靴箱の戸を持ち上げて、有瀬文月はため息をついた。
空の靴箱を見ても特に思うところはない。ただ、またか、と無感情に冷えた心がつぶやいた
だけだ。ローファーの爪先を床に打ち付けて、文月はぐるりと視界を一巡させる。
広い――広すぎるほど広い昇降口は、山ひとつまるまる学園という広大な敷地を持つ礼染
女学院の中でも二番目に大きい、中高共通のものだ。この昇降口だけでも、学園の大きさが
うかがえる。
「ふう……」
かぶりを振って、文月は歩き出した。学校の昇降口とは思えない、荘厳な門をくぐって、一
度外に出る。くるりと振り返ると、宮殿か教会かと思うような建物が目の前に聳えていた。
中世風の装飾と造形、中央に屹立する時計搭が一際目を引く、礼染女学院第二本校舎。
やはり、中高共通の校舎である。
その校舎を見上げて、時計搭で時間を確認する。部活動を行う生徒はまだ早朝練習の最
中で、一般生は日直の業務などがあっても登校するには早い。そういう、隙間の時間帯であ
る。わざわざ誰もいないタイミングを狙って来たのだ。
文月はもう一度ため息をついて、校舎の中に戻った。中身のない靴箱を素通りして、昇降
口の奥まで向かう。指定の通学鞄を下ろして、そこから上履きを一足取り出した。先日購入し
たばかりの新品である。
「まったく、面倒なことをしてくれるわ……」
口の中でつぶやいて、その場で靴を履き替えると、ローファーを鞄にしまう。靴箱に入れてし
まうと、また面倒なことになりかねない。
鞄を持ち直して、文月は教室に向かって歩き出した。三階吹き抜けの多目的ホールを横目
に階段を登り、本校舎の東側、高等部教室の並ぶ区画に移動する。絨毯の敷かれた廊下を
音を立てずに進み、目的の部屋に辿り着いた。
言われなければ教室のものだとは思えない扉を押し開いて、文月は一年一組に踏み入った。
廊下に赤絨毯の敷いてある礼染女学院でも、教室の中はそう他と変わらない。個別の机が
四十並び、上下可動式のホワイトボードが前面の壁一面に設置されている。文月の知る学校
と違うところと言えば、後方でもボードが見やすいよう、段差がついていることくらいだ。
その最上段にまであがって、文月は大きく深いため息をついた。
日本屈指の名門私立である礼染女学院でも、通う生徒はそう他と変わらない。所詮十代、
所詮女子高生である。子供じみた嫌がらせのひとつやふたつ、あってもおかしくないのだろう。
礼染女学院に通いはじめて三ヶ月。文月の靴箱から上履きが消えるのは四回目。一年一
組から文月の机が消えるのは、これで二回目だった。
□□□
小学校から大学院までをフォローする礼染女学院は高校以下全寮制の名門校で、教師も
生徒も、事務員すらも女性のみで構成されている。全国から淑女候補の集う、お嬢様御用達
の巨大学園である。
有瀬文月も、この春から高等部に編入してきた。日本の家電三割を掌握するといわれるAL
ICEグループの一人娘として、名門出身というステータスを求めての入校である。それ自体は
珍しくないが、礼染は一種の隔離社会であるため、外来者はあまり歓迎されない。
とはいえ、ここまでの酷遇を受けるとは、文月も思っていなかった。
文月への嫌がらせがはじまったのは、編入から一月ほど経った五月、連休が明けてすぐの
頃だった。上履きを隠す、テキストに落書きをする、寮の個室にゴミを投げ入れる、なんてかわ
いい悪戯ばかりだが、わざわざ机を取りに倉庫まで来なければならないのは苦痛だ。
「エスカレートしてる……かな」
対処するならばこのあたりだろうが、さてどうしたものか。下手な密告は逆効果にしかならない
だろうから、方法を考えなければならない。
思案しながら、文月は薄暗い倉庫に踏み入った。手にした鍵を制服のポケットに落として、
自分の背丈にあった机を探す。さすがというべきか、倉庫といえどかなりの広さがあって、無駄
にきらびやかな装飾が施されている。建物に併設されている故か、扉も一見そうとはわからな
いほど豪華だ。
「ええと……ん?」
適当な机を選んだところで、背後から足音がした。振り返ると、朝陽を背負って、逆光になっ
た影がこちらを向いて仁王立ちしている。
「おはようございます、有瀬さん」
刺々しい声だった。そのくせ流麗で、透きとおるように美しい。ウェーブがかった金の髪が陽
の光を反射してきらめくのが、倉庫の中からよく見える。
「……おはよう、伊勢宮さん」
苦笑交じりに、文月はそう応えた。それ自体が発光しているようにすら見える、輝かしいばか
りの『黄金』の髪を揺らして、人影が一歩進み出る。薄暗い倉庫の中でさえ、彼女の姿はきら
めいていた。
伊勢宮アリス。ゆらめく黄金の髪に鋭い碧眼、日本人離れしたスタイルを誇る、英国系クォ
ーターの帰国子女である。成績も優秀ならスポーツも万能で、日常の所作すら優雅さで満ち
ている。非の打ち所のないお嬢様だ。
残念なのは、つまらない同級生いじめなんてものに精を出していることで、特に文月にとって
は、それは他の長所を全て打ち消す最悪の欠点だった。
「こんなところで、一体何をしてるんですか?」
碧眼がこちらを睨みつけてくる。まるで凍りついた炎のように、怒りに震えているようだった。よ
くよく見れば、細く長い足も肉付きのいい尻も、組んだ両腕も微妙に震えている。本当によほ
ど怒っているらしい。
「教室に机がなかったから、取りに来たのよ」
「……そうですか。上履きはどうしたんですか?」
「どうしたっていうのは? どういうことかしら」
「これ、たまたまそこで見つけたんですよ」
そう言って、一足の上履きを取り出してみせる。この暗さこの距離ではわからないが、文月の
ものなのだろう。
「ああ、そうなんだ。上履きもなくなっていたから、新しいのを卸したのよ」
「有瀬さんの持ち物は、勝手にいなくなる癖があるんですね」
「らしいわね。誰かに魔法でもかけられたんじゃないかと思うんだけど」
「呪いの間違いでは?」
つまらなそうに言って、アリスは手にした上履きを放り棄てた。わざわざ思い切り踏みつけて、
倉庫の中に歩を進める。
「そろそろ聞いておこうと思ってたんだけど、私に、何か恨みでもあるわけ?」
積み重なった机からひとつを選んで床に下ろし、その上に椅子を逆さまに乗せる。それから
両脇を抱えて、よいしょ、と文月は机を持ち上げた。
それらの行動が終わるまで碧眼を細めていたアリスは、小さく吐息をついてから、まだ震えて
いる腕を震えている手で押さえる。当然、それで震えがおさまるはずはない。
「あなた個人には、恨みというほどのものはありません……でしたね」
「過去形?」
「ええ。今となっては、あなたの全てが恨めしいですよ。あなたがそんなふうだから――面倒ば
かり起こる」
「面倒というか、問題を起こしてるのは伊勢宮さんじゃないの? 学校的には」
「そんなことはありえませんよ」
不思議な言い回しだ。文月が目を細めると、アリスが更に一歩近づいてくる。至近と言って
いい距離にまで縮まった二人が、黒い瞳と碧い瞳を真正面から交差させる。
「いい加減、私もうっとうしいから、行動に出るけど」
「そうですか。残念です」
「何が?」
「あなたが悪いんですよ、有瀬さん。かわいい悪戯のうちに、大人しくなっておけば良かったの
に。上履きなんて買ってくるから、机なんて持ってこようとするから、こんなことになるんです」
「それはまた、随分自分勝手な言い草ね」
言いながら、文月は一歩下がった。ゆっくりと、机を床に下ろす。嫌な予感が背を這い回っ
ている。そも、アリスは表立って行動することは殆どなかった。悪戯の主犯がアリスであることは
気がついていたが、今までのいじめは隠れてこそこそと行う類のものだった。正面きってアリス
と文月が対峙するようなことはなかったのだ。
「何、する気?」
「あなたが悪いんですよ。わたくしだって、こんなことはしたくないのだから」
白く細く長い、芸術品のような指が、文月が下ろした机を押し出す。背後に積まれた机と自
分が下ろした机に挟まれて、文月は小さくうめき声をあげた。
「地味だねえ」
言葉は、二人のものではない。倉庫の入り口から響いてきた。文月が目をやると、極端に小
さな影がひとつ、その隣に、極端に高い影がひとつ、逆光を背に立っていた。
「イセミヤ、もうちょっと派手にやんない? そんくらいじゃ参らないよ、そいつ」
くすくすと笑いながら、背の低い影が倉庫に踏み入ってきた。ブラウンの癖っ毛を短くまとめ
た少女。まるで中学生か、下手をすれば小学生かという外見だが、制服は高等部のものだ。
隣の影が無言で進み出る。黒く長いストレートヘアに、すらりとした肢体。アリスとは対照的
に、日本人的な美を思わせるスタイルだ。やや険の強い瞳が、アリスと文月を見つめている。
三人。閉鎖された空間。これはまずい、と文月の頭の中で警鐘が鳴りはじめる。表情の変わ
った文月の顔を見て、背の低い影がまた笑い声をあげる。
「もう遅ェよ」
扉の閉まる重々しい音が、暗い倉庫の中に響き渡った。
「人を呼ぶわよ」
――などという無駄な言葉を、文月は吐かなかった。叫んでもどうせ誰も来ない。倉庫はそう
いう場所に設置してあったし、壁も扉も厚すぎる。なにより、今は極端に人が少ない時間帯な
のだ。出来ることといえば、机と机に挟まれた状態から脇に逃げ出すのがせいぜいで、それに
したって袋小路には変わりない。
「こ、幸崎さん」
背の小さい方に向かって、なぜかアリスが戸惑うような声をあげた。その名前は文月にも覚え
がある。幸崎幸。隣のクラスの女子生徒だ。合同体育の際に活躍していた記憶がある。
してみると、もう一人も同学年だろうか。しかしこちらは、顔を見ても誰なのかわからない。こん
なに綺麗な黒髪ならば、一度見れば忘れなさそうなものだが。
「そらイセミヤ。お前がやらなくちゃ意味がないだろ。積年の恨みを晴らしてやれよ」
けらけらと笑って幸崎が言う。個人的な恨みはないとアリスは言っていた。積年、というのもお
かしい。文月が学院に来たのはほんの三ヶ月ばかり前なのだ。自分の知らないところで話が
進んでいる。
「……」
唇を引き結んで、アリスが身を乗り出す。引くに引けず、行くに行けず、文月は体を固くして
待つしかない。振りあがったアリスの細い右手が、風を切って振り下ろされる。
パアン、と頬を張る音が響いた。
「……っ」
肉体的な痛みを受けたのは久しぶりだ。じんじんと左頬がしびれている。痛みをおして視線
を向けると、張り手を打ったアリスの方が、痛そうな顔をしていた。
「ぶはっ、マジかよイセミヤ! それはショボすぎるだろ! 誰もマンゾクしねーよそれじゃ!」
愉快そうに手を叩いて、幸崎が笑う。名門にあるまじき言葉遣いだ。文月が細めた目を小さ
な背に向けると、幸崎もすぐに気づいて笑うのをやめた。
「あのなあイセミヤ。優しいのはいいけどさ、あたしらはお前のためにわざわざこんなことしてん
だぜ? もっと頑張ろーや。憎いALICEグループの一人娘なんだぜ、こいつは」
「……」
「しょうがねえな、踏ん切りがつかないなら、お手本見せてやるよ」
にやにやと笑って幸崎が進み出る。アリスを押しのけて文月の前に立つと、人懐っこい笑み
を浮かべた。
幸崎は本当に小さい。百四十センチ半ばほどだろうか。文月も背が高い方ではないが、そ
れでも並ぶと同年代とは思えない。長身の女子生徒と比べると、頭ひとつ分は差がある。そん
な幸崎が無邪気に笑うと、本当に子供を相手にしているような錯覚に見舞われる。
だが、そんなほのぼのとした幻想も、次の一瞬までだった。
「おらっ!」
やや気の抜ける掛け声と共に、どぼっ、という妙に鈍くて重い音が、腹の奥から響いた。人
間の体内から聞こえる類の音ではない。
「ぐ――」
息が詰まる。体の中心から背骨を伝って、衝撃が伝播する。ぐらりと視界が揺れるにいたっ
て、文月はようやく腹部を蹴られたのだと気がついた。
「お、意外と平気なツラしてんな!」
笑って、幸崎が足を構えた。上履きの裏側が見える。あれをそのまま、おなかに向かって叩
きつけるつもりなのだ。避けなければ、と思ったが、そんなことが出来るはずもない。
二発目は、腹部よりやや上、肺の下あたりを強打した。
「っは――か、っ、がはっ」
呼吸が止まる。たまらず体を折ると、下から上へ、サッカーボールを高く飛ばすような蹴りが、
やはり肺の下、全く同じ箇所を狙って放たれた。つま先が肉にめり込む感触が、酸欠でふら
つく脳髄に嫌にリアルな映像を浮かび上がらせる。
気がつくと、文月は膝をついていた。肺が酸素を求めて急激に動き出し、体がそれについて
いけずに咳を繰り返している。どこでおさえればいいのか熟知しているのだろう、幸崎は咳が
おさまるまで、にやにやと文月を見下ろしているだけで何もしようとはしない。
「く……」
あまりの痛みに視界がぐるぐると揺れている。どうにか呼吸を整えて顔をあげると、待ち構え
ていたように、幸崎が体重をかけてその頭を踏みつけた。
「ほらっ、頭さげろ! ひざまずけ!」
「うぐ――」
耐え切れるものではない。冷たい床に頬が押し付けられ、散らばった黒い髪を幸崎の左足
が踏みつける。頭蓋の形が変わるのではないかと思うほどの圧力をかけながら、幸崎はこらえ
きれないように笑った。
「ぶはっ、みじめだな、おい!」
「……っ」
確かにみじめではあったが、文月は余計なことを言って狼藉者を喜ばせるようなことはしなか
った。ここは学校、今は早朝、ほんの十数分か数十分かを耐えれば、自然とこの凶行も終わ
るのだ。
早すぎる時間に登校してきたことを後悔しないでもなかったが、ここまで直接的な暴力を振
るわれれば、事を表ざたにすることに躊躇もない。文月はこの時点で、解放されたらその足で
学長室まで出向くつもりでいた。
「幸、睨まれてる」
「あ?」
そこで、黒髪の女生徒がはじめて口を開いた。クールな外見に相応しい、鋭く深い、闇色の
剣のような声だった。
「すげー本当に睨んでる。元気なお嬢様だな。月小路、あんたもやる?」
「いい。それより、アリスにやらせてあげないと」
「ああ、そうだったな」
月小路。長身の女生徒はそんな名前らしい。文月は頭の名簿を参照したが、やはり記憶に
ない。礼染女学院の規模に、入学三ヶ月という期間を考えれば、同学年であっても知らない
生徒がいることは不思議ではないのだが。
「イセミヤ、ほら」
頭に乗せた足はどかさないまま、幸崎が手招きする。踏みつけられている文月からはよく見
えなかったが、床に密着した耳元から頼りなげな足音が響いてくるのはよく聞こえた。
「こういうのは苦手なんだよな?」
「あ、あんまり……」
ぐりっ、と足を捻りこみながら、幸崎が笑う。帰ったら頭を洗わなくては、と、文月はやや場違
いなことを考えた。
「なら、お前の得意なやり方でいいよ。あるだろ?」
頭蓋を圧迫していた足が、ゆっくりと離れる。開放感から小さく吐息をついて、文月は上半
身を起こした。頭痛がひどい。暴虐に晒されたのは腹と頭だけのはずだが、全身を波のような
鈍い痛みが浸している。
「なあ、イセミヤ……」
にやにやと笑いながら、幸崎がアリスに近寄る。耳元に唇を寄せて、何事かつぶやいた。
「……だろ?」
「……!」
一体何を言ったのか、文月には聞き取れない。ただ、愕然と目を見開いたアリスの表情が―
―瞬く間に激情に彩られていく彼女の表情の変化が、鮮烈に脳に焼きついた。
「あなたが……悪いんです……!」
つぶやいて、踏み出す。ゴム製の上履きが倉庫の床を打った音は、やけに高く重い響きの
ように感じられた。
「手伝うぜ。まずどうするよ?」
「剥いてしまいましょう」
当然のように、アリスはそう言った。直接的な言葉に背筋が寒くなる。暴力ならば耐えられる。
精神的なものでも、折れない自信がある。だが、自分自身にとってすら未知の領域に踏み込
まれるとなると、恐れずにはいられない。
「いきなり裸にするのか?」
「有瀬さんは、そういうのに耐性がなさそうです。だからまず、一番わかりやすい方法で、これか
らどうなるのか知ってもらうのがいいと思うんです」
「なるほど。さすが慣れてる奴は違うね」
「……そういうことを言うのは、やめてください」
文月は痛む体を無理に起こして、ふらふらと後ずさった。逃げなければいけない。だがどこ
に? 薄暗い倉庫の中、同年代の三人に囲まれて、唯一の出口は重い扉が口を閉ざしてい
る。始業時間まではまだ遠い。
「訴えるわ」
文月にできるのは、舌を動かすことだけだった。
「あ?」
「法的な手段に訴える、と言ったのよ。先に言うけど、あらゆる種類の脅しは無意味だと思って
ちょうだい。私は、そんなに柔な神経していない」
幸崎と月小路が顔を見合わせる。小さく吐息をついて、アリスがかぶりを振った。
「……有瀬さん。もう遅いんですよ」
そうして、真正面から文月の目を見据えて、引き結んだ唇を噛み締め、一度視線を足元に
下ろし、それからまとわりつく余分なものを振り払うように勢いよく顔をあげ、
「幸崎さん、お願いします」
伊勢宮アリスは凌辱の開始を告げた。
「――っ」
誰より早く動いたのは文月だった。出口に向かって全力で疾駆する。無駄だとわかっていな
がらも、これが出来る唯一の抵抗だったのだ。
幸崎が素早く反応したが、位置取りと体躯が悪かった。伸ばした腕は短すぎて文月の服を
つかめない。一直線に扉を目指す文月は、いっそ美しいまでのフォームで倉庫を駆ける。
「はっ、はっ、はぁ――っ!?」
その視界が、がくんと揺れた。一瞬の浮遊感の後に、視野をいっぱいに埋めて倉庫の床が
迫ってくる。受身も取れず、文月はそのままうつぶせに倒れこんだ。
「元気な奴だ」
肩越しに視線を向けると、月小路がつまらなそうにこちらを見ていた。足をかけられたのだ。
すぐに幸崎が走りよってきて、わき腹を蹴り上げた。また呼吸が止まる。体の中心に細い足
が入り込んで、それがすぐさま勢いよく跳ね上がった。視界がぐるんと回って、うつ伏せから仰
向けに転がる。
「ナメた真似してんじゃねーよ!」
どすっ、と今度は頭ではなく喉に、幸崎の足が降ってきた。
「ぁ――」
目を見開いて、文月はビクンと背を仰け反らせた。一秒も持たず、手が床を叩く。苦しいな
んてものじゃない。目を見開いているにも関わらず何も見えない。首から上が体から切り離さ
れているようだ。脳が沸騰する。視界が白濁して、赤く明滅する。
「ふんっ」
「――がはっ、はっ、あっ、げほっ、」
足が離れると同時に、文月は勢いよく咳き込んだ。喉が痛い。首の骨がギシギシと悲鳴をあ
げている。
「大人しくしてろよ。そうすりゃ、イセミヤが主体になれるんだ。少しは優しくしてくれるだろうよ」
腹の上に座りこんで、幸崎が手を伸ばす。首を絞められると思ったが、その手はセーラー服
の方へと伸びていく。文月はここでやっと、先のアリスの言葉を思い出した。
「まっ……」
「聞こえねー!」
指先が襟元に入り込み、引きちぎるようにスナップを外す。身を捩って逃げようとするが、幸
崎が太腿で体を挟み込んで来る。こんな小さい体のどこにそんな力があるのか、文月がどう力
をこめても幸崎を引き剥がせない。
「動くな!」
左手が喉を締め付ける。先の一撃ほど強烈ではなかったが、息が詰まって視界が歪む。そ
の間に、幸崎は着々と作業を進めていく。左側の裾から脇にかけて走っているファスナーを器
用に片手で引き上げ、胸当てを外してしまうと、幸崎は左手を放して腰を浮かせた。
「月小路」
指先をまげて月小路を呼ぶと、長い黒髪を揺らして長身の影が歩みよってくる。二度にわた
る呼吸責めで脱力している文月の手を取ると、月小路は無言のままそれを頭の上に持ってい
く。少しだけ力をこめて腕を持ち上げると、上半身がつられて浮いた。
「それっ」
透け防止に着込んでいたインナーも一緒に、幸崎の手が勢いよく夏用の薄いセーラー服を
引き上げる。踏み躙られて汚れた髪を巻き込んだあたりで、裾を月小路が受け取り、一気に
引き剥いだ。
一分とかからず、文月は半裸にされてしまった。後に残ったのはシンプルなハーフカップの
ブラのみだ。不健康でない程度に白い肌が薄汚れた倉庫の床に横たわっている様は、それ
だけでいやに淫猥な印象を受ける。
「下も、一気にお願いします」
心得ていると言わんばかりに、幸崎がフックを外す。やはり片手でファスナーを下ろすと、そ
のままスカートを引き下げる。鮮やかとしか言いようのない手並みだった。
「かわいいパンツ穿いてるな、こいつ」
「……そうですね」
ブラジャーとおそろいのショーツはやはり白いシンプルなものだが、両端にワンアクセントで水
色のフリルがついている。文月の印象からすれば、なるほどかわいらしい選択だ。
「でも、それも脱がしてしまいましょう」
「ぅ……!」
腕の力だけで後退する文月を見て、いよいよ面倒そうに幸崎がため息をついた。それから何
かを思いついたように、制服からピンク色の携帯電話を取り出した。ファインダーを文月に向
けて、にやりと笑う。
「いい加減あきらめろよ。楽しいのはこれからなんだからさ」
撮影音と共に、フラッシュが三度瞬いた。
同年代の女性を裸にするという、一種異様で倒錯的な状況に興奮しているのか、幸崎は頬
を上気させて下着に手を伸ばした。丁寧に脱がすようなことはなく、引きちぎるような勢いで乱
暴に毟り取る。
「――っ」
アリスのような豊満さはないが、小ぶりで形の良い乳がふるんと揺れて顔を出す。掌にほどよ
くおさまる程度の大きさと、中央で身を震わせる桜色の突起がかわいらしい。
「かわいいおっぱいだねえ。どうよイセミヤ?」
「どうと言われても、困ります……」
「ちぇっ、つまんない奴だぜ」
そう幸崎がつぶやいて肩をすくめた、その一瞬に、文月は勢いよく立ち上がった。ほぼ全裸
なのにも構わず、扉に向かって走り出す――が、あっさりと月小路にその腕を取られた。
「幸、二回目だぞ」
「いまさら逃げるか? 元気すぎだろ」
「放しなさい!」
身を捩り手を振って逃れようとするが、これまでに体力を奪われきっている。月小路が何をす
るまでもなく、抵抗は徐々に弱まっていった。背後に回った月小路が両腕を交差させて強く
掴みあげると、もう文月にはどうすることも出来なかった。
「押さえといてくれよ」
そう言って、幸崎の指がやけにゆっくりとショーツの端にかかった。横に引いてゴムを伸ばす
と、少しずつ、少しずつ、指を押し下げていく。
「ほらほら、見えちゃうぜ」
「幸、親父くさい」
「うるせえな」
文月はぎろりと幸崎を睨みつけたが、出来るのはそれだけだ。暴れるほどの体力は残ってい
ないし、制止の言葉に意味などない。フリルの飾る白いショーツが引き下ろされていくのを、黙
って見ているしかなかった。
肌と布の間に出来た隙間から、風が吹き込んでくる。七月だというのに、とても冷たい。場所
の問題か、気候の問題か、それとも、気持ちの問題か。文月には判断がつかなかった。
「ごかいちょう!」
下着をふくらはぎのあたりまで下ろして、幸崎は喜悦に満ちた声をあげた。
「……」
ごくり、と唾液を飲み込むのを、アリスは自覚した。それほど、文月の体は美しかった。
特別鍛えられているわけでも引き締まっているわけでもないが、過度な贅肉をつけず、女性
的な柔らかさと丸みを帯びた、『抱きたい』と思わせる体だ。
健康的な色気をかもす鎖骨から、柔らかさと張りを兼ね備えるツンと上向いた乳房、その頂
点に顔を覗かせる小さめの乳輪と桜色の突起、見てわかるほどの筋肉はないがたるむほどの
贅肉もない腹筋、きゅ、と身を縮こまらせる臍、なだらかな曲線を描く下腹部、そして更にその
下方、淡い茂みへと視線を下ろしていく。
「毛、薄いなぁ」
にやにやと陰部を見つめていた幸崎が、そうつぶやいた。普段人前に晒さない部分をあけ
すけに評されて、文月がかすかに目を細める。
「……わたくしにも、見せてください」
「おう」
ゆっくりと歩み寄って、アリスは文月の足もとにしゃがみこんだ。月小路に手を掴まれて立た
されている文月は相変わらず視線を逸らさず、真っ向から二人を睨みつける。
「……」
ほう、とため息をついて、アリスはまじまじと文月の体を見つめた。その指先が慈しむように下
腹部に置かれ、体の曲線を辿って陰部へと辿り着く。ちぢれた陰毛の毛先を指先で弄んで、
アリスはこらえきれないようにつぶやいた。
「足を開いてください」
「……っ」
「おい。開けよ」
舌打ちまじりの催促に、文月はゆっくりと、肩幅まで足を開いた。幸崎の言うとおり、年齢の
わりに文月の陰毛は薄い。茂みは陰唇上部から放射状に広がっているが、その奥の肌がか
すかに見て取れる程度の、淡い翳りでしかない。幸崎の指がうちの一本をつまみ、軽い仕草
で引き抜く。
「――つっ、」
小さな悲鳴に笑い声をあげて、薄がりに陰毛をかざす。細く短い、童女のような毛だった。
「んじゃ、記念撮影な」
先ほどと同じように、ピンクの携帯電話が撮影音を響かせる。局部のアップを数枚、カメラを
引いて、局部と顔が写るようにしたものを更に数枚。
「笑えよ」
という要求には、さしもの文月も応えることができなかった。
「幸崎さん、写真見せてあげてくださいよ。綺麗に撮れました?」
「おー。ほら」
顔を寄せ合って、二人が液晶を覗き込む。それから、幸崎が手首を返して文月の眼前にそ
れをつきつけた。
小さな画面の中には、物凄い目つきでファインダーを睨みつける文月の姿が映っている。自
ら足を開き、疎毛の性器も唇を噛んだ顔も、桜色の乳首も全てつまびらかに晒された、みじめ
な写真だ。
「どうよ」
「悪趣味ね」
即答である。一瞬だけ呆気にとられたように目を見開いて、それから幸崎はけらけらと笑い
声をあげた。
「本当、元気なお嬢さまだよ」
「元気なほうが、色々と楽しいらしいですよ。わたくしはそう聞きました」
言って、マニキュアも塗っていないのにつややかな光沢を放つ爪の先を、眼前の秘裂へと
近づける。生育は十分だがろくに触れられたことのない秘部は口を閉ざして、恐々とこちらを
伺うように襞が顔を覗かせている。
つぷっ、
と、いう擬音を幻聴する。爪の先が秘裂を割り開いて、人差し指の第一関節までが潜りこむ。
ぴくん、と尻を震えたのを見てアリスは上を見上げたが、文月は相変わらず鋭い視線をこちら
に向けるばかりで、羞恥の表情ひとつみせない。
「ほらほら、もっとかわいい顔しろよ」
言いながら、幸崎の指がシャッター音を連続させる。瞬くフラッシュに目を細めて、それでも
文月は顔を逸らそうとはしなかった。
「有瀬さん、ここ、自分で触ります?」
指の先を捻りながら、襞の内側を撫でていく。時折体を震わせ腰を浮かせながら、文月はつ
まらなそうに言い放った。
「自慰をするかということかしら? するわよ」
「本当ですか? いやらしい」
「生理現象の一種よ。恥じ入るほどのことじゃないわ」
声も表情も平静そのものだ。こいつ本当に女子高生か、と幸崎は心中つぶやいた。
そんな幸崎の、声に出さない賞賛に気づくはずもなく、文月はひたすらに耐えていた。言葉
の通り、自分で慰める程度のことは彼女もするが、それにしたって指で外縁を弄る程度のかわ
いいものだ。その先、その奥に関しては完全な未知である。
見た目ほど落ち着いているわけではない。恐怖は確実に文月の心を蝕んでいた。
「……えいっ」
それを見透かすように、アリスが両手を秘部に添える。左右の人差し指が秘裂にもぐりこみ、
くぱっ、と最奥への門を割り開いた。連続するフラッシュが暗い倉庫の中に文月の秘部を浮
かびあがらせる。
文月のそこは、色素の沈殿もほとんどなく、ピンク色の襞が折り重なって、禍々しくも淫靡な
肉模様を描いていた。外気に晒された尿道と膣口がヒクヒクと震えているのが見て取れる。
「グロいねえ」
「そうですね。……なんて醜い」
誰にも見せたことのない、まだ誰にも見せるつもりのなかった秘奥を暴かれ、あまつさえ同性
に醜いと評される。惨めで、情けない。文月は二人に気づかれないよう、唇を少しだけ強く噛
み締めた。
「お前、処女?」
「処女よ」
幸崎のストレートな質問に、文月はやはり即答する。何が面白いのかけらけらと笑って、幸
崎は膣口の付近に指をぐりっ、と押し込んだ。
「へえ、処女かあ。かわいそうにねー」
「……」
乱暴な指使いで膣を捏ねる幸崎に、文月は険の強い眼差しを送る。今ここで処女を破られ
るのかと思うと少しは悲しかったが、そも文月はそこまで処女性を重んじているわけではない。
単に苦痛で屈辱あるという以上の意味は、ないとは言わないが、薄い。
「で、どうするのさ、イセミヤ」
興奮を隠そうともせずに、幸崎がアリスを振り返った。顔を並べて秘所を覗き込んでいたアリ
スが、少しだけ目を細める。
「有瀬さん、自分がなんでこんなことになってるのか、わかりますか」
「わからないわ」
「本当に?」
「本当に。正当な……少なくとも、理解できる理由が、存在するのかしら」
「……いえ、貴女にはきっとわからないでしょうね」
つぶやくように言って、アリスは淫裂を広げていた指を放した。若い秘裂が元通りに口を閉
ざす。外気にさらされていた膣口が肉門に塞がれたのを感じて、文月は心中吐息をつき――
「いぎっ……!」
――その緩みを、アリスの指が貫いた。
衝撃についで猛烈な熱が股間から沸きあがる。体の中心を炎が駆け上り、頭蓋を焼いて頭
頂部から突き抜けていく。体が一度大きく跳ねて、肺の中身が全て喉から迸る。にも関わらず、
言葉どころか音にもならない。
「痛いですか?」
ぐらぐらと揺れる視界に、またぐらに指を突きこんだアリスが見える。少し後ろにさがった幸崎
が、また携帯電話を構えてシャッターを切っている。
「ぐ……!」
「答えてください。痛いですか?」
聞きながら、アリスが手首をひねった。潜りこんだ指に膣がかき回される。体全部が手首にあ
わせて捻られるような錯覚に、文月は思わず眼を閉じた。
「さすがに効いてるな」
笑いながら、幸崎がそんなことを言った。
「ねえ、痛いんですか?」
「あぎぁっ……ああっ」
突きこまれた指が――二本か、三本か――膣の中でバラバラに蠢いた。これまでどんな存在
も触れたことのない未踏の肉道を、アリスの細い指が蹂躙していく。体の内側を引っ掻き回さ
れている未知の感覚に、文月は倒れそうになるほどの眩暈を覚えた。
「処女膜って」
と、アリスがつぶやいた。
「指を入れる程度では、破けないこともあるんです。だから、ちょっと念入りにかき回しておきま
すね」
「……っ!」
悲鳴をこらえて、文月は爪先に力を入れた。これ以上されたら本当に倒れてしまう。膣から
際限なく湧き上がる痛みと灼熱は、脳髄を焦がして思考回路を焼ききっていく。自分の状態
がほとんど認識できない。肺まで燃やされているのか、吐く息がやたらと熱い。
「ん……もうちょっとで、全部入りますよ」
「ぜん……!?」
全部。ということは、今はまだ途中なのか。体の内側に感じているこの強烈な異物感。これで
まだ入りきっていないというのだろうか。女子高生の細指でこれほどの圧迫感があるのならば、
男性器など入るはずがないのではないか。
自分の体はひょっとしておかしいのかと、文月は朦朧とする頭で半ば真剣に考えていた。
「それっ」
「はぐっ、あ、ぎ……!」
びくん、と体が跳ねる。一際大きい衝撃。視界が真っ赤に染まって、開ききった口から乱れ
た呼気が漏れる。
「ちゃんと立て」
背後の月小路がそう言って腕を引き上げた。そこで初めて、文月は自分が膝を折っている
ことに気がついた。
「全部入りましたよ。わかります?」
言いながら、細い手首をくるくると回す。まるで濡れていないのに、肉と肉のこすれあう音が
脳内に響き渡った。ぐちぐち、ぐちぐち、というそれは、淫猥であると同時に酷烈でもある。
「はっ、はっ、は、ふっ、」
視界が揺れている。呼吸が落ち着かない。文月は気づいていなかったが、全身が汗だくだ
った。
……そんな文月を見て、アリスは指を止めた。膣の中で曲げていた指をゆっくりと真っ直ぐに
戻し、被虐の対象が回復するのを待つ。背後でひたすら撮影音を響かせている幸崎に視線
を投げると、幼い瞳を一度携帯電話に落として、それから名残惜しそうに頷いた。
そろそろ時間だ。生徒たちが登校してくる。
「今日は、このあたりですね」
つぶやいて、アリスはゆっくりと指を引き抜いた。落ち着きはじめていた文月が、指を抜かれ
る感覚にまた背を反らせる。
「はい、あーん」
「はっ、はぁ……んぐっ!?」
脱力して唇を閉じることもままならない文月の口内に、三本の指が突きこまれた。舌の上に
広がる鉄の味に、思わず眉をしかめて頭を仰け反らせる。
「ちゃんと味わってください」
だが、指はそれを追って舌の上を這いずってきた。鉄……血液の味。考えるまでもない。こ
れは自分の膣から流れ出した、純潔の証――否、純潔を喪った証だ。
「おいしいですか?」
「――っ」
「痛っ」
指先に走った強烈な痛みに、アリスはあわてて指を引き抜いた。血と唾液に濡れた指先に、
小さな歯型がついている。幸いにしてアリス自身の血は出ていないようだ。
「噛まれたの?」
「……はい」
「ははっ、お前ほんとすげーな」
口にたまる血を吐き出す文月を見て、幸崎がまた笑い声をあげる。携帯電話をしまって歩
み寄ると、トン、と軽く地面を蹴ってから、体をひねりつつ大きく踏み込んだ。左足が鞭のよう
にしなり、風を切って飛ぶ。避けることも受けることも、身を捻ることすら出来ず、文月はその一
撃をわき腹に食らった。
「う、ぐ――」
「おしおきだ、おしおき」
今度こそ、文月の膝が折れる。もう立ち上がる気力も残されていないようだった。
「限界、腕が疲れた」
そういって、月小路も腕を放す。前のめりに倒れる文月を受け止める者は誰もいない。冷た
い倉庫の床に倒れ伏して、文月は小さくうめき声をあげた。
「イセミヤ、指大丈夫?」
「ええ、大丈夫です。……それじゃあ、行きましょうか」
文月の体を避けて、アリスたちは倉庫の出口に向かって歩き出した。すぐ側に捨てられてい
る文月の制服を幸崎がわざわざ踏みつけて、それから下着だけを回収していく。
「下着は没収な」
そう声をかけて、幸崎はいつものようにけらけらと笑った。
「ああ、そうだ。有瀬さん、法的手段に訴えるんでしたっけ?」
「……」
その言葉に、文月はゆっくりと体を起こした。出口付近にいる三人を見据えて、薄く笑う。
「そうね」
「笑ってるよこいつ」
ひきつった笑みで幸崎がつぶやいた。
「そうですか。……気を強くもってくださいね。この程度で折れられてしまっては、わたくしも困り
ますから」
「……どういうことかしら」
「どういうことでしょうね」
頭を振って、アリスは外へと続く扉を開いた。陽が、まるで光の道のように倉庫に差し込む。
「それじゃあ有瀬さん。放課後、また遊びましょう」
最後にそう残して、三人は倉庫を出て行った。
■■■
有瀬文月は、三人が思う以上に精神的にタフな人間である。
倉庫に独り残されて、三十秒だけ落ち着くための時間をとると、すぐさま制服を身につけ、
可能な限り外見を整え、股間の痛みなどないかのように大股で倉庫を後にし、堂々と廊下を
闊歩して一直線に学長室まで向かった。
幸い在室していた学長に、一礼して挨拶を述べた後、
「レイプされました」
と、端的に口にする。ここまで、わずかに三分弱である。
「……なんですって?」
突然現れた生徒にそんなことを聞かされた学長は、眉をひそめて、そう無意味なセリフを返
すのが精一杯だった。文月は一度頷いて、同じ言葉を繰り返す。
「伊勢宮アリスさん、幸崎幸さん、それから、私は彼女をはじめて見ましたが、月小路さん。彼
女らに性的暴行を受けました」
「い、いつ?」
「五分ほど前です」
「……」
不可解そうな顔が、ますます歪められていく。無理もない話だった。女子校で性的暴行とい
うだけでも戸惑うには十分だというのに、被害者が五分もしないうちに報告に来るなど冗談と
しか思えない。
「必要であれば証拠を――」
「ああ、いや」
なおも言葉をつのろうとした文月を、学長は手をあげて制した。一度小さく咳払いをして、
「わかったわ。詳しいことは不明だけれど、概ね理解しました」
「今の説明で十分ですか」
「十分よ。事件の詳細はわからないけれど、そんなことはどうでもいいもの」
革張りの豪華な椅子に背を預けて、学長は深い吐息をついた。その仕草に、今度は文月
が眉をひそめる。
「どういうことですか」
「伊勢宮さんも、幸崎さんも、それに月小路さんも、初等部からここに通っている、とてもいい
家のお嬢様たちよ」
「……それが?」
意味がないので口にはしないが、お嬢様の度合いならば文月も負けてはいない。この学院
に通う生徒は、みな似たようなものだ。
「わからない? 初等部からここにいるということは、あなたの何倍もの時間をここで過ごしてい
るということ。それはつまり、」
文月の背を、悪寒が走り抜けた。
「寄付金の額も、何倍にもなるということよ」
当たり前のような顔をして、学長はそう言った。デスクの上の書類を取り上げて、つまらなそう
に眺める。それで話は終わりと言わんばかりだ。
「……警察に行きます」
「無駄よ」
即答である。まるで切り捨てるような口調だった。
「あなたは少し、この学院を甘く見ているわね。意味がないからやめなさい、そんなこと」
「では、どうしろと」
「あきらめなさい。新参者は大人しくしているのが一番よ。ここに限らず、それは社会に出ても
同じことだわ」
「……ひどい学校ですね」
「私立学校っていうのはね、営利団体なのよ。学内でいじめなんて、困るわ」
ひどく冷たい眼差しで、学長は文月を見据えた。手にした書類をデスクに放って、ため息を
漏らす。
「家の力に頼るならそれでもいいわよ。ALICEグループなら、まあ、なんとかなる範囲でしょう」
「……よく、わかりました」
「そう、それはよかったわ。警察はあきらめるの?」
「学校はどこも閉鎖社会ですが、ここは特にそうです。加えて権力もある。財政界への影響力
も強く、それはつまり警察機関への圧力もかけられるということです。この認識に誤りは?」
「ないわ」
「なら、私が何をしても無意味でしょう」
「その通りよ。賢くて助かるわ」
小さくかぶりを振って、文月は重く、深く、長い息を吐いた。全身にたまった疲労を吐き出す
ようなため息だった。
「それでは、失礼します」
「ええ。適当に、がんばってちょうだい。エスカレートしすぎないようにはするわよ」
「……」
応えず、文月は学長室を辞した。
同時に、校内放送で重厚なクラシックが響きだす。ホームルームの開始だ。このままでは遅
刻になってしまう。……だが、文月は急ぐ気にはなれなかった。
「ありえませんよ、か……伊勢宮さんの行動が、問題になるはずがない、と……」
ふらふらと赤い絨毯の上を歩き出す。ホームルームは既にはじまっている。廊下には誰もい
ない。学長室のあるこの廊下は、一般教室がひとつもないのだ。
「ふ……」
歩みが遅くなる。どうせもう遅刻は確定だ。ホームルーム程度、出なくても構うまい。
吐き気がする。文月はトイレを見つけると、個室に入って鍵をかけた。礼染女学院はトイレひ
とつとっても大きく豪華だ。完全個室で換気扇まで一室ずつについている。
「う……、ふ……」
肩を震わせて、文月は掌で口を覆った。こらえきれずしゃがみこんで、漏れる声を必死で抑
える。
だが、そんな抵抗も無意味だ。早朝からここまで、ほんの十数分の出来事が、頭の中をぐる
ぐると巡る。今日だけではない。これからも、ずっとこんなことが続くのだ。なんて馬鹿げたところ
だろう。
本当は、家に訴えればどうとでも出来るかもしれない。甘く見ているのは学長のほうかもしれ
ない。だが文月にそのつもりはなかった。これは彼女個人の問題だ。有瀬の家に泣きつくよう
なところではないのだ。
それに。
仮に助けを求めたとして、あの家がそれに応じるとも限らない。あそこが欲しがっているのは
優秀な経歴の娘だけだ。学院を出さえすればいい――逆に言えば、学院を中途で辞めるよう
なことがあってはならないのだ。あるいは学長も、それをわかっているのかもしれない。
最悪だ。信じられない。期待していたわけではないが、これはいくらなんでも酷すぎる。
「う……うう……ふ、う、……」
とうとう我慢しきれなくなったように、両手をだらんと垂らした。感情をおさえていられない。無
様だと知りつつ、文月は体を丸めて、
「ふ……うふはははははははははは!」
大声で笑い出した。
「は! はははは! そう! そうか! わかった! とてもよくわかった!」
立ち上がる。優雅な仕草で顔にかかる髪をはじく。個室の扉に背をつけて、換気扇の回る
天井を見据える。
「ならいい! それならいい! それならそっちに合わせようじゃないか!」
作った拳が、背後の扉を強く叩く。未だ体中で疼く痛みが、炎となって燃えている。爛々と
輝く眼をいずこともしれぬ宙に向けて、有瀬文月は誰にともなく宣言した。
「……潰してやるわ!」
有瀬文月の復讐は、こうしてはじまった。
以上です。
んじゃ続き書いてくる。
GJ!
続き期待してる
なんとも重厚なSSだ…。GJ!
文月の復讐って、まさか相手を妊娠できないような身体にしてしまうのかな。
子供ができないんじゃ令嬢としての価値もかなり下がるし。
>>124 すごく上手いな!
続き期待してるぞ!!
相手が3人以上いるなら、1人ずつ各個に復讐していく展開だろうか?w
最初は最も気弱そうな女から、そいつを手なづけて次の女、
最後が気の強い女を今度がこっちで集団で、と。
>>124 何気なく読み始めたけど予想以上に巧かった、GJ!
これから3人が絶望のズン底に叩き落されるのが楽しみだ
これだけ丁寧な文章だと時間掛かりそうだけど、続き待ってます
>>127 それくらいやり過ぎな方が面白そう
130 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 00:52:11 ID:2mYscLsm
私、あなたのこと待ってるから!
ここはどのぐらいまでOKなんだろう?
ハードスカはスレ違いになるのかな
132 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 23:06:23 ID:2mYscLsm
ちゃんと注意書きいれればよろしいかと
>>109のつづき書いてみた。
以下10レス分投下します。
幸崎幸は、自分をサディスティックな人間だと思っている。
精神的にも肉体的にも、他人をいたぶるのが大好きだ。どうしてそうなったのかは幸本人に
もわからないが、特別なエピソードや理由はおそらく存在しない。
そういう人間は、きっと生まれたときから『そう』なのだ。
その日も、幸は上機嫌で寮を出た。昨日新しい獲物を手に入れたので、今日一日どうやっ
て遊ぼうか、昨晩から楽しみで仕方なかったのだ。
幸はこれまで、両手の指では足りないほどの生徒をいじめのターゲットにしてきた。それは初
等部の頃からそうで、彼女にとって礼染女学院での最大の楽しみはこれである。
彼女は一定のルールに従っていじめを行う。最大でも一年が限度で、学年が変わったらそ
のターゲットには関わらない。いっそ忘れてしまうくらいがちょうどいい。それと、やりすぎないこ
と。自殺なんてされたら大変だ。主なものはこのふたつである。
子供じみた悪戯から、公表されれば将来が終わるだろう非道まで、出来うることは殆ど全て
やってきた。ターゲットが泣き叫んで許しを請う惨めな表情が、幸は大好きだった。
「あの野郎、昨日の放課後は逃げやがったからな……今日はどうしてやろうかね」
勝手に緩んでいく頬をどうにか引き締めて、いつも通りの時間に通学する。今彼女が標的
にしている有瀬文月はどうやら早朝に登校しているようだが、合わせて早く来るつもりはもうな
い。牽制しつつ標的を見定めていた期間はもう終わったのだ。
中等部と高等部の制服が入り混じる通学路を悠々と歩いて、昇降口に辿りつく。幸は学校
といえばここしか知らないが、それでもこの校舎が一般的な学校とはかけ離れていることはわ
かる。豪華すぎるし、大きすぎるのだ。
広い昇降口に並ぶ靴棚のひとつを選んで、自分の靴箱の前に立つ。
幸の靴箱は本来ならば最上段なのだが、一見して中学生かと思うほど背の低い彼女では
手が届かない。そのため、使われていない最下段の靴箱を使っていた。
「……ん?」
木製の戸を開けた手が止まる。一度戸を閉じて、場所を確認する。間違いなく自分のクラス、
自分の靴箱だ。首を傾げてもう一度戸を開け、それからその周辺の使われていない靴箱も確
かめる。
全て、空だった。
「あれ……? おかしいな」
幸が本来使うべき靴箱に視線を飛ばす。初日以来使っていない場所だ。
「どうしたの?」
戸惑う幸に同級生が声をかけてきた。同じクラスの相田涼香だ。ショートボブを揺らす彼女
は、クラスの中でも背が高い。何か嬉しいことでもあったのか、口元に笑みを浮かべていた。
「いや、靴がねーのよ。ねえ、悪いんだけど、アタシの靴箱開けてみてくれるかな」
「あ、そっか。下使ってるんだっけね。どれ」
涼香は快く頷くと、腕を伸ばして最上段の靴箱を開けた。やはり、そこも空である。
「ないよ。持ち帰ったんじゃないの?」
「そんなはずねーんだけどな……ま、いいや。事務室でスリッパ借りてくる」
「……そうだね」
一度昇降口を出て、幸は外来用受付に向かった。昨日のことを思い返すが、やはり靴は履
き替えて、きちんと靴箱にいれたはずだ。ならば、なぜ上履きがなくなっているのだろう。
「……いや、おいおい、まさかだろ……」
眉をひそめて、浮かんだ考えを打ち消す。そんな馬鹿な話が、あるはずがない。
ポケットで携帯電話が震える感覚に、幸は小さく舌打ちした。考えを邪魔されるのは好きで
はない。開いたのがスパムメールだったからなおさらだ。昨日の晩からこれで四通目である。こ
のところ減ってきたのにどういうことだと、幸はため息をついた。
メールを消去して、携帯は閉じずにデータフォルダを開く。そこには、これまでいたぶってきた
女生徒たちのあられもない姿が大量に収まっている。
この写真は、単純な幸の趣味であり、いじめの一環であり、同時に口封じの手段のひとつで
ある。『公にするならこの写真をネットに流すぞ』というわけだ。
「うん……そんなはずねーよな……ん?」
ふと、写真の一枚に見知った顔を見つけた。見知ったといえば全員知っていて当然なのだ
が、幸はいじめを打ち切った相手のことはほとんど覚えていないのだ。
全裸で拘束され、股間にボールペンを十本ばかり突きこまれて泣いているのは、ついさっき
昇降口で会った相田涼香だった。この時はまだ髪が長い――よくよく思い出してみれば、この
髪を切ったのは幸だった。もう三年も前のことだ。
「あちゃ、すっかり忘れてたな」
あの様子だと、本人も割り切って忘れようとしているのかもしれない。笑顔で話しかけてくるく
らいなのだから。
「……」
事務室の前まで辿りついて、幸は携帯電話を閉じた。それから、一度昇降口を振り返る。
そう。そんなはずはない。
あるはずがないのだ。……誰かが、幸の靴を隠したのではないか、なんて。
□□□
教室に入ると、ほとんどの生徒が登校していた。
朝の談笑に花を咲かせる女生徒たちと声をかわして、自分の席に向かう。幸の席は教室の
ちょうど中ほどあたりで、窓際のいい位置にある。いつも通り、中身がほとんど空の鞄を机に引
っ掛けて、幸は椅子に腰かけた。質のいいクッションが、小さなお尻を受け止める。
礼染女学院の教室は前面のホワイトボートがよく見えるよう、教室の後ろに行くほど段差が
ついている。階段つきの扉が後部にもあるが、こちらは有事の際以外は使用禁止となってい
るため、生徒たちが使う扉は通常前方のひとつのみだ。そのため、扉付近にはたむろしないと
いうのが暗黙の了解になっている。
「……ん?」
だが、今日は数人かの生徒がそこに集まっていた。大きく豪勢な扉の影から、教室をちらち
らと伺っているようだ。あんなところにいては邪魔だろうに。
幸がなんとはなしにその数人を眺めていると、視界の端を何かが四角いものが横切った。そ
れはそのまま幸の机の上に降りてくる。目を向けると、林檎の写真が載せられた紙パックのジ
ュースが、結露を浮かべて机に鎮座している。
視線を上にあげる。紙パックを机の上に置いたのは、今朝昇降口で会った相田涼香だった。
口元に笑みを浮かべて、幸の足もとを見ているようだ。
「結局、見つからなかったんだ?」
上履きのことだろう。幸は今、来客用のスリッパを履いている。歩きづらいが、こればかりは仕
方がない。
「……ああ、うん。見つからなかった」
「災難だったね。かわいそうだから、それ、あげるよ」
「林檎ジュース? いーのかよ?」
見たところ紙パックは開封された様子もない。涼香は肩をすくめて笑って見せた。
「それ、果汁百パーのやつなんだ。間違って買っちゃってさ。苦手なんだよね」
「何と間違ったんだよ」
「コーヒー牛乳」
「……それは、残念だな」
「全くだよね」
くれるというのであれば、断る理由は特にない。ストローを突き刺して薄紅色の中身を吸い上
げる。濃厚な林檎の味が口内に広がって、幸はかすかに目を細めた。
「すっぱいな、これ」
「そう、酸味強め。それが苦手なんだ」
「なるほど。アタシは嫌いじゃないけど」
「そう、それは何より」
くすりと笑って、涼香がそうつぶやいた。
確かに人を選ぶ味かもしれない。容量の少ない紙パックを一気に半分ほど飲み干すと、幸
は「飲む?」と掲げてみせた。苦笑して、涼香が手を振る。
「苦手なんだって。まあ、気に入ってくれたなら何より。それじゃあね」
「ああ、うん。悪いな」
笑って、涼香は自分の席に戻っていった。幸の斜め後方、最後列が彼女の席らしい。
酸味の強い林檎ジュースを飲み切って、幸は携帯電話で一限の内容を確認する。本日の
一限は世界史だ。机からテキストとノートを取り出すと、携帯電話がブルブルと震える。幸は舌
打ちして、五度目のスパムメールを消去した。
そうこうしているうちに担任がホームルームを開始する。いつも通りの朝だ。幸は教師の言葉
はほとんど聞かず、今日はどんな趣向で獲物を苛めようかと、メモ帳機能を呼び出してアイデ
ィアを書き連ねていった。
基本、幸は授業中もずっとこんなことばかり考えている。追い詰めすぎないよう、最大限のダ
メージを与えるにはどうすればいいか、どうすれば、今の獲物を泣き叫ばせることができるのか。
有瀬文月は特に、これまでにないほど冷淡で動じない獲物だから、かえって楽しめそうだ。
「……」
ふと、背後に視線を向ける。相田涼香のように、かつて獲物だった人間が自分に接するよう
なことが、これまでにもあったのだろうか。涼香があまりにも普通に友人としての態度を取るもの
だから、幸は少しばかり混乱していた。
今まで気づかなかっただけで、他にもそういう奴がいたのかもしれない。これからは、終わった
獲物のことも少しは覚えておこうかと、ぼんやりと頭の隅で考える。
ホームルームが終わり担任が出て行くのを見届けて、飲みきった紙パックをクシャリと丸めて
教室後方のゴミ箱に捨てる。脇を通った時に涼香が微笑み、それに笑顔を返した。
そうして、ほどなく一限の授業がはじまった。世界史の教師は生徒を指すことがほとんどない。
内職にはうってつけの授業で、幸も普段ならば教師の話を全く聞かずにいじめのアイディアば
かりを練っている。事実、今日も当初はそうしていた。
異常が訪れたのは授業開始から十五分ほど経った頃だった。
「ん……」
下腹部に、軽い疼きを感じる。体の内側なに何かが溜まっている感覚。もぞり、と腰を動かし
て、幸は居心地悪そうに吐息をついた。
尿意だ。
次の休みにトイレに行こう、とぼんやり考えていた幸だが、そんな悠長なことを考えていられる
のも数分が経過するまでだった。教師がホワイトボードに記す年号が三つほど増える間に、下
腹部を炙る感覚が急激に成長していったのだ。
突然わきあがった排尿欲は瞬く間に膨れ上がり、膀胱を圧迫しはじめた。せわしなく姿勢を
変えてなんとか誤魔化そうとするものの、今ひとつ効果を発揮しない。いつもならば数十分程
度の我慢、何の問題もないものを、どうしたものか今日ばかりは尿意の成長が恐ろしく早い。
「んん……」
気がつけば、額に汗を浮かべて太腿をすり合わせていた。重くて熱い焦燥感が肉の内側で
反響している。じりじりとした熱が腰まわりから背骨を伝って、内臓を炙っている。教師の言葉
が全く耳に入らない。ホワイトボードの文字さえおぼろだ。
「トイレ……」
思わず、言葉をこぼす。誰にも聞かれないように口の中だけで消えていく小さな声は、かえっ
て焦燥感を煽るばかりで、気を紛らわせることすらできない。
吐く息が次第に震えはじめ、頭の奥が熱で揺らぐ。深く荒くなる吐息をクラスメイトに悟られ
るのではないかと恐怖して、その恐怖すら高まる尿意に押し出されていく。
「なんだこれ……おかしいっ……」
握り締めた拳が携帯電話を軋ませる。体を前に屈めて、幸はどうにか呼吸を整えようと深く
息を吸い込んだ。
腹部を圧迫する焦慮は、膝頭をせわしなくすり合わせても、押し付けた太腿で恥丘ごと尿道
を押しつぶしても、まるで収まらない。全身から溢れる汗が体を冷やしていくのに、おなかの中
だけが猛烈に熱い。全身をくねらせながらお尻をもぞもぞと蠢かせて、幸は授業が終わるのを
ひたすらに待ち続けた。
「あと……」
時計はもうあと数分で授業が終わることを教えてくれる。教室の授業は静かなまま進んでい
て、幸の痴態を咎める声は今のところ聞こえない。礼染の教室には段差がついているため、
背後の生徒も気づいていないのかもしれない。
しまいにはカタカタ震えだした体をなんとか押さえ込んでいると、やっと終業を告げるクラシッ
クが流れ出した。幸は弾かれたように顔をあげ、股間を刺激しないように体をゆっくりと起こす
と、すぐさま席を立てるように椅子を少し引いた。視界の先で教師が時計を見ながら、
「時間になっちゃったけど、ここだけ説明させてね」
「な――っ」
ぐらり、と視界が揺れる。頭の中が真っ暗になった。机についた五指がぐぐっと折曲がって、
爪がギリギリと音を立てる。口の中がカラカラで、今喋ってもまともに声になるかどうかすら怪し
い。
教師はそのまま、五分も授業を延長した。
「ふ、はぁっ」
授業間の休憩は十分、あと五分しか残されていない。幸はスカートの上から股間を押さえ、
膝を合わせて立ち上がった。頭の中はトイレに行くことでいっぱいだ。
「幸崎さん」
「――はっ?」
朦朧として前もよく見えない幸の視界を、見知った笑顔が埋めた。相田涼香だ。
「さっきから苦しそうにしてるけど、どうしたの? 保健室に行く?」
「い、や――」
うるさい黙れ放っておけ、と言い捨ててやりたいところだが、そんな体力もない。一刻も早く教
室を出てトイレに行かなければいけないのだ。
「ちょっと、トイレっ、に……」
息を荒くして、途切れ途切れの言葉をようやっと吐く。机についた手が震えている。
「え? なに?」
笑顔のまま、涼香は聞き返してきた。この野郎耳がおかしいのか、と脳内で自分の罵声が轟
く。震える幸を見て、涼香がまた「大丈夫?」と聞いてきた。
大丈夫ではない。だから、今すぐそこをどけ。
「と、トイレ……だって、言って……」
「え? ごめん、よく聞こえないんだ。おなかが痛いの?」
前かがみに股間を押さえているのを、腹痛だと思ったらしい。涼香は細い指先を、そっと幸
の背に添えた。
ぞわり、と背筋が震え、尿道がきゅううっ、と収縮する錯覚があった。息を止めて奥歯を噛み
締める。膀胱から迸る灼熱が、最悪の予感を伴って全身を蹂躙する。スリッパの中で爪先が
折れ曲がり、自然と踵が浮いていく。
「ふ、ふ、はっ、はぁ」
地団駄を踏んで気を紛らわせたいが、そんなことをすれば即座に漏らしてしまうだろう。小さ
く頭を振って、幸は必死にこみ上げる尿意を堪えた。
顎が痛み出すほど歯を噛み締めた甲斐あってか、決壊はどうにか免れた。わずかに波が引
いたのを悟って、幸は大きく吐息をついた。
「本当にどうしたの? やっぱり、保健室に行こう」
「さっ、さすんなくていい……! なんでも、ない。大丈夫だから」
「でも、苦しそうだよ」
お前がいるからだ、と幸は今度こそ叫ぼうとした。だが背に添えられた掌が脊椎にそって上
下すると、ビクリと背を反らせて言葉を詰まらせてしまう。
「はな……」
「まったく、あんなジュース飲むからだよ」
「……?」
友人を心配するにしては嬉しそうな笑顔で、涼香がそんなことを言った。一瞬、尿意に占領
された頭蓋に何かが閃きかけたが、腰のあたりに下りてきた掌に阻害される。
「おまえ……」
それでも、幸は必死に考えた。そうだ。冷静になれば明白だ。こんな尿意おかしいに決まっ
ている。何か異常があったに違いないのだ。
相田涼香。こいつの薦めてきたあのジュースに、何かあったに決まっているではないか。
「お前、わざと……!」
「腐ってたわけじゃないよ。面白い薬が入ってただけだから」
「なん……」
朝と変わらぬ笑顔で、涼香が拳を作るのが見えた。あれで、どこを、どうするつもりなのか。
「待――」
思考が白濁する。そんなものを、耐えられるわけがない。
涼香が拳を腰だめに構えるのと、扉が開いて教師が入ってくるのが同時だった。教室を見
渡したまだ若い数学教師は、ぱんぱん、と手を打ち合わせて着席を促す。
「もうすぐ授業ですよ。席につきなさい」
「はっ……」
「ちぇっ、残念」
つぶやいて、涼香が身を離す。安堵の息をつきながらも緊張は解かないまま、幸は眼前の
敵をにらみつけた。
「てめえ、なんのつもりだよ」
「心当たりがないの? それはびっくりだわ」
「んな、今更……」
「今更?」
ぴくり、と眉を跳ねさせて、涼香ははじめて笑顔を消した。ずい、と顔を近づけて、
「何も知らないとでも思ってるの? この嘘つき……!」
「……?」
意味がわからない。過去のいじめをなじられるならばわかるが、嘘つきというのはどういうこと
だ。何も知らないのは、むしろ幸の方だった。
「はいはい、相田さんも幸崎さんも座りなさい」
「……それじゃあ、この時間も頑張ってね」
「……」
薄笑いを浮かべて、涼香が自分の席へと段差をあがる。その背を見送って、幸は教壇に
振り向いた。始業の音楽が流れると同時に、教師が幸に『座れ』とジェスチャーする。
やはり冷静になれば明白だ。多少の恥辱をこらえてでも、ここは教師に伝えるべきなのだ。
授業中に漏らすよりは、公衆の面前で尿意を宣言した方がまだましである。
喉を鳴らして、幸はうめくように行った。
「すいません、トイレに行ってきても、よろしいですか」
不満そうに、教師が眉を歪める。生徒の幾人かが幸を振り返った。小さな笑い声が漏れた
のは後方から。確かめることはしなかったが、涼香だろう。
「どうして休み時間に行っておかないの。まったく……行ってきなさい」
「すいません」
ふらふらと席を離れて、なるべく不自然にならないように尿意を堪えながら段差を降りる。一
段下るごとに膀胱を衝撃が走りぬけ、そのたびに幸は立ち止まって歯を噛み締めなければな
らなかった。
異様な幸の仕草に教師が不機嫌そうな顔から不安そうな顔に変わり、教室の各所から囁き
が漏れはじめる。ちくしょう、とつぶやいて、幸はようやっと段差を降りきった。教壇の前を通る
ときに「大丈夫?」と聞いてきたのが誰だったのか、幸にはもうよくわからない。だから返事もし
なかった。
教師が扉を開けてくれる。それほどの状態に見えるのかと思いつつ、幸は廊下に出た。
「誰か、ついていってあげて、そのあと保健室に連れて行って」
「だいじょうぶです」
『誰か』 なんて言ったら涼香が手を挙げるに決まっている。幸は振り返って、即座にそう言
った。声が震えているのは見逃してくれるよう祈るしかない。
「自分で、保健室に行きます」
それだけ行って、ふらふらと教室を出る。閉まる扉の向こうで、既に席を立とうとしていた涼香
が座り直すのが見えた。
「くそが……」
なんで自分がこんな目に遭うのだと、呪いの言葉を撒き散らしながら、幸は小走りにすらな
れず廊下をよちよちと進んだ。トイレはすぐそこなのに、何キロも先にあるような気すらする。
「ふっ、はっ……ああ、」
そうしてどうにか、彼女はトイレへと辿りついた。なんで礼染のトイレには扉がついてるんだと
心中で毒づきながら、ふらつく足で中に入り込む。
ここまで来ればあと一歩だ。個室に入って下着を下ろすだけでいい。どうせ授業中なのだか
ら誰も来ない。個室の扉なんて開け放してたって構わない。
「は、はぁ、」
「――待ってたわよ」
「……あ?」
広い礼染のトイレ。全室天井まで完全個室で換気扇完備。洗面台も無駄に広く、壁一面
の鏡が青い顔の幸を映している。床は磨き上げられた大理石で、スカートの中身さえ見えてし
まいそうだ。
そのトイレの奥。並ぶ個室の先。腕を組んで仁王立ちする女生徒が、口元に酷薄な笑みを
浮かべていた。
「あり……せ……?」
揺らぐ視界が決定的に歪む。ここに至って、ようやく幸はこの異常事態が誰の演出なのかを
知った。
有瀬文月。狩られる獲物のはずだった女。
「お前か、アリセ……!」
「そうよ、幸崎さん。思ったより頑張ったわね。一限のうちに来ると思ったのだけど」
携帯電話を見ながら何事かを打ち込んで、文月は微笑んだ。おそらく、あれで涼香と連絡
を取り合っていたのだ。
「おしっこしたいの?」
くすくすと笑って、文月が一歩進み出る。思わず退きそうになって、幸は踏みとどまった。
「うるせえ……てめえ、こん……っな、ことして、ど、どうなるか……わかって、んのか」
途切れ途切れの恫喝に笑って、文月はまた携帯電話で何事かを打ち込む。指の動きを止
めないまま「わかってないのは幸崎さんね」と余裕の表情でつぶやいた。
「あとで……」
「後なんてないのよ」
文月の声を後押すように、背後から足音が響いた。ひとつ、ふたつ、みっつ。三人分の靴音
に幸が目を向ける。高等部の制服を着た生徒が二人、中等部の生徒が一人、険しい目つき
で立っていた。
「……?」
「覚えてない? みんな、幸崎さんに恨みのある人たちよ」
「ぐ……」
そんなところだろう。これで退路は完全に封じられた。笑顔のまま歩みよる文月をどうすること
も出来ず、幸はギリギリと奥歯を噛み締めた。
「今は授業中、こんなところには誰も来ない。自分で保健室に行くって言ったんですってね。と
いうことは、教室に戻らなくても誰も不思議に思わない」
「う……ぐ」
頭の中で赤いランプが点滅している。こんなはずはない。こんなのはおかしい。自分は狩人
のはずだ。獲物はこいつらのはずなのだ。なのにどうして、こんなことになっているんだ。
「おしっこしたいんですよね? しなさいよ」
「……」
冷たい声で、背後の生徒のうち、眼鏡をかけた女生徒が言った。睨みつけると一瞬身をすく
めたが、すぐに眉を吊り上げて手を伸ばす。
「ほら、早く!」
どん、と肩を押される。踏みとどまろうと足に力をいれると、膀胱に溜まった尿が暴れだす。股
間を手で押さえて、幸は無様にたたらを踏んだ。
「ふ、う、お、おま、お前ら……」
「なに、なんか文句でもあるの!」
眼鏡の生徒の脇、髪を頭の両脇でツインテールにした生徒が、後ろに引いて突き出された
形になっているお尻を平手で叩いた。衝撃が臀部から走り、膀胱の灼熱が応えるように燃え
上がる。喉をいっぱいに開いて肺の空気を全部吐き出してしまうと、幸は深い呼吸を二回繰り
返した。
「頑張るわね」
笑いながら、文月がそう言った。
「先輩の努力、ちゃんと撮ってる?」
「はい!」
力強く幼い声が聞こえる。この場で唯一の後輩、中等部の制服を着た最後の一人が、小
型のカメラを構えていた。掌に隠してしまえるような小さなものだが、幸の痴態を撮るのに不便
はないだろう。それどころか、
「高精細の美麗映像が連続六時間撮影可能。凄いでしょ?」
日本の家電三割を支配するALICEグループのご令嬢が、自慢げにそう言った。
喉がカラカラに渇いていく。体中の水分が、汗か尿のどちらかになってしまったようだ。
「香堂さん、やっちゃっいましょう」
文月にそう言われて、この場で最も背の高い、眼鏡の女生徒――香堂が動いた。
「ほら、早くしなさいよ。おしっこしたくてここに来たんでしょう!」
震える幸の両脇に手を差し入れて吊り上げる。背の低い幸はそれだけで足が宙に浮いてし
まう。踏みしめる床がなくなると、膀胱の猛りが激しくなった気がした。
「有瀬、私も参加していいんだよね?」
「もちろんよ、柚子澤さん」
「ふん、なにこれ、サンドバッグ? 殴っていいのかな!」
笑って、ツインテール――柚子澤が拳を優しく下腹部にあてる。軽く触れられているだけな
のに、幸は唇を噛んで俯いた。
暴れれば戒めからは抜け出せるかもしれないが、膀胱の疼きがそれを許さない。どうすれば
いいのかわからないまま、幸は太ももをすり合わせる。
「なんだよ、いつもみたいに強気になってよ。私のお尻にホースつっこんだ時みたいにさ!」
軽くあてられる拳が、少しずつ強くなる。腰が勝手に跳ねて、その衝撃でまた下腹部の疼き
が大きくなる。言葉も出ない。とうとう、涙まで滲んできた。
「本当、随分大人しいのね。いつもこうなら、こんな思いしなくてすんだんですけどね!」
言いながら、幸を吊り上げる香堂がお尻に膝を叩き込んだ。
「ひやぁうっ」
思わず悲鳴をあげて、ぎゅうっと合わせた太腿を引き絞る。汗だくの脚が踊る様をカメラにお
さめて、うわあ、と中等部の生徒が声をあげた。
「先輩、早くおもらししちゃえば楽になれますよ」
「な……」
涙目の幸に幼い笑顔を向けて、カメラを逸らさずに少女は言った。
「あたしにおんなじこと言ったの、おぼえてないですかぁ?」
覚えている。
後輩を相手にすることは珍しかった。それにあの時は後始末に手間がかかったから、よく覚
えている。そうだ。幸は確かに、この少女を相手にいじめをしたことがある。二年前、幸が中等
部二年だった時だ。中等部から編入してきたこの子――逢坂仁和子を、二月ばかりいじめぬ
いた。
そうだ。覚えている。
「しゃ、しん……」
「え?」
「に、にわ子、あんたの……写、真が」
何を忘れていたのだろう。幸にはとっておきのカードがあるのだ。この場にいる全員の痴態を
収めた写真たちが、幸の携帯電話には入っている。文月のもの以外はバックアップも既にとっ
てあるのだ。
「おまえ、らも……」
名前も思い出せないかつての獲物たちに視線を向けて、幸は脅しをかける。汗だくの泣き
顔で、口元に笑みを浮かべての脅迫は、壮絶な気迫に満ちていた。
「ばら、まく。ばらまく、ぞ……!」
良家のお嬢様たち。家柄と風聞を何より気にする彼女たちが、そんな写真の流出を良しと
するはずがない。解放される。これで解放される。
靄がかかる頭で必死に導き出した策に、幸は笑う口元を更に吊り上げた。文月の反乱には
驚かされたが、いかほどのものか。即席の配下になどなんの意味もないということを、教えてや
らねば――
「今更、何を言ってんの」
――思考を断ち切って、柚子澤が呆れ気味につぶやいた。
「え……」
まるで動揺していない。掌が伸びて下腹部を掴み上げ、ぎちゅっ、と握り潰した。
「うぁああっ」
「今更、何を言ってやがんのよ! もうとっくに、写真なんてバラまいてるくせに!」
一瞬、世界から音が消えた。直前に耳にした言葉だけが、脳内を駆けずっている。
馬鹿な。
そんなはずはない。データは自分が持っている。他の誰にも触らせてない。幸がバラまいて
いないものを、誰がバラまくというのだ。
「顔を隠せばわからないと思ったんですか。馬鹿にして」
吐き捨てるような声が背後から心臓に突き立った。違う。違うのだ。幸ではない。何が起こっ
たわけでもないのに写真をまいても、幸には何の得もないではないか。
「昨日の夜、有瀬さんから連絡があったんですよ。私たちだって復讐なんてする気はなかった。
あなたが、写真は流さないって約束を、ずっと守っていたからですよ……それを!」
「ち、ちが、違う……あ、ああ」
得をするのは。今この状況で写真を散らばせて、利益を得るのは。それは単独では難しい
復讐に、熱意ある協力者を得ることができる、眼前に佇むこの女以外にありえない。
その思考を読みきったのか、文月は幸にだけわかるように、薄い笑みを浮かべて頷いた。
「あ、ありせだ、ありせが、ありせが」
震えながら、必死にそれだけを繰り返す。握りこんだ掌に力をこめて、柚子澤が我慢しきれ
なくなったように叫んだ。
「どこのどいつが、自分の写真をネットに流すんだよ!」
「じぶ――」
今度こそ、幸の思考は完全に停止した。
その通りだ。どこの誰が、自分の痴態をバラまいてまでいじめの復讐をするというのだろう。そ
んなもの、まともな人間の考えることではない。
甘かった。見くびったのだ。こんな奴に手を出してはいけなかった。有瀬文月という女は、と
んでもない怪物だ。
「あは、」
涙をこぼしてふるえる幸を見て、たまらなくなったように文月が笑った。快感を堪えたように、
ぶるりと身を震わせる。
「ほら! 後悔しろ!」
一度離れた掌が股間を握り、思い切り捻られた。喉から声にならない悲鳴が迸り、背が勝手
に反っていく。赤く明滅する視界が、限界の到来を警告する。
「や、やだ、やめろ、ちくしょう、やだ、やだ! 無理、もう無理なんだよ! 許して、もう」
「うるさい、馬鹿!」
叫んで、柚子澤が腕を突き上げた。縦揺れの衝撃が股間から膀胱を突き抜けて全身を貫く。
足が伸びきってビクリと震え、たまりにたまった熱の塊が、ずるり、と下方へ落ちていく。白く染
まる世界で、幸は、
「ふぁあぁあ……」
心の底から安堵したような、甘くゆるやかな吐息をこぼした。
ぷあしゃああっ、という破裂音にも似た放尿音が響いた。
下着を通りぬけて、生暖かい液体が床まで太い黄金の糸を張る。柚子澤が手を放して体を
避け、カメラを構えた逢坂が一歩前に進み出る。
幸はそれにも気づかず、せき止められていたものが解き放たれた、そのえもいわれぬ開放感
に震えていた。半開きの口から吐息と喘ぎが交じり合うような声が漏れ、時折ぴくりぴくりと足
が揺れる。脱力した体は香堂に持ち上げられていなければすぐさま倒れこんでしまうだろう。
「漏らして感じてるの? 変態」
その様子を柚子澤が嘲弄する。ぱしゃぱしゃという水音がいやらしく惨めに響き渡り、幸は
涙でけぶった視界を足元に向けた。黄色い水溜りが大理石の床に広がっている。パンツはぐ
しょぐしょに濡れて、スカートにまで染みが広がっていた。
「惨めですね」
声と共に、幸の両脇から手が抜かれた。踏み堪えることなどできるはずもない。落とされたの
はほんの数センチだが、幸は足を滑らせて自分の作った尿溜まりに顔からつっこんでしまっ
た。
「きたなあい」
くすくすと笑って、逢坂がカメラを近づける。口の中にアンモニア臭い尿が入り込んできて、
幸は思わず唾を吐いた。
「学校の施設を汚さないで」
嘲笑まじりのつぶやきと共に、柚子澤の足が幸の頭を押さえ込む。びしゃり、と水音が跳ね
て、顔面がおしっこまみれになる。
「まだ漏らしてますよ」
「う……」
たまりにたまった尿は、勢いこそ多少弱めたものの、不様に地面にへばりつく幸の股間から
なおも弧を描いて散り飛んでいる。惨めさに目をつぶって、幸は唇を噛んだ。
「お似合いね」
甘い吐息の混じる、文月の声が聞こえてくる。屈辱に身を固くして、心胆が怒りで燃え上が
って、それでも、放尿だけは止まらなかった。
トイレの床を叩く水音は、そのまま一分近くも続いた。
■■■
大理石に広がる尿溜まりに浸していた全身をゆっくりと起こして、幸は自分を取り囲む四人
を睨みつけた。
眼鏡を押し上げる香堂、ツインテールを揺らす柚子澤、カメラを構える逢坂、そして堪えよう
ともせず愉悦の笑みを浮かべる有瀬文月。四人の怒りと興奮が、空気を通じて伝わってくるよ
うだった。この程度で、満足するはずがない。
「アリセ……アリセ……」
ぎりぎりと歯を噛み締めて、怨敵の名を唸るようにつぶやく。当の文月は笑うばかりでとりあお
うとしない。
文月がどうやって写真を流出させたのか、それは幸にはわからない。寮に空き巣に入ったの
だとしても、文月自身のデータはまだ携帯電話の中にしかないのだ。
「どうする、みんな?」
「これで終わりにはできないよね」
文月の問いかけに柚子澤が言い、
「私たちがされたことをひとつずつ、全部やり返してあげましょうよ」
眼鏡を押し上げて香堂が続いた。逢坂が楽しそうに何度も頷く。
「逢坂さん、カメラはあんまり揺らさないようにね」
「あ、すいません」
カメラ――。自分で撒き散らした小便にまみれて、便所の床に膝をつくこの姿をカメラに収め
られているのかと思うと、目の前が暗くなっていく。この先にあるものがなんなのか、幸は誰より
知っている。知っているからこそ、魂を鷲掴みにされるような恐怖と絶望を覚えるのだ。
「ちくしょう……ちくしょう」
「さあ、はりきってね幸崎さん。時間なら、まだまだあるんだから」
つきつけられた携帯電話の液晶の中、泣きながらお漏らしをする幸の写真の上で、三限が
はじまるまで四十分近くあることを知らせる時計の針が、秒と一緒に幸の体を刻んでいた。
以上です
んじゃつづき書いてくる。
これはメシウマGJ!
