女同士の肉体の入れ替わり・憑依

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1名無しさん@ピンキー
胸の小さな女の子が胸の大きな女の子と体が入れ替わって胸の大きさを堪能したり
年老いた女が若い女と入れ替わって若い体を堪(ry
淫乱な女の幽霊がいろんな女の体に表意して堪(ry
魂の交換だけでなくて単純にスタイルがよく身長の高い女の子と幼児体系の小さな女の子がいて
ある日身長やスタイルが入れ替わったり
ムチムチの女悪魔が女の子に憑依するとその女の子がムチムチに変身する様な話も可

とまあそんな感じの話題やSSを扱うスレ
2名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 02:27:06 ID:syeln/wG
面白そう。2げt
3名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 02:29:00 ID:+rHBFTXz
支援
4名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 15:27:33 ID:IZi+OCrt
性に奔放な母親が清純優等生の娘と入れ替わって娘に内緒で処女喪失→ウリしまくりという最低な電波を(ry
5名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 16:09:24 ID:4aYX571G
>>4
いいねいいね

個人的に子供の頃セーラームーンのサターンが敵のボスに体乗っ取られてたり
ロードスのカーラとかツボだった
6名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 08:52:58 ID:x0l6Bmum
何かの拍子に妊婦と産まれたばかりの娘の精神が入れ替わってしまうってのは?

娘の真っ白且つ本能のままの精神で動き回る自分の本体を
(所構わず脱糞したり、自分でおっぱいを吸ったりとか…)
思う様に動かせない娘の身体でただ眺めるしかない母親…
7名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:05:05 ID:SAXsu6pA
8名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 07:30:15 ID:ugd2nZMU
age
9名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 21:30:08 ID:45OLetTF
薬師寺涼子の怪奇事件簿

一見普通の美女だが、大酒飲み且つカード破産しまくりで
なおかつ不祥事出しまくりで「警視庁の核弾頭」と言われる程の
史上最悪の婦警・薬師寺涼子が、「真球のキャベツ事件」などの
無理難題を押しつけられ、なおかつお偉いさんが頭抱える程の
方法で解決する痛快ポリスアクションギャグ

すなわち、「こち亀」の両さんを美女にしただけの話…
109:2008/09/18(木) 21:31:34 ID:45OLetTF
誤爆しましたorz
11名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:15:41 ID:R0xmta8f
ちょっと保守
12母⇔娘:2008/09/23(火) 20:24:32 ID:qhRoCgg6
ちょっと長いですが母⇔娘入れ替わり物投下します
かなり突っ込み所満載ですが…シチュ違い等すみませんです


「信じられないな。君が僕とのデートOKしてくれるなんて」

今日2回目の台詞を聞きながら、新堂唯は目の前ではにかむ純情そうな高校生を美味しそうな瞳で見やった。
(可愛い……確か陸上部の子だったわよね)
淫蕩な値踏みの視線をおくびにも出さず、唯はさらさらの長い黒髪を払いニコリと微笑む。
「唯って呼んでいいよ。私こそ誘ってもらえて嬉しいナ」
身を乗り出して上目遣いをしながら大きな胸をさりげなくアピールすると少年の息を飲む音が聞こえた。

この身体と顔の有効な使い方はもう覚えた。
男嫌いの本物の唯が決して見せない媚びた表情と態度、そして笑顔は男子にはたまらなく魅力的であった。
以前と違った唯に男子達はより心を奪われアプローチも積極的になっていった。
「僕…その、前に君に告白してフラレてるのに…嬉しいよ。誘って良かった」
少女は呆れたように肩をすくめたが、無論目の前の少年に対してではない。

唯の身体の中で母・菜々子は何度同じ台詞を聞き、同じ溜め息をついたか分からない。
母親が分け与えた美貌と父親から継いだ優秀な学力。
我が娘ながら高校でも相当もてて良い筈だと思うし実際にもてるようだ。
が、当人はといえば花の17歳だというのに筋金入りの男嫌い。
恋多き移り気な菜々子は一体誰に似たのだろうなどと思うが、反面教師という言葉は知らなかった。
娘の男性恐怖症を克服すべく苦心する菜々子だったが、無論唯には煩わしく迷惑でしかない。
そんなさなか二人の身に起きた精神の入れ替わりは、母にしたら天機であったし、神が自分を応援しているとしか思えなかった。
困惑する唯を何とか云い含め、菜々子は周囲に内緒で二人の生活を交換する事を決定した。

才色兼備の娘と入れ替わるのは、菜々子にとって最も輝いていた時代にタイムスリップするのにも似ている。
優秀で美しい唯はどうやら高校ではアイドル的存在らしい。
菜々子から見れば男性につれない男受けの悪そう娘だが、男子からの人気は母の想像以上に高かった。
清楚で身持ちの固いのが今時珍しく、また好ましいのかもしれない。

(…いいえ。女の幸福は男性に愛され抱かれる事よ。やっぱり結ちゃんは間違っているわ)
17歳の青春を恋も男性も知らないで過ごすなんて正気の沙汰じゃない。
何より菜々子にしてみたら、望んでも二度と手に入らない目が眩むほどの甘美な日々。
13母⇔娘:2008/09/23(火) 20:25:32 ID:qhRoCgg6
この機会に娘に替わって再び青春を謳歌したいと思っても誰が彼女を責められるだろうか。
(唯だって男性の良さを知れば考え方もきっと変わるわ。まずは『体質』から改善ね)


普段(というか本物)のツンツンと取りつく島のない唯が優しく接しただけで、男子は面白い位に喜んでくれた。
好みの男子生徒とデートを重ね、好みでない生徒、唯が振った生徒も菜々子は懐広く受け入れた。
(う〜ん……唯ちゃんが知ったら怒るかしら…?でも全てはあの娘の為…)

唯は知らないが、唯(肉体)の初めての男性は高校の先輩である。
以前からしつこくに彼女に言い寄っていた男だが、最近ガードの緩くなった唯に目をつけていたようだ。
猛烈に口説いてくる先輩に情の深い菜々子はほだされ、誘われるまま彼の部屋に行き娘の身体でセックスをした。
真面目で男嫌いの唯が最も軽蔑しそうな軟派で軽薄な男は唯の処女に大層ご満悦であった。

(……唯ちゃんは先輩じゃイヤだったかな?でもこれも唯ちゃんの将来の為なの…分かってね)
そうして大義名分を掲げつつも若い男の身体に味をしめた菜々子は、唯の目を盗んで第二の青春を謳歌し始めたのだった。

「新堂さん……あ」
「君のすごく固いのね。素敵」
先刻のデート相手の部屋にきた唯は彼とベッドを共にしていた。
小指を立てて彼の一物を扱きながら艶やかな唇を亀頭に近付ける。
「わっ、新堂さん?」
「唯がしてあげる……」
ためらいなく先端を口に含み、いたぶる様に王冠を舐め回す。
高校生らしいぬるぬるした亀頭をいとおしく思いながら、菜々子―唯はうっとりと少年の丸い部位を味わった。
「ぐう、新堂さ…ん」
「うふ。まだ先っぽだけよ…?」
舌を陰茎に押しつけたまま、ゆっくりと昂ぶりを飲み込んでゆく。
「ううっ」
悶える少年に比べ、百戦錬磨の唯は全長を喉元まで収めても余裕だ。
じゅぷじゅぷと真心を込めてしゃぶり始めると少年がかすれた声をあげた。
「ゆ、唯ちゃん…気持ちいい…」
「クス……唯のアソコはもっとスゴいんだけど…な?」
「あ…」
輝きにみちた少年の瞳を見つめ返しなから、再び根元までグッとくわえる。
長い髪を耳に掛け直し、よく顔が見えるようにしながら唇をすぼめて、音をたててぺニスをしゃぶった。
14母⇔娘:2008/09/23(火) 20:26:36 ID:qhRoCgg6
視覚的にも欲情した少年が、唯の口と手の中で更なる膨張を遂げた。
「ふふ…。んっ、んっ」
少女の唇が肉棒を飲み込むたび男子高生の陰毛が唇に触れる。無論唯に不快な気持ちはない。
「んむ…んむ…んあ…はふん」
唯の唇が一旦離れると、唾液か先走りか分からない糸が引いた。
「唯ちゃん…?」
「安心して。終わりじゃないから」
きゅっと締まった陰嚢を優しく揉みたくりながら舌先で裏筋を上下に舐める。
「うお!」
「イイんだ?んっ…んっ…」
悶絶する少年の股間に顔を埋めながら、唯も自分の指で自身を慣らした。
「あん…んっ…ふう」
つい最近初めて男を招いた場所がやすやすと二本の指を飲み込んだ。
くちゅくちゅと自分で勤しむ唯を少年が見とがめる。
「きゃ…?」
唯の肩が掴まれ押し倒される。
「ハァハァ…唯ちゃん…」
ぎらぎらした視線が唯のぴたりと閉じた太もものデルタに注がれる。
少女は微笑したまま、一糸纏わぬM字開脚を少年に披露してやった。
「ああ……ゆ、唯ちゃん……」
もろに見せられ照れる少年だったが、いきりたった股間は暴発寸前にパンパンに膨らんでいた。
「これが唯よ。綺麗でしょ?」
「き、綺麗!すごく綺麗な色だ!」
唯は満面の笑みを浮かべ、自ら陰唇をめくりあげ隠し立てなく隅々まで若人に晒す。
それは母として娘を誇る言葉と行為のつもりだったが、少年にとっては男を試されているだけでしかなかった。
「唯ちゃんっ!」
無我夢中で少年が唯の女性器を貪ってきた。
「ひゃっ。あん、ダメェ……」
指でクパと割れ目を開いたまま唯が啼く。
その指ごと、少年の逸った舌は犬のように少女をむしゃぶり倒した。
「ハアハア…唯ちゃん…好きだよ…ハアハア…ぬるぬるだ」
「ココも舐めて……唯はココが好きなの」
自分ではしたなく捏ねていた肉芽を示し、すすんで皮を剥いて少年を誘う。
ぴんと膨れたピンクの突起に、少年は嬉々と舌を這わせた。

「ひゃあんッ!」
全身に電流が走って白い太ももがビクビクと跳ねる。
反射的に足を閉じようとした唯を少年は許さない。
太ももを押さえ付け、高速でクリトリスを舐めた。
「あああ。そ、そんなにされたら…あたし……。でも好きよ!激しいの好き……!」
自分から膝の裏を持ち全開にしてくる。
唯が感じるたび愛液が膣穴からピュッと吹いた。
(新堂さん…)
いつもからは想像もつかない唯の恥態に少年は浮き足たった。
「ゆ、唯ちゃん…こーゆーコト好きだったんだ?」
少年がにやにや笑うと唯もニコリと笑みを返した。
「君も好きでしょ?気持ちいいコト!」
「うわっ」
少年を押し倒して馬乗りになると、唯は男根に手を添え自分の入り口にあてがう。
いきりたったペニスが期待にヒクヒクと揺れている。
くちっ、と膣口に王冠が触れた。
15母⇔娘:2008/09/23(火) 20:28:03 ID:qhRoCgg6
「ん…っ」
そのまま唯が腰を落とすと、少女の膣穴がぬるりと雁を飲み込んだ。
「ああ…唯ちゃん……。信じられないよ…唯ちゃんが自分から…」
「は…ん。入っちゃうよ…?いい?全部入っちゃうよ…?」
粘膜が密着しあい、少々の摩擦を起こして接触範囲を増やしていく。
凹凸を嵌めこんだ状態で唯の尻が少年の上に座った。
「ああん…入っちゃったよぅ」
「うう…ついに唯ちゃんとしたぞ…!」
根元まで完全に結合し終えただけで、一仕事終えたような満足の溜め息が二人から漏れた。
「ああ…唯ちゃんの中たまんないよ…。めちゃくちゃ気持ちいい…」
「ハァハァ……君のおちんちんもイイよ…。おっきくて熱くて…っ」
腹を内からはち切れそうに圧迫してくる男根が唯への愛を訴えているようだ。
菜々子は母の微笑を浮かべ、いとしい少年を導くべく腰を振った。
「えっ?動くの?…はうっ!」
「いっぱい気持ち良くなってね…?そして唯の事もいっぱい気持ち良くして」
「は、はい…!」

娘を想ってくれている少年を娘の身体で愛する事に菜々子はたまらない幸せがこみあげた。
「ああ…」
酔い痴れるように唯の身体が弾む。
眉間に皺をよせ快楽と闘う少年をよそに、唯はせっせとあそこを打ち付け彼の雁を利用して自分の良いポイントを擦った。
「あん、あん」
「くう…唯ちゃん…何かこりこりする…よ」
「君も擦って…下からいっぱい突き上げて…!」
「くっ……唯!」
食い込むほど唯の尻を掴んで遮二無二、下からパンパンと突き上げる。
「あはっ…すごぉい。さすが陸上部ねキミッ!素敵ッ!」
生まれたままの姿の男女が交わり、たぷんたぷんと巨乳を揺らしながら女が笑う。
淫靡な少女の責めに悶絶しながらも、少年は唯の豊満な果実に意識を奪われた。
視線を感じて挑発的にゆさゆさ揺らす唯。
「…唯の自慢のおっぱいなの。可愛がって?」
ぐちゅぐちゅと股間を擦り合わせたまま、上体を倒して少年を誘う。
「よ、喜んで…」
目の前でいやらしく揺れる二つのメロンを、少年の手が鷲掴んだ。
「んっ」
「…やわらかい…!」
男子の間でもデカいと評判の唯の乳房は張りと弾力があり揉みごたえも抜群だった。
「あんっ、あんっ」
「気持ちいいの?唯ちゃん」
次第に無遠慮になってきた手が強くねっとりと唯の乳房を揉みしだく。
唯は非難する所か、もっと乳を押しつけてきた。
「ああん…おっぱい感じちゃう」
「唯ちゃんは何から何までパーフェクトだ…」
バストのサイズに見合った大きめの乳輪は濃いめのピンクで唯の清純な容姿にはやや卑猥だった。

「はあはあ…唯ちゃんのおっぱいってエッチかも…」
たまらずメチャクチャにむしゃぶりついて跡がつく程に吸って乳首を噛む。
「も、もっと強く…!」
唯が抱きついて腰をくねらせる。
「んん。もっとしてェ。好き、みんな好き、君が好きぃ」
ぐちょぐちょと音をたてながら唯はもう止まらない。
16母⇔娘:2008/09/23(火) 20:28:56 ID:qhRoCgg6
「ゆ、唯ちゃ…激し…。うっ?」
悶絶する少年の唇をふさぎ、互いの登頂に突き進む。
ねっとりと舌を絡め合いながら、唯の膣は盛んに肉棒を擦りたてて、彼の終わりを早めていた。
「ぷはっ。ああん…イイ!まだよ…もっと!」
「…くっ!僕に掴まって…!」
「え…?あひんっ」
狂ったような突き上げに唯の身体が人形のように揺れる。
ロデオと変わらぬ男の強靱なペニスの押し込みに唯も負けじと応戦し、とにかく男の下腹に女性器を擦りつけた。
「うう、唯…!くっ!こうかっ!」
「いいわっ、そうよっ。あたるっ。あたるわっ!」
お互いが腰を引き同時に思い切り打ちつける事で合体感が更に増した。
「いいよ唯ちゃん!出そうだ!」
唯が悦びに腰をくねらせると、少年も腰で円を描いて唯の膣を男根で掻き回してやった。
「あっ。あっ。上手。んっ」
「唯ちゃん…!」

終焉が刹那まで迫り、少年が唯の腰をがっちり捉まえた。
1ミリも腰を浮かさせず根元までキッチリ受け入れさせたままブルリと震える。
「え?あっキミッ?」
「うぐぅ……!」

ドクドクと熱いものが大量に唯の膣内に放たれる。
「んああっ」
「くうっ…唯…全部出すよ…!」
「ダ、ダメッ!外に…ああ…でも私まで…いっ、イクうう…ッ!」
若人の強い射出を膣内に受けた衝撃は唯の痙攣までも誘発した。
「ゆ、唯ちゃんも……。ああ…感激すぎる…。君もこんなに僕を…ああ…」
ぎゅうぎゅうと膣が締まり、自分の残滓を貪欲に出し尽くさせようとする唯を少年は感じた。

(中に……今日は危ない日なのに……)
一番奥で射精されたから子宮に流れ込んだに違いない、と唯は思う。
この間も少年は続け様に射精して、唯への思いのたけの全てを彼女の体内に解き放つ。
ペニスが膣内でビュクビュクと跳ね、元気な精子を送り出しているのが唯には分かった。
新たな精液を膣に受けるたびに唯は感じてしまい、心ならずも自動的に内部の男根を締め付けてしまっていた。
男の肉棒を膣で搾りながら、菜々子は唯の卵子と彼の精子の出会いを想像し子宮が熱くなった。


「ハァハァ……唯ちゃん…そろそろ離してくれないかな…?」
心にもない言葉だ。体内で尚も男根にしがみ付く唯を少年が揶揄したのだった
「…いじわるね」
微笑みながら甘く痺れた腰を浮かせて菜々子は男から離れた。
17母⇔娘:2008/09/23(火) 20:29:55 ID:qhRoCgg6
膣口から漏れる精液を手早く拭いてパンティを穿く。
身仕度を整える彼女を見つめながら少年が赤い顔で云った。
「すごくよかったよ…!ま、また会ってほしい……」
心の中で小さな溜め息をついて唯はコクンと頷いた。
「そ、そう…!良かった…」
「じゃ、また明日学校でね」
男の部屋を後にして唯は帰路についた。

「結構よかったナ…でも膣内射精はチョットまずかったかな」
思えば数えきれない男性に唯を愛してもらった。
高校のクラスメートは勿論、先輩や後輩に他校の学生もいたし、街や海でのナンパを含めば大学生やサラリーマンもいた。
そのほとんどが菜々子よりずっと若い者たちだった。
「女ってわがままな生き物…若いコばかりだとそれはそれでねぇ」

若い男は大好きだが、そろそろ使い込んだ黒いペニスに会いたい。
「いやだ、あたしったら」
淫らな欲望を一人自嘲し諫めていたその時、あるサラリーマンが唯に声をかけてきた。

「可愛いね。遊びに行こうよ…お小遣い欲しくない?」
明らかに援交目的だと分かるアプローチだったが菜々子は揺れる。
(…どうしようかナ…)
菜々子よりやはり年下だが男盛りの肉体はイヤに眩しく見えた。
唯には死んでも云えないが、菜々子が唯の身体で援交をするのはこれが初めてではない。
全ては唯の肉体に男の良さを染み込ませる為の儀式であり、見ず知らずの男の子種でも構わない感があった。
(…決ーまりっ)
一度出されているし今日は避妊の必要もないだろう。無礼講だ。
唯はサラリーマンに誘われるまま、ラブホテル街へと消えていった。


「まさかこんな可愛い娘が生OKなんて思わなかったな。いい世の中になったよ」
シャワーを浴びてきた男が無造作にバスタオルを投げ捨てる。
スーツの上からは筋肉質に見えた肉体だが、全裸になると思ったより腹が出ていて毛深かった。
だが、股にぶら下がった使い込んだ極太の黒い一物は唯の下腹をキュンとときめかせた。
唯が知ったら絶望で発狂しそうな行為をこれからする事に菜々子はドキドキしている。
(なんて大きくて真っ黒なおちんちん……唯ちゃんの中に挿れてもらおうね…)
娘に語りかけながら、菜々子は唯のフルヌードに勃ちあがった男と共にベッドへあがり、早速フェラチオを施した。
「へえ、サービスいいな」
竿の根元を扱きながら、頭を動かしてせっせとしゃぶる。
唾液と先走りに黒光りした肉棒は血管が浮き出て少年の男根より増してグロテスクだった。
18母⇔娘:2008/09/23(火) 20:30:58 ID:qhRoCgg6
「んっ…んっ…んふ…」
「美味しそうにしゃぶるなあ。それに巧い……おおっ」
先端の窪みを舌先でチロチロされて男が呻く。
包皮の中まで舐められながら男はただ溜め息を漏らすばかりだった。
「唯ちゃん…根元までくわえてよ」
サラリーマンが男性器全体への愛撫を求める。
云われるまま唯が根元までくわえると男は自分も微量に腰を揺すった。
「ああ…ゆ…唯ちゃん…」
「んっ、んっ、んっ…」
太い怒張が少女の唇で扱かれ口内ではめまぐるしく舌が竿の表面を這い回る。
男の下半身の体毛が唯のすべすべの顔を汚すようにくすぐった。
何度もしゃぶられ最大にまで膨れ上がった男は突然唯の後頭部を押さえた。
(え?)
「ぐう……!」
「!」
ドクドクと唯の口内に熱い精液が放たれる。
一瞬美しい眉をひそめる唯だったが、おとなしく受け止めると男が全て出し切るのを待って一気に飲み下した。

「ふう。ごめんね、あんまり気持ち良かったんで」
唯に飲ませた事に明らかに男は満足している。
「さあて、お次は生ハメ本番中出しだ」
第二ラウンドに向かうべく、男根をゴシゴシ扱きながら男が笑った。


「はぁっ…はぁっ…」
唯の上で男がせわしなく腰を振る。
ベッドのスプリングの軋む音と、湿った肉の擦れる音が混じり合って部屋中に響いた。
「くう……絶品だぜ…」
正常位で交わった唯の脚に男の毛深い脚が密着する。
必死に交合を求める男に唯はただ身を任せた。
「い、いいぞ…締まるっ」
汗を飛ばしながら、男がぐちゃぐちゃと唯を突く。
脂ぎった男の身体が容赦なく乗ってきて、ムチムチの太ももやボリュームのある乳房を揉み回し、そして高嶺の膣を味わった。
「唯…お前のマンコ最高だ…!」
いやらしく腰を振りながら夢中で唯の唇を奪ってくる。
「んぐ…むう…?」
戸惑いを覚える唯だったが、膣内を極太の物で擦られてるうち、もうどうでもよくなった。
サラリーマンを抱き寄せ激しいディープキスを何度も交わす。
「んむぅ…ふぅぅん…」
「唯…むふっ…ハァハァ…」
舌を絡めあっているその間も男の下半身は止まらない。
睾丸が弾けそうに唯を叩いた。
「いっ、イイッ!いっぱい突いて…!奥にあてて!」
「可愛い顔して淫乱だなあ。エッチなコトが大好きってマンコしてるぜ…たく最近の女子高生は」
野太い肉棒がぬらぬらとテカり少女の粘膜を擦りたてる。
「はあんっ!おまんこイイッ!」
「唯のママは大変だな。ははは…そら、唯チャンの大好きなチンポだぞ」
19母⇔娘:2008/09/23(火) 20:33:21 ID:qhRoCgg6
男が何度も出入りして愛液が二人の股間を濡らす。
先刻膣内に出された少年の精液は子宮の底まで流れ込んだお陰か漏れだす事もない。
こりこりと唯の天井がエラをくすぐり男の口から溜め息が漏れる。
おおっぴらに開かれた弛緩した太ももの中心で性器だけがキュウキュウと男を締めつけ、性的なマッサージを見舞った。
「おふっ。こりゃあいい。いっそキミと付き合いたいな…」
男のリズミカルだった腰の動きが緩慢になり、言葉も少なくなってくる。
ずりずりと唯の膣を擦りあげながらも下腹に力をこめて射精を堪えている。
「いやあ…強くして…さっきみたいに思い切り突いて。唯が受け止めるから…っ」
うるんだ瞳で媚びるように見つめる少女に男は激しい律動で応えた。
「あんっ、あんっ、きた、これよ!やめ、ないでっ!もっとォ…!」
「最高だ…!今日は大当たりだぜ!」
つい数か月前まで男を知らなかった膣が赤黒い肉棒に纏わり付き熱く擦りたて一番奥まで挿入を求めてくる。
「美味いか、ん?根元までハメてもらって嬉しいか!」
男も激しく唯を突きまくる。
「嬉し…い。唯に挿れてくれて嬉しい…ああん!」
「おじさんも嬉しいよ。唯のマンコのファンになっちゃいそうだ」
息を荒げながら汗ばんだ下腹同士が打ち付け合う。
「ひゃう…もう…きちゃう…」
「俺もだ…。な、中に出すぞ!」
逃げられないよう唯の太ももを抱え、早い動きでピストンする。
「あっ、あっ、あっ、やあ」
「うっ…!」
奥にグッと突き当たった瞬間男の先端が爆ぜる。
「ひっ」
子宮口にぴったりとくっついて、勢いよく精液を注ぎ込まれて唯が悲鳴をあげた。
「あああっ!子宮に、流れ込んでくる…!」
ビクビクと痙攣する唯に男も悶絶しながら何度も放出した。
「た、たまらん…!」
僅かな精液も尿道に残さず唯の中に出し切る。
「ああ……ん」
「ふう…」
久々の射精を唯の体内で完了して男は満足げに肉棒を抜き取った。

(また膣に出されちゃった…)
「よかったよ」
とろんとした唯をサラリーマンがにやにやと見つめている。
携帯カメラを向けられて撮られたが、これまでもボーイフレンドに撮られた事があったし気にならなかった。達した余韻のせいもあった。
「唯ちゃん、ひょっとして今日危険日じゃない?子宮口開いてた感じがしたよ」
「…そうね…デキちゃったかな?」
「おいおい」

精子をたっぷり受けた下腹をいとおしそうに撫でながら、唯は困った様子もなく笑っている。
(お腹重たい…唯ちゃんの子宮、あの人たちの精子でいっぱいだよ?明日も皆の精子でいっぱいにしてもらおうね、唯ちゃん)

一方、本物の唯は、菜々子の身体ゆえ何も知らない父に性的な目で見られ、実父のアレが初めての人になってしまうかもしれない瀬戸際に立たされているのであった。

以上、有難うございました
20名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:16:19 ID:fNQRPQ1d
おー!SSキテル━━(゜∀゜)━━
21名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 07:08:24 ID:3mfFH3FH
GJ!
娘の体でヤリまくる母がエロかった!
唯が知ったらと思うだけで興奮。母の偏愛っぷりもよかった。
22名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:06:05 ID:tqppeg+C
マジGJ!!
母親になった娘の話も読みたいです
239:2008/09/25(木) 02:52:33 ID:4f+KxPYN
妊娠しそうな勢いだな
もし戻ったらどうなるんだろ
24名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 22:15:34 ID:JQV9UGRZ
age
25名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:45:52 ID:1KkPLa33
母親超DQNwww
もし戻ったら、唯ちゃん確実に母親刺し殺した後
自殺するだろ
26名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:32:18 ID:b6mxZziW
すごいオカンだ、幾つだかしらんが盛りすぎだろwww
27名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 08:19:25 ID:pmyUS7lP
入れ替わる前から元々浮気しまくってそうだな、母親www
28名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 15:33:50 ID:J0NVY/I1
アニメのロードス島戦記での闇の女王がヒロインに乗り移るのは萌える
たしかヒロインの前世が闇の女王だったような。
299:2008/10/04(土) 13:33:20 ID:C4bkdC1z
>>28
しかし、盗賊上がりのオヤジにも乗り移っちゃうのね
30名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 07:06:11 ID:R4bzPev4
カーラとナニールごっちゃにしてないか
319:2008/10/06(月) 15:44:52 ID:SRMBSU/o
>>30
自分が言ってたの前者だった
32名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 09:05:52 ID:RDm2o9oV
娘編もみたいな!
33名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 23:03:06 ID:AJPAUyNp
補習
34名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 14:16:55 ID:bByxGyrJ
復讐
35名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 07:43:06 ID:sd5xV8MZ
丞相
36名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:14:16 ID:0QKLL6p1
勇者の仲間の女性と魔王配下の女魔物との入れ替わりとか見てみたい。
魔王の魔法により入れ替わった二人。
勇者の仲間の女性の体に入った女魔物は勇者の寝首を掻こうとするが、徐々に勇者に惹かれてしまい
また女魔物の体に入った仲間はだんだんと魔物の本能に精神が侵されていってしまい、
憎むべき魔王に逆らえなくなってしまう
とかいう妄想を保守しながらしてみた
37名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 07:50:46 ID:cGP6I4Xs
それ書いチャイナよ!
38名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 08:20:11 ID:i33+D61X
母親とその息子の恋人の入れ替わりとか読みたいとか思いつつ保守
39名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 12:52:46 ID:IwKZQrqN
それだと恋人体の母は家出して行方不明になるな。
40名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 19:12:01 ID:pEbXrblm
あれから半年…
夜聞こえる父親と母親の睦まじいセクースの音と嬌声。
しかし母親の中身は自分とはキスどまりだった中三の恋人。
そして恋人だったはずの体の人は引越していった…
君は少年の刻の涙をみる。

「よろこべ清彦、母さん妊娠三ヶ月だそうだ!」


赤ん坊の泣き声が聞こえる今日このごろ。
東京から結婚式らしい写真がとどいた。
それにはこう書きこみがあった。

「デキちゃいました!」



少年の慟哭は終わらない…
41名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:45:29 ID:DO2XVnKi
少年カワイソスwwww
42名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 12:34:28 ID:3WH+jn2F
保守
43名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 23:22:30 ID:qkyqp4mD
誰か!
誰かいないの〜!
44名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 21:43:55 ID:SpIdTCwF
ふぇっふぇっふぇっふぇ
お嬢ちゃん私が居るよ
どれこっちに来てごらん
3・2・1
はい!入れ替わり成功
45名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 17:35:26 ID:MsdsgtEx
ギギギ…
46名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 17:06:55 ID:NRimoWx4
>>45
麦じゃ!
麦になるんじゃ!
47名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:00:06 ID:jzcP/K2L
今から投下します
姉と妹の入れ替わりモノです
女性一人称ですが、NTR度が中くらいありますので、嫌いな方は注意!
48名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:00:38 ID:jzcP/K2L
出会いがしらに頭をゴツン!
目覚めてみればアラ不思議、ぶつかった相手と人格が入れ替わっちゃった!
……なんていう、漫画やアニメでしかお目にかかれないような現象が、わが身に降り注ぐなんて。
信じられない。
ありえない。
けれど、現実は厳然と私に事実を突きつける。
朝、遅刻しそうだった私は身支度を整えて部屋から駆け出すなり、妹の伊織とぶつかって意識を飛ばした。
そして、恐らくは一分と経たずに意識を取り戻し――自分と妹の中身が入れ替わってしまったことを知った。
何をバカな、とおっしゃる?
言いたいなら言えばいい、というか私が言いたいよ「人格交換? はぁ? 馬鹿じゃない?」ってさ。
だけど私の目には現実がくっきりと映し出されている。
……視界の中。
尻餅をついたままこちらを見て、信じがたいとばかり目を白黒させる『私』がいる。
頬をつねってみても、この現実に終わる気配はなかった。


伊織と急遽話し合い、お互い頭突きをしてみても人格が元に戻る気配がないのを知った私たちは、このまま登校することを決めた。
両親に相談なんて論外。
姉妹そろって仲良く発狂したと思われては、父さんも母さんも自殺しかねないし。
とりあえず今日のところは学校に行って適当にやり過ごし、今後のことについては夜話し合うということにしたのだ。
幸い、私たちは家に友達を呼ぶことが多かったし、姉妹仲も良好だから互いの交友関係の概容は知っている。
「なんとかなるよ。……しようよ、ね、お姉ちゃん――じゃなかった伊織」
よく通るアルトボイスが私の鼓膜を叩く。私の、という表現が正しいのかは微妙なところだけど。
「そうね……とりあえず、学校じゃ上手くやりましょ」
そう答えると、ぴたり、と人差し指で唇を封じられた。
「違うでしょ伊織?」
……もうなりきっている。
適応が早いというべきだろーか。
いや、それくらいの気構えは必要なのかもしれない。
私は何時もの伊織らしい柔和な笑顔を模してみせた。
「そうだね、いお、お、お姉ちゃん」
「よしよし、その調子。……ああそうだ伊織、自転車の鍵どこ?」
「私の机の上」
私こと水寺真姫と妹の伊織は違う高校に通っている。
成績で言えば伊織の高校の方がランクは上で、距離で言えば私の高校の方が遠い。
……アホだとわざわざ遠い低ランク高に通わないといけないのは悲しい現実だ。
いつもより低い位置で固定された視界に戸惑いを覚えつつ、階段を下る。
「それじゃ、行ってくるね、おかあさん」
いってらっしゃーい、という返事が来るのに小さくガッツポーズ。伊織らしく行ってきますを言えたみたいだ。
玄関を出ると秋の澄み切った青空と、清らかな朝日が網膜をつついた。
何も変わらない空。
物理法則を超越する勢いで変わった私。
……嘆息を禁じえない。
玄関脇の自転車に向かいそうになる足を修正し、門扉を押して家を出た。
49名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:01:09 ID:jzcP/K2L
途端、
「おはよ、伊織ちゃん」
穏やかな声が名前を呼んだ。
反応が遅れたのは、やはりまだ慣れないために、自分が呼ばれたのだと自覚できなかったためというのもある。
だけどそれ以上に影響したのは、私はどうしてこんな重大なことを忘れていたのか! という驚愕だ。
私も伊織も、彼氏いるんですけど!
しかも伊織の恋人は――私にとっても伊織にとっても幼馴染であるのだ!
やべえバレるとしたら確実にこいつからだ!
私は油をさしていない機械みたいにぎこちなく首を回し、その間に全力で『伊織っぽい笑顔』を構築した。
そして言う。
「うん、おはよう。夕平……げふんげふん、ゆー兄さん♪」
視界の中で、妹の恋人が平和そうに微笑している。
日高夕平――私にとってはただの幼馴染、伊織にとっては幼馴染、プラス恋人。
中肉中背で容姿はまあ、男らしい男が好きな私からしてもそんなに悪くはないと思う。
伊織が言うには、成績は毎度学年トップクラスだとか。私と同学年だったときもそんなだったなあ。
運動の方はからっきし。
性格のほうは何となく油断ならないと感じられるときもあるけど、概して温厚。
私に評させれば、いい奴だけど柔弱。
恋人にするには値しない。
やっぱ男は体育会系の、男らしい奴じゃないとね。私の彼氏、一久みたいにさ。
だけど伊織に言わせれば、『ゆー兄さんは私の世界そのものなのー』なのだそうだ。
まあ、好みは人それぞれ。口を出すような筋のことではないけれど。
うーん、それにしても、今日は大変だな。不審に思われないよう注意しないと。
――そんな風に、一瞬思考でトリップしてしまったからだろう。
気づくと夕平の顔がアップになっていて、私は思わず後ずさってしまった。
「伊織ちゃん?」
戸惑ったように言う夕平は、姿勢を少し低くしていて、右手が上がっている。
……もしかして、撫でようとした?
ううん、私にとっては受け付けない行為だけれども、そういえば伊織は夕平に撫でられるのが大好きなんだった。
付き合ってるのに、まだ前みたいな兄妹気分が少し抜けていないとこがあるのよね、伊織は。
ともあれ、朝っぱらから怪しまれるのは宜しくない。私は全力で柔らかく笑ってみせた。
「あ、ううん、何でもないんだよ。ちょっと考え事してたから、びっくりしちゃっただけ」
「そう? ならいいけど……言える悩みなら、いつでも僕も聞くからね?」
恋人っぽい言動。
当たり前だけど私はそんな言葉を夕平から向けられた経験はないから、少し妙な気分になる。
と、ちょっと奇妙な心境になっていると、背後から「行ってきまーす!」という威勢のいい声が聞こえてきた。
私だ。……違った、伊織だ。
伊織は自転車を引いて私の脇を軽快にすり抜けて道路に出、自転車に跨ると、夕平の方を向いた。
「おはよう、真姫」
穏やかな挨拶を受けて、私の、真姫の肉体はピッ、と右手を軽く上げた。
「よっす夕平。伊織のこと、ちゃーんと送っていってよね?」
夕平は微笑し、ちょっと気取った様子で胸に手を当てた。
「心得てますよ、姉君」
「いい返事だ」
伊織はカラッと笑うと、勢いよくペダルを漕ぎ出した。
50名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:01:55 ID:jzcP/K2L
「んじゃ伊織も気をつけるのよ! 行ってきまーす!」
私の肉体を駆る伊織は、ぐんぐんと遠ざかっていった。
伊織の肉体の運動能力は低い。ある意味夕平とはお似合いな感じに。
だからこの機会を使って存分に体を動かしてみようと伊織は考えたのか、自転車に乗る姿はどこか生き生きして見えた。
夕平は苦笑して、「真姫はいつも元気いいねえ」とコメント。
……あれ?
全然怪しんでないよ。
伊織のやつ、実は演技派?
図書委員で文芸部という私の妹に、隠された才能が?
また思考の渦に落ち込みそうになる私は、
「それじゃ、行こうか伊織ちゃん」
という夕平の言葉で思考を現実に復帰させた。
「うんっ」
弾むように言って、妹の恋人の横に並んで歩き出す。
穏やかに笑う夕平とは裏腹に、私は今日学校で味わうであろう心労を想像して、こっそりとため息をついた。


おはよう、と教室のドアを開けたときから私の戦いは始まった。
まず自分の座るべき席をさりげなく探るところから始まり、伊織の友達との会話、昼食などなど……
誰かと話さなくても済む授業の時間だけが救いだった。
普段はかったるくて、遅々として進まない時計の針に気をもむだけだったこの時間が、こんなにありがたいと思える日があるなんて。
……にしても、伊織は一つ先の学年の授業なんて受けて大丈夫なんだろうか。
私と違っておつむに刻まれた知性の回路は精緻だけど、全然習ったことのない内容を理解するのは無理だろうな。
いくらここよりランクが下の高校だって、学年の壁は厚いだろうし。
反面私のほうはというと、さすがに以前自分が習った部分を聞かされるだけなので、さしたる苦労はなかった。
姉のほうが楽な身分ってのも何だかなー。
などと考えているうちに、ようやく一日の終わりを告げるチャイムが鳴った。
個性のない無機的な音が、今日ばっかりは天使のラッパに聞こえた。
ほぼ未知の人間関係の中で、綱渡りするみたいに関係性を測って応対していく精神的負担と来たら!
普段ならここで「はああああああああ」と、でっかく溜息をつくところだけど、伊織はそんなことしない。
するなら家に帰ってから、だ。
ホームルームが終わると、私はカバンに荷物を手早く詰めて席を立った。
「わたし、今日はもう帰るね。亜子、ちぃちゃん、なつめ、バイバイ」
にっこり笑顔で手を振る。
よく我が家に遊びに来る、私――真姫とも顔見知りである、亜子ちゃんがにまーっと笑った。
「ういうい。まーた、日高先輩と下校ですかー」
うんうんと頷き、
「セーシュンだなあ。あたしも彼氏欲しいわマジで。ある日突然空から降ってこないかなあ」
ちぃちゃん……もとい、私にとっても初見だった、仲原千里ちゃんがそれを受けて、
「そういう漫画なら沢山あるから貸してあげるよ? どれがいい? 目録でも渡す?」
と眼鏡のレンズを光らせた。
どうやら彼女、女版のオタクのようだ。
なかなか伊織も面白い子たちと付き合っている。
正直ひとつひとつの会話自体が気が気でなかったとはいえ、この子たちとのお喋りは結構楽しかった。
伊織はやや内気な子だけど、学校では上手くやっているみたいだ。
51名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:02:27 ID:jzcP/K2L
私は姉らしい感情を覚えつつ、妹の友人たちに改めて別れを告げ、教室を出た。
部活に向かう生徒、家に帰る生徒たちの生み出す喧騒の中、場違いな私は心中で縮こまりつつ昇降口を目指した。
伊織の所属する文芸部は不定期に開かれるようで、その辺は都合がよかった。
「さて、と」
こっそりと呟く。
昇降口で靴を履き替え、外に出ると、家路につく生徒たちの背が連なるなかに、こちら側を見ている人間がひとり。
「またまた試練ね……」
要注意リスト上位である幼馴染、日高夕平。
わたしは伊織っぽく微笑んで、ゆー兄さん、待った?
と愛らしく尋ねてみせた。
「ん、大したことないよ」
気の抜けるような笑顔で夕平は応じる。
定型句なのか、本当に今来たところか……その辺はよく分からない。
悪いやつではないと思うんだけど、私は夕平の、本音を見透かせない感じが昔から少しだけ苦手だった。
妹の恋人であるのだから、間違っても変な対応は出来ないけれど。
伊織と夕平の間に禍根を生むようなことは絶対避けたいし、それに付き合いが長いだけに、妙な行動はすぐ不審を買うだろうし。
とはいえ、付き合いの長さは私にとっては不幸中の幸いでもある。
私との関係が薄い伊織の友達とは違って、夕平の伊織の関係については前から目にしていて情報もある。
夕平の人となりも大体把握してるから、対応のしようもあるしね。
条件は決して悪くない。勝てない勝負ではない――。
――って。
帰り道ひとつで戦争かよ。
私、いつになったらこんな罰ゲームみたいな状況から解放されるんだろ……。
「――はぁ」
「?」
「あ、ううん、ちょっと今日体育で疲れちゃって」
溜息をついた私に目をやった夕平に、すぐさまフォローを入れる。
伊織と同じく運動音痴であるコイツは、ああうん体育か、なら仕方ないよなあと頷き、
ぽん、と私の頭に手のひらをのせた。
よしよし、とばかりに優しく撫でる。
「がんばったね」
……調子狂うこと甚だしい。
私は帰途のことを考えて重くなる胃のことを必死で隠しながら、エヘヘ恥ずかしいよ、ゆー兄さん――とはにかんでみた。


予想通りに帰り道は胃袋殺しだったけど、私はどうにか家のそばまで来ていた。
隣を歩く夕平に私を疑う様子はない。
見た感じ、いつも通りだ。
あと百メートルくらいで、私はとうとう安息の城への帰還を果たす。
……母さんたちもいるけど、部屋にこもって負担を減らそう、うん。
伊織は自分の部屋に居ることが殆どだったし。多分、読書でもしていたんだろうね。
そんな風に、私が早くも帰宅後の算段をしていると。
「ねえ伊織ちゃん」と夕平が足を止めた。
夕平の家――日高家の直前だった。
私も流石に慣れてきていて、
「どしたの?」
と、同調して止まる。
52名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:03:02 ID:jzcP/K2L
夕平は、頭ひとつ低い私――伊織の目を覗き込むようにすると、
「うん。……今日も、うち誰もいないんだけどさ」
と言った。

「――――――」

私の思考に大いなる空白が訪れた。
数瞬して、再起動を果たした私の頭脳は一発で恐慌に叩き込まれた。
そう!
そうなのよ!
何で私はこんな簡単なこと忘れていたんだろ!?
伊織と夕平は恋人で、恋人ってのはつまりその、そういうことだって当然してるわけで!
あまり深く考えたことはなかった。
というか、近しい二人同士の交わりというものを想像することを、無意識に避けていたのかもしれない。
いやそれにしても!
つーかアレ!? もしかして伊織も一久からそういうお誘い受けてたりするッ!?
いやいや思考が脱線してる、今はここをなんとか凌ぐことを考えないと!
私のあまり高性能ではないCPUがガチャガチャ音を立てて稼動した。
一瞬、大宇宙や素粒子の世界が見えそうなほどに私の思考は展開、縮小した。
そして最後。シンプルながらも有効であろう対策を思いつく。
生理! これだね!
思い立ったら即実行、私は表情筋を駆使して困った顔を作り、たいそう申し訳なさそうに、
「あのね、わたし今日は――」
生理なの、というより早く、
「生理なら終わってるし問題ないよね?」
と夕平が人畜無害な笑顔を浮かべた。
つーか何でアンタが把握してるの!?
とよっぽど叫びたかったけど、私は渾身の一策が戦果ナシで散ったことに衝撃を受け、口にはできなかった。
「最近試験とかあって出来なかったし、ちょっと情けないけど、我慢できないんだ」
流石に恥ずかしそうに夕平は頬を掻いた。
……どうしよう。いい断り文句が思いつかない。
無碍に拒絶するのは簡単だけど、それで万が一この関係にヒビが入る一因となったらどうする。
私に責任は取れない。
ひとの恋人関係を破壊するなんて、私がやっていいことじゃないでしょう。
思案しかねて、私は結局、
「……うん」
と、恥ずかしそうに頷いた。
中身はかなりのヤケクソ状態ですけど。
ほら、まあ、一回、一回だけだし!
明日になったら元に戻れるかもしれないし! さすがにこんな希望的観測は自分でも信じがたいけど!
一久には――申し訳ないけれど。
それに、と私は目の前の背中を見つめた。
自宅の二階への階段を上る夕平は、多少高揚してるように見えた。
……夕平のセックスなんて、たかが知れてるよね。
少し侮るように、私は予測した。
おとなしい夕平とおとなしい伊織の交わり。
多分きっと、二人に相応しいような、穏やかなものだろう。
さっさと夕平に出させちゃえば、それでお終い。
うん。何も問題はない。
だって夕平、ねちっこく責めるとか激しく攻めるとか、そういうのとは無関係そうだしね。
53名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:03:35 ID:jzcP/K2L
どこかから、やっぱりな、という突っ込みが飛んできそうだ。
……私の予想は完全に外れていた。
「んっ……くぅ、ふぅ、ぁ」
声が漏れてしまう。屈辱だ。
夕平は何とも、ゆったりと事を運ぶタイプだった。
一久とのセックスだったら、もう挿入に移っててもおかしくないくらいの時間だけど、わたしは殆ど服を脱いでもいない。
ブレザーを脱いだ。
シャツの真ん中あたりのボタンを外して、伊織らしい子供っぽいブラを露出した。
ブラの右側がずり下げられて、形のいい丸い丘をあらわにさせられた。
それだけ。
ベッドに転がった私の上にかぶさる夕平は、丹念に胸をいじめている。
胸の左側、まだシャツに包まれているほうは服の上からじっくり揉みほぐす。
右、ブラをずらされた方は、小さくて桃色の乳首に吸い付いて、ちろちろと舐めている。
「あ、んん……」
ゆっくりとしつこい愛撫。
左手が動き、布越しに乳首を指でこすった。
もどかしい刺激が送られる。
(っていうか……舌の動きがっ)
乳輪をなぞるようにしたかと思うと、蛇みたいに乳首に絡みつき、先端をほじるように突く。
「あ、あ、う、きゃっ」
断続的に声を漏らしていると、ふと夕平が口を離した。
微笑んで訊いてくる。
「気持ちいい?」
問う間も、指はころころと乳首を転がしていた。
私は思わず頷いてしまった。
「う、うん、いいよぉ」
ショックだった。自然に出てきた言葉だった。
……一久を裏切ったみたいだ――。
夕平は楽しそうに頷くと、
「じゃ、いつもみたいに胸で一回イッておこうか」
と宣言した。
すぐに責めを再開する。
それは随分と巧みで、ショックを受けた私の頭は、すぐ桃色の靄で包まれた。
太ももの付け根、その奥が疼きだすのがわかる。
伊織の肉体は愛撫に敏感に反応し、さっきからずっとジュースを漏らしている。
「は、あ、ああん……いいよう、ゆーにいさん……」
悶えてしまう。どうしようもない。
気を良くしたみたいに夕兵は乳首をなぶり、ひっかき、さらに責めを重ねた。
そのうち、だんだん胸の奥から妙な熱が湧き、ついには胸の先に届き、そこでもどんどん膨らんでいく。
(やっ……私、これじゃイッちゃ……)
思った瞬間、乳首が少し強めに噛まれた。
甘い電気が脳みそを走った。
「は、ひゃ。いっちゃぁ!」
びくんと体が跳ねた。
腰がぴくぴく震えた。
どろ、と穴が欲望の液体を吐き出す。
もう、パンツにはすっかり染みができてしまっている。
54名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:04:06 ID:jzcP/K2L
「ふふ」
イッたね――と、身を起こした夕平はくりくりと乳首を指で弄った。
そのたび私は腰を小さく跳ねさせた。
結果に満足したのか、夕平は次の場所に移る。
それは勿論、下。
スカートを無造作にめくりあげ、青と白のストライプのパンツのクロッチを観察し、唇の端を上げる。
「すごいシミだね」
「や、言っちゃやぁ……」
私はどうにか芝居を継続した。私ならもっと乱暴に、「うるさいよ」とか言ってしまうだろうけど、伊織はそうではないと思う。
けど、予想に反して夕平は目をぱちくりさせた。
「……伊織ちゃん?」
今の対応、ヘンだった?
私はほんの少し焦り、しかしそれは表に出さず、
「なぁに?」と聞き返した。
さほど気にしたわけでは無かったのか、
「いや、なんでもないよ」
と、夕平は誤魔化すみたいに笑った。
身をかがめ、責めを再開する。
どうやら、はいたままが好みらしい。
夕平はパンツの上から、割れ目をついついとなぞり、時々入り口のところをぎゅっと押した。
「ふぁ、あああ」
私はそのたび、面白いように声を上げてしまう。
なんだか少し嫌な話だけど、伊織はよっぽど開発されたみたいだ。
ちょっとの刺激でも、理性が軋むみたいな快感が生まれてくる。
……そんなだから、パンツ越しにクリトリスを摘まれたときは、
「はっひゃあああああああん!」
簡単に、私は叫び声を上げてしまった。
どうしよう、すごい。
すごい……。
夕平は下着越しにクリトリスを撫でだすけど、それだけでも、おマメがどんどん勃起してくるのが分かる。
どんどんエッチな膨らみが、しましまのパンツに生まれていく……。
「ふふ、相変わらずすぐ勃っちゃうんだなあ、伊織ちゃんのクリは」
からかうような言葉に、わたしは思わず目を腕で隠して横を見た。
演技じゃなかった。
実際に恥ずかしかった。
でもそれは、夕平に違和感を与えてしまったみたいだ。
夕平は手を止めた。
「……ねえ、伊織ちゃん」
気遣わしげに、
「今日何かあった? それとも、僕としたくない?」
少し不安の滲む声だった。
それを聞き、私は確信する。
普段の伊織は、もっと積極的なんだ。
妹の知らなくても良いような一面を知ったのは愉快じゃないけど、ここでは重要だ。
このままここで、したくないと答えれば夕平は手を止めるだろう。
夕平も伊織のことが好きなのだから、無茶なことは言わない。
だけどそれじゃ、当初の目的は達成できない。
55名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:04:37 ID:jzcP/K2L
私は腕を外して夕平を見た。安心させるように心がけて微笑む。
「そんなことないよ。久しぶりで、ちょっと恥ずかしかっただけ」
それで夕平はとりあえず納得したらしい。
胸をなでおろしたように、
「そっか。えー、じゃ、続けても大丈夫?」と問いかけてくる。
「うん、もっと気持ちよくして?」
私は両手を広げた。迎え入れるみたいに。
こいつに与えられる快楽に期待したわけじゃ、ない。
夕平がベルトを外し、制服のズボン、トランクスと脱ぎ捨てた。
私は身をこわばらせた。
血液が巡り、鋼鉄の棒みたいになった夕平のそれは、とても大きかった。
ガチガチになって、腹まで反り返っていて、赤黒い亀頭はものすごいエラを張っていた。
私をいじめていた時から興奮していたのか、先端は分泌液でぬらぬら光っている。
(……どうしよう、一久のより、全然おっきい)
ごくり、と唾を飲む。
あんなの入れられたら……どれくらいキモチいいだろう。
――って、違うよ私っ!
なに、なにを考えているの。
まるであれに突かれるのを期待しているみたいなことを考えるなんて、絶対いけない。
私には一久という彼氏が居るんだ。
そして私は、犯してもらえるなら誰でもいいなんて言うような、いやらしい女では断じてない。
セックス自体そんな好きなわけじゃない、一久とのセックスでだって滅多にイカないんだし。
だから、期待なんて、ありえない。
あってはならない。
「久しぶりだし、今日はフェラしてもらわなくていいよ。濡れてるから、準備ももういいっぽいね」
夕平は言う。
伊織、これを咥えて、しゃぶってるんだ……。
きゅん、と甘い疼きがあそこの奥で生まれる。
だから、ダメだってば。
「それじゃ伊織ちゃん」
夕平は私の前に膝を突いた。
というかコイツは着衣のままするつもりなのか。
変態め、いつかからかってやる、と私は冗談を考えて、今の状況については深く考えるのを避けようとする。
けど、こいつは私のそんな努力を打ち砕く発言を繰り出す。
「いつもみたいに、やらしくおねだりしてよ」
夕平の顔には情欲の火が見られるけど、それだけ。
平然としている。
特別卑猥なことを頼んでみた、という感じの興奮はない。
今の言葉もごくあっさりと放たれた。
それだけ……夕平にとっては当然の発言ということだ。日常な訳だ。
(ひとの妹に何させてんのよ! このムッツリが!)
怒りで性欲が少し減退する。好都合だ。
まったく、人畜無害っぽい面をしているのに、こいつの性根はなかなかどうしてキてるじゃないの。
伊織が好きになってくれなきゃ性犯罪に走ってたんじゃないの? ふん。
……けど、おねだり自体は……しなきゃいけない。
そういう流れだ。
覚悟を決めろ、私。
56名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:05:44 ID:Xr5Npkqa
頭の中で精一杯いやらしい仕草と文句を考え、検討し、決断する。
私はびちょびちょになったパンツをそっとずらした。
あそこが空気に触れる。
ぴんぴんに勃起したクリトリスが、外気で気持ちよさそうに震えるのに赤面しながらも、口上を並べた。
「ゆー兄さん、久しぶりに気持ちよくしてもらって、わたしのおまんこはドロドロです。
 ゆー兄さんのおちんぽを入れてもらいたくてひくひくしてます。
 立派なおちんちんで、伊織を気持ちよくして、兄さん?」
そして、空いた手であそこの花弁に指を添え、開く。
ぱっくりと、粘液にまみれたピンクの穴が晒された。
……これは恥ずかしすぎる。
怪しまれないように、懸命に考えた台詞だけど。
ここまでいやらしいと、逆にダメだったりしないだろうか?
そんな感じで、私が羞恥と不安の板ばさみになってると、夕平がいざって、私の腿を左右に大きく開いた。
身を乗り出して、私の頭、耳のそばをそっと撫でた。
「いつもよりちょっと大人しいね。久しぶりで恥ずかしいんだから、仕方ないけどね」
普段これより過激なの!?
パネー、夕平さんマジパネーっす。
私は少々呆れた気分になる。
さっきまでの興奮はだいぶ冷めていた。
この分なら、みっともなくよがるような醜態は避けられるだろうなー。
などと考えているうち、夕平は自分のものを手で調節して、私の穴にあてがった。
「それじゃ、行くよ」
「うん……来て」
私は順当に応じた。
次の瞬間、

