死神っ娘萌え

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1名無しさん@ピンキー
死神っ娘がやられちゃうSSに萌えるスレです。
オリジナル・版権または二次も歓迎。

(前スレ)死神萌え
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156436078/
2名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 19:25:32 ID:PXrnxANS
本当に立てるとは。まあ乙
3名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 19:43:41 ID:uouORSbD
>>1
スレタイにその2とか入れればよりベネ
とにかく乙
4名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 20:26:03 ID:k2SP1YZ7
>>1
立てたのか
とりあえず即死回避乙
5名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 21:40:05 ID:I3xpQClV
即死回避めざし

ところで俺のデスサイズを見てくれ、どう思う?
6名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 01:18:03 ID:pC4xUt5z
すごく……草刈り鎌です………
7名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 11:59:46 ID:ekrixdVg
なんか面白そうだから保守
8名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 17:24:48 ID:jtCWDA9e
保守サイズ
9名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:58:01 ID:TlgMmsLn
>>5
俺には立派に見えるw
10名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 02:46:07 ID:ml6RVB7M
ところで保管の話はどうするんだ?
総合保管庫にお願いするなら急いだ方が良いぞ
11名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 18:26:14 ID:XszzKZHY
死神娘「ところで私の代わりに保守し続けるのと、ここで一思いに死ぬの、どっちがいい?」

保守
12名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:31:30 ID:yooynfIh
ソ連兵「奴だ!奴(死神)が来た!対戦車戦闘ヨーイ!」
死神娘「距離二○○、方角二時、ファイエル!」

別の意味で死神
13名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:29:38 ID:Z0V/90jj
>>12
なんという東部戦線
14名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:22:15 ID:AJzLrgJ3
>>10
せっかくだから前スレのSSも保管してほしいよな
だれか連絡先わかる?
15名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 02:09:36 ID:1bXNLsT9
>>14
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
下の方の「連絡用スレッド」から依頼できたはず
16名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 03:40:02 ID:3uYQais4
え?このスレって人外死神少女だけじゃなくて
幾度もの死地からも帰還を果たすものの、その所属部隊は必ず壊滅するという、
戦場を支配し呼吸をするように敵を撃破する、ドクロ眼帯他称死神少女もOKなん?
17名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 16:29:21 ID:1bXNLsT9
>>16
良いんじゃないの
まあ実在の軍人を萌え美少女化するのは万死に値する大罪だけどな
東部戦線の破壊神があんなことになってた時は悔しくて泣きたくなった
18名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 20:43:27 ID:3uYQais4
そういうもんか…。
いいじゅん場違い純朴新人SS将校に非番の日にゴロゴロ甘えるエースパイロット、ゴスロリ黒騎士タンとか



まあ史実の事とかよく知らんのだが
19名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 21:28:21 ID:T74HQI+A
>>16
残念ながらスレ違いだ
だがそういうのは軍人スレにて熱烈歓迎中だぜ!
20名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 22:11:42 ID:3uYQais4
そういえば軍人スレってあったなw
21名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:40:54 ID:GEeMFGFn
じゃあ職務に忠実な法務大臣は?
22名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 05:28:06 ID:YiMv/8Al
もう死神からかけ離れてきたwwww
23名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 07:01:55 ID:oaJaW16Q
安楽死専門の闇医者とか…(肉体側の死神)
魂を刈り取る見習い娘とか…
24名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 09:18:18 ID:sgcMoaAM
イメージ的にはなんか今サンデーで連載してるやつみたいな
25名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 09:26:53 ID:YiMv/8Al
>>23
そういうコンビ物とかありかもね
死に迷い未ださまよい悪業を重ねる肉体を破壊する役目の寡黙な男と、
そこに残った魂を冥界へと導くゴスロリ少女の死神コンビ…
みたいな吸血鬼美夕みたいなものから、白と黒のロリータファッションのプリキュアみたいなコンビとか
26名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 17:14:30 ID:gZ9hGfp5
>>23
ドクター・キリコじゃねえか
27名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:59:42 ID:mI+CMtrf
>>15
情報ありがとう
依頼出してきた
28名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 03:03:06 ID:EMRtdd2d
ふと見たら、死神萌えというスレの真下にこれがあって吹いたw
29名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 03:07:26 ID:l60Boj9k
>>25
ゴスロリ少女のコンビが殺戮を繰り返すってネタなら1本書けそうだが、
ありがちなネタだしどこかしらのスレとかぶりそうだしなぁ・・・
30名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 15:00:55 ID:levOgLHX
>>28
オレもw
31名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 15:17:40 ID:avSO6auc
それ前スレだよ
32名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 19:02:01 ID:l60Boj9k
酒飲みながら1本出来た。

エロも何も無いが勘弁してくれ。
保守がわりって事で1つ頼む。
33女神:2008/10/27(月) 19:02:58 ID:l60Boj9k
俺はイングランドの自由交易船商人だ。
時は大航海時代。俺も周りの連中もみな金と名誉の為に命をかけて海に出ている。
そんな俺に先日ボルドーからワインを象牙海岸まで運ぶ依頼があった。
ヘラクレスの柱を越えアフリカ西岸をぐるっとまわり、
嵐と海賊が暴れまわる大西洋を風に乗り疾走するのだ。なんとも楽しい旅になりそうじゃないか。
俺は信頼出来る船員を集めるとともに、命ともいえる愛船のスループ船の整備を続けていた。
危険な旅だけあって儲けも大きい。
大金をかけてでも用意には気を抜く事が出来ないし、旅の安全を神にも祈りたい気分だった。
そこで俺は船首像の新調を決めた。

「はは…この俺が神頼みか ったく堕ちたもんだな!」

港の工場で中古の船首像を物色した。よしこれだ!
白檀の木目が美しい女神様だ。これなら海神ポセイドンも魅入られて嵐も避けて通るだろう。
もっとも決めた一番の理由はバーゲン価格だったからなんだが、一目で気に入ったのも事実だ。

しかしこの船首像をとりつけた事により彼の運命はかわっていく……

途中アゾレス諸島で水や食料を補給し象牙海岸を目指した。
小さな嵐にも何度か遭遇したが、その都度船員達はよく働き困難を克服していった。
そしてボルドーから三週間後、無事象牙海岸に到着した。
そこで積荷のワインを降ろした。
なぜかワインが少し減っていたが、どうせ船員の盗み飲みだろう。しょーがない奴等だ。
だが問題となる数ではなく彼はそれを無視する事にした。

「これが天使の分け前ってか?へっくだらねぇ!」

空いたスペースには金や宝石が積み込まれた。これを持ち帰ればめでたく依頼完了だ。
俺達は三日の休養の後、ボルドーに引き返すべく象牙海岸の港を抜錨した。

その日の夜の事だった……
俺達の小さなスループ船は突然の嵐に見舞われた。
それは尋常なモノではなく俺達は必死に船を操作すべく努力した。

「そっちだー!2番マストの帆を全部たためー!補強も忘れるなー!」
「せっ船長!こりゃもちませんぜ!なんとか岸まで辿りつかないと長いことは……」

俺は岸を目指し必死に操舵機を動かした。
その時だった……一段と大きな突風が吹き船員達を空に舞い上げていった……
俺は操舵機に捕まりなんとか難を逃れたが、ほとんどの船員が飛ばされたようだった……

「ちっ……俺は100まで生きるつもりだったが……こんなところでおわるとはな……」

ついに年貢の納め時がきたようだ。
まー思い残す家族も友人もいないし、ここで魚の餌になるのも悪くないか……。

その時だった。俺の体は一瞬浮き上がった。
すでに観念してたので風に身をまかせた。だがその瞬間突然嵐はやんだ。

「こっこれは……どうしたことだ……」

呆然とする俺が見たのは、
船首の女神像が白く美しい姿を浮かべて大きな鎌をふるいこちらに向かってくるサマだった。
34女神:2008/10/27(月) 19:03:34 ID:l60Boj9k
「こっこれは夢か?それともここがあの世なのか?」
「おい……オマエ……」

女神様が俺に話しかけてきた。こりゃ本格的にあの世にいったらしい。
ははっ…信じちゃいなかったが本当にあの世ってあったんだな。
ローマ教皇陛下殿に教えたらさぞかしうらやましがるだろうな…なーんてな…

「もう……ワインはここにはないのか?」
「へぇ女神様でも酒をたのなむのかい?そりゃー意外だな」
「オマエは何を勘違いしているんだ……私は死神シェラハ……女神などではない……」
「!!?」

おいおい?死神ってのは黒いローブで生気無い顔の不気味な男って相場が決まってるだろう……
それが目の前にいるのは絶世の美女。赤く神秘的な瞳でこちらをジッと見つめている。
死神らしいところといえば大きな鎌だけ。白いローブと美しい顔は女神そのものだった。
こりゃ冗談きついぜ、この美女が死神様だとはよ…

「もうオマエ達から必要数の魂は頂いた……そこでだ……」
「オマエの命を助けてやる事にする……しかしそれには条件がある……」

俺はすでに彼女の赤い瞳のとりこになっており拒否などできようはずもなかった。
それをわかっててこいつは…くそっ…どんな難題をふっかけてくるんだ!

「ワイン……あれは美味しい……あるなら早く出せ……」
「は?」

この死神様は酒を所望だとさ。どういう事だ?
彼は船長室に秘蔵していた68年モノの絶品の白ワインを彼女に差し出す。

「よろしい……今回はオマエの命は助けよう……」

死神は微かな笑みを浮かべながら上物のワインを味わっている。
それはどうみても女神のそれにしか見えなかった……

「オマエ達人間が……唯一私達の喜ぶ事をしたとすれば……ワインを造った事だ……」
「大地のニオイ……風の香り……それを果実とオマエ達の手が彩りを加える……」
「人間の魂より美味な物があれとすれば……まさにこれだな……ふふっ」

そう言うと彼女は風のように空に溶け込んでいった……
気がつくと夜が明けており四時間の漂流の後、俺はアフリカ西岸に運良くたどりついた。
夢のような一晩だった。

あれから1年たった。俺は今でも交易船で世界中を飛び回っている。
あの時と同じ船首像と飛び切り上等なワインをたっぷり船倉におさめてな。
怖くないかって?
そりゃ死神と旅をするのは怖いさ。でも俺はあの日あの赤い瞳に魅入られてしまったんだ。
もし俺が死ぬ時があればまたあいつが出てきてくれると思えば、
死ぬのもそう悪い事じゃーないさ。なんてな。

今日も海の上は穏やかだ。
そして船倉のワインは毎日少しずつ減っていく……
俺の女神様はまだまだここにいてくれるようだ……

オワリ
35名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 14:05:21 ID:IjU/LklS
スレとめてもーたorz
すまんかった。退却だー
36名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 17:26:28 ID:yqa6DRHZ
GJ!! 海洋モノか…新鮮だな…
37名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 14:58:00 ID:1XekK5AG
なんか土着的な死神サマですな
こういうのも良いよ良いよ〜
38名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:04:45 ID:sIi+apgj
読んでくれた方及び、
>>36>>37両氏、感想感謝でございます。
エロ無しなのでスレ違いかとも思いましたが、
このスレに感化されて書いたモノだったので、あえて投下させてもらいました。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
39名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 16:53:51 ID:8tMZygGW
40名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 20:07:51 ID:EtZ4nOqQ
やぎさわ先生…死神DETHEの続きが読みたいです
可憐な美少女死神が不良少年に死亡宣告にいくと…
得てしてその不良少年は、子犬を助けて死んだりする
41名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 20:57:38 ID:Xz5Cp5el
>>40
え?
不良のとこに死神が宣告にきた場合は大体においてブチ切れた不良と口論になって、
その間に鉄骨落下なんかの死亡イベントをスルーしてしまい焦った死神が不良を実力公使で亡きものにしようとして
追い詰められた不良が苦し紛れにキスをして半レイプかまして
最後はイカされた事によって従順もしくはラブラブ化(責任とってよね♪)エンドってのが基本じゃないのか…
42名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 13:11:26 ID:18yhrEXY
あげ
43名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 16:03:30 ID:pVvTBk9t
気持ちは分かるが、age進行ってだけで敬遠しちゃう書き手さんも割といるらしいよ
44名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 13:20:17 ID:FE8i69dG
そんくらい好きでいいじゃん
45名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 07:27:58 ID:P1SJ1PvB
>>43
忠告ありがとう
気をつけるようにします
46名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 14:48:54 ID:2F5it5X2
静かだ…
47名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 23:08:52 ID:c0M/PsyY
48名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 00:18:38 ID:CA+ShNmA
そろそろ神が光臨して欲しいぜ・・・
49名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 00:59:40 ID:qAvL7NGw
高層ビルの屋上、煌々と輝く月を背に、高い影と低い影。
その内の1つが口を開いた。
おそらく少女のものであろう、高く、澄んだ声。
背の低い影の、腰程までもある長髪が風に揺れる。

「どうしても此方に戻る気は無いのね?」

それに答えるのは男の声。
長い外套の裾をはためかせ、歌うように告げる。

「愚問だな、私はこの世界を気に入っている。向こうへ戻る気など無い」

それを聞いた少女は、苦々しく首を振る。

「わたしには分からない。どうしてあなたはこの世界を―――人間を気に入ったというの?彼らはとても弱い。私達とは違う」
「弱いからこそ、だ。そして人間は、本当に追いつめられた時にその命の輝きを増す。そう、我々とは違う。それは我々にはない強さだ」
「人間が、強い?」

男は口の端を歪め、にやりと嗤った。

「或いは、面白いと言うべきか。人間と深く関わるべからず―――などと言っておられるお偉いさんには分からんだろうがね」
「―――わたしには分からないわ。でも、わたしはあなたを連れ戻さなければならない。それが役目だから」

その目は、しっかりと男の目を見据えていた。
目に宿る光が、少女の揺るぎない決意を感じさせる。

「退いては貰えないかね?私とて手荒な真似はしたくないのだが」
「それは出来ないわね。わたしにも後がないの。これが汚名を雪ぐ最後のチャンス、逃がすわけにはいかないのよ」
「成る程、君にも避け得ぬ理由がある、と。宜しい―――来たまえ、可哀想なアリス。お茶会の時間にはまだ早いが、お相手しよう」
50名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 01:01:06 ID:qAvL7NGw

その一言で、空気が変わった。
吹きすさぶ風の中、殺気が張りつめた屋上にどこまでも音はなく。
空高く燦めく月が、二人の影を映し出す。

瞬間、少女が動いた。
前に踏み込むと同時、右手の中指に着けられた指輪が紅く輝き、瞬時に大鎌を形成する。
そのまま頭から滑り込むように身体を倒し、足下を薙ぐ。
まさに神速。常人の目では捉えることすら能わぬその動きに、しかし男は反応した。
まるでそこに斬撃が訪れるのを予見していたかのように、優雅に一歩を下がる。

「せっ!」

前に傾いだ身体を跳ね上げるような一撃、死角である右下からの逆袈裟。
この一撃はかわせまい、そう少女が確信した必殺の一振りは、確かな手応えを以て―――外套に阻まれた。

「あまりに直線的すぎる。不安定な姿勢で繰り出す攻撃ならば尚のこと読むのは容易い」

鎌の刃が、がっちりと黒い布に押さえ込まれる。
鎌は諦めて飛び退こうと脚に力を込め、愕然とした。
―――身体が、動かない。

「安心したまえ、殺しはしない。しばらく動けない程度には痛むかもしれないがね」

男の指が鳴る。
刹那、奇怪な紋章―――いわゆる魔法陣が、足下を中心に渦を巻くように溢れだした。
複雑な術式が高速で展開し、屋上を埋めていく。
少女の指輪同様、紅い光を帯びて縦横無尽に走る線が描いたものは―――

「保守」
51名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 18:01:27 ID:4a95MKje
GJ
ってか、ワロタw
52名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 18:50:13 ID:2xs9dk/r
落ちがまたw
53名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 15:08:56 ID:S25zdd8F
あげずに保守
54名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 07:35:06 ID:QNOuaqe2
死神娘が告知した相手が予定どおりに死にそうにないと腹上死を狙うのだろいうか

「最後に思い残すことは、ない」・・・」
55名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 14:26:58 ID:DuRg1RA9
職人は死神っ娘に連れて行かれてしまったのだろうか
保守
56名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 23:34:05 ID:6PC/aptB
死ぬ予定リストを拾った人間に脅迫されるのは、どうだろう
「お願いです・・・それがないと・・・」
「ほほ〜なかったらど〜なるのかな?・・ん?隣のゆかりが・・交通事故死?関係ない・・・」
リストをたてに恥ずかしいかっこをさせながら


保守
57名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 11:33:35 ID:+kd6BDka
58名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 19:11:52 ID:k7ib2a6K
職人くるまで今年も保守
59名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 10:53:17 ID:vkaY0gWS
「ここにあるリスト……友人の名前あるんだよね。……本人に言ったらどうなるかな?」
「お願いします……それだけは……」
 偶然死神娘から盗んだ、明日死ぬ人間のリスト。
 俺の言っていることはデマだ。そのリストに俺の友人の名前は、ない。
 だが、その持ち主である死神娘本人と対峙していて、脅迫できると確信した。
 ――ブラフだとばれない限り、大丈夫。
 引き出せた情報は二つ。
 死神は世界の未来に干渉してはいけない。
 分かるのは明日死ぬ人間の名前と、場所だけ。
 つまり、俺が下手な言動をしなければばれる要素はない。
「俺だって鬼じゃない。言うことさえ聞いてくれれば……見なかったことにしてもいい」
「一体何をすれば……」
「……そうだな。まずは脱いでもらおうか」
 死神娘の顔が一気に赤く、青くなる。
 耳まで真っ赤にして俯いたかと思えば、青ざめた表情を浮かべさえしている。
 何かの葛藤が起こっているのかもしれない。
「口封じに俺を殺すか? できないよな、そんなことをしたら未来が変わる。
 だが、このまま俺の言うことを聞かないならその時も未来が変わるぜ」
 最初こそ楽しんでいたが、じれったくなり背中を押す一声を刺す。
 目の前で“すとん”とコートが地面に落ちた。
 続けて衣擦れの音を立てながら、一枚一枚丁寧にセーター、スカートと脱いでいく。
 ビルとビルの狭間、真白の雪が着飾るこの狭い空間。
 そこを黒い下着と白い肌の映える娘と自分だけが占拠していた。
 白い肌を羞恥で赤く染め上げ、表情を悔しさで染め上げている。
 その光景が絵になりそうだと感嘆した。
「……やっぱり死神と言えば黒だよな。後は黒いローブでもあれば……」
 目を粒って考えながら呟いてから、ふと前を見ると黒いローブが姿を現していた。
「これで、いいです、か」
「ほう。流石死神様。……だが、マントの下は何も着ないのがお約束だよなぁ」
 どうして人間なんかに、と言いたげな目で睨んでくるが、手遅れだ。
 涙目で上目使いに睨んでも可愛いだけである。
 黒いローブを羽織って隠しながら、涙を浮かべた表情で恥ずかしそうに下着に手をかける。
 黒い下着が白い肌から白い雪へと羽織り主を変えた。
「……良い眺めだ。さ、そのまま街へ行こうか? ……安心しろ、皆、コスプレとしか思わんさ」

