甲田学人作品でエロパロ2【Missing/断章のグリム】
さあ人柱を埋めようか!
∧_∧
( ・∀・)
/⊂ つ ←吉相寺
/ ,(__つ
⊂⌒~((⊃*。Д。) し'
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∩∪∩
(・∀・| | ←大迫
| |
⊂⊂____ノ
彡
________
↓三塚
、、、、
_彡_, ,_ヾ
/∩|;`"皿`"|) =3 <乙だ
くヘ | ̄ヽL| |」 ]つ ┐
|j、__| |_| ┰'’
|__|_| _||_ (○)
|__)_) | ∪ | |/)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ←
>>1
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クラック!
さあ、このスレでは『甲田学人』のエロパロのお話をしましょう。
頭いてぇ
>>1乙です
エロパロでも甲田先生のスレの最後は収穫祭になるのか
2スレ目か、なんか感慨深いなぁ
前スレ
>>1000 そのネズミは違うw原爆落すなwww
まっつんまだー
前
>>1000 終わるのは話じゃなくエロパロ板だからwwww
ひっそりと収穫(前
>>993-999)とネズミ退治中(前
>>1000)の摩津方IN木村圭子と武巳。
いつものように武巳が摩津方IN木村圭子を肩車してあげ、摩津方IN木村圭子が縄を切るという作業形態である。
女子の生活に溶け込みきった摩津方IN木村圭子は最近では肩車が少し恥ずかしそうである。
もはやお前誰だよ。
だが仕方ないのだ。摩津方と言えども女子に混じったら最後、強大な洗脳能力の前にはあらがう術無く伏せるしかないのだから。
そういう訳で、
「小僧、もうちょっと右…きゃっ!?」
「っと、危ないな…ちゃんとバランス良く乗らないと落ちるぞ」
女子への階段を高速で上る摩津方IN木村圭子である。
こうして見るとほのぼのだが実際は魔女との最終決戦が近い為にほのぼのは出来ない。準備は一応完了してある。
そんな時期でもこうして首吊りがたまに実る。
「よいっと…収穫完了か?」
肩に乗る摩津方IN木村圭子を下ろすべく腰を低くしながら武巳が問う。
「うん、あとはこれを人柱と鼠柱(?)として捧げるだけかな」
死体には使い道はある。ひたすら柱として捧げ、魔女を少しでも邪魔するのに使うのだ。
鼠柱はよく解らない暇つぶしのようだ。
「小僧…貴方は大丈夫なの?」
ふと摩津方IN木村圭子が口を開いた。やや重く暗い雰囲気を漂わせて。
残念ながら口調のせいでかつての威厳を感じられない。
「今更どうしたんだよ」
武巳はすっかり友達口調である。これぞ劇的ビフォーアフター。
「…気付いてると思うけど、今の私は木村圭子の精神と限りなく同調してる。
もはや自分が小崎摩津方なのか木村圭子なのかも曖昧で。
だからもしかすると敗北する………ううん、間違いなく負ける。もし引き返すなら今の―――きゃっ!?」
小さな悲鳴と共に言葉が途切れる。武巳が無言で摩津方IN木村圭子の肩を掴み振り向かせたからだ。
「ふざけるなよ…どんだけ木村圭子と同調しようがお前は小崎摩津方だ…今まで色々なモノを奪った小崎摩津方だ」
凄まじい怒りだった。
摩津方IN木村圭子が一歩退こうとするが肩を捕まれてる為に退けない。
目がぴったりと合ったまま逸らせない。
「………」
摩津方IN木村圭子はただ眼球を震わせた。やがてじわりと浮かぶ水滴。
これほどの存在だったのか、という小崎摩津方としての驚愕。
そして目の前の怒りに対する木村圭子としての純粋な恐怖。
「勝てよ。焼かれても、刺されても、斬られても。敗北は絶対に許されないんだ」
「でも相手は神野陰之だよ? 今の私に勝てるわけないよ………ッ」
「…解ったよ。勝たなくても良い。ただ負けることは許さない」
「それと勝つことの何が違うの!? 負けるなって事は勝てって事でしょう!?」
摩津方IN木村圭子は激昂する。だが武巳はあくまでも冷静だった。
「これは贖罪だ。罪を反芻し、罪を償う。負けることは更に罪だよ
怖いなら…俺が支えてあげる。俺は怖くないからな。もう怖いって感覚も解らないしさ。
大迫歩由美、木村圭子…他にも沢山の、貴方が為の犠牲者全てを背負うのが重いの俺が背負うよ」
「小僧…」
その日、形はどうあれ小崎摩津方は人として、人の前で涙した。
武巳は頭を撫でながら決心した。
神野という神の如く存在するそれを必ず玉砕する、と。命を賭けてでも。
想像する。文芸部員とのまた笑顔で居られる日を、そこに摩津方IN木村圭子が混ざってる光景を。その光景には…
―――。
残念ながら稜子は忘れられてしまい姿はどこにも見えなかった。
収穫SS乙
18 :
えろくないよ:2008/10/25(土) 20:54:13 ID:Jp0jWAc+
『俊也がかわいい女の子に告白された』というのは、気の知れた仲間ばかりの暇な時間帯に持ち込まれたニュースだった。
「マジで!?美人?」
「うん。すっごく可愛い子」
稜子と武巳が興奮気味に話し合う。どうも稜子が今朝、俊也がかわいい女の子告白されたのを偶然目撃したらしい。
「なんか前にも同じことがあったね……」
亜紀ははぁ、と小さく溜め息を吐く。
「ついに村神に彼女か……。村神も陛下ほどじゃないけど枯れてるもんなぁ。陛下の次は村神が社会復帰か……」
うんうん、と自分の言っていることに感慨深げに武巳は頷く。
「まるで魔王様のときみたいだねぇ」
「あー、たしかにそうだな。今連絡つかないし」
まあ村神が携帯持ってないだけだけどハハハ、と武巳は笑う。
「本当にそうだね」
呆れ顔で亜紀は言った。
「たしかにあのときと同じだよ。近藤―――後ろ」
「へ?」
言われた瞬間、ゾクリと冷たい気配が背中を伝った。
おそるおそる後ろを振り向くとそこにいたのは、
「……や、やあ、村神。いつの間に…………?」
「……『先程からずっとだ』」
険しい表情の俊也が、高い位置から武巳を見下ろしていた。
目は、決して笑っていない。
「……まったく、勝手にいろいろと」
「だからごめん、って……」
腕を組み、不機嫌そうな顔で椅子に座っている俊也の側で、武巳と稜子が謝っている。
俊也は怒るというよりも呆れたようで、あーもういいもういいと犬の子を追い払うように手を振った。
「だいたい彼女じゃねぇよ。返事する前にどっか行ったし」
「え?そうだったの?」
どうも俊也たちと稜子の間には距離があって、二人の詳しい会話の内容が聞こえなかったらしい。
「ああ。いきなり呼び出されて『好きです』って。返事する前に手紙押し付けられて逃げた」
「返事聞く前に……って告白の意味ないじゃん」
「だろ?」
わけわかんねぇ、と一言呟く。
「大体なんで俺なんだよ。別に顔いいわけでも優しいわけでもないし」
「あんた運動神経抜群だし成績はけっこういいし背も高いし、顔はそこそこだから……まあ、良いかんじじゃないの?」
「寡黙なのがタイプって女の子もいるしねー」
亜紀が冷静に、稜子が楽しそうに診断を下す。
それでも俊也は納得できないとでも言いたげな表情だった。
「そういや、手紙って?」
武巳が気付いたように言う。
「これだ」
俊也が制服のポケットから、ややくしゃくしゃになった封筒を取り出して武巳に差し出す。封は開けられていない。
パンダと四ツ葉のクローバーをあしらった、いかにも女の子向けの店で売られていそうなかわいらしい封筒だ。
差出人の欄には「長谷川まち子」と書いてある。
「あ、やっぱり長谷川さんなんだ」
封筒を覗きこんだ稜子が言った。
長谷川まち子と稜子は女子寮での部屋が近いらしい。まち子はかわいいし頭もいいが、無口でいつも一人でいるため何を考えているのかよく分からない子らしい。
「……そいつって前に変なことしたりしたことあるか?」
俊也が聞く。
「うーん、そういう話は聞いたことないよ」
「そうか……」
口に手をあて、何かを考えているようだ。
「村神ぃー、開けないのかこれ?」
「開けたきゃ開けていいぞ」
「え、いいのか?」
「ああ」
それはそれで相手の子に失礼なんじゃないか、と心の中で呟きながら、封を閉じていた封筒と同じシリーズのかわいらしいシールを剥がす。
中からでてきたのはやはり同じシリーズの手紙で、小さくて丸い字でまち子の村神への想いが綴られていた。
「『去年の体育祭のときに一目惚れしました』……うわー、王道だなー」
「あのときの村神くん、陸上部と同じくらい凄かったもんねー」
盛り上がる二人。それに反比例したように俊也の表情はどんどん暗くなる。
「で、返事はどうすんだよ?」
「もうしねぇよ。しても意味ねぇ」
「は?もう?」
武巳と稜子はキョトンとした顔で俊也を見る。
俊也は胃痛でも起こしたかのような様子で言った。
「これで五回目なんだよ……」
「な、なにが?」
武巳は嫌な予感がしたが、口は動いてしまった。
「今週に入って五回目なんだよ。そいつに直接告白されたの。全部断ってるけど。
今月入ってからだと二十回くらいになるし、手紙なんか机に入ってたのとか入れればもう六十通くらいになる。全部内容同じのがな……」
はあー、と俊也は大きな溜め息を吐いた。
「村神……その子ヤバいよ」
「長谷川さん……そんな子だったっけ?」
二人の顔が青ざめていく。明らかに好きだから諦めきれずに複数回告白するというレベルを越えていた。
「そいつな、家までついてくるんだよ。俺の四、五メートル後ろをずっとついてくる。
たまたま空目といっしょに帰ってたときなんか凄かったぞ。ちょっと後ろ振り返ったら、鬼みたいな顔して空目のこと睨んでるんだよ。
あんなに怖い顔はホラー映画でもそうそうない」
「ストーカー!?」
うわ、と武巳が声をあげる。
「魔王様、彼女と間違えられたのかな……?背もあんまり高くないし、後ろ姿なら……」
「違う」
俊也が即座に否定した。
「性別は関係ない。日下部近藤木戸野空目、俺の交友関係全部に睨みつけてるんだよあいつ。それどころか俺が用があって話してる奴までな。先生とか」
「は!?俺も!?」
「ちょっと……なんであたしまで……」
亜紀が不快感を露にする。
「どうすりゃいいんだよ……」
「えーと……警察とか?」
武巳が妥当な意見を言う。
「やっぱそうか……証拠なら嫌ってほどあるしな……」
おそらく手紙のことだろう。
「決まって朝と放課後告白してくるし……今日は放課後告白なかったけどな……」
「うわあ……」
気の毒に、という視線をみんなで村神に送ったそのときだった。
23 :
これでおわり:2008/10/25(土) 21:00:05 ID:Jp0jWAc+
部室の入り口が開いた。
一斉に視線を向けるとそこにいたのは、部員ではないかわいらしい女の子だった。
「は、長谷川さん……」
「この子が!?」
思わず大声がでた。
まち子は稜子と武巳を気にせず、俊也へと近付く。
「ごめんなさい。今日はちょっと遅れちゃって……。村神くん、私の想いを受け取ってください」
「だからそんな気はないって何度言ったら分かるんだ!?」
激昂する俊也。だがまち子はひるまずににこにこと笑っているだけだ。
「今日の想いは、特別です」
「ふざけるな、とっとと出てけ!こっちだっていい加減頭にきてるんだ!」
だがまち子はにこにこと笑ったまま、封筒を差し出した。
パンダと四ツ葉のクローバーをあしらった、かわいらしい封筒だ。
「いらねぇ」
パシ、と俊也がまち子の手をはたくと封筒が床へと落ちた。
接着が甘かったのか、シールが剥がれて中身がでてきた。
手紙にはただ一言、
『保守』
過疎のようなので書いた。えろくなくてごめん。
予想だにしなかった結果ww
本気で続きが読みたい
なんてことをwwwwww
まさにGJ
このスレは非常に保守のレベルが高くて困るwwwww
保守かよwwww
ところで朝夕に告白ってのは四コマが朝刊夕刊に掲載されてることにかけてるんだよな? 女の子の名前的に
長谷川まち子に吹いたwww
30 :
かいたひと:2008/10/26(日) 06:31:17 ID:3xM9nXzM
>>28 え?なんかとかぶってるの?うち読売新聞とってるから別の新聞の四コマ?
と思ってググった。
サwwザwwエwwさwwwんwwwww
長谷川の名前は適当につけました。
しかも最初は「町子」にしようとしてました。かわいくないからやめたけど。
ごめんなさい。全国の長谷川さんとサザエさんファンごめんなさい。
まさか保守だとわwwwww
>>30 適当なのかよwww
朝夕二回の行動の謎が解けて「作者すげえ! 気付いた俺もすげえ!」とか驚いてた俺orz
しょうがないから笑子さんと肉膜ハメハメしてくる
まさかの新キャラが
やべぇwww本気で笑ったwwww
なんで保守にしちゃうかなぁーw
ともかく面白かった
GJ
スレの形を維持するための保守にしてはなんというハイクオリティwww
実にGJです
前々スレに夜魔のパロが一個あった気がするんだけどなんだっけ?
魂蟲?
前々スレじゃなくて前スレだ。
>>39 夜魔の作品は覚えがないなぁ
保管庫も見てみたがないっぽいし
魂蟲といえば、颯姫はかなりあれに近いよな
蟲袋な感覚に襲われているんだろうか
話題には出てましたな
あ、魔女の小さい頃の話はあった。鳩AAバージョンで
>>40 蟲・触手プレイな颯姫?
やはり颯姫は純愛で蒼依と添い遂げるべき
雪乃はもちろん私と…
アンデルセン童話「ひなぎく」
蒼衣×颯姫(青ひげ)の続きです。
さっ、と淡い花々の息吹を帯びた春の空気が颯姫を通り抜けて行った。
空高くからはヒバリの声が響く。
やわらかさと清々しさとが入り混じった匂いが胸いっぱいに広がり春を実感する。
ひらりひらりと幾枚かの花弁が風に吹かれ落ちてくる。
暖かさの中、次々と植物たちは開花し生命を謳歌していく。
眠気を誘われながらもわくわくするようなやわらなかな春の陽射し中で颯姫は芝生に寝そべっていた。
「はぁ〜・・・・・・」
ぬくぬくした雰囲気に思わず平穏の溜息が零れる。
鹿狩屋はブルーシートを持ち出しており、膝の上の夢見子に何やら童話を読み聞かせる格好になっている。
しかし童話のページの進み具合は遅々としている。
傍らの蒼衣への童話の講義が原因のようだ。野外授業に熱心な講師と生徒にも見えないことはない。
二人とも夢見子そっちのけで童話の解釈や象徴について語り始めている。
夢見子も童話や会話にはまるで興味が無いようで視線はふわりふわりと舞う蝶を追っている。
雪乃は講義を始めた鹿狩屋とその生徒の蒼衣に呆れ、少し離れた場所の桜の木に寄りかかりながら目を閉じ俯いている。
穏やかな様子でありながらこの町が泡渦に侵食されている。
相次ぐ動機のない失踪。
そして胸が内側から張り裂けミイラ化した死体での発見。
被害は現象傾向にあるが泡渦は人々の不安と猜疑心を煽り出歩く者の姿は消え、春の陽気と草花の匂いだけが町を包んでいた。
44 :
ひなぎく2:2008/11/01(土) 02:46:31 ID:bLbHGy01
三木目先生に夢見子を診察させるめに鹿狩屋と共に車で出掛け、その帰りにたまたま泡渦探しの雪乃と蒼衣を見つけたのだ。
「天気がいいから寄り道でもしようか」と鹿狩屋が提案し、颯姫と蒼衣が賛同した。
雪乃は不謹慎とか小言を言って泡渦探しに戻りたがっていたが「夢見子ちゃんが久しぶりに外に出てるのだから」と蒼衣に説き伏せられてしまった。
その間に車内にあった普段は死体を隠すブルーシートは健全な用法を発揮するべく鹿狩屋の手で広げられ今に至る。
颯姫はごろりと裏返りうつ伏せになり皆の様子を眺める。
鹿狩屋さんは別にいいや・・・
白野さんは見ていると何故か動悸が早くなる。どうしてだろう。
手帳に書かれていない記憶が切なくさせる。
何かあったような気がするけど思い出せそうで思い出せない。何だったかな。
そこで次に夢見子に目をやる。
夢見子は本当に可愛らしい人形と見紛う容姿をしているが蝶を追う瞳は希薄ながらも好奇心が見え隠れする。
一見、無機質でありながらも確かな体温と無邪気さを宿している。
もっとも可愛らしいアンティークドールや、もっとも無垢な少女も今の夢見子には遠く及ばないだろう。
同性の颯姫でさえ抱きしめたい欲求と壊してしまいそうな不安が沸き起こり胸がきゅんとしてしまう。
二度目の溜息が無意識のうちに空気に溶けていく。
横向きに寝返り雪乃に視線を移す。
秀麗な容姿がいつものゴシックロリータに身を包まれている。
断章を制御するための戦闘装飾姿でいるがいつものような冷徹さは暖かさに緩和されている。
桜に寄りかかり目を閉じ俯く様は憩うヴァルキューレとしても通用するだろう。本当に綺麗だ。
私では雪乃さんに敵わないかな。・・・・・・でも何を競っているんだろう。
巡らせた思考を現実に、視線は雪乃に戻す。
しかし微動だにしない。あっ、ぴくりと動いた。
・・・・・・ひょっとして寝てる?表情もいつになく緩んでいる気がする。
雪の女王も春の陽気の前では溶けてしまうのかも。
普段の激しさからは想像のつかない一面に思わず頬が緩んでしまう。
さらに寝返りをうち仰向けになる。
そして最後に自分について考えてみる。
とても幸福だ。
鹿狩屋さんがいて夢見子ちゃんがいて雪乃さんがいて白野さんがいる。
他にもたくさん。
こうしてお日様の下で花の匂いを感じながら風に触れる。
記憶は長く続かないが手帳はあるし、きっと心が忘れずに覚えていることも・・・・・・
45 :
ひなぎく3:2008/11/01(土) 02:47:12 ID:bLbHGy01
「・・・・・・ちゃん・・・颯姫ちゃん」
「・・・んっ・・・・・・」
「目が覚めた?」
「・・・・・・しらの・・・さん?・・・・・・っ!?」
颯姫は蒼衣の腕の中で抱き起こされるような姿勢で目を覚ました。
状況が速やかに理解できない。慌てて周囲を見回す。
日は傾きかけている。寝ていた?でもなんで二人きりに?
「ゆっ・・・雪乃さんたちは?」
「しばらく前に帰ったよ。夢見子ちゃんの断章が泡渦を予言して風乃さんが気配を感じて探しに行ったよ。
颯姫ちゃんを一人きりにもできないから僕が付いていたんだ。」
その言葉を颯姫の顔は青ざめる。
そんな緊急時に寝ていたなんて!白野さんは私なんか放っておいて雪乃さんと行くべきだったのに!!
「ごめんなさい!私なんかのためにっ・・・雪乃さんと行かなきゃいけなかったのに」
咄嗟にその言葉が出てきた。また足を引っ張ってしまった。
なんだか情けなく思わず泣きたくなったがなんとかこらえ涙目を隠すために俯く。
長いような数秒の間の後に蒼衣は意外な返事を返した。
「雪乃さんにはもう僕は必要ないよ。」
「っ!?」
予想だにしない返答に思わず顔をあげる。
意を決して蒼衣は語る。
「僕にとって本当にほうっておけない傍にいなきゃいけないのは雪乃さんじゃなかったんだ。
危なっかしい所は心配だけどきっと誰もいなくてもやっていけると思う。
実を言うと僕は始めから泡渦なんかどうでもよくて、ただ気になる女の子と普通じゃなくても普通に傍にいたいっていうか・・・」
言葉の終わりに近づくにつれ声は小さくなり次第に消えていった。
紅い夕日と織り成される陰影で顔色は読み取れないが火を噴きそうになっているだろう。
あぁそうか。
気づかないうちに思い出した?いや、ずっと覚えていたのかも。
でもこの際どうでもいいや。今は忘れていないんだもの。
ほとんどあの時の返事はもらったようなものだけれども、なんだか無性に嬉しくて、もう一度聞きたくて、あの時と同じように。
「・・・私、白野さんの事が好きです」
起伏のまるで無い胸が早鐘を打つ。今聞こえるのは自分の心臓の音と互いの息遣いのみ。
「僕も颯姫ちゃんが好きです」
世界の音が全て消えた中での唯一の音かのようにはっきりと聞こえた。
頭がくらくらする。いっそこのまま気絶してしまうかも。でもまだ勿体無い。
どうせこんなに恥ずかしい思いをしているんだから、もう少し欲張っても。
「じゃ、じゃあキスして下さい・・・」
言ってしまった!恥の上塗り?でも旅の恥は掻き捨てっていうし、きっと恋してるときだって。
颯姫はごくりと唾をのみ目を閉じ顎をわずかに上げる。
一方、蒼衣の喉はからからに乾き理性で欲求をなんとか鎮める。
しょうがないくらい愛しくて壊してしまいたくなくて花にそっと触れるかのようにくちづけをする。
啄ばむような短いキスだった。
5秒と満たない時間だった。触れ合っている間は永遠に思え、離れた途端に一瞬の出来事に思えた。
颯姫は胸が裂けてしまいそうなくらいに幸せだった。
いつからそうしていたかは判らないが寄り添うように座り、太陽は今にも沈もうとしていた。
太陽が町と山の向こうに消えた直後すべての光と音が失せ泡渦が広まった。
46 :
ひなぎく4:2008/11/01(土) 02:47:44 ID:bLbHGy01
・・・・・・・・・・
颯姫は気づくと薄暗い部屋の中にいた。
「白野さんっ!?」
真っ先に蒼衣に声をかける。
「んっ・・・・・・さつきちゃん?」
ゆっくりと蒼衣が体を起こす。
互いにすぐ傍にいた事に安堵する。怪我もないようだ。
穴の開いた屋根から月明かりが入っているが外からの音は一切無い。
どうやらどこかの倉庫にいるみたいだ。
異様に暑く、かびたような空気がかさかさに乾いており呼吸するたびに喉の粘膜が張り付き咽そうになる。
この状況は泡渦以外にありえなかった。脱出も無理だろう。
それにこの暑さと空気ではまともに動けそうに無い。
どちらともなく互いに体重を預け絡ませるように手を握った。
恐怖はあったが不安はそれほどでもなかった。
こんな状況下でも二人でいると幸せだった。
・・・・・・・・・・・・
どれだけの時間がたっただろうか。
普通ならば渇きと無限に思える時間に耐えられず胸が張り裂けていたかもしれない。
しかし、二人でいれば渇きも時間も脅威には感じられなかった。
昼は蒸し風呂のような暑さの中、颯姫と蒼衣は互いの身体を啄ばむようなキスをして過ごした。
不思議といやらしい気持ちは湧いてこない。また声の出しにくい空気の中、過剰に喘ぐこともなくキスをした。
身体中に浮かぶ一滴の汗さえも草花に浮かぶ朝露のようであった。
そして夜になると小鳥のように身を寄せ合って眠った。
日が昇り倉庫内の温度は上昇し始めた頃に目を覚ます。
おはようのキスをした。言葉は要らない。
それでも状況は容赦しない。刻々と二人を蝕んでいく。
意識が遠のいていく。起き上がるのがつらい。
その時、唐突に倉庫の一角に炎が噴出し壁を火の粉とし消失する。
そこで颯姫の意識は途切れた。
47 :
ひなぎく5:2008/11/01(土) 02:48:52 ID:bLbHGy01
気が付くと視界にくすんだ白い天井があった。
白野さんは?
何より先にその考えが浮かび飛び起きる。
「白野くんなら隣の部屋で鹿狩屋さんと話してるわ」
ベット脇のパイプ椅子に座る雪乃が答える。
颯姫は立ち上がろうとするが力が入らず転びそうになり雪乃に支えられた。
「無理しないで。今呼んでくるわ」雪乃はそう言いながら颯姫をベットに寝かせ部屋を出て行った。
すぐに雪乃は蒼衣と鹿狩屋を連れてきてくれた。
「無事でよかった。安心したよ」そう言って蒼衣は颯姫の手を握った。
やっぱり白野さんがいるとほっとする。
「夢見子ちゃんの予言はアンデルセン童話「ひなぎく」だったんだよ。泡渦の保持者は雪乃くんが始末してくれた。」と鹿狩屋は切り出した。
あとがきで作者が解説するからそれを参照してほしい。すこし長ったらしくてウザイかもしれないけど。と誰に言うでもなく付け足した。
「夢見子ちゃんの予言があんな場所でされるなんて驚いたよ。
二人に謝らなくてはいけない。一度全員でロッジに戻るべきだったんだ」
そう言って鹿狩屋は深く頭を下げる
「そ、そんな謝らないで下さい」と蒼衣は鹿狩屋の謝罪に驚きフォローする。
「泡渦は防ぎようのないものなんですから。それに起こってしまったものは仕方ないですし」
「それに得たものもあったんですから酷いことばかりじゃなかったですよ」
これは颯姫のフォローだ。ついぽろっと口走ってしまい恥ずかしくて赤くなる。
雪乃は蒼衣に含みをもった冷ややかな視線を送り、鹿狩屋は怪訝な顔をする。
「颯姫ちゃんも白野くんも目覚めたばかりだから二人きりでゆっくりさせてあげたら?」
意外にも雪乃が話を切り上げるように促す。
何も知らない鹿狩屋は雪乃の言葉を額面通りに受け取り「それじゃあ」と部屋を出て行った。
「ありがとう」
蒼衣は雪乃にしか聞こえない声で礼を述べた。
雪乃は蒼衣を素通りし部屋を出ようとした。
が、一度こちらをにらみ、唇の動きで「殺すわよ」と伝えドアを閉めた。
おわり
あとがきと解説
ひなぎく
美しい花々の花壇から離れたところにひなぎくが咲いていました。
ひなぎくは自分より美しい花壇の花々、青い空、奏でる鳥をとても美しいと思い、生まれたことを幸福に思っていました。
花壇の花たちは自分たちこそが美しいと思っています。
そこにヒバリが飛んできます。
ヒバリが口付けするのは最も美しい自分であると花壇の花々は思いアピールをはじめます。
ひなぎくはヒバリが口付けしてくれたら幸せだと思いますが、花壇の花のが綺麗なのでヒバリはそっちにいくだろうなぁと素直な気持ちでもいます。
ひなぎくは本当に世界の全てが好きなので謙虚なのです。
ヒバリはそんなひなぎくに惹かれ口付けをしました。
花壇の花々は嫉妬し、より自分を美しく見せようとします。
すると人間がきて「綺麗な花だ」と花壇の花をハサミで切り持ち帰ります。花は切られると死ぬので恐怖しました。
その様子にひなぎくも恐怖しましたがヒバリのことを思うと幸福です。
しかしヒバリは訪ねてこなくなります。
人間に捕まり籠に入れられていたのです。
ひなぎくはヒバリと共にいたいと願います。
籠にしく芝生としてひなぎくを含めた芝生の一角が切り取られ籠に入れられます。
ひなぎくはヒバリといれて幸福でした。
しかしヒバリは空も飛べず、水も与えられず弱っていき囀ることもできなくなります。
ひなぎくは何とかしたくても何もできません。
そのうちに渇きと満たされない気持ちでヒバリは胸が裂け死んでしまいました。
ひなぎくは悲しみから病気になりました。
その頃ヒバリを捕まえた人間がもどってきてヒバリが死んでいることに悲しみ立派に埋葬する。
「あぁ生きてるときは苦しめておいて、死んでしまったら悲しみ立派にするなんて勝手すぎる!」とひなぎくは悲しみます。
ひなぎくはゴミと一緒に捨てられました。
もう誰もひなぎくを思い出してくれるものはありません。
おわり
「あぁ生きてるときは苦しめておいて、死んでしまったら悲しみ立派にするなんて勝手すぎる!」が本来のメインテーマなのかな
私はもしもヒバリがひなぎくと一緒に入れたことを希望としていたなら結果は変わってたかもと思うということで作り直してみました
童話は面白いね
でもあんまり解釈とか書くと本スレみたいに引かれそうなのでおわり
もしもぴったりな話がみつかればエロ展開で本番&続きをかけたらいいなぁ
本スレやりすぎがこっちなら解釈系もあり?うさぎみたいなとか思ったり
長々と失礼しました。
>>48 素晴らしい作品投下感謝GJです!
泡禍と恋愛描写の両方ともこなすって本当にすごいですね。非エロでも充分楽しめます
潜有者が直接出てこないのが気にはなりましたが、展開的には蛇足ですかね
>あとがきで作者が解説するからそれを参照してほしい。すこし長ったらしくてウザイかもしれないけど。と誰に言うでもなく付け足した
グリムは解説あってこその物語でしょうにw
誰か職人さん蒼衣×雪乃を書いてください。
いつのまにやら新作が
全スレの蒼依×雪乃がよいものだから誰か書くまでそれで我慢さね
琴里の容姿が気になる。
一真×千恵とか臣×千恵とかなでしこ・下の内容次第でなるかもな。
梢枝姉さんが出てこないなんて!
鳩に見えるカラスに美味しく食べられちゃったから無理かね
むしろ『鳩カラスVS梢枝』
窓ガラスに群れる鳩に似たカラスの群れ。それが何が為にここへ現れたのかは解らない。
ただ梢枝はにやりと笑っていた。楽しげに歪んだ口元を開く。
「解るわよ、匂い…死の匂いが。お腹を空かせた死…私を殺しにきたんでしょう? 食べに来たんでしょう?」
くくっ、と付け足すように笑う。それは幾らか、いや、かなり変人のようだった。
カラスは鳴く。それに呼応するようにそれぞれが鳴きざわめき、一気に騒々しくなる。
「だけど…殺すにはやや数が足りない。殺すつもりだとしたら、甘い考えね」
そう言って取り出した釘バットを手にガラス戸を開きベランダへと飛び出した。
「唸れ釘バットォォオ!!」
中略
「うっ………」
蒼衣その光景に思わず口を押さえてよろめいた。部屋の中には沢山のカラスの死骸が転がっていたからだ。
その中央には一人の女性―――恐らく梢枝と呼ばれる―――が左手を腰に、右手は人差し指を天に向けた状態で仁王立ちをしている。そして、
「目指すは東方不敗!」
と、高らかに宣言したのだった。
後日、梢枝は<撲殺天使(エシカリボルグ)>という名前で騎士団に入り、笑美や雪乃の記録を思いっきり凌駕する活躍を見せてその名を世界に轟かせた。
ないな。
58 :
ひなぎく解釈:2008/11/07(金) 20:10:23 ID:PqHZ+Vrv
今更ながらひなぎく解釈
花(ひなぎく)は魂や死んだ人として喩えられることが多々あり、
グリムのなでしこにもそういった側面がある。
鏡の国のアリスの序盤にて喋る花たちが出てくる。
アリスが「何故あなたたちは話せるの?」という問いに対して
「土がしっかりと固められているからさ」と答えるシーンがある。
しっかりと固められた土の中には何か埋まっていることを予想させる。
そしてそれはMissingの祭壇を彷彿させる。
夜魔でも目のある花は地面の下の何者かに情報を伝えているといった感じ方を詠子がしている。
つまり、死者そのものや死者に繋がる感覚器官である。
そしてヒバリ。
ヒバリについては逸話がある。
ヒバリは太陽に大金を貸すが太陽は空高く昇ってしまったために借金を返してもらえなくなってしまった。
それからヒバリは「太陽クソくらえ」と鳴くようになった。
アイヌの伝承では神様の言いつけを守らず地上に降り神様から天に帰る事を許されなくなった。
それからヒバリは空高く舞いながら許しを乞うために鳴くようになったというのもがある。
つまりヒバリは神に仕える鳥、神に貸しのある鳥といった高位の存在として捉えられる。
しかし、神の言いつけを守らなかったり欲望から神様から追放されてしまうという堕天使のような側面がある。
童話「ひなぎく」においてのヒバリもより多くの自由を望み渇望し帰れなくなっている。
つまり、ひなぎくは天から破門されたヒバリが美しい魂(ひなぎく)を選びそれを天に運び天使として還ることができたかもしれないものを
自身の欲望により遂げられず苦悶の末に死亡するという話と解釈できる。
そして、天に行けるはずだったひなぎく(魂)も還ることが出来なくなってしまうという悲惨な結末を迎えると言うのが童話「ひなぎく」なのではないだろうか。
ヒバリな蒼衣とひなぎくの颯姫が互いを希望としてラブラブやってればきっと二人とも美しい結末を迎えられ気持ちよく昇天できるかもとかエロ展開を想像。
60 :
血と炎 1:2008/11/08(土) 01:55:44 ID:q4bwX5+E
「私の痛みよ世界を焼け!!」
人気のない繁華街裏通りで雪乃が断章詩を詠いカッターの刃を白く細い自身の腕に滑らせる。
しゃっ―――――
上質な和紙が刃に鋭く裂かれるような音と共に新たな傷口が作られる。
直後にガソリンをぶちまけられかの如く異形が炎に包まれる。
声にならない断末魔を響かせながら悶え苦しみ四肢の端から消し炭となっていく。
何も出来ない蒼衣はその様を戦慄の表情で見ていた。
ぼろりと異形の手足が崩れ糸が切れた操り人形の如く倒れこむ。
次第に断末魔の叫びもごうごうという炎の咆哮にかき消されていく。
ぱちんと眼球が弾けるような音を立て異形は動かなくなった。
雪乃の警戒が徐々に解けていき、それと連動するように炎も勢いを弱めついには消えた。
くらりと雪乃が足元がふらく。
咄嗟に蒼衣は雪乃を抱き止めるように支えた。
普段ならば抵抗する雪乃ではあるが、血を流しすぎたためか今回ばかりは素直に蒼衣に寄り添う。
―――――――――――――――っ
直後、炭化した異形が焼け落ちた喉を震わせばたばたと身じろぎする。
「焼け!!」
無数の傷口が這う腕を突き出し力を込める。
筋肉が収縮し引っ張られた皮膚が、ぶっ――と傷口が開く。
再度、炎が吹き上がり異形を包み込み、拳にも満たぬ大きさに崩れるまで勢いを弱めることはなかった。
燃やし尽くした雪乃は額に痛みによる脂汗と失血による冷や汗を流しながら腕を力なくだらりと下げ、一層蒼衣に身を預けた。
雪乃の脈に合わせどくどくと血が腕を伝っていく。
蒼衣は浅く早い雪乃の呼吸を胸で感じながら気遣うように柔らかく抱きしめる。
ぴくりと雪乃の体が強張り顔をしかめたが抵抗する様子は無かった。
十秒にも満たぬ時間をそう過ごした後に「とにかく止血しないと」と蒼衣はこれからの対応を雪乃に仰ぎ抱擁を解く。
「・・・・・・思ったよりも血を流しすぎたわ」
血の気が失せいつも以上に白い美貌の雪乃が息も絶え絶えに呟く。
応急用の道具だけではとても止血できそうにない。
傷口から泉のように血が湧き出る。このままロッジまで戻る余裕があるようにも思えなかった。
「きゅ・・・救急車呼ぼう」
蒼衣がハンカチで傷口を必死で押さえながら提案する。雪乃の事態に蒼衣まで真っ青になっている。
「それはダメよ」
雪乃が強い意志を持った目で蒼衣の提案を却下する。
僅かに振るえ奥歯がかちかちと鳴っている。顔色は先ほどよりも白くなっている。寒い。
「あそこで休みましょう」そう雪乃から提案があり視線の先を追う。
蒼衣はより強く雪乃を抱き寄せ庇うように視線の先にあった建物に向かった。
61 :
血と炎 2:2008/11/08(土) 01:56:40 ID:q4bwX5+E
・・・・・・・・・・・・
なんとか落ち着いたようだ。
部屋中のタオルをかき集め傷口を押さえ続けた為か依然真っ青だが顔色も少しはよくなったような気がする。
雪乃はクイーンサイズのダブルベットの上に横になり布団を被せてある。
玉の汗を浮かべ時折小さな苦悶の声を上げあるが震えは収まり呼吸も落ち着いている。
布団から出してある傷だらけの腕はタオルを巻いた上からきつく包帯を巻いており骨折を治療するギプスにも思えた。
一時はどうなる事かと思い非常に焦ったがほっとして一息つきベットに腰掛ける。
改めて現状を認識すると急にどきまぎしてくる。
雪乃と蒼衣は近くにあったラブホテルに駆け込んだのだ。
初めて見る自動清算機式の宿泊施設でどうにか部屋の鍵を呼び出し部屋に向かった。
受付や店員の居ない状況にこれ以上感謝したことは無かっただろう。
ふと部屋を見回してみる。
控えめにされた照明に天蓋つきのベット、大画面の液晶にオーディオ再生機器、冷蔵庫とその脇にある怪しげな自動販売機と謎の冊子・・・・・・
自分のいる場所を再認識し顔がさーっと赤くなる。
直後、加熱が完了した電気式ポットの音にびくりとする。
急に現実に戻され「そういえばお金はどのくらい掛かるのだろう」という至極普通な考えが浮かんだ。
「宿泊費でも書いてあるだろうか」とベットから腰を上げ冊子を手に取る。
冊子には予想外なものが書かれており驚愕する。
追加料金による衣装や道具の貸し出しが紹介されていた。
赤くなりながら慌てて冊子から目を離す。
すると今度は自動販売機の中身が目に入った。
ローションにピンクローターに怪しげな薬・・・・・・
思わず「うわっ」と声を上げ後ずさりベットでよろけてしまった。
何とか手をついたが目の前には風邪にうなされているような雪乃の顔があった。
僅かに苦悶が浮かぶ無防備な雪乃の姿。
ごくりと唾を飲み込む。いまだかつて無い勢いで心臓が早鐘を打つ。体の隅々に血液が巡り体が暑くなる。
まずい。何だかわからないが非常にまずい。早く離れるべきだ。と理性が告げる。
それに対して体は動かない。
少しくらいいいんじゃないか?でもきっと歯止めが利かなくなる?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
続く
タイトルは適当
残りは後日
話の構想は出来てるので近いうちに
ふとおもったが純愛ものとか鬼畜とか色々あるが需要があるのは何だろう?
ふふふ……需要があるかどうか、それは果たして必要なことなのかな?
純愛だろうと凌辱だろうとあらゆるジャンルは人の欲求によって生ずるものだ。
しかし実のところ、優れた芸術作品とはそれとはあまり関係ない。
なぜなら作品はいつだって本人の欲求が優先されるからだ。
他者の欲求は他者への要求を生むが、いつだって行動は自分の欲求が優先だよ。
書きたいから書くという欲求が先にある以上、需要などは瑣末な事ではないかね?
だが……その上で何かを知りたいと言うのなら、聞かせてあげよう。
最早自分というものを無くしてしまった私にはそれは無意味なものかもしれないが、
人であった頃の私ならきっと君の作品にこう答えただろう。
GJ!続きwktk!
続きスゴイ待ってます!!いまからドキドキ!
GJ
65 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:49:36 ID:qnielrk2
>>61の続き
※タイトルがかわります。
雪の女王
「んっ・・・・・・」
ふと雪乃が身じろぎする。
ベットが形を変えたためだろうか。
「!?」
はっとして蒼衣は飛び退いた。
そしてそのままふらふらとテーブル脇の座椅子に腰掛け俯いてしまった。
雪乃を裏切ってしまったような罪悪感が胸に圧し掛かっていた。
・・・・・・・・・・・・
ずきずきと痛む頭で雪乃は目を覚ました。
貧血気味だからであろうか。
くらくらとふらつく感はあるが自分で動く事は出来そうだ。
ベット脇の時計を確認するとここに来てから10時間以上経っていた。
血が足りず萎えた筋肉を使い上半身を起こし少しリラックスする。
ぐぅ――と体が空腹を訴え気恥ずかしさから思わず顔をしかめる。
「大丈夫雪乃さん?」
腹の虫で気づかれた事に理不尽に苛立ち眉間の皺が深くなった。
蒼衣の表情は精彩を欠いており「怪我はしていなかったはず」と異形と対峙したときの事を思い出す。
「あなたこそ具合が悪そうよ」
自身が原因で蒼衣が欲求と罪悪感に苛まれ休まることが無かったなど気づかずに声を掛ける。
しかし、思わず心配しているような事を口走ってしまい何だかばつが悪くなってしまった。
そこで答えも聞かずに次の話題を振る。
今更ながら二人でラブホテルにいることに落ち着かず無意識に口数が増えていた。
「とにかく包帯を替えたいわ。手伝ってくれる?」
そう言って乱雑なギプスに止血された腕を僅かにあげてみせる。
66 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:51:47 ID:qnielrk2
蒼衣は「うん」と言葉少なげにテーブルに置かれた応急用の道具を持ち雪乃のベットへ腰を掛ける。
「それじゃあお願い」と傷ついた腕を蒼衣の胸の高さまでもっていく。
じくじくと柊ぎ傷口が脈動するのを感じた。
硬く結われた血の滲む包帯を解く蒼衣の一挙一動がなんだかこそばゆく感じる。
包帯の下の血を吸ったタオルがぱりぱりと音を立て皮膚から剥がれる。
凝固した血液を介し傷口とタオルと癒着しており剥がす度に痛みで心臓が跳ねた。
そして剥がれた箇所から再び血が滲み出す。
「――――――っ!!」
噛み締めた歯の間から喘ぎとなって息が漏れる。
「ごめん。もう少し我慢して」
緊張した面持ちの蒼衣が怯む事なく慎重に作業を続けていった。
止血に使われていた物は全て剥がし終え断章の代償が浮かぶ腕が露になる。
絹のような白い肌に生肉と樹皮のような傷口が走り血と黄色っぽい体液が薄っすらと滴っている。
あまりの痛ましさに顔を背けたくなったが、そんな雪乃に今まで以上の愛しさが溢れ出し現状と戦うことを決意する。
雪乃を手をとり、そっと傷口に舌を這わす。
「――っ!?白野くん!?」
蒼衣の思わぬ行動に雪乃は驚き腕を引っ込めようとする。
しかし蒼衣は離さない。
この傷が雪乃の泡渦に対する憎悪と異形を焼く罪だとしたらそこから流れる罰は自分が濯がねばならない。
雪乃の断章の本質を知ったその時から自分勝手だとしてもそうすると決めていた。
ふと初めて遭遇し雪乃と出会うことになった泡渦について思い出す。
灰かぶりとなった杜塚から湧く出来損ないの鳩が喚いていた。
――――灰ダ!! ――――悪ヲ!!
そうだ。これが灰と悪であるならば僕のお腹に入るべきだ。と思い至り意思を固め事に望む。
67 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:53:12 ID:qnielrk2
「いやっ―――・・・・・・」
舌の触れた肉が汁っぽい湿った音を生む。
灼熱の傷口にひやりとした舌がなぞり血と汚液をからめとるようにうごめく。
「んっ・・・・・・あぁっ」
直接神経に触れられるような刺激が脊椎を通り抜ける。
苦痛と快楽とが一緒くたになった奇妙な刺激に背筋からびくりと跳ねる。
蒼衣の行動と抵抗できない自身に驚き硬く目を閉じる。直視できない。
いやだ!この痛みは私と姉さんのものなのに。と嘆き訴える自分と、
白野くんが私を洗い流してくれる。と恍惚しささやく自分がいた。
二つの刺激と入り混じった感情が雪乃の中に荒れ狂う。
はぁはぁと熱っぽい吐息が漏れる。
そのうちに舌だけではなく口全体でしゃぶるように蒼衣が吸い付いてきた。
湿った淫靡な音と二人の息遣いに場が満たされる。
雪乃は飛びそうな意識をなんとか繋ぎとめ蒼衣に身を委ねた。
手首を伝い指先を流れて舌は離れた。
荒れた呼吸を整えながら蒼衣に視線を向ける。
蒼衣は雪乃の血と膿に耳元まで汚れていた。
そんな蒼衣に心が痛み恥ずかしさと悲しさが込み上げる。
蒼衣を見ていられない。顔を合わせられない。
「浴室で傷口を洗い流すわ。後は一人で平気よ」
早口に言いベットから降りる。
「でも雪乃さん・・・・・・」
「向こうに行って」
蒼衣が何か言い切る前に拒絶の意思を明確にした瞳と声を向け足早に浴室に向かう。
取り付く島もないような態度に蒼衣はおとなしくテーブル脇の椅子に戻った。
「雪乃さん・・・・・・」
蒼衣は感情にまかせ普通ではない事をしてしまった自身に憤りを感じた。
68 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:54:47 ID:qnielrk2
雪乃は蛍光灯がブラックライトに置き換えられた浴室に気後れしたが素早く蛇口を探した。
ハンドルを捻りシャワーを流す。
これから傷口を流水に晒さねばならない。
事の余韻と決別する為にも素早く意を決して一気に行く。
「―――――――――――――っ!?」
想像以上に沁みる。反射的に腕を引っ込め掛けたが理性で反射を屈服させる。
思わず涙が滲んだ。
これはきっと痛みのせいだ。と自分に言い聞かせる。
しかし、この痛みはいつも泡渦と対峙する時の痛みとは違っていた。
痛みを憎悪と灼熱の炎としてきたはずなのにこの痛みはひどく悲しく氷のように冷たかった。
自分がとても惨めで哀れに感じられ、玉になった涙が床にこぼれた。
「可哀想な雪乃」
高い位置から餓える民を心底哀れみ嘲笑する女王のような声が雪乃の耳元でささやかれる。
「姉さん!?」
突然の姉の声に驚き雪乃は顔をあげる。
ブラックライトの元でいつにも増して亡霊のようになった風乃が浴槽から高く浮いた場所で雪乃を睥睨していた。
「悲しいわ。怪物にも成りきれず醜い姿をして。まるでフランケンシュタインの怪物だわ」
亡霊となった姉を睨み付け、ぎり――と歯食いしばる。
ふわりと雪乃の背後に流れ風乃は続ける。
「フランケンシュタインの怪物だって何も悩む事無く自らの力を振るえば苦悩もせず血と憎悪に満ちた怪物として生きられたのに・・・・・・」
「今の貴女と本当にそっくりだわ」一拍置いてそう付け足した。
「亡霊に言われたくないわ」
後ろの風乃を見もせずに皮肉を返す。しかし身体は芯まで冷え暗い感情に小さく震えていた。
構わず風乃は続ける。
「貴女は怪物になるしかないのでしょう?だったらみんな燃やしてしまいましょう」
「・・・・・・やめて」
抵抗の声は蚊の鳴く程度にしか出ない。寒い。
口付けするほどの距離から風乃は囁く。
「まずは彼から・・・・・・」
「いやっ!!」
真っ白になった頭の中に蒼衣の顔が浮かび、今だかつて無い強さの声と意思で風乃と断章を否定をした。
「雪乃さん!」
雪乃の絶叫を聞き蒼衣は浴室に飛び込んで来た。
「白野くんっ!!」
腕の傷を気にも留めず蒼衣に抱きつく。
風乃は二人を見下ろせる位置に浮かび上がり何故か安堵したような表情をしていた。
蒼衣はしっかりと雪乃を抱きとめ風乃に敵意を孕んだ目を向ける。
69 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:56:14 ID:qnielrk2
「ごめんなさいね。
雪乃にとても悲しく辛い思いをさせてしまって」
今まで見たことが無い切ない表情で唐突に風乃は語り始めた。
「雪乃を傷つけてきた事は許されるものでは無いわ」
風乃の表情が心からの慈愛に満ちたものに変わった。
怯えた瞳で見つめていた雪乃と強い敵意を持った蒼衣の瞳に困惑が浮かぶ。
ふわりと雪乃の目の前に移動し、雪乃の頬を両手で包み込むようにして続けた。
雪乃は懐かしい姉の温もりを感じた。
「でも、これだけは信じて。私は本当に妹の雪乃が愛しいの。
怪物に。雪の女王になれる事で幸せになれるのであればそこまで導いてあげるつもり
でも、それは貴女の本心じゃないでしょう?
