてくれただろー?」
アキラの視線が走り、言われるがまま動いていたアキラを呆然と見ていたネギがさっと視線を外す。
「んっ、んんっ、んーんっ…」
「むっ、うおっ!」
トサカが、ガシッとアキラの後頭部を掴み、
ネギの目の前で、目を見開いたアキラの唇の端からたらりと溢れ出す。
それが何なのか、ネギの記憶には屈辱と共に焼き付けられている。
「しっかり飲めよー、吐き出したら二人揃ってお仕置きだからなぁ、
エロ先輩の変態ショタ先生は俺様のミルクがおいしーってごっくんしてるぞー」
目を白黒させて飲み下し、その豊かな胸を上下させて荒い息を吐くアキラの横で、
トサカがネギに視線を走らせ、さっと視線を外すネギの姿に満足げに笑みを浮かべる。
「いいかー、しっかりしゃぶるんだぞー、ご主人様のがビンビン復活するまでなー」
言われるまま、しゃぶり続けるアキラの生気の消えた瞳から、涙だけが一筋こぼれ落ちていた。
「ヒヘヘヘ、そーかそーか、このマセガキ我慢できねーか、
まー、この淫乱デカバディのアヘアヘショーあんだけ見せられたら男として当然だけどなぁ。
しかし、例え男同士でもご主人様と奴隷のケジメ、順番ってモンがあっからなぁ」
いつの間にか背後から聞こえていた声に、ハッと振り返ったアキラの顔が青くなる。
「やあっ!そっ、それは」
「おらぁ、支度しろや、牝は牝らしくよぉ」
トサカがアキラの背中を突き倒し、四つん這いに這わせた。
>>74 「ネギ、先生…」
床にぞろりと黒髪を垂らし、伝い落ちる涙を顔に光らせながら潤んだ瞳をネギに向ける、
そのアキラの顔は凄絶に美しく、ネギは無力感、何よりそんなアキラの姿に自分の肉体が示している無様な姿に
張り裂けそうな自己嫌悪を覚えながら、何も出来ない。
これが自分一人の事なら本当にトサカと共に自爆している所だが、アキラを巻き込む訳にはいかない。
しかし、それが自分への言い訳に思える。
そんな負い目、後ろめたさがネギがちょっと下を見ればそのまま形になっている。
「はうっ!」
そんなネギの目の前で、アキラが頬を真っ赤に染めてひくっと顎を反らし叫ぶ。
そして、くちゅっ、くちゅっと、又あの音が、アキラのお尻の方が聞こえて来る。
「ひへへ、こーんなにアヘアヘのとろとろに誘われちまうとなぁー、
やっぱ後には引けねーだろ男として…」
「そ、それだけはっ…ああっ!」
「アキラ、さん…」
初めての、痛み。それは、もっとそういう、それも青春の、愛の1ページとして思い出になる。
そう言うものになる筈だった。
自然に溢れるアキラの涙を、ネギは呆然と見ているしかなかった。
果てのない無力感に心を食い尽くされそうになりながら。
「んっ、んふっ、むふっ…」
だが、パン、パンと音を立ててアキラの尻がトサカの腹に叩かれ、じゅぷじゅぷとこね回す音が響く内に、
ネギもアキラの異変に気付き始める。
四つん這いで黒髪を垂らしたまま顎を反らしているアキラの顔は、苦悶だけではなく
頬が赤く染まり、鼻からしゅうしゅうと息が漏れる。漏れる声もどこか鼻に掛かっている様に、甘い。
「どうだ?俺様のビッグマグナムが通用するのはてめーのケツだけじゃねーんだぜぇ、
これがご主人様の威厳よ。あんなクソ生意気かましといても、一発ブチ込まれりゃほれ、
ご主人様の逞しいチ○ポがたまんねーってなぁ、そーだなアキラ?」
「は、はい、アキラ、ご主人様の、逞しいチ○ポ、凄く、気持ちいい、ですはうううっ!」
「会心の一撃ぃ、だとよぉこれが男ってモンだぜおいっ!おらあっ」
「!?」
気が付いた時には、アキラはその身を起こされていた。
そして、下腹に抉り込まれた感覚はそのままに消える事は無い。
今、何がネギの目の前に晒されているか、ネギから見えているものの動きを自らの肉体で感じた時、
アキラは発狂しない自分の強靱な理性を呪った。
「どうだネギ先生ぃ?アキラちゃんの濡れ濡れオマ○コの真ん中に俺様のがぶっすり刺さって、
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅってなぁ、
こんな風に男と女は繋がって淫乱アキラは俺様に抉られてアヘアヘしてんだぜぇ。
ほら、アキラちゃんも自分から腰振ってるだろー、
おっぱいぷるぷる乳首ピンピンそっち向いてぇ、ネギせんせーにフルヌード本番セッ○ス
串刺しオマ○コみんなみーんな見られてるのがアキラたまんなく感じちゃうってよおっ!」
「あああっ!ネ、ネギ先生っ、み、見ないでああっ!」
>>75 「つって、こんなおっぱいぷりぷり腰振り振りひぃひぃあへあへ先生アキラのエロエロ見てぇって
誘ってんだろホントはアキラよぉ、あんなキモ傷ブスなんかよりずっと綺麗なんだから
アキラのナイスバディのエロエロショーみんな見てってよぉ、
違うとは言わせねーぞこんなに濡れ濡れぐちゅぐちゅ淫乱しといてよぉっ!」
「ち、ちがっ、先生ちが、あ、はあっ、あああっ!!」
「って事だ、変態ショタ先生のエロエロ教え子大河内アキラちゃんでしたー。
いい感じに締まってるぜアキラの貫通式ぃ、おら出るぞぉ、俺様のが出るぞぉ
アキラの中に俺様の赤ちゃんの素たっぷり出してやるぞぉー」
「やっ、やあっ!それは、それはやあっ、あ、ああっ、はあああっ!!」
「どーだネギ先生、女の危機より何よりよがり泣きぃ、それがてめーの教え子
おとなしー無言の巨人大河内アキラのチ○ポ大好きエロエロビッチな正体だって分かったかぁ、
ちゃんと見てたか教え子アキラのエロエロちゃんと見てたか、あーっ、ひゃっはぁーっ!!」
「やああっ!やっ、ああ、はあぁ、ああ…」
「おっ」
トサカは、反り返ったアキラの豊かな体重を抱き留めた。
その目尻と唇の両端からは透明な液体が一筋伝い落ち、
下半身だけが別の生き物の様に最後の律動で雄と雌が貪り合っていた。
「あっ!だ、駄目っネギ先生汚いっ!!…」
床で命じられるままM字に脚を開いたアキラの前で、這いつくばったネギが
その中心から溢れ出す液体をぺろぺろと舐め取り始める。
もちろん、これも命じられた行為だったが、そうでなくてもそうしたいとネギは思っていた。
身をもってアキラの言葉を否定したかったから。
「キヒヒヒ、しっかりぺろぺろして吸い出してやんねーと、
男のケツと違って赤ちゃん出来ちまうからなぁ保健体育で教えてんだろネギ先生」
そう、気休めでもいい。少しでも安らぐなら、ネギは迷わず実行する。
「ネギ先生…」
そんな、ぴちゃぴちゃとその音だけを響かせて静かに没頭するネギの伏せられた睫が、アキラの胸に響く。
「…あっ…」
「おっ、教え子が盛ってるぞ、その調子、その調子でそこ、その上のオマメもペロペロして、
ビッチ生徒のオマ○コてめーの舌でねっとり可愛がってやんだよ、
たまにゃ大好物のチ○ポじゃねーのもいいだろご主人様が許すからよぉ」
「ひっ、ネ、ネギ先生っそこはっ、あっ、やっネギ先生はっ、はあっ、あああっ!!」
最早、すらりと長くそして逞しい脚をばたつかせて悲鳴を上げるアキラの事すら忘れた様に、
ネギはひたすら顔を埋め、一心に舌の動きに没頭し続けていた。
「はあああああっ!!」
「おおーっ、スプラッシュ来たぜおいーっスプラッシュ顔面直撃来たあっ!!」
>>76 「さーて、たまには奴隷にもご褒美ぐれーやんねーとなぁ、
散々俺様のチ○ポにご奉仕してくれたんだからよぉ、今日はちゃんと男にしてやるぜぇ」
ニヤリと笑うトサカだが、ネギは意味を掴みかねていた。
「だからよぉ、俺様のこのエロ奴隷を使わせてやっから男になって来いっつってんだよ俺様の目の前で」
「…ひっ、うぐっ…えぐっ…ネギ、君?…」
羞恥心が我慢の限界を超え、床に蹲って啜り泣くアキラが涙に濡れた顔を上げると、
そこではネギが、まだ顔から滴を落としフリチ○のままでも頼もしいぐらいの顔で立っていた。
「ひゃっ?」
「ふんっ、ガキが馬鹿力出しやがって」
両腕でアキラの腿と背中をふわりと持ち上げるネギの姿にトサカが悪態をつく。
ネギのにこっ優しい笑みとアキラのぽっと染まる頬がトサカを更に苛つかせる。
ベッドの上に横たえられたアキラは、ネギの、あの優しい笑顔を見ていた。
「アキラさん」
「ネギ君…」
二人は、どちらからともなく、その裸体できゅっと抱き合っていた。
「くひひ、ネギ先生がママのおっぱい欲しいって困ってんぞー」
野卑な言葉を受けながら、アキラは目の前で困惑しているネギの手を取り、導く。いつもの優しい顔だった。
「あ、っ…」
「アキラさん?」
心配そうに言うネギに、アキラは小さく首を横に振る。
「でも、ここ敏感だから、優しくね」
「はい…」
「…はあっ!…」
アキラの願い通り、優しくむにむにとされているだけでも、
先ほど味わった手つきとは段違いのこみ上げるものを感じていたアキラは、
ぽーっとした表情のままネギが吸い付くと顎を反らして悲鳴を上げていた。
「ママのおっぱいちゅうちゅうもいーけどよぉ、
淫乱アキラのもっといいトコ教えてやっただろーネギ先生」
「…あああっ!ネ、ネギ先生そこ、あ、あああっ!」
「やっぱ反応が段違いだなー、チャンスあったらこのショタ喰っちまおーってそういう腹だったんだなぁ、
ショタ先生に濡れ濡れ発情オマ○コくちゅくちゅスリスリそんなにうれしーかぁ?」
「はっ、いいっ、ああっネギ先生、そ、そこはあっ、ああっ…」
もう、そんな言葉に傷つくのは忘れた。ベッドの上で、アキラはひたすら、
美しい黒髪を乱し、汗ばんだ豊かな膨らみをぷるぷると震わせてネギの繊細な指に喘ぎ続ける。
「ネギ先生?」
「はい」
小刻みな息遣いに気付いたアキラがネギに声を掛け、
ぽーっとした目をアキラに向けたネギに、アキラが小さく頷く。
少しの間、アキラは目を閉じた。
だが、目を開けた時、アキラの上でもぞもぞ動いていたネギに顔には何か狼狽が浮かんでいた。
>>77 「ひゃっはっ、おいおい、やっぱ肝心な時に役立たずってか。
そーかそーか、やっぱブチ込むよりぶち込まれる方が大好きな真性○○野郎だったって事かぁー」
「ネギ先生」
アキラに声を掛けられ、狼狽した顔でそちらを見たネギを、アキラはきゅっと抱き締めた。
「大丈夫、大丈夫だよネギ先生」
「アキラさん…」
“…アキラさん…あったかい、柔らかい…”
いつもは大柄で頼もしいと思っていたのに、
こうやって抱き締めていると、意外と柔らかく、華奢なものすら感じる。
既に散々汚されたと言う厳然たる事実があっても、甘いいい香りがする。
「私の、お腹の上で、元気になって来たね、ネギ君の」
本当は恥ずかしいのを、ようやく口に出しているのが分かる。
しかし、こんな事をしてもいいのか、その根本的かつ当然の疑問が、ネギの最後の縛りとなる。
「どうしたどうしたー?俺様が突っ込んだ後のお古じゃ不満かネギせんせーよぉ」
ビクッとした震えを腕に感じた時、ネギの腹は決まった。
「アキラさん」
「ネギ、先生…」
アキラの顔に宿る微かな怯えの表情。アキラが恐る恐る見たネギの顔は、頼もしかった。
「あっ…」
「ん、っ…あっ!…」
ベッドの上で裸体を絡ませた二人が、ぎゅーっと抱き合った。
「俺様のビッグマグナムで開通式の後だもんなぁ、
ガキのちっちぇえ一発昇天チ○ポじゃ物足んねーって顔だな淫乱アキラにゃあよー、ヒヘヘヘ」
ベッドの上でピクピク震える尻を確認したトサカが野次った。
「いーんだぜぇ、今はよぉ、卑しい奴隷同士がせいぜい好きなよーに盛って
俺様の目を楽しませてくれりゃあそれでよぉ」
嘲笑を耳に、アキラの瞳にはあの凛々しい光を取り戻しあった。
「ネギ先生」
アキラが、静かに言って、ネギをベッドに座らせる。
「!?」
うなだれていたネギが目の前のアキラに悲鳴を上げた。
「だ、駄目っ!アキラさん汚いっ!!」
「おおーっ、発情アキラかぶりつきいったぁっ」
「んっ、んんんっ、んっ…」
バッと黒髪を広げ、ベッドに座ったネギの下腹に文字通りかぶりついていたアキラを前に、
ネギはむずむずとした感触が段々と硬いものに変わっていくのを自覚する
「ア、アキラ、さん…はうっ!」
そして、必殺上目遣いで潤んだ瞳を向けられた時、それは弾けていた。
>>78 「てめーからかぶりつきだもんなぁ、
よっぽど男のチ○ポミルクがお気に入りだったんだなアキラちゃんはよぉー」
“…アキラさんが、僕の…”
呆然としている間にも、ごくりと喉を鳴らしたアキラはいまだネギの前に顔を埋め、
ぺちょぺちょとその舌で清めている。
何か、斬られそうな、別の人の様な鬼気迫る真剣な表情にネギが息を呑む。
それでも、ぬるぬると絡み付いている下半身の感覚、目の前の背中にお尻、その上に被さる豊かな黒髪が、
ネギの下半身を熱くたぎらせてやまない。
そして、アキラが身を起こす。それと共に、アキラが目を伏せながら端正な顔を上げると、
ネギの背筋にゾクッとするものが走った。
「ネギ先生」
「はいっ!」
まるでこれからハラキリでもするかと言う程の、
アキラの小さく、真剣な声に、ネギが思わず素っ頓狂な返答をした。
「ネギ先生…私で、いい?」
ちょっとの間きょとんとしていたネギは、改めてしっかりと頷く。
「アキラさん綺麗で…アキラさん可愛くて綺麗で大好きです、だから…」
「ネギ先生」
「…あうっ!…」
「あ、あっ、ネギ先生あっ…」
“…アキラさん…すごくエッチで…綺麗…”
ベッドに座るネギの目の前で、アキラの白い膨らみが上下に揺れていた。
アキラの太股がネギを挟み込み、断続的な喘ぎ声、ぐちゅぐちゅと練り込む音と共にネギを求め、動き続ける。
甘い汗と黒髪の香りが弾ける。こんなにも自分の事を求めてくれるアキラを、
今はせめて少しでも、そう思いネギは下半身に力を込めこの歳にしては驚異的な天性の腰付きを見せる。
しかし、今までの様々な戦いの様に逆転勝利で切り抜けるには、
ピンク色の可憐な乳首をツンと尖らせ揺れる乳房、バサバサと揺れる艶やかな黒髪、
弾ける汗と黒髪の甘い香り、眉根を寄せて喘ぐ真っ赤な顔、
目の前の情景は、まだまだ初心者のネギがその願いを果たすには余りに過酷だった。
「は、あっ、ネギ、先生っ…」
「アキラさん、アキラさんっ…」
気が付いた時には、二人はベッドの上でどちらともなくぎゅーっと抱き合っていた。
ミルクの様な頬を赤く染め、目尻に一粒の滴を滲ませて荒い息を吐いている。
何か、むしゃぶりつきたくなる様な自分に辛うじて自制心を働かせたアキラは、
ネギがまだどこかぽーっとした表情で見上げた時には、
にっこりと、いつもの穏やかな笑顔を見せていた。
ちょっと気恥ずかしそうなネギを、アキラが改めてきゅっと抱き締める。
可愛らしい子供先生、そう思っていた腕の中から、あの凛々しい闘いを可能とする逞しさが伝わって来る。
ネギは、アキラの柔らかな温もりに抱かれ、甘い香りを胸の奥まで吸い込み何も考えずにまどろむ。
>>79 「アキラさん…僕…」
「いいんだよ、ネギ先生いいんだ、ありがとう…」
「はい…」
“…一緒に堕ちよう…ネギ先生…”
「おーし、今日はいいぞー、明日から又たぁっぷり可愛がってやっからよぉmy奴隷ちゃん一号二号ぅ」
無言で出て行こうとした二人の前で、バーンとドアが開いた。
「おおー、ネギ、こんな所におったんか。ラカンのおっさんが食い過ぎで腹壊したとかでなぁ、
ネギもおらへんし、結局ルール変更してもろてタイマン勝負でボコボコにして来た所や」
トサカが、ハッと時計を見た。
「ま、ちぃと手こずったけどな」
面積が通常の五割増になっているその人相から、
カラカラと笑っているのが小太郎だと言う事を理解するのは三人ともやや手こずった。
「ほれ、アキラ姉ちゃんにネギ、優勝賞金に裏トトカルチョでしめて150万程稼げたからな。
何や知らんけどネギも登録されとったさかい手続きして来たで」
ネギとアキラが、小太郎が放り出した鍵を受け取る。
「んで、指名手配の方も姫さん方の根回しで解除されとるし、元々濡れ衣やしな。
で、状況的に、この馬鹿ボコッてええんか?」
「いや…」
ネギが、ボキッと拳を鳴らす小太郎の肩に手を置いて静かに言った。
「先生として、男として…今、やらなければならない事が分かったよ…」
「ほおーお」
にっと笑いながら、小太郎のコメカミに冷たい汗が伝う。
「ま、待て、ガキ、坊主、坊ちゃま、そ、そのなんだ、部屋ん中で風巻いてるのはどうかと…
あー、そこの偉大なる巨人、何故にその巨大モニターが持ち上がる?…
……あああああああああーーーーーーーーーーーーーー……」
>>80 「…と、まあ、最悪こーゆー展開も予測される訳だから、
喋っちゃうんだったら早い方がいいと…」
落下する大剣の柄と共に、原稿片手に真剣っに語っていたハルナは目玉が飛び出す錯覚を覚える。
「ったーっ、何すんのよアスナあっ!?」
コブで持ち上がったベレー帽を押さえてハルナが叫ぶ。
「アキラ、明らかに相談する相手間違ってるから」
大剣の切っ先でドンと床を突き、栞が言った。
「こ、これを亜子にみせる訳には‥も、燃やさなきゃっ」
「まあ、確かに、いつ破綻するか分からない嘘を抱えたままにしておくと言うのは危険ですから」
真剣な表情でハルナと面突き合わせていたアキラが
サッとエプロンの中に原稿をしまい込む後ろで、刹那が苦笑いして言った。
「そう…」
アキラが振り返ると、優しい顔の刹那がいた。
「きっと、分かってくれる筈です」
刹那の穏やかな言葉に、アキラはコクンと頷いた。
「きっと…この上なく、優しい皆さんですから…」
「こんなところにいたの亜子、さがしたよ。
…その、私…亜子に言っておかなくてはならないコトがあって…」
「G・Pen上の鉄槌」−了−
本誌読んで勢いで書いた、反省するつもりは無い。
えー、思い立ったら吉日がモットーのG・Pen上の麗奴です。
てな訳で、本誌読んだら走り書きgoいっちゃいました。
後書きって程の事もありませんので、縁がありましたら又どこかでお会いしましょう。
妄想オチGJ!
最新刊の月読のドS加減に泣いた。
83 :
Z-xp03:2009/03/17(火) 10:00:39 ID:8OML4iA2
フェイトのパートナー5名を枕営業で獲得するネギ。
それを裏DVD化して、儲けるカモとラカン。
それにて全借金(亜子達の100万とラカンへの助太刀料金)を返済。
というのを書こうか迷っている。
おもしろそうだけど5人のキャラがつかみにくそう
保守
高音の痴態希望
87 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 04:18:00 ID:rmfR42c5
誰もいない
お前がいるぞ……
今週、小太郎がデカイ犬になれる事が判明、ちづ姉と獣kanプレイとか出来るようになったな。
アキラと亜子の庇い合いが見たかった
アキラがうたた寝しているネギを見つけて、こっそりぎゅっとする。
前スレに掲載されていた「姉ちゃんは俺の…」の後日談が見たいです
ネギの嫁達の中に刀子先生がいるのかどうか気になって仕方がないんです
ラストでネギも結婚しなくちゃいけなくなったから、その後でネギの嫁になった人達を知りたいっていう意味で
保守
保守
保守
保守
アキラが本当に亜子に伝えたかったこと。
それはナギ=ネギではなく、自分がネギと肉体関係を持っていたことである。
実は夏美も既に小太郎と……。
つまり
バレて3Pに
愛衣にバレてモフモフ3Pですね
わかりますw
高音が乱入して触手4Pですね
分かりますw
>>66 GJ!!
こういうアキラがトサカにボロボロに犯されるやつを俺は望んでいたぜ!!
ネギの到着が1年遅れた設定で
亜子&夏美のぶんも1人で払おうとしたアキラはトサカの専属肉奴隷になる
毎日全裸で部屋に監禁されエロい体を食われまくり10回以上の中出しを喰らいまくる。
やがて屈辱の妊娠をしボテ腹でも出産直前まで中出し地獄→公開出産のコンボのアキラ
それでようやく借金チャラで解放。
↓
ネギ到着、怒りの猛反撃スタート。まずアキラの陵辱の記憶を消去。
アキラの産んだ餓鬼に爆弾を埋め込みトサカに渡す→おじゃ魔女どれみどっかーん!!
トサカ、体を失う&爆弾の特殊魔法により未来永劫戸愚呂兄の最後のようになる
↓
記憶を無くしたアキラは改めてネギの肉奴隷として幸せに生きることに
めでたしめでたし
こういう展開を望む
>>104 どんなのよ?
水鏡のやつ?あれはヌルいよ。
保守
保守
保守
保守
保管庫にあった座薬の長編てどうなったの
保守
保守
今週読んだらアキラものがほしくなったでござる
114 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 23:34:10 ID:AT/PHvNL
はっ!
代理も何も投下する作品がないよな……
保守
118 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 22:40:06 ID:IhslBQNG
☆
保守
静かだな
本編と全然関係ないが
このかがせつなで遊ぼうとしている
ところをネギが割り込むと言う
普通のエロバロ電波を受信した。
保守
怪我して全裸で横たわってる明日菜がエロすぎる。
鎧着てるヤツラ絶対●RECしてるぜ。
124 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 18:52:19 ID:enaXUm+t
ほ
125 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 21:54:39 ID:d0odYJ6H
☆
126 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 18:05:57 ID:lIAQguw1
ほしゆ
★
このスレ復活したんだ!
あと
>>110が俺も気になった
129 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 01:46:39 ID:tXgyvkpw
,r';;r" |;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;
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l;;' /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',;;;;;;;
. ,l;L_ .,,、,--ュ、 ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iソノ
ヾr''‐ヽ, ,、ィ'r-‐''''''‐ヽ ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
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ヽ ヽ〈 i| Vi゙、
゙, ,ヽ===-'゙ ,' , // ヽ
. ',.' ,  ̄ , ' ノ /./ ヽ,
. ヽ.  ̄´ / ,、 ' / / \
ノ:lゝt-,-‐''" / ,.ィ゙ /
地球儀が、二つ。ちづ姉の大事な地球儀だ。
おっきくて丸い。まるでちづ姉の胸みたいな。
そう思って自分の胸をなでてみた。
悲しくなった。
「…………ごく」
息を呑む。今なら部屋には誰も居ない、今なら私は何でもできる。
私だってたまには胸が大きくなって足元が見えないなんて幸せな悩みを抱いてみたいんだ。
地球儀を服の中に入れてみた。
空しくなった。
「あらあら、私の地球儀に何をしているの?夏美」
背中から重圧を感じる。聞こえた台詞の端々に怒りが滲み出ている。
私は何事も無いのを装うべく、急いで地球儀を取り出す。
失敗した。足の上に音を立てて落ちてくる。痛い。それ以前に逃れられない。
「ひょっとして、地球儀を胸に入れてパットのつもりだったの?」
怖い。振り向きたくない。冷や汗をかく私の背後に足音がにじり寄る。
「何とか言いなさい、夏美」
ちづ姉の両手が私のほっぺに伸びてくる。抓られた。痛いいひゃい、ごめんなひゃいごめんなひゃい
「も、もうしません、もうしませんからー」
必死に謝った。ちづ姉は私のほっぺを伸ばしたり捻ったりして苛めた後、おもむろに手を離した。
「良いのよ、でも、私の大事な地球儀を玩具にした責任は取ってもらうわね」
そう、私はこれからもっと酷いおしおきにあってしまうのだ
地球儀が大事、といわれるまで、ちづ姉が天文部だって事忘れてたわ
132 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 02:10:24 ID:weTm5qIR
保守
魔法世界メガロメセンブリアにたどり着いたネギま部の一向は、
偶発的戦闘に突入し、魔法世界へばらばらに強制転移させられてしまった。
村上夏美が意識を取り戻した時は、砂漠のど真中。
わけがわからないまま、イギリスの草原から夢見たいな大都市に来たと思ったら、
いきなり戦闘がはじまって気がつけば一面の砂漠だった。
数時間くらい彷徨い歩くと、クラスメイトの大河内アキラ、和泉亜子と再会できた。
だが、亜子は青紫色の顔でアキラに背負われていた。
三人はどうにか街道を見つけて街にたどり着いたところからお話が始まる。
見るからに怪しいローブの男だった。
「そちらのお嬢さんは、流行の熱病に冒されているようだね。早く医者に見せた方がいいよ」
怪しい男は笑顔で三人に近づいてそう言った。
「私たち、お金とかまったくないし、コレからどうしていいか…」
泣きそうな顔で夏美は男に答えた。
アキラは警戒して険しい顔で男を睨んでいた。
夏美は旅行中に友達と逸れてしまって、外国だから何処に連絡していいかもわからない。
と、事情を話すと、男は言葉巧みに3人を街の一区画に案内した。
「そういう旅行者にお金を貸してくれるところがある」
3人がこの世界の文字が読めたら、この区画に入った瞬間逃げ出しただろう。
【ヘカテス奴隷市場】
【ヘカテス奴隷市場】
過酷な辺境の地では、法が整備されておらず、自己を守ることが出来なければ奪われ殺される
無法の地である。様々な種族が住む魔法世界に置いて弱小種族は食い物にされるだけだった。
そこで、考えられたのが奴隷市場である。弱い種族や力の無い者が、自分自身を商品として
より強い者に買って貰い庇護対象になることだ。
3人は読めない文字で書かれた奴隷契約書もサインをした。
男は裏口から逃げるように出て行った。手には大金が入った袋を持っていた。
3人がサインすると、屈強な筋肉質の男達が入ってきた手には鎖や枷を持ってた。
悲鳴を上げるが誰も助けようとしない。全裸に剥かれ首輪だけの姿にされる。
丸裸にされると、それぞれ縄や枷で厳しく拘束され、悲鳴が上がらないように轡を噛まされた。
まず先頭にアキラを立たせ後ろ手に枷を嵌める。首輪の背筋に50センチしかない鎖をつけると
後の夏美の首輪につなぐ、その後に亜子と数珠繋ぎにてしまう。
鎖が短いので三人はお互いの体温が感じるくらい密接した。
反対に床の冷たさがしびれる様だった。
お金を借りる為にサインしたのに、なんでこんな目に合わなければならないかと、
怒りがにじみ出たが、屈強な男達に囲まれては成すすべが無かった。
最後尾の亜子に枷を嵌めると、リーダー格の男がアキラの首輪に鎖を掛けると、
歩くように促すかなように乱暴に鎖を引いた。
これではまるで奴隷のようだと、アキラは思った。
というぐらいハードな奴隷シーンを期待したけどなかったですね…。
135
136 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 02:51:25 ID:jvpUZzdA
うおおおお
ああああ
いいいい
面白いのに、低能オタニートにも受けがいいから荒しが沸いてきやすい作品。
もうこのスレが盛り上がることはないだろうな。
140 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 19:06:14 ID:3cFODKY9
HHH
保守
ネギは魔力を失い、普通の人間として生きていくことになった。
教師もやめ、麻帆良学園を去ることになった。
別れの日、ウエディングドレスを着たのどかがネギを追ってくる。
のどか「……私をもらってください」
ネギ「僕にはもう何もありませんよ。 魔力はありませんし、学校も辞めて、
今はもう、守ってあげることもできないただの子供です。
マギステル・マギにもなれなくて、悩みを吹っ切ることもできなかっただめな男なんですよ。
……それでも?」
のどか「私を……私をもらってください」
ネギ「指輪なんて買えませんよ。あなたの分も買えませんよ」
のどかは泣きながら首を横に振り、道路に落ちていたナットを拾い上げ、笑顔でナットにキスをする。
そこでネギは笑顔を見せ、のどかにナットの結婚指輪をはめる。
二人は笑顔で抱き合い、歩いていく……
普通に考えて借金を返したわけじゃなくて肩代わりしたわけだから所有権がネギに移ったわけだよ
つまり…
保守
保守
146 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 08:25:52 ID:4pXypqQf
皆さんはお忘れかも知れませんが……
ネギ先生は原作では刹那と史伽の股間をもろに見ていて、neoではアーニャの股間も見てしまっている。
昔刹那と史伽がその事でネギに責任を取らせようとするSSがありましたし……
武道会の時から古菲が可愛いと思ってました…赤松先生GJ
むふ
むふふふ
むふはははははははは
キタ
キタキタ
キタキタキタキタ
キタキタキタキタキタ――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!
佐倉愛衣爽やか笑顔アップ
キタ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッッッッッ!!!!!
失礼、持病の癪が出た。
コテ酉封印コード解除、突入準備
満を持してここに見参
…あー、とっくの昔に陥落した他スレ出身の書き手が自分で勝手に気合い入れてるだけなんで、
どうぞ聞き流してやって下さい。
とにもかくにも新作
「追って一夏」
投下開始します。
前中後三部構成予定でまともなエロパロが後編だけと言うふざけた代物になっている事を、
まずはお詫び申し上げます。
>>148 × ×
そろそろ日差しが厳しい季節、
若いOLと言った雰囲気の三人連れが、楽しそうにお喋りしながら
麻帆良学園都市のスターブックスに席を取った。
「!?」
その中で、佐倉愛衣が、何かを感じてハッと天を仰ぐ。
次の瞬間、
「きゃあああっ!!」
「Ohモーレツッ!!」
辺り一帯に、突風が吹き荒れた。
何か、天から叩き付けて巻き上がる様な、異様な風だった。
「愛衣!?」
ガタッと席を立った愛衣がトイレに駆け込む。
個室でカードを額に当てていた愛衣がダッと飛び出す。
次の瞬間、びいっと不穏な音が聞こえた。
「?ああもうっ!」
びゅうっと飛び出した愛衣が、びゅうっと席に戻って来た。
「これお願いっ!」
「ちょっと愛衣っ!?」
愛衣は、ドアの金具に引っかけて大きく裂け目の出来たサマースーツのジャケットを席に放り出し、
そのままどこへともなく走り去っていった。
× ×
「ええ、はい、それじゃあ、危険回避のために龍宮神社上空…」
箒で上昇しながらカードで通信し、愛衣は現場へと向かう。
「クエエエエーーーーーッ!!」
現場に到着し、愛衣が目をぱちくりさせる。
>>149 「ちょwwwww
何よこのワンダバぁーーーーーー!?!?!?」
ゴーレムに乗って応援に駆け付けたハルナも、目の前の光景に絶叫する。
「あ、明らかに魔物、ですよね。どうやって結界を…」
大型トラック並の図体の鳥さんを目の前に、愛衣が言った。
「強行突破したと言う事です。今は季節はずれの花粉注意報も出ていますし。
あーあー、そこのバケ鳥、分かるかどうか分からないけど、大人しく捕獲されなさい。
さもなくば実力行使を…」
「ケエェェェェーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!」
長いクチバシががぱっと開き、愛衣はとっさにハルナを背後に防壁を張るが、
空中で先頭に立っていた高音は、突然の音速攻撃にとっさに肉体防壁を張るので手一杯だった。
「超音波!?」
愛衣とハルナが物理的打撃は抑えられても耳を突く音に両耳を閉じる。
強烈な振動で体以外全てを粉末にされた高音が、ぐわんぐわんと平衡感覚を失い、墜落する。
「脱げ女だ!」
「脱げ女が落ちて来たぞー!」
「………」
× ×
「おー、でっかいなー。どーやって入ったんやー?」
狗神に乗って駆け付けた小太郎が、額に手を当てて感心した様に言う。
「あ、小太郎さんっ」
「クエエェーーーーーーーッ!!」
巨大な紫炎の捕らえ手で何とか巨鳥を拘束している愛衣が振り返る。
「やむを得ません。今の内に一撃入れて抵抗力を奪って下さい」
「おう…おいっ!」
「クエエエッッッ!!!」
>>150 次の瞬間、紫炎の捕らえ手が弾け、目に怒りの炎を燃やした鳥が愛衣の間近で右の羽を振る。
「きゃあああっ!!」
「おいっ!」
「あーーーーーーーーうーーーーーーーー」
「てめえっ!!」
「待った待った待ったっっ!!」
小太郎が、右腕にぐおっと黒いものを呼び起こした所で、刹那が猛接近して来た。
羽ばたく刹那の腕には小さい、と言っても白鳥ほどの鳥が抱えられている。
「くえっ」
「クエッ」
「くええっ」
「クエックエエッ」
暫しの会話を経て巨鳥はしゅたっと刹那を向いて右羽を天に振り上げ、
二羽の鳥は遠くの空へ仲良く消えていく。
× ×
「おー、いたいた」
「あー、コタローさーん…」
小太郎が駆け付けると、果たして愛衣が神社の池でばしゃばしゃともがしている所だった。
「いちおー用意しておいて助かりました」
「んな暇あったら、いい加減泳ぎぐらい覚えや…」
岸辺に座り、ザックから空のペットボトル二本を取り出している愛衣の隣で、小太郎が呆れた様に言う。
「何やろなー、魔法も格闘も大概の事よう出来るのに自分」
「えへへ」
愛衣がぺろっと舌を出し、そちらを見た小太郎も呆れた様に笑みを浮かべる。
「でも、神社に着替えあるかなー」
「そやなー…」
水も滴るいい女の隣で生返事をした小太郎の首は、明後日の方向を向いていた。
>>151 × ×
「報告では、認識阻害を張って位層から位層に移動する渡り鳥であり、基本的には無害であると…」
魔法協会支部で、デスクに掛けた高音が言った。
「はい、既に親子とも別次元に移動してこちらの各種レーダーからも消滅しました。
過去の文献・データからも確認済みです」
デスクの前に立つ愛衣が言う。
「それが、魔力の未熟なひな鳥が密猟者に撃たれて、親鳥が怒りの余り結界を突破して探しに来たと」
「あー、そいつら楓姉ちゃんにシメられてガキ鳥はこのか姉ちゃんが世話しとったみたいやがな」
小太郎が頭の後ろで手を組んで言った。
「でも、それであの程度で済んで良かったです。
あの魔力で、もしひな鳥が死んでいたらと思うとゾッとします」
「そうですね」
高音の眉がひくひくと震える。
「データによると牝だったみたいですから、母は強し、ですか。学園結界を突破するぐらい。
分かりました。下がって結構。小太郎君の報酬はいつも通りに」
「はい」
「おー」
佐倉愛衣は関東魔法協会の言わば正社員、
犬上小太郎は形式上高校に通いながら、契約ハンターとして東西両協会に登録。
「そう言えば、お昼食べ損ねました」
「おー、一働きしたから俺もちぃと小腹すいたなー。超包子でも寄ってくか?」
「はい」
愛衣の学生時代から彼女の師匠みたいなものだった小太郎とは、今でもしばしば仕事を共にする。
2008年初夏の事だった。
× ×
「愛衣、愛衣っ」
「どうしたの?」
>>152 2008年夏、魔法協会の事務所で書類を作っていた愛衣が、駆け込んで来た同僚の夏目萌に言う。
「…知ってた?…」
「何、それ?…」
× ×
「私も、ついさっき知りました」
駆け込んで来て自分のデスクの前に立つ愛衣に、高音が言った。
「犬上小太郎は、前回の仕事をもって以後の魔法協会での仕事は断りたいとして登録抹消を申し出、
学校にも退学届けを提出しています」
「前回の、仕事?」
「魔法協会内部の調査もありましたので、直接のメンバーではない忍者の彼に依頼しました。
その仕事は無事終了しています」
「それじゃあどうしてっ!?」
「分かりません。事務局への一方的な申し出があっただけです」
「そんな…」
「それで…あなたはどうするつもり?」
視線を落としていた高音が、すっと愛衣の目を見て言った。
× ×
「キャー!コジロー!!」
「コジローッ!!」
ナギ・スプリングフィールド杯開催中。
魔法世界オスティア拳闘場の通路を、いつも通り不機嫌な顔つきの小太郎が通り過ぎる。
その姿が又、係員に制止された乙女達、心は乙女達のハートを熱く揺さぶる。
その事が又、小太郎の表情を不機嫌なものとし、その事が又(以下略)
「コジローッ!」
「小太郎さんっ!!」
小太郎が、ふと足を止めた。
振り返った小太郎の前に、制止をかいくぐって飛び出した愛衣がとん、と立っていた。
「小太郎さん」
「何あの女ヒソヒソヒソヒソ…」
>>153 一瞬だけ目を見張った小太郎は、くるりと背を向けて歩き出した。
「小太郎さんっ!!」
小太郎の姿は、屈強の衛視に固められた専用口へと静かに消えて行った。
× ×
「ありがとうございます」
「…お嬢ちゃん…」
ぺこりと頭を下げて立ち去ろうとした愛衣の背中に、トサカが声を掛けた。
「…覚悟…あるんだろうな?」
脚を広げて椅子にふんぞり返るトサカの言葉に、振り返った愛衣がもう一度一礼してバルコニーを後にした。
「真っ直ぐでいい目、してるねぇ」
「ママ」
「アコの事思い出すねぇ、マホラの娘ってのはそうなのかね?私にもあんな頃が…」
× ×
「おーっ、今日も勝ったで稼いだでー、今夜も奢りや飲めや歌えやどんどん来いどんどんー!」
「おおーっ、さっすがコジロー!」
「コジロー様最っ高ーっ!!」
「キャー、コジロー!!」
「やーんコジローさーんっ!!」
「小太郎さんっ!」
薄暗い酒場の中心で、人垣を割ってツカツカと歩み寄った愛衣がドン、と両手でテーブルを叩いた。
「どういう、つもりですか?」
「なんや、あんたか?こんな所まで来て何してんね?」
「それはこっちの台詞ですっ!」
一見すると半ば出来上がっている小太郎の手から、グラスを奪い取って愛衣が叫ぶ。
「いきなり私達の前から姿消して、どこに行ったのかと思えば魔法世界に渡って…」
「おーっ、色男、とうとう旧世界から捨てた女が追っ掛けて来たってかー」
>>154 軽口を叩いた男に、小太郎がほんの一瞬、ギロッと鋭い眼光を見せた。
「どーでもえーやろそんな事、ちゃんと仕事終わらせて手続きしたんやし。
あんたと違ごて俺は一回契約や、その後どないしようと協会に関係あらへんね」
「私とは、関係ないんですか?」
「私て、あんたとか?」
「私と…あー、その…今までずっと仕事してて、あんまりじゃないですかこんなの。
戻って来るつもり、無いんですか」
「あー、そやなー、こっちで腕一本でやってる方がむっちゃ稼げるねん。
もうなー、公式非公式裏も表も賞金街道まっしぐらってなぁ」
「お金、ですか」
「そやなー。だから俺は高いで」
小太郎が、愛衣の顎をぐいっと掴んだ。
「あんたぐらいなら、何でもあり宣言付きで奴隷契約一ヶ月、ってトコか」
「やーん、コジロー私にぃ」
「私にコジローの首輪ちょーだいー」
「一ヶ月…そうですか、わか…」
はべっていた女達の嬌声の中、言いかけた愛衣の体が床に吹っ飛び女たちが悲鳴を上げる。
「おい、このストーカー女つまみ出せ」
「へー、確かに可愛いなー、触っていーんか触って」
「好きにせぇや、自業自得や」
張られた頬を押さえた愛衣に酒場の男共がわらわらと向かい、小太郎が席を立つ。
ふと、気配に気付いて小太郎が振り返る。
次の瞬間、パーンと愛衣の平手が振り抜かれ、首の向きを直した小太郎がニッと不穏な笑みを浮かべた。
「…腕、上げたか?…」
「一発は一発です、いただいたのはこの一発だけです。
ジョンソン首席のいい子ちゃん、余り舐めないで下さい。
小太郎さんには遊び程度でも、伊達に小太郎さんにしごかれてた訳じゃありませんから」
ぷっと一度床に血を吐き捨ててから、
箒を後ろ手に死屍累々の中に立つ愛衣がしっかと小太郎を見据えて言った。
前編投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
カモン!カモォン!(゚∀゚)!
では中編投下、入ります。
>>155 × ×
黙って歩く小太郎に黙って付いて来た結果、愛衣は小太郎の宿舎の部屋に立ち入っていた。
「で、俺の事連れ戻しに来たんか?」
不機嫌そうに小太郎が言う。
「とにかく、一度話を…」
「協会の指示か?」
「私の一存です。お姉様達には最後まで反対されました」
「そやろな、あんたみたいなエリート候補がや、
俺みたいな半端モン追っ掛けてこっちの世界までて、まともやないで。
そや、半端モンやから、こっちで腕一本でやってく方が性に合ってる。分かるやろ?
こっちの世界はぬいぐるみでもイルカでもなんでもありやからな」
「そういう、事ですか…」
「ま、そんな所や。分かったらさっさと去ね去る、
いい子ちゃんはあっちで自分の仕事してたらええねん代わりなんていくらでもいるやろ」
「戻って来ては、くれませんか?」
「だから…」
「私が、戻って来て欲しいんです。確かに、あなたみたいな、その…」
「あー、亜人でも半妖でもバケモノでもなんでもえーがな」
「色々と、やり難いと言うか辛いと言うか、そう言う事はあると思います。
でも、今までもそういう人はいました。私に出来る事なら…」
「出来る事なら、なぁ…」
座り込んでいた小太郎が、胸に手を当てて言い募る愛衣の前にゆらりと立ち上がった。
「やらせろって言ったら、やらせてくれるのか?」
一瞬の迷いと一瞬の嘲笑が交わった後、愛衣は小太郎をしっかと見返した。
>>157 「男に二言は無いんですよね?」
「何?」
「私も、そんなに安くはないです。
女にそこまで言うって事は、小太郎さんも覚悟あって言ってるんですよね?」
「ほー、俺と勝負するんか?」
「どうなんですか?」
小太郎が、ギリッと奥歯を噛み締める。
「…なら、脱いでみぃや。張ったりはきかへん。話はそれからや」
× ×
「…へー、ほそっこいかと思ったら、結構あれやな」
身に着けていた全てを床に落とし、大事な所はまだ手で隠しながらも顔を上げている愛衣の前で、
小太郎は乾いた声でもニヤッと笑って見せた。
「あー、まだ俺ん事ガキやと思ってるやろがな、
こんだけ稼いでスタジアムでもストリートでもキャーキャーワーワーの有名人や。
女の十人や百人向こうから寄って来る何て事あらへんさかいな」
「そんな事言ってるのがお子ちゃまだって言うんです」
「言うたな」
小太郎が、ツカツカと愛衣に近づき、胸に巻かれている愛衣の左腕を掴む。
目と目が交錯する。奥に秘めた怯え、奥に秘めた、悲しみ。
小太郎の目がチラッと下を向く。形のいい脚の動きは、さながら激戦のKO寸前。
不意に、手を離した小太郎が座り込む。
「うぷっ!」
「アホやろ、自分!」
愛衣の衣服を持ち主の顔面に投げ付けた小太郎が叫んだ。
「アホやろ、自分。おかしいやろ、こんなんあり得へんて俺なんかのために、
なあ、明らかにおかしいやろ!!ほら、こんな無理して…」
「分かってますっ!」
へにゃーっと床に座り込んだ愛衣が、服を抱えたまま叫んだ。
>>158 「こんなの、変だって分かってますっ!分かってる、けど…」
「…いや、なんつーかすまん。俺が悪かった」
目に涙を溜め、上げていた顔を伏せた愛衣の前で、立ち上がった小太郎は深々と頭を下げていた。
「だからあれや、とにかく、あー服着てくれ俺外すさかい。
もうこんな時間やからここ泊まってな、ほら、俺ぐらいになるとここ部屋数あるやろ。
あー、分かってる分かってる、
指一本触れる気無いさかい約束破ったらBBQでもなんでもしたってかまへんさかいな」
わたわたと言う小太郎を前に、愛衣の顔に、くすっと笑みが浮かんでいた。
× ×
ベッドの上で身を起こした愛衣は、右拳を天に突き出して大あくびをする。
カーテンから覗く朝日に目を細め、寝室のドアを開ける。
リビングに出た愛衣は、足下に転がる、器用な自分簀巻きでうーうー唸っている姿に目を丸くし、
くすっと笑みを浮かべると台所に向かった。
「結構、色々ありますねー」
台所に立ち、ごそごそと冷蔵庫を漁る。
かつて、そこそこ長い事この世界に押し込められているので一通りの知識はある。
「朝ご飯出来ましたよー」
× ×
「いただきます」
「いただきます」
テーブルに向かい合い、小太郎と愛衣が朝食を口に運ぶ。
「旨いな」
「ありがとうございます」
特に、違和感は無い。
今までも、小太郎は愛衣とは任務で何度となく一緒に寝泊まりしている。
海やら山やら謎のなんたらやら、手が空いてる方が食料を調達して食える様にする。
その時とは根本的に状況が違う様な気もするが、愛衣が気にしていない様なので
小太郎も気にする気が失せた。
>>159 × ×
「うわーっ、久しぶりだけどやっぱりすごーい」
「ま、年に一度、世界挙げてのお祭りやからな」
小太郎と共に表通りに出た愛衣が、オスティア終戦記念祭の賑わいに素直に感嘆する。
「それで、今日は小太郎さん、半日お休みなんですね」
「まあな、そんで…」
愛衣がつと視線を上に向け、小太郎がニッと笑みを見せる。
小太郎が放った大量の狗神に、空中で何かが突き刺さり消滅する。
「オオガミコジロー、待っていたぞ。大会資格こそ逃したが、貴様を倒し本当の勝者が誰かを…」
「お嬢さん下がっていて下さいな、これから真っ赤な…」
愛衣がすっと前進し、小太郎がニッと笑みを浮かべた。
「アデアット!」
“…無詠唱・炎・この数と速さ、侮れぬぞ弟よ!”
“承知!”
“典型的魔法使い、先に潰せ!”
“承知!一発で…”
「北に30」
「北に50!!」
ざっと後ろを向いた愛衣が箒を下からすくい上げ、咬ませ犬Bがだっと飛び退く。
「むうっ、今の魔法のキレでインファイトにも対応出来るとは…ごふうっ!…」
突然の予定変更に伴い万全のチームワークでの対応策を練り上げた次の瞬間、
咬ませ犬Aは体を小太郎の文字通り目の前で体をくの字に折っていた。
「ほら、あっちも終わったさかい兄弟仲良う寝とき」
>>160 × ×
「ナギまんおいしー♪」
お行儀悪く買い食い中の愛衣の隣で、小太郎は指を舐めて紙幣を数えていた。
「通り一本過ぎて十ペアか、ちぃと旨い昼飯が食えそうやな」
「はいっ♪」
× ×
闘技場舞台裏の一角。トサカの蹴りが叩き込まれ、くの字に曲がった愛衣の体が壁に叩き付けられる。
「おらおらおらおらあっ!!」
くずおれる間もなく、ラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュ
“…速くて、重い…”
「どーしたどーしたあっ、旧世界のエリート候補ってのはそんなモンかー?
そんなんじゃなあ、一人の方がマシ邪魔なだけ…」
大きく腕を引いたトサカが、とんと自分の腹を撫でる掌の感触に気付く。
「エーミッタム…」
「なっ?おい、あんだけ食らって…」
紫炎の拘束の中で為す術なきトサカが、後ろに回った愛衣の箒でトンと肩を叩かれる。
「最小面積の防壁で当たった振りで、
可愛い顔して食えねぇ策使いやがる。実戦でやったら命か幾つあっても足りねーな」
「でも、命までは取られない。それに、多分殴り合いなんてさせてくれませんから」
「違ぇねぇ」
拘束が解けたトサカが、やれやれと両手を上げ、愛衣にメモを渡す。
「この治癒術師だ、俺の名前でこれ見せれば分かる。
アバライッたまんまで出る訳いかねーだろあいつのパートナーって事はこっちに響くんだ」
ぺこりと頭を下げた愛衣がタタタッと走り去る。
>>161 「最初の攻撃もじゅーぶん痛かったぜ、嬢ちゃん…」
ふーっと座り込んだトサカの顔に、見る見る汗の数が増えていく。
「あーあー、途中から遠くで見ていたママ、俺達の動作はバッチリ見てても会話は把握していないものと…
まあなんと言うか、やっぱり普段の行いがと言うか…」
× ×
「オーマイガッ!!
無茶だ無茶無茶無茶激突激突死んだああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっっ!!!
…曲がった?ガット!!曲がった曲がったヘアピン突破あああああああっっっっっっ!!
最後の直線追い縋る追い縋る追い縋る追い縋るGoGoGoGoGo!!
