乙
記念パピコ
警官「じゃあ
>>1さんね、こっちで少し乙しようね」
そろそろボルボ氏のアン様分が足りなくなってきた
もしくはボルボ氏のシリアス物
wktkするのは仕方ないと思うが
そういう発言は職人の負担になるから止めておいたほうがいいぞ。
紳士はおとなしく正座で全裸待機だ
あ、くつしたとネクタイと股間リボンは忘れずにな
↑良い事を言っているのにも関わらず最後の2行で台無しだな
?紳士の基本だろ??
まったくだ
基本というか正装だな
あぁ性装だ
全裸でオルガンを弾くのはOKですか?
21本も指があるから一人連弾も可能だな
ムスコに唾をつけて潮風の方向を読むのはアリですか?
剥けてれば唾つけなくてもよくね?
真性ほ……いや、まあね、察するというのは人生に必要なスキルだよね
>異世界物の定番現実世界にみんなやってくる展開はまだですか?
現代日本でおどおどするルイズ、
貴族とかが通用しないことにきょどるルイズ
文明のレベルの違いに自分たちの稚拙さを知りショックなルイズ
サイト頼もしい
あと現代日本のなんかの食べ物にはまるルイズ(駄菓子系かな)
不 狭い部屋 懐かしいハルケギニア
法 守秘義務 一人だけ桃色髪 住民票不可
滞 読めない文字 風呂もトイレも狭い… 排気ガス
在 昼間は学校に行ってるサイト 乗り物酔い 魔法禁止
外にでると目立つ 意思疎通の壁 夜も眠れない
病院にすらいけない ガイジン 騒音
休日も一人 友達と遊びにいくサイト 将来の不安 日本社会
近所からの嫌な噂 慣れないブラジャー 欝 馬がいない
日本の法律 /ルイズ\
不味い食事 はなし相手がサイトだけ ./ ─ ─ \ 部屋に篭りきり
無言 / <○> <○> \
上手く持てない箸 文明の違い | (__人__) | 皆、平民
楽しめない娯楽 言葉が通じない \ ` ⌒´ /五月蝿い姑
見知らぬ土地 / \ 秘密保持
>>23 これ見るたびにサイトよく順応できたわと思うw
>これ見るたびにサイトよく順応できたわと思うw
ハルケギニアに行くことを想像すると、絶望感を覚える。
20世紀以降の先進国出身の人間が当然だと思ってるものが何にも無い。
ルイズが日本へ来るのと違って、入国管理局に捕まる心配が無いことだけが救いか。
彼女を連れてきたら、少数民族の少女(知られていない言語を話してる!)を
不法入国させたことになるんかね。
逆に先進国の知識を持ってるのだからいろいろと活用して
カネ儲けできそうだけどな
それに平民出身の貴族ということで平民には人気があるだろうし
なんだかんだで魔法学院の貴族たちにはウケがいいし
事業起こせば成功しそうな要因はあると思うぞ
>>26 それらは順応した結果でしょ?
順応できなければそんな発想の前に
>>23の逆パターンみたいな事になると思うw
>>26 「そんな面倒な事するより、魔法使いに金払って頼んだ方が早いじゃん」
三権分立の概念をアンさまに説くサイト
いや政治とかシステム的なことはある程度わかるかもしれんが
技術がないだろ?パソコンを使えるからって作れるわけじゃない…
>>29 司法と立法までは分かるけど残りの一つを憲法か漢方で悩むんですね、わかります
ローマ帝国末期のローマにタイムスリップしちゃう学者が主人公のSFがあったな
たまたま歴史学者だからラテン語が話せたのは幸いだったけど
「こんなことなら百科事典持ち歩いとくんだった」
と嘆くことしきり
でもなんやかんやで
ローマ帝国が崩壊して蛮族が台頭し文明が衰退するのを防ごうと主人公が尽力する話だった
ライオン・スプレイグ・ディ・キャンプの『闇よ落ちるなかれ』
スゲー面白いSFなんだが残念ながら絶版
>>32 dクス、面白そうなんで図書館でとりよせて読むわ。
なんかズッコケ三人組の話のなかで、江戸時代にタイムスリップした三人組が
未来から来たってことを信じさせようと力説し、必死でテレビとかの文明の利器の話をして、聞いていた平賀源内に
「…で、それどんな仕組みなの? 作り方は? え、知らないの? あんたらがいたという世界のものなのに?」
と淡々とツッコまれて、答えられず絶句するって話があったなあ。
>>31 なんでだろう、非常にサイトらしく感じるぞw
>>26 近代的な知識を活かすには、いくつかの障害をクリアする必要がある。
科学技術は各地の召喚物とコルベール、社会制度はアン様とマザリーニや
ジョゼフに頑張ってもらうとして、ネックになるのは市場規模かな。
近代技術の多くは機械化による大量生産が肝だ。
なので、大量生産品を売り捌く市場が無ければ発達できない。
ハルケギニアは小規模(3000万人くらいだっけ?)ながらもメイジ
主導の経済システムでかなり安定してるようなので、新市場を
開拓しなくちゃならん。
東方はサハラの劣化コピーでハルケギニアより技術が発達してるっ
ぽいから、うかつに手を出すとこちらが新市場として食われかね
ないんだよなぁ。
西方の新大陸発見に賭けるか。
蒸気機関を作ってもサイトがそれを活かす製品の構造を説明できないだろうと思う。
電気を作れるかどうかでサイトの運命が変わりそうだ。
昔の軍板での流れに似てきたなぁ・・・・
先生と協力して電マをつくるサイト(当然アレな使い方をするため)
>>39 >先生と協力して電マをつくるサイト(当然アレな使い方をするため)
それは素晴らしいのでがんばってほしいと思います
ハルケギニアに鉄道が開通したら一大革命だな。
どう考えても風石で船浮かせたほうが早そうだけどな
石炭自体はあるのよね
風石の埋蔵量がなくなってエネルギー問題が浮上したら新資源としてメイジたちが研究する、かも
コルベール先生はさらにガソリンまで精製しちゃってるが…
むかしの鉄道馬車みたいのを竜が引っぱる「竜鉄道」ができると思う
メイジと平民の格差を格差のままにしておくために、産業革命は起こしちゃならんのだよ
>>44 それはあるだろうねw
魔法があるからこその貴族なのに平民が魔法に近い技術を手に入れたら
もうどうにもとまらない
竜で引くのにわざわざレール敷く意味ないし
それにコルベールが蒸気機関実用化してるからそれはなくね?
あれは実用化レベルなのか
譲って実用化としても(あるいは実用化にこぎつけたとしても)
鉄道の実用化までは北海道新幹線の路線くらい長い
熱源火石だから意味無いじゃん
異世界物の定番現実世界にみんなやってくる展開なSSないですか?(・ω・`)
205氏の「平賀さんちにいらっしゃい」みたいなやつ?
せんたいさんの未来ものにもあったよな>現実世界もの
ときに、暇にあかせてせの人のSS全部読み返してみたんだが
ハルケギニアが見事にダメ人間のすくつで軽く吹いた
>>23 の境遇でもルイズなら…
・言葉の壁:根が真面目なので一生懸命勉強して日本語マスターしそう
・目立つピンクの髪の毛:染めてごまかす
・文明の違い:外出時は片時たりとてサイトのそばを離れられないのは仕方がないが、
仲良く連れ立ってショッピングモールをうろうろしそう(金がないので見るだけ)
最大のネックは『五月蝿い姑』:一年以上大事な息子を行方不明にした犯人なので、許してもらえるまで
マジ地獄。胃に穴があいてやつれていく事請け合い。
才人の寝床に当たり前のように潜り込んで寝る姿で、『嫁認定』貰えるまで戦い。
ハルケギニアと日本を行ったり来たり、お互いの両親をどうやって説得しようか頭を抱える才人とルイズ。
才人の貯金はハルケギニアのお金が圧倒的に多いから、ルイズの実家の領地の隅っこで、
離れ作ってスイートホーム暮らし。でも、時々日本に才人の両親のご機嫌取りに行く必要あり。
原作からしてサイトの母ちゃんはそんなしつこい性格して無いと思う
むしろラノベのノリだとこんな可愛い子連れてきてってなると思うw
> 病院にすらいけない
これを見て聖お兄さんのブッダ思い出したw
でもさ、適当な第三世界あたりの国なら貴金属で戸籍とか取れそうだよね
金があれば日本でも取れるだろ
犯罪組織とのコネも居るだろうけど
東欧の崩壊時のドサクサでとか適当な理由をつければ人種的な問題も大丈夫だろうな
ハルケの貨幣はそのまま使えないが、金貨や銀貨ならインゴットにすればいいんでない?
日本なら貨幣経済がしっかりしすぎてるから、貴金属や宝石じゃ安く買い叩かれそうだなって思って
紙幣より貴金属類の方が喜ばれそうな外国でビザでも取得して日本に堂々と入ってこればいいんじゃないかなって
日本の方が貴金属有難がると思った俺は変なのかな?
だって貴金属といってもアクセサリとか加工品なんでしょ?
日本だと貴金属の換金って大変なんじゃない?
基本的に刻印が入ってないと某政治家の金塊の件みたいにインゴットでも出所を勘繰られるだろうから
指輪とかの方が良さそうだけど、鑑定書無しであまり高価な品だとこれまた勘繰られそう
日帰りクエストでも貰った金貨を友人のコネで古物商に買い取ってもらったけど、「あまり深くは聞かないけど〜」
という感じで怪しまれていたからなあ
ヤクザにコネがあって地下経済で回すならそれなりかも、というか、いっそ虚無がこっちでも使えるなら記憶操作で
犯罪組織を乗っ取って地下経済を支配する方がいいかもw
貴金属を闇ルートで換金して偽の戸籍を買ったってより、どっかの外国で正式に戸籍を取得してどうどうと日本へやってくるって方が
この作品らしいと思わないかい?
貴族なんだから闇ルートなんて使わないわ!正々堂々と!
>>62 身分証明書も持ってない外国人が持ってきた出所不明な貴金属を誰が買ってくれるんだよww
イリュージョンでなんとか
それでいいなら手っ取り早く犯罪に手を染めて稼げばいいんじゃね?
>65
「なんで私がこんなのを頭に巻かないといけないのよ?」
「・・・新鮮」
「なんだか悪い事してるみたいでドキドキしますね」
3人娘がこんなことを吐いている電波を受信した
みーつめるキャッツ(ry
サイト「胸のサイズ違い過ぎwwwww」
主要人物の死亡によりゼロの使い魔打ち切り
68 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 22:25:24 ID:3PqCkAp4
ボーイミーツ貧乳
うちの地方ではすももの事を「すいみつ」って呼ぶんだ
エロ文にもときどき尻の表現として登場する水蜜桃ですね、わかります
銀様がいると聞いて飛んできました
ちなみに誰も突っ込んでくれないから自分で言うけど、水銀灯と蛍光灯は別物だよ
まさにいらぬツッコミ
ここを見るぐらいの変態紳士はその程度の事は理解してる
これは恥ずかしい
どーも。
PS2ゼロ魔の新作の特典ディスクは病気じゃないかと思うせんたいさんです。
さて、今回はひさびさ投票ものです。
ちゃんとwikiに投票所作るからそっちに投票してね。
トリスタニアの王城に、この秋獲れたばかりの作物を満載した荷馬車がやってくる。
各地から王に献上する作物を運んできたのである。
そして王都の通りは、浮かれた人々や、それを当てにした屋台で賑わっていた。
ただし、その屋台には一件も食べ物を扱う店はない。安っぽいアクセサリーの店や、旅人を当てにした衣装の店、などなど。
これから、王城に納められた作物を調理して、城下に集まった人々に振舞われるからだ。
もちろん、城下の人全てに行き渡るほどの作物が納められるわけではない。
足りない分は、貴族たちからの献上品で賄われる。
もちろん、トリステインの全ての貴族に、その上納の義務はある。
収入の大小でその量は決まってくるのだが。
「いやまって何この額!」
その日、初めてその事を知った才人は仰け反った。
アニエスから受け取った上納金の額を見て、ひっくり返りそうになる。
才人の貴族年金ちょうど一か月分がその書簡に書いてあった。
「…王命であるぞ。っていうかお前今月の貴族年金はどうした」
アニエスは目の前で天を仰ぐ才人に、そう突っ込んだ。
ちなみに才人の現在の全財産は銀貨三枚。少し豪華なランチを食べたらオシマイである。
今月分の貴族年金を受け取ってから、まだ一週間しか経っていないが、才人はスッカラカンであった。
それは何故か。
「…い、いや今月ちょっと出費がかさんで」
まず、貴族年金を受け取りに王都に来た際、アンと一緒に流行の劇を見に行った。
そしてその後、王都で一泊。王宮でだと色々アレなので、二人して場末の宿で一夜を明かした。
その二日後、水精霊騎士団の任務で王立美術館の美術品搬入の警護の任があった。
その任務が終わった後、少し豪華なディナーを食べた。アンリエッタが女王の姿のままで会食を希望したからである。
お陰で個室を借りなければならなかったし、給仕に払った口止めも結構な額になってしまった。
もちろんその後王都で一泊。王宮近くの御用宿を使ったため、かなりの金額がその一夜に消えた。
…アルェ?なんか無駄遣いの原因全部ヒメサマのような?
しかし、才人とて仮にもトリステインの騎士である。
民に奉仕するため、この上納は外せない。
「仕方ない。一応陛下にお伺いを立ててみるが。
それなりの対価を要求されるのを覚悟しておけ」
言ってアニエスは王宮へ入っていく。
そして暫く待たされた後、才人は執務室へ通されたのだった。
祭りは滞りなく進む。
街の喧騒を他所に、王城は各地からやってきた諸侯貴族たちで賑わっていた。
もちろん、その中には貴族の子女であるトリステイン魔法学院の生徒も多数居る。
そして、当然の事ながら、才人に着いてきた例の四人も王宮にいた。
才人の馬に乗せてもらって、上機嫌で王都に着いたはいいが、今現在才人が居なくて不機嫌至極のルイズ。
ジェシカに祭りの準備の手伝いを要請され、先日から王都に居て、準備が終わったからそのまま才人とのお祭りデートを目論んでいたシエスタ。
一応王族待遇で招待状が来たので、とりあえず顔だけは出して、その後才人としっぽり夜のトリスタニアで大人のデートを計画していたタバサ。
アンリエッタの従姉妹なのでもちろん招待状が届き、折角だから才人にエスコートを頼もうと思っていたが見事に肩透かしを食ったティファニア。
四人は別々の場所から、王宮の中央中庭に向かっていた。
そこは、大きな張り出したテラスがあり、そこから王が眼下の庭に声を落とす、そう言う場所だった。
四人がそこへ向かっていたのは、そこで行事が執り行われるから。
…ひょっとすると、サイト(さん)がそこにいるかも。
全員が全く同じを事を考え、中央中庭に向かう。
そして。
「あ!」
「あら」
「…!?」
「え?」
全員が、広場で鉢合わせする。
…何こいつら?なんかすごく気合い入った格好じゃないの…!
シエスタは、いつものメイド服ではなく、胸元の大きく開いた黒のイブニングドレス。
胸元には紅い薔薇をあしらった刺繍が施されていて、彼女の見事な白い谷間を強調している。大きくふわりと開いたスカートにも、各所に薔薇の刺繍が。もちろん、こういう日のために設えた一張羅である。
タバサは薄いブルーの、飾り気の少ないイブニングドレス。
ただし背中が大きく開いていて、後ろから見ると金刺繍で縁取られた大きなリボンの上は、まるで裸のように見えるのだが、今その背中は彼女のかぶった長髪のウィッグで隠されている。その背中で誘惑するべき対象はこの世にたった一人だからだ。
ティファニアは明るいオレンジ色の、トリスタニアでは珍しいスーツドレス。お金のないティファニアが、染料を使って学院の制服を染め、作ったのである。
しかしシンプルなデザインながらも、スーツが丸くたわむほど大きな彼女の胸が、同じ色のタイトミニから伸びる健康的な脚が、そのスーツを凶器に変えていた。
もちろんルイズも、白を基調とした、桜色のレースを各所にあしらった、豪奢なドレスに身を包んでいる。
しかしこのドレスは大して金をかけていない。彼女はあえて外にはこだわらなかった。この後、才人に見せる下着にこそ気合を入れたのである。その一部、高級なシルクで作られた、白と黒のチェック地の薄手のタイツが、短めのスカートから覗いている。
…偶然にしちゃできすぎですねえ…。
才人を呼び出したのは勿論王室。
そしてその才人は祭りの会場にいない。
四人はほぼ同時に、ある可能性にぶち当たる。
…あの淫乱女王が、サイトを拉致した…。
ルイズとタバサが同時に、女王が姿を現すであろう中庭のバルコニーに、殺気の篭った視線を飛ばす。
シエスタはうーん、と唸りながら思案をしだす。どうやって他の四人を出し抜くか、考えているのだ。
一方ティファニアはといえば。
…『私も一緒に』ってお願いしたらサイト、まぜてくれるかなあ…?
既に3P前提であった。
そんな四人の思案を他所に、中庭にファンファーレが響く。
主賓の、女王の入場を告げる音である。
『女王陛下の、おなりー!』
会場のほぼ全員が、拍手で女王を出迎える。
ただ、虚無の担い手と雪風の魔法使いだけが、女王を射殺しそうな視線で見つめていた。
そして。
その視線と、女王の視線がぶつかり合う。
壇上の女王は、四人の姿を確認すると、ふ、と頬を歪めて見せた。
何か企んでいる顔だ。
タバサは、すぐにピンときた。
あらかじめドレスに仕込んでおいた予備の杖を外から見えないように握り締め、『ディテクト・マジック』を唱える。
女王の身体は、魔力の反応で光り輝いていた。
つまり今壇上にいる女王は、魔法のかかった何者かである可能性が極めて高い。
「…どうしたのチビっこ」
タバサの眉が吊りあがった事に気付いたルイズが、タバサに尋ねる。
タバサは怒りを押し殺し、言った。
「…あの女王はニセモノ。本物は…サイトと、どこかにいる…」
言って、ぎり、と奥歯を噛み締める。
ルイズははっとして、会場に集まった賓客に言葉を投げかける女王を見上げた。
「…やってくれんじゃないの、わたあめのクセしてっ…!」
そして、こちらも同じくドレスの隙間に隠しておいた、いつでも才人にお仕置きするための予備の杖を取り出す。
「狙い撃つわよ…!」
まるで銃のように杖を構え、充填された虚無を女王の眉間に合せると。
「やめたほうがいいですわよ、ルイズ」
しかしその腕を細い白い手が掴む。
そう言ってルイズの腕を掴んで下ろさせたのは。
「わたあめっ!?」
「…淫乱女王…?」
「あら腹黒女王様」
「女王陛下…?」
四人それぞれの呼び名に、軽く頬をひくつかせる、黒髪の女性は。
アンリエッタの変装した街娘、『アン』だった。
しかしいつものパンツルックではなく、飾り気のない、質素なベージュのドレスに身を包んでいる。
だがその質素さがかえって、肌理の細かい肌や流れる艶のある髪、高貴な仕草を引き立てていた。王に飾りはいらないのである。
「…あれはスキルニルです。ここにいる私こそが本物ですよ」
笑顔でそう言ってのける『アン』。
その頬はかなりひくついていたが。
「…また何を企んでるのよ」
ルイズは何の遠慮会釈もなく、変装した女王にガンを飛ばす。
アンはそんなルイズの視線を軽く流すと、バルコニーの自分の分身に視線をやる。
「…まあ、少しお待ちなさい。すぐに分かります」
四人は、とりあえずそんな女王の言葉に従い、バルコニーのアンリエッタを見つめる。
四人それぞれの思惑を胸に。
…ことと次第によっちゃ遠慮なく吹っ飛ばすぞこのロイヤルビッチ。
…私のサイトに何かしてたら細切れにする。
…三人でやりあってるうちにサイトさんと逃げようっと。
…サイト、五人まとめてとかできるかなあ?頑張ればできるんじゃ…?
五人の醸し出す異様な空気に、周囲の賓客はもちろん一定の距離を置いていた。
そして、バルコニーの女王は賓客たちに宣言した。
『本日はお忙しい中、わざわざ収穫祭にご参加ありがとうございます。
貴族の皆様に納めていただいたお陰で、今年の収穫祭も無事執り行う事ができました。
そのお礼と言ってはなんですが、王室よりご来場の皆様に、お土産をご用意させていただきました』
トリステイン王家に上納された金額は、王都中の人々に行き渡るほどの作物を用意して、なお余りあった。
しかしアンリエッタ女王は、その余りを国庫に入れることをよしとしなかった。
余った分は、せめて上納の義務を果たした貴族たちに還元したい…とマザリーニに申し出たのだ。
だが、貴族の手土産になるほどのものを、この会場にいる者全員分用意するには足りなかった。
『ですが、ここにお集まりいただいた方全員にお土産をお渡しする事はできません。
そこで、ここにクジを用意しました』
言って壇上の女王は、大きな箱を取り出した。
その天上には、大きな丸い穴が。
『この中に、ここにいる皆様の分の、クジが入っています。
そこには、等級が書いてあり、中にははずれもありますが…』
そこまで言って、女王はぱちん、と指を鳴らす。
すると、中庭の一角に置いてあった、布を被せられ、山を象ったオブジェの布が取り払われる。
その下には、大小さまざまの箱が置かれていた。その側面には、『二等』から『十等』までの等級が書いてある。
もちろん、等級の高いものほど、価値のあるものが入っている。
『このように、等級をつけてお土産を用意しました。
三等以上のものの中には、トリステイン王家由来の品もあります。
ちなみにもう使用は出来ませんが、四等はあの『破壊の杖』です』
ちなみに廃棄処分にされそうになっていたものを、マザリーニの機転で王家が接収していたものである。
会場の賓客が騒ぎ出す。
モノによっては、ひと財産できそうなものも入っているようだ。
しかし、気になることが一つだけあった。
ティファニアが、首をかしげて素朴に言った。
「あのー?一等はなんなんでしょう…?」
その言葉に、にやり、と笑う『アン』。
そのアンを、バルコニーの女王が見つめて、そして。
『では、一等のお土産はこちらです』
がらがら、とバルコニーの上に、アニエスに牽かれて大きな台車がやってくる。
その上に乗っていたのは。
「あ!」
「え」
「…そういう、こと…?」
「え?あれ?お土産?」
「そう…。『お土産』はサイト様ですわ」
『一等は『トリステインの盾』を一週間貸し出します。
アルビオンの七万を止めた英雄です。庭の草むしりからドラゴン退治まで、何でもこなしますわ』
いやむしろそれはずれだろう、という賓客たちの心の突っ込みを他所に、バルコニー上の女王は続ける。
『本当は私もこのようなこと、したくはないのです。
でも、サイト様は上納金を納められなかった…ならば、この扱いも致し方ないことかと』
白い礼服に身を包んだ才人は、デルフリンガーを背負い、左手に鉄の篭手を嵌め、武装していたが。
逃げださないよう首輪を嵌められ、つながれた鎖の先をアニエスが握っている。
「…いやまあいいけどさ。しょうがないけどさ。だからってこの扱いはあんまりじゃね?」
「あきらめろサイト。女王陛下のご命令だ」
才人の呟きに、アニエスが冷静に突っ込みを入れる。
そして、女王の手から『レビテーション』の魔法によって、中庭に箱が下ろされる。
『では、一人ひとつずつクジを引いていってくださいな。当った方はお土産をお忘れなく』
女王の言葉に箱の前に並ぶ貴族たちを見て、ルイズは言った。
「ちょっと!他の誰かに当ったらどうすんのよ!」
「そうなったら、私とサイト様のご縁がそこまでだった、というだけ」
そいて、『アン』はシエスタに、一枚の書簡を手渡す。
「この書簡は王家の招待状です。これを持っていれば平民でもあのクジを引くことが出来ます」
そして、『アン』は同じような書簡を手に、貴族たちの後に続く。
もちろん、クジを引くために。
「対等な勝負です。
サイト様を、手に入れるための」
その言葉に、四人はアンリエッタに続く。
五人それぞれの思惑を胸に、才人を手に入れるため。
…一週間程度で私とサイトの絆に割り込んでこれるとは思えないけど、一応ね。
…一週間程度で私とサイトの繋がりを越えられるとでも?片腹痛い…。
…一週間あったら、全力でサイトさんをメロメロにできますよね♪
…一週間…サイトが私のモノ…一週間も甘えられたら、わ、私死んじゃうかも!
…一週間で…サイト様を、王の器にしてみせます。できなかったら、既成事実コースで。
そして、当人の意思は完全に無視され。
運命の神の手に、才人の身体は委ねられたのである。
シエスタ・ルイズ・タバサがサイトを狙うのは分かるが
ティファニアはそういうキャラじゃないだろ
>>83 テファが色々と手遅れになってるww
>>84 とりあえず、保管庫行って来い
この投票って一人一回まで?
特に決まってないけど、紳士として行動しろ
>>87 了解、節度をもって行動することをここに誓う。
お星様にでもお祈りしとくよ、雨だけど。
ん、このスレじゃティファのキャラ改変されてるの?
それは失礼した
んなこといったら殆んどのキャラ改変されてんだろw
こんなにセックス求めてくるキャラ出たか?
>>92 >こんなにセックス求めてくるキャラ出たか?
これはエロパロ板だから当然
サイトにさほど興味の無いティファが、なんで唐突にベタボレになってんのかな、って疑問に思っただけなんだよ
ハーレム願望はあって当然だけど、なんか説得力無いなー、って
>>93 だから、続き物なんだってば
なんだ?構って欲しいのか?友達居ないのか?
96 :
88:2008/10/23(木) 22:21:10 ID:m5xa0sZp
お星様に願わなくても願いが叶おうとしている…
なんだ構ってちゃんか。こいつは失礼
>>95 >なんだ?構って欲しいのか?友達居ないのか?
>>97 >なんだ構ってちゃんか。こいつは失礼
人格攻撃に逃げるか
まあいいや、どうでも
そんなことより前スレ埋めようぜ
>>98 作品叩きたいなら保管庫行け
気にいらないなら黙ってスルーしろ
納得いかないなら自分で書け
お前のレスは不愉快だ
>>100 >作品叩きたいなら保管庫行け
黙るかマンセーかどっちかにしろ、ってこと?
そういうローカルルールがあるんなら従うに吝かではないけど、あるの?
>>98 "そう言うキャラじゃない"というような批判は、表現が曖昧すぎて荒れる元になるので、
まず貴方の中のテファが、どういうキャラなのかをSSの形で表現して欲しい。
まあ、ティファニアの略称がティファとか言ってる時点でキャラ掴む以前の問題なのは想像は付くが
荒らしなのかアホなのか未だに判断付きかねる
そんあことよりも投票所でアン様に入れてくれ
アンさま分が足りないんだ
>>97が正しかったようだ
消えるわスレ汚しすまねえな
>>105 だいじょうぶ。
へんたいさんのことだから、いつもどおりに全員分書いてくれるさ
>>105 同志よ、俺も先ほど一票投じてきたぞ!
ところで、同志ってこの字であってる?
>>102 >"そう言うキャラじゃない"というような批判は、表現が曖昧すぎて荒れる元になるので、
なるほど、これは分かった
>まず貴方の中のテファが、どういうキャラなのかをSSの形で表現して欲しい。
論理が飛躍しすぎじゃなイカ?
なんで「まずSSで表現してほしい」ってなるの?
過去ログもテンプレも読まない奴はスルーで
>>109 みんなのレス読んでれば大体理解できるとは思うけど、もうちょっと分かりやすく具体的に書いておくね。
・上で投下されているSSは「せんたいさん」というこのスレの常連職人さんの作品で、氏の前の作品からの続き物です。
・要するにテファが才人にベタ惚れなのにも理由があるわけで、その辺は氏の過去作を読むと分かると思います。
・なので、これだけ読んで「唐突じゃね?」というのは多分筋違いであると思われます。
以上。荒らしさんでなけりゃこれで理解してもらえると思うけどどうかな。
>>112 よく分かりました
他のウンコどもと違って、分かりやすく且つ紳士的な対応、ありがとうございます
ウンコなら全裸待機
これはもうダメかもしらんね
いいから、お前らも前スレ埋めるの協力しろよ
寂しいじゃないか
>>117 もう480k越えてるんだからほっとけば落ちるよ
一票入れてきたぜ。ここは既成事実コースだろ
やっぱりみんなアン様に餓えてたんだなぁww
じゃあ国王コースか
だってボルボ氏のアン様来ないしなw
タイトルから言って姫様だろjk
同志が多すぎてワロタ
空気になりつつあるメイドといきたいがやっぱりアン様がいいな
浮気性でごめんよごめんよ。お仕置きなら受けるから
そういやアニエスは?
アニエスには権利なのk?
駄目ならアン様+アニエスで
アニエス攻めサイト受けでw
このロリコンどもめ
最近タバサ分が足りないとは思わないかね?
誰のSSをせんたいさんが書くことを話題にするよりも
まずはへんたいさんの労うべきだな
というわけでへんたいさん GJ!
真面目に議論してた読み手や職人さんを「夏だなぁ」の一言で一蹴した人を良くそこまで
持ち上げられるな。これまでずっとスルーしてたし話題に出す事も避けてきたけど
もうさすがにこの流れは気持ち悪くてたまらんわ・・・
>>131 そうですか、ではさようなら。
SS自体は保管庫でも読めるのでここに来ないほうが精神衛生上良いでしょう。
気持ちはわかるがそこは黙って見ない振りするのが紳士ってもんだ
>>131 もう終わったことを愚痴愚痴言とは大人気ない。
>>133>>134 あの時、あの問題を俺なりに真面目に考えてたもんだから
あの夏だなぁ発言はショックでさ。他の職人さん達の作品が読みたいから
我慢してスレを見てたけど、何だかちょっとたまらなくなってしまいました。
ごめん。もうやめます。
だ…大人気!!
たかがエロSSくらいで真面目に考えるなよ・・・
その力を仕事にでも向けろ
大体ハァハァできれば後はどうでもいいじゃねーか
色んな考えを持つ人がいるようなところで俺はこう思ってる。
でもそう思ってないお前ら気持ち悪いみたいな発言することの愚かさをまず“真面目に”考えるべきだろう。
>>138 それもまた「考え」だろ
それなのに雑談掲示板や誤爆スレじゃなく此処で言っちゃう時点でお前もたいして変わらん。
そんなことより人望と胸の大きさの関係性について語ろうぜ
続きは保管庫の議論スレとかでやってくれ
この手のレス自体がスレの空気を悪くして職人が投下し難くしてると何故気がつかんのだ?
俺的には、人望と乳房は言葉の響きは似ているものの、タバサのようなバストに恵まれていない人間でも人望に恵まれている例もあることから
実は関係ないんじゃないかと結論付ける他無いんだが
>>139-140 そうだね、スマンかった。
あとルイズが人間的に成長してそれなり人望も得たのに
胸が成長してないってことは正の相関関係はないと思うな。
へんたいさんいつもGJ!!!!!
胸と人望の関係? HAHAHA ルイズとタバサはお子様体型だからいいn(エアハンマー+エクスプロージョン
よくよく考えたらサイトよりアン様のほうがクジの景品向きじゃね?
つうかヒロイン全員拉致って景品にして貴族の慰みも(ry
ヒロイン全員拉致って、全裸に剥いて地下オークションに出したいね
誰が一番高値をつけるかな?HAHAHA!
毎度遅ればせながら、サイトxルイズ+メイドの続きです。
……あと3年も書けば、すらすら書けるようになりますかね?
では早速。
才人が、風呂から戻ってみると……。
ルイズは、書き物机を前にして、寝息をたてていた。
腕を前に投げ出して、頬を机にくっつけて、すやすやと気持ちよさげに眠っている。
「……ルイズ、風呂いいのか?」
揺さぶり起こそうと手を伸ばしかけた、その時。
才人は机の上に、革表紙の本のようなものを見つけた。
それはルイズの日記帳だった。
なるほど、風呂に入っている間、ルイズはこれを書いていたんだな。
才人は納得して頷く。
きっと書いているうちに、昼間の疲れが出てしまったのだろう。
そうとわかると、無理に起こすのも忍びなくなって、才人は手近な椅子を引っ張り寄せると、しばらくルイズ鑑賞を楽しむことに決めた。
「こうして眠っているところは、ほんと可愛いんだよな……」
机に片ひじをつきながら、うっとりとルイズの寝顔を見つめる。
人形のように整った顔立ち。柔らかでいい香りのする桃色の髪。
その髪の合間からのぞく透き通るような首筋。どれもが才人の描く理想そのままだ。
そんなルイズを眺めていると……、懐かしい過去の記憶が思い出された。
ギーシュと初めて揉めた時の記憶だ。
大怪我の末に、才人が長い眠りから目を覚ましてみると、今とそっくり同じ姿で眠るルイズがいた。
その神がかったような愛らしさと、そして思いがけなく知ったルイズの献身的な優しさに、当時の才人はぐっとほだされたのだった。
もしかして、と才人は疑問に思った。
その頃から、もうルイズに惚れてたのかな?
どうなんだろう? 首をひねったが、よくわからない。
とっくに出会い頭の一目惚れだったような気もするし、ずっと先のことのような気もする。
結局……、悩むのを諦めた。
だいたいが、才人は深く考えるのが得意ではない。
ただ一つわかるのは、目の前にいる少女を、何がなんでも守ってやりたいということだ。
好きかどうかなんて、実のところは口にするほどわかっちゃいない。
だけど……、守りたいという気持ちならば、自信がある。
理屈じゃない。守りたい。ただそれだけだ。
いつしか才人の中に温かい気持ちが生まれて、それが大きくなった。
才人はそっとルイズの頬に手を伸ばし、指で触れた。
すると、ルイズはいやいやをするように、頭を振る。
淡く色づいた、桜色のほっぺ。
キスを待っているかのような、半開きの唇。
なんだか赤ん坊みたいだな……、と才人は苦笑し、そして思った。
赤ん坊はミルクの香りがすると言うけれど、じゃあルイズの場合はなんだろう?
しばし考えて……、はたと思いついた。
「いちごみるく?」
あの甘酸っぱくて、とろりコクのある、淡桃色のキャンディ。
それだ! と才人は心の中で叫んだ。
少し酸っぱいけど、よく味わえば飛び抜けて甘い。うん、まるでルイズだ!
その時。とんでもない考えが才人の頭にすべりこんだ。
待てよ、舐めたら本当に“いちごみるく”の味がするんじゃないか?
あの甘酸っぱい味がするんじゃないか?
いや、常識的に考えれば、人間がキャンディの味なんてするわけがない。
つまり……、『味』というより『味わい』だ。
そっと口に含むだけで、甘くとろける小粒のキャンディ。ほんのり紅い苺色。
酸味がだんだんと甘みに変わって、ほろりと蕩けてカタチが崩れて……。
ああやっぱり“いちごみるく”味だ! 間違いない。
今すぐそれを確かめなくてはと、衝動に駆られて、ガタン! 才人は立ち上がった。
息を弾ませながら、背後からルイズに忍び寄る。
抱きしめるように両腕をルイズの体に回すと、もどかしげに下へと探りをいれていった。
ルイズの手触りは、とても柔らかで温かい。まるで生まれたての雛のよう。
髪から漂う香りはストロベリーではなく、甘ったるいフローラル。
着ているメイド服の丈はとても短いので、才人はしごく簡単に、するりとルイズの足の合間に手をすべりこませることに成功した。
触れた場所の温かく湿った感触に、ゴクリ唾を飲む。いよいよ最後の砦の一枚布を突破しようと、才人が指を動かしたその時。
ルイズの寝息がぴたりと止まった。
ハっと反射的に後ろに飛びすさり、才人は胸の高さに両手を上げた。
「や、やあ。おはよう、ルイズ」
「おはようじゃないわよ……。何してるのよ」
目をこすりながら、ルイズは聞いた。
「いやナニというか。ちょっとした勢いっていうか。……ほらつまりね、俺も健全な男ですから、ね?」
「へ?」
いかにもな微妙な言い回しに、察したルイズの頬がみるみる染まる。
「だだ、だったら起こせばいいのに……。なにも寝込みを襲うことないじゃない」
「だってさお前、そういう気分じゃなさそうだったし。何だか難しい考えごとでもしてるような顔してたしさ」
んー、とルイズは腕を組み、首を傾げた。
「……少しね、頭を冷やしたかったのよ」
「ガリアのことか?」
尋ねると、ルイズは深く頷いた。
才人はルイズの正面に座りながら、参ったなという顔をした。
「そりゃさ、悪いとは思ってるよ。お前に相談もせずに断ったりして」
「わかってるんじゃない」
「だけどな、今度のガリア行きは、別に俺が行く必要はなかったんだよ。現地まではオストラント号だし、コルベール先生やキュルケ、タバサにテファだっているんだから」
「でも、姫さまは、あんたが必要だって言ってたわ」
「念には念をってやつだろ。それより」
才人は声に力をこめた。
「危険なのは、むしろお前の方だぜ。姫さまが留守の間、どうしたって国内の治安は手薄になる。その隙をついて、またお前を狙う人間が現れるかもしれないんだ」
才人の意見はもっともだった。
たび重なる戦闘のせいで、『虚無』の存在は、多くの人間の知るところとなってしまった。
そんな強大な力が、何事もなく放っておかれるはずもない。私利私欲のために力を欲する人間は、この世にごまんといるのである。
才人は悔しそうに拳を握りしめ、そして力強く断言した。
「けどなルイズ。俺がいる限り、お前に手を出させたりはしない。絶対に守る。安心しろ」
こんな時の才人は、とても頼もしく見えて、ルイズは舞い上がる心地を覚えた。
どうしようもなく胸が高鳴って、顔が熱くなる。
でも、そんな態度を見せるのは照れくさいので、ことさらに素っ気ない口調で、
「だ、だったら、なんでガリアに行くことにしたのよ。それじゃ私を守れないじゃない」
「行けっつったのはお前だろ?」
「知るもんですか。私が言ったからって、はいはいってすぐ聞いちゃうわけ?」
「姫さまが言ってただろ。ガリアに行けば、エルフ族の偉い人と直接話せるかもしれないんだよ。地球に帰る方法が、ヒントだけでも、わかるかもしれない」
それから才人は、ルイズの両肩に手をおくと、目をまっすぐに見つめながら、
「なあ、ルイズ。俺たちもさ、いつまでも“ごっこ”って訳にはいかないだろ? 世間体だってあるし、それにお前の家族だって……、なんだかんだで最後は許してくれたけど、やっぱりお前のことを心配してると思う」
ルイズは目を大きく見開いた。
「だからさ、一日でも早く地球に帰る方法を見つけて、ちゃんとお前を俺の両親に会わせて、けじめをつけておきたいんだよ」
「……うん」
「もちろんお前のことも心配だよ。だから俺が留守の間は、ヴァリエールの実家にでも行ってろ。あのカリンとかいう恐い母ちゃんがついてれば安心だし、それに親孝行にだってなるしな。な、そうしろ」
「……うん」
才人の言葉を聞きながら、段々とルイズは頷くしかできなくなってしまった。
ルイズが思っている以上に、才人はルイズの考えを理解してくれているらしい。ルイズの気持ちを尊重しながら、物事を考えてくれているらしい。それがわかったからだ。
一方でルイズは思った。
そんな才人に、自分は釣りあうだけのものを返せているだろうか……、と。
自分がどれだけ、才人のことを大切に思っているか……。
そのことを、ルイズはまだはっきりと、才人に言葉で伝えてはいない。
今回のガリア行きだって本音では、才人に行って欲しくはないのだ。
ようやく苦労して二人きりになれたのに。
それなのに一ヶ月も離ればなれなんて、とても耐えられそうにない。
ましてや、あの二人が一緒とあっては。
アンリエッタ。そしてシエスタ。
過去に才人と、一方ならぬ経緯のあった二人である。
それだけじゃない。タバサやティファニアも同行するという。
才人を信じていないわけじゃない。でも……。
ああ、そうじゃない。ルイズは必死に首を振った。
違う。ヤキモチを妬きたいわけじゃない。
いかに自分が才人を好きか、まずそれを伝えなければ……。
ルイズはそのことを、ギーシュ達が帰った後で、ずっと考え続けていたのだった。
告げるとしたら、今というタイミングをおいて他にない。
「……ルイズ?」
黙りこんだルイズを、才人が心配そうに見た。
ルイズは勇気を振り絞って、口を開いた。
「あ、あのね、サイト」
「ん、どした」
ルイズは言いづらそうに、もごもごと言葉を紡いだ。
「あのね、サイト。私ね、ほ、本当はその……」
ようやくそこまで言って、ルイズは急に言葉を飲みこんだ。
気づいたからだ。
“本当はサイトにそばにいてもらいたい。”
もしそう言ってしまえば、
今度こそ才人はガリア行きを止めてしまうかもしれない。
しかしそれは、自分の求める結果とは違う。
どうしていいかわからず、ルイズは唇を噛んで下を向いてしまった。
「なんだよ。言いたいことがあるなら言えよ。明後日にはいなくなっちゃうんだぞ?」
けれども、ルイズは続く言葉を見つけられず、黙りこくるばかり。
しばらくの沈黙の後で、才人はゆっくりと俯いているルイズの頬に手を伸ばすと、そのまま顔を近づけてきた。唇が重なる。
同時に、ルイズの中に才人の“記憶”が流れ込んでくる……。
最近は才人も注意を払っているのか、ルイズが怒りを感じるような場面は、ほとんどなくなっていた。
今流れこんで来ているのは、今日の夕方、ルイズが才人を出迎えたシーンだ。
妄想の中の才人は、メイド姿のルイズに対して、実際にあったことよりも、さらに先を求めてくる。
え、え、え、ちょっと! やだみんな見てるじゃない!
才人から本物のキスを受けながら、一方で、頭の中で繰り広げられているイメージに、ルイズの体がかっと熱くなった。ぷるぷると震える。
や、ちょっと、そんなコト、やめ、無理、イヤって、言ってる、のにっ! やだぁ!
びくびくんと跳ねて、ルイズは才人を突き飛ばし、その唇から逃れた。
ぜえぜえと真っ赤な顔で息を荒げている、そんなルイズを見ながら、
「ってお前、今度は何見たんだよ」
才人は呆れたように言う。するとルイズは真っ赤な顔でう〜と唸り、ぽかぽかと才人の胸を殴り始める。
ああああんたが悪いのよ! あんたがあんなあんな……。
それから、ルイズはハっと気がついた。
そうだ、その手があったじゃない!
自分が、才人の記憶を見せてもらったのと同様に、自分の記憶を才人に見せればいい。
実に簡単なことだ。
それなら言葉よりずっと、正確に自分の気持ちを伝えることができる。
そうだ、そうしよう!
「サイト、これガリアに持っていって!」
ルイズは机の上からあるものを取り上げて、それを才人の胸にぐっと押しつけた。
才人は驚きの声をあげた。
「ってこれ、お前の日記帳じゃねえか!」
「どうせ向こうにいる間、暇なんでしょ。時間つぶしぐらいにはなるわ」
そこには、ルイズが才人と過ごした日々の中で、何をどんなふうに感じたのか、そのことが赤裸々に書き綴られている。
その内容は……、どちらかと言えば、才人に対する愚痴がほとんどだ。
アンリエッタやシエスタ、他の女の子たち関係のモロモロも含まれている。
それでも、ルイズの本心が書かれていることには違いなかった。
「なあ、本当にこれ、俺が読んでかまわないのか?」
目の前で、才人が日記帳の表紙をめくろうとしたので、ルイズは悲鳴を上げた。
「まままだダメ! 出発してからにして!」
もし目の前で読まれでもしたら堪らない。決心が揺らぎかねない。
「わかったわかった。じゃあ向こうで大事に読ませてもらうからさ。あれだな。帰ってきたら、きっと俺、ものすごいルイズ通になってるな」
才人は嬉しそうな声で、ルイズの頭をぐりぐりやると、日記帳を机の上に戻して、
「さてと。じゃあ続きしようぜ」
「続き?」
「そそ、続き。……はい、立って。起立〜」
「え?」
わけもわからず、ルイズは立ち上がった。
「そのまま回れ右して、……はい、礼っ!」
「え? え? え?」
ルイズは才人に言われるがままに、才人に背中を向け、そして椅子に向かってぺこりとお辞儀をする。
「なによこれ、いったい何の真似よ」
「じゃ。いい子だから。ここに手をついて下さいね〜」
才人は鼻歌でも歌うようにそう言って、ルイズの両手をぺたりと椅子につかせた。
それから、背中で蝶々結びになっているエプロンドレスのリボンをするり解いて、それでルイズの両手首を縛りあげる。
さらに余ったリボンの端っこを、手際よく椅子の脚にくくりつけた。
「なな、何よこれっ!」
ここに至って、ルイズはようやく自分の置かれた状況を理解した。
客観的視点からみるに、どうやら自分は腰を上に突き出したひどく恥ずかしい格好をしていて……、
ずるり。
才人の手によってメイド服の裾が、一気に胸の辺りまでめくれ上げられた。
露わになった腰から胸にかけての素肌を、空気がひんやりと撫で上げる。
「やぁあああああああああ!」
ルイズは叫び声を上げて、椅子を抱きかかえるように、しゃがみ込んでしまった。
「ばか、ばかばかばかっ! いきなりなんて格好させるのよぅ!」
涙声でルイズは訴える。
しかし才人はけろりとしたものだ。
「こらメイド。ご主人様にその口の利き方はないでしょ」
なぜならこれはプレイの一種。
決して恋人をイジめているわけではないのだからして。
「さ、立って。ご主人様にちゃんとご奉仕しなさい」
「いやっ、いやったら絶対にいや!」
「い〜や〜じゃないの。ほら、立って。はい、いい子いい子」
「ううううう゛〜〜〜」
腰に手を添えてを持ち上げようとするが、ルイズは頑なに抵抗する。
仕方なく才人は、ルイズに言い聞かせた。
「なあ、ルイズ。ガリアに出発したらさ、俺、毎晩ひとりぼっちでさみし〜くなるんだぞ。今ぐらい好きなコトさせてもらっても、バチはあたらないと思うんだよな」
「で、でもっ」
「毎晩、お前のこと思い出すからさ。あのメイド姿、可愛かったな〜って。な?」
優しく頭を撫でてやりながらそう言うと、
「ばかぁ、もうサイトなんて嫌いなんだから……」
ルイズは頬をふくらませながら、ぐすぐすと力なく、すねたように呟く。
「お風呂ぉ……、明かりぃ……」
「風呂はあと。明かりこのまま」
しれっと言った後で、それから才人は、あ、と思いついた。
「そうだ。お前の日記さ。ずいぶん詳しく書いてるみたいだけど」
「それがどうかしたの?」
「やっぱり……、こういうのも書いちゃってるわけ?」
「こういうの?」
「うん。こんなの。『今日はメイドの曜日です。私もメイドの日は大好きです。だってメイド姿の私ってばすっごく可愛いんだもの♪ サイトもご主人様役をはりきってくれました。いつもより激しく愛してくれたので私も大満足、キャっ! また来週もこんなだといいな。まる』」
「なななな、なわけないでしょ! バカ〜〜〜〜〜〜!」
「や、やっぱり?」
才人は、いやあ残念だ、とかなんとか言いながら、真っ赤な顔でわめき叫ぶルイズを抱きしめて、あやすように優しく揺すった。すっかり手馴れた扱いである。
ついでに耳だの首筋だのに舌を遊ばせていると……、風船がしぼむように、みるみるルイズの声が小さくなって、そして、
「……あんまり、恥ずかしいのはやめてね?」
とか言いながら、おずおずと自分から膝立ちを始めた。
恥ずかしそうに突き出された白い二つのふくらみ。それを僅かに覆う薄い布きれ。
「あ、あんまり見ちゃ……、やだ」
テンションが急上昇を始める。
「こら台詞。今日はメイドじゃなかったっけ」
「……あ、あんまり見ないで下さいまし。ご主人様、どうかお情けを……」
照れと屈辱で、ルイズの声と体がぴりぴりと震える。
刹那、才人の体を熱いものが走り抜けた。もう待ったなし!お預けも無理!
「めめめメイドさん最高! いちごみるく最高! ルイズ最高!」
イきます! その布に指をかけて、一気に引きおろそうとした。
「あ、サイト……だめ」
覚悟を決めてルイズが目をつむる。その時、ノックの音とともに、誰かが入ってきた。
「お飲み物をお持ちいたしましたぁ」
すたすたと歩み寄りながら、その人物は明るい声で言った。
+ + +
ふう…。シエスタ(偽)滑り込みセーフ。危なかった。
次回が最終話となります。真シエスタも登場します
エロが薄い分せめて良い結末にしたい……。ぼちぼちと頑張ります。
#文字密度。少しでも改善されてると良いんですが…
>>141 どこぞの女性漫画家がエッセイで書いていたんだけど
思春期を悩み多く過ごしたりする人は、胸が小さいとか言ってたな
その人の母親は胸がでかく性格は楽天家でいい加減
漫画化本人はどうでもいいことで悩む性格で胸は小さいらしい
これを作中の人物当てはめると
ルイズ 魔法が使えず捻くれ悩みまくりの上に、
陰口と悪口を言われたと思われ
まあ親にはと姉には大切にされてたらしいが本人は気が付かず
タバサ 父親を殺され、母は廃人、命がけの任務で苦労しまくり
モンモン 家が貴族としては貧乏なので苦労してるみたいだが
テファ 妾の子とはいえ、両親に愛されたらしい
キュルケ 親は我侭邦題を許容しているから愛されてるっぽい
なんか作中人物の精神衛生上の環境の良さ=胸の大きさが
そのまま現れてるっぽいなwww
相変わらずのチャイチャっぷりでした!!GJ!!
流れてるので念のため。
>>83の投票は今日〆だそうですよ。
やっぱりみんなアン様分が足りなかったんだなw
全裸だと夜は肌寒いぜ…ネクタイでも締めてしのぐとするか
靴下も忘れるな
秋だなぁ
これも貸そうか?
つ白手袋
イザベラやタバサになら張り切って仕えたいが、
わたあめだと素直に命令聞きたくない不思議
俺はアン様の言うことしか聞きたくないね
なんでだろうなロイヤルビッチだとなぜかものすごく世間的にも+のイメージな感じに聞こえる
>>166 逆だ。
わたあめには「素直に命令聞かせる」だろう。
>>169 そ れ だ !
どうも傾国の姫ってイメージになってやらしい
首輪つけて犬座りさせた状態で目の前にご飯(チキンとかフライドポテトのような物)をちらつかせて
口だけで食べてごらんって言って必死に頭を突き出して食べようとしてる目の前でそのご飯を食べてやりたい
流石にキモくなってきた
いいや、まだまだいくぜ!
じゃあとりあえず縛ってひざまずかせたあと
希望者つのれるだけつのって、アン様の周囲を取り巻かせて
白濁シャワーの中で泣き出すまでぶっかけさせ続けたい
その後、大型犬に犯させたい
176 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:02:29 ID:10vH2C4e
普通に姫様との濃密に交わりたいわ
ボルボ氏のアン様のように
一瞬、「ボルボ氏と濃密に交わりたい」に見えた(;´Д`)
ボルボ氏は二十代後半の巨乳美女キャリアウーマンだよ?
女だてらに競争社会の最前線で戦いつつも、多くの部下を抱える責任の
重さと仕事に対するプレッシャーから、夜遅くマンションに帰り着く頃には
心身ともにくたくたの彼女。
シャワーを浴びたのち、濡れた前髪を撫で付けながらバスローブ姿でPCを
起ち上げた彼女は、どこか境遇の似たアンリエッタと自分とを重ね合わせ、
おのが筆致の赴くまま激しく艶やかに乱れさせることで、熟れた肢体の
内側に抑圧された自己を解放しているのです。
>178
方向性は同じさ、『ただ、幸せに生きていた少女』『力の限り生きてきた、キャリアウーマン』
それが、ぶち壊されて、人生を・人としての生を・崩されるんだ、ツボだよホント。
もっと増えないかなぁ、鬼畜モノ(アン様の)。
アン様にかぎらず鬼畜モノはもっと読みたい
いや、鬼畜物じゃなくて
ラブエロ超濃厚セクロスがいいだろ
ローション代わりに蜂蜜使うわ、じっくりゆっくり突くこと1時間以上
その後は密着セクロスでフィニッシュ
こんなアン様物が読みたい
えぇ、こういうセクロスがしたいんですorz
アン様とポリネシアンセックスしたい
ポリネシア人のセックスってそんなに凄いの?
ハルケギニアのエッチはシンプルなのかもね。
剥く → 入れる → 出す → 引き抜く → おしまい
みたいに。
凄い量の単発だ
どっかでヲチされてんのか?
遅ればせながら、アン様おめでとう! さすがロイヤルビッチ様は強いなぁ
どの書き手さんのアン様も、それぞれに味わいがあっていい
ぜひ濃厚なのをお願いします。(
>>184じゃ10行で終わってしまうよ)
…あと投票祭りムードの邪魔をして悪かったです(←KY認定!
外泊前のドタバタで投下したんだけど、バチがあたったのか酷い風邪で帰ってきてしまったよ…orz
キリスト教でしたっけ、生殖以外の目的での性行為を否定しているのは。
ハルケギニアは中世っぽいから快楽を得る手段としての性行為はそれほど発達していない――あからさまに言えばプレイの幅が狭いとか。
……現代日本の思春期のオタク少年平賀才人、その妄想力を持ってハルケギニアに革命を起こせるか。
マジレスするとゼロ魔のモデルとなった17世紀は近世。
浣腸器をつかった浣腸プレイ・アナルセックスはじめ変態行為はそれなりに発展しており、図も残されてる。
ただし19世紀になってさえ、変態行為で逮捕されたサドなどの例もあり、大っぴらにやるとまずかった。
>>187 初めて訪れた娼館での行為が
>>184だったのでカルチャーショックを受ける才人とか?
で、性行為に快楽を求めることを広める運動を始め、少子化に悩むトリステインに貢献する、と
>>189 すごいな前戯に4日以上かけるのか今度試してみよう
アン様の♀おち○ちんなら四日間弄り回せる自信が有る
俺も姫様のお乳なら1週間舐めまわせる自信がある
弄る(一週間) → 入れる(1分) → 出す(1秒) → 引き抜く(10秒) → おしまい
はい、それじゃあアン様投下いきますよ。
でも終わってないのね。
ていうか7日間ぶん書く予定なので全キャラは無理だってばさ!
というわけで一日目いきます。途中で終わってるけど堪忍な!
「ええと…確かに、王宮からの紹介状ですね。
ミス…」
「シュトリ。アン・シュトリですわ」
受付の騎士に招待状を手渡し、アンリエッタの変装した街娘『アン』はにっこりと笑う。
もちろん、名乗ったその名は偽名。秘密を暴き、望みの異性を愛し合わせることのできる力を持った伝承の中の精霊の名前。
名乗る名前などどうでもよかったが、どうしても才人との一週間を手に入れたいアンリエッタは、その名にあやかることにしたのだった。
騎士は招待状の入った書簡を開き、招待状の押印を確認する。そこには確かに、アンリエッタ女王のサインと、王家の押印がされていた。
「はい、確かに。では、箱の中から一つ、クジを引いてください」
言って騎士は箱を指す。
箱はだいたい大人の男が両の腕で抱えられる程度。その天辺に、大人の頭がすっぽり入りそうな丸い穴が開いている。ここから腕を差し入れ、クジを引くのである。
ちなみに、アンリエッタに先行してタバサとルイズがクジを引いた。
「何よ、『解体・始祖の祈祷書』って!!今更使い方解説してんじゃないわよっ!」
ルイズの引き当てたのは三等の景品。王家に伝わる、始祖の祈祷書の取扱説明書のようなもの。
つい先日、王家の書庫で五代前の王が街娘に宛てたこっぱずかしい詩が満載の恋文がページに挟まれた状態で、切り取られた百科事典のページの間に挟まれているのが発見された。
歴史学的にはものすごく貴重で、なおかつ虚無の担い手にとってはなくてはならない本のはずだが、ルイズにとっては便所紙にもならない虫食いの紙の束である。
そしてタバサはといえば。
「…。………。」
無言で、中庭の隅に四等の景品である『破壊の杖』を埋めている。
そんなライバルたちを尻目に、アンは優雅にクジの箱に手を差し入れる。
そして。
あった…!