>>56
こうですか! 分かりません><
60名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 13:09:13 ID:+QQWmwO1
GJ!^^^^^
61名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 22:26:20 ID:2ZX/ibJ8
さあ本能の赴くままに続きをwkwkwkwk
62名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 22:55:47 ID:5joUAybh
>>59
早く続きをw
63名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 22:41:14 ID:ZR2G5HAG
64名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 02:51:44 ID:I+kN2t6V
65名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:14:57 ID:gP/GYIgN
「なんで人間なんか、に」
 羽織っている黒の映えるローブを必死に下に伸ばしながら死神娘が呟く。
 傍らの男は街道で“出て来い”と手を差し伸べるが、まだモジモジしている。
 前が見えているぞ、と語りかけるときゃっと死神とは思えぬ可愛い悲鳴が上がった。
 死神娘の手がローブの下端を離し、慌てて前を閉ざすように伸びる。
 黒のローブ下端が危険な光景を描くのを男は好色的な目で見ていた。
「ゆ、許して……」
「まだまだこれからじゃないか」
 男のやらしい笑みが、死神娘の表情が更に恥らいと絶望の色を濃くする。
 ここから、男は情報を得る為に推測する。全ては、脅迫の為に。
 このローブの大きさが自由自在ではないのは明らかだろう。
 そして物を自由自在に出せるなら大きめのローブを取り出せばいい。
 ここから、どうやら出せる物にはなんらかの制限があることだ。
 思ったより死神の力は絶対的な物ではないように男は感じた。
「……」
 死神娘の一歩がまだ街道に届かない。
 ネオンの光輝き、街頭の照らす明るい街並に踏み入れる勇気がまだないのだろう。
 人通りは少ないとはいえ、こんな格好ではすぐに人目が付くのは容易に想像できる。
 やれやれ、とため息と同時に死神娘に近づいて――
「きゃっ」
 ――無理やり両手を引っ張った。
 死神娘がパニックに囚われ急いで路地に戻ろうとするが、男が手を離さない限り戻れない。
 手がピンと伸びて引っ張られてからようやくその事に気付いて男の周りを右往左往する。
 逃げる場所を探しているのか、単に気恥ずかしさに耐えられないのだろう。
 黒いローブは死神娘が暴れている原因で既に前がはだけ、露出度が増していた。
「ッ! 離して」
 慌てて隠そうとするも、死神娘の両手は男が握っている。
 死神娘は男の手前に位置していて、前がはだけようと大半は脅迫者の視界以外には入らない。
 だが、万が一見られたら、という想いが死神娘の羞恥心を煽る。
 男はまだ手を離さない。手を外させようと暴れる死神娘の肩が黒いローブを拒絶し始めた。
 ローブが肩を抜ける。死神娘の涙がこぼれると同時に、男が手を離した。
 慌てて死神娘が涙を堪えながら服装を整える。
「これからは俺が手綱を引かなくても歩けるな?」
(周りは人間ばかりで死神から見れば人形に過ぎない……恥ずかしく、ない……恥ずかしく、ない)
 死神娘には再び泣きそうな表情を堪えながら頷くしかなかった。

と妄想を広げるのはいいが、技術が妄想に追いつかないから困る。
66名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 22:36:25 ID:IptIWVCB
ハァハァ
67名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 04:55:54 ID:uyOidBDq
もっと続けてくれぇぇぇ!!
68名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 01:37:10 ID:DmXn7SD4
っネタ切れ
ところで何連投までできるとか行数制限とか全く知らないんだが、皆どこで調べてるんだろう

職人降臨期待保守
69名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 08:09:52 ID:j+w7Qvbq
とちあえずいったんご苦労様といっておく
一応ネタの」ひとつでも

死神娘には、ついてます(なにがついてるかは、ご想像におまかせします)
70名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 17:43:10 ID:S8Xt2494
71名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 00:49:02 ID:LgyBltwY
>>68
行数→50行前後目安
連投→30秒以上間をあければおk
注意→長文で1行目が空白だと荒らし扱いされて投稿できない
気にするのはこれぐらいでいいんじゃね?
72名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:52:58 ID:75DnysRr
バレンタインも通過してほしゅ
73名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:04:00 ID:nEphP4yU
ハイテンションに「アタシが死ぬっといったら死ぬの!」て感じのハイテンション死神か
「・・・あなた・・22時に脇道から飛び出してきた牛乳瓶眼鏡のおさげ娘に呪いの言葉をはかれながら包丁でざっくり刺され・・死ぬ」と宣言して去る科目系か
わけのわからないことを叫びながらわけのわからないことをいってくる電波系か

他に何があるかな
74名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:57:27 ID:JblvxA10
淡々と事務的に物事をこなす死神
淡々と事務的にこなすけど、内心はいっぱいいっぱいな死神
どんどん墓穴をほっていくぐらいいっぱいいっぱいな死神
寧ろ主人公に騙されて要望を受け入れちゃうぐらいの無垢な死神
75名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:30:33 ID:CN2oqjYp
久々にあげ
76名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 16:13:11 ID:5/XX+pD3
落ちないように保守
77名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 16:34:21 ID:Uti4P1Kf
久々に来たけど過疎ってるな
78名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 12:32:35 ID:R+tIDAbc
死守
79名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 00:33:23 ID:zSk2NoXj
死神か
いいな
80名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 09:15:00 ID:fDWRByRC
80
81名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:23:45 ID:BhctUjJn
>>65
技術を磨いてもどってくるのはまだか!
まじでまだですか?orz
82名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 19:08:37 ID:iFVPDzJq
念願の死神っ娘に連れて行かれてたりしてなw
83名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 14:33:23 ID:+2QYg7iR
84名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 11:12:03 ID:5pK6IyBr
85名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 18:28:29 ID:3E6uh/wM
腹上死させようとがんばる死神
86名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 07:09:14 ID:jKajOCJl
しかし自分がイキかけて涙目
87名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 23:24:16 ID:MALoZiWl
「突然だが君」
「ん?」
「寿命を当の昔に超しているので、強制連行の令状が来ている。ちょっと死まで来てもらおうか」
「誰だね君は。私に何の用だ?」
「私は死神の3カロン。貴様の命を奪いに来た者だ」
「放っといてくれ。私は遅からず自ら命を絶つつもりだ」
「だったらもっと早く氏ねば良かったのに」
「何てこと言うんだ君。人に向かってさっさと氏ねだと? だいたい何だね3カロン? 競馬か」
「黙れ人間。天網に従わず安穏と生き延びるなど断罪されて然るべき!」
「これは酷い。天使だか悪魔だか知らんが、ゆとり脳がここまで」
「何をごちゃごちゃ言っている? 手間を取らせれば問答無用で無間地獄行きにしてやるから覚悟しておけ」
「女の皮を被った異端尋問官という訳か――よしこうしよう。その前にストリップやれ」
「……裁きの雷で苦しんで氏ね。未来永劫希望のない奈落の底で足掻き続けろ!」

こういう死神ってドSって言うんですか?
88名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 22:45:22 ID:T7ZSNAGi
圧縮回避
89名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 01:58:09 ID:b7z4MjsI
>>86
使命感で仕事してる死神には堪えるね

「あの…まだ出なさそうですか?」
「は、はい」
「はぁ…はぁ…」
(挿れてから十分くらい経つのに…人間の男の人って皆こうなのかな…?)
「あっ…!はん…」
「し、死神さん?」
「…!ち、違います!私イったりなんてして…」
「え…俺のでイ…」
「違います!わ…わたし…わたし…死神なのにそんな…」
90名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 08:02:43 ID:5tXhRfHr
>>89
GJ
91名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 18:58:45 ID:2xSRMSoP
>>89
つづきまだー?
92名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 00:12:17 ID:Pp0Ca84P
続き! 続き!
93名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 01:50:16 ID:5ey2AQmJ
職人降臨期待保守
94名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 19:22:30 ID:X7W+HtGy
やっつけだが一応


 ざっくざくーのにゃんにゃんにゃん
 ざっくざくーのにゃんにゃんにゃん
 はーやく死ねー そしていーき絶えろ はいっ
 あなたの血ぃーが 見たーい(見たい)殺しーたーい(いぇいっ)
 声:さっさと地獄へ落ちて、釜茹でになってしまいなさーい
 あー わったしーはー にーんげーん屠殺! にーんー♪

「うるせえええええっ!!」
 喬生は飛び起きた。
「誰だこんな朝っぱらから大音量で気色悪いアニソン流してんのはっ!!」
 するといきなり飛び込んできたのは女性の姿。
 髪はやつれてぼさぼさ、顔はきれいだが青白く、まるで病気のよう。
 足元に跨り、クマの出来た目で、喬生を睨んでいる。恐ろしい形相。
「…起きたのね」
「何か知らんが足元から聴こえるそれを止めろ!」
 彼女は言葉を理解したのか、隣に置いていたラジカセを止める。
「はぁ…この野郎、一体何だってんだ!」
 彼女は再び向き直ると、恐ろしいスピードで喬生の首を掴んできた。
「うわぁあっ!?」
 喬生はその物凄い力に悲鳴をあげるが、抵抗出来ない。
「私の為に――死んで!」
 かた、と音がしたかと思うと、彼女の右手がとんでもないものを持ち上げた。
 巨大な鎌。細腕で軽々しく――容赦なく振り上げた。
「や、やめろぉおおっ!」
 火事場の馬鹿力発動。
 左手を無理矢理退けて、喬生はベッドから転がり落ちる。
 ザクッ、と枕に刃が突き刺さったのが確認出来る。
 ――事もあろうに、狙うのが頭とか…確実に殺る気だ!!

 彼女は髪を振り乱して、逃げた獲物の方を見た。
「どうして…逃げるの? ねぇ…死んでよ…死んでったら…ねえ――!」
 目に狂気しか感じられない。喬生は逃げる以外の選択肢が考えられなかった。
「死ね…死ね、死ね死ね死ね死ねぇぇぇええええっ!!」
 鎌を抜き、考えられない振りかぶりで襲い掛かってくる彼女。
 ぶおんっ――!!
 がしゃんっ、と派手な音を立ててタンスに激突した。
 上手く避けた喬生はすぐさま部屋を飛び出し、玄関へと一目散に駆ける。
「ううぃいいええあああああっっっ!!」
 とてつもない奇声に身震いしながらも、蹴破るように飛び出す。
 どごっ! ぐしゃっ!
 少し離れた辺りでとても日常的ではない鈍い音が響く。
 ――何だってんだあの女の姿をしたモンスターは!
 と、走りながら後を確認すると、「あの女」が瓦礫と共に舞い上がった。
「!?」
 それは恐ろしい推進力で喬生の方へと飛び込んでくる。
 ――走って逃げても間に合わない。捉えられている!
 そして上空から鎌を振り上げると、落下と共に一撃を繰り出してきた。
「――!!」
95名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 19:26:16 ID:X7W+HtGy
 アスファルトの道に大穴が開き、彼女は体を屈めたまま動かない。
「……あー、愛ちゃん、非常に言い難いんやけど…リスト間違っててん」
 間を置いて地面にすとん、と着地する影。
 女の子だった。その腕には喬生の体が抱えられている。
 体格からは想像出来ない怪力。彼女は喬生の体を道端に横たえる。
「……」
 ぎろりと相手を睨む、愛――と呼ばれた女性。
「あ…あんたら、一体?」
 言葉を失っていた喬生が、ようやく口を開いた。
 女の子は喬生を見て、にっこりと笑う。
「死神代行。申し送れました、私は恋。そして彼女が愛」
 二人一組で一帯の調査と任務遂行を請け負う、あの世からの来訪者――。
 まるでトンデモな話を当然のように聞かされた喬生は、言葉も出ない。
「普通は無関係の人にバレたらあかんねんけど…ま、ええか」
 良くないだろ――と突っ込みすら入れきらないテンションだった。
「うちは一回本部に戻るから、愛ちゃん? 後は頼んだで」
「……」
「そんな顔せんといてや。ほな、よろしゅう」
 そう言うと恋は行ってしまった。
 喬生は愛と二人、その場に残された。

「え…と俺、何されるの?」
「ぶつぶつ…ぶつぶつ…」
 見ると、何やら俯いて独り言を口にしていた。
「あ…あの…」
「あの女汚い仕事だけ私に押し付けて手柄は独り占めで司様を誑かして…」
 覗き込んだ顔は心此処に在らず、だった。
「……殺す…皆殺してやる…そうすれば司様は私のもの…そうよ私の――」
 突然にやりと笑う。
「ふ、ふふ…ふふふ…あははははははは!」
 もはや、関わり合いにすらなりたくない喬生。
 その場を立ち去ろうとすると、突如愛が肩を鷲掴みにした。
「――何処に行くの? せっかくだから死になさい!」
 顔を向けると、またしても鎌が――。
 どごんっ!
 刃が近くの石壁を砕いた。
 しかし喬生の体は辛うじて動き、退避していた。
「何だよっ!? 無関係なんだろ俺は!」
「死ね!」
 間髪置かずに振り上げた。
 がんっ。
 時間が一瞬止まった。そして愛はその体勢のまま下に崩れた。

 愛は目を覚ました。
 ここはベッドの中。額には氷嚢が乗っていた。
 そして恐る恐る、顔を近付けてくる者がいる。喬生だった。
「……もう少し…だったのに…」
 助けてまでこんなことを言われるとは、理不尽もここに極まれり――である。
 愛の額に当たったのは、野球用のゴムボール。どこからかタイミング良く飛んで来たのだ。
 しかし、こうもおかしな出来事の連続ばかりだと、物事を真面目に考えるのが馬鹿らしくなる。
「ブツブツ…私の鎌を…何度も何度も…目障りだわ…ゴキブリの様……あ」
 ばっ、と起き上がると、またも首を掴み――かけるが、逆に喬生に手首を掴まれる。
「鎌はどこ」
 それでも顔を近付けて凄んでくる。
「隠したよ。そうでもしなきゃ、次は確実に殺される」
「返せ…返せ…ううぉわぁああ!!」
 常に狂気。しかし、今は何故か力が出ない。
 暴れようとしても簡単に抑え付けられ、ベッドに突き伏せられる。
「命の危険感じたせいで、下がどうなってると思うんだ? 責任取れよ」
96名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 19:27:09 ID:X7W+HtGy
「うっ……んぐっ……」
 苦しそうに唸る愛は今、衣服を剥ぎ取られ、犯されている。
 喬生は愛の来ていた服の中を物色し、薬なる物を見つけた。
 勿論飲ませた。精神安定剤的な物かもしれないし、とりあえず今以上に凶暴化はしまいと。
 成功だった。愛の怪力は人間並に落ちた。
「ああっ……ぐ…うぅ…」
 ひたすらに嫌がる愛だが、体は喬生の愛撫によって、段々と感じ始めていた。
 捕まえた手首には包帯が巻かれ、それを外すと無数のリストカット痕。
 構うものか――と傷痕を舐めると、それが効いたのか一層力が抜ける。
「はああぁ……」
 切れた状態でない時の顔は、割と美しい。
 体も感度は良いし、胸や体つきの感触も意外と悪くなった。
 つまり、勢いを保つだけの刺激は充分だった。
 また、喬生が根を挿し込んで揺らすその体は白く、暗い部屋には妖しく似合う。
 口づけで口内を舐め回せば、ついには応じ始めるその舌。
「ちゅぱ…ちゅ…」
 こうして手篭めにしてしまえば、単なる女――喬生がそんなことを思っている内に下に熱が篭り、そして爆発した。
「――っ!!」
 果てた。

 しかし、少し休むと再び体が疼き出す。
 そして根の怒りが静まるまで、喬生は何度も手を変え形を変え、種を撒く。
 愛もいつしか、その全てを受け入れるようになっていた。
 一通り出しきり、横になる喬生。
「……」
 愛は放心状態だった。だが、そこにはモンスターの気配は一片もなく、女の表情があった。
 と、ドアが開いて誰かが入って来るような音がした。
 ばたん。
「……おや、お邪魔でしたか」
 入って来たのは見知らぬ男。
 美形だった。そして愛や恋と同じような服を着ている。
 驚いて反応したのは愛。
「あ、つ…司様! これは、あの…!」
「黙っていなさい、愛。…どうやらこの度は、大変ご迷惑をおかけしたようで」
 喬生は何となく状況を把握した。
「あー…すまん。おたくの女の子、俺を襲うのをやめないから逆に襲っちまった」
 愛は涙目で喬生と、相手を見比べている。
「彼女の自業自得です。それに元はと言えば我々の責任。どうかお許し下さい」

 喬生はその後の話を、いまいちよく覚えていない。
 ヤリ疲れていたこともあるし、元々現実味のない話だったからである。
 鎌の場所だけは適当に教えて、そのまま寝てしまった。
 起きた時には司も愛もそこにはおらず、壊された物は全て元通りになっていた。
 なかったことのように、喬生に現実が戻って来たかのように思えた。
 しかしその後、何度も住所のない恋文が送られてくるようになった。
 司様を慕っているとは言え、あなたのことが忘れられない云々と。
 この手の性格の女性は一度落とすと、こうなりやすい――と喬生は聞いた。
 ――どこかに逃げようか。いや、死神からは多分、逃げられないよなぁ……。
 ただ、会うことを禁じられてでもいるのか、直接やってくることはなかった。
 まともに考えればこれで最低限良い……はずである。
 それでも時折喬生はその恋文に目を通しては、あの死神のことを思い出すのであった。
97名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 21:10:17 ID:ztNqYN3o
GJ!
最初の歌をみたとき、やっつけすぎるだろwwwって思った俺を許してください
98名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 23:25:56 ID:NcVFW6JJ
あの歌でテンションをあげる高等テクニック。素人は、手を出しちゃダメ
99名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 22:14:18 ID:IP/RyrZT
>>94
GJ
100名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 09:23:35 ID:eFhaLgwq
保守
101名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 09:35:31 ID:6X6nlqMp
最初のイカレた歌と、ラストの切なさの落差が物凄いな。ワロタが。
102名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 10:26:59 ID:EsDAbHGB
最初の歌の選曲にほれた
103名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 12:24:20 ID:tCSCDoOb
死神娘に連れてかれるまえに保守!