あんなに強く否定してようやく素直になれたじゃない。
だったら姉として貴女のより強い本当の望みを叶えてあげる」
蒼衣が状況が飲み込めず頭が混乱する中で雪乃は何かを感じ取っていた。
風乃の言葉は止まらない。
「断章そのものとなった私には自分の望みを叶える事は出来ない。
それでも雪乃の望みなら。
より強い望みなら叶えることが出来るわ」
風乃の言葉には今までと違う不吉な気配が漂っており、
雪乃はぽつりと「姉さん。何を言っているの?」と呟いた。
「雪の女王が氷の時代の終わりを心から望んだのだから。
・・・・・でも、そうしたら春がきて氷はみんな融けてしまう」
風乃が雪乃以上に雪の女王に徹していた事に蒼衣も今更ながら気づく。
雪乃は喪失の悲しみに涙が零れた。
「悲しまないで。
氷は雪解け水となって冬の傷を癒し、春の息吹を育む。
そして悪いものは水蒸気となって天に還るのよ」
そう言って傷だらけの雪乃の腕を優しくなでる。
風乃の手が滑った箇所から傷が消えていった。
「可愛く愛しい私の雪乃。
人生を謳歌しなさい。
雪のように舞う枯れない桜になりなさい。天に還った私は貴女をのせる風としてきっと戻ってくる」
言い終えた風乃は表情を明るく変え続ける。
「恋も無く、好きな人に抱かれることも無く価値観の閉塞してしまった私は狂気で死んでしまったけれど貴女ならば大丈夫
アリスが新しい世界に連れて行ってくれるわ」
瞬きもせずぽろぽろと涙を零しながら風乃を凝視する雪乃と雪乃をより強く抱きしめる蒼衣。
「雪乃、愛してるわ」
ふふっと小さく笑い宙空に消えていった。
二人は最後の一瞬にやわらかな優しい風が吹き抜けた気がした。
70 :
雪の女王:2008/11/09(日) 16:58:09 ID:qnielrk2
・・・・・・・・・・・・
泣き崩れ嗚咽を漏らした雪乃も落ち着き、二人はベットの中で横になっていた。
とはいっても互いに背を向け間には一人分の空白がある。
赤い目をした雪乃は蒼衣に背中を向けあれから一言も口を利いていない。
急に素直になれるわけでもなく、それでも離れたくなくてなんとなくこんな感じになっている。
「雪乃さん?」
雪乃に気を遣い黙していたが、話しかけ難いのかなと思い蒼衣のほうから声をかける。
「・・・・なに?」
雪乃はびくりとし恐る恐るといった様子で応答する。
背を向けたままだが意識は蒼衣に集中しているのが判った。
「僕は雪乃さんの罰を啜ってでも支えていこうと思ってたんだ。
お姉さんが断章と罰を全て天に還すために引き受けた今でも雪乃さんを支えたい」
「・・・・・・馬鹿じゃないの?普通じゃないわよあなた」
いつもの辛辣な言葉であるが含まれている空気は違っている。
「雪乃さんは僕にとって特別だから普通じゃないのは当然じゃないかな」
普通が信条の蒼衣ではあったがそれを否定する言葉は容易に口から出てきた。
「・・・・雪乃さんはこんな僕をどう思う?」
萎えそうになりながらもなんとか言い切る。
「・・・・・・・・・・・・」
言葉による返事は無かった。
それでも、背中にぎゅうと抱きつく体温と胸の鼓動が伝わってきた。
「・・・雪乃さん」
背に密着する雪乃の存在を確かめたくて声を掛け振り向こうとする。
途端に手が伸び振り返らないように蒼衣の頭を押さえられた。
ぽつりと一言、雪乃が言葉を返す。
「うるさい。殺すわよ」
完
素晴らしい。GJです!
ラブラブになるまでの過程は書き上げたので
二人がどうなるかはまたの機会に
ここからanother
真っ暗だ。それに上下の感覚もない。
雪乃の断章は間違いなくその先に吸い込まれ神様の夢に還っていただろう。
それを見届けた風乃はここを漂っていた。
風乃自身は泡渦として神の悪夢に還ることはできなかった。
現実でも異界でも自分は異端なのだろうと諦観し、雪乃はどうなったのどうと思いをめぐらす。
愛しい雪乃と可愛いアリス。
あの後二人はどうなったのだろうか?ひょっとしてそのまま・・・・・・・・
そこまで考え嬉しいような悲しいようなで身悶えする。
どうせここには自分しか居ないのだからと「あー―――」と奇声を発し身体を捩り大げさに悶える。
「何をしてるの?」
「ひえっ!?」
突如声をかけられ慌てて身なりを正す。
茶髪がかった小柄な少女がいた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二人の間に沈黙が流れる。
年下に見える彼女に対して威厳を保ち問う。
「あなたこそ何?」
ここに居ることからとても人には思えなかった。
う〜んと可愛らしく頭を傾ける。
「影の人にはトランプですらないって言われたわ」
的外れな答えに流石の風乃も辟易する。
「たしかにトランプには見えないわね」
「ところで何をしていたの?」
最初の質問を再び投げかけられる。
「妹の幸せを願ってたわ」
特に隠す事なく正直に答える。
「神野さん。彼女の望みは叶いそう?」
トランプではない少女は風乃の後ろの闇に声をかけた。
「魔女よ。彼女はすでに望みを叶えここにいるのだよ」
くつくつと嗤いながら闇が答える。
突如、人の形をした闇の気配が生まれる。
驚き振り向くと闇の中に夜色の外套を纏った魔人がそこにいた。
ふと私に似ていると思った。
より悪夢の根源に近い私?いや、根源そのもの?
風乃は一瞬で何かを感じ取った。
神野と呼ばれた闇は嬉々とした瞳で風乃を覗き込む。
「ほう。魔女にも摩津方にも私にも似ていないが魔女にも摩津方にも私にも近い。
強い望みを持ち、それでも自身で望みは叶えられず、末子のために果実となったか」
「だが収穫される果実ではない。
神の供物にも成り損ねたか」
いつの間にやら顔を顰め首を吊った魔術師が現れていた。
「望みを持った悪夢の残滓か」
首をくくった老人の動かない口から声が漏れる。
風乃は、何なのこれは?と思う一方で何であるかも理解している自分がいた。
魔女と呼ばれた少女は口を尖らせて言う。
「小難しい事はどうだっていいじゃない。彼女は彼女なんだから」
むーと頬を膨らませる。
ぱっと明るい表情に変わりさらに続ける。
「きっと影の人と神隠しの子も驚くと思うなあ」
神野はくつくつと笑い魔術師は顔を顰めた。
そんな様子を見ながら風乃は一人感慨にふけっていた。
もうなんだか無茶苦茶ね。
「ねぇ。貴女は何なの?」
魔女が風乃に話題を振る。
「トランプで無いのは確かだわ」
素っ気ない答え。
それでも魔女は満足したようで満面の笑みを見せる。
「これからどうするの?一緒に来ない?」
その笑顔のまま続ける。
魔女と魔人と魔術師の視線が集まる。
「そうね―――――――
私は――――――――――」
終わり。
風乃姉さんの妹を想う気持ちにジ〜ンときた!原作じゃ絶対にないだけに、グッとくる。蒼衣と雪乃のラブラブ編待っていますっ!
こっちのネタを本スレでやるのは、ほどほどにな…
あと保守
摩津方IN木村圭子は近頃焦っていた。
「どうし、てっ…ひゃぅっ…わたしはいつも……んっ!」
自分の手は、最近気が付けば自分の股をまさぐっていることが多くなった。
頭の中では違う者の手という妄想と共に。武巳の手にやられているという妄想の中で。
「小僧…ぁ…小僧…っく…ひゃぁ………」
粘着質な音。か細くあげられる苦しげな声。切ない吐息。求める瞳。
いつ頃からこれほどまで人間に戻ってしまったのか。何故戻してしまったのか。
それは解っている。この頭の中にいるこの男が悪いのだ。
「ひゅぁっ! あっ! やっ! 小僧…小僧ぉ………!」
木村圭子の影響もあるが女の体になった自分が真っ先に好いた男。
やはり女は男を求める。実感が湧く事にやや自嘲する。
心では男だと、しかも人から外れた人ならざる者だと思っていた自分も、今では完全に女に染まっている。
だが女になった事を今の自分は後悔しない。死ぬかもしれないという緊張の中で、一瞬だけでも人間に戻れたのだ。
「っ…きゃぅっ…」
あと少しの勇気が必要だった。神野陰之に立ち向かうよりももっと大きな勇気。
真っ白になっていく意識の中でも輪郭を、そして色を残している大切で、好きで大好きで仕方ない愛しい自分の弟子の名前を呼ぶ勇気を。
「た………武巳くん………ひゃんッ、あッ!!」
びくっ、と体が震えた。
微睡みに居るようにはっきりしない意識。疲弊した体。
「はぁ…はぁ…」
ただ、会いたくなった。
携帯に手を伸ばし番号を押す。もう夜も終わり外は太陽の光を浴びて青白く輝く世界だ。既に起きて居るだろう。
『こんな時間にどうかしたんですか?』
ほら、やっぱり起きてた。眠そうな声を聞かせてくれる。
「いや、ただ声が聞きたくて…今から会ってくれる?」
『意味がわかりませんよ…まぁ、良いけど』
「では桜の樹の下で」
そう言い摩津方IN木村圭子は電話を着ると楽しそうにクローゼットを開き服を選ぶ。
共鳴するように雀が数匹何処かで楽しげに歌っていた。
保守
他のスレでSS投下と思いきや保守ってのを見るたびに
ここの職人さんの仕業か?って思う
むしろ逆なんじゃね?
ここ→他
他→CoCo壱番屋
>>78 ここの真似してやったことならある。
同じスレにここの住人がいたらしく、ここの住人ってばれた。
>>79 カレー屋?
81 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 20:34:58 ID:EV1fE07/
千恵の断章はエロパロ的に役に……たたないな、うん。
新刊楽しみ。
>>81 たたないどころかちょん切られるということですね、わかります。
切るのは笑美さんだ
千恵のは融ける!
>>83 すまん、素で間違えた。
切られた上で燃やされてくる。
しかし融けるんだったらベタに服が融けるとかでいいんじゃないかと思ったり。
やっぱ切られて燃やされた上で融かされてくる。
あははっ!こいつ泡ふいてる!!とか
>>84 なるほど溶かされて普段は見れないような場所も丸見えというわけか!
内臓とか。
そういえば作品内容が血みどろメルヒェンな割に猟奇系の作品ってないね
俺は苦手分野だけど
町中断章発動→服溶解→蒼衣、千恵避難→木陰で千恵の裸見る→蒼衣には性的な意味でドーピングコンソメスープ→
股間の山が隆起→何か流れ的にエロ→「でも断章が…」→「僕が断章を忘れさせてあげるよ…」→甘々空間生成→
何や→かんや→色々→ありまして→千恵VS雪乃→止めようとした蒼衣がチョコレートっぽくなる→千恵が10万ボルトをしながら「ピカピーヂュ〜ッ」→
周りのポケモンの涙がチョコレートっぽい蒼衣に集結→はい、元通り→それなんてミュウツーの逆襲?→二人の恋人エンド
さぁ、プロットはあるぞ。誰か書けるもんなら書いてみろ
なんだその展開ww
ちょっと考えてみたがココア吹いたww
どうしよう、試しに書いてみたら途中からドラゴンボールに……
途中でもイイから載せるんだ。
完成してからでも大丈夫
いや、その前に書いたのか!?www
完全に乙女になり果てた摩津方IN木村圭子は焦っていた。クリスマスの存在を認識したからだ。
その時既にクリスマスまで1ヶ月と無い。
摩津方IN木村圭子は無意識に武巳と一緒に過ごすクリスマスを妄想した。
「小僧にケーキ作って…一緒に………はっ!? 私は何を考えて………!?」
一気にボンッと赤くなる顔。
カァ〜となりながらモジモジし、床でジタバタと暴れピタッと止まった。
天井を見ながら
「どうしたら良いんだろう…」
無意識のうちにぽつりと呟く。
『誘えば良いじゃないですか?』
ふと頭の中に直接、木村圭子の声が響く。少し苦笑い気味に。
「そう簡単にもいかないの!」
『武巳先輩を誘えば良いんですか? それなら私がやりますけど』
「だ、駄目! それは駄目ッ!!」
ガバッと起き上がり慌てたようにジタバタと手を動かす。
『解ってますよ〜。自分で誘いたいんでしょう?』
笑い声混じりに言う木村圭子に摩津方IN木村圭子は少しムッとした。
「そ、そんなんじゃないんだからね!」
『じゃあクリスマスは私に体譲って下さい。武巳先輩とお食事したいんで』
もやもやとする胸中。
摩津方は自分が武巳を取られたくないと思ってることを認めたくなかった。が、
「駄目。私が、小僧と過ごすんだから!」
抑えきれない何かがそう叫ばせてしまった。すぐにしまったと思ったが聞こえる笑い声がもう遅いと告げる。
『解りました。あ、でも少しは共有させて下さいね? 私も武巳先輩好きなんですから』
「むぅ………」
女二人…と言えるか怪しい夜はこうして更けていく。
いつ『保守』がはいるかとwktkしてたら
最後まで読んでも無かった(´・ω・`)
>>94乙
そろそろ書いてくれると思ってた
書かなきゃそろそろ保守かなと
爺さまな摩津方萌えが理解できない私だが考えが変わってきてるような
魂が肉体の影響で変質する事のいい例さな
>>95 保守など無きゃ無いでいいじゃないか
保守も面白いが保守せずとも板を維持できるのは素敵
なでしこ下巻出るから新しいSS楽しみ
千恵ネタももうすぐ
がちな変態らしくやってやるぜヒャッハー
>>95 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………!!
摩津方IN木村圭子と木村圭子は考えていた。学校についてである。
無論学校そのものについて考えては居ない。やはり少年の姿を通して物事を考えていた。
「むぅ…どうしよう。考えてみると小僧って先輩なんだよね…」
別人の体で視力も普通に関わらず今尚しかめている片目を更にしかめる。
『先に卒業しちゃうね…』
頭の中で呟く木村圭子。
二人がそれに気付いたのは少し前に武巳と会った時。
桜の下にあるベンチに座りながら会話していた武巳の口からふと
「桜か…そろそろ受験生か…俺の桜、来年咲くのかな」
と呟いたのだ。その時あったのは衝撃。
既知の情報とは言え改めて思い知らされるとそれは動揺を誘う情報だった。
木村圭子にとっても。摩津方にとっても。
木村圭子は告白出来ないまま終わってしまうんじゃないかと言う焦り。
対する摩津方は武巳が離れる事を恐れていた。
同じ体を共有し、同じ男を好きになったという恋敵であると同時に盟友の二人はひたすらに冷静で無くなっていた。
「あ〜もう埒があかない! だいたい小崎摩津方たろうものが一人の男にたじろいでどうするの!」
摩津方IN木村圭子はガタンと立ち上がると衝動的に外へ飛び出した。
行く場所は武巳が居るであろう場所。
「ハァ、ハァ…ッ…!」
自分でも解らない激情。
走らせるのは摩津方の激情か。木村圭子の激情か。
桜の下にあるベンチにその姿を見て沸き上がる安心感。
「こ、小僧!」
「摩津方さん…どうしたんで、っわっ!?」
いきなり摩津方IN木村圭子に抱きつかれ思わずよろける。
バランスは戻す事は出来ず押し倒される形で武巳は仰向けに倒れた。
視界を覆う木村圭子、正確には摩津方IN木村圭子の様子に武巳は何事かといぶかしんだ。
見下ろしてくる目がじんわりと濡れていたのだ。
「小僧…先に卒業しても私と居てくれるよね?」
キョトンとした。質問は至って真面目にしている。
何故。武巳は真っ先に思った。
「何でそんな下らない質問するんですか?」
「下らないって…私はッ!!」
摩津方IN木村圭子は激昂した。しかし、武巳は怯む様子を見せなかった。
「俺は離れないですよ。今の貴女を誰が保守するんですか? なのにそのような事を聞くから…」
「!!」
普段はしかめられる左目もろとも大きく見開かれる目蓋。瞳が揺れた。
「安心して下さいよ。何を心配してるか解りませんが、俺は離れませんよ?」
武巳の優しい笑顔。それが一気に涙腺を決壊させた。
「小僧…っぅぐっ…小僧…ありがとう…ぐずっ…あぅ………」
「な、泣かないで下さいよ! あととりあえずどいて下さい! 立てませんか、ら!?」
摩津方IN木村圭子は未だに地面に仰向けになったままの武巳をぎゅっと抱き締めた。
最初こそは慌てて離そうとした。が、武巳はやがてゆっくりと抵抗をやめると頭を撫で始めた。
「………大丈夫ですよ」
「小僧…小僧………ぐすっ」
ぎゅっと抱く力が増す。それは甘えん坊にしか見えない風景。
しばらくずっとそうやって居た武巳だがやがてある事に気付いて困った。
今度はとても静かに。そして穏やかに苦々しく微笑む。
「さて、寝ちまった…どうすりゃ良いんだ」
そう言う武巳は苦笑いを浮かべてはいるがやはり優しかった。
そして摩津方IN木村圭子の寝顔を見る視線には何処となく慈しみが含まれているのだった。
なお、これを多数の生徒に目撃された事により実はあった武巳ファンクラブにて内戦が勃発。
近藤武巳にお似合いなのは誰かという論争が某ネトゲ内で派手に行われサーバーが落ちる事態となった。
「…大丈夫ですよ。俺は貴女という女性にしかついていきませんから…今の貴女の形を保守するのは俺ですから………」
「すぅー…すぅー…すぅー…」
「ふふっ…保守」
>今の貴女を誰が保守するんですか?
おまえは武巳か
乙
今、私は新たな保持者を見つけた!
確信に変わった!
やはり保持者だった!
断章に名前を付けねばならぬ!
『追憶の保守者』がよい!
エロパロッジの騎士に乙!
共に新たな物語を織りなしていこうではないか!!
十叶詠子は笑顔で焦っていた。
目の前には将棋の盤。そしてそれを挟んで向かいに居るのは近藤武巳であった。
詠子の横には詠子にしか見えない将棋プロの異形が立っている。
本来なら圧倒的に勝利してる筈の勝負。そして冬のコミケに徹夜で並ばせる筈、だった。
「つ、追憶者くん強いね?」
「俺が? またまた冗談を」
武巳は謙遜するが状況は明らかだった。
詠子は残り銀、金、玉。それに対し武巳は全くの無傷。
このゲームには詠子が勝ったら武巳に徹夜させるように武巳が勝った場合のペナルティーが存在する。
それは卒業するまで学校に来るなら魔女らしく猫耳としっぽを付けるという訳の解らないものだった。
詠子はだからこそ焦っていた。
確かに並の人とは外れた感覚を持ってるとは言ってもやはりそれは恥なのだ。
だが詠子の駒から更に銀が無くなる。敗北は絶対必至。そして、
「参り…ました」
詠子はついに降参したのだった。
「じゃあ先輩、明日から猫耳、しっぽ、ゴスロリを忘れないで下さいね?」
「え!? 追憶者くん、ゴスロリ増えてるよ!?」
「おやおや、逆らいますか先輩? しかしゲームの賭けは誓約ですよ? 魔女なのに破りますか?」
「っ………!」
「貴女はこれから卒業まで学校では猫耳、しっぽ、ゴスロリという習慣を保守する必要があります。解りましたか?」
「…わ、解ってるよ………」
「では明日から楽しみにしていますよ?」
そう言って武巳が立ち去った教室内で魔女は考えていた。
見る者皆が振り返る脅威的な猫耳魔女の自分。視線の中を歩く自分。想像だけで羞恥の限界をそれは越えていた。
武巳はそんな詠子の内心を知っていた。そして一人ニヤリと笑う。
「習慣を保守して下さいね…先輩。…さて」
武巳は校門で待ってるだろう摩津方IN木村圭子を思い、あまり待たせてはいけないと走るのだった。
その頃、文芸部の部室では空目がで授業をサボり、神妙な面持ちで今度作成する部誌用の小説のプロットを作っていた。
後に世界的人気を得、経済効果がアメリカ国家予算を越す『双子魔法少女あやめちゃん&よみこちゃん』のプロットである。
>>103よかった!!
そして双子魔法少女あやめちゃん&よみこちゃんを誰か…!
おばあちゃんと孫ほど年齢差あるのに双子とな
あやめって何歳だっけ?w
多分、空目の祖母の年齢+10ぐらい。そこは某井上さんみたく永遠の17歳みたいな?
神隠し少女あやめ!永遠の十四歳(キラッ☆)
誰かまっつんIN綾子が稜子の意思に反してトイレかどっかでオナニーさせるエロSS知らない?
だいぶ昔の作品だったんだけどタイトル忘れちゃったんだよなー・・・
保管庫にはなかったのか?
てか、詠子先輩はコミケいくのかw
>>109 それここで投下されたやつじゃないよな?
俺も読んだことあるが、リンクしてたサイトが消えて行けなくなってた
もし違ったらすまん
>>104のリクエストに応えてみました
触手(のようなもの)あり
原作とはまったく違う設定なので、気に入らない方は
「双子魔法少女マジカルミッシング」をNG指定してください
ちなみに亜紀がちょっと弄ばれます
あやめちゃんとよみこちゃんは双子の女の子。容姿はまったく違うけど、そういうことに
なっています。
「さあ、お姉ちゃん。行くよ」
よみこちゃんは姉のあやめちゃんに声をかけました。学校指定のコートをローブのように
羽織って、まるで魔法使いのようです。
あやめちゃんはおどおどした様子で妹を見つめます。こちらは臙脂色のケープに身を
包んでさながらお人形のようです。
あやめちゃんはよみこちゃんよりさらに小柄な体で、どちらかと言えばよみこちゃんの
方がお姉さんに見えます。実際、あやめちゃん自身もどうして自分が姉なのか不思議に
思うこともあります。しかし現実は非情、運命は残酷なので、仕方なく受け入れるしか
ありません。
「うん……」
小さくあやめちゃんが頷くと、よみこちゃんはにっこり微笑みました。
「今日の相手はちょっと厄介な人みたいだよ。でも頑張ろうね」
よみこちゃんはあやめちゃんの手を引くと、「神野さんよろしく」とあらぬ方向に
向かってささやきました。
すると二人の体はみるみるうちに薄くなっていき、あっという間に消えてしまいました。
二人の暮らす部屋に、ひとときの静寂が訪れました。
◇ ◇ ◇
あやめちゃんとよみこちゃんは、何を隠そう、魔法少女です。
秘密ではありません。よみこちゃんに訊けばすぐに答えてくれます。「うん、その通り。
私は魔女だよ」と。彼女の中では魔法少女、略して魔女なのです。
ところがあまりにオープン過ぎるせいか、そのことを信じる者は誰もいません。
あやめちゃんに尋ねると「え……あ、その…………」と要領を得ない答えが返ってくる
ので、みんなよみこちゃんに尋ねてしまうのですが、よみこちゃんは一人で納得して完結
してしまうことも多いために、結局誰も二人が魔法少女であるという認識を持ちません。
ごく一部の例外を除いて。
二人は魔法の力を使って羽間の平和を守っています。羽間の異変は世界にも繋がるので、
二人は世界も同時に守っているのです。
具体的にはここ羽間市にいるあらゆる能力者が暴走するのを防いでいます。この市には
なぜか超常の力を持つ能力者が多数いて、普通の人達に害をなす者が時々出てくるのです。
今日も今日とて二人は平和を守るために出動します。
◇ ◇ ◇
よみこちゃんのスタンド、もとい契約神は『神野陰之』。彼と契約したことによって、
よみこちゃんはとても珍しい『闇』属性の魔法を使うことができます。
空間移動も闇属性の力の一つ。よみこちゃんはあやめちゃんを連れて、異変を感じた
場所へと一瞬でワープしました。
移動したその場所は駅前でした。見ると、会社帰りの人々が何かに襲われているようです。
普通の人には見えませんが二人にははっきりと見えました。たくさんの小さな犬達が
「びゃんびゃんびゃん」と甲高く吠えながら人々を追い回していました。
よみこちゃんはのんきに「あ、かわいい」などと呟きましたが、優しい性格のあやめ
ちゃんは慌てて人々を助けようとしました。
あやめちゃんの綺麗な詩声が辺りに響きました。
その瞬間、詩に巻き込まれるように人々が周囲から消えてなくなりました。
標的を失った犬達は戸惑ったように辺りを見回しています。
よーく観察すれば、今いる場所がさっきまでと違うことに気付いたでしょう。さっきまで
いた駅前とは同じなようで違います。その証拠に、看板の文字や道の方向、建物の形などが
すべて鏡写しになっているではありませんか。
あやめちゃんは狙った相手をもう一つの世界に一時的に『隔離』することができるのです。
つまり人々が消えたのではなく、犬達を元の世界からもう一つの世界に移したのでした。
あやめちゃんが持つ『神隠し』の魔法の一つです。
ちなみにかつてこの魔法を使っていた者はこんな使い方はせず、かわいい女の子を隔離
していたずらばかり行っていたのですが、あやめちゃんはそんなこと知るよしもありません。
さて、犬達を隔離したはいいものの、あやめちゃんはこれからどうしようと悩みました。
とりあえずこの犬達は普通ではないようです。誰かが操っているのでしょう。一体誰が、
「この馬鹿ども…………」
そのとき、苦虫を潰したような機嫌の悪い声が聞こえました。
はっと駅の入口を見やると、よみこちゃんと同じ学校の制服を着た少女がむっつりした
表情で立っていました。
綺麗な娘でした。テレビに出てくるアイドルのような愛らしい顔立ちです。しかし、
むっつりした表情が今はそれをぶち壊していました。
「まあ、敵が見つかったわけだから良しとするか……」
少女は犬達に何かを呟きました。すると犬達は一斉に姿勢を正して座り込みました。
少女は二人に聞こえないように呟いたみたいですが、耳のいいよみこちゃんにははっきり
聞こえました。
「もうちょっとはっきり言った方がいいと思うな。おすわり、って」
「なっ……!」
少女は顔を真っ赤にしました。
「でもとてもいい子達だね。よくしつけてある。ねえ、お手は? おまわりやチンチンも
できる?」
「……うるさい」
「恥ずかしがらずに言ってみてよ、『お手!』って。あ、チンチンの方がいいかな? さあ
張り切って言ってみよう。恥ずかしがらずに、大きな声で『チンチンッ!』って、」
「うるさい、黙りな!」
少女の怒鳴り声にあやめちゃんがびくっ、と身を縮めました。
よみこちゃんは少しも動じません。柔らかく微笑むと、少女を指差しました。
「そんなに眉を寄せてると綺麗な顔が台無しだよ、ガラスのケモノさん」
「な……?」
少女が怪訝な顔をしました。
あやめちゃんも微かに眉を寄せましたが、気にしないことにしました。よみこちゃんは
時々他人に勝手にあだ名をつける癖があるのです。今回もきっとそうなのだろうと小さく
ため息をつきます。
「あなたの魂のカタチだよ。とっても綺麗でとっても鋭利。硬くてしなやかで、だけど
繊細で、脆い。美しいと思うよ私は」
「無駄口はいい。どうせあんたは私に殺されるんだから」
「ん? ひょっとして私達のことを知ってるの?」
少女はふん、と鼻で笑いました。
「答える必要はないね。──行け、犬神ども!」
少女の命令で控えていた犬達が一斉に襲いかかってきました。
あやめちゃんがきゃっ、と悲鳴を上げましたが、よみこちゃんは微塵も揺るぎません
でした。代わりに一歩前に出て呟きました。
「神野さん」
呟きに応えるようによみこちゃんの影の中から魔人が現れました。召喚された夜闇の
魔王はくつくつと嗤うと、マントを広げて右手をつい、と振りました。
その瞬間、先頭の犬達が空間ごと削り取られたかのようにかき消えてしまいました。
「──っ!」
少女はあまりにでたらめな出来事に狼狽しました。
「ガオンッ、てね」
よみこちゃんはおどけて言います。
「神野さんはいろんなものをここじゃない向こう側に『繋いで』くれるの。今みたいに
削り取るなんてお茶の子さいさいなんだよ。ザ・ハンドだね」
よみこちゃんは右腕をぶん、と振って削り取る真似をします。
少女はしかし、それをまともに聞いている余裕など持ち合わせていませんでした。
次々に消されていく犬達を茫然と見つめることしかできません。後ろで見ていたあやめ
ちゃんはそれを少しかわいそうに思いました。
「あ、あ、あの……」
「ん? 何、お姉ちゃん?」
よみこちゃんが双子の姉に尋ねます。
「ちょっと、かわいそう……」
「んー、そうかもねえ……でもあのガラスのケモノさんは退きそうにないよ」
「同情するくらいなら最初から正義の味方なんてやらなければいいんだ」
少女が吐き捨てました。あやめちゃんはその言葉にしゅん、となりましたが、よみこ
ちゃんは嬉しそうに頬を緩めました。
「それでこそガラスのケモノさんだね。でももうあなたの使い魔はいないよ?」
いつの間にか犬達は魔人によってすべて消されてしまっていました。少女は悔しげに
顔を歪めます。
「さて、訊きたいことがあるの。あなたはどうして私達を狙ってきたの?」
「……」
「黙秘? 私、素直な子が好きなんだけどなあ」
「……」
「仕方ない。神野さん」
魔人は主の呼び掛けに薄く嗤います。
瞬間、魔人の影から白い、死人のように白い腕が幾本も伸びました。
その腕は触手のように少女の体に絡み付きます。
「や、何これ!?」
初めて少女が焦りの声を上げました。
「大丈夫、危険なものじゃないよ。ただ、ちょっとだけいたずらさせてもらうね」
白い腕は蛇のように少女の体を這い、服の内側に滑り込んでいきます。
少女はなんとか逃れようと抵抗しますが、スカートの奥を撫で回されると「ひゃうんっ」と
可愛らしい声を上げました。
太股からおしりにかけてねっとりといじられます。形のいい胸を揉みしだかれ、秘密の
場所を指でかき回されました。
強烈な刺激に耐え切れず、少女は喘ぎます。
「や、やめ……あんっ、そんなところ、さわらないで……ひああっ、だめ、そこよわいの」
「しゃべる気になった?」
「だ、だれが……あぁんっ! 奥にはいってくるぅ……いや、突き入れちゃだめえっ!」
「どうして私達を狙ってきたの?」
「言う、言うからぁ! だめだめだめ、あ、あ、あぁぁんんんっ!」
身震いしてまともにしゃべることもできない少女に、よみこちゃんはさらに問いかけます。
「どうして?」
「め、命令されて、やあ、乳首だめ……あぁっ、気に入らなかった、けど、しかたなく
……きゃうっ」
「命令? 誰に?」
「きょ、恭の字……じゃなかった、魔王陛下……いやあああっ! クリトリスこすれて……
イく、イっちゃうっ、だめっ、あっ、あっ、ああああっっ!!」
震える体で辛うじて答えると、少女は直後にイってしまいました。
あやめちゃんは真っ赤なになって後ろを向いています。よみこちゃんはうん、と頷くと
神野に拘束を解くよう言いました。神野はなぜかヤり切ったような満足げな笑顔を浮かべて
いました。
少女は地面に倒れ伏したまま身動き一つとれません。テクニシャン神野のベクター愛撫は
少女を絶頂の向こう側へと追いやったようです。
「魔王陛下か。どんな相手なんだろうね、お姉ちゃん」
「さ、さあ……」
あやめちゃんは落ち着きなく答えましたが、そういう挙動はいつものことだったので
よみこちゃんは特に不審には思いませんでした。
「犬神達もやっつけたし、帰ろっかお姉ちゃん」
「う、うん」
「じゃあ神野さん、帰り……はダメか。一日三回までだもんね」
神野陰之の力を使えるのは一日三回までです。「おとぎ話の願い事は三回まで」という
よくわからないルールでそうなっているのです。
神野の力を使えないよみこちゃんは、かなり力を制限されてしまいます。本人曰く
「箒で空も飛べないし、黒猫と話もできない」状態になります。
もちろんよみこちゃんは気にしません。
「しょうがないね。歩いて帰ろう。途中でプリンでも買って、一緒に食べようね」
「……うん」
あやめちゃんが再び詩を詠うと、周りは元の世界に戻りました。
「それじゃあね、ガラスのケモノさん」
「ごめんなさい、さようなら」
二人は仲良く手を繋いで帰ります。よみこちゃんに引っ張られてあやめちゃんは恥ずかし
そうにしていましたが、どこか嬉しそうでもありました。変わった双子ではありますが、
なんだかんだで仲はいいのです。
後には身動きできない少女が取り残されました。
怒りに肩を震わせながら、それでも立てないので悔しそうに歯ぎしりしていました。
◇ ◇ ◇
部屋に戻った二人は、コンビニで買ってきたプリンを仲良く食べました。
そのあとお風呂に入って、温まった体のまま暖かいベッドに入りました。
とても変な双子の魔法少女は、とても愛らしく穏やかな寝顔を浮かべていました。
おしまい
以上で投下終了です
神野さんを自由に使えると反則すぎるので回数制限
あやめちゃんはよみこちゃんより力は強いですが、気弱なのでいつも援護に回っています
神野はクリームかw
まさかこんな作品に仕上がるとはwww
空目「ハリウッドも狙えるな」
亜紀「この馬鹿共……!」
びゃんびゃんびゃん
104です
まさか自分の一言でこんな作品が生まれるとは…!
GJすぎるありがとう!!
摩津方IN木村圭子は何となく惚けていた。
授業を受けると自分が生きた時代とはまた変わっているのだと実感する。
増えて減った様々なもの。
ゆとりと囁かれる現代は過去に比べれば増えていた。だから減らしている。
結果的に差し引きは無いに等しい。
「ではここの文章を…木村、読んでくれ」
「あ、はい! えっと…『恐怖に―――」
例えば今読んでいる文章。
出展元「断章のグリム なでしこ(下)」と書かれたそれは自分の時代の教科書には載ってないだろうファンタジー。
これも足されたもの。代わりに堅苦しい文章が減った。
自分は違う時代の人間だ。
しかめられた左目に前髪がかかり隠れるように止められた留め具。
そこに摩津方という人間の証は確かに存在する。昔の人間が。
パラドックス。果たして自分はここに居ていいのか?
かつての自分なら絶対に思わない疑問。確実に人に回帰していく自分への恐怖。
「摩津…じゃなくて木村ちゃん!」
ふと声がして見ると武巳が教室の外から手を振っていた。手には弁当箱。
その大きさから見るにおそらく自分の分もあるのだろう。
疑問はあっという間に氷解した。
下らない。自分に存在価値を彼が与えてくれたではないか。
「こぞ…じゃなくて近藤先輩少し待っててくれますか?」
いつか言ってくれた。自分を保守してくれると。
決めた。
自分はこの少年を保守すると。今まで散々な事をしてきた償いには足らないかもしれないが。
「何々彼氏?」
木村圭子のクラスメートが興味津々と言った様子で聞いてくる。
『わたしの周り煩い人ばかりでごめんなさい』
頭の中に響く木村圭子の謝罪。別に気にしてない、と言葉には出さず伝える。
「違うよ。ただお世話になってる先輩だよ」
そう答えながら摩津方は思った。もし枯れの横にそれとして、彼女として立てる日が来るなら、と。
お互いに保守をする二人。その思いは同じ色。思いが繋がるのもあと少し。
なでしこ下でマジで泣きましたよ、と
近藤武巳は呆けていた。理由は無い。授業中にも関わらず窓の外を見てただ呆けていたのだ。
視線の先には体操服を着た木村圭子の姿があった。体育の授業らしい。
ちなみに摩津方は運動したくないという理由で絶賛引きこもり中である。
「体操服にはやっぱりツインよりポニーだな…」
ろくな事を考えていないのは明白な独り言。
「………!?」
ふと武巳からドギャーンとオーラが溢れて瞬く間にドドドドドドと教室を埋めつくした。
見開かれた目の先にはやはり木村圭子。だが更に言えば体操服の下、ブルマである。
そこから確かに白い何かが出てるのを見たのだ。
「あ、あれは…ハミパン………!?」
教室内の生徒は「俗・マジカル少女あやめちゃん」を執筆中の空目を除きオーラに気圧されて吹っ飛んだ。
ただいくら乙女になったとは言え、その禍々しいオーラに気付かないほど摩津方も愚鈍ではない。
『圭子ちゃん』
「ん?」
『ハミパンしてる』
「えっ!? あ、本当ですね…やだ、恥ずかしい………」
指摘されてハミパンを直す木村圭子。そして
「馬鹿やめろアアアアアアァァァァァァァァァァッ!!」
盛大な武巳の絶叫が教室に響いた。
その日、たまたま武巳と接触したカヴンが一週間活動停止を余儀なくされるほどに滅多打ちにされたとか何とか。
保守
「神野さん」
「ん?」
「なんでわたしの前に現れたのか本当の理由を聞かせてくれない?」
「……………」
「どうして黙るの?」
「………もえたんを再現したかったんだ」
「……………」
「……………」
「無いね」
「無いだろ?」
「でも…少しはやっても良いよ?」
「!!」
「ただしシェーファーフント君がやれって言ったらだけどね?」
「よし、やって下さい先輩」
「都合良く現れるものだな…しかし君もそっちの趣味かね」
「まさか。魔女っ娘属性なだけだ」
何か色々ダメな保守
村神www
132 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 19:48:57 ID:Pi7/TDP8
「こんばんは保守虫さん」
まじめにホモネタは需要ある?
なでしこで一真と臣という貴重な人材ができてるし
保守虫「詠子ちゃん、サンタの格好萌えるッス」
神野「可愛いよ魔女可愛いよ」
空目「ふむ…ちょっと写真撮るぞ」
詠子「……………」
あやめ「わぁ〜…可愛い♪ あっ、結構胸ありますねぇ」
保守虫「!」
神野「!」
空目「あやめGJ。そのまま揉んで揉んで揉みまくれ。ビデオを回す」
詠子「んっ…くぁっ…」
村神「なるほど。なかなか良いものだ」
武巳「鼻血出ちまった…これは今晩のおかず決定だな」
摩津方「な、なんてハレンチな…!?」
木村「はわわわ!?」
亜紀「百合カップリング…ジュルリ」
八純「早速絵にしよう」
駄目だ、クリスマスだからって気が狂っとるな
>>133 なでしこ読んでて腐の人歓喜だなと思ったら案の定…
ホモは801板に投下したほうが読みたい人も読みたくない人も
お互い快適に過ごると思います!(該当スレあるのかわからんけど)
薔薇は百合より一般受けしないからな
一般受けってのもあれだがw
とりあえず俺は薔薇はお断りしたいです
投稿するならせめて前置きとタイトルつけてくれ
そうすれば読みたくない人はタイトルでNG設定ですむから
やおいはやおい板のSS投下するスレにでも投下すればいいだろう。
801板にラノベスレがあるのでそっちがいいと思うよ
待ってるノシ
俺は普通に一真×梢枝とかいいなーと思ってた
ちょっと弱いところのあるお姉さんと意外と、しっかりものの悪ガキってありがちな感じで
死んじゃったけどね。坊やだから
何だその赤い通常三倍の人www
「謀ったな、怪異!!」
梢枝は絶叫した。後ろを振り向けない。そして、その手は止まらない。
「私とて金森家の女だ。無駄にはしない!!」
そして叫ぶ。
「金森家に栄光あれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
坊やだからってこういう事か?
梢枝強えwwwww
「諸君の愛してくれた金森梢枝は死んだ。何故だ!?」
「怪異だからさ」
グラサンでコーヒー飲む蒼衣が目に浮かぶよ
「見せて貰おうか! なでしこの怪異の本質とやらを!!」
「ええい! なでしこの怪異はバケモノか!!」
「金森梢枝さん、聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うが良い」
蒼衣をその位置に置くとカッコ良すぎる。
怪異じゃなくて悪夢じゃないか?
な………ッ!?
認めたくないものだな
自分自身の、Missing脳故の過ちというものは
「間違えたって良いじゃない、人間だもの」
「あなたは人じゃないですよ、神野さん」
「早く人間になりた〜い」
「妖怪人間?」
昨日蒼衣と雪乃が旅館に泊まって布団の中でHするという、たいへん萌えな夢を見た。
何故文章にしない!!
文章にせずして何の住人か。
双方、旅館の寝巻を着たまま蒼衣が雪乃をはがい絞めにしてバックから突きまくってて、最高には激しく音立てながらディープキスというかなり積極的な蒼衣だった。
夢なので全部は覚えてないけれど_| ̄|○|||
だぁかぁらぁ何故SS化しないんだそれをぉ!!
ウワァァアアアアアアァァァァァァッ!!
<異端化>
「あけましておめでとうございます!」
それが悪夢の始まりだった。
ってなわけであけましておめでとうございますよ、と。
あけましておめでとう
さて、日が昇ったら「手」に会いに神社に行ってくるか
あけましておめでとうございます。
>>150,153をSS化してみました。それでは投下します。
題:「攻め蒼衣×デレ雪乃」
「雪乃さん……!!」
「う、あっ、白野くん……っ!」
今日は大晦日、ここはとある旅館の客室。
敷かれた布団の上で僕に後ろから羽交い絞めにされながら声を震わせる雪乃さんがいた。
旅館の備品である浴衣は凛とした佇まいの雪乃さんにとてもよく似合っていたのだけど……
今は大きくはだけられ、白い首筋が、胸が、足が露出していた。
そして大きく足を開かせられた雪乃さんの中心には、僕の肉棒が突き刺さっていた。
「くっ、うっ……」
その肉杭から逃れるように雪乃さんの腰が動くけど、蜘蛛の巣に囚われた可憐な蝶のようにもがくだけで逃れられる気配はない。
否、無駄どころか足掻けば足掻くだけ糸が絡まるように、余計な動きが接合部にかかるはずだ。
その証拠に接合部はじっとりと湿り気を帯び、雪乃さんの頬は耳まで赤く染まって、触れた肌からも体温の高まりが感じられた。
「ふふ……」
僕は雪乃さんの黒いロングのポニーテールを手に取り、口づける。
(すごく、雪乃さんの匂いがする……)
雪乃さんの髪の匂いを肺の奥一杯吸い込みながら、僕はまるで夢のようだと思った。
あの雪乃さんと、こんなことをしているなんて……
「はっ、ふっ……ううっ」
じたばたと足掻く雪乃さんの白い可憐な足が糊の効いたシーツを乱していく。
「んっ……うっ……くっ……」
声を堪えるそんな様子が可愛くて、僕は手を伸ばし乱れた浴衣から露出した胸の膨らみをさすり――
その可愛らしくも硬くなった頂を指でつまむ。
「んくっ……!?」
「だめだよ。雪乃さん、僕から逃げようなんて……」
僕は雪乃さんの耳元で舐めるように囁く。
「あぁ……でも……こんな……こと……」
雪乃さんは恥ずかしがって肩を縮ませる。
「わかる? 雪乃さんの中に、僕の物が入っているのが……」
意識させるように、わざと中の物をゆっくりと動かして、膣内を擦っていく。
「くっ、あっ、ふぁっ……やぁ、そんなこと、言わない、で……っ!」
そういって細い肩をますます縮ませるのに、雪乃さんの膣内は熱く、柔らかく、じゅんと愛液で濡れぼそって、肉襞が肉棒にきゅうきゅうと絡み付いてくる。
(こんなに恥ずかしがってるのに感じるなんて……本当に雪乃さんはMだな)と思いながら、僕はさらに雪乃さんの顎に手をやり顔をこちらに向けさせて、その唇を食んだ。
「ん……ちゅ、れろ……」
いつもは罵倒か鋭利な突っぱねるような言葉しか発せられない雪乃さんの唇。
「んむっ……ちゅ、んふっ……んくっ……んんっ……!」
でも今は熱く、柔らかく、とても甘い。
「ちゅ、ぐちゅ、れろ……んむっ……んふっ……んうっ、うぷっ、んむぅ……っ!」
割り込ませた舌をねっとりと熱く深く絡ませながら、互いの唾液を混ぜ、それを吸い取り、回した手で胸を優しく、時に激しく揉みしだく。
「っ、ぷはっ……! ふあ、あっ、……しらのく……っ」
そしてついにたまらなくなったのか、雪乃さんがねだるように腰をくねらせる。
そろそろかな、そう思って僕は動きを止めた。
「っ……え……?」
絶頂に到達する前にお預けを食らい、何故止めるのと言いたそうに瞳が潤む。
そこで僕は意地悪に問いかける。
「どうして欲しいの?」
「……っ……」
「ダメだよ、言わなきゃ」
「……うっ……くっ……」
涙目になりながら恥ずかしがる雪乃さん。
しかし行き場のない情欲が、熱として雪乃さんの中に燻っているはずだ。
「……っ……く、ださい」
「何、聞こえないよ?」
「……して、ください……」
雪乃さんはよく言ったと思う。でもそれじゃ僕は満足しなかった。
「それだけ? ちゃんと言わなきゃ。
僕のおち○ちんで雪乃さんのおま○こを突いてくださいって」
「っ……!」
普段は冷徹に強気に振舞っていても育ちがいい雪乃さんは、こんな下品な言葉はとてじゃないが言えないはずだ。
否、こんなことを言わせようものなら「殺すわよ」と烈火のごとく怒り出すに違いない(本当に断章で焼かれてしまうかもしれない)
潔癖で気高くて誇り高い雪乃さん。
だからこそ恥ずかしくて。恥ずかしくて。……感じてしまうはずだ。
「嫌なら、このままやめてもいいけど?」
本当はそんな気はないけど、今の余裕のない雪乃さんにその揺すりは効果的だったらしい。
「……っ、ください……! しら、白野君の……お……ち○ちんを、わたしのおま○こにください……っ!」
「よく、言えました……!」
そして僕は雪乃さんにもう一度キスをすると、雪乃さんを布団の上に四つんばいにさせた。
そして大きく腰を引き、一気に強く深く突き入れた。
「っふああぁぁっ――!!」
さんざんお預けを食らった後での強い一撃。
「あっ、ふあ……ううっ、んんっ……」
雪乃さんの膣口がぎゅうっと締まり、引き抜こうとする僕の肉棒を胎内に留めようと強く握り締めた。
「っ、は……ゆきのさん……すご……」
思わず射精してしまいそうなほどの昂ぶりを堪えながら、僕はストロークを続ける。
「あっ……はぁ、うっ……やっ、はぁんっ、ああっ!」
パンパンパンと、肌と肌が打ち合う音が旅館の客室の中に響く。
「や、だめ、も、もう……わた、わたし……っ……」
切羽詰った雪乃さんの声。そして僕もまた絶頂へ到達しようと、高めていく。
「ゆきのさん、ゆきのさん……!」
「くっ……はぁ……はぁ、しらのくん……しらのく……っ!」
絶頂に到達しようとした最中、僕は雪乃さんの手に手を重ね、指を握り絡ませた。
「あ、ふぁ、あっ……ああああああああぁぁぁっ――!!」
もはや離さないとばかりに締め付けた雪乃さんの膣内に、僕は熱い白濁を吐き出した。
気が付けば壁の時計は十二時を回っていた。
「はぁ……ふぁ……はぁっ……ううっ……」
雪乃さんは完全に布団に腹這いになり、僕に抱えられた腰だけを浮かした状態で、全身を白濁に塗れさせていた。
特に接合部からはどろどろと、愛液と精液の交じり合ったものがとめどなく溢れ出していた。
「ふふ。これで僕達、二年に渡って繋がりっぱなしだったね」
あけましておめでとう、雪乃さん。
僕はそう言いながら、雪乃さんの汗で濡れた額にキスをした。
……
…………
そして、朝日が昇ると共に僕は目を覚ました。
「……ふう……」
年が明けてもいつもと代わり映えのない『自宅の自室で』
とても激しい夢だったな、と思いながら。
濡れたパンツとパジャマとイカ臭さの漂う布団をどうしようかと新年早々考えながら、
夢の中での昂ぶりと現実の冷たさとの落差に、僕は布団の中で一人涙した。
あたらしいとしがやってきた。はなしはおしまい。
ごめんね。夢オチで。(^o^)/
新年早々GJ!!