エブリバディクライクライクライクライクライフェニックスが奇跡の瞬間オッケー
ゴールゴールゴールゴール
ゴオォォォォォォーーーーーーーーールウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
「うらうらうらうらあああっっっっ!!!」
「きゃあきゃあきゃあ♪」
ローブで身を包み、既に泡だらけで優勝カップを抱える愛衣の頭に、小太郎が私的にシャンパンを注ぎ込む。
「やったな、ホーキGP堂々一等賞」
「はいっ!」
「バトルレースやさかいようけ脱げとったけど、脱げた先から脱がし返してぶん奪って、、
まあうまく隠してたなぁ」
「とーぜんですっ!」
「おしっ、ほな行くか!」
「はいっ!!」
× ×
「ナギスプリングフィールド杯もいよいよ決勝戦。
ここまで圧倒的強さで勝ち上がって来たオオガミコジロー選手。
タッグ戦もなんのその、一人で圧勝まっしぐらだったコジロー選手に
×回戦から急遽エントリーしたパートナーサクラメイ選手。
体術に専念してますます圧倒的な実力を見せつけるコジロー選手、
そのコジロー選手をよくバックアップする正統派魔法使い属性炎のメイ選手。
拳闘士と魔法使いのオーソドックスな正統派の前衛後衛パターンで
危なげなく勝ち上がって来たコジロー・メイペアに…」
>>162 × ×
「なんか、優勝しちゃいましたね…さすが小太郎さん…」
「何言うてんね」
「あうっ」
愛衣の頭をくしゃっと撫でて、小太郎が言った。
「さすがに決勝は姉ちゃんの足止め無しにはきつかったで。ほれほれ」
小太郎が新聞を見せる。
「準決勝までの暫定、信用できる数字、出場者の中でも魔法使い部門トップクラス、あんたの実力やでこれ」
「えーと、ランキング…私、こんなに強かったんですか?」
「当たり前やろ、優勝やで優勝。
この試合、ちぃとお勉強出来るぐらいやったらどもならん、あっさり終わるか使いものにならんか。
けど、あんたはキッチリ飛び道具抑えてくれた、前出るのに随分楽させてもろたわ。
つー訳で、ま…ありがとうなこんな物騒な試合に出てくれて」
控え室で、小太郎がぺこりと頭を下げた。
「それは、小太郎さんに色々教えていただきましたから。
それに、前は小太郎さんに任せていれば大丈夫、その事は今まででとっくに分かってた事です」
小太郎と愛衣の目が合い、共にふっと笑みを浮かべる。
「でも、この賞金どうしましょう…」
「ま、取りあえず…ドンチャン騒ぎやな」
「ですね」
× ×
「はい、出来たよ」
最後に櫛を入れ、ぬいぐるみママが鏡台の前に座る愛衣に告げた。
「綺麗な髪だね」
「ありがとうございます」
立ち上がった愛衣が、ぺこりと頭を下げる。
>>163 「じゃ、行っておいで、頑張って来るんだよ」
「はいっ」
× ×
「お待たせしました」
「おう…」
廊下の壁に背中を預けていた小太郎が、そっちを向いて言葉を切る。
「…あの…小太郎さん?」
じろじろと無遠慮に愛衣を眺める小太郎に、愛衣が声を掛ける。
「あ、ああ、それ、借りたんか?」
綺麗に髪を梳いた、淡い桃色のパーティードレス。
清楚なイメージにぴったりの姿の愛衣に小太郎が言った。
「はい、ぬいぐるみのチーフさんが手配してくれました」
ベアトップに裾フリルのドレスを自分で確かめながら愛衣が言う。
「ああ、そうか。ほな、行くか」
「…はい…」
そもそも、前回そうだった時も、年齢詐称薬により似た様な姿だった。
そんな、野性的な魅力にタキシードのはまった小太郎に今さらながらほーっとしている自分に愛衣が気付き、
パタパタと後を追う。
「でも…良かったんでしょうか舞踏会私が出ても…」
「あー、俺もあんまし気乗りせぇへんけどなぁ、優勝まで行ってまうと義理とか付き合いとかなぁ。
見せモンみたいなモンやけど、何か、有力者のお嬢ちゅうのが来い来いうるさいとか言われてなぁ。
つー訳で、まーあれや、ちぃと虫除けちゅうかな、頼むわ」
「分かりました」
>>164 × ×
「キャー!」
「コジローさんキャー」
「やっぱカッコいー、すっごいワイルドなのに紳士ー」
「素敵ですわねぇ」
「本当にお見事ですわ」
舞踏会の会場で、確かに多少イラッとするのは否定できなくても、
愛衣はむしろ何か誇らしいものを感じていた。
「おお、あなたはコジロー氏のパートナーの」
「サクラメイさんでは」
「いやいやこれは、あのスタジアムの勇ましい戦姫が」
「あの凛々しいメイさんが嗚呼今はなんと可憐なお美しい」
「え?いやー、あのー…えへへ…」
不意に、愛衣はぐいっと腕を引っ張られる。
「え、あっ、ちょっと…」
気が付いた時には、愛衣は正面の小太郎にガシッと両腕を掴まれていた。
「あー、うー、佐倉愛衣、さん。一曲踊っていただけますか?」
仏頂面でかしこまって言う小太郎の前で、愛衣は噴き出すのをぐっと堪え、極上の笑顔で返答する。
「はいっ♪喜んで」
>>165 × ×
「ああ、まだドキドキしてる」
ホテルの部屋で、愛衣は普段着に戻ってからも胸に両手を当てて目を閉じていた。
「んー、どないしたんや?」
「どないした、って…でも、小太郎さんってダンス、あんなに上手って一体どこで…」
「まー、俺達人やさかいな」
「自分で言ってる」
愛衣がくすっと笑う。
「で、達人でもない努力家の勉強家のあんたも随分上手だったわなぁ」
「なーんか、トゲあるんですけど」
「そうか?」
「昔、留学中にお兄様お姉様達のプロムが羨ましいって、そんな時期もありました」
「なんか、婆さんみたいやな」
「そうですね。でも、その後で出会った、オチビさんだった小太郎さんが
今はこんなに格好良くってモテモテなんですから、その時から見たらお婆ちゃんですね」
「そんなガキになー、未だに敬語使こてるんやから、こそばゆくてかなんわ」
「だって、実戦では未だに全然かなわないんですから」
「素直やな。なんつーか、ま…
昔っからまあ、あれやったけど、あれや、その、きれーになったで愛衣姉ちゃんもホンマ」
そっぽを向いて言う小太郎に、愛衣はくすっと笑みをこぼす。
中編投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
話があっちこっち飛んで分かりにくいとこもあるけど、
純情展開が予想外にツボだったよ!
後編もwktkしてまってる!リアルタイムGJ!
>>166 小太郎ってこんなコテコテの関西弁だったっけ?というところ以外は超GJ。
なんかよく分からないけど、読んでてちょっと妙な感じがする。
後編に期待してますぜ兄貴
色々と有り難うございます。
>>167 構成進行上の都合と、正直言って魔法世界は深入りすると手に負えないと言う事で駆け足にしました。
私の転換の仕方が余り上手くないと言うのもある様ですが。
>>168 基本関西弁だと思いますが、こんなモンかなあと。
後編ですが、加筆修正が予想以上に伸びてしまいました。
後編は二部構成で多分今日の内に二回投下してしまいます。それで本当に終わりです。
それでは後編第一部投下、開始します。
>>166 「明日はゲートポートですね」
「ああ…ま、なんつーか、迎えまで寄越されたさかいな。
結果どーするかはとにかく、いっぺん向こう戻て義理だけは通すさかい」
「ありがとうございます」
ぺこりと頭を下げた愛衣が頭を上げてにっこりと微笑んだ。
そのままたたずむ愛衣を、ベッドに座った小太郎は不思議そうに眺める。
「ん?どないしたん?後なんか打ち合わせとかあったか?」
「いえ」
愛衣が歩み寄り、同じベッドに腰掛けた。
「どないしたん?」
「えー、あー、何と言いますかその…」
「!?」
愛衣の瞳がぶわっと潤んだのを見た、と、思ったら、
小太郎は上半身を小太郎の正面に回した愛衣にしっかと抱き付かれていた。
「お、おいっ…」
「帰って来て、帰って来て下さいお願いですっもうどこにも行かないでっ!
お願いだから帰って来て、魔法世界で離れ離れなんてやだやだやだやだやだっ!!
分かったんです、一緒にいて心の底から分かった、そんなの嫌だ、そんなの耐えられないって。
本当に、小太郎さんが望むんだったら、それで小太郎さんが旧世界に戻って来てくれるんだったら、
それだったら私…」
>>169 言い募る唇は、唇で塞がれた。
「私は…友達?弟子?相棒?…恋人、になれなくても小太郎さんに必要な人に、なれますか?
どれでもいい、小太郎さんにとって必要な人に、今だけでも、小太郎さんと繋がっていたい。
分かりませんか?言った筈です。私、そんなに安くない。
そんな、好きでもない男の人に自分から裸になるって、そんな事しない。他になんの理由があって…
旅先の思い出でもいい。それで小太郎さんが戻って来てくれる、
もし、戻って来なくても私の心にだけでも、掛け替えのない思い出が残るなら、私…」
「愛衣姉ちゃん、俺、愛衣姉ちゃんが、欲しい。
あー、なんつーか、ずっと一緒にいて、姉ちゃんどんどん綺麗に、いい女になってく。
だからあれや、俺もしょっちゅうそない思っとって、
それはまー、しょーもない男のガキのあれちゅう事思って一人で勝手にあれや。
けど、今、すっごく欲しい。あんたの言うどれだかは正直分からん。
けど、今俺いい加減な気持ちやない。姉ちゃんが本気なのも、分かるさかい」
「嬉しい」
「だから、な、泣かんといてや、頼むから。俺、愛衣姉ちゃんの笑ろうた顔、好きやから」
「はいっ」
愛衣の最高の笑みと共に、改めて、静かに唇が重ねられた。
× ×
「あー、やっぱりこういう時は、風呂とか入っとくモンか?」
唇が離れた後、小太郎の間抜けな様な的確な様な一言に、愛衣が頷いた。
小太郎に勧められるままに愛衣がバスルームに入りシャワーを浴びバスタオルを巻いて出て来て
ベッドの小太郎の隣にちょこんと座った後、
小太郎が立ち上がってバスルームに向かい開く前のドアに激突したのは、
長時間視線が下に向きすぎていた事が原因であったと推察された。
しかし、その様な事にひるむ事なく、烏の行水を終えた小太郎が
腰にタオル一枚巻いてちょこんと愛衣の隣に腰掛けた。
互いに横を向き、何度目かの口づけを交わす。
そして、小太郎が静かに、優しい手つきで愛衣をベッドに横たえた。
「ええんか?」
愛衣が小さく頷く。
小太郎が、恐る恐ると言った手つきで、バスタオルを外す。
ごくりと喉を鳴らした小太郎は、ほーっと白い裸体に釘付けの視線を送る。
愛衣は、その無遠慮な視線を前に、自らの両腕に懸命に制止の意思力を送り続けていた。
>>170 「綺麗やなぁ…」
ようやく、小太郎が言葉を発する。
「ほそっこいんかと思うとったけど、すごい女っぽくて、胸も、結構大きいんやな愛衣姉ちゃん」
既に少女と言える歳ではない、白くたおやかでも力強い大人の裸体に素直な賛辞を送り
その柔らかく成熟した膨らみにふにっと手を伸ばしている過ぎない小太郎の言葉。
本人は素直にそれだけのつもりでも、ベッドで他の女性と比べられる、それは最大の屈辱にしてマナー違反。
そんな、奥底に感じるもの、つまらない疑念を懸命に振り払いながら、
愛衣は意外な程に優しい小太郎の手つきに意識を集中させる。
“…あ…でも…なんか、やっぱりちょっと気持ちいい…”
「…小太郎さん…」
「んー?」
「何と言うか、もっと、いいんですよ乱暴にされると痛いけど、でも、その触っても…」
「ほなら…」
「?」
珍しく口ごもる小太郎の態度に、愛衣が小首を傾げる。
「その…ええか、吸うても?」
「?…はいっ」
にっこり微笑む愛衣の前で、真っ赤になった小太郎が、
既にピッと女の昂ぶりを主張していながらも可愛らしいぐらいの桃色の乳首をちゅうっと吸った。
「あっ」
「ん?」
「んふふっ、くすぐったい、気持ち、いいです…」
「ほかほか」
「はああぁ…」
愛衣の分かりやすい説明に、
興に乗った小太郎がやわやわと掴みながらちゅうちゅう取っ替え引っ替え吸い立て始める。
「うぷっ!」
「んんんっ…」
喉を鳴らしながら喘いでいた愛衣が、
むずかった様な声を上げながら、柔らかおっぱいに夢中の小太郎の頭をきゅっと抱き締める。
>>171 「ん、んぷぷっ…」
「えへへー、コタローさーん」
「く、苦しいて愛衣姉ちゃん」
「えへへー、ごめんなさーい、コタロー君にちゅうちゅうされて気持ちいーですー」
「あー、さっきパーティーでワイン飲み過ぎたん違うか?」
「そーですよ、おねーさんなんですからとーぜんでしょー」
「おいおい、いきなりどーしたん?」
「んふふー、だってコタローさんかわいーんだもん。あうっ!」
「ちぃと、きつぅしたった方がいいみたいやな酔っ払いには」
知ってか知らずか、小太郎は、甘噛みと言う技法を駆使していた。
ぷくっと尖った乳首にもこりっと決して痛めない加減を加えて愛衣をのけ反らせる。
「あんっ、小太郎さんっ」
「へへっ、愛衣ねーちゃんもかわいーで。師匠をガキ扱いした罰や」
「あううー、ごめんなさい降参です師匠ー」
愛衣の上になってニッと笑みを浮かべる小太郎に、
半分は本心、半分は可愛い可愛い小太郎を満足させてあげる愛衣の言葉。
「ああっ、小太郎さんっ」
「ん、どした?」
何か、赤い顔をしてもじもじしてる愛衣に小太郎が声を掛ける。
「あにょその…」
「何や分からへんね、あうっ」
愛衣は、とても口に出して言えない恥ずかしい事を伝えんと、
やっぱり元々恥ずかしい場所の恥ずかしい状態の所に小太郎の手を掴んでぐいっと導く。
「…こっちも…触って…」
「ええんか?」
小太郎の問いに、愛衣はきゅっと目を閉じてこくんと頷く。
勝手が分からず、小太郎は愛衣が目を閉じている間に、
するすると顔を降下させながらそろそろと手を動かす。
>>172 “…震えてる…”
真っ白ですべすべの太股。愛する男性を迎えるべく意思力で僅かに緩めながら、
それを閉ざそうとする羞恥心を懸命に抑え込む。
小太郎のために女が女として懸命に戦っているのが感じ取れる。
「あ、あのっ、あのっあにょですね、小太郎さん」
「あ、ああ…」
訳も分からない小太郎に太股やお腹の黒々とした周辺をさわさわされて、
それはそれでくすぐったく心地よかった愛衣のやっとやっとの言葉に小太郎もやっとやっと返答する。
「えーとあの、ここのこの、ちょっと、尖ってるの、見えますか?」
「あ、ああ、ここがその…いっ!」
「!?愛衣姉ちゃんっ!?」
「ううん、いいの。ここね、女の子の気持ちいい所なの。
でも、敏感過ぎて乱暴にすると痛いぐらい。だから、自分の体から保護するのが自然に出て来てるの、ね」
「あ、ああ…」
「そう…はあああっ!」
蜜をすくいとった指でつーっと撫でられ、ひくひくっと愛衣の背筋がベッドの上に反り返った。
歴戦の勘は、それが、痛みの声とは微妙に違う事を感じ取った。
「あっ、コ、コタ…あっ、あああっ…ああああっ!」
「エロイ声出してんなー、愛衣姉ちゃん」
先ほどの狼狽をごまかすかの様に、小太郎がニッと笑ってぴちゃぴちゃと面白そうに指を動かし続ける。
「ふーん、指でこーやって気持ちいーんか。ほならなんか自分でも出来そーやなぁ」
「…バカあっ!…」
元々赤かった愛衣の顔が見る見る茹で上がったのを見た、次の瞬間には小太郎の視界は枕に封鎖されていた。
「あたたた…」
「あ、あの…」
怖々と小太郎の顔を見る愛衣に、小太郎は唇で返礼する。
真面目な愛衣をからかう事はたまにはあったが、これはどちらかと言うと女よりも男の方が覚えのある事。
そんな真面目な愛衣が懸命の勇気を振り絞ってるのに、ちょっと悪かったかなと思ったりもする。
>>173 「でも、いじられると気持ちいーんやな、かわいーで愛衣姉ちゃん。
こんなにぬるぬるのトロトロんなって、オマメも硬とう尖ってていじってやると…」
「もうっ…そんな…だって、小太郎さんだから…
あっ、あんっ、いい、はい、気持ちいい、です小太郎さんっ」
愛衣が男にこんな姿を晒す。それを懸命に伝えようとする。その相手に選ばれる。
この可愛らしさと知っている姿とのギャップが、選ばれた自分への誇りにも思える。
「あ、あのっ、小太郎、さん」
「ん?」
「ああっ、お願い、小太郎さん…小太郎さんも、その、窮屈そう…」
「ん?」
ようやく気付いた小太郎が、自分の腰のタオルを取る。
「あー、愛衣姉ちゃんだけ丸見えのすっぽんぽん言うのも不公平やったなー」
愛衣は顔を覆った両手の指から怖々と覗き、冗談めかした小太郎の言葉も半ば本心。
やっぱり、愛衣に目の当たりにされると言うのは、非常に気恥ずかしいものがあった。
「…あ…その…つまり、今そうやってそうなってるのが…」
「ああ、そう言うこっちゃ。おい?」
ベッドに座った小太郎が、そこに匍匐前進する愛衣に小首を傾げる。
「本当に立ってるって言うか…すごい熱くて硬い…」
「お、おい、ちょっと待て…お…おおうっ…」
× ×
「お、おい、大丈夫か?」
「は、はい、目は閉じましたし、害は無い筈ですから」
「いや、そーゆー事やないと思う多分」
愛衣の白く柔らかな掌が怖々と、しかし興味深く、熱くたぎった幹を包み込んだ時、
ほんのちょっとした動作確認が、小太郎の限界だった。
内心オロオロで懸命に言葉を口に出して解決策を模索している小太郎の前で、
片目を閉じた愛衣がぺろっと唇を嘗める。
>>174 「これが、小太郎さんの…」
「まずないか?」
「すっごくまずいです」
愛衣が言い、二人とも下を向いてくくくっと笑った。
「すっごい顔やで、ま、俺が悪いんやけど、こればっかはあれやから」
「分かってます」
「ほれ、あー、目ぇ開けんなや、結構ヤバイから」
「有り難うございます」
小太郎がまずは引き寄せた箱のティッシュで愛衣の瞼を拭い、後は愛衣が自分で後始末をする。
「あー、すまんな」
「何と言いますか、あんなに元気なんですね、やっぱり。
でも、やっぱり出した後は小さくなるんですね」
「小さくてなぁ…おい…」
「小さくて柔らかくて、なんか可愛い…あっ、やっぱりこーすると又…」
「おい、待て…おおおっ!…」
再び興味深げにぐにぐにいじくられていただけでも結構な事だったのに、
目の前で真っ裸の、それも本来真面目な印象の愛衣にウブなだけにタチが悪いと言う状態でそうされて、
為す術なくムクムクして来た所に今後こそ思わぬ次の手、小太郎は思わずベッドに座ったままのけ反った。
「ストップストオップ!待てっ、待て待てやっ!!」
「んぷっ、ぷはっ…」
ムクムク復活した所をもごもごと口に含み舌の仕上げで満タンチャージに至り
力ずくで引きはがされた愛衣がきょとんと小太郎を見る。
「あー、愛衣姉ちゃん、どこでそーゆーの覚えて来るんや?」
「んふふー、おねーさんですから、雑誌とか友達とか、イケナイ事ぐらい知ってますよー。
お口の中で熱く大きくなって、やっぱこーゆーの気持ちいーんですかコタローさん?きゃっ」
両肩をベッドに押し付けられ、愛衣はちょっと怖々と上を見る。
「そーゆーお勉強は後で教えてもらおか。なんかすっごいヤバかったけど、
せっかく愛衣姉ちゃんがこんなビンビン準備してくれたんや。今はこれ、愛衣姉ちゃんに、な」
腕を立てて覆い被さった小太郎がニッと笑うのを見て、愛衣もこくんと頷いた。
愛衣が小太郎の手を取り、導いた指が何やらぐにっと沈み込んだ。
>>175 「…ここで、ええんやな?」
ぐっと指に力を込める小太郎に、愛衣は目を閉じて頷くのが精一杯だった。
小太郎が愛衣に覆い被さり、抱き締め、キスをして動き出す。
愛衣は、目を開ける事が出来なかった。
「………?」
怖々と開いた愛衣の目には、何かちょっと狼狽した様な小太郎の顔が映り、
お腹に、何か柔らかい感触が伝わった。
「あの…小太郎さん?」
「あ、ちぃと待ってな、愛衣姉ちゃんの裸、綺麗やから今の今まで、あれ?」
「…あの、小太郎さん?そういう事って時々あるとか雑誌でもその…
だから、焦らなくてもいいですよ笑ったり逃げたりしませんから小太郎さん」
いい加減そこそこいい歳の女性として、愛衣は小太郎をきゅっと優しく抱き締める。
「…いや…」
少し、寂しそうな小太郎の言葉だった。
「やっぱりあれや、散々キツイ思いして来たからなぁ。
どっちかつかずでどっちからも邪魔者、そんな半妖の血筋、俺が俺みたいなガキを。ずっとそう思うてた。
万が一、ちゅう事もある。ホンマに、大切な人やから、だから、それが怖いて体が覚えて…」
愛衣が、小太郎の解いた黒髪を、背中を、黙って優しく撫で続ける。
「…ええ匂いやな愛衣姉ちゃん…」
「又、私が、欲しくなった?」
柔らかな自分の腹でそれを確かめた愛衣が、精一杯の女の口調で問うた。
「あ、ああ…」
「お願い。私も、私も欲しい、欲しいから小太郎君。焦らなくてもいいから待ってるから…」
“…す、すごい事言ってんなぁ、愛衣姉ちゃん…”
愛衣にあえて言わせている、恥じらいに身悶えさせながら。
その事は確かにプレッシャーにもなったが、同時に、小太郎の本来の闘争心を奮い立たせる。
>>176 「ん、んっ!」
「くっ…」
狙いを定め、ぐっ、と腰を使った小太郎が、脳天まで突き抜ける様な最初の一撃を懸命に耐える。
「愛衣、姉、ちゃん?」
愛衣の目尻から溢れる涙を見た小太郎が、何かを言う前に愛衣がぎゅっと小太郎を抱き締めた。
「小太郎、さん。小太郎さん小太郎さん小太郎さんっ」
「あ、ああっ、愛衣姉ちゃんっ」
男として、とても、腰を動かさずにはいられなかった。
どうあがいてもどうにもならない。今年のナギ杯優勝者、
かのネギ・スプリングフィールドとも張り合い続けた歴戦の猛者犬上小太郎オオガミコジロー、その自分が、
元々粗っぽい関係が多いだけにちょこちょこと目に耳にするベッドのタフ・ガイに及ぶべくもなく、
只只振り回され翻弄される、偉大な力に包み込まれるだけで終わると言う事を、身に染みて痛感した。
そして、リフレインされる記憶、愛衣の顔、それは凄く大事な事だったと。
後編第一部投下、終了です。
今回はここまでです。続きは近々折を見て。
全裸で正座待ち!
では最終回後編第二部、投下入ります。
>>177 × ×
「…あー、愛衣姉ちゃん…」
「はい」
覆い被さったまま、小太郎が尋ねる。
にこっと微笑む顔に、僅かな苦痛の歪みが覗くのを小太郎は見逃さない。
“…血の匂い…”
「あー、なんつーか愛衣姉ちゃん、その、こういう事って今まで愛衣姉ちゃん…」
「気になりますか?」
「まああれや、つまりその…はい、気になります」
にこっと微笑まれた小太郎が、こくんと頷いて観念する。
“…つーかこういうの、にこってゴゴゴゴゴッて、愛衣姉ちゃんも出来るんかいな…”
「初めてですよ。だって、そういう男の人って、小太郎さん以外見てませんでしたから。
今思えばあの時からですから、年齢的にはちょっと変態入っちゃいますけどね。
でも、さっきも言いました。好きでもない男の人に自分から裸を、ましてやこーゆー事、
そんなに私、安くないですよ」
ぺろっと舌を出してにこっと微笑む愛衣に、改めてかなわないと痛感する。
「…あーうー…嘘やからな」
「え?」
「だからあれや、こないだ言うたほら、女の十人とか百人とか、あれ、真っ赤な嘘やからなすまん嘘ついた。
いや、勘違いするなや、モテる言うのはホンマやで。
そいで、据え膳食わぬはなんたら言う場面も一回や二回や
ミスなんたらとかお忍びでどこぞの姫さんとか…ああ、悪いこんな時に。
けどな、結局あれや。つまりほら。俺もな、まあなんつーか…」
もごもごと言う小太郎の横で、愛衣がくすっと笑った。
「嬉しい」
ちゅっと愛衣に吸われた小太郎の頬が、改めてかああって真っ赤になった。
二人が向き合い、再び唇を交えながらベッドに転がる。
>>179 「…やっぱり、綺麗や…」
「嬉しい…あっ」
「ん?」
「…又、小太郎さんのがお腹に当たって、こんな熱く…」
「愛衣姉ちゃん、綺麗でエロッぽくて、柔らこうて気持ちええから…」
「コタロー君おねーさんに抱っこされてこーふんしちゃったんだー」
「むー…」
「ひゃっ!」
「なんや、愛衣姉ちゃんかてこんなんやないけ」
目の前でにちゃーっと指の間に糸を張られ、ニッと笑う小太郎の前で愛衣がかああっと頬を染める。
「うりうり、おねーさん言うて愛衣姉ちゃんの方がエロエロやないけ」
「あううっ、そ、そうです。だって、小太郎さんだもん、コタローさんなんだもんずっと夢見てたっ!」
ヤケ気味に叫んだ愛衣にいきなりぎゅっと掴まれ、辛うじて一線を死守した忍耐力を小太郎は誇りに思う。
「お、おい、何…」
「だから、コタローさんなんだからずっと想ってたっ!!
だから、こんな風に私、私だって欲しいんだもんっ!!」
“…な、なんや、ガキかいな…けど、なんかかわい…”
「おうっ!」
ずりゅっと呑み込まれる感触に辛うじて耐えた小太郎が視線を上げると、
身を起こした愛衣が、形のいい白い乳房をぷるぷると揺らして喘いでいた。
あの、真面目でちょっと気弱な印象もある愛衣が、こんな風に自分を求めている。
解かれたセミロングの髪の毛が幻想的に揺らめき、
隠す事もなく女の顔を剥き出しに。それはきっと、自分にしか見せない顔。
ちょっと呆然としていた小太郎も又、むくっと身を起こす。
「あうっ」
ふるふる揺れる乳房の先端で、ちゅっと乳首に吸い付き貪りながら、
小太郎も又、少しでも愛衣と交わろうと、本能的に腰を使う。
だが、その行為は、まだまだ初心者の小太郎の忍耐ケージをあっと言う間に突き破る。
「ああっ…」
「愛衣姉ぇ…くうううっ…」
下半身だけが全く意思力に関係なしに反応し小太郎の脳に快感を突き上げる中、
小太郎は、ぎゅうっと抱き締めて想いを伝える事しか出来なかった。それに、愛衣も力強く応じた。
あー、ごめんなさい、急用で中座してました。
では続きいきます。
>>180 × ×
「あっ…」
「ん?」
ベッドの上でまどろむ様に抱き合い、
時折かぷっと乳房を含みながら自然と手が動いていた小太郎が、むずかる様な愛衣の声に反応した。
「女って髪の毛、気持ちいいんか?」
「女性のエッチな気持ちいいは、90%以上ムード、心で出来てるんです。
女性は、ムードで満たされて初めて、体も本当に気持ちよくなるんです」
「ふーん、なんかややこしいなぁ…
けど、俺も、愛衣姉ちゃんに髪の毛撫でてもろてなんか気持ちええわ。こんな感じでええんか?」
「あんっ。はい、嬉しい…又、小太郎さんのが、こんな熱く硬いの…」
「それはまあ、俺もまだガキやし、愛衣姉ちゃんめっちゃ綺麗でエロッぽいから…」
くすっと微笑むその笑顔。小太郎は自覚してしまう。もう、この笑顔からは離れられないのだろうと。
だから、逃げようとしたのだろうと。
× ×
「あ、ドネットさん」
「ああ…」
ゲートポートで愛衣にぺこりと頭を下げられ、ドネットが言いかける。
「お、おう、久しぶりやな」
「ええ…ああ、支度がありますので少しここで」
「はい♪」
にこにこにこっと慈母の如く微笑んで、ツヤツヤテカテカ輝いている愛衣と、
その後ろから木の棒に縋り付いて現れたほとんど真っ白な灰の小太郎を見比べたドネットが、
さささっとその場を離れて肩を震わせる。遠い日の事を思いながら。
“…遠い日?失礼な、私もまだまだ…”
>>181 × ×
「お帰りなさい」
「ああ」
「ちょうど良かった。ちょうど人手が足りなくなる所でしたから、次の契約は少し長目にお願いします」
「ああ…」
愛衣と並んでの出頭早々、当たり前の様に高音に契約書を渡されても、小太郎はもう拒むつもりもなかった。
「愛衣、推薦状です、マギステル・マギ第二研修の。小太郎君が穴埋めしてくれる事ですし、
心置きなく行ってきなさい」
「はい♪」
「へ?」
にこにこと推薦状を受け取る愛衣を前に、小太郎が目をぱちくりさせる。
「それって…推薦取れたんか?」
「余り見くびらないでちょうだい、愛衣の事も私の事も。
その程度の詰まらぬ不利、跳ね返して見せます。
それに、愛衣は、あなたからそんなものよりもっともっと大切なものを受け取っています。
個人的にはいまだに理解出来ないチョイスですが、
理屈ではない現実がそうなのですから仕方がありません。私は妹の聡明さを信じていますから」
決然と言う高音、頷く愛衣の姿が、小太郎にはぐにゃりと歪んで見える。
「わ、悪い、俺便所!」
× ×
「…こんなモンやろ。ったく、とっとと片して…」
うっとうしい仕事も大方片が付いた。全く、ぶっ飛ばして終わる仕事が性に合ってると、
その時、さして遠くもない過去のある日に、小太郎はつくづくそう思っていた。
そして、会議室の天井裏を離れようとした矢先に、次の会議の面子がぞろぞろ来てしまった。
「しゃあない、待たせてもらおか…」
開き直り、寝転がった小太郎の下で、資料が配付されていた。
>>182 「この娘ですか」
「ええ、本人に関しては、学歴、実績、年齢的に見て申し分ありません」
「ふむ、実に見事な内容です。では結果が楽しみですな。早速推薦状を…」
「それなんですがねぇ…」
「ほう…」
「それは…相当に親しいと?…」
「マギステル・マギともなると協会としても相応のポストで処遇する事になりますからなぁ」
「元々が西の人間、今でも直接人脈が…色々筒抜けになるのもどうも…」
「素性も曖昧、実際に良からぬ連中と関わっての前科もありますし、どんな連中とどう繋がってるか…」
「何かあったら、推薦したこちらの責任にもなりますな」
「この実績に美貌とあらば今後の人脈作り、行く行くは閨閥も…」
「名家から声が掛かるとなると…半妖などとは風聞だけでも…」
× ×
「やーっ、コタロー君お帰りー」
「おう、えーと美砂姉ぇ桜子姉ぇくぎみー姉ちゃんに亜子姉ちゃんやないけ」
「くぎみー言うなっ!」
勝手知ったる麻帆良に戻って幾日か、そんな夕方に小太郎は出くわした。
「丁度練習帰りでさー。又あっち行ってたんだってー?聞かせてよーおごるからさー」
とっくに公然の秘密になってる3‐A卒業生柿崎美砂が、ガシッと小太郎の肩を掴んでニッと笑った。
>>183 × ×
「じゃあチーフもトサカさんも元気やったんや」
「おうっ」
手近な焼鳥屋で、話の弾む小太郎と亜子を余所に美砂が鋭く視線を走らせ、
シュタッと右手を掲げて立ち上がる。
「あ、まどかごめんわたしちょっときゅうようおもいだした」
「ほにゃらば私もー♪」
「うちもー」
「ち、ちょっ、なっ…」
止める間も無く、二人はそれでも置いては行かれた千円札と共にテーブルに取り残された。
「何やねん?」
「さ、さあ…ま、ぐっと一杯、ほら飲めやれ飲めぐっと飲め、
じゃあ聞かせてもらおうかなーコタロー君。コタロー君の一夏の愛の逃避行って奴」
頬杖をついてにこにこ微笑む円の前で、サイダーが噴水していた。
「コタロー君もやるモンだねーっ、て言うかあの真面目で大人しそーな愛衣ちゃんがねー」
「ま、マテ、一体何がどっからどーゆー事になってんね?」
× ×
「ハクシュッ!!」
「パルせんせー風邪ですかー?」
「風邪なんて引いてる場合じゃないですよ。こっち作者急病枠使い切ってるんですからねっ!!」
「んじゃ作者取材で頼むわじょーだんじょーだんだってだからジャキッて何ジャキッてえっ」
「あー先生こっちは印刷所止めてますよーせんせーっ」
「オッケー畳み掛けるよーっ五分で上げるからエンジンあっためといてーっ!!」
>>184 × ×
「あれ?」
「あ、皆さん今晩わ」
通りで急ぎ足の愛衣に頭を下げられ、一名欠けたでこぴんロケットのコメカミには既に汗が浮かんでいる。
「あのー、愛衣ちゃん、何してるのかなこんな所でー…」
問いかける美砂の笑顔は、既にひくひくと引きつっていた。
「はい、急な仕事が入りまして、小太郎さんの携帯がつながらないものですから業務用の魔力波形GPSを…
この辺の筈なんですけど、見かけませんでしたか小太郎さん?」
× ×
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーーー………」
「あー、せっちゃんあれー、きれーやなー」
「そうですねー」
その白い火柱が、どこぞの犬コロ共々某居酒屋の天井を突き破ったものである事など、
知った事ではなかった。
ちゃんちゃん
「追って一夏」−了−
>>185 ・お詫びその1
佐倉愛衣をこよなく愛する皆さん、ごめんなさい。
多分、こういう性格ではない様な気がするのですが、
私が書くとなんか性格変わってしまう様です。
・お詫びその2
全国夏美スキーの皆様、ごめんなさい。思い切り二人の世界にしてしまいました。
もう原作の方は、って感じですので、せめて二次ぐらいって事で勘弁してやって下さい。
それでは、これでおしまいです。縁がありましたら又どこかでお会いしましょう。
−了−
>>186 大作乙です
御馳走様でした
まあ、全て「二次創作ですから」の一言で片付くから大丈夫だと思う>お詫び
>>186 GJ! 完結もGJ!
小太郎好きだから嬉しかったんだぜ。
愛衣はいいキャラだな。超可愛い。
ごめんなさい凡ミスがありました。
>>152 >>153 2008年となっていますが、2009年の間違いです。
スルーでも大丈夫かとも思いましたが、やっぱり色々不都合がありましたので
終わってからですが書いておきます。
それではこれで。
コテが違うけど同じ人なんだな?
アイもコタもかわいかったよ〜!
>>190 えーと、まあ、
>>148-149みたいな感じです。
>>187>>188>>190その他にもおられましたら、
見返すと、作者として終了後まで戻って来ておきながら
結局最後はお詫びだけで肝心な事言い忘れたと言う非礼を最後にもっぺんだけお詫びして、
改めて、ご愛読ありがとうございました。
では、今度こそ退場します。御免。
保守
保守
ネギや小太郎が3Aに揉みくちゃにされる感じの話が読みたいです
ほ。
196 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 20:49:04 ID:xIFDhXuG
し
つ
保守
199 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 19:41:35 ID:OYXSglEY
199get
保守
\_______________________/
・・・と、思う吉宗であった
,--、、,,,,,,,,,,,,,,,,
{::::::::}三三三ミミミ`、、
>ー-"'" ⌒,,ィシヽミミiミミ 、
/ 三彡彡彡ィ`、ミミミ`、
/ シ彡彡彡彡ノ'ヽミミミ`、
,' ,三彡彡彡彡彡ソ,ー--'
l _ _ """'彡彡彡彡彡ノi
{;、 ';;;='''"""` 彡彡彡 - 、ノノi
kr) .ィェー 彡彡' r、ヽ}彡i
レ' .. シ彡' )ァ' /彡'
{_,,,、 ;、 シ彡 ニンミミ{
l '''"::. 彡ミi
! ̄"` ...:::::::: ノ""{
l .......::::::::: / \_
`''ー- 、:::: / /
202 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 22:11:26 ID:i5UDEnI9
保守
203 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 20:45:53 ID:ppoUbgll
保守
204 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 06:56:41 ID:P7UOdsR0
浮上
保守
保守
保守
保守
ネギとフェイトが一人の女を賭けて戦うと言う展開も見たい。
210 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 15:23:53 ID:8py2skCH
ほsy
夕映とネギの絡みが読みたいな
保守
age
age
215 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 00:14:14 ID:p+qtez0P
くーふぇが久々にいい仕事をしたから期待してみる
千雨もアーティファクトが活躍したのは久々だな
age
誰もいないスレやね
age
なに!?
俺は確かにヤツに殴りかかっていた・・・!
それなのに・・・
なぜ豪華な広い風呂で全裸の美女100人に取り囲まれて
ローションまみれの身体でもみくちゃにされている!?
しかも両手足の指を一本一本舐められ、脇と乳首と耳も舐められ
自慢のイチモツを二人の女が胸で挟んでしごいているだと!?
何が起きた・・・! これが原初の魔法・・・!!
大学を飛び級で卒業したと思ったら教職に就かされた
な、何を言ってるのか(ry
修学旅行だと思ったらデカい化け物を倒す作業員になっていた
な、何を言(ry
ネギって基本こんなのばっかりだよな
もう魔法「先生」とは関係ないよな。いっそうのこと、魔法少年とかに変えればいいのに。
どーも、お久しぶりのG・Penです。
ちょいと早いですが、とっとと季節ネタ行きます。
リボンなナイト09、スタートです。
+ +
「あーーーーーーーうーーーーーーーー」
2003年12月24日午後、
尾を引きながら遠くなる叫び声の中、空に輝くお星様を眺めていた小太郎は、
遠くでどぷーんと水柱が上がるのを見てたらーっと大粒の汗を浮かべた。
+ +
「着替え持って来たで」
「ありがとうございます」
龍宮神社の裏山で、タタタと駆け寄る小太郎に、
座って焚き火に当たっていた佐倉愛衣が震えながら返答した。
「あー、落ちたのが思い切し山側でこの辺人気ないし、
たつみー姉ちゃんからタオルも借りて来たからはよ着替えた方がええで」
「はい」
学園祭の図書館島コスプレコンテストで経験済みの小太郎がひょいと後ろを向き、
肉体的欲求が限界に近づいていた愛衣もそれを信じて木陰に入る。
「…ひゃっ!?」
「なんやっ!?」
甲高い悲鳴を聞き、そちらに走った小太郎は不意に、柔らかな感触がどんとぶつかるのに気付く。
「なんや、アオダイショウやん。毒蛇ちゃうで。つーか、とっとと冬眠せーや何月や思うてん」
「だって、いきなり木からぶらーんて、あーびっくりしたー…」
呆れた様に足下の大振りな蛇をひょいと放り出した小太郎は、
ぷいっとそっぽを向く。
「あーうー、見てへん、見てへんからな」
「はい、すいません」
>>222 そのまま二人は背中合わせになり、小太郎はすすすと前進して座り込む。
「あーうー、あー、悪かったな」
「?」
「あんた、最近腕上げとるさかい、調子乗って思いきしぶっ飛ばしてもうて」
「いえ、嬉しかったです。それでも全然本気なんかじゃないんですから。
それでも、少しは近づけたのが」
「いや、愛衣姉ちゃんマジメやし、ぐんぐん上手もうなっとるで。
その素直な所がええんやな、うん」
小太郎の口調は、どこか早口だった。
「ひゃっ!?」
自らの両手で両目を塞いでいた小太郎が、背後からガシッと両肩を掴まれて思わず声を上げた。
「やっぱりびしょ濡れでガタガタじゃないですか、って、当たり前ですよね。
とにかく、小太郎さんも早くどこかで着替えて下さい」
「大丈夫やて、鍛え方違うから」
「そういう事言ってる人が一番危ないんですっ」
「だから、大丈夫や言うてるやろ」
「むー…」
「ん?」
「紫炎の捕らえ手っ!」
「のわっ!」
小太郎が気が付いた時には背後からまともに決められ、身動き取れなくなっていた。
「あー、そやった、無詠唱もアリの実力派って…」
「乾いた頃には消える筈ですから、しばらくそうしてて下さい」
普段は実に素直な愛衣のちょっと怒った様な口調は、
普段些か口うるさいお姉様方に囲まれている小太郎としてはわずらわしくもあり可愛くもあり、
ちょっとくすぐったかった。
「…あー、やっぱりすっきりしたわ、ありがとな…っておいっ!?」
ぼーっとそんな事を考えながら、ようやく魔力が消えた頃に立ち上がり、
木陰に入った小太郎が草むらに倒れる愛衣を抱き起こした。
>>223 + +
「だーかーらー、ついさっきまで唇紫で奥歯がーたがた言うとったのに、
自分こそあんな、俺でも千切れん魔法なんて無理するからやで」
「ごめんなさいです」
「で、こっちでええんやな」
「はい、すいません」
「だーかーらー、いちいち…ん?こっちって、ウルスラ?…」
+ +
「…おおよその事情は分かりました…」
聖ウルスラエリアの一角の広場で、ミニスカサンタ姿のナツメグを従えた高音に睨まれ、
小太郎はえらい所に連れて来られたと嘆息したくなった。
「つまり、修行中にこの十二月の池に叩き落として体温が概算で39度を突破しているから
クリスマスパーティーには参加出来ないと、間違いはありませんね」
「あ、ああ」
「すいません」
トナカイの着ぐるみで真っ赤なお鼻を装着した高音の眉がひくひくと震えるのを見ながら、
やっぱり気まずい小太郎が乾いた声で答え、その背中におんぶされた巫女姿の愛衣がぺこりと頭を下げた。
「分かりました、さっさと帰って休んでいなさい。
確かあなた、中等部の女子寮に居座っていましたね。きっちり愛衣を送って行きなさい」
「ああ」
命令される筋合いは無い様な気もするが、元々は自分が原因を作った事。
こういうケジメは付けるタイプなので内容的には異論は無い。だから、黙って返答する。
>>224 + +
「よいしょと…あー、医務室呼んだ方がええか?て、寝てるんか?」
愛衣を部屋まで運び、二段ベッドの下段に転がした後、
些かの経験則を基に今後の自分の取るべき行動のお伺いを立てた小太郎であったが、返答は無かった。
「ほな、帰るさかい」
廊下に出て玄関ドアを閉めようとした瞬間、小太郎の耳がピクッと動いた。
「どないしたん、凄い音が…」
引っ返した小太郎が駆け付けた時には、床の上では
うつぶせになった愛衣の全裸体が、
つま先に袴を引っかけた右脚を掲げてヒクヒクと痙攣していた。
「おいっ、大丈夫かっ!?」
「ん?あ、コタローさん?」
「だから何してんね?」
「あー、汗ベタベタだからシャワー入ろうと思いまして…」
すとんと座り直し、ぽりぽり頭を掻きながらぺろっと舌を出した愛衣の横で、
小太郎の首はぐいっとあらぬ方向へと向けられる。
「あー、かなんなホンマ、まー病人やしゆっくり休んどれや」
「重ね重ねご迷惑おかけしますです…」
「って、おい、あぶな…」
ふらりと立ち上がった愛衣に、小太郎が振り返って声を掛けようとした時にはもう遅かった。
「お、おいっ」
「あららら」
“…つーか、軽くて柔らかいのに、結構ずしっと、それに甘い匂い…じゃなくて…”
「だああああっ!!」
体に伝わるぐにっとしたものを感じながら、
小太郎はなんとか我が身にまとわりつく愛衣の体を引きはがそうとするが、
今の状態で無理をしたら愛衣はまともに転倒しそうでもある。
女性を傷付けるのが嫌いな小太郎としては、それは本意ではない。
>>225 「つつつ…」
「んー、あ、コタローさん、大丈夫ですか」
「ああ」
ぶんぶんと頭を振り、自分が小太郎を下敷きにして倒れ込んだ事に気付いた愛衣が問い、
小太郎が短く答える。
「あー、今どきますね…」
「あー、無理せんで慌てたら…たーっ…」
一度、浮き上がった愛衣の柔らかな体が再び小太郎の上に落下し、
あさっての方向を向いた小太郎が小さく声を上げる。
「ごめんなさい、えっと…んー…」
「おいっ、まっ、おおうっ!!」
何とか体を支えて立ち上がろうとする愛衣がバンバンと掌でそこら中を叩く。
その内に、いつの間にかズボンの中で限界まで傍聴していた部分を掴まれ、
小太郎が悲鳴を上げた。
「んんっ…」
「あっ、あにょっごめんなさい、その、男の人の大事な所ですよね、直撃しました?」
ぴょこんと身を起こした愛衣が、うめき声を上げた小太郎を見下ろしわたたと頭を下げる。
「あの、痛かったですか?」
小太郎から離れて座り直した愛衣が尋ねる。
「いや、痛いつーかなんつーか、なんやぬるぬる気持ち悪い…」
「…あー、それはあれですねー…あー、お先シャワー使ってくださーい。
汚れたままじゃあれでしょーから」
小太郎の言葉に、人差し指を立てて上を向いた愛衣が、かくんと下を向いて言った。
「あ、ああ、なんか知らんけどそーさせてもらうわ」
>>226 + +
「あー、使わせてもろたけど…なんや、寝とるんか」
浴室を出た小太郎が二段ベッドに近づくと、その下段で愛衣は布団に入っていた。
下着を洗ったので乾かしている間バスタオルを腰に巻いていた小太郎が、
ふと足を止めてベッドの前にしゃがみ込む。
その目の前で、愛衣は髪飾りを外したセミロングの髪を枕元に散らし、
頬をほんのり赤く染めて静かに目を閉じている。
元々が美少女である。こうして眺めていると小太郎でも素直に綺麗だとは思える。
「のわっ!」
思わず覗き込んでいた小太郎の前で愛衣がパチッと目を開き、
小太郎は床にのけ反る。
「ああ、コタローさん上がったんですか」
「あ、ああ、すまんな」
「そーですか、それじゃー私もシャワーシャワー…」
「どわっ!だから、危ないて!!」
ベッドの上でむっくりと身を起こし、
一糸まとわぬ裸体から布団をずり下ろして覚束ない足取りでベッドの柵を越える愛衣に、
立ち上がった小太郎は慌てて駆け寄る。
そして、気が付いた時には、二人は床の上でしっかと抱き合っていた。
「…えへへ…コタローさん、あったかい…」
「あー、だから愛衣姉ちゃん熱過ぎや、湯冷めしたらあれやからおとなしゅう寝とれて」
うわずった声で言いながら、小太郎は、自分の心臓がバクバク鳴っている事を自覚せずにはいられなかった。
“…すごい柔らか、それに、髪の匂いが甘うて…”
「ん?」
愛衣の顔がちょこんと下を向くと、小太郎は思わず上を向いた。
「あーうー、ああ、それはあれや、だから…」
「はーい、分かってますよーコタローさん。コタローさんも男の子なんですねー」
屈託なくにこにこ笑って言う愛衣に、斜め下を向いた小太郎の顔がカーッと赤くなる。
>>227 「ああ、まあ、ああ、それやそれ、なんかあれ、なんやろさっきぬるぬるしたのが出よって」
「んふふー、それはですねー、コタローさんの体がですね、
ちゃんと男として成長してる、そーゆー事です。
だからー、女性の裸にこーふんして、あーゆー風になっちゃうんですー。
男の人の精液は、西でも東でも魔法薬研究の基本ですよ基本、知らないんですかー?」
「あー、何ぞ聞いた事あるけど、別に俺、立川流やる訳ちゃうよって」
「そーゆーものですか」
「あー、愛衣姉ちゃん、なんかキャラ変わってへんか?」
「未熟者でもおねーさんですからー、それぐらい知ってますよー。
んー、だからそれがフツーなんですから気にしないで下さい」
“…おいおい、熱が脳味噌来てるんちゃうやろな?けど、なんか…”
呆れて一抹の不安を覚えながらも、
ケラケラと屈託なく笑っている、普段はやや堅苦しいくらいの愛衣の笑顔は可愛らしいのも事実だった。
「んー、そーですねー、
私もいちおー女ですから。裸で抱き付いちゃってそれでコーフンぐらいしてくれないと、
そっちの方がかなしーものがありますからねー、だからいーですよー」
「…いや、綺麗やで…」
「は?」
吐いた唾は飲めない、聞き返されて小太郎は言葉を続ける。
「だから、愛衣姉ちゃん、綺麗や思うで」
「…嬉しい…」
女性へのお世辞など無縁そうな小太郎の素朴な言葉に、
きょとんとしていた愛衣はにっこり微笑んで静かに言った。
>>228 「…嬉しい…きゅうー…」
「お、おいっ!」
カクンと反り返りそうになった愛衣の体を小太郎が支え、愛衣がブルブル頭を振る。
「あー、ごめんなさい、あんまり嬉しくてちょっとオーバーヒートしてました」
「おいおい…訳分からんなー、やっぱ熱あり過ぎやろ」
「全然、分からない事なんてないですよー」
「なんやねん?」
「女の子として、好きな男の子に綺麗って言われて、
こーんなに嬉しくって胸の熱い事なんてないですから」
にこにこ笑って言う愛衣に、小太郎は目をぱちくりとさせる。
“…やっぱ、イカレとるわ…”
小太郎は確信する。と、言って、言葉自体を否定している訳ではない。
真面目な愛衣の性格からして、ケロッと口に出すとは考えられない。
一応師匠らしい事をしている小太郎はそう考える。
そう思って顔を上げた小太郎は、息を呑んだ。
うっすら開いて小太郎を見下ろす、愛衣の潤んだ瞳。
実際には肉体的に発熱に合わせていただけなのかも知れない。
その夢見る様な眼差しに吸い寄せられる様に、小太郎は、愛衣と唇を重ねていた。
今回はここまでです。続きは折を見て。
久々に読めて嬉しいです。続き待ってます。
231 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 11:27:24 ID:h+0bsd43
gj!
