★女同士の壮絶なバトル Round4★

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1名無しさん@ピンキー
高い身体能力や戦闘能力を持った美女・美少女同士が壮絶な闘いを繰り広げる・・・。
そんなシーンやシチュエーションに萌える人、いませんか?
漫画ネタ・アニメネタ・ゲームネタ、なんでもありです。

前スレ
★女同士の壮絶なバトル Round3★
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198887404/

前々スレ
★女同士の壮絶なバトル Round2★
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156341853/

初代スレ
★女同士の壮絶なバトル★
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1071753076/
2名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 18:55:28 ID:Fode4BDE
>>1
スレ立て乙です
前スレ最後の方は容量気にせず荒らし意見叩き…
ゴメンコ
3名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 22:30:12 ID:UMREIJaN
乙ですよ
不毛な叩き合いよりネタ出しでもやろうぜ
4名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 02:13:48 ID:BPRtESV8
保守っておく
5名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 10:22:34 ID:QYCWioNI
ローブローでの潰し合いが見たいのだが、スレ違いですかね?
6名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 18:04:14 ID:rI5bHvhi
>>5
もうすこし具体的な展開を語ってみてくれないか?
75:2008/10/11(土) 21:30:37 ID:QYCWioNI
>>6
具体的ですか……正直思いついては無いのですが。
格闘大会で不利な状況から、隙をついてローブローを打ち、優位に立つが、
同じような攻撃を返され、お互いに悶絶した後、そこからはローブローの打ち合いに……

う〜ん。具体的でもなんでもない気がしますね。
8名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 22:14:01 ID:xEyqkbr7
>>7
カウガール姿の金髪ボクサー娘VSチャイナドレス拳法娘

序盤はボクサー娘が巧みなフットワークで拳法娘を翻弄して嬲るかのようなボディーブローの連打で体力を削っていく…。
積み重なるダメージに唇の端から胃液混じりの涎を垂らしながら、ついに拳法娘はボクサー娘の肩へと力無くもたれかかる…。

余裕の笑みを浮かべて拳法娘を見下ろすボクサー娘だったが、
ずだむっ!という火薬が炸裂したかのような音がしたかと思うとくわっと形相を変えてぶはっと胃液を撒き散らす。
その腹にめり込んでいるのは拳法娘の零距離寸頸。僅か一撃で大ダメージを負ってしまうボクサー娘。
その後は、もたれ掛かり離れようとせず小刻みに寸頸を放つ拳法娘と
それを引き離そうと必死にレバーへの打撃を食らわせ続けるボクサー娘の壮絶な我慢比べが繰り広げられるのだった…。

こんな感じ?
95:2008/10/11(土) 22:44:29 ID:QYCWioNI
スミマセン、レバーではなくもう少し低い場所なんですよ……
10名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 23:12:12 ID:H53+ZOYJ
ボクシング物読みたいです。
誰かチャレンジして下さい。
宜しくです!・・・・・・・もちろん、エロ有りで。
11名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 23:43:29 ID:YlRBZ2Oz
お前が書けばとしか言えん
12名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 04:37:26 ID:Q9izYcGe
>>9
喧嘩屋女とチャイナドレスの拳法女が戦い、大振りな喧嘩殺法を華麗な動きでカスらせもせずに鋭い一撃を与え続ける拳法女。
持ち前のタフネスで耐えるも、必殺の一撃をドテっ腹にくらい嘔吐悶絶。
余裕を見せ付けるように近付き、言葉で殴り屋女を嬲る拳法女。
ファイターとしてプライドの高い者同士、やられっぱなしではいられるかと必死に立ち上がり殴りかかる喧嘩屋女。
しかし、先程よりも余裕でかわし続ける拳法女の一撃が喧嘩屋女の顎を捉える。
トドメの膝蹴りが喧嘩屋女の腹を狙うも、本能で拳法女にしがみつきクリンチ状態にしようとするも―――
ゴスッ、っと鈍い音が喧嘩屋女の股間から響く。
無防備な喧嘩屋女の股間を、腰が浮き上がる程の一撃が見舞われてしまう。
白目を剥き、自分を支える拳法女の体を滑る様に崩れ落ちる喧嘩屋女。
しかし、崩れ落ちる喧嘩屋女の髪を掴み、軽く蹴り喧嘩屋女を地獄から引きずり上げる拳法女―…どちらが地獄かはわからないが。
拳法女に縋り付く様に体を支える喧嘩屋女。 トドメを刺そうとする拳法女の股間に―――
ガズン、とヘッドバッドを叩き込んだ。 突然の反撃に驚き、遅れて痛みを認識する拳法女。
その無防備な股間に、試合開始直後なら一撃で相手をKOさせられる程の威力を持つ喧嘩屋女の一撃がアッパーで吸いこまれ―――

ということか?

>>10
無茶を言うな
ネタなり展開なり、提供しようぜ
13名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 07:45:27 ID:ulGyHJHL
>>12
お前さんの豊富な妄想力には俺も勃起せざるを得ない
145:2008/10/12(日) 10:57:30 ID:0XT+Mt3a
>>12
ありがとうございます。
はい、その通りです。私の中でのローブローは股間でした。
>>13の方と同様に朝から興奮してしまいました!
続きが早く読みたいですね!
158:2008/10/12(日) 11:21:46 ID:QHxrXXA6
>>14
股間狙いを…ろーぶろーとかって…オマイ…
それならそうと手早くそう言えよう…
俺がピエロみてーじゃないかよwwwww

もうオマイ寝てろよwwww
16名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 11:46:59 ID:YmsGJR5t
前擦れより気持ち悪くなってんな
キチガイ多過ぎワロタ
17名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 14:17:11 ID:6JMkbAB/
ちくしょう…
嘔吐や失禁は許されるのになぜ脱糞を認めねえ!
18名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 14:31:49 ID:KhAnK2nL
それが好きっちゅーのはかなりコアだろ・・・
19名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 16:27:25 ID:Q9izYcGe
>>17
脱糞が必然の流れなら俺は…許容するっ!!!
205:2008/10/12(日) 23:17:33 ID:0XT+Mt3a
>>15
いや、申し訳ない。はっきりと書けばよかったですね。
わざわざ書いてもらったのに……
21名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 23:59:06 ID:C68et2J1
チョイと書いてみました。宜しければ。
22ボクシング物:2008/10/13(月) 00:00:59 ID:C68et2J1
「ああー!!」 少女の口から悲鳴が上がる。
『おおー、マイティ・キャットの激しい一撃!さあもろに股間に受けてしまったキャンディ立ち上がれるか!』

リングの上に二人の少女が立っている、二人ともごく僅かな面積の水着を身に着け、
両手にはボクシングのグローブがはめられている。
今相手の股間に激しいローブローを叩き込んだ少女の頭にはまるで猫の耳のような
カチューシャが付いており、黒いマイクロビキニのボトムには猫の尻尾が付けられていた。
そして、激しいローブローを受け、ロープにしがみついている少女はその白い水着の股間部分をわずかに黄色く染めている。
「あ、あぁぁ……」 息も荒く、ぽたぽたと垂れる汗と、股間の液体が、少女の限界が近いのを知らせている。

猫の少女も荒い息を吐き、じっと眼の前の少女を見つめたまま内股で動こうとしない。
彼女もまた限界が近かった。


(あ、うぅう、もう駄目……たすけてお姉ちゃん)
ロープにしがみついたままうつろな目で少女は目の前のネコ少女を見つめていた。








「では、これに着替えてください」 係の男はそうとだけ言った。
姉の事を聞いても他の事を聞いても男は先ほどから何も答えないので、少女は仕方なく質問をやめて、言われたとおり目の前の極小ビキニへと着替える。
(はずかしい……)
わずかに胸の先端とお尻と股間を隠しているそれは動くとすぐ外れてしまいそうな、頼りない物だった。
(きっと、これからたくさんの男の人たちに体を触られるんだ)
少女は絶望的な思いで着替えを終わらす。
23ボクシング物:2008/10/13(月) 00:02:33 ID:C68et2J1
「ではこれを履いてください」
渡されたのはブーツだった。
「ブーツ? なんでこんなもの?」
少女がはき終わるのを待ち、男が次に取り出したのは。
「えっ!? なんですか? まさか私に……?」
それはボクシングのグローブであった。
「わ、私、ボクシングとかできません!!」
だが少女がいくら何を言おうと男は淡々と少女にボクサーとしての準備を施してゆく。
(うう、おねえちゃん) 少女の目から涙がこぼれる。
と、そのとき、コンコン
ドアがノックされて、
ガチャリ
女が一人入ってきた。
「準備できた? あら、かわいいわね」
胸元が大きく開いた黒いドレスを着た女は、くすくすと笑って言った。

「あ、あなた誰ですか!? わたしをどうするきですか!? お姉ちゃんは!?」
「私は麗華、あなたにはこれからボクシングの試合をしてもらいます、
お姉さんは無事よ、他に質問は?」
まるでそうと知っていたかのように女は少女の質問に答えると楽しそうに目を細める。
「あ、う、あ、わ、私殴り合いなんてしたくありません……」
「だめよ」
一言短く言い放つとじっと少女の目を睨む。
「あ、あぁぁううぅ」
言葉に詰まった少女を見て再び優しい顔に戻った女は少女の頭を優しく撫でる。
「大丈夫よ、痛いことなんてないし、それにね」
女は少女の耳元にそっと唇を近付けると、
「この試合に勝ったらあなたのお姉さんに合わせてあげる」
甘い息がかかり思わず少女はブルリと身をよじらす。
「ほ、ほんとうですか?」
「もちろん、だから頑張りなさい」
女が頭を撫で、
「は、はい……」
少女は力なく頷いた。
24ボクシング物:2008/10/13(月) 00:03:28 ID:C68et2J1
その部屋は大きく、薄暗かった。
部屋の真ん中にはリングが置いてある、そしてよく見るとそのリングには、猫のコスプレをした少女が立っていた。
(私、あの子と殴りあうんだ)
じっとグローブを見つめながら思う、この試合に勝てば姉に会えると彼女は言った。
(怖いけど頑張らなくちゃ……)心の中で決心した瞬間。
「その意気よ」 心を見透かしたように麗華が囁く。
その声を聞きドキリとしながら少女はゆっくりとリングに上がった。

その瞬間、ばっ! と、リングに強烈な光があたり、あたりから歓声が上がる。
「えっ!? ええ!?」 大勢の観客が集まっていたことに少女は驚く。
『皆さんお待たせいたしました! これより美少女同士によるローブローボクシングを行います!!』
そんな少女を無視するようにアナウンサーの大声が響く。
「え? ロー……? なんですか?」リング下にいる女へと視線を投げかけると、女はくいっと顎で指し示す、そこには、コップを持って立つバニーガール姿の女が立っていた。
だがその姿は、ウサギの耳と首の蝶ネクタイ、そして網タイツ以外何も身につけてはいなかった。 
少女はごくりと唾を飲み込む。
「飲みなさい」 女の命令口調にびくりと体を震わせて恐る恐るコップを手に取りその中の水をグイッと飲みほす。
向い側のネコの少女も同じように飲んでいた。
「あの子のパンチが痛くなくなる魔法の薬よ、だから安心なさい」
優しい声で説明してくる麗華。
そして、
「あなたのリングネームだけど貴女甘くておいしそうだから、キャンディってつけてあげたわ」
「……」何と言っていいか分からず正面のネコ少女を見ると、じっとこちらを睨みつけている。 と、急にグルっとおなかが鳴る。その途端。
『二人の美少女が相手の股間を攻め合い、先に相手を先頭不能にしたほうの勝利!
このローブローボクシングを制するのは果たして今日初挑戦のキャンディか!れともマイティ・キャットが三戦目にして初勝利を挙げるのか!!』
「え!? 股間!? ど、どういうことですか?」
「そのままの意味よ、ああ、そうそう、さっきの薬、痛みを快楽に変える薬なんだけど激しい利尿効果があるから気をつけてね」
くすくすと笑いながら女がやさしい声で忠告し、絶望感の中ゴングが鳴った。
25ボクシング物:2008/10/13(月) 00:04:36 ID:C68et2J1
弾かれるように、キャットが突進してくる。
「えっ……ああっ!!」
避けようとしたその瞬間足がもつれてキャンディは大きく転倒する。
その瞬間会場から大きな笑い声が巻き起こる。
だがキャンディにとっては笑いごとではなかった、マットに大きくお尻を打った瞬間激痛の代わりに何とも言えない甘美な感覚が電流のように走った。
その瞬間股間から温かいものがちょろちょろとこぼれる、慌ててキャンディは股間に力を込めてそれをせき止める。
「立たなきゃ、負けちゃうわよ」 麗華が楽しそうに告げる。
(そ、そうだ、た、立たなきゃ)よろよろとロープにしがみついて立ち上がろうとしたその時――。

ボスン!
マイティ・キャットのパンチが立ちあがりかけたキャンディの股間にクリーンヒットした。
「ああー!!」
大きな悲鳴をあげ再び倒れこむキャンディ。 打破それは先ほどとは違い相手のパンチをもろに受けてのダウンだった。

『おおー、マイティ・キャットの激しい一撃!さあもろに股間に受けてしまったキャンディ立ち上がれるか!』

通常のボクシングであればもちろん立ち上がる途中をたたくのは反則である。
だがことこの試合においては有効打となる

「ああ、いやいや、漏れちゃう、おしっこが、ダメ駄目……」
口をパクパクさせながら全身から脂汗を流し、わずかずつ恥ずかしい液体をこぼしながらキャンディは必死に襲い来る物と闘っていた。

マイティ・キャットはと言えば彼女もまた利尿剤の効果が回ってるのか、ハタマタ様子を見ているのか、近づいてこない。

なんとかふらふらしながらもキャンディは立ち上がる。
何とか大勢の見守る中の失禁は避けることができたが、事態は全然好転してはいなかった。
泣きそうになりながらキャンディはボクシンググローブを構える。
(絶対、絶対に負けたくない!)
じっと、キャンディは目の前のネコ少女を睨みつけた。
26ボクシング物:2008/10/13(月) 00:05:27 ID:C68et2J1
(まさかあれで立つなんて) キャットは立ち上がった少女を見て驚いていた。
息が荒くなりおなかもグルグル鳴っている。
(早く決めないと私のほうがお洩らししちゃう!)
それだけは避けたかった、先の試合ではもう少しのところで漏らしてしまいTKO負けをしているキャットにとって、新人相手のこの試合だけは勝ちたかった。
(ここで負けたら……)
負けたくないのはキャットも同じだった。
「このー、さっさと負けなさいよー!」
叫ぶとキャンディの股間めがけてパンチを叩き込む。
が、それはキャンディに当たることはなかった、大ぶりのパンチは動きが鈍くなった素人のキャンディでも容易によけることができた。
「あっ!?」猫の少女が驚いた瞬間、
ぐちゅ
熟れた果実を潰したような音が音が集音マイクを伝い、会場に鳴り響く。
キャンディのカウンターパンチが、マイティキャットの股間へと叩き込まれたからだ。

「あああ!!!」 今度は集音マイクを使わずとも良く音が会場の端々まで聞こえた。
『おおおー何とここで起死回生のキャンディのカウンターパンチだ―!!さあ、キャット大ピンチ果たして大丈夫なのか!!』
会場からは大声援が巻き起こる。

「ああ! いや、いや! 負けたくない! 負けたくない! 」
どっと倒れこみ、何とか這い上がろうとロープまでキャットは手を伸ばし立ち上がろうとした瞬間。
ドス!
先ほどのお返しをするように猫少女の股間にパンチが叩き込まれる。
「や、やめ!! あ、や! やめてぇぇぇぇ!」
ロープをつかみ必死に攻撃に耐えるが、キャンディのパンチは終わらない。
「も、漏れ、漏れちゃ、だ、だめいや! いやぁぁぁぁぁ!!」
ブシャァァァ!!

キャットの股間より激しい水飛沫が飛び、キャンディを黄色く染めると、
猫の少女は自分の体液の水溜りにゆっくりと崩れ落ち、
激しくゴングが打ち鳴らされた。
その瞬間、大歓声が巻き起こり、
レフリーが高々とキャンディの右腕をあげた。
27ボクシング物:2008/10/13(月) 00:06:06 ID:4UpEV6Cq
「麗華さん、私、勝ちました」
「ええ、よかったわ、見ていてコッチガ濡れて来ちゃった」
クスリと笑う麗華。
二人は選手控室へと戻ってきていた。
「約束です、お姉ちゃんに合わせてください」
「いいわよ、あなたはその資格を手にしたんだもの」
「?」
よくわからない、そんな少女の態度を可笑しそうに見ながら。
「だってあなたのお姉さんはここのチャンピオンだもの、勝ち続ければ会えるわよ」
そう言うと女は今日一番の大声で笑った。





28名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 00:07:23 ID:4UpEV6Cq
以上です。 
ありがとうございました〜。
29名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 00:47:08 ID:8LdhXQPK
>>28
GJ!
面白かったです。
30名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 04:22:53 ID:aSo+NvrA
>>15
ローブローって股間打ちの事だと思ってたんだが…違うのか?
格闘技系の試合見ててもローブローってぇと大体、股間殴ってるんだが
31名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 04:31:34 ID:248e/1w8
>>30
そのローブローを股間狙いって知らんヤツがいるんだから、
とっとと勿体ぶらずにハッキリと股間ですって書いとけって事だろ。

そういえば股間打ちの話って女の子が電気あんまで悶絶!スレに昔幾つか作品があったな
32名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 04:39:54 ID:aSo+NvrA
>>31
なるほどなー
知らずに言葉だけ見たら勘違いするかも知れんわな

シロウトがやり合っても、今一つ「壮絶」感を感じないから俺はあんまり好きじゃないんだよねぇ
ある程度の「強さ」的なものがないと「壮絶」っぽさを感じないのは俺だけなのかな?

こういう言い方をしておいてなんだけど、別に>>28を否定してるわけじゃないし、流れを読んで投下した事には賞賛を贈る
乙!
33名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 14:40:23 ID:PlJL7+Im
>>28
こういう展開は好物だ。GJ。
素早い投下にもう一つGJ。
34名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 17:50:46 ID:6CcTfw7t
エッヂの時より多いGJにワラタ
35名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:00:46 ID:G3WtkBF0
お前は下らん事で笑いすぎだ
36名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 19:18:09 ID:248e/1w8
まあエッヂはエロいから読んだ後は抜いちゃうからな
37名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 02:58:19 ID:5drQATgK
賢者モードで感想かくってキツイしな
38名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 00:02:59 ID:9DUJDisn
まあ実際問題、エッジの一話一話のクオリティはそこそこ高い。それでも投下されるのが当たり前ってなったら、感想は減るもんだよ。慣れとか飽きとかで。
39名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 08:17:07 ID:lCHm1AbY
>>38
慣れと飽きってw
書き手にとっては戦力外通告だろw

40名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 10:33:49 ID:DNOOUsqK
っつか、エッヂの人には、ワンパってのが一番心に突き刺さっちゃったぽいね

まさかワンパターン言われたぐらいで潰れるとは思わなかった
41名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 10:52:36 ID:9DUJDisn
このスレの荒らしほどツンデレらしいツンデレもそうないな。
じゃあ俺も。
は、早く書きなさいよエッジの馬鹿!!
ワクワクさせ逃げなんて…ゆるさないんだから…!
42名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 12:42:47 ID:jpE8eB+J
エッヂがワンパターンとかないわwwww
俺の知らん間に世間のワンパターンっていう言葉の意味って変わったのかと思ったわ
43名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 16:26:57 ID:lCHm1AbY
敵が強い伏線→負けそう→微妙覚醒→実は格が違う
こんなんばっかじゃね?w

44名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 16:30:36 ID:VlpCu98f
そうしないと両方のやられが堪能できんではないか
大枠の流れなんてぶっちゃけどうでもいいんですよ
45名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 17:00:10 ID:9DUJDisn
sage
46名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 19:19:04 ID:EapOJpEP
>>43
それ何ていうジャンプ漫画?
47格闘物:2008/10/16(木) 00:04:03 ID:Fy06AEH7
また書かせてもらいます。


金網で囲まれたリングの上で二人の少女が激しい打撃戦を繰り広げていた。
バシン、バシ。
長い黒髪を後ろでしばった少女が目の前の小柄で色の黒い少女に打撃を浴びせる度に
会場から大声援が上がる。

「残念、もう始まってましたか」
二人の試合を観客席に設けられたVIPルームから見つめる少女が呟く。
豪勢なドレスに身を包み、美しいブロンドが印象的な少女だ。
「ええ、三分ほど前に」
少女の傍らに立つ男が答える、びしっとしたタキシードに身を包み、年のころは
四十代前半と言ったところだろうか。
「二人ともすごいわね、あ! 今の痛そう……」
リング上では黒髪の少女が、ショートカットの日焼けした少女に回し蹴りを
叩き込んだところだった。
金髪の少女がそっと目をそむけながら、だがちらりと横目でそれを追いかける。
「勝ったほうがお嬢様の持つXXX(トリプル・エックス)クラウンに挑戦できますからね、両者ともに必死でしょう」
「そっか〜、そうよね」
半分ほど男の台詞を聞き流しながらリングの上の試合へと少女は集中した。




リングの上では攻防が続いていた、水色のシンプルなレオタードタイプの水着を身に付けた少女は長い黒髪を揺らしながら鮮やかな打撃の連続技を決めていく。
彼女の名前は『高崎龍子』空手をベースにしたその闘い方は華麗かつ見る者を虜にした。
息をつかせぬ連続蹴りが、まるで獲物に食らいつく龍の牙の様に襲いかかる。
だが、あせっているのはむしろ攻め立てている龍子のほうであった。
バシン! バスッ!
派手な音と共に蹴られているグレイのセパレートタイプのコスチュームを身に付けた小柄な少女 『グレイス』 は、そのたびに派手に吹き飛んでいた。
柔術を極め、本国に帰れば大英雄の彼女が龍子の華麗なる蹴り技の前になすすべもなく翻弄され続けている。
そうだれもが思っていた。
VIPルームの少女と、龍子、そして、
蹴られているグレイスを除いて。
48格闘物:2008/10/16(木) 00:05:35 ID:Fy06AEH7
「く、こ、この! 」
龍子が叫び蹴りを叩き込むと、ガードの体制から派手にグレイスが吹き飛ぶ。
「ハア、ハア、ハハ……」
荒く肩で息をする龍子、じっと立ちあがるグレイスを見つめる。
「あんた、化け物? なんでこんだけヤラレテ立ち上がれるの?」
「…………」
質問に答えずじっと龍子を見つめたまま再び左右の手でガードを固めるとゆっくりと近づいてくる。
「く、このー!!」
本日何度目であろうか、グレイスの即頭部にハイキックが飛ぶ。
だが今度は今までとは違った、グレイスがその脚をキャッチするとそのまま龍子を引き倒してグラウンドへと持ち込んだ、今まで蹴りが飛ぶたびに龍子に対して飛んでいた
歓声が一瞬のうちに悲鳴に変わる。
「!? し、まっ」
シマッタ! そう思う前に龍子はロープへと手を伸ばす、グレイスが足の関節を取りに来ている、 ―― 完全に極まる前にロープに逃れなければ ――
そう思った瞬間だった。
クチュ
信じられない感覚が龍子の全身を襲う。
「え!? あ、う、うそ」
コスチュームの股間部分、その隙間にグレイスが指を差し入れてきたのだ。
「な、何してんのアンタ!!? 」
「……痛いのは……いやでしょ?」
そう言うと、なおもクチュクチュと音をたてて龍子の下半身をグレイスは攻め立てた。
「は、ああ、くうぅぅ」
何とか歯を食いしばるとロープ目指して手を伸ばし右手の先がサードロープに届く。

「ざんねん」 一言そう言うとすっとグレイスは離れる。
龍子はロープを掴みながらヨロヨロ立ち上がるとギロリとグレイスを睨みつける。
「どういうつもり?」
「貴女のこと……傷つけるの……いやだから……」 ぽそりと、目の前の龍子に呟く。
膝十字固めに入ろうとしていたところを何とか振りほどき、ロープへと逃れた。
観客達にはそう見えただろう。
湧きおこる大歓声の中、彼女の声ははっきり聞こえた。
49格闘物:2008/10/16(木) 00:08:24 ID:Fy06AEH7
「な!?」 その言葉に龍子はわが耳を疑い、拳をきつく握り締める。
「リュウコ……強い……でも貴方は……私に勝てない」
感情の無い声が龍子の耳を打つ。
「だから―――」
「ざけんな!!」何かを言いかけるグレイスに走り寄ると固く握った拳を叩きつける。
とっさにガードするがまたその体制のまま吹っ飛ばされる。
(まただ……)今まで味わっていた違和感が一気に噴き出る。
殴った感触がほとんど感じられないのだ。

―― くっ! ―― 唇をきつくかむと今度は立ち上がりかけているグレイスに殴りかかった。
すっと、再び頭をかばうように防御を取るグレイス。

ドス!

だが今度はガードをしていないグレイスの腹部めがけてパンチを叩き込む。

「キャャッ! アウゥゥ……」 一瞬、龍子は驚きで目を大きく見開く。
思った以上の手ごたえと共に、あまりにもグレイスが可愛らしい声で鳴いたからだ。
「へ、へえー、あんたの声けっこう可愛いじゃん」
そう言うと背中を丸めたグレイスの髪の毛を鷲掴みにする。
「あんたさあ、今まで自分から吹き飛んでたでしょ? でもこうされたらどう?」
髪の毛を掴んだまま、パンチを顔面に叩き込む。
「キャゥゥ…… 」
咄嗟に顔をかばおうとした手の間隙を縫うように拳を叩きつける。
「なめたこと言ってたバツよ、たっぷり味わいなさい」
グレイスの顔にパンチが叩き込まれていく、龍子の言うように今までは自分から飛び上がりダメージを軽減していたが髪の毛を掴まれたまま打撃を受けたのでは逃げようがない、
目鼻立ちのしっかりとした可愛らしい顔がみるみる腫れ上がっていく。
「アウっ、アぁ、ヒィ」
それまで龍子を応援していた声援もその凄惨な光景にしんと言葉を失い始めていた。

何とか手をつかもうともがくがその手を払いのけるかのごとく拳が叩き込まれていく。
「おらー!!」
ひときわ大きな声を発すると最後に肘を叩き込み、今度は技ではなく、本当にグレイスは叩きのめされた。
50格闘物:2008/10/16(木) 00:13:01 ID:Fy06AEH7
「さ、て、と、じゃあ今度は痛くないことしようか」
リングの上でぐったりと動かなくなっているグレイスを見下しながら、
龍子はにやりと笑う、それはまさに獲物を目の前にした猫のそれのようであった。
「だ、だめ、やめ……」 力なく首を振るグレイスに近づくと、チューブトップタイプのリングコスチュームに手をかける、
と、それを一気に剥がし取った。

観客達の眼に小柄で日焼けした美少女の半裸が飛び込んでくる
「だ、だめ……!」
慌てて手で隠そうとするがその手は力なく龍子により引きはがされる。
「さてと、如何して欲しい? こう?」
そう言いながらグレイスの小ぶりの胸に手をかけてゆっくりと揉み始める。
「相手の弱い部分を攻め立てるのも格闘技の技だもんね」
そう言いながら両方の手を使いじっくりと左右の胸をもみしだきつつ、
ぴんと張った乳首を攻め立て続ける。
そのたびに体の下のグレイスから先ほど殴りつけていた時と同じような
可愛らしい嬌声が聞こえる。
それにすっかり気をよくし、
今度はチョコレート菓子の上の小さな小さなサクランボのようなそれに唇をそっと近づける。

そっと甘噛みをした後、ぺちゃぺちゃ音を立てて舌で丹念に舐めまわす。
突然降ってわいた光景に観客達から歓声が巻き起こる。
それは会場全体を揺らし二人の上に降り注いだ。
「アアァァ!? や、あ、んん……」
逃げようとしているのか、感じすぎているのか悲鳴を発しながら体をグレイスは動かし続けている。
「ふふふ、こういう試合も楽しいわね、どう、寝技のスペシャリストさん?」
「……お願い……下も」 うつろな声でグレイスが告げる。
「そう、じゃ、下を弄り倒したあと、KOしてあげる」
くすくすと笑い、くるりと体制を変えるとグレイスのほんのりと濡れたスパッツに舌を近づける。そして、濡れた線に沿って舌を往復させていった。
「ひゃあんん」
お尻の下からグレイスのかわいらしい声が聞こえてくる。
本国に帰れば大英雄として迎えられる少女がもはや唯のメス犬になり下がっていた。
51格闘物:2008/10/16(木) 00:16:45 ID:Fy06AEH7
「絶頂を迎えた瞬間お尻の下敷きにしてKOしてあげる!」
濡れた線をしたと指でなぞりながら龍子が勝利を確信したそのとき。
するりと何かが首に巻きついてきた、それがグレイスの脚だと気がついた時にはもう完全に首に巻きついた後であった。

「ぐ、! く、ぐぎぎ……は、はなせ!」 バチン! バチン! 必死に
太ももに拳を叩きつけるが、そんな力の入らない攻撃では意味がなかった。
「……油断……大敵」 グレイスはそう呟き、先ほどと同じように龍子の下半身へと、指を滑らせた。そして同時に、股間の部分をずらす。
「や、やめ!! だめ!!」足の間から龍子の必死の講義が聞こえ、同時にロープ目指してジリジリと進み始める。
(今度はなれたらダメージの大きい私が不利) そう判断したグレイスは一気に龍子を落としにかかった、クレバス部分を指で掻き混ぜるのと同時に、クリトリスをつまむ。
関節技で鍛え上げた指先は、龍子のそれよりはるかに繊細で、相手の急所を攻めるのに的確である。
「ひいいぃぃだ、だめ、だめ!!」 
龍子は叫びながら必死にロープに進み続ける彼女の進む後には
ポタポタと愛液が垂れていく。
だがグレイスも逃がすまいと必死だった。
逃したら手負いの熊のように襲いかかってくるであろう、
それを防ぎきる力はほとんど残ってない。

両者の我慢比べが始まる。
その様子を観客達は固唾をのんで見守った。
そしてついに
「ああ、も、もうだめ、もうだめ!!」
ブシャアァ!!
派手な音と声をあげ、ついに龍子がロープより30センチほど前で力尽きた。
自分の顔にかかった対戦相手の愛液を嘗めまわすと自分の勝利に酔いしれた。

「なかなか、まあ、うん、いい試合、でした、わね」
VIPルームの中で少女はこほんと咳払いをする。
外に出ていた男が今は少女の後ろで黙って頷く。
「さあ私も帰って練習しなければ……」
そう言うと男の前にすっと手を出す。
男はうなずくとアタッシュケースより下着を取り出した。
濡れた下着をその場に捨てると新しいモノに穿き替え少女は部屋を後にした。


リングでは熱戦を制したグレイスがレフェリーに手を挙げられたまま全観客の拍手をいつまでもその身に浴びていた。
52名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 00:18:51 ID:Fy06AEH7
終わりです、エロくしてみたらあまり『壮絶』って感じではなかったかもです

ありがとうございました、では〜。
53名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 08:17:31 ID:uWF7MQtV
>>52
GJ!
レズファイト面白かったです。
54名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 09:15:21 ID:ORTVyWty
義理GJですっかり図に乗っちゃったらしいな
55機械男爵【芥】:2008/10/16(木) 10:51:18 ID:HOCg4+B9
そーいや、ハートにひぃつけてっていう格闘女子育成ゲーあったな。
あれで陵辱したらどないやろ。
いや、するけどさぁ。
http://managoiors.blog39.fc2.com/
おもにうちので、そーれーがーオレのメーイーン♪
フィルター掛かったら、「閲覧できましぇん」
ヤッパリーなー♪
56名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 12:34:14 ID:gtgIvqXa
>>54
エッジ乙カレー
57名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 12:48:01 ID:ORTVyWty
はい僕エッジですww
58名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 16:39:24 ID:78l1TL7S
>>52
ひょっとして前スレでも書いてた人かな?成長早いなーw
ドキドキしちまいました。GJ!
59名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 10:43:27 ID:zgSByipW
>>43
最近長いバトルが多いからそんな感じしたが、前スレ読み返すと茜・ヴェラ・青葉・香蘭・アルマと5戦してる中で、
悠里が覚醒してるのは実は青葉・アルマ戦だけなんだよな
60名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:23:39 ID:CuXa5LLc
ビジネスジャンプのくの一モノがいい感じ。

あまり間が開くのもアレなので、短いですが投下します。
続きは近いうちに。
ぼちぼち新展開しますんで、ゆるりとお付き合い頂きたく
61The Edge ep.9-3  1/4:2008/10/19(日) 14:24:53 ID:CuXa5LLc
1.

「えらい騒ぎやねぇ。何やあったんやろか」
和服を着た恰幅の良い女が呟いた。
名は楓。おっとりして見えるが古武術の師範だ。
彼女はざわつく通りを一瞥し、向かいの相手に視線を戻した。
「あんたも。どないしたん?香蘭」
その相手、香蘭は神妙な面持ちで通りの先を睨んでいる。
「……ひどく、嫌な感じがする。見知った人間かもしれん、悪いが席を外すぞ」
香蘭は立ち上がって告げた。
拳法家である香蘭と古武術を嗜む楓の茶会。
表向きは武を修めた者同士の親睦の儀だが、その実は裏に黒さを抱えた曰くつきの会合だ。
だがそれさえ無碍にしてしまうほど、香蘭の感じた悪寒は大きかった。
「待ちぃ、ウチも行くわ。他ならんあんたの勘やしな」
楓も裾を正して立ち上がる。不穏な空気は、彼女とて全く感じないわけではなかった。



悠里の大きく沈み込んだアッパーが莉緒に突き刺さる。
柔らかい腹はくの字に折れ、軽々と宙に浮いた。それを投げ捨てる動きを引きの手に、左のフックが叩き込まれる。莉緒はかろうじて腕で防ぐ。
少女は知らぬ間にガードを始めていた。どんな攻撃も気合だけで受けてきた彼女が、防御せざるを得ない気迫。

体中を痺れに包まれながら、しかし少女の脅えは刻一刻と鎮まっていた。
受けた熱さが心地よい暖かさへ変わってゆく。
莉緒は強い女性に憧れてきた。
虐められっ子の彼女にとって、学園のカリスマたる青葉は眩しかった。
だが、莉緒が戦うのはその姉の仇討ちゆえではない。
神格化していた姉さえ上回る“悠里”と、どこまでやれるのか。それを知りたいだけだ。

莉緒は殴られながら、特等席で悠里に見惚れた。
カーディガンを翻して締まった身体がせり出してくる。
右手も左手も、飛びかかる蛇のごとくしなやかに曲がり、その中心では直視が躊躇われるほど力を持った眼がこちらを丸呑みにしている。
視線など彷徨わそうと思えばいくらでもできた。
シャツを押し上げるいやらしすぎるほど大きな胸でも、血にまみれた桜色の唇でも。
しかし脇見には限度がある。
それらの恍惚を一瞬で消し飛ばす痛みが、細い腕からもたらされるからだ。
か細い腕。その細さに惑わされてはならない。
その打撃を受けても泣かなかったならば誇って良い。それほどの重撃だ。
美しい女神に殴られる。莉緒はその行為に満たされながら、別の欲求に突き動かされてもいた。
その女神を、殴り倒す。
殴り終わりでガードが甘い。この隙に目線より少し下、薄いシャツに覆われた腹部へ叩き込む!
62The Edge ep.9-3  2/4:2008/10/19(日) 14:25:44 ID:CuXa5LLc

少女は踏み込んだ。
砂利を踏みしめ、腰を捻って腕を叩きつける。
当てれば、当たりさえすれば、その威力はプロレスの試合で実証済みだ。
鈍い音がする。打撃の手応えが肩にまで伝播する。
「う゛ッ!!!」
押し殺した悲鳴が耳元で漏れた。ブローが効いているのだ。
カベルナリアを脱してからの悠里は、勇ましくも避けるという行為をしなくなった。
真正面から力で叩き伏せようとばかりに。
避けないならばこちらの攻撃も当たる。そしていかに腹筋を鍛えようが、莉緒の馬鹿力は人体の耐久限界を上回る。効かぬ道理などあるはずもなかった。

悠里は腹を押さえて凄絶に睨み据えてくる。莉緒にはそれが誇らしくて仕方ない。
もう一撃と拳を叩き込みにいく。しかし今度はミドルキックに阻まれた。
身体が後ろへ吹き飛んで距離が空く。さすがの豪打だ。
しかし、莉緒はまた突進した。
相手が構えた瞬間のダッキングは賭けだった。賭けは当たり、悠里のジャブが頭を掠める。
懐に入って前屈み。莉緒はそのままぶちかます。
「ごおう!!」
ひどく苦しげな声。がら空きのボディへ走り込みの頭突きを喰らわしたのだ。
相当な苦しみだろう、悠里は反撃してこない。チャンスだ。
莉緒は頭を振り上げ、悠里の顎をぶち上げてのけぞった胴へ狙いを定めた。
至近距離なら全てに手が届く。鳩尾にも、アバラにも。
そして莉緒は、女がもっとも殴られるのを嫌う箇所を凝視する。
女体で一番に護るべきものとして秘匿される器官――― 子宮だ。

少女は歯を食いしばり、首に筋を立てる不細工面を晒してまで渾身の力を振り絞った。
一撃で子宮を砕かんと気合を込めた。
悠里はまだ仰け反ったままだ、時間にして一秒足らずなのだから仕方ない。
しかし莉緒は、その一刻に長い長い時間を感じた。
子宮を殴るのだ、この美しい女帝の子種の受け皿をへし曲げてしまうのだ。弱虫だった自分が。
「ははははっ!!!!!」
あまりの嗜虐性に笑いが止まらない。
車が爆発する瞬間を見守るように、無邪気な莉緒は、締まった腰へ拳が吸い込まれていく様に目を輝かせた。
変化は起きる。衝撃を受けた物体には必ず。

少女の拳は実に中ほど以上も悠里の腹部に潜りこみ、悠里の右膝が跳ね上がった。
それは防御ではなく反射。腹筋や側筋、大腿筋が甚大な損傷を受けたことを明示していた。
「ぐッ…うぅうおお゛おォおおお゛お゛!!!」
打った莉緒でさえ当惑する。
悠里の身体は莉緒の腕に巻きつくように折れ曲がり、螺旋状に宙を足掻き、丸まって地に倒れ臥した。
63The Edge ep.9-3  3 /4:2008/10/19(日) 14:26:33 ID:CuXa5LLc

「えぐい…」
観衆の女が悲鳴を上げる。同性ゆえ、それがどれほどあってはならない事か理解したのだ。
所詮は人の打撃、車に跳ねられたわけでもない。しかしあれだけ派手に体が捩れるとなれば、ダメージは測り知れない。事実あの悠里が丸まったままピクリとも動かないのだから。
「痛っ」
声がしたが、それは悠里ではなく、打ち倒した少女のものだ。
彼女は血の出た拳を見つめている。
握りこんだ拳の中、親指の爪が他の指に圧されて根元から陥没したようだ。
柔らかな手と変異とも言える怪力の生み出す歪さが、彼女自身に返ってきていた。
だが勿論、その巻き添えは少女に限らない。まともに腹で飲み込んだ悠里は比にならない苦痛だろう。
打撃が鍛え上げた拳で放たれたのならばまだ良かった。
質量を備えた軟体ものほどえぐいものはない。
硬い物は外側を壊すだけだが、柔らかい物は変形して張り付き、力を内に浸透させてしまう。

「おねえさんダイジョーブ?ねこみたいになってるけど」
丸まった悠里を見下ろし、莉緒が声をかける。悠里は少し指を動かして反応こそしたものの、起き上がる気配はない。
「おねんねはダーメだよぉ」
莉緒は呟きながら、悠里を踏み越えて公園端に置かれた椅子へと歩いていく。
休憩するのか、と観衆にようやく安堵の空気が流れた。ダウンの後、それは当然の流れだ。
しかし少女に休息などする気はさらさらなかった。
少女はどっしりとした木の椅子を掴み、悠里の元に引きずっていく。
観衆が言葉をなくした。木造りの『凶器』は満面の笑みをもって振り上げられる。
少女の気分は大物を捌く漁師だ。
血の海の中で悠里の美顔に跨り、蕩けきった陰部を鼻へ擦りつけて愉悦を迎える。
そんなイメージが脳内を駆け巡っていた。これはその最後の一手。

しかしその一手は不発に終わる。振り下ろされた木の椅子は、背もたれをへし折られた。
横臥から跳ね上がった悠里の蹴りで。
“木こり娘”の通り名は伊達ではない、それを莉緒は今一度噛み締める。
悠里は立ち上がった。ダメージは確実にある。口の端から泡を吹き、目は虚ろになっている。
それでも簡単に倒れそうにないのは王者ゆえか。
「あふ、か、かぁっこいい……」
莉緒はそのぐちゃぐちゃになった美貌に恍惚の表情を浮かべた。
悠里が地を蹴り、凶器を超える凶刃がしなう。
64The Edge ep.9-3  4/4:2008/10/19(日) 14:29:20 ID:CuXa5LLc

雨が降り始めていた。

何度目の相打ちだろう。莉緒のナックルが悠里の下腹を抉り、悠里のミドルが莉緒の脇腹を抉る。
双方の腰が瘧にかかったような痙攣をみせる。
シャツから覗く2人の腹部はおぞましいほどの赤紫に変色していた。
顔はチアノーゼで土気色になり、濡れた髪が貼り付いている。
少女の方は解らないが、悠里のずり下がった黒タイツには赤い液が滲んでいた。
血尿だ、と見つけた観客が騒いで久しい。
その通り、腎臓を幾度と無く殴りつけられて催した失禁は血尿だ。
だがそれが一過性の騒ぎで収まってしまうほど、この殴り合いには異常なことが多すぎた。

「おねえさん、またあの低い声で啼いてよ。ぞくぞくしちゃったぁ」
「あら、ちびちゃんだって地面叩きながら転げまわってたじゃない。可愛かったわ」
2人は組み合いながら顔を見合わせ、唇を重ねる。
水音を立てて恋人のように濃厚な口づけを交わしながら、瞳では射殺すように睨みあう。
それは息の塞ぎ合いに他ならなかった。
寒さゆえの白い息か、或いは火照りきった身体の湯気か。
白いもやに包まれながら桜色の唇が蠢きあう。
その下では、再び人体に致命的な害を及ぼす拳が柔肉を叩き潰す。
殴打されて目を見開いてもすぐに睨み返し、接吻は肺がひしゃげるまで止めない。
溢れ出る唾液の濃さでダメージを比べあうように。

やがてどちらからともなく打ちの回転が増した。
無呼吸連打でサンドバックを叩くように猛烈に相手の腹だけを殴りつける。
相手の白黒する目だけを信じて腕を酷使する。腹で跳ね回る様は正気の沙汰ではない。
30発は入っただろうか、唐突に2人の頬が膨らんだ。
「おごろおおおおおぅおッっっ!!!!」
声にもならない声を上げて二人が口を離す。口の高低差が成す滝のように、半固形の吐瀉物が流れて水溜りを泡立てた。
2人は泥水を跳ねさせてその場にうずくまり、肩を震わせながら僅かばかりの休息を取る。
それでも目だけは逸らさない。
動けるようになればすぐに水飛沫を上げて飛び掛っていく。


悠里は、自分の胸の奥がけたたましく笑っているのに気付いていた。
65名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 19:10:45 ID:n0h0LIh8
うおっ!?怪力打撃を子宮に食らっちゃってる!?
好みの展開だ…
66名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 19:47:58 ID:XzO+0xyD
エッジ消えろ
こんな暴力バトルはつまらない
67名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:37:16 ID:8KjUMALW
うはっ!キタキタキタ!!乙です

悠里覚醒したにも関わらず、押し切られてる。全て出し切った上での完全敗北フラグも立ってていい感じ
子宮潰しでダウンした時に失禁してくれた方が、個人的には良かったんだけどな
面白いからいいか

次回決着か?全裸で正座して待ってるよ
68名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:52:06 ID:Vn2gzakd
バトルスレで暴力ダメって全否定じゃね?
何で見てるのって話だ
69名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 21:42:16 ID:n0h0LIh8
まあ荒らしだし
70名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 23:09:54 ID:iXW43ahj
>>66
地下女、コテ入れ忘れてるぞw
71名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:32:42 ID:YpxiMkLx
色々とフラグ立ってていいな、今回。 本人言う通り短いけどw
新展開ってのが気になる気になるwktkだぜ

GJ!
72名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:07:08 ID:evrUMymf
Wゲロうめぇ
73名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 09:47:38 ID:YiMv/8Al
俺の経験上、格闘物で主人公が死闘の最中で笑い始めた場合には対戦相手はびびって小物化して
腕の骨とか折られて転げ回るとか無様な姿をさらす

そんなジンクスを怪力小娘には頑張ってぶち破って欲しいな
そろそろ悠理の惨めに地面に横たわる姿を拝みてぇ
74The Edge ep.9-4  6/6:2008/10/26(日) 14:38:25 ID:SdJekNRM
1.

雷雨が周囲の音をかき消してゆく。
記録的な豪雨の中、それでも多くの観客がある物に見入っていた。
雨を弾いて戦う2人の女性。
どのくらいの時が経ったろう。1時間かも知れないし、2時間かも知れない。
だがその戦いは延々と続いているように感じられた。
殴り合いのインパクトが観衆の一瞬一瞬を濃密に彩っていくからだ。
外から見てそうならば、戦っている本人たちはどれほどの感覚だろう。
それが解るものは場に2人しか存在しない。

悠里はチアノーゼで真っ赤な顔で蹴りを放った。
恐ろしいまでの馬鹿力は何故か、狂った精神を支えるものは何か。
そんな理論的な思考はとっくに捨てた。
今はただ、次の一撃で相手が倒れるかどうか。それしか考えない。
頭が回らないのだ。
子宮の損傷が痛手だった。恥骨に力が入らず、攻撃がほぼ手打ちになってしまう。
鼻血でしづらかった息もさらに細まり、もう何分まともに息を吸っていないかわからない。
腰が浮き、息ができない。水の中で溺れながら殴り合っているに等しかった。

顔に貼りつく前髪を払い、悠里は莉緒の姿を豪雨に求める。
ここでも不利があった。悠里は小さな莉緒を視線を下げて探さねばならない。
逆に莉緒から悠里はどのようにしていても見える。
その僅かな索敵力の差が悠里を後手に回していた。
「い゛っ!!」
悠里が顔を顰めて片足を引く。泣き所を強烈に蹴りつけられたのだ。
思わずよろけた瞬間、首の後ろに悪寒が走る。とっさに頭を庇うが、ぶつけられた質量は咄嗟の防御を遥かに凌駕した。
広場に置かれた何かで殴りつけられたらしい。頭が白くなる。
それでも悠里の眼は殴りつける莉緒のシルエットだけを見据えていた。
そこか。
悠里は持ちこたえ、土を蹴り上げて猛然と少女に迫る。しかしその途中で視界に黒い線が走る。
意識が飛んだ瞬間のものだ。
そう認識したとき、悠里の身体は前のめりに倒れこんでいた。
疾走のエネルギーをそのままに、土を大きく抉って膝をつく。
75The Edge ep.9-4  2/6:2008/10/26(日) 14:39:07 ID:SdJekNRM

心臓が止まりそうなほど息が苦しい。それでもすぐに立ち上がらなければならない。
このまま膝をついていればされるがままだ。そうすれば戦いは終わる。悠里はそれを嫌った。
しかし、嫌った理由は負けるからではない。
 ――せっかく面白くなってきたのに、もう退場なんて!
助走をつけて飛びかかってくる莉緒を認識したとき、悠里も飛び出していた。
膝まづいた状態から跳ね起きると同時に迎え撃つ。
莉緒のキックは空を切った。代わりに悠里の蹴りがその腹に叩き込まれる。
「ぎゃぶっ!!」
腹を折って少女は呻く。横隔膜が破れそうな重さだ。しかし悠里の攻撃はそれで終わらない。
「はぁっ!」
蹴りの回転を利用してさらにもう一撃が腹に見舞われる。少女が目を閉じた。
駒のような連続蹴りは、三度目、足の甲が莉緒の胸にめり込むことでようやく止まる。
「お゛がッ……」
今度は少女が崩れ落ちる番だった。

この娘もダメージを負うと倒れるのだ。悠里の心が躍る。
いつだったかもそうだ。舐めきった白人少女は、悠里の横蹴りで初めてのダウンを喫した。
その時は心配になって様子を見たため反撃を許したのだったか。
今度はそうはしない。
悠里は腹を抱えてうずくまる少女の頭上で脚を引き絞る。戦斧に例えられる剛脚を。
莉緒が顔を上げた時、視界には悠里の後ろ髪が靡いていた。
胴回し回転蹴り。普通ならまず成功しない大技だが、それゆえ当たれば威力は計り知れない。
それは莉緒の頭を真芯で抉り、歪む顔を泥水に叩きつける。水溜りの中にあぶくが沸く。

堅い手ごたえがブーツ越しに返ってきた。あれで決まらないはずがない。
爽快な身の動きだった。
跳ね起きた状態からの3連旋風脚、さらには実戦でほぼ幻といっていい胴回し回転蹴り。
人一人倒すには十分にも十分だ。最初の一蹴りでも良かったかもしれないのに。
悠里は久々に息を吸い込む。体中にガタがきていて、もう息をするのさえつらい。
だが胸の高鳴りは今まででも最高だ。
「あはははははっっ!!!!」
悠里は手を広げ、天を仰いで高らかに笑った。
しかし、悠里はそれでも莉緒が立ってくる事を予見していた。
実際に少女の手は動く。手だけではない、脚も、腰も、よろめきながら起き上がる。
まるで人形が動くような不自然さ。鼻筋に髪からの血が流れている。
「……血が出てる」
莉緒は手で顔を撫でながら呟き、笑った。
76The Edge ep.9-4  3/6:2008/10/26(日) 14:40:10 ID:SdJekNRM
異常。その言葉がこれほど似合う状況を観衆は知らなかった。
血塗れになった女2人が笑いながら殴り合う。
親子がじゃれるような体格差ながら、それは茶化せる類のものではない。

莉緒の振り回す手が、避けようとした悠里の服の端を捉える。
雨でぐっしょりと濡れたそれから飛沫を飛ばしながら、少女は全身のバネを活かして悠里を投げ飛ばす。
普通ならば頭から地面に叩きつけられるところを、悠里は猫のように身体を円転させてこらえた。
「ついで」で斧が振り上げられる。それは少女の脇を抉って右肩を不自然に跳ね上げる。
もはや音もなく悠里が笑う。
傍目にその攻撃のモーションは見えなかった。ただ莉緒の身体がコマ送りのように仰け反りまた俯く様を見て、そこに怒涛の打撃が叩き込まれているのが想像できるだけだ。
何の音かわからない。
人の潰れた悲鳴か、肉が鈍く弾ける音か。ともかくも不可解な音でラッシュは止まる。
2人は同時に膝をついた。殴られていた莉緒はもちろん、殴っていた悠里までも真っ青な顔で土を搔く。
恐ろしいほど腕が震えていた。腕立て伏せを限界までやりこんだ、あの状態が殴り合いで起きている。

「ああああああ゛!!!」
叫び声を上げたのは莉緒だ。それは悲鳴ではなく咆哮に違いなかった。
物理的にもう戦おうとするのが自然ではない身体を気合で鼓舞する。
その顔はなおも人形のように愛らしいが、なんという表情だろう。泣いている、怒っている、笑っている。
どれを取っても間違いではなく、どれを取っても十分ではない。
胸の内から溢れる無数の感情を、余すことなく表情筋へつぎ込んで生まれる鬼面。
その顔から繰り出されるアッパーを観衆の誰もが本能的に恐れた。
大砲のようなそれに晒される悠里に同情してしまうものさえいた。
それは胸に叩き込まれた。豊かな脂肪の集まりが小さな拳で磨り潰され、奥の筋肉が軋む。
悠里は喰らいながら両の手で肩を押さえた。まるでそうしなければ身体がバラバラになるかのように。
堅く噛み締めた口が抉りこみに開いてしまう。
すらりとした身体は斜めに宙へ浮き、丸まった背中から地につき、胸へ徹る痛みでさらに跳ね上がった。
悠里は横臥したままボロボロのタイツに包まれた脚を小さく動かしていた。
余りに大きなダメージをそうして紛らわせようとしているのかもしれないが、やがて身体が痙攣する。
衝撃を抱えきれない。
「く……ッ……くっ、そおおおおおおおおッッ!!!!!!」
怒声が数刻雨音をかき消した。観衆が一様に耳を疑う。それは悠里の声だろう。
だがあの凛とした女王がそのような声を発するなど、余りにイメージの範疇から外れすぎる。

反応が違うのはただ一人。座り込んだまま顔を押さえて甲高く笑う莉緒だけだ。
彼女もまた、悠里を倒せたことに歓喜を抑えきれない。
彼女は決闘相手がヒト以外だと理解した。この高揚感は虎やヒョウを殴り倒した時のものだ。
まだ立つか?それは経験の浅い彼女にはわからない。少なくともこれで勝ちとは思えない。
自分の脚を殴り飛ばして悠里が土を舞わせたのを見て、莉緒はああそういうものかと学んだ。
77The Edge ep.9-4  4/6:2008/10/26(日) 14:41:06 ID:SdJekNRM

身体がバラバラだ、と悠里は感じた。
痛みで壊れようとしているのではない。動作の活力が一つずつ違うのだ。
相手に向かおうと走る足取りは雲を歩くように頼りなく、脚力はほぼ尽きていると思えた。
だが相手の蹴りをかわすジャンプ力は万全の状態より上だ。
一跳びで莉緒の胸まで飛び上がり、胴を足がかりにさらに上へ。少女の頭を完全に超えた。
何をする?ここまで高くなっては蹴りしかない。
蹴りだ。木こり娘と恐れられた圧縮バットをも蹴り折る一閃。
千切れそうになる腰を切ってそれを放つ。我ながら惚れ惚れするキレで少女の首を刈る。
 ――持ちこたえようとしてる?馬鹿ねェ、出来るわけないじゃない。
少女の踏ん張りが地から引っこ抜かれ、派手に身体が倒れる。
一瞬耐えられたことで悠里のバランスも崩れて、墜落した。しかしそれを甘受する。
というより受身を取る気力がない。
相手を壊す事にしか気が向かない。それ以外の事に身体が感応しない。

また2人して項垂れ回復を図る。だがそれはもはや休息なのか。
咳き込む息には血の飛沫が混じり、腕も脚も雨をぬぐう事さえ億劫なほど重い。
もはや数分で戻るダメージではない。むしろ時が経つほど立ち上がるのが困難になる。
だが2人はしばし動けなかった。疲労は勿論だが、それ以上に体中を痺れさせるものがある。
相手を叩き伏せる幸せ、それを消化しきるのに時間が要った。
その証拠に、立ち上がった二人は血塗れのまま、瞳に爛々と光を孕んでいる。
夜空に輝く蛾の燐粉の如きおぞましい光を。

身体に満足感が染みた。
人の身体を痛めつけるのがこれほど楽しいとはリングでさえ思ったことがない。
この公園に立ったときはなんと思っていたか。
先に手を出すのはいけない?小さな子供に殴られても返してはいけない?
馬鹿馬鹿しい。
それは自分を取り囲むハイエナに情けをかけるのと同じだ。
疫病の原因となる蚊を潰すことに躊躇いを感じるのと同じだ。
害を為すなら叩き潰せ。戦いを挑んでくるなら圧倒的な力で思い知らせてやれ。
それが自然なことだ。
78The Edge ep.9-4  5/6:2008/10/26(日) 14:41:48 ID:SdJekNRM
2.

「……なんや、アレは?……一体アレは何や!」
楓は隣の香蘭に問うた。口調が荒ぶっているがそれどころではない。
長年武に携わってきた彼女の感覚がそれをひどく嫌悪していた。
香蘭も息を呑んでいる。ならばそれはやはり異常な物に違いない。
「悠里、お前まさか……!!」
若々しい美貌を歪めて香蘭が呻く。
いつも傲慢な香蘭のその顔を、楓は少なくとも付き合って10年来見たことがない。



悠里は雨に視界を遮られながら走る。手と足が同時に出る不自然な走り。
距離を詰めることより相手を殴ることを優先する様は獣以下だ。
だが相手とて獣以下。豪腕が迫る。
その豪腕は寸前で止められた。その腕に構おうとした身体が宙を泳ぐ。
そして押し倒された。ほぼ川のようになった足場ではタックルなど切れない。
悠里は体勢を変えようとした。しかし自衛のためには身体が動かない。
足首と腿ががしりと固定されるのを、悠里はもがきながら感じる。
緊張で吐きそうだ、それどころではないのに。
そして悠里は顎が外れそうなほど叫んだ。左脚を限界以上に極められている。
右脚が動かそうともしていないのに地を跳ねる、その飛沫が顔にまでかかる。
「離せぇええーーーーっッ!!!!」
悠里は傍にある莉緒の頭を殴りつけた。小さく呻くのが聞こえる。
さらに殴る。殴る。拳から血飛沫が舞うが、どこからどう出ているかなどわかりはしない。
2人の白い肌で血に濡れていない箇所などないのだ。
その血を浴びながらさらに殴りつける。脚の痛みがよく拳を固めてくれる。
辺りでそれまで聞こえなかった阿鼻叫喚が起きている。初心なものだ。
悠里はそれ以上に叫びながら莉緒の後頭部を殴りつけた。
何発目だろう。ようやくにして脚の極めが解け、莉緒の身体が崩れる。
悠里の腹に置かれた顔は白目を向いていた。

 ――何だ、もう…気を失ってたんじゃない。

悠里はそう思った。そして生まれた感情は、安堵ではない。
凄まじい、激昂。
79The Edge ep.9-4  6/6:2008/10/26(日) 14:42:50 ID:SdJekNRM

「寝てんじゃないわよッッ!!!」
悠里は吼えた。失神した少女を今まで以上の力で殴りつける。紅い物が顔にかかる。
逃がさない。楽にしない。もっと、もっと苦しめてやる。泣き喚かせてやる!
「悠里っ!!」
傍らで声がした直後、悠里の頬に熱さが走った。
一瞬硬直して、血に溶けたような拳が止まる。ゆっくりと殴られた方を見ると、そこには見知った顔がいた。
「香……蘭………?」
彼女は仁王のような壮絶な顔でこちらを睨んでいた。
なぜそんな顔をするのだろう?悠里はぼんやりとした頭で考え、手元を見た。
血にまみれた手。白目を剥いた少女。真っ赤な服。喧騒。
ひとつ、ひとつ、異常が頭のそばをすり抜ける。鉄くさい味が口中に広がる。
「あ…?あ……」
悠里は目を見張った。
「あああああぁああああ゛!!!」
「よせ、悠里!」
香蘭は叫び始めた悠里の首元に手刀を打ち下ろす。的確なそれは一瞬で悠里を静めた。
「……今は泣くな、小悠。心が壊れる」
脱力した悠里を、香蘭は優しく抱き止める。

莉緒の身体を毛布で包んで抱え、香蘭は楓に視線を向けた。
「……この娘は私が引き取る。重症だが力を尽くせば助かるかもしれん。代わりに…」
「ウチにこの娘を引き取れ、言うんか?」
「頼む。アレを見た後で信じろとは言えんが、元来は優しい娘だ。…私にとっての恩人とも言える」
香蘭が頭を下げる。これも初めての事だった。
楓はしばし逡巡したのち、渋々と頷いた。

悠里を背負う際、楓は悠里が片手に何かを握っている事に気づいた。
あれほどの死闘でもなお離さずにいたそれは、空手の帯だ。実力とはやや不釣合いな茶帯。
楓は目を細めた。
80名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 16:27:26 ID:mI+CMtrf
>>78
ageてるがいいのか?
81名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 02:56:03 ID:KU6QHpiJ

1回ギブアップして堕ちてるとはいえ、打撃無効&怪力&サブミッション使い相手に強引に勝ち切るとは
最後の最後までどっちが勝つか分らないくらいの激闘、GJっす
82名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 08:21:59 ID:dy3+9Alf
エッジはとっとと消えろ
本気でウザい
83名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 08:46:02 ID:HEkOoJ65
>>82
悠里が負けなかったから?ウザくはないけど。
毎週なんて相当な重荷のはずじゃないかな。

もう書かないとも言わずに消えてく地下女なんかは、
ホントにウザいけどね。

エッヂの人乙
84名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 16:56:51 ID:ZoPDlV74
エッヂいいね
エロなしでも充分楽しめるのが凄いな
85名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 17:13:53 ID:FA7yaA7o
やっぱこれだけ続いてこれだけ勝つキャラだと、どうあっても壮絶な敗北を見たくなるし、
それって読ませるって事だよな。
86名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 22:49:14 ID:xBvjItmC
いつも思うんだが

銃使えよw
87名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 22:57:48 ID:GEkCrXya
>>86
バトル物で銃持ったら戦闘力たったの5のゴミになるんだぜ
88名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:57:43 ID:kyCRPpnN
>>83
別に重荷じゃあないだろ。
エッジは毎日ブログを更新する暇人だ。
89名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 11:47:43 ID:2zDf1eHl
ブログ?
分かり易く見つかる?
90名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 21:17:54 ID:JPBeSb8d
エッジが嫌いじゃなくてゆうりがビッチすぎて嫌
91名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 22:05:05 ID:j1HacPaV
エッヂ途中でクソになったから読んでねー
92名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 10:38:50 ID:pwh4R6lk
てかアンチ必死すぎ
93名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 11:51:57 ID:pYveP16m
ミヤビかそこらだろ?
実力で人の目を引けないから、遠くから吠えるだけ。可哀想な奴らだな
94名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 12:35:58 ID:q44QTofO
>90がミヤビ
>91が地下女

ってとこか?w
95名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 16:31:06 ID:kdxDWUju
で、ブログってどこ?
ネタ?
96名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 17:03:31 ID:oxfVWkct
アンチの必死な釣りだろ
スレでエッヂのブログなんて何処にも出てないし
97名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 17:24:17 ID:q44QTofO
彩の作者=ミヤビと間違えてんじゃないか
ミヤビはホムペ持ってるから
98名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 19:16:05 ID:pwh4R6lk
>>93>>94は便乗してこのスレ荒らすなよ
99名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 11:47:46 ID:C7aPGav3
ジエッジはここまでで6〜7割終了という感じです。
あまり長くはなりません。たぶん…。


私のブログは「大樹のほとり」でGoogleさんに訊いて頂ければ、すぐ見つかると思います
100The Edge ep.10  1/8:2008/10/31(金) 11:48:54 ID:C7aPGav3
0.