ずん。

と巨大な衝撃が私を貫いた。
勢いよく埋め込まれた夕平のそれは、ずりゅずりゅと膣の中を突き進み、一発で私の子宮に抉りこんでいた。
脳みそが、
ばかに、なる。
「あっへえええええええっ!」
間抜けな絶頂の声が部屋に響いた。
気分が冷めかかっているなんて些細なことだった。
私は知った。
この、伊織の肉体は、夕平のちんぽに屈服しきっている。
何度も何度も貫かれて、完全に夕平のしもべになっている……そんな事実を。
「やっぱり、久しぶりだと気持ちいいな。……伊織ちゃんは、どう?」
ほっぺたに夕平の手のひらが触れた。
やめ、て。
犯しながら、優しくするなんて。
私の心が、あんたを認めちゃう……。
「さい、こう……だよ、ゆーにいさん。すごい、ちんぽ、すごい」
口は自然に快感を訴えた。
57名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:06:15 ID:Xr5Npkqa
私の頭は早くも朦朧としつつあって――ほんの僅か、夕平が疑念に眉をひそめたのを見逃した。
「……それじゃ、続けるよ」
「う、うん、もっと、もっと乱暴にして」
なに言ってるんだろ、私。
今の、完全に、一久への、裏ぎ――
――ずん。
「ひはあっ!」
思考が千切れる。
一突きごとに、私はどんどん人間からメスへと堕落していく。
ずるずるともぐりこんでは引き出されていく、それ。
エラの張った亀頭は、やわらかいお肉を引っ張り出すみたいに削っていく。
こそげる。
ヒダヒダが物凄い勢いでこすられる。
「んいいっ! あはぁ! いいよ兄さんっ! すごい、すごいすごひ!」
すごいすごいすごい!
セックスってこんなに気持ちいいんだ!
知らなかった!
「らめ、りゃめっ、また、またイクッ、いくのぉ!」
「いいよ、沢山気持ちよくなって!」
びくびくびく、と痙攣。
これが本当の、ほんもののセックス――
一久としてきたのなんて、オママゴトだったんだ!
今までの私がばかみたい!
「いぐ、まらイグ、わたひ、おかしくっ!」
ずんずんずん。
突かれまくってわたしは狂う。
いつの間にか私は、夕平にあわせて腰を振っていた。
ぐじゅぐじゅと、粘膜の擦れる音が部屋を支配した。
ぞりりりりり、と。
まんこの天井側の一部をちんぽが通過した。
瞬間。
「んほおっ! なんかぁ、なんか出ちゃ、」
ぶしっ。
透明な汁を私は噴き出して悶絶した。おしっこ、なの?
「はは、伊織ちゃん、潮まで吹いて、絶好調、だね!」
やや息を切らしながら夕平が言う。
しお……?
しってるけど、いままで吹いたことなんて、ないよ……
あーあ。
一久、ばかだな。
さいしょにわたしに潮吹かせたの、あんたじゃないよ。
これは、伊織のからだだけど……だとしても。
あんたのちんぽ、こんなすごくないし。
むり、むり。
58名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:06:51 ID:Xr5Npkqa
「いぐ! いぐのとまんないっっ!」
すごいよ! ゆーへー、あんたのちんぽ、すごひっ!
「子宮きもちいい! にいさ、もっと、もっどゴヅゴヅほじっへえええええええええええっ♪」
こんなとこ、かずひさのちんぽ、いちどもあたらなかった!
ずるいよ、いおり、ずるい!
わたしにかくれて、いつもゆーへーに、ちょうきょうしてもらってたんだぁっ!
ひどい、わたしは、ほとんどイッたこともないのに、いつもこんなにイキまくってたんだぁっ!
こんなすごいちんぽで、たくさんほじってもらってっ!
「はへ、はへ、はへ、はへぇ♪」
わたしは、かずひさの、粗チンなんかで、しょじょ、なくしちゃってぇ!
しょじょなくすなら、このちんぽのほうがよかったぁ!
「ちんぽしゅごい、しゅご、また、あ、またっ、うううううううううううううううっ♪」
ははっ、と笑うゆーへー。
「調子出てきたねっ、伊織、ちゃん! 僕も犯しがいがある!」
あ、いおり、いつもこうなんだ。
だよね。
こんなすごいのにおかされたら、おんななら……みんなこうなっちゃう。
こんなきもちいいの、はじめてだよ♪
「セックスすき! すき! せっくすすきっ!」
でも、かずひさとするのは、すきじゃない!
きもちよくない! これがほんもの! ほんもののせっくす!
「へえ、セックス好きなんだ」
「うん、だぁいすきぃ!」
「それじゃ、僕の、チンポはっ!?」
どすん。
「すきなのおおおおおおおお! ひぐううううううううううううう!」
きゅんきゅんする! まんこ、すごくきゅんきゅんする!
おんなのこなら、みんなこれすきになる!
さみしいなあ、とゆーへーは言う。
「僕は伊織ちゃんのこと大好きなのに、伊織ちゃんはチンコ好きなだけなのかい!?」
えと、それは、
「好きだよ、伊織ちゃん」
ゆーへーは、やさしくわらった。
「伊織ちゃんは、どーなのさっ!?」
ずん。ごりっ。
「きひゃああああああん!」
あ、あ、わたし、私はっ――!
(やっぱり、かずひさが……っ)
クリティカルな問いに、私の頭がすこしマトモになる。
夕平は伊織に問いかけてるつもりなんだから、この発言はどこまでも自然なだけだ。 
でも私は、どこまで行っても正体は水寺真姫なんだ。
いくら伊織を装ってるからって、ここで夕平に愛を誓うのは……
さんざん夕平のちんぽにイカされて、もう裏切りも何もないのかもしれないけど。
59名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:07:29 ID:Xr5Npkqa
でも、
ドスン。
「んふううううううう!」
「どうなのさ!?」
こ、こころ、心はやっぱり、一久のモノでいたい。
同じクラスになって、同じ委員会になって……。
最初は友達で、でも、私はあいつが好きになって、言えなくて、告白されたときは、泣くほど嬉しくて……。
『あのさ、水寺、その、俺な』
ドキドキしていたのを今も覚えている。
誰も居なくなった教室に呼ばれて。
もしかして、という期待が胸いっぱいになって。
『お前のこと――』
それを聞いたとき、いきなり現実感がなくなった。
何度も想像したことが、急にリアルになったから。
白昼夢でも、見てるかと思った。
でも、それはやっぱり現実で。
夢みたいな、夢じゃない、夢より嬉しい現実で――――
『好きみたいなんだわ。だから、』
私は真っ赤だった、一久も真っ赤だった。
あいつは今も軽い調子でよく言う、愛してるって。
だから、
『だから、』
私は、
『お前に――』
あいつを、
『付き合って、ほしいんだよ』
裏切ら、

ずドんッッ。
「伊織ちゃん! どーなのさッッ!?」

「ゆーへーが、すきですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

――あは。
あはは。
いっちゃった。
イッて、言っちゃった。
「すきなの、ゆーにいさんがすきです! だいすき! あいしてましゅぅ!」
「……あ、ああ、嬉しいね!」
……どかん。
「きもちいい、きもちいいよう!」
あはは、わたし……ねとられちゃった。
かずひさより、ちんぽがすきになっちゃった。
「すき、たくましい、ちんぽすき! ゆーにいさんもだいすきっ!」
かずひさがいけないんだ。
ゆーへーみたいに、わたしをきもちよくできないから。
しきゅーをガヅガヅえぐれないから、わたしダメになっちゃったんだよ。
60名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:07:59 ID:Xr5Npkqa
「ひいいいい! もっと、もっとぉ! わたし、にーさんのオナホールにしてぇ!」
「してあげるよ! ……伊織ちゃんが望むならね」
オナホール……
かんがえただけで、こーふんするッ!
ああ、ちんぽちんぽちんぽ!
かずひさみたいな、ちっちゃくて、ソーローのじゃない、これがほんものの……ちんぽ!
ゆーへーさいこう!
だいすき!
わたしを、どれいに、どれいに!
「出るよ、伊織ちゃん、そろそろ!」
「だして、わたしのなか、ざーめんでパンパンにしてぇ!」
しきゅーが、下がる。
ざーめんゴクゴクのみたくて、さがる。
「いおり、ちゃん……イクよっ!」
ドズン。
「はがああああああああっ! すごいのくるうううううう!」
でた。
あついのが、しきゅーのなかに、まきちらされた。

なかだし、きもち
よすぎる♪

「とける、しきゅう、とけちゃうううううううううううううううううううううう!」
しあわせ。
このちんぽだけあれば、わたし、しあわせ……♪
「……ふぅ」
だしおわると、ゆーへーはちんぽを抜いた。
にゅるるるる、と抜けていく感触で、わたしはまた、しおをふいた。
だいぶ、つかれた。
でももう、終わり……
じゃなかった。
「さ、もっかい行こうか、伊織ちゃん」
夕平は当たり前のように言って、私をころんとうつ伏せにした。
そしてお尻だけを持ち上げれば、夕平に向けてお尻を突き出す女の完成。
まだするの?
でも、今の口ぶりからして、何回もするのは日常みたい。
じゃあ――それに付き合わないのは、ヘンだよね――。
私は口元がほころぶのを自覚しながら、両方の手を後ろにやった。
まんこをくぱっと開く。
どろりとザーメンがたれて、太ももを流れるのさえ気持ちいい。
「うん……
 私のメスマンコ、もっともっと、犯して……♪」
たのしみ。
わたし、これから、何回イカされるのかな……♪
61名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:08:50 ID:Xr5Npkqa
結局あの後、3回した。
私は数え切れないくらいイッて、その間に何度も夕平に愛を叫んだ。
だらしなく喘いで、卑語を垂れ流した。

バカだ、私。

冷めた頭の中に、後悔が満ち溢れる。
一時の肉欲に流されて、好きな人を完全に裏切ったんだ。
……私が家に戻ると、すでに私の肉体を借りた伊織は帰宅していた。
伊織は私を見るとすぐに事態を察知したようで、「ごめんね、ゆー兄さんが……」と手を合わせた。
そして、自分も一久と致してしまったと小声で白状し、謝られた。
伊織は実際、申し訳なさそうではあったけれど、まとう雰囲気に、
『大したことなかったな、お姉ちゃんの彼氏』
というニュアンスがはっきり存在した。
仕方ないと思う。
あいつは前戯をあまりしないし、下のほうも、夕平に比べれば……認めるしかない、粗末すぎる。
夕平とのセックスに慣れた伊織にとっては、不満足もいいところだろう。
肉欲だけで夕平に愛を叫んだ私と違って、伊織はあいつのことを心でも想っている。
肉体と精神の両面を満足させられてるんだから、一久とのセックスなんて、退屈なだけだったに違いない。
それでも一久は、私にとっては一番大切な存在なんだ。
それは絶対、そうなんだ。
「ごめん、疲れたからちょっと寝てくるね」
夕食まで時間が有ったから、わたしはそう言って伊織に背を向けた。
「そうね、夕平のは初めてだと疲れるものね。ちゃんと休みなさい」
お母さんが傍を通った途端、伊織は姉の性格を装って言ってみせた。
本当、演技派で困る。
私は苦笑しつつ、伊織の部屋に入り、下着を替えてベッドに寝転がった。
姿勢が変わったからか、ぷぢゅ、と音がして、わたしのあそこから精液が漏れた。
一久、ごめんなさい。
謝っても謝りきれないけれど……。
声が聞きたい。一久の声が。
でも、今の私は伊織だから、そんなこともできない。
もどかしくて仕方ない。
思い煩うのも一時のこと。
心身の疲労が噴き出して、私はすぐに眠りに落ちた。
そしてセックスの夢を見た。
私は夢幻の世界で、夕平に犯されて動物みたいに喘いでいた。
しばらくして目覚めた私は、またびちょびちょになった下着を見ることとなった。
物凄く情けなくて悲しかったけど、とても興奮して、オナニーして、潮を吹いてイッた。
「夕平、すごいよ夕平のちんぽすごすぎるよぉ……」
……さっきまでの情事を、妄想しながら。
62名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:14:48 ID:Xr5Npkqa
お終いです
読めば分かりますが、夕平が不信感を抱くあたり、後編の存在を想定した形になっています
なるべく書きたいと思います。なるべく。
これ単体でも一応は終わってると思いますが・・・

平仮名ばっかのとこが読みにくいよハゲ、というクレームは全面的に受け付けます
クレーム多数の場合、後編では廃止しますので。
63名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:20:04 ID:WOD8H2gN
リアルタイムGJ!
エロかった。
64名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 09:30:21 ID:Lb2/GhrI
早速、続き期待してます!
65名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 11:51:31 ID:clGD4fIC
エロかったぜ!続き期待!
66名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 16:20:28 ID:SN3JwwSE
待ったかいがあったぜ!
67名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 23:45:30 ID:9q9LLLyZ
さああげるか
68名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 22:23:54 ID:MyttAnHJ
あがれぇぇぇぇぇ!!
69名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 23:46:27 ID:r53oANmq
そんなやたら上げてどうすんだ
70名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 22:44:05 ID:4sEFbs4j
過疎スレは頻繁にあげるのが常識。
普通のスレなら荒らしリスクでさげ推奨だが、過疎スレでは荒らしうんぬん以前に、
住人を増やすことが第一の目標だからね。
そういう俺も、上位に来たこのスレのタイトルに目が留り来ました。
良いスレの予感!ぜひ存続してほしい
71名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 23:09:26 ID:or5UYiyK
同じくー。たまたま目に止まったからきてみたw
ssすごくよかった!!

良スレの予感
72名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:39:54 ID:NHvNPpFj
男と女の入れ替わりは転校生を筆頭にそのパロディーで沢山あるけど女同士って少ないんだよな
梅図かずおの洗礼とかシチュエーションだけなら興奮できるんだが
いかんせん絵が好みじゃないのとオチが・・・

ここのブログの人は女同士の入れ替わりの話を沢山書いてくれてたんだが
ttp://irekawari.exblog.jp/
最近仕事が忙しいのか止めちゃったり
このブログの他にもいくつかブログ運営しててそこでも書いてたが
いくつか消えちゃってもう読めないんだよな・・・
水商売の中年ホステスが女子高生の体を奪って
元女子高生がケバい姿になったかつての自分と再会する話とか好きだった
73名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 20:52:04 ID:NHvNPpFj
74名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 04:40:29 ID:E9K0qBps
2,3ヶ月前に集英社の「YOU」だったか、講談社の「BE LOVE」だったかに、
マンションの隣通しに暮らす「主婦⇔お偉いさんの愛人」の入れ替わり漫画が連載されてた。
元主婦:旦那しか知らなかったのに体目当ての男の愛人としてひたすら男を喜ばせるためにテクニックを磨く
元愛人:平凡だと馬鹿にしていた「妻・母親」として、自身の存在を求められて、愛し愛されることを知る
結局自分の体が一番、てな最後だったが、途中で意識が肉体に同化し始めたりもしてた。
元主婦側が、相手を喜ばせるために元愛人から色々テクニックを習ったり実践したり。
いいのか、こんなん掲載して?という内容だった(レディース誌としてね)
掲載誌もタイトルも忘れたことが悔やまれる
75名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 16:34:52 ID:ovFuzgDt
ビッグマックとハンバーガーでは味付けが違います。
ダブチーとチーズバーガーでは食材の比率の違いで風味も違います。
76名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 16:36:37 ID:ovFuzgDt
グハ!誤爆!
77名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 20:31:18 ID:7CVT/e5q
保守
78名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:38:23 ID:CwHXRrSv
通りすがりです。
興味深いスレだったので入れ替わりSS書いてみました。
投下させていただきます。

優等生と問題児の入れ替わりです。
79名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:39:24 ID:CwHXRrSv
きっちりと後ろに1つにまとめて結った髪、暗さを強調するださい眼鏡、校内でほとんど誰も守っていない中、校則通りの長さのスカート、ぴしっと前を閉じたブレザー。
生徒を取り締まることにしか生きがいを感じないのじゃないか、そう他の生徒からも噂されることもしばしば。
超がつくほどの真面目な優等生で、成績優秀な風紀委員の遠藤美冬。

何度も注意されるほど茶色く染めた髪、常に研究は欠かせないメイク、自慢の美脚を惜しげもなく露出する短いスカート、前を閉じるなんて窮屈で崩した着こなしのブレザー。
特定の彼氏は作らずその日の気分でいろいろな男と遊んでいる。
教師からも問題児扱いされ、赤点常連、風紀委員のブラックリスト入り、それが私、近野千夏。

あっちは遠い冬。私は近い夏。
見た目や性格だけではなく名前までここまで見事に正反対だともう笑うしかない。
男女問わず友達作りなら百戦錬磨の私でも、唯一友達になれそうにない、いや友達になる気もない奴、それが風紀委員の遠藤だった。
80名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:41:31 ID:CwHXRrSv
化学実験室に設置されている数人が囲めるようになっている大きくて黒い実験テーブル。
遠藤は、テーブルにノートを広げて黒板の文字を一生懸命書き取っている。
あんなの真面目にノートに書き写してるのは遠藤くらいだ。
ピンと伸びた背筋。制服についているボタンというボタンは1つ残さずぴっちりと止めている。
見ているこっちが苦しくなる。
化学の班、よりによって遠藤と一緒なのだ。たかが1時間程度とは言え、同じテーブルにいるだけで息苦しい。
まあ、実験とか全部仕切ってさっさとやって結果出してくれちゃうから楽と言っちゃ楽なんだけど。
授業があまりにだるいからふと窓の外に視線を向けたらグラウンドが見えた。違うクラスの男子が校庭でサッカーをしている。
今、シュートを決めたあいつ。こないだHしたけど、口ほどにもなかった。顔は悪くないんだけどなあ。
そろそろ、特定の彼氏作ってもいいんだけどなかなかピンと来るいい男が見つからない。
ふう、とため息をつくと、前方から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「……近野さん?聞いてましたか?今の僕の話」
うちのクラスの担任であり、化学教師の松下。
よれよれの白衣に、これでもかというほど地味な眼鏡男。
生徒にまで腰が低いし、よわっちそう。確か25.6歳くらいらしいけど、マザコンなんだろうな。
ださいし、絶対童貞だ。あれも包茎で小さいに違いない。
と、松下の持ち物を想像をするだけで吐き気がしてきた。
遠藤も苦手だけど、私はこいつも苦手だ。苦手というか、関わりたくないといった方が正しいか。
彼氏にしたくないタイプの男NO.1といっても過言ではない。
私は松下の方を見ることもせずに、吐き捨てるように言ってやった。
「聞いてませんでした」
「近野さん、貴女って人は、本当に……」
松下は、はあとため息をつくとズリ下がっている眼鏡をかけなおした。
本当、ださくて頼りない男。
81名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:43:26 ID:CwHXRrSv
特に長く感じる、大嫌いな化学の時間がようやく終わりを告げた。
今日の授業は終わり。あとは帰るだけ。誰と、どこに寄って帰るかなぁ、そう思うもピンとくる男子が思い浮かばない。
でもとりあえずこんな実験室から早く出て行きたいと思ったが松下の野郎の一言で足をとめざるを得なくなってしまった。
「本日の片付け当番は1班の方です。2名お願いします」
私の班だ。そんなだるい当番逃げてしまいたいが、同じ班にいる子は、遠藤以外は仲良くしている友達だ。
自分だけ逃げるわけにはいかず、仕方なくじゃんけんに参加した。
気まぐれで出したグー。周りの子はほとんどパーだった。
もう1人、グーを出したついてないヤツは、よりによって遠藤だった。
ついてないにもほどがある。片付け当番になってしまったあげく遠藤と一緒だなんて。
片付けを始めてさらにもう1つのついてないことに気づいてしまった。
「近野さん、そちらの器具を持ってきてもらえませんか」
遠藤にくわえて松下まで一緒だなんて。教師なんだから当然のことなんだけど。
こんな居心地の悪い空間、体験したこともない。
乱暴に器具をつかんでバン、と松下のところへ置いてやったところでスピーカーから校内放送が流れ出した。
「松下先生、松下先生、職員室まで起こし下さい」
「僕ですか?ちょっと職員室まで行って来ます。終わったら今日はチェックなしでそのまま終わりにして結構ですので、よろしくお願いします」
そういうと松下は出て行った。せいせいした。
生徒に物を頼むのによろしくお願いします、なんて言ってるから生徒になめられるんだ。
まぁ、私の場合、松下からのお願いごとなんて、どんな言われ方しても不愉快だけど。
要するに松下に対して虫が好かないのだ。
82名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:45:24 ID:CwHXRrSv
掃除用具を化学準備室へと戻し、だるい後片付けのだいたいが終わった。
遠藤と私の間に一切会話はない。話しかけるつもりもないし、くそ真面目な遠藤は私のような問題児とは関わりたくないだろう。
こいつと一緒に教室まで戻るつもりも全くないしさっさと帰ってやろうと思ったら、珍しく遠藤が私に話しかけてきた。
「……近野さん。今日は誰と帰るの?毎日違う男子生徒と帰ってるみたいだけど。もう少し体を大事にしたら?」
「はぁ?」
「特定の相手も決めずに、その日の気分で惰性でただ体を重ねるだけでむなしくないの、って言ってるの」
「なっ!?」
私のことを抱いてくれる男はたくさんいるけど誰に抱かれても満たされない心、体。
そんな図星なところを言い当てられたのが頭に来たのだ。しかもよりによって遠藤に。
こんな男も知らない、一生処女でいそうな堅物に、何がわかるっていうの!?
「余計なお世話!」
自分でも気づかないうちに遠藤の肩を突き飛ばしていた。
遠藤は簡単に吹き飛び、ガシャン、と大きな音をたてて背後にあった薬品棚へ思い切り体をぶつけてしまった。
いけない、我に返って遠藤を助け起こそうと手を伸ばしたら半開きになっていた薬品棚の中から薬瓶が落ちてきて、それが私たちの
頭に思い切りかかってしまった。
もし肌が爛れるような危険な液体だったらまずい、と思ったが匂いも刺激も特になく、問題はなさそうだ。
それより、遠藤だ。いくら受け付けないヤツとは言え怪我をさせたら大変だ。
「ご、ごめん、遠藤!大丈夫!?」
そう口にして気づいた。背中を打ったような痛みがある。
私は突き飛ばした側なのに。しかも、背後に薬品棚があるのもおかしい。
こうなるのは遠藤のはずじゃ、そう思い頭の中にいくつもの疑問符を浮かべていると、遠藤が口を開いた。
「私も少し言いすぎた。ごめんなさい」
そういってしれっと謝罪してる人間は、茶色い髪に今時のアイメイク。短いスカート。どうみても私だ。
慌てて自分の体を見下ろしてみると、そこには信じられないほど長いスカート、顔に手をあててみると硬い感触が。
遠藤のトレードマークのださい眼鏡だ。
「ちょ、ちょっと!遠藤!」
「……私たち」
「体、入れ替わってない!?」
「……そうみたい」
遠藤は、近くに落ちていた棚から落下して割れた瓶の破片を拾い上げてジッと眺めた。
ラベルなどの表記はない。無臭だし、中身はただの蒸留水だったのかもしれない。
「遠藤、どうしよう!?病院とか行った方がいいのかな……?」
「……相手にしてくれるわけないでしょ?入れ替わったなんて。頭がおかしくなったと思われるだろうし。そのうち戻るんじゃない?」
「どこにそんな保証が?」
「なんとなくだけど」
そういって遠藤は準備室から出て行こうとした。
この状況で落ち着いていられる遠藤は、やっぱりどこかおかしい、と思った。
私は遠藤を引き止めた。普段なら遠藤となんて一緒にいたくないが、今1人になるのは非常に心細かったのだ。
「あら、私を呼び止めるなんて珍しいわね、近野さん」
「……私の顔で、言われると混乱するんだけど」
「そのうち戻るでしょうからとりあえず黙っておくのがいいんじゃない?
近野さん、ださい私の姿になったなんてまわりに知られたらいやでしょう?」
遠藤、自分でださいって自覚があるんだ。
ってそんなことはどうでもよくて。
「この姿のまま帰るわけにもいかないし、元に戻るまで図書室にでも行って時間潰してるから」
「戻る保証なんかないんだよ!?」
「そんな気にすることないわよ。近野さんも、私の姿がいやならばどこかに隠れていたらどう?」
遠藤はそう言うと準備室から出て行ってしまった。
83名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:46:39 ID:CwHXRrSv
もしかしたら遠藤には戻る方法を知るあてがあるのかもしれない。
そう信じて、遠藤の言うとおり人目につかないとことで待機することにした。
遠藤は図書室に行くと言っていたから、屋上か、空き教室で今朝買ってきたばかりの雑誌でも読むか。
……いや、遠藤はファッション雑誌なんて絶対読まないだろう。しかも学校内で。
もし誰かに見られたらおかしいと思われてしまうに違いない。
って!ふと気づいたけど、私には知られたくないことがあった。
胸が小さいのがコンプレックスなのだ。パット入りで寄せてあげて大きく見えるブラジャーを愛用している。
その事実が遠藤にバレてしまったら末代までの恥だ。
男に抱かれる時も胸にはあまり触らせないし、服は上を脱がないようにしている。
基本的にHをするのは校内とか落ち着かないところ、服を脱がない方が自然な場所でばかりしているから誤魔化せているのだ。
まさか遠藤が服の中身を見ることはないと思うけど、不安でたまらない。
でも今更そんなことで足掻いても仕方ないとはわかっている。
とりあえず人目のつかないところへ、そう思っていると後ろから男の声がした。
「遠藤さん」
自分が呼ばれていることに気づくまで時間を要して一瞬反応が遅れた。ボロが出ないように、はい、と返事だけをして振り返る。
私にわからない話題だったら仮病でも使って逃げてしまえばいい。
呼び止めた人物を見て、さらに気分が落ち込んだ。
「松下……せんせ」
いつものように呼び捨てにしてしまいそうになっているのに間一髪気づいて、申し訳程度に先生、をつけたした。
こんな悪夢のような状況にさらに松下に話しかけられる追い討ち。
いや、遠藤の姿だから話しかけられているのだから悪夢の相乗効果、というのだろうか。
「先ほど話しましたが、化学準備室まで来てもらっていいですか?」
先ほど、といわれても私には全くわからない。
この場合わからなくても素直にうなづくのがかしこい方法だとわかっていても、松下に来いといわれて、はいわかりました、とうなづける私ではない。
黙っていると、松下は会話を続けた。
松下はぼけてるし、アホだしトロいし、今目の前にいる真面目な優等生の中身が不真面目な近野千夏になっていることになんて絶対気づくはずもない。
「放課後お手伝いして欲しい仕事があるとお願いしたじゃないですか」
「あ、それは……」
「さっき了解してくれましたよね。準備室までお願いします」
断る有無も言わさず松下は白衣を翻していなくなってしまった。
どうやら松下が放課後、遠藤に仕事をお願いして遠藤がそれをOKしたらしい。
松下なんかの仕事を手伝うなんて、遠藤ってどこまで優等生でお人よしなの?
すっぽかすこともできるが、優等生の遠藤が教師との約束をいきなりすっぽかしたらいくらトロい松下でも
怪しむに違いない。頭を使う仕事なら仮病か急用で逃げて、頭を使わない仕事ならば適当に終わらせてしまえばいい、そう思って
不本意ながらも化学準備室へ向かうことにした。
84名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:48:38 ID:CwHXRrSv
「失礼します」
しぶしぶ化学準備室に入ると松下の後姿が見えた。今日は人生で史上最悪の日だ。
こんなださい遠藤の姿にされたあげく、こんな地味男の仕事を手伝いしなきゃいけないなんて。
しかも、悪夢を引き起こしたこの部屋に再び戻ってくるなんて正気の沙汰じゃない。
松下は、椅子に座ったまま、こちらを振り向いた。
「ありがとうございます」
「……いえ。で、手伝うことってなんですか?」
「遠藤さん」
「はい?」
「スカート。いつもより短いんじゃないですか?」
「え……?そうですか?」
確かに、長くてあまりに動きづらいから、間に合わせでとりあえずウエストのところを1回だけ折り返した。
それでもまだ全然長いけど。
安っぽい椅子特有のギィ、というきしむ音をたてて、松下が立ち上がった。
ツカツカ、と入り口に向かっていく松下。
出て行くのかと思ったら準備室のドアを内側から鍵をかけてしまった。
様子がおかしい、と思ったころには遅かった。その足で私の方へと近寄ってきた。気づいたら私の後ろには薬品棚。
松下は両手を薬品棚のガラスへとついて、私を追い詰めた。
「何のつもりですか!?」
「僕のこと、誘ってるんですか?」
「はい!?」
松下は眼鏡をくいっと押し上げた。顔が近づいてくる。
松下なんか私にとって空気以下の存在だしどうでもいいし興味ないし、うざいし頼りないし情けないしださいし、顔なんかまともに見たくないから見たことなかった。
はじめて至近距離で見てみた松下の顔。肌も綺麗だし、普段長めの前髪と眼鏡で隠れがちな目は意外と切れ長で、全体的に整った顔をしている。
絶対認めたくないけど、普通に結構かっこいいんですけど!?
いや、そんなことはさしたる問題ではない。問題はこの状況だ。明らかに教師が生徒に向けてやっていい体勢ではない。
それに、スカートだとか、誘ってる、だとか、明らかに性的なものを連想させる。
松下ってば、遠藤に手を出す気で準備室まで呼んだの!?信じられない!
「そんな可愛らしい誘い方しなくても、抱いて欲しいなら言ってくれれば喜んで抱きますよ?
僕は貴女の恋人なんですから、遠慮はいりません」
もう驚きの連続で言葉も出なくなった。
遠藤と松下、付き合ってたの!?それに、松下の強気な態度と表情。
口調はいつもと変わらないけど、声のトーンがいつもより低い気がする。
もしかして、松下ってこっちが本当の性格!?
私の頭の中は既にオーバーヒートしていた。逃げるという選択肢も見つからずに震えていると、そっと唇が重なった。
あんなに気に入らなかった松下とキスしてる。本当なら気持ち悪くて死んでも受け入れたくないはずなのに。
突き飛ばそうと思えば突き飛ばせるのに、何もできなかった。
しばらくの間、角度を何度か変えた重なるだけの柔らかいキス。眼鏡同士がぶつかる感触が慣れなかったが、次第にそんなことちっとも気にならなくなった。
そろそろもっと激しくして欲しい、そんな考えが沸いてきたことが自分でも信じられなかった。
私の希望に応えるように、ゆっくりと舌先が入ってきた。時間をたっぷりかけて口内を甚振ってくる。
さらに信じられないことに、無意識のうちに私は自分の舌を絡ませていた。恐ろしく気持ちよかった。
相手、松下だよ?あの地味眼鏡で頼りない。やばい、松下、キスうまい……。
正直、今までいろいろな男とキスしたけど、キスは適当でがっついてすぐ体に触って来るヤツがほとんど。
キスだけで体がふわふわしてきた。キスだけでこんな気持ちよくなったの初めてだった。
85名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:50:20 ID:CwHXRrSv
ようやく離された唇。
キスだけで腰ががくがくしてきてしまった。遠藤、いつもこんなキスしてるわけ?
勉強と、風紀委員の仕事だけが生きがいとか噂されてる遠藤の裏の一面を知ってしまった。
松下は椅子をひっぱってくると、半ば強制的にそれに私を座らせた。
「足が震えてます。どうしました?特に変わったことしてませんが……」
いけない。普段遠藤はおそらく日常茶飯事的に松下とあんな気持ちいいキスをしてるわけで。
あまりに反応してしまうと、中身が違うことがバレてしまう。
これ以上はまずい、そう思いながらも体が動かない。もしかしてこれから先のことを期待している?
もっと気持ちよくなれるかもしれないって?いや、そんなわけが……!!松下相手に!?
私の思考はぐるぐるして、まともに物が考えられなくなっていた。
そんな私をよそに、松下はネクタイを外し、そのネクタイで私の両腕を後ろで縛ってしまった。
あっという間の出来事。相当手馴れている。いつも、こいつら、何やってるわけ!?
「美冬さん、なんだか今日は様子がおかしいですけど……?何かありました?」
「何も……ないです」
精一杯の一言。それを聞いて松下はならいいんですけど、そう言って自分のワイシャツのボタンを1つぷちんと外した。
そのあと、私の前に回りこんでブレザーのボタンに手をかけてきた。
ブレザーのボタンを全て外され、松下はさらにシャツのボタンにまで手を伸ばした。
慣れた手付きでシャツのボタンまで全て外すと、それを左右に開いた。
遠藤らしい白いブラジャーが露わになった。その胸を見下ろして驚いた。
やけに胸元が窮屈だと思っていたが、きっちり止めているボタンのせいだと思っていた。
それもあるが、原因はこれだった。明らかに胸の大きさとブラジャーのサイズがあっていない。
「いつ見ても窮屈そうです。胸の大きな女は頭悪そうに見られるからって、大きいものを無理して隠すことないんじゃないですか?
美冬さんらしいですけど、あまり押さえつけるのはよくないです。まぁ、美冬さんの胸が大きいってことを知るのは僕だけってのも悪くはないですけどね」
遠藤のヤツ、胸こんなに大きかったなんて。大きな膨らみを小さめのサイズのブラジャーで押さえつけていたのだ。
言うならば、普段の私と逆、ってこと。こんなところまで逆だったとは、もう何も言葉が見つからない。
「胸が大きな女は頭悪そうって、今時誰も思いませんって。それに胸が小さくても頭が悪い人は頭が悪いですから」
松下はくすくす、と笑うと、ブラジャーの肩紐を指でなぞった。
「例えば、そうですねぇ、近野さんとか。まぁ、彼女は頭が悪いのが魅力ですから。かわいいじゃないですか。
ああ、近野さんの胸?結構膨らんでるように見えますけど、あれってパット入りで寄せてあげてますよね」
「なっ!?」
「彼女は僕のこと、特になめてますからねー、ちょっとかわいがってあんあん言わせてやりたい気もします。
生意気な生徒を黙らせるの、楽しそうじゃないですか」
松下、私の胸がパット入りだってこと、わかってたの!?なんてヤツ!
しかも、さらっとすごいこと言った。確かに私は松下のこと思い切りなめてバカにして教師だと思っていなかった。
松下がこんなSだったなんて!
「あー、すいません。他の女性の話なんて野暮ですよね」
にこり、と笑うと松下は今度は眼鏡にそっと触れてきた。
「ほら、こんな伊達眼鏡外しますよ」
もう無理です。あまりに驚きの連続すぎて私ついていけません。
遠藤の眼鏡が伊達なんて誰が思う?真面目な優等生で風紀委員の遠藤にあまりに似合いすぎているカチッとした眼鏡は実は作り物だった。
松下に眼鏡を外されたが、視界はそのままだった。本当に伊達眼鏡のようだ。
そのまま松下は私の髪の毛の束をほどいた。さらりと長めの黒髪が広がった。
「やっぱりいつ見ても美冬さんはかわいいですねえ。ほら」
そう言って椅子を全身鏡の方へ向けられた。鏡に映っている遠藤の姿を見てまた言葉を失った。
眼鏡をはずされ、縛っていた髪の毛をほどいた遠藤は、普通に美少女だった。
もう何もかもがわからなくなって、パニック状態だった。
「先生……」
「はい?僕にも眼鏡外してほしいんですか?……ダメですよ、かわいい顔が見えなくなってしまうでしょう。
僕は美冬さんと違って本当に目悪いんですから」
松下は、顔を近づけると頬をそっと撫でて、優しい声で言ってきた。
「してもいいですか?」
……私は、うなづいてしまった。
86名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:52:27 ID:CwHXRrSv
押さえつけているブラジャーのホックは外されてしまった。
上に持ち上げられた瞬間に大きな膨らみが解放され、ぷるんと勢いよく弾け出た。
松下はその膨らみを優しく揉み解していく。
思ったよりも大きい手の平。男の人の手だ。それでも少し余るほど、遠藤の胸は大きかった。
胸を揉まれるのがこんなに気持ちのいいことだったなんて。
今までコンプレックスのせいで胸にはできるだけ触らせないできた。
乳首を少し触られても、胸が小さいのがバレないかが心配で快感を感じている余裕もなかった。
すでに乳首は触って欲しくてぷくりと充血していた。でもやっぱり、松下はすぐにはそこには触れない。
寄せたり、持ち上げたりしてゆっくりと全体を揉んでいき、ようやく中心に指先が伸びてきたが、まだ乳首には来てくれなかった。
乳輪をそっと指でなぞってきた。それだけでもぞくりとした快感が体を流れ、思わず声が出てしまった。
「気持ちいいですか?」
素直にこくりとうなづいた。ゆっくりと時間をかけた愛撫。こんなに丁寧に触ってもらったことなんて今まで
一度もなかった。
「じゃあ、こっちも触りましょう」
やっと、待ちわびた乳首への愛撫が始まった。
「あ!あっ……!」
思わず声が漏れた。何度もピンピンと弾かれ、摘まれた。指で散々もてあそんだあと、松下は乳首に舌を這わせ始めた。
たっぷりの唾液で転がされ、嬲られた。乳輪ごと吸い込まれ舌先でつつかれると頭が真っ白になった。乳首がこんな気持ちいいなんて!!
乳首だけなのに、今までやってきたHの挿入なんかより数倍気持ちいい。

スカートも脱がされた。全身鏡に自分の姿が映っている。
すらりとした白い太もも。悔しいけれど遠藤、いい体してる。
それを普段わざと隠したり、ださく見せていたなんて。
松下は足をグッと広げると、ショーツに指を這わせて、ふふ、と笑った。
「濡れすぎですよ」
すでにショーツの役目を果たさなくなるほどはしたなく濡れていた。
私は普段あまり濡れない方なのに、遠藤の体が濡れやすいのか。
いや、違う。たっぷりとした愛撫を受けたからだ。
ショーツも脱がされ熱くなった秘所が空気に晒された。
松下はわざと音をたてるように割れ目をなぞっていく。
私と松下しかいない準備室に、卑猥な水音が響いた。
「すごい音ですね。聞こえますか?」
指先がちょん、とクリトリスに触れた瞬間に私の体は大きく仰け反った。
自分でも信じられない声が漏れてしまった。
「ひゃあっっ……!!」
「ここ、本当好きですねえ」
あふれ出てきた愛液をまぶして、指先で何度も転がされる。
イきそう、その寸前になると松下は手を離してしまう。
松下は椅子の背を押すと、私を椅子に座らせたまま前に押し出した。鏡がさらに近くなった。
「見えますか?美冬さんのあそこ」
両足をさらに開かれ、秘所が思い切り鏡に映っている。
ビラビラは充血しぱくりと開ききって、愛液にまみれ光が反射している。
クリトリスも膨れ上がり、さらなる愛撫を待ちわびていた。
なかなかイかせてくれない上に、こんなやらしいことをするなんて、どんだけSなの松下は!
「あまり意地悪したらかわいそうですね。僕もそろそろ我慢できませんし」
松下はしゃがみこむと、私の股間に顔をうずめてきた。舌でべろりと全体を舐められたあとクリトリスを舌で執拗に愛撫された。
今まで味わったことのない快感。恐ろしく巧みな舌使い。私は簡単にイってしまった。
87名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:53:51 ID:CwHXRrSv
両腕を縛っていたネクタイは解かれた。
ブレザーとシャツとひっかかっていたブラジャーも全て脱がされて残されたのは靴下だけになってしまった。
松下は私を抱きかかえると、デスクの上に座らせ、白衣を脱ぎ捨てるとベルトをカチャカチャと外し始めた。
ズボンと下着が下ろされて出てきたものに私は息を飲んでしまう。
……普通に大きい。グンと反り返ったペニスの先端は赤紫色で膨れ上がっている。大人のペニスだ。
10代の若者にもまったくひけを取らないその角度と威力。
私は、完全にこいつのことを舐めていた。童貞で包茎で小さいと思っていた。
素直にすいません、と言わざるを得ない。
松下は私の足を開くと、その凶暴な塊を入り口へ押し付けた。
「今日は、美冬さん、安全日です。このままいいですか?」
遠藤の安全日まで把握してるとは、一体こいつら何者なの、と言いたくて仕方なかったが私にはもう理性は残っていなかった。
ただ、目の前にある逞しい男性器が欲しかった。
男根が一気に私の中を貫いた。遠藤のあそこは、松下の大きなペニスをするりと簡単に飲み込んでしまった。
膣内に収まったペニスがすごくしっくり来る。挿れられただけでうっかりイってしまいそうなほど気持ちがいい。
きっと昨日今日体を重ねた仲じゃない。もう、何度も、何度も松下のこれを受け入れてきたに違いない。
松下と目があってしまった。信じられないことに、私はヤツにキスをねだっていた。
松下はふふ、と小さく笑うと濃厚なキスをしてくれた。ものすごい快感。こんな気持ちいいの体験したことない!
ゆっくりと腰が動かされる。今までやってきた男は、ただがむしゃらにピストン運動をするだけの単調な動きばかりだった。
私はそんなSEXしか知らなかった。それが、今日覆された。松下はただ突くだけじゃなくて、かき混ぜたり抉ったり、いろいろな動きで
肉壁を擦ってくる。子宮の入り口をグリッと抉られた。自然と体が撓ってしまう。
「あああああっ……!!!」
「気持ちいいですか?」
眼鏡の奥の松下の瞳は、見たこともない、雄の色をしていた。いや、今まで見る気すらなかったんだけど。
快感を分かち合っているのが、すごく伝わってきた。
大きさが自慢のもっと大きい人としたことあるけど、ただ大きいだけでちっとも気持ちよくなかった。
松下は、自分の大きさとテクニックを最大限に使って、快感を与えてくる。
それに、遠藤の感じるところを熟知しているのだろう。
遠藤ってば、いつもこんなすごいSEXしてたなんて。うらやましい。
散々松下をバカにしてた私はそんなこと言える権利なんか持ってないけど。
今だけは、この本物のSEXを感じていたい。遠藤、ごめん。
ズン、と思い切り深く突かれた。それに応えるように、私は膣をきゅ、としめて襞で松下のものを包み込んだ。
夢中で自ら腰を振って、何度もイき続けた。はじめて、SEXでイった。
最後に、松下は膣内に精子を吐き出した。イくときの松下の顔が意外に色っぽくて、それでまた感じてしまった。
あれだけバカにしてたのに。私って、最低だ……。
88名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:56:11 ID:CwHXRrSv
行為が終わって、松下は優しく後始末をして、服を着せてくれた。
私は未体験の快感の連続に、もう何も考えられなくなっていた。
「落ち着きましたか?」
「……はい」
脱ぎ捨てた白衣を床から拾い上げてパサパサ、と叩くとそれにまた腕を通した松下。
こうして白衣を着て黙っていればいつもの松下だ。
でももうあんな体験をしてしまった私には、松下に対して、今までと同じ見方はできない。
松下は私の方に近寄ってくると、私の目を見て、にこ、と笑った。
「随分気持ちよさそうにしてましたね。これに懲りたら、これからは真面目に僕の授業聞いてくださいね、近野さん」
「はいぃぃ!?」
「僕が調合した、体入れ替わりの薬の試作品。かぶってしまったんですって?驚かせてしまいましたね。
かぶってすぐ、近野さんの体をした美冬さんから聞きました」
「なっ……!」
信じられない!!
最初から中身が私とわかってたってわけ!?
松下は眼鏡を持ち上げると笑って見せた。見たこともないような悪魔の微笑だ。
「美冬さんと僕の関係、できたらバラさないでくださいね?言っても誰も信じないと思いますが。
ああ、あと僕が学校で秘薬の調合してたことも。まあ、僕は近野さんの胸がパット入りのよせあげという安いネタしか持ってませんから……バラすな、と強制はできませんが」
胸の秘密。私にとっては十分の脅迫ネタだ。
半ばやけくそで叫んでやった。
「……言わなきゃいいんでしょ!」
「あれ、近野さんにしては物分りがいいですね」
「この2重人格!!腹黒教師!」
「それは心外な。普段は猫かぶってるだけです」
「も、もう知らない!!」
私は化学準備室を飛び出した。
何度もイかされて砕けそうな腰を抑えながら廊下を歩いていると私の姿をした遠藤が歩いてきた。
「ちょっと、遠藤!!あんた、松下と」
「どう?よかったでしょ?松下先生ってば、上手だから」
そう言ってくす、と笑っている、見慣れた自分の顔が小悪魔のように見える。
私の姿をした遠藤は続けた。
「松下先生が作った薬で近野さん驚かせちゃったみたいだし、そのお詫び代わりよ。
近野さんたら本当のSEX知らないみたいだったから。今日限りね。本当は松下先生が他の女抱くなんてイヤだけど
体は私のだから、まぁ1度くらいならいいわ。近野さんが松下先生見直すいい機会だったでしょ?」
「ま、松下だけじゃなくてあんたまで普段猫かぶってたわけ!?」
遠藤はその質問には答えずしれっとした顔をしている。
な、なんなの、松下も遠藤も!!つかみ所がなさすぎる。
「ああ、そういえば、A組のなに君だっけ?名前知らないけど。いいだろ、って求めてきたからヤラせてあげたけど、
この体、経験してる割に未熟なのね。全然開発されてないじゃない?」
「う、うるさいな!」
「物足りなすぎる。やっぱり松下先生とじゃないと満足できない」
その瞬間、突然貧血のように目の前が真っ白になった。
思わず床にへたりこんでしまうが、それはすぐに治った。
はっきりしない頭を抱えていると、目の前には遠藤の姿があった。
自分の顔、髪、服に触れてみる。いつもの私だ。
「あ……」
「やっぱり。戻ったみたいね」
「すぐ戻るってわかってたわけ!?この腹黒カップル!」
私たちがかぶったのは松下が作った体入れ替わりの試薬。遠藤は数時間で効き目が切れるってわかってたからあんなに落ち着いていられたんだ。
それだけじゃなくて松下とグルになって私で退屈しのぎしてたの!?

遠藤はくすくす、と笑うと化学室の方へと消えていった。
89名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 12:57:21 ID:CwHXRrSv
おしまいです。

お邪魔しました。
90名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 13:52:40 ID:1exIFbp5
こーゆーの大好きなのー!
ぐっじょ!!
91名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 17:55:10 ID:+q2Eye+C
GJ!
普通真面目な方が振り回されるのに、これは斬新w
92名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 20:10:03 ID:JFx8l+MM
すばらしい
93名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 21:37:35 ID:5Ii5wqwm
GJ
後日談も読みたい。
94名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 11:52:51 ID:eHPqz9Rx
良スレage
95名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 16:11:32 ID:YB4b0fHF
松下先生と美冬が実は入れ替わっていて、松下(美冬)が
先生とのセックスが忘れられない千夏とラブホテルでエッチってどうかな。
96名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 16:33:56 ID:YB4b0fHF
さっき書き込んだのですが、それだとスレのタイトル
と違ってしまいますね。
97名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 23:03:59 ID:l+TZE82k
>>95 
ありがとうございますw
「女の子同士」の入れ替わりとなると
男女の入れ替わりや後日談もスレ違いになってしまうからなかなか難しいですよねw
98名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 12:36:35 ID:5BT5mIGw
後日談は別にいいんでね?
本当の体でセクスするけど
あの体でのセクスが忘れられない〜
もういちど入れ替われたい〜
とかな。
99名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 01:10:58 ID:iAwUiMyd
「サキュバス!速く私の体を返しなさい!」
「ふふふ、いやだわね」

「何を!こっちは大迷惑なのよ!なんで正義の味方である私が、魔王の手下なんかにならなくちゃいけないのよ。
 あなただって、いきなり魔物から人間になって、迷惑してるはずでしょ?」
「いいえ。私は今の身分が気に入ったわ。毎日聖女と呼ばれて人々から拝まれるし、
 人間界の食い物もおいしいし、何より魔王軍の気持ち悪い連中と付き合わなくて済むわ」

「そうよ、あなたの周りの魔物は、なんて下品なのよ!その……みんな何かいやらしい目つきで私を見るし……
 このボンデージだって、なんなのよ!胸もギリギリのところまで見えて、おへそだって露出してるし……」
「だって、あたしはサキュバスだもの。こんなことしないと、食事ができないわ」
「ううぅ、そういえば私はもう三日三晩何も食べていないわ……」
「あら、まだ食事を済ましてないの?そのうち力が消耗して、動けなくなるぞ」

「でも、なんだかパンとか食べる気がしなく」
「何言ってるのよ。あなたはもうサキュバスなんだから、男の精液を吸わないと」
「なななな……なんて破廉恥な言を!」
「もう、これだから。あたしもオナニーしてから分かったんだけど、あなたはまだ処女なんでしょ?」

「ちょっとちょっと、私の体になんてことを!」
「ふふふ……ずいぶんと長い間、禁欲的な生活を送ったようね。体が気持ち良くなるまで、少しかかったわ。
 まあ、安心しなさい。私があなたの体を、どんな男でも触れただけででムラムラするような淫乱な体に開発してあげるわ」

「な、な、何を!そんなふしだらなことを……!」
「うふふ、顔を赤くさせちゃって。心配しないで。この国の王子やら、魔王を倒す勇者やら、
 今はみんな私にメロメロになってるの。淫術が使えないから心まで掌握できないけど、
 あなたのもともとある素質と私のテクニックと合わせれば、彼らは簡単に私のいいなりになるわ」

「こ、こらー!勝手なことしないでよ!」
「そんなことより、あなたはもっと自分の心配をしてみたら?魔王様は非常に厳しいお方だから、
 部下であるあなたが任務に失敗すると、恐ろしい罰が待ってるのよ」
「恐ろしい……罰?」
「ええ。まあ、サキュバスの場合は、魔物たちの前に引きずり出されて凌辱ショーさせられたりするかもね」

「い……いやだ――!速く、今からすぐ私と体を入れ替わりなさい……キャ、イタァッ!」
「ふふふ……もう忘れたの?こっちには、あなたが使っていた悪魔に大ダメージを与える銀の杖があるのよ。
 今のあなたは、私に触れることすらできない」
「ぐぅ……」
「誰かに事を打ち解けるのもあきらめることね。狡猾な淫魔の言うことなんか、
 誰も信じないんだから。それに、もしそういった類の噂が私の耳に入ったら」

「な、なによ」
「私はあなたの体を使って、全裸のまま町の広場へ行って、
 『私は淫乱なマゾ女です。皆さん、どうか私のはしたない姿を見てください』って言いながらオナニーするわよ」
「そ、そんな!」
「私は別にいいのよ。これは私の体じゃないし。でも、聖女の名や教会の名誉は、確実に地の底に落ちるわね」
「ぐぅ……」
「あなたも自分の名誉に傷つきたくないなら、これからも私の言う事を聞きなさい。淫魔なら淫魔らしく町中の男たちの精液を吸って、
 沢山の悪さをしなさい。そしたら、私があなたを退治した時、もっと多くの評価が得られるんだから」
100名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 03:17:19 ID:btSIdx3Y
続き期待DAZE
101名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 09:36:46 ID:FqrQ98Yx
期待age
102名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 17:07:22 ID:kFDlJkqy
クリスマスイブage
103名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 08:01:30 ID:tz2AOIsT
新婚の初々しい嫁がもうすぐ60になろうかというおばさんと入れ替わる
というネタを妄想しつつ保守
104名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:15:56 ID:DcuCBlFA
あけましておめでとうございます。

あまり一般向けではないですが一本投下。頭のすげかえ物です。
注意:スプラッタ?と糞便シーン有。共に軽めですが。




「えーと、翔子さん……だっけ?」
「…………」
翔子は声が出せなかった。
溢れ出る涙をぬぐう事もできず、ただ歯をカチカチと鳴らすのみ。
感じているのはただ恐怖だけ。それほどまでに目の前の光景は常軌を逸していた。
「酔いは醒めたみたいだね。よかったよかった」
まるで場違いな、落ち着いた声が聞こえてくる。
その声を発したのは、これもまた場違いな少年だった。
彫刻のように整った顔は、この散らかり汚れた部屋には全くそぐわない。
彼は部屋の隅に座り込んだまま、やや乱れた服装の女性を後ろから抱きかかえていた。
胸を揉んだり下着の中に手を入れたりするその仕草は、
見た目の年齢からは想像もできないほど淫猥で手慣れている。
女は全く抵抗せず、なすがままになっていた。

当たり前だ――その体には、首から上がないのだから。

そしてその体についていた首は、髪を電灯の紐に結び付けられ、ぶらぶら揺れている。
信じられない事だが、首も体もまだ生きているようだ。
105名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:17:34 ID:DcuCBlFA
「……ぅ……ヒック……」
ようやく、といった感じで吊られた首が口を開く。涙と鼻水で顔はグチャグチャだったが。
「な……何よ、コレ……一体どうなってんのよ……」
「んー、そうだねぇ……」
少年の方は相変わらず、翔子の体をいじり回している。
切り離されているからか、その感覚は、翔子自身には全く伝わってこなかった。
しかし首がなくても刺激には反応するらしく、乳首は律儀に存在を主張していた。
「まぁ、見たまんまって事?」
「あんた一体何なのよぉぉぉぉっ!!」
精一杯叫んだが、何一つ状況は変わらなかった。
「僕が言うのも何だけど、夜道を一人で歩くのは危ないよ。しかも酔っ払ってさ」
「いいでしょ別にっ!」
「一人暮らし? 送ってくれるような彼氏はいないみたいだね。結構キレイな顔してるのにもったいない」
「ほっといてよぉっ!! 触らないで!!」
異様な状況に合わない会話だったが、それがまた翔子の神経を逆なでする。
「いや、そこでさ――」
少年は芝居がかった動作で指を立てた。
「僕が翔子さんと一晩、一緒に遊んであげようかなぁ、なんて」
「嫌! 絶対イヤっ!!」
あらん限りの嫌悪を込めて拒絶する。
普段ならば少年の申し出を受け入れたかもしれない。
彼の端正な顔立ちは水準以上、どころか翔子が今まで出会った中で最高のものだった。
だがその美も、この状況では恐怖を煽る効果しかない。
106名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:19:31 ID:DcuCBlFA
「でも僕も最近飽きちゃってさぁ」
「何がよ!」
「普通に犯したり孕ませたりがねぇ、どうも気が乗らないんだ。
子供を作っても、ほとんどは普通の人間として平凡な一生を終えちゃうんだ。つまらないよねぇ?
ネフィリムと今の人間を単純に比べる訳にもいかないんだけどさ。
ああ、もちろんホモやレズもやってるよ。ソドムの町からずっと」
一人でべらべらと喋り続けているが、翔子には何の話かさっぱりわからない。

「私を……犯すつもり!?」

「ああ――」
少年は大げさにため息をついた。物分りの悪い生徒を目にした教師のような表情。
「どうして人間ってやつはこうも頭が悪いんだろうね――いや、怒ってる訳じゃないよ?
ただ……どうしてなんだろう、と疑問には思うね。これが生命の神秘ってやつなのかな?」
「一体何なのよ!」
「最近ただの性交が面白くないからどうしようかな、って言ってるのに……ちょっとは話聞いてよね、もう」
そう言うと少年は、動かない体の腕をつかんでみせる。
「あんまり聞かないと、こんな事しちゃうよ?」
ぶちっ――という小さな音と共に、翔子の右腕が肩からもげた。
「キャアアアアッ!!」
思わず悲鳴をあげるが、先ほどと同じく痛みは全くない。
首の切断面と同じく、肩からも血は一滴も出ていなかった。
「あはは、冗談だよ」
少年はにこやかに笑うと、引きちぎった腕をまたくっつける。
腕どころか、破れたはずの服までが完全に元通りになっていた。
107名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:22:44 ID:DcuCBlFA
「やめて!私の体をオモチャにしないでぇっ!」
必死に懇願すると、彼は機嫌を良くしたようだ。
「うんうん、いいね。その表情」
天使のように微笑むが、翔子は全く生きた心地がしなかった。
「わかったらちゃんと僕の言う事を聞いてね。子供じゃないんだからさ」
「う……うぅ……」
「ん、子供……子供……? そうだ!」
彼は何かを思いついたように立ち上がると、弾むような足取りで部屋を出て行った。

「ただいまー」
少年が戻ってきたのはすぐの事である。翔子はおびえながらも
多少は落ち着きを取り戻していたが、少年が連れてきた人物を見てまた驚く事になった。
「翔子さん、お客さんだよ」
「……え? 双葉ちゃん?」
「あー、ショーコだぁ! 首だけー変なのーあはは!」
隣の家に住む子で、確か今は幼稚園に通っているのだったか。
休日に何度か遊んでやった事もある。無邪気な可愛い子だ。
「ちょっと! 双葉ちゃんに何かする気!? だったら許さない!」
双葉の身を案じてできるだけの虚勢を張るが、自分の首が振り子のように揺れるだけだ。
「いや、僕は翔子さんと遊びたいだけだよ」
「だったら何で!」
少年は動かない翔子の体の横で、双葉を優しく抱いていた。
108名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:23:39 ID:DcuCBlFA
「いや、それがね。ちょっと聞いてみたいんだけどさ」
微笑みながら口を開く。街中ならば多くの女が、いや男でさえ振り返るだろう顔立ち。
「『翔子さん』はどっちかな? 今僕と会話してる生首? それともここに寝てる体?」
「そんなの――」
彼の言葉に、翔子は必死で言い返す。
「そんなの私が『首』で、そっちが『体』に決まってるじゃない!」
「だよね――100人に聞いたら99人はそう言うだろうねぇ……いや、残り一人は知らないけどさ」
うなずいて彼は続けた。

「じゃあ――こうしたらどうだろう?」

「……え?」
呆けた翔子の目の前で、少年は双葉の首を体から引き抜いた。
先ほどの腕と同じく、全く抵抗も出血もなく少女の首がもげる。
「おー! わーわー!」
驚いているのか笑っているのか、わからないような声を双葉はあげた。
「とれちゃった! ショーコと一緒だね! えへ!」
「ふ、双葉ちゃん! 大丈夫!?」
そこに少年の笑い声が重なる。
「大丈夫だよ。ていうかこの子が死んでたら翔子さんも生きてないじゃない」
「あ、そうか――って、何納得してんのよ!」
思わず自分に腹が立つ。
「じゃ、双葉ちゃん。いくよ」
彼は手に持った双葉の首をそのまま――倒れている女の体に近づけていく。
(!? まさか――!)
109名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:24:34 ID:DcuCBlFA
「や、やめて――」
「はーい、パイルダーオーン! って古いよね。ごめん」
翔子が叫ぶよりも早く、双葉の首は翔子の体にくっついていた。
「な、何してるのよっ!!」
「いや、くっつけただけさ。……どう? 立てる?」
少年は横たわる女に優しく問いかける。
「んー? ……お、おお? お! すっごーい!」
翔子の腕が、脚が、腰が動く。双葉の思うとおりに。
彼女は興奮した様子で立ち上がると、自分の体を確かめるように動かした。
そこにいたのは、首から下が成熟した女の肉体の、あどけない顔をした少女だった。
いくら童顔の女と言えども、これほどの体と顔のギャップはないに違いない。
「翔子さんの体だよ。気に入ってくれたかい? これで双葉ちゃんも大人の仲間入りだね」
「へええ? うわー、あたしすごーい! 足長ーい、手も長ーい!」
翔子の大人の体が面白そうに飛んだり跳ねたりする光景は、かなり奇妙なものだ。
「やめて、双葉ちゃん! それは私の体なの!!」
自分の体が玩具にされる恥ずかしさで怒鳴るも、翔子の声は届かない。
「双葉ちゃん、これわかる? ブラジャーっていうんだ。
大人のおっぱいにはこれをつけるんだよ。ほら、おっぱい大きいでしょ?」
「ほんとだ! あたしおっぱいでかい! ママよりでかい! あははっ!」
楽しそうに自分の胸を揉む双葉。不自然なほど興奮している。