んじゃ、代行
リボンなナイト09、第二話投下入ります。
>>229 + +
唇が離れ、愛衣の脚がふらふらと後退し、ぽんとベッドに尻餅を着く。
「大丈夫か?…」
駆け寄った小太郎は、愛衣の意味ありげな微笑みを受けてニッと照れ笑いを浮かべる。
その間に、愛衣の形のいい脚はひょいと柵を越えてベッドの中に入る。
「どうぞー」
そう言われて、小太郎も、ひょいと愛衣が空けたベッドのスペースに上がり込む。
小太郎が何かを言う前に、ちゅっと唇を吸われていた。
唇が離れ、目と目が合い、改めてベッドに座っての長いキスが交わされる。
「ん、んっ」
「んんんっ…」
唇が離れた時には、互いに、はーはーと荒い息を吐いていた。
「あー、なんか…」
小太郎が、舌をぺろりと出して呻く。
「駄目でした?」
「いや、駄目やない、まあなんかおもろかったけど」
真面目に応える小太郎の姿に愛衣がクククと笑い、小太郎も釣られて笑みを浮かべる。
「こーゆー事は私がおねーさんなんですからねー」
「あー、そやなー」
クスクスと言う愛衣に、小太郎はぶっきらぼうに応じる。
「ですからー、もっと教えてほしーですかー?」
「あー、頼むわ師匠」
ちょこんとベッドの上に座りながら、何か普段は師弟的な立場の逆転を楽しんでいるのではないか、
そんな考えも小太郎の頭をよぎる。
が、もはや目の前の甘美な果実の虜になりつつある、そんな自分の事も分かる。
「おかしいんかいな?」
腰のタオルを解かれ、ぴょこんと飛び出したのにくすくすと笑われて、
少しむっとした小太郎を前に愛衣はにこにこと首を横に振る。
「ちゃーんと、立派な男の子ですよー」
「むー…おうっ!」
「こーすると、気持ちいーんですよね」
「あ、ああ、ちょいマテ」
「はい」
ぎゅっと掴んで上下した手をこんな時だけ素直に止められ、
何か残念な様な気もしたのもつかの間、すぐに脳天までズキューンと突き抜けた。
「お、おおっ、おおおおい汚いて…おおおっ!!…」
目の前に這いつくばった愛衣がチロッとその潤んだ瞳を上目遣いに小太郎に向けたその時、
小太郎の忍耐力は限界を迎え、目を白黒させていた愛衣がぷるんと程よい膨らみも露わに
ぐいーっとその身を反らす。
小太郎の目の前で、ごくんと白い喉が鳴る。
「あれ、飲んだんか?」
ぽかーんとして尋ねた小太郎に、そっと手の甲で唇の端を拭った愛衣がにっこり微笑む。
「あれって、旨いんか?」
「すっごくマズイです」
愛衣が、ぺろっと舌を出して笑う。
「気持ち良かったですか、コタローさん?」
逆に尋ねられた小太郎がこっくりと頷く。
「なんつーか、そんなんどこで覚え来んねん?」
「それはまーおねーさんなんですからー、
イケナイお喋りとか雑誌の一つや二つそれぐらい知ってますよーだ」
「あーさいで」
微妙について行けず、はあっと嘆息した小太郎は、額にコツンと熱い感触を覚える。
「でも、コタローさんだから、好きな人だからですよ。
好きな人でも、簡単にする事じゃないんですからね。すっごくまずーいですし」
狂わせている熱い額に潤んだ瞳。
だが、それでも、芯は至って真面目、いつも立派な魔法使いになりたいと一生懸命な愛衣。
だから恋にも真面目に一生懸命。
その事を万分の一でも理解し、小太郎は唇で返礼する。そもそも自分のだ、汚いも何も無い。
「あの…」
「ん?」
「また、抱っこ、いいですか?」
小太郎は、下腹から突き上げた快感の余韻を破り、
愛衣の柔らかな裸体がぶるるっと震えている事を思い出した。
「ああ」
「えへへ…」
それでも、ベッドの上に座ってきゅっと抱き締められた愛衣は至福の笑みを浮かべていた。
そして、小太郎は愛衣をそっとベッドに横たえる。
「あー…」
「無理せんでも」、と、続けようと思った所で、
小太郎の視界には小太郎にその熱く潤んだ瞳を向け、
パーッと両腕を広げた愛衣の生まれたままの姿が飛び込んでくる。
そうなると、小太郎も、それが一番の薬かの様に思えてきた。
ベッドの上で静かに抱き合い、唇を重ねる。
「んー、又…」
「かなんなぁ、なんか、愛衣姉ちゃん柔らこうてええ匂いであれや、ホンマ…綺麗やから」
「嬉しい」
にっこり微笑む愛衣に、照れ笑いで従う小太郎はやはり立場の逆転を覚える、が、
それよりも何よりも、愛衣のお腹の上でまたまた節操なく反り返ってるそっちの方が大事に思えて来た。
「準備、て、こうか?」
「はい、そう、そうですはああっ…」
「んー、なんぞ、愛衣姉ちゃんもぬるぬるして来たで」
「それがいーんです女の子も気持ちいーとここがぬるぬるして男の人を受け容れる準備なんですううっ」
意外に器用で繊細な小太郎の指使い。
既にすっかり露わになった敏感な小粒を、最初は痛いぐらいだったがコツを掴んだ小太郎の指にこね回され、
愛衣はベッドの上で何度も跳ね上がりそうになった。
「コタローさんっ!」
「はいっ!」
愛衣の叫びに、小太郎は思わず叫び返して指を止めた。
「指、じゃ、なくて…」
「ん?」
「ですから、あの、そにょ」
「だからなんやねん?」
どことなく投げやりな返答。少なくともじらす様な器用さは持ち合わせていない。
むしろ、小太郎の方も切羽詰まった機嫌の悪さだ。
「はい。だから、その小太郎さんの、それをそこにですからあにょその…」
「あー、つまりこーゆー事か…あおおおおっ!!」
どっちも初戦と言う事になると、最後の決め手を握ったのは達人小太郎だった。
だが、その位置を正確に把握し、ぐいっと腰を使ったその瞬間、
小太郎は自分が誘い込まれ呑み込まれトドメを刺された事を下腹から脳天まで突き抜ける一瞬に悟った。
それでも、歴戦の猛者は、微かなうめき声歪んだ顔を見逃さない。
「あー、愛衣姉ちゃん」
愛衣の裸体にぴとっと重なり、互いに荒い息を吐いていた小太郎が、ようやく声を掛ける。
「はい」
「あー、なんつーか、入れた時、どうかしたんか?」
小太郎の心配そうな問いに、愛衣はくすっと笑った。
「あのですねー、女性のここってすごーくデリケートなんです。濡らしたから簡単に、じゃなくって。
特に、初めての時は引っ掛かって痛い所があったりするんですよー」
「そうなんか。で、大丈夫か?」
「はい、全然だいじょーぶ、コタローさんはどーでした?」
「ああ、なんつーか、良かったわ」
伝えられない表現し切れないもどかしさを久々に感じる小太郎の今日この頃であった。が、
それはすぐに、熱い口づけによる存分の非言語コミュニケーションをもって埋め合わされる。
+ +
「大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、大丈夫です」
こうなったらもう、恥ずかしいも何もない。
小太郎が愛衣を支える形で二人で浴室へと向かい、
腰掛けにすとんと座り込んで汗を流す愛衣の傍らで小太郎もシャワーを浴びる。
「んふふっ、なんか赤ちゃんみたい、恥ずかしいですー」
脱衣所で、まだ視線の定まらぬ小太郎に体を拭いて貰い、
愛衣はくすくすきゃっきゃご機嫌だ。
「ほれ」
「きゃっ♪」
バスタオルで愛衣の体を拭き終えた小太郎が、又、背中と腿を支えてひょいと愛衣を持ち上げる。
こうすると女性がえらく喜ぶものだと、小太郎はふと学園祭での光景を思い出していた。
「えへへ…」
実際、実に嬉しそうに、屈託無く笑うものである。小太郎としても苦笑するしかない。
普段は、ちらっと可愛らしい所は見せても堅苦しいくらいに真面目。
一緒になるのが主に修行の場で、小太郎が師匠みたいなものだからと言う事情もある。
それがこの変わり様、これが素なのかとちょっと呆れそうにもなるが、
自分の事を好きだと言う愛衣が素直に甘えて好意を向けて来る。
それはそれで小太郎も悪い気分はしない。
それは、実際可愛いし、普段の愛衣が真面目なしっかり者だと知っているから、
こんな時ぐらいとも思える。
「ほら、着いたでお姫様。病人なんやから精々おとなしゅう寝ときや」
「はーい、ありがとーございまーす」
そっとベッドに下ろされた愛衣は、実に嬉しそうに敬礼する。
「…けど…残念やったな」
「?」
「クリスマス・パーティーだったんやろ?出れんくて…」
小太郎の言葉ににっこり微笑んだ愛衣が、ベッドの上でゆっくり首を横に振る。
「最高のクリスマスプレゼント、いただきましたから」
「?」
小太郎は又、愛衣の輝く瞳に吸い寄せられ、静かに唇を奪われる。
「大好きな男の人との初めて、最高のプレゼントです」
「…そうか…」
「Melly X’mas 」
もう少し何かを言いたい気もしたが、綺麗な発音で引き取った愛衣は、既に布団を被り寝息を立てていた。
「あー…ぼちぼち乾いたか?」
そんな、愛衣の寝顔を覗き込んでいる自分の姿に気付いた小太郎が、そっぽを向いて誰に言うともなく言い、
腰のタオルを外して下着を乾かしている暖房の前にスタスタと近づく。
その半ばで、物音に気付いた小太郎は、そちらを見ながら滝の様な汗を噴き出していた。
+ +
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーー………」
「………」
謎の光と共に窓をブチ破った小太郎の体が、
若々しく逞しい反り返りの軌跡を描いてキラーンと空に輝くお星様になるのを、
自分の共用部屋の窓をブチ破られた夏目萌はただ呆然と眺めていた。
「…大体の事情は分かりました…」
部屋に生還した小太郎を正座させ、腕組みをした高音がひくひくと眉を震わせる。
「つまり、高熱で朦朧としたままシャワーに入ろうとした愛衣と危ないから止めようとしたあなたが、
バスルームで組んず解れつのすったもんだの末にずぶ濡れの水浸しになって帰るに帰れず現在に至ると」
「あ、ああ…ま、そんな所や…」
言っている間にも、4泳法を泳ぎ切った小太郎の目を見た高音のコメカミにビキッと青筋が浮かぶ。
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーー………」
「………」
高音に耳を引っ張られて姿を消す小太郎を、萌は只見送る事しか出来ない。
「あー、高音姉ちゃん…」
小太郎が言いかけた次の瞬間、どんと背中を押し付けられたバスルームの壁に、
ドカカカッと大量の触手が突き刺さる。
「一つだけ言っておきます」
「な、なんや?」
自分の周囲から伝わった衝撃とつり上がった目は、並の猛者でもチビリそうなド迫力。
小太郎も震えを禁じ得ない中で、あえて活路を見出すべく口を開く。
「愛衣を泣かせたらコロス」
頭上の壁にドカン、と、触手が突き刺さり、
小太郎は耐え抜いた自らの膀胱括約筋を誇りに思った。
+ +
「んー…」
ようやく解放された小太郎が、女子寮近くの屋外で腕組みしながら唸っていた。
「やっぱあれか、責任とか取らなあかんのかいなー。
高音姉ちゃんマジんなったら、あの絶対防壁結構厄介やし…
いやいやそういう事やなくて、女にとってすっごく大変な事なんやろなー、
愛衣姉ちゃんも真面目でフツーのええイトはんやし…」
改めて、屈託の無い笑顔が思い出される。ああして見ると実に可憐。
今まで余りそういう発想をしなかったのが急激にイメージされ、更に生々しい経験までついてきて、
小太郎の頭がボッと熱くなる。
「あ、コタロー君」
ブンブン頭を振っていた小太郎がハッと振り返ると、
原作の主人公である魔法少年がタタタと駆け寄って来る所だった。
「なんや、ネギか」
このご挨拶なご挨拶にも、
至って素直な少年は、姉の様に仲のいい神楽坂明日菜を後ろに、にこにこと近づいてくる。
「コタロー君、これ」
「ん?でこぴんロケットクリスマスライブ?って今日、これからやん」
「うん、コタロー君に渡してくれって」
「なかなか捕まらなかったから、間に合わないかと思ったけどねー。
でも、ライブとか行くのコタロ君?」
「んー、まあ、せっかくやからもろとくわ」
+ +
最初は何か騒々しいだけにも思えたが、終わってみると結構楽しい。
そんなライブハウスでの一時を終え、小太郎はふらりと表に出ていた。
「なんつーか、浮かれとるなぁ」
何となくいつもと違う夜の街、今までは無縁と思えたもの。
「よっ」
振り返ると、先ほどまでステージで熱いライブを展開していたでこぴんロケットご一行様が勢揃いしていた。
「おう、姉ちゃん方」
ハッキリ言って、会場で他の面々とはぐれていた小太郎が機嫌良く手を上げた。
「来てくれたんだ」
「ああ、なんか知らんけど良かったわ」
「そりゃどーも」
小太郎の実に素直な感想に、尋ねた美砂も苦笑を浮かべて答える。
「ん?はーい、もしもーし」
美砂が、不意に携帯電話を取り出し話し始める。
「ごめーん、彼のスケジュールが急にオッケーなんだってー」
「はいはーい、ほにゃらば私もーっ」
手を合わせる美砂の脇で、やはり携帯電話を使っていた桜子が続く。
「はーい、ほならうちもナギさんとー♪」
「い、いや、ちょっとそれ明らかに無理あるやろあんた何月連載の和泉さんやねん?」
「んじゃーねー、ちゃーんと送ってきなよ男の子なんだからー」
小太郎の突っ込みも虚しく、美砂が小太郎に釘を刺しながらひらひらと手を振ってその場を後にし、
桜子と亜子もそれぞれ別方向へと消えて行った。
今回はここまでです。続きは折を見て。
代行終了。over
オッケー復活戻って来ました!!
と言う訳で、
>>242の代行お願い取り下げです。
前回の代行、本当に有り難うございました。
うっげぇーっ、今日イブかよ、無理、絶対まにあわねー、
こりゃ、松飾りしながらクリスマスSS だな…
それでは第三話投下、入ります。
>>241 + +
「どこも一杯やなー」
「クリスマスだしねー」
何件かの食べ物屋を回った後、小太郎の言葉に円が苦笑して言った。
「なんつーか、どこもあれ、男と女のアベックやらカップルやらで一杯やな」
「私達もカップルだけどね」
「カップルちゅうか、見た目フツーに姉弟やん」
「まあね」
冗談めかした円の言葉に小太郎があっさりと言い、円は曖昧な笑みで応じる。
「ごめんねーこんなんで」
「いや、ええて、急に一緒んなっておごってもろて」
「素直だねーコタ君は」
結局、最後に立ち寄った牛丼屋も満員御礼、
これからアンチ・クリスマスの大行列にでも繰り出すのかと言う男祭りの真っ最中。
温めたハンバーガーをコンビニの外でかじっていた円が、
ぺろりと平らげた小太郎の髪の毛をくしゅくしゅとかき回した。
「なんやねん」
「別にー」
にこにこ笑っている円を見上げ、小太郎はやれやれと憎めなく感じる。
なんとなく、そんな気分になったのは、屈託のない笑みが先ほどの愛衣に似ていたからかも知れない。
そんな円が、空を見上げる。
>>243 「何や?」
「雪だよ」
「そやな」
「もーっ、ホワイト・クリスマスだよーっ」
円が、本気ではないにせよ何を怒っているのか今いちピンと来ない小太郎だったが、
そんな円がなんとなく可愛いとは思う。
「ホワイト・クリスマスねぇ」
「そ、ホワイトクリスマスにイルミネーションの下をあーやってカップルで、
女の子の憧れって奴?」
「すまんなー、俺みたいなガキ連れて」
「いいっていいって」
「だからなんやねん」
また髪の毛をかき回され、小太郎は嫌がって見せるが、笑顔の円にそうされるのはどこかくすぐったい。
そうやって、浮かれるイブの街を二人そぞろ歩く。
「…けど…」
「何?」
「ちぃと、ヤバイかもな」
「え?ひゃっ!」
雷鳴が静まった時、円は、小太郎に抱き付いている自分の状態に気が付いた。
「ご、ごめん、いきなりだったから」
「いや、ええて」
ちょっと赤くなってそそそと離れる円に小太郎が言い、チラッとそちらに視線を向ける。
半ばまで開いた黒いジャケットの下はざっくりとVカットされた黒いタンクトップ、
黒革のミニスカから円の形のいい健康的な腿が見える。
“…あのステージがこんなんやったっけ。寒そうやなぁ……”
目にした時にはその様に考える小太郎であるが、同時に生唾を飲んでいる自分のそんな気分にも気が付く。
「…って、何よこれーっ!!…」
「ミゾレや」
「そーゆー事じゃなくてーっ!!」
無感動に言う小太郎に突っ込みながら、円は小太郎を連れてばしゃばしゃと駆け出す。
>>244 「うわぁー、参ったねこりゃ」
「そやなー」
逃げ惑うカップルに一足遅れ、ようやく軒下を見付けた円が言い、隣の小太郎が応じる。
何しろ、体を冷やしてえらい目に遭った女の子とついさっきまで一緒だった小太郎である。
黒髪が濡れて乱れ、服から除いている胸の谷間や腿に大小の雫がびっしょりと浮いているのは、
見ていて実に不健康に見える。まずそう考えるのだが、
同時に、やはりごくりと生唾を飲みそうになる、そんな自分の事にもちょっと気が付いている。
「うあー、まだ降ってるよー、どっか入れないかなぁ…」
「えーと、この辺ちぃと無いんかー?」
今の所はあくまで円の健康第一を発想とする小太郎がきょろきょろと周囲を見回すが、
なかなか適当な所が見当たらない。
「ん?…そうだ、コタ君アレ持ってる?」
「アレ?」
+ +
「ふーっ」
つい先ほどまでワイルド系イケメン高校生と化していた小太郎が、
さすがに冷えた体で用を足し終えて部屋のリビングに戻る。
そして、バカでかいベッドに背中から倒れ込んで一息ついていた小太郎だったが、
身を起こした時、目をぱちくりさせていた。
「ふーっ、さっぱりしたーっ」
程なく、つい先ほどまでボーイッシュ美人女子大生と化していた円が、
ほこほこと湯気を立てながらバスローブ姿で姿を現す。
「ん?どったのコタロー君?」
ベッドに座って下を向いている小太郎を前に円が言い、
小太郎の顔が前を向いた場合の視線を追ってくすっと笑った。
「あー、そっかー、こーゆー風になってんだー。
入っていきなしトイレ争奪戦してたもんねー」
「み、見てへん、見てへんからな俺は」
「はいはい、分かってます、コタ君硬派だもんねー」
>>245 鏡が内側のマジックミラーなバスルームの壁を前にして、
真っ赤な顔で俯く小太郎の髪の毛を、円が又にこにこ笑ってくしゅくしゅかき回す。
「でも、コタ君もびしょ濡れ、風邪ひくよ。入ってきなよ、って、やっぱ恥ずかしいかな」
「べ、別になんて事あらへんっ」
「んじゃ、行ってらっしゃーい。大丈夫だって、そんなお子ちゃまの見てもしゃーないでしょ」
くすくす笑った円が、ひらひらと手を振る。それが円なりの気遣いである事は小太郎にも何となく分かる。
それに、小太郎にもチラ見とは言え多少の疚しいものがある。
ギクシャクと動き出した小太郎の姿に、円はもう一度くすくす笑う。
+ +
「でも、便利なモンもあったもんねー」
バスローブ姿でベッドに座り、下を向いた小太郎の隣で円が言う。
「たまたまポケットに残っとったからなー年齢詐称薬」
「お陰で一休み出来た訳だけど、ラブホって色々よく出来てるんだねー、はい、タダだって」
「おう」
円にコーヒーを渡され、小太郎はドプドプと甘く味付けする。円もそのつもりでごっちゃりと用意していた。
「まー、夏に色々あって、ちょっとびっくりしたりもしたけどねー」
「ちょっとかいな」
「あのクラスだもん、魔法使いでも超能力者でもねー」
「あー、それ表で…」
「分かってる分かってる」
隣でにこにこと笑う円が、まぶしかった。
細切れですいませんが第三話投下終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
ブツ切りですいませんが第四話投下、入ります。
>>246 + +
「…ぶわっ、ちっ!」
「ちょっ、大丈夫!?あつっ!!」
「おいっ!?」
小太郎がうっかりすすり込んだ熱いコーヒーに咳き込み、
カップを放り出してしまった小太郎の顔から血の気が引く。
「大丈夫…ぶわっ!」
とっさに駆け寄ろうとした小太郎の視界が不意に白くなった。
「あー、大丈夫か?その、痕とかなってへんか?」
顔に掛かったバスローブを剥ぎ取り、慌ててそっぽを向いた小太郎が聞いた。
「んー、残っちゃうかもねー」
「えっ!?」
しんみりした円の言葉に、思わずそちらを見た小太郎はにこにこ微笑む円の笑顔にきょとんとする。
「大丈夫、別にヒリヒリもしないし」
「なんや」
ほっと胸を撫で下ろす小太郎の額を、円がちょんとつついた。
「随分進歩したねー、女の子のお肌気にするなんてー」
「それは、まあ、俺のドジやし…」
もごもごと言う小太郎の前で、
先ほどまで髪を拭いていたバスタオルを体に巻いた円がふふっと笑った。
そして、円の視線が、
歴戦の経験で熱さと共にバスローブを脱ぎ捨てた小太郎の下から上まですーっと這い昇ると、
途端に小太郎は真っ赤になり身をよじる様にそっぽを向いた。
>>247 「悪い…」
「あ、いいっていいって、男の子なんだからそーゆー事もあるって」
ぽつりと謝る小太郎に、慣れていると言う訳でもない円が精一杯のフォローを入れる。
「んー、ちょっとこの格好は男の子の前で失礼だったかなー、ごめんねー」
そう言いながら、小太郎がチラッと後ろを見た時には、
円は確かめる様にバスタオルの胸元を引っ張っていた。
「い、いや、別にくぎみー姉ちゃんが悪い訳ちゃうし」
「くぎみー言うな」
「ああ、悪いっ、つっ」
「もーっ、そんなぺこぺこしない、そーゆー子じゃないでしょコタロー君は」
「なんやねんホンマに」
脳天を拳でグリグリされ、振り返った小太郎が円の澄んだ瞳を見る。
小太郎がちょっとの間見とれていると、互いにきょとんとしている事に気付き、共に吹き出した。
「んー、見たかったー?」
「んー、まあ、なんつーかやっぱ俺も男やし。って言うのか?」
ちょっと前屈みになって形のいい膨らみの谷間を見せた円に、
小太郎が上を向いて、歩く事なく精一杯の軽口で応じる。
「………」
くすくす笑っている円をちょっとまぶしそうに眺めていた小太郎は、口を開いた。
「あー、くぎみん姉ちゃん」
「く、ぎ、み、ん、言うな」
「アタタタ、すまん…」
コメカミをダブルグリグリされて、小太郎がうめき声と共に謝る。
「で、何、改まって?もしかバッチリ円お姉様の美乳を見せて下さいとか?」
何となく場の雰囲気に当てられている事を自覚しつつ、円が言う。
>>248 「あー、くぎ…円姉ちゃんが惚れとるのってあれ、あのオオガミコジローとか言うスカシた兄ちゃんやろ」
言わなければならない気がした。一瞬殺気がかすめたが、
夏美や愛衣がいて、恋する乙女の表情と言うのが僅かにでも分かった気のした小太郎は、そう感じていた。
「オオガミコジローはここにいるでしょ?」
「明らかに別人やん」
「でも、オオガミコジローはコタロー君の事でしょ?」
「いや、まあ、それはそうやけどな、そのあれや…」
「何?コジローに嫉妬した?とかって、自分で嫉妬とか言ってるのってどんだけってね」
「円姉ちゃんは綺麗やと思う」
「…そりゃどーも」
目をぱちくりさせた円がにこっと笑って答える。
「いや、マジで言ってんやけど」
「分かってるよ、別に私にお世辞言う必要もないしねー、特にコタ君の性格だと」
「ああ。円姉ちゃんは綺麗やと思う。
で、あれや、なんつーか、正直嬉しいは嬉しいんやけどあー…」
頭の中がまとまらず、その表側の黒髪をくしゃくしゃかき回し始めた小太郎を、
円は微笑んで眺めていた。
「小太郎君の事、好きだよ」
小太郎が顔を上げる。精一杯、必死の思いを直球で返した、そんな円の微笑みだった。
「私は、小太郎君が、好き。
まー、ちょっとバカっぽいけど今時珍しい硬派で逞しいし、
それに、優しいし、やっぱほら、中身に惚れちゃったって奴?」
「優しい、俺が?」
最後はアハハと照れ笑いしていた円が、小太郎の問いにっこり笑ってこっくり頷く。
「小太郎君、ここに来るまでは色々あったとか、いや、夏美とか喋った訳じゃないよ。
あの夏から今まで、ずっと一緒にいたら嫌でも耳に入って来るから。
ちょっと聞いたぐらいで私がなんか言う事じゃないかも知れないけどさ、
やっぱ、嫌な事でも糧になってるとかそういう事もあるのかってね、
小太郎君、根が真っ直ぐだと思うから、そういう事あって優しくなれるんだって。
やっぱ躾けが良かったのかなー、なんせ那波さんにいいんちょでしょ、
で、夏美もね、しっかり尻に敷かれてるし」
「誰がやねん…そやなー」
>>249 そう言って、二人は向かい合ってくすくすと笑い合った。
「大好きな男の子とホワイトクリスマス」
「土砂降りやけどな」
「そーゆー事言わない。女の子憧れ最高のクリスマスだから後悔しない」
きっぱり言い切る円を、小太郎はほれぼれと眺めていた。
そして、どちらともなく唇を寄せていた。
「あったかくて、柔らかいなぁ円姉ちゃん」
唇が離れた時、円と抱き合った小太郎が口にした。
「やっぱ逞しいよ、小太郎君」
ご機嫌な円を前に、小太郎は、間一髪語尾の「も」を発音前に消去した事に心の中で胸を撫で下ろしていた。
第四話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
コタハーレム万歳
この先どうなるのかwktkですわ
代行しますね。第五話。
>>250 + +
「ええか?」
「ん」
唇を交わした後、向かい合ってベッドに座りながら小太郎が問い、円が頷く。
「どう、かな?」
「綺麗や」
小太郎に解かれたバスタオルがはらりと滑り落ちる。
まだ、右腕を胸の前に持っていった円がさすがに照れ気味に尋ね、
小太郎はちょっとぽーっとした口調で答える。
きゅっと引き締まっていながら柔らかに育っている少女の肉体は、
肝心な所を隠してさえ十分魅力的だった。
小太郎に腕を掴まれ、円は抵抗しなかった。
「んふっ、んふふっ、くすぐったい。やっぱコタ君もおっぱいいいの?」
「ん、ああ、ぷるぷるしてええわこれ」
「んふっ」
小太郎にその身を横たえられながら型崩れも見せずにぷるんと弾ける、
年齢を考えると十分に膨らんだ瑞々しい乳房を好き放題に、
それでも意外な程に優しい手つきでもみもみちゅうちゅうされていた円は、
時折くすぐったそうな声を上げながら、小太郎の後頭部をくしゅくしゅと撫でていた。
「あー、気持ち、ええんか?」
「なーに?そーゆーの気になる?ま、ちょっとくすぐったいかな?」
円自身はそっち方面には至って真面目だが、いつもすぐ側に美砂がいる。
にこにこ微笑む円には、まだ、お姉さんぶる余裕があった。
「んっ、ふっ…んんっ、そこ…コタ君、気持ち良くしてくれるんだ、ああっ」
引き続き乳房を優しく、しかし時に力強く責められながら、
小太郎の指がするすると下の方へ下の方へと向かう内に、円の背中も段々と強くベッドを叩き始めた。
「んぷっ!」
不意に、小太郎の顔面が、目の前のたった今までちゅうちゅう口に含んでいた
弾力ぷるぷるおっぱいにぎゅむっと押し付けられた。
「な、なんやねんっ」
幸せな弾力をちゃっかり味わってから、不意打ちを食らった事に関する釈明を求める小太郎であった。
「ん、いや、まあね。気持ちいいって言うか気持ちいいって言うか気持ちいいって言うか」
そんな小太郎の前で、円は後頭部を掻きながらナハハと照れ笑いを浮かべる。
「ほら」
そして、ふっとまぶしそうな笑みを浮かべながら、円は小太郎の右手を取った。
「私の大事な所、こんなにしちゃって、器用なんだね小太郎君って」
「ま、まあ、そやなうん」
右手を取られて濡れ光る指を掲げられ、小太郎はもごもごと返答する。
「ふふっ、実はこーゆー事も興味ありありって」
些か硬派の沽券にも関わる気もするが、
さりとて、既に興味を通り過ぎて会得していると反論するのも又別の問題が生じる気のする小太郎は、
取りあえず苦笑いで切り抜ける。
そして再び、円は小太郎の頭をぎゅーっと抱き締める。
「だから、ね、小太郎君。小太郎君のおち○ちんもこんなに硬く熱くなってるでしょ、
私もね、小太郎君が上手だからさ」
まさか自分が言うとは思わなかった。後から思い返した時真っ赤になってそう実感した円だったが、
この時はそのまま、自らの内より沸き立つ欲求をそのまま口にしていた。
「あ、ああ、なんか、円姉ちゃんがエロエロやから俺も」
「バカ」
ボーイッシュな円から異様な程の色気が溢れ出た、そんな一言を浴びて、
小太郎は辛抱たまらずぐいっと腰を使っていた。
「くっ…」
「円姉ちゃ、うぷっ!くうううっ!!」
全体に健康的に引き締まっているが衣服の跡は意外な程、抜ける様に真っ白、
そして、麻帆良3‐Aクオリティで年齢の割には成熟したまろやかな曲線を描く円と
まだ一見して子供の小柄な姿ながら、一般基準では達人級に逞しく鍛え抜き修羅場をくぐった小太郎。
そんな二人の裸体がぴったり重なりぎゅっと抱き合い、絡み合いながらその時を迎えていた。
ほんの一瞬の後、ベッドの上では、しっかと抱き合った一組の男女が只、はぁはぁと荒い息を吐いていた。
「…痛ないか?…」
最初の一言に、円は、黙って微笑み円に覆い被さる小太郎の黒髪をくしゃくしゃと撫でる。
「気持ち良かった小太郎君?」
「ああ、良かった」
その飾り気の無い一言に、円は満足気に微笑んだ。
「こーゆーのもあるんだね」
「ああ、っておいっ」
「いーからいーから」
備え付けのお絞りを見付けた円が、ベッドの上をはい進んで小太郎に接近していた。
逃れようとした小太郎だったが、円の悪戯っぽい目で上目遣いに見られ、苦笑いを浮かべて身を委ねた。
「ぬるぬるのべとべとの、ちゃーんと…」
円がそこにお絞りを当てて動かし始めると、
そんな円のショートヘアから除くうなじ、白い背中、くりっと引き締まってふるふる震えるお尻を
嫌でも目にしながら、と言って嫌でもなく、
されるがままベッドの上で開脚着座していた小太郎がうめき声を上げ、
一戦終えててろんと柔らかくなっていたものが円の眼前でしゃきんと身を持ち直す。
「ふーん」
「あー…おうっ!」
ぱくっと円の口に含まれ、言葉を探していた小太郎が唸る。
「んふふー、やっぱ男の子ってこれがいーんだ」
ぱっと口を離した円が、小太郎に視線を向けてニッと笑った。
「だから、どっから仕入れて来んねそーゆーネタ?」
「んー、私の場合はー、分かるでしょー」
「なーる」
納得する二人の心の目の前をふわりと見事なロングヘアがすり抜ける。
「小太郎君」
「はいっ」
どこか攻め込んで来る様な円の口調に、小太郎が馬鹿丁寧に返答した。
「さっきからさ、男の子ってこーゆー時もうどうにも止ま(以下略)って聞いてるのに、
随分と私の事気遣ってくれたみたいでどーもね」
「いや、まー、女相手やさかい」
「とゆー訳で、この際思いっ切り甘えちゃおっかなー」
「あ、ああ…」
改まって言われると怖い気がしないでもないが、円が相手ならそれもいい気がした。
そうして、小太郎はされるがまま、円の手でベッドに仰向けに横たえられた。
「んっ、くっ…」
「んっ…円姉ちゃん、ぬるぬるやけどきつっううっ…」
「もうっ、そーゆー事っ…」
ぺろっと唇を嘗めた円がベッドに横たわる小太郎に跨り、
そんな円の中に小太郎の反り返ったものが呑み込まれていく。
互いに冗談口を叩きながらも、小太郎の方は実際切迫している。
その、十分に潤いながらもまだまだ窮屈な感触を覚えながらも、
小太郎はぎゅっと歯がみしてその意思力の容易に通じぬ困難な闘いへと挑む。
そうやって、小太郎は、回数の問題があるとは言え
年齢を考えると相当な忍耐力で円の中にしっかり呑み込まれる所まで耐え抜いて見せた。
「くうううっ、円姉ちゃん、これ、すごっ…おっ…」
「んふふっ、そりゃあー、バトル脳のコタロー君これがチアの底力って奴よおっ!」
小太郎の目の前で短い黒髪が跳ね、形よく膨らんだ乳房がぷるんぷるんと上下する。
そして、円の頬が赤く染まり瞳は潤み綻ぶ唇からは堪えきれぬ熱い喘ぎがこぼれ出る。
そんな円の途方もなく色っぽい、そしてバトル脳の小太郎がわくわくするぐらい躍動感溢れる舞姫の姿を、
小太郎は一刻でも多く見ていたいと懸命の自制をしながら惚れ惚れと眺める。
「くうううっ、ね、円姉ちゃんっ」
「来る?来ちゃう?私も、私もはああっ!
Go go Let’Go Let’Goオオオオオッッッ!!!」
「うううっ!!」
途中から自らズン、ズンと円に合わせて腰を突き上げていた小太郎は、その時を迎え、
下半身から突き抜け、絞り出される快感にそのまま身を、脳を委ねる。
一瞬気が遠くなる様な、そんな中で見た、
きゅっと上向きの膨らみをぷるんと震わせ、引き締まった白い裸体をピンと反らした円の姿。
その得も言われぬ悦びに弾けた表情も、
小太郎が何か神々しいものすら感じる中、その時は一瞬にして通り過ぎる。
そんな小太郎がふーっと一息ついた辺りで、ぽよんと若々しい芯を残しながらも
むにゅっと柔らかで汗ばんだ感触が、小太郎の逞しい胸板に心地よく伝わる。
むにゅっと柔らかで汗ばんだ感触が心地よく伝わる。
そうやって、くにゃっと小太郎の体に覆い被さった円の顔が迫り、唇を吸われる。
それから、円は小太郎の横のシーツにくてっと顔を埋める。
小太郎がそちらを向くと、心地よい疲労と照れを交えた円と目が合った。
小太郎が苦笑いを返し、二人は顔を見合わせてくくくって笑ってから静かに目を閉じ、ちゅっと唇を重ねた。
「Melly X’mas 」
「めりぃ、くりすます」
見事に街のBGMも変わってしまいましたが、第五話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
代行終了です。 コタい良いよコタ。
>>259 都合がつきましたので、代行依頼を取り下げさせていただきます。
又、代行下さった方、改めてありがとうございました。
まずはお報せとお礼までに。
まずは訂正です。
>>254 ボーイッシュな円から異様な程の色気が溢れ出た、そんな一言を浴びて、
小太郎は辛抱たまらずぐいっと腰を使っていた。
↓
ボーイッシュな円から異様な程の色気が溢れ出た、そんな一言を浴びて、
小太郎は辛抱たまらず腰に巻いたタオルを脱ぎ捨て、ぐいっと腰を使っていた。
で脳内補完お願いします。
そうしないとそれ以前のシーンが相当間抜けでご都合過ぎてしまいますので。
間が抜けていたのは書き忘れた私に他ならないのですが。
それでは第六話投下、入ります。
>>257 + +
「じゃあねー」
「おうっ」
女子寮の廊下で、ひらひらと手を振って立ち去る円に小太郎も元気よく応じる。
そして、円の姿が見えなくなった辺りで、段々と顔から血の気が引いていった。
+ +
「あ、せっちゃん、狼」
「風流ですねぇ」
遠吠えをBGMに女子寮内でのんびり語り合う二人に、
最早突っ込む気力も失せた長谷川千雨の今日この頃であった。
>>261 + +
女子寮の屋上で、小太郎は両手で掴んだ頭をブンブンと振っていた。
「えーと、触手縛り燃える天空BBQで丸焼きにされるか、
本人フツー人でも3Aから仕○人呼ばれたらこれも洒落ならんやろなー…
いやいやいやそうやなくて、くぎみー姉ちゃんも軽い女ちゃうやろし…」
何か強烈な突っ込みを聞いた気がしたハッと振り返った小太郎が胸を撫で下ろす。
「気のせいか…やっぱ、マジやろな当然釘姉ちゃんも。
こんなんで女泣かせたらフツーに最低やし…」
疲れたし今夜は寝る。明日の事は明日の事。
イザとなったら、男らしくきっぱりと、土下座でもなんでもする。
こう結論付けた小太郎が665号室のドアを開き、
思わぬ火薬の音にのけ反った。
「Melly X’mas!」
「ですわ♪」
「な、なんや、夏美姉ちゃんにあやか姉ちゃん」
「お帰りー♪ライブどうだったー?」
「あ、ああ、まあまあやなうん」
「ふーん、私達も丁度今帰ったの。さ、クリスマスだよクリスマスー♪」
あやかと共に、ミニスカサンタ姿でクラッカーを鳴らした夏美が明るく言った。
+ +
「おお」
リビングに入った小太郎が、テーブルの上のご馳走に唸り声を上げる。
それは、ちょっと手の込んだ家庭の食卓。
>>262 「ちづ姉、保育園で遅くなるから先始めててって」
「じゃあこれ」
「うん、私といいんちょで」
「ほー」
「さあさ、ターキーを温めますわよ」
三人で最後の仕上げにパタパタと歩き回り、テーブルにつく。
「Melly X’mas!」
あやかが、磨かれた背の高いグラスにスパークリングジュースを注ぎ、乾杯をした。
「うん、旨いなこのトリ」
「七面鳥ですわ」
「ケーキもあるからねー」
遠い昔、自分とは無縁に思えた風景。
温かな一時に、小太郎は人知れず涙を呑み込んでいた。
+ +
「たたっ、大変ですっ!」
「どうしたネ?」
そこは超包子、クリスマスイブと言う修羅場の厨房。
本人的には最近開発されたと言う金属の絨毯に電気スタンドを付けた様な機械で遊びに来ていた超鈴音が、
駆け込んで来た五月の珍しい、それでも可愛らしい叫び声に聞き返す。
「ほう、注文されていたケーキを別の客と取り違えたカ?」
「はい。用途が用途なもので、見た目普通のケーキだったのが…」
「で、どのケーキだったのカ?」
「それが…特別注文の…」
五月の告げた番号に、超の目つきが鋭さを増す。
>>263 「ほう…あの粗悪品を私が直々に徹底研究改良した
ナチュラルセーフティードー○ン○コ○ソ○に
イモリとヤモリとオオサンシサョウウオ(犯罪)の黒焼き鹿の角人参イカリソウ等々108種類と
一緒に漬け込んだ三十年マムシリキュールをベースにこってり漬け込み練り込みの
胡桃山芋無臭ニンニク…たっぷり使い倒した
ザ・スーパーアダルティスイーツナイト聖夜さんスペシャルハイパーMAXを出してしまたと…」
こくんと頷く五月の前で、超は静かに息を呑む。
+ +
夏美と小太郎の二人がかりであやかの身をソファーに横たえ、毛布を掛ける。
「クリスマスパーティーとか色々忙しかったからねー」
「いいんちょ言うのも大変やなー」
「んー、ネギ先生ーですわー♪」
むにゃむにゃと幸せそうなあやかをソファーに残し、小太郎はテーブルに戻る。
そこで、まだ食えそうなものは、と見回していると、すっと瓶が差し出された。
「お、おう」
夏美にスパークリングを注がれ、小太郎がグラスを傾ける。
「ん、じゃあ夏美姉ちゃんも」
「ありがと」
小太郎に返杯され、夏美もぐーっとグラスを空ける。
「あー、コタロー君」
「何や?」
「飲め」
「あ、ああ…」
再びグラスに注がれながら、小太郎は目の前に座る夏美の目が据わっている事に気付く。
「で、コタロー君」
テーブルの対面に座り、喉を潤す小太郎に夏美が声を掛ける。
>>264 「コタロー君の本命、結局誰なの?」
「は?」
唐突な質問に、小太郎はあっけに取られた。
その間にも、夏美はふらふらと立ち上がりテーブルを回って小太郎に近づいていた。
「お、おい、大丈夫か?なんかあぶな…」
「やっぱ、愛衣ちゃんとか?かわいーもんねー」
夏美が一人でくすくす笑っている間に、小太郎の目は一泳ぎ終えていた。
「んー、後はくぎみーに夕映ちゃん、いいんちょに…ちづ姉かぁ、すっごいねーコタロー君」
「おいおい…」
そう言えばほんの何時間か前にも脳味噌オーバーヒートな女を相手にしていた小太郎が異変に気付き、
取りあえず夏美をその場に座らせる。
「あっつー」
「確かに、暑そうやな」
小太郎が無感動に言っている前で、夏美はサンタ服を脱ぎ捨てる。
「んっ!」
その次の瞬間には、小太郎の頬は両手で挟まれ、ぢゅーっと唇を吸われていた。
「えへへー、久しぶりだねぇ」
「13年振りいやいやなんでもないそやなー、夏だっけか」
「そ、夏休み、村上夏美のファーストキスでしたー」
ケラケラ笑いながらほっぺすりすりする夏美の前で、
小太郎はちょっと考える。
“…やっぱキス…だけでも大変なんやなぁ特に初めて…”
「ん?」
本能の赴くままに小太郎に甘えていた夏美が顔を上げ、小太郎の顔があらぬ方向に向いているのに気が付く。
>>265 「ん?あれ?もしかして気になってるー?」
「あ、いや、まー、なんつーか…」
夏美が、厚手のサンタ服に合わせて着ていた肩ひもタンクトップの前を摘み上げ、
その夏美の前で小太郎がダラダラと汗を流して口ごもる。
「んー、もちょっとあったらねー、
ちづ姉やー、いいんちょとまではいかなくてもー、
年下なのに愛衣ちゃんなんかもけっこースタイル良かったりするでしょー。私なんてこれだもんねー」
くいくいとタンクトップの布地を引っ張ってへらへら笑っていた夏美が、
小太郎に両肩をガシッと掴まれて目をぱちくりさせた。
「あー、うまく言えんけどな、その、あれや夏に言うた事、あれ、全然嘘やないからな」
「嬉しい」
夏美がくすっと笑い、どちらともなく唇を重ねる。そんな夏美の目尻から僅かに溢れる。
「ちょい、コタロー君、くるし…」
「あ、ああ、悪い、夏美姉ちゃんなんつーか抱き心地ええモンで」
「何それー、じゃー又ぎゅってしてぎゅうーって」
「おいおいどっちやねん」
「…嬉しい…小太郎君逞しいねー、私も小太郎君抱っこするのいい感じー」
小太郎にぎゅっと抱き締められた夏美がちょっと苦しそうに言うが、
すぐに、二人は共に、再びぎゅっと力強く抱き合う。
「…ん?どったの、コタロー君?」
「いや、なんでも、あらへん」
「なんでもないって事ないでしょー、真っ赤な顔ではーはーしてぇ」
「いや、それはそのあれや、あー、だからほら夏美姉ちゃんがやな、
なんつーか俺の体にむにゅってしてんのがやなー」
馬鹿正直な小太郎の返答に、夏美はちょっとの間きょとんとしてからくすっと笑った。
「おかしいんかい?」
「ううん、だって、男の子だもん。
私だってさっきから、コタロー君に抱っこされて、ね、熱くて熱くてたまらないんだからぁー」
>>266 既に、その言葉の意味を考える思考能力も失われつつあった。
呆れて前を見た小太郎の心は、そんな夏美の潤んだ瞳に一瞬で吸い込まれ呑み込まれた。
次の瞬間、二人は、貪る様に唇を重ね舌を絡める。
夏美の体が床に横たえられ、一瞬の目と目の交錯、夏美が小さく頷き、小太郎がタンクトップをまくり上げる。
細紐のスポーツブラをまくり上げられ、その頂きでピンと尖った乳首をちゅううと吸われると、
夏美は眉根を寄せ、切なげに喘いだ。
蕾も丘もベトベトになるまで小太郎に吸われている間、夏美は頭を振って喘ぎ続けた。
「?」
不意の小休止に、夏美が開けていられなかった目を開く。
ぐいっと夏美の頭が持ち上げられ、その下にクッションが差し込まれた。
「あ…ああっ!」
何か言おうとしたその前に、ミニスカートの中に手を入れられた夏美が悲鳴をあげた。
今、触れられたそこは、布地越しにも分かるぐらいぷっくりと膨らんでいた。
「ああっ!こ、コタロー君ああっ!!私、私ぃ、怖い、怖いよおっ!!」
「怖い?ほな…」
自分でも多少の、秘かに想ってそこに指を忍ばせる経験があるからこそ、
この異様な鋭敏さで突き抜ける快感には恐怖を覚えてしまう。
それでも、小太郎が何を言わんとしたかを察した夏美は、涙をこぼしてぶんぶんと首を横に振る。
「お願い、小太郎君お願い、小太郎君、私、私小太郎君大好きだからっ!」
「あ、ああっ!!」
そんな夏美にぎゅっと抱き締められ、小太郎は退く事を忘れた。
スカートの中から、ショーツが乱暴なぐらいに引きずり下ろされた。
「い、ひいいっ!」
「んー、ぴちゃぴちゃ言うとるわっ」
夏美の甲高い悲鳴に、剥き出しにされたつるつるのオマメを撫でた小太郎が対抗する様に言い返す。
それでも、もう少し優しく撫でてやろうと考えたりもするのが小太郎の素直なところ。
その結果、夏美は元々癖っ毛の赤毛をクッションの上でぐしゃぐしゃに乱しながら、
何度も背筋を床に浮かせのたうっていた。
>>267 「あ、あっ、あーっ…」
「夏美姉ちゃんっ!?」
尾を引く声と共にストンと脱力した夏美の姿に小太郎が泡を食うが、次の反応には戸惑った。
「どうしたん?」
「だだ、だって…」
両手で真っ赤な顔を覆った夏美は、涙声だった。
「だって、あんな、恥ずかしい…」
「んー、まあ、なんつーか、可愛かったで」
小太郎の言葉に夏美の顔を覆った両手が開き、そこから見える涙目が小太郎のハートをズキューンする。
「ホントに?」
「ん」
こっくり頷く小太郎に、夏美がきゅっと抱き付いた。
「…何よもーっ!…」
「わ、悪い、怒ったんか?」
小太郎が、自分の胸に顔を埋める夏美の髪の毛を思い付いた様にくしゃくしゃかき回し、
潤んだ瞳のまま顔を上げてぷーっと膨れる夏美に小太郎がもごもごと言う。
「んー、いいかも」
にこっと笑う夏美に、小太郎も苦笑を返す。
そして、もう一度静かに唇を交わし、離れると、
夏美は意を決した様に半ば引っ掛かっていた残りの衣服をするすると脱いでいった。
「綺麗やで、夏美姉ちゃん」
「ありがと」
小太郎の短い言葉に、夏美も謙遜せず、素直なはにかみで応じた。
ほーっと眺めてしまった小太郎の眼差しに、夏美が赤くなって胸に腕を回し大事なところに手を置く。
そうやって小太郎が見入ってしまった夏美の裸体は、
演劇部で青春の汗を流しているだけあって、全体に無駄なく均整が取れている。
本人が無駄無しを通り越していると思っている辺りも、比較対象を間違えているだけで、
年齢を考えれば至って平凡、だが、小太郎にとってはそれも又、
だからこそ穏やかな平凡の延長が味わい深いものだった。
>>268 「あんっ♪」
「ほれ、ぷにぷにしてかわいー声で、なんつーかたまらんわ」
「もーオヤジ…はううううんっ」
頭をクッションに上に素直に横たえられ、腕を掴まれた夏美は、拒まなかった。
膨らみを掌でぷにぷにとされながら、
夏美はくすぐったそうな声を上げ、小太郎とぽんぽんと言葉を交わす。
その内、乳首をちゅううと吸われ、又、既に溢れかえっている所に指を這わされて、
夏美は背筋を反らしながらたまらない声を響かせる。
そんな夏美を見ながら、小太郎の窮屈さも限界に達する。
ザッとズリ下ろしただけの姿になると、その前で夏美が顔を手で覆って指の隙間から目を見張っていた。
「こーゆー風なんだ…」
「あ、ああ、俺、もうビンビンで辛抱たまらんやけど、夏美姉ちゃんは…」
「わ、私も、もう…バカあっ何言わせちゃってんのよおっ!!」
「わ、分かった分かった」
今にもクッションが飛んで来そうな勢いに、小太郎はたまらず腰を浮かせる。
「ん、っ…」
「んんんっ…」
その瞬間、夏美の目尻からコメカミにつーっと涙が伝う。
小太郎が何かを言う前に、夏美が小太郎をぎゅと抱き締める。
小太郎もそんな夏美を愛おしく抱き締めながら、まだまだ、そうやってぎゅっと密着されながらの
僅かな腰の前後だけでも小太郎には十分過ぎるものだった。
僅かにうめき声を漏らしていた夏美が一瞬、なんとも艶っぽい女の声を上げる。
小太郎もうめき声と共に大きく息を吐いた。
「へへっ…小太郎君、あったかい」
「夏美姉ちゃんもあったかくて柔らこうて、すっごい可愛かったで」
「もーっ。でも、コタロー君も可愛かった」
「な、なんやねんそれっ?」
「だって、あれもう辛抱たまらんって顔だったよー、怒った?お互い様だよー」
一瞬膨れた小太郎だったが、にこにこ微笑む夏美の顔を見てふっと力を抜く。
そして、顔を見合わせてくすくす笑い合う。
「…んー?これってまたー…」
「だ、だからー、夏美姉ちゃん可愛くてあったかくて柔らこうてたまらんさかい」
「ん、私もそうなんだうん」
連投規制はまってましたすいません。
では続き
>>269 + +
今度は、小太郎がクッションを使っていた。
クッションの上に座る小太郎の目の前で、夏美の裸体が、赤毛が跳ねている。
「はんっ、あっ、あんっ、ああんっ」
ガキの自分にガキっぽく絡む夏美も、こうして見るとお姉さんの顔だと、
実際は女の顔、牝の顔で喘ぐ夏美を眺め、小太郎は感じる。
「はうううんっ!」
目の前でぷるぷると震えるふっくら柔らかな膨らみに、たまらず小太郎が吸い付くと
夏美は顎を反らして悲鳴で応じる。
そして、夏美が腰を下ろしたまま、雄と雌の繋がった部分がぐにぐにとこねられ、
小太郎の呻きも又、切羽詰まって来る。
「な、夏美姉ちゃん、又、俺またっ…」
「ん、私もっ、コタロー君私もっ」
「くっ、くうううっ」
「あっ、コタロー君っ、あ、あー…」
うめき声を上げた小太郎の胸板に、とんと柔らかな感触が覆い被さる。
少しの間、荒い呼吸の交換が続き、そして、きゅっと抱き合い互いの体温を押し付け合う。
「へへっ…」
「あー…めりー・くりすます」
目尻から一筋の涙を伝わせながら、夏美が照れ笑いを浮かべる。
次に続いた小太郎の言葉に、夏美は吹き出しそうになった。
「Melly X’mas」
夏美の言葉と共に、二人はきゅっと抱き合いながら唇を重ねた。
>>270 重ね重ねすいません、訂正です。
>>269 そんな夏美を見ながら、小太郎の窮屈さも限界に達する。
ザッとズリ下ろしただけの姿になると、その前で夏美が顔を手で覆って指の隙間から目を見張っていた。
↓
そんな夏美を見ながら、小太郎の窮屈さも限界に達する。
小太郎がサッと全てを脱ぎ捨てると、その前で夏美が顔を手で覆って指の隙間から目を見張っていた。
になります。
一旦作ってからかなりの改変を入れたため、漏れがありましたすいません。
第六話投下終了です。
越年が目の前に…ハッキリ言って相当ヤバイです。
クリスマスネタの筈がすいません先に謝っておきます。
今回はここまでです。続きは折を見て。
引き続き第七話投下、入ります。
>>271 + +
「んー…」
そのままうつらうつらとし始めた夏美をお姫様抱っこし、
665号室名物夏美の個室に運んでベッドに入れてから、
小太郎はぼーっと湯船に浸かっていた。
「絶対、葱やな…」
小太郎がぽつりと口に出す。
「これ…間違いなく、葱やろな…」
湯の中で、小太郎がブルリと震える。
「やっぱこれは…明日んなったら片っ端から土下座ちゅう事で…
きっついなぁ…でも、知れたら葱やしなぁ…」
そこまでブツブツ呟いていた小太郎が、水音に気付いてそちらに視線を向け、