電流の流れるリングの中、一度だけ奇跡が起こった。
電圧に身体が弾け飛ぶ瞬間、素人に近い黒髪少女が放った踵落とし。
それはバットをスイングするような音を立ててユーリの頭へ突き刺さった。
ユーリはよろめき、マットに顔から倒れこむ。
オッズでは圧倒的優位な少女のダウン。場は阿鼻叫喚に包まれた。

大方の期待通り、ユーリは立ち上がる。だがその額からは夥しい血が流れていた。
起き上がった彼女は逃げる悠里を捉え、実に淡々とその脚をへし折った。
本気にさせてしまったのだ。
素人の少女が、軍隊格闘の英才教育を受けたユーリを。

右手と左脚があらぬ方に曲がり、少女は相手にしがみついて攻撃を凌いだ。
自分の身体がどんな状態にあるのか解らない。
解体された生肉が脳裏に浮かぶほど、内の内までが痛んだ。
悲鳴は殺さない。耳に響くそれが、この世に残す最後の声だと思えたから。

少女はただ必死で抗った。戦い方は知らなかったが、死にたくなかったから。
何度も、何度も相手を殴りつけ、蹴りつけた。だが白人の少女はまるで怯まない。
瞬きもせず睨みすえる眼。
圧倒的な声援の中、ユーリは強く獲物の肩を掴んだ。
黒髪の少女は絶望に目を閉じる。

しかし、いつまでも衝撃は与えられなかった。
目を開けると、ユーリは尚も自分を睨み据えている。あらゆる感情の入り混じった壮絶な表情で。
だがその瞳は、もう悠里を映してはいなかった。

動かない時の中、ユーリの血だけが流れ落ちてゆく。

少女は……いや、『悠里』は、そこに全てを理解した。
101The Edge ep.10  2/8:2008/10/31(金) 11:49:44 ID:C7aPGav3
1.

「……起きてるぅ?」
ふいに声をかけられ、悠里は夢から醒めた。
目の前には一人の少女がおり、料理の載った盆を持っている。
食事を持ってきてくれたのだ。
山菜の炊き込み飯に焼き鮎のほぐし身、金平ゴボウ。
手の凝った和料理は旨そうに湯気を立てていた。
「食べさせたげよっか」
少女はにやけて言う。
「結構よ。自分で食べられるわ」
悠里は箸を取りながら答えた。
確かに数日前までは打撲や筋肉痛が酷く、彼女の手を借りもした。
だが悠里にはそれが不快だった。
食事の補助をされるという情けなさもある。
が、何より少女の表情には明らかな悪意が垣間見えたからだ。

少女はつまらなさそうに目を細める。
「そ、もう平気なんだ。じゃあ食べ終わったらついて来てくれる」
悠里は箸を止めた。
美味い料理ばかりだが、これほど重苦しい食事もない。
「師範がお呼びよ。師範代じゃなくて、師範。……すっごいよね、悠里さま」
少女はさも面白そうに悠里へ目をやる。
彼女にとっては師範代でさえも大きな存在であり、師範など天上の人であるようだった。
102The Edge ep.10  3/8:2008/10/31(金) 11:50:25 ID:C7aPGav3

座敷には旅館で嗅ぐ「木の匂い」が漂っていた。
何十畳なのか数え切れない青畳。開け放たれた障子からは紅葉を映す池が見える。
純和風のその空間に、スウェットとジーンズという悠里の出で立ちはひどく浮いていた。
出で立ちだけではない。
胴着を着た数十の門下生、そしてその中心に鎮座する楓。
それら全員から悠里を異端とする氣が発せられている。
悠里はそれをひしひしと感じながら、あえて背を伸ばし堂々と奥へ向かった。

「お疲れのとこ、済まへんなぁ」
楓が立ち上がる。ごく自然な動作ながら、悠里はそれを注視した。
武を知らぬ身のこなしではない。
着物を纏ったのほほんとした見た目通りではないだろう。
「いえ、お世話になりました」
頭を下げる悠里に、楓は笑いかける。
「ああ、そなぃええんよ。総合格闘技の女王ともあろうお人が」
楓は言った。その言葉に悠里は表面上笑みを浮かべ、内心で警戒する。
総合格闘技の女王。
そう称される時は大抵厄介事がついてきた。
純粋に憧れて口にするものも勿論いるが、大方は挑発だ。
悠里が顔を上げると、楓は意味ありげに横へ視線を投げる。
悠里ははっとした。
視線の先には一人の門下生。その手には茜の茶帯が握られている。

「済みません、拾っておいて頂けたのですね」
悠里が帯へと歩き出したその先へ、楓が足袋を滑らせる。
悠里は足を止めた。
「悠里はん、あれはあんたには返せまへん」
楓は悠里を静かに睨み据える。
「……どうして?」
「帯は武を修めた人間を称える為の物や。あんたの戦いは、武術やない」
悠里の笑みが消えた。
「総合格闘技?そんなもん所詮はお遊びや、一流の武道とは比にもならへん。
 とうに旬を過ぎた武道家崩れ、道半ばで暴力に靡いた半端者の殴り合い。
 武道が銀幕なら、あんたの居るお山は場末のポルノ映画…」
楓がそう蔑んだ直後、彼女に暴風が襲いかかる。

悠里とて世話になった立場で蹴りを放つ非礼は百も承知だ。
だが王者である以上、舞台への暴言を聞き流す訳にはいかなかった。
103The Edge ep.10  4/8:2008/10/31(金) 11:52:02 ID:C7aPGav3

やはり普通ではない、と悠里は確信した。
楓は悠里の不意打ちを完全に受けて見せたのだ。
傍目には見えない、正面にいて初めてわかる正拳突き2発を囮にしたミドルキック。
突きの2打目に反応できれば上等、1打目で動けたならばかなり出来る。
しかしそのいずれもがフェイクであり、反応しようがしまいがミドルキックに打ち倒される。
アリーナでは全ての選手がそうだった。
しかし楓は正拳のフェイクなど端から問題とさえせず、的確に本命のミドルを見抜いた。
その眼力もさることながら、さらに驚くべきはそのミドルキックをさらりと捌いたことだ。
悠里の蹴りはただ強いだけではない。
下段から中段へ、上段から下段へ。しなやかな筋肉で蹴りの最中に軌道を変え、
被弾する箇所を読ませずにヒットさせる。故に必倒なのだ。
だが楓はそれにさえ惑わされない。
むしろ、彼女が「払う」動きに蹴りの軌道が吸い込まれたようでさえあった。

流された蹴り足を戻して半身に構え直す、その瞬間に悠里は違和感を感じた。
足が動かない。
一瞬の隙に楓が構えに割り込んできたのだ。一歩踏み出し、悠里の足の甲を踏みつけて。
足搦(しっきゃく)。骨法の封じ技だ。
足の甲を潰しそうなほど踏みしめたまま、楓は猛然と悠里に迫った。
巨大な岩を彷彿とさせる圧迫感。単なる恰幅の良さだけでなく優れた重心の据えが為せる業だ。
咄嗟に出せる攻撃では止まらない。
その圧倒的な質量を止める術がない。

踏まれた足だけを釘付けされ、悠里の上体が後ろに跳ねる。
掌底で肩を打ち抜かれた。悠里の首に筋が浮く。危険なダメージだと頭より先に身体が訴えている。
一度息を吸ったとき、悠里は自らのダメージを悟った。
呼吸が苦しい。これは鎖骨が折れている。
肩が下がり、胸筋が支えを失ってずり落ち、横隔膜が圧迫されているのだ。
「『鎖骨』」
楓が静かに呟く。呟きながら悠里の垂れた腕を引き、素早く足を払った。
「…っ!」
悠里は痛みのあまり反応が遅れ、しかも畳の目に沿って払われたので踏みとどまることができない。
受身も取れずに畳へ叩きつけられる。肺がひしゃげる。
悠里が目を開いて見たのは、四股を踏むように振り下ろされる踵だった。
「『第八胸骨』」
平らになった胸へ踵を振り下ろされ、下部のアバラが実にあっけなく持っていかれる。
悠里の口から大量の空気が漏れた。
104The Edge ep.10  5/8:2008/10/31(金) 11:53:10 ID:C7aPGav3
2.

門下生達は正座した膝が震えるのを感じていた。
彼らは悠里を知っている。武を志すならば、異種格闘技の王者は嫌でも気に掛かるものだ。
圧倒的な力を持つとの噂だった。
その王者が目の前で叩きのめされている。
偉大なる彼女らの師範は、一切の手加減を捨てていた。
まったく出し惜しみをせずに悠里という人間を「壊していく」。
彼女らの学ぶ古武術が殺人術であると見せるかのように。
いや、楓は今、師範ではない。完全に武を極めた一人の女となっている。
長年の鍛錬で得た技の髄をもって女帝を叩き潰している。
 …ただその様は、普段彼女の説くあるべき姿とはほど遠い。
楓は恐れていた。悠里の何かをひどく恐れて、それを殺そうとしていた。

「ッ……!」
悠里は転がるようにして楓の乱打から抜け出し、一度膝を突きながらも身を起こす。
無理に動かした肩からゴリゴリと骨折特有の軋轢音が響いた。悠里が顔を顰める。
楓はその隙を見逃さない。
重厚な身体が驚くべき速さで迫り、悠里は本能的に顔を庇った。
そこからまた折檻が始まる。
執拗に腹部を叩いて前屈みになった所へ局所蹴り。たまらず転がるのを掴み起こして張り手。
頬への張りで外れた顎をかち上げ、よろめいた所を一本背負い。
悠里は成す術もなくやられていた。実力が劣るのかはわからない。
勝負事には流れがある。流れを掴み損ねれば力が伯仲していても一方的に負ける。
そして今は楓がその流れを一方的に制していた。悠里とて掌の上で踊るしかない。
それでも、悠里は立ち上がった。
暴風を纏った岩のような楓に何度叩き伏せられても、その脚にすがりついた。

真上からの掌打で悠里の顔が真っ赤に染まる。
悠里は崩れ落ち、妙な息を繰り返した。気息奄々ながらも、燃えるように楓を睨み上げる。
「まだぁ、負けや認めへんの……」
悠里が跳ねるように飛び起きるながら出した蹴りを、楓は正面から受け止めて突き返した。
「…けだものめ!!」
楓は般若の形相になった。
105The Edge ep.10  6/8:2008/10/31(金) 11:53:46 ID:C7aPGav3

悠里は鎖骨の折れていない方の腕で鋭い突きを放つ。しかしそれは捌かれ、掴まれた。
脇で悠里の肩を固定するように押さえ、楓は掴んだ腕を捻り上げる。
腕は一瞬壮絶に捻じ曲がった。暴れた為に極めはすぐに外れるが、悠里は腕を庇うようにして倒れこむ。少なくともスジは痛めているだろう。
両腕を殺されて転がる姿は痛々しいが、楓に容赦はない。
悠里の右足首へ足を乗せた。悠里がはっとそこを見た瞬間、足に重量が込められる。
ぐぎっという音で悠里の足首が外れた。痛みでのたうつ悠里を追いかけ、楓は残った左足を掴んだ。
暴れまわる胴を豊満な体で押さえ込み、すらりと長いその左脚を慈しむように包み、
へし折った。

やがて楓は、動かせるのが頭だけとなった悠里の上に馬乗りになっていた。
その白い喉元に手をかけながら。
「負けや、認めぇな」
楓が抑揚のない声で言った。悠里は彼女を睨みながら、何も答えない。
楓が手に力を込めた。喉の血色が白と赤に分かたれる。それでも悠里の瞳は変わらない。
門下生が息を呑んで見守るなか、楓が前傾になった。
悠里のむちりとした腿が痙攣する。悠里の顔が次第に青白くなっていく。
楓を持ち上げて細い腰が浮く。どれほどの苦しみの力が生じているのだろうか。
風がそよぐ。
長い、長い静寂だった。二人は長い静寂の中で睨みあっていた。
そのまま永遠に互いを睨み据えているように思えた。
だが門下生に目を逸らすものはいない。彼女らはやがて訪れる一瞬を知っている。

かこんっ

庭園のししおどしが音を立てた。同時に持ち上がっていた楓の腰がずんと下がる。
その視線の先では、悠里の瞳孔が喘ぐように開閉し、最後に大口を開けるように開ききり、上を向いた。
静かだった。
つんとした香りがふいに清涼な空気に混じりだす。
伸びやかな脚の間、青畳が濡れて濃さを増していく。
醜悪なその姿に、数十の門下生ははっきりと悟った。


悠里が、負けたのだ。

106The Edge ep.10  7/8:2008/10/31(金) 11:54:25 ID:C7aPGav3
3.

「あの……!」
年端もいかぬ若い門下生は、姉弟子の門下生に尋ねた。
視線は道場の一角を見つめて固まっている。
そこには一人の女が磔にされ、人の腰ほどの高さに吊り下げられていた。
頑丈な竿竹に腕を縛り付けられ、まんぐり返しで足首までもがその手首に括られ。
秘部を余すところなく晒しながら身動きの取れない、残酷な磔だった。
歳若い門下生はその顔に衝撃を受けた。
姉弟子達に口にする事をタブーとされた、名門道場にそれほどの影響力を持つ絶対王者。
吊り下げられているのは悠里その人だ。

武道家見習いの彼女は、まずその身体に見惚れた。
艶めく黒髪や豊かな乳房、すらりとした脚などはモデルならば似たものも居よう。
しかし凹凸のある締まった腹はただごとではない。よく見れば手足の指も変形している。
間違いなく血の滲むような修練を積んでいる。
すごい身体だ、と思った。
高慢ちきなサディストながら、その強さだけは否定する者のいない悠里。
何故あれほど強いのか、それが裸体を見て解る。生半可な鍛錬で作れる身体ではない。
その悠里がここに捕らえられている。
彼女は全身に汗を浮かせていた。それを覆うようにオイルが塗りたくられる。
そして性感エステのようなマッサージが施されていた。
腋や内腿を撫で、血管レベルから官能を研ぎ澄ませる。尾骨の手前でも指が蠢いており、くちゅくちゅと中を弄くっている音がする。
そうとう気持ち良いのだろう。門下生は悠里のしこり立った乳頭を見て思う。

「見せしめよ」
姉弟子は言った。
「力を律せず、ただのケダモノに堕ちた女がどうなるか。それを見ろと師範は仰ったわ」
今や周囲の門下生も練習をやめ、悠里を露骨に眺め始めている。
男女総勢86名。その中で気高い悠里が恥辱の晒し者となっていた。
107The Edge ep.10  8/8:2008/10/31(金) 11:55:06 ID:C7aPGav3

視線が集まったのを認め、悠里を嬲っていた女の一人がディルドーを取り出した。
場がざわつく。それは男の標準サイズよりも遥かに長大で反りも凄く、亀頭部分には冗談のように劣悪なイボがびっしりと散りばめられていた。
そしてさらに驚くべきことには、それが宛がわれたのは前にせり出した女穴にではない。
その後ろ、真下に息づく菊の蕾だった。
「おしりに……あんなものが……!?」
「入るわ。あの女アンタが来る前から一時間ばかり、こってりお尻の穴をほじられてたもの。
 声出さなかっただけすごいと思うわ。あの人ら、元が女専門のSM嬢らしいし」
姉弟子は悠里を嬲る女達を示して言った。
SM嬢には、仕事の一環で格闘技を習ううちにのめり込む者も多い。
姉弟子の話が本当だとすれば、彼女らは女を調教する専門家ということになる。

「そら、入れて欲しいの?さっきは指をきゅんきゅん締めてきたもんねぇ、女・王・さま?」
女はディルドーのイボで悠里の肛門をくすぐっていた。呼吸に合わせて微かに沈めたりもする。
そうして神経の密な菊輪をしばし嬲ったあと、ディルドーは掴み直され、一拍置いて強く抉り込まれた。
「る゛っ!!」
声にもならない声で悠里が大股開きを閉じかける。
「あ〜ずっっぷり入っちゃったねぇ。ゴメンねぇ」
女は悪びれた様子もなく言うと一旦ディルドーを抜き、即座に更なる奥へと叩き込んだ。
ぐちぃっ。
悠里の腸の深くで汁気をもった何かが潰れた音がし、悠里の脚が跳ね上がる。

「あ!やっぱ…きついかもね」
姉弟子はふと声を上げた。年若い門下生が振り向く。
「思い出したけど、『アレ』、すっごいヤバイらしいの。前には入らないくらい長いのもそうなんだけど、
 反りがえげつないって。あの人らの誰かが自分用に買って、いっぺん奥まで嵌めてみたときに
 ビックリして思わず抜いちゃった…とか聞いたな」
「……!…そ、そんな……!」
少女は悠里を見た。
彼女は動けぬまま、ずぐっずぐっと尻穴へ凶器を突き立てられ、苦悶の表情で天を仰いだ。

彼女に勝ちがあるのかはわからない。
だがそれは明らかに、86人の門下生と悠里1人との、熾烈な心の戦いだった。
108名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 17:23:42 ID:oD9Vv+08
ブログ見た
エッジは物書くのが心底好きなんだなー
彩とか地下とかの、にわかとは違うわけだね
109名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:59:01 ID:Qoxusi7K

念願の悠里失禁KOが見れた。これで3年は戦えるね。GJ

怪力ロリガキと戦ってもナンともなかったのに、これだけ破壊されると少々違和感が・・・
裏ワザ満載の古武術相手だと、基本的に攻撃を避けない悠里は相性最悪だわな

青葉戦の延長上みたいな感じがするが、どう逆襲に転じるのか楽しみ
110名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 03:05:02 ID:rtJBtEPS
悠里の方は本調子じゃなかったってのもあるが
暴走モードに入ったらある意味猛獣と大差ないから
達人クラスにとってはむしろチョロい相手なのかも

そしてアナルは大好物であります!!
111名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 05:21:40 ID:V3Cm/jth
乙!

こういう展開になったら、一度くらい悠里をアヘらせての失神KOってのも見てみたいかも
112名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 06:35:59 ID:394qb0r2
GJ!
快楽に蕩けきる悠里ってのも見たいねぇ
そんで年少弟子に軽蔑の眼差しで「…なによこれ…呆れた…。まるでただの豚じゃないですか」
とか罵られてアヘ顔にペッって唾とか吐かれたりして。

実際には気高く耐えるか、堕ちてなお美しい…とかで年少弟子感動っていうオチだろうけどw
113名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:25:49 ID:lJ5DyZDk
だんだん展開がバキみたいになってきてるな

バキがさらにエロくなったみたいな
114名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 01:39:02 ID:6xCFb9cv
尻の穴をほじられてるシーンも見たかったが乙
115名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 06:36:35 ID:whSILou6
>>114エッジの人はおいしいシーンを割愛する傾向があるよね
長くなり過ぎないようにってのと別のフェチに傾倒しすぎないようにって配慮からだろうか
116名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 10:36:44 ID:IDZMyysT
スレタイの通りに主題であるバトル部分で魅せたいと心掛けてるんじゃね?
117名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 11:04:33 ID:XLaE1lFt
>尻の穴をほじられてるシーン

尾骨の手前でも指が蠢いており、くちゅくちゅと中を弄くっている音がする。
そうとう気持ち良いのだろう。門下生は悠里のしこり立った乳頭を見て思う。

ここにちょっとはあるな
118名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 17:19:18 ID:rWuRPsGA
>>115
おいしいシーンって書くの大変だよ。 長くなってグダる場合もあるし。
あんまり、その辺に力入れすぎると軸がブレる事もあるから分配は大変だと思うよ

まぁ、もうすこし悠里の悲鳴とか聞きたい気もするがw
119名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 11:32:36 ID:P2O1CuyB
>>118
骨折られるときとか「あぎゃあああ」とか
「ひぎゃあああ」とかは欲しかった。
悲鳴がない分、あっさりやられた感じ。
120名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 17:26:19 ID:0nXCxKPB
悲鳴が欲しかったのは同意

首締めで落とすんじゃなくて、肋骨を折られるタフの毒蛭みたいな技で
許しを請い心を折られて失禁…なのも見たかった
121名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 19:56:03 ID:DbvdBFFE
いや言いたい事は分かるし、俺もそういうの凄く見たいが
そこまで無様な姿さらしたら話が終わっちゃうような…
今後の展開も計算せずにそんなシーンは挿入できないだろ
アナザー展開の外伝とかならともかく
122名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:57:23 ID:0nXCxKPB
莉緒戦で恐怖に震え涙流しながら「ギブアップです」なんて言わせたんだから許容範囲じゃない?
問答無用のガチ敗北シーンなんだし

ってつい妄想を膨らませてしまうな
とりあえず次回wktk
123名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 12:06:51 ID:bOiIy9Uh
ストーリーものだとその辺が難しいよな
ガチ敗北が見たいけどやっちゃうと話が終わっちゃう
だからどうしても、やられ→覚醒して勝利のパターンになる
124名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 12:20:44 ID:zGxaAHd9
ガチ敗北って言っても、別に死ぬ訳じゃないんだからw
いいでしょガチ負けしても
125名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 18:23:50 ID:+wHxJjVR
ガチ負け自体はいいけどあんまり無様な姿さらしちゃキャラ変わっちゃうし続けづらいのは確かだろう
ただでさえ死線くぐってるような過去持ってるだけにそういう姿出しづらいのに

見たいのはそりゃ同意するけども
126名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 19:50:07 ID:Sg/5SrS8
エッジさぁ別スレ立ててやってくれ
新参が入りづらい

127名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 21:20:32 ID:dRbT80P4
別スレ立てろとか、鯖圧迫するような事しんなよ
新参がはいりづらいとか、普通に入ればいいだろ
新規投稿が無いのを彼のせいにするのは筋違いも甚だしいし
128名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 22:12:26 ID:NqGu4VZ6
つうかエッジが居なかったらとっくに終わってただろこのスレ
129名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:15:08 ID:D6tvSn7m
じゃあ、零時半くらいに投下していい?
手遊びで何年かぶりに書いたバトルで全然アレだけど。
あとエロいシーンまで書かなかったけど。
130名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:30:30 ID:jCxs4G5j
よろしいじゃなくって?
131名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:32:00 ID:D6tvSn7m
んじゃ。いきます。
タイトル仮題で。
132名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:32:11 ID:udPg3tRT
おkおk!
新人さんは大歓迎だ
133名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:32:44 ID:D6tvSn7m
 この県立武道館が新築されてからすでに十五年を経過しているはずだが、使用者が丁寧なのか清掃業者の仕事がいいのか、それほどの年月が経過しているようには一見して思えなかった。
 二階が剣道場で、一階が柔道場と弓道場がある。柔道場は二面しかないが、それでも地方の武道館としては十分な規模だ。
 アイがここに来るのは初めてではなかったが、前にきてからはもう二年くらい経つし、こんな――深夜で、誰もいないという状況では当然なかった。
 いや。
 誰もいない、というはずはない。
 靴を脱いでから自分で持ち、そのまま柔道場に入る。
 照明が煌々と畳の床を照らす中で、軽く見回すと、いた。
 道場の日の丸の真正面の壁に背を預け、素足を伸ばして座っている。
 少女だ。
 少女が座っていた。
 黒いスパッツに、セーラー服の上だけという何処か異様な格好だった。
「アンタが、そう?」
 低く抑えた声で、その少女が聞いてくる。
「あ、すみません」
 アイは靴と鞄を道場の隅に置いて、ブレザーの上着を脱ぎ、少し考えてから立ったままで右足を背中の方に軽く上げて爪先をつまみ、靴下を脱ぐ。次は左足。少しひっかかりはしたが、すぐに脱げた。
「スカート脱がないの?」
 と言われて、アイは「あ、大丈夫です」と答える。
「大丈夫ならいいんだけどね。後悔しないなら。――念のため聞いてるけど、アンタで間違いない、よね?」
「あ、間違いないです。ここで、やるんですよね」
「ここだよ。ここが、今日のナイトパーティーの舞台だよ」



 Blood Night Party (仮題)



 アイは柔道場の真ん中でとんとんとその場で小さく跳ねる。
 スプリングが利いている。
 二メートル離れたところに立っている少女も首を回してから、畳を見下ろした。
「条件は聞いてると思うけど、確認するよ」
「はい」
「武器の使用は不許可」
「はい」
「ただし衣服を使っての締めとかはアリ」
「はい」
「――ま、そんくらい」
「はい。あ、勝ち負けはどう決めるんです?」
 少女は顔を上げ、アイの眼差しを受ける。
「それは、自分らで決めるんだよ」
「審判はいないんですよね」
「カメラでの監視はされているけどね」
「そうですか」
「質問はそれだけ?」
「はい」
 そう、と少女は言って、時計に目をやった。
 壁にかけられたた時計の表示は、十一時五十九分。
「こちらからも質問だけど……負けたらどうなるかは、聞いてるよね?」
「聞いてます」
「覚悟はしているんだ」
「負けませんから」
「みんな、そういうつもりでここにきているんだけどな――」
 声と共にもれでたのは、溜息であった。
 カチリ。
 静かな道場の中に、その音はやけに大きく響いた。
 零時零分の表示。
 アナログ時計の分針と時針が12の上で重なった瞬間。
 少女が跳ねた。
 
 飛び込むような右ストレートであった。
134名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:33:35 ID:D6tvSn7m
 ナイトパーティー。
 それは誰が始めたのかも解らない、戦いの夜宴だ。
 時に学校で。
 時に公民館で。
 時に武道館で。
 深夜零時に行われる闘争の舞台。
 参加者が全員でどれだけ、果たしてどんな人が参加しているのかの全容は知れない。どのような機構がそれを成立させているのかも判然としない。
 ただ、その存在は武道・格闘技の世界に携わる者の一部の間に都市伝説じみた胡散臭さで伝わっている。
 むしろただの都市伝説の類なのだとアイは思っていた。
 アイ――それは渾名だ。
 対戦者である少女の名前はケイと聞いているが、それだって多分、本名ではないはずだ。
 ナイトパーティーで本名を名乗る者は少ない、という。
 どう考えても非合法なのだから、むしろ当然ではあるのだろう。
 しかしそれは解っていたが、対戦相手のデータがまるで解らないというのはあまり嬉しいことではない。有利不利の条件でいえば向こうも同じはずではあるが、初めての自分に対して、ケイという人は多分、何度か夜宴を経験しているはずだった。
 経験の差は絶対的なものではないけれど、戦いなどというものは場慣れしているかどうかというのは重要な要因であるに違いなかった。
 とはいえ。
(形式はそれなり整ってはいるけど、ほぼ野試合みたいなもの……だとすると、どう仕掛けてくるのかは――)
 自ずと解る。
 自分の顔面に伸びる拳を横っ飛びにかわし、前方回転受身の形で立ち上がる。
「ちっ」
 ケイの声が聞こえた。会心に近い一撃であったのだろう。それをまさかこんな簡単に回避されるとは思っていなかったのか。
(飛び込み突き、日拳か――空手か何かか)
 立ち上がると同時に両手を前に出し、伸ばした指を向けるように中段の構えをとる。
 ケイが「合気道?」と呟いた。呟いてから、後ろに下がりながら何処からか取り出した黒い拳サポーターを嵌める。総合の試合などでみるそれだ。
 そしてその場でフットワークを取り始めた。
「今ので、だいたい新人の子はびびるんだけどね。けっこうやるね、あんた」
「そりゃ、どうも」
 笑うように声を掛けてくるケイに対して、アイの声は冷たい。
 しかし、傍目ほどにも彼女が冷静であるということはなかった。むしろ、内心の焦燥で心が乱れていると思ってもいい。
(大袈裟によけちゃった……いつもなら、ああいうのは呼吸投げとかでどうにかしていたはずなのに……!)
 やはり、場慣れしていない悲しさか。
 呼吸を整えて心気の乱れを静めようとしつつ、アイはケイの様子を眺める。観察といってもよかった。
 ――身長160センチ弱。体重は多分、四十キロ程度。
 それは自分と大差はない。身長は自分が少し大きいか。
 ショートカットなのも同じだ。フットワークをとりつつ青紫のヘアバンドで前髪を押さえたが、自分も何かもってくればよかったと思った。
 そういえば鉢巻は血や汗などをとめるためにするのだと昔聞いたことがあったが、同じ理由だろうか。単に髪の毛が戦いでは邪魔だというだけなのだろうけど。
 拳サポーターをつけるということは、打撃系か――あるいは総合か。
 最近は打撃ができないと総合の世界は厳しいという話も聞いていた。柔術が最強であったというのは、もう十年以上前の話だと。
 いずれにせよ、ここに来ているということならば生半の相手であるはずはなかった。
 多分、自分とそんなに変わらない年頃のはずではあるけど。
「合気道相手ってのは始めてだけどさ」
 ケイはトントンとフットワークで左右に跳ねだす。
「ボクサーの拳に、どう合わせられるか――」
 とん、と間合いが詰まった。
135名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:35:27 ID:D6tvSn7m

 最初の左ジャブは距離を測るためだ。
 届かないのは承知の上で出された拳が鼻先を掠めても、アイの表情に変化はない。
 わずかに腰を捻っての右。
 アイの前に出していた右手が動き、ケイの拳の軌道を逸らす。
 畳を蹴ってケイはアイの右側面に回り込む。そこからの振り回すような左のフック――
 正調の格闘技者には慣れぬ側面からの打撃を、視界の外からのフックでこめかみえぐりこむか、あるいは鼓膜を塞ぐように叩くという、彼女のK.O.パターンだ。 
 アイはそれすらもよけた。
 拳が空振りし、相手の姿を見失った時、ケイの顔から初めて余裕が抜けた。

(動きが繋がらない)
 焦るな、とアイは自分に言い聞かせる。
 同時に逆効果か、とも思う。
 そんなことを考えたら余計に焦る。
 ひとつひとつの動きを自然に行えばいい。
 普段どおりにやれば負けない。
 多分。

(古流ってやつか)
 最近テレビとかで見るアレだ。
 胡散臭い和服を着たおっさんがなんか色々と言ってたりするのを、何度かテレビでみたことがある。
 正直な話、身体文化とかそういうのにはあまり興味がない。
 ケイは基本的にボクシング一筋だった。
 ボクシングだけやっていられたらよかった。
 他の格闘技と比べて自分がどれだけ強いとか、そういうことは考えたこともない。ボクシングというスポーツの中で自分がどれだけ戦えるのかだけを考えていた。
 ――全ては過去のことになってしまったけれど。
 アイの姿を見失った瞬間、ケイは飛びのいていた。
 そして改めて、アイの姿を見る。
 さきほどはどうやってかわされたのか、恐らくはボクシングでいうダッキング……しゃがんだのだろうとあたりはつけた。
 そこから反撃をしてこなかったのか、考える必要はない。
 異種格闘に限らず、戦いの原則はひとつだとケイは考えている。
(自分のペースを貫けばいい……!)
 左のジャブ。
 左のジャブ。
 右左のワンツー。
 拳と拳と拳と拳の弾幕。
 相手がどういう技を使うのか、それが解らなければとにかく出させなければいいというだけの話である。
 相手の体格が倍あるというのならともかくとして、ほぼ自分と同サイズの戦いはどれだけ一方的にラッシュを仕掛けられるかで勝負は決まると考えてもいい。
 攻撃は最大の防御とはいうが、そもそもからして防御は難しいのである。
 素手の攻防なら尚更のことだ。
 ボクシングでは高度なディフェンス技術があるが、それは実はグローブの性能に拠っている部分が大きい。
 グローブを嵌めた者同士の戦いでは、拳を掲げるだけでもある程度の打撃の軽減が可能になる。しかし素手での戦いではそう上手くはいかない。腕のガードを通り抜けて拳が飛んでくる。
 そして、打撃というのは前に前に向かってすすむものでもある。
136名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:36:45 ID:D6tvSn7m
 体重を乗せて足をすすめ、拳を打ち出す。
 距離はどんどん縮まる。
 防御している人間は後ろに下がるか左右に逃れるしかない。
 しかし上体で必死に手を動かしながら足を捌いてゆくというのは、そうそう簡単にできることでもないのだった。
 ケイはこのナイトパーティーですでに五回戦っていた。
 その五回の戦いはどれもは勝利できたが、最初の二回はわけもわからず我武者羅に戦っていただけだった。
 彼女が戦術をちゃんと組み立てられるようになったのは、三回目からだ。
 それが――このラッシュである。
 左右の攻撃を相手の何処を狙ってもいいから叩き続けて圧力をかける。
 ボクシングでは攻撃できる部位は体の腰から上の前面だけであるが、このルールでは何処を狙ってもいい。そうなると洗練されたボクシングの技術は、彼女の戦いに劇的な効果をもたらせた。
 側面からの攻撃である。
 そもそも、ボクシングにおいて何故攻撃の部位が正面のみに限定されることになったのか?
 それは、人間の体というものが側面からの打撃に対して弱いからである。
 特に側頭部はただでさえ耳という急所があるのだ。
 その上に、人間は視界の外から不意を撃たれると防御姿勢が間に合わず、思いもかけないダメージを負うことがあった。ボクシングにおいてもっともK.O.が高いブローが視界の外から襲ってくるフックなのも、それが原因である。
 それらを踏まえたうえでボクシングによって鍛えられて洗練されたフットワークを駆使し、側面からさらにフックという攻撃を使い、ケイは勝利を積み重ねた。
 その相手の中には打撃に習熟した者もいたが、ボクサーのフットワークには対処できなかったのか、あるいは場慣れしていないのか、ケイの攻撃の前に沈んだ。
 考えてみれば、だいたいのスポーツ格闘技において、戦いは正面に向かい合った者同士の攻防になる。
 打撃部位もボクシングほどに限定されている訳ではないが、ほぼ前面と思っていい。戦いで横に回りこまれたからいって、真横から攻撃を仕掛けられるということはまずないのだ。それが反応をほんのわずかに遅らせる。
 そのあたりの攻防の感覚は、センス以上に慣れの問題なのだろう。
 彼女は明らかに、ひとつの独自スタイルを完成させようとしていた。
 しかし――
 拳を、アイは捌いている。
 左右の手を使い、逸らし、押さえ。
 左右の足を使い、引いて、押して。
 ケイのラッシュとフットワークに、手と体の捌きだけで対処している。
 むしろケイの方がアイに側面へと廻り込まれかけさえもした。
(コイツ――)
 巧い。
 今まで戦ったどんなボクサーとも、武道家とも違う。
「ッッッ!」
 焦りが戦慄に変わった瞬間、彼女は思い切り後ろに飛びのき、息をついた。
 アイは前に出ようとしかけて、同じく滑るように畳の上を下がり、間合いを広げた。
 そして、ふー、と大きく息を吐いた。
 ケイはその様子を見ていたが、その場でとんとんと軽くステップを踏みつつ、現状の再認識にとりかかる。
(余裕があるってわけでもないか……こっちも必死だったけど、向こうも必死だったんだ)
 ラッシュを始めて一分という時間であったが、完全に防がれたのはまったく初めてだった。想定すらしたことがない事態だ。
(こっちのパンチとか見えているのか。反撃してこないのは、あの様子だと単純に「できない」と考えた方がいいみたいだけど……)
 何故だろう、と考えてからほどなく答えが浮かぶ。
(ハンドスピードか)
 アイが一体なんの格闘技か武道をやっているのかの見当はつかないが、恐らくボクサーではあるまいと思った。
 ボクサーのハンドスピードに勝る格闘技というのを、ケイは知らない。あるとしたら空手か拳法の類だろうとは考えるが、アイが果たしてそのようなものの使い手なのかどうかは解らない。
 いや、のっけの受身での回避、最初の構えから考えて、合気道とかそのようなものではないかと思う。
 恐らくはこちらの打撃に対して、反撃の暇を見つけられないのだろう。あるいはそれとも、合気道には打撃技はないのかもしれない。
 そこまで考えてから。
(そもそも、合気道って、どう戦うんだ?)
 護身術としてはよく聞くが、腕を掴まれたり、服を持たれたりする時に使う技術なのではないのか。
 仮に殴りかかってきた時に掴んで投げるとしても、素人ならばともかく、打撃の専門家の攻撃を捌けるものなのだろうか。
(ああ、そうか)
 結論が、出た。
137名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:39:44 ID:D6tvSn7m

 合気道には、ボクサーと戦える技術がないのだ。

 ジャブやストレートを掴みとるだなんて真似ができるはずがない。空手のようなテレフォンパンチというのならまだしもとして、脇を絞り、細かいモーションで繰り出される打撃は、日本の武道を相手に作られた合気道では対処しきれないのだろう。
 にもかかわらずアイがケイとの攻防を可能としているのは。
(きっと、凄く目がいいんだ。動体視力とか反射神経とか、むちゃくちゃいいんだ)
 その天性ともいう資質が、技術の不足をカバーしている。
 本来防ぎきれない打撃を防ぐということを可能としている。
 ケイは唇を軽く噛んだ。
 それはつまり、アイは自分以上の才能を持っているということを意味していた。
(もしもボクシングや、そうでなくても空手とかされてたら、私では勝てないかもしれない)
 素直に思う。
 しかし。
(だけど、今なら)
 勝てる。
 とん、とケイは畳を蹴った。

 アイは最初の構えをとり、迎え撃つ。

 左から右のワンツーで入る。
 アイの両手がそれを捌く。
 先ほどと同様の攻防が始まった。
 違うのは、互いが互いの動きに慣れたのか、踏み込みがやや深いことだろう。
 ケイは踏み込んで打ち、牽制を打ちながら下がる。
 アイは下がりながら捌き、牽制を逸らしながら踏み込もうとしてくる。
(やっぱり見えているんだ)
 仮にもボクサーの拳を、まったくクリーンヒットさせずに、しかも側面に回り込もうとしてからの打撃にも上手く合わせて捌く。
 恐ろしいほどに目がいいのだ。
 そして手も早い。
 ボクサーの彼女ほどではないが、かなりのものがある。
(本当に、ボクシングされていたら、勝てなかった)
 もしも、もしもだが。
 もしも、この相手がボクシングをやっていたら、彼女の叔母さんよりも強いボクサーになっていたかも知れないと、そんなことが脳裏を掠めた。
138名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:42:18 ID:D6tvSn7m
 ケイの叔母さんはボクサーだった。
 ケイの叔母さんは強いボクサーだった。
 ケイの叔母さんは強いボクサーだった、けれど。

 プロボクサーにはなれなかった。

 実力が足りなかったというわけではない。むしろ、当時において、叔母さんよりも強い同階級のプロの女子ボクサーというのは、世界を探してもそうそういなかったのではないかと思う。世界ランキングで五位以上はあったと、贔屓目でなしに思う。
 もしかしたら、日本ランキングの男子選手ともまともに戦えたのではないかというほどにだ。さすがに、上位選手を相手には勝てないだろうけれど。
 ケイの叔母さんは、元々は少林寺拳法の選手だった。
 高校時代は全国大会の上位入選の常連であったが、卒業と同時にボクシングジムに入って、二年とかけずジムがそれほど大きくなかったということもあるが、所属していた男子選手の誰よりも強くなっていった。
 他のジムの女子ボクサーとの交流試合で、彼女は八年の現役時代の間に六十五戦六十三勝二分という驚異的なキャリアを残している。
 そのほとんどがスパーリングに毛の生えたようなものであり、フルラウンドの試合はなかったにしても、これは並みの戦績ではない。
 その中にはアメリカからきていた、後の世界チャンピオンもいたという。
 そんな強い人だったのに、どうしてプロになれなかったのか――
 簡単な話である。
 単純に、その時代に女子ボクサーのプロには、日本ではなれなかったからだ。

 今でこそ日本プロボクシング協会は女子ボクサーにも門戸を開いてはいるが、前世紀までは頑ななまでに女子ボクサーの試合興行を許可しなかった。ボクシングジムに所属するボクサーはかなりいたが、試合には出させてもらえなかったのである。
 今はなくなったが、日本女子ボクシング協会がキックボクシングジムが母体になっていたのもそのことに関係する。
 女子ボクサーが試合に出ようとしたら、キックボクシングのジムに所属していなければならなかったのだ。
 ボクシングジムに所属する実力のある女子ボクサーもいたはずである。ケイの叔母さんがそうであり、実際に、そのような選手と女子ボクシング協会の選手とのマッチメイクは試みられていたが、日本ボクシング協会の横槍で多くが成立しなかったという。
 勿論、協会がそのようなことをした背景も様々なものがあり、一方的に責められるものではない。
 それでも、思う。
 それでも、ケイは思う。
 そのようなことを知りながらも、思う。
 もう少し柔軟に協会が応じてくれていたら。
 叔母さんは、プロボクサーになれて、もしかしたら世界チャンピオンになっていたのかもしれない。
 いや、きっとなれていたに違いない。
139名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:43:56 ID:D6tvSn7m
 ケイは家庭用のハンディカメラで撮った、叔母さんの最後の試合を見たことがある。
 すでに最盛期を過ぎていたにもかかわらず、恐ろしいほどの強さであった。
 ごくごく短いラウンドで、発足したばかりとはいえ、日本女子ボクシング協会のプロボクサーを軽々と倒していく。
 大人と子どもほどの実力差があった。
 みんな口々に「もったいない」と言っていた。ケイだって思った。
 しかし、もう無理だったのだ。
 叔母さんがプロの女子ボクサーとして一線にたつのは、もうその時には無理だったのだ。
 一児の母になっていた、叔母さんでは。
 フルラウンドを、試合会場の緊張感の中で戦うスタミナがないのだと。
『恨んでないよ』
 と叔母さんはいう。
 彼女はジムの会長の三男と恋仲になっていた。
 それが行動の全てを縛った。
 叔母さんには日本でプロになれないのなら、海外にいくという選択肢もあった。実際に、そういうことをしているボクサーもいる。
 そうしなかったのは、叔母さんには早くから恋人がいたからだった。
 恋人を捨てることが、彼女にはできなかったのだ。
『恨んでないよ。本当に』
 と叔母さんはいう。
 本当に本気でプロとして戦いたかったら、男を捨てて、ジムを捨てればよかったから。
 だからつまり、自分にとってのボクシングというのは、男よりも価値は下なのだと。
 はっきりとは口にしなかったけれど。
 そんな風に、叔母さんは、だけど何処か憂鬱そうに話していて。
(嘘だ)
 とケイは思っている。
 今は後進のプロボクサー志願の子に指導している叔母さんを見ていると、何か上手くいえないけど、胸の奥底がざわめくのだ。
 ボクシングより男をとったとしても。
 そのことで後悔はしていなくても。
 本当にそうだとしても、
(叔母さんは、全部を出し切りたかったんだ)
 それだけは確信できた。
 せめて、全力で表舞台で戦えていたのなら。
 叔母さんは、もっと明るい顔で笑えていただろう――

 とん、と踏み込む。
 
 拳を出す。
 捌かれる。
 拳を出す。
 逸らされる。

 さっきからそれの繰り返しだった。
 戦慄は感嘆となり、焦燥を通り越して怒りさえ呼んだ。
 ケイはなんだか許せなくなった。
 自分の攻撃の悉くを捌いてしまう相手の才能にではなくて。
 これほどの才能をもちながらも、アイがボクシングや空手などを選ばず、合気道だか古武道だか何か知らないが、表舞台に立たない道を選んだということに。
 こんな場所で戦う破目になってしまったことに。
 怒ってしまったのだ、
 それは理不尽極まりない感情ではあった。
 その人がどの道を選ぼうとも、自ら望んで、そしてこれほどの力を得るまでには並大抵ではない努力と覚悟がいったはずだから。
 そんなことは解っていた。
 だが、思うのだ。
(叔母さん以上の才能の持ち主が、こんなところにくるな――!)

 さらに踏み込む。
140名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:46:15 ID:D6tvSn7m

(きっつ)
 アイは相手の圧力が上がったことに気づいた。
 気づいたが、だからと言ってどう対処できるというわけでもなかった。
 左右の拳は恐るべき速さであり、フットワークもまた脅威だった。
 スプリングが仕込まれた畳は衝撃を吸収する仕掛けになっているはずだが、ケイのそれを阻害するようなものではないらしい。むしろ反動がついているのではないかと思えた。あらかじめ、ここがどの程度にバネが効くのか、念入りに確かめていたのだろう。
(このままだと押し切られる)
 相手の攻撃は解る。
 どう来るのか、だいたいタイミングも解っている。
 稽古のとおりに動けていたなら、もう勝負はついているはずだ、と思う。
 しかしそれがアイにはできないでいた。
(失敗できない)
 それを考えることができる時間はない。ただ、心の何処かで恐れているのだと、自分でも解る。
 稽古は随分とした。
 相手が彼女の兄か、姉弟子でなければ、ほぼ十中八九の割合でそれは成功するはずだった。
(私は怖いんだ)
 アイの心の中の最も理性に遠い部分が、だからこそ冷静に答えを出した。
(真剣勝負の場で稽古どおりに動けるか、自信がないんだ)
 戦いと稽古とでの間合いの違いが、自分を迷わせている。
 実戦では、通常よりも相手との距離が近くに感じるという。
 よく笑い話としてよく聞く話ではあるが、ヤクザ同士が座敷で切りあいになった際、当人同士は壮絶な戦いをしたつもりであったが、傍目から見ていた芸者が見ると、腰が引けた状態で刀を突き出してチョンチョンとやりあっていただけであったという。
 同様の話は幕末にもある。
 それは恐怖心の故えであるが――
 アイは昔、教わったことがある。

『剣は足で切るという』
『はい』
『意味合いは二つある。足を進めることによって重心を移動させて斬撃の威力を出すということと』
『はい』
『深く踏み込まないと、真剣で殺傷できる間合いに入れないということだ』
『はい』

『相手の股の間に膝をいれるように踏み込めとか、剣の鍔元で切れ、というわよね』
『姐さん……』
『あ、ごめんなさい、師範クン。自分でいうつもりだったんだよねー♪』
『そうだけど、茶化さないでくださいよ』

『あの、――姐さんも兄さんも、今は稽古中……』

『……恐怖を克服するということは、恐怖を感じなくなることじゃないんだ。例えば――ビル火災などで高所から飛び降りていく者がいるが、あれは絶望のあまりに身を投げているのではなく、極限状態で視覚が以上に高まり、距離が近くに感じるからであるという』
『あ、はい』
『死の間際の人間の集中力は、そのようなことを可能とする。脳は恐怖を感じた時、肉体が危機に陥った時、どうにかしようと通常ありえぬ運動を行い――』
『まー、ようするにノルアドレナリンの分泌作用なんだけどね。あと扁桃体の』
『姐さん煩い』

『……………二人とも、道場でいちゃついてないで』
141名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:47:20 ID:D6tvSn7m

『恐怖を克服するということは、恐怖を我が物とすることだよ』
『あるものはなくせないのよ、――ちゃん』
『怒りとか恐怖とか、そういうものはなくせない。感情をコントロールするということは、抑制するということではなくて、制御するということなんだ』

『――――――』

『恐怖も怒りも、自分の一部であるということを知ればいい』
『武道とか格闘とかは、そういうものなのよ』
『感情も肉体も何もかも、五体五情の全て、それこそ全身全霊を以ってことにあたるということは、そういうことだ』
『全てをひっくるめて、自分≠ネのよ』

『恐怖を操り、集中を高めろ』

『必要なのは、それに負けないこと。呑まれないこと』

『降り注ぐ、太刀の下こそ地獄なれ、だ』

『基本でしょ? 合気道とは、入り身の武道――』

(―― 一歩前へ!)

 踏み込む。

「――――ッ」

 ケイは拳に今までとは違う感触が当たったのに気づき、それでも反射的に左のフックを繰り出した。
 それは初めてアイの顔面を捉えた。
 今日初めてのクリーンヒットであり、しかし今までの彼女のキャリアではなかった感触であった。
(硬い)
 アイの声が聞こえた。
「いたい」
 慌てて拳を引き、次のコンビネーションに移ろうとして――

 ぞわり

 背筋を這い上がる冷たい衝撃を、ケイはその後、一生忘れることはなかった。
 全身の筋肉が脈動したかのように、彼女は撥ねた。
 それはバックステップなんて言い方の似合わない、もっと衝動的で反射的で本能的な動きだった。
 そこからさらにどたどたと足を動かす。もはや、フットワークなどと言えまい。
 逃げるような動作だ。
 いや。
 逃げたのだ。
 アイとケイとの距離は五メートル近く広がった。通常の徒手での戦闘ではありえぬ間合いだ。
 ケイはフットワークを踏むのをやめ、拳を上げて構えをとった。
(何、この感じ……)
 戦いの際に慄くと書いて、戦慄と言う。
 ケイは今までの戦歴で、この夜の戦いで、幾度となくそれを感じたことがあった。
 感じたつもり、だった。
「いたいけど」
 アイは構えを解き、やや前のめりになった姿勢で呟いていた。

「当たったからって、死ぬようなものじゃない」

 ぞわり
142名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:50:14 ID:D6tvSn7m
 今の、この感じに、この寒気に比べたら。
 今までに感じたそういうのは、ちょっと肌寒い秋風程度のものだ。
 この感覚は、例えるのなら、極寒の極地に吹きすさぶ嵐だ。
 人間の生存など本来許さない、清冽で峻烈な大地の果てに立たされたかのような。
 アイは前髪をかきあげて、左右に分ける。
 汗をぬぐうためだったのか、髪が乱れたからなのか。
 その時にケイの目は、アイの赤くなった額を見た。
(まさか)
 額で受けたのか。
 ならば打撃が効かなかったのも、あの感触も解らないでもない。
 それだけならば、それほど驚くべきことではない。
 額の骨は、人体の部位では踵に続いて硬い。
 ボクサーでもインファイターが時に相手の打撃を潰すのに、そこで受けることがある。
 姿勢を低くしたら、当たり前のように自然に当たりもする。
 むしろ、近接ではそのような場合が大半だろう。
 しかし。
 しかし。
 しかし、この子は――
「どう来るのか解っていたんですけどね」
 するり、と歩み寄ってくる。

「見えてない打撃をわざと受けるのは、ちょっと勇気がいりました」
「見えてない――?」

 ケイの表情が訝るものになったのを見たからか、アイの顔に浮かんだのは、今日で初めて見せる笑顔だ。

「見えない攻撃は怖いですけど。怖かったですけど。だけど、」

 なんてことはなかったですね――。
 両手を下げた姿勢で、アイは進んで来る。
「……ッ」
143名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:51:56 ID:D6tvSn7m
 ケイは震える足に力を籠め、それから両手をキツく握り締めてから、緩めた。
 無防備に見えるアイが、とてつもなく危険であると彼女は悟っている。
 それは直感としか言いようがなく。
 ただ、疑問がひとつだけわいていた。
(見えてなくて、どうやって捌いてた?) 
 殺気を読むとかだろうか。
 漫画でよくあるような。
 馬鹿な。
 いや、しかし。
(そうだ。この子のハンドスピードは私より遅い――)
 遅くありながらも、間に合っている、ということに彼女は気づくべきであった。
 もっというのならば、仮に同じ速度であったとして、先に打たれた拳を、後から出した手で防ぐなどということはできるものではない。技術がどうこうではなくて、物理的に間に合わないのだ。
 ならば。
 腕は、相手より先か、少なくとも同時に動いてなければ、捌けないはずではないか。
(この子は、私の動きを読み取れている……)
 ボクサーでもないのに。
 いや、一流のボクサーでもなかなかできないことを、この自分とそんなに変わらない、下手したら中学生程度の少女が可能にしているのだ。
 とある番組で、ある世界チャンピオンクラスのボクサーの動体視力を測定したことがあった。
 その結果は意外なことに、一般人とさほど変わらないレベルであったという。
 それなのに彼はボクサーの拳を受け、回避、カウンターを合わせられるのである。
 しかし、分析するとそれがどうして可能なのかが解った。彼は目で拳だけを見て避けているのではなくて、相手の重心の移動の床をこする音を感じ取り、それに合わせて動いているのだ。
 攻撃の際には重心を移動させるというのはあらゆる格闘技、武術で共通している要素である。
 人間にとっての最大のエネルギーは自分の肉体という質量であり、それを効果的に使うには重心移動をしなければならない。
 道理である。
 ならば、重心の動きを見れば、相手の打つタイミングが解るはずだった。
 そのボクサーは、プラスしてリズムを把握している。
 動きには一定のリズムがあり、一ラウンド目は相手のそれを掴むのに費やし、二ラウンド目からはそれに合わせて攻撃をする。
 実際はほとんどのボクサーは同様のことをしているはずである。人間の反射神経や動体視力では及ばないレベルでの打撃の攻防をしていれば、必然、そのような技術に至る。
 しかし、それらは未だ多くが感覚的な領域であった。
 一流のトレーナーを擁する一流のジムであるのならばともかくとして、そのような感覚的な技術を鍛えるメソッドは、場末のジムではもっていないというのが現状である。
 だが、そのような一流のボクサーにしても、どのような攻撃がどういうところを狙っているのかなどまでは……。
 アイの足がようやく止まった。
 三メートル。
 あそこは。
(あと一歩か)
 だらり、と彼女も両手を下げた。
 あそこは。
 この距離は。

(あと一歩で、お互いを攻められる距離だ)

 アイがどのような攻撃手段を持っているのかなどは解らない。
 解らないが、ケイにはそれが確かな事実なのだと思える。
 そして向こうも、自分の最長射程が把握できているのだ。
 どうやって把握したのかは解らないが、それも確かだろう。
(よくわからないけど、動きを読まれている以上は――)
 読まれない動きをするか、そうでもなければ、読まれても捌けない速さを出すしかない。
 ならば。 
 そうするならば。
 とんとん、と二度ほど跳ね、また落ち着く。
(最速で、一番リーチの遠い打撃を――)
 打つ。
144名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:53:28 ID:D6tvSn7m

(まるで居合いのよう)
 呼吸を整えて、脱力した状態に至ったケイを見ていて、アイはそう思う。
 古武道の身体操作技術は、スポーツ格闘技など及ばない領域にある、などと自称武道家がほざいていることが、どれだけあてにならないかがよく解る。
 こと打撃の攻防において、近代ボクシングは古流など及ばない部分を持っている。
 その物理的な速さ、駆け引き――生半な型稽古を続けているだけの武道家では、能く抗し得る術などあるまい。
 結局、どのような技術を持っているのかではないのだ。
 どのように技術を使うのか、それを状況から選択し、組み立てられる者こそが強いのだ。
 そして、目の前の相手は最適の選択をとった。
 ならば自分もそうするまでだ。

 ……やがて、

 夜の武道館にあるのは、二人の呼吸と、秒針が時間を一秒毎に切り刻む音だけとなった。
 その呼吸の音すらもやがて鎮まり、互いの距離からは耳に届かなくなっている。
 時計の音は、元より目の前の相手に集中している二人の耳からは除外されていた。
 今、この瞬間、ここにあるのは二人だけであった。
 アイとケイ。
 互いに学んだ技も、ここに至った経緯も違う。
 だが、今の二人にとって、もっとも近しい相手は――
 アイにとってケイであり。
 ケイにとってアイであった。
 アイの感覚の全てはケイの全てを掴むために向けられ、ケイの全ての神経はアイの全てを捉えるために向けられていた。
 今の二人ほど、お互いを理解しようとしている者たちは存在すまい。
 太極図の陰陽であるかの如く、二人は一つであり、この世界の全てでもあるかのようだ。
 宇宙の調和を体現しているかのようであった。
 しかし、
 その時間は、あるいは永遠にも等しくも刹那に近い、時間にして二十秒にも満たないごくごく僅かなものと終わった。
 微笑のまま、何かを諦めたかのように眼差しを細め、アイの右半身が前へ出た。
 
 ケイの拳が上がった。
 左。
 二メートルの距離を一気に潰す、飛び込むような左のジャブだ。
 最速の、下段から跳ね上がる鞭のような軌道を全身の脱力状態から繰り出す。
 狙うのはジャブの一撃で相手を打倒できる部位――顎。
 防御など考えずに出した最速の拳。

 アイは右半身から、左半身に前へと出る。
 合気道の攻防は、半身からの入り身である。
 流れるような動きで、彼女は動いた。
145名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:55:42 ID:D6tvSn7m
 ケイは左の拳が伸びきった時、あるはずの感触がなかったと――空を貫いたということを知った。

 同時に。

 アイの両手は、ケイの胸の高さにまで上がっていた左手首を握っていた。
 まるで、そうなるのがあらかじめ決まっていたかのような自然さであった。
 
 ケイが空振りを自覚したのと自分の手首を掌握されたのに気づいたのは同時であり、左肘が上に向けられるのと背筋が逸らされて爪先立ちにされてしまったのは、その次の刹那のことであった。
 
 アイはケイの左手を掴み、そこから剣を振り上げるように手を上げながら反転していた。
 そのままケイの背中に回りこみ、右手だけで持った状態になる。

 そして――

 ケイの視界に武道館の照明が入った、と思った瞬間、白い光が全てを埋めた。


 合気道の基本中の基本技・四方投げ


 彼女がその技のことを知るのは、目が覚めて、自分の敗北の映像を見せられた時にである。

 

 ……かくて戦いの夜宴は終わり、夜艶へと続く。


 
 ◆ ◆ ◆ 

んですけど、とりあえずここまで書いたので投下しました。
…投下中、いつ規制くらうかドキドキでしたわい。
やっぱり二年ぶりくらいのバトルだから、読んでもつまらんのかなー。
お粗末。
146名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 01:15:18 ID:udPg3tRT
知識SUGEEE!!!
なんて勉強になる正統派格闘小説だ。
良ければ連載してくれないか!?いやして下さいお願いします
147名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 01:24:48 ID:D6tvSn7m
あ、どうも。
あと作中の技法、戦法、それと団体などはことごとく架空のものと思ってください。
ボクサーの打撃をパシパシ捌く合気道家がいたら、そいつは意拳歴十年とかです。きっと。
合気道は瞬間芸なのでコンビネーションに対応する技術体系ではないのです。
ボクシングもリズムとかでパンチのタイミングを計るとか、そういうのはふつーに教えていると思いますが、作中の都合でこういう風にしました。
お気を悪くされたボクサーがおられたら謝罪します。
小説としてのリアリティとはリアルそのまま書くということではなく、読者と作品を繋げることだと思っていますので、基本的に書かれていることは「それっぽい嘘」です。

当然日本ボクシング協会のことも嘘ですよ?
ほんの五、六年前は「女子ボクシング」で検索したら日本ボクシング協会に対する怨嗟ばかりだったなんて忘れてしまいましたわよ?

連載は確約できんです…思いつき設定で思いつきに指の遊びで書いたので。
あとエロいシーンにつなぐのが大変だし。エロいの好きなのに。特に百合とか陵辱とか目隠しプレイとか。
148名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 18:38:51 ID:BynnVO2q
結構実力あるのに、何であんなにエッジ追い出そうとするの?
149名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 19:11:59 ID:sHdKvwiz

面白かったよ
なんかまた思いつたら書いとくれ
150Night Party :2008/11/07(金) 00:30:07 ID:IG/V8DmK
気が向いたら、そんなにエロくないけどエロシーンいれたりして続き書きます。

あと参考なまでに聞いてよろしいですか?
どんな格闘技が出てきたらみなさん嬉しいんでせう?
というかこの板のスレではそういうの聞くのがそもそも空気よめてなくて、とにかくエロ特化させた方がいいんですかね?

では、いずれまたー。
151名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 01:55:42 ID:5vE2krsn
失礼します。
The edgeの続きを投下します。

>>150Night Partyさん
出て来て嬉しい格闘技…私は壮絶バトルになるものなら何でもです。
プロレスとかムエタイとか。
しかし、本当にこのスレの方々は格闘技にお詳しいですね。
参考にさせて頂きます。
152The Edge ep.10-2  1/10:2008/11/07(金) 01:56:58 ID:5vE2krsn
1.

