☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第86話☆

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1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2リンディ茶の甘さはキャラメルミルクの86倍!:2008/10/05(日) 23:24:33 ID:CrGhIUuP
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第85話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222005558

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)

3名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:35:29 ID:aqkorYdd
>>1乙なの
リリカルフェイトのラスボスはユーノ&バルディッシュとか面白そうじゃね?と思ったら・・・

あのバリアジャケット着たユーノ想像しちまったwww
4名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:37:08 ID:PDYCBhjA
>>1
5名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:38:34 ID:Vt0Su5QC


>>3
むしろご褒美
6名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 00:05:39 ID:VrjII8hU
>>1超乙

>>3
そんなことになったら某ハラオウンの子がどうなるやらww
7名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 00:25:20 ID:Ih/ksWmK
スーパークロノタイムですね、わかりますw
8名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 00:36:14 ID:wkpu9qdF
だめだ、早く何とかしないと。
9名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 06:37:59 ID:zysuDvmc
遅くなったけど>>1

リリカルふぇいとは、あそこからのフェイトのハッピーエンドは――もう、アェイトが堕ちるくらいしか想像つかねえw
あるいは………ちょっとひどすぎるので、とても口にできませんっ。
10名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 06:38:54 ID:zysuDvmc
って、名前の記入ミス…誰だよ、アェイトって…orz
11名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 17:08:50 ID:5Q3Q4/VF
>>10
アルフとフェイトの子なんじゃね?
12名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 17:21:06 ID:GoEbPhNY
アルフ
アリサ
アルト

全員子作りにはアルハザードの技術が必要だな
13名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 18:26:48 ID:Ih/ksWmK
アルフはともかく、アリサとアルトは人間だしもしかしたらな。
未受精卵と卵子から取り出した核を精子の変わりに使うクローン技術があるそうだが・・・

最近、アリサとアレサの区別がつかないときが・・・これがコジマ汚染だろうか?
14名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 18:27:18 ID:wkpu9qdF
は、発音できねぇ。
15名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 19:12:10 ID:xkXvDSDz
人類には原則発音不可能なんですよ。
それどころか、うかつに聞くと精神に変調を……
16名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 19:16:03 ID:4bbRXrnB
英語の発音でaとeの中間の発音があるからそれじゃね?
17名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 19:22:58 ID:XhSpIBeX
「友達になるの凄く簡単。……名前を呼んで。初めはそれから。私アェイト。アェイトだよ!」
「ア……エ……」
「違うの! アェイトだってば! ア・ェイ・ト!」
「ア、ア……ェ……」
「エを小さく言っても駄目なの! アとエは一緒なの!」

こんなの浮かんださ。
18名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 19:23:32 ID:tu2gpenQ
>>15
それ何て神様の名前?
19名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 20:52:56 ID:XBeZ1TXI
>>16
あれは実際のところ、中間の音ではなく、
エからアに変化しながら発する音らしい。
つまりエアって感じ。ヤに聴こえるけど。
20名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 21:13:07 ID:n0QZcYRf
>>13
場を弁えない男は紳士じゃないぜ
21名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 23:16:03 ID:aLzFyJkl
エゥーゴみたいなもんか
22名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 23:20:45 ID:wkpu9qdF
クォヴレーという男を思い出した。
23名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 23:53:36 ID:BJ/aWQ8o
日付が変わった頃に一本行きます
24名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 23:59:17 ID:03MiOrF6
OK!
25CRR:2008/10/07(火) 00:08:31 ID:3uoWiVhO
どうもこんばんは。
夏ごろスレ出で見たネタを復活させてみました。

・ゲンヤとはやてとクイント
・エロ

【エセ関西弁注意】【クイントのイメージ注意】

ではどうぞ。
26CRR:2008/10/07(火) 00:12:42 ID:3uoWiVhO
「わりぃ八神、予想以上に疲れたから先に寝させていただく」

「そうですかー、おやすみなさい」

ナカジマ家の一室のベッドの上で、ゲンヤは年のせいもあるのか早くも眠りに着く。
時折イビキが交じった寝息を立てるゲンヤの横で、シーツにくるまったはやては頬を膨らませていた。

(……そりゃあんだけヤれば疲れるわっ!! ゲンヤさんのムッツリスケベっ)

転がっていた使用済みコンドームに溜る精液をプニプニとつつきながら、はやては文句を垂れる。
はやて自身から盛大に噴きだした愛液が、シーツに染みていて冷たい。
太腿には力が入らず、股間にはまだ熱い肉の棒が入ったままのような感触を覚える。

(はーぁ、悔しいから一泡吹かせられへんやろか……)

激しい行為に涙まで流し悶え喘いだはやては、すでに寝息を立てるゲンヤの寝顔を見下ろす。
はやては、自分とゲンヤの経験差が憎たらしかった。
向こうは自分以外の女……というか、妻を知っているのだ。一体どんな性生活をしてきたのか、悩みと興味が尽きない。

(んぁ、私も眠ぅなって来た……)

とは言えはやての体も程よく疲れ、悩みの前に睡魔が襲ってきた。
シーツにくるまったままでぽふっとベッドに身を預け、ゲンヤに寄り添うようにして目を閉じた。


―――――意識が薄れる中、誰かがはやてを呼ぶ声がする。

「……さん? はやてさん?」

「……んぁ……誰や? 私を呼ぶのは……」

声につられて、はやては無理矢理意識をたたき起こす。
力を振り絞って上半身を起こすと、そこには一人の女性がいた。

「はやてさん、やっと会えたわね」

紫色の長い髪をリボンでポニーテールにまとめている。
白い長袖のトップスに紫のロングスカート、淡いピンクエプロンのその出で立ちは、
優しい母親の理想像を詰め込んだかのような雰囲気を纏っていた。

「ギンガ……やないなぁ……えーっと、ちょお待ってください……」

はやては、寝ぼけてボーっとした頭のままで、目の前の人物が誰だかを思い出す。
そう。ギンガに限りなく似ているから、きっとナカジマ家の人間。
そして、かつて見せてもらったナカジマ一家の写真の中に、目の前の女性の姿は確かにあった。

「……クイント・ナカジマさんですか?」

「ええ」

死んでいるはずの人間の名前を、ダメ元で発してみたはやて。
目の前の女性は、名前を呼ばれるとあっさりと返事をした。

「……いやぁぁぁぁああああああぁぁっ!?!? お化けやあぁああぁああっ!!」





27CRR:2008/10/07(火) 00:15:02 ID:3uoWiVhO
おくさまはエッチなゆーれい





どこと無く生気が欠けたシルエットと、何よりも途中でうっすらと切れている足。
テンプレートな幽霊の姿で目の前に現れたクイントに、はやては動揺しっぱなしだった。

「やっとこうやって現れることができたって言うのに、その反応は悲しいわ……」

「せやかてフツーの人間は幽霊が出たら驚きますっ!!」

慌てるはやての姿を見ながら、頬に手を当てていかにも困ったといった感じでため息を漏らすクイント。
いろんな意味で腰が抜けて立てないはやては、浮かぶクイントを見上げていた。

「あら、昔から『歩くロストロギア』なんて言われてた貴方らしくないわよ?」

「……それとこれとは別ですっ」

クイントが殉職したのは、既にはやてが入局してからの事。
面識は無くとも、噂は耳にしていたのだろう。
クイントはさらりと流したが、はやてにしてみれば、幽霊と同列扱いされてはたまらない。

「で、クイントさんは何か私に用があるんですか? わざわざ出てくるって事は」

「……ええ。貴方にお願いがあってね」

はやてが切り出すと、それまでのほほんとしていたクイントの表情が急に曇った。
かと思えば顔をほんのりと染め、モジモジと手を絡めだす。
百面相を演じきった後、クイントは意を決してはやてに切り出した。

「私を……あの人とセックスさせて」

「へ?」

クイントの願い。それを聞くとはやては改めて呆気に取られた。
この人は化けて出てまで一体何を言っているんだと。
はやての中で、どんどん目の前のクイントと写真の中のクイントとの乖離が進む。

「あの人って……ゲンヤさんの事、ですよね?」

「お願い。私、旦那が恋しくて仕方なくて……」

一応確認を取ってみるが間違いない。
クイントはその豊満な胸の前で両手を組み、祈るようにしてはやてに懇願した。
頼み事の内容はともかくとして、クイントの表情は真剣そのもの。

「こんな事、今付き合ってる貴方にしか頼めないの。わがままなのは分かってるけど、許して」

若くして迎えた夫との永遠の別れから、どれくらい経っているのだろうか。
まだまだ女として現役の魂が、体を失ってもスキンシップが恋しくなって彷徨っている。
そう思うと、何かできないだろうかという考えがはやての中に現れた。一人の同じ男性を愛する者として。

「……しゃーないです。そういう事なら、私が一肌脱ぎますっ!!」

さっきまでの怖がり具合などどこへやら。
拳でトンと胸を叩き、クイントの願いを快諾した。

28CRR:2008/10/07(火) 00:18:53 ID:3uoWiVhO
さて、はやてはクイントの願いを叶えようと決意したまではいいものの、
その方法がいまいちピンと来ない。

「で、私は何をすればいいんでしょうか? イタコ呼びます?」

クイントの体は人間の体をすり抜けてしまう。
これではセックスどころか、手を握ることすら不可能だ。
しかし心配ご無用とばかりに、クイントははやてに近づいた。

「いいえ、貴方は普通にしていてもらって構わないわ。ユニゾンする時の感じで」

「え、ゆ……にぞん、ですか?」

「うん。私が貴方の意識を今から乗っ取らせていただきます」

「ちょっ!? めっちゃ融合事故やないですかっ!!」

クイントの提案を聞いて、はやては改めて混乱する。
あわあわと慌てるはやてに、クイントがすっと手を差し伸べながらふわっと近づいて来た。

「大丈夫! さぁ私に身を任せて、ユニゾン・淫!!」

「字が間違ってますっ!?」

―――――クイントの半透明のシルエットが、はやての体の中に消えていった。




疲れて眠ったはずのゲンヤの意識が戻っていた。
股間に、なにやらムズムズとした感触を覚えたからだ。

「ん……八神、俺ぁもう体力が……」

たまにはやてが布団にもぐりこんで、嬉々として愚息を舐めている時があった。
だから、今回もゲンヤは当然はやての仕業だと思って声をかけている。
もちろん被っていたブランケットも手で跳ね上げ、同時にはやての姿も確認した。
しかし、めくった先に見える姿は何かおかしい。

「んっ、むぅぅっ……んは、っ……アナタ……っ……」

「んっ!?」

見た目は、確かにどこからどう見ても『八神はやて』そのもの。
なかなか硬さを取り戻さない肉棒を手でやさしく持ち、筋を辿るように丁寧に舐め上げている。

(違う、見た目は八神だが……何か違う……?)

『はやて』が、そのままゲンヤの亀頭へと舌を這わせ始めた。
舌で舐めるだけでなく、たまに入れる口に含み口全体を使っての愛撫も入れる。
唾液で濡れたモノを手でしごきながら、『はやて』は口をさらに舌に持ってきた。

「んっ、はむっ……んううぅっ……」

「うぉぉっ!? くぁ、お……っ」

精子の源、二つの精巣を唇で甘噛みしながら、手を使って唾液を砲身全体にまぶしていく。
ハァハァと熱い息をかけながら、『はやて』がゲンヤの性感をさらに高めていた。
29CRR:2008/10/07(火) 00:21:17 ID:3uoWiVhO
(ふふ、この人はこうやって玉をいじめられるのが好きだったわ……)

(そ、そーなんですかっ!?)

(ええ、はやてさんも今度試してみるといいわ)

『はやて』……つまり、『クイントの意識を持ったはやての体』がそこにいた。
行動も言葉もクイントの物が表に出て、はやてはクイントの意識としかコンタクトが取れない状態になる。
それでも早くも適応してしまったのは、さすが夜天の主の器と言うべきか。

さらに『はやて』はゲンヤに奉仕を続けるが、不意にくいっと頭を持ち上げられる感覚を覚えた。
クイントが視線を上げると、そこには不思議そうな目ではやての顔を覗くゲンヤがいた。

「あ」

「お前、まさか……クイント、か?」

「……バレた?」

「ああ、口調が八神と違うし、俺のツボを知りすぎてやがる」

ゲンヤは、えへへと笑いながら舌を出す『はやて』に手を伸ばして体を引き寄せる。
自分の胸の中に『はやて』をすっぽりと収め、クイントとの予期せぬ再会を噛み締めていた。

「何より、体が違っても滲み出る雰囲気は隠せねぇ」

「アナタ……」

『はやて』を抱く力が強くなる。
ぎゅっと腕に締め付けられる感触も、クイントには心地よい。
ゲンヤの胸板から感じる温もりがクイントに与える安心感は、とても大きかった。

「何で八神の体使ってまで化けて出てきたのかは知らねぇが、よく会いに来てくれたな」

「……うん」

ゲンヤが、ポンポンと『はやて』の頭を叩く。
生きていた頃の何気ない夫婦のスキンシップを思い出して、クイントはつい目頭を熱くした。
胸板に頭を預けながら、クイントはゲンヤに願いを打ち明ける。

「実はね、アナタと思い切りシタくなっちゃって」

「……また突飛な要求だな」

『はやて』の口をつく言葉に、ゲンヤは目を丸くした。
ゲンヤが、クイントの要求にはやてと同じような感想を持つのも当然だろう。
しかし、腕の中の『はやて』の顔に視線を移せば、その目は真剣そのものだった。

「お願い、私を昔みたいに思いっきりイかせて」

「……八神の体だぜ? 大丈夫かよ」

「うふふ、ならはやてさんにも味わってもらうと言うことで」

クイントがゲンヤにねだる。
はやての顔にクイントの面影が重なった色っぽい表情に、ゲンヤが一瞬ドキッとした。
30CRR:2008/10/07(火) 00:24:11 ID:3uoWiVhO
(ちょっ!? な、ななな何なんっ!? 『大丈夫かよ』って!?)

(あら、この人のテクがあんなモンだと思ったの? 甘いわよ)

一方『はやて』の中では、ゲンヤとクイントの会話を聞いてはやてが驚いていた。
今日もゲンヤの年の功に敵わずに泣かされたはやてにとっては、これ以上の領域は未知の世界。
しかも『あんなモン』と言うことは……

(えええっ!? 私とゲンヤさんの、その……見とったんですか!?)

(ええ、しょっちゅうね)

(―――――っ!?!?)

二人の夜はクイントに筒抜けだった。
それを思うとはやては恥ずかしくなり、何も言えなくなってしまった。
そんなはやての心とは裏腹に、クイントはゲンヤと軽くキスを交わす。
そのままベッドの鞍に背中を預け、秘部がゲンヤによく見えるように、両足を広げる。

「さぁ……」

『はやて』の右手の指が秘部を二つに割る。
ゲンヤとの久しぶりのセックスに心を躍らせるクイントの心境を表すかのように、
『はやて』のソコは触らずとも粘性の高い愛液を分泌していた。
そこへ、ゲンヤが人差し指と中指を揃えて挿入していく。

「んっ、あ……ふぅぅっっ……!!」

「ここか? いや、違うな……」

『はやて』の膣壁の上を抉るような動きを見せるゲンヤの指。
壁を撫でられる感触にクイントは悦び、『はやて』の口から断続的に甘い声が漏れる。
しばらくクチュクチュと音を立て何かを探っていたゲンヤの指。
ある部分を抉ると、『はやて』の声が不意に上ずった。

「ひゃあああぁっ!?」

「……よし、ここだな」

腰が痺れて、全身の力ががくんと抜けた。
『はやて』の体に刺すような鋭い快感が襲ってくる。

「っぅううううっ!?!?」

(っは、な……なんやのこれっ……!! 電撃でも食ろうたかと思た……っ!!)

こんな事は、今までのゲンヤとのセックスの中では一回も無かった。
はやては未知の感覚に戸惑っているが、クイントの方はむしろ計算どおりといった感じのようだ。
『はやて』の霞がかかった意識が覚醒し、ゲンヤに荒い息のままで感想を述べた。

「……っは、ぁ……はやてさんのGスポットには……手をつけてなかったのね」

「ああ。若ぇ八神にそんなに強烈な事したら、やばいんじゃねぇかと思ってな」

「私だって十分若かったですー」

クイントは文句を垂れて、『はやて』の頬をぷっくりと膨らませて抗議する。
膝立ちになって、ゲンヤを押し倒す『はやて』。
31名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:25:37 ID:TNYAVJSV
支援支援
32CRR:2008/10/07(火) 00:26:16 ID:3uoWiVhO
「わかったわかった!! 悪かったよ……これで機嫌直してくれ」

その雰囲気に圧倒されたゲンヤは、何とかして機嫌をとろうとする。
膝立ちになった『はやて』の股間に自分の手を滑り込ませ、濡れた秘裂へと侵入させる。
先ほどの指攻めを再開して、クイントの機嫌を直してもらう……もとい、快感で誤魔化してしまう。

「ん……っああああっぅぅうううっ!? ひゃああっぁああっ!!」

(ひゃああぁぁっ!?!? な、これ……すご、ああぁぁああっ!!)

女性の膣内の性感帯として知られるGスポットを、ゲンヤの指の腹が撫でていく。
クイントは経験済みのようだが、はやてにとっては今日が初めて。
爆発的な快感に恐れをなして、はやてはクイントにコンタクトを取った。

(クイントさ、ん……っ!! ちょ、ちょお……休みませんか、っ!!)

「いいっ!! いいのぉおっっ!! くぁぁぁぁあああっっ!?!?」

(クイントさん、く……ああっぁああぁっ!!)

しかし一度くすぶり出したクイントに、はやての言葉は届かない。
本当に融合事故のように、はやての体はクイントに乗っ取られてしまった。
ゲンヤに寄りかかった『はやて』の腰はビクンビクンと小刻みに跳ね、
ガクガクと膝を笑わせながら必死にゲンヤにしがみ付く。

「噴いちゃう……噴いちゃうっぅぅうっっ!!」

(ひゃめ、やめぇぇぇっ!! こんなの壊れてまうぅぅっ!!)

必死になってはやては快感を貪るクイントに哀願する。
このままでは、永遠に体のコントロールを失ってしまいそうで怖かった。
絶頂寸前のクイントは、はやての言葉を無視したまま、体を反らせて叫んだ。

「っあああああぁ―――――っ!?!?」

その瞬間、プシュプシュと『はやて』の股間から液体が噴き出す。
秘部への執拗な指攻めで、はやては盛大に潮を噴いてしまっていた。
潮吹き自体ははやてにも経験はあるが、延々とゲンヤの指が動く限り液を分泌し続けるその攻めは、
はやてが知っているゲンヤには見られないものだった。

(ちゃう……いつものゲンヤさんと全然攻め方がちゃう……)

ゲンヤの目が違う。
今のゲンヤの相手は目の前のはやてでは無く、クイントだった。
お互いを知り尽くした夫婦の営みが、はやてのまだ開発途中の体の上で再現される。

「くぅぅぁぁあああああっっ!! そこっ!! そこなのぉおっっ!!」

(今までのさえ、序の口やったんか……っ!? ああっぁあっ!!)

『はやて』の体はベッドに預けられ、開いた脚の間にゲンヤの体が入り込んでしまっている。
無防備になった秘部は、今度は膣内だけでなくクリトリスにも手が掛かる。
片手は膣の中で壁を擦り上げ、もう片手はぷっくり顔を出したクリトリスを擦っている。

「ひぃあぁぁあっ!! もっと!! もっとそこ擦ってえぇぇっっ!!」

(ひあぁっっ!? 何で!? 何でイってるのに止めてくれへんのっ!?)
33CRR:2008/10/07(火) 00:29:03 ID:3uoWiVhO
思わず枕を引き寄せ、ギュッと胸元で抱きしめながら快感に耐えるクイント。
しかしはやての方はそれだけでは耐えられ無い。
同じ体を共有しているはずなのに、はやての意識は限界を迎え、クイントの意識はさらに刺激を求めた。

(やあっ、あ!! 出る、出そう、で……っあぁぁぁあああっっ!!)