歪みなく丁寧で語彙も豊富だなあ
次回も期待して待ってます
うまいなぁ、そして面白いっていう
このwktk感はひさしぶりです
いくらでも待つので続き期待しています
冗長な言葉をほとんど使わずに、書けてしまうのが凄いな。
続きを楽しみにしています。
これは読みやすいし、それでいてすごく引き込まれるなあ。
GJ!
続きまだかなー?
楽しみすぎる
152 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/18(木) 21:49:17 ID:8lBAG5As
まだか…
>>109,134のつづき書いてみた。
以下から12レス分投下します。
スカトロ(大便)注意。
――ずっしりと、体が重くなる。
目の前が暗く淀む感覚に、幸は身震いして四人の復讐者を見上げた。小水で濡れた制服
が、僅かに動いただけで不快感を全身に伝えてくる。特にショーツはぐっしょりと尿を吸い込ん
で肌に張りついていて、これでは丸いお尻もふっくらとした土手の形も、くっきりと浮かび上が
らせているに違いない。
「それじゃあ、誰からやります?」
眼鏡を光らせて、香堂がそう言った。四人それぞれが受けた恥辱を、そのまま幸に返すと、
先ほども香堂はそう言っていた。自分が彼女らに何をしたのか、頭の片隅でどうにか思い起こ
して、その絶望に寒気を覚える。
「とりあえず、相田さんの分からにしましょう」
提案したのは文月だった。どこから取り出したものか、大きめのペンケースを用意して、うっす
らと笑う。
「覚えてる、幸崎さん。あなたが彼女に何をしたのか」
「うるせえ……」
覚えている。今朝までは忘れていたが、そもそもその写真を見たから幸は涼香のことを思い
出したのだ。液晶の中で泣く相田涼香。その膣に突きこまれていた十数本のボールペンまで、
はっきりと思う浮かべることが出来た。
「下着が濡れてたら気持ち悪いよね? 脱がせてあげるよ」
笑いながら幸の短い髪の毛を掴んで、柚子澤が思い切り引きずった。黄色い水溜りから引
き出されて、幸が小さく苦悶の声をあげる。
「それじゃあ、脱ぎましょうね」
言って、香堂が尿を吸い込んで濃く染め上げられたスカートをまくりあげた。現れたのは、意
外にも清廉なイメージの白いショーツだ。だが尿まみれで肌に密着したそれは隠すべき恥丘
の形をむしろ強調するようで、濡れた上質な布地はその奥の肌を透けさせて殊更に淫靡な印
象を与える。
あらわになったスカートの内側にカメラを向けて、逢坂がくすりと笑った。
「……」
意味のない静止の言葉など、幸は口にしなかった。本音を言えば叫びだして逃げ出したか
ったが、そういった言動の全てが火に注ぐ油になることを、彼女は誰より知っていたのだ。
「うわ、きったなぁい」
嫌味たらしく言葉を溜めて、香堂が嘲罵する。柚子澤が便所の床に幸の小さい体を引き倒
し、香堂が膝に膝を乗せて動きを封じる。両の人差し指がショーツの端を引っ張り、ゆっくりと
嬲るように引き下ろした。
散々に尿を吸ったショーツは肌に張り付いてスムーズには抜けず、くるくると縒りあって染み
込んだ汚水をこぼしはじめる。股を伝う感触に幸が眉をひそめ身をよじると、それをファインダ
ーにおさめる逢坂が楽しげな笑みを漏らした。
「それっ」
掛け声をあげて、香堂が一気にふとももまで指を引き下げる。股布がしぶとく股座にしがみ
ついていたが、指先を引っかけられると、びちゃり、という淫猥な音をたてて剥がれ落ちた。
さらけ出された幸の股間は、楕円状に鬱蒼とした陰毛が太腿あたりまでを覆っていて、その
形や色がにわかに判別できない。小便で濡れる恥毛は艶やかに秘奥を隠す黒い滝となって、
凌辱者の視線を遮っている。それでもその奥に、陰裂からはみ出た小陰唇が震えているのが
伺える。
子供のような体躯に似つかわしくない淫蕩さが、露わになった秘所からは匂っていた。
「グロいですねぇ……」
カメラをズームにしながら、逢坂が半ば本気の声でそう言った。幸が彼女を睨みつけるとほ
んの少し身を引いたが、カメラは逸らさない。
「なに後輩ビビらせてんだよ。ほら、香堂、足持ってよ」
「はい、そっちもお願いしますね」
二人は片足ずつ両手に抱えて、左右に開いていく。幸も抵抗しないわけではなかったが、
体が小さく力も弱い彼女では二人がかりの強制開脚に対抗できるはずもない。ほどなく、幸の
両足は鈍角のV字を描き出した。
「それじゃあ入れるわね。しっかり開いててね」
「うん」
「私ここに来て、カメラ大丈夫?」
「はい、ちゃんとグロいあそこが映ってますよー」
開かれた股に顔を寄せて、文月がくすりと笑う。細い指が生い茂る繊毛をかきわけ、 ぐちっ、
と容赦なく秘裂を割り開いた。色素の沈殿もない薄桃色の内襞が、外気と悪意ある視線に晒
されて怯えるように震えた。
「大人の形してるわりに、色はかわいいピンクなのね」
「逆にエロいなー」
「処女なんですか?」
香堂が、ちらりと幸の顔を見返った。幸は初等部からこの学院で暮らしている。男と触れ合う
機会が全くないわけではないが、性行為の経験などある方がおかしいというものだ。香堂もわ
かって聞いているのである。
幸は視線を厳しくするだけで答えない。その様子を見て、文月が口端を吊り上げた。
「確かめましょう」
そう言って、文月はペンケースから一本のボールペンを取り出した。ノック式の黒いペンで、
学院の購買で売っているものだ。ペンケースの中には同じようなボールペンが二十本近くも入
っている。
「まず、一本」
つぷ、と先端が靡肉にもぐりこむ。プラスチックの冷たい感触に幸が小さく声をあげ、四人が
嘲笑を漏らした。歯を食いしばって睨みつけるものの、文月は笑顔を浮かべるばかりだ。入り
口を探るようにペンが蠢く。幸は一日一回は自慰を行うが、それにしたって襞の表面を指で擦
る程度で、何かを入れたことはない。乙女のような貞操観を持っているわけでもないが、それで
も同性にボールペンで破られるとは思いもしなかった。
細く、硬く、冷たい感触が秘肉を擦りながら淫奥へと近づいていく。じわじわと攻め込まれる
恐怖が、少しずつ、幸の体を震えさせている。
「怖いの?」
見透かしたように、文月がつぶやいた。その視線は幸の秘所に向いたままだ。わざと肝心の
場所を外しているのだろう、ペン先が膣口をなぞるように円を描いている。
「……」
「正直に言って。怖いの、幸崎さん」
足を抱えている香堂と柚子澤も、秘所の前に顔を寄せる文月も、それらをカメラに収める逢
坂も、幸が震えているのは明白だとばかりに薄笑いを浮かべている。噛み締めていたはずの
歯がカチカチと音を立てている。今まで自分が犯してきた女たちと同じような惨めな反応だけ
は見せまいと、幸はそれだけを考えて涙の浮かぶ眼を吊り上げていた。
「怖く――ない」
裏返った声を震わせて、幸はそう強がりを吐いた。感心したように文月が吐息まじりの笑み
を浮かべて、
「あ、そう」
ずぐり、と一気にそれを突きこんだ。
「あ、ぅ――――!」
細いペン一本、予想したような痛みや衝撃はなかった。ただ、異物が押し入る強烈な違和
感と不快感、そして『犯された』という実感が、ぞわりと幸の心を蝕む。目の前がぐらりと揺れて、
それだけで崩壊しそうになる。
踏みとどまったのは、単純に屈するのが嫌だったからだ。ただの強情に過ぎないが、それで
も幸は悲鳴を飲み込んで視線に力をこめることが出来た。
「入ったのかよ」
かすれる声で、そんな言葉さえ投げてみせる。自分はただ泣き叫ぶだけだったお前らとは違
うのだと、そう心で叫び続ける。そんな幸の精一杯の強がりに、
「入ったわよ。ほら、幸崎さん、一緒に数えて」
文月の一言が亀裂を入れた。
「数え……?」
「そう。これが一本目。はい、二本目」
かちり、とペンの尻に硬いものがあたり、震動で膣がこすられる。息を呑む幸を嘲笑うように、
二本目のペンが突きこまれた。
「いぎ……っ!」
「まだ余裕あるわね。ほら、数えるんだって。三本目」
二本のペンでもう埋まりきっている隘路に、強引に三本目のペンが割り込む。肩を跳ねさせ
て、幸が細い喉から空気の塊を吐き出した。
「次は四本目ですよ」
「はい、よん、ほん、めー」
笑いながら、幸を取り押さえる二人が囃し立てる。抗議の声をあげようにも、膣を押し広げて
突きこまれるボールペンがそれを阻害する。四本のボールペンが股間から伸びるのを、幸は
荒い息を繰り返して睨みつけた。
「がんばるわね。あと何本いけるかな」
「あたし的には、最低十本はがんばってほしいですー」
「いやあ、十五本はいけるさ。なあ?」
柚子澤が片手を伸ばして、ボールペンを押し込んだ。びくりと背を反らせて、幸が呻き声を
あげる。
「なに言ってるんですか、せっかく用意したんだから、全部使わないと」
ぐらり、と視界が揺れる。全部。全部と言った。一体何本あるのだろう。たった四本で、もう幸
の体は限界を訴えている。柚子澤の言葉を信じるなら最低十五本――この四倍近い数が、
膣に押し入ることになる。
無理に決まってる。そんなの、耐えられない。
「お、おまえ、ら」
「はい、五本目」
「ごほんめー」
声を弾ませる逢坂に合わせるように、赤いボールペンが林立する黒い柱に加わる。五本に
なった膣栓を見て、うん、と文月は頷いた。
「いいオブジェだと思わない?」
「数が足りないな」
「あと三倍はないといけませんよね」
「そっか。だってさ、幸崎さん。何か言いたいことある?」
「う……ぐ、い、」
幸がゆっくりと口を開く。哀願なんて誇りが許さない。この期に及んで罵声を吐こうとして、
「いひぁああっ!」
股間を襲撃した強烈な刺激に、思わず悲鳴をあげてしまった。
バチバチと視界が瞬いて、危険を知らせるシグナルがひっきりなしに脳内で警報を鳴らす。
みちみちと膣が裂ける音が聞こえる。それが幻聴であるとわかっていても、幸は自分の股間が
真っ二つに裂けてしまったのではないかと本気で考えた。
それほどの痛みだった。
膣を駆け上り全身の血管を踏破して頭上へ突き抜けた痛みは、今まで幸が経験したどんな
痛覚とも違う性質のものだ。まるで神経を直接焼かれるような、名状しがたい衝撃だった。
「ふ、あ、ああ、」
何が起こったのか、またしても涙がこぼれはじめた視界を、ふらふらとそこへ向ける。伸び上
がるボールペンの森が、倍近くに増えているように見える。
……錯覚ではない。
「はい、八本目。あれ、計算合わない?」
わざとらしく笑いながら、文月がボールペンの尻をぐりぐりと回した。膣壁を撹拌される想像を
絶する感覚が、体の中心を走り抜ける。
「あっ、か、あああっ」
「かわいい声」
ずちゅっ、と湿り気のある音がして、またペンが一本増える。濡れているわけではない。破瓜
の血があふれ出して来たのだ。ペンの林を伝う赤い雫に、文月は笑みを深くした。
「はい、十本目」
「大台突入だな」
「ふたけたですよー、先輩、すごいですね!」
限界近くまで広がった膣口を更に押し広げて、今までのものより若干太いペンが潜りこむ。
抉りこむようにしてペンとペンの隙間にそれを差し込むと、文月は全てのペンのノッカーに掌を
添えた。
「これ以上は無理みたい。でも、全然足りないわよね?」
「そうですね。これで終わりなどといわれても、納得できません」
「おまえら……」
「ちゃんと撮ってますからねー、安心して泣いたり叫んだりしてくださいねー」
この先の展開を予告するように、あるいは脅すように、文月の手がノッカーを軽く叩く。たった
それだけの刺激にも背を震わせる幸を見て、復讐者はこらえようともせず笑い声をあげた。
「それじゃ、いくわよ」
「あ、あ、ま、待っ――」
文月の白い掌が、並ぶ十のノッカーに向かって、思い切り突き出された。
「んやぁああああぁああ――――!」
ザアッ、と視界に真っ赤なノイズが走る。
ぐじゃっとグロテスクな音を立てて突進したペンたちは、未だ異物を知らない膣を抉り、未踏
の処女道を突き抜けた。飛び出たペン先が膣壁をつつき、激痛の中にひとしずくの快感を垂
らす。だがその程度では、脊椎を炙る激痛を紛らわせるにはまるで足りない。
「全部で二十本用意したから、足りない十本分はこれで我慢してね、みんな」
言って、文月がペンを掴んだ手をぐるりと回した。十本のボールペンが互いにぶつかり合い
ながら、膣の中をぐじゅぐじゅと抉る。
「い、ぎあぁああ! やっ、やめっ」
「はい、二回目」
今度は逆方向に手首が捻られる。跳ね上がる腰を香堂と柚子澤が押さえ込み、喉を反らし
て悲鳴をあげる様を逢坂が楽しげに記録する。
「やっ、やぁっ、いひゃあぁああっ」
回転しながら抉るようにペンが押し込まれていく。涙でけぶる視界はまともに像を結ばない。
真っ赤なノイズが白濁する世界に踊っているだけだ。開きっぱなしで閉じることもままならない
口から、ぼたぼたと涎がこぼれおちる。伸ばされた舌が宙で踊り、ろれつのあやしい悲鳴が迸
る。情けない惨めな姿だが、幸にはもうそれすらわからない。
「――はい、十回目」
いっそ優しげな声で、文月がそうつぶやく。事態を理解させようと一拍の間を置いて、幸の
反応を確かめた。
幸には文月の声は聞こえていない。ただ、ずっと膣を抉りこんでいた感覚がなくなったことに、
ほんの一瞬気をゆるめて文月を見た。これで終わったのかと、無言の安堵が視線に現れる。
文月は笑っていた。まさに、この一瞬を待っていたのだと言わんばかりに。
「そうれ!」
掛け声をあげて、鍵のかかったドアノブを無理に開けようとするように、文月は乱暴に激しく、
手首を往復させた。
――ぐちっ! ぐちゃあ! ぐちゅあぁっ!
「――ぁっ」
声が詰まる。音にならない。体を抉られる音が内側から聞こえる。おなかの中が燃えている。
炎が体中を巡っている。死ぬ。死んでしまう。死んでしまう!
「ああぁあああああ! や、も、もうやだ、いやだあぁああ!」
全身を暴れさせて、幸は叫んだ。叫ばずにはいられなかった。今なにがどうなっているのかわ
からない。ただ、このままでは自分はどうにかなってしまう。ぼろぼろと涙をこぼして両手を振り
乱す幸を、香堂と柚子澤があわてて押さえ込む。文月が立ち上がって一歩下がると、二人も
幸から一旦離れた。
「やぁああ! も、もうやだ、やだよぉ! くんな! 来るなよお!」
自分の体を抱いて震える幸は、さっきまでとはまるで別人のようだ。つまらなそうに唾を吐い
て、柚子澤が股間のボールペンを蹴り上げた。
「んきゃあああっ」
「この程度で参らないでよ。本番はこれからなんだからさ」
言い捨てて、柚子澤は大股でトイレの奥へと向かっていく。不愉快そうなその背中をみやっ
て、香堂が軽く肩をすくめた。騒動の末に脱げてしまった幸のスリッパを拾って、仕切り直しだ
と言うようにパンパン、と打ち合わせる。
「四つんばいになりなさい」
そして、高みから見下ろすような声で言った。
「え……?」
「四つんばいに、なりなさい」
パンッ、とまたスリッパが音を立てる。「じょうおうさまですね」と逢坂が恐々つぶやいて、文月
が苦笑を返した。
もう逆らう気力もないのか、幸は言われるままに大理石の床に手と膝をついて、震えるお尻
を香堂に向けた。まくりあがっていたスカートが垂れて、白く丸い桃肉を覆う。肩越しに怯えた
視線をよこして、
「たた、くのかよ」
と涙まじりの声をあげた。
「それもするけど、今は違います。今は、あれ」
そう言って、香堂はトイレの奥、用具室から出て来た柚子澤を指で示した。幸がそちらに目
を向ける。――息を呑む音が、離れて立つ文月にまではっきりと聞こえた。
薄笑いを浮かべる柚子澤は、その手に長い、長い、水道のホースを握りしめていた。
「覚えてる? 覚えてるよね? これ」
「は、や、や、やだ! いやだぁあ!」
四つんばいの姿勢のまま、犬のように手足を振り乱して、幸は逃げ出した。覚えている。正し
く言えば思い出した。あれを肛門に突き刺して、おなかが膨れるまで水を注ぎ込んだのだ。ぼ
ろぼろ泣いて許しを請う柚子澤の顔を踏みつけたことも、幸ははっきりと思い出した。
記憶の中で、泣き叫ぶ柚子澤が自分と重なる。それは眼前まで迫った絶望的な未来だ。
「逃げないでくださいよ」
当然のように、逃げ道を香堂が塞ぐ。眼鏡を押し上げて、いつか彼女にそうしたように、頭を
踏みつけられた。大理石の滑らかな感触が頬いっぱいに広がって、それでも幸は手をばたば
たと暴れさせる。まるで駄々をこねる子供のような、不様な姿だった。
「ほら、尻あげてよ、尻」
まくりあげるのも面倒がって、柚子澤がスカートをズルリと引きずり下ろした。震える双臀とボ
ールペンが突き立ったままの陰部が晒される。十本のボールペンは血を滴らせて、強引に広
げられた膣は暴虐に喘ぐようにひくついている。
それでも柚子澤は、その光景を不憫に思うことも、痛々しいと感じることも、罪悪感を覚える
こともなかった。それは囚人の処刑を憐れむようなものだ。
潤滑液がわりにぬめる血液を掬い取って、肛門に塗りつける。その様子を見て、文月が手
洗い場から石鹸を持ってきた。軽く泡立てて塗りこむと、ぬるりと指が潜りこむ。これならば入り
そうだ。
「どのくらい耐えられるかな? どのくらいなら耐えられる?」
「むっ、無理、無理、無理! 無理だよぉ!」
「そんなことないよ。結構はいるもんだよ、ホースも水も!」
どうにか逃げようと左右に揺れる柔肉を掴んで、石鹸で白く泡立った窄まりに指をかける。小
さく悲鳴をあげて背を反らす幸に笑い声を投げかけて、柚子澤は親指を菊座に押し込んだ。
「ふぁっ! は、ぬ、ぬいて!」
「まだ入ってないものを、どうやって抜くっていうんだか」
爪の先から第一関節までを潜りこませると、鉤状に曲げた指を外側に引き寄せる。少女ゆえ
の柔らかさでぐにっと肛門まわりの肉がまるごと歪み、ピンク色の直腸壁が顔を出した。
「にわ子」
「はいはーい」
呼ばれて、逢坂がカメラを構えたまま小走りに駆け寄る。むき出しにされた排泄器官をアッ
プで撮って、「おおお」と感嘆の声をあげる。
「なんか、やっぱグロいですね」
「だってよ?」
「う、うぅ、やめて、もうやだよぉ……」
声をかけられても、涙をこぼすばかりで幸は何も答えない。これから何が起こるのかも、その
苦痛も、結末さえわかっているから、現実から逃げるくらいしか身を守る方法がないのだ。
「えっとー、えいっ」
そんな幸の最後の抵抗を笑うように、逢坂の人差し指と中指が、一気に震える肛門に突き
こまれた。中で二本の指をパタパタと振る。直腸を嬲られる感覚に、幸は悲鳴をあげた。
肛門は言うまでもなく排泄のための器官で、異物は自動的に外へ吐き出すように出来てい
る。その圧力すら愉しむように二本の指をわずかに前後させて、逢坂は柚子澤に倣うように、
二本の指をいっぱいに開いて、鉤状に曲げたそれを思い切り外側に引っ張った。
口を閉ざして震えていた肛門は、今や歪んだ三角形を作って腸壁を晒している。
冷気が内臓に直接触れて、幸の体を内側から冷やしていく。さっきからずっと目の前が真っ
赤で、視界がぐらぐらと揺れ続けている。きちんと前が見えないのは、泣いているからだけだろ
うか。幸ははもう、どうしたらいいのかわからなかった。どうすればこの状況を逃げれるのか、いく
ら考えても答えが出ない。こんなはずじゃない、こんなことになるはずはなかったのに。
「幸崎さん」
いつの間にか幸の脇にしゃがみこんでいた文月が、にっこりと笑った。
「助かりたいの? 許して欲しいの? ごめんなさいって謝って、自分のしてきたことが最低で
馬鹿げたクズみたいな遊びだって、認められる?」
「はっ、は――」
不思議と、文月の言葉だけはいやによく聞こえた。視界さえ明瞭になる。
背後では柚子澤が開いた菊口に細めたホースの先をあてている。その感触を肌で感じて、
幸はガチガチと歯を鳴らした。
「この女学院であなたがしてきたことが、最低のことだって、言える?」
「はっ、はっ、はっ、はっ」
幸は初等部の頃からこんなことをしてきた。女学院での最大の楽しみは、間違いなくこれだ
った。それを否定するということは、彼女の十数年を否定するということだ。幸にはプライドがあ
る。元々、彼女は誇り高い人間なのだ。そんなことを、容易に認められるわけがない。いかに
心身ともに嬲られきって衰弱していても、迷う。
文月は、その迷いを知っていた。
「残念。幸崎さん謝るのは嫌だって。柚子澤さん、やっちゃいましょう」
「――えっ」
最後の、助かる唯一の機会を自ら棒に振ったことを知って、幸は愕然と声をあげた。縋れた
かもしれない藁が、流されて消えていく。その絶望は、幸の心にぽっかりと穴を空けた。
「ひぁあああっ!」
その穴を埋めようと、青いホースが首をもたげて潜りこむ。少しずつ数を増やされたボールペ
ンと違い、最初からある程度の太さを持つ太いホースの侵入は、幸の視界をまた赤い明滅で
埋め尽くすのに十分だった。
肛門が侵入する異物を押し返そうと蠢きはじめるが、最初から広げられた穴では十分な働き
ができない。分厚いゴムの管は狭い道のりをぐにぐにと押し広げながら、五、六センチばかりも
潜り込んだ。
「このくらいなら、抜けないかな」
言って、柚子澤が親指を引き抜く。それを見て逢坂も指を抜いた。途端に肛門が口を閉ざ
し、わずかにホースが押し出されるが、これほどの長さを吐き出せるほどの力はない。
「幸崎さん、いきんでみたら? 出るかもしれないわよ」
「ふ、ん、んー! ん――――!」
言われて、幸は必死になって括約筋に力をこめた。ひくひくと肛門が震え、菊皺がわずかに
広がって捲くり返る。だが、そんなことでホースを排出できるはずもない。
「ほんとにやってるよ」
「馬鹿っぽいですよぉ、先輩」
背後で笑われて、幸は大理石の床に顔を押しつけた。もういやだ。もういやだ。今すぐここか
ら逃げ出したい。どうしてこんな目に遭うんだ。おかしい。おかしいじゃないか。
「それじゃあ柚子澤さん。注水といきましょう」
「まっ――待って! いや、それは嫌、やだ!」
「そりゃあ嫌だろうなあ。私も嫌だったよ」
笑いながら、柚子澤がホースの根元、トイレの奥に歩いていく。文月が立ち上がって、ゆっく
りとした足取りで幸の背後に回った。肛門を押さえる必要のなくなった逢坂が、一歩退いてカ
メラを構え直す。
「ねえ幸さん。さっきの質問だけど」
水道の栓が開かれ、ホースの内側を水道水が走りだす。シャアアッ、と滑らかに響く音に幸
が身を竦めるが、その瞬間はやってこない。
香堂が、頭を踏みつけていた足を放した。おそるおそる背後を振り返ると、伸びるホースを、
文月が足で踏みつけていた。あれならば、そこで水は止まりここまでやってこない。蛇口も全開
にしているわけではないのだろう。水のたまりも遅いようだ。
「今なら答えられるんじゃない? あなたのしてきたことを、あなたの十年間を、あなたの口で否
定してちょうだい」
「……あ、ああ、」
さっきは見逃した救いの藁が、今またそこに漂っている。それは幸のアイデンティティに関わ
ることかもしれない。それでも、この場から逃れられるのなら、なんだって構わない。
顔を前に戻す。香堂は一歩も動かずそこにいる。逃げようとしても無駄だろうし、元からそん
な体力はない。幸の膣には、まだボールペンが十本も群れを作っているのだ。
もう一度肩越しに振り返って、幸は涙でぐしゃぐしゃの顔を更に歪ませた。
文月の足によって止められている水が、ホースを内側から押し広げている。ホースの膨らみ
はそのまま、幸にとっての絶望の量だ。水圧でホースが揺れるのを見てとって、幸は一度唇を
噛み締めてから、
「みとめる、」
と、つぶやいた。
「何を、どう、認めるの。もっとはっきり言いなさい」
冷たい声は香堂のものだ。幸は震えながら、肺の中身を全て音にするように、悲鳴じみた宣
誓を行った。
「アタシがしてきたことは、馬鹿で下種な最低の遊びだった! 本当に――本当にそう思う!
ごめんなさい! もうしません! だから許して! もう許してください!」
ガクガクと震えながら、顔中を涙で濡らして、それでも幸は言い切った。それはこの場の全員
が望んでいた謝罪だ。普通の方法では決して得られなかっただろう、幸崎幸の懺悔だ。
満足したように、文月は微笑んだ。他の二人も、胸につかえていたものが少しは取れたよう
に、小さく頷く。
「そう。わかったわ、幸崎さん」
「あ……」
安堵に、幸が震える笑みを浮かべる。儚いその笑顔を見て、
「それじゃあ、お仕置きね」
文月は微笑みを浮かべたまま、ホースを踏みつけていた足をあげた。
「え」
散々せき止められていたものを解放されて、鉄砲水が弾け飛ぶ。垂れていたホースを水圧と
衝撃で跳ねさせるその勢いのまま、幸の腸内へ一挙になだれ込んだ。
「ひゃああぁああああ―――――ッ!」
普通に生きていればまず経験しない直腸への逆流に、幸は背を仰け反らせて悲鳴をあげた。
冷たい。異物感などは二の次だ。腹の奥まで流し込まれる冷水の低すぎる温度だけが、幸の
感覚の全てだった。
「このまま、逆側からお腹いっぱいにしてあげるよ」
用具室から出て来た柚子澤が、笑いながらそう言った。
「なんで! な、ひゃあぅっ、なんれ、なんでだよぉ! あやまっひゃのに、あ、アタ、アタシ、ちゃ
んとあやまったのにぃ!」
バンバンと大理石の床を叩いて、幸が吠える。耳元では大量の水が胃に逆流する音が聞こ
えている。もちろん本当にそんな音が鳴っているわけではない。全て幻聴だ。
だが今の幸にとって、その恐怖は現実だった。
「謝ったわね。そうすれば許すなんて、誰が言ったの?」
水の勢いが強くなった。柚子澤が用具室に戻って、蛇口を更に開いたのだ。ドドド、という水
音が、今度は本当に響いている。腸の柔壁を盛大に叩かれて、ビクリビクリと白い尻が跳ねる。
薄く張られた漿膜を乱暴に撫でながら、漿液と交じり合ってS字結腸にまで達し、溢れかえっ
て踊っている。
「う、うあ、ひゃっ、ああ、う、うそつき、うそつき、うそつきぃ……!」
なんてつまらない手に引っかかったのだろう。騙した文月も、騙された自分のことも許せな
い。
心を奮い立たせることはもうできない。違う誰かをいたぶることすらもうできないだろう。今日こ
の日が、この宣誓が、永遠に幸につきまとう。誰かを嬲る喜びは、幸の中から消えたのだ。虐
げられる立場に転落し、そこから這い上がる唯一の方法すら奪われた。
幸にはもう、戦う気力がない。
「うああああ! もうやだ! や、ふぁあっ、つ、冷たいよぉ、ぬいて、もうやめてよぉ!」
「って言ってるけど、どうする?」
「あ、じゃあ、そろそろ私いいですか?」
スリッパを掲げて、香堂が言った。微笑んで、文月が位置取りを交換する。逢坂が「すぱん
きんぐっていうんですよね!」と無邪気に声をあげた。
「おなか、苦しくないですか」
「う、うひっ、ひぅ、ふ、ふ、」
苦しくないはずがない。柚子澤が調節しているのか、水の勢いは収まってきてはいたが、そ
んなものは気休めにしかならない。下腹部は妊婦のように膨らみ、大量の水が腸壁を押し広
げている。冷え切った腹部が激痛を訴え、ぐるぐると不穏な響きまで立てはじめた。体を丸め
て耐えているが、決壊はそう遠くないだろう。
「苦しいですよね? うん、そうですか。よかったです」
そこで、放水は止められた。ホースを生やした肛門付近に水がにじんでいる。逆流してきた
のだろうか、と香堂は考えて、どちらが逆流なのかわからずに苦笑した。
「それじゃあ、我慢してくださいね。私、汚れたくないので」
ひゅうん、と風切り音を立ててスリッパを振る。震える柔尻に一度スリッパを優しくあてて、そ
れから思い切り振りかぶった。
「一発目!」
ぱあん! と景気のいい音が響く。びくん、と幸の背が跳ねて、すぐにまた身を丸める元の姿
勢に戻る。それを見て、香堂は遠慮なく二発目を打った。
「くぅあっ! あ、ふ、ふぁっ! ぎぅっ!」
ぱあん、ぱあん、と音が鳴るたびに桃尻がふるんふるんと跳ね回り、繋がっているホースが踊
る。性器に潜りこんだままのボールペンがカチャカチャと音を立てて、しぶとく伝う処女血が床
に雫を落とした。
「まだ! まだ! 我慢! するんです、よ!」
幸の尻はあっという間に真っ赤になってしまった。香堂はわざわざ左右叩き分けて、休まず
に腕を振る。呻き声をあげ、打擲のたびに体を跳ねさせながら、それでも幸は懸命に肛門を
締め付けた。そんなことに意味はないと知っていても。
「香堂先輩、過激ですねえ」
「お前はやらなくていいの?」
いつの間にか用具室から戻っていた柚子澤が、香堂のスパンキングを楽しげに眺めてそう
言った。ちらりと視線を投げて、逢坂はふるふると首を振った。
「おもらしの仕返しは、もうしましたからねー」
「なるほど」
ばあん! と一際大きな音が響いて、幸の小さな体が、上半身が起き上がるほど弾んだ。何
事かと思えば、香堂がスリッパを肛門に直接たたきつけたらしい。ぷぴっ、という下品な音を立
てて、水が数滴散るのが見えた。
「……まあ、こんなものでしょう」
息を切らせて、香堂が体を横にずらす。いざ決壊するとなった時に、足にかぶったりしたら最
悪だ。スリッパを、わざわざ幸の顔にあたるように投げ捨てる。
文月はその様子を見て、一度全員を見返った。腕を組んで笑みを浮かべる柚子澤。わずか
に頬を上気させ、息を整えている香堂。カメラを構えて、にこにこと笑う逢坂。そして、今も体を
丸めたまま、震えて便意に耐える幸崎。
「……みんな、いいかしら」
授業時間もそろそろ終わりだ。全員が顔を見合わせて、一様に頷く。文月は頷き返して、足
もとの幸に目を向けた。
「立って」
「む、り」
「今度は本当に、これで許してあげる。だから立って」
「……う、ぐ……」
文月の言葉を信用したわけではないが、どちらにせよ従わなければいけないことに違いはな
い。幸はおなかを押さえて、ふらふらと立ち上がった。
「小さい方からはじまったから、大きい方でおわらせるの。楽しいでしょう?」
「ゆ、ゆるして、くれるっ、て」
「うん。今からいうことをちゃんとできたらね」
文月はまず制服を指さして「脱いで」と簡潔に命令した。
「う……」
「股間からペン生やして、今更でしょ。間に合わなくなっちゃうわよ」
震える手で、幸は制服を脱ぎはじめた。腹痛を堪えてのことだからいちいち動きが遅い。だ
が幸にしてみれば、これは本当に最後のチャンスなのだ。今更と言うならばそれこそ今更だが、
それでも幸は従わないわけにはいかなかった。
ほどなく、幸は下着も脱ぎさって裸になった。局部を隠す余裕などない。慎ましい胸と桜色
の乳首を見て、文月は少しだけそこを責めなかったことを残念に思った。
制服と下着を受け取って、微笑む。幸は動こうとしない。許されるのを待っているのだ。勝手
に判断してトイレに駆け込まない程度には、この数十分で『調教』されていた。
「それじゃあ幸崎さん。今日何をされたかはわかるわよね。みんな、やられたことをやり返した。
そうよね?」
「……」
聞かれても、幸に答える気力は残っていない。ただ頷くだけだ。
文月はそれで満足なのか、頷き返して、それから、
「でも、私は、まだよね」
うっすらと、心臓まで凍るような笑顔を浮かべた。
「え……」
「私にしたこと、覚えてる? 伊勢宮さんじゃなくて、あなたが、したことよ」
「……」
幸は腹痛に占領されそうになる頭をひっくり返して、必死で思い出そうとした。文月にしたこ
と。幸が、文月にしたこと。いくらでもありそうな気がしたが、そう多くはない。裸にして、写真を
撮って、性器を嬲っていたのは伊勢宮だから――
「あ」
――そして、その答えにたどり着く。わかってみれば簡単だった。幸はほとんど、それだけを
文月に与えたのだ。
「ま、って」
もうずっと震えている声で、なんとか制止の言葉を紡いだ。だがそれがなんだというのだろう。
「それじゃあ、いくわね」
笑顔のままだった。文月は笑顔のまま、足を振り上げた。
逃げたい。だが逃げられない。足がすくむ。それでなくとも、幸は精神的にも肉体的にももう
限界だった。
「せーの!」
掛け声とともに、文月の細い脚が風を切ってしなり、幸の膨れ上がった下腹部をしたたかに
蹴りつけた。
水の詰まった袋を蹴ったような、ぼすっ、という鈍い音が響く。体をくの字に折って、幸は呼
吸を止めた。時間さえそれで止まればと、刹那の感激に叶わない願いを祈る。
だが、腹部から迸る衝撃は、それすら許さない。
「ふ、あ、あああああああああああああああっ!」
決壊は一瞬だった。
今まで誰も聞いたことがないような凄まじい放出音と共に、まずホースそのものが吐き出され
た。噴出した水が後を追って大理石の床を叩く。それはまだ透明な水道水だ。がくがくと震え
る足を伝い水溜りを作りながら、おそろしく遠くまで飛沫を飛ばす。文月を含め、全員が幸か
ら距離をとった。
水の勢いが弱まりはじめると、幸の腹から唸り声のような異様な音が響きはじめた。激しく首
を振ってその瞬間を拒否しようとするが、そんなことをしても何の意味もない。
激流が腸を駆け抜けるのを、幸ははっきりと感じ取った。それは氷のように冷え切っていなが
ら同時に体を焼き尽くす灼熱で、下腹部をぐるりと巡りながら腹の内側を蹂躙する。激しすぎ
る通過に腸壁が悲鳴をあげ、一センチも広がった肛門がべろりと裏側まで捲くれてビクビクと
痙攣する。
そうして、何かが爆発したのかと思うような、ばん! という音と共に、茶色の液体が幸の肛
門から噴出した。
「うああああっ、ああ、あっ、ああああああああああっ」
ばじゅっ、ぶりゅ、ぶじゅっ、と、聞くだけ吐き気を催すような汚らわしい音が、磨き上げられた
大理石を穢していく。水溜りの上に降り注ぐ赤茶色の液便はあっという間に透明な水道水を
汚水に変えてしまった。
「きたない……」
ぼそりと、香堂がつぶやいた。
「いや、いやあ、やだあああああっ」
立っているのも辛いのだろう、幸の体が沈みかけたが、その下は便の海だ。震える足をどうに
か叱咤して、無理矢理にでも中腰を維持する。
「あ、あ、うそ、ち、ちがっ、ふあぁああっ」
排便が促したのか、あれほど出したというのに、ボールペンの林立する股間から黄色い飛沫
が飛び散った。びしゃびしゃとふたつめの尿だまりが出来上がる様を見て、四人が小さく吐息
をつく。
「これは予想外ね」
「おもしろい絵が撮れましたよー」
ぶびゅるっ、という放射音を最後に、幸の放便は終わった。震えながらも最後まで立ち続け
た幸は、大きく息をついてよろよろと体を起こした。
「お、わり……?」
真っ赤になった目を向けてそう言う幸に、文月は頷いた。
「ええ。後片付けをしておしまいよ。もう授業も終わる。……みんな、おつかれさま」
「いや、私だけじゃ、とてもここまでできなかった」
「そうですね……やっぱり、あまりいい気分ではないですけど、気は晴れました」
「この映像は責任を持ってネットに流しますよー」
最後の言葉に幸がかすかに震えたが、抗議の声はあげなかった。今日のはじまりを思えば、
それは当然の結末だ。
「それじゃあ幸崎さん。後片付けはよろしくね。これ、雑巾だから」
言われて、幸はふらふらと視線をそれに合わせた。笑顔の文月が突き出しているのは、幸の
制服だ。
……幸の制服だった。
「ぞう、きん?」
「そう、雑巾」
そう言って、文月は当たり前のように、制服一式をまるごと、糞尿の海に投げ捨てた。びちゃ
り、と音をたてて上質の布地が水没し、雫が跳ねる。制服はあっという間に水と尿と便とを吸
い込んだ。
「……あ、あ」
呆然としたまま、幸は動けない。そんな彼女を尻目に、一行はぞろぞろと出口に向かう。
「おわったー、つかれたなあ」
「みんな、幸崎さんの他には誰かいましたか?」
「あたしの時は知らない先輩がいました。髪が長いの」
「ああ、月小路さんね。彼女は私もはじめてみたわ……あ、ごめん、みんな先に行ってて」
文月だけが集団から外れて、用具室へと戻る。手に何かプレートのようなものを持って、糞
尿溜まりを避けながら呆然とする幸の前を通り過ぎる。他の三人がトイレを出たことを確かめて、
幸に小さく、囁くように声をかけた。
「幸崎さん、ひとつだけ、教えてあげる」
「え……?」
ふらり、と顔をあげる幸に、文月はにっこりと微笑んだ。彼女が微笑む時は、大抵ろくなこと
を言わない。文月自身ですら、そう思っている。
「最近、チェーンメールが、多かったんじゃない?」
一語一語区切るような言い方で、文月はそう告げた。
幸は不可解そうな顔から、ほんの数秒で愕然と瞠目して、小さく呻き声をあげた。
「幸崎さん、賢いのね。でも、これからは気をつけてね。携帯電話にも、ウイルスってあるのよ」
取り出してみせた文月自身の携帯電話をくるりと回す。この事態の元凶となった画像流出、
その証拠が全て詰まっているかもしれないそれを、文月はあっさりと叩き折った。
「それじゃあ、さようなら」
優雅な足取りでトイレを出て行く。足もとに転がる操作盤と液晶を呆然と見つめて、幸はとう
とう、膝を折った。
■■■
「なにしてたんだ?」
「あ、待っててくれたのね」
文月は微笑んで、トイレの扉に『清掃中』と書かれたプレートをぶら下げた。納得したように
頷く三人に微笑んで、響きはじめた授業終了のクラシックに天井を見上げる。
「……それじゃあ、教室に戻りましょうか」
「そうだね。おつかれさん」
「また連絡しますね」
「有瀬先輩、あとでアップロードのこと教えてください」
「いいわよ」
三人がそれぞれの教室に向かって立ち去って行く。無人の廊下を歩く様子は少し目立って
いるが、すぐに廊下に溢れ出る生徒たちが、不自然に集まっていた彼女らをあっという間に飲
み込んでしまう。まだ曲は終わっていないのに、気の早いことだ。
「うん、ちょうどいい時間――」
防音性の高い扉の向こうから、悲鳴のような、泣き声のような絶叫が聞こえた気がしたが、
「――予定どおりね」
響くクラシックにかき消されて、誰の耳にも届かなかった。
以上です。
んじゃつづき書いてくる。
あと、すごい遅筆で申し訳ない…
メシウマGJ!
描写がしつこ過ぎず淡白でもなく、巧いなあ
次は月小路かな? どんな方法でどうなるのか楽しみにしてます
超GJ!
この分量とペースで遅筆だなんてとんでもない!
いつまでも待ってるのでゆっくり気が済むまで書いてください
GJ、すげぇな!