そう。それこそは彼女が確実に才人を手に入れるために仕込んだ罠。
才人のクジに仕込んだ、砂鉄まじりのインク。
それが、彼女の嵌めた磁力を持った指輪に、吸い寄せられ、白魚のような指に張り付いた。
もし、先にこれを引かれたら。
そんな懸念もないではなかった。
しかし、もしこの数のクジの中から、才人を引き当てる運が彼女たちにあったのなら、諦めてもいい、そう思っていた。
だがそうはならなかった。
彼女達は、負けたのだ。
王との戦いに。
そして、遠慮して彼女より先にクジをひかなかった二人は、そもそも戦いにすらなっていない。
いかな手段を用いても、勝利を手にするのが王の道。悪く思わないで下さいね、シエスタさん。ティファニア。
心の中だけで二人に謝り、アンはクジを穴から取り出す。
「これでお願いしますわ」
三角に折られ、中身の見えないクジを、アンは騎士に手渡す。
騎士はそれを開け、そして、中身を告げる。
「一等です!おめでとうございます!」
騎士の声に、周囲から同情半分の拍手があがる。
そして、件の四人は。
「ちょ、待ちなさいよ!なんでそんな都合よく!」
「…やられた…!」
「こ、こんなことなら遠慮なんかするんじゃなかったぁ…!」
「…あとで混ぜてもらお…」
ルイズはアンに掴みかかろうとして事情を承知して中庭で警護に当っていたアニエスに取り押さえられ、タバサは勝負だから仕方ない、と諦め、シエスタは次の策を練り始め、ティファニアは才人へのおねだりの台詞を考え始めた。
四人四色の反応が交錯する中、アンはまるで本意でない、と言わんばかの表情でクジを眺める。
そして、中庭から引きずり出されたルイズを除いた、その表情をいぶかしむ三人の前で、言ってのけた。
「私、ただの街娘ですから。シュヴァリエをお借りするなんてできませんわ。
つきましては、この景品は王家に返上したく思います」
言って、目の前に立つ係りの騎士にクジを突き返す。
その言葉に最初に合点がいったのはタバサ。
「…し、しまった…!」
気づいた時には遅かった。
バルコニーの女王は、階下よりのその報を聞くと、少し考える素振りを見せた後、宣言する。
「では、シュヴァリエ・サイトには、一週間私の傍仕えを命じます。
これから一週間、公私共に仕えて頂きます。よろしいですね、シュヴァリエ・サイト」
その発言に、周囲の貴族たちからやっぱりか、という声が上がる。
当然と言えば当然なのだが、貴族たちの中で才人とアンリエッタのただならぬ関係を知らぬ者はほとんどいない。
事あるごとに才人の所属する水精霊騎士団には王家がらみの任務が任されたし、さらにその後、才人に直接労をねぎらうアンリエッタの姿を、たくさんの貴族が目撃している。
七万の大軍を止めた若き英雄に、若い女王が熱を上げるのも当然だろう、そう思っている者が大半だった。
そして、この女王の言葉で、二人の関係はさらに進展することになった。
今までは噂や憶測に過ぎなかった女王と英雄の関係は、この発言で白日の下に晒されたのだ。
いかに上納の代わりの役とはいえ、平民出の一介の貴族に、女王の近衛をたった一週間とはいえ任せるなどありえない。
それをアンリエッタ女王はさらりと命じた。
つまり、彼女は公式の場で『シュヴァリエ・サイトは女王と公私を共にするに値する男性』と発言したに他ならない。
今までは一介の騎士だった才人が、これにより『女王の番となる英雄』となったのである。
そして。
才人はその夜から、アンリエッタの公私を守る近衛として、王城に寝泊りする事になったのである。
最初の日。
王城に泊まった最初の夜は何もなく過ぎた。
てっきり喜び勇んで寝室に夜這いをかけてくるだろうと予想された女王はしかし、結局やってこなかった。
才人は、あてがわれた女王の部屋の隣の小さな部屋でメイドの運んできた朝食を平らげ、言われたとおり正装として渡された白い礼服に着替え、仕事の説明をするといっていたアニエスを待つ。
待つ退屈さに才人が大あくびをした瞬間。
ノックもせずにアニエスが入ってきた。
「…なんだその緊張感のない顔は」
「…ノックくらいしてくださいよ…」
才人の突っ込みにしかし、アニエスは呆れたように言う。
「何を暢気に言っている。一週間だけとはいえ、お前は今日から女王の近衛だ。
公私ともに女王に仕える身、気を抜く事など赦されぬと思え」
言ってアニエスは扉の陰から台車に乗った一着の甲冑を部屋に入れる。
その甲冑は薄い鉄板でできており、腹部から胸だけを覆うデザイン。
それに、肩当と、同じ材質であろう篭手が左手のぶんだけ、付く。
白を基調として、各所に金の縁取りがある。
白い礼服の才人がこれを着れば、立派な近衛騎士のできあがりというわけだ。
同じ台車の上には、同じような色遣いの、赤い鞘に収められた細身の片手剣が置かれていた。
「これを着て、着いて来い。早速仕事だ」
才人は言われるがまま、甲冑を着こんで、剣を腰に提げ、アニエスに続く。
王宮の廊下を進んでいくと、すぐに謁見の間についた。
朝早い謁見の間は、掃除をする下働き以外は姿はない。
そしてアニエスは言った。
「まずは、謁見の間に異常がないかチェックしろ。傍仕えの大事な任務の一つだ」
常に権謀術数の中にいる王のために、夜の間に、謁見の間に何か仕掛けられていないか、チェックする必要がある。
才人は言われるまま、謁見の間を隅から隅へ見て回る。
そう広くはない謁見の間なので、意外とすぐにチェックは終わる。
その間に、下働きたちの掃除も終わり、謁見の間に残ったのはアニエスと才人だけ。
「終わりましたー」
「異常はなかったようだな。女王陛下がここに見える前に必ずこれはやっておけ。
明日からは一人で起きて、ちゃんとやるんだぞ」
まるで弟に対するような口調でアニエスは言う。
そしてそれを見計らったかのように、女王とマザリーニが謁見の間に現れる。
「おはようございます、シュヴァリエ。今日から一週間、よろしくお願いします」
「おはようございます。ひ…じゃない女王陛下。こちらこそヨロシクお願いします」
思わずクセで『ひめさま』と言いそうになり、慌てて言い換える才人。
そんな才人を、まるで婿を品定めする花嫁の父親のような視線で、マザリーニも挨拶をする。
「今日から一週間、陛下の近衛を頼むぞ、シュヴァリエ」
「まかせてください。…でも何すりゃいいんですか?」
当然だが、才人はこれから何をすればいいのかを知らない。
マザリーニは言った。
「女王陛下の脇に控え、万が一の際には陛下を守る盾となるのだ。
具体的に言うとだな、謁見が終わるまで、玉座の横で立って女王陛下を守るのだ」
つまり、謁見の間のボディガード。
何事もなければただ立っているだけの仕事、ということだ。
なんだ楽な仕事じゃん、と才人はタカをくくっていたが。
アニエスの言葉に、近衛がいかに大変か思い知らされる。
「ちなみに今日は謁見が夕方までひっきりなしだ。
謁見の間は昼も喰えないし休憩もできんからな。覚悟しておけ」
それを聞いた才人の甲冑が、少し重くなった、気がした。
そして、何事もなく一日が過ぎる。
「疲れた〜〜!」
最後の謁見の貴族が帰った後、才人はほっと胸を撫で下ろす。
そんな才人に、アンリエッタが労いの声をかける。
「お疲れ様でした、シュヴァリエ。
これで今日の公務はお終いです。よかったら私の部屋で一緒にお食事でもいかがです?」
マザリーニもそれを聞いていたが、とりあえず何も言わない。不干渉を決め込んでいる。
アンリエッタのその言葉を聞いた途端、才人の腹がぎゅう〜っ、と鳴った。
才人は節操のない自分の腹の虫に、女王に頭を下げた。
「あはは。…すいません」
「うふふ。私もお腹がペコペコ。
マザリーニ郷、二人分の食事を私の部屋へお願いします」
マザリーニは「畏まりました」とそれを受けつけ、謁見の間を出て行く。これから厨房に向かい、その旨を伝えるのだ。
当然、アンリエッタも才人も昼食は抜きである。
二人は女王の部屋で、少し早めのディナーをとることにした。
まあ、上納の義務の代わりだってえならこのしんどいのも仕方ないよな。
なんて考えながら、俺たちは女王陛下の部屋につく。
つったって何回も出入りしているアンの部屋なんだけども。
でも、この部屋はぶっちゃけトリステイン魔法学院の女子寮より質素だ。
簡素な木の丸テーブルが中央にあって、頑丈な木の椅子が二脚、その周りに対面になるように置いてある。
部屋の奥には衣装部屋。女王陛下の服は全部ここに入っている。
そして、他の家具といえば大きめの棚が一つと、鏡台が一つ、大きなベッドが一つ。
本棚やら箪笥やら大きなランプやらのある学院の寮とはえらい違いだ。
なんでも前の戦争で国民が被った損を、王家の私財を投げ打って賄ったらしい。
そのせいでトリステイン王家は下手な貴族よりも金がないらしい。
まあそれでも王様だから、お金を稼ぐなんてことはしなくてもいいんだろうけど。
アンは王冠を脱いで大切そうに鏡台に置いて、机にかける。
その机の上には、ずいぶんと質素な晩御飯。
パンに、野菜のシチューに、薄い肉を焼いたステーキ。申し訳程度のデザートに、剥いた林檎。
…下手すりゃ学院の食堂のランチのが豪華だぞこりゃ。
「さ、サイト様も掛けて」
アンはそう言って俺を促す。
俺は、食事の邪魔になるので、今まで纏っていた甲冑を脱ぐ。
すると。
むわ。
うわなんだコレ。
汗で蒸れてめっちゃ臭う!
俺は、鎧の下で汗を掻いていたことをすっかり忘れていた。
しっかし我ながらくっせー!
俺がそうして自分の汗のにおいに辟易していると。
「どうました?お食事が冷めてしまいますわ」
なんて言うので仕方なく、俺は席に着く。
…でもやっぱ気になるなあ。
「…あのさ、臭わない?」
恐る恐る俺はアンに尋ねる。
アンはこくん、と首を傾げて応える。
「?シチューのいい香りがしますけど?」
…よかった。そんなに臭ってるわけじゃないんだな。
俺はほっと胸を撫で下ろし、食事にありつくことにした。
そして、食事は二人で今日の事を話している内に終わる。
「ごちそうさまでした」
スプーンを置いて、食器を纏めるアン。
女王なのにそんなことすんの?なんて尋ねたら、
「食事を自室で頂いたときは、食器を纏めてドアの前に出すんです。
そうしておけば、下働きの人も手早く食器を片付けられるでしょう?」
そうか。
下働きの人たちが、こうした晩御飯の食器を下げに来るのは、まだ日の昇らない早朝。
もし今のうちにそうしなければ、寝ているアンが起きて部屋を出るまで、女王の部屋に限っては、その仕事ができない。
なるほどなあ。こんな細かいことまで気を遣ってんのか。いい女王様じゃんか。
なんて俺が感心していると。
いつの間にか俺の隣に来ていたアンが、鼻をすんすん言わせている。
…ま しゃ か 。
「汗臭いですわね、確かに♪」
やっぱ臭ってたかー!
…ん?ちょっとまて?今語尾に音符マークついてなかったか?
「サイト様。ちょっとこっちへ来てくださいな」
言ってアンは俺の手を引く。どうやらベッドに連れて行くつもりらしい。
…やっぱそーか。そーくるか。
まあアンだしロイヤルビッチだししょうがないかあ、などと俺が思っていると。
「はい、脱いで脱いで。ばんざーい」
俺をベッドに腰掛けさせたアンが、目の前でばんざいしてみせる。
よーするに脱がせるから俺にばんざいしろと。
「いや自分で脱げますから」
「はい、ばんざーい、ばんざーいですよ」
反論したけど、アンは俺がいう事を聞くまで諦める気はないらしく、目の前でぽよんぽよん胸を揺らしながらばんざいの動作を続ける。
…正直このぽよんぽよん揺れるのをもうちょっと見てたい気もしたが。
「…ばんざーい」
俺は諦めて両手を上げる。
すると、アンは手馴れた手つきで礼服の前を開け、するりと上着を脱がせてしまう。
もちろん、下に来ていた綿の下着も脱がせてしまう。
俺は上半身すっぽんぽんにされた。
そして、俺が腕を下ろそうとすると。
「はい、そのままばんざいしててくださいねー」
…?なんじゃ?
アンの言うまま、俺は両手を上げたままにする。
すると。
アンは意外な行動に出た。
はい、今日は以上。
一日目エロパートは後日なんじゃぜ。
んじゃねゆノシ
と言いつつすでに全員分書く気まんまんのへんたいさんGJです
姫様ずるいなぁ
>>204 お休みなさいませ
続きを楽しみにしております
>204
投下乙です!
アン様ズルいwww
エロパートも期待しております!
実際に書くのは1位のアン様と次点のタバサかな?
7日分×人数分はせんたいさんでもキツそうだ…
これが噂のレイニー止めって奴か…!
俺の股間は雨降り直前だぜ
209 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 18:09:18 ID:oJ97xe8e
王との戦いっつーかカイジに出てくる帝愛の会長じみたロイヤルビッチの策略が見事
続きも期待してまーす
ついにノートPC買っちまったぜ!
しかし100円でノートが買えるとか時代は変わったのう…。
あ、ちなみに自分の買ったのは9980円のだから!
まあ近況はともかく投下いきます
ぺろ。
「うわひゃっ?」
才人の一番汗で汚れた場所…脇の下を、アンリエッタは舌で舐めたのだ。
少しの塩気と…濃縮された男の味。
才人の汗を味わい、アンリエッタの芯がじん、と疼く。
頬を赤らめ、唇に指を沿え、才人の味を反芻する女王に、才人は突っ込む。
「な、なにやってんすか!」
もちろん、汗を舐めたのである。
まるで恥らう乙女のように上半身を両腕で抱えて捻る才人に、アンリエッタの嗜虐心がうずく。
「駄目ですよサイト様。汗掻いてるんだから、吹かなきゃ♪」
淫靡な笑顔でそう言って、アンリエッタは才人の肌に顔を寄せていく。
「いやちょいまち!ていうか舌で舐めるなって!タオルドコー!?」
ベッドの奥へ後ずさり、逃げる才人。ベッドに這い上がり、才人に覆いかぶさりながら追うアンリエッタ。
いつもとは逆の立場になりつつあることに、才人は本能的に軽い恐怖を覚えていたのである。
命令してこういうことをさせるのならまったく問題ないが、無理やりされるのはどうにも弱い才人だった。
「タオルなぞありませぬ。しいて言うなら、今は私の舌がタオルです」
「何ぞそれ!そんなタオル聞いたことないって!つうかくすぐったいんだってば!」
あくまで抵抗の姿勢を見せる才人に、アンリエッタはむっとする。
「シュヴァリエ。私は公私共に仕えなさいと言った筈。あなたは否定しませんでしたわよね?」
「い、いや確かにそうだけども!」
「なら、この一週間はあなたは私の忠実な下僕ですわ。ですから抵抗は、き・ん・し♪」
「いやまってその理屈おかし…むぐっ」
なおも抵抗を続ける生意気な騎士の唇を、女王は自らのひとさし指と中指で塞ぐ。
そしてそのまま指で才人の口を封じて、言った。
「ちょっとお黙りなさい。それと、噛んだりしたら、承知しませんわよ」
口の中に白魚のような指を突っ込まれ、そのまま頭をベッドに押し付けられる。
才人は、抵抗を諦めることにした。
両腕を開き、裸の上半身をアンリエッタに晒す。
その胸板に、アンリエッタは今度こそ遠慮なく、舌を這わせる。
しかし気化しやすい汗は、先の騒ぎの間に大半が乾いていた。
だが、本来の目的は汗ではない。
才人の肌を、才人の味を、才人の匂いを愉しむ。
それこそが、アンリエッタの目的。
才人が普段自分の乳房にしているように、アンリエッタはぴちゃぴちゃと乳首を中心に舐めまわす。
「んぐ!…んっ!」
指でくぐもった才人の声が漏れる。
その嗜虐心をそそる声と、舌に広がる才人の肌の味が、より一層アンリエッタの芯を刺激する。
「ん…うふ。サイト様のあじ、おいし…」
淫らに微笑みながら、才人を味わう女王。
舌を這わせながら、才人の口の中でアンリエッタの指が蠢く。
…くっそ、なんか悔しいぞ…!
舌での刺激もなかなか心地よいものがあったが、なんだか負けている気がして才人は内心歯軋りする。
なにせ、いつもは自分が主人で、目の前で痴態を晒すこの娘は哀れなメス奴隷なのだ。
なんとかして逆襲できないものか、と思案する。
すぐに、才人は思いつく。
口内でもぞもぞと蠢く白百合の花弁に例えられる指。
そこへ、才人は舌を絡ませる。
「ひゃんっ!?」
その瞬間、胸板を舐めていたアンリエッタの動きが止まる。
効果アリと悟った才人は、口の中に差し込まれたままの指を、べろべろと舐めまわす。
口内から指を出すだけでいいのだが、才人を黙らせるために口の中から出すわけにはいかない。
しかし、この刺激は疼く自分の芯を蕩けさせてしまう。
隙間のある口内を必死に逃げ回るが、才人の舌は容易くアンリエッタの指に絡みつく。
「ふぁ、だめ、なめないでぇ…っ!」
指先で感じる感覚は鋭く確実に、アンリエッタの芯を融かしていく。
指を嬲られるだけで、アンリエッタは才人の胸板で溶けていく。
しかし。
負けるわけにはいかなかった。
せめて、才人と対等にならなくては。
王と奴隷では、意味がないのだ。
アンリエッタは気丈に目的を思い出し、負けるものかと才人の肌に舌を這わせる。
ぴちゃぴちゃと互いに舌を使う音が室内にこだまする。
このままでは埒が明かない。
才人はアンリエッタの腕を両手でつかみ、指先に微妙な力を込め、優しく撫で回しはじめた。
アンリエッタは余った指で、才人のわき腹を優しく、時に爪で軽くひっかきながら、撫で回す。
互いに最も感じる部分を刺激せず、やわやわと高めあっていく。
才人の胸板はアンリエッタが零した涎でべとべとになり、アンリエッタの指は才人の唾液でふやけていた。
そして、中天を照らしていた双つの月が傾きはじめた時。
二人はほとんど同時に、互いの舌を相手から離す。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「ん、ふぅ、ふぁ…」
唇の周りを涎でべとべとにし、獣の目になった二人は、見詰め合った。
しかし。
アンリエッタは、すぐに目的を思い出し、必死に自分の獣を押し殺す。
「な、なあ。姫様、俺もう…」
肩を掴もうとする才人の手を、アンリエッタは払った。
「だめです」
「え」
アンリエッタの急変した態度に、きょとんとする才人。
アンリエッタはそんな才人に淫靡な笑顔を向けると、言った。
「先に私を満足させなさい…」
言って、スカートをたくし上げ、すらりとした脚をM字に開く。
白いニーハイソックスがガーターベルトで吊られ、その奥の純潔を象徴する白いレースのショーツは、女王の蜜でぐっしょりと濡れていた。
才人はこくん、と頷いた。
「合点承知だ女王さまーっ!」
そう吼えて極上の芳香を放つアンリエッタの下半身にむしゃぶりつく。
邪魔な薄い白い布を横に引き伸ばし、露になった桜色の裂け目に舌を差し込む。
上の口以上に涎を零していたその穴は、易々と才人の侵入を許した。
才人は舌を奥まで差込み、アンリエッタ中に溜まった女王の愛液を掻き出すと。
そのまま、舌で女陰を嘗め回し、肛門のほうまで舐めまわす。
「ふぁ、そ、そう、いいっ…!」
天井を見上げ、荒い息をつきながら、快楽に震えるアンリエッタ。
嘗め回されるたびにその細い肢体がふるふると震え、声に切なさが増していく。
そして、才人は舐めるだけでは飽き足らず。
雌の裂け目の頂点で勃起し始めた、アンリエッタの核に指をかける。
「あっ…!?」
その鋭い感覚にアンリエッタの身体がびくん!と震える。
そして、これから襲い来る衝撃に、背筋を丸まらせ、身体を強張らせ、備える。
抵抗は、しない。自分が望んだことだから。
そして。
才人の指が、ちゅるん、と女王の皮を剥きあげた。
「──────────ひぃ!」
身体を強張らせ備えていたが、その強すぎる刺激に、容赦なく背筋が反り返った。
女王の反応に気をよくした才人は、そのまま舌で、剥き出しの女王を優しく嘗め回し、時には唇で吸い上げる。
唾液でべとべとの舌が絡むたび、涎交じりの吐息で撫でられるたび、唾液と愛液の混合物と一緒に吸い上げられるたび、女王の背筋はびくんびくんと玩具の様に跳ね回る。
だが、気丈に耐えようとする彼女の矜持が、絶頂の手前で女王を踏みとどまらせていた。
しかし。
才人が舌と同時に指を女陰に突っ込んだ瞬間。
アンリエッタの視界ははじけた。
「──────────────ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
びくんびくんと膣道が痙攣し、背筋が踊る。
股間から盛大に潮を吹き、アンリエッタは達してしまう。
まるでブリッジのように背筋が反り返り、しかしその緊張はすぐに解け、ベッドの上に亜麻色の髪とともに広がる
はぁはぁと荒い息をつき、ベッドに広がる女王に、才人は覆いかぶさる。
「どう?満足した?」
アンリエッタの顔にかかるその息は荒く、発情した獣の匂いがした。
確かに、アンリエッタは一度絶頂した。
ここまでは筋書き通り。
アンリエッタは気丈に緩んだ腰の筋肉をぎゅ、と締めなおし、起き上がる。
アンリエッタが起き上がったせいで、才人はベッドから追い出される。
そして普段とは違う女王の様子に呆ける騎士に言ってのけた。
「お勤めご苦労様でした、シュヴァリエ」
「うん、だからさ。続き。ね、続き!」
今にもズボンを脱いで襲い掛かってきそうな才人の鼻先に、アンリエッタは先ほどまで嬲られていた指を突きつける。
「本日のお勤めはここまでです。お部屋にお帰りなさい」
「へ?」
思わず呆けてしまう才人に、アンリエッタは散らかった才人の上着を手早くまとめ、手渡すと。
そのまま才人をぐいぐいと部屋の外へ押し出してしまう。
「え、あの?ヒメサマ?」
「お勤め、ご苦労でしたっ!」
後ろ髪を引かれながらも、なんとかアンリエッタは自室から恋人を追い出すことに成功する。
…これでいい。これで。
はぁ、とドアにもたれかかりながらため息をつくアンリエッタの耳に、ドア越しに才人の嘆きが聞こえてきた。
『そ、そりゃないよヒメサマ〜…。このままじゃ俺納まりがつかねえって〜…』
才人の哀れな声にしかし、アンリエッタは気丈に耐え、自室の鍵を、音を立ててかけてしまった。
こうなってしまっては、才人は部屋に帰る他ない。
去っていく気配を感じながら、アンリエッタはほう、とため息をついた。
これでいい。続きは、明日…。
夜空に煌々と輝く双つの月を眺めながら、アンリエッタは明日の夜に思いを馳せるのだった。
-つづく
一日目は生殺しで終わりました!
さあ、アンリエッタはいったいなにを企んでいるのか!
チャンネルはそのまま!(ぁ
んじゃ風呂いってねゆノシ
リアルタイムGJ
へんたいさんは常にノートPCを持ち歩き24時間作品を書き続ける事に決めたようですGJ!!
Sなアン様もなかなかいいね
>>215 GJです!
こういうアンリエッタもいいですね!
住民はいつもへんたいさんにおあずけされてるから、キニシナイ w
@裸になる
Aおあずけをくらう
B寒い
Cとりあえず妹を見る
Dいく ←今ここ
E妹に見つかる
せんたいさんGJ!です
そっそうか!
4人分7日間書けないから、3日後くらいからひとりづつ参加していくのか!
そんで最後はルイズのしばきで終了。
んでBパートはその逆バージョン 最後に残るのは・・・
こんな妄想が脳内ランニング
せんたいさん 続きをお待ちしてます。
せんたいさん投下乙です。
そして、アンリエッタはコマンド「焦らす」を覚えたw
こうして焦らし焦らされを積み重ねることでよりエロティックに乱れるアン様エロス。
悶々とするサイトをアニエスが慰めてしまって
姫様失敗の巻
になったら主題から外れちゃうわなw
へんたいさんとこのお姉ちゃんモードアニエスさんならあってもいいなw
虚無の魔法 8レス
シエスタとヴィットーリオ
話し逸れますが、加速 といい リコード といい テファのといい……ルイズが可哀想です。
226 :
1/8:2008/10/30(木) 02:10:56 ID:sUTmmiLS
部屋の片隅にそっと置いてある自分用の物入れの中から、何度か読み返した手紙をもう一度取り出した。
サイトが字を読み書きできるようになって、一番喜んでいるのはシエスタかもしれない。
以前は学院で留守番をしている間、行く先がはっきりしていても噂程度しかサイトの安否を計る方法はなかった。
今は手紙が出せる。
郵便の制度がしっかりしていない為、金銭的な負担は大きかったが、逆にそれを知ったサイトは返信用の封筒を同封すると真面目に返事を出してくれた。
戦時中の国からの郵便のため検閲された跡は有ったが、その字は確かにサイトの字で丁寧に現状が綴られていた。
――戦争が終わったので、まもなく戻れそうだ。
その一言を、何度も読み返した。
サイトが強いのは知っている。
それでも彼の参加した戦争が終わった事に安堵した。
手紙の費用の心配や、学院の様子を尋ねる文章にシエスタは返信を書きかけるが、今出しても行き違ってしまう可能性が高い。
(早く、会いたいなぁ……)
皺にならないように注意しながら、サイトの手紙を柔らかく抱きしめると胸の奥がほんのりと暖かくなる。
(…………会いたい……なぁ……)
ミス・ヴァリエールはずるい。
にじんできた涙を手の甲でぐしぐしと擦りながら、シエスタはいつもの通り気をそらし始めた。すっとサイトのことを考えているのは辛過ぎるから。
少し落ち着いてから、手紙の続きに目を通す。
女王陛下や、教皇聖下に頼み事をされていて忙しい。
まるで雲の上の話をされているようで、実感は沸かないけれど誇らしさと寂しさがシエスタの胸を締め付ける。
わたしの好きな人はこんなに凄い人なんですよ。
……そう、皆に言って回りたい。
でも……
そんな人に、わたしは愛してもらえるのかしら?
一人置き去りにされた部屋で、ひっそり泣くのが彼女の日課。
227 :
2/8:2008/10/30(木) 02:11:34 ID:sUTmmiLS
それでも気を取り直した彼女は、いつもの通りに部屋の掃除を始める。
部屋の主は居なくとも、使っていない家具であろうとも、手入れに手を抜く事など、彼女が教えられた知識の中に有りはしない。
無心に掃除をすることで、ようやく彼女は立ち直る。
どんなに辛い現実も、単純作業に没頭すればその間だけは見ずに済んだ。
――コンコン
いつもならば、彼女の一日はそうして過ぎるが、その日の作業は珍しく中断された。
「申し訳ありません、ただいまこの部屋の方達は留守にしております」
慌てつつも、来客に向かって粗相のない様に……
「あぁ、知っているよ」
見たことは有る人物だった。
ジュリオ。
確かそんな名前だったはず。サイトさんが死んだと思われていた時に学院にミス・ヴァリエールを訪ねていらした方だわ。
その程度の認識だったが……
シエスタが疑問に思う間に、ジュリオは彼女に話しかけた。
「ちょっとした特技が有ってね、ガンダールヴより先行したんだけれどね」
何度か小耳に挟んでいたので、ガンダールヴがサイトの事だと理解したシエスタは大人しくジュリオの話しの続きを聞いた。
「学院長に用事があるのだけれど、彼を少し預かって貰いたくてね。
できれば人目にさらしたくないので、彼女の部屋につれてきたのさ」
ここは確実に誰も居ないと思ったのでね。
理由は分かったものの、ミス・ヴァリエールが居ない部屋に、勝手に入れるわけにはいかない。
シエスタはその場で断ろうとしたが、断りの文句を口にするより早くジュリオの背後に居た人影が室内に滑り込んだ。
「ちょっ……待ってください、困ります、こんな勝手にっ!」
「問題があるのなら、貴女が見張っていて下さい。ハルケギニアで最も気高い方ですから心配は要りませんよ」
頭からすっぽりと聖衣を被った見るからに怪しい人物が、部屋の中央でぐるりと周りを見回して……
「や、やめて下さい。女性の部屋なんですよ」
身体を張って怪しい人物の視線から、ルイズの部屋を隠す。
ここまで不躾にされると、大人しくしておく訳にもいかない。
「わが子らの部屋に入る事に、何も問題は有りませんよ」
「っ! ミスタ・ヴァリエールのお顔なら一度拝見したことがありますっ! 嘘をつかないで下さいっ!」
怪しい人物の思いのほか整った顔に驚きながらも、シエスタは叫んだ。
228 :
3/8:2008/10/30(木) 02:12:06 ID:sUTmmiLS
ヴィットーリオ
どこかで聞いたとこがあるような名前を名乗った青年は、それ以上暴れることもなく大人しく部屋の隅でじっとしていたが……
「……………………」
部屋の隅で、延々何かを唱え続けていた。
(こ、怖いよぉ……サイトさぁん……)
すぐにもジュリオを追いかけるか、せめて人を呼びたかったが、主のいないこの部屋に不審人物一人を残すのは気が引けた。
そんなわけで、見知らぬ男と二人きりで部屋に残された彼女は緊張しつつも、ヴィットーリオを監視していた。
手の届くところに置かれた箒は、せめてもの護身道具。
手に馴染んでいる為、安心感は有ったが武器とするにはいささか軽すぎた。
それでも何も無いよりはましだと、しっかりと箒を握り締めながら、何か良からぬことをたくらんでいそうな青年を見据えた。
――シエスタの危惧は正しい。
ヴィットーリオの狙いは単純にこの部屋から何かを持ち出す事だった。
ルイズやサイトたちが戻る前に、ヴィンダールヴとしての能力を使い二人揃って学院に侵入したのはそんな理由だった。
何か。
文字通り何でも良かったのだが、人が居た為にジュリオが利かせた機転の結果、ヴィットーリオはここで足止めされていた。
今頃ジュリオは学院の各所で、様々な物を入手している予定だったが……
(……人がいるとは計算外でしたが……丁度良い……)
ここは最も重要な拠点で、出来れば今後も継続的に利用できる手札が必要だった。
……無機質な目でメイドを見ながら、ヴィットーリオは呪文を唱える。
目に付く部屋のものに、次々と呪文を掛けてゆき……
……そして……
(ミツケタ……)
ヴィットーリオは顔を上げ、メイドに笑いかけた。
「これを……見てもらえますか?」
静かに呪文が響き渡る。
229 :
4/8:2008/10/30(木) 02:12:40 ID:sUTmmiLS
――魔法の存在に竦むシエスタの後ろで、静かにドアが開き……
シエスタが部屋に入ってきた。
(え? え? な、なに?)
手に抱えた大量の洗濯物は、サイトが毎日訓練に使用していた動きやすい服。
サイトのために出来ることが有るのが嬉しくて仕方がない、見ているだけでそんな思いが伝わって来るほどに部屋に入ってきたシエスタは上機嫌だった。
(わ、わたし? どうして? 何がおきているの?)
一つ一つを丁寧にたたみ、サイトとルイズの洗濯物を仕舞ってゆく。
ルイズの可愛らしい下着や衣装を片付ける時は、自分の服を見て小さく溜息を吐いたりしたけれど、軽く頭を振り妬心を押さえ込むとサイトの服を仕舞う。
サイトはいつも無造作に一番前から次に着る服を使うため、実際のコーディネイトは実質シエスタ任せだった。
「……これ……と……これ……かしら?」
その服をサイトが着るところを想像しながら、彼の為に思う存分時間と費やす、彼女の至福の時間。
貴族としての位を貰ってから、サイトの服は学院のお抱え業者からも購入できるようになっていて、仕立ての良い服を幾らでも仕入れることが出来た。
……軍馬に年金をつぎ込んだサイトは、本来新しい服を着ることが出来るのは来年からのはずだったが……
「やっぱり、この間のお洋服……無理してでも買うべきだったかしら?」
貴族育ちのルイズや、異世界の服の相場の知識がないサイトに黙ったまま、サイトの生活必需品はシエスタの蓄えを切り崩すことで得られていた。
サイト付きのメイドとして、給金は前より多く貰っているが、支出のほうが遥かに多い。
それでも、好きな人が自分の選んだ服を着てくれる歓びはお金では代え難かった。
「ん……これでいいかな?」
あまり似た取り合わせが続かないように注意しながら、全ての服を並べ替える。
毎日並べ替えても意味はないのだけれど、楽しいのだから仕方なかった。
「……何か言ってくれるかしら……」
そんな風に思ってしまう自分を、シエスタは慌てて戒めた。
「別に、感謝して欲しくてやってるわけじゃないもの……サイトさんが、綺麗な格好してると、わたしも嬉しいし……」
少し悔しかった。
毎日、サイトの為にシエスタは努力している。
もしサイトがその気になっても良いように、自分の服だって毎日綺麗にしているし、身体だって……
それでも……サイトが見ているのは、同じ部屋にいる素直に成れない貴族の女の子。
230 :
5/8:2008/10/30(木) 02:13:27 ID:sUTmmiLS
――様子を見ることしか出来なくなっているシエスタは、この後に起こることを思い出し、必死に叫んでいた。
(だ、だめっ、だめだからっ……見られてっ、見られてるっ……)
どれだけ叫んでも、彼女の声は彼女自身に届かない。
狂乱し自分の姿に掴みかかろうと、過ぎ去った過去に触れることは何者にも出来ない。
――サイトの服の中から、シエスタは一着選んで持ち出した。
それは、彼と始めて会った時の服。
替えを作ってあげたかったけれど、編み方が解らなくて挫折してしまった不思議な感触の洋服。
そうっと抱きしめてから、恐る恐ると部屋の入り口を見る。
この時間に誰も入ってくることはないと分かっていても、今からするコトを考えると緊張が止まらない。
サイトの服をルイズの使っている鏡台の横につるすと、その胸元にすりすりと頬擦りをする。
ベットサイドは柔らかかったし、テーブルの縁は丸くて使い難かった。
サイトの服に密着したまま、シエスタのふとももが鏡台のふちに掛けられて、冷たい木の感触がひざからゆっくりと進む。
熱い吐息を吐きながら、じわじわと目的の場所にたどり着く。
この部屋に来る前も、相部屋の友達が居たシエスタは自分を慰めるのに、幾つも問題を抱えていた。
時間を掛けすぎるわけにもいかなかったし、着衣が乱れるような真似をすれば、戻ってきた友達に言い訳も出来なくなる。
シエスタの自慰はいつも着衣のまま行われていた。
片足を鏡台の上に乗せた、はしたない格好のまま床に着けたままの足の力を緩める。
体重が一箇所に集中する。
柔らかい肉に、硬く無機質な感触が押し当てられる。
腰がじりじりと動かされ、馴染んだポイントを探す。
ドロワーズの分厚い感触をもどかしく思いながら、シエスタはいつもの位置を見つけ出す。
シエスタは下着一枚挟んで、鏡台の角をぴったりとスリットの上に重ねると、たたまれたままの左足と、伸ばされ床に着けられた右足でバランスを取ると、ゆっくり上体を揺らす。
体重が集中しているポイントが不規則に乱れ、快感がシエスタの理性を溶かしていく。
時折腰にひねりが加えられ、蜜を零し始めた入り口を斜めに横切るようにこすり付けていると、時折漏れてしまう声をサイトの服で封じ込める。
そうして、乱れた呼吸を繰り返すだけで……
(サイトさぁんっ……いっぃよぉ……)
胸の奥一杯に愛する人の匂いが満ちると、下腹部で燻っていた炎が激しく燃え上がった。
231 :
6/8:2008/10/30(木) 02:13:59 ID:sUTmmiLS
シエスタの体がゆくっりと傾き、鏡台の上にぺたりと片手が付けられる。
僅かな前傾だったが、シエスタの目的はそれで遂げられた。
ドロワーズの中で硬くなり始めた肉芽が強く押し付けられ、しなやかな肉体と硬質な木材の間でくにくにとその形を変える。
這い上がる快感に流されたシエスタは、そのまま無心に腰を動かし始める。
ルイズの鏡台が、ぎしぎしとリズミカルに軋み始めても、シエスタの衝動は止まらない。
胸元にサイトの服を押し付けたまま、熱と柔らかさを増していく秘所が堪えられない位まで快感を高めてゆく。
サイトの服を見つめながら、薄く目を瞑ればシエスタはサイトの上で人とは思えないほど硬くなった部分に責められていた。
「サイトさ……ん……そんなに……つよくしっ……ちゃ…………だめで……す……」
妄想のサイトはシエスタの言葉に笑うと、しっかりと肩を掴んでシエスタの動きを止めさせた。
快感に慣らされたシエスタの身体は、その供給が途絶える事に数秒も耐えることが出来ない。
「ひぁ…………ふ……ぁ……だ、だめ……やめないで……」
思わず漏れた声の大きさに、シエスタは慌てるが理性の制止を振り切りシエスタの身体は貪欲に快楽を貪った。
シエスタの頭の中のサイトは腰に手を回すと、そのまま肉棒を押し付ける。
その想像に押されるように、シエスタの腰はぐるりと円を描くように動き始める。
サイトの肉棒の上で、シエスタのクリトリスが執拗に責められる。
もしサイト本人が見ていたら、その場で襲い掛からずにはいられないほどに淫靡にグラインドを始めた腰はシエスタに痺れる様な快感を送る、シエスタは崩れ落ちるまで快感に浸り、やがてぐったりと力尽きた。。
ほんの数分、そうやって一息ついたシエスタは上気したままの顔でじっとサイトの洋服の袖を見ていたが、やがてスカートを緩めると震える手でコルセットを外す。
(い、今誰か来たら、言い訳できない……)
からからに渇いた喉が、自分がどれほど恥ずかしいことをしているのかを教えてくれる。
メイド服をめくり上げ、お腹の所からサイトの服の袖を差し込むと、そのまま胸に押し付ける。
火照っていた身体に、新しい刺激が加えられ何もかも忘れて声を上げてしまいそうにある。
(だ、だめっ……みられちゃう、サイトさんに見られちゃうよ……)
頭の奥が燃えるように熱く、心臓が煩いほどに高鳴る。
尽きない欲望への予感と、快感への好奇心。
なにより今だ熱の冷めない肉体が、シエスタの行動を決定した。
サイトに触られている。そう妄想しながら、シエスタの指がふくよかな胸に食い込むと、さっきまでとは比較にならない快感が荒れ狂う。
232 :
7/8:2008/10/30(木) 02:14:31 ID:sUTmmiLS
――くすくすという笑い声が聞こえ、シエスタは真っ赤になってヴィットーリオを睨みつける。
魔法による虚像だと、こんな事は嘘だと、そう叫びたかった。
しかし、彼女の記憶は言っている。
これは、真実。
本当にあった出来事。
目の前で床の上に転がり、持ち上げるように胸をこねているのは間違いなく過去の自分。
捲れ上がったスカートも、いつもはその影で日焼けから逃れている素肌も、淫らな痴態はすべて自分の記憶の通り。
「まるで犬ですね」
優しげな声が、容赦ない裁断を下す。
サイトの服の上を這わせていた指先を、シエスタは水音を立てながら唇の中に吸い込んだ。
唾液を塗した指先が、真っ直ぐにドロワーズの中を目指す。
湿らせた指先が熱い感触に飲み込まれていき、シエスタの背筋を何かが這い上がる。
潤み始めた瞳がサイトの姿を求めて彷徨い、幻と共にサイトの服を抱きしめる。
服と共に圧迫された胸も、浅く出入りを繰り返す秘所も、何時まで経ってもシエスタの渇きを癒すことが出来ない。
それが出来るのは一人だけで…………そんな望みはずっと叶わなくて。
「切な……い……よぅ……サイトさぁ……ん……」
媚と色を含んだ自分の声に、黙ってシエスタは俯く。
サイト以外に見られたくないのに、ヴィットーリオは目を逸らそうともしていない。
「っく……サイトさん……ね……」
噛んだ唇に血の味が滲んだ。
ずっとサイトの側に居て、ミス・ヴァリエールと親しくなって、そうして忘れてしまっていた事実。
メイジは――貴族は、平民の事なんてモノ程度にしか考えていない。
優しいライバルにそんな素振りは無いけれど、きっと殆どの貴族はこの男の様に……
「ガンダールヴが……」
ヴィットーリオの囁きに、シエスタの身が竦む。
背後の自分は、甘やかな声でサイトの名前を呼び続けている。
「コレを知っても、彼はまだ貴女を側に置くでしょうか?」
溢れたの恐怖。
零れたのは悲鳴。
「コレは何度でも繰り返し見れるのですよ……ガンダールヴの帰還が楽しみです」
一瞬だけ途切れる魔法。
次に目に映った光景は、それから三日後の『ひとりあそび』繰り返される自分の痴態。 その次は一月前の、その次はその一週間前の、幾らでも用意されている光景。
そしてその度に嘲られ、馬鹿にされ、サイトに焦がれる透明な想いを土足で踏み荒らされていく。
233 :
8/8:2008/10/30(木) 02:15:03 ID:sUTmmiLS
「も、もう……許して……許してください……」
自慰行為を覗かれるだけでも恥ずかしいと言うのに、ヴィーットリオはシエスタが泣き出すまでその手を緩めなかった。
「貴族は……始祖の信徒はこのような真似いたしませんよ」
「ガンダールヴも今は貴族でしたよね?」
些細な棘が、胸の奥にずっと残る。
「この様な行為に耽る貴女は、彼に相応しいのですか?」
「聖女のこの様な様を見たことは有りますか?
平民というのはこれだから度し難いですね」
サイトに相応しくないといわれるのが、彼女には何より辛かった。
実際は頻繁に行っているわけでなくとも、魔法の力で立て続けに見せられると自分がずっとこんな行為のためにこの部屋に居るのだと、
サイトの為などという言葉は、気持ちよくなるための言い訳に過ぎないと、
繰り返し語られるヴィットーリオの言葉で誘導されていく。
そして……ソレが、どんなに罪深く、そんな自分がサイトの側に釣り合わないのか講釈を受けた後でヴィーットリオは尋ねた。
『ガンダールヴに見せて差し上げてかまいませんか?』
と
――何でもするから、それだけは許してください。
その言葉が、彼女の地獄の始まりだった。
教皇様凄いです、盗聴盗撮し放題です。
……恐喝で陵辱書いてたけど、ゼロの使い魔使ってる意味が無くなって全文書き直したり……
無理矢理って、キャラに寄らないから難しいんですね……
つづきは連休中か、連休明けにでも投下予定です。
235 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 09:40:25 ID:+wUlBR5g
>「貴族は……始祖の信徒はこのような真似いたしませんよ」
>「ガンダールヴも今は貴族でしたよね?」
>「この様な行為に耽る貴女は、彼に相応しいのですか?」
始祖の信徒の長が盗聴盗撮脅迫やってるのはふさわしい行為なんですかwww
GJ! 陵辱スキーなので期待
237 :
softbank218140014038.bbtec.net:2008/10/30(木) 11:37:48 ID:Dl0Fxbll
>>234 怖い!!怖すぎる!!
俺の家に来られたら死んじまうwww
今までの虚無の呪文に比べると微妙な気がしたけど、こりゃきついなww
虚無はちょっとえげつない呪文が多いなw
まぁ、それはそうとGJ!!
>>234 今後の展開を予測してみた
サイト シエスタの痴態を見て大興奮
シエスタの恥ずかしい行為をサイト本人が目の前でやってみせるよう
頼み込む シエスタサイトに見られて大興奮
これ以降ひとりあそびをサイトにみてもらうのが定番になる
という頭の悪い展開にはなるわけないな
なにわともあれGJ!です
ウンコ書こうが大絶賛するのに、鬱、陵辱で(ry
まあきっとPSPなんだろうな
スカとかは頭にそういう注意書きある場合が多いしなー。
陵辱でも鬱じゃない場合(救いがある場合)はあるけどそうじゃないし
まぁそっち系は受け入れられない事をある程度念頭に置く必要があると思う。
まだそんなにひでー事されてねーじゃんって思ったのはエロゲ脳のたまものなのか・・・・
続きに期待しとく
>>234 ギーシュ物を書いた人かな
面白く読んだけれども注意書きはあった方がいいかもしれない。GJ!
245 :
バレット:2008/10/31(金) 00:34:05 ID:3XXrX61s
ハロウィンネタ書き上げたから投下いっきまーす。もう30日じゃないけどな!
・・・・・・大丈夫、まだ本場の方は日付変わってない筈!
とんとん、と少女は扉を軽く叩いてから、その音が誰かに聞かれてやしないかと柄に無くこそこそと見回す。
すぐに扉は開けられた。顔を覗かせたのは小柄なメガネの少女。
導かれるまま中に入る。背後で扉がすぐさま閉じられる。
部屋の中には他にも金髪の少女と妙齢の緑色の髪の女性が2人。
部屋に最後にやってきた少女は我が子の様に抱き締めていた小包を3人が囲んでいたテーブルにそっと置くと、厳かに口を開いた。
「・・・実家に頼んどいた物がやっと届いたよ」
その瞬間、少女達の間に何とも言えない空気が流れる。恥ずかしさと期待と興奮、といった所か。
そんな気配を敏感に感じ取ったのか、青い長髪の少女の頭に乗っていた『何か』が蠢いた。
無色透明、水そっくりな液体だがしかしその密度と濃さは段違いだ。大体、単なる水が染み込んだり零れたりしないままふよふよSD人形形態のまま形状を保ったりしない。
この液体生物の名前はその名もポヨ。ポ○ョでは無い。ポヨである。
魚の子でもないし赤くないし、それに性別だって分からない。
水の秘薬その他諸々の魔法的効能を持った薬品が多数混ざり合った結果、偶然生まれたこのスライムとでも言うべき疑似生命体は今ではイザベラの使い魔という扱いだ。
少々フライング気味だが、彼女の地位を考慮して特例で許可された結果である。
だって一応生きてるし、人畜無害だし―誕生時のイヤンでウフンな出来事はともかくとして―何よりイザベラに懐いている。
定位置は彼女の頭の上で、ポヨを乗せてると髪がぱさつく事無く油でも塗ったような美しい光沢が保たれるというお年頃の女生徒達からは人気が出そうな効能も持っているとか。
しかしサイトが傍にやってくるとすぐに隠れてしまう。最初の遭遇がトラウマになっているようだ。結構知性は高いのかもしれない。
それはともかく。
ガサガサと彼女達は袋の中身を取り出す。
そして数秒後
「「「「う、うわぁ・・・・・・//////」」」」
揃って赤面。
「ほ、本当にやるんだね?これ着て」
出てきたそれの1つを広げながらマチルダが少し躊躇いがちに聞いた。
1番年食って『ドゴンッ!』ウボァー!!
・・・・・・年長の彼女だがしかし、男性経験が最も浅いのも彼女である。
ここに居る彼女達全員、1人の男しか知らないのだが。
「当たり前じゃないか。せっかくわざわざ実家の方にまで頼んで仕立てて貰ったんだよ」
「それにこの衣装を使うのに最も最適なのは明日だけ。それを過ぎれば次は1年後になる」
「う、ううう、で、でもねぇ」
何というか、これを着てしまったら最後女として色々終わってしまいそうというか。
「きっと大丈夫よマチルダ姉さん、お兄様だって姉さんに着て貰えればきっと喜ぶから!」
妹分の言葉には弱いお姉ちゃんであるマチルダはその一言で腹を括った。
―――あーもう、どっちにしたってアイツにはもう色々と恥ずかしいとこ見られたり見せちゃったりしてるんだからこれぐらい!!
「分かった、分かったよ!私も着るよ!着てやろうじゃないか!」
額を突き合わせてヒソヒソと密談を交わす少女達以外に明日起こる事を知る者は・・・・・・口を持たないポヨだけである。
「もう秋も終わりかぁ」
草原の遥か彼方の地平線に沈みゆく紅の夕日を眺めながら、サイトは感慨深く呟いた。
ただ今学院中の廊下や食堂の灯り用の燭台は、お化け風に中身と皮の一部をくり抜かれたカボチャのランタンにとって代わっている。
今日はパンプキン・デイ。
かつて始祖ブリミルと4人の使い魔がカボチャを使ってお化けと魔物のフリをして人々を助けた、なんて言い伝えから生まれた記念日だ。
まあ数千年経った今となっては伝わってるのはそんな概要ぐらいで、実際にはあちこちで化け物の仮装をしてカボチャ料理を食べてお祝いする日みたいな感じで定着している。
魔法使いの原点で信奉の対象でもあるブリミル由縁と言う事で、平民以外にも貴族達の間でもそういった催しをやるのが定例だ。
他に特筆すべき事があるとしたら、パンプキン・デイは秋と冬の境目にあるので、その日以降ハルケギニアの暦上では冬の季節に入るといった辺りか。
あ、あともう1つ。
子供達はカボチャのお化けや怪物に仮装してお菓子を貰って回るのが微笑ましくもその日の定番な光景である。
だが吸血鬼など一部の怪物の場合、ハルケギニアでは実在してる上にとんでもなく恐れられてるので、代わりに動物の仮装などもする人間は多い。
でも『お菓子くれなきゃ悪戯するぞー』なんてフレーズ、ハルケギニアでも定番だとは知らなかった。
「そーれなんてハロウィン、てなもんだよなあ。まー楽しいんだからいいんだけど」
まあ向こうじゃ名前と概要ぐらいしか知らなかったけど。
そういやジョゼフが調子に乗って『イリュージョン』まで使ってすっげーリアルなお化けとか作ったら、シャルロットが怯え過ぎてお漏らししちゃったんだよなぁ。
でもってシャルロットのお母さんに笑顔でフルボッコにされて余計シャルロットが怖がって―――
いい歳した大人がバカやってたなぁ、とちょっと遠い目。
今でも目に浮かぶ。あの『無駄無駄無駄無駄!!』との叫びと共に放たれたラッシュで地面に足が触れる事無く強制滞空させられて紅く染まるあの髭を。
シャルロットのお母さん、実は石仮面被った事でもあるんデスカー?なんて思わず口走ったのは良い思い出だ。
・・・・・・そういえばあの人、にっこり微笑んだだけで答えてくれなかった気が――――
「いやうん、これ以上触れちゃいけない事もあるよなうん!」
賢明である。
夕食を取りに食堂へ向かうと、壁際には大量の、そして中央部には直径10メイルはありそうな超特大カボチャのランタンがセッティングされていた。
魔法薬でも使って特別栽培された品種だろうか?
「うわぁ・・・」
ガリアに居た時も似たようなのは見た事あるけどやっぱり感嘆の息が漏れる。
でも落ちてきたらヤダなあと思いつつ指定席に向かった。
ちなみにこのカボチャの装飾、明日になれば全て撤去されてる筈だ。片付ける人達は一苦労程度で済むかどうか、甚だ疑問に思う。
今日ばかりは何人もの生徒が制服では無く、思い思いの仮装服姿に変身している。
しかし実際に魔物の類が実在しているハルケギニアだけに普通とは一味違う。ユニコーンの鬣とかドラゴンの鱗とか、実際のそういった生物のを使った衣装ばかりだ。
そういう訳で仮装を楽しむというより、仮想に使う衣装の質や装飾の豪華さを張り合う為に仮装してるような輩がちらほらと――――
でも似合ってるかどうかはまた別問題だ。
特にマリコルヌ。そりゃアレか。オークのコスプレのつもりか。
そんな中、サイトはお目当ての蒼い頭2つに金髪を見つけて声をかけようとしたが、
「あれ?」
「何だい、微妙に期待外れだったみたいな声出して」
まさしくその通りです。
イザベラ、シャルロット、そしてティファニアはいつも通りの制服姿だった。
いやま、3人共いつもの制服姿でも十分眼福なんだけどね?
「いやさ、イザベラもシャルロットもガリアに居た時は楽しそうに毎年仮装とかしてたから今年もそうかな〜って思ってたんだけど」
「たまにはこんな時もあるさ・・・・・・あんなの、アンタ以外に見せる訳にいかないよ(ボソリ)」
「な?何か言ったか?」
「い、いーや別に!」
「お兄ちゃん、これ食べて」
右隣のイザベラが何故か顔をほんのり染めてそっぽを向くと、左隣のシャルロットが皿を突き出した。
乗っかっているのは今日のメインのパンプキンパイ。うまそうだ。
「おう、サンキュ」
躊躇い無く受け取ってぱくつ――――
こうとしたのだが・・・・・・何故か3方向から注目浴びてるのに気付いて手を止めた。
「え、えーっと、どうかしたのか?そんな見つめられると食い辛いんだけど」
「う、ううん何でもないのお兄様!」
あわあわだった。あからさまに怪しかった。でも可愛かった。萌ゑ。
あーもう、顔と一緒に先っぽまで真っ赤になってぴょこぴょこしてる耳をはみはみしてやりてー!
そんな益体も無い事考えてる間にさっきの視線の意味も忘れて、自然とフォークに突き刺したパイを口一杯に頬張っていた。
「(ちゃんと仕込んであるね?)」
「(ばっちり。無味無臭でほんの1滴だけで効果がある)」
――――その時、両隣の席で小さく口の端が釣り上がった事に、サイトは気付かなかった・・・・・・・・
目が覚めるとベッドの上で拘束されていた。
「これ、なんてデジャヴ!?」
3回目だよこのネタ。いい加減使い回し止めようぜ。
いやいや今考えるべきは作者への文句じゃなくて。
「ここ、俺の部屋、だよなぁ・・・・・・?」
見覚えのあり過ぎる室内。というか意識を失う最後の瞬間に見た風景とそっくりだし。
えーっと、飯食い終わった後部屋に戻る途中いきなりすっげー眠くなってきて、何とか自分の部屋に辿り着いたんだけどもう我慢できずにぶっ倒れて・・・
騎士団相手に丸3日間山岳演習したんでもあるまいし、そこまで疲れてた覚えは全く無い。眠気に襲われた時周りに人は居なかったのも確かだ。
なら可能性としては睡眠薬でも飲まされたのか。でもそれは何時だ?
―――――――まさか。
「あの食事ん時か?」
思い出すのは3人が注目していたパンプキンパイ。アレにでも仕込まれてたのだろうか?
でも何でそんな事?と悩んでいると、くぐもった声が聞こえてきたから首を無理矢理捻ってそっちの方を向く。
扉の向こうで、えらく聞き慣れた声が4つ。
『目ぇ覚ましたみたいだよ。ほら、早く入りなよ。誰かに見られたらどうすんだい?』
『う、うるさいねぇ!やっぱり恥ずかしいじゃないのさ!』
『彼以外に見られる方がよほど恥ずかしい。早く』
『マチルダ姉さん、私も一緒だから、勇気出して、ね?』
『うううううあーもう、行くよ!』
扉が開いた。
「ぶはっ!!!!!?」
そして噴いた。
勢い良く部屋に飛び込んできたのはいつもの恋人達、でもその恰好はいつもの恰好と違っていて。
パタン
「な、なんじゃそりゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!?!?!?!」
さり気なく律儀に最後に床を滑る様に入ってきたポヨが扉を閉めていなければ、サイトの絶叫は寮中に轟いていただろう。
まずイザベラ。
頭には何故か髪と同じ色の蒼色の三角の獣耳。
身に纏っているのはビキニっぽい下着だけだが上も下ふさふさした蒼い毛に覆われていて、何故か後ろのお尻の辺りでは艶めかしい光沢のサラサラフンワリとした尻尾がどういう原理か揺れている。
次にシャルロット。
真っ白な細長い耳をぴょっこり生やし、お尻の所にはもこもこした小さな尻尾。
着てるのはレオタードかと思ったらよくよく見てみると水着だった。スク水だった。しかもなぜか白だった。胸元にはひらがなで『しゃるろっと』。誰が書いた一体。似合ってるけど。
そしてティファニア。
金色の獣耳がこれまたパタパタ、お尻の所にも同じ色の、でもイザベラのよりスラッと細身の尻尾がフリフリ。
下の方は色以外イザベラと変わりないが、上の方は胸を下から持ち上げて支えるタイプだが余りの質量に圧倒されて完全に支え切れていない。先端のぽっちが毛皮の間でチラチラ見え隠れするのがベリーグッド。
最後にマチルダ。
丸っこい茶色の獣耳に、尻尾は短く太くもふもふもふとした感じ。
イザベラ同様彼女も着痩せする性質で、深い谷間を形成してる2つの膨らみを恥ずかしげに押さえるその手は何故か毛皮の手袋。
イザベラが狐でシャルロットが兎、ティファニアが犬でマチルダが・・・・・・熊?
彼女達はせーのと息を吸い込んでから、少なからず朱色に染め上げた顔で、
『お菓子くれなきゃ悪戯するよ(する・します)!』
もちろん両手を縛られてるサイトがお菓子をあげれる筈も無く。
へ?へ?とサイトは暫くの間呆気に取られてはいたが、一度状況を理解すると即座に悟った。
は、嵌められた!というか、ハメられちゃう俺!?
その通り。
という訳で、お菓子を貰えなかった彼女達は顔が赤いままニヤリと―ティファニアは性格故ごめんなさいお兄様と漏らしていたものの―
悪戯決行。
「こーん♪」
「きゅーん♪」
「わんわん♪」
「く・・・くまー///」
「いや、最後の違(ry」
「わ、ちょ、お前ら、ちょい、そきょはー!!」
ぺろぺろ
ぺろぺろ
あっという間にすっぽんぽんにされたサイトの身体に動物の仮装をした恋人達に群がられて、裏返った嬌声を上げた。
動物なだけにそれっぽく振る舞ってるのか、イザベラは顔や首元、シャルロットは脇や胸、ティファニアは脇腹や股間、マチルダに至っては足の裏や指を舐め立ててきているのだ。
全身を同時に這いまわる生暖かい体温にぬるりとそして僅かにザラリとした舌の感触がくすぐったくも気持ちいい。
「うわ、うわわ、マチルダ、そんな所まで」
「はむっぅ・・・ちょっと、しょっぱいねぇ・・・」
丁寧に丹念に足の指の1本1本をしゃぶる感触に腰が浮く。
そしたら今やサイトの愚息を銜えこんでいたティファニアの喉の奥にこつんと当たる感触。
「わふ、わふぅん」
ティファニアの肢体がサイトの身体に乗る。69な態勢でサイトの方に向けられたティファニアの下は既にじっとり濡れて太股もテラテラ煌めくほど滴っている。
フンワリプンニャリした感触に包まれた気配に、ああ今胸に挟まれてんなと悟って、すぐに限界に襲われた。
びゅくっ びゅびゅっ!
「はっふあぁ・・・」
「ずるい―――私も」
噴火した白い溶岩の大半はティファニアとシャルロットに舐め取られた。
目の前でフリフリ揺れる金色の毛皮に白い水着。そしてお尻から生えた尻尾。
・・・・・あれ?
よくよく見てみたら、尻尾は文字通りお尻から生えていた。
毛皮と水着のお尻の部分の布地が三角にくり抜かれていて、そこから覗く尻の谷間から尻尾が覗いているのだ。
更によくよく見てみると、尻尾の根元は丸い真珠の玉らしきものが繋がっていて―――――
ああ、なるほど。魔法で生やしてるんじゃなくてお尻に埋め込んでる訳か。
・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
ぐいっ
ずるるるるるっ!
「ひっ――――きああぁぁぁぁんっ!?」
ティファニアの尻尾を銜えて(シャルロットの尻尾は短いので首を伸ばしても届かなかった)思いっきり頭と首全体を使って引っ張ってやると、
谷底の窄まりから次々連結した真珠が出てきた。
玉が1つ抜ける度に腸内と入口を擦り立てられる感触を瞬間的に連続で味わったティファニアは大きく震えてから、へなへなと倒れこむ。
「あー、テファだけずるいよ?ほら私にもして頂戴よ」
「ふむっ!?」
いきなり視界が塞がると同時に口と鼻も塞がれた。
文字通り目前に青い尻尾。イザベラにお尻を乗せられてるらしい。口に当たる布地も毛皮も十分以上に湿っている。
いや、というか息が!息が!
―――――身動き取れない時に濡れてる布を顔に被せてはいけない。これ常識。
「〜〜〜!?〜〜〜〜!!!!」
「んきゅぅ、こすっちゃらめぇ!」
そっちは顔乗っちゃらめぇぇぇぇぇぇ!!
堪らずご丁寧に『錬金』で鋼鉄化されてるロープで固定された腕以外の全身全てを使ってもがく。もがく。
腹上死ならぬ股下死。そんなの勘弁死ぬのも勘弁。
「ってチョイ待ち、もしかして息出来てないんじゃないのかい!?」
「え?」
「〜〜〜〜〜・・・・・・!!?・・・・・・・!・・・・・・」
「うわ、うわわわわわっ!?ご、ゴメンよサイト!」
「ぷはっ!!あー死ぬかと思った」
慌ててイザベラがどいて開放する。
冗談抜きで本気で咳き込むサイト。その様子にすぐさまマチルダはサイトの両手も自由にすると、ようやく身動きが取れる様になったサイトは4人から背を向けてゼイゼイ喘いだ。
視界がチカチカする。死ぬ時は絶対窒息死だけはゴメンだとサイトは固く誓った。
「ご、ゴメンよ!本当にゴメンよサイト!」
イザベラ、涙目。
・・・・・・・・うん、やっぱり可愛い。
「もちろん、許すに決まってるだろ」
「サイトぉ・・・・・・」
「でも――――今度はこっちが悪戯する番だーっ!!」
「きゃーっ♪」
「・・・私も。ウサギは寂しいと死んじゃう」
「わ、私も忘れないでおくれよ?」
「おにいさまぁ・・・私も、もっとおねがいしますぅ・・・・・・」
「どんとこいやー!!」
そんな訳で結局、お菓子の代わりに別の物をたっぷりもらいましたとさ。
253 :
バレット:2008/10/31(金) 00:41:23 ID:3XXrX61s
投下終了。
・・・・・・ゴメン。最近スランプでこんな中途半端なのしか書けましぇんですはい。
やる気の無い作者でホントごめんなさい。
・・・続きかけるのならどなたでもどうぞ(コラ)
>>234 GJ!!
あとは投下前に一言注意書きが欲しかった
GJ
可愛い女の子のいたずらなら、ばっちこーい
ポヨって聞くと黄色い丸猫思い出すんだ
>>233 > ――何でもするから、それだけは許してください。
「サイトさんなら大興奮ですから、是非見せてあげて下さい」だろシエスタ的に考えて
>>253 ハロウィンは10/31なんだぜ!と誕生日の俺が言ってみるテスト
書き忘れた!バレットさんGJ!
マチルダはどうみてもタヌキですw
バレット氏 投下乙!
> 3 :wiki”管理”人:2008/10/16(木) 03:50:21 ID:C6G/7M99
> くっ、見守ってたのに
> 前スレラストでお知らせしそびれた……。
>
> 1乙!超乙!……しつつ業務連絡です。
>
> まとめwikiのアドレスが11月1日から
>
http://zerokan.xxxwwwxxx.comに変更されます。
>
> 以降は現在のドメイン名ではアクセス出来なくなるそうです。
管理人様乙です!
まとめwiki繋がらね〜.