「っくあぁぁっ!! イくぅぅぅ―――――っ!!」




全身をさするゲンヤの手つきに、体を時折ピクンと震わせながら、クイントは満足げに深く息を吐く。
ゲンヤは、ベッドに横たわった『はやて』の唇と、自分の唇を軽く合わせる。

「……どうだクイント」

「っは、あぁぁ……ええ、凄かった……変わらないわね、アナタ」

まるで性行為を覚えたてのカップルか、新婚の夫婦のようにじゃれ合いながらキスを交し合うゲンヤとクイント。
その絡みつく動作一つ一つが、当然感覚を共有しているはやてにも伝わってくる。

(はぁ……はぁ……何やのこの夫婦……底無しやんか……)

自分の体にもかかわらず、自由に動かすことも出来ない。
クイントは聞く耳を持たず、ゲンヤに「止めて」と一言言うことすら叶わない。
その上はやて自身も、自分の体が段々感じやすくなっているような気がしていた。

「初めてアナタに潮噴かされたときの事、思い出しちゃった」

「そうか、ならもう少し頑張ってみるか」

「……明日の仕事は?」

「有給溜ってっから、消化するさ」

ゲンヤが遂に自分の体を省みない決意をした。
『はやて』の左足を持ち、右手は自らのモノへ。
『はやて』の秘部にあてがったかと思うと、一気に腰を突き入れた。

「ん、ぁああっっ……!! く、ぁあっぁあっ!?!?」

ごりっと膣壁を亀頭が抉っていく。
奥まで到達する前に、『はやて』の声が一瞬裏返った。
さっきまで指でさんざんいじっていたスポットを、今度は肉の棒が捉えた。

「……ここだな?」

「んああっぁああっ!! そう!! そこなのっ!!」

パンパンと肉が当たる音と、ぐちょぐちょと粘着質な音が混ざる。
内臓ごと引っ張られそうなほどにゅるりと抜かれたかと思えば、子宮口まで届くくらい深く突き刺してくる。
惚けた体に叩き込まれる快感は、はやてに別の欲求をもたらした。

(ちょ……クイントさん、私……お、しっこぉ……っ)

(……いいわ。このままここで、出しちゃいましょう……?)

(え、あ、そ……んな……っ!!)
34CRR:2008/10/07(火) 00:31:21 ID:3uoWiVhO
(お願い……っ!! 今、いいトコなの、ぉおぉっっ!!)

今のクイントは、既にはやてよりもゲンヤから与えられる快感を優先していた。
甘い声を上げてねだるクイントに応えようと、ゲンヤのピストン運動は続く。
入り口のあたりで小刻みに擦り上げる動きから、ゴツゴツ奥まで連続でピストン。
堪らず『はやて』は腕を伸ばし、ゲンヤの背中まで回してしがみ付いた。

「ひぐぅうぅっ!? く、あぁぁあああっ!! はっ、ああっ、ふあぁぁっ!!」

「ん、くっ……!! どうだ、クイント……っ!!」

「は、はひっいいっ!! イイ、イイのおおぉっ!!」

呂律がたまに回らなくなるほどに、クイントの意識が快感で塗りつぶされているのが感じ取れる。
今の恋人の姿をした亡き妻の痴態が、ゲンヤをさらに興奮させたのだろうか。
挿入したままで腰を掴み、『はやて』の体を仰向けからうつ伏せにひっくり返した。

「はっ、あああっっ、はあっぁっ、ああぁぁあああっ!!」

背中を丸めてうずくまるような姿勢の『はやて』を、後ろからゲンヤが貫く。
さっきとは違う場所を擦り上げていくゲンヤの肉棒。
抜き差しされるたびに、ゾクゾクした感覚が膣から背中を伝ってはやての脳に届いていた。

「カリが、ゴリゴリ膣内を、っ!! こすって、っあぁぁぁああっ!!」

(ひゃあぁっ!? すごい、すごいぃぃいっっ!!)

クイントの声が、段々はやてに聞こえなくなってゆく。
未知の絶頂感。味わったことの無い激しいピストン運動。
はやての体が、その味を覚え始めた。

「はっ、ははあっっ!! 出る、出る……でちゃいそう……っ!!」

(ぁ、アカン……っ!! 戻れなく、なるぅぅっ……!!)

意図したものでは無いとは言え、肉体の開発が一気に進んでいく。
クイントは耐えられても、はやてには耐えられない。
必死になってギュッとシーツを掴み、襲い来る怖いほどの快感に流されまいとしていた。

「ほら、っ……!! 俺もイきてぇから、一緒に……」

「うんっ!! 中で、中で一緒にイきましょう、っ……あぁぁああっっ!!」

張りのある臀部を鷲づかみしたゲンヤが、クイントの要望に応えて一気にスパートをかけた。
ぬるぬるの膣内から愛液をまとった肉棒が少し顔を出しては埋まっていく。
淫らで粘着質な音のインターバルが早くなっていく。
『はやて』の体に不意に力が入り、背中がビクンと跳ねた。

「ひぁぁあああっ!? くあぁぁあ―――――っ!! イ、くぅぅうぅうっ!!」

『はやて』の体が、今日一番の絶頂の波を迎える。
痙攣は膣の中にも及び、ゲンヤのモノをぎゅっと締め付けてとどめを刺す。
パンパンと肉がぶつかる音が最後に途切れ、ゲンヤが低く呻いた。

「うぅぅ……っ!!」

「ひ、あっぁ……出た……ぁ……あ」
35CRR:2008/10/07(火) 00:33:51 ID:3uoWiVhO
『はやて』の中に、ゲンヤの精液が広がっていく。
擦り上げられてすっかり敏感になったピンクの粘膜に、白い液体がまとわり付いていく。
ビクビクと膣の中でモノが跳ねる感触と、精液が膣内に広がっていく感覚。

(あ、ひゃぁ……ぅあ……ゲンヤさん……見んといてぇ……ぁ……)

ゲンヤのモノを下の口でしっかりと咥えたままの『はやて』。
秘裂の上部分にある尿道口が少し緩み、ちょろっときっかけを作った。
そうなってしまえば、女性が自らの意思で排尿を止めるのは難しい。

「気持ち、いいよぉ……」

うずくまったままの姿勢の『はやて』の股間から液体がほとばしり、シーツに黄金色のシミができていく。
絶頂感と排泄のカタルシスの合わせ技で、遂にクイントの性欲は満たされた。
―――――その前に、はやての意識は吹っ飛んでいたが。




文字通り精根使い果たし、ベッドにうつ伏せになって死んだように眠るゲンヤ。
その横で、やっと体のコントロールを取り戻したはやてと、はやてから分離したクイントの霊が向かい合っていた。

「ありがとう、わがままに付き合ってもらっちゃって」

「ええ、まぁ……その、私も気持ち良ぅしてもろたし、その……」

霊体にもかかわらず、何となく肌の色艶の良くなったクイント。
対するはやてはまだ息も整わない状態で、ペタリとベッドにへたり込んでいる。
しかし心は不思議と満たされ、さっきのセックスにすっかり満足してしまっていた。

「うふふ、ならまた何回か出てきてもいいかしら」

今まで知らなかった領域まで自分を導いた、目の前の故人の霊。
はやての体の本能の部分に火を点けてしまった張本人。
その半透明の姿を見上げながら、はやてはしばらく考える。

「……………」

まだ隠している事があるのではないか。世のカップル達はもっといろんな事をしている物だと聞いた事がある。
もしかして、この夫婦は今日以上の事をヤっていたのではないか。
それを想像すると、心が自然と昂ぶっていく。

「……ええ、たまになら歓迎です」

今度の機会に、心の底から期待するはやて。
クイントに向かって言った言葉と同時に、膣の奥から熱い液がどろりと溢れたような気がした。






「よかったー。斜め隣のランスターさんトコのティーダ君じゃ物足りないのよねー♪」

「ちょっと待てやコラ」



おわり。
36CRR:2008/10/07(火) 00:35:41 ID:3uoWiVhO
以上です。
オチが一番書きたかったのは内緒だっ!

では次の投下までさようなら!
37名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:39:27 ID:Zg7xybTQ
GJ!!!

ちょ、何やってんだ、クイントさん。
つか、ティーダが物足りないなら。ほら、そっちにはでっかい槍掴んだ、まんざら知らない仲でもない旦那が……
38名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:44:09 ID:vxw1OyRd
>>36
GJ
全体的なノリから何となくオチはギャグっぽいのかと思えば・・・・クイントさん、草葉の陰で娘が泣いてますよぉ。

>>37
きっと、
槍の人「良いのか?」
蟲の人「ええ、来てください」
となっている可能性も・・・・・・。
39名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 01:58:53 ID:QBkK6Rct
>>36
GJです はやゲン万歳 そしてクイントさん自重w
しかし、幽霊に性欲と言うのはあるのだろうか?

>>38
なぜかシングルマザーだから、ネタにしやすいよねw
メガーヌとゼストのCP あとルーテシアの関係にもう一入できるからというもあるが
40名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 02:13:34 ID:vxw1OyRd
>>39
単に父親が出ていないだけでシングルマザーとは一言も言われていなかったはずだが。
ということは、オリジナルキャラでっち上げて若き日のメガーヌママのロマンスやっても良いわけだ。
プレシアママンのも見てみたいが。
41名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 03:16:32 ID:/T5ylqLq
自分の娘の性生活が知りたくて情事中に化けて出てくるプレシアママンを妄想した。
42名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 12:20:16 ID:dG9fOGgT
アリシアが生きてれば分からないが、フェイトじゃ降りてこないだろうな。
43名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 12:59:02 ID:zc9Kvq13
雑談する場合は埋めるために前スレでしようぜ
AAの人に文句言ってた連中は変わりに埋めたりとかしないみたいだし
スルーも出来ず文句言うだけいって何もしないとかいいご身分だよな……
44名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 15:13:12 ID:bVrLDOPO
まだ向こう30KB余ってるよ。
45名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 21:16:01 ID:s6etrQYw
埋めるためにssを書いて下さったB.A氏とサイヒ氏に
心からのGJを。
46名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 21:28:40 ID:Z2BJAicr
「バッター、ノーヴェ」

スバ「カントク、私に投げさせてください!」

シグ「ダメだ、お前は熱くなりすぎる…」

スバ「お願いしますカントク!」

はや「よっしゃ」
47名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:30:47 ID:sbWFYcbx
ねぇ、ティーダ×フェイト(師弟関係、恋愛未満)なんて需要ある?
48名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:37:52 ID:hHqDpCuD
需要があるかどうかなど関係ない!
世の中にはラグナティ−ダSSだって存在するんだ!


さあキーボードに脳内のモノを叩きつけるんだ!!
49名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:47:19 ID:B8/oyX+2
そして脳漿まみれのキーボード
50名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:50:48 ID:dGjAwr2o
本当に叩きつけてどうするwww
51名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:51:42 ID:anEOFoGc
というか需要あるかなんていちいち聞くなよまどろっこしい
書きたい物を書けばいいだろうに
52名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:17:29 ID:3X/PJQlU
そーっすね。昨日今日で書き始めたので投下できるのはまだ先になるでしょうけど
53詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:35:15 ID:8IKJJk84
どうもみなさんお久しぶりです。
ちょっと気が向いて書いた、ゼスト主役のバトル剣戟SSを投下させていただきます。

注意書き:ゼストに独自設定あり
話としてはほぼ本編に沿ったIF話になります。

タイトルは【放浪騎士 その朽ち果てる先】です
54放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:36:29 ID:8IKJJk84

 終わりが近い。
 幕引きは間も無く。
 既に限界など当に超越し、痛みは脳神経を圧迫し、膨れ上がる嘔吐感は鉄臭い味と共に抑えきれずに口元から零れ出た。
 吐血、喀血、もはや内臓はボロボロで、その肉体の中身は虫食い状態、中身のない故障品。
 よくぞ頑張った。
 よくぞ持ち越えた。
 よくぞ、よくぞ、よくぞ。
 誰もが称えるだろう。
 誰もが同情するだろう。
 誰もが止めるだろう。
 もはや死に体、否、男は死人だった。
 既に生きているはずのない、とっくの昔に果てるはずだった天命をどこかに投げ捨てられた哀れな亡者。
 死神は囁く。
 死ねと、終われと、朽ち果てろと。
 血に塗れた、疲労に覆われた顔には確かな死相が浮かんでいた。
 全身から流れる出血は止まる気配も無く、体温はどこまでも下がり続け、歯がカチ鳴りそうなほどに寒い。
 鍛え抜かれたはずの全身は脱力し、或いは力尽き、鉛のように重い。
 死は間も無くやってきて、死神が彼の命を刈り取るだろう。
 笑い声。
 死神の嘲笑、死への誘い。
 それが聞こえてくるようだった。
 晴れ渡る空の下で、彼を天上へと、或いは地獄へと誘う囁きが聞こえた。

「やれるか、アギト」

 だが、男は嗤うのだ。
 魔力を纏い、空を浮かび上がり、瀕死の重傷を負いながらも、男は壮絶な笑みを浮かべる。
 見るものが背筋に震えを走らせ、眼光に睨まれたものは脊髄まで凍りつくような恐ろしい顔。

《旦那。笑ってるのか?》

 アギトと呼ばれた幼子の声。
 或いは彼のパートナー。
 或いは彼を支え続けた一人の少女。
 彼女は声を震わせていた。
 彼女は彼の中で嗚咽を漏らしながら、怖がるような声で男に叫んだ。

《旦那! やめようよ! もう沢山だ! もう旦那が頑張る必要なんて――》

 男は戦いすぎていた。
 全身は既に崩壊を始め、筋繊維は至る所が断裂し、皮膚は裂け、骨はひび割れ、血は足りぬ。
 ユニゾンし、彼の体と同調しているアギトには分かりきっていた。
 何故死んでいないのか。
 何故叫び声を上げないのか、発狂してもおかしくない激痛の中で男は嗤っているのだ。
 アギトとの同調率が低く、正式なマスターですらない彼。
 故に逆手に取り、融合騎もまた味わうはずの痛みをただ一人に背負い、その残酷な優しさにアギトは泣き叫ぶように声を漏らした。

「いや」

 けれど、彼は笑う。
 死を直面し、開き直ったのか。
 激痛に発狂し、壊れたのか。
 違う。
 そんな当たり前の人間ならば、そんな弱い……或いは弱い人間でいてくれたのならば、アギトのよく知る男はこれほどの傷を、痛みを、苦しみを背負わなかっただろう。
 誰かの為に。
 何かの為に。
 信じ、抗い、報い、逆らい、願い続けた信念の槍。
 その手にあるのは苦痛と地獄を歩み続けてなお膝を屈することの無かった求道者の如き男の信念の化身。
55放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:37:36 ID:8IKJJk84

「やめるわけにはいかんのだ」

 アギトの言葉。
 それに不意に唇を優しく緩めて、彼は告げた。
 誰よりも優しくて、そして一人の少女にとっては残酷な言葉を。

「誓いは残されている。やらねばならんことがあるのだ。手伝ってくれるな? アギト」

《卑怯だよ……旦那》

 卑怯だ。
 卑劣だ。
 なんでそんな言葉で、そんな笑みで言うんだ。
 アギトは涙を流し続ける。

《そんな言葉で言われたら、断れないよ……》

「すまん」

 ばつ悪そうな顔で彼は言った。
 本当に済まなそうに。

 ――そして、咆哮が聞こえた。

 見下ろせば、白き狂える巨獣が吼えている。
 おぞましい魔力量。
 世界が震撼する。
 数百メートルは離れていても、全身が振るえ、鳥肌が立ち、心臓を握り締められたかのよう。
 放たれる衝撃。
 それは単なる息吹。

「っ!」

 大気が歪む。波紋のように広がる風のうねり。
 破砕していくビル群、ガラス窓が次々と粉砕され、ガラスのシャワーとなった地面に降り注ぎ、切り刻まれた人々の悲鳴が聞こえる。
56放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:38:31 ID:8IKJJk84

 見よ、視よ、崇めよ。
 壊れそうな、世界すらも砕きそうな、圧倒的過ぎる怪物の異形を観よ。
 人の身では余りある。
 人外の領域、その中でも頂点に達する異形。
 神域の生命――神とさえ呼ばれる禁忌の存在。
 戦う? あまりにも愚かな行為。
 人は神の領域に辿り着いてなどいない。
 魔法を習得し、知識を見に付けた人類であろうとも神など名乗れるわけがない。
 それに抗うのは一人の竜使い。
 同じ神域の生命――生命樹の頂点に君臨する真竜を召喚した少女、されど叶うまい。
 あまりにも実力が違いすぎる。
 一人は願いを、祈りを持って呼び出し、慈悲に縋りながら真竜を導きし巫女。
 真竜は彼女の命令にこたえるのではなく、おそらくは気まぐれ、或いは慈悲。
 本気など出すまい。
 そもそも人の身で操れるわけがない、出来るとしたら狂気に陥り、現実を超越した狂人のみ。

 そう、今あそこで狂気に陥り、瓦解しそうな体を抱きしめながら、魔力を放出し続けている一人の少女のみ。

「往くぞ」

 男は告げる。
 死にそうな体で、幾数百の戦場を共に潜り抜けた槍を手に、虚空を蹴り飛ばした。
 鮮血のロード。
 血を撒き散らしながら、ここに一人の自殺志願者が戦場に参加する。

 さあ、愚かな放浪騎士――ゼスト・グランツの物語を語り継げよう。


 それは最後まで救いきれぬ愚か者だった一人の騎士と共に居た烈火の精が語る物語。



 【鉄槌の騎士 その初見と衝突まで】
57放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:39:03 ID:8IKJJk84
 
 ああ、それは確かに憶えているさ。
 あのチビ女と始めてあったときだからさ。
 ぴんと来たよ、ああこいつも私と同じ融合騎のマスターだってね。
 けどね、私は微塵も疑わなかったよ。
 旦那なら勝てるって。
 いや、あの女は確かに強かったよ。
 あの時の旦那よりも魔力量も上だっただろうし、ぶっちゃけ同調率も上だったろうさ。
 旦那は良い騎士だって笑ったぐらいで、正直言えば向こうのほうが強い。
 これは間違いない。


 だけどね、そんなので勝敗が決まるなんて、誰も保障してくれないんだぜ?