正直、ここまでの大作が見れるとは思わんかった
まさにスレタイ通りの神作品。
次回も楽しみにしています。
あなたが神か。
神降臨待ち保守っとな
いじめの鬱憤を晴らすカタルシスが素晴らしい
保守age
保守
175 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 19:31:10 ID:jFZp+b8J
続きまだかな
176 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 04:26:16 ID:hCf1hBHM
神まち
>>153のつづき書いてみた。
以下から11レス分投下します。
――息が荒い。視界が揺らぐ。足が引き攣って、横腹が悲鳴をあげている。肺が焼けるよう
に熱い。全身の細胞が限界を訴えている。
「はっ、はぁ、はぁ、」
携帯電話を握り締めて、金色の髪を翻し、それでも伊勢宮アリスは足を止めない。寮の階
段を駆け下りて、地下に唯一作られた生徒の個室、特別製のその扉の前に立つ。
「大丈夫……だいじょうぶ」
脳裏には、信じられないほど弱りきった幸崎幸の姿が焼きついている。この扉を開けたときそ
こに何があるのか――考えたくない。
「大丈夫」
根拠も自信もない、ただ自分を勇気づけるためだけの言葉を繰り返して、アリスはドアノブに
手をかけた。全寮中唯一完全防音のこの部屋は、扉が重く分厚い。
鍵はかかっていなかった。
一抹の不安を押し殺して、アリスは扉を開けた。何かが焦げるような異臭が鼻についたような
気がする。思わず目を細めて、それでも一気に扉を開く。
その先にあったのは――
■■■
――扉が開く気配に、月小路妃美歌は鍵盤の上で躍らせていた指を止めた。
今はまだ三限の途中、授業の真っ最中だ。こんなところに……月小路妃美歌の部屋に誰
か来ることはまずない。ましてや、ノックもなしに扉を開くなどと。
「誰?」
そういえば鍵をかけていなかったかもしれない。部外者のいない寮内で危機管理意識が弱
まるのはよくあることだが、月小路の場合は普段来訪者が極端に少ないため、なおのこと鍵に
関する習慣がないのだ。
重い鍵盤蓋を下ろして立ち上がり、扉へと視線を向ける。そこに、予想外の人物が大きめの
鞄を持って立っていた。
「……有瀬文月?」
眉をしかめてその名をつぶやく。呼ばれた方は静かに頷いて、勝手に室内に踏み入ってき
た。後ろ手に防音扉を閉めると、くすりと微笑んでみせる。手にした鞄を下ろして「こんにちは」
と白々しく挨拶を投げた。
「演奏中お邪魔した?」
「うん、邪魔。なに?」
自分でも乱暴な物言いだと思うが、これは仕方がないだろう。有瀬文月は入学する前からい
じめのターゲットに決まっていて、つい昨日、これまでのまだるっこしいやり方から、本来のわか
りやすい方法に切り替えたばかりだった。わざわざ自分をいじめている人間のところにやってく
るのだから、それなりの理由があるに決まっている。
丈の長い薄手のワンピースを纏う月小路と違って、文月は制服を着ている。つまり、一度は
教室に行ったということだ。
「今、授業中じゃないの」
「月小路さんも授業には出ていないじゃない。それも六年間も」
言われて、月小路は口をつぐんだ。
文月の言葉は正しい。月小路妃美歌は、初等部三年の頃から教室に行くことをやめた。も
ともと休みがちだった授業を完全に放棄したことに、さしたる理由はない。強いていうなれば、
我慢の限界だったのだ。
「すごいわね、この部屋。私の部屋の倍くらいあるわ。それも独り部屋なのね」
くるりと部屋を見渡して、文月がそんなことを言った。
礼染女学院の寮は二人一部屋が基本だが、当然一般的な学生寮よりも遥かに広く、各室
三部屋に分かれているから、実質は個室と変わりない。そんな礼染の学生寮にあって、なおこ
の部屋は異常だった。
部屋自体の広さは言わずもがなだが、その広大なスペースをたった一人の生徒が使ってい
るのだから、この部屋もその生徒も『特別』というしかない。
「このくらい広くないと、これが置けない」
鍵盤蓋の上に手を置いて、月小路はそうつぶやいた。黒塗りの表面を手で撫でながら、ゆ
っくりと扉へ向かう。その様子を見て、文月が小さくため息をついた。
「グランドピアノなんて、部屋に置くものじゃないでしょうに」
部屋の中央に鎮座している黒塗りの巨大な楽器。これが、この部屋が地下にあって完全防
音な理由。そして、月小路妃美歌が礼染女学院で特別扱いを受ける理由だった。
初等部一年ではじめたピアノだったが、遅いスタートを一瞬で巻き返すほどの才能を月小
路は持っていた。あちこちからひっきりなしに招聘の要求を受け、学院の言うままそれに従っ
た三年間。月小路はその三年間で世の中に対する諦観を得、学院は広大なコネクションと多
大な利益を得た。
一年ほど前までは特に強い要請があったものに限り演奏に出ていたが、今では全て断って
いる。それでも学院が彼女を特別扱いするのは、これまでの功績があまりに大きいからだ。
「なんてメーカーのピアノなの。有名なんでしょ?」
「ベヒシュタイン」
月小路は淡々と答えを口にしたが、文月は小さく首を傾げるだけで何も言わない。どうやら
知らないらしかった。月小路が、無学な、と不満げに形のいい唇を尖らせる。
「ストディラヴァリとかじゃないんだ」
「ストラディヴァリだろ。ストラドはヴァイオリン」
「ああ、そうか」
長い黒髪を手で梳いて、月小路は小さく吐息をついた。馬鹿の相手をするのは嫌いだった。
授業に出なくなったのもそのせいだ。よく三年もあんな馬鹿の巣窟に足しげく通ったものだと
思う。
月小路にとって、世界は馬鹿の集合体だった。自分ひとりだけが特別で、他はみな虫けら
のようなものだ。脚をもいで笑っても、踏み潰して笑っても、巣ごと水浸しにして笑っても、誰も
文句など言わない。
あるいは学院を出てもっと広い世界を知ればそうではないのかもしれないと、昔はそう考えて
いた。だがそんな幻想も、鍵盤の上を舞った三年間のうちに全て枯れ果ててしまった。
世界には馬鹿しかいない。実に退屈だ。
「で、何の用」
心にざらつくものを感じながら、吐き捨てるように月小路はそう問うた。このざらつきを癒す術
はひとつしかない。馬鹿どもを足蹴にして、指をさして笑うのだ。
「想像つかない?」
「つかない。……有瀬は本当に余裕だな。昨日の今日で、ここまでの奴は初めてだ」
ほんの少し、声音に感嘆の響きが混ざった。これまでターゲットにされた生徒は、大半が翌
日の授業を休んだ。その場合月小路たちの行動は決まっている。自室で独り震えているとこ
ろを『お見舞い』に行って、休む方が辛いことを体に刻み込むのだ。ところが文月は、授業こ
そサボっているかもしれないが、飄々と月小路の前に現れた。
目的がいまひとつわからない。まさか、復讐というわけでもあるまいに。
「……」
当然のように否定して、それから月小路はかすかに眉根を寄せた。文月が口元に浮かべる
薄笑い。湧き上がる感情を押し込めようとして失敗したような、悪意がにじみ出るその表情を
月小路はよく知っている。幸崎幸が、獲物を前にした時あんな風に笑うのだ。
復讐――そんなはずはない、などと言えるだろうか。
知らず、月小路は足を後ろに引いていた。追って、文月が歩を刻む。
「何しに来た」
「だから、想像つくでしょう?」
喉の鳴る音がした。ざわざわと全身の毛がわなないている。幸崎に連絡を取ろうと指先が携
帯電話を探し、それが隣の寝室にあることを思い出す。ピアノを弾く時はいつも、電話を遠ざ
けるのだ。
「何かしてみろ。明日から地獄を見るぞ」
「地獄なら、今さっき見てきたわよ。あいにく、私は上から見下ろす立場だったけど」
「……っ」
その言葉の意味を瞬時に悟って、月小路は言葉を失った。
震える足が更に後ろに下がるのと、分厚い防音扉がわずかに動くのが同時だった。文月は
眉をひそめて、月小路は助けを期待して目を向ける。ゆっくりと開かれた扉の向こうに、
「独りで遊ぶなんてひどいじゃないか」
「あたしも混ぜてくださいよー」
柚子澤と逢坂が、にやにやと笑いながら立っていた。
「あんたら……!」
かすれた声で月小路が呻く。幸崎幸と違い、月小路は今までいじめて来た相手の顔はひと
通り覚えている。そこに立つ二人のことも、はっきりと思い出せた。
「なによ、こんなところにいるって、よくわかったわね」
「ふふふー、教室とは逆方向に向かっていったのを見て、後をつけたんですよー」
「んで、私が呼ばれたわけ。香堂はとりあえずもういいってさ。あいつの時は月小路いなかった
らしいよ」
「ああ、そうなの。それじゃあ、三人でやりましょうか」
「とりあえず、どうする?」
「カメラもってきましたよー」
三人は笑顔で凌辱の打ち合わせをはじめた。足が震える。いくら広かろうが学生寮の一室
だ、当然入り口はひとつしかない。三人相手に逃げ延びる方法など、月小路にあるわけがな
い。電話まで辿り着ければ――いや、それで何がどうなるというのか。
「とりあえず押さえつけて、幸崎さんがどんな地獄にいるのかを見せてあげましょうか」
微笑んで、文月がそんなことを言った。
「よし」
応えて、柚子澤が大股に歩み寄る。逃れるように後ずさった体が、すぐにグランドピアノにぶ
つかった。戸惑っている間に距離をつめられ、気がついたときには腕を掴まれていた。
「は、放せ」
柚子澤は何も答えなかった。ただ思い切り腕を引いた。ぐるりと視界が回って、全身に衝撃
が走る。床に胸が叩きつけられて、呼吸が一瞬止まる。
追い討ちをかけるように柚子澤が馬乗りになって、綺麗な長い黒髪を掴みあげた。毛髪ごと
頭皮を引っ張られて、無理矢理に顔をあげさせられる。噛み締めた歯の奥から、苦悶の声が
漏れた。
「にわ子、カメラ」
「はいはーい」
小走りに近寄った逢坂が、カード型のカメラを操作する。背面に取り付けられた液晶に、ほ
んの数十分前の女子トイレが映し出される。それを、逢坂は笑顔で獲物の前に突き出した。
「はい、ちゃんと見てくださいねー」
「幸……!」
そこに描き出されたのは、なるほど地獄かと思うような光景だった。
ホースを肛門に突きこまれた幸崎が、泣きながら許しを請うている。そこにいるのが彼女でな
ければ、今まで幾度となく見てきた景色だ。これを非道というのなら、自分もまた非道である。
そうと知りながら、月小路は「ひどい」と口にせずにはいられなかった。
「あんたら……なんだって今更こんなことを!」
「お前も同じようなこと言うんだね。知らないと思ってるの?」
吐き捨てるような柚子澤の言葉にも、月小路は眉をひそめることしか出来ない。終わった相
手には干渉しない。それがこのいじめのルールだ。一年以上前のターゲットが今になって牙を
剥くなど、何かあったとしか思えない。誰かが、何かを仕組んだのだ。
誰か、など――有瀬文月に違いなかった。
文月は扉のそばから動かないまま、酷薄な笑みを浮かべている。睥睨するように押さえ込ま
れた月小路を眺めて、
「地獄、ちゃんと見た?」
と、愉悦を滲ませた声音で尋ねた。
「……」
「答えてくれないのね。幸崎さんとは違って無口だから、寂しいわ」
言いながら、足もとの鞄を持って、文月はゆっくりと歩き出した。その一歩一歩がカウトダウン。
眼前の小さな画面で展開される悪夢が、今度は自分の身に降りかかるのだ。
「は、放せ……」
がくがくと手が震えている。無様だと思う余裕もなかった。
不意に後頭部を引っ張っていた圧力が消えて、仰け反っていた首が前に倒れる。背後を見
返ると、背に乗っている柚子澤がワンピースの薄布を両手で掴んでいた。
「破けるかな?」
「あ、あ、ちょっと待ってください」
逢坂があわててカメラを撮影モードに切り替える。それを確認して、柚子澤が両手に思い切
り力をこめた。生地がきしみをあげて伸ばされる。だが、破けるまではいかない。
「んぎ……破けないな」
「さすが、安物じゃないですねー」
縫い目を探して同じように引いてみるものの、布はしぶとく伸びるばかりで裂くことは出来な
い。柚子澤が小さく舌を打った。
一級品の丈夫さに感謝しながらも、月小路はその舌打ちに怯えずにはいられない。破くな
んて面倒な手段を選ばなければ、彼女を裸にすることなんて簡単なのだ。ましてや、
「柚子澤さん、はいこれ」
近づいてきた文月が、鞄の中から笑顔で裁断鋏なんて取り出して見せたのだから。
文房具とはとても言えない、無骨で大きな布を断ち切るためのそれを、文月が柚子澤に渡
す。絶望的な光景だった。
「準備がいいね」
「もちろん、色々と用意してきたわよ」
震える月小路を見下ろして、文月は楽しそうにそう言った。
新品らしく鈍い銀色に輝くブレードが視界の端を横切り、そのまま死角に潜りかんだかと思う
と、首筋に冷たい感触があてられた。
「ひっ……」
「んん、このままブッ刺したら死んじゃうかな」
「そのまま放置したら死ぬでしょうね」
「血がいっぱい出ますねー。掃除が大変ですよ」
歯の打ち合う音が口の中で響きだす。こいつらは一体何を言っているのだろう。月小路も幸
崎も、そこまでのことはしていない。後に残るような傷をつけたことはないはずだ。
「そんなに震えない。本当に刺さっちゃうよ」
そんな標的の様子を笑って、柚子澤はゆっくりと手を動かした。刃が肌の上を滑る感覚に月
小路が身を震わせる。襟元に到達すると、もぐりこませた刃をかみ合わせる。シャキン、という
音を追うように、刃を中途半端に開いたまま、白い肌は傷つけないよう手を滑らせた。
上質な布地は裂かれる時ですら美しい音を立てた。
「……っ」
冷房で下げられた室温が柔肌を直撃する感覚に、月小路は身を震わせた。背の中央辺り
までを一気に切り開かれ、剥き出しになった肩甲骨を誰かの掌が撫で回す。震える首を後ろ
に向けると、肩越しの狭い視界の中で、柚子澤が立ち上がった。頭のどこかでチャンスだ、と
声がしたが、立ち上がる気力は恐怖ですりつぶされていた。下手なことをすれば、本当に刺さ
れるかもしれない。
震える月小路をまたいで逆向きになった柚子澤が、裂け目に刃をあてて、残りの布も引き裂
いていく。ノースリーブのワンピースは肩紐で吊る形になっているため、本来は肩紐さえ切って
しまえば裸に出来る。だというのに、柚子澤はわざわざ腹のあたりから横に刃を入れはじめた。
「ま、まだ切るの……!」
「いやあ、結構いい音がするからさ」
銀光が二度三度と閃いてワンピースを裁断していく。手術着のように背中がパックリと開いた
ワンピースは、更にズタズタに切り裂かれた。腰から下はほとんど丸見えで、丸く大きな尻が恐
怖で震えているのがよく見える。
「くろい!」
「えろいな」
露わになった桃尻を飾るのは、シースルーの黒い下着だ。外縁を飾るレース編みの装飾が
鮮やかで美しい、見るだけで高価とわかる一品だった。女子高生のものにしてはいささかセク
シーに過ぎるが、それもスタイルのいい月小路にはよく似合っている。
「こんなのつけて、誰を誘惑するんだか」
鋭い鋏の切っ先が、股布を軽く突く。敏感な部分に鋭角の刺激を受けて、月小路がわずか
に背を浮かせた。
「柚子澤さん、逆にしよう」
「ん、そうだな」
鋏を片手でもてあそびながら、柚子澤が月小路の細い腕を引っ張り上げる。力なく起き上
がった体が、すぐまた仰向けに引き倒された。
「ひぅ……」
正面から鋏を見るのは、死角から切り裂かれるよりも恐ろしかった。圧倒的な脅威に晒され
ているという事実が心臓を掴みあげて握りつぶす。澄んだ音を立てて空気を切り裂く柚子澤
が、まるで悪魔のようだ。
悪鬼の刃は背面と同じように高級品のワンピースを乱雑に切り裂いた。ジグザグのマイクロミ
ニに調節されて、更に腹のあたりまでスリットを入れられる。とてもではないが、こんな格好で外
には出られない。
「ううん、こんなもんかな?」
「いいセンスね。とても扇情的だわ」
相変わらず、三人はくすくすと笑っている。柔らかで軽やかなはずの笑い声が、まるで獰猛
な獣の唸り声のように聞こえた。かつて自分たちが虐待した少女たちも、こんな気持ちを味わ
ったのだろうか。
「も、もう、もう放して……」
「はあ? もうって、まだ何もしてないって」
「……」
呆れるように言って、鋏で空を切る。昔に見た、巨大な鋏を持った男から逃げるテレビゲー
ムを思い出した。いくらボタンを連打しても、ここからは逃げられない。
「かわいい下着だけど、これ高いの?」
「……」
唇を噛んで、月小路は震える眼差しを柚子澤に向けた。睨むなどという上等なものではない。
長い睫が許しを懇願するように震えて、まなじりにはかすかに涙すら見えた。
「月小路さん、かわいい」
うっとりと眼を潤ませて、熱を孕む吐息とともに文月がそうつぶやいた。
「どれ……」
巨大な刃が繊細なレースを挟み込む。眼前に迫った決定的な瞬間から逃げるように、月小
路はかすかに身を捩ったが、冷たい鉄の感触が腹を撫でると、それだけで動けなくなってしま
う。肺の奥が痙攣しているようで、呼吸がうまくできない。悲鳴すら、あげられなかった。
シャキン、と涼やかな音色がショーツの右端を切断した。
月小路が震えるのにも構わず、逆側も切り裂く。刃の先で布をつまんで、ゆっくりと、股布だ
けでつながるショーツの成れの果てをはがしていく。
「ほら、抵抗しないの? 見えちゃうよ?」
また、柚子澤が笑う。いつの間にか足もとに回ってきた逢坂が、笑顔でカメラを構えている。
抵抗などできるはずもない。せめてもの矜持にと眼差しを強くするも、そんなささやかな抵抗を
笑うように、ショーツは完全にめくりあげられた。冷たい空気が下腹部を撫でる。
月小路の秘部は体と同じように成熟しきっていた。閉じた口からは艶かしいビラビラが身を
寄せ合いながら顔を覗かせ、やや薄めの陰毛がデルタ状に陰唇上部を覆っている。薄茶に
色素の沈殿したそこは、グロテスクでありながら、同時に淫靡で官能的な美しさを誇っていた。
「見えちゃった」
「やっぱりグロいですねー。怪物になって夢にでてきそうですよー」
「にわ子言い過ぎ」
「……っ」
泣くものか、と月小路は歯を食いしばった。ここで泣いて喚いて助けを求めても、きっとこの
三人は笑うばかりで返事もしないに違いない。ますます惨めになるだけで、それでは月小路が
虐げてきた連中と同じだ。
月小路には誇りがある。自分が選ばれたものであるという誇りだ。それさえ失わなければ、ど
んな辱めを受けても屈したことにはならない。
この五指が鍵盤を叩けば、それだけで彼女は特別になれるのだから。
「で、どうする?」
首を捻って、柚子澤が文月に問いかけた。その間にも鋏の先で、露わになった陰門をつつ
いている。
「私、幸崎さんのことで反省があるのよ。ちょっと苦しい思いをさせすぎたかもしれないって」
文月が答えると、柚子澤が不審そうに眉をひそめた。逢坂も首を傾げて文月を見ている。
「むしろ、全然足りないんじゃないの? もっとやっちゃうべきだったんだよ」
つまらなそうに言って、柚子澤は鋏の切っ先を陰門の奥にもぐりこませた。ビクリと月小路の
背が跳ねるのを見て、楽しそうに笑う。
「そう? まあ、それでもいいんだけど――今回はね、苦しいばかりじゃなくて、少しは気持ちよ
くしてあげようと思うのよね」
「……ああ、なるほど」
ぐりぐりと刃を押し込んでいくと、痙攣するように月小路が体を跳ねさせる。もちろん、快感な
ど微塵も得ていない。純粋に恐怖と痛覚で震えているのだ。
「だからまずはね……」
それでも、月小路は必死に耐えていた。歯を食いしばって三人を睨みつけ、床に指を突き
たてて耐えていた。股間に冷たい鉄の感触を感じながら、時折走る鋭い痛みにも声をこらえて
いた。
そんな、彼女の精一杯の抵抗を笑って、文月が一本の剃刀を取り出した。裁断鋏よりも遥
かに小さいT字型のそれを、見せ付けるように左右に振る。
「いじりやすいように、これで剃りましょうか」
「……っ」
月小路も、いじめのひとつとして剃毛を選んだことはある。相手が震えるものだから巧く剃れ
なかったのだが、それでも終わった後の間の抜けた陰部には笑い声を抑えられなかった。
「お、いいね」
鋏と剃刀を交換して、柚子澤が笑う。鞄の中からシェービングクリームを出して泡立てながら、
文月が笑う。二人を見て位置取りを調節し、カメラを構え直しつつ、逢坂が笑う。
女の子三人が笑っているだけなのに、まるで地獄の光景だ。
「肌が傷つくといけないからね……」
泡立てたクリームが陰唇上部、陰毛の茂る下腹部から、股を覆って脚の付け根までを白く
化粧する。掌の温度が移ったのか、生ぬるいその温もりは生物を連想させた。
「じゃあ剃るよ」
冷たい刃がふっくらと膨らんだ土手に添えられる。なだらかな丘を優しく撫でるように、剃刀
が滑り降りた。
しゃりっ、と剃毛独特の音が響いた。
自分の最も弱い部分を刃物が通り過ぎる感覚に、月小路が身を震わせる。しゃっ、しゃりっ、
と繰り返し音を立てながら、泡と一緒に縮れた陰毛がそぎ落とされていった。
「これ、なんか興奮するね」
言葉尻にほのかな熱を潜ませて、柚子澤がそうつぶやいた。同年代の女の子を好きにいじ
りまわしている、その生殺与奪を握っているという事実が、彼女を昂ぶらせているのだ。手に力
がこもりすぎて、あわてて剃刀を一度離す。さすがに、直接傷をつけるつもりはない。
「気をつけてね」
苦笑まじりに文月にたしなめられて、柚子澤はゆっくりと剃刀を添えなおした。既に半ばの毛
は剃られて、白い泡に埋もれて床に沈んでいる。つるりとした肌色の土手はかすかに青い剃り
跡が残るだけで、凌辱者たちに無毛の丘を晒していた。
複雑な形状の肉襞や包皮をかぶったままのクリトリスを傷つけないよう、慎重に、丁寧に、赤
子を労わるような繊細さで、残りの毛を落としていく。童女のような――と評するには成熟しす
ぎた、それゆえに無毛の淫猥さが際立つ秘所が、そうして作り上げられていく。
「……」
鉄が肌を滑る冷たい感覚だけで、月小路の頭にその光景が浮かび上がった。自分の目で
見る勇気はない。歯を食いしばり、目を固く閉じて、鍵盤の上でならば優雅に舞える十本の
指を、床に強く突き立てる。
緩慢に進行する処刑の時間は、やがて終わりを迎えた。
剃刀が離れ、小さな吐息が聞こえる。柚子澤が立ち上がったらしい気配の後に、湿った布
の感触が秘部を優しくぬぐった。予想外の感覚に背を震わせて、月小路はおそるおそる目を
開いた。
開かれた股の間にいるのは、柚子澤ではなく文月だった。どうやらウェットティッシュでクリー
ムの残りを拭いているらしい。まるでおもらしの後始末をされているような光景に、知らず体が
羞恥で燃える。
「終わったわよ。ほら、自分で見て」
「……」
躊躇していると、背後に回った柚子澤が無理矢理に体を起こしてきた。触れられているのが
嫌で、仕方なしに半身を起こす。震える視界に、それが飛び込んできた。
丁寧に毛を剃られたそこは、毎日浴場で見るのとは別物のようだった。いっそ痛々しく見え
る剃り残しが、ことさら淫らに映った。
「かわいくなったわね」
そう言って、文月が無毛の秘部に指を這わせた。外縁をなぞるように円を描き、それから中
央のスリットを撫で上げる。顔を覗かせた肉襞を指先でつまんで、くい、と引っ張った。
「んぅ……っ」
不覚にも漏れ出た声に、三人が小さな笑い声をあげた。屈辱と恥辱で、心臓から火が出た
ように体が熱くなる。
「敏感なのかしら……こっちはどう? 普段いじってる?」
言って、文月の細い指が、陰門から更に上に向かい、皮をかぶって隠れている肉芽をつま
みあげた。
「……っ」
今度は、声を抑えきった。唇を噛んでこらえる月小路の表情に何かを刺激されたか、文月が
くすりと笑って、つまんだ豆をきゅっ、とひねる。女性の快楽が集束する小さな淫芽は、それだ
けで凄まじい電流を月小路の全身に注ぎ込んだ。
「――――っ! あ、か……っ」
こらえた、のではない。声にならなかったのだ。肺の中身を全て吐き出すような乱暴な呼吸を
繰り返す月小路を見て、文月はまた微笑んだ。強すぎた愛撫を詫びるように、指の腹で優しく
肉豆をころがして、緩やかに確実な刺激を送る。
身を固くして備えていた月小路をほぐすように、慈しみを錯覚するほどの丁寧さで、文月は
クリトリスへの愛撫を続けた。
「ふ……ん、は……」
やがて、月小路の口元から吐息まじりの声が漏れ始める。
こらえようにも、先の一撃が体内で荒れ狂って、声を抑えることが出来ない。どこで覚えたの
か、巧みな指使いで強引に引きずり出される快感に、月小路は背を震わせた。
「感じてる?」
「かんじてますねー」
柚子澤と逢坂が笑い声をあげた。嘲笑だと知っていながら、屈辱以上に快感の炎が燃えて
いる。月小路は自慰のさいにクリトリスをいじる。だが文月の愛撫は彼女のそれに比べてあまり
にも穏やかで優しく、緩慢すぎてもどかしい。そしてそれ故に、くすぶる炎は際限を知らないよ
うに大きく育っていく。
下腹部を中心として、同心円を描きながら快楽の波が少しずつ全身を侵していく。彼女が
常とするのは体をまるごと攫うような大波を起こす自慰だ。こんな、爪先から一滴ずつ水を注
がれるような快楽は知らない。
「ふ、ふぅ、は、はぁ……っ」
膨らみすぎた風船が体の中で出口を求めている。破裂の瞬間が恐ろしくもあり、待ち遠しく
もあった。それでも、文月の緩やかな愛撫では、その時はまだ先だろう。
月小路は朦朧とする頭で、そう考えた。そして彼女がそう考えることを、文月は知っていた。
ぢゅるんっ!
――という音を幻聴する。
「いひぁあああ!?」
突如駆け上った激感に、月小路は全身を仰け反らせて悲鳴をあげた。膨らみきった風船が
限界以上の空気を送り込まれてパンパンに腫れ上がる。緩やかだったはずの指先が、まるで
数瞬前の自身を忘れたかのように、一気に陰核包皮を剥いたのだ。
「ひぅ、ひっ、ひぁっ」
「あは、ぴくぴくケイレンしてますよー」
「気持ち悪いわね」
笑いながら言って、文月は剥き出しになった陰核を指先でそっと包み込んだ。涙目になった
月小路が、震えながらその光景を見ている。これから何をされるのか、彼女にもわかったのだ。
「いくわよ、月小路さん。五、四、」
カウントを聞きながら、月小路は息を吐いた。襲い来る激烈をこらえようと、全身の力を抜い
て、それから身構えるつもりなのだ。
「三、」
指先に、わずかに力がこもりはじめた。息を吐ききった月小路が、小さく口を開いた、
「――えいっ!」
その瞬間を狙って、添えられた指先が思い切り陰核を押し潰した。
「んんぁああああああ!」
あと二秒あったはずだ――そんな抗議は形にならない。迸った衝撃は淫芽から全身を猛烈
な速度で走り抜けて、腫れ上がった風船を一撃で破裂させた。その内にたまっていた快楽が
一斉に溢れ出し、血管を逆流して心臓を犯す。
「あ、っ、は、ふっ、ふぁっ、あうぁっ」
びくびくと震える月小路に笑いかけて、文月が指先を左右にひねった。新たに送り込まれた
刺激が体内で混じりあって、燃え上がる炎を更に猛らせる。
「んっ、あぅっ……ひぁっ、あ、あっ、あっ、ああぁあああああ―――――!」
ねじ切られるかと思うほど強く捻りあげられて、月小路はえび反りになって悲鳴をあげた。そ
れが快感なのか、それとも単なる苦痛なのかわからない。だが猛りきった炎がその瞬間に全身
を突き抜けていったことはわかった。
浮き上がった背が床につくと同時に文月の手がゆっくりと離れて、熱い吐息が三方から漏れ
る。深く重く、淫らな熱を孕んだ吐息を繰り返して、月小路は全身を震わせながら歪んだ視界
に笑う文月を見た。
「かわいいわよ、月小路さん」
微笑に、罪悪感などかけらもなかった。それどころか、優越感や達成感すら見られない。た
だ、嗜虐の悦びだけが月小路を笑っていた。
「いった?」
「イきましたね」
「……」
こんなに熱く荒い吐息を繰り返していては、否定もできなかった。悔しくはあったが、月小路
は唇を噛んで無様な言い訳をこらえた。
「逢坂さん、ここアップにして。ほら、こんなに膨らんでる」
「わ、すごいですねー。クリトリスって、こんな大きくなるんですね」
「あ、あ、私も見たい」
騒ぎ出す三人の声を聞くまいとするが、全身が弛緩して耳を塞ぐことすらできなかった。さん
ざんに嬲られて腫れ上がり、敏感になった陰核に誰かの指がまた触れる。外側を撫でるような
その触れ方に違和感を覚えて、月小路はそろそろと視線を向けた。どうやら、文月は淫芽の
皮だけをつまんで引っ張っているようだ。
「わかる? 月小路さん。これが陰核包皮ね」
言われても、横たわる月小路には見えない。文月は微笑んで、逆の手に持ったそれを掲げ
てみせた。
「それで、これが瞬間接着剤」
一瞬、思考が停止した。
瞬間接着剤。確かにそれは、有名な接着剤のチューブだった。速乾性で強力な、剥離剤
がなければまず剥がせない代物だ。
「え?」
意味がわからなかった。ここで接着剤を取り出して、どうしようというのだろう。
不可解そうにしているのは他の二人も同じだった。三人全員に説明するように、文月がもう
一度繰り返す。
「これが、陰核包皮。これが、瞬間接着剤。わかる?」
そのふたつがどうつながるのか。理解に数秒を要して、
「……え?」
やっと、月小路はその企みを悟った。
「あっ、あー、なるほど、そういうことですかー」
「なに、どういうこと?」
「こういうことよ」
チューブのキャップを外すと、キャップの内側から伸びるハケに接着剤をつける。文月はそれ
を、ゆっくりと包皮に近づけた。
「待って! 待って、待って! 嘘だろ、何考えてるんだよ!」
「今、月小路さんが考えていることで、多分あってるわよ」
「な、なに言って――」
細いハケの感触が肌を撫でる。ぬめる粘液が下腹部に塗られ、同様に包皮の側にも少量
の接着剤が塗られた。
「あ、なるほど」
柚子澤がやっと事態を理解して頷いた。それを見て、文月は楽しそうに笑って包皮を肌に
押し付けた。指に接着剤がつかないように、両者を密着させてこすりつける。塗られた接着剤
がわずかに溢れて、速乾性の名に恥じない速度で固まる。
「あ、あ……」
体感的には、何が変わったわけでもない。だがそれは今だけの話だ。文月はあろうことか、
包皮と肌を接着してしまったのである。
「これで、ずっとかわいいクリトリスが剥き出しのままよ。よかったわね」
文月は笑って、指先で淫芽を弾いた。快感よりは痛みの方が強い刺激に、月小路が肩を
跳ねさせる。
「これ、普段の生活どのくらい辛いんだろう」
「さすがにやられたことないから、わかりませんねー」
「歩くだけで服が擦れて、きっと気持ちよくなれるわよ。あとはローターあたりと組み合わせてあ
げれば、面白いことになるんじゃないかしら」
全身の血管から血の引く音を聞いた気がした。幸崎ですら、ここまでのことはしなかった。考
えたこともないに違いない。一生に残るような傷をつけないことは、彼女たちのルールのひとつ
でもあったのだ。
「う、あ……」
震える月小路を見て、文月はまた微笑んだ。立ち上がり、その顔に手を触れて、まなじりに
かすかに溜まる涙を掬い取る。そのまま、優しく囁いた。
「大丈夫よ、月小路さん。皮膚についた接着剤ってね、意外と簡単に取れるのよ。毎日お風
呂に入って何日かしてしまえば、すぐに剥がれちゃうわ」
「……」
本当かどうかはわからない。だが、かすかに安堵したのは確かだった。仮に嘘だったとしても、
世の中にはちゃんと剥離剤というものがあるのだ。よく考えれば、一生このままになるわけでは
ない。
「だから」
安心からついた吐息を飲み込んで、毒にかえて吐き出すように、
「剥がれたら、またつけてあげるわね」
耳元で、文月がそうつぶやいた。
「あ……」
目の前が暗くなる。視界が、本当に一瞬でゼロになった。
この女はおかしい。気が狂っている。自分たちも相当のものだと思っていたが、それを遥かに
凌駕する怪物が、目の前に立っていた。
怖い――この時、月小路は心底そう思った。
この女が、怖い。手を出すべきではなかった。こんな怪物に、関わるべきではなかったのだ。
それは、つい先ほど幸崎幸が抱いたのと、同じ恐怖だった。
「ほら、立って、月小路さん。まだまだ、やりたいことはいっぱいあるんだから」
「あ、う……」
脇をかかえて立たされる。そのまま強引に歩かされて、ピアノの前に座らせられた。柚子澤と
逢坂はこれからのプランを何も聞かされていないのか、不思議そうな表情に幾ばくかの期待を
こめて、こちらを見ている。
「も、もう、いやだ……」
心が折れかけている。月小路はそれを自覚したが、奮い立たせるほどの気力はもうない。そ
んな彼女を見て、文月はにっこりと笑った。
「大丈夫よ。三限が終わったら、これもおしまいだから」
「……」
「本当、本当。昼休みまでに全員終わらせたいのよ」
「ハードスケジュールだな」
「先輩、今日は授業受ける気ゼロですね」
その言葉が真実にせよ嘘にせよ、月小路には今を耐えることしかできない。震える視界を壁
にかけられた時計に向ける。三限はまだ半ば。この地獄が終わるまで、三十分ほども残されて
いる。その間に何をするつもりなのだろう。
月小路は、時計からピアノに視線をうつした。最大の誇りであるこの楽器が、唯一のよりどこ
ろであることに、気づいてしまったのだ。
ピアノの前に座らせて、何を、するつもりなのだろう。
「さあ、演奏会をはじめましょう」
震える月小路の肩に手を置いて、文月はそう、新たな凌辱の開始を宣言した。
以上です。
随分遅くなって申し訳ない。んじゃつづき書いてくる。
朝からいいものを見た。
>「剥がれたら、またつけてあげるわね」
すばらしい一言だw
神降臨大感謝大興奮GJGJ
とにもかくにも攻め責めのバリエーションが興奮のツボ押さえてて凄い。
続き大いに期待して待ってます。
上手く言葉が見つからないが、こいつは大作だ。
このスレを覗いて良かった。
GJ!!
ピアノでなにするんだろう!なにするんだろう!
月小路が可愛いんで、どうプライドが折れるのかすごく気になる…!
>>193 いじめっ子が可愛いだなんて信じられないわっ
月小路さんをめちゃくちゃにして二度とそんな感想が出ないように…てな展開だと良いな
俺は相田さんと柚子澤さんが何気に好きだ。復讐組は必要以上に仲良くならなさそうなのが少し残念だけど
>>189 凄いの一言。
どうしたらそんなに、繊細な表現ができるのか……
続きを激しく希望しながら待っています。
凄すぎる・・・
続き期待してます
197 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 19:22:10 ID:wKeBtWkd
期待age
198 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 05:19:09 ID:LF3MphSt
続き楽しみです
遅くなったけどGJ
いつまででも待ってるぜGJ
201 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 09:00:41 ID:2b4IjYp7
期待あげ
スレタイに惹かれつつ騙されないぞと覗いてみたら
期待以上の神スレだった
前回より間が長い
これは期待すべき
作者本人が楽しみながら(悦しみながら)書いてくれるのが俺の一番の望み
>>204 同じく。
いつまでだって待てるから存分に書くことを楽しんで頂きたい。
まだかな
待機いているのだがそろそろズボンを穿くべきだろうか
それじゃ俺がズボン脱ぐよ!
早くお脱ぎなさいな
ちょっと男子ー、こんなところで脱がないでよー
何だよ女子ー、お前らはもうスッポンポンじゃないかよー
>>178のつづき書いてみた。
以下から12レス分投下します。
ベヒシュタイン製のグランドピアノは、さすがに丁寧に磨き上げられていた。光沢を放つ鍵盤
蓋は覗き込めば表情さえ映りこむほどだ。
今そこには、嗜虐の愉悦と、被虐の恐怖と、二種類の感情が浮かび上がっている。
「え、演奏会……?」
下半身がむき出しになるまで切り裂かれたズタズタのワンピースだけをまとった格好で、月小
路妃美歌は震える声をあげた。住み慣れた自室の座り慣れたピアノ。だというのに、まるで異
次元にでも放り込まれたような気分だった。
部屋の中には月小路の他に三人の生徒がいて、全員が敵だ。恐怖に潰されそうになるのも、
無理はない。
月小路の目の前で微笑む有瀬文月が、楽しそうにうなずいた。
「そう、演奏会。せっかく月小路さんがいて、ピアノがあるんですもの、弾いてもらわないと損じ
ゃない?」
「……」
ピアノは月小路の最大の誇りであり、唯一のよりどころだ。これを失ったら、月小路はどこにも
いけない。たとえば今、指を一本でも切り落とされたら、それだけで月小路妃美歌という人間
は終わる。そうして目の前のこの女は、その程度のことならばたやすくやってのけるだろう。
「ん、いやなの?」
だが、断ることは出来ない。状況が許さないし、なにより恐ろしい。同い年の文月のことが、
心の底から怖い。
「ひ、弾くよ」
「そう? つらいならやめてもいいのよ」
「弾く」
首を振って、月小路は断言した。重い鍵盤蓋を自ら押し上げ、並ぶ黒白の鍵盤に指を添
える。
「何を、弾けばいいんだ」
「譜面は必要?」
「ものによるけど……」
文月は口元に手をあてて数秒考えると、ピアノに背を向けて鞄の中を漁りはじめた。月小路
をいたぶるためだけに用意したという道具の数々が、あの中にはおさめられているはずだ。
「私はよくわからないんだけど、月小路さんが一番得意なのって、なに?」
「……」
言われて、月小路はほんの少しだけ黙った。小学校の頃から今まで、繰り返し奏でてきた無
数のメロディーが脳内をめぐる。
答えはすぐに出た。
「……月光」
「月光?」
顔をあげて、文月が繰り返す。カメラを構える逢坂が、ぱちくりと目を瞬かせた。
「ベートーベンですよ」
「ああ……柚子澤さん、知ってる?」
「有名な曲だよ。ピアノソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2『幻想曲風に』。知らない?」
「詳しいのね」
鞄の中からコードのようなものを引きずり出しながら、文月が感心したようにつぶやいた。当
の柚子澤は心外そうに肩をすくめて、
「そりゃ、私もピアノはやってるしね」
と、月小路に視線を向けながらそう言った。
「そうなの?」
「それは意外ですねー」
「にわ子、どういう意味?」
柚子澤が引きつった笑顔を浮かべて一歩進み出ると、逢坂が乾いた笑いを漏らして二歩
下がる。無意味に緊迫した空気が室内の温度を下げていく。
「遊んでないで手伝って」
呆れたような声に、二人はそろって文月の方を振り向いた。ようやっと鞄の中から目的の器
具を取り出したらしい。
それは両手で抱えられるほどの大きな機械だった。L字型の本体にはいくつかのボタンと液
晶が備えられていて、なにやら物々しい印象を受ける。そこから細いコードが四本伸びて、辿
った先には楕円状の平べったいパッドのようなものが繋がっていた。
「なんだそりゃ」
「低周波治療器よ」
簡潔に、文月は答えた。微電流によって肩こりや血行不良を治療する医療器具である。文
月は絡まったコードをほどきながら、ちらりと月小路に視線を向けた。
月小路は顔面蒼白になって、その機械をにらみつけていた。
「ああ、なんだ。使ったことがあるのね、これ」
なら説明の必要はないわね、と文月が微笑む。パッドを手に持って月小路の前に立つと、ゆ
っくりと腰を下ろした。
椅子に座る月小路の股が、ちょうど文月の目の前にある。下着を取り除かれ、陰毛を剃られ
た月小路の秘部は、痛々しい剃り跡を震わせて陵辱を待っている。
「開きなさい」
「……」
いまさら、抵抗することに意味などない。震える膝をゆっくりと開く。文月は秘唇に指を這わ
せると、つぷり、とスリットの中に指を沈ませた。柔らかな尻がビクリと跳ねるのを見て、小さく笑
みを浮かべる。
「柚子澤さん、開いていて」
「はいよ」
柚子澤の指が秘唇を割り開く。先ほど一度絶頂を迎えた余韻がまだ残っているのか、月小
路がかすかに甘い吐息を漏らした。ピンク色の肉壁はぬらりとあやしく照り輝いて、ここから快
感が溢れたのだと知れる。
文月は粘液を指で掬い取るように襞をひと撫でしてから、手にしたパッドをくちり、と肉壁に
押しつけた。震える声が月小路ののどからこぼれる。構わず、文月はもうひとつのパッドも貼り
つけた。残るふたつのパッドを手の中で弄びながら、舌から月小路の顔を見上げる。
「これ、結構高級品なのよね」
そうして、見せ付けるようにパッドを掲げてみせた。
よく見ると、パッドから直接コードが伸びているのではなく、コードの先端についた洗濯バサミ
のような接続端子がパッドをくわえていることがわかる。患部、症状に合わせてパッドを交換で
きるように設計されているのだ。
文月はわざとゆっくりとした動作でパッドをはずすと、細長い棒のようなものを取り出した。ボ
ールペンより一回り大きい程度のそれには、末端に電極がついているのが見える。
「わかるわね?」
言って、文月はそれにコードをつなげた。
「――なっ、」
さすがにこれは予想外だったのか、月小路が小さくうめき声をあげた。凌辱者たちはその声
に笑みを深くする。ぱっくりと開かれたままの秘唇、その奥の女穴に、文月は慎重に電極を挿
しいれた。
「ぅんっ……」
冷たい感覚が膣に押し入る違和感に、月小路がまた声をあげる。わずかに濡れた響きを交
えるその声は、ますます三人を昂ぶらせた。
「それで、これが仕上げね」
「ま、まだ……」
あるのか、と、月小路は最後まで言えなかった。文月が手にしているのはコードの先につい
た接続端子だけ。パッドも、棒もない。パクパクと開閉するそれを見て、月小路は全身から血
の気が引いた錯覚に襲われた。
あれで、どこを、挟むつもりだ?
「待て! 無理、無理、それは無理だ!」
「大丈夫よ」
切迫した悲鳴を軽くいなして、文月はむき出しのクリトリスに目を向けた。いっぱいに開いた
端子の口が、小さな淫芽を挟み込む。
「えいっ」
ぎちゅっ!
勢いよく指が放れ、バネ仕掛けが遠慮なく月小路の秘芯を噛んだ。声にならない悲鳴をあ
げて、月小路の背がビクリとのけぞる。
「準備完了ね」
念のためテープで補強してから、柚子澤に手振りで合図する。散々に嬲られたとはいえ処
女の秘部だ、すぐに口を閉ざしてしまう。
成熟した形に無毛の丘、加えてひくひくと蠢く唇から伸びる四本のコードは、いやがおうにも
官能を刺激する。つばを飲み込む音がした。いったい、誰のものか。
「それじゃあ月小路さん、ピアノ。月光だっけ? それをお願い」
「……? ひ、弾くだけでいいのか」
それでは何のためにコードをつなげたのかわからない。文月はにっこりと笑って、柚子澤に低
周波治療器の本体を示した。
「月小路さんが一音でも間違えたら、柚子澤さん、あれのスイッチを入れて」
「……っ!」
「ああ、なるほど。これ、そんなにすごいの?」
「試しましょうか?」
くすくすと笑いながら、文月が治療器のダイヤルを操作して、スイッチに指を乗せる。月小路
が制止の声をあげるのを待たず、カチリ、と軽い音を立ててスイッチを押し込んだ。
「んきぃやぁああっ!」
とたん、月小路の背がのけぞって、ビクリと大きく跳ね上がった。地面に対して水平近くまで
跳ね上がった足が、同じ勢いで振り下ろされる。思わず両手で股間を抑えるものの、刺激は
内側から来ているのだ、意味のあるはずもない。
「やっ、やっ、やめっ、やめ……っ」
定期的に送り込まれる刺激に抗うように、涙目になって体を抱く。その様子を見て、文月は
満足気にスイッチを切った。
「わかった?」
「……よくわかった。このつまみが強さ?」
「そう。今のが10%くらいね」
電流も流していないのに、月小路が大きく体を崩した。椅子がガタン、と音をたてて、一同の
視線が集まる。
「どうしたの? 大丈夫よ、いきなり最大値になんてしないから」
「……」
「それにね、」
立ち上がって、優しく微笑みかけながら、文月は緩やかな足取りで月小路に歩み寄った。
両手を肩に置いて、ピアノに向かって座りなおさせる。安心させるように、軽く肩をたたいて、
「間違えなければいいのよ」
そう、耳元でささやいた。
「簡単でしょう? あなたの得意なピアノの、得意な曲なんだから。最後まで演奏しきれば、そ
れだけでいいの。私は、絶対に邪魔はしないわ」
「そ、そんな、そんなこと、」
そんなことを言っても。
こんな状況、こんな精神状態で演奏などしたことはない。出来るとも思えない。指が震えてい
る。鍵盤が叩けない。そんなことを抜きにしても、ピアノのミスタッチはプロの演奏でも当然のよ
うに起こる。
「できないの?」
毒を送りこむような声だった。静かで、優しく、だからこそ恐ろしい。
「できないの、月小路さん。ピアノが、弾けないの? このくらいのことで?」
「う……」
肩に置かれていた手が首筋を撫で上げ、頬を包む。耳元に唇を触れさせて、文月はもう一
度繰り返した。
「できないの? そんなはずはないわよね。貴方がピアノを失ったら何も残らないもの。ただの
傲慢で怠惰な女だもの。そんなはずはないわよね」
その通りだ。
ピアノは最大の誇りであり、唯一のよりどころ。月小路妃美歌という人間の価値は、ここにし
かないのだから。
「ひ、くよ。弾けば……いいんだろ」
「そう、弾けばいいのよ」
文月の体温が離れる。月小路は十指を鍵盤に乗せて、ゆっくりと息を吐き出し、同じように、
ゆっくりと吸い込んだ。肺の中身を全て交換するような――文月の囁きと共に送り込まれた毒
を全て吐き出すような深呼吸をすると、目を閉じて、そのまま数秒静止する。
「弾くよ」
そして、宣言した。
「演奏、しきってやるよ」
指先が浮き上がる。足がペダルに添えられる。折れそうになる精神を屹と立たせて、月小路
は鍵盤に指を叩きつけた。
おそらく、人生で最も多く演奏した曲。文月は知らなかったが、月小路妃美歌の名を世に
知らしめた、彼女の最も得意とする曲。――月光の演奏がはじまった。
最初の一音の時点で、既に柚子澤は愕然として動きを止めた。あまり音楽を嗜まない文月
や逢坂ですら、それが異様であると、理屈の外で悟ってしまった。
月小路妃美歌の演奏は、それほどに美しかった。
ただの和音が、まるで生を持って空を踊っているかのようだ。大気をふるわせる振動が耳元
から入り込み、脳をやさしく撫で回して陶酔へと導いていく。音を外すだとかリズムを乱すだと
か、そんな次元の話ではない。楽譜どおりに弾けることは大前提で、そこからいかに表現する
かが『音楽』なのだと、この時文月ははじめて知った。
先の宣言は虚勢ではない。きっと月小路は、最後まで弾ききるだろう。
「驚いたわね……」
軽く頭を振って、文月はそうつぶやいた。下半身がむき出しになるまで切り裂かれたワンピ
ース、股座から伸びる四本のコード、どこをどう見てもそんなものとは無縁のはずなのに、演奏
する月小路からは神々しさすら感じられる。
自分の甘さを反省するようにもう一度かぶりを振ると、文月は周囲をちらりと見回して、入り
口とは別の扉へと向かっていった。演奏に集中する月小路は気づかない。柚子澤と逢坂は
気づいてはいたが、それどころではなかった。
柚子澤が考えていたのはひとつだけ。もしこのまま演奏が終わってしまったら、文月はどうす
るのだろう、ということだった。
まさか、本当にこれで終わりにするとは思えない。幸崎幸にあれほど残酷な仕打ちをしてみ
せた文月が、この程度で満足するはずがないのだ。また何か適当な理由をつけて月小路をい
たぶるに違いない。
……けれど、もし文月が「ここで終わり」だと言ったら?
指が震えるのを自覚する。低周波治療器のスイッチに、知らず人差し指が乗っていた。月
小路の演奏は完璧だ。きっと、そのまま最後まで完璧な演奏をするだろう。
「ゆ、柚子澤先輩……」
逢坂が遠慮がちに声をあげた。それは、反則だ。だが、それがなんだというのだ。今更どんな
意味が――
「柚子澤さん」
びくり、と指が震えた。
「それは反則よ」
携帯電話を手に持った文月が、困ったような顔をしてこちらを見ていた。隣の部屋から戻っ
てきた彼女は、音楽に合わせるような緩やかな足取りで柚子澤の元までやって来る。
「ルールは、守りましょう」
「わかってるよ……」
歯をかみ締めて、柚子澤は搾り出すような声でそう言った。
柚子澤が葛藤している間に、曲は第一楽章を終え、更に先へと進んでいた。月光は三楽
章からなるソナタで、徐々にテンポをあげていく。特に第三楽章はそれまでとは別の曲のように
すら思える激しいもので、難易度がもっとも高い。
第二楽章は二分と少しで終わった。月光は全体で十三分から十五分。これでおよそ半分
の工程を過ぎたことになる。
三人の見守る中、月小路はひたすらに指を躍らせている。月光ならば、ノーミスでの演奏だ
って何度もこなしている。股の違和感も、身に巣食う恐怖も、何も問題にもならない。
あと数分。もうゴールは目の前だ。
月小路は確信した。今の自分はかつてないほど冴えている。そう。ピアノに愛され、ピアノを
愛した自分が、この程度の困難で折れるはずがなかったのだ。自分の価値はピアノにしかな
いが、ピアノがあれば、誰より尊く、美しくなれるのだから。
残り三十小節ほど。演奏も大詰めだった。
音は美しく、大気は完璧な調べに酔いしれていた。
彼女が演奏を完成させることを、誰も疑わなかった。
月小路の体が揺れた。
文月も、逢坂も、あわてて周囲に目をやった。揺れているのは月小路だけではない。部屋も、
ピアノも、大きく縦揺れの震動を繰り返していた。
――震度四。直下型。普段ならば、翌日の会話の種にしかならない、つまらない出来事。
だが月小路の指をほんの少し、数ミリだけ横に逸らすのには、それだけで十分だった。
美しく響いていた和音に、かすかな違和が混じる。揺れる室内に目も向けず、ただその瞬間
を待ち構えていた柚子澤は、迷わず指に力をこめた。
次の瞬間、完璧に調和のとれた大気の調べが、強烈な不協和音で打ち砕かれた。
「あっ……んぁあああっぁあああっ!」
でたらめな場所に置かれた十本の指が耳障りな音を響かせ、その後を追うように月小路の
悲鳴が轟く。
「ひっ、ひっ、ひぁっ、ああっ!」
今まで経験したことのない感覚だった。指でこねるのとも、舌で舐められるのとも違う、肉の内
側に直接触れられているような、神経そのものをしごかれているような、いわくいいがたい感覚。
「と、とめっ、とめて! とめてぇっ!」
前のめりに倒れて腕全体が鍵盤を押す。そのまま崩れそうになる体を、不協和音を奏でな
がら鍵盤についた左手で支える。その瞬間にも、走り抜ける電撃はやまない。
股間の内側から立ち上る断続的な刺激は、一瞬で全身を駆け巡り、また秘部へと戻ってい
く。腰が勝手に浮き上がり、体が跳ねる。その度に、責め立てるように不協和音が響いた。
「もっ、もうっ、止めっ、ひぇあっ、うぁああんっ」
視界がぐらぐらと揺れて、あちこちで火花が散っている。畝肉を震わせながら走る電流は、
襞の一枚一枚に無数の針を突き刺すような鋭い痛みと、指先の自慰では決して得られない
強烈すぎる刺激を同時に与える。快感と、はっきり言えるほどではない。しかしただ苦しいだけ
でもない。その境界に揺れる感覚は、月小路から正常な思考回路を奪っていく。
「ひ、ぁ……ふ」
鍵盤に全身をもたれかけた無理な姿勢で、月小路は小さく息を吐いた。ようやく、治療器の
スイッチが切られたのだ。
「どうだった?」
「ふぁ……」
返事ができる状態ではない。指先がガクガクと震えて、少しでも体を動かせばそのまま倒れ
てしまいそうだ。
文月は月小路の肩に手を置いて、支えながらゆっくりと体を起こしてやった。抗議のような声
が漏れたが、舌まで痺れているのか、何を言っているのかわからない。
「ほら、しゃんとして。柚子澤さん、端のスイッチ入れて」
「端……? ああ、この、コードがつながってるところのスイッチ?」
「そう」
スイッチ、という言葉にビクリと月小路が震える。その肩をぽんぽんと叩いて、文月がまた、耳
元に唇を寄せた。吐息が耳朶からもぐりこみ、鼓膜を揺らして三半規管をぐるりと巡る。また、
毒をささやかれている。
「いい。さっきのはね、ここ――」
「あふぁっ、」
文月の指が、くちゅり、といやらしい音を立てて月小路の女陰を割り開いた。ぬるりとした粘
液の滲み出る肉壁を指先で撫でて、貼り付けられたパッドをトントン、と叩く。
「――このふたつだけが動いていたのね。この奥にあるのとか、」
「きゃうっ、」
指先が膣穴からわずかに除く電極の尻をつつく。秘部から一度指を離し、端子にはさまれ
た淫芽を指ではじいた。
「ふぁあうっ」
「ここのお豆のとかは、動いていないの。わかるわね?」
「は……あ、ふ……」
わからない。今の月小路には、文月の言葉は聞こえていない。聞こえていたとしても、理解
できなかった。電流は止まったというのに、体中が痺れている。
「わかったら、もう一度、最初から」
痺れているのに、信じられないことを文月が言った。
「ふぁ……?」
「ふぁ、じゃなくて。ほら、鍵盤に指を乗せる」
文月に手をとられて、指が鍵盤に添えられる。月小路は火花の散る頭で必死に考えた。何
をすればいいんだろう。何をさせる気なんだろう。
「弾くのよ。最初から、もう一回、やり直し」
嘘だ。
だって終わったはずじゃないか。たった今終わったはずじゃないか。
「な、んで」
「なんでもなにもないわ。きちんとできるまで、何回でも、やり直すのよ」
「――は、」
視界が、一瞬でゼロになった。
まだ、何か声が聞こえる。弾けといっている。無理だ。無理だ。もう無理だ。こんなのは音楽
じゃない。演奏じゃない。できなくたって、どうこう言われる筋合いはない。月小路妃美歌のピ
アノは、もっと気高く美しいものなんだ。
「弾けないの? できないの? ピアノが、弾けないのね?」
なのに。そう思っているのに。
その言葉に逆らえない。ここを逃げれば、ここで負ければ生きていないと、どこかで誰かが叫
んでいる。だから、戦わなくては。
「ふ……ぁ……」
二度目の演奏がはじまった。
震える指は、それでも見事に演奏を進めた。文月が本当に感心したのはこの時だ。なるほど
月小路妃美歌は確かに天才で、確かに、音楽にその身を捧げているのかもしれない。
だから、音楽と共に倒れるのだ。
「――あ、」
失敗は、やはり第三楽章で起こった。声を漏らしながらも指は自動的に演奏を進めるが、そ
れを許す柚子澤ではない。
二度目の電流は、一度目の比ではなかった。
「あっ――――」
声が止まる。息が詰まる。与えられた刺激の種類を、脳が判別できない。ただその大きさに
視界が白濁し、意識がそのまま飛ばされ、
「――――いぎゃあああああああああああっ!」
即座に、同じ刺激で呼び戻された。
挿入された電極から起こったそれは、いわば爆発だった。密着した膣壁を蹂躙したそれは、
肉の壁を打ち破って全身へ伝播する。痺れる、などという生ぬるいものではない。まるで肉とい
う肉がすべて沸騰しているかのようだった。稲妻はあらゆる感覚を振り切って、全身の神経を
一瞬で焼ききった。文字通り飛び上がった月小路は、うまく着地できずに椅子から転げ落ち
てしまう。伸ばした指先が鍵盤をかすかに撫でて、物悲しい不協和音を響かせた。
「いぁっ、はっ、ふああっ、ひゃっ、ひぎゃあっ」
血が沸騰する。視界が明滅する。腰が跳ね上がり、手足がバタバタと床を叩く。低周波治
療器の電流は断続的に強弱をつけて流される。新たな刺激が膣から全身を突き刺すと、そ
れだけで意識まで飛ばされる。そうして、同じ刺激でまた引きずり戻されるのだ。
気の触れた狂人のように床を転げ回りながら、月小路は壊れたおもちゃのスイッチが勝手に
切り替わるように、意識のオンオフを繰り返した。涙と涎が顔中を汚していたが、そんなことに
気づくような余裕はない。
「ふぁ、あ、」
何度目かの覚醒で、ようやく彼女は自分の体が止まっていることに気がついた。電流はまだ
流れているが、強さを調節したのだろう、体の奥で疼く程度のものだ。
「ぁ、あ、……うぁ……」
股間のあたりがあたたかい。体温が漏れ出たような錯覚。それでも、月小路は股を覗くことも、
体を起こすこともできなかった。間接がまだガクガクと震えている。太腿あたりから尻の下まで
生ぬるい液体に浸っている気がしたが、体を横に転がすこともできない。
「お漏らししちゃったのね」
くすくすという笑い声が、そんなことを言った。
「涎まみれのだらしない顔。そんなに気持ちよかったの?」
「あひゃぅっ!」
反論しようと開けた口から出たのは、文月の言葉を肯定するような甘い声だった。さっきまで
の強すぎる刺激と比べて、今月小路の膣から全身を撫でて回る微電流はあまりにも優しすぎ
る。電気ではない何かが首の後ろを痺れさせて、月小路は無意識に内腿をすり合わせた。
「白目剥くまで電撃くらってよがってるのか?」
「変態ですねー」
「ひ、ひがう……」
違う、と言っているつもりなのに、言葉にならない。ふるふると力無く首を振ると、文月が笑い
ながら両脇の下から手を差し入れてきた。
「はい、立って。柚子澤さん、最後のスイッチいれて」
「はいよ」
「ひゃ……」
軽いタッチで柚子澤がスイッチをオンにすると、月小路の体が小さく跳ねた。やさしくなで上
げる微電流が、最後の端子――すっかり膨らみきった淫芽へと電流を送り込みはじめたの
だ。
「やっ、やあぅっ、待っ、ひゃぅんっ、」
ただでさえ敏感なそこは、文月の執拗な愛撫ですっかり昂ぶっている。ぷっくりと腫れ上がっ
た快楽の中心、その更に深奥、まさしく秘芯というべき奥の奥までを、微電流は撫で上げてい
く。焼ききられた神経の名残を、快楽の電流が伝っていく。ただでさえ震えている足には全く
力が入らない。文月に支えてもらわなければ、立つことすらできないだろう。
「ほら、月小路さん。もう一回よ。今度は最後まで弾きましょうね」
「や、で、できない……」
「できない?」
また、耳元で文月が毒を送り込む。もうやめてほしい。もう許してほしい。できない。できるは
ずがない。指が動かない。足が震えてる。椅子にも座れない。今度失敗したら、またあの電流
に襲われて――きっと、死んでしまう。
「できるわよ、月小路さんなら。さあ」
椅子の上まで引きずられて、数分前の焼き直しのように、鍵盤に指を乗せられる。もういやな
のに、ピアノの前に座らされると、弾けないとは言えない。
「やだ、もう、やらぁ……」
「大丈夫よ月小路さん。あなたは人生をピアノに捧げてきたのだから。外で演奏はしなくても、
部屋ではずっと弾いてたんでしょう?」
今度こそうまくいくわ、と文月は月小路の肩を叩く。無理に決まってる。鍵盤の位置が見え
ない。ペダルがどこにあるのかわからない。頭の中はまっしろで、電流は止まったっていうのに、
全身が痺れてろくに動かない。
それでも月小路は、演奏をはじめた。
「――あ」
最初の一音。
それが聞くに耐えない不協和音になって、月小路ははじめて、自ら演奏の指を止めた。
「ひぁっ――――――」
目の前が真っ白に染まった。
全身をハンマーで突き上げられたような衝撃が来たのは、その後だった。
世界が一瞬で、消えてなくなった。
■■■
「あ、起きた」
「……?」
ぼんやりした頭で、月小路はその声を聞いた。なんだか視界がはっきりしない。目に力を入
れてどうにか焦点を合わせると、三人ほどの女生徒が笑っていた。
なんだろう、これは。
ここは自分の部屋のようだ。目の前にいるのは有瀬文月ではないだろうか。その奥にいるの
は? ……あれも、かつて自分たちが標的にした女たちのように思える。
「らに……あんひゃら……」
おかしい。舌が回らない。舌だけじゃない、体中が痺れているようだった。これはなんだ。なん
でこんなことになってるんだ?