湯船の中をざばばっと移動する。
「なんですの騒々しい」
「い、いつからいたんあやか姉ちゃんっ!?」
悠々とシャワーを浴びるあやかに小太郎が叫んだ。
「いつからと言われましても、先ほどからシャワーを使っていましたが何か?」
「い、いや、ああ、すまん俺ぼーっとしとった、ほなら」
湯船を上がり、シャカシャカと逃走する小太郎の動きがぴたりと止まった。
「た、たたっ、髪、髪掴むなてあやか姉ちゃんっ!」
「だから、全然洗っていないじゃないですのこの大草原の小猿さんは」
あやかに腰掛けに座らされた小太郎の背後で、あやかがシャンプーを掌に取っていた。
>>272 「………」
視界が危ないので選択の余地が無いと言う事情もあったが、
わしゃわしゃとあやかの手で髪の毛を洗われながら、小太郎はされるがままにしていた。
それでも活路を見出そうとしている内に、思わず別の方向に目が向いてしまう。
「どこを見てるんですの小猿さん」
「ち、ちがっ、あやか姉ちゃん」
ふっくらと真っ白な膨らみに視線を走らせた小太郎の頭を、あやかはガシガシと泡立てる。
「はい」
「ああ、おおきに」
ジャーッとシャワーで洗い流され、小太郎は渡されたタオルを受け取る。
「…なぁ、あやか姉ちゃん…」
「なんですの改まって」
「いや、なんつーか、あやか姉ちゃん、俺ん事嫌いか?」
「何を仰ってるんですの藪から棒に?」
「い、いや、ええんやけど…」
「良くありません。全く」
「まあ、なんつーか、勝手に転がり込んでしもうて、
それで、俺こんなガサツで育ちなんか悪いなんてレベルやなくて、
この学校、結構ええしの集まってて、そん中でもあやか姉ちゃんお嬢やしな、まあ今まで色々と…」
「ですわね、あなたが来てこの方、随分色々と不快な事もあったりもしました」
「やろな…」
小太郎が呟き、あやかが、ふうっと息を吐く。
「この様な事、理屈で言っても始まりません。
わたくしは、あなたをあれだけ信じ、慈しんでいる千鶴の事も夏美の事も信じています。
それに、人間、他人と言うものは、時には思い通りにならないから面白いものなのです。
わたくしは、その事を早くに教わりました」
ちろっと後ろを見た小太郎は、優しいあやかの顔を見る。
それを教えたのが誰か、言うまでもない事だった。
>>273 「さあさ、野生児さんはちゃーんと洗って差し上げますわね」
その高飛車さには、どこか照れくささが混じっている。それを感じた小太郎は逆らわなかった。
それはいいのだが、
“…ヤバ…これは…そうだよな、あやか姉ちゃんて…”
先ほどシャワーを浴びていたあやか、ちょっと視線を向けるとすぐ側でたわわに実る白い膨らみ。
超絶スタイルの美少女お嬢様。今さらながら小太郎はその事を身をもって思い知る。
「何を縮こまっているんですの?」
「い、いや、別になんともないうん」
不思議そうなあやかの声に、小太郎がぎくしゃくと返答する。
「背中は流しましたから、前は自分で洗えますわね」
「つーか、フツーに洗えるわい」
「そうですの」
小太郎の泡がじゃーっとシャワーで洗い流され、二人は憎まれ口をたたき合う。
「それにしても…これは…」
「あやか姉ちゃんっ!」
小太郎がハッとしてあやかの前に回り、次の瞬間、小太郎の顔はばふっと柔らかなものに埋もれていた。
ぐいっとあやかの胸を自分の顔から引き離した小太郎は、そのままあやかの体を支えて腰掛けに座らせる。
「危ないてあやか姉ちゃん」
「ああ、ごめんなさい。あのケーキ少々リキュールが効き過ぎていたのでは…」
パーッと燃え盛って発散した小太郎・夏美とは少々体内事情が違っているあやかが、
腰掛けたまま頭を振る。
「…あら…」
「だあああっ!」
そうやって、ちょっとの間ぼーっとしていたあやかを小太郎は少々心配そうに見下ろしていたのだが、
目の前に立つ小太郎にあやかの視界の照準が合った事に気付き小太郎が思わず叫んだ。
>>274 「あーうー、あれやあれ、あやか姉ちゃん背ぇ高過ぎて乳デカ過ぎて美人過ぎやさかいなっ!」
小太郎が後ろを向いてあわあわ叫び、ちろっと背後に視線を向けると、あやかがくすっと笑っていた。
「なんですの、小太郎さん?」
「え、あ、だから…おいっ、又危な…」
「もう一度言ってみて下さいましな小太郎さん」
背中にふにゅっとした感触が伝わり、くすくす笑ってお上品に言うあやかの言葉に、
背後からきゅっと首を抱かれた小太郎の顔がぷしゅーっと赤くなった。
「いや、だから…」
「なんですの?普段あれだけワンワン吠えてる大平原の野生児のオサルさんが随分大人しいですこと」
「あー、だからーっ、あやか姉ちゃん女なのに背高過ぎでそんで細っこいのに乳デカ過ぎで…
…あー、美人過ぎるからこんなんなってもーた言うてるんっ!!」
「良く出来ました」
にこにこ微笑んだあやかが、ぷしゅーっと下を向いた小太郎の頭を撫で撫でした。
「やはり、女性のバストの表現は些か品性に欠けますが、
女性へのストレートな賞賛、お子様としてはよろしくてよですわよ」
「あー、それ、褒めとんのか?」
「もちろんですわ」
「かなんなぁ」
小太郎がはあっと息を吐き、あやかが小太郎を抱く腕を緩めた。
ちろっと後ろを見た小太郎は、にこにこと微笑むあやかの表情に何かくすぐったいものを感じる。
そして、そろそろとあやかから離れると言う理性と硬派のルールに従った行動をとっていた筈が、
気が付いた時には振り返ってきゅっとあやかに抱き付いていた。
「あらあら、素直になったと思ったら、甘えん坊さんですの?」
「なんとでも言うてくれや。悪いなぁ、ネギみたいん可愛げのうて」
「時にはくせ者がいい味を出すと言う事は、何であれありそうな事ですわ。
それに、十分可愛いですわよ、今の所」
「可愛いねぇ…うぷっ」
にへらっと笑ったあやかの腕により、小太郎の顔が又、ばふっと柔らかな谷間に埋められる。
>>275 「…柔らこうて、なんかええ匂い…」
うっとりと呟く小太郎の頭を、あやかは優しく撫でていた。
小太郎がどこか恐る恐る、叱られる悪戯っ子の様な顔であやかを見上げる。
実は、既にその表情に萌えまくっていたあやかがにっこり微笑み、言葉の前に唇が重ねられていた。
「…なんでや、あやか姉ちゃん?」
「なんですの?」
実際に行動に移ってから、小太郎がぼそっと尋ねた。
「いや、だから、なんで俺で…」
「欠点だらけで、そちらの方が多いのかも知れません。
でも、先ほど思いを伝えた様に、不器用でも精一杯、真っ直ぐに努力する者は魅力的です。
色々とねじ曲がりそうな誘惑があっても、あなたには間違いなくそうして作られた芯があります」
「そんなモンか」
「この雪広あやかが言っているんです、そうなのです」
強い口調にギクッとする小太郎に、あやかがにっこり微笑んだ。
“…か、かなんなぁ…”
「やはり、女性の乳房と言うものが気になりますの?」
チロッチロッと走る視線にあやかが尋ね、小太郎はこくんと頷いていた。
「きゃっ」
“…か、可愛い…”
一瞬驚きの声を上げ、小太郎の感動を呼んだあやかは、そうやってちゅううと小太郎に乳首を吸われていた。
そのくすぐったさに時折むずかりながらも小太郎の頭を優しく撫でていた。
「んっ」
夢中で吸っていた小太郎がチロッと上目遣いに見上げ、その優しい表情にほーっとなる。
そして、ぐいっと下腹部を押し付けてしまった抵抗感に、小太郎がその真っ白い乳房から口を離す。
「あ、ああ、だからこれは…」
「殿方とはこういうものであると、そのぐらい心得ておりますわ」
つーんとするあやかを前に、小太郎の口元にニッと笑みを浮かべた。
>>276 「ほーっ、分かってるんかいな」
「当然ですわ」
「なんつーか、あやか姉ちゃんむにむに柔らこうてエロエロやから、
俺熱うなってかなんわホンマ、けど、あやか姉ちゃんに言うてもしゃあないわなぁ、
まーツンツンしとってもよう知らんお嬢やろうし」
「失敬な」
抱き締める小太郎の腕が緩み、ニッと笑みを浮かべた小太郎を見て、
口を尖らせたあやかがするするとしゃがみ込む。
「…これが…この様に硬く上を…」
「…つっ…そんな無理に…」
「ああ、ごめんなさい」
ぐいっと無理に下ろそうとしてあわあわするあやかを、小太郎は可愛いと思う。
「…本気を出すしかありませんわね…」
「へ?」
「雪広秘伝一族繁栄夫婦和合裏外交特別技法…」
「あのー、もしもし?…おうっ!…」
小太郎が懲りる事なく反り返らせたそこに、むにっと柔らかく、温かな感触が伝わる。
「んふふっ、小太郎さんの大好きなおっぱいは、この様にしても殿方を悦ばせるものですのよ」
「あ、ああっ…おおっ…」
とろとろとオイルを流し込みながらあやかが言い、しまいに谷から覗く先端を舌先でちろちろしながら、
あやかは小太郎のうめき声に勝ち誇った笑みを覗かせる。
「お、おおっ、ま、マテあやか姉ちゃんっ!おおおっ…」
叫ぶ小太郎の前では、あやかがきょとんとした表情で、ぬるりと生温かい感触でリアルを感じていた。
+ +
「…すまん、あやか姉ちゃん…」
「当然ですわ」
腰掛けに掛けた小太郎に、あやかはいつもの傲然な程の口調で言う。
>>277 「…ああ…」
「当然ですわ、この雪広あやかが全身全霊この乙女の肉体であの様にして差し上げているのですもの、
殿方、それも小太郎さんの様な野生児が喜悦の極みで射精と言うものに至ると言うのは当然の事ですわ」
バッと豊かな金髪を翻し、あやかが言い放った。
「…おかしいですの?…」
「いやぁー、いや、そう思う、そう思うでうん、あやか姉ちゃんみたいに綺麗で乳でこうて、
そんで一生懸命なイトはんにあんなされてこんなならん男おらんてうん」
「分かればよろしい」
「だからあやか姉ぇ」
「なんですの?」
「顔洗おうや」
二人で顔を見合わせ、ぷっと吹き出した。
「さあさ、では、こちらも」
「お、おい、マテ…」
照れ隠しの様にじゃばじゃばと洗顔したあやかが、
小太郎の一息ついてたらんと垂れた所をぎゅっと掴んでいた。
「この様に、変化するものですのね」
「あ、ああ、そうらしいな」
実は自分の体でも経験の少なかった小太郎が素直に白状していた。
「ふふっ、柔らかい。それがあの様に…
殿方の大事な所ですもの、ちゃんと綺麗に…あら…」
「あー、だからー、そーやっていじくっとると…」
「ですわね」
二人で顔を見合わせ、くすっと吹き出した。
「?」
そして、小太郎は、斜め下を向きながらもごもごしているあやかに不審を覚える。
「どないしたん、あやか姉ちゃん?」
「いえ、その…
やはり、殿方と言うものはこうなるとそのしたいと申しますかつまりこういう事は殿方の…ひゃっ!?…」
>>278 小太郎の手が伸び、あやかが悲鳴を上げる。
「な、なんですのっ!?」
それは、本気で怒った様な響きでもあった。
「ああ、悪いな。つまり、あやか姉ちゃんもいい加減しとうて我慢出来ひん言う事か?」
ぬるりと掴んでからニッと笑う、それでも邪気の無い小太郎の顔に、あやかがふうっと息を吐く。
「何と申しますか、その…やはりこういう事は…」
「あー、何うじうじしとるか知らんがあやか姉ちゃん、俺、綺麗なあやか姉ちゃん欲しいんやけど、
あやか姉ちゃん、どないなん?」
一転、しゃがみ込んで淑女のたしなみにうじうじとしていたあやかが、
ちらっと上目遣いに見て、小太郎の真っ直ぐな眼差しに胸を射抜かれる。
「…では…参りますわよっ」
「おおっ!…おおおっ!!…」
目の前に、背が高くえらく細いけど出る所はバッチリ出過ぎている程に出ている、
そして抜ける様に白く金色に輝くあやかの堂々たる裸体が立っていた。
腰掛けに掛けて惚れ惚れと眺めていた小太郎は、
次の瞬間にはぐっと腹に力を込めて突き抜ける衝撃に耐えていた。
「あー、いたないかあやか姉ちゃん?」
小太郎の言葉にぐっと耐えていたあやかの表情はしかし、
小太郎が別の意味で堪えながら眺める内に段々と熱く溢れるものへと変わっていく。
見事な金髪がばさっ、ばさっと乱れる。
小太郎の目の前で、真っ白くたっぷりと豊かな膨らみがぷるんぷるんと揺れ動き、
小太郎の首はたまらずそれを猫の様に追い掛けながら、ついにそんな豊かな小山の頂き、
そこで上向きにつんと尖りピッと熱く突き出した桃色の可憐な蕾に食らいつく。
「あ、ああっ!」
ぢゅうぢゅうと小太郎に吸われながら、
あやかは天性の勘、運動神経を働かせ、上下から低く摺り合わせる様に腰の動きをスライドさせる。
>>279 「お、おおおっ、俺、俺っ…」
下からの感触にたまらず口を離した小太郎が呻き、解き放たれたあやかも又スパートに入る。
「お、俺っ!あやか姉ちゃんにおおっ」
「いいですわ、小太郎さんいいですわそうああっ小太郎さんさあっああああ…」
小太郎は、目の前に、金色の天使を見た気がした。
だが、いまだどくっどくっと脈打つ快感に身を委ねたままの小太郎の体に柔らかな重さが伝わり、
目の前でにへらっと笑っているのは、無防備な一人の女の子、大変に魅力的な普通の女の子だった。
「あー…あやか姉ちゃん」
「はい」
あやかは、繋がっているにも関わらず既に真面目な表情になっていた。
「めりー・くりすますあやか姉ちゃん」
「Melly X’mas」
キスの前に小太郎が見たのは、とてもとても可愛らしく、魅力的な女の子の微笑みでした。
第七話投下、終了です。
今年はこれで終わりですね、多分。
後一話か二話か、季節ネタの持ち越しになってすいませんが、
お節の後にでも七面鳥の薫製でご勘弁を。
それでは皆さん、良いお年を。遅ればせながら
Melly X’mas
今回はここまでです。続きは折を見て。
あけましておめでとうございます。
2010年、年が明けて正月三日も過ぎた訳ですが、こちらはしぶとく旧年の残りもので、
新年初投下、「リボンなナイト09」の続きになります。
では、第八話投下、入ります。
>>280 + +
元々、あやかは面倒見がいい。
小太郎が気が付いた時にはあやかにほこほこと体を拭いて貰い、
パジャマに着替えてリビングに戻っていた。
リビングで、ちょっと照れ笑いを浮かべたあやかがちょこんと手を振り、自分の個室に引っ込む。
やっぱり照れ笑いを浮かべて手を振っていた小太郎は、リビングに取り残されるや腕組みをして唸っていた。
「あやか姉ちゃんって、あんな可愛かったんやな…けど、この状況って…」
何か、自分がとてつもない戦場に足を踏み入れている様な予感に、小太郎はごくりと息を呑んだ。
ガチャリと開くドアの音に、小太郎がハッと玄関を見る。
「たらいまぁー」
「おう、ちづ姉…っておいっ」
小太郎が出迎えると、サンタ服を身にまとった千鶴がにへらっと笑って倒れ込む所だった。
「どわっ!」
そんな千鶴を、前に回った小太郎が辛うじて支える。
「んー、コタロー君♪」
“…うわっ、こんだけ着込んでるのになんかぐにゅってやっぱ…いやいやそうやなくて…”
「おいおい、どないしたん」
すっかり色気づいた頭をぶんぶんと振り、小太郎が千鶴に声を掛ける。
「コタローくーん…うにゃー」
「あちゃー、なんやこれ?」
「あら♪」
仕方なしに小太郎が千鶴の背中と太ももを下から支えてひょいと持ち上げ、
千鶴のにこにこ顔を見て嘆息した。
>>281 + +
「ほれ、水」
「んー、ありがとーコタローくーん」
個室ベッドの上の千鶴に小太郎がミネラルウォーターのペットボトルを渡し、
ちょこんと座った千鶴が喉を鳴らした。
「ホンマ、どないしたん?」
「失礼しちゃうわねー、クリスマス会の後の打ち上げー、
一緒だったよその園の人がねー、私にフツーにお酒とか飲ませるのよー」
「なんやそれ」
「んー、野菜たっぷりのスキヤキパーティーだったんだけどねー、
私の事フツーの先生と間違えてー、私もジュースと間違えちゃったのー」
ケラケラ笑う千鶴の前で小太郎は嘆息し、相手の命運に僅かばかり思いを馳せる。
「んー…」
「なんや、寝たんかいな…」
ベッドの縁に座った小太郎が、ベッドの上に寝転がったまま寝息を立てる千鶴の姿に嘆息する。
「おい、千鶴姉ちゃん、ちゃんと寝ぇへんと風邪ひくで…」
「んーコタロー君ー…」
ゆさゆさと揺すっていた小太郎が、千鶴の顔を覗き込む。
こうして見ると、美人だった。にこにこと幸せそうな微笑みを浮かべ、頬がほんのりと染まっている。
緩くウェーブの掛かった髪の毛がベッドで軽く乱れ、美人であり、可愛らしくもあった。
“…やっぱり…いい女なんやなぁ…”
「…どわっ!…」
改めて、自分が惹かれていた事を思いながらほーっと眺めていた小太郎は、
不意にぎゅっと抱き締められ悲鳴を上げた。
「な、何すんんぶぶっ!!」
そのまま、小太郎が口答えをする前に、その口は顔ごとぎゅーっと千鶴の胸に押し付けられていた。
>>282 「大丈夫よー」
「ん?」
千鶴の優しい声に、小太郎は抵抗をやめる。
「大丈夫よー、大丈夫」
千鶴の手が、小太郎の後頭部を撫でていた。
「大丈夫だから、いい子だから、ちゃーんとサンタさん来てくれますからねー、
大丈夫、だから大丈夫、サンタさん、来てくれるから大丈夫よ」
小太郎の両目からじわりと溢れた雫が、目の前の赤い布地に吸い込まれた。
+ +
「んー?」
ベッドの上で、身を起こした千鶴が目をこすっていた。
「んー、コタロー君、泣いてるの?」
「な、泣いてなんてへんわっ!」
ベッドに座り込み、ぐしぐし目をこすりながら吐き捨てる小太郎を前に、
千鶴はくすっと笑みを浮かべた。
「だから、泣いてへんて」
「そうよね、コタロー君、強ーい男の子だもんね」
「あ、ああっ」
そんな小太郎の頭を、千鶴の掌が撫で撫でしていた。
そして、改めて優しく抱き締められる。
「でもね、強い子でも、たまにはいいでしょう。
今夜はクリスマス、特別な夜なんだから」
「ああ」
温かく、柔らかなものに包まれながら、小太郎は再びしゃくり上げた。
なぜ、こんなに涙が出るのか分からない。分からないけど嗚咽が止まらない。
>>283 「特別な夜か」
小太郎の言葉に、千鶴はにっこり微笑んだ。
「きゃんっ」
「悪い、痛かったか?」
ちろっと上目遣いに千鶴を見た小太郎が千鶴をぎゅっと抱き締め、
慌てた小太郎に、可愛らしい悲鳴を上げた千鶴は優しく微笑み首を横に振る。
「やっと、素直になれたのね」
「ああ、千鶴姉ちゃん。俺、千鶴姉ちゃん大好きやさかい」
「私も、コタロー君が大好きよ…何?…」
ふっと嘆息する小太郎に、千鶴が聞き返す。
「いや、なんつーか、ありがとな」
「どーしたのコタロー君、奥歯に物が挟まったみたいにっ」
「うぶぶぶぶっ!!わ、分かった、分かったっ」
ちょっとむっとした様な千鶴が、小太郎の頭をぎゅーっと抱く。
「いや、なんつーかな、千鶴姉ちゃんにしたら、
俺もガキらと一緒でみんな可愛いそんなモンなんやろなーって、
いや、ええねんでそれで、それでも千鶴姉ちゃんみたいになんつーか
綺麗で優しゅうてそんないい女に可愛がってもろて、それだけで俺なんかからしたらえらい贅沢な話言うか、
だからな、こんなガキのひねくれてひがんだ話気にせんでも俺すっごく感謝してるさかい」
「つまりー」
ベッドにあぐらを掻きそっぽを向いてもごもご言う小太郎に、
相変わらずにこにこ微笑む千鶴が人差し指を立てて言う。
「つまりー、コタロー君は、私の特別な男の子になりたい、そーゆー事ですかー?」
「んー、まあつまりー…」
もごもご言っていた小太郎が、にこにこ微笑む千鶴にじっと見られ、こくんと頷いた。
>>284 「小太郎君」
呼びかけに、前を向いた小太郎はすぐ目の前に千鶴の、優しい瞳を見た。
「小太郎君も忘れてるのかしら?」
「何がや?」
唇が離れ、ぽーっとしていた小太郎が聞き返す。
「私もまだまだお子ちゃまだって事、コタロー君には負けるけど」
「んー、どっちかって言うと…いえいえいえいえ忘れてませんですはい」
途中からブルブル首を横に振って答える小太郎に、千鶴はくすっと笑う。
「だから、まだまだお子ちゃまで、恋に恋して男の子の真剣な言葉に胸が揺れて、
そーゆー年頃の女の子、って自分で言うのもなんだけど、それ、分かってるのかしらコタロー君は?」
「すまん、その、半分ぐらい分かってへんかった。
いや、マジな話、ちづる姉ちゃん、ここで出会ってから凄く頼もしゅうて頼り甲斐あって、
俺なんか甘えっぱなしで、それに…」
「それに?」
「それに、最初に会った時、ケガさせてもうて、そんな俺を千鶴姉ちゃん何も言わんと受け容れてくれた。
その事、千鶴姉ちゃんが何て言うても忘れられへん。
だから、千鶴姉ちゃんにしたら俺なんかほんままだまだガキやて、
だから、あー、なんつーか男としてそんなガキな千鶴姉ちゃんを俺が守ってく言うのはやな…」
「それで、小太郎君はどうなの?」
「だから、俺は…俺は、ちづる姉ちゃんが好きや、大好きや」
「ありがとう」
前を向いて告げた小太郎を、千鶴は優しくその腕に包み込んでいた。
「それが、コタロー君。小太郎君の今の精一杯。精一杯一生懸命、ちゃんと前に進んでる。
今までは一人だったかも知れないけど、一緒に大人になる人がいても、いいんじゃない?」
「ちづ姉ちゃんはええんか?」
「まだ分からないかも、でも、大好きよコタロー君の事」
精一杯伝えた小太郎は、ふっと静かに笑みを浮かべる。
>>285 「ふふっ、ちょっと大人っぽい大人の微笑み」
「そうか?」
千鶴の言葉に、小太郎は少し気分を良くしていた。
もう、何番目に好かれているとかなんとか、アホらしくなった。
千鶴の大きな胸に抱かれるのなら、何百番目でも十分、お腹いっぱいありつけそうだ。
真っ赤な顔で、優しい眼差しの千鶴をちろっと上目遣いに見上げた小太郎は、
そのままぐいっと顔を上に動かす。
「んんっ!」
不意をつかれた千鶴が目をぱちくりさせる。
「んっ!?わ、悪い千鶴姉ちゃんやっぱ…」
唇を離した小太郎が言い終える前に、千鶴は小太郎の熱い頬を両手で挟み持つ。
されるがまま、小太郎は目を閉じて千鶴の柔らかな唇に触れていた。
第八話投下、終了です。
多分、次回でラストになります。
延長戦になってしまいましたが、今しばらくターキーの干物で楽しんでいただけましたら幸いです。
今回はここまでです。続きは折を見て。
最終回第九話投下、入ります。
>>286 + +
千鶴が小太郎の頬を両手で挟んだまま、二人の唇が離れる。
艶っぽく微笑む千鶴の潤んだ瞳に、ぽーっとなった小太郎の間抜け面が映し出される。
「これが、大人のキスなんだって」
「ほー」
生返事をしていた小太郎は、気が付いたら千鶴をベッドに横たえていた。
「続き、したい?」
笑顔で言う千鶴の前で、こっくりと頷いた小太郎がミニスカ丈のサンタ服の前を開く。
玄関からそのまま千鶴の個室に連れて来てしまった訳だが、
上から引っかけていただけで、その中は普通のコート姿。
その前を開くと、飾り気の無いトレーナーが姿を現す。
それは、サンタさんを迎える前の、縁の下で一生懸命な優しい女の先生の姿。
「んふふっ」
こんもりと見事なボリュームで持ち上げられたトレーナーを小太郎の掌がぐにぐにと掴み、
千鶴がくすぐったそうに笑い声を上げる。
「うぶぶっ!」
「ふふふっ、どーだどーだあっ!」
「ま、参った参ったちづる姉ちゃん」
「んふふーっ」
頭を抱かれそんな小山の間にぎゅーっと押し付けられた小太郎が降参し、楽しそうに千鶴が笑う。
>>287 「ええか?」
返答は、にっこりと微笑んで。
小太郎がトレーナーをまくり上げ、たわわな白い膨らみをいくらか覆う黒い布地が姿を現す。
悪戦苦闘する小太郎の顔にくすっと笑みを浮かべた千鶴が、
自分の手を背中に回し、ホックを外す。
ごくりと喉を鳴らした小太郎が、紐の緩んだ布地を思い切って取り去りその下の至宝をその目に焼き付ける。
今日一日で、歳を考えると一級品と言ってもいい数々、
あやかの様に特上と言うべき豊かさと美しさを兼ね備えた膨らみを目にして来た、
そんな贅沢きわまりない小太郎であるが、こればかりは何が何でも素晴らしいと言うより他に無い。
客観的にも豊かさと言い形と言い、絶品としか言い様がない。
そして、小太郎自身の個人的な思いもある。今まではさ程の興味を示さなかったとは言え、
そんな絶品を間近とし、それでいて常に一線は目の前で死守されて来た。
余りにも身近にして目にする事のかなわなかった最上級品、
そんなものが目の前で全ての封印を解き放たれているのだから感無量になるのも無理からぬ事。
そしてもちろん、その絶品の持ち主への想いも又改めて。
「コタロー君」
「ん、んーっ」
千鶴の優しい呼びかけに、
ほーっと馬鹿みたいに見とれていた自分に気付いた小太郎が咳払いをしてそっぽを向く。
「どうしたのコタロー君?もう、自分で開けたおもちゃに飽きたのかしら?」
「飽きる訳ないやろっ!」
「つっ…」
「あ、悪い…」
小太郎が鷲掴みした手を引っ込め、
にっこり笑った千鶴が左手で小太郎の頭を撫で、右手で小太郎の手を取る。
小太郎の掌が、再び、ふにっと千鶴の乳房を包む。
「ん、んふっ、くすぐったいコタロー君」
「柔らかいなぁ、それにでっかくて…」
「んふっ」
むにむにと小刻みに揉みしだいていた小太郎が、思い切って先端に吸い付く。
大きすぎる事もなく、桃色がかった先端は、既にピッと尖って小太郎に吸い付かれた。
>>288 「んふっ…はあっ、いいわ、コタロー君っ」
“…ちづる姉ちゃんが喜んでくれてる、俺がこうやって…”
「んんーっ」
「ここか、ここがええんかちづる姉ちゃん」
長目のスカートをたくし上げ、ショーツの真ん中辺りをぐにぐにしていた小太郎が、
器用な指先で探り当てた突起、湿りを増す布地を感じて口走る。
「ほな…」
小太郎が、スカートの中の手を、更にその下の布地の中へと滑り込ませた。
「…ひゃっ!…はっ、はんっ、はああんんんっあんっ…」
+ +
「…あら…コタロー君…」
先ほどまでベッドの上でガクガクと背筋を揺らしていた千鶴が、
覗き込む小太郎に、薄目を開けてにっこり微笑む。
「んふっ、器用なんだ、コタロー君。でも、ちょっと恥ずかしい」
「すっごく可愛かったで千鶴姉ちゃん」
「そう?」
問い返す千鶴に、小太郎はニッと笑みを浮かべる。
しっかりしているとかネンレイサシ…………
言われても、その実態はその意味ではごくごく常識的に身持ちの堅い15歳の女の子。
それもまあしっかりしていると言う意味にはなるが。
時々独りこっそり覚えがないではないその感覚、それも、そんな時の何倍も激しかったものを、
男の子に目の当たりに見られる経験も無ければ心の準備も簡単にはできない。
そんな人並みの葛藤を抱えながらも、小太郎の素直な態度がそんな千鶴の秘かな緊張を解きほぐす。
「…だから、もっと…ええんやろ…」
上着を脱ぎながら言う小太郎に、千鶴はにっこり頷いた。
「脱がせてくれるかしら?」
「おうっ」
トランクス一枚になった小太郎が、引っ掛かった衣服、下着を千鶴から外して脇にどけ、
スカートを下ろし黒いショーツもぐいっとひん剥いた。
>>289 「綺麗や…」
ベッドで千鶴の前に座り込み、小太郎はほーっと呟く。
そんな小太郎の前で、千鶴は豊かな膨らみの下で組んだ腕に羞恥心に負けぬ必死の意思力を込め、
僅かに腰をくねらせて太股を摺り合わせる。
「あー、もちっとよく見せてくれるか?」
小太郎の言葉に、こくんと頷いた千鶴が太股の力をじりじり緩める。
既にしっかりと形作られながら、余分な程でもない。
そんな茂みの向こうから、てらてらとした鮮やかな桃色が姿を現す。
内心顔から火の出る様な千鶴の前で、顔を寄せてそこを覗き込んでいた小太郎は、
まだぷっくりとその存在を示している艶やかな紅真珠を見付けると、
溢れる蜜を乗せた指で優しく撫で上げ、今までにない千鶴の羞恥と喜びの甘い声に自らを酔わせる。
興奮に乾く唇をぺろりと嘗めた小太郎は、ふと気付いた様に顔をぐいっと零距離まで接近させた。
「はっ!?はあああっ!!コタロー君ああダメ汚いああっ!!…」
千鶴の、女神の殻が破れた。
最初は羞恥心、だが、それはすぐにベッドの上で豊かな裸体を海老の様に跳ねさせての狂乱に呑み込まれる。
「ああっ、あああ…」
そんな千鶴の動きがぱったりとやんだ所で、小太郎が顔を上げる。
「あー、気持ち良かったんかちづる姉ちゃん?」
唇をぬらぬらさせた小太郎の率直な問いに、
まだその目元を艶っぽくとろんとさせながらもぽっと頬を染めた千鶴がこっくりと頷く。
「そんで…俺も、もう…」
こっくり頷いた千鶴の目元は、にっこり微笑んでいた様に見えた。
小太郎が、矢も盾もたまらぬと言った動きで窮屈なトランクスを脱ぎ捨てる。
>>290 「い、いくで」
小太郎の言葉に、千鶴は笑みを浮かべ、静かに頷いた。
だが、その白くむっちりとした太股は僅かに震えている。
いつもの小太郎に対する那波千鶴を装っていなければ、逃げ出したくなる程の怖さ、
それでも受け容れたい、そんな思いがせめぎ合う。
そんなデリケートな心情を察するのにはまだ少し色々と足りない、
そんな小太郎には千鶴がそれを許してくれた、それだけで十分。
小太郎が腰を使い、侵入した時、千鶴が僅かに呻く。
小太郎が何かを言う前に、千鶴がぎゅーっと小太郎を抱き締める。
小太郎の男性を呑み込むのも、小太郎の体にぎゅーっと押し付けられるのも、
千鶴は、素晴らし過ぎる女性の弾力、温かさ柔らかさに溢れていた。
「く、うううっ…」
「んふふっ…」
自分の上で息を荒げ、何度か繰り返していた前後運動を止めた小太郎の頭を、
千鶴はやっぱり優しく撫でていた。
+ +
「んー、ちづる姉ちゃん」
「何かしら?」
かぷっとくわえていた乳房から口を離し、小太郎が言った。
「俺、やっぱもちっとガキでもいいかも」
「んー、今までちょっと足りなかったみたいだから、もうちょっとだけ甘えん坊さんかな?」
「つー事」
にっこり微笑む千鶴の前で、小太郎も又、嬉しそうに乳房をくわえる。
「んふっ、でも、こっちの方はすっかり逞しい男の子」
「んー、あー、やっぱガキやさかい、お預けはキツイねん」
「そうね、私もコタロー君が欲しい」
ふっと笑い合い、唇が交わされる。
>>291 + +
緩くウェーブの掛かった揺れる髪の毛、喘ぎ声、
小鼻が膨らみ、熱く昂ぶりながらも下品には至らない情熱的な表情。
何より、先ほどから目の前でたぷんたぷんと存在を誇示し、柔らかくすり付けられる双つの膨らみ。
目の前でギシギシ腰を使い身を揺らす千鶴のその全てが、
ベッドの上に座り迎えた小太郎にとって、むしゃぶりつき食い尽くしたい程に可愛らしく美しく、愛しい。
そして、何よりかにより、小太郎のまだ幼さの残る雄を全ての感覚をもって攻略しようとしてやまない。
小太郎は、歯を食いしばって陥落の甘い誘惑に必死に耐え、
腰を突き上げ少しでも千鶴を鳴かせようと懸命に力を振り絞る。
だが、長くは続かなかった。
「うっ、くっ…ちづ姉…俺、又っ…」
「はあああっ、コタロー君っ、私、私もああっ、うんっ、コタロー君っいいわ来てあああっ!!」
「おおおおっ!!…」
いまだ下半身が甘く痺れる中、ぐにっと豊満な感触と共に小太郎に全てを委ね覆い被さって来る千鶴。
小太郎が見たのは、見た事も無い艶っぽい女であり、身近な優しいお姉さんであり、
誰よりも美しく愛しい一人の女性の姿。
「ちづる姉ちゃん」
「はい」
千鶴は、改まって返答した。
「めりぃ・くりすます」
「Melly X’mas.特別な夜に」
いつもの優しい微笑みが、小太郎をほっとさせる。
そして、静かに唇が重ねられた。
>>292 + +
「ぴーぽーぴーぽーぴーぽー」
小太郎が寮の廊下でふーっと一息ついていると、
真っ白な灰を乗せた担架が、双子の手で通り過ぎていく。
「何や知らんがネギも大変やなぁ…」
小太郎が壁に着いた手がずずずと滑り降り、その腕がガシッと掴まれ支えられる。
「あ、ああ、楓姉ちゃん悪いな」
「んー、どうしたでござるかな?…
…ふむ…これは…ほう…つまり…」
「どないしたん楓姉ぇ…」
「…つまり…些か修行不足だった様でござるな。さ、特訓でござる特訓」
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーーー……………」
「にんにん♪」
この年、聖夜の女子寮医務室のベッドには、
あまたの激戦を戦い抜いた歴戦の猛者達が、真っ白な灰となって二つ仲良く並んでましたとさ。
+ +
2003年12月25日早朝。
元々筋肉的な疲れは少ない。
医務室ですっきり目覚めた小太郎は、体をゴキゴキ鳴らしながら寮の玄関付近をテクテク歩いていた。
「あ…」
「よう、早いな」
「はい、美化委員の早朝お掃除当番で。イブの後で散らかってるかも知れませんし」
確かに、後ろ手に箒を持った愛衣がにっこり笑って挨拶し、
小太郎は頭の後ろで組んでいた手でぽりぽりと後頭部を掻く。
「んー…えっと…」
そうして、小太郎が次の言葉を探している間、愛衣は嬉しそうににこにこと立っている。
>>293 「やっ、コタロー君に愛衣ちゃん」
「お早うございます釘宮さん」
「おう、くぎみー姉ちゃん」
「くぎみー言うな」
「早いですね」
「朝練朝練」
「一人かいな」
「んー、もうすぐ来るけどねー」
「おっはよー」
「お早うございます」
「ああ、おはよー夏美」
「おう、夏美姉ちゃん早いなぁ」
「ん、クリスマス公演の千秋楽私も出るからさ」
「ほー」
「頑張って下さい」
「頑張って夏美」
「あらあら、お揃いですわね」
「あ、いいんちょおはよー」
「お早うございます」
「こんな早ようにどないしたん?」
「厩舎の当番ですの」
「あらあら、賑やかね」
「お早うございます」
「那波さんおはよー」
「ああ、ちづ姉お早う。保育園の後始末だっけ?」
「朝じゃないと出来ない事が色々とね」
「大変ですねー」
「大変だねー」
「色々大変だねー」
「でござるなー、にんにん♪」
「リボンなナイト09」了
えー、09年のクリスマスネタに始めた訳ですが、
見ての通り、正月休みも突破してしまいました。
薫製ターキーとアイスケーキの再凍結になりましたが楽しんでいただけましたら嬉しいです。
それでは、今年も縁があったら又どこかで、いい年になりますように。
−了−
いつもながらGJですね
出来るだけ早く次の作品を書いてくださるのを期待しています
とりあえず、お疲れ様でした
とても楽しく読ませて頂きました。
ただ…"Merry"です。"Melly"ではなく。
>>296 うわー、やっちまったよー。
最初に間違ったの未確認のまま毎回コピペしまくって全作撃沈してしまいました。
試しにググッて見た所、かなりポピュラーな間違えみたいですねw
>>296さんありがとうございます。
保守
保守
保守
保守
ネギ栞が見てみたい今日この頃。
保守
保守
過疎
百合ものが読みたいな
306 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 13:18:49 ID:H5dnxK9N
保守
307 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 12:06:22 ID:6sQb+NXw
h
age
保守
公式でネギ栞が見られた!これでかつる!保守
これで栞がフェイト一筋だったら面白かったのにw
「どうしたんですか?」
普通に声を掛けてくれるんですね。軟禁されている筈の私に。
あれから私は、拷問に掛けられるでもなく飛行船の中で軟禁されていました。
のどかさんのお陰でその必要が無かったのですし、扱いに困ったから取りあえず、
と言うのも本当の所だと思います。
でも、それもネギさんの優しさなのだと。
私は、その優しさを裏切ってここにいます。
カード奪還隠匿の経緯は省きます。
見張りの娘が弱そうな時を狙って、その姿を借りてここまで辿り着きました。
もちろん初期の目的を忘れてしまう仕様ですから、事前にメモを用意して、です。
そうやって、深夜の寝室と言う危な過ぎる場所に、
素の顔で敵の潜入工作員と言う危な過ぎる相手がたたずんでいるのに、
ネギさんの瞳はあの時と同じ優しいまま、心配そうですらあります。
その優しさが切ないです。でも、裏切らせていただきます。
「はわわわっ!」
私が寝巻を床に落とすと、ベッドの上のネギさんは、腕を顔の前で振ってわたわたしちゃってます。
戦場だったらすぐに刈られてしまいますよネギ先生。
「は、んっ!?」
ほら、瞬動なんか使わなくても奪ってしまいましたよ、
「ネギさんの唇、やっぱり柔らかい」
私の目の前で、目をぱちくりさせています。可愛いです。
だから、もう一度。今度は深く、静かに。
目がとろんとして来ましたよ。伏せた睫、引き込まれてしまいそう。
引き込まれてしまいそう。どうしてこんなに甘美に舌が動くのですか10歳のネギさん?
やっぱり、天才なのでしょうか。
「あ、あの…」
目が闇に慣れて来ました。糸を引いて唇が離れ、ミルクの様な頬がほんのり染まっているのも分かります。
そして、戸惑いを口にしながら視線がチラチラと。
だから、困ってる紳士さんにお手伝いをしてあげます。
>>312 「あ…」
ネギさんの手をとって、私の左胸に導きました。すっぽりと膨らみを収めた掌をやわやわと動かして、
くすぐったいぐらいに優しい手つきはやっぱり紳士さんです。
私の顔に、笑みがこぼれている様です。
+ +
「あうっ!」
私の掌がネギさんのパジャマの上を下へ下へと、それは簡単に見付かりました。
こんなに熱くなってますよネギさん。体は正直ですね。
「あ、ああんっ!」
私は、ネギさんほど優しくありません。
意地悪く掌を動かすだけで、ネギさんの声丸で女の子みたいです。
「ああっ!」
一度ゴムを歪めて空間を作ってから、一度に引き下ろしました。
一杯一杯に突っ張っても、まだ可愛いぐらい。
でも、私の目の前に飛び出したのは、紛れもない元気な男の子です。
「は、あっ」
その白い幹を舌先でつーっと撫でるだけで、ネギさんはたまらなそうな声を。
たまらないのは私です。
「えっ?あ、はああんっ」
思い切って、かぷっ、とくわえてしまいました。お口にお手頃サイズでしたし。
上目遣いで見ると、ネギさんは紅潮した顔で眉根を寄せながら、
ぷるぷると顎を横に振って懸命にこらえています。
だから、もっともっと意地悪して差し上げます。
「は、あ…んんっ」
ちゃんと、最後まで見届けてからお口で綺麗綺麗に致します。
心得はあるつもりですが、それでも唇の端から少々溢れてしまいましたはしたない。
>>313 「濃厚なのが一杯、私のお口に出されましたね」
かあっと頬を染めて斜め下を見るネギさん。そんな罪悪感なんて感じないで下さい。
その綺麗な心に付け込んで一方的に貪っているのは私なんですから。
でも、その顔、たまりません。
本当にあんなにネバネバに濃いのが一杯一杯でしたね。ごっくんしても感触が全然消えません。
こんなお子ちゃまなのにあんなに一杯、こんなに戸惑って、
きっと、初めてだったんですね、嬉しいです。
+ +
「気持ち良かったですか、ネギさん?」
私の問いかけに、ネギさんはこくんと頷きました。本当に正直な方です。
「私も、気持ちよくして下さい」
「えっ?」と口に出さないで目で問いかけています。
「ネギさんはおっぱいお好きですか?」
ほら、視線が又斜め下に。ネギ先生ならのどかさんや龍宮さんにお願いするまでもないですね。
ふにゅっと、柔らかな頬から右に、
「いいんですよ」
私は甘く囁きます。唇を割って入り込んだのを、ネギさんは拒みませんでした。
ニンジャか何かでしたら確実に殺れるレベルですねネギさん。
ネギさんがうっとりした顔でちゅうちゅうしています。うふふっ、くすぐったいですネギさん。
「は、あっ…」
声を漏らした私の顔を、痛いくらいに硬くなった乳首をちゅうちゅうしていたネギさんが、
上目使いでちらっと。お母さんの真似と言うのは難しいんですね私はしたないです。
ツンと尖っててらてらに艶めく乳首からネギさんの唇が離れます。
ジロジロ見られるとやっぱりちょっと恥ずかしいです。
程よい美乳と強がっても、ネギさんの周りにはアスナさんもそう、ご立派な方が一杯おられますから。
照れ隠しっぽく、もう一度ネギさんの顔を押し付けてしまいました。
>>314 「あんっ」
又、声が漏れてしまいます。だって、くすぐったいのが段々と、
私の知っている中でもネギさんの舌の気持ちよさは大変なもの、末恐ろしいなんてものではありません。
私の掌は、自然に、解かれたネギさんの後ろ髪を撫でていました。
撫でながら覗いたネギさんのお顔は、とっても安らかで私も笑みがこぼれてしまいます。
「ん、んっ…」
私の思わぬ行動だったのでしょう、
右手を取られて私の恥ずかしい所へと導かれたネギさんがチラッと上目遣いに。
まだ、おっぱいはくわえたままです。
「男の人の様に、女性もここが気持ちいいんです。
男の人よりずっと小さいけど、ここを優しくされると気持ちよくてこんなぬるぬるなはああっ…」
手に手を取り、触れる前から恥ずかしい程に潤った中のその一点に導きました。
少しの間お姉様としてエスコートして差し上げるつもりが、
私の背筋はあっと言う間に反り返って息が詰まりそうになりました。
「ネギさんのここも、又、硬くなってます。男の子なのですから当然の事ですよ。
女性にこうして反応されるのは、健康な男性として成長の証、
ネギさんみたいな紳士的で魅力的な男の人が魅力を感じる女性としての誉れ」
もう、ネギさんにそんな罪悪感なんていらないです。
ネギさんは私にされるがまま、パジャマシャツを脱がされました。
「だから…私を…」
「あっ!」
ネギさんはその時、女の子みたいな声で一声叫びました。
そして、その瞬間を懸命に堪え、打ち勝ちました。
私の下で、ネギさんは声をかみ殺しています。
そんな、ネギさんの眉根を寄せた懸命な顔を見下ろすと、改めてじゅんと潤うのを感じながら、
そこにネギさんの男の子を食い締めながら、私は腰を動かします。
ネギさんが私の中に、ネギさんそのものの様に、
まだまだ幼さを残しながらも男性として精一杯力強くあろうとするネギさん自身が、
精一杯硬く、強く私を突き上げます。
そして恐るべき事に、
耐える事で精一杯だった筈のネギさんの腰が私の下で、それも的確に動き出していました。
そう、こうして組み伏し、ねじ伏せようとすらしている私を、逆に突き破らんばかりに。
だから私も、ゆるゆると腰を使い、或いは力を込めて、踏み止まろうとするネギさんを私は翻弄します。
>>315 いかがですかネギさん?
ある時は寝物語を運ぶ記憶の箱、ある時は想い人に向き合えない方のための完璧な生き人形。
それは、甘いだけ言いなりだけじゃない、そんなの「面白くない」。
痛いも苦いも全てが「リアル」な完璧なエロゲ。
例えそれが本物そのままでどんなに酷い事でも傷ついてもそれはその時だけの事。
そして私、その時はその姿のその人で頭の中まで全部その人、でも、後になれはその全ては私の記憶。
だから、こんな事もこうやって、こんな風にすれば男の人がどうなるか、全部覚えています。
ネギさんの見た「アスナさん」もそれと同じなんです。
それが私。軽蔑しますかネギさん?
+ +
気が付いた時には、真っ白な光から夜闇の寝室へとゆっくりと私の意識は戻って来ていました。
ネギさんも、ほんのりと頬を染めたまま、
頭の中を突き抜けた感覚を処理し切れない様です。
やっぱり、こういう事まではまだ難しかったのですねネギさん。
体の求めるまま、私はネギさんに抱き付いていました。
私の程よく形のいい美乳がふにゅっと潰れています。
やっぱりネギさんの、ほんのり汗の浮かんだ胸板。ほっそりして見えて逞しい、温かい。
「栞さん、どうして…」
それでもさんを付けて下さるのですね。そうであれば、裏切らなければいけません。
「フェイト様のスパイが、敵リーダーを誘惑しに参りました。
この体、ネギさんの思し召しのまま。二人だけの秘密、一杯一杯気持ちよくして差し上げますわ」
そんな澄んだ、哀しい眼差しを向けないで下さい。
お願いです、そんな優しい、哀しい目を向けないで下さい。唇が、裏切ってしまいます。
「…助けて下さった…お礼を…」
なぜ、私の頬は濡れているのでしょう。濡れた頬は熱いです。
どうして?それは私が聞きたい事です。どうして?
どうしてこんなに優しく、力強くぎゅっとなさってくれるのですかネギさんどうして?
だから、止まらない、頬が、濡れて、止められないじゃないですかネギさん。
ネギさん?ネギさんどうして、泣いているのですかネギさんどうして悪いのは私なのに
>>316 バタバタと入口が騒がしくなって参りました。
龍宮さんが、左手で払いのける様なジェスチャーをしながら、銃口を向けて叫んでいます。
それでいいんです。
私の心がどちらを向いていても、大恩あるフェイト様を裏切る事は出来ません。
全てを知られた私は、フェイト様にとって、
「偸生の符」の能力者とフェイト様の下僕として全て心得ています、身の処し方も。
だから、ネギさんを抱き留めながら、くるりと龍宮さんに背を向けます。
そうです、ネギさんは全然悪くありません。
全てがこの私が、フェイト様の女スパイが年端も行かぬ敵リーダーに色仕掛けで迫った、それだけの事。
さあ、龍宮さん、ネギさんの首、刈って差し上げますわよ。
+ +
私は目を閉じていました。
その事に気が付いて、目を開きました。
後ろに視線を向けると、のどかさんの背中が見えました。両腕を広げて立ちはだかるのどかさん。
知られた今、この人にだけはかなわない。
だから、決行前には一生懸命フェイト様フェイト様と心の中で繰り返し、
直前には一服盛らせていただきました。もうお目覚めなのですね。
そののどかさんが両腕を広げて、私と龍宮さんの間に立ちはだかっています。
どうして?どうして?どうして?どうして?
チラッと後ろを見たのどかさん。黒髪の間から覗いた瞳は、優しく微笑んでいました。
もう、嘘はつけない様です。姿も、言葉も、私は、そうです、のどかさんと同じく、
止まらない、頬を濡らし、シーツにも染みが広がって、どうして?どうして銃を下ろすのですか?
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
−了−
なんという神・・・・禿げあがる程GJ!!
>>318 コテ幾つかあるんですね。
単行本待ちだけど楽しみになりました。GJ!
ちっともラブくねぇ。乙
もしかして軽くネタばれか?
いずれにしてもgj
捕手
補佐
捕手
捕手
早速ですが、急ぎ気味に新作前後編「G・Pen上の添乗」
前編投下開始します。
+ +
「これが、君の知りたかった事だよ」
フェイトは冷たい嘲笑を覗かせながら通り過ぎる。
その傍らでは、赤い岩山の地面に、
ネギ・スプリングフィールド従者ゆーな☆キッドがガックリとくずおれていた。
「う、あ…あああああああああっ!!」
「おいっ…きゃあああっ!!」
絶叫が岩山に轟く。低い姿勢から、裕奈が猛然とフェイトに駆け寄る。
割り込もうとした焔が、悲鳴と共に吹っ飛ばされた。
「貴様っ…」
火球を手に裕奈に駆け寄ろうとした焔の肩を、調が掴んだ。
「魔力の出力が違い過ぎる。弾き飛ばされるか…塵になるか」
首を横に振って言う調の言葉に、焔が息を呑む。
「うあああああっ!!!」
真っ白く輝いた裕奈が、絶叫と共に文字通り殴り付ける。
ひょいとフェイトが身を交わした向こうで、家一軒分はありそうな岩山に光る拳が叩き付けられる。
塵と化した岩山を前に、焔の顔は炎の申し子とは思えぬ青さを見せていた。
裕奈に背を向けたまま、いつの間にかデタラメに遠く離れていたフェイトに、
岩の地面を蹴った裕奈が見る見る接近する。
くるりと振り返ったフェイトはくわっと目を見開き、退いた右手を光らせていた。
裕奈の目尻から頬に一筋の滴が走り、フェイトの表情には嘲笑が。
「愚かだね」
「あああああ…!?」
「?」
周囲を包む毒霧と共に、突き出されたフェイトの右手が空を切る。
弾け飛んだ体に感覚を合わせようと、裕奈はブンブンと頭を振る。
>>327 「ネギ、くんっ!?」
裕奈に体当たりして弾き飛ばしたネギは、空中で、貪る様に裕奈の唇を奪っていた。
「おのれっ!」
焔が、闖入早々二人の世界を作っている謎のカップルへ向けて地面を蹴る。
だが、ネギの放った突風の壁は、焔の視界を塞ぐに十分だった。
「放してっ、ネギ君放してっ!!…」
「ごめんなさい」
目を見開いた裕奈だったが、強烈な睡魔がその瞼を耐え切れぬ程に重くする。
+ +
「いつつ…」
「気が付きましたか?」
ベッドの上で、裕奈は身を起こした。
「ここは…パルの飛行船?」
そこは、見覚えのある船室のベッドの上だった。
「えっと、私…」
「凄いですね、ゆーなさん」
傍らに立つネギが、にっこり笑って言った。
「ゆーなさんの魔力、想像以上に凄いです。
自分で言うのもなんですが、僕やこのかさんの魔力は、旧世界ではトップクラスだそうです。
ゆーなさんは、それに迫る程の潜在的な魔力を持っているみたいなんです」
「私の、魔力が…」
ネギの言葉を聞いた裕奈は、ベッドに身を起こして両手を見た。
「やっぱり、血筋なんですかね。素晴らしい魔法使いだった…」
「…お母さん…」
>>328 シーツをぎゅっと握り、肩を震わせた裕奈の姿に、ネギはあわわっとなった。
「あ、あの、ごめんなさい」
「嬉しい。お母さんの証」
小さく首を横に振り、裕奈が言った。
「あ、あの…でも…そんなに巨大な魔力を一度にですね、
第一、ゆーなさんの体が…今もさっきの軋みが体に…だから…」
「…ったのに…」
「?」
「良かったのに…それで…」
「ゆーなさん?」
「それで、良かったのに…どうして邪魔したのネギ君…」
「裕奈さん」
しっかり語りかけようとしたネギだったが、裕奈はその暇を与えなかった。
「どうして邪魔したのネギくんっ!?