 公開意見陳述会。
 その日、クラナガンは激動に打ち震えていた。
 無数の無人魔導兵器――ガジェット・ドローン。
 その襲撃と同時に現れた人体改造された人間たち――戦闘機人が各々の武装を用い、武力を持って管理局へと攻め込んできたのだ。
 万全の防衛網だったはずだった。
 けれど、それは巧みな――否、むしろ管理局の防衛或いは戦術ミス。
 ガジェット・ドローンのAMFにより魔法を用いたセンサーは無力化され、戦闘機人の一体による破壊工作によって司令室は全滅し、護るべき場所が、兵士たちの行動を統率するはずの頭脳が麻痺し、誰も彼もががむしゃらに戦い続けていた。
 燃え上がる紅蓮の地上。
 空は真昼のように明るく、輝いた――

 そして、その中で一つの出会いが在り、一つの戦いがあった。

 これはそんな出会いと戦いの一幕。



「あー、めんどくさいー」

「ぼやくな、アギト」

 水上の上を走る二つの人影。
 一人は小さな小人のような少女。
 紅い髪に紫紺の瞳、西洋の悪魔のような翼を生やしたアギトと呼ばれる少女。
 もう一人はどこか疲れたような顔を浮かべる巨漢の男だった。
 茶けたコートを羽織り、左腕を覆わんばかりのガントレットを嵌めた男が、右手に握った槍形のアームドデバイスを操作しながら、空を舞っていた。
 時速80キロオーバー、高速自動車と同等以上の速度を発揮しながら一直線に地上本部へと飛翔していた。
 偽装もない。
 速度も抑えることはない。
 真正面からの愚かな突貫。
 何故彼らはそれを選択しているのか? それには理由がある。

「あの腐れ変態、陽動役なんて命令してきやがって……」

「嘆くな、アギト」

 怒りを浮かべながら声を漏らすアギトに、巨漢の男――ゼスト・グランツは感情を押さえ込んだ言葉で告げた。

「我々には奴の命令に拒否することは許されん」

 彼らには制約があった。
 彼らを縛り付け、決して見殺しに出来ないものが沢山あった。
 だから言うことを聞く。
 罪人のように死地へと向かう。
58放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:39:47 ID:8IKJJk84
 
「……旦那」

「安心しろ。お前は死なせん」

「そ、そんなこというなよ!」

 アギトは泣きそうだった。
 平然と自分の命を軽々と考えるゼストの思考にはいつも悲しみしか感じられなかった。

「そろそろ防衛網に引っかかる頃だが――む?」

 話題に変えるように呟いたゼストが不意に虚空を仰ぎ見た。
 その瞬間だった。
 夜闇を切り裂いて飛び込んできた鉄槌が振り下ろされたのは。

「旦那!」

 ゼストへと振り下ろされる鉄槌、その担い手の少女の姿を視認するよりも早く、ゼストは虚空を蹴り飛ばした。
 ベクトル変換。
 斜めの上空へと“落下”する。
 水面を叩き割り、爆発したかのように上がる水柱の飛沫から逃れるようにゼストは上空への落下を途中で止めると、槍を構えて――その奥の人影たちを睨んだ。

「ちっ、逃したか」

 それにいたのは少女たち。
 一人は紅の騎士服を纏った十にも満たないだろう幼子の外見、手には似つかわしくない巨大な鉄槌――アームドデバイス。
 もう一人は手の平サイズの少女、アギトと同じぐらいの背丈だろうか。その手にデバイスらしき本を持ち、淡い深雪のような色合いの騎士服を纏った銀髪の少女。
 感じ取る、肌が恐怖に怖がる。
 まずい。目の前の紅の少女は己よりも強大だと、劣化した己の魔力よりも高みにいる魔導師だとゼストは理解した。
 ゼストは知らぬ。
 目の前の少女、ヴィータがAAAの空戦魔導師、それも古代ベルカ式の魔導騎士だということを。
 もう一人の少女、リインフォースUが現代に蘇ったユニゾンデバイス、そのレプリカだということを。
 知識では知らぬ。
 だが、何の問題があるのだろうか。

「――管理局の魔導師か」

「そうだ。ここから先は戦場だ、不法に踏み込む高位魔導師さんには帰ってもらいたいんだけどよ」

「立ち入り禁止区域です〜! これ以上進めば敵勢力だと判断して鎮圧しますよ!」

 トントンッと肩を叩きながらも、ヴィータの目には逃がす気などまったくもってなかった。
 計測された魔力反応“AA”クラスの魔導師、それだけで目の前の男が今の公開意見陳述会に対する襲撃に関わっていると状況証拠としては十二分だった。

「物騒なことだな」

「おまえら、むちゃくちゃだろ! いきなり殴っておいてから、警告かよ!!」

「うっ!」

 アギトの質問に、リインは少しだけ困ったような顔をするが、ヴィータは気にしない。

「悪い悪い。どうにもこうにも怪しくてな、一発入れた後に事情聴取をしようかとおもってな」

 そう告げるヴィータの目は鋭い。
 敵を叩けるうちに叩く。
 誤認識だとは欠片も疑っていない、彼らの進路、それが地上本部へと直進していることを確認して、その魔力反応が管理局のデータベースに登録されていない違法魔導師だと確認している。
 敵だ。ならば、不意打ちでも良い、無力化するのが先決。
 互いに武器がある。武器を持ち出しての交渉などありえない。あるいのは刃を交えての殴り合いだけだ。
59放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:40:59 ID:8IKJJk84

「……どうやら最近の管理局はやり方が変わってきたようだな」

「さてな。これがアタシ流だ。杖を構えてお話しようよ、とでも言うべきだったか?」

 同僚の女性を皮肉るようなヴィータは笑うと、ぞくりと殺気立つ気配を醸し出した。

「さっさとかかって来いよ。悪いが、今のアタシは気が立ってんだ。手足の二、三本はへし折ってから連行させてもらう」

「ヴィータちゃん、や、やりすぎはだめですよ?」

「それは困るな」

 元々避けるつもりはなかったが、戦いが避けられそうもない。
 ゼストは思う。
 踏ん切りがいい少女だと思う。
 警告など悠長に行っていられる状況ではないと理解している、敵だと完全に確信してからの襲撃、おそらくこちらが移動している間のルートを読み取られたのだろう。
 昔を思い出す。
 近頃のように悠長に警告など出来ず、紛争だらけで戦い抜いた時代、誰かを救うために誰かを護るためにただ手を血に染めて、犯罪と戦い続けた。
 過去が蘇るようだ。
 問題はその犯罪者に己がなっていることだけ、目の前の少女は己の過去だろうか。

「ふっ」

 ゼストは自嘲する。
 己の立場の醜さに嗤った。

「あ?」

 それをヴィータは己が笑われたのだと思ったのだろう、眉を吊り上げる。

「余裕か?」

「ないさ。ただ今のは――己を恥じたのみ」

 構える。
 足場を形成し、腰を低く沈め、槍を握った手にもう片方の手の平を添える。
 油断はない。
 乱れもない。
 無駄などないと、こそぎ落とし、研鑽し、たどり着いた末の型だった。

「槍使い、か」

 ヴィータが同じように足場を形成すると、くるりとステップを踏むかのように脚位置を踏み変えて、鉄槌を向けた。
 誰が信じるだろうか。
 幼い少女、その外見にそぐわぬことに、その身は数十、数百年にも至る歴史が、幾度にも転生した闇の書の守護騎士として戦い抜いた数千にも至る戦場の戦いが染み込んだ戦士だということを。

「往くぜ」

「来い」

 互いに騎士だと看破。
 ベルカ騎士としての誇りと矜持が導いたのか、声が交わされ――戦いが始まった。
 槍使いが、鉄槌使いが、炎使いが、氷使いが、海上の上を踊りだす。
 激しい乱舞を踊る。
60放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:42:01 ID:8IKJJk84
 
 
 槍という武器がある。
 それの利点は様々、リーチが長いこと、貫通力に優れること、耐久力が高いこと。
 されど、その武器としての一番の特徴であり、追求すべき強さ。
 それは初速である。
 手首を返し、腰を捻り、腕を押し上げ、肘を伸ばす。
 多段ロケットのように加速を追加し、圧倒的な初速を持って対象を穿つ。
 それが槍の使い方であり、破壊力ではなく貫通力に優れた武装の由縁。
 ならば、鉄槌は?
 槌は何を求めるのか。
 それは終速である。
 振り出した時の速度は遅い、だが振り抜いた後の速度は如何なる武器よりも速いだろう。
 それが武器としての重量、加速度の違い、加速では劣るが最高速度ならば勝る。
 故に破壊力としては鉄槌は遥かに槍よりも高いのだ。
 武器の優劣は比べられず、ただ特性のみがある。
 故に互いに技量を磨き抜くのだろう。

 この戦場がそれを証明していた。

「おぉおおお!!」

「らぁああああ!!」

 足を踏み込み、膝を曲げながら、くいっと爪先をもって虚空を引っ駆けるように飛び込むゼスト。
 その手から放たれる神速の打突。
 銃弾よりも早く、並みの障壁では砕くのではなく貫通されそうな鋼鉄すらも穿つ一撃。
 それを、ヴィータは。

「っ!」

 ――鉄槌の槌を持って受け止めた。
 痺れる衝撃、互いの矛先と鉄頭が激突し合い、金属同士の摩擦で火花が散る。
 巨漢の男の全力の刺突を、幼子の外見をした少女が受け止める。
 不可思議な光景。
 ベルカ式魔法は身体能力の強化に優れる。互いに魔力を持って人体の限界を超越し、その握力は鉄にすら指跡を残し、振り抜いた拳の一撃は岩をも粉砕し、走れば百メートルを数秒以内に駆け抜けるだろう強靭さを兼ね備えていた。
 故にベルカ魔導師は本気になれば銃弾すらも見切る反応速度を持つ。
 突き放つ。
 打ち抜く。
 男と少女が、海面の上を走り回りながら互いの手元がぶれて掻き消えるような速度で叩き付け合い、時折火花を散らした。
 空を舞うのは後。
 今ここで三次元の戦闘になれば、互いの一撃に反応すらも出来ずに、慣れることすらも出来まい。
 互いに理解し、共に空戦魔導師でありながら、半ば陸戦魔導師のように海面を走り回っている。
 ベクトルを変換し、本来掛かる体重の方向性を切り替えながら、水面を踏み込むたびに手榴弾の爆撃のように水柱を噴き上げて、ゼストが駆け抜ける。
 同じくベクトルを操作し、同時に大気流動を操作する飛行魔法の二種類を同時併用しながら、湖面で舞い踊る妖精の如き可憐さ、しかし手には一撃粉砕の鉄槌を掲げたヴィータが踊る。
 その上空で炎の乱舞を繰り出すアギトが、冷気を作り出しそれを切り裂くリインの舞踏が、輝ける月光の下での戦いに彩りを備えた。
 美しいかな。
 幻想かな。
 それは人知を超えた戦いでありながらも美しい。
 数百の打突を雨の如く五月雨の如く繰り出せば、烈風の如き鋼鉄の咆哮がしゃらくさいと薙ぎ払う。
 ギシギシと互いのデバイスが、血肉が、重なる衝撃できしみ上げ、痛みと悲痛を齎し、鈍痛のように熱が四肢に染み渡るが、戦いは終わらず。
 呼気を洩らし、金属音が奏でられ、火花が舞い散り、怒涛の如き声が迫力を色付けた。
 水面は波紋から波立ち、飛沫は津波となり、互いの心拍の動悸を真似るかのように荒れ出す。
 水を浴びる、飛沫がかかる、互いに水に濡れて、まるで汗のように額から流せば、或いは涙のように目尻から雫が滴り落ちる。
 されど、互いに視線は離れず、隙をうかがい、声をもかけない。
 そして、数十合目の激突の後に、内心ヴィータは舌を巻いていた。
61放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:42:35 ID:8IKJJk84
 
(魔力量ならこちらが上――だけど、武器の得手と身体能力でカバーしてやがる)

 ゼストの技量、否戦い方を見誤っていたことをヴィータは実感する。
 彼は強い。
 魔力量ならばこちらが数段上だが、初速で勝る槍を用いてこちらの速度が上がる前に出掛かりを潰し、純粋なる体躯と肉体機能と差異でヴィータとの差を埋めていた。
 今の魔導師には珍しい戦い方。
 技ではなく、力に頼りやすい魔導師ではなく、弱者が強者を上回るための牙というべきか。
 ヴィータの肌にぞくぞくと言葉に出来ない快感が登ってくる。
 全身の神経が粟立ち、久方ぶりのマトモな戦場に淫猥とも言える快感を感じ始めるのは戦士の性だろうか。
 同じ守護騎士であるシグナムほどのバトルジャンキーではない、だが戦いの中の狂気を持たずしてどう勝利など出来るのだろうか。
 狂気。
 そう、真なる戦いとは狂気を携えるもの。
 常識を超えた、理解を超えた、狂気の境に足を踏み込み、斬り捨てなければいけない。
 それを心の中に渦向かせ、そしてヴィータはゼストを見る。
 鉄の塊のような男、鋼鉄の意志が顔面を覆い、まるで無感情な、古木から彫り抜いたかのような表情。
 されど、その瞳の中にも狂気がある。
 同じ狂気が、生死の境に立ちながらも狂わずに、或いは狂っているために持つ狂気を。

(――リイン)

 念話を飛ばす。

(なんですの?)

 氷結魔法を構築し、気化した水蒸気を結晶化させて、夜闇に煌めく流星雨のように撃ち放ちながら、リインフォースが応える。

(ユニゾンだ)

「っ! OKですのー!」

「なにがOKだ、マメチビ!」

 打ち込まれた氷の矢、それを爆炎の圧力で捻じ曲げて、弾き飛ばしながらアギトが叫んだ。
 そして、その隙にリインが下へと落下する。
 同時にヴィータも水面を蹴り飛ばし、激しい水飛沫をゼストに放ちながら飛翔した。

「っ! まさか」

「あいつら!!」

 ヴィータとリインの影が重なる。
 その瞬間だった。ばらりとリインの姿が解けて、光の粒子となって、ヴィータと混じり合った。
 紅の騎士服は純白に染まり、燃えるような紅い髪は淡い赤の色へと変わり、その身に纏う魔力量は増大していた。

「ユニゾン!? まさか、あいつらも――」

「ユニゾンデバイスとそのマスターか」

 アギトが歯噛みするように呟き、ゼストは鋭い目つきを浮かべて、上を見上げた。
 爆発的な魔力量。
 Sランクをも超える二人分の魔力。

「悪いが、手加減は終わりだ」

 ヴィータが告げる。
 ユニゾンしたその身に纏う力は先ほどの比ではなく、立ちはだかるだけで本能が悲鳴を上げるほどの強大さ。
62放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:43:06 ID:8IKJJk84
 
「潰すぜ!」

 それは屠るための宣言。
 鉄槌を構えて、獰猛な笑みが浮かぶ。

「アギト!」

「応っ!」

 アギトがゼストの声を聞き取り、彼の元へと駆けつけようとする。
 しかし、それよりも速く――ヴィータはゼストの前へと飛び込んでいた。

「何をする気か」

 音速を超えていた。
 掻き消えて、衝撃破が遅れて飛び込んでくるほどの速度。
 ゼストが反応するよりも早く、その片手に持った鉄槌が。

「しらねえが」

 振り抜かれるラケーテンハンマー。
 マトモに受けて防げるわけもなく、ゼストの構えた槍の上から鉄槌は叩き込まれて――浸透した。

「させるっかぁー!!!」

 爆音、と呼ぶべきだったかもしれない。
 巨人に殴られたかのような衝撃、咄嗟に後ろへとベクトルを変更してもなお軽減することも出来ない圧倒的な殴打。
 脇腹の骨が粉砕し、激痛が脳神経を焦がし、瞬く間にひねり出された吐血が口から吐き出された。

「旦那ー!!」

 アギトの絶叫。
 それを聞き取るよりも早く、水面に激突し、発破でも仕掛けたかのように盛大な水柱が噴き上げて、ゼストの体が膨大な水量の中に飲み込まれた。
 慌ててアギトが障壁を展開し、水の中に飛び込んでいった。

「……仕留めたかな」

《追撃しないんですの?》

「いや、水中はあんまり得意じゃねーし」

 ヴィータはゆっくりと舞い上がりながらぼやいて――
 瞬間、水中から飛び出した一刃の衝撃を展開した障壁で打ち砕いた。

《ふえ!?》

「こういうのが来るから、な」

 ヴィータが告げる。

「来るぞ、リイン! ふんばれよ!」

《はいですのー!》

 少女は舞い上がりながら、鉄槌を構えた。
63放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:44:10 ID:8IKJJk84



 そして、男は現れる。

 水面から濡れそぼった体で、コートを重く締めらせて、輝ける金色の髪を靡かせて、槍を携えた男は告げた。

「いい騎士だな」

 鋭い双眸を向けて。
 血を吐いた唇で。

「だが、斃させて貰う」

 短い決闘の言葉を告げる。

「上等だ!」



 ここに戦いの第二幕が開かれる。





 後編に続く

64詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:46:36 ID:8IKJJk84
投下完了です。
ゼストが大好きなあまりに気が付けばバトルを書いていましたw
明日には後編を投下する予定です。
一応一発限りのネタなので、連載にはしませんので、他の連載(いるのかなぁ?)を楽しみにしている方はご安心ください。
夜分遅くに失礼しました〜
65名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:47:54 ID:akOh+zY6
えーと…
どこの次元のリイン?
66詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 00:51:56 ID:8IKJJk84
ORZ

ゼストの名前を間違えました。
ゼスト・グランツではなくて、ゼスト・グランガイツですね。
司書様、お手数ですが修正をお願いします(平伏)

67名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:52:05 ID:NU0uaS7a
待っていた、ゼスト主役でガチバトルとか!
こりゃ良い、いや本当に良い、思わずリリカルなのはが原作だと忘れてしまいしまいそうだったぜ。
STS本編では不遇な扱いだった旦那がここに来てやっと輝く、嬉しい限りです。
GJ!!

しかし、氏の書くクロ×はややヴァイ×シグもしっかり待ってますぜ。
68詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 01:06:46 ID:8IKJJk84
あと、すみません。
さらに誤字です


「なにがOKだ、マメチビ!」 から

「なにがOKだ、バッテンチビ!」 に修正をお願いします。


あとリインの口調を間違えていまして。

《はいですのー!》
などの ”ですの”は全て”です”という【の】を削除してもらえないでしょうか?

度々司書殿様にはすみませんが、お願いします。
69名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 09:07:27 ID:FbOycFne
>>68
おとぼくの……いや、なんでもない
70名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 09:35:56 ID:HK6VZEbD
印刷屋を連想した俺は葉オタ
71名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 12:38:52 ID:Mkv0jw7y
>>70
俺はどっちかというとナカジマ妹と同名の牛丼娘だな
72名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 13:10:58 ID:Mbp99qzP
>>70
それがしが思い浮かべたのは某ブタザルでござる
73( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/10/08(水) 15:13:45 ID:1Iu6vl+Z
このスレの奴等↓

     彡川三三三ミ プーン   アギギギギギィィ〜ッ
      川 ∪ \,) ,,/|〜 
     ‖川‖ ◎---◎ |〜
     川出‖ /// 3///ヽ〜
     出川 ∪  ∴)д(∴)〜
     川出  ∪    U /〜           ___
    川出川‖    U  /川〜 ピュッピュッ    |  |   |\_
    / 川川    _/ ;|\〜 ρ       |  |   | |  |\
   (    (;;  ・     ・;) ρ         |  |   | |  |::::|
    \   \    亠 ρ);;   ̄ ̄\    |  |   | |  |::::|
   /:  \   \   C)) ;) ̄ ̄\っ))))〜〜|  |   | |  |::::|
  /:::   \   ̄つ/ / ;)  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 /:::      \  (__/  _;)   ̄ ̄ ̄.| _________. |
 (::::       ;;\__/  ;)  シコシコ  | | カタカタ      ..|.|
 \:::      (;;; );; )  \       .| |        . ..|.|
74詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:12:38 ID:8IKJJk84
放浪騎士〜後編を投下します。
少々バイオレンス注意です!
エロはなし。

75放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:15:08 ID:8IKJJk84
 
 踏み込む。
 あるいは飛翔。
 爆発的な加速、水面を地面とし、そこから飛び上がるかのようなロケットの如き光景。
 見下ろすは一人の少女。
 幼い外見でありながら、恐るべき魔力を携え、歴戦にも至る――戦闘経験のみならばゼストを圧倒する歴戦の勇士。
 彼女の歴史はゼストは知らない。
 彼女のことをゼストは知りうるはずもない。
 だからこその立ち位置。
 上に立ち、下から挑む彼はまさしく挑戦者なのだろう。

「おぉ!」

 ベクトルを変換し、重力の落下速度を飛翔に回す。
 同時に大気流動を操作し、吹き荒ぶ風が彼を下降から押し上げて、さらに前面に立ち塞がる空気抵抗を霧散化させる。
 偉大なるかな、魔法の力。
 人の身で、怪異極まる、或いは奇跡たる動作を、法則を操れる。

「はええ!」

 一直線に突貫してくるゼスト、それを見てヴィータは嗤う。
 笑みを浮かべてその身に纏う膨大な魔力――融合し、強化され、増幅された力を巧みに操りながら、少女は飛び込んだ。

《いくですよ!》

「ぁあ!」

 神の如き鉄槌。
 グラーフアイゼンから展開された魔力噴出機構からの魔力噴射――圧力の変換に伴う蒸気を噴出し、旋風の如き旋転を繰り出しながら、騎士たる少女は、騎士たる男と激突した。




 【鉄槌の騎士 その激闘から決着まで】

76放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:15:40 ID:8IKJJk84
 

 ギチギチと悲鳴を上げる。
 誰が上げている?
 己か、それともアギトか。
 否、違う、異なる。
 悲鳴を上げているのは己の意思ではなく、肉体だった。

《旦那! 未だ!!》

「ぬぅんっ!!」

 魔力により鋭い刀身を形成し、質量を瞬間的に倍化偽装し、威力を跳ね上げる。
 鋼鉄すらも破砕する刺突――荒々しき一撃の閃華。
 肉体動作の極み、数千、数万回と振り抜いた挙句に身に付けた打突の閃光。
 常人ならば認識すらも許さず、熟達であれば防ぐことも叶わず、貫かれて消し飛ぶ一撃。

「あめええ!」

 それをヴィータは躱す。
 虚空に足場を形成し、踏み踊るように、己の小柄な肉体を利用し、顔面にまで迫る刃をしゃがんで躱す。
 すり抜ける衝撃破が彼女の頬を切り裂く、されど気にしない。
 そのまま潜り込み、懐に入り込む、荒々しき獣の如き少女。

「っ!」

 反応するよりも早く、胴体にめり込む衝撃。
 内蔵がかき乱される、咄嗟に打ち出した肘が迫る鉄槌の横頭を叩いて、脇腹の破損で留める。
 血肉が飛び散った。
 獣に噛み切られたかのような激痛、燃えるような痛み、身に纏うバリアジャケットでもあるコートなど紙くずにも劣る。
 非殺傷設定など出来ぬ、ベルカ式の魔法であり、物理兵装。

「おぉおおおお!!!」

 穿たれた衝撃で撥ね飛ばされるゼストを追撃するようにヴィータが咆哮を上げた。
 アイゼングラーフ、その絶叫。
 カートリッジロード、薬莢が排出されて、興奮の坩堝の果てに叫ばれる矯正の如き叫び声を上げた。
 排出、噴出、発射。
 回転し、旋回し、旋転し、少女の体が回る。

「ぬつ!」

 ゼストは悟る。
 まずいと、防げるかと、迷いながらも――

(アギト!)