「どうも現状がわかってないみたいね。柚子澤さん、やっちゃいましょう」
「スイッチオン」
「ポチっとなー」
逢坂の無邪気な掛け声とともに、柚子澤の指がスイッチを押す。月小路は何か機械のよう
なものがあることにこの時はじめて気がついて――
「んぁあぁあああぁああっ!」
――走り抜ける衝撃に、やっとすべてを思い出した。
「いひぅっ、ひゃああああっ、やっ、んんん!?」
体を跳ねさせようとして、動けないことに気がつく。後ろ手に回された腕はベルトのようなもの
で拘束され、折り曲げられた足は膝の後ろを通る鉄の棒に固定されて、閉じることができない
ようにされている。それらの器具はどうやら背後のグランドピアノにつながっているらしく、月小
路の体はほとんど動けないようになっていた。
「んぁっ、あっ、あううぁあああっ、らに、らにこれええっ」
「何って、拘束。さっきみたいに跳ね回られたら大変じゃない」
「やぁああぁあっ、あっ、ふぁあああっ」
ガチャガチャと拘束具を揺らしながら、月小路は体を左右に振った。背後のピアノがギシ、と
軋み音をたてたが、それだけだ。
「んああっ、と、とって、これとってよぉおっ」
ぼろぼろと涙が零れはじめた。股間からは相変わらず四本のコードが伸びている。気絶しな
い程度に抑えられた電流が、月小路の膣を荒らしまわっているのだ。
筋収縮によって蠢く膣は自ら電極をくわえこみ、弾ける電流は慣れてしまった体に痛みより
も快楽を走らせる。全身を隈なく走破する稲妻は、細胞のひとつひとつを愛撫するような、未
知の悦楽をもたらした。
「いっ、やぁっ、お、おかひくっ、おかひゃくなっひゃああああっ!」
ガチャガチャと拘束具を揺らしながら、月小路は頭を振り乱した。あまりの激しさにグランドピ
アノがわずかにずれる。それを見て、柚子澤が口笛を鳴らした。
「もっとおかしくなりたいって?」
そうして、笑いながら強弱のつまみを少しだけ回した。
「ひぅぁああああああっ! やらぁあっ! も、もう、もうやめっ、やぁああああっ」
まるで全身が性感帯になったようだった。それでいて、全身を同時に愛撫されているのだ。
快楽の稲妻は手加減を知らず、脳髄までも痺れさせる。あっという間に月小路は絶頂まで引
き上げられた。だが、そこから下ろしてもらえない。
「いやぁああっ、いっ、だめっ、こっ、んぁああああっ、とまっ、とまらなっ……!」
ブツブツと脳の回路が断線する音が聞こえる気がした。体中あちこちが途切れて、そこを快
楽の稲妻がつないでいる。上の口からも下の口からも涎を零して、月小路は繰り返し絶頂に
たたき上げられた。
「ひっ、ひぁっ、もうやっ、やっ、イひたくない、いきたくないのぉっ!」
懇願には誰も答えない。機械的に送り込まれる刺激だけが、月小路への回答だった。
「月小路さん」
「あああああっ、あ、んふぁあああっ」
いつの間にか目の前にいた文月が、目線を合わせて微笑んだ。電流が徐々に弱まっていく。
連続絶頂からようやく下ろされて、月小路は小刻みな呼吸を繰り返した。
「もう止めてほしい?」
「あ、うぁ、」
なんとか、月小路は頷いた。この地獄から解放されるなら、もう何をやってもいい。プライドな
んていらない。
「でも、約束だから。ちゃんとできるまでやらないと。弾けるでしょ?」
「むり、むり!」
「できるわよ。だって月小路さんにはそれしかないじゃない」
「むりなの! むりだよ! もうやだ! やだ! やだあっ」
子供のように泣きじゃくって、月小路は頭を振り乱した。長い髪が宙を泳ぐ。しゃくりあげて
嗚咽を漏らす月小路を見て、文月は残念そうにため息をついた。
「三回、か。まあ、がんばったわね。それじゃあ月小路さん、弾けない、のね?」
「ぅ……うう、」
「はっきり目を見て、ちゃんと言いなさい。ピアノが弾けないのね?」
「ぁ……」
微弱な電流が性を刺激する中、月小路は顔をあげた。文月がそこにいる。逢坂がカメラを
構えている。柚子澤が、睨みながらスイッチに手を伸ばしている。
弾けない。
弾けない。
弾けない。
「ひけ、ない」
こんな状況で、ピアノなんて、演奏できるはずがない。
「ぴあの、が、ひけない」
月小路妃美歌は、ここでやっと、そう口にした。
電流が止まった。
解放された感覚に、全身から力が抜ける。口元から零れた涎が涙と混ざって落ちていく。足
を開いて拘束された淫らな格好のまま、月小路は大きく息を吐いた。
「よかったわね、月小路さん」
ぽん、とその頭に手を置いて、
「これで貴方も、ただの女よ」
そう、有瀬文月は微笑んだ。
視界が飛んだ。
何の刺激もないのに、世界が真っ暗になった。
「あ」
そう、月小路妃美歌は、たった今自分の人生を否定した。自分が培ってきたもの、育て上げ
たもの、磨きぬいたもの、その全てが、ただの暴力に劣ると告白したのだ。
心が、折れた。
「あ……」
眼球が揺れる。視界が像を結ばない。脱力しきった体が、これ以上動くことを拒んだ。
「それじゃあね、月小路さん」
言って、文月は柚子澤に手を振った。それを合図に、柚子澤がスイッチを入れる。
電流が迸った。
「あぎっ――ひぎゃああっ!」
拘束されているにも関わらず、月小路の体が数ミリ浮き上がった。焦点の定まらなかった目
を見開いて、涎をまきちらす。
「なっ、ぁっ、なんでぇ! 言った! 言ったよ! できないって言ったよぉぉ!」
「そうね、だから?」
笑顔のままで、文月はそう答えた。それ以上何も言わず、鞄を持って扉に向かって歩いてい
く。柚子澤も満足げに立ち上がり、機械を放置してその後に続いた。
「これから、がんばってくださいねー」
無邪気な笑顔を浮かべた逢坂が最後にそう言い残して、二人の後を追う。このまま。このま
まなのか。このまま放置されるのか。
死んでしまう。冗談ぬきに、耐えられるわけがない。
「うそ、うそ、うそ! 助けて、ゆる、ゆるしっ、あぅぁっ、うそでしょお!?」
体を揺らしても、どんなに力を込めても、拘束具が音を立てるばかり。扉の前まで来た文月
が、ちらりと背後を振り返っても、月小路は悲鳴をあげて体を跳ねさせていた。
「助けは呼んでおいたわよ。すぐに来るんじゃないかしら」
言って、文月は手の中の携帯電話を振って見せた。文月自身の電話は幸崎の糞尿にまみ
れてトイレの中だ。これは月小路の電話である。月光の演奏中に、隣の部屋から失敬してきた
のだ。
とはいうものの、月小路には聞こえていないようだった。懇願を続けながら襲い来る激流に悶
える月小路を見て、文月はほんの少し苦笑した。
扉に手をかける。もう、ここには用がない。
だが、文月がその扉を開けることはなかった。向こう側から、誰かが扉を開いたからだ。
□□□
「あら、伊勢宮さん」
息を切らしたアリスが扉を開けてまず目にしたのは、微笑む有瀬文月だった。愕然と手を止
めて、息を呑む。
「幸崎さんの介抱はもう終わったの? もっと時間がかかると思ったのだけど」
答えられず、アリスは二歩、後ろに下がった。
アリスが文月から受け取ったメールは、幸崎幸の惨状を伝えるものだ。月小路については一
言も書かれていなかった。彼女は現状を正しく認識して、ここまで走ってきたのだ。
「こ、幸崎さんは、自分で、始末をつけると、言っていました」
「あら、そう」
「そんなことより、これは……!」
アリスが問いかけるより早く、文月が扉の前から身を避けた。背後の女生徒たちもそれに続く。
知らない生徒が二人もいることに眉をしかめつつも、アリスは部屋に目をやった。
「ひっ――」
息が止まった。
ピアノにくくりつけられた月小路は、涎と涙を零しながら何もない場所に向かって腰を振って
いる。ガチャガチャと拘束具が鳴り響き、悲鳴とも嬌声ともつかない叫びがそれを彩っている。
「な、なんで、なんでこんなこと……」
「本当は、次は貴方の番だったのよ」
震えるアリスの前に、文月の体が立ちふさがった。顎がとられ、唇が触れそうになる距離まで
顔が近づく。
「でもね、かわいそうだと思って、やめてあげることにしたの」
「な……え……?」
微笑みとともに、文月の手が放れた。脇をすり抜けるように、廊下へと進み出る。あわてて振
り返ったその耳元に、
「せっかく『そっち』にいけたのに、またいじめられる側に戻るのはいやでしょう?」
とびきりの猛毒が囁かれた。
「はっ……!?」
きっと今、自分はひどい顔をしている。アリスはそう思って、それは正しかった。文月の表情
がそれを証明している。
「馬鹿よね、伊勢宮さん。自分が仲間にいれてもらえたと思ってたんでしょう? 彼女たちはね、
貴方が慣れないことを無理にやらされて、本当はいやなのに従わされて、でも心のどこかで強
者になれたことを喜んで――そんな貴方を見て、笑っていたのよ?」
「ぁ……」
「本当はわかってたんでしょう。貴方はどこまでいっても従わされる人。虐げられる人。自分か
ら変わろうともしないのに、立場が変われるわけがないじゃない」
くすり、と哀れみを含む微笑みを浮かべて、
「さようなら、伊勢宮さん。だから貴方は、見逃してあげるわ」
文月の背中は、廊下の向こうに消えていった。
「う、あ……」
悲鳴が響いている。知らない女生徒たちが、文月の後を追っていく。いつの間にかへたりこ
んでいる自分に気がついて、アリスはそれでも立ち上がろうとした。助けなければ。いくらなん
でも、あんなのはひど過ぎる。
助けなければ……?
自分が泣いていた時、誰も助けてくれなかったのに?
自分が叫んでいた時、笑っているだけだったのに?
それなのに、自分はどうして、あの子を助けるのだろう。
今だって、彼女たちは自分のことを、仲間だなんて思ってないのに。
「たひゅけてえええっ」
思考を蹴飛ばすように、月小路の悲鳴が轟いた。あわてて顔をあげる。助けるのか、助けな
いのか、彼女の命運は、アリスの両手にかかっている。きっとこの決断は、アリスの今後を左右
する。
「あ……今!」
何と言おうとしたのだろう。今から? 今さら? どちらにせよ、言葉は完成しなかった。アリス
の躊躇を待たず、支えを失った防音扉が、重い音をたてて部屋を外界から隔絶したのだ。
「あ……ああ……」
悲鳴はもう聞こえない。目の前にはただの扉があるだけ。開けばそこには平穏な寮の一室が
あるのだと、そんな願望すら抱かせる日常。
「あ……」
決断すら、できない。
アリスは無人の廊下、無音の扉の前で、ただ呆然と座りつづけた。
以上です。まさか一月もかかるとは思わなかった。すいません…
んじゃつづき書いてくる。
…まだつづくよ!
覗きに来たら投下宣言来たー!
早速脱いでライブで読ませて貰った乙、相変わらず壊しっぷりがハンパなかったよ
文月がアリスをねっとりと責め堕とすのも期待しているぜ
うひょう! とととりあえず乙!
新作きたーー!
こういう快楽を使って心を折る責めは素晴らしいね
前の幸崎の時もだけど、本当に心の一番弱いところを崩しにかかってるから
読んでて凄いゾクゾクした、GJ!
この後の展開はどうなるんだろう?続きも楽しみに待ってます
最高すぎる…
続きに期待!
もう凄すぎて何を言っていいやら
とりまGJ!、
もう凄すぎて何を言っていいやら
とりまGJ!、次回も楽しみに待ってるぜ
相手ごとに個性のある苛め方で飽きさせないなあ
曲を利用した描写も丁寧だし、とにかくGJです!
次回はいったいどうなるのか、楽しみにしています!
凄いなあ
緊迫していて、迫力があって、なんというか本当に上手い
続きを楽しみに待ってます
待ってた。
精神的な攻めと肉体的な攻めがあわさってたまらんです。
すごい…落とし方が半端じゃない…
こんなに続きが楽しみな作品はなかなかないな。GJ!
236 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 00:32:34 ID:oddDo2Xw
やっぱり精神的に責めるの良いなぁ
自分の写真ばらまいても仕返しを実行するところといい、
心の支えを的確にへし折るところといい、
文月様は魅力があり過ぎる。
そしてアリス関連の描写がたった1レスちょいなのに凄い絶望感を感じた。
ほっしゅほしゅ。
ほ
コレは保守しないわけには
ぴあの、が、ひけない
ほしゅ
243 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 18:47:35 ID:o8RT0NnL
次は誰をやるんだろうか?
しょうがない、俺がやられるよ。
いや、俺が
ときに続きはあるのだろうか?
このまま復讐しないともとれるんだが……
249 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 02:58:17 ID:RlJLYvrm
一年以上前になるかもしれんが2chのどっかのスレで投下されてたんだけど
テニス部の女子高生だか同士のいじめで羞恥、露出要素のあるエロ小説知ってる人いないかな?
2chのスレで無ければ思いつくのがいくつかある
>>250 レスありがとう!
教えてくれたら嬉しい
>>251 それだ!チアリーダーだったか
まさかこんな早く教えていただけるとは思わなかった本当にありがとう
253 :
250:2009/09/13(日) 02:23:14 ID:6UPVdcDs
>>252 探してた物が見つかったみたいだけど
俺が思いついたのはネットだと
ブログ形式になる前の「選ばれし天使達の伝説」の裕美
後は商業誌とか
女の子が女の子をいじめるお話ってエロスレあったのに…
あれもこのスレ同様良かったが落ちたんだよなあ…また読みてえ
256 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 17:27:08 ID:g9pLDU5M
つづきマダ〜?
そろそろ作者死亡説が…
258 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 23:51:19 ID:Pna121ao
まだー?
保守 マターリ待とうぜ
260 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 01:53:52 ID:z2LyKas6
うしろの百太郎
262 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 22:05:27 ID:BZgrmpMJ
このスレも潮時か・・・
何そんなことは
マターリ待とうぜ
いつまでも
待つわ
267 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 06:36:00 ID:sYULcnIj
age保守
投下したい人は投下していいでしょ
そりゃもちろんいいだろ。
長編連載中だからって、完結するまで待つこたないわよ。
まあ実際に投下する人がいるかだろ問題は
休養中の職人に気を使う人も居るだろうし
272 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 22:52:46 ID:IJrUjD8Q
保守
保守
また女子高系いじめ誰か投下しないかな
ご自分でお書きなさい
書きたいなら早く書きなさい?
見ててあげるから…
ほら、自分の文章相手に見せるの恥ずかしいでしょ…?
278 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 00:19:35 ID:LQ4PhqJl
このスレはもうじき死ぬな
誰か投下しないと
女同士の集団いじめSSって貴重なんだよ、落ちないようにしないと
281 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 09:07:28 ID:cu5z3hu7
保守
282 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 10:40:09 ID:XK6e0sJk
ほ
つうか別に投下してもいいんだよな、この前途中で消えた作者はもう戻って
来ないんだろうか…?
一度途絶えると本人も出てきにくい(or原稿に手をつけにくい)のかもしれない
別に個人スレじゃないから投下はぜんぜんおkですよ
このスレはいじめ無しのSSでもいいのかな
規制に巻き込まれてるから投下は今は無理だが
いじめなしならスレちがい
いじめ要素は欲しいなあ。
個人的にはイジメかレズどっちかといえばイジメが重要。
イジメの首謀者が女でもちろん標的も女でさえあれば
男をけしかけて犯させるSSでもいいくらい。
このスレの連中は自分で書かずに誰かに書かせようという書き手いじめしてる連中ばかりだな
確かにそうだなあ…あと誰か書けば皆投下しやすくなると思うんだけどねえ
あと、消えた職人さんの作品がレベル高いから投下しにくいってのもあるのかもしれないな
補修
いじめ好きだから誰か期待するよ
292 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 13:29:11 ID:gWqlkdEq
これだけ間が空くとは…誰か制作中なんじゃね
い
がんばれ
待ってるよ
そろそろ
もう一声!
Don't 来いです
ん?何か呼ばれた気がした
>>213のつづきがやっとできました。
お待たせして申し訳ない。以下から12レス分投下します。
有瀬文月が自分の嗜虐嗜好を自覚したのは、彼女が中学にあがる前だった。
十歳になる頃には既にそれに近い感覚はあったが、その時の文月にはまだ、そんな性癖が
存在するということ自体、わからなかったのだ。文月の常識はまだ、自分の異常を押しとどめる
ことに成功していた。
それが完全に崩壊したのが小学校四年生。学校で飼っていた兎が殺されるという事件が起
きた時だった。
周囲の同級生がその光景の悲惨さに泣く中、文月は自分が悲しんでいないことに気がつい
た。いや、悲しまなかったわけではない。それよりも遥かに、強い感情があったのだ。
兎のうちの一羽にはまだ息があった。ただ生きているだけで、あとは死んでいくだけだろうそ
の兎を、文月は誰にも悟られないようにこっそりと殺した。
どうせ苦しんで死ぬのだから、早く楽にしてあげよう、と、そんな考えがあった。安楽死という
概念こそ知らなかったが、文月はやさしさから兎を手にかけたのだ。
それが直接的なきっかけだった。
死んだ兎を見た文月が得たものは、ひどく鬱屈した、しかし激しい――快感だった。
有瀬文月はこの時、自分が他者を虐げることに悦びを感じることを確信した。それを異常と
知っていながら、否定する気は起きなかった。
そして、文月が自分が『虐げる側』なのだと自覚したのと同じ頃。
伊勢宮アリスもまた、自分が『虐げられる側』なのだと、ぼんやりと自覚していた。
二人はこれまで何の接点もなく生きてきた。その二人が接触した時、アリスは虐げる側で、
文月は虐げられる側に立っていた。
アリスは変わりたいと考えている。虐げられて生きるのは嫌だった。いじめられる側に理由が
あるのなら、自分が変わることでそれを無くそうと思った。
文月は変わる必要はないと考えている。誰かを虐げながら生きるのは面倒だから、この感情
を抑えて生きようと思った。たまに溜まったものを晴らしていけば、それで済むはずだった。
そうしてどこまでも対照的な二人は――結局、すれ違ったのだった。
「ふぅ……」
自室の天井を見上げて、文月は小さく吐息をついた。一仕事終えた虚脱感は、一日置い
ても抜けきらない。やりつくした、というには些か控えめな遊びだったが、それでもここまで腕を
振るったのは久しぶりだ。使いもしないのに集めていた嗜虐コレクションが日の目を見たことも、
どこかうれしい気分になっている原因だろう。
いつもは大きい鞄にいれて隠してあるそれらは、ストレス発散として収集しているものだ。見
つかったら大変だが、入学のさいこっそり持ち込んだのである。
文月の父親である、ALICEグループ総帥有瀬王春は鞄の中身も文月の性質も知っている
が、何も言わずに彼女を送り出した。態のいい隔離だと文月は考えていて、それはあたってい
る。
大人しくしていよう、と思ってはいたのだ。中学の時に少しばかり『やりすぎた』せいで、文月
はここに放り込まれた。卒業するまで粛々と過ごそうと、そう考えてはいた。
「でも、しょうがないわよね……」
売られた喧嘩だ。しかも、文月は二ヶ月我慢したのである。
机の上にあるノートパソコンにちらりと目を向ける。開きっぱなしの液晶はスクリーンセイバー
に切り替わっていた。
思い出にするほど時間が経っているわけではないが、デジタルカメラのデータでも見ようかと、
文月の指がタッチパッドを操作する。が、フォルダを開きはしなかった。
部屋の扉を、遠慮がちにノックする音が響いたからだ。
「なあに、早苗」
「文月さん、今、大丈夫ですか? クッキー焼いたんですけどっ」
頬を赤く染めて、わずかに開いた扉からこちらを伺うのは、同室の早苗だ。ショートボブの黒
髪で、頭の両端からちょこんとひと房飛び出すように結わえている。待ちきれないように体を揺
らす早苗にあわせて、そのひと房が小動物の尻尾か、あるいは耳のようにぴょこぴょこと跳ね
ていた。
「そうね、いただくわ」
ノートパソコンを閉じて、文月は扉をくぐった。礼染女学院の寮は二人一組で使うが、一室
が三部屋に区切られている。それぞれの個室とダイニングである。簡易キッチンも用意されて
いて、早苗はここでお菓子を作るのが趣味だった。
「文月さんこないだの夜は忙しいみたいだったけど、少しは落ち着いたんですか?」
「そうね……だいたいの後始末も済んだし、もう、全部終わったと言ってもいいわね」
「そうなんですか。えへへ、なんだかわからないけど、無事にすんで良かったですね」
「無事に――」
その言葉に文月はくすりと微笑んだ。無事に。いったい、何に対してそう言えばいいのか。
糞尿にまみれて自己を否定した幸崎幸にか。
唯一の支えを破壊された月小路妃美歌にか。
「――そうね。無事にすんで、何よりだわ」
無事といえるのならば、あのクォーター、そもそもの発端の位置にいた伊勢宮アリス、彼女だ
けは無事だといえるかもしれない。文月は彼女に何もしていない。少し厳しい指摘をしただけ
だ。まさかあの程度で心が折られる人間などいまい。
正直、文月はあまり彼女に興味がない。芯の弱い人間はつまらないのだ。
「はい、クッキーと紅茶です。自信作ですよ!」
「ありがとう」
かわいい後輩の作ったクッキーを口に運びながら、文月はこの穏やかな生活をいとおしいと
思った。心のどこかで何かが唸り声をあげていたが、そんなものは気のせいだ。
復讐は終わった。暴れていい時間は終わったのだ。
だからこの獣は鎖につないで、眠らせておかなければいけない。
ことの終わりから二日を経て、文月は小さな幸福の中に、やっと復讐の完成を自覚した。
こうして、有瀬文月の短い復讐は幕を下ろした。
■■■
香堂智恵はその日、閑散とした放課後の教室で、一人本を開いていた。
読み始めると終わるまで止まらないのは彼女の悪い癖だ。どうしても続きが気になって、本を
閉じることが出来ないのである。それでも授業や用事があればそちらを優先させるが、今日は
もう帰るだけだ。ページが残りわずかということもあって、読みきってしまおうと考えたのである。
物語は終盤に向かって盛り上がっていく。結末まではもうあと少しだ。……と、そこで、はやる
気持ちを抑えながらページを繰っていく香堂の指がピタリと止まった。
「ああ、よかった。まだ残ってましたか」
教室の入り口に、見知らぬ生徒が立っていた。とっさにスカーフのラインを確認する。二本。
一学年上の先輩だ。
「香堂さん、よね?」
「はい」
間の悪いことに、自分に用事があるようだ。香堂はため息を飲み込んで本を閉じた。教室に
すたすたと入ってくる生徒は、背筋をピンと伸ばした凛々しい印象のある人物だった。本を鞄
にしまって、階段状になっている教室を前方へと降りていく。先輩は微笑みを浮かべて待って
いた。
「私のことわかるかしら。生徒会なんだけれど」
「ああ……」
言われてみれば、確かに行事のたびに壇上で見かける顔だ。しかし生徒会が何の用だとい
うのだろう。
ふと、香堂は数日前の出来事を思い出した。過去、香堂に凄絶な屈辱を与え、そして今に
なってその記録を外部にばら撒いた幸崎幸という生徒のことだ。
表沙汰にはなっていないはずのアレが、そして香堂自身は参加していなかったが、その後に
起こったはずの月小路妃美歌への報復が、問題になっているのだろうか。
「たいしたことではないのだけど、会長が呼んでいるのよ」
「会長が……」
相手の言葉を繰り返しながら、香堂は心中、そんなはずはない、とつぶやいた。幸崎も月小
路も事を公にはしていない。幸崎は出来るだけ平静を装って登校してきているし、月小路が
学校に来ないのはいつものことだ。復讐劇を計画した有瀬文月の言葉が正しければ、もう何
もかも終わっているはずなのだ。
「行ってもらえる?」
「はい」
断る理由はない。香堂は頷いて、生徒会役員だという先輩と連れ立って教室を出た。他に
も用事があるらしく、そこで先輩とは別れる。生徒会室までの道のりを思い浮かべながら、香
堂は廊下を歩き出した。
「何の用ですかね……」
件の復讐劇に関して、香堂の考えは他の参加者とは異なる。
そもそもの立案者である有瀬文月や、柚子澤蜜柑、逢坂仁和子などは復讐を楽しんでい
た。他者に暴力を加えることに、喜びを感じていたのだ。
香堂にもそれ自体を否定する気はない。ないからこそ、復讐に参加した。
だが、釈然としないものを抱えているのも、また確かだった。
かわいそうだとは思わないが、自分が手を汚している事実にいやなものを感じた。復讐という
名目で暴力を振るうことは、幸崎が自分にしたこととなんら変わりがないのではないかと、そう
思わないではいられなかった。
だから、彼女は月小路を標的とした復讐には参加しなかったのだ。
「そういえば、相田さんはどう考えているのかしら」
実行に際して、相田涼香だけは現場にいなかった。彼女が復讐についてどう考えているの
か、聞いてみたい気がした。
そんなことを考えているうちに、生徒会室の大きすぎる扉が目の前にあった。ご丁寧に用意
されているノッカーを叩いて、
「香堂智恵です」
と、声をかける。中からすぐに「どうぞ」と涼やかな声が返ってきた。
今の生徒会長は天王寺弥生という三年生で、文武両道の才女である。女系で有名な天王
寺家の三女であり、ずば抜けた才覚から家の今後を任されていると噂される。
女傑。そんな言葉が似合う女性である。
存在は知っていたが、面と向かうのははじめてだ。いささかの緊張を自覚しながら、香堂は
扉を開いた。
とたん、噎えた匂いが立ち込めた。
汗と、尿と、そして濃密な淫液の匂いが交じり合う、一度嗅いだら忘れることのできそうにな
い匂いだった。そう、実際香堂はこの匂いのことをよく覚えていた。
あの時、授業中のトイレの中は、この香りで満ちていたのだ。
「あ……ぅぁ……」
うめき声が聞こえた。ふらふらと室内に踏み入ると、背後でひとりでに扉が閉まる。重厚な大
扉はそれなりに大きな音を立てたが、香堂にそんなことを気にする余裕はなかった。
広い生徒会室。その中央に、生徒が独り、白目を剥いて横たわっていた。制服は着ていな
い。それ以外のどんな服も身に着けていない。十代の裸身をさらけ出して、時折ビクビクと痙
攣している。
口元には何か器具のようなものを噛まされて、こぼれた涎が絨毯を汚していた。股座には手
首ほどもありそうな巨大な筒状の何かが突きこまれて、処女でもないはずなのに血が流れてい
る。一歩近寄ると、重量に引かれて横に流れる両乳の先端に、ピアスのような物がゆれている
のまで見えた。
それは、明らかな陵辱の痕跡だった。
「あ……いだ、さん……」
ぐらり、と世界が揺れる。吐き気すら覚えた。
その名前を、香堂は知っている。相田涼香――計画に参画しながら直接的な報復には及
ばなかった、五人目の復讐者。利尿剤入りのジュースを幸崎に飲ませた、仕掛け人。
「な、なんで、こんな……」
声がふるえる。足もふるえている。報復だということは、すぐに思い当たった。だが誰が? 幸
崎幸にはできない。彼女の心は文月がへし折った。月小路妃美歌にはもっと無理だ。学校に
すら来ない引きこもりが、どうやってここまでいたぶれるというのか。
誰もいない。復讐は終わっている。報復に報復が返ることなど、ないはずなのに。
「当然の、結果ですよね」
この部屋に入室を促したのと同じ声が、そうつぶやくのが聞こえた。あわてて視線をめぐらせ
る。探すまでもない。彼女は香堂の真正面、部屋の奥、中庭の見渡せる大きな窓のそばに立
っていた。最初から、隠れもせずにそこにいたのだ。
「私たちに復讐した貴方たちなら、これを否定することは、できないですよね」
そこにいたのは、幸崎幸でも、月小路妃美歌でもない、そしてもちろん、この部屋の主人で
あり、香堂を呼びつけたはずの生徒会長でもなかった。
輝くような金の髪、吸い込まれるような碧眼。学院でも珍しいクォーター……
そう。
香堂の時にはいなかった、三人目の陵辱者。文月が唯一見逃した、かつて被害者だったら
しい誰か。
「香堂智恵さん。私は貴方に、復讐します」
伊勢宮アリスが、そこにいた。
■■■
終わってみればたった一日の復讐劇は、文月の生活に何も残さなかった。二ヶ月に渡った
陰湿な嫌がらせが消えたくらいで、文月は当たり前の顔をしてゆるやかな日常へ帰ってきたのだ。
一週間ほどの間を置いてそれとなく探りをいれてみたところ、アリスや幸崎はきちんと登校し
ているらしい。月小路は相変わらず引きこもっているようだ。
文月の行為が明るみに出ることはなかった。学院の性質はもとより、幸崎や月小路が外部
に漏れることを嫌ったのだろう。特に月小路は、ピアノが弾けなくなった、などと言えるはずもな
い立場にいる。
柚子澤や香堂とは、すれ違えば挨拶する程度の関係だ。そもそもお互い、会えば嫌な記憶
を思い出す。用もないのに顔をつき合わせても憂鬱なだけだ。
逢坂仁和子だけは持ち前の明るさでよく声をかけてくれるが、それもさほど仲が良いというわ
けでもない。そもそも学年が違う――彼女は中等部なのだ。
新調した携帯電話には、誰のアドレスも登録しなかった。
唯一の例外として、相田涼香とはそこそこに親密な関係を築いている。彼女は復讐に直接
参加しなかったこともあり、撮影したデータを肴に二人でこっそりとジュースで乾杯などしたものだ。
ともあれ、文月にとって、それが今回の顛末だった。
「……?」
だから、その日帰宅しようと開いた靴箱の中を見て彼女が眉をしかめたのも、無理からぬこと
だった。
靴はある。きちんと揃って入っている。問題は、その上に乗っているCDのケースだった。
あるはずのものがないということは以前ならばよくあったが、ないはずのものが入っているのは
これがはじめてだ。
「……ラベルはなしか」
透明なケースにおさめられているのは、どうやらDVDのようだ。白いレーベル面には何も書
かれておらず、市販されているデータ用ディスクであることが伺える。一応靴箱を確認するが、
自分のものだ。
ここでディスクを見ていてもはじまらない。文月はそれを鞄にしまうと、普段どおりの足取りで
昇降口を後にした。
文月は部活動に所属していない。純粋な帰宅部はこの学院では珍しいが、そんなことを気
にする文月でもないから、授業が終わればまっすぐ寮に向かうのが彼女の日常だった。だから、
彼女が寮に戻る時、中はほとんど無人である。この日もそうだった。
自室の扉を開けて、革靴を脱ぐ。ちゃんと鍵をかけてから猫のスリッパを取り出して、かわり
に靴を靴棚にいれる。靴棚には他に数足の靴と、ウサギのスリッパが入っている。
足が沈み込むような錯覚すらする絨毯を踏みしめて、文月は『ふづきさんのお部屋』というプ
レートのかかった扉の前まですたすたと歩いていく。早苗が作ったプレートに少し笑みを浮か
べて、扉を開いた。
無駄なものを極力省いたシンプルな部屋に入ると、文月はまず机の上のノートパソコンを開
いた。鞄をその脇に置いて、中からディスクを取り出す。本体脇のスイッチを押してトレイを引
き出すと、今は何も入っていないそこに白いディスクを置いた。
ヒュイィン、とスムーズな稼動音を立ててトレイが飲み込まれていく。しばし待つと、画面上に
ディスクの中身がフォルダとして表示された。
表示されているフォルダの中には、ふたつのファイルが入っている。どちらも動画ファイルの
ようだ。タッチパッドに指を滑らせて、文月はカーソルをうちのひとつに合わせた。
開く前にウイルスがないかどうかだけチェックする。手馴れた調子でスキャニングを済ませると、
文月は躊躇も好奇心もなく、いっそ事務的な調子でファイルを開いた。
自動で動画再生ソフトが立ち上がり、小さなウインドウが現れる。かすかに目を細めて、文月
は細い指先でいくつかのキーをタッチした。すぐにウインドウが全画面表示に切り替わる。
まず、ノイズが液晶を埋めた。それからわずかの間を置いて、映像が切り替わる。
どうやら室内らしい。しかし、解像度が低く粗い上に、やたらと上下に揺れていて、何が映っ
ているのかほとんどわからない。スピーカーから聞こえてくるのは何気ない雑談のように思える
……これは、校舎の中だろうか。
幾度か近い位置からささやきかわす声が聞こえた。どうやら撮影者の声らしい。そこでやっと
画面の揺れがおさまった。やはり校舎の、廊下のようだ。カメラは下を向いていて、見慣れた
絨毯と、上履きを履いた生徒たちの足がいくつか見て取れた。
休み時間か、放課後なのだろうか。
カメラの標的は目の前にいる生徒らしい。一体どういう方法で操作しているのか、足元から
ゆっくりとフレームをずらしていく。下から覗き込んでいるとしか思えないのだが、まさかそんな
真似を校内でできるはずもない。
ターゲットは黒いストッキングを着用していた。繊維が細かく肌に吸い付くそれを、カメラはの
ろのろと追っていく。まるで安物のAVのようだと文月は思った。さすがに、見たことがあるわけ
ではなかったが。
太ももが映し出される頃になって、標的となっている生徒のスカートが短いことに気がつく。
礼染女学院は成り立ちや風聞から受けるイメージほど厳しい学校ではない。さりとて、こと服
装に関して言えばそこまで自由というわけでもないはずなのだが。
そんなことを考えていた文月は、次の瞬間映し出されたものを見て、一瞬、かすかに眉を跳
ね上げた。
形のよい、丸いお尻。ストッキングによって形を整えられ、きゅっと引き締まったそれが、フレ
ームにおさめられている。やはり下から覗き込んでいる。何か器具を使っているのだろう。
短すぎるスカートの襞はかろうじてお尻の丸みを隠す程度で、あれではさすがに指導を受け
る。すこしでもかがめば下着が見えてしまう、そういう長さだった。
が、その心配はない。
その生徒はそもそも、下着なんてつけていなかったからだ。
「……よね、これは」
粗い画像にまじまじと目を凝らす。黒いストッキングなんてつけているものだから余計に分か
りづらいが、下着のラインが出ていない。どころか、繊維の奥には淡い茂みまで見える。
文月は一度、映像を止めた。
液晶を見つめる。気のせいかと思ったが、違う。粗い画像でも見分けやすい、白い楕円形の
何かが、ストッキングの向こう側で剥き出しの秘部に触れている。
ローターだ。
実物を、文月も持っている。指先でつまめる程度の小さな器具。女性が自身を慰めるため
に使う、電動式の玩具である。
軽い仕草で指を跳ねさせ、キーを叩く。映像が再開された。
よくよく耳を澄ませば、モーター音も聞きとれる。カメラはいたぶるように秘部を眺め回して、
更に上へと向かった。
礼染女学院はセーラー服だ。今は移行期間なので、夏服冬服の判断は各自に任せられる。
画面に映る生徒は夏服を着ていた。あるいは、着させられていた。
「つけてない……」
ぽつり、と文月はつぶやいた。薄手のセーラーは陽に透かされて、その奥にあるものをさらけ
出す。もちろん本当に透けているわけではない。だが、膨らんだ胸部の頂点で震える突起が
生地を押し上げるのはどうしようもない。うっすらと桜色が見えるのは、画面上の錯覚か、ある
いは単なる気のせいなのか……それとも。
更に、画面は上へ向かう。白い首筋はじっとりと汗に濡れていた。羞恥に耐えているのか、
悦楽を堪えているのか、その両方なのか。
震える顎、引き結んだ唇。形のよい鼻、その上に乗る眼鏡のブリッジ。
「……」
ここにきて、ようやく文月は映る人物の正体を知った。そして同時に、この映像の意味をほぼ
正確に悟った。
今にも泣きそうな顔で改造制服に身を包み、人のあふれる廊下で身を震わせているのは、
誰であろう、香堂智恵だった。
■■■
見られている。
事実はどうあれ、香堂智恵はそう感じていた。実際、廊下で談笑する生徒たちのうち何人か
は、過激すぎる香堂の制服に注目している。
黒いストッキングはいつもよりも肌の露出を少なくしているはずなのに、太ももを撫でる風がい
やに冷たく感じられた。短すぎるスカートをおさえる手がカタカタと震えて、掌にはじっとりと汗
が浮かび上がっている。
「いい格好ですね」
背後から、そう声が聞こえた。透き通るように美しい声だった。
「こ、こんな格好、」
「自分で選んだんですよ、香堂さん」
声は、そう続けた。唇を噛んで、香堂は震える顔を前に向けた。
――生徒会室で相田涼香を発見した香堂は、選択を迫られた。この場で彼女と同じように
陵辱の憂き目に遭うか、それとも、とある格好をして校舎を一周するか。
香堂の脳裏に閃いたのは、かつて自身が受けた屈辱であり、そして幸崎幸に与えた暴虐だ
った。あんな思いをするのはもう嫌だ。
逃げる、という選択肢もないではない。だが、アリスが生徒会室を陵辱の舞台に選んだという
ことは、少なくとも生徒会のうち幾人かはアリスの味方だということだ。
そう、香堂を呼びに来たあの役員も、そうなのだろう。逃げ出しても意味がない――状況が
悪化するだけだ。
かくして、香堂は卑猥な制服に身を包むこととなったのである。
「それじゃあ、行きましょうか。ゆっくり歩くんですよ」
「……」
肩越しに、ちらりと視線を投げる。圧倒的優位な立場から香堂をいたぶっているはずの伊勢
宮アリスは、なぜか厳しい顔をしていた。緊張しているように見える。
「早くしてください」
促されるままに、香堂は歩を進めた。
「んぅ……」
一歩踏み出しただけで、自然と声が漏れた。秘部に埋め込まれたローターは微細な振動を
繰り返して、絶えず刺激を送り続けている。歩くだけで、その震えが倍増されて伝わってくるのだ。
体の中心を撫でるような曖昧な刺激は、しかし確実に香堂の官能を揺さぶっていた。
なるべく刺激を抑えるように、内股になってしずしずと歩き出す。訝しげな視線を何度か受け
たが、それ以上に注目してくる生徒はいなかった。『スカートが短い気がする』程度の違和感
なのだろう。まさかその内側で、ローターが暴れていることなど彼女らに知るよしもない。
「そんなにゆっくり歩いていたら、終わりませんよ」
「……ぅ、んぁ……」
ついさっきとまるで逆のことを言いながら、アリスがくすくすと笑った。ローターの振動がわず
かに強くなる。アリスが急かしているのだ。
歩く速度をあげようにも、少し大またになっただけでスカートの裾が気になって足が止まって
しまう。ストッキングを履いているから、遠目になら下着をつけていないことは悟られない……そ
う思っても、やはり大きな動きを躊躇してしまう。
そうしてまごまごと鈍重な歩みを続けるからかえって注目の機会を増やしてしまうのだ。
「ぅ、うぅ……」
じわじわと擦り寄ってくる官能の熱は、お腹の下の方にたまって全身を炙っている。微妙す
ぎる刺激はかえって自分自身の性欲を強く意識させる。体中の感覚が全て股間へ集まって
いくような錯覚すらあった。
「足が止まっていますよ」
「ひぁぅっ――」
思わずあげそうになった嬌声を、無理やりに飲みこむ。ローターからの刺激が、急激に強ま
ったのだ。
一気に最高値まで引き上げられた振動は、すぐにまたゆるやかに撫でさする曖昧なラインに
戻されたが、一度あげてしまった声は周辺の生徒たちの目を集めるのに十分すぎた。注目か
ら逃げるように、ひきつりそうになる足を懸命に動かして、香堂は廊下を先に進む。
「そんなにあわてなくてもいいのに」
急がせたいのかそうでないのか、アリスがまた矛盾したことを言う。
ほんの一瞬ではあったが体の中心を貫いた衝撃は、香堂の中にあるスイッチをいれるのに
十分だった。
鼓動の速度が倍になる。さっきまでと変わらないはずの振動が、妙に強く感じる。震える足が
少しずつ前に進むと、その度に秘唇をさする衝撃が強くなる。思わず太ももをすり合わせて、
そのはしたない仕草に気づいてあわてて前進を再開する――
「淫乱」
――それら一連の行為を見つめて、ぼそり、とアリスがつぶやいた。
「……ッ」
否定できない。吐く息すら荒く、頬の紅潮している自分が、何を言えるだろう。
息がおさまらない。今が冬だったら、口のまわりがずっと白くけぶっているだろう。熱を孕む吐
息が口の端から漏れて、それをこらえようと唇を合わせれば、口内にじっとりと唾液が溢れる。
涎を零しているのは下の口も同じで、汗と混じりあった濃密な粘液が股間からふとももまでをぐ
っしょりと濡らし、ストッキングの繊維を肌に張りつかせていた。
「はぁっ……は、ふ……」
右足を前に出す。ぐちゅり、という音が聞こえる。
左足を前に出す。にちゃり、という音が聞こえる。
「は……ぁ……」
気のせいだ。本当にそんな音が響いているわけではない。だが、一度頭の中で鳴りはじめた
淫音は、まるで香堂を煽るようにこだまする。
そうしてその音が響くたびに、体の奥の方で、何かがずぐん、ずぐんと蠢くのだ。股座から伸
び上がる性感は膣道を通って子宮に達する。そこで確かに、得体の知れない何かが暴れて
いる。
「ん……んふぁ……は、はぅ……」
ふとももをすりあわせながら歩く香堂は、自分が性欲をこらえるためではなく、貪るためにそう
しているのだと、うすうす気づきはじめていた。膝頭がこすれあうたびに大きくなる刺激が、香堂
を内側から破壊していく。尻を振りながら歩く姿がどれほどいやらしく惨めか、ちらちらとこちら
を伺う同校生たちを見ればわかりそうなものだ。
「とてもかわいらしいですよ。まさに、雌犬という風情で」
「は、ぅ……んぅ……!」
引き結んでいるはずの唇から、あえぎ声と一緒に涎が一滴こぼれた。あわてて口元をぬぐって、
「ぁ……」
掌についた唾液を見て、香堂は一瞬動きを止めた。
手を振って、また歩き出す。ぬらりと光る唾液は彼女の性を象徴しているようで、あげく香堂
はそれを『舐めたい』と思ってしまったのだ。
「ふ……」
ローターの刺激が少しずつ強くなっていることを、この時香堂はやっと悟った。弱い刺激を
延々与えているように思わせて、気づかれないようにリモコンを操作していたのだ。
「ん、んぁ……あふ……」
気づいてしまうと、余計にローターが意識された。脳裏に、かつて凌辱された記憶が蘇る。
泣いても叫んでも許してもらえなかった、あの地獄のような時間が。
視界がだんだんと曖昧になっていく。すれ違う生徒たちの顔がよく見えない。ここはどのあた
りだろう。廊下の景色はどこも似たようなもので、それが余計に香堂の理性を削り取っていく。
朧とした世界を漂うように歩き続ける。もはや明確な感覚は、股間を嬲る淫悦だけだった。
「香堂さん、止まってください」
唐突にささやかれて、香堂は足を止めた。現実から乖離していく香堂の意識は動きを止め
ても不明瞭なままで、ぼんやりと靄がかった世界を眺めるばかりだ。半開きの口元からは断続
的にあえぎ声が漏れている。かろうじて声を抑えているのが、ぎりぎり残された理性だった。
「ここには、誰もいませんよ」
「ぁ……あ、ふぁ……」
「いくらでも、声をあげていいんですよ」
「あ……」
まるで催眠のように、アリスの声が忍び寄ってくる。綻んだ理性の隙間を通りぬけて、香堂の
内側を侵略していく。細く綺麗な指がそっと震える尻に添えられた。それだけで、香堂は背を
震わせてしまう。
「ほら」
短すぎるスカートの裾をくぐって、ぐしょぐしょに濡れたストッキングを撫でる。薄布一枚隔て
た感触が、優しくなだらかに、香堂を昂ぶらせる。
そうして、
「叫んで、いいんですよ……!」
小声でそういうと同時に、アリスの指が、ストッキングごと香堂の菊座につきこまれた。
「――っ」
声をこらえる。肛門から背筋を突き抜けた感覚は紛れもない快感で、曖昧模糊としていた香
堂の視界を真っ白に染め上げた。それでも嬌声だけはあげずに、天を仰いでぶるりと大きく震
える。
「叫んでいいと言っているのに」
呆れたようにアリスがそうつぶやいた。指が引き抜かれる衝撃にまた背を震わせて、香堂は
肺の奥から、大きく吐息をついた。予想外の強襲を乗り切った、安堵の吐息だ。
香堂は気づかなかった。
アリスは、その吐息を待っていたのだ。
「――ひぁああぁあああっ!」
ぐぢゅり、と膣内で響く淫音が、体の中で反響する。一度抜かれたはずの指は、一瞬の油断
に前に回りこみ、今度は疼く秘唇に突き立てられたのだ。
「あら、どうしたんですか、そんな悲鳴をあげて」
「なっ、中、な、なかっ、中に、入っ……あぁあああああっ!」
「何が、入ってるんですか?」
「ろ、ろぉっ、あ、ぁああっ、いやぁああっ!」
アリスが指を蠢かせると、狭い膣道で震えながら『それ』も身を捩る。そう、アリスの指はストッ
キングごと、その奥のローターまで、香堂の中に押し込んでしまったのだ。
最大値で震える淫具を埋め込まれた膣は、わななきながら未知の悦楽を吐き出していく。膝
が震えて立っていることすらできない。内側から送り込まれる刺激は、先ほどまでの比ではな
かった。
がくり、と膝が落ちる。同時にアリスの指が離れていくが、よほど奥までねじ込まれたのか、ロ
ーターは落ちてこない。膣の収縮運動でストッキングだけがゆるゆると吐き出されてきても、肝
心の玩具は唸り声を止めないまま、香堂の中で暴れて回っていた。
「はっ、はぁ、い、いや、やぁああ……」
両手を床の絨毯について、涙と涎を零しながら、香堂は立ち上がることができないでいた。よ
つんばいの姿勢で腰をひねりながら悶える姿は、どう見ても性を懇願するあさましい雌だ。
このローターをどうにかしなければいけない。そうしなければ、気が狂ってしまう。香堂は震え
る指を、自身の秘裂にそっと這わせた。布地に浸透した淫蜜に指先がぬめり、なめらかな繊
維の感触がふっくらとした土手を撫でる。這い上がる電流にも似た感覚に背を震わせながら、
香堂は指先を蠢かせる。しかし、ストッキングが邪魔をして秘所に指を触れさせられない。アリ
スがそうしたように、勢いよく突き込めばいいのだろうが、それでローターを取り出せるとは思え
なかった。
「い、いう、ん、んんぁあああ……っ」
片腕を肘までついて、腰を振りながら秘所をまさぐる。これではただの自慰だ。それも校舎の
中で、まだ人がいるというのに。
「あ、ああ、ああああ……っ」
違う、ただローターを取り出したいだけだ。違う。違う。違うのに、布地ごしに暴れる指を止め
られない。
「あ、ああ、あっ、ああぁ、あっ……ふぁああっ、」
加減もなく掻き毟っていれば、当然ストッキングは伝線する。どころか、布を引き裂く音と共
に、香堂の指はついにストッキングを破ってしまった。涼やかな風が股を走り抜ける。その瞬間、
確かに香堂はつぶやいていた。
「さわれる、」
と。
「ふぁっ、ああああっ!」
何もかも振り切るように突きこんだ指は、剥き出しの淫裂を割り開いて膣口に突き立った。奥
に潜むローターの固い感触が指先にあたる。全身を衝き抜ける快感の波に流されるままに、
香堂はそのまま、指を思い切り深くまで突き刺した。
「んぁああぁあああああ――――っ!」
視界が白濁する。七色の光が真っ白の世界を飛び交って、香堂の体をどこか知らない場所
に連れ去っていく。今まで感じたことのない、全く知らない類の絶頂だった。
「あぁ、あ、ふぁ……」
指を抜くことも忘れて、ぐったりと弛緩する。床に頭をつけると、眼鏡が絨毯に触れてわずか
に音をたてた。
「……だ、大丈夫?」
――そこで、知らない声が聞こえた。
「……ふぇ……?」
顔をあげる。知らない女生徒が、心配そうにこちらを見下ろしていた。背後には何人かの生
徒が、気遣わしげに、あるいは気味悪げに香堂を見ている。その更に後ろからは、ざわめきと
共に野次馬の集まる音が聞こえてきた。
「あ……ぇ?」
振り返る。
伊勢宮アリスは、どこにもいなかった。
誰も来ないと言われていた場所は、確かに人通りは少ないがただの廊下の隅で、香堂自身
の悲鳴を聞いてだろう、多くの生徒がざわめきながら集まっていた。多数の視線に晒されなが
ら、香堂はよつんばいのまま、尻を高く掲げて上半身を地面に伏せた恥ずかしい姿勢で、自
分の指を股間に沈ませている。足元の絨毯は捩れて皺だらけになっていて、ここでさんざん悶
えたことを言外に示していた。
「な、なに、してるの……?」
指の行き先に気がついたのか、声をかけてきた生徒が顔を赤らめてそう言った。一歩退く彼
女に合わせて、ざわめきが波のように伝播していく。
「あ……あ、ああ、ち、ちが、ちがう、違う――あぁああっ」
あわてて起き上がるその勢いで、膣の中でローターがぐしゃりと押しつぶされる。密着した玩
具は電動式の愛撫を容赦なく香堂の体に刻み付けた。まなじりから涙を零しながら、香堂は
視線を巡らせる。少なくとも、この玩具の電波が届く範囲にはアリスがいるはずだ。
「う、うぅう……」
羞恥心だけを頼りに、香堂はふらふらと立ち上がった。一歩進むと、人垣がざわりと割れる。
二歩進むと、誰かが香堂の足元を見て、
「なに、なんか垂れてる」
と、そうつぶやいた。
「なにあれ、おもらし?」
「違いますよ、あれ、……その、あれじゃないですか」
「嘘、あの子、こんなところで何やってるの?」
「変態なんじゃないの」
ぼそぼそとした囁きが一斉に沸き立つ。中には香堂を弁護するものもあったが、とても耳に
入れている余裕なんてなかった。ローターは休まず動き続け、絶頂に達して敏感になった香
堂の性感を刺激している。どこかに隠れているだろうアリスは、笑っているのだろうか。
「うう、う、うぁああ……」
呻きながら、香堂はふらふらと廊下を、逃げるように歩いていった。ざわめきは収まらないが、
誰も追ってこない。ただ気味悪そうに、遠巻きに香堂を見つめているだけだ。
助けてくれる人などいない。
香堂はそのまま、人の目から隠れるように角を曲がると、一番近いトイレに駆け込んだ。気が
つけば、ローターの動きは止まっている。アリスから離れたのだろう。
「う、う、うぅ、うぁあ……」
汗が浮き上がった手を個室の扉にかける。それを開くと同時に、
「傑作でしたよ」
……この数十分でいやというほど聞いた、澄んだ声が響いた。振り返れば、かすかな笑みを
浮かべて、伊勢宮アリスがトイレの入り口に立っている。
「香堂さん、きっとマゾの素質があるんですね。かわいかったです」
「い、いせ、みや……」
「さあ、それじゃあ」
すたすたと歩いてくるアリスの腕が、香堂の肩をトイレの中に押し込んだ。同時に、また膣の
中でローターが蠢動を開始する。後ろ手にアリスが鍵を閉める音が、いやに大きく響いた。
「遊びましょう?」
微笑は美しかった。
まるで、悪魔のように。
■■■
映像が終わった。
液晶を見つめたまま、文月は小さく、しかし深い吐息を漏らした。最後にノイズになった画面
からは、悲鳴も嬌声も、もう聞こえてはこない。
「よくもまあ、大胆にやったものね」
あれほどの人数に目撃されては、口封じなど不可能だろう。いや……文月が知らなかったの
だから、ある程度はそれも成功しているのかもしれない。野次馬の生徒全員がアリスの協力者
という可能性もあったが、さすがにそれは考えすぎだろう。
だが、中に二、三人のサクラがいたかもしれない。
「そう……そうか……」
伊勢宮アリスという人間を計り違えていたのかと、文月は沈思する。彼女は戦える人間では
ないと思っていた。ただ虐げられ、搾取されつづける家畜のような、餌になるべき人間だと認
識していたのだ。
彼女は変わったのだろうか。それとも、最初から文月が間違っていたのだろうか。
「……」
文月は沈黙したまま、指先をタッチパッドに滑らせた。マウスカーソルをふたつめのファイル
に合わせ、ダブルクリック。
同じように再生ソフトが立ち上がるが、映像は流れなかった。シークエンスバーだけが横に伸
びている。どうやら音声のみのファイルらしい。
数秒の雑音の後、澄んだ美しい声が、さえずるように流れ出した。
『許しません』
まず、声はそう告げた。
『貴女がわたくしたちを許さなかったように、わたくしも貴女を許しません』
文月はかすかに目を細めて、シークエンスバーを見つめる。どうやらほんの十数秒の音声だ。
つまりこれは、宣戦布告なのだ。
『貴女の行為が復讐ならば、これも復讐なのだと――貴女には理解できるはずです』
「わかってないな……」
ぽつり、と思わず言葉が漏れる。自分ながら『らしくない』反応に、文月は自身の昂奮を悟っ
た。昂ぶっている。それは、知り合いのあられもない映像を見たからではない。
『貴女のいうような人間では、わたくしはない。わたくしは自分で、貴女に復讐できる』
これが昂ぶらずにいられようか。文月はぶるりと震えて、自身の肩を抱いた。
『これは、わたくしの復讐です……!』
言葉を最後に、再生が止まった。文月が止めたわけではない。これが収録されている音声
の全てなのだ。文月は震えながら、口元を掌で押さえて、
「くっ……あはははははっ……」
いつかのように、笑い出した。
「そう、そうなのね、貴女、私と戦争をしようというのね……!」
ぶるりと、また大きく震える。
早鐘のように打つ心臓が、脊椎を駆け上る快感の予兆が、文月の興奮を押し上げる。一度
は終わったはずの楽しい遊びの時間。鎖から解放された獣が雄たけびをあげる狩りの時間。
刹那の慰めだったはずのそれを、獲物の方から望んできたのだ。
昂ぶらずにいられようか。
これを、喜ばずにいられようか。
「ああ、そう、そう! それならばやりましょう。見逃すなんて失礼な事を言ったわね――」
興奮のあまり手を打ち合わせて、文月はつとめて声を抑えながら、うっすらと笑みを浮かべて
宣戦した。
「――潰してあげるわ、貴女も!」
伊勢宮アリスの復讐は、こうしてはじまった。
以上です。今回は四ヶ月も間が空いてしまって申し訳ないです。
おそらく、あと二回か三回くらいで完結すると思います。
が、今回ほどではないと思いますが、若干時間がかかるかもしれないです…
なるべく早く書き上げたいと思うので、もう少々お待ちください。
んじゃつづき書いてくる。
うわああああおかえりいいいいいいい
待ってたGJ
抜いてくる。
315 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 23:14:05 ID:iPvZ30Gv
S女同士の対決になったって訳か
俺としては文月に勝って欲しいな
最新話読んで面白かったので、最初から読んでみたがこれは何という大作。
夢中で読んでしまった。
>315
正当防衛(過剰防衛?)と言えなくもないし、俺も文月派かなぁ。
次もアリスのターンなら、蜜柑と仁和子のどっちかが狙わるのかな。
それとも文月のターンなのか、続きも楽しみだ。
女学院の人の投下キターーー!
ほんと帰ってきてくれてありがとう!ありがとう!!
相変わらず程よい鬼畜っぷりがたまらんね
次回のS同士の対決(?)も期待してます
きたああああああああああ!!!!!
待ってたぜえええええええええええええええ!!!!!!
しかし、なんだ
文月とアリスじゃ器が違いすぎやしないかという気もしなくもないがw
アリスがどんだけがんばるのかが楽しみだ
319 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 18:16:53 ID:ujhglN26
うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ続きが気になるぅぅぅぅぅ
戻ってきてくれて、嬉しいです!
続き楽しみに待っています。
>>318 文月は残酷であるだけでなく非情さも相当なもんだからねぇ
アリスなりに色々策を練るだろうが返り討ちにされて自殺ものの恥辱を受けそう
アリス…
人の痛みが分かる子だったのに…
次回から最終回まで文月無双ですねわかります
おお、ついに続きが!
325 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 09:42:44 ID:kkgXteeC
>>322 幸崎幸と一緒に文月を陵辱しまくってたがなww
ポップスベストテンデビュー
327 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 14:25:28 ID:GDCAShnR
保守
初めてこのスレを開いたけど
ふおおおぉぉぉぉっ!!!
いつのまにかきてたあああああああああああああああ
アリスいい!敬語責めかわいい!
相変わらずのクオリティ、GJ!待った甲斐があった。
お互い復讐にかける気持ちが真逆なんだな。
文月が折れるとは思えんが、アリスがどこまでいじめぬけるか楽しみだ。超GJ!
332 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 15:25:57 ID:KDuEp9Hc
やられた事をやり返してるだけの文月か
やられて自業自得ざまぁのアリスか。
どちらに軍配が上がるのだろうか・・・。
アリスかわいいな
いじめる側もいじめられる側も見てみたい
334 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 01:25:53 ID:6s3ImE/D
すげえええ!!作者さんgjすぎる!!
これは保守せざるを得ない
335 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/21(月) 15:04:49 ID:xp6DEmTz
保守
336 :
名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 11:28:39 ID:h+0bsd43
保守
今読んだ。職人さん凄いですな
いたぶられながらも矜持を失わない月小路は魅力的
というかやられる前に挿入されるいじめっ子たちの生い立ちが彼女たちの人物像に厚みを持たせていていい
相手に取り返しのつかない傷を与えないよう、自分たちなりのルールを守っていたいじめっ子たちと
仲間(というより手下)さえも欺き、双方に回復不可能な痛手を負わせる文月
はたしてどちらに義があるのか…
続きがすごく気になります
まだまだ感想募集期間は続くよ(笑)
2chのエロ小説と言えども、単にスレごとの趣向に合わせて
女がアハンアハン言ってるだけではダメなんだよね
小説である以上読ませる文章でないとダメで、
でも気負いすぎの過剰装飾な文章だったり
エロ以外の枝葉を無駄に広げすぎても当然ダメで、
その辺がこの作者さんはうまいなあ
そうだね
昔は文章の素人がエロリビドーに任せて書いてた作品がほとんどだった
最近はネットによるエロ創作とその共有が普通になってきて
こういう創作が特殊なことでなくなってきたせいか
文章書ける人が多くなってきたのは実感するね
そのかわり今度は読ませる文章やしっかりした構成になってれば
肝心のエロ要素置いてきぼりで文章部分に夢中だったり
扱いきれない話を広げてエロにたどり着けないまま立ち消えるのを
よく見かけるようになった
その点でもこの作者さんはうまいな
内容もしっかりしていて文量もあるのに
エロだけに注目してもおろそかになってる間延びがないし
ストーリー展開だけに注目しても停滞や退屈がない
言いたい事は勿論分かるんだが
そんな感想の書き方したら初投稿しようとしてるかもしれない人達が
躊躇して投稿止めるかもしれない
まあ今は
>>313へのGJキャンペーン中ですから
書きたい新人は気になるなら時期を選ぶか他で書くかすりゃいい
女学院の人でみんな満足してるのかもしれんが、ここ基本的には超過疎だからな。
あんま書き手を遠ざけるような物言いは控えたほうがいいとは思う。
>>313でも間があくって言ってるし、書き手さんは小ネタとかでも遠慮なく投下したらいいんじゃないかな。
誰か投下すれば、気安く投下できるようになるだろうし。
ほ
ところでアリスがいじめられてる描写ってどっかにあったか?
別スレ探せば見つかる?
何もされてないのに私はひどい仕打ちを受けたのだって騒いでる
あほな女にしか見えん、文月よ、いいぞ、もっとやれ。
346 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/12(火) 20:51:22 ID:baDRNHNt
>>345 無い。
つまり主要キャラの中ではまだ誰にもイヤラシイことをされていないわけで、
ということはこの先の役割は・・・
やっぱり文月がんばれ、ですねw
レズ
文月にぐちゃぐちゃにされるアリス期待。
文月の編入前:アリスは幸崎と月小路にいじめられてた
文月の編入後:幸崎と月小路は遊びで、アリスに文月をいじめさせる
って感じで、アリスは元いじめられっ子じゃなかったっけ。
ここのメイン作者様の素晴らしい文章、読ませる力のある言葉の並び…
正直、このようなハイレベルなSSがあると自分のSSを書き込むのが
恥ずかしくなってしまうのですが、それっぽいものを書いてみたいと思います!
このレベルの差を直に感じるのも勉強だと思ったので!
誰しもがそう思うだろう。
弱い者の上に強い者は立つ。
弱い人間がいるから強い人間はその立場を利用する。
なら、弱いモノがいなければ、力を持つ人間はどうなるのだろう…?