あんな、あんなチャンスもう二度と無かった、あの勢いならやれた、あいつをやれたっ!
お母さんの、お母さんの敵を、お母さんの敵のあいつをっ!!
あいつは強い、あいつは強いって分かる。だから、もう二度と無いかも知れない。
だから、良かった、良かったのに、
私はどうなっても刺し違えてもあいつをお母さんの敵を…」
雷は雨だれに変わり、シーツに滴る。
ネギは、裕奈の肩に手を置き、優しく微笑んで首を横に振った。
「駄目ですよ、裕奈さん」
「ネギ君…」
「お話を聞いた事があります。元気が一番だって」
「ネギ君?」
「元気が一番だって、すくすく元気に育っているゆーなさんが大好きだったって。
だから、駄目です」
「お母さん…」
>>329 + +
泣き伏した裕奈は、ばたんと不審な音を聞いた。
「?ネギ君?」
顔を上げた裕奈は、床に倒れるネギに駆け寄った。
「どうしたのネギ君?ネギ君?ちょっと、何よこの熱ネギ君ネギ君っ!?」
ネギの額に手を当てた裕奈の顔色が変わる。
「ちょっと、ちょっとっ!?」
叫んでも反応が無い事に気付き、裕奈は船内を走り回って元の船室に戻って来た。
「な、何なのよ、どうして誰もいないのよどうして連絡とれないのなんなのこの熱はっ!?
ネギ君、ねえネギ君っ!?」
ベッドに横たわるネギの真っ赤な顔からダラダラと汗が流れ落ち、
見るからに呼吸が荒くなり全身が震え始める。
「ネギ君、ネギ君っ!?まさか風土病亜子みたいにっ!?」
裕奈はもう一度船内を一周して戻って来たが、ネギの容態は明らかに悪化していた。
「はい、水枕。薬は分からないし…え、何ネギ君?」
うっすら目を開いたネギの手が何かを求めて空を切る。
「喉乾いた?」
裕奈の声に、ネギが苦しそうに頷く。
「ち、ちょっと待って」
裕奈はネギの身を起こし、水の入ったコップをネギの唇に差す。
だが、たちまちにむせ返った。
>>330 「ご、ごめんネギ君。駄目、自分じゃ無理」
手を伸ばすネギに裕奈が言い、裕奈は意を決する。
「ん、んっ…」
ネギの喉が鳴り、ネギの乾いた唇から裕奈の唇が離れる。
「ひどい汗…」
裕奈は四苦八苦してネギをトランクス一枚の姿に剥き上げると、
まずはその胸板にタオルを当てる。
だが、拭っても拭ってもきりがなかった。
「寒いの、ネギ君っ?」
次第に呼吸が荒くなり、ネギの全身がガタガタと震え出す。
裕奈は慌ててベッドの掛け布団を全て被せるが、全く効果が無い。
「寒いの、ネギ君寒いのっ?」
ネギの振動は、裕奈の問いかけに対する明確過ぎる返答となっていた。
「な、なんなのよこれ…あああどうしよう…」
裕奈はもう一度布団を剥がし、ガタガタと震える胸板に手を当てるが、
だからどうしたと言う事も無い。ただ、激しい振動荒い息遣いが明確に伝わるだけだ。
「ネギ君、ネギくんっ!」
+ +
物理的に振動を抑えられていると言う事もあるが、
それでも、僅かにでも落ち着いたのかも知れない。
ベッドの上で、ネギの小さな身体を腕の中に感じながら、裕奈はそう思いたかった。
「あったかい?ネギ君」
丸で返事をするかの様に、ネギは、目の前の裕奈の背中に腕を回し、きゅっと抱いた。
まるで全ての温もりを吸い付くさんとばかりに、汗みずくの胸板がぎゅっと押し付けられる。
>>331 「やっぱり逞しい、あんなに強いんだもんねネギ君」
その内、ふーふーと息をしながら、ネギの体がもぞもぞ動き出すのに裕奈は気が付いた。
「あ、ごめん、きつかった?」
裕奈が腕の力を緩めると、ネギの顔が、しっとりと汗ばんだ裕奈の柔らかな谷間にばふっと落ち込んだ。
「ひゃっ、ネギ君?…」
ネギの安らかな寝顔が、何かを言おうとした裕奈の言葉を奪う。
「ネギ君」
そんなネギを見て、裕奈の顔からも慈母の笑みがこぼれる。
だが、本格的なお母さんはそのすぐ先の事だった。
「んー…」
「ちょっ、ちょいネギ君っ」
前編投下、終了です。
今回はここまでです。続きは近々折を見て。
それでは後編投下、開始します。
>>332 + +
裕奈が戸惑っている間に、裕奈の柔らかな胸に頬をすりすり擦り付けていたネギは、
その左側の先端をはむっと口に含んでいた。
「きゃははっ!ちょっ、ネギ君やっぱ無理あはっ」
時々舌をれろれろと動かしてちゅうちゅうと吸われるくすぐったさに、
裕奈は目尻に涙を浮かべてケラケラ笑いながら下を見た。
“…綺麗な顔…でも…”
こうして見ると、伏せた睫も優美な整った顔立ちをしている。まき絵や何人もの熱烈ファンがいるのも分かる。
だが、その安らいだ表情は、裕奈にふっと嘆息をもたらし裕奈は解いたネギの髪の毛を優しく撫でていた。
そうしている内に、裕奈の顎もカクンと船を漕ぐ。そんなネギの顔を見て気が緩んだらしい。
「んにゃ?」
一度口を離し、乳房に顔を預ける様にしていたネギがもぞもぞ動き出すのを感じ、
裕奈はちょっと飛んでいた意識を取り戻す。
「んー、んーっ…」
「どうしたのネギ君?」
まだ、ネギのおでこは熱いぐらいだ。裕奈がとっさにネギをきゅっと抱き締めると、
その腕の中でネギはもぞもぞとむずかる様に動き出した。
「はにゃ?これ…」
「んーっ、んー、んーっ、あっ、あー、あーっ…」
ネギは、裕奈の腕の中でもぞもぞと逃れようとしたかと思うと、逆にぎゅっと裕奈を抱き締めたり。
目をぱちくりさせた裕奈が自分のお腹に当たる硬い感触に気が付いた時には、
ネギは切羽詰まった声を迸らせてから今までとは違った周波数でビクビクッと全身を震わせ、
賢者の如く深甚なる吐息を漏らしていた。
>>333 + +
「はーっ、はーっ、はー…」
ネギが一度体を反り返らせてから、ばふっと目の前の豊穣な谷間に顔を落とし込む。
押し付けられた布地からじわりと広がる湿り気と柔らかさに、
流石に一瞬乙女らしき嫌悪感を覚えた裕奈だったが、
柔らかな胸に埋もれて無意識のうちに呼吸を整え、
その身を預けるネギの顔を見ている内に、裕奈もふっと優しい吐息を漏らしていた。
「あーあ、汗びっしょりかいちゃって」
ネギをベッドにごろりと転がし、手始めに乾いたタオルでその胸板を拭う。
そうしながらも、その視線は自然、堂々たる染みの広がったトランクスへと向かってしまう。
「あー、やっぱ気持ち悪そ」
ずるりと引き下ろしたトランクスを後方に放り投げ、裕奈はネギの脚の上に尻を下ろす形となる。
「わーぬるぬる、こんな風になるんだ。ネギ君も男の子なんだねーもーむっつり君なんだからー」
言いながら、ありったけ持って来たタオルの一つを水で絞り、そこを拭い始める。
「ん?ちょっ…」
そうしている内に、タオルから外れた中身が裕奈の掌の中で見る見る硬度を増して火の様に熱くなった。
「あ、えっと…ひゃっ!」
お掃除を続けようかどうしようかまごまごしている内に、それは裕奈の目の前で更に力強く反り返り、
目の前の裕奈に向けてゴムが弾けた様に勢いよくその中身を叩き付けた。
「つっ、うわあ、こんなにちょっとネギ君、って…」
二度目にも関わらず、まるで大噴火の様に降り注いだ白いマグマ、がどうなのかを知る程の経験は無かったが、
それでも、乙女の柔肌に一瞬感じた刺す様な熱さ、
そして、その上にぼうっと浮かぶほの白い輝きが異常である事ぐらい、耳年増が精々の裕奈にも理解出来た。
一瞬照明かと思ったが違うらしい。既に、裕奈のこんもりとした胸の膨らみの上では、
半ば黄色っぽくゼリー化した粘液が、その周囲につーっと粘度の低い白濁駅を垂らしながら、
当たり前の鈍い照り返りだけを見せてふるふる震えているだけだ。
そして、半裸で仰向けに寝転がるネギの様子は、呼吸も穏やかで随分楽そうだ。
>>334 「これって…」
まだ平熱以上な額に掌を当てながら、裕奈は勘を働かせていた。
「すーぐ、きれいきれいしてあげる。んっ、んー、んふっ、んんんっ!!」
ベッドに這ってネギの股間に顔を埋めた裕奈は、たらんと垂れた柔らかなネギの生白いモノを口にしていた。
すっぽり収まるお子ちゃまの可愛らしいものを裕奈はもごもごときれいきれいしていたが、
その内、それは見る見る体積と硬度を上昇させ、離脱の暇を与えず口の中で暴発した。
「もうっ、ネギ君元気なんだから又あんなに一杯、実はすっごいまずいし。
でも、今度はちゃーんとお掃除してあげたからねっ」
ベッドの上に座って身を起こし、ごくりと喉を鳴らした裕奈は、
僅かに垂れた唇を手の甲で拭いながら悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
ぺろりと嘗めた唇をちゅっとネギの同じ場所に重ねた裕奈は、
さっき裕奈自身の寿命が縮むかと思った時から見たら随分楽そうなネギの赤ら顔にくすっと笑みを浮かべ、
その身を段々と下へ下へとずり下げていく。
改めて、たらんと柔らかく垂れたネギの男の子に唇を寄せ、
ハッキリ覚えていた訳でも無いのについばむ様に愛する。
チロチロと舌が這う内に、それは又、むくむくと力を得て反り返り始める。
身を起こした裕奈は、随分昔の様でいて実は半年と経っていない「涼風」スライム騒動から気を取り直して
結局買い直した美容ローションを自慢の膨らみに塗り込んで行く。
「あんっ」
「って、それ女の子の声だってネギ君。
ほらほら、ネギ君の大好きなおっぱいでしゅよー。
知ってるんだからねネギ君、男の子っておっきいおっぱいでこーゆーの大好きなんでしょー」
裕奈が改めてネギの上に倒れ込み、裕奈の豊満な胸の谷間からは逞しく熱い感触が伝わって来る。
それを感じながら、裕奈は思い付くまま、両手で外側から膨らみを挟み、ぐにぐにと手と全身を上下させる。
「んっ、これって…」
ぬるぬるにした谷間、実は女性にとっても性感帯に、見た感じ大人の男と言うにはまだまだ、
それでも精一杯の力を込めて裕奈に向かった男性のシンボルを挟み込み動く内に、
裕奈も太股をもじもじとさせながら息が荒くなるのを感じる。
そして、何かまどろみながら丸で女の子の様な声を響かせていたネギの男は、あくまで肉体で返答した。
「んっ、んー…あー…」
「んふふっ、ネギ君、やっぱりおっぱいが良かったんだねネギ君の男の子も」
>>335 いまだぬるりとする程の迸りを唇をぺろりと嘗めて味わいながら、裕奈はタオルを手にしていた。
濡れタオルで、顔も胸も丹念に拭う。いつの間にか自分も汗みずくになっていた事に気が付いた。
「なんか体が、熱い…」
真っ裸で大の字になったネギを頭とは逆方向から見ている内に、
裕奈はごくりと自分の喉が鳴るのに気が付く。
「そうそう、ちゃんとキレイキレイにしておかないと…んふっ、ん…
わっ、ネギ君まだイケるんだ」
ぞろりと黒髪を垂らしてネギの急所から顔を上げた、その裕奈の浮かべた笑みには確かな淫靡さが漂っていた。
「あ、んっ、ほらっ、ネギ君、ネギ君可愛くて元気過ぎる、からさ」
裕奈はぶつぶつ言いながら、既にじわりと染みの広がっていた白いショーツの底を指で一撫でし、
くっと顎を反らしてからするりとその布切れを脱ぎ捨てた。
「熱くて我慢出来ないの、ネギ君ばっかりじゃないんだからね」
ネギの腰に跨りながら、裕奈の右手は熱く強張ったネギの急所をしっかと掴んでいた。
それだけで終わるのではないかと半ば期待半ば冷や冷やしていたが、ここまでの歴戦がネギに耐えさせた。
「あ、あんっ!」
既にぬるりと潤った裕奈の中にそんなネギの熱い昂ぶりが呑み込まれ、
部屋に一瞬、甲高い二重奏が響き渡る。
「あっ、これっ、いっ、ネギ、くんっ…」
段々と沸き上がってくる何かに突き動かされるままに、裕奈はネギの上に起こした身をぐらぐらと揺さぶる。
そんな裕奈の下からもネギの可愛らしいうめき声が聞こえて来る。
つむっていた左目を開けると、そんな裕奈の下でネギは何かに耐える様に頬を真っ赤に染めて喉を見せている。
その苦悶とも言える表情を見て、裕奈は何かじゅるりと沸き上がるものすら覚えた。
>>336 「あっ…ああっ…あああっ…ネギ君…ネギ君ネギくんっんああああっ!!」
ゆさっゆさっと動き出した裕奈の体は次第に大きく揺らぎ、ネギの上では
裕奈の豊かな、それでいて少女らしく形良く張り詰めた素晴らしいバストがぶるんぶるんと上下する。
裕奈の体の動きと喘ぎ声のピッチが速くなり解かれた裕奈の黒髪がバサバサと揺れて乱れる。
そんな裕奈の下で、ネギの体も又何かを求めてじりじりと動き出していた。
若い肉体を汗みずくにぶるぶると激しく揺れ動いていた裕奈の踊りは、
裕奈の悲鳴、その底にネギのうめき声を交えて不意にフィニッシュを迎える。
たっぷりと張り詰めた乳房はピンと上向きに張り詰め、
反らした顎から白い喉を見せた裕奈は荒い息を吐いてバサッとネギの上に覆い被さっていた。
+ +
「ん、んー…」
「あ、気が付いた?」
そう言いながら、ネギの隣に寝そべっていた裕奈も又、
うっとりと眺めていた自分自身の事でちょっと慌てていた。
「ゆーな、さん?はわわっ!」
ぼーっと視線を走らせたネギは、イチジクもなきアダムとイヴ状態にわたわたと身を起こした。
「だーめ」
「はうっ!」
ベッドに座った状態で、真っ裸のグラマー美少女にきゅっと抱き締められ、
真っ裸の美少年の元からの赤ら顔が顔は見る見る真っ赤になる。
「病人はお休みしてないと。大変だったんだからねーネギ君すっごい高熱でダウンしちゃってさ、
だーれもいないから一人でびしょびしょになって汗拭いたりあれしたりこれしたり…」
「あ、あ…ごめんなさい…」
「いいのいいの」
しゅんとなったネギに、裕奈はにこっと微笑んだ。
「あの、それで裸で…」
「んふふっ、ネギ君ねー、ゆーなのおっぱい大好きだったの。
ママ、ママってゆーなのおっぱいちゅうちゅうして」
「はうっ!?」
>>337 裕奈の言葉にガーンと響いたネギは、真っ赤になってずーんと下を向く。
「ごごごめん嘘嘘冗談冗談っ!」
今度は知恵熱でぶっ倒れそうになったネギを前に、裕奈がネギの肩ををガクガク揺さぶって言った。
「半分、はね」
「え?」
「大変なんだよね、ネギ君」
裕奈は、顔を上げたネギの目を見てしんみりと口を開いた。
「ネギ君、こんなお子ちゃまなのにさ、お父さんもお母さんも訳分からない状態で、
それで立派な魔法使いになるんだって一杯一杯修行して、
それで外国に来て先生までしてる、私達みたいに大変なクラスの担任してても力一杯一生懸命。
そんな、本当はこーんなお子ちゃまなのに自分の事だけでも一杯一杯大変なのに、
私なんか来るなって言われても勝手に付いて来て世界レベルで迷子になって
空気読まないでやり返せとか無茶言ったり今度だって勝手に出て行ってネギ君危ない目遭わせといて
それでも私ばっかり我が儘言ったからあんな風に、私、ホント最低…」
グスグスとすすり上げ始めた裕奈は、裕奈をきゅっと抱き締めたネギの、
ちょっと熱すぎる優しい温もりを感じた。
「んー、正直ちょっと、一杯困った事も一杯ありますけど、
でも、それもまとめて先生で修行ですし、それに、僕はゆーなさん大好きですよ。
そんな友達思いで仲間思いで家族思いの優しい元気いっぱいなゆーなさん大好きです」
そんなネギのいつもの笑顔無邪気な笑顔は、小さな太陽の様にまぶしかった。
「だから裕奈さん、泣かないで」
「ん」
>>338 + +
頬を光らせたままにこっと笑った裕奈とネギの顔は近づき、唇が重なっていた。
唇が離れ、目と目で通じ合った後、ちょっと下を向いたネギは真っ赤になって目を斜めに向けた。
「ほらー」
裕奈は、そんなネギのまだ熱い頬を両手で挟み込み、自分の頬をぷーっと膨らませた。
「はうっ!」
「よしよし、いい子いい子」
裕奈にぎゅっと頭を抱かれ、髪の毛を撫でられたネギは、その腕の力が緩んだ時、
チロッと上目遣いに視線を走らせてにこっと笑う裕奈を見る。
パチンとウインクした裕奈の前で、ネギはおずおずと柔らかな胸に顔を埋める。
すりすりとしてから、はむっとその先端をくわえて吸い始める。
裕奈は、そんなネギの髪の毛を優しく撫で続けた。
「あっ」
ぎゅっと裕奈を抱き締めたネギが、ぱっと口を離す。
「あっ、あの…」
「いーのいーの、私も元気なネギ君大好きだから。
って言うか、この状況でこうならない方が失礼だから、ね、女に恥を掻かせないのイギリス紳士でしょネギ君」
裕奈の柔らかなお腹に熱く反り返ったものを押し付けてしまい、
不作法にあわあわするネギに無茶な理屈を並べた裕奈がニカッと笑みを浮かべる。
それを見て、ネギもふふっと照れ臭そうに笑った。
「そ、真面目なネギ君もいいけど、たまにはさ、熱くなって甘えて無茶してみるのネギ君」
「はい」
「…きゃんっ…」
にっこり笑って頷くと、ネギは裕奈の胸に飛び込みベッドに押し倒した。
ベッドに両腕を立てて裕奈の顔を覗き込むネギに、裕奈はにこっと極上の笑みを返す。
>>339 + +
「んあっ!」
ベッドの上で、裕奈の裸体がガクンッと震えた。
「あっ、ああんっ」
更に、裕奈は背筋を反らす。そんな裕奈の裸体に覆い被さったネギは、
導かれるままに裕奈の秘やかな茂みの奥地へと右手を滑り込ませ、
ぬるりと溢れた泉や小さな蕾に指を走らせていた。
「はんっ、ああんんっ!」
「あの、大丈夫ですか、ゆーなさん?」
「あ、大丈夫大丈夫、気持ちいーだけだから。って言うかネギ君ホントに初めて?
自分でするより何よりすっごい器用過ぎるってはああんっ!」
「気持ちいいんですかそうですか」
後の方の言葉が耳からすり抜けていたネギの指使いは、
裕奈を一度ベッドにのたうち回らせひくひくと小刻みな終焉を呼び込むに十分なものだった。
「あの…ゆーなさん?…あうっ!」
そんな裕奈の顔を心配そうに覗き込んだネギを、裕奈はぎゅっと抱き締めにへらっと笑った。
「あ、あうっ、ゆーなさんっ」
「んふふっ、ネギ君こんなに硬いの熱くなっちゃって、ネギ君も我慢出来ない?」
裕奈のあけすけな言葉に、ネギは恥ずかしそうにこくんと頷いた。
「そう。じゃあ、そのネギ君の、さっきの所に、ね、ネギ君」
さすがにちょっともごもごとした口調で裕奈が導くが、
ここでネギは、本来の聡明さを取り戻した様に緩んだ裕奈の腕の中でもぞもぞと動き出した。
「…あっ…」
「…うっ…」
やはり天性の器用さなのか、裕奈に覆い被さったままのネギの動きで、
ネギの昂ぶったものが十分に潤った中へとするりと入り込んだ。
十分に潤い柔らかく包み込みながらきつく締め付けるスポーツ少女の肉体に、
呑み込まれるままにネギは甘美なうめき声を漏らすしかない。
>>340 「うっ、あっ、ああっ」
「あっ、ネギ君のああっ…」
裕奈の中に呑み込まれた自分の肉体の一部が求めるままに、ネギは腰を動かしながら懸命に耐える。
そんなネギを抱き締め、裕奈の唇からも甘いうめき声が溢れ出す。
「あっ、ゆーなさんっ、僕ああっ」
「んっ、ネギ君、ネギ君来て来るああ来るっネギ君来てあああー…」
+ +
全てが白く抜け落ちた世界から戻って来て、裕奈は、
どうも似た様な状態らしくすとんと自分の裸体にその身を預けるネギをきゅっと抱き締め、
髪の毛を優しく撫でる。
「ゆーなさん…」
「えへへ…」
裕奈につられる様に、ネギもにっこり笑みを浮かべた。
「大好き、ネギ君」
「僕もです」
「いいの、そんな事言っちゃってモテモテのネギ君が?」
即答したネギの額を、裕奈がつんと突いた。
「こんなに元気で優しくて、そんなゆーなさんがやっぱり大好きです。
だから、これからはちゃんと修行をしていただきます僕のパートナーとして。
あれだけの魔力を無闇に使うのはあらゆる意味で危ないですし、ゆーなさんの体が保ちません。
僕も随分痛い思いしましたから」
「んふふっ、アスナ大変そうだったもんね。
いっつも一生懸命いっつも一人で無茶しちゃうネギ君のお守り」
「はい…ごめんなさい…」
「なーに謝ってるのネギ君もーっしんみりしないの」
「はい。だから、その大切な魔力を使える様に、僕が責任を持ってお教えします。
お父さんとお母さんから大切なゆーなさんを預かった先生として、マスターとして、パートナーとして。
僕の大切なゆーなさんを守るために」
「嬉しい」
にこっと笑った裕奈の目尻には、真珠が一粒輝いていた。
逞しい少年と柔らかな少女の生まれたままの肉体が重なり、互いの唇が言葉もなく塞がれる。
>>341 + +
「37度。お休み、ネギ君」
ようやく替えのトランクスとパジャマを着せたネギがベッドで安らかな寝息を立て、
裕奈が手洗いしたトランクスを洗濯機に放り込んだ辺りで、何やらがやがやと聞こえて来た。
「まさか、あんな希少種ドラゴンに襲われるとはな」
「にんともかんとも」
「ホント、素で妨害念派出しまくりって、どこのリ○ガーだってのア○ラもいないのに」
「あー、この面子だったらセ○ンだってシメられそうだけどな」
「ん?明石?」
表で一暴れして来た面々がぞろぞろと進む廊下に、
裕奈が息せき切って駆け付けた。
「これは、魔法熱ですね」
船室でネギの様子を見た刹那が言った。
「西洋魔法では余り馴染みの無い症状ですが、何か魔法的に勢い余って発熱したのでしょう。
蓄積した過剰魔力はごく微量。この程度なら少し寝ていれば治ります」
刹那の口調はしごくあっさりとしたものだった。
「んー、もう少しかかりそうやし、
たまには一休みするのもええんとちゃう?だってネギ君いつも大変やもん」
「ですね」
木乃香の言葉に穏やかに同意する刹那は、つーっと天井を見た裕奈に特に不審を抱きはしなかった。
>>342 + +
「…と、まあ、こーゆー展開もあり得る訳だから、
この手のネタバラシは慎重の上にも慎重に…」
原稿を手に力説するハルナとその周囲でうんうん頷く円陣を前に、
千雨は大汗を浮かべていた。
「あー、そのなんだ、その明石のトンデモ設定はどっから拾って来た?」
「ん?今までの状況証拠をつなぎ合わせたら、このぐらいの超展開は当然アリでしょ警部殿」
「あー、つまりあれか、又腐れ女子の超理論って奴か」
「腐女子の嗅覚を甘く見てはいけないよ長谷川クン」
かくして、ハルナと円陣メンバー(詳細略)と嘆息千雨がぞろぞろと物陰を移動する。
「あ、いた…」
「…そういえばあなたの御両親も同じだったと思いますが。
明石裕奈さん」
「…早乙女さん、あの脱げ女斬ってもいいですか?」
「ち、ちょっと待てよ…」
「G・Pen上の添乗」−了−
>>344 本誌読んで勢いで書いた、反省はしていない。
ちょいと突っ走ってしまいましたが今回はこれで失礼します。
それでは又、縁がありましたら。
GJ!!
捕手
捕手
349 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 01:13:32 ID:yOHoL+UO
発売日age
捕手
原作って同人を書いて欲しいのかって思うぐらいネタの宝庫だよね
赤松自身が同人出身だからかな?
補助
30巻でタカミチ×龍宮を妄想した。保守☆
補
保守
357 :
名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 22:31:03 ID:469aWmWc
浮上
358 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 12:12:02 ID:Y0Ct03Dw
浮上
保守
360 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 15:14:57 ID:wwxtbktU
浮上
あ、どーも、気軽に復活暗黒史作者です。
と言う訳で、新作「楽日」
第一話はエロ無しでですいませんが
さっさと投下開始します。
× ×
「おうっ、いたいたっ」
「あ、小太郎さん?」
丁度正門を出た佐倉愛衣が気付くのと、小太郎が手を上げて駆け寄って来たのはほぼ同じ頃合だった。
「何?学ラン?」
「知らないの、ほら」
「ちょっとワイルド系?結構イケメン?」
「うん、ちょいやんちゃっぽいのいいかも」
ひゅーひゅーと何か口笛っぽい声も聞こえる中、
愛衣の所に駆け寄った小太郎が、チラッと周囲に視線を走らせる。
「じゃあ愛衣、先行ってるね」
「うん」
近くにいた愛衣の友人達もニコニコと言うかニヤニヤして退散する。
「ちょうどええわ」
それをチラッと見送った小太郎が愛衣に向き直った時には、
愛衣の目からも微笑みが消えていた。
真面目な顔で一言二言告げて愛衣が至って真面目に頷き、小太郎はタタタッと走り去る。
「愛衣、愛衣」
「ひゃいっ!」
愛衣が若干飛び上がり気味にピシッと直立した時には、既に小太郎の姿は視界から消えていた。
「愛衣、何をぼーっとしているのですか」
「あ、ご、ごめんなさいお姉様」
振り返った愛衣が、腕組みをしている高音にぺこりと頭を下げる。
>>361 「あの格好で女子大の正門で、いつになったらデリカシーと言う言葉を覚えるのでしょうね」
「そうですね」
「だから顔、緩んでると言ってるの全く。さあ行くわよテレテレしないっ!」
「はいっ」
× ×
降りしきる小雨の中、
愛衣の周囲から一瞬で大量に放たれた赤い火炎弾と青白い火球が空中で激突し、
森の木々の間で大量の花火と化す。
「うらあっ!!」
その間を縫う様に小太郎が突撃し、目指す相手の首根っこをとっ捕まえた。
「!?わ、悪い…」
「小太郎さん!?」
その相手、白い布の塊からぶわっと沸き起こった巨大な力が小太郎を弾き飛ばし、
とっさに背後に回った愛衣がそれを受け止めた。
「とーりゃーっていりゃーっうーりゃーっ!!」
「アスナさんっ!」
離れた場所で、頭巾姿の人獣らしい輩が振り回す槍が明日菜のハリセンとちゃんちゃんばらばら弾け合い、
受け持ちが片付いたネギが駆け付けていた。
「つつ…どわっ!!」
背中にぐにゅっと柔らかいものを感じながら身を起こそうとした所で、
小太郎は背後から襟首を掴まれる。
そのまま横に放り投げられた小太郎は、元いた方向を見てそのまま飛び退いた。
そこでは、尻餅を着いていた愛衣が左腕を突き出し、
左の袖から肩口近くまでの衣服が一瞬で粉砕された。
「おいっ!!」
小太郎の叫びと共に、両腕を突き出した愛衣の前で巨大な火球が爆発する。
次の瞬間から、愛衣と白い塊がタッタッタッタッとステップ合戦を繰り広げ、
その周辺で次々と火球が爆発している。
小太郎が別の方向を見ると、そちらから段々と銃声が近づいて来る。
>>362 「おお、たつみー姉ちゃん」
「すまん、遅くなった」
言うが早いか、真名はザッとしゃがみ込み、小太郎もニヤッと笑みを浮かべる。
次の瞬間、銃弾が四方八方に大量発砲され、
それと共に頭巾の人獣がバラバラと空中から落下し動かなくなる。
パンパンと満足げに掌同士を叩いていた小太郎の頬の横を、ひゅうと火炎弾が通り過ぎた。
小太郎がすーっと振り返ると、槍を振りかぶった人獣頭巾がばったり倒れた所だった。
前を向いた小太郎は、にこっと笑った愛衣にニッと笑みを返すとそのまま愛衣の視界から消える。
「ああっ!」
愛衣が上を見ると、白い大きな布を手にした小太郎がこれから着地する所だった。
「こんの、おっ!…」
駆け寄った明日菜が大剣を振りかぶり、ぴたりと足を留めた。
「女、の子?…あ、ごめん、私そーゆーのきかないから」
蹲った小さな体を見下ろし、キランと光った目に気付いた明日菜が言った。
「せっちゃんストップストーップ、あー、そちらさんも矛収めてやー」
残った頭巾と対峙していた刹那の近くを木乃香が走り抜け、明日菜に接近する。
「はい、お父さんからのお手紙。怖かったやろーごめんなー」
木乃香から手紙を渡され、しゃがみ込んでいた女の子が安堵した様に啜り泣き始めた。
× ×
「えーと、つまり?」
再び白い塊と化してぺこりと頭を下げた少女を中心に行列はすーっと姿を消し、
雲の切れた夕日の森の中で明日菜が尋ねた。
「先の工事の際の手違いで、お稲荷様と氏神様を取り違えて移築してしまったらしいな。
大昔のこちら側とあちら側の和睦の目印になっていて、今までそれが尊重されて来た」
「で、狐の嫁入りが警戒ライン突破してあっちはあっちで訳が分からずに大暴れ、
まああちらさんも色々ややこしいからなぁ、人騒がせな話や」
>>363 真名の説明に、小太郎がやれやれと手を上げた。
「そうですね。お嬢様が早々に話を付けて下さったから良かったですが…」
刹那の視線がチラッと走る。
「あの姫君は九尾の狐直系の名族。
本人の技術はまだまだとは言え、あの妖力に真っ向から魔力で渡り合ったと言うのは」
「ああ、ちょっと見ない間に名コンビになったものだな」
「ああ。元々彼女は正統派の魔法使いでここの魔法使いの中でも若手ピカ一。
小太郎君は正に実力派の拳士。いい取り合わせだ」
「何より…」
刹那の言葉を受け、真名が視線を向けた先では、
小太郎と愛衣がガシッと腕と腕を合わせていた。
「何より息がぴったり、相当な修羅場をくぐったんだろう」
「ああ、形式上は高校生と大学生だが、
小太郎君は協会の契約ハンター、佐倉さんも正規の協会員で卒業後は協会のキャリア組。
それ以前から能力的にも実力的にも相性がいいからな。幾度も修羅場をくぐったパートナーだ」
刹那の生真面目な説明に、真名の唇の端に意味深な笑みが浮かんだ。
「イちゃん…」
「………」
「メイちゃん」
「は、はいっ」
愛衣がハッと振り返ると、神楽坂明日菜がにこにこと立っていた。
「ぼーって見とれちゃって、もう行っちゃったって」
「あ、いえ、その…」
「?」
「いえ、その、ちょっと考え事を」
「ふーん」
「アスナさーん」
「あーネギ今行く。ホント、愛衣ちゃんっていいパートナーになったよね」
「え?えーと…
あ、あの、アスナさんにはかないませんよネギ先生と」
「ま、なんだかんだ長い付き合いだからね。じゃっ」
チリンと鈴の音を残し、明日菜は駆け出していた。
>>364 「アスナさーん」
「だからバカネギー」
「あううー」
その声を微笑ましく耳にし、ふっと心地よい疲労を覚えた愛衣は、ふと周囲を見回した。
さーっと、木々の下草の間を風が通り過ぎる。
「よう」
「はいっ!」
「何ビビッてんね」
おもむろに歩き出した愛衣が、横合いの木陰から声を掛けられビクッと足を止めた。
「あ、ご、ごめんなさい」
「いや、謝る事でも無いけど」
「どうしたんですか小太郎さん?」
「いや、どうしたて事でも無いけど何となくな。あー、愛衣姉ちゃん」
「はい」
「なんぞ食べてくか?」
「はい♪」
メキッ
「おおっ、木の幹が抉れたアル」
「素晴らしい握力でござるな高音殿」
× ×
「愛衣、愛衣?」
「あ、何?」
学食で聞き返した愛衣に、友達は意味ありげに笑みを返す。
そうだ、大学での平凡な講義、他愛のないお喋り、今日は出動は無い。
だけどこれから、ここを出たらそうは行かない。
これに比べたら、鬼神や大魔王とタイマンを張る度胸など物の数ではない。
だけど、やらねばならない、既に賽は投げられた。
「もー、愛衣」
パンと掌で頬を挟んだ愛衣に、友人が呆れた様に言った。
>>365 × ×
「ちづるせんせーさよーならー」
「はい、さようなら」
保育園の前で、最後の一人をにこにこと見送った千鶴はつとそれより遠くに視線を走らせ、
ふっと笑みを浮かべた。
電柱の陰から歩み出た愛衣が、ぺこりと頭を下げる。
× ×
「ごめんなさい、待ち合わせに行けなくて」
「いえ、お忙しい所をすいません」
喫茶店のテーブル席で、向かい合った千鶴に愛衣がぺこりと頭を下げる。
千鶴は話が上手だ。お茶をしながら保育園の話と言うのは楽しかった。
その話がふっと途切れた時、愛衣は深呼吸をする。
あるいはここまで、千鶴は緊張をほぐしてくれたのかも知れない。
だとすると、やはり容易ならざる相手。愛衣はその思いを強くする。
「あの、那波さん」
「はい」
「あの、あにょっ、あのですね…あのー、えーと…はい、那波千鶴さん」
「何ですか、佐倉愛衣さん?」
にっこりと、太陽の様な魅力的な圧倒的な微笑みに、愛衣は気圧される自分の心を叱咤した。
「那波千鶴さん。あのっ、小太郎さんを、私に下さいっ!」
深々と頭を下げる愛衣の前で、千鶴はきょとんとしていた。して見せた、のかも知れない。
「うーん、下さいってお願いされて差し上げます、って言うのも変な話よね小太郎君」
「そ、それはそうですね、はい。あの、私何言ってるんだろアハハ…
ええ、そうです。それは分かっています。
でも、何と言いますか、まずはその那波さんにその…」
「それはつまり…」
言い募る愛衣の前で、千鶴はレイコーのストローから離した口を開く。
「女性として、宣戦布告と受け取っても構わないのかしら?」
静かな、真摯な眼差しを浴びながら、愛衣も又、静かに呼吸を整える。
>>366 「…平和的に解決出来るものなら、それに超した事はありません。
でも…私は、小太郎君の事が好き、
誰にも、那波さんにも誰にも渡したくない。これが私の気持ちです」
「そう」
「那波さん…」
「…千鶴、でお願い出来るかしら?…」
「はい。千鶴さんは綺麗でそのグラマーで外見も内面もとっても魅力的な女性です。
正直言って、私なんか全然かなわない、そう思えてしまうぐらい」
「佐倉さん、とても綺麗、あなたは魅力的な女性よ。
ええ、客観的にもね。嫉妬されるぐらい綺麗な佐倉さんが、謙遜も過ぎると人を傷付ける」
千鶴の言葉に、愛衣がぺこりと頭を下げる。
「でも、本当に全然かなわない、そう思えてしまう事。
千鶴さんは、小太郎君にとって特別な女性」
「特別な女性」
カランとストローをかき回した千鶴を、愛衣はじっと見ていた。
「そう、特別な女性。
何よりも漢を誇りとする小太郎君が傷付けてしまった女性。
孤独な彼をもしかしたら初めて、家族として受け容れてくれた女性。
あるいは初めて憧憬を抱く事が出来た女性。
あるいは初めて、保護者として庇護してくれた女性。
特別な、触れる事の許されない聖なる存在」
その千鶴の語り口は自慢話ではない。愛衣は息を呑んで聞いていた。
「意地っ張りで手の掛かる事も多かった、やんちゃだったけど根は素直で真っ直ぐで優しい。
力強くて美学に頑固だけどそのための努力も辞さない。お勉強、見てくれたのよね」
「え、あ、はい」
「そう。学園長からは今までの功労とかで色々お話があったみたいだけど、
それでもらうものはちゃんと貰って来たって言って、
小太郎君はあくまで正規の奨学金にこだわった。不合格なら中退すると。
そして、私達に頼る事もしなかった。本当にありがとう」
「い、いえ、とんでもないです。
小太郎さんからは本当に、教わる事の方がずっと多くて、あのぐらいの事は…」
深々と頭を下げる千鶴に、愛衣がわたわたと手を振って言う。
>>367 「私は14歳だった。14歳の時に小太郎君に出会った。
それからずっと、彼が寮を出た後も行き来はあったけど。
…少し、疲れたかな?…」
「え?」
聞き返した愛衣に、千鶴は曖昧な笑みで小さく首を横に振る。
「あなたは触れる事、共に歩く事が出来る。佐倉愛衣さん」
「はい」
愛衣は、しっかりと前を見据えて返答した。千鶴が、そうしたから。
「小太郎君の事、お願い。
私にとって大事な存在、特別な存在だから。
だから、その事を信じてくれたあなたに、あなたを信じてお願いします佐倉愛衣さん」
「はい」
深々と頭を下げる千鶴を前に、泣き出したくなるのをぐっと呑み込んだ愛衣は、
音量ではなく底に精一杯の力を込めて返答し、頭を下げた。
× ×
「…らさん…佐倉さん」
「はい」
きょろきょろとしていた愛衣がハッと前を向いて返答すると、
目の前では千鶴が両頬杖を突いて愛衣を見ていた。
「どうしたのかしら?どこかに修羅場の監視役でも?」
「い、いえ、ごめんなさい」
生真面目な口調で頭を下げる愛衣に、千鶴はくすっと笑って首を横に振った。
「…あの…すいませんが…」
腕時計を見た愛衣が口を開き、千鶴が頷く。
愛衣が伝票を持って立ち上がり、ぺこりと頭を下げてトテテとカウンターに向かう。
千鶴はふっと外を見て、ストローでレイコーの氷を揺らした。
× ×
「よう」
「え?」
>>368 駅に向かっていた愛衣が、思わずギョッとしてそちらを見る。
「こんにちわ、愛衣ちゃん」
「あ、どうも」
愛衣がぺこりと頭を下げた前では、いつもの学ラン姿でスーパーの買い物袋を抱えた小太郎の横で、
ラフなジーンズ姿の夏美が、やはり買い物袋を手ににこにこ立っていた。
「珍しいなこっちで愛衣姉ちゃんに会うて」
「え?ああ、そうですね。小太郎さんはお買い物ですか?」
「って言うか私ね。色々バーゲンしてたから手伝ってもらっちゃった」
「そうでしたか」
愛衣がつとそちらを見ると、夏美がちょっと困った様な笑みを浮かべていた。
そのまま、小太郎を間に挟む形で電車に乗り、駅で降車する。
「じゃあ」
「はい」
小太郎と愛衣が短く言葉を交わし、愛衣は並んで歩く二人の背中を見送った。
× ×
「Fight!!」
開始と同時に、目の前から小太郎の姿が消えた。
既視感を覚えるのは一瞬。場所も季節も同じでも、あの時とは違う。愛衣はその月日にかけてぐっと頷く。
「ぬおっ!?」
振り上げられた箒が空を切り、小太郎はヒラリと背面跳びしながら距離を取った。
その小太郎に追いすがる様に幾つもの火炎弾が無詠唱で飛来し、
小太郎は体の前で×字に腕を組み、気を集中させて防御した。
着地した小太郎を更に大量の火炎弾が襲ったが、予定地点での着弾はしなかった。
とっさに体を開いて飛び退いた愛衣は、そうしながらブンと箒を振るい虚空に斬り付ける。
着地した愛衣に上空から四人の小太郎が飛びかかり、
四人の小太郎は愛衣を取り巻いた炎に飲まれて消滅する。
「よっと!」
ステージ上の全く別の場所で、愛衣が振るった箒を小太郎がひらりと交わしている所だった。
鋭い動きの箒が小太郎の鋭い動きに交わされ、あるいは気をまとった腕に弾かれる。
>>369 「くっ、とっ」
だが、愛衣の魔力も相当なもの。何度も受けられるものではない。
痺れる腕を振りながら身を交わし、小太郎は不敵な笑みを浮かべる。
楽しい、と思った。根っからのファイターである小太郎が真剣に楽しむに値する相手だった。
それを見た愛衣もふっと笑みを浮かべる。
真剣に取り組んで来た事を思い切りぶつける事の出来る、楽しい時間だった。
「何これ?一方的になっちゃった」
観客席の明日菜が言った先では、ステージ上の一角で足を止めた愛衣の周囲で、
数人の小太郎がびゅうびゅう取り囲みながら次々と拳を繰り出す。
愛衣は箒で懸命に対処していたが、
ホワイトな闘うウェイトレスと言った格好の愛衣のブラウスがあちこち裂けて素肌が露出し、
裂け目から太股とハーフパンツも覗き始めていた。
「らああっ!!」
拳を突き出した小太郎が前のめりになった。
その小太郎の背中に、愛衣が掌を突き出す。その顔には確信の笑みが浮かんでいた。
「…エーミッタム…!?」
虚空を取り囲む紫炎の檻を目の前にして、愛衣の目は一転驚愕に見開かれた。
「よっ」
振り返った愛衣は、不敵な笑みを見た次の瞬間、水面を切って六月の池にダイブしていた。
「あー、大丈夫っぽいな。せーの、と」
過去の経緯から設置されていたロープ付きのポリタンを小太郎が池に放り、
タンクに縋り付いた愛衣を小太郎が引っ張り戻す。
「ん」
差し出された手を、こくんと頷いた愛衣が握る。
「むむー…」
千鶴がふふっと微笑みその隣で夏美が凝視する前で、愛衣はステージに戻り体勢を立て直す。
ニッと笑った小太郎が愛衣の腕をポンと叩いて、愛衣もはにかみと共にぺこりと頭を下げた。
>>370 「場外!勝者犬神小太郎!!」
× ×
「惜しかったねー、愛衣ちゃん」
「いえー、まだまだです」
試合後、着替えた愛衣と明日菜が控え室で話していた。
「本当に、強かったです愛衣さん」
「ありがとうございますネギ先生。明日菜さんは今回はエントリー」
「いやー、流石に今さらネギと対戦なんてねー。みんな強いし」
「アスナさんだって強いじゃないですか、ネギ先生のパートナーですよ」
「ま、そうだけどね」
「よっ」
そうこうしていると、外していた小太郎も戻って来た。
「いやー、愛衣姉ちゃん強なったなぁ、ヤバかったわホンマ」
「いえ、まだまだ小太郎さんには胸を貸していただきました」
「何言うてんね。まー何やな、西洋魔術師としてあんだけ使えて、
それで近接もあそこまでこなせるてなったら、
もう俺が教える事も無いんと違うかもう」
「と、とんでもないです小太郎さん。まだまだ色々教えていただく事が…」
「んー、そうか?
愛衣姉ちゃんはあくまで西洋魔術師、それも凄腕や。遠距離戦だけになったらもう俺でもかなんわ。
その穴を埋めるのに俺も修行の身ぃながら色々教えて来たけどなぁ、
これ以上はホンマに両立難しいで、西洋魔術師として優秀やから言うてるん。
…けど、なんか愛衣姉ちゃんならやれそうやな」
「そうよ、私達が出会ってから愛衣ちゃんすっごく頑張って、
デタラメ軍団って言われた私達だってしっかり追い付かれたんだから」
「ええ、元々優秀な魔法使いの上に非常に努力家ですから」
小太郎が最後にふっと笑うと、明日菜とネギがその後に続いた。
「今の愛衣姉ちゃんと張れる言うたら、
俺かネギぐらいしかおらんと違うか?
愛衣姉ちゃんもまあ西洋魔術師として最強レベルやけど、
ネギの場合魔法も最強レベルで拳法も達人級てデタラメ振りやからきついわな。
俺やったら力ずくでもブチ破ったるけどな、愛衣姉ちゃんもネギも」
>>371 小太郎の不敵な笑みに愛衣がにこっと微笑みを返し、
次に、小太郎とネギが不敵な笑みを交わす。
「…男の子よね…」
「え?あ、はい」
明日菜の声に、愛衣がハッとした。
「妬けるかな?」
「え?あ、いえ、それは…」
小声で弁明しようとした愛衣と明日菜が目を見合わせてくすっと笑った。
× ×
廊下で千鶴と夏美とすれ違い、楓は控え室に入った。
そこで、小太郎は静かに椅子に掛けている。
「楓姉ちゃんか」
「邪魔でござったかな?」
「いや、いい。ボチボチ腰上げる所やった」
「うむ。復活・真・まほら武道会。
抽選に細工をして、この学園に多い関係者以外はパブリック・ビュー観戦で録画映像効果と説明。
単純だが効果的でござったな。そして、お主はそこで堂々拙者を打ち負かした」
「生き方、進む道、…以外に教わった事は山ほどある。生涯、俺の師匠や」
小太郎が、ぐっと拳を握って言った。
「自慢の弟子でござるよ。そろそろ行くでござるか?」
「ああ。キッチリ決着付けて、それで、言わなあかん事があるさかいな」
第一話投下、終了です。ざっと四話ぐらいになると思います。
エロパート無しですいませんが今回はここまでです。続きは近々、折を見て。
GJ&乙!こういう原作後の話って好きだ
予定話数ですが、
多分五話、もしかしたら六話になりそうです。
それでは、第二話投下、入ります。
>>372 × ×
「まずは、若干15歳にして中等部教師、残念ながら略させていただきます肩書きの持ち主、
ネギ・スプリングフィールド選手」
「キャアアーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!
ネッギセンッセェェェェェーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!」
観客席に設置されたパブリック・ビュー観客席を映し出すモニターのみならず実際の観客からも巻き起こる、
耳を射る様な黄色い悲鳴に客席の明日菜が振り返った。
「そして、こちらも同い年。
高等部の実力派学ラン拳法使い、その若さにして学園統一拳法部特別師範の肩書きを持つーっ、
犬神小太郎選手っ!!」
「犬神師範ウオォォォォォォォォォォォッッッッッッッッッスゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!」
「キャアーッ、コッタッロォーウゥーッ!!!」
明日菜は苦笑いしてチラッと視線を走らせているが、
そちらにいる愛衣は真剣に祈りを捧げるばかりだ。
「まだまだバリバリ現役伝説の教師デスメガネ高畑笑う死神高畑Tタカミチ選手との激闘教師対決を制し、
準々決勝では鉄壁の守りと触手攻撃を操る高音Dグッドマン選手に勝利。
準決勝では、
剣士でありながら変幻自在の体術で過去の対戦相手を翻弄して来た桜咲刹那選手を紙一重で下したネギ選手。
一回戦、飛び道具マジックと巧みな棒術で迫る佐倉愛衣選手を一進一退の激闘の末に制し、
準々決勝は謎のニンジャ長瀬楓選手なんの事でござるかな
準決勝ではあの無敵伝説最強殿堂筆頭終身名誉部長くーふぇ選手から、
正に伝説的な打ち合いの末に勝利をもぎ取った犬神小太郎選手。
今、ここに復活した最強伝説まほら武道会、決勝戦のゴングが鳴ります!」
静寂の中、両者、静かに構えを取る。
「Fight!!」
観客の視界から二人の選手が消えた。
池に水柱が上がり、
ステージ中央で開いた両手を前に突き出したネギの頬からは、つーっと一筋の血が伝い落ちていた。
>>374 × ×
「いやー、負けてもうた。さっすがネギは強いなぁ、俺の宿命のライバルや」
閉会後、控え室では小太郎がニヤッと笑い、頬に絆創膏を貼ったネギと、
空中で拳と拳をとんと合わせていた。
「けど、これで終わらへんからな。次は勝つさかい、首洗ろうてまっときや」
「うん」
ネギがしっかりと返答する。余計な言葉はいらない。これで十分だった。
「あー、すまんなぁ、最後でいいトコ見せられへんかったわ」
「大きなケガがなくて良かった」
「ま、ドツキ合いする前に終わってもうた」
優しく応える千鶴に、小太郎は乾いた笑みで応じた。
「あー、夏美姉ちゃん…」
「ん、コタロー君格好良かった」
そちらを見た小太郎に、夏美はニコッと笑って言った。
「あの面子で準優勝まで行ったって凄いよコタロー君。
やっぱ、ネギ君最強だよね。それでもコタロー君惜しかったうん。
これで、終わりじゃないんでしょ?」
「ああ、もちろんや」
グッと拳を握った夏美に、小太郎も息の合った仕草で拳を握ってニッと笑った。
× ×
「よう」
無人の医務室で、入って来た愛衣に椅子に掛けた小太郎が手を上げて声を掛けた。
「あの、大丈夫でしたか?」
「ああー、大丈夫や。さっき検査結果聞いて一休みさせてもらってた所や。
控え室までフツーに歩けたさかいな。結果待ちなんて言うたら又妙な心配かけてまう」
「皆さん、それだけ小太郎さんの事を思っているんです」
「…そやな…ここに来てホンマ、色々あって色々な人に出会って、よくしてもろた。感謝してるうん」
>>375 たたずんだ愛衣がふっと静かに微笑み、医務室は静寂に包まれる。
「あー、あれや、すまんかったな」
「?」
「勝てへんかった。師匠の威厳ちゅうのが台無しやなこれ」
乾いた声で笑う小太郎に、小さく首を横に振った愛衣が歩み寄る。
「小太郎さん」
「ん?…」
小太郎が顔を上げた時、唇と唇が重なる。小太郎の頬には、一筋の滴が伝っていた。
「あー、同情か?」
すっと離れてたたずんだ愛衣に、剣呑なものを含んだ声で小太郎は尋ねていた。
「それは、おかしいです」
「何?」
「だって、負けたのは私なんですから。日付は違っても今日です。
あなたに出会ったあの年の、
あなたに負けたこの日この時この神社で、私はあなたに恋をしました。
小太郎さん、私はあなたが好きです。迷惑でしたか?」
パチクリと瞬きをした小太郎は、目の前に最高の微笑みを見ていた。
そして、よっこいせと立ち上がる。
「あー、すまん…いや、待て、話は最後まで聞け」
「はい」
「迷惑なんてとんでもないで。愛衣姉ちゃんはすごい美人で真面目で優しくて、
そんなん惚れられたら嬉しいし俺なんかに勿体ない」
「有り難うございます」
ネギの場合すらすらと素直な褒め言葉を吐いて淑女をKOするが、
小太郎の場合はそうそう言わない代わりに言うからには千金の重みがある。
それだけに、それだけでも愛衣は胸が熱くなる。
「けどまぁあれや、今日はほれやっぱり見事に負けてもうたからな。
女の事まではちぃと頭がな」
「すいませんでした時節も弁えず」
>>376 「いや、嬉しかったんはホンマやで。
ネギと戦るのだけ考えてギリギリまでやって来たつもりや。
若手トップクラス魔法使いの愛衣姉ちゃんにも随分付き合うてもらってな。
それでも気持ちいいぐらいスパーンて負けてそんで愛衣姉ちゃんみたいないい女に好きや言われて、
正直、このまま、なんてな…」
愛衣は、小さな杖を黙って天井に掲げる。
二人の周囲に、ビロード状に気温の落差が発生して空気が歪む。
自分の胸から頽れそうになった小太郎を、愛衣は抱き留めていた。
× ×
「あ、夏美」
「あ、くぎみー」
「くぎみー言うな。コタロー君どうだった?」
「うん、なんともないみたい」
「そう、良かった」
簡単な会話を交わして神社の廊下をすれ違う。
そうしながら、円はふと、夏美の浮かべた笑みに首を傾げていた。
× ×
「素晴らしい演奏でした」
「よーわからんけど良かったわ」
「そりゃどーも」
学園祭二日目夜、世界樹広場特別ステージ楽屋で会話が交わされていた。
「んー…」
かつての通学班+小太郎で楽屋を訪れていたネギに、腰を屈めた亜子が近づく。
「いっ?」
いきなり、ネギの両頬を摘んで外側に引っ張った亜子の暴挙に明日菜がぎょっとした。
「やっぱり、ネギ君やったんやなー」
「…その節はどうも、本当にすいませんでした」
「ええてええて、ま、あれも青春の一ページいい思い出や」
手を離されて深々と頭を下げたネギに、パタパタと手を振って笑った亜子がしんみりと語尾を沈めて言った。
>>377 「でも、本当に良かったよ。でこぴんロケット、今じゃ結構有名だもんねー」
「まあねー」
明日菜の言葉に、美砂が満更でも無く応じていた。
「あのー」
「ん?」
「あー、片づけも終わりましたのでそろそろお願いします」
「ん、そろそろ出るわー」
入口のスタッフに円が手を上げて言った。
「ん?」
「あ」
つとそちらを見た小太郎とスタッフジャンパーを着た愛衣の目が合った。
「あ、小太郎さん、こちらに」
「ああ。ネギらに誘われてな。愛衣姉ちゃんはこっちで仕事か」
「はい。スタッフ登録していますので」
「あ、まあ、大変やな。ご苦労さん」
「はい」
「………」
会話する二人は、その周囲の視線には余り気が付いていなかった。
× ×
「ん?ネギらは?」
「ああ、何か急用思い出したんだって。ま、座りな座りな」
「あ、ああ」
美砂に促されるまま、小太郎はでこぴんロケット貸切チェーン居酒屋の小上がりに上がり込む。
「取りあえず、聖地原点学園祭ライヴ大成功かんぱーい」
「かんぱーいっ!」
小太郎も、ジョッキのウーロン茶を掲げる。
何にしてもお祭りに向けて一生懸命精一杯頑張ったと言う事は分かっている。
そして、一同少しの間は盛大に飲みかつ食う。
>>378 「そう言えば、最近コタロー君夏美に会ってる?しばらくこっち離れてたからさ」
「ああ、夏美姉ちゃん?そやなー、時々買い物付き合わされたりやな。
そんでもあやか姉ちゃんが時々飯呼んでくれてそん時に一緒になったり。
けど、最近はもう、俺も夏美姉ちゃんも学園祭の準備に掛かりっきりやったからなぁ」
円の問いに小太郎が答えた。
「んで、コタロー君」
「ん?」
大分いい気分の美砂が、小太郎に声を掛ける。
「愛衣ちゃんと、どうしたの?」
「は?」
「だーかーらー、愛衣ちゃんとなーにがあったと聞いてる」
「ま、待て、何の事やそれ?」
「あー、ダメダメ、ダメダメや、誰がどっからどー見てもバレバレやから」
「ほにゃらばぜーんぶおねーさんにお話しなさい」
「あ、いや、別にあれや、ねーちゃんらにはなぁ…」
ドン、と、ジョッキの底がテーブルを打った。
「…吐け…」
「あー、円姉ちゃん、目が据わってる…」
かくして小太郎は、
男の子としてのプライドに関わる最後の一線を死守する事で精一杯の土俵際にまで追い込まれた。
「ふーん」
そこまで聞いて、美砂が意味深に唸る。
「試合に負けて傷心の所を狙って優しく抱き留めてねー、
あの娘、結構計算高い所仕掛けて来るんだねー」
「愛衣姉ちゃんはそんなんちゃう」
小太郎は、不愉快を明確にして言った。
「分かってないなー」
美砂が、ちっちっちっと指を横に振る。
>>379 「女ってのはね、男が絡むとどんな清純派お嬢でも鬼にも夜叉にも女狐にもなるってモンなのよー」
「美砂姉ちゃんと一緒にするなや」
「なにをー」
あからさまにむっとした小太郎に、美砂も半ば本気で言いかけていた。
「で、コタロー君はどうするの?」
ぐびぐびとジョッキを傾けていた円が口を挟んだ。
「確かに、愛衣ちゃんはね、そんな人の弱味に付け込んだりするタイプじゃない。
だけど、マジだよ。あの娘がそこまでするって事は。それは分かってるよね?」
「ああ、分かってる」
「で、コタロー君は?」
「んー…いい女なんだよなぁ」
素直な言葉なのだが、じとっとした視線に囲まれるのは仕方がない事だった。
「愛衣姉ちゃん美人で素直で真面目で優しくて、なんちゅーか、俺なんかには勿体ないと思うし。
けど、俺の事本気で好きや言うてくれて嬉しくて、いい加減な事は出来ひんの分かってるけど…」
「まあ、そこまで分かってるんなら実際私達が口出す事でもないけどさ」
そこまで言った円に美砂が視線を走らせ、円の視線がそれを跳ね返す。
× ×
「うん、私。久しぶり。ああ、観に来てくれたんだありがとう…」
少しの間、円は電話口に向かって旧交を温める。
「…あんまし詳しい事言うの、ルール違反だからさ。一つだけ言っておくよ。
あの娘、本気で勝負懸けて来てるから時間無いよ。後悔しない様に。
明日、あいつも来るんでしょ、来るよね間違いなく。
じゃ、明日、頑張って」
円が、携帯の電源ボタンを押す。
「近すぎるとタイミングが、なのかな…」
呟いた円が振り返ると、美砂を先頭に他のでこぴんメンバーがごちゃっと固まっていた。
>>380 「…美砂、もう一件付き合ってくれる?…」
「うん。ひっさしぶりの麻帆良ライヴ、とことん呑もう!」
× ×
「どうしたんですか、小太郎さん?」
麻帆良祭最終日。
学園内劇場の内廊下で、小首を傾げながら歩く小太郎を見かけて愛衣が声を掛ける。
「ああ、愛衣姉ちゃん。仕事か?」
「はい。ここの割り当てになりまして」
スタッフジャンパー姿の愛衣が小太郎の問いに答える。
「それで、小太郎さんは?」
「ああ、楽屋に夏美姉ちゃんに会いに行ったんやけど、終わったら一人でさっさと帰ってもうたって、
劇団の連中に聞いてもなんかハッキリ教えてくれへんかったしなぁ」
「そうなんですか。
役得で私も観せて貰いましたけど、素晴らしかったですね夏美さん」
「ああ、何かよう分からんけど良かったわ」
「それで、小太郎さんはこれから?」
「ああ、ちづる姉ちゃんらも見付からんくてなぁ、
来てた筈なんやけど夏美姉ちゃんらとどっか行ったんかいなぁ?」
「あの」
「ん?」
「お暇でしたらお昼でもどうですか?私はもうすぐ上がりですし」
「おう、そうか?」
割りかしご機嫌に応じる小太郎に、愛衣もにこっと微笑みを返す。
× ×
「おうっ、いたいたっ」
「あ、コタロー君」
夏美がにこっと笑みを作る傍らで、小太郎もよいしょとゴザに腰を下ろした。
「相変わらず旨そうやなー、ええか?」
「どうぞ」
千鶴がにっこり笑って許可を出し、小太郎が肉まんを手掴みする。
>>381 「どうだったコタロー君鬼ごっこ?」
「おうっ」
学ランの中から封筒を覗かせ、小太郎はニカッと犬歯を覗かせた。
それを見て、夏美も千鶴もくすっと笑う。
「綺麗やなー」
「そうだねー」
既にとっぷり沈んだ夜闇の中、ぼうっと妖しく輝く世界樹を眺め、小太郎と夏美が言う。
「はい、コタロー君」
「ああ、すまんな」
夏美が小太郎の前にコップを置き、ジュースを差し出して小太郎が持ち上げたコップに注ぎ込む。
「ん、肉まんも相変わらず旨いし、思い出すなー」
「え?」
「学園祭が終わってこうやってな、俺がここ来た年なんて特に大変やったから」
「そうだよねー、何か後で聞いたらすっごく大変な事になってたって。
あの時はさ、まだ私なんにも知らなかったから」
「ああー、当分報せるつもりなかったんやけどな、来てもうたモンは仕方がないわ」
「はい、ごめんなさい。ご面倒お掛けしました」
夏美がぺこりと頭を下げ、互いにふっと笑みを浮かべる。
「あー、夏美姉ちゃん」
「ん、ありがと」
小太郎が、夏美のコップにジュースを注ぐ。
「昼間、劇団見に行ったけど、良かったで。後で楽屋行ったけどいなかったな夏美姉ちゃん」
「うん、そうなんだってね。ごめん。ちょっと外しててさ。演劇関係で会う人がいて」
「スカウトとか来てるんか?」
「あー、いや、そんな大袈裟なモンでもないけどね、ちょっと外せなくて、本当にごめん」
「いや、そんなんええけど」
手を合わせて目をつぶる夏美に小太郎が言った。
「でも、やっぱ凄いわ。ああ言うの、何が凄いって言う程分からんけど良かった。
綺麗だったで夏美姉ちゃん」
「うん、有り難う」
>>382 ちょっとの間、目をぱちくりとさせていた夏美がにっこり笑った。
「でも、この学園祭、ホントに凄いのコタロー君だよ」
「ん?」
「武道会だって、あのメンバーで準優勝って凄い事だし、今夜の鬼ごっこだって」
「ああ、まあな。今度姉ちゃんらにもなんぞおごるさかい」
「ん、ありがと」
「楽しみに待ってるわ」
夏美と千鶴が微笑みと共に言い、夏美がジュースのペットボトルに手を伸ばす。
「ええーいっ!!」
小太郎が、叫び声にふと目を向ける。
そちらで、ズガーンと一際大きく地面が爆発している。
「おー、やっとるなー」
「何ー、まだ暴れ足りないコタロー君ー?」
「おー、喧嘩と花火と賭け食券は麻帆良の華言うからなー」
カラカラ笑う小太郎に、夏美は呆れた様に微笑みかける。
その間にも、ドカドカと爆発が連鎖して歓声が巻き起こる。
「全く、最近の若い人はバカ騒ぎの程度を知りません」
パンパンと自分の両手を叩きながらツカツカと歩いていた愛衣が、
パチクリと自分を見ている小太郎に気が付いた。
「何や、愛衣姉ちゃんやったんか?」
「ああ、小太郎さん」
挨拶を交わした愛衣が夏美と千鶴にぺこりと頭を下げ、二人はふっと微笑んでそれに応じる。
「おー、始まったなー」
小太郎が言い、そちらに目を向けた愛衣がザシザシと動き出す。
「凄い…」
目の前で激突する
麻帆大の格闘技系団体の大群と工科大の格闘技系団体の大群の間に愛衣が無言で割って入り、
箒の一閃ごとに大の男共がバラバラと宙を舞う風景を夏美は呆然と眺めていた。
>>383 「おーっ、やるやんけ」
ニッと笑った小太郎がよいしょと腰を上げ、ツカツカと歩き出す。
その背中を、夏美がふふっと笑って見送り、その夏美を千鶴が静かに見ていた。
「やるな姉ちゃん!」
「!?」
愛衣の背後からぐわっと覆い被さって来た丸太の様な両腕がガシッと掴まれ、
そのままハンマー投げに吹っ飛ばされた。
「なんや、もう息上がってるんか」
「まだまだ、いけます」
「おっし」
生真面目に答えた愛衣に、小太郎がニッと笑ってバキッと拳を鳴らす。
「ん?」
「武道会の犬神小太郎?」
「あっちも、小太郎に善戦した佐倉愛衣かよ」
「たたっ、退避ぃーっ!!」
「おいおい、ここで奪ったら真の…おぶううっっ!!…」
「おーっ、いいねーっ、大歓迎やで」
「お次の方どうぞー♪」
「なんか、増えてない?」
「有名なのね、二人共」
夏美がたらりと汗を浮かべて言い、千鶴の回答に夏美はむーっと前を見る。
千切っては投げ千切っては投げ、
背中合わせで大暴れしていた二人がふっと同時に後ろを向き、ニッと笑みを交わすのを、
夏美はむーっと眺める。
「全くみんな、仕方がないなーハッハッハッ」
「い、行くで!」
「はいっ!!」
小太郎が愛衣の手を取ってダッシュするのを見て、夏美はふっと笑みを浮かべた。
「夏美ちゃん」
「ちづ姉ぇ」
にこっと笑ってそちらを見た夏美は、千鶴の胸にすとんと顔を埋めていた。
>>384 × ×
広場の中の、どことも分からぬど真ん中。
揃って肩を息をしながら、小太郎は握った手をそろそろと離した。
「毎年毎年、相変わらずの大騒ぎですねー」
愛衣が、にこにこ笑って言った。
「んー、こういうのどうなんや?愛衣姉ちゃんって」
「え?あ、楽しいですよ。いっつもだと身が保ちませんけど…
別に私、そんなに真面目なだけじゃないですよー」
「ん、ええこっちゃ」
「え?」
「いやな、その真面目なんが上目指すのにえらいネックになっとったの一人知り合いいるさかい。
やる時はやる、そんで楽しめるのはええモンや」
「はい、師匠」
愛衣がしゅたっと敬礼し、小太郎がニッと笑う。間違いなく、愛衣は後夜祭に当てられている。
そう、お祭りは今夜で終わりで最高にハイな時間。
「綺麗です…」
「綺麗やな…」
愛衣と同じ方向を見て、その輝きを眺めていた小太郎がふっと視線を身近に移す。
「綺麗や」
「はい…え?」
年に一度、整った顔立ちを世界樹に照らされた妖しい程の美しさ。
全ての障壁は熱気に溶かされ、小太郎は只その魅力に吸い寄せられた。
吸い寄せられる様に唇が重ねられ、
互いをきゅっと抱き締めてその柔らかさ、逞しさをその身で確かめる。
そう、お祭りは今夜で終わりで最高にハイな時間。珍しくもない光景。
…エロシーンが入らない…
すいませんが、それでも第二話投下、終了です。
多分次辺りからは…今回はここまでです。続きは折を見て。
GJなんだぜ
それでは第三話投下、入ります。
>>385 × ×
「ほー、上手いモンやなー」
ハッと振り返った愛衣が、ニッと笑う小太郎を見てぬいぐるみをわたわたとお手玉する。
そして、辛うじてそれをキャッチしてから、すーはーすーはーと深呼吸する。
その側で、高音がはあっと嘆息して眉間を摘んでいた。
「姉ちゃん、もう一回残ってるよ」
オヤジの声に我に返った愛衣の目に、ハンターの光が宿った。
そして、一発必中小さいアクセを撃ち倒す。
「おお」
「小太郎さんも認める遠距離戦のプロですから」
銃口を上に向けた愛衣が小太郎にニコッと笑いかけ、小太郎もニッと笑みを返す。
「へえー、上手いモンねー、私もやって見るかなー」
「じゃあ、僕も次に」
「んー、せっちゃん、あれかわえーなー」
「オヤジ、この割り箸を借りるぞ」
小太郎と同行していたネギとかつての通学班の面々が次々と立候補する。
「ん?射的か」
「ふむ、真名もやるでござるか」
「あー、射的面白そー」
「あ、ゆーなやってく?」
丸で誘蛾灯に吸い寄せられる様に、浴衣姿の美女達が龍宮神社夏祭りの一角にわらわらと集結を始めていた。
>>387 × ×
「コタロー君」
「おうっ、夏美姉ちゃん」
タタタと駆け付けた夏美に、小太郎が手を上げた。
「はい、コタロー君」
「おう、有り難うな。ん、んまい」
「お、肉うまそ」
「かあー、ついでに一杯欲しくなるねー」
千鶴と夏美と小太郎でフランクフルトをくわえている隣で、
いつの間にやら大集合していた旧3Aの誰かの声が聞こえる。
「ん?」
夏美と目が合った愛衣が、ぺこりと頭を下げる。
「似合ってるねー」
「え?」
「浴衣。やっぱ素材がいいんだねー」
「え、あの、夏美さんもお似合いです」
「そりゃどーも」
にこにこ笑った夏美に言われ、下を向いた愛衣が夏美に言った。
「本当ですねー」
近くでネギの声が聞こえる。
「僕が言うのもなんですが、すらって背が高くて金髪でも似合うんですねー」
「な、何を仰るんですかネギ先生まったく」
にこにこ笑って素直に発言するネギとツンとした高音を見比べて、
愛衣と夏美がくすっと笑みを浮かべる。
「お、金魚すくい」
「金魚すくいですか」
小太郎の声に愛衣が反応した。
>>388 「金魚すくいですか…」
「あ、ネギ君ヤキソバ食べに行こヤキソバ」
「え?あ、はい」
「ほな集合は一時間後社殿前でー」
身を浮かしかけたネギが木乃香にぐいっと袖を引っ張られ、
そのまま連れ立って木乃香の叫びと共に目当ての露天に向かう。
「おうっ、やるやんけ愛衣姉ちゃん」
「結構器用な方でして」
ふっと微笑んだ夏美が、ついっと向きを変えて歩き出す。
千鶴が、その横ににっこり笑って寄り添う。
旧友の流れを見渡し、ちょっと浮かない顔でふうっと息をついた亜子の肩を、
運動部二人組を従えた裕奈がぽんと叩いた。
× ×
「愛衣姉ちゃん」
「はい?」
愛衣が、ハッと横を向いて少々怪訝な顔の小太郎の顔を見た。
そうだ、ついさっき、大水槽の上で二人揃ってビニール袋を逆さまにして歩き出して。
「混んで来たさかい、ぼーっとしてると迷子になるで」
「もーっ、お姉さんなんですからね私」
「あー、そやったなー。そーゆー所は…」
「何ですか?」
にこっと微笑む愛衣を見て、小太郎は後の言葉をなんとなく呑み込む。
つと明後日を向いた愛衣は、人混みの向こうにふわりと赤っぽい癖っ毛を見る。
小さく頭を下げると、人混みの切れ目から、ちょっと困った様な笑みが見えた。
「あー、だから何きょろきょろして…」
ぐにっと、腕に伝わる柔らかい感触に、小太郎が目をぱちくりさせた。
「本当に混んできました、迷子になっちゃいそうです」
「あ、ああ…」
小太郎がチラッと斜め下を見ると、その視界に映る愛衣は一際力強く、ぎゅっと小太郎の右腕に抱き付いた。
>>389 「さーて、ほな、俺らもヤキソバでも食うか?」
「そうですねー…」
最終的には小太郎の浴衣の袖を掴むと言う形に落ち着いて歩いていた愛衣が、
ふと目の前の小さな光を目で追っていた。
「ん?…」
「えっ?」
ひくひくと鼻を動かしていた小太郎が、ニッと笑うとぐいっと愛衣の手を引いた。
× ×
露天の明かりが何となく遠くに見える森の中。
小太郎と愛衣の周囲には、だらしのない格好の若い男たちが何人もニヤニヤ笑ってたむろっていた。
「ガキがいい女連れてんじゃねーか」
「こんなトコに女連れ込んでチョメチョメしようってーの?ガキが生意気なんだよ」
「姉ちゃん、こんなガキやめて俺らといい事しね?」
「んー、いい女ちゅうのはホンマなんやけどなー」
「あー、二十分の一も出せば片が付きますけど」
「未熟やなー、五十分の一で十分や」
「それでは、二人で百分の一って事で」
「よっしゃ」
小太郎がパンと拳で掌を打ち、愛衣がびゅんと箒を一振りする。
× ×
「小太郎さん?」
駆け出した小太郎に引っ張られ、息を切らせた愛衣が周囲を見回す。
周囲には、とっくに露天の姿は無い。
それ所か、灯りすら見当たらない森の中だった。
「え、えっと…」
愛衣が、ゴクリと喉を鳴らして、桜色の浴衣の袷をぎゅっと掴む。
「この辺やと思うんやけどなー…」
しかし、小太郎は、愛衣からちょっと離れてきょろきょろ周囲を見回している。
>>390 「…あ…」
小さな光が、ふわふわと愛衣の前を浮遊する。
それは、段々と数を増し始める。
その幻想的な光景に、愛衣は言葉を失った。
「やっぱりや、ええ水の匂いがしとったからな。方角から見て多分この辺やて。
ま、この神社の水場言うたら愛衣姉ちゃんには鬼門やけどな」
「…綺麗…」
小太郎がニッと笑い、愛衣はほーっと見とれて立ち尽くす。
「ありがとう…」
「い、いや、まあ、そんな改まってあれやねん」
愛衣は言い淀む小太郎にスタスタと近づき、その横に立った。
愛衣は改めて小太郎の腕を取ってぎゅっと体に押し付けた。
「小太郎さん?」
「何や?」
「あの、あの時の、後夜祭の時のその、あれも、
あれもやっぱり、お祭りだけの事、だったんですか?」
「俺も軽く見られたモンやなー」
一言一言選んで言う愛衣の横で、小太郎は頭の後ろで手を組んで嘆息した。
「あー、俺なぁ、ネギとちごうてそんな簡単に誰でも彼でもその場でブチュブチュキスする程器用やないて。
詰まり…」
「詰まり?」
「詰まり」
小太郎が、しっかと横の愛衣を見て、愛衣も見返した。
「詰まり、本気や、ちゅう事や」
丸でメンチを切る様に言い放った小太郎に、愛衣は飛び付く様に抱き付いた。
「信じて、いいんですね?
小太郎さんは怒るかも知れないけど、女性はハッキリさせないとドキドキ不安なんですっ」
「ああ、分こうとる」
小太郎も又、愛衣をぎゅっと抱き締める。
>>391 「んっ、むっ…」
熱い口づけ、愛衣の方から積極的に舌を差し込み、小太郎もそれに応じて絡め合い貪り合う。
「…柔らかいなぁ、愛衣姉ちゃん」
「小太郎さん、やっぱり逞しいです」
ついと唇が離れ、優しく抱き締め合いその腕の中に互いを感じる。
改めて、きゅっと小太郎に抱き付き顔を小太郎の胸に埋めた愛衣を前に、小太郎はゴクリと喉を鳴らす。
「あー、愛衣姉ちゃん」
「はい」
小太郎の声はうわずり、愛衣の声にはしっとりとした柔らかさ艶っぽさが加わる。
小太郎は、無言でぎゅっと、華奢な愛衣の身が折れんばかりに抱き締める。
「俺、愛衣姉ちゃんが…」
返答代わりに、愛衣は小太郎にその身を押し付ける様に小太郎を抱き締め、顔を上げ、唇を求めた。
× ×
「わっ!」
「な、なんですか?」
草の上に、むしろ紳士的な程の優しさで横たえられ、
心臓バクバクを通り過ぎていた愛衣が小さな驚きの声に反応した。
「あ、いや、ノーブラなんやな」
「あ、ええ。余り浴衣に合わないですから…」
意外な程に器用な手つきで帯を解き、ぐいっと前を開きながら変な所に反応する。
ぽかんと返答していた愛衣も、心の中でくすっと微笑む余裕が出来た。
さああっと枝葉が鳴り、その隙間からの月光に覆い被さる小太郎が逆光となり愛衣は顔を横に向けた。
「あ、あの…それで、その、どうですか私のその…」
「綺麗や…」
魂が抜けた様に言った小太郎は、揉むのも惜しいと言った有様で、
ぐにぐに掴むが早いかかぷっとむしゃぶりついていた。
>>392 「あ、あんっ…」
「ん?」
「んふふっくすぐったいです、小太郎さん」
「あ、ああ…」
「ええ…あんっ…くすぐったくて、気持ちいい、いっ…」
「あ…」
「優しく、して下さいね女性のおっぱいは敏感なんです」
びくっとそこから離れた小太郎の手を取り、愛衣はにっこり微笑む。
だが、その愛衣の手もまた震えを帯びていた事が分からぬ小太郎でもない。
少しの間やわやわと手を動かし、ちゅうちゅうと無心に吸い付きながら、
その張りのある柔らかさ。ぷるんと形良く膨らんで青白く照らされた膨らみの美しさに、
小太郎は魅了されるばかり。
だが、そんな小太郎でも、その先がある事ぐらいは知っている。
我が身が何よりもそれを求めてやまない。
「あー、こっちはゲフンガフン…」
小太郎は体を下に動かし、浴衣の裾をバッと開く。
やや苦戦していたが、それでも、白いショーツをお尻の方からするりと引き下ろす事に成功した。
お臍をアクセントに白いお腹から太股。その下の黒いかげりは楚々としながらしっとりと艶めく。
「ひゃっ!」
愛衣の体が、ひくんと跳ね上がった。
「あー、愛衣姉ちゃん?」
「あ、はい、大丈夫って言うか気持ちいいって言うかそれってはひゃっ!!」
その反応に、どうやら痛くはないらしいと見当を付け、
小太郎はその女性の聖地に向けた舌先を動かし続ける。
その中でも更に鋭敏な急所を探り当てるのは動作も無い事だった。
「あー、なんつーか、大丈夫か?」
はぁはぁ息を荒げて伸びている有様にようやく気付き、小太郎が大汗を浮かべて尋ねる。
「は、はい、大丈夫、です。でも、私もそのそろそろ…」
「ああ、そやな。俺ももうたまらん愛衣姉ちゃんがそのエロ過ぎてああすまんマジで…」
>>393 言い淀む小太郎に、愛衣はにこっと優しく微笑む。
正に乱れ切った姿で微笑む愛衣を前にして、愛衣の両脚の間に膝立ちの形になっていた小太郎が、
ゴクリと息を呑んで自分の浴衣の裾の中に手を入れる。
裾が開き、トランクスが下ろされて見事に反り返った若々しく逞しいものが姿を現す。
一応の知識はあるが、禍々しい程のものである
禍々しい程のものだが一応の知識はある。
それなりにいい歳の年上の女性として、どちらが正しいのか愛衣は少々反応に困っていた。
「愛衣姉ちゃん」
だが、切ないくらいの小太郎の声に、愛衣はぐっと頷く。
その顔を知っている、これまで何度も共に死地に赴いて来たパートナーの顔を見た小太郎は、
愛衣の女としての覚悟に腹を決める。
「えーっと、その、つまりそこでそのあにょですからその沈む所のそれをその…」
「あ、ああ、うん、ほな…」
とにかく、後は勘が頼りと言うのが正直な所であっても、
その勘と愛衣を信じて、小太郎は力強く腰を沈め込んだ。
「んっ、つっ…」
「愛衣姉ぇ…」
それは、ぎゅっと抱き締め合っている間に、流れ星の様に通り過ぎていた。
× ×
「ゃん…愛衣姉ちゃん…」
「…え…」
覆い被さる小太郎の顔、諸肩脱ぎになった小太郎を目の前にして、愛衣は目をぱちくりさせていた。
「ああ、良かった、大丈夫そうやな。
なんかぼーっとしとったから、俺なんぞまずい事したかんかなーて…おい…」
ぽろっとこぼれ落ちた真珠の涙に、小太郎の狼狽はピークに達した。
それを見て、愛衣は首を横に振る。
「違うんです…小太郎さん優しい…」
「大丈夫か?」
「大丈夫、私今、すっごく、すっごく幸せですから」
>>394 自然に、小太郎の腕はきゅっと愛衣を抱き締める。
「愛衣姉ちゃん」
「はい」
「こーゆーの、女に聞くの失礼かも知れんけど。
愛衣姉ちゃん年上でもう大人で、こんなに綺麗で男に持てるやろ。
協会出入りしてても色々、いや、愛衣姉ちゃんいい女や言うんはうじゃうじゃ聞こえてる。
で、こーゆーの愛衣姉ちゃんって…」
「気になります?」
「まあ、いや、なんつーか…はい、気になります」
口ごもっていた小太郎が、にこっと微笑む愛衣を見て素直に返答した。
「あー、正直そういう奴が目の前にいたら一発挨拶したりたいトコやけど、
そこん所は俺の方が昔ん事言える筋合いちゃうし。
その前に俺、そういう女の事とかよう知らへんし、
何かさっき痛そうでぼーっとしてたからその大丈夫かとか…」
「はい、大丈夫ですよ。それに、これが初めてです。
そういう対象の男性って小太郎さんしか見てませんでしたし、年齢的にちょっと変態入っちゃいますけど。
私はそんなに軽い女じゃありませんからね」
「ほうか…愛衣姉ちゃんみたいなイトはんにそう言われると俺嬉しいわ」
ぺろっと舌を出して笑う愛衣に、小太郎はバリバリ後頭部を掻いて言った。
「俺も…初めてや…すっごい良かった愛衣姉ちゃん」
「嬉しい。小太郎さんもモテモテなんですから。
今時珍しいワイルドでパワフルで結構イケメンの最強肉食男子って。
私を選んでくれてすっごく嬉しい」
「わっ」
そっぽを向いてもごもごと言っていた小太郎が、
きゅっと抱き締められ、くしゃくしゃと頭を撫でられて慌てた声を出す。
「んふふっ、やっぱり逞しいです。小太郎さん、大好きです」
「柔らかくてええ匂いやなぁ。ああ、俺も大好きや愛衣姉ちゃん。俺、大事にするさかい」
「嬉しい」
真摯に見つめ合い、既にはだけて汗ばんだ胸と胸を重ねながら、唇を重ねる。
唇を吸われた愛衣が静かに閉じた瞼から、つーっと一筋の滴が頬へと伝い落ちていた。
>>395 × ×
「あ」
「ほう」
自然と指を絡める様に体の横で手を繋ぎ、森の中を露天街へと向かっていた小太郎と愛衣が、
途中で真名と遭遇する。
「何やたつみー姉ちゃん。こないな所で」
「君達には言われたくないがな」
「蛍がいました」
「ああ、向こうは穴場なんだ。ちょうどゴミの片付けが終わった所でな、私も見に行こうとな」
「そうですか」
「あー、佐倉」
ぺこりと頭を下げ、小太郎と共にすれ違おうとした愛衣に真名が声を掛ける。
「神社で染み抜きもやってるぞ。
草の汁に…何ならルミノールにも反応しない様に分解するが?
蛋白質成分も意外と分かるものだぞ。その布地だと結構目立つだろう」
第三話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは近々、折を見て。
gj!これはいい
しかし隊長w言いにくいことを平然と言ってのける!そこに(ry
続きを待ってます
GJ!
それでは第四話目投下、入ります。
>>396 × ×
「…ちゃん…愛衣姉ちゃん…」
「あ、はい」
浅瀬にたたずんだ愛衣は、小太郎の声に我に返り改めて周囲を見回す。
「こんな所があったんですねぇ」
「ああ、前に来た時に見付けたんや」
浅瀬から岩の陸地に上がった二人が、どちらともなく近づく。潮騒だけが岩に響く洞窟で唇を重ねる。
唇が離れ、すっと距離を置いた小太郎に上から下までじろじろ視線を送られ、愛衣は小首を傾げた。
「やっぱり愛衣姉ちゃん、細っこぅ見えるのにこうやって見るとむっちりしてるなぁ」
「やだぁ」
小太郎にあけすけに言われて、愛衣は、
ホルダーネックのオレンジビキニを身に着けた我が身を自分の腕に抱く。
だが、その腕を小太郎の手に取られると、愛衣は実に従順に腕の力を抜く。
「胸かてバーンて大きゅうて、俺、愛衣姉ちゃんの乳好きやで。
ほれ、柔らかくてでっかいのにこないに可愛いの…」
「んっ、あ、あっ…」
あっさりとまくり上げられたビキニブラから豊かな中身がぷるんと弾け出す。
普段は一見細身の割りにはすっかり大人の豊満さを見せる膨らみをむにむにと揉まれてから
ピッと突き出した可憐な蕾を指で摘まれ、そしてかぷっと吸い付かれてちゅうちゅうとされながら、
愛衣は早くも身をよじって甘い声を上げる。
「お、おっ」
愛衣の右手が下へと伸びる。小太郎は乳房から口を離して呻いた。
「愛衣姉ちゃん…お、おおっ…」
その隙に、小太郎の前にするするとしゃがみ込んだ愛衣が小太郎の海パンを引き下ろす。
最初はこんな逞しく猛々しいグロテスクなものが華奢な自分の中に入る事を大いに恐れていたが、
ここまでの小太郎と数々の激戦を経て、既に十分大人の仲間入りをした外観ながら、
思春期真っ盛りに貪欲に自分を求めるシンボルを可愛いと思えるぐらいの余裕が生まれていた。
>>399 「愛衣姉ちゃん…あ…お、おおっ!」
最初にちゅっと口づけをし、そのまま、的確に急所に舌を這わせて唇を寄せていた愛衣は、
それだけでもたまらなそうな小太郎の分身をかぷっと口にくわえる。
そのままもごもごとそれっぽく動いて見せるので精一杯だったが、
自分の上から洞窟に反響する叫び声と共に目を白黒させながら唇をきゅっときつく閉じた。
ごくんと喉を鳴らした愛衣は、そっと手の甲で唇を拭ってから立ち上がった。
「凄い、気持ちよかったけど愛衣姉ちゃん、こういうのどこで覚えて来るねん?」
「ふふっ、それは女性の友達同士とか雑誌とかですね、私だって興味ありますから」
「かなんなぁ。愛衣姉ちゃんはそういうエロエロなお勉強も優等生って事か」
「一番興味あるのは、どうしたら小太郎さんがあの可愛いお顔で喜んでくれるか、ですけどね」
にこっと微笑む愛衣にへへっと笑った小太郎が、何やら岩壁に向かってしゃがみ込んだ。
そして、小太郎は瓶を手にして、ぴっぴっと自分の掌や剥き出しになっていた愛衣の乳房に振りかける。
「あ、何?」
「サンオイル。先回りして置いといたんや」
「あっ、もうっ、何考えてるんですか小太郎さん」
「用意周到、言うて欲しいなぁ」
「もうっ、あんっ」
そのまま、ぬるぬるとした手つきで柔らかな膨らみをこねる様に揉まれ、
硬く尖った乳首をつるつると弄ばれながら、愛衣の呼吸は荒く、熱気を帯びる。
「あ、ああ…あっ!…」
小太郎の右手が、愛衣の胸からお腹につーっとオイルのラインを残しながら、
おへそでワンポイント悪戯してその下で小さな布地の中に滑り込む。
「あっ!小太郎さんああっ!!…」
まあ、本やお話で聞いている年頃の男の子と言うものに許したのだから、
まあ、その、自分も気持ちいいし愛してるし。
そんな感じで、一度覚えたら若さに任せ発情した猿と言うか犬と言うか、
猛々しく青臭い若い情熱を叩き付ける様にして求め、突き進んで来る。
愛衣もそんな小太郎をお姉さんとしておおらかに受け容れるぐらいの気持ちで、
自分もそうやって成長する小太郎と共に楽しんでいた、と言うのがつい最近までの話。
それが、今まで効率よくダメージを与える事をその身で覚え込んで来たファイターの才能なのか、
愛衣が気が付いた時には、小太郎が女性と言うものにいっぱしの熟練した技術を見せ始めた上に、
今となってはその体の隅々まで、愛衣が自分でも知らない特徴、タイミングに至るまで
優秀なバトル脳に克明にインプットされた後だったらしい。
>>400 「んー、何や、オイルとは違うなー何かぬるぬるして来たでぇ」
「やあっ、もうっ小太郎さんばかあっああっ!…」
今もこうして、外部のと内部のとミックスされた潤滑油をたっぷり馴染ませた
意外な程に繊細な指で最も敏感な真珠を磨かれながら、
特にここ最近は愛衣自身の手によっても秘かに頻度を増している様に今正に、
と、そこに至ろうかと言う直前になると、
その上でしっとりと濡れた楚々とした茂みや柔らかな太股へとターゲットが変更される。
そうされながら、右の胸もぬるぬるとしたくすぐったさと共にやわやわと頼りないぐらいにこね回され、
時折その先端が唇の中に含まれると、甘い声を漏らしながら愛衣の息は荒くなり、
顎を反らし逞しい背中にきゅっと腕を回してのアピールは体が勝手に動き出してしまう。
「はっ、あ、ああっ!小太郎さんあっ…んっ…」
「んー、何やキツそうやなー愛衣姉ちゃんどないしてん」
「あんっ、小太郎さんっそんな、ああっ、もう私ぃ、いいっ…」
「どないしたんや愛衣姉ちゃん何か汗ダラダラ息はぁはぁしてるなー」
修行の際は以前にも増して生真面目に徹している。
そして、少しずつ共有する時間の増えているプライベートでは随分砕けた所も見せ始めた愛衣だったが、
小太郎は、一度それを覚えたからには、
やっぱりそんな真面目な愛衣が身悶えして悪ガキに縋り付くのを見てみたくなる。
「は、はあんっ、こ、小太郎さんっ、小太郎さんのボショボショ、愛衣のボショボショ…」
「おお、可愛いキイチゴとんがってるなぁ。こっちもやな」
「あ、ああんっ!」
乳首をかりっと、もちろん痛くない、しかし痛いギリギリの甘噛みをされ、
そしてもっと敏感に尖った所をギリギリのタイミングまでぬるぬるの指で絶妙に撫でられて、
愛衣は背筋を反らして牝の声を上げながらもはぁはぁ息を荒げても、
突き抜ける前にするっと交わされてしまう。
「ああっ、やああっ、駄目、駄目えっ」
「んー、何やもうやめて欲しいんか愛衣姉ちゃん淡泊やな」
「やああっ、ダメッああっやめちゃ駄目えっ、
あんっ、小太郎さんのぉ、小太郎さんのおっきなおち○ちん、ああっ、
小太郎さんの逞しく勃起したおち○ちんを、
愛衣のぬるぬるびちょびちょに発情したお、おま○こに、どうかぶち込んで下さいぃ…」
「りょーかい、やっぱり指示は分かりやすく的確にって奴やなぁ。
愛衣姉ちゃんがどんだけド助平にエロエロで欲しがってるかよー分かったわ」
「はうぅ…小太郎さんだってぇ…」
「おうっ、こんなかわいー愛衣姉ちゃんにエロエロにおねだりされて誰が我慢出来るかい」
「ああっ」
>>401 気が付いた時には、愛衣は岩壁に手を着いてぷりっとお尻を突き出す格好になっていた。
「ちぃと大きいけど可愛い尻してるなー」
「恥ずかしいです…ああっ!!」
ビキニショーツをずるりと引き下ろした小太郎は、
そのまま硬く閉じていた白い腿を押し開き、その奥の果汁を果肉ごと舐め取りすすり始めた。
「やああっ!!ああっ、ら、らめぇっ、もう、もうっお願いです小太郎さあんっ!はひいいいっ!!」
岩壁にわんわん響き渡る程に懇願され、すくっと立ち上がった小太郎が愛衣の腰を抱えて一息に貫く。
「あ、ああっ、あああっ!!」
海水浴仕様に下ろして垂らしていた濡れ髪がゆらゆらと前後に揺れ動く。
熱い吐息、喘ぎ声。柔らかく熟れた肉に力強くも軽快な程にパン、パンと打ち付ける音がそこに交わり、
洞窟に淫靡な響きが満ちる。
「あっ、あ、あんっ」
背後から覆い被さる小太郎にぎゅっと乳房を掴まれ、
一瞬の痛みと快感に愛衣が顔を歪め、そして甘い喘ぎと共に顎を上げる。
そのまま、小太郎の左手は少し強めに柔らかい手つきで乳房を揉み続け、
右手は今正に二人が繋がり、音を立てて出入りしているその少し上に。
その最も敏感な一点を摘む、愛衣自身が絞り出した潤滑油をたっぷり乗せた指によるダイレクトアタックに、
愛衣は何度も背筋を反らし鋭い喘ぎ声を響かせる。
「あ、ああっ、こたろ、さん、あ、ああっ…」
「お、おおっ、愛衣姉ちゃんっおおっくうううっ」
反射的にぎゅうっと乳房を掴まれた、オイルに緩和された強過ぎるアクセントぐらいの痛みもつかの間。
首を一杯に上に伸ばし天井を仰いで声を振り絞った愛衣は、
岩壁に着いた掌で辛うじてその体を支えながら、ばさっと濡れ髪を揺らして頭部をがっくりと垂らす。
そんな愛衣の背中に縋り付いて、小太郎も荒い息を吐いてへばっている所だった。
× ×
「ん、んー」
名残惜しげに愛衣から離れ、もそもそと海パンを直していた小太郎の前に、
まだほとんど素っ裸の愛衣がトンと着地した。
>>402 「ん?…」
軽く腰を曲げて、にこっと笑った愛衣がちゅっと小太郎の唇を吸う。
「うふっ」
「へへっ」
そして、チラチラと上から下までなめ回す小太郎の視線にくすっと笑い、
愛衣も水着をようやく直し始めた頃、洞窟の中にざぱーんと一波暴れ込んだ。
「…きゃー、浮き輪ーっ」
「待てゴラアッ!!」
× ×
「で、沖で高波に呑まれて浮き輪と水着をまとめて持って行かれたのを担いで戻って来た、と。
お礼を言うべきなのでしょうね」
実力差がどうあれ、やはり、人間関係はそれだけでは決まらない。これまでの付き合いがものを言う。
自分と遜色の無いモデル級の背丈の高音に、腕組みして目の前に仁王立ちされて言われると、
小太郎としてもなかなか強い態度に出られるものではない。
「よくまあ、あんな沖まで付き合ったものですね。
あの娘のカナヅチはあなたが一番よく理解していると思いましたが?
まあ、ここまでエスコートした事はお礼を言いましょう。ねえ、愛衣」
「ごめんなさいです」
年を経て相応に成長したとは言え、やはり女同士の圧倒的な身長差はそのまま推移した。
その見事なスタイルを完璧に魅せる黒のハイレグワンピ姿で腕組みした高音にしっかりと見下ろされ、
バスタオルを体に巻いた愛衣は小さくなるばかりだった。
それを見て、高音はふんと鼻を鳴らす様にスタスタ歩き出し、
水色のワンピース水着で高音に従っていた夏目萌も、
ふふっと意味ありげな笑みで更に愛衣を縮小化して後に従う。
チラッと視線を上げて周囲を見回す。晒し者にする程高音の性格は悪くはない。
と言うより、やっぱりどちらかと言うと自グループの恥ぐらいに思ってる。
ちょっと離れてやれやれと言った顔つきで愛衣を見ていた明日菜が、
愛衣と目が合ってにかっと笑みを浮かべる。
そして、木乃香やネギと共に笑顔を交わしてその場を離れる。
>>403 今や、ネギと明日菜は公然の間柄。
だと言う事は、自分もお子ちゃまの時から知っている、
昔は勇壮な天才だが普段は礼儀正しく女の子の様に可愛らしい男の子。
それが今やスーパーイケメン白人少年のネギと、
やっぱり当時から知り合いの快活なお姉さんの明日菜ももしかしたらもう、いやあの余裕からしても、
そこに思い至ると、その生々しさに愛衣の頬がかああっと熱くなる。
別の方角には、素晴らしすぎる悩殺ビキニ姿で色黒サーファーをあしらう千鶴がいて、
その隣に立つ夏美と目が合った時、
ちょっと困った様な笑みを向けた夏美を見て、愛衣はもう一度顔を下に向けた。
× ×
「…ちゃん…愛衣姉ちゃん…」
「は、はいっ」
「綺麗やなぁ」
「あ…はい…」
隣の小太郎の声に、愛衣はハッと前を向き直す。
愛衣の視線の先では又、尾を引く打ち上げ音の後に赤紫の大輪の花が咲き誇り、夏の夜闇に溶けていく。
麻帆良花火大会の真っ最中、
今度は次々と打ち上がり派手な爆発音と共に色取り取りに乱れ咲く大輪の花々を目の当たりにして、
愛衣は素直にその光景に見とれていた。
「綺麗です」
「ああ、綺麗や」
「はい…え?」
愛衣が横を見ると、ほーっと横を見ていた小太郎と目が合った。
「あ、小太郎さん?」
「ああ、ん、ゲフンゲフン。ホンマ、綺麗やな、花火も…姉ちゃんも…」
最後はもごもご口ごもる小太郎を見て、愛衣はにこっと微笑んだ。
長い屋根の縁近くに座る浴衣姿の小太郎と愛衣が横を向いて唇を重ね、
その二人の向こうで、で一際大きな花火が鮮やかに夜空を照らす。
そんな実に絵になる光景を、穴場ポイントである学生街の屋根の上に仁王立ちした明日菜が、
腕組みして満足げに鼻を鳴らして眺めていた。
「綺麗ですね、アスナさん」
「ん」
するりと隣に立ったネギが言うと、明日菜も又無邪気な笑顔を見せて、
浴衣が実に似合いまくっている純和風京都美女コンビな親友達の元へと歩き出した。
>>404 「ん?」
鮮やかな光の照り返す愛衣の頬、愛衣の瞳もいいが、
改めて花火そのものに目を向け直した小太郎が腕の感触にそちらを見る。
「愛衣姉ちゃん?」
「えへへっ、小太郎さん」
「ん?」
「小太郎さん、私、幸せだなーって」
小太郎の腕に横から頭を乗せ、にこにこ微笑んだ愛衣が言った。
「今、私、凄く幸せだなーって」
「ああ、そうや」
小太郎の口調は真面目な程だった。
「ああ、そうや。今さらあんまし辛気くさくよう言わんけど、
こんなに平和な生活で、こんな、美人で優しい、彼女の隣でのんびり綺麗な花火見てるって、
こんな幸せ、俺にもあったんやなって」
小太郎が背中から愛衣の肩に腕を回すと、
愛衣は先回りする様に腕を絡め、きゅっとその身を柔らかな膨らみごと押し付ける。
インターバルの静寂の中、ちょっと頬を赤くした小太郎はそっぽを向く。
そんな小太郎の腕に、愛衣は更に嬉しそうな仕草で体重を預ける。
小太郎は、そっぽを向いたまま、一度ぽりぽりと頭を掻いてから、そんな愛衣の肩を引き寄せる。
その背後で、優しい笑みを浮かべた夏美が、踵を返して千鶴と合流した辺りで、
新たに発射音が尾を引き小太郎の、愛衣の明日菜のネギの夏美の皆々の前で天高く飛翔した。
× ×
「…衣…愛衣…」
「あ、お早う」
「ん、おはよ。なんか眠そうって言うか…」
「ん、大丈夫」
学食で声を掛けられた愛衣がそっちを見て挨拶を交わし、
トレイを手にした友人が愛衣の正面の席に座る。
>>405 「あーあ、またー就活全滅だよー。
愛衣はいいよねー、もう決まってるって言うか実質勤労学生だっけ?」
「んー、まあ、そんな所」
「関東科学文化歴史交流協会だっけか。なんか、仕分けとかされないのそれ?」
「大丈夫だと思う、多分」
愛衣が苦笑いして言う。言うまでもなく友人が言っている名前は表向きの看板に書かれているタイトルだが、
もしそんな事になったら恐ろし過ぎて笑えると言うのが愛衣の正直な感想だった。
「で、どうなの?」
「どうって?」
「決まってるでしょ」
ぷーっと膨れた友人が耳打ちする。
「え、あ、ああ、それは、うん」
「全く、就職先も安定、そんで卒業前にイケメン彼氏と学生結婚?
