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(お嬢様からお坊ちゃんへ、アリスの変身能力はついに性の壁を越えた!)
えっへん!とアリスは内股ぶりっ子ポーズを決めた。
キュロットから零れたふわふわの内ももが擦れ合い、グレープフルーツの香りが弾ける。
ぴっちぴち。ふんわふわ。おっさんの世界を切り裂いてアリスの半径50センチが甘く染まった。
「……」
エドガーは迅速だった。
トランクを持つと凄まじい早足でエレベーターホールへ。
フロント前のスタッフが荷物持ちと部屋への案内を申し出るが、軽く手で制してそのまま直進。
エレベーターに乗り込み間髪入れずにドアの閉めるボタンを連打。連打連打連打。
「わー!ちょーっと待ってってば!」閉じる寸前のドアから金色の影が転がり込んで来た。
「どうして大切なお連れ様を放置しようとするのかなぁ!」
「置き去りにしようなどとは思っていません。小娘の香害から避難しただけです」
お気に入りのフレーバーソープをけなされアリスは唇を尖らせる。
グレープフルーツの香りには美容効果があると言われてるのに。先生の無知!阿呆!
口に出したら最後恐ろしい目に合うので、黙って壁の四隅の角をツンツンいじくった。
「……それにしても、先生がエステ通いしてるなんて意外だよ。先生も美しくなりたいの?」
エドガーが無表情で「身嗜みです」と返す。
流石は潔癖症の神経質。全身きっちりケアしないと気が済まないらしい。
ツヅク