あらら
レモンちゃん
連休というのにすっかりさびれてるね
連休という事を今日知った
連休だからこそ過疎ってるんだろ
みんな旅行や外出とかでいそがしんいだよw
三連終わったら出張だ…ああ嫌だ嫌だ(>'A`)>
いつもここのSSですっきりさせてもらってる。職人さんありがとう
連休最後の奇跡とかおきないかな〜
なるほど。
よし、がんばって小ネタぐらいは・・・
さてと、遅くなったけど「ぼくらの七日間戦争〜二日目」いきます
王宮に来て三日目の朝。
才人は先日教わったとおりに、早朝から起き出して謁見の間の見回りをする。
本日も異常はなし。
「…はぁ」
しかし漏れる溜息。
仕事が辛いのではない。
欲求不満なのである。
昨夜、アンリエッタに奉仕したあと、出せずに終わってしまったからだ。
もちろんその後軽く自家発電したのだが…正直物足りない。
そんなわけで才人は朝っぱらから性欲を持て余していた。
具体的には、目の前のホットパンツのおねえさんの太股に欲情してしまうくらい。
「早いなサイト」
朝の仕事を終えた才人の前に、アニエスがいた。
「…ええまあ。ちょっと早く目が覚めちゃって」
謁見の間には、まだ小間使いたちは来ていない。
朝の掃除の前に、才人は謁見の間のチェックをしていたのだ。
もちろん悶々としていたせいで眠りが浅かったせいなのだが。
そして、アニエスは自分の太股に注がれる才人の熱い視線に気付いていた。
いつもなら、その辺の物陰で『お姉さんにまかせとけ』とばかりに才人の性欲処理をするところなのだが。
アニエスは、女王から言い含められていた。
『この一週間、サイト様に手を出してはいけません。もし手出ししたら…分かっていますね?』
…まあ、弟を虐められないぶんはどこぞのハゲ頭を虐げて晴らすとするか…。
アニエスは才人の視線に気付かない振りをして、彼に告げた。
「だが今日は謁見の間は使わないんだぞ?忘れたのか?」
「い」
なんだ見回り無駄なのかよ、とがっくりうなだれる才人。
アニエスは、当然の疑問を口にした。
「お前、陛下から今日の予定は聞いてないのか?」
「え?今日の朝教えてくれるんじゃ」
昨日はあのあと、自家発電してさっさと寝てしまった才人である。もちろんそんなことは知らない。
アニエスもマザリーニも、女王の部屋で才人が今日の予定を聞いているものだと思っていたのだが。
アニエスはあの女王、また何か企んでるな、と思ったが。
目の前で困っている才人を放っては置けず、今日の女王の予定を教える。
「今日は陛下はガンディーニ子爵の建てた時計塔の落成式に賓客として呼ばれている。
お前の今日の任務はその護衛だよ」
「え?そんな塔王都にあったっけ?」
才人の疑問の通り、そんな時計塔など、トリスタニアのどこにもない。
つまりは。
「ガンディーニ子爵の領地はトリスタニアから馬車で三時間の場所にある。
そこの、ブリュッセンという街に建てられたんだ。
もちろん、陛下の馬車でそこまで行く。
式典は昼から、終わり次第王都に引き返す。明日も陛下には公務があるからな」
その子爵領まで行き、式典に参加してくるのだ。
「はあ…でも俺準備とかしてないっすよ」
「その服と鎧があれば十分だろう。だがもうすぐ出発の時間じゃないのか?」
日はすでに昇りきっている。昼前までにその子爵領に着こうと思うのなら、そろそろ出発しなくてはならないだろう。
才人が慌てて駆け出そうとすると、謁見の間の入り口に、見慣れた女性が現れた。
「あら。こんな所にいらしゃったのですか」
そこにいたのは、この謁見の間にある王座に座ることを唯一赦された女性。
アンリエッタ女王であった。
アンリエッタはお付の者やマザリーニ郷を入り口に置いたまま、すたすたと才人の傍まで歩み寄ると、すまなさそうに言った。
「ごめんなさいね、シュヴァリエ・サイト。昨夜、本日の予定をお伝えするのを忘れていました。
仔細は追ってお話いたしますので、着いてきてくださいな。
ささ、馬車の用意ができていますので、急いで」
才人の手をきゅっと握り、まるで恋人を急かすようにその手を引く。実際恋人なのだが。
才人はあわあわ言いながら、女王のされるがままになる。
そんな二人を、アニエスがあきれたような顔で見送った。
才人はあれよあれよという間に馬車に積み込まれ、ガンディーニ子爵領へと向かっていた。
目の前で、女王に並んだマザリーニが今日の女王の予定を語る。
まず、子爵領に到着したら用意された御用宿へ。そこで式典用のドレスに着替え、式典に参加。
その後子爵と会食後、再び着替えて王都に戻る。
それが一日の予定だった。
才人の役割は、お付の騎士たちとともに御用宿の検分、式典中の女王の警護。
「あれ?でも先行しないと御用宿の検分はできないんじゃ」
才人の言葉どおり、女王に同行していては御用宿の検分はできない。
実際お付の騎士たちは先行してガンディーニ領に向かっており、既に御用宿の検分を始めている。
「シュヴァリエ・サイトには、最後の確認をお願いします。
トリステイン女王の御用宿検分の最終確認ですよ。しっかりお願いしますね」
にっこり笑ってそう言うアンリエッタ。
その笑顔には、何か確信めいたものが混じっていた。
才人は女王の吐いた言葉をよ〜く考えてみる。
『トリステイン女王の御用宿検分の最終確認』…つまり。
『女王の寝所の最終検分を任せるに値する人物』。
そんな人間は、トリステイン広しといえども、マザリーニ卿を含めて数人しかいない。
…やばい、なんかどんどん深みに嵌ってないか俺…?
なんだか自分の与り知らぬところでどんどん自分の評価が変わっていっていることに軽い恐怖を覚える才人だった。
そんな才人の気持ちを知ってか知らずか、女王は目の前でニコニコ笑っている。
そして、馬車はまるで坂を転がり落ちる石のように、盆地の底にあるブリュッセンを目指す。
当然のことだが。
最終検分はあっという間に終わった。
騎士たちが認めたチェックリストに一通り目を通し、女王の使う予定の部屋を自分の目で検分する。
それすらチェックリストの確認作業にすぎない。
あとは、無事準備が整ったことをアンリエッタに伝えればいいのだが。
コンコン。
扉が突然ノックされた。
来客か?それとも…。
才人は一応警戒をしながら扉に声をかける。
「どなたですか?」
『私です。アンリエッタです』
本来この部屋を使うべき賓客が、ドアの外で才人に呼びかけていた。
才人は慌ててドアを開ける。
そこには、満面の笑顔のアンリエッタがいた。
「お部屋のチェックは終わりました?シュヴァリエ」
「ええ、まあ」
呼びに行く約束だった女王が自分から来たことに軽く驚き、才人は言葉を続ける。
「終わったら呼びに行くって言ってたのに。どうしたんです?」
才人の言葉に、アンリエッタは少し困ったように眉根を寄せる。
「実は、式典用のドレスが二着用意されてたんです。
…それで、どっちを着ていくべきか、悩みまして。
自分では決められなくて、サイト様に選んでもらおうかと」
言って、それまで小脇に抱えていた小さな革表紙の冊子を広げる。
そこには、二着のドレスの見本の肖像が描かれていた。
片方は、薄いブルーを基調とした、シンプルなイブニング・ドレス。腰の右側でひらめく大きな黄色いリボンがアクセントになっている。
ただスカート丈が短く、膝から下が露になるデザイン。その上から長いオーバースカートが被さり、脚が見えるのは正面からのみとなっている。
もう一つは、濃い紫を基調として、各所に黒いレースのあしらわれた豪奢なイブニング・ドレス。
ふわりと開いたAラインのスカートは、たっぷりのギャザーと縁にあしらわれた黒いレースで装飾されている。
こちらはスカートはごく普通のドレスだったが、上は胸を半分だけしか覆わないデザイン。
才人は二点を見比べ、そして、それを着たアンリエッタを想像する。
…姫様の生脚…うん、悪かないな。でも…。
正直言って、アンリエッタの下半身が他の男の前に晒されるのはいい気がしない。
…あの尻とふとももは俺のもんじゃい!
ぐっと拳を握り締め、才人は決断した。
「紫の方がいいと思いますよ。
そっちの方が陛下に似合ってる」
その言葉を聴いたアンリエッタは、にっこりと微笑むと。
「ありがとうございます、サイト様。ではこちらにいたしますね」
言って、部屋を出て行った。
その後しばらくして、才人を迎えに来たのはマザリーニ卿だった。
時計塔を見上げるガンディーニ子爵の屋敷の中庭で、その式典は執り行われた。
時計塔を作った平民の職人や、貴族の設計技師たちが和気藹々と料理に舌鼓を打ち、招待された賓客たちはガンディーニ子爵の時計塔自慢に耳を傾ける。
会場がそうやって盛り上がっていると、突然、鋭いファンファーレが鳴った。
この式典に招待された、最も位の高い賓客が会場に到着したのだ。
「トリステイン国王、アンリエッタ・ド・トリステイン陛下、おなりになりました!」
女王の来訪を告げる小間使いの声が、会場に響き渡る。
一瞬で会場は静まり返り、自慢話をしていたガンディーニ子爵は慌てて会場の入り口へ向かう。
中庭に通じる開かれた大扉から、紫のドレスに身を包んだ女王が姿を現す。
いつの間にか、会場の入り口から会場に設えられた最奥の舞台まで、貴族たちが並んで列を作る。
その周囲を平民たちが取り巻く。貴族たちが防壁となり、女王を守っているのだ。
女王はその様子を眺めると、す、と右手を差し出した。
すると、アンリエッタの右斜め後ろに控えていた才人の小脇を、マザリーニがつつく。
小声で才人は何事かとマザリーニに尋ねる。
「え、なんすか?」
「馬鹿者、舞台まで陛下をエスコートするんだ。
近衛騎士の役割だぞ」
「い?」
こんな衆人環視の中、女王の手を引いて舞台まで行けというのだ。
緊張しないわけがない。
さらに、マザリーニの言葉が才人に追い討ちをかける。
「…姫様を、よろしく頼む」
その声は、まるで娘を嫁にやる父親のように震えていた。
…いやまってちょっと待ってーーーーーーーー!?
ついに、マザリーニのお墨付きまで出た。
しかも、この状況。
辺境諸侯の居並ぶ中、女王の手を引いて歩くのだ。
つまり、これは宣伝活動だったのだ。
『ここに、女王の婚約者がいますよ』
と、貴族たちに吹聴するための。
汗をだらだらと垂らし、妙なプレッシャーにつぶされそうになる才人。
その重圧の主な原因は、頭の芯に響き続ける、『市ね、この駄犬!』というどこかの誰かの甲高い声だった。
しかし。
もう、ここまで来たら後戻りはできない。
ていうか後戻りしたらかなりひどい事になりそうな…。
才人は観念し、女王の手をとる。
「大丈夫、舞台まで一緒に歩いてくださればよいのです。
心配しないで、サイト様」
小声でそうささやくアンリエッタだったが。
思わず才人は反論しそうになってしまった。
謀ったな!姫様!
才人はその手をとり、貴族たちのなす列の中を歩いていく。
女王の歩にあわせ、ゆっくりと進むその姿を、貴族たちが嘗め回すように見つめる。
ひそひそ声が、才人の耳にも届いた。
…あれが、トリステインの盾。単騎で七万を止めた英雄か。
…功績、若さ、ともに女王にふさわしいが、あの貧相な顔はどうにかならんのか。
…まあ風格はおいおい付いていくだろう。女王陛下とマザリーニ卿が教育してくださるに違いない。
…いやまって何その肯定的な意見ッ!?
むしろ非難されたほうが気が楽だったが、居並ぶ諸侯のすべてが、女王の選んだ騎士を肯定しているようだった。
もう、完全に女王の術中だった。
舞台に着いた女王は、己が騎士にねぎらいの言葉をかけ、舞台に上がる。
そして、式典の祝辞を述べ始めるのだが…。
才人に、その言葉は届いていなかった。
…オワタ。俺の人生オワタ…。
この噂を聞きつけ、必ず自分の下へやってくるであろう虚無の魔王に恐怖していたのである。
そして、式典はつつがなく終わり。
二人は、昼食を採るべく、用意された部屋に向かったのだった。
「…ひめさま。どーゆーつもりなんすか」
「はい?何がですか?」
円卓に並べられた、豪華な昼食を前に、才人は女王に問うた。
「公の場であんなことして!俺にも立場ってもんがあるんすよ!」
その立場とはぶっちゃけ『ルイズの使い魔』なのだが。
女王はにっこりと笑って言葉を返した。
「その立場、できる限り高い場所にまで持っていかなくてはなりませんから。
いつまでも『平民出の英雄』では困るのです」
主に私がですけれどもね、と心の中だけで注釈を入れ、女王は優雅にスープを飲む。
才人は頬張ったパンを紅茶で流し込み、言った。
「いやそんなの俺望んでないですって!」
才人の言葉に、少しむっとするアンリエッタ。
…このひとわー。いい加減往生際の悪いー。
仕方がないので、決定的な言葉を吐いてやることにする。
「私が望みました。それではいけませんか?
女王が番としてあなたを選びました。それではいけませんか?
それとも。サイト様は、私が嫌いですか」
アンリエッタは一瞬で真剣な顔になり、才人をじっと見詰める。
その視線を受けきれず、才人は思わずアンリエッタから視線を逸らす。
その意味するところは。
「…ルイズですか」
「い」
「…それともシエスタさん?」
「え、あの、その」
「…ガリアの姫君かしら?」
「い、いやちょっとまって」
「…ティファニア、なんですか?」
「いやだからー!」
アンリエッタは才人の手癖の悪さを知っている。
というよりも、周囲の状況の方がまるで神の悪戯のように才人に転がって行っているのだ。
そう、まるで流砂の渦のように。
だから。
アンリエッタは決めていた。
彼には、『王』になってもらおうと。
「…あなたが誰に心を移していようと私は構いません。
私は女王として、貴方を手に入れるために、如何なる手段も講じる覚悟です。
でも、私の事が嫌いなら…その時は…言ってくださいね…」
言って、はらりと涙を流す。
もちろん演技である。
才人はそんなことは露知らず、慌ててフォローする。
「い、いや嫌いじゃないですって!
…で、でもまだ俺心の整理がついてないっていうか」
そう言って狼狽する才人に、アンリエッタは席を立ち、彼の横へ跪く。
そして、才人の太股に両肘を乗せ、見上げた。
「側室としていくらでも娶ればいいんですよ。
私は構いませんわ。だって、サイト様のものになれるんですもの」
言って顔を赤らめ、身体を才人に押し付ける。
紫色のドレスから半分はみ出た豊満な胸が才人の太股でぶにゅ、と潰れた。
そして。
その刺激に節操なく反応する、才人の息子。
目の前で膨らみ始めたズボンの前に、アンリエッタはくすりと笑う。
「あら。心の整理がついてないわりに、ここは元気なんですのね」
「…いや心の整理関係ないでしょーよ」
呆れたようにそう言った才人に、アンリエッタは意外な方向から反撃した。
「昨日は結局お預けでしたものね?
…で、昨日は結局あの後どうされたのですか?」
「へ?」
昨夜、アンリエッタにお預けを喰らった後、才人はあてがわれた部屋で自家発電をしたのであるが。
もちろんそんな事、言えるわけはない。
「な、なにをいきなり」
慌てて誤魔化すが、アンリエッタはお見通しだった。
「…ご自分でなされたのですね?」
「ぶ!」
当然の帰結であった。
しかし才人は必死に否定する。
「し、してませんて!」
「嘘。サイト様がそんなに自制の効く人なら、学院にあれだけ恋人がいるはずありませんわ。
それにアニエスに迫られても反応するでしょ。このせっそーなし」
言ってアンリエッタは限界まで張り詰めた才人の山頂をぴん、と指で弾く。
「うを!」
「正直におっしゃい。昨日ご自分でなされたでしょ?
正直になれば、イイコトしてあげます♪」
もう完全にエロスイッチの入ったアンリエッタは、王冠を机に置き、愛しげに才人の前を撫で回し始めた。
そんなアンリエッタの『イイコト』に、才人の期待が高まる。
そして、昨日お預けを食ったこともあって、彼は折れた。
「…しましたよ。しましたとも」
その答えに、アンリエッタは淫靡ににやり、と嗤う。
そして、再び問いかける。
「誰で、ですか?」
「へ?」
「誰の事を想いながらなされたのです?私?それとも…」
「ひめさまに決まってます」
言って才人は、攻めて来るアンリエッタに対し、反撃に出た。
その言葉と同時にアンリエッタの顎をつまみ、唇を奪う。
びっくりしたように目を見開いたアンリエッタだったが、すぐに頬を弛緩させ、才人の口付けを受け入れた。
少しすると二人は唇を離し、見詰め合う。
そして、先に口を開いたのはアンリエッタだった。
「それじゃあ、イイコト…してあげますわ。
立って、ズボンを脱いでくださいな」
アンリエッタの言葉通り、才人は立ち上がり、ズボンを脱ぐ。
完全に屹立した才人が、そそり立つ。
アンリエッタは、才人の目の前で、右腕を高く上げる。
すると、綺麗な白い腋が、露になる。
アンリエッタはそこを、ぐい、と才人の裏筋に押し当てた。
「ちょ、ひめさまなにやってはるんですかっ?」
「うふ。こういうのもいいでしょ?」
うろたえる才人に構わず、アンリエッタはそのまま、腋で才人を挟みこむ。
そのまま肩をきゅっとすくめて、上半身を前後に揺すり始める。
こりゅこりゅと、才人の雄を責めるアンリエッタの腋が、奇妙な音を立てる。
力を込めて締め付けられるアンリエッタの腋は、まるできつめの膣のようだった。
息を荒げ始めた才人に、足元からアンリエッタは語りかける。
「キモチイイですか?サイト様…?」
「いや確かにキモチイイけどもっ…!」
確かにアンリエッタの言うとおり、腋で擦られるのは気持ちのいいものだった。
しかし、本来そこは性器ではない。そんな場所で擦られる感覚に、才人は背徳的なものを感じていた。
…っていうか腋コキってゆーのかコレ!
思い当たったときには、既に息子は臨界突破寸前だった。
膨らんできた才人を感じ、アンリエッタは才人を一旦解放し、そして。
ぱく、と口に咥えた。
「ひ、ひめさま、出るっ、出るっ!」
才人の切羽詰った声とともに、アンリエッタの口の中で、才人が吼えた。
どぷぷぷ…!
アンリエッタの舌の上で、喉の奥で、才人の精液が跳ね回る。
アンリエッタはそれを、少しずつ味わって飲み干していく。
そして、勢いをなくし始めた才人の、尿道に残った精液すらも、ちうちうと愛おしげに吸い上げる。
ぷは、と淫乱な女王は吸い尽くした才人を口から解放する。
そして、足元から才人を見上げ、尋ねた。
「どうでした?私の腋のお味は」
「いや、サイコーでした…。つうかこんなのドコで覚えてくるんすか」
才人の疑問符に、アンリエッタはくすりと笑う。
「乙女の秘密です♪
さて、それでは…」
アンリエッタの言葉に、才人はいよいよ本番か、と再び己を滾らせたが。
アンリエッタは口の周りに残った精液と唾液の飛沫を拭き取ると、言った。
「間もなく、トリスタニアに帰る時間ですわ。
ささ、サイト様、ズボンを履いて」
い、と才人の顔が歪んだ。
いかに一発抜いてもらったとはいえ、このままでは不完全燃焼だ。
というよりも、昨日のお返しにひめさまをヒイヒイ言わしたい才人であった。
「い、いやまってちょっと待って?
昨日に引き続き今日も途中で強制終了っすか?そんなのアリ?」
不満げにそう訴える才人に、アンリエッタはにっこり笑って。
才人の鼻先に、指を突きつけた。
「がっつくんじゃありません。
王都に帰ったら、飽きるほど女王の身体を堪能させてあげますから♪
だから、今はお・あ・ず・け♪」
言って、くるりと才人に背を向けるアンリエッタ。
実際、今日中に王都に着こうと思ったら、そろそろここを出ないと間に合わない。
才人はそれを悟って、大人しくズボンを履いた。
そして、アンリエッタに抗議する。
「じゃ、帰ったら続き、絶対っすからね?」
いつもなら自分がおねだりする立場なのに、今日はサイト様がおねだり…。
奇妙な高揚感に、アンリエッタは身体の芯が疼くのを感じた。
そして、二人は再び王都に戻ったのだが。
結局その夜、女王はさっさと寝てしまい、才人の欲求は果たされぬまま一日は終わってしまうのだった。
それもまた、女王の計略のうちであることを、才人はまだ知らない。
*続く*
二日目終わり。さてどんどん深みに嵌っていく才人の運命やいかに。
そいじゃあねゆ。ノシ
一番槍ぃぃぃぃぃぐぅぅぅじょぉぉぉぶぅぅ!
いやー姫様に投票してよかったw
>>284 GJ!!
おあずけは計画的に w
いあ、こういうおあずけなら歓迎ですよせんたいさん!
>>284 アンリエッタ策士wwww
続きを全裸でカバディしながら待つぜ
朝立ちが収まったと思ったら復活してきた
今日は暖かそうだから全裸でも耐えられそうだ
っていうかタイムリーなタイトルだな
セブーンデイズウォー タタカウヨー
GJ!
せんたいさん GJ!
催淫と健忘効果のある薬で、本人忘れてるのに種付けが終わってて認知を求められるSSを考えてたけど
上手く纏まらなかったil||li _| ̄|○ il||li
ヒロインのほうがその薬を飲んじゃってて、サイトと結ばれた夢を見たと思って赤面してたら、
日が経つうちだんだんお腹が大きくなってきて、お腹かかえて困ってたら
蒼白になったサイトに「責任とりますッ」って土下座されて目を白黒させる
という話が思い浮かんだ。
295 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 21:14:20 ID:Raao+izH
X00ー42シリーズを書いている者です。
34-669の方「名無し」ではもったいないとは、書き手として嬉しく思います。
実は、此処の存在を知ったのが今日なものでして…つまり初心者なのです。
一月近くも遅くなった事をお詫びいたします。
最初ゼロの使い魔第3期のアニメの評価をしているサイトを探している内に、SSと書いてある
のが気になって、保管庫に辿り着いたんです。読んでいる内に私も書いてみようと思ったしだいで
ただ方法が分からなくて、直接投稿に書き込む事にしたんです。
つまりX00-42シリーズは、私の初投稿物なのです。
以前過去ログ・リンクからこちらを開けた時、白背景の文字列になって「地雷」を踏んだと
勘違いしてずっと開けていなかったためなんですが…
その原因がDATと書いて有る方をクリックしたためと今日気が付きました…遅
それ故マナーとかルール等基本的な事は殆ど知らない者なので、こちらに書き込みしていいものか
迷っています。雑談掲示板等かなり荒れていたもので…
X00-42を編集で開けて貰えば分かりますが、何も知らないまま継ぎ足し更新したため
お叱りを受けてしまいました。なので勝手に新規でページを作って現在に至っているのです。
話は変わりますが、他の職人さん達は、ワードとかの他のソフトで書いたものをコピーペして
書き込んでいるんでしょうか?私は、ページを作った後直接書き込んでいるので…
出来ればお教え願いたいのですが。
297 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 21:30:13 ID:Raao+izH
>>296 早速の返答有難う御座います。
今度私もやってみます。以前誤ってキャンセルをクリックして約2時間書いたものが
消えてしまったことが有ったので。
後はメ欄にsageかな
あと雑談見たならわかると思うが自治厨と荒らしはスルーな
あと、基本全裸で
基本全裸? レディー? ……『デビルマンレディー』か。
ネクタイ忘れるなよ
紳士とは性別を超えたものなのさ
エロスという神は元々一つだったらしい
私の武器はviエディタ
311 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 06:04:06 ID:I5iZPOpo
X00-42シリーズを書いている者です。
一つ質問が有ります。
今度こちらに投稿しようと思うのですが、保管庫に投稿したX00-42シリーズは、
コピペしてこちらに書き込んだ方が良いでしょうか?
1.保管庫に有るならその必要は無い。
2.保管庫に行かないから書き込んでほしい。
以上です。
1
わざわざこっちにあげなくても大丈夫
>>311 保管庫でバッチリ読んでまっせ!
過去作品はコピぺする必要は無いと思うので、「1」。
学院のおまけキャラがパワーアップしすぎてるのが気になりますが、
更新早いし好きな作品ですよ〜。
314 :
X42:2008/11/08(土) 00:52:29 ID:AnAV4woF
X00-42シリーズを投稿している者です。
>>312、
>>313返答有難う御座います。
これからシリーズのつづきを投下します。
名前は、X42でいかせて貰います。
315 :
X42:2008/11/08(土) 01:03:23 ID:AnAV4woF
オークション当日 王宮中庭
この日、トリステイン王家主催のオークションにハルケギニア各地から有力者や豪商、魔法アイテム屋など多数参加した。
主だった有力者は、ゲルマニアからは、皇帝アルブレヒト三世、フォン・ツェルプストー家他。
トリステインからは、ラ・ヴァリエール公爵家、バーガンディー伯爵家他。
クルデンホルフ大公。
ガリアからは、財務大臣(ジョゼフ王の名代)他。
ロマリアからは、教皇聖エイジス三十二世ヴィットーリオ・セレヴァレ他有力寺院。
無論彼らには、近衛騎士団やら花壇騎士団、聖堂騎士団、空中装甲騎士団、親衛隊などが護衛に就いている。
中でも注目されたのが、何といっても現教皇の参加であろう。
本来、このような俗事に参加する筈が無いからだ。
「聖下、ご連絡頂ければお迎えに上がりましたものを。それにしてもこの様な俗事に聖下自ら参加されるとは、思いもよりませんでしたわ」
316 :
X42:2008/11/08(土) 01:05:46 ID:AnAV4woF
「お気遣いご無用に願います。これは私の我儘で来たのです。表向き宗教庁に入用品の買い付けですが、
オークションなる物に参加したいだけなのですよ。何しろ教皇ともなると、何か一つ行動しようとすると、
司教やら神官達が色々煩いもので、その憂さ晴らしをしに来ただけなのですよ。アンリエッタ殿もお分かり頂けると存じますが」
(真の目的は、聖戦の資金援助。もう一つ、聖戦の切り札の作成のためですがね)
「えぇ、分かりますわ。それでは聖下、オークションをお楽しみくださいませ」
「ご理解感謝致します」
こうしてオークションの幕は、切って落とされた。
普通物量が多い場合は、高値にはなりにくい筈だが、レッサードラゴンの各部位という非常に入手困難な、それ故偽物も多いのだが、今回はトリステイン王家100%保証の本物のため、オークションは過熱していた。
無論、教皇とジョゼフの陰謀も加わっているためだが…
317 :
X42:2008/11/08(土) 01:07:20 ID:AnAV4woF
殆どの品が、通常のほぼ倍の値段で落札されていった。
オークションに出品されたレッサードラゴンは、倒された119頭からアカデミーの研究用に2頭差し引いた117頭だった。
他にドラゴンアーマー用に鱗は、全て取り除かれていた。
結果1頭当たり約180万エキューで落札されていった。
総売上金額は、約2億1,060万エキューとなった。
これにより才人の報奨金は、185.4万エキューとなり、
水精霊騎士隊は、一人当たり4,500エキューとなった。
銃士隊が一人当たり1,800エキュー、レイナール、ルイズ、ティファニアは、特別報奨金として1万エキュー、モンモランシーが5,000エキュー、タバサ3,000エキュー、他の魔法学院生500エキュー、戦死者一人当たり1,000エキューが支払われることとなった。
支出合計は、約283万エキューとなり差し引き約2億777万エキューが国庫に入る事となった。
これはトリステインの国家予算の1年4カ月分以上もの大金であった。
318 :
X42:2008/11/08(土) 01:08:08 ID:AnAV4woF
そして才人とアンリエッタ女王の婚約と4人の側室の発表があった。
大きな歓声が上がり、表向きの祝福がなされた。
無論あちらこちらで、ひそひそ声の嫌味が発せられていた。
オークションが恙無く終了し来客が帰り始めた時、布を取り払っていきなりヨルムンガントが3体現れた。ギーシュが以前才人の像を作った時使った「周りの景色に合わせて模様を変える魔法の布」を掛けて中庭の隅に潜んでいたのだった。
人々は、悲鳴を上げ逃げ惑った。
「さあて、どうやって遊んであげようかね。ジョゼフ様の命令が無ければ虚無の担い手とガンダールヴを倒してやるんだがね」
オークション終了まで待機の命を受けたミョズニトニルンであった。
「こけにされた分、死なない程度に痛めつけてやるとするか」
恐ろしげな笑顔で呟いた。
319 :
X42:2008/11/08(土) 01:09:02 ID:AnAV4woF
あれは、アルビオンで見た騎士人形じゃねえか」
「姫様、早くお逃げ下さい。最悪この辺り一帯廃墟になってしまいます」
「いいえ。皆が逃げのびるまで此処を動く訳にはまいりません」
「ルイズ、ラグナ・ブレイド!」
「サイト、精神力あまり溜まっていないの」
「嘘!ここんとこ、お前が怒る様な事続いたじゃねぇか」
「相棒、娘っ子はあまり怒っていないんだよ」
「へ?」
「つまりだな、自分も一緒に納得してやっていたからなんだよ。もしのけものにでもされていれば、ラグナ・ブレイド2,3発分の精神力が溜まったんじゃねえか?」
「サイト、私なら精神力満タンだから神衣(ゴッド・クロス)唱えられるよ」
「テファ、俺はいいから皆に掛けてくれねぇか」
「えっ…うん、分かった。けどサイト死なないでね」
「ああ、じゃ頼んだぞ」
「ルイズ、唱えられるとこまででいい、後は俺が何とかする」
「分かったわ。でも無茶しないでよね」
「相手が相手だからな。保証はできねぇ」
「止めても無駄…ですわよね」
「ああ」
「では、約束して下さいまし。私を再び悲しみに濡らさぬと」
「約束する」
「貴方は、私達の太陽。絶対死んではいけない」
「ああ、死なない」
「ちゃんと戻ってきてください」
「戻ってくるよ」
320 :
X42:2008/11/08(土) 01:11:07 ID:AnAV4woF
ルイズがデルフリンガーに短い詠唱のラグナ・ブレイドを掛けた。
「相棒、はっきり言うが倒せねぇぜ、せいぜい装甲板を斬り裂くくらいしか出来ねぇぞ。それも2体で精一杯だあね」
「そっか、それでもやるしかねぇだろ。とにかくギーシュ達に協力してもらう。今のあいつ等なら、力を合わせれば倒せると思う。俺に考えが有るんだ」
各国の近衛騎士達、親衛隊達は、主を守るためヨルムンガントに魔法攻撃を加えた。
無論、反射(カウンター)の掛ったヨルムンガントには、全く効かなかった。
「何なんだ、あの怪物は?此方の攻撃が全く通用しないぞ!」
「此処は危険です。早くお逃げ下さい!」
悲鳴に近い叫び声が中庭を埋め尽くす。
「おい、ギーシュ。力を貸してくれ」
「サイト、一体如何するんだね?奴には、魔法も君の剣も効かないんだぞ。あっ、そう言えばゴールドラゴンを倒した時のルイズの呪文は?」
「はっきり言うが装甲板を斬るしか出来ねぇとさ。だからお前達に協力して欲しいんだ。俺が斬った切り口に水魔法で出した水を錬金で油に変えて、風魔法で大量の風と共に押し込んで、ファイヤーボールを打ち込んでくれ。そうすればきっと倒せる」
321 :
X42:2008/11/08(土) 01:12:20 ID:AnAV4woF
コルベール先生の『ゆかいな蛇くん』の応用だね」
「その通り、流石レイナールだな」
「分かった。その作戦で行こう。サイト、そっちは頼んだぞ!でもどうやって斬るんだい?レビテーションは浮かぶ事しか出来ないし、君を抱えてフライで飛んでも奴ら素早いから捉えきれないだろうし、最悪、的になると思うけど」
「ゴールドドラゴンの力を使えば単独で飛べるよ。未だ上手く飛べねぇけどな」
「そうか、君にはその力があったんだったね。すっかり忘れていたよ」
「じゃあ頼んだぞ」
「任せておきたまえ」
才人は、鎧姿になった。
「行くぞ、デルフ」
「しくじるなよ、相棒」
才人は、一番近くにいたヨルムンガント目掛けて飛び立った。
「何?ガンダールヴが単独で飛んでいるだと?あの金色の鎧は一体?」
才人は、一気に喉元まで接近し、デルフリンガーを振り下ろした。
「おおおおおおおおおお」
ヨルムンガントの装甲板は、斬り裂かれた。
生物であれば致命傷となるであろうが、ヨルムンガントは、何事もなかった様に才人に襲いかかった。そこにギーシュ達が、指示通り魔法攻撃を切れ目に打ち込んだ。
322 :
X42:2008/11/08(土) 01:13:17 ID:AnAV4woF
「離れろ相棒!」
ヨルムンガントの体内で爆発が起こり、巨体が真っ二つになり…崩れ落ちた。
「馬鹿な!倒されただと?!」
他の2体が才人目掛けて突進して来た。
「あと一体だけだぞ、相棒」
「分かってるよ」
再び飛び上がり、手前のヨルムンガントを斬った。
すかさずギーシュ達の魔法攻撃でヨルムンガントは爆発し、崩れ落ちた。
ラグナ・ブレイドの光が消え去った。
「奴は危険だ。命に反してでも、此処で殺しておかなくては!」
才人の頭上にヨルムンガントがやって来た。
「踏み潰せーーー」
「相棒、迷うな。龍語魔法(ドラゴンスペル)を使え!」
才人は、右手を真上に上げ。
(ドラゴン・フレアー)
才人の右手から眩い閃光が放たれ、ヨルムンガントは、左足首だけを残して消滅した。
文字通り塵一つ無く消滅した。
323 :
X42:2008/11/08(土) 01:14:35 ID:AnAV4woF
馬鹿な!3体のヨルムンガントが、あっという間に倒されてしまうとは…何よりガンダールヴが最後に放った閃光は、一体何なのだ?強化した装甲を無に帰すとは…信じられんがジョゼフ様にご報告申し上げねば」
「ミューズよ」
「ジョゼフ様、申し訳ありません。3体のヨルムンガントがあっさり倒されてしまいました」
「良い良い、気にするな。奴らの力が分かったのだからな。早々に帰ってまいれ」
「はっ、畏まりました」
(次は、必ず倒してやるぞ、ガンダールヴ!)
「サイトの奴、一人で空飛べるなんて私に一言も言わないなんて…後でお仕置きだかんね」
「それにしてもサイトが最後に使った魔法凄かったね」
「私のエクスプロージョンより遥かに強力だわ。私の魔法では、バラバラにしか出来なかったもの」
「あれが龍語魔法」
「サイトさんも凄いですけど、ミスタ・グラモン達も凄いですわよ。各国の精鋭が傷一つ付けられなかった怪物を倒しちゃたんですから」
324 :
X42:2008/11/08(土) 01:15:30 ID:AnAV4woF
「あれは、サイトが傷を付けたからよ」
「それでも凄いと思うわ。デルフさんの幅の中に正確に打ち込まなければ、絶対倒せなかったでしょ」
「確かにそうだわね。あいつ等そこまで腕を上げているのね」
「これで、彼等にまた叙勲の必要が出来ましたわね」
「でも姫様、この間したばかりですわ」
「私達だけではなく、各国の要人も守りましたわ。叙勲しなければ、私が笑い物になってしまいますわ」
「うっーーー確かにそう…ですわね」
「皆さん、先ずは、彼らの労を労いましょう」
325 :
X42:2008/11/08(土) 01:19:56 ID:AnAV4woF
今回は、ここまでです。
コピペに失敗して容量オーバーの文字が出た時はあせりました。
それでは、失礼いたします。
瑣末事で大変恐縮なんだが、メール欄に[sage]って入れてもらえると大変有難い
>>325 続きGJです
>>326にもありますが、メール欄に[sage]と記入して書き込みすると
板一覧で一番上に表示されないので助かります。基本そんな感じで
あと気になったのが、今後の保管庫への保存形態
今までどおり直接投降+名無しでいくのかなぁと…。ちょっと気になったもので
(今回分はもう保管庫に入れてあるのを確認しました)
・・・これは雑談掲示板向きですかね?
328 :
X42:2008/11/08(土) 18:10:24 ID:AnAV4woF
>>326、
>>327 ご指摘有難う御座います。
>>327 保管庫への保存形態ですが、実は最初、作者別の所に名前を作成しようとしたのですが、
結局うまくいかず、断念して名無しに入れる事にしたのです。今でも作者名の
作成方法は、分からないのでどなたかX42で作成してくださると有り難いのですが。
[sage]の[ ]は要らんぞww
あと全レス返し(と言うかレス返し全般)とか、雑談時もコテ付けっ放しとかは
嫌馴合な人でアババババになるから気をつけれておけば良いかと
っ専用ブラウザ
331 :
X42:2008/11/09(日) 01:40:33 ID:fV4mobNN
前回のつづき投下します。
332 :
X42:2008/11/09(日) 01:42:22 ID:fV4mobNN
「あなた、見事な戦いぶりでしたわ」
「ちょっとあんた、どうして空飛べるなんて教えてくれなかったのよ」
「娘っ子、相棒は未だ上手くゴールドドラゴンの力をコントロール出来ねぇんだよ」
「え?ちゃんと飛んでたじゃない」
「緊急事態で精神が昂っていたからだろうな。今飛んだらあっちにフラフラ、こっちに
フラフラになるだろうさ。相棒ここんとこ忙しい上に、娘っ子らに精も根も吸収されまっくて
いたからな。練習どころじゃなかったんだよ」
「うっ…あっ…ははは」
「それにしてもあんた、何時呪文詠唱したのよ?」
「詠唱の必要は、ねぇんだよ。念じるだけでいいんだ」
「あんな強力な呪文が念じるだけで?そんなの不公平だわ」
「言っとくがあの呪文、本来の十分の一も出てねぇぞ」
「嘘!」
「ホントだ」
「言ったろ娘っ子、龍語魔法はトリスタニア位簡単に消せるって。相棒がその気になりゃ
トリステインそのものも消し飛ばせるな。だから練習して自在に飛べるようになれば
ゼロセンとかいうヒコーキより早く飛べるはずさ」
「そんなに速く飛べるようになるのっ?!」
「一日3時間、一カ月程練習すればな」
「そんなに掛るの?」
「ゴールドドラゴンの力をコントロールしなきゃいけねぇんだ。言っとくが
並みの奴には、一生掛っても不可能なんだぜ」
「そうなんだ」
333 :
X42:2008/11/09(日) 01:43:46 ID:fV4mobNN
「おーいサイト」
「やったなギーシュ」
「君が装甲板を斬ってくれたおかげさ。でなければ僕らの攻撃は、一切効かないからね」
「お見事でしたわ、ミスタ・グラモン。それから水精霊騎士隊の皆さん。
女王としてお礼申し上げますわ」
「恐縮です。女王陛下」
「この後、貴方がたの今回の勲功に対する会議を開きます。全員同席願いますわ」
「えっ?全員ですか」
「ええ、全員です」
「畏まりました」
(普通評価される側は、同席しない筈なんだが一体如何ゆう御積りなんだろう?)
「アンリエッタ女王陛下」
「如何なさいました?閣下」
「この度、ご結婚なされるそうで誠におめでとうございます。今日の救命の礼とご結婚のお祝いとしてサイト大公を我が国の大公に叙し、アルビオンのゲルマニア領を下賜したく存じます」
「まあ!随分と大きなお祝いで御座いますわね」
「いやいや、そんな事は御座いません。つきましては、アルビオンの共同統治領を本日の
オークションで落札したレッサードラゴンと交換して頂きたいと存じますが」
「約500万エキューの代金としてですか?随分気前がよろしいですわね」
「んっ、いや、そうなればアルビオンは、ほぼ全てトリステイン領になるではないですか
御嫌ですか?」
「いいえ、お受けいたしますわ」
「ご承諾有難うございます。ではこちらが権利書関係です」
「随分準備が宜しいですわね」
「ん、いや、後で踏み倒されたとか言われたくないのでね。サイト大公には、後で勲章を
贈ります」
「分かりました。道中お気をつけてお帰り下さい」
「うむ、それでは失礼致します」
334 :
X42:2008/11/09(日) 01:44:37 ID:fV4mobNN
何故ゲルマニア皇帝は、これ程破格の事をしたのか?
理由は、才人が領主税を取らない政策を執ったため、ゲルマニア領の民衆が大挙して
才人の領地に移住してしまった。
(戦費を回収しようと高税率を掛けていたせいもある)
結果領民が殆どいなくなってしまい、ならず者の吹き溜まりとなり、この一カ月弱で
治安維持のために30万エキューもの大金を注ぎ込む事になった。
つまり厄介払いなのである。
ゲルマニアは広大、その上元々自国領ではないので、執着もなかった。
その上オークションで貴重なレーサードラゴンが大量に競売に掛けられることになったため、
アルビオンを押し付けて、レッサードラゴンをタダで大量に入手しようと目論んだ訳である。
レッサードラゴンの方は、ロマリアとガリアが通常の約2倍の値で競り落としたため、
予定数までは、競り落とせなかったが、アルビオンは、無事押し付けられたため、皇帝
は、終始ご機嫌であった。その上結婚祝いも出さなくて済むため計算の上では、大幅な
黒字である。
一方トリステイン側は、アルビオン王国再興の最大の阻害要因のゲルマニアが撤退
してくれる事は、とても有難かった。無論ホーキンス達からアルビオンの現況報告が
逐一届いていたため、遠からずゲルマニアが撤退するのは、分かり切っていた。
レッサードラゴン500万エキュー分で済むなら安い買い物だとアンリエッタは思った。
残るは、ガリアが所有する港1つのみ。
(王国再興は、思ったより早く出来そうね)
335 :
X42:2008/11/09(日) 01:45:32 ID:fV4mobNN
「アンリエッタ殿」
「聖下」
「この度ご結婚なされるそうですね。救命のお礼とお祝いを兼ねたものを差し上げます。
それにこれは、始祖の遺言でもあるのです」
「始祖の遺言?」
「そうです。ご結婚相手のサイト大公は、『ガンダールヴ』それも特別の」
「ご存知なのですか?」
「はい、虚無に関する事は、色々調査しておりますゆえ。始祖の遺言の一節にこう有ります。
『彼の地より召喚されしガンダールヴ現れし時、我が血を引く者結ばれん。そこから
生れし子、我の力目覚めし者なり』と有るのです。」
(その先にその子等により我の願い叶うものなり、とあるのですがね)
「ですから貴女方がサイト大公に、惹かれるのは当然と言えるのです。それ故
始祖の力を持つ者が私生児では、困ります。何より彼女達の祖国の民が悲しむでしょう
ですからサイト大公には、私と始祖の名において重婚の許可を与えます。
3週間後にアクイレイアで私の即位3周年記念式典があります。そこで結婚式を行いましょう。
そして結婚式の神官は、私が務めましょう。そうすれば誰にも文句を言われずに済むでしょう」
周囲から大きな歓声が上がった。
無理もなかった。通常国王の結婚式は、その国の大司教が務めるもの。ブリミル教
の頂点に立つ教皇自ら務めるなどあり得ない事であった。
つまりこの結婚に異を唱える者は、異端(=死刑)とみなされる事になるのだ。
それが例え陰口だろうとも。
「聖下、恐れ多いですわ。聖下に神官を務めて頂くなど」
「いいえ、私は嬉しいのですよ。始祖の御心にそえられる事が出来る。正に至上の喜びです」
「勿体ないお言葉です。聖下」
「それでは3週間後お待ちしております」
「聖下、有難うございます。宜しくお願いいたします」
「それでは、これにて失礼いたします」
「聖下、道中お気をつけてください」
「ジュリオ、落札したレッサードラゴンをトリステインの国中の豪商及び魔法アイテム屋
に通常の値で捌くよう指示してください。そうすれば、税金となってトリステインの国庫を
更に潤す事でしょう」
「畏まりました」
(あと少しで我らの悲願が成就する…あと少しで)
336 :
X42:2008/11/09(日) 01:48:48 ID:fV4mobNN
本日は、ここまでです。
>>336 Gj!!まさかハーレムの理由付けでこうくるとはww
ただいま、wikiがアカウント停止になっています。
……というより、同サーバーの全てのアカウントの停止です。
保管庫が利用していたサーバーから、
他アカウント利用者による児童ポルノ・無修正ポルノの掲載により、
回線業者から回線を停止されてしまったため、
全アカウントの凍結を行ったとの連絡がありました。
ただいま問い合わせを行いました。
状況が変わり次第、またお知らせします。
ええええええええええええええええええええええ????!!!!
かなり一大事じゃないですか?!
連絡後、鯖は復帰しましたが、返答はいまだ無し。
鯖トップページにて今後の運営は有料になるとの表示を確認。
移転を予定しています。
現wikiのバックアップを完了、ただいま移転先を動作テスト中です。
ttp://zerokan.g.ribbon.to そういうわけで、wikiの更新は動作テスト完了まで
しばらくお待ち下さい……。
お疲れ様です。
再移転かぁ〜。管理って大変なんだな。
344 :
X42:2008/11/10(月) 23:51:44 ID:Fe8//hCV
夕方いきなりアカウント停止画面になって焦りましたがそういう理由だったんですね
つづき投下します。
345 :
X42:2008/11/10(月) 23:52:55 ID:Fe8//hCV
叙勲評価会議
「皆さん揃いましたね。それでは評価会議を始めます」
今回の件で評価を受けるのは、才人他水精霊騎士隊、ルイズ、ティファニアである。
ルイズとティファニアは、今回は辞退すると申し出たが、アンリエッタは了承せず、
結局、報奨金1,000エキューで決着した。
平隊員…全員王軍少佐(戦時には中隊長)年金500エキュー加算、報奨金1,000エキュー。
2名の副隊長…王軍大佐(戦時には、連隊長)年金加算、報奨金は同上。
ギーシュ…近衛連隊副隊長兼水精霊騎士隊隊長兼王軍少将、年金加算、報奨金同上
レイナール…男爵叙勲、男爵領下賜
問題は、才人であった。
アンリエッタは、全軍の指揮権を主張したが、才人が現状維持を主張し、共に譲らなかった。
才人には、指揮権に激しい嫌悪感が有るのだ。
理由は勿論、アルビオン戦役だの実体験だ。
ルネ達が、作戦の為自分達の盾になった事、何よりルイズを捨て駒にした命令が、指揮権への
嫌悪感になっているのだ。
才人は、敵、味方双方に死んで欲しくないのだ。
甘いと言われようが、それが才人の本音であり、本質なのだ。
しかし一度命令を下せば、双方死者ゼロは、通常有り得ない。
そして才人は、他人の命を危険に晒して自分だけ安全な所でぬくぬくしている事が出来ない。
しかし指揮権を持ったら、そんな事は許されない。
敵を倒し、味方を生かす命令を嫌でも出すしかない。
そして才人クラスになると味方を犠牲にしても生き延びなくてはならない。
才人の死=国の敗戦となる為だ。
346 :
X42:2008/11/10(月) 23:54:23 ID:Fe8//hCV
平行線の話し合いの中、ギーシュはアンリエッタの何かを期待する視線を感じた。
(陛下が僕に何か期待している。この場面で僕にできる事…そうか!)
「才人、君が指揮権を毛嫌いするのは良く分かる。君はやさしいからな。なら君の指揮権を、
僕達に限定すればいい。僕達は仲間だからね、細々した事は、僕達がやる。
君はただ『一緒に戦ってくれ』そう言えばいい。一人じゃ出来ない事も力を合わせれば
何とかなる。今日みたいにね。皆それで良いかい?」
「当たり前だろ」
「嫌な奴なんか一人もいないぜ」
「今更何言ってんだ」
「たっく、お前等は。アンリエッタ、俺の指揮権を水精霊騎士隊に限定で頼む」
「仕方有りませんわね。ではそう致しましょう」
(成程、これが騎士隊全員同席させた理由なんだ。さすがは女王陛下)
「ギーシュ殿、主人達から伺いましたが、魔法学院生が皆著しく成長したと。
即戦力ですぐ入隊出来そうな方はどの程度居られますか?」
「全員トライアングル以上になって居りますので、力量的には全員大丈夫ですが、
やはり実戦経験は、少ないのではっきり申せません」
「全員トライアングル以上!素晴らしい成長ぶりですわね」
「アニエス式の猛特訓のおかげです」
「そうですか。アニエスにも後で褒美をとらすと致しましょう。ギーシュ殿、帰国後
水精霊騎士隊の増員と実戦訓練を命じます。宜しいですわね」
「畏まりました」
会議が終了した時、急使が入って来た。
内容を一読してアンリエッタが公表した。
「アルビオンの旧ゲルマニア領の奥地からオーガ鬼、トロル鬼計約200とならず者約千
が、シティオブサウスゴータ目掛けて進軍中、旧国境まであと3日との知らせです」
347 :
X42:2008/11/10(月) 23:55:05 ID:Fe8//hCV
すぐ救援に行かないと」
「今から派兵を準備しても到着まで4,5日掛ります」
「それじゃ、間に合わない。俺達で先行して、足止めでもしないと」
「いけません!ならず者が千の軍隊然として行動するという事は、確実に軍経験者
がいます。ただの野盗とは違います」
「心配しなくても大丈夫さ。俺とこいつ等とルイズ達がいれば、千や二千に負けやしないよ」
「恐らく傭兵メイジもいる筈。そう簡単にいくとは思えません」
「恐れながら陛下、私に策が有ります。上手くいけば初戦で決着が付くかもしれません」
「本当ですか?」
「はい。サイトには、怪我一つさせないとお約束致します」
「貴方を信じます。レイナール殿」
「シャルロット、学院に行ってコルベール先生にオストラント号に乗せてくれるよう
頼んでくれ」
「分かった」
「じゃあ皆、先生が来たらすぐ出発だ」
「待って」
「アンリエッタ」
「出発は、明日にして下さい。あのフネならば半日で目的地まで行けるでしょう?
ですから明日朝一番で出発して下さい」
「でも早い方が」
「サイト、お察ししなさい」
「なんだよ、ルイズ」
「この鈍感!姫様今晩だけは、サイトをお貸し致しますわ」
「有難う、ルイズ」
(こういう緊迫した時にこういう会話は、しないでくれよ)
―――――――――――――――――――――――∸―――
348 :
X42:2008/11/10(月) 23:55:59 ID:Fe8//hCV
「あなた、体調は万全ですか?」
「良く言うよ。昨日は人間の限界を無視した事したくせに。今日の夕餉もあからさまに
精力料理のオンパレードじゃないか」
「確かに凄かったですわね。昨日のあなたの様子を見れば致し方ないかと」
「たっく、明日早いからもう寝るよ」
「いやです。折角ルイズ達が気を利かせてくれたんですもの、今夜は二人で精一杯
励みましょう」
「いや、だからね」
「フネの中で、眠れば宜しいでしょ」
「抵抗しても無駄…だよね?」
「勿論ですわ。さあ脱がして下さいまし」
才人がシルクのドレスを脱がすと、ショーツ一枚のアンリエッタの裸体。
ショーツに手を掛けようとすると。
「あなたも脱がないと不公平ですわ」
といって才人の服を脱がし始めた。
「あなた、今日は二人きりなんですから、じっくり時間を掛けてくださいまし」
「わかった」
才人は、アンリエッタを「お姫様だっこ」でベットまで運んだ。
ベットに横たえて、アンリエッタの顔を見つめ、顔を近づけると、
いきなりアンリエッタにしがみつかれ濃厚なキスの先制パンチを受けた。
徐に舌を入れてきてお互いの唾液をすすりあった。
349 :
X42:2008/11/10(月) 23:56:40 ID:Fe8//hCV
才人は、唇から顔、首、胸へと徐々に降りてきた。
そして胸を揉みながら、乳首を吸い、軽く噛んだ。
「あっ…はっ…」
反対の乳首も吸って、甘噛みして乳首を固くした後、指で揉みながらアンリエッタの
体を舐めながら下に降りて行った。
口が太股まで達した時、手を太股に移して愛撫した。わざと秘部を避けながら。
両の太股を舐めつくした後、秘部の周りを舐めまわした。
「焦らさないでくださいまし、早く気持ち良くさせて下さいまし」
才人は、クリトリスの皮を剥きクンニを始めた。
「ああああああああーっ、もっと、もっとくださいまし」
才人は、秘穴に中指を入れ、膣の中を蹂躙し愛液で満たした。
それでも尚蹂躙し続けて、アンリエッタは潮を吹き、シーツが濡れまくった。
「あなた、欲しい…早く…入れて…下さいまし」
「入れるよ」
「早く」
才人は、ペニスを秘穴に挿入した。
「ああっ…来る…あなたが…入って…」
アンリエッタの膣が才人のペニスを全て飲み込んだ。
「あなた…突いて…突きまくって…下さいまし」
「いくぞ」
才人は、突きまくった。ただ突くだけでなく、膣壁全て擦るように突きまくった。
「あなた…凄い…気持ち…良い…ですわ」
才人は、左足を持ち上げて自分の前を通過させ、体位をバックに変えた。
「凄…いです…もっと…もっと…」
5分ほど突きまくり才人が限界を迎えた。
「出すぞ、アンリエッタ」
「出して下さいまし」
「ああああああああああああああああああああああ」
才人は、高速ピストンで突きまくり、アンリエッタを昇天させた。
「あなた、後3回、3回今のをお願いしますわ」
「1回にまけられない?」
「じゃあ4回」
「わかったよ!3回頑張るよ」
「嬉しい、愛してますわ、あなた」
才人は、アンリエッタのおねだりに応えて計4回頑張り通した。
350 :
X42:2008/11/10(月) 23:58:48 ID:Fe8//hCV
本日は、ここまでです。
管理人さん頑張ってください。
>「一回にまけられない?」
>「じゃあ四回」
なんで増えてんすか姫様www
GJ!
うわ、こんなスレあったんだ・・・w
すごくキモいです・・。
gj!
ただ、下さいまし。が多すぎて目に付いたかな。
GJ!アンビッチさまあああああ
GJだけど5分でイクなんてまだまだだろ
最低20分は持たないと話にならんぞw
魂童夢つけてれば20分は持つけど
生じゃ5分くらいが限界だろ
激しく突くばかりだとそんなもんかもだが、世の中には緩急テクニックがあるわけで…
とくに遅漏でなくとも一時間はもつぞ。スローセックスでも調べるがよろし。
ポリネシアンセックスなんてのもあるくらいだしな
>>358 前スレで言ったものだが誰かそれを書いてくれないか?
>>359 意外と難しいと思うぞ。
「行為に集中できる環境」とか「行為は5日に1回程度であとは性器にふれないように愛撫」
とかだしね。それに子作りというよりは完全に快楽目的だからなぁ…。
少なくとも俺は無理だわ。
>>350 GJ!
1回目5分→2回目10分→3回目20分→4回目60分だから問題なし
そろそろボルボ分が足りなくなってきた
マダー?
紳士は黙って全裸で待機
つネクタイ
オーバーニーソックスも履きたまえ
寒くなる時期だ、コートも正装のひとつとして認可するべきでは
>>366 コートよりもマントの方がこのスレ的には良いのではなかろうか?
総合すると、紳士の正装は全裸&マント&ネクタイ&ハイニーソなのか
ネクタイ→首輪にしてゼロ魔女性陣に装備させたら案外似合ってた件w
全裸に勝る装身具は無いってばっちゃが言ってた
ボルボ―――氏!
どこ行った―――?
そろそろ続きが待ち切れないんですよ
お待ちしてます。
紳士なら紳士らしく全裸に正座で待機だ
この時期は寒いからネクタイと靴下をつけるんだ
軍曹殿!網タイツは可でありますか!?
↑気持ちは分かるが風邪を引いてしまったら元も子もないな
せめていつでも全裸になれる様バスローブくらい着たら?
X42さん、CJ! wiki管理人様いつもながらお疲れ様であります
wiki管理人様に敬礼!
…密かに陵辱物の続きを待っているんだ
半纏と炬燵でぬくぬくして待ってる
じゃあ俺はバスローブ着てウイスキー片手に飼い猫を愛でながら待つか
急かす奴大杉だろう・・気持ちはわかるけども。
みんなこのスレ以外に見てるスレないのか?
・・俺も常駐してるスレはここだけだけどさ。
良いの探すのも楽しいもんだぜ。
無い時は無い。
これは変わらない事実。
そして強請るのも余り宜しくない。
ねだるってゆすると同じ漢字であらわせるんだぜ
>>380 376に靴下とネクタイを没収された俺が言うのもなんだが
確かにそのとおりだね
職人さんも皆生活があるんだから急かすのも褒められた物ではないな
お前ら全裸待機もほどほどにな。
風邪をひいたら立つものも立たなくなっちゃうゼ!
…いや一年前ね、生まれてはじめて風邪で気絶しましてね…。
あれは冗談抜きできつかった…orz
そんなわけで投下いきます。途中で終わってるけど勘弁な。
才人が景品として王宮に連れ去られて四日目の朝。
トリステイン魔法学院の女子寮の一室では、制服姿のルイズが引き出しから何か細くて長いものを取り出していた。
「うふ。うふふふふふふふ…」
黒くて長いそれを、ふゅん、と鞭のようにしならせる。
そして、朗々と詠唱に入る。
最近、ルイズは一つ発見をした。
魔力というものは、充填しておけるのだ。
それを応用したのが、マジックアイテムを作る際に使われる、付与魔術である。
それは、虚無の魔力とて例外ではない。
普段、才人に対し振るわれるルイズの虚無も、実はそうした付与魔術によるものであった。
ただ、本人が自覚せずに魔力を充填していただけである。
黒く細く長い杖に、ルイズの虚無が充填される。
そう、今行っているこれは、彼女自身の意思に拠るもの。
その威力は、無意識に行われていた魔力の充填とは比べ物にならない。
普段の犬のお仕置き用エクスプロージョンを打ち上げ花火とするなら、今充填されている魔力は地震実験用のダイナマイト並みの威力があった。
「うふふふふふふ…。ふふ…」
ぱしぱしと放電していた杖が、元の様を取り戻していく。
魔力が消失したのではない。杖の中枢に、ルイズの虚無が納まったのだ。
それを確認したルイズは、その杖を、制服のスカートをたくし上げ、太股に巻かれたホルダーに刺す。
そこには既に、三本の杖が納まっていた。
そして、空のホルダーは右に二本、左に五本。
計十本の杖を、スカートの中に隠す事が可能だった。
そして。
引き出しの中には、残り八本の杖が。
「うふ。うふ。うふふふふ。ふふ…!」
嫉妬と独占欲を源とする彼女の魔力は、今、かつてないほどに膨れ上がっていた。
そう。
王都から聞こえてくる、『トリステインの盾』と『純白の女王』の噂を耳にして。
噂に曰く。
平民出の英雄が、トリステインの女王の結婚相手らしい。
公式の行事で、女王をエスコートする英雄を、何人もの貴族が目にしているのがその証拠。
そして、二人の仲を、枢機卿までが認めているということ。
「うふ。うふ。うふ。うふふふふふふふふふふふ!」
笑顔とは裏腹に、ルイズの声はドス黒く染まり、頬は歪に歪んでいた。
新しい杖に込められた虚無が、収束していく。
アルビオンの軍を退けたほどの虚無が、四本目の杖に充填された。
そこへ、黒髪のメイドがやってくる。
「ミス・ヴァリエール、ご注文の品、できましたよ♪」
そう言ったシエスタの満面の笑顔はしかし、全く笑っていないその目によって深遠の淵を思わせた。
彼女の持ってきたのは、大きなバスケット。
その中には、彼女の手料理が入っている。
「タルブ伝統の最悪の喰い合わせ…。
ヌメリ魚とホロの実の塩漬けです♪」
単体で食べればとても美味な二品だったが、同時に食すと、とんでもない腹痛と吐き気に襲われるという、タルブでは禁忌とされている組み合わせだった。
普通にこの二品を組み合わせて供する事はないが、方やメインも張れる脂の乗った魚、方や付け合せの漬物、といった体なので、ぱっと見普通に見える。
ルイズはその品をどうするつもりなのか。
「よくやったわシエスタ。
…きっと、女王陛下も満足なさるでしょうね…。ふふ、ふふふふふふふ…。
さあ、行くわよ王都へ」
「はい♪」
計略によって、愛する人を攫われた二人は、王都に向かうつもりだった。
才人を攫った本人…アンリエッタから、才人を取り戻すために。
その日、才人は謁見の間で女王の警護をしていた。
女王の今日の公務は、昼まで各地の貴族との謁見で、その後は書類整理のみで大した仕事は入っていない。
そして、今朝の女王の言葉。
『今日の公務が終わったら、この間の続きをしましょうね』
その言葉を励みに、才人は張り切っていた。
なんせ、この二日の間、さんざん焦らされていたのである。
今日こそ、アンリエッタをベッドの上で調理できるかと思うと、滾って仕方のない才人であった。
そんな風に、才人が若い情熱を滾らせていると。
「陛下。よろしいですか」
謁見の間は王宮全体の警備を任されているアニエスが、謁見の隙間を縫って女王の脇に立つ。
アニエスは女王の耳元で何事か囁く。
アンリエッタはアニエスの言葉に一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元の優しい笑顔に戻ると。
「分かりました。すぐに通してあげて。
ラ・フォルテ卿には、灌漑用水の件、できる限り支援する旨を伝えてお帰り頂いてください」
「は。委細承りました」
どうやら、大事な人物の謁見のようだ。最後に控えていた地方貴族の嘆願にGOサインを出し、女王はその来客を謁見の間に通すように言った。
アニエスが謁見の間から出て行くと、才人は傍らの女王に問うた。
「ずいぶん偉い人が来るみたいっすね?飛び入りの謁見を割り込ませるなんて」
才人の疑問に、アンリエッタはこれ以上ないほど嬉しそうな笑顔で、才人を見上げて言った。
「いいえ、偉くはないですわ。でも、女王直属の女官が火急の用件で謁見したいというものですから」
その言葉に、才人は固まった。
「え。まさか」
固まる才人を気にも留めず、アンリエッタは次の間に控えるその賓客を、呼んだ。
「お入りなさい。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
謁見の間の入り口に、桃色がかったブロンドの、背の低い少女が姿を現す。
貴族の証である家紋の入ったマントを羽織り、静々と謁見の間の中央に出る。
その後に、黒髪でメイド服姿の少女が手に大きなバスケットを持ち、続く。
才人は真っ青な顔で、口を『い』の形にしたまま、固まっていた。
謁見の間に現れたのは、言わずと知れた才人のご主人様とメイド。
ルイズとシエスタであった。
二人が何をしに来たのか、だいたい想像のついている才人は恐怖のあまりガクブルする。
逃げないと。俺死ぬ。コロサレル。
しかし、今は公務の真っ最中。しかも衆人環視の前である。才人は気丈にもその場に留まった。
恐怖で半分気絶しそうになっていたが。
そして。
桃色の魔王が、口を開く。
「女王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう。
本日は、陛下にお願いがあってまいりました」
あまりに完璧な所作で頭を垂れるルイズ。
アンリエッタはそんなルイズに満面の笑みで応える。
「言って御覧なさい。可能な限り、その願い聞き届けましょう」
女王の言葉に、ルイズは顔を上げる。
二人の視線が見事にかち合う。
その瞬間。
才人は、謁見の間に風速四十メートルの台風がやってきたのではないかと錯覚した。
二人の視線は、まさに死線となり、気の弱い人間なら射殺せるほどの殺気に満ちていた。
…人の使い魔に手ぇ出してタダですむと思うなよこのうんこわたあめ…!