あれ?前にも同じようにこと書いた気が……
104名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 04:45:24 ID:5PB9njTZ
今月のノルマがやばいんで
「死・ん・で・・くれるかな?」(笑顔)
君の寿命は、後80年あるけどうちらの感覚じゃ誤差の範囲だしいいでしょ?
ちょっとこれでさくっと痛くないよ。今なら地獄でくつろげるようにするよ
嫌?じゃあ貴様の子種を持って帰るか
105名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 14:45:32 ID:IODP6lEB
>>104の少し先を妄想

「で、持って帰ったらデキちゃったみたい」
「マジで?」
「うそです」
「なんだうそか」
「今度はしっかり孕ませてよ」
「もうやめて下さいあんな極悪プレイ。てかそもそも種付けさせんな死ね」
「私はもう死んでいる。それに一発や二発別にどうということはないでしょ?」
「死んだ方がマシだ」
「いや、むしろイけ。逝けじゃなくイけ」
「嗚呼、搾り取られて無残な最期を遂げるのか」
「それで死ぬなら好都合かな。てか二度美味しいよね」
「盛りのついたサキュバスかお前は」
「とにかく今日も持って帰るんだから、つべこべ言うとこっちから行くよ?」
「くそっ、地獄で出世していつかお前に復讐してやるからな! 覚えてろバーカバーカ」
「――は、あんっ! …それに、つけても…君のが、欲しいっ!」
「うっ…何か、昨日より締め付けが…ううっ……あっ、あああっ!」
「このまま、出して……くっ…んっ――!!」
「……はぁ、はぁ…ご覧の、有様だ」
「はぁ…ダメ…そんな顔、されたら…好きになっちゃう…」
「くっ、可愛いじゃねーかよ策士め」

そんな保守
106名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 22:31:34 ID:XWTiCcPY
107名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 01:01:28 ID:q2gpZDjb
可愛いじゃねーか
108名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 21:33:30 ID:EN/nMUlK
死神可愛いよね
109名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 09:23:03 ID:oIDvU5J2
「アライブ」の死神たん、可愛かった。
約束破られて泣いてるとことか。
110名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 22:36:29 ID:07Uy9S29
アライブか・・コミックスまつかな

鎌の大きさは、どんなもん「
111名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 02:10:17 ID:zqRoeJ+f
age
112名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 00:32:01 ID:IFEcYh4h
寂しいな
113名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 07:27:15 ID:RDf8BJLY
死神娘に腹上死させられた人がいなんだな。

思いっきり腰を振って差し込んできつく締めてねじ切る
黄泉の世界にごあんなーい
114名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 23:39:49 ID:SprnkOMU
死神可愛いのになぁ…
115名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 08:05:34 ID:2yMlPxMp
ねぇ
116名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 04:13:55 ID:ndWqaEkq
全くだ
117名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 06:33:44 ID:SUtQd8yP
死神の必須アイテムてなんだ?
E大きな鎌
死亡予定帳

基本的に冥界の公務員だから17時になったらコトの最中でも打ち切るのか?
衣装は?和洋華鮮米(ウェスタン調)?
118名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 08:47:06 ID:QriYr0HG
必須アイテムなどという形にとらわれる必要はない。
好きなようにすりゃよろし。
119名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 09:31:36 ID:fiXoyerI
嘘分類表。加筆修正はご勝手に?


【クラシック】
 黒いローブないし黒装束で、大鎌を所持。

【パンク】
 黒系ながら装飾過多、羽根がある場合も。肌の露出は両極端。
 ・クラシックからの派生。

【エンシェント】
 黒いローブの中身が骨。鎌は必須。
 ・クラシックの源流、『死』のイメージ

【ケルティック】
 戦装束に身を包んだ女性。戦士や兵士を対象にする場合がほとんど。

【モダン】
 時代や場所に合った服装で、専らその時代の主流の武装を使用。
 種族としては人間。
 ・中世や宇宙世紀の話であっても該当する

【クリーチャー】
 姿形が人外。
 ・新世界の神(未遂)の後ろにいたタイプ
120名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 11:20:21 ID:Oj4l3J/p
顔と手以外隠れるでかい布を被ってる。
中は裸。
121名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 23:21:50 ID:BIxVu1ho
なんか普通にスーツ着て名刺持った死神もいたよな・・・
122名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 08:24:33 ID:LZFIwqTk
虫取網持って、魂追いかけてる死神も居た。
123名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 14:34:28 ID:bI46rgvg
>117
裸ローブとかどうだ。ほら、骸骨な死神はフードつきローブの中は大概骨丸見えだし。


何となく、鋏で身体と魂をつなぐ緒をチョキンって切ってガラス瓶に入れて持ってく死神とか浮かんだんだがあれは何だっけか。
あと「お迎えです」のウサ着ぐるみとかは…ってあれは死神とは違ったっけか。
124名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 21:16:24 ID:OwRlgsMn
死神の精度の死神は、モダンか。死神くんもか
幼なじみの娘が「私、実は・・」て告白するパターンもいいな

この台詞の続きは、ご自由に

〜ちゃん。3丁目の原さん・・今晩だけど
「めんどくさい・・あんたいってきて」ぽりぽり

セーラー服と大鎌の組み合わせになると死の宣告じゃなくてその娘に殺されるイメージしか浮かばない不思議!

125名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 01:39:44 ID:eg51TaDX
乱雑に描いてしまった駄文を投下させて頂きます。
消費は7レス程。
少しでもお楽しみ頂ければ幸いです
126しにがみのたべもの 1/7:2009/08/26(水) 01:40:31 ID:eg51TaDX
 少女が身の丈を遙かに越える大鎌をぶんぶん振り回していた。
 親のアイデアにより護身術を少々学んでいた僕は、少女に追いかけられていた男性を助けるために愚かにも突撃した。
「桐道 弥生、行きます!」
 どうやら少女は男性しか目に入っていないらしい。僕は後ろから全力でダッシュし、少女の背中に痛恨のタックルをお見舞いした!
「あべしっ!」
 鎌を手放し、吹き飛ぶ少女。ガン、と転がった鎌を更に蹴飛ばしてから唖然としている逃走者に微笑んで、
「ここは僕が食い止めます! 早く逃げて下さい!」
「お、おう! ありがとよ!」
 彼が青白いのはきっと夜で暗いから僕の目の錯覚だろう。僕はオカルトを信じません。怖いから。
 角を曲がって消えたのを確認して、僕は少女に向き直る。吹き飛ばされて地に張付いていた
彼女が、丁度立ち上がる所だった。
「じゃ、邪魔をしないで……」
「は、犯罪を見過ごせないよ! どうしてもと言うなら僕を倒してからいけ!」
 道を塞ぎつつも、少女から鎌への道のりを即座に妨害できるように構える。キックを
一発繰り出す程度には余裕があるつもりだった。
 が、
 あろうことか、
 なぜか、
 彼女の手には既に鎌があった。
「おいィ!?」
 ありですかそんなの!?
「漆黒の布の塊でできた死神が人間に遅れをとるはずがないわ!」
 少女は大きく振りかぶって……ジャンプ。物理法則を無視しているとは言わないが、
人間の規格をかなり逸脱しているのは確定的に明らか。棒高跳びのような高さから、
襲いかかって来た。
 横っとびで降り注ぐ一撃を回避する。その迫力たるや、槍で襲いかかる竜騎士の様な
ものだった。
 着地した少女が、僕を見据える。獲物を逃がさない獣の目に、恐怖を感じる。かろうじて
足が震えるのは押さえ込んだ。
 こうなっては、新技を閃くしかあるまい。
 さもないと怒濤の連続攻撃で瞬く間に負けてしまう!
「うおぉおおぉおお!!!」
 全身全霊の猛攻。一騎当千の兵として現代日本無双に僕はなるッ!
 と意気込んだ矢先。
 ばたん。
「え?」
 少女はまるで鎌に潰されるような感じで、ばったりと倒れた。
 カランカラン、と金属音が暗い街道に鳴り響く。
 虚勢を全部持って行かれて、僕はしばらく立ち止まっていた。
 そして、前振りもなく唐突に思考能力を回復させて。
「と、とりあえず連れて帰ってあげた方が良いのかな……」
 黒いローブを纏った彼女をおんぶして、家に帰ることにした。
 何故暗い中で見分けがついたのかというと、鎌が真っ白だったからに他ならない。
「あ、鎌……どうしよっか」
 見つめて、ほっといても大丈夫か。と思い直す。
 物より人命。こんなものを持たせる親の顔を見てみたい。
127しにがみのたべもの 2/7:2009/08/26(水) 01:41:15 ID:eg51TaDX
「ん、うぅ……」
 3時間後、僕の家で少女が目覚めた。衣装は僕が背負ったときのまま、真っ黒いローブを
着ている。ローブは魔法にでもかかっていたかのように、全く汚れていなかった。
 無理に脱がすのもどうかと思い、ローブを着せたまま僕のベッドに寝かせたのだった。
「起きた?」
 まだ目の焦点があっていない少女に、手を振ってみる。ゆっくり焦点が合っていくと一緒に
表情も険しくなっていった。
「よくも邪魔をしたな……ぅ」
 どんどん尻すぼみになっていったので、慌てて駆け寄る。運んでいる時にも感じていたけど、
背がちっちゃいと言われる僕よりも、彼女は更に小さかった。両手できちんと支えられる
くらいに。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃ、ない……」
 彼女は羽根のように軽い。こんなか弱い体で、あんな鎌を振るっていたのだろうか。
「どうして人を殺そうなんて」
「あれはもう死んでる……、幽霊よ」
 ……はい?
 た、確かにお墓に出てきそうに青白かったけど。
「し、死んでる?」
「ええ。私たち死神は魂を刈って食事と成すの……なのにあなたは」
 つまり、この少女は死んじゃった人の魂を食べて生きているのか。
 ……厨二病も甚だしい。昔の僕を見ているみたいで香ばしすぎる。魔神剣とか、天破活殺
とか色々やった。懐かしい。
 とはいえ、全否定しても気分を損ねるだけと思う。ここは合わせる振りだよ。
「じゃあ、死んじゃうの? 助ける方法はないの?」
「…………あるわ。1つだけ」
 やっぱり。
「どうすれば?」
「…………私と、……」
「な、なに?」
「私と、交わって」

 ……

 …………

 ………………

 お、落ち着け。タダノ聞キ間違イダヨアハハ。
「聞き間違いじゃないわよ」
「ええぇぇえええぇえ!? なんでッ!?」
「精液は魂の元。次の魂を食べるまでの繋ぎには十分になる」
「ほ、本気で!? 冗談じゃなくて?」
「例えビッチだ恋空だと呼ばれようが……私はまだ死にたくないわ……」
 死に怯える死神。良く観察すると、手がぷるぷる震えていたり、顔が紅潮している。
 僕の視線に合わせるように、死神少女がこちらを向く。
「もしかして初体験なのかしら。……幾らでも女性は寄ってきそうなのにね」
「……」
「仕方ない……か。私がリードしてあっ!?」
 唇を奪った。どうしようもなかった。
 色んな感情が混ざって、どうして唇を奪ったのか、一言で表現できはしない。
 十分な時間を見計らって、唇を離した。
「……ごめんね」
128しにがみのたべもの 3/7:2009/08/26(水) 01:41:47 ID:eg51TaDX
「本当に。死神として恥よ」
 黒いローブが、霧散した。
 薄い水色を基調とした、中世ヨーロッパと現代日本の服装が合わさったような服装が露わになる。
豪奢と言えばそうでもなく、質素と言えばあり得ない。適度な装飾と意匠があしらわれた、
それだけで芸術になり得るような、美麗な服だった。
「綺麗だね」
 見せないのは非常に勿体ないと思った。儚げな髪と絶妙にマッチングして、彼女の
魅力を引き立たせる衣装だと思った。
「……どうしたの?」
「し、死神は動揺なんてしないわ!」
「それなら良かった。えっと……」
 この先は服を脱がせるんだよね。……死神とは言え、女の子の服を脱がせるのには、
やっぱり抵抗がある。
 戸惑っていると、死神さんがジト目で一言。
「早くしてよ……急がないと」
「そ、そうだけど……服、脱いでくれるかな」
「ッぅううぅううぅうぅ!?」
 止まった。彼女の時間が止まった。
 当然、数秒後には再始動して
「な、なんてことを! 言うの! この変態!!」
 ぽかぽかと僕の胸を叩いてくる。
「だ、だって……」
「変態! 変態! 変態!!!」
「……うぅ」
 酷すぎる。効果は抜群だった。
「……脱がして」
「え?」
「こういうのはムードが大切って聞いたわ」
 その尖った声がもうムード台無しな気がする。
 とはいえ、彼女が服を脱ぐ気配を一向に見せないので僕が脱がすことにする。
「う、……んん? む、ぅ」
 これはバンザイしてくれないと脱げないんじゃないだろうか。全く手を挙げてくれないので、
手も足も出ない。
「…………ボタン」
「あ、ああっ」
 よく見たら前にボタンがある。微妙に隠れていて分からなかった。
 ぶすっ、とした表情に身の危険を感じながら、ゆっくりとボタンを外していく。
 白い肌は、病的なまでに美しかった。死神なのに、神聖さまで感じさせられた。
「……どう?」
「ん…………綺麗だよ」
「それ、さっきも言った」
「だって、他に言葉が思いつかないよ」
「服に言うからそうなるのよ」
「ぅ……」
 服がはだけて、威圧感は全く無いものの、別種の圧力が僕を襲う。上手く抵抗する
術も思いつかない。
「ほら、早く脱がせてよ」
「う、うん……」
 手を上げないので、先にブラジャーを脱がせようと思って手を伸ばすと、
「――っ!!!」
「う、うごかな、げふっ」
 暴れた足がお腹にクリーンヒット。予期していなかった僕は悶絶して、ベッドの上で
のたうち回った。
「い、いだ……」
「な、なんでそっちから!? 頭おかしいんじゃないの!?」
「手、上げてくれないし、どっちにしろ取らないと……」
 流石に一般人の僕が良くあるテクニックを持ち合わせている訳がない。と言うより、
まともに……そういう、性行為を行えるかどうかすら怪しい気がする。
 何故か死神さんは、後ろを向いた。
129しにがみのたべもの 4/7:2009/08/26(水) 01:42:34 ID:eg51TaDX
「もう必要な分は見せたわ。これ以上は不要よ」
「いや、と言っても……」
「どうして赤の他人に私の裸体を見られないといけないの」
「ごめんなさい……」
「……早くして」
 両手で自分の体を抱きしめる姿に、自然と引き寄せられた。
「な、なに……っ」
 後ろから、有無を言わさず抱きしめた。ぽかぽか暴れられると思ったけど、そんなことは
無かった。
「あれ、暴れないの?」
「う、うるさいうるさいうるさい!」
 と言いつつも、暴れない死神さん。しーん、と部屋が静まり返る。
 目を閉じて、ゆっくりと2度目のキスを交わした。
 当たって砕けろと舌を伸ばすと、死神さんの舌とぶつかった。
 反射的に僕は舌を引っ込めてしまうが、それは死神さんも同じだった。
 そろそろと再び舌を近づけて、今度は絡め合った。我ながら拙い動きで、より深く絡めようとする。
けど、上手くいったと思ったらいつの間にか離れる。そんな動きを繰り返していた。
 いい加減わざとじゃないかと思い、目を開ける。目の前には、ぶっすりとした死神さんの瞳が
見えた。慌てて目を閉じる。
 とは言っても、舌を絡めようとすることもできず、そのまま唇を離してしまった。なんとも
情けないことこの上ない。
「わざとでしょ」
「違うよっ、そっちこそわざとじゃ」
 ないの、と言おうとしたところで、今度は僕が唇を塞がれた。何をする暇もなく舌まで
絡められる。積極的な行動を無下にすることはできず、僕も舌を絡めていく。
 今度は上手く嵌ってくれた。唾液が卑猥な音を立てて混ざり合う。その音で自然と欲望が
高まってくる。自分でも、抱きしめる力が強くなるのが分かる。
「ん……はぁ……」
 僕たちは唇を放した。甘い空気が僕を、恐らくは死神さんをも、包み込んでいた。目の前の
死神さんの顔はとっても赤かった。
 注目を逸らすためか、死神さんはすりすりと体を回転させる。彼女の目論見通りに、僕は
抱きしめる力を緩めて、彼女の素肌に視線を向けた。
「そんなにみ、みないで……」
 恥じらう死神さんだったが、見たものを死に誘う美しい肌は、童貞の僕には抗いがたい魔力を秘めていた。見ているだけで魂を吸われている感じがした。
「だから、みないで……っ」
 ぐい、と両頬を手の平で挟まれ、ぐい、と視線を上に。当然の如く見つめ合う格好になり、
再び死神さんの顔が赤く。
「あー、うー……」
 再び誤魔化すように、今度は服を脱ぐことに走る死神さん。脱いだのは何とブラジャーだった。
「……」
「あ、貴方の希望の通りにしただけよ! 何か文句でもあるの!?」
「ないです」
 僕は何の疑問もなく、殆どぺったんこな乳房に手を添えようとして、
「何、いきなりッ」
 ぱしり、とはたかれた。慌てて許可を取る。
「触って、いいかな」
「…………うん」
 今度はきちんと言ってから、膨らみの殆ど無い乳房に手の平をかぶせる。
「な、なにか馬鹿にしてな……ひっ」
「だ、大丈夫? どんな感じ?」
「悪くはないけど……とにかく変な感じ……」
 空いてる手で自分の胸辺りを触ってみる。服の上からだろうか、特に変な感じは
しなかった。
「もむん、だよね?」
「ええ……」
 慎重に、丁重に1度揉む。胸の大きさは控えめに見ても平均以下だったけれど、とても
柔らかく感じた。いつの間にか目をきつく閉じていた死神さんは、ゆっくりと目を開けて、感想を
聞いてきた。
130しにがみのたべもの 5/7:2009/08/26(水) 01:43:02 ID:eg51TaDX
「どうかな」
「やわらかい……綿菓子みたいな感じ」
 上手な例えだと我ながら感心したのだけど、首を傾げるところを見ると、伝わらなかった
みたいだった。
 自分が馬鹿らしくなってきたので、誤魔化すために胸を包んでいる手に思わず力を入れてしまう。
「――っ!」
 その急激な表情の変化に狼狽えて、ますます手の速度を上げてしまった。当然、
うねるように七変化する死神さんの表情。
「ん……っ、ふぁ……あぁ……」
 変化していく表情が、次第に柔らかいものに変わっていった。
 半開きの目と口。すさまじく官能的なその表情は、僕の性欲を刺激してあまりあった。
 もっと、もっとえっちな顔を見せて欲しい。少し力を込めて押すと、人形みたいに
彼女は倒れた。
 両手で2つの胸を揉みしだく。それだけじゃなく、起ってきた突起をつついたり、とにかく
色々とやった。
「はんっ……だ、だめっ…………っ!」
 艶やかな声が、僕を急かす。次は、より激しい反応を見たかった。
「……、そ、そこは、まだ」
 自分に忠実に、素早くスカートの下に手を潜り込ませる。くちゅり、と言う音と共に僕は
濡れた下着に触れた。
「ひんっ!」
 それだけなのに、死神さんは大きな反応を見せた。この分だと、適当に触るだけで
それなりに効果を得られるのでは無かろうか。
 濡れている所を主にして、何の模様もない下着の上から触っていく。
「んんっ! ……はぁっ」
 死神さんの体が跳ねる。過激な反応が嬉しい。スカートをめくって、濡れている下着を見る。
ゆっくりと、染みが広がっていくのが見て取れた。
「こんなに濡れてる……」
「いゃ……いわないで…………」
「もう、良いかな……」
「……た、多分」 
 そう言われて、僕は剥ぎ取るように死神さんのパンツをずりさげた。てかてかと、
いわゆる愛液が光っていた。
 僕は無我夢中で性器をズボンから出した。それは、ピンク色をした死神さんの綺麗な
性器には、とても不釣り合いに思えた。
 死神さんの足を広げて、もう少しで触れると言う所まで近づく。
「ここ、かな……」
 焦って、ずるりと何回も滑った。どんどんと焦りが募って、どうにも入りそうになかった。
意固地になって、半ば怒りながら僕は挿入を試す。
「てつだう……?」
「いらないっ」
 ちょうど、ぎゅ、と先端が穴を押し広げた。
「……づぅっ」
 死神さんの表情が苦痛に歪む。
 大切にしないといけないと言う気持ちとこのまま一気に突き破りたい衝動が僕を板挟みにする。
それは、今まで受けたことのない果てしない拷問のように思えた。
「いける?」
「すぅ……来て」
 死神さんの腰を両手でしっかり掴んで、ゆっくりと自分の腰を進める。みちみち、と嫌な
音がする。
「い、たぃ、いたい……っ!」
「ぅう……」
 途中で、ぶちり、と何かが裂けた。
「あ゛っづぅうっ――――!!!」
 悲鳴。腰を支えていた両手を、自分の両手で掴んでくる。ぎり、と爪が食い込む。
「……っは、ふぅ、ぅ……」
 大きく深呼吸する死神さん。ギロリ、とキツイ視線が飛んできた。が、視線はすぐに逸らされた。
131しにがみのたべもの 6/7:2009/08/26(水) 01:44:29 ID:eg51TaDX
「……?」
「なんでもない。早く動いて」
「う、うん」
 ゆるやかに、ピストン運動を始める。再び死神さんは顔を歪めているが、僕は止めよう
とは思わなかった。
 締め付けてくるだけで、気持ちよさも何もなかったけれど、僕は気が狂ったように
死神さんの中を荒らし回った。
「っ、は……ん、あ、っ、…………んっ!」
 何分かした所で、死神さんの反応が変わってきた。さっきまでの胸を愛撫していた時の
よう……いや、それ以上の反応を見せ始める。
 死神さんの外面の反応と同じように、中の反応も変わり始めた。僕のモノを締め付けるだけ
だった動き方が、まるで死神さんとは別の生き物になったかのように、僕を刺激する。
信じられないくらい凄い快感だった。
「な……なか、すごく、きてる…………ッ!」
「ああっ……ちょっと、はげっしつふぁっ!!!」
 もう相手が感じるかとか、今までの事とか、どうでも良かった。今はただ射精が我慢
出来なくなるまでこの坩堝をかき混ぜて快感を貪りたかった。
 ただの上下運動だけではもう物足りなかったので、円運動を混ぜてみる。全然横方向には
動けないのだけど、新鮮な刺激としては十分だった。
「あ、うぅうっ! へ、へんなうごきしないでっ……、ああっっ!!!」
 彼女の顔を見ると、顔を真っ赤にして、目尻を緩めていて、さらには口の端から涎が垂れていた。
それを舐めとるように舌を這わせてから唇を奪う。
「な、なにしてんん――っっ!!」
 ねぶった。唾液を流し込んで、一心不乱に舌を絡めた。上と下から響くいやらしい音で
興奮した。時々聞こえる唾液を呑み込む音が、より一層僕を煽った。
「んっ、はぁっ……あっ、けだ、ものっ――あんっ」
 息が辛くなってきたので少しだけ口で息をして、また口づけをした。勿論、腰は一切
止めていない。
 次は胸に移ろうか、とも思ったけれど、流石に限界だった。
「だ、すよ……っ」
「ぁ、ふぅ、あ、あっつ、う、うんっ……ぁあっ!」
 尿道を駆け上がって、僕の欲望が溢れ出した。今まで自慰していた時とは比べものに
ならない量が、死神さんの中に注がれていく。
「あ、あつ……ぅ、うぅうう――っ!!!」
 ビクビクと痙攣する死神さんを、腰を掴んでいる両手で支える。
「――ぁ、」
 色々あったからだろうか、自然と僕は眠りに落ちた。
132しにがみのたべもの 7/7:2009/08/26(水) 01:46:20 ID:eg51TaDX
「――ぁ、」
 天井が目に入る。いつも通りの、薄暗い朝の天井。
「起きたかしら」
 声の方へ顔を捻る。昨日の死神さんが、黒いコートを纏って立っていた。背中をこちらに
向けているその姿は小さくも、凛々しかった。
「行くの?」
「ええ。……もう、十分に活動できる」
 どうやって見送ろうかな、と考える。
 と、大切な質問を忘れていた。
「ねぇ、……名前、なんて言うの」
「赤の他人に教える名前なんて無いわよ」
 ……あっけなく断られてしまった。
「赤の、他人、か」
 僕にとっては人生の重大事件の1つなんだけれど、彼女にとっては交差点ですれ違った
通行人の扱いなのだろうか。
「そうね」
 ぼんやりと、死神さんは呟いて。
「……貴方が死ぬときに教えることにする」
「僕が死んだら、君が来てくれるの?」
「ええ、お礼に私が食べてあげる。じゃあ、また、60年後くらいに」
 黒色が散っていって、死神さんは姿を消した。
「…………学校っ!」