竹竿に括り付けられる瞬間、悠里は手足が千切れるような痛みを覚えた。
砕かれた手首足首では釘で打ち付けられるようなものだ。
しかも他の全員が衣服を纏う中、一人だけ裸体では屈辱もひとしおだった。
大股開きになった秘部が衆目に晒される。
素肌を晒すぐらい何でもないが、敵陣で見世物にされるのはまるで意味が違った。

「いい格好ね、女王さま」
馬鹿にしきった表情の娘たちが悠里を取り囲む。
楓との立会いの際にも見た顔だ。恐らくはこの道場の古参だろう。
「ははぁ…えらい睨み様。きつう縛っとかな、解けたら噛み殺されそうや」
「大丈夫よ、その時は師範呼べば。こいつじゃ絶対勝てないし」
女たちは嘲り笑った。悠里は目を曇らせる。
否定しようがなかった。
単に実力で負けたのとは訳が違う。
後半に楓が迫ったとき、悠里は反撃を放棄して無意識に顔を庇っていた。
自分を潰そうとする楓の気迫に圧し負けて。
子供が母親の折檻に抵抗できないようなものだ。
力が及ばないのとは別次元の敗北。悠里はそれがショックだった。

女の一人が集まってきた門下生に呼びかける。
「皆も知っての通り、この女は無謀にも師範に戦いを挑んで、負けたの。
 知らない奴なんていないよね?総合格闘技の女王・悠里よ」
彼女は悠里の太腿を叩いた。
「…で、ココでは公には『総合は敵だ』って言わせてるけど、居るでしょ?
 こいつに密かに憧れてる奴とか。私だって、一度は思ったりもした。
 だから今日は、その幻想を徹底的に砕くよう師範から仰せつかったわ。
 こいつも人間なんだってね」
女はラテックスの手袋を嵌め、さらに瓶から薄青い脂を掬いとる。
「お尻だけでイけるように、徹底的に開発してあげる。 きんもちいいよぅ?」
女は笑いながら菊輪に膏を馴染ませ、ずぶりと中指をねじ込んだ。
「うわ、ほ、ホントにお尻のなかに入れてる…!」
「…信じられない…!」
指を入れただけで若い門下生が騒ぎ始める。
悠里は間違っても感じている様など見せられないと理解した。
剥き出しの陰部はまだぴっちりと閉じている筈だが、それが尻穴の弄くりで開いたりすれば…。
153The Edge ep.10-2  2/10:2008/11/07(金) 01:57:49 ID:5vE2krsn

「ん、腸壁がヒクヒクしてるねぇ。どーしたの?」
女は中指で腸をなぞりつつ嘲る。
悠里はクールな表情を保っているが、その視線は落ち着きなく壁の木目を彷徨っていた。
上手い。そう認めざるを得ない。
たかが女の指一本、しかし細長いそれは驚くほど深くまで届いた。
関節部が敏感な尻穴を刺激し、指の腹が貼りついた奥の粘膜を一枚ずつ剥がしていく。
「随分ほぐれてきたねぇ」
女は奥をさすって笑う。そして一旦中指を抜き、次は人差し指も加えた二本を深く沈めた。
悠里の腰が浮く。
一本では違和感しかなかった指が、二本になると質量を持つ。
内臓をぐうっと押し上げられる感覚が腹を襲った。
「こっからキツいからね。ぱっくり開かれるからって、漏らしたりしないでよ?」
女はそう言って指を開いた。
にちゃっ。ひどく粘り気のある音が立つ。いつのまにか、何らかの液が腸内に生まれている。
そして二本指が腸の中で踊りはじめた。
ある時は二本の質量がそろって穴深くを弄り、ある時はバラバラに腸を押し開き。
にちゃっにちゃっにちゃっ。
隠微な音が淡々と繰り返される。

見た目には実に単調だ。どれだけの者が理解できるだろう。
悠里の体内がまさに今、じっくりととろ火で炙られている事を。
 (くっ……!)
悠里は心中で舌打ちした。縛られた足首をぎしぎしと鳴らす。
鎖骨とアバラが悲鳴を上げるが、わずかでも腰をくゆらす。
女の指入れは巧みすぎた。痛みで紛らわせなければ声を上げてしまうことは間違いなかった。
肛門を擦られる。腸内を開かれる。
言葉にすればたったそれだけの事が、とんでもなく気持ちいい。
奥で指を曲げられた。ぐじゅうっと水音がする。
腸液が分泌されているのはもう疑いようもなかった。
粘った音を聞かされ続け、中がどうなっているかを想像するとぞくぞくする。
 (逃げなきゃ…こんなの、ずっと受けてたら…!)
指が抜かれるたび内腿にスジが立つ。
頭上高く縛られた足が曲がっては伸びる。人の目がそれを追う。

「ねぇ…何かあの人、感じてない?」
誰かがそう呟くと、視線が一斉に女の部分へ集まった。
悠里は唇を噛む。
「あ!おっぱい立ってる…!」
「見て、クリちゃんも皮捲くりかけてるよ、やぁだ、本当に感じてるんだ!!」
きゃあきゃあと囃し立てられ、悠里は背筋が凍るように恥じ入った。
154The Edge ep.10-2  3/10:2008/11/07(金) 01:58:44 ID:5vE2krsn

肛門とて性器だ。人間には『肛門期』という、そこで快感を得るための時期さえある。
これだけ刺激されて昂ぶらない訳がないのだ。ましてや、感覚の研ぎ澄まされた肉体ならば。
女達はそれをよく知っている。知っていてさらに追い詰める。
一人は悠里にオイルを塗りたくり、首筋や腋といった性感帯を包むように揉みほぐす。
一人は興奮でしこり始めた乳首を指の輪で扱き上げる。
ちょうど乳児が吸い付くのと同じ感触。生理的快感にピンクの蕾は痛々しいほど屹立してゆく。
誰の目にも疑いなく、悠里は女になりつつあった。

「ねぇ?お尻の奥かき回されるのって、すっごくイイでしょ?」
女はさも可笑しそうに笑い、きつく締めつける直腸を乱暴に捏ね回す。
紅い粘膜が指の間から覗くほどの激しい攪拌。
見るだけの者には、どうして悠里が何かを振り払うように髪を振り乱し、どうして吊り下げられた腰が
たまらなそうに縮み上がるのか理解できなかった。
ただ、変化が起きているのは解る。
「あ!」「…ッふ」「く、ぅ゛!」
殺し損ねたつらい声が悠里からかすかに漏れ、汗が身体を伝う。
ねっとりとした生々しい汗。
首筋からのものは乳房を迂回して脇腹を流れ、膝裏からのものは美しい脚を撫でて床に滴り落ち。


さらに半刻ほど経ったころ、和室には冷ややかな笑いが広がっていた。
「きったない悲鳴ねぇ」
娘達が獲物の顔を覗き込んでからかう。悠里は悔しげに眉を顰めている。
ぶち、ぶりっ。
指が引き抜かれる瞬間、悠里の直腸は放屁を生んでいた。
『出来上がった』のだ。
赤らんだ肛門は指で刺激されただけでぽっかりと開き、黄色い液を噴きこぼす。
一切触れられていない秘裂も門渡りへ蜜を伝わせている。

気付けば、たかが指で穿られただけだというのに、女帝の体は夥しい汗に包まれていた。
それでも肛虐はまだ終わらない。
むしろここからが本番なのだと、尻穴へ宛がわれた質量が訴える。
冗談のようなサイズ、挿れる側への配慮が微塵も感じられない反り、醜悪なイボ。
女を苛むために造られたディルドーだ。
 (――い、嫌あぁッ!!)
悠里は蟻地獄を這い登る気分で脚をばたつかせる。
しかし現実は残酷に、彼女の可憐な蕾へと激痛をもたらした。
155The Edge ep.10-2  4/10:2008/11/07(金) 01:59:38 ID:5vE2krsn
2.

衝撃的な光景だった。
すらりとした脚の付け根に、目を疑うような極太が出入りしている。
秘裂にでさえ遠慮したい大きさが慎ましい蕾を押し広げている。
しかも手足を縛り上げられる歪な格好のために、強烈な腹圧までかかっているはずだ。
それを受けてなお悠里は耐えていた。
つらいのは一目で解る。
何しろ皺もなくなるほどの極太だ、それが突き込まれるとなると腿の強張りが尋常ではない。
張型が抜かれる際には引きずられて赤い腸が覗き、突きこむ際には尻穴周辺の肉が陥没する。
抽迭のたびに潤滑液代わりの白濁した腸液が滴り落ちる。
 どちゅっ。  どちゅっ。  どちゅっ。  どちゅっ。
重く湿った蹂躙。それにも悠里は泣きを入れない。
責め手など一度迎え入れただけで錯乱したらしいのに。
門下生は彼女の強かさに驚き、また瑞々しい身体に見惚れた。
「あーあ、もう!こっちの手が痺れちゃった」
ディルドーを操っていた娘が眉をしかめた。張型は巨大なだけに重量も相当らしい。
ここは悠里の粘り勝ちだ。
ふぅっ。突き込みが止まり、悠里は心底安堵した様子で息を吐く。
しかしすぐに次の娘がディルドーを掴む。
僅かな休息は一呼吸で終わりを迎えた。

「悠里さまってやっぱり頑固なのね。それなら、こんなのはどう?」
彼女はゆっくりとディルドーを送り込んでゆく。
急に突き込まれるのかと身構える悠里を嘲笑うように、ゆっくり、ゆっくりと。
そして巨大な質量は、直腸の最奥までを埋め尽くして止まる…
…はずだった。
しかし、奥まで埋め込んでも娘は力を緩めない。
悠里の細い腰を抱え、膝頭でぐりぐりとディルドーを押し込む。
「い、痛っ…!ち、ちょっと、もう…入、らない…!!」
さすがに悠里が非難の声を上げる。それでも娘の力は緩まらない。
押し出そうとする力と捻じ込もうとする力のせめぎ合い。
それは往々にして攻めの勝ちだ。
悠里が息苦しさに息を吸った時、ついに凶器の先は『そこ』にもぐり込んだ。
156The Edge ep.10-2  5/10:2008/11/07(金) 02:00:24 ID:5vE2krsn

奥まで達したはずの張型がさらに捻じ込まれた瞬間。
「う、うあおおおおぉあ゛!!」
悠里の口から潰れた悲鳴が迸った。額に汗を噴き、目を恐ろしいほどに見開いて。
何事かと門下生達は目を見合わせる。
「見つけた…『ここ』ね?」
責めている娘だけは一人得心し、ゆっくりとディルドーを引き抜いた。
そして一息つかせ、角度をつけて捻じり込む。
「おあ゛ーーー!!あ、あ゛ーーあぐあぁッッ!!」
悠里は再び呻きを上げて暴れる。いよいよ場は不可解な空気に包まれた。
ただそうした理解を超える状況には、必ず一つの事実が付随する。
悠里が『それを嫌がっている』。
つまりはそれだけ効果的ということだ。

「女の子の前立腺、とでも言うのかな。子宮裏、このディルドーの反りと長さがあって初めて
ほじくれる窪みよ」
娘は語りながら、完全に道筋を知ったかのように同じ角度で剛直を捻じ入れる。
悠里の方はもうたまらないらしかった。
「お、ぁおおおおおお゛!!!」
滅茶苦茶に腰を跳ね上げ、縛り上げられた足首を折れそうに反らせる。
秘裂からはついに蜜が溢れ出した。
「ねぇおっさん、あそこ、ちょっと開いて見てきなよ」
娘の一人が遠くの男に声をかけた。
顔中が脂ぎり、髪も不潔、さらに挙動不審。冴えないタイプの男だ。
彼は特に熱心に悠里を眺めていた。
「あ、お、おお、お……れ?」
彼は戸惑って辺りを見回し、周囲の者に蹴り出される。
そして吊り下げられた悠里の前に立つと、おもむろに秘部に顔を擦り付けた。
「…う、うあ、綺麗…でもすごい、に匂い……」
彼は犬のようにそこの匂いを嗅ぎ始める。悠里が顔を引き攣らせた。
「うわ、きっもい。あたしの手ぇ触んないでよ?」
娘が苦笑しながら、悠里への肛虐を再開する。
すぐに悠里の秘唇から蜜が溢れ、それを見た男は無遠慮に割り開いて中を弄り出す。
悠里の腰が跳ね上がった。
157The Edge ep.10-2  6/10:2008/11/07(金) 02:01:13 ID:5vE2krsn

「あんな太いのでお尻グチャグチャにされて、キモ男にアソコ嗅がれるなんてさ、どうなんだろ?」
「どうって…ねぇ?」
「気持ちイイんじゃない?ほら見なって、あの女前後から挟まれて涎垂らしてる」
「涎どこじゃないよ、あたし見たもん。おっさんが奥のほうに指突っ込んだ時、あいつ白目剥いてたよ」
「あ、わかるわかる!お尻からもあそこからも、とろっとろ本気汁漏らしてるし」
「まぁ逃げらんないし可哀想だとは思うけど、正直いいザマね。私のダチもアイツにやられたからさ」

門下生の嘲りを一身に受けながら、悠里は陸に上がった魚のようにのたうつ。
後孔に剛直を迎え入れてどのくらいになるだろう。
幾度も限界の排泄感に駆られ、一度も開放を許されない。
もはや直腸は剛直を迎え入れるだけの器官となりつつあった。
容赦ない責めが体中から汗と愛液を搾り出す。
「どーぉ?お尻突きまくってるのが壁越しにわかるでしょ」
尻を嬲る娘が男に呼びかけた。
「ぐにぐにしてる…。ここ、こ、こんなに、硬…」
男は悠里の秘唇を舐めまわし、ふと鼻に当たった陰核を指で潰す。
「あ、そこは…っ!」
悠里の膀胱に串刺しにされるような痛みが走った。
腰を駆け巡っていた甘い電流がその一点でスパークする。

いくしかなかった。それ以外に成す術が無かった。
とろぉっ。
悠里の脳に蜜の零れるイメージが浮かぶ。
負けだ。衆人環視の中、尻を穿たれ、見知らぬ男に秘部をくじられて達してしまった。
これほどの屈辱はない。

女の残念そうな声が聞こえる。
「もう、クリなんて摘んだら簡単に逝くでしょ!楽にさせんの、解らないかなぁグズ!!」
女は怒りに任せ、角度をつけてディルドーを叩き込んでくる。
「ア゛あぁっ!!!」
すごい声が出て膀胱が弾力を失った。
「あ、あ」
男の驚いたような声で、悠里は尿だけでも逃がせたことを知った。
158The Edge ep.10-2  7/10:2008/11/07(金) 02:02:45 ID:5vE2krsn

軽い絶頂と失禁で体力を使い、悠里は力なく項垂れる。その彼女を門下生が取り囲んだ。
「ちょっと、人の弟弟子に何ひっかけてくれてんのよ!」
彼女らはそう凄んだ。
さっきまでその男を散々馬鹿にしていた癖に。悠里は彼女らを睨み返す。
「何よ、その眼?」
門下生はそれが気に障ったらしい。一人が屈んで何かを拾うと、おもむろに悠里の鼻を摘み上げた。
「んくっ!」
元々呼吸の乱れていた悠里は苦しさに口を開いてしまう。その口に何かが咥えさせられた。
細身のディルドーだ。
「これから、何されるかわかる?」
女が尋ねる。ディルドーを咥えた口から震える息が漏れた。
「ビビってるって事はわかってるのね。そ、この細いので喉奥クチュクチュしたげる。
 えづいたり、しゃくりあげたり、たっぷり楽しませてね」
女は満面の笑みを浮かべた。
目を見開く悠里を面白そうに見つめ、ディルドーを唇の奥へと挿し入れてゆく。
く、くっとディルドーが二度ほどつっかえを乗り越えたとき。
「こおっ!」
悠里が声ではない声を鳴らした。
さしもの彼女にも未知の恐怖なのだろう、長い睫毛が震えている。
「あ、くれぐれも言っとくけど、戻して道場汚すのだけは勘弁ね。
 もしやったら二孔にゴムバイブ突っ込んで、チビ共の『巻き藁』にしてやるから」
女は言い、表情を消してディルドーの尻を強く握った。
159The Edge ep.10-2  8/10:2008/11/07(金) 02:03:39 ID:5vE2krsn


「ほら、ぼーっとしない!稽古よ稽古!!」
姉弟子が声を張り上げる。その声で悠里を見ていた門下生が一斉に目を逸らした。

「ぉ゛!おおろ゛ごおおお゛れぇ!うぐをぇええ゛っっ!!!」
顎を掴まれたまま喉奥をかき回され、悠里はおよそその清楚な顔からは想像できない
えづき声を響かせていた。
真っ赤な目からは涙が伝い、唇からは豊かな胸を覆い隠すほどの黄色い汚濁が毀れ続ける。
その上で尻穴への突きこみも加わっていた。
「あら?何か言いたいの?」
悠里のえづきが規則的なことに気付き、口からディルドーが引き抜かれる。
「お、おしり、おしりちょっと閉じさせて!!もう何かおかしいの、内臓が、溶けて落ちそうなの!」
悠里は息を整えることさえ二の次でまくし立てた。
本当に切羽詰っているように見える。
だが責め手に同情する者はいなかった。
「なに悠里さま、ケツアクメ迎えすぎて頭馬鹿になっちゃった?何言ってんのかわかんないわ」
すぐに喉奥への蹂躙が再開される。
「ぐぶっ!!」
急な呼吸の妨げで悠里は鼻水が噴き出した。それをまた笑われる。

「いつまで見てるの、さっさと稽古に戻りなさい!」
姉弟子は歳若い少女を戒めた。
他の門下生が下半身を屹立させたりしつつも鍛錬を行う中、彼女だけが悠里を凝視している。
いいんだろうか。彼女は考えた。
このままでいいんだろうか。
悠里は本当に凶暴なケダモノなのかもしれない。
そうだとしても、眼前のこれは檻の獅子に槍を突き立てて嬲り殺すようなものではないか。
もう十分だ。今すぐ悠里の縄を解き、解放してやるべきだ。
自分が武道をやろうと思ったのは、こういう時に強さを見せる為ではないのか…?
「紗江、聞こえないの!?」
姉弟子にどなりつけられ、紗江と呼ばれた少女はびくっと身を竦める。
そしておずおずと型を作った。
そんなもので一体どんな強さが得られるというのか、わからないままに。
160The Edge ep.10-2  9/10:2008/11/07(金) 02:04:38 ID:5vE2krsn
3.

「躾けられたもんやなぁ」
楓は布団に横になった悠里を見下ろして言った。
悠里は入浴を終えたばかりで身体を桜色に上気させている。
だが顔色はひどく悪かった。満足に寝ていないため、虚ろな目をしている。
「ここもようほぐれて」
楓は悠里の後孔に指を差し込んだ。
そこは指三本が楽に入るほどにふやけ、息めば奥からいくらでも白濁が溢れ出る。
寝る間もなく尻穴だけを犯され、嬲られた。
男の上で3度目の朝を迎えたとき、尻穴も立派な性器だと教えられた。
だが、犯されたのは後孔だけだ。全身を嬲られもしたが、肝心の膣は放っておかれた。
マグマのように滾る空洞を。
楓はその全てを知っているらしかった。悠里の身体中を撫で、最後に秘部に触れる。
「声ぇ、出してもええんよ」
くちゅりと指を差し込み、蠢かす。
  ――くそぅ、上手い…!…頭が、あ、とろけちゃう…。
悠里の顔は快感に歪んだ。
「あんたはメスとしては可愛い女や。これからはウチの愛奴として飼うたる」
楓が膝立ちになり、何かを股座に着けていた。
それは本物の男根と見紛うほどリアルなペニスバンド。いや、今の悠里にはそれも本物だった。
ぐちぃっ。
楓が押し入ってくる。
悠里は恐怖した。放置され続けた秘裂への浸入はあまりに心地よかった。
無意識に予見したのだ。心の奥底まで犯され、支配される事を。

楓は悠里の疲れた身体を恋人のように抱いた。
悠里はそれに抵抗できなかった。
心地が良いだけではない。心が、抗おうとしない。
正上位でしばらく腰を打ち付けあったあと、楓は悠里の伸びやかな脚を肩に乗せた。
  ――折られる!!
悠里は身体を硬直させるが、楓はそのまま悠里の脚をまとめ、横に倒した。
そしてより深く入り込んでくる。
思い過ごしだ。楓の一挙手一投足に臆するあまりの。
  ――怖がる…?この、私が…?そんな、馬鹿な。
腰を捻っての性交に喘ぎながら、悠里は浮かんだ考えを否定する。
だが、ならばなぜ、自分の身体は抵抗しようとしないのか。
161The Edge ep.10-2  10/10:2008/11/07(金) 02:05:18 ID:5vE2krsn
「あ、あ、あ、ああ、あっ…あ!」
悠里は、いつしか自分が唄うような喘ぎを発している事に気がついた。
ぐちゅっぐちゅっと楓が突きこむたび、背筋を凄まじい電流が走る。
踊らされていた。
「ふ、ああ、ふああ、んは…うっ!!」
快感に足が宙を蹴る。もっとしっかりしたものが欲しくて、楓の腰へと脚を巻きつけてしまう。
楓がふっと笑った。
膣の奥までを強く貫いたあと、楓は快感に打ち震える悠里の腰を掴み、自らは動きを止めた。
「あぇ…?」
悠里はいきなり快感の満ち干きが途絶えて狼狽する。
そして数秒後、はっと気がついた。

「……いかせて欲しいん?」
楓が訊く。悠里は答えない。
「…いかせて、ほしいんやろ?」
ぐぐっと楓が腰を押し付けた。悠里の腰が震える。
楓の瞳が悠里を映しこみ、悠里は凍ったようにそれに捉えられていた。
そして、楓の手が悠里を滑り上がる。腰から、胸へ。胸から、首元へ。
首元に楓の手が添えられる。
敗北の時が思い出され、悠里の身体を戦慄が突き抜けた。
それは圧倒的な力の恐怖。
かつて、カーペントレスと呼ばれた女性が、数多の相手に刻み込んできたもの。
それが自分に降り注いでいる。
「ううっ!」
頭が焼けつくように感じた瞬間、彼女の腰を痺れが巡った。
犯されて極まっている。身体が楓に服従している。
  ――こんな。こんなことって…
楓が数度腰を使った。
暖かい肉の感触が太股を撫で、身体の底が貫かれる。
脳が快感に蕩ける。
「……………お、おねがいです……。
 ………い、いかせて、くだ…さい………」
悠里は涙ながらに懇願した。
もう、そうするしかなかった。
楓は満足そうに笑みを浮かべ、華奢な身体を抱え上げる。

はっ、はぁっ。
吐息が部屋に木霊する。
小さな影が大きな影に喰われている。
悠里の脚は、楓に絡みつき、緩まって、

「んんっ…!!」

やがて、力なく投げ出された。
162名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 06:04:07 ID:XyXgRZ56
おおう…住人の意見を取り入れてくれたのかまさか悠里の堕ちを描いてくるとは…

堕ちのエロさと女同士のせめぎ合いを両立させてなおキャラ性を保つのは大変だろうに…

エッヂの作者さんは挑戦者だな
乙&GJ!
163Night Party :2008/11/08(土) 00:18:13 ID:MmcYQQQ2
エッジの人、乙でした。
しかしプロレスとかムエタイっすか。
獏先生風にすっかなあ。
まあ壮絶バトルというと色々と考えられますが、さて。
164名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 08:28:33 ID:B/73R+ZM
>>163
いや実はホントに見たいのは、
単純に本能の赴くままの素人女の戦いだったりするw
これは書くのむずかしいだろうなw
165名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 01:43:13 ID:vfCnqM/4
そういえば武器道具なんでもありの殺し合いは今までなかったね
なんとなくバトル=格闘ってイメージになってるのか
166名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 04:10:04 ID:J1kaafCW
おおっと、エッジがきてる。今回も内容がキテル。GJ

失禁シーンが淡白なのはいつもの事として・・・
悠里が恐怖と快楽に負けて、体だけでなく心まで完全に壊されて完全敗北
お美事!お美事でございます!

どう立ち直って行くのか次回以降もwktkっすね
167名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 15:44:59 ID:lJDy0FgP
>>165
その辺はまたちょっと性癖が変わってくるのでなかろうか
俺素手格闘はアリだけど武器格闘はダメだ
168名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 19:42:54 ID:Qj09XG3z
短刀二刀流の褐色ベリーダンサーとかが重戦士の異名を持った、
大剣やら大斧、大鎚で武装する甲冑大女と対決するのとかは見たいけどな。

序盤はダンサーが舞うような動きで大女を翻弄するが内心は相手の超重兵器にドッキドッキ
遂にダンサーがしなやかな肢体を絡ませて脇腹の装甲の隙間に短刀を突き立てる!

しかし大女は無言のままびくともしない。
鎧頼みなだけではない鋼の肉体はやわな短刀なんぞを弾き返してしまっている。

そこで初めて大女の顔に浮かぶ獰猛な獣の笑み。

「弱いね〜アンタ。蚊が刺したかと思ったよw」

そして絡みつく相手をそのままに抱きしめるようにベアハッグ。
万力の力と分厚い装甲に挟まれて悶絶するダンサー
そして腕を開いてぐらりと倒れようとする所に…

野球のフルスイングのように振るわれた鉄の塊が叩き込まれる!

ギュルギュルときりもみしながら吹き飛ばされるダンサー!
手数多く攻めたてたダンサーに対して大女は僅か一撃で勝負を決めたのであった…。

とかどうだろう?
169名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 00:27:09 ID:KnqG+sbo
武器を使う必然性が無いというか、短刀刺さらない辺りに悪い意味での厨っぽさが…w
それなら、刃物じゃなくて鈍器を使ったらどうだ?って思うのは俺だけか?
170名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 14:44:36 ID:3o4lOXbx
なにこのスレつまんねー
171名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 18:19:37 ID:bjmby2M9
>>164
ちとスレちなんだよなあ…。
素人女同士の対決ってのは。

あと素人同士がマジで潰しあうと、なんか首絞めて終わるとか聞くが真偽のほどは知らない。
172名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 20:37:49 ID:opGlPTho
素人女同士の対決がいつからスレチになったのかと小一時間
173名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 22:33:04 ID:RpYvTozu
>>1
174名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 00:15:16 ID:Y++mRJRb
あらまw
すまんこって
じゃ同じキャットファイトでも一騎当千的なノリが必要なのね
175名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 01:37:19 ID:slvjYTeM
いやま、身体能力はばか高いけど素人なヤンキー女とかの戦いとかはありかもしんない。
176名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 01:49:25 ID:9VBhBDaY
喧嘩慣れしたヤンキー娘じゃ駄目なのか?
思いっきりド素人同士がバトっても壮絶とはかけ離れた展開にしかならんからなぁ…
「当っても大して痛くないな」とか「普通に避けれるだろ、それ」みたいなキャットは見てて興奮しないしなぁ

というか、スレチかどうかのギリギリのラインを模索しなくてもいいだろって思っちゃうんだがw
177名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 16:57:21 ID:+WrwjHQS
アイデアをいただいてみました!
喧嘩慣れしたヤンキーと武道一徹少女のバトルとかはどうでしょう?
初めは圧倒していた武道少女が喧嘩特有の奇襲攻撃で倒され、性的な陵辱を受けるが、圧倒的優位に油断したヤンキーの隙をついて逆転。武道一徹で性的知識に疎い事から加減を知らない残虐な性的陵辱を加えるとか
178名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 16:59:00 ID:+WrwjHQS
すいません。sage忘れました…
179名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 18:57:58 ID:RrCBFUt2
まずは書いてみてくれ
180Night Party:2008/11/16(日) 21:28:38 ID:dpsDWR36
>>177
それは面白そうですねえ。
とりあえず上の続きちょっと書いてみました。
本番までいってませんが。
ちょっとだけ。
30分あたりから投下します
181Night Party:2008/11/16(日) 21:33:21 ID:dpsDWR36
「――疲れた」
 用意された部屋に戻り、アイはベッドに寝転がる。
 稽古で乱捕りなどはよくやったが、真剣勝負がこれほどまでに消耗するだなんて……。
 正直な話、もう二度とやりたくないと思った。
 そうもいかないのだけれど。
 それでもアイはもうしたくないと思う。自分は戦いには向いてないのだと改めて思った。
(漫画にでてくるヒロインみたいに、強い奴と戦いたいとか、そういうキャラじゃないのに……私)
 というか、そんな人間、実際にいるんだろうか。
 アイは自分の師匠と、師範である兄と、姐のことを思う。
「あの人たちは、よくわかんない」
 身内であるけれど、精神的な距離ではそんなに近くない気がする。
 出来損ないの自分と違って、あの人たちは本物の達人だから――
 うつぶせになり、枕に顔を押し付ける。
 駄目だ。
 考えたくないことを、考えてしまうのは、精神が参っている証拠だ。
 楽しいことを考えなくては。楽しくなるような前向きになれることを考えないと。いつまでもイヤなことを考えてしまう。
 しかしアイには勝利のことを喜ぶ余裕はない。
 自分が勝利するということは相手が敗北するということであり、敗北の代償をあの人は支払わなくてはいけないのだ。
(確か、ケイさん、だっけか)
 名前は事前に聞いていた。
 女子ボクサー。
 きっと、あれほどの腕前ならばプロのライセンスをとれるだろう。あるいはもう取得しているのかもしれない。
 アイは他の格闘技にそれほど興味があるわけではないので、プロのライセンスをとるのにどういう年齢制限があるのかなどということはよく知らない。それに、多分、知らずにいた方がいいのだと思った。
「あの人、何を代価にしていたのかな……」
 枕に押し付けた唇から、そんな声を出す。
 このナイトパーティーは、出演する者に代価を要求する。
 理不尽な話だ、とアイは思う。
 確かにこの戦いで勝てば、それに見合った報酬が得られる。それはあるいは金銭であり、権利であり、――情報とか、だ。
 しかし敗北は同時に、その対価を支払わせるということである。
 そしてそれは、決して負けられない理由になるような――そのような、それほどのものでなければならないのだ。
 例えば自分のように――

 ノックの音がした。

 顔を起こしてから、誰が来たのかと訝る。
 確か今日は、もう誰も来ない……という話だったのだが。
(闇討ちとか)
 ――立ち合いで勝った時は、その身内に気をつけろ。
 兄の言葉だ。
 若くして多くの他流試合をこなしていただけあって、その手の話には詳しかった。
 曰く、武道家だろうと人間で、さらにその身内に立ち合いの決まりを守らせるだなんてな至難の業だと。
 まったくもって道理である。
 だから、アイはベッドから床に立つと、深呼吸して気合を入れなおす。常在坐臥、常在戦場、というわけにはいかないが、武道家を名乗るのならば一呼吸で戦闘態勢になれるくらいはできなければならない。
 用心をしながらドアに向かうかどうかを考えた時、「入らせてもらうわね」と勝手に開いた。
(ここの鍵を持ってる?)
 ということは、少なくとも関係者であるということだが――
182Night Party:2008/11/16(日) 21:34:34 ID:dpsDWR36
「こんばんわ」

 入ってきたのは、数時間前に彼女が倒したボクサーの少女、ケイと、このナイトパーティーの主催側だという女だった。
 綺麗な女だった。
 会うのは四回目か五回目であるが、顔をあわせるたびにそう思う。
 まず、長く腰まで届くウェーブのかかった髪が目に付く。あんなに長いと手入れも大変だろう。そして紺の地味なスーツに身を包みながらも解るほど、スタイルもいい。極端ではないが凹凸のはっきりとした体型はモデルのようだった。立ち姿も美しい。歩く姿も。
 何かの専門の訓練を受けているのだということが、一瞥して解る。
 顔立ちの彫りの深さからしても、東南アジアか香港か、そちらの方の女優みたいだなと感じたことがある。
 あるいはそれが正解かも知れない。
 あれは誰から聞いたのだろうか。
『香港の女優は、みな嗜み程度には武術を身につけている』
 柔らかい微笑を浮かべながら部屋に入る彼女は、
「お話があります」
 とケイを連れてアイの寝室まで行く。
 有無を言わさない。
 アイはどう応じていいのかも解らず、二人から目を離さずにさっきまで自分のいた寝室にまでいく。その際にケイと目が合ったが、それだけでひどく嫌な感じがした。
 戦いの時には、あれほどに強く鋭かった眼差しが、やけに弱弱しくなっている。怯えているかのようだった。
(何か……ろくでもないことをされそうな……)
 しかし何なのだろうか。
 建前ではこのナイトパーティーでは、勝者となった者に課されるペナルティはないはずだった。
 女は椅子を二つ用意して自分とケイで座り、アイにベッドに座るように促した。
 そして全員が座席したことを確認してから。

「実は、ケイさんの調教を貴女にお願いいたしたいのです」
183Night Party:2008/11/16(日) 21:36:15 ID:dpsDWR36
 微笑のままに、とんでもないことを口にした。
 さすがにアイも「は?」と口を開きっぱなしにしてしまい、思わず女と――ケイの顔を見比べる。
 女の顔は相変わらずであったが、ケイは俯いている。膝の上に置いた手は硬く握り締められて震えていた。
「調教――って、何を? その、ケイさんに何か教えろってことですか? そのウチの合気道の技とかそういうのを教えろとか」
「それはそれで面白そうなお話ですが、このたびのご提案はそういうことではございません」
「えと………その」
「――このナイトパーティーは、自分の手持ちのものを賭けて、戦うものです」
「それは」
 知っている。今更だ。
 しかし自分は勝者であり、望むモノの一つはさっき手に入れた。
 これ以上の取引は、少なくともケイとの間に生じるはずはなかったはずだった。
 女は言葉を続ける。
「土地、大金、身内や恋人を賭けにして臨む人もいますが――武道家はそれなりに裕福か、そうでなければたいてい貧乏です。そして、この夜宴に出てくるような人は多くが後者です。それは理解できますか?」
「………ええ」
 武道や格闘技を学ぶには、それなりの時間がかかる。
 時間は現代社会において金と同義であった。人は、ただ時間を潰して生きているだけで金がかかる。
 そして、武道に限らず生きていくのに必要な技ではない習い事でそれなりの腕前になろうという人間は。それを習得するための時間を搾り出すための金をつくり出さなければならないのだ。
 それゆえに、一芸に通じた者はというのは必然的にある程度裕福な層の人間が多くなる。
 現代の武道家で古流の宗家や師範という人間は、かなりの割合で地方名士と呼ばれていたり、町で中小や零細の規模でも社長などをしていたりの資産家だったりするのだが、それはそういう事情があってのことである。
 勿論、貧乏でバイトをしながら道場に通い詰めて技術を習得する人間もいないでもないが、古流の場合は初伝だの中伝だので大金を払わなくてはいけないことが多く、免許皆伝ともなれば盛大に宴席を主催しなければならないこともある。
 当然のようにその費用は皆伝を貰う側が用意しなければならない。
 毎月の月謝も馬鹿にならない上にそんなでは、とても貧乏人が免許皆伝など無理な話であった。
 幕末には、腕前がありながらも家の台所事情で免許皆伝を辞退し続けた剣客の話もある。
 現在でもその辺りはあまり変わらない。
 そういう事情は古流だけかというと、空手や柔道のような現代武道にしても、毎月毎月の月謝、昇段試験のための費用、などなどは莫大でこそないが地味にきつい。
 それに日々仕事に追われる中で稽古に通えるというのは、よほどに情熱が続かないと無理だ。
 近世までならともかくとして、現代の日本では武道や格闘技のスキルで直接金銭を得られる機会は皆無に等しいのだから。
 アイは合気道などを伝える家の人間である。
 合気道は厳密には古武道ではないが、そのあたりの事情はだいたい解っているし、自分がその辺りの人に比べても恵まれている環境にあるという自覚もある。
 女が言っていること……いわんとしようとしていることの予想は見当がつかないでもない。
 ただ、それが果たして自分にどう関係するのか、それが解らないのだ。
「それで、ケイさんは――詳しい事情は話せませんが、まあ、後者の方に当たります」
「………」
「つまり、」


「貴女と同じく、自分自身を賭けたのですよ」

184Night Party:2008/11/16(日) 21:37:31 ID:dpsDWR36
「―――――」
 アイはケイを見つめた。
 ケイは瞼を伏せて俯いていたままだ。
「具体的に、どれだけの報酬があったのかについては言えませんが、一試合の勝利で、それなりのまとまった金額をケイさんは受け取っていました。しかし」
 貴女に、今日敗北した……それをこの女は相変わらずの微笑みの表情のままで言ったのだ。
 アイは一度目を閉じると、「それで」と応える。
「私に何の関係があるんですか?」
「本来、私どもは勝者に報酬を、敗者にペナルティを渡すことだけが基本的な役割です。多少の手数料はいただきますが、それ以上のことは仕事にないのですよ。まあ、Amazonのユーズドみたいなものですね。このナイトパーティーは」
 この大規模で非合法な闘いを、女はネット販売のサービスのように語る。
「……ですから、私になんの関係が――」
「ですが、Amazonで売買をするにもクレジットカードが必要なんですよ?」
「…………話がよく見えません」
「信用がいる、ということです」
 そこで女は立ち上がり、まるでそのような舞があるかのような動きでケイの後ろに廻った。
「ケイさんはいいんです。彼女はお金を受け取っています。ですから、この催しの関係者であるということから言い逃れができません」
「…………それは、」
 女は笑みを深め、両手でケイの顎を救い上げるようにした。
 ケイは苦しそうな表情のままで、それに逆らうでもなく顔を上げる。
「だけど、貴女は違います」
「―――――」
「貴女の報酬は、お金でも権利でもありません」
「―――――」
「組織としては、貴女をどう扱うべきか図りかねているのですよ」
「つまり、私にも手を汚せと……そうおっしゃるわけですか」
 女は静かに頷いた。
 アイは考える。
 女の言っていることは、そんなに間違っているわけではない。
 自分の報酬として要求したものは、確かに組織の力がなくては手に入らないものだ。だが、それでも、それだけで罪に問えるようなものでもないのも確かである。
 それでも――
(理不尽だ)
185Night Party:2008/11/16(日) 21:38:49 ID:dpsDWR36
 自分がこんなことをする必要はないように思える。
 ここでつっぱねても、問題はないはずだ。
「まあ、本来、こちらから勝者である貴女に強制できることではないのです」
 女は、アイが何かを言う前にそう遮る。
 こちらの呼吸を掴まれていると感じた。やはり、相当に使えるのではなかろうか。
「こちらも、ことのついでですからね」
「だったら、」
「ケイさんを、売り飛ばせばすむだけの話ですので」
「……………!」
 予想はしていた。
 予想はしていた台詞だったが、思わずアイは立ち上がりかけた。
 だめだ、と理性の何処かで制止がかかる。
 ここでいれ以上話していては駄目だ。 
 これ以上関わっていたら、抜け出せなくなる……。
 女はアイの表情から内心をどう読み取ったのか、ケイの背中に胸を預けるようにのしかかり、首に腕を巻きつける。それは締め技をすけているとかではなくて、あくまでもじゃれついているかのようだ。
 それでもケイは苦しそうに唇を噛み、沈黙している。何かに耐えているかのようだった。
「そんなことを言えば………私が承諾するとでも思っているんですか?」
 覚悟はできているはずだ。
 そう、アイは思った。
 自分自身を賭けているということは、そういうことだ。
 敗者のことをいちいち同情していたら、戦えない。
 もう、戦えなくなる。
 それに、だって、ケイさんもそのようにして何人もの夢を潰してきたはずだった。
 だから、これは自業自得なのだ……因果応報というべきか、闘いの螺旋の果てに彼女がどこにたどり着いたとしても、それは自分の責任ではないか……。
「私としては、この提案は全員にとって幸せになるベターなものだと思いますよ?」
 女は笑顔のままだ。
「ケイさんはひどい目に遭わず――程度問題ですが――再び試合に臨むことができます。何せ、売り飛ばされた先でどういうことになるのかは、私にもそれこそもう二度と日の目を見ることなどできなくなるのに等しいことですから。
 私どもとしても、優秀なファイターであるケイさんには、再戦してもらった方が嬉しいですしね。
 アイさんも、ちょっとした手間で私どもから信用を得られるのは、いいことだと思います。こちらとしても、身内となればもう少し便宜が図れるというものです。
 それに、」
 ――ケイさんがひどい目に遭ってないと知っている方が、貴女も気が楽でしょう――。
 囁くように、言った。
 アイは何かを言おうとしたが、自分でも何を言おうとしたのか解らなくなった。
 ただ、自分がケイの運命を握っているということだけを漠然と認識している。
 認識はしていたが、自分がどうすればいいのかということがまったく解らない。
 だから、
「私は、どうすればいいんです?」
 と聞いた。
 呆然とした声であった。
 女の笑みが、この上なく深くなる。
 アイの頭がまだ正常に働いているのなら、それを悪魔のそれと思ったかもしれない。
 慈愛に満ちた笑顔で、女は言った。

「舐めさせなさい」
186Night Party:2008/11/16(日) 21:42:24 ID:dpsDWR36
ここまでです。
次から…本番にいくといいなあ。
つかながっ。
たるっ

さてさて…。
187名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:34:22 ID:6Qsuc+rB
うん、まだ評価は避けるが、楽しみにはできそう
次回の投下を楽しみにしてるぜ
188名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:33:06 ID:6h96ZXJC
導入部だけか・・・
まぁ次回期待だね
189Night Party:2008/11/17(月) 05:26:27 ID:Ofx35mN5
んでは続きをちょっとだけー。
まだ導入部くさいけど。
だけどわりと速いペースで続きはかける目と思うのでー。
190Night Party:2008/11/17(月) 05:27:17 ID:Ofx35mN5
「舐めさせるって、」
「――あら、私としたことが忘れてました」
 質問に答えずに立ち上がった女は、両手をケイの肩に上に置いた。
「こういう時は、その前に最初に宣誓させるのでしたわ」
「センセイ?」
「隷属の契約の、です。さてケイさん、どのように言うのかは、あらかじめ言ってありますよね?」
 女は腰を曲げて、ケイの耳元で囁く。
 ケイは唇を噛み、女の顔を見た。
 嫌がっているというよりも、怖がっているようにアイには思えた。

「さあ」

 優しく促され、ケイはやがて椅子から滑り落ちるように床の上に座りなおす。
 そして顔を上げ、

「このたびは、私のような愚鈍な負け犬の調教を引き受けていただき、ありがとうございました」

 ―――――!
 アイは目を見開いた。
 ケイのことはよく知らない。知らないのだが、彼女がどれほどに強いのか、そのことは知っている。
 この人の拳は鋭くて速くて、

「私、雌犬のケイは貴女様のご調教で躾けられることとなり、この上なく光栄でございます」

 眼差しには決意と覚悟を兼ねそろえた強い光が宿って、

「どうかこの卑しくて愚鈍な雌犬であるこの私を、思う存分に躾けてくださいませ」

 生半の武道家など及ばぬ身体能力は、あるいは達人の域で、

「貴女様が下さるのであれば、鞭であろうと喜んでいただきます」

 とてもとても強いボクサーなのに――

「舐めろと申されましたならば、……」

「どうしました?」
 女の声に打たれたように首を振る。
 アイは、彼女の目尻を流れる涙を確かに見た。

「舐めろと申されましたならば、貴女様の足でも、お……まんこでも、おしりの穴でも、舐めさせていただき――ます」

 そして、両手をついて、深々と額を床にこすりつけるように頭を下げる。
 それは一言でいうのなら、プライドの欠片も感じられない土下座であった。

「どうか、よろしくお願いいたします」
191Night Party:2008/11/17(月) 05:28:33 ID:Ofx35mN5

(どうかって、どうかって言われても……そんなこと言われても……)
 アイは戸惑っていた。いや、もっというのなら混乱のきわみだった。
 調教、という言葉がどういうことを意味しているのかということは、アイにだって解る。
 彼女だって現在の女子高生だ。
 漫画や小説も読むし、ドラマだって見る。
 稽古が趣味みたいなものなので、そんなにのめりこんだりはしないけれど。
 それでもエロい漫画の二冊や三冊は待っている。というか、近頃の少女漫画はセックスとか普通にでてくる。監禁調教が出てくるものだって、読んだことはあるのだ。
(つまり、この人を、雌犬として、いや、だけど、そんなこと、どうやれば……)
 喉が鳴った。
 目の前で土下座する女の子を自分が犯して嬲っているというイメージが思い浮かばない。
 浮かばないが、漫画で見たイヤらしいポーズをさせられいている女の子に、ケイの姿を重ねてみる。
 上手くいかなかった。
 それでもじっとケイを眺めていると、胸の中でもやもやする感じが湧き出してきた。
(なんでこの人は、こんなことをしているのか――)
 悲しくなった。
 この人は、あれほどの腕前なのに。
 自分とあれほどに戦えた人なのに。
 それなのにこんな卑猥な言葉を言わされて、土下座させられている。
(お金のため)
 仕方の無いことだと思う。
 仕方の無いことだ。
 お金が無いと、何もできない。
 ケイはきっと、どうしてもお金が要るのだろう。高校生程度の女の子がどうあがいても手に入らないような大金が必要なのだろう。
 そうでなければ、こんな恥知らずな真似はできやしない。
 それでも、なんだかアイは悲しくなった。
 嫌悪も覚えた。それは少女らしい潔癖さからではあるが、確かに、僅かにも軽蔑した。
 嫌悪と憐憫とが軽蔑とが同時に湧き出している中で、アイは女の言葉を思い出す。

『舐めさせなさい』
「なめて、みて」

 左手を差し出す。
 座ったままの姿勢で。
 ケイはその言葉に漸く顔を上げた。全ての感情が抜け落ちたような顔だった。絶望と諦観に満ちた顔だった。
 アイの差し出した左手の指にむかい、背を反らして首を伸ばす。
 
 ぴちゃり、

 舌先がアイの左手の人差し指に触れた。
192Night Party:2008/11/17(月) 05:29:59 ID:Ofx35mN5
(気持ち悪い)
 素直にそう思った。
 汚い、とも。
 やめて、と叫びたくなる。
 しかしそれはできない。ケイの顔を見ると我慢するしかできなかった。
 彼女は泣いていたのだ。
 だけど。
(これからどうしたらいいのかしら……)
 迷いのままに指を舐めさせているが、他にどうしたらいいのかということの見当もつかない。
 そこに、

「気持ちいいですか?」

 女が、言った。
 いつの間にか元の椅子に座っている。膝を組んで、その膝の上に肘をついて顎を乗せて面白そうに眺めている。
 アイとケイは同時にそちらを見るが、ケイは慌てて指へと舌を這わせる。
 アイはどう答えていいのかも解らなかったが。
 静かに首を振った。
 ここで調教なんだから「殴りなさい」とか言われたらどうしようか、と思ったが、女は「そうよね」とあっさりと同意する。
「素人のご主人様に、芸の仕込みもまだの雌犬では、そんな簡単には気持ちよくなんかならないでしょうね」
「…………」
 アイは目を落とし、ケイはその言葉に動きを止め、うなだれる。
 女は笑ったまま。
「難しく考える必要はないんですよ?」
 と言った。
「最初は――奉仕させるつもりで、命じるといいんです」
「ほうし……」
「それだけでは、わかりにくいですか。そうね。何でも目的が解りにくいと、どうしていいのか解らなくなりますものね。
 調教も武道も一緒。私も調教をお頼みしましたけど、どういう風に、ということは言わなかったのはすみません。「舐めさせなさい」といっただけで大体解ると思いますが」
 すっと立ち上がる。
 そして足をケイの後ろからスカートの下に左足の爪先を入れた。
「ひっ」
 反射的に立ち上がろうとしたケイだが、「動くな、雌犬」と女の声に硬直する。
「動いちゃ駄目よ雌犬……アイ様、この雌犬を躾けるということは、アイ様にとっての便利な道具にすればよいということなのです」
「様って、その、道具――」
 その時になって、アイはこの女の口調が変わっているということに気づいた。
 ケイを雌犬と呼び捨ててあからさまに侮蔑して、アイに対して様とつけて口調が敬語のようになっている。
(宣誓したからだ)
 直感的にそれをアイは理解する。
 ケイは自ら宣誓して雌犬であると頭を下げ、アイはそれに応えて指を舐めろと「命じた」。
193Night Party:2008/11/17(月) 05:31:34 ID:Ofx35mN5
 すでに――契約は成立していたのだ。

 ぞっとした。
 取り返しがつかないことをしたと、このときになってアイは改めて思った。
 思ったが、本当にもうどうにもならない。
 女の爪先は少しだけ浮いているケイのお尻の真ん中に入り込み、動いていた。スカートの下ではどのようにということは解らないが、動き、弄くっているということだけが解る。
「うっ、あう、ん、あ…」
 ケイは顔を紅くして目を強く閉じた。初めての羞恥による表情の変化だ。何かを感じているというのではなくて、恥ずかしいことをされているということの、それを見られているということによる羞恥である。
「アイ様、雌犬は人間ではないのです。道具なのです。より使いやすい道具として躾けるのです。

 貴女を気持ちよくする道具として、躾けるのです。

 お解りになりますか?
 道具は大切に扱わなくてはいけません。
 ですが、気遣う必要はないのです。重ねて言いますが、人間ではないのですから」
「そ―――――れは」
「遠慮などなさる必要は無いのですよ? アイ様。貴女は、この雌犬を使って気持ちよくなる権利を持っているのですから」
「――――――」
「この犬も言っていたでしょう? 貴女の何処でも舐めると。ヴァギナでも、アヌスでも。遠慮などなさらずに命じればいいのです。あなたが気持ちよくなるために使えばよろしいのです。
 
 さあ」

 アイは立ち上がり、呆然としたままに両手でスカートを掴んだ。
194Night Party:2008/11/17(月) 05:32:19 ID:Ofx35mN5
ここまで。
また二日くらいしたら。
195名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 17:10:10 ID:VEVgc5tC
バター犬展開キタ!GJ!!

パーティーの猛者ともなると、腋舐め専用ポニテやら臍舐め専用ロリなんかを侍らせて
朝のシャワーとしゃれ込むんだろうか。
王者の最下層奴隷である尻舐め犬とアイが戦って、意外にめちゃくちゃ強くてボロボロになりつつ辛勝、
ためしに尻を舐めさせてみるとありえないぐらい上手くて何度も逝きまくってしまう…
なんて妄想してしまった
196名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 09:38:39 ID:F1gb83Mx
女同士ならではの勝者側の戸惑いが上手く描かれているな
197名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 18:26:29 ID:IKm12a39
ども。
>>195
近いのは考えてたよ。
つか、おかげで色々と思いついたので、次のバトルの主人公はアイとは別の子で。
ああ、この調教の続きは書くけど。
198名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 21:44:15 ID:kK86Pri9
>>195
もしかしなくてもあんたエッジだろw
199名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 00:13:55 ID:/dXL4yb8
このスレも人が少ないからなー。
あと二人くらい投下があれば、もちっと廻っていくんだろうけど。
200名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 21:28:29 ID:GodIgnMA
正義感だけは強いものの力のなさから不良に屈する日々を送り続ける少女
しかしその苦くも穏やかな日常は少女が偶然にも異文明遺跡との接触で、
その身を強化チューンをされてしまう事で脆くも崩れ落ちる。

常人の数倍以上の出力を持つ筋肉とそれを御するに余りある反応速度を持つ運動神経

超人。

突如として手に入れた強大な力への戸惑いは、しかしそう長くは続かなかった…。

力!力!!力!!!望む正義を執行してのけるだけの力!!!!
今までの鬱屈を晴らすかのように不良共をその圧倒的な力で駆逐していく少女。
もはや自分は今までの自分ではない!正しい事をなんの制約もなく行ってみせる力を手に入れた!

爽快な驚喜が澱んだ狂気へと堕する慢心。

力のままに行われる奔放な振る舞いをする少女の瞳に信念はなく、女王の傲岸さが宿る。

しかし、その少女の前にふらりと現れる眼鏡の武闘家少女。

「力まかせの弱い者イジメ…。あなた、最低です」
「黙れ無力!あたしが正義なのよ!」

そして始まる筈であった蹂躙の予想は、しかし武闘家少女の技の前に鮮やかに破らる。
強くない速くもない。少女とは比べるべくもない身体能力。
しかし巧い。克己の精神の技が圧倒的な力の差を埋め尽くし凌駕する。

「心なき力など正義にあらず、ただの暴力。それも研ぎ澄まされた技の前では…無力!」
ぶちのめされてしまう少女。
薄汚い路地裏。独り残され降り始めた雨に打たれ慟哭する少女。

「あたしは、あいつに、勝ちたい!」



こんなんもあり?
いや書かんがw
201名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 23:40:22 ID:lB90/i1L
エッジがごないぃlっぃぃぃぃいいいぃぃいいいぃぃいっぃ
週に一度の楽しみなのににに
窒息して死にそうだだだ
202名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 08:08:06 ID:gTRzTWLn
>>200
特撮ヒロインみたいだね
書いてみれ

>>201
ブログ見てみれば?
近況がわかるかもしれない
おれは見ないがw
203名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 23:23:20 ID:82xwo7/v
>>200
IDがGOD
204名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 03:02:54 ID:b5n0Jkgm
>>200
もろラインバレルの設定ネタじゃねーか、このオタ野郎
205名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 15:25:29 ID:dnWJJT/6
>>204
おまえこそ
206名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 08:05:56 ID:MpH1y4aT
>>200
それで書けよぉ
207名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:41:56 ID:Kuon3/KG
上げ
208名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 01:52:29 ID:6AYo/Ls6
エッジまだぁ?
209名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:16:10 ID:w0zi/LKg
エッジはなかなか書くのに苦戦してるみたいだね
まああそこまで悠理を堕としたからな、立ち直るのなら余程の尺が必要だろうし、ゆっくり待たせてもらうわ
210名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 13:26:25 ID:RoMtJLxL
タダの敗北からの逆転劇ではなく
心技体を全て折られての完全敗北奴隷化完了状態からの逆転劇
難しいってレベルではないだろね。最大の山場だろうし
同じくゆっくり待たせてもらいますわ
211名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 16:53:38 ID:Nk9a+xFJ
修業すればよくね?
んで技も力も極めた百合が地上最強の生物に
212名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 17:16:47 ID:P5XXMwBa
それ、もはやジャンプw
213名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 09:38:23 ID:hRyeyrX4
>>209
ブログ情報?
214名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 10:43:01 ID:8r5KN+50
>>213
そうみたい
今ブログにエッジが4話まで再録されてた
215The Edge ep.11  1/9:2008/12/07(日) 04:39:53 ID:xQqLRsDd
1.

「いたた…」
神崎茜は控え室のベンチに腰掛け、赤らんだ手首を押さえた。
先ほどの戦いでは圧倒的な実力優位と疲労のため、少々受けが杜撰になっていたようだ。

悠里が消息を絶ってから三ヶ月。アリーナでは暫定王座決定戦が行われていた。
とはいえ粗方の実力者は悠里に心を折られて去り、今や古参で実力派といえるのは茜しかいないのが現状だ。人気のある総合で、しかも数の限られる女闘の場となれば新規参加者は多いものの、ろくにスタミナすらついてない半端者などすぐに淘汰される。
ゆえに茜の競合相手は一人だった。

帰国したばかりの沙里奈というカリスマダンサー。
クールな容姿からファッションモデルの仕事も多いが、その見た目に反してダンスを応用したカポエイラも得意とする。
正対して打ち合うことが基本の格闘技において、その三次元的な戦いには定評があり、
足技という類似点もあって悠里との対決が最も心待ちにされていた選手だ。

その脅威は控え室に流れる試合映像からも伝わってきた。
左右の蹴りが休みなく相手のガードを叩き、たまらず覗いた顎へ的確なハイキックが叩き込まれる。
「速い…!」
悠里は固唾を呑んだ。凄まじい回転の速さだ。
鞭のような蹴りには、空手ほどの重さはないが、鋭さがある。
そもそも蹴りをフックのように打ち込まれては、到底腕などで防ぎきれる筈がない。

「……防ぎきれない、か。」
バンテージを巻き直しながら茜は笑った。
5年前。まだ高校生だった頃も、同じような不安に駆られていたのを思い出して。
216The Edge ep.11  2/9:2008/12/07(日) 04:40:45 ID:xQqLRsDd


その日、茜は日課のロードワークを放棄して繁華街を彷徨っていた。
何か目的があるわけではない。空手の試合に負けての現実逃避だ。
負けたのも惨めだが、それよりも深刻なのは、敗戦に「悔しさ」を感じられないことだった。
悔やむ事さえできない試合内容。

茜は道場での稽古ならそれなりに様になるものの、試合となるとからきしだった。
相手に過剰な恐れを抱いて硬直してしまう。相手の体格に脅え、突き・蹴りに身が竦む。
身体は染み付いた受けを行うが、そのうち倒される。いつもそれだ。
毎日のように空手漬けでその有様。
自分に戦いは向かない。茜はそう確信し、街を彷徨いながら空手から身を引く決心を固めていた。

そんな茜が、項垂れて路地を通り過ぎた時だ。ふいに微かな音が耳をくすぐった。
斧を振るう時の風切り音のように感じた。
何だろうと路地を覗き込んだ、その眼前に人影が降り立つ。
その人物を見た瞬間、茜の背筋に本能的な寒気が這い登った。

中華系の切れ長の瞳は、年老いた老人のように穏やかだが、それが殺し屋の目だと理解する。
人を殺めても眉一つ動かなさい人種だと。
殺し屋の指が弾かれるのを目にしても、茜は身動ぎさえ叶わなかった。ただ死を覚悟する。
その彼女の前を突如、手刀が凪いだ。アスファルトに金属音がする。
そこに目を落とし、それが闇に紛れた黒針だと気付いて膝が笑い出す。
そして同時に、茜は手刀の主が自分と同じ制服を着た少女だという事にも気がついた。

中華系の女性が腰を落としての突きを見舞った。少女はそれを捌き、返礼に前蹴りを浴びせる。
女性は吹き飛んでゴミの山へと埋もれた。
オーソドックスな前蹴り、しかし威力が異常だった。今の吹き飛びようは、まるで力士のぶちかましを受けたようではないか。どれほどの威力があれば、踏ん張った人間があの速度で飛ぶというのか。

手刀の少女が振り返る。涼やかに整った顔立ちが覗いた。
「ごめんね、驚かせちゃって。危ないから早く逃げ……」
言いかけ、彼女は茜を見て目を丸くした。茜は不思議に思う。
同じ学校だという事の驚きかもしれないが、彼女からすれば別段驚くことではないだろうに。
ただ、事情はどうあれ少女は態度を変えた。
「あなたなら大丈夫そうね。少し離れてて」
そう言い残し、芥の山から這い出た中華系の女性と再び対峙する。
革靴が鋭い音を立てた。
217The Edge ep.11  3/9:2008/12/07(日) 04:41:39 ID:xQqLRsDd

その戦いは全てにおいて茜の理解を超えていた。
打撃が当たったときの鼓膜の底に響く音、明らかに人の限界を超えた攻撃への反応。
助走なしの垂直飛びで茜の胸ほどまで跳び上がり、配管と壁を蹴って頭を狙うなど、映画の中でしか見たことがない。受ける側も、首を反らしながら頭の後ろへ蹴りを放つという離れ業をやってのける。
「いい加減にしろ小娘!あいつを生かしてお前に何の得がある!!」
「さぁね。でも、殺そうとするとこ見ちゃったからさ。目の前で人殺しなんて、させやしないわ」
二人は論を交わしながら、どれ一つとっても致死的な攻撃を次々と刺し合う。

 ――どんな風に感じるんだろう。
茜は目まぐるしい動きを眺めつつ考えた。
自分が思う限界を遥かに超えた2人が戦っている。あそこまで鍛えたら、あの攻撃をかわせたら、
どう感じるのだろう。
知ってみたい。もっと、もっと先があるんだ。これほどに遠い先が。
数時間前に敗北を喫した相手など、これに比べればなんと人間じみていたことだろう。
 やがて少女の脚が一閃し、路地裏の戦いは終結する。
茜には終始絵空事のような戦いだった。だがそれでも、価値観は根底から覆された。
茜が負けず嫌いになったのはその日からだ。

以後も試合では相変わらず負けた。県内にさえ茜を圧倒する猛者は数多く居たからだ。
それでも茜は、「悔しがる」ようになっていた。負けたときに心の底から泣くようになっていた。
それは、彼女が総力を尽くした証拠だった。



「神崎選手、決勝の準備をお願いします」
係員が部屋の外から呼びかける。
茜は返事をしながら、控え室を今一度見渡した。
薄紫のハンドタオル、水素水のボトル、鉤状に黒ずんだサンドバック。
控え室には悠里の名残が残っている。
「……行ってきます、悠里先輩。」
茜は虚空に向かって呟き、控え室を後にした。
218The Edge ep.11  4/9:2008/12/07(日) 04:42:17 ID:xQqLRsDd
2.