…女王の覚悟、その平坦な胸で受けきれるかしら?脳髄まで桃色のルイズ・フランソワーズ?
視線だけで行われる死闘に、才人は呼吸すらままならなくなる。
二人のただならぬ雰囲気を察したのか、謁見の間の各所に控える近衛騎士たちが、剣の柄に手をかける。
しかし。
次の瞬間、二人の間に満ちていた殺気が、きれいさっぱり消えて失せた
ルイズは突然少女の顔に戻ると、ほ、と顔を赤らめ、アンリエッタに言った。
「いえ、その、あのう…この場では、少し、恥ずかしくて。
できれば、女王陛下のお部屋でお話したく」
「あら、乙女の相談事ですか?ルイズ・フランソワーズ?
わかりました、私のお部屋でお話を伺いましょう。
よろしいですかマザリーニ卿?」
まるで妹の相談事を受ける姉のような笑顔で、アンリエッタは傍らに控えるマザリーニに問うた。
その笑顔は慈愛に満ち、白の女王の名を関するに相応しいものだった。
表面上は。
マザリーニは女王に言う。
「…わかりました。書類の方は私のほうで処理しておきましょう」
今日の書類は主に王に対する嘆願書。内容の検分だけなら、マザリーニに任せても問題はない。
女王はマザリーニの言葉を聴くと、玉座を立つ。
そして、玉座の前で畏まるルイズに、手を差し伸べる。
「では、参りましょうかルイズ・フランソワーズ。
ふふ、どんな可愛らしいお願い事なのかしらね?ルイズ?」
「いやですわ女王陛下ってば」
二人はまるで無二の親友のように寄り添い、談笑しながら、謁見の間を出て行く。
その後ろに、シエスタが続いた。
三人が出て行く直前、マザリーニが胸をなでおろす才人の肩を叩いた。
無事に済んだ、と安堵していた才人に、マザリーニは言った。
「何をしている。お前も行くんだ」
「へ?」
「たとえ親友との会談とはいえ、お前は女王直轄の近衛だろう。
女王陛下が言われない限り、お傍を離れてはならんのだぞ」
え、マジッスカ、それ全力で修羅場フラグっすよ、王宮消えてなくなるっすよ、と才人は視線で訴えたが。
「何、心配するな。あのミス・ヴァリエールの様子だとお前と陛下の婚約を祝いにきたのだろうよ。
あのメイドの持っている荷物はさしずめ祝いの品か?いい主人を持ったな、シュヴァリエ・サイト」
全力で勘違いをしているマザリーニに、その視線に篭められたメッセージは伝わるはずもなく。
才人は泣きそうになりながら、かなり遅れて三人の後を追ったのだった。
そして。
先に三人の入った女王の寝室のドアを、才人はノックする。
『どうぞ』
アンリエッタの声が応え、才人は中に入る。
女王が眠るにはあまりに質素な寝室の中では。
ルイズとシエスタが床に仰向けに倒れていた。
よく見ると、ぐっすりと眠っている様子だ。
どうやら、争いごとになる前に女王が得意の水魔法で眠らせたらしい。
荒事にならずにほっと才人は胸を撫で下ろしたが。
すぐに気づく。
「どーするんすか。コレ二人起きたら王宮が消し飛びますよ」
「そうみたいですわね。この子ったら、こんなに虚無の魔力を充填した杖を準備してるみたいだし」
アンリエッタはそう言ってルイズのスカートをめくる。
白い飾り気のないショーツとともに、その太ももにくくりつけられた十本の杖が露になる。
アンリエッタはその杖をホルダーごと外してしまうと、鏡台の引き出しに仕舞い込む。
これで、引き出しを開けられない限りルイズの企みは意味を成さなくなった。
「それに、この『お土産』もとんでもない食わせ物ですし」
言ってアンリエッタはベッド脇の円卓の上に置かれたバスケットを開ける。
その中には、旨そうな匂いをたてる蒲焼の魚と、添え物として何か真っ赤な実の漬物。
アンリエッタは続ける。
「ヌメリ魚にホロの実の漬物。それぞれ、単品では非常に美味しい珍味ですわ。
でも、一緒に食べると酷くお腹を下してしまいます。
…私も、お料理についてはお勉強しましたからね。タルブ名物についても、かなり」
うなぎと梅干みたいなもんか、と才人は納得する。
そんな才人に、アンリエッタは悪戯っぽく言った。
「サイト様が私がお腹を下すところをご覧になりたいのなら、食べてもよろしいですけど。
どうされます?」
何を言い出すのかこのわたあめは。
「い、いいですよ!俺そんなへんたいさんじゃないっすよ!」
「あら。そうなんですか?そういうのもお好きなのじゃないかと。
…人前で裸でおしっこさせるようなお方ですし」
「…ひょっとしてアレまだ根に持ってる?」
才人の疑問に、アンリエッタは『うふふ、どうかしら』と誤魔化し、そして、続けた。
「さて。確かに起きたら暴れそうですわね、この子たち。
暴れられてもコトですから…サイト様?」
「何ですか?」
「少し、血をくださいな。私に、いーい考えがあります。
それにサイト様も、お預けされて溜まっておいででしょ?」
満面の、何か黒いものを湛えた女王の笑みに、才人は尋ねた。
「…何企んでるんですか」
「うふふ。いいコト。と〜っても、いいコトですわ…♪」
言って女王は二人のライバルを見下ろす。
その瞳は、淫靡に光り輝いていた。
GJですた。
流石に寒いので裸は無理です。
まさか自分の名前を登場させるとは……
なるほど梅→plum→杏子→木口→ホロなのね
GJ!!
せんたいさん乙です。
さて、現況報告ですが……前wikiの鯖からはいまだ連絡なし。
前回の移転先はwikiがうまく動かないようなので却下し、他の移転先を探しました。
ttp://vs7.f-t-s.com/~zerokan/ 動作テストの結果は良好。
広告が実写系ででかいけど、そこは勘弁してください。
数日様子をみて問題がなければこちらで……。
投下直後の割り込みで申し訳ない。
これはただの報告ということで、以下スルーしてSS感想をどうぞ。
せんたいさんGJ! wiki管理人様もご苦労様です
せんたいさん待ってたよー
というか文中にうんことか入れるから
あぼーんされちまって読めなかった!
せんたいさん、乙です!
なんかイヤなアイテムが出てきましたね…
ス○○ロは勘弁してくださいね
イヤ、マジで…
396 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 12:28:33 ID:IUvo6bcU
新Wikiの方、携帯だと文字化けするな
923SHにて
トップページは問題なく見れる
>>395 せんたいさんのレパートリーにスカがあるのはさんざ既出です。
出すときはちゃんと冒頭で警告されるので、
苦手ならそれ見て自分で回避しる。
398 :
X42:2008/11/13(木) 20:36:25 ID:C2qXa3ld
せんたいさんGJです。
これから投下するSSは、本来ドラゴン襲撃の翌日にする筈だった物です。しかし
ギーシュたちを強化する為、没にしたものです(訓練時間が少しでも欲しかった為)
ただ、頭の中で出せ出せと騒ぐので(SSには意思は無いけど)投下します。
没にしましたが、個人的には、こっちが好きですけどね。
399 :
X42:2008/11/13(木) 20:37:14 ID:C2qXa3ld
ドラゴン襲撃の翌日
才人達がドラゴン達を撃退した翌日の昼、魔法学院の正門前には、長い行列が出来ていた。
行列には、若い女性、老夫婦などの平民、傭兵が荷馬車にすし詰め状態で乗っていた。
彼等の目的は、無論昨日の御礼である。(但し、若い女性は別目的だが)
ハルケギニアでの移動は、現代日本とは、比べ物にならない程危険が大きい。
その為、若い女性や、老夫婦達は護衛を頼もうとした。しかし傭兵達も御礼に行こうと
していた為、目的が合致し一緒にやって来たのである。
「すいません、御礼に来たんです。中に入れてください」
「トリスタニアから来たんです。お願いします」
「お願いします…」「お願いします…」無数の声が響き渡る。
「駄目だ、許可の無い者は、入れられぬ。お前達が礼に来た事は、伝えるから帰りなさい」
「御礼は、直接言わなければ、おかしいわ」
「あんた達は、せいぜい教師に平民が礼を言いに来た。としか伝えないんだろ。私達は、
学院生、特に水精霊騎士隊に御礼がしたいだよ。いいからそこを退いてください」
「やめろ!私達が首になってしまうだろ」
だんだんと正門前は、騒然となって来た。
「わかった。今聞いてくるから待っていろ」
一人の衛兵がそう言って後ろを向いた瞬間、彼等は雪崩を打って学院内に押し寄せた。
この様子を本塔5階の学院長室からオールド・オスマンが見ていた。
「ふむ、こりゃいかんのう」
騒ぎを納めに階下に降りて行った。
中庭は、大騒ぎになっていた。
「水精霊騎士隊の方々は、どこですか?」
「モンモラシー様は、何処ですか?」
「学院生の皆さんは?」
彼等は、恩人を捜しまわった。
水精霊騎士隊は、今何処にいるのか?
それは、昨日馬鹿騒ぎをして、零戦格納庫兼騎士隊の溜まり場で酔い潰れていた。
400 :
X42:2008/11/13(木) 20:38:04 ID:C2qXa3ld
外の喧騒を聞きつけて、一人の隊員が扉を開けた。
すると大勢の人々が雪崩れ込んで来た。
「此方にいらしたんですね、水精霊騎士隊の皆さん」
「ギーシュ様」「レイナール様」「ギムリ様」「マリコルヌ様」
「うわっ」
「なんだ?」
「何事?」
「有難うございます。お陰さまで家の息子が救われました」
「家を修繕して頂き有難うございます」
「私をメイドとして雇ってください」
「私とお付き合いください」
「モンモランシー様は、どちらですか?」
「家の娘を嫁に貰って下せぇ」
矢継ぎ早に御礼やら質問やらお願いをされまくった。
「お、落ち着いてください。落ち着いて」
こういう状況で落ち着く人など殆どいない。
少年達は身の危険を感じ裏口や窓から逃げ出した。
「待って下さいー」
「お返事をー」
しかし、外も人で一杯だった。
「あちらにいらしたぞー」
「見つけましたわー」
はっきり言って逃げるのが困難な状況だった。
ギーシュが若い女性の一団に捕まり
「お付き合いください」
「専属メイドにして下さい」
「結婚して下さい」
そして、そんな時に限って現れるのが…
「ギーシュ、そんなに大勢の女性に囲まれてさぞうれしいでしょう」
401 :
X42:2008/11/13(木) 20:38:55 ID:C2qXa3ld
「モンモランシー、誤解だよ。…えっと皆さん、僕にはモンモランシーと言う心に決めた
女性がいるんです。申し訳ないが先程の申し込みは、全てご辞退申し上げます」
(くうー。こんなにモテるのはもう2度とないなー)
「えー、そんなー。でもモンモランシー様がお相手では、私では相手になりませんね。
残念ですが、お幸せに」
「レイナール様を探しましょ。後ギムリ様も」
女性達は、お目当ての隊員を捜しに散らばった。
「無理しちゃって。こんな事2度と無いわよ」
「そうだね、僕もそう思うよ。でも君を悲しませたくないからね」
「ギーシュ」
「モンモランシー様がいたぞー」
「こっちだ、こっち」
傭兵達が大勢集まった。
「有難うございます、モンモランシー様。貴女様のお陰で命拾いしました。本当に有難うございます。」
「有難うございます」
「有難うございます」
御礼の大合唱になった。
「もし宜しければ、お付き合いください」
「え?」
「出来れば結婚を前提に」
「抜け駆けするなー」
「ちょっと待って下さい。私、そう言うのは」
「逃げるぞ、モンモランシー」
ギーシュは、モンモランシーの手を握って逃げ出した。
傭兵達も二人を追いかけた。
普段鍛えてある傭兵達の方が足が速い。
追い付かれるのも時間の問題。
あくまで独り言だけどさ、投稿時以外はコテ外した方がいいと思うよ
403 :
X42:2008/11/13(木) 20:39:56 ID:C2qXa3ld
「ワルキューレ」
ギーシュは、7体の青銅ゴーレムを出した。
「彼等を足止めしろ」
しかし、ワルキューレ7体で足止め出来るのは、せいぜい10人位までだった。
30人以上はいる傭兵の足止めは、無理だった。
「ギーシュ、フライよ」
「分かった」
二人は、フライを唱え、その場を離れた。
「お待ちになって下せー」
後方で傭兵達が叫んでいる。
何時までも飛んでる訳には行かないので、振り切った所で近くにあった倉庫に
逃げ込む事にした。
「アンロック」
開錠して中に逃げ込む。
「ロック」
錠をして二人は、一息ついた。
「モンモランシーも、モテモテだね」
「あの人達は、私の趣味じゃないわよ。それよりギーシュ、さっき言った事、本当?」
「当たり前じゃないかね。もし君の事を何とも思ってないなら、あんな事言う必要
無いじゃないかね」
「ギーシュ」
「モンモランシー」
二人は、息が掛るくらい接近し、ギーシュがモンモランシーの顎を持ち上げた。
モンモランシーは、目を瞑った。
ギーシュは、徐に唇を重ね合わせた。
二人は、お互いの唇をなぞる様に動かし、舌を入れディープキスを始めた。
404 :
X42:2008/11/13(木) 20:40:51 ID:C2qXa3ld
今の状況をすっかり忘れ、唇を貪りあった。
そして、ギーシュの手がモンモランシーの胸を揉みだした。
B80(設定資料より)推定Bカップのモンモランシーの胸は、丁度手の平サイズ
であった。
揉んでいるうちに乳首が隆起して来た為、そこを集中的に刺激した。
やがてそれは、ブラウスの上からでもはっきり分かる程その姿を主張し、コリコリと
固くなって、モンモランシーに甘美な刺激を送り続けた。
ここぞとばかり、ギーシュは、モンモランシーのブラウスのボタンを外し始めた。
すると
[押すなよ]
[見えないぞ]
[早く脱がせよ]
囁く声が聞こえた。
二人は、慌てて離れた。
「誰だ、出て来たまえ」
「や、やあお二人さん、ご無事で何より」
マリコルヌ、ギムリ他3名の隊員が物陰から出て来た。
「あんた達、覗き見してたわね!!」
「ち、違うぞモンモランシー。僕達は此処に隠れていただけだ。ちゃんとロックも
掛っていただろう」
「確かにね。でも入って来た時、一声あっても良かったんじゃない?」
「慌てていたんだよ。何しろ外はあんな状況だからね」
「それに君達は、入ってすぐラブシーンを始めたじゃないか。とても声なんか掛けられる
雰囲気じゃ無かったんだよ」
「それにギーシュがボタンを外し始めたからさ、その先が…ぐむっ」
他の隊員が慌てて口をふさぐ。
「あんた達、やっぱり覗き見したいだけだったんじゃない!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴとモンモランシーの魔力が増大していく。
405 :
X42:2008/11/13(木) 20:41:34 ID:C2qXa3ld
「僕達は、ただ君の裸が見たかった。じゃなくて」
「男女の秘め事を見たかった。じゃなくて」
「今晩のオカズに。じゃなくて」
少年達は、才人の影響か「口にしてはいけない」事を連発した。
普通水メイジは、慈愛の精神に充ち溢れている。モンモランシーも例外ではないが、
彼女には、もう一面、ルイズ同様短気で、所謂魔神化するのである。
その上彼女は、昨日スクウェアメイジになっていた。
凄まじい魔力のオーラが周囲の景色を歪ませていた。
「あんた達、3回殺して3回生き返らせてあげるわ」
無論不可能な発言であるが、冗談には聞こえなかった。
モンモランシーが、詠唱を始めた。
少年達は、逃げ出そうとドアノブに手を掛ける。
勿論ロックが掛っているので開かない。
アンロックを掛ければ開くが、恐慌状態の彼等は、そんな事に気が回らない。
「早く開けろ、殺されるぞ!」
「開かないよー」
ガクガク震えながら、空しい努力を続ける。
呪文の詠唱が終わり…
「ウォーター・カノン!!」
消防車100台分の放水を軽く超える極太レーザーの如き水魔法が、彼等を壁ごと
50メイル程吹き飛ばした。
恐るべき乙女の怒りである。
「う…あっ…」
全員死んでいないが、虫の息であった。
モンモランシーは、彼等に治癒の魔法を掛けた。
少年達が気が付くと…
「あと2、3発お見舞いして上げようか?」
406 :
X42:2008/11/13(木) 20:42:07 ID:C2qXa3ld
少年達は、怯えながら逃げ出した。
「ギーシュ、ティファニアって記憶消去の呪文が使えるって言ってたわよね?」
「ああ、その通りだが、それが如何したんだい?」
「勿論、あいつ等の記憶を消してもらうのよ。あんな所見られた上に、乳首が立っている
所を見られたのよ。ギーシュは、あいつ等に覚えていてほしい訳?」
「そんな訳無いじゃないかね。モンモランシーの乳首を覚えていいのは、僕だけだ」
「あんたも一発欲しい?」
「君のあの一発は、御免被るが君には、僕の一発を差し上げたいね」
「あんた、こんな真昼間から良くそんな事言えるわね。全く呆れるわ」
「君は欲しくないのかい?」
「ま、まあ正直興味は、有るわね」
「ならば早速僕の部屋に行くとしよう。傭兵さん方もこっちに向かって来ているし」
「し、仕方ないわね。じゃあ行きましょ」
二人は、ギーシュの部屋に逃げ込み、しけこんだ。
さて逃げ出した少年達は…
「サイトといい、ギーシュといい、どうしてあんな恐ろしい女達を彼女にするんだ?」
「分からん。2人共いつも虐待を受けているんだがな」
「暫くはモンモランシーから逃げていた方がいいな。さっきの魔法食らったら次は死ぬ」
「ああ、その通りだな。それにしてもとんでもない威力の魔法だったな」
「スクウェアになったんだもんな。まだまだ余裕って感じだったし」
少年達は暫くモンモランシーに近づかない事を、心に固く決めたのであった。
魔法学院玄関付近
騒ぎを納める為、オールド・オスマンが現れた。
「皆さん、落ち着いてくだされ、此処は学び舎ですじゃ。皆さんのお気持ちも分かりますが、
こんなに大勢で押し掛けられては困りますゆえ、お引き取り願いますじゃ」
「オールド・オスマン、私をメイドとして雇ってください。お願いします」
「お願いします」
407 :
X42:2008/11/13(木) 20:43:02 ID:C2qXa3ld
「お願いします」
百人を超える若い女性達が、オールド・オスマンに懇願した。
「メイドになりたいとな、フムしかしメイドの手は不足しておらんでのう」
暫く考えて…
「おお、そうじゃ。この中で読み書きの出来るものは居るかの?」
数名の女性が手を挙げた。
「フム、10名程か。実は秘書がこの1年程居なくての、色々不自由しておったのじゃ。
出来れば有能な秘書が欲しいでのう、B85以上、W65未満、H85以上でおさわりグホ」
隣にいたミセス・シュヴルーズが見事なレバーブローで一撃で仕留めた。
「当学院では、人手は足りています。もし、この爺に貞操を奪われてもいいと言う剛の者
がいらしゃれば採用致しますが」
当然一人もいなかった。
「当学院の生徒が、国を救った事は誇りに思います。皆様の感謝の気持ちも嬉しく思います。
ですが此処には、皆様の働き口は御座いません。申し訳有りませんがお引き取り下さい」
しかし彼女達も、此処まですし詰めの荷馬車に4時間近く乗ってやって来ているので、
簡単に諦める訳には行かなかった。
「では、何方か個人のメイドとして雇ってください。それなら出来るんじゃ有りませんか?」
「それは私どもでは、決められません。生徒の親御様がお決めになることですので」
「では、シュヴァリエ・サイト様は?」
「既に王命による専属メイドが居ります」
「そんなー」
漸く諦めがついたのか荷馬車の方にすごすごと戻って行った。
尤も一部の人達は、学院生のポケットや服の隙間にラブレターをねじ込んでいた。
無論、既成事実を作って、玉の輿に乗る為である。
やがて、学院を訪れ大集団は引き上げていった。
何人かの胸の内に、
「早くいらして、私の虜にして差し上げますわ」
と腹黒い事を考えながら。
408 :
X42:2008/11/13(木) 20:52:08 ID:C2qXa3ld
>>402ご忠告有難う御座います。
ただ投稿が終わるまで待って欲しかったですが。
これは、X00-42-5辺りのものです。無論差し替えは出来ません。
其れでは失礼します。
文章に少々荒削りなところがあるけどGJだね
これからに期待
GJ
読んでないけど
GJ。長編になりそうですね
秋だなぁ
>>408 GJ
前後に地の文などを置いて説明を加えるでもなく、
ただ会話文だけを並べている部分がちょっと多すぎるね
その辺を修正したら、作品の内容がもっとわかりやすくなるかも
安心しろ。現行法の方がよっぽどやばいから。
というかどこそこに貼るの止めろよ新風支持者。
いいからヨソでやれ
久々に来たら保管庫が移転しててカウンタがリセットされてた。ショック。
アクセス数みてニヤニヤするのが趣味だったのにw
じゃあ、現行法上でどうしたらきゅいきゅいと結婚できるのかを考えてみよう
問題点は
1.種族
2.年齢
3.どうやって結婚式の間中服を着てもらえるように説得できるか
だ
>>418 アンリエッタへのアクセス数がルイズにあとちょっとで追いつきそうだったのを見て、ドキドキしていた俺。
どっちも13万だか14万だかで、差が二千しかなかったはず。
ちなみに保管庫への一日のアクセス数は二千〜五千。
421 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 21:31:55 ID:UbkIxk1G
>>414ここ見て初めてそんな糞法律ができかけてることを知りました。
こっちもできるだけ知らせますのでそっちもがんばって下さい。
>>419 裸で結婚式すればいいじゃない(但し新婦のみで)
>>Wiki管理人様
乙でした!
426 :
X42:2008/11/15(土) 00:17:40 ID:/ETkV+cU
管理人様へ
早速作成して頂き有難う御座います。
テストが終了次第、移動、更新等させて頂きます。
余りに早い対応なので驚きました。
>>426 前にも言われたと思うけど、投下するとき以外は名無しになってる方がいい
馴れ合いウザいなどと言われたいなら別だけど
>>426 あと管理人さんへの伝言は「雑談掲示板」の方が確実かも
続き楽しみにしています
>前にも言われたと思うけど、投下するとき以外は名無しになってる方がいい
この辺が、匿名掲示板とその他のネットツールの差だよな。
メール、SNS、IM、他にも色々あるけど、発言者が明らか
なのが普通だし、匿名の発言はマナー違反の騒音。
匿名掲示板では全く逆で、記名発言は「私信」扱いなので、
電車内の携帯電話みたいに白い目で見られる。
投下に対する反応に逐一レスをするのも同様に「私信」扱い。
HPや作品毎にスレッドがある掲示板とはマナーが違う。
レスしたければ、次の投下予告とかで軽く触れる程度が良い。
記名発言に慣れた人は注意が必要だ。
名無しが普通の環境でコテ使ってると自己主張と取られるからね
ニュー速とかVIPのコテって頭逝ってる奴多いからコテ自体にあまりいいイメージ持たない人も居るだろうし
ニックネームで呼び合うチャットで無記名だとそこでは無記名が異端だろう
個人的にはコテ付けて雑談してても気にならんが
いらぬ波風立たせる必要も無い
何が言いたいかわからなくなってきたので寝る
つまりアン様はわたあめだってことだ
そんなこと細かいこと気にするヤツいるのか?
このスレじゃみんな変態紳士だからどうでもいいんじゃね?
ようはアン様ビッチってことだ
ルイズ分が足りない
>432
荒れてからじゃ遅いだろ
不安要素は潰す方がいい
わたあめ?
ヒント:ぜんまいざむらい
アン様はかわいいよ、ビッチなんかじゃないよ
>>429-430 2chに来た頃「名無し」って人ばかり書きこんでる!と思ったのは懐かしい思い出w
逆に今だとコテに過剰反応してしまうけれど
それって単に目に馴染んだからじゃないかと思ったり思わなかったり
まあROMでも飛び込み書き込みしやすいのが、匿名の利点かな
>>422 乙です
ありがとうございます、超ニヤニヤ出来ます。愛してる
>>438 俺は初めの頃、毎回名前欄コピペしてたぜ。
オレは裏2chへ入るためのコピペや
SGのコピペを信じきって
メールを実際に発射してたぜw
そのころはWEBもよくわかったなかったし
苦々しい思い出だな・・・
半年ROMってたので余裕でした。
そういやサイトって2ch(のようなもの)やってたのかな
たしか、出会い系サイトに登録するとかしないとか言っていたから
多分やっていないと思うぞ
出会い系はやろうとするのに2ch(のようなもの)には手を出してないのかw
ノーパソ持ち歩くレベルなのに意外といえば意外なのか?
2ちゃんとか見たことも無いし解らんな
こういう誘い受けレス大嫌いなの忘れてた・・・。スルーしてくれ
>>444 修理上がりを受け取った帰りに召喚されたのであって、
普段から持ち歩いているのではなかったような。
うろ覚えだが。
最初の方忘れてるからそうだったかもしれない。
才人はきっとニコ厨。もしくはつべ厨。
2chとは敵対関係にあるんだよ!
そんな俺は最近シエスタが脳内で「盛るぜぇ〜。超盛るぜぇ〜」とか言い出したニコ厨。
はて、ここの掲示板の名前はなんだっただろうか。
それはともかく
>>384の続き投下。
終わってないけどね。
「起きてください、ミス!ミス・ヴァリエール!」
ルイズの目が覚めたのは、耳慣れたともだちの声によって。
「う、うう〜ん…」
女王の魔法による眠りの目覚めは重かった。
水魔法、『眠りの霧』による眠りとは、質が違っていた。
魔法によって眠り薬に変質した空気中の水分を吸い込ませ、眠りに誘うのが『眠りの霧』。
しかし女王のそれは違っていた。
相手に接触する必要はあったが、相手の血液の一部を直接眠り薬に変質させる事で、相手をより深く、一瞬で昏倒させる。
それが女王の『眠りの魔法』だった。
重い頭を振りながら、ルイズはキングサイズのベッドの上で目を醒ます。
周囲を見渡してみる。
そこは女王の寝室ではなかった。
まず目に付いたのは部屋の暗さ。
小さなランタン数個で照らされる部屋の中は、目を凝らさなければ部屋の隅の調度が見えないほど。
そして、その暗さを作っている原因。それは。
この部屋には窓がなかったのである。そもそも外界とこの部屋を隔てているのは一枚の古びた扉だけだった。
「ここ…どこ?」
「さあ…王宮内のどこかじゃないでしょうか」
ルイズの質問に、シエスタの回答は要領をえない。
それもそうだ。彼女も、目が覚めたらここにいたのだ。
しかも、二人は普通の格好ではない。
二人とも、揃いの白いスケスケのネグリジェに着替えさせられ、やたら面積の小さなショーツを履いて、ベッドの上に寝かされていたのである。
それをした犯人はただ一人。
二人に魔法をかけ、眠らせたメイジ。
「あんのクソわたあめ…!何企んでるのよ…!」
悔しそうにそう吐き捨てるルイズを、シエスタは見つめる。
二人の脳裏には同じ名前と容姿が浮かんでいた。
アンリエッタ女王。
「そんなクソわたあめなんて…せめて腹黒女王にしてあげましょうよ」
さらりとそう言ってのけるシエスタ。
二人の言の葉に、国王に対する忠誠心は欠片もない。
あるのはただ、自分達に罠を仕掛けた恋敵に対する怨嗟のみ。
「…あんまりな物言いですわね・・・」
その言葉と同時に、古びた扉が音を立てて開く。
そこに居たのは。
二人によく似た白い薄絹を身に纏う、トリステインの白き女王。
アンリエッタだった。
即座にルイズがベッドから飛び降り、アンリエッタに詰め寄る。
「また今度は何を企んでるのよ!サイトを返しなさいよ!」
女王の胸倉をひっつかみ、才人を返せと訴える。
しかし女王はどんなに詰め寄られても薄ら笑いを浮かべたままだ。
そんな二人に、シエスタが近寄ってくる。
「ダメですよミス。ちゃんと首を絞めないと。ね?」
にっこり笑ってさらりととんでもない事を言い放つシエスタ。
どうやらシエスタも相当おかんむりのようである。
「何も、企んではいません。ただ少し…お二人に協力していただきたくて」
ルイズに胸倉を捕まれたまま、アンリエッタはいけしゃあしゃあとそう言ってのける。
「あによ!アンタのする事になんかこれっぽちも協力する気なんかないわよ!」
貴族とは思えない台詞を仕えるべき王に向かって吐くルイズ。
アンリエッタはようやく、ルイズの腕を振りほどく。
「コレを見ても…そんな事が言えます?」
そう言ってアンリエッタは開いた扉の外に向かって手招きをする。
すると。
そこから、上半身裸の、簡素な茶色いズボンだけを履いた、黒髪の少年が現れた。
「サイトっ?」
「サイトさん!?」
二人は驚いた。
まさか、女王がこんな素直に才人を返すとは。
だがしかし。
アンリエッタははなっから才人を返すつもりはなかったのである。
次の瞬間、二人の目が点になった。
「協力していただきたいこと、というのはですね」
女王の言葉に合せるように。
『二人目の』才人が部屋に入ってきた。
「え?サイトさんが二人?」
驚くシエスタにアンリエッタは続ける。
「実はちょっと…スキルニルの取り扱いを誤りまして…」
続けた女王の言葉に合せ、三人目、四人目が現れる。
そして。
合計五人の才人が、その部屋に勢ぞろいした。
「ほんとはね?二人に増やすつもりだったんです。
でもちょっと手元が狂って、箱に入れておいた全部にサイト様の血がかかっちゃって…えへ」
可愛らしく舌をぺろ、と出して誤魔化すアンリエッタ。
その仕草はその年齢相応に愛らしかった。
魔法人形、スキルニル。血を吸った相手と寸分違わぬ姿に化けられるその魔法人形を、アンリエッタはちょっとアブノーマルなプレイに使うつもりだったのである。
「なにやってんのよ…」
呆れたようにそう言うルイズ。
だが彼女は肝心な事に気付いていない。
それに気付いたのはシエスタだった。
「あ、あのーう…?サイトさんの目がものすごっくヤバげなカンジなんですけども」
スキルニルは化けた相手の状態をコピーし、支配したメイジの命令を忠実に守る。
その才人に化けたスキルニル達は、目の前のあられもない格好の少女達に、発情した視線を送り、息を荒げていた。
ぶっちゃけ発情犬モードであった。
「本当は私のほうで制御できるはずなんですけども…ちょっと、なんていうか、おあずけしすぎたみたいで…。
ぜっんぜんいう事きいてくれないんです」
才人はさんざんアンリエッタにおあずけを喰ったせいで溜まりに溜まっていた。
その滾る青い情熱が、アンリエッタの支配を跳ね除けたのである。
さすがは伝説のガンダールヴ。
「今も、その、襲われそうになって…。
二人連れてくるからガマンしてって言って納めてもらうのがやっとで…」
よく見ると五人とも、限界までフル勃起である。
今にも襲い掛かってきそうな五人の才人のうち一人が言った。
「い、いやまあ流石に俺も五対一とかってなんか集団レイプみたいでイヤだからさ。
と、とりあえず二人加わればなんとかなるかなぁって」
言いながらもその息は荒い。
正直、目の前の三種類の肌も露な薄着の女の子達に、理性を保つのがやっとであった。
「まあ、そういうわけですから。
お二人とも、お好きな数のサイト様のお相手をして頂きたいんですけど」
困ったような顔で、アンリエッタは改めて二人にお願いをする。
何この展開。
半分呆れて話を聞いていたルイズだったが、ちょっと考えてみた。
…複数のサイトにめちゃめちゃにされるのかぁ…。
きっと、発情した才人はルイズの身体中の穴という穴を犯し、入りきれないほどの精液をルイズにぶちまけるだろう。
…ちょ、ちょっといいかも。
ちょっと考えた結果、ルイズはアンリエッタの提案に乗ることにする。
「しょ、しょうがないわね。乗ってあげるわよ」
「え、み、ミス・ヴァリエール?本気ですかっ?」
「な、なによ、しょうがないでしょ?だ、駄犬が増えちゃったんだもの、ほっとくと何人の女の子が襲われるかわかったもんじゃないわ」
真っ赤な顔でそう言いながら、ルイズは自分に言い訳する。
そうよ。犬の性欲処理をしないと、またどっから女ひっぱってくるかわかんないんだし…!
それまで渋っていたシエスタも、そんなルイズの態度に女王の提案の肯定に傾く。
「ミス・ヴァリエールがそうおっしゃるんなら…」
「でしょ?しょうがないでしょ?増えちゃったんだし!あのバカチンポどうにかしないとなんだし!」
「…なんか言い訳くさいですミス・ヴァリエール」
二人のそんな掛け合いを見守っていたアンリエッタが、不意にぱん、と拍手を打つ。
「はいそのへんで。
そろそろサイトさまが限界くさいので、お相手していただける人数を仰って」
そのアンリエッタの後ろでは、既に吐息のかかる距離まで才人たちが接近していた。
耳元で聞こえるはぁはぁという獣じみた声に、アンリエッタの美麗な眉がひくついていた。
二人はごく、と息を呑んで、そして見つめあう。
そして。
せーの、で息を合わせ、同時に言った。
「せ、せっかくですから。お一人頂きますっ」
「しょ、しょうがなわよね。さ、さんに…ってえ?シエスタ一人なのっ?」
てっきり二・三で二人占めにして、とか思っていたルイズだったのだが。
「…あのぅ、ミス?さすがに三人は欲張りすぎですよ」
「…ルイズ。さすがの私も引いたわ。三人同時とかどんだけへんたいさんなのあなた」
「え、ちょっと待って?いやいまの自然な流れじゃないのっ?」
慌てるルイズに、二人は呆れたような視線を送ると、両端の二人の才人の手を引いて、いそいそとベッドに向かった。
「ちょっ、なによ、せっかく増えたんじゃないのっ。
こら、二人とも話きけっての、誰がへんたいさんだ、待って、言い訳させてっ」
あわあわと腕を振って慌てるルイズだったが。
そのルイズの腕を、二人の才人ががっしりと掴んだ。
そして、余った一人がルイズの顎をつまみ、その瞳を覗き込んだ。
それだけで、ルイズの目がとろんと夢心地になる。
心臓がとくんとくんと早鐘のように鳴り出し、今から訪れる背徳の瞬間に文字通り胸が躍る。
あ、やば、私、メチャクチャ期待してる…かも…。
「それじゃあ、ルイズ」
「あ、あによ」
才人の言葉に、ついいつもの調子で応えてしまうルイズ。
そんなルイズに、才人は彼女の期待通りの言葉をかけたのだった。
「メチャクチャにしてやるよ、望み通り」
つきゅん。
ルイズの心臓に、背徳と言う名のマイナスの電流が流れた。
「ば、ばか、そんなメチャクチャにしろって言ってな、あ、こら脱がすな、や、耳だめ両方からとかだめぇ!」
一応抵抗はしてみせるものの。
ほとんど手間を取らさずにルイズは全裸にされ、床の上に押し倒されたのだった。
ここまで。
エロパート以降は後日追加予定だじょ。
期待せずに待て。ノシ
>>454 お疲れ様です
無理はなさらずに、ごゆるりと…
ノシ
リアルタイムGJ!
住民はさんざんせんたいさんにおあずけを喰ったせいで溜まりに溜まっているんですが www
また作中に自分の名前を出すとは…GJ
とある台詞で某MIDIの人の同人を思い出したのは内緒
お前は俺か
思い出すも何もまんまじゃんw
460 :
X42:2008/11/17(月) 08:10:24 ID:qjkgGRUh
これから単発物のSSを投下します。
あと35-399も単発物です。
このSSは、15巻を最初に見た時に?と思った事を妄想を加えて書いた物です。
結婚式イベントは、X00−42シリーズの方で書きますので割愛させて頂きます。
461 :
X42:2008/11/17(月) 08:11:23 ID:qjkgGRUh
虎街道終了後の聖ルティア聖堂
今、この聖堂には、教皇を始めとするロマリア首脳部他アンリエッタとティファニア、
アニエスがいる。
そこに、竜に乗っていち早く戦場から戻って来たジュリオが、教皇に報告にやって来た。
「聖下、聖戦の初戦我が軍の勝利で御座います。両用艦隊は撤退、騎士人形部隊は、
サイトの活躍により全滅、しかしながらミョズニトニルンの捕縛は成りませんでした」
「えっ?」
アンリエッタとティファニアは、驚きの余り声を発した。
教皇は、報告を聞いて笑みを浮かべながら
「分かりました。それでは兵の労いに参りましょう。それから夕餉の後、今後の聖戦の
軍事会議を行う事を各部隊長以上に申し伝えて下さい」
「畏まりました」
「お待ちください」
退室しようとするジュリオをアンリエッタが呼び止めた。
「今、サイトの活躍、と申しませんでしたか?」
ジュリオは、アンリエッタの方に向き直って
「はい、確かに」
アンリエッタは、驚きと困惑と喜びの入り混じった表情で尋ねた。
「聖下、サイト殿は元の世界に帰ったのではないのですか?聖下は、はっきりと彼の故郷
に帰したと仰ったでは有りませんか」
教皇は顔色一つ変えずに答えた。
「申し訳有りません。私の説明不足、怠慢でしたね。彼には、世界扉を開き、元の世界に
帰るか、こちらに留まるか選択して頂いたのです。結果彼は、自分の意思で留まる事を
決意なさったのです」
アンリエッタに怒りがこみ上げて来ていた。
「なぜそのような選択をさせたのです?彼はこの世界の人間ではないのですよ。
元の世界に帰るのが道理の筈」
やはり教皇は顔色一つ変えず答えた。
「アンリエッタ殿の仰る通りですね。ですが、我々の悲願成就の為には、彼の持つ『力』
が絶対必要なのです」
462 :
X42:2008/11/17(月) 08:12:20 ID:qjkgGRUh
「それならば彼が帰った後、ルイズに新しく召喚して貰えば良いではないですか!」
アンリエッタの言葉が批判の色を帯びていく。
教皇は事もなげに言った。
「では、アンリエッタ殿は彼に死んで欲しいのですか?」
「なっ!」
アンリエッタは、絶句した。
「使い魔を新たに召喚するには、今の使い魔が死んでいなければなりません。異世界に
帰っただけでは、出来ないのです」
教皇の言葉に全く温かみが無かった。
アンリエッタは、気付いた。教皇達は、もしサイトが元の世界に帰ろうとしたら
殺すつもりでいた事を。数日前教皇は、「理想の為には手段を選ばない」と言っていた。
心情はおろか、人の命さえも駒として扱える事を。
「聖下、貴方は本当に恐ろしい方ですわ。とてもでは有りませんが、私のような愚かな
女王では、全く付いていけませぬ」
「又しても過分なお褒めの言葉を頂き、光栄に存じます」
教皇は、優雅な礼をよこした。
「すいません。サイトは後どの位で帰ってきますか?」
今まで蚊帳の外だったティファニアがジュリオに尋ねた。
「あと15から20分程かと。彼は『戦車』と言う鉄の箱に乗っているのですぐ分かる
筈ですよ」
ジュリオは、笑みを浮かべながら話した。
それを聞いたティファニアとアンリエッタは、駆け足で部屋を出て行った。
その後にアニエスが続く。
「聖下、女王陛下とティファニア嬢は、報告以上にサイトに思いを寄せている
みたいですね」
ジュリオは、笑みを絶やさず話した。
463 :
X42:2008/11/17(月) 08:13:20 ID:qjkgGRUh
「その様ですね。実に思惑通りです。タキシードと花嫁衣装4着準備出来ていますか?」
「勿論で御座います」
「では、兵を労う傍ら重婚の道筋をつけに参りましょう」
そう言って教皇とジュリオは、部屋を出て行った。
才人達は、タイガー戦車でアクイレイアの郊外までやって来た。
そのまま街には入らず、コルベールは、戦車を止めた。
「如何して街に入らないんです?先生」
不思議に思った才人がコルベールに聞いた。
「この戦車は、重すぎる。このまま何の準備もしないで街に入ったら、石畳の道と戦車の
『キャタピラ』だったかな?両方とも駄目になってしまうからね」
タイガー戦車の重量は、55トンを超える。無論ハルケギニアには、そんな重い車は、
存在しない。せいぜい大型の荷馬車程度しかない。(一部に竜が牽引する物も存在)
それ故、タイガー戦車で街に入ったりしたら、あっという間に道路が傷んでしまう。
又、タイガー戦車のキャタピラも信頼性が乏しく、少しでも無理をするとすぐ悲鳴を
上げてしまう。
「仕方ないすっね。それじゃ此処で降りましょう」
才人がハッチを開け顔を外に出すと、沢山の野次馬がタイガー戦車目指して歩いて来た。
「物好きだな。まっ、ハルケギニアには戦車なんか無いしな」
ハッチから外に出て、再び野次馬の方を見ると、3人の女性が走ってくるのが見えた。
一番前が、この世の物とは思えない胸を揺らしながら巫女姿をしている…テファだ。
次がこれでもか、という高貴なオーラを発している…姫様だ。
その後ろ影のようにぴったりと付いてくる…アニエスさんしかいないよな。
「如何したんだろ?わざわざ迎えに来なくてもいいのに」
才人が戦車から飛び降りるとティファニアが抱きついてきた。
「おい!テファ、どうしたんだよ?!」
ティファニアは、泣いていた。
「テファ、何かあったのか?」
ティファニアは、徐に顔を上げ、唇を重ね合わせた。
464 :
X42:2008/11/17(月) 08:14:14 ID:qjkgGRUh
「??????!!!!!!」
才人は、混乱した。
何の前触れもなく、いきなりティファニアにキスをされるとは、思わなかったからだ。
野次馬が大勢いた事を思い出し、ティファニアの肩を掴んで引き離そうとする。
しかしティファニアは、才人の首に手を回し離れないようにする。
ティファニアの胸革命が押し付けられ、股間の息子が急成長する。
ルイズがハッチから外に出て、2人がキスしているのを見て、大激怒した。
「ちょっとあんた達、公衆の面前でなんて事してんのよ!!」
戦車から飛び降り才人にお仕置きしようとするが、股間攻撃はティファニアまで攻撃
してしまう可能性が有ったので、杖で才人のお尻を攻撃した。
「この犬ってば、この犬てっば年がら年中サカリまくって!」
ビシッ、ビシッ才人のお尻を叩く。
「おやめなさい、ルイズ」
アンリエッタがルイズを止めた。
「でも姫様、サイトがテファとキスしているんですよ。主人として教育しませんと」
その言葉を聞き、アンリエッタは驚いた。
「ルイズ、貴女サイト殿の記憶消したのでは有りませんか?思い出したのですか?」
ルイズは、恥ずかしそうに答えた。
「実は、サイトにキスをされたらサイトの記憶が流れ込んで来たんです。そしたら欠落
した部分がきれいに埋まったんです」
「記憶が流れ込む?そんな事が有るのですか。其れでは全て思い出したのですね?」
「はい、そうです。姫様」
ルイズは、はにかみながら答えた。
ティファニアが才人から唇を離し、ルイズの方に向き直り。
「ごめんね、ルイズ。辛い思いをさせて」
465 :
X42:2008/11/17(月) 08:15:13 ID:qjkgGRUh
ルイズもティファニアの方に向き直り。
「いいのよ。私が無理言って頼んだんだし、貴女は少しも悪くないわ。そんな事より
テファ、貴女如何してサイトにキスしたの?それに貴女らしくないわよ、こんな大勢の
前でするなんて、貴女の性格じゃ考えられないわ!」
嫉妬を多分に含んだ声で問い詰めた。
ティファニアは、一度俯いた後、顔を上げルイズを見つめた。其の目には強い光が
宿っていた。
「ごめんなさい、ルイズ。私自分の気持ちに気付いたの。『サイトが好き』だって。
多分始めて逢った頃から。貴女がサイトを元の世界に帰したと聞いた後『帰れて
良かったね』という気持ちと、とても寂しい気持ちになったの。そう、心に穴が空いた
ような。そしてサイトが帰らずに此方にいると聞いた時、とても嬉しかった。此処に
来てサイトの顔を見た時、もう抑えが利かなくなったの」
「ま、まあ、あんたの気持ちは、予想は付いていたわ。2カ月近くも一緒に住んで
いたんですものね」
ルイズは、ティファニアの告白を聞き、驚きながらも平静を装った。
そして、ルイズと一緒にティファニアの告白を聞いたアンリエッタは、才人に近付いた。
近付いてくるアンリエッタを見て才人は、あせった。以前見せていた甘えるような
熱っぽいような目をしていたからだ。
ヤバイ、絶対ヤバイと思った才人は、その場を離れようとした。しかしその背に
ちくりと刺さるものが有った。振り向くとアニエスが剣を才人の背中に刺していた。
「女王陛下に恥をかかせる様な事をすれば、このまま貴様の心臓を貫く」
目がマジだった。少しでも動けば躊躇なく実行する。そう確信出来るほどに。
「アニエスさん、この場合姫様を止めた方が…」
無駄な抵抗と知りつつ才人は言った。
「生憎私は、野暮天ではないのでな、陛下がお決めになった事を邪魔するつもりはない。
そして邪魔するものは、この剣で成敗する」
やはり無駄だった。
466 :
X42:2008/11/17(月) 08:16:18 ID:qjkgGRUh
そうこうしているうちに、目の前にアンリエッタがやって来た。
逃げたい、でも逃げられない。そんな状況の中、アンリエッタは、素早く才人の首に
手を回し、唇を重ね合わせて来た。周囲にはロマリアをはじめハルケギニア各地の
人々がいた。もちろんトリステインも。
無論アンリエッタも周囲の状況は、理解している。
にも拘らず、アンリエッタは、己の衝動に身を任せた。
ルイズは、2人を引き離そうと思った。しかしアニエスから発する殺気で、身動き
出来ないでいた。
1分程してアンリエッタは、唇を離した。
「姫様、一体如何したんです?『もう女王の顔しか見せませぬ』って言った
じゃないですか」
アンリエッタは、目を潤ませながら言った。
「確かに。ですが、私もティファニアと同じ気持ちだったのです。ルイズごめんなさい
私は、本気に成ってしまいました。もうこの気持ちを止められぬのです」
「姫様…」
ルイズは、二の句が告げられなかった。スレイプニィルの舞踏会の後、手を出すならば
相応の覚悟を持って臨むと言った事を思い出した。そして実際に臨んで来た。
そして自分は、鍵を掛けるのも出すのも姫様の自由と言った事を。
そして2人が離れると、今度はタバサが戦車から才人に飛び付きキスをした。
「んなっ!」
暫くすると唇を離し、こう言った。
「私は彼に全てを捧げている。私の全てが彼の物」
ルイズは、怒った。
「キスした理由になって無いじゃない!」
「訂正。嫉妬」
467 :
X42:2008/11/17(月) 08:17:02 ID:qjkgGRUh
タバサは、無表情で答えた。
(やっぱりこのちびっ子てばサイトに気が有ったのね。どうしてサイトは、次から次と
女を落していくのかしら?それも王族ばかり[メイドもいるけど]このままじゃ不味いわ
全員強敵過ぎる!)
そこに教皇とジュリオがやって来た。
「やあ、サイト、君は凄いね。王族のハーレムを築き上げるとは」
「失礼ですよ、ジュリオ」
教皇が窘めた。
「サイト殿、此度の勲功に教皇として重婚の許可を与えます。そうすれば何方も悲しい
思いをしなくて済むでしょう」
「いいんですか?そんな事して」
才人は、困惑しながら言った。
「勿論です。しかしながら本日聖戦を発動しました。聖戦終了まで結婚を延ばされたら
何時になるか分かりません。ですので明日、聖堂で結婚式を執り行います」
教皇は唐突に宣言した。
「ちょっと待って下さい。幾らなんでも急すぎますよ。特に姫様は、女王ですから
国のお歴々と相談しなければいけないんじゃないですか?」
才人の言っている事は正しい。が。
「確かにそうですね。しかしゆっくりしている余裕は無いのですよ。明後日には、兵を
纏めてガリアに攻め込みますので」
つまり明日以外無いという訳だった。
「サイト殿の懸案を取り除く為に私が結婚式の神官を務めましょう。これならば誰も文句
は、仰らないでしょう」
教皇は、自らの権威を利用して反対意見を封じる手を打って来た。反対すれば異端
と成っては、誰も文句は言えない。
「でも、婚礼衣装とか如何するんです?」
「ご心配には及びません。我が国の花嫁衣装は、花嫁の体型に自動的に合う魔法の衣装
ですので」
「すいません。一番肝心な事を忘れていました。皆の気持ち聞いてませんけど」
才人は、最後の望みを託して言った。
「確かに。ではお尋ねいたします。サイト殿と結婚したく無い方は、挙手願います」
誰も挙げなかった。
「では、明日10時から執り行います。詳細はジュリオから伺ってください」
そう言って教皇は、戻って行った。
― FIN ―
468 :
X42:2008/11/17(月) 08:27:29 ID:qjkgGRUh
このSS自体はこれで終わりです。
あと単発物のSSでせんたいさんのオリジナルキャラのタニアのSSが頭の中
に有ります。もしせんたいさんが許可してくだされば書きたいですね。
個人的にタニアというキャラ好きなので。
失礼かもしれませんが返答お待ちしています。
乙。GJ。
つか、貴女もタニア萌えだったのですかっ。同志を見つけたようにうれしいが嫉妬してしまう。
|┃ _/,'  ̄  ̄ 9{_
|┃三 {゚>‐一 ¬ ̄ ̄`ヽ、 j. \
|┃ / / { \ { ヽ
|┃ / ヽ { ヽ、 \ l ヽ〉. i
|┃ / ∧ l__\ 代ー 、ヽ | |
|┃ { { X´l ヽ\} \_ヽ | l
|┃三 ヽ \∨ ヽ __ | !
|┃ \小. ィ= ´ ̄ ` l ,′ 乙ですわ
|┃三 l } ' ,' /
|┃ |:八 ヽ _フ / /
|┃三 l 个 、 ィ/ /
|┃ l / _>r 'チー/ / _
|┃三 ! !/ } │ / , <_ _, イ´/ ヽ
|┃ /\/ヽ { __ノ/⌒ヽ./ / /7'´ / l
|┃ / \ハl ∧_ノ X /{ ヽヽ __j
|┃ ガラッ ヽ _// / / / l / ノ / ∨〃
|┃ r'  ̄// / { ,/ │ / { /ヽノ ∨
|┃ ヽ /// V | / } ヽ l
三 |┃┃
|┃┃
∧∧ |┃┃
三 ( ;) |┃┃ピシャッ!
/ ⊃|┃┃
>>468 X42氏乙です。
タニアの件ですが好きにしていただいて結構です。
あ、お兄さんタニアが女王様のどSプレイきぼんぬです(何
>>457 詳細plz
ISK御大ですよね?商業では追ってるけど、あの人の同人ゼロ魔の一冊しかもってないのですよ。
ルイズはあんまし似てないけど、アン様とテファとシエシエのぽよよんっぷりがお兄さん的にツボなのです。
コミケなど無縁な上同人ショップも近くにないもんで…。
ゼロ魔の二冊目とかあるなら通販でも買いたいっす…。
んでは私信はこのへんにて。続き書いてきまノシ
そこでの話題・議題は持ち出さなくていいよ。
なんや、知らない内に相当深刻な問題になってたんだな
職人の皆様はどの人も素晴らしいんだし、争わないでくれよ
まだやってたのか・・・
議論は向こうでやってね
こんなこといっちゃあ何だがネット上の事で何言ってんのって感じなんだよな。
無論良くしたいというのは分かるんだが神経質すぎるというかなんと言うか……
ここですべきじゃないね、スマソ
仕方ないねという許容の心
>>482 大人として振舞うのは匿名掲示板だからこそ場合によっては難しいんだろうな
まあ、俺が他人事みたいのを言う資格はないかもしれんが
そんなことよりこのスレでゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲を
買った奴っているの?
買ったよ
とりあえず。カトレア&エレオノールはクリアした
>>483 正直、期待外れだった。ギャルゲ板のスレも今回は全然書き込みなくて盛下がってる。
キャラ個別√はいいんだが共通の本のシナリオと売りのツンデレイベント酷すぎる…エロパロスレの職人達にシナリオ書かせた方がずっとマシになるぐらいだね。
>>470-471 声出してワロタwww
>>474 最近タイミング逃してばかりであまり感想つけられませんでしたが、いつも楽しみにしています。
最新シリーズの「ぼくらの7日間戦争」では、本番なしの焦らし上手なアン様が最高です。
今までのせんたいさんの作品では割と簡単に本番まで行くことが多かったように思いますが、
7日間戦争の本番なしの方がかえって隠微なエロさがあって、せんたいさんの新境地を見た思いです。
488 :
ボルボX:2008/11/19(水) 00:18:20 ID:7EHlY/l6
ひさびさに投下させていただきます。最終章の二話です。途中までですが。
構成のねりなおしやら何やらに手間取っていました。最終章、ちょっと長くなりそうなので。
トリステインにおいてワインの乱が拡大しているとき、大河近辺の混乱する地域で起こった無数の出来事のなかのひとつ――
館の隣をながれる小川のほとりには、黄色い花と青々とした草が生命力にみちて生いしげり、水車は悠然と休みなくまわりつづけている。
初夏のトリステインには珍しくもない田園地帯の風景だった。時間は日がかたむいて牛馬も畜舎にもどるころあい。
その館の庭である。領主は鼻血をだらだら流しながらよろめいて起き上がり、長男をつれてきた家臣数名を憎悪の目で見つめた。
なぜならかれにとって、その息子以上に危険な敵はいなかったから。
兵たちがうろたえ騒ぐなか、領主へ向けられた長男の声が、館のこぢんまりした庭にひびく。
その皮肉る声の調子といえば、初夏というのに、畜舎横のナナカマドの枝に樹氷がつくかと思われるほど冷然としていた。
「お父上さまよ、幽閉してくれてありがとうよ。
おかげで貴重な青春を四年も浪費しちまったよ。時間を無駄にすごせるってのは最高のぜいたくだな」
その男の手甲には、父親つまり領主の鼻血がついている。
かれは館づきの白い礼拝堂のかたわらに立ち、美々しい騎士の鎧を着ていたが、領主にとってその姿は不吉きわまる災厄の権化と見えていた。
長男の眉の下からは、家内での対立のすえ次男をあとつぎに指名して自分を幽閉した父にたいする悪念が、毒々しい眼光となってもれ出している。
数年ぶりに甲冑をまとったはずなのに、幽閉中も鍛えていたのか動きはおとろえていない。
上背のある長男が数歩、歩みよってくる。若々しい足取りに、老いかけた領主はぎくりと後ずさった。
ともに鎧を着こみ、ともにこれまでほとんど使ったことのない剣をさげていたが……打ち合って勝てる気はまったくしなかった。
(魔法を使えれば、この場でこいつをまた塔に叩きこ……いや、いっそ殺してしまえるのに)
領主は数十名の兵をあつめて出陣の用意をととのえ、いままで館で弟を待っていたのである。
かれの弟は、地方領主の持ちものとしては珍しい空戦用の幻獣騎士隊の手勢をひきいて参加するはずだった。
だが弟が来るまえに、一生顔を見ないですむはずだったこの幽閉した長男が、出陣反対派の家臣団をしたがえてやってきたのである。
そしてあいさつがわりに庭で拳をあびたのだった。
「領主だからって、愚行をやろうとして意見をごり押ししたらこうなるってことだな、わが父よ。
かならず負けるときまった戦いを当主がはじめちゃいかんだろ。そりゃこいつらも俺をかつぎだしたくなるさ」
幽閉していた塔から長男をときはなった家臣たちは、その背後で暗い面をじっとうつむけて押し黙っている。
鎧を着こんだ父子二人は、対峙し、にらみあった。
が、すぐに領主は骨のくだけた鼻をおさえて体を折り、せきこむ。のどに逆流した血が気管に入りかけたのである。せきとともに、折れた歯が口から飛びだした。
息苦しさと激痛で、冷静な思考はすっかり消えていた。それでも領主は、声を血でにごらせながら赤いつばを飛ばして怒号をはなった。
「河川都市連合の平民どもは、わが領地を侵したのだ! 兵をひきいて出陣するのは、領主のつとめだ!
すでにセリクール伯爵、バッス子爵らこの近隣の貴族たちは丘で合流した。わが家も早くはせ参じねばならぬ、遅れればそれだけ諸侯軍内で軽んじられる……
きさまを連れてきたそこの逆臣どもがなんと言おうとそれは明らかだ! きさまなどが関わることではない!」
「セリクール家もバッス家もこれで破滅するだろうよ。
あんたの言う合流ずみの貴族の軍は、あわせて今まだやっと四百かそんなもんだ。『市民軍』となのる反乱軍は五千の軍をすぐさま切り返して、目をむくスピードで向かってきているぜ。
俺ならぜったい出陣しない。死人の軍で重んじられるよりは、館でゆっくりキノコをつめたあぶりウズラでも賞味しとくほうが魅力的だね」
「ば、馬鹿かきさまは、貴族とはさまざまな義務を負い、家門の面子を守るものであり……
だいたい反乱軍をほうっておけば攻められないと思っているのか! ここで戦わねばどのみち館を囲まれるのだぞ!
……もういい、いまさらきさまなどと話す意味はない。兵ども、こいつを拘束しろ!」
ふりむいて叫ぶ領主に、あわてて応えようとその手勢がうごき……そこで長男を連れてきた家臣のひとりが合図した。
長男の後ろにならんだ兵たちから、領主の手勢の兵にむけて、発射準備の完了している火縄銃およびマスケット銃が十数丁つきつけられる。
ひるんだ領主側の兵が動きを止めた。
いつから工作されていたのか、いつのまにか家内が完全に分裂していたことを知って衝撃を受けている領主に、長男がさらなる言葉をあびせた。
「そこが大まちがいだ。敵対の意思をしめさないかぎり、反乱軍はわざわざ囲みになんかこないぞ。決起しなかった家がひとつでも滅ぼされたか? いくばくかの軍税を持っていかれるだけだ。
決起した貴族勢力は徹底的に攻めつぶされているが、そっちは見せしめのためだってのは猫並みの知恵があればわかる。もっとも、猫以下の領主がけっこういるようだが。
いっぽうで、反乱勢のトップにいる商人どもは、そこらの領主よりはかなり知恵があるようだぜ。
中立の家まで容赦なく攻めるような、金と時間と労力のむだづかいはしないだろうよ」
双方の兵のとりまくなか、長男は嘲笑をうかべて高らかに突きつける。
かれと、かれをかつぎだした出陣反対派の家臣たちがかかげる論の正当性を、領主側のざわめく兵たちにもよくのみこませるように。
「これまでを見るかぎり討伐軍を出した家は戦場で滅ぼされ、その領地はひどく荒らされる。しかし最初からおとなしくしていれば反乱軍は攻めてくることはない。
王政府との戦いをひかえたいま、やつらが求めてるのは足元をなるべく安全にしておくことだ。つまり反抗の芽をつんでさっさとこの地域を黙らせたいだけだ。
だから、こっちはその意をくんでやって、静かにじっとしてりゃいいんだよ。少なくともいま兵を出すのは最悪だ。
王政府支持を声高に叫ぶにしても、まだ篭城して王軍を待ってたほうがマシってものだ」
といっても大砲を相手どって篭城できる城館なんて、持ってる貴族はごく一部だが――そう続けた長男は、どうやら王政府支持を叫ぶことすらしないつもりらしかった。
そうと知って、領主のこめかみに太い血管がうきあがった。
「反乱した平民どもに妥協するようなことを……恥を知れ、それでもトリステイン貴族か、王政府への忠誠はどうした!