オチwwwww
明けましておめGJ!
泣くな蒼衣www
ちょwww何というwwwwww
おかげで異端化が治りました、GJ!
あけましてGJ!
153です!自分の見た蒼衣×雪乃H夢を見事に最大級な萌えとエロを詰めて実現してくれてホント嬉しいです!!
蒼衣が積極的過ぎて最高でした!ありがとうございます!
これは素晴らしくGJな夢オチwww
あけましておめでとうございますwwwwwwwwww
素晴らしいネタを運んできた153と、それを形にした157にGJ!!
これが蒼衣の年越しこれが彼の「普通(笑)」
173 :
157:2009/01/02(金) 04:41:44 ID:f0oufxfq
いいネタを提供してくださった
>>150=153さん、こちらこそ感謝です。
夢が元ネタ、だから夢オチでいいだろうと、
それを前提にいかにも妄想的な過剰でリアリティのないエロを具現化すべしとひたすら調子こきました(笑)
蒼衣にはひどいことをしましたが…
――でも、好きな子を犯す妄想するぐらい『普通』だよね!(^o^)/
「僕は普通ですから、」
蒼衣はそう言って間を少し置き、
「オナニーだってしますよ。おかずは雪乃さんで、僕が雪乃さんを攻める妄想をします」
彼は楽しそうに喋っている。内容はともかく。
「大抵は青姦ですけど、たまに強姦の妄想をしたりします」
そして笑う。
「今のように、ね」
細められた視線の先には拘束され、身動きの出来ない雪乃が転がっていた。
白い透き通った裸体が暗闇に浮かぶ。広げられたまま閉じていない股には破瓜の血と、白い蒼衣の体液が溢れている。
「雪乃さん…愛してます。誰よりも愛してます…。僕だけの雪乃さん…ふふっ」
そう言って部屋から出る蒼衣。
雪乃は考える。何が彼を壊してしまったのか。そして壊れた彼を見て気付いた気持ちに。
何故に極端に蒼衣という人間の行動がうっとうしいと感じたのかも。
「大好き………」
先程まで犯されていたにも関わらずその気持ちは変わらない。
だからこそ蒼衣の居ない部屋に、雪乃の泣き声が響くのだった。
「ふむ…それが願望か。ならば叶えなければなるまいね…その前に良いおかずを見たんだから自慰するとしようかね。いくらこの神野と言っても流石に男だからね〜よいしょっと」
って事ですね
175 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 20:43:41 ID:1Bf2rWxG
蒼衣は『普通』だからアブノーマルなのプレイはしないのか?
何処までが蒼衣にとっての『普通』か解らんが
見た目は普通、頭脳は異常! その名も超ドS蒼衣!!
かもね
エロについては秘め事として表に話題がでてこないから
何が普通かって基準が分かりにくいな
環境によっても得られる情報に差が出てくる話題だし
蒼衣が何を普通と捉えるかはよく分からん
つまりなんでもあ(ry
相手を理解し共有することで新たな性癖に目覚める
それが目覚めのアリスの効果だ
蒼衣はSにもMにもノンケにもホモにもなれるのか…嫌すぎるwww
ぱたり、という音が室内に響いた。
音源を辿った者は皆身を凍らせる。視線の先にいる少女が、その音を立てる意味を皆知っていたからだ。
ずるり、とどこからともなく現れた死人の手がゆるゆると指を動かす。
室内にいた者達……蒼衣、雪乃、颯姫、可南子、アノニマス、笑美、千恵……
たまたまそれぞれの理由で居合わせた彼/彼女らは、ある者は苦しげに、ある者は楽しげに、ある者は戸惑いに顔を歪める。
つまりここにいる者達は、選ばれてしまったのだ。
これから始まる物語の登場人物に。
ぱららららら、とページをめくられる音が連続し、やがて止まる。
ずるずると蛞蝓のような緩慢な動きでそのページを指さした手は、すっと消えた。
「……なんてこった」
落ちてきた本は『こんにちは赤ちゃん』
指さされた項目は『親になるということ』
「避妊、しておけばよかった……」
がっくりと、項垂れる蒼衣に彼女ら七人はそっと腹を撫でながら複雑な表情を浮かべるのだった。
……to be continue?
火あぶり
蟲責め
鉈
社会的に死亡
首チョンパ
溶解
蒼衣はどういう死に方をするんでしょうねw
並ぶ美女&美少女ラインナップへのツッコミより先に、
ハーレムの中に夢見子ちゃんがいなかったことに安堵した俺は、一体どうしたらいい……?
>>182 つ >彼女ら七人
悪夢に抜かりはないんですよ
七人だろ?
ばっちり入ってるぞw
蒼衣の子供は兄が一人に妹が十二人ですね
ちょw
俺の安心返せ!wwwww
だが待ってほしい。七人目はかぜのんの可能性もあるのではないだろうか。
蒼衣ならきっとできるよ!
>>186 きっと風乃さんと神狩屋さんと葬儀屋さんと健太郎さんと群草さんが代わりに叱ってくれるよ
しかし受胎告知の瞬間楽しげだったのは誰だろう?
>>188 風乃さんは100%雪乃さんを言葉攻めして遊ぶだけだと思うw
健太郎はまず発狂しそう
更に悪夢が拡大して凛達も妊娠してしまうのかもね。
蒼衣「ごめんね…巻きこんじゃって」
凛「…貴方の子供なら」
蒼衣「ふぇ?」
凛はいらないが、
幼馴染や妹分を寝取られた時の
馳尾の反応は見たいと思ってしまう俺はNTR厨
……いや、逆にそうすれば死亡フラグを回避できるかも。
瑞姫や知沙都生存ルートは考えたくなるよな。
瑞姫「わたしは生きる。生きて蒼衣と添い遂げる」
蒼衣「08小隊!?」
男娼のグリム
……蒼衣逃げてー!
作中女性陣の誰かが買い手なら……あ、金森さんちの奥さんはナシで
っていうか既婚女性キャラ(未亡人除く)にロクな人がいねえ。蒼衣母くらいか
>>192 赤ずきん編はハーレムルートもあっていいと思うんだ
笑美「白野くん、すごいわ」
瑞姫「ゆーじよりいい……」
知沙都「白野さんありがとうございます!」
凛「私、間違ってました!これからは心を入れ替えます!」
蒼衣「いやーみんな協力的でこれ以上の犠牲を出さずに泡禍が収まってよかったよ(^^)」
勇路「…………」
そんな悪夢ですねわかります
蒼衣「1日10人? それ結構少ない日ですよ」
蒼衣「1日10人や20人の女の子の相手をするぐらい『普通』ですよ。」
世界征服の為にはらませる炎の転校生なんですね
201 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 17:48:18 ID:4AruYjVQ
保守
久しぶりに来たけど伸びていないね
ほしゅ
というより前スレが割と順調過ぎだった気がする
保守ネタも色々でてたよね
断章のグリム最終回
蒼衣「…わかっていた。本当は『普通』なんてどこにもなかったんだ。
世界は神様の悪夢で満ちていて、それが世界にとっての『普通』
僕はただ、自分が『こうあるべき』と思う世界を『普通』だと押しつけていたに過ぎなかったんだ…!」
雪乃「――馬鹿野郎ッ!」
蒼衣「雪乃さん――!?」
雪乃「普通って奴は作っていくもんなんだ! 『俺』と『お前』と『みんなで』な!!
何より普通を愛していたお前がそんなことを言うとは!
見損なったぜ! 白野蒼衣!!!!」
蒼衣「あの雪乃さんが……あんなことを言うなんて……!?」
風乃「ふふ、あなたが雪乃の氷を溶かしてしまった。
あなたがいる日常が雪乃にとっての、普通になってしまったのよ」
雪乃「人に散々押し付けてきて、今さら逃げるなんて許さないからな!」
蒼衣「雪乃さん……」
神狩屋「白野君!」 颯姫「白野さん!」 夢見子「…お兄ちゃん(※喋れるようになった)」
蒼衣「みんなまで! ……っ! すまない、僕が間違っていた!」
延々と続く悪夢との闘争
それが世界にとっての普通なら、僕らは僕らの普通を守るために戦い抜く
たとえ終わらない戦いであっても僕らは負けない!
僕達の戦いはまだまだこれからだ――!!
-保守-
ぐりまんが日和〜♪
ソードマスターアオイ!
また随分とクオリティの高い保守ktkr
保守も良いけど、どうせならエロパロ本編書いてくれよ……
じゃないとエロパロスレじゃなく保守ネタスレになっちま、おやこんな時間に誰だろう
書きかけのまま止まってるのがあるからいっちょ完成目指してみっかー
期待保守
保守
バレンタイン前夜祭 愚文スマン
「白野くん、これあげるわ。」
「え?・・・チョコ?・・・あ!」
「ちょっ・・・勘違いしないでよね。その・・・安売りしてたから・・・それだけ!」
「ありがとう、雪乃さん。」
「・・・っ!うるさい!」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
「(・・・なんてね)・・・。」
「あら?可愛い雪乃。それはアリスへのプレゼント?」
「ちっ・・・違うわ!自分のために買ったのよ!?」
包みを破いてチョコを食べる雪乃。笑いながら見つめる風乃。
(・・・これで・・・いいのよ・・・って!私なに考えてるのかしら・・・)
(・・・明日、買いなおそうかな・・・)
「大丈夫よ雪乃。お姉ちゃんは明日何も言わないわ。ただ見守ってあげる♪」
「・・・・っ!(怒)」
GJ
当日の明日も期待w
>>212 2段構えのツンデレとは、雪乃は相変わらず侮れんぜ
さて神作来るよう神野さんに願うか
「バレンタインデーの為に頑張った5人の成果を披露する時が来たよ!!」
絶叫しているのは綾子―――ではなく何故かテンション高い十叶先輩。
部室には神隠し含めた文芸部三人と一時休戦中の十叶先輩と摩津方IN木村圭子が居る。
文芸部の男を待っているのだ。
何の為? チョコを渡す為よ。
「魔王様達遅いね」
「遅いな、小僧達」
「シェーファーフント君達まだかなぁ…うへへ、シェーファーフント君…ジュルリ」
「………」
若干一人キャラクターが崩壊するほど興奮しているけど気にしたら負けだと思ってる。
だって、魔女だし。
各々のチョコは個々の人間性が顕著に現れてると思う。
私のは見た目シンプルだけど意外と手間を掛けてる。
綾子のは見た感じかなり派手な板チョコ型。チョコチップが凄まじいわね…。
神隠しのは不器用ながら頑張った感じがしてなんか暖かい雰囲気がする多分ハート型。
木村圭子のは落ち着いて、摩津方の物はデコレートされてどちらも可愛いけど摩津方何故作った?
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドギャァン!!
ふと廊下から凄まじい音が轟いて思考を止めざるを得なくなった。
「ちょ、ちょっと待てってばァァアッー!!」
「空目さぁん!」「たけみん!!」「Toshiya!!」
村神の壮絶な絶叫と黄色い声。途中Dir混ざった?
「な、何ぞ?」
しばらくして落ち着いた後に、物凄い数のチョコレートを持った三人が現れた。
「えっと…それ何…?」
一応聞いておく。村神が聞いて欲しいと目で言ってるし何か哀れだ。
「チョコ。待ち伏せされてたみてぇだ…99%女子からのものだ」
確かに見た目は良いからこいつらがチョコを貰っても不思議じゃないけど…多っ。ってか
「…聞きたいんだけど残り1%って―――」
「それは聞くな!」
疲労を隠しきれない村神と、何故か目がパッチリしてキュンキュンしてる恭の字と、苦笑いを浮かべてる近藤。
何があったかは想像したくない。
「で、お前らもチョコ用意したんだろ?」
「うん。でもそれだけあると迷惑になりそうだね」
「いや。どこぞの連中のより優先すべき物がある」
「村神の言う通り!」
「キュン(゚∀゚)キュン♪」
村神に同意した近藤に続くように多分同意したと思われる恭の字。
そして、しばらく部室には甘い匂いと笑い声が漂った。
陛下wwwww
GJ。なんだか平和だ
でも稜子の名前は間違えないでほしいぜ
そういや空目は目をつむって口開かなければただのものすごいイケメンだからモテそうだなぁ。
男版亜紀か。
蒼衣「バレンタインって、
朝登校して下駄箱を開け、少し薄汚れた自分の上履き以外に何もないことに落胆し、
休み時間のたびにソワソワしながら、何もなく放課後…
入れ違いになったらいけないと、部活もないのに居残りしちゃったりして
帰宅後も、もしかしてウチに訊ねてきてくれる子がいるんじゃないかと思うんだけど、
そんなこともなく晩御飯になり、就寝時間。
結局、貰えたのは お 母 さ ん のだけ…!
…そういうのが『普通』ですよね。
だから雪乃さんに貰えなくても気にしません。
メーカーは逆チョコを流行らせようとしているみたいですけど、まだまだ『普通』じゃないですよね。
『普通』だったら僕からあげたのになぁ。うふふ……あはははは……」
蒼衣かわいい
女装させて後ろから犯したい
かぜのんにズンボロに犯される女装蒼衣を
書きたいと思いつつ未だ果たせない
蒼衣は男の先輩からラブレターもらった経験が何度かあるはず。普通じゃないから断るが
蒼衣「愛には応えるのが普通ですよ…ふふっ。こっちにケツを向け
やっぱり良いや
224 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:22:22 ID:QTBARAtM
保守
>>223 ホモ
保守
―――ということですね、分かります。
なぁ、誰か黒服呼んでこい。
>>225から異界が侵食を始めるぞ
いやもしかしたら泡禍かもしれない。
騎士を呼べ。
つまり
蒼衣「神狩屋さん、力抜いて下さいよ…うふふっ」
神狩屋「やめるん、っうぁ…!!」
蒼衣「もっと苦しんで下さいよ…ほら…」
神狩屋「な、何故よりにもよってケツにメバチマグロの刺身を突っ込むんだ…」
蒼衣「メバチマグロってマグロの中でも保守的な感じじゃないですか」
神狩屋「ホモと保守を同時に消化しようとするのはいいけど納得出来ない!!」
蒼衣「それで良いじゃないですか。いつだって世の中は理不尽です。
兄を助けようとしてカメラ片手に奮闘したらなんか兄が屋敷に残ったり、
姉の為に頑張ったにも関わらず最後は自分の手で首絞めて殺めてしまったり、
死んだ恋人を純粋に謝罪の気持ちで追ったら体中に刺青が湧いて命の危険になったり、
友達と無人島に渡ったらはぐれてしまって結果的に怨霊になってしまったり」
神狩屋「何だい、その某シリーズ攻めは! あと流れが絶望する教師みたいになってるよ!」
蒼衣「絶望した!」
神狩屋「やったらダメ! だいたいこのスレでその手のキャラは僕の特権だよ!?」
蒼衣「知らんがな。まぁ、はっちゃけても良いじゃないですか。そんなわけで保守ですよ」
神狩屋「無理矢理保守に纏めようとすんなぁ!!」
という保守ネタ。
がっくん零やったりするのかな?
サイレントかサイレントヒルとか
おいでよ動物の森はシュールに愉しんでたみたいだけど。
Gackt「ここどうやるのかな」
蒼衣「そこはですね〜」
シュールだ
甲田「甲田Gacktです」
翠川「( ゚Д゚ )」
誘い受けイラネ
伸びないな(T-T)
,...
_,rヘr'彡;=`}.. ,, _,
,r‐-〈ソ>'´ `,ヘミ゙`ヽ、
,r'´`_フ´ / i ! iヽ、ヽ
{;/´〉{: . / / ' / ! /|,リハヽ}
ド三彡: : : i i/ / / ///,r;'ノl/!
{;;| l l i、:. l l __/i_../_' ' 〈リ !// ,r'´` ̄ヽ、
ヽl l ヽ、ト、l 代じソ ヽ lrrfソ´`ー :. ヽ,
}ヽ l i !l ',`ゞ_> . _ '/`Y゙"゙i_::. .: !
,};;}/ ! / ,X´ヽ.',`ーミ¬"{_ (_/,へ. `z'.::. _ノ
!{;;} //,.イi !ヽ,ゝ-:,rくrミ>Y⌒ー:、_ヾ _)r'´
. / {;;}/,/ {ヽ_ー-::r'r'゙`゙´゙{j.: ) :.ヘノ´ノ
/ ,.{;;}'´ lゝ-三:{゙r'::.`ー `ヾ、 :..`;´
// / _ノ`ー―-゙}!::.  ̄ ヾι.Y´
/ / _',. r 'i´\:::::`::::::::ゝ;:. .:i ´ノ
/ //:.(.::人ヽ:.ヽ::::://ゝ、.. _;ノ .: 丿
' /´::::!ゝ、\:::.`:.:::/.::/ `ー-一'´
l::i::::::::::::::::::::: ̄/.::_/´\
l::::\:::::::::::::::ノ.:::::i´ . `ヽ、
/.:::::::::::::::::::::/.::::::::/ ヽ\`: ヘ\
,r^;i::::::::::::::::::::::/.::::::::;{ ヽ. ヽ \\\
r‐┴;:::\:::::::::::::::::!.:::::::::i:.i.\ \ ._r-'⌒,ニ\\
`ヽ(ノ)ー-ヽ;::::;::::::〉.:::::/.:ヘ_,、ノ゙ー' r、ノ`´ _,r‐}\;
__,,,ノ (:::::く;;:::::/.:::/.:::::/.:::::::ヘ、_,、_r' _,)´ _,ノノ }ソ
|:| {::::::.__,>、_)`ー-、::::::::|へ._,人_,r-'´ _r-' ト一'
人_lノ´ `ー < (_,rく__,r-〜´゙ヽ_,ノ
`> 、. `'{ヽ. !
`'ミゝ-‐:'
>>236 か わ え え ――――― !!! ハァハァ・・・
・・・よし、空気読まずに小話。
しょうもないオチだが笑って許してくれw
――――――――――――――――――――――――――――――・・・・・
――――――――――――――――――――・・・・
――――――――――・・・
談笑ではなく微笑くらいのグリム
ある平日の昼下がり。いつものようになにするでもなく机を囲む雪乃、蒼衣、颯姫の面々。
そこへ、「お客さんにクッキー貰ったんだけど、食べるかい?」と奥から出てきた神狩屋が缶箱を片手にたずねる。
「あ、じゃあ頂きます。」と、机に置かれたクッキーに手を伸ばす蒼衣。
「さっき夢見子ちゃんにもあげたんだけど、たくさんこぼしちゃって掃除が大変だったよ・・・」苦笑交じりに神狩屋が言う。
と、
ガタン!
奥の部屋のほうから分厚い本の落ちる音がした。一瞬にして表情の凍りつく4人。
顔を見合わせるまもなく、打ち合わせたように奥の―――夢見子のいる部屋に駆け込む。
「夢見子ちゃん!」
バン!と勢いよく扉を開ける蒼衣。つづいて3人もなだれ込む。
部屋の隅で目を見開き、1点を見つめている夢見子。蒼衣たちもつられて、自然とそこに視線が集まる。
そこにあったのは開きっぱなしの本と、その上で動く白い―――
「・・・ネズミ?」
はつかねずみがやってきた。はなしはおしまい。
fin.
書きながら思ったけど、夢見子ってネズミ怖がるのかなぁ?怖がらなさそうだよなぁ・・・
だから震えさせられんかった。
あ、落ちてる本は夢見子が読んでたやつな。
>>237 乙。ほのぼのした雰囲気が好きなので和んだわ
「あやめ」
「あ、はい」
とてとてという擬音が似合いそうな歩みで空目の元へ歩み寄るあやめ。
文芸部員が全員揃った部室に次の瞬間、電気が走る。
「眠い。膝枕してくれ」
「えっ…あ、あの………」
この発言にあやめがうろたえる間、闘志を燃やした人間が二人居た。
片方、空目に片思いする亜紀。もう片方は番犬たる俊也。
(恭の字を…膝枕………鼻血と涎が出るね)
(木戸野がヤバいオーラを出してるな…奴らにやらせるぐらいならば俺がやる!)
「恭の字! 膝を使いたいならこの膝を!」
「空目! 俺の膝なら貸すぜ」
「遠慮する。俺はロリっ娘の太ももが良いんだ」
その言葉に亜紀は叫んだ。
「あと少し若ければアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
俊也も叫んだ。
「そもそも俺は男だアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
発狂する二人を武巳と影の薄いアイツが宥める。
そんなこんなで騒がしい中、空目はあやめの太ももに頭を置いて安らかな寝顔を浮かべていた。
だからその場に居た者は誰一人として気付かない。
あやめがニヤリと笑んだ事を、空目意外は気付かない。
(腹黒いあやめも可愛いな…)
保守
あやめwwww
つーか影の薄いとか言うな
乙と伝えたいが
アク禁がとけねぇぇぇっっ!!
志村、解けてる解けてる
携帯があるよ!
244 :
241:2009/03/31(火) 22:51:17 ID:nzMpaFEq
毎日閉じる前に試していた甲斐があったw(てか、一回されるとかなりかかるのね……)
携帯は対パケット費貧弱なんで、繋ぐのが怖いのです。
ともあれこれでっ、
―――コメント送りまくれるえぇぇぇぇ!!
良かったな!
ここ見てる人達って甲田作品どのくらい読んでるんだ?
俺はMissing夜魔グリム読んだけど
……断章は読んだ。
他は……まぁ、ミッシングはそのうち読む予定。
夜魔
喪失全て(漫画含)
断章全て
喪失の漫画の亜紀が女性に見えて仕方ない
女性→女装
女性じゃ普通じゃねぇか
過疎ってるなあ
>>246 俺も夜魔Missing断章。漫画は読んでないけどな
甲田のドクロちゃんトリビュートは一度読んでみたいと思いつつ買ってない
さすがに甲田のためだけに欲しいわけでもないDVDを買う度胸は・・・
あとグリムのセルフパロである「金のかぎ」も読んでない
それ以外は全部読んだ
>>250 新刊も出たというのになw
この場所はみじんも動揺しねぇなぁwww
誰かー!誰かー! と人任せな俺が言う事じゃないが。
新刊出たからこそ考察合戦で人いないんじゃねw
ごめん。今から買ってくる
リカのグラフィック出せぇ!
何となく頭の中で十叶先輩の姿が浮かぶなぁ
金の卵をうむめんどりで出てなかった?
リカじゃなくて梨花だけど。同じ顔してるんじゃないかと
このスレを
>>1から見直したらところどころに混沌とした悪夢を見いだす不思議
保守
「蟲」の能力者の人数を補填するために子作りを強制される蒼依と颯姫〜て電波を受信した
受信の報告は作品の投下と一緒に行うべき
理想郷にそんなのがあったような希ガス
>>259 特定した、早く続き書けw
それは冗談としてもぜひ読んでみたいので今から執筆作業に取りかかってくれ。
てかアク禁いつ解けんだよ……
ちまちま打つのダルいんですけど(-o-;)
>>261 先にネタにされていた……だと……?
>>259 超期待してる。
子作りわっふるわっふる!ヽ(゜▽、゜)ノ
264 :
259:2009/04/29(水) 16:15:34 ID:81abE/VF
電波受信後書いてみてはいるけどなかなか筆が進まずイライラ中
早くエロパートが書きたいよぅ
じっくりやりたまえ、我々待つことには慣れている。
―――てか、Mにとって焦らしはご褒美なんだぜ?www
保守
ドラマCDで喘ぐ雪乃さんに少し期待してるのは俺だけじゃないはず
それは中の人によるだろう。Google先生に聞いたらまだ決まってない感じやし。
亜紀をやった般若ゆかりならまだしも、万が一にでも金田朋子になってみろ。もはや吹くしかないだろ。
更に、万が一にでも「かぜのんとグラフィックあんま変わらねぇし同じ声優で良いんじゃね?」ってなってみろ。
終始、金朋地獄を味わう事になるんだぞ。
金田朋子は夢見子で良い
地獄ってw なんてちょっと興味がわいて調べてみたら……
……地獄だった。
ただ、ある意味で颯姫をもっともリアルに演じられるのはこの人かもしれないとおもたw
実際なったら叩くけど。
やっと新刊呼んだがすごい描写だったなあ。何がって?
弟 が 抜 い て る 場 面(※非エロ)
まあ実際あの年頃の男の子ならお姉ちゃんで抜いててもおかしくないけどね!
何度も何度も、血や膿をまき散らしてまで抜くなんて常軌を逸してると思います!
>>271 赤玉のことですね、わかりま(違
泡禍は常軌を逸した現象ですから
逆に考えれば何の脈絡もなく颯姫や可南子さんが脱ぎだしても問題はありません
でも雪乃さんは着衣の方がいいです
>でも雪乃さんは着衣の方がいいです
超同意
可奈子さんや瀧さんこそ着衣のほうがいいと思います
唐突に瀧さんが脱ぎだしたら相当な悪夢だw
だがこれが蒼衣や耀だったらあるいは……?
てか「着衣」ってぱっと見すると「蒼衣」に見えないこともないな
>>275 >てか「着衣」ってぱっと見すると「蒼衣」に見えないこともないな
超同意w むしろ最初はそう読んでしまった。
違和感がないな
でも雪乃さんは着衣の方がいいです
↓
でも雪乃さんは蒼衣の方がいいです
「つまり雪乃さんは、着衣で一人いじるより、裸で僕にやられたいんだね?」
「白野君、駄目っ! っ…ひゃぐっ…んぅ……! やだぁ…っ」
あぁ、可愛いよ雪乃さん。もっと喘いでよ。
「壊してあげる…そんな下らないプライド」
って事か
279 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 21:20:10 ID:bxyZcCrg
どことは言わないけどキュンときたよ。
ありがとうGJ!
メル欄ミスって上げちまった……すまん
2ch検索で「甲田学人」って入力しても
本スレ出ずにここしか出ないのは仕様ですか
ここをもっと活性化させようという、なんとも心憎い演出だな。多分
かぜのんにおててでいじめてほしいよぅハァハァ
縛られて目隠し猿轡で足使っていじめられたい
縛って目隠し猿轡で足使っていじめたい
>>285 とりあえずおまいはSなのかMなのかはっきりしろと……。
てか、急に目隠しとられて。
雪乃「残念だったな!貴様が私の○首だと思ってしごいていたのは、神狩屋のポークピッツだったのだよ!ふはははは……」
蒼衣(285代理)「馬鹿な!?は、謀ったな雪乃!……信じてたのに、風乃と同じに僕の気持ちを裏切ったんだ!」
神狩屋「喧嘩は良いから早く続きを……はぁはぁ……はぁはぁ……………ぅ!」
とか嫌すぎるだろう……jk
>>286 あなたは何か決定的な勘違いをしている気がするw
しかし、神狩屋www
おねだり投下書き上げて、前置きも後置きも書いて、いざと思った矢先にまたアク禁とかどれだけドS!!!\(^o^)/
まてまて、つい五分前まで書き込めたじゃねぇかよwww
てかみんなそんなに頻繁にアク禁になるのか? 俺、月の三〜四分の一はアク禁期間なんだが……多くね?
もっとピンポイントで制限しろよ、マジで。
とけたらまた来る。(-o-;)
アク禁は.com規制に巻き込まれた一度しかない
自分のようなマイナーなところがアク禁になることはないと思う…
YBBが永久規制と聞いてP2導入したよ
ホント全面規制はきつい
なんかとけてるみたいなので。かなりタイミング外した感あるけど、基本原文のまま行きます。
以下。
>>259 いくらMにとって焦らしがご褒美だとは言っても、そろそろ我慢できなくなってきた。おれは何時になったらパンツはけるんだよ、と。
そんな訳で、ここはこの板の住人らしくおねだり投下すべきだろうと思い立ち、一個ひりだしてみた。
色々ヤバイ所があると思うが、まぁつきあえる人はつきあってくれ。もち259氏には出来る限り目を通していただきたい。
改めて言っておくが、あくまで作品投下ではなくおねだり投下なので、混同無きようお願いする。何が違うかは読んでもらえれば分かるはず。
あと無駄に長め(多分このレス含めて二十弱レス使うと思う)。
ついでにレス
>>287 よく読んだら至って健常な人だったw しかも相手は風乃ん限定だし。勘違いすまん。
>>289 なんて羨ましい。
そう頻繁に書き込むわけじゃないけど、書きたい時に書きこめないとストレス溜まるんだよねw
>>290 P2って専ブラのこと? 巻き込まれで永久規制とか気が狂う。
>>291 すまない、期待してもらうようなものじゃないんだ。
293 :
おねだり投下:2009/06/04(木) 22:48:14 ID:R/SirbmL
ERROR:長すぎる行があります!
……文体整えてきます。ほんとgdgdでごめん。文字数と行数しか意識してなかった。
高く昇った月が寒々しい光で夜を掌握する頃。
周囲を深い森に囲まれたとある屋敷の一室で、その儀式は行われようとしていた。
それは、とても大きな部屋だった。
屋敷と表すべきほどの家の、その上でなお一室としては広大なその部屋。
差し込む月明かりで、壁(はし)が辛うじて判ずるような、もはや過剰とも思えるような広さを持った部屋。あるいはそれは、その広さに反した、室内の寂しい有様がそう感じさせるのかもしれない。
その部屋で最も大きな影を描き出しているのは、部屋の中央付近に置かれた一台のベッド。
やや年季が入り古ぼけた……しかし、ゆったりとした面積とずしりと貫禄さえ感じさせる佇まいがその拵えの良さを保証している、そんなベッドだった。
そして―――
人の背丈をも超える高い窓を覆うカーテン、部屋の主であるベッドに踏みつけられたカーペット、脚立を使用しても斯くやという天井から今は灯を潜めぶら下がった大きなシャンデリア。
―――部屋に最低限の装いを与えるそれらを除けば、そこに存在する物は、ただそれだけだった。
そんな薄暗い部屋の中に、吐息が二つ。部屋の広さ暗さと相まって遠目には小人のそれとも窺える人影が二つあった。
比較して小さき片方が、先ほどのベッドの上に、こぢんまりと小さく座して。もう一方の比較して背が高く、だが遜色なく細い人影は、その脇に佇んでいる。
カーテンの隙間を縫ってささやかに差す光から判断するに、どうやら前者は女性、後者は男性であるようだった。
窓を背に立つ男性の顔は、逆光を帯びて闇に染まっている。やや線が細く、恐らく男性にしてはやや女性的な顔立ちだろうと窺えるのみだ。
この場の印象からすればやや長身であるように感じられるだろうが、痩躯との対比を冷静に見れば、その実さほど長身ではないのだと気付く。
女性の方は―――否、ほぼ正面に月光を浴びるその姿を見る限り、どうやらその呼称は少し正しさを欠きそうだ。より相応しくは、少女と呼ぶべきであろう。
その少女であるが、浮き彫りにされた容姿の中に、しかし特筆すべき点はあまり多くなかった。
肩口をやや越えて伸びた髪、幼さは感じさせるがそれでも整っていると言って差し支えのない容貌、あとは傍らの男を長身に錯覚させるその小柄さ。
それ以外に、特別表記に値するような特徴はないように思われた。……いや、もう一点だけ。
少女のこめかみ後方の亜麻色を不自然に盛り上げる、一対の装飾。
防水は言うに及ばず防音効果さえも疑わしい……だが間違いなくイヤーウィスパーであるはずの、両耳のそれ。その装着に関しては、彼女が持つ特徴の一つとして言及しておくべきだったかもしれない。
その少女、名を、田上颯姫という。
どこか落ち着かなげに身体を微動させ、不安そうに瞳を揺らすその姿は、やや小心的な嫌いはあれどいかにも年頃の少女らしく、不自然などないように思える。
否、むしろ小動物のようなその様子は、容姿年齢と相まって大抵の者の保護欲を掻き立てるだろう。
……しかし。
もしも彼女を良く知る者がこの場にいたならば、彼女の浮かべている表情が、普段の彼女と遙か隔たっていると感じたに違いない。
それほどに、現在そこに張り付いた表情は、本来彼女が持つ感情としてありふれているものではなかったのだ。
むろん、それには理由がある。また当然に、それはこれからここで行われようとしている儀式とも無関係ではなかった。
この世には、表の住人には伏せられた、いくつもの裏がある。
ある日唐突に人々の意識に浮かび上がり、その者が持つ恐怖を確かな形に変えて現実へとまき散らす―――その解釈上、関わる者に泡禍(バブル・ペリル)と呼ばれるその超常現象も、そんな数多ある裏側の一つ。
そして、その災厄が生み出してしまった被害者たちの相互補助という側面と、またこれからの泡禍が及ぼすだろう様々への対処や解決を目的とする側面を合わせ持った、騎士団(オーダー)という結社も同様に、通常表に出ることのない組織であった。
そんな騎士団という集団のメンバーの内、泡禍などへの対応に関して積極的に介入する者たちを取り分けて騎士と呼ぶが、彼女たちはまさにその騎士であった。
つまり田上颯姫という少女は、そんな、おおよそ同年代の少女達が関わることのないであろう裏側に深く身を置く存在だったのである。
それからもう一つ、彼女とこの儀式を結びつける重要な要素があった。
偶然にも、あるいは僅かながら騎士団による救助によって、奇跡的に泡禍という悪夢から生還できる人間も皆無ではないが、そういった者の中には自らが体験した悪夢の欠片をその心に宿してしまう者がいる。
俗に断章(フラグメント)と呼ばれるその欠片は、所持者が抱いた恐怖と直結しており、フラッシュバックと共に現実へと溢れ出す。
保持者(ホルダー)の恐怖をトリガーにして、その周囲へ恐怖の元となった状況を―――簡易的な泡禍ともいえるそれを再現するのだ。
強烈すぎるその後遺症は、被害者たちにとって忌むべきものだった。
ある種超常の力と呼べなくもないだろうが、自身は愚か周囲さえも危険に巻き込むものだ。それを歓迎する者など、騎士団の中でも極々少数に過ぎない。
活動の為とはいえ、恐怖や危険を顧みずトラウマを振るい泡禍へ立ち向かう騎士という存在が、騎士団に置いて特別視されているのも尤もな事だといえよう。
それら断章であるが、実は一部の強烈なものは、稀に母から子へと遺伝する事が分かっている。
もちろんその事実も騎士団に置いては忌諱されており、最悪の場合、子の命を絶つという手段を取って避けられる事さえあった。
しかし、ほんの少数ではあるが……その断章が騎士団の活動にとって非常に有用で、またもたらされる危険が軽微だと予想される場合、例外的にその断章が残されることもあった。
そういった認定を受けた遺伝は血脈(リニッジ)と呼ばれ、新たに生まれたその断章保持者は大抵騎士団による保護を受ける。
精神的に未熟な幼少期に、リスクは低いにしろ断章の暴走を防ぎ、抑える為だ。あるいは騎士としての振る舞いを学ばせるという目的もある。
―――だが。
その真の目的は、非常に便利なその断章を絶やさぬ為……特に女児に対し、自我の確立しない内から教育を通じて、思想の中へ次の血脈を成すという意識や責任感を埋め込む所にあった。
血を残し、断章を残すことは自らの尊き使命である、と。
結果。
そうして育った彼女らは、持ち掛けられた務めをなんら疑うこともなく、果たす為に己を尽くすようになる。
例えそこにどんな想いがあったとしても。
例えそこにどんな感情を抱いたとしても。
例えば、今まさに屋敷の一室で務めを果たさんとしている、彼女のように―――。
自らの虫食いだらけな記憶の中、それでも抱き続けてきた血脈としての使命。
この部屋に入る際に身から外した手帳の、最初の一ページ。
その時の自分の決心を表すかのようにやや異なる筆跡とペン先で記されている、自らの役割に関する一文。
それを強く自覚しつつなお颯姫は、意図せず湧き上がる感情を抑えることが出来なかった。
覚悟はあったはずだった。自分が、いつかこんな日を迎えることは、自身にとっても幼き頃からの確定事項。自身の世話役である神狩屋によりその具体的な日を知らされてから今日まで、自分が成すべきこの使命に心を傾けてきた。
しかし、幾重にも塗り固めてきたはずのその覚悟は、今日という日を告げた朝に一枚、夕……迎えに来た車に乗り込むと同時に一枚、屋敷に到着し見上げた際に一枚、衣服を脱ぎ、身を清められ、二人でこの部屋に入る時にそれぞれ一枚ずつ……
……と剥がれてゆき、裸でない為の薄い衣を纏っただけの姿でベッドに座る現状に至って、随分と見窄らしいものに変わってしまっていた。
恐怖にも程近い不安が、痩せ細る覚悟の隙を突き、颯姫の喉を小さく鳴らす。
「……っ」
ころりという感触を感じ、颯姫は自身の喉が大袈裟に乾燥していたことに気付く。
伏せた視線を後方、ベッドのヘッドボードへ向ける。やや広く取られたその台の上には一足先に汗をかいた水差しと、磨き抜かれたグラスカップが二つ。……だが、生憎やや遠い。
「水、欲しいの?」
その仕草を見取ったのだろう、男性の声。シルエットが告げるイメージを肯定するような、男の中ではやや高いように思える声音。
「え? あ……」
「いいよ。取ってあげるから、待ってて」
突然話しかけられた事に反応できなかった颯姫へ気にするなと小さく手を挙げて、男は数歩、水差しからグラスに注ぎ颯姫へ差し出した。
「……ありがとうございます」
強ばった顔面をそれでも何とか崩して受け取り、礼を述べる颯姫。
掌にキンとした刺激を伝えてくるグラスを口元へ、喉に張り付いた乾きを潤す。食道から胃へと落ちる水の冷気が身体の熱を静め、萎縮した意識までをも幾分和らげてくれるような気がした。
「ありがとうございます」
自分でも大分堅さが取れたと分かる表情で、つい一息に飲みきってしまったグラスを手渡し、颯姫はもう一度礼を言った。
「うん」
彼は空になったグラスを元の位置に戻して、
「やっぱり、緊張するよね。仕方ないよ」
颯姫を安心させるように、薄く笑みを浮かべた。
やはり予想に違わず中性的な面影の、おそらく颯姫より数年だけ年嵩なのだろう彼の顔が、頷きの為に短く落とされる。
「ごめんなさい……」
「いや、僕も似たようなものだからさ。よく分かる」
不甲斐ない気持ちになり顔を伏せた颯姫に、その青年は同調するように肩をすくめて、自分もそうであると言った。
そして室内用のスリッパを脱ぐと、ベッドの上へ。
接近にまた少し身を固くした颯姫の横へと移動し、微かに震えるその手を取った。
「だから、ゆっくりやっていこうよ。時間はたくさんあるんだし……ね?」
「ぁ……は、はい」
おずおずとながらも頷く颯姫に、苦笑のような笑みを見せ。
また少し、距離を詰める。
そのまま颯姫の瞳を覗き込むように、
「それじゃ、よろしく。颯姫ちゃん」
「よろしく…お願いします…………っ!?」
通った視線を辿るように、顔を寄せ。
挨拶の終わりを待つことももどかしいとばかりに、颯姫の上げかけた驚きごと、少し強引に。
その唇を奪っていった。
―――。
籠もる熱を逃がすよう高く押し上げられた天井のもと。
断章の持つ性質上、場合によっては起こりうる万が一を軽減する為に、強固な耐久性や防火水性を備えられた造りの中。
行為の妨げとならぬよう、余裕を持って行えるよう広くスペースを取られたベッドの上。
小さく蠢く影二人。
「はっ……はっ……」
「……っ」
獣のように息を荒くした二人の姿。
互いの身体が熱を持ち、その熱が更に相手の体温を高めてゆく。
月に映された彼らの身体は、汗にまみれて淡く光り…………。
一見するとその情景は、そんな命の営みというものの激しさを物語っているかのようだった。
しかし。
「颯姫ちゃん、大丈夫だから。もっと力を抜いて……!」
「はっ、はい……」
「……っ」
当人達にとって、その実情は明らかに違っていた。
確かに二人共が、うっすらと汗を纏うほどに身体に熱を宿してはいた。
だがそれは、方や様々な理由に由来する極度の緊張よってであり、もう一方は芳しくない反応を何とかしようと奮闘する必死さがもたらしたものであった。
そこに、互いで昇り詰めるような、共同の熱はない。
「ごめんなさい……っ」
行為を始める前に告げた言葉をなぞって、再び颯姫はそう言った。一度目のように漠然と自分を恥じてではなく、用法としてはより正しい、自分の非を認め謝罪するという意味で。
本来早急に通り過ぎるべきこの状況、あくまで準備でしかないこの時間が異常に引き延ばされたこの状況。
颯姫は、歪なその現状を作り出した原因が自分にあることを……正しく自覚していた。
「……いや、気にしないで」
青年の返答にももはや当初の余裕は感じられず、戸惑いが透けて見える。
それが尚更颯姫には申し訳なく思えたのだった。
ほぼ全ての問題は颯姫にあった。
もしも青年の側が今より遙か手練れていたならば……あるいは、この問題も起きなかったのかもしれない。だが、現状に関してのみ言うならば、そこまで望むは流石に酷であろう。彼自身の証言がどうあれ、彼の技術はおおよそ一般に劣るものではないのだから。
だから、例え少女の側に同情すべき点が多分にあったとしても、こと問題点はどこにあるかと問われれば、彼女の方にこそあると言わざるを得なかった。
つまり、準備に支障を来すほど緊張を露わにした、彼女の側に。
キスを終え、言葉もないままベッドに倒れ込み、ささやかな愛撫を受ける。
もう一度唇を、そしてはだけられた襟元より現れた両の頂きを啄まれ、塞がれぬ驚きを飛ばす。
ずり落ち、着崩れた衣を取り払われて。同様に裸体を晒した青年の……そこに出現した差異に、また驚きを。
そんな少女の動揺を快く笑って、青年は本格的に触れるべく手を伸ばす……。
そこまではまだ順調だった。
だが結局、行為はそこで滞り。
今も進展の気配を見せないままだ。
再び持ち上げられた掌が左の控えめな膨らみを包み締め付けてゆき、右の突起は歯と舌による甘噛みを受ける。
執拗的に弄くられるそこから断続的に伝わる刺激。
「……ひっ……あ」
颯姫の喉を、喘ぎにも似た音がこじ開ける。
指と舌の動きが、その声を歓迎し、より引き出そうとするように激しさを増す。
応えるように飛び出す声。
「くっ、ぅ……」
―――それさえ。
本来この行為で出すべき類ではない。
何故ならそれは快感を伝えるための艶声では断じて無く、近くも絶対的に異なった、苦痛を逃すための呻き声でしかないのだから。
気をよくした青年の指使いは、確かに彼女から声を引き出してはいたけれど、それは狙いを外した別の声。颯姫が上げるは、その実、拒絶でしかない。
「っあ―――!?」
今度こその手応えを感じたのか彼の腕が、颯姫にとって最も他者との馴染みがない場所へと伸ばされる。
そして、その部分の潤いを確かめるように数往復、さすり上げ…………その結果に苛立ったかのように、再び激しい攻めが開始される。
幾分の手順を違え、幾度も繰り返されたその行為。
それらを不満に思い、そんな状況に戸惑っているのは、なにも青年だけではなかった。
いやむしろ、生来の責任感から自分の非を重んじる彼女の方にこそ、その思いは強かったと言ってもいいだろう。
彼女に巣くう抵抗感は、彼女自身の認識に由来するものではない。
彼女にとってもこの儀式は確定していた未来。それを行う自身を誇りこそすれ、拒むことなど考えられないものだった。
そんな、今まさに本懐を遂げるべき時に、全く応えようとしない自分の身体。
その事実は、彼女の普段あまり主張することのない騎士としてのプライドを少なからず傷つけ……そしてそれ以上に、彼女自身を困惑させたのだった。
自分を導こうと苦心する彼の指使いに応えられない自分が情けなかった。
当然なのだろう反応を起こせない、自身への不信。使命を果たせない事への悔しさ。
だがそれらを飲み込むように存在する恐怖と抵抗。
初心な娘であることを理由とすれば、本来理解されないことではなく、強く責められることでもない。いかな体裁を被っていたとしても、本質はそこにしかないのだから。
しかし、哀しいかな……儀式の重要性は、少なくとも彼女にとって、言い訳を肯定してくれるほど軽くはなかったのだ。
青年の手が、唇が、未だ見つからぬ彼女の性感を探すべく奔走する。
青年の声が、悉く邪魔をする彼女の緊張を取り除こうと、調べを紡ぐ。
けれど。
「……っ」
応えようとすれば、見失う。さらけ出すには、安らぎが無く。
思いに反し、身体は素直に蓋をする。
「う……ぁ」
ならば無理矢理にでもこじ開けようと、狙いを変えた蛇のように細くしなやかな彼の腕が、彼女の秘部へ。指が磯巾着のように複雑繊細な動きで彼女の肉芽を弄ぶ。
しかし。
「くっ……!」
自分で触れたことさえほとんどない、まだ青く未発達なその性感は、青年の愛撫に応える術を知らない。
凝り固まったそこが伝えるのは、快楽ではなくただ痛みだけ。
「はっ……はっ……」
攻めあぐね。
応えあぐね。
……時だけが過ぎてゆく。
せめて―――
「蒼衣さん……」
気が付いた時には、颯姫は瞳に映した青年の名を呼んでいた。
せめて―――と。
まるで救いを求めるように。まるで一つを悔いるように。
「ぇ、何……? ……何か言った、颯姫ちゃん?」
「ぁ、いえ、何でも……ありません」
聞き咎められたそれを、颯姫は顔を赤らめ否定して。
同時に自らの行いを戒める。
青年は一瞬腑に落ちぬような表情を覗かせたものの、すぐにまた、颯姫を昂ぶらせる為の作業へと戻っていった。
目を閉じて、再びそれを受け入れる颯姫。
なんだか不思議だと思った。
この刺激が蒼衣によるものだと敢えて意識したならば、もたらされるそれも、どこか苦痛だけではないと感じられそうだったから。
いや、それどころかむしろ、より率直に………………気持ち良い、と。
それがいかなる意味を持っているか。
颯姫には分からなかった。
……あるいは、故意に、気付かぬようにしたのかもしれない。
日常、彼の傍らに即かず離れず存在する女性の事を、他ならぬ颯姫は知っているのだから。その思考が彼女に仇することになると、颯姫という少女らしい感性で、そう判断したのかもしれない。