「ふ、双葉ちゃん……?」
そこで翔子は気づいた。心なしか、双葉の幼い顔が赤く染まっていた。
(双葉ちゃん……まさか、酔ってる!?)
考えてみれば、あの体はかなり飲んでいたはずだ。双葉の脳にアルコールが回っていてもおかしくない。
ここにきて飲みすぎた事を悔やむも、今さらどうしようもなかった。
110名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:25:34 ID:DcuCBlFA
また、双葉の顔が赤いのは酒のせいだけではない。
「ほら双葉ちゃん、気持ちいいだろう? おっぱいマッサージされるの」
「うん……おっぱい、気持ち……いい」
気が付くと少年の白い手が双葉の双丘を掴んでいた。
既にブラは外され、大きな胸を隠すものは何一つない。
彼にいじられ続けていた乳首は、遠目にもはっきりわかるほど立ち上がっていた。
その痴態から目をそらす事もできず、翔子は叫ぶ。
「やめて! そんな小さな子に変な事しないで!!」
「小さな子? おかしいなぁ、双葉ちゃんは大人だよね?」
「あぁっ……あへっ……いふっ……」
「双葉ちゃん、逃げて! 逃げてぇ!」
必死の声もむなしく、少年は双葉の体を弄ぶ。
「そこで、さっきの話だけど――」
手を止めないまま彼は言った。
「今僕と遊んでる大きいお姉さんと、そこにぶら下がっている首。どっちが翔子さんだろうね?」
「何でもいいからやめてぇ! 双葉ちゃん! 双葉ちゃあぁん!」
「あへ? あた……あふっ……ふあぁっ!」
ビクン、と体が跳ねる。失禁したのか、静かな部屋に双葉の水音が響いた。
「ふ……双葉ちゃん……」
翔子の顔が青ざめる。目の前で自分の体が弄ばれ、しかも小水まで漏らしたのだ。
だが、今の翔子には落とす肩すらない。
111名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:26:36 ID:DcuCBlFA
「――じゃあ次はこっちの番だね、翔子さん」
ゆっくりと少年は立ち上がると、翔子の体ではなく、
座ったまま放置されていた双葉の体に近づいた。その手には細い紐が握られている。
「…………」
翔子はもはや声もなく、彼の動きを見届ける事しかできない。
その間に彼は双葉の服を脱がせると、その細い腕を後ろ手に縛り上げてしまった。
足も同様に、立てないよう紐で縛る。
「できるだけ跡が残らないようにしたつもりだけど……で、次はこれさ」
次に彼が取り出したのは、小さめの卵型の容器だった。

「そ……それって……」
言葉を失う翔子に、彼は容器をじっくりと見せつける。
「その通り。便秘の味方、イチジク浣腸! これをこうして……」
双葉の小さな尻がよく見えるよう持ち上げると、それを可愛らしい肛門にあてがう。
「大人用だけどいいよね。うん、きっといいはずだ、多分」
などと言い、中身を全て注入してしまった。
「やめて! 双葉ちゃんの体が可哀想よ!」
「双葉ちゃんの体?」
翔子の抗議を不思議そうに聞き返す少年。
「やだなぁ、勘違いしないでよ。これは翔子さんの体なんだから」
「なっ――!」
絶句する翔子に構わず、彼は電灯の紐から翔子の首を外した。
何をされるか。状況を考えると答えはたった一つしかない。
112名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:27:36 ID:DcuCBlFA
「や――やめてぇ!! お願い! やめてぇ!!」
「うるさいなぁ。翔子さんは子供じゃないんでしょ? だったら騒がないでよ」
文字通り手も足も出ない翔子の首を、彼は優しく双葉の体にくっつけてしまった。
「はい、OK」
「いや……こんなぁ……」
ようやく戻った全身の感覚。だがそれは以前とは随分違うものだった。
それに加えて――

「い……痛い……お腹……痛い……」
下腹から突き上げてくる苦痛が翔子の理性を蝕む。
「へえ、もう効いてきたんだ。すごいなぁ、科学の進歩って」
「お……お願い……ト、トイレ……」
縛られた手足で身動きが取れず、排泄の欲求に必死に耐えながら頼み込む。
その目にはまた涙がこぼれ、全身が震えていた。
「え、でも翔子さんは子供じゃないんでしょ。だったらお漏らしなんてする訳ないよね」
「そ……そんな事言わないで……い、行かせて……お願い……」
青ざめた顔が白くなりつつある。限界はすぐそこだった。
「じゃあ……大丈夫だと思うけど、保険って事でこれをどうぞ」
どこから取り出したのか――もうどうでもいいが――彼が用意したものを見て、
血の気が引いていた翔子の顔が真っ白になった。

「あ、あひる……?」
113名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:28:44 ID:DcuCBlFA
「やっぱりおまるはあひるさんじゃないとね」
小さな子が――今の翔子よりもっと幼い子が使うような、白いおまるがそこにある。
「はい、どうぞどうぞ」
少年は翔子の脚だけをほどくと、小さな体を後ろから抱き上げ、おまるに座らせた。
双葉の体である事に加え、あまりの苦痛で抵抗もできない。
「や……やめて……トイレ……」
翔子にできるのは涙ながらに懇願する事だけだ。だが彼は翔子の腹部に手をやると、
「聞いた話だと、大腸の流れに沿って『の』の字にマッサージするといいらしいね」
リズミカルな動きで腹を撫で回した。

「こうかな?」
「いやぁぁぁぁっ!! やめてぇぇえぇぇっ!!」
「もういいんじゃない? ほら、出しちゃいなよ」
「ら……らめ……もう……」

翔子が記憶していたのはそこまでである。
114名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:30:14 ID:DcuCBlFA
どのくらいの時が経ったのか。
「……はぁ、はぁ……ふぅ……」
汚れたおまるの隣でぐったりと横たわる小さな女の子。それが今の翔子である。
(……あれ、私……どうしたんだっけ?)
もう意識が希薄になってしまい、周囲の事もろくに認識できていなかった。
だから、目の前で交わる男女がいても気にならない。

「ほら、双葉ちゃん、どう? おちんちん気持ちいい?」
「あひ! いい! いい、いいの! おちんちん、いい!」

少年が――ため息の出るほど綺麗な顔の少年が、女に馬乗りになっている。
犯されているのは体格・服装からいって年上の女のようだが、顔だけは幼い少女のものだった。
「あへ! あぅは! ぅうえ!」
快感のあまり言葉にすらなっていない。
双葉ちゃんには刺激が強すぎるんじゃないかしら、と翔子はぼんやりと思った。
「いやぁ、双葉ちゃんにこんなに気に入ってもらえるなんて良かったよ」
少年は本当に無邪気に微笑んでいる。

「もう、一生このままでもいいかもね」

彼の何気ない、だが重大な言葉も、今の翔子にはどうでもいい事のように思える。
(そうだ……朝になったら、双葉ちゃん返しに行かないと……。
 でも、双葉ちゃんってどっちだっけ? 私? この子?)
錆びた車輪のように思考が動かない。

「……いい! あひ! これ、いい!」
しばらくの間、部屋には双葉のうめき声だけが聞こえていた。
115名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:31:16 ID:DcuCBlFA
結局、あれから少年は姿を消してしまい、二人は入れ替わったまま戻る事はなかった。
翔子は半ば放心状態だったが、何とか隣の家にたどりつき、双葉の両親に事情を説明する事ができた。
もちろん二人は変わり果てた愛娘の姿を見て、大泣きし取り乱したが、
いつまでも嘆いてばかりいる訳にもいかない。
翔子は今の幼い体では仕事に行けないし、大きな双葉もこのまま幼稚園に通う事はできない。
相談の結果、双葉の体の翔子が『双葉』として幼稚園に通い、
翔子の体の双葉は『翔子』として仕事をやめ、双葉の家に居候するという形になった。

そして3年後――。
ある小学校の帰り道、同級生の男の子たちにいじめられる少女がいた。
「やーい、おばさん顔のフタバー!」
「おばさんはスーパーに帰れー!」
「…………」
少女は黙って耐えている。入れ替わりの事実は誰も知らないが、
『双葉』の顔と体が不釣り合いなのは隠せるものではない。
いじめられるのももう慣れてしまった。
当たり前だが成績は常にトップであるし、実は顔の事以外はそう困っていない。
「おかえりー、フタバ」
「ただいま、ショーコ」
『翔子』はジーンズにTシャツ一枚の姿で寝転んで、子供向けアニメを見ていた。
横になった彼女が転がるたび、豊満な胸が揺れたり押しつぶされたり。
それを横目で見つつ、『双葉』がぽつりと口にする。
「見た目は子供、頭脳は大人……これで顔も子供だったらなぁ……」
「どーしたの、フタバぁ?」
「何でもないっ!」
ぶっきらぼうに言い返す。早く買い物に行き、夕食の準備をしなくては。
116名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:32:22 ID:DcuCBlFA
そして日が暮れた頃、父親が帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえりなさい、『お父さん』」
「おかえりパパ!」
二人して出迎えると、父親は食卓を見て歓声をあげた。
「お! 今日は肉じゃがか!」
「ビールもあるよ、『お父さん』」
「そうか! 双葉は気が効くなぁ。ところで今日、学校はどうだった?」
「んーとねぇ……」
笑顔で食卓を囲む家族。ありふれた、だが貴重な幸せがそこにあった。

深夜1時。
『双葉』は物音で目を覚ました。ぼんやりとした頭で、音源が隣の部屋なのを確かめると
(また、やってるのね……)
起きて損をした、とでも言いたげにまた目を閉じる。
隣の部屋は父親と『翔子』の寝室である。今日も一戦交えているようだ。

「翔子、悪い子だなお前は。こんなに締め付けてくるなんて。パパ怒っちゃうぞ」
「あっ……ああんっ……いい、パパ! そこ、かき回して!」

父と娘の交わりが始まってもう2年になる。初めのうちは罪悪感を感じていた父親だが、
妻に離婚されて『翔子』と再婚してからは、もう気にならなくなったようで
最近は毎日のように翔子と子作りを行っている。第一、体は赤の他人なのだ。
「そろそろ、弟か妹ができるわね……」
目を閉じたまま『双葉』がぽつりと口にする。あの『継母』が妊娠など想像もできないが。
もし子供が生まれたら、心から祝ってやろう。もう自分は娘の『双葉』なのだから。
(最近お肌が気になってきたし、ちゃんと眠らないと――)
枕に顔を埋め、双葉は半ば無理やりに意識を手放した。
117名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:33:26 ID:DcuCBlFA
以上となります。
拙い文章でお目汚し大変失礼致しました。
今年が皆さんにとって良い年でありますように。
118名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 11:41:54 ID:jmjCjtcJ
久し振りに「神」とよべる作品をみた!
119名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 12:33:56 ID:Ck7YgIgm
すげぇ……
ぐっじょ!
120名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 20:25:35 ID:5ro+zE1G
このスレにある作品を外部で見たんだが
職人さんが持ってるサイトとかじゃなくて。
明らかコピペだったが無断転載か?
このスレは保管庫とかないもんな?

何はともあれ あけおめ

121名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:29:47 ID:spGqHzrD
こんばんは>>104です。
懲りずにまた1本書いてしまったので置いておきます。
今回も偏った嗜好の話ですが…

注意:ファンタジー、人外ネタ、エロ少な目



「――よくそんな依頼、引き受けてきたものですね……」

酒場の席、フィーネが呆れた顔でまず言ったのはその言葉だった。
「相手の正体もわからずに戦う訳でしょう。インプやミノタウロスならまだしも、
 ドラゴンなんて出てきたら私たちじゃどうしようもないですよ」
「大丈夫!」
自信に満ちた笑顔でレナは言い切った。
短く切りそろえられた白銀の髪、明るい緑色の瞳。耳を飾る乳白色のピアス。
服はそれと対照的に赤と黒が基調となり、あちこちに宝石やら護符やらが
派手にちりばめられている。肌の露出が多いのは動きやすいからではなく、
人並み以上の胸や脚線美を強調するためのようである。
魔導師。10人が見たら9人はレナの事をそう呼ぶだろう。
「そこの洞窟に魔物『らしいモノ』が住みついてもう何年もたつんだけど、
 その間一切何もなかったんだって。大人しいもんよ」
「被害がない?」
顔に疑問符を浮かべて聞き返すフィーネ。
こちらは流れるような長髪のゴールデンブロンドと透き通った青い瞳の少女で、
白と黄色の落ち着いた長衣をまとっている。年頃はレナと同じくらいだが背は低く、発育も幾分良くない。
しかし、落ち着いた言動と思慮深い性格から、レナより年上の印象を受ける。
神に仕える若き神官。それがフィーネだ。
122名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:31:09 ID:spGqHzrD
「うん、全くないの。街道沿いって言っても町から結構離れてるしね」
「……本当に魔物がいるんですか?」
疑わしげな視線をレナに向ける。レナは実力はあるのだが慌て者で、しばしばフィーネを困らせてきた。
共に旅をするようになって2年になるが、今でも自分がついていないと危なっかしく思える場面がある。
「探検に行った子供が、魔物がいるって言ってたの。何がいるかはわからなかったらしいけど」
「危ない事を……」
「んで、私らでその魔物を追い払うって訳。まぁチョロい仕事よ」
「ずっと被害がなかったのに今さら退治する必要、あるんですか?」
気の進まない態度でフィーネが聞いた。魔物とはいえ必要のない殺生はしたくないのだろう。

「いや、それがねえ――」
レナが口元の杯を傾ける。フィーネと違い、彼女は酒好きなのだ。
「今度、そこの近くに牧場を作る話があるのよ。だから今のうち追い払え、だって」
「人間の都合じゃないですか」
多少言葉に怒りを込めるも、相手はどこ吹く風、といった調子である。
「まあ仕方ないじゃない。チンケな依頼にしては報酬は破格なんだから。
 それに――私たちは人間であって、魔物じゃないのよ」
「はあ……」
「それじゃ、明日の朝出発するからね。いい?」
「……わかりました。準備しておきます」
しぶしぶ、という感じでフィーネがうなずくと、レナは上機嫌で酒杯をあおるのだった。
123名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:32:07 ID:spGqHzrD
洞窟は意外と広かった。どこから流れてくるのか、冷えた風が二人の体を撫でる。

「うー、寒っ!」
レナの声が奥の方まで響いてゆく。相変わらず露出度の高い衣装で、見るからに寒そうだ。
「もうちょっと厚着してくればよかったんじゃ……」
「だってー、今日暖かかったんだもーん」
いつもの調子で会話しながら奥に進んでゆく二人。レナの魔術の灯りで照らされているため、
周囲ははっきり見える。背後には松明を持ったフィーネが油断なく後についていた。
「地面は岩でゴツゴツしてるし、しかもあちこち濡れてるし、歩きにくいよー」
「湧き水でもあるんでしょう。滑らないで下さいね、治す魔力がもったいないので」
「はいはい……」

と、レナの足が止まる。
「ん? ……広い部屋ねえ。灯りつけてるのに何も見えやしない」
洞窟内にしてはかなりの広さの空間だ。ひょっとしたら魔物が出てくるかもしれない。
フィーネは使い慣れたメイスを構えて辺りを見回した。
「壁際に行きましょう。魔物が襲ってくるかもしれません」
「オーケー♪」
レナは言われた通り、周りを照らしながらじりじりと部屋の端に寄り――
124名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:32:57 ID:spGqHzrD
ガラッ !! ドガガガガガッ !!

派手な音が響き、そして悲鳴が続く。
「きゃああああああっ !!」
「レナ !? どうしました !?」
松明を声の方に向けるフィーネ。だが彼女の姿は見えない。
「レナ !! レナ !! 大丈夫ですか !?」
返事が無い事に焦りながら、フィーネは松明を下の方に向けた。

「これは……」
レナのいた場所の足元が崩れていた。
部屋の端は壁だと思っていたが、どうやら崖のような構造になっていたらしい。
足を滑らせたか、岩が風化か浸食で崩れやすくなっていたかしたのだろう。
自分の不注意を呪いつつ、フィーネは自分も落ちないよう注意してレナを探した。
だがかなりの高さを落下したのか、女魔導師の姿は見えず、返事もない。
魔術の灯りも消えてしまったようで、松明の光だけでは探すのが難しかった。
「早く見つけないと――どこか、降りられそうな場所は……」
とにかく今は、無事でいるのを願うしかない。
125名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:33:47 ID:spGqHzrD
「う……」
ひんやりした地面の感触に、レナは目を覚ました。
(私……どうしたんだっけ――確か、地面が崩れて――)
だんだんと意識がはっきりしてきた。感じられるのは尻と背中に当たる、冷えた地面と壁。
どうやら自分は寝転がっているのではなく、壁にもたれかかっているらしい。
魔術の灯りも消えており、周囲は真の闇である。何も見えなかった。
「ここは……フィーネ……?」
相棒の名を呼んだが、返ってきたのは別の声だった。

「おや、お目覚めだね」

「――誰 !?」
聞き覚えのない女の声に驚いて立ち上がろうとするが、体が言う事を聞かない。
(私……怪我してる? ――いや、違う)
派手に落ちたはずだが、幸いにも擦り傷くらいで済んだようだ。服はドロドロだが。
しかし、体が動かないというのは――。
「ああ、しばらくは動けないだろうよ。しびれ毒が効いてるからね。あまり大きな声も出せないよ」
「毒…ですって !? 誰 !? 姿を見せなさい!」
体の自由と声を奪われ、魔術を使う事もできない。
危険な状況に不安をかきたてられるも、ここで怯える訳にはいかなかった。
「やれやれ、人間には何も見えないらしいね」
声と共に黄色い灯りが突然目の前に現れ、レナは目を細めた。自分のものと同じ、魔術の灯りだろう。
126名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:34:48 ID:spGqHzrD
やがて目が慣れてくると、視界に自分以外の存在を認識する事ができた。
「これで見えるかい?」
「あなたは――」
レナの目に映ったのは美しい顔立ちの女である。歳は見た目30そこそこで、黒髪の長さはレナくらいか。
それと同じ色の瞳が真っ直ぐに彼女を見つめている。
だが、洞窟内のこの寒さにも関わらず、衣服を全く身に着けていない。
それどころか全裸で、レナ以上の豊満な胸を隠そうともしない。
そして下半身は――人間のものですらなかった。黒光りする鱗が灯りによく映えた、極太の大きな蛇。

「――ラミア……?」

本で見ただけの知識だったが、それでもレナはそれをそう呼んだ。
上半身が美しい女、下半身が巨大な蛇の怪物である。知性は人間並と言われているが、
最近は目撃証言が少なく、半ば伝説上の存在となっている魔物だった。
「一応聞いておこうかね。あんたたちは何しにここに来たんだい?」
ラミアの目はお世辞にも友好的とは言えなかったが、いきなり襲い掛かるという事はないらしい。
動けずに捕まってしまっている今の状況で、それだけが不幸中の幸いと言えた。
「えーと……」
牧場を作るためここの魔物を追い払いに来た、と話す訳にはいかないだろう。
答えられないままレナが言葉を探していると、ラミアが近づいてきた。
「正直にお言い。嘘ついてもいい事はないよ」
鼻の触れ合うような距離で鋭い視線が彼女を射抜き、脳内で危険信号が駆け巡る。
(ホントの事言っても嘘ついても無事に帰れない気がする……)

結局、ありのままを白状してしまうレナであった。
127名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:36:01 ID:spGqHzrD
「そーかそーか、やっぱりねえ。そんな事なんじゃないかと思ったよ」

話を聞いてもラミアは大して怒りを見せなかった。
「でもねえ、あたしらは人間に対して何もしてないじゃないか。
 ずっとここに住んでて、そっちの都合でいきなり出てけって言われてもねえ」
「はい……ごもっともでございます……」
卑屈な態度でうなずくレナ。動けない以上、フィーネの助けを待つしかない。
「あんたに文句言っても始まらないけどさ。雇われただけなんだろ?」
「はい……」
敵意もなく、魔物はレナを見つめる。
(これは、ひょっとして助かる……?)
彼女の心に、かすかな希望が差し込んだ。それを知ってか知らずかラミアが続ける。
「とにかく、もうここには住めないみたいだねえ……。
 あんたたちを追い払っても、町の人間たちは諦めやしないだろ?」
無言でうなずく彼女を前に、ラミアはため息をついた。

「……あたしらラミアも随分数が減ってしまった。この近辺にはもうあたしら2人しか
 残っていないだろうね。悲しい事さ」
「2人?」
「ああ、見えてなかったのかい。――出ておいで!」
ラミアが後ろを振り返り呼ぶと、その影から小さな女の子――下半身は蛇だが――が恥ずかしげに顔を出した。
人間ならまだ7〜8歳くらいだろうか。可愛らしい顔立ちをしている。
128名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:36:57 ID:spGqHzrD
「……娘さん?」
驚いてレナが問い、ラミアが肯定する。
「まだ甘えん坊でね。あたしはどうなってもいいけど、この子だけは何とかしてやりたい」
子ラミアは母にすりよると顔を伏せた。見た目より幼い仕草が深く印象に残る。
「でもここを離れてあたしらが住める場所なんてないだろうね。周りはどこも人間の領域だから」
「…………」
何も言えずにいると、ラミアが後を続ける。

「そこで、だ……どうせ追い出されてのたれ死ぬなら、何でもやってやろうじゃないか、と思ってね」
「え?」

(それは――どういう……)
言葉の意味を飲み込めない内に、ラミアがゆっくりと動き出す。
「ほら、こっちにおいで」
「おかーちゃん……」
娘を引き寄せ、こちらに近づけてくる。何をするのかわからないが、今のレナには見守る事しかできない。
「んじゃ、いくよ」
「うん」
ぎゅっと目を閉じる子ラミア。もうレナと顔が触れそうなまでに近づいていた。
「何を――」
彼女がそのセリフを言い終えない内に。

――ごんっ !!

頭部に子ラミアの頭を勢いよく叩きつけられ、レナは再び意識を失った。
129名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:37:34 ID:spGqHzrD
「レナ〜 !! レナぁ〜 !!」
松明をかざすフィーネの声が響く。あれからかなりの時間回ってみたものの、レナは見つからない。
ただ落ちただけなら、もう発見していてもいいはずだ。となると――
(起き上がってこっちを探しているか、それとも――何者かに連れ去られたか…… !!)
件の魔物だろうか。だとしたらレナの身が危ない。フィーネの心は焦る一方であった。

と、その時――。

「あ……」
聞きなれた声がフィーネの耳を撫でた。
「レナ !?」
慌ててそちらに松明を向けると、見慣れた親友の姿があった。
「レナ !! 大丈夫ですか !?」
慌てて駆け寄るフィーネ。視覚と触覚で怪我がないかを大まかに確認する。
大丈夫。ちょっと汚れているだけで、大した怪我はしていないようだ。
「ああ、よかった……」
安堵のあまり大きく息をつく。
「あまり心配させないで下さい……大分探したんですよ」
思わず愚痴が口をついて出る。しかし、返事を聞いてフィーネの目が点になった。

「はい……すみません……」

(―― !?)
あろう事か、あのレナがこんな台詞を吐くとは。彼女は先ほどよりもっと慌てて、
「レ、レナ、大丈夫ですか !? 頭、打ちましたか !?」
しかし、やはりレナはいつもと違う様子で、
「は、はい……頭、打ちました」
なぜかおどおどしている。
130名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:38:33 ID:spGqHzrD
(……これは重傷です !! 早く連れて帰らなくては !!)
自分の治癒魔術ではちょっと無理かもしれない。
魔物退治はまた今度でいい。今は一刻も早く町に戻るべきと思い、彼女はレナの手をとった。
「さあ、早く帰り――」
軽く引っ張ったところで、フィーネはバランスを崩しよろけてしまった。

「痛っ !! レナ !?」
「――す、すいません。転んじゃって……」
辺りは暗いが、ここの足元は乾いているし岩も多くない。転ぶような場所ではないのだが――
やはり足に怪我でもしていたのか。フィーネは親友に肩を貸してやろうと横に回ったが、
レナはなぜか遠慮する。
「……い、いいんです……」
「レナの足、怪我してないんですか?」

「だ、大丈夫…すぐ慣れますから……」

(慣れる……? 何に慣れるんでしょう……)
まあ本人がそう言うなら大丈夫なんだろうと納得し、二人は出口を目指す事になった。
131名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:39:43 ID:spGqHzrD
「う……あいたたた……」
洞窟の奥で子ラミアが目を覚ました。側には母親のラミアが付き添っている。
「えーと、ここは……?」
「さっきの場所さ。あんたはずっと寝てたんだよ」
心なしか、娘に対する母の言葉は冷たい。

「あれ……体が動く……」
子ラミアは腕を軽く回すと、そのまま立ち上がろうとして――盛大に転んだ。
「あたああぁっ !?」
「何してるんだか……」
呆れた表情のラミア。
「え !? 私の脚……縛られてる !?」
「違うよ、よっく見てみな」
子ラミアは言われた通り振り返ると、自分の下半身を見て――またも悲鳴をあげる。
「きゃあああああっ !? 私の脚ぃぃぃっ !!」
まるで、あるはずのものがなく、ないはずのものがある。そんな様子で子ラミアが叫んだ。
「何で……私……これ……蛇……?」
「やっとわかったかね、自分の体がどうなってるか」
先ほどとはうって変わって、母は冷たい様子で言った。
「あんたはね、うちの娘と入れ替わったのさ」

「入れ……替わった?」
「ああ、私の魔術でね。代わりにあの子があんたの体を使ってるよ」
「何勝手な事してんのよ !! 私の体を返してっ !!」
怒鳴る子ラミアに、母は目を伏せて答えた。
「仕方ないだろ――ああでもしなきゃ、親子ともども人間たちに殺されちまう」
「う……」
痛いところを突かれたのか、動揺する子ラミア。
132名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:40:46 ID:spGqHzrD
「うちの娘は人間として生きていく。あんたは魔物として人間に殺される。
 他人を殺そうとしてやってきたんだ、それくらいの事は覚悟しておくれ」
「そんな…… !!」
「それまではあたしの娘として可愛がってやるから勘弁しとくれよ。
 あんたにとっちゃ魔物の体でも、あたしにとっては大事な娘なんだ」
「…………」

絶望的な状況だが、子ラミアは必死で考えを巡らせる。
「――そうだ、魔術…… !! ――光よ我が手に集え !!」
子ラミアが呪文を唱え手をかざす。だが生まれた灯りは蛍の光ほどの大きさでしかなかった。
「え…… !? 何コレ……」
「あんたの魔力も体ごとあの子が持ってったよ。あたしらラミアも魔術は使えるけど、
 その体じゃまだまだ、ロクなものは使えないだろうね」
「くっ……」
万事休す――。

(フィーネ……助けて――)

子ラミアは力なく肩を落としうなだれる。
「…………」
母はそんな娘を抱き寄せ、愛しげに髪を撫でてやった。
133名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:41:38 ID:spGqHzrD
「はあ、はあ……」
「頑張って下さい、もうすぐ出口ですからね」

よろよろしながら後ろを歩くレナに優しく告げる。見た限りでは、外傷はなく意識もはっきりしているようだ。
気にかかるのがいつもと全く違う言動だが、多分命に関わるものではあるまい。
先導しながら前に注意するフィーネ。そのため後ろに対する注意は疎かになっていた。
「はあ……やっぱり……ダメ……」
「大丈夫、もうすぐです !!」
振り返らずに後ろを励ますフィーネ。レナの独り言も聞こえていない。

「違うの……あたし、やっぱり……おかーちゃんがいないと……」

「ほら、出口はそこですよレナ !!」
そのとき。
スッ――と、フィーネの腰に差してあったメイスが抜き取られる。

「あれ?」
フィーネが振り返ると同時――。
鋼のメイスが頭に叩きつけられ、彼女の意識は闇に沈んだ。
134名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:42:31 ID:spGqHzrD
「……ぅ……ヒック……ぅ……」
人間の目では見えない暗闇に、子ラミアの泣き声が響く。
母に抱かれ泣く事しかできない小さな魔物。今の自分はそれであった。
「あの子……うまくやっていけるといいんだけどねえ……」
我が子を案じるラミアの声も、子ラミアには届かない。
さて、次の人間はいつ来るか――。恐らくその時が、自分の生の終わりとなるだろう。
腕の立つ剣士か魔導師か。ここで泣いている『娘』より腕の立つ輩が来るのは間違いない。
「あたしらラミアも減っちゃったからねえ……」
しみじみとラミアがつぶやいた、そんな時だった。

――じゃりっ。

石を踏む足音がして、灯りが近づいてくる。
「――誰だい !?」
闇に向かって問いかけるラミア。しかしまだ姿は見えない。
「……フィーネ……?」
腕の中の子ラミアがつぶやく。
(この子の仲間はうちの娘と一緒に帰ったはず……誰?)
一瞬はっとしたラミアだったが、
(まあいい、もうあの子は無事に逃げ出せたはず。何が来ても別にいいさ)
身構えて、やってくる相手を待ち受ける。

体を引きずるようにして、ゆっくりとそこにやってきたのは――
135名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:43:41 ID:spGqHzrD
「……おかーちゃん……」
「――あたし !?」
短い銀髪、豊かな胸と布地の少ない黒い服。確かに逃がしたはずの我が娘だった。
「あんた、何してんだい !? 早く行きなって言ったじゃないか !!」
ラミアは魔導師を怒鳴りつけた。だがレナは魔物の前にくずれ落ちると、
「ダメ……おかーちゃん……一緒に来て……」
「何言ってるんだい !! お母ちゃんは一緒に行けないって言っただろ !?
 あたしに構わず、早く人間の町に行きな !!」
「……うぅ……おかーちゃ〜ん……やだよぉ……」
レナは泣きながらラミアに抱きつき、いやいやをしてみせる。

「あんた……」
言葉を失う母の横で、放り出された子ラミアがうめいていた。
「あ……あたしの……体ぁ……」
まだ体に慣れていないのか、動く事ができないようだ。
「……ぐすっ……おかーちゃん、一緒に来て。ここの出口まで……」
涙ながらに立ち上がり、ラミアの手を引っ張るレナ。
「出口まで? ……しょーがないねえ、あんたって子は」
やれやれ、といった様子でラミアは手を握り返した。

「すぐに戻ってくるから待っといで」
「いや……あたしの……体……待っ……て」
そして、後には地べたを這いずる子ラミアだけが残された。
136名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:44:34 ID:spGqHzrD
――しばらくして。

灯りと足音、それと何かを引きずるような音に気づき、子ラミアは起き上がった。
(……戻ってきた?)
必死で灯りの方向に顔を向ける子ラミア。夜目の利く体だが、まだあまり慣れていない。
やがて、二人の人間が現れ、子ラミアは顔をほころばせた。
「……フィーネ……」
そこにいたのは魔導師レナと神官フィーネだった。
その後ろにラミアが倒れている。どうやらここまで引きずってきたらしい。
「あたしの体……連れ戻してきてくれたんだね……よかった……」
這いながら、涙目で二人に近づく子ラミア。
「……フィーネ……」
「…………」

だが、フィーネの反応は予想外のものだった。
「!?」
フィーネは子ラミアにちらりと視線を向けると、引きずってきたラミアをこちらに押しやってきた。
そこがお似合いだと言わんばかりに。
「フィーネ……?」
何が起こったか理解できない子ラミアに、ようやくフィーネが口を開いた。
「じゃあね、達者で暮らすんだよ」
「フィーネ !? 何言ってんの !?」
子ラミアの言葉にフィーネはにやりと笑い、

「ああ、フィーネって言うんだっけ、この娘。ちゃんと覚えておかないとねえ。
 これからあたしの名前になるんだから」
137名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:45:36 ID:spGqHzrD
普段なら絶対に見せないフィーネの態度を見て、子ラミアはやっと理解した。
「 !! ――まさか―― !!」
「この子がどうしても離れたくないって泣くもんでねえ――」
自分にぴったりくっついて離れないレナを指す。
「仕方ないから、この娘の体をあたしがもらう事にしたんだよ」
「おかーちゃーん……」
フィーネは優しくレナの頭を撫でてやった。
「よしよし、これからも二人一緒に生きていこうね」
「うん」

「…………」
絶句する子ラミアの横で、ようやくラミアが目を覚ました。
「ん……私……」
「フィーネ !!」
母親に飛びつく子ラミアだが、当人は全く状況がわかっていなかった。
「え、魔物 !? ――いやっ、近寄らないで !!」
「フィーネ――違う、私よ、レナだよ !!」
「ふふふ……」
フィーネはそんな親子のラミアの様子を楽しげに見ていたが、
「じゃあね、ありがとうよ、あんたたち」
と言って、レナと共に去っていってしまった。

「……どうしよう……私だけじゃなくてフィーネまで……」
「きゃああああっ !! 私の体がぁぁあっ !?」

こうして、レナとフィーネは無事に洞窟から帰還したのだった。
138名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:46:39 ID:spGqHzrD
――その後。

「いやあ、気っ持ちよかったねえ。いいものじゃないか、風呂ってやつは」
大口を開けて笑いながら、フィーネが湯船から出てきた。
その様子からは、以前の清楚な印象は微塵も感じられない。
「んー、そうだねおかーちゃん」
冷たい飲み物を口につけてレナが応じる。こちらはこちらで
前からは想像できないほど大人しく、気弱な振る舞いである。
「こら、おかーちゃんじゃないだろ。ちゃんとフィーネって呼びな」
「はーい、おかーちゃん」
「……この子は……」

宿の部屋に戻ると、二人は風呂上りに着替えた服をまた脱ぎだした。
人間になっても長年の習慣はなかなか変わらないらしく、二人だけの時はいつも全裸でいる。
「おかーちゃん……今日もおっぱいちょうだい……」
レナは親友に向かい、顔を赤らめて上目遣いでねだる。
「こらこら、前から言ってるだろ。今のあたしにゃ出ないって。
 あんたの方がよっぽどデカいチチしてるじゃないか」
がしっとレナの胸をわしづかみにするフィーネ。
「そんなぁ……自分じゃ自分の吸えないよぉ……」
「そうだねえ……まあ、人間も子供を生まなきゃ乳が出ないって言うし、
 どうしたもんかねえ……この甘えん坊は……」
もみもみとレナの胸を刺激しながらため息をつく。

「あっ……おかーちゃん……そこ……」
「何感じてるんだい、この子は。まったく、人間ってやつは発情期ばっかでやだねえ」
既にレナの手は、自らの濡れた女陰をいじくり回している。
「そんな事言わないで……おかーちゃあん……」
「仕方ないねえ……ほら、舌出しな……ん……」
「ちゅ……ん……はあ……ちゅる……」
こうして裸で絡み合うのがレナとフィーネの日課だった。
139名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:47:48 ID:spGqHzrD
「ねえ、おかーちゃん……」
夜の寝室で、女魔導師が女神官に問いかける。
「何だい、レナ」
「あの人たち、生きてるのかなあ……」
「殺されたって話も聞かないし、どこかで生きてるんじゃないかね。
 ……元に戻りたくなったかい?」
真剣な眼差しでフィーネが尋ねる。

「んー……」
レナは少しの間考えると、にっこりと笑って答えた。
「今はいいや。生きてるなら、また会えるもんね」
「そうかい――さ、早く寝な。明日は早くから隣町に移動だからね」
「うん、わかったよ」
吐息と共にランプの火が消え、部屋を照らすは月明かりのみとなった。

人間の目には見えない暗闇で、子供のラミアが母に話しかける。
「ねえフィーネ〜」
「何ですか。ひょっとしてまたお腹空いたんですか?」
「うん、育ち盛りだからね」
「はあ……」
ラミアはため息をつくと、子供に背を向けて言った。
「じゃあ魚をとってきますから、ここで大人しくしててください。
 町の人のいそうなところには行かないで下さいね」
「いや、ちょっと待った」
「はい?」
140名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:48:37 ID:spGqHzrD
グイ――と子ラミアは母を引き寄せると、正面に回りこんだ。
「行かなくていいよ。こっちで我慢しとく」
そう言って豊かな乳房にかぶりつくと、思いっきり乳首に吸い付いた。
すぐに、人間では考えられない量の母乳が噴き出してくる。

「ああっ……そ、それはやめてくださいって……言って……」
「いいじゃない。こうすれば食事が一人分で済むんだから、手間が省けるわ」
わかったようなわからないような事を言われるも、
人間だった時には味わった事のない感覚に、ラミアは身をよじる事しかできない。
「もう……いい加減……乳離れ……して――」
「んぐっ……んぐっ……ん〜……ぷはあっ! ごちそーさま!」
満足したのか、子ラミアは微笑んで母を抱きしめた。
「だっておいしーんだもん! ありがとね、『おかーちゃん』 !!」
「やめてください! ……私はいつか元の体に戻ってみせますからね!」
「ふふっ――そうね。神学校の優等生が、子持ちの魔物になって
 私におっぱい吸われてよがってるなんて、誰にも言えないわ♪」
「やめて下さいってば !! ……やっぱり魚取ってきます。私の分だけ」
「いってらっしゃーい。気をつけるのよー」
「はあ……」
子ラミアはひらひらと手を振り、ラミアを送り出した。

「さて、と……」
一人になった途端、真面目な顔になる子ラミア。手をかざし、目を閉じて集中する。
「……いつかきっと昔の、いやそれ以上の魔力を取り戻してやるんだから!
 覚悟しなさいよ、体ドロボーッ !!」
子ラミアはひとり歯を食いしばり、魔術の特訓に取り組むのだった。
141名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:52:16 ID:spGqHzrD
以上となります。

長い割にエロ分が余りに少なかったり、後で見直したら
GS美神やらうしおととらにこんな設定あったよなあとか思ったり
突っ込み所は満載ですが、山の枯れ木の賑わいにでもなればと思います。

ではこれにて失礼を。
142名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:54:05 ID:Z3zjBRBB
なんという神速!

ありがたいことです!
143名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 00:42:55 ID:Kl0jp2gh
わお!
144名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 00:44:32 ID:SBFuBZY+
神!
145名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 01:42:51 ID:ydB4/Abo
瑠美がブラウスを脱ぐ。
それを見ている美子。
「あのぉ。」
瑠美が彩子を模倣すればするほど、
美子の琴線はうなるように震えるのだった。
「な、なんでもない。」
(抱きしめたいくらいかわいい!
さやかちゃんはさやかちゃんできれいで素敵だけど、
女の子らしい、ちっちゃくて可愛い彩子ちゃん。
うぅん、でもここでそんなことしちゃだめ。)
慌てて結わいていた髪をほどく。
一瞬して肩まで髪が降りる。
女性の年齢は髪に出るというが、
まだ艶もコシもあり、40を過ぎたとはとても見えない。
スーツのジャケットを脱ぐ。
成熟した女性の美しさ。
(きれいな人だなぁ)
それを眺めていた瑠美。
ぼんやりとした、恍惚にも似た無防備な表情。
もちろん、意図したわけではないのだが、
その表情が美子の気持ちを揺り動かした。
(なんて、可愛いの。私もこんな可愛かったらな…)

突然すいません。
となりの?掲示板から来ました。
どうも時々具合が悪くなるようで時々ダウンしてしまいます。
Cokkieの設定の仕方が分からなくてこちらに書けなくて困っていたんですが、
書けるようになったので、こちらに続きを書いてみました。
次の機会には、こちらに新しい作品も書けたらと思います。
あえて今日続きを書く必要はなかったんですが、みなさんのレスポンスを
見てみたくて。
この前を…という方がいらっしゃれば、こちらに分割して添付しますし、
あちらが復活すれば、この文章も落とします。

どちらも見てるってどれくらいいらっしゃるんでしょう?
私も含めてお好きな方ですね(笑)

146名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 07:45:38 ID:HSc6wTiX
どちらからいらっしゃいました?
147名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 22:39:15 ID:ydB4/Abo
TS総合板、●女同士入れ替わり萌え〜●その3よりやってまいりました。
突然で申し訳ありません。酔っていたのもありまして…

あんまり変なことしないで、おとなしく続き書いてます…
148名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 18:59:00 ID:HDXmo8DG
こんばんは>>104です。
また一本書き上げましたが、今回もひねくれた話となっております。

注意:脳移植、認知症、人格融合



絵理はフェンスにもたれかかるようにして英二を待っていた。肩まで伸びた栗色の髪が風に揺れている。
「絵理、いるか?」
「あ、英二――」

絵理は幼稚園の頃からずっと一緒に過ごしてきた、いわゆる幼馴染である。
性格は明るく裏表がなくて、誰に対しても優しく振舞うのが美点だった。
だが恋愛には縁がないようで、家族以外で周囲にいる男は自分だけ。
英二も積極的なタイプではない。もちろん絵理に対する好意はあるものの、
それが恋愛感情かどうかわからず、結局は今のままの関係を保とうとしてしまう。
そんな状況が高校生になった今でも続いていた。

「何だよ、こんなトコに来いって。誰もいないじゃねーか」
「うん……誰もいないから、呼んだの」
「――?」
絵理の様子がいつもと違う。なぜか目を伏せて、こちらを見ようとしない。
「何だよ――言いたい事があるならハッキリ言えよ。別に怒りゃしないからさ」
「…………あのね――」
意を決して、少女は顔を上げた。真っ直ぐ立つと二人の視線の高さはほとんど変わらない。
胸も脚も、高い身長に見合うだけの肉付きをしている。太すぎず痩せすぎず、と言ったところか。
「……コレ、読んでほしいの」
彼女が差し出したものを訝しげに受け取り、中を開く。白い封筒に入った、やはり白い手紙。
絵理が書いたものでない事はひと目でわかった。
「…………」
いっさいの感情を見せず手紙を読み終えるのは、恐ろしく難しい作業だった。
149名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:00:39 ID:HDXmo8DG
「……どう?」
「どうって――お前。ただのラブレターじゃねえか、馬鹿馬鹿しい」

英二は吐き捨てた。本当に馬鹿馬鹿しい話だ。
こんなモノを見せるためにこんな所まで俺を呼びつけたのか、この女は。
「……で、それを俺に見せてどうするつもりだ? 返事出すんだろ?」
「……うん」
半ば脅えたような絵理の態度は、見ているこちらも辛い。
「テニス部のキャプテンだし……頭もいいし優しいし……
 それに、あたしより背が高いし…」
いっそここから突き落としてしまおうか。
そう思い、絵理の後ろにそびえるフェンスを見て――やっぱりダメだ。網が高すぎる。

「――そうか、そうだな。お似合いだと思うよ、俺も」
「怒らないで !! ……英二にだけは、英二にだけは……
 わかって、欲しかったの……」

「ああ、わかってるよ」
友人、親友、幼馴染。友達以上恋人未満。ボーイフレンド。
様々な言葉が頭を横切り、そしてまた消えてゆく。
(俺は――どうしたいんだろうな)
振られた男は大人しく消えるべきだろうか。それとも引き止めるべきだろうか。
そもそも、自分は絵理の事をどう思っていたのだろうか。
はっきりせず、ずっと放っておいた自分が悪いのではないか。

「わかってるさ。――ああ、わかってるって……」
半ばは自分に言い聞かせるように繰り返しながら、英二はその場を後にした。
150名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:01:40 ID:HDXmo8DG
落ち着け、落ち着け――心の中で何度も唱えながら帰宅する。
いつもの通学路が何倍にも感じられる。まるで違う道のようだ。
「落ち着け……落ち着け、俺……」
いつの間にか口に出してしまっている。それに気づきはっとした時、
ようやく自分の家が視界の隅に捉えられた。

が――。

「…… !?」
絵理の事も忘れ、英二はその場で飛び上がった。
(何でウチに救急車が―― !?)
息を切らして駆けつける。ちょうど、玄関から一人の老婆が運び出されるところだった。

「――婆ちゃん !! 婆ちゃん !?」
担架に近づいて大声をあげる英二。
「落ち着いて英二 !! 大丈夫だから !!」
「母さん !? どこが大丈夫なんだよ !! 婆ちゃん、婆ちゃん !!」
「――君、落ち着きなさい !!」

治療の甲斐なく祖母が亡くなったのは、日付が変わる頃だった。
151名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:02:34 ID:HDXmo8DG
「…………」
客が一人もいないコンビニに英二はやってきていた。
もう深夜であるが、ちっとも眠る事ができず家を抜け出してきたのだ。
が、この時間、自宅の周辺で開いている店はほとんどない。
(雑誌でも読むか――)
中年の店員が暇そうにこちらを見ている。立ち読みを注意されるかと思ったが、
幸い声をかけられる事はなかった。
(しっかし――何だよ……今日は俺の終わりの日か?)
まさしくそんな心境である。なすすべもなく悪化する状況に流される自分。

「婆ちゃん……」
小さい頃から、祖母は自分を可愛がってくれた。
近頃は耳が遠くなり奇行も出始めていたものの、
まだまだ元気で百まで生きると本人も周囲も言っていた。
それが、あんなにもあっさり――。

(俺は――)
学校で一番親しかった女の子と、自分が家で一番懐いていた祖母。
たった一日で、彼はどちらも失ってしまったのだ。
(俺は……これからどうしたら……)
152名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:04:11 ID:HDXmo8DG
「くそ――」
雑誌を握る手に力を込め意味もなく唸っていると突然、ぽん、と肩を叩かれる。
(誰だ――?)
両親が気づいて探しにきたのだろうか。正直うんざりだ。
しかし振り返った英二が見たのは、惚れ惚れするような美少年だった。

「やあ。落ち込んでるみたいだね」
「――あ、あんたは……?」
「ただの通りすがりさ。道を歩いてたらたまたま君の顔が見えて、ちょっと気になったから」
満面の笑みを浮かべて少年は言った。彼と同じくらいの年頃に見えるが、全く見覚えがない。
空いている店もほとんどないこの界隈を、こんな時間に散歩する高校生がいるのだろうか。
理由もなくにこにこ笑っており、ひたすらに怪しい。
「飲みなよ」
こちらの困惑をよそに、少年は手に持ったペットボトルの片方を英二に手渡す。
「あ、ああ――ありがとう」
なぜか断る事ができず、ボトルを受け取ってしまう。そんな英二に少年は微笑んで言った。
「――でも、店の外でね」

「……そうだったのか、大変だったんだね」
コンビニの前で、英二は今日の出来事を残らず少年に話してしまっていた。
誰かに聞いてほしい。そんな思いがあったのかもしれない。
「……俺、どうしたらいいんだろう……」

「そうだね――」
少年は顎に手をやり、少しの間何かを考えていたが、やがてにっこり笑うと、
「それじゃあ、僕が何とかしてあげるよ。お婆さんも、絵理さんの事も」
まるで、子供の相談に乗る大人のような言い方だった。
「え?」
「ただし――後悔はしないように」
その視線と言葉に、どうしてか英二は生きた心地がしなかった。
153名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:05:45 ID:HDXmo8DG
無事に祖母の葬式と骨揚げは終わった。遺骨を寺に預かってもらい、
両親に連れられて、夕方、英二は家に帰ってきた。

「ただいま――」
誰もいない玄関を開く。親戚が少なく兄弟もいない英二にとって
一緒に住んでいた祖母が、唯一と言ってよい、両親以外の肉親だった。
だが、その祖母も今はいない。
「…………」
靴を脱ぎ玄関に上がった、その時である。

「ああ、おかえり、遅かったなあ?」
「……え?」
聞き覚えのある女の声に顔を上げる。
「――絵理」
そこにいたのは、何年も共に過ごした幼馴染だった。学校帰りではなく私服を着ている。
「お前、わざわざ来てくれたのか……」
この間の事がふと頭をよぎるが、それでも彼女の姿を見て思わず笑みがこぼれた。
――ああ、やっぱりだ。絵理は優しい。
たとえ恋人じゃなくても、友人として英二を心配して来てくれたのだ。
こんなにいい友達を、自分はどうして悪く思ってしまったのだろう。何だか恥ずかしくなった。
154名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:07:09 ID:HDXmo8DG
「――ありがとな。でもお前、うちの鍵持ってたっけ?
 ちょっと待っててくれ、荷物片付けたら茶でも出すから――」
慌てて絵理にまくしたてる。そこに両親もやってきた。
「ただいま。お留守番してもらってごめんなさいね」
「母さん、とりあえずお茶入れてくれないか。早くゆっくりしたいよ」
「はいはい」

リビングに入って一息つくと、英二の表情がほっとしたものになる。
悲しみは消えていないが、今は気疲れも大きいのだろう。
それでも絵理の事が気になって、できるだけ彼女に話しかける。
「変なヤツがいてさあ、すごいキレイな顔してんだけど――」
「……ああ、そうかい。そうかい」
だが、どうにも絵理の様子がおかしい。
自分の話を聞いているのかいないのか、返事だってどこかおかしいし、
動作もいつものきびきびしたものではなく、何だか――鈍臭い。
変だな、と思っていると母がやってきた。
155名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:08:45 ID:HDXmo8DG
「じゃあ、夕飯のお買い物してくるからお留守番お願いね」
「いいよ」
うなずいた英二だったが、続く母の言葉を聞いて耳を疑った。

「お婆ちゃんも最近色々と心配だから、ちゃんと英二がついててあげてね」
「……あん?」

何を言っているのか母は。今祖母の葬式から帰ってきたばかりだろうが。
ショックと疲れでおかしくなってしまったのだろうか?
「それじゃ行ってきます、お義母さん」
「ああ、行っといで」
絵理はそう言って母を見送ると、今度は父に向かう。
「あんたも今日は疲れたろ。ちょっと横になったらどうだね」
「そうだなあ。じゃあ、晩飯ができたら起こしてくれよ、おふくろ」
「あい、いいよ」
会話の全てが英二の理解を超えていた。

「絵理……?」
「英二ちゃん、いい子だから婆ちゃんと一緒に留守番しようなあ」
「婆…ちゃん? 何だよ、お前――」
不安がる英二に、絵理はにんまりと歯を剥いて笑ってみせた。
絵理が見せた事のない、死んだ祖母の笑い方だった。
156名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:10:31 ID:HDXmo8DG
夕飯の後、いつも一番風呂に入るのは英二である。
「どうなってるんだ……」
頭に湯をかけて唸るも、答えは出ない。
夕食の間も絵理は祖母のように振る舞い、両親も絵理をそう扱い続けた。
ああも自然にいられては、こちらが狂ったのかとすら思えてくる。
「なんで絵理が婆ちゃんなんだよ。……父さんも母さんも、俺をからかってるのか?」

英二が体を洗っていると、外から母の声がした。
「英二――!」
「……何?」
「今日はお母さん忙しいから、悪いけどあんた代わりにお婆ちゃん洗ってくれない?」
「何ぃっ !?」

返事を待たず、服を脱いだ絵理が浴室に入ってきた。
「え……絵理――何で……」
正面から絵理の裸体を直視してしまい、英二の顔が真っ赤になる。
「すまねえな、英二ちゃん。今日は我慢して、婆ちゃんに付き合ってくれや」
「絵理っ !! その……前、隠せっ !!」
横を向いて怒鳴ると、絵理はきょとんとした表情になった。
「英二ちゃん、どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも――」
「昔はよく入れてやっただろ。覚えてないかあ? 小さかったもんなあ」
157名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:20:19 ID:HDXmo8DG
「ああ、わかったぞ。英二ちゃん、婆ちゃんと風呂入るのが恥ずかしいんだろう?
 そうかあ、英二ちゃんもそんなトシだもんなあ」
ゲラゲラ笑い、すぐそばに腰掛けてくる絵理。
「恥ずかしいって――お前……」
「ほら、婆ちゃんのおっぱい見てみろ。こおんなに垂れちまって」
視線を戻そうとして、絵理の白くて大きな乳房が視界に入り、また目をそらす。
「――やめろよ、絵理……」
「何言ってんだい、母ちゃんから言われただろ? 悪ぃけど背中流してくれよお」
「待ってくれ! 俺が何をしたって言うんだっ !! 誰か助けてくれえっ !!」
狭い湯船の中、二人密着して入り数えた百秒が、永遠にも感じられた。

――翌日。
登校した英二が聞いたのは、絵理が死亡したという知らせだった。
「どういう事だよっ !?」
そろそろ驚くのも疲れ始めていたが、さすがにこの話題を放ってはおけない。
英二は学校もそこそこに、絵理の家を訪ねた。

「……うう、ほら絵理、英二君が来てくれたよ」
「いつか英二君と結婚する日を楽しみにしてたのに……」
絵理の両親は遺影を前に涙ながらに語ったが、遺骨も骨壷もないという。
(いやいや、俺、絵理にフラれたんですけど……)
疲れ果てて帰宅すると、家にはやはり絵理がいた。
158名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:23:38 ID:HDXmo8DG
「おけえり、英二ちゃん。今日はどっか出かけるのか?」
「……やっぱり俺の頭がおかしいのか? あんた、やっぱり俺の婆ちゃんなのか?」
「何訳のわからねえ事言ってるんだ。婆ちゃんを馬鹿にしちゃいけねえぞ」
怒られる始末である。ついに英二は自室に閉じこもってしまった。

「婆ちゃんが死んで――絵理が婆ちゃんで――んで今度は絵理が死んだ?」
誰か説明しろ――どこにともなく英二は呼びかけた。
それに答えてかどうかはわからないが――

「どう? 気に入ってくれたかな。絵理お婆さんは」

気がつくと、寝転ぶ英二の隣にあの少年が立っていた。
「あんたは――あの時の……」
慌てて立ち上がる英二。ドアの開いた音はしなかったはずだが――。
「何が何だかわからないって顔をしてるね。簡単だけど説明してあげよう。
 君のお婆さんが亡くなったのは事実さ。ちゃんとお葬式も挙げたでしょ?」
「――あ、ああ」
「さすがに僕でも、死んだ人間を蘇らせるとなると、色々と面倒でね。
 そこでもう一人、君の話に出てきた人を使わせてもらったのさ」
「……絵理の事か」
動揺を押し隠して問う。
159名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:29:16 ID:HDXmo8DG
「そう。あのあと僕は病院に行って、お婆さんから脳を取り出して
 絵理さんの頭に入れたんだ。火葬されたのはお婆さんの体だけだよ」
「脳みそを抜いて……入れる?」
またも、想像を超えた話を聞かされている。あまりの理不尽さに怒りがこみ上げてきた。
「馬鹿言うな! そんな事が出来るわけないだろ!」
「じゃあ、あの絵理さんの様子はどう説明する?」
「…………」

信じられない話だが、あれだけ非常識な事態を見せられると否定する事もできない。
「――本当に、あの絵理は婆ちゃんなのか」
その通り、と鷹揚にうなずく少年。
「君の両親や友達の意識をちょっといじって、彼女を君のお婆さんと思わせてるんだ。
 その代わりに絵里さんが死んだ事にしといたから、万事解決。
 だから、君と絵里さんが家族として暮らしてても、誰も何も言わないよ」
「――それじゃあ!」
英二は少年に食って掛かった。
「それじゃ絵理は、絵里の脳みそはどうしたんだ !? 生きてるのか !?
 まさか、婆ちゃんの体と一緒に灰に――」

「見るかい?」
平然と少年は言うと、どこから出したのか、蓋つきのバケツを見せてきた。
ちょうど人間の頭がすっぽり入るほどの大きさのバケツである。
「これが……絵里なのか?」
中を見る勇気がない。自分の情けなさを呪いつつ、英二は力なく尋ねる。
「そうだよ、ちゃんと生きてる。また絵里さんの体に入れればいいのさ。
 ついでに言うと、本人の体じゃなくてもいい。僕が何とかするからね」
「よかった――」
160名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:30:58 ID:HDXmo8DG
「あれ、君はあの絵理お婆さんの方がいいんじゃないの?
 体は絵里さんだし、中身は大好きなお婆さんなんだよ。
 家族だから、一緒に寝てもお風呂に入っても大丈夫。最高じゃない」
「ち――違う! 絵理は絵理で、婆ちゃんじゃないんだ !! 元に戻してくれ !!」