私はどちらでもない。
ただ、ほんの少し他の人間より強いだけの、ただの傍観者だ。
いつだってそう…
なまじ道場に通っていたせいか、ケンカ等の暴力沙汰にはあまり手を焼いたことが無い。
だからといって、トラブルに巻き込まれるのは真っ平ごめん、それが私の性分だ。
そう、つまり今のこの状況も私にとっては、何の変哲も無い日常でのワンシーンとして平然とただその上を歩いていけばいい。
誰しもがそう願うだろう。
私は弱者でも強者でもないのだから…
ゴボゴボゴボッ…便座横のレバーをクイッと持ち上げ、勢いよく水が流れていく。
この学校のトイレも近いうちセンサーになるのだろうか、いやならないだろうな。
個室を出て、蛇口をひねり手を濯ぎながら彼女はそんな事を考えていた。
ティッシュやハンカチなどを常備する習慣の無い彼女は、濡れた手をピッピッと数回払ってトイレを後にしようとする。
さも日常的な光景ではないか。
しかし、それが彼女だけの(あるいは彼女にだけ許された)日常なのは、いかんともし難いと言える。
何故なら今この空間で行われている行為は“異質”そのものだからだ。
3人、いや4人か…数名の女生徒と、その向こうには裸にされお世辞にも清潔とは言えないこの学校のトイレの床で突っ伏している女の子。
恐らくはイジメの類で、そのリンチの真っ最中といった感じだ。
幾人かは煙をくゆらせ、甘いメンソール臭が漂っている。
最もこの状況、彼女がトイレで用を足す前から行われていたものだ。
そして今何食わぬ顔でここを後にしようとしている。
果たしてここでの“異質”とは彼女の方を指して言うのかもしれない。
「ちょっと待ちなよ…」
ドスを聞かせて一人の女が彼女を呼び止める。
「アンタ、このまま出て行く気?」
「あっ…ゴメン、お取り込み中だったみたいね。でもさぁ、漏れそうだったから」
もう半分以上ドアを開けて出て行こうとする彼女に、なおも女は食い下がる。
「ちょちょちょ、まあ待ちなって。ねぇ、わかるでしょフツー?ん?これからどうなるか…」
「もうメンドーだからコイツも一緒にやっちゃう?」
「あっ、アタシ生のレズ絡みとか見てみたいかも!」
何故か後ろの方が盛り上がってきていた。
相変わらず全裸の女の子はぐったりと、無防備に体を床に預けていた。
いいねぇー、いいねぇーと声が大きくなっていく女達に彼女は若干の苛立ちを覚えた。
そして、いよいよ腕を捕まれそうになった時、彼女は威圧感を顔に滲ませた。
「やめといたら?」
それは、彼女が発しようと思った言葉だった。
ギィイイイという個室の扉が開く音に、ゴポゴポッという水の流れる音…。
一番奥の個室からもう一人の女生徒が出てきた。
そして、彼女の傍まで歩み寄って来ると、手を洗い始めた。
「ねぇ、ハンカチ…持ってない?ティッシュでもいいけど…」
そう言って、彼女の手がまだ乾いてないのに気付き「あ、やっぱりいい」と、奥に向かっていく。
「アンタ、持ってなかったっけ?」
全裸で横たわる女の子の前で屈みながら、その女は聞いた。
目は虚ろで、けれども怯えた表情で女の子はコクンと頷いた。
その怯え方は他とは違う様子にも感じられた。
「ある?そお……って、そういやこの子の服どうしたっけ?」
その女は周りにいた女達に聞いたが、思い出したかのように
「あっ、そっか。捨てたんだっけ、ははは。ゴメンゴメン!それじゃあ無理か」
と苦笑交じり、立ち上がった。
「そうだ、こんな時の為に一枚残しといたんだ!」
シュルル…とポケットから布のようなものを取り出す。
淡いピンクのハンカチサイズの布だ。
それが何であるかわかった女の子は「や、やぁああ!!」と泣き出し、取り返そうとするが、周りの女二人に手足を押さえられバタバタをもがく事しか出来なかった。
そして、いざそれで手を拭こうとした時、
「あ〜…でも、やっぱこれで拭いちゃうと余計汚くなっちゃうか…」
その言葉に周りは大ウケし、言った本人も笑いを堪え引きつった顔になっていた。
「コレ、いらないから、返すわ。」
クルクルと団子状に布を丸めはじめ、「心配いらないわよ、ちゃんと元の場所に返すから」と言って、女の子の股間に丸まった布を押し当てた。
ズズ…ズ…ズリュ、布は彼女の性器の中に少しずつ埋もれていき、そして全て入り切った所で押し込めていた人差し指の力を抜いた。
「さっ、行こ!この子もう飽きたし…いいわ、いらない」
クルッと振り返り、トイレの出口に向かって歩き始める。
女の子を離し、他の女達もそれについて行くように次々とトイレを後にする。
すれ違いざま、その一部始終を見ていた彼女に対し、その女はこう言った。
「貴女とはやり合わないわ、割に合わないもの。ただ、弱い者を自分の物にする感覚はたまんないわよ。
誰かの上に立つってのは、選ばれたものの特権…いえ、使命にも近いわね。
そして、そうされるのがあの子の宿命なのよ、わかる?」
「………」
目と目が合う、視線と視線が交差する。
「まっ、好きなようにすれば?中古でよければ、だけど。
ちゃんと躾はしてるから扱いやすい筈よ。水島 叶絵さん…」
ドアは閉まりかけていた。
彼女…叶絵は手を振ってじゃあね〜、というジェスチャーで笑って去っていくその女を知っていた。
そう、最初から。
「……緑川 夢子」
叶絵にとって最も苦手な女。
賢く計算高く、残酷で陰湿な、女のドス黒い部分を全て最大値まで高めたような女だ。
叶絵としても、あんなのとは関わりたくも無い…が、
『使命』
という言葉が、彼女の中の“何か”をゆっくりと動かし始めていた。
放心状態でその無残な恥体を晒す女の子。
女性器から少し顔を覗かせているピンクの布は恐らく彼女のショーツだろう…。
叶絵は女の子を見下ろすように立ち、かすかにうめき声を上げるその様を見やると、やおら下腹部辺りに手をやって、少し濡れそぼった小陰唇を押し分け、人差し指と親指でその布切れ掴むと、ゆっくりと引き摺り出し始めた。
徐々に布が出てくる、その直径がおよそ最大に達したとき、女の子は裸体を一瞬のけぞらせ、「ひぐっ!」とくぐもった声を出した。
布が全部出るころ、指には透明色の粘液がいやらしく糸を引いているのがわかった。
「…っう…ぅぅ…」
同性に全てを見られた恥ずかしさか、はたまた初めて会った人間にここまでされた恥ずかしさからか、女の子はプルプルと体を震わせ、声を押し殺して泣いていた。
叶絵にとってはどうでもいい世界だった。
『強い人間が弱い人間を支配する』
そんな事は自分には関心の無い世界の出来事だった。
けれど、今この状況が…ただのワンシーンに過ぎなかった日常が、大きく変わって見え始めていた。
「ねぇ、アンタ…名前は?」
「…え?」
「教えてくれない?名前…」
泣いてる女の子の髪を撫で、叶絵はやさしく聞いた。
「…の……み…」
「ん?」
「く、黒岩 希望…です」
女の子は伏せ目がちに、けれど少し叶絵の表情を伺うかのように呟いた。
「ノゾミかぁ…希望…、うん、気に入った!」
ポンッと頭を叩くと、叶絵ははにかむ笑顔でこう言った。
「じゃ、今日からアンタは私のもの!玩具にする!それでいい?!」
希望の顔からは一切の笑みは見て取れない。
やっと鳥かごから抜け出せた小鳥は、すぐにまた別の鳥かごへと閉じ込められたのだから。
この日から、希望にとっての非日常は、更に過酷なものになっていくことになるのだが…
それはまた、別のお話。
期待しちゃうぞー
>>350 蝶乙。
膣にショーツ突っ込むのいいね。
いいじゃまいか
358 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 02:25:07 ID:P2gofscD
つづきが気になる
願望系の名前なのね
たまえはいないのかな
のぞっみー!かなえたまえ!
すべってー!燃えてしまえ!
続きがこないというのも、ひとつのいじめですか
363 :
350:2010/01/17(日) 00:05:05 ID:DI1MGZP2
続き、書きました。
書きました…が、エロパートを全く入れられませんでした!
ごめんなさい!!
ここは大人の為の掲示板です。
エロが無いとは全く持って度し難い!!
けれど、この次はもうビックリする位エロくするつもりなんですッ!
それを考慮して、エロ無しのSSをここに上げてもいいでしょうか?
駄目でしょうか…駄目ですよね、やっぱり…
>>363 誘い受けなんて要らないッ!
早く投下するんだッ!!
>>363 それ相応にちゃんと叩くなり褒めるなりしたげるから
そういうリアクション乞食みたいな真似はやめよう
もうプレイは始まっているのか……
斬新だなw
367「はやく…はやくッ…!」
350「…何? ちゃんと言ってごらん?」
誘い受けして放置とか・・・ウザ過ぎ
>>350はもう書かなくても良いよ
単に初心者なだけじゃね?
何の気なしに誘い受けしてみて
こんなに叩かれることを知らず
びっくりして怖気づいたとか
>>363 エロパートまで書きあがったらまとめて投下してくれると嬉しいです
>>351 こういうのは俺好きかな…典型的な過激いじめだけどそれがいい
375 :
350:2010/01/19(火) 08:19:15 ID:X7+m3cPJ
ホント申し訳ないです!
やっぱりエロいのがないと駄目なような気がして、
書いても書いてもなかなかその部分までいけず、そうしてやっとイジメが始まりそうになってきました。
と言ってもまだぜんぜんヌルイですが。
366お姉様、371お姉様
ごめんなさい…とにかく全力で書きました。
もうあまり下手なことは書き込まないよう注意します。
なので、もう一度だけチャンスを下さい。
前半は本当フツーです。
けど、こういう描写が後々になって利いてくると思っています。
それでは。
376 :
350:2010/01/19(火) 08:20:19 ID:X7+m3cPJ
なんで、泣いてるの?
私は彼女にそう聞かざるを得なかった。
彼女は泣き腫らした目をこちらに向け、そして一回だけズズッと鼻をすすると、
「飼ってたね、ペットが死んじゃったの」
そう言って、少し恥ずかしそうに涙を拭った。
私はその時、夕暮れに染まる彼女の横顔が、
とても美しく見えた…
◆
あの日から、一週間が過ぎた。
希望の学校での生活は今までとは明らかに変わっていた。
誰も彼女を相手にしてこない…
教室で一人、誰からも相手にされず一日を過ごしている。
以前と違う点は、そう誰も彼女に“何もしてこない”という点だ。
本当に…
本当に彼女は私を解放したのだろうか…?
解放されたからといって、次の第二、第三のグループにまた目を付けられ、結局はまたいつも通りになってしまう筈なのに…
そうならないのは、恐らくもう一人彼女のお陰なのだろうか…?
彼女は私に何もしてこない。
殴ることも蹴ることも裸にすることも。
壊れかけていた私の心は、苦痛に対する抗体がある程度構築され、
ただ次に何をされるのかという恐怖心だけが常にあった。
私は彼女に救われたのだろうか…?
願わくばこの幸せが偽りでは無い事を、今は信じたい。
377 :
350:2010/01/19(火) 08:24:39 ID:X7+m3cPJ
◆
「希望!」
昼休み、購買部の前でパンとジュースの入った袋を片手に彼女が手を振っていた。
「み、水島…さん」
名前を呼ばれたその女の子は、控え目に少し照れた表情で返事をした。
これが二人の日課だった。
「お昼、一緒に食べよ!」
そう最初に言ってきたのは彼女だった。
それが私に彼女が要求してきた事。
ただそれだけ…。
「あっ、買わなくていいよ。ちゃんとアンタの分も買ってあるからさ!」
「えっ?」
彼女は希望の持っていたパンを掴み取ると、そのままもとの場所へと戻した。
そして、今度はキョトンとしている希望の腕を掴むと、
「屋上、行こっ!」
と、人で溢れ返った購買部前の廊下を力任せに引っ張って歩き始めた。
階段をズンズン登っていく。
もうとっくに人ごみを離れ、十分一人でも歩ける状況だった。
それでも、希望の腕は彼女に掴まれたままで、ときどき「ぁの…」と呟いてみたりもするが、
彼女はお構いなしに先に進んでいく。
希望は恥ずかしさもあったが、どこか嬉しくも感じていた。
あれは彼女と出会って二日目のことだった…。
今のように腕を引っ張られ階段を登っている最中、希望のクラスの数名の女子とすれ違った。
「あれ、希望じゃん?アンタ何してんの?」
そう言って薄笑みを浮かべる。
「アンタさぁ〜、夢子が捨てたって言ってたけどホント?」
クスクスと笑い声混じりに聞かれる。
「次、アタシらがオモチャにするから、ソレこっちに渡してくんない?」
私の腕を握っていた彼女に向かってそう投げかける。希望はただ下を俯く事しか出来なかった。
肩が震え、動悸が激しくなる。
私にはやっぱり普通の日常はやってこない…
378 :
350:2010/01/19(火) 08:25:23 ID:X7+m3cPJ
「何訳の分かんないこと言ってんの?」
彼女はそう言った。
掴んだ腕をグイッと引き、希望の体を自分の後ろに置き、まるで守るかのようにして。
「悪いけど、この子は私のもんだから。そこ、どいて…。」
水島 叶絵はそう言った。
その迫力に気圧された数名の女子は先程の笑みを失い、一人また一人と道を開けた。
この学校で叶絵に敵う者はいない。
ましてや女の力では10人やそこらではまるで相手にならない。
夢子のグループが一つの巨大な勢力だとしたら、叶絵もまた唯一人でその力と張り合える程の力の持ち主だった。
「…っち!!」
二人が過ぎ去った階段で、その女は悔しそうに舌打ちする。
「卑怯者!アンタは何もしないだけのただの傍観者だろ!!」
希望は後ろを向きチラッと一瞥する。
「今更になって、遅いのよ!今まで誰も…助けなかったクセに!!」
叶絵が後ろを振り向くことは無かった。
ただ、掴まれた腕が少し痛くなっている事に希望は気付いたいたが、彼女は何も言えなかった。
何故だろう…あの時、彼女を少し怖いと思ってしまったのは…
それが、希望にとって拭いきれない不安感を今尚抱かせている。
◆
ギィイイ…ガチャン!
屋上の扉が開く。
外は晴天、少し肌寒さもあるが、とてもいい天気だ。
ここで二人はいつもパンを食べる。
その間会話は…弾んでいるとは言い難い、が穏やかな時間だった。
終始叶絵のペースで話は進んでいく。
今日の授業のこと、テストのこと、家でのこと…
彼女はクリームパンが好きなようだ。
必ず一つは入ってある。
こう毎日会っていると、流石に少しずつだが彼女のことが見えてくる。
379 :
350:2010/01/19(火) 08:25:53 ID:X7+m3cPJ
かじった拍子に飛び出したクリームが口の端を汚し「あちゃ〜」と叶絵は照れてみせる。
それを見て思わず希望の顔にも笑みが零れた。
「な、なによ〜…たまにはこういう事だってあるの!」
空いた方の手の指でクリームを掬い取り、その指を舐めながら叶絵は言う。
やっぱりまだ恥ずかしそうだった。
希望は今のこの瞬間が幸せで、何かが込み上げてくるような、そんな…
それが叶絵によってもたらされている事がたまらなく嬉しかった。
パンを食べ終わり、いよいよ昼休みも終わろうとしていた。
二人が無言になった時、どちらともなく立ち上がり、教室へと戻ろうとする。
そんな時、叶絵が扉を開けようとした時だった。
「なんで…」
希望は俯いていた。強く握り締められた拳は僅かだが震えている。
叶絵は、えっ?と掴んでいた扉のノブから手を放した。
「なんで…私を、その……」
沈黙があった。
希望はそこから先を言い出せず俯いたままで、今にも泣き出しそうになってしまう。
叶絵はそんな希望にこう呟く。
「なんで助けたのかって…?」
屋上に吹く風はまだ寒さを帯びている。
ビュウッと吹いた少し強めの風は冷たく、その寒さに体を強張らせ、希望の髪がなびく。
風になびいた髪の毛に自分とは別の、温かみ帯びたその手がそっと置かれる。
叶絵は希望の目をじっと見つめていた。
「似てたから…かな」
「え?」
誰に…と続こうとする希望の言葉を、叶絵の言葉が遮る。
「妹に…」
今度はより一層強い風が吹く。
そのせいか乱れた髪は叶絵の顔を覆い、その表情は読み取れない。
けれど、口元を見るに叶絵が笑顔でいてくれている事に希望は安堵した。
やがて風はおさまり、希望は思わずハッとした。
叶絵の顔が目に映る。
その笑顔が、彼女を彷彿とさせたからだ。
綺麗で、そして儚いその笑顔はまるで…あの時の彼女そのものだった…。
380 :
350:2010/01/19(火) 08:26:31 ID:X7+m3cPJ
◆
「なんで、泣いてるの?」
放課後、誰もいない教室に一人佇む彼女に希望は声を掛けずにはいられなかった。
彼女は希望に背を向けたまま、ただ黙って泣いていた。
ゆっくりとその背中に近づいていき、そっと肩に手を乗せる。
震えているのが分かる。
そして、彼女は遂にこちらに目を向けると、赤くなった鼻をズズッと一度すすると、
「飼ってたね、ペットが…死んじゃったの」
と言った。
知らない子だった。
だが、希望は涙を拭う彼女のその悲しい眼差しに引き込まれるように、ぎゅうっと体を抱きしめた。
すると、彼女は見ず知らずのはずなのに優しく笑顔で腕を希望の体にも回してきた。
その時見た彼女の笑顔は今でも忘れられなかった。
「貴女は私の事、嫌いにならない?」
何故そんな事を聞いてきたのか、初めて会った人間に彼女は甘えるように聞いてきた。
「…うん」
そう答えると、泣き腫らした彼女の目から再度、大粒の涙が零れはじめた。
それが、私と彼女…
緑川 夢子との最初の出会いだった。
381 :
350:2010/01/19(火) 08:27:31 ID:X7+m3cPJ
一枚の写真がある。
小学生くらいの女の子が3人―
両端の二人は仲が悪いのだろうか、お互い目も合わせずにムスッとしている。
その二人の仲を取り持つように、真ん中の女の子は満面の笑みをこちらに向けピースをしている写真だ。
彼女はその二人の女の子に確かな面影を見た。
水島 叶絵
緑川 夢子
まるで二人をそのまま小さくしたような…それがとても可愛らしく思えた。
けど、真ん中にいるこの子は一体…?
◆
希望と夢子はすぐに仲良しになった。
それもその筈。
夢子は何時、何処にいても希望を見つけると飛んできて一緒に行動を共にしてくれた。
希望も別段悪い気はしなかった。
一緒にいて楽しいし、何より彼女は親切で優しかった。
顔立ちもよく、男子はおろか女子からの人気も高い。成績の方も自分とは比べ物にならなかった。
そんな彼女を妬ましいと思うどころか、憧れの対象として見てしまっていた自分がいることに気付いた時、
希望はこの関係がいつまでも続くことを強く願った。
382 :
350:2010/01/19(火) 08:28:23 ID:X7+m3cPJ
休み時間。
希望は借りていた本を夢子に返しに行こうと席を立った。
彼女のクラスは3つ隣だ。
本を片手に廊下を歩いていると、丁度夢子の姿が見えた。
「夢子ちゃ…っ」
声を掛けようとした時、思わず希望は伸ばした腕を引っ込め、廊下にある柱に身を隠した。
「えっ…あれって…?」
夢子は自分のクラスの一つ隣の…そこは問題児揃いの不良グループの多いクラスの前で誰かと喋っていた。
話していた相手はいかにも、な人物である事は希望にも見て取れた。
4,5人に囲まれた中心に夢子がいる。そのいつもと違う目つきに一瞬だがゾクッとした。
顔付きこそ違えど、笑顔で話している事に希望は一抹の不安を抱いた。
結局…本は返せなかった。
◆
「夢子ちゃん、コレ…借りてた本。ありがとう」
放課後になって、希望は帰り支度をしていた夢子の机の前でそう言った。
教室に残った人間の数はまばらで、皆早々にして教室を後にする。
格言う夢子も、机の横に下げてあるリュックのカバンを椅子から半身になって取ろうとしていた。
「ん?ああっ、もう読んだの。早いね」
渡された本を、都合上膝の上まで抱え込んでいたカバンの中に仕舞い込むと、
夢子は椅子から立ち上がり、カバンを背中に回すと希望の手を取って歩き出す。
「帰ろっか」
「う、うん…」
何か言いたげな、そんな表情だった。が、夢子は気にも留めずうっすらと笑みを浮かべるだけだった。
トボトボと学校からの帰り道を歩く。
この日は何故か、夢子は無言だった。
話を切り出してくるのはいつも彼女の方から…
必然、二人に会話は無い。
十字路のカーブミラーが湾曲した二人の距離感を写し出す。
383 :
350:2010/01/19(火) 08:28:53 ID:X7+m3cPJ
「……っ」
希望は思い切って、今日のあの事を彼女に聞こうと、口を開き「あのっ」と言い出そうとした時、
「希望…今日なんで、隠れたの?」
かき消された希望の質問が、質問で逆に返って来る。
「え、あ……っ気付いてた、の?」
沈黙。
夢子は答えない。代わりに希望はさっきしようとした質問を口に出す。
「夢子ちゃん…っ…夢子ちゃんがみんなと仲が良いのは知ってるけど、
あの人たち、その…あれ…だよね?」
何故か彼女の機嫌を伺うようにして、言葉を選ぶように聞いてしまった。
「…ああ、あの子達?まぁ、評判は良くないよね、そんなに」
その答えを聞くに、やはり少なからず交流があるみたいだった。
前を歩く彼女の歩幅と、自分の歩幅が僅かに開き始める。それも無意識の内だろうか…?
何も言えず、俯き加減で歩いている希望は、急に立ち止った夢子の背中にトンッと頭からぶつかってしまった。
「ふぁ!?ごめんなさいっ」
夢子はやおら振り向くと、
「ねぇ…今日、私ん家…来ない?」
あの時の目つきがそこにはあった。
逆らうことを許さない、絶対的支配の目。
口元を見やるにその笑顔こそ、いつもと同じ風だったが、明らかに普段のものとは違う。
果たして彼女は、私が知っている緑川 夢子、その人なのだろうか?
ポツと一滴、雨粒が彼女の額に落ちる。
見上げると、曇り空がうねりを上げ、シトシトとぱらつき始めた。
「わっ!ヤバ!?降り始めたっ、希望早く!ウチここからすぐだから!!」
目の錯覚なのでは?と思ってしまう位に、意外なほどそこにはいつもの彼女がいた。
「う、うん!わかった!」
それを聞くと彼女はニコッとした表情で「さっ行こ!」と手を引っ張り走り出した。
384 :
350:2010/01/19(火) 08:29:31 ID:X7+m3cPJ
◆
―ザアアアアアアア
雨脚は一層強くなってくる。
しばらく止みそうにないね、と彼女は暖かいコーヒーを二つ持って部屋に入ってくる。
ハンカチで腕や髪を拭いていた希望に、少し大きめのハンドタオルをふさぁっと頭に被せ、
「風邪引いちゃうよ、そんなんじゃ」
と、夢子は苦笑する。
「ありが…とう」
希望は照れ笑いしてコーヒーに手をつける。
ついでに着替えたのだろう、夢子は私服姿だった。
普段制服を着ている彼女しか見たことのない希望にとって、それはとても新鮮だった。
Tシャツ袖から伸びる細い腕や、ホットパンツ越しの腰からお尻にかけてのくびれ、
色白な彼女の肌は女の自分から見てもとても美しく思えた。
「何呆けてんのよ、コーヒー冷めちゃうでしょ、ホラ」
「あっごめんなさい…」
慌ててズズッと差し出されたコーヒーを啜った。
一息つくと、改めて自分が今夢子の部屋にいる事を実感する。
小物やインテリの類はそれ程だが、シンプルな感じの中にけれども女の子らしさを醸し出す、そんな部屋だった。
ベッドに置いてある子豚や河童のヌイグルミが妙に彼女とのギャップを生んだが、
それはそれで自分との距離が少し縮まった感じがして微笑ましく思えた。
「希望は、自分の事どう思ってるの?」
コーヒーをほぼ飲み終え、まったりとした時間がこの部屋の空間を包み込み始めた時のことだった。
「え?どうって…?」
「女って人に見られて綺麗になるもんでしょ?だから、希望も周りから可愛いとかって思われたい?」
彼女なりの見解だが、一理あった。
けれど、自分にとってそれはまるで夢物語の世界だとも同時に思った。
「…えへへ…私ってその、あんまり可愛いとか、そんなのじゃないから…
髪も伸ばしても似合わないからこんな中途半端だし…それに…」
「それに?」
言葉に詰まる。
自分は彼女ほど努力を重ねたこともなければ、誰かからの好意の対象になれる自信もなかった。
それに…何より彼女を目の前にしてそんな事を言うのが恥ずかしかった。
385 :
350:2010/01/19(火) 08:41:57 ID:X7+m3cPJ
「…えっと…」
自分より数段格上の同性を目の前にして、この質問は少し酷だった。
何を答えようとも、何処かしら自分が惨めになってしまうような気がして…。
「わかってないなぁ、希望は」
「…え?」
「私はすごく可愛いと思ってるよ、希望のこと。特に…」
何かを言いかけて、彼女はサッと口を閉じた。
だが、希望にとってはその時は別に気にも留めない出来事だった。
「…優しいね!夢子ちゃんはっ」
私みたいな何の取柄もない目立たない人間にもそう言ってくれて。
希望は彼女の言葉が社交辞令的なものだろう、とそう思い込んでいた。
◆
どれくらい時間がたっただろうか…?
以前雨は激しさを失わず、それに伴って吹く強風はガタガタと窓を揺らす。
そんな中ふと、希望は本棚に置かれた写真立てに目がいった。
「あれ?この写真に写ってるの…夢子ちゃん?」
希望は立ち上がり、間近でじっとその一枚の写真を見つめた。
そこには3人の小学生くらいの女の子が並んで写っていた。
その写真に写る夢子の表情は険しかった。
ムスッとしていて、全く正面を向いていない。明らかに嫌そうで、誰かに敵意を丸出しにしていた。
それが誰なのかは彼女の反対側に位置する、もう一人の女の子なのは明白だった。
この子も同じようにしてツンッとそっぽを向いている。
何故このような写真をわざわざ飾るのだろうか?
自分だったらまず見える所には置かないだろう。
希望は不思議そうに眉をひそめた。
「それが、一番楽しそうに笑ってたのよ…」
ドキッとする。
後ろに立っていた夢子は、自分の考えていた事を悟ったかのように呟いた。
「笑ってる…って?」
視線を写真に落とす。
確かにそこには最後の一人、真ん中に立っていた女の子がとっても嬉しそうな笑顔をこちらに向けている。
「この子…誰かに似てるような…」
その疑問は夢子の反対の女の子を見るとすぐに解けた。
表情こそ対照ではあるものの、目元や口元がそっくりではないか。
双子…?
386 :
350:2010/01/19(火) 08:42:37 ID:X7+m3cPJ
「希望」
そんな思慮を巡らせていた時、突然自分の名前を呼ばれてビクッとした。
「え、な何?夢子ちゃん」
彼女は突如、腕を回して希望に抱きついてきた。
「ごめんね、希望…私、これでもちゃんと我慢したんだよ?」
耳元でそんな言葉を囁かれ、突然のことに希望はパニックに陥っていた。
「何言ってるの?ねぇ!!どうしたの?!」
「希望…もし、さっき飲んだコーヒーに睡眠薬が入ってたら…眠ったアンタに私何すると思う?」
声のトーンが普段より低い、それでいてどこか艶めいた喋り方をする夢子。
違う!こんなの夢子じゃない!!
「なっ!?離して!!」
ドンッ!!
急に恐ろしくなった希望は、彼女の体を突き飛ばし、慌てて部屋を出ようとする。
「わ、私帰るね!夢子ちゃんっ」
「帰るって…外、雨だよ?」
ザアアアアアアという雨音が静寂を打ち消すかのように轟く。
それでも尚、希望は一刻も早くこの部屋を出たいという一心で、カバンを手にドアノブを掴む。
が、開かない。
「あれ?!」
内側の鍵が掛かっていた。
ノブにあるツマミを反転させるタイプだから簡単に開けられる。
しかし、それに手間取った一瞬の隙が希望を奈落へと突き落とした。
ガツン!!
鈍い音がする。と同時に、何かが割れて弾ける音が続く。
「いっ!!?」
希望の後頭部を激しい痛みが襲う。
思わずその場に倒れ込むと、希望はドアにもたれかけ、後ろを向くと―
そこには、割れて跡形もなくなったマグカップの取っ手だけを右手に夢子が立っていた。
「あ〜あ…このカップ、結構お気に入りだったのになぁ…」
飛び散った破片と一緒にその取っ手もぽいっと放ると、しゃがんで希望の顔を覗きこんできた。
「あっ、血ぃ出ちゃったね。痛い?」
希望はズキズキと痛む部分に恐る恐る触れてみると、その手は真っ赤に染まっていた…。
「い、いやぁああああ!!!」
こめかみを流れる血が、頬を伝っていくのが分かる。
ぬるりとした感触。
痛みと困惑の中、体は言う事を聞かない。
それでも、逃げなきゃ!という思いで彼女の頭はいっぱいだった。
387 :
350:2010/01/19(火) 08:43:09 ID:X7+m3cPJ
「そんなに怯えないでよ、かすり傷よ。ちょっと切っただけ、見せて…」
「いやっ!来ないで!!」
傷を押さえる手を触ろうと、夢子の手が伸びてくる。
希望はその手をバシッと弾くと、両足で何とか立ち上がろうと交互に動かしてみるが、力が入らない。
まるで恐怖心に体を支配されてしまったかのように。
「ふふっ…さっき睡眠薬って言ったけど、あんなのデタラメよ」
この状況で笑みを浮かべる夢子に、彼女は懇親の怒りの眼差しを向ける。
「だって…眠ったアンタをイジメても楽しくも何ともないでしょ?」
遂には堪えきれず、ショックで、悔しくて、必死で我慢していた、
希望のその両の目からぽろ…ぽろっと涙が零れ始めてきた。
「やっぱり、思った通り。泣いてる希望の顔、すっごく可愛い…」
「う…っう〜…ひくっ ひっく ぅ〜〜」
歯を食いしばって、泣き声を出さないようにしていたが、どうしても漏れてしまう。
堪えるだけ余計惨めさが募っていく。
「ねぇ、希望…」
涙で視界があやふやになった時、彼女は私にそっと呟いた。
「私の事、嫌い?」
その時、彼女の表情が少し寂しそうに見えたのは、
あれは気のせい…?それとも…
ただ、一つ言えるのはその時見た彼女の目はいつもの優しい目だった。
388 :
350:2010/01/19(火) 08:45:02 ID:X7+m3cPJ
昔も今も、学校は生きた心地がしない…
小学校、中学校と酷いイジメを受けてきた。
少し、周りの人と比べて口下手で内向的なだけで…
ヒトというものはかくも恐ろしい。
私は心を閉ざした。
そうすることで、私は私を救ってきたのだ。
あれは高校に入ってすぐの事…一人の女の子と出会った。
そして、初めて私に友達が出来た。
その子の名前は…
◆
「夢子!」
誰かに名前を呼ばれる。
教室の外をぼぉ〜っと眺めていた、そんな時だった。
視線を声のする方に向けると、入り口には悪友とも言うべき連中がこちらを見て、手招きしているのが分かった。
仕方なく立ち上がり、そいつらの方へ足を運ぶ。(嫌々だ)
「…学校ではあんまり声掛けないでよ。」
連中の前でさっそく悪態をつく。
明らかに周りの人間が少し引き気味にこちらを伺っているのが見て取れた。
「まあまあ、そう言うなって。優等生っ」
若干の嫌味めいたニュアンスを漂わせ、その女はニヤニヤとポケットから封筒のようなものを取り出す。
「夢子、アンタにプレゼントだよ。ラブレター…っていってもいいかもね」
「?」
訳も分からずその封筒を受け取ると、
「E組の黒岩 希望…仲良いんだってね」
ボソッとそう耳元で囁いて、そいつらはその場から立ち去った。
「……」
何故か胸騒ぎがした。
渡された封筒をゆっくりと慎重に開けていく。
中には一枚の写真が入っていた。
389 :
350:2010/01/19(火) 08:45:41 ID:X7+m3cPJ
3人の女の子が並んで写っている。
その中に希望と思しき女の子がいた。
制服が今と違う…中学の頃だろうか…
が、特筆すべきはそこではない。
笑っている二人の女の子、そこに挟まれる形で希望がまるで魂が抜けてしまった人形のように机の上に座らされていた。
スカートをたくし上げ、両足を大きく広げるように腕で押さえられている。
ショーツが脱がされ左足にかろうじて引っ掛かり、今にも抜け落ちそうである。
そして、
局部には一本のリコーダーが突き刺さっていた。
血の滴るリコーダー、無残にも机にはその鮮血が広がっていた。
希望の大腿部には大きくマジックでこう書かれていた。
“処女喪失記念”
夢子は封筒の中に写真を戻す。
今自分がどういう表情をしているのだろうか…
心の奥底に眠っていた感情。
決して起こしてはいけない、今起こすわけには…っ
右手をそっと口元にやる。
無意識に零れる笑みをなんとかして隠そうと…
夢子は、自分の机に戻ると一冊の本を手に取る。タイトルは何だったかな…まぁいい。
それを手に彼女はゆっくりと立ち上がり、廊下に出る。
向かう先は…三つ隣の、
390 :
350:2010/01/19(火) 08:54:08 ID:X7+m3cPJ
◆
雨が降っていた。
部屋の明かりはついていない。
薄暗いこの一室の片隅で、今一人の女の子が陵辱に堪えていた。
その子はベッドの上に寝かされていた。
その身には一切の衣服はない。
脱がされたであろう制服や下着は乱雑にベッドの下に放られて、
両足の付け根にある彼女の秘所を弄る手がそこにはあった。
クチュ、クチュという音が響く。
その音に恥ずかしそうに耐える少女は、目を真っ赤に腫らし涙を流していた。
「やっぱり、奥まで入るね…指」
そう言って、希望の体を押さえる彼女は中指と薬指を更に深くに挿す。
「うぐっ!」
口にハンドタオルを押し込まれた希望の口から呻き声が漏れる。
彼女の指は、膣の一番奥、子宮口にまで伸びてくる。
その円形の淵をなぞる様グルグルとかき回され、嫌が応にも体は反応してしまう。
「う〜〜っ!!う、ん〜〜!!」
「何?気持ちいいの?希望」
彼女はその反応を楽しむかのように、指を器用に動かしイジメてくる。
少し落ち着いたとは言え、未だ希望には今のこの現状が信じたくない、夢であって欲しかった。
彼女は…夢子は、初めて自分と友達になってくれたヒトだったから。
◆
タオルを口から取り出される。
指を抜かれ、まだ快楽の余韻が体の自由を縛っている為か、言う事を聞かない。
夢子は彼女の体を離し、今度は囁くように質問してきた。
「初めて処女を亡くした時、どう思ったの?」
その質問に、彼女はハッとして夢子の目を見たが、また直ぐに視線を落とした。
思い出したくも無い記憶だった。
中学の頃、イジメがいよいよ過激さを増してきた時、クラスの女子から最も嫌われていた男子の笛を
あろう事か性器に挿し込まれたのだ。
その様子を写真に撮られ、笑い者にされ、今でもその事を思うと涙がどっと押し寄せる。
その事実を知った上で、夢子は質問してきたのだろう…それが余計に胸を締め付けた
391 :
350:2010/01/19(火) 08:55:33 ID:X7+m3cPJ
「ねぇ、どうなの?」
意識を現実に戻される。
夢子の指はまた性器の方へと向かっていた。
今度は中ではなく、尿道の直ぐ上にある小さな朱玉を狙っていた。
そして、親指と人差し指の爪先で摘まんだそれにギュッと力を込める。
「早く答えなさいよ!」
「ひぎっ!!」
薄い包皮に守られた彼女の陰核は潰れるとはまではいかなくも、形を変え、指と指の間で押し出されていた。
「あっう…!ぐ、ぁの…し…死にたかった…です…」
「死ぬ?ははっ馬鹿ね、希望。そうなったのは全部アンタのせいでしょ?」
冷たい答えが返ってきた。
あの時自分がどれだけ苦しんだか…どんなに悲しんだか…
けれど、言い返せなかった。
夢子の言っている事が確かにそうだったからだ。
「つまりね、アンタは最初からこうなる側の人間だったってことよ…」
「そ、そんな…非道いよ…夢子ちゃんっ」
体を震わせ必死の覚悟で声を絞り出す。
「……」
夢子は何も言わず彼女の体を解放する。
そして、その視線は彼女の方を見てはいない。
「雨、止んだね…」
窓の外を見ると、さっきまでの大雨は嘘のように過ぎ去っていた。
「今日はもうお終いにしてあげる」
優しい笑みで話しかける夢子。
だが、それはもう昨日までの夢子ではないのは、きっと本人も分かっているだろう…。
服を着せられ、救急箱を手にその中から消毒液と脱脂綿を取り出し、頭の傷を丁寧に診てくれた。
染みて痛かったが、その痛み以上に胸が悲しさで張り裂けそうだった。
392 :
350:2010/01/19(火) 08:56:04 ID:X7+m3cPJ
「じゃ、気を付けて帰んのよ!」
玄関口で靴を履いて帰ろうとする。
夢子は見送りがてらにそう言った。
「……ぅん」
彼女は気の無い返事でどこか上の空のまま、ノブに手をかける。
ガチャッと扉を開けた瞬間、
「希望…また、明日ねっ」
その時見た夢子の目に彼女はゾッと表情が凍りついた。
何故ならその目は、これまで自分をイジメてきた人間と同じ、いやそれ以上の恐怖を感じさせたからだ。
彼女は何も言わず足早に出て行った。
まるで逃げるかのように…
残された夢子は一人、笑みを浮かべる。
「明日から楽しみね…希望」
これはなかなか。
エロ抜きで考えても普通に面白い。
ところでリコーダーで処女喪失シーンは、過去の回想みたいな形でまた描かれますか?
394 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 20:26:07 ID:MpQnQqBN
>>350 超乙です。
夢子の言ってた「飼ってたペットが死んだ」ってまさか………
見た感じ良作だから頑張って途中放棄せずに最後まで書き切って欲しいです。
すばらしすぎる
キャラの心情や場面の緊張感に
振れ幅の大きい緩急をうまいこと作ってるな
鳥肌立ったわ
せっかくなんだから誘い受けレス乞食的な発言はしない方がいいと思う
396 :
350:2010/01/21(木) 01:55:01 ID:+8ESHzV1
続き書きました。
皆さん読んで下さって本当にありがとうございます。
あと、希望の処女喪失の辺りはもう出てこないです…申し訳ありません!
397 :
350:2010/01/21(木) 01:55:43 ID:+8ESHzV1
その子はとにかく泣き虫だった。
よく姉に泣かされては、私の所にやってきて、わんわんと泣きじゃっていた。
それが癖なのか、泣いてる最中はずっと私の服の袖を噛んでいる。
正直何着服を駄目にされた事か…まぁ、いいやと私も半ば諦めた様子でその子の頭を撫でていた。
気が弱く、怖がりで、臆病で、ろくにヒトとも喋れない…
そのくせ私には人一倍甘えてくるのだから、困ったものだとしか言いようがない。
そういう人間としての弱い部分が余計に許せないのだろう…
性格が正反対の姉は事あるごとに妹であるその子をイジメた。
そうして、また私の所へとやってくる。
まさしく悪循環だ。
けれど、その子を守ってあげられるのが私しかいない以上、
今はただ泣き止むまで頭を撫でてやることしか出来ない。
なかなか泣き止んでくれないとき―
そんな時は、軽くその子のやわらかい唇に自分の唇を重ねる。
無論、まだ幼い私にとってそれ自体に深い意味はない。
しかし、これが一番の解決方法だった。
そうするとその子は、途端に涙を拭い「えへへっ」と笑う。
今日は肩から肘にかけてぐっしょりとやられた…泣きたいのはこっちの方だ…。
「ありがとう…ごめんねっ、夢子ちゃん」
もう一つの悪い癖。
必ず“ありがとう”と言った後には“ごめんね”が続く。
その言葉はどこか私の心情を複雑にさせる。
「もう泣いちゃだめだよ、珠恵!」
珠恵は、うんっ!と言って、また次の日も私の服を噛んでいた。
398 :
350:2010/01/21(木) 01:57:09 ID:+8ESHzV1
◆
「あっ!いたいた!」
屋上にゾロゾロと人がやってくる。どうやら彼女を捜していたのだろう。
その事に強い不安と絶望が彼女を襲う。
一人の女が近付いてきて言う。
「お前さぁ〜ヤバいって…なんでちゃんと来ないの?」
全く知らない人達だったが、恐らくは不良の…ともなれば大体察しが付く。
「あのさ〜…これウチらが言うのもなんだけど…アイツ、あんまし怒らせない方が良いよ?」
続けて別の女が口を開いた。
「そうそう、マジ怖ぇ〜から…ウチらなんてまだ可愛いもんだよ、なぁ?」
皆、それに応じるように頷く。
そして、肩にポン!と手を置かれ、
「さ、行こうか」
と足を進めるよう促された。
「……」
もう逃げられないのは十分わかっていた。
そういう経験は今までに何度もあったから…
屋上を出て階段を下りていく。
彼女を含め4、5人の集団が、人気の無い放課後の学校を闊歩する。
中心を歩かされる彼女の周りでは、恐ろしい言葉が口々に飛び交っていたようだったが、
彼女の耳には入ってこない。
ただ、深く深く…自分の心を閉ざすだけだった。
399 :
350:2010/01/21(木) 01:57:39 ID:+8ESHzV1
やがて、場所は体育館にたどり着く。
その奥には、今では誰も立ち寄らない用具準備室のような所がある。
裏手に回り、更に地下へと続く階段を降り切ったその扉の向こう、
そこが、彼女たち不良グループの溜まり場だった。
地下の階段を歩かされ、ゆっくりと扉が近付いてくる。
彼女はここに来てようやく心臓の鼓動が早まっていくのを感じた。
恐怖や不安もあっただろう…が、
この扉の先に待ち構えているであろう人物の方が殊更にそれを助長していた。
嫌だ!会いたくない!という想いとは裏腹に、手はドアのノブに伸びていく。
『だって…
ガチャリ、と扉が開いていく。
か細い明かりに照らされた小さな部屋で、そのヒトは椅子に座っていた。
背中を向け、静かに佇むそのヒトは紛れも無く“緑川 夢子”だった。
「夢子…ちゃん」
その声に反応した彼女は、ほんの少しだけ顔をこちらに向けると、こう呟いた。
「なんで泣いてるの…希望?」
希望の目は涙で溢れていた。
ポロポロと零れ落ち、拭っても拭ってもまた零れ落ちてくる。
その名前を呼ぶことに、その姿を見ることに、
どうしてもこの想いが胸に詰まってしまうから…
『だって…私…
もうどんな顔して、会ったらいいのか…
わかんないよ…夢子ちゃん…』
400 :
350:2010/01/21(木) 01:58:04 ID:+8ESHzV1
◆
ドンッと後ろから背中を押されるのが分かる。
「早く入りなよッ」
不良の一人が希望を中に急かすと、続けて残りの連中も用具準備室へと入ってくる。
全員が入り終えた所で、最後の人間が扉の内側に付いてある閂のようなものを閉め、
その下にはガッチリと南京錠をかける。
これで、この部屋は外部と完全に遮断された空間となった。
つまり、誰も彼女を助けてくれる人はここには現れない、という事だ。
「メール、見なかったの?」
と、椅子に座ったままの彼女が言った。
皆がそれぞれ一様に腰を下ろし、ある者は煙草を吸い始め、ある者は談笑を始める…
けれど、その視線はポツンと立たされた希望に向かっている。
メール…
今日の放課後、ここに来るようにと書かれたメールだった。
それを無視して、希望はその時間が来ても屋上から外を眺めていた。
「……」
何も答えない希望に、彼女はあからさまに“はぁ〜…”と大きく溜息をつくと、
「最初だし、今日は軽めにしようと思ったけど…そういうわけにもいかない、か」
そう言って腰を上げ、椅子から立ち上がると希望の方に近付いてくる。
希望はビク、ビクッと時折肩を震わせていたが、それを見る彼女の眼差しは冷たい…。
「…じゃ、みんな始めよっか。まずはコレの服、脱がせて」
周りにいた連中はそれを聞き、ニヤニヤと黒い笑みを浮かべ、指をさされた人物へと近寄っていく。
セーターを脱がされ…
スカートを下ろされ…
シャツのボタンを外され…
白いキャミソールを取られ…
遂には下着だけが残された。
「おっと、こいつも取っておかないとね!」
不良の女はそう言って、希望の束ねていた後ろ髪のゴムをすっと抜き取ると、
ぱさぁっとセミロングの髪の毛が肩まで下りてくる。
「ひゅ〜、色っぽいじゃん!ノ・ゾ・ミちゃん♪」
前髪で顔を隠し、そのヒト達からの視線を逃れるよう俯き加減になる。
希望はその行為をただじっと我慢していた。
「それじゃあ、この可愛い下着も取っちゃお〜ねっ」
「コイツ、結構大人しいのな!場馴れしてる奴は楽でいいわ」
そんな会話を交えて連中は、されるがままの希望の体からブラとショーツを脱がしていく。
夢子はその様子をただじっと見つめていた。
401 :
350:2010/01/21(木) 01:59:00 ID:+8ESHzV1
一糸纏わぬ姿となった希望を、4人が抱え体が宙に浮く。
そして、夢子が再度口を開く。
「じゃあ、次は…あそこに運んで…」
彼女が次に指をさしたのは、部屋の片隅にある長机だった。
希望の体くらいならなんとかその全身が乗るくらいの机…言わば、これが処刑台となる。
「いっ…嫌!!ヤダよぉ!助けてっ」
ここに来て初めて希望は暴れ始めた。
「プッ!助けるって…誰がアンタを助けんの?この状況で?」
「ハハハ!夢子にでも頼んでみたらぁ!?ひょっとして助けてくれるかもよ?」
その名前が出たとき、希望は僅かな『希望』を抱き、彼女の方を見つめ何かを訴えるようパクパクと口を動かした。
夢子は口の動きから読み取れた言葉がなんだったのか…いや、わかっていた。
彼女は確かにこう言った。
“夢子ちゃん…助けて…”
涙ながらに訴えるその小さな小さな声が、彼女に何かをもたらしたのだろう…
夢子は俯いて、ただじっと服の袖を見つめていた。
◆
「ホラ、暴れんじゃないよ!」
不良たちは希望の非力な抵抗をものともせず、徐々に机へとの距離を縮めていく。
そして、「せーのっ」と希望の体を机の上に乗せると、今度は細いロープを持ち出し、
不良たちは手際のいい作業を進めていく。
一人は左足を、もう一人は右足、そして両手をバンザイの格好になるろうに後の二人が…
各々が手に持ったロープで各部位を机の脚にきつく結び、両膝のにもロープが回される。
膝をロープで左右に引っ張られ、強制的に下半身を割広げた状態にして、それが戻らないようロープを括り付ける。
俗に言う“カエルの解剖”といった感じか…
それだけでは無い。
机と腰から臀部にかけての間に大きめのクッションを押し込み、前に突き出すよう、
まるで見てくれと言わんばかりに陰部を露出させられていた。
「うわっエロいなぁ〜…ちょっとグロいけど」
ゲラゲラとその部分を笑って覗き込まれる。
こんなにも惨めな格好で、裸を性器を余すところ無く同性に見られていた。
恥ずかしくて、涙だけではなく鼻水も涎も構わず垂れ流す。
こんなにも惨めな自分の姿を、彼女に…
402 :
350:2010/01/21(木) 01:59:28 ID:+8ESHzV1
他の者たちは皆、笑いながらにその様子を携帯の写真機能で一枚、また一枚と撮っている。
間近に撮られたり、顔が写る様撮られたり、別々のヒトが指で小陰唇を広げた所を撮ったりと…
様々な形をした自分の性器を写メとして収めていく。
「見て!コイツのここ、伸びて面白いんだけど!ホラッ」
ビロンビロンと肉びらを引っ張って弄ぶ。
「それよか、もっと開いて奥まで見ようぜっ」
他人の性器にここまで興味津々になれるのが不思議だ。
自分たちにも付いてある筈の生殖器官なのに…
2本の指を膣口に引っ掛け、グググッと左右に押し広げていく。
暗くてよく見えない、と誰かが携帯のライトでそこと照らすと、
「あっ!見えた見えた!アレのこと?子宮って?」
ポッカリと口を開けた希望の膣の奥底には、小さくヌメヌメと光る子宮口が見て取れた。
「うわ〜…きもいなぁ…こんなのがついてんの?ウチらにも…」
「ノ〜ゾミちゃんっ♪アンタも見てみたいんじゃない?自分の大切な処だもんね〜」
そう言って、“テロリ〜ン”と軽快な撮影音が鳴ると、携帯の画面に一杯に映った子宮口の画像を希望に見せ付けてきた。
「ぃ…やぁああ!!もうやめてっ!!お願い…だからぁ……ッ!!」
希望がひときわ甲高い声を張り上げた。
「もう、いいわ…その辺で」
その一言にまるで、時間が止まったかのように、
その場にいた全員の動きがピタリと止まった。
遠巻きに見ていた彼女は、こちらに向かって来ると、
「どいて」
と、不良女の一人と手で押しのける。
不良たちは何も言わなかった。(或いは、言えなかった)
「…怖かった?」
彼女は希望の顔を覗きこんで、優しい笑顔で頭を撫でてきた。
「…う…ん…っ」
その言葉に素直にコクンと頷く。
涙でベトベトで、鼻水が垂れて…なんて情けない顔だと思われてもいい…っ
希望は彼女の顔を見つめた。
普段見たあの優しい顔が…この状況から救い出してくれる事を願う『希望』を照らした。
「そう、それじゃあ…」
彼女は振り返り、元居た場所に置いてあった椅子を机の傍まで、
丁度希望の足の間から全てが見える位置に持ってくると、そこに腰を下ろした。
「始めましょうか、希望」
処刑のときを告げる、悪魔のひと言だった…
と同時に、『希望』は闇へと突き落とされたのだと、悟った。
希望は…このとき全てを諦めた…
うわ〜すげ〜
同姓ならではの容赦の無さが出ててGJ
是非是非続き希望〜希望〜♪
あれ?人いない?
あげ
GJ
おもしろくてかつエロいです
夢子怖いです
407 :
350:2010/01/24(日) 07:53:32 ID:tXAXmE4x
続き出来ました。
ちょっとやり過ぎたかもしれません。
夢子怖い…
408 :
350:2010/01/24(日) 07:54:36 ID:tXAXmE4x
自分が同性愛者だとわかった時、私は深い後悔と同時に生きる意味を見出した。
初めてその人を好きになったのは、恐らくあの時だろう…
三人並んで、一緒に写ったあの日―
私はうまく笑えずに、険しい剣幕でそっぽを向いてしまったが、
その胸中はどれ程の愛おしさで溢れていたことか。
けれど、決して知られてはいけない…
葛藤はいつしか、
私のこの恋心を狂気に変えてしまった。
そして隣には、
その人と瓜二つの顔をした、もう一人の彼女が…
その顔が、その笑顔が、その泣き顔が私を狂わせた。
そう、私は最初から
彼女を守ってなどいなかったのかもしれない…
◆
希望の目は虚ろだった。
机の上にロープで四肢を縛られ、多くのヒトにそのあられもない姿を見られ、撮られ…
彼女の精神は恥辱と苦痛に蝕まれ、もはや崩壊寸前だった。
「ふふっ、随分大人しいわね希望…もう壊れちゃったかな?」
希望の性器が余す所無く見える位置に腰掛けた夢子が、彼女の恥部と、その生気の抜けた顔とを見渡しながら言う。
「……」
希望は答えない。もとい、その声が耳に届いているのかさえも怪しい状態だ。
「あらら…大丈夫、この子?まあ、その内元気になるでしょう…イヤでも、ね」
夢子は、そう言うと取巻きにいた不良たちにある物を渡し始めた。
一人にはハンディカメラを、もう一人にはデジタルカメラを持たせ、
「じゃあ、最初はこの子のアソコを撮っておいて!」
そう言われ、不良の女は「お、おお…」と返事をするが、その表情にさっきまでの明るいさはなかった。
今この場で笑みを浮かべているのは、夢子ただ一人…
不良の女はカメラを構え、希望の股間部に詰め寄ると夢子の指示の下シャッターのボタンを押した。
パッシャ!とまばゆいフラッシュが焚かれ、カメラのメモリーに次々と記録されていく。
希望の秘裂が、間近に接写される事でそのピンクの襞一本一本の皺までもが鮮明に細部まで見て取れる。
そこに世の男性が思い描く美しさなど存在しない。
ただの“生殖器”である。まだ色が綺麗な淡い色をしているのが何よりの救いだろうか…
409 :
350:2010/01/24(日) 07:55:09 ID:tXAXmE4x
「あっ」
と、夢子が口を開け、写真を撮るのを中断させた。
「もお、希望ったら〜…女の子でしょ?毎日ちゃんと洗ってるの!?」
指で開かれた希望の陰部には、よく見ると僅かだが恥垢が付着していた。
「大切な撮影なんだから、こんなんじゃ駄目よ。ちょっと待ってね…」
そう言うと、夢子はウェットティッシュを取り出し、その先端の方で陰唇の淵をなぞる様に柔らかく拭き始めた。
そして、クリトリスの包皮を親指で器用に剥き上げ、その間にもティッシュを宛がった。
「あっ…!ん…ぅぐ…っ!」
希望は、恥ずかしさに打ち震え、敏感な所を突付かれるムズ痒さから声が漏れ出した。
女性の手によって性器の汚れを指摘され、取り除かれる…
それは羞恥心を通り越し、惨めさの極まりであり、それが涙となって零れ落ちていく。
希望のそんな切なる表情の変化さえも、無機質なビデオカメラに収められていくのだった。
いっそ楽になれるのなら、死んでしまいたい…
そんな希望の願いが叶う筈もなく、
「うん!これでいいわね。じゃあ、続きやって」
夢子は包んだティッシュを傍にあった袋にポイと捨て、再度不良の一人にカメラを構えさせた。
何枚も撮る。閉じた状態、開いた状態、陰核をアップに包皮を剥いたり、と
先程の携帯の時よりも綿密に性器だけを撮っていく。
そうして、夢子はカメラを受け取り、その画像を再生して「う〜ん…」と唸ると
「まっ、こんなもんでいいか…」
と、ようやく何かに満足した。
しかし、本当の地獄はこれからだった…
ガサゴソ、と袋をまさぐる音が聞こえ始める。
体の下の方から聞こえるそれは、希望に強い不安感をもたらした。
「希望。次はちょっとしたクイズに付き合ってもらうわね!」
その言葉に希望は恐る恐る頭をもたげ、夢子の方を見る。
彼女が手にしていたのは、@・A・Bという三つの札だった。
そして、彼女は言う…優しい笑みを浮かべて…
「三択よ、希望…ちゃんと答えてね」
410 :
350:2010/01/24(日) 07:55:56 ID:tXAXmE4x
◆
奇妙な質問―
三択とは、一体何のことなのか…勿論知りたくない。
知りたくはないが、恐怖心がそれを許してくれない。
彼女は思い切ってこう切り出した。
「な…何するの?夢子…ちゃん」
これから何をされるのか分からない不安げな顔…
この後それが、絶望色に染められることを想像すると、
夢子は背筋からピリッとしたものが全身を駆け巡るのを感じた。
「ふふふ…簡単よ。要は三つの内のどれかを答えるだけ」
その目は妖しく光っていた。
当然、ただの三択ではない。
それは彼女に地獄の苦しみを味遭わせる、残酷な三択ゲーム…
「じゃあ、ちょっと準備するから待ってね」
夢子は不良たちを従え、その場を離れた。
そして、数分後「よしっ」と言う夢子の声と、不良たちの「本気でやんの?」という声が聞こえてきた。
夢子はそんな抑制には耳もかさず、身動きの取れない彼女の方へと歩み寄ると、
その手に持った三つの“モノ”を見せた。
彼女の目に映ったのは、
@の札が付いたワサビのチューブ、
Aの札が付いたカラシのチューブ、
Bの札が付いたタバスコのビンだった。
「あ…ぅ…うそっ?夢、子ちゃん…それどうする…の?」
大きく目を見開き、想像しうる最も恐ろしい行為が頭を過ぎり、あまりの恐怖に絶句する。
夢子は言うまでもないと思ったが、説明した。
「どうって?だから、この中から一つをアンタのここに塗って正解を当てん…」
「いやあああああっ!!いやだよぉ、それだけは許して!!お願いっ!!」
夢子の言葉を最後まで聞かずして、希望は狂ったように大声をあげた。
縛られた腕を、脚を力の限り縦横無尽に振る。
ガタガタと机が揺れ出し、不良たちは慌ててその体を押さえた。
「ちょっ!暴れんな!」
いやっ!いやっ!!と頭を振り、大声で泣き叫ぶ希望の口に布が押し込められる。
「ングッ!!ンーーーッ!!!」
それでも、まだ尚抵抗する。
「ったく、こんなんじゃ無理だって…夢子?」
「答えられるわけないよ、こんな状態じゃあ…」
不良たちも流石に気が引けたのか、中止を促そうとする
が、夢子は椅子に腰掛て既に@のワサビの蓋を開けていた。
「あはは、それじゃあ希望?これは何番でしょ〜か?
411 :
350:2010/01/24(日) 07:57:17 ID:tXAXmE4x
チューブからはみ出た緑色のそれを、強引に性器に塗り付ける。
希望はじわり、じわりと性器が熱くなっていくのを感じた。
そして、それが次第にチクチクと刺すような痛みに変わり、性器全体に味わったこともない強い痛みが走った。
「〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
声にならない絶叫が喉の奥から、耳の穴を抜けていく…
希望は体を仰け反らせ、縛られた脚がビクンビクンと痙攣を起こしていた。
意識が遠のきかけたが、次第に薄れる痛みに何とか持ちこたえる事が出来た。
それでもまだ、性器を覆うヒリヒリとした感覚は十分に残っていた。
天井を見つめ、呆けた顔で口から涎を垂らす。
夢子はその口からべっとりと涎まみれになった布を取り出すと、
「はい、希望。正解は?」
と、さも当たり前のように聞いてきた。
希望は以前、落ち着きを取り戻すのに必死で、はぁ…はぁ…という息遣いだけが聞こえてきた。
「ぶっぶ〜、残念!時間切れ〜」
その言葉が意図するのは、更なる地獄だった。
「えっ!?ま、待って!!ちが…っ!!」
「もう早く答えないからよ、馬鹿ね〜?」
そう言って、夢子はまた布を彼女の口の奥に押し込み、椅子の方へ戻っていく。
希望はンーッ!!と唸っていたが、夢子はそんな事気にする素振りも見せずに次を手に取った。
Aという札の付いたカラシのチューブの蓋を開け、
躊躇うことなくまた希望の性器に塗り始めた。
今度は更に痛かったのだろう、見る見る内に全身から、特に太ももやお尻に掛けて汗が噴出している。
何か大声で悶えているようだが、夢子は冷静にその様子を眺めている。
そして、少し落ち着いた所でまた希望の口の布を取り出して、
「はい、正解は?」と聞いた。
「いっ!一番っ!!」
流石に二度目は答えたか…
鼻水が垂れてもお構いなしの必死な形相で、希望が懇願するかのように答えた。
「偉いじゃない、希望!ちゃんと言えたわねっ」
夢子はよしよし、と希望の頭を撫でると、ホッとした顔でこちらを見てくる彼女に言った。
「けど、残念…不正解よ。次は頑張って当てるのよ!」
再度布が口に押し込められる。
希望は痛みに堪えるのも忘れて泣きじゃくっていた。
「さてと、次はどれにしようかな?」
412 :
350:2010/01/24(日) 07:58:21 ID:tXAXmE4x
◆
腫れ上がった希望の性器は、見るものに痛々しさを与えた。
あれから六度―
性器に刺激物を塗られ、なんとか正解を果たした彼女の陰部にもはや当初の面影はない。
大陰唇がプックリと膨れ、5ミリほどだった陰核は1センチ程の大きさになっていた。
赤く爛れたそこは希望の意思とは関係無しに今尚プルプルと震えている。
今は触れるだけでも激痛が彼女を襲うだろう…
希望の口からはもう言葉は出てこない。
ただ「あ〜…」とか「う〜…」とくぐもった声を漏らしているだけだった。
床には黄色い液体が飛び散っている。
それは、希望がタバスコをかけられた時に失禁したものだった。
手の空いていた二人の不良がそれを拭き取っている最中、
「これからアンタのここ、拭いてあげるね。痛いけど我慢しなさいよ」
ウェットティッシュを片手に、夢子が希望にそう言った。
希望は頭を左右に振りいや、いやとねだるが、それでも刺激物まみれのこの状態にしておくわけにもいくまい。
右の小陰唇を引っ張られると、腫れ物に触るとはまさに、といった感じで痛みがぶり返してきた。
「いーーっ!!痛いっ!痛いよぉおお!!」
それでも、夢子は手を休めることなく何枚もティッシュを使って性器を拭っていく。
ようやく終わりが見え、性器から手を放すと夢子は次に薬を塗り始めた。
ひどく染みるが、熱を帯びた局部から熱さが引いていくのも感じ取れた。
「はい、よく我慢できました!あとはこの飲み薬を飲んで、希望」
口の方に何やら液体が運ばれる。
半開きのそこに流し込むように注がれ、口から零れてしまう。
「ほら!ちゃんと飲んで!」
そう言って、顎を押さえて喉を通るよう頭を僅かに持ち上げられた。
ごくん…ごくん…っと、ちょっとずつ飲み込む。
夢子は「いい子ね、エラいエラい!」と、
まるで子供をあやすかのようなに希望の頭を撫でた。
けれど、そんな事はもう…どうだってよかった…
涙はとうに枯れて、声も擦れる位に散々叫んだ。
もはや何の気力も残ってなどいない。
「それじゃあ、また写真撮って」
夢子は再びカメラを不良の一人に持たせ、性器を撮らせ始めた。
同一人物のものだとは思えないほど変わり果てた希望の陰裂…
その違いを見比べ楽しむかのようにして、同様の構図で写真に収めていく。
ひどい…ひどすぎる…
こんなの人間のする事じゃない…
413 :
350:2010/01/24(日) 07:58:48 ID:tXAXmE4x
希望は怒りと悲しみに暮れていた。
そう考えている内、
いつしか希望の意識は夢の中へといざなわれていった。
不良たちがパシ、パシッと希望の顔をはたいてみるものの、反応はない。
よく眠っている。
先程飲ませた薬に混ぜた睡眠薬が効いてきたのだろう…
ぐっすりと眠っている希望―その寝顔を見ながら、
「おやすみ、希望っ」
夢子は、ニコリと微笑んだ。
◆
そこはよく見知った部屋だった。
辺りはすっかり日が落ちて、真っ暗だったが天井や、電灯、今横になっているベッドから
そこが自分の部屋だというのが分かる。
記憶が混濁し、意識がまだハッキリとはしていないが、服を身に着けていることに若干の安堵の息がもれる。
しかし、意識が覚醒していくにつれ、下腹部の痛みもまたズキズキと目を覚まし、
今日の日の出来事が蘇ってきた。
あれは、夢ではない…紛れも無い現実…
「っつ…!」と走る痛みを堪えつつ、ベッドから身を乗り出し、部屋の明かりをつける。
今日家を出た時のまま、何も変わっていない…
しかし、机の上に見覚えのない―
一枚の手紙と、一枚のSDカード
が置かれていた。
股間部に違和感を感じながらも、希望はゆっくりと机の手紙を手に取り読み始める。
そこには彼女からのメッセージが残されていた。
『希望、起きた?