せめてもの逃げ道を、塞がれぬように。
類を変えた感覚は、凍り付いた身体に微熱をもたらした。
ゆっくりと、露わになってゆく自身を感じながら。
月夜に映えた自分たちの姿を瞼に視て。
颯姫は、そんな、やや荒々しい蒼衣の抱擁に身を任せた……。
こうして。
立ち止まっていた事態は、ようやく時に寄り添って歩み出した。
二人の間には歪な、けれど健全な熱が芽生え。舞台にはささやかながら汗と唾液に次ぐ第三の水音が加わった。
微か立ち昇り始めた淫臭が、うっすらと、二人の精神を酔わせてゆく。
青年も、颯姫の反応が明らかに変わってきたことに気付いたのだろう。
「颯姫ちゃん……っ」
名を呼んで、今まではどこか探り探り動かしていた手を自信ありげなものに変化させ、より積極的に遣わせた。既に触れていない所など皆無に近い颯姫の、これまでの反応から最も効率良いと睨んだ場所を、重点的に責め立てる。
「ふぁ……あ、ぃさ………ん」
目を閉じた颯姫は、脇を、胸を、うなじを強く求める蒼衣に応じて嬌声を。その名を噛みしめ、飲み込む。
開け放たれた身体は与えられる快感を享受し、湿り気を増してゆく。
そして昂ぶり始めた感情が、描く光景をより強固なものに変えて、颯姫に更なる高みを約束する……。
今までつかえていたことが嘘だったかのように、段階を駆け上がる二人。
それは当人達にとっても歓迎すべき事であり、とりわけ颯姫とっては、責任や感情などの理由から心身に甚大な負担が掛かっていた先刻までの状態を抜け出せたことは、心の底からの安堵に値することだった。
自分が役目を承諾した時の、仲間達の表情。
不安と怒りと悲しみと、何よりも大きく向けられたこの身への心痛の視線。恐らく自分には全て窺い知ることなど出来ぬだろう複雑な感情。けれど、こんな自分が人としてこれほど皆に愛されていたのだと、涙が出るほどに確信できた想い達。
そんな彼らを、それでも力強い笑みでなだめて選択したのがこの使命なのだ。
失敗して、ほらと笑われるならまだ良い。けれど、役目一つ果たせない騎士と失望され、見放されるのは怖い。
そして、それら以上にもっと……そんな皆と引き離されることが、何よりも怖かった。それはもうどうしようもなく、身が震え、歯が鳴るほどに。
元はといえば現在のこの場を受け入れた理由にさえ、それは少なからず関係していたのだから。
颯姫の所属するロッジの長である神狩屋は、今の颯姫の親代わりとも言える存在ではあるが、実の所、颯姫の『所有権』という意味でのそれは、神狩屋個人あるいはロッジにさえもない。
確かに颯姫は神狩屋ロッジに身を置いてはいるが、それはいわゆる派遣のような関係であった。
つまり、『颯姫の真の所有者』はその大本に当たる騎士団日本支部なのである(ちなみにそういうからには当然、血筋的に両親や親族に当たる人物にもそれはない)。
ならば、欠陥を抱えた騎士に対して騎士団がどう出るか……。『預けてある』騎士を呼び戻し、その欠陥箇所を修正しようとする可能性は……。
少なくとも颯姫にとってそれは、重みに置いても可能性に置いても杞憂と笑い飛ばすことなど出来ぬ想像であった。
だからこそ、颯姫は応じられない自身にあれほど焦り、緊張し、狼狽えた。半ば強制のような役割ではあっても、失敗するという事実までは、颯姫とて最初から想定していた訳ではなかったのだ。
とまれ。
こうして状況は峠を越え、またその杖たる方法も、やや後ろめたくはあるが得た。
背中に突きつけられていた恐るべき未来も、今はどこか遠く感じられそうだと、颯姫は思う。
…………。
颯姫の安堵をなぞるように。
儀式はこのまま、ひとまず問題なく達成されるかに思われた。
……あるいは本当に、それは些細な行き違いの結果であったのかもしれない。
颯姫には既に、心の準備が出来ていた。
この日を迎えるまでの一月あまりで、行為に関しての内容を可能な限りは蓄えてきたし、当然、絶対に避けては通れぬその一手間に対しても、十分知識は深めてきたつもりだった。
その際発生するらしい痛みも、騎士としてこれまで痛みと無縁で生きてきた訳ではない自身が、おおよその女性が通り過ぎるのであろう程度の痛みに耐えられぬはずがないと思っていた。
だから、これまでの営みの延長直線上にそれがあったならば……儀式は、少なくともそこまでは、間違いなく終わっていたのだろう。
その余分な歯車は、彼の嗜好によるものか、それとも神が芽生えさせた悪戯心だったのか……。
白く小さな背をシーツに埋もれさせた颯姫と、今や重なるかのようにまぐわう青年。
互いの身体は様々な体液にまみれ、抱き留めるシーツに大きなシミを描いている。
行為の激しさを証明するように二人の呼気は獣のように荒れ、空疎たる部屋の様相を埋め尽くす。
余人が見ても明らかな、酣へ及ばんとする最後の頃。
未来を狂わす小さな歯車が、
「颯姫ちゃん」
今まさに、彼の言葉により埋め込まれようとしていた。
「っ、……?」
似通わぬ青年の声に一瞬身を固くした颯姫は、しかし呼びかけに応えて、そちらへ面差しを向ける。
それを待ち受けていたかのように、その感触は唇にやってきた。
「っ!」
突然のことに再び身構えかけた颯姫は、しかしすぐさま、自分がさほど驚いていないことに気付く。
どうやらかつての一度で、少しは慣れることが出来たようだ……と颯姫は知らず安堵を浮かべた。
……だがその安堵は次の瞬間、大きな衝撃と共に否定されることになる。
―――ずるり。
それはそんな音を錯覚させて、安堵によって僅か弛緩した颯姫の内側へ。
繋がったままである唇をこじ開けて、その奥へと進入してきた。
「―――!?」
いきなり舌と歯茎を蹂躙されるという生まれて初めての感触に、颯姫は今度こそ声も上げられず硬直する。少なくとも今の自分の記憶には存在しない、あまりに異質なその温もり。
深く差し込まれたそれが、相手の舌なのだと理解するのに、颯姫は優に数秒を必要とした。
だが、その実。
「っっっ!!」
塞がれた唇にかき消された絶叫を上げさせた……真に颯姫を驚かせ、打ちのめしたものは。
衝撃で見開かれてしまった瞳に突きつけられた―――。
「んっ……やっ…ぅあ……っ」
ろくに否定の言葉も告げられぬまま舌の攻撃を受ける颯姫。
ジュルジュルと下品な音を響かせて我が物顔で貪るように這い回る、弾力に富み生暖かいそのぬめりの固まりは、気持ち良さや心地良さとは一切無縁であった。むしろ、おぞましさのみを颯姫に強いて、その肌を一斉に粟立たせた。
むろん颯姫は受け入れたのではない。……だが、無視など出来ぬ強い抵抗に全身を縛り上げられた颯姫は、嬲られるだけの口内をただただ許すしかなかったのだ。
結果的にその行為は、颯姫の幻想を打ち砕き、更には颯姫の中に決定的な嫌悪感をも芽生えさせることになってしまった。
同時にそれは、颯姫の命運をも。
ようやく長かったその時間が終わり、颯姫は亡失のまま、ただ解放されたという安らぎを抱く。
それは、心構えも無いままにいきなり人生初のディープキスを強いられた少女として、至り真っ当な逃避ではあった。
しかし。当然に。
今が行為の最中であるという事実は、颯姫にあまりその気休めの時間を与えてくれなかった。
「……それじゃ、颯姫ちゃん。いくよ」
未だ口腔内の違和感も解けぬ内、呼びかける青年の声。どうやら彼にとって今し方の口付けは、前戯の締め括りに位置付けられていたらしい。颯姫の両膝に手を掛ける青年のそこは既に存分な活力を蓄え、放出の時を今か今かと待ち望むかのようだ。
……だが。
「ま、待って下さいっ」
その言葉の意味を理解しながら……いや、理解するが故に、颯姫は制止の言葉を返す。
なぜなら、もはや颯姫にとってそこからの行為は、ただひたすら恐ろしいものでしかなかったからだ。
それも、今までのような決意と想像を盾にやり過ごせるような生半可なものではなく、それら根底の意志をもってしてもなお許容することの出来ぬ恐怖。朧気ながらも覚えているいくつかの泡禍による体験とはまた別種の、致命的ではないが抗い難く受け入れ難い恐怖。
使命を念じても嫌悪を伴う怖気が、目を閉じても先ほど至近で見た顔が、こびりつき離れない。
「待って……て、何故?」
「……こ…心の準備が、まだ……」
呆気にとられ、興が削がれたように問い返す青年に、颯姫はそうと答えるしかない。詳細の理由を彼に伝えることなど論外だと、それくらいは颯姫にも分かっていた。けれど同時に、その答えが充分な理由たり得るはずがないことも、自覚していた。だからこそ。
「心の準備……?」
「……」
今更?とその心情を視線で雄弁に表し、彼が再び確認のように問うたその言葉にも、沈黙を用いるほか無かったのだ。
「……颯姫ちゃん」
答えが無いことにやや困惑し、それから一度小さく溜め息を吐いた青年は。
「颯姫ちゃんは、ちょっと怖がりすぎ。こんなこと、男の僕が言う事じゃないことは分かってるけど……案外、やってみたら大したことなかったって思えるかもしれないよ?」
なだめるように颯姫と視線を通わせて、ややぎこちない笑みと共にそう口にする。……それさえも今の颯姫には恐怖になるなどと、想像できるはずもなく。
「…………っ」
颯姫は、押し寄せる恐怖と葛藤の狭間で戦っていた。
口を突きそうになる中断の言葉を、より強いはずの恐怖で辛うじて飲み込んでいた。出来ることならば、もう口に出してしまいたかった。やめると。少なくとも今日は出来ない、と。
それを押しとどめているものはただただ今のロッジに居られなくなるかもしれないという恐怖だけだ。自身の確たる一つと思っていた使命に対する想いさえ、今はもう無力だった。
とても怖いもの以上にもっと怖いもの―――そんな危ういバランスの上で、どうにか颯姫はここにいる意思を保てているに過ぎなかった。
裏を返すならば、もうそこまで颯姫の心は挫けていると言ってもよかった。先刻颯姫が口にした『まだ』という言葉。だが……それがいつ達成されるのか、そもそもその可能性自体……颯姫自身、まるで信用できていないのだから。
一向に色好い反応を見せない颯姫に対して、青年の方も段々と焦れてきたのだろう。
「……とにかくやってみよう? 痛かったら、言ってくれれば一旦やめるからさ」
やや強引にそう言い聞かせると、改めて颯姫の両脚を押し開きにかかる。決して太いとは言えぬ腕が、しかし到底颯姫には反抗できぬ力をもって、強制的に準備を進めてゆく。
「やっ! ま、まって。やめて下さい!」
それら行動一つ々々に恐怖を刻まれ、颯姫は叫ぶように言って身を捩る。
理由を明かさぬ以上、彼に非がないことは分かっているが、彼の言葉や行動は的外れなのだ。颯姫の恐怖は断じて痛みなどではない。むしろもっと心因的な恐怖。
『とりあえず行う』ことそれ自体が、とてつもなく恐ろしいものになってしまっているのだから。
「颯姫ちゃん! ここでやめてもどうしようもないだろ!? 怖いのは分かるけど、大丈夫だから……!」
語気強く主張する声、苛立ちを覗かせる表情、抵抗を歯牙にも掛けず身体を押さえ体位を整える腕、彼の股間でグロテスクに拳を突き上げるそれ―――悉くの恐怖を振りまいて、青年が。
「や、やっ、いやです! お願いしますっ、やめ……!!」
いよいよ自身の制止をはね除け無理矢理にコトを為そうとしだした青年に、颯姫ももはや本気で抵抗し始める。そぶりとして以上に、持てる力を全て動員して青年の腕から、組み敷かれた身体の下から脱しようと藻掻く。
それでも。
「……くっ!」
やはり男女間、それも非力な少女に過ぎぬ颯姫と、男性でしかも年上たる青年との間に横たわる筋力差は絶望的だった。青年から逃れることは愚か、彼の行動を妨げることすら颯姫の細腕には難しい。
じりじりと、颯姫の守るべき場所が彼の手によって暴かれてゆく。
「あっ、あっ……!」
そしてついに……抵抗空しくその身をこじ開けられ、いきり立つ彼の槍に狙われるに至って。
「ぃや、っ、っっ、ぁ……あ―――」
「―――蒼衣さんっっ!!!」
とうとう、颯姫の恐怖は限界を迎えた。
「蒼衣さんっ、蒼衣さん……!」
呼ばぬよう努めていた名を、堪えきれなくなることを恐れたその名を、口にする。
「蒼衣さん! 蒼衣さんっ、蒼衣さん!!」
憚るような余裕など無い。ただひたすらに、喉が引き裂かれても構わないとばかりにその青年の名前を叫ぶ。
そこにもう使命に燃える騎士の姿はなく、ただ陵辱に晒され慟哭を上げる少女の姿だけがあった。
果たして、そんな哀しい少女の願い声は。
しかし。
「っ、あ〜もうっ―――」
「―――うっせぇぇんだよっオマエ!!」
吐き付けられた怒声と、襲い来る掌によって、無情にもかき消された……。
注:ここから先、陵辱物が苦手な方、愛するキャラが傷つけられる話は絶対に許せないという方(そしてそれをスルー出来ない方)は、読まない事推奨。
「ぇ…………?」
「ったく。せっかくこっちが最初くらいは優しく抱いてやろうと思ってるってのに、いちいち手間掛けさせんな、このっ。面倒臭ぇ」
「! きゃっ!?」
何が起きたのかと呆然とする暇さえ与えず、態度を豹変させた青年は続けて掌を振るう。
「……大体さぁ、こんな時に他のヤツの名前呼ぶとか、何考えてるわけ? アオイさん? はぁ? 誰だよそれ、知らねーし」
「痛っ!! ……うっ!」
泡禍からの危機は記憶にさえいくつかあっても、人から暴力を受けるなどという経験は持ち合わせていない颯姫は、突然態度を変えた青年と頬を打ち付けられるその痛みに、驚き身を縮こまらせる事しかできない。
逃げなければとさえ思い至れず、ただ少しでも痛みを遠ざけようと顔を背け、腕で庇うだけだ。
……むろん、そんな方法では防ぐことなど出来るはずもない。
「ああ、じゃあアレか? もしかして途中からずっと目ぇ閉じてたのは、ソイツに抱かれてるとか思い込む為か? へぇぇ……っ―――ざけんなっ!」
「ひっ、ぁぐ!!」
腕の隙間を縫って露出した顔を狙う甲と平が、颯姫を容赦なく打ちのめしてゆく。
全力ではないにしても成人男性それなりの力を込められた腕は、人体の中で敏感な部位に当たる顔面にとって、とても惨いものだ。女性の、それもまだうら若き少女のそこへ振るわれるべき物では断じてない。
「道理で急に従順になったわけだ。……はっ、舐めんなよ糞が!」
「ごめ、あぅっ……!」
「ふん、許すわけねーだろ? あぁ?」
しかし、男性の手には、それら配慮が一切見受けられなかった。自分の苛立ちを存分にそこで晴らさんと、ただそんな利己的な衝動が表れているのみ。
そして少女にとって不幸なことに、この場にはその非道を諫め止めるような余人は存在せず。
暗く、広大な牢獄と化した部屋には。暫し。
憤りの声と、散発的な打撃音。
そして悲哀にまみれた少女の泣き声が木霊し続けた……。
「だっりぃ……思いっ切り白けさせてんじゃねぇよ、この馬鹿が」
ひとしきり颯姫を殴打した後、青年は眼下、啜り泣く少女へ吐き捨てるようにそう言った。
「……っ、……っ」
颯姫は未だ身を守る姿勢のまま、押し殺した声を上げるしかなかった。反抗心の芽を根こそぎ摘まれ、代わりに過剰な恐怖を植え付けられた少女の心には、今更何かを出来るような気力は残っていなかったのだ。
顔を中心に蝕む熱のような痛みにただ堪える。暗がりでなければより鮮明に見えたに違いない紅く腫れた腕と頬、そして衝撃で切ったのだろう唇の傷が、行われた行為の痛ましさを如実に語っていた。
「ふぅ……もういいよ。こっちで好きにやらせてもらうからさ」
そんな常人なら目を背けたくなるような少女の姿に、しかしそれを強いた青年はやはり特段の感慨も見せぬまま、それどころかより追い詰めるがごとく、颯姫の両足首を取った。そのまま力の通わぬ脚を、先ほど果たせなかった動きをなぞるように持ち上げ、押し倒してゆく。
「!? やっ……!」
「チッ、おとなしくしてろっ!!」
動きに気付いた颯姫の微かな抵抗さえをも暴力で叩き潰し、手の位置を膝裏へ、抵抗の無くなったそれを一気にシーツへと押しつけた。
そして。
愛も、情緒も、労りも、優しさも、躊躇いも、憐憫も、罪悪感も、義務感も、前置きも、手加減も、感慨さえもないままに、ひと息にそこへ―――
ブチリ。
―――腰を落とした。
「ぃああああああああぁぁぁぁっっ!!!」
脳を直接貫くような絶叫が、颯姫の口よりほとばしる。暴れる残響が窓を揺らし、その側、覗き見していた夜鳥を飛ばす。
そしてあまりにも悲痛なその声が去った後には、似ても似つかぬ別の音が。水越しに手を叩くかのような、軽い連打音。
「ははっ、最初からこうしておくんだった」
大音量を真正面に受けた青年が、鼓膜の痺れに顔をしかめながらも、それすら好ましいとばかりに醜く笑い、淫らな水音を量産する。
「いっ、ぁ、あっ、あっ」
破瓜の傷を気遣いなく掻き毟られる痛みに、喉を断続的に震わせる少女。
それを見下ろし、今や悠然と腰を振るう青年の目には、接触がもたらした以外の……嗜虐的な快感が垣間見えた。
そして青年は浮かぶその禍々しい光を裏切ることなく、焦点の定まらぬ少女の瞳を捉えながら、今し方得た感触と自身の武器に絡む特有の水気から絶対の確信を持って、告げる。
「あー、残念だったな。そのアオイとやらに『初めて』をあげられなくてよ」
「―――!」
ありったけの嘲りを込めて、青年は吐き掛ける。少女の覚束ない恋心をわざわざ育ててから抉り抜く為に、どうすることも出来ぬ諦めの檻に心底の無念を誘い出す為に。
全ては―――。
―――理解し、見開かれたその瞳の中の絶望と、そこからとめどなく溢れはじめた透明な血液の輝きを観んが為に。
「くくくく……、あっはははははは!」
望む通りの結果が得られたことで感極まったかのように、青年が狂笑を漏らして腰のスピードを引き上げる。
引き出された颯姫の声には、破られた身体の呻きともうひとつ、それまでにはなかった心の嘆きが加わっていた。
「なに泣いてんだよ?」
それら短く上がる悲鳴を美味しそうに耳におさめて、再び青年は口を開く。まだ満腹ではないと、不足する分までもを貪欲に求めるように。
手負いとなった少女の心を、飽くなき害意がいたぶりあげる。
「どうせ無駄だろ? だってオマエ、すぐ忘れちまうんだからさ。っふふふふははは」
「っ………、……っ……」
シーツに広がる血だまりは、切り開かれた傷の大きさを表すように、広く深く。
寂寥たる部屋に横たわる重々しい暗闇と、戦慄き零れる小さな哀咽。
軽薄な笑い声と肉同士を打ち付ける乾いた音だけが、酷く場違いに浮いていた。
―――どうしてこうなったのだろう。
なすがままに突かれる颯姫は、慈悲無い現実に問いかける。何が間違っていたのかと。
ただ悲しく。辛く。悔しく。虚しかった。
自分が、もはや元の自分でないことも、淡く描いていた夢の日々がもう二度と望めないものになってしまったことも。
いつかはけじめを付けられるだろうとは思っていたけれど、その時は大好きな二人に笑顔でおめでとうございますと言うのだと、今回のことを引き受けると決める時にはうっすらと覚悟を済ませていたつもりだったけれど。
……それが、こんな形で塗り潰されてしまったことがひたすらに悲しかった。
何故自分がこんな目に遭わなければならないのか。無理矢理にねじ伏せられ身体を押し開かれて、好きに弄ばれ。
この身と心を傷つけられることが、その痛みを強いられることが、堪らなく辛かった。
良いように扱われ抵抗できない自分の無力さも、自身を踏みにじるそんな存在の言葉通りになってしまうのだろう自分の記憶の曖昧さも。
きっと自分は、この事を未来の自分に残せない。このあまりに理不尽な体験を、あのメモに記すことはしないだろう。皆の為にも、何より自分の為にも。
だから自分は、悲しみから逃れることを選んだ自分は、一緒に彼の罪も忘れてしまうのだ。まさにもう既に思い出せなくなっている、今こうして自身を貫く青年の名のように……。
それが何より悔しかった。
そして、今まで自分が胸に育ててきた使命の、その本当の姿に深く失望した。
騎士としての使命感ではない、もちろん泡禍への復讐心でもない。ただ生まれた時からそれが自分にとって当たり前の生活であっただけ。
けれどそんな騎士の活動にも、そこばくの誇りは抱いていたのだ。表の日常を謳歌する人々の、そして仲間たる騎士達の助けとなるのならと。その想いの延長に、その使命はあった。
次なる『自分』を、次なる一石足らん者を……確かに辛いこともあるけれど、生まれ、誰かに出逢うことは、きっと幸せなことだからと。
そう思っていたというのに……。
これが……こんなものが、血脈としての使命だというのか……?
ただ欲望のはけ口のような、騎士は愚か一個人とすら認められずまるで道具がごときこんな扱いを受けて……身も心も蹂躙し尽くされるこんな行為が、本当に尊き儀式だと言えるのか?
颯姫は問わずにはいられなかった。
「……まぁ、だからこそこんな事も出来るんだけどな。じぃちゃんからも食害(オマエ)相手なら好きにして良いって言われてるし」
体位を変え、後ろから突き上げてくる青年のそんな言葉。身体に付けられた裂傷はようやく少しずつ和らいできたけれど、青年の言動はそれぞれに、颯姫の心を締め付ける。
形にされた歪んだ正当性は、その姿そのままに鋭く、颯姫を傷つけた。まるで何もかもはこの為なのだと、血脈も、自身の断章も、これまでの日々さえ、こんな事の為なのだと明かされているようだった。
「あのめちゃくちゃ綺麗な女の方じゃなかったのは残念だが、この際贅沢は言えねぇからな」
酷薄に口端をつり上げているのだろうと容易に分かる口調が、大切な仲間までをも貶めて、背中の上を滑ってゆく。
「っあぐ……!?」
「くくっ、だから精々楽しませてくれよ?」
突如鼓動を力任せに握られ浮かんだ颯姫の苦痛を、舐めるように観察し、耳元で笑うように囁く青年。
深さを増した挿入が蕾の根を乱暴に擦り上げ、未熟な感覚に痛みを流す。
音と衝撃と痛みの速度がまた一段、跳ね上がった。リズム感も無視した、およそ本人にとってのみ都合の良い間隔で腰を打ち付け始める。
やがて。
「ふっ……!!」
上り詰めるように激しさを増していたピストン運動は、青年の呻きのような吐息によって終わりを迎えた。
身体深く食い込む異物が肥大化し、下腹部へドロリと微かな異物感を吐き出す。ドク、ドク……と脈動ごとに恐らく二度三度。
痛いほどに掴まれた腰元を、荒さの滲む溜め息が撫で、それを合図としたように身体に通う彼の存在が、散々に自身を侵し害したその肉質がゆっくりと引き抜かれた。
こうして……その意思を押さえつけ、その誇りを汚し、その心を引き裂いた……颯姫にとってあまりにもおぞましいその儀式は、ようやく終わりを告げた。
「……っ」
やっと許された放心に身を横たえたまま、颯姫は遠くそびえる天井を眺めた。大きな喪失感に僅かばかりの安堵感を溶かしたような気怠さの中、涙の跡が強く残った頬を向けたそこに、これまでの日々とこれからの日々を描く。
仲間との日々。もはや本当の自分として在ることは出来ぬ日々、けれどもはや絶対に自分には捨て去ること出来ぬ日々。
またあの中で笑う為に、皆に笑顔を浮かべ続けてもらう為に、颯姫はこの事を忘れなければならない。もし訊ねられたとしても、コンナコトは忘れてしまったのだと、いつものように困った笑みで誤魔化してしまえばいい。皆を、自分を……過去さえも。
だから後はただ、自身に掛けられたこの忌まわしい役目を全うするだけ。きっとそれはそれで、今の自分には想像も出来ぬ困難が待っているのだろうけれど、尊厳を踏みにじられるような日々とは違うはずだから。
……と、そこに影が。
仄暗い天井との距離を遮蔽する闇のような人型が。
「……?」
また何かするのかと半ば怯え、まだ何かあるのかと半ば辟易しながら、颯姫はその影―――こちらを覆うように見下ろす青年の顔に視線を移し。
「―――っ!」
そしてその表情を見て、自分が酷く楽観的な勘違いをしていたのだと思い知る。何故ならそこに浮かんでいたのは、事後の達成感でもなければ脱力でもなく、
「おい。なぁに勝手に終わったつもりになってんだよ」
ニタリと颯姫の安堵を嘲笑する、残虐的なまでの期待と快楽であったからだ。
「ひっ―――」
過去となったはずだった悪夢のような時間が脳裏に甦り、知らず、掠れた悲鳴が漏れる。一度逃れられたと思ってしまったが故に、その恐怖はことさら大きかった。全身を苛む恐怖が、颯姫の身体をおこりに罹ったかのように震わせる。
「まだたったの一回だろ? せっかくの玩具なんだ、まだまだ遊ぶに決まってんじゃねーか。くく……」
二度ですらないという落胆を与えながら、青年が肩を小刻みに揺らす。煽るように、深めるように、カタカタと。
「ははっ、でもまぁ……安心しろ」
やがて青年は笑みを変え、颯姫を突き落とす最後の言葉を。
聞き逃させぬよう、下顎を指で持ち上げて。獲物をひねくる猫のごとき好色を湛えた瞳越しに。
放つ。
―――オマエが『全部忘れる』まで、帰さねぇからよ。
そう、颯姫の根源的な恐怖である単語を用いて彼は言った。
選択さえも与えられず、強いられる。忘れるという意思をも許されず、彼が事情によってのみこの身を支配される。真実ただ道具として、この身をくまなく利用されて。
オマエが帰れるのはそれからなのだと。
「それじゃあとりあえず、汚れちまった俺のを―――」
絶望の遙か、新たな地獄の開始を宣告する指示。手始めにと行われたそんな信じられない要求に、しかし自分が逆らえないことにより深く絶望して……。
颯姫は力尽きたように首を折る。
果たして、皆の元へ戻る自分は『自分』のままでいられるだろうか。彼らの名を、存在を、過ごした日々を、ちゃんとそらんじることが出来るだろうか……。
彼の言う『全て』にどこまでが含まれるのか分からない。けれど―――蒼衣に、雪乃に、神狩屋に名を呼ばれ……見知らぬ者に対する視線を返す自分―――その想像は何より怖く、それが現実となることは何よりも恐ろしかった。
「蒼衣さん……っ」
顔を覆う両手の隙間から、颯姫のそんな、ありったけの哀しみと限りのない無念を詰め込んだ一滴の声と涙がこぼれ落ちる。
それは、だが、少女を囲む永く暗い夜の中に儚く溶けて。
誰に受け取られることもなく。
ただ静かに消えていった……。
――― BAD END ―――
つまり。あなたが彼女を幸せにしなければ、颯姫たんはずっとこの場所で不幸になったままなのですよ〜―――というおねだり投下。
てか、うん、すまん。やり過ぎた。テヘッ
でもコレでも大分マシ、というか本当はもっとエグイ話になるはずだったんだ。それこそ最初は画面越しにキノコ狩りできるくらい徹底的にやっちゃうつもりだった。
言葉責めも「男の方が綺麗とか笑えねぇなw」とか、「どうせあいつ(蒼衣)も今頃あの女(雪乃)とよろしくヤッてるんだろうぜ」とか、
定番の「汚れちまったオマエが今更どんなツラして云々かんぬん」とか、「オマエの母親や姉も美味かった」的なものとか、まぁ色々考えてたんだけど…………正直、先に心が折れちまったorz
おかげで作中の外道がすげえ早漏野郎になっちまったわけだが。
そんな訳で、もしこの話を読んで本気で気分が悪くなった人がいたら、真面目に謝る。ほんとにごめんなさい。(俺だってもし他の人が『えぐえぐ啜り泣きながら犯し抜かれる颯姫たん』とか投下してきたら、怒りで股間がどうにかなっちまうと思うしな)
それから同様にこの話に怒りを感じた人は、ぜひその思いを筆なりキーなりに託して颯姫たんを幸せにしてあげて欲しい。その為の悪となれたなら俺も本望だ。
>>259 ということで今でもマジ期待している。まだ気力が残っているなら頼む。
子作りわっふるわっふる!ヽ(゜▽、゜)ノ
>>308 おねだりにここまで労力を費やすのは多分君だけだw
面白かったよ。抜いたり萌えたりはできないけど
しかしそこまで書いたなら普通に蒼衣との子作り書けばいいのに、なぜそっちに行くんだw
陵辱好きには結構たまらないけどなwww
しかし俺はあと何回書き直せば良いんだろう。マイナーCP宣言してから数ヶ月、何回直しただろうか。
昨日と言い、再び削除したし。この泡禍はもう諦めようか。
ありがとう、そう言ってもらえると助かる。投下するかどうかは本当に悩んだんで(気をつかっただけなんて可能性は知らない)。
俺自身が不幸フェチなせいか、何故か浮かんだ話の大半、主役か相手かわいそうなものになってしまう。
とはいえやっちまった自覚はあるんで、もしどうしても
>>259氏やその他職人さま方による救済が無いようなら、口直しのほのぼのものでも考えてみようかと思っている。
一度でいかにエロものに向いてないか思い知ったから、書いたとしても非エロになるが。
>>309 他の人のそのシチュ作品が読みたかったんだ。自分のやつはもう固まってるからさw
ただ正直文字数に関しては予想外。もっとちゃんと胸を張って作品と言えるような話に費やせば良かったと後悔気味。
>>310 あきらめたらそこで試合終了だよ!
保守
最近は保守職人さまも来ませんな
それなら
>>236の副産物でも貼ってみる
,...
_,rヘr'彡;=`}.. ,, _,
,r‐-〈ソ>'´ `,ヘミ゙`ヽ、
,r'´`_フ´ / i ! iヽ、ヽ
{;/´〉{: . / / ' / ! /|,リハヽ}
ド三彡: : : i i/ / / ///,r;'ノl/!
{;;| l l i、:. l l __/i_../_' ' 〈リ !//
ヽl l ヽ、ト、l 代じソ ヽ l'"
}ヽ l i !l ',`ゞ_> .,''''' '/
,};;}/ ! / ,r'´ _ 、._`¬",`ヽ、
!{;;} //,.イ `ヽ、` ´ _ ゙ヽ´ミ;
. ノ {;;}/ /,' i _ \; /`'/ /´'、
,' ,{;;} / l : `ヽ、 `く / /\ ヽ
! ( (' ノ ´,> 、 Y / ヽ、
. ),.)r '´ / ヽ.__,/
. ,r'´ /
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i: ヽ、 /
!:. ヽ,/ l
人:. ヽ、 ヽ
ヽ、 ヽ、 \
ヽ、 丶. \
ヽ、. \. \
ヽ、. 丶. ヽ
ヽ、 \ !
ヽ、 `v'
/ヽ }
,' / /
ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう
ちょwwwGJです!
スレ見てはいるんですね、安心しました
「神野さん」
「何事かね?」
「海は死にますか」
「そうだね。死ぬという意味合いなら―――」
「山は死にますか」
「えっと…」
「風はどうですか」
「それは…」
「空もそうですか」
「まぁ、そうだろうね」
「…さだまさしが最近、心にしみるの。だから携帯のソフトバンクに変えちゃった」
「何があったのかね」
「ううん、ただ…わたしだって…わたしだって女の子やねぇ〜ん!!」
「ほ、本当にどうしたのかね?」
「女の子ぉ! やぬぇぇぇ〜〜〜んっっっ!!」
「誰か! 誰か来てくれ! 夜闇の云々たるわたしにもこればかりはチンプンカンプンだぁ!」
保守
防人乙。正直最後のカオスがまったく理解できないw
それはそうと、ここ最近のここの過疎りっぷりは異常。どなたか何とかされたし!
>>318 来月は新刊とドラマCDのコンボだからそれまで耐え忍ぼうぜ!
供物(作品)をささげないから神様がスレ住民を神隠しに……
このままでは人が減る一方だ!
しかし神様はゲテモノが嫌いだという。
俺には無理なんで誰かシェフお願いします!
「というわけだ、小僧。料理するぞ。今日はヘルパーに、魔女と番犬を呼んだ」
「ヤッホー」
「何で俺が…」
「このメンバーで、出来るの?」
「それは知らないが、木村圭子と相談しながら作るとしよう」
「山の神様が好きそうなお供えかぁ…う〜ん」
「直感で作るしかねぇか…」
「…不安だなぁ」
1時間後
「まずは私から! ジャ〜ン! 魔女特製の八宝菜!」
「何で八宝菜」
「次は摩津方with木村圭子のCoCo壱番屋のカレー」
「お前らが作ったもんじゃないだろ」
「俺は野性的な勘でビーフステーキを作った」
「その勘まさしく勘違いだ」
「なら小僧。お前は何を作ったのだ?」
「俺あまり料理したことないからさ、ネギトロ丼しか作れなくて………」
『おっはー!』
「おぉ、山の神が喜んだ! 小僧、GJ!!」
「えっ、嘘!? ってか今のが山の神なの!? 山は山でも違うんじゃないか!?」
というわけで保守代わりに山の神が大好きなネギトロ丼を捧げる(嘘です
あんなしょうもないフリを拾って一筆執ってくれるなんてw
シェフ最高ですw
甲田作品における名物料理のシチューが来なくて心底ほっとしている
神様「もうシチューは古い!」
空目「と、言うと?」
神様「肝臓入りのオレンジジュース、腎臓混じりの甘口カレー、そして膵臓仕込みのペスカトーレ」
あやめ「虜の方ですか」
黄色いジュースはすっぱい胃液
緑のジュースは苦い胆汁
規制解除されたかどうかテスト保守
ふと思いついたものを無理して書いてみた
「ねぇ、あれって魔王様だよね?」
「へ?」
稜子の指差す方向を武巳が見ると、そこには確かに魔王陛下こと空目恭一の姿があった。
かなりの距離があるが、それでも年中黒づくめの格好をした空目はかなり目立つ。
「何してんだろ、こんな時間に」
武巳が呟く。
今はもう夕暮れ時。こんな時間まで残っているのは寮生か運動部員ぐらいだ。
武巳と稜子は前者で、空目はどちらでもなかった。
「あっちって旧校舎の方だよね?」
稜子は首をかしげる。
「旧校舎ってことは……魔女=H」
空目の歩いていく方向を見て武巳が言う。
それを聞いた稜子は目をくるくると輝かせる。
「魔女と魔王、黄昏時の邂逅。素敵だと思わない? 武巳クン」
「おいおい……」
武巳は少々呆れたものの否定はしなかった。
この学校を代表する奇人二人が出会うのだ、稜子とは違った意味で素敵だと思う。
「でもなんで箒なんて持ってるんだ?」
武巳は空目の持つ物を見て言った。
しかもそれは学校の掃除などで使う普通の箒ではなく、そう、例えるなら魔女が空を飛ぶ箒。
武巳はあんなものが買える場所を知らない。
「ほら、きっと二人で空を飛ぶんだよ」
稜子の答えに、武巳は今度こそ本当に呆れた。
一度、稜子の頭の中を見てみたい。きっと素敵な世界が広がっているのだろう。
「……ねぇ、あと尾けてみよっか」
武巳が勝手な想像を思い巡らせていると、不意に稜子が言った。
「……いい考えだね」
武巳に断る理由はない。むしろ望むところだった。
空目ファンクラブ会員による尾行が始まる。
旧校舎の池。
魔女¥\叶詠子はそこにいた。
「やぁ、久しぶりだね、影の人=v
やってきた空目に向かって詠子はにっこりと笑いかける。
対する空目はいつもの無表情。
「お久しぶりです、十叶先輩」
空目は軽く会釈する。
「うん、本当に久しぶりだねえ」
魔女と魔王の邂逅。
気味の悪いほど蓮の浮かんだ池も、この異様な雰囲気に包まれた光景に比べればかわいいものだった。
そしてその光景を文字通り草葉の陰から呑気に覗く武巳と稜子。
「うわぁ……なんかすげえ!」
「なんか幻想的だね……」
興奮する武巳とウットリとする稜子。
二人ともぼーっとした表情で空目と詠子の会話に耳を澄ませる。
「先輩、魔女は箒で自慰をするという話を知っていますか?」
「ううん、知らないよ。それで?」
空目の可笑しな質問に詠子は首を横に振る。
「あれって印象操作じゃなかったけ?」
「うん、多分……」
武巳と稜子は顔を見合わせ首をかしげる。
「そこで先輩。今から俺の前で箒を使い自慰をしてもらいたい」
いつも通り抑揚に乏しい声で言う空目に、二人は思わず吹きだした。
「さすが陛下! 俺達にできない事を平然とやってのけるッ。そこに痺れる! 憧れるゥ!」
「お、落ち着いて武巳クン! ていうか憧れないで!」
ガッツポーズをする武巳の腕を稜子が無理矢理引き下ろす。
「えーと、ジイってなに?」
空目に対する詠子の言葉に武巳は再び叫びそうになるが、それは稜子の手により未然に防がれた。
「自慰とは自分の性器を刺激し、性的快感を得る行為の事だ」
「んー、ようするにこれでこうすればいいの?」
詠子は空目の持参した箒を手に取ると、柄の先端を股の間に擦りつける。
「んっ……なんだか、変な感じがする……」
「それが正常な身体の反応です、十叶先輩」
空目はただ、無感動な目でそれを眺める。
対照に、武巳と稜子の二人は呆然とした目でそれを眺めていた。いや、目を離すことが出来なかった。まるで魔女の魔法に掛かったかのように。
「ふあ、ん……なんだか気持ちがいいよ影の人=c……」
初めて味わう快感に身を悶えさせ、頬を紅潮させた詠子が喘ぐ。
「あっ、んぁ、くぅ……はぁんっ!」
箒の柄を溢れ出た愛液が濡らす。
はぁ……はぁ……
と、詠子は吐息を漏らす。
「あぁっ、なにかくる………なにかがきちゃうよぉ」
とろんとした目で呟く詠子。
「大丈夫です」
空目は短く告げる。
「……先輩、イけ」
「ふあぁあぁぁぁぁぁああぁっ!」
空目が言うと同時に、詠子は果てる。
身体を、びくん、と震わせて、足から力が抜けたのか地面へと倒れこむ。
「なかなか興味深かった。先輩、その箒は差し上げます」
空目は相変わらずの無表情で詠子にそう告げると、踵を返してその場から立ち去る。
あとに残されたのは絶頂の余韻にひたる詠子と、呆然とする空目ファンクラブの二名だけだった。
昼休み。部室。
そこにいるのは武巳、俊也、亜紀の三名
食堂が空くまでの時間を文芸部員らしく読書という方法で潰している。
紙のめくる音しか聞こえないなか、武巳がふと呟く。
「陛下って自慰とかするのかな……」
「いっ、いきなり何を言い出すのよこの馬鹿者がぁっ!」
「うわっ、いきなりどうしたんだよ、木戸野」
顔を真っ赤にして怒鳴る亜紀に武巳は驚く。
「いや武巳、お前がいきなりどうしたんだ。少なくとも、女子のいる所でする話じゃないぞ」
「え? あ、そうか、悪ぃ」
謝る武巳に俊也は呆れ顔だ。
「そんなに気になるなら本人に聞いてみたらどうだ? 自論を展開してくれるかもしれないぞ」
「ははは……」
武巳は苦笑する。
昨日の光景から、無表情に語ってくれるのは想像に容易い。
「……恭の字はそんなことしない恭の字はそんなことしない恭の字はそんなことしない恭の字はそんなことしない恭の字はそんなことしない」
うわごとのように呟く亜紀はさわるのが怖いので無視する。
その数分後だった。
『空目に彼女ができた』というニュースと共に、稜子が部室に飛び込んできたのは。
神隠しの物語へ続……いていいのか?
魔女にそんなことさせた後あやめを口説きに行くなんてさすが陛下! 俺達に(ry
しかしね、Missingキャラは本当にエロに持って行くの難しいと思うんだ
陛下は性欲あるかはともかく、窓から家宅侵入できるかも怪しい体力が心配だし
異存在のあやめに関しちゃ涙は出るから分泌物的には問題ないだろうけど
処女膜破ったら異界送りじゃね?供犠にするなら非処女じゃなかろうし
エロい文章の一節も思い浮かばんくせにそんなとこばっか気になってしまう
気にしなけりゃいいんだろうけどさー
陛下www
ダメだ、もうこのスレのせいで文芸部=変態の構図がww
むしろ自慰すら知らない魔女を陛下が調教すれば幸せなエンディングなんじゃないか?
キャラ崩壊してるんだかしてないんだかよく分からない陛下が好きだw
二日続けて陛下の後を尾ける武巳と稜子マジパネェ
このスレの現在位置 761/769
エロパロ板の深淵に異界はあるのか
目指せ一番深い場所
神様に向かって突き進めとな?
深淵にはパラダイスが待ってるんだよ
…神の悪夢が結集した
だが
『おねがいマイメロディ』でエロパロ
に勝てる気がしない…
深淵に辿り着く前に泡となって浮かび上がるかも…
浮かび上がっても、このまま下がっても、このスレ的には正解だな
>>339 とか言ってたら下がっていたでござるの巻
落ちそうだなぁ<保守>
新刊出たらエロネタも出てくるだろうから落ちないで欲しい
そんな簡単に落ちることはない
むしろ深淵に近づいている
このスレの現在位置 760/764
凄いね
いつの間にか
つまり他のスレをageれば最深部ということさ
ここまで下がると不安でしょうがないな
今月は神の淫夢が浮かび上がりますように
保守
「白野くん」
特に何もない午後の黄昏。
雪乃は肘をついたまま全く動かない蒼衣に目を遣った。
あまりに暇とは言えどもかれこれ一時間近く一ミリメートルも動かないのはやや不安にもなる。
そうして声を掛けた。
「………」
だがいつもなら優しく声を返してくれるだろう少年は無言。
「…白野くん?」
胸の中に湧き上がる焦燥。
警戒しながら雪乃は蒼衣の傍に寄った。
「すー…すー…」
聞こえてくる安定した呼吸。
「寝てるだけか…」
今の自分を見たら、一体皆は何と言うだろうか。
雪乃は一人恥ずかしくなり顔を赤くした。
「まったく…こんなところで寝たら夏と言っても風邪引くわよ?」
雪乃はわざと刺々しい口調で独り呟くと、どこからかタオルケットを持ってきて蒼衣にかけた。
「ん…雪乃さ……」
「! …ただの寝言か」
「ほ…しゅ………」
「保守?」
雪乃は蒼衣の口元に耳を近付けた。
「ほんとうはしゅきです…雪乃さん………」
特に何もない午後の黄昏。
そこには顔を夕陽より赤くした雪乃と、何も知らずに幸せそうに眠り続ける蒼衣が居た。
無理やりすぎるwwww
だがよい。乙だ!
これが陛下とあやめなら
「ほぅ……見られながらの手淫がそんなに感じるのか………」
と、なるようなならないような
超GJ!
新刊フラゲ出来なかった俺の心が慰められたww
蒼衣×雪乃のエロを書ける職人を待つ。
やってみるか
「あの…」
特に何もない午後の昼休み。
あやめは肘をついたまま全く動かない空目に目を遣った。
本を広げたまま眠っているのだろう。空目の傍にいつも居るからこそ見慣れた一ミリメートルも動かない姿。
声を掛けても返事は来ない。あやめとしても、あくまでも確かめのつもりだった。
「すぅ…すぅ…」
返事が返らない事を確認すると、あやめはそっと空目に近づいた。
優しい寝顔。寝ている時だけ見られる意外な顔。
「…くすっ」
胸の中に湧き上がる愛しさ。
あやめは空目の寝顔をじっくりと見つめた。
「すぅ…すぅ…」
聞こえてくる安定した呼吸。
「…可愛いです」
今の自分を見たら、一体皆は何と言うだろうか。
あやめは一人、独占しているような気分を味わっていた。
「…このようなところで寝ていたら夏と言っても風邪引きますよ? 冷房効いてますし」
あやめはとてとてと小走りでタオルケットを持ってきて空目にかける。
そっとその黒い髪を撫でた。何の手入れもないのに、髪にダメージを与える事をしてない故に綺麗でサラサラとしている。
撫でた心地が良かった。思わず、夢中で撫でてしまう。
「ん…あやめ…」
ふと空目が言葉を漏らす。慌てて離れるあやめだが、一向に起きる気配は無い。
「あ…寝言ですか…」
「ほ…しゅ………」
「保守?」
あやめは空目の口元に耳を近付けた。
「ほぅ…見られながらの手淫がそんなに感じるのか………」
特に何もない午後の昼休み。
そこには羽織る臙脂のケープより顔を赤くしたあやめと、何も知らずに黙々と眠り続ける空目が居た。
その後、寝言が実行されたかは定かではない。
ハツカネズミが「ハハッ♪」と夢と魔法の国から来たので物語はおしまい。
お題「
>>352」
__ ,....-─-、
/::::::::::::::::::::ヽ、 /:::::::::::::::::::::::ヽ
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ヽ::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/ / ̄ ヽ/⌒ヽ:::::::::::::::::/
ヽ、:::::::::::::_/::::::::::::/ / ⌒ ヽ¬−'´
 ̄ /:::::::::::::::::l /⌒ヽ l:|
l::::::::::::::::::l .l l /⌒'l l:l
l::::::::::::::::::l l _ l l l l:l
l::;, -ー 、::l |l´::::l l レヽ l .l:l
/ ヽ l::::::ノ_/__ |:::::l,/ l::l
l _ /`フ::::: ̄`ヽ< ∠く
l  ̄| 〈:::::::::::......:::/ _ l
ヽ ヽ `ー-─ ´ ,/) ./
\ \、 / /
>. .、_、 ヽ.ー-....____/ /
ヽ: : : : :ヽ ヽ ̄ヽ丶//.イ
ヽ、: :__ヽ `ー- ´/: : : イ
l  ̄: : : : : 7フ 7: : :`´: :l
l: : : : : : / ̄  ̄ヽ: : : :/
ヽ ___/
>>355 空あやネタきた! これで勝つる! 実にGJだ
ここにまた新たな保守ネタシリーズが生まれてしまったな
しかし
>>356のハツカネズミは機関に処理されるんじゃないか?