 それは、1日にも満たない、夢と現の狭間の出来事。



以上でした。
無理矢理ネタを仕込んで逆に滑ってしまった感じ。
死神ってこう、立ち去るところがカッコイイ気がするので
残りをぶったぎってこんな終り方にしてしまいましたが、皆さんはどうなんでしょう。
133名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 12:32:07 ID:pNJ3vhaJ
>>130
GJ
134名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:56:20 ID:ZLfebGX2
なんかこの終わり方は学校行く途中とかにまた出会いそうだなw
135名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 16:35:00 ID:0c/W1tBn
>>134
「遅刻遅刻」と言いながら、魂くわえて走って来るんですね。
136名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 02:02:22 ID:nK/My/0i
良作
137名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 06:51:07 ID:f+NAFVaW
>>135
転校してきた志荷神子でーす。趣味は、魂を刈ることデース
君の魂おいしそう・・じゅる
ヒュンッ
あっ!ちょうど君の隣が空いてるね
138名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 07:06:22 ID:SKbVu7y/
まだ生きてる……

死神っ娘待ちほし
139名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:43:08 ID:SnGLKvoZ
いや、死んでいる
140名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 08:03:42 ID:yR+LnHYj
「死んでるなら死んでるって言ってよね。やんっ、元気すぎだよぉ!」
141名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 21:25:28 ID:jF3oJ2Tr
ほす
142名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 18:10:23 ID:djxak/l8
わぁい
残ってた
143名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 18:55:31 ID:h5FkdsFC
エロゲにもあんまり見かけないな
144名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 08:22:21 ID:rrAQ/MQZ
「子作り」と「死」じゃ真逆だからな。
145名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 19:51:08 ID:Bpn0b+1g
いつか魂を狩るために子作りする、とか
146名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:15:34 ID:tKHQfLEP
>>145
種蒔きですね。
147名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 17:27:48 ID:qiVq1pPN
>>146
死神「この子はあなたの子供なんだからこの子の魂が成熟するまでしっかり育ててね」
そして子供は別の死神と子作り
死神「この子は(ry
無限ループってエロくね?
148名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 16:07:31 ID:ROURudm5
『死の間際に種を残そうとするのは本能である』って若先生が言ってた
149名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 19:50:08 ID:b1trMvBz
>>148
最期の精液を狙ってるのか。
150名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 12:47:00 ID:+ONSEacr
ヤり終わったら男を殺そうとしてたけど、セックスが気持ち良くて殺せなくなっちゃうんですね。
151名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 20:55:30 ID:Cv530/Qb
一族を繁栄させたほうが刈り取れる魂が多いことに気づく
152名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 08:19:13 ID:8Ogo6/xo
死神っ娘「あなたを新世界の神にしてあげる」
153名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 16:32:26 ID:X7DNEdjy
憑神が、ロリ婆死神エンドとは知らなかった。
154名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 10:01:47 ID:8y79QnqY
「今日は僕の誕生日なのですが、祝ってくれる人は誰もいません」
 ハッピー バース DIE!
「一人寂しくケーキです。乾杯」
 おいおい無視か? 死神様だよ〜ほらほら〜。
「あー美味しい。ホールケーキ大人買いです。凄いいっぱいあるよ!」
 何こいつ、ひょっとして私の姿が見えないとか? うっわ〜霊感弱っ。どんだけ+の気の持ち主だよ。
「そういえば蝋燭出すのを忘れたな。ま、良いか。三十路なことを再確認してもね」
 あ、そうだ。驚かせちゃえ。手始めにスプーン曲げ〜。
「あれ、何で涙が出てくるんだろ」
 曲がんねーよ! 何だよちょっと、凄いネガティブオーラに負けてんじゃん私。
「イチゴがしょっぱいよ…何だこれ」
 くっ…くぬっ……はぁ…はぁ、…ダメだこいつ…神をも凌駕してやがる!
「食べて忘れよう。僕には食べることしか出来ないんだ…うっ…」
 はあ…折角お命頂戴しに来たってのに、どうすんのよこれ。
「……もう無理…紅茶…」
 ね〜ね〜、ね〜ってば〜。
「くらくらする。少し、横になろう」
 ちょっと、お願いだから…無視しないでよ〜。
「今日は静かだな……いつもか」
 がーん!
「…僕だって…誰かと一緒にいたいのに……」
 こなくそ! こんだけ存在感出してんだからいーかげん気づけよ!
「……すー」
 って、ちょっと? 早く仕事して帰りたいんだけど、寝ないでよ。
「…すー」
 ね〜起きてよ、ね〜…起きて下さいよう〜。
「……」
 …うう〜、何で私がこんな目に遭うのよ…。
「…枕…」
 え? あの…わ、やめっ…!
「……う」
 ちょ、くぉらっ! 誰を抱き枕にしてくれてんだテメ! 退、け…って、聞いちゃいねー。
「…んん」
 や、スリスリしないで…うあ…あ…むぎゅ〜。
「……すやすや」
 ……ちくしょー、起きたら絶対殺してやる…。
155名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 08:31:08 ID:VZxFNTqv
>>154
GJ
156名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 04:54:59 ID:SgkZDKaG
俺の命をやるから
157名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 22:40:18 ID:vooKGwCx
コロニーの平和のためなら、喜んで死神に成るぜぇ!!
158名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 00:05:49 ID:LXbreyqX
何を考えてるか分からない自殺願望の男に寝姿を晒しててたら大事なモノを盗られちゃうワケか…
159名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 02:31:35 ID:Y0zY7fUT
死神の武器は鎌らしいが、ある地域では鎚も持っているようだ。
“彼女”はこう言った。
「大人しく狩られなさい。」と。
私は問うた、「何のために狩るのか」と。
彼女はこう言った「人界収容所でただ労働しているだけだと…」
その時、左手の鎚で頭蓋を砕き、魂を切り裂かんと鎌を右手に構えた。
私はある男の話をした…粛清を重ねて、私を僻地に送った男の話を…。
彼女は天界の話をしてくれた、
天界に共産陣営と最高神主制の政争があったとは…  
160名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 12:51:26 ID:4x7TKf06
保守ついでに、未完話を置いておきます
161みこととついや:2009/11/06(金) 12:52:39 ID:4x7TKf06
 ここはとある荒地。曇った空の下に、青年が一人立っている。
 青年は腕を掲げ、呪文を口にした。足元に描かれた魔法陣が光る。
「――新たなる指輪の所有者、名を西院羽終也。契約を引き継ぎ、ここに実行する。出でよ、死神!」
 彼の人差し指にはまった指輪が光る。それは一点に凝縮され、空に向かって放たれた。
 一筋の線が厚い雲を割り、跳ね返すように差し込んできたのは黒い光。それが怪しい影となって、地面に照らし出される。
 そしてそれは、地面から浮き出るように実体化して姿を現した。
「……俺様にぃ、何の用で?」
 まるでナムタルのような醜い大男は、渋くどすの利いた声で切り出した。
「依頼を受けてもらう。対価は命だ」
「へぇ…どんな奴かと思えば、まだまだひよっこ――悪いこたぁ言わねぇ、止めときな」

「俺は本気だ。指輪に刻まれた契約に従えないとは言わせないぞ」
 物怖じ一つせず反論する終也。信念の固さが見て取れる。
「あんなぁ…一応こっちにも選ぶ権利、ってもんがあんのよ。生娘淑女なら喜んで受けるが、なよなよした野郎じゃあ、気が進まねぇってもんだ」
 人間臭くも肩を竦める死神。
「そんなのにぃ、命賭けたかねぇだろ? ったく、近頃のガキはこれだから困る」
「ならやる気のある奴を呼んで来い。この魂が二束三文でも、充分な働きの出来る誠実な奴をな」
 居丈高な態度に、死神は顔を顰める。
「かあぁーっ、人間風情が偉そうによ。あー気分悪ぃ…分かったよ、そうすりゃ良いんだろ?」
 死神の体は再び地面に溶け込むように消えた。そして……頭部に異変を感じる終也。
「ん?」

「ちわ」
「誰だ」
 頭に誰かが乗っかっていると、気付くのにそう時間はかからなかった。
「降下座標がずれたっすね。一応私が代理っす」
 そう言って頭から飛び降りた影は、宙に浮くようにして終也の目の前に静止する。
 口調に似合わず、その外見は着物におかっぱ頭の少女だった。
 サイズは随分とちんまりしているが、真ん丸の目が動物的で可愛らしい。
「お前が死神か?」
「見習いっす」
 空気が固まる。

「――話にならない」
「死ぬ気満々の魂は安いっすからね。他にやりたがる方がいない訳で、つまるに練習台っす」
 話の途中にも関わらず引き返していく終也。
 死神は慌ててその襟を引っ張る。
「待つっすよ、ストップ! …その代わり、格安で引き受けるっす。対価に命までは獲らないっすから」
 つまり、藪医者に任せるということである。
「下らない」
 振り返り、そう一言放って、また歩き始める終也。
 死神はやはり慌てて後からふわふわ付いて来る。
「とりあえず事情を話すっす! 呼び出し受けた以上、私も手ぶらでは帰れないんっすよ」

 無言の終也に、死神は話しかける。
「私の名は尊っす。ちなみにさっきの人は坤様と言って、私の師匠っす」
「……」
 無視するように黙々と歩く終也に、尊は溜息を吐く。
「あー、浮いているのも楽じゃないっす。ちょっと失礼するっすね」
 ぱたり。
「何している」
「君の頭の天辺が居心地良いっす」
「下りろ」
 重さはほとんどないが、彼は屈辱を覚えたのだろう。
162みこととついや・2:2009/11/06(金) 12:53:38 ID:4x7TKf06
「依頼を下さいっす。天変地変、宇宙の摂理を捻じ曲げるようなことは無理っすけど、私も一応死神の端くれっすから」
「もう一度上へかけ合え。それが依頼だ」
「――困ったさんっすねぇ…。仕方無い、髪の毛一本抜くっすよ?」
 ぷちんっ。
「つっ!? …いい加減に――!」
 思わず頭を抑える終也。が、尊はひらりと避けて宙に浮いた。
 そして抜いた髪を両手に持って、目を閉じる。
「天の網よ啓け」
 真面目な声で一言、すると一本の髪の毛が光り始める。そして――。
「――あむ」

「!! ……食べた…のか?」
 思わず立ち止まり、呆然とその様子を見つめる終也。
「……ふむふむ、なるほど…少し…苦い味っすね」
「味わうな気色悪い」
 程無くして、尊はまた口を開いた。
「……君のこと、それなりに理解したっす。依頼が何なのかも」
「…?」
 尊は終也の目の前に突如現れた切り株に、ふわりと降り立った。
「指輪を手に入れるのに、相当苦労したっすね。いろいろと犠牲にして…」
 終也はぷいと顔を背けた。お前に何が分かる――そう言わんばかりに。

「ま、犠牲を厭わない性格でないと、普通は何にも出来ないっすけどね」
 尊の瞳に、若干の冷酷な色が差した。
「ただよくある話っす。家族親戚皆死んで、唯一の肉親が病気――不治の病を、治してあげたいと」
「……」
「美談っすよね。それにその精神を持つ魂――価値は少し見直さないといけないっすが……一言で言えば、平凡っす」
 睨む終也。彼にとっては侮辱にも等しい言葉だったようだ。
「それに人一人の命がどうこうなんて、死神に取っちゃ非効率的なんっす。つまり、軽い」
「――御託は良い。どうするんだ?」
 二人の間を、沈黙が流れる。
「……私に任せてもらえば、悪いようにはしないっす」


 マンションの入口まで来たところで、終也は口を開いた。
「…妹と会わせる前に、一つ訊いておく。対価は何だ?」
 それは依頼主からすれば重要事項である。
「そうっすねぇ……何人か、殺ってもらうっすか」
 終也の動きが止まる。頭の上に乗っていた尊も、その動揺に気付く。
「――冗談には聞こえなかったみたいっすね。ただ、そのくらい平気でやれると思うっすけど」
 相手は死神――終也は改めて肝に銘じた。人の情など、通用しないということを。
「……必要なら、いくらでも手を汚す。それよりはいっそ命を獲られた方が、まだましかもしれないが」
「命が対価だと、妹さんを守って君が死ぬ訳っすよね? でもそれだと、結局妹さんに孤独を押し付けるだけになるっすよ?」
 人間的な正論を突かれるのも、また痛い。終也はそれを、心の何処かで分かっているから。