今日は楽しかったね☆また遊ぼっ!
じゃあね〜♪
夢子
P.S
そこのSDはパソコンで見れるから、
絶対見ること!いいねっ!!』
414 :
350:2010/01/24(日) 07:59:29 ID:tXAXmE4x
短い文章だったが、彼女を絶望の淵に立たせるには十分だった。
もうあんな事されるのは、イヤ!!
怖くて、痛くて、どんなに泣いたって許してくれない…
次に会ったら一体何をされるのか…希望がそんな思いを張り巡らせる中、
その実、もう次の事は為されていた。
それは、SDカードに内臓された映像を見たときに分かった。
部屋にあるパソコンの電源を入れ、USBにSDカードを繋げる機器を差し込む。
そして、操作を進めてそのSDのフォルダを開いていくと、一個の動画ファイルがあった。
引き返したい気持ちで一杯だったが、見ない以上何の解決にもならない。
希望は、震える手でそのファイルをダブルクリックした。
メディアプレイヤーが立ち上がり、早速映像が流れ始める。
そこに写っていたのは、全裸で横たわる自分と、夢子、そして不良たち。
意識が飛んですぐの事なのは何となく理解できた。
ロープがまだ体を縛り、広げた両足からは目も覆いたくなるような光景…
自分の裸体や性器をこうして見せ付けられると、嫌が応にも過剰に反応してしまう。
「うっ…ひどい…こんなの」
自分のものなのに、そう思いたくない。
しかし、それだけで終わってくれた方がまだ幸せだった…
“ほら、もうロープは必要ないから解いて”
映像の中の夢子が言う。
不良たちは希望の四肢を縛っていたロープを順々に解いていった。
食い込んだロープの痕が生々しく腕や脚に残っていた。
“希望、ちゃんと見てる〜?”
手を振ってまるで、映像越しの自分に話しかけてくるようにカメラ目線で喋り出す夢子。
“じゃあ…これから別のゲームを始めるね”
心臓をギュッと鷲掴まれ、鼓動が止まるかのような…そんな一言だった。
“今ね、こっちのアンタは夢の中だから、これを見てるアンタが答えてね!”
映像の中の夢子と目が合う。
まるでリアルタイムに見られているかのような、ゾッとする目だ。
「もう…やめて…これ以上、何をするの?」
“ふふふ…怖い?何されるか?
けど、これをアンタが見てるって事は無事に済んだって事よ”
そう言って、夢子は机の上でだらしなく股を開いている希望の性器を弄り始めた。
“今度は推理ゲームよ”
膣に指を入れ、ぐりぐりとかき回している。
他の人間たちも胸や、顔を触って無抵抗の希望を見て楽しんでいた。
そして、夢子は膣から指を抜き、希望の陰毛を掴みブチブチと引き抜いた。
三本だけ残して、あとは床にポイと捨てる。
そして、
“3つ…これがまた重要な数字よ、希望”
と言って、カメラの前にその三本の陰毛を映し出した。
“それじゃあ、始めましょう”
夢子は手に持った陰毛をフッと息で飛ばし、袋の中からまた何かを取り出し始めた。
415 :
350:2010/01/24(日) 08:28:21 ID:tXAXmE4x
夢子は一つずつ説明しながら袋から出していく。
“はい、まず一つ目は…納豆!”
コトッと、机の上に置かれたのはスーパーで買える市販の極フツーのものだった。
“そして、え〜っと…次はぁ、瞬間接着剤!”
それも机の納豆の横に置く。まだ開封されていない未使用のものだった。
“んで、最後にコレ!手に入れんの結構苦労したのよ、感謝してよね”
他の二つより少し大きいそれは透明な袋に入った細いチューブのようだった。
“カテーテルって言うのよ。これはね…まあ、いいや、それは後にして…”
聞き慣れない単語に一層不安が頭を過ぎる。
夢子は全てを出し終えて、再びカメラ目線で希望に問いただした。
“はい、ここで問題よ、希望。
私は今からこの3つを使って、アンタに何をするのでしょうか!?”
「えっ!?何するの…やめて、変なことしないで!」
今希望が画面に映った世界に向けて言葉を発しても、所詮は過去の世界…
もう、それは行われてしまっている事なのだ。
今更どうしようもないのに、それでも希望は夢子に向かって必死にお願いした。
「やめて…夢子ちゃんっ!」
“ん〜?わかんない?そっか〜…残念ね、希望”
笑顔で手を振る夢子―
その映像が一瞬ブツッと切れ、映像が切り替わった。
そこには先程と体位を変えさせられた希望が映っていた。
体を床に下ろされて、両足は頭の方まで持ってこられ、お尻を高く天井に向けるポーズ。
まんぐり返しという格好だ。
それを真上から撮るようにして、性器、胸、顔の順で映っていた。
卑猥な格好で映る自分の姿に絶句したが、映像はどんどんとズームになっていく。
そして、画面に映るのが肛門と性器だけの位置で固定され、横から夢子と思しき手が伸びてきた。
“それじゃあ、正解発表の時間よ”
夢子の声がした。
そして、もう一人誰かの手が映ると、真っ直ぐに希望の性器に伸びてきて
左右のビラビラをグイッと引っ張り、陰部を丸見えの状態にした。
“まずはこのカテーテルを…”
416 :
350:2010/01/24(日) 08:29:58 ID:tXAXmE4x
さっき見た細いチューブを右手に、夢子は慎重に場所を見定め、そこに突き挿した。
「ひぃっ!?」
あまりの痛々しさに希望は目を背ける。
挿されたのは、膣口のほんのちょっと上、分かり辛いがそこにある小さな穴だった。
“ふふっ、これはね尿道カテーテルって言うのよ。おしっこの穴に通して、詰まらないようにする為に使ったの”
チューブをするすると奥まで挿し込み、ある程度まで埋まると、
今度は管の根元にある二股の一方の穴に注射器のようなものを取り付け、
ゆっくりと力を込めてピストン部を押し上げていく。
注射器を外すと、またチューブを指で掴み、今度は反対側、体外に向けて引っ張り始めた。
するすると出てくるが、ある所で急に出てこなくなる。
“あははっアンタの膀胱の中でバルーンが膨らんでるから、抜けなくなっちゃたわね”
夢子は不敵に笑みを浮かべ、尿道から伸びる管の長さを調整しながらハサミを入れた。
“一応いつでも好きなときに出せるよう細工はしておくから、安心してね!”
その手元には小さな部品が握られていて、それを短くなった管に取り付けていた。
“これで、よしっと…
あっ、ちゃんと抜いてあげるから心配しないで。その日が来たら、だけど…”
そして、映像は更に進む…
今度は納豆だった。
“ネバネバで匂いのキツイ奴を選んでみたわ。うぇ…これ、本気くさいんだけど…”
夢子は希望の性器の真上で、その納豆を箸でかちゃかちゃとかき回し始めた。
そして、納豆が全体的に白っぽくなってきた所で、
“はい、じゃあ流し込みま〜すっ”
と、ポッカリと開いた膣口に向けて、膣の内部にそれを零れることなく入れ始めた。
「うっ!」
希望は見ていて吐きそうになった。
つまり、今この瞬間も自分のアソコにはあれが入っているのだ…
例え痛みで感覚が鈍っていたとしても、その言い表しようのない不快感が彼女の下腹部を襲う。
歩くたびに膣の内部で納豆が擦れ合う…想像すると、吐き気が更に圧し掛かってきた。
膣口の横にポツンと入れ損ねた最後の一粒を箸で掬い、
“全部入った?…うん、これでいいわね”
と、中へ落としながら夢子が言った。
417 :
350:2010/01/24(日) 08:31:17 ID:tXAXmE4x
“うわっ結構臭うわね、ナカに入れてもまだ…”
鼻を摘んでいるのだろうか、鼻声の夢子は三つの内の残された一つを手に取ると、
“っぷは!それじゃあ最後は蓋をして終わりよ、希望”
手に持った瞬間接着剤を小陰唇の内側にピッと塗る。
そして、もう片方の小陰唇と張り合わせ、希望の性器を閉じていった。
下の方から少しずつ…
徐々にそのサーモンピンクの肉襞が姿を隠していく。
遂には、カテーテルの先端がちょこんとが飛び出る形で、希望の性器は見事にピッタリとくっつけられてしまった。
強度を試すよう夢子が両手でそれを左右に引っ張るが、剥がれる気配は微塵もなかった。
そして、また映像が切り替わっていく…
“完成〜!!納豆の恥肉詰めで〜す!”
夢子がとびきりの笑顔を画面に向けて立っていた。
そこが用具準備室であることが確認できる引き気味の映像。
夢子と不良たち…その真ん中には、相変わらず全裸のまま希望が椅子に座らされていた。
何より恥ずかしいのは、両足をサイドの女たちに持ち上げられ、脚を左右に大きく開かされていた事だ。
それでも、全くピクリともしてしない自分の姿に憐れさが募っていく。
“どお?嬉しい、希望?”
夢子が口を開く。
自分の身に起こっているおぞましさにまだ理解が追いついてこない。
“今もアンタのマンコには糸引いた納豆が入ってるのよ、分かる?
ふふっクサイものには蓋をしろってね!ほら、ココも塞いでおいたわっ”
夢子の指が希望の陰部の下付近をグイッと抓り上げた。
その映像に、希望は恐る恐る下着の中に手を入れてみる。
陰毛の手触りがして、更に奥まで伸ばすとそこには腫れて盛り上がった大陰唇があるのが分かった。
そして、意を決してその真ん中の辺りに指を這わす―
そこには二枚の陰唇が重なり合い、管のようなものがはみ出ている感触があった。
隙間はなく、管と陰唇が一体化してしまっている。
無論、開こうとしても無駄だった…
ズキン―と、性器の痛みと共に違う痛みが希望を襲った。
「うぅ…こんなの…うう〜っヒドすぎるっ…よぉ〜」
希望はとうとう泣き出してしまった。
418 :
350:2010/01/24(日) 08:31:49 ID:tXAXmE4x
そして、夢子は管の先を指差し、カメラがそこにズームしていく。
“おしっこする時はここから出るからね。先っぽに何か付いてるでしょ?ここをね…”
そう言って、その先端にある小さなコックのようなものを夢子が爪先で器用にひねる、
と管を通って希望の尿がぴゅっと飛び出た。
慌てて夢子はまたコックをひねって、漏れ出すのを止めた。
“ははは、面白〜いっ!もお一回っ!!”
再度いじって、管からまたぷしゅっと尿が飛び出す。
希望の意思とは無関係に生じるその生理現象を、夢子は無邪気に弄んでいた。
どこまでこの人は私を惨めにさせれば気が済むのだろう…
“はい、じゃあ今日はこの辺でおしまいね。カテーテルとマンコは暫くはこのままね!”
“勝手に病院に行ったり、誰かに言ったりしたら…クスッ、こんな脅し文句古臭いわねっ”
“まぁ、そういう事だから…元に戻して欲しかったら、ちゃんと言う事聞くのよ?
い〜い!希望?”
バイバ〜イ、と夢子は手を振って、映像は終了した。
途方に暮れ、希望の目からはただただ涙が流れていた。
それが、彼女に許された唯一の行為だった…
419 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 08:41:51 ID:Zdu296mx
朝からすげぇな…GJ
納豆とか新しいwwww
>>418 なんつーか、えげつないなあw
発想が異常というか、凄いと言うか。
どうしたのこれなにがあったの?(いちお賛辞)
例の夏休み小説がチラリと頭をよぎった
凄いな
常軌を逸している
これは凄い
理解できないが作者は天才かもしれない
なんというスレタイに忠実なSS(物理的な意味で)
そしてこんな最低なSS(褒め言葉)で興奮してしまった俺はどうすればいいんだ…
なにはともあれ、GJ
424 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 19:11:05 ID:o33Vv/t9
さすがにこれは……
作者の言うとおりやり過ぎかも……… 希望に救いはあるのだろうか?
まぁ、なんにせよGJ
膣に納豆って・・・妊娠出来なくなるぞ。
リアルいじめでマヨネーズを絞り込まれた女の子が
子宮の中に入ったマヨネーズが腐って子宮摘出したことがあった。
いくらレズいじめSSだからって酷すぎる・・・・。
だがそれがGJ。
あんまリアル方向で深く考えたらあかんでしょ
状況やインパクトが先
427 :
350:2010/01/25(月) 01:39:23 ID:p8ljgnm/
皆さん引いてしまってますね…
やり過ぎました、ごめんなさい。
ここが一応のピークだと思われますので、これ以降はせいぜいキス止まりの
百合SSになってきます。
なので、特にエロくもなければ、実用性もないわけで…
あと3、4話くらいを目処に物語の完結を目指しています。
それが、出来上がってからの投稿にしようと思ってます。
それでは、いずれまた!
ひくくらいのシチュこそが良さでしょう
もったいないよー
せっかく才能あるんだから、頑張れ!
人を引かせるくらいの発想も才能だぞ!
>>427 何をおっしゃいますやら
私的にはこれくらいの容赦の無さで激しくGJですよ!
むしろもっと…いやいやいやw
切断とか死亡とかは流石にキツいですけど
「えげつない」レベルならドンドン突き詰めてほしいです
>>427 いやいや、誤解を招くGJを送っちゃってスイマセン
その類まれなる才能を思う存分発揮してください
といいますか、書き手さんの好きなように書いて貰うのが一番ということです
大丈夫!
昔あった類似スレでは「臓物だってOKだぜ!」と言っていた兵がいたくらいなので
つわもの と読ませたいわけだな
つわものどもがゆめのあと
>>434 芭蕉もこんな所で引用されるなんてゆめにも思ってなかっただろうな
ある意味これもイジメかも・・・
芭蕉は女じゃないから何もグッと来ないが。
紀貫之は男の娘なんだし、松尾ばなな先生は女の子説があってもいいじゃない
437 :
350:2010/01/30(土) 13:50:07 ID:f5gVTSph
ようやく書き終わりました!
…といっても一話分だけですが。
まとめて上げる、と言いましたがとんでもなく長くなってしまうので、
結局いつも通りになってしまいました、すみません。
今回は前回の反省を生かし、そこまでエロくはないです。
色々とすみません(汗)
だらだらと文章だけが長くなってしまい、如何せん語彙が乏しい為
似たような形容、比喩ばかりになってしまっています。
それでも、何とか違う表現をと、毎度四苦八苦しております。
次回からは現在の話に戻ります、それでは〜
438 :
350:2010/01/30(土) 13:51:22 ID:f5gVTSph
自分が今までしてきた事に罪悪感は無い
確信犯という言葉があるように、
私は自分が正しいと思うことをやってきたまでだ
たとえそれが狂気の沙汰だと言われようと、
私は悔いない、振り返ったりなどしない
けれど、彼女が最後に残したあの言葉―
「ごめんね…」
と、服の袖をかぷっと噛んだそのあとで、彼女はこの世からいなくなった…
その言葉の意味は今でもわからない
ただ、彼女は救おうとしたのかもしれない…
誰を?私を?それとも…?
私は考える
もしも罪を償えるとしたら、私にも誰かを救えるのだろうか…
◆
「遅かったじゃない…」
と、夢子は言った。
放課後の屋上、周りには誰もいない。
彼女たち二人だけだ。
ここに呼び出されていた希望は、入ってきた扉から離れようとしない。
ずっと下を向いたままだ。
「こないだも遅れてきて、そんなにイヤなの?私と会うのが…」
夢子が少し訝しげな顔で、希望の方を見やった。
「それとも…嫌いになった?」
希望はハッとして顔を上げる。
若干の沈黙の後、希望は、小声で「…違う」と言い、そして
「私…こ、怖い…夢子ちゃんが…っ」
と、震える声で言った。
それを聞いた夢子は笑みを浮かべ、
「そ、よかったっ」
と言って、希望の手を取った。
繋いだ希望の手から、ぎゅっと握り返してくる感触に夢子は「?」となる。
見ると希望は、唇をわなわなと震わせ、思い詰めた表情でこっちを見つめていた。
今にも泣き出しそうな顔で…その潤んだ瞳が何か訴えようとしていた。
439 :
350:2010/01/30(土) 13:53:13 ID:f5gVTSph
「なに?どうしたの、希望」
と夢子が訊ねると、希望は口を僅かに開き、
「夢子ちゃん…お願い…お願いだから…っ」
夢子の手を握る希望の手に再び弱々しい、が確かな力がこもる。
言わんとしようとしている事は大体分かっていた。
けれども、それを最後まで聞いてやる必要などない。
夢子は彼女の手をグイッと引き寄せ、
「ここじゃ、ちょっと寒いわね…ついて来て!」
と、半ば強引に希望の体を引っ張り、屋上を後にした。
「ゆ、夢子ちゃん…ィヤっ、離してっ!!」
恐怖に慄く希望の表情が、階段を下りるにつれ険しくなっていく。
それに見兼ねた夢子は、
「落ち着いて、希望!今日は何もしないから!本当よっ」
そう言って、繋いだ手を離し小指を立て「ほらッ誓うわ!」と、
希望の目を見つめ、優しく微笑んだ。
希望は少し躊躇う素振りを見せつつも、立てられた小指に自分の小指を絡ませた。
「ハイ指切った!これで本当に何もしないっ、信じてくれる?」
「……ッ」
コクン…と僅かにだが、希望が頷いたのが分かった。
「そう…それじゃ、行きましょ!」
夢子は彼女の手を握り、再び歩き始めた。
希望は知っていた。
誰よりも残酷で、何よりも優しい…
こんなにも哀しいその人を
嫌いになることなんて出来ない事を…
◆
窓から見えるその景色が、この辺りに立ち並ぶどの高層建築物よりも高いことを物語っている。
ビルの最上階、そのとある一室、
一泊数十万はするであろう高級スイートルームに希望は連れて来られていた。
「食べないの?」
大きな円卓のテーブル、純白のテーブルカバーが掛けられたその上には
見た事も無いような、一見してそれが高級食材だと分かる料理が満遍なく敷き詰められている。
夢子は、先程からホワイトソースの掛かった白身魚を切り分けていた。
こういった食べ方に不慣れなのだろう…食器に当たるナイフの音が少々目立つ。
希望は、目の前に置かれた彼女と同じ料理に手をつけることなく、ただじっと下を向いていた。
ナイフとフォークが料理の乗ったお皿の横にキチンと並べられている。
「大丈夫よ、毒なんか入ってないわよ。あっそうだ、ワイン飲む?」
フォークに突き刺した切り身をパクッと口に入れて、夢子はテーブルの隣に置かれていた
氷の中で冷やされているワインのボトルを手に取った。
「ふふっ、高校生にワインって…金さえ払えば何でもありね、ホント…」
440 :
350:2010/01/30(土) 13:54:30 ID:f5gVTSph
夢子はワインをグラスに注ぐ。そして、それを見る事も嗅ぐ事も味わう事もなく、一気に食道に流しこんだ。
「本当…くだらないわね…っ」
空になったグラスをトン!と置き、希望を見やる。
そして、希望のグラスにもドボドボとワインを注ぎ、また自分のグラスにも注ぎ始めた。
「ねぇ…希望…なんで、黙ってるの?ンフフッ」
指先でちょっとずづ、希望にもワインを飲むのを強要するようにグラスをそっと近づけていく。
希望はワイン特有の強いアルコール臭に咽返りそうになった。
「うっ…の、飲めないよ、私」
「お酒とか飲んだことないでしょ?味はともかく、少しは気分が楽になるわよ、ほらっ」
夢子にそう言われ、後ろめたい気持ちの中、希望はグラスの液体に口をつけた。
とてもそれが美味しいとは思えなかったが、ニコニコとこっちを見てくる夢子の手前、
全部飲み干さない訳にはいかない。
飲みきった後、ふわっと体が軽くなったような、顔に熱を帯びていくのが分かった。
「うふふ、どお?おかわりする?」
ボトルを手に、夢子が身を乗り出してくるが「んん、もう…いいよ」と、希望はそれを断った。
「あっそう…」
と、夢子は笑顔に陰りを見せ、体を戻し自分のグラスを手に取った。
「せっかくなんだし、料理も食べたら?お腹すいてるでしょ」
「う、うん…」
希望は言われたままに、少しおぼつかない手でナイフとフォークを持ち、目の前の料理を口にし出した。
夢子は既に食べるのを止め、ワインにしか手をつけていなかった。
料理の味は、今まで味わったことも無いそれはそれは美味しいものだった。
その感動と、火照った体が夢子の言う通り、希望を幾分かマシな気持ちにさせてくれた。
時折、夢子と目が合うと、彼女はニコッと笑みを浮かべた。
希望は何処か気恥ずかしさを覚え、すぐにまた俯いてしまう。
やがて―
料理を食べ終え、全てを忘れ、満ち足りた時間を過ごしていたとき
彼女が口を開いた。
「希望…」
「えっ?」
キョトンとしている。
そんな希望に向かって、夢子は彼女から目を逸らして言った。
「まだ…元には戻さない、から」
それだけ言うと、夢子はまたグラスになみなみとワインを注ぎ、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干した。
静寂が訪れる。その短い沈黙の後、
「うん…わかった…」
とだけ、希望は言った。
どこを見つめているのか、その表情は空虚だった。
そして、一滴…
彼女の頬を、涙が伝うのを見た。
441 :
350:2010/01/30(土) 13:56:47 ID:f5gVTSph
◆
気分が悪くなった、と
夢子は飲み過ぎたせいか、上着を脱ぎ、ネクタイを取り、カッターシャツのボタン上から二つを外し、
ラフな格好で部屋にあるキングサイズのベッドで横になっていた。
必然、そんな彼女を放って置けずに、希望は帰るに帰れなくなっていた。
トントン、とドアをノックする音がして、使用人らしき頭の先からつま先までクリーニングの行き届いた
正装服に身を包んだ男が部屋に入ってくる。
彼は食べ終わった食器やグラスを片付け、「デザートはいかが致しますか?」と丁寧な口調で訊ねてきた。
夢子は「いらない」と言って、脱ぎ捨てた上着のポケットをまさぐる。
中から折りたたまれた一万円札を取り出すと、2本の指でそれを挟み、使用人に見せる。
男は差し出されたチップをサッと受け取り、それを仕舞うと
「御用の際はいつでもお呼び下さい、失礼致します」
と一礼し、ワゴンを牽いて部屋から出て行った。
今の光景といい、このホテルといい…一体彼女はどこにそんな大金があるのだろうか、
と怪訝な表情を浮かべる希望に、
「お風呂、入ろっか?」
夢子はそう呟いた。
希望は一瞬ドキッとしたが、間を置かずして「い、いい…」とそれを断った。
「あっそう」と、
夢子がまた言った。
「希望、お風呂にお湯溜めといて。溜まったら起こしてね」
夢子はそれだけ言うと、ごろんと背中を向けて寝始めた。
「……」
希望は黙って、浴室に向かい言われた通りの事をする。
ジョボボボボボッと、勢いよく蛇口からお湯が流れ出る。
日常よく見る光景だが、自分の部屋より無駄に広いこの浴室だと、イマイチ実感が沸かない。
突然、希望の頭にプシャーーーッと冷たい水が降り掛かった。
「きゃあっ!?」
驚いた希望は慌てて後ろを振り向く、とそこには
夢子がシャワーのノズルを手に立っていた。
驚くべきは彼女が、一切の服を見に纏っていない―という事だ。
その裸体は、白く透き通った肌に包まれ、股間に茂る恥毛が水に濡れ、露を落とす。
そのギャップとも言うべき、黒と白の調和が同じ女ながらに美しさを感じさせた。
「何じっと見てんのよ、希望のエッチ」
全身をずぶ濡れにされた希望は、鳩が豆鉄砲を喰らった、といった様子で、
目をパチクリさせて彼女の方を見ていた。
シャワーから出る水は、既に暖まりお湯になっていた。
「あははっビショビショになっちゃったね。早く脱いだら?」
「…え…あ、うん」
442 :
350:2010/01/30(土) 13:58:36 ID:f5gVTSph
結局、彼女の思惑通り、一緒にお風呂に入ることになった。
既に何度も見られている自分の裸だが、いつもとは違うこの状況に少し戸惑いの色を見せる。
希望は後ろを向き、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。
水を吸って重くなった衣服を浴室の外のカゴに入れると、
希望は自然と胸と股間を手で隠した。
それとは対照的に堂々と乳房と局部を見せつける夢子に、目のやり場に困ってしまう希望。
「女同士で何ハズカシがってんの!ほら、手ぇどけなさいよ」
夢子は希望の両手を掴んで、隠していた部分を覗き込んでくる。
そして、指先で希望の乳首を優しくクリクリと弄り、
「相変わらず、小っちゃくてカワイイおっぱい!フフ、それに〜…」
ツゥー…とその指が、胸からお腹、臍を通り過ぎ、徐々にあの部分にまで近付いてくる。
「ここもとっても素敵よ、希望…ピッタリとくっついて、
カワイソウな性器…なんて惨めなの、アハハッ」
閉じ合わさった陰裂を指でなぞる。
隙間はおろか、まるでそこには性器など存在しないかのような指触り…
管を差し込まれ、僅かにはみ出したその先端が一層惨たらしさを演出している。
しかし、その上には薄い皮膚に守られた希望のクリトリスだけが、手付かずの状態で残されていた。
シャワーの音が響く浴室で、掻き消される希望の「やめて…」という弱々しい声、
そしてはぁ、はぁ…と徐々に息遣いが荒くなっていく。
「どお?おしっこ、ちゃんと出せてる?」
カテーテルの管を指でつつかれる、が希望は答えない。
答えたくも無い質問だった。
朝、トイレの便座に腰かけ、断腸の想いでそのコックを捻った時、
管の先からチョロチョロと流れ出す自分の尿を見て胸が張り裂けそうになった。
「いつまで、こんな事しなくちゃいけないの…」と、
涙を流して、飛び散る尿を見つめたのだ。それなのに、彼女は…
「あっ、そうだ!希望、アンタ生理は?今月はまだなの?」
思い出したかのような口ぶりで、夢子は聞いてきた。
「ねえ、答えてよ。それ結構重要なんだから…」
「こ、今月は…まだ、きてない…よ」
希望はその言葉に、躊躇いつつも答えた。
「ふ〜ん…そっかぁ。いつ始まんの?」
夢子は更に質問を重ねる。
「えっ…」と、希望は答えに詰まる。
同じ女性でも、面と向かってそんな事を答えるのは気が引ける。
それに、このまま生理が始まったら、自分のアソコはどうなるのだろうか、
という不安も考えずにはいられない。
そんな希望に業を煮やし、夢子はさっきよりキツメに聞いた。
「早く答えなさいよ!アンタの都合なんか、どうでもいいんだから!!」
その強い口調に、希望はビクッと体が硬直してしまう。
「あ…の、た、たぶん三日後…くらい、です…」
怯えた表情を見せる希望に、夢子はハッと我に帰る。
そして、しまった、という顔で、今度は口調を穏やかなものに変えた。
「ふ〜ん、そう…じゃあ、思ったより早くなりそうね」
443 :
350:2010/01/30(土) 13:59:10 ID:f5gVTSph
あの時彼女が言った“その時が来たら”とは、生理のことだったのだろうか?
勿論、希望にはそれを知る由も無いが、それでも性器をまた元に戻してくれるという
微かな“希望”があることは分かった。
「ごめんなさいね、希望。怒鳴っちゃったりして…」
そう言うと、夢子は再度、希望の股間をまさぐり始めた。
閉じた陰部の盛り上がりをなぞり、その指がちょこんと顔を出す希望の陰核を摩る。
「んぁっ!?」
その頂点を夢子の指がかすめた時、思わず希望の口から声が漏れた。
「どうしたの?希望…まだ痛い?」
「ぅ…っちがう…の」
希望は漏れる声を手で押さえ、夢子の視線から目を逸らす。
夢子はその反応を見て、指先をクリトリスに定め、そこを重点的に責め出した。
「ここ、気持ちいいのね。じゃあ今度はここの皮もくっつけちゃおっかな?」
包まれた包皮を引っ張り、陰核を剥き出しにされる。
「いやぁ!!駄目ッそんなのイヤだよぉ!!」
小さな豆粒のようなそれを夢子が指でさすると、腰から背中に掛けてジンジンと痺れ、
やがて頭の中にある脳の奥にまでその奇妙な感覚が響き、そしてハジけた。
「あぅっ…!?」
と、普段の自分の声より高いトーンで小声が漏れ、ビクッと腰がはねる。
希望は立っていられず、思わず床に尻餅をついた。
「あははっこんなんでイッちゃったの?希望、可愛い〜」
見下ろしながらに夢子は笑う。
シャワーのお湯が希望の体に降り注ぐ。
それに隠れるよう、濡れた髪の毛で表情を覆った。
今の自分の、この情けない顔を見られたくなかったから…
「これで、アンタの穴ン中の納豆
もっとネバネバになったんじゃない?よかったわね」
笑えない冗談だ。
そんな事を言われ、希望は悲しみに打ちひしがれ、両足を抱え込んでシャワーの雨に打たれていた。
「ヒク…ッ…夢、子ちゃんの…嘘つ…きっ…ヒック」
泣き声混じりの希望の声が夢子の胸に突き刺さる。
「き…今日は、何もしないって…だから、ヒク…わ、わたし…っ」
「あっ、ごめんごめん!希望、もお泣かないでっ」
夢子は少し取り乱した様子で、希望の体を抱きしめ、彼女をあやし始めた。
顔に当たる夢子の乳房の柔らかい感触に、希望は妙に落ち着きを覚えた。
常々思う。
この人に頭を撫でられると、何故こうも穏やかな気持ちを感じずにはいられないのだろう…
それはきっと、
彼女の本質にあるものが、“優しさ”だったからではないだろうか…
444 :
350:2010/01/30(土) 14:00:34 ID:f5gVTSph
◆
お風呂から上がると、カゴの中には濡れた衣服の代わりに、これまた高級そうなバスローブが置かれていた。
どうやら、夢子が制服等をクリーニングに出すよう手筈していたようだ。
その高級なローブに身を包み、夢子は酔い覚ましに冷たいミルクを飲んでいた。
湯上りなせいか、はたまた酔いの火照りからか、
彼女の肌はうっすらと赤みを帯びている。
髪をタオルで拭きながら、同じくバスローブを着た希望は、そんな彼女の後ろ姿を眺めていた。
浴室で見た彼女の綺麗な胸の形や乳輪、その先端の小さな乳首が、
そして、土手に茂る黒々とした陰毛、局部のぷくっと柔らかそうな肉襞が
今頃になって何故か希望の頭の中で膨らんでいく。
決していやらしい気持ちではなく、(そもそも同性に対して、そういった感情を抱くのも可笑しな話だ)
ただ純粋に彼女の裸身が美麗であることを、心の奥底で反芻していたまでだ。
「希望」
夢子は背中を向けたまま、希望に呼びかけた。
こんな時は、どこか嫌な予感がする。
けれど、そんな怯え眼の希望に対し、夢子は
「さっきは…ごめんね。私、ちょっと酔ってたから…
その…遂、アンタの事イジメたくなっちゃって…」
―可笑しな話だ。
と、希望はまた思った。
自分はイジメを受ける側で、彼女はそれをする側の人間…
なのに何故、
私は謝られ、彼女は謝るのだろうか…と
今まで希望は、ただ暴力と陵辱によって弄ばれる自分の体と心、
その壊れ行く様を見て楽しむ事だけが、イジメをする人間の喜びだと思っていた。
それなのに、彼女は違った…
けれども、彼女によって行われたイジメは、これまでのモノとは一線を駕すのもまた事実。
その両極端な彼女の行動、思考が、希望を更に戸惑わせていた。
「……うん」
そう、控えめに答える希望。
顔を上げると、夢子が手招きしているのが分かった。
「?」と、希望は夢子の方へと近寄っていく。
彼女はノートパソコンを開き、画面を見つめていた。
「流石よね、ネットもパソコンも完備だなんて。
丁度よかった、これで手間が省けたわ」
夢子はインターネットエクスプローラーを立ち上げ、
「ふふっ、希望にね、見せたいものがあるの…」
と言って、カタカタとキーボードを叩き、手動でURLを打ち込んでいく。
そして、画面に映ったのは、簡素な作りのHPだった。
全体が黒で統一され、中央には白いドアの画像が一つ…
広告などは一切無い、その独特な雰囲気がどこか不気味だった。
そのドアをクリックすると、画面にIDとパスワードを要求するウィンドが中央に出てくる。
夢子はそこに、カタカタと慣れた手付きでアルファベットを打ち込んでいく。
そして、Enterを押すと、ドアが開き、画面が次のページに移っていく。
445 :
350:2010/01/30(土) 14:01:00 ID:f5gVTSph
またしても真っ黒の画面、その下部には小さい赤のフォトンで文字が並んでいる。
中央には白い“G”という大きな文字が、一層不気味さを醸し出していた。
「これはね、俗に言う闇サイトよ。
そして、私のスポンサーでもあるわ…」
「えっ!?」
希望はまだ何だかよくわからないっといった様子で、夢子の顔を見やる。
「…変だと思わなかったの?ただの女子高生が、
こんな高そうな、怪しいホテルに泊まれるなんて」
「…う、うん」
薄々は感じていたその違和感が、夢子の言葉で明らかになっていく。
「ほら、希望…ここ見て」
夢子はマウスを動かして、小さく並んだ文字列の一部分にカーソルを当てる。
そこには、
“黒岩 希望”
と、赤い文字で自分の名前が書かれていた。
「え!?」
希望の脳裏に、この世で最も想像したくない事態が過ぎる。
「う…うそ……?夢子ちゃん…な、なんなの、これ?」
大きく目を見開いて画面を見つめる希望を横目に、
夢子は「ふふっ」と薄笑みを浮かべ、その名前をクリックした。
カチッ
とクリック音がすると、画面がジジジ…という機械音と共に変わっていく。
そこに表示されたのは、希望そのものだった。
顔や体―胸や性器に至るまで、
果ては肛門の画像までもがサムネイル形式でいくつも表示されていた。
【黒岩 希望】という個人の尊厳など全くの度外視の、
モザイク加工など一切されていない、自分の顔と自分の性器がそこにはあった。
局部はこの前撮られたであろう、接写されたものがずらりと並んでいる。
夢子はその一つをクリックすると、別ウィンドで画面いっぱい
高画質で拡大された希望の性器のありありと見て取れる画像が表示された。
「いやっ!!いやぁああ!!」
自分の本名と無修正の性器がネットに存在している。
この事実に、あまりのショックで希望は半狂乱になってしまっていた。
「落ち着いて…って言っても無駄か。気休めかもしれないけど、希望…
このサイトはごく一部の、限られた人間しかアクセス出来ないようになってるから
まだ金持ちの変態どもにしか見られてないわよ」
大声で咽び泣く希望を他所に、夢子は他の場所もクリックする。
「ホラ、動画もあるわよ。アンタのアソコに悪戯する所もばっちりね!」
画面上の再生ボタンを押すと、この間の壮絶なリンチ映像が流れ始めた。
「こうやって見ると、つくづくマンコって面白いわよね。アハッ見て、ヒクヒクしてる!
何か別の生き物みたい!」
446 :
350:2010/01/30(土) 14:12:47 ID:f5gVTSph
「ううぅ…いやぁ〜…こんなの、もういやぁああ!!」
とうとう希望はその場にふさぎ込んでしまった。
「もう、また泣いちゃって。ホント泣き虫ね、希望って…」
「取り敢えず、中のアレはその内出してあげるから。
しかも、かなりの高値で売れるそうよ、嬉しいでしょ?」
「でも、それなりに“演出”しないといけないから…また頑張ろうね、希望!」
それらの言葉に、希望は体を震わせ泣きじゃくっていた。
カーペットに彼女の涙が染み込み、そこだけが濃くなっていく…
その時、プルルルルッ―
と、携帯の着信音が部屋に鳴り響いた。夢子のものからだ。
夢子はそれを手に取ってパカッと開き、電話に出た。
「ウェイ?」
彼女は日本語ではない別の言語で喋り始めた。
「怎样做了?……是、…是」
恐らくは中国語だろう…何を話しているのか希望にはさっぱり分からない。
その電話の主と絶えず中国語で話す夢子、やがて通話を終え携帯を閉じ、
彼女は何か思い詰めた様子で希望を見やった。
「ハァ…催促の電話よ。“さっさと次の指示を実行しろ”って…」
「……うっう」
希望は声を押し殺して泣いている。
夢子は勝手に話を進めていく。
「全く…ビジネスパートナーだからって中国語覚えさせられて、
その挙句、無理難題ばっかりこっちに押し付けて…」
少し間を置いて、
「くだらない連中よね」
…と夢子は吐き捨てた。
「夢子ちゃん…うう、私…もうヤダよぉ、こんなの…」
ガバッ―と、希望は夢子の体にしがみ付き、もう止めて欲しいと懇願した。
ひどく怯える希望に、その不安を和らげる為にも夢子は言った。
「大丈夫よ、希望。こいつらはアンタに何もしてこないから。そういう契約だから…ただ…」
何かを言いかけて、夢子はしがみ付く希望の顔をよく見ようと、
彼女の前髪をすっと掻き上げる。
「ただね、この事がもし第三者にバレた場合…
その時は、この中に私の名前が載ることになるわ。」
447 :
350:2010/01/30(土) 14:14:08 ID:f5gVTSph
「っ!?」
その言葉に希望は大きく目を見開いて、夢子の顔を凝視した。
「連中もプロだし、そうなったら私もオシマイね…。
まぁ、それも自業自得ってやつだし、仕方ないかっ」
「ゆ…夢子ちゃん…それって…まさか?」
彼女の思い描く平和な日常が、この瞬間―
現実味を帯びた非日常に変わっていくような気がした。
「そ、だから自殺なんかしないでね、希望。
少なくともアンタには係わり合いのない世界なんだから、
今はただ、じっと我慢して頂戴…。
…死ぬのは私一人で十分よ」
そんな残酷さと悲しみに彩られた言葉を残しながら、彼女はニコッといつもの笑顔をしてみせた。
「もう寝よっか、希望…」
希望の長かった一日が、また一つ終わろうとしていた…
◆
ベッドの中―
彼女が「どうせだから裸で寝よう」と、私のバスローブを剥ぎ取り、自身も全裸となって、
一つしかないベッドに二人で寄り添う形で寝る羽目になった。
私は恥ずかしさから、彼女に背を向けて横になっていた。
それでも、縋りつくように彼女は後ろから腕を回し、足を絡ませ私に抱きついてくる。
彼女の柔肌が抱き締められた全身に感じられる。
ふっくらした彼女の乳房が背中越しに押し付けられ、ぷにぷにとした柔らかい触感が背中に広がる。
その柔らかさに妙な居心地のよさを覚える以前に、
さっきから彼女にクニクニと胸を揉まれている事の方が今は問題だ。
「ふふふ、希望のはやっぱり小っちゃいなぁ〜」
と、耳元でそっと囁かれた。
「……」
私は寝たフリをして、無言でそれに堪えていた。
「寝ちゃったの?ねぇ、希望…」
そう言いながら、乳首を軽く抓られた。
448 :
350:2010/01/30(土) 14:15:36 ID:f5gVTSph
「…っん!」
ジンジンと抓られた乳首が疼く。
その疼きは下腹部の辺りにまで伝染し、私は股間をモゾモゾと動かしてしまっていた。
「あはっ!寝たフリなんかして、お仕置きよっ」
彼女は手を下の方まで持って来ると、また私の敏感な蕾みを摘んできた。
その瞬間、ビリリッと電流のようなものが走り、声が出てしまう。
「きゃぅっ!?」
「変な声出しちゃって…こんな事されても喜ぶんだ、希望って」
クスクスと、彼女は嘲笑めいた小声で喋りかけてきた。
「あ…んん!やめ、夢子ちゃ…っあ!」
クリクリと彼女の中指が緩急をつけて、私の陰核を責め立てる。
その絶妙なタイミングに、私の中の快楽を司る何かが絶頂へといざなわれていく。
びくんっ…と、
私は二度も彼女の手によって逝かされてしまった。
「はぁ…はぁ…」
涙目になって、未だ快感の余波に浸る私に、
彼女は耳元でボソッと囁いた。
「ねぇ希望…私のも……触ってみる?」
「え…?」
突然の事に私は耳を疑った。
それは自分の性器を私にも触って欲しい、ということなのだろうか…
「私の…アソコ、今濡れてるかも…」
彼女のその告白が何を意図しているのか分からなかったが、
私は体を彼女の方に向き直して、ゆっくりと指でその部分に触れてみた。
―ヌルッ
と、サラサラとした特有の粘液が指に付着してくるのが分かる。
指を動かしただけでピチャピチャという音を立てて、
彼女の膣から溢れ出る愛液は太ももにまで伝い始めていた。
「ん…っ希望、指…入れて、みて…っ」
恥ずかしそうに、堪えるように、声を上ずらせて彼女は呟いた。
「うん…」
私は細心の力加減で、その穴の開いている部分に人差し指を埋めていった。
が、まるで吸い込まれるようにニュルンッと彼女の体の奥まで指が入っていった。
「あぁっ!」
彼女がオンナの声を出す。
温かい…むしろ、熱いくらいに彼女の膣内は熱を帯びていた。
私はどこか興奮した面持ちで、更に中指もそこに加えて、クイクイと二本の指で彼女の膣壁を掻き回した。
音がグチョグチョと、いやらしい音に変わってくる。
449 :
350:2010/01/30(土) 14:15:59 ID:f5gVTSph
「あ、や…っ!だ、めっ!!」
それは初めて見る顔だった。
眉を顰め、ギュッと目を閉じて恥ずかしさと気持ちよさの両方に堪える彼女の顔…
その顔はどこか可愛くも美しくも見えた。
「っ…んぁ…希望っっっ」
彼女はギュウウ〜ッと細い腕で私の顔を胸に埋める形で抱きしめてきた。
「…はぁ、はぁっ…エヘヘ、私もイっちゃった…希望」
彼女は涙ぐんだ目を指で擦りながら、そう言った。
そして、私たちはそのまま眠りについた。
この日、この瞬間の幸せを胸に、また明日からも辛い日々を乗り越えていこう…
そう思っていたのは、或いは私だけではなかったのかもしれない。
希望…っダイジョウブ…だからね…
私が…絶対に、守るから…っ
―曖昧な眠りの中
彼女がそう言ってくれたような気がした
けれど、その体は微かに震えていたような…
―曖昧な夢の中
私は、彼女と初めて出会った日のことを思い描いていた
もしかすると、あの時から…
私は彼女から逃れられない運命だったのかもしれない…
私には分かっていた
誰よりも残酷で、何よりも優しい…
こんなにも哀しいこの人を
嫌いになれるはずがないことを…
なんというか
地味なエグさ
ため息しか出ん(ほめことば)
おつおつ
うん、これくらいの語彙だったら全然気にならない
そもそも推敲して書いているのが分かるくらいだから並のレベルを超えてるでしょ
適当に書いたしか思えんSSよりかは遥かにいい
GJッ!!
今、気付いたんだが、中で腐る事がないように納豆にしたのでは・・・?
愛あるレズいじめっていうのもいいなあ、GJ!
この歪んだ感じの偏愛がたまらん
>>452 確かにすでに腐ってるわけだけど
なんというありがた迷惑w
350様GJ!
今回はなんか心理的にクル所と色んな裏側が見えて面白かったです。
またハードな責めも期待してますw
>>452 納豆菌の繁殖は続くだろうから発酵は進む筈…結構な熱を出すような…
ただ、雑菌は納豆菌が殺すから、変に悪い菌が増えすぎないのも事実か?
…内在する有用菌(乳酸菌類)も納豆菌に負けるとしたら…出した後のケアいかんで悲惨な事にも…
あとは納豆菌そのものが人体の粘膜に対してどれだけ害があるか…かな?
同じネバネバしている食材と比して、トロロイモ突っ込むよりは良心的かも
何であろうと突っ込んだら危険だろ
そんなこと気にすんな
456 :
350:2010/02/03(水) 06:36:25 ID:2WQQBS0d
>>456 絵柄は人を選びそうだが、女の子の身体のまろびやかな曲線がなかなかいいね。
まろびやか
459 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 12:39:53 ID:p1an7/M6
絵師でもあるのか、すごいな
なにこの良スレ
過疎なのがもったいないぐらい
こんだけ優秀な職人が二人もいたら、過疎なんて気にならない
今はないみたいだけど、昔女の子が女の子をいじめるお話ってスレあったよな
そこの人来ないかな
内股麗子とねびえは好きだったなー
ほ
あのスレで一番ビミョーなやつじゃねーかw
まだ生きてた
生きる希望が沸いた
468 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 23:04:57 ID:A+sz3Bvt
良かった良かった
469 :
INHUMAN:2010/02/22(月) 10:37:08 ID:zrtoeO/B
ちょっと、あんたたち!!
こんなスレッドを立てて非人間的だと思わないの!?
削除依頼を出して消してもらうかどうか、
分からないけど覚悟してなさいよね!!
さあ、潰れるざます!
逝くでがんす!
フンガ〜!!
まともに潰れなさいよ〜!!
470 :
INHUMAN:2010/02/22(月) 12:27:07 ID:zrtoeO/B
>>469の修正
ちょっと、あんたたち!!
こんなスレッドを立てて非人間的だと思わないの!?
削除依頼を出して消してもらうかどうか、
分からないけど一応の覚悟はしてなさいよね!!
さあ、潰れるざます!
逝くでがんす!
フンガ〜!!
まともに潰れなさいよ〜!!
最近規制の嵐で神が巻き添え食ってないか心配だわ
472 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 04:31:28 ID:RnZHODNP
はいはい保守保守
473 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 23:00:20 ID:nWkPi/AJ
保守
ほ
久々に来たら保守ばっかり
誰か新規でいいから書けよ
>>475 もうすぐ圧縮あるから、過疎スレの保守は死活問題なんだよ
多目に見てくれ
☆★☆女の子に質問71問目☆★☆
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/ex/1233889606/ 105 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2009/02/09(月) 11:02:54 ID:6gaKaa0T0
【相談者の年齢・性別・職業】
20歳男性大学生・セックス経験無し
【相手の年齢・性別・職業】
19歳女性大学生・セックス経験無し
【2人の関係】
付き合ってるけどキス&服の上から触る程度
【悩み(詳しく)】
彼女が性行為などに対してすごく恐怖を感じています。
その原因は、彼女が高校のときにはいった水泳部が生理でも休めないところで、
でも生理用品を体に入れるのがどうしてもできなくて休んでずっと見学していたら、
先輩らが、自分でできないなら入れてあげるけどいいよねってことになって、
休んでる罪悪感と、先輩が怖くて断れず、それでかなり辛い思いをしたそうです。
部活は結局やめ、この話をしたのは、高校が寮で気軽に家族に話せなかったことと、
恥ずかしくてショックだったこともあり、私が初めてだそうです。
【どのようにしたいのか】
1 まず、自分が彼女とセックスするかどうかは後回しでいいので、彼女に少しでも楽になって欲しい。
2 彼女は、部活でのトラブルは自分に原因があるし、他の部員は生理でも部活してたので
自分が悪かったと言っているけど、本当に彼女に否があるのか知りたい。
3 生理用品を入れることでトラウマになるくらい痛いのは異常じゃないか知りたい。
4 部活のトラブルのせいで処女ではなくなったと言ってるが、
どうフォローすればいいかわからない
5 無理に話さなくてもいいって言ったら、彼女は、今まで誰にも話せなかったし
まだ話すことがあるので全部聞いて欲しいと言ったけど、聞く方がいいのか、
聞かない方がいいのかわからない。
6 メンタルクリニックに行くことも勧めたら、他の人に話せそうにないので無理らしいけど、
どうしたらいいか。
7 トラウマのせいで、体調が悪くなっても怖くて婦人科にいけないと言っていたが、
体が心配なので、そういう意味では早くトラウマを克服して欲しい。
(生理じゃないときでも下腹部痛や出血があるらしい)
以上です。よろしくお願いします。
106 名前:恋人は名無しさん[] 投稿日:2009/02/09(月) 11:10:59 ID:RdCtWRVZ0
>>105 とりあえず、生理じゃないのに下腹部痛や出血があるのは何かしら病気じゃないのかなぁ
早く病院に行ったほうがいいと思うよ
男の先生が嫌なら、女の先生いる所探してさ
トラウマで怖いかもしれないけど行かなきゃ
107 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 11:11:16 ID:DJE5Cm8qO
>>105 彼女さんのペースで少しずつトラウマを克服してけばいいんだけど、
体調が悪いのに怖くて病院行けないのは心配だわ。
確認だけど、生理用品ってタンポンのことだよね?
水泳や部活でタンポンしなきゃいけないってのはあるらしいよ。
先輩にやり方を教えてもらうのもあると思う。
ただ、実際に入れられるのはどうかと思う
108 名前:105[] 投稿日:2009/02/09(月) 11:20:12 ID:6gaKaa0T0
>>106 最近は体調は大丈夫だそうです。
前に下腹部痛と出血があったときに、怖くて、医師が女性でも診察が無理だったそうです。
でも、いま痛みや出血がないからといって健康かどうかわからないので心配です。
>>107 自分で入れようとしたのはタンポンだと言っていましたが、
先輩たちにされたときは、壁に手をつかされていたのでよく見えなかったみたいです。
110 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 11:37:37 ID:tXMWpWCK0
>>105 タンポンは、私は中学生のときに自主的に初めて入れたけど
最初は痛くてはいらなかった。
無理やり入れられたらそれは痛かっただろうと思うし、半分イジメみたいな
ものだと思うよ。かわいそうに…
でも「処女じゃなくなった」ていうのは、断じてそれはないと思う。
処女膜というか入り口あたりが少し傷ついたのかもしれんけど、
処女ってのは男性経験があるかないかの話なので、そんなの関係ないよ。
自分の場合は好奇心や冒険心もあって「やってみよう」と思ったわけだけど
彼女はたぶんもともとかなり神経質で怖がりな性質の人なんだと思うし
かなり傷ついてるんだろうなぁ。まるで同性のレイプだと思うし。
111 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 12:16:25 ID:KH5s5dmBO
>>105 タンポンは力抜かないと入れるのは痛い。無理なりなら更にきついかも。
あと処女膜うんぬんの話があったけど
別に内部に膜があって挿して破るみたいな構造のものと違うので
それは問題ない。
しかし同じ水泳をやってた人間としてそんなことがあるとは驚き。
出来れば心療内科受診が良いと思うけど、
別に彼女はなにも悪くないよって支えてあげるだけでも
改善は見込めるんじゃないかなと。
113 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 12:48:39 ID:IKFaI1ltO
>>108 タンポンは処女の人でも入れ方が正常であるれば痛くないと言われてるけど、
私は処女時代タンポン入れてる事を意識してしまって上手く入っても気分的に気持ち悪く感じた
それを先輩に無理矢理入れられたなんて凄くトラウマだろうね…
122 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 17:02:42 ID:ZV0+nV+NO
こんな陰湿な虐めがあるんだな……。
彼女の傷が一日でも早く癒えることを祈ってます。
129 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/09(月) 19:36:21 ID:tXMWpWCK0
>>125 私は処女じゃないですが、未だにタンポン入れる時に痛いですよ。
中でひっかかるような感じで、痛くない角度を探しながら恐る恐る入れる。
他人に乱暴に入れられたら相当痛いと思う。
痛い所を無理やり押されたらかなりの激痛にもなるかも。
あと、タンポン入れてる時って生理痛がひどくなるような気がする。
あと、相当恐怖だったと思われるので、精神的なものもあるのでは。
399 名前:105[sage] 投稿日:2009/02/17(火) 14:28:51 ID:TJkkQHSn0
>>398 すいません。
事故だったから先輩たちが悪くなかったと思っているわけではありません。
彼女が話すときは精神的にも辛かったようで話によくわからないところがあったり
話の途中で嘔吐したりして正確なことはよくわかりませんが、
どうも以下のようなことをされたそうです。
話は自分がまとめたので、おかしいところがあるかもしれません。
105に書いたのと同じことを、生理が続いている間されたそうです。
そのときに、「水着からヒモが出たらかっこ悪い」という理由で
タンポンのヒモを切られ、それを先輩がゴム手袋をして直に彼女に入れたそうです。
それで部活が終わったら自分で取り出せと言われたそうです。
事故というのは、彼女が自分で取り出すことが怖くてできなかったのと、
血が出てきたのでトイレとかで自然に取れたものと思ったらしく、
先輩たちにはそのことを話せなかったので
古いタンポンが入ったまま新しいのを入れられたことです。
それで何回目かのときに(話から判断して四回目?)、立てないほどの痛みがして
そしたら先輩たちが騒ぎ出して、どうして自分で取り出さなかったと怒られ、
保健室や病院に行くと親や学校に連絡がいって恥ずかしいし部にも迷惑がかかると言われ、
部活が終わった後に更衣室で、先輩五人くらいに押さえられて、
それで中のタンポンを取り出されたそうです。
事故的なところがあったとしても先輩達が悪いのは自分もよくわかっているつもりです。
400 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/17(火) 14:32:05 ID:wx3UPuJW0
エグイなぁ…読んでるだけで嘔吐しそう
--------------------------------
いらんところ編集しつつコピペしてみた。
こういうの元ネタにSS書くって不謹慎・・・だわな。
このスレのSSは全てフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません、でいいんじゃないかと
そういうことにしておかないと、凌辱系のSSや伝記物や有名人のパロディ全てが不謹慎だって理屈になってしまうし
まあ、例え元ネタがあるにしても、わざわざ言及しないのが一番ってことで
ついに携帯復活
これで布団の中から応援できる
そろそろ女学院復讐の人の続きが来ないかな。
483 :
INHUMAN:2010/03/13(土) 21:13:56 ID:XGvS4NAN
>>470の修正
ちょっと、あんたたち!!
こんなスレッドを立てて非人間的だと思わないの!?
削除依頼を出して消してもらうかどうか分からないけど、
一応の覚悟はしてなさいよね!!
さあ、潰れるざます!
逝くでがんす!
フンガ〜!!
まともに潰れなさいよ〜!!
484 :
yy:2010/03/13(土) 23:24:32 ID:jm8hHrrQ
徒然草の濁点を少しかえて反対からよむと
てす
ザクレズレズ・・・?
つれづれぐさ?
れづれづぐさ
れづれづなるままに
神たちー!きてくれー!!!!!!!!