新刊読んだけど多分ここでもネタバレは自重だよな……
>>356 お帰りくださいお願いします
バレはバレスレ以外ではNGじゃないか
現在位置
765/769
ここまで来たが……こっから下に行ける気がしねぇぜ
蒼衣は究極の隠れSだな。
愛する雪乃を愛するあまりからかったり神経逆撫でしたりたまらんわ。
エロパロのバレは大体発売日の24時だよ
まあ、そのネタでエロの話するんじゃないなら本スレへ行くのが良いと思う
乱入ごめん
昔Missingや断章の二次やってた者だけど
ふらふらしてたらここに辿りついてふと懐かしくなった。
Missingなら空目×亜紀
断章なら蒼衣×雪乃あたりが得意だったので(他カプもいくつかできるので要相談)
仕上がり遅くてもいいならリク受け付けるよ
なるべく詳細にシチュエーション指定してくれるとより助かる
>>362 職人さん蒼衣×雪乃お願いできますか?
珍しく強気の蒼衣が雪乃を押し倒してディープキスしながら濃厚Hするとかいう
シチュ希望です。無理だったら職人さんが自由に書いてください。
リク受け付けてくれてありがとうございます。いつまででも待ちます。
書き手も現れたみたいだし新刊ネタもきそうだし
このスレもそろそろ浮かび時かね
瑞姫は黄泉帰ったものの一人ではろくに食事もとれない、風呂にも入れないとなっていて
かいがいしく顔を真っ赤にしながら食事を口に運んでやったり風呂に入れて隅々まで洗ってやったりするハセオ
…ナニこの電波
ほんとそうなるといいね(^-^)
新刊の雪乃のシャワーシーンの後の挿絵があるとは思わなかった
あのときは全裸にタオルかぶった状態か
もう少し挿絵の範囲が広ければ…
, -─ ‐- 、
/ ヽ,
.,,r'⌒i、 ,i ◎ , へ. ◎.i, 8月10日、ハトの日
/ iヽ, ノ _,,/ \_ i,_,,....,,
、 _ / i 〉 `'‐=;、, ,r;=‐' i, ゙i, ←これはカラス
ヽ  ̄`´~| 'y' `゙'V'´ i,゙' i
ヽ ̄` ,.r'i, i /´ i, ,i
∠,'ブ'´ , | / / | , /;ii、 ヽ, /
ヾ-ー-'´'乂〉/ ,/ _,ノ ,イ' レy ' y、r゙Y
'´-' ' '´'´ '^ ' ' ' !
淡々とヤンデレる葬儀屋と可南子さん
>>363 362です。
こちらこそリクありがとうです。
できる限りご期待に添えるよう頑張るんで
長い目で待っててやってね。
>>370 >
>>363 > 362です。
> こちらこそリクありがとうです。
> できる限りご期待に添えるよう頑張るんで
> 長い目で待っててやってね。
ヤバイ送信ミスったw
自分も楽しみにしてるんで頑張ってくださいw
リカの絵を見て「神野が女だったらこんなんかな?」思ったんは俺だけではないはず
逆もやってみよう。
「雪乃さん」
特に何もない午後の黄昏。
蒼衣は肘をついたまま全く動かない雪乃に目を遣った。
恐らく日々に疲れて眠っているのだろうとは予想がついていた。
かれこれ一時間近く微動だにしていないのが証拠だ。
一応確かめる為に声を掛けた。
「………」
起きているのなら刺々しく声を返してくれるだろうが少女はただ無言だった。
「…よっ、と」
蒼衣は立ち上がるとタオルケットを取りにいった。颯姫も神狩屋も留守の今は蒼衣と雪乃、あとは夢見子しかいない。
リラックマの柄のタオルケットを手に戻り、それをそっと掛ける。
その際に寝顔を覗き込んだ。
「すぅ…すぅ…」
聞こえてくる寝息。顔はとても安らかだった。
「よく寝てる…良かった」
蒼衣は雪乃の頭を撫でる。さらりとした髪。撫で心地は良かった。
微笑みながらしばらく撫でていたが、やがて手を離した。
「雪乃さん…」
蒼衣がそう呟くと同時に雪乃の表情が歪む。
「し…らのく……」
「雪乃さん?」
「こわい…たすけて…しらのくん………」
蒼衣は雪乃の手を握って呟く。
「雪乃さん、僕はここに居ますよ」
すると雪乃の顔がまだ再び安らかな顔に戻っていった。
蒼衣は離れようと思ったがすぐに苦笑いして諦めた。
蒼衣の手を雪乃がしっかり握っていたからだ。
「ほ………しゅ………」
ふと雪乃が声を漏らす。
「ん?」
蒼衣は雪乃の口元に耳を近付けた。
「ほんとうは、しゅきなの…しらのくん………」
特に何もない午後の黄昏。
そこには顔を夕陽より赤くした蒼衣と、何も知らずに幸せそうに蒼衣の手を握りながら眠り続ける雪乃が居た。
362です
一応途中まで書いてみました
個人的な書きやすさのために二度目設定、ロストヴァージンの方がよかったらごめん
ご期待に少しでも添えていますように。
***
ずっと好きだった。
孤高の君をこの手の中に引き込んでしまいたかった。
だから、君をこうして、少しずつ溶かしてきた。
一度目は、いつもの台詞で返された。
二度目は、聞かなかった振りをされた。
そして、三度目。
好きだよ、と言った僕に、雪融けの君は頷いた。
そんな君に僕は穏やかに微笑んで、
君を奪った。
いつもの巡回のあと、二人は蒼衣の部屋にいた。
昨日のこの時間と同じように。
――――――汚れも、体温の記憶もない雪乃に、初めて自分を刻みつけたこの時間と。
…………傾きかけた陽が作る薄暗がりの中、お互いに一言も発しない。
「…………」
冷たい沈黙だった。
耐えかねて、蒼衣は口を開く。
「雪乃さん…ごめん」
「………」
答えはない。
「………怒ってる、よね………」
昨日の、こと。
すると、躊躇うように、雪乃の視線が彷徨った。
「………………私が、愚かだったのよ」
「え?」
思わず顔をあげると、雪乃は窓の外を見つめて、抑えるようにつぶやいた。
「あの時、私は人間に戻ってしまった。あなたの想いに応えたい、と………
………馬鹿ね、私、ただの女の子に戻った………戻れた気がしてた」
化け物になると自分で決めたことなのに、滑稽でしょう、と、その言葉にかすかな自虐の色が混じる。
「…………私は、もう戻れない」
雪乃はそう言って何かを堪えるように俯いた。
「普通の幸せなんて、諦めなきゃいけなかったの。このままじゃ、私は……………」
この温かさに、負けてしまう。
痛みと引き換えに得た刃を、失ってしまう。
「お願い、」
目を伏せ、かなしい程に美しい睫毛を震わせて、彼女は呟いた。
「私を、化物に戻して」
…………それは、あまりにも悲痛な懇願だった。
こめかみに銃口を押し当て、今にも自らの命を絶とうとしている人間が、
阻む相手に止めないでと叫ぶような、血の滲む言葉だった。
けれど――――――
引き金を、引かせる気はなかった。
「…………ごめん」
「…ぇ?」
次の瞬間、蒼衣は雪乃を抱き寄せ、その色のないくちびるを啄むように奪った。
「………っ!…ん、ぅ」
細腕の抵抗をよりきつい抱擁で封じ込め、もう片方の手で柔らかな黒髪ごと頭を支える。
「ん…………っ」
そのまま歯列を割って舌を絡めると、雪乃の身体が小さく震え、やがて力を失った。
「僕は、君をもう離せない」
息継ぎ代わりに囁いて、再び絡め吸う。
髪を束ねるリボンを解いて、その手で腰を引き寄せると、自然に上体が反れる。
――――――そして、怖くなるほど軽い音で、彼女はふわりとベッドに倒れた。
「君が化物に戻りたいと望んでも、」
もう、僕が戻せない。
えっと……ポエム?
>>378 ごめんよ
前述の通り元が二次の世界の人なもんで
続きはもうちっとましな文体になるよう頑張るわ
リクした363です。自分的には期待以上の出来でした。
文体も凄く綺麗で表現の仕方も美しく蒼衣の攻めっぷりも理想な感じだし
雪のんも切なくてすごくカワイイのでこのまま続けて欲しいです。
つまり何が言いたいかっていうと、超GJ!!
>>380 ありがとです。
そう言ってもらえると助かるよ
とりあえずここから本題頑張ります
なるべくポエマーな表現は控えるように気をつけるけど
嫌いな人はうまくスルーしてね
大丈夫な人はお付き合いよろしくです
「や、っ……白野くん、やめて……っ!」
組み敷かれた状態で、それでも雪乃は最後の抵抗に声を上げた。
それに耳を貸すことなく、蒼衣は彼女の着衣を次々に引き剥がしていく。
「やめないよ」
もう引き返せる地点はとっくに過ぎている。
たとえここで彼女を離したとしても、何一つ元には戻らない。
それならば、今全てを奪ってしまえばいい。
身体も心も、頑なすぎる気高さも全て。
「そんな言葉本当じゃないくせに……どうして嫌がるの?」
白い首筋に噛みついて、跡を残す。
「…っ、…や…ぁっ…」
それだけで声を上げる彼女に、彼は思わず微笑みを浮かべた。
愛おしく思うその心のままに、胸元に甘く吸い付く。
「あんっ!ぅん、…んっ、っぅ!」
耐えようとするかのようにきつく目を閉じた雪乃は、その刺激にシーツを両手できつく掴んでいた。
「…………可愛いよ、雪乃さん」
唇を離して、耳元でそっとささやいた。
かすかに開かれた涙目に、宥めるように髪を撫でる。
甘い雪乃の香りに包まれながら、全身で彼女を抱き締めた。
もう、それでしか想いを真っ直ぐに伝えられる方法はないと思ったから。
「…………もう、いいよ」
これ以上自分を痛めつけないで、と呟くと、彼女は再び目を閉じた。
応えるようにゆるゆると力が抜けていく。
静かに解けていく。
…………もう、いい。
固く握りしめられていた手が開かれ、たどたどしく蒼衣の背に回された。
それと同時に、再び蒼衣の唇が雪乃の肌に落とされる。
耳許に、頬に、首に、胸元に。
指先を全身を探るように這わせ、白い身体を少しずつ染めていく。
そして、長い愛撫の末、その指をしなやかな二脚の間に運んだ。
「…………っ!」
慣れないからだはたった一本差し入れただけだというのに大きく跳ねる。
絶え間ない嬌声に嗜虐心を煽られ、敢えて焦らすようにゆっくりと動かした。
呼応するように彼女も少しずつ慣れ始め、その指に吸いつく。
「っ、…ぁ、あっ…」
やがて淫音がこぼれ始めた。
ちょこちょこ千切れてごめんなさいです
時間がなくなってきてしまったので続きはちょっと待ってください
いい!(・∀・)続きに期待。
保守っとく。
続きまだー?
「…っ、ゃ…」
羞恥に身を捩じり、熱を帯びさせた頬に時折あやすようにくちづけ、
次第に速度をあげた。
「あっ…やっ…ぁっ…あっ!」
指を引くと、温かなものが零れおち、ひどく淫靡に肌をすべった。
「…溢れてるね。気持ちいい?」
「………っ、うるさい……」
殺すわよ、の前にもう一度指を差し入れる。
今度はもっと奥に、押し広げるように蠢かせて。
「っ、待って、っ………や、ぁんっ!」
無用な自尊心などすべて捨てさせてしまいたいから、容赦なく攻め立てる。
音が響くように、何度も内側で擦って、もっと濡れさせる。
ちゅ…くちゅ…
「ゃあっ、やっ…あっ、駄目っ!」
耐えきれず反った身体を抱き寄せて、とどめに甘い呼気とともに囁く。
「……欲しい?」
「…っ……馬鹿…っ…」
自分の口で強請らせてもよかったけれど、そう言って睨んだ目が愛おしすぎて、
零れた涙を舐めとりながら改めて体勢を整え、一度彼女の身体を離して準備した。
「手、回して」
抱き締めながら言うと、ぎゅっと握ったままの手で腕が回される。
それを確認し、腰を押さえて侵入を始める。
慣らすように、馴染ませるように擦りつけて、少しずつ。
「あっ…いっ…はあっ…っん…」
腕に力が入る。拳が強く握られ、爪が痛々しく白くなる。
「っ…手…開きなよ」
「…ゃ、っ駄目っ…」
「なんで、ほら…」
すると、切なげに眉を寄せ彼女は言った。
………爪、立てたら痛いから。
声にならない言葉で言われ、蒼衣は驚き―ー――その優しさに微笑んだ。
「………やっぱり君、化物としては失格だよ」
後ろ手に手を回し、指をからめて拳をほどく。
同時に一層おびただしく流れ出す蜜に濡れた奥に身を進める。
「……ぅっ!んぅっ!」
抵抗力を失った爪が、行き場なく背に刺さる。
けれどそれさえも快感に変わり、甘くしみた。
「ぁぁっ……んっ、あぁ………っ!」
勢いに乗せて最奥までたどり着くと、喘ぎ声が高く響く。
愛おしくて、愛おしくて、啼く唇を何度も塞ぐ。
「動く、よ?」
「………っ、んっ、」
押しつけられた熱い頬の頷きと吐息を感じて、ぐっと擦りつけるように動かした。
リズムが徐々に速くなり、雪乃の内部を叩く。
「あっ、ん 、あっ…、ぅん…っく、っ…! 」
彼女もまたリズムに揺られ、強く彼の身体にしがみついた。
包まれるような体温に安心して、竦んでいた身体がほどける。
溶解しそうな快感と、上り詰める感覚だけが全身を支配する。
「…っぁ……も、だめ……」
「っ……んっ、イこう…」
何度も激しく揺らされて、一番奥まで深く深く、強く貫かれて、
「ぃっ…くっ!あっ!ぁあぁっ…」
「……っ!」
ふわり、と身体が浮いた気がした。
・・・・・・・・・・・・・・・
「………」
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
横を見ると、雪乃もまた静かな寝息を立てていた。
何もかもが夢のように清らかに、人形のように静かに目を閉じたその頬にそっと触れると、
魔法が解けたように少し表情がくすぐったそうに変わった。
「…………」
そんな「ただの女の子」の顔に微笑みかけて、蒼衣はもう一度雪乃を抱き寄せてやわらかな髪に顔をうずめる。
甘い砂糖菓子の香りに、春の訪れのような風が吹いた。
ずいぶん遅れてすみませんでした
そして直らない文体ごめん…
さらにきれい目にしようとして温くなるという代物。
いろいろ問題アリですがとりあえずお目通しありがとうございました
供物超乙!
個人的には一回目以前の葛藤が好きなんだが、こういうほのぼのなのも良いね!
オマケで、この話に対する風乃んの反応小話とかないですか?w
363です!超ごちになりました!
綺麗な文章から蒼衣が雪乃の首筋に食いつくシーンや
雪乃が蒼衣の攻め立てに必死に耐える姿とか想像できて悶絶ものでした!!
蒼衣の背中に爪を立てようとしない雪のんが超絶可愛いです!
まさに理想の蒼衣と雪のんのssでした!ありがとうございました!
新刊の蒼衣がリオに対して格好良すぎて吹いたのは俺だけか
「―――あれ?」
颯姫がその事に気付いたのは、背後の自動ドアが心地よい冷房の吐息を遮った直後のことだった。
忘れてもすぐ目に付くよう、右手に握りしめられたメモ用紙。左手には今まさにそのメモに従い購入した食材や文具類が詰め込まれたビニール袋。
それは特段珍しいこともない、いつもの颯姫の買い物風景だ。
そして右手の内容と左手の内容を再度見比べて、間違いなく達成したことを確認するのもいつもの手順。
しかし。
用の尽きたメモをズボンのポケットへ、それから念のためにと遣いやった……その手が胸元で空を切る段になって、颯姫は一瞬何が起きたのか分からぬような顔で首を傾げた。
「……?」
あるはずがない感触、いや“有るはず”が“無い”感触を得て、戸惑うようにその場所を見下ろす颯姫。
そこには今朝自分が選び身に着けたのであろう小さく花柄の入ったシャツが、自身の慎ましやかな膨らみに押し上げられるように存在して―――それだけしかなかった。
「あれ?」
その光景をやはり暫し受け取り損ねてから、やがて颯姫はおずおずと右手を背へ、首元へと伸ばす。
だが、触れるのはやはりただ背の感触、首の感触だけだ。手に馴染んだビニールカバーの感触も、同じく触れ慣れた紐の感触もない。
「あれ……?」
三度目の、多分に緊張を孕んだ疑問を口にして、ようやく颯姫は自身に起こっている危機を自覚する。
つまり―――自身の記憶たる手帳が、この胸元に無いという―――その事実を。
★
「どうしよう……」
三十分後、神狩屋への帰路についている颯姫の口からは、重々しい消沈の溜め息が零れていた。
結局、自分が落としてしまったらしい手帳は見つからなかった。買い物をしたスーパーの中は全て辿ってみた。レジやサービスコーナーにも問い合わせてみた。しかしそれで手帳が戻ってくることは無く、そしてここまでの道にもやはりそれは無かった。
もう視界には神狩屋の店構えが映っている。当然そこまでの道も。目的の落下物が無いことは明白だ。
また一つ希望を断たれ、颯姫は再び陰鬱な吐息をついた。
どこで落としたのか、全く思い当たる節がない。
自分にとって余りにも当たり前の存在であるが故に、事細かにその存在を確認していなかった事が悔やまれた。
午前中神狩屋にいた時も、買い物への道中や買い物の最中でも、着けていたと言われればそういう気がしたし、逆に落とした後であったとしてもそうおかしいことだとは感じられなかった。
もとより今日は提げていなかったという可能性を一応は考えてみたが、今朝それを首に掛けたことだけは間違いなく覚えていた。
今日の全てを鮮明に思い出せる訳ではないから、例えば朝食を食べたのだろう時間帯だとか買い物に出た辺りの時間帯だとか、つまりは既に蟲に食べられてしまった記憶の中で自ら外したという可能性は無くはない。
けれどそれにしたって、記憶の中で就寝時以外はずした覚えが無い点を考えると、その可能性も極々低いと言わざるを得なかった。
きっと、もう覚えていないどこかで落としたか、もう誰かが拾ってしまったのだろう。
……願わくは、最後の希望である『神狩屋にいる間に落とした』という可能性であって欲しい。そう思うしかなかった。
★★
「ただいま帰りました……」
解放されているにもかかわらずやや薄暗い店の入り口に踏み込んで、颯姫は戻ったことを告げる。それは誰かが居る居ないとは関係なく、帰宅の際いつも行っている挨拶。ただ今日に限ってその調子が沈んでいるのは、ある意味仕方のないことだった。
僅かな確率に縋るよう床に視線を這わせながら、店の奥―――小さなカウンターやテーブルセットなどが備えられた応接スペースへと踏み込んだ颯姫は、そこで。
「―――ああ、おかえり颯姫ちゃん。買い物行ってたんだ?」
隣のイスに夢見子を侍らせながら、やや眉間に皺を寄せるように本やノートと向かい合っていた蒼衣に出迎えられることになった。
「し、白野さん……こんにちは。来てたんですね」
やや虚を突かれる形になり、僅かに吃(ども)りを含んだ声で応える颯姫。
「うん。多分颯姫ちゃんがここ出てそんなに経ってない頃だと思うんだけど……ごめんね、勝手に上がらせてもらって。颯姫ちゃんも神狩屋さんも居なかったからさ」
「いいえ、大丈夫です。むしろ……」
申し訳なさそうな蒼衣に首を振ってそれから、蒼衣が来たことに釣られ起き出してきたらしい、左腕に『不思議の国のアリス』のウサギを抱き、右手で蒼衣の左袖を掴んでいる夢見子を見て、
「助かったくらいです」
颯姫は肯定を込めて微笑んだ。
「そっか。なんか起こしちゃった気もするんだけど。……ああ、颯姫ちゃんそれ―――」
安堵したような様子で頭を掻いた蒼衣は、颯姫の手に掛かった袋に改めて気付いて、手伝うと言うように腰を上げかけ―――左腕を引っ張られる感覚に、中腰のまま動作を中断する。
反射的に視線を流すと、どこかぼんやりとした意思の薄い瞳と、それに比べれば遙かに強力な意思を持って自身を繋ぎ止めんとする小さな手。
夢見子の無言の主張に折れた蒼衣は、ずり落ちるように腰を下ろした。
「……ごめん」
居心地悪そうな視線で颯姫に謝罪を入れる。
「ふふ、すぐそこですから」
微笑ましく首を振り、颯姫は荷物をカウンター奥へ。冷蔵の必要な物だけ手早く冷蔵庫へ入れて、残りはまとめて表からは見えない陰に置く。
颯姫自身がどこかに置き分けてしまうと、どこへ置いたか忘れた場合に困るからだ。今はそもそも手帳が無いが、普段でも流石にそのような事まで微細に記すことはない。必然生まれた習慣だった。
それから水道脇に貼り付けられた『帰宅したら手を洗い、うがいをする!』の張り紙の文面に倣うよう、それらをこなす。確か用心の為にと付けられたこの紙と文面だが、果たしてどんな経緯だったのか……。手帳を失くした今、それを思い出す術はない。
些細な疑問を、そして知らず取りこぼされた一つの記憶への認識を……しかし颯姫はもはや僅かな感慨すらなく打ち払い、タオルで拭った手をそのまま洗い場の上、食器棚へと伸ばした。
ささやかに置かれた食器類から冷飲料用のグラスを三つ、先ほど冷蔵庫から取り出していたプラスティックの容器から茶を注ぐ。
「ありがとう」
コポコポと涼しげな音に惹かれたように顔を上げた蒼衣から、感謝の言葉。
いかな風通しの良い室内とはいっても、やはり真夏場だけに暑かったのだろう。よく見ればその額にはうっすらと汗が、そして言葉には心遣いへの感謝だけではなく救済に対しての安堵も滲んでいた。
「ふふっ、いえ。……白野さん、氷は要りますか?」
「いや、要らないよ」
「わかりました」
役に立てたと快く笑って、蒼衣の注文通り氷は入れずに満たしたグラスを小振りなお盆の上へ乗せる。コースター三枚を一緒に乗せてテーブルへ。
もう一度告げられた礼に迎えられながらコースターとグラスを並べると、待ちきれなかったように蒼衣が手を伸ばした。遠慮がちに、だがその欲求を表現するように幾度か、気持ちの良くなるような嚥下の音が響く。
「……助かったよ」
中身を目減りさせたグラスを置きながら、気恥ずかしさを隠すように蒼衣の声。
「正直、ちょっと喉乾いてたから」
「暑いですもんね。次からは……我慢なんてせず、好きなだけ飲んじゃって下さい。白野さんなら構わないと思います」
「そうだね、どうしようもない時には甘えることにするよ。とはいっても、どっちにしたって今日は……」
シャープペンシル、グラスと経由させた右手を今度は夢見子の頭にやって、蒼衣が苦笑する。最近とみに蒼衣に懐きだした夢見子は、髪を梳くように撫でられるそんな感触に、心地よさそうに僅か目を細めている。
「……」
無言での否定に、颯姫も同じく内心で同意する。自身そう言いはしたものの、それが今日に限ったものではなく、以降でさえも実際にそんな機会は訪れない気がした。
颯姫も神狩屋もいない中で蒼衣だけがここにいるという状況自体、稀と言えば稀だが、仮にあったとして……果たしてそんな時に、夢見子が彼を離してくれるだろうか? 最近の彼女を見ていると、否応なくそう思わされてしまう。
それでも場合によっては、力の関係上蒼衣だって振り切ることはするだろうが、たかが喉の渇きを理由に蒼衣がそれを行うようには思えなかった。
「……かもしれませんね」
プクリと湧き上がった極々僅かなわだかまりを発言に隠した溜め息へ託し、苦笑に変える。中途半端だと嘆くのはいくら何でも自嘲的に過ぎるだろうと、心で首を振る。
ただその事に関しては、颯姫自身は気付いていないだけで、実の所、今交わしているどこか通じ合うような笑みなどは、立派にそんな特権の一つではあるのだが。
流石にそこまでの機微を察する事は出来ず、蒼衣は通常のまま苦い笑みを終えて再びペンを手に取る。
そして本達と向き合う作業へ戻ろうとして……思い出したかのように顔を上げた。
「そう言えば、颯姫ちゃん……外で何かあった?」
「―――え?」
「いや、なんとなく帰ってきた時の様子が変だったから」
刹那問われる理由に思い至れず聞き返した颯姫に、蒼衣は直感だけに頼る自信なげな確認で答える。
蒼衣にとってはまさに、帰ってきた時に颯姫がどこか沈んでいるような気がしたという曖昧な理由からの問いかけでしかなかったからだ。
しかし。
「……! そうでしたっ!」
事実、その時の颯姫の落ち込みは本物で、その原因が外出の最中に起こったのかという蒼衣の問いも、偶然とはいえ正鵠を得た仮定。
食い荒らされたのではなく、純粋に忘れていた―――その証拠に蒼衣の言葉で“思い出した”颯姫は、事の重大さを表すような大声を上げた。
「私、手帳をどこかに落としてしまったらしいんです!」
「えっ? 手帳って―――あれ、言われてみれば……」
そこにない事を今初めて意識したらしく、蒼衣が驚きを浮かべる。
その反応に颯姫は、自分の描く可能性を低く見積もり直しながら、それでも一応はと。
「白野さんは……知りませんよね? やっぱり」
微かな期待と多少の危惧を込めて訊ねた。
本音では、蒼衣の口から『知っている』という言葉よりも『知らない』という言葉が返ってきてほしい―――それは、そんな問いだった。
見つからなければ困る。けれど、彼に見つけられることは、多分もっと困る。
普通は、拾った手帳の中身の確認くらいはするだろう。そうと知って覗くような事はしなくとも、普段自分が肌身離さず持っているが故にそれとは確信できず。あるいは、それであると確認する為に、改められる可能性もある。
とかく、その内容が拾得者の目に触れる危険性は高い。
それが、かつてのように、ただ事実の羅列が並んでいるだけの手帳であったならば別に構わなかった。
だけど“もう駄目”だ。なぜなら……今や、あれら手帳は、単なる備忘録ではなくなっているのだから。
誰かに読まれては、そして何よりも彼に読まれるのは、その……困るのだ。記憶だけではなく想いによっても綴られた第二の心とも呼ぶべきそれを覗かれることは、颯姫にとって耐え難き羞恥だった。
複雑な感情のまま視線を傾ける颯姫に、しかし蒼衣は困ったように首を振ると。
「……ごめん、見てない」
あっさりと颯姫の危惧を否定した。
「そう、ですか……」
多分の安堵と僅かな落胆が、溜め息としてこぼれる。
その仕草を純粋な気落ちと勘違いしたのかもしれない。
蒼衣は気遣うように心持ち声の調子を下げると、颯姫へ重ねるように問いかけた。
「落としたのは神狩屋(ここ)? それとも外で?」
場合によっては、手を貸すということなのだろう。
「わかりません。ただ、外の方は、通った所は一応全部探したつもりなんですけど……」
「見つからなかったんだ?」
「はい」
「そっか……じゃあ、神狩屋にあるのかもしれないね。店(こっち)はともかく住居(むこう)は僕も見てないし」
「そうですね。探してみます」
「それじゃ僕も―――」
と、やはり腰を浮かしかけた蒼衣へ。
「いえ、大した広さじゃありませんから。大丈夫です。それよりも夢見子ちゃんと一緒に居てあげてください」
その心遣いには感謝しながら、けれど颯姫は伸ばされたその手を遮るように遠慮を示す。
蒼衣に見つけられることが同様の理由により好ましくない以上、彼の手を借りる利点は皆無と言ってよかった。むしろ、蒼衣が進行中の作業や、傍らの少女の事を顧みるに、この場合手を借りないことこそ正解といえるだろう。
「……わかった。もし何かあったら、その時は呼んでくれたらいいから」
対象が手帳であることを考慮した訳ではないのだろうが、それもそうかと納得してそう言うに留めた蒼衣へ、「はい!」と感謝を含んだ頷きを残して、颯姫は奥への扉に手を掛けた。
★★★
再び、手帳の探索が始まった。
まず自室。もちろん、そこに至るまでの廊下にも目を光らせる。たどり着いた後はデスクの上、抽斗の中、床に落ちていないか。無ければ念を入れてベッドの下、過去のメモ帳達が納められた段ボールまで覗いてみる。
次はリビング。テーブル辺りから見てゆき、ソファー、本棚には流石に無い。ついでとキッチン付近に足を運んでみる。とシンクの前、落下物が視界に飛び込んできて一瞬ドキリとするが、「……なんだ、メモの紙が落ちてただけですね」。ここにも無かった。
またも可能性の文字が掠れてきたことを自覚しながら、夢見子の部屋に向かう。もしかしたら世話の時に、と抱いた淡い希望は……しかしドアを開いて暫し、さほど時間も掛けずに否定されてしまった。
最後に洗面所とお手洗い、滅多に人が立ち入ることなど無い客室までもを検めてみたが、やはりそんな場所にあるはずもなく。
一部屋を残し、神狩屋の中を全て探し終えてしまった。
ちなみに最後の一部屋とは言わずもがな家主『鹿狩雅孝』の自室であるが、颯姫はそこを調べようとは思わなかった。
一つはその部屋に自身が入ることは極めて稀であること。
加えて、神狩屋の寝室件書斎であるその部屋は日常に対して不精である彼の性格を端的に示すかのように知識と興味達によって荒廃しており、足の踏み場もない状況。うずたかく積まれたそれらによって下手をすれば危険さえ伴うのだ。
更に万が一にも崩してしまった際の労力等々も加味すれば、その領域を捜索対象から除外することはむしろ当然の帰結だと言えた。
とはいえ。それをもって、颯姫の手帳の紛失が確定的になってしまった。
例えばどこかしらで誰かが拾ってくれて、奇跡的にその内容から颯姫に当たりを付け、しかもここに届けてくれる……そんな確率は、おそらく万や億でさえも表しきれまい。可能性で言えば、立派に『無い』に分類されるだろう。
あのメモ帳がもう自分の手に戻らないことを前提に、ならどうするべきか……?
颯姫は悩みながら、かといって具体的な何かを思い浮かべられぬまま、ひとまず店の方へ戻る。
カチャリ…と扉を開けばすぐ目の前、雑然とした店内で切り抜かれたように存在する応接スペースの丸テーブルに着いている蒼衣と目が合った。その瞳がやや落ち着かなげなのは、やはり捜索の成果が気になるからなのだろうか。
見ればテーブル上には既にノートや筆記用具などもなく、あるのはただ颯姫が最後に置いていった中身の無くなったグラス達だけだった。蒼衣の方はもう自身の用を済ませ、夢見子の相手をしていたのだろう……と、その手元の絵本から察せられる。
「颯姫ちゃん、どうだった―――」
視認からの条件反射のように、蒼衣は口を開き。
「―――って、見つからなかったみたいだね……」
言い切るより先に、颯姫の表情を読み案じるようにそう言った。
颯姫自身よりも、住居スペース(そこ)そこにある可能性を見い出していたのだろう。その表情には、恐らく颯姫が抱いた以上の落胆が透けている。
「はい……。やっぱりこっちにもありませんでした。多分、道で落としてしまったんだと思います」
「もしかしてページがうまったから仕舞った、とかは……ない?」
「ええ。それも探してみたんですが……」
「うーん。そっかぁ」
そんな蒼衣の表情に謂われない罪悪感を植え付けられながら、颯姫は気落ちを深め、諦めを表すように弱々しく首を振った。
どのみち、どれほど執着しても見つからぬものは見つからない。いくら惜しみ、悔やんでも過去を取り戻すことは出来ないのだ。
そうして長年自身の記憶(およびその関連事)と付き合って生きていく内に、颯姫はすっかりそういった類の諦めの良さを身に着けてしまっていた。今回はただ、その失したモノが些か大きく、幾分危険だっただけの事。
だから仕方がない……そう、もはや手帳の件に見切りを付けようとする颯姫。
そんな颯姫に、しかしある意味颯姫よりも記憶の重大性を知る蒼衣は、ある提案をすべく口を開いた。
「……ねぇ、颯姫ちゃん。諦めるなら仕方ないけど、もし良かったらさ―――作り直すの、手伝おうか?」
「……え?」
それは、颯姫にとって思いも寄らない言葉だった。……いや、それ以上に、思い至れない言葉と言ってしまっても良いほどの言葉だった。蒼衣が言った言葉の意味は理解できても、その発言の内容がよく分からなかったからだ。
戸惑いや驚きをまばたきの回数で表す颯姫に、蒼衣は「だからね、」と提案するように説明する。
「最後の手帳から今日までの出来事とかさ、颯姫ちゃん憶えてる限りを書いてみるのはどうかな? 曖昧な所とか忘れちゃった所も、もしかしたら僕が補完できるかもしれないし」
そう言って、「どう?」と微笑む蒼衣。
颯姫はまず、素直に感心した。やはり自分にはそんな発想はなかったから。颯姫にとっての失った記憶とは、決して戻らないモノの象徴だったから。保つ努力は惜しまず行ってきたけれど、取り戻す努力は無駄とさえ思っていたのだから。
そして次に、素直に感動した。自分さえも諦めた自分の記憶に、蒼衣がここまで言ってくれること、そして考えてくれる事を。自身が自分だけの自分ではないのだと、移ろいやすいこの記憶を含め、自身が皆の一員なのだと言われているように感じられた。
だから颯姫は、素直に頷いた。蒼衣の厚意と、失われるはずの記憶を取り戻せる可能性……その両方へ感じた喜びを、そのまま首の動作に換えた。
「はい! お願いします、蒼衣さん!」
「うん。なら……前のとこれから書く用の、取っておいで。待ってるから」
「分かりました」
「―――ああ、後!」
今度は了承の頷きをして踵を返そうとする颯姫。
そんな颯姫を、しかしなぜか蒼衣が呼び止める。
「はい?」
振り返った颯姫に、蒼衣は困ったような笑みを返しながらその右手をほとんど何も残っていないテーブルの上へ向ける。
そして、今は一輪挿しの小さな花瓶以外で唯一に存在するそれ―――空になった自身のグラスを持ち上げて。
「大したことじゃないんだけど、さ……後でこれ、お代わりもらえると助かるかな? はは……」
呆気にとられる颯姫に向かい、弱々しい笑顔をなぞるような声音でそう言った。
依然、室内は汗を皮膚の裏側で飽和させる程度に暑い。
これは少し配慮が足りなかったかと、颯姫は思う。
「そうですね、ごめんなさい。すぐ戻りますから、そしたらすぐ入れますね」
「うん、ありがとう」
それが今すぐでなかった理由は、別に動線的にその方が無駄を省けるからという訳でも、実は蒼衣が後で良いと言ったからという訳でもなく。
ただ、今から始めようという作業への逸りがそれだけ強かっただけのこと。嬉しくて、楽しみで……その最初の一歩を踏み出さずにはいられなかっただけのことだった。
くぐったばかりの扉を再び逆方向に通り抜け。
先に続く廊下へと、ただ歩くよりもかなり走る寄りの速度で。
その足は、先ほど捜索に向かった時よりも速いテンポを刻みつつも。
決して慌ただしさは感じさせず。
主の心境を代弁して、ただ……
リズムを歌い、ステップで奏でるような―――そんな、跳ねるような足音を響かせていた。
★★★★
太陽からの過剰な光や熱の供給を窓や入り口からほどよくだけ受け入れて、明かりなどに頼らずとも何とか薄暗くない店内。表通りはいつものように雑踏とは無縁で、喧噪の巣は遙か遠く。厚かましいのは精々耳に馴染みBGMと化した蝉の声くらいのものか。
そんな日中無防備に開放された場所としては格段に静かな神狩屋で、一つのペン先がカリカリ…と、躍動するように走行音を響かせる。
カラン―――……。
再び飲み切られたグラスの中、気遣いで入れられた氷達が居住まいを正す……そんな音さえはっきりと聞き取れる、応接間。
安らかに過ぎる時間にたゆたいながら、颯姫は穏やかな、けれど絶えず湧き上がる幸せを噛みしめていた。
すぐ隣には、逆隣(さかどなり)で座る夢見子に気を配りながらも颯姫の助力に努める蒼衣の姿。
いつもならもっと離れている、遠慮がちにしか見続けられないその横顔がこんなにも近くにある。ともすればお互いの吐息が混ざり合ってしまいそうなほどの、すぐ側に。
「……あの、この後は?」
「ああそれだったら―――……」
問いかければその声が、優しく応じてくれる。泡禍の一切と関係ない時の蒼衣の声は、颯姫にとっての普段以上に柔らかくて、暖かく感じられる。
記憶を辿るように、あるいは思案するように中空に泳がされる瞳。苦い経験にぶつかり皺を作る眉間。やるせなさを振り払うように伏せた睫毛。いかにその出来事が面白かったか、颯姫が笑ったかを伝えようと振るわれる笑み。そのどれもが颯姫には新鮮な表情達。
意図せずとも幾度となく触れ合う肩。頬を撫でた髪。重なった腕や手。体温。
こんな機会でもなければ自分には中々巡り会えなかったであろう蒼衣たち。
そしてそれらは今、間違いなく自分の為に提供されているのだ。
これを幸せと呼ばず、何と呼ぶのだろう―――。
そう思わずにはいられぬほど、その時間は煌めきに満ちていた。
憶えている限りをペンに託し、足りない所は蒼衣に訊ねて、補ってもらう。
記憶を代弁する蒼衣に魅入るあまり、肝心のその内容を聞き逃してしまう事もあった。
とっておきの想い出を忘れたフリでまた求めてみたり、自身と繋がらぬ過去の自分を羨んでみたりしたことも。
後で想いを綴れるように空けたスペースは、蒼衣への微妙な笑みで誤魔化して。
こんな時間が、すごく楽しいのだと。
少しだけ残念には思いながらも、それでも居なくなった手帳に感謝してしまうくらいに。
幸せだった。
颯姫の心を鮮やかに染めながらも、着実に埋まってゆく白いページたち。
緩やかに、けれど確実に一日を踏破すべく歩みを進める壁に掛かった針二人。
それらが恨めしく思えてしまうくらいに。
終わって欲しくない―――そう、切に願う。
この一瞬が永遠になればと。ずっと、蒼衣が自分の為だけでいてくれるこの時間が続いてくれれば……と。
……けれど。
当然に、それは叶わない願い。
前の日記から今日までを刻む日々の数、蒼衣が帰る時刻までの時の経過、いやもっと……例えば神狩屋の帰宅や雪乃の来着―――そういった終わりは明確に、すぐ先にぶら下がっているのだから。
そして、やはり。
手帳が半分以下にまで空白を減らし、壁時計が夕刻へと片足を踏み入れた頃。
颯姫が恐れた靴音と声が、その主を伴って。
「―――やあ、白野君。来ていたんだね」
終わりを告げにやってきたのだった。
★★★★★
落ち着いた足取りで応接スペースに現れた神狩屋は、その外出がちょっとした所用というにはいささか長いものだったとのだと一目で分かるような手荷物を携えていた。
よく見れば服装も普段のくたびれたベストやよれよれのシャツとは違い、その元々の上質さに頼れば辛うじて余所行きと言えなくもないモノに変わっている。
……惜しむらくは、その気遣いが頭髪の寝癖にまで回せなかった所為でほとんど台無しになってしまっている所だろうか。
「―――はい。今日は何もない事は分かっていたんですが……自分の方にも何もなくて。だから、気分転換もかねてお邪魔させてもらいました。神狩屋さんの方は? 騎士団(オーダー)絡みですか?」
「そうだね。不定期だけど定例の報告会……まぁ、みたいなモノかな。こちらから何かを報告すると言うよりも、どちらかというと、全国的なロッジの動向なんかの情報を収集する事が主(おも)だと言えそうだけど」
「……そんなのあったんですか?」
「そう頻繁にある訳じゃないよ。それに言ったように不定期だからね。そうだなぁ、君が来てからまだ三度目だって言えば、おおよその察しは付くかな?」
「はあ……」
「それでも以前よりはペースが速いからね。昔なら、年に一度あれば多いくらいだったから」
蒼衣と他愛ない会話を交わしながら、神狩屋は応接間を掠めるように横切って、その手に持った骨董じみたアタッシェケースをひとまずカウンターの陰に下ろす。
それから、テーブルに着く二人へ向き直り。
「所で……それは、いったい何をしているんだい?」
少し不思議そうに、少し興味深そうにそう言った。
「……」
「颯姫ちゃんのメモ帳が……その、紛失してしまったようなので、新しく作り直す事にしたんです」
答える事が直接の終わりに繋がる気がして口を噤んだ颯姫に代わって、蒼衣が答えた。
「……え?」
「幸いちょうど新しいメモ帳を颯姫ちゃんが買ってきていましたし、二人でなら、完璧とは言えなくとも少しは代わりのようなものが出来るんじゃないかと思って……―――神狩屋さん?」
そのまま返答を並べる蒼衣の言葉は、しかし、驚きから徐々に苦笑へ変色してゆく神狩屋の表情に勢いを失う。
「白野君、それは……実は偶然じゃないんだよ」
「……?」
神狩屋から移されたように疑問を顔に浮かべた蒼衣へ、そしてしがみつくように紙面へ挑む事に執心している颯姫に向けて、神狩屋は自身の表情の訳を語る。
「だって、颯姫君のメモは使えなくなっただけで失くなった訳じゃないし。その新しいヤツは、まさにその為に買ってきてもらった物なんだから」
「「え?」」
蒼衣と声を合わせて、颯姫の顔が上がる。
颯姫にとっても今の神狩屋の説明は聞き流せないものだった。
「それはどういう……」
「うーん……。颯姫君からは?」
「いえ」
「……だろうね。じゃ、始めから―――」
そう前置いて開始された神狩屋の話、神狩屋がここを出るまでにここで起こった事、そして今に至ったその経緯は……はっきり言うと何てことのない、思わず脱力さえしてしまいそうな代物だった。
原因の片方は些細なもの。
朝食が終わり、その残骸をシンクで始末する颯姫の首元で、紐が力尽きただけ。当然メモは蛇口からのシャワーを存分に浴びてしまい、水ぶくれを患う事になった。
その状態では到底書き込めるはずもなく、また浴びた水量から乾いた後でもそれは怪しく、加えてそのメモ帳の大半が既に使用済みだったこともあり、もうこれはここでお役御免としよう―――そう話が纏まった。
濡れた手帳はひとまず神狩屋のデスクの上に退避させられ、急遽必要になった新しい手帳は昼の買い出しで食材などと一緒に購入される事になった……と。
それだけならば笑い話にもならない些細な出来事。
原因のもう片方は仕方ないもの。
言うまでもなく、その事実を当事者であるはずの少女から奪い去ったとても有用で……とても残酷な断章の存在。
結果は、今この場の様子が全て物語っていた。
もっとも―――。
―――その解釈自体は、各個人により大きく異なった形を成していたのだけれど。
「……そうだったんですか」
何だか肩すかしのような気分を味わいながら、だが蒼衣とて彼女の断章の理不尽さは身に染みて知っているのだ。納得して、了解を返す。
「うん。そろそろ乾いてると思うから、取ってくるよ」
告げて、部屋に戻るならばということなのだろう、つい今し方床に置いたばかりの鞄を再び手に取って、神狩屋は店の奥へと消えていった。
「ごめんなさい、蒼衣さん。私……」
と、残された沈黙を嫌うように、すぐさま吐き出された言葉。
わざとではなかったとはいえ、結果的に蒼衣に無駄を強いてしまった事を申し訳なく思い、気を落とす颯姫。
「いや、颯姫ちゃんの所為じゃないよ。それに、それを言うなら僕の方こそ、早とちりして無駄なことさせちゃってごめん」
そんな颯姫の言葉をやんわり打ち消し、蒼衣が逆に頭を下げる。
慌てたのは颯姫だ。
「そ、そんなこと―――!」
颯姫にとって今の時間は、無駄どころかひたすらに好ましいモノだったのだから。
その時間が続く事を願い、終わる事を恐ろしく感じるほどに、心から楽しいひと時だったのだから。
蒼衣に感謝こそすれ、謝られるなど筋違いも甚だしかった。
「うん、そっか」
お互いに謝り合うことも滑稽だと、蒼衣が苦笑でその幕を下ろす。
そして出してはいたけれど結局今度は使う事の無かった自身の筆記用具を鞄に収め、反対側の、夢見子の方を構い出す。
その後頭部越しに。
「……まぁでも、良かったよね」
「?」
思い至れないなら首だけ振り返り、視線を通わせて。
「日記、見つかってさ」
「……」
「…………はい。そうですね」
正直に、その事への安堵と、その事を残念に思う気持ちとを一拍に表して、颯姫は頷く。蒼衣の言う通り、これで良かったのだ。と。
失う覚悟をした物は、こうして誤解の事実と共に自分の元へと帰ってきた。
結局失ったものと言えば捜索に当てた僅かな時間だけ。
そして得たモノは―――。
「ありがとうございます、白野さん」
「ん? 手伝ったこと?」
「そう、ですね……」
「―――そういうことにしておきます。えへへ」
足音の先への未練を、今度こそ感謝の言葉で断ち切って、颯姫は笑う。この手と心へ確かに残ったモノ達の暖かさをしっかりと抱きしめて、想いの底から。えへへ…と。
高望みなどしなくとも、今日得たモノは既に至高だったのだから。失った以上の時間と、有り余るほどの想い出と、その証である品までも。
これ以上を望めば罰(ばち)が当たるというものなのだろう。
―――そうだ、明日また新しいメモ帳を買ってこよう。
颯姫はそう決意する。
水に浸かりしわしわになっているだろう前の手帳も、宝物になってしまったこの手帳も、もう使えないのだから。それは自然な結論だった。
その確定事項を、今度は忘れてしまわないように、先ほど台所で拾ったメモ用紙に手控える。
「ふふ」
「どうしたの?」
「いえ、なんでも。ただ……すごく嬉しくて」
「……?」
大切な今日の一日を、この手帳にとっては最後となるページに刻みつけて。
静かに閉じる。
この記憶の行き先は、現実においても、心の中においても、もう決まっている。
よく目の届く、日常というデスクのすぐ目の前に、とっておきの知識や出来事たちと並べるように、飾るのだ。
きっと自分はこれからも、断章によって無数に記憶を喪失していくだろう。
どれだけ自分が手を伸ばしても、その手をすり抜け消えてゆく幾多の記憶があるはずだ。
文章でしか知らぬ、記憶ではなく知識となってしまうモノだって必ずある。
……だけど。
今日の、この日の事だけは。
今までの中でも取り分けて眩しくて、鮮やかな今日のこの時間だけは。
絶対に忘れない。
朝に、昼に、夜に。
目が覚めて最初に、眠りにつく最後に。新しい手帳の一ページ目に必ず、必ず目を通す所には必ず。空白の時間には胸に光景を、本人を前にしては腕や肩に体温と感触を。
絶対に忘れたりなんてしない。……忘れてたまるものか。
それは颯姫の、自身へ掲げる絶対の誓い。
強く、強く。誓いを抱いて颯姫は未来を凝視する。
そこに求めることはただ一つ。願うことはたった一つだけ。
それくらい嬉しかったから。それくらい幸せだったから。
反復して忘れない。反復は苦などではない。それはただの、幸せの反芻なのだから。
だから―――。
そうやって、ずっと。自分は。
何時までも。何ヶ月、何年、何十年先までも。
大切なこの想い出を―――。
―――保守していこうと思った。
供物投下だと思ったかい? ―――残念っ! ただの保守だよっ!! 【まさに(ry】
つまりは、今からでも救済投下は遅くないぜよ、と。
でも、んなこと言いつつ内容自体はかなり真面目に蒼颯ほのラブを目指してたりするわけですが、実際いかがなもんなのでしょうね?w
自作内における颯姫たんの扱いがいい加減色々可哀想なのばっかりだったんで、雪乃んにも風乃んにも自重してもらって、変態や夢見子ちゃんにも極力控えてもらって、たまには蒼衣と水入らずな時間を過ごしてもらおうか……と。
まぁ、そんな感じで実はかなりガチですww
だから、もしお気に召してもらえなかったとしたら、それはウデの所為。ごめんなsorry。
じゃあ発言も全うしたし、後はまた乞食に戻ります\(^o^)/
やられた……。
保守でもGJだ畜生。
読みにくすぎる。
まさかの保守かよ、面白かったが
とりあえず、夢見子が可愛かったぜGJ
とうとう深淵に辿り着いてしまったな
ついに神様の寝床だな!