やんちゃ坊主の時から手懐けといて18なったら速攻入籍って、大人しい顔してよーやるわ。
ホント、のーろーわーれーろー、って感じ」
「もうっ」
「何てね」
流石に頬を染めて俯く愛衣に、友人はニカッと笑った。
「愛衣、真面目で努力家でホントいい娘だもんねー。
やっぱ、そういう娘が報われないと世の中間違ってるようん」
友人は、愛衣の隣でうんうん頷いている。
そうだ、大学と言っても、卒業単位をほとんど終えた愛衣の今週の時間割は、
今日ここで昼食を食べてゼミに出る事ぐらい。
卒論の用意もあるが、それよりも何よりも大変な準備がどっさりと。
× ×
「愛衣姉ちゃん」
「は、はいっ」
愛衣が振り返ると、小太郎があきれ顔で立っている。
>>406 「何突っ立ってんね」
「は、はい、いい部屋だなーって」
「そなや。ま、ええ部屋や。ここにベッド入れて寝床にするんやろ」
「はい、その予定です」
部屋に入ってスタスタ歩き回る小太郎に愛衣が言う。
「そうかー、ほならこの辺やな…ん…」
不意に、背中が重くなるのを感じた小太郎が振り返る。
小太郎の背にきゅっと抱き付いて頬を寄せる愛衣に、ニッと笑みを浮かべた小太郎がちゅっとその唇を吸う。
「あー、だから愛衣姉ちゃん、まだベッドは届いてへんで」
小太郎がニッと笑うと、愛衣は頬を真っ赤にしてそそそと小太郎から離れる。
「ご、ごめんなさい。その、何て言うか、あんまり…
…あんまり、幸せだったから…」
「ああ、そやな。この先あれや、色々あるかも知れんけど、
俺はここで愛衣姉ちゃんと家族になるの、最高に幸せや」
顔をくしゃくしゃにして笑う小太郎と愛衣は、改めて向かい合って抱き合って、唇を重ねた。
× ×
「ま、ええ部屋やな。リビングも風呂も家賃の割りにはまあまあ広くて十分や」
マンションを出て住宅街を並んで歩いていた小太郎が、つつつと愛衣に耳打ちする。
「引っ越したら風呂、一緒に入ろな」
小さくコクンと頷く愛衣に、小太郎は手を頭の後ろで組みながらニッと笑みを浮かべる。
「愛衣姉ちゃんも卒業したら協会の正社員、それもキャリア組でまあ当分首になりそないし」
「そうですね。私の収入でもあそこの家賃なら」
「ん、俺も仕事、頑張るさかい…おっ?」
等と言いながら愛衣を見た小太郎が、不意に愛衣に腕を取られる。
丸で思い詰めたかの様にズンズンと前進する愛衣に、小太郎はされるがままに従っていた。
>>407 × ×
連れ込まれるまま、住宅街の穴場なホテルの一室でシャワーを浴びていた小太郎は、
バスルームの扉が開く気配にそちらを見る。
「小太郎さん?」
「あ、ああ…」
上から下までじろじろと視線を走らせる小太郎に愛衣はくすっと笑みを浮かべ、
小太郎は咳払いをしてそっぽを向く。
「あー、なんつーか、やっぱ綺麗やな愛衣姉ちゃんの裸」
「ありがとうございます。小太郎さんも逞しくて、格好いいですよ」
互いに、素直な賛辞を交わした恋人、今や婚約者同士が、
共に生まれたままの姿で歩み寄り、ぎゅっと抱き合い胸と胸を重ね、唇を重ねる。
一つ一つ手順を踏んで秘められた至宝を露わにして行く。
そのもどかしくも楽しい時間もいいものだが、
こうして明るい照明の下で見事なオールヌードをそのまま目の当たりにすると言うのも、
ここまでのラブラブカップルとしては意外に無い機会で小太郎には新鮮に思えた。
かつては、綺麗で大人のお姉さんでもどこか真面目な少女っぽい青さが匂っていた。それも良かったのだが、
その柔らかく成熟した裸体からは今や女盛りの力強さすら伺える。
そんな愛衣は自分のもの。自分の腕の中で硬い蕾が女として花開いた。
その実感は、小太郎にとって実に誇らしいものに他ならない。
「…あ…くっ…」
小太郎が、懸命の忍耐に顔を歪める。
ちゅぽんと熱く深いキスから離れた愛衣は、つーっとその唇を下へ下へ、
ちゅっと吸った小太郎の乳首を舌で弄んでから、
立ち尽くす小太郎の体につーっと舌を唇を這わせてお臍でワンポイントを経て本丸攻めへと突入する。
「愛衣姉ちゃ、あ、くああっ!!…」
目の前の若々しく逞しい偉容に舌を這わせ、愛おしげに一通り舐め回してから思い切り口に含むと、
白旗はそのまま愛衣の顔面に叩き付けられていた。
「あ、あー…愛衣姉ちゃん、すまん…」
>>408 しゅんと縮こまった小太郎がばしゃばしゃと顔を洗う愛衣に言う。
最初の頃はお互い無我夢中だったが、このベッドでは意外なじゃじゃ馬ぶりを見せるイトはんの事を、
最近では男としてしっかり御してよがらせて男の威厳を見せていた筈。
ここまで無様な完敗は久しぶり。やはり漢、勝負にこだわる小太郎にはなかなか受け容れられない。
だが、振り返った愛衣の、全てを受け容れる様な女神の笑顔を見ると、そんなものもどうでも良くなり、
その柔らかさにただただ包み込まれたくなるのも本当の所だった。
「はい、座って下さい、小太郎さん」
「あ、ああ…」
促されるままに腰掛けに座る小太郎の脇で、
愛衣はぴっぴっとボトルの中身をその柔らかな乳房から上半身に塗りつけている。
「おっ…」
愛衣が小太郎の背後にしゃがむ。柔らかな乳房がローションに包まれて小太郎の背中に押し付けられる。
愛衣が背後から小太郎に抱き付き、
ローションを塗り込めた柔らかな乳房が、小太郎の背中でぬるりぬるりと蠢くのは、
なんとも新鮮でそして気持ちいい。
「気持ちいいですか、小太郎さん?」
「あ、ああ。愛衣姉ちゃん、又乳デカくなったんちゃうか?」
「それは、小太郎さんに一杯モミモミしてもらいましたから」
「ああ、愛衣姉ちゃんの乳たまらんさかいなぁ」
くるりと小太郎の前に回った愛衣は、ぬるぬると艶めく乳房を小太郎の胸板にも擦り付け始めた。
そして、それは段々と下降する。
「お、おっ…」
おおまかに言えば中の上、水着を着れば変な特化型に走らなくてもグラビアぐらい十分に張れる。
そんな、なんとかパイズリ及第なぬるぬる谷間で柔らかにむにむにとされて、
腰掛けでのけ反る小太郎の下半身が再びむくむくと膨らみ始めた。
「ふふっ、小太郎さんのも、こんなに大きくなってる」
「あ、ああ、そりゃ愛衣姉ちゃんにこんなエロエロされたらな、あっ!」
目の前に跪いた愛衣に軽口もたたけない程にむしゃぶりつかれ、
仰け反りながらこれはヤバイ、と、ぐっと堪えようとした小太郎の前に、
愛衣がぬおっと立ち上がったので小太郎はもう一度仰け反り引っ繰り返りそうになる。
柔らかく成熟した白い裸体をぬらぬらと輝かせ、ゆらりと立ち上がった愛衣の姿には凄絶さすら浮かんでいる。
それは、呑み込まれそうな迫力に満ちた圧倒的な色気。
>>409 「ん、くんっ」
「ああっ!」
ずりゅっと呑み込まれる快感に小太郎は歯を食いしばり、
愛衣は、甘い喘ぎ声と共に張りのある乳房をぷるんと揺らして背筋を反らせる。
「はああっ、ああっ、あーっ」
腰掛けに座ったままの小太郎の上で、愛衣がゆさゆさと動き出す。
解いた髪の毛をバサバサと揺らし、
ぬるりとコーティングされた柔らかおっぱいを逞しい胸板にむにむにと擦り付けながら。
少しでも長くこの甘美な感触を、と、懸命に堪えながら、
小太郎は目の前の愛衣の熱い吐息を聞き、
とろんととろける、自分しか知らない愛衣の表情に見とれそうになる。
「はあっ、あっ、あーあぁーっ…」
「あ、ああっ、愛衣姉ちゃん!」
叫んだ小太郎が、何か、どこか遠くに飛んで行ってしまいそうな愛衣をぎゅっと抱き留め、
弾力溢れる柔らかさがぐにゅっと潰れぬるりと擦り付けるその感触を実感する。
そうしている間にも、愛衣の腰はむっちりとローションの乗った太股もその奥の結合部も、
丸でこすり付ける様に差し込まれた男性を貪り続ける。
「あっ、あっ、小太郎、さんっ」
「ああっ、愛衣姉ちゃんっ!!」
ガックリと、愛衣の体重が小太郎の胸に被さって来た。
甘美なる下半身からなけなしの理性を取り返しながら、小太郎は愛衣をきゅうって抱き締め、髪の毛を撫でる。
女性はこうされると嬉しい、気持ちいい。この事を教えてくれたのも愛衣だった。
まだ、心ここにあらず、愛衣はとろんとした眼差しでうっとりと小太郎を見つめ、
二人は静かに唇を重ねる。
第四話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは近々折を見て。
引き続き、第五話目投下、入ります。
>>410 × ×
「着いたで、お姫様」
さすがは小太郎、脱衣所できゃいきゃいバスタオルでの拭きっこが終わるや、
軽々と愛衣の体を持ち上げて、太股と背中を下から支える体勢で運搬した愛衣の裸体を
優しくベッドに横たえる。その小太郎も又、バスルームからこの方絶賛全裸継続中。
「しかしまー、ようこんな所見付けとったなぁ」
「新居周辺の住環境は主婦の最大関心事ですから。リサーチは得意ですので用意周到と言って下さい」
「なーる、つまり、引っ越してベッドが届くまで我慢するのが惜しいと」
「そういう事です」
「否定せんのかいな。あの真面目な愛衣姉ちゃんがエロくなったなぁ」
「それは、大好きな小太郎さんですから」
ベッドの上にひょいと座った愛衣がふふっと笑い、そのあけすけな言葉に小太郎もへへっと笑みを浮かべる。
「よっしゃ、大好きな愛衣姉ちゃんが綺麗でエロ過ぎて、俺も辛抱たまらんわ」
「辛抱してくれなくって全然オッケーと言うか大歓迎です、きゃっ」
ベッドに飛び込んでそのまま愛衣に抱き留められ、
そうしながら愛衣をベッドに横たえた小太郎は、目の前にぷるんと震える乳房にかぷっとむしゃぶりつく。
「んふふふっ、くすぐったいです、小太郎さん」
「風呂であんな目の前でぷるんぷるんで、たまらんて、俺愛衣姉ちゃんの乳大好きやさかい」
「はいはい」
愛衣はにっこり笑って、ちゅうちゅう吸い続ける小太郎の黒髪をくしゅくしゅ撫で回す。
中身を知っているとは思いたくないが、最上級な乳を知る男に言われるのもちょっと嬉しい。
ぷるんと唇を離してニッと笑みを浮かべた小太郎は、
乳房に伸ばしていた左手はそのままに右手を愛衣の下半身へと滑り込ませる。
「おーっ、愛衣姉ちゃん、こっちにもぬるぬる仕込んどったんかいなー」
「はーい、私の体が小太郎さんをお待ちしてちゃーんと仕込んでたんですよー」
「はあっ、かなんなぁ」
これも慣れと言うものか、からりからりと明るく交わされ、
それでいて、器用な指の動きに声を漏らして清潔なシーツの上でひくっひくっと震える動きに、
小太郎は呆れながらも楽しそうに犬歯を見せる。
>>411 意外とこういう性格だったのか、それを見せているのは多分自分の前だけ。そう考えるのも楽しかった。
そして、もっと、もっと見たくなる。
新たな獲物を求めるハンター。唇を嘗めた小太郎からそれを感じ取り、愛衣の身は期待に震えていた。
「らっ、らめっ、はああっ、らめああ小太郎さんあっ、あっ…」
或いは指で、或いは舌で、慣れ親しんだ絶妙なポイントから新たなアプローチも、
そんな小太郎の試みが生まれたままの姿の愛衣の裸体を這い回り探し回り強く弱く力が加わる。
その度に、愛衣の身はベッドを跳ね、もう大人の女性となった甘い喘ぎ声を響かせる。
だが、その度に、小太郎はすっと退いて愛衣の身を優しく休ませ落ち着かせる。
その繰り返しこそが、愛衣に今や焼け付く様な渇望を与え、
若き征服者に縋り付く様な潤んだ瞳を向けさせている。
「ん、むっ!」
小太郎は、そんな愛衣の身を起こし、
一度激しく唇を吸うと、するりと後ろに回った。
乱暴な様だが絶妙な力加減でぐにぐにと乳房を揉んでいたかと思うと、
右手を、既に洪水の様に熱い蜜の溢れ返ったその下半身の源へと滑り込ませ、
愛衣自身の欲情の証をたっぷりとすくい取った滑らかな指で最も敏感な突起を、
一瞬乱暴に、しかし、あくまで繊細な指触りで弄ぶ。
「あ、あっ、いっ、あ…」
今正に、と、愛衣が一際胸を膨らませたその瞬間に、やはり、愛衣はぽんとベッドに放り出される。
「ああっ、意地悪…もう、もう我慢できません。
愛衣は、エッチな娘だからもう小太郎さんの逞しいおち○ちんが欲しくて欲しくて我慢出来ません。
ですからどうか、小太郎さんのビンビンに勃起した逞しいおち○ちんを、
びちょびちょ大洪水で準備万端に濡れ濡れな愛衣のびしょ濡れおま○こに、
どうかズンズンぶち込んでエロエロな愛衣をメロメロひぃひぃよがり狂わせてイカせて下さいぃ…」
ベッドに這いつくばって割に質感のあるお尻をくねくねとくねらせ、
更に、両手でその奥に濡れそぼる桃色がかった鮮やかな花弁を押し開いてとろりと一際濃い蜜を溢れさせ、
よじった首からとろとろに潤んだ瞳を向けて哀願する普段は真面目で大人しいぐらいの美女で大人のお姉さんで
最愛の女性の姿に、小太郎はニヤッと笑いながらもごくりと喉を鳴らし、
そして、渇望されたものをぐいっとばかりに誇示して、
頬を染めながらも縋り付く様に向ける視線に痛く満足する。
「はっ!あっ、あっ、ああっ、いいっいいいっ小太郎さんいいっ、ああーっ!!」
>>412 小太郎は、部屋に響く打撃音も高らかにひたすら力強く打ち込む。
それでいて、両手で乳房から太股から更にその奥の蕾やらへの細かい気配りも忘れない。
ベッドにうつぶせになったまま背後から力強く激しく抉り込まれ打ち込まれ、
愛衣はひたすらにバサバサと髪の毛を乱して喘ぎ続ける。
そして、その仰ぎ声も、一際甲高いその途中で不意の終焉を迎える。
ドサリとベッドに埋まる愛衣の顔、一際大きく反り返り、くてっと降下した、
バサバサの髪の毛の被る白い背中を見下ろしながら、
細く見えてしっかりとした愛衣の腰を抱え、押しの一手と思わせて意外な捻りも見せていた小太郎も又、
ふーっと満足の吐息と共にベッドの上に座り込んでいた。
× ×
「あーっ、あっ、あっあ、ああーっ…」
目の前で、ほんのりと汗ばんだ綺麗な乳房がぷるんぷるんと揺れている。
それに連れて、着々と鳥の巣に近づきつつあった髪の毛も又、バサッ、バサッと激しく上下する。
それを眺めながら、ベッドに仰向けに横たわった小太郎は、
この至福の快感を少しでも伸ばしつつ、愛しい女性にも少しでも喜んでもらおうと、
歯を食いしばり懸命の忍耐に務めながら、それでもズン、ズンと腰を突き上げる。
いつしか、愛衣の白い柔肌はほんのりピンク色に染まって汗みずくになり、
唇からは熱い吐息と共に甘い女性の喘ぎ声が溢れて止まらない。
その顔立ち、潤んだ瞳は段々、とろんと柔らかくとろけて来る。
そうしながら貪る様にその身を上下させ豊かな膨らみを揺らし髪の毛は千々に乱れる。
それは、あるいは全てを貪り尽くそうと言う浅ましい姿なのかも知れない。
例え美人でも恐怖を覚えたかも知れない。
それでも、必死なまでに小太郎を求める、そしてさらけ出す、そんな愛衣の事が、
小太郎には途方も無く可愛く、美しく、愛しくそして気持ちいいものに思えてならなかった。
「あ、あっ、あ…」
小太郎の上で、愛衣が起こした裸体が伸び上がりながらもその下ではきゅうっと小太郎を食い締め続けた。
小太郎は、ここまで何度も放出し、たかが知れている筈の本日の肉欲の残りを存分に解き放った。
「小太郎さん…」
くてっと脱力した愛衣の顔が、小太郎の真横から小太郎を見ていた。
「ちょっと、はしゃぎ過ぎたかな…」
「んー、毎日やったら身が保たんかもなぁ。
なんせ、もうすぐ一つ屋根の下や、新婚三日で搾り尽くされてミイラ男なんて勘弁やで」
「はーい、気を付けます」
>>413 へへっと笑って言う小太郎に、愛衣もぺろっと舌を出して答える。
そして、唇を重ねてから、愛衣は小太郎の胸板に頬を寄せていた。
「汗の匂い、逞しい…小太郎さん、大好き…幸せ」
「ああ、俺も愛衣姉ちゃん大好きや、今もこれからも幸せ、なろな…」
まるでまどろむ様に言葉を交わしながら、小太郎は愛衣の髪の毛を撫で続けた。
× ×
「どうぞー」
許可を得て、その部屋に入った面々は、暫し言葉を失った。
「綺麗…」
「似合ってるーっ!」
沈黙が破られると、わいわいと騒がしい美女達が、
純白のウエディング・ドレスが最強に美々しい明日菜と愛衣を取り囲んだ。
そんな中で、愛衣の肩がガシッと掴まれた。
「…愛衣、今からでも遅くはありません。協会からもっとマシな男を…」
そんな高音に向けられた極大最上級な笑顔は、高音をたじろがせるに十分だった。
「お姉様、もう諦めましょう」
「そーそー、諦めて、いい加減自分のウエディングドレスの相手探しましょ」
「なあんですってぇ」
萌の隣にひょいと現れたハルナに言われ、高音の目がつり上がる。
「アスナさん綺麗ですー」
「有り難う本屋ちゃん」
心から賞賛し、笑い合う。愛衣は自分の隣のそんな二人を目にし、
そして、何やら感慨深げな表情でうんうん頷いているハルナを見る。
学年は違ってもあの魔法世界にも半ば同行し、それからもずっと関わって来た。
彼女達のその表情の語る歴史も少しは知っているつもりだった。
そう言えば、最初に彼、明日菜のお相手と関わった学園祭の初っ端には、
この隣の二人に絡んでまあ今思い出しても赤面なえらい目にも遭わされたものだ。
>>414 「あのお猿さんが…」
「でも残念」
あやかが下瞼に指を当てているその側で、そう切り出したのは柿崎美砂だった。
「こんな最強過ぎるの見逃すってさ、ネギ君もコタ君も出動中、確か南太平洋だっけ?」
「うん。何かダイカイジュウが出ただか出ないだか。
こっちは丁度予約したドレスの出来上がりだったからさ、
しゃあないから久々に男二人の最強タッグ前衛後衛で行ってもらったって訳」
「まあな、あの二人派遣しときゃあ核弾頭より威力あるからな」
もうとっくに暗黙の了解と化している旧3Aメンバーが相手。
明日菜が端的に事情を説明し、千雨が感想を述べる中で、
キランと眼鏡を光らせたハルナが明日菜の最後の方の言葉を熱心にメモする。
「本当に綺麗よ、愛衣ちゃん」
「千鶴さん…」
にこっと、圧倒的な包容力の微笑みを向けられ、愛衣は頬が熱くなるのを感じていた。
「こんな綺麗なお嫁さん、小太郎君は幸せ者だわ。本番が楽しみね。
私も、こんな可愛い妹が出来て、本当に嬉しい」
「有り難うございます、千鶴さん」
愛衣がぺこりと頭を下げ、にっこり微笑む千鶴の向こうで夏美もニカッと笑っていた。
× ×
「もしもし…」
自宅マンションまでもう少しと言う所で、愛衣は携帯電話を使っていた。
「うん、そう。今日ドレスが…凄く綺麗だった…
それで、どう?うん、先生も大変だ。来てくれる?当たり前…
うん。私、今とっても幸せ…
ウエディングドレス、綺麗だったもんね。私も負けないんだから。
じゃあ、お休み、おねえちゃん…」
電源ボタンを押し、携帯電話をしまう。
そして、天を仰ぎ星空を見上げた愛衣の目尻から頬に、つーっと一筋伝い落ちていた。
>>415 × ×
「それでは、後は式の後に…」
ぺこりと頭を下げて、管理人室を後にする。
そして、住み慣れたワンルームのドアを開け、がらんとしたリビングで膝を抱える。
インターホンが鳴ったのはそんな時だった。
「はい…」
応答の後、高音と萌が部屋に現れる。
高音が持参の赤ワインを開け、萌がブルーチーズを切る。
「じゃあ、明日の式の成功と晴れの門出を、愛衣の永久(とわ)の幸せを、乾杯」
「乾杯」
高音の音頭で三人がカチンとグラスを合わせ、喉を潤した。
それから、少しの間は萌が一方的に羨望を語り続け愛衣がにこにこ笑って聞いている展開だった。
「幸せなんですね」
「はい」
高音の質問に、愛衣が答えた。
「確かに腕力、戦闘力には優れています。でも、ガサツで粗野でおバカで、
どうしてあんな男がこんないい娘と、何か物珍しいものに惹かれて騙されているだけなのだろうと、
随分長い間そう思っていました」
「間違いなく昨日までと言うかついさっきの夕食まで確信していましたお姉様は」
「お黙りなさい」
自分を見た高音から沸き上がる般若のイメージに萌が震え上がった。
「でも、幸せなのですね」
「はい」
「愛衣は、頭のいい娘です。私は愛衣の目を信じます。
まあ、おバカな分裏表の無い単純で素朴な性格の様ですから、精々上手く手綱を引いておあげなさい」
「はいっ」
「ええ、それでは…」
その時、インターホンが鳴った。
>>416 × ×
「で、あなた達は?」
高音は、腕組みをしてでこぴんロケットご一同様を見下ろしていた。
「いやー、自宅方面の終電なくなっちゃってさー」
「冗談じゃありません。明日がどう言う日か…」
「この近くのスタジオで式の練習してたんだけど、色々ハプニングでようやく間に合わせたらさ…」
美砂とのやり取りに、高音が嘆息する。
「呑んでますね」
「ちょっと居酒屋飯…」
美砂とのやり取りに、高音が盛大に嘆息する。
「だから手土産」
「いいのかなー」
紹介する美砂の後ろで、円が呆れた口調で担いでいるのはエ○○ビールの350缶の箱と珍味の数々だった。
インターホンの音を聞き、愛衣がパタパタと受話器に向かう。
その背後では、腕組みして眉をひくひくさせる高音をバックに
早くも萌と桜子が肩を組んで歌謡大会を開催していた。
× ×
「こんな事だろうと思いました」
腕組みして仁王立ちするあやかの前で、円と美砂と亜子と並んで正座した桜子がえへへと頭を掻く。
「全く、よりによってこんな日に、何を考えているのですかあなた達は」
「………」
復活いいんちょモードのあやかの背景では、
夏美が両手に持った350缶を軽々と持ち上げて見比べ、その隣で千鶴が微笑んでいた。
「と、言う事ですので、この狼藉者達をさっさと引き取ってお帰り下さい」
「あら、それは随分な言い草ですね。
皆さんが明日のためにそれぞれの事情を割いてどれだけ頑張っていたか…」
「す、すいませんごめんなさい」
「いえ、花嫁さんはいいんです」
>>417 バチバチと火花を散らす二大金髪美女を前に、部屋の主はわたわたするばかりだった。
× ×
「どうしてこうなった…」
合唱する夏美と円の前では、あやかと高音がどっかり座って天狗盃を奪い合っていた。
「なかなか、爽やかな喉越しですね」
「当然ですわ。この日のために仕込んだ雪広家専属蔵元の最高品なのですから。
式に大いに振る舞うものを、一本だけ持参したのですからね」
「それはどうも、でも、これはいいものです」
「当然ですわ…」
その脇では、残るでこぴんメンバーと萌が何度目かのビールで乾杯を合唱している。
「はーい、お、ま、た、せー」
にっこにこ笑った千鶴がまどかと夏美にグラスを差し出し、二人揃ってぐいっと赤ワインを傾ける。
「こーんな可愛いお嫁さん、小太郎君も幸せ者」
「えへへー、私も幸せでーす千鶴お姉様ー」
「よしよし。又遊びにいらっしゃい。こーんな可愛い妹が出来て私もとってもハッピー」
「えーと、あの二人の関係は?」
千鶴に頭を小脇に抱えられ、むぎゅっと力を込められてにこにこしている愛衣と、
そんな愛衣をにこにこと撫で撫でしている千鶴を指差し、円が尋ねる。
「あー、なんか愛衣ちゃんの味噌汁にコタロー君が微妙な顔したって相談に来て、
それで、ついでに日本海軍風ジャガイモと牛肉の醤油煮込みとか教わって…」
「かあー、男ってこだわるんだそーゆーの」
「それで手懐けられたと、さすが那波さん…」
割って入った美砂が額を押さえ、円が乾いた笑みを浮かべるのを、
説明した夏美はちょっと困った笑顔で見ていた。
「ほらほら夏美ちゃん、夏美ちゃんこっちいらっしゃい」
「はーい」
かくして、わらわらと集まった集団に向けてどこからかビール缶がほいほい放り投げられ、乾杯が交わされる。
>>418 「あー、いよいよ明日かぁー、あのネギ君とアスナがねー。
こればっかりはアスナにかなわないよねー、いいトコ捕まえたわー」
「ネギ君がなぁ」
美砂の後に、亜子がビール缶に視線を落としてしんみりと言う。
「もう、そっくりって言うか追い抜いてもうたわ。
ナギさんとの物語、正真正銘ほんまにこれで終わりなんやなぁって」
「よし亜子、明日は式場の窓に張り付いて、ノック乱打でネギ君略奪行ってみよー!」
盛り上がる美砂の背後で、あやかと高音が無言で山下り谷折りされた大判白紙の折り目を合わせて
下の方をぎゅっと握って振りかぶっていた。
「それを言うなら愛衣ちゃんとコタロー君、亜子、コタ君もあの時とそっくりってね」
頭から煙を上げて這いつくばっていた美砂が、めげずに身を起こして話を振る。
「そうそう、やっぱりあーなるんやなあって」
「ええ、そうです。あの時魔法世界のコロシアムで見た凛々しいコジローと今の小太郎さん…」
「あー、何か入ってるよこの花嫁さん。でもまあそれでねー、
うん、おかげさんでうちの円がスキャンダル十連発とか、
愛衣ちゃんそれにもめげずによく頑張った、感動した!」
「そうれすよー」
美砂の後に、萌が続いた。
「もー、そのたんびに箒でマホラじゅう追いかけ回したとか逆にチベットの奥地までかっ飛ばして家出したとか
燃える天空発動したとか、学園警備総動員で大変らったんれすからねぇー」
「そうそう、しまいにスタジオまで乗り込んで来てさ、
くぎみー何他人の男に手ぇ出してんだゴラナシつけるからちょっと顔貸せやって包丁振り回して大乱闘で…」
「愛衣ちゃんそんな下品じゃないし包丁振り回してないしくぎみー言うな」
「それに、十回に九回は柿崎さんと早乙女さんが
十倍増しぐらいに無駄に話を大きくして下さったと記憶していますが」
円と愛衣が、ごくっと喉を潤して言う。
「じゃあじゃあー、十回に一回れそれ以外の事は本当らったんれすかー」
「うーん、その辺の事は明日の友人代表挨拶で全暴露の手筈になってるからそれまで待っちゃってて」
いつの間にか美砂に這い寄っていた萌を撫で撫でしながら美砂が言う。
>>419 「…柿崎さん、その時は覚悟しておいて下さいね」
「あー…マジにとらないでくれる愛衣ちゃんその顔、その笑顔結構怖いから…」
顔を埋める形の膝枕に沈没している萌の事はおいといて、美砂の笑みは引きつっていた。
× ×
「…んー…んー…」
「お姉様…」
バミューダ・トライアングルと化したリビングで沈没した面々にタオルを掛けて回っていた所、
不意にガバリと身を起こした高音に正面から首を抱き付かれ、さすがに愛衣は目を白黒させた。
「愛衣…」
「はい」
「ガサツで粗暴でおバカで反抗的で…欠点は山ほどあります…
でも、性根は真っ直ぐで一途にあなたの事を想っています。何かあれば命懸けであなたを守ろうとする筈。
そしてあなたも…何より、あなたがそれだけ想っている男性と結ばれるのです…
あなたは私の認めた…愛衣、あなたは幸せ、です…ZZZ…」
作業を終えて、ふーっと背筋を反らした愛衣が、ふと背後の気配に気付く。
そして、スッと差し出されたワイングラスを見ながら後ろを向く。
「飲む?」
夏美が右手にグラス、左手にワインボトルを提げてにっこりと微笑んでいた。
夏美と差し向かいで座り直し、愛衣は夏美の注ぐワインをグラスに受ける。
「大丈夫だって、毒とか入ってないから」
コロコロ笑う夏美を前に、愛衣は、つと眺めていたグラスのワインを傾ける。
「だって、今毒盛っちゃったら、明日の式で中等部女子寮から魔法世界から、
コタロー君のめくるめくドロドロの愛欲の日々をスライド上映付きでオール暴露出来なくなっちゃうじゃない。
キャハハハじょーだんじょーだん!」
思わずぶはっと噴き出してしまった愛衣を前に、夏美はケラケラ笑っていた。
「な、夏美さんも、どうぞ」
「ん、ありがと」
>>420 気を取り直した愛衣に勧められ、夏美は愛衣の注ぐワインをグラスに受ける。
「じゃあ、愛衣ちゃんも、もう一杯」
「はい」
「じゃ、愛衣ちゃんとコタロー君の結婚を祝して、乾杯」
「乾杯」
カチンとグラスが合わさり、二人はつーっとワインを傾ける。
「そっかー…コタロー君も明日結婚式かー、こんなカワイイお嫁さんもらってねー。
年下に追い抜かれて、私も早く、いい相手見付けないとねー」
夏美は、あくまでニコニコ笑って愛衣を見つめていた。
「おめでとう、愛衣ちゃん」
そんな夏美を前に、愛衣は下を向いて震えていた。
「愛衣ちゃん?」
「夏美さん」
「何?」
硬い声の愛衣に、夏美はあくまでにっこり微笑んで応じる。
「…残酷な質問を、します…」
「何よぉ急に…何?…」
はぐらかしていた夏美は、面白そうな顔で聞き返した。
「夏美さん、どうしてあなたは身を引いたんですか?」
「え?えーっと…参ったなぁ。何て言うか…相手が悪かった、って言うのかな?
だって愛衣ちゃんカワイイし素直で明るくてそれに魔法使いとしても優秀なんでしょ?
裏の世界でめっちゃ強いコタロー君のパートナー。
このソバカスペチャパイのフツーのお姉さんがどう対抗しろって言うのよ。
勝者はほんとーに残酷だわ」
「勝ってない」
「え?」
「私は、あなたと争った覚えが無い。それはとても不自然な事。
私は、二年生の時、彼と出会ったあの年の学園祭最終日、演劇部の公演を見に行きました」
「へー、それはどうも」
「夏美さんは端役でも、一生懸命表現していた、輝いていました。
そして、夏美さんは千鶴さんと雪広さんと、彼と、一緒だった」
>>421 「んー、ま、同居人だったしね」
「私は、それを見ていました。
それを見るためにあそこに行ったと言ってもいい。
興味がありましたから。小太郎さんを囲んでいつも一緒にいるあなた達が」
「ふーん、じゃあ、敵情視察に来てたんだ」
夏美の意地悪な言葉に、愛衣は小さく頷いた。
「…だから…あなたが…」
「愛衣ちゃん」
はぐらかしていた夏美の口調が、真面目なものになった。
「私から質問」
「はい」
「愛衣ちゃん、今、幸せ?」
「幸せです」
返答を聞き、夏美が浮かべた笑みには僅かに暗さが差していた。
「最愛の男性と相思相愛で結ばれて、明日は結婚式、新婚旅行も決めています。
仕事も順調、協会での地位も約束されています。
キャリア組として協会のトップも伺える。
マギステル・マギへの道筋さえも見えています。魔法使いとして最高の栄誉。
私は、魔法使いの仕事に誇りを持っています。
でも…家庭に入るのもいいかも。小太郎さんと、私と小太郎さんの子供と…
契約とは言っても、大仕事をこなす小太郎さんの収入はそのためには十分なものです。
それに、今すぐは無理でも私が子どもが出来るまで貯金したら…
見渡す限りでは何の問題もありません。輝かしい道筋が見えています。
恋も、仕事も、だから、今私は、最高に幸せです」
愛衣が、まっすぐ前に手を出す。
「…強いんだね…」
ちょっと困った様な笑みでそれに倣う夏美に、愛衣は小さく首を横に振る。
愛衣が、差し出された夏美の手の甲を握り、下を向く。閉じた瞼から一滴溢れ落ちる。
第五話目投下、終了です。
次回はエピローグです。今回はここまでです。続きは折を見て。
GJ!だけど次回でエピローグか…ちょっと残念。
最後まで期待して待ってます!
第六話にして本作エピローグ投下、開始します。
>>422 × ×
リーンゴーン・リーンゴーン・リーンゴーン
鐘の音が響き、暖かな光が差し込む。
余所行きを着て、招待客の中でその時を待つ自分がいる。
扉が開く。
タキシード姿の彼は、カチンコチンに緊張して現れた。
自分は、余所行きを着て、盛大な祝福を送る招待客の只中にいる。
じゃあ、彼の隣にいるのは?
そもそも、自分があそこにいるなら私は誰?
「―――管理エリア―――割り込み―――干渉―――強力な魔力で―――
―――だから―――誰かの―――混線―――」
それ自体混線しているとしか思えない声に、愛衣は耳を澄ませた。
「―――だが―――あるいは―――真実―――であると―――それでも―――」
愛衣は、キッと前を見据え、ひゅんと箒を一振りする。
「メイプル・ネイプル・アラモード。
精霊に告ぐ宇宙天地森羅万象、我は求める理(ことわり)の言葉を…」
「―――世界を構築する―――膨大な魔法言語―――要の言葉を探し出す―――
―――理論的には―――正しい―――正攻法―――幻想の解呪法―――正統派の魔法使いらしい―――」
目を閉じて念じていた愛衣の体が、額に何かが突き抜けたかの様にガクンと前後に揺れた。
「―――その方法―――プロテクト―――真っ向勝負―――副作用―――既に始まっている―――」
立ち尽くしたままの愛衣の瞳から輝きが失せ、涙だけがぽろぽろと止め処なく伝い落ちる。
指先、爪先が凍りつき、体の中心に向けて凍結が進行していく。
「―――真逆の世界―――光景―――五感―――直接流れ込む―――凍てつく―――心―――
―――人間―――精神力―――耐えられない―――必ず―――戻る―――安息―――求め―――」
>>424 愛衣の全身が一瞬炎に包まれ、首に届こうとしていた凍結が湯気に変わった。
「メイプル・ネイプル・アラモード、物皆焼き尽くす炎…清めたまえ…」
愛衣の力のこもった詠唱と共に、一帯は紅蓮の炎に包まれる。
「―――退路―――断った―――なぜ―――望み―――全て―――満ち足りた―――温かな―――」
「ジョンソン首席、小太郎さんの一番弟子を余り舐めないでいただけますか?
…解けよ…我の求めし…その言葉は…」
× ×
「愛衣?愛衣っ!?」
体がゆさゆさと揺れる。目の前に、高音の鬼気迫る表情が一杯に広がる。
「気が付いたっ!?」
高音の叫びを聞きながら、愛衣はぶんぶんと頭を振る。
「大丈夫、愛衣?状況、把握出来てる?」
立ち上がった愛衣は、目の前で見つめていた両手をあちこちに走らせる。
いつもの髪飾り、お揃いの黒衣、硬さの残る青い膨らみ。
愛衣が、振り返り様に振るった箒が長爪とぶつかる。
二度、三度、鋭く箒が振るわれる。
岩をも割ろうと言う一撃が爪で流され、それでも、コンパクトに切り返した箒が動きに追い付く。
だが、それも又するりと交わされる。
ターンターンターンと明らかに人間離れした大きなバック転で飛び去った先に向けて、
大量の火炎弾が撃ち込まれる。
愛衣が元々得意とする無詠唱としては大量と言える数だったが、それも又ひょいと交わされた。
そこに向けて殺到した高音の影法師は空中頭突き大会を展開し、触手も虚空を切るばかり。
「タロット!?」
「くっ!」
代わって愛衣と高音に向けて殺到する大量のタロットカードを迎え、二人は防御魔法を展開。
それでも足りずに、愛衣は直接箒を振るって防御をすり抜けたカードを叩き落とし焼き尽くした。
>>425 「消えた…」
「今の私達のコンビネーションをかいくぐるとは…
それより、恐ろし過ぎる術です。行きましょう、先行した人達が心配です」
「はいっ!」
青い顔をしながらもキッと前を向いた高音の指示に、愛衣も従った。
「…腕を上げましたね。粗暴で下品でおバカで云々、
でも、教える才はあるみたいですね。もちろん教わるあなたの才が大きいのですが。愛衣」
「はい」
「いい夢を、見られましたか?」
「はい」
「自分で、掴み取りますか?」
「はいっ!」
× ×
「ありがとう…おかあさん…」
「ほな、ありがとうな」
「にゃー…」
「さようならです」
「嗚呼、私のために…何て罪な女なのでしょう」
「うむ、いい勝負だった。一片の悔い無しアル」
友人達と共に身を起こした夏美が、ゴキゴキと首を鳴らしてうーんと背筋を伸ばす。
「…無い無い無い無い…うん、無いわな。アハハハハ…」
天を仰いで乾いた笑い声を立てながら、ソバカスの頬にぽろりと伝う感触まではごまかせない。
「夏美っ!!」
「!?」
ハッと前を見た時には、流れ弾らしい幾筋もの黒い雷を、
ザッと割り込んだ愛衣が箒で抑え込んでいる所だった。
>>426 「あ、あ…」
雷が消え、肩で息をしていた愛衣がくるりと夏美の方を向く。
「へ?」
そして、愛衣はぺこりと頭を下げる。
「村上さん、ありがとうございました」
「うん、こちらこそ有り難う」
人差し指を立ててつと上を向いた夏美も、思い出したかの様に頭を下げる。
そして、どちらともなく、コンと互いの拳を当てて、二人はすれ違った。
「楽日」−了−
>>427 「楽日」、終了です。楽しんでいただけましたか?
最終回があっさり短いノンエロになってしまいましたが。
こちらの感想を書きますと…しんどかったです。
小太郎と愛衣のカップルの相性は非常にいいと思うのですが、問題が二つ。
・その1
原作の一般的な人間関係や状況を基本にした場合、
学年も違うネギパーティーでも665号室でも無い。
しかも、身近にはキューピットどころかおっそろしい小姑がいる状況では、
まず二人を会わせる所から頭を使う事になりまして。
二人だけなら敢えて特殊状況を作ると言うのもアリなのですが、
トートロジーになりますが今回は原作の一般的な人間関係や状況を基本とする作品として作り始めたために、
まず小太郎に加えてその周辺の面々がいるテリトリーに愛衣を加える。
そこからそれらしい状況を作る事に色々と悩まされました。
明日菜が割と愛衣と親しく好意的と言うのが一つ助かった所です。
・その2
その1にもやや関連しますが、これがちづ姉やくぎみーなら割とやり様があるんですよ。
ですが、愛衣と夏美の取り合わせと言うのが…
原作状況の延長で作った場合、これはもう避けられない組み合わせになるのですが、
実際やってみようとすると…
正ヒロイン恐るべし、としか言い様がなかったです。
しかも、彼女は突出しないが故のヒロインですし、
愛衣も能力的には魔法使いでも基本素直でちょっとミーハーな普通の女の子ですので、
これは正直、手を出しあぐねると言いますか。
結局の所、元々のこの作品の性質もあって、逆にそこを「鍵」とする「奇手」で乗り切ったとも言えますが、
他のシチュだとどう決着したものか。
>>428 他にもう少し書きますと、やっぱりここまで書いてしまうとですね、
そのまんま本番ウエディングドレスで最高の笑顔で祝福を、これは誘惑に駆られましたね。
それから、最後にお詫びです。
第六話エピローグ前半…はい、ごめんなさい、悪のりが過ぎました。
あれはあくまで混線らしい表現と言うだけであり、
直線話法で幻覚を見せて雪山の様に凍りつきそうだからと言って、
別に某ラノベから昆布型宇宙人が出張して来た訳ではありませんので念のため。
裏話的に言いますと、あの状況ではあんまりハッキリ口調を描くのもなんだなと言うのもあって、
それならオーソドックスに三点リーダーでもいいけどこっちもありかなと言う感じでやらかしてました。
そのまま無関係に読めますが分かる人には分かる話になってしまいますので、先にお断りとお詫びを。
それでは、これで失礼します。
−了−
hosyu
古菲の話希望
・ネギプリ三冠、人気No.1
・7人の仮契約者のうち、互いに同意してキスしたのは刹那のみ
・超が一番ちょっかいを出していたのは刹那。明日菜は完全スルー
・超は刹那が烏族のハーフだということをを知っている
・超が自分は未来から来たネギの子孫だと最初に明かしたのは刹那
・お団子をほどいた超と刹那の容姿がとても良く似ている
・ネギパーティーの名前は「白き翼」
・「桜華崩拳」「桜華槍衝」等、ネギの技に「桜」の文字
・この漫画のタイトルは「ネギま」
ねぎせつ有力説の妄想?
雪が積極的になりすぎてはる樹くんを襲うのはまだなのかよと。
学園祭パートで世界樹にアテられたときなんでエロく積極的にならなかったんだよチクショー
一瞬誤爆かと思っちまったじゃないですか
…ほう…ふむ…つまりこれはまさしく第一種最優先緊急召集…
否、神の啓示に他ならぬ。
どうやら腰を上げねばならない様だ、やれやれだ。
…嘘です。冗談です。戯れ言です。ちょっとスレ使わせて下さい。
本作の楽しみ方
右手の疼きに耐えて心の眼を見開き、
そこに映し出される情景を只ひたすらに妄想すべし。以上。
それでは読み切り「背にはキョウイか温もりか」スタートです。
× ×
「いやあーんっ、お姉様ー…」
「おー、カッコイイ!!」
修理中の艦内で展開されていた修羅場も無理やり沈静化し、
安心フィット感を確かめていたコレットがふと横を見る。
「いっ?…」
つーっとコメカミに汗を伝わせるコレットの視線の先では、
ベアトリクスが艦の窓に縋り付き、あのベアリトクスにして決死の形相でガンガンと窓を叩いていた。
「えっ!?」
「あれはっ!?」
「ビーさんどうしたのっ!?」
しくしくと往生際悪くしていた愛衣や高音も事態に気付き、
コレットがベアトリクスを艦内に引きずり込んで事情を聞く。
「………、………、………、………、………、………」
「ふんふん、かくかくしかじかうまうまで、主に痴話喧嘩が原因でパーティーは大混乱、
紆余曲折を経てビーさんが一人で箒で突っ走って魔物を引き付けて結局ここまで逃げて来た。
会敵予想時刻まで後三分」
「おっ、おにぇっお姉さまぁぁーっ!!」
「落ち着きなさい愛衣!そうですか分かりましたそれではあなたもこれを装着しなさい。
これで防御力三倍………」
>>436 アリアドネーの制服とランジェリーがポンポンと艦内を舞う。
「おーっ、ビーさん似合ってるーっ」
「…カッコイイ…」
「よくお似合いですよ。これで何が来ようと完璧です!!
それで、規模は?ええ、ええ、そうですか。
じゃあ先手必勝、茶々丸さんに逃げた方々は船の防御を。それでは皆さん、参りますわよ!!」
「おおーっ!」
「…オオー…」
「おぉー…」
× ×
紆余曲折を経てベアトリクスが引き連れて来たのは空戦部隊であり、
出撃した高音、愛衣、コレット、ベアトリクスのカルテットは激戦の末にこれを制し、
一旦近くの岩場に注意深く着陸、小休止していた。
「いやー、タカネさん凄いよこれーっ」
「当然ですわ。この影の鎧を装着していれば何が来ようが恐れる事はありませんっ!!」
「…イイ…」
「………」
愛衣がふと視線を上げ、ベアトリクスの視線も鋭く走る。
四人が、ざっと各方面に構えをとった。
「恐れる事はありません。これを装着していれば、大概の、敵は…」
確かに、実力差と言う意味では、高音の見解にさ程の間違いは無かった。
問題なのは、ここで現れた敵の一群が、
たまたま人間の男性に近い形状でありたまたまマッチョでありたまたまサングラスを装着して
たまたまオールバックに見える外観で
たまたまびょんびょんとジャンプしながらガパッと口を開けて怪光線を発する事ぐらいであった。
「あ、あら、あらあら…」
「おっ、おにぇえ様ぁーっ!!」
果たして、敵遭遇、と、思った時には、高音は怪光線の十字砲火を受けていた。
「へっ!?ちょっ、なっ、これっ!?」
「…脱げてる…」
「…こんのおぉーっ!!」
>>437 更に群がる敵の集団を相手に、
愛衣は魔力の力業でなぎ倒して前方を切り開き、ぷすぷすと煙を上げて目を回している高音の元に駆け寄る。
「コレットさん、ベアトッ、ビーさんっ!
今のお姉様はダメダメで使い物になりませんっ各自防御に入って下さいっ!!」
「分かったっ!」
「…何気にひどい…」
高音を背にヒュンと箒を一振りし、血の滲む舌をぺろっと出した愛衣熟練の判断に、
後の二人もチャッとその指示に従った。
× ×
ここで愛衣達が遭遇した敵部隊は、単体であれば彼女達でもさ程手こずる相手ではない、が、
“…数か多い…”
愛衣がびゅんと箒を一振りし、吹っ飛ばされた敵がその背後にいた敵に背中から激突する。
一回転しながら愛衣の放つ炎が取り囲む敵を牽制する。
火炎弾で横手の敵をぶちのめし、空いた所へ突っ走る。敵勢もそちらに向けて飛び跳ねて追跡する。
「囲まれたっ!?くっ」
「…助勢の余裕、無い…」
コレットとベアトリクスがそちらに向かおうと悪戦苦闘している間にも、
愛衣の周辺では包囲陣が完成しようとしていた。
“…お姉様が忘れられてる。成功…”
愛衣の唇が、ふっと笑みに歪んだ。
包囲の真ん中で火球が爆発した次の瞬間には、
敵の大群は集団頭突きで仰け反り倒れ、右手に箒を掴んだ愛衣がふわふわと宙に浮いていた。
「やるうっ!」
「…あっ!?」
コレットが叫び、安堵に表情を緩めたベアトリクスが鋭く叫んだ。
愛衣の足下近くで、倒れていた敵の中の一体がぐぐぐと身を起こしガパッと口を開いていた。
>>438 「!?」
怪光線が愛衣の右手を直撃する。対旧世界人効果95%以上カットとは言っても、
ゼロではない事は高音が身をもって示している。
「やっ、あ…」
恐怖で声も止まった、次の瞬間、愛衣の体は太股と背中を下から、
逞しい腕で支えられてガクンと止まっていた。
「あー、あかんなぁーそない油断したら」
「ここ、小太郎さんっ!?えっああっああああにょそのこここここここ…」
「けど、やるやんけ。上出来や」
「はいっ」
ニッと笑みを浮かべて自分を覗き込む小太郎の顔を見て、愛衣は真っ赤な顔のままにこっと頷いた。
「さっすが…」
「…すごい…」
着地した小太郎がひょいと愛衣を地面に下ろし、構えを取るが早いか残るは早々とお星様となる。
目の前の悪戦苦闘が瞬時に跡形も無くなった二人からは、呆れる以上の言葉が出ない。
「まー、愛衣姉ちゃんに、そちらさんは詳しゅう知らんけど、こんだけ片付けば上々…」
腰に手を当てて周囲を見回した小太郎が、鼻を鳴らして言いかける。
アリアドネー勢の顔から血の気が引き、小太郎の全身にも寒気が走る。
「くっ!とっ!?」
振り返った小太郎が、愛衣に蹴り飛ばされそうになった。
「メイ・フレイム・バスター・キィィィィーーーーーーーーーーックッッッッッッッッッ!!!」
小太郎が体勢を立て直した時には、
目の前の愛衣が高々と掲げた右脚を力強く一回転させていた。
頭部に炎渦巻く高エネルギー魔力の塊と化した脛をまともに叩き付けられ振り抜かれた黒いデカブツが、
ぐわんぐわんと揺れながらバッタリと倒れ込む。
>>439 「す、すまん…」
「いえ…いっ…」
小太郎が青い顔で言い、笑って応じた愛衣が地面に右足を付けた瞬間顔を歪めその場にしゃがみ込む。
「うらあっ!!」
「アネット・ティ・ネット・ガーネット!…」
「ミンティル・ミンティス・フリージア!!…」
その愛衣の脇で、地面からボコッと現れた新手の黒デカの腹を小太郎の拳がぶち抜き、
コレットとベアトリクスも背中合わせになって懸命の防戦をするが、
その間にも周辺の地面から壁からボコッ、ボコッ、と、黒いデカブツが次々と姿を現していた。
“…くっ…高音姉ちゃんに愛衣姉ちゃん…俺とあの二人で…”
小太郎とベアトリクスが一瞬鋭く視線を交わした。
「とっ!」
敵の間を縫う様に小太郎にぶん投げられた高音の体を、コレットとベアトリクスがガシッと受け取る。
「撤収やっ!あっちに合流するでっ!!」
「分かったっ!タカネさんは任せて!!」
「…引き受けました…」
「分かりました、たっ…」
コレットとベアトリクスが高音の体を支え、
立ち上がろうとしてふらふらと後退した愛衣の体は、腕を掴まれたかと思うと、
気付いた時にはふわりと浮き上がっていた。
「へっ?はっ?あ、ああっ、あああの…」
「脚、さっき凄い音してたで。飛ばすからな、しっかり掴まっときやっ!!」
「はっ、はいっ!!」
有無を言わせぬ小太郎の口調に、愛衣は、
言われた通りに目の前の小太郎の背中に体を押し付け、首に回した腕でぎゅっと抱き付いていた。
>>440 × ×
「つっ…」
「大丈夫かっ!?」
「大丈夫ですっ!それよりも先にっ!!」
「ああっ!!」
どう聞いても悶絶しそうな愛衣の声にも、そこに込めた覚悟を汲んで小太郎はそれ以上は言わない。
そうして、どうみても崖以外の何物でもない階段をダーン、ダーンと飛び上がって行く。
“…熱が…出て来たのかな…ふわふわして…ぽかぽかする…”
いつしか愛衣は、ちょっと硬いけど広々とした草むらに埋もれながら、
その温もりに身も心もすーっと委ねていた。
「ひゅーっ」
「…モフモフ…」
「って、シム…モトイ後ろ後ろ来る来るタカネ重いっ!!」
× ×
「愛衣姉ちゃんっ!!」
「ん、んー…」
小太郎の叫びに愛衣がふと目を開くと、ぼやけた視界に長い黒髪と掲げた手の動きが映し出される。
「悪いな、来てもろて!」
小太郎が、器用に愛衣の体を前に回し、下から太股と背中を腕で支えて地面に横たえる。
「こら、見るからに…」
「どう見ても折れていますね」
「うん、綺麗に折れてるみたい。ちょっと待ってな」
小太郎が思わず呻く様に言い、刹那が同意する横で木乃香が白扇でぱたぱたと仰ぐと、
一瞬顔をしかめた愛衣だったが、見るからに毒々しいハム塊と化していたものに本来の美しさが呼び戻される。
「…すまんかったな、俺の油断で愛衣姉ちゃんにあんな体張らせて…」
「とんでもないです、別ルートだった小太郎さんにあんなに助けてもらって、
そうじゃなければ今頃こんなで済んでいませんっ!」
>>441 ふーっと安堵の息を吐いた後、そっぽを向いて言う小太郎に、長座した愛衣がわたわたと答えた。
「けど、腕上げたなぁ、最初のアレ雑魚ぽかったけど、あんだけいたら大変やったやろ。今までやったら…」
「お陰様で、小太郎さんに色々と教えていただきましたから」
「…ねえねえ、コジローって言うか小太郎って言うか、メイって弟子だったりする訳?」
「…する訳?…」
「えっと、それは…」
「あー、俺も修行中の身やさかい、ちぃと手伝ってるだけやけどな、
愛衣姉ちゃん西洋魔法使いとしては筋ええし真面目で努力家やさかい、いい線いってるで」
口ごもる愛衣の側で言う小太郎の言葉に、ようやく高音を地面に下ろして這い寄りながら
ベアトリクスと顔を見合わせたコレットが意味ありげな笑みを浮かべる。
「ん、んー…」
「あ、タカネさん、気が付いた?」
「んで、脚、もう大丈夫なんか?」
「ええ、全然大丈夫です」
ぴょんとジャンプした愛衣がすとんと小太郎の前に着地し、
愛衣が着地姿勢のまま小太郎を見上げてにこっと笑みを浮かべ、小太郎もへへっと笑って応じる。
そのまま、愛衣がにこにこ笑ってしゃきっと立ち上がる。
どちらが先か、小太郎と愛衣がぱちくりと瞬きをする。
そのまま、硬直した愛衣の頬に見る見る血が昇り小太郎の頬から見る見る血が下がる。
愛衣がすぅーっと息を吸い込み、ベアトリクスと刹那が耳に指を入れる。
嵐が過ぎ去ったのを見計らい、コレットと木乃香が耳から手を離す。
まだぐわんぐわんと揺れそうな頭を振りながら、
立ち尽くしたコレットとにこにこ微笑む木乃香のコメカミに、つーっと汗が伝い落ちる。
「あ、ご、ごめんなさい…ひいいっ!?おおっ、おおおおにぇえ様っあああのっこれは…」
「ああ、悪い…いっ!?