 己に宿る少女に、ある命令を下した。

《え? でも!》

(やれえ!)

 ゼストが叫ぶ、咆哮を上げながらも、己のリンカーコア――劣化し、常時悲鳴を上げるガラクタの体を無理やり稼働させ、魔力を持ってある現象を励起させる。
 身体能力の強化、全身を疑似形成したフィールドで覆うことで肉体の耐久性を向上させ、同時に脳内麻薬であるドーパミンを過剰分泌させる。
 恐ろしいかな、魔法は人体を、生物の操作すらも可能とする。
 生命の冒涜と倫理観溢れる人間は声高に叫ぶだろう。
 だが、そんなのは今のこの現状に対して露ほどの価値もない。
77放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:16:33 ID:8IKJJk84
 
(早く!)

 加速した空間。
 脳内麻薬に興奮し、感覚が加速され、己の動悸が著しく壊れかけのエンジンのように高鳴るのを理解しながら、ゼストは告げた。

《……わかったよぉ!》

 アギトが叫ぶ。
 それはどこか苦痛を伴う声。
 そして、同時に放っていた魔力――ある現象を励起させるために放っていた魔力が、アギトの操作によって望んだ結果を弾き出す。
 これでいい。
 全身に溢れる熱に、ゼストはふぅっと吐息を洩らし、前方数センチにまで迫った鉄槌を睨みながら。

(すまない)

 と、詫びた。
 アギトの悲痛に満ちた声を聞きながら、ゼストは意識とは裏腹に動かし続けた肉体動作を再び掌握し――

 金属音が響いた。

「なにっ!?」

 ヴィータの驚愕の叫び。
 驚くだろう。
 振り抜いたラケーテンハンマー、ビルの一角すらも粉々に粉砕する業天爆撃の鉄槌が、振り抜かれた槍の刺突。
 その一点で受け止められているのだから。
 誰が信じるか、ラケーテンハンマー、その全ての一撃の衝撃を凌駕するほどの質量を一点に篭めて、振り抜いた槍の打突が相殺したのだと。
 互いのデバイスが壊れなかったのは互いに尋常ならざる耐久力を誇る名器故に。
 並みのデバイスであれば、互いに武器が砕けるほどの暴挙。

「またせたな」

 そう告げて、ゼストは息を吐いた。
 “真っ白な息を”。

「潰させてもらうぞ」

 つぅーと涙が零れる。
 血の涙。
 破裂した毛細血管、それが涙のように血を流した。

「ほざくんじゃねえよ!!」

 威風堂々と叫ぶヴィータ。
 されど、その内心は不吉な予感に埋め尽くされていた。
 感じる魔力量はそれほど上昇したとは思えない。
 されど、纏う雰囲気が、感覚がまったく異なる。
 歴戦の勇士、戦いを続けていた少女の感覚が危険だと告げている。

(リイン! 全力で飛ばすぞ!)

《はいですよ!》

 ヴィータの魔力が、爆発的に高まる。
 神速、そう名づけるに相応しい高まりで、鉄槌を振り上げるように叩き込み――金属音。
 弾かれた。
78放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:18:05 ID:8IKJJk84
 
「っ!?」

「ルフトメッサー!」

 槍を振り抜いたゼスト、薙ぎ払うように一撃で、鉄槌の横頭を叩いて弾いた。
 さらに手首を返すと、十字を刻むような斬撃――大気流動を操作し、アクショントリガーの果てに衝撃の刃を放つ。
 まずいっと舌打ち、ヴィータが魔力圧を噴出し、ロケットのように横へと急速回避。
 接近が神速ならば、離脱も神速。
 別磁極のように惹かれあい、同磁極のように弾きあう。
 戦いはどこまでも複雑で、難しい。
 ゼストが攻める。
 荒々しい白い息を吐き出して、鬼気迫る顔で槍を構えて、突っ込んでくる。
 それにヴィータは片手を伸ばし、魔力を放出し、空気中の塵埃を核として疑似物質を精製する。

「シュワルベフリーゲン!」

 疑似物質――魔力により生み出された模造の鉄球が設置されて、間髪いれずに振り抜いた鉄槌がそれらの尻を打ち抜いた。
 大口径リボルバーの弾速にも匹敵する音速に迫る鉄球の襲来。
 常人か、ガジェット程度ならば必殺になりうる一撃。だけど、目の前の男には牽制程度にしかならないだろうと自覚。
 問題は対処方法。
 躱すか、それとも防ぐか。
 二択を考え――目の前の男は三番目の選択を選んだ。
 彼は――防がなかった。

「なにっ!?」

 鉄球が全身に撃ち込まれる、その度に魔力を噴出し、コートを破砕させながら、迫ったのだ。
 元より格上、無理をせねば勝てぬと踏んだゼスト。
 かつてはストライカー級と言われた男、されどその力は劣化し、己が弱者だと理解するが故に謙虚にして大胆なる行為。
 アギトが罵倒するかのように叫ぶ声を聞きながらも、ゼストは全身から血を流しながらも、ヴィータに迫り。

「おぉおおお!!!」

 暴風の如き薙ぎ払いを撃ち込まれて、それにヴィータは真正面から受け止めた。
 孤独なる槍と鋼鉄なる鉄槌が激突する。
 その矛先が、スパイクに変換した獣の巨獣に食いつかれて、悲鳴を上げながらも――引かぬ。
 目と鼻の先で対峙しながら、ヴィータは気付いた。

「暑い?」

 ゼストの吐き出す息、そしてその周囲の温度差に気付いた。
 あまりにも暑すぎる、炎を生み出す魔法など使っていないのに、あまりにも違いすぎる温度。
 その理由を考え――すぐに気付いた。
 あまりにも高すぎる膂力の理由に、重ねた鋼の得物の向こうから感じ取れる、微細な痛みを伴う震動の理由を。

「死ぬ気か、テメエ!」

「さてな、な。だが」

 そう告げるゼストの額には滝のような汗が流れ、全身からは激痛の悲鳴が常に上がっていた。
 体温はどこまでも上昇し、轟々と燃え盛る太陽を飲み込んでいるような苦痛がある。
 アギトに命じたのは炎熱系魔法の使用。
 だが、アギトとの同調律が低いゼストには精々矛先に炎を纏わせる程度しか出来ない、出来損ないのマスター。
 だがしかし、それを逆手に取り、炎を外部に出すのではなく、内部で発することを考えた。
 筋繊維の稼働、それは熱を伴う新陳代謝の結果。
 ならば、その生み出す熱を自在に操れば?
 限界を超えた熱、それによる体温の上昇、肉体は崩壊と引き換えに身体能力をさらに引き上げる。
 苦痛ならば脳内麻薬が押さえ込み、ただ感じるのは灼熱にのぼせそうな肉体のみ、頑強なる鋼鉄の意志を持ってゼストは堪える、耐える、耐え抜ける。
 排熱の如く口から白い蒸気を吐き出すと、ゼストは吼えた。
79放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:19:35 ID:8IKJJk84
 
「ここで死ぬわけにはいかんのだ!!」

 全身の崩壊、血を流し続ける四肢、それらを脳内麻薬の快楽で誤魔化し、膨れ上がる体躯を持って強引に鉄槌を撥ね退けた。
 撥ね退けると同時に足場を形成、飛び込みながらベクトルを前へ変更し、加速。

「なっ!!!!」

 ヴィータの体に突撃し、その小さな体がトラックに撥ね飛ばされたのと同等以上のダメージを与えながら、ゼストはその体を掴んだ。
 そして、落下。
 水面の上から上空へ、そして最後には夜天煌めく夜空から眼下の町並みへと舞台が切り替わる。

「てめえ!! はなせぇええ!!」

 狙いを理解。
 下に待つのは何か。
 それはアスファルトの地面であり、無数のビル群であり、燃え盛る惨劇の地獄でもある。
 諸共に死ぬ気か。いずれにしてもこの高度から叩き落されれば、ただでは済まない。
 それを理解し、ヴィータは掴まれながらも、身体強化した蹴りでゼストの腹を打ち抜く。
 骨が砕ける感触、そして音がした。

「はなさんっ!」

 それとも、ゼストは血を吐き出しながら、速度を緩めない。
 衝撃破を放ち、音速へと迫りながら、ゼストは突き付けるかのようにヴィータを掴みながら、地面へと墜ちていく。
 流れ行く流れ星のように。
 骨をも破砕する圧力で肩を握り締め、ヴィータが激痛で声で洩らしながらも、必至に飛行魔法で押し上げようとする。

「おぉおおお!!!」

 だが、それすらも無駄。
 加速し、加速し、あらゆる障害を撥ね飛ばしながら突っ込んだ二組の流星は一つのビルの屋上へと墜落し――破砕した。
 砕ける、突っ込む、壊れる、突撃する。
 ビルを壊し、床を壊し、天井を貫きながら、数十階建ての廃屋ビルを貫いて、衝撃が屋上から地下にまで貫通した。
 そして、爆風がビルの全身から吹き出す、残っていたガラス窓が壊れて、ガラスのシャワーを吐き出した。
 そして。
 そして。

 そうして――埃立つ、全てが壊れた後に残り、動くのはたった一人。

「……」

 手を離し、血を吐き出し、よろよろと起き上がる男が一人。
 ゼスト、彼のみが立ち上がっていた。
 ヴィータは足元でめり込み、血を吐き零しながらも、まだ生きているが――動けまい。
 被っていた帽子は落ちて、纏っていた騎士服は無残に千切れ、四肢のうち二つは奇妙な方角に曲がりながらも、その目には意思があった。

「て、めえ」

 掠れそうな声、血を吐き零し、必至に足掻こうと手を伸ばすが――ゼストには届かん。
 全身の骨が砕けたか、それとも激痛で動けぬのか、どちらにしろ身動きなど取れまい。

「終わりだ」

 さらりと告げて、ゼストは骨が砕けた激痛すらも押し隠し、槍を向ける。
 上へと、天井を指すように、或いは星を示すかのように。
80放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:20:27 ID:8IKJJk84
 
「ベルカ騎士よ。名も知らん、だが良い騎士だった」

「おまえは、だれだぁ!」

 ヴィータが吼える。
 魔力を発揮しようとしながらも、手足が言うことを利かないのだろう。

「……ゼスト。ゼスト・グランツだ」

 騎士としての誇りが僅かに残っていたのだろうか。
 さらりと告げた自分にゼストが驚く。
 もはや死者としての名を告げた。

「ゼスト、か……アタシはヴィータだ」

 少女が告げる。
 名を名乗り、ギラギラと燃え上がり、痛みと損傷で死に掛けながらも言うのだ。

「テメエはいずれ斃す」

「そうか」

 報復の宣言を聞いてもゼストには答えなかった。
 いまさらのように名前を聞いて思い出す。
 機動六課、その中の副隊長の名前を合致していることに。

 これで陽動の――目的は果たした。

 ゼストの役割は戦力を潰すこと、高位魔導師の一人に重傷を負わせたのだ、すぐに復帰は不可能だろう。
 役割は遂げた。
 だから。

「さらばだ」

 別れを告げて、横薙ぎに衝撃破を放った。
 ビルの支柱が砕ける、先ほどの衝撃で不安定だったビルが崩落を始めて。

 ゼストはそこから飛び出した。
 一人の少女を置いて、立ち去った。
 死ぬのか、それとも生き延びるか、どうでもいいと思いながら。

 彼の心はどこまでも乾いていた。
81放浪騎士 その朽ち果てる先 ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:20:58 ID:8IKJJk84

 瓦解したビルに背を向けて、歩き出す。

「アギト」

《了解》

 融合を解除し、アギトの姿が外に具現化する。
 同時にゼストの姿も元に戻り、ガクリと彼は膝を突いた。

「旦那!?」

「いや、すまん……どうやら気が抜けたようだ」

 全身の失血はまだとまっていない。
 押さえ込んでいた魔力が切れて、全身は反動による鈍痛で襲われている。

「旦那……やっぱり無理だよ! これ以上やったら」

 死んでしまう。
 現実味のあり過ぎるヴィジョンに、アギトが言葉を閉ざした。
 けれど、ゼストはそれすらも読取り、嗤う。

「苦労を……掛けるな」

 死相が浮かんだ顔で、ゼストは痛みを堪えながらもフードを被りなおし、飛行魔法を起動。
 目的の位置――ルーテシアとの合流地点へと向かう。
 そのゼストをはらはらした目で見るアギトに、ゼストは告げた。

「心配するな」

 渇いた声。
 絶望に飲まれながら、感情すらも擦り切れた、冷たい声が告げた。

「目的を達するまでは死にはしない」

 死ねないのだ。
 死ぬことなど許されないのだ。
 救うために。
 願うために。
 このくたばりぞこないの命を使い果たすのは。



 スカリエッティを殺し、メガーヌを助けた時だと彼は決めているのだから。
82詞ツツリ ◆265XGj4R92 :2008/10/08(水) 16:22:40 ID:8IKJJk84
投下終了です。
色気も欠片もないハード親父アクションですみません。
これは本編のIF話です。

かなりの自己満足品でしたが、楽しんでもらえると幸いです。
ありがとうございました。
83名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 18:35:48 ID:akOh+zY6
もう3ループくらい原作見直したら
84名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:17:25 ID:NU0uaS7a
うひゃあ、ゼストの壮絶バトル堪らないぜ!
こういうマジバトルは本当に良い、素晴らしく良い!
自分の身も省みず死闘に身を投げるオッサンはカッコよすぎる。

GJでした。
85名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:38:26 ID:tZ2VuFdu
>>73
相当イッてしまってるな…まともに喋れないじゃないか?
86名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:57:58 ID:7KwTvqzZ
>>85
触ってやるな。以前にもトリップを抜かれた職人さんが居たし、本人かどうかも分からん

>>ツツリ氏
GJでしたっ!
アギト可愛いよアギト。旦那は、頼むから朽ち果てないでくれと願っていましたが・・・

ゼスト、本編でもう少し掘り下げて欲しかったですよね。
とは言え、その本編のお陰でアレコレ考えることができるのもまた事実
良いゼスト分でした。GJ!

87名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 20:09:16 ID:m5qQLZn+
くぐったら、トリップディスクロージャにトリップ解析されてる。それも半年以上前に。
ただ、氏は昔……まあ、いきなりこういう風にはしないだろうから、嫌がらせだろうな
8869スレ264:2008/10/08(水) 22:21:21 ID:AVhKzWCN
業務連絡です。
84スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
89Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:08:02 ID:EGU9pJul
絶望した!ヴェロッサがここでも空気気味なのに絶望した!
というわけで自己生産
以下、注意
ヴェロッサ×はやて
エロ?おいしいの?
シリアスってくえんの?
しゃべりとか微妙かも試練
90Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:09:10 ID:EGU9pJul
日付が変わってそう経ってない真夜中、とある青年の私室にて。

「いや〜、ようやっと終わったな」
とんとん、と書類をまとめ、ファイルに戻す京弁少女。
「そうだねぇ。お疲れ様、はやて」
にこやかに彼女に微笑みかけるこの部屋の主。
テーブルに向かい合って座る二人は、この時間になっても仕事をしていた。
なんという仕事バカ。
もとい、それなりの立場にある彼らには打ち合わせやら何やら、大小細々色々あるのだ。

「帰り、どうする?もう結構遅いけど」
ヴォルケンリッターの皆さんは?と、青年が尋ねた。
ちなみに行きは彼、ヴェロッサ・アコース所有のステエキな新車でここまで来ていた。
が、テーブルの隅にさりげなく転がるワイン瓶が全てを物語っていた。

「あ、やー、それがなぁ……シグナムはその、あかんねん」
「何が?」
「えと、あ、せやせや。シャマルや六課の皆と合コンやって」
堅物女侍には似合わない理由だったが、そういうこともあるかもしれない。
などと考えながら、ヴェロッサは時計に目をやる。
「さすがにこの時間だとねぇ。どうしたもんかな」
「あ、ああ、あの、な。ロッサ、その」
まごまごと言葉を詰まらせるはやて。実に珍しい。だがかわいいので良し。
「何かな?」
「あう。そのぉ……こ、ここに、泊めて、くれへんかな……?」
最後の方はほとんど呟きに近かった。
けれども相手にはしっかり届いていた。
「それは」
「う、うん」
「誘ってるのかな?」
「…………」
91Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:10:06 ID:EGU9pJul
僅かな沈黙の後、こくりと頷いた。
それを見て、ヴェロッサは立ち上がり、はやてに歩み寄った。
「ん……」
きゅう、と抱きすくめられる。甘い香水の匂いと、柔らかい髪の感触がはやてを包んだ。

「ロッサ」
「ん?」
「その……す」
「ちっこくですうううぅぅううーーッ!!!」
ばたん、がたん、ばきっ。
効果音と共に現れたのはちいさなちいさなおんなのこ。
「リイ……ン?」
そして足元にはお出かけ用リインハウス。
そこから寝ぼけて飛び出して。視線の先にはいちゃつく一組の男女。
ここまで認識完了。さて、ここで次にリインフォース・ツヴァイが取った行動とは。

「……ッ」
「り、リイン?どないし」
「不潔ですぅーーっ!!!!」
先程以上の勢いで叫んだ。

「は、はぁ?ど、どういうことや」
「嫁入り前のはやてちゃんに!なぁーんてことしてるんですかぁ!」
「何って、ハグかな?」

しれっと答える査察官。ちなみに未だにはやてをホールド中。

「ふぁ、ハァグゥ!?だめです!だめだめですー!」
「どうして駄目なのかい?」
「え?だ、だってはやてちゃんは嫁入り前の大事な身体なんですよ?変なことしちゃだめなんです!」
「ふむ」
何かを考え、胸に埋まる少女に向き直った。

「だ、そうだよ。はやて」
「何が言いたいんよ」
「そうだねぇ……」
92Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:10:59 ID:EGU9pJul
すい、と少女の頬に手を伸ばし、顔を近づけ、囁いた。
「結婚しようか」
「……はい?」
耳に届いたのはえらく非現実的な言葉で。とっさに出たのは少々抜けた言葉だった。

「イエスかぁ。ありがとう、はーやてっ」
「え、違っ」
「さ、これでいいよね?」
はやてを無視して、今度はリインフォースに向き直るヴェロッサ。

「はい!はやてちゃん、アコース監査官、おめでとうございます!!」
「いやリインもちょっと……」
やはりはやては無視である。

「アハハ、やだなぁ。もう家族になるんだからロッサでいいよぉ〜」
「え〜、でもそれじゃはやてちゃんがやきもち焼いちゃいますよ〜?」
「大丈夫だよ、はやては怒っても魅力的だから〜」
「あ、ですよねぇー」
あははうふふと勝手に盛り上がる二人。