ということで、山の神の慰みものにされ
眷属に身体を作り変えられるあやめタンをエロスたっぷりでキボン
774/774
いつの間にか深淵に着いていたのか…
だが一端沈みきってしまうと、
ageてみたくなるのが人の性。
俺は上げないけどねwww
ageるには惜しい所まで来たが、落ちないか心配でもある
きちんと書き込んでいればその心配はないよ、多分
実際の所、落ちる基準って何なの?
無知に教えて君プリズ!
一定時間書き込まれないと落ちる
スレの番号は関係ない
ここから誰かがageるとこのスレが<悪夢の泡>になって
誰かの意識に浮かび上がるというわけですね・・・
419 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 19:02:59 ID:izAptTz5
空気読まずにageてやる!
スレは上がったのにテンションは下がるとはこれいかに(´・ω・`)
>279 :名無しさん@ピンキー :2009/05/09(土) 21:20:10 ID:bxyZcCrg
>どことは言わないけどキュンときたよ。
>ありがとうGJ!
前回は3ヶ月前だからまた3ヶ月かけて
沈んでいくのか……
>>422 おまw 人の過去の傷をほじくりやがってww
もうミスらないよう気をつけるから許してくれよ!
ほしゅ
半分程来たが……ここからだな
426 :
419:2009/09/02(水) 02:45:49 ID:pNcCFfTN
たとえこの身が泡に溶かされようと、俺はageるのを止めない。
誰かこの痛い人を内陣さんに連れて行けよ
>>426 いや、流石に二回目はギャグにもならんて……。
荒らすつもりじゃないなら、もうやめとけ。空気嫁にも程があるから。
ごめんなさい。
半年できそこないになってくる。
2年ほど前に個人サイトにコッペリアというタイトルのMISSINGのエロSSがあったのですが
URLご存じもしくは保存されてる方いませんか?そこへのリンクが貼られてたサイトが検索にかからなくなったもので
内容は魔津方×稜子で、夜トイレで無理やりオナニーさせられるというものでした
>>430 そんなサイトがあったこと自体初耳だわ・・・
>>430 InternetArchiveじゃダメなんか……と思ったがURLがわからないのか。
俺も読みたいよ
あ、そうだリンク張ってたサイトをアーカイヴでサルベージするのはどうだろう。
雪乃って体臭が無さそうだな
>>431 描写がしっかりしていて、稜子が嫌がりながらも快楽を自覚していく展開で
かなり好みだったんですけどね・・・まさか消えるとは
>>432 SS自体は消えてないかもしれません。ただ直接検索からはいけないようになってる(?)みたいで
リンク貼ってたサイト(リンク集)のアドレスもわからないので・・・(毎回検索かけてた)。キャッシュどころか
検索に引っ掛かりもしない。Googleが過去の時点の検索結果を表示できるようになればいいんですが
>>434 リンク貼ってたサイト(リンク集)のアドレスもわからないので・・・(毎回検索かけてた)
その時の検索ワードは?
リンク集のタイトルやそこに登録されていた他のサイト名、それが無理なら背景色などの情報ぷりず。
風乃さん来ないかなー
>>435 「十叶詠子 18禁」とかだったと思う
背景色は白っぽかった気が。サイト名だけでなく二次創作の作品名、登場キャラ、18禁か否かも載っていた
よくあるバナーとサイト管理人の一言が載ってる感じではなく、作品に直リン、一言などは無し
「18禁 コッペリア 摩津方×稜子(非恋愛)」みたいな感じ。(18禁作品はまとめて下のほうにあったかも)
SSは殆ど全年齢向けだったけど相当数あった。何通りかの検索ワードにかかってたから
多分もう消えて検索にはかからなくなってると思う
関係ないけどMissingは意外と夢小説あるのよねー
男キャラが適度に多いし、元々甲田のファン層は女性が多めって話だから不思議ではないけどな
なんの前触れもなくSS投下
※注意※
一時間程度で書いた即興です。
キャラ崩壊気味+ちょっとSMちっく。
壁は溶けてしまってどこまでも続いてるように錯覚させる、真っ白な四角い部屋。
その中に詰められているのは壊れた箪笥が一つ、ベッドが一つ、割れたガラス製のテーブルが一つ、座布団が一つ、そして人間が二人。
白野蒼衣と時槻雪乃はそこに閉じ込められていた。
「えーと、雪乃さん?」
機嫌を伺うような声で声をかける蒼衣。
「……」
それを含めた言葉を一切合切無視する雪乃。
事の発端は、ちょうど二時間前――
いつものように、蒼衣は神狩屋に来ていた。
店内には同じくいつものように来ていた雪乃、紅茶を準備する颯姫、対照的に珍しく部屋の外に出ていた夢見子、そしてその世話をする神狩屋が揃っていた。
いつもの面子で、日常的な光景。この時に、今の状況を誰が予測できただろうか。
しかし、悪夢は予測した。
「ん?」
店の陳列棚にある一冊の本がことん、と小さな音を起てて床に落ちたのを蒼衣は見た。
落ちたのはとても古い、傷んだ本だ。
そのことを認識するが早いか、ばららららと物凄い勢いで古本のページが捲れていく。
めくっているのは死人のように白い腕。夢見子の断章、『グランギニョルの索引ひき』だ。
「……」
その異常に気付いて、言葉を失ってそれを眺める夢見子を除いた一同。
「大きいのが、また浮かんだわね」
どこからともなく、空気に陰がさしたように現れた亡霊は呟いた。
古本のタイトルは旧約聖書。
止まったページはアダムとイヴの逸話。
そして現在に至る。
「雪乃さーん」
蒼衣はむすっとした雪乃に諦めず語りかける。
いい加減、しつこいくらいだった。
「なに? 私のせいでこんなことになったとでも愚痴を言いたいの?」
うんざりした雪乃は棘を含めて言葉を返す。
「いや、そうじゃなくて……」
反面、蒼衣は言葉を返してもらえた事実を単純に喜び、声のトーンを上げて答えた。
「この泡禍のこと、理解できたんだ」
「っ!」
ついでのように言う蒼衣。
「なんでそういうことは早く言わないの!」
そんな蒼衣の危機感のなさに思わず声を荒げる雪乃。
すると蒼衣は困ったような顔をする。
「だって雪乃さんが聞いてくれなかったから……」
次いで出てきた言葉に雪乃の怒りは急激に自分に対する怒りに押さえつけられてしまった。
「とにかく、わかったから早くここを出て被害が出る前に泡禍をなんとかしないと」
わかってくれた雪乃に満足した蒼衣はさも簡単そうにそんなことを言う。
「それができないからここでじっとしていたんでしょう……っ!」
怒りに蒼衣の言葉にさらなる苛立ちを咥えた口調で雪乃は言う。そして自分が怒りの余り、理解力が低下していたことに気がついて、さらに後悔する。
「大丈夫だよ、雪乃さ」
「うるさいっ! 出る方法がわかってるならさっさと教えて」
宥めるような蒼衣の言葉を遮って、続きを要求する。
「わかった。まずこの泡禍は、まさしく旧約聖書のアダムとイヴそのものだったんだ。配役は……」
「そういうのもいいから」
しかし雪乃は饒舌に語り始める蒼衣の話の腰を折った。知りたいのはそんなことではない。
「うーん、わかったよ。端的に言うね」
そんな雪乃に少し不満そうな蒼衣は一言で済ませた。
「僕と子供を作ろう」
「…………………………は?」
雪乃は思わず、口を開けて間の抜けた声を出す。
そして言葉の意味に気がついた次の瞬間、顔を茹で上げたように真っ赤にすると、ギチギチギチギチ、とカッターの刃を取り出す。
向ける矛先は、蒼衣。
「ま、待って落ち着いて雪乃さん! これには意味が!」
「二人きりになったからそういうことをしようってわけ? 白野君ってそういうことはしっかりしてる人だと思ってたのに軽蔑するわ」
心の距離は一気に離れて、刃との距離は急接近。
「ちちち、違うってば! だから説明したかったんだって!」
迫るカッターの刃とドスの効いた雪乃の目に本気でビビった蒼衣は必死に弁解する。
「説明? 私が白野君にこの異常な情況下で体を預けるなんてさらに異常になることが正常になる説明なんて存在するのかしら? いやしないわ」
「反語で結論付けないでっ! 説明する、説明するから!」
ちょっと手が滑れば今度は蒼衣が真っ赤になりそうな距離で、蒼衣は抵抗と説明の意義を提唱し続ける。
「じゃあ最低限に説明してちょうだい。下らないこと喋りだしたら私の腕と同じ傷が白野君の首に刻まれるわよ」
成分中に冗談の一切存在しない口調で言う雪乃。
「ま、まずこの泡禍はさっきも言った通り、まさしくアダムとイヴの逸話そのものだったんだ」
そうして蒼衣は冷や汗だらだら状態でやっと説明を始めることができた。
「最低限に言うとね、この部屋はエデン、僕たちの持ってきたリュックに入ってたお菓子が知恵の実、そしてこの部屋そのものと外の世界が世代なんだ。配役はもちろん、僕がアダムで雪乃さんがイヴ。
僕たちはもう知識の実を食べているから、この部屋の外の世代に戻ってもいいんだ。なのに出られないから、何かが足りない。つまり、知恵の実を食べて、外の現代に戻るのに、間がある。
そこで僕は仮定したんだ。二人からいきなり六十億に増えるのはおかしい。でもその六十億もすぐに繋がるわけじゃない。
この家の外にいるだろう神狩屋さんたち、さらに街、県、地方、国、こんな感じに繋がってるんだと思う。だから、間の繋がりが必要で、外の世界にあって、この世界にない繋がる、つまり人が増えるきっかけが必要なんだ。
だから、僕らが子供を作れば、つまりは三人目の人間を作れば外と繋がることになる」
この危機的状況でなんとも饒舌に喋る蒼衣に雪乃は圧倒された。
そして一瞬遅れて、また赤くなる。
「……本当に、そうなの?」
消え入るような声で雪乃は問う。
「間違いないよ」
それに蒼衣はきっぱりと言う。
「…………本当に、するの?」
さらにか細い声で雪乃は言う。
「するしかないよ」
蒼衣はまたもやきっぱりと言う。
「……………………わかったわ」
悩んで、雪乃は了承した。
蒼衣は考えた。ああ、なんて雪乃さんは可愛いのだろう、と。
普段見せない、真っ赤に赤面した雪乃さん。普段見せない、か細い声で弱々しく聞く雪乃さん。こんな雪乃さんをもっと見たい、もっといじめたい。
そんな黒い気持ちが蒼衣の心に浮かんでいった。
もちろん、雪乃はそんな蒼衣に気付かない。
「雪乃さん、脱がすよ……」
ちょうどよく、あったベッドに二人で入ると蒼衣は仰向けになった雪乃のゴスロリ服に手をかける。
対する雪乃は覚悟を決めた表情でそれを待つ。
「ってあれ?」
しかし、そこで蒼衣は自分がゴスロリ服の脱がせ方などしらないことに気がついた。
「……」
雪乃の無言が蒼衣に突き刺さる。
しかし、そこで蒼衣はアインシュタイン級の発明を思いついた。
「このままでいいか」
「っ!?」
着衣である。ゴスロリというコスプレプレイである。
「だ、駄目よ。自分で脱ぐから」
だがそんなのは雪乃のゴスロリ服を着る理念に反するし、このゴスロリ服はそういう対象で見るべきものではない。
それに、何より恥ずかしかった。
「それこそ駄目だよ。こんなに可愛いんだから……」
慌てて脱ぐために起き上がろうとした雪乃に蒼衣は殺し文句を放つ。
「こ、殺すわよ」
色んなものが殺されかかってる雪乃は焦った風に言う。そんな雪乃が可愛く、蒼衣は微笑んだ。
「大丈夫、極力汚さないようにするから」
そう言うと、雪乃の肩を優しく抱いて、押し倒す。
なんだかんだ言っても、男子と女子。腕力には逆らえないのである、と雪乃は自分で結論付けた。
蒼衣にとって、抵抗はほとんどなかったのだが。
「雪乃さんの胸、可愛いね」
小振りな雪乃の胸を服の上から揉みしだく。
「大きくなくて悪かったわね」
赤面しながら、言葉は抵抗の色を見せる雪乃。
「僕は、雪乃さんの胸、好きだよ」
蒼衣にとって、そんな雪乃は可愛らしくて仕方がない。
「んっ」
可愛くて仕方がないので蒼衣は思わずキスをした。
一瞬、雪乃の目が驚きに染まるが、すぐに蒼衣のキスを受け入れる。
「んん」
抵抗がなくなったと判断した蒼衣は、舌を雪乃の口内へと進入させた。
まずは歯茎をなぞるように。そして歯の防波堤を越え、雪乃の舌に絡ませる。そして口内の天井を犯し、舌の裏まで舐め取る。雪乃もそれに反応し、積極的に舌を絡ませる。
その間も、胸を揉む手は休めない。
「ぷはっ……」
しばらくお互いに口の味を堪能し、口を離すと銀色の細い唾液の逆アーチが生まれた。
「雪乃さんも、積極的なんだね」
キスの感想を思わず蒼衣は言ってしまう。
すると雪乃は今までよりさらに赤面し、「うるさい、殺すわよ」と、発してるのか発してないのかわからないくらいの小声で答えた。
そんな雪乃はやっぱり、物凄く可愛かった。
「あっ」
蒼衣は無意識のうちに、雪乃の首にキスをしていた。
無防備な人間の急所。いつもならば絶対に雪乃が警戒している場所。
そこにキスを許した自分に驚き、そして思わずあげたエッチな声に雪乃はさらに驚いた。
「可愛すぎるよ、雪乃さん」
蒼衣は間髪入れずにゴスロリ服の胸元から空いている手を突っ込んだ。さらに下着の中へ手を入れ、直接胸を揉みしだく。
「ちょ……待っ……」
急にやってきたさらに直接的に性的なアプローチに戸惑う雪乃。だが蒼衣はおかまいなしに胸の感触を楽しむ。
直接触っていると、雪乃の乳首が勃起していることに気がついた。
その乳首を軽く撫でるようにして、触る。
「ひゃっ」
雪乃は敏感に反応した。
その反応を見て、黒い何かは蒼衣を加速させた。
「雪乃さん、感じてるの?」
意地悪く、わかっていることを尋ねる。
雪乃が認めないのをわかっていながら。
「感じてなんか……ないわ」
やはりというか、雪乃は蒼衣の予想通りに答えた。
蒼衣は思わずにやりとする。
「じゃあ、これはどういうことなのかな?」
「きゃぁ!」
すると蒼衣は用意していた言葉と共に、雪乃の乳首を摘み上げる。
雪乃はこれまた敏感に反応し、可愛らしい嬌声を上げた。
「雪乃さんの乳首、小さくて可愛いね。でも、こんなにわかるくらいに勃っているよ?」
蒼衣は、意地悪く言う。
「それは……白野君がエッチなことするから……」
そんな蒼衣の魂胆がわかったのか、顔を背けながら答える雪乃。
「つまり、雪乃さんはエッチなことをされたら感じちゃう、エッチな女の子なんだね?」
ニヤニヤと、まるでチェシャ猫のような笑顔で問い続ける蒼衣。
「ち、違うわ……」
そんな言葉に雪乃は声を絞り出して否定する。
「じゃあ、これは?」
「あっ!」
すると蒼衣は何の前触れもなく、服の上から胸を揉んでいた手をスカートの中へ入れた。
目的地は、もちろん、パンツ。さらにそのクロッチの部分。
撫で上げるとパンツの上からだと言うのに濡れているのがしっかりと確認できた。
「濡れてる、ね」
蒼衣はわざと区切って言う。
「……!」
雪乃は無言で目を瞑る。
「嘘はいけないよ、雪乃さん。雪乃さんは胸を揉まれただけでこんなに濡れ濡れになっちゃうエッチな女の子じゃないか」
「ああっ」
布の上からさらに秘部を擦り上げる蒼衣。言葉をかけてそれをするだけで、さらに湿り気が増していくのがわかった。
(言葉責めで感じてるのかな?)
蒼衣の中のサドスティックな感情がさらにわき出してくる。
そこで蒼衣は思いついた。
「雪乃さん、ちゃんと本当のことを言おうよ」
この気高く、美しく、そして可憐で儚い少女を、屈服させてみよう、と。
「自分は胸を揉まれただけでアソコをびしょびしょにしちゃう、エッチな女の子です、って」
「なっ!?」
蒼衣の言葉に閉じた目を見開いて驚く雪乃。
「さあ、言ってみて?」
そんな雪乃の反応を楽しんで、蒼衣は強要する。
「い、言うわけないでしょ、そんなこと」
胸を、秘部を優しく、ねっとりと嬲られる快感に逆らい、雪乃は断言する。
しかし、蒼衣はそれを許さない。
「言ってみて?」
「あうっ」
胸を嬲っていた手で、乳首を強く摘み上げる。
「ほらほら、声に出して、ね?」
敏感な雪乃の反応を楽しみ、乳首をさらに引っ張る蒼衣。
「い、痛い、痛いわ白野君っ!」
強すぎる刺激に悲鳴を上げる雪乃。
「言ってみて、ね?」
だが蒼衣は力を弱める素振りは見せない。
普段、痛みを受ける場所からかけ離れた部位での痛みは、雪乃の抵抗心を急激に奪っていった。
「はい、どーぞ」
段々と抵抗する素振りが弱まってる様子を見た蒼衣は、あえてさらに強く突起を摘む。
そのあまりの慈悲のなさに、雪乃は抵抗心は屈服した。
「わ、私は胸を揉まれただけでアソコをびしょびしょにしちゃうエッチな女の子です……」
か細い声で、雪乃は言う。
「聞こえないよ、もう一度」
蒼衣は手を弱めず、笑顔で無慈悲に言う。
「私は胸を揉まれただけでアソコをびしょびしょにしちゃうエッチな女の子ですっ!」
先程とはうってかわって部屋に反響するほどの大声で、淫らな言葉を叫ぶ雪乃。
「アソコじゃ、わからないなあ。ちゃんとどこだか言ってくれないと」
だが、それでも蒼衣は許さなかった。
むしろ、秘部を弄る手が強くなったくらいだ。
「どこだかって……」
雪乃は困惑する。
「知らないわけじゃ、ないでしょ?」
そんな雪乃に蒼衣は容赦なく追撃を加える。胸の最も敏感な部分に爪を立てた。
「痛い!」
憎悪するものではない痛みが全身を駆け巡る。それはとても耐えきれるものではなかった。
「私はっ」
先程の大声より、さらに大きく、雪乃は宣言した。
「胸を揉まれただけでおまんこをびしょびしょにしちゃう、エッチな女の子ですっ!!」
自信を淫乱だと。性に弱い女だと。
それを言った瞬間、痛みは消える。安心したのもつかの間、自分が大声で叫んだ言葉の意味を思い出して、歯ぎしりと共に、顔を赤く赤く、さらにこれ以上ないくらいに赤く染め上げる。
そんな雪乃に蒼衣は満足した。
「素直で可愛いよ、雪乃さん……」
胸を揉んでいた手を服の外に出し、髪を撫でるように触って、顔を近づけて呟く。
「っ!」
その瞬間、秘部を布の上から弄っていた手が、下着の中に進入した。
「凄いね、中は凄く濡れ濡れだよ。僕にイジメられて感じちゃったのかな?」
首を左右に振る雪乃。しかし、蒼衣が言葉をかけるとさらに愛液が溢れてくるのがわかった。
「体は正直だね。雪乃さんも正直になった方がいいんじゃないかな?」
提案ではなく、強制。雪乃にはわかっていた。
今の蒼衣には逆らえない、と。
「白野君に、イジメられて、感じちゃい、ました……」
途切れ途切れに、それでもはっきりと雪乃は言う。
従順な様子に蒼衣はこの上なく嬉しくなる。
「じゃあ、そんな正直な雪乃さんにご褒美をあげないとね」
「あっ」
秘部を触っていた手も、布から取り出す蒼衣。それに雪乃は思わず声をあげる。
「あ、名残惜しかったりした?」
蒼衣はわかっていながら、聞く。
雪乃は正直に答えるしかない。首を縦に振った。
「待っててね、もっと気持ちよくさせてあげるから」
そういうと、蒼衣は両手で雪乃のパンツを降ろし、股を開き、そこに顔を埋めた。所謂、クンニである。
雪乃からの抵抗はない。ひたすら従順に、快感を受け取るだけの様子だ。
「あぁっ!」
蒼衣が雪乃の秘部を舐め取る度に、雪乃は色っぽい声をあげる。蒼衣はそれの声を楽しみながら、秘部を舐め続ける。
「あっ」
ひだを。
「ひゃぁっ」
膣の入り口を。
「そこはっ!?」
クリトリスを。
雪乃は様々な反応を示し、蒼衣を十分に楽しませてくれた。
「っと、そろそろいいかな」
十分に、濡らした秘部は怪しく部屋の光を反射して、うごめいていた。
その艶めかしい様子に蒼衣の喉がごくりと鳴る。
これから、ここに蒼衣は自分の欲望を突っ込むのだ。
固く閉じた様子は明らかに処女。蒼衣はさらに嬉しくなる。
「そうだ」
蒼衣はそこでさらに思いついた。
すぐにベッドの横のバッグから携帯を取り出し、カメラを起動させる。
「な、なに?」
息も絶え絶えに、蒼衣のおかしな様子に気がついた雪乃が聞く。
「雪乃さん、初めてみたいだからさ。
――記念写真を撮ろうと思って」
何気なく、蒼衣は言う。
「そう……ってちょっと待って!」
そんな普通の様子に納得しかけてしまったが、雪乃はすぐに意味を把握し、足を閉じる。
「雪乃さん?」
しかし蒼衣は容赦しない。抵抗できない言葉を、一言かけて、再び屈服させる。
「雪乃さん、自分で足を開いて」
残酷な命令を下す蒼衣。
雪乃は泣きそうになりながらも、無言で足を開く。
――チャリーン。
機械音が無音だった部屋に響いた。
そして秘部に指が触れる感覚がして、
――チャリーン。
機械音は再び響く。
「どうも上手く撮れないなあ……」
しかし蒼衣は納得がいかない様子だ。
そのことに少し安心した雪乃は、次の瞬間にさらなる地獄へと叩き込まれた。
「雪乃さん、自分でアソコがよく見えるように開いてくらないかな?」
泣きそうになった。でも、泣いたらそれを快感だと認める自分がいそうで、泣くわけにはいかない。
「返事は?」
それをわかって、蒼衣は残酷だった。
「……わかったわ」
顔をしかめて、誰にも見せたことのない部位をカメラに晒す。
――チャリーン。
三度目の電子音が耳に入ってきた。
「うん、よく撮れたよ」
すると完成したそれを嬉しそうに蒼衣は見せてくる。
自分の、いやらしく濡れた、自分でもあまり見たことのない秘部。それが携帯のディスプレイに映っていた。
雪乃はこれを意味することを思い返して、さらにそれを快感だと感じている自分を完全に自覚して、それを恥じた。
「雪乃さんは本当にエッチだね。カメラで撮られている間も濡れて来ちゃってたんだもの」
蒼衣は面白そうに言う。一度、自覚した快感はその言葉にも反応し、雪乃の感覚を撫で上げる。
「早く、続きをしましょう」
自分が自分でなくなってしまいそうで怖ろしくなった雪乃は、続きを急かした。
「おねだりの仕方は、わかるよね?」
それをわかってるのか、蒼衣はさらに責め立てる。
「私の……」
「雪乃さんの?」
雪乃は言葉を発した瞬間、それに躊躇いがなくなってる自分に驚いた。がしかし止められなかった。
「私のおまんこに白野君のおちんちんをくださいっ!」
言ってしまった。もう戻れない。理解した。
雪乃は言ってしまった後に後悔と、期待をした。そして期待に後悔した。
もう、私は堕ちてしまった、と。
「良い子だよ、雪乃さん。ちゃんとご褒美あげるね」
完全に堕ちた雪乃に満足した蒼衣は自身もズボンとパンツをあっという間に脱ぎ、熱り立った性欲を、雪乃のそこにあてがった。
「いくよ?」
問う蒼衣。しかし、返答する暇はなかった。
「痛ぅっ!」
瞬間、雪乃を激痛が襲う。胸を苛まれた痛みより、遥かに強い痛み。
処女を失った痛みだった。
「雪乃さんの中、凄く狭くて、気持ちいいよ。
このまま慣れるまで動かずにいようか?」
蒼衣は雪乃が相当の痛みを感じていることをわかっていながら、そして回答すらもわかっていながら、聞く。
「大丈夫、よ。これくらいの、痛み……」
雪乃は強がって答える、いや答えざるを得ない。
蒼衣がそれを望んでるとわかっているからだ。
「じゃあ、動くよ」
そして蒼衣は動き出す。
股間に激痛が押し寄せるが、雪乃は歯を食いしばって我慢した。
繰り返されるピストン運動。処女の雪乃に肉体的快楽は存在しない。
しかし、蒼衣に痛みを与えてもらっている、と認識することで雪乃は精神に由来する快楽を得ることができた。
痛みは気持ちの良いものだった。
蒼衣の動きが段々と早まっていく。
痛みももちろん、強まっていく。
それでも雪乃は気持ちよかった。
――白野君とと繋がってる……!
雪乃の脳内はそれで埋め尽くされていた。
蒼衣の動きは、限界近くまでに早まっていた。
膨張する膣内の、肉棒。ああ、これはもうすぐなのかな、と雪乃は予測した。
果たして、その予測は当たった。
「雪乃さん、射精すよ!」
蒼衣はそういうと極限まで腰の動きを加速させる。
「来て……来て蒼衣君!」
そうして蒼衣は欲望を雪乃の膣内にぶちまけた。
――そうして数時間後。
蒼衣と雪乃は交わり続けていた。
最初の痛みはもうなく、嬌声が上がる真っ白の室内。
結論から言うと、扉は開かなかった。
そこで蒼衣は新たな解釈を出した。本当に妊娠するまでは出られないんじゃないかな、と。
雪乃としては、もうどうにでもなれ、との心境に近かった。よって、彼女は了承。
そして途中から雪乃も肉体的快楽も得始めたため、積極的に交わり続けている。
「今度こそ……」
少しげっそりした蒼衣がまた射精する。
もう片手では数え切れないくらい繰り返した快楽。
そうしてドアを確認しようとした瞬間、
ドバン!
と大きな音を起てて真っ白なドアが開いて外の色が目に入ってきた。
そして、
「大丈夫かい、二人と……も……」
全裸でベッドにいる二人の前に神狩屋が現れた。
雪乃の表情が一瞬にして真っ赤に染まり、ベッドの脇に落ちていたカッターに手を延ばす。
「い、いや、待ってくれ! 僕は考えたんだ、これがアダムとイヴの逸話の泡禍ならば僕という三人目が行けば君たちが閉じ込められてる状況を打破できるんじゃないか、と。だから決して君たちがこういうことをしているとは考えつかずに」
必死に弁解する神狩屋。
そこでふと、雪乃は気がついた。
「ねえ、白野君。三人目の人間を、って白野君も言ってたわよね?」
ぎくっと蒼衣の体が驚きに跳ねる。
わき出る冷や汗。生命の危機。早鐘のように鳴り続ける心臓。
雪乃が、気付こうとするとは、蒼衣の想定外だった。
「三人目を、わざわざ私たちで作る必要はなかったんじゃないかしら?」
氷でできた刃のような視線。蒼衣は初めて、人間とはこんなに怖ろしいものなのか、と認識した。
『うふふ、あんまり強く焼いちゃ駄目よ?』
どこからともなく、今まで存在の欠片すらも匂わせなかった雪乃にそっくりの亡霊が現れる。この助けは期待できそうにない
次に神狩屋を見る。神狩屋についてきたような颯姫の目を塞ぐことに躍起になってるようで、やはり助けは期待できそうにない。
「レアで止めておくわ」
蒼衣は、どうやって火傷の言い訳をしようかな、とごく普通なことを考えることにした。
「<私の痛みよ、世界を焼け>!」
450 :
後日談:2009/09/10(木) 08:58:12 ID:cdo0uJlR
「なあ、シラノ」
いつもの学校での放課後。蒼衣が日直の仕事を終わらせて、今まさに帰ろうとしているとクラスメイトの敷島が呼びかけてきた。
「どうかした?」
いつも通りで普通で通常な日常。蒼衣が望んでるもの。
それの一画だ。
「前にお前に会いに来てた超絶美少女が校門の前で待ってるぞ」
それがちょっと崩れた。
いつもなら嬉しい、というか泡禍以外で彼女から接触をしてくれるなら蒼衣にとってこれほど望ましいことはない。
「おい、どうした白野。この馬鹿のデリカシーのないお節介にがっかりしたのか」
クラスメイトの佐和野が聞いてくる。
しかし、蒼衣はそれどころではないのだ。
今はヤバい。通常ならば予想できることは一つ。
泡禍であってくれたらいいことか。いや不謹慎だし、一般的にはむしろ喜ばれることだ。
「大丈夫、今から、行く」
機械的なセリフで教室から出て行く蒼衣。
ヤってしまったことは仕方がない。しかしあの時の自分がどうかしていたのだ。後から物凄く後悔したり色々した。
などと自分に対して言い訳しながら、下校する生徒のほとんどいない校庭を歩いて、校門まで辿り着く。
そこには、やはりというか、雪乃がいた。
――お腹を大事そうにさすりながら。
「白野君、大事な話があるの」
遠くから覗きをしていた蒼衣のクラスメイト二人は空気と超絶美少女の動作からから察した。
読唇術など会得していないのに、最後の言葉は読み取れた。
そして、敷島は白野蒼衣の顔が、名前通りに蒼白になっていくのを見て、羨ましいやつめ、と嫉妬した。
451 :
後日談:2009/09/10(木) 08:59:21 ID:cdo0uJlR
徹夜で10巻と11巻とドラマCDを一気に消化したら雪乃んが可愛すぎていじめたくなった
今では反省してる
小説なんて一年ぶり、エロSSなんて二年ぶりだから文章めちゃくちゃでごめんなさい
即興でこのボリュームかw
GJ
しかし人がいないな
Gj!!展開が笑えたww何気に雪乃がノリノリな点が萌えたw
お泊まりから帰ってきたら供物来てた!
素直じゃない雪乃んが良いねw
GJ!
職人さんに是非性転換ネタに挑戦してもらいたい。
たびたび本スレで雪乃が♂で蒼衣が♀だったらという話になるし。
蒼衣だけが女の子になって雪乃んとイチャイチャパラダイスになるものならより良いと思うよ
何言ってんだよ雪のんだけが♂に転換して蒼衣とアーッ!!んなことするんだよ。
ならいっそのことみんな男になれば良い。
ただし詠子以外
男版雪のんになら抱かれてもいい。蒼衣ちゃんが羨ましいよう。
このまま性転換談義の果ての予想をまとめてみよう
819 名無しさん@ピンキー[sage] 2009/10/24(土) 21:39:11 ID:9pkRVRs6
1ヶ月の間議論してきたけどみんなの意見をまとめて見たよ
・空目は性転換させたいがあやめは性転換させたくない。
・武巳は性転換した最終巻で陰の薄い女(綾なんとか)、綾なんとかは性転換した武巳→性転換の必要性皆無
・俊也は性転換したら武道家の女という一種の萌え要素になる・亜紀は性転換したらツンツンクール。
・詠子は性転換した神野、神野は性転換した詠子→性転換の必要性皆無
・芳賀の性転換は必要か?→論議した人間が神隠しにあったので議論禁止
・基城の性転換は必要なのか?→双子の女性とか素晴らしい→必要性あり
・摩津方性転換→ババアに取り付かれる男の子が可哀想→却下
断章のグリム部門
・蒼衣に性転換の必要性を感じない→むしろ女装で構わない→女装やめろ
・雪乃が性転換したら風乃も性転換しなくちゃならないのか?→論議保留
・神狩屋の性転換について←今ここ
1ヶ月経っても論議終わらないってお前等どんだけだ
未来のレス持ってくるとは何者だ
貴様!新手のスタンド使いか!
転換するのは蒼衣と雪乃だけでいいよ。ロリコン神狩屋は引っ込んでろ。
馬鹿野郎! 神狩屋が性転換したらきっとズボラな美人になるんだぞ!!
もしかしたら服が延びきってて横乳が見えるかもしれない!!
シャツの襟元が延びきってたり、ボタンが閉じられてなかったとしても乳が見えるんだぞ!!
眼鏡かけた美人さんの乳が見れるなんてたまらないだろ! えぇっ!? たまらないだろ!!
分かってない! まるで分かってない!! まるでまるでまるでまるで分かってなっしんぐトゥルー!!
そして問うんだ!
「なんで大胸筋矯正サポーターつけてんの?」ってリカが!
そしたら神狩屋♀は叫ぶ! 「大胸筋矯正サポーターじゃないよ! ブラだよ!!」って叫ぶ!!
俺のこの手が光って唸る! おまえを倒せと輝き叫ぶ!!
必殺! キングオブハァートォ!! シャァァイニングゥフィンガァァアアアア!!
お前らは問うかもしれない! 「だからWhat!?」「それがHow!?」
だが! But! However! There is確かに光るJewelryがある!!
そう! それは美の万華鏡写輪眼!!
So! それは性転換に生まれる鼻毛横町!!
ライカンスロープの散葉も怖くない!!
あぁ! 美しい! 美しいぞ、性転換した神狩屋!!
ズボラで無防備過ぎて、襲われるんだぁっ!!
まぁ、なんだかんだ言ってますが僕はミッシングならあやめが、断章のグリムなら海部野千恵と東海林凛が好きなんですけどね。
神狩屋が女になったら年下の病弱な男と駆け落ちってすげえ微妙なことになるのを忘れていないか
あやめと千恵はわかるが何故に凛が好きなのか。
好きになるべき要素が見当たらないのだが。中学生女子だからか?
凜♂は腹黒ドSの美男子か。
ハセヲ♀とフラグが立つな。
文芸部は全員女でも違和感ないよなぁ
村神とか屈指の萌えキャラになるぞ
もういっそのことそっち路線で彼女が出来たとか言って(ry
神様とゲームの女の子みたいな感じになるのだろうか
捕手
陛下が女王陛下になるわけだ。
空目♀「私の妹(スール)だ」
オカルトなマリみて請け合いだぜ。だがそれが良いのかもしれぬ。
さながら俊也♀は女王を守る女騎士か?
亜紀→空目♀の方程式もあるから百合が大発生だな。
公式に従ってみると武巳♀×最終巻影の薄い女なわけだし。
いっそのこと喪失の男キャラクター全員女性で良いよ。俊也のじっちゃん以外は。
いや、芳賀さんはそのままで頼む。
魔女様
↓
亜紀→空目←村神
↓
あやめ
の素晴らしい修羅場になればいいと思います
って思いっきりズレて妙なことになったぞ……
そういう百合もいいかもしれない
雪乃♂「や ら な い か」
村神が性転換したら、おそらく巫女キャラになることを忘れちゃいけない。
……素直クール犬属性幼なじみ巫女とか最高じゃね?
ステゴロ属性も忘れちゃいかん
ステゴロって何だろうと思って調べたら死語に登録されてた。
まぁ、何はともあれ、俊也♀が亜紀の部屋に乗り込むシーンはスカートで挿し絵必至
窓から侵入したのは武巳だぞ。
別の話ならごめん。
しかしお前ら本当に百合とTSネタ好きだな。
けっこう堕ちてきたな
また沈みだした
白野「これが僕の本当の能力! 僕の本気! 沈めぇっ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドド
凛「凄い! 5倍以上のエネルギーゲインがある!」
白野「断章秘技『万華鏡写輪眼』!!」
雪乃「ちょっw」
ええい、このスイッチだ!
484 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 06:57:51 ID:LEpUX7QL
あげてみる。
な ぜ あ げ た ん だ
>>419みたいな「空気読まない俺カッコイイ」みたいな病気なんだろ
粘着荒らしじゃねーの? 前からちょくちょくあったし。
もう眉ひそめるのも秋田。
ほしゅ
保守
保守
491 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 02:01:08 ID:di2RaEgt
保守
きっかけは、ほんの些細な会話だった。
『神狩屋』を訪れた時槻雪乃の手には、普段の通学用の鞄とは異なる荷物があった。
「わあ……もしかしてそれ、チョコレートの材料ですか?」
目ざとく見つけた田上颯姫がたずねると、雪乃は不機嫌そうに言った。
「こんな物を喜ぶ人間の気が知れないわね」
雪乃が普段よりも辛辣な態度で颯姫にあたるのには理由があった。
バレンタインデーなどというものは、雪乃は自分に無縁なイベントだと思っていた。
一週間以上前からバレンタイン一色に染まっている街を見ても、意識することはない。
少なくとも、数日前まではそうだった。
その日、神狩屋と蒼衣が揃っている時に颯姫が余計なことを言ったのだ。
「なんだか楽しそうですよね。そうだ、雪乃さん。一緒にチョコレートを作りませんか?」
雪乃は当然その場で拒絶した。
そんなイベントに夢中になってしまうのでは、怪物には程遠いと感じたためだ。
颯姫の感情は理解した上で、雪乃は拒絶した。
しかし、颯姫の発言に二人の男は口元を綻ばせた。
「やっぱり女の子だね。料理を教えてあげられたらと常々思っていたんだ。いい機会だと思うよ」
「うん。僕も賛成だよ。手伝うことは出来ないけれど……応援してる」
そこから先は会話に加わることさえしなかったのだが、それが失敗だった。
雪乃が参加しない間に、前日に『神狩屋』で作ることが決まり、雪乃が手伝うことになっていた。
もちろん当人の承諾はなかったのだが、夢見子の世話に関するメモに混ざって壁に張り紙がされていたのだ。
『二月十三日。雪乃さんとチョコを作る』
その紙を剥がすことは簡単だった。
それでも雪乃がそうしなかったのは、罪悪感があったためだ。
記憶の不安定な少女が必死に覚えていようとした努力である、一枚のメモ。
それを平気で破り捨てられるほど、雪乃は冷酷な怪物になりきれてはいなかった。
かくして、雪乃にとっての悪夢は現実となる。
「――そろそろかき混ぜるのは終わりね。颯姫ちゃん、型の準備は出来てる?」
「ばっちりですよ。私の分の星型も、雪乃さんの分のハート型も用意できてます」
「……悪いけれど、使う型を交換してもらえる?」
額に手を当てた雪乃が最後まで言い終える前に、店の入り口から声が聞こえてきた。
「すいません。鹿狩さーん。判子かサインをお願いします」
宅配便だった。送り主の名前は四野田笑美。
開封した小包の中には、おそらくチョコレートが納まっているであろう箱が二つと手紙が入っていた。
「以前、応援に行ったロッジの世話役の人ね」
雪乃は嫌な思い出を封じ込めながら、鋏を使う保持者の顔を頭に浮かべた。
彼女は飲食店の経営者だ。普通の料理では自分たちに勝ち目がないだろうと雪乃は悟った。
「少し無難に作りすぎたわね。そろそろ独自色を出していこうかしら」
「え、でも……。私は初心者ですし、今から手を加えるのはやめたほうが……」
「失敗したって許してくれるわよ。むしろ、白野君ならアレンジした失敗作のほうが喜ぶんじゃないかしら」
『ふふ……そうね。〈アリス〉はきっと喜ぶわ。普段のあなたがやるような失敗程度なら』
調理場の片隅で二人を見守っていた風乃は、楽しそうに呟いた。
『素敵な〈泡禍〉ね。〈アリス〉は食べてくれるのかしら?』
かくして、蒼衣にとっての夢は悪夢へと変貌した。
「ええっと。こっちが颯姫ちゃんの作ったほうかな」
バレンタイン当日。完成したチョコレート二種類は二人からという名目で同時に渡された。
蒼衣は、赤色の包装紙で包まれた箱を開けるとそう呟いた。
「あたりです。すごいですね白野さん」
颯姫は自然な笑顔でそう言ったが、蒼衣のほうは引きつった笑い顔を見せることしか出来なかった。
蒼衣が先に選んだチョコレートは〈食害〉付きだった。
「颯姫ちゃん。この赤いのって……」
「あ、それですか。最近読んだ漫画に『私を食べて』という台詞があって、ちょっと真似してみたんですよ」
颯姫は両頬に手を添えながら、わずかに赤らめて言った。
たしかに断章も本人の一部には違いないのだろう。
だが、小さな赤い蟲が蠢く姿は蒼衣の食欲を大きく削ぎ落とし、チョコを持つ手を震えさせた。
「おいしい……うん。おいしいよ……味は問題ないんだ……味はね」
「本当ですか? 良かった。そうそう、断章の〈効果〉で最近の嫌な記憶を一つ消せるようにしたんですよ」
蒼衣は悩む。それならばこのチョコレートに関する記憶を消そうか。
それとも、後に控えているもう一つの〈悪夢〉のために〈効果〉は残しておくべきだろうか。
ふと蒼衣が神狩屋に目をやると、彼は無心にチョコを食べ続けていた。
そこに感情は読み取れず、ただ目の前の悪夢を消し去ろうと口を動かしているようだった。
『――悪いのは おなかの中へ』
鬼気迫るものを感じ、寒気がした。
神狩屋の前にチョコレートを差し出せば、誰の物かも気に留めずに口にするのではないかと蒼衣は思った。
だが、雪乃が見ている前でそんな事をするわけにはいかない。
蒼衣はモスグリーンの包み紙を丁寧に開けると、目を瞑ってかけらの一つを口に入れた。
味はわからない。恐怖で舌の感覚は麻痺していた。
硬い物なのか、軟らかい物なのか。それすらも判断がつかなかった。
この黒い塊を食べきればバレンタインは終わるのだと、蒼衣は自分に言い聞かせながら咀嚼する。
呼吸ができずに涙が出た。異物を食べることはこんなにも辛く、苦しいことだったのだ。
「おいし、かったよ。雪乃さん」
どうにか食べ終えた蒼衣は、味覚が死んだままの状態で雪乃に言った。
おいしかった。そういう音を出すことが出来た。
「……そんな風には見えないわね。不味かったと言いたそうな顔をしてるわ」
表情の伴わない蒼衣の言葉は誰かに信じてもらえるはずがなかった。
自分すら騙せていない欺瞞。
雪乃にとっては不満が残る反応のはずだ。
だが、何故か雪乃は勝ち誇った顔になると、再び口を開いた。
「四野田さんの腕前も大したことないのね。安心して白野君。二つ失敗作が続いても、まだ私がいるわ」
雪乃が何を言っているのか、しばらく蒼衣には理解できなかった。
自分がいま食べたものは何だ?
感情を消し、感覚を殺して飲み込んだ物は誰が作ったチョコレートだった?
〈食害〉で消されていく二作目の味が、心地よい甘さだったことに今頃気づいた。
蒼衣が〈保持者〉でさえなければ〈効果〉は完全に働き、この味を感じることはなかったはずだ。
これからの出来事を忘れさせてくれる甘さは、すぐに消えた。
「白野君。このチョコレートは私の手作りよ。……〈あげるわ〉」
蒼衣に黒い箱が手渡される。
箱の中に希望が残されている事はまずありえない。
それでも普通の人間であろうとする蒼衣には、女の子から貰ったチョコを拒絶することなど出来なかった。
三木目先生がやってきた。
はなしは、おしまい。
待て待て待てww何綺麗にまとめた風になってんだwww
GJだけどね
いやだ、この子上手いww
画面前でニヨニヨさせてもらった。GJ!
何これスゲー続き気になるwwwGJ!
<保守>
>>493後をイメージ
蒼衣「う……」
雪乃「あら、どうしたの白野君。せっかく心を込めて作ったのに、私のは食べてくれないのかしら?」
蒼衣「ま、まさか。今からもらうよ、雪乃さん」
雪乃「そう、なら良かったわ。しっかり味わって食べて頂戴」
蒼衣「わかっ…てる……よ」
蒼衣(くっ―――ままよ!)
蒼衣「パクッ、モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ……」
蒼衣「―――ッッ!?!?」
↓ここから結果分岐↓
予想その1(現実は非情である)
蒼衣「ぐ、ぐふっ……!」ドサッ
雪乃「……ふん」
本命:【ですよねーw】ED
予想その2(いやいや、雪乃んならば)
蒼衣「……って、あ、あれ? これ、美味しい……?」
雪乃「ふ、ふんっ」照
対抗:【殺すわ(アナタのハートを)】ED
予想その3(さらにあざとく)
蒼衣「ぐ、ぐふ……!」ドサッ
雪乃「……………………え?」
大穴:【/(^o^)\】ED
予想その4(実はまさかの)
蒼衣「ぐ、ぐふ……!」ドサッ
雪乃「……………………え?」
颯姫「―――クスッ」
希望:【これで白野さんは私のもの……】ED
蒼衣「……罪なくして死す」
雪乃「あれ?」
蒼衣(あれ……? 僕は……?)