きしっ、きしっ。
茜の重みでリングへ通じる金網が軋む。
足の裏に伝わる網の冷たさで、足裏が熱くなっているのがわかる。
胸はもっと熱かった。会場の狂熱にあてられ、焼きたてのパンのように膨らんでいる。
硬いロープを力いっぱい開いてリングに入る。汗の出るほどのライトが身を焦がす。

沙里奈はすでにリングに入っていた。
コーナーを私室化するかのような態度は、すでに新人のそれではない。
クール。印象はその一言に尽きた。
ショートに整えられた髪、アイシャドウで彩られた吊り目、シャツから覗く締まった腹は、
女性ならば間違いなく嫉妬するほどに美しい。
雰囲気から物事を卒なくこなすタイプであることが伝わってくる。
戦いにおいても最小限の努力で鰻登りに実力をつけていくのだろう。不器用な茜とは好対照だ。
彼女は茜へ視線をやり、溜め息を吐いてヘッドホンを耳に当てた。
見られることが当然と思うのか、観衆の黄色い声さえ気にする様子がない。
茜はそのタイプが苦手だった。なぜ試合前に奔放に振舞えるのかが理解できない。
何をやっても敵わない気がする。
 (……それでも……負けられないんだ)
茜は黒帯を締めて気合を入れる。

茜は、アリーナでの悠里の試合を見たことがない。青葉戦でも、アルマ戦でさえだ。
気にならなかったといえば嘘になる。何度傍らで声援を送りたいと思ったかわからない。
それでも、その時間を惜しんですら、この数年彼女は自分を磨き続けてきた。
空手の腕だけではない。容姿も、思考も、自分なりのスタイルを模索した。
全てはこの時のため。
いつか必ず姿を消すであろう悠里の代わりに、彼女が誇れるような王者になるためだ。

かくして、決勝のゴングが打ち鳴らされた。
219The Edge ep.11  5/9:2008/12/07(日) 04:43:06 ID:xQqLRsDd

茜はリングを蹴って一直線に走る。沙里奈は低く構えて茜を迎えている。
沙里奈が蹴りを放った。弧を描くミドルキックだ。茜はそれを肩で殺し、距離を詰めようとする。
その瞬間、逆の肩に衝撃が走った。そちらに目をやると、さらに逆。
「く…!」
茜は正面を睨み、そして硬直した。蹴りが三つ見える。
目が慣れていないだけだ、と思った瞬間、ほぼ同時に三箇所に痛みが走った。
「ぐ、うう!!」
沙里奈がさらに腰を捻る。いくつもの蹴りが襲い掛かる。
茜は頭を庇いながら愕然とした。速いなどというものではない、まるで蹴りの雨だ。

『凄まじい蹴りのラッシュだ!つま先が見えません、なんという蹴りの鋭さでしょう!!』
実況が叫ぶ。
試合が始まってまだ数分、だが茜はすでに困窮していた。
前評判以上の強さだ。沙里奈はブレイクダンスのように、腰を捻り、あるいは逆立ちして腕で回り、
予想もしない動きから無数の蹴りを繰り出してくる。
技の一つとしての蹴りなら対処できる、だが攻撃の全てが蹴りであるケースなど未経験だ。
捌くには速すぎ、強すぎる。だが防ぐだけでは埒があかない。
「んげふッ!!」
茜は腹に一撃を貰って呻いた。沙里奈はそれを見逃さず、ガードの甘くなった脇腹へ蹴りを放り込む。
沙里奈は表情もなく茜を観察している。逆立ちしても顔はこちらを向いたままだ。
そこには余裕がありありと窺えた。
 (どうすれば…!)
リーチ差がありすぎて成す術もない、勝ち目があるとは思えない。
茜が下を向いたとき、

   ――――よく頑張ったね

頭に澄んだ声が閃いた。
220The Edge ep.11  6/9:2008/12/07(日) 04:44:11 ID:xQqLRsDd
あの時もこのリングだった。
悠里のラッシュで体中をボロ切れのようにされ、それでも前へ出た。
怖かった。何度も死を意識した。それでもその結果、彼女に一筋を手傷を負わすことが出来たのだ。
あの絶対王者に。
茜は歯を食いしばった。その直後、視界が真っ黒に染まる。顔面への被弾だ。
観衆が当惑の声を上げる。あぁら、と初めて沙里奈の声もする。
しかし、それは茜の狙い通りだった。
「う…うおおおお!!!!」
茜が鼻から血が垂れるのも構わず猛進する。
沙里奈が焦りを浮かべた。顔を蹴り、片足を上げた格好では持ち堪えることもできまい。
茜は沙里奈をコーナーへと叩きつけた。
「…掴まえた!」
沙里奈の胸倉を掴んで囁き、膝蹴りを浴びせる。
「うっ、はぅ……ンッ!!」
沙里奈が目を剥いてうめいた。ハスキーな良い声だ。
その声を聞いて茜はやっと、沙里奈も自分と同じ人間なのだと思えた。
「把あぁっ!!!」
茜はさらに攻撃を仕掛ける。狙いはシャツから覗く沙里奈の腹部だ。
ダンサーだけあってよく鍛えられ、8つに隆起したそこへ、腕を引き絞っての掌底を打ち込む。
「うぐおおおォッ!!」
今度はうめきなどではない、明らかな叫び声だった。観客席が驚き一色に統一されていく。
沙里奈のクールな容姿とは似つかわしくない声が衝撃的だったのだろう。
茜は打ち込んだ掌の上から、さらに重ねて掌底を沈める。
「うぇ……っ!うぐ、あ……ッッ…………!!」
沙里奈の口から唾の塊が飛んだ。彼女の跳ねでリングポストが軋みを上げる。
ただ掌底を二発重ねたにしては大きすぎる衝撃だ。

茜は、今の「掌底重ね当て」が奥義と呼んでも良いほどの威力を持つことを確信していた。
それは一種の発勁に近い。
筋肉を押さえて弾力を封じ、そこに力を加えて効率よくダメージを与える。
掌底の重ね当てはまさしくそれで、強烈な心臓マッサージの如くに沙里奈の奥底を叩いた。
221The Edge ep.11  7/9:2008/12/07(日) 04:44:51 ID:xQqLRsDd

『形勢逆転、今度は沙里奈選手が悶絶−−!!』
歓声を背に受け、茜は今一度の掌底を沙里奈に食らわす。
沙里奈の足が震えはじめた。もう立っているのも限界なのだろう。
「これで……どうですかッ!」
茜は最後に背を反らし、床を踏み込んで沙里奈を横からを殴りつけた。
彼女のつけていたヘッドホンが音を立ててへし折れる。
沙里奈の顔は拳の軌道に付随し、振り抜けた瞬間に離れてリングに崩れ落ちる。
「………が……はッ……」
沙里奈は頭から墜落して目を見開いた。直後、ぐびゅ、と音がして口から僅かな吐瀉物が毀れる。
そして横に向きを変えると、腹を抱えて咳き込んだ。そして数秒後、
「はぅッ………う、う…………んんろお゛おおぉええええッッ!!!」
生々しく嘔吐する。観客から悲鳴が上がった。いや、正確には悲鳴ではない。
女同士の殴り合いを見に来るような酔狂な客だ、きっとそれは、悲鳴に模した歓喜なのだろう。
『沙里奈選手、やはり堪え切れない!!
 ストリート時代を含め、彼女はここまで殴られた事があったのでしょうか?
 しかし、ここではそれがあります!芸術的な身体を躊躇なく破壊できる女がいます!!』
大歓声が沸き起こる。

「く………ッ!!!」
沙里奈はヘッドホンを投げ捨て、口を拭ってよろよろと立ち上がった。目が最初と違っている。
茜は猫足立ちで身構える。その茜に、沙里奈は意外にも頭を下げた。
「ごめんなさい」
さらに意外な言葉に、茜は訝しげな顔になる。
「あんたを見くびってた。子供っぽくて、お父さんの空手着を着てみたお嬢様みたい。
どうせアイドル空手家とかそんなのだろうって、さっきまで思ってた。……ごめんなさい」
沙里奈はそう告げると、先ほどまでよりも低く構える。
それが彼女の本気だと目でわかる。
「……ふふっ。よく言われるんです、格闘家らしくない、って」
茜は照れたように頬を搔いて答えた。
確かに格闘家らしくない。いい匂いのしそうな娘だ。
童顔で、髪には軽くウェーブがかかり、目はまるきり人を疑うことを知らなさそうな済みようで、
格闘家が10人いれば10人ともが多少なりとも侮る、そんな容姿。

「胸、貸してもらうよ」
沙里奈がにぃと笑う。最初のクールな印象とは打って変わって、情熱的な顔だ。
茜も満面の笑みで返した。
「光栄です。……私も、本気で!」
二人はまるで十年来の親友のようになっていた。互いを認め合ったからだ。
そして、格闘少女の友情は談笑などではない。
沙里奈は腰を捻った回転で、茜は摺り足で進んで互いの領域を侵す。
『さぁ仕切り直しだ!本気になった2人、優れているのは果たしてどちらか!?』
222The Edge ep.11  8/9:2008/12/07(日) 04:45:41 ID:xQqLRsDd
3.

「たあああっ!!!」
沙里奈の蹴りはいよいよ速さを増していた。茜はその間を抜けて沙里奈の懐を狙う。
鬱蒼と茂った雑木林をバイクで突き抜けるほどの危険さだ。
肩に胸にと被弾しながら、茜は沙里奈の胴を蹴り上げる。
「ぐ……くっ!!」
沙里奈は腹を抱えてよろめいた。しかし、ただ逃げたわけではない。
彼女は追撃に来る茜を蹴り飛ばすと共に、反動で後ろのリングポストを蹴った。
そのまま彼女は茜の首へと飛び掛かる。
「きゃっ!」
茜は沙里奈の体重を支えきれずに倒れこんだ。その首に沙里奈の足が巻きつく。
「ぐうッ……う、が……はっ………!」
茜が目を見開いた。沙里奈は自らの足首を掴み、引き絞って絞めを深める。
「ははん、かかったね!ストリートでの常勝技だよ、これで終わりっ!!」
沙里奈の脚は柔らかくも暖かく、母親の乳房のようだ。
透けるような、という表現が相応しい白さもあってひどく色っぽい。
しかし、茜はそんな事を思っている場合ではなかった。
ぎりぎりと首が絞まる。かなり危険な角度で入っている。

『スリーパーが入った!沙里奈選手の長い脚が茜選手の頚動脈を締め上げる!
 傍目には喜ばしい光景ながら、これは茜選手、大ピンチです!!』
沙里奈の脚が蠢くたび、ブリッジのような格好の茜の腰が浮いて、沈む。
空手着を着ていてもなお細い脚の震えが解った。
「……あ………ひゅっ………」
真っ赤な顔で涎を垂らす、その顔は先ほど嘔吐した沙里奈とよく似ている。
しかし、違うところがあった。
『おおっと、これは茜選手…!?』
場がどよめく。沙里奈も言葉を無くす。
茜は沙里奈を首に巻きつけたままコーナーに寄りかかり、身を起こし始めたのだ。
沙里奈は不穏な雰囲気を感じて絞めをとこうとするが、出来ない。
なんと茜自身が彼女の脚を掴んでいる。
まさしく自分の首を絞める行為だが、そうしてまで彼女は攻撃に転じる。
沙里奈と茜で決定的に違うところ。
それはこの試合にかける執念に他ならない。
223The Edge ep.11  9/9:2008/12/07(日) 04:46:50 ID:xQqLRsDd

 (……王者になるんだ……)
茜は首に巻きついた沙里奈を高々と掲げる。
 (勝って……先輩と同じ、王者になるんだ!!)
茜は沙里奈をリングポストに叩きつける。リングポストの頂点に、強かに股座を打ちつけるように。
「ぐ、うああああああああああああ!!!!」
沙里奈の脚がびくつき、背が電気の流れるように震える。
同時に茜への絞めも解け、二人は同様にリングへと倒れこんだ。

先に茜が立ち上がる。ひどく咳き込みながらも内股で構えを取る。
次いで沙里奈が立ち上が…れは、しなかった。
彼女は長い脚を閉じ合わせたままリングに伏し、そのまま立ち上がることができない。
顔は真っ青になり、今出始めたという量ではない脂汗を浮かせていた。
股間打ちのダメージもあるのだろう。だがそれ以上に、それをきっかけとしてぶり返した腹部の痛みが、彼女の試合続行を赦さなかったのだ。
代わりに彼女は腕を伸ばし、自分に正対する茜の拳に軽く触れる。
『し、試合終了ーーーッ!暫定王者に輝いたのは、不退転の空手家……神崎 茜!!』
沙里奈のタッチを認め、実況が高らかに勝者の名を呼ぶ。
あちこちで拍手が起きる。


「…凄いねあんた、今のあたしじゃ勝てる気がしないや。
 どうやったらそんな風に強くなれるのかな」
拍手の収まらぬ中、沙里奈は仰向けに横たわって茜に問うた。
茜は沙里奈を抱き起こしながら笑いかける。
「恩返しが、したいんです。」
茜は呟く。沙里奈は、その茜の目に一抹の寂しさを読み取った。
「王者になって、ある人の代わりに強くなりたいんです。
 その人は、きっと自分の生き様を否定するでしょうから、私がそれを継ぐんです。
 それが私の恩返し。………私の強さは、彼女に貰ったものだから」
彼女はするりと黒帯を解く。
すっかりくたびれたその黒帯を、茜は静かに握りしめた。
224名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 06:19:20 ID:SeeSkDLX
糞つまらん
225名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 06:38:04 ID:jz5fGk+D
>>223
前回からの引きから一転して全くエロ無しの茜の奮戦記がくるとはwww
しかし茜のキャラってブレがない、一昔前のこの手の話のまんま主人公って感じ。

それにしても悠理どうなってんだろ?
カットジーンズに常時極太バイブ挿入されて首輪つけて引き回される肉奴隷とか、
黒ボロ纏った浮浪者とかに落ちぶれているのか…気になるなぁw

焦らされつつもGJ!
226名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 15:18:24 ID:cQsGv2YP
沙里奈の負け様以外にエロス分がないのが残念だが、茜が担当の幕間では仕方ないか。
壮絶なバトルではあるのでGJ。
しかし、何故か悠里は固唾を呑んだりしてるのが分からないw
227名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 01:57:59 ID:fz6aNMaU
お、キタキタ。エッジ来た。GJ!!
牙を抜かれた悠里を茜が叱咤するって展開か。
つーか3ヶ月かwどんなマゾ奴隷になってるかこれまた期待だね

>悠里は固唾を呑んだ。凄まじい回転の速さだ。
本当だwww
228名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 13:21:24 ID:HlAesqBL
休載は多いが読ませ方ってものを知ってる。
エッジは富樫系だな
229名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 05:29:21 ID:UhKWFENa
悠里は本当に場末のリングで泥レスとかやらされてそう
しかも誇りもなにもなく、ただ元チャンプという看板だけ背負わされてるだけの八百長負け役とかにされてたり
230名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 05:43:04 ID:YD2bYaEd
武道を馬鹿にすんナ、このボケェ
って感じで因縁つけられてボコスカやられたんだから、それはないんじゃないか>八百長
231名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 02:40:53 ID:rqAuKH70
>>230
そういう反感があるからこそ、悠里の武闘家としての自負を否定して
完全追放する意味で「お前のやってた事なんて所詮はこんなもん」
って骨身に沁みさせる意味で八百長見せ物試合させるってのは有りじゃないかな?
232名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 03:19:50 ID:ylDg/Y+w
あれだけ素で折れちゃってたら、そんな八百長なんてしなくてもソッチ系のお姉さんに毎日毎日甚振られてそうだけどねw
もう、不意被られるだけで怯えて固まるくらい躾けられてたりとか。
ガクブルで固まってる悠里をぺろりと舐めて「それじゃぁ、可愛がってア・ゲ・ル」とかいわれて。
甚振られた挙句に性的にも嬲られちゃったりなんかしてね。
そのくらいバッキバキに折られてる悠里ってのもみて見たい気はするw
233名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 04:28:19 ID:+Fo2jlcv
もしや・・・暫く茜視点で進んでいって、奴隷悠里とご対面バトルって感じなのか?
あるいは弟子達のサンドバック扱いになって、毎日失禁KOされてるってのも・・・みたいなw
234名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 12:55:07 ID:KYGVPGDN
ナイトパーティー氏はどうしたんだろう・・・
235名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 12:34:24 ID:5QZRIT3m
ごめ。エロシーンをあれから書き進めていたんだけど、色々と忙しくなってとめちゃった。
今年のうちに区切りのいいところまでは書きますから。

つか、一まとめしたら、何処に保存しとくかな。理想郷のオリジナルあたりにでも放り込むか…。
236名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 12:38:51 ID:5QZRIT3m
あげちまってたorz
237名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:16:31 ID:Z1y8Zu6M
感想ありがとうございます。
>>229-233
そういったネタも考えていました。きっとされている筈です。
238The Edge ep.11  1/10:2008/12/21(日) 14:17:13 ID:Z1y8Zu6M
1.

骨盤からの逆三角が緩やかに膝へ纏まり、ふくらはぎからまたカーブが描かれる。
美脚。
悠里の脚はそう言い表すしかなかった。
桜色の肉が柔らかく形づき、しかし腰掛けても崩れないその肉は、間違いなく無駄のない筋肉。
素人なら、それを単なるモデル脚と見て喉を鳴らすだろう。
身体を知る者なら、その筋肉の流れを見るだけで、それの形成された経緯を察して息を呑むだろう。

しかしその芸術的な脚は、今や快楽に打ち震えるだけの浅ましい肉肢と成り果てていた。
血汗の染み込んだ茶帯に足首を取られ、柱に縛り付けられてのたうつ。
悠里自身は行灯に照らされた部屋の中、重ねられた布団に裸体を沈ませて顔を歪めている。
苦悶の表情だ。
理由は部屋を見渡せば明らかだった。
掬い取られた形のまま固まった軟膏、それをてからせる大小の張型。
そして悠里の淫花には今も、縄を編んだような「ずいき」が愛液を啜って肥大していた。
悠里が感じれば感じるほど、愛液は溢れ出し、ずいきをふやかす。
「はは、ヒクついとる」
楓が悠里の腿を撫でて囁く。
その腿の震えは耐え難い痒みを生々しく物語っていた。
本場のずいきで散々に責め立てられ、もう二時間にもなるだろうか。
淫花はずいきの汁で赤く腫れあがり、蜜を溢し、粗相のごとく畳を濡らす。
蜜は尻肉を覆い、股座へ不快に粘りつく。

そこまでになりながら、しかし悠里は声が出せないでいた。
襖一枚隔てた和室に、門下生の若い声が響いている。稽古の最中なのだ。
楓はそれを知りながら、悠里の傍らへ寝そべって彼女を責め立てる。
楓の手は悠里の乳房を包んだ。
「白うて柔らかい、ええ乳や。この乳は、子供に美味しいミルクを飲ませられる宝やで」
女にとって至上の言葉で湛えながら、柔らかく乳房を捏ねる。
まさに乳搾りという巧みさだ。そのうち母乳が噴き出しそうなほどに。
「…………っっ!!」
悠里は背を丸めて身悶える。
それを横目に、楓はゆっくりとずいきを抜いた。粘糸が自重でぷつりと切れる。
ずいきを抜かれた淫花は喘ぐように開閉していた。
楓は胸をまさぐりながら、別の手でその敏感な部分を覆う。
「ん!」
悠里は次の瞬間、思わず出た声に慌てて口を押さえた。
茂みを撫でるような動き。陰核を擦り、柔肉の入り口を撫で上げる動き。
ざわめくような快感が悠里を襲う。
239The Edge ep.11  2/10:2008/12/21(日) 14:18:24 ID:Z1y8Zu6M

「まさしく随喜、ゆう喜びようやな。腰がとろけそうやろ」
悠里の秘部を扱きながら楓が尋ねた。
悠里は答えない。答えられない。片手で口を塞ぎ、片手でシーツを握り締めて天を仰ぐ。
そうしていてなお、時々に小さな喘ぎ声が漏れてしまっているのだ。
「ああぁ、なんて可愛ええ顔や」
楓は悠里の顔にため息をつきながら、するりと悠里の手を除けて唇を奪う。
髪を撫でながらのそれは、接吻というより母親のキス。
「はふ、ん……っむ…」
たちまちに悠里の顔が蕩ける。
『親に抱かれる』という経験のない悠里に、それは並ならぬ安堵をもたらした。

開いた悠里の脚が踏みしめられる。
キスをされ、胸を愛撫され、秘部をこすられて達しつつあるからだ。
『ねぇ、何か音しない?』
『え…本当?』
『するする、すっごい濡れた音!』
『あの悠里とかいう人が慰めてんじゃないの?あたしらオカズにさ』
練習生の声がする。音が聞こえているらしい。
それでも悠里は腰の動きを止められない。

楓の調教によって、すっかり「抱かれる」ための女の身体にされているのだ。

快楽がひたひたと沸き起こる感覚などもはやない。
快楽の波に呑まれ、あっという間に頭がショートする。
 (っ!だ、だめ、ぇえ、き、きひもち………いいいっ……!!)
悠里は楓の手の中、極上の身体を震えさせて悦ぶ。
しかし、楓はその悠里を途中で投げ出した。
生殺しだ。
悠里が悶える中、楓は静かに部屋の一点を見つめ、手招きする。
稽古を行っている部屋とはまた別の方向だ。
楓は悠里を責め立てながらも、2人を見つめている人物の気配を感じ取っていたのだ。
240The Edge ep.11  3/10:2008/12/21(日) 14:18:59 ID:Z1y8Zu6M
楓の手招きに、襖がゆっくりと開く。現れたのは年若い少女。
以前悠里が『見せしめ』に遭っていたとき、一人浮かない顔をしていた少女だ。

「練習を放り出して覗きに来るんは、良うないな」
「す、すみません…」
楓の静かな戒めに、紗江は恐縮しきって頭を下げる。
師範である楓がよほど畏れ多いのだろう。
しかし楓は、本気で怒っているわけではないらしい。
「まぁ、ええ。ところで紗江…手ぇ、どけてみ」
楓がそう囁くと、ふと紗江の狼狽が色濃くなる。
「え、あの」
「ええから、見せてみい」
やや強い口調で言われ、紗江はおずおずと前に組んでいた手を除ける。
そしてスカートを巻くりあげ、柔らかそうなショーツを躊躇いながら下ろす。
悠里は目を丸くした。
そこにあった物は、少女にあってはいけないもの。
包皮に包まれた男根だ。

「世にも珍しい、両性具有や。ま、ここまで立派なんは更に稀やがな」
楓が悠里に囁いた。
両性具有。男性器と女性器を共に有する人間。紗江もまた、その類だった。
楓は一歩進み、紗江の勃起したものを摘む。
包皮を剥くと、中から薄い白濁が伝い落ちる。
「へぇ…。あんたがココまでになるんは初めてやな。悠里に欲情したんか」
楓が言うと、紗江は顔を赤くして視線を惑わせた。
「い、いえ!あの……」
うろたえながら、しかし隆起だけは力強くそそり立っている。
濡れきって物欲しそうに喘ぐ悠里と、いきり立って先走りを溢す紗江。
「たまらんのが2人も居るようやし、これはお互いに鎮めあいやな」
楓は左手で紗江の勃起を弄くり、右手で悠里の潤みをくじる。二人は共に眉を顰めた。
241The Edge ep.11  4/10:2008/12/21(日) 14:23:52 ID:Z1y8Zu6M

「ま、待ってください!私は、そんな!」
紗江は首を振って拒絶を示す。しかし、楓はそれを赦さない。
「練習を抜け出した罰や。悠里を思うさま犯しぬいて、女の悦びを教え込みい!」
左手で怒張を扱いて硬さを与えると、そのまま右手で開いた悠里の肉のあわいへと導いていく。
「あ、いやあっ!!」
悲鳴は、悠里のものであったか、紗江のものであったかはわからない。
しかし次の瞬間、小さな臀部に張り手を食らわされた紗江は、その痛みで悠里の中に割り入った。

「う、うああ!」
紗江が声を上げる。悠里の中があまりに熱く、そして強烈に彼女の滾りを締め付けてきたからだ。
挿入のその一瞬だけで、彼女の脳を凄まじい快感が埋め尽くした。
「え、何で…?何で、こんなに締めて、ああっ、き、気持ち……いいよぉ!!」
もう、紗江は抗えなかった。
最初はせめてもと悠里を見守っていた筈だったのに、いつしかひどく興奮している自分がいた。
元々肥大していた陰核がさらに隆起し、痛いほどになっていくのがわかった。
悠里をそんな目で見ようなどとは、思ったこともないのに。
自分だけはしないと思っていたのに。
「あ、あん!う、ああっ!ん、ああっ!や…あ!!」
悠里が目を瞑り、シーツを握り締めて喘ぐ。
その表情も、声も、体つきも、全てが紗江を昂ぶらせる。
242The Edge ep.11  5/10:2008/12/21(日) 14:24:29 ID:Z1y8Zu6M

ぐちゅぐちゅという水音、肉の当たる小気味良い音、そのリズムと共に快感が強まっていく。
「ん、く…うぁ、…っく!!」
必死に声を殺す悠里も同様なのだろう。
彼女は脚をうねらせ、背を弓なりに曲げて快感を表していた。
「ほぉら、もっとしゃっきり腰を動かしぃや」
楓が紗江の後ろに回り、その蕾のような後孔に指を這わす。
「うんッ!?」
指はぬるりと中に滑り込み、紗江が叫ぶ。痛みと、言葉にならない壮烈な感覚。
それが紗江のいきり立ったものへさらに血を通わせる。
紗江はたまらず悠里の腰を掴み、力強く腰を打ちつけた。
「ううう!!」
悠里の脚が跳ね、帯で繋がった柱を軋ませる。

「……悠里、帯はもうええな?」
ふいに楓が尋ねた。悠里の視線が傍らを向く。
「あんたはもう只の女や。これで脚を封じんでも、大丈夫やな?」
楓は、悠里の脚を縛る茶帯を握りしめた。
悠里は一瞬にして目を見開き、かつての凛とした表情に戻る。

血潮を吸ってくたびれた茶帯。
再会の約束と共に、後輩と交わした帯。
その帯は、長らく彼女の心の支えだった。
しかし媚肉で繋がった紗江には、彼女の心の傾きがわかった。
快感が大きすぎる。抗おうにも茹だった頭はすぐに思考をなくし、泥濘に沈む。
それが楓がする躾の巧みさだ。

そして悠里の瞳は蕩けたように濁った。
楓は笑みを浮かべ、茶帯を素早く解く。
悠里の脚が自由になり、紗江の腰に巻きつけられる。
そこから、2人はいよいよ本格的に腰を使い始めた。血が蒸発しそうなほど昂ぶる。
「んんんっっ!!!」
悠里が強く紗江に抱きついた直後、膣奥が強く収縮し、直後に弛緩する。
ああ、イったんだ。そう思った直後、紗江もまた強烈な電流に苛まれ、腰を数回震わせながら、
暖かい悠里の中へ溜め込んできた精を迸らせた。止め処なく、止め処なく。

繋がったまま胸を上下させる悠里に、古びた茶帯が落とされる。
「あんたにそれはもう要らん。最後のケジメは付けさせたるよって、何処へなりと捨てて来ぃ」
楓の言葉が降り注ぐ。悠里は眉を顰める。
しかし、眉は緩み、瞼は震えながら閉じられた。
243The Edge ep.11  6/10:2008/12/21(日) 14:25:15 ID:Z1y8Zu6M
2.

校門には雪が積もっていた。それを見上げ、悠里は4年前を思い出す。
去る悠里に追い縋り、泣きながら抱きしめてきた茜のことを。
 ――あなたは強くなるわ。またリングで会いましょうか。
あの時、悠里はそう言った。
かくして茜はそれを守った。驚くほどの精神力を携えて。
茜の強さは心の強さだ。
以前は実力で劣っていても、次に会うと見違えている。
それは、茜が常に前だけを見ているからだ。
過去を払拭するため戦う悠里とは根本的に違う。
「あの子こそ、真の王者ね」
悠里が黒ずんだ茶帯を握り締め、踵を返した、その時。
「やっぱり、ここに来ましたね」
校門の影から、少女が姿を現した。
「茜…。」
悠里は静かにその少女を見つめる。不思議と驚きはなかった。

「……先輩。私、暫定王者になりました」
「そう、おめでとう。あなたなら当然ね」
悠里はにこやかに笑って称え、茜はそれを眩しそうに見上げる。
「半年です」
茜は言った。
「あと半年以内に王座統一戦を行わなければ、先輩のベルトは剥奪されます」
悠里は首を振る。
「そんなに待つまでもないわ。私は…もうすぐ、お見合いをして結婚するから。
 楓さんって人のお知り合いに、私を気に入って下さってる方がいらしてね。
 ………普通の女としての幸せを、こんな私でも掴めそうなの」
悠里は、少し照れたように腕を組んでそう告げた。

相も変わらず優雅だ。
しかし、今のそれは何故か、茜にとってひどく遠いものに思えた。
格闘になど縁のない、良家のお嬢様のように。
「……そ、そうですか。先輩、美人ですもんね、それは、いい事だと……思います」
茜はショックで震えながら、懸命に言葉を紡ぐ。
「ふふ、ありがとう。」
悠里が笑い、茜も愛想笑いを返し、そして沈黙が訪れる。
244The Edge ep.11  7/10:2008/12/21(日) 14:25:49 ID:Z1y8Zu6M

(先輩が決めたことじゃない。私には反対する権利なんてない。
 それに、女としての将来を考えたなら本当にいいことだ。殴り合ってるより、ずっと)
沈黙の中、茜は考える。
2人の間にしんしんと雪が降り積もる。
「………それじゃあ、さようなら、ね」
悠里はやはり寂しそうに笑い、茜を抱き寄せ、ちゅ、ちゅっとその両の頬にキスをした。
そして茜が俯いて黙りこくっているのを見て、静かに背を向ける。

「ねぇ先輩、ひとつ…訊いてもいいですか」
茜は声を発した。悠里が振り返る。
「路地裏で初めて会った時、先輩、私を見て驚いた顔をしてましたよね。
 なぜですか?…私はただ、動けずに見ていただけなのに」
初めて悠里と会ったとき、彼女は茜に驚いた。
茜が常識を超えた動きで戦う悠里に驚くのはわかるが、その逆は理由がない。

悠里は微笑んだ。
「空手に興味があったからね、同じ学校のあなたの試合を見てたのよ。
 それで、すごいなぁって」
「…はぁ、すごい…ですか」
茜は怪訝そうに眉を寄せる。
悠里と出会う前の試合は、ただ相手に臆して守っているばかりだった筈だが。
「そうよ。あなたは、私を勇敢だと思う?」
悠里は自分を指し、茜に問う。
茜は即座に頷いた。守りを考えず、常に攻め、瞬く間に相手を打ち崩す。
あれを勇敢といわずして何というのか。

「…違うわ。私はね、相手が何をしてくるのか、わからないの。
 じっとしていたら何をされるかわからない。だから思い切って攻撃するだけ。
 でも、あなたは違う」
悠里は茜を指差した。
「あなたは、恐れてた。相手の『行動』を、あらゆる『危険性』を予測して身構えてた。
 …私には、それが底知れなく強いと思えたわ」
茜は息を呑む。
確かに、茜は相手と対峙したその瞬間、常に最悪のビジョンが見えた。
最も受けてはいけない攻撃と、それのもたらす結果がありありとわかった。
悠里は、試合を傍から見ただけでそれを見抜いたのだ。

「だから、王者に相応しいのはあなたよ。恐怖を克服できる、あなた。
 ……頑張ってね」
悠里は最後にそう笑いかけ、今度こそ彼女に背を向けて歩き出す。
雪の足跡が遠のいていく。
別れだ。
245The Edge ep.11  8/10:2008/12/21(日) 14:26:24 ID:Z1y8Zu6M
悠里の歩く姿は様になった。
長い脚、しゃんと伸びた背、獅子の尾のような後ろ髪。
格好いい、と茜は思う。彼女と今まで話をしていた事が誇らしくなるほどだ。
これから彼女は家庭に入り、一人の女性として生涯を終える。
もう自分とは違う世界だ。
 ――彼女を超えられただろうか?
     あの日見た、人智を超えた彼女の強さに追いつけただろうか?
その答えは、もう永久にわからない。
カーペントレス(木こり娘)と呼ばれた女王の姿は、もう見られない。

 嫌だ。
茜は肩を震わせた。
 …………嫌だ!

『 悠里いいいぃっ !!!!! 』

茜の叫びに、悠里が振り返る。その瞬間。
パン!
乾いた音がし、頬を熱さが走った。
「え、な、何すんの……」
彼女がうろたえる中、再び茜の手が動く。悠里は防ごうとしたが、速い。
パンッ!!
再び茜の手のひらが悠里の顔を打つ。

「あなたは先輩じゃありません。その皮を被っただけの偽者です。
 先輩は、確かに弱い人でした。
 寂しがりで、情緒不安定で、孤高を気取るくせに誰かと居たがる。
 おまけに気分屋で、パーティーでもすぐにふらっといなくなる。
  ………でもね。先輩は、戦いにだけは真摯でした!!」

三度目、茜のビンタが悠里の顔を歪ませる。
「あ……あんたに、あんたに私の何がわかんのよ!」
とうとう悠里もビンタを返した。
バチィン!!
凄まじい音とともに、茜の顔が弾け飛ぶ。
「痛い……さすがの力です、ね!」
茜はさらにビンタを返す。悠里の首が捩れる。
悠里は首を捻ったまま、茜を睨みすえて手を振り上げる。
246The Edge ep.11  9/10:2008/12/21(日) 14:27:31 ID:Z1y8Zu6M

バチン、バチッ、バチィン!!

雪の中、白い息を吐きながら、2人はビンタの応酬を浴びせあう。
頬は赤く腫れ、眦には涙を浮かせながら。

「はん、何よあんた、叩かれて笑って?」
頬を張りながら悠里が言った。
「だって…」
返しながら茜が答える。
「だって、嬉しいんです。私、ずっとこうしたかった。
 先輩と対等な立場で、怒って、殴って、感情をぶつけ合いたかった!!」
茜は泣いていた。
痛みでではない。悠里の懐に寄りかかりながら、笑って、泣いていた。
「茜…。」
悠里は手を止めた。
雪の降る寒さの中、掌と頬だけが痺れるように温かい。
「……お願いです、先輩。もう一度、リングに立ってください。
 私は、あなたの背中を追いかけてここまで来ました。
 あなたのお陰で、今の私があるんです。強くなれたんです!!」

「お前だけじゃあ、ないぜ」
その時、校門からさらに別の声が掛けられる。
2人が振り返ると、そこには金メッシュの少女が立っていた。
レディースの頭、早紀だ。
「あたしもさ、姐さん。あたしもアンタのお陰で、人生が変わっちまった。
 他にも一杯いるぜ、あんたが変えちまった奴らがよ」
早紀は肩を竦ませた。
「…っかしよ、こんな校門前できれいな顔バシバシやり合いやがって。
誰かに見られたらどうすんだ?」
悠里と茜が顔を見合わせる。
そんな2人に、早紀はやがて破顔した。

 ――でも、ま。お似合いだぜ。

早紀は心からそう思う。
247The Edge ep.11  10/10:2008/12/21(日) 14:28:27 ID:Z1y8Zu6M
「……そうね」
悠里は呟き、後ろ髪に手を伸ばした。
紐を引き、獅子の尾のように結っていた髪をほどく。
黒い艶めきが風に舞った。
長らく彼女を縛り付けていたものが、ようやく解き放たれたように。
その美しさに、茜も、早紀もただ見惚れる。
「私は王者だったわ。」
長い髪を揺らし、悠里は目を閉じる。
茜はぞくぞくする心を抑えられなかった。
やはり、やはりこの人こそが女帝だ。

茜は懐から黒帯を取り出し、悠里に差し出す。
「先輩、リングで会いましょう」
「いいの?今の私たちが戦ったら、きっと殺し合いよ」
悠里も手にしていた茶帯を茜の手に乗せた。
「あはは。じゃあ、殺しあいましょう」
「そうね、そうこなくちゃ」
二つの帯が交わされる。
悠里と茜は並び立ち、互いを見つめ合った。
四年前はあれほどあった差が、今は殆ど感じられない。

強い身体に、弱い心。
強い心に、弱い身体。

共に不完全であった2人は、まさに今、彼女達の望む強さを手にしていた。
248名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 18:23:14 ID:Vhr7+mxT
ぐぬぅ…えらくまたエロ描写を端折られた気もしないではないが、GJ!
生憎ここはバトルのスレ、陵辱調教とかはスレ違いか

やっぱ女同士のバトルといえばビンタの応酬は外せないよねw

いつか作者さんには調教中の悠里を書いてもらいたいね
乙でした!
249名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 00:45:22 ID:PU7P8aiG
あ。、エッジが来てる。乙っす。
えー悠里復活?3ヶ月調教され続けてたのに?あっけないなぁ・・・
楓にリベンジしないと完全復活とはいえない気もするが、次回以降かね

しかしフタナリ娘でっかw予想外で面白すw
とりあえず、次回もwktk
250名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 01:03:21 ID:xEQ8FaTw
その前に茜とフタナリ娘で悠里を取り合うバトルがあったりしてw

ん?どっちがより多く悠里をイカせられるかを競うラブイチャバトルってのもありか
悠里にとっては甘美な地獄だろうがw
251名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 09:24:34 ID:QAHGHSDe
どんどん書き方が雑になってきてるな。
やる気ないならやめればいいのに
252名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 12:38:40 ID:kQGMwhDP
同意。年越えで居座るのは勘弁
253名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 13:24:03 ID:o8O22ZvR
書き手には少なからず物を生み出す苦悩ってもんが付いて回る
嫉妬なのか嫌悪なのか、それともただ叩きたいだけなのかは分からないが、少なくともその辺は汲んでやれ
254名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 14:39:41 ID:bUKPBLiF
確かに最初のころと比べると、最近すげえいい加減な感じがするな
文章をなめてるのか読者をなめてるのか
255名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 17:20:45 ID:qwv1XHgR
こんな読者ならなめられて当然だよね
256名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 20:24:15 ID:Mz3guCYT
何この住人同士の壮絶なリンチスレ
257名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 13:29:45 ID:pxjZwX8e
幕間なんだし仕方ないだろうよ
莉緒戦以来バトルらしいバトルないし

無条件でマンセーする訳じゃないが、これだけのモノ書ける人は殆どいないでしょ
プロでも最初のテンションを維持しつづけられる人なんてそうはいないんだし
とりあえずエッジ完結までwktk
258名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 00:11:37 ID:pPnL2vLy
誰が住人同士でバトルしろと
とりあえずエッジの人は好きに描き続けてくだはい俺は待ってる
259名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 04:16:28 ID:C5rJMGms
感想有難うございます。
次回でラストですが、年内完結はぎりぎりで無理そうです。

今回9レス分を投下します。
場面が交互になって少しわかりづらいかもしれませんが、「※」で場面切り替えです。
宜しくお願いします。
260The Edge ep.12  1/9:2008/12/30(火) 04:18:35 ID:C5rJMGms

「それが答えか」
悠里の携えた黒帯を凝視し、楓が拳を握った。
そこにあるのは明確な憤怒。周囲の門下生達の顔が引き攣る。
それは悠里も同じだ。
彼女は楓に「恐れ」を抱いていた。
今までの彼女なら、それを表しようのない漠然とした感覚と捉えただろう。
しかし今は、自分が脅えているとはっきり理解できる。
腕が震え、腰が砕けそうになる。
その“脅威”は、悠里と対峙した者達が皆感じてきたことだろう。
しかし彼女達は逃げなかった。圧倒的な力量差を前に、尚も立ち向かってきた。
なんと勇敢な事だろう。
それと戦ってきたことの、なんと誉れ高き事だろう。
悠里はその幸せを噛み締めながら、もう一つ想い浮かべることがあった。
楓に告げるのは、そのもう一つの想い。

「  お母さん  」

悠里は囁いた。楓の貌が変わる。

「…なんて、呼ぶ資格がない事は解ってます。それでも、呼びたい。
 ここでの経験はとても新鮮なものでした。
 貴方に抱かれる事は、親を知らない私に安心をくれました。
 女の悦びを知って、淑やかに過ごして。
 ひょっとしたら私にもあったかもしれない幸せが此処にはありました。
  でも、気付いたんです。
 こんな私を目標にしてくれる娘がいる。拳を交えたいと思う人がいる。
 罪の償いだからとか、ずっとしてきた事だからじゃない。

 私は、………………強くなりたい」

楓の瞳が驚きに見開かれる。
悠里は涙していた。ようやく溢れ出した本当の気持ちに押されて。

楓は目を閉じ、ひとつ溜め息を吐く。
「生憎と、ウチは言葉は信じへんのや。……せやけど」
さぁと音がする。楓の穿く袴の裾が広がり、着物の袖が持ち上がる。
待ちの構え。
「その心意気は汲んだるわ」
楓の覇気が悠里の足元にさざめいていく。
肌を撫でるようなその恐怖を、悠里は愛おしくさえ感じた。

悠里は軽く跳んで身体をほぐす。
穏やかだった心が弾み、畳に近づくにつれて高鳴っていく。
「……行きます!!」
畳を蹴って駆ける。
それは叩き伏せるための猛進ではなく、溢れる生の喜びを抑えきれんがための躍動だった。
261The Edge ep.12  2/9:2008/12/30(火) 04:19:30 ID:C5rJMGms



「悠里と戦うための前哨戦が私…か。妥当な判断だ」
香蘭は酒瓶から口を離して言った。
茜はその横顔をじっと見つめる。あの日、茜に死を覚悟させた殺し屋。
しかし今の彼女はただ麗しさを残すのみで、むしろ暖かな心が滲み出るようだった。
変わったのだ、悠里と出会って。
「ふん。腑抜け顔になった、とでも思っているのか?」
横顔を見つめる茜に、香蘭は意地悪く問う。茜は慌てて目を逸らした。
香蘭はそれに笑いを返し、手にした瓶を傾けて地面に酒を注いでいく。

「因果なものだな。あの日殺し損ねた小娘と、こうして語らうことになろうとは」
「ふふ、そうですね。あの時は本当に怖かった」
「言っておくが謝らんぞ?命を背負うことを覚悟しての一投だったからな」
「結構です、しっかりと殺されましたから。…私の大嫌いだった私が」

茜と香蘭は目線を交わし、くつくつと笑った。
透明な雫を垂らし、酒瓶の中身は全て地に空けられる。
香蘭は二つ目の瓶を手に茜に問う。
「悠里に惚れているか?」
茜は動揺を見せた。あからさまなほど図星という表情で。
「あ、あなたこそどうなんですか」
茜が問い返すと、香蘭もやや困窮を見せた。
「お前にだけは言いたくないな」
そう言って目を閉じる。二つ目の酒瓶が空になった。

互いに悠里を想う者同士、本来言葉など必要ない。
他愛のない会話はやがて尽き、2人は澄み切った冬空を見上げる。

「やるか」
「ええ」
短い言葉を交わした後、香蘭は取り出したマッチを擦った。
小さな火種は地面へ投げ捨てられ、その瞬間、2人の周りに火柱が立ち上がる。
酒の甘さが燃え盛る炎に混じり薫った。
「クソ度胸は一人前か」
香蘭は茜を見据えて呟く。茜は周囲を炎に囲まれながら、視線を微塵も惑わさない。
香蘭は左手を頭の上に、右は手の甲を立てて低く構える。
「押忍っ!!」
龍が大口を開けて襲い来るような威圧感を、楓は気合の声で迎え撃った。
262The Edge ep.12  3/9:2008/12/30(火) 04:20:37 ID:C5rJMGms



悠里の長身が跳ぶように距離を詰める。
紗江はその姿に見惚れた。長い脚が筋肉を伸縮させ駆ける様は絵になった。
しかしその向かう先には楓がいる。
鍛えられ女だてらに逞しい腕、地に根を張る大樹が如き下半身。
そして長年の鍛錬で培った戦闘勘。
『達人』という幻想じみた言葉が、この楓の前では真実味を持つ。
その四肢はゆっくりと真円を描き、予定調和だといわんばかりに悠里の突きを受け流した。
「おぅふっ!!」
悠里の体がくの字に折れる。楓は突きを流し、返しに腹へと肘打ちを浴びせかけたのだ。
そして肘打ちは起点に過ぎない。
腹を打たれて怯む、その人間としてごく当たり前の動作を利用してさらに打ち込む。
掌底で顎を跳ね上げ、脇腹へ手刀を突き刺し、鼻の下を殴りつけ。

「が、あふっ、あ、ぐぅっっ!!!」
怒涛の連打で悠里の体が四方に跳ねる。足が畳に筋をつけて後退していく。
それはそうだ。楓は人間を無力化する古武術の師。
格闘を嗜むとはいえ、まだ小娘に過ぎない悠里がその攻めから逃れられる筈がない。
紗江はそう思ったし、門下生も皆そうだったろう。

しかし、時間にして僅か数秒、その間に数十の手を浴びながら、悠里は安らかな表情を称えていた。
逆に楓は表情を苦しげに変えていく。
その時紗江は、悠里がやけに大きく跳ねている事に気がついた。
悠里は成す術がなかったのではない。
あえて逆らわず、むしろ大仰に連打に流されているのだ。
相手の抗う力を利用する楓にとって、それはこの上なく扱いづらい。
しかし普通の人間が狙ってできることではないのも事実。
目まぐるしい打撃の流れを読んで身体を反らし、頭がつくほど身が仰け反っても倒れず。
そんな事は人間離れした反射神経と異常なバランス感覚がなければ為しえない。

「くはあっ!」
無呼吸の限界を迎えた楓がついに顔を上げたその瞬間、悠里の足が畳を軋ませた。
楓は息が整わないのも構わず防御の形を作る。そして、構わないのは悠里も同じ。
筋肉の躍動が見て取れる。
脚を振り上げる腿に筋が浮き、支える臀部が引き締まり、腰の衣服に皺ができ、
「あははっ…」
紗江はどうしてか笑っていた。ひどく心がわくわくした。
それはきっと、悠里の脚を振り上げる様が爽快なほどに綺麗だったから。

戦斧は空高く振り上げられた。
悠里の足先は大気を切り裂き、弧を描いて楓に突き刺さる。
「ぐ、ううううおおおおおおっっっ!!!!」
古武術で人が壊されるのが真実なら、その至高の蹴りを受けきれないのもまた真実。
地に根を張るようだった楓の体が浮き上がり、襖を突き破り、渡り廊下に軋みの音を響かせた。
263The Edge ep.12  4/9:2008/12/30(火) 04:21:41 ID:C5rJMGms



「甘い!」
茜の開いた脇腹に、香蘭は至近距離からの崩拳を食らわせる。
「くうっ!!」
その威力に茜の小さな体は後退し、燃え盛る炎に寄りかかった。
炎が舌を伸ばす。それは茜の上衣に燃え移り、少女を呑みこもうとする。
すると、茜は躊躇なく上衣を破り去った。
現れるのは子供らしい細い身体。その身体に比べ、なんと冷静なことだろう。
香蘭は炎をあしらう茜を見つめつつ、顔を拭った。
その中華系の涼しい美貌は数ヶ所赤く腫れている。

正直なところ、香蘭は茜に舌を巻く思いでいた。
体格にはお世辞にも恵まれているとはいえず、格別に高い攻撃力があるわけではない。
しかし、手強い。責めきれない。
茜は再び幅広いスタンスを取り、地に引き絞るように腰を落とす。
小さな体をより一層小さく見せるかのように。
その安定感はまるで岩だ。
体格差によって力負けすることのない、見事な構え。
その牙城を1度崩すために、責めを主体とする香蘭は実に10を越える直撃を貰っていた。

「あ、ぐ……は、はぁっ……!!」
しかし茜の状況も変わってきている。
崩拳を受けた脇腹を押さえて汗を流し、息も切らしている。
小柄な者について回る、絶対的なスタミナ不足。
いかに稽古を積んだとはいえ、長丁場になれば体格に劣る茜は分が悪い。
「ふん、苦しいか茜。スタミナが切れた状態でのボディは効くだろう」
香蘭が囁きかける。
ボディなどというものではない、重みに重みをかさねた内臓壊しの崩拳だ。
いま茜の肝臓は狂いそうな唸りをあげていることだろう。

「気丈に構えてはいるが、張子の虎に過ぎまい」
香蘭は距離を詰めた。茜が目を見開く。
走る、歩く、跳ぶ、滑る。その全てを混ぜたような脚捌き。
近づくスピードが読めず、ときに後退まで織り交ぜて不規則に近づいてくる。
「う!……せぇいッ!!」
すぐ胸の先まで迫られ、茜は反射的に拳を打ち出した。しかし、そこに感触はない。
紙一重、茜の拳が届かない場所に下がっていた。
「リーチのないお前にこの歩法は控えるつもりだったが……
 少し、強くなりすぎたな」
香蘭は言うなり突きを繰り出した。
茜は届かなかったが、四肢の長い香蘭には問題のない位置だ。
拳は胸骨を捕らえたらしく、べこんと鈍い感触がする。
「 はぐうっ 」
茜は目を見開き、胸を庇ってよろめいた。
その尻穴を炎が舐め、細い身体は竦んでへたり込んだ。
264The Edge ep.12  5/9:2008/12/30(火) 04:22:58 ID:C5rJMGms
へたり込んだ茜に、香蘭は極端に膝を落とした構えを取る。
下段の相手を打ち据える構えだ。
容赦はしない。悠里と戦おうという相手だ、ここで潰れるならそこまでの事。
香蘭は旋風脚のように脚を舞い上がらせる。
その鮮やかな蹴りは巻きつくように楓の身を昇り、無理矢理に引き起こす。
そしてふらつく茜の頭頂部を、香蘭は中指一本拳で打ち下ろした。
かんっと硬い音がする。
「うあ…」
その瞬間、茜は一瞬白目を剥き、その後酩酊したようにふらつく。
「あ、れ…?足が…、地面、どこ……?あ、きゃあああっっ!!!」
よろめいた後、まともに炎を浴びて絶叫する。
慌てて炙られた箇所を擦るが、すでに身体のあちこちが真っ赤に腫れ上がっていた。

香蘭はその茜をじっと見つめる。
炎自体の温度は低く、炙られる程度なら跡が残る火傷にはならないだろう。
しかし、炎が煽るのはむしろ心。身体より先に警笛を鳴らす心が折れる。
それは悠里の蹴りとて同じこと。
香蘭はこの戦いをただの前哨戦とは思わない。これは洗礼だ。
竜虎として並び立ってきた悠里との間に割り込む小娘、それを疎んじる心もある。
だがそれ以上に、茜への嫉妬が大きい。
茜は若く、将来性もある。成長を続ける悠里の敵に相応しい。

「だが、弱いな!」
香蘭は茜の首を持ち上げ、頚動脈を絞め上げる。自重で絞まっていくように。
「あ、あつ!はっ、あ、ぐ!!」
茜はもがき苦しむ。首を絞められるだけでなく、足の指を炎がちらつくのだ。
「王手だ、若娘。そのまま落ちろ!」
香蘭は本気で言った。
下が炎では足がつけない、足がつけなければ体重の乗った打撃は打てない。
ならば、小さな空手家が体格に優のある香蘭に効かせる攻撃など、もはや無い。
265The Edge ep.12  6/9:2008/12/30(火) 04:24:02 ID:C5rJMGms
無いはずだ。

「負け、ないんだ…。先輩は……こんなときでも、負け…たり、しないんだ……!!!」
茜は虚空を仰いで呻くと、足を浮かせて香蘭の膝を踏みつける。
「なに…!!」
香蘭が顔色を変える。小さいがゆえの踏み台だ。そうすれば、腰が据わる。
「せやああッッ!!!
茜は裂帛の気合を込め、身体全体をぶつける様に左肘を放った。
肘は深々と香蘭の胸元に潜り込む。
「ぐああァっ!!」
香蘭は呻きをあげた。急所への肘は相当に効く。
だが、それ一撃で決まるほどでは、ない。

「ざ、残念…だった、な」
香蘭は咳き込みながら、茜の喉元に指を食い込ませていく。
こちらは本当の急所、“禁針穴”。押し込めば一分と待たず落とすことが出来る。
たちまち茜の顔が真っ赤に染まっていく。
龍の牙が茜の喉元を抉る。勝負はもう決した……はずだった。
その時、こひゅうっ、と息を吸う音がした。茜の呼吸だ。

妙に思い、茜の手を見て、香蘭はほくそ笑む。
茜は右の掌底を放とうとしていた。確かに効果的だが、それは肘打ちにさえ劣る。
終わりだ。
香蘭が最後に力を込めようとした瞬間、彼女の胸を鋭い痛みが襲う。
「ぐふっ………あ、…っっ…か………!?」
香蘭は声もなく、茜を放して後ろに崩れ落ちる。
「げほ、げほ、げぇ…っが、う!!」
背を丸めて咳き込む、ひどく咳き込む。そしてえづき上げた。
あばらが確実に逝っているだろう。

「あの、大丈夫ですか?」
自身も咳き込みながら、背をさすってくる茜を香蘭は見上げた。
最後にもたらされた痛みは、まるで槍に串刺しになったよう。
自らの胸の穿たれた痕を見て、香蘭は全てを悟った。
あの掌底は、最初に放った肘を打ち込んだのだ。
いわば発勁と同じ。肘で筋肉を押さえつけ、その腕ごと掌底で打ち込む。

「……恐れ入るな。よもや最後の最後で、こんな技を隠し持っているとは。」
香蘭は茜に支えられて身を起こし、笑った。
茜もそれに笑みを返し、疲労が頂点に達したのか、地に伏して目を閉じた。
266The Edge ep.12  7/9:2008/12/30(火) 04:24:39 ID:C5rJMGms



楓は襖を打ち倒して立ち上がる。
そして膝を払うと、畳を軋ませて一歩、一歩と歩みを進める。
悠里は泰然と立ち、垂らした指を鳴らしてそれを迎えた。
門下生達が喉を鳴らす。
その完成された身体に気後れはしたものの、やはり同じ女だと思えていた悠里。
実際に戦う様をほとんど目にすることがないため、威光が薄れつつあった楓。
その2人の領域が近づく様には、核兵器が擦り合うような緊迫感があった。
その緊迫感に比べて、二人の近づく足取りはあまりに軽い。
ひょっとすれば大した事が起きないのではないか…そう思える軽さ。
しかし、その予想はあっさりと覆される。

2人の放った打撃がそれぞれの胸部を跳ね飛ばす。
門下生達では踏み込むのに決死の覚悟を要する死線が、破られたのだ。
そこから乱打が始まった。

悠里のフックが楓の厚い腹筋を震わせる。楓は前屈みになりながら悠里に絡みつき、
自ら回転しながら悠里を引き落とす。周囲の畳までもが揺らぐ勢いだ。
「まだまだ!!」
悠里は倒れたまま、自分を掴む楓の足を払った。畳の目に沿って、だ。
「ぐ!」
楓がバランスを崩す間に、悠里は草がそよぐように立ち上がり、膝を入れる。
ムエタイのようなスピードのある膝。
「くう!」
楓はそれを喰らってさすがによろめき、
しかしよろめいた位置から不意をついた裏拳で悠里の顔を跳ね上げる。

大きな動きはそうしたもの。
しかしその裏で、2人は密かな攻防を目まぐるしく交わしていた。
それは重心の崩しあいであり、技の潰し合いであり、一撃ではダメージにならない牽制でもある。
林立した巨木に絡まった蔦の如くで、紗江はその全てを追う事はできずにいた。
それでも、解ることがある。
今のその姿こそ、自分が見たかった悠里の姿であると。
267The Edge ep.12  8/9:2008/12/30(火) 04:25:49 ID:C5rJMGms

「せいっ!」
悠里のローキックが放たれる。
ざすっ、明らかにそう聴こえる重い音が楓の袴を掠める。
その時楓は跳んでいた。豊かな身体に似つかわしくないほど身軽に。
そのままドロップキックに似た鋭い蹴りで悠里の懐に滑り込み、一発、二発拳を打ち込み、
続けて両の掌底を咲く華のように捻りこむ。
「ぁふうッッ!!」
今度浮いたのは悠里の身体だった。
長身は後ろに吹き飛び、大黒柱に磔のように打ち付けられる。

「う、あ……」
後頭部を強かに打ったことで脳震盪を起こしたのか、悠里の目が一瞬眠るように蕩け、
すぐに己を奮い立たせるように見開かれる。
直後、彼女は胸を押さえて咳き込みながら柱をずり下がった。最後の一打が効いたらしい。
崩れ落ちた悠里に影が落ちる。
「ぐ………う…………!!」
悠里は苦しそうに目を細めて立ち上がろうとするが、脳震盪と胸部の圧迫感が治まらない。
「悠里」
楓が見下ろして声をかける。悠里がそれでも抗おうと腿を強張らせたとき、楓は言葉を繋いだ。

「ウチの負けや。
 …………もう、腕が上がらぁしまへん」

悠里が顔を上げると、楓は腕を力無く下げていた。着物の袖が垂れている。
部屋は静まり返った。
「…あの時、ですか?」
悠里は問うた。楓を渡り廊下にまで蹴り飛ばした時のことだ。楓は頷く。
「勘違いせんときや。もう戦えん、ちゅう意味やあらへん。
 腕が駄目でも、胴と脚があれば十分。
 ただ、ウチは武を伝える武道家や。それが腕を折られた。未熟の致す所やな」
楓はその場に座すると、悠里の瞳を覗き込む。

「えぇ眼や。こんな誇り高い眼ぇした王者と戦えたんは、長らくウチの誇りになるやろうな」
楓はそう告げると、腕の先で悠里を抱きとめた。
「……… 悠里、かわいい娘。
 いつでも帰ってきたらええ。戦いに疲れた時は、いつでも迎えたるからな」

悠里は泣かなかった。ただ顔を上に向けて、楓を抱いたままじっとしていた。
しかし、部屋には泣き声が溢れた。
紗江も、門下生も、誰ともなしに懺悔の涙を流していた。
それを聞くうち、やがて悠里の頬にも光る筋が伝い落ちた。
268The Edge ep.12  9/9:2008/12/30(火) 04:26:21 ID:C5rJMGms



「ふん、なんだそのザマは」
香蘭は、楓が腕に巻く包帯を一瞥して言った。
「アンタこそ、えらい格好やないの」
楓は、香蘭が胸に巻く包帯を一瞥して返した。
そしてどちらともなく笑い出し、白い息を吐きながら空を見つめる。

「その蹴りが斧だとすれば、こちらの肘はさしずめ槍だな。
 まさしく殺るか殺られるか、澄み渡る刃の刺しあいというわけだ」
「せやな。総合の女神も、私ら武術家を超えうる強兵や。
 時代は変わった。
 今やポルノ女優かて、映画女優よりも別嬪もおる、ちゅうことか」
「何だそれは?」
「いやいや、こっちの話や」

2人の武術家がくつろぐ場所に、一人の少女が駆けてくる。
「あの、もう開場するそうですよ。そろそろ…」
「ああそうか。ほな行こか、紗江」
楓は席を立ち、その少女の頭を撫でた。
少女はくすぐったそうに頭を振った後、少し恥ずかしそうに楓に寄り添う。
「行きましょう。………おかあさん」
楓はその言葉に、少し意外そうな表情をみせる。
「はは。ずいぶんと久しぶりだな、その娘がお前を母と呼ぶのは」
香蘭が笑う。
楓も笑みを浮かべる。
「ほな行こか。もう一人の娘の、生き様を見にな」
269名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 06:02:19 ID:+KE+Hr+s
おお、なんか人間模様の総決算って感じでバトル有りのGJ!
しかし楓はフタナリ少女生んでるとか若い頃に何やってたんだwwww
270名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 02:31:20 ID:74DGe4tO
エッジが来てる。今年最後の作品、乙であります

が・・・茜戦はいいんだけどね。サブキャラだし。さらっと流しても別に仔細なし。
あんまり密度濃すぎると、底が知れるから丁度いい。

けどさぁ・・・悠里戦はもうちょっと・・・その・・・密度濃く書いて欲しいな
圧倒的敗北からのリベンジっしょ?恐怖の克服でしょ?殺し技の対応策とかさ
なんか色々あるっしょ?楓が恐れいたらしいバーサークモードはどうなったの?
なんで全部すっとばすのさぁ〜
少々残念。茜戦に期待。打撃対打撃だしね。とりあえずwktk
271名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 23:23:41 ID:cTuj2dNL
それでは年明けるまでにナイトパーティーのエロ編の投下をしたいと思います。
予定では55分くらいに。
272Night Party:2008/12/31(水) 23:54:55 ID:cTuj2dNL


 スカートを掴み、持ち上げようとした時、アイの頭の中の冷静な一部分が囁いていた。
(何をするつもり? そして、何をさせるつもり?)
 知れている。
 この雌犬を躾けるためだ。
 躾けるため――
 顔に赤みがさす。
 あまりの事態の急変においてけぼりにされた思考が、ようやく追いついたのである。
 しかし、こうなってしまっては彼女自身にもどうにもできないように思えた。
 足元で両手をついてはいつくばり、必死に組織の女に足で責められているのに耐えているケイがいる。いや、もう雌犬というべきなのだろうか。
 ほんの少し前にアイと戦った女ボクサーとは、とても思えない痴態だった。

『遠慮などなさらずに命じればいいのです。あなたが気持ちよくなるために使えばよろしいのです』
  
 女はそういっていた。
 この雌犬を使えと。
 気持ちよくなるために使えと。
『舐めさせなさい』とも。
 それは、つまり……。

「アイ様」

 女は躊躇っているアイをみかねたのか、何処か声の調子を低くしていた。
「この雌犬は愚鈍です、ですから

 何処を舐めるのか、具体的に言わないといけません」
「――――――!」
 
 それは。
 さすがに恥ずかしい――と思った。
 はずだった。
 羞恥に真っ赤に染まった顔のままに、アイの口は言葉を紡いでいた。

「おまんこを」

 恥ずかしい。
 恥ずかしいのに、声は止まらない。口は動き続ける。

「私のおまんこを、舐めなさい」
273Night Party:2008/12/31(水) 23:58:34 ID:cTuj2dNL

 ――言ってしまった……。

 もう、本当に後戻りできない。
 ここから先へと突き進むだけしかない。
 奇妙な感じだった。冷たい興奮感ともいうべきか、自分が異常な事態に巻き込まれて心臓が早鐘を鳴らすように鼓動しているのに、頭の中身はひどく冷静に世界を眺めている。
 おまんこ。
 おまんこを舐めなさい。
 そう言った時に、何かが自分の中で決定的に切れてしまったのだとアイは思った。
(私は、もう……)
 たくしあげたスカートの中を呆然と見ていたケイであったが、一度目を伏せてから、何かを諦めたように顔を上げて、両手を挙げた。
 ショーツへと手をかけようとしている――と見えた。
 さすがに下半身の筋肉が強張った。
 男子ほど深刻ではないが、女子の股間も急所である。そこを無防備にさせているというのは武道家ならずとも緊張する。ましてそこを舐めろ、というのはそれ以上に恥ずかしいことだった。
 ケイの指がアイのショーツの左右の端にかかる。そこがずり降ろされていき、やがてアイの性器が露わになったあたりで止まった。無意識の内にアイが内腿を寄せてしまってる。
 何処か困ったようにケイは女の方へと振り向いて指示を仰ぐが、女は黙っていた。そして、笑っていた。
 ケイは再びアイの性器を見る。
 見ている。
(恥ずかしい……じっと見ないで……お願いだから……)
 内腿と股間にかかる息の感触で、ケイがどちらを向いているのかが解る。かつてないほどの緊張でアイの肌は過敏になっていた。暖かい吐息は上下している。股間に近づき、やがて遠ざかって。それを何度も繰り返した。
(……早くして……早く終わらせて……) 
 アイは一秒でも早くこの屈辱と羞恥の時間を終わらせたかった。
 そう。屈辱なのだ。
 自分が主人としてケイを躾けなくてはならない――というのは、一見して嗜虐的なシチュエーションであるが、それは彼女が望んでそうしている訳ではない。
 ほとんど強制されて誘導されて、普段は決して口にしないような卑猥な言葉を吐かせられ、そして物心ついてからは決して他人の手も目も届かない場所を他人に見させる。
 ――恥ずかしい。
 呼吸を整えようとするが、上手くいかない。
 いかに達人にも近い技量を持つアイといえど、想定したこともない状況ではその技量のほども発揮のしようもないようだった。
 ケイはアイの足が動かないのに焦れたように、一度顔を離す。雌犬と罵られて靴情的な奉仕を強制させられるにしても、何某かの使命感のようなものが生まれるのかもしれない。
 そして、アイの両膝を握った。無理やりに開かせようと決めたらしい。
「だ、だめ!」
 アイは反射的にスカートから手を離し、力を入れ始めたケイの頭を抑える。
 スカートに隠れて見えないが、ケイは恨みがましい目で自分のご主人様を見上げて――
「何をしている、この雌犬!」
 女が足を上げ、ケイの尻を蹴った。
 それはさして力を入れたようではなかったが、突然のことに「きゃっ」とケイは声をあげた。
「この雌犬が! ご主人様に断りも無く何をしようとした!」
 そう言って、何度も蹴る。蹴りつける。
「あ、その、だって、舐めろって、言われた、言われましたから、やめ、やめて、ください、やめて」
 あわれっぽく懇願するケイであったが、アイは慌てて「やめて」と叫んだ。
 ぴたりと女は動きを止める。
「――アイ様」
「はい……」
 何処か非難するような眼差しを受けて、彼女は項垂れる。
「この雌犬は貴女が望んでおられないことをしようとしたので、このように躾けましたが」
 だけど。
「それでも、命令を果たそうと努力しようといたしていたのも確かなのです」
「―――――――」
「アイ様が望まれないのなら、仕方ありません。この雌犬は処分することにしますが」
「それは…………」
 アイはケイと女を交互に見た。今日、この夜、果たして自分は何度こうしただろうかと思った。
 覚悟は決めていた。決めていたつもりだった。それでも、まだ足りなかったようだった。
 彼女は自分の両足を力を込めて膝を外に向けるように立ち方を変えた。
 そして、再びスカートをたくし上げる。
274Night Party:2009/01/01(木) 00:01:29 ID:p2fZBL8+
「舐めなさい」
 もう一度、口にする。
「私のショーツをおろして、貴女の唇で私の……、下の口にキスしなさい。舌で舐めまわしなさい。私が、私が――気持ちがよくなるまで、私のおまんこ舐めまわしなさいッ」
 最後は叫ぶようになった。
 ケイの目がアイの顔を見てから。
「ありがとうございます」
 土下座して。