ダークでスカットロありですが良ければおひとつ。
全21レス。
「高坂は虐められてる」
いつだったか悪友の祐二が言った言葉だ。
何でそう思うんだよ、という俺の言葉に、奴は沈黙で返した。
高坂佳織は、小学校の頃俺と同じ塾に通っていた娘だ。
地域でも有名な進学塾で、俺は親に強いられ無理矢理通わされていた。
俺も祐二も努力嫌いだから、下位クラスで成績も悪かった。
一方、先ほど名前の出た高坂は特進クラス、しかもそのトップだ。
数千人からいる塾生の中で一桁台の天才。とはいっても眼鏡のガリ勉タイプではない。
高坂は長く綺麗な黒髪をしていて、頭の後ろによくリボンをつけていた。
そのリボンが人混みにいてもよい目印となった。
スタイルはスレンダーという表現が似合う。
まだ小学校高学年だけに胸はないし、レースクイーンのように伸びやかな膝下でもない。
それでも遠目にはすらりとして見えた。
同じ学校である祐二によれば、高坂は本物のお嬢様らしい。
家は神社そばの木塀に囲まれた豪邸で、習い事は塾以外にピアノ・バイオリン・水泳。
かつて英会話も習っていたが、小4の秋で中学コースまでの全過程をマスターしてしまったそうだ。
いわゆる勝ち組。
テレビでお馴染みのアナウンサー、スチュワーデスといった人種は漏れなくこの勝ち組レールを進むわけだが、
高坂はそういった最高級の女の卵だったと言っていい。
高坂はクールで無口という印象があった。
何しろ2年も同じ塾に通っていて、声を聞いたことさえなかったのだ。
ただ、無機質な子ではない。
俺は一度、彼女が塾の裏で捨てられた子猫を撫でているのを見た事がある。
顎を撫でられてゴロゴロ鳴らす猫を見る目は、惚れてしまうぐらいに優しかった。
彼女はいつも何人かと行動を共にしていた。
必ず一緒にいるのは遠藤倫子。特進クラスで常に2位の奴だ。
1位は言うまでもなく高坂で、あまりにもその順位が不動であるため、
講師陣はこぞって『天才の高坂くん、秀才の遠藤くん』と持ち上げていた。
それから8年。成人式の日、俺は再びその高坂を意識する事になる。
彼女が新成人代表で挨拶をしていたからだ。
高坂は期待通りの美人になっていた。
式用の化粧で昔との単純比較は難しいが、舞台下から見上げる男達が騒ぎをやめて凝視するぐらいにはなっている。
結い上げた黒髪と蝶や華をあしらったリボンが愛らしかった。
式の後、俺は祐二と久しぶりに再会した。
頭を金髪にして厳つくなってはいたが、相変わらずの馬鹿で安心する。
互いの近況を報告しあったあと、俺はふと思い出した事を訊ねた。
「なぁ。昔言ってた、『高坂が虐められてる』ってのは何だったんだ?」
もう8年、そろそろ何でも笑い飛ばせる頃合だろう。俺はそう思っていた。
だが、祐二はまたしても表情を曇らせる。
「……家、来いよ」
一言、祐二はそう呟いた。
俺は祐二に同行し、部屋で一本のビデオを渡された。
背面に貼られたシールが茶けて破れかけている。そうとう古い。
大体こんな物が使われていたのは、それこそ俺が小学生だった頃の話だ。
「何のビデオだよ、これ?」
俺はどこかに嫌な予感を抱きながら聞いた。
祐二は言う。
「見当ついてるだろ。高坂が虐められているビデオだよ」
頭ががんと殴られたような気がした。
やはり。
「…正確には、虐められているなんてもんじゃねえ。まるで犬の調教だ。
貸すこたぁ出来ねぇけど、他ならぬお前だ。良ければ見てくか」
祐二はそう語ると、俺の頷きに合わせて今は懐かしいビデオプレイヤーへと近づいていく。
劣化を示すさざ波の中、ビデオは始まった。
※
【初めてのビデオ撮影】
安っぽいAVのように、黒画面に白抜きの文字が現れた。
次にある場所が映る。カラオケの個室のようだ。
大音響の中、ガラステーブルを囲む赤いソファに少女達が横並びで腰掛けている。
カメラはその並びを真正面から映していた。素人らしく、手ブレがひどい。
映った少女は3人おり、うち画面中央にいるのは目隠しをされているが間違いない、高坂だ。
高坂はソファに大股を開いたまま腰掛けていた。
手は後ろで縛られているようだ。
上はきちんとセーターを羽織っているのに、下は何も着けていない。
そのすらっとした白い下肢は、両隣の少女の足に絡め取られ、閉じないようがに股にさせられている。
そしてその秘部には、なんと少女2人の指が深々と沈み込んでいた。
指は全く遠慮などないように動きたくり、その度に割れ目の奥からぐちゅぐちゅと音がする。
『皆分かるぅ?高坂で〜す。もう30分もああやって弄くられてるから、おまんこトロットロで〜す』
カメラの脇から姿を現した少女が、目隠しされた高坂を指して言う。
万年2位の“秀才”遠藤倫子だ。
彼女は高坂を見つめ、わざとらしい溜息をつく。悪党ぶりが堂に入っていた。
倫子とは何度か話した事がある。
特進クラスにしては気さくで、俺のような落ちこぼれにも話を振ってくる。
博識な奴だった。
小学生とは到底思えない知識量を持ち、紙の繊維についてだとかワープ理論だとか、
今でも十分理解できないような話をよく聞いた。
表面上は和やかに教えてくれたが、心の底では無知な俺に説法してやってるつもりなんだろうな、
と感じる時があった。
それでも底知れない頭のよさだったのは事実で、特進クラスの特別さを思い知ると共に、
こいつを凌駕する高坂佳織というのはどんなに凄いんだろうと、声も知らない彼女に惚れ直したりもした。
その声が今、聞こえてくる。
「あっ、あふあっ!くああ、んッ…あ、あぁああう!!」
目隠しをされ、股を開かされたまま恥ずかしい所を捏ね回されて、高坂は声を上げていた。
初めて耳にする高坂の声。
子供の頃勝手に想像した通り、キンキンと高くなく、知的で淑やかな声色だった。
しかし喘ぎ方は猥らだ。
当然だろう。秘部を弄くられるたび、ぐちゅぐちゅと凄い音がするのだ。
両隣の責め手は同じく小学生のようだが、あの遠藤倫子と結託するあたり、普通の子ではないだろう。
実際、乱れる高坂を見つめる目は好奇に輝いてなどいない。
事務を淡々とこなすOLのそれだ。
そんな目をした少女2人に30分も性器の中を弄られるなど、男の俺でも寒気が走る。
『目隠しされて感度の上がってる高坂さん、思いっきり喘いじゃってま〜す。
ビデオに撮られてるなんてこと、全然知りませ〜ん』
倫子が神経を逆撫でするような喋り方で囁く。
カメラが高坂の顔をアップで捉えた。
リップを塗りたくったような桜色の唇。喘ぐたび開閉して白い前歯を覗かせる。
カメラはその口元を捉えたまま、焦点を少し上にずらす。
そこでは高坂の目隠しが今まさに取り去られる所だった。
澄んだ瞳が現れる。
瞳孔が縮小し、潤んだ目が状況を把握しようと瞬く。そして、見開いた。
「えっ…!?」
カメラを凝視し、言葉をなくしたようだった。
倫子が笑う。
『高坂さん、不意打ちの撮影にビビりまくってま〜す』
「……ッ!!」
高坂は倫子を睨み据える。しかし秘部で再び指を蠢かされ、背を震えさせた。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ。
水音は再開したが、高坂は声を上げない。
『撮影されてるのに気付いてカッコつけちゃって〜。
でも下のお口は相変わらず煩いし、声だけ抑えても余計惨めなの、頭良いのに解らないのかな〜?』
倫子に罵られても、気丈な瞳で睨み据える。
しかし息までは抑えられず、口からはぁはぁと呼気を吐き出していた。
「息荒すぎでしょ、お嬢様。」
「ほーんと。はあはあ、はあはあ!くせえっつーの」
指で嬲る娘が二人して嘲笑った。高坂ははっとした表情になり、俯く。
『ほらほら、言いすぎだってば。観てる人が本当に臭いのかって思っちゃうでしょー。
上の口はとってもいい香りがするよー。ただ下のお口は、本当に臭いかもしんないけど』
倫子はそういうと、傍らにあったバッグからフックの四つついたベルトを取り出した。
『じゃーん。高坂お嬢様のお小遣いで買った、豚鼻ベルトで〜す。
これをおまんこに引っ掛けて、開いた穴の匂いを嗅いでみたいとおもいまーす』
倫子は恐ろしい事を上機嫌で語ると、本来鼻フック用であろうそれを引き伸ばしながら高坂に近づく。
高坂は暴れるが、他の2人が手足を使って封じ込めた。
邪魔な手がどけられ、高坂の秘部が映る。割れ目の上にうっすらと茂みが生えていた。
初々しい性器だ。
『引っ掛けまーす』
倫子はベルトを高坂の腰の後ろに回し、そこからフックを伸ばして長い金具部を器用に割れ目へと引っ掛けていく。
潤みきった割れ目はフックがかかるごとに三角や楕円に形を変え、四つ全てが嵌るとくっぱりと四角に開いた。
“天才”高坂佳織の膣の全てがついにカメラに収められる。
倫子はその真正面に立った。
『いいカッコ。ピンク色で可愛い〜。綺麗だけど、匂いはどうかなぁ?』
鼻を近づけ、大袈裟に息を吸い込む。
そして笑った。
『…ふふ、すっっごい女くさい。愛液が鼻にかかっちゃうくらい溜まってるし。
これやばいよ、小学生でこんなおまんこの匂いさせちゃうのって、たぶん高坂くらいだよ』
高坂が横を向いたまま、耳まで真っ赤にしている。
女臭くて当然だ。2人にあれだけ弄くられ、愛液を溢れさせていたのだから。
しかし、倫子達はそれを好き放題に嘲笑った。
そして最後に、倫子はカメラの方を向いて言う。
『これからはこんな風に、高坂さんを可愛がった後は毎回あそこを広げて観察しまーす。
気持ちよかった?って聞いてもウソつきそうだし、仕方ないよね。
これからもどんどん高坂さんをエッチにしていくので、期待して待っててね〜』
そういうと、高坂の広がりきった膣内をカメラがアップにし、画面が暗転する。
※
「これが一本目だ。」
祐二が言った。
「……あのお嬢様に、やりたい放題だな」
俺が思ったままを口にすると、祐二は頷く。
「高坂はこっちじゃ有名人だ。家が名家で、頭が良くて、このルックスだしな。
そういう背景があるから強く出られないんだろ。
事実が公になって困るのは高坂だけだ。
こんなイジメをされてるなんて知れたら輝かしい未来がパー、逆に加害者連中は所詮小学生の悪戯。
どんなに頭が良くても……いや、利口だからこそ言いなりになるしかなかったんだ」
祐二は胸元から煙草の箱を取り出し、一本を咥えた。
そして二本目が立てられた箱をこちらに突きつける。
「…………」
祐二の誘いに、俺は黙って頷く。
2つの煙が部屋を染める中、2本目のビデオが始まった。
※
【おしっこの穴拡張】
2本目は、どうやら漫画喫茶の個室での撮影らしかった。
映像の端にジッパーのようなものが見えている。恐らく、鞄にカメラを入れているのだろう。
周りの部屋から女の品のない談笑が漏れ聞こえる。
そんな中、カメラは2人の少女を捉えていた。
高坂と倫子だ。
高坂は個室の椅子に腰掛けたまま本を読んでいるようだった。
そのスカートは前側が捲り上げられ、ショーツも脱がされて秘部が曝け出されている。
さらに倫子の指が細い綿棒をつまみ、高坂のどこかに出し入れされていた。
暗くてよく見えないが、ビデオの題名からして尿道に入っているのだろう。
そんな所を穿たれているなど信じたくもなかったが。
倫子はこちらに後ろ髪を見せたまま、左手で高坂の陰唇を開き、右手でゆっくりと綿棒を出し入れしていた。
挿入部の周りには僅かにピンク色の隆起が見え、粘液でてらてらと光っていた。
ローションか、愛液か、ひょっとすると小便かもしれない。場所が場所だけにそう思えた。
痛くないのだろうか。
そう思って高坂に注目するが、彼女の顔は本に隠れて見えない。
しかしその本と目の距離はいやに近すぎ、内容は頭に入っていないだろうと思えた。
白い脚にはハイソックスと革靴だけを着けている。
革靴を履いた足裏は、椅子の高さに十分であるにも関わらず爪先立ちで強張っていた。
やはり尿道責めがきついのだろう。
映像に2人の声は一切入っていなかった。
倫子はただ淡々と尿道に綿棒を抜き差しし続け、高坂は本に目を落としながら爪先を立ててそれに耐える。
倫子がふと綿棒を抜き去った。
綿棒の先っぽと同じだけ開いた尿道が映る。
倫子は綿棒をローションの入った瓶に浸し、たっぷり絡め取ると再びひくつく尿道へと差し入れた。
地面に降りていた革靴がまた爪先立ちになる。
倫子は刺した綿棒をわずかだけ進め、入り口辺りに留めさせると左手で高坂の脇腹を弄った。
シャツに細い手が潜り込む。
倫子の手は高坂の脇腹から胸、背中、腋へと回される。腋の時、高坂の肩が震えた。
『 すっごい汗。 』
倫子がカメラにやっと拾われるほどの小声で呟いた。
倫子が手を抜くと、確かにその掌がぐっしょりと濡れている。
倫子はそれに満足そうに笑い、また綿棒の抜き差しを繰り返した。
絵的には地味だが、俺は尿道に綿棒が出し入れされるのを食い入るように見つめた。
淡々としたその動きの中に、どれだけの苦痛と快感があるのか、想像が止まらなかった。
快感などないと思えるだろうが、そうでもなさそうだ。
なぜなら、綿棒の刺さったすぐ上に、高坂のクリトリスがぷっくりと膨らんで息づいているからだ。
前のビデオでも高坂の秘部が露わになる箇所があったが、その時にはまるで見えなかった。
小学生の陰核など米粒にも満たないのだから当然だ。
それが今、ビデオではっきりと視認できている。
いつか聞いたことがある。女性のクリトリスの見える部分というのは表面の一部だけで、
その大部分は尿道と皮一枚隔てて内に潜んでいるのだと。
つまり高坂は、尿道越しにその陰核の根元を際限なく扱かれているに等しい。
それは気持ちいいことだろう。
30回は出し入れが続いただろうか。
倫子がやや深めに綿棒を突き入れたとき、高坂の腰が揺れた。
それを見逃す倫子ではない、すぐにもう一度限界まで突き入れる。高坂の腰が跳ねた。
細い脚が内股になり、綿棒を伝って何かが溢れ出した。尿だ。
倫子は慣れた様子で足元のガラスコップを拾い上げ、高坂の股の間に受ける。
綿棒を伝う尿は、最初の数滴こそ狙いを外したものの、コップにじょぼじょぼと音を立てて溜まっていく。
黄金液の勢いがなくなった後、倫子は綿棒を数度前後させて尿を切らせた。
そしてコップの底に溜まった尿を別の瓶に移しかえる。
何度か同じ事をしたらしく、瓶にはすでにコップ一杯ほどの尿が溜まっていた。
高坂はよほど大量の水分を摂らされて臨んでいるのだろう。
『おしっこたっぷり。どっかの裏ルートで、顔写真つきでオヤジに売っちゃうね。万はいくと思うよ』
倫子は瓶を振りながら囁いた。
高坂は目を閉じ、本を顔に押し付けて羞恥に耐えている。額は汗でびっしょりだった。
『さて、と。もうすぐ塾が始まっちゃうよね。仕上げにしないと』
倫子は笑って言うと、ポケットからフッ付きのベルトを取り出した。
前回同様、ベルトを腰後ろに回してフックで陰唇を開ききる。
秘部が露わになった。
驚いた事に、洪水のように愛液が溢れていた。開いた瞬間に椅子に黒い染みが広がったほどだ。
赤い柔肉の奥がひくついており、いやらしい。
上にはまるでその穴の子供のような尿道が喘いでいる。
これを見せてあの高坂佳織の秘部だと言っても、誰も信じないだろう。
『一応言っとくと、今回は私一回もココ触ってませんよ?
高坂さんはおしっこの穴だけ弄られててこうなっちゃったんです。
さすが“天才の”高坂さん、応用が利きますねぇ〜。
…さて、と。じゃあいいかげん塾行こっか』
倫子は今一度たっぷりとローションを掬うと、綿棒を尿道の一番の奥まで突き入れた。
「ゃう!」
今回初めての、高坂の妙な喘ぎが漏れる。
倫子は7割方が飲み込まれた綿棒をぐりぐりと弄り回す。
『塾が終わるまではこのまま。恥ずかしいから、授業中にはオナらないでね』
そう言いながら高坂に白いフリルのショーツを履かせていく。
まるでお姫様のようなそのショーツは、立ち上がった瞬間に綿棒の隆起で張り、直後に大量の愛液でいやらしく透き通った。
※
3本目はクリトリスを延々と弄くられているビデオだった。
場所はやけに広い浴室だ。浴槽は十分に泳げる大きさがあったし、その淵も座れるぐらい立派だった。
恐らく高坂の家の風呂だろう。
どうやら倫子が友達として遊びに行き、洗いっこをする口実で甚振っているらしい。
近くの部屋には家族もいるようだ。
それゆえ前回同様、声をだすわけにはいかないらしかった。
倫子は高坂を広い浴槽の淵に腰掛けさせ、指でその陰核を弄んでいた。
今度は高坂も丸裸だ。高貴な身体が全て露わになっている。
胸は控えめで、手足のラインは私服姿で見るよりも細い。
腰周りが少しふっくらしているのは幼児体型というやつだろう。
令嬢らしく、肌は初雪のような真っ白さだ。
倫子はそんな高坂の陰核を容赦することなくこね回した。
ローションのぬめりを帯びた指が幾度も幾度も形を変えて敏感な突起を責め苛む。
高坂は初めは負けず嫌いな瞳で智子の視線を受け止めたが、
一度絶頂に達してからは敏感でたまらなくなったのか、口を「あ」の字に開けて俯いた。
口から涎の糸がぽとぽとと垂れるのがすべてカメラに拾われていた。
「あひ!」
「くぁうぅっっ!」
「い…っく……ッ!!!」
『ほら、声だしていいんだっけ?』
陰核を剥かれ反射的に漏れる声を倫子がなじった。
快感に耐え切れず腰が後ろに引かれる事もあったが、その時は倫子が太腿を叩いて戒めた。
白い太腿にはいくつも紅葉の痕ができ、実に惨めな有様だった。
倫子の指が愛液に塗れて滑りすぎるようになると、倫子は陰核にシャワーを当てた。
見る限り、高坂にはそれが一番たまらないらしい。
水量を上げ、陰核にむけて強烈なシャワーを浴びせると高坂は必ずイッていた。
腰の動きと表情でそれがありありと見て取れた。
指で捏ね回し、シャワーを浴びせ、捏ね回し、シャワーを浴びせ。
そのぐらいになるともう相当な回数達したのか、高坂は苦しそうだった。
「あ」の字に開いていた口は堅く食い縛られ、腰の横に投げ出された手は握り締められた。
身体にも異変が起こり、小便を漏らしたのなどは早いうちで、最後の方には屁までひり出していた。
そのたび倫子に頬を張られ、涙と鼻水でグズグズになる顔は虐待を受ける赤子のようだった。
最後には例の如くフックで秘部を拡げられたが、あまり気持ち良さそうではなかった。
愛液は溢れているものの、粘膜の奥はいつものようにひくつかず、縮こまっている。
その上にある陰核は赤く腫れて垂れ、痛々しい。
それを見て上機嫌になる倫子は、やはり普通でないのだろう。
※
ビデオはまだ山のようにあった。
6本目は開口具で口を一杯に開かされ、舌を引っ張ったりして唾液を搾り取るプレイだった。
高坂ほどの美少女が歯茎まで露わにする様は背徳的だった。
舌を出して喘ぎ、唾液を瓶に溜めていく様はマニアが見れば堪らないだろう。
ためた唾液は、やはりプレイ写真つきでどこかの好事家に売るらしい。
この時は開かれた秘唇はほとんど濡れていなかった。
8本目は秘部に蜜を塗り、飼い猫に舐めさせるプレイだった。
いつか高坂が塾の裏で撫でていた捨て猫だ。
彼女はあの薄汚かった猫を拾って帰り、家で飼い始めたらしい。
仰向けになったまま手足を押さえつけられ、猫に蜜を垂らした花園を舐めさせる。
何か思うところがあったのか、彼女はいつものクールさを忘れて悶えまくり、2回も潮を噴いた。
「ごめんね、ごめんね。」
猫に潮を噴きかけるたびに謝る様は、周囲から笑いの的にされた。
この時の秘部は、驚くほど気持ち良さそうに潤みきっていた。
※
計13本に渡るビデオを見終えた後、俺と祐二は何も語らずに煙草をふかした。
煙が目に染みる。
小学校の頃は嫌いだったが、話の間をもたせるのに煙草という奴は便利だ。
後戻りできない、というのが欠点ではあるが。
「このビデオよぉ」
祐二が口を開く。
「ダビングして配られてたんだわ、俺の小学校で。配ってたのは遠藤倫子だった。
誰にでも配ってたわけじゃないみたいだけどな。
配られた奴は皆、小心者で、計算高くて、……高坂に惚れてる奴だった。
俺もそうだったよ」
意外だった。
こいつは高坂の話を降ったとき、いつも興味なさそうにしていたからだ。
「ビデオの事をすぐ漏らさないような奴を選んだんだろうな、遠藤は。
すぐにイジメがばれちゃ面白くないと思ってたんだ。
考えて、成長して、ほとぼりが醒めた頃にでもビデオが流出すれば、ってんだろ。
その方が高坂に与えるダメージがでかいしな。
あいつ、高坂のことすげぇ妬んでたし」
なるほど、あいつの考えそうなことだ。
「……けど、今日でなんか安心したぜ」
祐二はふっと煙を吐き出して言った。
「何がだ?」
「成人式だよ。高坂が代表の挨拶してたろ?
ッて事は、アイツの人生うまくいってるって事じゃん。
ビデオの事は誰も漏らさなかった。漏れてても、どこか闇に消えた。
じゃなきゃ、あんな舞台でにこやかに挨拶なんてできないぜ。
遠藤もとっくに諦めたんじゃねえかな。他に標的でも見つけてよ」
「そう……だな。」
俺も同じ意見だった。ビデオはショッキングだったが、所詮は過去の黒歴史だ。
そんなもの誰にだってある。
俺達はそう笑いあい、朝まで酒を喰らって別れた。
しかし。
その1週間後、郵便受けに入っていたビデオを目にした瞬間、俺は悪寒を覚えた。
震える手でビデオレコーダーを探し、セットする。
さざ波のないビデオが始まった。
【新成人代表 クソ穴調教】
見覚えのある白抜き文字のあと、画面に一人の女が映る。
直感で遠藤倫子だとわかった。
昔はただの奔放な少女でしかなかったが、今や悪魔じみた凄みを備えている。
倫子はこちらを冷たく凝視したまま語り始めた。
『お久しぶり。8年ぶりでしょうか。
このビデオを見ているという事は、あなたは高坂佳織さんのお知り合いだと思います。
新成人になった高坂さんはどうでした?相変わらず綺麗でしたよねぇ。私も感心しました。
あんまり懐かしかったから、私、高坂さんの成人式の3次会に乱入しちゃったぐらいです。
傑作でしたよ。
若手実業家やあの俳優K・Tさんに囲まれて楽しそうに笑ってた顔が、
私の名前をきいた瞬間に真っ青になってったんですもん。
でもさすがは高坂さん、呼び出したら全く動じずに堂々と着いて来ました。
性格は昔と少しも変わりませんねぇ。
……ただ、身体の方はどうかなって気になったんで、ちょっと拝見させてもらいますね』
女が身体をどけると、そこには新成人の挨拶で見た高坂が立っていた。
結い上げた髪も、蝶や華をあしらったリボンも、顔の造りのよさを際出させる化粧もそのままだ。
しかし振袖や下穿きは無残にも床に打ち捨てられ、足袋しか纏っていない。
青い果実だった高坂の裸は、8年を経て瑞々しい女性の身体になっていた。
乳房は到底一つの手では掴みきれないほどに実り、下腹はすっきりとくびれ、太腿から下は肉付きのいい曲線を描いている。
神々しくさえあった。
だがその身体は、すでに幾人もの少女らによって穢されている。
ガラの悪そうな連中だ。恐らく倫子の連れだろう。
「でかいおっぱいねぇ。やらかーい」
両の乳房は脇に立つ2人によって無遠慮に揉みしだかれ、
「へぇ、綺麗なピンクのまんまか。インテリとオマンコしまくってるかと思ったのによ」
足の間に座り込んだ相手に下劣な言葉を掛けられる。
それでも、高坂は微塵も動じていなかった。
「まだこんな馬鹿げた事してるの?中学受験で差がついて以来、懲りたかと思ったけど」
身体を散々に弄繰り回されながら、高坂は真っ直ぐに倫子を見据えていた。
相変わらず理知的でクールな、ガラスのような瞳だ。
3次会にいたのなら多少ならず酒が入っている筈なのに、曇りがない。
だが怯む遠藤倫子ではなかった。
『してるよ。あんたのような上流階級様がおっしゃる馬鹿げた事こそ、
私みたいな人間の愉しみなの。』
「つまらない人生。前向き、上向きに生きようとは思わないの?」
つまらない人生。その言葉で周囲の少女らに憤りの表情が浮かぶ。
しかしその表情は、その前方の人間を窺って消えうせた。
『“前向き”…?“上向き”……?』
遠藤倫子だ。さしもの高坂もその低い声に息を呑む。
『あんた昔っから、そういう事をさらっと言うよね。
8年生きても、まだ全然解ってないんだね、自分以外の事。
前に、上に!いつも他の人間が立ちはだかってるような奴の事をさっ!!』
高坂が目を見開いた。
「え……?あ、あなた……」
口に手を当てて驚愕の表情を浮かべる。
いつだったか、子猫を撫でていた時以来の表情の変わり方だ。
「ご、ごめんなさ…
『おーっと!やめなよそれ以上の暴言。それだけは聞きたくないよ』
高坂の謝罪の言葉を倫子が封じる。
『あんた言ったよね、前向き、上向きに生きろって。正論ね。
ただもしその時、前や上が塞がってたら、どうすればいい?
理屈は簡単。それをどければいいんだよ。一粒ずつ、一石ずつ。
ただ、あんたは特別なの。
何しろ、この私のプライドを始めて押し潰した岩だからね。
回りくどく、陰湿に、人生掛けて磨り潰させてもらうよ』
倫子は高坂を指して宣言する。
こんな狂った宣言を面と向かってやる奴、俺なら相手にしたくない。
だがそこは高坂佳織。
優しく聡明だが、それよりも何より気位の高い少女だ。
「言うわね、負け犬!正論ぶってるけど、そんなのただの逆恨みじゃない。
私は家柄に頼ったつもりなんてない、実力で結果を残してきたわ。
あなたは同じことができなかった、それだけでしょう!!」
面と向かって言い返す。
倫子の表情はカメラに映らないが、想像はついた。
彼女は空々しい拍手を送る。
『はぁ…結構結構。負け犬ですか、認めますよ“天才の高坂佳織”。
ただ私は負け犬でそりゃ惨めでしょうけど、憶えてます?
…あなた小学校の時、わたしの“イヌ”だったじゃないですか。
ビデオもいっぱいありましたよねぇ』
「……!」
ジョーカーを切った倫子に、高坂の顔がいよいよ強張った。
「……わ、私は………私は、あなたのイヌなんかじゃない!!」
胸を張った高坂に、倫子は余裕の笑みを浮かべる。
『あ、そうなんですか。じゃあ今から躾ける楽しみができましたね。
とりあえず、明日の破滅を避けたいなら従ってくださいね。
――“ちんちん”。』
高坂の目が見開かれる。
『ほら早く。あんたに対しては私、気が長くないの。
これで最後―――“ちんちん”。』
高坂は視線を落とし、肩を震わせると、仰向けに寝転がって倫子を睨みあげた。
倫子の笑い声が映像内に響く。
『ねぇ天才の高坂さん、解りやすく解説して。今どんな気分?
本当なら飲み会で各界の御曹司と懇意になって、春先に結婚まで出来たかもしれないのに、
今はおまんこ丸見えのマングリ返しでお腹一杯浣腸されてるのよ?』
倫子が囃し立てた。
高坂は本当にマングリ返しのまま、秘部を衆目にさらして浣腸されている。
道具はエネマシリンジだ。
シリンジの根元は水をなみなみと湛えたポリタンクに繋がっていた。
倫子がシリンジを握り込むたび、タンクの水に泡が立つ。
もうかなりの量が高坂の腸内に流れ込んでいた。1.5リットルはゆうに超えるだろう。
高坂の細い腹部は妊娠初期のように膨らみ、腰の括れがなくなっていた。
「お腹ゴロゴロなってるよ〜お嬢様〜」
野次が飛ぶように、その腹部からは時おり唸るような鳴動が漏れる。
しかし高坂の瞳はなおも凛とし、敵大将である倫子を見据えていた。
倫子の方は苦しみなどないため、余裕でシリンジを握る。
『溜まってるみたいだねぇ佳織ちゃん。飲み会でご馳走貪りすぎちゃった?
かおりっていうぐらいだからうんちもいい香りがするのかな?
…な、わけないよねぇ。くっさいうんちブリブリひり出してね。
表情から出す穴の動きから、全部撮ってあげるからね』
倫子が言うように、この撮影には幾台ものカメラが使われているようだった。
小学生の頃は一箇所だけだったが、今は四方八方から高坂の痴態が浮き彫りにされている。
まるで本物のAVだ。
表情を、乳房を、秘裂を、肛門を、舐めるように撮影される高坂は、どんな気分になることだろう。
「おら早く立てよぉ、ボテ腹嬢ちゃん」
「はは、足プルップルしてる!」
どれほどの量が入れられただろう。
高坂の腹は妊娠したように膨らみ、立ち上がることも困難な有様だった。
『うんこしたい?佳織ちゃん』
倫子に気付き、睨もうとするがすぐに臀部を押さえて顔をしかめる。
『もう漏れそうなんだ。いいよ、トイレに行かせてあげる。
…ただし演習問題がひとつ。
あの子のアナルを舐めて、絶頂を迎えさせられたらOKよ』
倫子は意地の悪い提案をしつつ、部屋の中で最も小汚いガン黒ギャルを指した。
ギャルはげらげら笑う。
「え〜やだ〜お尻なんか舐められるのぉ?」
舐めるほうに抵抗のある品のなさだ。
高坂も当然躊躇うが、唸りを上げる腹で選択の余地などなかった。
何しろ入った水が多すぎて、歩くだけでも内腿にせせらぎが漏れているのだから。
高坂は四つん這いで腰を突き上げたギャルの元へ倒れこむように辿りつき、
縋るようにその尻穴に鼻を近づけた。そして、うっと息を詰まらせる。
「えー何その反応。腹蹴り破るよ?」
「あんたじゃーしょうがないって。病気でも持ってんじゃないの」
ギャルに対しても罵声が浴びせられる。
どうやら仲間内でも不衛生と取られているようだ。
高坂は目を閉じて臭気に耐えたあと、震える舌をギャルの尻穴に近づけた。
嘗め回し、唾を垂らし、舌をねじいれ。様々に嬲りまわす。
「おーきもちい気持ちい。天国だわこれ」
ギャルはのほほんと感想を述べた。
高坂は必死だ。内股になり、便意を堪えながら必死に尻穴にしがみつく。
しかし無情にも、その太腿に張り手が飛んだ。倫子だ。
『ねぇ、内股とかやめてよ。画のインパクトがないでしょ、がに股にして。
それから、手は膝の上。舌だけで逝かせなさい。』
高坂は信じられないと言った風に目をむいて振り返った。
しかし倫子を一目見ると、観念したように股を大きく開き、手を膝に乗せる。
「ひゅー、いい格好だね!」
「ほんと、お嬢様がんなカッコで汚ギャルの尻嘗め回すとか、感動的で涙出るわ」
散々に囃し立てられながら、高坂はがに股で、手を膝に乗せて尻穴を嘗め回す。
カメラが高坂の顔を映した。
目を閉じて一心不乱だ。額から汗が噴出して美麗なメイクを落としていく。
結った髪と華やかなリボンが痛々しい。
カメラが遠景に戻る。高坂の豊かな乳房が振り乱されている。
乳房がアップになる。乳首が少し立っているのか、四角い。先端から汗が散っている。
次に脚が映る。細い脚はがに股を保ったまま、摺り足のように重心を変えていた。
内腿から汚液が溢れ、太腿の途中から零れ、あるいは膝裏を通って踵のほうまで垂れていく。
茶色い。
俺はショックを受けた。あの高坂佳織といえど、人間なのだ。それはそうだ。
それでも、現実にショックを受けた。あの高坂が。
並みの人間ならとっくに瓦解しているだろうが、彼女は強烈な自制心でそれを押さえ込んでいるらしかった。
しかし溢れるものは溢れる。
カメラは残酷にも高坂の肛門をアップで抜いた。
当たり前だが汚れていた。幾筋も茶色い汚液が溢れ出し、小指大に開いた尻穴から泡のようなものが吹き出ていた。
その泡が弾け、尻穴に黒い空洞ができたあと、ごぽっと茶色い汚液が垂れていく。
桜色をしてはいたが、それは紛れもない女神の排泄の孔だった。
カメラはもうやめろという俺の念など無視し、その尻穴をアップで撮り続ける。
だからその限界の様子もコマ送りで把握できた。
高坂の後ろ髪がフェラをするように前後した。激しく嘗め回しているのだろう。
イッて、お願いだからイッて!そんな悲痛な叫びが聞こえるようだった。
そこから3秒。
膝に乗せられた手が膝頭を強く鷲掴みにした。僅かな肉がへこんでいる。
抗っているのだ。狂おしい衝動をなんとか誤魔化そうと。
さらに8秒。
尻の穴が喘ぐように激しく開閉しはじめた。泡がいくつも生まれ、汚液が溢れ出る。
限界だ。
『バケツバケツ!早く!!』
倫子の叫びと共に、がに股の脚の間に青いポリバケツが突き出される。
崩壊はそれと同時だった。
桜色をした慎ましい尻穴が一気に開ききり、まず茶色い汚液が噴出した。
じょぼぼぼぼ、とバケツに嫌な音をさせたあと、さらに固形物の塊がいくつも溢れ出す。
水飛沫が強く3度、弱く1度響く。
高坂の腹筋が一息入れたかと思いきや、終わらない。再び汚水が溢れる。
じゃあああ、ぶすっ、じゃあ、じゃああ、ぶすぅっ。
溢れては途切れ溢れては途切れ、合間に放屁の音まで加わってそれは長く続いた。
明らかに20歳娘の腸に入れるのには不適正な量だったのだと思わされる。
バケツ淵の黒い線が上がっていくと共に、高坂の腹部は従来の細さを取り戻していく。
感動的なほどに明確な変化だ。
最後に放尿のように長い汚液の噴出が終わった後、ようやくにして排泄は終わった。
高坂は座り込む気力さえないのか、ギャルの腰に縋りついて喘いでいた。まるで出産を終えた妊婦だ。
その後ろでは、世にも残酷な品評会が行われていた。
「くっさ〜い!女の子が出していい匂いじゃないんですけど!!」
「いくらなんでも溜まりすぎでしょ。よっぽどご馳走がっついたのね、あのお嬢様」
「なんか酒臭いね。あ、飲み会帰りか」
少女達が口々に囃し立てるのを、高坂は瞼を震わせながら耳にしていた。
しかし、彼女がそのまま放心していることはできなかった。
『何休んでるの?はやく、もう一度。――ちんちん。』
倫子がエネマシリンジを手に仁王立ちしている。
高坂はもう終わっただろうと言いたげに目を見開いていた。
『ダメ。演習問題失敗。水はまだまだあるんだから、できるまでやるわよ』
そういうと高坂を蹴り飛ばし、むりやり仰臥させるとシリンジを突っ込んだ。
その後彼女は、本当に何度も同じ事を繰り返させられた。
腹が膨れ上がるまで注がれ、がに股で排泄し、6回目でとうとう立てなくなって横ざまに倒れこんだ。
涙と鼻水でぐずぐずになった顔に一人の少女が尻をすりつけ、
他の少女は暴れる高坂の脚を掴み、半開きになった尻穴に指をつっこんでむりやり水を吐き出させた。
もうすでに水しか溢れない下肢はぐったりと投げ出され、まるで強姦された後の様だった。
※
窓に映る景色もすっかり暗くなり、高坂をいたぶった少女達も一人また一人と映像から姿を消す。
場はお開きのムードに思えた。
しかし倫子だけはただ一人、縛り上げた高坂を前に黒い執念を燻らせ続けていた。
周りに人がいなくなった途端、その執念はさらに悪い方へ増幅したように思える。
高坂は脚をM字にするように広げたまま、その両の足首と手首を結び合わされた。
大股を開いたまま身動きのしようもないまま、高坂は倫子と見詰め合って苛まれ続けた。
倫子は最初、延々と高坂の尻肉を指でほじくっていた。
2本指を入れ、かき回し、開き、抜いて、入れた。
わざと空気を入れるようにしているらしく、高坂の肛門がぶすっと空気を放つたび笑った。
散々に指で弄繰り回した後、倫子はかなり球の直径のあるアナルパールを取り出した。
『憶えてる…?小学生の時…あんたに使ったわ。あの時は…お尻が小さくて入らなかった。
今はどうかしら』
倫子はどこか枯れた様な声で途切れ途切れに言う。
カメラが頭上で固定されている為に顔がわからないが、言いようもなく不気味だった。
太いアナルパールが肛門にねじり込まれる。
高坂は口を結んでそれを受け入れた。
『入るのね…すごい。さすがはあんたね……抜くと気持ちいいかな。やってみよう…』
倫子はぶつぶつと呟くように言ってパールを抜き出す。
完全に頭のいっている人間の挙動に思えた。
高坂も彼女を見つめながら、表現しがない不可解な表情をしていた。
パールは太さのある分強烈なのか、高坂はパールが連続して引き抜かれるたび腿を震わせる。
『ねぇ、どう。うんちしてる気持ち?うんちとどっちが気持ちいい?』
倫子は変わらず淡々と質問を繰り返す。
パールが易々と抜き差しできるようになると、最後に倫子はバイブレーターを取り出した。
映像で見ている俺でさえ目を疑う大きさだ。
しばらく目をとろんとさせていた高坂も、これには驚愕の顔を浮かべた。
『凄いでしょ…ネットで見かけた時からずっと、あんたにぶち込みたいって思ってた。
あんたのお尻に。私には絶対入らないだろうけど、あんたは大丈夫。私より上なんだから』
ぶつぶつと呟きながら、亀頭部分からすでにありえない太さをもつそれを無理矢理に高坂の尻穴へ押し込んでいく。
高坂は苦しそうだ。
どのぐらいの抵抗があるのか解らないが、映像では少しずつ、少しずつ飲み込まれていく。
ディルドウの7割ほどが飲み込まれると、もうそこからは力を入れても進まなくなった。
限界と思って高坂が大きく息を吐く。
しかし倫子はそんな高坂の身体を抱え起こすと、ディルドウの底を固定し、ずんと高坂の身体を下へ降ろした。
「あああっ!!!」
高坂が叫び、腰が跳ね上がる。乳房が揺れた。
『すごい…8分目まで入ってる。ここが高坂さんの奥の奥なのね。
……あ、そうだ。』
倫子はまたも呟くと、部屋の隅から見覚えのあるフックを取ってくる。
『懐かしいよね、これ。せっかくだし、これでおまんこの奥の奥も見よっか』
そう言ってベルトを引っ掛ける。
見慣れた光景、秘唇のぱっくりと開いた様が現れる。しかも今は、尻穴にも長大なバイブが刺さっているのだ。
高坂はどうする事もできずに羞恥に眉をしかめた。
縛られたまま直腸を異物に満たされ、さらに同性に性器奥を覗かれるのはどんな気分だろう。
『お尻のバイブがしっかりおまんこの底を盛り上げてるわ。面白い』
倫子はうっとりした様子で声を上げ、直腸のバイブを引き抜いた。
高坂が息をつくのと同時に、再びそれを叩き込む。高坂の手足が縮こまる。
『ふふ、よっぽど気持ちいいんだ。
…ねぇ高坂さん、私前から気になってることがあるの。
女の人って、おまんこ開かれたままお尻を嬲られ続けると、どうなっちゃうのかな?
……教えてよ、天才の高坂さん。』
じゅくっじゅくっと尻穴から音をさせつつ、終わりのない抽迭が始まった。
そこからは異常だった。
まったく同じ光景が繰り返される。
たまに休息をとるものの、それ以外は高坂と倫子が互いを見つめたまま、尻穴への陵辱が延々と加えられる。
俺はそのそら恐ろしい光景をただ見ていることに耐えられず、ビデオを早送りにする。
かなり飛ばしても、まだ同じ光景が続いていた。
細部は違っている。目を見開いて倫子を睨んでいた高坂の目は細まり、目尻から涙が流れていた。
開ききった彼女の秘部からは門渡りのほうに蜜が漏れていた。
それが飛ばしていた長時間の中、高坂に起こった変化。
さらに飛ばす。
変わらない。床に滴る愛液や汗の量は違うが、大差はない。
膣の中はとっくにとろとろだし、アングルも一切かわっていない。
乳首がすこし尖りを増しているかもしれない。
試しにしばらく見る。
ぐちゃっぐちゃっぐちゃっぐちゃっぐちゃ…ぶりぃっ。
腸液だろうか、粘りの強い抽迭の音が延々と続く。
呆れるほど続いたなかで、1度だけ深く入れられた高坂の腸奥から下痢便のような音が漏れた。
この上なく恥ずかしい生理現象だ。
しかし、もうそれに高坂も倫子も反応しない。互いを凝視しながら、また淡々と抜き差しを繰り返す。
まるで達人の斬り合いだ。
俺はさらに末恐ろしくなり、早送りの画面でそれを見守る。
どれぐらい飛ばしただろうか。早送りの画面でも明らかなほどに高坂が暴れるシーンがあった。
少し巻き戻してみる。
「もぉやめてえええええっ!!!!
おねがいもおやめてよおおおおおおおおおっ!!!!!!」
音割れするような絶叫がいきなり耳に飛び込んできた。高坂だ。
斬り合いを演じていた一方が、とうとうその横腹を斬り裂かれた瞬間だ。
最もそれは出来レースだった。片方は始めから手足がなかった。当然の結果だ。
高坂がどれほど耐えていたのかは状況が物語る。
明るいと思ったら、映像の中ではすでに朝日が昇り始めていた。初めは真っ暗闇だったはずだ。
高坂の顔の横には吐瀉物がぶちまけられていた。
突かれすぎて吐いてしまったのだろう。大きさからして3回は吐いたはずだ。
吐瀉物は唇から顎、喉、そして美しい左乳房にまでかかってしまっていた。
それら全てを耐えた高坂が、今敗北の絶叫をしたのだ。
しかし、倫子は応えない。鯉のように暴れる高坂を押さえつけ、尚も秘部と尻穴を弄繰り回す。
高坂はなお絶叫している。
俺は怖くなり、さらに飛ばした。
飛ばして、停止し、しかし思い直してさらに飛ばす。
すると大きな動きもないまま映像は急に途切れた。ビデオカメラの電池がなくなったのか。
ほっとして巻き戻し、あの絶叫のあたりから巻き戻す。
あれがピークだった。
そこからは高坂も落ち着きを取り戻し、静かに喘ぐばかりだった。
やはり電池切れらしく、映像は何も盛り上がらない所でふっと暗転する。
何だ、終わりか。
俺がほっとした直後、画面に一瞬だけ何かが見えた。赤?
しかし確認するまでもなくビデオは完全に終わってしまう。
俺はどうしても気になり、そこを巻き戻した。暗転した3秒後、文字が見える。
赤い文字。
『 かのじょを
たすけなかったのは
おまえだ 』
最後のシーン、それはその赤文字の裏に、透けたような写真が一枚撮影されているものだった。
写真は明らかに日本ではないスラムの中、乳首とクリトリスにピアスを嵌めた、高坂だった。
SUGOI!!
倫子こわすぐるっ…gkbr
描写も凄いが最後ので鳥肌立った。GJ!
>>492 GJ!
オチに戦慄した・・・
ひょっとしてタイトルのマケイヌって遠藤でも高坂でもなく…
神キタコレ!
もうね、金取っていいレベル。つか取るべきむしろ払いたい。
久々に商業をも超える神作品読んだわ、マジGJ!
もうGJなんてありきたりの賛辞じゃ足りない、GODJOB!
これだから2chは止められない。
519 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 20:18:37 ID:/CkjvEPn
やべぇ
グロすぎたんだが良かったとも思えた
なんとも言えん
一番怖いのは、一週間前まで事件と無関係だったはずの主人公にまでビデオが配られてる件だよな。
誰が配ったの?っていう。
祐二が主人公を売ったのかもしれないし、成人式での会話を聞かれて倫子にマークされたのかもしれん。
どっちにしても主人公終わったな
ふらふらさまよってたら神作品見つけてしまった。
>>492 ゴッドジョブ!
いかに自分が未熟だったか痛感した。
522 :
INHUMAN:2010/03/28(日) 15:06:00 ID:mjmq1lnW
ちょっと、あんたたち!!
こんなスレッドを立てて非人間的だと思わないの!?
削除依頼を出して消してもらうかどうか分からないけど、
一応の覚悟はしてなさいよね!!
さあ、潰れるざます!
逝くでがんす!
フンガ〜!!
まともに潰れなさいよ〜!!
ほしゅー
524 :
名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 20:43:53 ID:uie+YhcB
レズいじめって女子運動部の定番だよね。
俺の聞いた話だと、体操部の子が先輩に「バランスの練習」とか言って、
爪先立ちしたままオナニーさせられたとか。
イクまで許されなくて、足首外に向けたり内に向けたり、
上体を前傾後傾にしたり頑張るんだけど皆無理で、足腰が弱いってマラソンさせられたり。
水泳部もいじめが多くて、有名なのは貫通式なんてのがあるし、
上級生は皆裸で着替えてて、あそこ隠しながら着替える新入生なんかは何恥ずかしがってるのよ〜とか言って
あそこ弄くられまくってイカされたり、
表彰式に競泳水着で全校生徒の前に立たされて、バストラインとか尻の膨らみとか見られたりするのも凄い嫌だったとか。
聞きかじりだけど何か妄想の足しになれば。
>>524 むしろネタ元が気になるwwwおにゃのこから聞いたのか?www
526 :
名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 21:12:06 ID:uie+YhcB
>>525 大学で同サークルの子から聞いた話。
ただし水泳部のは、その子がさらに友達から聞いたって又聞きの話w
水泳部と言えば、コピペだが
56 名前: 名無し調教中。 投稿日: 02/07/31 17:01
厨房の時にみんなでマッパにされて両足全開に持って
身動きとれなくしてマソコをクラス全員に晒された♀が居たな・・・
しかも運良く(?)生理らしくタソポソの紐が性器からでてた。
♀の生マソコを初めて見たから今でも鮮明に覚えてるな。
63 名前: 56 投稿日: 02/08/01 11:56
同じく厨房時代に水泳部で乳のでかい真面目な♀が居て、
やんちゃな♀グループが喫煙を先公にちくられた腹いせに部活の最中にプールに沈め、
気絶してからマッパに剥かれて折れ達野球部に乳とマソコを見せてくれた事もあった。
バットのグリップエンドをマソコに突っ込んでやろうとは当時は思わず。
>>527 エロいなw
水泳部って何故か伝統的いじめみたいなのがあるみたいだね。
他板でイジメスレ見てたときも俺の聞いた
>>524とか、
>>527みたいな系列の話がよく出てたし。
やっぱ女同士とはいえボディラインがはっきり出る水着着てるとムラムラするんだろうねw
まぁ本当にあった話なのか男が妄想したエロ話なのか判別はつかんがな
どっちにしても夢があればそれで構わんと思うが
体育会系女子の上下関係はえげつないからな
レズいじめなんてまだまだ優しい行為だw
先輩命令は絶対服従!
お前も体育会所属ならば根性を見せろ!!
ってことだなw
このスレの為にあるような設定じゃないか
そういやマンガとかでありがちな口うるさい委員長設定の女の子って絶対イジメられるよな、空気読めないし
>>520 もしかしてこのビデオ、主人公に見せるためだったのかも
救える(救えた)のは主人公だけ、なんて
ほしゅ
535 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 12:56:06 ID:WgupY534
ほしゅ
女学院はまだー?
全力で保守
538 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 16:21:10 ID:ilwVYLNz
ほし
このスレまだあったんだ、何か懐かしいな。
女子高のいじめって酷いらしいよ
お嬢様学校とかも例外じゃないんだって
くわしく
お嬢様学校行ってたレズなわたくしが通りますよっと
自分の周りじゃそんな話とんと聞かなかったわ、残念だけど
まあ校風もあるのかなあ…
きっと
>>543さんの周りで寵愛を受けるための醜い争いが続いてたに違いない。
もちろん543さんの気づかないところで。
是が非でもお話をお聞きしたく存じますな
スク水が実は拘束具ってマジ?
>>543 レズ誘惑してあんなことやこんなこと、エロエロな体験談を話して脱線しても許す!!
でもお嬢様学校のいじめって暴力的な奴ではなく軽い悪戯や無視とか
じゃないかな
「マケイヌ」みたいな陰湿なイジメやってそう
550 :
名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 10:46:41 ID:bxWPw+yp
女子バスケ部は凄いぞw
「ひぎいいいいいいい!!」
「アハハこいつマンコにボール突っ込まれてヨガってるよww」
ま、待って、そんなの入らない
オラ、空気抜けよ
ボールの空気を抜いて畳んで挿入して
膣内や直腸内で空気を入れて膨らます
病院が来い
女医がアップを始めたようです
病院内でいじめ…ナース同士なのか…
女医とナースって立場的なヒエラルキーはあるんだろうか?
あったとしたら階級的な上下関係より数で勝るナースの方が強い気がするんだが
女医と考えずに医師と看護士と考えれば
力関係は一目瞭然だと思う
つまり、日頃の鬱憤を晴らすため
ナースが数の暴力で女医に仕返しをするわけですね!
夜勤明けで起きたら縛られてたり
「おしっこがしたい。したくてたまらない。」
かぼそい女の声であった。けれども病室の出窓に頬杖をついて広場を見下ろしていた竹志の耳には、はっきりときこえた。
「したくてたまらないの。させて。お願いだから。」
竹志は、びっくりして振り向いた。知らぬ間に、誰か女の人が部屋に入っていたのかと思ったのである。
(中略)付添いは竹志ひとりで、他には誰もいない。
念のために、両方のベッドの下まで覗いてみたが、小便をこらえる女の人など、何処にもいなかった。
すると、今の声はどこから聞こえてきたのか。
竹志は、病室の中を見廻して、天井に取り付けてあるスピーカーに目を留めた。
ベッドの枕元の呼鈴を押すと、すぐにそこから「どうしました?」という看護婦の心強い声が降ってくる。
すると看護婦の声だったのか。呼び鈴は誰も押さなかったが、なにかの拍子に詰所の方のスイッチが入って、
看護婦の声がひとりでに洩れてきたのだろうか。
それにしても、詰所の看護婦が、どうしてお願いしなければ小便をさせてもらえないのだろう。
したければ勝手にすればいいのに。すぐそばに便所があるのだから。
(病院って、妙なところだ)
そう思いながら窓辺を離れようとすると、
「おしっこがしたい。したくてたまらない。」
>>560 これはある小説の一部なのだが、ふとナース同士のいじめを想像してしまった。(実際は違った)
幽霊っぽい印象の文だな
ホントは隣の病室の患者だった
保守
568 :
名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 01:05:55 ID:qqHimnaR
保守
岐阜のニュース見てこのスレ思い出した保守
神たあああああああああああち!
どうした少年
572 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 07:00:35 ID:syp4Kc4u
ほす
文月ちゃんまだかなー
ほしゅ。
ほsy
コンドームを相手の膣に入れた後、水風船に水入れるように灯油ポンプで水を入れていく女の子っていう夢を見た。
これは…。
俺だったら
コンドームを相手の膣に入れた後、水風船に水入れるように灯油ポンプで絞りたての大量の精子を入れていく女の子
と妄想してしまう
灯油ポンプで入れられるほどの絞りたて精子…。
生で入れりゃいいじゃんか
コンドーさんに詰められて、膣の中に入れてるってシチュがいいね…。
破れたら(まず破れないだろうけど)絶対妊娠しちゃうとか思うんだけど
それでも抜くことを許されない苛められっ子のジレンマ。
意識は普段以上に入れられているモノに向けられてしまう。
女子だけでコンドーさんに入れるなら、コーラとかタバスコとかもいいなぁ〜
タバスコは流石にトイレバケツとかの中で少し薄めないとキツいだろうけど。
辛いもの繋がりでカラシとかワサビを栗に塗りたくるのもいいかも。
581 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 19:38:31 ID:fBS7IeH5
アゲアゲ
塗りたくられるなら、虫刺され薬のスーっとする系もよさそう
>>582 ちょっと結果が想像出来ないな、どうなるんだw
個人的にローターやバイブを入れたまま貞操帯履かされてそのまま授業みたいなネタが
>>582 粘膜だとそれでもシャレにならん。下手したら病院行きのさわぎに
もちろんタバスコ・からし・ワサビなんかはもってのほか。シャレにならない
>>582 自分のちんこやアナルで試してみるといいんだぜ!
587 :
582:2010/08/15(日) 13:49:29 ID:e6CMb5/x
ちょ、待、何、俺だけ、そん、責、られるん?
可愛いからよ(はぁと
589 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 02:30:04 ID:SaaD+/zY
あげ
女学院復讐SSの続きを……。
月小路好きだー
乳絞りってエロいよな。
子供生んでしばらくした若妻の古い乳を絞り取って、新鮮な乳が出るようにして貰うやつ。
もしその施術者の女医が、若妻の美貌とか恵まれた環境に嫉妬したらとか考えてしまう。
性感を高めたほうがお乳の出がいいんですよー、とか言って脚を開かせてあそこを弄くるの。
患者の若妻は皆いいとこのお嬢様とかだからよく解んなくて、ただされるがままになる。
(頭の切れそうな若妻は面談の段階で辞退するように仕向けてある)
で、もっと脚を開いてくださーい、とか言われながらぐっちょぐっちょあそこを指マンされるの。
出産後で産道が敏感になってて、おまけに暫く前から旦那とのセックスもお預け、
おまけに女医の指遣いが滅茶苦茶上手いもんだからGスポも膨れ上がっちゃって気持ち良いんだけど、
女医はあくまで性感を高める為なんでー、とかいって絶対にイカさない。
で結局、根負けした若妻が顔真っ赤にしながらお願いします、一度で良いからいかせてください、って哀願して、
溜息をつく女医の手で、ベッドに潮を噴き上げながらイカされる。
その後はようやく乳絞りになるんだけど、乳輪が大きくて乳首も肥大した出産後のオッパイを散々に弄くられてる内にまたエッチな気分になっちゃう。
で、ある程度若妻が昂ぶった辺りで女医が一旦席を離れてカーテンを閉める。
生殺しになった人妻はまず十中八九、このカーテンに仕切られた空間でオナニーしてしまう。
大抵指だけど、中にはブランド物のバッグから化粧品の瓶を取り出して浅ましくぎゅぽぎゅぽやりだすお嬢様もいる始末。
で、その後戻ってきた女医がいやらしーく乳を絞り終えて施術終了。
何だけど、実はこの施術室の内容は全部隠しカメラに取られてる。
お嬢様若妻が服を脱ぐところから、手マンで喘いでいかせてくださいってお願いするところ、
乳絞りでびゅっびゅミルクを噴き出して気持ち良さそうに唇を噛むところと、
一人残された仕切りカーテンの中で涎垂らしながら狂ったように自慰にふける姿まで、ぜーんぶ。
このビデオはヤクザに売られて、遠く離れた場所、東京なら関西辺りのビデオショップに無修正で並ぶことになるんだとか。
っていう妄想をしてしまった
いい妄想だ…他にはないかね?
保守
レズいじめってSMだけじゃなくて日常生活での上下関係の徹底も大切だと思うから、
そういう描写のあるのが読みたい。
まず自分が書くんだ
いやです。
女学院復讐を待ってる人ってどのくらいいる?
待っててもこういう場で一々宣言しないって人が大半だろうから、そういう統計に意味はない。
…と思いつつも、作者さんのモチベうPに繋がることを祈って挙手しておこう
ノ
マケイヌの作者さんもブログで続きを気にしてたな
毎度のことながら、マッタリ待とうぜ
仮に手を上げる人が集まっても、逆に変なプレッシャーになっちゃうだろうし
俺は常に全ての神達を待っているよ
睡眠薬盛られて膣内にボール状のもの入れられるとか怖いわねぇ
こういっちゃ何だが、被害者の方に重度のメンヘラ臭がするな。
被害に逢ったのが事実でも、自分が可哀想って言ってもらえるようにかなり事実を曲げて証言してるんじゃないかな。
過去にメンヘラいじめられっ子のブログとかをいくつか見たが、どうもそれと同種に見える。
あと、人格障害臭も凄いねー。
無意識のうちにフェロモン出しちゃう魅力的なアテクシは
みんなに嫉妬されて可哀想な目に遭っちゃうのアピール。
バイトできる年齢になっても彼氏一人出来ない分際でフェロモンてw
モテない電波ブスが空気読まずに他人の男に粘着して嫌われてるだけじゃないの。
被害報告も作り話臭い。嫉妬されて性的いじめってストーリーに
モテない女のコンプレックス臭がする。
>602
こわっ
>>604-605 これはこれでこわっ
あるいみスレの鑑(かがみ)っすね
母親なしで育ったのがでかいんじゃないかね
色目というより男女の境界線がよくわからなくて近づきすぎるというか
>>604-605 本気で怖いからやめれw
でも男を巡っての電波女の嫉妬、ってのはネタとしては面白いよね。
某S県月宮みたいに(笑えないけど)。
ある男がオフ会で会った女に粘着される訳ですよ。
でなぁなぁで適当にあしらってる内に女がエスカレートして、
ある日その女から「○くんにプレゼント〜!きっと喜ぶよ、早く見て♪」
とかいう映像の添付されたメールが来て、
再生してみると男の彼女が拉致監禁されて辱められてる映像なの。
高校で部長してたしっかり目の子で、最近じゃ電波女の相談に乗ってくれて、
何かあったらすぐ警察に行って説明したげるって息巻いてた。
ただ今週に入ってぱったり会わなくなった。
その彼女が真っ裸で後ろ手に縛られてるの。
長い髪は脂でギトギトのまま癖がついてて、首には首輪まで付けられてる。
両乳首にはピアス、それと体中に縄やら鞭やら火傷やら殴打の痕。
で膝の裏に竿竹を通されて股を閉じられない格好のまま、
アソコをありえないような大きさのバイブでぬっちゃぬっちゃ犯されてたり。
で尻の下は大洪水になっててかなり長いこと嬲られてるのは明らかなんだけど、
彼女の顔は気持ち良さそうどころか、何かに脅えきってるのね。
でその彼女のアソコにバイブを叩き込みながら、電波女が笑ってるの。
「ねぇほらぐちゃぐちゃになってるよぉ?子宮口にもスポスポ入るようになっちゃったし、
マン汁ばっかり出てきてくっさいわ、いやらしい女ねぇ。
まぁでもずっと○くんのストーカーしてたような女だから仕方ないのかなあ。
同じ恋する女として可哀想だから、○くんより立派そうなシリコンチンポで犯してあげてるのに、
全然満足しないのね。ああもう、手首がどろどろ〜、きもいよお〜〜。
でも最初は驚いたよ、私は○君の彼女!とか恥ずかしげもなく言うんだもん。
今はもうそんな事言わないよね?ちゃんと現実わかってきたもんね?
さぁ、言って。私は○くんとは何の関係のない人間です、って。さぁ」
電波女がそういうけど、彼女は一かけらの勇気を振り絞って首を振るのね。
いやだ、○と関係なくなんてない、会いたいよ…とか、ちょっと頭の心配な様子で繰り返すんだ。
で、それ聞いた電波女が鬼のような顔になって、彼女の髪を引っ掴みながら風呂場に引きずり込むの。
ちょうどヒステリックな母親が幼児を虐待するみたいに。
で、場面が飛んで風呂場になって、彼女はスケベ椅子の上に腰掛ける形で縛られてんの。
スケベ椅子の下には洗面器があって、すでに茶色い汚物が薄く広がってる。
横の方には湯の流れ出すシャワーヘッドのホースがあって、まぁそれで浣腸されたんだなってわかる。
で彼女の腹が明らかに膨らんでんのね。
彼女は子供みたいに泣きながら、いやだいやだって叫んでる。
でも我慢しきれずに洗面器にぶりぶり音を立てながら排便しちゃう。
それこそ洗面器から溢れるような勢いでね。
で電波女が、映像自体を撮影するカメラとは別のカメラでそれを撮影して、しかもノーパソに繋げてるの。
「ほぉらあんたの脱糞シーンが配信されてるよ……ああ凄い、閲覧者280人!過去最高だよ」
とか言いながら。
彼女は狂ったようにいや、いやって言い続けてる。
で、最後に○くんって叫びながら盛大に腹の中の物をぶちまけて映像が途切れるの。
「ねぇ○くん、凄いでしょ?○くんにいつもベッタリひっついてたあの厄介な女を調教したのよ。
随分抵抗したんだけど、今朝ようやく理解してくれて、もう二度と○くんに会うことのないような
遠い遠い所に行ってくれたわ。もう何の心配もいらないよ、○くん♪」
メールの最下段にそうあって、同時に電波女からの着信。
男はその着信を無視して、震える手で110番にかけるの。
メールにあった遠い遠い所ってのが、あの世じゃない事を祈りながら……
みたいな感じで。
そういや映画『黒い家』では、同じく狂った女に彼女が監禁されて、
バイブやゴミ袋の転がった木造屋敷で、歯を全部折られ、テープでグルグル巻きにされて
風呂桶に突っ込まれてましたね。
何と妄想の広がることか。
電波女もいいものだな
613 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:41:10 ID:iymIM73e
黄色い光の照らす浴室の中、一人の女がタイルに這うようにしている。
若い女性だ。
大和撫子、という言葉の似合う、白い肌に艶やかな黒髪の女性。
彼女は這いながら苦しげにしていた。
原因は、彼女の後ろに座す老いた女だ。
女は執拗に若い女の股座に指を差し入れていた。
よく見れば、その指は秘裂ではなく、排泄の穴にくじり入れられている事が解る。
女性は尻の穴に指を抜き差しされ続けているのだ。
「うっ!……くンん、うんッ……!!!」
女性は明らかにそれを嫌がっている。
しかしながら、彼女がはっきりと拒絶することはできない。
責め手の女は、彼女の姑なのだ。
彼女は結婚を前にこの家に花嫁修業に来ている嫁なのだ。
ゆえに、何をされても抗う事は出来ない。
女性は本当に夫となる男を愛しており、結ばれたいからだ。
女性……葉月には親が居ない。
高校に入ってすぐに親をなくし、以来、喫茶店のアルバイトで食い扶持を稼いでいた。
喫茶店は後に夫となる男が通う大学のすぐ傍にあった。
毎日コーヒーを飲みに来る育ちの良い男と、純朴なウェイトレス。
その恋物語は美しいものだった。
しかし、男が葉月と結婚すると申し出た時、当然男の親は反対だった。
特に母親はヒステリックになって拒絶した。
父親も内心では反対だったが、一応息子の意を汲んで一つの条件を出す。
『1年の間外国に留学し、帰国してなお結婚の意志が変わらないならば認める』
と。
父親は若い頃の恋は火照りのようなものだと考えていた。
しばらく距離を置き、冷静になれば気持ちも変わるかもしれない。
もしも一年もの間会わず、それでも決心が変わらないのであれば、
その時は認めてやろう。
父親は母親をそう説得し、同時に葉月が外国へ追っていかぬよう、
花嫁修業と称して葉月を屋敷に軟禁する事を提案したのだ。
葉月の苦難の日々は、そうして始まった。
614 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:41:45 ID:iymIM73e
四つん這いになった葉月の尻穴に、ぬとっぬとっと姑の指が抜き差しされる。
そうして散々に辱めた後、姑は指を引き抜いた。
粘ついた液が蕾と指の間で糸を垂らす。
姑は指先を大仰に嗅ぎ、わざとらしく顔を歪ませる。
「おおお、臭いくさい。どうやったら女がこんな匂いを出せるの?