「……やはりお前じゃ話にならないな」
「諦めるっす。私以外に引き受け手はいないっす」
 可愛い外見をして、とんだ食わせ者もいたものである。
「対価……ま、とりあえず妹さんを見てから決めるっすよ。そして、もしも失敗した時っすが――」
「その時は俺も同じ場所に――分かるな?」
 どこか狂気に近くすらある瞳で、手すりに座る尊を睨む。
「…はー、師匠があんなに嫌そうにしていたのが、何だか分かる気がするっす。寿命の先刈りほど、何の得にもならない仕事はないっすし」
 終也はどこか憮然としながらも、もう良い――とだけ言って、エレベーターに乗った。
 死神は、指輪の所有者にしか見ることが出来ない。従ってこんな場を目撃されたところで、傍からは独り言を言っているようにしか見えない。
 妹に話をつけるのは、他の誰でもなく自分――終也にとって、それだけは都合が良かった。
163みこととついや・3:2009/11/06(金) 12:54:39 ID:4x7TKf06
 かちゃ、がちゃり。
 ドアを開け、中に入る終也と、その頭の上にいる尊。
 玄関で靴を脱ぎ、床でスリッパに履き替える。そして、居間に――。
「あ、お兄ちゃん」
 寝巻き姿の妹が、帰ってきた終也を呼び止めた。
「…ただいま」
 終也の顔が優しく綻ぶ。
 妹はイスから立ち上がると、ふらふらとよろけながらも、兄の方へ歩いてきた。
 そして、ばふ――とその胸に顔を埋めると、頬擦りをする。
「今日は元気そうだな」

 テーブルの上には数種類の薬と、水の少し残ったコップ。
 終也は、まるで尊などいないかのように、妹と話をしていた。
「また学校、早退して来たの? ダメじゃない、ちゃんと行かなくちゃ」
「心配するな。必要日数は出る」
 尊はそんな二人の会話を、錠剤のビン蓋に座って聞いていた。
「それより、体調は悪くないか?」
「平気…でも、薬飲んだから、もうすぐ眠くなる」
「ああ」
 日常的な光景だった。死神が見ていて飽きてくるほどに、平凡な。
 それでも、普段は強気な青年のこんな一面を見るのは、尊にとっては中々に面白かった。

 目蓋が重くなってきても、兄の元から離れようとしない妹。
 話足りないのだろう。心配して声をかけても、力無くも首を横に振る。
 ただ、そんなやり取りが数回続くと、妹は遂に力尽き、反応しなくなった。
「すー、すー…」
 妹が眠りに入ったのを確認した終也は、彼女の体をそっと抱きかかえ、ベッドへと連れて行った。
 そして丁寧に寝かせ、タオルケットをかけてやる。扇風機を入れるのも忘れない。
「――可愛い妹さんっすね。所有者が彼女なら、師匠は喜んで仕事したかも」
 すると穏やかな雰囲気が一変、終也はデリカシーの無い死神を睨みつける。
「部屋から出ろ」
 小声だが有無を言わさぬ口調に、尊は仕方なく回れ後した。

「――結論から言うっす。この病気なら何とか治せそうっすね」
「本当か?」
 身を乗り出す終也に、尊はまあまあと抑える。
「ただし! 私は見習いっすから、簡単にパパッと治せる訳じゃないっす。条件が必要」
「…それが対価か」
 尊は首を捻る。
「別にそれが対価でも良いっすけどね」
 意味が分からず固まる終也。
「……とりあえず条件を言え」
「丸一日、妹さんの体を貸すっすよ」

 テーブルの上に肘を突き、口元で手を組んだまま、じっと何かを考え込んでいる終也。
「つまり、内の交換をするっす。私が中に入れば、通力によって人間単体では不可能な治癒も可能になるっす」
 健全な魂は健全な肉体に宿る。逆を言えば、健全な魂を宿せば、肉体は健全に生まれ変わる。
 内から変える、ということの究極系。それも、曲がりなりにも神通力なら――。
「妹さんの魂は、私の器に眠らせておくっす。もっとも、力が強過ぎて目を覚ますことすら出来ないと思うっすけど」
「……」
「体を最良に戻すには、これしかないっすね。ついでに言うと、個人的な頼みがあるんっすが…ま、それは追々」
 終也は黙ったまま、目の前の尊を見る。両足を前後にぶらぶらと、まるで子どものようだ。
 どこまで本気なのか、分からなくなる。任せても本当に大丈夫なのか――終也は迷っていた。
「……はっきりさせておきたいんだが、お前は誰の味方だ」
164みこととついや・4:2009/11/06(金) 12:56:05 ID:4x7TKf06
 動きを止め、丸く可愛らしい目を向ける尊。
「死神は誰の味方でもないっす」
 そう言うと、ふわりと浮き上がり、終也の視界から消えた。
「…ただ嘘吐くつもりも、騙すつもりもないっす。君は指輪の所有者――そうっすよね?」
 頭の天辺に、降り立つ感触。
「……分かった、基本合意だ。後は詳細を詰めた上で、履行してもらう」
「漸くその気になってくれたっすね」
 終也は溜息を吐くと、台所に行った。冷蔵庫を空け、お茶を取り出す。
 湯飲みを出し、注ぐとそれを一気に飲み干す。
 もう一度、深い溜息。

 ふよよ〜、と台所の上に着地する尊。
「じゃ、個人的な頼み――言わせてもらうっす。学校に行ってみたい」
 またしても睨まれる。
「…妹さんの体で好き勝手してほしくないっすか? 一応、死なない限りは何が起きても再生出来るんっすけど」
 相変わらず厳しい視線の終也に、尊はやれやれと首を振る。
「心情的なものっすかね。ま、強制はしないっすよ」
「理由は何だ」
 表情はそのままに、尋ねる終也。
「理由は――私にしか出来ないことっすから」
 そう言うと、背を向ける尊。

「お前にしか?」
「こんなこと、普通誰もやらないっす。だからこそ、経験は力なり…人間としての視野を、経験してみたいと思ったっすよ」
 ふん、と鼻で笑う終也。
「殊勝な心掛けだな」
「――ここに缶詰になるのも、面白くないっすしね」
 振り返り、笑顔でそんなことを言う。見ている終也は調子が狂う。
「……良いだろう。ただし、条件がいくつかある。それには従ってもらう。そして、もし妹の身に何かあったら、俺も殺せ。断るなら俺がお前を――」
「恨みを買うことにもそれなりに慣れているっす。お構いなく」
 相変わらず、平然と神経を逆撫でするようなことを言う尊。
 しかし、一々腹を立てるのも馬鹿らしくなったのか、終也は彼女を一瞥するに留まった。
 
 二人は詳細を詰めた話を一通り終わらせた。
「あ、それと一つ。私が中に入ったら、体を治すことは出来るっすが、宙に浮いたり魔法を使ったり――は一切出来なくなるっす」
 無力な少女と化す、という訳である。
「だから、何かあった時は君が私を守ってほしいっす」
「甘ったれるな」
 思わず強くなる語気。
「代わりに、しっかりと治すっすから。それに、妹さんの立場はちゃんと守るっすから…ね?」
 尊は既に妹の髪の毛を口にし、その情報を頭に入れていた。振りをするのは、訳ないようだ。
「…言われるまでもない。ただ、自衛にも神経を使え。治るにしても怪我はさせるな」
 笑って答える尊。どこまで本気なのやら、飄々として掴めない。

 日も暮れた頃、目を覚ました妹に、兄は声をかけた。
「お前に、渡したいものがある」
「なあに? お兄ちゃん」
 終也は砂糖水の入った小瓶を、妹に握らせた。
「病気の特効薬になるかもしれない。ただ副作用があって、丸一日――眠りっ放しになる」
「…大丈夫なの? 最近私、不安なんだよ? お兄ちゃんにもしものことが、って」
 肩をそっと抱く終也。その様子を、尊はやはり面白そうに見つめている。
「俺を信じてくれ」
「……うん、分かった」
 これを飲んで、次目覚めた時は明日の夜。病気もきっと治っている……。
165みこととついや・終:2009/11/06(金) 13:02:23 ID:4x7TKf06
「余計なお世話かもしれないっすが、君の身の回りには結構歪が生じてるっす」
 夜遅く、再び眠りについた妹を机の上から眺めながら、尊は言った。
「例えこの場は乗り切ったとしても、今後君と妹さんに悪意が降りかかる可能性は否定出来ないっすね」
 終也が犠牲にしてきたもの――それに対する警告である。
「そういう意味では死神の虜になった方が、幸せかもしれないっす。変な言い方っすけどね」
 終也は睨みも一瞥もせず、俯いている。
「…過去を清算出来ないのは理解している。俺は楽には死ねない」
 それでも、僅かな幸せの為に自らの手を染め、死神と会い見えた――。
 尊は不器用な青年を見て、はぁ――と溜息を吐く。
「とりあえず、そろそろ始めるっすか」

 尊が、まだ眠ったままの妹の胸元に降り立つ。
「じゃ、いくっす」
 割と緊張も感じさせず、尊は目を瞑る。
 すると妹の体と尊の体から、不思議な物体が浮かび上がるように出てきた。
 妹のそれは、大きいが弱々しい光。色は鈍い赤に近い。
 一方尊のそれは、小さいが輝くような光を放っている。色は無色で透明感が強い。
 終也は言葉も無く、その現象を背後で見守っていた。
 やがて二つの物体は入れ替わるように別々の体へと、ゆっくりと沈み込んでいく。
 尊の体は、ぱたりと倒れる。それと同時に、妹の目が開いた。
「これで良い」

 妹の体に入った尊は、今まで自分が使っていた体を、そっと手に取る。
「約束通り、口調は妹さんに合わせる。君のことは、”お兄ちゃん”って呼ぶから」
「…!」
 すると突然顔を真っ赤にするや否や、ぷいと顔を背けてしまう終也。
 尊はその様子を見て笑いながらベッドから下り、眠りに落ちた本体を机の上に寝かす。
「じゃ、何か夜食を作るね?」
「……」
 むず痒い、といった感じで嫌がる終也が滑稽だった。
「…俺の前では元に戻せ」
「分かったっす」

「ただし、すは付けるな。普通に話せ」
「君の言う通りにする」
 笑顔で答える尊。だがその表情は妹のそれと同じで、まだ終也の動揺を誘う。
「…それにしても、これが人間の体か。思ったより、不自由な感じがする」
「変なことはするなよ」
 すると悪戯心でも湧いたのか、尊は終也の目の前に立って、上目遣いで見る。
「例えば何?」
「……」
 所謂シスコンって奴っすかね――尊はそう心の中で思ったが、口には出さなかった。
 その軽い取り乱し様が、割と好みなのかもしれない。
166名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 10:02:13 ID:dtfNJvIG
GJといいたいとこだが、
続きが気になりすぎて素直になれない
167名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 19:03:03 ID:MkZJV2Ax
>>165
兄×死神in妹、待ってます。
168名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 18:17:15 ID:oWHaBddA
ぜひ続き読みたいな
169名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 04:59:20 ID:ReJloblP
なんでいまさら>>65の続き書いてるんだ俺と思いつつ保守
170名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 10:25:15 ID:sB94jFqs
wktk
171名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 12:41:53 ID:6FCRPUaD
続きはまだっすか
172名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 06:21:43 ID:6xpxbzNj
>>59 >>65

 とはいえ。死神と名乗る割には−あるいは死神故なのか−人間以上に純な死神娘に男の心がざわついていた。
 悪戯心に火が灯り、男は頭の中でこれからの予定を組み立てる。
 ちらりと盗み見た死神娘の姿は白い素肌に黒のローブがよく映える。
 雪が振るネオン街の風景が伴ってまるで映画の1シーンのようだったが、映画の1シーンというには死神娘は怯えすぎていた。
「だめだな」
「…え?」
 なんでもねぇよ、と思わず出た言葉を否定する。

 本当に。
 お前は俺の悪戯心に薪をくべ過ぎて、──火が燃え盛らない。

(ゆっくりと、火を大きくするか……楽しませてくれよ?)

 死神娘の右手は、羽織ったローブを前でぎゅっと握り締めて隙間を必死に閉じている。
 死神娘の左手は、羽織ったローブの下端を一生懸命伸ばして見え隠れしているふとももを隠そうとしている。
 しかし死神娘の両足は、男の歩く速度と比較して全く進んでいない。
 ネオンと街灯の下に死神娘を晒して、既に幾分かの時間が経っている。
 まだまだ恥らいの色が濃い死神娘を見て、男はもう一度考えた。
 どの人間よりも純情な死神娘に、もう一度、素肌を晒して慣れてもらうとしよう──。
173名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 06:22:07 ID:6xpxbzNj
「おい、ちょっと用事を思い出した。ここで少し待っていろ」
「……え……」
 この辱めから死神娘を支えていた柱は2本あった。
 ひとつ、種族の違い。どんなに見た目が似ていてもやはり人間と死神だ。種族は違う。
 人間が犬の前で着替えても恥ずかしいとはあまり思わないだろう。
 ──その犬と意思疎通ができて種族による見た目の差異がなくても恥ずかしくないと言えるかどうか怪しいが。
 そして残るもうひとつ。『脅迫されてやっている』という事実。
 男と一緒にいる限り、誰かに見られても無理やりやらされている被害者だと言い張れる。
 しかし、恥ずかしい姿のまま一人でいるところを誰かに見られようものならその主張が通らなくなる。
 ただの変態女とすら罵られてしまうかもしれない。それが耐えられそうになかった。
 だから死神娘は怯えを見せた。
 死神娘を支える柱の2本が2本とも、静かに崩れようとしている。
「お、おねが、い、です。ひとりにしないで」
 死神娘が涙目になりながら、懇願する。
 左手で目元を抑え俯くその姿は男の悪戯心をいたずらに刺激するだけであった。
 離した左手が抑えていたローブが反動で縮み、それによりもたらす視界がより一層男を煽っていた。
 膝上数cmから股下数cmになっていることに、死神娘が気づく余裕はない。
 ただ、一人にされるのが怖かった。
「そんなに、嫌か?」
 こくこくと頷く死神姿を見て、男は不敵な笑みを零した。
「……嫌なら、目を潰れ」
 死神娘の身体がびくっと震えた。
 何をされるのか想像してしまったのかもしれない。
 しかし死神娘の天秤では一人にされる恐怖と比べると勝ったらしい。
 死神娘が怯えながらも、その視界をみずら閉ざした。
 視界が閉ざされて敏感になった感覚が両足の間を通る風を気付かせる。
 そして一度意識してしまうと急に恥ずかしくなってくる。
 涙を拭いていた左手をさりげなくローブの下端に戻そうとしたところで、両手を捕まれた。
 恐怖で声が出なかった。
 両手がローブの中に入り背中に回されたところで、男の声が響いた。
「いいぞ」
 目を開ける。特に変わったことはない。
 死神娘は何をしたのか気になりつつも、両手を戻そうとした。──戻そうとした、だけで終わった。
174名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 06:23:07 ID:6xpxbzNj
「え……え……!?」
 混乱する。
「両手を背中に回してローブの下で縛っただけだ」
 死神娘が両手をじたばたさせる。
 両手を縛る何かが解ける気配がなかった。
 暴れれば暴れるほど、死神娘の羽織るローブがするりと肩からハズレそうになるだけだ。
 丁寧にローブを支える紐を切られ、これ以上動くと本当にローブが落ちかねない。
 今の死神娘は裸体の上にローブを羽織るだけの姿、それだけは避けたかった。
「──ああ、言い忘れてた。両腕を縛ったそのベルトは後ろの電柱に縛っておいた。大人しく待っていろ」
「そ、そんな、約束が……」
「目を閉じれば一人にしない、なんて言った覚えはない」

 そして戻ってきた時に死神としての力を使っていたと判明した場合、わかっているだろうな。

 そう釘を刺して、男は死神娘の前から姿を消した。
 慌てて追おうとしたが、両手を縛る何かがピンと張り死神娘の足を止めさせる。
 それどころか、両手を縛る何かはローブを押し上げ、背中を晒しあげた。
 肌でそれを感じた死神娘が慌てて電柱へと背中を預ける。
 ただただ、脅迫者が帰ってくるのを死神娘は一心不乱に祈っていた。
175名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 06:25:36 ID:6xpxbzNj
ここから男が帰ってくるまでどうするか悩んでしまった
通りすがりの男に弄られまくる路線か別の死神がやってきて死神の恥曝し! と罵倒されてみるか。
しかしまったくすすまねぇ・・・
176名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 17:28:51 ID:2l+DNq51
ゆっくりやるといいっすよ。
177名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 11:45:37 ID:2+VTdFq7
待ってました GJ
178名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 17:19:31 ID:4KfYJ7tZ
>>175
良いねえ。
実に興奮する。
通りすがりに犯られるのがいい。
179名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 09:26:19 ID:7mc+3fgR
投下待ち保守
180名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 08:35:46 ID:IilN4Ygv
しにがみのバラッドは需要あるかね
181名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 11:45:30 ID:JrnA3Vcv
ないあるよ
182名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 22:43:06 ID:CIdK5FIM
183名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 23:08:08 ID:ui7nURbc
hosyu
184名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 04:58:53 ID:Wyd2kRpU
斬る斬るばっさり斬る
185名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 07:49:33 ID:R5rpk9Ey
最近各板の最低スレで名前の挙がる「小説家になろう」ってサイト
死神少女が出てくるのは大量にあるけれど
ランキング上位から順に読んでるとSAN値がもりもり減っていく
186名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:03:56 ID:EZc6IDWd
ちょっと見てみようかな
187名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 07:44:16 ID:7STC0KSM
明るいドジッコ死神がいいな

本格的だと神社でお祓いしなきゃいけなくなる
188名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 08:44:51 ID:PhmwX2dx
死神怖い
189名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 02:28:30 ID:uvnA+8u6
サキュバスみたい
190名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:07:41 ID:1UEtIFjJ
淫夢を見せろやーごらあ
191名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 15:34:34 ID:X/lNw55+
まとめサイトだが、この死神が可愛かった

ttp:kanasoku.blog82.fc2.com/blog-entry-12615.html
192名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 18:19:42 ID:I8qeUqDs
     ,   λ,..,,λΨ ,
   /i\/ ・ω・ヽ|/i\
   ⌒⌒l::.:...    o⌒⌒
      `'ー---‐´l
193名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 19:51:50 ID:jy0bA92B
>>192
なにこれ可愛い
194名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 09:35:05 ID:kvG1Mc5b
           >>1