あー、マテ、これはやな、どちらかと言うとあれや高音姉ちゃんの………
あーーーーーーーーうーーーーーーーーーー………」
「…お星様…」
× ×
「ごめんなさいごめんなさいホントーにごめんなさい」
「いや、ええて別に気にしてへんから、高音姉ちゃんも、な」
>>442 ローブをまとった愛衣がひたすら平身低頭誤り倒す前で、
空に輝くお星様から無事生還した小太郎が後頭部を掻いてかえってなだめる様に言う。
その側で、ベアトリクスは、
根は真面目で責任感が強くて礼儀正しくてしゃがみ込んで地面にのの字を書いている高音の肩をぽんと叩く。
「まああれや、素っ裸の姉ちゃんをそのまま引っ張り回してもうたんは確かや。
結局、俺の未熟ちゅう事やからな」
「いえ、その、そんな…あんなに助けていただいたんですから…」
もごもご言って下を向く愛衣の脇で、コレットと木乃香が笑みを交わしていた。
「裸の女引っ張り回して見てもうたからなぁ、ケジメぐらい取らへんとあれやろ」
後頭部を掻きながらナハハと笑った小太郎の前で、
ぺこぺこ頭を下げていた愛衣は真っ赤な頬のままでチラッと小太郎を見上げていた。
「小太郎さん」
「んっ!?」
呼びかけられ、そちらを見た次の瞬間には、柔らかな感触で唇を塞がれていた。
「小太郎さんっ、
じゃあ小太郎さんのお詫びのキッス、確かにいただきましたーっ♪」
小太郎が目をぱちくりとさせている間に、ぴょんと距離を取った愛衣は腰を曲げ、
くるっと回って最高の笑顔を見せていた。
「気が向いたらカードも付けて下さいねー♪」
「ん?おうっ!姉ちゃんみたいに強うて根性あって綺麗な姉ちゃんなら大歓迎や」
「ありがとうございまーす♪」
あえて、と言う軽い調子で言葉を交わす。
わだかまりをなくすための戦友の冗談。小太郎はそう受け取っていた。
>>443 × ×
「じゃあ、私達はこれで、一度艦に戻りますので」
「おうっ、気ぃ付けてな」
復活した高音を先頭に、飛び上がる前にぺこりと頭を下げた愛衣に、
小太郎もご機嫌でにこにこと手を振る。
そのまま、愛衣はコレットとベアトリクスを後続にすーっと飛び去って行った。
ゾクッ
“…な、なんや?この、かつてない戦場の悪寒…”
手を振っていたままの笑顔が硬直し、解除出来ない。
後ろを振り返ろうと己を叱咤するがそこから漂う何かが小太郎の本能にそれを拒否させている。
それは、マスクと顔との距離が徐々に開く度に、
知床岬からアラスカ、北極本土のブリザードへと着実な進化を遂げていた。
再スタート
選択して下さい
→読者視点でplay
コタ視点でplay触感付き
「背にはキョウイか温もりか」−了−
本作は以上です。
微エロと言うかエロパロ的に微妙な作品ですいません。
と言うか、ここまでどんだけ性格作ったら気が済むのかと小一時間…
縁がありましたら又どこかで。それでは。
ほしゅ
保守
infoseekの無料HP今月いっぱいで消えるらしいから保管庫も消滅!?
きえてんてー
450 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 15:08:52 ID:6Mzmw2Ek
魔法先生ネギま!出演声優総合スレPart49消化したのでどなたかたててください><
451 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 08:23:00 ID:7hZiQzbd
ホントに保管庫消えてるw笑うしかねえwwww
アリカ様のエロパロはないのか
最初にお詫びしておきます。
エロくありません。只の小ネタです。
マジごめんなさい。
それでは「かしまし裏ネギま」スタートです。
× ×
「こういう場面、私は大丈夫ですっ、って言い切って差別化したらいいのかなぁ。
あー、でもそれだと相棒から先に進めない?
やっぱり守ってあげたい健気な女の子、って言うのがいいんですよね男の人って。
特にああ言うちょっと古いタイプの男っぽさを大事にするみたいな、
そこがいいんですけど。
でもでも、やっぱりこのままじゃあ、これはやっぱりうーんとえーと
あーーーーうーーーーーーーー………」
「ナツメグ、
愛衣は何故「週刊少年マガジン」2010年第51号を読みながら悶絶しているのですか?」
「青春の悩みって奴ですお姉様」
「それで、その校則違反なアフロも青春の衝動と言う奴ですか?」
「はい、コードネームアイザワとして極秘捜査のために対策本部に、
じゃなくって、対抗手段として大洪水やオムツなどを進言した所、
その場で燃える天空を発動されました」
「やれやれですね。おや、気を取り直したみたいですが、何を用意しているのでしょうか?」
「葉書ですね」
「確かに、葉書の束ですね。何枚…」
「と言うか何十枚と言うかそれ以上…ちょっと見て来ます」
>>454 × ×
「どうでしたか、ナツメグ?」
「ファンレターを書いていました。
使える精霊を総動員して一枚一枚筆跡を変えています」
「自演乙。それで、逆転の可能性は?」
「ゼロです」
「即答ですね」
「はい、ゼロです無理ですナッシングですあり得ないです。
大体、この作者が描くと補正効き過ぎでどんだけ格好いいんだって話になっちゃってますけどね、
フラグだかスターシステムだか知りませんが、
黒髪眼鏡という萌え属性王道ど真ん中ストライク正統派美少女を差し置いて
自分だけお供に着いて行っておいてですね、
実際登場したらテロ勃発であわあわ脱がされてあうあう、これが聖典準拠って奴なんです」
「まあ、今のインフレなあの人たちと比べる方が間違ってる気もしますが」
「そうなのですお姉様。
問題なのは、その相手が今やそのインフレのまっただ中に一緒にいると言う事なのです。
あの閉鎖されたインフレ空間の中ではなかなか分からない事なのですが、
使ってるのがレア度 280年クラスの超便利アーティファクト。
これで彼とペアを組めば、99%の敵は倒せますですはい」
「あの仮面といどのえにっきとハマノツルギとドーピングと
絶対治癒とスーパーハカーとステルス偵察機と落書き…
そのマスターはウルトラスーパーデラックス火力破壊力。
一兆円とか世界の美女千人ハーレムとか
せかいだいとうりょうとか新世界の…余計な事を考えない事を祈りましょう」
「そういう事を考えないから出て来たらしいですけど。
そーんなフツー人の彼女ですら、一緒に死線を越えて、一皮剥けてくそ度胸まで身に着けた今、
そう、今となっては、彼のパートナー勧誘を断る理由はナッシーングッ。
えーっと、最初だけネギ君よりも強い魔法使い、でしたっけw
彼が拳士でもあれを使えば距離関係無いですしw」
「彼の性格だと、余程の異常な非常事態でも無い限り
わざわざ危ない所に連れて行くとも思えませんけどね」
>>455 「彼に近づく素直で可愛い美少女にフツーにフツーなそばかすほっぺのフツー人が
ジェラシーして自分の本心に気付く、
そしてそこから急接近して一歩踏み出して気持ちを確かめ合って以後べったりのパートナー」
「どこから見ても王道です本当にありがとうございました」
「そもそもその前、
最初から同居までしといて魔法世界で奴隷遭遇で彼は拳闘士だから同じ屋根の下でneo でもほぼフラグ独占」
「そもそも私達は存在すら許されませんでしたが」
「夏休み前の団子状態なんて吹っ飛んじゃいましたからねー。
彼女に泣かれた時に
そういう意味ではアウトオブガンチューの弟子Aだから誤解解けたフラグまで立てられて、
以前も以後ずーっとずーっと離れ離れの展開とは正に月とすっぽん雲泥の差。
この漫画で誰が死ぬんだって話ですから、夏休みが終わったらまた同居生活が始まるんですよ。
それも最低でも片方はバリバリ意識しまくりの状態で。これってどんなアドバンテージですか。
そっから逆転満塁サヨナラホームラン?
ナイナイナイナイナイ無理無理無理無理無理うん、それ無理。
いや、あり得ないでしょそれはもう後ろからブッ刺して別の漫画にでもしちゃわない限り」
「参考にしたのはあくまでこのかさんの過去のイメージ映像を参考にさせていただきました」
「王道展開のキングロードを地ならしして案内して尻押しする当て馬さんを
一晩でやってくれましたって事です乙枯………
ヒイイイイイィィィィィッッッッッッ!!!」
「へんじがないただのはいのようだ。
そろそろ危ないみたいですね。なんか藁を縛り始めていますし。百合板に連行して慰めてあげましょう」
「行ってらー」
いや、書かないからめんどいし
ちゃんちゃん
「かしまし裏ネギま」−了−
>>456 後記
………アタマイタイ
ここは一ついつもの乗りで一本書いてみようかと、
一週間うなった結果、こんなんしか出て来ませんでした
もっぺん謝っときますマジごめんなさい。
いや、あんなの見せられるとねぇ、原作恐るべしイイハナシダーいやマジで。
「裏ネギま」
と言うのは某刑事ドラマからいただきました。
なお、このお話はあくまで小ネタであり、実在の…
その内また何かに脳内遭遇したら出て来るかも知れませんので、
それではひとまずこれで。
−了−
458 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 17:53:56 ID:glZAQE9F
ごちゃごちゃしてて良くわからない。
保守にご協力は感謝だけど、他人に読んでもらおうと
いう気があるならもう少しなんとかならないか?
あとコテまとめてくれ
久々に来たら保管庫がなくなってる…
誰も保管庫のバックアップとってないんかな?
ここに限らず読もうと思ってたSSがあちこち無くなってて涙目・・・
ああ
どうも、お久しぶりのG・Penです。
早速ですが当日リアルタイムな季節作品
「リボンなナイト10」
投下開始します。
+ +
「しっかし、バーゲンやからて人数制限一杯、買い込んだモンやなぁ」
「うん、半分はザジさんがバードテーブルに欲しいって
後半分はいいんちょがタルト焼いてくれるから」
「それ旨いんか?」
「すっごく。ターキーの手配もしてくれるし」
「ターキー?」
「七面鳥、鳥の肉」
「あー焼き鳥か」
「んー、まあね。だから行こっ」
「ああ」
「………」
2003年12月24日午後、麻帆良学園都市内のショッピングセンター。
林檎の詰まった袋を抱えた犬上小太郎と、
同じく袋を抱えてちょっと苦笑した村上夏美が店を出るのを遠くに見届け、
同じく袋を抱えた佐倉愛衣が歩き出す。
距離を取っているのだが、
何しろ住んでいる場所が場所である。必然的に進行方向は同一のものとならざるを得ない。
そんな愛衣の遠くの視線には、しゃがみ込んだ小太郎と前向きに腰を曲げた夏美がいて、
いかめしい顔で後ろの夏美に相談する小太郎の前で、夏美はにこにこ笑ってそんな小太郎を見ている。
結局、小太郎は指輪とお金を露天商に差し出した様だ。
楽しそうに帰路につく二人の後方で、愛衣はくるりと回り右した。
「わあっ!!」
「きゃっ!?」
気が付いた時には、尻餅を着いた愛衣の周囲で大量の林檎がゴロゴロ転がっていた。
「ご、ごめんなさいっ」
「すいません」
互いに謝りながら、せっせと林檎を拾い集め正面衝突で頭突きをかます。
>>464 「あっ、すいませんっ」
「ごめんなさい」
「すいません…あれ?佐倉さん?」
「ネギ先生?」
「あのっ、ごめんなさい痛かったですかっ!?」
互いに床を這ったままようやく愛衣が相手を認識した時、
目が合ったネギの慌てた言葉に目をぱちくりさせた愛衣は、
さっとそっぽを向いて腕でごしごしと目を拭う。
「あ、大丈夫です。ホントごめんなさい」
歩道に転がる残り少ない林檎を拾い集め、愛衣はにっこり微笑んで立ち上がり、
袋の底からどざあっと林檎の大群が地面に落下した。
+ +
「あれ?」
「あ、どうも」
麻帆良学園女子寮の一室で、ナツメグこと夏目萌が、
思わぬ珍客を同伴して来た友人を迎えて目をぱちくりさせた。
「ナツメグさん、取り敢えず、何か入れ物持って来て」
+ +
「一緒に運んで来てくれたんですか、ありがとうございます」
「いいえ」
林檎を運び込むついでに上がり込む形となったネギが、萌の言葉に礼儀正しく応じた。
「それじゃあ、僕はこれで」
「いえ、お茶ぐらい飲んで行って下さい」
「いえ、お気遣い無く」
「いいから、お礼ぐらいは。ね、メイ」
「うん」
愛衣もにっこり笑って応じたので却って失礼と思い直して
ネギもテーブル前のクッションに座り直すが、萌の方には少々別の思惑もある様だ。
>>465 「どうぞ」
「ありがとうございます」
「ふーん、やっぱり大活躍だったんですね」
ぺこりと頭を下げ、愛衣の入れた紅茶を傾けるネギの隣で、
ネギの話を聞いていた萌がうんうん頷く。
「その辺の事はメイからも詳しく聞けなかったから。
私は置いてきぼりだったし。いや、やっぱり凄いですネギ先生」
「いえ、そんな…」
「普通に英雄レベルですから、謙遜も何もないですよ」
ふふっと笑って近くに座り、愛衣が言う。
「紅茶、どうでしたか?イギリスの方は紅茶にあれとか
コーヒー出したら白手袋をぶつけるとか左手で握手するとか…」
「美味しいです、ありがとうございます」
ちょっと恐る恐る尋ねる愛衣に、ネギはにこっと無邪気な微笑みで返答した。
「良かった。ちょっと待ってて下さいね」
パタパタと台所に引っ込む愛衣を、萌は微笑ましく見送る。
+ +
「いい匂いがします」
「そうですね」
「はーい、お待たせしましたー」
台所から大皿を持って来た愛衣に、萌はぱーっと両手を上げて歓迎した。
「アップルパイにアップルティーでーす」
かちゃかちゃとパイとティーセットがリビングに運び込まれ、パイが切り分けられる。
>>466 「さっきの林檎ですか?」
「ええ」
「ええ、ホントは今夜のパーティーで色々使う予定なんですけど、
全部使う訳じゃないですから予行演習もかねて。
なんて、ホントは傷んだ林檎も焼いてお腹に入れればおんなじだって言ってましたから」
「ナナナナツメグさん言ってません言ってませんよネギ先生」
「はい」
あわあわと弁明する愛衣とにっこり笑って応じるネギを、萌はくすくす笑って見守る。
「じょーだん、冗談ですネギ先生。この娘本当に真面目でいい娘なんですから。
さ、いただきましょう」
「そそそうです、ネギ先生、どうぞ召し上がって下さい」
「はい、いただきます…」
「いただきます」
それぞれが食事の挨拶を交わし、もぐもぐと一切れ目を平らげる。
「うん、美味しい」
「美味しいです」
「良かった、ありがとうございます」
皆の反応に、愛衣はほっとした様に胸を撫で下ろす。
「ホント、メイって可愛くって真面目でお料理も上手で、出来た嫁でしょネギ先生」
「え、あ、えーっと」
「ちょっと、なんですかナツメグさん嫁ってぇ」
「ほらぁ、学園祭で武道会とかヒーローユニットとかやってましたから、
私の学校とかでもけっこー人気あったりするんですよメイって」
「そうですか。学園祭ですか」
ネギがちょっと懐かしそうに言う。
「学園祭…」
ふっと笑みを浮かべた愛衣が下を向いた。
「ね、そう思うでしょ!」
いきなり萌が大声で割り込んだ。
>>467 「ネギ先生も。メイって結構いい線行ってるって」
「ち、ちょっとナツメグさんっ」
叫ぶ様に言う萌に、愛衣が真っ赤になってわたわたと手を振る。
「はい、きれーな女の人です」
そこに、ネギの必殺素直なお子ちゃまホメ言葉が炸裂し、
これはもうヒト科の牝の本能と言うレベルの直撃で愛衣がぷしゅーっと湯気を噴く。
「ひゃーっ、これが噂の…侮れないわ子供先生」
その直撃を間近で見ていた萌も、頬を赤らめながら潤んだ瞳で瞼をぱちぱちさせていた。
「んー、それでですね、ネギ先生」
「はい」
テーブルを挟んでにじり寄って来る雰囲気の萌に、ネギは相変わらず素直に反応する。
「実際の所あれですよ。ネギ先生ぐらいの男の子って、
どれぐらい女性に興味があるんですかぁ?」
「え、えっと、その、女の人に、興味、ですか?」
「そ、ネギ先生なんてぇ、あんな凄い女の人たちとパーティー組んでマスターなんですよね今の所。
何が凄いって、あの先輩達だもん実力的にも凄いけど女的(おんなてき)にもね、メイ」
ちょいちょいと手を振って何とか萌を止めようとしていた愛衣も、
この萌の言葉にはうんうん頷いていた。
「で、どーなんですか?」
「あー、えーと、その…
はい。皆さんその凄く綺麗な人で、
みんな尊敬できる素晴らしい人達ばかり、ですけどその…」
「うーん、やっぱり優等生。
えーと、確かあのお二人と同居してるんでしたよねネギ先生」
「は、はい」
「そーですか。あんな綺麗な先輩二人と寝食を共にしてあれですか、どーですか?
それともえーと、いつもあんな綺麗な年上のお姉さんに囲まれて暮らしたりしちゃってると
あれですかお二人って言うか女性全般に飽きちゃったりしちゃったりするんですか?
もしかしたら、本当に…」
そこまで言って言葉を切る萌に、ネギと愛衣は思わずごくりと息を呑んだ。
>>468 「もしかしたら本当に…女の人より男の人に興味があって
コタロー君といけない関係に…ストォーップメイストォーップッ、
ジョーク、イッツジョークッ!!」
愛衣が掲げた両手の上に太陽の様に輝く火球に、
腰を抜かした萌が絶叫する。
「えーと、あの、ナツメグさん、いけない関係とかそれって…」
「あー、気にしないで下さい一生知らないでいい言葉ですから。
最近ナツメグさんちょっとパルさんと意気投合して若干脳味噌腐ってるだけですから」
「ひどーいメイひどーいっ!!言うじゃない」
座り直して紅茶を傾ける愛衣に萌が抗議する。
「………が嫌いな女の人はいませーんっっってっ!!」
「誰もナツメグさんの好き嫌いは聞いていません。
で、どうなんですかネギ先生」
「お、やっぱ気になる?
だよねー、ネギ先生はとにかく、メイが困るからね彼がそういう…
ストォーップッメイストォーップッ、ジョーク、イッツジョークッ!!
で、それでどうなのネギ先生って、あんな綺麗な先輩と同居なんかしちゃったりして」
「い、いえ、そんな事は。ええ、アスナさんもこのかさんもとっても綺麗な人でアスナさん…」
腰を抜かした萌に切羽詰まった声で詰め寄られ、
ちょっと上を向いていたネギの頬が不意にぼっと赤くなった。
「ふふーんっ、赤くなりましたねーネギせんせー、
その人が本命だったりしちゃうんですかー?」
「ちちち違ッ、い、今のはそーゆーことじゃなくってッ、お、思い出しちゃって…」
「思い出した?うふふっ、ネギ先生何思い出しちゃったんですかね。
あれ?何?なーんかいけない事思い出しちゃった?」
「もーっ、ナツメグさん可哀相ですよっネギ先生マジメなんですからぇ」
まんま顔に出るネギの反応を見て、ぐいぐいとのめり込む萌に愛衣が割って入る。
「あー、ごめんごめんごめんなさい。
そーなのよ、ネギ先生もメイもマジメなんですから。
うーん、私も普段は至って真面目キャラで通ってる筈なんですけどね。
キャラ崩壊とかじゃなくってネギ先生があんまり可愛いんですから」
「えーとナツメグさん、誰に言い訳してるんですか?」
「い、いえ、大丈夫ですはい」
>>469 ふふっと肩をすくめて笑った萌に、気を取り直したネギが答える。
「でもー、やっぱり気になりますねー」
腕組みをした萌が、横目でネギを見て言う。
「だってネギ先生イギリス紳士だから、
正直どこまでホントかって全部ホントってのが厳しいんですよね女として。ねえメイ」
「う、うん…じゃなくって…」
思わず同意してしまった愛衣が慌てて否定の言葉を探す。
そんな愛衣に萌がごにょごにょと耳打ちし、目を見開いた愛衣はブンブンと首を横に振るが、
萌が負けじと耳打ちして、しばらくやり取りが続いた。
「ちょっと待ってて下さい、ネギ先生」
結局、根負けしたかの様な萌に連れられ、愛衣は萌と共に台所へと引っ込んだ。
+ +
「真っ赤なおっはっなっのぉーっ、トナカイさーんーはーっはいっ」
「いっつもみーんーなぁーのぉーっ、わーらーいーもーのーっ」
台所から最初に飛び出して歌い上げる萌に促され、
愛衣もヤケクソの様に叫び出す。
だが、歌が続くに連れ、目を丸くしていたネギも二人の息の合った合唱を楽しんでいた。
ネギの周りを行進しながら歌い上げる二人にネギはパチパチと拍手して、
二人はネギの両隣を挟む様に着席した。
「どーでしたネギ先生」
「はい、とっても可愛くて良かったです」
ネギの素直な褒め言葉に、萌はにっこり笑った。
「メイも似合ってるでしょー」
「はい、サンタさんとっても可愛いですよメイさんもナツメグさんも」
「ふふーんっ、嬉しい事言ってくれますねーネギ先生。
メイったら素材がいいからねー、こういうセクシー系もバッチリ似合っちゃうの。
やっぱりネギ先生もこーゆーの興味あったりするんですかー」
>>470 愛衣とお揃いの肩出しミニスカサンタ服姿で、萌は隣に座るネギにやや前屈みになりながらにじり寄る。
そうされながら眼鏡越しに潤んだ黒い瞳で見つめられ、ネギの顔は自然別方向を向く。
既にミルクの様な柔らかな頬は真っ赤に染まっていた。
「あっ、あのそにょ、
あのネギ先生これはあくまで女子会でその女の子同士でおふざけに披露する予定でしてその…」
萌の言葉に、
お揃いの肩出し腕出しミニスカサンタ服姿の愛衣はその身を縮こめる様にしながら赤い顔で弁明する。
「なーんてっ」
そんな愛衣の背後に、萌がそーっと近づいた。
「きゃっ!」
「ねーネギ先生。メイってば細く見えてるのにけっこー凄いでしょー」
「は、はわわわあっ」
「もーっナツメグさんっあんっ」
愛衣のほぼフルカップで胸を覆った所で途切れていたサンタ服から、
萌の両手に下から持ち上げられてハーフカップ近くまではみ出す中身を前にして、
ネギはあわあわ腕を振って真っ赤な顔を横に向けている。
「ねーメイ、あのネギせんせーですら陥落なんだから。
メイってば素材も中身も一級品なんだから。
最初っからこーしてればイチコロだったかもねー。
こっちじゃ明らかに勝ってるんだからこのアドバンテージでかいよー実際でかいんだもん」
+ +
「ふぁーっくしょっ!!」
「おおっ、びっくりしたなぁ、風邪かいな?」
「ううん、大丈夫。どうしたんだろ?」
+ +
パッと手を離してケラケラ笑う萌の前で、愛衣は下を向いている。
愛衣の声が止まったのに気付き、ネギが前を見直した。
「うっ、うぐっ、うっ…」
「あの、佐倉さん?…」
「ふっ…うええっ、うわあぁーんっ!!!」
>>471 いきなり号泣し出した愛衣を前に、ネギは思わずのけ反った。
「ふえぇーんっ!
どうして、どーしてどうして私じゃ駄目なんですかぁどうしてぇっ、
私、私だったら私ぃ、うええっ、これから、これからこれから、
部屋に帰って一緒にパーティーして一緒の部屋で休んで一緒の部屋に暮らして、
それでそれでいつも一緒でうえっ、うえぇえんっ、うわぁーーーーーーーんっっっっ!!!」
ひとしきり泣き叫んだ愛衣は、目の前できょとんとしているネギを見て慌てて袖で目をこすった。
「あっ、あにょっ、ごめんなさいっ!!」
愛衣が立ち上がり、どたたっと洗面台に走る。
「佐倉さんっ?」
「あー、いいですネギ先生」
思わず腰を浮かせたネギを萌が制する。
「ありがとうございましたネギ先生」
「え?」
「そうなんですよねー、ルックスも上々で結構モテモテ、
勉強も魔法も優秀でも、こればっかりはままならないものって世の中あるんですよねー。
あの方がまだマシです。
夏以来着々と鬱ってるのにフツーにしてるから、こっちの方が気が滅入ります」
「はあ…」
第一話投下、終了です。
残り一話か二話って所だと思います。
今回はここまでです。続きは近々折を見て。
頑張りは評価する。
エタる気配しかしないのが怖いところだが
>>473 期待の斜め上を突っ切る事が出来る様に頑張ります。
それでは第二話投下、開始します。
>>472 + +
「そう言えば、この部屋ってお二人で住んでるんですか?」
沈黙の中、ほぼ同時に紅茶のカップを傾けてから、ふと気が付いた様にネギが尋ねた。
「ええ。元々学校は別ですけど、
裏の仕事の関係で色々と口実を付けて同居と言う事になっています」
「そうですか」
そこで会話が途切れ、差し向かえにテーブルについた二人はほぼ同時に紅茶を傾ける。
そうしていると、バスローブ姿の愛衣がスタスタとリビングに現れた。
「どうしたのメイ」
「うん、急だったから着替え用意してなかった」
「いや、あの…」
バスローブがばさっと落ちて、セミロングの髪の毛が流れる白い背中、
くりっと丸っこいお尻を見たネギが思わず紅茶を噴き出した。
「?」
くるりと振り返った愛衣とネギが無言で見つめ合う。
「ごっ、ごめんなさいっ!」
ネギと愛衣が同時に叫び、わたわたとネギは横を向き愛衣はバスローブを身に着ける。
そして、愛衣はつかつかとネギに近づいた。
「ネギ先生」
「はわわわっ、ごごごごめんなさいっ」
「H」
ふふっと笑みを浮かべ、愛衣の拳がこつんとネギの頭に当たる。
>>474 「あああのっ、僕何も見てませんからっ!」
「なんてね、ごめんなさいネギ先生」
「いえ、こちらこそ」
ネギが顔を上げると、バスローブ姿の愛衣がネギの顔を覗き込む様にやや前のめりになっていた。
実の所、そんなネギの目の前でバスローブの前の合わせはかなり大きく緩んでいた、
それが気にならなかったと言うのは嘘になるが、
それよりもネギは愛衣の寂しげな笑顔の方に引き付けられていた。
「駄目ですねぇ」
愛衣は、そう言いながら背筋を伸ばし上を向いた。
「女子校の女子寮長いとどうしても忘れちゃうんですよねぇ、男の子の事なんて。
ホント、駄目だなぁ」
「佐倉さん…メイさんっ!」
ネギの決然とした口調に、愛衣と萌がはっとそちらを見る。
そんな愛衣の前に、ネギはしゃきっと立ち上がっていた。
「メイさんは、メイさんは素敵な女性(ひと)です」
ネギは、一拍置いてから言い切った。
「メイさんは、とても、とっても素敵な女性です。
綺麗で優しくて、勉強も魔法も一生懸命で。
恋愛だから、恋愛ってそういう事もあるんだって。
でも、でもメイさんは、メイさんはとても、とても素敵な女の人です」
しっかり前を見て言い切ったネギを、愛衣はきょとんと見ていた。
「…あっ、あのっごめんなさいっ。
僕、僕その恋愛の事とかなにも分からないのに
年上の女の人にそんな分かった様な事言って…」
ぺこぺこと頭を下げていたネギのその頭に掌が乗せられた。
くしゅくしゅと頭を撫でられたネギが顔を上げ、優しい笑顔を見た。
「ありがとう、ネギ先生」
「い、いえ…うぶぶっ!!」
ネギがこれ以上何かを言う前に、ネギの顔はしっとり湿ったバスローブにぎゅっと押し付けられていた。
>>475 「ふふっ、ネギ先生。あんなに英雄で凛々しくて逞しく活躍してたのに、やっぱりまだ…」
「え、えっと、メイさん…あ、あのっあっ、なっ、あーっ…」
「?」
ぎゅっと抱き締めた腕の中に奇妙な痙攣を感じた愛衣がその腕を緩めると、
ネギはその場にへたっと腰を抜かしていた。
「あ、あの、ネギ先生?」
丸で震え出しそうな青い顔でその場に座り込むネギを見て、
愛衣が心配そうに声を掛けて萌も近づいてきた。
愛衣が一歩踏み出すと、ネギはバッと内股に体を縮めてその内股に両手を挟み込む。
「…あのー、ネギ先生。もしかしてお漏らし、とかしちゃいました?」
心配そうな愛衣の隣で、萌が淡々と尋ねる。
その返事はネギの顔に書いてあった。
そんなネギの前に萌がしゃがみ込み、にっこりと微笑んだ。
「大丈夫ですよネギ先生。
ほらメイ、ネギ先生も男の子じゃなくって男だったんだって。
ネギ先生が健康に男性として成長しているあかしですから」
後ろで聞いていた愛衣も、それを聞いてぽんと手を打った。
「あ、えっと、それじゃあこれって…」
「ネギ先生、確か大卒レベルの学力と伺いましたがこれは保健体育とか…」
理解の追い付いた愛衣の冷静な問いかけに、ネギがこっくりと頷いた。
+ +
「じゃあ、ネギ先生もシャワー使って下さい。
このまま帰る訳にもいかないでしょう」
「うん、そうそう。お風呂で洗濯しちゃってもいいですから」
愛衣に続く萌の勧めに従い、ネギは部屋のユニットバスに移動する。
リビングに残った萌が愛衣にごにょごにょと何やら耳打ちしていたのは、その後の事。
とは言え、一応裸になってバスタブに入っては見ても、
まだどこかネギの頭の中はぐちゃぐちゃだった。
>>476 「こんにちわー」
その事を自覚し、バスタブの真ん中に真っ裸で突っ立って腕組みして目を閉じて整えていたネギの思考は、
その可愛らしい挨拶により一撃で木っ端微塵に吹き飛んだ。
「…!?!?!?」
ネギがその声に周囲を見回すと、仕切りのカーテンの向こうから、
この場所においてはごく一般的に当たり前の姿の愛衣と萌がバスタブに踏み込んでいた。
「えっ?あっ、あのっメイさん夏目さんあのっ…」
「聞いてますよーネギ先生」
わたわたと真っ赤な顔の前で腕を振るネギの前で、萌がふふっと笑った。
「イケメンで逞しくてスーパー魔法使いで英雄の天才お子ちゃまネギ先生の唯一の弱点。
お風呂が嫌いで放っておいたら体を洗うのも嫌がるから、
アスナさんとかクラスの皆さんでピカピカに丸洗いしてもらってるって」
「ちちち違いますっ!」
萌の思わぬ暴露に、ネギが悲鳴を上げた。
「あ、嘘だったんですか?」
愛衣が真顔で尋ねる。
「あのっ、それはその、嘘、と言いますかその今はそんなにちゃんとあのそのっもごもご…」
「はいタイムオーバーしっかーっくっ。
だって、私達のお部屋のお客さんをそんなきちゃないまんまお返ししたら、私達がね、メイ」
「はい、ネギ先生の事とってもとっても大事にしてるアスナさんから、
あの魔法使いの天敵で三枚下ろしにされちゃいますよ私達。それでもいいんですか?」
「え、えーと、あううっ!」
そうこうしている内に、ネギは立ったまま背後から愛衣に羽交い締めにされて、
その感触に気付いたネギのイメージ映像にはぷしゅーっと湯気が噴出した。
「んふふっ、でも、ちょっと安心しました」
そんなネギの前に回った萌が、ふふっと微笑んで言った。
普段も似合っているが、その、眼鏡を外した笑顔をネギは素直に可愛いと思った。
>>477 「あっちの世界の人とかじゃなくってネギ先生、
色々天才過ぎてそういう俗っぽい感覚なんてなくなってるんじゃないかとか、
私達にも聞こえてますよ、いつも無理やり引っ張り出さないと遊びにも行かないって。
一生懸命努力し過ぎて、何か忘れちゃったんじゃないかとか。
でも、ネギ先生。ネギ先生もちゃんとスケベな男の子だったんですね、いい意味で」
「あうっ、萌さん、それはそのあうぅ…」
「ふふっ、どうですかーネギ先生。
メイにはちょっと負けるけど、結構いい線行ってるでしょー」
「え、えーと…夏目さん…」
「んー、私の事はフレンドリーに呼んでくれないんですかネギ先生は?」
「あ、あのっ、すごく、綺麗です萌さん」
ネギの前に立ち、右耳の辺りに右手を当てて軽くくねるポーズを取った萌に、
胸の前で両手の人差し指をちょんちょんと合わせていたネギがもごもごと言う。
ネギはちらちらと上目遣いに見ていたが、実際、麻帆良女子の特徴(例外あり)と言うべきか、
萌の裸体も又、年齢を考えると出る所はそこそこ発達していて若い娘と言っても良かった。
「うーん、ネギ先生の場合、誰にでも言っちゃいそうですからねー、それも本心で。
でも、体は正直、みたいですから信じちゃいます♪」
「はううっ!」
しゃがみ込んだ萌にピンと指で跳ねられ、
羽交い締めにされたとは言え隠す事も忘れていたネギが声を上げた。
「あっ、あのっ萌さんっ」
「ちゃんと、ピカピカにして3Aにお返ししまーすっ」
「はううっ!」
ネギの目の前でしゃがみ込んだままボディーソープを泡立てた萌の両手に両サイドからしっかと掴まれ、
ネギは顎を反らして悲鳴を上げていた。
「ふふっ、こんな風にカチカチになるんだねメイ。
私ったらセクシーダイナマイト?それとも背中のおっぱいがいいのかなー」
余程の特殊事情がない限り、
大体この年代構成で似た様な事をすれば似た様な結果になろうと言う事を知ってか知らずか、
萌はにこにこと楽しそうに作業を開始した。
無論、今の段階で何がどうなってどうなるか、本当の意味では知っている筈も無かった。
第二話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは近々、折を見て。
短くてすいませんが引き続き第三話目の投下、入ります。
>>478 + +
「ま、待ってっ、萌さんっ!あっ、あああんっ!!」
ネギの切羽詰まった声と掌の中の一際の熱い膨らみに、萌は本能的に手を止めた。
気が付いた時には、萌が頬に残る熱い感触を覚えながら目をぱちくりさせ、
ネギが荒い息を吐きながらくてっと下を向いていた。
「あ、あの萌さん…」
「ふふっ、元気元気。男の子ってこんな風になるんだね。ね、メイ」
「はい」
ネギから見えない部分もあるが、泣き出しそうなネギの声に、
二人の美少女はにっこり微笑んで応じていた。
萌がばしゃばしゃとシャワーで顔を洗い、メイに何やら耳打ちをする。
メイは、ここの所毎回だが最初は嫌々していて、
その内押し切られた様にネギの前に腰を下ろす。
前を隠していたネギだったが、メイがやけに真っ剣っな表情でそこを凝視していたので、
後ろに回った萌にされるがままに腕を取られた。
「はうっ!メイさんっ!?何を?…」
「どーう、メイ?」
「なんかぐにゅぐにゅ、すっごく変な味…んっ、む、むっ…」
「ネギ先生?やっぱり、男の人ってこういうの気持ちいいんですか?」
「は、はい、凄く気持ちい、あでもあのっメイさんのお口にっ…」
「ん。きれいきれいで元気になった所で、お預けにしようか。
どうだった、メイ?」
「うん、口の中でそのあれが段々大きくなって、その…」
「ネギ先生。
ネギ先生の可愛いおち○ちんがお口の中で成長して大きくなってビンビンに硬くなって感動したってメイが」
「そ、そこまで言ってないって!」
「ふふっ、本当だったらね、あのやわらかーいおっぱいにも挟んだりしちゃったりするんだって」
「えっ?」
「ふふーんっ、反応してる。ネギ先生おっぱい大好きみたいだし。しちゃいますか?」
「あ、あの、その…」
「ふふっ、意地悪はお預けです」
>>479 もごもごと葛藤するネギを嬉しそうに覗き込みながら萌が宣言した。
+ +
「きゃーっ、似合ってるーっ」
リビングで萌が嬌声を上げ、愛衣も思わず手を叩いていた。
ユニットバスを出たネギは、ほこほこと湯気を立てる体を二人がかりで拭いて貰い、
先にリビングに移動した。
そこで、言われるままに着用したのが肩出し腕出しのミニスカサンタ。
それを見た二人の感想は、反則、以外の何物でも無かった。
「それじゃあ何はともあれサンタが三人メリー・クリスマス」
「メリー・クリスマス」
三人が戻ってテーブルについた所で、スパークリング・ジュースで乾杯をする。
ネギを挟む形でその両サイドに座っている愛衣と萌は、
ブラックサンタ姿だった。
「あのー、こういう服ってどこで?」
「ああ、ネットで麻帆良向けのレンタルサーヴィス見付けたもので。
こちらで裏取った所、メイの学校の先輩に当たる人がメモリ増設に予算食い過ぎたとかで
串刺して臨時の副業を始めたそうです」
「そうですか」
スパークリングで喉を潤し、にこにこ笑って解説する萌の方を見て返答したネギは、
その視線をつつーっとあらぬ方向へと変更する。
「あれあれ、ネギ先生」
目敏く気付いた萌がにっと笑みを浮かべた。
「どーしたんですかぁネギ先生?」
そう言いながら、萌は、
胸元を両方の肘の上で挟む様な形を取りながら、ネギの方向へと体勢を緩める。
>>480 「あ、いえ、その…」
そのまま愛衣の方を見たネギに、愛衣がにっこり微笑みかける。
「どうしましたか、ネギ先生?」
「い、いえ、それはその…」
愛衣は、ほんのり頬を染めながら優しく微笑みかけ、さらりと尋ねる。
その瞼は半ば閉じて、そこから見える瞳は何かとろりと熱い光を帯びていた。
「ふふっ、ネギ先生。又、見て見たくなっちゃいましたか?」
「そそ、そんな事…」
優しく問いかける愛衣を見ると、下を向いたネギがもごもごと口を動かす。
そんなネギの横で、愛衣はむしろ誇示する様に体をネギへと傾ける。
ネギがちょっと横を見ると、愛衣は萌とお揃いのミニスカブラックサンタ姿。
ハーフカップの胸元からは綺麗な半球が半ば溢れ、
ほんのり赤みがかった白い丘から谷間へとつーっと汗が伝い落ちていた。
「ふふっ、ネギ先生」
「は、はい」
「うーん、どうしようかな?
ネギ先生が本当に何を見たいのか口に出して言ってくれるんなら、
私もサンタさんですから、ちゃーんとプレゼントして差し上げますよ」
人差し指で顎を差しながら、上を向いた愛衣が言う。
「どーします、ネギ先生?」
愛衣はにっこり優しく微笑みかけ、その横で下を向いたネギの
ミルクの様な頬は真っ赤に染まって顔中にだらだらと玉の汗が浮かんでいた。
「見たい、です?」
「え?」
「僕、メイさんの裸、見たいです」
「…ホントに言っちゃった…」
きょとんとした愛衣とぽつりと言った萌に挟まれ、ネギはガタガタ震えだした。
「あああのっ、ごめんなさいそんな女の人にじじじ冗談ですよねもちろんあのうぎゅう…」
猛烈に何かを言っているネギの両方の頬が、愛衣の両手に挟まれた。
>>481 「私が一度自分で口に出して約束して、
あの真面目で無欲なネギ先生が正直に口に出して言ってくれたんです。
私も女です、二言はありません」
そう言って、愛衣はぴとっとネギの額に額を合わせる。
ふふっと笑ってネギから離れた愛衣は、ネギの前にふらっと立ち上がった。
第三話目投下、終了です。
細切れですいませんが今回はここまでです。続きは近々、折を見て。
それでは第四話目投下、入ります。
>>482 + +
呆然と座り込んだネギの前で、
愛衣は思い切り良くサンタ服の透明ストラップを外し、
元々がセクシー仕立ての衣装をするりと剥いていく。
よく分からないが、これも愛衣のプライドなのだと何となく理解したネギは、
今度は目を背ける事なく、そして背ける事が出来なくなってほーっと眺めていた。
「どうですか、ネギ先生?」
「…凄く、綺麗です…」
と言うのが本心だし、他に言葉が見付からなかった。
申し訳程度に手を添えただけの、生まれたままの姿の愛衣が
ネギの前にしっかりと立っている。
その僅かな手の陰以外はそのままネギの視線に晒されているその体つきは、
膨らむ所は膨らみながら無駄なものは見当たらない。
普段のネギの周辺がその意味では平均値をぶっ壊している事を考え合わせても、
更にその一つ年下であり、ネギから見たら年上のお姉さんである愛衣の裸体は、
年齢を考えると早熟と言えるぐらいに若い女性としての形に近づいていた。
「ありがとうございます」
そうやってはにかんだ愛衣は、ほんのりと頬を染めながらギリギリ両手を最終ラインに添えている。
その仕草が又、やや大人に近づく体つきに青さを漂わせ可愛らしさを醸し出す。
「ネギ先生もこちらに」
愛衣にそう言われ、ネギも又ふらふらと立ち上がり、愛衣に近づいた。
「ネギ先生も脱いで、くれますか?」
そう問われて、実際自分の言葉で愛衣に恥ずかしい思いをさせてしまった、
そう考える真面目なネギに他の選択肢は無かった。
「さすが歴戦の猛者、逞しいです」
愛衣が素直に賞賛するが、
それを受けてもネギが真っ赤な顔を下に向けて肝心な所を手で覆う事は無理からぬ所だった。
>>483 「ネギ先生も脱いだんですから、もっと見てもいいんですよネギ先生」
「は、はい…」
愛衣に促され、ネギはちらっ、ちらっと上目遣いになるが、
目に入るのはにこにこと優しい笑顔が精一杯と言うのが実際だった。
「ネギ先生、私のおっぱい、どうですか?」
「そ、その、綺麗です」
「そうですか。アスナさんとどっちがいいですか?」
「あ…」
口をぱくぱくさせるネギの目を見ながら、愛衣はすっと一歩近づいた。
「ふふっ、そーですか、ネギ先生アスナさんのおっぱいも見ちゃってるんですか」
「あああのっそれはそのずっと前にその見たんじゃなくてたまたまあの…」
舌が回らないネギの額を、にこにこ微笑む愛衣の人差し指がちょんと押した。
「駄目ですよー、ネギ先生。
こんなんじゃ、浮気なんて絶対出来ませんねー」
「だからいいんじゃないのー。ネギ先生なんて彼氏にしたら大変だよー、
将来スーパー天然ジゴロなんだから、これで浮気性なんて言ったら、愛人の数数えるだけで胃に穴空くって。
んー、でも、あっちもネギ君の事言えないか…」
「え、えっと、あの僕そんなあのっ…」
「はいはい、
ネギ先生が真面目で優しくて誠実なのはよーく分かってますから。本当ですよネギ先生」
「はい…」
愛衣ににっこりと微笑まれ、何か完敗の気分でネギは下を向くしかない。
「で、どうなんです?見てるだけでもうお腹いっぱいですかネギ先生?」
愛衣も又、両腕で軽く膨らみを挟むテンプレグラビアポーズで
ちょっと腰を曲げた上目遣いにネギの顔を覗き込む。
「あの…触って、いいですか?」
「どうぞ。でも、優しくお願いしますね」
ごくっと喉を鳴らして申し入れるネギに、愛衣はにっこり微笑んだ。
>>484 「んふっ、ネギ先生?」
「あったかい…」
お手頃サイズのバストを包み込む様に掌で覆い、ネギはほーっと呟く。
「ふわふわ柔らかくて、ぷるぷるしてる…」
「あっ、つっ」
「メイさん?」
「大丈夫、もうちょっと優しく。
女性の、特に成長期のおっぱいって敏感に出来てるんです」
「は、はい」
そう注意した愛衣は、くすくす笑みをこぼし始めた。
ネギの手つきがくすぐったかった。
その内、そんなネギの掌は、加減を確かめ覚えるかの様に、段々と柔らかく揉み始める。
「あ、ネギ、先生?」
「あの、硬くなって」
「うん、気持ちいいからこんな風に。
ここも触って、ここ、おっぱいよりもっと敏感だから」
そう言われて、ネギは柔らかな丘の上にピッと尖ったピンク色の蕾に指を添える。
そうしながら、そこを凝視し生唾を呑み込む、その仕草を隠せないネギの顔に愛衣はくすっと笑みを漏らす。
「ネギ先生」
「は、はい」
「おっぱい、ちゅうちゅうして見ますか?
男の人ってみんな、そういうの好きみたいですけど」
「は、はいっ」
「ん…あっ?あ、んんっ…」
かぷっと吸い付いたくすぐったさに愛衣は苦笑を漏らしたが、
そのまま無心で吸い続けているネギの安らかな顔を見下ろしていると、
そう言えばネギの家庭環境も複雑だったとかも思い出して
風呂上がりで束ねを解いているネギの後ろ髪に愛衣の掌が優しく伸びる。
最初は恐る恐る、壊れ物を触るみたいに掌中の玉に手を伸ばし唇を寄せていたネギと、
それを余裕で見下ろすお姉さんの愛衣だったが、
ネギが夢中になるに連れ、段々と雲行きが妖しくなって来る。
>>485 「んんっ、ネ、ネギ先生?あっ、ちょ、あ、あーっ…」
「メイさん?」
「嘘、おっぱいだけでイカセちゃった?」
愛衣が思わず顔をしかめ、その後で伸びやかな声と共に表情を解放してからピンと伸びた背筋も緩める。
ちゅうちゅうと夢中で吸い付いていたネギもその異変に気付く。
その様子を面白そうに眺めていた萌も目を見張って息を呑んだ。
「あ、あの…メイさん?」
「ん、んっ、大丈夫、ネギ先生のが凄く気持ちよかったから…」
「良かった…気持ちよかったんですね」
「え?あの、ネギ先生?あの、ちょっと、あのっあっあっあーっ…」
「メイさん?」
「嘘、おっぱいだけでイカセちゃった?」
そう呟いてへたっと座り込んだ萌の両手は、
既に胸元とミニスカからその中へと滑り込んでいた。
+ +
「あ、あのっ、メイさんっ?」
ガクッとネギに体重を預けて来た愛衣の異変に
さすがにおっぱいへの未練も忘れて愛衣を支えるネギだったが、
そんなネギの両肩がガシッと掴まれた。
「ネーギ先生?」
「は、はい…」
そんな愛衣の、
太陽の様に明るく妖艶にして凄絶な笑みは並の猛者でもチビリかねないものだった。
「ん、むっ!?」
ネギが他の場所を見ようとすると、
ネギと愛衣が今どういう格好をしているのかが嫌でも目の当たりになる。
そんなネギの肩を掴んで微笑んでいた愛衣はそのまま軽く膝を曲げ、
真っ赤に焼けて下を向いていたネギの頬を両手で挟み込んだ。
>>486 「ん、んっ…」
最初は目を見張っていたが、そこは歴戦の猛者。
愛衣による接触を確認したネギの唇は、そのままどちらともなく舌の参戦を誘発し、
気が付いた時には互いに貪り合うスタイルを確立していた。
「うふふっ、ネギ先生やっぱりお上手。
そうですよね、一杯一杯キスしちゃってたんですもんね。
そうですねー、私もお願いしてみようかな、
硬派は一時お休みして、ライダーじゃなくて仮契約ゴレ○ジ○ーとか作ってみませんかー、とか」
「その意気その意気ーっ」
胸の前でちょんちょんと人差し指と人差し指を合わせているネギをおいといて、
愛衣のプランにアホな煽りを挟み込む萌の声を聞きながら
愛衣はどこかとろーんとした眼差しのままでもう一度キスをする。
キスをした唇を、そのまま下へ下へとネギの唇から顎、その下へと伝わせる。
「あ、あんっ」
「ふふっ、お返しです。男の子もこの可愛い乳首で感じちゃうんですね」
うっとりとした口調で言いながら、愛衣はゆるゆると膝を曲げていく。
ネギはハッと両手で覆い隠そうとしたが、
ネギの目の前にしゃがんだ愛衣にその両手首を掴まれると、ネギの手には力が入らなかった。
「ネギ先生の男の子。こんな、まだ可愛いぐらいなのに、ピンピンに上向きになってます。
ネギ先生、私を見てこうなったんですか?」
「はい、メイさんが、メイさんが凄く綺麗だから、そしたらもう…」
絞り出す様に言うネギの声を聞きながら、愛衣はくすくすと笑みを浮かべていた。
「あっ…愛衣さん?そんな所あうっ!」
愛衣が、その目の前で精一杯天を向く白っぽい幹に唇を寄せ、
俗に西洋の横笛に例えられる方向で唇に挟みはみはみする。
>>487 「どうです、ネギ先生」
「あ、あっ、くすぐったいです、でも、又ああっ駄目ですぅあっ…」
「私の方がお姉さんなんですから、いけない雑誌とかお喋りとかぐらい」
「そうそう、メイって真面目に見えて実際真面目なんだけど、
実は結構耳年増でエロ話にお耳ダンボしちゃってたりしてね」
「私が勝ってた魔法でも実績でも一夏で天の領域まで行っちゃってくれちゃいました
無敵で最強で英雄のネギ先生。
そんなウルトラスーパーデラックスなネギ先生。
でも、こういう事はまだまだお姉さんが教えて差し上げますよネギ先生」
「えっ、でも…あんっ!!」
精一杯欲情しても可愛らしいぐらいのものを愛衣の口がすっぽりと包み込み、
愛衣自身が予告していた様にじゅっ、じゅっと愛衣の首ごと上下を開始する。
「あっ、駄目またメイさんのあっ、あっああんっ!!」
その瞬間、愛衣がネギの腰を捕まえている前で、
ネギの体が何度か震え、悲鳴と共にネギが背筋を反らした。
第四話終了です。
予定話数は軽くブッ千切ってるしクリスマスはとっくに終わってるし…
色々すいませんが今回はここまでです。続きは近々、折を見て。
>>312 > 「どうしたんですか?」
>
> 普通に声を掛けてくれるんですね。軟禁されている筈の私に。
> あれから私は、拷問に掛けられるでもなく飛行船の中で軟禁されていました。
> のどかさんのお陰でその必要が無かったのですし、扱いに困ったから取りあえず、
> と言うのも本当の所だと思います。
> でも、それもネギさんの優しさなのだと。
> 私は、その優しさを裏切ってここにいます。
> カード奪還隠匿の経緯は省きます。
> 見張りの娘が弱そうな時を狙って、その姿を借りてここまで辿り着きました。
> もちろん初期の目的を忘れてしまう仕様ですから、事前にメモを用意して、です。
> そうやって、深夜の寝室と言う危な過ぎる場所に、
> 素の顔で敵の潜入工作員と言う危な過ぎる相手がたたずんでいるのに、
> ネギさんの瞳はあの時と同じ優しいまま、心配そうですらあります。
> その優しさが切ないです。でも、裏切らせていただきます。
>
> 「はわわわっ!」
>
> 私が寝巻を床に落とすと、ベッドの上のネギさんは、腕を顔の前で振ってわたわたしちゃってます。
> 戦場だったらすぐに刈られてしまいますよネギ先生。
>
> 「は、んっ!?」
>
> ほら、瞬動なんか使わなくても奪ってしまいましたよ、
>
> 「ネギさんの唇、やっぱり柔らかい」
>
> 私の目の前で、目をぱちくりさせています。可愛いです。
> だから、もう一度。今度は深く、静かに。
> 目がとろんとして来ましたよ。伏せた睫、引き込まれてしまいそう。
> 引き込まれてしまいそう。どうしてこんなに甘美に舌が動くのですか10歳のネギさん?
> やっぱり、天才なのでしょうか。
>
> 「あ、あの…」
>
> 目が闇に慣れて来ました。糸を引いて唇が離れ、ミルクの様な頬がほんのり染まっているのも分かります。
>
> そして、戸惑いを口にしながら視線がチラチラと。
> だから、困ってる紳士さんにお手伝いをしてあげます。