きさまの言うとおりになどすれば、王政府はわが家に悪感情をいだく! それはほかの日和見している卑怯者どもについても同じだ」
「忠誠ねえ。それが今日わが家を救うかね? 王政府への弁明は明日にでも考えられるさ。だいたい、大貴族筆頭のラ・ヴァリエール家からして日和って静観してるんだぜ。
なあ父上、よく目をあけてものを見ろよ。トリステイン王政府の軍はまだこの地に来ていないのだよ。そして河川都市連合の反乱軍はすぐそばにいる。
両者のまともな戦闘があったのは空のみだが、反乱軍は王政府の竜騎士隊を追いはらってしまった。俺がここにくる前、空で叔父上の兵を負かしてきたのと同じようにな。
いくら待っても叔父上が来てないのを不思議に思わなかったのか」
長男のその言葉に、領主は目を見開き、いっしゅん激痛すらわすれた。
「なんだと? きさまラウルを……自分の叔父をどうした……?」
「残念ながら、かれは首の骨を折ってしまった。
頑迷な古い貴族だったとはいえ、ラウル叔父上のことは嫌いじゃなかったので心が痛むね。
あんたのような奴に忠義をつらぬかなくてもよかったのにな」
「おまえ、に、肉親殺しにまで手を……ちがう、そんなことができるものか!
ラウルとその幻獣騎士隊はわが領地の誇りなのだぞ。きさまのような空中戦闘の経験のない若造に討たれてたまるか!」
「数騎で追いかけはしたが俺が直接討ったわけじゃない、自滅に近い。空でむちゃな乗り方をして愛竜から落ちたんだ。
魔法が使えないのを忘れたら危ない、とかれに忠告してやるべきだったかな。風の障壁で空気抵抗をよわめたり、落ちたときにレビテーションを使ったりはできないんだからさ……
この地では世界が変わったんだよ。戦い方をふくめ何もかもが。おい、門の外の道具を持ってこい」
長男が命令すると、その兵たちがいくつかの道具を運んできた。
それを見て領主は眉をひそめる。それらの道具を持ってこさせた意味がよくわからない。
拳銃や軽量のハルバードのような鉤型の武具と見えるものはまだいい。農民のつかう大熊手、漁民のもつ投げ網……
疑問は、長男の言葉で氷解した。あるいは衝撃とともに砕かれた。
「空中戦、騎兵戦における反乱軍の戦術を真似してみた。本格的な道具は時間がなくて用意できなかったため、足りないぶんは領民から借りてきた。それがこれらだ。
おかげでどうにか叔父上の兵に勝てたよ。まあ、あっちが新しい環境に慣れてなかったのが大きいのだが。叔父上の手勢に火竜がいないのもさいわいだった。
いちばん役にたった道具はけっきょく拳銃かな。投げ網なんぞは使い慣れないと無意味だと気づくべきだった」
河川都市連合は、傭兵として竜乗りふくむ幻獣騎兵を雇いいれている。
この戦場となった一帯、すなわち大河流域の『魔法断絶圏』――魔法が使えなくなった地域は、いつのまにかそう呼ばれている――において、かれらの編み出した新しい戦い方は下劣なものだった。
一般的なトリステイン貴族の感性からすれば。
「いまや、新しい戦い方が空でも展開しているのだよ、父上。
魔法がないため風竜乗りは墜落を恐れる。それと風圧をいなせないことがあいまって、風竜の最大の長所であるスピードを完全に出せない。
むろん遠くからの精度ある魔法攻撃もできない。
そこで、たがいに至近に寄ってから戦う。たいてい勝負は竜のブレスと銃で決まるようになってる」
竜で体当たりし、ブレスを吐く。
鉤状の長得物でひっかけたり、網をかぶせてあるていど自由を奪ってから、何丁も用意して弾ごめしておいた拳銃で近くから撃つ。
基本的に、数騎で一騎をおいつめる。乗っている人間より、当たりやすい大きな的である竜のほうをおもに狙う。
竜が死ななくてもいい。痛みで暴れて乗り手を落とせばそれでいいのだ。
文字どおり野蛮なぶつかりあいだった。洗練された魔法技術を駆使した、多くの若い貴族のあこがれだったこれまでの空中戦とはまったくことなる。
だがこの「野蛮な戦術」で、数だけそろえたと見られていた反乱軍の空戦部隊は、トリステイン空海軍の竜騎士隊を魔法断絶圏の上空からたたき出してしまったのである。
いまとなっては、この地域の空で王家の百合紋を見ることは、まずない。
感心したように長男は幾度もうなずいた。
「まったく、反乱軍もいろいろ考えたものだ。王政府の空軍もちょっとは工夫してしかるべきだが、これまでの醜態をみるかぎり敵の模倣すらできてないんじゃないか。
話を戻すが、いまここら一帯でずばぬけて強い勢力は反乱軍になっている。嫌おうが嫌うまいがそれは事実だ。
臆病者だの日和見主義だの呼ばれようとも、俺たちみたいな小勢力が、強者に真っ向から馬鹿正直に立ちむかうのは愚の骨頂だ。
時勢の見えないあんたじゃ家を滅ぼすだけだ、だから俺が代わってやる」
古く穏やかな世にかわって、新しい世がおとずれている。血と革新の、無慈悲な世が。
それに適応していくのは、この息子のような下劣でも狡猾さをもった奴だ、と領主はいやおうなく思い知らされざるをえなかった。
それでも領主は、歯ぎしりしつつ長男に罵声をあびせた。今はもうそれしかできなかった。
「簒奪者!」
この国の大混乱のなかで個人的な復讐を達成したかれの長男――粗暴ながら知性を有する危険な種類の貴族が、ぞっとする笑みを見せた。
「違うだろ? 四年前、不当にあんたがとりあげた俺の生来の権利が、やっとこの手のなかにもどってきただけだ。今回だってあんたの自業自得だ。あんたが判断を間違えたから家臣が俺についたのさ。
現在のところ、ワインの乱なるこの嵐は、小勢力にとってやりすごすべきものであって立ち向かうものじゃないんだよ、『前領主』さま。
とりあえず、隠居先として俺のいた塔にでも入ってもらおうか……心配するな父上、うちの家族はほとんどそっちに付けてやるから寂しくはないぞ」
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河口海域。
霧たちこめる早朝、暗い海は鳴動していた。黒い波のうえにとどろきわたるのは砲音である。
トリステイン空海軍の戦列艦、『レドウタブール号』。甲板のうえで水兵たちは索具に取りついて必死に帆をあやつっている。
海上を自在にかけめぐる敵船から飛来する砲弾のため、この艦隊の周囲やまっただ中では、ときおり派手に水柱が上がっていた。
「ばかやろう船体を半端に回転させるな、やるなら反乱軍にきっちり船腹をむけて砲をぶちこめというのに!
……いや、いや、そっちのほうだと弾が味方の艦に当たる……! ええいちくしょう、商人どもめ、船をちょこまか動かしやがって!」
「艦をもどせ、いまの揺れはあぶない、船底になにか当たってる! 岩礁かなにかに乗り上げかけてるぞ!
空にも注意しろ、船首のほうからまた敵の竜騎士が近づいてくるぞ! とにかく寄せつけるんじゃない、当たらなくても撃て! 船に火をつけさせるな!」
「火災が発生しました、火薬庫からは離れていますがバケツが足りません!
至急人員をまわしてください!」
銃と砲の轟音に負けないため、水兵たちは大声で指示と報告を交わし――そのはりあげた声にさえ絶望をにじませはじめている。
彼らの声を聞きながら、『レドウタブール』号の艦長は霧のむこうで動く敵艦隊の影を見つめた。
正面からしぶき混じりの風にあおられ、目を細める。
(やつらの艦は中型の武装商船がほとんどだ。乗っているのは貿易商のたぐいのはずだ。戦いは知っていても海賊に対応するレベルのものでしかない……
にもかかわらず、なぜこうなった)
敗勢が濃いのは、信じられないことにこちら側だった。
彼の視線のさきでは、反乱を起こした河川都市連合軍の『水乞食』船団が、ここを先途とばかりに猛攻を加えてきている。
『水乞食』はこの大河河口沖で、王政府の艦隊を待ちうけていたのである。
船団が縦ならびの行列となって海上につらなった、[縦陣]という陣形。各船の横腹の砲門を空海軍艦隊にむけ、一列の海上砲台となっていた。
その敵船団にぶつかったトリステイン空海軍艦隊は、突撃にとりかかった。
各船が横にならんでへさきをそろえた「横陣」をくんで、敵に突っこもうとしたのである。
だが、風石の助けなしでは、帆船艦隊は風上にまっすぐ向かうことはできない。切り返しを何度もおこなってジグザグに進むしかないのだ。
そうなると各艦の足並みはそろわない。突撃前こそかろうじて保っていた空海軍の陣形は、突撃を始めるとたちまちに崩れた。
連絡のための魔法なしで細かい連携がとれず、たがいの衝突を回避しつつ敵陣に向かうだけでも精一杯のところに、敵の砲弾がふりそそいだのである。
風の抵抗をくらって、ばらばらに切り返しを行いつつのたのた前進する艦隊は、絶好の的だっただろう。
それでも、そのままであったならばどうにか接近して乱戦に持ちこめただろう。そうなれば大型船の数で優位に立つこちらが勝っていた。
……そうはならなかった。突撃をはばんだのは海中の大量の障害物だった。
河口沖合いである。流されてきた土砂が広範囲につもって急激に水深が浅くなっていた。そこに自然の岩礁だけではなく、間隔をあけて沈められた人工物が群れをなしていたのである。
廃船に石をつめこんで沈めたものか、塔型の石柱あたりかは知らないが、大型船なら底がひっかかる程度の深さに。それぞれが鎖でつながれて。
空海軍の突撃は鎖にせきとめられ、不運な数隻が底をやぶられてその場で浸水沈没し、障害物にひっかからず前に出られた少数の艦はたちまち囲まれた。
総じて喫水の浅い敵艦隊は、こちらに比べて、海中の障害物になやまされることがほとんどないようだった。いまでは各船が自由に動きまわっている。
敵も味方も、最初の陣形がくずれている点では同じだが、現在の有利不利は一目瞭然である。
「罠にひっかかって崩された」と「相手の失態に最大限につけこめるよう自分から崩した」という差だった。
いま、『レドウタブール』号はじめ何隻かの戦列艦は、密集してしまっていた。
海中で壁をつくっている障害物だか岩礁だかにおしつけられる形で自由な身動きもならず、そこを遠まきに半包囲されて砲撃をくらっているという、笑うに笑えない戦況におちいっている。
なにしろ集中してくる敵の砲弾におびえながらも、まず味方の船と接触事故を起こさないほうに注意を向けなければならないのだ。
しかし、彼らよりもっと笑えない状況にあるのは、密集の外側にある艦だった。
糸のほつれた部分のように陣から離れてしまったところを、敵船にすばやく攻撃対象にされている。空海軍の艦一隻に対して、小さなサメのように反乱軍の数隻がむらがるのである。
一隻あたりの大きさと砲門数、乗員数ではまさる空海軍の戦列艦は、不利な状況でも簡単には屈しないが……無敵でもない。
砲弾に帆を破られたり舵を壊されたりすれば海上で自由に動けなくなるし、木造の船体を縦に割るような船尾からの砲撃をあびれば、一発で致命傷をおいかねない。
視界がよくないためはっきりとはわからないが、三十隻のトリステイン空海軍艦隊のうち大打撃をくらった船はすでに五、六隻くらいにはなっているだろう。
「なんたるざまを……」
この状況をじかに見るため甲板に出てきた艦長は、そのような場合ではないにもかかわらず嘆かざるをえない。
この『レドウタブール』号ほか周囲の艦は、このあいだのアルビオン遠征をはじめ、王家と国家につかえる空海軍艦隊として少なからぬ任務をこなし、武勲に輝いてきた。
それが。
「今になって平民の反乱などに手を焼くとは……」
「手を焼く!? たった今は殺されかかっておりますよ!
砲弾が平民と貴族を見分けますか!? 危険ですから下に戻ってください!」
艦長のぼやきに対し、間近でいささか以上に礼を失した怒鳴り声をあげたのは、甲板下から出てきて彼に駆け寄った副長だった。
周囲に同じく青ざめた数名の士官を引きつれている。
艦長は怒鳴り返した。
「甲板で指揮する、信号がなにも届かんなら自分の目で見る!
ここでさえ視界はひどいが、船室にいるよりはるかにましだ!」
「状況確認はわたしがします! とにかく下へ!」
「そっちこそ下にいろ、君にはわたしが指揮できなくなったときの代役を……!」
船尾甲板の船べりに砲弾が着弾した。その衝撃が彼らの言いあらそいを断った。
木でできた船体の破片が飛びちって周囲の人体に刺さり、恐ろしい被害をまきちらした。木片に切り裂かれた水兵たちの悲鳴がまたも上がる。
中央マストに上がっていた水兵が揺れで滑落し、甲板に背から叩きつけられてはねたきり動かなくなった。
とっさにうずくまっていた艦長と副長は、海戦の喧騒のなか、そのままで会話を再開した。
「下層砲門を開け、もっと撃ちかえせ! 砲門はわれわれの艦隊のほうが多いのだぞ!」
「レドウタブール号の砲門はすでにすべて開かせております!
ですがごちゃごちゃと固まってもつれたこの艦隊の現状では、全艦が砲を使うなんてできませんよ!」
「ちくしょうめ、やはりさっさと陣形をたてなおさねばどうにもならん! 旗艦からの指示は! 信号は来たのか!?」
「魔法によるものならどんな信号も来ませんし、旗についてはここからでも見えないならお手上げです!
さっき閣下が『信号が何も』とご自分で言われたでしょうに!」
艦隊運動の信号や指示がすべて魔法であったわけではない。旗による信号などがある。
それさえ抜きにしても、攻撃のためある程度連携した艦隊運動ができるように、パターン化された訓練も積んであったのだ。
だが、天候と時刻によって視界は最悪であり……訓練してきたパターンは、どのような場合でも通用するわけではないことを露呈しつつあった。
喧嘩しているかと思えるほどの剣幕で声をはりあげる二人の横から、第三者の比較的冷静な声がわって入った。
「向こうの多くの船は海上にしてはすばやく動きまわっていますね、切り返しも見事だ。砲の照準をあわせにくい。
船が小さく、喫水が浅いつくりということもあるのでしょうが、水夫が熟練しているようです」
「当然だ、連中は日々ここいらの海域を船でかけめぐっていたんだ!
船の喫水が浅いのだって、この辺りの海が遠浅なのに合わせてだ。ここはいわばやつらの庭のようなものだ」
吐き捨ててからその人物が誰かに気づき、レドウタブール号の副長はあわてて態度をあらためた。
「ああ、これはヘンリー卿……見苦しいところをお見せしました」
元アルビオン空軍の艦長であったサー・ヘンリー・ボーウッドである。アルビオン戦役でレコン・キスタを見かぎり、トリステイン軍の水先案内役をはたした。
そのまま、レドウタブール号の客分あつかいを受け、顧問として相談役のようなことをつとめている。
もと敵国人ということで、軍内にわだかまりが残っていなくはなかったが、なんといっても経験豊かな人材は貴重なのだった。
「ヘンリー卿、あなたならどうしますか、この状況で」
副長とおなじくやや落ち着きをえた艦長が、客将にアドバイスを求めた。ボーウッドの返答にはためらいがなかった。
「この河口海域での戦闘は、こっちにとって地の利がなさすぎます。
連中はただでさえ船足が速いうえ、船の喫水が浅いのと海中地形を熟知しているおかげで障害物にほとんどひっかからないようです。
さらに相手の艦隊は砲の数こそすくないですが、最新式の砲をのせています。こちらの艦より弾の飛距離が長い。
こちらは出ばなを完全にくじかれました。密集がほどけしだい戦場を離れましょう」
つまり、逃げる。
ボーウッドの提言を聞いて、艦長の顔がレモンにかぶりついたときの表情になった。屈辱もさることながら、勝手に戦場放棄したと見なされれば、へたすると彼は軍事法廷おくりなのである。
副長のほうも似たり寄ったりだが、こちらは「やむをえない」とあきらめが顔に出ている。
艦長は帽子をとって手のなかでくしゃっとつぶし、煮え切らない様子を見せた。
「そうだな……それが妥当であろうが……」
「閣下、平民の船団から逃げるというのは苦痛かもしれませんが、いまは一隻でも多くのフネを残すべきです。
いま残っている戦力がそっくり離脱できたなら、隊形をととのえて罠のない海域で再戦すれば勝ちます。半分に減っているとしても敵にまだまだ脅威を与えられます。一隻二隻しか残らなくとも戦い方はあります」
「そうです閣下、そもそも旗艦の首脳陣がこの戦闘を決定した判断が、『平民に背をむけたくない』という意地のためではないかと愚見します!
完全な風上をとっている敵にむけて横列突撃! こんな愚策を艦隊にとらせた旗艦こそ呪われればいい、軍事法廷には提督がまっさきに出るべきだ! 生きていたらですが」
ここでとつぜん副長が、ボーウッドの意見に追随しはじめた。
説得というより、開きなおったように憤然と開戦判断をこきおろしている。
「き、きみ、言葉が少々過激にすぎやせんか……」
艦隊首脳部に腹のすえかねた態の副長と、それにややたじたじとなっている艦長に、ボーウッドが真剣な面持ちで言った。
「教科書どおりならこちらも緻密な一列縦陣で向かい合うべきでした。旗艦もそのくらいはわかっていたはずです。
縦陣を選ばなかったのは、魔法にたよる通信技術が使えず、こまかく連携した艦隊運動に不安があったらでしょう。開戦を避けなかったのは、艦隊の士気を考えたのかもしれません。
通例は大型船の数にまさる側が勝ちをおさめるのが海戦ですから、力押しでもどうにかなると判断したのは無理もありません……調査のひまがなく、海中の罠にひっかかって突撃陣形を完全に崩したのが致命的だったのです」
トリステイン軍へのフォローを含めたボーウッドの分析に、艦長が首をふった。
帽子をもみつつ彼のついたため息は、砲煙まじりの潮風にたちまち吹き散らされた。
「いや……どうであれ、わが艦隊の首脳がミスを犯したのはもう間違いない。そのくらいはわかっていたのだ。
では貴公のすすめにしたがって、機会がありしだい戦場から離れることにする。だがどこへ逃げる? 近場の港は反乱軍におさえられてしまっているのだが。
あまり遠くまで航行するのはまずい、われわれの後方についてきている輸送船団を守らねばならないから」
「どこでもいいから、魔法断絶圏の外の海域を目指せばよいでしょう。
ひとたび風石が使えるようになれば、それが尽きないかぎりフネは空を飛んで安全な港をめざせます、木の港でも水の港でも。
反乱軍の船は、魔法断絶圏にふくまれた海域からけっして出てこないはずです。この外ならば世界はいまなおメイジの領域です」
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トリステイン宮廷でひらかれる騒乱評議会。
その席上における報告は、今日もまた出席者たちの心の安寧からほど遠い内容だった。
当初はさほど重くみられていなかった都市民の武装蜂起は、途中から『ワインの乱』と呼ばれ、国土の三分の一をおおう大反乱と化しているのである。
王宮の会議室で宰相マザリーニが読みあげている報告書は、そろそろ終わりに近づいてきていた。
「……以上が、レドウタブール号の艦長はじめ数艦からとりあえず聴取した、河口の戦いのあらましとのことだ。けっきょく日没まで戦闘はつづいたという。
こちらの被害はさんざんだ。主力の戦列艦にかぎっても、拿捕五隻と沈没四隻でまるまる失ったのが九隻。損傷がはげしく、腰をすえて港で修繕しなければ使えないのは七隻。
それほど大きな損傷がなく、ひきつづき使える戦列艦は十四隻。三十隻の艦隊が半分以下になったのだ」
序盤の被害がもっとも痛手だった。沈没四隻のうち三隻までが、海中障害物に底をやぶられて沈んだのである。
「中型の武装商船四十隻ばかりで出てきた敵の被害も、十隻くらいとそれなりに多いそうだが、つぎからは拿捕された戦列艦がそっくり敵に使われるだろう。
空海軍は追いかえされた。一言でいうと大敗だ」
マザリーニはやや乱暴に報告書の束を投げだした。
テーブルの向こう側にすわる財務卿のデムリが、渋い表情とうつろな表情をくり返して浮かべているのは、頭のなかで何度も損害を計算してそのたびに呆然としているのだろう。
(財務卿が言葉をうしなうのも無理からぬことだ。
戦列艦の数にまさる側が勝つのが海戦の常識であったはずだが、どうもわが空海軍は常識がくつがえった稀有な戦例をトリステイン史に残してくれたらしい)
七十四門砲の戦列艦一隻がどれだけの値になるかを思うと、マザリーニも空海軍に向けてそんな嫌味を言いたくなる。
が、そんな場合ではない。
反乱地域からはさらに憂うべき知らせが届いていた。今度は海ではなく、陸からの凶報である。
「つぎは陸上での反乱軍の報告書だ。列席したおのおのにはぜひとも読んでいただきたい。
この規模の軍としては異常に速い。一日に十数リーグ、ときには二十リーグを超える行軍スピードだ。大砲をともなってこれなのだ」
五千をかぞえる反乱軍は、王政府に見せつけるように大手をふってトリステインの国土を移動している。
大河、河口周辺地域において水路を活用しつつ。「魔法断絶圏内」を縦横にめぐるように、そして決してその領域から外に出ることなく。
抵抗の意志をしめそうとする地元の領主たちはもちろんいた。が、各地でかきあつめられた小規模の諸侯軍はことごとく、焼き払われるアリのように掃討されていく。
「魔法が無いうちは、地元貴族たちの正面からの抵抗は無駄だな。
各地で二、三百の兵を組織するのはいいが、連携した行動をとるまえに五千の反乱軍が即座に駆けつけてきて、再起不能になるまで叩きのめされる。そんな戦闘ばかりではないか」
忌々しかった。
マザリーニの当初の予想以上に、反乱軍――河川都市連合の「市民軍」は、その能力が高い。
信じがたいことだが、同数で魔法なしという状況下においては、プロの傭兵集団である王軍をさえしのぐかもしれない。
評議会の列席者たちも、反乱勃発当時の相手を見くびる態度はかけらもない。報告書を回し読みしながら、読みおえた者から一様に真剣に語りはじめている。
「これまで反乱軍とぶつかった貴族側で、生きて逃げのびた兵がほとんどいないそうですよ。勇敢に最期まで戦ったのだろう、と思いたいですがそうではありますまい。
兵力差があったとはいえ、勝ちつづける反乱軍は毎回ほとんど損害なしというではないですか。
貴族側をただ負かして追い散らすのではなく、たくみに包囲して兵を皆殺しにする戦い方をとられているのですよ」
「ああ。つまり、指揮官の指示にあわせて臨機応変に動き、陣形を変えられる軍だ。錬度には一定以上の高さがあると見てよかろう。
報告には、反乱軍は戦場でも足並みをそろえて行進できるとある。調練を何度も繰り返さなければそうはならん」
「兵器においても、すくなくとも砲に関しては優良品を多数そろえているのではないでしょうか。
……あのあたりの都市は武器の市場でもありましたからねえ」
「諸君はなにをしている! 『反乱軍は意外に強固な武力をもっている』、そんなことを確認しあっていてどうなるというのだ。
このままむざむざと、魔法の使えぬ地域に取り残された領主たちが潰されていくのを見ているだけか!
はやく助けに行かねば、王政府に向けられる不信の目はどんどん増えていくぞ」
「わからん人だのう、怒って焦ってもそれこそどうにもなるまいよ。助けに行くため、今は大急ぎで王軍を編成しているところであろうが。
反乱軍は数千の兵をもって、数百規模の地元領主の軍を迅速にうちのめしていく。これは戦の理にかなっている。
われわれは数万とはいかなくとも、せめて反乱軍に倍する精兵をそろえてから出撃するべきなのだよ。なるべく確実に勝てるように」
「いや、あまり準備に時間をかけていてもまずいのでは? 反乱軍にも防備を固めるだけの時間を与えてしまいますよ。堤防や道路をこれ以上壊されてはたまりません。
それよりこれ以上、後手にまわらないようにするべきです。
用意の終わった軍の先遣部隊をいますぐに発して、街道沿いにある、軍需物資をたくわえた倉庫をすぐに押さえなくてはなりません。
今はまだ、反乱軍はおもに大河の東がわで騒いでいます。ですから大河の西がわの、王軍の進撃予定路にある倉庫は手つかずです。ですがこの倉庫群もぐずぐずしていると奪われて、物資を利用されてしまいますよ」
「待て、反乱地域に倉庫がまだ手つかずで残されている? それはうさんくさい。われわれを引きつけるための罠ではないのか。
倉庫をおさえようと焦って小規模の部隊を出していったら、手ぐすねひいて待っていた反乱軍に片っぱしからかこまれて始末されかねんぞ。
いっそ反乱地域にのこった倉庫は火をはなって焼いてしまえばどうだ、これなら竜騎士数名を派遣するだけですむ」
「ばかをいいなさい、国内各地の倉庫に平時からたくわえてきた弾薬、小麦、まぐさがどれだけの量になるとお思いですか。
単にけちっているわけではありません、現地でこれを一つ確保するだけで、軍の行動がずっと円滑になるのです! 後方からすべての補給物資を荷馬車ではこぶのでは、金が何倍もかかるし補給部隊の危険が大きくなりますよ。
焼いてしまうよりはまだ、地元の民に倉庫の中身を与えるほうがましでしょう。彼らが日ごろからおさめていた軍税を倉庫ごと目の前であっさり焼いてしまったら、王政府が白い目で見られます」
「だから、それだけの物資を先に反乱軍に押さえられたら逆効果だろう! 民に還元したところで反乱軍は民から徴発していくだろうが。
お前みたいなやつの意見のせいでぐずぐずしているうちに、大河の東側の倉庫はとっくに大方が奪われてしまったんだぞ」
「だから早く、編成の終わった軍からすぐに進発させて要所を占めさせなければ……!」
「だからそれは兵力の小出し投入という愚行だというのに! へたすれば順番に叩かれていくだけで……!」
つばの飛ばしあいじみた熱のはいった議論を聞きながしながら、マザリーニはこわばった肩の筋肉をもみほぐして考えた。
(……それにしても、河川都市連合の経済力はやはり馬鹿にならない。これだけの軍をそろえる実力があるとは……竜乗りなどを雇うのは高くつくというのに。
これはトリステインの河川都市だけではないな、大河上流のゲルマニアの河川都市もひそかに加担して、資金を都合しているにちがいない。
そこらの貴族が勝てないのは当たり前か)
いかに領主級の貴族が裕福でも、槍や銃をもった兵にくわえて「騎兵」と「砲」と「船」のすべてを多数そろえられる者はそうはいない。
国家つまり王政府と、ブリミル教会と、その陰でハルケギニアの経済をささえてきた商人たちの都市組織のみが、数千から数万規模のまともな軍をかかえるだけの財力があるのだった。
しかし平民が主体である都市は、前二者にくらべて取るにたりない存在とみなされてきた。ハルケギニアの歴史においてこれまで主役であったのは、あくまで魔法を持つ者なのである。
これまでは貧しい下級貴族の集団でさえも、裕福な一部の平民にたいして優越した武力を誇ってこれた。
資金力の差という道理に反することができたのはすべて、魔法の存在があったためである。
その魔法が消えた。同時にメイジの戦士としての優越と威厳が、見るかげもなく融けて崩れた。大釜いっぱいの熱湯をかけられた氷のごとく。
(この内戦では、金が戦争を決定する唯一の力になってしまった)
だというのに困ったことに王政府の国庫は、底が見えだしているのである。
河川都市からの莫大な税収が絶えたのも、ゲルマニア方面との経済活動が阻害されているのも痛手なのだった。
(やるのなら、やはり「最短」を心がけるしかないな)
マザリーニはあらためて自分のうちでそう確認せざるをえない。
順序でいえば、まず王都から発した王軍を、なんとか反乱地域にはりめぐらされた水路に到達させる。軍の進路も補給線も、なるべくまっすぐとる。
つぎに手にいれた水路を活用して物資を輸送しつつ、反乱勢に水没させられていない道をたどって反乱の中核地域まで進む。
反乱の中核都市トライェクトゥムを威圧するなりなんなりして、早い段階で河川都市連合の市民軍を野戦にひきずりだし、正面からうちやぶる。
最短距離を進軍し、可能な最短の期間で決着をつける。補給線を最短にすることで、王軍は最大限の力を保ったまま戦場に到着できる。
王道、というより常道だった。
そして単純明快すぎて、敵にも完全に読まれてしまうのが難点である。時間をかせごうと反乱軍が逃げまわるのを王軍が必死に追いかけまわす、という羽目になるかもしれない。
(しかし、魔法および空路の使用不能、そしてこの苦しい財政という状況では他の戦略をとりにくい。
……王軍が進軍するだけで反乱勢が白旗をかかげ、演技でいいからおそれいった形で講和のテーブルについてくれるなら、それが一番いいのだが)
もちろん、それは都合のいい夢でしかないだろう。
テーブルに前かがみになり、あごの下で手を組み合わせて沈思しているマザリーニの耳に、いっぷう変わった話題が飛び込んできた。
「……少人数で果敢な抵抗をつづけている貴族がいる? それは朗報だな、誰だ」
「先代のガヴローシュ侯爵、いまではガヴローシュ家の唯一の生き残りだ」
「ああ、あの隠居していた老人か。諸侯軍をひきいていて最初に殺された貴族が彼の息子だったな【拙作SS前回末】。
くわしいところを聞こうではないかね」
「単純な事情だ。復讐心が老公を駆りたてている。
諸侯軍をひきいていた息子のガヴローシュ侯爵が殺され、侯爵の館は反乱軍に攻めおとされた。その際ガヴローシュ侯の妻子は惨殺され、その遺体はどこかへ運ばれたとか。
そのあと、あの老人はわずかに残った家臣と領民兵をひきつれて、執拗に反乱軍の後方を乱しつづけているらしい。物資を運ぶ小舟を焼いたり、反乱軍の斥候兵をおそったりと。
だが今のところ、反乱軍の神経をいらだたせる程度にしか成果はのぞめまい。反乱地域を駆けめぐりつつ生きのびるだけでも精一杯のはずだ」
「やれやれ、やりきれんなあ。あのご隠居は、孫を溺愛するだけが生きがいのおとなしいじいさんだったのだが」
まったくやりきれない。耳をそばだてて話を聞きながら、マザリーニは顔をしかめた。
こういう話は貴族たちの義憤をかきたて、軍事衝突以外の可能性をますます遠ざけていく。
陸戦のまえに対話のみでの早期講和という、内乱をおさめるうえで出費と犠牲のもっとも少ない選択肢は、もはや消えたといっていい。
ふと宰相は、上座のアンリエッタの様子をうかがった。
憔悴した表情でずっと沈黙している女王は、青い瞳にかげりを宿し、その話にじっと耳をかたむけていた。
感情のゆたかな彼女は痛ましさと怒り、それに女王としての責任感からくる慙愧を感じているのだろう。こころなしか身を縮めているようにも見える。
(……今回の反乱はご自分に責任があると思っておられるのは知っていたが、最近、根をつめすぎておられるようだな)
アンリエッタを気にかけながらも、マザリーニは立ちあがり、視線をあつめたことを確認してから言葉を発した。
「軍の小出しはしない。河川都市連合の鼻先にでていく王軍は、かれらの市民軍をただ一戦で消滅させられる規模でなければならない。
市民軍――反乱勢のもつ野戦のための軍――を一刻もはやく消しさることを考えよう。そうなれば、残った反乱勢がいかに強固な要塞都市にこもっていようと、負けを悟って降伏してくるだろう」
泣きたいことに空海軍が失敗してしまった以上、王政府があてにすべきことは当面、陸戦での勝利にしかない。
だが陸戦の勝利も意味はある。
市民軍を完璧に打ち破ってしまえば、王軍は都市周辺の土地をとりもどし、港を陸からおさえられる。水路に砲をむけて、反乱勢の輸送船団の航行を妨害することもできるだろう。
そして野戦のための市民軍がいったん消滅してしまえば、都市には囲みを打ちやぶる方法はないのだ。
「さいわいにして王軍の編成はあと数日で完了する。
そのあと、なによりも真っ先にぶつからねばならない壁がある。最初に陸上で軍の通行をはばむものの存在を思い出すべきだ。
王都から反乱地域につながる東への要路には、都市連合のひとつにして最西端河川都市であるガンが鎮座している。トライェクトゥムには及ばないが堅固な城壁を持つ都市だ」
彼はテーブルに広げた地図の、ある一点を杖で示す。魔法断絶圏の周縁ぎりぎりにどうにかひっかかっている都市を。
マザリーニは結論のため言葉を強めた。
「まずこの都市、ガンをどうにかすることを考えよう。門番に扉をこじあけさせねば、野戦をおこなうための戦場へすら踏みこめぬ」
…………………………
………………
……
評議会の解散ののち。マザリーニの数歩先をあゆむアンリエッタが、かれに話しかけた。
「財務卿から聞きました。ものの値段が急速に上がって、トリスタニア市民から不満が出てきているとのことですが」
「はい、陛下。
ゲルマニア方面との流通路が断たれ、ガリア方面の経路のみが残った時点でこうなるとはわかっていたのですが、予想をだいぶこえて物価上昇が速いですな。
緊急措置としてガリア方面での関税を大きく引きさげましたが、まだ物価は上がっております。なお、関税引き下げのぶん王政府の収入はさらに減りました」
「しかたがないわ。
どうにかパンの値だけでもおさえなくては……民を飢えさせてはなりません」
「しかり。飢えれば暴動が起こりやすくなります。王都での暴動は起こしてはなりません、まかりまちがえば体制の動揺に直結するものですから。
まあ当然ですが物価が上がったことで、市民の多くは今回の戦に反感をいだいているそうです。
民のあつまるところにひそかに調査員を送りましたが『王家は河川都市と講和して戦をさっさとやめろ』という意見が多いようですな」
王宮の廊下をつかずはなれず歩きながら、女王と宰相は言葉をかわしている。
いちばん重要な論議は、まずふたりきりで行われるのが常だった。
護衛としてつきしたがうアニエスはけっして口をはさまず、聞いているそぶりすら見せない。
アンリエッタの口から憂わしげなぼやきがすべり出た。
「王政府がはじめた戦のように民草は思っているのかしら……
まず武力を使って罪のない人々に被害をふりまいたのは河川都市のほうだわ。講和の道をせばめたのはむしろあちらなのに。痛めつけられた諸侯はいまさら簡単には納得しないでしょう。
貴族ははやく戦って河川都市を罰しろとせまり、平民はいますぐ戦いをやめてほしいと期待している。
分裂した国論がまとまるのは、ぐずぐず軍を編成中の王政府を批判する点においてだけ。こっちはとぼしい予算と相談しながら努力しているのに」
その女王の愚痴をうけて、マザリーニの瞳がふいに冷たい理性の色を宿した。
「陛下、その諸侯のことですが、反乱地域にのこった諸侯からは協力はもう期待できませんな。
決起した貴族が叩かれたあとは、反乱軍に目をつけられることをおそれて兵を出さず館にこもりきりという、利口な領主ばかりになりました」
その話になったとたん、アンリエッタの歩みがいっしゅん止まりかけた。
「……しかたありませんわ。王政府のいまの体たらくでは、諸侯をつなぎとめられませぬ。
こちらの空海軍が勝っていれば、諸侯はよろこんで王政府ばんざいを叫んでくれたでしょう。
わたくしたちが頼りないから、反乱軍の威勢をおそれて声をひそめるしかないんだわ」
なにかが話題にのぼるのを怖れて逃げるかのように、女王はこんどはわずかに歩みを速めた。
その背をじっとみつめて、マザリーニは含みある口調で言った。
「そうですな。恐怖なき徳は無力なり、と申しますから。
王軍が到着するまでは、あの地域にあってより強い恐怖――すなわち最大の軍事力をもつ存在は、王政府ではなく都市連合です。自家の当面の安全だけ考えるなら、領主たちが反乱軍に無駄な抵抗をしなくなるのはごく当然でしょう。
ましてトリステイン貴族の筆頭家門ですら動かないとあれば、下位の領主たちが多くそれにならうのは自然というものですな」
言葉の最後をきいたとき女王の動揺の気配は、ほかの二人にはっきりつたわるほど大きくなった。
容赦というものを廃し、宰相は告げた。
「ラ・ヴァリエール家のことですぞ、陛下。今日はそれについて話しあいましょう。
かの公爵の態度はただの領主としてはともかく、トリステインの重臣としては少々問題です」
「……無理もないのよ。
ラ・ヴァリエール公爵が動かないのは無理もないの」
苦しげにアンリエッタは、親友の父親への擁護を口にした。
「ラ・ヴァリエール領は反乱地域とゲルマニア国境にはさまれた形になっているわ。
魔法断絶圏に入ってしまったのは領地の半分とはいえ、へたに動いて反乱軍の注意をひけば、その半分を荒らしまわられて大きな被害が出るでしょうし……」
「まあ、それはそのとおりです。
反乱軍は狡猾ですな、当初からラ・ヴァリエール領にはあえて手を出さず、踏みこむどころか水害さえ及ばぬように注意を払っているようです。
裏をかえせば、公爵には反乱軍に対して兵をあげる直接の理由はないと言えます。
公爵にとっても願ったりでしょうかな。最後まで我関せずをつらぬきたいのかもしれませんから」
「っ……」
「『わが領民は兵に出さぬ。さきのレコンキスタとの戦はまだしも、今回のような王家の私戦には軍役免除金を出すことすら納得しかねる』、うわさによればある有力な大貴族がそう言い放ったとのことです。
下々の者たちや王宮の口さがない者は、そう言ってのけた人物がラ・ヴァリエール公爵ではないかと推測を――」
「枢機卿!」
アンリエッタは回廊の途中でついに振り向き、影に徹していたアニエスがびくりとするほどの厳しさで、叱咤の声をはなった。
「反乱勢の手の者たちが街角にまぎれこんで王政府への中傷や不穏なうわさを流している、とこの前報告してきたのはあなたでしょう!
そのあなたが、うわさ話を真に受けるのですか!」
「落ち着いてください、陛下。そのまま信じているわけではありません。このうわさ自体はおそらく反乱都市によって流されたものであろうと思います。
ですが現状を考えるにあたって、頭ごなしにすべての可能性を否定するわけにもまいりませんぞ。
反乱軍に大河上空を制されてしまって通信に手間のかかる状況とはいえ、ラ・ヴァリエール公爵がいまだ王政府の呼びかけに応えず、協力しようとしないのは事実なのです」
ラ・ヴァリエール公爵がいつまでも沈黙しているのは、自領と領民の安全をはかるためか、今回の内乱を「私戦」と思って王政府への不満を抱いたからか、または別の理由があるのか。
「いずれの理由にせよ、彼の沈黙自体が王政府にとってはすでに問題となってしまったのです」とマザリーニは断じた。
「先ほど言ったように『ラ・ヴァリエール家のような大貴族のなかでもとりわけ重要な家門が、王家にそっぽを向いている』と思われてしまえば、それ以外の臣民は動揺するでしょう。
王政府と各地の領主たちの間にはいまや、つけこまれてしまうに十分な間隙が存在しており、反乱勢はそれをさらに押しひろげようと画策しているのです。
どのような心づもりにせよ公爵の態度は、反乱勢の意図を助長してしまっています」
女王はすぐには答えなかった。
ややあって歩きだし、すぐそこにあった部屋のドアノブに手をかけて入室する。マザリーニとアニエスはそれに続いた。
とくに使われてはいないようだが、掃除のいきとどいた明るい室内であった。ドアはぶあつく、大声でないかぎり廊下に会話はもれない造りである。
椅子にぐったり沈みこむように着席してから、ひそめた声でアンリエッタはようやく答えた。
「あなたの言いたいことはわかっていますわ。ほんとうは、わたくしもこのままでいいとは思っておりませぬ。
あなたはよくやってくれているのに、声を荒げたりしてすみません。いやね、わたくし。もっと余裕を持たなければ……」
憂鬱そうに言い、それから彼女は敢然と顔をあげた。
「枢機卿、あなたの言うとおり、ラ・ヴァリエール公爵が今回の内戦を冷ややかに見ている可能性はあります。
かれは、反乱勢によって流されたあの情報、『この反乱は王家が河川都市の権益をとりあげようとしたことで始まった』という話を信じ、王政府に批判的になっているのかもしれない。
けれどそれは誤解だし、それをわかってもらわなければ。わたくしたちに協力してもらわなければ」
そこまで言ってから、ふと宙をみつめ、亡羊とアンリエッタはつぶやいた。
「さいわいなことに、王政府とラ・ヴァリエール家の橋渡し役となれる者に心当たりはあるのだけれど……」
マザリーニはそれがだれか訊かなかった。訊くまでもなかったからである。
大貴族ラ・ヴァリエール家の三女であり、女王の友人でもあるルイズ・フランソワーズ以上に、この役目に適当な者がいるはずがなかった。
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河川都市連合の盟主、トリステイン都市トライェクトゥム。
その市庁舎の大会議室。この都市をささえる者たちが、平民貴族の区別なくテーブルをかこんでいる。
戦略を決定するための会議が進捗しているのだった。
知るかぎりの情報をもちよって真剣に議論をたたかわせ、怒鳴り、失笑し、賛同し、ののしり、なだめすかし、みずからの意見をとうとうと述べ、他人の意見を論評し……
多くの声による混沌のなかで、トリステイン王宮の〈騒乱評議会〉においてマザリーニがそうであるように、ベルナール・ギィは耳をかたむけつつじっと動かない。
眠っているかのような半眼で座り、耳に入ってくる会話のすべてを吟味しながら、頭のべつの部分でかれはぼんやりと考えていた。
(振りかえってみれば、こんな遠くまでよく来たものだ)
かれはそこそこ余裕のある商家の四男だった。文字を覚えるのが早く、身のまわりの書物を片端から読んだ。十になるかならないうちに専門書が欲しいと言いはじめた。
文庫本になって大量に出版されているならともかく、専門書はそこそこ貴重品だった。多数所有しているのは貴族の教育施設や宗教関連の施設である。
そこで親は四男を修道院に入れてくれたのだった。
親からたっぷり喜捨をうけとった修道士たちは、雑用をつとめる平民の子が、日が沈んでからランプをもって書庫にこもるのを許可してくれた。
法学、歴史、数学、論理学……あのころは古今の名著をむさぼるように読んだものだ。
昼間の労役のため眠気はきつかった。かびとほこりに満ちた空気には鼻水が垂れ、目がかゆくなった。それでも、そんなことはみずからの知の世界が広がっていく爽快感にくらべればささいなことだった。
だがある日、「あいつ、法曹家でもめざす気だろうか。トリステインでは平民は公職につけないのだと、いちおう教えておいたほうがよいのでは」と修道士たちがささやくのを聞いた。
もちろんそんなことは知っていたが、平民と貴族のあいだに立ちはだかる巨大な壁をあらためて意識させられたのはその日だった。
以降、それを頭から完全においはらうことはできなくなった。
貴族の子女しか通えない学院の図書室には、質量ともに修道院の図書室にまさるとも劣らぬ本が置いてあると聞いたとき、生まれてはじめて悔しさを覚えもした。
多数の本がある環境、または本を買う金。最低限のパン。勉強にうちこむ時間の余裕。貴族の子は、そのどれもをたいして苦労することなく手に入れられるのだ。
(その壁自体は許せないものではないが……)
平民のなかでも裕福な家と貧しい家には差があるように、貴族が生まれつき恵まれた環境にあるのはしかたないと思う。
だが、努力をすれば壁を越えられるのならともかく、その壁は越えられない。
トリステインで学問をこころざした平民の子は、どれだけ才能があり、どれだけ血のにじむ努力を重ねていようと、官職につくという並みの野心を持つことさえ封じられているのだ。
そのようにできあがったこの世界の理を完全に理解したとき、怒りを通りこして、かれは絶望したのだった。
許しがたかったのは、まっとうなやり方では壁に挑戦すらできないことだったのである。
反乱を起こしたことにはいくつもの理由があった――けれど奥底には、つねに少年のころの絶望があったのかもしれない。
そこまで思いをいたしたときに、ベルナール・ギィは呼びかけられたことに気がついた。
いつのまにか周囲の席は静まりかえり、かれの発言を期待する雰囲気がつくられている。
かれは立ち上がり、今日述べるつもりであったことを話しだした。
「王政府の力は大空にある」
その最初のひとことだけでは、列席者は何のことかよくわからなかったらしい。わかったような顔をしつつ周囲の顔をさぐっている。
かまわずベルナール・ギィは「軍事力という面で、かれらがわれらに対して本来持っている巨大な優越とはなにか?」と問う。
そして、すぐさまその答えをだすかたちで、最初の言葉を説明した。
「それは魔法による直接の戦闘力の差だけではない。より広い視点で見れば、なによりもかれらが空を支配していることだ。
多くの砲をつんだ空海軍の大船団をととのえ、空を自在に横行できることが、王政府の力を強大なものとしているのだ」
平民も風石で動く空のフネをあつかうことはできるが、メイジがいる空海軍にくらべれば水路利用の比率はずっと多い。
いざとなれば風魔法である程度はフネを浮かせられる貴族と違い、平民だけのフネでは、風石を切らして空から落ちれば悲惨なことになりかねない。
また風石は買わねばならない。帆をはるだけの水上航行ならタダのうえ、風石を積まないぶんほかの荷を多くつめこむことができる。
したがって、重く、多少時間をかけてもかまわない商品は、水上航路であつかうのに向いている。河川都市の商人はそれらの取り引きを手がけてきたのである。
「空路によって、彼らは大軍をすばやく戦場に集結させられる。補給をずっと簡単におこなえる。
本来なら彼らはわれわれの軍を好きな場所で、好きなときに、自由に攻めることができただろう。空からの砲撃で……陸に降りるにしても、ずっと多くの兵力で。その場合、この反乱は一瞬で叩き潰されただろう。
ところがいまや状況が変わっている」
諸君も知ってのことながら、と彼は述べた。
「ここら一帯の魔法断絶圏内において、風石の力を禁じられた王政府の軍は、まず陸路しか使えない。対してわれわれの市民軍は、保持している水路を最大限に使える。
つまり一度に運べる物資の量で、コストの安さで、なによりも輸送スピードでこちらは優位に立った。
これらの条件においては水路をゆく船は、空路のそれには劣るかもしれないが、陸路をゆく荷馬車よりは格段にまさるのだから」
三十台近くもの荷馬車にわけて運ばねばならない量の物資を、船はただの一隻で運べる。小舟でも相当の量を。
陸路で使われる馬や竜など輸送用の獣は、大量の食料を必要とする。ときには、軍の荷馬車の半分以上がまぐさを積むということにすらなる。
船は食べない。少なくとも水上をゆくかぎり動力を積む必要はない。
獣は夜をふくめ一日の半分以上の時間、休まねばならない。
船は条件がととのっていれば夜間さえも休みなく進める。
以上のさまざまな優位により、『水路』対『陸路』において軍配は前者にあがる。
「翼をうしなって水辺に落ちれば、猛禽でさえカワカマスに食い殺されよう。
壊れた堤防からながれこんで地をおおった水。都市を育てた大河。都市民をながらく交易によって食べさせてきた水路。
これらの水は、やがて来る王軍をさえぎってわれわれを守る壁であり、同時にわれわれにスピードでの勝利を約束する」
厳粛な面持ちでベルナール・ギィは宣言した。
賛美歌じみた荘厳な美声と、過剰なほどに修飾された言葉によって列席者を酔わせながら、そのじつ本人は醒めている。
酔えるものではなかった。
(そうだ、わたしはここまで来た)
修道院長の推薦で、とある法務官の非公式な秘書をつとめた。そのあいだの実績で市の法律顧問官の目をひきつけ、相談役に抜擢されて十数年。
行政にもたずさわって平民からの支持をうけ、先の代表ラ・トゥール伯爵への反感を利用してラ・トゥール反対派をまとめあげた。
ラ・トゥールを王政府とあえて接近させることで都市民を焦らせ、暴発させ、クーデターを起こしてかれを殺し、ついにこの都市の代表とみなされるまでにのぼりつめた。
いまでは都市連合のまとめ役となり、トリステイン王家に対する大反乱を指導している。
(引き返せるものか。わたしに退路はなくなっている)
失敗すれば、反逆者のための処刑台が用意されているだけだ。
王政府や貴族層の怒りの程度にもよるが、見せしめとして石うすや炭火をつかった無残な殺され方をしてもおかしくはない。死骸はトリスタニアの広場で腐肉になるまでさらされるだろう。
もう、みずから選んだ血路をどこまでも進むほかないのだ。
「各国の王は貴族をしたがえ、天空に達する力をもってハルケギニアに君臨した。
それに一部なりと取って代わり、われわれは都市と平民のための新しい時代を打ち出そうとしている。
そのためには、われわれは自分たちの力がどこにあるのかを見失ってはならない――
それが水だ」
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数日後。王都からでて東へ行く街道。
日光さす午後の路上は、数リーグにわたって人馬でごったがえしていた。
「隊長どの、またまともに歩けない兵が出ましたぜ」
大隊長がぽりぽり頭をかきつつギーシュのかたわらに歩み寄ってきた。
この男はニコラといい、以前の肩書きは『ド・ヴィヌイーユ独立銃歩兵大隊のグラモン中隊の軍曹』であった歴戦の傭兵である【6,7巻】。
現在は「新設軍」なる連隊の大隊長の一人であり、新設軍をあずけられた水精霊隊隊長ギーシュ・ド・グラモンの相談役だった。
なぜニコラが大隊長などになったかというと、ぽんと一個連隊などまかされて顔をひきつらせたギーシュの手回しだった。
今回の反乱鎮圧軍の総司令官となった父・グラモン元帥に頼んで、旧知のベテラン傭兵を引き抜いたのである。
このくらいしてもいいはずだとギーシュは思っている。なぜなら父親こそが、新設軍をギーシュに率いさせて鎮圧軍にくわえるよう、女王に希望したからだった。
王軍は先日トリスタニアでようやく編成を完了し、急いで行軍をはじめていたのだった。
「腹痛だそうで。道ばたに捨てときますか」
ニコラの言葉に、ギーシュは馬上で頭をかかえた。
王軍の行軍縦列の最後尾。
歩みののろい補給部隊の守備隊をまかされた(という名目で後方に追い払われた)新設軍の兵たちは、予想以上に情けない体たらくだった。
戦意がないわけではないのだが、それでも体調を崩す者が出るのである。あるいは初陣に気負いすぎなのかもしれない。
グラモン元帥にひきいられて先をすすむ王軍本隊の傭兵たちは、慣れきった行軍を平然とこなしていることだろう。
「またかね? いや、犬猫じゃあるまいしそんなホイホイ捨てるわけにはいかんだろ。どうにか歩かせろ。
どうしても歩けそうにないなら、荷馬車の荷台に乗せて運んでやれ」
「お言葉ですがね、荷馬車に積んでやる新兵はさっきのやつで何人目ですかい。
今んとこはほんとに緊張で駄目になったやつばかりですが、あまり甘やかしちゃいけませんや。楽に移動する連中をみてたらそのうち、ほかの兵まで楽をしたいと考えだします。
連中、名実ともに行軍のお荷物ですぜ」
渋い顔をするニコラに、ギーシュは嘆息しつつ擁護してみた。
「しょうがあるまい。まともな訓練期間は数月、これが最初の実戦って部隊なんだから」
アルビオン戦役時、自分も二ヶ月即席の士官教育を受けただけで戦場に行き、右も左もわからぬ状態だったことを思い返すと、ギーシュは彼らに対し共感せざるをえないのだった。
が、そのギーシュを教導した本人のニコラは、肩をすくめてその感傷に水をさしてきた。
「そうそう、それですよ。この新設軍ときたら九割がたが民間人をつのった新兵だってことでしょう。
女王陛下もなんでこんな役立たずの部隊を戦に出すんだか。
いままでどおり自分ら傭兵をあつめた軍でよかったでしょ、今までこの軍にかけてきた金で、同数の戦慣れした傭兵を雇えましたよ」
「そんなこと言ったってもう作っちゃった軍だし。肝心の戦で一兵でも欲しいときに出し惜しみしてたら批判が飛ぶだろう」
「そりゃ違いありませんやね。まあ、お偉いさんがたの決定にはいつでも政治的な理由ってのがあるってえことですな」
平民の志願者で構成されたこの新設軍に対するニコラの評価は、きわめて低い。
しかしニコラのこきおろす「新兵ばかりのヘボ連隊」をあずけられたギーシュとしては、初陣のアルビオンで戦場の作法を手ほどきしてくれたこの元・軍曹が頼りなのだった。
「ところで話は変わりますが」
「ん?」
「どっちの『隊長』でお呼びしましょうかね。近衛隊長と連隊長と。
前の戦争んときはぼっちゃんのことは中隊長どのって呼ばせてもらいましたが、今じゃ出世されてますし。
そういえば、自分を大隊長に引き立ててもらったことの礼がまだでした。すみません、愚痴る前にそっちを言っとくべきでしたぜ」
いやあ大隊長なんて普通なら貴族のかたがたの役回りなんで、ほんとありがてえことです――と野趣あふれる笑みを浮かべたニコラの横で、ギーシュは空をあおいでうなった。
「きみの大隊長はいいんだが、ぼくが連隊長というのはねえ……。正式な連隊長ってわけでもないし、そう呼ばれるのは少々おもはゆいな。
そりゃあいずれ新設軍を任されるかもなんて話はされていたがね、これは無茶すぎるというものだろう」
実をいうと彼にも、自分自身のいまの階級についてはよくわからないのだった。
グラモン元帥から希望されたということで、アンリエッタから「新設軍をたのみます」と委ねられはしたが、明確に連隊長に任命されたわけではない。
が、立場だけ見れば完全に連隊長のそれなのである。
自分の下に大隊長、軍の泊まるところを手配する設営隊長、補給担当の輜重隊長および実戦部隊の要である中隊長が並び、これら新設軍の人事権は自分がある程度にぎっている。
いくら指揮権は無いに等しく、いったん戦場に出れば総司令官である父・グラモン元帥の命令にしたがうのみとはいえ、自分には責任が重すぎるような気がしないでもない。
「心配しなくとも、どうにかなりまさ。お父上の命令どおりに動いていればいいんでしょう?」
「うん……そうだな、なるようになるか。それに出世は出世だし。
うん、考えてみれば一軍を率いる若い将というのはじつに華があるな」
とはいえ結局ポジティブ思考に向かうのは、ギーシュの長所といえば長所だった。
「そうそう、ぼくの呼び方だったな。
とりあえず、連隊長でも近衛隊長とでも好きなほうで呼べばいいけど、できればこのまま気楽に『隊長どの』で呼んでもらおうか。
……父上の前に出たとき、『近衛隊長どの』と呼ばれるのはちょっと考えものだ」
近衛隊長である彼の立場の重さは、本来なら元帥の地位にさえ匹敵するものなのである。
そうなると父親とは同格にちかくなってしまうのだが、そこは家長をおもんじる貴族の家である。家内での序列が対等になるわけもないのだった。
そこへきて新設軍を預けられたのは父親の口利きによるものとなれば、見栄っ張りなギーシュもさすがにはばからざるをえない。
と、「なるほど。グラモン元帥はそういう心積もりですかい」とニコラが手を打った。
「なにがだ」
「この軍でさ。王軍というよりグラモン軍ですからな。隊長どのをとりたてたのも親父さんでしょう。
ただの身内びいきじゃありませんやね。右翼左翼をひきいる将を身内でかためちゃえばどんな遠慮ない命令だろうとくだせます。
ふつうの軍はときどき総司令官と幕僚、または幕僚同士で意見が食いちがって争いになり、それが軍の方針に悪い影響を与えたりしますけど、それも防げるってえことに」
グラモン軍。その名称は的を得ていた。
ギーシュの一番上の兄は、グラモン領の兵およびその他の諸侯軍をまとめた二千余名の兵を率いて右翼に。本隊に並行して少し離れた道を進軍している。
三番目の兄は、もともと王軍士官であり、父のいる本隊のうちの一連隊に所属している。
二番目の兄のみが、空海軍所属のためこの場にはいない。
王軍+諸侯軍。六個連隊の規模を持つこの鎮圧軍は、街道をぞろぞろと行軍して、魔法が禁じられた区域に今しも踏みこむところなのだった。
「もちろんそれもあるだろうけど。実のところ、王軍のどの将も今回の出兵の指揮をとることを嫌がったんだそうだ、これが」
ギーシュは肩をすくめた。
平民の反乱はハルケギニアにおいてきわめて珍しい。支配層である貴族との間に、本来は大きな軍事力の差があるためだった。
したがってごくまれに起こる平民の反乱を片付けることなどは、軍をひきいる貴族にとっては伝統的に気のすすまない汚れ仕事あつかいだった。
簡単すぎるうえに弱いものいじめとあって、名誉とはみなされなかったのである。
だから王軍の将たちは、鎮圧軍をひきいることに難色をしめした。
「今回は魔法が使えないから簡単とはいかない。じゅうぶんに名誉ある出征である」と伝えてそれとなく打診しても、言を左右にしてどうにか避けたがる。
手柄をあげたところで、あとあと競争相手である同僚からは「平民を殺してのしあがろうとした奴」と揶揄され続けるであろうし、まして失敗などすれば……と思えば、乗り気になるはずもない。
女王が命じれば否応もなかっただろうが、アンリエッタが業をにやす前にグラモン元帥が宮廷に現れたのである。
「……だからといって、引退したはずの父上が出てきて奏上しちゃうとは思わなかったがね。
『自分なら、王軍の将のだれにとっても競争相手とはみなされまいから』とのことだそうだ」
「そりゃ元気なこってすねえ」
「アルビオン遠征に参加したかったって残念がった人だぞ【6巻】。
若手がぐずるのを見かねてしびれを切らしたというより、ありゃ自分がやりたかっただけじゃないのか」
「いいじゃないですか。とにかく戦なれしたお人が指揮をとるだけでも下のほうは安心できまさ。
こういっちゃなんですが、引き受ける人がいなくて隊長どのみたいなぺーぺーが指揮を任されるなんてことが起きてたら、王軍の一割は戦場に着くまえに脱走してますぜ」
「……一割ぐらいならいいじゃないか。たった一割だと思えないこともないだろ」
「さらに三割ほどは金を受けとり次第とんずらしようという算段ですな。
自分もどんな苦境でも、最初の給料日まではと辛抱したもんです」
「きみの給料、反乱が終わってから一括払いでいいかね」
「いやいや冗談です逃げやしませんでしたから」
戦にかかわる諸々のことについて話しあいつつ、あまり緊張感のないやり取りを交えながら、二人は馬をすすませていく。
街道の周囲の畑には大麦や豆などの春蒔きの作物が育ち、太陽が兵士たちに軽い光の毛布をふわりと投げかけてきている。猫が農家の屋根で昼寝していた。
ほんの数日先には戦があるとは思えないほどの、のどかな光景だった。
だが、かれらが進んでいく先にはまぎれもなく、最初の河川都市であるガンの城壁がそびえたっている。
この行列はやがて、敵の野戦部隊との遭遇をかんがえた横隊行進に変わるだろう。
マスケット銃兵と火縄銃兵の混成部隊、騎獣に幻獣をふくむ騎兵、林のように槍先をたててならんだ短槍兵、砲と砲兵、工兵、補給を担当する何千台もの荷馬車隊……
総勢、一万一千名。トリステイン王政府はごく短期間で、どうにか反乱勢に倍する戦力をととのえたのである。
メイジが役に立たない戦であろうとも、この規模ならば市民軍を始末できるはずだった。
激突は確実にせまりつつある。
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(帰ろうかしら)
岩の館の大広間。右に左にゆらめく人影。紅緞子の垂れ幕と、色とりどりのクリスタルの器。
トリスタニアのとある一角にある大貴族の邸宅。奢りのつきない夜宴のただなか。
会釈と談笑のあいまあいまに、アンリエッタはひっそりとため息をついている。
ピンクの華やかなドレスに身をつつんで出席し、ほかの客と挨拶を交わしながらあたりさわりのない笑みを浮かべているが、本音を言うと今すぐ帰って眠りたかった。
一週間のうち、虚無の曜日とその次のユルの曜日は、国務顧問会議。
エオーの曜日とオセルもしくはダエグの曜日が、財務顧問官会議。
マンの曜日が、新顧問官会議。
のこりの日には枢密顧問会議、また招聘した技術者や学者の献策を聞いたり、拝謁を求める客に会ったり、政庁の各部門や高等法院への視察を行う。
緊急国事会議――今回は〈騒乱評議会〉と名づけられているが――は、ほんとうに緊急のときでもないかぎり開かれはしない。そして反乱のおきた今は緊急時であり、ひんぱんに会議は行われていた。
それらの会議に出席する以前に、請願書や国王の押印が必要な書類などは、毎日のように机に山積みになる。講演や行事への出席要請までひんぱんにくる。
(嫌になってしまう。一昨日のぶんの書類はようやく夕方に片付いたけれど、昨日持ち込まれたぶんと今日のぶんは完全な手付かずだもの。
いま帰って寝ずにやっても今夜じゅうには終わらないし……朝にはまた新しい書類が積まれるのね)
それさえもマザリーニやデムリはじめ大臣、官僚によりわけてもらった最低限の重要な部類なのである。
反乱被害をうけた各地からの訴えをさばき、政府購入を調整することなどで通常の国務が量を増したことにくわえ、さらに騒乱評議会に通いづめである。
いまのアンリエッタに休日などは無縁だった。
アルビオン遠征が終わった直後のような、いや、それを上回るほどの激務なのである。
それもこれも反乱が起きたことに対して、アンリエッタが責任を感じていたためだった。
ほんとうだったら、国務会議の大半は廷臣たちに丸投げしてもかまわないのである。顔見せくらいでも問題はないのだ。
出席したところで、どうせまだ若く経験があさい女王である。王政府の各部門の仕事について同年代の平均よりはむろん知識があるが、官僚や大臣などの専門家以上に役に立つアドバイスができるわけでもない。
平和なときにアンリエッタが国務会議に出席していたのは、新女王の勉強の意味合いが強かったのである。
現に、これまでアンリエッタが王都を一時はなれたときでも国は運営できている。
それでも今回は休む気になれない。結果としてアンリエッタは無理をしがちになってしまったのだった。
しかし、けんめいに仕事をこなそうとする彼女でも、こうしたイベントへの出席などはスケジュールから丸ごと削りたい、とたまに思うのだった。
(やっぱり退出させてもらいましょう)
アンリエッタはぐったりしつつ内心でそう決意した。
卓の上に並んだ山海の珍味も、洗練された機知あふれる会話も、嬌羞をふくんだ男女の優雅な笑い声も……典型的な貴族の宴にあるものすべてに少女は飽いている。
たまった心身の疲労のため食欲はわかないし、いつ緊急の報告が入るかわからない以上、酒で思考を濁らせているわけにもいかない。
ダンスは嫌いではないが、(悠長に踊っている時ではないのに)と感じてしまう。
招待された手前、社交辞令として顔見せていどに舞踏会に出席はしたものの、はやばやと切りあげる決心を彼女が固めたのは無理なかった。
が、退出を伝えるべく侍従を呼ぼうと歩きだしたアンリエッタは、一組のカップルとはちあわせした。
「あ、姫さま……」
つぶやいた才人は、珍しく魔法学院の制服などを着ている。どうやらせめてもの正装として誰かに借りたらしい。
そのかたわらに立つルイズは、髪をバレッタにまとめていた。そのドレスはひかえめなレモン色の地に金糸銀糸の花模様が刺繍され、華雅にして愛らしい。
ルイズの顔を見て、アンリエッタはとある理由で気まずさを覚えた。
それはお互いさまのようで、ラ・ヴァリエール公爵家の三女もまたうつむき加減になり、目を合わせてこない。
「おい、ルイズ」と連れに発言をうながす才人に視線を戻したとき、アンリエッタの心情は別方向にはっきりと揺れた。
どちらの動揺もおもてに出さないようつとめながら、アンリエッタはなるべくにこやかに話しかけた。
「……あなたたちも出席していたのですね。ルイズ、よく似合っていますわ」
支援
「ええ、ありがとうございます、このパーティの主催者が父の知り合いなもので招待状をいただき……」
“父”。
その単語が出たとき、ますます少女たちの間の雰囲気はぎこちなくなった。
狼狽ぎみで顔にありありと困惑を浮かべている才人も、なにを口に出せばいいのかわからないようで押しだまっている。
…………………………
………………
……
帰るタイミングを逃した。
いつのまにかダンスの時間がはじまってしまっている。
女王は、ダンスを申しこんでくる希望者のひとりとやむなく手をとりあって、優美な身ごなしで踊りながらちらりと広間の離れたところに目をやった。
ルイズと才人は、何か言い合いながら踊っている。
はた目に見ても才人はあらたまった場でのダンスに慣れていないらしく不器用で、ルイズはそれに細かく文句をつけているようだった。
手をつないでリードしてやり、才人の弁解を聞き流し、ときに小声で罵りあい、それでも間近にぴったりと添いながら。
怒った顔でいてさえ、幸せそうなルイズの姿。
それを空虚に見やるアンリエッタの胸で、からからと想いの糸車がまわった。
踊りを完璧にこなせるパートナーと組むよりも、楽しくダンスできる相手のほうがいい。
なめらかなステップができなくてもいい。足を踏まれてもかまわない。
風雅な会話でなくていい。飾らず、偽りのない態度を取れる相手のほうがいい。
立場を気にせず寄りそっていられれば――……
アンリエッタは首をふった。ダンスの相手がけげんな顔をする。
(やめましょう……むなしいのはもう嫌だわ。ルイズをうらやんでもしかたない)
いつのまにか未練がましく才人を見つめてしまっていたのだった。
ルイズの使い魔であるあの黒髪の少年に、何度も迷惑をかけてきた。公のことだけでなく個人的にも、疲れているときにすがりつき、優しさに甘えてきた。
そのため今も、してはならない期待をしてしまっていたのだろう。
だがこのままひそかに見ていても、才人はたぶん気づいてもくれないだろう。
いまあの二人の目に入っているのはお互いだけなのだろうから。
(この一曲が終わったら、今度こそ帰りましょう)
きっと、山積みの仕事と時が忘れさせてくれる。
ちろちろ燃える想いの火も、いずれは消えて灰と化し、記憶の隅にしまわれて冷えていくだろう。
それを暗く望みながら、荘重な音楽に合わせてアンリエッタはゆるかに輪舞していった。
512 :
ボルボX:2008/11/19(水) 00:41:26 ID:7EHlY/l6
この最終章・二話自体もぶつ切れなので、続きをまた後日に投下します。
ゼロ魔社会の技術水準は17世紀あたりとのことなので、このSSはそのころのフランスとオランダをかなり参考にしました。
それほど話の動きがなく、恋愛要素も暗めな回ですみません。
>>512 ボルボ氏、新作GJ!です 相変わらず凄いクオリティと量だ
>>512 ボルボ氏待ってました!嬉しい。
それにしても相変わらずの濃さですな。
マジでルイズ分が足りない
ルイズは原作を読めば充分なほどにスイーツを補給できるからなw
つまんねーなー
ボルボ氏乙
正直本家よりもレベルが高いと思ってるw
ボルボ氏 乙!