風乃(ようこそ、幽体の世界へ。さぁめくるめくスピリチュアルエロスな世界を展開していきましょう)
続行:【一人勝ち】ED
一人勝ちED、一人前ください
ほ
し
ゅ
〜基本情報〜
PC用ゲームソフト「断章のグリム」対象年齢-18歳以上。
初回購入特典として、絵本作家いちいゆめこ氏の特製オリジナル絵本が付きます。
CGモード-有/音楽モード-有/回想モード-有/メッセージスキップ-有/オートモード-有/特定描写回避フィルター-有
セーブスロット数444箇所。
対応OS-Windows98/2000/Me/XP
〜システム紹介〜
「マルチサイトシステム」採用。
プレイヤーは複数の主人公を切り替えながら物語を進めていきます。
切り替えが可能になるのは、各章でその人物が登場した場面からです。
視点の切り替えはメニュー画面からいつでも行うことが出来ます。
また、同じ画面には主人公同士の「信頼度」が表示されます。
「信頼度」は選択肢を選ぶことなどで変化しますが、その数値によっては出現しない選択肢もあります。
※プレイヤーが操作していないときの主人公達は「信頼度」に従って行動します。
〜悲劇的な結末を回避せよ〜
原作では救えなかった人物を今回は救える可能性があります。
誰もが願った「全員生存」というハッピーエンドを目指して頑張ってください。
※一人目の主人公で選択肢を選んだ後、すぐに二人目に切り替えてもその決定はしばらく反映されません。
※プレイヤーが干渉している間は選択できず、『本人』しか選ばない行動もあります。
〜6つのシナリオ+αを収録〜
0.導入
1.灰かぶり
2.ヘンゼルとグレーテル
3.人魚姫
4.赤ずきん
5.なでしこ
6.いばら姫
EX.金の卵をうむめんどり
※最初にプレイ可能なのは0〜3のシナリオのみです。番号の若い順にプレイすることをお勧めします。
〜個別プレイモード〜
他のシナリオ内での「信頼度/怪我/死亡」等の情報を引き継がないモードです。
ゲーム開始時の「信頼度」等の設定は、原作に準拠した数値となっています。
このモードでは次のシナリオに登場する人物が欠損して終了した場合でも、ゲームオーバーとなりません。
〜データ引継ぎモード〜
シナリオ0〜6までを「信頼度/怪我/死亡」等の情報を引き継いでプレイするモードです。
それまでのシナリオで怪我や死亡をした人物が登場しなかったり、会話に変化が現れます。
シナリオ開始時から、信頼度が大きく変動している状態での会話を見ることも可能です。
このモードでは次のシナリオに登場する人物が欠損して終了した場合、そこでバッドエンドとなります。
※バッドエンドとなった場合でもクリアデータとして保存できます。
〜シナリオ紹介〜
・「0.導入」
初めに1〜3のシナリオを選択すると自動的に「0.導入」から始まります。
『デルタテスト』の結果は今後の物語に反映されません。あくまでもゲームの雰囲気を知るための物です。
二回目以降はこのシナリオを通過することなく、各シナリオをプレイできます。
※「データ引継ぎモード」ではこのシナリオから開始されます。このモードではテストの結果が物語に影響を与えます。
・「1.灰かぶり」
蒼衣と雪乃の出会いの物語です。
世界観の説明を兼ねた導入的なシナリオですが、犠牲者を出さずにクリアしたい場合の難易度は少し高めです。
ゲストキャラ-杜塚眞衣子
開始時の主人公は白野蒼衣です。
・「2.ヘンゼルとグレーテル」
雪乃のクラスメイトである少女を〈泡禍〉から救うことが目的です。
ゲストキャラ-媛沢遙火
開始時の主人公は白野蒼衣です。「1.灰かぶり」をクリアしている場合は鹿狩雅孝を主人公にして開始されます。
・「3.人魚姫」
〈泡禍〉に対処して欲しいという要請を受けて、海辺の町に向かうことになりました。
そこで蒼衣たちは、神狩屋の婚約者だったという女性の妹と出会うことになります。
ゲストキャラ-海部野千恵
開始時の主人公は白野蒼衣です。
・「4.赤ずきん」
第一章終了後に開放されるシナリオです。
『赤ずきん』の予言を阻止するため、田上颯姫の妹が住む町に向かうことになります。
その町では非公認の騎士と出会いますが、協力するか対立するかはあなたの自由です。
ゲストキャラ-四野田笑美/田上瑞姫/東海林凛/斎藤愛
開始時の主人公は白野蒼衣です。
・「5.なでしこ」
第三章終了後に開放されるシナリオです。
夏休み直前。再び海辺の町を舞台にして、枯れないユリの花をめぐる物語が始まります。
ゲストキャラ-海部野千恵
開始時の主人公は木之崎一真です。
・「6.いばら姫」
第四章終了後に開放されるシナリオです。
〈泡禍〉を潰すために真喜多家へと訪れた雪乃と颯姫。そこで遭遇したのは死なない〈異端〉でした。
ゲストキャラ-真喜多莉緒
開始時の主人公は時槻雪乃です。
・「EX.金の卵をうむめんどり」
シナリオ「0.導入」終了後。『デルタテスト』で「ある動物」が好きだと答えていると選択が可能になります。
〜クリア特典〜
・「名探偵 田上姉妹」
本編の六つのシナリオを全て「全員生存」状態でクリアするとプレイすることが出来ます。
※『登場人物一覧』で名前の文字が灰色表記の人物は「全員生存」の条件に含まれません。
※この物語ではセーブデータを作成することが出来ません。
・「主人公-風乃」
『データ引継ぎモード』で、いずれかのエンディングに到達したデータがあるとプレイすることが出来ます。
風乃の視点でストーリーを最初から追っていきます。基本的に選択肢はありません。
グッドエンド、バッドエンドに関わらず、指定したクリアデータの履歴に沿って物語は進みます。
※このモードでしか見られない惨劇も多数あります。
・「できそこない」
新しいバッドエンドを迎える毎に、開始画面に白い物体が追加されていきます。
いずれかの「できそこない」をクリックすることで、到達したバッドエンドの一覧を表示することが出来ます。
できそこないをコンプリートすると……?
・登場人物一覧
物語に登場する人物の詳細な情報を見ることが出来ます。未登場の人物のデータは掲載されません。
・CGモード
ゲーム内で見たCGを閲覧するモードです。※特定描写回避フィルターの設定が反映されます。
・音楽モード
ゲーム内で使用された音楽を聴く事が出来ます。※ヘッドホンを使用することをお勧めします。
・回想モード
ゲーム内で起きた惨劇の鑑賞が出来ます。※フィルターの設定が反映されます。
・オプション
自動文字送りのON/OFF、メッセージスピード、音声設定、特定描写回避フィルターのON/OFFの設定が出来ます。
特定描写回避フィルターをONにしておくとグロテスクなシーンにモザイクがかかり、描写が軽くなります。
※初期状態では特定描写回避フィルターは〈OFF〉になっています。
〜Q&A〜
Q.クリック?
A.クラック!
Q.○○編をプレイできない!
A.前提となる物語をクリアしなければ開放されないシナリオもあります。
Q.雪乃や颯姫やゲストキャラ達と恋人になれるイベントはありますか?
A.あります。※ただし、バッドエンドに限る。
Q.主人公を切り替えずにクリアしたい。
A.一部のシナリオでは視点変更なしにエンディングを見ることも可能です。
Q.このゲームのせいでトラウマが出来た!
A.「内陣さん」と呼ばれる精神科の病院をご紹介しております。診察料は不要ですのでお気軽にどうぞ。
Q.どうやっても蒼衣が死にます……
A.一人の主人公を続けていて行き詰った場合は、別の主人公に切り替えて挑戦してみてください。
Q.この人って原作では死んでますよね?
A.弊社のモットーは「それでも原作に挑まずして、何のパロディか?」です。ご了承ください。
Q.馳尾が選択肢と違う行動をするんだけど……
A.信頼度が低い場合そうなります。また、他に理由があるのかもしれません。
Q.ゲームを開始できない……
A.シナリオ「0.導入」での『テスト』以降、強制終了される場合があるというバグが確認されています。
お手数ですが弊社に連絡を頂ければ、無償で即日対応いたします。
Q.水着パッチはありますか?
A.ナイアルヨ
なにこれほしい
完全にエロゲじゃねぇかwww
まぁ、バッドEDは虚しいものばかりじゃなくてかまいたちの夜のふざけたノリみたいなEDも欲しいよな
・バッドED1「変貌の雪乃」
あの日から雪乃さんは変わってしまった。
『アリス、気にやむことはないわ。これも運命なのよ』
「………」
「シンパチ〜マジキモいアル〜。白野くん。銀魂読む? あっ、それよりも私、これから乙女ロードに行くんだけど一緒に行く?」
僕のせいで…雪乃さんはオタクに…。
雪乃さん…。
今度、コミケに行きましょうね…雪乃さん………。
・バッドED2「甘えん坊の雪乃」
あの日から雪乃さんは変わってしまった。
「忘れ物だよ? もう、白野くんは仕方ないんだから。あと行ってらっしゃいの、チュッ。えへへ…行ってらっしゃい」
来月僕達結婚します。
・バッドED3「どっかで見た馬鹿」
「ホップ! ステップ! カールイス!!」
「白野くん!?」
あぁ、僕な何を思ったか雪乃さんの作った火の中に飛び込んでしまった。
「あちちっ!」
僕は死んだ。スイーツ(笑)
・バッドED4「断章(沙耶の)詩」
「この世界を、蒼衣にあげます」
僕は沙耶という出来損ないに恋をして、今僕らの愛は世界に広がっていく。
「これでずっと一緒だよね」
・バッドED5「ご本人登場」
「私の名前は甲田学人…私には、お前らを書き直すなんて簡単なのだよっ!!」
「著作者ずるい! うわぁ! 僕が女になっていくっ!!」
こうして濃厚な百合系ホラーファンタジックダークメルヒェン「断章の百合ム」が始まってしまった…
・バッドED6「夢見子様」
「オルァッ!! 私の断章が発動しましたよ、ギャアッ!! どっかで怒るぜバブルrrrペリル!!」
夢見子ちゃ…夢見子様が叫びながらずかずか入ってきた。
夢見子様は人形さんのように黙っていて欲しかったなぁ。人間だもの。
BADED1フイタwwwww
あと、2はBADじゃないよね?
だって
>>505に恋人絡みは全てバッドエンドってあるんだもの―――セン・ダ・ミツヲの断章詩より抜粋
BADED1の雪乃んとか見てみたいわ
誰か同人で作ってくれたら絶対買うわ
513 :
猫の断章1:2009/12/03(木) 17:33:17 ID:glVrvJvh
「これが最後の目撃地点だよね、雪乃さん。」
「地図に書いてあるでしょ。無駄口叩くようなら殺すわよ。」
「はは…ごめんごめん。」
夕焼けが眩しい放課後、、僕達は神狩屋さんからとある事件の調査を頼まれて歩きなれない路地を歩いていた。
ここ数週間で、人間が動物のように四つん這いになり魚屋を襲う、猫と喧嘩するなど、
断章の影響としか考えられない事件が起きていたのだ。
普段の命の架かった泡禍と比べると微笑ましい程度の物であったが、一般人の目を引きやすい特徴を神狩屋が心配して、
颯姫の<食害>での事後処理と平行して蒼衣たちに原因の究明と解決を託していたのだ。
「ここでサラリーマンが突然喉をゴロゴロ鳴らして同僚に抱きついた…らしいよ?」
「馬鹿馬鹿しい泡禍ね。」
「うん。でも、”普通の生活”に大きく関わるから、見過ごせないよ。」
「………。」
雪乃はこんな時にも”普通”を守ろうとする蒼衣の精神は果たして普通なのか、とちらりと考えた。
「猫が関係してる悪夢なんだろうけど、今回のは規模が小さくて童話の形を取っていない可能性が高いらしいんだ。」
「…じゃあ白野君では役に立たないじゃない。」
「う。だからって訳じゃないけど、その分知恵を絞ってきたんだよ。ほら、あそこの廃工場。」
現場に×印を付けた地図、その歪な軌跡の中央にある廃工場を指差して言う。
「あそこなら猫のねぐらにちょうどいいんじゃないかな?」
雪乃はあからさまに嫌な顔をして言った。
「私にあそこの野良猫を片端から丸焼きにしろっていいたいのかしら。」
蒼衣は慌ててかぶりをふり、
「違う違う、ほら、これで捕まえるんだ」と言い、鞄から首輪とリードを取り出した。
「白野くんってやっぱり馬鹿なのかしら…。」『浮かんだわ』
雪乃がため息をつくと同時にぞくりとする声が響いた。
『アリスは賢いわね。その廃工場の中、小さな小さな泡が浮かんでるわ。』
「え?!」「行くわよ!」
514 :
猫の断章2:2009/12/03(木) 17:34:26 ID:glVrvJvh
二人が廃工場に入った瞬間、目に飛び込んできたのは”光る大きな猫”だった。
既に用意していたカッターナイフを手首に押し当て、雪乃が断章詩を口にする。
「っ!<私の痛みよ、世…」
【にゃーん】
「雪乃さん、危ない!」
猫の形をした発光体は素早く雪乃に飛び掛ってきたが、蒼衣が雪乃に体当たり
してすんでのところでかわす。
がしゃーんと派手な音を立てて二人はガラクタの山に突っ込んだ。
「ちょっと白野君、助けるにしても…?!」
「う…ぐぁ…っ!」
不運な事に、蒼衣は右手の上にガラクタが崩れ、押し潰される形で起き上がれないでいた。
顔面は激痛の為か青白く、普段は穏やかな顔も歪められている。
思わず雪乃が駆け寄ろうとしたが、
「だ…いじょうぶ…だか、ら・・・雪乃さんは猫を…。」
完全に敵の事が頭から抜けていた事に内心驚きながら、素早く振り返り、視線を巡らすが、猫は居ない。
「消えた…?」
【にゃーん】
「きゃっ。」
激痛の中で蒼衣は何も出来ないままそれを見ていた。
猫の形をした発光体は、上から雪乃に飛び掛ったのだ。
「雪乃さん!!」
猫が雪乃に飛び掛った瞬間、一瞬強いフラッシュのような発光があり、目が慣れると…そこには身を硬くした雪乃だけが居た。
「…雪乃さん?」
「確かにやられたと思ったのだけど…白野君、猫はどこに?」
「フラッシュと一緒に消えたように見えたけど…イタタ。」
「白野君?!まさか骨折してるんじゃ…?」
515 :
猫の断章3:2009/12/03(木) 17:35:57 ID:glVrvJvh
ひとまず猫が消えたので、雪乃は蒼衣の様態を確かめようと屈んで…蒼衣の手
に舌を這わせた。
「え?ゆ、雪乃さん!?」
「ぺろ、んちゅっぷちゅ…ぷはっ、な、何なのこれ?!」
『私以外のモノが雪乃に憑くなんてね…』【にゃーん】
「そんな、まさかこれって…」
『貴方の思ってる通りよ、アリス。雪乃も今までの被害者も、猫に憑かれて操られていたのね』【にゃーん】
風乃と蒼衣が話している間も雪乃は蒼衣の指を丹念に舐めている。
「なんで私がこんな事っ…!レロ、ん、ん…ちゅーっ、しないといけないのよっ!!」
『良かったじゃない雪乃?断章持ちじゃなかったら意識も飛んでるだろうし、喋る
事もできないわよ?』【うにゃーん】
「か、風乃さん、何か打てる手はないんですか?」
『無理よ、だって私も雪乃もこんなモノ、燃やせないわ。たまにはこんな雪乃も可愛いんじゃなくて?』【うにゃーん】
蒼衣の元に膝をついて様子を見ていたはずの雪乃の身体はいつの間にか猫のように蒼衣にじゃれ付き、愛撫は首筋に移っていた。
「こ、こんなの冗談じゃ…っ、ちゅ…ちゅっ…」
「雪乃さ…うくっ!」
ゴスロリに固められた雪乃の肢体がスカートの裾が乱れるのもお構いなしに蒼衣の全身を這い回り、頬を温かい舌が撫でまわす。
一つだけ残念なのは、雪乃と目が合う度に射殺すような視線が突き刺さってくる事だが、その温度差に蒼衣はぞくぞくするようなカタルシスを感じた。
『ふーん、唇だけは避けるなんてやっぱり私の雪乃は可愛いわね。』【うにゃーん】
「はむっ、ぴちゃ…姉さん、それ以上言ったら…!」
蒼衣の耳を甘噛みしながら鋭い声で雪乃が恫喝する。
『代わってくれたら私なら喜んでアリスと…』【うにゃーん】
「んちゅ…ちゅぷ…こ、殺すわよ!」
516 :
猫の断章4:2009/12/03(木) 17:38:13 ID:glVrvJvh
一方、されるがままの蒼衣は肩に当たる柔らかな双丘と、しきりに手に擦り付けられるふとももの感触でそれどころではない。
『はいはい、お楽しみの邪魔はしないから怒らなくってもいいじゃない。』【うにゃーん】
「……ぷはっ、何が、楽しみ…って…!(ぐぎゅ〜)」
突然雪乃の腹の虫が鳴き、蒼衣はすんでの所で意識を取り戻す。
「そう言えばもうご飯時だね。今から帰っても遅いし、今日はファミレスにでも行こうか、雪乃さん」
あまりの能天気ぶりに雪乃は一瞬蒼衣の正気を疑った。
「ハァ…ハァ…白野君…この状況が分かってそれを言ってるのかしら?」
「今までの目撃例からはこの怪異、2,3時間しか持たないらしいし、死ぬような事もないからね。
やりたい放題やった後は遊び疲れて昼寝して、起きたら抜けてるらしいよ?」
『そうね、雪乃が寝たり意識がなくなったら分離しちゃう程度の弱い結合ね。』【にゃおーん】
「それまでこのまま…?冗談じゃないわ!白野君、私の頭を殴るなりなんなりして意識を…」
「無理だよ、雪乃さんを<否定>するなんて僕にはできない。」
「くっ………(プチプチ)」
「ちょ、ちょっと雪乃さん、何を?!」
雪乃は険しい表情で考え込んだまま、蒼衣のワイシャツのボタンを外し、はだけさせていた。
『雪乃も大胆ねぇ。』【にゃおーん】
「え?!な、何でこんなっ…ちゅむっ。」
困惑した声をあげた雪乃だったが、猫の意識に操られ、蒼衣の乳首に吸い付かされて反論を封じ込まれてしまった。
「うわっ、雪乃さんっそこ…!」
『動物は食欲には忠実ね。アリスはおっぱい出ないのに。』【にゃおーん】
雪乃の舌が蒼衣の胸を細かくなぞり、唇で乳首に吸い付き、たまに歯で甘噛みしてくる。
「!?ふわぁ、なんでこんな…雪乃さん、激しすぎ…」
「ちゅーっ、ちゅーっ、んむ、ハァ…ハァ…知らないわよ、この猫が…」
『アリスがこんなに胸で感じるなんてね。今度実体化したらやってみようかしら?』
【にゃおーん】
「ぴちゃぴちゃ、ちゅ〜っ、そんな、冗談じゃ…って、きゃっ」
蒼衣も健康な男子高校生である。
このような状況で股間が屹立してしまうのは不可抗力と言えよう。
不幸だったのは、ガラクタの山に突っ込んだ時にズボンが切れたのと、
雪乃と絡み合っていたせいで亀裂が大きくなり、そこからペニスが顔を出してしまっていた事だろうか。
「さ、最低!何考えてるのよ白野君!!」
「ご、ごめん雪乃さん、でもこれは生理現象で…?!」
わき目も振らず乳首を吸っていたはずの雪乃がゆらりと身体を起こし、まじまじと蒼衣の股間を観察し始めた。
「あんまり見られると恥ずかしいんだけど…」
おずおずと蒼衣が声を掛けると、突然がばっと雪乃の両手が蒼衣のペニスの根元を掴んだ。
「こ、この馬鹿猫最悪っ…!」
蒼衣の剛直を両手で掴んだまま雪乃が引きつった顔で叫ぶ。
「こんなのがおっぱいな訳ないじゃない…っ!」
517 :
猫の断章5:2009/12/03(木) 17:40:55 ID:glVrvJvh
『でもミルクはでるじゃない?』【にゃおーん】
「嫌、嫌嫌嫌嫌いやぁ!」
必死に抵抗しているのか、雪乃の肩ががくがく震え、ペニスを掴む手も緩んだり、
一瞬離れたり、しっかり握り締めたりするが、徐々に顔が近づいて行く。
蒼衣は生きた心地がしない。
白く美しい雪乃の手が息子を握ってきゅっきゅっと変幻自在の刺激を与えてくる上、抵抗する雪乃のせいで激しく上下にしごかれるのである。
「こんなのが初めてなんて…嫌ぁ…」
諦めが混じった声が雪乃の口から漏れた瞬間、蒼衣はその吐息をトリガーとして限界に達した。
「…うあぁっ!(びゅくっ、どぴゅぴゅっ!)」
自分でも驚くほどの量の精液が雪乃の顔に、手に飛び散っていく。
「え…?こ、これ…」
雪乃も猫もびっくりしたのか、動きが止まり、呆然と手にかかった白い粘着質の液体を見つめる。
『あらあら、アリスったら元気いっぱいね。』【にゃーん】
「ごめん、その、雪乃さんが可愛い過ぎて、雪乃さんの手が良すぎて…」
「さ、最悪!そんな事言われたって私は…!」
「本当にごめん、でも僕は雪乃さんがす…」
「うるさい!それ以上喋ったら殺すわよ!」
『雪乃ったら顔を真っ赤にして、可愛いわね?』【にゃおーん】
「赤くなんか…!れろ、ぴちゃ…?!」
射精の勢いに驚いていた猫が食欲の充足へと動き出した。
雪乃の不意をついて白濁液に塗れた手をピチャピチャと舐め取り、再び蒼衣のまだ元気なペニスへと向かい合う。
「に、苦い…いやっ、心の準備がまだ…んちゅ。」
初めての精液の味に戸惑った表情のまま、雪乃はついに蒼衣のペニスに口付けしていた。
「う…あ…、雪乃さんの口…あったかい…」
言葉とは裏腹な雪乃の熱い奉仕に蒼衣は快楽のうめき声をあげる。
「じゅる…んちゅっ、ちゅーっ、ぷはっ、ぴちゃ…れろ…もごもご…や、やらぁ…こんひゃこほ…」
猫の意識が精液のミルクを欲し、雪乃をペニスに吸い付かせ、亀頭に接吻の雨を降らせ、時折深く咥え込んで強く吸う。
雪乃の意識が蒼衣の性器を嫌がり、なんとか動く舌で口から追い出そうとし、裏筋を何度もなぞり、尿道口をノックする。
発射した後で元気を失くしていたはずの蒼衣自身が、図らずも最高のチームワークを発揮した雪乃と猫の激しい奉仕により再び直立する。
『我慢しなくてもいいのよ、アリス?こんなに雪乃が頑張ってるんですもの、報いてあげて?』【にゃおーん】
「そ、そんな…って、うわぁ!雪乃さん深いよ…それ気持ちよすぎて…!」
我慢汁を零さず飲み干そうと、猫の本能が雪乃を駆り立てる。
「ちゅっちゅっちゅっちゅ…はむっ、ちゅるん」
喉奥まで性器を咥え込み、じわじわと出てくるカウパーを嚥下する舌根が蒼衣にこの上ない快楽を与える。
『ほらほら、雪乃があんなに美味しそうに咥えてるんだから』【にゃおーん】
「じゅぷぷ…んぐ、んぐ、んぐ…んんん!」
雪乃は咥えたままの体勢で、かろうじて動く視線だけを上目遣いにして、
出したら殺すという明確な意思をのせた物騒な視線を蒼衣に送る。
だが喉奥への刺激によって目尻に涙が溜まった目で、上目遣い。
理性を最大動員していた蒼衣の頭が一瞬真っ白になり、そして…。
「くはっ、雪乃さん!ごめんっ!!(どぴゅっ!びゅるびゅるびゅる…)」
「んっ?!じゅるるる、ちゅーっ、ちゅーっ…ごくん。ぷはっ…嘘…。」
限界に達した蒼衣が深々と剛直を頬張ったままの雪乃の喉奥に勢い良く射精すると、
一瞬驚いた雪乃も猫の食欲に突き動かされ、粘性の高い白濁液を吸い出す。
夢中の表情で蒼衣の息子から「ミルク」を搾り取り、射精が終わると一息に飲んでしまった。
518 :
猫の断章6:2009/12/03(木) 17:42:39 ID:glVrvJvh
「はぁ…はぁ…雪乃さん…猫はまだ中に…?」
欲望を吐き出して若干虚脱状態の蒼衣が雪乃に訊ねる。
「まだ居るけれど…食欲は収まったみたい…。」
『そうみたいねぇ、でも、この子猫ちゃん、外に遊びに行きたそうよ?』【にゃあ】
「外ですって?!冗談じゃ…!」
最初の射精で思い切り顔や服にかけられた格好で、しかも猫の振る舞いで外に出ると聞いて雪乃が顔色を変える。
「…雪乃さん、雪乃さんの意識を失わせれば猫は抜けるんだよね?さっき方法を思いついたんだけど…」
「この際何でもいいわ、多少の怪我は覚悟の上だから、猫が動く前にやって。」
「え…でもこれは雪乃さんに許可してもらった方が…」
「いいから早く!」
「分かった、やるよ、雪乃さん。」
蒼衣の手が雪乃の秘部をそっとなぞった。
「きゃあ!ちょ、ちょっと白野君…」
『なるほど、アリスらしいわ』【にゃあ】
蒼衣は雪乃の意外と清楚な雰囲気のパンツの上からゆっくりとスジをなぞる。
「うん、意識を失わせる為に雪乃さんに害を加えるのはリスクが大きい。
だから、逆に気持ちよくなって意識を飛ばせばって、さっき自分の意識が飛んだ時思ったんだ。」
猫の意識が愛撫を受け入れているのか、蒼衣に身体を完全に預けて蒼衣の華奢な胸に頬を擦りつけている。
「だからってこんな事白野君が私にするなんて…ひゃん!」
さっき以上に頬を赤く染めて雪乃が反論しようと口をもごもごさせる。
「ごめん、雪乃さん、でもこれが安全で一番早い方法だと思う。僕が触る前から雪乃さんのパンツ、びっしょり…」
「白野君、それ以上言ったら…!」
「ごめん、なるべく早く済むように頑張るから、雪乃さんもあんまり我慢しないで…」
そういうと蒼衣は下着の間に手を滑り込ませ、陰核を探って手を動かした。
「あぁっ、ひゃぅん、だ、駄目、そこ…」
手探りで、しかも利き手が瓦礫の下なので左手だけなので時間がかかるかも知れないと思っていた蒼衣は、意外に雪乃の反応がいいので一気に手を加速させる。
「ふぁぁあ!白野君っ白野君っーーーーーーーー!」
『あらあら、アリスったら可愛い顔して手馴れてるのね』
一瞬雪乃の身体が硬直し、痛いほど強く抱きつき、蒼衣の名を呼びながら果てた。
「ふぅ、上手く行ったかな…?雪乃さん、どうかな?」
「はぁ…はぁ…はぁ…な、何がよ」
「猫。無事に出て行った?」
「あ、そ、そう、猫、ね…。…いいえ、残念ながらまだ居るみたいね。」
『え、雪乃?』
「姉さんは黙ってて!!意識が完全には飛ばなかったから…その、左手だけじゃ駄目みたい…」
「まずいな…そうだ、携帯で神狩屋さんに助けを…僕のがそこに落ちてるから、連絡を…」
ガシャン!
「ね、猫の意識が警戒して携帯を踏ませられたわ!」
『クスクスクスクス』
「そんな…」
「白野君、私を…しっかり意識を飛ばす方法、右手が使えなくてもまだあるでしょう?」
そう言って雪乃は蒼衣の上に投げ出していた身体を起こし、蒼衣の目を見つめた。
蒼衣の目に困惑、躊躇、様子見の光が浮かぶ。
雪乃の目に恥じらい、覚悟、期待の光が浮かぶ。
「…いいんだね?」
「わ、私が望んでる訳じゃないけど、騎士としての覚悟だから。」
『ぷぷー、クスクスクス。』
蒼衣は雪乃のの腰に手を当て、自分の上に誘導する。
「分かった。じゃあ、入れるよ…」
蒼衣がなるべく早く終わらせようと急ぐと、雪乃が慌てた声を上げた。
「ま、待って!!」
「やっぱり止めようか…?」
「そうじゃなくって…ああもう!ほら、猫がまた暴れそうなの!」
「えっと、じゃあ…んむ?!」
『もう、妬けちゃうわねぇ』
雪乃が蒼衣の唇を奪ったのは一瞬だった。
そのまま猫のように激しく、蒼衣の口腔を蹂躙する。
「ん、んっ、ん、…」
蒼衣もそれに応え、その後自然と二人の身体は近づき、交わって行くのだった…。
さて、後日。
あの日から一週間ほど経った夕方、再び二人は廃工場を訪れていた。
「姉さんは中央の部屋で泡を感じたっていってたわ。」
「被害はあれから止まってるし、もしかするとーーー」
二人は妙に饒舌に事件のあらましを二人がピンチを脱した過程を巧妙に避けながら確認しつつ、工場の奥に歩みを進めた。
「…これね。」
「…予想してたけど、小さいね…。」
奥の部屋、廃工場にしては多少綺麗な部屋で、蒼衣達は今回の潜有者を見つけた。
ダンボールに入った子猫の死体。
中には食べ物が入っていた痕跡もあるが、死後一週間といった所だろうか。
「潜有者死亡で解決…ね。」
「…うん。」
「神狩屋さんに報告しないと。」
「…うん。」
「じゃあ、早く…」
「ごめん、このままじゃ可哀想だし、僕はお墓を作ってから行くよ。雪乃さん、先に帰っても…」
『はぁ…アリスは気が利かないわねぇ。』
「姉さん?」
『二人で作りなさい、キューピッドの墓をね。』
更に後日
「ねぇ、白野君、私、また光る猫に取り憑かれちゃったみたい。」
あとがき
初投稿なので誤字脱字、いろいろと拙いのはご容赦を…
ゆきのんはお口にジャスティス、それも強気で、ちょっと嫌がって、でも攻められたいという変態願望から捏造したので、
今回勝手に動物が潜有者って事にしました。
とりあえずお口が書きたかったので、本番はゆきのんがデレた、という事を示すためだけに急遽入れたので、描写はなしです
というか、力尽きましたサーセンw
>>520 > あとがき
>
> 初投稿なので誤字脱字、いろいろと拙いのはご容赦を…
> ゆきのんはお口にジャスティス、それも強気で、ちょっと嫌がって、でも攻められたいという変態願望から捏造したので、
> 今回勝手に動物が潜有者って事にしました。
> とりあえずお口が書きたかったので、本番はゆきのんがデレた、という事を示すためだけに急遽入れたので、描写はなしです
> というか、力尽きましたサーセンw
>>521 書き終わったテンションのままに調子に乗ってすみませんでしたorz
破壊力-D スピード-なし 射程距離-A
持続力-A 精密動作性-E 成長性-E
能力-とりつかれた相手は猫のようになる。とりついた相手によっては能力が解除された後も猫化が加速する。
非常にGJな能力。
何この泡渦。すごくGJなんですけど
ゆきのんかわいいよゆきのん
久々の供物GJー
デレた雪乃んの本番欲しかったー
>>520 拒絶する反応が逆に相手に快感を与えてしまうとか……最高だ。
終わり方も好きなタイプだったし、かなり良かったよ!
高クフォリティな供物キタ!
すごいな、実用性というものを勉強させてもらったw
ho
そろそろクリスマスか
雪乃んで何か書きたいけど他にも書きたいのがあって困るなあ
エロ無し小ネタ
「今からクリスマスパーティを始めまーす!」
「おぅ、メリークリスマス!」
今日は待ちに待ったクリスマス。
みんなを部室に集めて、クリスマスパーティの開催をこの私、日下部稜子が宣言する。
でも返ってきたのは武巳クンの声だけ。
亜紀ちゃんは呆れたような顔で溜め息なんか吐いてるし、村神君は壁にもたれかかって腕組み。椅子に座ればいいのにね。そして魔王様に至っては本を読む始末。
せっかく武巳クンと二人でツリーの飾り付けしたりケーキを買ってきたりしたのに(だって他の人は手伝ってくれないんだもん)これじゃつまんない。
サンタさんの帽子だってかぶってるのに。
「今日はクリスマスなんだよ! もっと楽しくぱーっとやろうよ!」
私がみんなに言うと武巳クンも「そうだそうだ」と頷く。
すると魔王様は読んでた本を閉じて、やっと口を開いてくれた。
「いいか日下部。クリスマスというのは……」
「キリストの誕生日でキリスト教じゃない私たちが祝うのはおかしいって言いたいんでしょ。……ふんだ」
やっぱり魔王様は魔王様だ。
小難しい講義が始まる前に話を打ち切るもんね。
「まったく。稜子、むくれるのはやめな」
「むくれてなんかないもん」
思いっきり拗ねた声が亜紀ちゃんに返ってしまった。
「はぁ……。わかったわかった、一緒に祝うから機嫌直して」
亜紀ちゃんの言い方がワガママな子供をあやすみたいで少しむっとなる。
でも祝ってくれるのは嬉しいな。
「ま、クリスマスが恋人がいちゃつく日じゃないってのは恭の字に同意だね」
「えー、亜紀ちゃんにはロマンスがないよぉ」
クリスマスっていうのはカップルがプレゼントを交換したり同じマフラーを巻いて暖まったりする日なのに!
「つーか、木戸野。陛下はなにも言ってないじゃんか」
話を聞いてた武巳クンが突っ込む。それもそうだ。ナイスツッコミ。
「馬鹿者。恭の字が恋人の日を肯定しない事なんてだいたい分かるでしょ」
「まぁ、うん……」
確かに……。武巳クンに同意。
「それじゃ、村神君はどう思う?」
「俺か?」
まだ腕を組んで壁にもたれかかってる村神君に聞いてみる。
「クリスマスなんて祝った事が無いから、よく分からないな」
「ウソ!」
返ってきたのは予想外の答えだった。
信じられない。クリスマスを祝った事が無いなんて。きっとお家の人が厳しかったんだね。村神君、かわいそう。
「それじゃ今日は村神君の初クリスマスだね!」
なんだかやる気が湧いてきた。
村神君に今までの分も楽しんでもらわないとね。
早速村神君のとこに行ってサンタ帽をかぶせてあげる。
うんうん、意外と似合ってる。村神君は困ったような顔をしてるけど。
次は武巳クンに手伝ってもらって、紙コップに全員分のジュースを入れる。後はクラッカーをみんなに配れば準備完了。
「それじゃあ始めるよ?」
せーの、と息を合わせてクラッカーの紐を引っ張る。
次の瞬間、パァーン、という音と共にカラフルな紙が飛び出す。やっぱりこれだよねー。
「みんな」
「「メリークリスマス!!!」」
みんなの声が揃って………あれ?
「やっぱり……二人だけ?」
答えの代わりに二人分の溜め息と紙を捲る音が聞こえてきた。
昨日の夜中に思いついたのを携帯電話に書き殴ったものだからかなり雑
でもクリスマスだからそんなのキニシナイ
違和感ないなww
なんか普通に番外編であってもおかしくない
GJでした
新年ほしゅ
夕方にファミリーレストランに行った。
隣の席には高校生くらいの線の細い男と、彼と同年代くらいの美少女のカップルが座ってきた。
少年は学校の制服を着ていて目立ちはしなかったけれど、少女の黒いゴシックロリータの服装は印象的だった。
喧嘩でもしているのか、女の子のほうは相手の顔も見ずにつまらなそうな顔をしていた。
少年は絶えず明るく話しかけて少女を退屈させないように努力しているのに、彼女はほとんどそれを無視する。
返事をする場合でも一言か二言だけで、会話をしているって雰囲気じゃなかった。
この時点でも男の子にかなり同情をするけれど、急に女の子が奇妙なことを言い出した。
「姉さんの感覚がおかしいだけよ」
おかしいな、二人だけだったはず――そう思って横目で見たが、彼女の隣にも向かいの席にも誰もいなかった。
携帯を使って話しているわけでもないし近くにウェイトレスもいない。
けれど彼女はそこに誰かが存在するかのように、店内の何もない空間を見上げながら喋っていた。
不思議なひとりごとを聞いても少年は戸惑うことなく、曖昧に笑って話を続けていた。
さっぱり理解できなかったが、尋ねるわけにもいかない。
先に少年の注文した料理が運ばれてきたが彼はなぜか食べようとしなかった。
少女は「白野君」と呼びかけ、料理に手をつけない理由を尋ねていたのだが、また唐突におかしな発言があった。
「そんなつもりで言ったんじゃないわ。姉さんは黙っていて」
不機嫌そうに彼女は言い放つと、組んだ腕をテーブルの上に置いて視線を天井へと向けた。
ポニーテールに結われた少女の黒髪はかすかに揺れていた。どういう「設定」なのかはここで理解できた。
この美少女には幽霊となった姉がいるらしい。
最初は奇抜だと思っていた黒いゴシックロリータという服装も、こうなると別の意味を帯びてくる。
霊感持ちという彼女の妄想とその服の趣味は親和性が高いと感じた。特別な服装こそ、相応しい。
人前でも平気で目を引く服装をしているということは、これが常態になっているのだろう。
だとしたら、さぞかし彼氏は大変だろうなと思いながらコーヒーをすする。
カップの中身はほぼ空に近づいていたけれど、もうすこし二人のやりとりを聴いていたかった。
少女の頼んだ料理が机に置かれるのを待ち、給仕にお代わりを頼むことにした。
店員がコーヒーの入ったポットを持って再び現れても、まだ少女達は何も食べていなかった。
「雪乃さん。こっちはもう冷めてきたから交換しようか?」
少年の言葉から少女が猫舌なのだと推察できた。
冷たい態度とのギャップが、その弱点に可愛らしいという印象を与えている。
彼女は少年の申し出をにべもなく断るとスープパスタの器にフォークを挿しこみ、そこで動きを止めた。
「ああ、肉が入っていた? 旨味を出すためにベーコンが入ってる事ってよくあるよね」
少女はフォークから手を放すと小さくため息を吐いた。
肉嫌いか。それはただの偏食で、悪いイメージだな。そう考えていると少年に動きがあった。
少年はパスタの入った食器を持ち上げると自分の方へ寄せ、代わりに彼の注文した料理を差し出す。
「魚なら平気だよね?」
そう言うと、彼は器に取り残されていたフォークと追加をしたスプーンを使って食事を始めた。
少女は文句を言いながらも、少年の注文した料理を口へと運ぶ。
食事が始まっても、口数こそ少なかったが彼女はたびたび幽霊に話かけることがあった。
驚いたのは少年までもが幽霊に話しかけていたことで、まるで彼にも幽霊が見えているかのようだった。
彼が幽霊に声をかけ、幽霊が何かを答えたらしき間があり、その妹が苛立ちながら言葉を発する。
少女から幽霊、幽霊から彼へと言葉をかけるという逆のパターンもあった。
少女の頭の中でのみ響いているはずの幽霊の発言を聞き、会話を成立させているのだろうか?
同じ妄想を共有していたとしても、そこまで上手くいくとは思えなかった。
二人が食事を済ませて店を出て行くまで観察を続けても、納得のいく説明は思いつかないままだったのが残念だ。
だが、幽霊の妄想を共有していることだけが二人の絆というわけではないのだろう。料理を交換した直後のことだ。
向かいの席に座っていた少年には聞き取れなかったようだが、聞き耳を立てていたこちらには声が届いていた。
小さな声で「ありがとう」と。すぐに批難の言葉を重ねて誤魔化していたが、少女は確かにそう呟いていた。
「ああ…………どうしてかな。こんなことを思い出すのは」
死の間際には過去の出来事が走馬灯のように流れるというが、なぜか浮かぶのは前日の記憶だった。
自分とは無関係の若いカップル。家出をしていた妻との思い出に、似通ったエピソードがあるわけでもない。
不思議ではあったが、それ以上の異常な事態を見たばかりだった。
数日前から失踪していた妻を自宅に連れ帰ってすぐ、死人のような白い腕は私たちを襲った。
いま自分たちを捕らえている腕は床と壁から何本も生えていて、徐々に増す力のせいで呼吸さえ難しくなってゆく。
意識を失う寸前に幻を見た。昨日の少女が戸口の傍に立ち、険しい目つきでこちらを見ていた。
保守
ho
ほ
も
さ
ぴ
え
ん
す
いばら姫の異話とも言える眠れる森の美女、上手く料理してやれば導入に使えそうなんだがなぁ・・・
あれ、倦怠期に入った王子と王女が男装プレイでハッスルなんてエピローグ?があるんだし。
何という過疎りっぷり;
ハッスルという単語は久しぶりに聞いたな
ハッスル失礼!
文庫化した夜魔を読んでみたわけだが
幼女とか綺麗なお姉さんとか何で皆エロい妄想する前に死んじゃうんだよ畜生ぉー!
ほ
550 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 22:41:08 ID:+lJ3Kdwh
い
み
べ
ほ
い
み
べ
ほ
ま
べ
ほ
み
失敗したか……
ククク……この失敗作め!
ほし
565 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 15:52:12 ID:dDr4LfgC
メ
ェ
ル
ヘ
ェ
ラ
リ
ああ上がってたんだ。落ちたかと心配した
メルヘンは規制されてしまうのかな?
雪
乃
風
太
郎
だれだよw
三郎「あ、兄者……!」
三朗「ほ、保守……!」
三朗「か、過疎……!」
空
584 :
名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 11:41:26 ID:AIprQkti
目
狂
四
朗
昌
様
ぁ
誰でもいいから書いてくれー
武巳×亜紀とか面白そうだよね。
別に書かないけど。
こどものひ保守
そろそろ新刊出るか
新刊、ゆきのんがすっげぇデレるの我慢しててニヤニヤしたわ。
葬儀屋×可南子に期待
597 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 01:02:21 ID:HAFj1HvQ
パクッ
ニコッ
純真無垢な安奈ちゃんをエロ調教したい。可南子さんでも可
しあわせな王子・上?
『ツンデレゆきのんktkr!!』
「・・・・・・姉さんは黙ってて」
『<葬儀屋>さんに生き返らせてもらえば最強の騎士誕生じゃね?wwwwwうはwwwww夢が広がりんぐwwwww』
「・・・・・・・・・・・・姉さん」
「瀧のシャツ…」
「瀧の○○○…」 ←好きな言葉を入れてね!
「瀧の靴下……」
603 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 19:07:20 ID:1VVJqUrX
瀧のタオル…
「瀧のハンカチ」
605 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 01:06:16 ID:ZoTOBI33
あげ
雪×蒼、生まれた子がどっちかの断章継いでいたら…
血脈の母系遺伝の話から考えれば普通に<雪の女王>を継ぐんじゃないの?
風乃さんをどう引き継ぐのか興味はあるけど
608 :
名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 21:46:29 ID:H+WdP6RQ
>>606 雪×蒼なら
長女→風乃
次女→葉椰
三女→歩由実
三女やべぇw
三女がマジ怖いんですけど
611 :
sage:2010/05/29(土) 00:04:14 ID:soHd6znH
たとえばの世界
「おはよう、お母さん」
私はいつものようにみんなにあいさつをしながら歩く
「おはよう、お父さん」
ほほ笑みながらみんなにあいさつをし続ける
「おはよう、壁の影法師さん」
そしてヨハンと一緒に散歩に出ていき
「おはよう、監視者さん」
いつものようにチャイムをならす
「おはよう、武巳くん」
「おはよう、魔女のお姉ちゃん」
私はあるく、武巳君とヨハンと一緒に
「こんにちは小人さんたち」
「こんにちは〜」
私があいさつをすると武巳くんもあいさつをする
「こんにちは、かわいい魔女さんとお友達さん」
みんなも、私と武巳くんにあいさつをくれる
「そういえば土の中でおもしろいものをみたよ」
「どんなの?」
私とみんなが話している間、武巳くんは私の手を握りながらその話を聞いている
「こんど、二人でみにおいでよ」
「うん、そうするね」
話がおわり、私たちはまた歩き出す
散歩が長くなるように、知らない道へ
そうして、知らない森の知らない神社へきて
「あ」
「ん?」
私たちは、夜とであった
続けたいなぁ
ここって百合あり?
よい、許す。
颯姫×雪乃とか絶対投下するなよ!
可南子×雪乃とかも絶対ダメだからな!
いいか、絶対の絶対だぞ!!
颯姫&瑞姫×風乃
とても醜悪な中年男の陵辱劇とか書ける空気じゃないな・・・
完全に枯渇状態だから投下は何でも歓迎なのよ
ほ
し
ゅ
無数の青白い手ならぬ青白いちんこに初めてを奪われる雪乃、
化け物だから平気!とやせ我慢するも
「こんなことなら…白野君にあげておけばかった…」と泣き出す雪乃。
ちなみに青白いちんこは笑美さんにジョキジョキ切られました。
青白いちんこ使いの騎士とか居たら嫌だろうな本人が、
女性だったらチン子って呼ばれそうだ。
青白いちんこに襲われた悪夢かw
いわゆる触手召還能力か、ナニで相手を縛って動きを止めたり
谷をナニで作った橋で渡ったりとか汎用性高そうだ。
そんな断章が暴走したら……ゴクリ。
どんなトラウマを負えばそんな断章を保持するハメになるんだろうか
ハメられたんだよ。
この泡禍の異形↓
/⌒\
( )
| |
| |
( ・∀・)
) (
(__Y_)
なぜか包茎の異形に見えた
男に拉致監禁されてたときに屈辱的な調教を受けたトラウマが原因で発生した断章
「隷属するモノに屈辱を」
周囲の空気ごと一瞬で相手を戒め隷属させ、強制的な快楽を与える。相手はイク。
騎士としては使い道に困る断章だなぁ・・・w
女の子なら異形でもイかせられるのならアリかも知れないけど
腹上氏させるんだろう。
もしくは絶頂して動けない所を他の騎士に仕留めさせるとか。
騎士名はエターナルフォースだな
相手はイク、か……。
もし勇路の断章がそれならゆきのんが路上でイカされて動けなくなるのか
・・・胸が熱くなるな
そして笑美さんと対峙してイカせようとする勇路
断章発動しようとするよりさらに早くおちんちん○○しちゃう笑美さん
詠子先輩の電波を男が受け取っちゃったら、稜子も亜紀も犯されちゃうのかな?