 そして、本当の奉仕の時間が始まった。


 ◆ ◆ ◆


 アイは自らを慰めたことがある。
 自分の性器に指で触り、ささやかな乳房をもみ上げ、乳首を人差し指の腹で撫でたことがある。
 どういう切欠があってそうしてみようと思ったのかなどは忘れた。
 枕元に広げた雑誌の中では、美形の少年に「おしおき」される、少年よりも五つくらい年上のメイドの少女の姿があった。

「ん……うん……ん……」

 快感は、あった。確かに、あった。
 さすがに最初からではないが、何度か重ねてやっているうちにいわゆる「イク」というのにも、なんとなくだが、至ったことがある。
 それでも例えば漫画なんかでよく出てくるような激しい絶頂感はない。
 頭の中が真っ白になるくらいに気持ちよくなる、なんていわれているけれど。
『あんなの漫画の中だけよお』
 中学の時に「体験」を済ませていたような友達は、よくそんなことを言っていた。
 気持ちいい。気持ちはいいけど、それで我を無くすほどの絶頂なんか、少なくとも自分は知らないと。
『ま、演技でそういう風にしてあげているけどねー』
 とのことである。
 アイは「そんなものか」と思った。いかにもありそうだな、とも。
 現実はそんな派手でも凄いものでもないのだろう。多分。
 あるいはその時の彼女は、それを確かめようとしたのかも知れない。
 どうしてかその日に限って家には誰もおらず、確実に誰もいないということが解っていた。
 強いて切欠と呼ぶに足るものを探すのならばそれくらいだ。
 たまに読んでた雑誌を本棚から取り出して、広げて、最初から直接触るのは怖かったので、ショーツの上から陰唇を撫でてみた。
275名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:07:00 ID:p2fZBL8+

「あっ……ん……ああ……」

 激しい絶頂というのなかったが、気持ちよかったのは確かだった。
 それからアイは何度か、家人の誰もいない日に自慰をした。
 下着の上から撫でていた指はいつしか強く押し付けるようになり、自らの中に第一関節までだが差し込むまでに至った。
 そして何度目かに感じたあの感じ――真っ白というほどではないが、視界の端に火花が出るような全身に奔る衝撃――あれが、多分「イク」というやつなんだろうなとアイは思っている。
 最初にそれを得た時、さすがに「凄い」と思った。
 そして――ほどなくして、アイはそれをすることはなくなった。
 何もマスターベーションに対して嫌悪感を抱いたというのではない。まったくない、といえば嘘になる。彼女はどちらかといえば潔癖な少女だ。
 性的なことに興味はあるが、表立ってはそんなに顕すことは無いし、風俗で働いているという女性たちの苦境は頭で理解しながらも、やはり生理的な嫌悪感が先立つ。
 そんな少女ではあるが、その時に感じたのは嫌悪という以上に――「恐怖」だった。
 アイは、怖くなったのである。
 何かこれ以上をのところに至るのは駄目だと。
 取り返しのつかないことになるのではないかと。
 それは未知の感覚に対する当たり前の反応ではあった。
 漫画で読んだような激しいものではなかったにせよ、今のこの感覚の延長に、得体の知れない何かがあるように思えてならなかったのである。
 ここで年頃の処女としての興味に優先させて、抑圧する形で以降の自涜行為をやめたのは、やはり彼女が武道家として自己の制御を心がけていたからだろう。
 彼女の兄なり姉弟子なりは「抑制と制御は違う」といっていたが、さすがに性的な事柄についてまでそれが該当するか否か。
 アイは、自分にはそれができるのだと思っていた。

 なんとなく。

「ああっ」

 それは、まったく根拠がない、ただの思い込みだったけれど。
276Night Party:2009/01/01(木) 00:09:51 ID:p2fZBL8+
 ケイは、それでも最初こそはためらい勝ちにアイの股間に口付けた。口付けたままで舌を出して、大きく下から上へと舐め上げる。
 アイは「ひうっ」と悲鳴のような声をあげかけて噛み潰す。気持ちいいとかそういうのは解らないが、今まで感じたことのない感覚だった。
(指とは違う)
 当たり前だった。
 彼女の体は同年代の少女と比べても柔らかいが、自分自身を舐めて慰めたいなどと思ったことはない。
 自分の指ではなく、他人の、しかも濡れた粘膜の感触というのはまったくの未知のものであった。
 舌の動きははじめはただ上下していたものであったが、やがて自分の口の中で分泌された唾液を乗せて縦に横にと複雑に動きだした。

「あっ……うう」

 アイの声は切なげであった。歯を食いしばって声を出すのを抗っていたが、それにも限度があるらしかった。目はきつくとじられて、腕はスカートの端をつまみあげていたものが、強く握られている。
 
 他人に舐められるだなんて、気持ちが悪いと思った。思っていた。
 無理やりに与えられる刺激で気持ちよくなるなんて嘘だと思った。思っていた。

 ぴちゃぴちゃと音が聞こえる。

「ねえ、雌犬、アイ様のヴァギナはどんなお味?」

 女が聞いた。
 しかしケイは応えない。一心不乱にアイの股間に顔を埋めて唇と舌を動かしている。
 自分を無視したケイに対し、しかし女はむしろ笑みを深めた。

『私が――気持ちがよくなるまで、私のおまんこ舐めまわしなさいッ』

 アイの出した命令に応えているのだと知れたからだ。
 アイの、ご主人様の命令に反することをすれば折檻を受ける。それは即ち、命令を聞けば折檻をされないということである。当たり前のことではあるが、その当たり前を当たり前に行わせるために「躾け」をする。
 今奉仕をやめて女に応えたのなら、また折檻を受けることになるとケイは判断しているのだろう。
 そして、それは正しい。
277Night Party:2009/01/01(木) 00:11:18 ID:p2fZBL8+

 女はするりと滑るように前へと歩き、目を閉じているアイの耳元にまで顔を寄せると、艶のある声で囁いた。

「濡れて、きていますね」
「―――――!」

 こんなことは予想の範疇だった。
 心ならずに性器を舐められたり指でふれられているところを「濡れている」と言われるのは、それこそいやらしい漫画などではよくある状況だった。
 アイが最初に自慰に使った少女漫画でもそういうシーンがあった。
 そこでそう囁かれているのは、調教を受けている方のはずであったが。
(あ、やだ……)
 実際に言われることがあったとしても、そんなことで自分の体が反応するだなんて信じたくなかった。
 しかし、アイはその囁きを聞いた途端、自分自身が流す蜜の量が増したと自覚した。
 そう。
 すでに彼女自身は言われるまでも無く濡れていたのだ。
 それは粘膜が刺激を受ければ当たり前のように分泌されるものであって、消して快楽に囚われているということを意味しない。しかし、彼女はそのことを知らなかった。それにぴりぴりとした衝撃にも似た刺激は確かにある。
 そしてその衝撃は、ケイの舌の動き一つ一つで、アイの芯の部分に届こうと積み重ねられていた。
 女の言葉は、そんなさなかに楔のように打ち込まれたのである。
 
「……気持ちいいんでしょう?」

 優しい声だった。
 アイは目を開けた、女の顔が見える。
 笑っている。
 母のように笑っている。
 優しく微笑んでいる。

「雌犬の御奉仕で、気持ちよくなっているんでしょう?」
「あ、あああっ」
278Night Party:2009/01/01(木) 00:11:51 ID:p2fZBL8+
 アイが声を荒げたのは、女が優しい微笑のままにケイの頭を押したからだった。
 彼女の性器に奉仕するためにケイは顔を埋めていたが、まだ恐れがあるのか、唇と舌は表面を撫でるようにしていただけだ。
 そこに力をかけられて、ケイの顔がアイの急所へと押し付けられたのである。
「んっ」
 ケイの鼻が触れたのは、アイの中心にあり、包皮に包まれていた陰核であった。
 普段の自慰でもほとんど触れずにいて、風呂に入るときにもシャワーを当てて洗う程度のことしかしないそこからは、軽くだが刺激臭がしたのだ。
 耐えられないほどの強い匂いがした訳ではない。
 耐えられなかったのは、アイの方だった。
 今まで受けていた花弁への奉仕で包皮の中の花芯が肥大化しつつあったところに、なんの予告もなしに川越しにとはいえ刺激を受けたのだから。
 視界の隅に火花が散り、背筋が弓なりに反れた。
 反射的にスカートを握っていた手をそのままケイの後頭部に当て、自ら押し付けた。
 そして、バランスを崩してベッドに背中から倒れる。

「ああ………」
「はあ、はあ、はあ……」

 必死に奉仕していたためか、呼吸が荒くなっていたケイは、そのまま倒れたアイの両膝を手を添えて広げて顔をもう一度寄せた。奉仕の続きをするつもりだった。今度は、アイは何も言わなかった。
 と。
 
「あ」

 誰があげた声か、微かに驚くように出され、やがて続いての滴が落ちる音に飲み込まれた。

「や、やだ……」

 アイは顔をおさえようとして、力が入らずに涙を流した。
 ちろちろと、彼女の股間から放出された金色の水流がケイの顔を濡らしたのだ。

「よくできました」

 涙に歪んだ視界の中で、アイは自分の尿を受けて放心しているケイの顔が見えた。
279Night Party:2009/01/01(木) 00:54:07 ID:p2fZBL8+
本当はエピローグがあるんだけど、それはまた何処かに投下まとめたときに加えときます。
それではエッジの人、おつでした。

今年はどうするか不明ですが、まあよろしくお願いしますー。
280Night Party:2009/01/02(金) 19:35:25 ID:X6XVY82t
とりあえずアルカディアさんにエピローグつけて投下してみました。
続きは…さて、どうしたものか
(というか、冷静に考えると投稿規程違反な気もするから、二、三日したらむこうから削除するかもだけど)
281名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 20:30:48 ID:j8RmP50w
>>280
そのアルカディアって何?
ググりたいんでもうちょいヒントぷりーず
282名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 22:25:35 ID:zGffNs1d
>Night Party
うわwなんかめっちゃツボに来た
アイって聞くとどうも魔法少女の方を連想しちまうが・・・違和感無いからいいか
283Night Party:2009/01/02(金) 22:39:02 ID:X6XVY82t
>>281
Arcadiaさんですねー。
かなり大き目の小説投稿サイトです。そこの何処かに投下しています。
エピローグも付け加えています。

>>282
どうもー。
しかしこの続きが書かれるかどうかは未定なのでしたw
284名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 22:56:55 ID:j8RmP50w
>>283
ありがとうございます。
ちょいと覗いてきますわ
285Night Party:2009/01/04(日) 00:15:08 ID:tDLMIMJq
Arcadiaさんに投下していた分は、なんかオリジナルに一部だけ投下して、エロシーンは削りました。
それでエピローグについてはここに投下します。
286Night Party(アイの章)エピローグ:2009/01/04(日) 00:16:21 ID:tDLMIMJq
「ん……」
 下半身に刺激を受けて、シャーロットは顔を起こした。
 視界にあるのは白いタイルと白い湯気であり、視線を落とせば名前もよく知らない少女のヴァギナがある。
 湯気の向こう側からは喘ぐような声が聞こえてくる。
(そうか……ここは、私以外の人もいっぱいいるんだ)
 ぼんやりとした頭で、そんなことを考える。
 シャーロットは自分がどうしてここにいるんだろうかと思った。
 彼女はつい二ヶ月前まで、ロンドンで普通にハイスクールに通っている女学生だった。
 普通でなかった部分があるとするのなら、彼女は祖父より格闘技を学んでいたということだろう。それもレスリングとかボクシングのようなメジャーなものではない。
 かのシャーロック・ホームズが使用したとされる格闘技・バリツのモデルにもなったという護身術バーティスだ。
 バーティスは、バートン・ライトという人物によって創始されたという格闘技である。
 バートン・ライトという人物の履歴は現在ではよく解っていない。元々護身術に興味がある土木技師で、サバット、ボクシング、ラ・カンなどの各国の武術・格闘技を研究していた。
 三年ほど日本に在住し、講道館他幾つかの柔術を学び、帰国した後に創始したのがバーティスである。
 その技法は「柔術にボクシングと棒術をくわえた新しい護身術」ということであり、現在の総合格闘技の前身と呼べるべきものであった。
 コナン・ドイルはそのバーティスが紹介された記事を読んでホームズが使う武術にしたと言うのが定説だ。バリツというのはバーティスの誤記であるというのだ。
 現代ではイギリスのシャーロキアンですらもこのバリツのことを知る者は少数になり、バーティスともなるとさらに小数のマニアの研究対象になっているだけであるという。
 シャーロットの祖父は、このバーティスを学んだと称していた。
 ありえぬことではあるまい。バートンは1951年まで存命であったのだから、1930年生まれの祖父がバーティスを学ぶ機会は充分にある。ただ、武道だの格闘技だのの世界では、過去の履歴を僭称するということは普通にある。
 彼女の祖父も、自分で幾つかの武術を組み合わせてバーティスを詐称していたのかも知れないが――
 今となっては解らないことである。
 それでも、シャーロットはバーティスの強さというのを疑っていなかった。バーテイスというシステムについて信頼していた、というべきか。
 対武器を視野にいれた、打撃、組討を組み合わせた完成度の高い格闘技として。
 シャーロット自身も柔道とレスリングとボクシングを学校のサークルで学んだが、ただ単純に組み合わせたとしてもバーティスにはならない。これらをまとめて一つの格闘技に仕上げるにはセンスがいる。そう思った。
 彼女の祖父がバートンに習わずにこれらを完成させたとしたら、まず間違いなく天才の類であったに違いない。
 シャーロットは現代格闘技を並行に学びながら、バーティスを身につけた。
 身につけて、アマチュアの総合格闘技の大会に出場し、何度も優勝している。
 それだけなら、シャーロットはただ格闘技を学んでいるというだけの少女に過ぎなかったが、妹の失踪という事件が全てを変えた。
 妹が日本に旅行中に起きたそれは、未だにシャーロットにもどういうことが起きたのかは定かではない。
 ただ、この国にやってきた彼女が妹の行方を知るために参加したのが、このナイトパーティーと呼ばれる非合法なNHBである。
 ここではあらゆるものが報酬として支払われる。
287Night Party(アイの章)エピローグ:2009/01/04(日) 00:18:15 ID:tDLMIMJq
 金、地位、権利、そして……、情報。
 情報があればよかったが、なくても調査のために金が要る。
 シャーロットは自身のパーティスを信じていた。
 バーティスの技と精神を受け継ぎ、弛まぬ鍛錬を積み重ねている自分の技量を信じていた。
 ロンドンにできた総合格闘技のジムでも、その実力を確かめてもいる。
 日本がいかに武道の大国であり、バーティスの源流がある国であり、世界の総合格闘技の中心である土地であるとしても――
 よもや、そう簡単に敗れることもあるまいと、思っていた。
 実際に彼女は三度の戦いに勝った。
 総合の女。
 空手の女。
 キックの女。
 どれも、強敵であった。
 それでも彼女は勝った。
 一度の戦いごとに自分の力が強くなっていくのも知れた。経験の積み重ねはそのまま力となっていくのだ。
 このままいけば、勝ち続けられると思った。
 情報も僅かであるが集まり始めていたし、そのための資金も手に入った。
 次の試合に勝って……そう思っていた。

 そして、完膚なきまでに敗れた。

 恐ろしい強さだった。
 今まで戦った少女たちも同年代ではそう滅多にいないであろう使い手であったが、その女の強さは格別であり、もっというのなら異常ですらあった。
 シャーロットよりも頭一つ分の背の高さがあるとは言え、その打撃の速さ、重さは常識では到底あり得ぬものだ。

 その女――カンフー使い(シャーロットの認識ではそれ以上のことはよく解らない)のメイシンは、彼女を従属させると宣言した。
 
 もとより、それは覚悟していたことではあった。
 自分自身を賭けの対象にしていたのであり、そのリスクは折込ずくであったのだから。
 それでも、まさか、こんな風な……陵辱を受けるだなんて。
 利尿剤、痛痒剤、媚薬――そのような薬を投与され、シャーロットはただの一日で人間としての尊厳を失った。
 人前で排泄を強制され、痒みに我を失って、無理やりに昂ぶらせられて喘ぎ声を出した。
 幾度と無く身も世も無い絶望的な絶頂感に追い込まれ、彼女はその女に完全に服従すると誓った。
 そして誓った彼女を、女は「献上する」と言ったのである。


 ◆ ◆ ◆

288Night Party(アイの章)エピローグ:2009/01/04(日) 00:19:26 ID:tDLMIMJq
「んく……」
 シャーロットは気だるげな声を出す。
 先ほどから断続的に続いていた愛撫が再開されたのである。
 生暖かくて細いものが自分の後ろの孔に挿入されてくるのを感じた。
 本来排泄に使用する場所に何かが入り込むのは異様な感覚であった。そして、もうそれを快楽と感じ始めている自分にも気づいている。 少女の上にうつぶせで乗せられて、両足を蛙のように開かされた姿勢で股間を他人の顔に向けていても、もう羞恥は感じない。
 顔を伏せたところにある少女のヴァギナへと舌を伸ばし、すでに勃起している少女の陰核を舌先で撫でるように舐めた。
「うん。いいこだね。シャーロット姉さまは」
 本当に嬉しそうな声が聞こえた。
 この少女のことはよくは知らない。知らないが、確かレスリングを使うのだと聞いたような気がする。
 そういえば、去年に映像でみた、世界大会に出たレスリングサークルの先輩が闘った日本の少女が、こんな顔をしていたような覚えもあるが――気のせいだろうと思った。
 14歳で世界大会で優勝したほどの逸材が、よもやこんなアンダーグラウンドに堕ち、自分のアヌスを弄っているだなんてありえない。
 余計なことを考えるのも煩わしくなって、シャーロットは思い切ったように少女の陰核を唇で挟む。豆粒ほどのそれを唇すぼめて左右にこすると、少女は
「いいよ、凄くいいよ、シャーロット姉さまはとても上手だよォッ」
 と叫んだ。
 浴場の中で少女の叫び声は煩いほどに響く。
 競うようにあちらこちらから喘ぐ声が大きくなった。
 あるいは、こんなことでさえも少女たちは競い、争っているというのだろうか。
 と。
 湯気の向こう側から、紺色のスーツ姿の女が現れた。
 シャーロットの主人……元主人というべきか、カンフーを使う女、メイシンだ。
 メイシンはストッキングを履いたままで、浴室の濡れたタイルの上を歩いていて、アナル調教を受けている自分の元奴隷を見つけると、優しく微笑んだ。
「そのままでいいわよ」
 そういったのは、慌てて身体を起こして挨拶をしようとしたシャーロットを止めるためである。
「もう、シャーロット姉さまはっ」
 動いちゃだめだよお、と少女は言って、広げたシャーロットの脚を両手を上げてから脇に挟みこみ、彼女の後孔に顔を押し付ける。
「あぅっ」
「うん、美味しいよ。シャーロット姉さまのお尻、綺麗な色でとても美味しいよ」
 そんなことを言いながら、舌先を孔の中に潜り込ませた。
 すでに排泄物はこの浴場に入る前に全て出しつくして洗浄していたが。
「汚い! 汚いの! そこは駄目!」
 シャーロットは叫び、暴れようとする。
 少女はそれを無視して、強力な力で脚をホールドしたままで舌を動かした。シャーロットの脚は最初こそばたついていたが、一分とたたぬうちに動かなくなり、何かに耐えるように震えだした。
「シャーロット、その子はここで一番お尻を舐めるのが大好きな子なのよ。よく舐めてもらって、立派な尻孔奴隷に調教してもらいなさいね」
 メイシンの言葉に答える余裕もない彼女は、ただただ喘ぎ声を出すほかは無かった――
289Night Party(アイの章)エピローグ:2009/01/04(日) 00:20:21 ID:tDLMIMJq

「――楽しそうね」

 声がした。
 女の声だ。
 その声に、浴場の全てが沈黙した。
 湯気の向こうから聞こえていた声も止まり、シャーロットを躾けていた少女も硬直し、メイシンも姿勢を正してその場で右膝を落とした。

「いいわ、そのまま続けなさい」
 
 声はそうつづられたが、それでも少女の腕からは力が抜けた。
 自由に脚を動かせるようになって、しかしシャーロットは何もせず、その声が近づいてくる方向を見ていた。
 湯気の向こうから新たに現れたその人は――当たり前のように女性だった。
 そして、身に何もつけぬ全裸であった。
 身長は多分、170センチ弱……近頃の女性としてはさほど大柄ではないが、やはりまだ長身と呼べる部類であるように思えた。
 体の肉付きは格闘技者とか武道家としては、などという言葉は不要なほどに完璧な肢体である。上向きの乳房、くびれた腰、ほどよく大きくも引き締まった尻――
 その体の上に載った顔もまた、美しかった。
 東洋人の女性はアングロサクソンの目からは幼く見えるのだが、その人の美貌は少女のようでありながらも凄絶な色気を感じさせるものだった。オーラ、というべきなのかも知れない。
 
 この人こそが、ナイトパーティーの中心にあり、頂点に立つ女王――

「献上」された時に顔を見たきりであったが、ここでこうして全裸で立っているのをみると、改めてその格の違いのようなものを感じる。
 果たしてどのような技を使うのか。
【女王】は跪くメイシンの前にまで歩み寄る。
「メイシン、報告を」
「――はい」
 自分を思うままに蹂躙し、陵辱した女が畏まっている。
 それだけで、シャーロットはなんとも言えない気分になった。
「予定通りです。予定通りにアイ様は最初の戦いに勝利し、最初の奴隷を得ました」
「そう……」
 そのやりとりにどれほどの意味があり、あるいはどのような意味があるのか。
【女王】は静かに瞼を伏せ、メイシンもまたそれに倣って目を閉じた。
 やがて。

「貴女には、ご褒美を上げないといけないわね」
「は――はいッ」

 声を上ずらせたメイシンは、もう片方の膝も落とし、両手をタイルの床につけて顔を上げる。
【女王】はわずかに脚を広げ、メイシンの頭を優しく両手で包みこんだ。
 そして、自らの股間に導く。
(あ、ああああああああ)
 シャーロットは声も出せずに悲鳴をあげた。
 自分を圧倒した女が。
 自分を従属させた女が。
 忠誠を誓ったご主人様が。

【女王】の尿を飲んでいる。

 喉を鳴らして、恍惚とした表情で飲んでいる。
 その全てを飲み込むことはできなかったのか、唇の端から流れた湯気をだす金色の流れがメイシンのスーツを濡らしていた。
(そんな……ああっ、そんな……)
 何か、最初の敗北よりも深い何かにシャーロットの精神は飲み込まれた。
 それを幾度となく感じて、しかしなおその最果てに自分はまだ至っていなかったのだと彼女は知った。


 それは、本当の絶望であった。



 Night Party (アイの章) エピローグ 了
290Night Party(アイの章)エピローグ:2009/01/04(日) 00:26:58 ID:tDLMIMJq
以上、お粗末。
アイの章以降の話があるのかどうかは、まあ考えてはいますが未定です。
シャーロットを主人公にしている話も考えています。多分、書くのならシャーロットの章だと思います。
レスリングの女の子が尻舐め大好きなのは>>195の人のご意見を反映させて結果です(w

バーティスについては神伝不動流を原型としているのではないかという説が最近はでているんですが、そっちは資料がないので、出すにしてもオリジナルの技法になると思います。


それではー。
291名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 13:29:47 ID:aj9HyIgw
おお、エロ尻舐めGJ!!
シャーロットの公開排泄シーンも見たかったなw
女王がどんな技を使うのかとか、シャーロットやアイの行く末とか、
非常に気になります。
できれば続けて頂きたい。
292名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 16:10:30 ID:8lUF45GD
探偵格闘技バリツktkr
293名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 21:09:54 ID:a1VcZZQ/
なんかエッヂの人んとこのブログって死んでね?
294名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:23:03 ID:aj9HyIgw
>>293
うん…。
ブログ元に問い合わせたら、1月2日に自主的にサービス削除した、って事になってるらしい。
当然そんな覚えはないし、する理由もない。
ひょっとしたら誰かに消されたか、そうなったらそこまで恨まれてんのかなぁ…と若干病んでる最中です。

一応バックアップデータはあるんで復活はできるんですが、また消されそうだしなぁ
295名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:34:41 ID:8lUF45GD
物書きリンクサイトからのリンクも消されてるね
リンク切れじゃなくて登録そのものが消されてる
どんだけキモいんだよそいつ
296名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:38:19 ID:a1VcZZQ/
>>294
本人さん!?
あらら…新年早々ご愁傷様です
しかし他者の手でブログって消されるもんなんだな…
つまんない事するやつがいるな
せっかくエッジの過去分の掲載もあって、ここの過去スレの取り損ねがあったのも安心してたのによ
これって立派な犯罪じゃないか
297名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:40:42 ID:a1VcZZQ/
>>294
言い忘れてた
そんなアホなヤツなんかに負けずに元気出してくれよ!
298名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:44:03 ID:aj9HyIgw
>>295

あ、駄文同盟さんの方でしたら、先日私自らが退会しました。
リンク切れのままいつまでも居ては…と思いまして
299名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:53:17 ID:0dsFHuou
無料ブログは誰でも管理画面入るとこに行けるから、IDとパスがわかれば可能だろうな。
最近の解析プログラムは凄いらしいし。
300名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 00:20:24 ID:PwR4kNdG
解析プログラムはすごいかもしれないが、それを本気でやっちゃう
粘着っぷりが本気で気持ち悪い
301名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 00:30:36 ID:mBkHra1w
流石に同調するヤツも出てこない程のマジキチぶりだな
302名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 00:39:47 ID:UNUW8zSV
FF11とかのネトゲやってた時もよく聞いたな>勝手に消去

しかも怖いのは、そういうことやる奴の大半が只の愉快犯って事だ。
エッジのブログは新規の割に内容が充実してて伸びも凄かったから、どっかのブロガーに妬まれたって可能性もある。
303名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 01:05:51 ID:OgyjSNf4
一応復旧しておきました。
http://natunin723.blog79.fc2.com/

消されたら…また作ります。
304名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 01:33:35 ID:ql5DEInn
うぬう。
エッジの人、新年早々、お疲れ様でした。
何処かの投稿サイトに投下するとか、まあ色々と選択肢はあるでしょうが…どうなされるんでしょうねえ。
ただ、粘着されるというのはそれなりのものを書いてないと去れない場合が多いです。
私なんかさらさらとスルーされてばかりなので。
羨ましいとはいいませんけど、いずれ気を取り直して連載を再開することを願っております。

>>291
えーと、まあ、気が向けば…。
考えている話としては
シャーロットの章(バーティスvs中国拳法)
マイの章(古流空手vs合気道)
エリの章(レスリングvs女王)
ケイの章(ボクシングvs柔術)
メイシンの章(中国拳法vs女王)
アヤネの章(キックvs合気道)
…とかはかけるんでしょうが、それごとに調教とか入れるのは、正直、辛いです。
そのうちに投下するかもしれませんので、気長に待っててください。
305名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 03:14:09 ID:BxoO9372
メイシンの章が見たいな
シャーロットの章の続きで読めれば、かなぁ〜りよさそう

同年代無敵なシャーロットがボコボコにされて、
さらにボコボコにしたメイシンが女王に滅多打ちにされる・・・
先生!完璧でヤンスよ!!
306名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 19:16:29 ID:ql5DEInn
バトルだけなら四日くらいで一話は書けそうだけど、エロは難しい…エロが書きたいです…安西先生。

あと時系列は適当です。
307名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 11:13:30 ID:ZOUB4rvz
新しい投下ないかなあ。
女軍人同士が野戦でガチというのもありじゃねーかと思うんだが。
308名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 11:27:22 ID:IismMIdE
女軍人同士が野糞でガチに見えた

逃げ延びる敗軍の女軍人とそれを追う女軍人
野糞の痕跡を隠しつつ相手の野糞の痕跡を辿ってハイド&シーク
先に漏らしたほうが負ける荒野のガチバトル

それはそれでアリな気がしてきた
309名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 12:00:59 ID:ZOUB4rvz
このスレにはスカトロ好きが常駐してんのかよww

闘う女って格闘家とか軍人以外だとどんなんがいるかね。
女スパイvs警備員、女泥棒vs女警官…まあ、そこらも銃器とか使っても格闘技は使うんだろうけど。
310名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:11:22 ID:ld03CRlP
311名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 19:21:40 ID:NvzbSmdS
突然ですが、エッジは未完にしようかと思います。正直もう纏める気力が全く残っていないので。
何とか最後までもつかと思っていた精神力がぷっつり切れてしまいました。

代わりになるのかは分かりませんか、これをもってSS書きを引退します。

今まで、本当にありがとうございました。
312名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 19:36:25 ID:L+VXH+z/
え?
ちょ。
それは…ないです。

うーん。
エッジ見てここのスレに投下しようと思ったのになあ。
小説なんてな書きたい時に書きたいものを書くもんだから、もう気力が続かないとなったら無理に続けてもらうというわれにもいかんけど…。

今までお疲れ様でした。
313名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 19:45:36 ID:m/eMqxP3
こんなんばっかだなここの書き手
314名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 20:06:28 ID:cEuLJQ9W
騙りのカキコだと思って慌ててブログに確認しに行ってみれば…
マジだった…orz
315名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 20:32:04 ID:G9Sa6eaU
エッジの人、お疲れ様でした。
SS書き止めるといわず、またいいテーマ見つかったら書いて下さいな。
書く人も楽しい、読む人も嬉しい、それがこういう場所の良い所。
これまでありがとう。
316名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 23:00:49 ID:DL4/v/Ea
>>311
エッジの人、何はともあれお疲れ様でした。

317名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 13:09:39 ID:xLXTMWac
やめるなよ、勿体ない。あんたは実際大した書き手だぞ?
また新しい作品を期待する。

ともあれお疲れさん。
318名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 14:38:54 ID:2Ia2LYEk
相変わらず見事な職人クラッシャースレだな。
319名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 18:50:32 ID:N6tAJwbM
まあこの題材でストーリーを纏めるってのは結構無理があるしな
俺なんてある程度の背景がある中でバトルシーンがあれば
それでおkな感じなんで別に纏めてくれなくてもいいんだが
書いてる方はやっぱ納得いかない部分があるんだろうな

でも面白かったよ
気が変わったらいつでも帰ってきてくれ
320名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:04:12 ID:vFwVLyGx
ゴミエッジが消えたw
新人にwktkできるなwww
321名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:10:41 ID:ac6FKVLT
>>311
好きな時に好きなものを書けばいいよ。
それを作れる力が貴方にはあるんだし。
何はともあれ、お疲れ様でした。
それがここであろうと、ここではなかろうと、またいつかどこかで。
322名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:11:44 ID:xLXTMWac
>>320

☆(#^ω^)☆ちょっと……頭冷やそうか……
323名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:21:17 ID:2Ia2LYEk
エッジは格闘に寄りすぎてたな。
このエロパロ板はあくまでエロが基本。
後半からの荒れようは、読み手がせっかくエロ期待してくれてるのに、それをことごとく無視した結果だぞ。要反省って所。
324名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 12:25:33 ID:MOhsP4yI
このスレって女同士のバトルにエロチズムを感じるスレ、と認識していたんだが違うのか?
325名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 13:05:31 ID:J9OyD7WF
>>324
いやいや違わないだろ
俺たちにとって女同士が闘うことも萌えの一つなんだから。
エロがあってもいいが、無いからといって怒るのは筋違い。
326名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 13:37:44 ID:esUHoCyL
反省しろとか悉く無視とか、こういう気違いがいるから書き手が減るんだよ
>>323
さっさと首吊って自殺しろおまえ
327名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 13:43:21 ID:LU5yrEEh
さすがにどう見ても釣りだと思うけどな
328名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 16:01:35 ID:lr6jK1Ee
いやでも悠里が楓にイカされた時は次から凄い調教エロが見られるって期待してて、
茜のバトルが始まった時は透かされたと少しは思ったよ俺
本音の本音を言えばちょっと消化不良で腹に溜まるモノも確かにあった
329名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:03:54 ID:BvfCYNYd
まあね。
エッジの人は占有しすぎとか叩かれてたから、せめて年内に終わらせようと必死だったんだろうけど、
彼の筆力で凌辱を見たかったのは事実。
330名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:06:27 ID:MOhsP4yI
調教エロは調教エロで同じエロパロ板に専門のスレッドがあるのだから、
バトルを主題にしたスレでそれを求められても職人も住人も扱いに困るような。
他所に出向いて外伝扱いで書いて下さい、というのは少々厚かましいかも知れないけど、
本当に読みたければリクエストした方が良かったんじゃないのかな、と思う。
331名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:25:54 ID:wxoOoNF7
書き手の側にいるけど、読み手が作品に対してどういう感想をつけても、それはそれで仕方ないと思う。
それを書き手が内容に反映させるか否かは、書き手の裁量なんで、ハウスルールに反しない限りは好きにしてもいいんじゃないかと。
「こんな感想つけてください」と書き手が要求するのもどうかと思うんだ。
一行で「つまんない」でも立派な感想だし。「真面目な批評を」とかいうて投下していたスレを荒らしまくってた書き手が某所にいたが、何を持って真面目とか真剣なのかとか、書き手の判断で選ぶもんじゃあない。
作品にしろ感想にしろ、受け取る側がどうするかの問題なんじゃないかと。

ただまあ、書き手は多くが繊細だからな。
ちょっとした言葉が気になって一日動けないなんてざらにある、らしい。
某社のプロの編集が「批評やレビューは本音としては仕事の邪魔になって困ることがある」と本当に本音をブログで書いて、あれこれと一部で盛りあがったなんてこともある。

俺個人としてはこういうところに投下するんだから、それこそ覚悟の上でないといかんと思ってる。
いかんと思うが――

ブログを無断で勝手に消すのは、批評とかレビュー以前の問題だよorz
つか犯罪だよ。
犯罪までして自分を嫌っているのか、消したいのかとかネガティヴな思考に取り付かれたら、当事者でない俺にしても気分が悪いよ。

いや、今回のことは真剣に残念だった…あと「つまんね」とか「屑死ぬ」とか感想は別にいいんだけど、本当に犯罪行為までするのは簡便な…。
エッジの人の気力が途切れた直接の原因であるかどうかはわかんないけど、とりあえず世間的な常識は守ろうよ…。
332名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:50:44 ID:LU5yrEEh
ぶっちゃけバトル好きでも性癖は千差万別なんだな
俺なんかは陵辱じゃ別に興奮しないし
それだったらバトル書いてくれた方が圧倒的に嬉しいから
調教エロなんて邪魔なだけだもん
エッジの人がどういう性癖なんかはわからんけど
俺に近い感じだったんじゃねえかなとは思う
333名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 21:43:07 ID:CRDWlVYo
浣腸バトルはエロ要素なしでやって欲しかった感はあったな
エロはエロでいいが詰め込みすぎると焦点がブレる気がする

今さら言ってもどうにもならないことだが
334名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 22:35:04 ID:yz+y2Up9
さて、そろそろ次に向かおうぜ。
エッジが帰って来るならそれも良し、かつての職人さんが再開するならそれも良し。
勿論新人さんも大歓迎ってことで。
このままじゃいつまでも投下がないぞ。
335名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 01:41:23 ID:rRKTS3sR
女闘スキー氏って存命なの?
やる気あんの? あるなら頑張ってくれんんかのぅ…
336名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:00:39 ID:UGxmZMKC
スレのびてるからエッジ完結したかなーと思ってみれば・・・
残念だけどとりあえずお疲れ様でした

>>335
エッジの人への粘着見ればやる気もなくすだろうな
ただでさえ職人のいないスレなのに潰してどうしたいんだか・・・
337名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:20:18 ID:9Wx8tnBd
私も最近ね……
目が醒めるとエッジの最終回が投下されている……
そんな夢を見るんですよ……
フフフ……フ………
338名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 00:55:43 ID:iX/t4zcg
私も最近ね……
目が醒めると裏学園祭の決勝戦が投下されている……
そんな夢を見るんですよ……
フフフ……フ………
339名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 19:04:40 ID:f6zFmy6c
いっそ職人募集でもしてみたらどうだw
職人が余ってるスレってそう無いだろうけど。
340名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 22:39:31 ID:LHNmnLKW
>>339

確か職人募集スレに書き込みあったよ
341名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 23:43:50 ID:fy7bFIFB
こういう時はアレだ、勇者をただ待つより皆で雑談だ

>>343‐346
主人公(悪役でも可)の名前・容姿・プロフィール・戦闘スタイル
>>347‐350
敵役(正義でも構わない)の名前・容姿・プロフィール・戦闘スタイル
>>351
戦う場所
>>352
罰ゲームの種類

こんな感じで好きに妄想してこうぜ
342名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:38:52 ID:H3b+7U9w
ちんこ
343名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:39:34 ID:H3b+7U9w
うんこ
344名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:40:07 ID:H3b+7U9w
ちんこ
345名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:40:35 ID:H3b+7U9w
うんこ
346名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:41:04 ID:H3b+7U9w
ちんこ
347名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:42:10 ID:H3b+7U9w
まんこ
348名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:42:54 ID:H3b+7U9w
うんこ
349名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:43:26 ID:H3b+7U9w
まんこ
350名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:44:00 ID:H3b+7U9w
うんこうんこ
351名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:44:50 ID:H3b+7U9w
ゴミ安価死ね
352名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 10:45:22 ID:H3b+7U9w
終わり
353名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 11:19:58 ID:y/LNswG2
このスレの荒らしってなんでこんなに必死なんだ?
354名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:12:46 ID:8lsbSv3H
ミヤビのブログ見てたら荒らしてるのが誰か大体見当ついたわ。
そういや上の方にイタい書き込みしてるし、他人のブログ休止に追い込むのも日常茶飯事だったな。
355名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 04:20:51 ID:m8Qc7Jo3
ここは怖いインターネットでつね。

とりあえずナイトパーティーとか、まあ来月の半ばくらいに投下します。
エロ苦手だからエロは少ない目にしますけど。
バトルだけなら、まあひとなみ程度にはかけなくもないので。

小ネタとかも気が向けば。

では。
356名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 08:47:56 ID:c3Bxk7GE
勇者現る



ここって意外と職人さんが途絶えないねw
357荒らしA:2009/01/16(金) 21:29:19 ID:nZL4wbEe
小説しょぼいな
レベルが低い
358名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 11:14:04 ID:DvphfdCh
勇者に心から感謝
359名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 15:04:21 ID:nsGaYNye
しかし来月の半ばということは、つまり一ヶ月の空白があるんだが。
360名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 23:42:24 ID:DvphfdCh
 ∧_∧      ネタさえ投下されたらいつか書いてやんよ
 ( ・ω・)=つ≡つ
 (っ ≡つ=つ
 /   ) ババババ
 ( / ̄∪
361名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 23:18:39 ID:rh6DY+qC
人に頼るな。ネタくらい自分で考えろ
362名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 12:29:37 ID:N+Vbi8O6
>>360
コクピットにエロギミックが満載された人型兵器に乗った女性パイロット同士の激しい競技戦闘(バトリング)
動力エネルギーはパイロットから性的に供給する
機体のダメージはパイロットにフィードバックする

363名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 13:26:36 ID:DxZgoRvG
何だそれ





面白いじゃん
364名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 14:40:20 ID:N+Vbi8O6
動力エネルギーってなんか頭の悪いカキコしちゃったな
突っ込まれる前にゴメンコ
365名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 14:46:51 ID:oMFSTbkA
元ネタはライドバックニカ?
366名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 23:50:24 ID:5lP68xQD
美少女×ロボットといえばJINKI
http://12.dtiblog.com/3/346zakki/file/wp070925-02.jpg
無印の頃は本当に最高だった
367名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:05:35 ID:olzeILIj
エッジの人、マジで帰ってこないな・・・。
そのうち復帰するだろうと思ってたが、甘かったかorz
ショックだわ
368名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 16:33:31 ID:EaPueuVG
エッヂの人物凄い勢いで追い込まれてたからなぁ
想像するしかないんだがメールとかの攻撃とか激しかったんかな?
スレの評価だけを気にしての事ならそこまで気にしなくても…って思っちゃうけど…
ブログ消されるとかされてるんだよなぁ


ついこの間のブログまでは燻製とか旨そうに食ってる記事があって充実してる人だなぁとか思ってたのに…
なんか泣けてきた
369名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:19:21 ID:qdld+SV+
誰かこの二人の闘い書いてみない?
加藤あい VS 深田恭子
画像です
まずは深田恭子16歳前後
http://sch.moo.jp/idle/sch/k_fukada606.JPG
http://osaka.cool.ne.jp/ggm/fukakyo/fukakyo04.jpg
http://osaka.cool.ne.jp/ggm/fukakyo/fukakyo07.jpg
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加藤あい16歳前後
http://champions.finito-web.com/Uriday/JPN/F/ka/kato_ai_79.jpg
http://209.137.150.71/actressimage/50/HB1-18.jpg
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http://www.idol-gazou.com/kato_ai/ig_ai_kato007.jpg
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http://www1.nisiq.net/~lala/idol/ai1.jpg
http://farm4.static.flickr.com/3003/2719334002_feb5bf2b09.jpg
http://6.dtiblog.com/g/gazone/file/kato_ai_k01.jpg
http://www.51wall.com/asiamm/ai_katou/pic/011.jpg
http://idolfreaks.com/heaven/wall_k/katou_ai/1_1024.jpg
加藤あい〜現在
http://members.at.infoseek.co.jp/wint2/katou-ai/katou2001-07-01/katou03.jpg
http://ocha-club.com/i/katoh_ai2/002.jpg
http://champions.finito-web.com/Uriday/JPN/F/ka/kato_ai_28.jpg
http://desk.wuhan.cc/d/2007-10/2007102923371285032.jpg
http://desk.wuhan.cc/d/2007-10/2007102923370785028.jpg
http://champions.finito-web.com/Uriday/JPN/F/ka/kato_ai_39.jpg
http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/83/0000677183/94/img00aa1b47zikdzj.jpeg
http://v-fightclub.jp/fighter/women20-24/katoai/photo.jpg
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http://img171.auctions.yahoo.co.jp/users/1/2/6/0/bjsrk409-img450x600-1214008897zcxz4b48010.jpg
深田恭子 〜最近
ttp://a-4000.com/0/hukadakilyoukilyo/400-10.jpg
ttp://a-4000.com/0/hukadakilyoukilyo/32.jpg
ttp://www.scancoo.com/IDOLPIC_Kyoko_Fukada/photo/ips_fukada_kyoko101.jpg
ttp://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/jan_4910204/4910204830197.jpg
ttp://ca.c.yimg.jp/news/20090114101128/img.news.yahoo.co.jp/images/20090114/oric/20090113-00000026-oric-ent-view-000.jpg
http://a-4000.com/0/hukadakilyoukilyo/400-10.jpg
http://a-4000.com/0/hukadakilyoukilyo/32.jpg
http://www.scancoo.com/IDOLPIC_Kyoko_Fukada/photo/ips_fukada_kyoko101.jpg
●対戦キャラは「加藤あいvs深田恭子」(設定は16歳〜)
●対戦方式は取っ組み合い
学生時代でもOL時代でも可
●どれほど拙い文章でも可(読者側が妄想でフォローします)
やる気のある方はぜひっ!
☆若い時のスペック
深田恭子 T164B80W63H88
加藤あい T162B78W56H82
成人してからのスペックは一年位更新されていたが
なぜか消去されてしまった
それと同じ内容の物が当時ボムとか女性雑誌に乗ったスペック
深田恭子 T166B88W63H89 Ccup
加藤あい T164B86W57H86 Ecup
しばらくはこのスペックで統一されていた
370名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 18:23:15 ID:olzeILIj
実在の人物はダメだよ
それをモデルにした架空の人物ならいいけど
371名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 20:06:15 ID:XrNCOQMk
VIPなら犯罪予告以外なんでもありなのにこの板の住人はマジ弱気だな
372名無し募集中。。。:2009/01/25(日) 20:10:09 ID:IuMWS3qW
>>369
ヤバ
それかなり読みたい
373名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 23:06:02 ID:kht8mZRW
で、言うだけ言って自分で書く気はないわけか
やる気のある方とかほざけよ
374名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 01:58:04 ID:rAulnwaR
正直、実在系はいくら壮絶な雰囲気で書かれてても壮絶な気がしない
375名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 20:18:18 ID:OxdaGnzV
>>369
俺もリクエストします
神書き手ヨロしこ
376名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 20:27:21 ID:cqALtEPr
お前らまとめてエロパロ板のLRルール読み直して来い
377名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 21:18:20 ID:W16pafYa
でも俺も読みたい

書き手さんに強行してもらいたいんだが何とかならんかなぁ?
378名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 21:18:20 ID:ju7FpkmX
はは
379名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 21:56:39 ID:FYtYDxdJ
マジで迷惑だからやめてくれ。
やりたいならしたらばでスレ立てるか他の板でやるかすればいいだろ。
なんでわざわざ此処でやるんだ
380名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 20:56:08 ID:7xDdffhl
需要有りそうだし
別にいいんじゃねーか?
381名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 22:30:21 ID:QPXdWCQN
だれかー神さまーかいてー
382名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:37:01 ID:cp+Kn2Q3
>高い身体能力や戦闘能力を持った美女・美少女同士が壮絶な闘いを繰り広げる・・・
かなり濃厚なスレチ疑惑
俺は反対派
383名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:34:48 ID:w9XCdSjE
物凄い判りやすさで一人だけがずっと騒いでるだけみたいだから気にする事もないと思うが一応。

【この板の趣旨】
以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
実在する人物(アイドル等)を元にした創作 →えっちねたロビー等

こちらへ行ってらっしゃい。
384名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 17:45:08 ID:59TgN4Sf
>>383
あんた書いてみないか?

あんたツンツンしているがかなりの好きものとみた
385名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 20:34:30 ID:qUjc/phx
誰でもいい!
書いてくれ〜
386名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 23:44:59 ID:F6caPI92
そしてまた職人を潰すんだよな
わかるわかるw
387名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 02:16:41 ID:GsCK+bTy
一度潰れてもまた復活するヤツぁいるのよ
……あの人とか
388名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 12:51:09 ID:Wi4vNvFm
ミヤビもエッジもな。
他の人らもいつか復活してくれると俺は信じてるぜ。
何せバトルスレの神々だからな。
389名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 13:40:29 ID:Vr8/Qi7A
闘神だな
390名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 11:52:40 ID:CK2cabTH
壮絶で検索したらこのスレしかなかった
壮絶なドミネートはどこいったんだ?
391名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:25:07 ID:w1XUyv7X
格闘美少女無惨
392名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:38:30 ID:Ctwn1AWc
格闘美少女無惨 敗北公衆面前羞恥陵辱!(スカ注意) に名前を変えて絶賛迷走中
393名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 20:18:12 ID:CK2cabTH
>>391>>392
おお!ありがとうございます!
見つかりました

って漢字多すぎ。一瞬中国語かと思ったwww
394名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 17:32:20 ID:GmX+Ekj2
中国好きかよ
395名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 12:12:24 ID:PebR3QuF
「さくら大戦」

少年・大和を巡って争う、幼馴染の桜と転校生の染井芳乃との壮絶バトル
396名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 22:46:51 ID:w6jNV+d5
>>395
で、どのさくら?
397名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 22:56:49 ID:u76NQZOh
木之本か間桐かどっちかだな
398名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 01:30:04 ID:gjVbVsvS
つ【春日野】or【真宮寺】
399名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 07:18:39 ID:Z5n/OxQ8
平仮名が混じってるぞ
400名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 08:53:08 ID:WJw7FgW1
ヒント:タイトル



様々な世界を回り、誰が本当のさくらかを争うさくらバトル勃発
401名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 14:30:04 ID:R1fXsr0f
ヒント:少年・大和



幼馴染の本名・白山桜と転校生・染井芳乃
402名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 03:39:40 ID:5nmXKK9S
で、もう2月も終わりかけな訳だが、結局ナイトパーティーは来ないのか?
いつぞやのエッジと言い、締め切り守らん連中ばっかだなこのスレ
403名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 04:52:17 ID:q5DL039u
>>402

締め切りwwwwww

え?君編集者様なの?
どっちにしろあれでしょ?パンツ下ろして短小包茎のチンコ握ったままこのスレ開いて作品投下されないからカッとなって書き込んだんでしょ?^^
顔真っ赤にしてチンコ出してる所なんてお母さんに見られたら大変だから早くしまいなよ
それとチンカス付いたチンコ触った手でマウスか携帯触ってないで早く手洗ってきなよ
汚い汚いwwwwwww


404名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 05:13:43 ID:8nbIkKi7
>>403
まぁ、お前が一番キモいけどな
405名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 10:14:24 ID:G+mAijaL
言葉は悪いが、我々は職人に対する不当と思われる意見には全力を以て叩かせて頂く
406名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 20:19:32 ID:35ZHpd90
勝手に複数形やめれw
つか○翼じゃないんだから・・・

おまいにゃ付いてかないよ
スルーすればいいだけですやん
407名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 20:43:50 ID:iXxZ+Chl
過剰な職人擁護キモい
408名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 20:48:15 ID:i8TOGg7M
我々の待ち望んだ職人は殆どが死滅した!なぜだ?
スルーしろと気取った結果、過剰な叩きがのさばり、職人を叩いたからだ!
起て、住人よ!今こそ職人を不当に叩く輩、スルーを気取る屑共を叩き潰すのだ!
409名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:21:58 ID:iXxZ+Chl
>>408
今更手遅れってきがす
410名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:26:18 ID:i8TOGg7M
そうかorz
411名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 22:45:07 ID:oEO/C99p
勃てよ国民!!

>>362やら>>395やらをミックスしてネタを作ろうとしたが難しい。
カオスな予感がする。
412さくら大戦(仮):2009/02/25(水) 22:46:07 ID:oEO/C99p
 
――西暦2107年、元号が「清和」に変わって間もない頃。
世界では希少な資源を巡る紛争が相次ぎ、その中で先進諸国は人型兵器の生産に力を入れていた。
あらゆる形態を検証した結果、こと紛争処理において、人型がもっとも有用であるとの見解が得られたからである。
しかしいかに必要とはいえ、増税してまで人型兵器を造ることを国民がよしとする筈もない。

そこで、各国企業はその兵器と娯楽を結びつけた。
一昔も前であれば「アイドル」と呼ばれた少女らをイメージガールに起用し、
性的なギミックを揃えた人型兵器に乗せてセックスシンボルに仕立て上げたのである。

麗しい少女からの性エネルギー供給を受けて動くロボット。
目論見通り、これは瞬く間にブームとなり、渋い顔をする一部の者を尻目に拡大の一途を辿った。
まるでかつての自動車のように。
413さくら大戦(仮):2009/02/25(水) 22:46:52 ID:oEO/C99p


「……で、そん中で今一番すげーのが、アメリカ産のセネカって機体なんだってさ。
 空気抵抗が少ないから、ダッシュすんのと同時にターボ噴射したら、ワープみたいに瞬間移動して……
 っておい、聞いてんのかよ?」
イメージガールの映像を思い出して夢中でまくし立てていた少年・大和は、
ふと話し相手の無反応さに唇を尖らせた。
「聞いてないよ。えっちなロボットなんかに興味ないもん」
通信の向こうでは、ひとりの少女が澄ました様子で米の塊を頬張っている。
おにぎりだ。
栄養カプセルで空腹を満たすのが一般的な現代では、もう滅多に見かける事もない。

「桜…お前またそんなもん食ってんのか?それって消化に悪いし、ウンコになるんだろ?」
仕返しに大和が茶化すと、桜と呼ばれた少女は目を吊り上げた。
「もう、やめてよ!」
ふんと顔を背けると、それに合わせて黒いツインテールが揺れる。
大和は可笑しそうに笑った。
「わかったわかった、拗ねるなって。お前のオニギリっての美味いもんな。
 そうだ、明日また作ってくれよ。朝飯がわりに学校行く途中、喰ってくから」
「うわ、下品ー!食べ終わるまで近くに寄んないでよね」
「放っとけ」

互いに拗ねた表情のまま、ちらりと視線を交わし、やがてどちらからともなく笑みを浮かべる。
春日部大和と白山桜。
その、もう16年にもなる幼馴染の息だ。
414さくら大戦(仮):2009/02/25(水) 22:48:44 ID:oEO/C99p


それからひとしきり馬鹿な話で盛り上がった後、2人は窓から差し込む夕陽に目を細めた。
その夕陽は昔から、2人が別れて自分達の時間に戻る合図だ。

「…んじゃな。また明日」
「あ、待って!」
大和が片手を上げて通信を切ろうとしたとき、桜が不意にそれを止めた。
「ん、なんだよ?」
大和が不思議そうに尋ねると、桜は俯いて黙り込んだ。
「?」
いつもの彼女らしからぬ不可解な行為に、大和は首を傾げる。

「……えと……」
桜は小声で切り出した。
「えと、その。…大和は、さ……。あたしと、一緒に学校行ってくれるよね?
 明日も、明後日も、その…次も…」
「はァ?そりゃ、家がすぐ隣なんだから、一緒に行くに決まってるだろ?
 今までずーっとそうだったじゃん。何だよ今さら」
「あ、あはは。そだよね、…ごめん。ヘンな事聞いちゃって」
照れたように頬をかく桜に、大和は悪戯っぽい笑みを向けた。
「風邪引いてアタマでもおかしくなったか?それ以上悪くすんなよー」
「…ッ!ちょっと大和っ!」
顔を赤らめて逆上する桜から逃げるように、大和は笑いながら回線を切る。
415さくら大戦(仮):2009/02/25(水) 22:49:55 ID:oEO/C99p


「……もう、相っ変わらずバカなんだから……。」

ベッドに身を横たえ、額に手を置きながら桜は呟く。
自分でも、なぜあんな事を聞いたのかわからない。
ただ、彼女はここ最近、大和がひどく遠くにいってしまうような感覚に襲われていた。
それは、大和のついた稚拙なウソを見破るときと同じ、
女の勘というやつだろう。

大和はもてる男だ。
バカだが、傍からすれば爽やかで、気が利いて、それなりに優しい。
学校でもかなりの人気者だ。
それでもまだ今は、桜が彼をキープしている。
幼馴染であるという特別な、絶対的な関係で。

それは当たり前のようにあるものであり、ずっと無くなる筈のないもの…。
桜はずっと、そう信じていた。

                   続くんだ(`・ω・´)
416名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:38:41 ID:5nmXKK9S
失せろ
417名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:55:14 ID:oEO/C99p
…了解。
418名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:03:35 ID:i8TOGg7M
てか、そんな簡単に消えるなよ
こいつのID辿ればいかれてるの分かるだろ

がんがろうぜ
419名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:16:39 ID:WRvnLOxK
とうとうロボットものかw
420名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:01:42 ID:95EtJ8oc
もっと栄えて欲しかったなあこのスレ…。
421名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:24:20 ID:3h1SMdLm
明らかに末期だもんな。
積極的に潰そうとするやつは多いが盛り上げようとする奴はいない。
422名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 02:04:35 ID:hWhaz8/p
俺はまだ信じてる
423名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 08:18:57 ID:+YfBcTZM
>>417
マジでこれで終わりなん?
てかなんにも始まってないじゃん。設定と前振りだけでバトルもエロもなし。
これで失せろの一言ではいそうですかで執筆中断なら何のために投下したの?って聞きたくなるよ。
424名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 15:35:55 ID:5ZcAYtsY
ランサーさん続ききてくれー
425名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 00:00:03 ID:+YfBcTZM
ランサー氏はここじゃなくて腹責めスレの職人だろw
426名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:57:22 ID:NKanb3uf
盛り上がってた頃がなつかしい
427名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:58:52 ID:iFNyvKwq
いつだよ・・・
428名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 18:13:08 ID:UUfde6dV
エッヂが投下されてた頃がピークだったな

何だかんだで一番レスが多かった作品だし
429名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 21:13:41 ID:lZPyQe3q
ありゃオレの自演だw
430名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 22:12:24 ID:ylwQDI4V
いや俺
431名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 07:31:18 ID:kE4sFrU9
>>428
エッヂは相当良かったが、他が続かなくて目立ったもんだから荒らしの標的にされちゃってたし 厳しい感想も集中した
まさに出る杭は打たれた感じ
432名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 17:15:12 ID:+IOmgc8O
>>431

何でも他人のせいにしてんじゃねぇよ粕wwwwww(´∀`)
433名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 18:07:49 ID:872Tenkf
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、
>エッヂは相当良かったが、

笑わせんなカスwwwwwwwww
434名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 18:41:42 ID:sHL8Tx0n
まだ沸いてるんだ
435名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 19:37:29 ID:8b22jqvR
まぁ、荒れたけど俺は好きだったよ
終盤、ネタ切れ&プレッシャーで潰れたのか、アレな感じ満載でグダった展開になっちゃったのは残念だけど

出る杭がうたれたっつーより単純に荒らしに潰されただけだよね
あんな形でも完結させた事は評価できるよ
少なくとも投げ捨ててる人よりはるかに好感が持てる
436名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:03:47 ID:+IOmgc8O
>>435

>あんな形でも完結させた事は評価できるよ

本人未完だって言ってんじゃんwwwwww

レスもちゃんと読めないんなら半年ROMれwwwwwwwwwww
437名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:13:00 ID:7YGNnT9u
>>436
エッジを持ち上げるふりして他の職人を貶めようとしている荒しだろ
438名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:52:15 ID:xs40kEew
エッジを持ち上げるためなら他の職人を貶めるのも辞さない荒らしと言えw
439名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 21:06:27 ID:sHL8Tx0n
好きなだけ暴れておいき?
440名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 21:07:58 ID:kZF/2nKC
>>432
お前みたいなクズが職人を潰すんだよ
死ねや粕www
(´ω`)
441名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 21:20:13 ID:soa2gKlh
おまいら二つだけ覚えとけ
おまいらがそうやって貶め合ってる限りエッジは帰って来ない事。
そして誰よりもこのスレの事を思ってたのはエッジだった事。
442名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 23:48:17 ID:xs40kEew
エッジは帰って来なくていいだろ
誰よりもこのスレの事を思ってたのはエッジだったなんて気のせいだ
443名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 00:01:36 ID:bDDAfOA9
しょせん職人なんて連載マシーン
俺らを楽しませられないなら氏んでいいよ
444名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 00:02:25 ID:GNQ1KRou
酷い流れだ。こんな状態だともう誰も投下したがらないだろうな。読みたいジャンルのスレを自分らで終わらせるとか何がしたいんだお前等は
445名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 00:25:43 ID:4rPSUaui
>>436
どう考えても男坂クラスの未完だろ、あれ…

>>444
荒らしが調子に乗ってるだけ
446名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 01:00:30 ID:FdJmfct0
エッジは良かったね。
チビッコに首締められて泣きながらギブアップ宣言するところとか
ギブアップしたにも関わらずさらに間接締めで落とされるところとか
子宮に超攻撃力のパンチくらってダウンしてピクリとも動かなくなるところとか
達人のねーちゃんに四肢を折られて首締めで落とされて失禁するところとか
同ねーちゃんに身も心も折られてイカされるところとか

まじ最高。ありえないっしょ。この完成度は!!