少年は笑い出した。楽しくて仕方がないと言うように。
「何言ってるのさ――そんな事したら、絵理さんとはただの友達に戻っちゃうよ。
 また困るのは君だよ? 今のままならやりたい放題じゃないか」
「ふざけるな……婆ちゃんなんだぞ! おかしな事ができるか!」

「いや――それも今だけの話だよ。じきに、そうも言ってられなくなる」
「……何だって?」
訝る彼に少年が告げる。
「脳を移植したって言ったよね。でもあの脳はかなり痛んでたんだ、歳だから。
 前から少しは始まってたと思うけど――あれじゃ確実にボケるだろうね」
「そんな……それなら早く絵理の脳みそを入れてやらないと……!」
「さあ、そこで本題だ」
いかにも楽しそうにこちらの顔を覗き込む。
「既にお婆さんの体は焼かれているから、脳を戻す体がない。
 絵理さんを戻したら、今度こそお婆さんはあの世行きだね。
 でも逆に、ずっとこのバケツを放っておいてもいいんだよ。
 もしくは適当な誰かの体を奪って入れてもいい。決めるのは君さ」
「…………」
「どうする?」
まるで古びた石像のように、英二はその場に立ち尽くしていた。
161名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:33:08 ID:HDXmo8DG
日曜日。英二は絵理と二人で留守番する事になった。
「じゃ、行ってくるわね」
「英二、婆ちゃんを頼んだぞ」
そう言って出かける両親。この前の葬式の話で、親戚の家を訪ねるそうだ。

「頼んだぞ、って言われてもなあ……」
絵理は暇そうに、ぼーっとテレビの前に正座している。
(俺はどうしたらいいんだ……)
幼馴染か祖母か、どちらか一方を選ばなくてはいけない。
『決めたら僕に言ってよ。君の思い通りにしてあげるから』
少年の言葉が蘇る。まさしく悪魔の選択だった。
「婆……ちゃん」
「ん、英二ちゃんどうしたんだ? まあこっちきて座ろや」
こちらに手招きしてくる絵理。
ミニスカートから生えるふとももが何とも艶かしい。
(家族だし……半分ボケてるらしいから何をやっても――)
ついそんな言葉が頭をよぎり、生唾を飲み込む。

「じゃ、お言葉に甘えて……」
英二はゴロリと寝転ぶと、絵理の膝を枕にしてしまった。
むっちりした肉感が側頭部に伝わってくる。
「いくつになっても英二ちゃんは可愛いなあ」
優しくこちらの頭を撫でる。小さい頃の記憶が思い起こされた。
(――ああ、気持ちいいなあ。寝ちゃいそうだ)
彼の言う通り、このままでいいのかもしれない。自分は絵理に捨てられたのだ。
形は違うが、今のままならずっと一緒にいられる。
162名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:35:08 ID:HDXmo8DG
そう思っていると、頭の上で絵理がごそごそ動き――なんと、服を脱ぎだした。
「婆ちゃん !? 何を――」
慌てて飛び起きる英二。
「ん〜……ダメだあ、これ外れんよお」
既に上半身は脱ぎ捨てたが、ブラだけは外し方がわからないらしい。
外せないという事はつけられないはずだが――母がつけてやったのだろうか。

「英二ちゃん、悪いけどこれ外してくれんかあ?」
「――な、ななな、婆ちゃん――何で……」
「いやあ、英二ちゃんに乳をやろうかと思ったんだけどよお――」
そんな馬鹿な。絵理の突然の奇行に慌てふためく。
(婆ちゃん、どうしちまったんだ !?)
「早く外してくれよお……早く、早くう」
頭を振って騒ぎまくる絵理。明らかに異常だ。

『――あれじゃ確実にボケるだろうね』

またしても少年の台詞が脳裏に浮かぶ。
(……まさか、そんな……)
英二の戦慄をよそに、絵理は半裸で飛びついてきた。
「外して、外して――」
痛いほどの力ですがりついてくる少女に背筋が寒くなる。
163名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:39:46 ID:HDXmo8DG
(……クソ、もうどうにでもなれ!)
暴れる絵理の体を必死に抑え、ブラを外した英二。
だがあまりの狼狽と性欲に、彼の理性も限界だった。

「――婆ちゃん !!」
英二は、露わになった絵理の乳房を噛み付くようにくわえこみ乱暴に吸い上げた。
「ああ――英二ちゃん……」
「婆ちゃんの……婆ちゃんのせいだぞ !!」
今度は畳に押し倒し、桜色の唇に吸い付くと欲望のまま口内に舌を這わせる。
「んんっ……んむ……ん……」
最初は暴れていた絵理だったが、やがてそれも収まると、唾液の音だけが部屋に響く。

呼吸が苦しくなるほどの時間が経ってから、ようやく互いの唇が離れた。
「……ぷはあ !! ……はあ、はあ――」
英二は少女の後ろに回りこむと、左手を乳房に、もう一方をスカートの中に差し入れた。
下着の中が湿りつつあるのを確認し、揉んだり擦ったり、手を力任せに暴れさせる。
「――あ……ええ、はあええ……」
痛みからか、言葉にならないうめき声をあげる。
しかし英二の愛撫が優しくなるにつれ、絵理の声が段々と変化していった。
「いい、ああええ……ふあえええ……」
「気持ちいいか、婆ちゃん !? ――おい、どうだって聞いてるんだよ !!」
「ひゃあああっ !?」
乳首をつねりあげられ悶絶する。汗と体液でもう体はびしょ濡れだ。
ショーツも脱がされ、身に着けているのはまくり上げられたミニと靴下のみ。
164名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:45:15 ID:HDXmo8DG
「……綺麗だよ、婆ちゃん」
取り出された英二の肉棒は痛いほどそそり立っていた。両手でしっかりと絵理の体を抑えつけ、
まずは白いふとももにゆっくりとこすりつけ、左右挟み込まれる形で前後に動かす。
柔らかな腿の感触を存分に堪能すると、我慢できずに先端から汁が漏れてきた。

(そろそろいいか――)
いよいよ、粘ついた亀頭を目指す場所にあてがった。
ゆっくり、だが着実に押し込まれる肉棒が絵理の肉を掻き分けて中に侵入する。
充分に濡れた膣内はスムーズに進めたが、反面、締め付けもかなりきつい。
(ん――)
わずかに感じる抵抗。英二はそれに構わず、力一杯腰を突き出した。
「ひいやああああっ !! いてぇええ――いてええ……」
「――やっぱり初めてだったか。俺だって初めてだよ、こんなの……」
暴れる絵理を抑えこむ。暴れたら余計に痛くなると思うのだが。
身を半ばのしかかるようにし、膣に入れたまま動き始める英二。
彼の方も初めての感触に頭が焼き切れそうである。
「いてえぇえ……いてえよお……」
絵理の顔は涙と鼻水で、そして結合部は体液と血に汚れているが、英二は動くのをやめない。
高ぶる快感に身を委ね、猿のごとく一心に腰を振り続ける。

「――う、ううおぉおっ…… !!」
限界は程なくしてやってきた。
最後に渾身の力を込めて肉棒を突くと、最奥にたっぷりと汁を撒き散らす。
(……出てる……俺、出してるんだ……)
軽い達成感を胸に、絵理の上に倒れこむ。失神したのか、絵理はもう声一つあげなかった。
165名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:46:46 ID:HDXmo8DG
「――お疲れ様」

顔を上げる気力すら残っていない英二の耳に、聞き覚えのある声が届く。
「返事を聞きに来たよ。どうする?」
「そうか……選ばないといけないんだったな……」
虚ろな意識で選択肢を思い出す。どっちの絵理を選ぶか。
(俺は――もう絵理と離れたくない……。
でも、だからってこのまま婆ちゃんを入れておいても、
もうまともな生活は送れないだろうな……)
いきなり糞便を漏らしたり、近所を徘徊したりする絵理の姿が頭をよぎる。そんなのは御免だ。
(婆ちゃんみたいで――ちゃんとした絵理なら……)
そこまで考えて、ふとある事を思いつく。

「なあ、一つ質問なんだが――」
166名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:50:34 ID:HDXmo8DG
朝の暖かい日差しの中、あたしはカーテンを開けた。
「こらあ英二、早く起きろっていつも言ってるじゃねえか」
そう言って布団を剥ぎ取る。全くこの子は、いつまで経っても寝起きが悪い。
「あ、ああ……おはよう、絵理」
「こんないい朝にずぼらしてぐぅぐぅいびきこいて! お前ぇ罰が当たるぞ!」
「え……だって今日日曜じゃ……」
「日曜もイチヂクもねえ! 早く起きて飯食ってこいや!」
「はいはい――」
あたしが怒鳴ると、英二はやっとの事で布団を抜け出す。やれやれ。

ところが――英二はだらしなく大あくびをすると、
「おい――これ」
パジャマの下の盛り上がりをこちらに向けてきた。
「しっかたねえなあ――いつまで経っても甘えん坊でよ」
思わずため息をつく。あたしは英二の下着からそれを取り出し、ためらいもなくかぶりついた。
「ん――じゅる……くちゅ……んむ……」
「――う……うう……絵理、出すぞ !!」
と、すぐに出してしまう英二。あまりの早漏ぶりにこっちが情けなくなっちゃうじゃないの。
口内にたっぷり出されたが、大丈夫、孫の精液だ。残さず丁寧に飲み干す。
「ほれ、満足したか?」
「ああ、やっぱり毎朝抜いてもらわないとな」
ニヤニヤする孫を、あたしは大声で怒鳴りつけた。
「いいから、早く朝飯食ってこい!」

英二に朝食を食べさせてる間に、布団を片付け掃除機をかける。
「お義母さん、私がやりますから――」
と言ってくる嫁を一喝し、あたしはてきぱき仕事を片付ける。
そして仲良くドライブに出かける息子夫婦を見送った。
むかつく嫁は、あたしには「英二をよろしく」なんて言ってたけど、
きっと英二には「お婆ちゃんを頼んだわよ」とか言ってるに違いない。
ふん、いいわよ。目一杯よろしくしてやるんだから。
167名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:55:00 ID:HDXmo8DG
「絵理――絵理――」
あたしの上に乗った英二が淫らに腰を振る。
祖母を呼び捨てにするな! っていつも言ってるんだけど聞かないのよね。
「英二、婆ちゃんの中気持ちいいか?」
「そんなの……決まってる、だろ……」
いかにも気持ちよさげに声をあげる英二。あたしも頭がとろけそうだけど、
頑張って耐えてるって感じ。だって孫には負けられないもん。
あたしの中で英二のチンポが暴れ回っている。この子の、意外と太いのよ。
昔はあんなに小さかったのに、今じゃ死んだお爺さん以上だなんて。
「――うあ…… !! はああ……ああっ……」
と、単調な動きに油断していたら、いきなり変わった腰遣いに不覚にも声が漏れた。
前後だけだった突き込みが、今度はゆっくり円を描いて膣をえぐってきた。
正常位でしかやらない孫の癖に、こういう工夫をすぐ覚えるのはなかなかすごい。

でも、こちらもヤられてばかりではない。
「絵理――え、んんっ !?」
孫の口に半ば噛み付くように食いつき、舌で無理やり歯茎をこじあける。
器用に口内を動き回るあたしの舌に、英二は翻弄されっ放し。あはは、どんなもんよ。
「んむ……ん……じゅる……くちゅ……」
「……ぬぷ……ん……うう……」
舌の絡み合う感触。あたしと孫の唾液が混ざり合い、淫靡な音がする。
驚いて腰を止めるか――と思った矢先、逆にもっと激しい刺激があたしを襲った。
「ふあああっ !?」
どうやら、ノーガードで打ち合う戦法らしい。
おのれ英二、婆ちゃんをなんだと思っとる。けしからん。
168名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 19:59:47 ID:HDXmo8DG
あたしたちは力の続く限り絡み合った。そして――
「あああ――絵理―― !!」
「え、英二ぃっ !!」
果てたのはほぼ同時だった。
英二のたくましいおちんちんから噴き出した濃汁が容赦なく子宮にぶちまけられる。

「――う……」
「……はあ、はあ……」
膣内ではまだ精液が出続けてる感じがする。若いっていいわね。
でも受け止める私の方も貪欲で、残さず全部飲み込んでしまいそうだ。
英二の父親を産んで何十年にもなる癖に、あたしも元気よね、ホント。
もしこれで赤ちゃんができちゃったら、子供なのかひ孫なのか――。
「英二……」
あたしは笑みを浮かべ、素裸で孫と抱き合った。

「――二人の脳みそを一緒にする事ってできないのか? 両方の人格をさ」
「それは脳を混ぜ合わせるって事かい? 君はなかなか面白い事を考え付くねえ」
意外そうな顔をして少年は言った。
「僕ならできるさ。さすがに萎縮してるとはいえ、そのままじゃ二人分は入らないけどね。
 要らない部分は燃やして、混ぜた意識と記憶も多少操作しておくよ」
そして彼は倒れた絵理とバケツを前に『作業』に入った。
「……えーと、小脳をこっちから、それでこの皮質を千切って……」
あまりの惨状に直視できなかったが、おかげで都合のいい具合に仕上がった。
祖母 兼 幼馴染――兼 性欲の捌け口として絵理は生まれ変わった。

作業が終わると、少年は満足して去っていった。
「いやあ、面白かったよ、ありがとう。もう会う事もないだろうけど、元気でね」
169名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 20:01:08 ID:HDXmo8DG
数年後、ある町に若い男女が引っ越してきた。
二人はとても仲むつまじく、可愛らしい幼児を一人連れていた。
女はやや言葉遣いが変だったが、明るく気立てのいい女だった。
苗字が同じため、周囲は皆、夫婦と信じて疑わなかったが、実は違う。

「絵理〜」
「こら英二、いつも言ってるじゃねえか。ちゃんと婆ちゃんって呼べよ――」
170名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 20:03:37 ID:HDXmo8DG
以上となります。
長々とスレ汚し失礼致しました。
ひねたネタしかありませんが、機会があればまた何か書くかもしれません。
ではこれにて失礼を。
171名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 23:44:42 ID:8mvvrrbj
すげぇ
マジでGJ!!!
172名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 00:06:28 ID:tB5qcMmz
GJ!
既にTSで爺ちゃん萌えは会得していたがこれで婆ちゃん萌えにも覚醒したぜw
173名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 08:56:53 ID:HLD+07bw
最高でしたがまったくエロい気分にならなくて笑えた。言葉使いって重要ですねw
次も前衛的にもほどがある小説楽しみにしてます
174名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 09:16:24 ID:kY0hDMvg
>>167が一瞬、
総理、総理〜
にみえたのは秘密だ
175名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:10:13 ID:XgQgSMmC
どうも>>104です。
またすげかえ物ですが気にせず投下。
今回、特に注意点はありません。多分。



9月が終わり、季節はそろそろ秋になる頃。
私が部活を終え帰宅すると、珍しい客が来ていた。
「こんにちは、さくらちゃん」
「――あ、麗子さん。こんにちは。お久しぶりです」
思わず叔母さんと言いそうになり、少々慌ててしまった。

麗子さんは父の妹で、私はもう何年も会っていなかったが、
すごく綺麗な人だったのだけは覚えている。
スタイルは抜群で身長も170以上と、ちんちくりんの私とは大違いだ。
今日も派手な化粧をして、長い脚や大きな胸を強調する格好をしていた。
もう40にはるはずだが、どう見ても30くらいにしか思えない。
ただ性格が強気で、恋愛は多くても結婚はできなかったらしい。
お父さんやお爺ちゃんは、そんな麗子さんを心配してたみたい。
176名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:11:27 ID:XgQgSMmC
「さくらちゃんも大きくなったわね。今高一?」
「はい!」
「よく焼けてるわね。クラブ活動もいいけれど、
 日焼けにだけは注意しなさいね。女の子なんだから」
「はい……」
私は陸上部で主に長距離走をしており、小さいけどスタミナには多少自信がある。
でも、この夏は大分焼けてしまって後が大変だった。
色白の麗子さんにそう言われるのも納得できる。

「それでね、兄さん――」
「なんだい?」
麗子さんはお父さんに向き直ると話を再開した。
「実は、あたし結婚するの」
「――え? 結婚するのか?」
「でね、今日はその報告に来たの」
「……そ、そうか。おめでとう」
唐突な話にお父さんは驚いているみたい。
「そうか……お前も結婚か。親父も喜ぶだろうなあ。相手はどんな人なんだ?」
「一流大卒の公務員よ。真面目で優しい人なの」
「へえ、そうか――」
部屋はお祝いムードに包まれている。
そうか、麗子さん、結婚するんだ。
私がおめでとうと言うと、とても喜んでくれた。
「ありがとう、さくらちゃん。結婚式には来てちょうだいね」
「はい、行きます!」
177名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:12:10 ID:XgQgSMmC
麗子さんはその日、うちに泊まる事になった。
自慢じゃないけどうちは結構広く、客の2、3人は泊まれるようになっている。
代わりに交通の便が異様に悪く、私もお父さんも電車に長時間乗らないといけない。
地方のニュータウンなんてそんなもんよね。
麗子さんは私にとっても優しくしてくれて、お小遣いももらってしまった。
私も麗子さんみたいに綺麗になりたいなあ、と思いながら眠りについた。

「――ふああ……」
目を覚ますと、既に麗子さんは帰ってしまっていた後だった。
私も早起きなのだが、麗子さんはもっと早く、朝一番の電車に乗っていったらしい。
そんなに急がなくてもいいと思うんだけど。今日は土曜だし。
とりあえず着替えを済ませた私は、朝食の前に
日課となっている走りこみをしようと家を出た。

まずは軽く柔軟運動を――
「……あれ?」
と、そこで私は違和感を感じた。
うまく言えないけど、どこかいつもと視界が違うような……
ちょっとだけ背が高くなっている気がする。
言いたくないけど私はチビだ。150cmちょっとしかない。
それが、今日はなぜか10cm以上伸びてるように感じられた。
もちろんいきなり身長が伸びる訳がないので、その時は
(――ついに私にも成長期が来たか !?)
などと冗談混じりに思っただけだった。
178名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:13:50 ID:XgQgSMmC
「……はっ……はっ……はっ……」
――おかしい。
足が痛くなり、私はその場にしゃがみこんでしまった。
まだ走り出して数分も経ってないんだけど……。
それに靴もおかしい。小さいのか、痛くてもう履いてられない。
いつもの靴だし、履き間違えたはずはないんだけど。
――どうしたんだろう。今までこんな事なかったのに。

「……あれ?」
その時、初めてそれに気がついた。脚の日焼けがなくなってる。
あれほど黒かったのに、全く焼けてないみたいに真っ白になってて、
むっちりしてる癖にすらりと長くて――何だか大人の脚みたい。
「どうなってるんだろ……」
私は何だか不安になって、よたよた歩きながら家に帰った。

「あれ? あんた、背伸びた?」
お母さんもそんな事を言ってくる。
朝食もあまり口に入らず、私は部屋に閉じこもってしまった。
179名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:15:04 ID:XgQgSMmC
「これ――どうなってるの……?」
見れば見るほど、私の脚は違和感があった。
白くて長くて――そして綺麗で。靴も靴下も小さくて合わない。
服を脱いで下着だけになり、姿見の前に立ってみた。
顔は15年間見慣れた私の顔。よく日に焼けて焦げ茶色だ。
胸は相変わらずの洗濯板。ランニングの形が肌にくっきりついている。
そして腰から下が……私じゃないみたいだった。
どこを見ても柔らかくて肉づきが良くて、日焼けなんてどこにもない。
それにこの脚。チビの私ではありえないほど長い。これじゃ背も高くなるわ。
爪も形よく切り揃えられてて、つやつやと光っている。
いつかこんな綺麗な脚になりたいと思ったっけ。
でも、いきなりこんな風になっちゃうなんて――。
「私……どうしちゃったんだろ……」
不安で胸が押し潰されそうになりながら服を着なおすと、
部屋の外から母の呼ぶ声がした。私に電話だって。

「はい――?」
「さくらちゃん、おはよう。……昨日はありがとう」
麗子さんだった。もう家に着いて、ゆっくりしているらしい。
「それでね、さくらちゃん。今日うちに来てみない?」
「はい?」
「電車で一本じゃない。近いし遊びに来なさいよ」
唐突な話に返事もできなかったが、麗子さんは半ば強引に話を進めてくる。
この大変な時に出かけるのは気が進まなかったが、結局行く事になってしまった。
180名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:16:34 ID:XgQgSMmC
「いらっしゃい、さくらちゃん」
「こんにちは、麗子さん――え?」
マンションで出迎えてくれた麗子さんを見て、私は驚きの声をあげた。
「麗子さん――縮んで……?」
そう。私より20cmも高かった麗子さんの背が、私と同じくらいになっていたのだ。
しかし麗子さんは私をリビングに案内しながら、
「いつも身長を誤魔化してたから。ホントはこんなもんよ」
と笑った。……ホントなんだろうか?
でも、相変わらずバストはボリューム満点だし、顔も綺麗にしている。

「――やあ、君がさくらちゃんか。話は聞いてるよ」
部屋に案内され、そう言ってきた男の人に、私は挨拶をした。
優しそうでかなりの美男子だけど、どこか頼りなさそうな人だ。
この人が麗子さんのお婿さんになる誠さんだって。何だか尻にひかれそうな人……。
「二人とも、ご結婚おめでとうございます」
出してもらったコーヒーを飲みながら、私は二人をお祝いした。
「うふ、ありがと」
「どうもありがとう」

少し話した後、私は麗子さんに尋ねた。
「――それで、えーと、どうして私を呼んだんですか?」
気になっていた質問だ。昨日の今日なのに、どうして呼びつけたのか。
「えーと、ちょっとお話しようと思ったんだけど――」
そう答える麗子さんの体が突然傾いた。誠さんもだ。
「もう効いてきたみたいだ」
「そうね……おやすみ、さくらちゃん♪」
――違う。傾いてるのは私だ。そう気づいた時、私は意識を失った。
181名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:17:57 ID:XgQgSMmC
「う――え……何コレ…… !?」

目が覚めて最初に感じたのは、椅子に縛られた体の痛みだった。
「何で――私――」
がっちりと椅子に縛られ、暴れても体がガタガタ揺れるだけ。
バランスを崩して倒れたら大変だと思い、私は暴れるのをやめた。
「お目覚めかしら?」
私の前には麗子さんが――下着姿の麗子さんが立っている。
いつもの魅力的なプロポーションが眩しいくらいに輝いている。
この人、ホントに40かしら。
「麗子さん、コレほどいてください !!」
訳もわからずお願いする私に笑顔を向ける麗子さん。
「ゴメンね。見せたいものがあったから、ちょっとの間我慢してて。
 それと、もう脚は元に戻ってるから安心していいわよ」
驚いて自分の脚を見る。麗子さんの言う通り、日焼けしたいつもの私の脚だった。
でも何で麗子さんが私の脚の事知ってるんだろ……。

「――さ、始めるわよ」
麗子さんがベッドの上でそう言うと、誠さんも同じくベッドの上へ。
お姫様を扱う従者のように丁寧な手つきで、彼女の下着を脱がせ出した。
「え――ええ……あ、あの……」
まだ彼氏がいない私にだって、今から何が始まるかわかる。
顔を低くし、麗子さんの股の間に入れる誠さん。
何かをなめる音と吸い取る音が、こちらまでよく聞こえてくる。
私は顔を真っ赤にし必死で目をそらしていた。
でも、二人はわざわざ私に聞かせるように音や声を出し続ける。
「あ……はあ……ん……ふっ……」
182名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:19:04 ID:XgQgSMmC
このままじゃ私まで変な気分になっちゃう……。
そう思った時、ようやく二人はやめてくれた。
「そろそろかしらね」
紅色に頬を染めた麗子さんがこちらにやってくる。
誠さんはと言えば、何もせずベッドからこちらを見ているだけ。
「仲がいいのはわかりましたから、コレほどいてください!」
しかし麗子さんはもがく私の頬に手をやると、
「可愛い子……」
「な、何なんですか! 早くほどいてくださいよ!」
「待ってね。今取ってあげるから……」
そのまま両手で頬を挟み、まるで首を引き抜くように――

そして、信じられない事が起きた。
私の首が引っ張られ、すぽんと抜けてしまったのだ。
「――え?」
「うふふ……」

手に私の首を持ち、妖艶な笑みを浮かべる麗子さん。こ、怖い。
何で私の頭が取れちゃったのかわからないけど、マジで怖い。
私の頭は机の上に置かれ、そこから首のとれた自分の体が見えた。
見慣れた自分のはずなんだけど、首がないと違って見える。
黒くて小さくて、細くてガリガリの女の子。だけどいつもの私の体。
183名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:19:50 ID:XgQgSMmC
「それじゃ、ちゃんとほどいてあげるわ」
玲子さんはそう言って私の体を解放した。
でも、首のない私の体はぴくりとも動かない。
「…………」
私は恐怖のあまり、口一つきけずに怯えていた。
「じゃあ今度はこうして……」
麗子さんが頭を抱えるように両手をやると、今度は麗子さんの頭が抜けた。
なぜかはわからないが、首がとれた体は私のとは違い動けるようで、
そのまま頭を持って私の体の側に行くと――私の体にそれを乗せた。
「…………!」
「――ふう」
ゆっくり立ち上がり、私の馴染ませるように動き始める麗子さん。
「やっぱり背が低いわねえ。でも軽くて動きやすい感じ」
私の体をそう言って誉めてくれたけど、全然嬉しくない。
「ほら、どう? さくらちゃん。あたし高校生に見える?」
……全然見えません。
顔は色白の麗子さんで首から下が私の黒い体だから、すごく違和感がある。
184名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:21:52 ID:XgQgSMmC
そして次に、首のなくなった自分の体をロープで縛ってしまうと、
「――誠、お願いね」
呼ばれた誠さんは縛られた麗子さんの体を大事そうにそっとベッドに運んだ。
その間に麗子さんは何かのクリームだろうか――を取ってきて、
首のない体のあちこちに塗りたくる。……アソコや乳首にまで、たっぷりと。
「もうよさそうね。――さくらちゃん、あたしの体を使わせてあげるわ」
(――え !?)
こちらが反応する前に麗子さんは私の首をとると、
横たわった自分の体にさっきと同じようにくっつけてしまった。

「――あぁああっ !?」

首がつけられた途端、あまりの衝撃で頭が焼けそうになった。
「胸……かゆい……あそこ……も……ムズムズするぅ……」
「その媚薬、なかなか効くでしょ? 高かったのよ」
「いやぁああっ !!」
そんな麗子さんの言葉も耳に入らず、私は泣きながら嗚咽と痙攣を繰り返した。
「ほら、随分と巨乳になったじゃない」
「――あぁあっ !?」
黒くて小さな手が私の胸を鷲みにし、乳首をギュッとつねり上げた。
「下の方も大洪水よ。さくらちゃんはホントにエッチな子ね」
――違う。違う。違う。
そう言いたかったのに、体が熱くて言う事を聞かない。
185名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:23:01 ID:XgQgSMmC
「いけない子にはちゃんとお仕置きしないとね。――誠、やりなさい」
「……ごめんねさくらちゃん。気持ちよくしてあげるから――」
私はうつぶせにされ、大きなお尻を突き出すような形に固定された。
そして、何か太いのが私の中に突っ込まれた。
「あぁあああっ !?」
初めて体験するそれは、あまりにも刺激が強すぎた。
――ズブッ……ブチュッ……ズッ……。
「――あっ……あんっ……ひゃっ……ああっ……」
誠さんが前後に動くたび、私は耐え切れずに大声をあげた。
それも悲鳴じゃなく……嬌声。
アソコの肉が硬い棒と激しくこすれ合って汁を溢れさせる。
だらしなく開いた口からよだれが垂れ、シーツに染みを作った。
――ダメだ。こんなの嫌なのに……気持ち良すぎる……。
「いい顔よお。その声もたまらないわぁ……」
これが――セックス……。
ニヤニヤ笑う麗子さん。いつの間にか私の体でオナニーに励んでいた。
当たり前だけど、この体に比べると全然気持ちよくないようで、
小さい胸やアソコを懸命にいじくり回す姿が妙に可愛らしい。
(――誠さん、私の次は麗子さんとするのかな……)
私は完全に判断能力を失っていて、特にそれを嫌とも思わなかった。
ただ麗子さんの体の気持ちよさに喘ぐだけ。
「あんっ……はあっ……うっ……ああっ……」
何度も中に出されながら、私は失神するまで犯され続けた。
186名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:24:21 ID:XgQgSMmC
「あたしはね、人のパーツを取ったりつけたりできるの」

意識を取り戻した私に、体は入れ替わったままで麗子さんはそう説明した。
よくわからないけど、ある日そんな事ができるようになったらしい。
最初は驚いて怯えたりもしたけど、今じゃ慣れちゃったとか。
「でね、さくらちゃんにお願いしたい事があって――」
「……何ですか?」
疲れた顔で私が聞き返す。信じられないけど、
私も体験した以上は信じない訳にいかない。
「さくらちゃんの体をしばらくの間、貸してくれない?」
「はい?」
「ほら、あたしも40過ぎちゃったじゃない。一応結婚はするんだけどね。
 赤ちゃんが欲しいのよ。だけどこの歳でつくるのはきつくて……
 姪のさくらちゃんの体を借りて、子供つくろうかなって。
 昨日こっそり下半身だけ借りてみたけど、なかなかいい感じだったし――」

……待て待て待て待て。
つまり、私の体で誠さんと赤ちゃんつくるつもりなの !?
187名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:27:43 ID:XgQgSMmC
「あ、もちろん代わりにあたしの体を好きにしてくれていいわよ。
 それも嫌ならその辺の女の子の体をさくらちゃんにあげるし。
 だぁいじょうぶ、ほんの一年くらいの我慢だから」
「嫌です !!」

「――拒否権があると思ってるの?」

「………… !!」
麗子さんの冷酷なセリフに私は言葉を失った。
既に私の体は麗子さんに取られていて、元に戻せるのは彼女だけだ。
このままこの体で帰れって言われても逆らえない。
「ま、いきなりあたしの体になっても困るでしょうから、全部とは言わないわ。
 腰とお尻だけでいいわよ。手足はいらない」
「…………」

結局、私は腰の部分を麗子さんに取られてしまった。
腕と脚は元通りだし、普段はそう気にならないんだけど、
やっぱりお風呂のときはお尻が目立つ。腰回りも大きくなっちゃったから
服や下着も替えないといけないし、もう踏んだり蹴ったり。
麗子さんはあの後少しして無事に妊娠したそうだ。……私の子宮で。
聞いたときは思わず涙が出たけど、もうどうしようもない。
約束通り、来年になって赤ちゃんを産んでから返してもらうのを待つしかなかった。
188名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:32:33 ID:XgQgSMmC
「……はぁ……あ……ああっ……」
今夜も私の部屋からはいやらしい音と声が漏れる。
最近は毎晩のように、こうして一人オナニーにふけっている。
(――ここ、何人くわえこんだんだろ……)
毛深く黒々としたアソコを愛しげに撫でる。そこはとっくに大洪水だ。
オチンチンかバイブか、とにかく太いのをねじ込まないと収まりそうにないと思い、
私はイボイボのついた愛用のバイブを取ると、ヒクつくアソコに突っ込んでかき回した。
「あぁっ !!」
処女だったはずの私が、今や何人もの男の子と関係を持つ立派な女になっていた。
「お前の中サイコーだよ。何てーの、名器ってヤツ?」
そう言われもしたが、嬉しい訳がない。
陸上部はやめてしまった。腰が返ってきたとしても復帰できそうにない。
麗子さんのせいだ。全部麗子さんのせいなんだ。
「――はぁ、あ……あぁあっ……」
また達してしまい、力なくベッドに倒れこむ。
(私、もう戻れないのかな……)
最大の問題は、私の心が半分くらい、現状に満足している事だろう。
――麗子さん、早く赤ちゃん産んで下さい……。
189名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:35:48 ID:XgQgSMmC
以上となります。
パーツ交換も結構よさそうだと再認識した今日この頃。

なかなか文章を書くのが難しくて
色々試行錯誤中ですが、また機会があれば書き散らすかもしれません。
ではこれにて失礼を。
190名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 23:47:41 ID:tPLjJpG3
乙!
191名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 01:27:40 ID:IedS6ZRM
GJ!
192名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 22:51:29 ID:KObi8yy2
GJ!パーツ交換ネタは好物ですので、美味しくいただきました
193名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 18:37:42 ID:3mQyX6h3
一瞬バッドエンドかと思ったけど、同年代のその辺の女の子の体とも取り替えてくれるならまぁ別に良いよねw
194名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 20:53:45 ID:P950+vKa
>>104の話読むとどれも
グッドエンドかバッドエンドか微妙な結末になってる

俺はバッドエンドが好きなんだけど他の皆はどうかな?
195名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 23:38:48 ID:ZU4jOjIz
バッドエンド大好き
196名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 17:19:11 ID:jFccUO2o
俺はグッドの方がええな
197名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 19:43:57 ID:c9bz84Uq
俺は
入れ替わった片方がグッドで
片方がバッド。
もしくは両方グッドがいいや。
198名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 14:21:54 ID:MjmS63k0
>>104でも他の人でもいいんだけど、
リクエスト受け付けてもらえないだろうか?
199名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 04:18:20 ID:nEEULlQ7
真姫と伊織の入れ替わり後編を待ち続けています
200名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 23:55:08 ID:OFlavtXj
期待age
201名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:44:43 ID:g3XcxSG8
どうも>>104です。
気分転換に1レスで何か書いてみようという事で投下。


「はああっ……や……やめてよぅ……」
満員電車の隅で懇願するOL。やや厚めに化粧した顔に涙を浮かべている。
そのスカートの中には少年の手が伸び、一番感じる部分を丹念に撫で回していた。
「どうして? こんなにお漏らししてるじゃない。いけないね。
 僕はこれ以上おしっこが出てこないように押さえてるんだよ」
「そ……そうなの……?
 でもあたし、何でこんなカッコしてるの? ママ……どこ?」
「連れていってあげるから、僕についておいで」

半泣きのOLを駅で降ろし、少年は彼女をホテルの一室に連れ込んだ。
「ほら、見てごらん。君は大人のお姉さんになったんだ」
「え……誰、この人?」
鏡に向かって問いかけるOLの唇を、彼は強引に奪った。
「んん――っ !? う……ちゅ……じゅる……」
「またお漏らししてきたよ。年長さんにもなって悪い子だね。
 でも、ちゃんと栓をしてあげるから安心して」
先ほどの手淫で充分に濡れた膣が、どこか満足そうに肉棒をくわえ込んだ。
「何これ……怖いよぉ……ママ……助けてぇ…… !!」
「ママは今ごろ君の体を幼稚園に送ってるから無理だよ。
 中身はそのお姉さんだけどね」
「あ…… !! やめて、動かないでぇえぇっ !!!」
気絶するまで犯した後、この女を元に戻すかどうか、少し考え込んでしまった。
202名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:51:35 ID:g3XcxSG8
書き忘れましたが、リクエストなどありましたらどうぞ。
ご要望に沿えるかはちょっとわかりませんが……。
また「こういうのが萌えるんだ !!」というのを教えていただけたら
今後の参考にしたいと思います。

では今日はこれにて。
203名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 01:24:48 ID:NChnX3MS
乙!
204名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 06:19:34 ID:q/SbGkTt
人気者といじめられっこ女子高生の入れ替わり希望
205名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 10:11:21 ID:rCeZKRTO
立場ではなく、入れ替わった年齢or
体格のギャップが大きい話が好きです
パーツ入れ替えもすごいツボなので嬉しい
206名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 12:49:29 ID:EW5KoBzX
恋人(あるいは妻)彼氏持ちの妹(あるいは娘)の入れ替わり希望です!
207名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 17:28:32 ID:c46w6HIS
清純な娘が替ってしまった体に流されて落ちていくのとか良いな。
相手が好き勝手やって、変わり果てた元の体とか出るとなお良いっす。
208名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:23:57 ID:S4E3E1g5
恋愛ジャンキーの作者の「イヌネコ」的な入れ替わり作品を見てみたいな。
209名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:19:33 ID:oWiESLng
「イヌネコ」懐かしいですね。あれはよかったです。
>>205さん
以前、別のサイトに書き込んだ作品です。次から書き込みます。
体型のギャップはそれほど大きくないですが…
210名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:20:39 ID:oWiESLng
「何言ってるの、アンタ?」
「だから私、あなたになってみたいの。」

エレベーターという密室の中で、二人の女の声が響いた。

麻美と美由紀は、高校時代からの同級生。
昔から華があった麻美と違い、美由紀は地味な存在だった。

そんな二人が再会したのは、同じ大学の薬学部だった。
麻美は浪人し、美由紀の2年後輩として入ってきた。
大学でも構内で顔を合わせる程度だったが、麻美が同じ会社に就職し、
さらに同じ研究室に配属されてきた。
同僚の反応は、美由紀が配属されたときとは、随分な違いだった。


美由紀の脳裏に、あの日の光景が蘇った。


高校2年生の頃、美由紀はある男子に想いを寄せていた。
「それなら美由紀ちゃん、私が伝えといてあげる。」
修学旅行で同じ班になった美由紀は、消灯時間後の会話の中で、
麻美に想いを知られてしまった。

1週間後、告白し断られた美由紀。
暗鬱とした気分の中で見たのは、その男子と麻美が手をつないで楽しげに帰る姿だった。

麻美がこちらを見て、蔑むように笑ったのを美由紀は鮮明に思い出したのだった。

「あなたが入ってきたときに、思い出したの。奥底に埋めていた記憶なのに。
 どうせ二人で馬鹿にして笑ってたんでしょ?」
「そうよ、だから何なのよ今更、おかしいんじゃないの?
だいたい、あんたなんかがあいつにOKされるわけないでしょ。
ま、3年前に私から振ってやったけど。」
そういう麻美を遮るように、美由紀が捲くし立てた。
「おかしいのはそっちよ。本当のあなたの顔も知らないくせに、
あなたの猫かぶりに騙される男も、騙して平気なあなたも。」

男の前では自分にも優しげに振舞う麻美が、なおさら美由紀には許せなかった。
何を言っても信じてもらえないこと、
そして言った所で自分に何のメリットもないことも長年の経験で分かってしまっていた。

でも… 許せない…
211名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:21:29 ID:oWiESLng
「逆恨みもいい加減にしたら。醜いから。」
「あんまり酷い事言わないほうがいいんじゃない。あなたこの体になるんだから。
一重瞼にメリハリのない顔と体…」
不気味な笑みを浮かべる美由紀に、ただならぬものを感じながら、
麻美は強気に切り返した。
「そうね、私に比べれば。」

年齢を考えれば、幼児体型というよりおばさんっぽい、ということになるのだろう。
小さな背に主張のない胸と、緩んだヒップ。
対照的に、麻美は何を着ても目立つ胸。
端正な顔立ちは少し厚めの化粧で、より引き立てられている。
膝丈のスカートからすらりとした、それでいて美しい曲線を描く脚が伸びている。

「自分が何言ってるか分かってんの?
狂ってるわよアンタ。エレベーターだって、あんたが止めたんでしょ!」
薄いプラスチック板がボタンの下に散らばっていた。
「そうよ。だって、このエレベーター、古いから監視カメラもついてないんだもの。
それに、この時間なら警備員もいないし、来るとしても時間かかるし。
一つ言っておくけど、しばらくしたらあなたは狂ってる『私』になるんだから。もう、今のうちにアンタって言っとこうかな。」
212名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:22:04 ID:oWiESLng
現実離れしたことを口にしているのに一歩も引かない美由紀を前にして、
麻美は恐怖さえ感じるようになった。
「できるもんなら、やってみなさいよ。」
待ってましたと言わんばかりに、
美由紀はポケットに手をやった。麻美は気にも留めなかった。
「いいのね、その体に未練はない?」
「未練?馬鹿じゃないの。」
「猶予をあげたのに…人の親切はありがたく受け取るものよ。」
少し目線を落としながら言うと、すかさず美由紀は麻美の脚に注射針を突き刺した。
「何すんのよ!」
美由紀は突き飛ばされる直前に思い切りシリンジを押した。
麻美の太ももに鋭い痛みと鈍い痛みが混じり合う。
エレベータの壁に体をぶつけた美由紀。
一瞬痛そうな表情をみせたが、すぐに立ち上がった。
白黒のマットの上には、鋭い針が露出した注射器が転がっている。
麻美は刺された場所を押さえながら非常呼び出しのボタンを押そうとしたが、
すでに力が入らない。
崩れるようにその場に倒れた。
「何したのよ。」
「大丈夫。筋弛緩薬だと呼吸筋にも効いて死んじゃうから、鎮静剤の倍量を打ったの。即効性があるから、もう効いてきたかしら。」
さっきと同じように微笑をたたえる美由紀の顔を見て、麻美は同じ台詞を吐いた。
「狂ってるわよ。」
「目覚めたら私の体よ。最後に今の体の感触を確かめておいたら。
まあ、それが自分の体だったって記憶もなくなるんだけど…」
「馬鹿じゃないの…エレベーター開いたらあんた警察、行き…」
自分の体を弄ることもなく、強弁を吐きながら、麻美は意識を失った。
213名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:22:28 ID:oWiESLng
(さてと、さすがに止まった連絡くらいは行ってるころね。騒ぎになる前に始めないと)
美由紀はベージュ色の自分のバックから別の注射器を取り出した。
麻美の髪を結っていたゴムを解き、きつく腕に巻く。
肘に見つけた血管に注射器を刺し、中身を注入する。
(20分は来ないで…今のうちに服を変えておこうか)
ガーゼを刺し口に押し当て、ゴムで留めた。
美由紀は自分の腕を縛り、注入する。
(私はまず買わないわね、こんな色)
同じ色のファーの付いた黒のバッグ。
麻美のバッグからゴムを取り出し、同じように傷口を留める。
うつぶせに倒れた麻美を仰向けにした。
(重い…)
力なく腕が左右に広がる。
ピンクのウールのコートの下は、白の上下のアンサンブル。
ほのかに甘い香水の匂いが立ち込めた。
袖を脱がすのに一苦労した後、ブーツを脱がし、
黒い革のミニスカート、黒のストッキングを脱がした。
(こんなの履いてるから、刺されるのよ。私みたいにジーパン履いてればねぇ)
「フフ、でもこれから私が履くのか…寒そう…」
下着を外しながら、美由紀は1人笑みを浮かべた。
全裸になった麻美。
しかし、いつもよりバストが小さい感じがする。
(もう効果が出始めたかな)
美由紀は自分の胸に圧迫感を感じ始めた。ジーパンがきつくなる。
急いで自分の服を脱いでいく。
(おおぅ)
今までの自分にない谷間。くびれもある。
直後に全身の痛みが襲う。
思わずかがんだ目の前の麻美の脚が、縮んでいく。
(ということは私が伸びてる…うっ…)
あまりの痛みに美由紀も意識が朦朧とする。
214名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:23:14 ID:oWiESLng
5分経っただろうか。
美由紀が目を覚ます。
(寒い…)
お互いの服が散乱したエレベーターの中。
自分の付けていたAカップのベージュのブラジャーを着けようとした。
しかし、背中まで手が回らない。真下を覗いて気づく。
(そうだ…)
美由紀は麻美のバッグを漁る。
自分は普段、鏡など持ち歩いていないからだ。
ピンクの手鏡を見つけると、美由紀はゆっくりと開いた。
二重瞼にパッチリとした瞳。手鏡を持つ腕に伝わる胸の感触。
手鏡を胸に抱きしめ、美由紀は喜びを露わにした。
その下に転がる自分の体。
「美由紀ちゃん、どうしたの?」
わざとらしく、美由紀は美由紀になった麻美に話しかける。
「服着なきゃ。」
美由紀は麻美の付けていた黒のブラジャーを手に取る。
「へぇ、Eカップね。」
ショーツを穿き、黒のストッキングを重ねる。
白の上下のアンサンブル、黒の革のミニスカートを身に付けた。
最後に、キャメル色のブーツを履く。
「どこからどうみても麻美ね」
いつもより高い目線。
下を見ても、乳房が邪魔をしてウエストもブーツも見えない。
「さてと、美由紀ちゃんの服を着せないと…」
かがむと真下に見える谷間。
いつもと違う景色に戸惑いながら、美由紀は自分の服を着せていく。
小さな胸、くびれのない寸胴な体。
「メリハリないわね、私に比べると…」
麻美の口調を真似る美由紀。
もはや、麻美が言っているようにしか聞こえないのだが…
十数分前とは全く変わってしまった互いの体。
服を着せ終わる頃、あるものに気がついた。
麻美が付けていた指輪。
「証拠物件にされちゃう。」
そう言いながら、美由紀は右の中指から指輪を外した。
指も太くなり、なかなか外れない。
ねじりながらようやく外す。
自分の手から伸びる細く長い指先。
同じ中指に指輪をはめた。
「これで完成、と。」
「そんなことないですよぉ…」
同僚から口説かれているときの麻美の口調を真似した美由紀。
自分の低めの声とは違い、可愛い高い声。
自分のものになった感覚を噛み締める。
215名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:28:41 ID:oWiESLng
そんなとき、真下で気配を感じた。
麻美が目を覚ましたのだ。
「おはよう、美由紀ちゃん。」
違和感を感じながら麻美は起き上がろうとするが、
壁にもたれかかるのが精一杯だった。
「何で、あたしがいるの?」
「まだ、元の記憶があるのかしら?」
麻美は意識を失う直前を思い出した。
顔を、胸を触る。
「あたしじゃない…」
「そうよ。」
手鏡を麻美の前にかざす。
「いや、何これ…」
「だから言ったじゃない、私、あなたになりたかったの。
間違えちゃった、『あたし』って言わなきゃ。」
「いやぁ!」
悲鳴を上げた麻美の頭を押さえ、再び顔を手鏡の前に向ける。
「あなたは美由紀。」
「違う。」
「じゃあ、こんな顔した人、他にいたっけ…」
恐怖に怯える麻美。周りからは美由紀が恐れ慄いているようにしか見えない。
美由紀は立ち上がった。
「アンタも立ちなさい。」
「何これ。」
白いブラウスにデニムのジーンズ。いつもの胸の重さがない…
弛んだヒップ。目の前にある白いニット生地の膨らみ。
そして、見上げないと視界に入らない自分の顔。
「だからぁ、あなたは美由紀。まだ、わかんないの?」
「違う、私は麻美よ。」
「『私は麻美よ!』かぁ。フフ、そんなこと言って。
私が麻美。みんなはどっちを信じるかしら。」
「夢よ、こんなの。」
「夢ならいいのにねぇ。」
216名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:35:38 ID:oWiESLng
「戻しなさいよ!ねぇ、戻し…」
胸倉をつかんだ麻美は、肩で息をし始めた。
「何、なんなの…」
「あなたは誰?」
「あたし、あたしは…あたしは…」
「美由紀よね。」
「違う。」
「じゃあ、誰?」
「わたしは…わたしは」
「大丈夫、ちゃんとうまくやるから。」
不敵に笑う美由紀は、まるで本性を顕した麻美のようにも見えた。
また壁にもたれかかる美由紀の体。
次第に視点が定まらなくなる。
「美由紀ちゃん?」
「麻美ちゃん?なんで、私麻美ちゃんといっしょにいるの?」
「エレベーターが止まっちゃったから…
もうすぐ助けがくると思うけど。美由紀ちゃん、気を失っちゃったのよ。」
「そうか、麻美ちゃんが助けを呼んだんだ…ごめんね、迷惑掛けちゃって。」
「いいよ、別に。」
(嫌だわ、こうやって意味もなく相手に媚びるのって。
でも、それももう終わり。私は麻美…)
「どうしたの? 麻美ちゃん。」
「うぅん、なんでもない。早く来てくれるといいね。」
『麻美』は『美由紀』に優しく返事をした。


美由紀の記憶はなぜ無くならないんだとか、
いろいろ突っ込みどころがあって申し訳ないです。

年齢差のある入れ替わりはいいですよね。
自分は、娘の同級生と入れ替わる母親とか考えているんですが、
まだ書けてませんので機会があれば。
217名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 02:39:40 ID:Wt+vUGoT
うむGJ
218名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:30:55 ID:p1og1Qgh
>>209さんお疲れ様でした。じっくりと入れ替わる感じがとても素敵です。

こんにちは>>104です。
沢山のご要望ありがとうございます。
とりあえず>>206さんの話が書きやすそうだったので、
母娘入れ替わりを書いてみました。
今回の文章はかなりトチ狂ってますが。


夕食後、俺はTVの前でゴロゴロしている娘に近づいた。
「なあ――加奈」
「パパ !? やめてよして触らないで垢がつくから!」
加奈はそう言って俺から距離をとる。どこでそんな言葉覚えたのやら……。
そのまま娘は逃げるように2階の自分の部屋に行ってしまった。
うう、小さい頃はあんなに俺に懐いてたのに……パパ悲しい。

「加奈もそういう年なんですよ。気にしないで」
一部始終を見ていた俺の妻、恵子が慰めてくる。
「でもなあ、まだ小学生じゃないか。
 この間まで風呂にも入れてやってたんだぞ」
「来年からは中学生です」
それがどうした。いくつになっても子供は子供だ。
娘を可愛がろうという親の愛は海よりも深く、山よりも高いはずである。
だと言うのに、最近の加奈はあからさまに俺を避けている。
「ま、まさかボーイフレンドでも出来たか !? お父さん許しませんよ !!」
「そうでもないと思うけど……」
気の抜けた声で恵子が答えた。
219名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:31:58 ID:p1og1Qgh
「はあ……」
会社の帰り、何となく寄り道して喫茶店に入る事にした。
やはり加奈は俺と顔を合わせるのが嫌そうで、いつも部屋に篭っている。
どこの娘さんにもある事だ、と恵子は言っていたが本当だろうか。
「はっ !! ひょっとして単に恥ずかしくて俺と話せないだけだとか !?」
脳内に電球が灯った気がして、俺は席から立ち上がった。ピコーン。
周囲のぽかんとした顔に気づき、慌てて座りなおしたが。

その時だった。
「――どうしたんです?」
隣の席から透き通るような声がして、俺はそちらを向いた。
そこにいたのは高校生くらいの少年だった。それもとびきり優男の。
にこやかに微笑みを浮かべ、興味深げにこちらを眺めている。
「いや、何でもないんだ。ちょっと考え事をしててね」
その場を取り繕おうとした俺に、少年は馴れ馴れしく言った。
「そうですか。良かったら話してくれませんか?」
初対面の相手にこんな話を聞かせられるか。普段ならそう思っただろう。
「あ、ああ――」
だが、この時の俺は何かにとりつかれたように何も考えられず、
なぜか相手に悩みを全部ぶちまけてしまった。
220名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:33:01 ID:p1og1Qgh
「そうですか。娘さんがねえ」
「そうなんだよ。妻の言う通り難しい年頃なんだろうけど、
 父親としてはやっぱり寂しいなあ」
少年は頷き、何でもない様子で、
「じゃあ、僕が何とかしてあげましょう」
と言った。
「何だって――?」
「家に帰ってご覧なさい。きっと面白くなりますよ」
指をパチンと鳴らし、少年は風のように去っていった。
後に残されたのは呆けた顔の俺と、二枚の伝票だけだった。

帰りに携帯が鳴った。家の電話からだ。
「ああ、俺だけど、どうした?」
「――あ、あなた? 今夜は遅くなるの?」
加奈の声だ。久々の娘との会話に俺は飛び上がりそうになる。
「いや、今駅だからもうすぐ帰るよ」
「そう。早く帰ってきてね」
「う、うん。じゃあな」
ハヤク カエッテ キテネ。
娘の声が頭の中を何度も何度も往復する。
(ク……クック……クックックックック……)
そうか、ついに俺の愛情が加奈に通じたのか。
昔みたいに「パパ大好き !!」と言ってくれる日々が帰ってくるのか。
あいつのパンツを俺の靴下と一緒に洗濯できる日がきてしまうのか。

(フゥゥゥゥッフッフッフッフフフフゥハハハハハハッハッハ !!!!!)
俺は全身で喜びを表現しながら、鳥のように風のように飛んで帰った。
221名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:33:52 ID:p1og1Qgh
「たっっっっだいまあああぁあっっ !!」
「お帰りなさい。ご飯できてるわよ」
アンビリーバボー。加奈が出迎えに玄関まで来ている。
アレですか。愛情が確変中でフィーバーでジャラジャラな訳ですね。
嬉しさのあまり、俺は加奈をきつく抱きしめてしまった。
「あ……あなた、やめて、ご飯できてるってば……」
恥ずかしそうに離れ、そのまま奥に引っ込む加奈。
やばい。今日の加奈は破壊力が3倍、9倍、いやスーパーストレングスの27倍だ。
「はいビール。飲みすぎないようにね」
加奈が慣れた手つきで俺のコップにビールを注いでくれる。
「う・ち・の・父ちゃんは♪ 日本一ィィィィ !!」
もはや理性が飛んで行ってしまい、晩飯の味もロクにわからなかった。

「――あれ」
夕食が終わり、俺はふと気づいて加奈に尋ねた。
「加奈、恵子はどうした?」
そう。俺の妻、気立てが良くて美人だけどちょっと抜けてる恵子がいないのだ。
加奈を生んで10年以上になる今でもご近所では評判の美人で、
最近になっても夜の営みは定期的に行っている。二人目はなかなかできないが。
「私ならここですよ。加奈はいつも通り部屋に篭ってるわ」
「ん? 加奈、お前何言ってるんだ? 恵子はどうした?」
娘の言う事が理解できず聞き返す俺。
「だから私があなたの妻、恵子ですってば。私たち、入れ替わっちゃったの」
「――は?」
やっぱり俺には加奈の言葉が理解できなかった。
222名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:34:41 ID:p1og1Qgh
「加奈――」
「あっち行って !!」
閉ざされたドアの向こうから恵子――いや、
恵子になった加奈の大声が聞こえてくる。
泣いているのか、俺にはその声が震えている気がした。
「何であたしがママになってんのよ !? 訳わかんない !!」
「加奈、落ち着いて。パパが話を聞いてやるから、ここを開けてくれ」
「嫌ぁっ !! あたしもうおかしくなりそっ !! あっち行けぇっ !!」
何かが投げつけられたのか、ドアが派手な音をたてる。
(こりゃダメだな……)
俺は降参して、1階のリビングに撤退した。

「いつもみたいに晩ご飯の支度してたら、いきなり眠くなって……。
 目が覚めたら私が加奈になってたの」
テーブルの向かいで、恵子は困った顔をしていた。
「こんな話、信じてもらえないでしょうけど……」
「いや、俺は信じるよ。大事な妻と一人娘だからな」
「あなた……」
自分に向けられた娘の体の潤んだ瞳にまた舞い上がりそうになり、慌てて止まる。
「でも、どうしてかしら……」
「うーん、何でだろうなあ……」
少し考えて、浮かんだのは喫茶店にいた少年の顔だった。
『僕が何とかしてあげましょう。――きっと面白くなりますよ』
……まさか、あの少年が言ってたのはこういう事なのか?
彼が恵子と加奈を入れ替えてしまったのだろうか。
(しかし、どうやったらこんな事ができるんだ……?)
結局、少年の話は黙っている事にして、今夜は寝る事にした。

我が夫婦の寝室には、畳の上に布団を2枚並べて敷いてある。
俺の隣の布団には、加奈の体の恵子が入ってきた。
「そのパジャマ可愛いな」
「ええ、加奈も気に入ってるみたい」
にこりと笑う恵子。でも中身は恵子だからな。別に嬉しくなんかないぞ、うん。
――すいません、めっちゃ嬉しいです。
223名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:35:24 ID:p1og1Qgh
翌朝、朝食の席で恵子は言った。
「私が加奈の代わりに学校に行ってくるわ」
「えぇっ !? そんなの嫌っ !!」
案の定、加奈は猛反対した。だが恵子は落ち着いた表情で、
「仕方ないでしょ、加奈。
 あなたがその格好で行ったら、お友達も困るじゃない」
「う……」
痛い所を突かれて黙り込む加奈。
確かに、ランドセルを背負って登校する30代の主婦はちょっと怖い。てか痛い。
「掃除とか洗濯は帰ってからやるから、加奈は大人しくしてて頂戴」
「……あたしも手伝うよ」
「そう? ママ助かるわ」
にっこり笑った加奈の顔――中身は恵子だが――が天使に見える。
可愛い可愛い可愛いカワイイカワイイカワイイカワイイカワイイカワイイ……キモチ イイ……。
は、いかん。そろそろ仕事に行かなくては。
少し心配だったが、俺は愛する家族を置いて出かける事にした。

それから3日。
二人が元に戻る様子はなく、段々とお互いの生活に慣れつつあるようだ。
加奈になった恵子は、元々優しくておっとりした性格のため、
学校でもトラブルを起こすような事はなかった。
もっとも、友達に『加奈ちん大人しくなったね』とは言われたらしいが。
恵子になった加奈は、最初は自分の体を心配していたものの、
学校に行かなくてもいいという事で家でのんびりしている。
父の事は嫌いでも、母親にはまだ懐いているらしい。普通逆じゃないのか。
学校が終わってから家事にいそしむ恵子を見て、加奈も悪い気がしているらしく、
今までほとんど手伝わなかった家事を少しずつやるようになってきている。
入れ替わってるとはいえ、妻と娘が仲良くしている姿は、俺にとっても幸せだ。
だが、この適応に安心してしまったのか、それともやはり俺には他人事だからか。
俺はこの状況にすっかり慣れてしまった。娘の気持ちも考えずに。
224名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:36:05 ID:p1og1Qgh
ある夜。俺が風呂から上がってTVのスイッチを入れた時だった。
「パパ……」
驚いて振り向くと、寝巻きを着た加奈が静かに立っていた。
「あ、ああ、どうした? ほら座りなさい」
「うん……」
いつもの態度からは想像もできないほど加奈は素直だった。
入れ替わってから二人っきりで話した事がないため、
いつも一緒にいた妻の体とはいえ少し緊張してしまう。
「あのね……その……」
言いにくそうにしていた加奈に、俺は優しく語りかけた。
「加奈、何でも言ってみなさい。パパが聞いてやるから」
「パパ――」
顔を上げこちらを正視して、加奈は口を開いた。

「あたし……元に戻れるの?」

膝のところに握り締めた手が、いや体全体がかすかに震えている。
(―――― !!)
俺は衝撃を受けた。
年頃の娘。それは何度も聞かされていた。
だがその娘が、母親とはいえいきなり中年の女の体になり、
自分の体が勝手に使われるのを横でただ見ているしかない、
という状況でどれだけ悩み苦しんでいるか、それを今初めて思い知らされた。
俺は娘に愛とか愛情とか言いながら、『娘の体』しか見ていなかったのだ。
「あたし……ずっとママしてないといけないの……? こんなのやだよ……」
「加奈……」
「――パパぁ……う……ぐすっ……」
「加奈……ごめんな……」
俺は泣いている加奈の体をそっと抱き寄せ、頭を撫でてやった。
しばらくの間、泣き止むまでそうしていた。
225名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:37:02 ID:p1og1Qgh
「加奈……ごめんな……
 お前が不安で胸一杯にしてるのに気づいてやれなくて…」
「パパぁ……ぅ……あたしも……
 パパの事嫌がってて…ごめんなさい !!」
「いいよ。加奈がどんなに嫌いでも、
 加奈がどんな姿になっても、俺は加奈のパパだから」
「パパぁっ !!」
赤子のように泣きながら抱きついてくる加奈。
相変わらず外見は恵子だったけど……俺にとっては可愛い娘だった。
「加奈、仲直り……しよっか」
「……うん」
目を閉じて、と言われて不思議そうにしながらも
その通りにした加奈に、俺はそっと口づけをした。

「パパ……?」
「――覚えてないかもしれないけど、
 お前は5つくらいまでしょっちゅう俺とキスしてたんだぞ。
 パパと結婚する! とか言って」
「……覚えてるよ」
「じゃ、もう一回」
「――ん……」
先ほどの接触とは違い、歯の隙間から侵入してくる舌に加奈は驚いた様子だった。
「――んむ……ん……はん……」
たっぷりと口内を蹂躙し、唇の端から糸を引きながらまた向かい合う俺たち。
加奈の頬はほのかに紅潮しており、潤んだ瞳がこちらを見つめている。
226名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:37:56 ID:p1og1Qgh
「パパ……」
「今のお前は大人だから、大人のキスもしなくちゃな」
俺は加奈の胸をむんずと掴み、いつも恵子にしているように丁寧に揉みほぐした。
「やぁ……おっぱい……モミモミしないで……」
そう言いながらも、加奈は完全に発情した雌の顔になっている。
加奈の後ろに回り込むと、俺は左手をパジャマの中に入れて乳房を刺激しつつ、
右手を下半身へと伸ばした。
そこは既にパジャマの上からでもはっきりわかるほど湿っていた。
まずは優しく、もったいぶるように充分にさすり、
「はぁ……」
加奈が耐えきれず声を出してから手を侵入させる。
「もうビショビショだ。見えるだろ? ほら」
「ダメ……見せない……でぇっ……」
そういえば加奈は、ここが濡れている意味を知ってるのだろうか。
俺が問うと目を閉じたまま恥ずかしげにうなずいた。
むむ、小学生の癖に。パパ怒っちゃうぞ!