            ヲ

            迎

            エ

            ニ               _
                            //^7\
            来              /|| //\.、
                          //||//:::::::::\.、
            マ            〈/ ||/:::::::::::::::::\.、
                          / ||:::::::::::::::::::::::::ヽ.、
            シ            ,/ /\ :::::::::::::::::::::ヽ:、
                         / /  \ :::::::::::::::::::|:|
            タ           / /    \ ::::::::::::::|:|
                        / /      ヽ :::::::::::|:|
           /⌒\        / /        | :::::::::::|:|
         /     \      / /        | ::::::::::|:|
         /__    \    / /         | :::::::::|:|
        /ノ v \     )   ./ /          | :::::::::|:|
        |ζ) (_ヽヽ   ム  / /          | :::::::://
        λヘ´`,イ|:) //⌒,/ /           | :::::://
       /λ.|三-'////   / /\          | :::://
       | | \─/ /    / /  \        ./ :://
      / |   У  /  | 彡ミ、   λ       / ./
      /       /  / 彡ミ、|     |      //
     /      /  / / /:::λ\  ト、
     /          / / /|::::::::| λ  | \
    /         / / / .|::::::::|    |  \
    /    | \_/  / /  |::::::::|    |  \_>
   /    〉 _    / /  |::::::::v   |   \
   |  (三7   ̄7≦彡ミ  λ::::V   ,ノ     \_
   |  ム:::/    |:ミ彡ミ / 从V    /        /
   |  |:::::ハ    |/ /  /  |     ,/       /
   |   V     / /  |   \_,ノ      /
   λ       ,/ /   |  /          /
    \      / /   /  ,|          /
     \    / / _/   |         ノ
      |\_/ /      /        /
      /   ,/ /      /       /
    /   / /     /       /
    \ /' / /    /        /
     У / /   ̄ ̄         /
      \/ /              /
       / /              /
      / ∧            /
      / / \          /
     / /   \_    _/
     / /        ̄ ̄
    / /
    / /
   〈__/
195名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 14:28:03 ID:N9Hk4vI7
はぎ取ってやりたい
196名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 22:07:31 ID:NjcYYcr0
リアル
197名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 12:07:13 ID:FtDxjX5z
でかっ
198名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 19:28:12 ID:lVjzXTln
ふう
199名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 16:59:04 ID:xFkzbAr3
真っ暗な汚部屋にワイド液晶モニタだけが輝いている。
(あと16秒……!)
彼女はガジェットの秒針をにらみつつ十字カーソルをリンクに乗せた。
「2010年度死神検定 インターネットによる合格者受験番号一覧表の掲示」。通称「死検」。
この合否に彼女の将来がかかっているのである。
(4、3、2……それっ!)
細い指先に気合いを込めて左クリック。

[503 Service Unavailable]





ごめんなさい保守です('A`)
200名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:54:09 ID:S9PRuLki
gj
201名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:29:41 ID:F70ocveh
保守
202名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 03:25:23 ID:wxmBhWxQ
ho
203名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 14:29:38 ID:DpPGQ+TN
初投稿なんで色々駄目なところがあると思うんですが・・・
楽しんでいただければと思います
(エロ無しですがもし要望があれば続きとしてエロ有りにもっていこうと思います。)

注意点
   ・主人公が厨ニ?
   ・死神と心理学的なものを融合
   ・初なので色々矛盾点がある可能性有り
   ・こんなん死神ネタじゃねえ!と思う方表出する可能性有り

自分なりに「死神ネタ」としてやってみたつもりです。(ほんとはエロも予定してたんですが・・・)
できれば暖かい目で見守って頂ければと思います。感想もお願いします。
では5〜10分後投下いたします。
204death/anima:2010/03/29(月) 14:34:30 ID:DpPGQ+TN

放課後 学校の屋上


もう嫌だ。
こんな風に考えたのは1度だけじゃない。
僕はこの世に生を受けてまだ15年しか経っていない。
だから大人は皆勝手なことばかり言う。
「たったの十数年しか生きていないくせに生意気言うな!」「まだこれからじゃない これからだってもっと苦しいことがあるのよ」

貴様らに何がわかる? 貴様らの経験論など聞き飽きたわ。
深く考えもせず「自分はこうだった」などと抜かしやがって。
「未来」のことなぞ知ったことか。 時が過ぎれば苦しみが癒えるとでもいうのか?
僕は「今」が苦しいんだ。 そんなこともわからないのか。 下衆どもが。

所詮「人間」なんて・・・自分のことしか考えられないんだ・・・
僕は・・・「人間」なのに・・・こいつらとは違う。
「人間」だったら・・・「他人」の苦しみなんてわかるはずもない。
なぜ僕だけが? どうして・・・


・・・・・もう、嫌だ・・・・・

?  「・・・苦しいのですね」
蒼人 「!?のわっ!?」
?  「?」
 いつの間に!?さっきまで誰もいなかったのに・・・ってか浮いてるぅ!?

蒼人 「ななな誰だよっ!?あんたっ!!」
?  「私、ですか?私は死神アリスです。お見知りおきを」
蒼人 「しっ死神!? ・・・・・てことは・・・はは、そうか、そうだな」
アリス「?」
蒼人 「僕を殺しにきたんだろ?いいよ 覚悟はできてるから。さあ、殺せよ!」
アリス「ふぇ? ちょっとお待ちください。まだ貴方の寿命は先のことですよ?」
蒼人 「じゃ、なんで今僕の前にいるのさ?」
アリス「いえ、私は最初から貴方の傍に・・・ということは、貴方には私が"視えて"いるのですか?」
蒼人 「視えるもなにも、話してるだろ今」
アリス「ということは・・・今"死"が近づいているということ・・・?でも 啓示には無いのに・・・」
蒼人 「?どういうことだよ?僕は死ぬのか?死なないのか?どっちなんだよ!」
アリス「・・・そうか・・・貴方は・・・」
蒼人 「は?」
アリス「ええ、まだ死にません。"今"は」
蒼人 「そう・・・ま、いずれにせよ死ぬんだろ?今殺してくれたって構わないけど?」
アリス「それはできません」
蒼人 「なら何で僕の前にいるんだよ」
アリス「・・・説明しても構いませんが、誰かに話すことはくれぐれもしないように」
蒼人 「・・・僕に話し相手なんていないよ・・・」
アリス「知ってます。念の為、です。」
蒼人 「?」
205death/anima:2010/03/29(月) 14:35:50 ID:DpPGQ+TN

死神・・・「アリス」・・・
てか死神なのに髑髏じゃないんだな・・・
黒髪で長めのツインテール、代名詞ともいえる大鎌(なんか目玉が埋め込まれてるけど・・・)に
黒衣のローブとぱっと見死神だけど、彼女(?)の「瞳」だけは蒼く透き通っていて見ていると吸い込まれそうだった。

アリス「・・・聞いてませんね・・・」
蒼人 「えっ!?いや 聞いてたよ!?」
アリス「いーえ、聞いてませんでした。というか、よく死神に対してそんな態度で・・・」
蒼人 「なっ、なんでわかんの!?」
アリス「・・・今さっき説明したなかに含まれているのですが・・・」
蒼人 「うっ・・・そ、その・・・」
アリス「ふぇっ・・・」
蒼人 「!?いいいやあのの・・・わ、悪かったよ、だからな、泣かないで・・・?」
アリス「死神が感情を持つ説明も、さっき・・・ぅえっ」
蒼人 「あ〜っ だからごめんって!もう一度お願いします!」
アリス「・・・今度こそちゃんと、へぅっ きいてくださいよぉ・・・? すんっすんっ」
蒼人 「はいっ! 耳ん穴かっぽじって聞いてますっ!」

 な、何なんだ?死神ってもっと冷酷なイメージなんだが・・・
 それはさておき、彼女曰く、「死神」は誰もが思うような存在ではなく、
 皆一人(一応神様だけど)ずつついていて、本来なら死ぬ直前にしか視えないらしい。
 男なら女、女なら男の死神で、その姿はアニマ(男性の心の中の女性的心理)とアニムス(女性の心の中の男性的心理)
 から形作られる。つまりアリスは、僕の女性的心理ってことになるらしいけど・・・
 
アリス「・・・ということ すんっ なんです・・・」
蒼人 「(まだ泣いてた!?)」
アリス「あぅっ 蒼人さんがっ いけないんですよぉ・・・ふぇぐっ」
蒼人 「ご・ごめんて・・・な、ほら・・・よしよし」
   なでなで
アリス「すんっ・・・」

 このとおり、僕の心が読めるそうです・・・

 ・・・?・・・心が・・・読める?・・・

アリス「うぅ、しばらくなでなでしていてくださいっ!」
蒼人 「わわかったって!」
 
 なんでいきなり甘えん坊になるんだ?これも僕の深層心理が思っていることなのか?
 ただ、一番の問題点である「視える」ということに関しては、何一つ教えてはくれなかった。
 アリス曰く、「視える」ことで触れたり話したりすることが可能になるらしい。

アリス「むぅ・・・」
蒼人 「?今度はどうした?」
アリス「今日から・・・無視しないでくださいね・・・もう・・・貴方は私が"視える"のですから」
蒼人 「ああ・・・わかったよ」
アリス「ボソ(ずっと・・・りだったんですから・・・)」
蒼人 「ん?何か言ったか?」
アリス「そろそろ家にかえりましょう・・・?」
蒼人 「そうだな・・・ってまさか」
アリス「もちろん。あ、因みに私の姿は他の人に視えませんからね?」
蒼人 「・・・・・」


 そんなわけで、僕と死神「アリス」との交流が始まった。
206death/anima:2010/03/29(月) 14:40:12 ID:DpPGQ+TN
アリスと出逢ってから三ヶ月、気づけば僕は普段アリスとずっと一緒だった。
学校では話さないようにして、放課後には他人に気づかれないよう、二人だけになれる場所を探して
何気ない話をして過ごしていた。

アリスはやはり僕自身であるからだろうか、意見がかみ合わないことなど一切無かった。
家に親がいない時には、たまに僕の為に料理を振舞ってくれたりもした。
僕もアリスの為に料理を作ったときがあるのだが、食べ物は摂取しなくても存在を維持できるとのこと。
維持するのに必要なのは「僕」自身の存在であると言っていた。
それでも食べてみてと勧め、料理を口にした時のあの笑顔は、今も忘れられない。

自分でもわかっていた。「彼女」に惹かれていることを。
しかし彼女は僕の心が読めるはずなのに、この感情に気づいている様子は一つも無かった。
自分の中で、「許されない」ことのように思っていた。
でも、彼女は確かにここに 目の前に「存在している」。
それだけは確かなのに、二つの感情がぶつかっていた。
僕は・・・彼女と・・・どうあるべきなんだ・・・?

アリス「蒼人さん?」
蒼人 「!なっなんでもないなんでもない!」
アリス「・・・・・」
蒼人 「てってーか、僕の心、わかるんだよね・・・」
アリス「はい・・・全てでは、ないですけど、」
蒼人 「へ?いまなんて・・・?」
アリス「私はあくまで貴方から生まれた存在です。おおよその考えはわかりますが・・・」
蒼人 「?」
アリス「いえ、"感じ取れる"・・・もしくは"察する"ことが出来る、という感じですね」
蒼人 「あ、そ、そうなんだ・・・(ホッ)」
アリス「でも他の人よりは貴方のこと、知っていますよ」
蒼人 「のわっ!?」

 アリスは顔を近づけて僕の顔をじっと見つめてきた。

アリス「・・・・・」
蒼人 「・・・・・ゴクリ」

 にこっと笑って一言

アリス「ベッドの下の」
蒼人 「ノオオォォーーー!」

 な・・・何言い出すかと思いきや・・・でっでもアリスと会ってからは触れてないし、多分適当言っただけで

アリス「ああいうのがお好みなんですね。でも私も負けてませんよ。多分蒼人さんのアニマに比例して私は」
蒼人 「だーーーーーー!!もういい!もういいからっ!女の子はそんなこと言っちゃいけません!」
アリス「はいっ」
蒼人 「(確かに・・・確かにアリスは・・・僕の理想ぴったりだけどさっ・・・変な目で見たことなんて一度もっ)」
アリス「(ぎゅっ)」
蒼人 「ぉわぁっ!」

 後ろから不意に抱きつかれる始末。こっこれ以上は・・・

蒼人 「ややややめっ」
アリス「たまにはこういうのも♪」
蒼人 「ふっふふ風呂っいってくるっ」
 とっさにアリスから解放され、急いで風呂場へ駆け込んだ。
アリス「あっ・・・・・ふふっ♪」
 彼女は「死神」という存在なのに、それを忘れさせるくらい「人間」らしかった。
 基本はこんな感じで平凡だった・・・「大体は」。
 しかし現実は僕を絶望へと誘い続けた・・・
207名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 14:46:46 ID:DpPGQ+TN
以上です。
お目汚ししつれいしました。
評価いただいたあと、なるべく早めに続きを投下します。
それでは何卒。
208名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 00:07:28 ID:Tot5/qWH
読んでないけどタイトルから予想してみた

1.主人公の持つ心の中の女性像が独立して死神を騙った
2.死神が主人公の女性像から主人公の好みにどんぴしゃな姿をとってあらわれた
209名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 00:52:01 ID:gkK2DLUE
アリスかわいい。巨乳なのかな?
続きが楽しみ

あとセリフの前に名前つけなくてもわかるのと
「・・・(中黒)」を「……(三点リーダ×2)」にすると字面が綺麗に見えるよー
210名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 04:17:28 ID:xbxgFOUZ
ベッドの下w
エロさの縛りが絶妙です、展開が楽しみ

A「──」
B「……」
A「〜〜」
ちょっと気になったのが上のような表現のリフレーンで、やり過ぎると文章が台本のようになります
SSスレだからそれで構わないのだけど、描写をもっと取り入れてもらえると良いなと
211名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 05:48:29 ID:pvMhVd5a
>>208
そうですね…どちらかというと 1の方が近いと思います。
ややネタバレかもしれませんが、なぜ「アニマ」と「死神」なのか…といったところがキーですね。
時間が許されれば読んでいただけると幸いです。><(ペコリ
>>209
ご期待に副えるかわかりませんが、頑張ります!^^
アリスは自分でも言っているように「負けていない」ようです。蒼人の趣味も気になるところですね…w
アドバイスありがとうございます!早速取り入れてみます。
>>210
エロシーンの描写が上手くいくかわかりませんが…自分なりに頑張ります!
アドバイスありがとうございます!なるべく描写表現を取り入れてみますね^^

今までのレスも参考にして、なるべく早いうちに投下するよう心がけます。遅くなってしまったら申し訳ないです><
212名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 02:56:52 ID:8AaPFueT
death/anima 仕上がりました。レス数多いので、時間おきながら投稿します。
  注意点・エロ有りですが、人によって最後抜いたことを後悔する恐れ有り(もっとも抜けるかはわかりませんが…)
     ・表現が上手くいっていない可能性有り(初なもので…)
     ・エロ主体のつもりが純情モノに…(抜く前に最後まで読むことをおすすめします。)
     ・最後のレスに「了」となっていなかったら、まだ全て投稿しきれていません。(大体8レス程)

説明しきれてない点や疑問等あると思うので、迷惑でなければ感想を交えて雑談したいと思います。(時間の都合つかない時もあると思います。)
それでは、5〜10分程の後、投稿します。
213death/anima:2010/04/01(木) 02:59:51 ID:8AaPFueT
「……!……!!」

  なんで……?

「…からお前は……なんだ!」

  どうして…怒られるの…?

「…ハハハッ お前ってほんとに…だな?あっはっはっ」

  違う…僕は…僕なりに…

「オマエナンカヒツヨウナイ」


「うわあああぁぁあぁあぁぁっ!!!」
「蒼人さんっ!?」
「はぁっ、はあっ、僕は、違う、僕はぁ、う、うぅっぅううぅぅっ」
  ぎゅうっ

「はっ、はぁ、はあ、はあっ」
「大丈夫です……私が、いつも傍に居ます。」
「はあ、はあ、うぅ、ご、ごめん…アリス…」
  ほぼ毎朝、僕はうなされて目が覚める。
  今日のは特別ひどいようで、現実に戻ってもしばらく恐怖が消えなかった。
  そんな僕をアリスは、優しく包んでくれた。普通なら、「どうしたの!?」とか言って驚くことが当たり前だが、
  彼女は違った。 何も聞かず、ただ何も心配ないと抱きしめてくれる。全て解っているように。

「もう…大丈夫だから……ありがとう、アリス。」
「はい……おはようございます。蒼人さん」
「おはよう…アリス」

  そして、一日が始まる。


「…そういえば気になったんだけど」
  午後の昼下がり、屋上で過ごしていた時のこと。朝のことでアリスに聞きたいことがあった。
「なんでしょう?」
「僕がまだ君のことが"視えてなかった"ときも、抱きしめてくれたの?」
  途端にアリスは顔を赤くした。
「あ、えと、その…えへへ…」
「そっか…ありがとな」
「あっいえ…私はそんな…」
  更に顔を赤くして、とうとう俯いてしまった。
  今まで実感していなかったが、改めて考えてみると、こっちまで恥ずかしくなった。

  キーンコーンカーーンコーーン

「あっ、そろそろ教室に戻りましょう?」
「ああ、そうだな。」
  そして僕らは屋上を後にした。
214death/anima:2010/04/01(木) 03:02:33 ID:8AaPFueT
  教室に入ると、皆が僕を白い目で見てきた。いつものことだが。
「ヒソヒソ…(おい…屑がきたぞ…)(ほんとだ まだ生きてたんだなw)
      (最近アイツ屋上行ってるらしいぜ…)(まじで? そのうち自殺しちゃったりしてw)」
  これもいつものこと。僕は何故かこそこそ話している声が聞こえてしまい、聞き流せず苦しんでいたが、
  少し前に聞き流せるようになっていた。慣れは怖いな。

「(え〜っと 次の授業はっと)」
  次の授業の準備をしようとして、何気なくアリスを見た瞬間、衝撃を受けた。
  アリスは僕の噂をしている生徒をおぞましい形相で睨みつけていた。
「……この下衆共が……」
  更に僕は驚いた。手にしている大鎌からもどす黒いオーラが滲み出ていた。
  普段いつも優しい彼女が、そんな風になるのを初めて知った。
  今まで学校などで噂をしている人を見る度にその顔をしていたと考えると、背筋が凍った。

  このとき、僕は改めてアリスが「死神」であると実感した。
「……あっ……」
  アリスは僕が少し怯えていることに気づき、僕を見てにこっと微笑んだ。
  僕も笑みを返すと、彼女は申し訳なさそうな顔をした。
  それが僕に気を使っているように感じて、後で話をしようと決めた。

  放課後 屋上で最初に口を開いたのはアリスだった。
「あ、あの…先ほど怖がらせてしまったようで…」
「ああ、いや、確かに少しびっくりしたけど、」
「わっ、私のこと、嫌わないでください!」
  彼女は今にも涙が溢れそうな目で僕を見つめた。
「もう、蒼人さんの前で、あっあんな顔、しませんからっ…」
  声が震えている。彼女は僕に嫌って欲しくないことが十二分に伝わってきた。
「すんっ…ごっごめんなさい…ふぇっうぅぅっ」
  ぎゅうっ…
「嫌わない…嫌うもんか…だって、僕のことを思ってあいつらを憎んだんだから…」
「ふっうぅぅっ、ふぇっぇぇえんっ」
「絶対に、嫌わないから…」
「わああぁぁあぁぁんっ!!」

  僕は"解った"。彼女は、間違いなく僕だ。僕の本当の気持ちを、彼女は体現しているのだ。
  泣きじゃくるアリスを、僕は落ち着くまで抱きしめ続けた。
  帰り道も彼女が不安にならないように、ずっと手をつないだ。

「それじゃ、おやすみ アリス。」
「おやすみなさい。」
  それから数分後
「スゥー…zzz…」
「蒼人さん……ありがとう……えと、ほんとは起きてるときにしようと思ったんですけど…
 まだ少し恥ずかしいので、今させていただきますね…」
  アリスはそう言うと、唇を重ねた。
「ん…………えへへ、
 ちょっと、ドキドキしちゃいました。今度は…起きてる、ときに……すぅ…すぅ」


  翌朝
「あ、あれ夢だったのかな?ぼ僕とアリスが…いや、忘れよう…」
215death/anima:2010/04/01(木) 03:05:26 ID:8AaPFueT
  職員室
「…お前、屋上に行ってるんだって?」
「はい…それが、何か?」
  担任に呼ばれて僕は放課後職員室に来た。誰かが屋上に行ってることを告げ口したらしい。
  別に屋上に行くくらい良いだろうと思ったとき、予想もしないことを言われた。

「お前まさか、隠れてタバコ吸ってんじゃねえだろうな?」
「へ?」
  驚きを通り越して呆れてしまった。こいつ馬鹿か?
「屋上に行ってると教えてくれた奴がそんなことを言っていたんだがな…どうなんだ?」
「吸ってるわけないじゃないですか。それに吸っていたら口臭ですぐわかるでしょう。」
「…じゃあ、屋上で何してたんだ。」
「何って…昼は飯食ったり、本読んだり、空見てたりしてるだけですよ」
  まだ疑ってる。なんで告げ口した奴のことを信じて、僕の言うことは信じないんだよ?