かちんと来た。というかなんだこの状況。
「あ、あんたらなぁ、いい加減に……」
「は!そうだはやてちゃん!」
怒号は見事に遮られ、萎えてしまった。もうどうでもいいか、とはやてはため息を吐きながらちびっこを見た。
「なんや」
「チッスはしないんですか?」
「あーはいはいちっすねーちっ……へっ?」
「結婚式には付き物ですよ!」
いや、式挙げてねーよ。
もちろんつっこみ届かない。

「はいチーーッス!チーッス!!」
「じゃ、はやて」
「いや、『じゃ』やないやろ」
冷たい言葉に屈する事もなく、ヴェロッサははやてに視線を合わせる。
93Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:11:29 ID:EGU9pJul
「ほんとに嫌なら、嫌って言っていいよ?結婚も、キスも。はやてが嫌ならしないから」
少し困った顔で笑う。ずるいと思った。
「そんなん……うー、あほぉ……」
結局、はやてに勝てる見込みなんてなくて。
言葉にするのも悔しいから、まぶたを下ろして答えの代わりにした。

かさついた唇が、はやてのそれと重なる。
すぐに重ねるだけでは足りなくなったのか、別のざらついた感触が滑っていく。
ざらついたそれで少女の唇をなぞり、僅かに開いた隙間を探し出し、潜っていく。
「んっ」
中に入り込むと、まず歯列に舌を走らせ、追い詰めた上で少女の舌を捕まえた。
くちゅくちゅと絡め、舐める。それを飽きることなく繰り返す。
「はっ……っはぁ、んう……んんっ!」
しっかりたっぷり口内を楽しんで、ようやく少女を解放した。

「わぁ、大盛り上がりでしたねっ」
「そうだね。まあ、まだ小手調べだけどねー」
そう言いながら、ヴェロッサははやてを抱き上げた。
「ふ、ふえぇっ!なな、なんやの!?」
「ありゃ、どうしたんですか?」
「いやー、せっかくだからこのまま初めての共同作業でもしようかなって思ってね」
「わ、ケーキにゅーとーですかー?」
「まあ切るっていうよりは破くんだけどねぇ」
「ちょ、ま」
「それじゃあグッナイ、小さなレディ」
「はあーい、お二人ともハバナイスデーですよー」

翌日、はやては体調不良で休んだらしい。
94Have a nice day!:2008/10/08(水) 23:13:40 ID:EGU9pJul
なんで肝心なところ書かないの?バカなの?
技量のなさ……かな!えろんえろんでいやーんあはーんも書きたいんだけどねぇ。
書き逃げごめーんね
95名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:16:11 ID:ZSpeor3o
GJ!
はやて久しぶりかな?
もっとはやてが見たい。
さらなるはやてを望むか。
よろしい、ならばはやてだ。


>>88
いつもご苦労様です。そして感謝。
96名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:16:41 ID:OEHdH9Vq
時にリィンや、ケーキ1ホールでロッサに買収されたと見ましたが?
97名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:31:24 ID:EGU9pJul
>>96
しっつれいしちゃいますね!
リインははやてちゃんの幸せを一番に願ってるんですよ?

って、あー!ヴィータちゃん苺ショートはリインのですぅー!
そっちのチーズケーキならいいですよ!
あ、シグナムぅ、そのアップルパイ後で食べますから取っといてくださぁい☆

アコースはヤればできるこなので1ホールなんてけちくさいまねしないお!
98名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:33:03 ID:gUc8lhYJ
>>82
GJ!!くそっ、何という戦闘描写。
それにヴァイス兄貴といいゼストの旦那といい、ツツリ氏は俺を渋殺する気か!?

>>88
本当にご苦労様です。

>>94
GJでした。最近カップリングはおろか、はやてやロッサを全く見てなかった気がする。
いいわ〜〜

職人の皆さん、ありきたりすぎるけど、エリオ×キャロのSSが読みたいです。
99名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:38:11 ID:ZSpeor3o
関係ないけど、最近各キャラスレで「エロパロスレに行け」と言われてる妄想が多い。
いい共存してるなぁ、このジャンル。

(エロパロスレを敵視するジャンルも少なくないと言うのに…)
100名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:48:54 ID:EGU9pJul
ここがわりとゆるいから、ってのもあるかも。
エロなしだとだめ、ってスレも少なくない(てかそっちが主流だわな)
101名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:02:34 ID:IqIQ9HC9
しかし見事にユーノSSが少なくなっちゃってるな。
書いちゃいかん訳じゃないんだから、是非とも往年の輝きを取り戻して欲しいね。
102名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:04:05 ID:RETlMtyx
荒れるから書けん
103名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:14:21 ID:RQYxq81I
>>101
キャラ多いんだから一人一人の出番が減るのは必定
104名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:23:43 ID:z05Po0yK
>>101
往年の輝きというならむしろクロノの方をだな(ry

まあここじゃもともと少なかったけど
105名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:27:08 ID:SOf0GIuZ
>>101
キャラスレにでも行けよ、としか言い様がない
106名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:28:44 ID:5tjuizJO
ユーノはアンチが多いから
エロじゃなければユーノスレの方が許容度高いし
それにどのキャラで書くかは職人さんの好みだしな

ところではやてが触手を召喚してスカリエッティを凌辱するという電波を飛ばしたのはどこのどいつだ?
107名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:38:05 ID:XMwHuVQv
個人的に、ユーノだとエロが書きにくいんだよなぁ。
かといって非エロで書こうにも中々良い塩梅なネタが思い浮かばないorz
脇役としては使い勝手が良いんだけど。
108名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:04:25 ID:z05Po0yK
”らしさ”を捨ててかかれば書けると思う
ユーノスレになるけど
109名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:06:20 ID:i8qYL7gh
エリオの最近全然出番がなくて寂しい…
何故か最近ヴァイスやゲンヤパパンが人気という謎なブームが起きてるからな
まあ以前まで出番少なかったら、その分の活躍を取り戻すという感じでいいと思うが
ユーノもまだリリカルふぇいとで活躍できててまだいいと思う…

俺も久しぶりにエリキャロが見たいです…
110名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:21:10 ID:1V85TI+f
そういうの言い出すのはやめなっていうのが、上で書かれてるんだからやめようね>>109
不満があるなら、自分で書くがよろし。
111名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:29:17 ID:i8qYL7gh
>>110
うむ…配慮の足りない発言すまんかった
文才のない身では待つしかできんもんでついな…
以後気をつける
112名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:50:58 ID:UruCBcGy
>>89
遅かれながら乙っす。
甘甘でほのぼのとしたはやてロッサも中々良いものですね。

これ言ってはいけないしファンには申し訳ないが、ロッサは空気気味というかそもそもstsにロッサ自体を出す必要が
ロッサあたりのポジと出番なら他キャラ使って代替出来る気も・・・
な出番の割にはクロノと親友だったり、はやてがロッサと呼べる仲だったり妙に旧来キャラと親密度が高い設定だから
案外、拡張性はあるキャラなのかもしれんね。

どうでも良いが、アコースっつーと自分はどっちかっつうとアッーなイメージ強くてこまる。
113名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 01:59:31 ID:ySMoBROM
>>○○あたりのポジと出番なら他キャラ使って代替出来る気も・・・

グリフィスのことかーーーーーーーーっ!!
114名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 02:04:46 ID:772ZGUTO
グリフィスってはやてよりも年若いのに優秀だよな
115名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 02:25:45 ID:XMwHuVQv
>>114
将来有望な準陸尉だしな。
ちなみに、六課の風紀委員でもあったらしい。
怒鳴ったりするイメージはないから、どっちかというとやんわりとフォローして回るお兄さんポジションか。
つまり・・・・・・

軽くて軟派だが頼れる兄貴:ヴァイス
真面目で気が利くお兄ちゃん:グリフィス
背中で全てを語る雄叫び担当:ザフィーラ


押さえるところはしっかり押さえていたんだな。キャラがちっとも被っていない。
116 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:16:03 ID:dQiV+IFC
『召喚少女リリカルキャロ』番外編、投下します。
今回、エリオとキャロにルーテシアの関係が変わっていきます。
ちなみに珍しくエロが書けました。

『エリオが見た地獄』
117 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:17:13 ID:dQiV+IFC
温泉。
温かいお湯に体をつける至福の時。
この時ばかりは疲れも忘れて体を温める。
誰が考え出したのかは知らないが、素晴らしいものだ。
さらに目の前に広がるこの広大な景色が心を癒してくれる。
エリオは湯船の中で考えた。
(これが一人だったらなんだけど…ね)
ちらりと気付かれぬよう隣に目をやる。
同じく肩までお湯につかり、ほけ〜としている少女が一人。
彼女はキャロ、紛れもなくエリオの彼女である。
彼はルーテシアとの許嫁の約束を破棄し、絶賛キャロと健全なお付き合い中である。
そう、健全な。
しかし、エリオは悶々としている。
(なんで混浴なんだ!?)
現在、浴場にはエリオとキャロしかいない。
そして彼らを隔てるのは体に巻かれたタオル一枚のみ。
正直、エリオは気が気ではなかった。
少しでも気を緩めてしまえばストラーダがセットアップしてたちまちキャロにスピーアアングリフをしてしまいそうなのだ。
エリオは下半身に血を送るまいと必死で意識を集中する。
しかし、エリオも男の子。
ストラーダは上がったり下がったりを繰り返して落ち着いてくれない。
(くっ……鎮まれっ…僕のストラーダッ…!!)
無論、キャロには気付かれぬようにうまくガードはしてあるし、顔だっていつもの爽やかスマイル。
とにかくキャロが先に上がってくれるのを待つしかないのだ。
エリオは長湯を覚悟する。
これはエリオとキャロの我慢合戦なのだ。
先に動いた方の負け。
(それでも僕は我慢しなくちゃいけないんだっ!!)
エリオの心に堅い決意という名の鎖が巻かれた。
しかし、そんな決意は長くは持つはずもない。
この天然娘の前ではたこいと程でしかないのだ。
『エリオ君?』
『はわっ!ななななに?キャロ』
不意に声を掛けられて慌ててしまう。
しかし、すぐに冷静さを取り戻してキャロの方を向く。
これがいけなかった。
(タオル巻いてナイィィィィッ!!)
なんとキャロは事前に聞いていた、『湯船にタオルをつけてはいけない』というルールを律義に守っていた。
水面から見える小さなキャロの胸にストラーダが反応する。
『はぅあっ!!』
『エ、エリオ君!?』
のぼせていた事も影響し、盛大に鼻血を噴出すエリオ。
たちまちお湯が真っ赤に染まっていく。
118 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:18:40 ID:dQiV+IFC
そんなエリオを心配してキャロがエリオに近付いていく。
(こないでぇぇぇぇっ!!)
と口に出せるはずもなくエリオは必死で湯船から這い出る。
鼻血を噴出したおかげでストラーダはすっかり待機状態に戻り、エリオは急いでタオルを腰に巻く。
『大丈夫?』
『う、うん…大丈…ぶぅぅぅぅぅぅっ!!』
無論大丈夫ではない。
前述の通りキャロはタオルを巻いていない。
そしてエリオを心配して一緒に湯船から上がっている。
エリオの目の前にはキャロの幼き一本筋がくっきりと見えている。
これで再び鼻血を噴出して気絶すればよかったのだが、作者の都合で血は全てエリオのストラーダへ供給され、フォルムドライで臨戦態勢に入っていた。
タオルを押し上げてビクビクと痙攣するストラーダにキャロがついに気付く。
『あ…エリオ……君』
『ち、違うんだキャロ!!僕はそんな……』
キャロの視線に慌ててストラーダを手で隠す。
しかし、とても10歳とは思えぬそのサイズを隠しきれるはずもなく、手の間からひょっこりと顔を出している。
『その…保健で習ったよ?…男の人はみんなそうなるって…』
『う…うん……そうなんだ……』
キャロはエリオをフォローしているつもりではある。
しかし目はストラーダに釘付けである。
正直、興味はつきない。
『えっと…私、エリオ君の……見たいな?』
『えぇぇぇぇぇぇっ!!!』
突然の申し出に思い切り叫んでしまうエリオ。
しかしキャロの視線はまだストラーダ。
慌ててエリオは背を向ける。
『だだだだめだよ!!僕達まだ子供なんだし……』
『でもユーノ先生と事務のなのはさんは私達くらいの時にはやってたって…』
(あの二人なに教えてるのぉぉぉぉ!!)
心の中で勤務中でもいちゃつく二人を恨む。
キャロはペタペタとエリオの背後に接近、そしてエリオの背中にぺたりと体をくっつけた。
これにはエリオもたまらず叫んでしま…わずに肩を震えさせる。
キャロの小さな双丘が背中に柔らかな感触をもたらす。
『キキキキャロ!?』
『お願い……エリオ君の見たいの………私のも見せてあげるから』
『!?』
キャロの発言に心が揺れ動く。
119 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:19:38 ID:dQiV+IFC
エリオだってすぐに目をそらしたものの、キャロの体には興味がある。
やはりエリオも思春期の男の子なのだ。
ごくりと生唾を飲み込む。
(え……じゃぁ、僕のを見せればキャロの体を……いやいやいや、僕達はまだ子供なんだ!!そんなこと…)
一瞬不埒な事を考えたがすぐに振り払う。
しかし、エリオの頭には一瞬見えたキャロの一本筋が焼きついていた。
(キャロの……キャロの…キャロ……の)
現在、エリオの頭の中では理性と本能が互角の戦いを繰り広げている。
しかしエリオの理性は強く、本能を徐々に押していった。
(やっぱりダメだ!ちゃんと言わなきゃ…)
『キャロ……やっぱり』
そこまで言った時だった。
『私……エリオ君になら…何されてもいいよ……』
『ストラーダァァァァァッ!!』
本能の思わぬ増援に理性の兵はたちまち倒されていった。
タオルをキャストオフ、すぐさまフォルムドライでキャロにスピーアアングリフで突撃する。
『エリオ君!!』
『キャロ!キャロォォォォッ!!』
凄まじい勢いでキャロを組み敷き、覆いかぶさる。
キャロの一本筋を無理矢理押し広げて勢いよく進入するストラーダ。
初めて感じる激痛に耐えながらキャロはエリオのストラーダを受け入れる。
血が出ようとお構いなしのエリオは激しく腰を打ち付ける。
『キャロ!!キャロ!!』
『エリオ君!!好き、大好きっ!!』
快楽の波に飲まれ夢中で交わる二人。
エリオもキャロも底なしと言わんばかりに抜かずの絶頂を迎え続けた。
『キャロ!!イクよっ!!』
『来てっ!!エリオ君の全部ちょうだいっ!!』
エリオの腰がソニックムーブ真っ青の加速を見せる。
そしてキャロも自ら腰をブーストアップし、ついに最高潮に達する。
『貫けぇぇぇぇぇっ!!』
『あぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
とどめの紫電一閃を派手にぶちまけ、二人は果てた。

『僕は……僕は…』
部屋の隅で体育座りのまま陰鬱オーラを撒き散らすエリオ。
彼はとてつもない罪悪感に襲われていた。
理性を失い、ストラーダフォルムドライでスピーアアングリフ、さらにキャロの中で紫電一閃連射。
我に返った時には時すでに遅し。
自身の放出した白濁した液体と純潔の証を失った赤い血がキャロを包んでいた。
120 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:20:52 ID:dQiV+IFC
慌てて体を洗い流してすぐさま部屋に担ぎ込んだ。
現在は疲れ果てて静かに寝息をたてている。
(勢いとはいえ……あんな事をしてしまうなんて…)
頭にフラッシュバックされるのはただ横たわるキャロの姿のみ。
情事の内容など夢中で覚えていなかった。
エリオは覚悟を決めた。
キャロを傷つけてしまったのだ、タダで済むわけはない。
最低でも別れがやって来るだろう。
学院にもいられない。
二人の関係を認めてくれたルーテシアに会わせる顔もない。
(……死のう)
自殺衝動にかられ、ストラーダに手を伸ばす。
守るべき者を守れずしてなにが騎士か。
エリオはストラーダを起動し、喉元へその刃を向ける。
『ごめん、キャロ』
『ううん……エリオ君は悪くない』
不意に後ろから抱き付かれる。
キャロがエリオの手をそっと握り、ストラーダをおろす。
『だから…こんなことしないで…』
キャロの優しい言葉にエリオは震えた。
『だけど…僕は君を』
『いいの……私、エリオ君が初めてでうれしかったよ』
キャロは泣いていた。
無理矢理された事を怒ってはおらず、むしろ罪悪感を抱いていた。
『私があんなこと言わなければ……エリオ君があんなことしなかったんだよね?』
全ては自分に原因がある。
キャロはその事でエリオが苦しんでいるのをわかっていた。
エリオはキャロの方を向く。
『それでも僕は……』
キャロを傷つけた。
そう言おうとしたが、言えなかった。
キャロの唇の感触が伝わる。
『私、エリオ君の事大好きだよ……だから…』
『キャロ…』
キャロがゆっくりと着ていた浴衣を脱ぐ。
一糸纏わぬ姿となりエリオに抱き付く。
『今度は…ちゃんとしよ?』
『キャロ……』
そのまま倒れ込み愛しそうに互いに唇を重ねる。
ゆっくりと舌を絡ませて貪る。
エリオはそのままキャロの秘部に指を這わせる。
『ん……』
『キャロ……今度はちゃんと愛するから…』
ゆっくりと指を差し入れていく。
すでに溢れんばかりの愛液で濡れている。
『エリオ君……いいよ』
寝そべったキャロが足を開いてエリオを誘う。
すでにエリオのストラーダはキャロをロックオンしている。
『キャロ、いくよ!』
『来て、エリオ君!』
そしてキャロの幼い秘部をストラーダが貫く。
121 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:22:09 ID:dQiV+IFC

『私に感謝してほしいものね…』
隣室でガリューとトランプを広げて溜め息をつくルーテシア。
実はこの温泉、アルピーノカンパニーが新たにオープンするリゾート施設なのである。
そのオープン前のモニターにルーテシアは二人を招待したのだ。
無論、あの浴場にはルーテシアもコッソリ紛れ込んでいたために、エリオとキャロの強姦紛いの情事も全て知っていた。
さらに今、隣室ではエリオとキャロが、
『エリオ君のストラーダすごいよぉ!!』
とか
『あぁ!!キャロ、今度は紫電一閃イクよっ!!』
とか言ってるもんだから悶々として気が気ではない。
次第にこめかみがひくつくのを見てガリューは少し距離を取る。
ゆっくりとルーテシアが立ち上がり部屋を出ようとする。
行き先は隣の部屋だ。
『…離してガリュー』
流石にまずいとガリューが必死で止めるがお構いなしのルーテシア。
ガリューを引きずりながら二人が励んでいる部屋の扉に手を掛ける。
そして、扉を開けてしまった。
『エリオ君ーっ!!』
『キャロォォォォッ!!』
いきなり飛び込んできたのはエリオがキャロに覆いかぶさって必死に腰を振っている光景だった。
ちょうどのタイミングで絶頂した二人は息を荒げて倒れている。
『エリオ……キャロ…』
『っ!?』
声を掛けられルーテシアの方を向く二人。
慌てて浴衣を羽織るもルーテシアの目は冷ややかだった。
『二人とも……』
『い、いや…これは、その』
『……ずるい、私も交ぜて』
『はぃぃぃぃっ!?』
正直ルーテシアは我慢出来なかった。
元許嫁が隣の部屋でストラーダをキャロに突き刺しているのを想像してもう股間はグショグショ。
自分の着ていた浴衣を脱ぎ捨て二人に歩み寄る。
『ちょちょ…待ってよ!!』
『私だって…エリオの事……まだ』
『ルーちゃん…』
まだ諦めきれていない。
キャロはルーテシアの寂しげな(実際は発情した)瞳を見て全てを察した。
『ルーちゃんも好きなんだよね』
『うん……』
『待ってよ、話が全然見えないんだけど』
ただならぬ雰囲気にエリオは二人をなだめる。
このままでは二人がエリオを巡る争いに発展しかねない。
しかし、実際はエリオの予想を裏切る結末を迎える。
『それじゃ、一緒にしよっ!!』
『なに言ってるのぉぉぉぉ!!』
122 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:24:12 ID:dQiV+IFC
あろうことかキャロはルーテシアも交えて続きをすると言い出した。
これにはエリオとルーテシアも驚く。
キャロは目を輝かせながら話を進める。
『やっぱり私だけが愛してもらうのは不公平だよ!!だから一緒にエリオ君に愛してもらおっ!!』
『キャロ……』
エリオとの愛もルーテシアとの友情も捨てる事が出来ないキャロは二人で一緒にエリオと付き合う事を進言した。
ルーテシアはキャロの手をとり涙を流す。
『ありがとう……キャロ』
『私、エリオ君もルーちゃんも大好きだよっ!!』
『私も二人が好き…』
『あの…僕に選択肢はないんですか?』
女同士の友情を確かめる二人に取り残されたエリオは頭を抱えてしまう。
『それじゃあ早速……エリオ君!!』
『エリオ……』
発情した雌二人がエリオに迫る。
目が本気だ。
エリオはずざざざと後に退く。
しかし壁にぶつかり追い詰められてしまう。
『だめだよ逃げたら』
『いや待ってよいきなり言われても僕はちょそこ違うお尻アッーーーー!!!』
この日、キャロとルーテシアは友情を深めた。
この日、エリオは大切な何かを失った。
『エリオ……すごかった(つやつや)』
『エリオ君激しすぎるよぉ(つやつや)』
『………僕に幸せは来るのでしょうか(げっそり)』
123 ◆K17zrcUAbw :2008/10/09(木) 05:26:25 ID:dQiV+IFC
これで投下終了です。
一応ないすぼーとは避けてみました。
今思い返すと三人とも10歳なんですよね。


エロが少ないのは作者のスキルが足りないから。
124名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 07:25:05 ID:c/jz4Hrk
>>123
エロ度が足りない・・・?嘘付け、十分エロかったぜGJ!