俺は加奈を寝かせ、いよいよ息子を味あわせる事にした。
いきりたった肉棒を加奈のアソコにもったいぶってこすりつける。
「――あ……」
にちゃ――ぬる……ぷちゅ……
男女の性器が擦りつけられて汁の音を存分に奏でた。
加奈はもう物欲しげに荒い息を吐くだけで、俺の方も我慢汁が止まらない。
227名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:39:00 ID:p1og1Qgh
「――入れるぞ」
返事一つしなかったが、俺はそれを肯定ととらえ膣内に侵入を始めた。
恵子と付き合うようになってから何百回と味わった秘所が俺を迎え入れる。
ぬぷぷぷっ――ずりゅ……
「――ああぁあっ !!?」
あまりの快感に、だろうか。加奈の嬌声が響く。
一週間ぶりの膣は喜んで俺をくわえこんでくれた。
俺が動くたびに加奈は喘ぎ、泣き、熱い息を吐く。
まるで幼児の頃に戻ったかのように、俺に抱きついて離れない。
脚を絡め、自分から進んで腰を振り続け、狂ったように叫び続けた。
どのくらいそうしていただろうか。やはり加奈が先に達した。
「や……パパぁっ…… !!」
背中が折れそうなくらいのけぞり、ぐったりとする加奈。
だがいつものセックスに比べれば大した事はなく、
現に俺はまだ出していない。俺は加奈を抱え直すと、
「……あ……え……? ――あぁあっ !!?」
挿入したまま、また膣をかき回す事にした。

俺が射精するまでに加奈は3回イってしまった。
228名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:39:52 ID:p1og1Qgh
後で聞いたところによると、俺と加奈のセックスは
恵子にバッチリ見られていたらしい。
だが恵子は俺を責めもせず、優しい笑みを浮かべて言った。
「加奈、あなたを好きになったんじゃないかしら」
「……おいおい、俺は父親だぞ。そりゃ嬉しいが……」
どういう心境の変化か、あれから毎朝加奈は俺を見送るようになった。
ちゃんと話もしてくれるし、さすがに洗濯物はダメだったが
以前のように避けられている感じはしない。
少しだけ幸せな時を何日か過ごし――。
そうこうしている内に、俺の前にあの少年が現れた。

「こんにちは」
「あ、君は――」
人通りの多い駅前だったが、通行人は誰一人として少年に目を止めない。
まるで、誰もそこにいないかのように。
「元に戻す事にしまして。それだけお知らせに伺いました」
「戻すって……俺の家族をか?」
「――ええ。僕としてはかなりのレアケースですが」
彼に言わせると、入れ替えた者を戻すのは非常に稀らしい。
不可逆過程がどうとかバッドエンドがどうとか
俺にはほとんど意味のわからない内容だったが、
無事に恵子と加奈を元に戻してくれるそうだ。
「気まぐれとはいえ、今回は純粋な人助けのつもりです。
 たまにはハッピーエンドというのもいいんじゃないでしょうか」
またあの時と同じように指を鳴らし、少年は姿を消してしまった。
あまりの唐突さに文句も礼も言う事ができず、そのまま俺は帰宅した。
229名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:40:26 ID:p1og1Qgh
「あなた、お帰りなさい」
いつもの恵子が、大人の恵子がそこにいた。
「パパ、お帰り! あたし元に戻ったよ!」
喜んで飛び上がっている加奈。もう30代には見えない。
日常が戻ってきて、今までの騒ぎが夢のように感じられる。

でも変わった事がたった一つだけあった。
「パパ! パパ!」
加奈はあれから、家ではいつも俺と一緒にいる。
恵子に言わせるとすっかりファザコンね、という事なのだが、
懐かれている父親としてはどう反応すべきだろうか。
嬉しいようなむずがゆいような……嘘ですごめんなさい。
俺は、日本一幸せな父親でございます。
230名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 11:49:19 ID:p1og1Qgh
以上となります。
前半の文章がイっちゃってる分、内容は平凡になりました。
いつもは入れ替わってもキャラクターは体の名前で書くんですが、
今回はやりにくいので心の名前になっております。

>>204さん
ちょっと書いてみたんですが、エロくなかったので没にしました…

>>207さん
お姫様と娼婦の入れ替わりなんて とても いい ですね。
書けたら書いてみようと思っています。


ではこれにて失礼を。
231名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 12:17:11 ID:sSe4DTpq
どっちもGJとしか言い様がないぜ
だんだんスレも盛り上がってきたな
232名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 13:49:33 ID:w4tNCAln
GJ!
その謎の少年モノで
シリーズ化も期待です!
233名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 13:57:43 ID:oWiESLng
>>218さん
209に書き込んだものです。
結末も含め、いい作品ですね。
3年前い書いたものとはいえ、自分のものと比べると…

個人的に、このくらいの年齢の入れ替わりはツボです!
10代前半の大人の雰囲気が出る直前の女の子と
30〜40代の成熟した女性との入れ替わり。たまりません。
加奈ちゃんの戸惑いの所とかゾクッときます。

自分も頑張って書きたいと思います。
234名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 15:06:08 ID:B/n7ndRQ
伝票をしっかり残して立ち去る少年に吹いて、
ハッピーエンドにするために戻ってきてくれた少年にまた吹いた

おごり分はちゃんと働くんだね・・・
235名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 01:17:19 ID:kKg7Ocjl
米yahoo groupsにODのグループがあったよ
とりあえず英語がわからないなりに米yahooのIDとってjoinしてみたけどグループの審査待ちだよ
海外にもやっぱり同じ趣味の人はいるもんだね
236名無し:2009/01/27(火) 07:03:08 ID:qpRYav0/
誰か書いてくれぇ(>_<)
237名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 18:50:19 ID:gdJxsxHl
どうも>>104です。
とてもスランプ中なので、1レスの落書きを置いていきます。


ある日、あたしは人間の体をバラバラにしたり
逆にパーツを自由にくっつけたりする力を身につけてしまった。
「うしし……これを使えば学年一の美少女、スタイルも抜群の
 鈴木さんの胸や脚が私のものにできるのね……」
夕方、帰宅途中の鈴木さんを曲がり角で待ち伏せしたあたしは、
力を使うと思いっきり彼女に体当たりをした。
「きゃあぁああぁっ !?」
狙い通り、頭や脚、胴体がバラバラになって転がる鈴木さん。
「――うっしゃあ! これで…… !!」
あたしは散らばった彼女のパーツを拾おうとして――できなかった。
「ああぁあっ――し、しまったぁぁあぁあっ !!!!」
何と、あたしも一緒にバラバラになってしまったのだ。
「ど……どうなってるのぉっ !?」
動く事もできず、あたしと鈴木さんは首だけでしばらく大騒ぎしていた。
238名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:19:16 ID:MzLtx7W1
流れ的に、望まれている物とは違うんかなー、とは思っても
折角書いたので投下します。
239名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:20:16 ID:MzLtx7W1
 世の中はいつだって弱肉強食。
 アフリカのサバンナや南米のジャングルだってそうなのだ。進化のレースで単独首位に立った人間の
社会がそうでない理由は無い。いつ、どこであろうとも、弱い固体は虐げられる運命にある。これは生き
とし生けるもの共通の概念だ。
 捕食する側とされる側の関係は決して覆らない。
 だが、食物連鎖で上位に立つ生物は、下位に対して本当に絶対的優勢と言えるのだろうか?
 強いって何だろう。弱いものは本当に劣ったものなのか。三食昼寝付きの飼い猫が、戯れに追い詰め
たネズミに小さな前歯で噛みつかれたら? もしそのネズミの前歯に、大量の雑菌が付着していたら?
 果たして猫は、そのネズミに比べて強いのか、弱いのか。

 私は弱い人間だ。少なくとも生活時間の半分を占める学校という場においては劣勢とされる身の上で
ある。お世辞にも良く出来たとは言えない体型。パッとしない事甚だしい顔立ち。頭の中身こそ並ではある
が、それも上位には届かない。加えて内に秘めた性格はとても可愛らしいとは言えず、トドメに趣味が俗
に言うアキバ系。要するにオタクだ。
 ただ、ジャンル的に腐女子の部類には当てはまらないかもしれない。BLややおいよりも、むしろ男性向け
にこそ食指が動くのだ。しかもアンチ純愛で、陵辱や鬼畜系統のエロゲーを嬉々としてプレイするのだから
困ったものである。
 表には決して出さない趣味とは言え、誰がこんな女を好き好んで相手にするというのか。同好の士なら
ともかく。
 そういう訳で、私は学校において孤立し、時に虐げられる立場にある。
「やだ小島さんじゃない。いつ見ても不細工ね。私達これからお昼食べるんだけど」
 こんな事を同じクラスの女子にいわれた場合、それは一緒に食べようという誘いではない。邪魔だから
出て行ってくれという意味だ。
 流石に面と向かってこんなセリフを吐ける人物もそういない。岸野ミカという女子の中心的な存在が1人いる
だけだ。だがその取り巻きの連中も私を見て嘲笑しているのでは岸野嬢と同じである。
240名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:20:56 ID:MzLtx7W1
 こういう場合、大人しく立ち去らないと延々とバカみたいな妄言を聞かされる羽目になる。だから劣勢
の私は逃げるように消えるしかない。
 まあいい。まあいい。
 この程度、どうという事は無いのだ。私には私なりの強力な牙がある。精々喉笛に噛み付かれて泣き
を見るがいい。

 その私の牙とは何か? 端的に言えば幽体離脱と他人への憑依だ。
 この芸当が意識して出来るようになったのは今年の春頃である。それまでも寝ている間に自分の意識が
体から離れていくような感覚は度々あった。しかし夢だと思っていた幽体離脱が、実は自分の意思で可能
だったのだ。他人の体に乗り移って動かす事も、やってみたら出来た。
 トンデモ話ではあるが、出来てしまうのだから仕方がない。
 私に憑依されると、された側は意識も記憶も完全に無くなる。思考も感覚も完全に私の物だ。だから私が
離れると、憑依されていた人は「アレ? 自分は一体何をやっていたんだ?」という事になる。その間の記憶
は全く残らないのだ。
 これは実に都合がいい。私は他人の体でやりたい放題で、どんな被害が体の持ち主にあろうとも、こちら
に結びつく事は決してないのである。
 これが出来るようになって以来、ちょくちょくと軽い悪戯をして楽しんだ。自分では怖くて出来ない事も、他人
の体であればやってしまえる。例えば意味もなく物を壊したり、ノーパンで階段を上り下りしてみたり。ただ、
やはりうら若い女子高生としては、やはり行き着くのは性的な事柄である。
 昼休みに自分の体を隠し、他人に乗り移ってトイレに篭り、自慰をしたりするのだ。誰かに気付かれた所で
どうという事は無い。悪評が立つのは私ではないのだ。男に憑依して男性器を観察し、射精の感覚を楽しむ
事もあった。女性とはまるで違う放出感は随分と面白い。
241名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:21:48 ID:MzLtx7W1
 初めて思い切った事をしたのはGW明けくらいだ。上級生の女子の体で、授業中に自慰を始めてみ
た。最初の内はスカート越しにボールペンで性器の付近を突付く程度だったが、隣の席の男子に気付
かれたと知ってからは、むしろ過激化。最後にはパンツの中に手を入れて直接クリトリスを刺激した。その
後、クラス中に気付かれて騒然となったが、後の事は知らない。憑依した女生徒は不登校になったらしいが。
 そこまで派手にやった以上、私の悪戯はとどまる所を知らなかった。
 学校では騒ぎになるので街に出て、様々な人に乗り移る。自分の体は自室のベッドに寝かせて幽体だけ
のお出かけだ。
 近所の女子大生に憑依して下校中の男子中学生を物陰に誘い、手や口で楽しませてあげたり、そのまま
野外でセックスをしてみたり。或いは、やはり近所の中学校で男性教師に乗り移って女生徒を強姦してみたり。
 援助交際も何度か経験した。私立の女子高生の体でそこそこ見栄えの良いサラリーマンを誘い、ホテル
に連れて行ってもらってセックスを楽しむ。コンドーム無し、中に出してよし、ビデオ撮影もOKの何でもあり
だ。それでお代は二束三文だから男の興奮も天井知らずである。
 憑依対象の体質にもよるが、好き放題に嬲られるのは慣れてしまうととても楽しい。体の中をグチャグチャ
に掻き回されるのは、癖になりそうな快感がある。見知らぬ男と肌を合わせるという嫌悪感も、経験を重ねる
内に薄れていった。今では度外れて酷くない限り、大抵の男を初見で受け入れられる。ガキでもピザでも
オッサンでも何でも来いだ。もっとも他人の体を借りているという事情があればこそだが。
 セックスはモラルと後先を度外視出来れば最高の娯楽である。普通にベッドで一対一の性交に耽るのは
素敵だし、何らかの尋常でないエッセンスを加えて背徳感を楽しむのもいい。
 兄弟のいる女の子に憑依して、姉または妹になりきって兄や弟を誘惑するなんてのも素晴らしいし、娘に
なりきって父親の布団に潜り込むのもアリだ。近親相姦は最初の反応とセックスに持ち込むまでの駆け引き
が何より面白い。弟は堕ちやすいが、兄や特に父親だと難易度が上がる。その辺りが醍醐味なのだが。
242名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:22:44 ID:MzLtx7W1
 また、経験豊富な中年男性に身を任せるのも良い。自分の、つまりは憑依した体から優しく性感を引き
ずり出され、失禁し、失神するほどの快感を味わった時は感動すら覚えた。
 複数の男性に群がられて揉みくちゃにされるのも、こちらから受け入れてしまえば悪くない。何本もの
ペニスに囲まれ、貫かれ、咥えさせられて、内外を問わず、体中に精液を浴びてドロドロにされるのは
筆舌に尽くしがたい経験だった。
 そういえば、と私は首を捻る。最近は複数人を相手にしていない。ここは一つ、岸野嬢の体を借りて、
久しぶりに目一杯ドロドロにされてみようか。
 そう思い立ったのは夏休みが明けた9月の事だ。

 学校を昼で早退し、自宅のベッドで幽体離脱。両親は共働きで、今日はどちらも家に帰らないという
メモがあったのも都合がいい。
 生霊状態で学校に向かい、放課後を待つ。そしてHRが終わった後、私は岸野ミカに憑依した。
「ミカー。今日はどっか寄ってく?」
「ゴメン。私、ちょっと用事があって」
「何よ。男? 私というものがありながらー」
 などと、友達と適当にじゃれ合いつつ、彼女達を帰らせて自分は学校に残る。
 そうしたら、先ずは体の使い勝手のチェックだ。トイレの個室でパンツを下ろし、性器の具合を調べる。ふむ、
処女ではないようだがセックスの経験自体は少なそうだ。だがオナニーは随分派手にやっているようで、膣は
十分にこなれている。多分、バイブやディルドを日常的に使っていると見た。
 まあ、何だ。憑依経験豊富な私には分かるのだ。乗っ取った体がどんな経験をどれだけつんでいるか、朧気
ながらではあるが。
「ふーん、意外に純情なのね」
 ついでに持ち物や携帯のアドレス帳を見る。どうやら現在は友達のお兄さんに片思い中らしい。可愛らしい
手帳にその人物の誕生日や好物などが書き付けられていた。何やら和食が好きらしいので、肉じゃがの
練習がどうのと、随分乙女チックな事もメモられている。ひょっとしたら男性経験自体、無いのかもしれな
い。処女膜も自分で破ったか?
 まあいい。重要なのは異物の挿入に慣れている事と、生理でない事の2点だ。どちらもクリアしているの
で私が楽しむ分には問題ない。性感が今一つかも知れないが、今日の主題は複数の男に犯されるという
所にあるのだ。
243名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:23:25 ID:MzLtx7W1
「さて。ラグビーと水泳、どっちにしようかしら」
 私は甘すぎると評判の缶コーヒーを飲み干し、どこで誰に犯されるかを考えた。どうせなら体力の余っ
てる連中10人くらいに相手をして欲しい物だ。邪魔が入らないというのも大事である。
 候補はラグビー部と水泳部だ。どちらも顧問が面倒くさがりで管理が緩い。そしてそれぞれ、専用の部室
なり更衣室なりを持っている。人数も程ほどだし、体力的にも申し分なく、そして部員間の仲が良い。
 まあ、どちらでもいいのだが、今日は水泳部にしておくか。ラグビーさんはまた後日、という事で。
 高鳴る胸を押さえてプールに向かう。因みに水泳部、男子だけで女子部がない。数年前まではあったの
だが、人が集まらなくて事実上の廃部になっているのだ。
 折のいい事に、彼らは更衣室で休憩中だった。シーズンもそろそろ終わりなので顧問は滅多に顔を出さ
ず、それに乗じて練習よりも雑談がメインらしい。
 この辺りの各部活の活動状況は、常日頃から生霊状態でチェックしているのだ。誰か乗り移って楽しそう
な人材を探すのが主たる目的ではあるが。
 プールに隣接した建物は簡素な掘っ立て小屋ではなく、結構しっかりした作りになっている。校舎側の入り
口から入り、ロビーで靴を脱いで廊下を進む。右に行けば女子更衣室、左に男子更衣室。どちらもシャワー
室が隣にあり、また、更衣室から直接プールに出られるようになっている。
 更衣室は男女共に大小あって、大きい方は授業で使い、小さい方が水泳部の更衣室兼部室だ。まあ、女子
水泳部の更衣室は現在使われていないが。
 男子水泳部の根城にたどり着いた私は、コンコンとドアをノックした。室内のザワメキが途絶え、扉が開かれる。
「こんにちは」
「はぁ、今日は。えっと、何でしょうか?」
 内側からドアを開けたのは見知らぬ男子生徒だ。多分、一年生だろう。何の前触れもなく訪れた私を見て
面食らっている。因みに水着にTシャツという姿だった。顔つきはやや子供っぽいが、中々に逞しい。アッチの
方も元気そうだ。
「あれ? 岸野さんじゃないか。どうしたの?」
「や、どうも。入っていいかしら?」
244名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:24:13 ID:MzLtx7W1
 ポカンとする一年生の後ろから、岸野嬢と顔見知りらしい男子の声が上がった。というか、私も知って
いる顔だ。同じクラスの男の子である。やはり不思議そうな顔をしていたが、ズカズカと部室に上がりこ
む私に、コレといったアクションを取れずにいた。
「ええ!? ちょ、ちょっと岸野さん」
 6畳ほどの部室には水着にTシャツの男が7人。見た所、2年生と1年生だけのようだ。ふむ、賑やかに
楽しむ分には丁度いいくらいだろう。
 カードゲームに興じていたらしい彼らの脇を通り、部屋の奥まで入った私は、手荷物をロッカーの上に
置き、お菓子の袋が散乱しているテーブルに腰掛けた。
「県大会、残念だったね」
「は、はぁ? そりゃ、まあ……そうだけど」
 いきなり自分達のアジトに入ってきた女子生徒に、彼らは未だに面食らったままだ。こちらの意図が全く
分からないのだろう。
「うん。お疲れ様」
「あ、あぁ。どうも……」
 彼らがIH予選の県大会で結構頑張ったのは事実だ。リレーでは決勝まで残ったらしい。勿論、私の知っ
た事ではないのだが、これはいわゆる口実という物だ。
「そこで、私から頑張ったで賞を上げたいんだけど。貰ってくれる?」
「――ッ! お、おい岸野さん」
 今までポカンとしていた彼らが、一斉に息を呑んだ。テーブルに座った私が、足を開いてスカートを持ち
上げたからだ。ギリギリでパンツが見えるくらいまで。
 チラチラとこちらを伺いつつ、7人は互いの顔を見合わせている。反応に困っているようだが、喉を鳴らし
ているのが丸分かりだ。初々しくて良し。
「ねぇ、お菓子よりも、女の子――食べて見たくない?」
 スカートを更に持ち上げて挑発の笑みを浮かべる。吊り目がちの岸野嬢だけに、この手の小悪魔っぽい
表情は似合うだろう。案の定、彼らは魅入られたように私を見つめていた。
「……マ、マジか?」
 よしよし、食いついてきたな。
 ブレザーをゆっくりと脱いで見せると、部員の1人が声を震わせて尋ねてきた。他の男達も目の色が変わ
りつつある。
245名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:25:01 ID:MzLtx7W1
「ふふ。カメラとか、ある? いいよ、脱ぐところ撮っても」
「ホ、ホントに?」
「うん。ホ・ン・ト」
 同じクラスの彼が偶々手近にあったらしい携帯をこちらに向ける。それに向かってウィンクすると、他の子
達も我先にと携帯を取り出した。中には普通のデジカメを構える者もいる。
 時ならぬ撮影会に、場室内の温度も上がる。彼らの水着は、早くも前が膨らみ始めていて頼もしい限りだ。
「ふふ……。ね、ハンガーとか余ってない? 君に私の服をお願いしたいんだけど」
「は、はイッ! あります」
 携帯もカメラもないのか、一人の生徒が手持ち無沙汰に、だが食い入るようにこちらを見ていたので、彼に
脱いだ服を任せる事にした。岸野嬢の体はこの先も使わせてもらう予定なので、今は服を汚してショックを
与えるわけにはいかない。
 一年生らしい彼にブレザーを渡し、今度はリボンタイを解く。パシャパシャとシャッター音が響く中、私は
次にブラウスのボタンをプチプチと外し始めた。
 やがて淡いピンクのブラジャーが顕わになってくると、ひっきりなしに生唾を飲む音がシャッター音に混じ
るようになる。男達の興奮が手に取るように分かった。
「コレも、お願いね」
 ブラウスのボタンをお腹の辺りまで外した所で、私は足を片方ずつ上げて靴下を脱いだ。まぁ、岸野嬢は
美人だが正直、靴下の匂いなど楽しくはなかろうが、それでも受け取り役の男の子は、喉を鳴らしてそれを
受け取った。
 そして今度は立ち上がり、スカートのホックを外してジッパーを下げる。
「フーっ、フーっ」という荒い息遣いに取り囲まれる中、私はスゥとスカートを落とした。続けてブラウスの残り
のボタンも外す。
 7人は目を血走らせて私を見つめ、撮影に余念がないが、この間一切無言なのが笑える。まぁ、同じ学校の
女生徒が目の前で生ストリップをしているのだ。女に慣れてなさそうな彼らが黙り込んでしまうのも無理はないか。
246名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:25:52 ID:MzLtx7W1
「お……ぉ、お」
 再びテーブルに座り、ブラジャーの肩紐をずらしてホックを外す。そして少しずつ、見せ付けるように
乳房を露出した。目をまん丸に見開いている男の子達が可愛く感じる。視線は胸に集中しており、正に
釘付けだ。
「ふふ。これも、ね」
 最後に、パンツに両手の親指を引っ掛け、腰を後ろに引くようにして脱いでいく。今度は視線が股間に
集まった。携帯での撮影を忘れるほど、彼らは見入っている。困ったものだ、折角のストリップなのに。とは
思いつつ、より直接的な性欲の息遣いが楽しくて仕方が無い。
「うふっ。ここまで、何て言わないから、もう少し見ててね」
「あ、あぁ……」
 脱いだ下着を受け取り役の子に渡し、横の椅子に安置させる。それを確認してから、私はピタッと閉じた
足をテーブル上に持ち上げた。体育座りの格好だ。
 そして、ゆっくりと足を開いていく。いわゆるM字の姿勢になった私は、そっと股間に手を伸ばし、7人の
水泳部員の目の前で割れ目を擦りだした。
「んっ、んふ……。ねぇ、ちゃんと見てる? 写真も撮っていいんだよ」
 手の届く距離で自慰を始めた女生徒の姿に、彼らの緊迫感がいよいよ高まってくる。何だか凄いプレッ
シャーだ。性器を猛らせ、血走った眼差しでパシャパシャと写真を撮る男の子達。本格的に乱れ始める前
の、この緊張感。これからどうなっちゃうのかという胸騒ぎ。うん、いや、実に良い。いつの間にやら、私の方
もトロトロと涎を零していた。
「な、なあ岸野さん……」
「へへへ。良いよ、誰からする?」
 ついに我慢しきれなくなったのか、同じクラスの子が手を握ったり開いたりしていた。完全に屹立したペニス
が頼もしいやら痛ましいやら。それを見ながら、スッと目を細めて、私は自分の(岸野嬢のだが)陰唇をくぱぁと
開いて見せた。
「……ッ!」
 瞬間的に殺気立つ7人。ここで「触っていいのは一人だけね」などと言ったら、即大喧嘩になりそうだ。これ
だから男ってヤツは。くくく。
247名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:26:35 ID:MzLtx7W1
「じゃ、じゃあ。俺からだ」
 どんな葛藤と牽制があったのかは知る由も無いが、結局、同じクラスの子が一番にペニスを晒した。大き
さも中々、亀頭も露出している。包茎でなかったのが先鋒を奪えた理由かもしれない。そんなの、どうだって
いいのに。
「ん、んぁ……。ふふ、せっかちなんだから」
 開いた陰唇に固い肉棒を押し当て、彼が腰を押してくる。僅かにズレていたのを黙って修正し、私は自分の
中へとペニスを導いた。
 ズンと衝撃がお腹に響く。力任せに押し込んでくる男性器が、確かに自分を犯しているという実感。そして
自分がそれを望んで飲み込んでいるという歪んだ被虐感。ああ、これだから男漁りはやめられない。
「岸野ッ! う、うお、スゲぇ……」
「お、俺も触っていいか?」
「……いいんだよな」
 腰を振り、興奮しきった仲間の様子にあてられたのか、他の6人が俺も俺もと手を伸ばしてくる。その内の
誰が、という訳でもなく、誰かの手が体に触れた瞬間、パーティーが始まった。
「胸、柔らけえっ!」
「足もスベスベだぁ……」
「な、なぁ。咥えてもらうってのはアリ?」
 あっという間にテーブルから引き摺り下ろされ、後ろから前から14本の手が好き放題に掴み、撫で、擦って
きた。文字通りの揉みくちゃである。高まりきっていない体には苦痛もあるが、それが却って楽しいのだ。無茶
をされているという感じが。
「あむ……ん、んちゅ。んぐ……んっ」
「おおぉ。フェ、フェラされてるっ、俺」
「じゃあ、俺は手、手でしてくれよ」
「うわ。岸野さんの中、更にヌルヌルしてきた……お、俺、もうッ」
 口を御所望の男子には望み通りフェラチオを、手でという子には手で。希望の行為を、望まれるままに。それが
輪姦を楽しむコツだ。丸ごと全部受け入れるのである。こちらは体を開いて促すだけ。
248名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:27:28 ID:MzLtx7W1
「いいの……んぐ。ちゅ、膣内に出して、んっ。口にも、体にも……はむっ。んく、好きな所に出していい
わ。んッ、ちゅ……」
「マジでっ!?」
「と、というか出るッ」
「……お、俺も、そろそろヤバい」
 レロレロと口に入ったペニスを舐めながら宣言すると、彼らは一斉に色めきたった。始めたはいいが、
どこまでしていいのか分かりかねたのだろう。ルールなんて無いと、はっきり言ってあげるのも先達の
務めだ。その結果、彼らが今後、女性に対してどんな態度を取ろうと、私の知った事ではない。
 室内の温度が更に上昇した所で、ジワリと胎内に暖かい物を感じた。グッと膣内に押し込まれたペニス
が最初の精液を吐き出したようだ。
「ふぅ……」
「お、おい。代われよ、次は俺だっての」
「じゃ、その次は俺な」
 ズルリと体の中から異物が抜け、だが間髪を入れずに別のペニスが挿入される。かと思えば口や手の
平にドロリとしたゲル状の液体がかけられる。暖かくも生臭い、男の精液。そうそう、これが欲しかったん
だ。受け止めたそれを、飲み干し、或いは体に塗りたくる。体温が急上昇して、もっと欲しいと全身の肉が
喚きだす。
「あぁ……いいの。ねぇ、みんな……もっと、して。もっと、んっ……私に」
 抑えが効かなくなったのは向こうも同じ事。我先にとペニスを挿入し、乳房を鷲掴む。先輩も後輩もなく、
彼らは私の体に群がった。
「なぁ、岸野さん。こっち、挿れて良いか?」
「マジかよ、お前。勇者がいる、勇者」
「あ、でも……俺も興味あるな」
「んっ、ぁあ。うん? お尻? 良いわよ。ゆっくりね」
 私の背後に回り、アナルに指を突っ込んだ誰かが、私の耳元で懇願する。勿論、私に否は無い。アナル
への挿入は本来、時間を掛けた開発と慣れが必要だが、まあ何とかなるだろう。括約筋が完全に脱力出来
さえすれば割と入るものだ。ローションの代わりなら精液があるし。
249名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:28:20 ID:MzLtx7W1
「う、うおお! 締め付け凄いな」
 体が起こされ、少し持ち上げられる。そして濡れたペニスがお尻に当たった。排便時の要領で肛門の
口を開け、後は力を抜いてズブズブと入るに任せる。
「ああああぁ……。お尻に、入ってるぅ……」
 口や膣と違って、出す為だけにある器官だ。自然の摂理に逆らう背徳感に、思わず背筋がゾクゾク震
える。やー、岸野さん。あんたアナルセックスの才能あるよ。気持ち良いもん。
 前の穴と違って、後ろは全くの未開の地だ。が、それでもちゃんと快感がある。何て恵まれた体の持ち
主だ。素で嫉妬してしまったじゃないか。
「んぁっ、んあッ! ね、ねぇ……見てないで、みんなも……んっ、して」
「お、おお。そうだった、じゃあ俺はこっちから挿れる」
「今度は俺が口だ。よろしく」
 目の当たりにしたアナルセックスと、それに悶える女に、他の6人が息を呑んだ。が、私が促すと一斉に
再起動。1人が私の正面から膣に挿入、1人が口に入れ、2人が手に握らせ、残る二人は胸といわず腰と
いわずペニスを擦り付けて来る。
「んぐ……あむ、ちゅ。んッ、ぁあああ! あむ、む、ぶッ! ん、んはああぁ」
 入れ替わり立ち替わりで、7人の水泳部員に体中を嬲られる。本当に、文字の成り立ち通りに嬲られる。
正確には『男男男女男男男男』という52画の異様な文字になるのだろうが。
 ドロリ、ドロリ、ドロドロ、と遠慮も容赦も無く、7人の精液が全身に内外を問わずぶちまけられる。精液の
シャワーでも浴びたかのように、体中ベットリだ。
 それでも男の子達は夢中で自分の体にむしゃぶりつき、挿入し、ガクガクを腰を揺すっている。その彼ら
のペニスを、膣とアナルでむさぼり、口で啜り、手で胸で擦る。やがて何も考えられなくなり、ひたすら
肉と肉が混ざり合い、体液が滲み出る。
「あぁ……んああ。んッ、ぁ、うああぁ……」
 頭が真っ白になる『気持ち良い』を通り越した、この恍惚感。
250名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:29:18 ID:MzLtx7W1
 意識は朦朧として、でも体だけは蠢いて男と精液に溺れる。どれくらいそんな状態が続いたのか、
記憶が飛び飛びでさっぱりだ。
「岸野っ、岸野さーんっ」
「……んぁ? え、あ……あは。ゴメン、私寝てた?」
「あー、いや。グッタリしちゃったからさ」
 気付いたら床の上で放心していた。それを同じクラスの子が見下ろしている。
 辺りを見回してみたら、凄い事になっていた。みんな全裸なのはともかく、部屋中が体液でべったり
だ。精液愛液は言うに及ばず、汗、唾液、涙。これは掃除が大変だろう。多分、一年生がやらされるん
だろうが。
「ん、んーッ! はぁ……。ねえみんな、満足してくれた?」
 一つ伸びをして全員を見回し、ニッコリ笑って見せる。と、それぞれに男らしかったりはにかんだりの
笑顔が頷きと供に返ってきた。まぁ、一人当たり4・5回は出したのではなかろうか。それだけやれば満足
もするだろう。私もたっぷり精液を浴びられたし。うん、実に充実した放課後だった。
「で、悪いんだけど。私の体、洗ってくれない? 疲れちゃって動けないの」
 口の端についた精液をペロリと舐めながら、ちょいと媚びた顔でのお願い。流石に体が美少女だと、こん
なベタなお願いも即了承だ。別に全員でなくてもいいのだが、7人掛かりで抱き上げられ、シャワー室へ
運ばれる。
「あ、俺ボディスポンジ持ってる」
「誰かシャンプー見なかったか? あったと思うんだけど」
「ありますよ。これっスか?」
「バカ! それトニックシャンプーじゃねえか」
「お湯、熱くないですか?」
 7人の小人に世話を焼かれる白雪姫も、こんな気分だったろうか。大真面目な彼等を見ていると、こそば
ゆいったらない。
「洗えれば何でもいいよー。お湯はもうちょっと熱い方が好きかな」
 泡だらけにされて髪を梳られ、体を洗われる。熱心に足を擦る男子もいれば、器用に指先まで綺麗にし
てくれる子もいて、ちょっと面白い。
 さっぱりとした所でシャワー室から出て、連れて行かれたのは更衣室だった。授業で一般生徒が使う
大きい方だ。部室がアレな状態なので嬉しい気遣いである。
「あの……服、持ってきました」
「ありがとー」
251名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:30:27 ID:MzLtx7W1
 水泳部員なのでタオルには事欠かない。例によって、寄ってたかって体を拭かれる。おまけにドライヤー
で髪まで乾かされ、挙句に服は着せられた。ちょっとしたお姫様気分である。バカな連中に陵辱されるのも
乙だが、根が真面目な男子達にかしずかれるのは素直に嬉しいと思ってしまう自分がいた。女なら誰もが
抱いているお姫様願望が、自分にもあったらしい。コイツはとんだ傑作だ。うへへ。
「コホン、皆ありがと。んーと、今日の事は誰にも秘密ね。校内で私にあっても知らんぷりしないとダメよ?
私もそうするから。約束、守ってくれたら……また、ね」
 最後の「ね」の所でベタではあるがウィンクなど一つ。コクコクと頷く水泳部の皆さん。素直なのはいいが、
チンコ丸出しだぞ、お前ら。可愛いけど。
 服の受け取り役だった一年生に手荷物を渡され、やって来た時と同じように唐突に去る。実は、まだ余韻が
体の中で疼いていてジンジンするのだが。
「ふぅ……楽しかったぁ。うん、また行こう」
 失った水分をスポーツドリンクで補い、菓子パンを食べて一息つく。思わず顔がニヘラと崩れ、その油断した
隙に股間から何かが垂れる。
「あ、ヤベ。トイレいかないと」
 散々膣内に出された精液が零れてきそうだったのだ。後、お尻からも。
 岸野嬢の体は今後も使わせてもらおうと思っているので、ココで変な疑問を抱かれるのは避けたい。今日の
所は綺麗にして返してあげないと。
 トイレに行って股間とお尻を丁寧に拭き、もう大丈夫かな、と見切りをつけた所で適当な空き教室に向か
う。そこで席に座り、机に突っ伏す。これでよし。
「う……ん? あ、あれ、私……? こんな所で何を」
 意識を切り替え、スッと岸野嬢の体から離脱。暫く上空に漂って彼女の様子を観察する。
「寝て……たんだっけ? う、ん。そうだ。昼寝してた……のよね」
 思った通り、そしていつも通り、岸野嬢は私に憑依されていた間の事を欠片も覚えていない。かつ、適当な
記憶が頭の中で捏造された様子で、1人ウンウンと頷いている。自分を納得させるかのように。
「う、んんん? 何か、さっぱりしてる? んッ! や、やだ……私」
 ただ、体の状態まで改竄補完されるわけでは勿論無い。よって、男子水泳部員の手で隅々まで綺麗にされ
れば、当然さっぱり気持ち良い訳だ。快感の余韻もちょっと残ってたらしい。軽く仰け反って股間を抑えてもいる。
252名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:31:12 ID:MzLtx7W1
「妙な夢でも……見たのかな? もう」
 だが、さほど混乱もせずに頭を振って立ち上がった。うむ、問題はなかろう。そう見て取った私も場を離れる。
「じゃあね、岸野ちゃん。また明日」

 空を飛んで帰宅した私は自分の体に戻り、起き上がる。
「……うーむ」
 重い。ピザの私と健康的な岸野嬢では、体の性能差が歴然である。その内、完全に自分の体に見切り
をつけてしまうのもいいかもしれない。他人の体を乗っ取りつつ、自堕落な永遠を生きる妖怪になるのだ。
「私は人間をやめるぞー、ってか」
 まぁ、それはマイバディに致命的な欠陥が出来てからでも遅くはない。それまでは、精々この重い体を
抱えて生きる事にしよう。私の牙は、いつだって強力なのだから。

 翌日、昼食時に私は岸野嬢と鉢合わせた。
「あら小島さんじゃない。ねえ、その不細工な顔で良く生きてられるわね」
 はっはっは。さて、今度はアンタの綺麗な顔で何をしてやろうかね。


 了


―*―*―*―


入れ替わりによるギャップや話の展開云々は二の次で、書き手の願望がストレートに
出てしまうのは小説としてはダメダメだなあ。と書き上がってから思いました。
精進、精進。
お目汚しでした。
253名無し:2009/01/28(水) 02:01:48 ID:+gOXULIW
こういうので入れ替わりモノがみたいですね。
254名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:02:23 ID:wTQjrVcq
おつかれさまです。
主人公が全く迷いや罪悪感なく割り切ってやってるのがいいです。
振り切ってる感が読んでてむしろ心地よいくらいです。

話の展開も全く問題ないと思います。
自分は↑のエレベーターの話みたいにギャップをいっぱい書きたくて書きすぎてしまうところがあるので、
さらっと書くとこういう流れ(スピード感)が出るのかと勉強になりました。
255名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 11:53:02 ID:gdRv3RAo
憑依モノもいいなぁ
素晴らしくGJ
256名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 18:25:47 ID:R09bs7R2
シリーズ化を期待したい!
257名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 18:50:14 ID:VQ7MDCaL
盛り上がってきてうれしい限りだ
258名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 21:55:13 ID:2LrSkvfZ
憑依いいわ〜
259名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 01:20:16 ID:KQARNdrA
>>254
いやいや254さんの作品好きですよ。
TS掲示板の方で投稿されたきり、見れていなかったので
ここにおられると言うだけでも、俺は嬉しいです。
260名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 01:53:27 ID:TDBKPc+6
>>259さん
ありがとうございます。
あちらの続きっも頑張って進めているのですが、いかんせん復活せず。
そして、今回は休眠期間が長い気も…

載せ直すにしても、ボリュームがかなりあるのでどうしようか迷ってるところです。
261名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:07:38 ID:KQARNdrA
入れ替わり作品ではないですが…こんなドラマが
http://wwwz.fujitv.co.jp/chance/index.html
http://wwwz.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2009/090128chance.html
ただの役割入れ替え系ですが、個人的にはこのメンツで
入れ替わりドラマやってほしいですね。
262名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 00:42:02 ID:Lf8R76qB
>>235
bodyswap とかで検索しても引っかからないんだけど
なんて名前かな?
もし承認されて、役に立ちそうな情報とかあれば
レポートしてくれると助かります。
263名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 21:30:03 ID:uRF6WV+p
>>262
いまだ承認されてませんです
ちなみにgroupsの名前Fは2F-Body-Swapです
あと英語でのODの検索はfemale to female や ftf 、f2f などの単語を
body swapとかの単語と一緒に検索するとヒットする可能性が高くなりますね
264名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 23:52:26 ID:BDdjOhwK
淫乱な巨乳女とつるぺたロリな聖女の入れ替わりを妄想しつつ保守
265名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 10:35:45 ID:2xlm5moG
スタイルの良い高校生の姉と、発育に悩みつつ姉の高校生活に憧れるつるぺた小学生の妹の入れ替わりとかもみたい
266名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 17:59:19 ID:8u735j5R
どうも>>104です。
風邪を引いて自宅でゴロゴロしているうちに
一本書き上げてしまったので投下します。

たまにはサキュバスものなどを。
267名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:00:28 ID:8u735j5R
「すっげーな、ここ。本ばっかりだぜ」
埃まみれの部屋でジャンが言った。
「う、うん、そうだね……」
答えるエレの声はか細く、どこか怯えが感じられる。
「ねえ、ジャン……そろそろ帰ろうよ?」
「えー何言ってんだよ。今入ったばっかじゃん」
怖いもの知らずの少年らしい強い口調だ。
棚をいじったり薬のようなものが入った瓶で遊んでみたり、
思うがままに振舞うジャンとは対照的に、
短い赤毛の少女はおどおどと兎のように縮こまっていた。
「だって……お母さんもここに入っちゃいけないって……」
「大丈夫だって言ってるだろ。魔導師の家って言っても
 もうここには誰も住んじゃいない。ただの空き家だ」
「……でも……」

二人は村外れの廃屋にやってきていた。
昔は名の知れた魔導師の住居だったというが、ジャン達が生まれる前に
その魔導師が死んでしまったそうで、今は誰もいない廃墟になっている。
ただ、迷信に囚われている村人たちには、今でもここは忌むべき場所らしく
十年以上の間、誰も近づかないようになっていた。
そこを探検しようと言い出したのが村一番の悪童、ジャンだ。

「これ何に使うんだろうなあ……」
「ジャン〜」
面白そうに室内を漁り回る少年だったが、難しい魔導の本など読める訳もなく、
置いてあった道具類も使い方がさっぱりわからず、だんだんと飽きてきた。
268名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:01:09 ID:8u735j5R
「うーん、家の中は一通り回ったけど……もうこれで終わりか。つまんねえの」
「ね、ほら帰ろ?」
しかし収穫ゼロで帰るのは少年のプライドが許さないらしい。
「部屋の数はそんなに多くないんだな……地下室とかないか?」
ジャンは壁や床などを調べ、隠し部屋でもないかと探す事にした。
「ねえジャン、帰ろうよ……」
「それならお前だけ先に戻ってろ。俺はもうちょい調べてく」
「一人で森の中を帰るの嫌だよう……」
「ならもうちょい付き合え」
少女にそう言い、ジャンは探索を続けた。
「ん……ここだけ壁の色が違うな……」
そろそろ夕方である。その上、森の中にあるこの廃屋は
日の光が届きにくく、二人にいっそう時の経過を感じさせた。
「ジャ〜ン〜……」
不安のあまり、エレは壁に手をついたジャンにもたれかかった。

すると――

ボゴッ !!

「へ?」
土の崩れる音と共に壁に大穴が開き、二人を飲み込んだ。
269名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:04:13 ID:8u735j5R
「うわぁああぁああぁぁっ !?」
「きゃぁああぁああぁぁっ !?」
悲鳴と共に暗闇を転げ落ちる少年と少女。壁の中は下り階段状に
なっており、ジャンもエレも強かに体を打ってしまった。
「いてててて……」
ジャンはゆっくりと体を起こした。痛みはあるが大した怪我はないようだ。
「エレ、何してんだよ !!」
「えっ……あ、ごめん……」
エレの方も被害は似たようなものらしい。

二人が落ちた空間は恐らく地下室のようだ。たいして大きなものではなく、
しかもやはり謎の道具があちこちに散らばっているためかなり狭い。
本来なら明かりもあるのだろうが、今は階段の上に空いた穴から漏れる光で
ぼんやりものが見える程度である。
「うーん、ここも上と一緒でよくわからないもんばっかりだな……」
「そうだね……」
試しに転がっていた細身の壷を取ってみたが、やはりただの壷にしか見えない。
「キュキュっと磨くと魔神がボワン、とか……」
「どうなんだろ……」
手拭で磨いてみたが、もちろん魔神などは出てこない。
騙されたような気分になったジャンは、壷をその辺に投げ捨ててしまった。
パリン、と軽い音がして壷が割れる。
「あっ! ……いいの?」
「いいだろ別に、ただの壷だよ。しゃーない、そろそろ帰ろうぜ」
270名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:05:28 ID:8u735j5R
魔導師の家だからって期待した自分が馬鹿だったのだろうか。
もっと面白い出来事を望んでいたジャンが失望した様子で立ち上がると、

「――呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン……」

エレのものではない女の声にジャンは飛び上がった。
「ひ、ひい! 誰だ !?」
「……ご、ごめんなさい、ごめんなさい……」
身構えた二人が暗闇の奥に視線を向けると、
そこにはコウモリのような人間のような、闇に溶け込んだ影があった。
「…………」
ゆっくりとこちらに近づいてくる影は、薄明かりの中で一人の女の形をとった。
歩くたびに揺れる長い金髪と豊かな胸、踊り子のように布地の少ない黒い衣装、
貴族の令嬢のように整った繊細な顔立ち、やや挑発的なつり上がりぎみの目。
その背にはコウモリのような鋭い形の翼が、耳の上にはヤギのような一対の角が、
真上に向かって生えていた。
「こんにちは、ボクちゃん達♪」
年上の女らしい優しい口調と笑みだったが、
それはどことなく獲物を見つけた肉食獣の表情を思わせた。
「…………」
二人は恐怖で声も出ない。腰が抜けて逃げ出す事もできず、
壁際まで這いずるのが精一杯だった。
「逃げなくてもいいじゃないの。ねえ?」
271名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:06:00 ID:8u735j5R
女は二人を捕まえると、笑みを浮かべたまま話しかけた。
「まず名前を聞いときましょうか。あなたたち何ていうの?」
「――ジャン」
「……エレ……」
逆らうのもまた恐怖に思い、やっとの事で答えた。
「そう、あたしはフレイア。淫魔のフレイアよ」
「あ……悪魔……なの?」
「そういう事になるわね。――大丈夫、殺したりはしないわ」
安心させるようにそう言うと、フレイアはジャンを抱きしめた。

「うっ……ちょっ……お姉さん……」
「久しぶりに出てきたんですもの。
 可愛い子だし、楽しませてもらおうかしら」
魔族の女は香水でもつけているのか、とてもいい香りがした。
そばにいると何だか体が熱くなってくるような……。
「じゃあまずはキスからね」
言うと同時に少年の唇に吸い付くフレイア。
そのまま舌で歯をこじ開け、少年の未開の口内を存分に蹂躙する。
「はむ……ん……ぬぷ……む……」
ジャンは女の唾液を気持ち良さげに飲み込む。
既にその目はトロリとしており、理性が半ば溶けつつあるようだ。
272名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:06:55 ID:8u735j5R
「ん〜、ちょっと刺激が強すぎたかな?」
「ジ、ジャン……」
「ごめんねエレちゃん。先にこのコをヤっちゃうから、後で3Pしようね」
フレイアはそのままジャンのズボンを脱がせ、下半身を丸裸にしてしまった。
発展途上の小ぶりな肉棒だが、しっかりと自己主張をしている。
久しぶりに見るジャンのものに、なぜかエレも恥ずかしくなって顔を赤らめた。
「ちょっと小さいけど元気バツグンね! 将来が楽しみだわぁ♪」
嬉しそうに笑うと、淫魔は少年の肉棒にそっと舌を這わせた。
「あっ……!」
「――ふふ、気持ちいい?」
丹念に嘗め回したり、棒に口付けしてみたり、袋を一舐めしてみたり。
優しく弄ぶようなフレイアの舌技に、ジャンは快楽のまま流されるばかりだ。
「……う、ああ……ぐっ !!」

やがて皮が剥かれ、尿道まで舌先が入ってきても痛みは感じなかった。
ただ、もっともっとと欲望が湧き上がるだけ。
「……あ、ああ……あぁあぁあ……」
「へえ、なかなか辛抱強いじゃない。じゃ、これはどうかな?」
手も使ってますますエスカレートするフレイアを、エレは横でじっと見ている。
「――ジャン……」
その口調に心配する様子はあまりない。
むしろ引き締まった口元と赤く染まった顔が、少女の別の感情を物語っていた。
273名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:07:44 ID:8u735j5R
(……気持ち良さそう……あたしも……ジャンと……)
なぜ自分を放って、彼はこんな女とくっついているのか。
それも、自分が見た事のないほどの悦びを顔一杯に浮かべて。
今までずっと一緒にいた自分こそが、ジャンにああする資格があるはずだ。
まだエレは自慰もした事がなかったが、彼が望むなら何でもしてやろうと思う。
そう考えると、エレはこの淫魔が憎くなってきた。
「――だめぇ……ジャンは……あたしが……」
何とかジャンの体に触れようとするが、フレイアにはねのけられた。
「ダーメ、今は私の時間なんだから。もうちょい待ってね♪」
年端もいかぬ少女と人外の淫魔では勝てる訳もなく、
エレは再び横からフレイアのフェラチオを眺めるしかなかった。

「うぅ……やだよぅ……ジャン……」
半泣きになって小さくうめくエレ。
(何か……武器、みたいなの……)
へたり込んだまま手を動かすと、一本の棒が手に当たった。
細身だが握りやすい棒で、両端に取っ手のような飾りがついている。
こんなので悪魔がどうにかなる訳もないが――。
エレは力一杯、棒を女の背中に叩き付けた。
棒は中ほどから真っ二つに折れたが、淫魔にはさしたるダメージもないようだった。
「! ……痛いわねぇ」
「――あ、ご、ごめんなさい……」
慌てて放り投げられた棒の残り半分が、部屋のガラクタの中に転がってゆく。
フレイアはおびえた表情でエレを見返し。
エレは子供を叱る母親のようにフレイアをにらみ。
『……え?』
二人同時に素っ頓狂な声を上げた。
274名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:08:58 ID:8u735j5R
「わ、私?」
「……あたしがいる……?  !! ……ご、ごめん、ジャン」
淫魔は恥ずかしそうに少年の上から身を引き、床に座ったまま
同じようにこちらを見つめている少女と向かい合った。
「どうなってるの? コレ」
エレは自分の体を触り、人間の子供になってしまったのを理解した。
代わりにこの体だった少女が、自分の淫魔の体になっているようだ。
「……わ、わからない、けど……」
先ほどまでの余裕に満ちた挑発的な態度はどこへやら、フレイアは
おどおどと自信のない様子で自分の豊満な肉体を見下ろしている。
「あたし……悪魔さんになってる?」
「何をしたかわからないけど、体が入れ替わっちゃったみたいね……」
エレはため息をついた。
今の自分はただの無力な人間の女の子でしかない。その事実に顔を歪める。
「元に戻しなさい、って言ってもダメでしょうね……」
「あ――そ、そうだ……」
フレイアは何かを思いついたように立ち上がると
ジャンをかばうように、自分のものだった体に向かって言った。
「も、もうジャンに変なコトしないで!」
「エ……エレ? どうなって……」
後ろのジャンに話しかけようとして、背中の黒い翼の感触に戸惑う。
「ひどいコト、ねえ……」
少女は淫魔を見上げて平然と言った。
「別にこんなの、恋人なら誰でもやってる事でしょ?
 私は淫魔なんだから、恋人じゃなくてもヤるのが当たり前だし」
275名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:09:30 ID:8u735j5R
「な――」
「ほら。あなたも私の体になったんだから、わかるはずよ。
 体中がウズいてウズいてたまらないんじゃない?」
「そんなわけ……」
フレイアは否定しようとしたが、エレの言葉は止まらない。
「ほら見てよそのデカパイ。乳輪もでっかいし真っ黒だしエロいわねぇ。
 乳首もビンビンに立ってるじゃない。ミルク出てきちゃいそう。イヤらしい」
「やめて――」
「全身汗ばんでて、息もハァハァって発情しまくってるわよ。
 下のお口なんてもうビショビショ。ほら見て、汁垂れてるじゃない。サイテー」
やめろやめろやめろ――。
そう言いたかったが、エレが一言口にするたびに体が反応してしまう。
相手の言うとおり、フレイアの淫魔の体は既に発情してしまっていたのだ。
久方ぶりに発揮された淫魔の本能を、幼い少女の精神で抑えられるはずがない。