もう来ないかと思いましたよ。
つい催促してしまってスイマセン
続きもおまちしてます。
ボルボ氏 乙乙!
お話の面白さももちろんですが、いつも読み応えのある文章量ですわー。
本家よりも〜
一人言うなら誉め言葉、二人続けばプロ舐めんなボケェ
522 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 07:18:33 ID:8Gele9E4
「原作より面白い」とか言う人って、褒めてるつもりなのかねえ。
しもた、ageてもうた。スマヌ。
ノボル神はうまいよな
あえて崩しまくってるけど
割り切りっぷりがよくも悪くもプロだと思う
ボルボ氏も野生のプロなのは認める
本業作家だと聞いても不思議じゃない
野生のプロってなんだw
何か別のを想像するぞw
「アン様とったど〜!」
と高らかに持ち上げるボルボ氏を思い浮かんだ
やせいの プロが あらわれた!
アンリエッタ の ゆうわく!
こうかは ばつぐんだ!
ポルポ氏のは面白いんだけどこのとてつもない文章量とペースだと
完結まであと一年はかかりそうで恐ろしいぜ。
アン様孕みネタとか一発物だと思ったら何時の間にか非エロ長編まで
全部繋がりそうになってるのは凄いが。
529 :
X42:2008/11/20(木) 20:05:02 ID:YvIw1ZUS
これから投下します。
なおこのSSは、せんたいさんのオリジルルキャラ「タニア」が主役です。
但し、私がキャラ改変していますので、オリジナル以外は、認めんと言う方は、
スルーして下さい。
せんたいさんへ、
タニアの使用許可有難う御座います。
女王様プレイ希望との事なので、事後承諾になり申し訳有りませんが、
ある4人組をお借りいたしました。(どSは、無理です)
彼ら以外適当なキャラがいないもので。
なるべくギャップが無いようにしたつもりですが、私はせんたいさんでは
ありませんので、ご容赦願います。
530 :
X42:2008/11/20(木) 20:06:07 ID:YvIw1ZUS
魔法学院厨房裏口 夕方
今ここに金髪のツインテールの少女が立っている。
言わずと知れたベアトリクスである。
彼女は、平民の友人の仕事が終わるのを待っているのである。
「遅いですわね。タニアさん、一体何をしてらっしゃるのかしら」
無論後片付けをしているのである。
イライラしながら待っていると、仕事を終えて待ち人が来たようである。
「ガチャ」と音がして、扉が開く。
「ヤッホー、ベアちゃん。こんなとこで何してんの?」
タニアは、扉の前に突っ立ていた友人に声を掛けた。
「貴女に用があるのですよ、タニアさん。明日の虚無の曜日お暇?」
「唐突だなーベアちゃん。まあ暇だけど何?」
「それならば、近くの野原にピクニックに行きませんこと。とても綺麗な花が咲き誇って
いましてよ」
どうやらベアトリクスは、タニアをピクニックに誘いたいがため、一時間以上も裏口で
待ち続けていたのである。
「えー、ベアちゃんと二人きりで?テファお姉ちゃんは?」
「テファお姉様は、ヘッポコ騎士とデートするそうですわ。何でもミス・ヴァリエールが
ご実家に単独で呼ばれたとかで、それを利用してデートするそうですわ」
ベアトリクスは、ティファニアにも誘いに行ったが、才人とのデートを嬉しそうに話す
ティファニアを見て、誘わなかったのである。
「そっかー。それじゃ仕方ないね。で、何時出発?」
「9時、正門前で如何かしら?」
「オッケー、じゃあ明日ね」
そう言ってタニアは、メイド長屋に帰って行った。
ベアトリクスは、「うしっ」と両拳を握り締め、喜び勇んで自室に帰って行く。
その2人の様子を物陰から4人の男が、覗き見ていた。
当日は、抜けるような青空だった。時折そよ風が吹き正に絶好のピクニック
日和と言えた。
531 :
X42:2008/11/20(木) 20:06:44 ID:YvIw1ZUS
ベアトリクスは、今朝6時に目を覚まし、速攻で食事を済ませ、おめかしに2時間以上
費やした。物凄い熱の入れようであった。
その服装は、とてもピクニックとは思えなかった。王宮晩餐会か舞踏会に着る豪奢な
シルクのドレスに身を包んでいた。
普通の神経の持ち主なら100%ひく服装であった。が、
「オッハヨー、ベアちゃん。随分派手な服だね」
「何を仰いますの。こんなの普段着ですわ」
「そっかー。ま、ベアちゃんらしいね。じゃあ、出発―」
正に大物、図抜けた神経の持ち主であった。
一方タニアの方は、メイド服に似た正に普段着。
右手には、お昼の入った籠を持っていた。
二人は小一時間ほど歩き、目的地の野原までやって来た。
その野原は、ベアトリクスの言う通り、赤や黄色、白、橙など色とりどりの花が
咲き誇り、幻想的な巨大絨毯の様であった。
「うわっー、すっごーい。とっても綺麗。ベアちゃん良くこんなとこ知ってたね」
無論これは、ベアトリクスが、事前に空中装甲騎士団に命じてピクニックに最適な場を
探させていたからである。
「まっ、まあこれ位知ってて当然ですわ。気に入って頂けたかしら」
「もちろん!ベアちゃんなかなかいい趣味してるねー」
「気に入って貰えて何よりですわ」
(此処を教えてくれた団員の給金上げないといけませんわね―)
二人は、野原を歩き回り、楽しいひと時を過ごして行った。
暫く散策していると、奇妙な女性の声が聞こえて来たので、二人は声のする方に
歩いて行った。
100メイル程の距離に近付くと、タニアはベアトリクスを止めた。
「どうしたのです?」
「しっ」
タニアは、気付いた。こんな遠目からでもはっきり分かる人物。
そう元保護者のティファニアである。
その元保護者が巨大な胸を揺らし、木陰で才人と励んでいたのである。
つまり聞こえていた声は、ティファニアの喘ぎ声だったのである。
532 :
X42:2008/11/20(木) 20:07:23 ID:YvIw1ZUS
タニアは囁き声で、
「ベアちゃん、テファお姉ちゃん達の邪魔しちゃ悪いからあっちにいこ」
「こんなに離れてて分かるのですか?随分お目が宜しいのね」
「テファお姉ちゃん分かりやすいからね」
「まあ、確かに。では野暮にならぬよう離れましょう」
二人はその場を離れ、近くの林の方に歩いて行った。
少し歩くと手頃な切り株があったので、2人は昼食をとる事にした。
「美味しいですわ。これタニアさんがお作りになったの?」
「そっだよー」
「家のシェフ顔まけですわね。何方に教わったんですの?」
ベアトリクスは、興味津々だった。実のところ、誰に教わったかなど如何でも良かった。
タニア達の昔話が聞きたかったのである。
「マチルダお姉ちゃんだよ」
「マチルダお姉ちゃん?」
「そ、私達の命の恩人なの。孤児になった私達の為にウエストウッド村を作ってくれて、
料理や裁縫、狩りの仕方に森の食べ物の見分け方、生きる上で必要な事全般をね」
タニアは、誇らしげに語った。
「随分凄い方ですのね。それでその方は今どちらに?」
「わかんない。私達の為に何処かに出稼ぎに出て、たまに遊びに来ても何も教えて
くれなかったし、こっちに来てからは音信不通だしね」
タニアにはしては珍しく、寂しげであった。
(いけませんわね。話題を変えなくては)
ベアトリクスは、話題を変えようとした。
すると突然、3匹のオーク鬼が現れた。
身長2メイル程のマリコルヌ、じゃなくて2本足で立った豚の化け物という形容が
ぴったりの魔獣である。
オーク鬼の大好物は、人間の子供なのである。
オーク鬼達は、目の前の特上のごちそうに涎を垂れ流していた。
すかさずベアトリクスは、タニアの前に立った。
(私だけなら、フライで逃げられる。でもタニアさんを抱えては無理。何としてでも
倒さなければ…迂闊でしたわ、空中装甲騎士団に遠巻きに護衛する様命じておけば)
ベアトリクスは、護衛を拒否していた。無論邪魔だったからだが、今回は裏目に出た。
533 :
X42:2008/11/20(木) 20:08:03 ID:YvIw1ZUS
「逃げなよ、ベアちゃん。一人だけなら逃げ切れるでしょ」
「何を仰るの!友を見捨てるのは貴族の恥。安心なさって、オーク鬼の3匹や4匹私が、
倒して差し上げますわ」
無論強がりである。ベアトリクスは、ドットメイジに過ぎない。1匹だって倒せるか
怪しかった。それに今までは公女という立場上、実戦経験など皆無であった。
生まれて初めての実戦、しかも1対3、いやオーク鬼1匹手錬の戦士5人に匹敵と
言われているから実質1対15といったところか。
死の恐怖がベアトリクスを襲う。しかし彼女は、勇気を振り絞った。
「エア・ハンマー」ベアトリクスは、一番近いオーク鬼を地面に叩き伏せた。
しかし残る2匹は、怯まず2人に襲いかかった。
殺される!そう思った瞬間、1匹のオーク鬼が燃え上がった。
(何故燃えていますの?)
すると後方から大きな火球が、もう一匹のオーク鬼に命中し燃え上がらせた。
(火のラインスペル、フレイム・ボールじゃありませんこと。それをほぼ連発出来る
なんてトライアングル以上でなければ出来ませんわ。ま、まさか)
後ろを振り向くとタニアが杖を隠していた。
「や、やあベアちゃん。大丈夫?」
「タニアさん、誤魔化さないで下さい。今、杖をお隠しになったわね。貴女メイジ
なのですね。どうして隠すのです?隠す必要など無いではないですか!」
友達だと思っていたのに隠し事をされる。ベアトリクスは、とても悲しかった。
「黙ってて悪かったけどさ、理由が有るんだよ、ベアちゃん」
「お聞かせ願いますわ、タニアさん」
「それはね…ベアちゃん、後ろ!」
「えっ」
ベアトリクスが振り向くと先程のオーク鬼が1匹立ち上がった。
ベアトリクスの魔法では倒しきれなかったのである。
オーク鬼が棍棒を振り上げる。2人共呪文の詠唱は、間に合わない。
(殺される)と思った瞬間、オーク鬼は、斬り倒された。
「最後まで油断すんじゃねぇ。てっ、タニアにベアトリクスじゃねぇか」
534 :
X42:2008/11/20(木) 20:08:41 ID:YvIw1ZUS
才人であった。
デルフリンガーが危険を知らせてくれた為、行為を中止して、駆けつけて来たのである。
「まあ、二人共無事で何よりだけどさ。ちゃんと止め刺さねぇと今頃天国行きだったぞ」
「有難う、お兄ちゃん。助かったよ」
「な、なかなかやりますのね。ご救命有難うございます」
二人は、才人に礼を言った。
「タニア、ヴィヴィ。大丈夫?」
ティファニアが息を切らせてやって来た。
「大丈夫だよ、テファお姉ちゃん。其れよりも走らない方がいいよ。ショーツずぶ濡れに
なっちゃうでしょ」
「な、何言ってるのタニア!ま、まさか覗いていたの?!」
ティファニアは、赤面してどもった。
「安心して、二人が励んでる所を見たらすぐ移動したから。ね、ベアちゃん」
「確かに、ですが私には、分かりませんでしたけどね」
ティファニアは、一つため息をつき、
「人に見られるとは思わなかったわ。それよりタニア、貴女メイジだったのね」
(まずい。テファお姉ちゃんにも見られちゃたんだ)
ティファニアは、泣き出した。
「ごめんね、タニア。私のせいで孤児にさせちゃって、ホントにごめんね」
(あちゃー、やっぱりこうなったか。世話の焼ける元保護者だなー)
「違うでしょ、王様のせいでしょ。テファお姉ちゃん。王様がテファお姉ちゃん達を暗殺
しようとしたからでしょ。私の両親は、暗殺に来た軍隊と戦って」
其れを聞いたベアトリクスは驚いた。
「お待ちになって。詳しく教えて下さい。どうしてテファお姉様が殺されなければ
なりませんの?」
タニアは、ティファニアの目を見た。
ティファニアは、頷き
535 :
X42:2008/11/20(木) 20:09:33 ID:YvIw1ZUS
「ヴィヴィ、これから話す事、誰にも話さないでくれる?」
「勿論ですわ。テファお姉様の秘密は、口が裂けても話しませんわ」
「有難う、ヴィヴィ。私はね、アルビオンの前国王の弟の娘なの。尤も母は、エルフで妾
なんだけどね。そしてそれが王様に知られて、両親は殺され私は、逃げ延びたの。
その時、父の部下が大勢死んでしまったわ。その中にタニアの両親もいる。そうよね?」
「そうだよ。で助けてくれたのが、マチルダお姉ちゃんって訳」
「それでは、テファお姉様は、アルビオン王族の唯一の生き残りではないですか!
となるとご卒業後は、女王に即位なされるのですね」
ティファニアは、首を横に振った。
「ううん。そんなつもりはないわ。私は、ハーフエルフよ。私を受け入れてくれる人は、
極少数だわ」
ベアトリクスは、己が過去に犯した事を思い出した。
「では、どうされるおつもりです?」
「私は、王位なんかどうでもいいわ。ただ皆とサイトと一緒にいられればそれでいい」
「そうですか、ではこの事はもう申しませんわ」
「有難う。ヴィヴィ」
ティファニアは、かるく微笑んだ。しかし、タニアの方を向き又泣き出した。
「タニア、今まで気付かずにごめんね。私自分の事しか頭に無かったわ。貴女が如何して
孤児になったのか。そして9才にも関わらず読み書きができた事、ちゃんと考えれば、
もっと早く分かっても可笑しくなかったね。そうすればもっと早く貴女に謝れたのに
そうだ、貴女のご両親のお墓にお詫びに行かなくては、それに償いもしなければ」
其れを聞いたタニアは、目に強い光を宿らせ、ティファニアの目を見つめてこう言った。
「その必要はないよ、テファお姉ちゃん。お姉ちゃんが詫びたからって両親が生き返る訳
でもないし、謝れたら天国の両親悲しむよ。何のために父さん、母さん命を懸けたと
思っているの?お姉ちゃんに泣いて欲しかったから?お詫びして欲しかったから?
違うでしょ。お姉ちゃんにずっと笑って欲しかったから、幸せになって欲しかったから
だよ。お姉ちゃんに出来る償いは、幸せになる事、ただそれだけだよ!」
536 :
X42:2008/11/20(木) 20:10:19 ID:YvIw1ZUS
「でも父の命令で」
「違うよ!テファお姉ちゃん。モード大公様は、全員に逃げろって言ったそうよ。私達の
為に死ぬ事は無い。そうマチルダお姉ちゃんから聞いたよ。でも誰も逃げなかった。
それで、大公様は、マチルダお姉ちゃんに私達の救出を命じたそうよ。多分マチルダ
お姉ちゃんに死んで欲しくなかったんだろうね。その後大公様は、捕らえられて
マチルダお姉ちゃん家に軍隊が押し寄せて来て…」
「そうだったの。父は、皆に慕われていたのね。でもそれが仇となってしまった」
ティファニアは、ややうつむき加減になった。
「だからさ!お姉ちゃんが気に病む事は無いよ。皆自分の意志で戦ったんだから。もし
どうしてもお詫びしに行きたいっていうならさ、さっさとお兄ちゃんと子供作って幸せ
な所を見せに行ってあげてよ。そうすれば死んでいった人たち皆喜ぶと思うよ」
ティファニアは、真っ赤な顔になって、
「なっ、なにを言うのタニア。わ、私まだ学生よ!こ、子供なんてまだ早過ぎるわ」
「避妊薬飲まなければ、何時妊娠しても可笑しくない癖に」
タニアは、ウリウリとティファニアを小突いた。
「タニアさん」
ベアトリクスにしては、珍しく真摯な顔をしていた。
「どったの?ベアちゃん」
「私、魔法学院に来るまで、感動した事が御座いませんでした。しかし僅か数カ月の内に、
2度も感動してしまいましたわ。1度目は、テファお姉様。2度目は、タニアさん、
貴女ですわ。ああ何と言う事でしょ。お二人の心、私の心を震わせてやみませんわ。
貴女は、私の親友と呼ぶに相応しい方ですわ」
表情がどんどんヤバゲな方向に向かっているように見えた。
「そ、そう」
ベアトリクスは、両手でタニアの肩をガシッと掴んだ。
「タニアさん、魔法学院に編入しましょう。そうすれば、私達3人楽しい学院生活が
送れますわ!お金の心配なら必要有りません。私の命の恩人なのですから、生活に
掛るお金は、全て我がクルデンホルフ家がお支払い致しますわ。それでは早速手続きに
参りましょう」
素晴らしく強引なベアトリクスであった。
537 :
X42:2008/11/20(木) 20:11:00 ID:YvIw1ZUS
「ベアちゃん、もうすぐ夏季休暇だよ。今更編入したってねぇ」
「勉強ならば、私が教えて差し上げますわ。こう見えましても、政治の授業では、クラス
で5本の指に入りますわ」
「我々もお手伝いします」
草むらの中から4人の男子が現れた。
「あー、貴方達は」
「タニア様とクルデンホルフ姫殿下に蹴って貰いたい団です」
そう彼等は、夕べベアトリクスが、タニアをピクニックに誘ったのを覗き見していた
4人組なのだ。
「私ならば、経済学を」
「私なら、数学を」
「私なら、歴史を」
「私なら、音楽、ダンスを」
タニアは、困惑した。
「いや、誰も編入するなんて、言ってないよ。私メイド好きだし」
其れを聞いたベアトリクスが、激昂した。
「何を仰いますの!タニアさん。あれ程の魔法の才を持ち、あまつさえ私を感動させる程
の心の持ち主がメイドなんて宝の持ち腐れどころでは有りません。貴方達も協力なさい」
「タニア様、クルデンホルフ姫殿下、我らの女王様達」
「へっ?」
「どうか我々を貴女様達の下僕に」
「いっ?」
「そして我々を」
「踏みつけてくださーーーい」
4人は、転がりながら2人に近付いていく。
「いやーーーーーーー、キモイ、キモすぎるーーーー」
ゲシッ、ゲシッ…と秒間2発程度で蹴りこんでいった。
ルイズ程蹴り慣れていない為、威力が余り無かった。先陣を切った2人は、回転
しながら、全身に蹴りを浴びて喜悦の声を上げる。
「こ、これだーーーこの痛み、此れを味わいたかったんだーーーー」
なかなか沈まない2人に業を煮やしたタニア達は、急所攻撃を行い撃沈した。
538 :
X42:2008/11/20(木) 20:11:39 ID:YvIw1ZUS
「次は、僕達をーーー」
今度はドロップキックを股間に見事に命中させ一撃で仕留めた。
「何なんですの?この変態集団は、一体何を考えているのかしら?」
「いくら振られたからってねぇー。此れは無いよね」
再びベアトリクスは、タニアの肩を掴んだ。
「あんな連中なんか如何でもいいですわ。タニアさん、学院長室へ参りましょう」
「あれっ、ベアちゃん、忘れなかったの?」
「当たり前です。あの程度の事で忘れる筈無いじゃ有りませんか!」
(やれやれ、困ったなあ)
「あっ、テファお姉ちゃん達、キスしてる」
「えっ?」
タニアは、一瞬の隙を付き逃げ出した。
「こら、お待ちなさい。くうーこんな古臭い手に引っ掛かるなんて。絶対逃しませんわよ
タニアさん!」
2人は、学院の方へ走って行った。
「なあ、テファ。もしタニアが同級生になったらどうする?」
「きっと楽しくなると思うわ」
「じゃあ賛成なんだ」
「決めるのは、タニア自身だけどね。ヴィヴィからは、絶対逃げられないと思うわ
あの娘は、こうと決めた事は押し通すから」
「言えてるな」
そよ風の吹く中才人とティファニアは、2人を見送っていた。
539 :
X42:2008/11/20(木) 20:12:39 ID:YvIw1ZUS
以上です
なおこのSSは、単発物です。続編は有りません。
このSSの主人公タニアは、せんたいさんのオリジナルキャラです。
せんたいさんの許可を頂き、投稿することが出来ました。
改めて御礼申し上げます。
私が裏設定を幾つか付け足して改変してしまいましたが、
せんたいさんのオリジナルキャラに変わる事は御座いません。
くどいようですが、続編は有りません。好きにして構わないとの
許可を頂きましたが、連載しても構わないという許可は頂いておりませんので。
せんたいさんに御礼(というかお願い)が有ります。
X00-42-21で6P描写をしたのですが、実はあの描写の上位バージョン(?)が
有るのです。
その状態から、シルフィードの魔法で浮き上がり、全員で全員の体を貪り合うという
無茶苦茶な妄想なのです。
余りにも描写が難し過ぎるので、断念したのです。
これを満足できる描写が出来るのは、ストライクフリーダムのように全方位マルチロック
オンが出来るせんたいさんか、圧倒的表現力と文章力を持つボルボX氏位でしょう。
ですので、この妄想を何時でも構いませんから、SSにして欲しいのです。
其れではこれにて失礼いたします。
乙!
やぁ〜
ベアちゃんの名前は
「ベアトリス・イヴォンヌ・フォン・クルデンホルフ」らしい、ぞ。
(ジャ〜)
何というかタニアはもう公式キャラな気がしてならない。
つかタニアは原作キャラだと思っていたのでオリキャラだと聞いて驚愕。
>>539 乙です〜
タニアは不遇なオチキャラだったので w ちょっといい話でホッとしましたよ
「どこでオチつけるのかな?」とずっと待ってたのはないしょ www
>>539 X42氏おつっした
うん、これ読んでて蹴ってもらいたい団でSS書きたくなったのはナイショだ
『キミは知っているか!実は王宮内に『アニエスに侮蔑されたい教会』が存在することを!』
とか考えちゃったんだぜ
…トリステイン大丈夫か。
まあそれはともかくお兄さんも投下行きます。
三日目エロパート、シエスタ編でごじゃーます
先にベッドを占領されてしまったため、シエスタは部屋の隅にあった大きなソファに腰掛けた。
その前に、股間をはち切れんばかりに膨らませた才人が立つ。
「あは。もうこんなになってますね」
嬉しそうにそう言って、シエスタは才人の前を撫で上げる。
う、とその刺激に呻いた才人は、そのままの勢いでズボンを引き摺り下ろそうとしたシエスタを肩を掴んで止める。
「ちょ、ちょいまちシエスタ!」
「え?なんですか?」
折角ギンギンのうまい棒を丸飲みしようとしていたところだったのに、興をそがれてシエスタの眉が曇る。
そんなシエスタに、才人は続けた。
「今日はご奉仕ナシ。全部俺がするから。いい?」
意外な申し出に、シエスタは目を点にする。
「え?なんでですか?サイトさんご奉仕されるの好きでしょ?」
「いやまあたしかにそうだけどさ。でもなんつうか…さんざん焦らされてさ。
今日は俺が攻めたい気分なのよ」
言いながらズボンを下ろし、ソファの上に掛けるシエスタに覆いかぶさる。
シエスタは少し戸惑ったが。
「じゃあ…サイトさんの好きにしてください♪」
笑顔でそう応えた。
才人はシエスタの肯定を受け取ると、そのまま欲求に任せて唇を奪う。
まるで茹でたての卵のような、滑らかさと弾力を兼ね備えた唇を堪能する。
その隙間から、粘液で覆われた柔らかい肉の塊が才人の口の中に入り込んでくる。
シエスタの舌だ。
才人はそのまま自分の舌をシエスタのそれに絡める。
まるで別の生き物のように、舌と舌同士が絡み合い、互いの口腔内で暴れまわる。
その刺激に、唾液が唇から溢れ出し、お互いの顎を、頬を汚していく。
お互いの口内を犯しあう間、才人はそっとシエスタのネグリジェをたくし上げていく。
完全にシエスタの胸を露にすると、キスをしたままその豊満な胸を揉み解す。
強い刺激にシエスタの舌の勢いが弱くなる。
才人は好機ととってか、そのままシエスタの中に己の舌を押し込んでいく。
「ふぐ!?」
互いを愛撫しあっていた状態から、一方的に犯される状態になって、シエスタは目を丸くする。
シエスタは、本当は奉仕するのが好きなのではなかった。
奉仕するふりで、才人を責めるのが好きだったのだ。
しかし今、その立場は完全に逆転していた。
才人の唾液を流し込まれ、口内を蹂躙される。
柔らかい胸をこねるように揉まれ、乳首を押しつぶされる。
そして。
才人の指が、どろどろに濡れたショーツにかかる。
そのままショーツを引きのばし、才人は己をシエスタの牝の裂け目に押し当てる。
シエスタが脚を閉じる間もなく、才人は一気にシエスタを奥まで犯す。
「ふぅーーーーーーーーっ?」
唇を塞がれたまま、シエスタの唇から喘ぎが漏れる。
そのまま才人は、激しく腰を使い始める。
軽く濡れていただけの肉穴は、最後の抵抗を襲い掛かる肉棒に対し、試みる。
しかし理性のタガの外れた野獣は、少々の肉の摩擦など全く意に介さず、膣道を削り続ける。
被さる雄の暴虐に、牝はやがて生理的な反応を示す。
粘膜を守るため、粘液を分泌し始めたのである。
それがさらに、才人の陵辱を加速させていく事になる。
ぐちゃぐちゃぐちゃと、リズミカルに、淫靡に、シエスタの股間が鳴る。
その間も、口内を舌で犯され、唾液を啜られ、唾液を流し込まれる。
そして胸を蹂躙され、快楽を上乗せされていく。
「ふぅっ、ふぐっ!」
息苦しさがさらに陵辱感を押し上げ、シエスタの膣は才人をより一層喰い締める。
そして。
ぐに!
「──────────!!」
激しく最奥を突かれた瞬間。
シエスタは、最初の絶頂に押し上げられたのだった。
シエスタが才人に陵辱されている間。
ルイズは、三人の才人にとんでもない責めを受けていた。
「やぁ、らめ、らめぇ」
ルイズは全裸に剥かれ、拘束されていた。
元々捕虜を監禁、拷問する用途で作られたこの隠し部屋には、様々な拘束具が部屋に埋め込まれている。
っしてそれらの拘束具は、女王が自らの騎士との行為の際に使うよう、いくつかが新調され、いまだもって現役であった。
そのうちの一つ、床に備え付けられた歪な台の上に、ルイズは拘束されていた。
それは、上に丸い板を渡され、普段は小さな円卓にカモフラージュされている。
しかしその丸い板を取り払うと、長方形に並んだ鉄製の四本の脚と、そのそれぞれの間に渡された四本の鉄棒と、短い辺同士を結ぶ細い木の棒に分けられていた。
その四本の脚の天辺には、同じく鉄で出来た小さな滑車がはめ込まれている。その滑車には、鉄製のワイヤーがかまされ、その先にある皮製の輪に繋がっていた。
ルイズは背中をその木の棒に預けさせられ、両肘の少し上、両太股の中ほどを革の輪で拘束され、鉄で出来た拘束具に繋ぎとめられていた。
三人同時に与えられる快楽にあっというまに達してしまったルイズを、三人がかりでこの拘束具に繋いだのである。
勢いで書けたのはここまでなの〜。
つうか残業死ねばいいのに(何
んじゃ寝ますノシ
つまんね
コテであぼーんしれ。俺はしてる
X42氏とせんたいさんもGJ!でした
GJ!
せんたいさんGJ
おいら寸止めでもう…
「あ、あれは・・・せんたいさん108の殺人技の一つ「寸止め殺し」だァ〜〜〜!!」
「なんだってー!!!」
はやく続き書いてくださいよう
556 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 11:28:23 ID:QEavUOWm
せんたいさん乙です
ティファニアもなんとかからませてください
おれはばれっと氏の作品に影響されて外伝二巻とも買ってしまった
…本編のイザベラどうなるんだろうなあ
ろくでもない目にあうのはもう確定だろうな
本編16巻の前にタバサ外伝3巻め出すのも個人的にはアリだな
アン様やシエスタやテファの外伝出すのも個人的にはアリだな、てか出してほしい
乙です
3日目でこれか・・・7日目にはヒロイン全員サイトの嫁とかなってもおどろかねぇ・・・・
>勝手に作り上げられたルールに縛られる
元々ルールがある所に投下してる以上そこのルールに従うのは当たり前でしょう
それが出来ないならご自分でサイトを作ってそこでやって下さい、全てを貴方の責任とルールでやれる訳ですから
564 :
563:2008/11/23(日) 21:48:55 ID:8EWX1X+7
済みません誤爆です
565 :
X42:2008/11/24(月) 00:40:33 ID:eYjV8PIZ
これからX00-42シリーズの続編を投下します。
566 :
X42:2008/11/24(月) 00:41:22 ID:eYjV8PIZ
オークション翌日 朝9時
才人達は、アルビオンの旧ゲルマニア領のならず者討伐の為、準備をしていた。
討伐メンバーは、才人の他、水精霊騎士隊、ルイズ、ティファニア、シャルロット
そして、オストラント号と共に、コルベールとキュルケが同行となった。
才人達の護衛としてアニエスを含む銃士隊10名もいた。
今日出発する事は、ホーキンスの下には、昨日伝書フクロウで連絡がなされている。
オストラント号に乗り込む前に、アンリエッタの訓示が有った。
「皆さん、必ず生きて帰って来て下さい。決して無理をしてはなりません。
宜しいですわね」
「畏まりました」
才人を除く全員が答えた。
アンリエッタは、才人に近付いた。
「あなた、くれぐれも無理はなさらないで下さい。もうあなた一人の体じゃ無いのですよ。
それからヤリ過ぎに注意なさってくださいね」
「こういう場で、そう言う事言わないでくれよ」
才人が困惑した顔で答えた。
「今ここでしか言えませぬので。本当は私も一緒に付いて行きたいのですから」
アンリエッタは、悲しげに呟いた。
「ちゃんと帰ってくるから。アンリエッタも体に気をつけてな」
才人は、笑顔でそう言うとアンリエッタがいきなり唇を重ね合わせてきた。
1分?2分?その位長く感じられるキスであった。
「あのー前にも言ったけど、人前ではちょっと…ねぇ」
「キス位大目に見て下さいまし」
(大目に見たら歯止めが利かなくなるだろ!)
そして全員が乗り込みオストラント号は、一路アルビオンに向け発進した。
出発した後、各自自分の割り当ての部屋に入った。
今、才人の部屋には、才人以外に、ティファニア、ルイズ、シャルロット、人化した
シルフィードがいた。
567 :
X42:2008/11/24(月) 00:42:02 ID:eYjV8PIZ
才人は、猛烈に嫌な予感がした。
「何で皆この部屋に居るのかな?」
「サイトとするためだよ」
ティファニアが答えた。
「一寸待てよ!一昨日初体験で30発もやったんだぞ。それを今日もやるつもりなのか?」
更に昨日は、アンリエッタと4発やっているので4Pは、やりたくなかった。
「違う。このフネの中でするのは、ティファニアだけ」
シャルロットが答えた。
「其れは助かるけど、如何してまた?」
才人の疑問に再びシャルロットが答えた。
「ティファニアとルイズの精神力を溜める為。ティファニアは、貴方とすると精神力が
溜まる。しかしルイズは、一緒にすると溜まらない、だからティファニアとするところ
を見せつけて、ルイズの精神力を溜めさせる」
「いや別に無理して溜める必要ねぇんじゃ?」
才人の疑問に三度シャルロットが答えた。
「今度の件にガリアが噛んでる可能性ゼロじゃない。ならば2人の精神力を溜めておく
必要がある。昨日の様になったら危険」
「そっか。確かにあの騎士人形に最初に遭遇したのアルビオンだもんな。罠の可能性
がある。そう言う事なんだな?」
「その通り」
シャルロットは、簡潔に答えた。
「このフネの中でティファニア、向こうで私、帰りのフネでルイズ、帰ったら女王陛下と
メイドの予定になっている」
シャルロットは、サラッと答えた。
「そんな事まで決まってんのかよ。けど見られながらだと上手く出来ねぇぞ」
568 :
X42:2008/11/24(月) 00:42:45 ID:eYjV8PIZ
才人とて普通の男の子である。その上ルイズがお預け状態で見ているとなれば、恐怖で
100%萎えてしまうだろう。
「心配無い。魔法で見えなくするし、ルイズからは杖を取り上げてあるから、ルイズが
怒りで暴発するくらい励んで」
シャルロットは、恐ろしい事を事もなげに言い放った。
「サ、サ、サイト、精神力溜める為だかんね。私が溜める為だかんね。そ、それから
帰りは、ふ、二人以上のことして私を満足させなさいよね!」
ルイズは、小刻みに震えながらそう言った。
(全く私の精神力ってどうしてこう条件が厳しいというか可笑しいというか。テファは、
するだけで目一杯溜まると言うのに。ふんっとにもう!)
「分かったよ。それからシルフィード、ルイズを抑え込んでおいてくれないか。ルイズが
暴発すると何すっか分かんねえから」
才人は、最大の懸念を排除すべくシルフィードに頼んだ。
「了解、了解。お安い御用なのね。きゅい」
シルフィードは、ルイズの背後に回り込み、抱きしめた。
「ちょっと!息苦しいわよ。変な気持になっちゃうでしょ!」
ルイズは、真っ赤になって抗議した。
「恥ずかしがり屋さんなのね、きゅい。でも駄目なのね。怒ったときのルイズ、とても
とても暴力的なのね。お姉様を悲しませる事平気でするのね。だから緩めないのね
恨むなら、自分の暴力的な事を恨むのね。きゅい」
シルフィードは、そう言ってそのままルイズを抱きしめ続けた。
「目を瞑って。そして10秒後に始めて」
「どうして?」
「姿が消えるところ見ていたら、消える意味がない」
「そっか、分かった」
才人は、目を瞑った。其れを確認してシャルロットが魔法で姿を消す。そして声が
漏れないようにサイレントも掛けた。これで、才人側からは、ティファニアと二人きり
になり、サイレントの効果で雑音は、一切聞こえない状態となった。
569 :
X42:2008/11/24(月) 00:45:42 ID:eYjV8PIZ
10秒経ち才人が目を開けると目の前にティファニアがいた。
「うわっ!テファ脅かすなよ、びっくりするじゃないか」
目を開けた途端、ティファニア程の美少女が目の前に居れば普通の男なら大抵驚く。
尤も彼女の場合、凶悪な胸を見せた方が効果は大きいが(気の小さい者ならショック死
してしまうだろうが…)
「エヘヘヘ…だってサイトと二人きりでするの初めてなんだもの。到着するまでの6時間
たっぷりやろうね」
ティファニアは、極上の笑顔でそう言った。
「昼食はどうすんだよ」
「1食位抜いたって平気だよ。じゃあ早速サイトの服脱がすね」
と言い終わる前に服を脱がし始めた。
やけに積極的なティファニアであるが、それには理由があった。
事前にシャルロットから今日の打ち合わせが有ったのだ。
自分達は、姿を消す。
其れを忘れさせる為に、不意を突き積極的に行動する。
ルイズの怒りが頂点に達するように前戯は、胸を最大限に利用する。
序盤の体位は、騎乗位で行い、サイトに胸を揉ませまくる。
サイトの気分が乗ったら後はサイトに任せる。
というものだった。
「脱がせて♪」
ティファニアは、才人におねだりをし、才人は、其れに応えて脱がし始めた。
上着を脱がすとティファニアは、ショーツ一枚だけとなった。
才人は、そのままショーツに手をかけてずり下ろす。
そして才人が立ち上がるや否や、ティファニアは、才人をベットに押し倒した。
「うわっ!」
ティファニアは、キスをしながら胸を押し付け、才人の体を蹂躙した。
次にティファニアは、ルイズやシャルロットには到底不可能な顔面パイズリを
敢行した。
才人は、表現不可能な程の甘美な刺激を受け、息子は準備万端となっていた。それでも
攻めの手を緩めず、才人に胸を揉ませながら、固くなった乳首を才人の口の中に入れ、
交互にそれを吸わせた。
570 :
X42:2008/11/24(月) 00:46:29 ID:eYjV8PIZ
「サイト、もっと、もっと吸って、噛み噛みしてー」
才人は、ティファニアのおねだりに応え、吸ったり甘噛みをし続けた。
その後ティファニアは、69の態勢になった。しかし才人の息子は、パンパンに成って
いた為フェラは行わず胸を腹に擦り続けた。
そして才人は、目の前に現れた彼女の秘部をしげしげと見つめた後、指でクリトリスに
刺激を与え、皮を剥き肥大させた後、クンニを行い人差し指を膣の中に侵入させ、
こねくり回して、強烈な刺激を彼女の脳髄に送り込む。
「ら、らめー、そんなにしたら、イ、イッちゃうよ」
ティファニアは、盛大に潮を吹きへたり込んだ。
そして夢遊病者の様に起き上がり、自分の秘部に才人の息子をあてがい、一気に
飲み込みこんだ。
「あうあうあーーー奥まで、奥までサイトが…あーーーーー」
ティファニアは、無我夢中で腰を激しく動かし快感に酔いしれた。
才人は、彼女の胸を揉みながら、腰を突き上げ、亀頭が子宮をノックしまくった。
その度にティファニアから艶めかしい喘ぎ声が部屋の中に満たされた。
そして、殆ど理性の吹っ飛んだ状態になりながら花時計を敢行した。
「サイトのが膣でよじれる…ああっ、当たる…サイトのが当たるーーーー」
「サイト…お願い…後ろから…コンコンしてー」
才人は、おねだりに応えて、体位をバックに変化させ、突きまくった。
「あーーー才人が膣奥に、膣奥に…もっと、もっと突いてーーー」
ティファニアの膣は、物凄く締まり、才人に強烈な刺激を与える。
「テ、テファ…ち、ちょっと締めすぎ…くう…負けん…テファがイクまで…絶対負けん」
才人は、強烈な刺激に耐えながら、ティファニアの膣壁を色々な角度で突くまくり、
負けじと強烈な刺激を与えまくった。
「もうダメー…イ、イク、イク…あーーーーーーーーー」
ティファニアは、絶頂をむかえ、才人がピストン運動が出来なくなる程締め付け、
才人も、ティファニアの膣奥に盛大に射精した。
「サイト、もっと…もっとしよ…後5時間あるからあと5回しよ…」
「こんなのあと5回もやったら可笑しくなるぞ…」
571 :
X42:2008/11/24(月) 00:47:02 ID:eYjV8PIZ
「平気…これで可笑しくなるなら本望だよ…だから…しよ」
才人は、ティファニアのおねだりに応えて計6回頑張った。
一方見事に忘れ去られたルイズは、凄まじい怒りで精神力が溜まり、尚且つ上限も
急上昇し、ラグナ・ブレイドが2発唱えられる程になった。
もう一人シャルロットも2人の激しい情事を目の当たりにし、胸の内に激しい炎を
燃え上がらせていた。
才人は、見事に死亡フラグを2本獲得していた。
572 :
X42:2008/11/24(月) 00:52:38 ID:eYjV8PIZ
本日は、此処までです。
あと1カ月でクリスマスですが、何か単発物のSS作成したほうが
よろしいですか?
>>572 別に作りたけりゃ作ればいいし。
書かなかったとして誰かから責められる謂れは無いと思うけど?
あとトリップ推奨。
X42氏乙。ラグナブレイドとか懐かしいなw
前回大事な事を忘れていた
>>475 情報THX。しかしお兄さん鞍等よく知らないのです
なんかヒロインに格闘系の人がいるとか主人公がハムの人だってくらいしか
ちなみにTSK御大の同人はゼロ魔しかチェック入れてなかった罠
さてそれじゃあ出勤前に三日目続きいきます
、_人_从_人__/
_)
,..r;;: ( 人) ) ,;`ー、 | ヽ丶 _) 消 汚
ヾゞ、 ゞ'´ '`´ `ヾ、 ─|─ _) 毒 物
-‐':、ゞ'`` ,l / | ヽ _) だ は
ヾ、 ゞ;;. ,r-、 `ヾ、 ヽ、 _) l
, rヾ ,r!/r'ヽ '` \ _|_ _) っ
_,,,.,ノ、_ ヽ, `ゞ;; ;:、 /| `) !
,r‐'''" ,.r ,イ彡ミミヾ、 `` ´;;i V^V⌒W^Y⌒
__,.;;,ィ'´ ,:;;;;彳彡ミ;j`、 `i;:、 オ
;; ヾ、彡;;;ノリ;jjjjj;;;jr' i . ノ;;:'' `゙`、 ``ー、 ,ィ
彡冫;;il;;;ミ;;;;;y;レ ,t'´ ,.、ー、 ゝ ォ i|l;
;'イ;;;'ヾ``ヽ、ィ;;i ,ri'´ ヽ ヾノ ,ry' il'Y゙r ヽ、 ,j|l;;
j'´ '´ '´/ゞ';;::`´ヽ ``´ー ゙i ;;: ,r' ) ,r、 ,rヾlir'ミ,
/ ,;:' '´/ ー≡;i{、 /ヾr'´ ,. '`;;:、 〉ゝ r-ー-、_ ,{i=i= }i、
ーr-、j ,! ,;',;'ィ;;:イ''``ゞ、_,、-‐'´ヽ:;/ 、 ``ヽ ;:、 `' (´ `ゞ、;;;;'',,fi、,≡:;イ==、
,,:' ``ゞ、,;;ゞ、 "´イ ,... `'彡 ,/´ `ヾ、ヾ ' ー、 ii;j `i;;!'´ニil';;;;ゞr、_,r'ミ
' ー‐─ ,rー'゙ー─-、_j;:r'´ ヾ,ゞ 、 ゞ,ミ;:l;;l ,! ,!,i;;'´¨/
;. r-‐;;'"} ``ヾ、 ノ ,;;;: (i,;)))、,,:;!、__,:};!_,.、l
.... _,,,ィ、 i 'ヾ人 、}( / ノ ,r'i r'"ヾ-‐i‐-:;イ, / ヾ
そんなルイズの全身を、三人の才人が執拗に陵辱していた。
うち一人は長方形の下辺からはみ出た臀部を割り開き、肛門を嘗め回していた。
うち一人はその上で、とろとろと愛液を零すルイズの女陰を嘗め回していた。
残りの一人は、ルイズの脇に陣取り、その平坦な胸板を嘗め回していた。
愛する人の分身に、三箇所の性感帯を同時に責められ、ルイズは何度も達していた。
「ひ!く!いくぅっ!」
ルイズの宣言と共に彼女の体が跳ね、がちゃがちゃと拘束具が鳴り、びくん、と腰が跳ねる。
それと同時に股間からぴしゅっ、と可愛らしい潮を吹き、ルイズは何度目かの絶頂に達する。
「も、やめ、こんなの、やらぁ…」
ルイズは、他の誰よりも『普通に』愛されるのが好きである。
前から抱かれ、唇を塞がれ、お互いの名を呼びあいながら甘い時間に融けていくのがルイズの最も好きなセックスである。
こんなふうに、拘束され、無理矢理絶頂させられるのは、彼女の好みではない。
しかし。
ぺろ。
「ひう!」
肛門を再び舐めあげられ、ルイズの喉が踊る。
やあ…キモチイイ…っ!
ルイズの身体は、確かに快感を得ていた。
理性は否定しても、熱く疼く牝の芯が、四肢の先端まで快楽の電流を走らせる。
嫌なはずの行為に、快感を得てしまう身体に戸惑うが、その原因は自分でも分かっていた。
相手が才人だからである。
才人にされることで、キモチイイことならなんでも受け入れてしまうように、ルイズは知らず知らずのうちに順応してしまっていたのである。
やなのに…!やなのにぃ…!
必死に奥歯を噛み締め、与えられる快楽を否定する。
しかし、結局それは無駄な努力に終わる。
才人の歯と指が、硬くしこり勃った両の乳首を押しつぶす。
才人の指が、ルイズの陰核を剥きあげ、唾液に濡れた唇で優しく愛撫する。
才人の舌が、彼の両手で割り開かれた肛門に侵入する。
「ひゃぁ!」
快楽を与えられ硬くしこったルイズの乳首は今、才人の指にこね回され、歯で軽く甘噛みされていた。
淫欲に染まった血液の流れ込んだそこは、硬く勃起しており、確かな弾力をもってルイズの快感を表現している。
指で包皮を剥かれ、ぷるんと外気に晒されたルイズの陰核は、才人の唇に優しく咥えられ、こね回されていた。
普段包皮に包まれ保護されている快楽の中枢を優しく愛され、ルイズの腰の奥で稲妻がはじける。
すっかり快楽に解きほぐされたルイズの肛門は柔らかく、簡単に才人の侵入を許してしまっていた。
そのまま、襞の隅々まで舐めあげられ、ルイズの直腸はまるでそこが性器であるかのようにひくつきはじめている。
三箇所を同時に責められ、ルイズの意識は混乱する。
抵抗しなきゃいけないのに、どこに抵抗すればいいのか分からない。
「ちょ、ど、どこなめてっ…ひ!や、だめだめだめっ、全部だめぇっ!
そんなしたらまたいっちゃ…あぁぁあぁぁぁぁぁっぁ!!」
再びルイズの腰がびくん!と盛大に跳ね上がり、身体中からくたん、と力が抜ける。
そして。
ぷしゃあああ…。
完全に気を失ったルイズの股間から、膀胱に溜まった尿が溢れ出す。
三人の才人たちは気絶させたルイズの拘束を外す。
そして、うち一人が脱力したルイズを抱え上げ、床の上に寝転がると。
本人の意思とは関係なく、愛撫によってぱっくりと開いた肛門に、いきり立った剛直を押し当てた。
脱力しきったルイズの肛門は、ぱく、と才人の先端をまるで彼女の唇がそうするように牡の先端に食いついた。
「あ…?」
その刺激に、ルイズの喉が鳴る。
しかし意識は快楽の電流に焼き切れたまま。刺激による脊髄反射であった。
床に寝転がった才人は、そのまま剛直をルイズの中に差し込んでいく。
すっかりほぐされたルイズの肛門は、むりむりと音をたてながら才人の竿を飲み込んでいった。
「…あ?って、何、なにぃぃぃぃぃっ?」
その刺激に、覚醒したルイズが声をあげた。
と同時に、括約筋がきゅうっとすぼまり、才人を喰い締める。そのせいで、ルイズは熱く滾る才人のカタチを、よりはっきり意識してしまう羽目になる。
ルイズ自身のの体重で深く深く差し込まれた肉棒は、直腸からルイズの子宮の裏側を押し込んでいた。
「くっ、ルイズ、んな締めんなよ…!」
「やっ、ばかいぬっ、どこ入れてんのよぅ!や、だめ、動いちゃだめっ。
なんかきちゃうからだめぇ!」
子宮を裏側からノックされ、腸を削られ、ルイズは肛門で達しようとしていた。
しかし、この程度で済むはずもなく。
「ルイズ、三人指名したの、忘れてないか?」
「ふ、ふぇ?あ、なに?」
不意にルイズの目の前が暗くなった。
才人の上で肛門を貫かれるルイズの前に、もうひとりの才人が、立ち塞がっていた。
そして。
ルイズの意識は、さらなる快感で掻き乱されることになる。
愛液と尿でグチャグチャになったルイズの女陰を、もうひとりの才人が貫いた。
あまりにもあっさりと、才人の剛直は奥までルイズを貫く。
先だって差し込まれていたもう一本が、ルイズの内壁と、子宮を圧迫する。
「や、は、くるひっ、子宮つぶれりゅっ、くちゃくちゃになっちゃうっ!」
空気を求め、ルイズの口がはくはくと開く。
その頭を、がっしりと掴む手。
無理矢理横を向かされたルイズの目に、そそり立つ才人の肉棒が目に入る。
「まだ一人残ってるって、忘れてない?」
「ひ、も、もうむりぐぅっ?」
ぱっくりと開いたルイズの口に、才人の剛直が押し込まれる。
才人は乱暴にルイズの口を犯す。
口を、肛門を、女陰を同時に犯され、ルイズの意識が朦朧とし始める。
しかし、才人たちの暴虐で送り込まれる負の快楽の電流が、飛びそうになる意識を無理矢理繋ぎとめる。
揺さぶられる子宮に何度も軽い絶頂を覚える。その度に、どんどん子宮が深い場所に堕ちていく感覚がルイズを襲う。
「むぐぅ、む、ぐぅぅぅっ!」
そして、深淵の底まで堕ちた瞬間。
ルイズの身体が、まるで進入してくる才人たちを抱きしめるように、絡みつく。
舌が肉棒に絡みつき、無意識に先端を吸い上げる。
括約筋が根元に噛み付き、直腸が蠢いて吸い上げる。
膣口がぎゅっと竿を抱きしめ、膣道が細かく蠕動し、子宮口が亀頭に喰らい付く。
t 〉从||||iiー''";;;;;;;;ー、リリ) ~'ー、
了 ,r'~;;;;Lr'";;;;;、 '"ヽ ~' 、ii〈 /
て 消 ( /ソ、;;;;;;;;;;;/::: ::ヽ:::ヽi| 土 わ (
え 毒 〉 |/、,, 'ーiii~''",,,、ヽ- 、,,t:::::j 下 は 〉
か さ ( y,,,,='';;'"´ ;;;;;;、r'--ミ:ヌ 座 は (
┃. れ ヽ, t'" ;;;r'⌒''yー'" ::t ) し は / ,,、-''"
┃ ゝ i ̄:::::ノ'ーイ;;;;,,,,_ー、 彡|i | ろ /'",、-'"
┃ ,r" ヽ、 'r=='"~,,)i'iii リ:j | // 〉:::::::::::::
// r-、| ', i;;;;r'"~~ リ ソ:://'''ー、 ・・ _(::::::::::::::
・・ | i tー'--,ノ / ,r';;; :::L _ __ /::::::::::::/
,r、 ,、-- 、, -'" ,iヽ, 二~-ー, ',、 ':::::::::/ ノ/",, レ''"、~ ,、 ':::;;、
レ"从 ;:;: ( _,, r'''~|::::to'''''"o~j";;;、 -'":::"::| ,,,,」L,,,, ヽ''",,、-'~::::
从 ),,,、-ー ''''" ̄ ̄::/::::. (、;;;;二=ー'''":::::::::::::::,、-''i, |j" ,,,,,、- '":::::::::::::
゙〉 , '''~ '''"::''___''''/::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;、-ー''"/从;;;;~'''''''i'i""| i|:/ ̄ ̄
∫ (,,:::::''" ,r"ii .ツY""::/:' 、;;;;;;;;;;、 -ー ''"" i i|||;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;| i|:::/
`}∫ _ノ、,,,,,,,/ニ了 ̄/,,,,,i////::::::::::::::::::::tj:::::::::::::::::::::::::| }||;;;;;;;;;;;;;;;|i;;;;;;| |/
";:;: ;:i'___(二二i|/iiiiii//// :::::i ::: i 〈t""○;;;;ti;;;;;;i /
'、t,,々ヽ==、、~'' 、ヽ| iOj//リ:::::,、 '"" :::| ::: t | t、、 ti;;;;;;i
.,r/;:;~''tt;;;;;:ヽヽヽ'yi|リ,//iソ''~ ::::| ::: '、ヽ';;;;;;O;;;;ヽ;;i
.i.|;:;:;:;:;;゚;;;;o;:;;:;:;:i |"|::|O|ii|||| :: it ::::::: ' 、;'、;;;;;;;;;;;;ヽ| 、、
i ';:;:;:;:;;;;;;:;:;:;:;;:;:;ノノ:::i:ソii|||i| || ::;;ヽ ::::::::......................`' 、;;;;;;;;;;;;;;;i :::" ,、
ー、' 、、;;;;;;;;;;;、 '"::::ノ人i从i || ::::::;;;j ~' 、,,::::::::::::::::::::::::::::::\;;;;;;;;;;;t ::::::,、 '~ ,,
_i、ヽ,,二_,,、 '",,r"入从jノ:::::::::::::::::::::::::::;;/ (:、 ~ '''''''''''''''''""""~ヽ;;;;;;;;;'、/:::/::
'フヽ、iii二二;;;;、-'"ー-'、〉、、;;;;;;;;;;;;,、- ''~ ;;;;};;;;:::::;;;;;;;; ,,,,,,,,,、 ,、-ー''''、~フ""/:::::::
/、 '"~(~~~ '''、"~ ヽ,...,,'ー-、~'ー、::::'''" ヽ:: ~ 、-ー''":::::::ヽ Y
「くっ、ルイズっ…!」
三人が同時にルイズの名を呼び、そして。
どくどくどくどくどく!
一足先に深淵に堕ち、意識を手放したルイズの中に、大量の精液が注ぎ込まれたのだった。
ルイズが三人の才人に責めあげられている間、シエスタはたった一人の才人を責めていた。
射精し、一息ついた才人を押し倒し、その柔らかい胸で才人を挟みこんだのである。
「ちょ、シエスタ、今日はご奉仕なしって言ったじゃんかっ」
「うーふーふー。だーめーでーすっ。
私はサイトさんのメイドなんですから、ご奉仕は義務なんですよ♪」
言いながらぐにぐにと胸の谷間の中で才人を犯す。
「ほら、サイトさんの大好きなおっぱいですよー。
ほーら、ほーら」
胸を両側から押さえ、才人の肉棒を変幻自在に変形する肉の隙間で刺激していく。
「ちょ、だめだってシエスタ、けっこうソレ痛いんだって!」
「痛いのもイイんでしょ?こーの、へんたいさん♪
ほらほら、揉むぜ〜。超揉むぜ〜♪」
むにむにと、容赦なく才人を胸の柔肉で揉みあげる。
「くぁ、だ、だめだあっ!」
どくどくどくどく!