ワクワク。
何故か蒼衣くんが雪乃さんや颯姫ちゃんを人形のように陵辱してしまう図が浮かんでしまった・・・
心の何処かでは悦んでいるけどそれを認めたくないのと蒼衣くんが正気でない事への抵抗感でジレンマに陥る二r<焼け>
蒼衣きゅんはどう考えても誰かを犯すようなキャラじゃない
むしろ可奈子辺りにつまみ食いされそうなイメージがある
蒼衣きゅんは実は隠れドSだと思う
前に投下されたSSを読んでからそんな印象だw
相手に共感してどんどん新たな性癖に目覚めていくから目覚めのアリスだって誰かが言ってた
キャラの設定無視で濡れ場になるとAV男優になるシナリオライターはクソ
男子高校生はエロいのが普通
強気なのとやさしくってのはよく見るけど
ガチガチに緊張しながらってのは見ないな。
蒼衣きゅんと颯姫ちゃんが最初っから最後までガッチガチだと!?
…ヤバイ鼻血出そう…
男性恐怖症の騎士チン子(仮)と一緒に行動するために女装する羽目になった蒼衣。
ゆきのんの股間に青白い一物が生えてしまう、これをとるには前か後ろの穴に入れて
射精しなくてはいけない、自慰では駄目。
蒼衣はゆきのんに後ろの処女を捧げるのであった…
女の子でも通用する名前だったなそういえば
愛液って血漿が主成分だから、雪乃の傷口を舐めれば…
断章の流れの中申し訳ないんだけど
Missingの需要ってある?
あとあるならNGなカプとかあれば教えてほしい
>>646 タイトルでも名前欄に入れて簡単にどんなカプとかシチュとか書いてくれれば
必要とあれば勝手にNGにするからとにかく投下するんだ!
詠子さんと武巳くんの保健室エッチが読みたいです。
646です。
>>647 了解。助言感謝する。
>>648 先輩が攻め攻めになるシチュしか思い浮かばないのだがよろしいか
とりあえずは自分の思いのままに一本投下する予定だけど
リクとかあれば遠慮なく、というかむしろ歓迎
すべてを叶えられるという保証はできかねるが
支援! 支援!
648だけど、リクありなら攻め攻め詠子さんが読みたいです。
まっつんが稜子に乗り移って、稜子の意識そのままに無理矢理えっちぃ事させる展開キボン
出来れば露出や強制オナが良いです
リク有りと言うことで勝手な事書いたけどシチュ問わず作品投下してもらえるだけで有り難い。支援します
<保守>
雪乃さんが可愛すぎて生きるのがつらい
何かムラムラしてきた。どうしよう……。
鳩 「二人くっつくの?」「くっつくの?」「二人?」「なに集まってんの?」「誰くっつくの?」
「蒼衣くっつくの?」「何してるの?」「押すなよー」「どうかしたの?」
神狩屋「あぁ、雪乃とくっつくよ」
鳩 「本当!?」「大丈夫なの!?」「<変われよ>じゃない!?」「何してるの?」「くっつくらしいよ」
「くっついてほしいな」「ほしいね」「本当にくっつく?」「誰くっつくの?」「くっつくってほんと?」
神狩屋「あぁ、二人なら大丈夫だよ」
鳩 「そうかぁ!」「僕たち鳩だから!」「鳩だからポポッポーだから!」
「ポポッポーだよね」「鳥だもんね」「わからないよね」「くっついてほしいよね」
「何してるの?」「くっつくらしいよ」「蒼衣もくっつくの?」
神狩屋「そうだね。わからないね」
鳩 「うん!」「でも雪乃なんだ!」「そうなんだぁ!」「じゃぁ集まっていいんだよね!」
「やっぱ雪乃だよね!」「雪乃だったの?」「雪乃らしいよ」「何集まってるの?」「せまいよ」
「雪乃なの?」「くっつくの?」「どうしたの?」
神狩屋「そうだよ。くっつくんだよ」
鳩 「よかったぁ!」「じゃぁ見守ろうろうね!」「ロッジに集まるよ!」「雪乃くっつくね!」
「よかったね!」「雪乃なんだね」「僕はばたいちゃうよ!」「僕真っ白だもんね!」
「今きたよー」「なにがあるの?」「雪乃くっつくらしいよ」「颯姫がいいな」
神狩屋「うん、見守ろうね」
鳩 「あぁ!見守るからロッジに集まるね!」「集まるよ!」「僕も見守るよ!」
「蒼衣くっつくね!」「よかったね!」「雪乃くっつくんだね!」「誰がくっつくの?」
「雪乃らしいよ」「僕もきたよ」「なにしてるの?」「颯姫かもしれないね」
「誰かくっつくの?」「颯姫なの?」
(雪乃がカッターを構えながら走ってくる)
鳩 「雪乃だー!!」「うわー!!」「たすけてー!!」「逃げてー!!」「大変だー!!」
「蒼衣はどうなるのー!?」「なんなんだー!?」「颯姫はー!?」「怖いよー!」
「とりあえず逃げろー!」「僕も飛ばなきゃー!」「誰だったのー!?」「わからーん!」
「きたばかりなのにー!」「悪いのはおなかの中へー!」
断章での“くっつく”は、なんか意味がちがうきがした
人体と無機物が融けあうみたいな
その日、近藤武巳がそんなことを思ったのは、単なる偶然だった。
「──あっ、と。そういえば……」
旧校舎の見える渡り廊下を横切ろうとして、武巳はふと思い出した。
(ちょっと歩けば魔女≠フいる場所だな……)
魔女=A十叶詠子。
ここ聖創学院大付属高校において、たとえ会ったことはなくとも、その名前だけは全生徒が知っていると言っても過言ではない──まぁ、要するに不思議少女である。
武巳も名前は知っていたが、二ヶ月程前に友人の空目恭一が失踪した際に僅かな時間会ったのが初めてだったし、その後何か接触があったわけではない。
そう、それっきり一度も会っていないのだ。
「一応世話になったんだし、お礼くらい言っとくべきだったかなぁ……?」
彼女がそんなことを気にする人間ではないことは、あの数分の会話を見ているだけでも理解出来たが、この場合そういう問題ではない。
(……今から会ってみるか?)
ふと、そんなことを思った。
非常識といえば非常識だが、それこそ、彼女はそんなことを気にする人間ではない、だ。
それに、武巳は変わった奴が大好きなのである。
流れている噂の内容が内容なので今まで会おうとも思わなかったが、空目を見つける手掛かりを教えてくれたし、そう悪い人ではないのだろう。多少頭がアッパッパーかもしれないが、空目とはまた方向性の違う霊能者≠ニ話してみるのも、面白いかもしれない。
(うん。ちょっと行ってみよう)
決めて、武巳は旧校舎の池を目指して歩きだした。
投下の邪魔しちゃいかんと思って書き込むのをやめたら投下が止まってしまった
誰か続き書いてよ。
661 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 00:46:40 ID:7VlhoIVQ
あげ
ss完成するまでこのスレが残ってるか不安になってきた
また浮かび上がってくるから大丈夫だろ
浮かび
たゆたう
不吉なレス番で止めないでくれ
散る
671 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:38:22 ID:GyzDjLcj
「また、この夢なのね」
薄闇に覆われた、どこかの家の一室
騎士としての癖か、目は自然と周囲を観察し始める。
放置されて長いのか、辺りには埃と日焼けの臭い。
床に広がる黒い染みは、暗くてよくわからないが…嫌な想像を、掻き立てられる。
正面の出入り口であろうドアの前には本棚が倒れており、なぜかこの部屋には窓がない。脱出はできないのだろう。
埃や何かの破片が散乱しているが、家具は倒れている本棚と机しかない。ならば、床に散らばる破片は何か
だが、大した問題ではなかった。これは夢なのだ、断章が使えなかろうと泡渦に襲われようと、醒めれば終わりだ。
本当の問題は―――
「いるんでしょう、姉さん」
廃墟特有の、埃と停滞に満ちた重い空気を声が切り裂く。
そう大きな声を出したつもりではなかったのだが、妙に部屋に響いて少し気恥ずかしくなった。
そして。
突如目の前に現れた白い手が、雪乃の顎をくいっと持ち上げて。
唇に濡れる柔らかい感触。
「…っ!」
瞬間、後ろに飛び退く。
そして、その先に再び柔らかい感触。
後ろから腕を胸に回されて、がっちりと抱きすくめられた。
『自分から飛び込んでくるなんて嬉しいわね。可愛い妹に甘えられるなんて、姉さんは嬉しいわ』
「姉さん、放して」
冷たい声で拒絶を告げる。
『ふふ…。』
ゴシックロリータに身を包んだ、泡渦そのものと化した姉、風乃。
蟲惑的な、そして退廃的な笑みを浮かべるそれは、本人ではない。この泡渦ですらない"ただの悪夢"が作り出した、風乃に似た悪質な模造品だ。
拒絶への返答は、手の回された胸へと行われた。
「うっ…や、はっ」
やわやわと揉みしだかれる胸、そこから生まれた甘い官能が、全身を走る。
「あっう、くぅ…っ!」
胸の先端に血と性感が集まっていく。風乃の手管に、心を囚われそうになる。
『本当はしてほしいんでしょう?やせ我慢は良くないわ』
クスクスと、嘲笑が耳を嬲る。蔑まれる事に快感を覚えるほど、心は堕ちてはいない。
しかし、既に堕ちた身体は耳に触れる吐息にすら感覚を尖らせ、性感を求めた。
『本当に敏感ね。可愛いわ、雪乃…』
「ひぁっ!」
ぬらりと光る舌が、粘液を纏いながら耳朶をなぞる。
ぞわぞわと、背骨を静電気が走った。
ガクッと、腰の力が抜ける。身体にかかる重力のままに、ぺたんと尻もちをついた。
「はーっ、はーっ…」
上がった息が戻らない。炙られたかのような熱が、内側から身体を灼いていく。
床に溜まった埃が制服のスカートを白く塗り、それを見てようやく自分が学校の制服を着ていることに気付いた。
今夜で、何度目だろうか。こんな忌々しい淫夢を見るようになったのは。
憎い姉に犯される夢。それを、一夜また一夜と重ねていく度に、いつの間にか身体に快楽が染み付いてしまった。
下らない、取るに足らないと断じていた挙句がこの体たらく。泡渦の可能性もあるのかもしれないが、こんなことを他人に相談する訳にはいかない。
泡渦の悪夢であることが確かならば、すぐに神狩屋に報告しただろう。だが、泡渦であるとするにはあまりにも確証が無かった。
それにもし、泡渦の仕業でないのなら完全に笑い物である。そんなことはプライドが許さない。
そんなことは――
チュ、クチュ…
嫌でも聞きならされた水音が、響いた。
淫水を練り官能を誘う、淫魔の呼び声。風乃が何かやっているのかと周囲を見回しながら音源を探り、気がつく。今官能の波紋を音として撒いているのは、まぎれもない自らの秘所であった。
672 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:39:31 ID:GyzDjLcj
気付いた途端、体中の筋肉を溶かすかのような甘い痺れが股間から広がり、全身から力を奪う。
そして、膝丈のスカートに差し入れられている、腕。薄闇の中でぼんやりと見える、包帯にまかれたその腕は―――
「くっ…」
間違えるはずもない、自分の腕だった。
「くぅ、う…」
ショックだった。
知らぬ間に自慰を行う程に快楽に冒された身体が。
自らの手に「犯されている」と錯覚した瞬間、更に官能を増した自らの心が。
自分の限界は、自分で思っているよりも早かったのだ。
動き出した指は、まるで別の生き物であるように秘部を這いまわる。
「ふぅ…ふ、うぅ…」
稚拙な手管。本能のままに下着の中を撫でまわす、焦らすようなもどかしい動きが、性感を高めていく。
脳裏によぎるのは、風乃の天にも昇るようなあの―――
「ふぁ、あんっ!」
思い起こした瞬間、脳内で自らの手は風乃の手へと変わった。
聞こえてもいない筈の風乃の言葉が聞こえる。秘部を撫でまわしていた手が、秘裂を激しく穿ち始める。
空いた右手が食らいつくように胸を揉みしだき、支えを失った上半身が後ろへと倒れる。髪に埃が入るなど、もはや頭にはなかった
「あっあっ、ああっ!」
官能に流されるまま、溢れる性感を貪ってゆく。もう、なにもかんがえられない。
<『気持ちいいかしら?ほら、見ててあげるから…ね?』>
「くぁっ、ああっ!」
妄想の風乃に看取られながら、脳内が白く爆発した。
内腿をきつく締めながら、大きく背をのけ反らせ…雪乃は、絶頂へ達した。
「はぁ、はぁ…」
荒い息をつきながら、ぼんやりと仰向けになり目を瞑って余韻に浸る。
波が引くように、全身から官能の熱が冷めていくのがわかった。汗をかいたままクーラーの効いた部屋に入るような心地よい清涼感が身体に広がってゆく。
「ふぅ…」
ぼんやりと目を開いて…そして、冷たく見下ろす一対の目が、あった。
「っ…!?」
まるでアリの行列を眺める幼子のような、感情の読めない、しかし興味の籠った、こちらを観察する目。
風乃の事を完全に失念していた。改めて、自らの淫蕩さに愕然とする。
血の気が引いた。そして、完全に醒めた。他人に秘め事を見られた、その事実が恐怖となって心を締めあげる。
悪夢は、まだ終ってはいない。
風乃が、ニタリと笑った。
『今まで嫌がっていたのに』
風乃が、膝をついてこちらの顔を覗き込む。
「ち、違…」
『本当は、欲しかったの?』
顔の両脇に手をつき覆いかぶさってくる。
「嫌…っ!」
『自分で慰める程に求めていたのに、嫌がるふりをしていたの?』
さらに近づき、風乃の顔が視界一杯に広がる。
『可愛いわね』
「んっ!」
二度目の口づけ。風乃の胸に両の手をつき、押し返そうとするが…力が入らない。
嫌々をするように首を振って抵抗するも、唇は頑なに張りつき離れない。
ろくな抵抗もできないまま、無防備に唇を吸われ続ける。
ちゅっ、ちゅっ…
「ん、ふぅっ…」
水音が、水面を伝う波紋のように広がり、心を乱す。
濡れた舌が歯をなぞり、唇を撫でる。口を辱められるたび、自らの秘芯に再び情欲の炎が灯るのを感じた。
673 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:40:29 ID:GyzDjLcj
いや、事実求めているのだろう。背骨も、勝手に反っては風乃の身体へ自らの体を押し付けんとしている。
「う…」
自らの身体と心は、もはや意思ではなく風乃に与えられる快楽に従っている。それを痛感した。
勝ち誇るような、微かに寂しそうな笑顔で、風乃はあざ笑う。
『キスでメロメロになっちゃうなんて。なんてウブで愛しい我が愚かな妹…』
「くぅ…っ」
あまりの屈辱に、涙が滲む。
だがしかし屈辱は、怒りではなく情欲の炎に燃える。
だんだん、屈辱をなんとも思わなくなっていく。
『そんな潤んだ目でおねだりされるなんて。嬉しいわ』
だが風乃は、そんな屈服の証とも言える腕を振り払い、上体を起こす。
「あっ」
自然と声が出た。触れ合う胸を剥がされ、胸の中を共有していたかのような、心の体液を流し込み合うような温かいつながりを断たれた。
心に大きな穴が開く。その穴に寂しさが流れ込み、溢れだす。
『安心しなさい、そんな目で見なくてもちゃんと遊んであげる』
ひた、と粘液に濡れた下着に膝が押し当てられる。
「やっ」
『きっと気に入るわよ』
そのままゆっくりと体重をかけ、円を描くように撹拌する。
「あっ、は、あぁっ!」
自慰で一度は鎮火した恥部が、再び熱く燃え上がる。
先ほどの行為とはまるで比べ物にならない、意識が飛びそうな程の圧倒的な快楽が、股間から脳へと殺到する。
「あっあっああっ、ああーっ!」
強すぎる快楽に脚を締めて和らげようとするも、体重のかかった風乃の膝は圧倒的な力と快楽で敏感になった秘部を圧倒して逃がさない。
髪を振り乱して背を反らし、嬌声を捧げる事。それが快楽の生贄に許された唯一の行為だった。
あまりに無力な被害者に、凌辱者はさらなる追い打ちをかける。
振動を織り交ぜ、激しく抉りはじめた。
「ひっ、あ、ああーっ!や、あ、あっあっ…ああっ!!」
虚を突く動きを織り交ぜられて、身構えるという最後の防壁すら破られた。
全ての抵抗を剥がされ、凌辱の限りを尽くされて、後はもうされるがままに弾けるのみ。
「あーっ!あーっ!あっあっ…」
『はい、ここまで』
限界の時を迎え、大きく息を吸ったその瞬間…突然、愛撫は打ち切られた。
「え…」
いきなりの解放にまず困惑し、それから秘部から湧き上がるマグマのような熱に、風乃の思惑を知った。
そしてその冷酷さに怖気と、興奮と期待を感じる。
「あ、ああぁ…」
674 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:43:12 ID:GyzDjLcj
熱い。
踏みしだかれた秘部が、火を噴きだしそうなほどに。
火傷をしたかのように、内側からどんどん加熱していく。
捲れ上がったスカートの下、淫らな液がどくどくと流れだしていくのがわかる。
脚は内股をこすれ合わせ、腰は誘う様に激しくうねる。だが、どんなに足掻いても、内側から身を焼く快楽の火の勢いは止まらない。
何をされたのだろうか、腕の感覚がない。身体が勝手に、という事がないよう、心に逃げ道を作らせない為か。
そして冷たく見下ろす風乃。
つまり、愛撫を乞えという事なのだろう。
既に大半を焼かれ、疲弊しきった心に最後のとどめを刺そうというのだ。
もう、抵抗しきる気力はない。
それでも、すんなり投降することはプライドが許さない。
精一杯、耐えてみせよう。そう心に決めて目を閉じ、きゅっと口を真一文字に締め―――
「くああっ!」
決意も、気力も声と共にはじけ飛んだ。
風乃が、指で秘裂をなぞったのだ。
快楽の火は加速度的に燃え上がり、渦巻く炎となって最後の理性を焼き払う。
「ああっ!ああっ!」
燃え盛る火焔が、下着の中で暴れている。
そう錯覚させるほどに、身体は絶頂を渇望していた。
もはや、恥も外聞もない。今にも爆発しそうな性感をなんとか鎮めなければ。
そう思い、風乃に投降の意思を告げようとする、が。
つん、と再び、風乃の指が膨らんだ下着の中心を軽く突く。
「あはぁっ!」
指が触れたその一瞬だけ、充足による至福が身体を包みこむ。そして訪れる快楽の灼熱地獄。
投降して、素直に愛撫を乞えば終わりだと思っていた。…甘かった。
自分を徹底的に焦らして、骨の髄まで快楽に冒させる気なのだ。
絶望が、心を覆う。
その絶望すら薪代わりに、魔女の炎は燃え盛る。
「ああっ!あっあっ!あああっ!」
さながら、火あぶりにかけられる魔女のように、情欲という炎にその身を焦がす。
『自らの信念の為にその身を焼かれる。なんて愚かで美しいのかしら』
おもちゃを見つけた子供のように目を輝かせ、風乃は何度も突っつき回す。
ぷに、ぷにと柔らかい恥丘を凹ませる度、嬌声は一層高いものへと変わっていった。
「あぁぁっ!も、いっ、嫌っ、あ、あああっ!」
どれほどの間、悪魔に嬲りものにされていたのだろう。
もう、下半身の感覚は無く、ただただ性感の爆風に弄ばれるまま。
耳元に、風乃の声が聞こえる。
『辛そうね。助けて欲しい?』
言葉の意味を理解することができない。ただ、本能的に頷いた。助けて、と。
『…ふふっ』
何か、重大な過ちを犯したような気が、する。
それが何なのかを考える前に、思考は悦楽に飲み込まれた。
『ちょっと焦らし過ぎたかしら?辛そうね、可哀想に』
そう言いながら、心底楽しげに笑う、風乃。
びしょびしょになった下着をずらされる。
風乃が、人差指と中指をつきだし剣印と呼ばれる指の形を作った。
やっと、来る。救いの瞬間が。
暴れる腰の中心へと、一息に突き立てられた。
675 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:44:34 ID:GyzDjLcj
「あはあぁぁぁぁぁっ!!」
全てが、白く染まった。
…長い。三秒、四秒。脳を焼く激しい快楽が、これほどまでに続くのは初めてだった。
それはまさに、天国であった。
まるで本物の剣を突き立てられたかのように、激しく噴き出す淫液。
自らの背は、世界すら構築するほどの快楽に、折れんばかりにその骨を反らして歓喜する。
顔は、充足に満ちた極楽の瞬間に、至福の表情を溶けた顔に浮かべる浮かべる。
淫蕩な地獄の果てに垣間見た天国は、脳に消えない快楽の烙印を刻み、消えた。
そして、世界が暗くなる。
「はーっ、はーっ…」
ぼやけた意識が、元に戻った。
あまりに大きな絶頂だったためか、甘い電流が身体を麻痺させて放さない。
ぼんやりと、辺りを見回す。それにしても、今のは…。
風乃が、入れたままになっていた指を鉤爪状に曲げて、内部をひっかいた。
「あぁん」
自分でも驚くような、鼻にかかった甘い声。
さらに、バシャ、バシャと残った愛液とともに快楽の残滓が噴き出した。
風乃が指を引き抜くと、堪らなく寂しく感じる。もっと、抉って欲しい。そして、もう一度…
『気持ちいい事は素敵な事よ。貴方にも伝わったかしら?』
コク、と頷くと、風乃は愛液の滴る指を口に入れてきた。
ためらいなく口に含む。…甘い、快楽の味がした。
自分はもう堕ちてしまったのだろう…だが、どうでもいい。もう一度、あの天国を味わえるのなら。
心地よい気だるさに包まれながら、意識を途絶えさせるかのように目を覚ました。
「…っ」
飛び起きた雪乃は、真っ先に下着を確かめた。
だが、寝汗で湿っている以外には何の異常も見受けられない。
普通、あれだけの淫夢を見たら下着が汚れる位の事はあるのではないか。
とは思ったものの、雪乃は普通を知らない。自らでは判断できないし、人に相談するなどまっぴらごめんだ。
自分は魔を狩る獣。取るに足らない夢の事など捨て置いて、ただ泡渦を焼き払う。その邪魔にさえならなければ、それでいい。
雪乃は、また結論を後回しにし、そして夢を見て後悔するのだろうか。あるいは、悦ぶのだろうか。
そして、雪乃は今夜も夢を見る―――
「…」
寝ぼけ眼で、蒼衣は考える。
えらい夢を見てしまった…。
676 :
風乃×雪乃:2010/08/31(火) 04:47:20 ID:GyzDjLcj
あわあわ、やらかしてしまった
>>672と
>>673の間に下が入ります…
同時に、心に湧き上がった切なさに困惑する。まるで、口を吸われる度に心の中の温かいものを汲み上げられていくような、寂しさにも似た物足りない感覚。
これが、キスいうものなのだろうか。心だけが乳飲み子になったような心細さを感じる。目の前の相手に対する、渇望と恭順が膨れ上がっていく。
触れる程度のキスなら何度もされたが、こんなに激しいキスは初めてだった、と霞む思考の中おぼろげにそう思った。
胸に圧し掛かる風乃の柔らかく温かい身体に、何故か安らぎを感じる。
ちゅるっ、はぁ…。
長い間の後、銀の滴を滴らせながら風乃はようやく私を解き放った。
顔を近づけたまま、口だけの解放。まだ辱め足りないらしい。
未だ続く恥辱の宴に、意思と裏腹に心は期待を募らせる。
『ふふ、御馳走さま…』
すべてを見透かしたような、挑発の目で見つめてくる風乃。
視線を合わせるだけで、心に愛欲を注ぎこまれるような気がして、目を逸らした。
そっぽを向いたのを、頬を差し出したとでも受け取ったのだろうか。チロチロと上気した頬を舐めながら唾液をまぶしてくる風乃。生温かい粘液が、気持ち悪い。
『それで雪乃。この手は何かしら?』
言われてから気づいた。この言う事の効かない自らの腕は、あろうことか、まるで求めるように風乃の背中へと回されていた。
/ | | |
| | | |
|ー | l ー- l
/⌒ヽ | | l l
l l | | | 0 |
| l | ー- | l⌒) - l
| -‐| | | | 丿 | /⌒ヽ
| | | | |ノ l | ヽ
l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、
/⌒ヽ l ‐ \ |, ノ⌒) () l 〉-‐ l
l〉 )ヽ、 ヽノ (ノO (ノ (つ ヽ、 | ノ) | ふぅ・・・
/ 人 ヽ、 (⌒) ヽノ (ノ |
l ヽ、\, )丿 / ノ/ o l
ヽ ノ \,/ / (ノ () ヽ l
\ / / (⌒ヽ |
ヽ、 / / l しノ |
ヽ、 / / | l
ヽ、 l /
ヽ、 | /
ヽ l /
>>677 `¨ − 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
 ̄ー┴'^´
あなたが神か
久しぶりに来たら上質な供物が捧げられていたでござるの巻
681 :
671:2010/09/06(月) 01:16:46 ID:cw7lzmGb
gjありがとうございます。現在、続編を鋭意製作中です。
つきましては、出して欲しいキャラクターやシチュエーション等ありましたらお教え下さい。
今書いているssか、(あればですが)その次のssに組み込んである程度反映できるかもです。
GJ
kamome鯖落ちてて本スレみ見れにぃ…
>>683 復帰したみたいだけど、どうやら新しく立てないといけなさそう…
>>681 >>出して欲しいキャラクターやシチュエーション等ありましたらお教え下さい。
@
泡渦を解決する度に体を重ねるようになった雪乃と蒼衣、
人を殺す度に男に抱いてもらい、無情無感の怪物とは程遠い雄の精を搾り取り
快楽に喘ぎ狂うケダモノと化す自分を唾棄し嫌悪するも、今蒼衣が生きて
ここに居ることに安堵の涙を流し、ただひたすら蒼衣を求め続ける雪乃。
A
『普通』の男子生徒の嗜みとしてエロゲをやる羽目になった蒼衣。
『伍巣炉理悪鬼かぜのん』というエロゲを貸して貰いプレイ、第一章で
蒼衣似のゲストが雪乃似の主人公の処女を破りその痛みで敵を焼き尽くすが
愛憎相殺の呪いにより蒼衣似のゲストも焼き殺される。(処女膜は戦闘の度再生)
後日夢見子の〈グランギニョルの索引ひき〉が手にとったのはあろうことか本ではなく
蒼衣が学校で返すためにカバンにしまっていたそのエロゲだった。
元ネタはニトロ+の『装甲悪鬼村正』
性転換や年齢を入れ換えたり
葵衣と名無しも読みたい
>>626な異形が撒き散らす泡禍
(壁や床一面に青白いチ●コが生え、老若男女問わず穴という穴を犯しまくる)
を笑美さんが次々と切り落としてあたり一面白と赤に染まる。
>>671 素晴らしい!!超GJです。
個人的に 風乃×雪乃 だったのがツボでした。久しぶりに来てみたら良質の作品が投下されてて良かった・・・。
雪乃は夢を見る。
夢の中でのみ行われる、魔女の夜会に参加するために。
今晩もまた、愛しい姉に身を捧げ、心に快楽の刻印を刻み込んで貰うのだ。
屈服の十字架に縛られて、悦楽の炎に清められる自分の姿を想像しながら、安らかな表情を浮かべて雪乃は夢の中へと堕ちていった…。
今晩は不思議な場所だった。
辺りは薄暗く、老朽化し黒く汚れた煉瓦の壁に四方を囲まれた地下室のような場所。壁には無数の松明が括り付けられていて、特殊な薪を使っているのだろうか、甘い香りが漂う。
これまで暑さ寒さを気にしたことはなかったが、火を見たせいか身体が妙に火照る。じんわりとした温かさが、壁の放つ圧迫感を遮って身を守っているような気がした。
裸足の足につるつるとした感覚を覚えて、目を凝らして足元を見ると、何故かタイル張りになっている。
ひんやりとした冷たさが心地いい。
これならば、床に転がっても痛くはないだろう。
昨晩の行為を、思い出す。
何度も絶頂を繰り返し、声を上げることすら叶わない程消耗した妹の体をがっちりと掴み、無抵抗のまま口を貪る昨晩の姉を。
そのまま、自慰の道具でも扱うかのように乱暴にペニスバンドを差し込まれ、ガクガクと激しく揺すられてはされるがままに声もなく絶頂と痙攣を繰り返す自らの姿を。
その記憶だけで、股が潤み乳首が尖る。
日中の自分では、いや昔の自分であったのなら夢の中でさえそんなことは許さなかっただろう。
自らの変化を決定的にした、数日前の天国を幻視するほどの激しい絶頂を思い起こした。
…たまらない
ゴクリ、と生唾を飲み込んだ。それに至る為の凄絶な焦らしの過程で、悦楽に煮込まれる自分を思い出した途端。
下着の中で性感が大きく膨れ上がって秘部を苛み、たまらず股間を抑えてしゃがみこんだ。
女の子座りと呼ばれる体勢で、俯いて溢れる情欲を必死に堪える。秘部を抑える手からは生温かい液体が漏れだし、タイルの溝を伝って辺りに広がってゆく。
頭がぼーっとする。気を抜くと、指が勝手に蠢きだしそうだ。
しかし。誰もいないのに一人で勝手に始めてしまうとどうなるか、雪乃は知らない訳ではない。…前回が、正にそうだった。
『自分で準備しておいてくれるなんて。じゃあ、好き放題しちゃっていいのね』
と言われ、辛く恐ろしい程の快楽を打ち付けるように叩き込まれる自分の姿が、容易に想像がついた。
いくら快楽といえど、さすがにアレは勘弁願いたい…。
何か、別の事を考えなくては。
ふと、自らの纏っている服に気が付く。
飾りっ気のない、清楚な白いワンピース。
普段の戦闘服とは対照的なその姿は、この空間における自分の服として相応しいような気がした。
魔を狩る漆黒の獣となり敵を駆逐する自分と、儚げな純白の供物となって悦楽の渦に飲み込まれる自分。
ゾクゾク、とした。被虐への期待が背筋を駆け抜ける。
風乃はまだかと顔を上げた瞬間。
「ひゃあっ!」
つん、と指の感触。魔女の指は、下着の上からも正確ににクリトリスを捕えた。
撒かれたガソリンに火花を飛ばすようにして、瞬く間に雪乃の中で情欲の炎が燃え上がる。
魔女の指は、そのままグリグリとクリトリスを捏ねまわした。
「あ、はああっ!」
歓喜の声を上げて後ろ手をつき、身を反らして快楽を迎える雪乃。
自然と股は開き、胸はその小ぶりな乳房を捧げるように突き出す。
『変わりないわね、雪乃』
妖しい魔女の呪文が、生温かい風となって耳を撫でる。
それを合図に雪乃の中の理性は活動を止め、快楽を求める本能の炉心に火が入った。
「ね、姉さん…っ!」
雪乃は瞳を潤ませ頬を紅潮させた、欲情に染まりきった表情を顔に浮かべ、夜会の主を迎える。
それを見て、満足げに微笑む風乃。
『最近はすっかり素直ないい子になってくれて、嬉しいわ』
瞳を爛々と輝かせながら、風乃は今晩の「儀式」へ取りかかる。
『今日はいいものを持ってきたの』
そう言うと目の前の薄闇を掴み、雪乃の目前へと突き付けた。
先程まで何も持っていなかったはずのその手には、複雑な黒が入り混じった、鈍色に光るナイフのような長さの物。
それを風乃は、ためらいなく雪乃の口へと突き立てる。
「っ…!?」
それは、黒く禍々しく輝くバイブレーターであった。
「けほっ、けほっ」
太くはないが妙に細長く、喉を一突きされた雪乃は堪らずせき込んで吐き出す。
ゴト、という重量のありそうな音に、一瞬ひるむ。
「姉さんっ!」
文句を言ってやろうと顔を上げるが、先程まで覆いかぶさっていた筈の風乃は、既に股間へと回っていた。
風乃は強引に、下着を剥ぐ。
そして、息のかかる距離まで顔を近づけた。
「ん…」
生温かい湿った息に秘部を直接撫でられ、雪乃は無意識に熱い息を漏らす。
次に風乃が何をするのか。期待に震える腰が、愛撫をせがんで揺れ始める。
『ねぇ雪乃。どうして欲しい?』
こじ開けられた太ももの間から、悪戯っぽい笑みを浮かべながら聞く風乃。
堕ちきった雪乃には、既に拒絶の意思などとっくに灰と化してはいるのだが…何分、恥ずかしい。
ただ愛撫を受け入れるのと、自ら積極的に求めるのでは、意外な程の差がある。
雪乃が顔を真っ赤にして俯くと風乃は優しく微笑み、今しがた自らが剥き出しにした秘所へと口を付けた。
「ふうっ」
ちゅっ、と。覆うように、口に含む。
ぴったりと張り付いた口は吸盤のように秘裂全体を吸い上げ、秘所全体に血が溜まって腫れたような熱がじんわりと広がった。
柔らかくヌメヌメ、それでいてザラザラとした舌が、まるでレタスを食むカタツムリのように粘液を塗りたくりながら秘裂を嬲るようにじわじわとなぞる。
「あっ…ふぁ…」
動物が傷口を舐めるような、いたわりの籠った優しい愛撫。
血が集まって敏感になった秘裂から、じんわりと滋養に似た温かい快楽が全身に広がっていく。
「んっ…!」
きもちいい。
冷めたシチュー鍋を温めていくような、ゆっくりとじんわりとした愛撫は、身体の芯まで染みるように広がる。
キスにも似たそれは、思慕の情さえ抱くほどに愛しい。
だが…物足りない。
もっと、激しくして欲しい。
泣くほどに啼かせて欲しい。
夢ごとの度重なる激しい愛撫に慣れきった身体は、もはやその程度の快楽では物足りない。
腰は勝手に動き出し、こすりつけるように秘部を押し付けては更なる激しい愛撫をねだる。
だが風乃は、嘲笑を浮かべながら口を放し、見下ろす。
「…あっ」
愛撫を欲張ったせいで見放されたというのか。募る切なさが堪らず、腰がくねり瞳が潤む。
熱に溶けかけた瞳で雪乃が見上げると、そこには先程の禍々しい形状をした、黒い儀礼用の短剣を携えた魔女の姿。
ニタリと笑って。
一息に、突き立てる。
「くあぁっ!!」
快楽よりも痛みに近い程の強すぎる快感が、身体で最も弱い部分に深々と突き立った。
溢れ出る淫液がつつ、とバイブを伝って風乃の手に垂れる。
風乃はその手を、ゆっくりと動かした。
「あっあっ!」
先程の慈愛に満ちた表面を撫でる愛撫とは違い、身体の奥底に突き付けられる恐ろしいほどの快楽。
こちらは本当にかき混ぜているのだが、先程までの温めるようなものとは比べ物にならない。
外側から染みていくような愛撫に対し、こちらは直接内側から白く塗りつぶすような、快楽の暴風。
ただ混ぜられているだけでこれなのだ、もしこの悪魔が目覚めたら、自分はどうなってしまうのだろう。
恐怖と期待に、胸が震える。
ふと、風乃と目が合った。あざ笑うかのような瞳が、被虐心を掻き立てる。
『ふふっ』
微かに口元が歪み、淫魔のような淫蕩な表情を浮かべる。
雪乃の秘部に目をやると、まるで視線で愛撫するかのような熱い視線を送った。
肌で感じられる程の強い視線。その視線に対してすら、すっかり出来上がった雪乃の秘部は感覚を尖らせ快楽を求める。
「はぁーっ、はぁーっ」
自然と、息が荒くなっていく。
自らの浅ましさが、今は堪らなく愛おしい。
『いくわよ?』
風乃の親指が、柄を撫でた。
それを合図に、淫虐のナイフは鼓動しだす。
女をえぐり、犯し、堕として喰らう、悪魔の指先が、淫液を求めて蠢き始める。
ヴィーン ヴィーン
「あーっ!あーっ!」
差し入れられた凶悪な淫具の、自らの中心で発するその機械的な音が、雪乃にはまるで悪魔の嘲笑のように聞こえた。
…身体の中で、暴風雨が巻き起こる。
意識と視界を真っ白に染め上げられ、闇雲に身体をくねらせ快楽に耐える事。それが今の雪乃に許された唯一の抵抗。
「くはぁっ!」
最奥まで届く漆黒の先端は、容赦なく子宮口をグリグリと圧迫し、膣を破壊せんとするほど激しくのたうち蹂躙する。
秘所は絶え間なく淫液を溢れさせ、腰は更なる快楽を求めて、一段と激しくくねった。
乳首は快楽を求めて硬く尖り、手を呼びよせては揉み潰させる。
「ああっ!ああっ!ああーっ!」
暴力的な快楽の暴風に至福の声を上げる雪乃。
風乃は、何かを閃いたような表情でそんな雪乃を見下ろし。
暴れる下腹部を強く抑えた。
「う、あはぁっ!」
そして、短剣で秘裂の最深部を激しく抉り始める。
「ああああーーーーーっ!!」
思考のすべてが吹き飛んだ。
脳のブレーカーが弾け飛び、全ての思考が強制終了させられる。
自らの胸をまさぐる手は更に荒々しく動き、乳首を摘んだ指はもぎ取れるかというほどににきつく潰して捻り上げる。
快楽爆の心地たる股間には、もはや感覚は残っていなかった。
ただ、凶暴な快楽を伴う異物感だけが「犯されている」事を認識させる。
最後に一瞬だけ、下半身の感覚が戻り。
「っ―――――!!」
声すら出ない深い絶頂の中で。
雪乃の中の、何かが砕けた。
「あぁん、姉様…」
いつの間に敷かれたか、真珠のように輝くシルクのベッドの上で、二つの影が絡み合う。
風乃と雪乃だ。
何故か胸を露出した、いやらしい黒のボンテージに着替えている雪乃。
下に履いた、ヌメヌメと光るエナメルの下着には、妖しいチャック。
いつ何時でも下半身を差し出す事ができる、という意思表示なのだろう。なにも付けていないのに、下着の脇からは淫水が滴る。
風乃は、胸を露出するタイプの赤いボンテージ。
腰には、男を知らぬ生娘には酷であろう、というほどの巨大なペニスバンドがそそり立つ。
虚ろな瞳で雪乃は風乃にしなだれかかりながら、まるで本物のペニスであるかのように、風乃の義茎を撫でさすり、求める。
その眼はもはやなにも映してはいない。泡渦も復讐も忘れ、何時しか思慕の情を抱くようになった姉と、時間の経たない閉鎖空間で永遠に、淫らな宴を続けるのだろう。
『やっと手に入れたわ、愛しい妹』
「あぁん」
尖る乳首を摘んでやりながら、誰も聞く事の無くなった空間で風乃は独白のように語る。
『夢は醒めれば終わり。でも、醒めなければ終らないわ』
股間に手を回し、粘液でしとどに濡れたチャックを開いて、露出した粘液の出所に巨大な義茎の先端を当てた。
「ね、姉様ぁっ!すきっ!すきっ!」
それだけで参ってしまったのか、背を反らして為すがままになる雪乃。
風乃は苦笑しながら、ぐしょぐしょの秘裂に義茎を押し当て、腰を引く。
『夢は醒めれば何にもない。でも醒めなければ、ここには何でもあるの。…素敵でしょう?逃がさないわ』
その眼が一瞬ギラリと光り、偽物の筈の巨根が脈を打ち始めた。
『ずっと一緒に、仲良くしましょうね…っ』
そして。
ズドン、という音が聞こえそうな程強く、一気に自らの男根を突き入れた。
「あああ―――っ!!」
『くうっ!!』
よく調教された雪乃は抵抗なく受け止め、その衝撃を全て快楽へ変換して堪能する。
後はもう、本能のままに押し倒して上等な獲物を淫らに貪るのみ。
生贄に覆いかぶさり、淫蕩な顔を浮かべながら実の妹の秘裂を穿ち、魂を穢す風乃の姿はまさに淫魔。
薄明かりに照らされながら、淫液に塗れててらてらといやらしく身体を光らせながら自らの胸を荒々しく揉みしだき。
自らの中心を姉にゆだねながら堕落による快楽の至福に顔を蕩けさせる雪乃も、哀れな犠牲者と言うには余りにも淫蕩過ぎた。
それはまさに、二つの淫魔の交合。
上級の淫魔が下級の淫魔を弄ぶ、邪悪で淫らな宴に他ならない。
「ああっ、ああーっ!あはあ――――ッ!!」
『んっ、ふ、う、はっ!くっ…んっ!!』
雪乃の目じりに浮かぶ涙は、悦楽か悲哀か。
―――――――――――――――――――――――
「ストレスでも溜まってるのかな…」
うららかな朝の陽ざしの中。
布団の中の蒼衣は、一人思い悩んだ。
はい二回目の投稿です。
皆様GJありがとうございます。
前回書き捨て覚悟だったもので、こんなに喜んで頂ける事に困惑しておりました。
今回は堕ちた雪乃さんの、その後…という夢を見た蒼衣君という話です。
まぁ夢オチの時点で完結も未完もありはしないんですが。
要望ありがとうございます。
可能な限り書いてみたいと思います、
見ての通り欲望直結なエロ専門なのでかなりそっちに偏るかもしれませんが…。
<保守>
697 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/04(月) 13:40:49 ID:Pa09EKIf
笑った
なんか久々に本スレに異形が来てるな…
むしろ<異端>だろアレ。ネタバレという悪夢をバラ撒く門な状態
とりあえず13巻買ってない人は買うまでは絶対寄り付かないほうがいいね
これほど殺意を抱いた出来事は今まで生きてきて一度も無かった
可南子さんの逆レイプモノ希望!
蒼衣にとっての学校=日常と非日常を切り替えるスイッチ
夏休みで学校に行けない間のスイッチ=雪乃とのセックル
泡禍出てない間は日常=セックルってことでヤリまくるとかどうよ。
以前書くと言っていた人はどうしたんだろうか
規制自分は終わったみたいだ、書き込める
705 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 06:29:08 ID:lvpXs3f+
(´・ω・`)
>>702 蒼衣「僕にとっての学校は日常と非日常を切り替えるスイッチなんだ」
雪乃「……」
蒼衣「だが長い夏休みで学校はなく、最近頻繁に大きな泡禍は起きているし、
このままでは僕は日常に帰るための切り替えを行えなくて、暴走するかもしれない」
雪乃「…………」
蒼衣「ということで雪乃さん、セックスしよう! それが高校生の『普通』さ!」
雪乃「<私の痛みよ、世界を焼け!>」
>>706 颯姫「あの、私なんか……どうですか?(ポソッ」
瀧「…………」
群草「やれやれ、わししかやる者がおらんのか?」
神野「ゲスト枠でやって来た」
詠子「Missing組だよ」
眞衣子(もう死んじゃってるけど、うう……)
おいwwなんかもう普通じゃなくなってきてるぞwww
→雪乃
風乃
葉椰
リカ
瑞姫
>>716 じゃあ、選択肢からあぶれた颯姫たんは僕が頂いていきますね。
じゃあ千恵たん(ver.2)は僕が
とりあえず仕切り直しの保守
原典:13日の金曜日
湖のあるキャンプ場に逃げ込んだ亮介と安奈
お約束のセックル、二人が絶頂に達した瞬間
鉈で頭を叩き割る可南子
スレ見てたら、双子レズプレイ妄想が発動した。
…誰だ、基城女体化なんて書いたやつ…
スレの最後の書き込みが女体化変態妄想なんてひどすぎる!この801野郎ッ!
まともな俺は雪乃さんの紐パンの紐引っ張りたいよーと書いておくか
脳内彼女で幼女の葉椰とひたすらセックスする蒼衣
ほ
過疎
葬儀屋コンビはどう頑張っても可南子さんが逆レイプするイメージしかない
マグロ状態の葬儀屋の上で可南子さんが超楽しそうにしてるんですね。分かります
クリスマスで血の雨が降る〜
だめだ。新刊以上のインパクトに欠ける!!
ここは平和においしそうにケーキを頬張る颯姫タンでも妄想しとくか。
蒼衣は普通の男子生徒として脳内彼女と一夜過ごすんだろうな。
蒼衣はそう見せかけて
神狩屋に集まってゆきのんや颯姫ちゃんや夢見子ちゃんとケーキ食う
リア充爆死しろ俺たちの裏切り者コース
敷島なら脳内彼女と過ごしてる姿が目に浮かぶんだがなー
新春保守
過疎ってるねー
ほしゅ
自分か他人の性癖で泡渦、断章…
思い付かぬ
携帯からで失礼
佐和野「ところで敷島、あと二週間程でバレンタインだが…」
敷島「…な、なんだよ!」
佐和野「…いや、何でもない。忘れてくれ」
敷島「超気になるんだけど!」
佐和野「君にバレンタインの話を振ってしまった僕がバカだったよ。あー何て無駄なことをしてしまったんだ。地球に謝らないと」
敷島「ひでぇ!お前だって去年はもらってないんじゃないのか!?」
佐和野「いや、僕は4つもらった。どうせ義理だろうけど」
敷島「…シラノ!お前は俺の味方だよなあ!?」
蒼衣「え!?…ゴメン、僕も3つ位…」
敷島「…」
佐和野「敷島、わかってやれ。例え義理でも保守でもお前に食われてしまうのはもったいなさすぎてチョコレートなんて高価なモノは渡すことができないんだ。
考えてもみろ。仮に君がチョコレートを3つもらったとして、それで飢餓状態にあるアフリカの子供が何日生き延びれると思う?」
敷島「えぇー…いや待て、それはもしかして渡したくても渡せないから、渡したくないってことはないかもしれないんじゃないか!?」
佐和野「何でそうなるんだ。もちろん渡したくもないに決まっているだろう。救いようがないアホだな敷島は。」
蒼衣「それはちょっと言い過ぎなんじゃ…」
佐和野「甘やかしてはいけないぞ白野。前にも言ったろう。僕はこいつのためを思って言っているんだ」
敷島「嘘つけ!」
蒼衣「ははは…」
保守チョコというものを実際に貰ったことがある俺様が通りますよ
乙
敷島は母親からすらも貰えなさそうなイメージがあるw
にしても保守チョコって何だ・・・キープ枠みたいなものか?
蒼衣はなんだかんだいって眞衣子みたいなタイプや颯姫から貰ってそうな気がするな
義理や本命かは別として、颯姫も知り合い全員に渡しそうだけど
神狩屋はあげる側だな
可南子さんや笑美さんからのチョコはちょっと怖いな
何か入れられてそうだ
――追伸。
この手紙を読んでいるということは、チョコを食べてくれたのだと思います。
チョコの隠し味は、私です。
やめてくれw
雪乃のゴスロリ着てビンビンに勃たせちゃった蒼衣のちんぽを一晩中扱き徹したい
バレンタインネタは好きなように妄想できるね
原作で2月までみんなが生き残ってる気がしないからw
ひょっとするとクリスマスまでももたないか
可南子さんはなんか、瀧に対して私を食べてみたいなイメージが…
裸リボンで迫る可南子さんとな?!
不思議の国の「私をお飲み!」で岩清水展開
746 :
名無しさん@ピンキー:
甲田英司