「ああ……」
とうとうフレイアはくずれおち、ジャンの前に膝をついてしまった。
勝ち誇るように邪悪な笑みを浮かべたエレが、それを楽しげに眺めている。
「――エ、エレ……?」
「ジャン……」
少年を見つめる淫魔の瞳。
それは既に愛欲に支配された雌の眼差しだった。
276名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:10:43 ID:8u735j5R
「ほら、早くそのおちんちんをくわえなさい。その子も楽しんでたんだから」
先ほどの淫行でジャンはすっかり動けなくなっており、
半裸で肉棒を硬く立たせたまま放置されていた。
「や……やっぱり、エレ……なのか?」
「ジャ、ジャン……あたし、変なの……体が熱くて、もじもじってなって……」
フレイアはもはや恥じらいもなく、ジャンの下半身に覆いかぶさった。
「エ、エレ……やめ……」
「ここ、おしっこするところだよね? なめても汚くないのかな……」
先刻とはうってかわってたどたどしく、淫魔の口が肉棒をなめる。
その横では楽しくてたまらないという顔の少女がアドバイスを始めていた。
「いい? 皮を剥いて、ここが亀頭……ほら、なめてみなさい。
 歯をたてちゃダメよ。優しく優しくなめてあげるの」
「ん……ちゅぱ……」
「タマタマへの刺激も効果的よ。もったいぶるように……
 そうよ。ちょっとぎこちないけど、まあいいわ」

お手本を見せてあげる。少女の巧みな言葉に席を空ける淫魔。
「……うっ……あ、エレ……? ど、どっちだ……?」
「そう、私がエレよ。気持ちいいでしょ? うふ♪」
ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染が、大人顔負けの
卓越したテクニックで自分のソレをなめ回している。
今まで何とか耐えてきたジャンだったが、これにはもうたまらない。
「あぁあぁっ…… !!」
我慢できずに、エレの顔に盛大に出してしまった。
「あは♪ 何年ぶりの精液かしら……」
エレは至上の喜びを満面に浮かべ、自分の顔をなめ回す。
その様子からは内気な大人しさなど、欠片も感じられない。
277名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:11:47 ID:8u735j5R
横ではフレイアが驚いた様子で、飛び散った白い汁を眺めていた。
「何これ……おしっこ?」
幾多の男の精を吸い尽くしてきた淫魔のセリフとしては全く不適切だろう。
「これはね、精液って言って、赤ちゃんの素になるの」
「え、赤ちゃん? これで赤ちゃんできるの?」
少女は微笑みながら、淫魔に丁寧に解説してやった。
「そうよ。おちんちんを女の人のお股――おまんこっていうんだけど――
 に入れてかき回して、今の精液をたっぷりと入れてあげたら
 赤ちゃんができて、女の人は妊娠するの」
「おまんこって……おしっこするところ?」
「少し違うわ。正確には別の穴。
 あなた、ちょっと後ろ向いてお尻出してみなさい」
う、うんとうなずき、フレイアはうつ伏せから
尻を突き出すような格好でエレとジャンに向けた。

「ジャンも見てみなさい。ここがおまんこ」
「……なんか、毛がぼーぼーで訳わかんない」
「ぼーぼーで悪かったわね。いいから指入れてみなさい。私が許したげるから」
尻込みするジャンを横目に、エレは小さな手をフレイアの秘部に這わすと
汁が滴っている淫唇に二本、指を突っ込んだ。
「――はぁあぁぁっ !?」
「どう、このコの反応、すごいでしょ?
 女の人はね、ここにオチンチンを入れられるのが最高なのよ」
「……う、うん」
「ここ――クリトリスって言うんだけど――も重要ね。
 ただの小さなお豆に見えるけど、あなどっちゃいけないわ。この効き目ったら」
「ひぁああぁっ !!」
「肛門――アナルも場合によっては大切よ。
 訓練次第では前よりも感じる事も可能だから、汚いと思わないでね」
「ぁあぁあああぁっ !!」
淫魔の性的快楽は人間の比ではない。まして自慰も知らぬ少女の心である。
数分間の手淫が、フレイアには数時間にも感じられた。
278名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:13:39 ID:8u735j5R
「――そろそろいいかしら」
「……ま、まだ何かするのか?」
ごくり、とつばを飲んで問いかけるジャン。
エレの講義によって肉棒はもうガチガチで、先走り液がじわりと漏れている。
「……何言ってるの。あなたのチンポをここに入れてやるのよ」
「えぇっ !?」
「さっきも言ったでしょ、赤ちゃん作る方法。
 私たち淫魔にはそれが養分として必要なのよ。ほら、早くしなさい」
エレはジャンの腰を立たせ、後ろからいきり立った少年のものを握り締めた。
そしてそれを、尻を突き出したままうつ伏せになっているフレイアへと導く。
「はい、準備OKね♪ それじゃ、思いっきりいけぇ !!」
肉棒が勢いよく淫唇に突き刺さり、淫魔は悲鳴をあげた。

「どう、気持ちいいでしょ? ほらもっと腰を動かす!」
エレは乱暴に少年の腰をつかみ、前後にピストン運動をさせた。
ぶちゅっ……じゅ……ぶちゃっ……
汁で溢れていた結合部から、動くたびに激しい音が漏れる。
「俺……お、おまんこの……中……入ってる……」
ジャンは初めて味わう快楽に夢中で、
交わっている相手がエレなのかフレイアなのかも忘れていた。
本能のままに腰を振り、自分のもので肉壷をかき回す。
一方、フレイアも淫魔としての初めての交わりに理性が飛んでいた。
少年の小ぶりな肉棒が自分の中を前後に、左右に、上下に動くたび
涙と共によがり声が、普段当たり前のように口をついて飛び出してくる。
「……ひぁ……あぁ……ふぁあ……ぁあ……ひぃ……」

――いい。すごくいい。
これほどまでの快感が得られるなら、もうどうなってもいい。
自分が人間であった事など忘れ、最初から淫魔だった気すらしてくる。
翼と角を生やし、男をだらしなくくわえ込む自分の方が正しいと思えてくる。
「……イイわね、その顔。すっかりサキュバスじゃな〜い。
 イヤらしい表情で、よだれなんて垂らしちゃって……。
 入れ替わる前はただの子供だったのに、今じゃ淫乱な雌そのものね」
自分だった体の言う事が否定できなくなる。
欲望のままに、自分の体よりはるかに小さな少年をくわえ込んで離さない。
体が求めているから。本能が求めているから。
今の自分は淫乱な悪魔だ。少年と仲の良い友達では、もはやない。
この肉棒を貪るために自分は生きているのだ。
279名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:14:11 ID:8u735j5R
「いぃ……いぃ……これ――がっ !! いいのォ !!」
何かに突き動かされるように、淫魔の性感は絶頂に達した。
それと共に、ずっと淫魔の膣内で射精を我慢していた――いや、
我慢させられていた少年も、やっとの事で精の汁を撒き散らした。
「――あぁ……」
力尽きたように、並んで床に横たわるフレイアとジャン。
仲良く抱き合って失神するその姿は、親子のようにも思われた。
そして、それを見て複雑な表情をしている少女が一人。
「……はあ、数え切れないほどの男をモノにした私の体が、
 童貞少年と一緒にイっちゃうなんてね……情けない」
中身は性技を極めた淫魔とはいえ、まだ生理もあるか疑わしいような
幼い少女の体では、何もできないに等しい。

「早く私の体を取り返さないと……」
エレは薄暗い地下室を少し調べてみたが、
ガラクタが多すぎて元に戻れる魔具がどれなのかわからない。
「あの魔導師から聞いとけばよかった……」
ここに住んでいた魔導師は十年以上前、眠りについていた彼女を起こし
自分の使い魔にしようとしたのだった。
魔導師らしくかなりの強敵だったが、性技と誘惑の限りを駆使して
何とか生命力と魔力を吸い尽くし返り討ちにした。
これでまたしばらくは眠れると思ってたのだが――
まさか、この子供たちのせいでこんな事になろうとは思ってもみなかった。
「起きてから聞いてみるしかないか……」
もう日も沈む。薄暗かったこの部屋も、夜になれば真っ暗になるだろう。
自分の体なら暗闇でも見えるのに――
そう思いながら、エレは灯りを探しに部屋の外に出た。
280名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:14:36 ID:8u735j5R
「え゙……」
明かりの灯った地下室で、エレは声ならぬ声をあげた。
ジャンもフレイアも目を覚まし、三人で座り込んでいる。
「これ……が、原因……?」
エレが手に持っているのは、飾りのついた棒のような道具である。
半ばほどで真っ二つに折れ、ただのガラクタでしかないようだが――。
「それでフレイアさんを叩いたら……折れちゃって。
 その時……だと思います。あ、あたしとフレイアさんが入れ替わったの」
フレイアが怯えた様子で少女に言う。
原因はここの魔導師が作った魔具らしい。
エレの見たところ、生物の魂を入れ替えてしまう効果があったようだ。
しかし、こうも見事に折れていては、もう使えないだろう。

「じゃ、じゃあ……これが使えないと、私はずっとこのまま……?
 人間なんかになって……数十年で死んじゃうの……?」
あまりのショックだったのだろう。エレは気絶してしまった。
「フ……フレイアさん! しっかりしてください!」
「あ、あたしも……このままずっと、この体……?
 こんなツノ生やして、羽パタパタってして、寒いカッコして、
 悪魔のままでずっといないといけない……の?」
一緒に白目を剥いて失神するエレとフレイアを、
ジャンは必死でなだめすかす事になった。
281名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:15:22 ID:8u735j5R
十年後――。
よく晴れた昼間、村の牧場で羊を世話する若者がいた。
そんな彼の元に荷物を届けにくる若い女。
「――もう、お弁当忘れるなっていつも言ってるじゃない」
「ああ。ごめん、エレ」
笑って礼を言う若者を見て顔を赤らめる女。
どうやら二人は夫婦、それも結婚して間もない新婚のようだ。
「それでね、セーラったら……」
「あははは……そりゃすごいな……」

他愛無い話で笑う二人のところに、もう一人、女が現れた。
二人は女を見て、微笑みながら頭を下げる。
「こんにちは、シスター」
「こんにちは」
黒紫の地味な修道衣、頭にかぶったヴェール、首にかけた十字架。
村の小さな教会にいる、唯一のシスターだった。
「今宵も礼拝があります。ぜひお越し下さい」
シスターの言葉に賛意を示す二人。
「そうでしたか。では喜んで」
「二人で参りますわ、シスター」
修道女はうなずくと、若夫婦に見送られ牧場を後にした。
282名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:17:04 ID:8u735j5R
夜の教会。
大きくもない礼拝堂の奥の、もっと小さな控え室で、女が向かい合っていた。
片方は牧場の若い嫁。もう一方は教会の修道女。
修道女はヴェールと衣服を脱ぎ捨て下着姿になった。
そして微笑み続ける牧場の女に近づき、至近からにらみつける。
ただの人間にはわからないが、その視線には強力な魔力が込められていた。
「……あんた…… !!」
全てを思い出したように、女の目は憎々しげにシスターを見ていた。
「いつまで私を人間のままにしとくつもり !?」
「……何を焦ってるの。まだ10年でしょう、たったの」
上級悪魔たる淫魔にとって10年なんて一瞬でしょ、とシスターは言った。
「あんたが私の体を返さないから……人間のままでいなきゃならない !!」
「仕方ないでしょう。戻り方がわからないんだから。
 あたしもすっかりこの体に馴染んじゃって。色んな事ができるわよ、ほら」
修道女が瞬きすると、その体には角と翼が生え、悪魔の姿になっていた。
「私の体ぁっ !!!」
女は飛びかかろうとしたが、淫魔の魔力によって完全に動きを封じられている。
「仕方ないから、あなたには『エレ』の役をやってもらっているわ。
 魔力で心を支配してるから、あたしがこうやって許可するときしか
 『フレイア』だった時の記憶は思い出せない。そうでしょ?」
「私は……悪魔フレイアよ !!」
283名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:18:28 ID:8u735j5R
「そうかしら? ……ほら、あたしが見つめるだけで――」
悲鳴も空しく、淫魔が数瞬、視線を合わせるとエレは目の光を失った。
そして虚ろな口調で言葉をつむぎ出す。
「あたしは……エレ……」
「そうよエレ。目が覚めた?」
「シスター……ジャンは……どこですか?」
「ジャンならそこで寝てるわ」
フレイアが指した先、部屋の隅には、ジャンがぐったりとした様子で座り込んでいる。
「ジャン、起きなさい。エレが迎えに来たわよ」
「う……すみません、シスター」
同じく虚ろな瞳で答えるジャンに、フレイアは深く接吻を交わした。
奥まで舌を絡ませ、互いの唾液を思うがまま貪り合う。
その下ではエレがジャンの肉棒を取り出し、待ちきれない様子で口に含んでいた。
「先にあたしがするわ」
「はい、どうぞシスター」
角と翼の生えたシスターに場所を譲り、エレはそばにへたりこんだ。
フレイアは妖艶は笑みを浮かべつつジャンの上にのしかかる。
「はんっ……ん……あ……ジャン……」

3回ほど中に出させておいて、やっとシスターは若妻に夫を返してやった。
今度はジャンがエレの上に馬乗りになって激しい交わりが行われる。
「うっ……あ……エレ……」
「はあっ……ふ……う……ジャン……もっと……」
その様子を満足そうに見つめる淫魔フレイアが、エレの耳元で囁いた。
「今のあたしは――子供、産めないから……あなたに産んでもらわないと……
 そうして、あなたとジャンが年を取って死んだら……
 あたしは思い残す事なく別の場所に行くわ」
だってあたしはもう淫魔『フレイア』なんだもの。

そう言い残し、淫魔のシスターは礼拝堂に入った。
中には村の若い男が何人も集まり、シスターを待っている。
「今宵も礼拝を……皆で祈りましょう」
声と同時に獣と化した男たちが淫魔に襲い掛かった。
今夜の礼拝は、まだ始まったばかりである。
284名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:22:39 ID:8u735j5R
以上となります。
なかなかたくましい村娘になってしまいました。
数日寝たら体調も良くなってきたので頑張ろうかな、と思う今日この頃です。
寝込んでるときは>>238さんの憑依モノで楽しんでました。応援しております。

では今回はこれにて。
285名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:49:23 ID:ByFZtFa1
サキュバスだと!? 貴様…謀ったな!

相変わらずきちんと結末まで書いてくれてるのが素晴らしい
早く全快するべき
286名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 11:06:18 ID:tPgYic+y
十年間の経過の話が知りたいです!
287名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 21:35:32 ID:lZNKfNdi
元エレがんばりすぎwww
十年間の間に何があったのか気になるね
288名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:40:17 ID:k0yqTX5p
また来てしまった>>104です。
体調は良くなりました、ありがとうございます。

>>267-283について、リクエストを頂いて大変ありがたいのですが、
修行中の身なので基本的に一話分しか書けません。
オチもつけてしまったし、続編と言われると難しいです…。


でも書いてしまったんですけどね。
という訳で、またしてもお眼汚し失礼します。
289名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:40:48 ID:k0yqTX5p
村は今日もいい天気だった。
外れの森の木々の間を、爽やかな風が吹き抜けてゆく。
「――んっ、じゅるっ……ずっ、ずぷっ……」
雨の日も嫌いではないが、やはり晴れた空が一番だ。
枝にとまった小鳥がさえずり、地面を狐や野鼠が好き勝手に走り回る。
生まれた時から見てきたのどかな風景がジャンは好きだった。

「ずっ、ちゅぱっ……どう、気持ちいい?」
そこで思考を中断させられ、気乗りしない顔で足元を見下ろす。
「――ああ、気持ちいい、けど……」
木の根元に座り込み、夢中で彼の成長期のイチモツをしゃぶる少女。
歳は彼と変わらないはずだが、肉棒への手馴れた愛撫といい
その艶やかな表情といい、とてもそうは思えないほど大人びていた。
「けど、何よ? 気のない返事しちゃって。
 せっかく人がしゃぶってあげてるのに失礼ね」
短く切った赤い髪。たれ目がちの可愛らしい顔。
いつも見慣れたエレのはずだったが、『中身』は別人だった。
魔導具のせいで、彼女の体には淫魔の魂が入ってしまったのだ。
それから数日になるが、エレの体をした淫魔は、会う度に
ジャンのまだ小ぶりな肉棒を握り、こすり、そしてくわえてくる。
さすがに本番はまだだが、少女のテクニックはその辺の娼婦顔負けだった。
(――エレ、あんなに大人しかったのに……)
男の本能は満たされるが、ジャンはどこか寂しさを感じていた。
290名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:41:29 ID:k0yqTX5p
「今日も行くのかしら?」
一発抜いた後、荒い息をするジャンにエレは問いかけた。
「うん、ちゃんと毎日行ってやらないと」
「精気なら気にしなくてもいいのよ。
 淫魔の体だからって、毎日しないといけない訳ではないわ」
「違うよ。俺がエレに会いたいんだ」
明るく告げるジャンを見て、そう、と大人っぽい口調で言うエレ。

森の中の廃屋に二人が着いたのは昼過ぎだった。
高名な魔導師の住まいだったもので、迷信深いこの村では
今でも近寄る者が誰もいない、さびれた家屋である。
鍵もかかっていない戸を開き、ジャンは大声を出した。
「エレ〜〜っ !!」
中に入って二人が待っていると、奥の方から一人の若い女が顔を見せた。
どこかの令嬢を思わせる絹糸のような繊細な金髪を肩まで伸ばし、
ややつり上がった目から放たれるのは紅色の魔性の光。
幅が小さく、自然な感じに厚い唇は男の恋情を誘わずにいられないだろう。
脚も腕も日焼けなど無関係に白く、適度に肉がついている。
身にまとっている黒い衣装は下着と間違うくらい布地が少なく、
かなり大きめの胸を窮屈そうに少ない布地で押さえつけていたが
どうにも無理があるらしく、歩く度に上下に揺れ、今にもはみ出そうだ。
そしてもっとも目を引くのが背中から生えたコウモリのような一対の翼と、
側頭部から上に向かい曲がって伸びた二本の角だった。
もちろん人間ではありえない。女は上級の悪魔たる淫魔である。
291名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:42:01 ID:k0yqTX5p
「あ……ジャン、また来てくれたんだ」
淫魔が嬉しそうに微笑む。妖艶な顔立ちに似合わない無邪気な笑みだ。
「約束したろ? ちゃんと毎日来てやるって」
「うん……ありがと」
顔を赤らめて目を伏せ、ぼそぼそとつぶやく淫魔。
先ほどから、見た目と仕草が全く合っていない。
「私も来てあげたわよ、エレ。感謝する事ね」
ジャンの後ろでエレがニヤリと笑った。
「フレイアさんも……ありがとうございます」
「何たって自分の体だもの、心配で心配で」
少女は淫魔をエレと、淫魔は少女をフレイアと呼んでいた。
そう、二人は入れ替わってしまったのである。
原因となった魔導具は壊れてしまい、まだ直っていない。
そもそも製作者が死んでおり、直せる見込みがあるかもわからなかった。

あれから数日、とりあえず二人はお互いの体で生活している。
もちろん角と翼の生えた淫魔の体では村に入れないため、
フレイアは一日をこの森の廃屋で過ごしている。
悪魔であるため水や食物は必要ないが、ここには話し相手もいない。
毎日やってくるジャンとエレだけが心の慰めだった。
「いい? その体は上位の悪魔、サキュバスなのよ。
 何事にも自信を持って、堂々と振舞いなさい。
 ――私がその体だったらこんな村乗っ取っちゃうのに……」
毎日泣き続けるフレイアを、エレはそう言って慰めた。
今の自分は力のない、寿命も限られたただの人間。
泣きたいのはこっちよ。エレは頬を膨らませた。
292名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:42:27 ID:k0yqTX5p
「――はあ、相変わらず真っ二つねえ……」
ため息をついてエレが手に取ったのは、飾りのついた細い棒だった。
中ほどで二つに折れたらしく、同じ物が2本あるようだ。
「手で押さえてもダメ、糊も駄目、包帯もだめ。
 やっぱり直せないのかしら……」
「部屋のガラクタには同じ道具はなかったしなあ」
「どこの世界に同じ道具を2本作る職人がいるのよ!」

3人は地下室にいた。狭い部屋のあちこちに魔導具らしきガラクタが
転がっており、その中に二人を入れ替えた道具――の残骸――もあった。
「どこかの魔導師に直してもらうって手もあるけど……。
 この辺田舎だから魔導師なんていないし、今の私は子供だから
 あまり遠くに行けないのよね……エレも私の力を使えないから
 外に出たら人間たちに捕まっちゃうわ。……お手上げってとこね」
「あんた悪魔だろ? 人間の道具は直せないのか?」
「――無理ね。変身とか魅了の魔術は使えるけど、人間の魔導はさっぱり。
 淫魔の魔術も、今使えるのは私のカッコをしたエレの方よ」
「えーと、つまりどういう事だ?」
「要は、私もあなたも役立たず。
 私たちができる事といったら、エレに淫魔の魔術を覚えてもらう事だけね」
エレが両手を顔の横に上げる。まさしくお手上げだった。
「エレに魔法を……?」
「体は私のなんだから、覚えたら使えるはずよ。
 ……もっとも、今はこんな状態だけど」
「――?」
少女が後ろを指し示すと、そこにはジャンを見つめて息を荒くした淫魔の姿があった。
293名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:42:52 ID:k0yqTX5p
「――エレ、どうしたんだ?」
「……わからないの。ジャンを見てたら体が熱くなって……
 息がハァハァってなっちゃうの……」
「……はあ。先が思いやられるわ」
すっかり淫乱な肉体の虜になってしまっている。
恐らく彼女はジャンが好きなのだろう。だからと言って、
相手の顔を見ているだけで欲情するなど――頭が痛くなってくる。
「あんたが発情してどうするの!
 淫魔は相手をサカらせるのが仕事でしょ!
 年端もいかない男の子相手にハァハァ言わない !!」

エレの説教をよそに、フレイアはジャンに近づき、唇と唇とを優しく重ねた。
「ん……はぁ……ジャン……」
「あ、こら――」
既にフレイアの肌はじっとりと汗ばんでいる。
先の濡れた金髪が肩に張り付き、何とも言えない魅力を出していた。
「う……」
幼馴染の少女が、年上で金髪半裸の絶世の美女になってキスをしてくれる。
その状況にジャンのモノがまた硬くなりつつあった。
「……ふう、仕方ないわね。まあ一発ヤってから考えましょうか」
諦めたのか、またしてもエレがジャンのズボンを脱がしにかかる。
こうして二人の女にたっぷりと絞られ、彼は気を失ってしまうのだった。
294名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:43:16 ID:k0yqTX5p
「――とにかく、ヤってばっかじゃ話が進まないから、
 あなたには魔術を使えるようになってもらうわ」
ジャンを犯した後、フレイアはエレにそう言われた。
自分の体に秘められた力を自覚し、使い方を意識する。
一度覚えてしまえば簡単なはずだ、とエレは言った。
まずは集中の仕方と、初歩の魔術の練習だが――
「え、えっと、こ、こうですか……?」
「ダメダメー! 何も変わってないじゃない!
 もう一度、ちゃんと集中してよね!」
「ふえ〜ん……」
結局、明かりをともす簡単な魔術すら一日かけてもできなかった。
暗くなってきたため、エレとジャンは村に戻る事にした。
「いい !? ちゃんと練習しといてよ!」
怒って怒鳴る少女を前に、淫魔はすっかり落ち込んでいる。
「ま、まあ、エレ、ちゃんとできるようになるって……」
「うん、ありがとう。ジャン」
涙目でこちらを見つめる淫魔の顔に、またどきりとするジャンだった。

「ただいま」
「おかえり、エレ」
帰宅したエレを両親が優しく迎える。
「ご飯できてるわよ。またジャンと一緒だったの?」
「うん、そう。だってこの村子供少ないし、仕方ないじゃない」
ここ最近、娘は随分と変わったように思える。
以前は内気で気弱だったので心配もしたが、この頃の様子を見ていると
前とは別人のようにはきはきと喋るし、かなり気が強くなったようだ。
よかったよかった。エレも人並みの女の子になれそうだ。
両親は娘と食卓を囲みながらほっと一息ついた。
295名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:44:39 ID:k0yqTX5p
それから一月ほどエレにみっちり特訓され、
フレイアは簡単な魔術をいくつか使えるようになった。
「でも、当たり前だけどまだまだね」
尊大な口調で言い、エレは胸の前で腕を組んだ。
明かりや空力など、まだフレイアが使える魔術は初歩に過ぎない。
本来ならば変身で思い通りの姿に変わり、
誘惑の魔眼で村人たちを思うがままに操る事もできるのだという。
それができれば妖しい淫魔の姿ではなく見た目だけでも人間に戻れるし、
村に戻ってとりあえずは元通りの生活を送る事もできるだろう。
もっとも、それまでに何年かかるかわからないが。

毎日ジャンは来てくれているが、あまり淫魔が精を吸いすぎると
命に関わるというので、実際に交わるのは2、3日に一度という所だ。
だがジャンは思春期の少年だし、だんだんと成長して
精も体力もついてくれば毎日でも大丈夫だろう、とエレは言う。
実はエレも彼の小ぶりな陰茎が好みらしく、
村にいるときこっそりとくわえ込む事もしばしばあった。
しかし少女の体は幼く、さすがに中身が淫魔でも無理はできないのか、
まだ一度も交わった事がない、処女のままだった。
村には他の男の子も何人かいるが、エレはあまり彼らと付き合わず
もっぱらジャンと二人でいる時間が多い。
元々内気だった少女が突然活発になり、狭い村ではちょっとした噂になったが
年頃の少女の心境の変化、という事で片付けられた。
その原因にジャンの名を挙げる者は多かったが。
296名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:45:09 ID:k0yqTX5p
――ある夜のこと。
田舎の村であるため生活は日の出と共に始まり、日暮れと共に終わる。
エレの家も明かりをつけるのは稀で、戸締りもいい加減にさっさと寝てしまう。
夜に生き、闇を棲家とする淫魔の魂には退屈で仕方がなかったが、
この体がこの生活に慣れてしまっているので無理もできない。
エレは今夜もいつものように寝床でまどろみ始めた。
外では穏やかな風が吹いており、半ば開いた窓から部屋に流れ込んでいた。
(……ん……)
風向きが変わったのか、少し強く吹いてきたようだ。
寝ているエレの髪を撫で、風が涼しさを部屋に運んできた。
窓を閉めた方がいいかもしれない。半分眠ったままの意識でそう考え、
彼女はゆっくりと身を起こし――そして思わず息を呑んだ。

「エレ…… !?」
窓の傍に、長年自分のものだった淫魔の体が立っていた。
美しい顔を不安でいっぱいにしてこちらを見つめている。
「――あなた、何でこんなとこにいるのよ !?
 村の人に見つかったらタダじゃ済まないわ、わかってるの !?」
声を何とか抑えながら、少女はフレイアを怒鳴りつけた。
が、淫魔は胸の前で組んだ手をブルブルと震わせ、寝床のエレにもたれかかる。
「――う……ぐす……ひんっ……」
「エレ……?」
泣いている。
妖艶な魅力を放つ夜の女王が、少女にもたれて泣いていた。
297名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:45:37 ID:k0yqTX5p
「うぅ……」
泣き続ける淫魔を何とかなだめ、エレはフレイアと一緒に
ベッドに腰を下ろしていた。月明かりもなかったが、
部屋は淫魔が作り出した魔術の光でほのかに照らされている。
「私の家……私の部屋……帰りたい、帰りたいよぅ……」
金髪の魔族はそう繰り返していた。
入れ替わって一月以上、今のフレイアは家にも帰れず廃屋住まいで、
食物も飲み物も口にせず、ジャンの精だけを吸って過ごしている。
見た目は成熟した悪魔であっても、中身はただの幼い少女。
幾度目かの孤独な夜に耐え切れず、ふらふらと村に戻ってきたのだった。
(――困ったわね……)
エレは淫魔を慰めつつも困惑を隠せなかった。
家が恋しいというフレイアの気持ちは理解できたが、
変身も魅了の魔術も使えない今の状態で戻るのは危険すぎる。

エレはもう一度、自分の隣にいるフレイアの体を見直した。
魔術の光に照らされた細い金色の髪は装飾品のようにきらめき、
宝石のような赤い瞳と共に、薄闇の中で異色の輝きを放っている。
かなり高めの身長の源とも言うべき長い脚にはシミ一つなく、
太ももからふくらはぎまで艶かしい肌を覗かせていた。
人間ならかなり大きいサイズと言える双丘は小さな黒い布で締められ、
動く度に大げさに揺れ、はちきれんばかりのその存在を主張している。
背中から生える漆黒の細い翼がパタパタとかすかな風を生み出し、
決してそれが飾り物ではない事を物語っていた。
こめかみの辺りから伸びた角もかなりの重厚感を持ち、立派なものと言える。
……やはり、どう見てもまともな人間には見えなかった。
長年誇りにしてきた自分の体だが、村人に知れたらどうなるか。

――そう思っていると、
「エレ? 声が聞こえたけど何かあったのかい?」
という言葉と共に、鍵もかかっていない戸が開き、エレの父親が顔を見せた。
298名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:46:26 ID:k0yqTX5p
「…………」
「………………」
「……………………」
三人はそれぞれの表情で固まったまま呆然としていた。
最初に動いたのはフレイアで、声をあげエレの父親に抱きついた。
「お父さ〜〜〜〜んっ !!」
「……え、えーと、どちら様でしょう?」
魔術の明かりを浮かべた部屋で羽と角の生えた金髪女に突然抱きつかれ、
父親は驚きに目を白黒させていた。
「私よお父さん、エレよ! 私はエレ!」
「――エ、エレ? ……エレならそこに……」
「違うのお父さん、私がエレなのぉっ !!」
父親にすがりついてまた泣き出す淫魔。二人の身長はあまり変わらず
豊かな胸が自分に押し付けられる感触が何とも言えず気持ち良い。
加えて淫魔の体からは男を惹きつける香りが発せられており、
素朴な村男の性感を否応もなく刺激してくる。

「お父さん……?」
ふと違和感を感じフレイアが呼びかけると、すっかり父親は勃起していた。
(――お父さん……)
初めて目にする、男としての父親。長い間会えなかった愛しさに加え
淫魔としての本能もあり、この姿を見ても悪い気はしなかった。
「ん……」
そっと唇を合わせる。家族としてのキスではなく、男と女の濃厚な口づけ。
当然のように歯茎を舌でこじ開け、舌と舌とを絡めあう。
エレに教わった舌使いが父親の性感を一気に高ぶらせた。
そのエレはと言うと、横で複雑な表情をして二人を見守っていた。
やがて舌を離すと、向かい合ったままで女はひざまずいた。
「お父さんのココ……すごい……」
淫魔の細い指に取り出された肉棒は天をも突くほどそそり立っていた。
299名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:47:00 ID:k0yqTX5p
いつも見慣れた少年のモノとは違う、立派な大人の陰茎を前にして
フレイアは驚き半分、期待半分といった顔をした。
「すごく、大きい……ね」
少し前まで彼女は父親と一緒に風呂に入っていて
互いの裸体を隠す事なく見せ合っていたのだが、
あの時と違い性欲に張り詰めた陰茎はまるで別の物に思える。
「それに……ビクビクって、動いて……」
細くしなやかな指が愛しげに肉棒を撫でる。淫魔の経験が浅い
フレイアのたどたどしい手の動きはあまり誉められたものではなかったが、
それでも触れる度に陰茎が脈動し二人の興奮を高めた。
「ああ……や、やめてください……娘の前で……
 それに、妻があっちで寝ているんです……」
「お父さん、私よ……エレよ……だから……」
顔を真っ赤に染めた淫魔の舌が、父親のモノに這わされた。
丹念に唾液が塗りたくられ、口を離すと糸を引くほどである。
「これ――入る、かな……」
意を決したように女は口をいっぱいに開くと、
ジャンとは段違いの大きさの肉棒にかぶりついた。
「――あっ !!」
やはり――太い。ジャンの可愛らしいモノとは違い、
張り詰めた父親の肉棒は口の中いっぱいに広がり、息をするのも難しい。
だが苦しくはない。むしろ言い知れない満足感が口内から伝わってくる。
淫魔は陰茎をもっと深くくわえる事にした。
自分の限界がどこまでなのか興味があったからだが、
驚いた事に女の口は父親のモノを根元まで飲み込んでしまった。
(――喉、当たってる……)
人間でも可能とは言うが、これだけ深くくわえ込んでも
全く苦しさを感じず、性感に結びつくあたりがやはり人間とは違う。
フレイアは肉棒の先を喉から口に戻すと、今度は舌を使う事にした。
300名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:48:01 ID:k0yqTX5p
「はあ……お父さん、お父さん……」
父親の陰茎を、淫魔は犬のように絶え間なくなめ続けた。
半分はエレに教わったテクニックだが、もう半分は体が覚えていた動きだ。
魂はあどけない少女のはずだったが、その動きからはそれが微塵も感じられず
誰が見ても真正の淫魔だと思うだろう。
愛しい父親を家族ではなく、男として、雄として見ている。
自分の素となった肉棒を、ひざまずいて当たり前のようにくわえる。
その間にもフレイアは空いた手を自分の陰部に這わせ、
既に汁にあふれたそこを性欲のままにいじり回した。

「あ……はあ……」
やがて頃合と思ったのか、射精する寸前で淫魔は父親から離れると
ベッドの上に倒れこむように四つんばいになり、
「お父さん――今度は……ここに」
そう言って、手でひくついた割れ目を広げてみせた。
ぼんやりした魔術の明かりに照らされた女陰は、もはや待ちきれない様子で
汁をシーツに垂らして男を誘っている。
同じベッドの端には、皮肉げに口を歪めたエレが座っていた。
「……はあ、あ……」
淫魔の体にたっぷり誘惑された父親に、逆らう事ができようもない。
操り人形のようにふらふらと、翼を広げたフレイアに覆いかぶさった。
もはや言葉も出せず、ガチガチに硬くなった陰茎を激しい動きで挿入する。
飢えた獣のような、理性の吹き飛んだ動きだった。
301名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:48:28 ID:k0yqTX5p
「はあっ♪」
「うっ……くぅぅっ !!」
耐え切れず、入れた瞬間に盛大に出してしまう。
まだ奥まで入りきっていなかった肉棒が我慢できずに、膣に白い汁を放った。
「お父さん……もう、出しちゃったの?」
どこか物足りないという口調でフレイアが言った。
幾多の男を虜にした淫魔の肉体は、中身が幼い少女であっても
村男である父親には刺激が強すぎたのだろう。

「でも、まだ硬いまま、だよね……?」
男盛りの父親のそれは一度出しても硬さを失わず、
膣内で確かな存在感を主張していた。
思いついたように微笑むと、フレイアは肉棒を入れたまま体を回転させ、
仰向けになると腰を前後に動かし始めた。
「――うぁっ !!」
半ば失神していた父親が、再び押し寄せる快感に声をあげる。
「お父さんも、動いて……」
「……うぅう……」
とっさに力が入らず、淫魔の上に抱きつくように倒れこむ父親。
金髪の悪魔はそんな父親の背中に手を回し、優しく抱きしめた。
「――ん……」
桜色の唇を父親のそれに押し付け、ゆっくりと舌をねじこむ。
上の口も下の口も、結合部からは汁があふれ卑猥な水音が聞こえた。
やがて父親も腰を使い始め、二人は欲望のままに絡み合った。
302名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:49:17 ID:k0yqTX5p
「はあ……お父さん、お父さん……」
気持ちよさげに息を荒げ、自分を父と呼ぶ淫魔。
その口調と表情に、父親はようやく思い至った。
「……エレ? う……エレ、なのか……?」
「そう――だよ……お父さん、私――あっ……エレ……なの」
本当の名を呼ばれ、フレイアは嬉しそうに微笑んだ。
そうしている間にも二人の動きは激しさを増してゆき――
「うあっ !! ……くっ、エレ、エレぇっ !!」
「お父さぁんっ !!」
再びの射精。奥まで突き上げられての精液の爆発に身をよじり、
淫魔の本能がそれを搾り取ろうと体が喜びに震えた。
「ああ……すご……たっぷ……り」
ジャンのものよりはるかに濃厚な汁がたっぷりとぶちまけられ、
体中に染み渡るような満足感がフレイアを覆う。
淫魔にとってのそれは、乾いた旅人が口にする新鮮な水のような、
人間のどんな美食も敵わないほどの法悦だった。
「はあ……はぁっ……エレ……」
「お父さん……」

ありがたい事に、これだけ交わっても母親は起きてこなかった。
やっとの事で興奮が冷めると、フレイアは父親に今までの事情を説明した。
ジャンと村外れの魔導師の家を探検し、淫魔フレイアと出会った事。
たまたま落ちていた魔道具のせいで自分と淫魔が入れ替わってしまった事。
そして、魔道具が壊れて戻れなくなってしまった事。
淫魔の体のため村に帰れず、自分の体をした淫魔を村に帰した事。
エレも話に加わって、父親は今の娘の状況を理解したのだった。
303名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:49:46 ID:k0yqTX5p
「そうだったのか……すまん、全く気づかなかった」
父親は淫魔になってしまった娘に頭を下げた。
「ううん、いいの。見た目は私だもん。
 でも……家に帰れなくて寂しかった」
「エレっ……すまん……」
「お父さん……!」
フレイアを抱きしめる父親。だが今度は興奮する事なく、
娘の繊細な髪の毛を撫でてやった。
「すまなかった……。でももう大丈夫だ。
 話はわかったから、安心してくれ」
これでフレイアは娘として認められた事になる。

「――親子の再会はいいんだけど、私はどうなるの?」
エレの当然と言えば当然の質問に、父と娘は顔を見合わせた。
今まで娘と思っていたのに、中身が赤の他人――しかも悪魔とあっては
穏やかでいられるはずもないだろう。
だが体は間違いなく可愛い娘のものである。
いつか戻れるかもしれないと思うと手放せるはずもない。
「……あなたも私の娘として、しばらく一緒にいて下さい」
「いいの? 中身は悪魔なのよ?」
「――構いません。それでもその体はエレのものなんです」
こうして、朝になると父親はエレの母にも事情を説明し、
納得の上での4人の新たな生活が始まったのだった。
304名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:55:00 ID:k0yqTX5p
以上となります。
十年分書けと言われて一月分しか書けなかったという事態に
1/120の遺憾の意を申し上げます。元々一回分の話だったので……。
さすがに十年分は無理ですが、もう少し続きはあるかも……?
とりあえずは一旦区切りをつけました。

ではこれにて失礼します。
このスレがより賑わう事を期待しつつお疲れ様でした。
305名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:44:20 ID:zmmpuDaG
とばしとばしでもいいからエレの変化を書いていただけると幸いです。

ともあれGJ!
306名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 23:28:02 ID:WMUx5ZWE
素晴らしい!しかも毎回これだけの質と分量のものを
短期間にアップできるのには感心しますね。

305さんともども変化の過程に期待してます。
307名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 23:50:16 ID:a/inhg6V
サキュバスの本能に任せて父親とセックスする女の子とかツボすぎる
どんどん淫乱になってくのがまた楽しみだな
308名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 23:51:45 ID:KLNisOqD
えろい…実にえろいな
最高だぜ
309名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 09:09:50 ID:Jg9GYDru
続きを待ち望みつつ
スレの盛り上がりを期待
310名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:02:30 ID:4pfby29u
こんばんは>>104です。
また書いてしまったサキュバス第三話を投下。
そろそろ勢いが無くなりつつありますが、できるだけ頑張ります。
311名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:02:53 ID:4pfby29u
街から遠く離れた、田舎としか言いようのない小さな村。
生活していくだけの農作業や牧畜の他は何もする事がなく、
村人たちは平穏で退屈そのもの、といった日々を送っている。
そのため、ちょっとした出来事でもたちまち村中に広がってしまう。
要は、みんな娯楽に飢えているのだった。

「――見ろよ、あの真っ黒な羽。コウモリみてえだ」
「角も生えてやがる。綺麗な顔しちゃいるが、やっぱり悪魔だぜありゃ」
「尻尾、あれも飾りじゃないみたいだな……」
「でもあれエレなんだろ? 本当かよ……」
ちらちらとこちらを見つつ交わされるそんな噂が、淫魔の耳に届く。
話しているのはジャンと同じ村の少年たちだ。
ジャンと同じくらいの年頃の者もいれば、もう大人に近い少年もいる。

「…………」
覚悟はしていたが、やはり気持ちのいいものではない。
フレイアは歩みを止め、彼らの方をちらりと振り返った。
どこかの姫君のような美貌ときらめく金髪を目にすると、
少年たちはそのあまりの魅力に話すのをやめて、思わず見とれてしまった。
上気した顔の彼らから視線を外し、フレイアは再び歩き出した。
歩くたびに、あふれんばかりの豊かな胸が大きく揺れる。
背中を飾るのは細く尖った漆黒の翼。頭からは一対の立派な角が、
丸い線を描く尻からは黒く尖った尻尾が伸びていた。
彼女は人間ではない。人間の精を吸って生きる夜の魔物、淫魔である。
その体の名をフレイア、と言った。
312名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:03:26 ID:4pfby29u
すぐに、淫魔は一軒の家にたどり着いた。
小さな村であるから、どこに行くにも近いのだった。
「――や、エレ」
一人の少年がフレイアに気づき、彼女の元に駆け寄った。
こちらを見る屈託のない目に淫魔は顔をほころばせた。
彼の名はジャン。村にいる数少ない少年の一人である。
「フレイアは一緒じゃないの?」
「うん、今日は一人だよ」
小さな声で恥ずかしそうに答えるフレイア。その遠慮がちな態度は
ジャンよりかなり高い背丈と、高慢そうな釣り目にはアンバランスだったが
これは仕方がないと言えよう。
実は、この体には別人の魂が宿っているのだ。

彼女の本当の名はエレ。ジャンと同じ年頃の内気な少女だった。
それが、何年かぶりに目覚めた淫魔と事故で入れ替わってしまったのである。
原因となった魔道具は壊れ、今は戻る目処もついていない。
仕方なく、少女は淫魔の体での生活を強いられていた。
はじめは村にも入れない有様だったが、事態を知ったエレの父親が
村中にふれて回り、淫魔はエレとして村に迎えられた。
迷信深い村人たちはフレイアの姿を見て恐れおののいたが、
しばらくする内に害がないとわかり、とりあえず騒ぐ事はなくなった。
なぜか村の男たちが味方してくれたのも大きかった。
ジャンに言わせると「当たり前だろ、そのカッコじゃ」という事になる。
しかし今でも、わずかながらその異形の姿を悪く言う者はいて、
彼女は心理的に圧迫された生活を送っていた。
313名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:03:55 ID:4pfby29u
少しの間他愛無い話をして、フレイアはジャンと別れた。
そのまま家に帰ろうかと思ったが、
ふと農場に行っている父が気になり寄ってみる事にした。
畑仕事を手伝ってやると喜んでくれるだろう。
胸を揺らし、羽を振りつつ太陽の下を淫魔が歩く。

「――おい」
不意に呼び止められ、声の方を振り向くフレイア。
そこには先ほど彼女を見て何やら噂していた少年たちがいた。
淫魔の美貌にたじろぎながらも、彼女に厳しい視線を送っている。
「あ……マルコ、トム、マーク。こんにちは」
狭い村の事である。当然この少年たちとも顔見知りだ。
だが彼らはフレイアの挨拶も聞かず、三人で彼女を取り囲んだ。
「え……どうしたの?」
以前とは違う目線を改めて感じる淫魔。今は彼女が一番背が高いのだ。
「……お前、エレだよな」
「悪い事して悪魔になっちまったんだって?」
「え? え?」
「見てみろよそのカッコ。どう見ても悪魔だ。邪悪なやつめ」
悪意を込めた言葉で少年たちはフレイアを嬲る。
そうした責めは今の彼女にとって、もっとも辛いものだった。
まして昔から見知った彼らに口汚く罵られるのである。
「やめて……皆、ひどいよぅ……」
淫魔は耳をふさぎ、幼子のようにいやいやをしてみせた。
だが、何かにとりつかれたような三人の責めは収まりはしなかった。
淫魔の魅力が、彼らの理性を失わせてしまったのか。
314名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:04:24 ID:4pfby29u
「悪魔は退治しないといけないよなあ」
「でもこいつはエレなんだぜ? 本当かどうかわかんねえけど」
「おいおい、お前、本当にエレなのか?」
真紅の瞳から涙を流し、淫魔はうなずいた。
その様子がまた魅惑的で、三人ともしばらく心を奪われてしまった。
「ぐすっ……ひどいよ、みんな……私、エレなのに……」
「……わ、わかったわかった。信じてやるから」
マルコと呼ばれていた、一番年上の少年がやっとの事でそう答える。

「……でも、見た目が悪魔だってのも本当だしな。
 親父らは許すって言ってるけど、俺たちは迷ってる。
 本物の悪魔なら退治しないといけないからな」
「……どうすれば許してくれるの?」
「そうだな、心まで悪魔になってるかどうかがわかればいい。
 心がエレのままなら、今まで通り俺たちは友達だ」
「私、エレよ……嘘なんてついてない」
「だから、それを確認しないといけないんだって」
マルコはフレイアに近寄ると、揺れる胸を正面からわしづかみにした。

「あっ……何するの !?」
「心が人間なら、悪魔の体をいくら責めても反応しないはずだ。
 中身は悪魔じゃなくてエレなんだろ?」
村の女は誰もこんな巨乳ではない。至福の感触をマルコは感じていた。
彼が力を入れるたびに弾力のある肉が跳ね回るのだ。
「や、やめて……マルコ」
「どうした。悪魔じゃないなら何ともないだろ、エレ?」
黒い布を剥ぎ取り、マルコは露になった乳房を存分に揉み回した。
見ているのが耐え切れなくなったのか、他の二人も加わりだす。
315名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:04:55 ID:4pfby29u
立っていられなくなり、フレイアは傍の木の根元に腰を下ろした。
木の幹にもたれ、荒い息をつく半裸の美女。
それは年頃の少年たちにとって、絶好の獲物と言えた。
「へえ、薄いのに硬いんだな、この羽」
「そんなの触るより見てみろよ。この胸やばいぞ」
「うっはあ、この肌白くて綺麗だ……」
胸を揉み、乳首に吸い付き、腹や腰を触りまくる。
ハイエナと化した少年たちはフレイアの体をもてあそんだ。

「悪魔ってこんなに可愛いのか、すげえなあ」
「……ん……ちゅ……」
「次、俺に代われよ」
桜色の妖艶な唇にもまた、少年たちは激しくそそられた。
食べてしまいそうなほど乱暴にむしゃぶりつくと
至上の触感に操られしまい、夢中で肉を味わうのだった。

やがて、興奮した少年の一人が衣服の中から性器を取り出した。
「あ……」
充分に硬くなったそれを淫魔の頬に押し付ける。
他の二人もそれを見て真似し、肉の槍でフレイアの顔を突き刺した。
「んあ……待って、ちゃんとするから……」
無言のプレッシャーを感じ取ったのだろう、淫魔は突き出された肉棒の
一本を右手でつかみ口に運んだ。そして蛇のように舌を伸ばし、
もったいぶるように先だけをペロリ、となめた。
「うあぁあっ……!」
少年の体に電流が走る。淫魔の唾は熱湯のように熱く、
舌が触れるとそれだけで絶頂に達してしまいそうだった。
その間にもフレイアは空いている左手を別の一本に伸ばすと
まだ女性が触れた事がないであろうそれを、しなやかな指でしごき出した。
316名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:05:16 ID:4pfby29u
「くうっ……!」
「うわ、やべえよっ……」
「ひぃいっ !!」
フレイアの手と口に少年たちは翻弄されていた。
淫魔の細い指が動くたび、長い舌がうねるたびに彼らは喘ぎ、
自分の経験のなさをさらけ出してしまう。
「ちゅぱ……ん、ぺろ……ぶちゅっ……」
一方のフレイアは、中身こそ純真な村娘だったが
入れ替わってからはジャンや父親を相手にかなりの奉仕をこなしている。
はじめは熟れた肉体の性感に流されていただけだったが、
最近ではどうすれば男が気持ち良くなるか、だんだん理解し始めていた。

「――うぁああっ !!」
「ん……あ、んんっ♪」
ついに限界を迎えた少年が欲望を解き放つと、
待ち望んだそれがきた喜びにフレイアは体を震わせた。
口内にたっぷり出された精液を丁寧に嚥下し、口の周りを
舌でひとなめする仕草は、大人しい村の女の子には思えない。
「――次、マークも……」
彼女は快楽に溺れる彼らを平等に扱い、三人とも口内に出させてやった。
いつもより多量の精が体内に取り込まれ、
体が高揚しているのがはっきりと感じられた。
だが以前と違い心は冷静なままで、荒い息の少年たちを観察して
次は誰からしぼり取るか考える余裕すらあった。
317名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:05:42 ID:4pfby29u
「やっぱりマルコ……元気だもんね」
一度出してしまい、草の上に腰を下ろしていたマルコに
狙いを定め、淫魔は四つんばいになって近づいた。
「エ……エレ……」
動けなくなった自分に迫ってくる妖艶な女。
赤く輝く瞳が、鳥の卵に近づいてくる蛇を思わせた。

助けてくれ――。
そう言おうとして、不意に奇妙な錯覚に囚われる。
彼女を襲っていたのは自分たちではなかったのか?
三人がかりでエレを嬲りものにしようとして――気がついたらこの有様だった。
逆に、今や自分たちが肉食獣の獲物に成り果てている。
(ああ、やっぱり――)
こいつは悪魔なんだ。男を食って精をすする、恐ろしい淫魔なんだ。
手を出しちゃいけなかったんだ――。
それに気づいたとき、既にフレイアはマルコの上にのしかかっていた。

「それじゃ……入れるね」
いつもの大人しい口調なのに恐怖で声も出ない。
しかし本能に正直な彼の陰茎は、痛いほど真っ直ぐにそそり立っている。
その上にゆっくりと腰を下ろし、淫魔の女陰がマルコを迎え入れた。
「あ、入ってくる……」
「…………!!」
あまりの快感に少年は声ならぬ声をあげた。
318名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:06:06 ID:4pfby29u
入れただけでマルコは達してしまった。
淫魔の膣が吹き出した汁に狂喜し、残らずしぼり取ろうと蠢く。
(あ――やべえ……)
一瞬意識が途切れ、マルコは必死に自分を呼び戻した。
このまま気絶したら死んでしまうかもしれない。
そんな危機感が脳の片隅で警報を鳴らし続けた。
だがフレイアは彼の上で激しく腰を上下させ、全く休ませてくれない。
マルコは童貞ではない。村の女とお遊びで何度か交わった事がある。
しかし今の性交はそんなものとはまるで違っていた。
意思を持っているように肉棒を包み込む膣の動きは人間ではありえないものだ。
(く――あぁっ !!)
逆らう事もできない快感に耐え切れず、また射精してしまう。
もはや陰茎は彼のものではなく、淫靡に微笑む淫魔の所有物だった。
彼女が望めばその瞬間に出してしまう。マルコの意思など無関係に。

「マルコ……」
ふと、フレイアと目が合った。
精を吸う喜びと男への支配欲が、真紅の瞳を通して感じられる。
「エ……レ……」
違う。こいつはエレじゃない。
彼の知っている、内気で大人しい少女ではない。
体だけでなく、魂まで悪魔に堕ちてしまったというのか。
「…………!!」
何度目かわからない絶頂感に、今度こそ彼の意識が闇に沈んだ。
319名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:06:31 ID:4pfby29u
草むらの上で、木の根元で、少年たちが脅えている。
フレイアとマルコの交わりはあまりに衝撃的で、
笑いながら精を吸い続ける淫魔を前に二人は歯を鳴らし震えていた。
「――はぁあ……」
美味いものを食べ終わったように満足した表情のフレイアが立ち上がった。
ずるり、と女陰からマルコの肉棒が抜け、少年が静かに倒れ付す。
二つの性器を繋ぐ細い糸がとても生々しく感じられた。

動かなくなったマルコから視線を外し、金髪の悪魔がこちらに目を向けた。
――やばい。
二人が思ったのはそれだけだった。
だが恐怖で腰が抜けてしまい、逃げる事もできない。
「あ……あぁあぁ……」
「トム……マーク……」
鼠を追い詰める猫のようにじわじわと時間をかけ、フレイアがにじり寄る。
不幸な事に、このような状況でも二人の陰茎は勃起したままだった。
淫魔の体臭が、体液が、紅の視線が萎えるのを許さないのだ。
「次はどっちから、する……?」
「ひぃぃいぃぃっ !!」
「両方いっぺんにでも……いいよ?」

こうして、村の淫魔を悪く言う者はどんどん減っていった。
だんだんと魔力の使い方を覚えてゆく淫魔に敵はいなかった。
村長も神父も、フレイアと交わると味方に――いや、下僕になった。
逆らう者は、女ですら彼女のしもべにされたのである。
一年もしない間に、村で淫魔の下僕でないのはジャンとエレのみ、
という状況になったのだった。
320名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:08:09 ID:4pfby29u
以上となります。
さすがに次あたりで完結させたいところですが……いつになるやら。
今回もお目汚し失礼致しました。ではでは。
321名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:18:53 ID:VB4LjY4U
キター!
322名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:14:55 ID:SoEz1SuW
何だ、ただの神か
323名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:19:07 ID:OM9GsJFM
>>104ですこんばんは。
結局一日で書き終わってしまったので投下。
今回がサキュバス最終話となります。
324名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:19:30 ID:OM9GsJFM
今日も気持ちのいい朝だった。
「ふぁ〜あ……」
エレはベッドから起き上がると窓を開けた。
朝の風と光が室内に染み込んでくる。
以前は日光なんて忌々しいものでしかなかったのに――。
苦笑しつつ、彼女は自分の赤い髪の毛をとかし始めた。
短かった髪もこの二年で伸び、今は背中に届くほどになっている。
髪の毛だけではない。低かった身長も少しずつ伸び、
小さいなりに胸は膨らみ、体全体が柔らかに丸みを帯びていた。
――少しは、元の体に近づいたかしら……。
自分の体を見下ろし、そんな事を考える。
まったく、人間になどなるものではなかった。

既に食卓にはパンとスープが並べられ、
暖かな匂いがエレの食欲を刺激している。
「……おはよ」
先に食卓についていた両親にそう言うと彼女も席についた。
「おはよう、フレイアさん」
歳相応にふくよかな体形をした母親が笑みを浮かべてそう返す。
その横では父親が無言でスプーンを口に運んでいた。
そしてこの家で暮らすもう一人の住人にもエレは声をかけた。
「おはよ、エレ」
325名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:19:58 ID:OM9GsJFM
「……む……ちゅば……ん……」
その女も朝食の最中だった。
テーブルの下、父親の足元に潜り込んで
露になったその肉棒を、派手な音をたてて食している。
「ん……おはようございます、フレイアさん」
「朝からお盛んね、大したもんだわ」
「そんな事……じゅるっ……ないべふおう」
セリフの後半は言語になっていなかった。
食卓の下は狭く、大人の女が入るにはかなりきつい。
だが毎朝ここで父親と『食事』をするのが彼女の日課だった。
「いくよ……エレ」
「んっ……んむ……んんっ !!」
出し終わったらしい。口内の汁を吐き出す事なく飲み終えると、
彼女はテーブルの下から満足した顔で這い出てきた。
「えへ、ごちそうさま♪」
女の名はフレイア。闇色の翼と尾、一対の角を持つ上級悪魔である。
特に淫魔と呼ばれ、男を誘惑して精をすする事を生き甲斐とする。
かなりの魔力を持ち、知性も人間以上であるため
名のある魔導師や司祭、賢者でも警戒する存在だった。
なぜそんな悪魔がこのような田舎の村で暮らしているかと言うと、
これには深い事情があるのだった。
326名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:20:25 ID:OM9GsJFM
食事が終わり、エレは淫魔を連れて部屋に戻った。
本棚から本を一冊とって広げ、淫魔に見せる。
「じゃ、ここ読んで」
「えーと……」
どうやら淫魔は少女に勉強を教わっているようだ。
だが、人間以上の知恵と知識を持つであろう上級悪魔に
ただの村娘が読み書きを教えているのはかなり違和感のある光景だ。
それもそのはず、実は二人は入れ替わっているのである。