シエスタの胸の中で果てる才人。そのまま萎えていく才人。
しかし、シエスタは才人を逃がさない。
胸から才人を開放し、今度は口で咥えこむ。
「ちょ、休ませてよシエスタっ?」
「はにひってるんれふは、ほほはらはいいほこれふよ〜」
今日は徹底的に才人を搾り取るつもりの、シエスタであった。
そしてその頃、ベッドの奥に陣取ったアンリエッタは。
才人と向かい合って抱き合い、繋がっていた。
だが一切動かずに、お互いの身体を愛撫しあっていた。
この方法を提案したのはアンリエッタ。以前、安宿で行った動かずに愛撫しあう行為を、女王はいたく気に入っていた。
最初、才人はゆっくりとアンリエッタの張りのある胸を揉みしだいていた。
そのうち、行為がエスカレートし、下半身にも手が伸び、今は、胸と女陰を同時に刺激していた。
アンリエッタははじめ、才人の首筋に顔を埋め、その肌に何度もキスをしていた。
だが、そのうちガマンがきかなくなり、直接才人の唇を吸いだした。
「ん、ちゅ、んむ…。やらしいですよ、姫さま…」
「ん、ぷ、はぁ…。ああ、融けてきてます、サイトさまぁ…」
深く深く繋がった部分が、少しずつぐにぐにと蠢き始めていた。
そして、先に音をあげたのはアンリエッタの方。
「あ、あの、サイトさま…。
も、も、もう、ガマン、できませぬ。う、うごいて、よろしいでしょうか…?」
いいながら、既に腰が蠢き始めているアンリエッタ。
実は、才人の方も限界であった。
「う、うん。お、俺も限界っぽい…」
才人の言葉に、最初に応えたのはアンリエッタの声ではなかった。
膣肉が最初にきゅうきゅうと蠢き、肯定を返したのである。
「あ、やだ、私の中、勝手にうごくぅ…」
「くぁ、い、いきなりだなっ、姫さま…!ナイス淫乱っぷりですよ…!」
そう応えて、才人は。
アンリエッタをそのままベッドに転がし、女王の背中をベッドに押し付け、背中を大きく曲げさせ、腰を浮かせた。
そのまま膝裏に手を押し当て、姿勢を固定させる。
「や、やだっ、こんな格好っ」
「このほうが、姫さまをぐちゃぐちゃにできますからね…!」
嗜虐的な笑みを漏らし、才人はそのまま腰を引き抜く。
ぶちゃぶちゃと溶け合った性器が淫猥な音を響かせる。
「や、やあ!抜けちゃう、私の中、ひきずられてぬけちゃううううう!」
才人の返しに削られる感覚は、アンリエッタに蕩けきった膣肉を引きずり出される錯覚を覚えさせた。
そしてそのまま、才人はどちゅ、と溢れる愛液を押し込みながら、もう一度アンリエッタを奥まで犯す。
「あひ!ひびく、奥まで響いてますぅ!」
その衝撃に子宮どころか内臓までびくびくと震わされ、深い快楽に落ちていくアンリエッタ。
そして、才人は抵抗のほとんどないアンリエッタの膣内を激しく犯し始めた。
「あぁぁぁあぁぁぁ!やら、きちゃう、きちゃうううう!」
「ひ、姫さま、俺も、俺もっ!」
その行為はすぐに限界を迎えた。
互いに限界を伝え合い、震える女王と騎士。
アンリエッタの中に、才人の精液が注がれる。
二人は絶頂の余韻に、そのままくたん、と重なり合ってベッドに倒れる。
まだ、股間は繋がったままだった。
そして。
先に覚醒したのは、アンリエッタの方。
自分の中で徐々に硬さを取り戻し始めた才人に、目が覚めたのである。
「ねえ、サイトさま」
「ん…何?姫さま」
「今度は、私が上になりますわ…。ですから、もう一回…」
「しょ、しょうがねえなあ、この淫乱女王は…」
そして二人は笑い合い、今度は寝転ぶ才人の上にアンリエッタが腰掛けながら、また繋がったまま動かずに愛撫を始めたのだった。
さてその頃。
この隠し部屋の、カーテンで仕切られた、普段は調度を飾っておくべき場所で。
頑丈な木の椅子に縛り付けられ、猿轡をかまされ、ギンギンに股間を勃起させ、血の涙を流す才人がいた。
この才人が、本物の才人である。
アンリエッタは仮にもトライアングルクラスのメイジである。
そのアンリエッタが、スキルニルの支配を失うなど、ありえない話である。
つまりは、先ほどアンリエッタの話していたことは、嘘である。
本物の才人はここで縛られ、三人の行為のあられもない声だけを聞かされ、ただでさえ溜まっている劣情をさらに滾らせていたのである。
なにこのnmgrs?死ねと?俺に死ねというのかッ?神よ!?
必死に暴れるが、アニエスによってぎっちりと締められた縄がほどけるはずもなく。
「や、は、も、もうらめ、らめなんらからぁ…!」
「ほらほら〜。今度はぱふぱふですよー」
「ああ、サイトさま、融けます…これ、いっぱいとけてしまいますぅ…!」
響き渡る淫声に、自慰も許されずただひたすら生殺しに逢う才人であった。
結局才人が開放されたのは、全員が満足しきって、各々の居場所に帰った後。
才人は開放してくれたアンリエッタに襲い掛かり、そのまま水魔法で眠らされる事になったのである。〜FIN
以上。さあ爆発寸前の才人の運命やいかに
次回、「平賀才人の逆襲」(仮)乞うご期待(嘘
んじゃ仕事いってくゆノシ
>>583 え〜〜〜なんという展開…
どこまでSなんだせんたいさん!才人カワイソス(´・ω・`)ショボーン
あ、GJですっノシ
X42氏もへんたいさんもGJです!
>>580 > ほらほら、揉むぜ〜。超揉むぜ〜♪」
中の人自重wwww
みのりんはかわいい
原作15巻の疑問が有ります。
ジョゼフの嵌めていた土のルビーは?
ミョズニトニルンの嵌めていたアンドバリの指輪は?
何よりジョゼフが死んだのにミョズニトニルンの能力が消えなかったのは何故?
仮に火石の影響半径が10リーグ、フリーゲート艦の高度が3リーグ、フネの上昇速度
を毎秒1メイル(5メイルだとサンシャイン60のエレベーターの約半分の速度)
で計算すると約7000秒(約1時間57分)も主の死後、能力が消えてない事になる。
これは、一体どういう理由なのだろうか?
分かる方は、教えて下さい。
ちなみに高度を3リーグにした理由は、原作のフネ、及びシルフィードが通常
飛行している高度から引用。
1、ドカーン
2、ドカーン
3、ミョズの能力は消えていて、上昇していたのは逃げていただけ。
爆発したのは教皇のエクスプロージョンによるとどめ。
教皇鬼畜ww
ヒント:ミョズはもともと東方の術士
教皇鬼畜…よし、ここらでロマリア勢によるミョズ輪姦ネタをですね
>>590 土のルビーは、絶対必要な筈。となると「加速」を使って教皇ダッシュして
強行奪取したと…
はじめまして。初SS書いてみました。
--
「ゲホッ…ガハッ…うえぇ……」
激しくむせながら、タバサは血液まじりの吐瀉物を大量に吐き出す。
彼女の腹部は何本もの氷の矢に貫かれ、鮮血が噴出していた。
目には、うっすらと、涙。
表情には、死への恐怖。
12歳でシュヴァリエに叙せられ、15歳にしてスクウェアクラスのメイジとなった天才少女の面影は、もはや見る影もない。
しかしタバサの右手はまだ杖を掴んで離さない。彼女の矜持がここに表れている。
彼女はまだ戦いを放棄していない。
それが私の癇に障る。
「杖を捨てろ」
短く、私は言い捨てた。
するとタバサは、涙の浮かんだ目で、気丈に私を睨み付けるではないか。
私は舌打ちをする。
「降伏しろ。降伏すれば、命までは獲らん」
「だれ、ぅゲホッ、が、あなた、なんかに」
「ああ、そう」
私は左腰に装備していた短刀を抜き、タバサの腰に突き立てた。
「!!!!」
激痛に声も出ないタバサ。
口から、またも血液が吐瀉された。
彼女は眉根を寄せ、目をきつく閉じ、歯を食いしばり、苦悶そのものといった風に顔を歪めてゆく。
「痛いか? 痛い時は泣き声を上げていいんだぞ?」
言いながら、私は彼女の腰から生えた短刀を、ドライバーのようにぐりぐりと回す。
ほら、ぐーりぐーりぐーり♪
「ぎぃぃぃぃぁああああああ!!!!」
タバサは顔中を口にして絶叫した。
彼女の華奢な体から発せられたとは信じ難いほどの音量。
ああ、心が震える、魂が震える、全身が歓喜に打ち震える。
人の苦悶の声! なんと心地よいのだろう!
愉快だ。
とても愉快だ。
私がイザベラなどの依頼を受けたのは、この愉悦が目的だったのだ。
さて、次は、どこに風穴を開けてあげようか?
どこを切り落としてあげようか?
どこの肉を削ぎ落としてあげようか?
目を潰すのも面白いだろう。
瞼を剥ぐのも面白かろう。
腕の肉を削いで、骨を露出させてやろうか?
歯を全部粉々にしてやろうか?
煮えたぎる熱湯を顔にかけてやろうか?
「……おい、こっちだ!」
「…ったく、何だってのよ?」
……ああ、誰かが近付いてくる。
私ワルドは、束の間の甘美な妄想から現実へと戻り、イザベラの依頼を真面目にも遂行することにした。
泣き叫ぶ、血と吐瀉物と鼻水と涙にまみれたタバサの顔……
その少しだけ下…… 首、頚動脈。
そこに剣の刃を当て、
少しだけ、
押した。
少女の体はビクンッと跳ねて、
一分かそこらは噴水のように赤い液体を噴き出していたが、
やがて動かなくなった。
さあ、帰ろうか。
乙。俺は嫌いじゃないが血系は事前に注意喚起入れた方が良いよ
>>601 乙! あと他の注意事項としてダークな展開やヘイト物のSSを書く時や
あとエロでもスカトロとか陵辱物を書く時は事前警告を入れたほうがいい
確信犯だな(誤用のほう)
確信犯だな(正確なほう)
何が(道義、信条的に) "確"か (に正義) であると"信"じて"犯"すだって?
606 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 11:10:32 ID:/ta65v3h
まぁ確信犯は正しく使われないことの方が多い言葉だよな
変態は正義
「綺麗事」とか「偽善」も然り。
610 :
X42:2008/11/30(日) 01:25:10 ID:5kaI//8E
今からX0042シリーズを投下します。
サウスゴータ城
この日の午後3時頃、オストラント号は、才人の領地の中心都市のシティオブサウス
ゴータ郊外に到着した。
オストラント号が余りに巨体なので、城の中庭に入りきれない為仕方無しに、郊外に
着陸したのである。
出迎えには、ホーキンス達の他、シティの市民も大勢来ていた。無論新しい領主である
才人を見に来たのである。何と言っても才人は、先の戦役で7万の大軍を一人で止めて
いる上(元将軍のホーキンスが公式に認め、尚且つ領地中に流布している)領主税を
徴収しないというハルケギニア始まって以来初めての領主となったからだ。
その上領地の復興に私財の殆どを使うよう指示されていることが伝わっているので
(昨日のオークションの結果、報奨金185.4万エキュー)物凄い人気となっているのだ。
そして、アルビオン王家の最後の生き残りのティファニアとも教皇の計らいで婚約して
いる事も伝わっている。(無論ハーフエルフで有る事も)
現在シティの人口は、6万を超えている。戦役前は約4万だったので2万以上も増加して
いる事になる。領主税0、ホーキンス達による極めて安定した治安と民衆の為の政策の為、
旧ゲルマニア領からの避難民が続々と押し寄せ、かつて無い活況を呈していた。
無論弊害も有った。急激な人口増加は、大きな住居問題を引き起こしている。
(殆どの避難民は、潰走した連合軍の残していったテントでの仮設住まいをしている)
今回討伐が成功すれば、避難民達は、元の土地に戻り住居問題は解決される事になると
思われている。(無論荒廃した、旧ゲルマニア領の復興が必要であるが)
着陸したオストラント号とシティの門の間に一本の道が出来、その両側を黒集りの群衆
が詰めかけていた。
先ず先頭を切って、水精霊騎士隊が降りてくる。大きな歓声が上がり、次いで
銃士隊、コルベール、キュルケと続いた。
「俺が最後にテファをエスコートしながら降りるの?目立つし、苦手なんだよなー」
才人は、貴族に成ったとはいえ、礼儀作法など殆ど知らない。無論テーブルマナー
とかは、ルイズにしごかれて何とか見られる程度には成っているが…。
何をやればいいのか、逆に何をしてはいけないのか、才人は良く知らなかった。
「仕方ないでしょ。ホ、ホントは、主人である私をエスコートすべきなのよ。で、でもね
此処はアルビオンで、あんたの領地なんだから、領民の心情を考えればテファを
エスコートしなくてはならないのよ。それにこれからはこういう機会が嫌でも増えるわ、
今の内から慣れてないと、あとで後悔することになるわよ」
正にその通りである。今でさえ公務や、晩餐会、舞踏会の予定が目白押しである。
この後ルイズ達と重婚したら、どれ程のスケジュールに襲われるか分かったものでは
ない。最早才人に逃げ道は無いのである。
「貴方とティファニアは、フネから出たら、民衆に手を軽く振って笑顔を見せる。
それだけすればいい。そのまま馬車に乗り、城まで行く。他は何も考えない」
シャルロットは、2人の緊張を解きほぐすように話した。
「分かった。じたばたしても始まんねぇしな。それじゃテファ降りるぞ」
「うん」
最後にルイズ、シャルロットの後ろに才人にエスコートされたティファニアが
出て来た時、割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こった。
気の小さいティファニアは、ビクつきながらも何とか笑顔を絶やさず歓声に応えた。
タラップを降りると、昔テレビで見た王族や皇族が結婚式のパレードに使う馬車が
目の前に止まっていた。
(こ、これは晒し物になってくれと言わんばかりの馬車じゃねぇか。まあアルビオンに
すれば、絶えたと思っていた王家の生き残りがいて、しかも婚約しているんじゃ、
此れも仕方ねぇか)
「サイト様、ティファニア様、お待ちしておりました。どうぞ此方の馬車にお乗り下さい。
ルイズ様方は、手前の馬車にお乗り下さい」
ホーキンスは、見事な騎士の礼を行い、4人を其々の馬車に誘った。
4人が馬車に乗り込むと城に向けて出発した。
沿道の群衆は、門を過ぎると一層増え、2,3階の窓や、屋根から此れでもかと言わん
ばかりの紙吹雪が乱れ飛んだ。
沿道からは、「サイト様万歳!」「ティファニア様万歳!」の大合唱になっている。
「しかし物凄い出迎えだな。俺なんかはっきり言って名ばかりの領主で、実際に治めて
いるのは、ホーキンス殿達なんだがな」
才人は、しみじみと本音を吐いた。
「そうだね。サイトも私も普段此処にはいないし、私達を見るのは初めてという人が
殆どでしょうしね」
ティファニアは、笑みを絶やさず答えた。
才人達を乗せた馬車は、ゆっくりとした速さで進み、10分程で城に到着した。
城に着いた才人達は、執務室で今後の作戦会議を行った。
「敵の現在位置は、どの辺りですか?」
レイナールがホーキンスに尋ねた。
「竜騎士の報告では、この城から敵前衛まで凡そ30リーグ程です。又奇襲部隊がいないか
偵察させていますが、現在のところ、そちらの報告は御座いません」
ホーキンスは、地図を指しながら現状報告をした。
「ホーキンス殿、敵の行軍ルート付近に水辺又は湿地帯などは有りませんか?」
「御座います。この城より15リーグ程の所に、広さ1平方キロメイル程の沼が一つ。
ですがそれが何か?」
ホーキンスは、疑問に思いながらレイナールに尋ねた。
「実は私に作戦が有るのです。コルベール先生、お頼みしたものは出来上がりましたか?」
「ああ、出来ているが一体此れで何をするんだね?これ一つでは威嚇にすらならないと
思うがね」
コルベールは、依頼された物を片手に尋ねた。
「結果は、見てのお楽しみという事で。ホーキンス殿、今此方に竜騎士は、何騎行動
出来ますか?」
「今は10騎ですが、竜騎士で奇襲を懸ける御積りで?」
「違います。明日の作戦で我々の水と土メイジを乗せて欲しいのです。そして作戦終了後、
全力でそこから離脱して下さい」
「乗せるのは構いませんが、何故作戦終了後全力離脱しなければいけないのですか?
そしてそれは如何なる作戦なのですか?」
肝心な事を話さないレイナールにホーキンスは、詰問した。
「分かりました。ホーキンス殿、申し訳有りませんがお耳を拝借」
レイナールは、ホーキンスに耳打ちした。
「………………という訳なのです。初めて行うので、予想通り行くか現段階でははっきり
申せません。しかし上手くいけば、此方の被害は、出なくて済みます」
「確かにレイナール殿の言う通りになれば、此方の被害が出ない上に、一撃で片が付いて
しまいますね。だからこそ全力離脱しなければならないという訳ですね。現時点では
不確定要素が多く、その通りいくか分かりませんが、兵力が百名程度しか出せない現状
では、その作戦に賭けるべきですな」
シティの守備兵力は、合計約五百名程。しかし治安維持(内通者や潜入部隊がいない
保証はない)のため、他に奇襲部隊に備えて要所に兵を配置しなければならないため、
百名程度しか兵力を差し向けられないのだ。無論ホーキンスやその直属の部下は、有能
なメイジで、優秀な元軍人。であるがために各要所に配置しなければならなかった。
「ではホーキンス殿、宜しくお願い致します」
「畏まりました。では出発は、明朝8時で宜しいですか?」
「ええ、それで宜しいと思います。キュルケ、これを頼む」
レイナールは、コルベールから受け取った玉をキュルケに渡した。
「何これ?花火の玉みたいだけど?」
「ちょっと違うな。先行部隊が、作戦終了後離脱したらこの芯に着火を掛けてくれ。そう
すると内部の導火線を伝わって30秒後に爆発するから。タバサ、キュルケが着火を掛け
て投下したらシルフィードで全力で離脱してくれ。躊躇していると危険だから」
「分かった」
タバサは、小さく頷いた。
「それでは、今日の作戦会議は、終了とします。各員明日に備えるように。それでは解散」
夕餉の後、才人の部屋にはシャルロットと人化したシルフィードがいた。
「シャルロット、レイナールが何を考えているか分かるか?」
「分からない。でも全力離脱しなければ危険。それは確実」
「そっか。シャルロットがそう言うなら間違いないな。シルフィード、明日頑張って
くれよ。頼んだぞ!」
「任せるのね、きゅい」
シルフィードは、何も考えずに答えた。
「明日は戦闘になるから今日はもう寝ようぜ。おやすみシャルロット」
しかしシャルロットは、部屋に帰らず服を脱ぎ始めた。
「おい!明日は戦闘になるんだぞ!体力温存しねぇと」
「安心して、今夜はお互い体力は使わない。でも今日私はフネの中で猛烈に嫉妬した。
自分で頼んだ事とはいえ、ティファニアがとても羨ましかった。今の私では到底無理。
でも諦めない。いずれ彼女に負けない体に成ってみせる。だから今夜は抱きしめ合って
寝たい。それも繋がったまま。だから貴方も脱いで」
さらりとシャルロットは、言ってのけた。
「しゃーねぇなあ。けど分かってると思うが、シャルロットの方が大変なんだぞ」
そう言いながら才人は、服を脱いだ。
そしてシャルロットは、フェラをして大きくした後、硬化の呪文を掛け、才人をベット
に押し倒し、秘部を才人のペニスに擦りつけた。暫くして十分に濡れた後、自分の膣に
導き入れ、そのまま才人に抱きついた。
「シルフィー、才人の負担にならないように、そして朝まで抜けないように適切な呪文
を掛けて、その後に眠りの魔法を掛けて」
「了解なのね、きゅい」
そう言って、すぐ魔法を掛け二人を眠らせた。
「でもお姉様此れではあの乳オバケに勝てないのね。そうだいい事思いついちゃったのね
きゅい」
シルフィードは、裸になって才人とシャルロットの頭に手を置き呪文を唱えた。
「二人は、繋がったままだし、これで朝までセクロスの夢を見続けるのね、シルフィー
頭良いのね、きゅい」
そしてそのまま、二人と一緒に眠った。
次の日の朝、才人を起こしに来たルイズが見たものは、タバサと繋がったまま寝ている
才人と才人にに胸を押し付けながら寝ているシルフィードであった。
ここで暴れる訳にはいかないルイズは、又一つ怒りを溜めこんだ。
「こ、この犬ってば、今日戦闘になるのにいい度胸してんじゃない。帰りのフネの中で
みっちり思い知らせてあげなきゃね…」
才人は、何も知らぬまま死亡フラグを大きくしたのであった。
616 :
X42:2008/11/30(日) 01:44:39 ID:5kaI//8E
本日は此処までです。
以前テレビで、テレビなどの前に居ながら、匂いを伝える研究や感触を伝える
技術が研究されているのをふと思い出しました。妄想でこれを利用してボルボX氏や
せんたいさんのSSのキャラの匂いや感触が味わえるソフトがセットで開発
されたら、此処の住民は、欲しがる人続出かな?いやここの猛者達は、妄想力
でそれさえも補っているから要らないカナ。
まあ現実的には無理でしょうが、そんな事を考えていたらSSが一つ浮かんだんですが…
クリスマス用SSとして上記の機能を有したマジックアイテムを手に入れセクハラ
(殆ど痴漢)をするSSなんですが、こうゆうの読みたいですか?
>>616 前にも書いたけど、書きたければ書けばいい。
誘い受けとか言われかねない態度は慎んだ方がよいかと。
>>616乙
やっちゃっていいと思うよ。まずは書いてから考えるのだ
さて投下。
注意事項があるから読んでね
※えろぬきです
※特殊な趣味の方以外は読んじゃダメだよ
んじゃいきまー
トリステイン魔法学院の裏通用門に、フードを目深にかぶったせむしの男が現れたのは、秋も終わったある初冬の昼下がり。
あからさまに怪しいその男は、門衛に封書を手渡す。
封書の中身を確認すると、門衛はその男を学院内に通した。
せむしの背中を見送りながら、その門衛は思った。
今年も、この季節が来たのだと。
トリスタニアの食卓にも、いくつか禁忌とされている食物がある。
特に、貴族の食卓はマナーにうるさい為、その数たるや結構なものになる。
音を立てる食べ物がその最たるもので、粘り気のあるスープ類や、衣の多い揚げ物は嫌われる傾向にあった。
当然、普通に供される食事でも、正式な場ではなるべく音を立てないように食べるのがマナーなのであるが。
ずるるるるっ
盛大な音をたてて、才人はルイズの部屋で、昼食のパスタを啜っていた。
「…ちょっと」
呆れたような表情で、ルイズは己が使い魔に言った。
才人はなんじゃらほい、と口いっぱいにパスタを頬張った後。
ずるるるごくんっ、と飲み下した。
「何?ルイズ」
ご丁寧にも、パスタのソースで口の周りがベトベトだ。
ルイズはハァ、と溜息をついて、言った。
「あのねえ。アンタいい加減騎士になったんだし、テーブルマナーくらい覚えなさい。
今はいいけど、そのうち公式の会食とかに出たら赤っ恥よ」
もちろん、ルイズの言う『公式の会食』には一介の騎士でしかない才人には縁がない。実際今までそんなもの呼ばれた事もない。
彼女の言う『公式の会食』とは二人がアレでナニして夫婦でソレがこうな会食なわけだが。
そんな時に、旦那が盛大に音をたてて食事をむさぼっていては。
…私が恥かくじゃないのよ。
ルイズのそんな心配を他所に、才人は手に持ったフォークをちゃちゃっと振る。
「失敬な、テーブルマナーくらい知ってるぜ」
「なら言って見なさいよ」
「えっとだな、寄せ箸しないだろ、指し箸をしないだろ、汁椀は右側奥で、食べ終わったら箸は揃えて置く!」
「なによその珍妙奇天烈な単語の群れは!分かってないじゃないのよあーもう!」
そして、ルイズは仕方なく才人にテーブルマナーを叩き込む。
特に才人にとって難関だったのは、『音』に関するマナー。
麺はすすらず一旦スプーンの上で丸めて一口大にまとめろだの、できるだけ食器と食器の当る音をたてないようにしろだの。
なかなかうまくいかず、いい加減パスタも伸び始めた頃。
「ミス!ミス・ヴァリエール!」
シエスタが必死の形相で部屋に飛び込んできた。
「あによ」
才人の調教の真っ最中だったルイズは、半眼で飛び込んできたメイドを見つめる。
シエスタははぁはぁと荒い息を整え、そしてルイズに言った。
「『秋』が来ました」
「!!」
シエスタの意味不明なその一言に、ルイズの目が見開かれる。
才人は不審に思い、二人に尋ねた。
「どったの?なんかあったの?」
才人の疑問にしかし、二人は顔を見合わせると。
「サイト、もう残り食べてていいわよ。私急用ができたから、ちょっとシエスタと出かけてくる」
「サイトさん、食べ終わったら厨房にお皿返しておいてくださいね〜」
二人はまるで旧来の親友のように息をぴったりとあわせそう言い放つと、才人を置いて部屋を出て行く。
「…なんだったんだ一体」
取り残された才人は、とりあえず伸びて腰のなくなったパスタを、ぞるるるるっ、と音を立ててすすりあげた。
そこは中庭の片隅。
食べ終わると、タバサはそれの入っていた紙袋を小さく丸めて、魔法の炎で燃やしてしまう。炭になった紙袋は風に舞い、初冬の空に消えていく。。
まさに、至福のひとときだった。
まさか、たまたまシルフィードの餌やりに出ていた中庭で、『秋』を売りに来た行商人に出会えるとは。
彼女がその行商人から買ったのは。
トリステインの、いや、ハルケギニアの全女性が愛して止まない、秋の味覚。
紫色の皮に包まれた、二の腕ほどの太さと長さの、芋。
それを、丹念に蒸かし、表面を軽く焼き上げたもの。
その中身はまるで黄金のように輝き、なにものよりも甘く女性の舌を溶かす。香ばしさと甘さの絶妙なバランスが、女性達の味覚をとりこにして止まない。
それは、トリステインでは『狼の尾』と呼ばれ、ガリアでは『悪魔の尻尾』と呼ばれる。
正式名称はなく、その芋は必ず隠語で呼ばれる。
なぜならば、それを年若い娘が食べるのは、大変な恥とされているからだ。
どうしてかというと。
くるるるっ。
きた。
女子寮の共同トイレに向かう途中、タバサは腹部に違和感を覚えた。
この芋を最も旨く食べる方法、蒸かして焼き上げるその調理法と、その芋の性質には、多大な問題があった。
そして、それこそが若い女性がソレを食べるのを禁忌とする理由。
蒸かしたその芋を食べると、ほどなくして体内にガスが発生し。
おならが出てしまうのだ。
それも、ほとんどの場合、結構いい音がする。
ただでさえ食事のマナーに煩いトリステイン貴族の間で、この芋を蒸かして食卓に供する事はありえない理由がそこにあった。
食事中に放屁するなど、もってのほかである。
それでなくとも人前でおならなど、女性にとって死にも等しい。
それが、貴族の子女ならなおのことである。
「お、シャルロット」
え。
しかし運命は非情に過ぎた。
あと少しで女子寮の入り口、というところで、タバサはばったりと愛しい人に出くわす。
平賀才人。タバサが世界で一番愛する騎士。
できることなら彼から語りかけてきた際には会話を愉しみたい。
特に、今のような、他に人がいない状況でだったら、そのまま自室にしけこんでもいいくらいだ。
しかし。
今のタバサはそういうわけにもいかない。
一刻も早くトイレに向かい、腹にたまったガスを抜かなくては。
だが、そうはいかなかった。
何故か才人は至極上機嫌に、いきなりタバサの腰を抱き寄せたのだ。
…ひ!
その感覚に思わずぶるりっ、と全身を痙攣させるタバサ。
下腹部に感じる焦燥感が、一層際立つ。
くすすすすー、と、お尻から細い吐息の音がする。ガスが漏れ始めていた。
「いい所で逢ったな〜。いやさ、こないだ街でシャルロットに似合いそうな服みつけてさ。
買ってきたんだけど」
貴族年金をもらうようになって、才人は女の子たちに色々贈り物をするようになった。
それはもちろんアニエス師匠の入れ知恵で、『うまく関係を保ちたいなら、贈り物は必須だぞ』と言われたからだ。
最初は渋々だった才人だったが、ルイズに服を買ってやってから様子が変わった。
フリルのいっぱいついた、少し豪華なメイド服といった体のその服を着たルイズは予想通りメチャクチャ可愛く。
さらに、その後も物凄く素直で、信じられないくらい可愛らしくご奉仕までしてくれたのである。
それに気をよくした才人は、町に行くたびになにがしか、女の子たちに贈り物を買ってくるのであるが。
特に、似合いそうな服を探してコーディネイトするのに、才人は最近ハマっていた。
今回も、ちょっと大胆に腋の開いた日本の巫女服のような服を見つけ、タバサに買ってきたのである。
それを着てもらおうと、才人はタバサの細い腰を一層強く抱き寄せる。
ぷっ。
小さな音がした。
「…ま、待って、待って!」
タバサはその音を聴いた瞬間に真っ赤になり、才人の体を押して抵抗を始めた。
才人も異変に気付いたのか、タバサの腰から手を放す。
「どしたの?」
切羽詰った声と、俯いた顔に、才人は少し不安になる。
そして、その不安のままに、タバサの両肩を掴んだ。
タバサは思わず、そのまま才人を両手で力強く押した。
その瞬間。
ぶーーーーっ。
かなり大きな音が響き。
タバサの短いスカートの後ろがぶわ、と捲れ上がる。
「え。ナニ今の」
才人の目が点になる。
その才人の鼻に届く、腐卵臭。
こ、このにおいは。
「まさか今の…。
シャルロットの…おなら?」
「さ、サイトのバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
半分泣きながら才人を突き飛ばし、タバサは自室に駆け込むと、引き篭もってしまった。
才人は仕方なく、タバサを説得にかかるのだが。
「い、いや恥ずかしくなんかねえって。俺だってするし」
「く、臭くなんかなかったって!むしろいい臭いでした!」
「いやむしろ我々の業界ではご褒美です」
才人が説得に要した時間は、実に三時間だったという。
そしてその頃、ルイズとシエスタは。
「やっぱ、コレ食べる時はどっかに篭らないとねえ」
「ですよねー。サイトさんにおならなんか聞かれた日には自殺モンですよ」
二人して倉庫にこもり、遠慮なく放屁をかましながら芋を満喫していたという。〜fin
以上。
ちゃんと警告したからな?読んで後悔するんじゃないぞ?
んじゃねゆ。ノシ
あ、あとお兄さんはそういう趣味ないからな!ホントだからな!
お金払ってでも嗅ぎたいとかそんなこと微塵も(ry
へんたいさん乙。
説得力neeeeeee!
タバサカワイソスw
すばらすぃー
サイトww業界人自重しろww
GJ
>>623 噂には聞いていたけど、ほ、ほんとにへんたいさんだ……!(ぉ
でもそこがいい。
むしろサイトが芋食って屁をルイズ、シエスタの前で出しちゃったりして。
それで『ごめんごめん。一応気をつけてはいるんだけどさ、あんまり気にしない性質だから』とか言っちゃったりして。
……それ以来、微妙にルイズの部屋が硫黄臭くなったり。むしろサイト自身にぶっかけてたり(自重しろ
噂の内容kwsk
これテファとかアン様だったら反応違いそうだな
いや、噂って言うかよく保管庫とかスレとかで『へんたいさん』の愛称で親しまれてるからさ。
……せんたいさんの作品でも物足りないと感じる俺のほうが紳士(変態と言う名の的な意味で)だけどね。
>628
アン様の読んでみたいな。相手がサイトかアニエスかでルートかわりそうだが。
せんたいさんGJ!
ぶっちゃけ 腋巫女霊(ry じゃなくて腋巫女タバサをみてみたいぞっと。
腋の隙間から手を入れるサイトが脳内でかってに再生されたんだぜ?
「秋の行商人」と「紙袋を燃やす」という単語だけで「石焼き芋だ」とぴんと来てしまったorz
ふと思う。ハルケギニアには小麦粉があるんだから、
こねてふんで茹でる方法でできる、「うどん」があってもいいと思うんだ。
もしくはサイトがマルトー親父に伝授。
そうすれば、音に関する作法も少しは緩和され…ないよなぁ…
現状の外国人がヌードル食べるときもすすらないしな…
駄文失礼。
最後にもう一回。
せんたいさんGJ!
ルイズの放屁はやはりエクスプロージョンなのだろうかwww
<関係者の言葉>
サイト「ぎゃっはっはっは!」
デルフ「おでれーた! 虚無の担い手は屁まで伝説たぁーね!w」
キュルケ「火の秘薬の臭いがすごいわねw」
ワルド「これが…虚無の力か……!」
シエスタ「これからはミス・ヴァリエールじゃなくてミス・ヴァリ屁ールとお呼びますねw」
マリコルヌ「クンカクンカ! すーはーすーはー!」
タバサ「…………仲間」
そろそろ俺も書いてみたいなー、とか思ったが……
畜生……最近パロSSしか読んでないから俺の中のゼロキャラ達が崩壊してやがる……ッ!
でも全部読みきらないとネタかぶりがあるかもしれない……!でも途中で原作を読むとキャラが崩壊したままに……ッ!
主に……マリコルヌ……!こいつ原作でも違和感がないんだよ……!
ああ、始祖ブリミル。どうかこの迷える子羊にお導きを……
634 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 21:31:54 ID:En6QBgJU
X42氏もせんたいさんもGJ!でした
サイトに惚れてる女性キャラが他の奴にNTRれるSSありませんか?><
陵辱系をのぞけばなかったと思うが
陵辱系大好物です><
ゼロ魔は原作自体が基本的にライトコメディだから、
そのスレの住人も比較的軽めなエロコメが好きな人が多い。
陵辱だのNTRだのの属性もちは来るスレを間違えてるとしか言いようが無い
なんでそんなに偉そうなん?(・ω・`)
仕切り屋なん?(・ω・`)
どうでもいい
アン様のエロマダー?
陵辱SSもここにはあるじゃないか。
来るスレを間違えてるってのは変じゃね。
自分が見たくない
↓
皆もそうに違いない
↓
カコイイ俺様代弁しちゃうっ、クゥゥゥル
かと
どうでもいい
タバサ虐待SSないかしら
タバサはやっぱ難しい^^;
せんたさんのタバサは饒舌ですよね
どうやったら原作の雰囲気を壊さずにタバサを饒舌に出来るんだろう?
なにこの厨房チャット
ギーシュの目の前でモンモンがサイトに犯されるSSまだ?
>>645 同じ属性のキャラがいる作品を見ればなんとなく掴めるんじゃないか?
ハルヒ(長門)とかエヴァ(綾波)とか。
ぶっちゃければね。感情を出さないように気をつけたり(喋り方を説明口調にしたり台詞を短くしたり)すれば何とかなる。
後は慣れ。
過疎ってきたな
1月にも新巻出ない事決まったし
>>650 けどこれくらいがエロパロ板では普通だが。今までが異常すぎたんだ
まぁ新巻出れば無性にここに来たくなるものさ
とらどらあたりに流れてんのかな?
まぁ、動でもいいことだが
保守
ついにこのスレも保守されるまでになったか
まあ言うならアニメが失敗だったこと、新刊が再来月以降ってのが致命的だったねえ
まあそれはともかく、僕らの七日間戦争、四日目いきます。
ティファニアの様子がちょっと尋常ではないことに、タニアは気づいていた。
何を言っても上の空で、生返事しかしない。
原因は分かっていた。
この五日ばかり、学院で目にしなくなった、ティファニアの想い人。
才人がいないのがその原因である。
タニアは、才人とデキちゃってからのティファニアを見ていて気づいたことがある。
ティファニアは、才人と逢わない日が増えてくると、だんだんおかしくなってくるのだ。
ちょっと前までなら、十日くらいまでならそんな兆候もなかったが、最近はちょっとひどい。
まあ二日くらいまでならそわそわする程度で見ていて不自然じゃない。
でも、三日目あたりから鼻息荒く才人を探し始める。
さらに四日目に入ると、ルイズの部屋の前を行ったりきたりを何時間も繰り返す。
そして、今。
半分死人の目で、ティファニアは中庭のベンチで伸びていた。
天を仰ぎ、口を半開きにして、完全に生気の抜けた顔でぼーっとしている。
普段はその美貌とスタイルで男子の視線をほしいままにしているティファニアだったが、その尋常でない陰の気に、今日ばかりは誰一人として声をかけない。
さすがにこのまま放置するのはまずいと思ったタニアは、中庭で伸びるティファニアに声をかけた。
「あのー?お姉ちゃ〜ん?」
しかしまともな返答は返ってこない。
隈のできた顔で中空を見つめ、『あー。うー』とか言っている。
実際に見たことはないが、何かの薬の中毒患者のようだ。
言うなれば『才人依存症:末期』と言った所か。
「おいこら、いい加減マトモに戻れよー!」
ゆっさゆっさと肩をつかんで揺さぶると、凶器に例えられるティファニアの胸が、ばるんばるんと左右に揺れる。
それでもまだティファニアの瞳は中空をさ迷ったまま。
しかし、今度は少し反応が違った。
ティファニアがびくん!と急に背筋を正したのだ。
「あ、やっと気づいたか」
しかしタニアの期待は見事に外れた。
ティファニアはそのまま直立姿勢で不気味ににへらあ、と笑うと、ブツブツ小声で何か言い始めたのだ。
「えへへ…サイトぉ、そんないじわるしちゃやだよぅ…」
ついに幻覚まで見え始めたらしい。
「こらー!起きろー!」
本格的にティファニアの上半身をシェイクすると。
「ほえ?あ、タニア?」
ようやく現実に戻ってきたティファニアは。
何故かむっとして、タニアに言った。
「なによう…せっかくサイトの出てくる夢見てたのに…」
「ええいもー!なにやってんのよこのちちおばけはー!」
わけのわからないいちゃもんをつけるティファニアに対し、タニアは気丈に言ってのけた。
「そんなに弱るくらいまでスキなんだったら、王都まで行っちゃえばいいじゃんさ!
お兄ちゃんに逢いに!」
しかし、タニアの指摘に、ティファニアはしゅんとなる。
「だってサイトお仕事だもん。
邪魔したら悪いし…」
そう、ティファニアが才人に逢いに行かないのは、彼が任務で王都に出向いているため。
才人が許可しない限り、この従順なペットは彼のもとへ赴くことはない。
だから、いつ帰ってくるのかと、毎日学院中を徘徊しているのだ。
そんなティファニアにタニアがキレた。
「あーもー!仕事とかどーとか!
そんなんで自分体おかしくしてたら意味ないじゃん!」
タニアの指摘どおり、ティファニアはここのところの寝不足で物凄く体調が悪そうに見える。
才人に逢えないせいで夜ろくに寝ていないのだ。
…もちろんその長い夜の大半を才人をオカズにしたオナニーで過ごしているせいなのだが。
そんなことは露知らず、タニアは最後の決定的な一言をティファニアに放つ。
「いい、今から準備して逢いにいきなさい!
そんな状態のお姉ちゃん見たら、絶対お兄ちゃんも許してくれる!私が保証してやるっ!」
どん、と胸を叩き、タニアはそう言ってのけた。
ティファニアは、少し考え込むが。
「考えるな!周りからどー見てもお姉ちゃんはおかしくなってきてるんだから!
考えないで行動するのっ!」
「そ、そうかなぁ…」
結局、タニアに押し切られ、軽く湯浴みをして身奇麗にすると、王都へと馬を走らせたのだった。
そしてその日、才人は。
仮病で任務を休んでいた。
朝の謁見の間の点検を終えた後、立ちくらみの振りをして柱に倒れ掛かったのだ。
『す、すんません、ちょっと風邪ひいたみたいで』とアニエスに言うと。
『なんだ、だらしのない。仕方ない、今日一日は部屋で休んでいろ』と一日休むことを許可してくれたのである。
ちなみにその後、『なんだったらお姉さんが看病してやろうか?』と続くのだが、その『なんだったら』の辺りでアンリエッタ女王が来てしまい、アニエスの計画は水泡に帰してしまう。
もちろん女王も、アニエスにぶっとい釘をさした後、才人の体調を気にして、一日の休息を許可したのであるが。
これは、才人の計略であった。
さんざん焦らされ、昨日に至っては椅子に縛られさんざん情事を聞かされた挙句の放置プレイである。
もーサイトくんキレました。
才人は今日一日、正しくは明日の公務開始まで、アンリエッタと顔を合わせるつもりはない。
もし女王が部屋に来ても。
一日かけて自慰でヌきまくり、本気で体調不良になってしまえば、立たない息子相手に女王はどうしようもなくなるだろう。
そうして、女王を焦らすつもりなのである。
…なんと幼稚な計画なのだろうか。
しかし才人は本気でその計画を実行に移すつもりだった。
とりあえずゴホゴホ言いながら部屋に戻り、寝巻きに着替えると、ベッドに潜り込む。
そして。
「さー、ヌきまくるぞっと」
なんとも間抜けな台詞を放ち、さー最初のオカズはダレにすっかな、とりあえずお尻で感じてるシャルロットかな、と考えた。
その時。
トントン。
ドアがノックされた。
今の時間、アニエスもアンリエッタも公務の真っ最中である。
では、誰なのだろう?
才人は、誰何の声をあげる。
「はーい、どなたー?」
ドアの外からは、才人の傍仕えを命じられている、メイドの声がした。
『あの、シュヴァリエにお客様です』
誰だろう、そう考える前に。
ドアがばたん!と勢いよく開き。
金色の流れる髪とともに。
宙を跳ねる、巨大なももりんごが才人に襲い掛かってきた。
「え、テファっ?」
「サイトだっ、サイトだっ!
逢いたかったよサイトぉ!」
そのままの勢いで才人をベッドに押し倒し、ティファニアは久しぶりの主人の胸に顔を埋めたのだった。
今日のところは以上。
お兄さんも年末でいろいろ忙しいんじゃよ。
ブレイブルーとかタツカプとかPS0とかな!(ぁ
…そういや保管庫更新していいのかな?どうなのかな?
まあ今日は寝ますノシ
おー、リアルへんたいさん……もとい、リアルタイムでせんたいさんの作品が見れたー。
661 :
X42:2008/12/09(火) 00:54:39 ID:QSf4eY+t
せんたいさんGJです。
これからかなり早いですけどクリスマスSSを投下します。
ウィンの月、エオローの週、ダエグの曜日
この日は、地球で言えば12月24日、クリスマスイブにあたる。
勿論ハルケギニアには、クリスマスイブは存在しない。
しかし才人からクリスマスの話を聞いたルイズ達によってパーティを開く事になった。
既に魔法学院は、冬期休暇に入っているが、この事を聞きつけた学生達は、帰省せずに
このイベントを大いに楽しむ事にしていた。
無論当初は、才人達でこじんまりとやる予定が「壁に耳あり障子に目あり」(ハルケギニ
アには障子は無いが…)あっという間に学院中に知れ渡ってしまった。
元々暇を持て余している連中なので、こういうイベント事は、大喜びであった。
才人の歪んだ情報(?)により、ある者は、恋人の為にプレゼントを買い求め、ある者
は、この日の為に服を仕立て、ある者は、連日詩を綴り続けた。
「どうでもいいが、暇な連中が多いよな。素直に帰省すりゃあいいものを」
才人は、呆れながら周りを見渡した。
「仕方ないでしょ。此処暫く何も無かったんだから。まあ後1週間程で降臨祭だけどね。
其れでもこういうお祭り騒ぎは、1日でも多くあった方が嬉しいしね」
ルイズは、イベント事が増えた事を素直に喜んでいた。
しかし素直に喜んでいない者も居た。マリコルヌである。
「恋人がいる連中はいいよな。僕みたいな一人者には、辛いイベントじゃないか」
それなら素直に帰省すればと思うが…。
しかし彼は、帰省せずに残っていた。そしてご馳走を食べまくっていた。
そんな中、1人の女性が食堂に入って来た。
シエスタである。
しかし彼女は、メイド服ではなく、才人の予備のマントで身体を包んでいた。
いつもと違い、異様な格好だったので視線が彼女に集まった。
才人の近くまで来ると、マントを外してクルリと1回転して
「お待たせっ!」指を立て、溢れんばかりの笑顔で元気良く言い放った。
其れを見た男共は、1撃で脳髄をやられた。
彼女は、セーラー服を着て来たのである。(真冬なのに…)
以前モンモランシーが授業に着て来た事があるが(見たことが有るのは、ルイズ達の
クラスだけだが…)明るい笑顔と、カモシカのような健康そうな足、そして何より、
ボリュームの全く違う胸が男心に鋭く突き刺さった。
(い、1撃で撃破なのか!何と言う事だ!シエスタのセーラー服姿は、テファの胸革命並み
の威力をもっているのか!)
そのため多くの男共は、其れを見た恋人の機嫌を取るのに物凄い苦労をする事に
なるのであった。当然才人もしるすことすらはばかれる仕打ちを受けたのであった。
そしてシエスタを見たマリコルヌは、一目散に自分の部屋に向かい、セーラー服を
持って、風の塔の2階の倉庫に入った。
そう、彼は又しても女装するために此処に来たのであった。
「嘘つきの鏡」で可憐な妖精さんを気取るためである。
そしてシエスタのようにクルリと回転したが、勢いを付け過ぎて何回転も回り、
目を回してすっころんだ。
「いててててて…ちょっと調子に乗りすぎちゃったな」
ゴトッと音がした。
見ると厳重に封印してある箱があった。
「何だこれは?」
興味を持ったマリコルヌは、封印を外して箱を開けた。
中には仮面と指輪2つ、説明書らしきものが入っていた。
「何々?ロキの仮面と指輪」
マリコルヌは、説明書の内容を見て目を見開いた。
「これらは、古代悪戯好きの神ロキの名を冠したマジックアイテムです。その名の通り
使う者の悪戯心をくすぐるアイテムです。きっと貴方の悪戯心を満足させる事でしょう。
しかし、此れを使用しているところを見つかると、社会的地獄に陥る事でしょう。
使用の際は、十分周囲の警戒をお忘れなく」
悪戯心を満足させるアイテムだと?す、すばらしいぃぃぃぃじゃないか…と心躍らせて
マリコルヌは続きを読んだ。
「まず仮面をつけます。次に指輪を両の中指に嵌めます。後は悪戯したい対象を見れば
悪戯が出来ます。具体的な例を挙げると、仮面は対象者の匂いを嗅ぐ事が出来ます。
指輪は、対象者の感触が味わえ、尚且つ対象者に感触を与えます」
と言う事は…痴漢のし放題じゃないかあああああ!!す、凄いアイテムだああああ。
しかし次の文を読んで、愕然となった。
「使用上の注意
対象者までの距離が20メイル以内である事
対象者の顔が見えなければ、使用不可
衣服などの物体は、動かす事が出来ない
対象者の周囲5メイル以内に風の使い手が居ると逆探知される」
こ、これじゃあ悪戯なんか出来ないじゃないか!20メイル以内で、相手の顔が
見えなきゃいけないと言う事は、自分も見られるという事じゃないか!自爆アイテム
じゃないか!それに4分の1は、風の使い手なんだぞ!何より服が動かせないんじゃ
胸とかお尻とかイケナイ所とかは生の感触が味わえないじゃないか!と既に心は
変質者の域に達していた。
「確かに自爆アイテムだ。しかしこのまま闇に葬るには余りにも勿体ない。何とかして
使いたいな。例えばティファニア嬢、彼女のけしからん胸ならば脱がさなくても十分な
感触があるはずだ!…しかし彼女は、今はサイトの側にいる。サイトの側にはタバサも
いる。タバサが居ては実行不可だ。けしからんメイドもサイトの側だし。キュルケは…
バレたら100%死だな。他に触りがいのある女性、しかも安全となると…そうだ!
『魅惑の妖精亭』だ!あそこなら全員平民だし、スタイル抜群だし、仮面も適当な事を
言えば分からないだろうし、ヤリタイ放題じゃないか…くくく…そうだ、そうしよう」
アブナイ考えにとりつかれたマリコルヌは、一路「魅惑の妖精亭」に向け
馬を走らせるのであった。
約2時間後、マリコルヌは、「魅惑の妖精亭」に足を踏み入れた。
明日が虚無の曜日のため、店は大賑わいであった。マリコルヌは、店の目立たない
場所に座り、そそくさと準備を始めた。
するとそこにジェシカがやって来た。
「いらっしゃいませ。あれっ?あんたは確かサイトの友人よね。何変てこな仮面付けよう
としてるの?」
ジェシカは、マリコルヌがロキの仮面を付けようとする事を疑問に思い尋ねた。
「ばったり知り合いに会って問い詰められたくないからさ。僕はまだ学生だし、一人者
だしね」
白々しいが当たり障りのない言い訳をするマリコルヌであった。
「ふーん。ま、貴族ってそんなもんだもんね。私としちゃチップ弾んでくれさえすれば
それで構わないしね」
そう言って注文を聞いて戻って行った。
「ふー、心臓に悪いな。しかし此れで堂々とヤレるな」
更にマリコルヌは、指輪を嵌めた。
まずマリコルヌが最初に目を付けたのが、マレーネと言う金髪の女の子であった。
「魅惑の妖精亭」3の彼女は、平均以上の容姿を持ち動作に気品があった。
マリコルヌは、彼女の姿をロックオンし胸をホーミングしながら指を動かす…すると
やわらかい感触が伝わってくるではないか!…ほ、本当だ。本当に触っている感触が
味わえるぞ!何て凄いアイテムなんだ!ならば男として先に進まねば…
そしてマリコルヌは、揉むように手を動かしながら頂上を探し出し、摘まんだり引っ張
たりする様にして刺激を送った。すると彼女の乳首は隆起し、固くなり服の下から自己
主張していた。
因みに彼女は仕事中である。彼女にしてみれば仕事中にいきなり胸を揉まれ、乳首に
刺激を送り込まれた感覚に「あっ、いや、どうして?」と喘ぐ事となった。
当然近くに居る男の客共は、彼女の変化を見逃す筈が無かった。
薄手のキャミソールの下からはっきりと隆起した乳首は、殆ど見えていると言っても
過言ではなかったし、上気した顔は、正に愛撫されている表情である。
男共は「今なら堕とせる」と思い、言い寄ったり、チップを弾んだりして我が物に
しようと一生懸命になっていた。
そしてマリコルヌは、身体のラインに沿いながら、下へ下へと指を下して行った。
「あと少しで、未開の草原だ。そしてその先は、夢にまで見た女性のイケナイ場所だ」
しかし、耐え切れなくなった彼女がその場を離れ、厨房の方に下がってしまった。
「くそ!あと少しだったのに。まあ良い。次は…よし、あの娘にしよう」
次にマリコルヌが目を付けたのは、栗毛のジャンヌであった。
「魅惑の妖精亭」2で性格は、超引っ込み思案(5巻うらがきより)の18歳
彼女も例に漏れずスタイル抜群であった。
マリコルヌは、さっきの教訓を生かして、下半身から攻めに入った。太股から股間へと
指を滑らせて行った。そして念願の場所に辿り着き、興奮しながら擦ったり、振動を
与え続けた。そして仮面の能力でその場所の匂いを嗅ぎまくった。
「こ、これが女の子のイケナイ匂いなのか!生きてて良かった!まるで興奮剤みたいだ。
もっと刺激を与えれば匂いは強くなるのかな?」
よこしまな考えにとりつかれたマリコルヌは、クリトリスとクレバスと思われる場所に
指を超振動させ更なる刺激を送り込んだ。
当然彼女は、刺激に耐えかね「あっーーーーー」と強めの喘ぎ声を出しその場にへたり
込んだしまった。彼女のショーツは、一連の刺激で愛液によって大きなシミを作って
いた。当然むせる様な強烈なメスの匂いを発していた。
「す、凄い。これが本当のオンナの匂いなんだ。香水で誤魔化された匂いじゃなく、正真
正銘、女が放つ男を狂わせる魔性の匂いだあああ」
実際、マリコルヌはほぼ発狂していると言っても良かった。
そしてやはりジャンヌも刺激に耐えかね厨房に下がってしまった。
不審に思ったジェシカとスカロンが下がって来た2人と話をした。
「可笑しいんです。誰にも触られていないのに、触られたり揉まれたり乳首を摘ままれた
感じがしたんです。でも今は何も感じません」
最初に戻ったマレーネがそう話した。
「私は、その…股間を集中的に…その…強い振動で刺激された感じで…そのショーツも
ベトベトになっちゃてるんです。その時やはり誰にも触られていないんです。やっぱり
私も今は何も感じません」
次に戻って来たジャンヌがそう証言した。
2人の話を聞いたジェシカは、探偵の如く推理した。
「2人共誰にも触られていないのに刺激を受けている…やっぱ魔法かマジックアイテムね
2人共こっちに来たら何も感じない…と言う事は有効範囲は、店内くらいしかないと…
ついさっきまでは誰も何も感じてないから、犯人は入店間もない客だね。となると…
怪しいのは、やっぱりあいつだね。馬鹿正直に聞いても誤魔化すだろうから囮作戦が
必要だね。良し!パパ、あのね………じゃ、頼んだよパパ」
「任せておいて!イケナイ子には、きちんとオシオキしてあげないとね♪」
スカロンはキモイオネェ言葉で返事した。
そうとは知らないマリコルヌは、他の妖精さん達にセクハラをしていた。ただ強くやり
過ぎると逃げられたりしてしまうので、ソフトにやっていた。
そして現場を押さえるべく、ジェシカが店内に現れた。そして気付かない振りを
しながら、他の客に愛想を振り撒いていた。
そしてマリコルヌは、一番のお目当てが出て来た事を喜んだ。
シエスタの従妹と言う事は、勿論知っている。そのキュルケ並みの溢れんばかり巨乳を
弄べる。そう思うといてもたってもいられず、早速行動を開始した。
他の妖精さん達とは、一回りも二回りも違うボリュームに柔らかいながらも張りのある
胸であった。
「す、凄いぞ!なんて揉みがいのある胸なんだ!毎日通って揉みたくなるじゃないか!」
マリコルヌは、貪るように揉みまくっていた。
マリコルヌは、ジェシカに意識が集中して周りが全く見えなくなっていた。
「坊や、ちょっといいかしらん」
オネェ言葉でスカロンが話しかけて来た。
マリコルヌは、冷や汗をだらだらと流した。
説明書の一文をすっかり忘れていたのである。
「使用の際は、十分周囲の警戒をお忘れなく」そしてもう一文
「此れを使用しているところを見つかると社会的地獄に陥るでしょう」
正にそれが現実になろうとしているのであった。
「此処じゃなんだから、お店の裏まで来て下さいな」
そう言ってスカロンは、マリコルヌの手を掴み店の裏まで引っ張って行った。
其処には、マレーネとジャンヌが待ち構えていた。やや遅れてジェシカもやって来た。
「一寸君!やって良い事と、やっていけない事が分からないの?いくら貴族のお坊ちゃん
でもその位理解してないとね。そう言う訳で君には、妖精さん達のオシオキを受けて
貰うわね。それじゃ妖精さん達、思う存分やってあげなさい!」
マリコルヌは、転ばされて3人の妖精さん達にゲシッゲシッ………………………と
100発以上踏んだり蹴られたりした。
しかしマリコルヌは、「いいよ君達!実にいい。もっと踏んでくれェェェェェェェ」
此れには3人の妖精さん達もドン引きした。
それを見たスカロンは、
「仕方ないわネ、わたくしが直々にサービスしてア・ゲ・ル」
内容は、書きたくないので、パス。
マリコルヌの心は、殆ど死んでいた。正に地獄をその心と体で味わったのであった。
「どうする?パパ。王宮に突き出す?それとも晒し物にする?」
全く容赦の無いジェシカであった。
「一寸待って下さらんかのう。当学院の生徒の不始末は、私の責任ですからの」
オールド・オスマンであった。
「お詫びと言っては足りぬかもしれぬが、此れで許してやって下さらんかのう」
と言って3人に金貨の入った袋を手渡した。
「太っ腹だねー。50エキューあるじゃない。いいの?こんなに貰っちゃって。もっと
如何わしい所での一月分くらい有るわよ。まっ、くれるって言うんなら有難く貰って
おくね。君、今回はこれで許してあげるけど、次やったら王宮に突き出すからね」
思わぬ大金が手に入ったのでジェシカは内心大喜びだった。あの程度で50エキュー
貰えるんだったら、毎日来てもらっても別段構わないなーと思っていたが、それを
言ったら終わりなので、取り敢えず釘を刺しておいた。
「申し訳ないのう。学院に帰ったらきちんと罰を与えますゆえ」
そう言って、オールド・オスマンは、頭を下げた。
「それじゃ今度の事は、学院長さんにお任せするわ。けど今度は、客として来て下さいね
オールド・オスマン様」
スカロンは、そう言って中へ入って行った。そして他の3人も。
「申し訳有りませんオールド・オスマン。でも何故此処にいらしたのです?」
マリコルヌの疑問は、当然であった。まるでタイミングを見計らう如く現れたのだから。
「此れが入っていた箱の封印が破られたのでな。私の部屋の装置が反応したんじゃよ。
急ぎモートソグニルに行ってもらい、君が『魅惑の妖精亭』に向かう事を知ったと
言う訳じゃ。それで君を追いかけて来たのじゃよ。まっ、大事に至らなくて良かったが
の。しかし説明文に書いてある事はきちんと覚えときなさい」
「すみません。でも何故このアイテムが学院にあったのです?」
「私の趣味じゃよ。いかんせん学院は、メイジの巣窟じゃからの。使う機会が無いので
しまっておいたのじゃ。ただ宝物庫に入れるようなものではないので、倉庫にしまって
おいたのじゃ。ただ危険なアイテムだから持ち出されたらすぐ分かるようにしておいた
と言う訳じゃよ」
「ではオールド・オスマンも此れを使いたかったと…」
「勿論じゃ。ただ制約が多過ぎるのでの。さてもう戻るとするかの。今からならまだ夜の
ダンスには間に合うじゃろうて」
そして2人は学院に戻って行った。
669 :
X42:2008/12/09(火) 01:12:09 ID:QSf4eY+t
以上です。
このアイテムに色々制限をしましたが、これをしないと超鬼畜王マリコルヌが
誕生してしまうので自主規制しました。というより私自身ですね。
制限を付けないと遠見の魔法が使えるマリコルヌは、セクハラし放題になって
学院の生徒全員お手付きになってしまいますから。
最初は、どんなに離れていてもエッチし放題状態だったので、こりゃいかん!
と言う訳で書き直しました。
それから保管庫の事は、私も気になっています。
マリコルヌは無理
ロキの仮面と聞いて、真っ先に某緑色のニクイ奴を思い出した俺がいる。
せんたいさんもX42氏もGJ!
やっぱ休み明けにならないと投下されないよなぁ
構想はある。妄想も膨らんでいる。
ただ時間がない。
時間が欲しいぜ・・・
ルイズ可愛いよルイズ。
675 :
X42:2008/12/09(火) 23:13:02 ID:QSf4eY+t
これから小ネタを投下します。
676 :
X42:2008/12/09(火) 23:13:52 ID:QSf4eY+t
キュルケの使い魔フレイムは、嘆いていた。
「ぼくも出番欲しいな。青いのは、本編、外伝、SSと出まくりだし、茶色のも穴掘りで
本編で活躍してるし、2匹共ご主人様に連れて行って貰ってるのにぼくは、留守番だし
本編では、3巻で多少活躍して以降11巻で荷物運びのちょい役だし、外伝も出番少し
だし、SSは、ぼくの主人公物皆無だし、あのかえるっ子ですら主人公物が有ると言う
のにー。ぼくはサラマンダーなんだよ?召喚される幻獣の中じゃ高位の幻獣なんだよ?