エロオめ・・・キャロルーと3Pかyo!!
125名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 08:56:00 ID:5a8a7KVE
>>123
実にナイスエリオ!
リリカルキャロではルーちゃんにも幸せになって欲しかったんだ。
これでキャロルーとも妊娠して、どう責任とればいいかエリオは悩むのですね。わかります。
126名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 08:58:28 ID:D9Qoy+hP
>>123
GJだ!
ただいつも思うんだけど、会話文を表すかっこは「」にしたらどうだい? 全部念話でしゃべっているように読めちまうよw
127名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 09:56:59 ID:fOV6boKr
GJだけど、エリオとキャロは10歳、ルーテシアは1つ下の9歳なんだぜ
128B・A:2008/10/09(木) 14:37:03 ID:eJWK608h
推敲が終わったら投下します。
129B・A:2008/10/09(木) 14:51:18 ID:eJWK608h
ぼちぼちいきます。

ユーノに対する苦手意識を克服したい。
リインフォースTを苛めたい。
久しぶりにハードな絡みを書きたい。

と思惑が絡まって以下のような形になりました。



注意事項
・ユーノ×リインフォース
・エロです、ハードです
・スカ描写があるので、お食事中の方はスルー推奨で
・リインフォースが防衛プログラムを治療するためにユーノのもとで特別な治療を受けます
・タイトルは「祝福の風、治療中」
130B・A:2008/10/09(木) 14:51:50 ID:eJWK608h
ぼちぼち投下します。

ユーノに対する苦手意識を克服したい。
リインフォースTを苛めたい。
久しぶりにハードな絡みを書きたい。

と思惑が絡まって以下のような形になりました。



注意事項
・ユーノ×リインフォース
・エロです、ハードです
・スカ描写があるので、お食事中の方はスルー推奨で
・リインフォースが防衛プログラムを治療するためにユーノのもとで特別な治療を受けます
・タイトルは「祝福の風、治療中」
131祝福の風、治療中@:2008/10/09(木) 14:52:44 ID:eJWK608h
寝室の扉が控えめにノックされる。ユーノが「入って良いよ」と言うと、ゆっくりと扉が開いて銀髪の女性が室内に入ってきた。

「準備できました」

裸にバスタオル一枚のリインフォースが、頬を染めながら言った。シャワーを浴びてほんのりと桜色になった肢体からは
痺れるような女の色香が滲み出ており、離れていても芳しい雌の匂いが鼻孔をくすぐった。

「それじゃ、治療を始めるから、いつものように四つん這いになって」

「・・・・はい」

ユーノの言葉に恥ずかしげに頷き、リインフォースは自らの肢体を隠していたバスタオルを脱ぎ捨て、
ベッドの上で四つん這いの姿勢を取る。豊満なバストが重力に引かれて風船のように揺れ、ユーノは思わず生唾を飲み込んだ。

「綺麗だよ、リインフォース」

「よしてください、これは治療なんですから」

「そうだね。君の中の悪いプログラムを治すための治療なんだ」

ユーノは苦笑いを浮かべ、突き上げられた形の良い臀部を手の平で撫で回した。
たっぷりと脂肪のついたヒップはまるでマシュマロのように柔らかく、指先に力を込めると瑞々しい素肌が吸いついて放さなかった。

「あん・・・あぁ・・」

ユーノの指が菊門に触れると、リインフォースの口から艶めかしい声が漏れた。その反応にユーノは唇の端を釣り上げると、
括約筋の具合を確かめるように指先を菊門に押し込み、ゆっくりと埋没させていく。

「ううぁぁ・・・・んあぁ・・・・」

「あれ? 声が何だか変だよ?」

「す、すみませ・・・んぁ・・・うぁぁ・・・・・」

リインフォースは必死で声を出すまいと口をつむぐが、込み上げてくる快感を押さえることはできず、
腸壁を擦られる度にみっともなく身を捩ってしまう。
132祝福の風、治療中A:2008/10/09(木) 14:53:26 ID:eJWK608h
「感じやすいね。言いつけ通り、自分でも弄っている?」

「は、はい・・・言われた通り、毎日弄ってます」

「良い娘だ。肛門が解れている方が治療しやすいからね」

括約筋が十分に解れたのを確認すると、ユーノは傍らに置いておいた特大の浣腸器を手に取った。
中身が剥き出しのガラスの中には、無色透明な液体がたぷたぷと揺れている。

「いつものように、500CCからいくよ」

嗜虐的なユーノの声音に、リインフォースは思わず身を震わせる。
刹那、冷たいガラスの先端が窄まった菊門を押し広げ、ねっとりとした直腸粘膜を擦り上げていく。
反射的にリインフォースの体は異物を排出せんと悶えるが、浣腸器はユーノの手でどんどん深くまで埋没していくので、
逆に咥え込もうとしているかのように見る者を錯覚させる。

「かはぁっ・・・・・ああぁ・・・・ああっ・・・・・・」

「すぐに済むから、我慢してね」

言って、ユーノは無情にもシリンダーを押し始める。途端に、直腸の粘膜を逆流する感覚がリインフォースの背筋を駆け抜け、
どろりとした薬液が狭い腸の中を満たしていく。無理やり腸内を洗浄されるという感覚に、彼女はまるで自分が屠殺場の食肉牛にでも
なったかのような錯覚を覚えた。更に、ユーノは同じペースでシリンダーを押さずにその時々で注入のペースを落としたり、
ビュッ、ビュッと断続的に注入したりするなど、緩急をつけて浣腸してくるので、その度にリインフォースは腹の底から
搾り出すようなか細い悲鳴を上げて首を振った。

「ううッ、くッ・・・・・うぐッ、んぬうぅ・・・・・・」

「ほら、全部入ったよ」

スポンッと浣腸器が抜かれると、腸に注がれた薬液が出口を求めて逆流を開始する。慌ててリインフォースは下腹に力を込め、
括約筋を締め上げて浣腸液の逆流を防いだ。

「そうそう。限界まで我慢すれば、それだけ悪いものが体の外に出ていくからね」

「は、はい・・・・・・」

苦しそうに呻くリインフォースの下腹はぽっこりと膨らんでおり、腸の中では出口を塞がれたことで薬液がぐるぐると渦を巻いて
便意を刺激してくる。それが自分の中の汚いものを根こそぎ洗い落としているのかと思うと、何だか自分まで汚れてしまっているかの
ように思えてくる。
133祝福の風、治療中B:2008/10/09(木) 14:54:10 ID:eJWK608h
「はあぁ・・・・ああ・・・あうううあうあ・・・んぬんうぬうううううう・・・・・・・」

時計の秒針が動く音が酷くうるさく感じられるくらい、神経が張り詰めていた。気を抜くと括約筋から力が抜けて薬液が
漏れ出そうになり、慌てて閉め直すという行為を繰り返して自らを苛めることを継続させる。
これは治療なのだ。
治療だから、自分は耐えねばならないのだ。
どんなに浅ましい姿を晒そうと、みっともなく喘ごうと、治療だからしかたがないのだ。
そう自分に言い聞かせ、リインフォースはシーツを握り締めながら便意に抵抗する。
だが、フッと思ってしまった。
我慢するのを止めたらどうなるのかを。
今、下腹から力を抜けば、括約筋が緩んで腸内の薬液が一気に出口へと殺到する。物凄い勢いで粘膜を擦られ、
窄まった菊門をみっともなく裏返し、腸液を撒き散らしながら真っ白シーツを汚物で汚してしまうだろう。
自分は情けない喚き声を上げながら嗚咽し、鼻水と涎を垂れ流して肛虐の快感に酔い痴れる。
それはきっと、とても気持ちの良いことのはずだ。

「ああぁっ・・・・・・・・・」

気づいた時には遅かった。
ほんの一瞬の想像がきっかけとなり、双臀の谷間の底にひっそりと佇んでいる可憐な菊の蕾が一気に開ききり、
悲痛な叫び声と共に激しくも恥ずかしい音を立てて噴き出した薬液が弧を描く。

「あッ、ああッ・・・・・・いやぁッ、み、見ないでッ・・・・・・・見ないでぇぇっ!!」

泣き喚きながら首を振るが、ユーノは黄濁した放物線から目を背けることができなかった。
リインフォースのような美人の排泄から目を逸らすことなど、できるはずもなかった。

「いあやあぁっ、ああぁぁ、ち、違うんです・・・こ、これは・・・・これはぁぁっ!!!」

いったい誰に言い訳しているのかさえ定かにならず、リインフォースは全身をガクガクと痙攣させながら絶頂の階段を駆け上がっていく。
顔から火が噴き出してしまいそうなほど恥ずかしかった。自分の排泄の瞬間を、赤の他人に観察されることほど屈辱的なものはない。
しかし、リインフォースはそんな屈辱を味わうことに悦んでいる自分がいることに気づいた。異性に裸を晒し、肛門を天に掲げ、
浣腸で喘ぐ姿を見られることに、堪え様もないくらい甘美な味わいを汲み取っているのだ。

「いっぱい出したね」

「ああ・・・あああ、私・・・・私・・・・・・」

「大丈夫、ちゃんと君の悪い部分は全部外に出せているよ。さ、仕上げに移ろうか」

穏やかな口調だが、有無を言わせぬ勢いがそこにあった。
拒否することができない。
嫌だと首を振ることも、止めてと突き放つこともできるはずだ。なのに、自分は彼に弄ばれることを望んでいる。
この背徳的な治療行為を楽しんでいる。何よりも悦んでいる。
134祝福の風、治療中C:2008/10/09(木) 14:54:53 ID:eJWK608h
「ほら、この前言ったように」

「は、はい・・・・・」

細い指で白い臀部を抉じ開け、肛門をユーノの眼前に晒す。
自分でもおかしな行為だと思っていた。これからする行いに、必然性など感じられない。医療知識に欠ける彼女でも、
それくらいは察することができる。だが、そうと知りながらも、リインフォースは彼の願いを断ることはできなかった。
自分を貶めることに快感を覚えてしまったのだ。もう、後戻りすることなどできない。

「私の、卑しいケツ穴を、あなた様の逞しくてぶっといオチ○ポで突き刺してください。汚らしいケツの穴の隅々まで掻き回して、
濃厚な雄汁で夜天の書の悪いプログラムを治療してください」

聞くに堪えない卑猥な言葉を、リインフォースはユーノに促されるままに暗誦する。
意味のないこの行為に意味を見出すとするならば、それは気分の問題だ。
自分が浅ましくて卑しい雌豚であると再確認できる儀式。
この言葉を口にすれば、快楽に溺れても構わないのだと自分に言い聞かせているのだ。

「あの、早く・・・・早くお願いします・・・・・・」

「せっかちだね。ほら、もっとしっかり広げて・・・・・・・いくよ」

無意味な断りを挟み、ユーノは勃起した自身の肉棒をだらしなく口を開いたリインフォースのアヌスへと侵入させた。
腹の中を押し上げられるかのような圧迫感と、亀頭の笠で粘膜を擦られる感覚が電流のように脳天を響かせ、
感極まった女の喘ぎがリインフォースの口から漏れる。

「あああん!!」

「くううっ・・・・・さあ、好きなだけ乱れて良いよ」

ユーノが出し入れを開始すると、細かな襞の一つ一つまでが肉棒に絡みつき、ざわめきたつ。
ただ肛門を刺し貫かれただけだというのに、彼女は全身が性感帯になってしまったかのように海老反りになってよがり声を上げ、
白眼を剥いて涎を垂らしながら惜しげもない身悶えを曝していた。

「ああッ、ああんッ、いいッ・・・・・・・・いッ、いいッ、あおおおうッ・・・・・・・気持ち良い!!」

「ははっ、どうしたんだい、リインフォース。これは治療なんだよ?」

「も、もう・・・・どうでも良い! これ、これだけあれば良いんです。ぶっといチ○ポでケツ穴を抉って貰えれば、
浣腸して貰えるならそれで構いません!!」

狂ってしまったかのようにリインフォースは喚き散らし、背筋をガクガクと仰け反らせながらユーノの肉棒を締め上げた。
彼女の意識は怒濤のように襲いかかる官能の大波に呑み込まれ、光に包まれたその波間をふわふわと漂うだけであった。
135祝福の風、治療中D:2008/10/09(木) 14:55:36 ID:eJWK608h
「あ・・うふあぁっ!! ケ、ケツ穴が良いのぉっ! もっと、もっとケツではめはめしてください!! 
私の日焼けした古書ケツマ○コを、あなたのチ○ポで滅茶苦茶にしてぇ、してくだ・・さいぃぃっ!!」

「この好き者の古本娘め、そんなにケツが好きならたっぷり苛めてあげるよ!」

「はいぃっ!! う、嬉しいですぅっ!! ああッ、あおおおッ、ひッ、いいッ!!」

掘削機のようにユーノの肉棒がうねうねと蠢く直腸を抉り込み、リインフォースの口から断末魔のような悲鳴が噴き零れる。
その瞬間、肉棒が更に倍ほども膨張したかのような錯覚と共に、腸壁越しに子宮の裏側を押し上げていた先端から
物凄い勢いで灼熱の溶岩が迸り、リインフォースの腸内を真っ白に染め上げた。

「うッ、あううッ、いッ、いいッ・・・・・・・いいッ、あああ・・・・・・ああああぁぁぁぁぁっ!!!!」

長身の体が伸び上がり、爪先までもを反り返らせてリインフォースは絶叫する。
その顔は涙と鼻水で醜く歪み、口の端からはみっともなく涎が垂れ流されていたが、彼女は目に見えてわかるくらい悦びに満ちた
笑顔を浮かべ、絶頂に達していた。

「ああ・・・・あはぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・・」

シーツを握り締めていた手から力が抜け、支える力を失った上半身がベッドの上に投げ出される。
繋がった状態のまま、ユーノはリインフォースの背中にもたれかかっていた。肛門を押し広げる肉棒は未だ硬度を保ったままであり、
びっちりと隙間を埋めて射精した精液が逆流することを防いでいる。一度浣腸して敏感になっているのか、
最初の薬液と比較するとほんの些細な量であるにも関わらず、再び下腹から便意が込み上げてきていた。

「気持ち良かった?」

「は、はい・・・・・・・」

「そう。ところで、これからもっと利きそうな治療に移ろうと思うんだけど、どうしたい?」

このまま治療(関係)を続けるのかと、ユーノは聞いてくる。もちろん、彼女の答えは一つだった。

「はい。気持良い治療、いっぱいしてくださいね」

休んでいた腰の動きが再開され、敏感な粘膜が擦れて声に悦が混じってしまう。
治療行為という名の淫らな時間は、まだまだ終わりそうにない。

                                                       おわり
136B・A:2008/10/09(木) 14:56:13 ID:eJWK608h
以上です。
今日は良い電波が来てくれたのか、書き出すと筆が止まらなかった。
137名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 17:20:55 ID:5tjuizJO
真昼間からなんというものを書いてるんだアンタww
これはGJと言わざるをえない
138名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 18:16:10 ID:fF5mPT/K
電車内で俺のドリルがフルドライヴになる所だったじゃないか

GJ
139名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 20:47:52 ID:BynBlxIn
GJだ
俺の股間がミストルティンになったじゃないか

あんまり氏のSSでユーノを見ないと思ったら苦手だったんですね
140名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 20:53:56 ID:oQiLAqJv
GJ!!
思わず小生のユーノも臨戦態勢に入っちまいましたっ!
141名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:30:46 ID:GYa44YAv
ひっでえユーノもっとやらかしてください。
さて、昨日ざっとレスを流し見してたらエリキャロ足りないよ!なにやってんの!
という意見が多かったのでこそこそと作ってできたー、と思って見たらエロエロ3P……だと……ッ。
だったので少し間を置きまして、以下注意書きです。
エロスはリリカルキャロでうはうはしてね!
こちとらチッスまでだよ!
本編の後にひどいオチがついてるよ!ごめんご!
142未来予想図:2008/10/09(木) 21:31:15 ID:GYa44YAv
家族になりたいの。エリオとキャロと私。一緒に、幸せになろう?」
嬉しかった。家族なんて、もう手に入らないものだと思っていたから。

「あはは、ボクはキャロみたいな妹なら欲しいけどね」
あったかかった。その手の温もりは、兄のようで、心が安らいだ。

でも、今はそれを感じることができない。
むしろ辛い。心を抉られるようで、苦しい。
何も変わってないのに。
優しいフェイトさん。優しいエリオ君。優しい皆。
そして、優しくない私。ワガママで、身勝手な私。

未来予想図

手紙を出した。相手は一つ屋根の下で暮らす同い年の男の子。
手紙を出すのは初めてで。たった一文字書くだけで日が暮れることもあったっけ。
散々迷ったくせに、いざ出来た時には2、3行ほどしか書いていない、素っ気無い手紙。
それを彼に送った。
決別のために。
143未来予想図:2008/10/09(木) 21:32:32 ID:GYa44YAv
家からそう遠くない公園。小さなベンチに座り、想い人を待つ少女が一人。
「キャロ」
駆け寄ってきたのは、少女と年近い少年。
「エリオ君。ごめんね、こんな所に呼び出して」
「ちょっとびっくりしたけどね。手紙なんて初めてもらったし」
キャロの隣にエリオが腰掛ける。
「ん……私も初めてだったよ。手紙書いたの」

それからキャロは黙ってしまった。
エリオは自分から話しかけようか迷ったものの、呼び出された以上軽々しく口を開くこともできず、結局は黙り込んでしまう。
そうして、エリオにとっては長い時間が過ぎた後、ようやくキャロが話し始めた。

「私、すっごくワガママなの」
「えっ?」
放たれた言葉は、ひどく予想外だった。
「今、本当に幸せなはずなのに。足りないって思ってる。もっと欲しいって」
膝の上に置かれた手が、きつく握り締められた。眉間にもしわが寄っている。
「ワガママだなんて、そんなことないと思うよ?」
「そうかな」
「うん。僕もフェイトさんも、むしろもっと甘えて欲しいって思ってるくらいだし」
これはエリオの本心だった。
健気で自己犠牲的なキャロは、同僚はもちろん、家族である自分達にも弱さを中々見せてくれないから。