だったんだけど、ep11以降から微妙になって
ep12の端折り具合があまりにも手抜きな感じがして最悪だたね
とはいえ、それまでの完成度が高すぎたのでそう感じただけで
単品としてみればかなぁり良い作品だたよ
例えるなら、ワンピースだったのが突然レイブになったような
447名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 01:36:02 ID:5v7Ad9R0
そろそろ、粘着するのはその辺にしとけよ地下女
448名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 01:38:44 ID:XPJkHLac
>>447
キサマのようなヤツがいるからこの有り様だよ
449名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 05:03:28 ID:4rPSUaui
>>448
罵り合うから悪化するんだぜBOY
450名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 12:05:58 ID:3yd32/ZJ
とっくに終わった作文なんかどうでもいいだろ
新しいカモがくるのを気長に待とうや
451名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 13:07:12 ID:0FrAiEs/
終わった作品を馬鹿みたいに待ちわびて騒いでる猿達の溜まり場はここですか?
452名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 13:27:09 ID:nTf8Mix/
ここまで俺の自演
453名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:13:03 ID:IoxVC58t
いやいや俺の自演
454名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 22:48:36 ID:uShglLng
荒らしコメは全部俺だって言ってんだろカスヽ(`Д´)ノ
455名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 02:00:02 ID:JRVgitcL
>>454

あなたを犯人です
456名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:44:31 ID:A9wWuaxw
久々にのぞいてみて伸びてるから新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!とおもったら何でお前らが壮絶なバトルしてんだよ
457名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 23:56:35 ID:euh+3GHd
実はこれが壮絶なネタ振りだったとは誰も気づかなかったのである
458名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 19:52:33 ID:rL4jDw/r
誰か短編でも持ってこないかな
459名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 07:42:27 ID:QyrlbigK
上げ
460名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:01:01 ID:DR/YzxSm
しかし普通のサイトにもこういうのって全然ないんだよなぁ
知ってるサイトあったら誰か教えていただけんかね?
461名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 00:24:17 ID:2b7rXg9T
探して見つからんのならないのさ
462名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 23:20:16 ID:7W3wNsDR
保守しないと…!
このスレを保守しないと……!!
463名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 00:59:56 ID:qJDhuWO4
AGE
464名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 23:51:45 ID:0jFsAmWh
えろはいんなかった
465オフィスレイブ    1/11:2009/04/18(土) 23:53:37 ID:0jFsAmWh
 *


「こういう書類はコピーしてから、って前にも言いましたよね」
七瀬真琴(ななせまこと)はファイルを手に、眼前の新人へ言葉を投げた。
抑揚のない口調、眼鏡ごしに睨みつける鋭い眼光。
そこには、叱責が期待を込めたものではなく、ただ相手を疎んじてのものだと言う事が
あからさまに見て取れる。
騒がしかったオフィスも、日常会話にはありえない低いトーンに局地的に静まり返った。

「は…はい、す、すみません………!」
新入社員の美穂は恐縮しきり、青ざめたまま頭を下げる。
入社したての頃は噂話の好きな、明るく人懐こい娘だった。
しかし真琴に毎日のように絞られ、入社2ヶ月目にして借りてきた猫のように縮こまってしまっている。

 (鬱陶しい……)
美穂の社交的な性格は、真琴がこの世で2番目に嫌いなものだった。
気に入らないことは他にもある。
高学歴で、少し幼さが目立つものの可愛がられそうな愛嬌。
19歳で何も出来ないこの青二才が、4つ上である真琴よりも上、という空気が社内にはあった。
しかし、それらはあくまで「ついで」に過ぎない。
真琴が真に美穂を嫌う理由は、彼女がある女性のお気に入りだからだ。

「そんなに気にしなくていいよ、七瀬って結構変わったところある子だから。
 最近ちょっと目に余るし、今度何かあったら私から一言言っとくからさ」
美穂の頭を撫でてそう言う女性こそ、真琴が最も忌み嫌う平山亜由美(ひらやまあゆみ)だった。
所属は華の企画営業部。
24という歳ながら、新人と見紛う瞳の輝きを持つ女。
学生時代はテニスで名を馳せつつも「スケバン」を髣髴とさせる硬派であったらしく、腕っ節は社内の腕相撲大会でラガーマン上がりを下したほどだ。
性格はおおらかで面倒見がよく、端正なルックスはそのままメディア宣伝に使えるとの声もあった。
その影響力は当然に強く、社内では殆どの女子社員が「亜由美派」に属している。
彼女がセミロングの髪を広げて現れると、社内の朝の空気が一新される。

真琴はそれが気に食わなかった。
466オフィスレイブ    2/11:2009/04/18(土) 23:54:33 ID:0jFsAmWh

苛ついている。
帰宅した真琴は、腕を見てそう感じた。
白い、美白とは違う病的に白い腕には、産毛よりもやや濃い毛がうっすらと浮いている。
昨晩手入れをしたばかりなのに、だ。
それは彼女の感情が昂ぶっている証拠だった。
「はん…」
真琴はひとつ自嘲気味に笑うと、机に転がった注射器を拾い、腕に添えた。
白い表皮を破って沈む針がうっすらと見える。
その感覚と体内に染みる液を感じ、真琴はほくそ笑んだ。
注入したのは男性ホルモンだ。

『言っちゃ可愛そうだけどさぁ、七瀬さんって女らしさゼロだよね』
『チビで眼鏡で、いっつもしかめ面だもんね。あそこまで色気放棄できる神経が解んないよ』
学生時代、よく聞こえてきた会話だ。
真琴はそれをもっともだと感じた。150ほどしかない貧相な身体も、黒縁のださい眼鏡をかけている事も、苦い顔が基本になっている事も全て事実だ。
鏡を見るたび落胆はしたが、マシになろうという足掻きは15,6でやめた。
限界を知ったのだ。
どんなに化粧を覚えようが、どんなに栄養を取ろうが、女として行き着けるのは並みより下。
赤点をめざし勉強する者がいるか?
その自問に対する真琴の答えは、否だった。

しかし、真琴は何もかもを放棄したわけではない。恵まれぬ者は恵まれぬなりに落ち所を探す。
真琴は生来毛深いほうだ。きっとそれは、女ではない女として生きろということだ。
そう思い、いつしか開き直ったように男性ホルモンを摂取する自分がいた。
女でないとは言え、無駄な毛はきちんと剃る。筋肉をつけても見た目には細さを保つ。
その上で鍛え込んだ。
女を超える女として、女なぞには到底できないと思えるほどのトレーニングを課した。
467オフィスレイブ    3/11:2009/04/18(土) 23:55:12 ID:0jFsAmWh
「92……93、94…95……」
にちにちと畳を鳴らしながら、真琴は指立て伏せを繰り返す。これで8セット目だ。
指立て伏せは毎日1000回をノルマとする。体質なのか、それだけこなしても腕は枝のように細い。
彼女はそれら一回一回を噛み締めるようにこなした。
乳酸の限界が来るのは600回あたり。自分と同じ身体をもった人間ならそこで倒れ込むだろう。
しかし真琴はそこで水滴に塗れた眼鏡をとり、歯を喰いしばって腕を奮い起こす。
支えとなるのは自分への陰口だ。
『陰気な声を聞くだけでイライラする』、『向かい合って食事なんかしたくないよね』。
そんな言葉が限界を迎えた腕の一筋一筋を爆ぜさせる。

真琴は確信していた。自暴自棄とも思えるハードトレーニングを続けてはや7年、
今の自分の筋力はプロの格闘家にすら通用するだろう、と。
実戦経験はないかもしれない。だがイメージトレーニングは十分だ。
あの女、この女、憎い相手を殴り殺す一連の流れを夢の中ですら夢想していた。
ああこれは危ないな、と思い始めて一月あまり。
美穂と、そして亜由美に対する脳髄が焦がれそうな激情は、いよいよ発散させることが
難しくなりつつあった。

そして、ある日のことである。
468オフィスレイブ    4/11:2009/04/18(土) 23:56:15 ID:0jFsAmWh



「七瀬、ちょっといい?話があるの」
そう声をかけられ、真琴は面倒臭そうに顔を上げた。
目の前に亜由美が腕を組んで立ちふさがっている。
長身の亜由美に見下ろされるだけでも不愉快な真琴だったが、今の亜由美は柳眉を吊り上げ、
怒りを顕わにしている。
真琴には、それがドブネズミが牙を剥くよりも醜悪に思えた。

「何でしょう。私の業務に何かミスでもありましたか」
真琴は眼鏡の淵をずり下げて嘆息した。言葉を交わすのも億劫だった。
亜由美の怒りがさらに層を成したのがわかる。
「ミスはないわ、あんた個人の業務にはね。でも、先輩としては褒められない」
激昂で亜由美のワイシャツがはだけ、僅かに谷間が覗く。
それがまた真琴の気に障る。
はだけ具合が垢抜けた亜由美をより洒落て見せ、そしてそれが意図せずとも男を射止めるから。

「昨日も美穂に些細なことで書類作り直させて、終電過ぎまで残業させたそうね。
 私はそっちの事情は良く知らないけどさ、まだ仕事の目的もよくわからない新人に、
 叱るばかりで伸びると思うとは思えない。
 ……美穂ちゃん、あんなに真面目で、すごくいい子じゃない!」
亜由美は少し鼻声になっているようだった。
他人のために怒り、泣いているのだ。
感受性が豊かなのだろう。それは良い事かもしれないが、真琴には理解できない。
「正直言って、今の七瀬のやり方は見過ごせない。
 話、させて貰うよ」
亜由美の強い視線を受け、真琴は心に沸々と湧き上がるものを感じていた。
相手が今、自分に持っている不快感と同じ、いやもっと根源的な怒りが湧き上がっていた。
恵まれた人間が指図をしている、それが理不尽で仕方ない。

真琴は静かに目を閉じ、眼鏡をかけ直すと亜由美の方に体を向けた。
思えば、こうして彼女と正面に相対するのは初めてかもしれない。
「わかりました。今日は少し仕事が立て込んでいますので、夜の10時にご連絡差し上げます」
「OK、必ずよ」
レンズの向こうで亜由美が頷く。
真琴はその即断を称えようか嘲ろうか迷った。
週末の22時、誰もいない社内での立会いを亜由美は受けたのだ。
469オフィスレイブ    5/11:2009/04/18(土) 23:56:54 ID:0jFsAmWh

真琴が指定したのは地下の倉庫だった。
音が漏れず、十分な広さがある。高みから強烈なライトに照らされたそこはリングのようだった。
真琴は資材のひとつに腰掛け、缶コーヒーを傾けた。
興奮の為かひどく喉が渇く。
「ごめん、待たせたかな」
その時、倉庫の扉を押し開いて亜由美が姿を現した。
亜由美は気持ちの整理をつけてきたのだろうか、穏やかな表情だ。
「夜も遅いから簡潔に話そうか。私はね、七瀬」
亜由美はそう切り出そうとし、真琴が自分へ向けて缶を放ったのを見て口ごもる。
オレンジジュースだ。
軽やかに缶を受け止め、亜由美は戸惑いを浮かべた。
彼女の中には、真琴が気を利かせてジュースを奢るなどという想定はなかったのだろう。
「……あらぁ、悪いね!」
亜由美は無邪気に笑みを浮かべる。
このままいけばいくぶん和やかな空気になるだろう。ともすれば親密な関係を築けるかもしれない。
真琴がなにもしなければ。

しかし、それには真琴は亜由美を嫌いすぎていた。
見目良くスタイルもよく、情に篤くて人望まである、そんな亜由美を妬みすぎていたし、
何より今まさに缶を傾けて果汁を飲もうとする亜由美は、無防備に過ぎた。
対話をする気など端からない。ジュースの差し入れは親睦の為ではない。
それを飲むときの大きな隙をつくる為、
喧嘩慣れしているらしい亜由美に、コーヒー缶をひしゃげさせる右拳を確実にぶち込む為だ。
真琴は奥歯を噛み締めた。
何千回、何万回と夢想してきた瞬間だ。
重心を低くし、しっかりと地を踏みしめ、指立て伏せで鍛え上げた握力をもって拳を石ほどに固める。
腰の捻りを加え、放つのは渾身のストレートだ。
「ふぅ、おいし…」
缶から口を離した亜由美の顔面へ、入れ替わるように叩き込まれる拳。
――鍛えすぎたかな。
そう思ってしまうほどあっけなく、手の甲にぐちゃっと何かの潰れる感触が伝わってきた。
何か? 亜由美の鼻だ。
あの綺麗に筋の通った、顔の美しさを纏め上げる部分だ。
470オフィスレイブ    6/11:2009/04/18(土) 23:57:25 ID:0jFsAmWh

「げほっ!ぐ、ぐふ、う!うぶううっっ!!!」
亜由美は缶を取り落としながら鼻を手で覆った。
指の間から黄色い果汁と鼻水、血の混じった混合液が滴り落ちる。
「…こ……この、野郎……ッ!!」
目から涙を流しながら亜由美が睨みつけてくる。
「あら、良い眼。いつもの善人ぶった目よりよっぽど好きですよ、そのガラの悪い目つき。
結局、それが本性みたいですね」
真琴は血に塗れたコーヒー缶を投げ捨てて言った。
事実、今の亜由美の目には不快さではなく、今まで感じたことのない凄みを感じた。
「うるさい!アンタ何のつもりよ、先輩に手あげるのはクビを覚悟の上ででしょうね!」
尚も鼻を押さえて叫ぶ亜由美に、真琴は淡々と返した。
「あら、このこと外に漏らすおつもりですか?」
「…………!!」
真琴の言葉に、亜由美ははっと息を呑む。

真琴は亜由美の性格を良く知っていた。
『出来る』人間にありがちなように、彼女は人に弱みを見せない。
仕事の協力を請うようなことは基本的にしないし、弱音を吐いているのも見た事がない。
昔から姉御肌の一匹狼を気取っている亜由美は、暴力を振るわれた、鼻を折られたという
事実があってもそれを漏らさない。
ましてやそれが屈強な男にであればまだしも、小柄で地味な目下の者からとなれば、
気の強さで鳴らす亜由美のプライドが話すことを赦さないだろう。

「最低ね、あんた……」
ようやく鼻血の止まった亜由美が唇を噛んで拳を握る。
円状に赤い筋の走ったその顔が痛快で、真琴はこの数年で久々の笑みを浮かべた。
471オフィスレイブ    7/11:2009/04/18(土) 23:58:09 ID:0jFsAmWh

真琴の勝算は十分にあるはずだった。
亜由美の喧嘩の強さは聞いていたし、自分に格闘経験がそうある訳でもない。
それでも今この状況でなら勝ち得た。
「歯ぁ食い縛んなっ!!」
眼光も鋭く挑みかかろうとした亜由美は、しかし三歩と歩けずにたたらを踏む。
しまった、という表情がありありと見える。
理由は靴だ。彼女は仕事のままハイヒールを履いており、まともに走れない。
周到なことに真琴は安全靴だ。
「食い縛りますよ、この通りね!!」
その安全靴の固いつま先でもって、真琴は正しく歯を食いしばっての蹴りを放つ。
余裕があるため想定どおりの綺麗なフォームだ。
亜由美のほうなど無残なもので、腹筋に力が入らない、それどころか重心さえ傾いた状態で
その蹴りを喰らうことになった。
「おう゛ぇ…っ!」
目を開き、口から漏れた声は真琴の想像より低く苦しげだった。
「きたない声。」
人の腹筋を痛めているという感覚が真琴の臀部に染み渡る。

そして、それでは終わらない。
よろめく亜由美を追って真琴は一歩踏み出し、低空でのローを放った。
狙いは亜由美の左の踝、踏み潰すように蹴り込む。
ぐきり、とはっきりとした感触がする。
「うあ゛あああああああ!!!!!!」
亜由美はたまらず屈み込んだ。捻挫だ。
ブーツの不安定さとよろけた姿勢を狙っての蹴りが、無残にも亜由美の足を挫く。
亜由美は目をきつく閉じて丸まったまま震えた。

 ――なんだ…つまらない。
真琴は感じた。上手くいきすぎ、このままでは目論見よりずっと簡単に亜由美を壊せてしまう。
なら、少しは遊ぶか。
真琴はうずくまる亜由美に近寄り、おもむろにその黒髪を掴んだ。
ふわりとシャンプーの心地よい香りが漂う。
社内で綺麗だと散々噂される髪だ、なるほど確かに絹のように手触りがいい。
せっかくだからいくつか引きちぎろうか。
真琴がそう考え、髪を掴む手に力を込めた瞬間。がしりとその手首が掴まれた。
ぎょっとしたのも一瞬、即座に肩の根元も押し込まれ、腕が伸びきる。
そして亜由美の身体が後転するように回った後…真琴の右肘と肩を、弾けるような痛みが襲った。
472オフィスレイブ    8/11:2009/04/18(土) 23:58:46 ID:0jFsAmWh

「い、痛いいぃっ!!」
真琴は反射的に腕を振り上げ、かろうじて致命的な感覚から逃れた。
右肘を電気のような痺れが壮絶に渦巻いている。
折れてはいないようだが、手のひらを握るということが叶わない。
そして肘の痛み以上に、真琴は心に衝撃を受けていた。
不用意に出した腕を掴んで固定し、身体ごと回転させて蹴り上げる。
反応が遅ければ肘が壊されていただろう。そんな動きは、想定にはなかった。
「砕けてれば、おあいこだったんだけどね」
亜由美が立ち上がる。
完全に左足を痛めたらしく、身体が左へ傾いている。
それでも両足はハイヒールを脱ぎ捨てて身軽になり、何より瞳が死んでいない。
2人は一瞬硬直し、先に動いたのは経験に勝る亜由美だった。
振り回すようなフックを素早く真琴の脇腹に打ち込む。ドッといい音がした。
「う、ん!」
真琴はその痛みに息を詰まらせながらも、冷静に怒りを組み立てていた。
容姿の壁によって味わった様々な理不尽さを思い出す。
そうすると、おもわず拳から音が鳴るほどに強く握り締めることができた。
その硬さで亜由美を殴りつける。
鍛え、鍛えて、鍛えた腕は、やはり面白いほどの威力を誇った。
「あぐ!」
亜由美の頬肉が歪み、鼻が殊更にひしゃげ、頭がぐるんと仰け反って黒髪が真琴の手を撫でる。
亜由美は右足だけでは堪えきれずに倒れ込んだ。
あの亜由美が這いつくばっている、真琴はその情景を振りぬいた姿勢のまま焼きつけた。
「あう、がふっ…!!」
亜由美は再び鼻を押さえた。また血が噴出したのだろうか。
必死な様子だが、真琴は今度は油断しない。危うく腕を折られかけた苦い経験からだ。

かくして、それは正しかった。
亜由美は立ち上がりざま、目にも止まらぬスピードでの裏拳を放つ。
風を切る音がかろうじて聞こえるだけの一打だ。
うかつに近づいていればガードなど叶わず、綺麗に頭に貰っていただろう。
ぞっとした。
ぞっとして、戦いのさなかに真琴は動きを止めた。それが経験の浅さだ。
亜由美はその隙を見逃さない。無事な右足で踏み込み、冷静に真琴の顔に拳を打ち込む。
ワン・ツーだ、と真琴はわかった。
距離を測る1打目で顔面へ水を飛沫きかけられたような感覚が襲い、眼球が少し痛んだ瞬間、
2発目が鼻と逆の目を抉り込んできた。
473オフィスレイブ    9/11:2009/04/18(土) 23:59:18 ID:0jFsAmWh

頭が真っ白になる、とはこの事で、真琴は棒立ちになっていた。
感覚としては少しずつ前に倒れ込んでいるようなのだが、一向に地面につかない。
棒立ちはまずい、そう感じたときには、当たり前だが遅かった。
ずん、という音が聞こえる衝撃で背骨が軋み、腹筋に痛みが降りてくる。ボディだ。
身体がくの字に折れ、喉からはそれが楽だというようにかふ、と自然に息が漏れる。
その直後、再び続けざまに同じ衝撃。ボディだ。
肺の辺りに岩ができたような苦しさのあと、ひく、ひくとその上部が喘ぎ、押し出すように食道を遡る。
「こぷっ」
身体が揺れる衝撃で眼鏡が地に落ちる。直後、口からほんの僅か、感じたよりは僅かな胃液がこぼれ出た。その事にまた頭が真っ白になる。
「は、吐いちゃった……」
誰に言うともなく真琴は呟き、落ちた眼鏡の傍に膝をついた。胸が熱く張る。
胃液とはこうも容易く溢れるものなのか。いや違う、それを搾り出した亜由美が強いのだ。
「吐いちゃったね。私に対してちょっとオイタが過ぎたわよ、あんた」
亜由美は真琴の襟首を掴み、片手で捻り上げた。もう片手は垂直に身体の向こうに控えている。
どこを殴られる。顔ならばいい、潰れてしまうかもしれないが顔ならばいい。
胸や腹部だったら自分は、きっと耐えられない。
真琴は震えた。亜由美の引き絞った右手が死神の鎌に思える。
この恐怖を怒りに変えなければ、しかし、それは無理だ。それにも経験が要る。
ならばなんとかしなくては。なんとか、彼女の攻撃を止める方法を……。
そのとき、真琴の目には映った。自分を締め上げる亜由美の折れた左足首。ここだ。
「うああー!!」
無我夢中で蹴った。慈悲など微塵もない。遅い来る猛獣に銃を放つほどの必死さで脚を振った。
目は瞑っていた。弾が当たったのかどうかは、獣の声で判別するほかない。
「ぎっ!」
それはまさしく獣の声だった。
虎や獅子ではない、小動物の断末魔のような声。
「い、いいぎぃいあぁああ−−−−−−−−−−−−−−−−っ!!!!!!!」
甲高い叫びを上げ、亜由美の拘束は離された。
亜由美はまず膝から崩れ落ち、痛みから飛び跳ねて、横ざまに倒れ込む。
「あ…足が、足があ……ッ!」
呻き、左の足首を抱えていよいよ深刻な汗を流す。
助かった、と真琴は安堵した。
すると現金なもので、その途端に恐怖に塗りつぶされた怒りが沸々と沸いてくるのである。
474オフィスレイブ    10/11:2009/04/19(日) 00:00:01 ID:0jFsAmWh

「よくも……吐いちゃったじゃ、ないですか!!」
真琴は怒りをそのままに、安全靴を履いた足で亜由美の腹部を穿つ。
「うごおぉっ!!」
亜由美はそれどころでない時に蹴りを受け、まったく対処が出来ない。
勝った、とこのとき真琴は感じた。緊張が解けたわけではない、ただ、もう亜由美はダメだろう、
そういったどこかしら同情にも似た予感を持った。
実際、亜由美は絶望的なほどに不利だった。
真琴はさらに腹部を狙う。今度はさすがに腕でガードする亜由美だが、何しろ安全靴だ。
防いだ腕に顔が引き攣るほどの痛みが走り、しかももう立ち上がることが出来ないようなので
弱点である左足が狙われ放題となる。
「う、うぐ、ぐ……!!う、ぢぐ…しょう………っ!!」
腕のガードが破壊され、左足を執拗に踏まれ、想像を絶する痛みに亜由美の抵抗は
目に見えて弱まっていった。
根性がないと言われるだろうか。だがこの間に亜由美が上げていた声の悲痛さを聞けば、
きっと誰もがそのようなことは言えない筈だ。
その声を浴びながら尚も腹責めを続ける真琴は、自分でもイカれていると解っていた。
しかし、その倒錯がひどく快感だった。
皮膚の下の男性ホルモンが活性化し、亜由美の悲鳴で猛り、男根があれば狂おしいほどに屹立していることだろうと感じた。
実際、真琴はこの後で亜由美を嬲りつくすことに決めていた。
当初は敗北の言葉でも吐かせて終わりにしようと思っていたが、今はもう収まりがつかなくなっている。
まずはこの後。
何としても自分と同じ恥辱、嘔吐をこの女に味合わせてからだ。

安全靴は重い、そして亜由美の身体も力をなくして真琴の足にしなだれかかるようになっている。
蹴りは効率が悪く、真琴は拳を亜由美の腹に叩き付けた。
「もう、もぉ……ひ……う、うぉおえ゛え゛え゛ええ…!」
声だけは凄いが、中々内容物が出ない。
「らあっ!さっさと吐きなよ!」
真琴はさらに拳を振るう。そうして双方汗まみれで揉みあっているうち、ふと真琴は倉庫の扉が薄く開いていることに気がついた。
ぎょっとしたが、そこにいる人物を認めて口を歪に歪める。
「あら、ねえ先輩、可愛いギャラリーがいますよ」
その言葉に、亜由美もはっと顔を上げ、目を見開いた。
ただ一人の観客は美穂だ。亜由美が心配になって見に来たのだろう。
亜由美としては醜態を後輩にさらすという、この上なく屈辱的な状況になるだけだが。
475オフィスレイブ    10/11:2009/04/19(日) 00:01:27 ID:0jFsAmWh

そして、確かな瞬間はついに訪れた。
十数発目の拳が腹部に突き刺さった瞬間、亜由美が小さく息を吸い、下唇を痙攣させた。
 ――来た!
真琴はそう確信する。
「…み………み……らい、れぇえ…………!」
その囁きが終わらないうちに、真琴の肩の入ったパンチが亜由美の細腰をくの字に折る。
亜由美とてもう限界だった。
「おえぇええ゛え゛っ!!ひっぐ、うっ、うえええ゛え゛え゛え゛っっ!!!!!!!」
我慢して、我慢していたのだろう。
小さな口から溢れ出る吐瀉物を床にぶちまけ、えづきながら、嗚咽していた。

覗いている美穂はもはや言葉もない。
目の前の事が受け入れられていないのか、それとも受け入れたうえで呆けているのか。
彼女に見られたのは真琴にとっては誤算だったが、誰かに密告するような度胸はないだろう。
「美穂」
「は、はい!」
真琴はいつもの冷ややかな声で告げた。美穂が背筋を伸ばす。
「この場の片付けをしておきなさい。これも仕事の内です」
真琴はそういい、気絶した亜由美の体を背負った。
美穂はうろたえながら、精一杯の勇気でもって尋ねる。
「…はい。…そ、それで、あの……これから、どちらに?」
美穂の問いに、真琴はやはり冷ややかな眼で答えた。

「亜由美先輩には、暫くの有休を取って頂きます」

                                  
476名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 11:23:58 ID:woJCBxSj
久々にGJ
477名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 18:33:59 ID:pPGq/Har
GJ!
478名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 19:15:29 ID:Q4grTqhV
GJ
479名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 22:25:51 ID:LJlbAHpW
超GJ
480名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 01:23:14 ID:AN8ibKTZ
乙〜
481名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 01:55:27 ID:13HXO3VW
GJ!
こういう悲鳴は大好きだ。
482名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 04:54:43 ID:K6hYnvOZ
感想有難うです。
以下、おまけにして本編↓

※スカ表現あり、NTR風味、6レス
483オフィスレイブ(事後)  1/6:2009/04/20(月) 04:56:45 ID:K6hYnvOZ

「ねぇ聞いた?亜由美先輩引き抜きだって」
「え、どこに!?」
「海外のかなり大きい会社らしいよ。造船から製薬から、何でも手がけてるってさ」
「でもさ、ネットで見たんだけど、なんか裏の企業とも繋がってるって噂あるよ?
 子会社がAV撮ってるとか……」
「所詮ネットの噂でしょ。亜由美さんがそんな怪しい所行くと思うの?」
「あそっか、ウチで一番縁遠いよねぇ」
「…縁遠いっていえば、別の意味で真琴さんもそういう事に無縁そうだったけど…」
「うん。でも今は、なんか雰囲気違うよね……」

女子社員の噂する中、真琴は颯爽とオフィスを歩く。
少年のように貧相な身体と黒縁眼鏡は変わらないが、その顔には笑みが零れていた。
「あっ、真琴さん!おはようござぁーっす!!」
「はよござーぁーっっすっ!!」
真琴を見つけた男性社員がやはり満面の笑みで頭を下げる。
一人ではなく、その後ろの者も。
真琴はその彼らに意味深な笑みで応えつつ、美穂のデスクの前で止まる。
「あ……おはよう、ございます……」
美穂は脅えた様子で真琴を見上げた。つぶらな瞳の下にはくっきりと隈ができている。
「おはよう美穂。あのDVDの続き、持ってきたよ」
真琴はそう言い、美穂の机の上にディスクの入った袋を置いた。
「ありがとう、ございます…」
美穂は一応の笑みを浮かべる。しかしその笑みには影があった。
「今じゃもうすっかり良い先輩よね」
「ホント。あれも亜由美先輩がガツンと言ったかららしいよ」
「やっぱり亜由美さんって凄いよねー。あたしも亜由美派、入ろっかな…」


・・・・・・もう、やめて・・・・・・・。


活気づくオフィスでのたった一言。
美穂のその呟きを聞いたものは、居なかった。
484オフィスレイブ(事後)  2/6:2009/04/20(月) 04:58:06 ID:K6hYnvOZ


金曜の22時。
誰もいなくなった社内では2人だけが居残るのが常だった。
人事部の真琴と美穂だ。
人事部では週末の仕事が多く、その居残り自体は奇妙なことではない。
だが彼女らのすることは業務ではなかった。

「この間の連休は長かったでしょう。たっぷり楽しめたわ」
会議室の革椅子に腰掛け、素の声になった真琴がぽつぽつと呟く。
聞く者まで沈痛な気分にさせる重いトーンだ。
美穂は真琴の隣に腰掛け、その話に耳を傾けながらも正面のスクリーン映像から目を離せずにいた。


映像の中では亜由美のむちりとした太腿がのたうち回っていた。
丸裸だ。
肉感的な桜色の身体を仰向けに横たえたまま、首を真琴に抱えられ、腹部を脚で締められていた。
両腕は床と彼女自身の背に挟み潰され、豊かな胸を迫り出させている。
極まっていた。
亜由美の顔は真琴の肩に隠れて顎しか見えないが、それでも苦しんでいるのが解った。

「ドラゴンスリーパー……胴を挟んで動けなくして、頚動脈を圧迫するの。
 真綿で首を絞めるような技ね。カエルみたいにひっくり返すから見応えあるでしょう」
真琴は淡々と解説した。映像の中の彼女も実に冷ややかだ。
逆に亜由美は苦渋の極致にいるようだった。
足を壊れるほどにばたつかせ、隠すもののない若草を覗かせる。
右足首に絡みついたショーツがやけに艶かしい。
亜由美がレイプされている。
美穂には想像だに出来なかった情景が、その絵からは容易く想い起こされた。
しかし亜由美の苦しみは、スリーパーによる窒息だけではないらしい。
おそらく主たる要因は、真琴の足で絞められた胴から響く、ごるる…という雷轟にも似た音だ。

『抜いて、抜いてえええぇっ!!トイレに…もおトイレに行かせてよおおぉっ!!!』
突如、映像の中で亜由美の叫び声がした。
「浣腸してやったの、ムカついたから2リットル以上はぶち込んだかな」
真琴が言う。その「ムカついた」を証明するように、映像内の真琴がドスの聞いた声を発した。
『だから、嫌なら自力で逃げなさいって何度も言ってるじゃないですか。
 理解力ない女って嫌いなんです、心底』
『無理、無理よおっ!!出来たらしてるわよ、なんでこんなに……強い、のよぉ……!』
亜由美は泣いているようだった。心はもう折れているように見えた。
485オフィスレイブ(事後)  3/6:2009/04/20(月) 04:58:44 ID:K6hYnvOZ

「一応フェアな戦いだったのよ。だいぶ調教も進んでたんだけど、一度アイツがブチ切れてね。
、…何だったかしら。
 ああ、営業課のあいつの椅子に縛り付けて、綿棒で徹底的に尿道を開発してあげたときよ。
 面白かったわ。初めの、痛いんだけど唇噛んで堪えてるブッサイクな面も傑作だったし、
 だんだん感じてきたらしくてクリトリスがビンビンに勃ちあがっちゃったりもしてね。
 自分の席ってことでプライドでもあるのか、背筋しゃんと伸ばして凛々しい顔してんだけど、
 愛液なんか駄々漏れだし、そのうち私もコツ掴んで潮噴かせまくって、机の書類全部だめにしてやった。
 これは契約書だから粗末にしちゃダメですよ、って念押して机の前に貼り付けるんだけど、
 それでもびゅっびゅ潮噴くんだもん。自業自得よね。」
真琴はそうまくし立て、情景を思い出したように陰惨な笑みを浮かべた。
「……とにかく、それでアイツが文句言ってきたわけ。
 もうこりごりだ、殴り飛ばして白黒つけてやる、ってヤンキー臭い言い分でね。
 でもアイツその時調教のせいでフラフラで、そんな奴に勝っても嬉しくないじゃない。
 だから一週間猶予を与えたの。
 私にとっても、の猶予だけどね。苛ついたから鍛えまくったよ。血が出るまで鍛えた。
 そして一週間後が、コレ」
真琴はそう言ってスクリーンを指す。
そこでは変わらず、亜由美が鳴動する腹を真琴に締め上げられ悶絶している。
「コレは2回ほど殴り倒して意識飛ばした後、引き摺り起こして浣腸したあとよ。
 圧勝だった。初戦で感じた不安がバカみたいに思えるほどにね。
 自惚れじゃないけど、私才能があるよ。亜由美をギタギタにする才能」
真琴は椅子に腰掛けたまま拳を握る。
美穂は息を呑んだ。
真琴は相も変わらず小柄で、病的に色白く、眼鏡をかけた陰気な女だ。
しかしその拳は、手の甲側の指付け根に分厚い血ダコが出来ていた。
殺せる、と美穂は思った。この拳は女を充分に殺しうる。
亜由美もそれを知らなかったわけではないだろう。彼女は本当に、よくやった。
486オフィスレイブ(事後)  4/6:2009/04/20(月) 04:59:32 ID:K6hYnvOZ

『お願いよおぉっ!!お、お腹が苦しくて、おかしくなっちゃいそう!!
 もう離してぇ、ぜったい逆らわない、何だってします!!だから、だから……』
『だから?』
『と、トイレに……!』
『トイレ?…ねぇ何ですかそれ、別の言葉で言うようにって教えましたよね』
『…………っ!!』
『嫌ならいいんですよ、本当に限界を超えたならどうしたって溢れるものですし。
 でもそこまで膨らませたエネマバルーンだと、おしりは引き裂けるでしょうね』
『……う、うっ……!!おね…がい、です……!!う、
           …………うんち、させてくださぃ……!!!』
亜由美は、堕ちた。その瞬間、映像内の真琴が亜由美の首を絞める手を緩め、
自由になった左手で風船のようなものを握り込んだ。
しゅううっと何かが抜ける音がする。驚くほど勢いよく、長く。
『あああっ、だめっだめえぇーーー!!我慢できない、で、出ちゃう―――――!!!!』
亜由美の叫びも同じほど悲痛で長い。
その叫びが尻切れになり、腹筋が緩んだ瞬間。
バスッという音と共に黒いゴム製のアナルプラグが亜由美の股座から弾けとび、
続いて透明な放物線がフローリングの床に露の線を成した。
その線は次第にうっすらと色がつき、気付いた時には茶色に濁りきった汚液と化していた。
ぶりゅいいいっ!!びちっ、ブビィイイィッッ!!!!
音にすればそんなもの、いや、もっとおぞましく複雑だ。
『おお臭い臭い。涼しい顔して、目元もぱっちりで、すらっとしたスレンダーな体つきで、
 そんなあなたでも中身はこんなものなんですね。まるで本物の畜生です。
 不細工な私だってここまで臭い排泄は経験がありませんよ。』
真琴はなじりながら、再び亜由美の首と胴を締め上げる。うえっと亜由美の声がする。
 
腐りきりドロドロになった熱い臓腑を全てぶちまけるかのように、排泄は長く続いた。
汚液は四方に飛び散り、汚物は場の寒さに逆らって湯気を立ち昇らせる。
その排泄は相当に苦しいのだろう、亜由美の桜色の脚は尻を突き出したまま爪先立ちになり、
両足の指はぶるぶると震え、内腿からは降るような汗が滴っていた。

「汚いもの見てショック受けた?」
現実の真琴が椅子を軋ませて笑みを浮かべる。美穂は言葉もなかった。
「…ちなみに、これが昨日の“亜由美”よ」
487オフィスレイブ(事後)  5/6:2009/04/20(月) 05:00:11 ID:K6hYnvOZ

真琴がパソコンを操作すると、映像は汗まみれで失神する亜由美から別の場面に移った。
次に映ったのは女性の下半身だ。
「あんたなら解るでしょ、亜由美よ。あんたも社内の男連中も、ミニスカから覗くこの脚をよく見てたものね」
真琴は自嘲気味に言った。
美穂は導かれるままに画面を眺める。

映像では背景に石灰の壁があり、その中心にある穴に亜由美の括れた腰が収まっている。
まるでギロチンかマジックショーだ。
「ちなみに、壁の向こうじゃ亜由美、口を使って奉仕してるの。
 外人に負けないディープスロートの練習ね。
 フェラチオって嫌いだから映してないけど、そっちも苦しいはずよ。
 手首壁に繋がれて口枷まで嵌めてるから抵抗できないし、客人はウチの男共。
 単に惚れてる位ならいいけど、腕相撲で負けた、セクハラ摘発された…とか恨みある奴も多いしね。
 今朝も報告が来たよ。えづくときの喉奥が最高だったとか、初めて涙流すところ見たとか」
よく聞けば、カメラは確かに微かなえづき声を拾っているらしかった。

壁に阻まれ、映像からは亜由美のすらりとした下半身しか見えない。
だがそれで充分な衝撃だった。
女である美穂が見惚れるほど綺麗なヒップ、だがその中心にはバルブのようなものが埋め込まれており、
聞くだけで不安になる重い音で唸っている。
「この映像を撮る代わりに、って借り受けた米産のヘビーアナルファックマシンよ。
 迫力あるでしょ。30歳からって年齢制限ついてるぐらいだしね。
 ゆくゆくは亜由美も海外に出す気だから、今のうちにアナルに慣らしとかなきゃ。
 洋物っていえばアナルにディープスロートだもんね」
真琴が淡々と解説する間も、それをかき消すようにマシンは唸りを上げる。

マシンは馬が駆けるように凄まじくうねりたくっているが、外れる事は望めない。
マシンの淵からは幾本ものゴム帯が伸びており、亜由美の腰ベルトにしかと繋がれているからだ。
尻穴に刺さる突起部は異様に太い、直径6cmは下らないだろう。
それを埋められた菊輪は皺もなくなるほど伸びきりピンク色に充血していた。
そして穿たれている。
「太くて長くて適度に堅い。黒人の勃起しきったペニスを型にしたらしいよ。
 本当に大きいから、直腸ってあるじゃない。MAXだとあれより奥に入るんだって。
 アメリカ女でそれなんだから、日本人にはどうなんだろうね。
 ああ、当たり前だけど亜由美には、慣れない程度にMAXを堪能して貰ってるわ」
真琴は舐めるように語る。
映像では確かにマシンが暴虐的な唸りを見せていた。
どちゅ、どちゅ、どちゅっ………
マシンはローションでも使っているのだろうか、やけに湿った音で抽迭を繰り返す。
亜由美の後孔はそれに追従するように喘ぎ、接合部から黄色い液を噴き出していた。
その尿か糞便か判別のつかない汚液は、亜由美がトイレに行くことも赦されぬまま穿たれ続けている事を如実に物語る。
488オフィスレイブ(事後)  6/6:2009/04/20(月) 05:00:48 ID:K6hYnvOZ
「すごい画だよね。上場企業の看板嬢になれそうな上玉が、暴走した機械にアナル責めされて汚物を漏らしてる。
 音も凄いし、所在無く踏み変えられる脚だって、悔しいけどそそるじゃない。
 これ、試しにビデオに撮って海外サイトに乗っけたんだけどさ、もう5万アクセス超えてるよ」
「…これを……流したん、ですか……。」
「ええ。でも、そんなに酷い事でもないわ。撮るって言うのは本人も了承済みよ。その上で、ほら」
映像では、ちょうど真琴が現れ、何か声をかけながら亜由美の秘部に手を差し伸べていた。
美穂は息を呑む。
散々に使い込まれたらしいそこは、だらしなく襞を開いて汁を泌ちさせていた。
そして蕩けるように真琴の指を飲み込み、手の甲を迎え入れ………手首までの蹂躙を赦した。
「すごいでしょ、このとき子宮に触ってるのよ。でも、痛がらない。
 想像できた?…あなたには無理でしょう、美穂。
 もう亜由美は、あなたの知っている亜由美ではないの。」
真琴はそう言うとぷつりと映像を止めた。あ、と美穂が声を上げる。
真琴はそれを見て、笑った。
それはいわゆる人間の笑みではなく、もっと何か異質の、蝙蝠の啼きような。

「可愛そうねぇ美穂、じゃあせめて、あなたには昔の亜由美をあげるわ。
 まだ私と並び立てたころ……たぶん、一番美しかったころの映像をね」

真琴は今まで見ていたディスクを取り出し、代わりに古いディスクを差し込んだ。
日付は2ヶ月前の金曜日。あの、決闘の日の夜だ。


暗い画面が映る。どこかの家の風呂場だろうか。
そこには2人の女がいた。スーツ姿の真琴と、全裸の亜由美。
左足の包帯が痛々しい。あの日の彼女だ。
亜由美は後ろ手に縛られ、その縄の先をフックに通して宙吊りにされている。
そしてその細い身体はやや前屈みになっていた。
『んっ……っは………………っぁ、ぁっ…………は…ぁっ………!』
荒い息に混じり、微かな、微かな声が漏れ聞こえる。
『いい声が出てくるようになりましたね、先輩、ね』
淡々とした口調で言うのは真琴だ。
彼女は左手にローションのボトルを持ち、それを手袋をした右手にたっぷりと注ぎつつ
事務的に亜由美の秘所への愛撫を続けていた。

それは音もなく、激しい動きもない単調なものだ。
しかし見ている美穂は体中が痒くて仕方なかった。それほど女にとって恐ろしい嬲り。
女の身体を知る女だからこそ為しえ、女を心底憎む女だからこそ徹底できる地獄の責め。
亜由美の両脚の内側が余すところなく濡れ光っていることからも、それがとうに常識的なレベルを超えているのがわかる。
それでも、亜由美は屈していなかった。
『思ひ知らせてやる……!!……ッ……んたに、かららず……思ひ知らせてやる………ッ!!!』
淫核の皮をやわらかく剥かれながら、身体をぐらつかせ、唾を一杯に垂らし、
それでも亜由美は闘っていた。


                        オフィスレイブ END
489名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 11:13:50 ID:NAxRtwln
エロだけかと思ったら最後の最後にスレらしいしーがあって良かった
GJ!
490名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 12:20:48 ID:3IIyrcJf
GJ
491名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 19:09:48 ID:aS3QiChD
乙〜
492名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 00:27:30 ID:iz7UjenA
超GJ
493名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 00:51:36 ID:aeV86r30
GJとしかいいようがない!
494名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 07:38:46 ID:v7fMMxxc
GJ!
495名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 12:25:06 ID:MrjmfY+q
GJです。
496名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 13:30:23 ID:Ghwk80CX
GJこういうの良いな
続きそうな予感があって更にテンション上がった
勝って負けて繰り返して最後は泥沼ってのが一番好きだ
497名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 18:25:50 ID:FhacZ+ek
GJだ
498名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 19:36:21 ID:5zRC0CAO
GJ!
499名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 20:54:38 ID:LIIwSPqK
GJGJGJ!
500名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 20:55:27 ID:LIIwSPqK
GJ! GJ! GJ!
501名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 05:11:28 ID:IOmMiCC8
GJ!
502名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 22:02:44 ID:xvt+SIob
愚痴スレだったかな

GJ!だけ連呼されても困る
という書き手さんがいた

何がGJなのかわからなくて、次が書けないって
結局書くのを止めてしまったそうだ
503名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 22:17:26 ID:nyrf0r2o
GJの連呼と言っても今日にも落ちていたかもしれない超廃墟スレでの13連呼だ
これを絶賛といわず何という!
504名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 14:06:50 ID:y8qhP20b
上手く表現できたらそら自分だって書いてみたいさ
文章を書ける人にとっちゃ物足りないんだろうな
イイと思うからGJと言ってしまうんだけど・・・
505名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 14:56:26 ID:WRgzGCMR
気にするな。
一応俺も物書きなんだが、他人に感想つけるときは感動しまくっててもGJとしか言えない。
506名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 18:55:22 ID:l+mKEV/H
GJだけで十分じゃないか
GJ! GJ! GJ!
507名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 20:25:21 ID:l1QRvbmZ
まぁ確かにGJっていう単語を便利に使ったという反省はあるかな
ただ読んで感想が漠然とこれは良いものという事しか無かった訳で…
でも良かったっていうのは伝えたかったんだよな
まあじゃあなら最初からそういう感想を書けとか言われそうな訳だが
508名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 00:21:43 ID:WME50fyn
正直いえば俺のGJはスレを廃れさせないための義理
でも投下してくれただけでも称賛する価値はあると信じてる
509名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 04:29:50 ID:K4O8xYTG
>>502
>何がGJなのかわからなくて、次が書けないって
>結局書くのを止めてしまったそうだ

別に非難とかじゃなく単純に疑問に思ったんだが
……気になった時は思い切って具体的に聞いちゃえばいいんじゃね?
510名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 08:06:08 ID:ifG+dYB+
自分擁護多すぎでフイタ
結局GJ!の言い訳ばっかりで、いまだ内容に関するレスゼロって酷いな

投下しただけでGJ!なんてレスもあるけど、内容評価ゼロでそんなこと言われたら
「投下されればなんでも良かったのか」なんてネガティブに捉えられてるかもしれんぞ

せめて「〜で抜いた」ぐらい言おうぜ
511名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 10:43:10 ID:pEpgkC+H
もっと感想文が必要だと思うなら、そう思った人が感想書けばいいだけの話。
投下しただけでGJってのが1つ2つあっても、
分母の数が圧倒的だから気にする事もないと思う。

ところで、これ以上感想のつけ方に関する話がしたいのなら下記スレでどうぞ。
よく出てる話題だし。

書き手⇔読み手 ちょっと聞きたいことがある5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236691964/l50

SS書きの控え室92号室
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238363419/l50

ともあれ、>>482はGJ!
最後のまだ屈してなかったうちが好きだーw
512名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 12:33:43 ID:SjLdgeH8
GJって言っときゃまた書いてくれるかもしれん
とにかく連呼しようぜ
513名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 15:58:11 ID:Ak6xhbnS
エッジは百戦錬磨の書き手だから感想がないくらいでへそ曲げたりしないさ
514名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 20:16:22 ID:WME50fyn
>分母の数が圧倒的だから気にする事もないと思う

ひょっとして気づいてるかもしれんが>>477-479>>490-492>>494は俺が一人でやった。
感想がないのは序盤の男性ホルモン注射の辺りで話が好みじゃなくて読むのをやめたから。
久々の投稿なので自分の好みじゃなくても職人をおだてておこうと思ったんだが今考えるとマズかったかもしれん。
スマン・・・
515名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 00:28:28 ID:/1OgjAPn
なかなか正直な告白・・・
次回からは正直に書いたほうが書き手さんもむしろ嬉しいんじゃ?

俺は良いと感じてはいるのに、感想を書くだけで20〜30分掛かってしまいそうな
勢いだからとりあえずGJで終わらせてしまう・・・
516名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 01:12:30 ID:6PTPZ4yO
正直なとこ俺も気持ち悪い設定だなと思ってた。
こんなこと妄想出来る奴の気がしれない
517名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 07:45:07 ID:ZC+pJUjl
>>510
少しは言葉をオブラートで包むのを覚えろよw
全部の投下作品が良い悪いで区別できる訳じゃないんだよ
GJはそれを棚上げにできる魔法の言葉なんだよ
518名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 11:54:13 ID:XqAzUTnh
実はオレも>>498-500で自演しちゃったけどな
たとえ義理でもGJしとくのは悪いはずないんだからドンマイだろ
519名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 14:07:19 ID:vZ4yXeym
義理GJはともかく自演GJの連発はやめた方がいい
相手からしたらバカにされたように感じるんもしれんし
520名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 15:30:32 ID:6PTPZ4yO
13個もGJ貰ったと浮かれてたら実は2・3人の自演だった訳かW
作者半泣きだな
521名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 16:03:19 ID:/1OgjAPn
何も書かずにハァハァしてるのが圧倒的に多いと思うけど。
画像や動画をうpして、DL数の割にコメント数の少ないのには毎回おったまげる
まぁ3個GJが付けば満足なレベルかな
522名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 19:48:24 ID:3Y/R0rXG
とにかくGJ連呼しとく方が得策なんだよ
523名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 21:13:49 ID:XkLh6ZjN
だから何も書かなくていいんだって
作者連中は「何も書かずにハァハァしてるのが圧倒的に多い」と思いたがってんだからw
524名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 02:03:38 ID:mz1XS/1+
圧倒的に多いのは、相変わらず気持ち悪いのが粘着してんなぁと思いつつ
スルーしてる人達
に1票






そんなスルーしてる人達に申し訳ないと思いつつ、ID変えながらの努力に期待してます
525名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 11:37:22 ID:b9CBylGB
このスレ、こんなに人いないだろ
また誰か自演してんじゃね?
526名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 14:31:10 ID:h+xbEhyr
書き手=妄想を勝手に垂れ流した挙げ句に称賛を期待する真性基地外
527名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 19:04:18 ID:BSw5DsOi
で作者全体をけなす523のような馬鹿は何でこのスレにいるの?
528名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 14:15:56 ID:+5F04+ik
実戦派を自負する女格闘家が澄ました顔のお嬢様アイドルファイターに横面がへしゃげるくらいのパンチくらうようなリョナ絵であるようなシチュの話が読みたいな
529名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 15:38:55 ID:C90T53S5
【リョナ】
テレビゲームやアニメ、映画などの戦う女性がやられた時の苦痛の声やピンチシーンなど、
直接的な性行為を伴わないが、性的興奮を感じるシーンを指すインターネット上のスラング。
530Night Party:2009/05/02(土) 21:09:15 ID:wAZa4l0M
大分遅くなったけど、投下します。
22時くらいかな。
エロはないですけどねー。
531Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:27:33 ID:wAZa4l0M
 自分にあるのは空手だった。
 空手だけだった。
 それ以外の何もかもは、ただ知っていることでしかなくて。
 
 真実――自分の身につけている、自分のものだと言えるものは。

 父より受け継いだ空手だけだった。
 だから。

 彼女が、マイがただひとつだけ手に入れて、自分のものだと、自分自身だと唯一胸を張っていえるモノであるその空手をつれて、彼女はこの夜宴に降り立ったのだった。




 Night Party(マイの章)




 専門の道場を持てる流派というのは少数派である。
 多くの流派が自治体の運営する青少年センターや公民館などを使って、週に二度か三度の割合で指導しているということが多い。
 だから、という訳でもないがマイがその公民館を訪れた時は、何処か懐かしくなった。
 小さな公民館である。
 三階建てではあるがワンフロアの広さはたいしたことはない。二十畳ほどの広さだ。
(どこもにたようなものなんだ)
 ごく当たり前のことではあるが、入ってから見廻してそう思う。
 マイが父に指導を受けていたのは、やはりこのような公民館だった。こんなところで多くて十数人か、少なくて五人ほどの門下生と共に稽古をしていたのである。
 電器がついてても何処か薄暗いそこの真ん中にまで歩き出すと、マイは胴着を調える。
 真っ白な空手の胴着だ。
 流派名をプリントした自分のは使えない。だから、新調した。真新しい胴着の匂いというのは何処か落ち着かなかった。
 この公民館まで胴着を着て歩いてきたが、別に誰も不審な顔をすることはなかった。
 今時でも武道を習う人間は多い。実際、やはり同じような胴着の少年少女とすれ違ってもいた。
(あの人たちは多分、少林寺拳法だよね)
 この辺りに空手の道場があるとかいう話は聞いたことがなかった。多分、少林寺拳法かさもなくば日本拳法か。
(あんまり気にしても仕方ないけど)
 集中しよう、と両手で腰の帯を掴む。
 そして。

 かっ

 こっ

 呼吸法。
 自然に両手は帯から離れて、掌はそれぞれが上下で大きく円を描くように動いていた。
 転掌。
 那覇手の流れを汲む剛柔流の開祖・宮城長順の創案になるという受けの型である。
 マイの父は首里手を極めるのにその精魂を傾けたが、最初に習ったのは剛柔流系の道場であった。
 剛柔流の型も自分の中にとりこみ、ことの他、この転掌と三戦を重視していた。
『試合の前に、これをすると落ち着く』
 生前に、父はそういっていた。
 呼吸と動きの一致がなければ、この型は上手くこなせない。
 全ての動きが終わると、拍手が鳴った。
532Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:28:19 ID:wAZa4l0M
 
「貴女が私の相手ですか?」

 振り向いた先はこのフロアの入り口であり、そこに立つのは一人の少女であった。
 ブレザーの制服のまま、少女は中に入る。
「ええ」
「――合気道ですね」
 一瞥して、マイはそう言った。
 ブレザーの少女――アイは、足を止めてマイの顔を凝視する。
 マイは幼い顔に精一杯の凶悪な笑みを浮かべ、自然体に構えた。
「あと五分です」
 アナログの時計が壁にかかっていて、静かに音を上げて時間を切り刻んでいた。


 アイは靴下を脱ぎ、公民館の真ん中へと歩いていく。
 傍目には落ち着いているように見えたが、そうではなかった。
(こちらの流儀を見抜かれた……昔の武芸者なら、そういうことがわりと簡単に出来たらしいけど)
 まるで時代劇だと思った。
 互いに剣を構えた状態でにらみ合っただけで相手の流派を識別し合うのである。
 今の自分は構えどころか服装も学生服のままであるが。
 合気道の源流である大東流合気柔術の名人・武田惣角は、一瞥でその人間の学んだ流派は元より、そこに集団で習いに来ていたら、その集団の中で誰がどういう格付けであるのかを瞬時に見抜くことができたという。
 さすがに惣角のような真似はそうそうあるできる話ではないが、別の流派の人間がとある流派を学びにきた際に、申告してないのに僅かな動きや姿勢などで流派を見抜いたなどということは聞く話である。
 人間の身体というのは訓練に応じて特殊化していく。
 空手家には空手家の筋肉のつき方があり、柔道家には柔道の試合にふさわしい筋肉のつき方がある。
 陸上選手でも、長距離走の選手などは脈拍が長くなるという。
 だから、観察眼に優れた人間ならば相手の微かな動きから相手の流派を見抜くことは可能なのだろう。
 アイ自身にも似たようなことができるという自信はある。
 あるが、それを口にすることはない。
 間違っていると恥ずかしいからであるが。
(この子、よほどに確信があったのね)
 そもそも合気道家の動きの特徴というのはどういうものか、それを知っていたとすると――
(この年で、かなりの経験を積んでいる……)
 マイはどうみても中学生に入りたて程度にしか見えなかった。
 つい去年まで小学生だったような、小さな女の子だ。
 しかし決して長身といえない自分よりも、なお頭半分小さなこの女の子が、絶対に油断のできない相手なのだとアイは確信していた。
 さきほど見せた転掌の型、そして今の自分の流派を見抜いたという言動。
 こちらを動揺させようとしたのたのだろう。
 この子は兵法というものを心得ている。
 
 ――達人

 きっと、このようなことが簡単に出来る人間のことを、そう呼ぶのだ。

533Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:32:32 ID:wAZa4l0M
(かなり、使えそうです)
 マイは自分の目の前の二メートルの位置に立つアイを見て、そう思う。
 重心が据わっている。
 そして歩く姿も綺麗だった。
 肩がちっとも上下しない。
 するすると滑るように前進していた。
(まるで父さんみたい)
 と素直に思った。
 それはマイにしてみたら、最大限の賛辞であった。
 互いに右前の自然体で向かい合う。
 秒針の音が聞こえる。
 あと二十秒…十秒…。

 かちり

 日付が変わった。

 ナイトパーティーが始まった。

 
 ナイトパーティー。
 それは誰が始めたのかも解らない、戦いの夜宴だ。
 時に学校で。
 時に公民館で。
 時に武道館で。
 深夜零時に行われる闘争の舞台。
 参加者が全員でどれだけ、果たしてどんな人が参加しているのかの全容は知れない。どのような機構がそれを成立させているのかも判然としない。
 ただ、その存在は武道・格闘技の世界に携わる者の一部の間に都市伝説じみた胡散臭さで伝わっている。
 そのような戦いがあるということは、マイは父から聞いていた。
 マイというのは、この場に赴くために作った彼女の呼び名である。
 非合法なこの戦いでは、多くの者が本名を名乗らないという。マイもそうしたまでだった。
 よもや、自分がそれに参加することになろうとは、ちっとも思っていなかったけれど。
(父さんは、現在の合戦場のようなものだろうとは言ってたけど)
 合戦場というのは、かつて沖縄で空手家同士が決闘していた場所のことだというが。
 そんな場所で喧嘩同然に試合することを『掛け試し』と言っていたらしい。
 琉球王国が明治になって日本にとりこまれた一時期、治安の悪化した頃に特に流行っていたが、詳細はほとんど知られていない。
 年嵩のいった名人はそのような風潮を批判していたともいうが、若き日はその彼らもそこで戦って技を磨いていたともいう。
 マイの父は、幕末の頃に中国より伝わった拳術が、その掛け試しによって「唐手」として完成していったのだと語っていた。
 それは自分の得た実感によるものだろうとマイは推測している。
 彼女の父親は、あの人は恐らく古伝空手における最後の実戦の名人だったろうから――
 戦いが始まってからも静かに佇んでいるアイを見ていたマイは、その悠然たる立ち姿に、父のそれを見出していた。
(強い……かなり、強い)
 マイはまだ十代前半の少女だった。
 少女だったが、目付けには自信があった。
 父と父に付き従う数少ない弟子たちの稽古を見ていたからである。
 武道において、修行の環境には重大な意味がある。特に周囲の人間のレベルが高いと、自然とレベルの高い動きを目で見て覚えることになる。脳はそのイメージを元に動きを再現しようと身体に指令を送るのだ。
 勿論、達人の動きを簡単に再現できるものではないが。
 そのように指導者の動きを目で見て覚えるのを、見取り稽古という。
 マイは日常の生活と道場での修業とで、自分の父とその弟子たちがどれほどの使い手であるのかを認識していた。
 その弟子の中には元合気道家や中国拳法、柔道でひとかどの使い手だった者も多い。
 そのことから目の前の少女の流儀を合気道だと看破できたのだ。
 そして、アイという少女がそれに近い、あるいはそれ以上の境地にいるということもはっきりと悟っていた。
(流派は合気道――だけど)
 少なくとも、父の弟子の元合気道家だった人よりも上だと思った。
 だからと言って。
(ここで引けない)
 構える。

534Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:37:50 ID:wAZa4l0M
 ◆ ◆ ◆


(どうみても、中学とかだよね……)
 改めてアイは思った。
 下手したら、小学生かも知れない。
 アイはそう見て取った。
 女の子の成長はだいたい十二、三歳の時分には、ほぼピークに達する。
 骨格はそこで完成し、ホルモンの作用によって肉付きなどが変化していくのだ。
 目の前の空手使いと思しき少女は、アイの眼から見ても十代をどれほどを過ぎたようにも見えなかった。
 そして、驚くべきはそんな歳でありながらも完成された風格が感じられることだった。
(空手と戦うのは始めてじゃないけど、この子が使うのは多分、古流)
 確かあの転掌≠フ型は、那覇手に属していたと聞いているが……。
 両手を構えたマイを見て、アイは微かに眉をひそめた。
(あれは)
 脇を締めたままに右手を前にして左手を右手の肘の辺りに添えた、手の甲を下に向けた構えだった。
 やや腰を落とした右前の立ち方になっていた。
(やっぱり伝統派とかじゃない)
 アイも歩き出し――
 
 派手な音をたて、手と手が交叉した。

 いつの間にか間合いを詰めていたマイの右手がアイのコメカミを狙い、それをアイの左手が受けたのである。
 そこからアイの手がマイの手に絡み付こうとしたのに間をおかずマイの添えられた左拳は摺りあがり。
 撥ねるようにアイは後ろに飛び退いた。
 マイはそこから間合いを詰めようとしたが、アイが隙なく着地したのを見届けると静かに息を吐く。
 
(今、一瞬で間合いを詰められた)
 恐らく、膝の力を抜くことによる重心の落下――そのことによる筋肉を極力使わない移動法だ。
 古武道の世界ではたまに聞く。
 相手に気づかれずに接近する技法である。
 人間の脳は相手の動き目で見て判断しているが、実際に見ている情報が脳内で映像となるには若干のタイムラグが生じる。そのタイムラグを埋めるために、脳は視覚情報を元に映像を捏造する。
 そう。
 人間が見ているものは、実際のそれとは異なるものなのだ。
 その捏造情報は、しかし捏造とは言っても例えば相手の筋肉の動きなどの既知の経験から予想されたものであり、多くの場合はほぼ正確なものである。そういう脳の辻褄あわせによって、本来は捉え切れない速度のボールを打ち返し、見えないはずの打撃を回避し得るのである。
 無拍子というのは、その人間の脳のメカニズムを利用した技だ。
 筋肉を使わない、重心落下による移動という日常にありえない動作を使われると、脳は認知できない。できても滅多に無いことによる処理をすることによって速度は遅くなる。
 倒地法ともいう。
 勿論、これは結局は「見慣れない動作」ということに集約されるものであり、経験されると通じなくなる。
 アイがマイの打撃を受けられたのは、以前に同様の技法を仕掛けられての稽古をしたことがあるからだった。
 それでも、アイ以外のどれほどの人間が同様のことができたか。
 マイの手は自然な動きであり、その上で鞭のような速度としなりを持っていたのだ。
「凄いです」
 とマイが笑っていた。
 幼い顔立ちに似合わない、凶悪な笑み。
「痛い」
 アイはそれだけを言い返した。

535Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:51:24 ID:wAZa4l0M


(今のを受けられるとは思わなかった)
 マイは精一杯怖く見せた笑顔を浮かべつつ、内心で驚いていた。
 倒地法からの打ち込みは、父が生前に得意としていた打撃で、古くは沖縄空手の実戦派の名人、本部朝基が大正時代にボクサーを相手に仕掛けたという技である。
 観客も仕掛けられた方も、朝基がどのような技を使ったのかがよく解らなかったといわれる――それほどの早業だ。
 そこから受けられて手首の関節を捕られ掛けたが、咄嗟に外せた。
 今の打を受けられた上にそんなことを仕掛けられるのは、まったくマイにとっては未知の事態である。
 相手が飛び退いてくれたが、こちらも攻め切れたかどうか、確信が持てなかった。
(危なかった)
 ちょっと焦っていたから。
 焦りは容易に隙となるからだ。


 お互いがお互いを脅威と見ていた。


 アイはそれでも呼吸を乱さずに静かに前と進み。

 マイもまた、最初と同様に足を踏み出した。


(勝てないかもしれない)
 マイは思う。
 今のを受けられたということは、こちらの攻撃が読めるということである。
 合気道の技法をマイは熟知している訳ではないが、父の弟子だった元合気道家の人はこう言っていた。
『合気道の技は、相手の動きを高確率で察知していないと使いにくい』
 そのために手刀受けなどで相手の動きを察知する訓練をするのだという。
 そんな程度のことで相手の打撃に反応できるのかということについては、かつてグレイシー柔術が世間に出始めた頃のホイスの対打撃の訓練などを例に挙げて説明していた。
『パートナーに両手のパンチを一分ほど繰り出してもらって、それを捌くという訓練をする。それだけで対打撃の訓練になってたそうだ』
 要するに、相手の動きを読み取る目付けを身につけるためのものであり、古い時代の古流における組太刀や約束組手なども同様の効果を狙っていたのだろう、とその人は言っていた。
 しかし、合気道の手刀受けにしてもグレイシー柔術のその訓練にしても、最近の打撃技術の発達についていけるのかということについて疑問があり、その人は空手の研究を始め――いつの間にか、空手家として父の元で学んでいたのだという。
 父の空手は、その人がそれまで学んでいた合気道と共通する技術があり、そしてより素晴らしい技術と理念があるのだと。
『型、そして鍛錬法は伝統を受け継ぎながらも最新の科学の成果をも踏まえたものです。武術のメソッドとして、現在の私の知る合気道を含めたあらゆる武術より完成している』
 だが、とその人は言っていた。
『メソッドの完成度とは関係なしに、その何千人もの修行者のいる格闘体系の中には、一人や二人はその理論を体現できる天才児がいる』
 合気道の世界にもいるのだと言った。
 相手の打撃がどんなものだろうと察知し、捌き切るような達人が。
『何せ開祖はピストルの弾を予測してかわしたなんて伝説があるからなあ』
 その人はそこで笑った。
 さすがにそれはただの伝説なのだと思っているらしい。
 だけど、とマイは思う。
 目の前の、今のを初見で捌き切るような人がいるのなら、その延長に、その果てに、そういうことができる人が出てくるかも知れないと。
 だけど。
 だけど。
 だけど。
(だからって、負けられない)
 負けてなんかられないと、マイは拳を作った。
 父に伝えられた最初のこと。
 それは、空手のティジクン(鉄拳)だった。

536Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 22:55:24 ID:wAZa4l0M
 マイの父親は空手家であったが、世間にはほとんど知られていなかった。
 当たり前である。
 沖縄の武士(ブサー)の出というわけでもない、大学生から空手を始めたという人で、大会などに出てもいいところ二回戦突破程度にしか進められなかったと言う、何処にでもいるような空手選手だったからだ。
 就職してからも、一応は大学に指導しにきていた師範がやっていた講習会に参加していたが、それこそ趣味の範囲である。たまにある連休などを利用しての合宿などには参加する程度には熱心だったが、結婚してからはその合宿にも参加しなくなっていた。
 そんな程度の、ありふれた空手家と名乗るのもはばかられるような若者だった。
 そんな父が変わったのは、結婚して三年目、講習会に特別に招待されていた流派の総帥の師匠と言う、沖縄の空手の先生に出会ってからである。
 総帥の師匠、というのはつまり総帥はその先生の元で学んでから独立して流派を立てたということであるが、総帥とその先生との間は良好であり続けていた、らしい。
 その総帥にしてもさらにその先生にしても、マイが物心ついた頃には亡くなっていたので、どういう関係であったのかということは彼女もよく知らない。
 父がたまに語ってくれていたことをまとめると、総帥は沖縄の古伝に学びながらも、本土で空手家として流派をやっていくには全空連に加盟に参加していた方が有利だからとそこに入り、「伝統派」として古伝をゆがめざるを得なくなったということである。
 奇妙に聞こえるかもしれないが、いわゆる伝統派空手というのは古流の空手とは言い難い。
 勿論、流派内では一部の人間にその流派の理念を伝えるべく型を研鑽し、伝えていたりもするが――
 指導者として、選手として評価を受けるには、試合で勝てるようにならなくてはいけないのだ。
 試合と実戦とは違う、とはよく言われる言説ではあるが、少なくとも空手においては実戦の中から編み出された型の技は、試合ではほとんど活かされることはない。
 まったく使えないということでもないのだが、そのような技はほぼ例外と考えてもいい。
 試合にはルールがあり、ルールがその試合での戦法を形作っていく。
 ボクシングやレスリングなどは、そのルールの名前と呼んでも過言ではない。スポーツ格闘技というものはそういうものなのである。
 しかし、空手はスポーツではない。
 武道である。
 試合は試合であり、別のものなのだ。
 総帥は、少なくともそう考えていたのだと、父は言っていた。
 スポーツ格闘技としてのカラテは、それでも青少年の育成という教育者の立場からは肯定せざるを得ず、流派を維持するためには選手を試合に出し、そのために指導する他はないのだ。
 それでも、ある程度の年配の人間のための空手として、自分の学んだ古伝を伝えることは出来る――
 そんな理念があったのだろうと。
 全ては父の推測である。あるいは理想であり、もっといえば妄想なのかも知れなかった。
 総帥もその先生も亡くなってから十年もたたずして、その流派は普通の伝統派空手として現在も試合に選手を輩出し続けているのだから。
 だけど、父がそんなことを考えていても仕方ないのだとマイは思う。
 それだけ、父にとってのその先生との出会いは運命的であり、以降の自分の人生を決定付ける出来事であったのだから。
『うん。筋がいい』
 父は不器用というほどでもなかったが、器用だとか天才的だとか言われるような選手ではなかった。
 ただ、型をやりこんでいた。
 型の演武も試合の一分野としてあるからだ。
 三十を目前にして試合出ることも億劫になっていた父は、演武の方にウエイトを移していた。
 勿論、組手で体を痛めていては仕事に差し支えるなどという理由もあったが。
 たまたまその講習会で型を重視しているのが父だけだったのか、先生は流派の原型である「那覇手」としての型を伝授した。
 それは幾つかあるが、特に転掌と三戦をである。
 試合に対する情熱もなくなり、あくまで趣味としての空手をやろうとしていた父は、この型の空手に熱中した。
 魅入られたのだと言ってもよかった。
 型をやりこみ、分解し、解説を受けてそれを試す。
 この頃に父の空手の基本は完成したと思っていい。
537Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:03:55 ID:wAZa4l0M
 そして次の転機は間もなく訪れた。
 休日に母と出かけた父は、その出先でたまたまチンピラに絡まれ――咄嗟に三戦の型の技で反撃してしまったのである。
 その時にチンピラの一人は数日間の意識不明となって、その男の実家がそこそこの家柄であることもあって、父は訴えられた。
 身重だった母を護るためであり、向こうが先に手出しをしてきたということもあって、裁判では正当防衛が認められたが。
 しかし、正当防衛を認められたとは言え、あくまでも暴力事件で裁判沙汰になったということで会社は父に退社を迫り、流派もまた裁判の決着がつくまではほとんど破門状態で出入りが禁止され、結審した後に講習会に出ても何処か腫れ物に触るような扱いを受けた。
 父は孤立した。
 会社を退社して実家に戻り、数ヶ月思案した後に父がとった行動は、空手を極めるということである。
 どういう葛藤があったのか、マイはよく解らない。自分なら、人に怪我を負わせてしまったのならば正当防衛であろうとも空手をやめてしまったのではないかとも思う。
 後から考えると、父はこの時に目覚めたのではないのか。
 趣味に空手をやるのではなく、その人生を空手に捧げる武道家として。
 臨月の母を連れて沖縄に移住した父は、その地で首里手の名人と出会い、弟子入りした。
 そして自分が生まれ――そこからの十年間が、自分の人生で一番幸せではなかったかとマイは思っている。
 沖縄にいたのは五歳までだったが、本土に戻ってからも父は自分の空手を練り、そして遂に流派を立てた。
 流派とは言っても、ほとんど門弟などがいないという弱小流派だった。
 日本に現存する武道の流派というのは、多くがそのようなものである。
 沖縄古伝と称して公民館で教えていたが、一人の月謝はいいところ五千円か一万円というのが相場だ。父が設定したのは五千円であるが、それはより数を集めるということを意図したものだろう。
 ただ、毎回稽古にくる面子というのは限られていたし、月謝を払ってくれるのはその面子よりも多かったが、それでも全員で十五人程度である。
 公民館を借りるのにも金がいるし、その程度ではとうてい生活はたちゆかない。
 父も母も仕事に出ていた。
 世間的に見て、空手は副業でしかなかった。
 そんな訳で、本土に戻ってからの最初の五年間は、貧しいとまではいかなくても、何処か質素な生活をしていたとマイは記憶している。
 それでも楽しかったのは、父は充実した日々を送っていたからであり、母はそんな父にたまに愚痴をこぼしながらも、たいした不満もなく生活していたからであろう。
 しかし、いつの頃からか父は変わった。 
 大金を持ち帰るようになり、酒の量が増えた。
 雰囲気が何処か荒んでいた。家族や弟子に当り散らすようなことは無かったが、何処か近寄りがたいものを感じ始めた。
 それがどういう意味なのかをマイが知るのは、ずっと後の……今から半年前、念願の道場を建てた直後に、父が交通事故で死んでからである。
『借金を払ってもらいたい』
538Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:04:43 ID:wAZa4l0M
 葬式が終わった直後にそういってきたのは、弟子の一人ではあるが週に一度くらいしか出てこなかった男である。
 その男が暴力団指定こそは受けていないものの、いわゆるヤクザであるというのはその時に初めて知った。
 人当たりも良く、自分をよく可愛がってくれていたこの男を、マイはそれほど嫌いではなかった。だが思い返せば、父の雰囲気が荒みだしたのは、この男が入門した直後ではなかったか。
 男は父が自分たちに指導し、時に組と組の間で行われるトトカルチョ――いわゆる賭博行為に選手として参加していたということを語った。
 どういう経緯があってそのようなことになったのかは、後で知ったが、弟子の一人が組の人間と揉めて、それを解決しようとして関わった挙句のことであったらしい。
 武道家とやくざの繋がりは古来からあるものだが、父はできるだけそういうものとは無縁でいようとしていた。
 だが、弟子がヤクザと揉めた時に、それでも見捨てられなかった。
 もしかしたら、過去に自分が揉め事を起こしたを時、組織が護ってくれなかったというのがトラウマになっていたのかもしれない。
 ともあれ、父はやくざと関係を持った。
 そのことによって、実は父はそれほど不利益を蒙っていない。
 賭け試合は大使館などによって行われていて警察が介入することはなかったし、報酬はたいしたものがあった。
 試合は確かに危険な相手とすることになっていたのだが、負けたからといって制裁を受けるでもないし、そもそもからして父は確かに名人で、ほぼなんでもありの試合で後れを取ることは無かった。
 やくざ達の方も、先生先生と優遇していたらしい。
 自分たちに利益をもたらしてくれる相手なのだから当然である。
 道場建設の準備金を用意するほどに、入れ込んでくれていた。
 しかし――
 父は死んだ。
 予定されていた収入は見込めなくなった。
 そうなると、彼らはとりあえず資金を回収しなくてはならない。
 まず借金のカタに道場の権利を確保し、あとは父の弟子の誰かを立てて……という絵図面を立てていたようだ。
 残されたマイとその母親も、別に無理に働かせる必要もないし、もっと言えばマイは「宗家の娘」であり、空手の腕前は天才的だった。
 今後マスコミに売り込みにかけるのにも有利な材料になると彼らが考えても不思議ではない。
 実際にそういうプランも提示されている。
 だけど。
 だけど、マイにも母にもそれは受け入れ難いものだった。
 経済的には父を亡くした自分たちのためにもなる。
 流派としてもやくざが手を回してくれるのならば、マスメディアに宣伝もできる。
 それでも。
 それでも。
 それでも。
 マイは、父の残してくれた空手をそのようなことに使うのはイヤだったのだ。
 それはあるいは少女らしい潔癖さゆえだったのかもしれない。
 しかし、やくざを道場から手を引かせるためには大金がいる。

 そんな時に、あの女が現れたのである。

(相手が誰だろうと、負けられない)
539Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:11:08 ID:wAZa4l0M
 あと一歩という近接した間合いで。
 アイの動きが止まった。
 と見るや、マイは前蹴りを出す。
 相手の股間を狙った危険な蹴りだ。
 女性は金的のような絶対的な急所ではないが、やはり股間は急所の一つであり、強打されたらただではすまない。
 アイがそれに対してマイの右側に回り込もうとしたのは、かわしざまに足を掬い上げようとしたからであったが、想いもかけずマイの蹴り足は上がらずに床に踏みおろされていた。
 フェイント。
 そして足が下ろされる直前にマイの左拳が肘を曲げられたままで振り回すようにアイの肩めがけて叩き込まれる。
 フックに似た突き――鉤突きだ。
 その速度というよりも鋭さに咄嗟に下がったアイだが、まだ余裕のある動きだった。
 続けて繰り出された上段の右正拳突きもまた速く、鋭い。
 マイの身長はアイよりも低くて、上段突きで繰り出されてもアイの胸の上部辺りめがけての攻撃となるのだが、アイはそれを左手を上げて捌きながら踏み込む。入り身。合気道は相手に合わせて入り込むという、入り身が身上の武道だ。
 そこから右手でマイの左手を掴むか、さもなくば顎をすりあげるかして投げに持込もうとしていたが――
 マイの左手は下段から掬い上げるように打ち込まれている。
 フルコンタクト系の空手で多用されている下段の下突きである。
 当たった。
「!――ッッッ!」
 苦鳴を噛み潰したアイは、それでも動きを止めることなく左手を振りぬいた。
 入り身の機に合わせ損なったそれは、ただの掌打だ。
 それでも瞬間的に「臂力」を掛けた打撃はマイの顎を跳ね上げて押し飛ばす。
 それは大したダメージになるような打撃ではなかった。その場で倒されたマイは即座に足を上げて跳ね起きるが、その時にはアイは間合いを五メートルほど作っていた。
「効いたでしょう」
 マイは笑った。
 精一杯作った、嘲る笑顔だ。
「結構ね」
 アイは撃たれた右脇腹の下部に手を当て、言う。
「かなり、速い。それが、ムチミの使われた突きってやつなんだ」
「……………!」
 マイの顔から笑みが消えた。
540Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:17:13 ID:wAZa4l0M
 ◆ ◆ ◆


『古い空手には、ガマク、ムチミ、チンクチがあるという』
『師範クン、いきなり解らない言葉を出さなくてもいいと思うわよ』
『……姐さんは茶々いれないの』

 アイは生暖かい目で二人の夫婦漫才を眺めていた。
 そう。
 この時は、二人はそうなるものだと思っていたから。

『まあつまり、空手の、特に首里手とかあたりで重要になる身体技術なんだけどな。型とは、また違う』
『空手は型だって教わったけど?』
『型は技のエッセンスであり、分解し、理解することによって使えるが、それを真に活かそうとしたら、それが必要になる。まあそれも型によって練るんだが』
『まあ要するに、中国武術で言う勁道とか発力なんだけどね』
『姐さん……』
 
 兄であり師範でもあるその若者は、溜め息を吐いてから解説を続けた。

『まずガマクというのは、肋骨と骨盤の間あたりだという話だ。流派やら解釈からで大雑把に丹田とか解釈されている場合もあるが、そんな大仰なもんじゃない。腰という程度の意味だ』
『中国でも腰の位置は日本より上の部分をさしているそうよ。沖縄は中国文化の影響が強いし、空手も原型は拳法だものね』
『……まあ要するに脇腹あたりの筋肉操作なんだがな。空手でいう場合のガマクは』
『より厳密には腰方形筋の操作にあたるわ。沖縄舞踊では古くから重視されていたし、ダンスでもこのあたりの操作は欠かせないのよ』
『…………ダンスの場合は複式呼吸で鍛錬するそうだ。丹田と解釈している人はそのことからの誤解だろうなー』
『ガマクを操作することによって重心をある程度移動させることができるのよ。前に傾いた状態でも安定して立ったりとかね』
『………………沖縄空手ではセーサンの型とかで練るそうだが』
『打撃の反発に負けないように、ガマクを入れて身体を固めるとかもするようね』

 続いてムチミ、と兄は言った。

『簡単に言うとボクシングでいうとジャブとかに近い感じ』
『はあ……』
『腰を微かに震わせて、拳を飛ばすように打ち込むんだ』
『当てる瞬間に強く握りこむので、ジャブみたいなものと師範クンは言ったのね。ただ、どっちかというと通背拳に似た感じもするけど』
『……主に首里手の用語だというがな』
 
 最後にチンクチ、となんだか投げやりに言う。

『一寸力とも書く。これも流派によって解釈は異なるが、那覇手系統では脇腹から背中にかけての筋肉を使っての打撃であるともいい、首里手では体重を掛けて威力を増すこととだという』
『恐らくは中国武術でいうところの発勁のことだと思うわ。あちらも門派によって勁の出し方が異なるから』
『……首里手ではナイファンチなどで鍛える。波返しとかの足を踏みおろす動作で、その時に膝を抜き、体重を拳にかける』
『拳を当ててから体重を掛けるので、自然と威力が増すのね』

 なるほど、とアイは頷いた。

『ガマクを入れて重心を操作し、チンクチを掛けて体重を乗せ、ムチミを使って拳を打ち込む』

 およそ打撃系において、威力を出すのにこの上ない組み合わせだと言った。

『しかし』

『合気道も、棄てたもんじゃないぞ』

『合気道は当身が七分に、投げが三分と言われてるわ』

『気を合わせる武道と書いて合気道だ』
541Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:19:23 ID:wAZa4l0M
「合気武道の当身も、見せてあげる」

 アイは笑った。


『あとハッタリも重要な』

 兄はそうも言っていたのだと、思い出していた。  
 
 
 ◆ ◆ ◆

542Night Party(アイの章):2009/05/02(土) 23:24:54 ID:wAZa4l0M

(合気道の当身……)
 マイは思い出そうとする。
 かつて父の弟子として学んでいた元合気道家の人は、何を言っていただろうか。
 合気道における当身を、どういうものだと言っていただろうか。
 よく思い出せない。
 いや。
 合気道における当身は、その指導体系においてメソッドとして欠けているから、空手を学んだと言っていたのではないのか。
(手刀とか投げの時に当てて崩すとか、そういうのだったと思うけど)
 いずれ単発だったと記憶している。
 ハッタリだ――と思った先から、先ほどの掌打を思い出す。
 下から顎をものすごい力で押し上げられた。
 速さがなかったので打撃としてのダメージとはならなかったが、その場に倒されたのは確かだ。
 もしも自分の下突きが先に決まっていなかったら、どうなっただろうか。
(――関係ない)
 敵の技を必要以上に恐れてはいけないのだと思った。
 先に自分の技を決めてしまえばいい。
 空手に先手なし、というが。
 それは本土において精神論として発達した言葉なのだと父は言っていた。
 あらゆる武術は先手をとることを目的としている。
 後の先という言葉があるが、それは相手の動きを「先に」見極めているからこそできることなのだと。
 マイが前に出した右足をの爪先を立てた猫足立ちに静かにアイの接近を待ったのは、先ほどの攻防で自分の打撃の方がより速く、自分の反応の方がより迅いと見切ったがゆえである。
(間合いに入ったら即座に打つ)
 合気道の当身というものがどういうものなのかは解らないが、同時に打撃を使えばムチミの分だけこちらが速いはずだ。
 向こうのほうが身長も高いしリーチもあるだろうが、そんなことは関係ない。
 ――と。
 アイは進み、彼女の打撃の間に入る。
 アイの拳なら届く距離である。
 マイにとってはあと十数cmが必要な距離。
 そこから淀みなく、さらに進む。
(――――!)
 突いた。
 中段の逆突きだ。
 ムチミを使った打ち込みは腰を僅かに震わせて弾丸のように拳を飛ばす。
 腰の回転ではなく震えから出される突きは予備動作が見えにくい。そして猫足立ちは重心を後ろに落としているように見えながらも、ガマクを効かせて見た目より重心は前に傾いていた。そして着弾の刹那後に猫足立ちの前に出した足の踵が床に下りて威力とするチンクチ。
 古伝空手――首里手の基本と真髄の集約された一撃だった。
 それでもこの人には通じないかも知れないとマイは思っている。
 最初のこめかみを狙った打もこれの応用だったからだ。
 しかし、それでもいいとマイは思っていた。
 拳を捌かれようが続いての体捌きで相手を「型」にハメる。
 練り上げられた「型」の技と体捌きは、ただの踊りではない。
 そこの応用変化の中にはめこめば、相手はなす術もないはずだった。
 合気道だろうとなんだろうと。
 マイの拳はアイの臍の辺りを打ち――

 気がついたときには、マイの体は弾き飛ばされていた。
543Night Party(マイの章):2009/05/02(土) 23:31:11 ID:wAZa4l0M
「――――!?」

 床に倒されてから跳ね起き、さらに後方へと飛んだ。
 アイはただ立っていた。
 マイが立ち上がるのを見ると、再び歩き出す。
「………ッ」
 マイは臆面もなく後ろに下がった。
 何をされたのかちっとも解らない。
 確かに拳は目の前のアイという人のお腹を打ったはずだった。
 拳の感触と踵を踏みおろし――かけた感触は残っている。
(踵が床についた瞬間に、なんか飛ばされていた……)
 投げられたのだろうか?
 即座に否定する。
 自分の触れた拳面以外の場所はあの人には触っていない。
 それは確かだった。
「どうしたの?」
「―――――!」
 アイとの距離がまた詰まっていた。
(打たれる前に)
 前蹴り。
 古い空手では、帯から上を打たなかったという。
 打てなかったのではない。
 打つ必要がなかったのだ。
 首里手ではナイファンチの型にある波返しという動きがあり、その時に倒れこむことを学ぶ。
 この動きはそのままチンクチの養成となり、足腰を鍛える鍛錬ともなるという、首里手の中でも最も重要な型としてナイファンチが上げられるのも無理からぬことなのだ。
 この波返しの動きを蹴り技に応用したのが首里手の蹴りである。
 その際にガマクをかけることによって倒れながらも重心を保持し、倒れ掛かる瞬間に前へと重心を移動せることによってチンクチとなす。
 近代の空手の試合では、前蹴りは相手の距離を開けるときに多用されるが、古伝の空手ではまさに必倒の威力を持つ技なのだ。
 ましてマイの体は小さい。
 体重の上下は威力を左右するが、体格の大小は攻防を左右する。
 小柄なマイの前蹴りが狙ったのはアイの膝である。
 合気道では下半身を防御する動きはほとんどないはずであった。
 手で払おうにも低空の蹴りは捕るためにはしゃがまなくてはならない。
 そんな僅かな行為ですらもが勝敗を別つ要因たりするのである。
 そして。
 その瞬間、マイは確かにそれを見た。
 自分の足が上がったか――と見えた瞬間、アイの歩みが加速したのを。
 インパクトの瞬間、またもや後ろに飛ばされた。
 今度もまた跳ね起きて、間合いを保つ。
 アイは微笑みすら浮かべて歩み寄ってきた。
(この人は……!)
 完全にこちらの動きを、インパクトのタイミングを掴み取っている。
 マイはそう悟らざるを得なかった。
 
544名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 23:38:37 ID:NGKJsboz
GJ
545Night Party(マイの章):2009/05/02(土) 23:40:01 ID:wAZa4l0M
 ◆ ◆ ◆


『合気道の真髄は、呼吸力と集中力だ』
 アイの兄は、そう言っていた。


 日本武道――特に近代に生まれた流派では、その用語は具体性を欠いてることが多い。
 それは明治維新などによって従来の東洋思想などが時代遅れとして棄てられたためかもしれない。
 明治以降の武道家たちの多くは、先人たちのように台密や五行思想などからの借り物ではなく、自分たちで新たに言葉を積み上げねばならず、必然、生まれた言葉も抽象的にならざるを得なかった。
 合気道もまた然りである。
 開祖が教派神道の思想的な影響を受けて作り出した用語は、多くの弟子たちにとっては難解であり、そのために解釈も多様なものとなっている。師範、いや、修行者の一人一人に別の定義があると考えてもいいほどだ。
 その中では、まだ呼吸力と集中力は比較的に解りやすい部類に入る。
 それでも多様かつ包括的な言葉であるには違いない。
 呼吸力とは『技法の源となる力』という程度に使われる言葉であり、修行者によって多義的に解釈されているが、純粋に身体操作技術として考えた場合、「脱力状態から無駄なく力を発揮すること」と考えて問題はない。
 そのための修行メソッドが確立されてないがゆえに胡散臭い解釈がされることが多いが、「ロスなくエネルギーを伝達する」ための技術と手法であれば、全て呼吸力と考えてもいいくらいである。
 中国武術でいうところの「発勁」の概念が近い。
 近いが、まったく同じではない。
 そこには戦う相手との関係性も含めた観念を持っており、間合、拍子、などの空間的、生理的な作用も同時に意味している。
「無駄なく力を発揮する」というのは、「相手にどう技を効かせるのか」が常に念頭に置かれているということだ。
 そして「集中力」は、その「呼吸力」を一点に集中させて作用させるための技術である。
「集中力」も「呼吸力」の中に含めて考えてもいいのだが、ある会派ではその辺りを区別していた。
 無理に中国武術を当てはめるのならば「呼吸力」は「発勁」であり、同時に「聴勁」や「看勁」などといった戦いの際に必要になる感覚的な技術も含めて一つの用語としてまとめていて。
「集中力」はその「発勁」を作用させるための方法である「運勁」を意味していると考えてよい。
 それらのことを踏まえて、アイがやったことを解説すると――

 マイの打撃が最大威力を発揮する距離とタイミングを「呼吸力」を以って見切り、その直前に接触して力が乗り切る前に「集中力」で抑えこんだ。

 ――ということになる。
546Night Party(マイの章):2009/05/02(土) 23:45:10 ID:wAZa4l0M
 その際に反作用で自分の方が負けないように重心を前に傾けて体中の伸筋を伸ばして……ということもしているのだが、このあたりは首里手における『ガマクを入れる』というのに近い作用がある。
 とまあ、難しいことを延々と書き連ねたが、要はアイはマイの打撃を完全に見切っているという、それだけのことだった。
(……勝てない)
 諦観に支配され、心が折れそうになる。
 いや。
「かっ」
 脇を締めて右足を一つ分だけ前に出し、爪先を内側に寄せる――いわゆる三戦立ちをとり、息吹する。
 三戦とは那覇手の基本であるといわれるこの型であるが、幕末から明治にかけて活躍した名人・松村宗棍の頃の古伝では、首里手でも教えられていたという。
 そして脇を締めたままに右手を前にして左手を右手の肘の辺りに添えた、手の甲を下に向けた構えをとる。
 立ち方はいつの間にか三戦立ちからナイファンチ立ちを捻った、右前の立ち方になっていた。
 本部流でいう夫婦手であり、十文字立ちである。
 最初にアイに対峙したときの構えでもある。
(父さんの得意だった、父さんの本当の構え)
 那覇手と首里手とを学び、数々の戦いを経たマイの父が辿りついた構えが、泊手と首里手を学んだ実戦の名手・本部朝基のそれと同様のものとなったとしても、なんら不思議ではあるまい。
 三戦で姿勢と心を安定させ、そこから父を想起させる構えをとってから。
(だから、もう……)
 構えを解いた。
547名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 23:46:40 ID:dRYkMne2
GJ!
548Night Party(マイの章):2009/05/02(土) 23:46:59 ID:wAZa4l0M


(へえ)
 アイはマイが両手を下ろしたのを、何処か感慨深そうに見た。
(そうなるんだ)
 そうしてから、やや膝を緩めて微かに腰を落とした、踵から踏み込む歩法で歩きだす。
 腰の高さは変わらず、滑るようで安定したそれは。
(自然な動きだ)
 沖縄に古くから伝わるとされる古武術に、本部御殿手というものがある。
 その歩法は膝を曲げずに踵から踏み出すというものだと聞いている。
 正中線を保持したその姿勢は変幻自在の動きが可能であるという。 
 マイのそれは御殿手に近いものだった。
 首里手を極めたある名人は、歩く姿がナイファンチだったという話があったが、本部御殿の出の者は首里手を学んでいることが多いことから考えても、何某か御殿手と首里手とは関連があるのかもしれない。
 アイもまた歩き出す。
 合気道もまた、歩法を重視する武術である。
 現代武道の中で唯一、多人数との戦いを想定されてた。
 その運足は開祖が新陰流の【転(まろばし)】より取り入れたとも、古くから伝わるものだとも言われている。
 こちらも変転自在を旨とする術理であった。

 つまり二人の少女は、別々の流儀を学びながらも、同じ戦術をとったのだ。

 マイはアイに自分の打撃の機が掴まれているということを察知した時、今の自分の実力では及ばないと見切った時、一度、全てを諦めた。
 諦めたということは心が折れたということであり、心が折れたということは死んだということである。
 ならばここで降伏しても打倒されても同じであり、至る結末は同じだということだった。
 道場はやくざ者たちの手に落ち。
 自分は敗北の代償を払わされる。
 仕方の無いことだ。
 今の自分では勝てないのだから。

 その時、悟った。

 今の自分で勝てないのなら。
 ――別の自分になればよい。
 
 今の自分にあるのは空手だった。
 父より伝えられた空手だけだった。
 
 ならば、簡単だ。

 父の空手を捨てれば、今の自分ではなくなる。
 それが道理だ。
 
 だから、父の空手の構えをとったのは、亡くなった父のための供養であり。
 それを解いたのは、父の空手を捨てる決別であった。

 そうして進みだした時、彼女の心は無想だった。 

 自分の持っていたただ一つだけのものを捨てたのだから、もう何も考える必要はないのだとマイは思っていた。 
 だから何も考えないようにしよう。何も想わないようにしよう。
 そして新たな自分がここから始まっていくのだと。
 
 歩いていた。
549Night Party(マイの章):2009/05/02(土) 23:53:03 ID:wAZa4l0M
(凄い。完全に脱力してる)

 アイはマイが歩き出した時、数瞬遅れて進んだ。
 どうしてそうしたのかよく解らないが、そうすべきだと考える。
(あの歩法は……)
 話に聞く御殿手のそれなのか、見ただけでは判別できない。
 ただ、このまま待ち受けてもいいものではないというのだけは解る。
 全身から余分な力の抜けた空手使いの少女は、目の前でまったく新しい何かに変わったようだった。
 ならば自分はどうするべきか――
 何も思い浮かばない。
 そもそも、考えても仕方がないことだと思う。
 自分はそう余裕のある立場ではない。
 打たれた痛みをやわらげるために分泌された脳内物質は精神の集中を高め、一時的にアイのコンセントレーションを高めていた。
 古い時代の武士の果し合いにおいて、先に浅く傷をつけられた者が勝つことが多かったというのも、そのような脳内物質の作用による。
 アドレナリンやらドーパーミンは、脳の機能を飛躍的に高める。
 それが故にあの「呼吸投げ」は可能になったのだ。
 相手の打撃を投げ返す、合気道における当身技。
 それを打撃の使いに対して正面から使用などというのは、相手の機を掴み、自分の最大限の力を発揮できる瞬間を把握できる――「呼吸力」を高めている者のみが可能にできる達人の領域の技である。
 しかし、それだっていつまで続くか……。
(仕方ないなあ)
 苦笑する。
 痛みをごまかすために浮かべていた笑みではなく、心底から出たものだ。
 自分は手負いで、相手はなんだか解らないが戦いの最中にパワーアップときた。
 まるで漫画だ。
 と思う。
(兄さんに聞いたことはあるけどね)
 戦いの最中に、まれに集中力の高まりなど色々とあって、その潜在能力を発揮するなどということが、漫画のようなフィクションではなくてありえると。
 今のこの子は、そういうのでもないような気はするが。
(何か悟るところがあったのかも)
 ゆっくりと回り込むように移動すると、踵を軸につま先を向けてこちらに方向を修正された。
 その様のあまりの自然さに、アイは背筋を走る震えを感じた。
(まいったなあ)
 そう思いながら、しかし彼女は進む。
 ここで負ける訳にはいかない。
 しかしなんだか、勝てる気がしなかった。
 勝算がなく戦う武術家などはいない。
 それでもやっぱり戦う他はない。
(ああ、だったら、悔いは残さない)
 相手が怪物だろうと達人だろうとなんだろうと、構わない。

 覚悟を、決めた。
550名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 00:00:38 ID:DgbtpDBl
よしよし、いいぞ。
その調子でどんどん書き進めなさい連載マシーンw
551Night Party(マイの章):2009/05/03(日) 00:04:26 ID:3tZfn7qg
 自分の全てで挑もう。
 自分のありったけで戦おう。
 立ち止まり、両手を臍の下、数センチのところに重ねて目を閉じる。
 
 呼吸。

 吸って、吐いて。

 再び歩き出した時、彼女は無心だった。

 全てを出しきるのに、全てをかけて戦うのに、迷うような心は不要だから。
 心とは迷うものであり、惑うものである。
 だからアイは心を無くした。
 心を無くして自然となった。
 思いのままに泣き、笑い、怒り、戦う、ひとでない何かになった。

 心のない者は、すでに人間とは言えまい。

 ならば、何も思わざる無想のマイも、人間ではなくなっている。

 無想のマイも。
 無心のアイも。
 
 お互いの歩法の詳細は異なれど、身体操作技術の極限に達した自然の運足で歩み寄り、そして奇しくも最初の位置、二人が最初に交差した場所に立った。
 僅かに背の高いアイにとっては必殺の間合いであり、微かに手の短いマイにとっては半歩にて必倒を可能とする距離だ。
 自然と二人の視線は絡み合い。
 
 無想のマイはアイを見て、何も思わなかった。
 無心のアイはマイを見て、可愛いなと思った。
552Night Party(マイの章):2009/05/03(日) 00:17:14 ID:3tZfn7qg
 太い眉と大きな目と小さな唇とを。
 アイは可愛いと思ったまま、両手を伸ばしてマイの頭を掴んで。
 引き寄せる。

 口づけた。

(え―――)

 唇に感じた未知の感触に、マイは目を見開いた。
 
 ――この瞬間、マイの無想は崩れた!

 両手を伸ばしてアイの肩を引き離したのは考えも想いない、ただの反射的な動きだ。
 それでも焦燥と狼狽によって衝動的に出た動きだ。
 
 無心のアイは自分から離れたマイの両手を掴んだ。
 下から手首を握った。

 そこからの動きをなしたのは、何千もの日数積み重ねられた稽古の成果であったろう。

 アイの右手はマイの左手を掴みて上に挙げ。
 アイの左手はマイの右手を下に引いた。
 
 そのままマイの両足のつま先を正三角形の底辺とする二点から生じる、三っつ目の方向へと、力を導く――

 受身もとれず、マイの目の中に火花がいっぱいに咲いた。
(あ……)
 そして真っ白になった視界は刹那の後にブラックアウトする。

 合気道に云う、天地投げ。

 

 かくて今宵の夜宴は終わり、夜艶へと続く。 
 
 

 
 つづく。
553Night Party:2009/05/03(日) 00:25:19 ID:3tZfn7qg
というわけで今回はこれで終了。
最後のほうがまとまらなかったので、自分を追い詰めるために投下しながら書いてた。
どうせ誰も見てないだろうと思っていたのでだらついた投下になってしまいましたが。
どうも長々とすみませんでした。

えーと、上の方でバリツ使いのシャーリーの章と予告してたんですが、まあ色々とあって空手少女マイの章ということに。
理由はというと、中○生レズ調教とかの方が書きたいから!という程度のもんですが。
エロ編はできれば今月中にかけたらいーなーと。

なんだか達人の戦いとかは薀蓄でページ埋められるので楽なんですが、もーちっと多様性のあるバトルが書きたいので、
次の戦いはアイの犬になったボクサーのケイと、達人とまではいかない柔術使いの少女ユミの戦いと予告しておきますです。
当然、予定は未定で、決定ではないわけですが。
もしかしたら別の書くかもです。

それでは。また。
554名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 00:32:04 ID:46M0RUs/
連載マシーン?
予告してたのから2ヶ月以上も遅れてるのに連載マシーンってありえんww

エロもねえし
555Night Party:2009/05/03(日) 00:37:04 ID:3tZfn7qg
追記。これもまとめてちょこっと修正してアルカディアさんところに放り込もうかと思ってたり。
そちらは気が向けば作中の格闘技知識とかの注釈とか書いた設定集付け加える予定です。
一応書いておきますが、作中の技法とかそういうものはことごとくが架空のものです。
そう思ってください。
ガマクとかムチミとかの解釈は主に今野敏氏の「虎の道 竜の門」のそれを参考にしましたけど、
伝承者によっては全然解釈が異なる…。
特にチンクチなんかはまったく別のことを述べているとしか思えませんでしたから、いろいろと
考えた結果として「一寸力とは発勁的なもの」としました。ウチナンチューの分類は大雑把だから
案外それで正解かもと思ったりしますが、正確なところはわかりません。
集中力とか呼吸力とかはもっと適当というか開祖様は神懸かりなお方でしたので、
解釈に手間がかかります。作中のそれも私の独自解釈です。
あと無心と無想の違いは意図して別のものとしましたが、
実際は大して意味かわんないだろうなあと。

ではまあ今度こそ。
予告から二ヶ月以上遅らせてすいませんでした。

それではー。
556名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 01:09:21 ID:yfus7ZyH
予告から遅れてでも投下してくれることが何より有り難い。
エロスキーとしてはまだGJはつけずにおきたいが、最大限の乙を送らせて頂く。

乙ッッ
557名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 10:46:24 ID:6IJAKyJ9
遅れるのはしょうがない
エロも次回以降に期待できる
だが自分の格闘技の知識をひけらかしてる感がうざすぎ
誰もお前の技の解釈なんて知りたくねえんだよ
マイナーな技の解釈を得意げにひけらかされてもねえって感じ
ていうかそんな解説むしろ萎える
そんなウンチク披露に労力と文章量使うくらいならもっとエロ入れたりした方がいいっつーの
558名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 11:51:18 ID:MwxIeyv+
>>557

ちょwwwww

思わず同意しそうになっちまったじゃねーかwwwwwww
559名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 13:16:43 ID://PzKKT8
GJ!
いかにもアルカディア向けの力作だね。創作発表板とかに該当スレがあれば…

まぁこのスレから手放したくはないがw
560名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 14:15:42 ID:3tZfn7qg
>>557
まったくだw
と書いた当人が言ってみる。
自分的にもなんか格闘技薀蓄がうざいと思ったので、次回以降はそういうのはできるだけ省く方向で。
アルカディアさんで発表する前提なんだから、格闘技解説とか別に出すことにします。
そしてそんなうざいのでも最後まで読んでくださってありがとうございます。
エロは…えーと、中○生レズ調教編をあんまり期待しないでお待ちください。

>>559
エロ抜いたのをアルカディアさんのオリジナルに投下していたのですが、今日気が向いたのでエロシーン付け加えたら「いや、xxx板だろう」といわれてxxx板に移動させました。
今のところここに投下したのをまとめただけなんで代わり映えはしないですが、気がむきゃ読んでみてください。
ではー。
561名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 16:32:05 ID:uQavtMj3
この流れ、どうせ自演だろ?
昨日投下したばっかですぐ感想が集まるなんて普通思わんしな
562名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 18:30:59 ID:etlJx/vr
積極的に書き込むことはないにしても、毎日チェックしてる奴は多いって事さ
まぁ雑談ででも盛り上がってくれた方が嬉しいけどな
563名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 19:15:59 ID:/0nwDJIv
「毎日チェックしてる奴は多い」なんてピンとこないけど
推定何人ぐらいだと思うんだ?
564名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 00:52:31 ID:WMXGk7j0
半年かかってやっとスレ半分消化するような過疎ぶりだぞ
住人なんてたかがしれてると思うが
565名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 01:04:55 ID:6HcOgnbA
そこでゴキブリ理論ですよ
566名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 02:37:19 ID:V+ix01xw
>561
理想郷の一日あたりの閲覧数を舐めてるな。
ちょっと気のきいたSSならすぐに感想がつくぞ。
567名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 09:57:53 ID:EiyG0m9B
みんな連休中なんだから暇あるのさ
568名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 14:58:22 ID:2LQSdRRX
投下がなくてすぐ過疎る〜狂気の女バトルスレ〜
569名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 11:15:38 ID:CkV98nLU
保守
570名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 21:39:31 ID:CpCANy8d
チルミルッ
チルミルッ元気チルミルッ
元気だおッッッ
571名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 22:58:16 ID:3TPSNzoy
AGE
572名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 04:27:10 ID:m6T7o3o6
sage
573名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 02:08:26 ID:sTbIESJ5
ここホントに「レスもないのに毎日チェックされてる」スレなのかい?
574名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 02:10:26 ID:y0WT2zs5
ほい。今チェックしますた
575名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 03:29:41 ID:UBiSOsDS
もちろんPC立ち上げた日には、専ブラのお気に入りに入ってるから漏らさずチェックしてる
576名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 09:50:22 ID:e83395cX
だな
577名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 22:37:34 ID:KyXcKohP
正直な所もっと雑談が欲しい
578名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 23:21:22 ID:UBiSOsDS
それは賛否分かれそう
・・・ってこの発言も雑談なんだけどw

投下が始まったら終わるまで私語厳禁って感じで節度をわきまえればいいかなとは思う
うpが完了したのか、たまーに迷うことがあるからうp主も合図送ってほしいけど
579名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 00:04:22 ID:DuZK/U6q
執拗にクレクレするのは駄目だろうけど、こんなシチュが見たいとか、こんなキャラどう?って提案するのは良いんじゃないかな。
それをきっかけにして書いてみようって人が現れるかもしれないし。
580名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 13:30:17 ID:ddYzSbLU
他力本願の考える事はいつも同じだな
くだらんw
581名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 14:23:53 ID:orRQPpsR
お前はエッジか?ナイトパーティーか?
その辺の奴でないとそんな偉そうな事言う資格ないぞ
582名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 22:15:48 ID:nDg2UlSp
乞食が乞食に説教かよw
583名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 14:51:16 ID:pKRNe0nS
上げハイキック
584名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 21:25:43 ID:q7pyywwI
ぐはぁッ
585名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 21:36:04 ID:Qd2kLQJW
下げソバット…
586名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 23:33:09 ID:QDeNGHuw
やっぱり『壮絶』じゃ無いと駄目なんですかね?
587名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 10:36:02 ID:SstGkT93
そもそもそんなに壮絶なバトルって今まであったか?
588名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 14:17:12 ID:AwDc4Pd3
そりゃもういっぱい
589名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 04:48:20 ID:TJcxDKrl
まぁ、何をもって壮絶と評するかって話になるんで、主観によりけりだろうけど
590名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 09:14:32 ID:eFhaLgwq
壮絶
591名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 15:46:29 ID:Tr29+O/e
確かに壮絶かどうかってのは難しいよな。
ここまで過疎ってる訳だし、とりあえず女同士で戦ってればOKみたいに敷居を下げてみるのも一つの手かも
592名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 22:10:17 ID:oVYyw7+C
互いにの左手首を紐で繋いだビキニ姿の女闘士が超近接間合いでバイブ片手でイカせ合うバトル
593名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 15:18:55 ID:o6QUNv03
バイブバラーンス(グラグラ

ドゴオオオオ
594名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 00:30:31 ID:qEzo4K/T
最強だと息巻いてた白人おねーさまがアフリカとかの現地人に負けて儀式の生贄にされる話とか…見たい
595名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 23:13:49 ID:Bwh+S2Ko
上げ保守
596名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 23:51:04 ID:yB5VhK1o
俺は大和撫子が白人姉さんに負かされるのが好きだな
デキシ×零子とかカオス(またはコーディ)×ゆっことか超ツボ
597名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 23:59:13 ID:Bwh+S2Ko
技量に自信を持った大和撫子が白人の身体能力に頼ったパワーに押し切られちゃうってのは良いよね
598名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 17:03:03 ID:z+egsUMS
逆転ってのは重要な要素だよな。
一方的にガッシボカでやられるより、油断に奇襲で返す、お約束ほしい。

書くってのは難しい。書きながら自分で興奮すれば成功なんだ。
599名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 23:03:11 ID:OdCSJxph
かわいい女の子同士が互角の力比べするシチュに萌える
マイノリティなのは承知だ
600名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 05:15:54 ID:AigOivQH
別に可愛い女の子同士が互角に力比べでも構わないんだ
ただ、それがヌルってるとダレるから需要は別方向からしか来ないんだよね
601名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 16:49:10 ID:j7CjfxCk
もうこのスレは落としていいよな?
602名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 15:29:51 ID:jY3d8guf
だな
603名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 16:39:45 ID:z9rTQ3qM
>>601

ぉk
604名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 19:45:21 ID:w1cD0HM3
ほらね
やっぱ住人なんかろくにいなかったんじゃん
何がゴキブリ理論だよw
605名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 21:11:23 ID:QnH+6/2/
何がほらね、なのかまるで意味が判らんのだが。
落ちたら落ちたで構わんし、残ったら残ったでチェックはする。
それだけの事ですなぁ。
606名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 04:17:02 ID:U0NtHogf
誰かが作品投下するとか誰かがスレ盛り上げるとかすりゃいいのに
ホント使えないなお前らは
607名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 05:46:54 ID:2gshRUgb
そうは言ってもなぁ
ニッチだもん、ネタがなかなか沸いてこねぇしよぉ
沸いたら沸いたでテメーら怖えーし
608名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 11:30:38 ID:PU8AS4EA
エッヂレベルの書き手がフルボッコにされるスレへ誰が投下すると言うのか
609名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 13:07:23 ID:UxC1jRmU
皆の感想意見をフルボッコとか受けとれん書き手を誰が賞賛すると言うのか
610名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 23:11:14 ID:vn/1F86s
物書きは褒めて褒めて褒めまくれと誰かが言ってた。褒められれば嬉しいし、けなされれば辛いんだよ
お前達がエッヂを追い込んだんだ!
611名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 01:31:26 ID:Ch4MBeK5
褒められる事だけ期待して投下しちゃいかんよ・・・
612名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 01:34:47 ID:jRG1oA46
いやでも別の過疎スレで時々投下してるけど、褒められるのってかなり励みになるよ
幸い過疎スレだから投下しただけで喜ばれてしまって駄文でもけなされたことはないけど、
もしけなされたらへこんで即投下止めるかもしれんw
613名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 02:24:53 ID:dIgoBS12
まあ人間だしそういう事もあるだろ
614お嬢様ファイト  1/7:2009/07/17(金) 22:02:33 ID:KhzHYiEp
>>597さん、こんなのはどうですかね?


「野蛮ですわね」 その言葉は突然掛けられた。
私はその声をかけた相手のほうをじっと見つめる。
そこには‘欧羅巴,特有の金色の髪の毛に青い目をした少しばかり気の強そうな少女が制服に身を包んで立っていた。
「……ええと、サヤ――、サヤ・アユハラさん、貴方の国の格闘技『ジューツツ』でしたかしら?それは野蛮だと言ったのです」
言われた言葉が分からなく答えられない物と彼女は思ったのであろう、もう一度同じ言葉をゆっくりと繰り返した。
私は言葉ではなく、彼女の言葉の中身がわからずに再び怪訝そうな表情を浮かべジッと彼女の顔を見つめ、この事態を少し頭の中で整理していた。



まだ諸外国と交流を始めたばかりの私の国にとって学ぶべき物は山の様に在り、そのすべてを出来る限り吸収して行きたい、そんな思いを秘めて世界に冠するこの国へと遣ってきた私をこの‘学園,の人達は奇異が半分混じりながらも優しく迎え入れてくれた。

『私貴方の国の絵画ええと、‘写楽,だっけ?何枚か持ってるわよ』
『ねえねえ、貴方も魚を生で食べたりするの?』
『凄く綺麗ね、貴方のその黒くて長い髪に黒い瞳、貴方の国の人は皆そうなの?』

等々、それらの質問に答え、そして、また私自身もみなに質問をして行くとみなは快く答えて言ってくれた。
一番驚いたのは、この学園の生徒は皆女性であると言うことであった。
私の国では女性が集まって習い事をするなど無かったので、逆に少し気恥ずかしい物があった。
そして、ある一人の質問により空気が一変する。
「あなた、なにか体を動かす事をしてるの?」
その人はやおら私の腕を掴むと何かを確かめるようにさすり始めた。
「はい、柔術という物を……」
「ジウーツツ?」
「はい……」
私は腕をさすられたまま柔術の成り立ちから、どのような武芸かまで、言葉を選びながら説明をした、
と、
「野蛮ですわ」
私が回想を始める原因となった、言葉を彼女は口にした。
615お嬢様ファイト  2/7:2009/07/17(金) 22:03:12 ID:KhzHYiEp
「なぜ……野蛮なのです?」
今思えば私もこの言葉を口にしたとき、もっと考えるべきだったのではと思う。
だが、まだ修行の身の私としては、先祖代々続く我が流派を馬鹿にされたと思ってしまった。
「私の‘ボクシング,と違い貴方のは、倒れた相手をまだ攻撃したり、腕や足を痛めつけて動けなくする……野蛮な物ですわ」
……『ぼくしんぐ』 耳慣れない言葉ではあったが、それが『拳術』の事だと彼女の話で分かった。
聞けば皮布を手に巻きどちらかが起き上がれなくなるまで殴りあうのだと言う。
「ですが……その‘ぼクしんグ,の方がよほど野蛮なのではないですか?」
思うところをそのまま口にしたところ、セシリア殿の顔は見る見る赤くなって行った。
「なっ!? ボ、ボクシングが野蛮ですって!!?」
じっと私を見つめる目が怒りに震えているのが分かる
「ボクシングを馬鹿にすると言う事はお父様と、お母様を侮辱するのと一緒ですわ!」
――― どうやら彼女のご両親も武門の家で、『拳術』 をよくなされるらしい。
バン!!
今までジッと様子を見守っていた周囲の者たちが震え上がるほど大きな音を立てて、
セシリア殿が壁を叩いた。 壁は彼女の手の形に大きくひび割れる。
「決闘よ! 貴方と私、どっちが正しいか闘って決めましょう!!」
周囲がざわつき始め、私に視線が集まってくるのを感じる。

――― 「スイマセン、少し言葉の使い方を間違えてしまったようです」 ―――

そうお詫びすれば、恐らく自体は収まったのであろう。
だが、

「わかりました、お受けいたします」
謝罪の言葉を口にするには、まだ私は未熟で、
父母より柔術を習い代々続く流派を受け継いで行く身としては、
この挑戦を受け無いわけにはいかなかった。



勝負当日となり私は学園の中に設置された闘技用の舞台の上に立っていた。
『リング』 と言うらしいそれは、外に簡単に出れないように周りをロープと呼ばれる特殊な綱で張り巡らし、足元にはマットと呼ばれる畳より少し硬い物を引いてある。
616お嬢様ファイト  3/7:2009/07/17(金) 22:03:55 ID:KhzHYiEp
別段この事を予想していたわけではないが私は日本から持ってきた胴衣に身を包み、
邪魔にならないように髪の毛を後ろに一つにして束ねていた。
コーナーと呼ばれる鉄柱に背中を預けながら、
『慣れない環境で、慣れない場所にて未知の格闘技の使い手と他流試合をするこの私を父母が見たらなんというのであろうか?』
などと言う事をふと考えていた。
リングの周りには話を聞いた、学園の生徒たちが大勢集まっている。

『日本から来た格闘家と、学園最強の女王が互いの誇りを掛けて勝負する』

そんな謳い文句が彼女達の興味を引いてるらしい。
(私は別にそんなつもりではないのに) そんな事を思っていると、
「待たせたわね」
そう言って私の対戦相手のセシリアがロープを飛び越えリングへと入ってくる。
その身軽な動きに集まった人達より一斉に歓声が上がる。
「どちらが正しいのかはっきりさせてあげる」
そう言って私の前に立つ彼女の姿を見て、私は驚きを隠せず思わず声を上げる。
「セ、セシリア殿、貴方そのような格好で闘うのですか?」
ただもう絶句するしかない、なぜなら彼女の格好は、上下共に薄い下着しか身につけていなかったのだ。
「ただのタンクトップと、ホットパンツじゃない? 何かおかしいの?」
何を言われたか分からないと言うように自分自身の格好を彼女は確認する。
「は、は、破廉恥だといってるのです!!」
「な!? この格好の何処が!」
彼女自身は左程感じていないようだが、余りにも露出が高いその姿と言ったら………
同姓しかいないとは言え、こんなに大勢の前に立てるのが私には信じられなかった。
青と、赤と白の線で彩られたそれはどうやら、この国の国旗を模したらしい。
怪訝そうな顔をする彼女に私はもうそれ以上何かを言うのは止めた。

立会人が一人リングの上に立っている。
「いい、ルールは参ったをするか、立てなくなるまで、後はレフェリーが危険と感じたら止めるわよ」
「分かりました」
立会人に呼ばれてリングの真ん中に立つ私に、同じく真ん中に立った彼女が腰に手を当てながら私の顔をじっと睨みつけてくる。
改めて並んでみると其れほど私と身長差は無い事が分かる
617お嬢様ファイト  4/7:2009/07/17(金) 22:04:31 ID:KhzHYiEp
説明を受けながら彼女は何度も自分の手に巻かれた皮布の具合を確かめている。
もう一度彼女の全身をじっくりと観察する。 先ほどはその露出度に驚いたが、冷静に見ると衣服の生地が少ないので、掴める部分が圧倒的に少ない。
作戦かとも思ったがそれならば柔術についてあんなに反応するわけが無い。
そして何よりその体つき、腕やお腹など見えている部分はしっかりと鍛えられて、
打撃技のための細くシッカリとした、筋肉がついていた。
「何とかしないと……」
何とか対策を考えていると。
「それではこれより、セシリア・レイフィールドVSサヤ・アユハラの親善試合を行います」
大声で立会人が告げ、
カーン!
どこかで試合開始を告げるためであろう鐘の音が鳴った。

その瞬間、

ヒュン!