「ふん。そういえば最近、お前成績が下がってるぞ。空なんて見てる暇あったら勉強したらどうだ?」
「僕が何しようと勝手じゃないですか。普段見て見ぬふりしてる人に関係ないですよ。」
「なんだ、その態度は!それが教師に対する礼儀か!?」
「先に人のこと疑ってきた癖に何言ってんですか!」
  教師はすぐこれだ。自分に気に入らないことがあると話をそらす。卑怯者が。
「…ふん。まあいい。あとで親御さんに電話しておくからな。」
「!?だから吸ってないってさっきから」
「それとこれとは関係ない!」
  このクソ教師…って!?アリス!?
「さっきから黙っていれば……」
  大鎌が低い呻きを上げている。ここは退くしかないか…
「…分かりました。それじゃもう今日は帰ります。さようなら。」
  そう言い捨て、職員室を出た。
「蒼人さんっ!?…このクソ教師ッ!!」
  アリスも急いで後を追った。

  帰り道はずっと無言だった。
  家に帰ると両親に座れと言われ、椅子に座った。
「お前…タバコ吸ってたのか?」
「吸ってないよ…吸ってたら臭いで分かるでしょ?」
  その途端父親に胸ぐらを掴まれた。
「本当に吸ってないんだろうな?もうこれ以上問題を起こすなよ?」
「問題って…周りが勝手にほざいてるだけなのに何で僕が」
「近所からも嫌味を言われて困ってるのよ。何であんたみたいな子を生んじまったのかねえ」
「まったくだ。こんな親不孝者聞いたこともない。もういい。ただしこれからどうするかじっくり考えて行動しろよ?」
「それじゃ、あたし達はしばらく旅行に行って来るから。こんなことのないようにね」

  バタンッ

「…………」
「蒼人さん……」
216death/anima:2010/04/01(木) 03:07:47 ID:8AaPFueT
「僕…は……」
  もう……死にた…っ!?

「んっ……」
「んんっ……って、ア、アリス!?」
  いきなりすぎてなんだか混乱してしまったが、アリスに、キ、キスされてしまった…?
「死にたいなんて、思わないでください……」
「あっ…」
「私は、貴方に死んで欲しくありません。」
  !?死神なのに……どうして…?
「私にもっと甘えてください!私がせっかく"視える"のに、こうして触れることもできるのに、私のことを忘れて置いて逝かないでください!」
「アリス…」
「たとえ貴方が世界から見捨てられようと、私だけは貴方の傍に居ます!ずっと、永遠に!」
  僕は思った。なぜもっと早く彼女に会えなかったのだろうと。もっと早くに会えたら、もっと幸せだったろうと。
  でも、今だからこそ、そんな風に考えられるのだと思った。だからこそ、伝えよう。この"想い"を。

「アリス……」
「すん…すんっ…」
「傍に、いてくれ…」
「蒼人さん……んっ」
  さっきまでの絶望が失われていく。いや、絶望しきったから、「希望」を手に入れられたんだと思う。
「ん………!?んんっ!?」
  ア、アリス!?そそれはっ!!
「んんぅ……ちゅぱっ……んっ…」
  アリスの舌が、深く、濃厚に絡んでくる。
「ん…はぁ…蒼人、さん…」
  まさか、アリスにそこまで想われていたとは…自分でもびっくりだった。

「その、えと…蒼人さんがよろしければ……し、しませんか?」
  へ?




  い、今なんと・・・?
「私の、全てを貴方に…捧げさせてください……」
  どっかーん。
  つつまり、その、あれだ、もしかして、
「貴方と、一つになりたいんです…」
  ア イ タ ク チ ガ フ サ ガ ラ ナ イ
「だめ、でしょうか……?」
「ほっ、本当に…?」
「あ、あまり何度も言わせないでくださいよぅ…」
  その澄んだ瞳があまりにも美しすぎて、僕はどうかしそうだった。
  しかし、僕も男だ。ここで出来なきゃいつやるって話だ。アリスもかなり勇気を振り絞ったに違いないのだから。
「も、もちろん…アリスが、望むなら…」

  そして僕らは、部屋のベッドへと移動した。
217death/anima:2010/04/01(木) 03:10:26 ID:8AaPFueT
  生涯、僕は独身で、経験せずにくたばるものだとばかり思っていた。しかし、まさかこんな形で経験できるとは…
「あ、あの」
「ふぁっ、ひゃいっ!?」
「その…多少激しくしても、構いませんので……お、お手柔らかに…」
「あ、ああ…(ゴクリ」
  アリスはそのままベッドに横になり、月光に照らされたその姿は、まるで"月下美人"のごとき美しさだった。

  そのまま僕は、羽織っている黒衣のローブをまくったのだが、そこで重大なことに気がついた。
「な、何も…着てなかったの!?」
「は、はい…あ、でも私寒いのは慣れてるので心配しなくても」
「そっそういう問題なの…?」
  今まで気にしていなかったが、まあローブも大分ぶかぶかのだし…っと、いかんいかん、
「…今度服買ってやるから…」
「あ、ありがとうございます…」

  気を取り直して。
  そのままローブを脱がして、唇をそっと重ねた。
「んっ…ちゅるっ…んふ…」
  お互いの舌が求め合うように絡みつき、部屋には"水"の滴る音が響いた。
「ぴちゃっ…んぅ…ちゅぱっ……ぅん…」
  そして両手を二つの"果実"へと伸ばし、ゆっくりとその柔らかさを確かめていった…
「んん…はぁっ……あ…ぁ…」
  舌をそのまま首筋へと這わせ、果実の"柱頭"に口を運ぶ。
 ぴちゃ……ぴちゃっ……
  少しずつ柱頭から"果汁"が滲みだす。その甘い香りが、手と舌に豊満な果実をむさぼらせた。
「あぅ……あっ…んんぅっ…ぁん……はあ、ぁっ…ああっあっ…」
  アリスは身をよじらせ、蒼人の頭を抱きしめる。
 じゅるっぴちゅぴちゅ…じゅるる…じゅるっ
「はぅっ、やっ、い、イっちゃいそぅ…ですぅ…ゃん…」
  手で揉みしだき、舌でその汁を吸えば更に溢れ出す。蒼人はそのとろける香りと味に理性を奪われていた。
「やっ、イクぅ…ぁっそんな…すすられたらぁ……あぁ…」
 じゅぱぁ…じゅるるっ…
「あっ、ぁあぁぁあんっ!!!」
  アリスは体を震わせ、二、三度ケイレンを起こした。
「はぁっ、はぁっ……蒼人さん…すごく、イイですっ……」
「アリスって意外と淫らなんだね」
「あっ蒼人さんの前でだけ…ですよぅ…」
  くちゅっ
「っ!いっいきなり不意打ちはひどいですよぉっ」
「そろそろ下の方も欲しがってたかなと思って」
 くちゅくちゅ
「…!蒼人さんの方がっ……よっぽど卑猥ですっ」
「僕が卑猥ならアリスもだよ」
 くちゅくちゅくちゅくちゅっ
「ぁあっ…そっそれはぁそうですけどっ…ゃあっ」
「アリスがこんなに積極的だったなんて……おしおきが必要だな」
「…蒼人さん性格変わってますよ…?」
「アリスのおかげで目覚めちゃった」
  手でアリスの"雌しべ"の中を弄りまわしながら、溢れ出た"蜜"をゆっくりと堪能し始める。
「あっ…そんな…じらさないでぇ……ぁあ…感じちゃうぅ…」
 ちゅるちゅる…くちゅくちゅ……
218death/anima:2010/04/01(木) 03:14:01 ID:8AaPFueT
「もぅ…っひとおもいに…イかせてください…あぁっ」
「らめだよアリス。ほういうのはゆっふりじあじあほやらないほ」
(だめだよアリス。こういうのはゆっくりじわじわとやらないと)
「ゃっ!だめぇ!そんなふうに舐められたらっ私っあっぁぁっ」
  ちゅぷちゅぷ…ちゅるるる…
「ゃあっ!イク!イクうぅぅっ!」
  しゃ―――――。
「ビクン あぅっ ごめんなさい……(ビクビクッ」
  気持ちよくなりすぎたアリスは失禁してしまい、またケイレンを起こしていた。
「…かわいいなぁアリス。すごく感じやすいんだ?」
「い、イジワルしないでください……って、あぅっ!」
  じゅぷ…じゅぷ……
「そろそろ…僕にもイかせておくれよ…」
  ずぷずぷ…じゅぷぅ…
「あっぁあぁああっ……は、入ってくるっ…すごくっおおきいぃ……」
  ぐちゅぐちゅ……ぬぷぅっ…
 蒼人はそのまま"雄しべ"をアリスの秘奥へと入れては抜いてと繰り返す。
「ゃっ…ぁあぅっ……頭の中がっ…まっ白になっちゃうぅ…」
  ぐちゅぅぬぷっぐちゅっぐちゅっ
「ぁっあっぁん、あっあっ……あぅっあっふぁっ…ふぇっえっ」
  そのとき、蒼人は血が滴っていることに気づいた。
「大丈夫?処女膜破れて痛いんじゃ…」
「はぁっ、だ、大丈夫です…こんな痛み、蒼人さんの苦しみに比べたらっ」
「無理しなくていいよ?とりあえず血拭いとくけど…」
「はい…でも、大丈夫です。続けて、ください…」
「わかった。辛いときは遠慮せずいってね?」
「はいっ」
  血を拭き終わった後、再開した。
 ぐちゅっぐちゅっじゅぷっじゅぷっ
「ふぁんっぁんっあっ、ぁのっ、蒼人さんっ、あっ」
「どうしたの?」
「中に、出して構いませんから。死神は、妊娠することが無いので」
「そうなの?…じゃあ、遠慮なく」
  それを聞いて安心したのか、一気にペースを速める。
「っはぁっあっは、激しいですぅっあっぁっあぁっ」
  じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ
「だめぇ、またっイっちゃいますぅぅっああんあんっ」
「アリスっ、出るよっ」
「だっ出してぇ、わたしにったくさんんっ」
「っ」

  どぴゅうっどぷどぷっ
「あぁあぁああぁぁんっ!!」


「はあ、はあ、はぁはあ」
「アリス…好きだ…大好きだっ…」
「蒼人さん…私もっ、貴方のことが、大好きです…」
  二人は深い口づけを交わし、眠りについた。
219death/anima:2010/04/01(木) 03:17:59 ID:8AaPFueT
  翌朝
 僕は予想もしない出来事を目の当たりにして愕然とするだけであった。

 アリスの体が半透明になっていたのである。
 アリスは最初説明することをためらっていたが、やがて重たい口を開き、僕は全てを知った。

 アリスの正体は蒼人の深層心理体それと兼ねての死神。その一部としてアニマであり、「タナトス」(死の本能、自己破壊衝動)でもあった。
 「タナトス」…ギリシャ神話の「死」の概念から生まれた「死神」。
 心理学者フロイトによれば、タナトスが大きくなりすぎると、タナトスを中和する「エロス」(生の本能)が働き、タナトスを打ち消そうとする。
 つまり、それらの一部をもつ深層心理体として存在するアリスと交われば、アリスは消えることになる。
 それをアリスは知っていながら何故昨夜の行為に至ったのか。そのとき僕は悟った。

…僕が「死にたい」と願ったからだ。僕の寿命はまだ先のことであり、自殺をすれば「啓示」に無い死とみなされ、魂が「消失」する。
  魂が消失するということは、アニマ・アニムスの存在も消失する。
  しかしアリスは決して自分の存在が消失することを恐れたのではなく、僕自身の消失を恐れたのだ。

  昨日僕が「死にたい」と願うことで僕の中で「タナトス」が生まれた。
  そのまま何もしなければ、あの時間違いなく死んでいたという。
  今までも死にたいと願ったことはあったが、昨日の場合、積み重なったものが溢れてピークに達し、一番危険な状態であった。
  危機感を感じたアリスは、同時にアリスの中で「エロス」が生まれ、僕の中の「タナトス」と結合・中和しようとし、結果こうなった。
  
  因みに、アリスはこれまで蒼人の「タナトス」を体現していたが、それはあくまで他者に対する「死を望む本能」であり、
  また蒼人自身が意識的に「エロス」を抑えていたため、中和しようとしなかった。
  この場合アリスの中でタナトスが大きくなってしまい、やがて死のうと考えてしまうのだが、
  アリスは蒼人の存在によって「存在」しているので、自殺することは出来ない。
  また、同じく蒼人の存在自体がアリスにとっては「エロス」であり、アリスの中で消化できるからである。
  更に、蒼人が意識的に抑えたため、深層心理に「エロス」が生じて中和したとも考えられる。
  
  しかし蒼人はあの時自分の中で消化できなかった。故にアリスがそれを補おうと「エロス」を体現した。
  そして蒼人の中の「タナトス」と交わることで中和されるのだが、先ほど述べたようにアリスは深層心理体であるためにその存在自体が消えてしまうのである。
 
  そこで疑問が残る。蒼人が存在する限り、アリスはまた生まれるのではないか?と。
  しかし、アリスはこう告げた。
「その可能性も考えられますが、また同じ「私」が生まれるかは不確定要素なのです。そして「生まれる」のが…いつになるのかも…」
「分からない…?」
「…………」

「僕の…せいだ。僕の存在自体が、アリスを苦しめてしまったんだ。」
「それは…違います。確かに、もう逢えないと思うと悲しいですけど、それでも、私は幸せでした。蒼人さんと過ごせた日々、昨日、一つになれたこと…」
「………」
「今一番苦しいのは、蒼人さんですよ?…それを思うと、私も苦しいですけど…」
  ほら、結局、僕のせいじゃないか。
「私が苦しいのは私が「あなた」だからです。同時に、あなたも「私」なんです。だから、お互い辛い…。」
  ……そうか。
「でも、私はもう消えてしまう。だから残された貴方が一番辛いんです。」
  ア、リス…
「ごめんなさい…」
「嫌だ…消えるなよ…」
「…蒼人さん」
「頼むよ!お願いだ!どんな酷い仕打ちを受けてもいい!だか、ら、…」
  ぎゅうぅ
「消えないで、くれよぉ…」
「蒼人、さんっ…」
「うあぁあぁああっ…」
220death/anima:2010/04/01(木) 03:20:09 ID:8AaPFueT
「蒼人さん…これを。」
  そう言うと、アリスは髪を結んでいるリボンをはずし、蒼人に渡した。
「あっ…」
  蒼人の手にリボンが触れると、半透明から実体化した。
「何も無いより、ずっと、いいですよね…?」
「ああ……」
  そして段々と、しかしゆっくりと、アリスは透明になっていく…
「アリス、嫌だ、消えないで…」
「蒼人さん、駄目ですよ、私、最後くらい泣かないって決めてるんですからっ」
  そうはいうものの、アリスの声は震えていた。
「蒼人さん…」
  そして、最後のキスを、交わした。
「…私は、貴方の傍に、ずっとっいますからっ…」
「うぅっくっ」
「また、逢えますから…いつか、きっと。」
  そして、とうとう…







  

  

  アリスは、視えなくなった。










「アァリスゥゥーーーーーッ!!!」


  蒼人の手には、アリスのリボンだけが残っていた。


221名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 03:24:05 ID:8AaPFueT
以上で終わりです。長々となってしまい申し訳ないです。
読んでくれた方々に楽しんでいただけられたら幸いです。
ややくどい表現とかもあったかもしれないです。
それではよろしければ感想等どうぞ。
222名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 03:50:44 ID:hLCkqaWu
乙です!

こういう締め方は予想してなかったー
ラストがちょっと寂しすぎるのと、未消化っぽい複線が気になります……
アリスは蒼人の意識に同化しすぎたという事でしょうか?
後日談(xx years afterとか?)があればそれも読みたいです
223名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 04:23:48 ID:8AaPFueT
>>222
ありがとうございます!