「でも、きっとフェイトさんを悲しませるよ。エリオ君も、困ると思う」
そこで言葉を切って、少女は少年の方に向き直る。泣きそうな顔をしていた。

「私、エリオ君と家族になれません。なりたく、ないの」
144未来予想図:2008/10/09(木) 21:34:09 ID:GYa44YAv
がつん、と頭を思いっきり殴られたような感覚に襲われる。
言葉にならないエリオに対し、キャロはなおも言葉を重ねる。

「なんでかなぁ?お兄ちゃんみたいで、嬉しかったんだよ?ほんとだよ」
そう言いながら、顔は今にも泣き出しそうなままで。
「でも、だめなの。無理なの」
……そんな顔、しないで欲しかった。
「何か変なことした?僕、直すから、だから」
「違う!違うの。エリオ君やフェイトさんが悪いんじゃないの……」
「キャロ……」
違う、と首を横に振りながらキャロは『ごめんなさい』を繰り返す。
落ち着かせようと、キャロの両肩に手を置いた。

「キャロ、キャロ。だいじょう」
ぶ、と続けることが出来なかった。どうして?
唇がふさがっていたから。
何に?それは――。

「ごめんね。きもち、わるいよね?家族なのに、こんなの……」
エリオから離れ、キャロはまた謝罪の言葉を口にした。
「そんなこと」
エリオの言葉を遮って、キャロはかぶりを振った。
「いいの。もう、いいの。本当に、ごめんね?もう、終わりにするから」
「終わり、って」
「ちゃんと、全部捨てるから。だから、来てもらったの。今日で全部、おしまいなの」
ワガママでごめんね、と無理やり作った笑顔を貼り付けて少女は告げた。

だけど。
「……やだ」
「え?」
「何で、何でそんな勝手に一人で決めてるんだよ。僕の気持ちなんておかまいなしかい?」
「だから、もう迷惑かけないから」
驚きと困惑に染まりながらもキャロが弁明する。見当違いの、だったが。
145未来予想図:2008/10/09(木) 21:35:01 ID:GYa44YAv
「そうじゃないよ」
肩にまた手を置いて、今度は抱き寄せた。
あっさりと胸の中に収まった少女を抱きしめて、自分の想いを口にする。
「……嬉しかったんだ」
そう、ただ嬉しかった。彼女の気持ちが。
「気持ち悪くなんてない。本当に嬉しかった」
否定して欲しくなかった。自分も、同じ気持ちだから。
「だから、終わりになんてしないで欲しい。ずっとキャロと一緒にいたい」
「エリオ君……それ、って」
今度はエリオがキャロの言葉を遮る。重なり合う二人に、もう言葉はなかった。

またしばらく沈黙が続いた。先程と違い、優しい穏やかな時間だったけれど。

「あのね、ほんとにいいの?」
おずおずとキャロが呟いた。
「何が?」
「わ、私これでもやきもちやきだよ?怒っちゃうよ?子どもっぽいし……」
「そう?」
「そ、そうだよ!む、胸だって全然ちっちゃいし、お料理も出来ないし」
「そっか」
「う、うん……」
自分で言って自分で沈むキャロ。ああ、こういうところも。
「でもね」
「え?」
「どんなキャロでも、きっとかわいいと思うよ。それで、絶対僕は好きになってたよ?」
より強く抱きしめて。本音を漏らせば少女は耳まで真っ赤にして。
「あう……」
ごまかすように少年の胸に顔を埋めた。
146未来予想図・ひどいオチ的後日談:2008/10/09(木) 21:36:34 ID:GYa44YAv
「こんな感じでどうかな、新刊!」
「あらあらフェイトちゃんったら、それなんて少女マンガ?」
「いいじゃない少女マンガ!りぼんは私のバイブルだもーん」
「にしても、家族をネタにするとはやりますなぁ。さっすがフェイトさん」
「えー、そういう二人こそ冬の新刊はぁ?」
「クロユーザフィ3P21禁」
「グリフィス・イズ・鬼畜眼鏡」
「人のこと言えないじゃない。てか、人のお兄ちゃん勝手にガチホモにしないでくれる?」
「え、ダメかしら?」
「お兄ちゃんは受けだもん。でも一冊下さい」
「ところで、噂のちみっこ達はどうしたんですかー?」
「ああ、なんか買い物だって出てったよ」
「まあ、ひょっとして、デート?」
「えぇ〜、ないよー。まだまだ子どもなんだから。早い早い」
「ネタにしといてそういうこと言うんだー……」

一方その頃。
「ふぇっくしょ!」
「だ、だいじょーぶ?エリオ君」
「ん、平気平気。ほら、行こう?」
「う、うん。……えへへ」
握った手のひらは今日も優しくてあったかい。
自然に笑みのこぼれる二人だった。
「あはは。えっと、じゃ、行こっか」

事実は小説よりも奇なり、かもしれない……?
147未来予想図あとがき:2008/10/09(木) 21:40:17 ID:GYa44YAv
あとがきうぜぇ人は飛ばしてね!
義兄弟にありがちなネタでサーセン。
本当はクロフェで考えてたんですが
自分の中のクロノ:最中に『おにいちゃん』呼びを強要して悦に浸る変態紳士
だったので、どう考えても後半が「よろしい、ならばベッドインだ」な展開しか!
むしろエロパロ的にはそっちのが良かったかもだけども。
それでは駄文失礼っしたー
148名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:42:19 ID:4HxSPk8M
くっそう・・・いい話だな、なんて思った俺が馬鹿でしたw

いいぞ、もっとやれ!!
149名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:59:49 ID:c/jz4Hrk
>>147
何というオチだ。感動してイイハナシダナーと読んでいた自分が馬鹿みたいだぜ。
こんなSSになんか絶対GJなんていわないからな!!
…gj
150名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 22:11:54 ID:i8qYL7gh
前スレ>>560
危うく見逃すかと思った…GJ!!
もう完全にエリオ主導権のまま、あれよあれよという内に結婚しちゃってるパターンですね。
できれば容量に余裕のある時に投下の方が安心できますぞ。

>>123
GJ!!
これはもう本編でしょうと言ってしまいたい。
モンディアル家は大財閥ですから、権力使って重婚ぐらい楽なものです。
今はちょっと辛くてもきっと二人ともいなくちゃ我慢できなくなる。
頑張れエリオ!

>>147
フェイトさんがりぼんにのるような甘い少女漫画書いてるうちに
エリキャロはもろ18禁なことをしていちゃつくようになってしまうのですね。
気づいたときにはフェイトさんおばあちゃんに…
うん、実にそうなりそう。GJ!!
151名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 23:13:24 ID:5a8a7KVE
>>147
これはイイエリキャロ!
きっとフェイトさんが書いた話よりも実際は甘いんでしょうな。
街中でデート中の二人とばったり出会った時、フェイトさんがどういうリアクションとるのか楽しみ
152名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:17:13 ID:F97o7N2I
>>147
>お兄ちゃんは受けだもん。
ここで吹いた。そうか、フェイトの中ではクロノは受けなのかw
しんみりした空気が見事に吹っ飛ばされた。GJ。


ティアナ「スバル、新刊できた?」
スバル「うん、ゲンヤ×カルタスで『絡み合う脛毛』。ティアは?」
ティアナ「ショタもので『狙撃手ヴァイス、気になるエリオを狙い撃つ』」

某所にて

ルーテシア「『レジゼス漢の直腸検査』」
153名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:25:23 ID:taN8m0aN
>>150 >>151
エリオとキャロなら「良かったね。私もおばちゃんか」と普通に祝福して終わりそうな気がする。
むしろエリオに全く別(フェイトの知らない)の彼女が出来た方が暴走して大変な気がする(私よりもその女の方が良いの!!頭冷やそっか。とか…)。


ヴィヴィオとくっついたらなのはも暴走して大騒動になると思う。
エリオとの愛を貫く為に聖王化するヴィヴィオと其を阻止する為にリミッター解除するなのは。
今あの決戦が再び…なんて
154名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:54:45 ID:ksDsfLXf
>>123
前回、ルーちゃんが冷たい風に吹かれてて、何とかエリオと寝取りでもいいからくっついてほしいと思っていたが良かった良かった。
niceboatな事態も防げたし、あとはどちらが先に妊娠するかが問題だな。
ルーちゃんだけ子供できて、キャロとの間にはできなかったとなるとヤバいことになりそう

>>147
GJ!!
なのはさん自重してくださいw

>>153
エリキャロなら、フェイトさん普通に喜んで祝福してくれそうだよな。
そして孫が産まれたら、毎日のように会いに来て好きな物買ってあげる激甘おばあちゃんになりそう。

エリヴィヴィならヴィヴィオは戦わないと思う。むしろ
「私よりも強くない男にヴィヴィオはまかせられない…来なさいエリオ!ヴィヴィオとの婚約を認めて欲しかったら、私から奪い取ってみなさい!」
みたいな感じで、エリオがすごく頑張らないといけない気が。
155名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:33:24 ID:d1N6W6FJ
なんでヴァイスって年下(と思われる設定年齢)のシグナムに「姐さん」って言ってるんだろ?
156名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:36:15 ID:F97o7N2I
>>155
何か世話になったんじゃないか?
命を助けられたとか、誤射事件のことで親身になってくれたとか。
或いは、シグナムの武人気質(俗に言う男っぽい、ボーイッシュ)な言動を見て「姐さん」のイメージができたのかも。
157名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:36:32 ID:eEvXES4m
女だてらっつーか、姉御気質に見えるからじゃないか?
仮にちゃきちゃきの江戸っ子、みたいな男キャラがいたら
年下でも「ニイさん」って呼びそうじゃないか、ヴァイスは

「姐さん」「兄さん」って呼称を年下に使うのはそんなにおかしいことじゃないしな。
まぁ、時代劇とかになると、「お若いの」って意味も含まれてきちゃうんだけど。
158名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:41:02 ID:OTBQj9AR
今となっては年下だろうけど初対面時は年上だっただろうに
159名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:44:43 ID:pG0QR1X4
まあシグナムの実年齢はアレだからいくつになっても問題ない。
160名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:46:09 ID:duyT8VVs
初対面時、こういうやりとりがあったと思われ

ヴァイス「はじめまして、ヴァイス・グランセニックです」
シグナム「はじめまして、シグナム・アネサンです」

それからヴァイスはシグナムのことをアネサンと……
161名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:55:48 ID:bGWpgEoa
そこでこんな秘話が頭をかすめた

シグナムが昔の主に仕えていた頃の話
激しい戦闘の最中シグナムは次元震の余波に巻き込まれ今から10年前のミッドチルダへ跳ばされてしまった
元の世界に帰る方法を模索するシグナムの前に一人の少年が

「くっここは一体……ん、お前は…」
「お姉ちゃん…誰?」

そう、そのその男の子こそ後のヴァイスだった
そして二人に事件が

「危ない!」
「お姉ちゃんきちゃだめだー!」
カキン、バンバン、エクスプロージョン!

(中略)

そして現代再び再開した二人は…


初対面↓


「ね、ねえさん!?…シグナムねえさんじゃ…」
「      は?…誰だお前?」

??
シグナムは首を捻った
記憶がリセットされてたり重ね書きされてたりするので過去の記憶が曖昧だったのだ
しかしヴァイスはしっかり姐さんラヴ体質になっていたと…     
162名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 23:59:29 ID:Qi+mcKm6
>>158で結論かね
っていうか本編のヴァイスとシグナムの設定年齢て何歳だっけか
案外シグナムのが本編ヴァイスよかもともと設定年齢も高かったりしないの?
163名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:05:06 ID:OTBQj9AR
>>162
シグナムが19、ヴァイスが17歳入局の8年目だから24か25
164名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:06:09 ID:Yx3+LsFW
ヴァイスの少年期にきっとなのはとスバルみたいなことがあったんだよ!

というわけでテキストエディタ起動中。
165名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:11:30 ID:XzB6uAwI
>>164
「まだまだ貴様のようなヤツに私の背中を預けさせる事はできんな」

↑の台詞を入れて文章を作ってみてください。お願いします。
166名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:46:29 ID:ckYRePZe
投下します。

【注意】
・Sに目覚めるヴィータ
・Mに目覚めるエリオ
・Bまで
167ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:47:58 ID:ckYRePZe
エリオ・モンディアルは困っていた。何故かというと、目の前で展開される光景が光景だからである。

エリオは十数分ほど前、教官である高町なのは教導官に、資料を代わりに持っていってくれないかと頼まれ、
こうして機動六課のオフィスを訪れた。だが、オフィスに入ると、何やら艶かしい声が聞こえてくる。
恐る恐る様子を窺うと、スターズ分隊副隊長ヴィータが出入り口から少し離れた位置にあるデスクに向かっているのが見えた。
もう夕暮れ時なので、オフィスには他に誰もいない。また、夜勤者は別室で待機中である。

受け取った資料はヴィータに渡すよう頼まれていたので渡りに船と思ったが、彼女の様子がおかしい。
書類仕事でもしているのかと思えば、デスクに突っ伏している。
それに、彼女はエリオがオフィスに入ってきた事にも気づいていない様子。
彼の姿は入り口手前のデスクに付属するモニターに隠れているので、
彼女の位置からは見えにくいのかもしれない。
とは言え、普通だったら彼が入ってきた気配に全く気づかないとも思えない。

エリオは「ゆりかご」での戦いの事を思い出す。
あの中で、ヴィータは1人、重傷を負ったまま無理を押して戦い続けたのだという。
もしかしたら、その後遺症がまだ残っているのではないか。そう思うも、すぐに否定した。
口元を開いてだらしなく涎を垂らす、彼女の蕩けた表情が目に入ったからだ。

「……っん。ふうぅぅ、ん。あぁ、くぅん」

くぐもった声の主はヴィータであった。よく見れば、彼女の手がスカートの中に伸ばされてもいる。
そして、彼女の太腿の間で、もぞもぞと僅かに動いているのが分かった。
その度、彼女はびくり、と肩を震わせ、甘い声を漏らす。

いつも凛々しく、訓練の時は激しく怒声を飛ばすヴィータが、今は弱々しく声を上げ、
ささやかな秘め事に没頭している。そのギャップが、エリオの中に妙な興奮を生んでいた。
気づけば股間がパンパンに腫れ上がり、痛いくらいになっていた。
168ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:48:47 ID:ckYRePZe
外見は自分達と変わらないどころか、むしろ年下にすら見えるヴィータに、
そんな情欲を抱いてしまう自分を嫌悪するエリオ。ほとぼりが冷めるまで待ってから出直そうか、
そんな考えが頭を過ぎるも、一向に彼女の痴態から目を離す事が出来なかった。

熱病をうつされたみたくエリオの体は火照り、心臓の鼓動が早まっていた。まずい、と思う。
しかも、こんな時に限ってオフィスの中には誰の姿もない。いや、誰もいないからこそのこの状況なのか。
いけないと思いつつも、熱を持った頭は正常な思考を急速に失っていった。

エリオは、積み重なった大量の資料を小脇に抱え、空いた手で股間をまさぐる。
ズボン越しに指先で軽く触れるだけで、背筋がぞくりとするほど強いくすぐったさがあった。
想像した以上の快感に思わず声が漏れそうになるが、ヴィータにばれる訳には行かないので、
何とか口元を真一文字にして我慢する。

「はあっ……あっ、んっ、ふっ、……ぅうん」

ヴィータもヴィータで盛り上がってきたのか、スカートの中の動きがどんどん大胆になってきている。
粘ついた音がエリオにまで聞こえてきそうだ。幼い体には不似合いな艶やかさと、
だが、快楽に体を委ね切れない歳相応の臆病さが同居している。
必死に声を抑えているその姿は、どこか健気ですらあった。

エリオはここが機動六課のオフィスである事も忘れ、ズボンの上からものを掴む。
ズボンの上からでもはっきり形が分かるほどいきり立っているそれを、エリオは必死に上下に動かす。
しかし、直接触れる事が出来ないので、何とももどかしい。
片手で資料を持ったままの不自然な体勢で、何とかより大きな快楽を得ようと体を捩る。
すると、資料を持つ腕がドアにぶつかった。
音を立て、さらにはばさりと床に散らばる資料。

音に気づき、上体を起こしたヴィータはそちらへ顔を向ける。彼女の位置から斜め後ろにあるデスク、
さらにそのモニターの後ろで、青ざめた顔で立ち尽くすエリオと目が合った。
プルプルと肩を震わせながら、エリオとは対照的にヴィータは顔を耳まで真っ赤にする。
そこには先ほどまでの青い果実の様に未成熟な色香はない。あるのは、底の見えない怒りだった。

「しっ、失礼しました!」

踵を返し、ドアを開けて、エリオは廊下を駆け出した。ヴィータもイスから立ち上がり、
オフィスから飛び出す。逃げるエリオに追うヴィータ。黄昏の情事は一転して、
追いかけっこに様相を変えていた。

スピードに定評のあるエリオを捕まえる事はAAA+ランク魔導師であるヴィータをして梃子摺らせるものである筈だが、
今日のヴィータは一味違った。10メートルも走らないうちにエリオはヴィータに捕まったのだ。

重心の低さを利用したヴィータの見事なタックルに足を取られ、床にへばりつくエリオ。
そして、襟首を掴まれ、ずるずるとオフィスへと引きずられていく。
その姿はまるで荷馬車に載せられ、売られていく子牛の様であった。
悲しそうな瞳だが、哀れ、見る者は誰もいない。
169ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:49:30 ID:ckYRePZe
エリオがオフィスに放り込まれ、次いでヴィータが中に入った。
今度こそとドアにロックをかけ、ヴィータは足元で震えるエリオに目を向ける。
そして、バンっ、とドアに勢い良く手をついた。
ドアとヴィータの間に挟まれるエリオは正座したまま、びくりと体を震わせた。

「見たのか?」

簡素な問いに、エリオは大量の汗をかきながら顔をぶんぶん横に振った。

「見たんだな……!」

語調にあからさまな怒りを滲ませて、今度は断定口調で言った。
エリオを見下ろすその虹彩は真っ青に染まっている。
怒りの表現がやたら記号的なヴィータだが、それだけにわかりやすく、エリオは萎縮して固まってしまう。

ふと、ヴィータはエリオの股間の辺りが盛り上がっている事に気づく。彼女はにやり、と醜悪に口元を歪めた。
子供が羽虫をいたぶる様な残酷な好奇心と、冷め切った青い眼がエリオに降り注ぐ。

「おい、何だよこれ。まさかお前、興奮してんのか?」

ヴィータはドアから手を離し、腕を組んで見下ろしたまま、
特注の小さなヒールの先をエリオの股間にグリグリ押し付ける。

「あっ、ぅう……。止めてください、ヴィータ副隊長」

震える声に、ヴィータの嗜虐心はむしろ刺激された。彼の上に立っている、
あるいは彼を下に敷いているという高揚感が堪らない。だが、足りない。まだ足りない。

「見せてみろよ」

「――え?」

ヴィータの意図するところが分からず、エリオはぽかんと彼女を見上げた。彼女はニヤニヤと哂っている。

「それ、出して見せろって言ってんだよ」

それとは言うまでもなく、先ほどヴィータが踏みつけにしたものである。

「え? ええ!? あの、いや、その――」

「何だ? あたしの言う事が聞けねえってのか?」

ヴィータはまたもエリオの股間を踏みつけた。
だが、触れるだけだった先ほどとは違い、今度は体重を乗せて踏み躙る。

「あぐっ! いっ、痛いです、ヴィータ副隊長……!」

不安定で体重が乗りきらず、ヴィータが足先で抉る度、
エリオの股間のいろいろなところに体重が移っていく。
その為、管だけでなく袋の部分まで体重がかかる。

「いいから、てめえのその汚ならしいもん見せろってんだよ!」

わかってやっているのか、そうでないのか。
ヴィータは力を緩める様子も見せず、ただエリオに痴態を強要する。

「わかりました! わかりましたから、止めてください……!」

さすがのエリオも、睾丸を踏みつけにされる痛みは耐えがたく、あっさりと白旗を揚げた。
満足げにヴィータは足をどける。
170ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:50:09 ID:ckYRePZe
エリオはズボンに手を伸ばし、おずおずとベルトを外してチャックを下ろす。
ちらりとヴィータを見上げると、ぞっとする様な青い眼が2つ、彼を見下ろしていた。
一挙手一投足を見られている緊張感から、指先はふるえ、なかなかズボンを下ろせない。
彼女を刺激しない様に、なるたけ体を縮め、首と肩だけでドアに寄りかかる様な体勢で腰を浮かせて、
なんとかズボンを下ろす。亀頭がズボンの端に引っかかった後、
びん、と弦を弾く様にエリオのペニスが外気にさらけ出された。