鋭い風を感じた。

だがそれは風などではなく、鼻先をぎりぎり掠める彼女の拳であった。
半歩の半、後ろに下がり何とか感覚だけで拳をかわす。見えていたわけでも、来ると分かったわけでもない。何か嫌な気配が私を退かせたただそれだけだ。
その動作は、当たれば間違いなく一撃必殺であったろう拳をかわす結果になった。
「へえ、ヤルわね!」 彼女はさらに深く踏み込んでくる。
必殺の拳が再び私の前を横切り紙一重で空を切る。
『今!』
思うより早く身体が動き、
バン!! 
次の瞬間、
激しい音と共に彼女の体は空中で一回転し、そのまま背中よりマットの上に落ちていった。
繰り出してくる手を掴むと其のまま勢いを殺さずに掴んで投げる。
彼女の拳の速さに私の投げるスピードが乗り、叩きつけられた勢いで、
うっ、と、彼女は苦悶の表情を浮かべる。
それは彼女にとって今までには無い痛みであったのだろう。
618お嬢様ファイト  5/7:2009/07/17(金) 22:05:07 ID:KhzHYiEp
私は腕を掴んだままその腕を固めに入る。だがそれよりも素早い動作で彼女は腕を引っ込めるとそのまま私との間合いを離すために後ろに交代してゆく。
「ま、まだまだ!!」
金色の髪が馬の鬣のように揺れ、彼女が再び突進してくる。
ヒュン、ヒュン、ヒュン。
何発もの拳が私めがけて襲い掛かってくる。
短い放物線を描いて飛んでくる物、顔を狙ってくる物、撃つと見せかけて途中で止まる物、
そのほか多くの拳が飛んでくる、それら全てを避けて、避けて、かわし続ける。
鍛え上げられた筋肉は見た目の細さよりも遥かに敏捷さと打撃力を備えている。
パシン! 「!?」
かわしたと思った一撃は、胴衣をわずかに掠める。
ピシ、ピシ、ピシ。
段々と避けきれなかった拳の数が多くなり、胴衣に当たる数が多くなり。
(少し距離を取らないと)
そう考えたとき。 トン、背中に何かが当たった。
「まず……」 『い』 そう思ったまさにその時。
バス!! 
「あ、ぐぅぅううう………」 
闘技場の端へと追い込まれていた私はロープと彼女に挟み込まれる形で逃げ場を失い、彼女の必殺の一撃を腹部へとまともに受けてしまう。
その瞬間次々と彼女の拳が私の体へと突き刺さってゆく。
「!! ………っ! ……!!」
悲鳴に成らない悲鳴を上げて、何とか逃れようとする私の体に無数の拳が終わることなく降り注いでくる。まさに袋叩きという物のソレ。
脇腹、鳩尾、胸、体の前面を、顔を、拳が降り注ぎ、その集中砲火が収まったときに私はゆっくりとマットの上に崩れ落ちていっていた。

真っ暗闇の中なにかが聞こえてくる。

「ミス・サヤ、どう? 負けを認めます?」
薄っすらと目を明けると、少し離れたところ彼女が立ちこちらを見つめていた。

「いいえ……まだ……続けます」
やっと開いた口ではっきりと―――とは言えないが何とか告げゆっくりと立ち上がり、構えを取る。
619お嬢様ファイト  6/7:2009/07/17(金) 22:05:45 ID:KhzHYiEp
『ボクシングは立ち上がる意志さえあれば、続けれる』
『倒れて立ち上がろうとするものに攻撃をしかけてはいけない』
この決まりがあるからこそ、だからこそこの国で広く愛されている
『最強の格闘技』 なのだろう。
「いい根性ですわ、ですがもう闘う力は無いようですわね」
感心したような顔をした後、再び険しい顔をして、
ばねのような筋肉を生かし、彼女は再び私に止めをさすべく距離をつめてくる。
圧倒的な速さとそれに付随する打撃力。
何発かはかわせても、いつかは捕まってしまう。先ほどのように腕を掴もうにもとてもついていけない。 
「失礼の無い様に全力でいきますわよ!」

(父上、母上、不甲斐無い私を赦してください)頭だけでも何とか守ろうと手で庇うがそれ以外の体に先ほどのように何打も拳が叩き込まれる。
「せ、せめて、一撃だけでも……」 倒れまいとこらえるだけでも限界近くまで身体が悲鳴を上げている。 歯を食いしばり何とか耐えているが、足にも腰にも力が入らない。
「レスト・イン・ピース」
少しはなれたところで、軽く胸の前で十字を切る。
それは彼女が私に止めをさすべく最後の一撃を叩き込む前の準備段階なのであるとはっきりと分かった。
「ここまで耐えたのは貴方が始めてよ」
そう言うと

シュン。

今までの中で一番重く、そして速い一撃が飛んできた。
620お嬢様ファイト  7/7:2009/07/17(金) 22:06:26 ID:KhzHYiEp
「サヤ、サヤ! 生きておりますの?」
「あ、あ、あ……んぅぅん」
耳元で誰かの声が聞こえ私はゆっくりと目を開けると目に眩しい光が飛び込んでくる。
「あ、あれ? こ、ここは?」
「リングの上ですわ、サヤ」
耳の近くから声が聞こえ今度ははっきりと目を開けると、そこには先ほどまで私と闘いを繰り広げていた彼女の顔が迫っている。

「ようやく目が覚めたみたいですわね、で、すいませんが手を離していただけますかしら?」
「手? なにが…………!?」
まだ少しボーっとする頭を少し傾けると、
そこで私は始めて自分が何をしてしまっていたかに気がついた。
「あ、ああっと、そ、そのぉ……」
「お気にされなくていいですわよ、試合中のハプニングですので」
最後の拳を受ける直前、私は無意識の内に彼女の服を掴みそのまま投げたのは良いが、
そのまま服を掴んだまま気絶してしまっていたそうだ。
「スイマセンです」
恐縮する私に対し彼女は捲くれ挙がった服を直しながら、パタパタと手を振り。
「いいってば、それより貴方の国の格闘技を野蛮だなどといってごめんなさい、貴方誇り高きファイターでしたわ」
「い、いいえ、そんな、わたくしなど、手も足も出なかったのに」
「卑下する事などないわ、また、闘ってくださる?」
「あ、は、はい、次は負けませんから!」
彼女が差し出した手を握ると、周りからは暖かな拍手が巻き起こった。








――――――――――――――――――――――――――――――――――-―


「何を見てますの? ダイゴロー」
「あ、いえ、この国に来た私の姉が手紙をくれました」
「へえ、で、なんて書いてあるの?」
「はい、『素敵な親友を見つけた』と」
「へえ、良かったじゃない……あっ、ねえ、今度その人も私のうちに呼びなさいよ」
「有難うございます、きっと姉も喜ぶと思いますよ」
621名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 22:09:39 ID:q7pDspyd
つまらん
622名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 00:11:22 ID:HaMBe0rf
たまらん
623名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 01:22:22 ID:MPg0y6jH
たならんわ
624名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 06:03:22 ID:qk12Ib3g
文章力的には素晴らしい、GJレベルだ
だが、何故スレ的に一番肝心な部分をサラっと流したのか
フィニッシュシーン、その場面を壮絶に描写する為の流れを上手く組み立てたのに…
非常に勿体無いと言わざるを得ない
625名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 13:23:54 ID:h08Vf/Ez
>>624それそれ
褒めて悪い部分をあげる、というかね
書き手はそれを求めてんだ
626名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 18:10:25 ID:FGB1lVbY
金髪のお嬢様ってのは想像するうえで分かりやすいビジュアルで良かった
627名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 22:53:33 ID:ga02C+CL
推敲しないで投下したような文章だな
もっと説明文は減らせると思う
がんばんな
628名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 00:29:36 ID:nWo1aOKi
説明文てのが試合開始までの過程の事なら>>627に同意
内容の半分も埋めるほどの必要性感じない

ラストは清々しくていいかも
629名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 02:09:56 ID:XXwLcShW
唐突な和解が台無し。
あと、ボクシングしか知らないのなら当然、受身なんぞとれるはずないのに
投げられてたいしてダメージがないのが不可解。畳の上じゃなくリングの上ですよね?
たしか、ほとんど板の上同然だったはずなのに
630名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 02:23:09 ID:myi7bRHl
ここが過疎るわけがよく分かった
631名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 11:31:51 ID:awBC74EP
>>597のリクエストは「技量に自信を持った大和撫子」だろ
「ボクサー相手に為す術のない半人前」じゃないはずなんだが
632名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 16:05:50 ID:xE3iKe+u
その自信のある技を相手の単純な暴力にブチ破られるって萌えるじゃん
633名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 12:42:56 ID:aag5/bq/
他のスレに比べて厳しすぎてワロス
634名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 14:33:05 ID:UjkehOUS
だって住民同士の壮絶なリンチスレだもん
635名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 15:02:26 ID:zXDTeMFb
このスレには住人なんていない
いるのは書き手という名の被告人と
読み手という名の陪審員だけさ
636名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 23:58:19 ID:4hruy5TY
あのアレ??さんを追い出すぐらいだからな
まあこのスレでは久美編までで
千草とまり子先生のバトルは移籍した後だけど
637名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 02:08:46 ID:qwEa7xzu
あの御仁は追い出されたのか?
より作品の方向性にマッチしたスレに移っただけかと思ってた
638名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 18:19:13 ID:4y5Gwyrd
追い出されたんだよ
バトルじゃなくてもはやドミネートだろって難癖つけてね
こんなスレ過疎るのも当然
よくもまあこれだけもったものだ
639名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 21:23:13 ID:qwx6Cb0G
糞信者乙
640名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 17:49:09 ID:sQ5jGPMm
どんだけ昔の話してんだよ
えらい粘着的なヤツがいるなw
641名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 01:31:50 ID:H9ByuVLF
趣味は同じなのに仲間に厳しいのな
せっかくの善意を無駄にする
642名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 14:17:00 ID:M4tHGRmo
上げ
643名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 13:41:40 ID:jE7YhbSm
リンチといえば武装メイド集団と対峙する美少女暗殺者みたいな多対一モノを読んでみたい
644名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 23:55:18 ID:ZVgd/tQQ
もうこのスレに書き手が来ることはないだろうな。どんな話書いても追い出されるんじゃやってられないだろう
645名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 20:29:28 ID:d/osoj6j
アッパーや!
646名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 22:15:39 ID:r0K4AFGJ
もうこのスレに書き手が来ることはないといいな。どんな話書いても追い出されると思いこんでくれるといいな。
647名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 17:37:48 ID:SR1J/QPX
ざまあああああwwwww
648名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 10:14:30 ID:sDeJsPTd
別に格闘に限らんでも、媚薬服用してバイブ装着しながらのカードバトルとかでも良いじゃん

火照る身体に集中を見出されつつも耐えながらもカードを切り続ける女性カードバトラー
カードゲームの内容は触手やら拘束具やら妊娠やらがアタックカードやら特殊カードになってて
魔法少女やら天使やら悪魔っ娘なプレイヤーアバターを責めて堕とし合うというもので
アバターの陵辱ダメージはプレイヤーにフィードバックしてライフ0と絶頂失神が同期してる

こんなん妄想した
649名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 08:57:38 ID:YJOxHdE4
なにそれ?読みたい
650名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 07:37:50 ID:uxu7eNOo
上げ
651名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 11:20:56 ID:QuLsMuxB
格闘じゃなくなってる時点で何がおもしろいのかよくわからんのだが・・・
652名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 14:31:39 ID:foqGDr0h
抜ける
653名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:20:55 ID:4LN+HKh6
>>651が潰すので無理です
声だけ大きい読み手が棲みついたスレの宿命ですよねえ
654名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:45:09 ID:IA2MU2Vj
写真うつり
がわるいのはどうしよう。
655名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 05:11:25 ID:xw+1KnBj
遊戯王みたいな感じでバトルフィールド内で壮絶な格闘してる脇でエロがあるだけじゃん
>>651は視野が狭いな
656名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 10:53:24 ID:b6b6f3RP
まぁまぁ
657名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 06:10:05 ID:ib4gO1aW
みぃみぃ
658名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 10:34:35 ID:11FQBj5b
むぅむぅ
659名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:01:51 ID:emRDplAi
めぇめぇ
660名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 23:12:48 ID:U2GyB1n3
悶々
661名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:41:29 ID:ovHF+4qy
遊戯王とかから妄想してしまったがこれは酷い



貴族の遊戯は様々あれど、近々の流行りは何といっても『僕闘』です。
どういったものかご存知ですか?
基本的には先進諸国でのカードゲームによく似ています。
ただカードを使って召喚する、いわゆる“クリーチャー”はプレイヤーの僕(しもべ)…。
つまりは貴族の屋敷を守る門番であったり、侍女長であったりするのです。

一度召喚されたが最後、哀れな僕たちは戦う事を強いられます。
どれほど心優しい者でも、です。

……場に動きがあったようですね。
片方の貴族が引いたカードに満足げな笑みを浮かべています。
おやおや、場に出していた「庭師」と「侍女」を下げましたね。
その2人を生贄に、召喚するのは……
おおっと、これは驚きました。騎馬兵、『白銀のシルーナ』です。
流石は名門貴族、王家からそんな上級カードを賜っていたとは。

可愛そうなのは相手ですね。あっちは『盗賊』がひとり。
家族を養う為にパンを盗んでいたアリセアちゃんです。
彼女はその小さな手に何も持っていません。
素手であるのはシルーナも同じですが、あちらは鍛え上げられた騎士、
おまけに銀の鎧まで身に纏っています。
まともにやって勝ち目があろうはずもありません。

シルーナが指を鳴らしながらアリセアに近づきます。
哀れな盗賊は逃げ場を探しますが、戦いの場は鉄の柵に囲われ、
プレイヤーの任意でしか開きません。
まさに絶体絶命。
しかし、何故でしょう?
追い込まれているはずの盗賊の主が、微塵の動揺も見せません。
662名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:41:55 ID:ovHF+4qy

シルーナがとうとうアリセアを間合いに捉えました。
「アタック!!」
主の命でシルーナの拳が唸りを上げます。
おっと…腹へ強烈な一撃、アリセアのつま先が浮いています。
「げはあッ…!!」
可愛そうに、小さな身体がくの字に折れて崩れ落ちました。
「…ぅへほ…がは、かはぁぁ……っっ!!」
目をつむり、長い唾の塊を吐き出しています…。
「ふん、それで腐った心根が僅かでも流れれば良いな」
シルーナは盗人を見下ろし言い放ちます。

これからターンが進むたび、アリセアへの暴行は続くのです。
一撃、また一撃。
せめてアリセアに強い仲間ができれば救いもあるのですが、
それはもはや望めません。
アリセア側はもう彼女を除き、全ての僕が消費し尽くされているのです。
「さぁ、そちらの攻撃ですわよ」
シルーナの主が冷笑と共に言いました。
シルーナもそれに答え、甲冑姿のまま腕組みでアリセアを見下ろします。
アリセアは尚も蹲ったまま俯きました。
甲冑を着た騎士に、素手のままどうしろというのでしょう。
663名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:42:42 ID:ovHF+4qy

17のターンが過ぎました。
檻の中に立つ2人の拳は、どちらも血に塗れています。
しかしその血は、すべて華奢な少女のものでした。
「ははひ……ふぃひ……かひゅ、はひ………!!」
少女はへたり込んだままおかしな呼吸をしていました。
愛らしい鼻は豚のように低く潰れ、唇は右側に大きく裂け、折れた歯を覗かせています。
閉じない口からは赤黒い血が流れて身体を染め、
指の皮は全て赤く擦り剥け、彼女が一縷の望みをかけて白銀の甲冑に抗ったことを訴えていました。
その血みどろの顔からは、壊される、という末路しか浮かびません。
「さぁ、貴様の番だ盗人」
シルーナが肩を回しながらそう言葉を投げかけます。
あと何発でアリセアは血の池に沈むでしょう。状況はもはや、消化試合そのものでした。

しかし、その時。
『…武器(ウェポン)カード、オープン。』
ずっと沈黙を守ってきたアリセアの主が、突如として声を上げたのです。
空気が一変しました。
シルーナもその主も、アリセアも瞳を見開きます。
アリセア主はさも可笑しそうにくすくすと笑い、ひとしきり笑って、続けました。
その溜めは、今から出す物が戦況を覆す切り札であることを示していました。
「カード……戦棍(バトルメイス)。」
ずず、と重い音が響きます。立会人が獲物を引き摺る音です。
覗いたのは、人の頭部ほどの鉄球を先に備えた鉄棍でした。
少女の力で何とか振り上げられるかどうか、という重さを持った武器。
そしてその重さでもって、金属の鎧だろうとへし曲げる強さを持った武器。
「……う、……うそ…………」
呟いたのはシルーナでした。
先ほどの気迫は消えうせ、顔面を蒼白にしています。
戦闘経験豊かであるゆえに、鈍器の怖さをよく知っているのでしょう。
664名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 01:43:30 ID:ovHF+4qy
っずず。
戦棍が檻に入ります。それは規定通り、蹲った少女の手へ。
アリセアはゆらりと立ち上がりました。顔はまだ俯いたままです。
「い…いや……!!」
後ずさりする騎士がいました。
それを尻目に少女の小さな手は鉄の取っ手を強く掴み、柄を赤く染めながら顔を上げました。
その表情にシルーナの顔が引き攣ります。
「  しんじゃえ  」
アリセアは棍を一度背負うように振り上げた後、腰を切って勢いよく棍を放ちました。
棍は唸りを上げてシルーナの顔面へと迫ります。
シルーナが腕で顔を庇ったのは反射行動でした。
しかし結果としてその行動が、彼女の腕を失わせます。
シルーナの鍛え上げられた右腕は、棍の先端についた鉄球に巻き込まれるようにへし曲がっていきました。
「ぐぁあああああああああ!!!」
シルーナは錐揉みするように倒れ込み、地面についた腕の痛みでもう一度跳ね飛びます。
「腕が…私のうでが、……あ、っぁああ……!!」
シルーナは横ざまに倒れたまま芋虫のように這いずり回りはじめました。
ドン、と鉄の棍が地面を揺らします。
棍に流血する頭を預けたまま、アリセアが口を開きました。
「さぁ騎士さま……次は、騎士さまの番よ。」

血の匂いに満たされた檻の中、饐えた空気が2人の少女によって吸われ、ゆっくりと吐き出されます…。


   
                おしまい
665名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 12:55:19 ID:aiKqF7Wk
GJ!
これだこれ
666名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 17:49:47 ID:cM2k8iwj
GJ!
これだこれ
667名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 18:09:24 ID:FlN2J7+1
まだこのスレでホームラン打てる猛者がいたとは!
GJ!
668名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 19:12:23 ID:wNvXTCup
まだこのスレでホームラン打てる猛者がいたとは!
GJ!
669名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 21:35:51 ID:k9ZGJrCC
こんな傑作を待っていた!
GJ!
670名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:33:45 ID:hvSO0tI+
負けた方の貴族は、買った方の貴族によって公衆の面前で辱しめられるんですね、わかります。
671名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:03:58 ID:E4iQkKXW
なんというGJ!
672名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:25:46 ID:ynX6CBhs
GJ!
GJ!
GJ!
673名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:36:08 ID:zcKU6KE2
こんな僻地によくいらっしゃった
GJ
674名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 23:47:22 ID:U6e8JD2I
まったくだ
GJ
675名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 00:26:47 ID:XcL+nG8v
GJ祭りだなw
676名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 00:48:40 ID:+WGad8CB
カードバトルに疎くて話がよくワカランけど
投下した勇気に敬意を表してGJ
677名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 00:59:59 ID:Qe7TuFhd
乙っしたぁ。
私的には、エロなしグロ描写中心だったので、ちょっとヒきました。
投下先頭に注意文欲しかったです。
678名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 07:59:18 ID:c/i2O4AB
GJ! GJ! GJ!
679名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 12:47:20 ID:kCikczCq
乙でした
680名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 17:54:19 ID:zS0ohgqA
ようやく俺好みの作品に出会えた。
GJ
681名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 22:30:22 ID:Sv+vaewg
住人達の意識が共振している…
GJだ
682名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 23:12:18 ID:G4hI3YnU
くだらん茶番だ
自演乙
683名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 11:36:24 ID:0gO2C2oN
こういう混ぜっ返すヤツがいると確かに沢山住人がいるんだと分かるな
684名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 13:33:43 ID:nqNOfcxq
当然だろ
もしや住人減ったと疑った時期でもあるのか?
685名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 15:14:38 ID:fXJ4MHcE
黙っるだけだと信じてたぜ!!
686名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 15:16:15 ID:PiDJEFFF
むしろGJ以外は黙っとけ!!
687名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 17:03:14 ID:FNeQ9HBt
自演とは言わんが単におだててるだけのGJが多い気がする
茶番には違いないな
688名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 17:34:03 ID:M+7cNk3A
>>665-681から出題です
この中に俺の自演はいくつあるでしょうか?
689名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 19:44:56 ID:z8iBPz3O
┌─────────┐
│                  │
│     しるか!     │
│                  │
└―――──――――┘
     ヽ(´ー`)ノ
        (   )
        < >
690名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 21:59:33 ID:fXJ4MHcE
茶番だろうがストリップだろうが、何も見る物のない荒野よりマシだと思うけどなぁ
691名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:18:14 ID:RyyGHIki
知らない
692名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:35:21 ID:g+e+dZC0
やっぱそういう事か・・・
くだらね
693名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 11:24:18 ID:F5U2TerB
なかなか斜に見るのが板についてるね
何年やってんの
694名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 12:43:11 ID:vVfRuXmd
前にも書いたが武装メイド集団と対峙する美少女暗殺者みたいな多対一モノを読んでみたいよな
695名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 14:28:36 ID:3EW7dhSU
前にリクした奴と別人だってのがバレバレだぜ
ほんと人の猿真似が好きだな
696名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 15:15:57 ID:WIirJz5y
>>695
後学のために聞くが何故別人だと分かったんだ?いやマジで
697名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:22:28 ID:F6z0BtOb
お前らが喧嘩してどーすんの
698名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:36:24 ID:FAEcpgl8
だって先生、あいつら一々水を注すんですよ!
悪いのはあいつらじゃないですか!
699名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 18:42:42 ID:qgg0AfBf
まぁそれはともかく、
700名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 17:04:24 ID:066Cq6kk
このスレってオリジナル創作が主流なの?
701名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 17:21:17 ID:pfaWbCNa
なに、実話のネタでも?
もし気が引けるならこっちの選択肢もあるぜよ

キャットファイト&女闘美フェチ 〜ROUND.21〜
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1210686710/

ここも嫌ならまだ他にもあるが
702名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 14:44:13 ID:UVGmZ7kH
あるいは>>1の「漫画ネタ・アニメネタ〜」が見当たらんし聞いたのかも
703名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 23:04:36 ID:E2F2s1Iq
アニメだとグレンラガンのニアvsヨーコとか妄想したなあ。
何しろニアが出てきた瞬間ヒロインの座が入れ替わって、
周り中がニアマンセーな雰囲気、身体能力でもヨーコがボロ負けしてたし。
自分の存在意義がおっぱいしか無くなったヨーコが周りにブーイング受けながらニアに勝負しかけるけど、
天然なニアにニコニコしながらぶちのめされて、「このおっぱいがあるから走るのが遅いのではないですか^^?」
とか言われながら辱められる…とか。
704名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 07:52:47 ID:aOkffrvC
グレンラガンなら劇場版のヨーコvsアディーネかな
お互いの恋人の形見ともいうべき戦艦の奪取作戦で
「絶対譲れない」っていう闘志むきだしの対決シーンがよかったな
705名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 15:33:52 ID:oXK+Umwt
梶原一騎の人間兇器みたいなシチュで美人女子プロレスラーが巨漢醜女レスラーに屈服してしまう。。
706名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 15:12:08 ID:K9Ieh5J0
705 菜緒子
707名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 23:36:09 ID:HdKprsaK
今週の喧嘩商売見てジエッジ思い出したので帰ってきました
708名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 21:27:51 ID:/o/13dFw
サボッ
709名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 09:50:44 ID:SGgyLfq0
ロボットとか装着装甲を纏ってとか変身ヒロイン同士とかでの、スピード感のあるドッグファイトとか読んでみたいな

今までは格闘での真っ向からの打ち合いとかが主体なんで、三次元を立体的に動き回って
強烈なGに耐えながらもヒット&ウェイを繰り返す高速戦闘をする少女達とか良いと思うんだが
710名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 09:33:44 ID:/1zGIdi6
エアマスは興奮した
711名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 20:23:03 ID:kAfOGZuy
>>709
猫の地球儀みたいな奴だな
712名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 03:08:30 ID:YJSMByFD
一対多数モノを投下。多少のグロあり。
713腹は災いのもと:2009/10/31(土) 03:10:03 ID:YJSMByFD
少女達は津波を前にした時のように、目の前の情景をただ眺めるだけだった。
「な、何なんだよあいつ……おかしいだろ……」
一人がうわ言のように呟く。
その視界の先には見渡す限りの人間がいた。全てが若い女だ。
ある者は鉄パイプを持ち、ある者はナイフを翳し、たった一人の女性を取り囲んでいる。

妙に色気のある女性だった。
瞳は燦爛と輝き、姿勢もよく、血色は周囲を囲む小娘よりも良いほどだ。
格好も臍のでたシャツにブラウス、スリット入りのスカートと若々しい。
彼女がもう32になると聞いて、疑わない男はほぼ居ないだろう。

だが異様なのは外面だけではない、その身のこなしも尋常なものではなかった。
一人が鋭利なナイフを構えて突進する。
どれほど屈強な人間であろうと緊張を伴う一瞬だ。だが女性は眉一つ動かさない。
ほんの半身ほど身体をずらして迎え、握手を求めるような動きで相手の手首を払った。
ナイフを取り落としながら女性に突っ込む相手は、そのまま前転するように投げられて女性の後ろにいた仲間を薙ぎ倒していく。
一呼吸で3人の仲間が倒された。少女を囲む女達は無意識に後退りする。
女性に手を出せば出すほど同士討ちになるようだ。

女性――楠美里(くすのきみさと)は目を細めたまま溜息をついた。
美里は近辺の女性に護身術を教える師範だ。
護身術といっても元々は彼女の祖父が生み出した我流に過ぎない。
だが美里の住む町で女性への性的被害が多発した際、美里が一念発起して道場を開き、
女学生を中心に多くの生徒を抱えるに至ったのだった。

美里自身、幼少から祖父に厳しい修練を課せられた。
股裂きに加え、滝に打たれて風邪を引いた夜でも腹筋・背筋など全身のトレーニングをさせられた。
夏には遠泳、冬にはフルマラソンと季節を問わずハードワークをこなしている。
その気になれば、短距離だろうが高飛びだろうが、様々な競技で近辺のあらゆる男に勝るだろう。
その美里にとって、近場にたむろするレディースなど相手ではなかった。
というより関わる気などなかったし、些細なきっかけで因縁を付けられている今の状況が厄介で仕方なかった。

放っておいた方が良かったか。

丹田に力を込めながら美里は思う。
門下生が美里に教えを受け、いじめっ子を撃退した。それが気に食わない不良娘が助っ人を頼んだ。
そういった具合に話が膨れ上がり、とうとう美里自身が地元のレディース集団に取り囲まれる事態にまで至ったのだ。
714師範達磨:2009/10/31(土) 03:11:34 ID:YJSMByFD
相手の一人一人は美里にとって蚊にも等しかった。軽くいなせる程度の者しか居ない。
しかし、その数が膨大すぎた。
「うらぁッ!!」
少女の一人が美里の腰を狙ってタックルを仕掛けてくる。
右側のナイフも意識しなければならない美里は、そのタックルを後ろに退がって切った。
その瞬間に投げ出された腕へ鎖が飛ぶ。
「っ!」
美里はそれに気付いて素早く腕を戻す。指先を鎖が掠める。後一瞬判断が遅ければ、腕を絡め取られる所だったろう。
美里はそうした戦場のような状況下、もう一時間も動き続けていた。
「は…はぁっ……」
美里の息遣いに周りが聞き入る。息が乱れ始めたのは、ようやくといった所だった。
50人ほどの仲間が戦意を喪失して、ようやく。
あと30余りの仲間「しか」いない現状で、倒しきれるのか…?
誰もがそう思い始めているようだ。

その混戦の中、2人だけ遠くで傍観している者がいた。
集団のトップとその付き人だ。
「総長、どうします?このままじゃあ全滅だ!」
付き人が隣の女に告げる。総長と呼ばれた女――巴は、味方が次々と項垂れていくのを黙って見守っていた。
「なぁ総長!」
付き人が再度声を上げると、巴は咥えていた煙草を吐き捨てた。
「頃合いね」
そう一言を呟き、胸元に手を入れた。付き人がそれに視線をやり、目を見開く。
「………マ、マジっすか……?」
付き人の呟きに、巴は静かに口元を上げた。
手には黒光りする銃が握られていた。彼女は緩慢な動作でそれを持ち上げていく。
視線の先は、ちょうど地面に着地したばかりの美里の太腿を捉えていた。
「人海に光り物、挙句にコレ。…どうにも悪いわね」
巴がそう口にした瞬間、偶然か、はたまた勘か。
美里が振り向いた。

銃声が、響く。
715師範達磨:2009/10/31(土) 03:12:15 ID:YJSMByFD

棒立ちしていた。
今まさに美里を襲おうとしていた少女達が、対象の太腿を突き抜けた鮮血に足を止めた。
美里もまた、初めてその場に足を止めていた。
「ぐ、……っう、っあ」
ざす、と美里が片膝をついた。初めてのことだ。
「あ、ああああああああああっっ!!!!!」
凄まじい叫び声が響く。撃たれた左足が激しく痙攣を始める。
美里は片目を強く瞑って激痛に耐えているようだった。
その美里の前に巴が歩み寄った。
「こんにちは、初めまして。お師範さん」
美里が顔を上げる。そして巴が銃を向けているのに気付き、一杯に目を見開いて腰を浮かせた。
「かわせやしないわよ」
ドン、と再びの銃声が届く。
「くぁああああっっ!!!」
美里の白い腿が赤く穿たれ、飛沫を放つ。今度は右足だ。

「うそ、じゅ、銃……?」
「撃った、ホントに……!?」
周囲がざわめき立つ。その只中で、美里は膝立ちのまま口を開けて凍り付いていた。
「ぐ、お、ぁああ……っっ!!!!」
低いうめき声が響く。
「弱ってる…?」
「き、効いてるんだ……」
誰かが呟き、一瞬の静寂があり、そして地鳴りのような叫びが轟いた。
「今だっ、こいつ皆でやっちまえ!!!」

今まで軽くあしらわれて来た恐怖が裏返り、爆発した瞬間だった。
716師範達磨:2009/10/31(土) 03:13:03 ID:YJSMByFD

「くっ……!!!」
美里は何とか立ち上がろうとし、撃たれた太腿の痛みに腰を砕かれて尻餅をつく。
その後ろへ突いた腕へ鎖が飛ぶ。今度は到底反応できず、ジャラジャラと腕に巻きついた。
「しまっ…!」
鎖を引かれ、美里の華奢な身体は横様に引き倒された。
「そら、引け引け!!」
「っ…さ、せるか!」
そのまま身体を引き摺られ、太腿が弾けそうな痛みに美里も鎖を引く。
「うわ!?」
鎖の主がよろけて声を上げる。
美里は這った姿勢から腕の力のみで、逆に鎖を引き返しているのだ。
「ちっ、どんな鍛え方だ!!」
他の2人が鎖を引くのを手伝い、ようやく均衡が保たれる。
だがそれはつまり、鎖の絡まった美里の腕が伸びきる事を示していた。
「しゃあ、頂きぃ!!!」
美里の頭上で声がする。美里が見上げると、レディースの一人が靴を振り下ろす所だった。
ぐきき、と鈍い感触がする。
「ぬっっ!!!!」
美里は唇を噛んで身震いした。折れたのがはっきりと解った。

「なんでぇ、あんま声ださないじゃん」
「ま、脚撃たれたのに比べりゃあね」
「馬鹿、今の完全に折れてたって。おら、鳴きなよ」
「う、ぐあああ!!」
女がぐりぐりと折れた腕を踏みなおすと、美里は甲高い悲鳴を上げる。
「お、いい声いい声。」
「あ、見なよ、
痛くて足バタバタさせてる。よく見たらこの女イイ脚してるよね〜」
「ホントだ。知ってる?ああいう太腿と脹脛が細い脚が、一番スタイルよく見えるんだってさ」
苦痛に悶える美里を見ながら、そんな会話が交わされる。
「い、いい加減に、しておけ……」
美里は目を赤くしながらもその集団を睨み上げた。
だが以前は周囲を萎縮させたその眼光も、脚から血を流し這い回る今は役に立たない。

「何ぁにその目?超うざいんですけど」
集団の一人がそう言いながら無防備な美里の顔面を踏みつける。
「ごぶっ!!」
美里は思わず声を上げ、さらに踏みつけてくる足を鎖のない手で払おうとした。
だが力の限り踏みつけてくる足をそんなもので防げるはずもない。
「うぶしっ!ぶしっ!!」
息が潰されて妙な声が漏れる。
「はははは!聞きなよ、ぶしっ!だって。カッコ悪ぅ」
「おもっきり蹴られてるんだから。笑っちゃ悪いってぇ」
717師範達磨:2009/10/31(土) 03:13:42 ID:YJSMByFD

「…うっは、すげぇ鼻血ダッラダラ。こいつ鼻の形良かったのになぁ〜」
何十回と顔を踏み荒らされ、髪を掴んで引き起こされた美里はそう顔を罵られる。
瞼は閉じ、唇は腫れ、鼻は豚のように低く潰れていた。
かつて通っていたジムで男の視線を欲しいままにした美貌は、今や無数の靴痕と泥に無残に蹂躙されていた。
「おーおー、ぐったりしちゃって」
髪を掴んだ女が美里を揺らしながら言う。肌の黒いハーフ系の容姿だ。
「だな。ケイ、ちょっと意識戻してやりなよ」
傍観者の一人が言うと、女は無論だといわんばかりに膝を踏みしめた。
この女はムエタイをやるらしい。
「ねぇ痩せっぽちオバサン、さっきはよくもアタシの膝を捌いてくれたねぇ。
 おかげでさぁ、こっちの面目、丸潰れだッつうんだよッッ!!」
ケイは美里の虚ろな目を覗き込み、力の限り溜めた電光石火の膝を美里に叩き込む。
「おごろぉおっっ!!!」
「はは、また凄い声。なぁにオバサン、何て言ったの?もっかい言ってー」
「ぉぶっ!んぉろごっ…!!!!」
「うっわぁ、こいつの腹メチャやらけぇ。気持ちいい〜」
「へぇ、結構鍛えてるみたいだったけど腹筋ないのかな」
「いや、腹筋締めるどこじゃないんだろ。膝立ちで太腿の血ひどい事になってるし」
小便を漏らしたように血の滴る股下を見て、ある者は写真を撮り、ある者は狂乱を深める。
「ほらほら、リクエストあるんだから、もっかい『おごろぉっ』って言わないとやめらんないよぉ」
「ごおえええ゛っ!!がふぇえ゛お゛っ!!!」
「だから違うって。耳が悪いの?それとも頭が悪いんですかー?」
ケイが嘲りながら脚を引いた。美里の肩を掴みながら、頭の後ろにまで足首を反り上げる。
「バイバイ、内臓ちゃん」
その言葉と共に、ケイの浅黒い脚が振り下ろされる。
驚異的なスピードを備えた硬い膝は、隣で見ていた女が肩を竦めたほどだ。
それが美里の臍へ、細い腰のど真ん中へ、深々と沈み込んでしまう。
「………ぉ…っ………!」
静寂。たったの一言。
今までで最も地味な悲鳴を零し、美里の喉元が蠢いた。顎が脈打ち、下唇がぴくりぴくり、と動き、
美里が倒れこむように前屈みになるとその小さな口をこじ開けるようにして吐瀉物が溢れ出す。
ごぼぐふぉっ……ぐぼぼご……っ。
息で泡立った吐瀉物が零れていく。よく見れば、鼻の穴からも太い筋が流れている。
「おお強い強い、やっぱ殺人技だわこれ」
ケイはいつの間にか安全な場所まで退避し、わざとらしく鼻を摘みながら言った。
718師範達磨:2009/10/31(土) 03:14:19 ID:YJSMByFD

「は、はっ……あ、あく……」
美里は前のめりに手をついたまま目を見開いていた。土気色の顔には夥しい発汗が見られた。
周囲の少女は誰からともなくその美里を観察し始めていた。
脚は銃創からの出血で赤く染まり、折れた左腕は長い事鎖に引き続けられて細長くなっている。
「残るは、右腕だけだねぇ」
一人が言い、前のめりに倒れた美里の背後に回った。
そして捲れたスカートから覗くショーツのある部分に指を添え、くすぐる突き入れる。
「ん!」
美里が大きく背を仰け反らせた。同時に露わになったスカートの前を液体が濡らし、
ぽとぽとと黄金色に垂れていく。
「でた、必殺七年殺し!」
「あーあ、おしっこ漏らしちゃってるよ。オバサンのゆるケツの癖に、オーバーなんだから」
野次が飛び交う中、美里は自らの汚物の中に引き倒される。
そして細い右腕の肩と手首を2人の女に掴まれた。
「そこ、まで…やるの、か……」
「やるよ?だってここだけ無事じゃ、キリ悪いじゃん」
少女2人は言いながら、細い腕を無造作に捻り上げた。
「うおあごっあああああああっぐ!!!!」
美里は今まで出した事のないような低い声と共に、白目を剥いて意識を飛ばす自分を感じていた。

(い………意識が……呼吸……た…丹田………に………。)

幼少からの辛い特訓。それらが全て、無駄になったのだと知りながら。
719師範達磨:2009/10/31(土) 03:14:56 ID:YJSMByFD



2日後、楠美里は自らの道場に戻っていた。ただ、それは師範としてではない。
「ふふ。可愛い肉達磨ね」
巴が美里を見下ろして言う。
美里の四肢は折り曲げたまま包帯でぐるぐると巻かれていた。
まだ傷が癒えきってはいないのだろう、ほっそりと美しい太腿は盛り上がり、包帯に赤い点を滲ませている。
包帯のない胴は透けるように白く、背中に流れる黒髪の美しさもあって本当に人形のようだ。
だが彼女は人形ではない。人形は愛液を分泌しない。

「………っ!!」
美里が強く唇を噛み締める。
彼女は畳に敷かれた座布団へ胡坐をかくように座らされていた。
その傍らには何人もの少女がおり、様々に美里を辱めている。
一人は美里の背後からその豊満な胸を揉みしだきつつ、硬く尖った蕾を指の腹で扱いていた。
一人は飽くことなく美里の臍を弄繰り回し、嫌がって腰がうねるのを愉しんでいた。
一人は両の指を使って美里の秘所をいっぱいに開きつつ中をこね回し、
一人はその下に息づく蕾へ延々と中指を抜き差ししていた。
そして脇に控える二人が美里の膝裏に回した縄を引き、残酷にも胡坐をかいたまま脚を閉じられないようにしていた。
加えて言えば、美里の細い首にかけられた首輪を一人が引き、彼女に常に前を向かせている。
前に、すなわちギャラリーの方に。

美里の前にはさらに大勢の人間がいた。こちらは何十という数だ。
うち6割ほどが木刀やチェーンを持ったレディースで、残りはそれに脅える胴着姿の少女達。
「あなた、つくづく人望のあるのね。『師範が危篤』ってだけで、こんなに集まって」
巴がギャラリーを振り仰いで言う。美里は前を向いたまま視線を動かさない。
少女達は美里の門下生だ。
美里はもう2時間にも渡り、偽りの情報で集められた彼女らの前で嬲り者にされていた。
長らくの愛撫ですでに美里の肉襞からは唾液のようにねとついた液が奔流となって溢れ出し、座布団を黒ずませるさらさらの愛液の上に滴り落ちていた。

「そろそろ限界なんじゃないの?お師範さん」
秘所を弄繰り回していた女が言い、それまでより深く指を差し入れた。4本指が第二間接まで入り込む。
美里は眉間の皺を深め、内腿に筋を立てて反応した。しかし声は出さない。
ちっ、と秘所の女が舌打ちした次の瞬間、
「違う違う、こっちだってば」
臍に指を差し込んでいた娘が突如、美里の陰核を剥き上げた。
「ふぁあっ!?」
敏感な肉芽への刺激に美里が叫ぶ。
その時、和室はしんと静まり返った。
720師範達磨:2009/10/31(土) 03:15:36 ID:YJSMByFD

「あれ、なぁに今の?」
くすくすと笑いながら巴が言う。
「ち、違う!違うんだ!!待ってくれ、堪忍してくれ!!!」
美里は凛とした佇まいから一転し、口をぱくぱくと開閉させて弁明する。
しかし誰も聞かない。
「あーあ、師範さんまーたやっちゃった。ごめんよー、おちびちゃん」
レディースの一人が言い、口に咥えていた煙草を指に挟む。
煙草の先は、隣で震える小学校高学年ほどの少女へ向く。
「やめてくれ、お願いだ!」
美里が叫ぶ。少女は声もでず、首筋へ煙草が近づくのを見て固まっている。
じゅ、と細い首を炎が炙った。
「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
少女は首を押さえて暴れ回る。瞳からは大粒の涙が溢れ出す。
「高阪ぁああッッ!!!!」
美里が身を乗り出して少女の名を叫んだ。
「あーあ、可哀想ねぇ。お師範さんのせいで」
巴が嬉しそうに呟いた。かわいそ、かわいそ、と周りのレディースが囃し立てる。
「…っ!!」
美里が肩を震わせた。その美里へ、微かな声が届く。
「……せ……せん、せ………」
先の少女だ。首筋にくっきりと煙草の痕を残しながら、美里を見ている。
その目はしかと美里を見据えていた。怒りか、悲しみか、恐怖か。
よく見れば、部屋の中にはそのように首筋を押さえ、美里を見る少女が他に何人もいた。

「喘ぎ声を上げたら根性焼き。1回イッたらレズレイプ。約束よね?」
巴が嘲笑うように言う。
少女達はただのギャラリーではない。美里が性的に反応を示すたび虐げられる虜囚なのだ。

「何て、事を…」
美里は少女達を睨み上げながら言う。だが誰も臆さない。
「なにが何て事を、よ。ココこんなに濡らして、やらせたがってるとしか思えないんですけど?」
秘所を嬲る娘が秘裂を深くかき回しながら言う。ピンク色の粘膜から新たな粘液が滴った。
「ホント。こんなにビンビンにしやがって、ガキの根性焼き見て興奮したんじゃねえの」
陰核も亀頭を撫でるようにくすぐられる。美里は声を上げかけ、唇を強く噛んで耐えた。
耐えるのを繰り返しているのか、桜の花のような唇からは血が滲んでいる。
「あんま無理すんなよ。こっちだって女嬲んのは初めてじゃねぇんだ。
 ここまで来た女をイカせるくらい、いつでも出来るんだぜ?」
少女が囁きながら美里のGスポットを擦りまわす。美里は狂おしそうに鼻を鳴らした。
721師範達磨:2009/10/31(土) 03:16:14 ID:YJSMByFD

「へぇ、耐えた耐えた」
数十分後、巴はようやく性感帯責めから開放された美里を前にしていた。
白い乳房には幾重にも手形がつき、乳首はあまりに執拗な乳責めからか微かに母乳を垂らしている。
臍はいじり尽くされてくっぱりと開き、陰唇も同様に完全な華を咲かせている。
裸に剥いた時は綿棒すら入るかという慎ましさだった尻穴は、指2本がらくに入るほどに拡げられていた。
「とっても気持ちよくなってるみたいね。じゃあ、これで終わらせてあげる」
巴はスカートを脱ぎ捨て、下半身を露わにする。周囲から歓声が上がり、美里が目を見開いた。
巴の股座にあったのは黒いペニスバンド。大きさも反り具合も、普通の物ではない。
「ほら、大きいでしょ。あなたの臍ぐらいまであるわね」
巴は達磨姿の美里に覆い被さり、その白い下腹部にペニスバンドを擦り付けて囁く。
「ふん……大きければ良いと思う小娘め」
美里は凛とした瞳を精一杯に見開いて巴を睨む。だが巴はにこやかに笑うだけだった。
「大きければ良いのよ。今まで何人もレイプしてきたけど、皆一番コレが良いみたいなの」
その余りの害意のなさに、美里が凍りつく。
「じゃあ、挿れるよ」
巴は閉じかけた美里の股を無理矢理に開かせると、覆い被さって秘裂に押し当てた。
力を込めると、溢れた愛液で瞬く間に亀頭部が沈み込む。
幹の部分が長々と入り込み、凶悪な反りが美里の中を擦りあげる。
「ぐ………!」
美里はみるみる間に目を見開いた。巴がにやりと笑う。
「ね、これ凄いでしょ?」
ペニスバンドはその八割ほどが収まった時点で動きを止めた。
「ふうん、これがあなたの膣の長さなの。歳の割に可愛らしい大きさなのね」
巴は目を見開いたままの美里を見つめ、その細い腰を掴む。
「さぁ、たっぷり犯してあげる」
722師範達磨:2009/10/31(土) 03:17:58 ID:YJSMByFD

『……ゆ、許してくれ、皆!』

美里がそう叫んで以来、部屋には少女の悲鳴が絶え間なく続いていた。
美里が露骨に喘ぎだしたからだ。
「うっ…うっ……うっ…あっ……うっ…………ハッ………は………っ」
美里は達磨のように拘束された四肢をぶらりと下げ、巴に犯されるままになっていた。
巴は美里の腰を掴んで強烈に腰を使い続けている。
「あつい、あつい熱いよおおお!!!」
「ちくしょう、先生、なんでですか!先生っっ先生ぇっ!!!!」
少女達の叫びが木霊する。美里はそれを聞き、喘ぐ口から涎をこぼしながら必死に腹部に力を入れていた。

ペニスバンドが奥まで来た瞬間、それが女泣かせの物だとわかった。
さらにはそれを使う巴も実に手馴れており、的確にそれを美里の感じる部分へ擦りつけ、突き上げてくる。
まともには耐えられない。声を我慢すれば、瞬く間に達するのは目に見えていた。
だからあえて喘ぐ。生徒達は根性焼きをされ、自分を恨むだろう。
だが美里が達すれば、彼女達はレイプされるというのだ。まだ幼い彼女達に、それは絶対にさせたくなかった。
「なるほどねぇ、そういう事か。そういうの好きよ、私」
巴が美里の考えを見透かしたように言う。

でもね、と巴は心の中で付け足した。
男と違い射精のない女のレイプは終わらない。巴の足腰が立たなくなっても、代わりは山ほど居る。
皆がダメになれば玩具を使ってもいい。
声を我慢しようがすまいが、絶頂はすぐに来るのだ。
それを巴はあえて言わず、美里を喘ぐままにしておいた。
四肢を拘束されたまま結合部を見つめて息む美里は、赤子のようで実に可愛らしかったからだ。
このままずっと達磨にして、オブジェにしてもいいな。巴はそんな事を思いながら、美里を犯し続けるのだった。


                                    終
723名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 03:19:32 ID:YJSMByFD
1レス目の題名が露骨に間違ってますが、スルーしてくださいorz
ギコナビこのやろう
724名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 04:20:58 ID:A2tnZuyK
よりによってこんな時にGJ!
面倒だからしばらくROM専だけど許しておくんなまし
大勢いる方が倒される側かとオモタw
725名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 09:25:28 ID:vIqpSL99
肉体をボロボロにされて、さらには快楽にとろかされるって完全敗北っぷりが良いな
726名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 18:05:33 ID:jN6r0JID
>>723
かっこいいお姉さんが無惨な目にあう展開すばらしいです!
良作、堪能させていただきました。
727名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 23:51:06 ID:ukTFUN67
これは単なる俺の好みの上限なんだが、せめて27歳だったらなあ…

でもGJ
無双で勝てると思ってたから、ちょっとショッキングだった
リョナどころかグロも平気な口なのに
728名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 11:32:42 ID:UvWedglC
やっぱあんたがいないとだめだわ
729名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 11:43:52 ID:YeeFYgzC
しーおおっぴらに言うなよ
730名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 16:44:38 ID:8fZIJkoc
さりげなく指浣腸ワロタ
731名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 01:36:59 ID:TxSHD7Pr
ho

732名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 23:11:13 ID:F6mpoXpC
mo
733名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 00:16:58 ID:cP3I1B4J
もっと熱くなれよおおおおおおおお!!!!!!
734名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 11:36:10 ID:k5RfS/av
もうとっくの昔に死亡ですでに冷たくなっております

手遅れです
735名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 19:57:52 ID:FcD8MzVw
敗北し切った生意気アイドル系美少女格闘家が、服とかズタズタにされて血やら汗やら涙やら胃液やらにまみれて、
虚ろな目を宙にさまよわせてぐったりと仰向けに転がされてる状態な訳だな今のこのスレは。
736名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 00:37:05 ID:cQzLS9H8
大晦日の青木×廣田戦みたいな、格下DQNに良い様にされた挙句ファックポーズされる状況はたまらんな
737名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 00:37:36 ID:cQzLS9H8
ついでに上げとこう
738名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:56:27 ID:h311dHQW
悠里以外でエッジさんの小説は無いの?
楓の悠里に対するエロ調教をネットリ書いてほしいのう…
悠里は面白い。変な横槍で終了しちゃって残念すぎるぜ。
739名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 15:31:35 ID:lRurNnNB
ブログにいっぱいあるけど
探せばすぐみつかる
740名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:44:23 ID:qslLcipR
エッジは、楓の行動が少しおかしい。
香蘭が悠里の心のバランスとかに対する心配を伝えてないから、楓の行動が弱ってる悠里を挑発して倒して、弟子の尊敬を取り戻す。
そのあと、悠里より弱い弟子たちに悠里の体を与えて優越感を満たせる。悠里は陵辱されて心を折られる。 格闘から身をひかせて再戦の心配をなくす。
という流れに見えてしまう。
香蘭が悠里の心に対する心配を楓に伝える描写。
それを楓が悠里に伝える描写がないのでただのSEKYOO!(笑)監禁洗脳の流れにも……

741名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 22:44:32 ID:m1LkINPd
普通のバトル物って無いの?
エロが一切無いやつ
742名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:51:51 ID:hAzSVt1z
この板で聞くことじゃないよな
743名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 11:33:53 ID:7uXiAgr3
悠里が陵辱されて心を折られるまでの描写までは完璧なんだけど。
その後の展開がなんかダイジェスト版みたいになってて残念なんだよね

対莉緒戦が一番好きだな。何回も敗北に追い込まれてるし。
チキンウィングアームロック外せずに敗北寸前
顔面殴られて恐怖に怯え、首絞められてギブアップ
カベルナリアで失神
子宮殴られて悶絶して動けなくなる。試合だったらKO負け。
744名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 15:15:13 ID:oeFm3Bmk
>>743
試合だったら、そもそもベアハッグされたりしないだろうし、人目を気にしての自重が必要ないので、早い段階で悠里が勝ってるんじゃね?
745名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:23:37 ID:/K1hSuWM
>>743
エッジは最後のほうになると色々あって作者さんかなりやる気なくしてたからな
746名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:59:29 ID:iO9n92a4
今は伸び伸びと好きな作品書いてるし、その内モチベ上がればまたエッジも書いてくれるかもしれんな

747名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 19:29:35 ID:xR94v9i9
個人的には浣腸キャットファイトがピークだったな
後半の展開がダイジェストっぽかったって言うのには同意
748名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 00:26:49 ID:yCRTwex4
エッジに残されたエピソードは過去編と茜編の2つか?
どっちも盛り上がりそうにないなぁ

それより楓戦の前半戦(失禁敗北)と後半戦のリメイクして欲しいな
749名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 21:41:41 ID:xAukfnpK
僕のために争わないで・・・
750名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 18:39:44 ID:eJ/7w+mG
保守
751名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 02:06:04 ID:W4DLqSR9
真・昇竜拳
752名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 01:52:29 ID:TkivaM5W
753名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 03:56:32 ID:U6oG0NQ9
ほ…ホットパンツが食い込む程殴られ踊りさせられてる格闘女王
754名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 20:57:12 ID:PhEYW2g8
そのシーンを想像するだけでおっきする俺は真性
755名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 13:32:26 ID:jEOlHQoX
包茎か…可哀想に。
せめてageで葬ろう
756名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 19:42:34 ID:mzX4R2lY
地下女先生ーー!
ミヤビ先生ーー!
ナイトパーティー先生ーー!
エッジ先生ーー!

誰でもいいから新作補給してくれえ!!
757名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 20:19:56 ID:VJx99qtx
>>756
さんざん叩いて追い出したんだ
今更戻ってきてくれるものか
758名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 01:23:28 ID:Pj/MsuyO
>>757
まーだ荒し続ける気か…
759名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 02:30:12 ID:4YVbXtOl
もしスレに出てきた女の子全員でバトルロイヤルしたらどうなるだろう、とか考えたらワクワクする。
設定的には悠理の強さが頭ひとつ抜けてるんだろうけど、寝技に弱いって弱点あるし、勝てるチャンスはあるよな、とかw
なんかまた皆で盛り上がりたいな。
マジにリレーでもせん?
760名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 02:45:23 ID:RjjToU+Z
>>759
ヘンな荒しが出没して頓挫するに5ペソ
761名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 06:25:35 ID:Pj/MsuyO
>>759
●問題点
・慢性的な職人不足
・粘着質な荒しが在住

とりあえず、アレだな
妄想をしりとりしてみようぜ


小柄な女子格闘家が大女にニーリフト地獄 く
762名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 00:31:31 ID:dFE9i/F+
くの一が宣教師の暗殺を命じられるが護衛役の南蛮女の見たこともない関節技に為す術もなく手足バキバキにされてだけどくの一だから弱音吐けずに
最後は手足の指と肋骨鎖骨を一本ずつパキパキされて涙鼻水小便糞便駄々漏れでボロ雑巾になる 

763名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 02:50:08 ID:daFW04He
ルール無用のデスマッチのはて、小柄な女子格闘家の猛攻にさらされた大女はとうとう失神

764名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 19:45:26 ID:XQ32b1nH
アメコミ系のスーパーヒロインとスーパーヴィラネスの壮絶なキャットファイトでもいいんじゃね?
765名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 20:49:48 ID:infMBtW8
スーパーヴィラネスて何?
766名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 05:41:57 ID:aJF7FKM+
俺も知らんが、なんかワクワクする単語ではある
767名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 18:37:06 ID:94WP3ZOd
アメコミにおける敵役(ヴィラン)の女性系だろうな。
でも単なるヴィランでヴェノム(スパイダーマンを圧倒)やマグニートー(ウルヴァリンを瞬殺)レベルだから、
スーパーヴィラネスとかになると勝ち目がねえ
768名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 19:10:09 ID:ipw5Nk8B
マグニートーを単なるヴィランというのは無理がある。奴ぁー、ラスボスクラスの敵だぜ?
ちなみにスーパーヴィラネスというのは普通の人間じゃないという意味だからミスティークとかでもスーパーと呼べるので手段を選ばないこと以外は特に勝ち目が無いとはいえない。
769名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 22:12:10 ID:muvMYpv1
すげー脱線ぶりw
一瞬スーパーガールスレ覗いてんのかと思ったわ
770名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 23:18:32 ID:5mpAWyUC
もう終わってんなw
771名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 13:23:42 ID:9YZPtPq4
何だかんだ言ってもやっぱり住人はそれなりにいるんだな。
っつか最後の投下からもう半年か。流石にそろそろ新作がほしいな。
772名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 18:10:27 ID:ENK4LjDD
 肉弾系のスーパーヒロインとかなら思いっきりバトルを書けそうな気もする。
773名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 21:38:00 ID:chkSMsao
>ん
「ん……っ!」
大柄な少女への責めはまだ続く。
「ほら、どうしたの?」 
髪の毛を掴み、無理やり引きずり起こすと


774名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 22:03:17 ID:JZ420OeV
とばっちりでリング脇にいたラウンドガールをラリアットに巻き込んでしまい、
北高のバーバリアンと呼ばれた彼女の闘争本能を刺激してしまって

「て」
775名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 02:12:33 ID:fjdslRCQ
>>772
悠理愛か
776名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 15:48:38 ID:tApoLofu
太腿代表のチュンリーと腹筋代表のキャミィなんですね、わかります。
777名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 21:35:04 ID:AP88kkQ0
ジョイヤー
778名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:21:42 ID:MmqTg9Iu
「……て!  やめて! お願い! ゆるしてぇぇ!!」
少女の口からたまらず絶叫が漏れる。
だが対戦相手である柔術使いの少女―― クリス ―― は足の関節を決めギリギリと締め上げ、全く意に関していない。

「お嬢様、試合前の威勢はどうしたの?」
楽しそうに笑いながら尚も掴んだ足を離すことなく捻りあげ続けていた。
「い、いぎぎぎっぎ……は、はなしてっ……!」
関節技に不慣れなアリサは逃げ出す事も出来ずに悲鳴をあげ続ける。

試合前―――――

『ジュウジュツ? ああ、あの下品なダンスの事ね、私が本当のダンスがどういうものか皆にお見せしますわ』
世界有数の大富豪の娘にして、世界トップクラスの格闘家の少女は既に4連勝を上げ、
得意満面の笑顔で次の試合についてインタビューにそう答えていた。
だが。

「あああ、や、やめて!!」
無様に悲鳴を上げ続けているのはそのアリサのほうであった。

リングの中央ではアリサの白い足にクリスの黒い手足が蛇のように絡みつネジあげている。
足をほぼ180度に開かせ、それと同時に足首も捻り挙げる技を受け、股間と足首の痛みに、
アリサは耐えることができずに、泣き叫ぶ。

「華麗な足裁きで、私のことを玄関マット見たく踏みつけるじゃなかったの?」
そう言いながらどんどん足首をねじ切らん勢いで捻りあげていくクリス。
「いやああ!! 折れるうぅぅ!! あしィ! 足やめてえぇぇ!!」
たまらずに悲鳴を上げ続ける
闘いの前の余裕は完全に消え去り、惨めに懇願の声を上げづける。
「みっともなく足を広げちゃって、会場に無様な姿が晒されてるわよ」
「ひぃ、い、いや、おねがい……おねがい、ゆるひてぇ」
みっともなく涙を流しながら命乞いを続けるアリサ。
下半身のリングコスチュームはとっくに剥ぎ取られ、観客席に投げ込まれている。
大事な部分を大勢の観客にさらされても隠す事も出来ず激痛に身をよじりながら、
恥辱に顔を赤く染め、ただ悲鳴を上げ続けるしかなかった。
779名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:22:23 ID:MmqTg9Iu
「あ、ああ、私の負け、お願い! もう赦して!」
金色の長い髪を振り乱しながら懇願するが、クリスの手は緩まない。
むしろいっそう強くなっていく。
「あら? この闘いにそんな命乞いなんて通用しないわよ? 忘れちゃったの?」
それを聞いてアリサの顔から一気に血の気が引いていった。
自分も前の試合でダウンして動けなくなった対戦相手の少女を散々痛めつけた後、
ペニスバンドと極太ヴァイブレーターで罰を与えたのを思い出した。
泣き叫び何度も許しを乞う相手に無理やりのオーガズムを与え、自分も同じ事を告げていた。
「い、いや、お、おねがい、た、たすけて……」
痛みと恐怖に打ち震えながらアリサは尚も命乞いを繰り返す。

強気者こそが絶対の正義の中にあって、弱者の命乞いなど観客や対戦相手を喜ばせるスパイスでしかない。

「そう言えば貴方私の事、足拭きマットにするって言ってたけど、それってこう言う事?」
そう言うとクリスはその長い足で、
グリ、
っと、アリサの割れ目を擦る。
「ひぃやぁ!? だ、い、いや!」
ビクンと体を震わせて、足責めから逃れようとするが、がっしりと自分自身の足を掴まれて逃れる事が出来ない。
「ほらほら! いくわよ」
情け容赦の無い足攻めは的確にアリサの割れ目を責め立て、秘部やクリトリスを擦り上げ、
快楽の渦を巻き起こしていく。
「ハーイ、皆様! クリスのクリ攻撃ですよ!」
片手を挙げ、TVカメラへとアピールを繰り返すクリス。
その間ももちろん攻撃の手は休まる事はない。
「あらあら、もしかしてお嬢さま足で擦られて絶頂しちゃうわけ?」
意地悪いクリスの言葉にもアリサはただ痛みと同時に襲い掛かる快楽の前に弱弱しい声で悲鳴を上げ続けるしか出来ずにいる。
既に愛液で股間はびしょびしょに成り、強制的に何度かアクメに追い込まれている。
780名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:23:51 ID:MmqTg9Iu
「も、もう……イクの……いや……ゆるして……」
「さてと、じゃあ先にこっちを――」
グリ! ブチブチ!!
「!? あっ! ぎゃああああ!!」
じわじわといたぶるように捻っていた足を思いっきり逆方向に捻じ曲げた瞬間、
嫌な音と共に、クリスの手に小気味良い感覚と、耳に心地よい絶叫が響き渡った。
大きく暴れ周りながらアリサは泡を吹きながら大きな絶叫が上げる。
「だらしないわねぇ、昨日の対戦相手はそこまで暴れなかったわよ?」

そう告げると、足首を押さえながら横たわるアリサのまだ無事なほうの足首を掴むと、
そのまま大きく股が開くようにぐいっと広げる。
「い、いやああああ! お、おねがい! これ以上は闘えない! やめて! やめて!」
先ほどと同じように無駄な命乞いを繰り返し、何とか地獄から逃れようと、手で宙をかきむしる。
だが、もちろんそんなものはクリスには通用せずに。
グリ!
先ほどと同じように股間へと足を伸ばす。
股裂きと、股間への愛撫のきつい複合技である。
殆どの対戦相手はこの技で、ボトムを濡らし失神KOをしている。
「ふふふふ、お嬢さまはどんな敗北シーンを見せてくれるのかしら?」
グリグリと足で性器をなぶり続けながら、ニコニコと観客たちに手を振り続けるクリス。
対照的にアリサは激しい痛みと、恥ずかしさで気品あふれる美しかった顔をぐちゃぐちゃにし、
ただただ、痛みと共に襲い掛かる快楽の波に負けないように耐え続けるしかなかった。
グリグリ嬲られるたびに、ビクンビクンと背中を仰け反らし、お尻を持ち上げ、口からは弱弱しく悲鳴を上げ続ける。
「そろそろ限界ね、じゃあ、いくわよ!」
突然、クリスの足が速度を上げる、それははっきりとフィニッシュを意識した足捌きだった。
781名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:25:11 ID:MmqTg9Iu
>「た」

782名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:28:06 ID:QlGgQ2yF
おいwww
783名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 14:36:08 ID:v69qf5WX
この馬鹿wwwwよくやったよwwwwwwww
784名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 23:53:49 ID:Mqq4Osz1
鉄拳スレから転載乙
785深夜に起こった奇跡!!:2010/04/14(水) 01:00:01 ID:fquh8lBy
!?
>>784さん 
知ってる人がいて感激です!!
転載と言うか改定ですけど、まぁ一応自分の作品なので、乗っけました。

覚えてくれてる方がいて感動です。
786名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 06:43:24 ID:mqf27mqi
GJ!よく甚振る系書いてる?また見たい
787名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 11:26:55 ID:mMYay7h+
すげえ良いんだけどこれ鉄拳なの?
なんでクリスとアリサ?
788名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 00:56:12 ID:+scG2Iib
>>787
キャラの名前と文章の一部を改定しました。
789名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 16:06:06 ID:SgYs4hGJ
ドゴッラアアアアアアア
790名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 17:36:50 ID:viTKqpeE
ぴっちりライダースーツに身を包んだ美女二人がごっついバイクに跨っての高速レースバトルとか良いかも。

山頂から曲がりくねった峠道を下り終えるまでの間を互いのシートには極太張り子が備えてあって
それを膣内に挿入して激しい快楽に襲われながらも、それに耐えてモンスターマシンを操らなければならない女のプライドを駆けたキャットレース
時にはドライビングテクニックを競う抜き合いを繰り広げて、時にはぶつかり合ったり蹴ったり殴ったり。

勝利のゴールを飾り、堪えに堪えたエクスタシーを最高の瞬間に迎えるために、美女達の間で流行っている生と死の間を駆けるレース。
791名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 20:12:47 ID:7xNAclj2
結構スレの容量も煮詰まってきたみたいだね
792名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 21:18:12 ID:kxpu3To4
うん、SSの投下が多いなら1000は無理だね
そうなる状況のほうがこっちは嬉しいけど
793名無しさん@ピンキー:2010/05/30(日) 13:04:14 ID:2MuxaXR7
なんかヒロピン関係のスレに引退宣言を名乗るコピペ荒らしが出没してるので注意ね
794名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 09:30:32 ID:4gW+Bu5G
上げ
795名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 12:41:51 ID:tDOdLx31
うおぁ
796名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 23:03:24 ID:KyT64SHy
糸冬 つ た な
797名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 04:07:24 ID:dM4ae6a/
へぇ
798名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 05:07:16 ID:rV8TC2x/
ユリちょうアッパー!
799名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 02:50:15 ID:LWlwi0Oi
だ れ か い る か ー
800名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 03:18:23 ID:bZcAhrm9
いる
いるけど
みーてーるーだーけー
801名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 03:30:19 ID:OLMB9y8M
俺も足しげく通っているがSSは書いたことがない
802名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 04:17:30 ID:AVxOyXbT
同じく
803名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 23:51:52 ID:1jNRPxRS
荒らしが職人さんをあらかた追い出しちゃったもんな〜

残念ながら、もはや掃き溜めでしかないよなあ、ここ
804名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 00:35:54 ID:ytNY6L5p
あと50KBか
805名無しさん@ピンキー:2010/09/29(水) 20:57:28 ID:/mnI0yEF
ここの書き手達は全員活動休止か?
806名無しさん@ピンキー:2010/09/30(木) 16:33:37 ID:bbNrsarn
このスレだけでしか書いてない訳でもあるまいよ
807名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 13:40:05 ID:R0RD1qBw
上げ
せめて誰か最後のトドメの投下を頼む
808名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 19:11:45 ID:9vmrySSK
いくら子供の時からのライバルだからって、旦那使って争うなよ・・・
「友子より先に孕みたいの!」って言ったって俺の体力が・・・
また明日もお天等さん黄色いのかな・・・orz
809名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 01:22:56 ID:aMw5CQrU
  
810名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 00:35:32 ID:MtMPKwFv
オススメの女バトルマンガ、アニメ、ゲームって何かない?
811名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 12:36:12 ID:fjS1HbVJ
>>808
てことは、妻同士の殴り合い決着も可能性有り?
なんとか仕組んでよ。

>>810
携帯マンガの、女体縛姫スフィンクスが一番だな。
続き見たいから皆さんリクお願いします。
812名無しさん@ピンキー:2010/11/02(火) 02:18:54 ID:L69MY5Fy
同人CGアニメだがデッドファンタジーの3はガチな感じで良い

あれ続き出ないのかね
813名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 22:07:10 ID:6chd60lZ
ほするほする
814名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 13:14:08 ID:zjLqwK65
うはぁっ
815名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 18:03:20 ID:fmlU+3qt
サノバビッチ!
816名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 19:39:35 ID:qTfu9vMX
ジョイヤー
817名無しさん@ピンキー:2011/01/24(月) 21:51:02 ID:wo/TVOI4
age
818名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 00:57:46 ID:IBFvOj7Z
新しい女バトルアニメとかゲームとかなんかないんか?
819名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 01:47:37 ID:Rjg7P6p+
そりゃあなた、今ならフリージングでしょ
820名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 23:50:18 ID:IBFvOj7Z
>>819
こりゃ知らんかった
武器持ちな点はアレだが見てみるわ
821名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 23:57:13.98 ID:u0Mod08h
復帰
822名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 20:41:20.23 ID:1j3XAAPr
ぬ?
823名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 13:48:59.08 ID:HDlUY9+3
上げ
824名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 12:19:14.85 ID:B2GxY+82
楽には死ねんぞ
825名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 07:14:31.12 ID:2ydjJ6vR
最近ラノベでアーマーを纏った少女達の競技バトル物が幾つか出てるね
電撃文庫のアイドライジングにガガガ文庫の装甲のジェーンドゥ…
メタルファイターMIKUやらクロスロードとかもある昔からの題材だね

まあどれもバトルは壮絶ってほどじゃないけど
826名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 16:34:33.54 ID:5TPiN6at
ふむ
827名無しさん@ピンキー:2011/07/26(火) 14:47:36.26 ID:As4Ktvsq
デロイア奈々チャンもおk?
828名無しさん@ピンキー
>>810
ヌードファイター柚希は?
脱げば脱ぐほど強くなる裸拳使いの娘達がくんずほぐれつで戦うぞ