自分でも不思議なんですが、なんでこんなになったのだろうと…OTL
こういうバッドエンドものは好きじゃないんですけどね……
見直ししてるとき泣きそうになった;;

未消化部分というと、蒼人がなぜアリスを視ることができたのか?っていうところでしょうか?
この部分は後日談で(個人的にハッピーに向かうように)使おうと思ってます。
アリスの消えた原因としては、タナトスとエロスの中和作用によるものです。
ただ、ある程度独立しているので別の存在に思われがちですが、元々蒼人から生まれた存在なので、
同化しすぎて、というのはないですね。

終盤の説明、やっぱりわかりにくかったか…(f^^;)
224名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 21:02:24 ID:MS4R7WTK
GJ!
おもしろい設定だった
ただ>>222にもあるように何かしらの救いがあっても
いいんじゃないかなーと思ったので後日談に期待して待ちます
225名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 07:11:15 ID:ps/Bc+qt
どうやら大規模な規制に巻き込まれてしばらく書き込めません…
後日談は必ずや書き込んでおきますので、規制解除まで保守お願いしますです。
226名無しさん@ピンキー:2010/04/06(火) 03:27:45 ID:w9IGlcA+
まってるよー
227名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 03:31:27 ID:eHac6wTl
保守は任せろ
228名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 19:19:49 ID:fb+Hzip6
俺も保守DAZE
229名無したん(;´Д`)ハァハァ:2010/04/19(月) 03:18:33 ID:1lSc7rh2
後日談大変おまたせしましたぁ! といいたいところですが、残念ながらまだ全部仕上がっておりません…OTL
しかしこのまま出す出す詐欺と思われるのが嫌なので、途中までですが前編として投稿しますです。
 注意点・生殺しの危険性有          ←必読
    ・エロかわかりませんが、淫語有
    ・冒頭から説明多し
    ・矛盾点があるやも…そのときは申し訳ないです。
純粋に物語を楽しんでいただければ幸いです。では投稿します。
230death/anima 〜sequel〜:2010/04/19(月) 03:22:43 ID:1lSc7rh2
――あれから、幾つもの夜を過ごしたように感じる。

 「あの日」のことを考えると、今でも胸が苦しい。
  でも、苦しいだけじゃない。また彼女に―「アリス」に逢えると、希望を持ちながらここまで生きてきた。
  アリスに貰ったリボンを辛くても忘れないように左腕に巻きつけていた。
 「あの日」――、アリスは消えてしまった。けれど、このリボンだけは未だに、確かに僕の腕にしっかりと結ばれてい。

  だからこの二年間、長く感じられたけど信じ続けることができた。
  また彼女に―「アリス」に、逢うことができるはずだ、と。

  そして、運命は廻り始めた。

「…あ…とさ……」
  声が聴こえた。どこかで聴いたことのある声。
「まさか…」
  不安と期待が入り交じりながら、確信するために彼女の名を呼ぶ。
「…アリス?君なのか?アリス!!」
  そして、目の前に「それ」は現れた。

「あ…あぁ…」
  黒髪で長めのツインテール、黒衣のローブに大鎌、その姿は紛れも無く「彼女」であった。
  ……「瞳」以外は。
「…アリ、ス?」
  目の前に現れた死神の瞳は、「緋色」をしていた。そして僕の問いの答えに、こう告げた。
「いいえ、私はアリスではございません。」
  僕は、ただ愕然とするばかりであった。

「…貴方が、蒼人ですね?」
  …!何で、僕の名を…?
「どうして…それに、君は一体…?」
「間違いないようですね。……ボソ(本当に、あの方に似ておられる…)」
「あの方…?」
「…いえ、こちらの話です。私の名はイヴ。死神であり、原初の"アニマ"です。」
  原初の…アニマ…?
「それって…どういう…」
「貴方に人の運命を決める審判が下されました。その結果によっては、貴方が今逢いたい方と逢うことができるでしょう。」
「!!それって…彼女に…アリスに逢えるってことなのか!?」
「ええ。しかし、また結果によっては、人類の滅亡もありえます。」
  僕は言葉を失った。

  そしてこの瞬間、全ての命の運命は僕の手に委ねられた。
  僕はこの先に待ち受けるものが、とてつもなく恐ろしく思えた。 
231death/anima 〜sequel〜:2010/04/19(月) 03:24:34 ID:1lSc7rh2
  その後、イヴはどうして僕がその「審判」に選ばれたのか話してくれた。

  そして僕が、原初の「アニムス」の元である「アダム」の生まれ変わりであることを知った。
  それ故、僕はアリスやイヴを視ることができるのだという。
  イヴが現れた理由は、アリスが消えたことでその代替として、アダムのアニマがイヴだからということが重なり、
  僕の前に現れることができたのだという。

  そして、なぜ深層心理体が死神となったのか、その原因となる話を聞いた。

――まだ楽園という場所に人間が住んでいたころ、原初の人間であるアダムとイヴは深く愛し合っていた。
  しかし、あるとき神から口にしてはならないと言われていた禁断の果実を二人で食したがために楽園から追放された。
  ある「罰」とともに。
  その罰とは、お互いの姿が見えなくなるという罰、そして死の直前に愛する人に殺されるという罰。
  つまり自分のアニマ・アニムスに殺されるということ。これがアニマ・アニムスが「死神」となる所以である。
  愛する人に殺される――これほど辛い罰は二人には無いだろう。
  更には、深層心理体として存在するアダムとイヴは消滅せずに、愛する人を殺してしまったという悲しみを背負ったまま、
  永遠に存在し続けるという残酷なものだった。また、アニマとアニムスは相反するものであり、お互いを認識することが出来ないため、
  二人は永遠に孤独で居続けることになる。

  僕はこの話を聞いていたとき、涙が止まらなかった。
  それが僕がアダムの生まれ変わりだからだとか、変な同情心からくるものではない。
  あくまで僕自身のことのように感じ、また僕自身が悲しいからだった。
  また、その二人が僕とアリスのように感じられて、更に悲しみが深まった。
  そして、イヴはこう言った。
「だからこそ、貴方には為さねばならないことなのです。これは私たち人間に課せられた試練なのだから。」
  試練。 僕とアリスが離れ離れになったことも、全て運命だったのか?
  だけど、そんなことは関係ない。僕は人類のためだとか、そんな大それたことも考えない。
  ただ、アリスを、そして永遠の呪縛に繋がれたアダムとイヴを救いたい、それだけだった。

「では、貴方を"神"のところへ連れて行き、そこで試練を受けてもらいます。」
「"神"…?」
「貴方がたの世界ではヤハウェ、などというのでしょうね…」
「もしかして、その"神"がイヴたちを…?」
「…では目を瞑っていてください。」
  僕は確信した。その"神"とやらが楽園から追放した張本人だ。
  そして言われるまま、僕は目を瞑り、不思議な感覚に包まれた。

  間もなく、僕は"神"のいるところに着いた。
  そこで見たものは、想像をはるかに超越していた。
232death/anima 〜sequel〜:2010/04/19(月) 03:26:41 ID:1lSc7rh2
  これが、"神"――。
  この姿を、どう言えばいいのかわからない。僕の表現力が足りないとか、そういう次元じゃない。
  この世界で、表現できる言語が無い。それくらい超越した存在。
  それが"神"。見た者にしかわからないとは、まさしくこのようなことなのだろうと、僕は思った。
  そして"神"は語った。いや、語ったというか、こう"言われた"気がした。
「汝、人ノ子ヨ。我ガ試練ヲ超エシ時、汝ノ願イ果タサレン。超エラレヌ時、人皆滅ス。汝、人ノ子ヨ。覚悟セヨ。」
「…その試練とやらは何だ?」
「試練。汝ガ愛スル者ヲ闇カラ救ウコト也。」
  つまり、アリスを連れ戻すってことか?
「それだけなのか?それが試練なんだな?」
「闇、即チ地獄。絶望ト苦痛ト悲哀ト憎悪ガ渦巻ク場所。其ノ道ナリ酷ク険シイモノ也。長ク遠ク悠久ノモノ也。」
「どんなに困難な道でも、絶対に連れ戻してやる!絶対にだ!」
「ソシテ条件ガ有ル。」
「何だ。」
「決シテ誘惑ニ負ケテハナラヌ。其ニ負ケタ時、全テヲ失イ、人ハ滅スル。」
「…解った。」
  そして目の前に黒い穴が出現した。
「行ケ、人ノ子ヨ。汝ガ宿命ヲ、罪ヲ償エ。」
  黒い穴からとてつもなく禍々しいものが溢れてくる。それでも、僕は恐れることは無かった。
  この中で、アリスは一人でいる。だから僕は恐れるわけにはいかない。
  この先に底の無い絶望があっても、僕は真の絶望を知っている。

  そして、僕は暗闇の中へ入っていった。
「どうか…ご無事で。」
  イヴはただ、蒼人の背中を"彼"と照らし合わせて祈るだけだった。






  暗い。
   どこまでも、どこを見渡しても、闇が広がっている。
  歩っても歩っても、先が見えない。
    そして心を蝕む孤独感。
      それでも僕は、歩くことを止めなかった。
「アリスも、同じ気持ちで、本当は怖がっているんだ……僕は、誰よりも寂しがり屋な彼女を、抱きしめてやるんだッ!!」
  そう心の中で唱え、左腕に結んだアリスのリボンを見て励ましながら歩っていった。









そして、辿り着いた。
233death/anima 〜sequel〜:2010/04/19(月) 03:28:33 ID:1lSc7rh2
  闇の中に佇む黒い巨塔。近くまで来ないと判別しにくいが、存在感はあった。
  その塔の中から鈍い呻き声のようなものが聞こえて、ますます恐怖が増していく。
  しかし、恐れてはいるものの、それが「恐怖」なのか、僕にはわからなかった。
  そして、塔の中に入っていった。


dじぇうvkんさrんlを異ゑんq餌wくぃ無
wfんh背VQV炎f挫wんvkヴァmw氏血く
  
  意味不明な呻きが聞こえてくる。
  そして、通路から広間に出ると、「彼女」がいた。
  初めて会ったときはツインテールだったが、別れ際にリボンを渡して消え、髪をおろしたままでいたが、すぐにわかった。
「……アリス…?」
「…!!…そんな……まさか…」
「アリスッ!!」
  彼女を抱きしめようとしたときだった。
  僕の手は触れることができず、そのまま体ごとすり抜けてしまった。
「ごめんなさい…ここでは、私の体は幽体状態なので、触れることができないんです。」
「そうなのか…でも、本当に、アリスなんだよな!?」
「はい。私も、またこうして蒼人さんに逢えて、嬉しいですっ!」
  二年ぶりの再会。いや、離れている間の時間というのはとてつもなく長い。
  ましてや、アリスはこの闇の中にいたのだから、時間の感覚などわかるはずもない。
  少なくとも、二人にとってこの空白の時間は永遠にも等しかったのだ。
「あ…そのリボン…」
「ああ、アリスがいなくなったときから、ずっとこうしてたんだ。」
「…蒼人…さんっ」
  その澄んだ目に涙をためながら微笑む。安心させたいが、触れることもできないので、蒼人はやるせない気持ちでいた。
「……アリス、ここから出よう。そして幸せになるんだ。僕たちなら…」
「ちょっと待ってくれ。」
  僕が話しているときに、誰かが口を挟んだ。誰だ?
「あ、この方はアダムさんです。」
  この人が…アダム!?まるで僕に瓜二つじゃないか!?
「…初めまして、かな。ほんと、俺にそっくりだな。」
  闇の中から出てきた男―アダム。
  アリスとイヴが瓜二つであるのと同じように、僕とアダムもまた、瓜二つだった。
  そして、アリスもまた全ての事情を把握していた。
「何かの因果なんでしょうか…それとも、最初から、こうなるように…」
「関係ないよ。たとえ運命でも、それは"神"が決めることじゃない。人が決めることだよ。」
「フフッそうか。…なぁ、最後に聞かせてくれないか。…イヴは、どんな様子だった?」
「…貴方のことを話しているとき、とても幸せそうで、想い続けていましたよ。貴方のことを。」
「そうか。……それを聞けただけで幸せだ。俺の方からも言っておいてくれ。お前だけを、愛していると。」
「もちろんです。……じゃあ、行こうか、アリス。」
「あ、待て、お礼といってはなんだが、お前に忠告しておく。"絶対に後ろを振り向くな。"何があっても、前だけを見続けろ。」
「はい!」
「後ろを向いたとき、全てを失うことになる。帰り道は気をつけろよ。じゃ、お幸せにな。お二人さん。」
「…ありがとうございます!」
234death/anima 〜sequel〜:2010/04/19(月) 03:30:33 ID:1lSc7rh2
  そして、僕とアリスは広間を後にした。
「……人が決めること、か。選ばれただけはあるなぁ……なあイヴ、お前は俺を許してくれるか?お前を殺した…俺を。」

  塔の入り口前―
「あの…蒼人さん、一つだけ、私からも忠告が…」
「何?」
「私は、この塔から出たら、闇で見えなくなります。ですから、そうなってしまっても、振り向かないでください。」
「わかった。何があっても、絶対に振り向かない。アダムにも言われたことだしね。」
「私、蒼人さんのこと、信じてます。だから、頑張って…」
    ギィ……
  そして、塔から出た。

  塔を出てからというもの、闇は寒気がするほど静かだった。
  アリスの気配も感じられない。けど、それは闇のせいで消えているだけだと、自分に言い聞かせた。
  そして、リボンを見ながら、ただ前へ前へと歩く。
  ただ前へ、ひたすら足を前進させる。
  行きより長く感じるが、それでも、一歩一歩進んでいく。
  そのときだった。
  光だ。光が見えてきた。
  僕は安堵しつつ、それでも警戒を怠らずに確実に進んでいく。
「もう少し…もう少しで、アリスと…」
  そのときだった。
「嫌です。外に出たくありません。」
  それは紛れも無くアリスの声だった。聞き間違えるはずが無い。
  そして僕は思わず返事をしてしまった。
「嫌って…どうしてさ?」
  後ろを向くことを必死に堪えたが、そのせいで足が止まってしまった。
「どうして?それはこちらの台詞です。貴方のほうこそどうして闇から出ようなんて思うのですか?」
「それは…君と、幸せになる為に…」
「幸せ?……ぷっ、あはははは!そんなの貴方の勝手でしょう?本音は、自分の幸せの為にそんなことを言ってるんでしょう?」
「違う…僕は、君が寂しいと思って…」
「はあ?何をわかったことを言ってるんですか?誰もそんなこと言ってませんよ?そんなこと言って、どうせ私の体目当てなんですよねぇ?」
「…君がしたくないんだったら、しなくていい。ただ傍にいてくれるだけで、僕は幸せだ。」
「反吐が出ます。誰が貴方みたいな下衆の傍にいるものですか。」
「…そう。」
  そして、目の前にアリスが現れた。
「私の幸せを本当に願っているのでしたら、私を今すぐ塔へ連れて行きなさい。」
「それが、君の幸せ…?」
「ええ、そうですとも。私、早くアダム様のところに行きたいの。だからさっさとしなさい。」
「どうして……?」
「これだけ言ってもわからないんですかぁ?私は早くアダム様に 抱 か れ た い の。あんたみたいな早漏、タイプじゃないのよ。」
「アダム様は、私を激しく愛してくれるの。そして何回もイかされちゃたなぁ……やだ、想像したら濡れてきちゃったぁ…」
「…あんた、もしかして今の私の話聞いて興奮してるの?これだから早漏は困っちゃうのよねぇ…」
「ねぇ、いい加減私をアダム様のところに連れて行きなさい。聞いてるの?」
「…は……ない…」
「は?何言ってるんですか?もっとはっきり言いなさいよ童貞。あんたの初体験なんて所詮妄想でオナニーしただけなんだから。」
「君はアリスじゃない、と言ったんだ。」
「ぷっ、あんた頭おかしいんじゃない?私はアリスよ。あんたに否定されるいわれなんてないわ。」
「じゃあ、そのツインテールはなんだ?」
「ツインテールがなによ。これは私が好きでしてるんですけど。はぁ、いいからさっさと…」
「アリスのリボンは今腕に巻いている。だから今髪を結んでいるお前は偽者だ!失せろ!!」
「よくわかったわね。そうよ。私は偽者よ。だけどいいのかなぁ〜そんなこと言って。」
「どういう意味だよ。」
「それ、本物に言ってるのと同じよ。」
235名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 03:37:39 ID:1lSc7rh2
以上前編でしたm(_ _)m
注意書きの名前がピンキーじゃないのは無視してください。特に意図はありません。
最後文字だらけですみません;
見にくいと思われますがご容赦の程を><

後編はエロ有+…な展開が!!早めに投稿致します。現在鋭意製作中!
236名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 20:25:02 ID:bY0unK4C
GJ!
設定も興味深いが初体験がオナニーだったというのが気になりまくるw
アリスが現れたときは実体じゃなかったっけ。読み直すか
後編も楽しみにしてるよ
237名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:38:22 ID:U/TH1hoU
238名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 19:08:34 ID:SMJhyIxz
後編に期待
239名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 14:45:10 ID:G+uLMv9V
保守
240名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 12:46:47 ID:LbQg3ciC
241名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 15:37:41 ID:Q1JJ5XWj
保守
242名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 23:18:50 ID:EnGNkgTZ
保守
243名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 02:19:12 ID:Pme5nRy7
保守。俺もなんかやってみっかな…
244名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 21:46:14 ID:9oSVPlN8
楽しみだな!
245名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 03:25:49 ID:1J173zXX
ほす
246名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 21:14:55 ID:0UnjIPNq

                 ___           ,.へ
           __    i´   ヽ      //:::`、
          〈 o>''" ''o ., ` ‐、/,.へ、 :::::ヽ
           .〉´     、 ヽ ヽー 、! '   ヽ  :::::',
          7  ハ、 ハハ i   ',ィ´      ',  ::::i
.           !ハ、 l.  ―l/ :i !.         i :::::!
             i 人 r 、"/,.ィ ハハ.        ! ::::,'  保守しますわ
           ,..,_ ィ>'i'`゙iヽ/  `ゝ、       /.:::/
          /´ Y 」, `i V  /"  Y      〈 :::〈
        /,`7λ_,>'、,_ ,. -ゝ.,  _'ゝ_    ).::ノ
        /, イ '´ ∠'"ゝrュ二 ,.レヽ ` 、ヽ、 〈r"
.      //  !_,.ィ´/    ´ `"ー'゙  \ \ ヽ-、
    //   ,. '"  '  / /.       \ ヽ'  `ヽ、
. //   <      /   .i          ヽ ヽ  /
<,/     rノ     /`ー´`l          ハ、__l i
      /'ヽ___,,..,,_」     .!     .i⌒ヽ、,/     ',
    ./              l,.- 、_,. ┘          〉
    ヽ,                        /
.     `ヽ、,. -、                __/
          ヽ.,               /´
247名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 20:11:57 ID:WsffPang
可憐だ
248名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 18:03:45 ID:V2pGSyZ8
>>743
何で聴ける?
249名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 18:04:41 ID:V2pGSyZ8
>>248
誤爆した
250名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 01:47:12 ID:e83UGKnK
ふつくしい…
251名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 22:55:35 ID:zpm7TQMG
            Ψ
            | ハ_ハ 
         /l`('(゚∀゚∩/l\ 
         ⌒⌒|ヽ  〈 ⌒⌒
            | ヽヽ_)→
252桂木 桂馬ψ ◆FLAGMDXuX2 :2010/10/10(日) 05:56:35 ID:96IjUIXr BE:4098341489-2BP(1092)
@Reply:>>246
素晴らしい出来ですね。
死に神など、落とし神モードで落としてみせる。
デスノートなんかクソゲーだ!
253ほしゅ

       /ゝ
    /⌒/" 、⌒ヽ
   | ::::::::○::;;;::○::;| /ー- 、
   ヽ ,,:::、WWW;//==ヽ i
   /,~'''-::(,,゚Д゚)./.   |/
  / :::   ..::::つO
  "''-;,,i    ::::,,/ ヽ
     "''---''''/"''~