サシの勝負なら竜族以外遅れは取らない自信がある。でも出番が無い。ぼくは、いつも
暇を持て余している。今年の春の召喚では、サラマンダーは、1匹もいなかった。ぼく
らの繁殖地で一番近い所でも数百リーグ離れている。ひたすら歩いても片道2週間以上
かかる。青いのだったら1日で行けるのにーー。とてもじゃないが彼女捜しなんか
出来ない。ご主人様卒業したら彼女連れて来てくれるかな?ご主人様がお熱のおっさん
使い魔いないのかな?あの人ならサラマンダー召喚…いや火竜になるかな
ぼくも早く彼女が欲しいな。学院のメイジの中でモテないマリコルヌだって出会いは
有るし、本編も活躍(?)してる。SSは『風神』を始め主人公物幾つもあるし、ぼく
にすれば物凄く恵まれているんだぞ!
今の敵には力不足?オスだからSSにしたくない?青いのや茶色のに比べて使い勝手が
悪い?このまま埋まってろなんて言わないでよ。
ぼくにも出番くれーーーーーーーーー」
677 :
X42:2008/12/09(火) 23:15:14 ID:QSf4eY+t
題名いれるの忘れてました。
フレイムの嘆きです。
確かに、言われてみれば……
俺の記憶の限りだと、最初に主人に連れられてルイズに自慢され、その後にサイトとテントの中で絡んでた……っけ?
…………不幸キャラの台頭に挙げられるマリコルヌも出番があるだけありがたいのかもな。
でも、扱いにくいのも確かだしな。俺が思いつく限りのネタを絞り出しても、何の変哲もない日常を書いた『フレイムの一日』とか、
他の使い魔がやってるように人間化してドタバタ起こすとか、たまには主人のいぬ間に一人旅でもしてみたりとか。
あー、あと絡む相手があんまりいないってのも致命的だな。蛙もモグラも一応主人公達数人と絡みがあるしな。
それに対してフレイムはぶっちゃけ通行人A程度の扱いしかないし。
ごめん、『ルイズに自慢され』じゃなくて『ルイズに見せびらかし』だ。
保管庫の人気ページで遂に累計でアンリエッタがルイズを抜き去った―。
!?
さすが姫様、水を得た魚のようだぜ!
保管庫のURL、新しいのどなたか下さい><
このスレ内だから上から嫁としか
保管庫更新してOkだそうです。
フレイムの最大の不幸は、主人が独立独歩の人という点か。
というか、使い魔を引き合いに出して「好事家に見せれば値がつかない」
なんて言ってやるなよw
いや、冷静に考えて、使い魔に干渉しすぎる主人のほうがキツくね?
サイトの場合は主人が美少女だからいいが、あれが40代の少年趣味のピザ男とかだったら殺意わくぞ。
X42氏新作乙です
>>688 もしくはルイズがブスでもサイト逃げてるだろうな
ツンが許されるのは美少女(or美女)限定
>>691 使い魔に金とか払わないから関係なくね?
ご褒美って名目で欲しいもの買ってくれそうじゃね?
いわれたことをちゃんとやるのが前提で
できなかったらお仕置きという感じじゃね?
初期ルイズみたいな
そうなると金持ちって言うか性格の問題な気がするけど
なんか一気に過疎ったな
なんかあったの?
みんなクリスマスに向けて頑張ってるんだろ
某コテに嫌気がさして去りました
>697
そういうのは叩きスレでやれ
突然で悪いんだがコルベールってキュルケのこと呼び捨てにしたことあったっけ?
作品の中では無かったと思う
夜の寝室でも呼んでないかは天子のみぞ知る所だろう
サンクス
ちょっとコルベとキュルケの絡み書いてみる
全裸にランドセルで待ってる
リコーダーを忘れるなよ!!
なぜか
>>702をコッパゲで想像しちまった俺の記憶今すぐ消えてなくなれーッ
スカロンとジェシカが王家の血を引いている事は、無いよね?
実は400年前の祖先が時の国王アンリ3世に孕ませられて、手切れ金代わりに魅惑の
妖精ビスチェ(400年も持っている上、スカロンが着ても傷まないという事は
固定化の魔法も掛かっていると推測。下手に金を貰うより遥かに実入りが多い)
を贈られたと。
SSなら兎も角原作がこの設定でジェシカが新たな虚無の担い手になったら
殆どの読者納得しないだろうな。ジェシカファンを除いて。
そうならないように始祖ブリミルに祈りを捧げるか。
>>705 そりゃ、トンデモせっていだなw
ま、ビスチェ関連の外伝は十分考えられるがw
>>705 それはありえないだろ。今まで漫画の背景的な位置にいたキャラが実は本当の主人公だった(しかしずっと背景)というくらいにありえない。
あ、意や別にこれは例えですから。ジェシカさん怒らないでというかスカロンさん近寄らないでお願いだからアッー
>>707 私もそう思うが、何しろ15巻でジョゼフ切っちゃうからさ
あそこでジョゼフ死ぬなんて予想出来た人いないでしょう?
ジェシカが担い手でシエスタがその使い魔で「私サイトさんと同じ使い魔に
なれてうれしいです」なんてやりかねないと思ってさ。
>>708 確かにジョゼフ切りは驚いたな・・・
とりあえず、形だけエルフと戦争
早期講和で、ラスボスはロマリア教皇になりそうだなwwww
アン様・・・
>>708 ジョセフが退場した事で、なぜジェシカが担い手になる事になりかねなくなるのかkwsk
仮定に仮定を重ねたら何でもありになるとおもうな
そろそろボルボ氏の安様分が足りなくなってきた・・・
激しく同意せざるおえない
そもそも、虚無は四王国の王族(orに近い人物)が使えるはず。(唯一わからないのがルイズ(主人公なのに曖昧だ)
トリスティンがルイズ、
アルビオンがティファニア、
ロマリアが教皇、
そしてガリアがジョゼフ。
で、無くなったのはガリアの虚無。となればガリアの貴族、王族が虚無に目覚める可能性が高いんじゃないか?
個人的にスカロン、ジェシカよりはイザベラ辺りに可能性があると思ったり。
あと、個人的に王大人「ジョゼフ死亡!」は、ヤマグチ脳内でジョゼフの暴走が止められなくなったからじゃないか?
>>715 黒化したタバサに決まってんだろ。
しかし才人のラブの力で元の本大好き才人大好きっ子に戻る。
ラブの力は偉大です。偉大です。
大切なことなのでry
>>713 出産後2か月もおあずけ食らったアン様が激しく求めまくるとか、ワインの乱
の後、ラブエロ版に繋がるものを書いて頂けるのではと。
>>715 ルイズの実家の先祖が王家の庶子だそうだから直接ではないとはいえ
王家の傍流の血が流れてる
>>715 「公爵家」ってはっきり設定されてるだろ
公爵は、王位を継げない王族の子弟が家を起こした時の爵位、でしたっけ?
公爵=王家の分家。「貴族」としては序列トップ。
潜在的に王位継承権を持つ場合も多い。
皆、突っ込みありがとう。ハルケギニア側の世界観にはまだ疎くてね。
>>719 いやいやそれは……と思ってウィキペを見たら、公爵って五爵位の最上位の他にも君主(に近い者)としての意味もあったのか。
不勉強でスマソ。
原作でルイズにも王家の血が流れて〜みたいな流れ有ったよね?
姫様とサイトと3人で学園のルイズの部屋で話してた様な記憶が
公爵>侯爵>伯爵>男爵>子爵だっけ?
そりゃ公爵の起源が王家の庶子(王位継承権外の子)だし、
その後にも折りあれば王家から輿入れとかあったろうし、
ルイズとアン様がそれなりに近い親戚だとしてもおかしくない。
テファも爵位あってもおかしくは無いという事かな
テファは王様の弟と妾の間の子。
妾ってことは他に正室と継嗣がいたんだろうけど、きっと革命騒ぎで死んじゃってるね。
血筋的には爵位を持っててもおかしくないけど、
血筋と爵位はイコールじゃないからなあ。
頼むから原作を読んでから書いてくれ
考察に原作読んでない人が出るのはデフォ
原作読んでないからこそ自由な発想で考察出来るんだよw
子爵>男爵>準男爵>騎士
原作全部読んでるけど仔細全部覚えてるわけじゃない…
>>724 確か、中国での5段階の位階を西洋の爵位に当てた訳語だから、そのまま5段階と言うのは違ったはずだけど
序列としては大体あってるんじゃないかな?
同じ公爵もプリンスとデュークの二種類あるみたいだけど、よく分からない
結局、その国の制度次第という事になると思う
日本だって、東夷を討つ一将軍に過ぎない征夷大将軍が武家の棟梁として軍事警察権を一手に握って
更に事実上行政権全般を司ったくらいだし
>>730,734
おまえキモイ
スレタイ読んでから出直して来い
>733
プリンスとデュークの違いは言語の違い。
大抵はデュークだけど英国ではプリンスと呼ぶそうな。
でもプリンスには太子って意味もあるみたいだから
もーよくわからん。
>>736 でも、プリンスオブウェールズもデュークオブヨークも両方ともイギリスだろう?
wikiから
英語のDukeは独語ではHerzog、デンマーク語ではHertug、
英語のPrinceは独語ではFürst、デンマーク語ではFyrsteである。
なおドイツやデンマークでは逆にHerzogやHertugは、FürstやFyrsteより上位であるので注意が必要である。
イギリスではPrinceは王族に対する敬称であって爵位ではないためDukeとPrinceの間に単純な上下関係はない。
ただし王、女王の伴侶や子息(Prince)には公爵位(Dukedom)が与えられることが多く、
こうした王族公爵(Royal Duke)が非王族のDukeより上位とされるのは勿論である。
なお現在の英国ではPrinceの敬称は君主の孫までに適応され、曾孫は公式にはただの貴族もしくは平民となる。
英国ではPrinceは限定世襲される王族への一般的敬称といえる。
OH
ウソ八百を並べてしまったようですまん。
ウムラウトが打てると知ってびっくりした
>>708 意外とジョゼフがまだ死んでなくて改心して裏でタバサを助けたり
なんて某ssのとおりになる気がするな
そういやイザベラって今どうしてるの?
俺の横でディスプレイのぞいてる
捕縛
↓
シャルル暗殺に直接の責なく罪一等を減じ、身分剥奪の上ガリア所払い
(反ジョゼフ派のお礼参りを回避させるタバサの意向で)
↓
平民のメイドとしてトリステイン魔法学院に奉公開始
(そばに居られなくなったタバサからサイトの監視密命つき)
デコで三つ編みメガネで変装 もともと上品でないので平民暮らしも意外と性にあったり
とか妄想した
タカビー度はルイズとアンリエッタとベアトリスとモンモランシーとイザベラで比べたら
どんな順になんの?
イザベラは次のガリアの虚無の担い手だろ?
イザベラは魔法の才能が無いという設定なので、虚無の担い手になる
可能性自体は否定できないが、イザベラが虚無の担い手になるかどうか
は今後のストーリしだい。
現状では、虚無の担い手の子供が虚無の担い手になるという設定は無い。
そうでしたっけ?>イザベラの魔法の才能
だったら、虚無の担い手になる事は無いと言うことでしょう。
一応、魔法自体が使えない(性質が違うから)のが基本事項っぽいしな……
イザベラは外伝の方で、水魔法が使える事を言ってたはず。
イザベラでSS考えてたんだけど(15巻設定受けて)、でもオリキャラ出ちゃうので断念した俺が通ります
つうかメインがそのオリキャラになるからキモくてしょうがない(第三者視点)らしいです
まあそれはともかく、四日目最後いきますよー
胸板に顔を埋めたまま、体中をぐりぐり押し付けてくるティファニアに、寝巻きの才人は正直軽く引いていた。
が、しかし。ぐりぐり押し付けられるももりんごに、息子が反応しはじめる。
さんざん放置プレイを食ったあとのこの攻撃に、才人の体は完全に堕ちていた。
なんとかこびりついた理性にすがり、なんとか才人はティファニアを押し返す。
「ちょ、テファなんでっ?」
「逢いたくなったから、逢いにきちゃった♪」
嬉しそうに笑い、ほほを染めてティファニアは才人に跨ったままそう言う。
そして才人は考える。
さてこの状況、どうしたものか。
一人寂しく抜きまくろうと思っていた矢先の、エロエルフの来襲である。
この状況を利用しないテはない。
そして状況は才人の望んでいる状況になっていく。
ティファニアは、トリステイン魔法学院の制服の、短いスカートから覗く柔肉に当たる、暖かいモノに気づいていた。
だから、あえて気づかない振りで、才人を誘う。
恥じらいを見せつつも期待した眼差し。ティファニアの奥義の書、『夜伽の達人 〜ひと目でわかる殿方の悦ばせ方講習〜』教則三十二、『殿方を誘う目線の作り方』である。
「でね。私ね。ずっと我慢してたから、その、ね?」
もちろん才人はティファニアが気づいていることなど百も承知だ。
だから、先手を打つ。
才人は恥らうふりをしながら視線をそらすティファニアの顎を、軽くつまんで自分のほうを向かせる。
ティファニアは才人の突然の豹変に、思わずきょとんとなる。
「したいんだろ?テファ」
「え、あの」
いきなり図星を突かれ、面食らうティファニア。
しかし、この状況は彼女も望んでいる事だ。
ティファニアは潤んだ瞳で才人を見つめ返す。
そして。
「うん」
期待をこめて、頷いた。
才人はその答えを受け取ると、そっとティファニアを抱き寄せる。
「あ」
ティファニアの喉から思わず漏れる声。
期待に心臓が早鐘のように鳴り響き、無意識に舌が唇を湿らせる。
才人の腕に抱きしめられ、背筋、腕、脚と、力が抜けていく。
才人の法要に、ティファニアは半ば反射的に、体中の力を抜くようになっていた。
ちゅ。
唇がふさがれる。
まるでそこから電流が流れたように、ティファニアの神経を電気が走る。
唇をふさがれるだけで体中が歓喜に震え、今まで鳴りを潜めていた雌が疼き始める。
すぐに才人は唇を離し、ティファニアをじっと見つめる。
その指が、ティファニアの制服の胸のボタンにかかる。
ティファニアはもちろん抵抗しない。
才人が一つ一つボタンを外すたび、規格外のティファニアの胸が、内側から制服の薄布を押し返し、ぱつん、ぱつんとボタンが弾けるように外れていく。
やがて、制服の前が完全に外され、ティファニアの胸が露になる。その先端は、彼女の期待で大きく膨らんでいた。
才人の手が、スカートのホックにかかる。あっという間にそれはぱちんと外され、ティファニアはそれを自ら脱ぎさる。
ついでに、股間を覆っている薄い布切れも脱いで、制服の上だけを羽織った格好になると。
「サイトぉ…♪」
甘く鳴いて、ベッドの上の主人に覆いかぶさっていた。
その瞬間。
とんとん。
ノックの音がした。
『おーい、大丈夫かサイトー?』
そして聞こえる、アニエスの声。
風邪をひいた才人を見舞いに、公務の合間を縫ってやってきたのである。
やばいまずい。一応俺風邪で寝込んでるってことになってんのに、こんな事してるってバレたら…!
先ほどまでのやる気もどこへやら。
才人はあわてて、ティファニアを隠す方法を考える。
しかしこの部屋には、人を隠す場所などどこにも…。
あった。
才人は三重に重ねられた毛布と布団をがばぁ、と巻き上げ、空間を作ると。
下半身だけを突っ込んで、ティファニアを手招きした。
「テファっ、ここに隠れて!」
「え?あ、はいっ!」
才人の言うがまま、ティファニアは脚からその隙間にもぐりこんだ。
ティファニアの頭までが、才人の下半身に重なる格好になると。
才人は、布団をがばぁ、とティファニアにかぶせてしまう。
ぱっと見、いつもより余計に布団をかぶっているだけのようになった才人は。
「ごほごほ!あー、どうぞアニエスさんー」
調子の悪いふうを装って、外にいるアニエスに呼びかけたのだった。
…どうやら、サイトは風邪をひいて寝込んでる、ってことになっているらしい。
私は布団の中から、サイトとアニエスさんの話に耳を傾ける。
なるほどー。サイトったら仮病でお仕事ズル休みしてるんだ。
普段まじめなのにな。どうしたんだろ。
私は疑問に思ったけど、そんなことはどうでもいい。
サイトがお仕事休んでるおかげで、できるんだもん。
とりあえず、今日は思いっきり甘えるんだー♪
『で、だ。ほしいものはないかサイト?持ってきてやるぞ』
『い、いいですよそんな気を遣わなくても。寝てれば治りますし!』
『まあまあ遠慮するな。お前と私の仲じゃないか』
…話長いなアニエスさん。
もう薄い詩集くらいなら読み終わるくらいの時間、二人はお話してる。
いよいよこれから、ってところで止められて、サイトに密着してる私は、もうだんだんガマンがきかなくなってきていた。
だって、目の前にサイトがいるし。
このズボンの中身、サイトのおちんちんなんだよ…。
匂いもいっぱいサイトで、もう私どうしていいか…。
あ、だめ、一回考えちゃったらもう…。
「うわひゃうっ?」
「な、ど、どうしたサイト?」
「い、いえなんでも!急に寒気がごほごほ」
才人は脚全体に絡みつく妙にやわらかい感触に、思わず声を上げてしまっていた。
布団の中で、ティファニアが、突然右足に絡み付いてきたのである。
布団の中でさんざん主人の匂いを嗅がされ、理性の吹っ飛んだティファニアが、才人の右足に体をすりすりし始めたのである。
そして。
ぷにゅ。
立てられた右のつま先に当たる、何か湿りけのある柔らかいもの。
付け根に当たるコリコリとした弾力のある感触からすると。
くぉら淫乱エルフ!人のつまさきにおまたスリスリするんじゃありません!
心の中だけでそう叫ぶが、もちろん布団の中で悶えるティファニアには聞こえていない。
ティファニアは布団の中で必死に声だけを殺し、才人の右足に裸体を押し付けて自らを慰めていた。
や、やばい、これ以上動かれたら布団の動きでバレるっ…!
才人はなんとかアニエスを追い返すべく策を練る。
「あ、アニエスさん、そういやありましたほしい物!」
「お、なんだ言ってみろ」
「アニエスさん『魅惑の妖精亭』はごぞんじ…っ、ですよね?」
危なく声が出るところだった。
今度はティファニアは、ズボンの上からでもはっきりとわかるほど膨らんだ前に、頬ずりを始めたのだ。
ええい!少しはガマンなさい!おあずけ!
しかしそんな心の声など聞こえるはずもなく。
一刻を争う事態に、才人はアニエスに言った。
「あそこの、シチュー!ひさびさに食べたいなって!」
「よし、わかった。すぐに行ってもらってこよう」
アニエスは腰を上げ、そして部屋の外へ出て行く。
「じゃあな。おとなしく寝てるんだぞ?」
「ひゃ、ひゃいっ」
最後のアニエスの挨拶に思わず変な声が出たのは、ティファニアがズボンをずりおろして勃起した才人の一物を口に含んだせい。
「こ、こらテファ!」
アニエスの出て行ったのを確認し、才人はふとんをはだけると、自分のナニをもぐもぐと咥えるペットに、文句を言う。
ティファニアは主人の声に顔を上げ、上目遣いに見上げて、言った。
「こんなのガマンできるわけないじゃない。サイトがいけないんだよ」
言い放って、そしてもう一度才人を咥える。
しかし、才人は、そんなティファニアの肩を掴み、起き上がらせると。
「ちょいまち。せっかくだからさ、口じゃなくて…」
言って、才人はすでに濡れそぼったティファニアの股間に手を伸ばす。
にちゃ…。
「やんっ」
ひどく粘り気のある音をたてると同時に、ティファニアの喉が鳴る。
「こっちでしようぜ?テファ」
「う、うん…」
嬉しそうに微笑み、ティファニアは才人の申し出を快諾したのだった。
「あ、あ、いく、いっちゃう、だめ、またいっちゃうっ!」
びくんびくんと派手に震えて、俺の下でテファがたぶん七回目の絶頂を迎える。
そして俺は。
「く、くそ、なんでだっ?」
あとちょっとのところで、逝けないでいた。
なんでだー?あと少しでイケそうなのに、そっから先に行けないぞ?
例えて言うなら、思い出しかけた言葉が喉の奥でつっかえているカンジ。
もうあとちょっと!のもどかしさが俺を襲う。
く、くそー!
俺はいったん休んで原因を考えようとしたが。
「あ、サイト、まだ元気ぃ…」
俺の下でティファニアが嬉しそうににしゃあ、と笑うもんで。
まあ次でいっかあ、とか思ってしまう。
自分の中でビンビンになっている俺のムスコを感じて、腰を動かそうとするけど。
もう二回前から、テファは腰が抜けているみたいで、動けていない。
「ねえ、動いてサイトぉ…もっといっぱいシテぇ…」
く、くそ、なんだこのエロエルフ!誰がこんなになるまで調教しやがったんだ!
俺はたまらず、テファの両足を掴んでまんぐり返し、腰を乱暴に打ちつけ始めた。
テファのお尻の肉と俺の腰がぴしゃんぴしゃんとぶつかり合う音が響く。
テファの中はすっかりほぐれてどろどろで、押し込むたんびにぶに、ぶにとテファの奥が俺の先端に当たる。
これがまた。
キモチエエわけで。
「やらぁ、こんなあぁ、はずかしっ、でも、あ、いいのっ、おちんちんいいのぉ!」
恥ずかしがりながらエロ語とか!この、くの、こここここの、けしからんエロエルフめ!
おしおきしてやるっ、おしおきしてやるっ。
俺はターボをかけて腰を前後させる。ごちゅ、ごちゅん、とテファの奥で肉と汁が鳴る。
「らめ、らめぇ、いっちゃ…うっ!」
テファの体がびくん!と内側に海老のように巻きかえり、俺の体をぎゅう、っと抱きしめる。
そしてその刺激に俺も…。
逝けなかった。
また、まただ!体が寸前で止まっちまう!
くぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!キモチわりぃぃぃぃぃぃぃ!
くっそ、一体なんだってんだ?
そんな二人の絡みを、アンリエッタは執務室から見ていた。
もちろん、事前に才人の部屋に仕込んだ、魔法の水晶を通してである。
この水晶は写ったものをそのままもう片方の水晶に送り届けるもので、主に牢屋の監視などに使われる。
何度しても逝けない才人を眺め、女王はほくそ笑んでいた。
「ふふ。サイト様が誰かを部屋に連れ込むことなど予想の範囲内です」
ひとりごちて、女王は今までサインに使っていた羽ペンを器用にくるん、と回す。
そして、昨日才人に施した術式を思い出す。
それは、水魔法を応用した魔法。
元来は呪いの類に分類される魔法で、かつて、権力欲に狂った王妃が、側室たちに子供を生ませないため、王にかけた魔法。
逝く直前で、体液の循環がコントロールされ、一瞬でクールダウンしてしまう魔法。
これをかけられた男性は、どれだけ刺激を受けても逝く直前で止まってしまい、逝けなくなるのだ。
ただし効果はそれほど長くなく、丸一日程度。
ちなみに女王が才人にその魔法をかけたのは昨日の深夜。さんざん焦らされて、その後水魔法で眠らされた才人に、女王はその魔法をかけたのである。
「まあティファニアは楽しんでるみたいだけど…まあそこはよしとしますか」
あとで、どうして才人と関係を持つに至ったのか従姉妹に聞いてみよう、と女王は考え、サインを続ける。
やがて、水晶の中では、逝き過ぎて気絶したティファニアの横に横たわる才人が写った。
どうやら、突かれきって眠ってしまったらしい。
最後の書類にサインをすると、アンリエッタは席を立つ。
この後、才人の部屋に向かい、ティファニアを学院に帰すのだ。
「さてサイト様、運命の日まであと一日…頑張って耐えてみせてくださいましね」
女王は妖しく笑い、才人の待つ部屋へ、王宮の廊下を歩いていくのだった。
〜つづく
ずいぶん間が空いたが以上。
続きの五日目は、年内には上げるつもりだけど、12月は忙しくてねえ…。
んじゃまたノシ
759 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 02:44:18 ID:sdvqu4CM
続き着てた!!超GJです
ティファニアはどうなるかと思ってたけど、こうなるとはサイト(´・ω・) カワイソス
>>760 たかが誤字を指摘なんてセコイマネとは
だらしねぇな
なんだこいつ
へんたいさんおつ
あなたが今更オリジナル設定やキャラで躊躇するような人間ではない事を知っています
まぁオリジナル設定やら持ち出さないとルイズ以外とエロシーンに持ち込むのは至難の技だよね
そしてへんたいさん乙ー
せんたいさん乙!
もう忘れてやめちゃったかと思ったぜ。
今回のアンは黒過ぎる
男にこの魔法はまずいだろ
路線変更 とにかくこの黒アンに鉄鎚を希望する。
「イく」(もしくは「イク」)
を
「逝く」
と表現するのは、何度見ても違和感を覚えるんだ
「昇天する」って意味だから間違ってないんじゃね?
文字通り逝ってしまうおっさんもいるし
というか元々イクは「逝く」なんだけど
まぁネットとかでしか見たことなかったらイクの方が普通と思うんじゃない?
ネットで見ようが書籍で見ようが、イクの方が普通と思うんだけど…
「逝く」の方が普通に使われてるってのは、どういう世界?
広辞苑にツンデレは載ってるのかい?
>>772 国語辞典にどう載っているかは聞いてません(・ω・`)
>>774 ラノベじゃない成人向け小説じゃないか?
違和感程度なら脳内補完しろよ
普通()笑
>突かれきって眠ってしまったらしい
あながち誤字とは言い切れないのがワロタ
誤字じゃなければ、サイトが受身に回っているように見える。
ウホッ
>>757 わたあめとは思えない黒さ、おまけに攻めでS属性に目覚めたとか?
ラノベスレでアソコが湿って力が出ないアン様ってのがあったが
逆だよな。正解として
アン様 「アソコが渇いてやる気が出ないの」
サイト 「姫さま、新しい潤いだよっ、うっ」
というのを妄想した。
俺はダメかも知れん。
濡れ濡れ→とても気持ちいい→力が出ない(脱力状態)
久しぶりに覗いてみたらへんたいさんが来てたのか GJ!
>>784 つまり常にアソコが渇いてサイトに潤いを求めるわけですね わかります
乾いて潤いを求めるのは心
アソコは常に湿ってるけどもっとトロトロにしてください、な人
それがアン様
今回のせんたいさんのSSまだタバサでてきてないんだよな・・・
タバサが何もしないなんてかんがえられんしな
鉱物は最期にとっておいて食べ損ねるんですね、わかります
鉱物はとっておかなくても食べれないなあ…
玄武岩うめえぇぇ
アメジストもうめええええぇ
793 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 01:00:10 ID:59ec5Z1u
アニメキャラがバトルロワイアルをする企画、その名もアニメキャラバトルロワイアル!!!
ドラえもんがSOS団に入団!?魅音とクーガー兄貴の珍道中!?キョンとトウカが天然&突っ込み漫才コンビ結成!?
シリアスな戦闘もあり。カズマとヴィータコンビが繰り出す鉄鎚のシェルブレッド。最強の敵アーカードを倒せ!サイトが殺されヤンデレ化したルイズの暴走。水銀燈と遠坂凛の一触即発微妙な二人旅。家族が死んでいくその中でしんのすけは何を思う?
ハルヒ、ドラ、スクライド、ひぐらし、ローゼン、クレしん、ルパン、なのは、Fate、ブラクラ、うたわれ、ヘルシング、攻殻、ゼロ魔、レイアース、ベルセルク、デジモン、キンゲ、BLOODのキャラ達で繰り広げられるバトルロワイアル。
製作期間半年、書き手人数60人以上の大大作。見たい人は下のリンクから↓
ttp://www23.atwiki.jp/animerowa/pages/7.html
石英、チョウ石、黒雲母、カクセン石、輝石、カンラン石ですね。
牧場スレにゼロ魔ネタが来てるよ
>>794 なんか中学生くらいのときにそこらへん覚えさせられた気がするなぁ〜
受験の時必死こいて覚えようとしてた記憶がある。
流産安産元気な子
囲んで先生半殺し
だったっけ。
ルイ産アン産元気な子?
リカちゃんあせってゲロはいた
>>799 囲んで先生生殺し…
作中で先生呼ばわりされてんのコッパゲくらいだけど、ままままさか?!
半殺しだったw
ネコミミ指南役のデルフ先生のことです
やめて溶かさないで折らないでやめて
お願い
アッー!!
クリスマス特集とかやった去年のにぎわいが嘘のようなさびれ具合だな
まぁまて明日からもしかしたらもしかするかもしれないと淡い期待を胸に秘めつつ2425共に仕事にいそしんでくる
やっぱり新刊が出ないと
808 :
X42:2008/12/24(水) 00:58:58 ID:dxuE7QxM
お久しぶりです。
年賀状書きで暫くパソコンを家人に占領されていましたが、ようやく投下出来ます。
ただエロなしです。クリスマスなのに。
断って置きますが私は、軍オタでは有りません。
都合上避けられないので…エロ期待の方はスルーして下さい。
あと前回名前間違えました。すみません。
809 :
X42:2008/12/24(水) 01:00:02 ID:dxuE7QxM
ならず者の軍団を討伐するため才人達は、交戦予定地点の沼を目指して、朝8時に出発
した。先行部隊として、竜騎士10騎に其々水と土メイジを1人ずつ乗せて進軍している。
加えてシルフィードに騎乗しているシャルロットとキュルケも同行している。
先行部隊の指揮は、隊長であるギーシュが務めていた。(テファは同国王族のため留守番)
才人達は、ホーキンス達が用意した馬に乗り進軍していたが、守備軍は歩兵のため進軍
速度が遅く到着予想では、昼頃になる予定であった。
しかし昨日の報告から計算すると敵の方が約1時間程早く到達してしまうが、先行部隊
で足止めするんだろうと才人達は、思っていた。
先行部隊の実力からすれば1時間程度の足止めなら、さして難しくない。
しかし竜騎士だと20分程で着いてしまう。そんなに早く行って何をさせるんだろう?
レイナールは、具体的な事を何も教えてくれない。まっ、奴の事だから驚くような作戦
が有るんだろう。
城から10リーグ程の所で道が2又に分かれていた。左が沼、右が小高い丘へ向かう道で
あった。
レイナールは立ち止まってホーキンスに指示を与えて右に曲がった。
ホーキンス達は、歩兵部隊を引き連れて左に曲がって行った。
「レイナール、沼は左じゃないのか?」
疑問に思った才人はレイナールに尋ねた。
「そうだけど我々は、丘に向かうのさ」
「丘に?何でまた?」
「丘の上から作戦を見る為さ。歩兵部隊がいては間に合わないから彼等には直接向かって
もらって、我々は急ぎ沼から1リーグ以上離れた丘に向かう。後30分程で作戦地点に敵
が来る筈だ。あと4リーグ程だから馬なら15分かからないと思う。遠いけど1リーグは
離れないと危険だしね」
それを聞いた才人は、驚いた。
「1リーグ以上も離れなきゃ危険って一体何をするつもりなんだよ?」
「もうすぐ分かるよ。兎に角急ごう。もしかしたら敵が早く進軍してる可能性があるしね」
そう言ってレイナールは馬を走らせた。その後を才人達が続いて行く。
約15分後才人達は、丘の上に着いた。眼下を眺めると沼があるとおぼしき地点には濃霧
が立ちこめていた。
「随分濃い霧がかかっているな。これじゃ何も見えないぞ!レイナール」
「見えなくて当然だよ。あの霧は、水メイジ達が発生させたんだから」
才人の疑問にレイナールが答えた。
「スリープ・クラウド?」
「いや、正真正銘ただの霧さ。スリープ・クラウドを事前に発生させたら敵が警戒し散開
して厄介になる」
「じゃあ何のために霧なんか発生させたんだ?」
「これから行う作戦にどうしても必要だからさ」
「奇襲…じゃないよな。誰も配置について無いし、第一あんなに濃い霧じゃ正確に
当たらないだろうし、最悪同士打ちの可能性あるよな。俺達がここにいるから足止め
でもないし、1リーグ離れないと危険…俺の頭では全くわかんねぇな」
才人は、そうボヤいた。
「そうボヤくなよ。もうすぐ分かるからさ。マリコルヌ、遠見の魔法で敵の現在位置を
調べてくれ」
「分かった」
マリコルヌは、ルーンを唱え遠見の魔法で索敵した。
「先頭のトロル鬼が霧の所まで後100メイル程だな。その隊列が約200メイル程、少し
離れて人間の隊列が約300メイル程だね」
「そうすると全員が霧の中に入り切るのに凡そ9分〜10分程。此処までは、ほぼ予定
通りだね。後は全員霧の中に入ってくれれば、もうこちらの勝利だね」
レイナールは、既に勝利を確信しているようであった。
そして10分程で敵側は、全員霧の中に入った。
それを確認したギーシュ達は、霧の上空に方々から集まり、錬金で霧をランプ油(不純
物の多いオリーブ油)に変え其の場を全力離脱した。
其れを確認したキュルケは、霧の中央上空で着火を唱え、火薬玉を投下しシルフィード
はその場から全力離脱した。
そして30秒後、大爆発が起こりキノコ雲が立ち上った。強烈な衝撃波が全てを薙ぎ倒し
或いは吹き飛ばした。霧が立ち込めていた場所には、立っているものは何一つなかった。
残されたのは、直径600メイル近いクレーターと夥しい死体の山であった。
文字通り敵は1人残らず全滅した。
安全圏まで離脱したとはいえ、遮蔽物の無い上空では、威力が落ちたとはいえ、爆風が
襲って来た。
「うわあっっっと。さっきの場所から1リーグ以上離れたと言うのにこれ程の爆風が来る
なんて一体何が如何なっているのかね?それにしても全力離脱しろなんて言う訳だ。
離れなければ確実に死んでいたな。此れでは敵はひとたまりもなかったろうね。しかし
この分じゃサイト達が黙って無いな。」
ギーシュは、爆発の威力に驚いた。しかしそれよりも才人達が激昂するのが心配だった。
才人が何よりも人の死を毛嫌いするのをギーシュは、良く知っていた。
「けんかしてなきゃいいんだけどなあ」とギーシュは、ため息混じりに呟いた。
同じ頃のシルフィードは、
「何なの?ねぇお姉様一体何が起こったのね、きゅい」
「大爆発」
「そんなの見れば分かるのね、きゅい。シルフィーが知りたいのは如何してあんな大爆発
が起こったかなのね。きゅい」
「恐らく『爆炎』の応用。錬金した油の量が桁違いだからあんな大爆発になった」
タバサは、豊富な知識を基に推測した。
「でも本来『爆炎』は火のトライアングルスペルよ。でも私が今使ったのは『着火』よ。
火メイジが最初に覚えるスペルでこんなに凄い大爆発が起こせるなんてね」
キュルケは、半ば呆れるように呟いた。
「この作戦の恐ろしい所はそこ。使ったスペルは全てドットスペル。さっきの火薬玉さえ
有れば、メイジの力量の合計に比例して規模が大きくなる。本来スペルの重ね合わせは、
非常に難しい。王族同士のヘクサゴンスペルや聖堂騎士隊の讃美歌詠唱など特別な血、
訓練によってはじめて可能。しかし此れは個別に唱えているにも拘らず、それらを遥か
に凌駕する威力になっている。このスペルの組み合わせは危険過ぎる」
タバサは冷静に分析し、大きな危機感を抱いた。
「確かにね。今の作戦私達を含め32人でトロル鬼200とならず者1,000人全滅よね。
凄いけど此れを戦場で使ったら万単位の死傷者が出るわね。逃げる手段さえ有れば
ドットメイジ100人位でトリスタニアが壊滅ね。逆に3人でも1個中隊位壊滅させる
事が可能だわね。全く何て事思い付くのかしらね」
彼女達は、今後この作戦が他に知られない様にすべきと考えていた。一瞬で王国を
ひっくり返す危険がある。それほど凄まじい威力の爆発であった。
才人は、きのこ雲を見て一瞬思考が停止した。
才人の近くにいた風メイジ達はギーシュ達が動き出した後「エア・シールド」を張って
置いたので才人達には、全く被害が無い。しかし1リーグ以上離れていたとはいえ、
爆風で周りの木々は大きく揺さぶられ、弱っている木は倒れていった。
暫くして才人は思い出したかのようにレイナールに食ってかかった。
「なんちゅう事すんだよ!レイナール。あれじゃ全滅してるだろ!ならず者だからって
殺す事無いだろ!更生させれば良いじゃねぇか」
激昂する才人にレイナールは、
「君の言っている事は、人間としては正しい。でも僕達は守備軍も合わせても約160人程
対して敵は、トロル鬼200とならず者約1,000人だ。一人も殺さずに全員捕縛するには
戦力差が有り過ぎる。その戦い方だと下手をすれば此方が全滅だ。君は僕達に死んで
欲しいのかい?」
「そんな訳ねぇだろ。でもあれはやり過ぎだ!あんな大爆発じゃ誰も助からんだろ。あの
霧を『スリープ・クラウド』に変化させられなかったのか?」
才人は、疑問に思った事を口にした。
「『スリープ・クラウド』は、『錬金』のように元から有る霧を変化させるスペルじゃない。
それにあの霧は、沼の水を利用して大量に生成したものだ。あの密度の濃霧では、上空
から『スリープ・クラウド』を使っても 敵兵に届くまでに効果が薄れてしまう」
魔法に疎い才人のためレイナールは解説した。
「ちょっといいかね?」
付き添いで来たコルベールが話しかけて来た。
「はい、構いません」
「ここで議論しても亡くなった方達は、生き返らない。レイナール君、この作戦内容は、
公表しないで貰いたい。見た所『爆炎』の応用だね。しかも使ったスペルは全てドット
これが軍に知れ渡れば、戦争での戦死者の数が桁違いになる。そしてこういう物は、
研究され更に強力になる危険がある。だから報告は通常戦で勝った事にして欲しいのだ」
コツベールは、自分の過去を振り返りながらレイナールに頼みこんだ。
「先生、申し訳有りません。既にこの作戦内容は、軍上層部とアカデミーは知っています。オークションの後、騎士人形を倒した事でアカデミー主席研究員のルイズの姉上に
根掘り葉掘りされまして、その時この作戦内容を話したのです。付け加えるならば、霧
を『錬金』する時、ランプ油ではなく『ガソリン』に出来れば威力が向上すると伝えて
有ります。更に教皇聖下がこのような敵が又襲ってくる可能性が有るので研究して、
実用化・強力化を要請しておられました」
レイナールは、コルベールの願いを打ち砕く事を話した。
「既に聖下までご存知で、その上研究にもお墨付きをお与えになったとあっては、例え
女王陛下といえど研究の中止は、命じられないな。不味い事になってしまったな」
コルベールは、俯いて黙り込んでしまった。
それは当然の事と言えた。ランプ油ですら此れだけの威力が有るのだ。これがガソリン
になったらどれ程威力が上がるか予想がつかない。2倍?3倍?もしかしたらそれ以上?
いくら強大な敵の為とはいえ、これが通常の戦争に用いられないという保証はどこにも
ない。いや先手必勝とばかりにどんどん使われる可能性の方が高い。
そうなれば、死者の数は此れまでとは比較にならない。
最悪双方が使えば両軍全滅だって有り得る。
正に悪魔のコンボスペルとなるに違いない。
「レイナール!なんでガソリンの事知っているんだ?」
「おいおい僕は、仮にも枢機卿の補佐官兼副大元帥なんだよ?ここ最近の機密文書関係は、
全て目を通しているんだよ。先生が石炭からガソリンを錬金した事も、アルビオン戦役
では、その方法で宮廷の土メイジが大量に作り出した事もね。今回は間に合わなかった
けど、恐らくガソリンの効率的な生成法を研究していると思うよ。石炭やガソリンを
大量に持って移動するなんて非現実的だからね」
レイナールの言う通りであった。地球と違い輸送には大きな労力がいる。増してや
ガソリンは引火しやすい。何も知らない人間が扱えば大惨事確実だ。
だからこそ、魔法で現地調達するのにこしたことはない。
「兎に角、現場検証しなければいけないな。先生、サイトとルイズを連れて城に戻って
いただけませんか?彼等には刺激が強過ぎるでしょうから」
レイナールは、才人達を気遣ってコルベールに懇願した。
「私は構わないが、サイト君達はどうするかね?」
「レイナール。俺は立場上見に行かなきゃならないんじゃねぇのか?」
「そんな事はないよ。軍の上層部が最前線の現場検証なんてした事ないと思うよ」
「其れを言ったらお前もそうだろ」
「まあ、そうだけどね。僕自身見てみたいのさ。自分の考えた事の結果をね」
才人は、やっぱりこいつは、アカデミー向きの性格しているよな。と思った。
「分かった。現場を見たら又お前とけんかしそうだしな。お言葉に甘えさせて貰うよ
帰るぞルイズ」
「ええ、仕方ないわね。レイナール後は宜しくね」
「ああ、任せてくれ」
こうしてレイナール達は、事後処理に向かい、才人達は城に引き返した。
帰る道すがら才人はコルベールと話を交わした。
「先生俺、爆発後のキノコ雲を見た時、核爆弾が爆発したのかと思いましたよ。まあ
こっちには存在しないから有り得ないんですけどね。かなり違いますが燃料気化爆弾に
似ている所が有りますね」
「どんな所がだね?その前に核爆弾と燃料気化爆弾とはどんな物なのかね?」
「俺の知ってる範囲で言うと、核爆弾は、一発で何十万人も殺すような爆弾です。
そして助かった人達にも色々な後遺症を残す。そんなとんでもない爆弾です。60年以上
前に俺の住んでいた国に二発落とされて、直撃で計20万人以上が亡くなっています。
その後、後遺症で何十万人の方が亡くなり、今も後遺症に苦しんでいる方が大勢います。
加えてその方達の子孫にまで影響を及ぼす。正に悪魔の爆弾ですね。
仕組みは、こっちに似たような物が無いんで説明出来ませんね。俺自身難し過ぎて理解
出来ない事が多いですし。
燃料気化爆弾は、ガソリンのような高揮発性液体を強固な密閉容器に大量に入れて、他
の爆薬を爆発させて容器を急激に熱し高温高圧の状態を作り出した後、弁の様な物が
開いて中の液体を一瞬に気化噴出させて大爆発させる爆弾です。結果はさっきの作戦の
様になります。軍事機密に関わる事が多くあるので、正確な情報じゃ無いかもしれませ
んけど」
才人は、以前インターネットで見た内容を簡潔に話した。
「技術が国益と言いながら人の不幸のために発展してしまった悲しい一例だね。核爆弾は
ここでは、製作不可能だから置いといて、燃料気化爆弾の液体は、どの位の量なのかね?」
「大きい物は、俺の100人分位の重量だったと思います」
それを聞いたコルベールは才人を持ち上げた。
「大体150リーブル位だね。そうすると1万5千リーブル程か、確かに物凄い重量だね。
その上爆発力もこちらとは桁違いなのだろう。サイト君のいた世界は、そんな恐ろしい
爆弾を戦争に使いまくっていたのかね?」
「いえ、そんな事はないと思いますが…こんな恐ろしい爆弾を実用化している国は、ごく
一部ですから。それに正確な情報は、俺達民間人には伝えられませんから」
才人は、思い返した。
いつの時代、世界中どこでも正確な戦争の内容は、民間人に伝わる事は無かった。
戦果は誇張され、被害情報は皆無か誤魔化しきれない物のみであった。
多かれ少なかれハルケギニアでも同じ事が行われている事を、ギーシュ達の会話から
聞いたことが有った。
そう言えばコルベールは、俺の体重を大体150リーブルと言ったっけ?俺の体重は今
約68sだから1リーブルは0.453s位か。そうすると俺らの世界のポンドと同じ位だな。
「それもそうだね。どの国にも機密事項は存在するからね。私としては今日の作戦は、
無かった事に出来れば良かったんだがね。聖下のお墨付きとあっては、詳細を報告しな
ければならないな。これを戦争に使って欲しくないのだがね。困った事だ」
「先生。そう言えばどうしてあんな大爆発になったんです?結果的には燃料気化爆弾
みたいになってますよ?爆発力自体は遠く及ばないと思うんですよね」
才人は、先程の爆発の疑問をコルベールに尋ねた。
「うむ、恐らく同じ質量なら爆発力は十分の一にも及ぶまい。しかしこの作戦で錬金した
油の量は、1立方メイル当り0・1リーブル位と仮定すると300×300×3.14×10×0.1で
計算すると約282,600リーブル位で燃料気化爆弾の約19倍の重量となり質の差を量で
補ったということだな。まあ土スクウェアメイジ10人でも100%錬金出来た訳では無い
だろうからこれよりも多少少ないと思うがね」
錬金は、どうしても不純物が混ざる。そしてこれだけ大量に錬金するとなると錬金しきれ
ない量も少なからず有るのだろう。錬金した水分の量をs単位に直すと約128t!なるほど
これじゃあ「スリープ・クラウド」かけても効果は期待出来ない訳だ。
心配なのは、この作戦の報告によって、アカデミーで研究、改良、強化されたコンボ・
スペルの誕生と実戦に投入され、多くの死者を生み出さないかだ。無駄だと思うがエレオ
ノールさんに研究中止を頼んでみるしかないなと考える才人であった。
816 :
X42:2008/12/24(水) 01:12:33 ID:dxuE7QxM
今回は、以上です。
せっかくのクリスマスに不似合いなSSですみません。
今回出てくるコンボ・スペルは、爆炎をヒントに燃料気化爆弾や粉じん爆発
ヨーロッパの昔の油などをネットで調べて書きました。
ここは、エロパロスレなので詳しい突っ込みはしないで下さい。私の頭では
理解困難な事が多く書いて有ったので正しく書けているか分かりませんので…
それではよいクリスマスを
糞つまんねえな
一番乗りGJをさせていただく
随分と殺伐としてるんだな、このスレ
サイト君、君の頭には計算機が入っているのですかと言ってみるw
823 :
X42:2008/12/25(木) 00:23:32 ID:pEktw8eN
小ネタを一つ。
「サイト殿、私の素肌を見ましたわね?」
「す、すいません姫様。そのーなんてゆうか…」
「では、貴方から四の四(し)を頂きますわ」
「え?姫様にあげられる物なんてありませんけど?」
「いいえ、ありますわ。押し倒し、ご奉し、精し、エクスタしーですわ」
「姫様、其れは…」
「拒否は『死』あるのみ、ですわ」
「サイト、貴様がすべき事は、至急陛下の肢体に悦びを、子宮に精子を、だ。
ま、死なない程度に死力を尽くせ。屍は拾ってやる」
窒素って酸素に錬金出来るのかな?イメージさえ出来れば錬金出来るのかな?
バッテリーの錬金なんて化学式を理解してないと錬金なんて出来ないし…
嗅いだ事無いけどリチウムイオンバッテリーって充電後と放電後って臭い
違うの?有っても人間の鼻のレベルじゃ判別不能だと思うんだけど…
さすがゆとり
なんでX42のアンチが湧いてんだ?
とりあえずGJ
そろそろ容量
829 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 08:54:00 ID:g+E414b3
そもそも構造を理解した上で錬金していないだろ
逆に錬金出来る人は構造を感じられるのかもしれないな
でも構造云々言い出したら金が錬金しにくいってのも変な話だよね
まず鉛蓄電池とリチウムイオンは構造が違うだろう…
>>824 扱ってるのはリチウムポリマーだが
少なくともうちでは匂いがした時点で漏れが発生してる=その時点で空気中の水分とさえ反応し超加熱、下手すりゃ発火
だからクッキーとかの缶で密封して室外放置、一日様子見て開けてみればほとんどの場合膨らんでるから破棄してる
>>832 乙!
サイトとアン様のにゃんにゃんを延々と見続ける栄誉を授けよう
>>824 充電後/充電前の違いなんて中身を直接比べるまでも無く、ディテクトマジックで調べればいいじゃないか。
たしかガソリン造った時にディテクトで成分照らし合わせてなかったっけ?
>>834 魔法以外には反応しないって外伝でやってた気がする
>>834 3巻を読み直した。
ディクト使っていない。
>>832 乙
好きなヒロインの雌おちんちんをしゃぶる権利をあげよう
規制に引っかかって今まで書き込めなかったのだがようやく
書き込めるようになったな
X42氏2つのSS乙!です
>>826 つーか、気にいらないならスルーがこのスレのルールのはずなんだがなぁ
これから2週間は我慢の時ですよ
アンチってかただの構ってチャンでそ
紳士なら華麗に全裸でスルー出来る筈!!
質問です。
エルフの使ってた「反射」は、10巻の描写を見る限り風の精霊の力を使った物
だよね?(アニメは、某ATフィールドみたいに見えたが…)
裏ワザを考えたんだが、水蒸気機関のばい煙で精霊力が落ちる事って無いかな?
もし落ちるんなら、虚無や場違いの工芸品以外でも突破出来ると思うだけど…
どうかな?
サハラのエルフの間では、9歳の少女とのセックスも合法だし、
戦争で捕らえた女捕虜の分配も認められている
だからタバサがレイプされてしまう危険性が高い
843 :
X42:2008/12/26(金) 00:28:56 ID:GcDX6D8B
小ネタを一つ。
前提
以前書いたパソコンを通じて匂いや感触を伝える装置が発売済と妄想してくれ。
読者達は、アキバのアングラにゲームを買いに走った。
そのタイトルは「特濃アンリエッタ…シナリオ・ボルボX」であった。
警察に見つかれば、発禁処分100%のゲーム。
それでも読者達は、そんな事は気にも留めずゲーム一式を買って帰った。
読者達は、全裸になり、装置を身に付けた。
ゲームスタート!
3D映像の映るオーバーヘッドディスプレイにアンリエッタが現れた。
いきなりの口撃…読者達の理性に100のダメージ
キスの絨毯爆撃をしながら服を脱ぎ捨て、全裸となり
股間に胸撃…読者達の理性に1000のダメージ
息子は大きくいきり立ち、アンリエッタの股間から愛液が滴り落ちた。
息子に穴撃…読者達の理性に計測不能のダメージ
アンリエッタは、激しく腰を振り、読者達を昇天させた。
後日、パソコンの前で全裸で精液を噴射している若者が大勢発見された。
もしこんなゲームが発売されてものめり込んじゃいかんよ。
スレが過疎るから…
ボルボX氏勝手に名前使ってすみません。
つまらなそうだな
846 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 12:07:58 ID:GjkqBvxg
GJだ
847 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 15:57:12 ID:GjkqBvxg
GJ
>>847 なぜ時間を開けて二回も言う
しかもあげてるし
IDについて触って欲しいんだろう
そろそろ埋めようぜ
とっとと埋めるのね。きゅいきゅい
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`ト、弋ツ _じ少 V. : :l: :.:. :|
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>>826 「よくわからん事」を「聞きかじり」で「言い訳」しながら投下する辺りが
うざがられてる理由じゃないかね
あと小ネタとか言ってどっかから場面切り取って台詞だけ
乗せ変えただけのオナ文書き散らす所とか
個人的な嗜好だが史実だろうがなんだろうがひどい爆弾だの皆殺しだの
公共の場所で大声で言うもんじゃないだろそんなん
さくさく埋めようね
>>852 そういうのは雰囲気が悪くなるから叩きスレでやってくれ
X42氏は揉め事おこしてるわけでもない。
エロパロ板見てる分際で公共とか語るなよwww
戦争はダメでレイプ調教はOKなのか?
お前の感性にあわなっかたってだけだろ
なんの為のコテハンと専ブラだよ
少なくとも基地外構ってチャンに触るためじゃないな
スルーしろよ
駄犬が沸いてるからルイズさんお願いします
女の子をかわいく書くための道具として機能してればOK
そうじゃなければNG
このスレではそれがルール
↑そんなルールもなかったはずだが
精々気に入らない作品、作者はスルーといった所だろ
エロパロ板にもかかわらずエロくない作品もけっこうあるしな
会話の機微・・・? 俺にも読めんな
べつに女の子がかわいくなくても
エロいか話が面白ければいいんじゃね? 萌えもいいけどそれだけ見たいわけじゃないし。
どうでもいいけど、卵形のはローターだと思うんだ
テスト
おいらは行間空けないほうが好きなんだが
おれは卵には醤油掛けるほうが好きなんだが
おれはカレーを普通に食べるのが好きなんだが
俺は親子丼にマヨネーズをかけるのが好きなんだが
俺はシュウマイにケチャップつけて食べるのが好きなんだが
桃のヨーグルトにスライスしたりんご入れるのが好きに成ってたんだ、いつこんな癖が付いたのか不思議で仕方ない。
暖めた桃果汁に檸檬を浮かべて飲むのが好きになってたんだ
いつこんな癖が(ry
871 :
X42:2008/12/29(月) 00:53:50 ID:A+tRE275
これから投下します。
872 :
X42:2008/12/29(月) 00:54:47 ID:A+tRE275
才人達はお昼前に城に帰って来た。
早めの食事をした後、キュルケ達は
「私はジャンと観光を兼ねて買い物に行ってくるわね。じゃあねぇ」
コルベールは、キュルケに腕を組まれて連れ出されて行った。
「俺達も行かないか?」
才人は、ルイズ達に尋ねた。
「あんた、馬鹿?此処に来るときの事をもう忘れたの?私達が街に出たりしたら大騒ぎに
なるわよ。少なくともあんたとティファニアには護衛が何人も付く事になるわね。そう
なったら観光じゃなくて視察になっちゃうわよ?それでも行く?」
ルイズは、呆れながら才人を諭した。
「うーん、確かにそれはちょっとなー。変装して抜け出す…護衛の人達が怒られるな
それにテファは、どんな変装しても無駄だしなー」
才人は、規格外のティファニアの胸を見ながら呟いた
。
才人に見つめられたティファニアは、もじもじしながら
「でもみんな帰ってくるの夕方になると思うわ。出かけないとすれば何をするの?」
現場検証に向かったレイナール達が帰ってくるのは、早くても5時を過ぎるのは確実で
あった。4時間以上もこの面子で城から出ないで籠るとなると出来る事といえば…
「サイトとする」
タバサであった。すると
「あんた達は、フネと城の中でしたでしょ。私だけしてないんだから、私が一人でサイト
とするの!」
ルイズであった。ルイズは、はっきり言って飢えていた。
精神力を溜めるのに才人とティファニアの情事を見せつけられた挙句、今朝才人を起こ
しに行ったら、才人とタバサが繋がったまま寝ている上、シルフィードが裸で胸を押し
付けて眠っていたのだ。以前なら「エクスプロージョン→金的・踏みつけ」などの
お仕置コンボが炸裂するのだが、現状ではそれが出来ない。
「私は、今日に備えてお互いが消耗しないようにただ繋がっていただけ…行為そのものは
していないに等しい」
タバサは、夕べの事を簡潔に話した。
「した事には違いないでしょ!私は、2日もお預けくった揚句、あんた達の行為を見せ付け
られたのよ!我慢の限界なんだかんね!だから私が一人でサイトとするの!」
ルイズは、元々才人に関してのみ独占欲が猛烈に強い。どうしても一人で才人としたい
と思っていた。すると
「それなら最初は、ルイズがサイトとして、それから3人でサイトを貪るというのは
どうかしら?」
妖精のような美しい顔でぶっ飛んだ事をティファニアは平然と言ってのけた。
「異議無し」
タバサはすかさず答えた。
「えっ?ちょっと…うーん、まあ…仕方ないわね。それでいいわ」
ルイズは、一瞬戸惑ったが妥協する事にした。反対したところで2対1、下手をすれば
最初から3人で貪りあう事になってしまう。そうなるよりは、まだましと思ったのだ。
「あのー君達、俺の意見を…」
「却下!!!」
3人は、才人の意見を聞かないうちに取り潰した。
「いやでも俺まだ何も…」
「あんたの言いたい事は、分かってるわよ!皆が仕事しているのに、真昼間からする事
ないだろ!でしょ。そんなの私達だって分かってるわよ!それならいっそ街の外に出か
ける?これも選択出来ないでしょ?あんたの立場上。それやったら衛兵達が大目玉くら
うわね。と言う訳でさっさとやるわよ。この期に及んで回避行動なんて取るんじゃない
の。いいわね!!」
ルイズは、凄みを利かせて、才人の選択肢を無くした。
「分かったよ。でもシルフィードは、無しな!あいつが居たらろくでもない事になるから。
あいつが居ると、どんどん寿命が短くなってく気がするよ」
才人は、本音を吐いて了承した。
「それじゃあ早速部屋に行きましょ!時間がもったいないわ」
ルイズは、無意識にステップを踏みながら部屋へと向かって行った。
ルイズが部屋に入り振り向くと、ティファニアとタバサも一緒に入って来た。
「ちょっとあんた達、気を利かせて2人きりにさせてくれない?」
ルイズは、ふくれっ面をして2人に迫った。
「貴女は、自分が満足するまで彼を離さない気がするから」
「うっ…、べ、別にいいじゃない!満足するまでしたって!」
図星を突かれたルイズは、どもりながら答えた。
「ルイズ!お前一体何回やるつもりだったんだ?」
「何回でもいいでしょ!いいからさっさと服、脱がしなさいよ」
ルイズは、才人を急かした。
「ルイズ、1回やったら3人で」
「ちょっと待ちなさいよ、タバサ。せめて2,3回位やってもいいじゃない」
「ダメ!優先は1回だけ。其れ以上は認めない」
「サイトは、私の使い魔なのよ!」
「今は私達全員彼の婚約者。立場は平等」
タバサは、容赦なく断じた。
「分かったわよ!ホントッにもう。せめて姿位消してよね」
「分かった」
タバサは、ルーンを唱え自分達の姿を消した。
「さあ、早く!」
「慌てんなよ。時間は少なくとも4時間は有るんだろ?のんびりやろうぜ」
そう言って才人は、ルイズを抱きしめキスをした。
二人は、唇を貪りながらお互いに舌を入れ絡め合わせた。
二人からは、舌を絡ませる事によって生じる唾液の音と、熱い吐息が漏れ出ていた。
徐に才人は、ルイズのマントを外し、ブラウスのボタンを順に外して行った。
次に、スカートのボタンを外し、ファスナーを下げ手を離してスカートを床に落とした。
才人は、ルイズをそのままベットまで連れて行き押し倒した。
そしてキャミソールの下に手を入れ、ルイズの薄い胸を揉みまくった。
「アッ…サイトォ。もっと、もっとして」
サイトはおねだりに応えて、ルイズのブラウスとキャミソールを脱がし、胸を揉みなが
ら乳首を吸ったり甘噛みをした。
そして右手をショーツの上ではわせた。
「サイトォ…染み付いちゃう…脱がして」
ルイズは、腰を上げ、才人に促した。
才人は、ショーツに両手を掛け引き下ろした。
才人の目の前には、生まれたままのルイズが何とも言えない複雑な表情で見つめていた。
「あんまりじろじろ見ないでよ!恥ずかしくなるでしょ!」
「キレイだよ、ルイズ。冗談抜き、嘘偽りなくね」
「あ、当たり前でしょ!私を誰だと思ってるのよ。そっ、そんな歯の浮くような事言って
無いで、続きお願い…」
才人は、先程の体勢に戻ると、右手でルイズの股間を優しく撫でまわし続け、濡れて
くるとクリトリスの皮を剥き、小刻みに振動を与え続けた。
ルイズは、股間から襲ってくる強烈な刺激に「アッ…アッーーーー」と喘ぎ声を出し、
身体が痙攣し始めた。
「ダッ、ダメー。そっ、其れ以上…やったら…可笑しくなっちゃう。才人…早く入れて
お願い…」
才人は、膣に指を入れ濡れ具合を確かめた。
既に膣は、愛液で溢れかえっていた。もうこのまま入れても大丈夫と判断した才人は、
ペニスをルイズの股間にあてがい、ゆっくりと挿入していった。
「アッー、来てる。サイトが…入って…来てる」
「痛くないか?ルイズ。痛かったらもう少しこのままでいるから」
「平気。だから気持ち良くして!お願い」
「分かった」
才人は正常位の体勢でピストン運動を行った。
「アッ、アウ、アッ、イッ、ヒッ」膣で才人が動く度ルイズは、可愛らしい喘ぎ声を出し
続けた。
才人は、ルイズを抱きかかえ、座位に体位を変え抱き合いながら突き上げて行った。
才人は、そのまま暫く突いた後、後ろに倒れて騎上位になった。
「ルイズの好きなように動きなよ」
そう言って、才人はルイズに促した。
「うん」
そう言ってルイズは、自分が気持ち良くなるように動いた。
腰を前後に動かしたり、足のバネを使って上下に動いたりした。
「サイト…下から…突き上げて…」
「了解」
ルイズの要望に応えて下から突き上げた。
「アッ…くる。イッ…イク…イチゃう…イチゃうよ」
「いくぞ!ルイズ」
「きて、サイト」
サイトは、猛烈な勢いで下から突き上げた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ」
ルイズは、昇天し失神した。
其れを見ていたティファニアとタバサは、既に裸になってサイトに突進していった。
876 :
X42:
今日は、ここまでです。