身体の中がこんな匂いのする女を、あの子にやらなきゃならないなんて!」
姑の言葉に、葉月は目を閉じて震える。
「ごめんなさい、お義母さん……」
そのお義母さんという言葉に、姑の眉間の皺が深くなる。
「全く、今日もこれが必要みたいだね」
姑はそう言ってシャワーのヘッドを外し、ホースを剥き出しにした。
その行為に葉月の顔色が変わる。
「いや、お、お義母さん!そうはもう、本当にいやなの……っ!!」
葉月は首を振って拒否するが、そんな願いが聞き入れられる筈もない。
姑は葉月を浴槽の縁へ覆い被さるようにさせ、その尻穴に無理矢理ホースを捻じ込んだ。
葉月の目がきゅっと閉じられる。
姑は強く蛇口を捻った。
「ん!」
キュー……という水が水道管を流れる音の後、葉月の腰が跳ね上がる。
相当な勢いで冷たい水が流れ込んできたのだ、当然の反応だ。
姑はホースの先を押さえたまま葉月の様子を窺う。
葉月は浴槽の淵を掴み、目を固く閉じて耐えていた。
細い括れがみるみる平坦になっていく。
やがて葉月の太腿がぶるぶると震え始めた。
「も、もうだめっ!!!!」
「まだよ、まだまだ入るでしょう」
葉月の必死の叫びにも、姑の表情は変わらない。
615 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:42:10 ID:iymIM73e
さらに水が葉月の腸内に入り込み、腹が妊婦のように膨れ上がる。
歯を食いしばる葉月の顔はいよいよ苦しげになり、腕まで震えはじめる。
痙攣する太腿が浴槽をゴンゴンと叩いた。
「いたい、いたい!!もう本当に無理ぃっ!!!!!」
やがて尻の穴からホースをよけて水飛沫が噴き上がる段になると、ようやく姑がホースを抜いた。
たちまち超過分の水が尻穴から噴き出て行く。
「我慢なさい、お前のトイレはここよ。間違えたら承知しないからね!!」
姑は洗面器を葉月の足元に置いて告げた。
洗面器には「ハヅキ」の名前が書かれており、家族用の物とは分けられている事が窺える。
葉月は堪らない様子で洗面器に屈みこみ、排泄を始めた。
ぶじゃああああっ、という音がする。
それは初めこそ泡を立てる透明な水だったが、すぐに茶色い色がつき始める。
それどころか黒い固形物までもが浮いているではないか。
「おお、汚い。見たくもないわ!」
自分がそう仕向けたにも関わらず、姑は葉月の排泄を見下すように嘲った。
洗面器一杯に体温でぬるま湯となった汚液を噴出すと、葉月はそれを隣にあるトイレに運ばされる。
浴室を出て、トイレの引き戸を指先で開けて。
今にも洗面器から自らの汚液が零れ落ちそうな焦り、他の家人に見られるかもという恐怖。
その板ばさみで慎重に焦る、という矛盾した動きで洗面器を運び、トイレに流す。
風呂場へ戻れば、なおも姑がホースを握って待ち構えている。
さぁ、お尻を出しなさい」
姑は低い声で命じた。葉月が躊躇っていると、今度は厳しい声で叱る。
「あなたのお腹の中を綺麗にしてあげてるんでしょう!?何よその態度は、ええっ!?」
葉月は脅える。
ヒステリックじみた気迫もそうだが、義理の母の機嫌を損ねる事が何より恐ろしい。
葉月は先程と同じように浴槽に覆い被さり、片手で自ら尻穴を開く。
「お、お願いします……!!」
その惨めたらしい姿に姑は満足げに笑い、慎ましい蕾へホースの先を押し込んだ。
616 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:42:39 ID:iymIM73e
ぶりいいぃぃぃっ!!!!
浴室に壮絶な音が響き渡る。5度目、葉月が洗面器一杯の排泄を行ったのだ。
すでに固形便はなく、何もかもが水に溶けた下痢便となっている。
匂いもそれはそれはきついものだ。
「ほら、呆けてないでさっさと捨てに行きなさいな。臭いんだから!!」
姑に急かされ、葉月は半泣きになりながらそれをトイレに流す。
「お……お願い、しま、す……!」
ホースを構える姑に、葉月は6度目の浣腸を涙ながらに乞う。
依然ならせいぜい2,3回で終わったこの責めが、今日はひどく執拗だ。
水を入れられる前から葉月の腸内は激しく鳴り、しくしくと痛む。
だが姑はそんな様子を知りながら、なおホースを葉月の後孔に突き立てた。
「くう、うんん……!!」
葉月は唇を噛み締めて痛みと冷たさに耐えた。
ただでさえ大量浣腸とは身体にいいものではない。
それを立て続けに6度、いくらなんでもやりすぎだ。
「おええっ……!!」
葉月は吐き気を覚えた。腹の底が水で腐ってしまうようだ。
体中が痙攣し、冷や汗に塗れる。
「何なの、しゃんとしなさい!」
浴槽に縋りつくように腰を崩す葉月を、姑が叱りつける。
その直後、ホースの刺さったままの葉月の尻穴から破裂音が響いた。
「あ、でっ、でるっ……!!」
ホースを伝うように流れるのは、茶色い下痢便。
余りに執拗な浣腸に、とうとう堪えきれなくなったのだろう。
姑が目を剥いた。
「……は、葉月さんっ!!!」
姑はいきり立ち、浴槽にもたれかかる葉月の頭を掴んで湯船に沈めた。
「があっ!!がぼがぼっ、がばっ!!!ごっ、ごべんばばい、ごべん……あぶ、ぶごぼっ……!!」
葉月は水責めの苦しさに喘ぎながら、何度も何度も姑に謝り続けた。
何度も、何度も。
617 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:43:22 ID:iymIM73e
姑との恥辱の入浴が終わると、葉月は髪を乾かしに離れの自室に向かう。
外国へ行った男の部屋だ。
「うっ、ううっ……!!」
恥辱の記憶が甦り、葉月は髪を乾かしながら涙する。
髪を撫でる暖かさに、遠い日の男の温もりが重なった。
枕に残る彼の匂いを嗅ぐと涙が止まらない。
記憶の中で、彼はいつだって優しく微笑みかけてくれる。
心から愛した人。一緒に居たいと思える人。
彼に愛される為にこの命があったのだ、と信じられる存在。
あと9ヶ月、270日余りであえる。
そんな希望は、心の支えにはなり得ない。
最近は夜眠るたび、同じ夢を見る。
帰国した彼が、外国人の女性と幸せそうに現れる夢。
あっちにも、大事にしてやりたい子が居てさ。
彼はそう言って葉月を家から追い出すのだ。
手紙もメールも禁じられた葉月はただ、それが正夢でない事を祈るしかない。
いつまで正気が保てるだろう。
姑からの陵辱は日を追って酷くなっている。このままでは腸が壊れてしまう。
それに……
トントン、と部屋の戸がノックされる。
葉月はそれに表情を強張らせた。
部屋の戸が音を立てて開き、女子高生らしい少女が姿を現す。
「おねーぇちゃん。あっそっびっましょ♪」
彼女はそう言って扉を閉めた。
その手には、様々な道具の入ったビニール袋が提げられている。
彼女は夫となる男の妹。
葉月と同じく離れに部屋がある少女だ。
新妻が性的にいびられていることを目敏く察したらしく、
こうして夜になるたび意地悪く嬲りに来る。
「渚ちゃん、もう、やめよう?」
葉月は今でも一応、そう問うてみる。
子供ゆえの純真さに賭けてだ。
しかし根っからのいじめっ子気質である少女は、
「いーやっ♪」
満面の笑みでそう答える。
618 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:44:04 ID:iymIM73e
「おーすっごい、ビンビンになってる。こんなになるんだね、女って。」
少女は葉月の陰核に強力なマッサージ器を当てながら呟いた。
ブゥゥーンとただ事ではない低い音を発するそのマッサージ器の先端では、
なるほど真っ赤になった陰核が小指の先程に勃ち上がっている。
時折りびくん、びくんっと震えているのも見て取れる。
陰毛がすべて反り上げられているので丸見えだ。
その下の秘裂には、少女が学校からくすねてきたビーカーの口が刺さっている。
ビーカーの中にはすでに割れ目の奥からあふれ出す愛液が溜まっている。
それがある目盛りを超えるまで、この陰核への嬲りは続くのだ。
「んんああああああ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」
葉月は絶叫していた。
手足をベッドの四隅に括り付けられ、逃げられない。
そのままベッドを軋ませ、腰を跳ね上げて暴れ回る。
振動ではち切れんばかりに勃起し、愛液で幾層にもぬめった陰核にマッサージ器を当てられ続けるのだ。
何十回のクリトリス絶頂を迎えているのか、もう葉月にだってわからない。
腰が跳ねまくる。
脚が意思とは全く無関係にびんっ、びんっと硬く筋張る。
陰核もマッサージ器の圧力に負けじといきり勃ってしまう。恐らくそれ一回が一度の絶頂だ。
絶頂。絶頂。絶頂。絶頂絶頂、絶頂絶頂絶頂。
葉月の頭には白い火花が乱れ散っていた。
目は見開いたまま涙を零し、口からは犬のような息遣いと叫び、そして首筋を覆いつくすほどの涎。
花園の奥からもどぷどぷと蜜が溢れているのが見なくともわかる。
それはビーカーに溜まり、或いはガラスのそれを伝ってシーツをおねしょの後のように濡らしているだろう。
実際、愛液に混じっておしっこも相当出ているはずだ。
今どのぐらい溜まっているのだろうか。
そんな事を少女に聞くまともさはもう葉月にはなく、ただ叫びながら身体を跳ねさせるだけだ。
「すごぉい、まるでケダモノみたい。あーんなに純朴そうなひとだったのに。
ほぅら、こうするとまたビクビクする♪」
少女は楽しそうに葉月の秘部を弄ぶ。
619 :
若嫁無惨:2010/10/05(火) 02:44:37 ID:iymIM73e
膣に差し込まれたビーカーが白く濁った本気汁で重くなると、いよいよ少女も新たな責めに移る。
マッサージ器を止め、代わりにそのマッサージ器本体と同じぐらい長大なバイブを取り出した。
葉月の虚ろな目が揺らぐ。
「見えてる〜?前から言ってたの、ついに今日届いたのよ。
おねえちゃんが昨日までもうやめてよって泣いてたアレより、さらに2センチもぶっといの♪」
少女が楽しそうにビーカーを引き抜き、その本気汁をたっぷりとバイブに降りかけて笑う。
そして濡れそぼったアワビのような葉月の大切なところへ、思い切り挿しこんだ。
「んあッ!?」
潤みきった膣奥へ叩き込まれる、硬い亀頭の感覚。
葉月はそれだけで達してしまう。
「あははっ、突いただけでイっちゃったんだ。ポルチオがすっかり開発されてるみたい。
いいよぉ、その調子でエロエロになったらぁ。兄貴も喜ぶって。一緒にガンバローね♪」
少女があっけらかんと笑い、極太のバイブを抜き差ししながら電源を入れ始める。
葉月の産道の中、長大な質量が激しく振動を始める。
「いやっ、いやああああっ!!いまっ、今はダメなの!!いっ、いきっ過ぎてて、頭がぁ!!
いやあ、やめて渚ちゃん!渚ちゃんダメっ、やめてよ、わたしを殺す気なの!!
渚ちゃん本当にもう、だめっだめえええええぇええええっっっっ!!!!!!!」
蕩けた子宮口をごんごんと突き上げてくる硬い質量。
捲れ上がる陰唇の気持ちよさ。風に揺らされるだけで表皮のそそけ立つ陰核。
膣の形を変えながら抜き差しされる快感。
それら濁流に呑み込まれて凄絶な顔を晒しながら、葉月は噴き散らす。
脳が真っ白に塗り潰される。
その雪原の彼方で、いつも笑っていた最愛の男が背を向けた。
終わり
ムラムラして書いた。擬音があればなんでも良かった。
一度も推敲していない
ぶっちゃけ・・・最高!
……いい!
ベネ!
・・ッ! ・・・!? ・・・・おk
…………グゥレイト!
ノクターンノベルズにマケイヌが上がってた。作者さん他にも投稿してくれんのかな
あそこって基本ラノベ至上だから、作者さんやる気無くさないといいけどな
投下代わりに今日も妄想。
薬物問題が深刻化する昨今、女子刑務所内でも薬物の裏取引が相次いでいる。
ただでさえ収容人数オーバーで看守の監視が行き届かない状況のため、
まともなやり方ではその裏取引を防げない。
そこで、某刑務所では看守に怪しいと思った女囚を徹底的に調べる特別権限を与えた。
具体的には、「身検室」と呼ばれる個室内での裸に剥いての身体検査、
あるいは行き過ぎない程度の折檻による情報の引き出しなど。
その刑務所に一人の若い女囚が入ってくる。
派手めの顔で、かなりの美人。スタイルもよくって、常に男にちやほやされてそうな女。
実はその女、学生時代は女看守の事をガリ勉根暗とか言って虐めてたいじめっ子だった。
社会人になってから金持ちのイケメンと同棲してたんだけど、警察の麻薬捜査に追い詰められた男が女に罪を被せ、
女は麻薬所持の現行犯で刑務所入りになったわけ。
で、女看守はここぞとばかりにその女に復讐を始める。
入所前の検査も勿論その看守が願い出て、服を脱いで前屈みにさせてたっぷりと辱める。
思ったより乳輪が大きいんだな、とかまだ二十代半ばなのに性器が黒ずんでる、どれだけやりまくってたんだとか、
ある事ない事散々並べ立てて。
当然女も元いじめられっ子にそんな事言われて黙ってられずに、ぶっとばすぞとか凄むんだけど、
看守はそういうときだけ「62番、私語は認めていない!」とか看守ぶる。
一応記録係の女性もいるんだけど、看守の友達だし、飯1回奢る約束で何をしても見てみぬふり。
その後も当然復讐は続いて、「62番にクスリ秘匿の疑いあり」って名目で毎日身検室に連れ込む。
検査員として他の職員も連れつつ。
で、内視鏡みたいな装置でまず膣の中をたっぷり観察。
次にそのカメラを腸の中に入れる。
女はかなりの美人なんだけど、まぁ人間なんだから当然中には排泄物がある。
その映像を女に見せながら、看守は「これでは内部の確認ができんな」とか言って辱める。
女はこんな中にクスリなんて仕込んである訳ないし、しててもそんなの使えないだろ、
頭おかしいんじゃねえのかとかもっともな抗議するんだけど、看守は騒ぐと明日の労働量2倍だとか脅して黙らせる。
で、次に来るのが身検室にある、身体の中の物を排出させる設備。
簡単にいえば浣腸スペース。
看守はそこで女を裸にして、足を開いたまま前傾になり、手が床に触れるって格好を取らせる。
で、元いじめっ子が綺麗な黒髪を逆立てたまま睨みあげてくる中、備え付けの薬液を尻の中に注入するの。
薬液をたっぷり流し込んだ後、看守は腹を鳴らす元いじめっ子を観察する。
女はだんだん脂汗を垂らして苦しむんだけど、なかなか排泄しない。
まぁそれも当然の事。
だって排泄するには、「囚人番号62番、これから排泄を行います!」って恥辱の宣誓をしなきゃいけないんだから。
それも昔、自分がいじめてた相手やその他数人の前で。
でも結局は排泄欲には勝てずに怒鳴るように宣言して、前傾の大股開きのまま、看守の前で排便を晒す。
薬液でちょっとだけふやけてる、時々自重に負けて千切れるような茶色い一本糞。
刑務所の食事は麦ご飯とかひじきとかおからとか、食物カスたっぷりの日本食だから、便も毎日それは立派なのが出る。
あんまりにも恥ずかしくて、排便が終わる頃には女は目を赤らめて鼻を啜ってる。
泣き出す直前の顔。
しかも排便を終えたらそれで終わりではなくて、看守やその他検査員が出されたものをガラス棒でほじくり返す。
あくまで中に覚せい剤がないかのチェックなんだけど、女にとってはもう耐え難い屈辱。
何しろ美人だの何だとのずーっと持て囃されて生きてきた女だから。
もちろん看守の復讐は毎日の排便検査だけじゃない。
午前中の作業の休憩時間、看守は女をトイレの個室に連れ込む。
そして作業中にゴミとして出た、木製の長い芯をくすねてきて女に渡す。
これで自慰をしろと。
女は勿論不服そうだけど、結局仕方なく便座に腰掛けたまま秘部に芯を出し入れし始める。
それをずっと続けると、当然濡れてきてぬちゃぬちゃ音がするようになる。
看守は色々となじりながら観察を続け、満足すると一旦個室を出る。
「個室の鍵は開けたまま、自慰を続けていろ。もし私が扉を開けた時に手が止まっていたら、酷いぞ」
と脅して。
女は仕方なく個室で自慰を続けて、だんだん本気で感じてきて便器の水に雫を跳ねさせるぐらいにまでなるんだけど、
実はこの間に看守は副看守長に告げ口している。
62番が休憩時間を終えても作業に戻らない、トイレにでも行っているのか、と仄めかして。
この副看守長ってのがストレスで頭おかしくなってる中年女で、今や女囚を嬲る為に生きてるような人間。
当然鼻息荒くトイレに向かう。
個室の中では言いつけどおり、女が必死に自慰を繰り返してるんだけど、
入ってきたのが副看守長だと知るとたちまち顔を青ざめさせる。
で、看守は女が副看守長に首根っこ引っ掴まれて泣き喚きながら折檻室へ連れ込まれるのを、おかしそうに眺めてる。
副看守長が入った折檻室は拷問部屋と化す、っていう噂を聞いてたから。
女はそうやって看守達に虐められるわけだけど、そういう情報ってのはすぐに流れる。
特に以前からいる人間は、空気からすぐに状況を察してしまう。
ってなると、新入りの女はルームメイトからもいじめられるようになる。
最初は非常に貴重な支給の歯磨き粉を流し場に搾り出されたり、話の輪に加えなかったりという一般的ないじめ。
そして部屋内にいじめの体制が出来上がると、次は性的な部分で嬲り者に。
寝付いた女の腕を上に寝るメイトが掴みあげて、別の1人が女の布団の中に潜り込んで愛撫する。
女は元々ボス気質だから、当然そんなのが許せなくて抵抗するけど、何しろ部屋中、7人が敵。
どうしようもないままパジャマの前を肌蹴られて乳首をコリコリされて、お股にも手を入れられてイカされる。
当然消灯時間をとっくに過ぎた時間だから、普通なら見回りの人間に見咎められる所だけど、
女の部屋の見回りは必ず元いじめられっ子の看守。
他の人間の代理で出勤してまで休みなしにやるというのだから、感謝こそすれど反対する同僚はいない。
ゆえに、例え夜中にどれだけゴソゴソしていようと「問題なーし」の声。
そうなるとルームメイト達の女嬲りにも拍車がかかる。
始めこそ布団に潜り込んで、などとやっていたのが、
やがては1人が腕を、2人が左右の足をそれぞれ押さえつけて徹底的に弄くるようになる。
ルームメイトにしてみればその「ゲーム」が塀の中の一番の楽しみなのだから、容赦などしない。
秘部はクリトリスから陰唇からGスポットから、あらゆる所を同性ゆえの巧みさで虐め抜き、布団一杯に愛液を漏らさせる。
毎日看守に嬲られて尻穴が解れていると看破された後は、肛門も責めの対象となる。
そうやって前後両方の穴を毎晩毎晩、毎晩毎晩開発されるわけ。
それもつらいし、女の気力体力もだんだんと衰えてくる。
何しろ、ルームメイトは交替で寝ながら責め続けられるが、女は朝までほとんど眠れない。
ほんの数瞬、気絶するようになるだけだ。
その状態で疲れ果てながら、秘部と肛門を信じられないほど気持ちよく仕上げられ、
かつて虐めていた看守からの身体検査も続いている。
挙句には前の一件以来、副看守長にも目をつけられ、睡眠不足から来るほんの些細なミスで折檻室へ連れ込まれる。
その状況の中で、かつてのいじめっ子だった女の顔はどんどんと情けなく垂れ下がっていった……
ちゃんちゃん
(*´Д`)スバラシィ
>>631 ん? それ新作じゃないな、作者さんのブログで読んだことあるわ
634 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 03:00:50 ID:VXSTJ7/z
>>630 最高のシチュなんだからしっかり書かんかい!いや書いてください。
GJでした。
久しぶりに来たら素敵なSSが!!
ありがとうございます!ありがとうございます!
まとめwiki的なものはないの?
hoshu
641 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 22:08:19 ID:6chd60lZ
ぬほほふ
もっと書き手さん来てくれー
うむ
今年も神達を待つ
保守
保守
保守胃
age
自業自得なので容赦なくズリネタにさせて頂く
保守
577 名前:名無し調教中。[sage] 投稿日:2011/03/19(土) 23:18:47.56 ID:Kl4UuXgv
流れぶった切りで最近見つけたリンチ体験談を。
タンポンの練習については質問です -悩みウェブ-
ttp://www.nayamiweb.jp/nayami_detail/132454/ 一見、女子の集団リンチとは全く関係のない、
あまり性的知識のない女子が立てた質問のスレッドに見える。
質問内容は、「生理のときに入れるタンポンがうまく入らない」というもの。
しかし書き込みの内容は、
生理でもないのに入れたり、取り出すときのための紐がなかったり、
二本も入れたりとあまりに不自然。
レスをつけた回答者の一人がそのことを聞くと、
部活のときに先輩から借りた練習着を生理の出血で汚してしまい、
それで目をつけられ先輩達から半分リンチのようなことをされた。
それは生理でもないのにタンポンを無理やり二つも入れ、
しかも取り出しにくくするために紐も膣内に入れてしまうというもの。
(タンポンは膣内の水分を吸うので、生理じゃないときには入れるのも取り出すのも困難)
質問者の女の子は苦労して自分で取りだそうとするが
結局うまく取り出せず、その後日に再び同じようなリンチを受け、
婦人科で取りだしてもらうことになる。
リンチの様子自体の書き込みはほとんど無いが、
逆にそれが間接的にリンチのひどさを浮き彫りにさせるように思う。
そういう話は以前にもあったが、別人のような気がする
それはつまり…こんな事態が結構あちこちであるってことなのか…
リアルは萎える。
やっぱ二次元に限るわー。
三次元とかないわー。
>>652 これって、途中から参加している「匿名さん(女性/16歳)」が
質問主にアドバイスするために
自分自身に対して結構エグいことやってるんだよな。
処女で指もろくに入れたことがないのに
自分で指を入れやすい姿勢とか角度とか調べて
質問主にアドバイスしている。
>>655 たとえば
>>652をSS化したものなら読んでみたい?
もちろん読んでみたいけど、
実話を元に〜みたいな前情報がないとさらに良い感じ
こういうエグ〜〜いエロはフィクションに限るよ
>>652を見て不覚にも
匿名さん(女性/16歳)×質問主で百合萌えしてしまった件について。
>>658 >>652の匿名さん(女性/16歳)の書き込みだけでもご飯三杯はいける。
ってか16歳処女が膣に指を入れるやりかたを
自分の体で実際に試した上で話してくれるなんてレアすぎる
この子はきっとええ子や
人の痛みがわかるやさしい子なんや
文章から伝わってくる
保守
>>635 ねぇ、貴女>1でしょ?
やっと戻ってきてくれたのね。
さ、楽しみましょう(クスクス
陰湿な嫁いびりに萌えてしまう(´Д`)ハァハァ
逆らえない立場ってのはいいよな。
まぁやられてる方はたまったもんじゃないだろうけどな
一人の女が這うような姿勢で尻を掲げていた。
手は後ろに括られ、口には悲鳴を殺すべくシャツを千切った猿轡が噛まされている。
場所はどこかの廃ビルだろうか。
割れ窓から漏れるかすかな光を照明に、小汚いソファやテーブルが並んでいる。
女はそのソファのひとつに頬を乗せているのだった。
美しい女だ。墨色に艶めく髪やツヤのある肌。
すらりとしながらも部分部分が肉付く余裕ある身体つきさえ、育ちの良さを表すようである。
だからこそそれは異常な状況だった。
猿轡を噛まされ後ろ手に縛られたまま、尻の穴に腕をねじ入れられる、というのは。
犯行に及んでいるのは見目からして素行の悪そうな娘、いや娘達だ。
一人二人ではない。
数十に上ろうという数が女を囲み、ある者は眼下の女を嘲笑い、ある者は映像記録に残さんとする。
それが何と小汚い場に似つかわしい事か。
しかし、虐げられる女とて全くの悲劇のヒロインという訳でもない。
財閥の令嬢である女は、かねてより付近の不良少女を疎ましく思っていた。
そこで執事を介してその排除を断行したのだ。
本職の暴力団体を利用し、犯し、壊し、売り飛ばさせた。
そうして仲間を奪われた不良少女の一団が、腹に据えかねて女を拉致、辱めに至った次第だ。
女は不良少女の細腕を尻穴の中へ捻り込まれていた。
腕は前後する。排泄の穴へ出し入れするのだから当然の事ながら、
腕の傍らからは黄色い汚れが流れ出ては下の床へと滴り落ちていた。
女の身体はとうに汗まみれだ。
背中はもちろん、肩口や乳房の横、腿に至るまでが濡れ光っている。
尻肉や脚の筋肉は女と思えぬほどに力強く隆起し、尻穴責めの苛烈さを解り易く示した。
「うむうううう゛!!!むうぅううううんううう!!!!」
腕が抜き、挿しされるたび、猿轡の下から呻きが漏れ聴こえた。
何とも悲痛なものではあるが、不良少女達にはそれが甘美に思えるらしい。
不良少女の一人が猿轡に手をかけ、引き上げるように取り去った。
涎の線が女の顔を縦に汚す。
「っああアアア゛!!!んんわああああああ゛っっ!!!!!」
途端に漏れ出す女の悲鳴。
「ははっ、こいつ20分前と同じ鳴き方だよ。ホント芸がねーなお嬢様は」
不良少女が嘲笑った。
別の一人が女の髪を掴み、顔を引き上げる。
「おら、今どんな気分だ?言ってみろよゲス野郎」
そう迫る瞳は怒りに燃えている。仲間を喪った悲しみか。
「あああ、わ、わたくしのお尻……!わたくしの、お尻に、う腕があぁ…………!!!」
女は泣きながらそう繰り返す。
髪を掴む少女はそれを見下すように眺め、顔に唾を吐きかけてから髪を離した。
腕を令嬢の尻穴の中一杯に前後させる状況。こうなるまでは長かった。
拉致し、集団で服を破り去り、正常位の姿勢で脚を上に掲げさせたまま固定し、
丸見えになった尻穴を徹底的に嬲りまわした。
唾液を塗布しての指での嬲り。
肛門鏡で限界まで拡げての洗浄前腸内観察。
イチジク浣腸、面前での半固形便排泄。
イルリガートルでの連続薬液浣腸、液体便排泄。
再度、肛門鏡での排泄後腸内観察、奥まりの汚液吸引。
少女らの持ち寄った大小形状様々な淫具による終わりのない肛門陵辱。
それらが数台のビデオで余すところなく撮影されている。
生半可なアダルトビデオを上回るほどの生々しさで。
紛う事なき本物の令嬢が、肛門嬲りで見せる恥辱の表情、声、息遣い。
肛門自体の蠢きと、それに連結する腹筋や足先の蠢き。
そうしたものが修正無し、一分たりとも逃さず収められているのだ。
その価値たるや容易に推し量れそうにもない。
「くぁあ、ああ、ああああっ……!!!」
令嬢は今、仰向けのまま蛙のように脚を開かされ、正面から尻穴に腕を抜きさせされていた。
だが一堂の視線はその動きの上、桃色の卑劣に集まっている。
濡れていた。
少女達の指が押し広げる肉ビラの内部は、何とも艶かしく濡れそぼち、尻穴の方へまで蜜を垂らしている。
尻穴を嬲る少女が、突き立てた2本指で直腸奥の洞穴をこりこりと刺激するに合わせ、淡い秘裂も物欲しげに蠢く。
だが救いがもたらされる事はない。あろうはずがない。
ようやくに少女の腕が粘液を纏わせながら抜き去られ、ぽかりと空いた穴へ別の腕が入り込む。
「ああ、あ……。」
女の唇から声が漏れた。
彼女はこれよりまたどれほどの時間、虚ろな瞳から涙を流し続けるのだろうか……。
なんちてなんちて
うおおおおお!!久しぶりに見に来たらGJなのあるじゃねえか!今日か!運命感じたわ
いじめにスカトロ混ざるともうな、たまんねぇよな
GJGJ!!
ニヤニヤ
670 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 00:03:10.81 ID:m8IPH9Ly
あげ
671 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 04:43:55.01 ID:lyLqSEOk
腋臭の女の子がいじめられるお話が見たい
うちは女の子が臭い責めされるのが好き。上履きを嗅がせられたり。
あとは逆に無理やり自分の鼻をつままれたり。
ho
女子高の寮や合宿など、24時間監視されている状態でのレズいじめを見たい。
食事や入浴を制限され、眠っている時でも安心できない。
素晴らしい!
こういう何日もかけてじわじわいたぶってくの大好きだ、GJ!
とてもいいね。
責める女のセリフがどれも素晴らしい
このあとどうなるか想像するだけでご飯三杯はいけるw
欲を言えば、脱がすところとかもっとじっくりやってほしかった
679 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 01:22:47.12 ID:6nC9/WZQ
作者さんのサイトの新作もいい感じだった
携帯だとみれない……(´;ω;`)
ここに来ているなら18歳以上なんだからバイトでもして安いネットブックでも買えばいいじゃん。
『大樹のほとり』でググッて『優香いじめ』って話を探すだけでも良し
あそこの管理人さんだいぶ昔に行方不明の職人さんとコンタクトとりたがってたけど、その後連絡ついたりしてるんだろうか。ここの未完作品とか、どっかでつづき公開されたりしてないの?
685 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 21:44:05.33 ID:1wpYQDnY
よめたー!!ありがとうみんな!!
こういうじわじわいたぶって落としてくの最高だ!!
さげわすれた(´・ω・`)ごめん
いいのよ
そんな事で上履きに画鋲入れたりなんてしないわ
気にしないで
そんな事で机の中に虫の死骸を詰めたりなんてしないから
構いませんわ
そんな事でバイブやローターを捻じ込んだまま掃除用のロッカーに閉じ込めたりしませんわ
保守
「あれ?いない。」
私、松永咲(まつながさき)は呼び出された教室に入ったが中には誰もいない。
「おかしいな、確かにここで待ち合わせ、むぐっ!」
私は急に何かで口をふさがれた。後ろから?振り向こうとするがガッチリと頭部を固定されて動かせない。
「むぐぐっ!(誰っ?)」
「くくく…私よ、蘭よ。」
背後から不気味に笑う声。聞き覚えがある。坂木蘭(さかきらん)の声だ。
同級生で、私と同じくらいの成績だった気がする。あまり話したことはないが。
「きゃっ!」
何てことを考えてる間に、私は床に押し倒された。私の上には蘭が不敵な笑みを浮かべながら乗りかかっている。
「ど、どきなさいよ!重たいじゃない…あぐっ!」
蘭は私の横顔を手で床に乱暴に押し付けた。あまりに強い力で顔が歪む。
「私よりちょっと成績がよくってちょっと可愛いからって、調子に乗るんじゃないわよ。……今からあなたに屈辱を与えてやる。女に犯される屈辱を。」
「な、何をわけのわからないことを…ふぐっ!」
私は蘭に両手で顔を固定され、強引に口づけされた。いや、口づけというよりは口を口で押し潰されてる感じか。
「んーーーっ!(痛い痛い!)」
私は声にならない悲鳴をあげるが当然蘭には届かない。それどころかどんどん力が強くなり、顔がペシャンコになる気さえした。
(し、死ぬ……)
私がそう感じた瞬間、突然唇が離れた。
「ぷはっっ!はあ、はあ……!」
気持ち悪い。女にキスされるなど、今すぐ口を消毒したい。
「ぺっぺ……気持ち悪い…!」
私は横を向き唾を吐きながら言う。すると蘭はさらに歪んだ笑みを浮かべ……
「んぐーーっ!」
再び唇をふさがれた。しかも今度は私の唇を激しくしゃぶってくる。みるみるうちに唾液だらけになる私の顔。
「んっ!んっ!べちゃべちゃぴちゃぴちゃ…」
蘭は気持ち悪い吐息を時々もらしながらキスをやめようとしない。さらに舌を無理矢理入れてくる始末。苦しくて抵抗できずに侵入を許してしまう。
続いてくださいな
>>692の続き
蘭は暴力的なキスと同時に胸を乱暴に揉み出してきた。私は必死に抵抗を試みるも、体勢の圧倒的不利により全く敵わない。
それから五分くらい経ち、ようやく蘭は唇を離した。私は酸欠と抵抗による疲労でぐったりしてしまった。
「はあっはあっ…。ちょ、何してんのよ……痛っ!」
蘭は私の両手をどこから出したのか分からない縄で縛ってくる。抵抗しようとするが全くといっていいほど体が動かず、なされるがままにされてしまった。
「ふふ…いい眺めね。さて、と。まずは脱いでもらおうかしら。」
蘭はそう言うと私のスカートを脱がしはじめる。今の状態では力で全く敵わず、やすやすと脱がされてしまった。
「次は……」
そして今度は上着とシャツのボタンを強引にはずされ、胸元を露出されてしまう。
職人多いなww
続きは・・・・
ここで終わったら生殺しや〜〜
保守
シチュ妄想
優等生が前後にバイブ突っ込まれた状態の生活を強要されて、排泄も管理されてクラスメイトの前でさらし者に
さらに少しずつバイブのサイズが毎日大きくなってってもう勉強どころじゃないみたいな
排泄管理させられている委員長子と
その委員長子専用便所扱いされる、いじめっ子グループから浮いちゃった派手子か…
最初は厭々だったモノの、次第に…2人の関係は親密さを増し
700 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/31(水) 09:47:06.55 ID:+ZFBvXnc
詐欺師 牧真也(マキ シンヤ)
東京都目黒区下目黒4丁目3-19
ほしゅ
レズレズじゃのう
未完の長編とかいくつかあるけど、作者さんはまだココ見てるのかな…
別にここでじゃなくてもいいからいつか完結させてほしい。
…ところでこのスレ、まとめとかwikiってないんだっけ?
ん? そこ繋がらないような。
文月の話は今でも好きだな
もう3年前なのか
最終レスが
>>313だからまだ2年、と言っても結構経ったなぁ。
文月vsアリスの決着マダー
別フレの学校の裏には天使が埋まってるだっけ?結構おまえら向け
校舎のうらには天使が埋められている
が正しいタイトルみたいだな。ざっとググるだけでかなり惹かれる。
少女漫画にはこのスレ向きの展開は多そうだな
712 :
忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/11/27(日) 10:13:52.90 ID:4854mJT1
普通のレズは需要無いのかな
俺、!ninjaLv=10になったら、スレ立てするんだ・・・
普通のレズでも構いませんわ
ちょっとした友達同士の悪戯レベルでもあるとなお宜しいですわよ
714 :
名無しさん@ピンキー:2011/12/04(日) 01:11:45.73 ID:qiyde41O
さむい
そういえば映画館で貰ったポストカードに律VERって書いてあるけどランダムなん?
誤爆
他の部員による陰湿な律いじめたと・・・!
レズいじめで書いていたつもりが、いつの間にか普通の百合SSになっていたでござる・・
レズいじめというより、仲の悪い同格の少女同士でいがみ合うのが好き。
しかも何かの事情で仲良さそうに振舞わなきゃいけないシチュエーションだと最高。
ライバル関係のアイドルが企画で共演させられたり、
名前の順で体育のペアを組まされたり。
なんで構想が出来てるのにSSにして投稿しようとか思わないの?
馬鹿なの?
構想が出来ると勝手に自動でSSが完成すると思ってるの?
うましかなの?しぬの?
722 :
名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 19:12:01.15 ID:NPNKxH8q
ほしゅ
今年も神達の降臨期待sage
服や顔で便器掃除したり、犬扱いして靴や足舐めとか書きたいんだけど、ここであってます?趣旨とちげーよとか言われるんならやめようかなーとか思ってたりです。
レズならここでどんぴしゃですよ
さぁ今すぐにその神作品を投下しろ下さいませ。
携帯から。便器の縁に無理矢理キスさせるのがメイン。誤字脱字めんご。
「……あ」
「くすくす…おはよう。今日も懲りずに登校なんてアンタいじめられるのが好きな変態なの?」
少女が教室に入った瞬間にいつものいじめリーダーが絡んできた。
「おはよーそのちゃん!今日も上履き無いんだぁ?かわいそうだねぇ!」
「なんだ、そのか今日も来たんだ?ミジメでウザイんだから死んじゃえばいいのに」
配下の二人もそのかに罵声を投げ付ける。
「そもそもアンタが学校にくるなんて生意気よ。私達が構ってあげてるんだから感謝しなさいよ」
学校生活が始まって一月程でそのかはいじめの対象になり、毎日変わらずにいじめに遭ってきた。
罵声、弁当のぶちまけ、服隠し等。数え切れない程のいじめに遭いながらも、そのかは負けずに登校する。その態度がさらにいじめを悪化させていった。
「そういえばアンタの上履きトイレにあったわよ。取ってくれば?」
ザックをロッカーに入れ、そのかは悔しさを耐えてトイレに向かう。硬く冷たい冬の廊下の感触が足に伝わる。
「私達も手伝ってあげる」「わたしも!」
そのかの後を三人が付いてくる。その間も悪口が飛び交っていく。
負けない。とそのかは唇を噛み締めた。
トイレの一番奥の部屋。バリアフリー云々で四人が入ってもまだ余裕がある。
便器の中にそのかの上履きは突っ込まれていた。完全に水に濡れた状態になり、これでは上履きとして機能しない。
「あちゃーこれじゃー履けないね!ざーんねーん!」
「んーでも汚いんならそのかにお似合いじゃない?」
そのかにとって何足目の上履きかわからない。ただ、今回は燃やされたわけではないから多少なりともマシだった。
そのかはため息をつき、便器に突っ込まれた上履きを悲しそうに見つめた。
「ちょっと!アンタの上履きで便器汚れたじゃない!綺麗にしてよ!」
「えっ…」
理不尽な要求にそのかは困惑する。本来掃除は毎日押し付けられているのので言われる筋合いは無い。
「き、綺麗にって…」
「雑巾ならあるじゃない」
配下の一人がそのかのスカートを引っ張った。
「あー紺色だし汚れ目立たないから大丈夫かもねー!ナイスアイデア!」
二人の言葉にそのかは青ざめた。今日は体操着が無いので、そんなことをしたら着る物が無くなってしまう。
「…っ!いやっ!」
さすがにそのかも抵抗する。
が、三人が相手ではどうしようもない。
「やっすい下着。恥ずかしくないの?」
「そのちゃんは白派だよねー」
「汚いんだから茶色でも穿けば?」
下着姿にされたそのかに罵声が飛ぶ。
「…お願いっ、返してっ…!」
涙声になりながら懇願するそのか。
「まずは便器から上履き出さなきゃね」
そのかを無視し、リーダーがスカートを折り畳む。そのスカートを使い手が汚れないように上履きを取り出した。便器に溜まる水によってスカートが汚れていく。
「あ、あぁぁっ…」
先程まで自分が穿いていたスカートを目にして、そのかはか弱く嘆いた。
「これは後で使うとして…スカート汚れたから便器掃除できなくなったわね」
濡れた上履きとスカートを部屋の端に投げ捨てる。
「ブラウスも使っちゃおっかー?」
「もっといいのあるじゃん。ほら。」
配下の一人がそのかの顔を指差した。
「なるほどっ!みたいみたいー」
「あ、えっ…?」
いきなり指差され戸惑うそのか。だがすぐにその意味を理解した。
「…っ!!いやあぁっ!」
だが逃げる暇もなく組み伏せられ、便器の前に正座させられてしまう。
「やだぁっ!お願いっ…!」
「ちゃんと便器綺麗にしなさいよ。まずは舌で舐めてくれない?」
三人はそのかの懇願を無視して、便器の縁に顔を押し付ける。
「やあああっ!やだあああぁっ!」
「じゃあ無理矢理顔で掃除させよっかー?髪とかほっぺとか使っちゃおうかなー!そのちゃんの肌綺麗だから汚しがいあるもんね!」
配下が追い打ちをかける。
「いやぁっ、…やだっ…やだよぉ…」
便器を目の前に耐え切れなくなったそのかは一筋の涙を流す。
「あはははははっ!便器の前で泣くなんてアンタ本当に馬鹿ね!アンタなんか便器と同じよ!」
「そのちゃん便器だってー似合うー!」
「ちが、うっ…!わた、し、んぶうっ!」
そのかの唇が便器に触れた。その瞬間絶望と悲しみがそのかを包み込んだ。
「んむんんんーっ!!!」
始めてのキスは好きな人としたい。そんな乙女心を無惨に打ち砕かれ悲しみの涙が溢れる。
「んんっ、っぅううう……」
「そのちゃん便器とキスできてよかったね!汚い同士とってもお似合いだよー!」
配下の言葉がそのかを暗闇の渦に蹴落とす。
「ぷぁっ!んむーっ!」
そのかが暴れたために一瞬離れたがすぐに便器とのキスを再開させられる。
「んむぁっ!やああっ!んむぐぅーっ!」
「駄目よ。綺麗にしなきゃ。舌が嫌なら唇で綺麗にするのが礼儀でしょ?」
何度も繰り返される便器との強制キス。
「むぇえっ!やっ!ふぐっ!むーっ!」
時折歯がぶつかり心以外の痛みも加わる。
「やらっ…んっむぐぁっ!ひぐ、むぅ!」
口に広がる便器の味という絶望。
「たすけ…ぶぅむぅっ!たす、ぐむぁむっ!」
そのかの顔が涙と悲しみで更にぐちゃぐちゃに濡れていく。
「ふぶぁああっ!や、めってぇ…ああぅ…」
ようやく押さえられていた力が弱まる。
「そのかのわりにはなかなか情熱的なキスだったね」
「ぅ…あぁ…ひ、どい…わた、し…」
心も身体も汚されたそのかのか細い声が部屋に響く。
「まだ縁だけしか綺麗にしてないでしょ?」
リーダーの声にそのかの身体がびくりと跳ねる。
「中身も綺麗にしなさいよ」
冷酷な命令。
「次はほっぺでしようよ!」
無邪気な声。
「い、や…もう、やだ、よぉ…」
便器を前に三人に囲まれるそのか。
「それじゃあ本番いきましょうか」
「ひっ…!」
リーダーの威圧する声に恐怖を覚える。
三人の手がそのかを押さえ付け、顔を便器の中に近づけていく。そのかが暴れても三人に敵うわけがない。
「やめてぇぇっ!いやああああぁっ!」
絶望が再びそのかを襲い始めた。
つづく。
>便器の前で泣くなんてアンタ本当に馬鹿ね!アンタなんか便器と同じよ!
名言だと思う
730 :
名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 03:43:00.46 ID:mSxLzB/C
おいおいナイスな野郎がいるじゃねえか
GJだぜぁコラ!
GJ糞野郎。
つづき。携帯から。
上履き舐め顔面尻叩き、便器突っ込み。
「じゃー右ほっぺからね!」
頭、身体を押さえられ、そのかは身動きが取れず声をあげる。
「いやっ!やだぁっ!」
そのかの必死の抵抗も虚しく、頬が便器に触れてしまう。無理矢理押し付けられ歪む頬。便器の感触にそのかの心も身体も汚されていく。
「やぁぁ…っ!うぐぶぅっ!むぶああっ…」
悲鳴が便器にこだました。
「最愛の便器に頬擦りなんてそのちゃん幸せ『物』だねー!」
「ほんっと汚物同士お似合いよ」
そのかは鼓膜すらも汚される。一生分の便器と言う言葉を耳に詰め込まれ、悲しみの底に落ちていく。
「んぶっ…や、め…ぐっ…」
頬が擦れる苦痛に、悲鳴をあげられずに涙を流し続けるそのか。
「ちゃんと綺麗にしなよ。ほらっ!」
配下が髪を掴み力を込めた。雑巾のように容赦なくそのかの顔を擦り付ける。
「ふぶぐっ…!むあぁぐっ!ひゃ、ぐっ!」
純粋な痛みがそのかを襲う。
「髪短くしたら掴みづらいでしょ!勝手に切ってどういうつもり!?」
髪を掴む力が更に増す。以前伸ばしていた髪は、三人によって無惨に切られてしまった。そのかは乱れた髪を整えただけにすぎない。
「便器がオシャレなんかするなぁっ!」
怒声が部屋に響き渡り、そのかの顔が便器から引き離された。次の瞬間。
「ひっ…!!や、あ…ふぶぅ…ぶうぐぐっ!!」
便器の水にそのかの顔が沈められた。
そのかの手足が暴れるが、無理矢理押さえられた頭を動かすことはできない。
「便器女のくせに!便器と一緒に汚く死ねぇっ!」
押さえられていた力が弱まり、そのかが必死の思いで顔をあげる。
「ぶあっ!!かはっげほっぐっ…!た、すけ…んぶぅぅ!」
再び顔が便器に浸かる。
「便器が喋るなっ!」
引き離され、また便器へと戻されていく。
「ぷぁっ!たす、んんっ!」
目、鼻に水が入り髪も濡れていく。
「や、め、んぶっ!ぐぶぶっ…!」
「あーあそのちゃんかわいそーあははっ」
そのかの悲鳴と対象的な笑い声。その落差がそのかに絶望の色を塗り込んでいった。
「ちょっと便器の自覚が足りないのかしらね…」
リーダーが呟くと配下が動きを止めた。
「じゃあ…躾でもする?
「あ!久しぶりに見たいなー!」
三人が頷き、ぐったりと便器にうなだれているそのかを無理矢理立たせた。顔からは水が滴り、制服と足元を濡らしていく。
「う、ううっ…も、う…やめて…」
「便器に発言権は無いでしょ」
配下が先程の汚された上履きを手に取った。
「私にこんな汚いの持たせて…便器のくせにムカツクわね」
配下の鋭い目がそのかを萎縮させる。そして上履きがそのかの左頬に優しく触れた。
「や、あ…っ、やめ…てっ!」
これから何をされるのか理解すると、恐怖がそのかを包み込んでいった。
「まずは十回かな」
大袈裟な程に上履きを振りかぶる。
「や、やっ、め…」
迫り来る恐怖に、そのかの心と身体が震える。
「うるさいんだよ!便器風情が!」
瞬間、怒声と鈍い音がトイレ中に鳴り響いた。
「うぎいぃぃっ!!!」
「次っ!」
返す手でそのかの右頬に上履きがめり込む。
「ふぐっ!た、たすけ…」
懇願も虚しく再び頬に走る激痛。
「うるさい!便器がぁっ!」
鳴り響く恐怖音。
「たず、け…ぇぐぅう!」
「死ぬっ!便器女っ!気持ち悪いんだよっ!死ぬっ!死ねぇっ!」
あっという間に十回を越える頬の殴打。腫れ上がる頬と薄れる悲鳴。
「や、た、ひゅ…け」
「しつこいんだよおぉっ!!」
怒声とともに本気で振り下ろされる狂気、あまりの強さにそのかは壁まで吹き飛ばされた。激痛と絶望がそのかを蝕んでいく。
「やめ、へくだ…さ…たす、け…て…」
虚ろな目でそのかは懇願を繰り返す。激痛による絶望と恐怖が心を支配する。
「まだ、口答えする気…!?」
配下が再び上履きを振りかざした。が、
「次は趣向変えましょうか」
リーダーの言葉が配下を遮った。
「なになにー?なにするの!?」
リーダーがもう片方の上履きを手に取り、壁にもたれ掛かるそのかの口元に運ぶ。
「意味は分かるわよね?」
「い、やっ…」
自分の上履きとはいえ、便器に突っ込まれていたものだ。
「便器とキスしておいて上履きは駄目なんて言わないでしょうね?」
有無を言わさぬ威圧がそのかを押し潰す。
「や、だっ…いや、っ…」
そのかは顔を背け上履きから少しでも離れようとする。
「じゃあ殴られるのとどっちがいい?」
配下が追い打ちをかける。心を汚される悲しみか、頬の激痛による恐怖か。
「…っ!?やっ…」
「じゃあ舐めなさい」
先程の恐怖が浮かび、そのかは頬の激痛より心を汚れるほうを選んだ。
「は、い…」
「そうだ、舐める前にちゃんと宣言してから舐めなさい」
「えっ…?」
戸惑い可愛らしい声で応えるそのか。
「特別に便器に舐めさせてあげるんだから当然でしょ?私達が気に入るようにちゃんと考えなさいよ」
自らの意思と言葉で汚されていく未知の恐怖。
「あ…、わ、た、わたしっ…の…」
言葉が出ない。恐怖に身体が震える。
「殴ってもいいのよ?」
配下の脅し。
「…ひっ!いいま、すっ!!」
「早くしなさいよ」
悲しみと寒気が言葉を塞ぐ。
「わ、わた、わたし…み、たい、な…き、きた、な、きたな…い…に、に、んげんに…」
そのかの震えが大きくなる。
「く、くつ、を、なめ…させて、くださっ…て、あ、ありが、とう、ござい…ま…す」
大粒の涙がそのかの腫れ上がった頬を濡らす。
「ひっ…くっ…えくっ…」
「人間じゃなくて便器でしょ?」
そのかは俯き鳴咽する。
「ひっく…は、い…わた、ひっ…べ、べん、き、で、すっ…ひっぐっ」
そのかは自分自身の言葉で心を汚した。
「ひっ…や、だっ…やだ…よっ…うぅっ」
止まらない涙と震え。出来るなら消えてしまいたいと胸が締め付けられた。
「はい。お待ちかねのアンタの上履きよ。自分のだから綺麗にしなきゃね」
リーダーが笑顔で上履きを押し付けた。
「うっぐっ…」
唇に上履きが触れる。
「ほら、舌で舐めとりなさい」
そのかはおずおずと上履きに舌を触れた。口に広がるのは味ではなく悲しみ。
「ふっ、ん…くぅっ、は、ひぃっ」
「そのかにピッタリね。雌犬ってとこ?」
そのかのか細い息を掻き消す配下の罵声。
「うぅ…っ、ひっはっ…へうっ、れろ…っ」
早く終わってほしいという一心で、そのかは雌犬として上履きを舐め続ける。
「ふ、あ…っ、んむ…っちゅ、はぁっ…」
「そのちゃんきたなーい!変態便器ー!」
無邪気なゆえに罵声が深く突き刺さる。
「ひくっ…れろっ、ひっ、んぷぁ…っ」
「なかなか上手ね。さすがは雌犬便器だけあるわ」
涙と涎が頬を伝わり水溜まりを作る。
「んく、ちゅっ…ぷぁっ、へぁああっ」
今まで何度も味わってきた汚されていく感覚がそのかを苦しめていく。
「くすっ…初めてだし、これくらいで許してあげる」
リーダーの満足気な笑顔に、やっといじめから解放されると安堵した。
「あ、あぁああ…」
気が抜けへたり込むそのか。
「じゃあ次ね」
「……えっ…?」
そのかは履き違えていた。上履きを舐める行為が終わっただけ。ということに気付くまで数秒かかった。
「そんなっ…!」
再び組み伏せられ、便器に顔が近づいていく。
「やぁっ…」
か細い鳴き声が便器に吸い込まれ、便器に頬が密着した。
「う、あぁあっ…」
便器と自分の耳に響く悲鳴。その時。うなだれる身体に痛みが走った。
「くあああっ!?」
配下が下着を掴み、力ずくでそのかの下半身を持ち上げたからだ。
「やっ!?んぐっ!」
顔を便器に入れられ、立ち膝でお尻を突き出す体制になる。下着がそのかの秘部に食い込み、苦痛を与える。
「んんーっ!ぷぁっ…やぁっ…んぶぅっ」
「さっきの続きしてあげる」
配下の言葉に、先程の暴力行為が脳裏に浮かんだ。頬の痛みが恐怖を煽る。
「ぷぁっ!…やっ、あぶぅう…」
便器の汚水にそのかの言葉は掻き消された。
「せーのっ!」
言葉と同時に、そのかの涎に濡れた上履きが振り下ろされた。
「んぶっ、ああああっ!」
続けて響くそのかの悲鳴。頬を汚水で汚されながら、無防備なおしりを暴力のみで壊されていく。
「うるさいんだよっ!変態便器っ!」
配下が怒声を込め容赦無く上履きを振り下ろすと、鈍い音がそのかの身体に響いた。
「くああああっ!やめっ…んぶうっ!」
「そのちゃん掃除もちゃんとしなきゃだめだよーあははっ!」
言葉を発すれば、便器や汚水に頬を押し付けられ、叩かれる瞬間に少しだけ押さえられている力が弱まる。
悲鳴を聞き逃すまいと三人の息があった遊戯が続く。
「ひぐっうっ!も…うやめ、んんーっ!」
「便器は口答えしないものよ」
そのかがどんなに懇願しても、三人が満足するまで終わることはない。
「殴るのちょっと本気でやるよ」
三人の楽しそうな声がそのかを暗闇へと追い込んでいく。
「このっ!変態雌犬便器のくせにっ!いじめられる価値しかないくせに!このっっ!変態!汚物!雌豚っ!ゴミ女っ!死んじゃえっっ!」
配下は今日一番の怒声をあげ、全力でおしりを殴打していく。間髪入れずに鈍い音や乾いた音がトイレ中に鳴り響く。
「んぶうっ!ぶぐっ…んんーっ!」
だがそのかの悲鳴は汚水に消えていく。リーダーはそのかにわざと苦しみを与えていた。汚水の苦しみから解放される一瞬の喜びを、殴打の苦しみで掻き消すために。
「んんーっ!」
「それじゃあご褒美よ」
そのかの頭を押さえていた手が外れた。
「ぷぁっ!っんはああああああっ!!」
そのかが息を吸い込んだ瞬間、おしりに激痛が走り、とびきりの悲鳴があがった。
「ひっあ…あ、ぎぃぃ…ひっ…くっ…」
三人の遊戯がようやく終わると、そのかは便器を抱えたままへたり込み、鳴咽を吐き出した。
「なかなかよかったわよ。変態便器さん」
「そのちゃんの変態声さー淫らで可愛いかったよ!」
「はぁはぁっ…今日はここまでにしとく。後でいじめる楽しみ減るし」
目の前の便器にスカートが投げ込まれ、汚水を吸って汚れていく。
「あ、あっあぁ…」
うなだれるそのかをよそ目に三人は教室へ戻って行った。
誰もいなくなったトイレでそのかは自分に言い聞かせるように呟く。
「わた、しっ…人間、だ…よね…っ」
涙、鼻水、涎、汚水で顔をくしゃくしゃにしながらそのかは呟く。
「わ…た、しっ…ひぐっ…わ、たし…」
ぎゅっと手を握り悲しみをこらえる。
「ま、けな…いっ…もんっ…!」
か弱くとも強い決意。
「わた…しっ…まけな」
その時そのかの決意をぶち壊すかのようにチャイムが鳴り響いた。
「あ、あぁぁあっ…」
味方が誰もいないことは分かっているつもりだったのだが、そのかはチャイムにすら見放された。
それと同時にドアが開き、配下の一人がプリントを持ってやってきた。
「そのちゃんごめーん!これプレゼント!自習始まるから急いだほうがいいよっ!そんな格好じゃ無理だと思うけどねっ!あはははっ!!」
「えっ?」
プレゼントと言われそのかは戸惑う。
「裏も見てねっ!じゃーねー!」
そのかがまた一人になる。
プリントに写っているのは、
「!?」
そのかが涙を流し、便器の縁にキスをしている写真だった。しかも写真内のそのかはウエディングドレスを着ていた。
ハッピーウエディングと装飾された文字。キスの写真を中心に、いじめられている小さめな写真が周りにいくつも載っている。
「い…や…」
歯が噛み合わない音が脳内に響き身体が震えていく。
その拍子に、手からプリントがこぼれ落ち裏返った。そかには寄せ書きが書かれていた。
真ん中に「変態雌犬便器」と書かれ、周りには誹謗中傷が乱雑に書かれていた。
「便器と結婚おめでとう!」
「変態は死ね馬鹿クズ!」
「雌犬になれてよかったね!」
数々の言葉がそのかの心をえぐっていく。
心臓が締め付けられ大きく跳ねる。
「ひ、ひ…ひひ…っ!」
引き攣った笑い。涙と震えが止まらない。
その時誰もいないはずのトイレに声が響いた。
「そのかちゃんていじめられるのが好きな変態なんだってねー」
「聞いた聞いた!便器女なんだって!」
「うわーきしょいーマジありえないんだけど!」
「つーかなんで来んのかわけわかんない」
「便器とキスしたんだって!」
「私も便器の水飲んだって聞いた!」
実際は配下が仕掛けたボイスプレーヤーが再生されているだけだった。
「や、め…や、やめ…」
そのかの口が声を出そうともがく。うまく息が出来ない。目の前が虚ろになる。
「い、や、いや…あ、わ、たし、わ、たし、は…あ、あ、あああああああっ!!!」
壊れた少女の叫びがトイレに鳴り響いた。
おわり。
GJ!
そのちゃんはもっともっといじめてもらえるといいねぇ
GJっす。
テンション上がる俺は間違いなく非道。
できたらまた投稿してください。
GJ!!ナイス外道。
虐められっぱなしで終わりとか後味悪いな・・
そのかちゃんが虐めグループに復讐する話希望
742 :
名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 16:28:28.93 ID:9T6J4eCB
下目黒の「恐怖の精神虐待魔」、2011年6月8日水曜日、東急バス弦巻営業所で鬼畜のババアがいる! めぐろ区民キャンパスで子供を襲ったんだ!!
!あのババアは被害者を廃人寸前まで追い込んでる
んだ! 障害者=権力者だって思い込んで
る被害妄想野郎だ!!! 確かにあのババアは子供突き飛ばすくらいの力がある! 走れるんだ!!!腹デカくねえんだ!!
!それで抵抗されたら脅すんだ!散々罵声吐かれて奴が行ったときに被害者は小さい声で死ねって言ったんだ気弱そうで聞こえないように言ったんだ
!なのにあのババア行ったと思ったらいきなり走ってきて「君が死ね」とかいい言葉とキタネエ言葉混ぜたキモい言葉はいて逃げたんだ
気弱でビビリな子供相手に!!!そんな鬼畜許せるわけないだろ!!ひどいんだしかも被害者はバスの中で襲われるのが世界で一番怖がって
たのにそれよりもひどいやり方でイジメやがったんだ!
学校でも自殺図るほどにイジメられてる可哀想な被害者をよ!
しかも見てたやつらまったく無表情だったんだその上通報もしないんだ!
目撃者で無表情で虐待されるところを黙って見てた運転手や乗客共もクズのように扱ってくれ!被害者はあんなヤクザでもいじめっ子でも
ねえただの通りすがりのババアに死ねって言われて本当に殺されると思って恐怖してるんだ!それで精神異常起こしてするつもりもない殺人予告書いて、あのババアはまだ反省もしてないからな!そ
してこのことを全国の警察とかに訴えてくれ!あのババアが鬼畜だってことを!今俺と同じ世田谷の科学技術学園の通信制に通ってるが
被害者は虐待のショでバスを待つだけで心に苦痛をもたらすんだぜ!野郎のせいでさ!学校に行くだけで心に痛みが走るんだ!このままじゃ被害者は過労
死する!あのババアが被害者を殺すんだ!
野郎逮捕してくれ。あのババアはまだ障害者=権力者って被害妄想してしかも障害者に成りすまして子供襲ってるな。それで抵抗されたら精神的に虐げる超鬼畜バ
バアだからな。これであのババアは子供自殺させるきっかけ作るかもだからな。まあ下目黒中で噂になればあいつも終わりだ!人前で堂々と虐待するキチガイだからな!
そろそろ次スレか。最後にいい作品きて、このまま次も盛り上がるといいな
容量を意識してなかったGJ