二人が出会ったのは二年ほど前だった。
村外れの魔導師の家を探検しに行ったエレは、淫魔フレイアと遭遇した。
脅えながらも、エレは落ちていた魔道具で淫魔を攻撃し――
気がつけばその効果で入れ替わってしまったという訳だ。
二人を入れ替えた魔道具は壊れてしまい、もう元には戻れなかった。
仕方なく二人は村で一緒に住み始めたのだが、
淫魔になった少女はだんだんと肉体の能力に目覚め、
また入れ替わった淫魔の助けもあり、急速に力をつけていった。
今では村人たちのほとんどがフレイアの下僕と化し、
この悪魔に逆らう者は誰もいない。
327名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:20:49 ID:OM9GsJFM
「も〜、何でこの意味がわからないの?」
苛立たしげに少女がフレイアに言った。
田舎の中の田舎であるこの村では読み書きなどできずとも
全く困らないため、勉強などする必要がなかったのだが、
エレが「私の顔で文字も読めないなんて頼むから言わないで」と
半ば強引に淫魔に勉強を教え始めたのであった。
フレイアもエレに魔術や勉強を教わるのは嫌いでなく、
この二年の間に様々な事を教わった。

村を支配した今となっては、彼女は誰に気兼ねをする事もなく
村人とセックスのし放題であり、淫魔として
毎日好きなだけの精を吸えるようになっていた。
魔力の使い方もかなり上達し、今となっては
誘惑の魔術はおろか、思うがままに変身する事もできる。
だがフレイアは元の人間の姿をとろうとせず、
相変わらず派手な淫魔の姿のままでいた。
今では、こちらの方が本当の自分に思えてくるという。
陰茎を口にくわえこみ、濡れそぼった女陰にず太い男根を突きこまれ
喜びの声をあげる淫魔の生活が、今の彼女の日常だった。
人間だった頃の記憶は、はるか遠いものとなっていた。
328名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:21:50 ID:OM9GsJFM
昼になり、エレの家に一人の来客があった。
「こんにちは、ジャン」
エレと同じくらいの年頃のさわやかな少年である。
出会った頃はエレとほとんど変わらなかった体格は
この二年でかなり大きくなり、身長もだいぶ伸び
顔つきも少し大人っぽく精悍になっていた。
「エレ、勉強はどう?」
「んー……大変」
「そっか、あはは」
成長しても、このあたりのやりとりは以前のままだ。
村の男で彼だけが、淫魔の魔力に囚われていない。
大切な少年に対する彼女なりの気遣いかもしれない。

「ジャン、こっち来て」
座ったままでフレイアはジャンを呼び寄せた。
正面からその体をぎゅっと抱き締める。
「ちょっと疲れちゃった」
「……しょうがないなあ、またしたくなったの?」
二人で見つめあい、微笑みを交わす。
その慈愛に満ちた表情は、ジャンにしか見せないものだった。
「それじゃ、私はあっちに行っとくわね」
様子を見ていたエレが席を立ち部屋を出て行く。
なぜか、少しだけ、面白くなさそうに見えた。
329名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:22:12 ID:OM9GsJFM
エレは家の外に出た。
もうすぐ夏になろうかという日差しは暖かく、
風と共に村に生命の息吹を投げかけている。
流れる小川、宙を舞う蝶々。いずれも淫魔だった頃は
見向きもしなかったものだった。
「あ〜あ……」
思わずため息が漏れる。
悪魔として生まれ、数え切れないほどの男を食らってきた。
どんな屈強な男でも、彼女が魅惑の視線を向けて
甘い言葉を囁くだけで思うがままだった。
それが、今や何の力もない人間の少女に成り下がっている。
体を奪われ、魔力を奪われ、輝きも失われた。

(――エレ……)
池に自分の姿を映してみる。
髪を伸ばした赤毛の可愛らしい少女がこちらを見ていた。
エレ。それが今の自分の名前である。
確かに美人の範疇には入るだろう。あと何年か経てばだが。
しかし、それはあくまで「人間として」でしかない。
やがてはこの体も老い、朽ち果てるのである。
そんな事には耐えられなかった。
330名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:22:49 ID:OM9GsJFM
しかし、今のエレにはどうしようもない。
淫魔の肉体を奪われた彼女は、自分の証とも言える
あれほど激しかった性欲すらほとんど感じなくなっていた。
元の自分の体が村人や父親と交わっていても「――ああ、またか」で終わるのみ。
それに加わるつもりも、観客として見物するつもりもない。
ただ、あの女がジャンと交わっているときだけは、
体の奥でちくりと何かが痛んだ。
(私――どうして……)
相変わらず処女の体を引きずるようにして、
エレはどこへともなく歩いていった。

「…………」
少しだけ開いた窓から、そんな彼女を眺める影があった。
まばゆい金色の髪を揺らし、赤い瞳を外に向けている。
「フレイアさん……」
淫魔の体が発したのは自分自身の名前だった。
だが、それも最近は意味を成さなくなっているのかもしれない。
再び淫魔が室内に目を転じると、少年がこちらを見つめていた。
「……エレ、どうしたの?」
いつものような激しい交わりをなぜか求めてこない悪魔に
不思議そうな表情を向けている。
「――ジャン」
女は微笑むと、もう一度ジャンを抱きしめた。
「お願いがあるんだけど……いい?」
331名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:23:33 ID:OM9GsJFM
エレが帰ってきたのは夕方になってからだった。
村中をうろついても、出会ったのはフレイアの虜になった村人ばかりで
誰もエレに注意を払おうとしない。
結局、何をするでもなくさまよっただけだ。
「――ただいま」
暗い感情を抑え、戸を開ける。
「……お父さん、お母さん? いないの?」
体の親である二人を呼ぶが、返事はなかった。
――変ね、まだ帰ってないなんて……。
気配のしない家の中を回るがやはり誰もおらず、
仕方なくエレは自分とフレイアの部屋に入った。
「……おかえりなさい」
「エレ? 二人ともまだ帰ってないの?」
中にいた淫魔に問いかける。フレイアは窓辺の椅子に一人で腰を下ろし、
真っ直ぐにエレを見つめていた。
沈む夕陽に背中を照らされた彼女の体は、元の持ち主から見ても
ため息が出るほどの美を感じさせる。

「……フレイアさん」
小さな、だが確実に聞こえるような声が少女の耳に届く。
自分の前の体と二人きりという、いつもの状況であったが
普段なら思いもしない不安がエレの背筋を這い上がってきた。
「ど、どうしたのよ。そんなに改まっちゃって」
「フレイアさん。私たち、入れ替わっちゃったんだよね」
「? ……何を今さら」
「……ごめんなさい」
不意に頭を下げる淫魔の言葉が理解できず、少女がいぶかしむ。
332名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:24:00 ID:OM9GsJFM
「ごめんなさい。フレイアさんの体、盗っちゃって」
「……何言ってるのよ、別に謝ってくれなくてもいいわ。
 私はいつかちゃんと元に戻って――」
少女を遮って淫魔が言った。
「私たち、もう戻れないと思う。
 私は悪魔、あなたは人間。もうこのままでいるしかない」
「……そんな事言わないで !!」
エレが声を荒げる。フレイアがそれに構わず言葉を続けた。
「私、すごいんだよ。
 毎日毎日いっぱい男の人と交わって、たくさん入れてもらうの。
 そしたらとっても気持ち良くなるんだけど、心の中で何かがこう言ってるの。
 ――こいつらは餌だ。お前が食い物にするんだ――って」

「………… !!」
「こんな私、もう人間なんかじゃない。
 フレイアさんもそう思ってるでしょ?」
エレはその言葉を否定して必死に首を振った。
「……違う。それはただ、その体の本能がそう言ってるだけ。
 また入れ替わったら心もすぐに元に戻るわ」
「戻れるの? ――もう二年もこのままじゃない」
「…………」
事実を指摘され、エレは言葉を失った。
理性は相手の言う事が正しいと思っている。
だが長年生きてきた淫魔の誇りが、それを認めなかった。
「だから……フレイアさんも諦めて、
 その体にぴったりの生き方を考えてほしいの……」
「嫌よ !!」
333名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:24:24 ID:OM9GsJFM
エレは目を見開いて拒絶した。
「絶対に嫌。私はフレイア、淫魔フレイアよ。
 決して人間なんかじゃないわ」
「――でも、今は人間なんでしょう?」
再び反論しようとした少女だったが、動けたのはそこまでだった。
「!! ……あなた……これは……」
淫魔の瞳が妖しく輝き、真紅の眼光が少女に放たれている。
男だけでなく女ですら束縛する、淫魔の魔術だった。

「……よくも、こんな事を……!」
憎悪を込めてにらむも、それは蜘蛛に捕まった蝶の強がりでしかない。
「魔法を教えてくれてありがとう。読み書きも、男の人の扱い方も……
 何もかもフレイアさんに教えてもらいました、ほんとにありがとう」
エレの前にやってきて、硬直した少女の体を抱きしめる。
「これからは、私があなた。あなたがわたし。
 体も心も、私は悪魔フレイアになるの」
「そんな事……許さない…… !!」
「この体は返してあげられないけれど……
 その『エレ』の体に返せるものならあるわ」
淫魔が手で合図をすると、誰かが室内に入ってきたようだった。
しかし入り口に背を向けているためエレには誰だかわからない。
その人物はエレの後ろに立つと、そっと肩に手を回した。
「エレ……」
この二年間でよく知った声だった。
「……ジャン……?」
334名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:24:58 ID:OM9GsJFM
「エレ……好きだ……」
少年は動けないエレの正面に回りこむ。
「――違う……私はエレじゃない…… !!」
必死に否定するその唇を、ジャンの口が塞いだ。
口内に柔らかい軟体が侵入してくる感触に身を震わせる。
「ん……はむぅ……エレ……」
「……む……ちゅ……やめ……」

そこでエレは気づいた。ジャンの目が光を失っている。
焦点の合わない瞳を前に、少女はジャンが正常でない事を悟った。
(エレ……ジャンに魅了を―― !!)
たっぷりと口を蹂躙した少年は、勢いのままエレをベッドに押し倒す。
「ジャン――正気に――」
願いも空しく、ジャンは少女の胸のふくらみに手を這わした。
たどたどしくも優しく、服の上から愛撫を始める。
「……ん……あぁ……」

フレイアは、ベッドのそばに立ったままだった。
口は硬く一文字に結ばれ、いつも見せる表情の愛らしさは全くない。
痴態に加わるでもなく、二人が絡み合うのをじっと見つめている。
「エレ……可愛いよ……」
「ふぁあ……ち、違う……の……」
上手くも何ともない手つき。淫魔の記憶からすれば
問題外というほどの未熟で拙い動きだった。
だが、今の彼女は確かに少年の愛撫に感じていた。
335名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:25:27 ID:OM9GsJFM
ついにエレの服がはぎとられる。
抵抗もできないまま一糸まとわぬ姿にされた屈辱に身を震わせつつ、
ジャンの手が触れるたび声をあげる自分に驚く。

「あ……ジャン……やだ……」
体が火照り言う事を聞かない。
この体がジャンを求めているのか。それとも心も欲しがっているのか。
「綺麗だ……エレ」
目の虚ろな少年がつぶやく言葉になぜか嬉しくなり、
性感がまたしても高ぶってしまう。
「ち……違う……違う……」
いやいやと首を振る事もできず、エレはされるがままだった。
(違う――私はフレイア――エレじゃないわ !!)
必死で自分に言い聞かせるも、ジャンの声がそれをかき消してゆく。
「エレ……好きだよ……エレ、エレ……」
(私――私は……)
少年に体と心を撫でられ、エレの理性は今にも消えてしまいそうだ。

やがて、目の前に以前よりも大きくなった陰茎が取り出され、
エレはそれが耐え難く欲しくなっているのを自覚させられた。
「あ――ジャン、の……」
彼女が今まで交わった人間の中には、
この何倍もの太さと長さを持った者がいくらでもいた。
何十回出しても硬いままだった絶倫の者もいた。
ところが今、彼女はこの未熟な男性器を見て、心の底から
(――欲しい……)
と思ってしまったのだ。
336名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:25:59 ID:OM9GsJFM
そのとき、ずっと見ているだけだったフレイアが近寄ってきた。
もう一度エレの顔をじっと見つめると、真紅の視線を注ぎ込む。
「あっ……」
すると、エレの体がますます熱くなり、性の欲求も激しくなってきた。
「その体、初めてだから……痛くないように、って……」
淫魔はそう言うとまたベッドを離れ、元の位置に戻った。

――ジャンのモノが欲しい。
自分のココをえぐり、根元までかき回して欲しい。
子種を奥まで注ぎ込み、子宮の中を満たして欲しい。
(こんな――私が……)
性欲を操り、男を意のままにしてきた自分が
今や性感の耐え切れない虜になってしまっている。
快楽の奴隷に成り果ててしまっている。
「……はぁ……ぁあぁあっ……」
だが、少女の肉体は求めているのだ。少年との契りを。
337名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:26:33 ID:OM9GsJFM
「エレ……入れるよ……」
仰向けになったエレにジャンがのしかかってきた。
硬く張り詰めた陰茎をエレのそこにゆっくりと埋める。
(ダメ……入ってきちゃう……)
ずぶずぶと侵入を開始した肉棒は少女の中で一旦は止まったが、
ジャンは渾身の力を込めてエレの最奥へと突きこんだ。
――ぶち……ぶちぶちっ……ぶじゅっ……。
何かの裂ける感触。
それは彼女が体験した事のない、未知の感覚だった。
(ああ――これが、人間の……初めて……)
ヒトの処女喪失をようやく理解したエレだが、
幸いにもフレイアの魔術により痛みを感じる事はなかった。
むしろジャンを受け止めている実感と共に、安らぎすら沸いてくる。

初物の女陰からは血がだらりと垂れていたが、
ジャンはそれに構わずエレの腰をつかみ、前後に動き始めた。
途端に、初めてとは思えない快感が膣の底から湧きあがる。
「――ひぁあっ !! らめ……動いちゃ……」
「エレ……エレ……」
長い赤毛を振り乱し、女になったばかりの少女が喘ぐ。
傍目には未熟な少年少女の交わりにしか見えなかったが、
エレは今までにないほど心身共に満たされていた。
338名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:27:02 ID:OM9GsJFM
「だめ……こんな、の……」
「エレ、好きだ……エレ」
ゆっくり、だが絶え間なく少年が攻め続ける。
既に膣内では痛々しいほど陰茎が膨張しており、
彼の方も間もなく限界を迎えるだろう。
突かれる少女の方も息を切らし、この上なく乱れている。
「エ、エレ……エレ……」
「あ……ジャン……ジャン」
互いの名を呼び、一心不乱に交わり続ける。
少年はエレと、少女はジャンと。
相手をそう呼びそう呼ばれ、自分が誰かを認識する。

(私――エレ――? 違う、でも……エレなの……?)
溶けゆく理性が揺れる中、ついに少年が弾けた。
「エレぇえぇっ !!」
「ふああぁあぁっ !?」
それと同時にエレも達する。
――ドク、ドクッ……びゅるるるっ……!
待ちわびた射精の瞬間に陰茎が喜びに痙攣し、
子宮口まで突きこまれた亀頭から精液が盛大に吹き上がる。
存分に中に子種を注ぎ込んだ後、汁のしたたる肉棒がずぶりと引き抜かれた。
初めて男を受け入れた女性器からは、血と精液、愛液のカクテルが
とろりと垂れて白いシーツに染みを作った。
339名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:27:39 ID:OM9GsJFM
「うん……エレ……」
「――ジャン……ん……」
気を失ったまま、ベッドの上で彼らは互いを呼び合っていた。
結合は終わったが二人はまだ抱き合ったままで、
体もシーツも血と汗と汁でべとべとになっている。
『初めて』の性交としてはまあ上出来と言えるだろう。
まだどちらも幼い恋心でしかないが、きっと大人になれば
お互いを本当に大切に思えるようになるはずだ。
「…………」
二人を見ていた淫魔が不意に微笑む。
優しそうで、にこやかに……だが、どこか寂しそうな笑みだった。

「フレイアさん……さよなら」
闇の落ちた外を見やり、そうつぶやく。
「――そして、エレ。ジャンをよろしくね」
誰にも聞こえない声だったが、彼女は確かに呼びかけていた。
自分の体を持った淫魔に。自分の名を与えた少女に。
(私は……ずっと見てるわ。あなた達を)
「――だから……またね」
黒い淫魔は安らかに笑うと、音もなく部屋を出て行った。
340名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:28:02 ID:OM9GsJFM
「……う」
しばらくして、二人が目を覚ました。
「エレ……大丈夫か?」
「ん……え――わ、私、どうしたのかしら……」
「俺と……その、しちゃったんだよ……」
「そ、それはわかってる、けど……」
激しく交わった感覚を思い起こし、エレは顔を赤らめた。
「エレ……好きだ」
「――ジャン……わ、私も……その……。
 ジ、ジャンの事が……大好き……」
真剣な眼差しを投げあい、エレとジャンはもう一度抱き合った。

そのとき、不意に少女の目から涙がこぼれ、ジャンを驚かせた。
「――何だろ、何か忘れてる気がする……」
「何かって、何だよ?」
「それがわからないの……ねえジャン、私、エレだよね?」
「何言ってるんだよ。エレがエレじゃなくて何だってんだ?」
「そ、そうよね……」
ようやく納得したのか、少女は衣服を身に着けるとベッドの後始末を始めた。
それを手伝う少年とは実に睦ましげで、似合いの二人だった。
この小さな村の事、やがて彼らは結ばれるだろう。
「何だろう……大事な、大切な事だった気がする……」
日は完全に沈み、外は夜の闇に覆われていた。
341名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:28:40 ID:OM9GsJFM
田舎も田舎、街から遠く離れた小さな村だった。
ある日、その村に一人の修道女がやってきた。
神父と共に村人たちを清め導くという。
シスターは若く美しく、輝くほど生気と活力に溢れていた。
すぐに、その村は敬虔な信徒の集まりとなった。

「……先に私がするわ」
「はい、どうぞシスター」
「はんっ……ん……あ……ジャン……」
「シ、シスター……う、ああっ……」
「――エレ、あなたの番よ。可愛がってもらいなさい」
「はあっ……ふ……う……ジャン……もっと……」
「今の私は、子供、産めないから……あなたに産んでもらわないと……
 そうして、あなたとジャンが年を取って死んだら――
 私は思い残す事なく別の場所に行くわ」

――だって、私はもう淫魔『フレイア』なんだもの。
342名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:34:38 ID:OM9GsJFM
以上となります。
元々は一話完結だったので続きを書くのは大変でしたが、
皆様の応援のおかげで何とかできました、ありがとうございます。
一人称が途中から変わってしまいましたが、そこはスルーの方向で。

このスレが賑わう事を祈って、これで失礼致します。
また機会があったらお会いしましょう。

最後にMySSのまとめをポイと。
>>104-116 OLと幼稚園児
>>121-140 女魔導師とラミア
>>148-169 祖母と幼馴染
>>175-188 叔母と姪
>>218-229 母と娘

少女と淫魔
第一話 >>267-283
第二話 >>289-303
第三話 >>311-319
第四話 >>324-341

小ネタ
>>201
>>237
343名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:35:16 ID:uIx5XNYo
GJでした!
344名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:39:57 ID:qwD6vEKa
GJ!
せつねえ…
345名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 09:30:03 ID:hlRApV4z
何というGJ
仕事早すぎだぜ
346名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 11:58:14 ID:CJ/bsNmE
仕事速いし、質高いし、ただただ凄いの一言に尽きる
347名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:14:41 ID:uX37gs2W
>>104氏のはエロいだけじゃなくて、笑ったりほろ苦かったり
読んでてついキャラにのめり込んでしまうのが魅力

でも、投下量が凄くてリクにも答えてくれるのが何よりも神だな
これからも応援してるんで是非書きまくってほしい

という訳で住人増を期待してage
348名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 20:15:23 ID:fJB99STi
>>252の小説もいい感じだ
良小説の連打で嬉しい
349名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 00:25:00 ID:JMWy0yD1
>>145
私は両方見ていますよ。
TS総合掲示板の方はなかなか復旧しませんね。
以前から不安定だったこともありますし
こちらに移籍してはどうでしょう?

もしこちらで差し支えるようであれば
ブログなどで連載されてはいかがですか?
個人的には続きを楽しみにしていますので
期待して待っています。
350名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:22:16 ID:UKGUM11C
>>349
どうも。作者のものです。ご丁寧にありがとうございます。
ここのところ体調悪化&多忙もありまして書き込めませんが、掲示板はほぼ毎日見ています。

あちらはもうアウトかと…
見ていた方にはしつこくなってしまいますが、載せ直そうとは思ってました。
ただ、載せ直すなら微修正したいなってのもあるので、余裕が出来たら載せようと思ってます。

351名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:34:48 ID:MEXXal99
こんばんは>>104です。
スレ住人が増えてSSを沢山読めたらいいなあと常々思っておりますので、
陰ながら>>350さんを応援しております。
体調管理、お大事に頑張って下さい。





ついでに一本投下。
以前>>207さんにリク頂いた清純・淫乱ものです。
オチだけはスレチですがどうかお許し下さいませ。
352名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:35:13 ID:MEXXal99
暗く薄汚れた部屋には窓がなく、
四隅にある燭台だけが狭い空間を照らしていた。
冷たい石造りの壁が息苦しさと不安をかきたてる。
「きゃあっ !!」
屈強な男たちに乱暴に床に投げ出され、彼女は悲鳴をあげた。
純白のドレスと長く繊細な銀の髪が床と不本意な接触を強いられ、
抗議するかのように炎を受けてきらめいた。

「――大変失礼致しました、姫」
男たちの後ろにいる、闇色の人影が慇懃に言葉を放つ。
だがその声は醜悪な暗い意思にまみれ、逆にその礼儀が
この人物に対する不信と憎悪を煽り立てることとなった。
「ですが、姫様は陛下の一番愛する存在。警備も厳重でございます。
 少々手荒な事をしなくては、おいでいただけないと存じまして」
「それで――わたくしをかどわかしたと言うのですか !!」
精一杯の気迫を込めて相手をにらみつける。
しかし普段は宮廷で穏やかな生活を送る姫君、
高貴だがまだ幼い顔立ちが男たちを怯ませる事はなかった。
「ご安心を。お命をいただくつもりはございません。
 お望みとあれば、いずれは城に帰して差し上げます」
「邪悪で卑劣な魔導師の言う事など、信用できるものですか !!」
353名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:35:40 ID:MEXXal99
オリヴィアは王国の第三子、王にとっては初めての娘である。
国王は彼女を大変に可愛がり、目に入れても痛くないほどだ。
まだ十歳を過ぎたばかりだが容姿・英才共に優れ、
皆を愛する優しい慈悲の心も持った、宝石のような姫君だった。
やがては近隣諸国から求婚の誘いが波のごとく押し寄せるのは間違いない。

それが今、このような場所で蜘蛛に囚われた蝶になっている。
「答えなさい !! あなた達は誰の差し金で動いているのですか !?」
虜囚の身になっても、オリヴィアは王族の誇りを失っていなかった。
大人びた口調で男たちを激しく問い詰める。
「――ククク……さすがは陛下の御子、オリヴィア様。
 弱冠十歳にしてこれほどのお強さとは……感服致しました」
「答えなさい !!」
「申し訳ございませんが、お答えできません。
 なるべく穏便に事を済ませたい考えでございまして……」
「く……では、わたくしをどうするつもりです !?」
身代金が目当てなのか。そう尋ねるオリヴィアに、
魔導師はローブの奥に隠された頭を横に振った。
「いいえ――我々は姫君にも陛下にも、
 何もお求めするつもりはございません」
「では、なぜわたくしを――」
「すぐにおわかりになります。クックック……」
顔は見えず、声もくぐもっているため
黒い影は老人なのか若者なのか判別できなかった。
354名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:36:03 ID:MEXXal99
夜の街を一人の女が歩いていた。
大きな黒いコートをまとった、ショートヘアの栗毛の女である。
けばけばしい化粧を施した顔に作り笑いを浮かべ、通りの酒場を回っていた。
目的は、一夜を共に過ごす男を探すこと。それもなるべく裕福な男を。
ハンナは最近この街にやってきた娼婦だった。
熟れた女体をいつでも披露できるよう、コートの下は何も着ていない。
前の町でも彼女はそこそこ人気があったが、
都にも近いこの賑やかな街ならばもっと稼げるに違いない。
ハンナにはその自負と実力が充分に備わっていた。

「よう姉ちゃん、いくらだい?」
そこへ声をかけてきた、見るからにごろつきとわかる男が一人。
好みでも何でもないチンピラだったが、これも商売である。
女は男に一夜の彼女の金額を告げた。
「へへ、倍出してやるよ――」
美味い話はまず疑え。怪しむハンナに男は続けた。
「なに、知り合いの旦那が女を探していてね。
 奥方が怖いらしく、口止め料も込みってわけさ」
男に悟られぬよう、心の中で彼女は歓声をあげた。
金持ちの親父をたらしこむなんて容易なこと、
上手く立ち回ればいくらでもふんだくれそうだ。
ハンナは喜んで、男と共に夜の街へと消えていった。
355名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:36:31 ID:MEXXal99
固く閉じた扉が開かれ、再び黒い魔導師が姿を見せた。
「――今度は何用です !!」
気丈な振舞いを見せるオリヴィアに漆黒のローブが答える。
「ククク……ようやく準備ができまして」
そのとき先ほどの男たちに連れられ、二人の人物が部屋に入ってきた。
一人は目つきの悪い、暴力しか頭になさそうな無頼漢。
もう一人は黒いコートをまとった厚化粧の女である。
共にオリヴィアが普段目にしないような下賤の輩だった。
「何だってのさ――こんなところに連れてきて」
「まあ、ちょっと待ちな。すぐだからよ」
見た目通り下品な言葉使いの女に、連れの男が答えた。
仲間を増やしてどうしようというのか――。
オリヴィアは厳しい目でにらみ続けたが、ささやかな抵抗に過ぎない。
「ご苦労だった、お前たちは下がれ」
魔導師がそう告げると、物も言わず男たちは部屋を出て行った。
湿った部屋に残されたのは、魔導師とごろつきと女、そして自分だけだ。

「――では始めましょう。
 つきましては、姫様には少々お休みいただきたく存じます」
やはり慇懃な口調で言うと、魔導師は何かつぶやいた。
すると、かがり火に照らされた闇の中から一筋の黒い煙が噴き出した。
それはたちまちオリヴィアを取り巻くと、
美しく整った鼻や口に遠慮なく侵入を開始する。
「な……何を――」
意思を持つかのように広がる不気味な煙に、彼女は危険なものを感じた。
だが煙を吸うにつれ、だんだんとオリヴィアの意識は遠のいてくる。
(う――だ、駄目……)
つぶらな瞳が閉ざされ、王女のか細い体が床に倒れこんだ。
356名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:36:57 ID:MEXXal99
「クックック……いよいよだ」
魔導師は横たわる姫君と娼婦を前に、不敵な笑い声をあげた。
隣では壁にもたれた男がやはりニヤリと笑みを浮かべている。
「――――――」
常人には理解できない言語で綴られた呪文が暗い空間を覆う。
隅の燭台だけがわずかな明かりをその場に投げかけている。
やがて、倒れたオリヴィアとハンナの体がかすかに光り始めた。
王女の体は、身にまとったドレスと同じ白い光を。
娼婦の体は、黒く濁った、けばけばしい赤い光を放っていた。
「――――――」
呪文は続く。それと共に二人の体の輝きも強さを増していった。
その光は煙のようにそれぞれの体を取り巻き、ゆらめいている。
そしてその輝きが最高潮に達したとき――。
「………… !!」
魔導師が闇の衣に包まれた腕を振り下ろした。

邪悪な意思に満たされた魔導師の動きに、二人が変化を見せた。
それぞれの体から発せられていた光が、主を離れ動き出したのだ。
まるで何かに操られているかのように移動を始め、白い光は黒い娼婦に、
赤黒い光は銀髪の王女に、占める場所を入れ替える。
「ククク……いいぞ……」
不気味な笑みを浮かべた魔導師が見守る中、それぞれの光は
新たな持ち主にたどり着くと、ゆっくりと吸い込まれるように消えていった。
「ククク……ハッハッハッハ…… !!」
楽しくてたまらない。黒い影の高笑いが石の壁に反響した。
357名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:37:22 ID:MEXXal99
儀式は終わった。
数分と経たぬうちにハンナの体がピクリと動き、
「う……ん……」
黒いコートに包まれた長身を起き上がらせた。
「フン、お目覚めだな」
ずっと傍らで黙っていた男が、待っていたかのように娼婦に声をかける。
床に手をつき、アンナは薄暗い部屋の中を見回した。
「あ、わたくし……は……」
呆けたような言葉を発し、ようやく意識が覚醒したらしい。
女は凛とした表情で再び魔導師をにらみつけた。
「……どうやらあなた達に眠らされていたようですね。
 怪しげな魔術でこのわたくしを弄ぶつもりですか?」
気丈に問う彼女に、魔導師は不思議なことを言い出した。
「クックック……はて、あなた様はどなたでしたかな?」
「何を言っているのです。あなたがかどわかした王女オリヴィア、
 邪な言葉で嬲るのもいい加減になさい」
娼婦は真っ直ぐに魔導師を見つめ、笑い続ける彼を咎めだてた。
しかしその態度すら、二人には可笑しいらしい。
下卑た笑みを浮かべたチンピラが彼女に近寄ってきた。
「へっ、何を言ってるんだ。お前は」
「!? 無礼な―― !!」
「お前が姫様だと? はっ、笑わせやがるぜ」
戸惑うハンナのコートをつかむと、男は乱暴にそれを剥ぎ取った。
「きゃあっ !!」
悲鳴があがり、女の裸体が荒々しく床に転がった。
358名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:37:48 ID:MEXXal99
「こ、こんな事をして、ただで済むと――」
なおも言い続ける娼婦を男は力任せに押さえ込む。
「よく見てみろよ、王女様。自分の体をな」
「―― !?」
組み伏せられたまま、ハンナは自分の体を見下ろした。
いつの間に脱がされたのか、一糸まとわぬあられもない姿にされていることに
怒りを覚えつつも、彼女が驚いたのは別の事にだった。
「……きゃああっ !? な、何ですこれは !!」
見下ろした視界の何分の一かを占める、巨大な二つの肉の塊。
それが自分の胸部から生え、たぷんたぷんと下品に揺れている。
乳首の周りには黒々とした乳輪が広がり、いやらしさをいっそう強調していた。
「――わたくしの、胸……?」
むっちりした乳房の向こう側、下半身もまた驚くべきものだった。
まだ生えてもいないはずの陰毛がびっしりと股を覆い、醜い姿を晒している。
その先からは艶かしい太ももが伸び、美しくも淫らな脚線美を形作っていた。
いずれを見ても、自分の姿とは思えなかった。
「気に入っていただけましたかな? その体は」
女の動揺をよそに、魔導師が静かな声をかけた。
呪文を一つ唱えると、ハンナの前に透き通ったガラスのような板が現れる。
そこには、こちらを見つめる厚化粧の女の裸体が映っていた。
「………… !!」
ハンナは声ならぬ声をあげたが、男にがっちりと押さえ込まれていて
まったく動くことができない。
「私の編み出した魔術でしてな。
 その下賤の者の肉体に姫様の魂を移しこんだのです」
359名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:38:09 ID:MEXXal99
「わたくしの……魂を…… !?」
苦しげにうめくハンナを男は無理やり押さえつけ、
手足を荒縄で縛り上げてしまった。
肌に食い込むロープの痛みに彼女が顔を歪める。
「いかがですか、卑しい商売女になった御気分は」
「――も、元に、元に戻しなさいっ……!」
「ふへへ、こりゃあ面白えや。デカいチチも素敵だろ、姫様?」
男は後ろから女の豊満な乳房をわしづかみにした。
「いやぁあぁっ !! や、やめてっ !!」
力任せに双丘を揉み潰され悲鳴をあげるハンナ。
その口から出るのは澄んだいつもの声ではなく、
彼女が初めて聞くハスキーな大人の女の声である。
「見た目は慣れた淫売だが、へへ、やっぱり中身はまだガキだな。
 安心しな、俺がたっぷり仕込んでやるからよ」
乳首をつまみあげられ、そう言われる。
(ああ……わ、わたくし―― !!
 お父様、神様、どうかお助け下さい…… !!)

「う……あ……」
部屋の隅で少女の体が目覚めたのはそのときだった。
「――待てロイ、しばらくお預けだ。ちゃんと見せて差し上げろ」
「ちっ、タイミング悪ぃぜ」
ハンナからわずかばかり離れた場所で、白いドレスの少女が起き上がった。
長い銀の髪が妖精のように伸びた、高貴な顔立ちの娘である。
(わ、わたくしが、あそこに――)
360名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:38:32 ID:MEXXal99
冷たい床に腰を下ろしたまま少女は口を開いた。
「……あー、一体どうしたってんだ?」
水晶を思わせる、透き通った高い声音でそうつぶやく。
大きな空色の瞳を細め、けだるげにキョロキョロする。
やがてオリヴィアはハンナの後ろに目を向け、
「おい、あんた。あたいに何したんだ?
 人を誘っときながら別の女に手を出しやがって……
 早くあんたを雇った旦那とやらに会わせとくれよ」
と、まるっきり品のない言葉を吐いた。

「いかがです? 王女様のお体を動かしているのは
 その肉体に入っていた、下賤な売女の魂でございます」
「ああ……」
あまりの衝撃にハンナがガックリと肩を落とす。
気品の欠片もない王女に問われた男は、
ハンナを羽交い絞めにしたままで答えた。
「ああ、旦那ならそこだ、ローブを着ている人だ」
「何だって?
 ……ああ、あんたかい――って、いつの間にこんな服着せたんだ?
 高そうなドレスだけど、鬱陶しいったらありゃしない。
 これじゃまるで、どっかのお姫様じゃないか」
魔導師の前で自分の服装に文句を並べ立てるオリヴィア。
細い白銀の髪が揺れ、炎を浴びて赤くきらめく。
「……クックック……」
そんな彼女を見て、魔導師は静かに着ていたローブを脱ぎ捨てた。
361名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:38:57 ID:MEXXal99
闇の中から現れたのは、意外にもまだ若い青年だった。
黙っていれば充分に美男子と言えるだろう。
しかし顔に張り付いた暗い笑みがそれを台無しにしている。
「すまなかったな。細かいことはあまり気にしないでくれ。
 ――それでは、早速してもらおうか」
魔導師は衣服の隙間から自分の陰茎を取り出した。
彼そのものかのように黒々と不気味にそそり立ったそれは、
男の裸など見た事のないハンナには恐ろしくグロテスクに映った。
(あんなものが……殿方には生えているの…… !?)
炎に照らされる肉棒の姿に、ハンナは思わず息をのんだ。

「あいよ、楽しませてやるさ」
鈴の音の声で王女が答え、魔導師の前にひざまずくと
可愛らしい口をいっぱいに広げ、魔導師の陰茎をくわえこんだ。
「……ん、む……はむ……」
おかしい。肉棒を味わいながらオリヴィアは不思議に思った。
このぐらいの太さ、普段なら難なく口に入るものを――。
「――いやあっ !! や、やめなさい !!」
動けないハンナが必死に叫ぶ。もちろん性の知識がある訳もないが、
淫靡に動く自分の体に本能的な危機感を覚えたのだ。
だが銀髪の姫君は聞く耳を持たない。
362名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:39:18 ID:MEXXal99
「ぷはあっ……おかしいねえ、どうも調子が悪い。
 ……でも安心しな、別のテクを披露してやるから」
オリヴィアはニヤリと笑うと、今度は小さな口から舌を伸ばし
ぬれそぼった男性器をなめ始めた。
――ペロ、ちゅぱ……レロ……
民から敬愛されている年端もいかない深窓の令嬢が、
自らすすんで邪悪な魔導師の陰茎を犬のようになめ回している。
それは美しくも乱れた、実に背徳的な光景だった。
「やめて、やめて下さい、わたくしの体で !!」
「ん……ペロ、じゅる……」
「ククク……ハハハハハ !!」
この上なく上機嫌で魔導師が笑っている。
対するハンナは依然男に縛られたままで、
目の前で繰り広げられている痴態を止める事もできない。

「ククク……長かった、長かったぞ !!
 幼い頃より魔術の道を歩み始め……今、ようやく
 我が願いの叶う時が訪れたのだ !!」
何言ってるんだい、うるさいねえ。
王女はそう言いたげに、肉棒の先にキスをした。
「――奉仕はもういい。次はお前の体を楽しませろ」
「あいよ、お待ちかねだね」
淫らな顔の王女がうなずいた。
363名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:39:38 ID:MEXXal99
「ん……クソ、このドレスどうなってんだい?
 ちっとも脱げやしないじゃないか」
「手伝ってやる。――ほら、これでいいだろう」
「!! ――何だい、こりゃあ !?
 あたいの胸、どこいっちまったんだ !?」
「寝てる間に失くしてしまったんだろう。
 俺は別に構わんから、お前の体を触らせろ」
「や、やめなさいっ !!」
魔導師は座り込むと、後ろから王女の体を抱きかかえた。
そのまま慣れた手つきで平らな胸と固く閉じた割れ目を撫で始める。
「くそっ……なんでこんな……ちっとも感じないじゃないか」
「我慢しろ。そのうち高ぶってくるさ」

魔導師の指の動きは充分に優しいものだった。
いつもと比べ物にならないほど鈍い性感も、時間をかけた愛撫に
だんだんと反応していき、白い素肌がほのかに桜色に染まっていった。
未熟な乳首の先が初めての勃起を見せ、
毛も生えていない割れ目がしっとりと確かな湿り気を感じさせる。
「ん……あんた、上手いね……」
「クク、こんなものか……」
魔導師は満足した表情浮かべると、オリヴィアの細い両足を持って
小便でもさせるように後ろから抱き上げた。
364名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:41:07 ID:MEXXal99
正面にいるハンナからは、王女の顔が愉悦に歪むのが、
幼い体が女として感じている姿が露に見える。
不安と絶望に苛まれる娼婦に魔導師が笑いかけた。
「さあ、姫様。いよいよ、純潔を頂きたいと存じます」
「――や、やめてっ !! わたくしの体を返してぇっ !!」
涙声で叫ぶ女の爆乳は、乱暴な男にずっと揉まれ続けている。
気なしか、その声にも艶が出てきているようだ。

「ではいくぞ。我慢しろよ」
「もったいぶってないで、早く入れなよ。
 でもこのカッコ、子供みたいで恥ずかしいねえ。へへ」
魔導師の上で十歳の王女がニヤリと笑い、そう口にした。
暗い笑みに口を歪めながら――王女の腰をゆっくりと下ろす。
「イヤァアァアッ !! やめてぇぇっ !!」
みり……めりめり……めち……
未熟すぎる女陰が、太い肉棒を無理やりに挿入され悲鳴をあげた。
幼い膣口が引き裂かれそうなまでに広げられ、実に痛々しい。
「ぎゃあぁあっ !? ――い、痛ぇぇっ !!
 ま、待った、やめてくれえぇっ !!」
金切り声をあげるオリヴィアの奥へ奥へと、猛りきった雄が侵攻していく。
純潔の証である真っ赤な雫が一筋、二筋と垂れる。
「さすがに、狭いな」
「い――あぐうっ……がぁぁあ…… !!」
か細い体をひねり、くねらせ、苦悶に喘ぐ幼い王女。
大粒の涙がぼろぼろとこぼれ、鈴の音の悲鳴をあげ続ける。
365名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:41:36 ID:MEXXal99
「わ――わたくしの、体が……はっ、あぁっ !?」
「あっちばかり見てないで、俺たちも楽しもうぜ。
 旦那もアレをぶち込んじまったから、もう遠慮することはねえ」
「や、やめなさい――下劣な、あ、あぁあぁ…… !!」
悲嘆にくれる暇もなく、男はハンナの熟れた女体を堪能し始めた。
「へっ、嫌がってる割にはもうビンビンじゃねえか。
 いやらしい王女様だよなあ、おい?」
「そ――そんなこと――」
男の言葉通り、汗にまみれたハンナの体は熱にほてり
ゆさゆさと揺れる爆乳の先端では乳首がギンギンに勃っていた。
下の方も長時間の愛撫ですっかり興奮してしまっていて、
股の間からは幾筋もの女汁が垂れ、腿を光らせている。

(か――体が、熱い……)
魂がどんなに拒絶しようと、娼婦として長年開発されたハンナの肉体は
貪欲に男を求めていた。胸を掴まれるたび、膣を指でほじられるたびに
耐え難い快感が脳髄を貫き、抵抗する気を萎えさせる。
「認めちまえよ。お前は淫乱な雌犬なんだって」
「ち、ちが――ひぁあぁっ !? やめぇぇっ !!」
「どこが違うんだよ。俺の指をくわえ込んでよがってる
 ただのスケベ女じゃねえか。こんなに汁噴き出してよ」
「違うのぉぉっ !! わた――ぁぁあっ !!」
海老のように娼婦の体が床を跳ねた。
366名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:42:01 ID:MEXXal99
「へへっ、そろそろ中を味わうとするか」
犬のように四つんばいにさせられたハンナの後ろから、
馬乗りになった男がず太い自分自身を入れ始めた。
「ああ――い、いやぁ……」
言葉とは裏腹に、熟れた女性器は肉棒の挿入を待ち望んでいたかのように
柔らかい肉で侵入者を包みこみ、喜びの声をあげた。
「おっ、こいつはすげえ。ねっとりと絡み付いてきやがる」
男を受け入れた肉壷が汁を分泌し、本能のままに陰茎を絞り上げる。
それは十歳の少女の魂には想像もできない快感だった。
どんなにハンナが拒否しても、彼女の肉体は下卑た男との交わりに歓喜し
性交の喜びと快楽とを存分に脳髄に伝えてくるのだ。
(ひいぃ……何これぇ……)
嫌悪に歪めた唇からはよだれが滴り、口元が笑みを形作る。
「大した名器だ――さすがは一流の商売女だぜ」
「は――はあぁ……ふぁぁ……」
男は腰をつかみ、獣のように荒々しくハンナに突き立ててくる。
ピストン運動が繰り返されるたび、汁にまみれた結合部からは
淫靡な水音が響き、二人の耳をくすぐった。
(……ダメ、き、気持ち――いい……)
高貴な王女の魂が、年端もゆかぬ可憐な少女の心が、
今や淫乱な娼婦の性欲に汚されてしまっていた。
下賤なチンピラ男の肉棒を大事な部分に突き込まれ、
拒否するどころか喜びに腰を振りまくる。
367名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:42:30 ID:MEXXal99
淫らな性交を存分に楽しむハンナに対し、
清楚な王女は苦痛のあまり、涙と罵声を垂れ流していた。
「ち、畜生――あたい、どうなっちまったんだ……。
 あぐう、苦しい……糞、畜生――」
「その体ではな、初めてだから仕方あるまい」
「初めて、だって――? 訳わかんない……こと、言いやがって……。
 女だからって……なめるなよ、くそう……」
銀細工の繊細な髪が揺れ、白く小さな胸にかかる。
加減しているのか、魔導師の陰茎は優しくオリヴィアの中を
上下していたが、それでもきつすぎる事に変わりはない。

「見せてやろう。――ほら、これが今のお前だ」
言葉と共に、交わる二人の前に魔術の鏡が現れた。
両足を持たれ、魔導師の陰茎に腰を下ろして泣き喚く子供。
それが今の自分の姿である事に王女は戦慄した。
「な、何……だ? このガキが、あたい…… !?」
「喜べ、卑しいお前では言葉も交わせぬ高貴なお方の肉体なのだぞ」
「う……嘘だ!」
「では、お前の股から滴る、この破瓜の血はなんだ?」
白い肌を引き裂くように真紅の線が引かれている。
「わかったらとっとと腰を振れ。気持ち良くはないだろうがな」
「う、うう……畜生、畜生――」
涙を流し歯を食いしばり、オリヴィアは必死に耐えている。
368名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:42:57 ID:MEXXal99
魔導師もまた、興奮の極致にあった。
これこそ長年彼が思い描いていた計画なのだ。
国で一番尊い姫君に卑しい娼婦の魂を宿らせ、従順に犯し尽くす。
肉体を汚すだけでなく、魂まで自在に操り弄ぶ事が彼の望みだったのだ。
「ほら、どうした?
 気高く振舞っていた先ほどとは大違いではないか」
「あたいは――やめろ……畜生……」
「これだけ中を犯し抜いても、お前にとっては痛いだけ、
 苦しいだけだろう。排卵すらまだかもしれぬ体だからな」
「う……ぐ、ひぃっ……」
王女は十数年ぶりの激痛に顔を歪め、歯を食いしばって耐えている。

「安心しろ。そろそろ注ぎ込んでやる」
欲望を満たされた彼の方が、先に限界を迎えた。
魔導師は王女の体を高く持ち上げると、
突然手を離しオリヴィアを彼の上に落下させた。
「――ぎゃあぁあぁぁぁあっ !!!」
肉棒に貫かれた幼い割れ目に全体重がかかり、
王女はひときわ大きな悲鳴をあげて悶絶した。
幼い膣の一番奥まで侵入した陰茎が慈悲もなく射精を始め、
純潔だった尊い女陰はたちまち血と汚れた汁にまみれた。
「――あ……あぁ……」
白目を剥いて泡を吹き、ぐったりと力を失くすオリヴィア。
結合部は無理やりに突きこまれた陰茎に膨張させられ、
肉棒の形に張り出した膣と滴る血が実に痛々しい。
魔導師はようやく、血と汁に濡れた彼の分身をずぶりと引き抜いた。
意識を失ったか細い王女の体が、床にうつ伏せに崩れ落ちる。
369名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:43:22 ID:MEXXal99
男は娼婦に乗ったまま、ピストン運動を激しくさせた。
「おら、どうだ姫様 !! たまんねえだろう !?」
「あぁ――いい……いいですぅ !!」
ハンナは快感に悶えながら一心不乱に腰を振った。
太い肉棒が膣の奥をえぐるたび、あまりの気持ちよさに息を漏らす。
「はあぁ……も、もっと、奥まで……」
張り詰めた乳房をしゃぶられ、熟れた膣内を存分にかき回され
ハンナは完全に淫乱な女の顔になっていた。
そこには高貴な王女の魂などなく、一匹の雌がいるだけだ。
口をだらしなく半開きにし、白目を剥いてよだれを垂らし
男の激しい突きこみを乞い願う。

「――よし、もう出すぞ !! たっぷりくれてやる !!」
「だ、出す……? ……たっぷり……」
理性も失った彼女はもはや男の言葉も理解できず、猿のように動くだけ。
やがて男は思いっきり肉棒を突っ込むと、あらん限りの汁をぶちまけた。
子宮口から濃厚な子種の汁がたっぷりと中に注ぎ込まれてゆく。
「はぁあぁぁ―― !!」
精液が中に出される快感にハンナは身をよじり、絶頂に達した。
(ひぁあ――いい……)
頭の中が真っ白になり、そのまま意識が溶けていく。
王女の心は性感の波に飲まれたまま、しばらく目覚める事はなかった。
370名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:43:53 ID:MEXXal99
全てが終わった今、静かな部屋には物音一つしない。
「…………」
魔導師は黙ったまま、床に横たわる王女を見下ろしている。
幼い膣から血と汁を垂れ流し、白い素肌を見せつける少女の体は
燭台の炎に赤く照らされ、息を飲むほどに美しい。

「さて、どうしたものか――」
もはや目的を達した彼だったが、後始末となると難しかった。
王女の魂を元に戻し城に帰すというのは、顔を見られた事を考えると
到底できるものではない。かといって、このままずっと留めておくのも
また不可能な話だった。すぐに王宮から探索の兵が放たれ事が露見するだろう。
いや、もう既に放たれているかもしれない。
王女を城に帰し、かつ彼が無事でいられる手段をとらねば――。
(となると、あの女の魂を入れたままで帰すか?)
卑しい娼婦のこと、最初は戸惑うだろうが
すぐに王女の体と地位を手に入れたことに大喜びするだろう。
そうなれば彼の罪も公にはならず、この身は安全である。
「しかし――それはできぬ」
魔導師は王女の体を抱き上げた。
軽い小さな体の暖かみが両手に感じられ、頬を緩める。
「姫様……やはり、あなたの美しいお体を
 あのような売女にやってしまうなど、我慢ができませぬ」
その表情は冷酷で邪悪な魔導師のものではなく、
恋人に甘い言葉をかける一人の男の顔だった。
しかし、大罪を犯した彼が助かるには他に方法はない。
いや――ある。もう一つの選択肢が。
「他に手段がないならば――いっそ……」
彼は何かを覚悟したように思いつめた表情で、口元を引き締める。
愛しげにオリヴィアの体を撫で、魔導師は再び呪文を唱え始めた。
371名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:44:28 ID:MEXXal99
丸一日もの間いなくなっていた王女オリヴィアが、
明け方になってようやく城に帰ってきた。
その知らせに王は慌てて飛び起き、家臣が止める中
喜びのあまり薄汚れた王女の体を抱きしめるほどであった。
「ただいま帰りました。お父様、お母様、そして皆さん、
 多くの人にご心配をおかけしました。ごめんなさい。
 でもわたくしは無事です。ご安心下さい」
オリヴィアはいつものきらめく笑顔で皆を安心させ、
王宮はまた元通りの平穏を取り戻したのだった。

湯浴みを済ませ着替え終わった美しい王女が、鏡の前に立っている。
侍女を下がらせ、今ここにいるのはオリヴィア一人である。
王女は自分の艶やかな長い銀髪を優しく撫でたり、
にこりと微笑む愛らしい姿を鏡に映して鑑賞していた。
まるで自分の体を初めて見るように、興味深げに。
誰もいない部屋に、高く澄んだオリヴィアの声が響く。
「――クックック……やはり姫様のお体は美しい……」
小さな手がドレスの内側、下着の中に伸び動き始めた。
白く細い指が、ようやく膨らみ始めた双丘を、純潔を失ったばかりの
幼い女陰を撫で、揉み、さすり、丹念に愛撫する。
その手つきは高貴な少女のものではなく、淫らで邪な動きだ。
「私は王女、王女オリヴィアだ……ククク……ハハハハハ…… !!」
自慰にふけりながら高笑いをあげる銀髪の王女。
その正体に気づく者は誰もいなかった。
372名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:45:18 ID:MEXXal99
夜の街。
男たちは一日の疲れを癒そうと、ある者は酒場に、
ある者は賭博場に、またある者は女郎屋に足を運ぶ。
この店でも夜の女の商売が行われていた。
――ぱんっ……ぱんっ……!
「はあぁあっ !! もっと、もっと突いて下さぁあいっ !!」
暗い部屋の中、見知らぬ男の下になって激しく突きこまれる女。
栗毛のショートヘアとはちきれんばかりの爆乳が人気の娼婦だ。
成熟した外見とは裏腹に、言葉遣いは丁寧で気品を感じさせ、
物慣れぬ子供のような振舞いが男心を刺激するという。
それでいて、交わりの快感も最高級となれば人気が出ないはずがない。
ハンナはすっかり店の看板娘になっていた。
今宵も男に抱かれ、ハスキーな嬌声をあげよがり狂っている。

(ああ――お父様、お母様、お許し下さい……)
奪われた自分の体は城に戻り、王女として暮らしているという。
自分は王女オリヴィアだ。そう言っても信じる者は誰もいない。
城に行ってもすげなく門番に追い返されてしまう。
もはや娼館に行く以外、激しい性欲を抱えた淫乱女に道はなかった。
「ひぃいいぃっ !! いい、いいのぉぉっ !!」
もう何度目かの絶頂に達し、ハンナは喜びの悲鳴をあげた。
……娼婦の夜はまだ明けそうにない。
373名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 02:48:00 ID:MEXXal99
以上となります。
かなり平凡な展開な気もしますが、こんなものでしょう。
言葉使いの表現が難しいところですね。
もっと語彙を増やして頑張らなくては。

では今夜はこれで失礼致します。
リクなどございましたら(書けるかわかりませんが)お気軽にどうぞ。
ではでは。
374名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 08:02:41 ID:Rxguhdx+
乙!
魔導師GJすぎww
375名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 09:06:55 ID:/0H7spc4
相変わらず素晴らしい
ファンタジーものをもっと増やしてほしいです
376名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 15:01:18 ID:Hab1Gw6t
エクセレント!
377名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 21:40:54 ID:WuLJgwj5
GJ!!
正にドツボにはまった!!
とても良かったです。
リクエストに応えていただいて、本当にありがとうございました!!
378名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:35:43 ID:IeGqemnZ
魔術師に入ったであろう娼婦がかわいそう過ぎますw
379名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:57:46 ID:4fD1qXqR
本当にすごい。
104さんの作品は、女同士の作品どころか
これまで読んできた数多くのTS物の作品の中でも
トップクラスに入るレベルだよ、本当に。

374さんも言ってるように、単にエッチなんじゃなくて
キャラ設定もしっかりしてるし、情景描写が上手い。
そこらの作家より、文章に引き込む力がある。

2chでこんなに人の事褒めたことないから
自分でもびっくりだ。次も楽しみにしてます。
380名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:30:39 ID:grxyWY7D
またまた来ました>>104です。

お褒めの言葉は大変ありがたいのですが、
まだまだ修行中の身ですので、過分の評価はいただけません。
今は皆様の応援とリクエストだけを頼みにしております。
ではまたお会いしましょう。ありがとうございました。





とフェイントをかけつつSS投下でございます。
今回は>>103さんのネタということで書いてみました。
でも ちょっと ねむい です。
381名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:31:08 ID:grxyWY7D
ピンポーン……。
呼び鈴が来客を知らせ、早百合は小走りにドアに向かった。
予想より少しだけ早い到着に、緊張しながら戸を開ける。
「こ、こんにちは――」
「こんにちは早百合さん。お久しぶりね」
「はい、お義母さんもお元気そうで――」
早百合は悦子を見つめ、軽く頭を下げた。
こうして顔を合わせるのは正月以来、実に半年振りだった。
決して不仲という訳ではないのだが、生真面目で
堅い雰囲気を漂わせるこの姑に早百合は苦手意識を持っており、
今でも電話や手紙で形だけの挨拶しかできないのだった。

「――どうぞ、今お茶を入れますから」
「いいのよ、お構いなく」
悦子はそう言いながらリビングを見回している。
どんな家具が置いてあるか。散らかってはいないか。
カーテンの色や飾られた花の選びなど、早百合には姑の視線が
二人の生活を隅々までさぐるような不快なものに感じられた。
(……いけない、考えすぎだわ)
結婚して二年になるが、悦子が早百合に注文をつけたことなど
数えるほどしかない。ただ黙って息子夫婦の新婚生活を
距離をおいて見守っているだけだ。
早百合は被害妄想じみた自分の勘ぐりを反省した。
382名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:31:34 ID:grxyWY7D
早百合と悦子はテーブルを挟んで向かい合って座った。
「明宏は早く帰ってくるのかしら」
「そうですね。出かける前、今日は定時だと言ってました」
「――そう……」
少し話して口を閉じ、ゆっくりとコーヒーをすする。
二人の会話はその繰り返しだった。
(……うう、間が持たないなあ……)
ちらりと悦子を見やる。
小柄でひょろりと痩せた姑の手足は棒キレのように細く、
手の甲には青い静脈が浮き上がっていた。硬く引き結ばれた
一文字の唇は薄く、口元や目尻には隠しようもない皺が
幾重にも刻まれており、壮年の老いを如実に示していた。

「……それでね、早百合さん」
「――あ、はい」
観察を中断させられ慌てて返事をする。
「今日ここに来たのはね、一つ聞きたい事があるの」
「……はい、何でしょう?」
重々しく口を開く悦子に軽い不安を感じ、早百合は
思わず膝の上で両手を握り締めてしまった。
「あなたたちの生活に干渉するつもりはないわ。
 ――でも、明宏の母親として、やっぱり確認しておきたいの」
383名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:32:01 ID:grxyWY7D
じっとして耳を傾ける早百合に悦子が問いを発した。
「結婚してから二年になるけど、そろそろ子供はできないの?」
「…………」
とっさに返す言葉がなく、彼女は黙って姑を見ていた。
「ほら、やっぱりね、私だって五十五にもなると、
 そろそろ孫の顔が見たいと思うものなのよ。
 あなたたち二人の可愛らしい赤ちゃんを、ね」
「それは……よくわかります」
神妙な顔でうなずく早百合。
茶色に染めたストレートのロングヘアがふわりと揺れる。