エリオは羞恥から顔を逸らしたまま足を広げ、いきり立ったものをヴィータへ差し出す。
彼女は一言も発する事無く、じろりとそれを見つめる。
実は初めて見るそのグロテスクな肉棒に目を奪われていた。
硬く、天を衝くその出で立ち。血管を薄く走らせ、時よりびくりを震えるそれは別の生き物の様だ。
だが、エリオと同じ肌の色の皮をかぶり、紛れもない彼の一部であるとわかる。

ヴィータはごくり、と唾を飲み込む。そして、しゃがんでそっとエリオのペニスに手を伸ばした。

「んっ……」

指先が触れた瞬間、エリオが声を漏らす。ヴィータはすぐに手を引っ込めた。

「あっ、ごめ――」

言いかけて、ヴィータは苛立った様にペニスを握り込んだ。

「はっ、恥ずかしくないのかよ、お前。だらしねえもんをこんなに腫らしやがってよ」

操縦桿の様に、グリグリと乱暴にペニスをこねくり回すヴィータ。
しかし、彼女は力を込めているつもりだったのだろうが、内心の恐れからか力が入りきっていなかった。
むしろエリオに絶妙な快楽を与えていた。しかも、彼女の白くて小さな手のすべらかな感触ときたら、
エリオが今までに感じた事のないほど柔らかかった。
騎士として一級の力を持つ彼女の手が、どうしようもないほど「女の子」であった事に彼は驚くと共に、
未成熟さと不謹慎さが綯い交ぜになった背徳的な快楽に身を震わせる。

「あっ、……んっ、だ、駄目です、ヴィータ副隊長」

乱れる呼吸のまま、何とか声を絞り出すエリオ。

「何だ、痛えのか? だったらもっとしてやるよ」

悶えているエリオの様子を苦しんでいるものと取り、哂いながらヴィータはさらに手に力を込める。
そして、今度は上下に扱き始めた。別に、彼をよがらせようという意図も知識も彼女には全くなく、
彼の反応を見ながら試行錯誤した結果、それが一番彼を苦しめられると判断しての事だった。
無論、それは完全な誤解である訳だが。

当のエリオは、下半身から押し寄せて来る暴力的なまでの快楽の波に負けまいと必死だった。
粗相をする訳にはいかないからヴィータの行動を止めようとしているのに、
彼女はむしろ言われれば言われるほど、手を変え品を変え、より強い快楽を突きつけてくる。
自分でするときとは違う、不器用で乱暴な手つきに、熱いものが先端まで出かかっていた。

ヴィータの手前、我慢しなければならないというのが、確かにエリオを苦しめていると言えば苦しめている。
なるほど、その点では彼女が、彼の表情を見誤るのは無理なかった。
171ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:51:12 ID:ckYRePZe
「も、もうでちゃいますっ、ヴィータ副隊長!」

そうして、ついに耐え切れず、浮遊するのにも似た開放感の後、びゅ、びゅる、びゅるる、
とペニスの先端から白濁した液体が飛び出した。ヴィータの手に、顔に、制服に、次々と降りかかる。
一瞬の出来事に、彼女は呆然とそれを体で受け止めてしまう。

「はっ、はあぅ、っ――はぁ……」

静まり返ったオフィスの中、エリオが荒い息を吐く音だけが響く。
しばらくして、体にかかった精液の生臭い匂いでヴィータは我に返る。その表情は再び怒りに歪んでいた。

「て、てめえ、何て事すんだよ! あたしに、お、お、お、おしっこかけるなんて!」

顔面を精液まみれにしたヴィータに襟首掴まれ、ぶんぶん振りまわされるエリオ。

「ちょ、ちが、おしっこじゃなくて――」

だが、言い訳しようとして、より言い訳なんて出来ない事をしてしまったのだと気づいて、
何も言えなくなってしまう。

ヴィータは白く染められた手をエリオの目の前に差し出した。
彼は、自分の出した物とはいえ、その生臭さに顔をしかめる。

「舐めろ」

ヴィータの命令は至ってシンプルだった。だが、いくらなんでも抵抗がある。
ぶちまけておいてなんだが、はっきり言って気持ちが悪い。エリオは逡巡するが、
自身を見据える青い目を仰ぐと、抵抗する意思を挫かれてしまうのだった。

恐る恐る、といった様子で舌をヴィータの手に近づけていく。
触れた瞬間、舌先で僅かに苦味と塩味を感じ取る。
エリオは一瞬の戸惑いの後、ごくりと飲み込んだ。

想像したほど味はきつくはなかった。ただ、独特の生臭さが味以上に受け付けない。
それに、極僅かな量だというのに、粘ついて喉に張り付き、なかなか飲み込む事が出来なかった。
何より、自分のいちもつからひり出した物であるという事が、言い様のない不快感を催した。

「うっ、おえ……げほっ、がはぅ……」

嗚咽するエリオを、ヴィータは口元を歪めながら眺めていた。
自分の教え子を犬の様に扱うのは妙な気分だった。
今のエリオは、目で急かしてやれば健気に彼女の言う事を聞く。
その姿を見ているだけで、覚えたてのオナニーなどとは比較にならないほど、
下半身が疼いてくるのをのを感じていた。
そういえば、目の前の少年のせいでさっきはいいところで中断してしまった。

「おい、まだ全然取れてねえぞ……。早く……」

「は、はい……」

エリオは言われるまま、再びヴィータの手に舌を這わせた。

「……っん。ちゅ、ふっ、……ちゅく、れぅ」

舌を滑らせ、ヴィータの手についた物を丁寧に舐め取っていく。
手の平の皺の一本一本から、指の間まで、その形をなぞる様に。
彼女は手の上を移り行く、粘ついた柔らかな感触を愉しんでいた。
ぞくりとするこそばゆさに背筋を震わせ、そこから立ち上ってくる性の匂いに心奪われる。
172ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:51:50 ID:ckYRePZe
何度もむせながらも、ようやく手についた精液を舐め終わる。エリオは、ヴィータを窺う様に見上げた。
まだ彼女の顔は白く染められたままだ。頬にも、唇にも飛び散ったものが張り付いている。
彼女は促す様に目を閉じた。

四つん這いでヴィータに寄り、エリオは彼女の頬を舐める。

「はぁ……ぅふ、ぢゅる。んぅ、……ぁは」

もう幾度舌を這わせようと、精液の味は気にならなくなっていた。そんな事が考えられなくなるくらい、
エリオの頭の中は朦朧としている。喉に精液が張り付いて息が苦しい。
何より、ヴィータから放たれる匂いが彼の意思を蕩けさせていた。

香水の様な作り物とは違う、少女が元来持つ甘い匂い。それが汗と精液の臭いに混じって、
噎せ返るほど濃密にエリオの脳髄を焼き付けている。ヴィータは彼を犬の様に扱っていると思ったが、
そうするまでもなく、だらしなく舌を出して喘ぐ今の彼は犬だった。

反対側の頬についた物も舐め上げ、そうしているうち、エリオとヴィータの体は、
互いの息の熱さを感じられるほど密着していた。オフィスの中は空調が利いているはずなのに、
体の火照りが全く取れない。朦朧としているのは彼女も同じだ。どうかしている。
近づいてくるエリオを拒む事もなく、ヴィータはただぼうっと見ていた。

やがて、2人の唇は重なった。

――あ、これファーストキスじゃねえか。何やってんだろ、あたし。

ヴィータは白熱した頭でそんな事を考える。それも、次第に快楽の波に飲まれ、消えてなくなった。

「ふぅ……くちゅ、じゅ、じゅる…っん」

僅かに感じる苦味と生臭さ。それごと舌を絡め合い、互いの粘膜を削りあう。
いやらしい音を立てながら唾液を啜り、歯の並び、頬の内側の柔らかさを確かめる様に舌を滑らせる。
息を吸う暇も、唾液を飲み込む暇もなく、2人の唇の端からどろどろに唾液が零れ、輪郭をなぞり滴っている。

ただでさえ頭がぼうっとしてどうにかなりそうなほどなのに、口を塞がれた状態では息苦しくもなってくる。
とうとう唇が離れ、繋がった証として、唾液が橋を作る。だが、すぐに重力に負け、消えていった。

すくっとヴィータが立ち上がる。それを、エリオが名残惜しそうに見上げた。

ヴィータは精液まみれになったスカートのホックを外し、はらりと床に捨てた。

「ここも汚れてる、から……」

惚けた表情でヴィータはエリオに自身を曝け出す。その言わんとするところは、
ろくに頭の回る様な状態じゃないエリオにも分かった。何せストッキング越しに白いパンティが見えている。
フリルをこれでもかと使われた、ヴィータにとっては精一杯の背伸びであったろうそれには、
薄く染みがつき、筋の形をあらわにしていた。
173ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:53:39 ID:ckYRePZe
まだストッキングとパンティという2枚の城壁がそこを守っていたが、
城門が開かれるのを待てるほどエリオは冷静でいられなかった。
餌を前に散々「待て」を命じられた犬の如くむしゃぶりつく。

「はあ、……っんぅ」

自分の股間に顔を押し付けるエリオを見下ろすヴィータは、下半身から押し寄せてくる痺れる様な快感に、
熱く息を漏らした。布切れ越しでは十分な刺激が得られないはずだが、
彼の唾液と息で熱く蒸れていくアソコからは、直接的な刺激以上の何かが込み上げて来ていた。

ふと、舌を這わせる度、呼応する様にびくりと震えるエリオのいちもつが目に入った。
ヴィータは陰鬱に哂い、そこに足を差し出し、踏みつけにした。

「あ、…ふ」

うわずった声がエリオから漏れる。気にした様子もなく、ヴィータは足の親指と人差し指でペニスをはさみ、
床に押し付ける様にしながら擦りあげる。ローションも何も用意せずとも、
亀頭の先から漏れだしている液だけで十分なほどぬるぬるになっていた。

エリオ自身から漏れた先走りで濡れるストッキングのすべらかな、
だが、どこかざらりとした感触がエリオのペニスにもどかしい刺激を与える。
それだけでなく、ヴィータの太腿に挟まれた状態だというのが、さらに彼の興奮を煽った。
さっきとは違う、焦らす様にとてもゆっくりと立ち上ってくる感覚に、
彼は彼女のアソコを舐めるのも忘れる。

「ヴィータ副隊長、またイク、イキます」

そう言うと、すぐにヴィータは足を離した。

「ど、どうして……?」

あと少しでイケたのに。不満げにヴィータを見上げるエリオ。
彼女はいそいそとストッキングとパンティを下ろしていた。

「まだ、あたしは気持ち良くなってないから……ダメ、だから……」

綺麗な一本筋を晒し、ヴィータは頬を赤く染めた。

ヴィータのアソコは、以前ヴァイス陸曹から押し付けられた無修正のそういう本に載っていたものとは違っていた。
本を見た時はそのグロテスクな色と形に気持ち悪さすら覚えたというのに、
彼女のそれは毛の一本すら生えていない綺麗な一本筋だ。
汗と愛液に濡れ、てらてらと光っている姿は、誘蛾灯の様に彼を惹き付けてやまない。
174ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:54:17 ID:ckYRePZe
どくどく鳴る心臓を抑え切れないままに、エリオは皮を被ったままのクリトリスに唇を触れさせる。

「ひぅっ!」

今までの様に抑えたものとは違ううわずった声がヴィータから漏れ、思わずエリオは離れた。

「す、すいません!」

「いい、いいから、早く……」

そう促すヴィータは、熱にうなされる様に頬を赤く染め、言外にもう我慢が出来ないと告げていた。
エリオはもう遠慮などせず、欲望のままにヴィータのそこに舌を這わせる。

「あんぅ、ぁう、はぁ……やっ、すごっ、い!」

筋をなぞる様に、エリオは舌先を滑らせる。その度、ヴィータの腰は砕けそうなほど痺れる。
そして、クリトリスにぬるりとした舌が触れると、目の前が真っ白になりそうなほど感じてしまう。
彼女は、感覚が鋭敏すぎてもう気持ちがいいのか、痛いのかすら分からない。

皮を被った状態ですらこれなのだ、もし、これを剥いたら……。エリオの脳裏に好奇心が鎌首をもたげていた。
同じ事に思い至ったのか、ヴィータもどこか恐れる様な、だが、期待する様な目で彼を見下ろしている。

エリオは、皮とクリトリスの間を舌先で叩く。

「はぁ、っん!」

それだけで、電流が走る様だった。エリオは漏れてくる嬌声も気にせず、中をほじり出すように舌を駆使する。
さすがに、小さなクリトリスの皮の中に舌は入らないが、執拗に舐め続ける事で唾液がクリと皮の間に流れ込み、
ぬるりとした感触が直接そこを刺激する。

「おぅ、あっ、はぅ、くぅん……!」

全く遠慮のない責めに体を震えさせながら、ヴィータは喘ぐ。それでもまだ序の口。
もっとすごい事になるのだと思うと、寒気にも似た感覚が背筋を撫ぜる。
なのに、早くして欲しいとも思ってしまう。断続的にやってくる快感とは裏腹に、
エリオの不器用な舌使いに苛立ち始めていた。もう、早く止めを刺して欲しかった。

「も、いいから。手、使っていいから、早く……」

言われて、別に手を使ってはいけない訳じゃなかったと、エリオは今さらながらに気づき、一旦舌を離した。

「あっ、ん…」

離れ際、ヴィータから名残惜しそうな声が漏れた。
175ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:55:14 ID:ckYRePZe
エリオは、クリトリスに手を伸ばす。

「きゃ、ふ」

指先が触れられると、ヴィータはくすぐったさで眩暈がしそうだった。
自分で触る時など比にならないほど強く感じてしまう。それこそ怖気が走るほどだが、
今は頭が大して回らないせいか、火照った体が感じる通り、彼女自身もそれを快楽として捉えていた。

舌で触れている時と違って、手で触れていると何だか壊してしまいそうな気がして、
恐る恐るエリオはそこに触れる。皮が剥けていくと、ピリッとした痛みがそこから走り、
その度、ヴィータは表情を歪める。

「いっ、……っん」

息が漏れたのを感じ取り、エリオは不安げに見上げる。

「い、痛くない、ですか?」

「ん、大丈夫……」

脊髄反射的な返答にエリオの不安はむしろ拭えなかったが、彼は手を動かす事を止めなかった。
そうっと、そうっと、慎重に皮を剥いていく。その都度、漏れる息に、びくり、と肩を震わせる。
そうして、ちょっとずつそこは姿を現していった。
外気に晒されるのは初めてなのか、皮の触れていた場所には垢が溜まっていた。

指で直接触れるのは痛そうなので、ある程度皮を剥いた辺りから、またエリオはクリトリスに舌を這わせた。
表面を撫ぜる様に動かしながら、垢を削り落としていく。舌の上には、べたりとした僅かな重みと生臭い塩味。

「ちゅ、れぅ、じゅ、……ぅふ、ふ」

垢を舐め終えるのと同じくらいの頃には、クリの皮が完全に捲れていた。
舌の上にたっぷり乗った垢を吐き捨ててしまうのも何だか面倒な気がして、
エリオはそのまま、ごくりと飲み込んだ。喉に張り付く様な飲みにくさは自分のひり出した物と同じだったが、
ヴィータのアソコに付着していたものだと思うと、食道まで匂いを染み付けられた気がしてより興奮していた。

「――っはあ、はあ、っ…はぁ……」

何だか妙に神経を使う作業が終わり、エリオは荒い息を吐いた。その息には生臭さが混じっている。
そんな彼の様子を見ている余裕はヴィータにはなかった。クリトリスが外気に晒され、
今までとは比較にならないほど感覚が鋭敏になっていた。僅かに体を捩って空を切るだけで、
痛いくらいに感じてしまう。
176ああ、教官様:2008/10/11(土) 00:55:52 ID:ckYRePZe
「エリ、オぉ……」

何も出来ず、何も考えられず、ただ名前を呼んだ。甘く響く声に、エリオはぞくぞくと震える。
もう言われなくてもわかっている。彼は、彼女を楽にする為に、
曝け出されたばかりのそこに一気に吸い付いた。

「い、ああああぁぁぁっ、ひああっぁぁあぁあああぁぁ!」

あられもない声を上げ、膝を震わせながら、ヴィータはアソコからびゅ、びゅ、びゅ、と透明な液を噴出した。
足元にいるエリオは、何もせずそれを体で受ける。
やがて、ぐったりと体の力を失った彼女は、彼にしな垂れかかった。

「す、すごぉ、い、いまぁ、いまの、すごいよぉ……」

そう言って、ヴィータは気を失った。数瞬して、じょろじょろという水音。
そして、股間の辺りが生暖かくなっていく事に気づく。彼女はお漏らしをしていた。
床は精液と愛液と小水にまみれ、しかもばら撒かれた資料にまでそれが飛び火している。

――どうしよう、これ。

ここに至って、ようやくエリオは冷静さを取り戻した。どうやって誤魔化そうとか、
上官と肉体関係になってしまった罪悪感とか、キャロごめんとか、なんか色々頭を巡った。

それから、ヴィータが目覚めるのを待ってから床を掃除した。
めっちゃくちゃになった資料は幸いにして捺印待ちのものではなかった為、惨事になる事はなかった。
ただ、ヴィータが目を通した後、なのはに戻さなければならないものだったので、
エリオと2人して徹夜で瓜二つの資料を複製する破目になった。
後に返還された資料を見て、なのはは何かを感じ取ったようだが、
結局この件について追求される事はなかった。

小便やら精液やらを引っ掛けた制服に関してはもはやどうしようもなかった。
ヴィータはともかく、管理局に入って日が浅いエリオは代えの制服など準備しているはずもない。
翌日が訓練だったので、訓練中にクリーニングに出し、時間稼ぎをするしかなかったが、
おそらく間に合わない事だろう。彼は、どう言い訳したものかと考えると憂鬱だった。

証拠隠滅の工作を終えた後、不貞腐れた様に、

「今日の事は秘密だからな。誰にも言うんじゃねえぞ」

と言ったヴィータの表情が、エリオには妙に印象的だった。

そうして向かえた翌日の訓練、前日の情事と徹夜で疲労困憊のエリオは、
とてもじゃないがまともに動く事など出来るはずもなかった。
フォワードメンバーには心配され、なのはからは叱責を受け、彼は自己嫌悪に陥る。

「――エリオ、お前は残れ。あたしの方からきっちり焼き入れてやっからよ」

訓練が終わり解散した後、ヴィータはそう言った。その目はあの時と同じく、青く染まっていた。
その目が寒気がするほど恐ろしいのに、何故かエリオは下半身が熱くなっていくのを感じていた。
177名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:59:56 ID:ckYRePZe
終わりです。
最後まで悩みましたが、
エリオきゅんにヴィータたんの初めてをくれてやる事は出来ませんでした。
178名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:28:49 ID:drdIBgK/
>>177
GJ
初めては易々とやってはいけないよね。ドSはそうでなくては。エリオは開けてはならない扉を開いたかw
179名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:32:34 ID:pDWEp0fx
GJ!!!

すげえロリエロスだ、っていうかこれで寸止めとか意地悪すぎるwww
是非とも続きをプリーズ!
180名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 02:56:00 ID:V4qexI8w
>>177
まさかの寸止めか…
GJだが、GJなのだが続きが見たい…
エリオきゅんは禁断の扉を開けてもうたな。
でもヴィータとキャロたんもSだから問題なし
181名無しさん@ピンキー
>>177
GJ!エロース!
ヴィータが高圧的ながらもおっかなびっくりしてるせいか、
内面的にはSとMが逆な感じにも見えて2重に萌えるw