明宏と結婚して、来月で丸二年を迎える。にも関わらず、
早百合には出産どころか妊娠の気配すらなかった。
新婚のうちは夜の営みに精を出した頃もあったのだが、
最近は月に一度するかしないか。明宏は妻よりも
仕事に熱中していたし、早百合もまだ二十代という事で
入院やら子育てのわずらわしさやらを考えると、
今まで積極的に子供を作ろうとは思っていなかった。
だが、姑はそれが気に入らないらしい。
384名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:32:58 ID:grxyWY7D
「――私たち夫婦にも、何度も別れようと思ったときがあったわ。
 でも、それを何とかしてくれたのが子供の存在だったの。
 夫婦にとって子供はかけがえのない大事なものなのよ」
「……はい」
「早百合さんももうすぐ三十じゃない。最近遅くなってるって
 よく聞くけれど、子供を産むならやっぱり早い方がいいわ。
 だから、できれば来年には孫の顔を見せてほしいのよ」
珍しく饒舌な悦子のお説教に、早百合は小さな怒りを覚えていた。
――子供ができないのは私のせいじゃない。明宏のせいよ。
親だからって、人の家庭に干渉しないで。
「…………」
だが、さすがに言葉には出せず、早百合は黙ってうつむいていた。

しかし悦子は早百合の様子から、良い返事を受け取れないと思ったようだ。
たたみかけるように嫁への言葉を再開する。
「厳しく言うつもりはないけれど……あなたは明宏のお嫁さんなの。
 親としては早く元気な孫の顔を見せてほしい、と思うのよ。
 あなたのご両親だって、きっとそう思っていらっしゃるわ」
「で――でも……」
「あなたはまだ若いから、急ぐ必要はないって思ってるでしょう。
 でもあなただって、子供を産んで、育てて、
 私みたいなお婆ちゃんになるときが来るの。あっという間よ」
385名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:33:24 ID:grxyWY7D
自分がこの、枯れ木のような姑のようになる。
その言葉に早百合の顔が怒りに歪み、荒い言葉を投げかけた。
「そんな事言わないで下さい!
 ……黙って聞いてたら、赤ちゃん赤ちゃんって……。
 私が悪いんじゃありません!」
肩で息をしながら姑をにらみつける早百合。
しかし悦子は怒るでもなく、落ち着いて嫁の姿を見つめていた。
「――そうね。ひょっとしたら悪くないのかもしれない。
 でも、やっぱりあなたのせいかもしれないでしょう?」
「そんなの――!」
「……だから、それを確かめようと思うの」
悦子は薄いブラウンのバッグをゴソゴソとあさり、
安物くさい型落ちの携帯電話を取り出した。
「……?」
いぶかる早百合に構わず、どこかに電話をかける。
「――私よ、すぐきてちょうだい」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに――。

ピンピンピンピンピンピンピンポーン……。

呼び鈴がけたたましく鳴り響いた。
386名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:33:47 ID:grxyWY7D
いたずらかと身構える早百合だったが、悦子は手を振り
「開けてあげてちょうだい。私が呼んだの」
と言う。
訳がわからずドアを開けた早百合は、思わず息を飲んでしまった。

「――こんにちは」
そこには高校生くらいの、一人の少年が笑顔を浮かべて立っている。
テレビに出てくるタレントなど比較にならぬ美貌に、
早百合は一瞬ならず心を奪われてしまった。
「ごめんなさいね、手間をかけさせて」
「いいえ、いいんですよ。暇でしたから」
にこりと笑って少年を出迎える悦子。
どうやらこの子を呼んだのはこの姑らしい。
だが親戚の子には見えないし、どこで知り合ったのか――。
早百合は不思議に思いながらも、
少年を部屋に上げコーヒーを入れてやる事にした。
親切そうな少年だし、悦子が呼んだのならまあ間違いはないはずだ。
「ありがとうございます」
彼は微笑んで礼を言った。その笑顔にまたときめく早百合。
387名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:34:08 ID:grxyWY7D
「ええと……それで、僕を呼んだのは――」
「そう、ぜひお願いしたいの」
挨拶もそこそこに、少年は悦子と言葉を交わす。
早百合には何の話かわからなかったが、
二人の間ではもう話が済んでしまっているらしい。
「わかりました」
少年はうなずいて立ち上がると、座っている早百合の隣に立った。
「――失礼します」
「え? え?」
キョロキョロと少年と姑を見比べる彼女だったが、
彼はそれに構わず細くしなやかな腕を早百合に伸ばした。
「な、何を――!」
抵抗する間もなく、少年の手が早百合の首にかかる。
そして次の瞬間――。

「……え?」

間の抜けた声と共に、早百合の首が引っこ抜かれてしまった。
首から下の感覚がなくなる非常識な状況に、
彼女は目を見開いたまま唖然とするしかない。
388名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:34:32 ID:grxyWY7D
「な、何これ……どうなって――」
慌てふためく早百合の首をテーブルにそっと置くと、
少年は悦子の方に近づいてゆく。
「まあ――」
悦子は首のなくなった早百合の体を
軽い驚きの視線で見つめていたが、すぐに少年に向き直った。
「じゃあ、こちらもお願いするわ」
「はい」
短い返事と共に、今度は悦子の首が取れる。
体のなくなった白髪交じりの灰色の頭が、
早百合には毛糸の塊のように見えた。

少年は悦子の首を持ったまま、テーブルの向かいに回りこんだ。
そこには首のとれた早百合の体が座っている。
「な、何するの…… !?」
言い終わるが早いか、悦子の首が早百合の体につけられていた。
「―――― !?」
「はい、終わりましたよ」
落ち着いた少年の言葉に立ち上がる悦子。
389名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:35:02 ID:grxyWY7D
「あらあら、まあ……」
悦子は自分の体を確認するように見下ろすと、
その場でくるりと一回転してみせた。
いつもの、薄いピンクのブラウスと
青いフレアスカートに包まれた体が他人のようにふわりと回る。
「お、お義母さん! やめて下さい!」
訳がわからないが、とにかく危険を感じて叫ぶ早百合。
だが悦子は全く気にしない様子で、ブラウスの中をのぞきこんだり
胸の大きさを揉んで確かめたりしている。
どことなく楽しそうだ。
「――最近の若い子はこんなのをはいてるのねえ。
 私の頃じゃ考えられなかったわ……」
スカートを思いっきりまくり上げ、黒いショーツを丸出しにしてつぶやく。
「きゃああっ! み、見ないでっ!」
大胆にも横の少年に下着を見せつける姑に悲鳴をあげるが、
首だけとなった早百合には何もできない。

やがて満足したのか、悦子が顔をテーブルの上に早百合に向けた。
「……うふふ、ごめんなさいね早百合さん。
 でも、やっぱり私たちは孫が欲しいのよ」
「そ、それならどうして――」
「いつまで待っても子供ができないんだもの。
 仕方がないから、私があなたの代わりに子作りしてあげるわ」
「―――っ !?」
想像もしていなかった悦子の発言に絶句する早百合。
390名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:35:22 ID:grxyWY7D
つまり、悦子が早百合の体で明宏と交わるという事だ。
体は夫婦でも顔は実の親子、倫理上許されるはずがない。
早百合はその現場を想像し、あまりの恐ろしさに戦慄した。
「ば、馬鹿な事言わないで下さい !! 早く私の体を返して !!」
「ほんの2、3ヶ月だけだから許してちょうだい。
 ちゃんと子供ができたら、この体を返してあげるわ。
 それまでは私の体を使っててもらうわね」
「お、お義母さんの…… !?」
青く静脈の浮き出た義母の手を思い出す。
自分がこの醜悪な壮年女の体を使うなどとても耐えられない。
「まあそういう事なんで――」
軽く言うと、少年が早百合の頭を持ち上げた。
「……や、やめて! お願いっ !! やめてぇぇっ !!」
嫌悪のあまり必死で叫ぶ早百合だったが、首だけで抵抗できるはずもない。
とうとう悦子の体にくっつけられてしまった。

「いや……こんなの……いやあ……」
自分の体を見下ろし、顔をくしゃくしゃに歪める早百合。
地味な灰色のスウェットと紫のスカートから
肉のそぎ落ちた手足が無造作に生えているのが見える。
葬式用かと思ってしまう真珠のネックレスの下には
元々小さかったであろう乳房が力なく垂れていた。
痛む腰、縮んだ背、全てが若い自分のものとは違っていた。
391名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:35:50 ID:grxyWY7D
テーブルの向こうから、悦子が逆転した身長差を
見せつけてくるように見下ろしてくる。
「あら、でも意外と悪くないじゃない。お似合いよ」
「私……こんなの嫌です !!」
「ごめんなさいね。ちょっとの間だから、我慢してちょうだい」
半泣きになる早百合に向かって姑は優しく、
だが決して妥協しない口調で告げた。
「夕食のお買い物まだでしょ? 行ってくるわね。
 今夜は腕によりをかけなくちゃ、うふふ♪」
そう言って、悦子は早百合を置いて出かけてしまった。
後に残されたのはにやにや笑う少年と早百合のみ。

「あなた、何て事してくれたのよ !!」
「いや、僕は言われた通りにしただけですよ。
 文句はお義母さんに言ってもらわないと」
「早く私の体を返して !!
 お義母さんに好き勝手されるなんてまっぴらよ!」
涙声で怒鳴る早百合を、少年は微笑んで見つめていた。
392名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:36:17 ID:grxyWY7D
日の沈む頃になって、早百合の夫が帰ってきた。
「ただいま――」
「おかえり、明宏」
玄関で自分を出迎える母親の姿に明宏は驚く。
「お袋――来てたのか?」
「今日から私が早百合さんの代わりですからね、そのつもりで」
何やら訳のわからない事を言われてしまった。
早百合はどうした、と聞いても母は何も教えてくれないし、
一体どうなっているのか、明宏にはさっぱりだ。
「さあ、いっぱい食べなさい」
こうして母が作った料理を口にするのは久しぶりだ。
懐かしい味噌汁の味に、明宏はつい飯をかきこんでしまう。

「――ごちそうさん、美味かったよ」
「そう、嬉しいわ」
食べ終わった明宏は、もう一度悦子に尋ねてみた。
どうして母がここにいるのか。早百合はどうしたのか。
「明宏、こっちにおいで」
「何だよ……?」
やはり母は答えず、明宏を和室に呼んだ。
393名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:36:36 ID:grxyWY7D
悦子は明宏の前に立ったまま話し出す。
「二人の事が心配でね……私が手伝いに来たのよ」
「? ……何の話――」
いきなりブラウスを脱ぎ始めた母に慌てる息子。
「おい、おふくろ、何やってんだよ !?」
明宏が止めるのにも構わず、悦子はブラとショーツだけの姿になった。
あまりの事に呆れ果て、明宏がため息をつく。
「早く服着ろよ。今さらおふくろのしなびた体見ても……」

「よく見てみなさい、本当にしなびてる?」
「え――?」
その言葉に促され、母の裸体を眺める明宏。もちろんそこには
五十代半ばの染みとしわだらけの肉体があるはずだった。
だがブラに包まれた悦子の胸はぴんと張り、やや肉のついた腰も
見ていて決して不快になるものではない。
はいている派手なショーツにも、思わず唾を飲んでしまう。
明らかに老いた母の体ではない、若々しい肉体だった。
しかも、そのブラやショーツは彼がよく知っている――。

「……早百合? 早百合なのか?」
「よくわかったわね。そう、この体は早百合さんのなのよ」
「でもなんで、おふくろが早百合の――」
「最近あんた、早百合さんとしてないって言うじゃない?
 だから、私があの子の代わりにしてあげるの」
394名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:37:06 ID:grxyWY7D
悦子は精一杯の力を込めて、明宏を畳の上に押し倒した。
「うわっ、何するんだ!」
「……何って、決まってるでしょう?」
倒れた息子のズボンをさぐり、悦子が陰茎を取り出した。
それを左右の指で淫らにしごき、こすりあげる。
「――お、おふくろ、やめろ……」
「お風呂で洗ってあげてたアレが、こんなに大きくなっちゃって。
 やっぱりお父さんの子ね」
悦子は驚くほど熟練の手つきで肉棒をしごきたててくる。
初めて体験する母親の愛撫に、明宏は翻弄されるばかりだ。
「……くっ !!」
こらえ切れなくなったのか、陰茎の先から
白い汁が勢いよく噴き出し、悦子の若々しい肌を汚した。
「あらあら。手だけで出しちゃうなんて、困った子ね。
 出すなら膣内に出してほしいのだけど――」

今度はブラを脱ぎ捨て、露になった乳房を息子の顔に押し付ける。
「……んー! むぅ!」
「ほら。母さんのオッパイ、吸いなさい」
最初は抵抗していた明宏だが、興奮したのか観念したのか、
やがて乳首を口に含むと悦子の豊かな胸を吸い始めた。
「ん……懐かしいわね。
 夢中でおっぱいを吸ってた赤ちゃんの頃、思い出すわ」
こっちも性感が高ぶってきたらしく、赤い顔で熱い息を吐く悦子。
395名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:37:26 ID:grxyWY7D
「あん……胸だけじゃなくて、こっちも……」
畳の上に明宏を寝転ばせた悦子は、ショーツを脱ぐと
息子の顔の上に内股で座り込んだ。
しっとりと湿った陰部が顔を濡らす感触に再び明宏のが硬くなる。
おずおずと舌を伸ばし、彼は母の女陰をなめ始めた。
――ピチャ、ピチャ……。
「ああ――いい、いいわあ……」
数十年ぶりの快感に、悦子はのけ反りもだえる。
まして相手が自分が産んで育てた大事な息子となれば、
なおさら興奮しない訳がない。
なめればなめるほどあふれ出す汁で、明宏の顔はもうベトベトだ。

「うふふ――明宏……」
悦子は腰を上げ、両手で息子の顔を撫でる。
自らの陰部からあふれた汁が手につき、つうっと糸を引く。
明宏も興奮しているようで、黒々とした陰茎が
天井に向かって力強くそそり立っていた。
「お……おふくろ……」
止めたいのか続けたいのかわからず、細い息を漏らす息子。
悦子はそんな明宏にニヤリと微笑むと、息子の腰の部分に
中腰の姿勢でしゃがみこんだ。
396名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:37:50 ID:grxyWY7D
その隣の部屋、照明のついていない暗い室内で
早百合は椅子に座らされていた。
(ダメぇ……明宏ぉ……!)
わずかに開いた戸の隙間から、夫と姑の痴態が垣間見える。
義母が自分の体で明宏と乳繰り合うのは耐え難い光景だったが、
今の早百合は動くどころか声一つあげられない。
「――ふふ……」
椅子の横にはあの少年が立っていて、
なぜか彼がいるだけで早百合の体はぴくりとも動かないのだった。

「どうですか、夫婦の営みは」
彼が耳元で小さく囁いてくる。
「大丈夫ですよ、顔は親子でも首から下は夫婦ですから。
 妊娠するまでたっぷりするでしょうね」
(ちっとも大丈夫じゃない――!)
笑みを浮かべる少年に言い返す事もできず、
早百合はただ黙って隣室を見守るしかない。
いつの間にか、頬に一筋の雫が垂れていた。
397名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:38:32 ID:grxyWY7D
法悦の表情を浮かべ、悦子が腰を下ろす。
――ズブ、ズブズブ……ヌチャ……。
「あはあ、いいわあ……この感じ……」
懐かしい性交の快楽に悦子は甘い声を漏らした。
一方入れた明宏もまた、数週間ぶりのセックスに
我慢できずに声をあげる。
「う、うぁああっ……!」
「――明宏、母さんが動いてあげるわね」
息子の上にまたがったまま、悦子が上下に動き出す。
結合部からは淫らな女汁があふれ、
動くたびにヌチャヌチャと淫靡な音が部屋に響いた。

「いい……いいわあ……! 最高よっ !!」
「うう――うあ……!」
母が息子の上で笑いながら腰を振る。
その事実に悦子も明宏も、隣室の早百合でさえも
背徳的な興奮を覚え、熱い息を吐くのだった。
「――どう、明宏っ !? 母さんいい !? いい !?」
「ああ……いい、いいよおふくろぉっ !!」
ついに明宏は大声で母親を呼び始めると、悦子の腰をつかみ
自分から腰を振って肉棒を突き込みだした。
(――あ、明宏……)
激しい男女の動きが床を震わせ、離れた早百合にも感じられる。
398名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:38:55 ID:grxyWY7D
あれは自分の体のはずだ。
全身に汗をじっとりとたらし、乳房をたゆんたゆんと揺らし、
明宏の陰茎に貫かれて腰を振る、あの若々しい女の肉体は
早百合のものだったはずだ。
しかしそれが今、しわと染みだらけの醜い義母の白髪頭に乗っ取られ、
姑の思うがままに「息子」と性交させられている。

対する自分はと言えば、鳥ガラのようにやせ細った手足の、
胸はたるみ腰は痛む、醜悪な義母の体になっている。
体に似合いもしない茶色のストレートヘアが、
首から下を隠せるはずもない顔の化粧が、
今の自分のみじめさをいっそう強調していた。
(うう――……)
声さえ出せない不可視の拘束の中、
両目からは涙がぽろり、ぽろりと止まらない。
(なんて、私がこんな目に――)
子供を産まないというだけで、こうなってしまうのか。
体を奪われ無理やり種つけをされる、
その現場を心に深く刻みこまされ、早百合の精神はひび割れていた。
(明宏、明宏ぅ……)
隣室の性交を前にして、早百合はずっと泣いている。
399名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:39:20 ID:grxyWY7D
悦子も明宏も今までにない快感に震え、もだえ、
今にも達してしまいそうだった。
既に母親と交わる罪悪感は消え失せ、
よだれを垂らす悦子を見ていると孝行の実感さえわいてくる。
(おふくろ、最高だ――)
まるで悦子が自分の妻であるかのような錯覚に襲われ、慌てて
それを否定しようとし――もはやどうでもいいという事に気づく。
悦子は言っていた。これは早百合の体だと。自分の妻の体だと。
ならばこれは夫婦の正当な交わりなのである。
首の上に乗っているのが母親の頭だろうがなんだろうが、
それは些細な事に過ぎない。やはりこの女が自分の妻なのだ。

「――ああ明宏、母さんもうダメ、ダメよぉっ !!」
「おふくろ……悦子、悦子ぉっ !!」
母ではなく、明宏は彼女を名前で呼んだ。
そうしたいと思ったからだった。
「いい――いいぃぃいぃ……っ !!」
「悦子……くぅぅうぅっ !!」
膨張しきった陰茎が子宮口を叩き、下から灼熱の奔流を叩きつけた。
吹き上がる精液が子宮に染み渡り、一滴でも多く飲み込もうとする。
「はあああ――あぁ……」
絶頂を迎え、息とも声ともつかぬ響きを悦子が漏らし続ける。
その顔は歓喜に満ち、とても幸せそうに見えた。
400名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:40:08 ID:grxyWY7D


静かな室内に、大きな泣き声が響き渡った。
「はいはい、どうしたの !?」
慌てて二人の女が駆けつける。
早百合はベビーベッドから泣き喚く乳児を抱き上げ、
慣れぬ手つきであやし始めた。
だが、泣き声の止む気配はない。
「……きっと、お腹空いたのね」
悦子は横でそう看破すると、トレーナーを脱いで乳房を出した。
産後間もない張り詰めた母親の乳房が赤子の口に当てられ、
乳児はゆっくりとにじみ出る母乳を飲み始めた。
「んっ……」
たっぷり15分ほど授乳し、今度は反対側の胸をくわえさせる。
その間、早百合は義母をうらやましそうに見つめていた。
ようやく満足したのか、乳児は悦子が抱いたままゲップを漏らすと
ゆっくりと目を閉じ眠りについた。

「ん……まだ残ってるわ。早百合さん、搾乳カップを取ってちょうだい」
「はい、お義母さん」
どうやら母乳の量が多く、残ってしまったらしい。
悦子は残った母乳を手でカップに搾り取ると、たまったそれを流しに捨てた。
「早百合さんのおっぱい、優秀ね。はじめはこんなに出ないものよ」
「はあ……」
お褒めの言葉にどう答えていいかわからず、曖昧にうなずくしかない。
401名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:41:04 ID:grxyWY7D
体が入れ替わって一年になるが、まだ二人は元に戻っていなかった。
悦子が早百合の体で夜ごとセックスを欠かさなかったため、
あれからすぐに妊娠が判明した。
これで早百合に体を返せる。
孫のできた喜びに、悦子があの少年に電話をすると――。

「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」

……このとき初めて、二人はもう元に戻れない事を知った。
ただでさえストレスのたまっていた早百合は一晩中泣きはらし、
一時は自殺未遂にまで追い込まれるほどであった。
しかし日ごと大きくなってゆく悦子のお腹を見ている内に
自分の子供がどんな子なのか気になり始め、
やがては悦子の出産を応援するほどまでに立ち直った。
そして悦子は嫁の体で孫を出産し、子育てに大忙しである。
早百合も未熟な母親として悦子を助け、赤子の世話をしている。
夫と妻と母の、奇妙な三角関係は円満と言えた。
402名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:42:45 ID:grxyWY7D
「ほ〜らママでちゅよ〜、ベロベロバー」
ベビーベッドにもたれた早百合が我が子をあやしている。
その顔は若々しく希望に満ち、母親としての力にあふれていた。
もう死のうなどとは思わないだろう。

その隣の部屋では――。
「はあっ、はあっ、あ、明宏ぉっ !!」
「ん、んん……何だよ、悦子っ?」
悦子の女陰に突き込みながら明宏が問う。
「い、今できちゃったら、困るわ。子育てが……」
「大丈夫大丈夫、早百合もいるだろ。
 母親が二人いるんだから、もう一人つくってもいいって」
「あ――はぁぁあぁ……っ !!」
白い汁が子宮に注ぎ込まれ、悦子が嬌声をあげた。
妊娠中は控えていたセックスを、今は思う存分やりまくっている。
言う通り、二人目が産まれる日も遠くないだろう。
まさか、息子に抱かれて孫を産むようになろうとは――。
(うふふ……でも私、幸せよ)
息子に呼び捨てにされて突かれながら、悦子は腰を振り続けた。
403名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:47:03 ID:grxyWY7D
以上となります。
幼女や少女の入れ替わりは楽なんですが、
オバサンお婆さんとなるとなかなか難しいですね。
でもすげかえという事で無事書きあがりました。
(とりあえず少年出しとけばいいや的な)
どうでもいいですが、出産直後は妊娠しないんでしたっけ。
またリクエストがございましたら是非どうぞ。

では今夜はこれにて失礼致します。
404名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 08:42:32 ID:H0NxeWrT
少年シリーズ、キター!

以下、続巻ねがいます!
405名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 09:22:55 ID:Y9ay37rB
問おう、あなたが神か

しかし体を奪われる若嫁とか
その嫁の身体で妊娠する母親とか
いつもながら萌えますなあ
GJでした!
406名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 11:32:19 ID:aX/7/6Xv
GJ!
しかし、いくら嫁の体とはいえおかんの顔じゃ萎えるわw
この男ツワモノすぎw
407名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:14:45 ID:H0NxeWrT
確かに母が四十代なら…とも思ったが、
不妊モノだからしかたない設定なんだろうね。
年齢にしては若くみえたほうがよかったかも?
408名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:15:52 ID:v8gNAtyO
元のリクが年齢差を強調したものだからそれは仕方ないんじゃないかな。
GJでした!

リク受付中ということで、
弟大好きなお姉ちゃんと弟の彼女の精神入れ替わり希望です!
妹版はいくつか見たけど、姉は見たことがなかったので。
彼女が弟より年下だとなお良いです。うん、年下のお姉ちゃん好きなんだ。
409名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:40:18 ID:Y9ay37rB
仮に母親が40、嫁が20として
・ピチピチの体で顔おかん
・愛する嫁の顔で体おかん
ヤるなら…どっち?
うーん、凄い選択だな

まあ明宏はマザコ(ry
410名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 16:47:49 ID:FV3Zpicv
乙!
しかし明宏はつわものだな
体に合わせて顔も若くなるとかならわかるが・・・
自分なんか公共の場で不意に勃起した時とか母親の顔を思いうかべて萎えさせてるいるのにw



体の入れ替わりといえば昔
美○墓○ってサイトの掲示板であがってたSSで
太ったおばさんと美少女の首から下の入れ替わりの話があって
そのSS自体は掲示板から流れちゃって読むことはできないんだが
誰かログ持ってる人いないですか?
体が入れ替わったあとも顔の若さとられたり胸の脂肪とられてさらに垂れ乳にされたり
中々好みの話だった。

他にも2ちゃんのどっかのスレでみかけたSSで体の入れ代わりではないけど
学級委員長の女の子とヤリマン巨乳のコギャルの立場の入れ替わりで
コギャルが使った魔法のせいで
ある日学級委員長の女の子の胸が突然大きくなって
日に日に髪の色が変わったり頭が悪くなったり
ついには男遊びもしたこと無い女の子が
授業中にオナニーしたり男をナンパしてヤリまくるようになるって話なんだが
ログ持ってる人いませんか?
411名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:23:50 ID:grxyWY7D
勇気りんりん>>104マンですこんばんは。

ご意見・ご感想ありがとうございます。
>>381-402の嫁姑入れ替わりについては、やはり
年齢・肉体のギャップがあった方がいいかと思いああなりました。
「おかんだから萎える」という意見もよくわかりますが、
明宏君が稀代のツワモノって事でお許し下さいませ。






では>>408さんのリクにお答えして投下。
短い上にあまりエロくないですがお気になさらず。
412名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:24:40 ID:grxyWY7D
「………… !!」
下の階から聞こえてきた大声に、ジュリアンはすくみあがった。
ここ最近は比較的平和だったのに何事だろう。
彼は端正な、だが線の細い顔に不安を浮かべ、階段を下りていった。
「――冗談じゃありません !!」
食堂のドアを通して女の金切り声がびりびりと響いてくる。
さすがに開けるのはためらわれ、ジュリアンは扉の前で立ち止まった。
部屋の外であっても会話は充分聞こえてくる。

「会った事もない人と、結婚などできますか !!」
「――しかしな、エリザベート……」
恐れをなしてか、父の声も小さくなっていた。
「相手は公爵家のご長男、王家の血も引いていらっしゃる。
 言うまでもないが、うちの家などよりはるかに格上なのだよ」
「それが何だと言うんですか !!」
「しかも聡明でかなりの美男子、宮廷での評判も高い。
 となれば、喜びこそすれお断りする理由がないのだ」
「私には輿入れする理由などありません !!
 ちゃんと自分のお相手は自分で探します !!」
父は困り果てているようだが、引き下がりはしない。
「エリザベート……お前は賢いし、父の目から見ても、その、
 充分に可愛い顔をしている。
 しかし、いまだ浮いた話一つないではないか」
413名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:25:19 ID:grxyWY7D
父の指摘に、エリザベートのキンキン声が鳴り響く。
「だからと言って、知らない男性に嫁げと言われれば
 誰だってうなずくはずがありません !!
 お父様は、私を政略結婚の道具にするつもりですか !!」
「い、いや……そうではないのだが……」
「もういいです !! とにかくお断りしてください !!」
バン !!
蝶つがいが吹き飛びそうな勢いでドアが開けられ、
ジュリアンは避けようと尻餅をついてしまった。
逃げる暇もなく、エリザベートと目が合ってしまう。
「――ジュリアン、聞いていたの」
「う、うん……」
静かな姉の迫力に押され、座り込んだままうなずく少年。
エリザベートはそんな弟を立たせてやると、
「心配しないで。私はお嫁になんて行かないから」
と優しく抱きついてきた。
姉弟共に金髪碧眼、典型的な貴族の子女である。
「私の好きなのはジュリアン、あなただけだもの。
 これからもずっと一緒よ。ジュリアン。」
「う……うん……」
父と同じ、困り果てた顔で少年はうなずいた。
414名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:25:52 ID:grxyWY7D
部屋に戻ると、既にベッドが整えられている。
悩んだ様子のジュリアンを心配したのか、
アンが果実のジュースを作って持ってきてくれた。
「……ありがとう、アン」
まだ幼さの残る小さなメイドが、短い黒髪の頭を下げる。
今年入ったばかりの新米でジュリアンより2、3歳年下のはずだ。
彼とて背の高い方ではないが、小さな体でパタパタ忙しく動き回る
アンを見ていると、何となく微笑ましく思ってしまう。
「しかし姉ちゃんにも困ったもんだよ……」
「そ、そうなんですか?」
他に言う相手もいないため、ついアンにこぼしてしまう。
「恋人もいなくて、僕にばかり構ってくるんだもん。
 やれ乗馬だの、やれ買い物だの、結構疲れるんだよ?
 そのたびにこっちは好き勝手な姉ちゃんに付き合わされてさ」
「はあ……」
「今回の話だって、相手は公爵家なんだから大したもんじゃないか。
 うちみたいな端くれ貴族にはもったいないくらいだよ」
聞いているアンも返答に困った顔をしていた。
415名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:26:27 ID:grxyWY7D
嫌がるエリザベートだったが、縁談の話は急速にまとまっていった。
何でも舞踏会で一目惚れしたとかで、
向こうの公子がどうしてもと強く言ってきているのだ。
伯爵家でも反対の声をあげるのは本人だけで味方はいない。
一月ほどして、とうとうエリザベートの輿入れが本決まりになった。

「あ〜ん、ジュリアン〜っ !!」
弟を抱きしめて涙を流すエリザベート。
「……ま、まあ仕方ないよ。結婚しても姉ちゃんは姉ちゃんでしょ?
 またいつでも戻っておいでよ」
心にもない慰めは、もちろん姉を感動させはしなかった。
「はあ……やっぱりあなたも、私を厄介払いしたいのね。
 私はこんなにあなたを愛しているのに……」
「――むっ !? ん……む……」
突然唇を奪われ、ジュリアンは目を白黒させた。
いつもより力強く濃厚なキスに呼吸が苦しくなる。
たっぷり1分ほど唇を貪られ、やっと彼は解放された。
「……見てなさい。絶対何とかしてやるんだから。
 私がこのまま終わると思ったら大間違いよっ !!」
拳を握り締める姉にかける言葉は、思いつかなかった。
416名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:26:57 ID:grxyWY7D
――キラリ……。
まさしく、そんな音が聞こえてきそうなきらめきだった。
日の光に照らされた銀の糸が幾筋も宙に舞い、
見る者は妖精の機織りではないかと錯覚してしまうほどだ。
「――ふむ……」
輝きの主、美しい銀髪の少女が言った。
「お話はよくわかった。わたくしの力ならば容易い事だが、
 貴女は本当にそれでいいのか?」
幼い鈴の音の声に似つかわしくない、大人びた口調である。
王家の威厳を目の当たりにし、エリザベートは戦慄した。
「……はい、構いません。
 ぜひ、王女様のお力を貸して頂きたいと――」
「そうか、ならばやってみせよう」
心なしか少女は喜んでいるようだった。
秘められた魔術の力を久々に発揮できるのだ。
なぜこの美しい王家の娘が、怪しげな魔導などに通じているのか。
エリザベートには知る由もなかったが、今はこの王女を頼るしかない。
「――では、その者をここへ」
既に連れてきている。娘は王女を前にしてガチガチに固まっていた。
事情も知らず連れてこられたのだが、彼女の知った事ではない。
何も知らない娘を、エリザベートはためらいもなく王女に差し出した。
417名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:27:33 ID:grxyWY7D
日がのぼり、傾き、沈み、そしてまたのぼる。
気の遠くなる昔から続いている、一日の流れだった。
そして今は――日がのぼったところだ。また平穏で退屈な一日が始まる。
そろそろ起きないといけないな――。
ジュリアンはまだ大部分寝ている頭で、ぼんやりとそう考えた。
――くちゅ……ぴちゃ、くちゅ……。
何だろう、とても気持ちがいい。
温かくて柔らかい何かが口の中を優しくなで回している気がする。
くちゅくちゅという音と共に甘い液体が彼の中に入ってきて、
それを飲み込むとジュリアンの乾いた喉が歓喜の声をあげた。

「ん……?」
薄目を開けるといつもの天井ではなく、
大きな影が視界を覆っているのに気づいた。
あまりに近すぎてわからなかったが、それはいつも見慣れた顔だった。
(ああ、アンか……)
可愛らしい黒髪のメイドの少女が彼に覆いかぶさり、
唇を塞ぎ熱い舌をジュリアンの口中で蠢かせている。
先ほど飲み込んだ液体は、どうやらこの少女の唾液らしい。
(ああ、アン、とっても温かい――)
……。
…………。
………………。
418名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:28:08 ID:grxyWY7D
「――ぶはあっ !!?」
あまりにも唐突に、ジュリアンが跳ね起きた。
その勢いでアンは吹き飛ばされ、床に尻餅をついてしまう。
「……痛〜い……」
「な、ななな、何してるんだよアン !!」
白い顔をこの上なく真っ赤に染めてジュリアンが叫ぶ。
「ああ、起きたのね。
 キスくらいで慌てちゃって、ホントに可愛いんだから」
少女はニヤリと笑い、主人の少年に言った。
いつもの遠慮がちで内気な様子はどこにもなく、
腰に手を当てて偉そうにこちらを見上げていた。
「――だから何で、こんな事するんだよっ !!」
相手を指す手がブルブル震え、真っ直ぐに向かない。
アンはそんなジュリアンを鼻で笑ったようだった。
「だって、今の私はあんたのメイドでしょ?
 朝、起こしてあげるのは当たり前の事じゃない」
「それで何でキスなんだよ !?」
「……おかしいわねえ。昔ならとにかく、ここ最近は
 キスくらいで文句言われた覚えがないんだけど……。
 あんた、ひょっとしてまだ寝ぼけてる?」
「―――― !?」
年下のメイドの失礼すぎる物言いに返す言葉も思いつかず、
ジュリアンは真っ赤になってアンをにらみつけた。
「まあいいわ、とりあえず顔洗ってきなさい。朝食の時間よ」
419名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:28:55 ID:grxyWY7D
伯爵家の朝食には家族全員が揃う。
この日も父と母、それにジュリアンがテーブルに着いた。
今までは姉のエリザベートも同席していたのだが、
先日公爵家に嫁いでしまったため今は三人しかいない。

「――はい、あ〜ん」
「…………」
こちらに向けられるスプーンにジュリアンが言った。
「あのさあ……アン……」
「何よ? 早く食べなさいよ」
「何で、僕が、君に、ご飯を、食べさせて、もらうのかな?」
「そんなのいつもの事でしょ。ほら口開けて」
当然のように言い放つ小柄なメイド。
もちろん彼はアンに食事を食べさせてもらった覚えは絶対ない。
いつもは嫌がる彼に姉のエリザベートが――。

「……わかったわかった。やり方が気に入らないのよね?」
そう言い、アンはスプーンを自分の口に運び咀嚼すると、
ジュリアンの唇に自らのそれを重ねた。
「――――っ !?」
口移しで入ってくる柔らかい肉の感触に、彼はアンを突き飛ばす。
「――やめろっ !!」
420名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:29:26 ID:grxyWY7D
再び尻餅をついて、アンはこちらを見上げてきた。
目は細くなり、静かな怒りを込めてジュリアンをにらみつけてくる。
「……何するのよ、ジュリアン」
「何って、おかしいだろ、アン !?
 今日は一体どうしたのさ、いつものアンじゃない !!
 おかしいよ、全部おかしい !! 全部だ !!」
彼は呼吸も忘れてまくし立てた。

だがアンはまた唇の端を吊り上げ、笑顔を彼に返す。
「うーん、やっぱりわからないか。まあ当然よね」
「――何がだよ !? 一体何なんだよ !?」
「それじゃあ、お父様に説明してもらいますか」
「父さんに……?」
ずっと二人の様子を見ていた両親に、アンは視線を向けた。
伯爵は先日と全く同じ、困った表情を浮かべている。
「あー……それがな、ジュリアン」
「はい」
「実は、お前に許婚ができた」
「……はい?」
唐突な重大発言に目が点になる。
421名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:29:54 ID:grxyWY7D
ジュリアンは父親に食ってかかった。
「――許婚 !? そんな話聞いてませんよ !!」
「うむ、ついこの間決まったばかりだからな」
怒鳴り続ける息子に対し、両親はあくまで平静を装っている。
「エリザベートも望まぬ相手と結婚させられたのだ。
 お前も伯爵家の跡取り、覚悟していなかった訳でもあるまい」
「……確かにそうですが……。
 で、誰なんです、その許婚とやらは」
先日パーティで仲良く話した子爵令嬢だろうか。
それとも従姉妹で歳の近いイネスだろうか。

「それがな、お前の隣にいる」
「え……?」
とっさに反応できず、何気なく横を見るジュリアン。
そこには小柄な黒髪のメイドがニヤニヤと彼を見つめている。
「という訳で、今はまだ許婚 兼 専属メイドだけど、
 何年かしたら私があんたの奥さんになるから。
 いやあ、あんたも国一番の幸せ者よねえ」
「………………」
絶句するジュリアンに、穏やかな伯爵の声が聞こえた。
「そういう訳だから、朝食を続けようか」
「何でだぁあああぁあっ !!!!」
422名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:30:35 ID:grxyWY7D
猛烈なジュリアンの主張により、食事は自分の手でとる事ができた。
もちろん給仕はエプロン姿の黒髪の少女だったが。
「あんた、まだ気づかないの?」
「――何がだよ」
カップにお茶を注いでくれるメイドに聞き返す。
それを受けて伯爵が続けた。
「それがな、実はそれエリザベートなのだ。実の姉と結ばれるのは
 嫌かもしれんが、体はアンに間違いないから安心してくれ」
「――な、ん、だって !?」
血圧の急激な上昇でジュリアンは気が遠くなった。

「……それでね、王女様に体を入れ替えてもらったのよ。
 だから今は私がアンで、アンが私ってわけ」
「…………」
説明を聞いて、少年は頭を抱えていた。
王女が魔導に通じているというのは公然の秘密だったが、
まさかこんな事が現実に起きようとは思ってもみなかった。
「――これでうちは公爵家に繋がりができるし、
 私は晴れてあんたと結婚できるし、万々歳ね」
「…………」
423名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:31:05 ID:grxyWY7D
頭痛がする。
いつからだっただろう。
幼い頃、浴場で姉に全身を舐め回されたときだったか。
好きだった子の目の前で姉にディープキスをされたときか。
夜這いされ、全裸の姉に一晩中抱き締められたときだろうか。
「……う、うう――」
生まれた時から、姉の好意は感じていた。
その感情が姉弟の関係を超えたものだとも、薄々気づいていた。
だが名ばかりとはいえ伯爵家、やがて姉はどこかに嫁ぎ、
自分も適当な貴族の令嬢を妻に迎えるはずだった。
「――はあ……」
結局、出るのはため息だけだ。

「てことは、アンが姉ちゃんの代わりに嫁入りしたのか……」
婚礼を前に泣き喚くエリザベートの姿が蘇る。
『――ち、違います !! あたし、結婚なんて…… !!』
「アンに可哀想だと思わないの? 姉ちゃん」
「別に? 絶世の美女の私の体で公爵公子のお嫁さんになって、
 平民の娘には身に余る光栄じゃない」
「身勝手とは思わないの !?」
「――その身勝手で、私は結婚させられたのよ?」
「…………!」
424名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:31:33 ID:grxyWY7D
アンが黒い瞳でジュリアンを見据えて言う。
「私は体を公爵家に差し出す。あんたは妻の座を私に差し出す。
 ほら、姉弟で平等じゃない。まさか人には結婚しろって
 言っといて、自分だけ嫌とは言わないわよね?」
「…………」
長い会話の末明らかになったのは、
もう自分に逆らう余地は残されていないという事だった。
両親も承知している以上、話は決まったも同然だ。
姉の心が入ったこの年下のメイドを、許婚に迎えるしかない。
やがては正式に妻にし、ベッドで交わり、何人も子を作るのだろう。
だが彼の中では冷たい風が吹き続け、
長い冬が永久に終わらない事に心が凍りついていた。

「――わかったら、こっち向きなさい」
上機嫌のアンに言われ、逆らう気にもなれずそちらを見やる。
今にも触れそうな距離に、黒い瞳の年下の少女の顔があった。
「ん……」
そのまま唇と唇が触れ合い、たっぷり唾液の混ざった食物が
舌と共にジュリアンの口内に送られてくる。
――ごくん。
今度は拒絶せず、熱い塊が喉を通過する。
「……はあ……」
少女の味は、いつもの食事よりも少しだけ酸っぱかった。
425名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:34:27 ID:grxyWY7D
以上となります。
今回はエロ控えめという事で少々物足りないかもしれません。
でも、たまには姉萌えやメイド少女もいいですね。
お答えできるかはわかりませんが、
またリクございましたら是非どうぞ。

本日はこれにて失礼致します。ではでは。
426名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:55:14 ID:H0NxeWrT
GJです!

翻弄される弟君よかったです。

あと、リクとして

幼馴染の恋人と

暴走族総長(不良)の女の
入れ替わりなんて
どうでしょうか。
結果的には総長の女が二人になる方向とかで
ひとつお願いします。
427408:2009/02/21(土) 00:06:22 ID:eHvTU4m3
は、はやっ! まさかリクした当日に書いてもらえるとは…
しかも俺の大好きなキモ姉風味で、年下のお姉ちゃんがメイド…だと…?
何気に前々作の設定も生かしてるし、もはや神という他ないです。
ありがとうございました!
428名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 00:34:57 ID:meW033TQ
こういうSSはじめてみたけど、ギャップ見たいのが良いね。
GJです。

几帳面な女性と、部屋も汚くだらしない不潔な女性
が入れ替わって無理矢理相手を演じさせられ・・・(ry
のようなものを、ひっそりとリクしてみます。
429名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 00:35:35 ID:Er7Y4jTl
>>104さん
今回もいいですね。王女様の話と繋がってるのが良いね。
シリーズものにも出来そうな感じですね。

リクエスト募集とのことなので、リクエストさせてもらいます。
容姿にギャップのある二人が
入れ替わった後、元の身体の服装をしたり
元の自分風に改造していくミスマッチ感が
ある作品が読みたいです。

入れ替わりものと言うのは、大概入れ替わった後の体の特徴に
振り回されたりしてそのまま完結してしまうのが多いですが
派手な女の子が、真面目な女の子の体になって
その体を派手目に改造していくとかそんな感じです。

かなり無理な要求で申し訳ないですが、気が向いたらお願いします。
430名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:01:30 ID:TXkC/Y5j
今日も眠いぞ>>104です、こんばんは。

沢山のリクありがとうございます。
今回は>>429さんの案で一本書いてみました。
でも ぜんぜん エロく ありません。
431名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:02:10 ID:U4L4VMfw
部屋の壁は白く明るく、穏やかな静寂で満たされていた。
聞こえるのは若い女のなめらかな声のみ。
「――そして主はこうおっしゃいました。『三千億の悪魔に三度、
 世界が滅ぼされようと、わたしは三度、世界と人間を
 創り直すだろう』と」
「…………」
あくびを必死でかみ殺し、気のない視線を宙に向ける。
優雅な長い銀髪が光を反射して輝く帯を形作った。

「……姫様 !!」
突然の大声に思わずビクリとし、
オリヴィアは座ったまま声の主を見上げた。
「――あ、ああ。どうした」
「どうしたじゃありません !!
 ちゃんと私の話を聞いてらっしゃいますか !!」
「うむ、聞いているぞ」
「いいえ、嘘をおっしゃらないで下さい !!」
女の勢いに押され、座ったまま後ろに下がる。
椅子が傾き、王女は慌てて姿勢を立て直した。
432名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:02:31 ID:U4L4VMfw
妖精のように可憐な、小柄な少女である。
幼いながらも高貴な顔立ちを不満そうにとがらせ、
大声をあげる女を見つめていた。
「どうしたというのですか !!
 以前はあんなに真剣に、お勉強に取り組んで
 下さったのに、最近たるんでらっしゃいます !!」
立ったままで女は怒鳴り続ける。
オリヴィアほどではないが長い金髪を顔の横で二つに編み、
優美だがややきつめの顔は怒りで真っ赤になっていた。
ゆるやかな紺の修道衣で体型はわかりにくいが、
体は細く肉づきもあまり良くないようだ。
普段の禁欲的な生活が、見た目からもうかがえる。

「落ち着け、シスター・エリア」
「これが落ち着かずにいられますか !!
 私は姫様の教育を陛下から仰せつかっている身、
 ちゃんとお勉強していただかねば困りますっ !!」
「わかった、わかった――」
結局、散々お説教をされたオリヴィアだった。
433名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:02:58 ID:U4L4VMfw
……真円の黄金が天に輝いている。
太陽には及ばぬまでも夜を照らすまばゆい光。
豪奢な寝室の窓辺で、オリヴィアは静かに夜空を見上げていた。
彼女は知っている。陽には陽の、陰には陰の役割があることを。
「――姫様の姿であっても、わたくしは魔導に生きる者。
 今さら神の教えを受ける事はできぬ……」
誰にともなくつぶやく。
脳裏に浮かぶのは自分を怒鳴りつけるあの修道女。
あの娘をこのまま放置するのはオリヴィアの矜持が許さなかった。

「……神は何もしてくれぬ。この世を支配するのは剣であり魔。
 わたくしはそうやって力と、この姿を手に入れた」
触れればガラス細工のように壊れてしまいそうな繊細な手で、
これも妖精が編んだ銀織物と見紛う白銀の髪を撫でる。
いずれも、自分の生と共に与えられたものではなかった。
彼女の、いや彼自身の力によって奪い取ったものだ。
この体の魂は卑しい娼婦の体に封じ込められ、今はどことも知れぬ。
ひょっとすると、もうこの世にいないかもしれなかった。
「――そうだな、それがいい……」
何かを思いついたように、整った可愛らしい口をニヤリと歪める。
「……フフフ、クックックック……」
オリヴィアの邪悪な高笑いが聞こえた者は誰もいなかった。
434名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:03:21 ID:TXkC/Y5j
満月の下、街も喧騒が消える夜更けを迎えていた。
やがて夜が明ける。酒場も娼館も店じまいの時間だった。
一日で最も冷える頃合だが、慣れてしまえばどうという事もない。
「――ふう」
彼女は口元に杯を傾け、残りの酒を一気にあおった。
短く切り揃えられた、炎のように真っ赤な髪はこの国では珍しい。
若々しい肌も濃い褐色で、普段からよく人目を引いている。
「今日もお疲れ様でした、ローズさん」
テーブルの向かいに座った女がローズを労う。
彼女と同じくらいの短い栗毛の髪を持つ、化粧の薄い女だった。
かなりの美人である。ここで働く女なら当然の事だったが。

「……ふん」
大きな胸を強調するようにゆさゆさ揺らし、相手を見る。
――くそ、やっぱり負けてやがる。
栗毛の女が持つローズ以上の爆乳を見つめて、彼女は心の中で吐き捨てた。
ローズと違って向かいの女は飲んではいないようだ。
考えてみれば、こいつが酒を口にする所を見た事がない。
435名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:03:45 ID:U4L4VMfw
「……あんたは不思議な女だよ、ハンナ」
沈黙がどうも気まずくなって、ローズは言葉を続けた。
「そんだけ男を惹きつけるカラダを持ってる癖に、
 話してたら何でかわかんないけど、
 ちっこいガキに思えてきちまうんだよね。
 それもその辺の悪ガキじゃない、どっかのお嬢様みたいだ。
 真っ直ぐで賢くて、そう……純真、って言うのかね」
彼女もこの道に生きる女、ハンナに対抗意識がない訳がないが、
この娼館の人気ナンバー1であるこの女を見ていると
なぜかそんな事がどうでもよくなってしまうのだ。

「ひょっとしてあんた、貴族のお妾さんか何かだった?
 いや、何となくそんな気がしたんだけどね」
「――いいえ」
問われて、栗毛の娼婦は首を振った。
「わたくしは、ただの商売女ですわ。
 ……それも、とっても卑しくて下品な――」
やや下を向いたその整った顔は、少し寂しそうに見えた。
「――そうかい」
それ以上は深く追求せず、ローズは手の杯をもてあそんだ。
娼館の女には、裏話の一つや二つ当たり前である。
無理に聞く必要もない。ましてや競争相手なのだから。
「じゃ、お疲れさん」
「……ええ、ではまた」
436名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:04:07 ID:U4L4VMfw
満月が西に傾く中、ローズは一人で歩いてゆく。
この時間は人もほとんどおらず、必ずしも安全ではないが、
いつもの事であるので特に気にはならなかった。
褐色の熟れた肉体も、今はコートに包まれ見る事ができない。
コツ……コツ……。
ハイヒールの音だけが明け方の近い通りに響く。

「――――?」
と、その音が突然途絶えた。
かがり火と満月が、道の向こうの人影を照らし出している。
「……誰だい?」
こちらを向いて立ち止まっているその小柄な影に、
ローズは用心深く問いかける。
「娼婦か」
――さらり、と影から伸びる髪が風に揺れ、
月の光を映して金に銀にときらめいた。
おとぎ話に出てくる妖精を思わせる、美しい少女だ。
「ちょうどいい、お前にしよう」
「? おいおいお嬢ちゃん、こんな時間に危ないよ」
とても子供が一人歩きする時間ではない。
しかも相手が着ているのは高そうな純白のドレス、
まるで誘拐して下さいと言わんばかりである。
437名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:04:43 ID:TXkC/Y5j
「…………」
少女はローズの言葉を聞いていないのか、
一人でうなずきつつこちらを見つめている。
自分がおとぎの国に迷い込んだような錯覚に陥り、
彼女は白いドレスの少女をにらみ返した。
「……何だってのさ」
訳がわからない、という顔である。
だが、銀髪の妖精はこちらを見つめたまま動かない。
――疲れてるのに、こんなガキと関わってられるか。
ローズは再び歩き出し、少女の横を通り抜けようとした。

異変が起きたのはその時である。
「―――― !?」
突然、影の中から現れた黒い煙に驚くローズ。
こちらに伸びる漆黒の気体は、まるで意思を持つように
彼女の豊満な肉体に絡み付いてくる。
「……な、何だいこりゃあ !!」
得体の知れないガスに危険を感じ逃げようとするが、
既に煙はローズの口や鼻に入り込んでいた。
(う……)
傾く視界に、薄れゆく意識が重なる。
糸を失った人形のように、彼女の体がくずれ落ちた。
438名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:05:04 ID:TXkC/Y5j
朝に寝て、昼過ぎに起きる。
それが今のハンナの生活だった。
――ドン、ドンドン……。
「ん……」
激しく叩かれるドアの音に目を覚まし、寝床から起き上がる。
一筋の栗色の髪がうなじにかかり、唾を飲むほど艶かしい。
狭い部屋だが、女一人には充分な広さだろう。
最低限の家具しかない殺風景な空間に、
卓上に置かれた花瓶の花が唯一の彩りを添えている。
「はい――?」
濃いピンクのネグリジェの中では巨大な双丘が、
ぶるぶると下品に揺れる。
長い生足を露にしたままでハンナは戸口に立った。

「――ハンナぁっ !!」
「きゃあっ !?」
ドアを開け、飛び込んできた女に押し倒される。
ハンナの寝ぼけた瞳には、若い金髪の女が映っていた。
ゆったりとした紺の衣が、神に仕える清らかな娘である事を示している。
その、ややきつめの美しい顔立ちに、彼女は見覚えがあった。
いや、それどころかとても懐かしい――。
「……シスター・エリア !?」
439名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:05:27 ID:TXkC/Y5j
あまりの事態に取り乱したが、エリアを家に迎え入れ
ハンナは少しずつ話を飲み込み始めた。
「……では、あなたはシスター・エリアではなく、
 ローズさんだとおっしゃるのですね」
「そうなんだよぅ……」
半泣きの顔でうなずく修道女。歳はハンナより少し下くらいだが、
年齢では説明できないほどの体格の差が二人にはあった。
ぺたんと平らな修道女の胸の真向かいには
肩こりを起こしそうな大きさの、形のいい爆乳が鎮座している。

「夕べ、帰ろうとしたら、変なガキに会って……
 いきなり眠くなって、起きたらこのカッコで城の中にいたんだ。
 鏡見てもまるっきりアタシじゃないし、
 それで、訳もわからず逃げ出して、ここに……」
途方に暮れた声で言う。
「そうでしたか……」
彼女が見た銀髪の少女とは、まさか自分の体だろうか。
だが深夜に王女が一人で抜け出すとも思えない。
そしてシスターと入れ替わったローズ……。
いくら賢いとはいえ、幼いハンナの頭には手に余る難題だった。
もちろん彼女は、魔導師が自分の肉体を使っている事など思いもよらず、
あのままハンナが王女を演じているものと思っている。
440名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:05:50 ID:U4L4VMfw
「うう……アタシどうしたら―― !!」
彼女の目の前でシスターはわんわん泣き出した。
いつも厳しかったエリアのそんな姿を見るのは
新鮮な体験だったが、笑い事では済まされない。
いわば、彼女も自分と同じ被害者という訳だ。
「ローズさん、泣かないで下さい。きっと元に戻れますわ」
根拠などまるでないが、今はそう言うしかなかった。

「だって、だってだって……」
エリアは泣きながら修道着を脱いだ。
白く清潔そうなブラとショーツが露になる。
「……ほらこの胸……ぺたんこじゃない……。
 お尻も薄くて使い物になんないし……。
 処女膜あんだよこの歳で !! 信じられるっ !?」
「は……はあ……」
自分にも他人にも厳しい禁欲的なシスターだ。体は痩せ、
女としての魅力はハンナとは比べ物にならない。
441名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:06:10 ID:U4L4VMfw
「何でアタシがロザリオなんて
 持って歩かなくちゃいけないんだよう……うう……」
「お、落ち着いて下さい――」
「……落ち着けだってえ?」
険悪な眼差しがハンナに向けられる。
「あーあ、あんたはいいわよねえ。こんなデカい胸しててさ」
「……きゃあっ !?」
泣きながら掴みかかってくるエリアを止める事もできず、
ハンナはしばらく体をいじられ続けた。

とりあえずエリアは自分の、ローズの家に帰った。
だがもちろん娼館で働ける訳もなく、しばらく休む事になる。
「本物のシスター・エリアはどこに行ったのかしら……」
ハンナは心配したが、娼婦の体をした修道女は
夜の街にも娼館にも、どこにも姿を現さなかった。
442名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:06:34 ID:TXkC/Y5j
……シスター・エリアがいなくなった。
その知らせにオリヴィアは人知れず笑い声をあげ、、
娼婦と入れ替わった哀れな修道女を嘲った。
「ククク……」
優美な口元を邪悪に歪め、王女が微笑む。
「これであの女も、姫様と同じく娼婦の仲間入りという訳だ。
 卑しい生活の中、神の救いなどない事を思い知るがいい……」
話によると、娼婦の魂が入ったエリアは明け方、
自分から城を出て行ったらしい。
大事な仕事を放棄したあの女はクビとなり、
オリヴィアの教育係には代わりの者が来るはずだ。
小憎らしいあのシスターでなければ誰でもいい。
「クックック……ハッハッハッハ……!」
繊細な長い銀髪をなびかせ、オリヴィアの高笑いは続いた。
443名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:07:00 ID:TXkC/Y5j
数日した昼過ぎ、買い物に行こうとハンナが身支度をすると、
またしてもエリアがやってきた。
「ローズさん…… !?」
あまりの驚きに、栗毛の娼婦が声をあげる。
「……へへ、やっぱりアタシはこうでなくっちゃね」
硬そうな黒い革のブーツと、大きな毛皮のコートを
身に着けた修道女がそこにいた。
ゆるく曲線を描く口には濃いルージュがひかれ、
大きく前の開いた、布地の少ない黒の衣装からは
発育の悪い貧相な胸がのぞいている。
以前の清楚なシスター像とはほど遠い、けばけばしい
ド派手な格好をしたエリアに、ハンナの口が塞がらない。

ハンナは彼女を家に上げ、再び茶を振舞った。
「――という訳でね」
へそを丸出しにした修道女が言う。
「また、店に戻る事にしたのさ」
444名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:07:24 ID:U4L4VMfw
「――え !?」
驚きの増した叫びをハンナはあげた。
この姿になった理由はわからないが、今までずっと娼館で
やってきた自分が修道女などできるはずがない。
いくら細く痩せていても若い女の体には違いなく、
頑張れば何とか今までの仕事をこなせるだろう。
「――ま、一からやり直しって訳さ。
 客も減るだろうけど、何とかするさね」
「はあ……」
今まで勉強を教えてもらった、厳しい堅物の修道女に
娼館の仲間になると言われ、複雑な表情をハンナは浮かべた。
だが、この様子では止めるだけ無駄だろう。
痩せてはいるがエリアは充分に美人だったし、
いつ元に戻れるともわからない。
ハンナのように、ずっとこのままかもしれないのだ。

「……わかりました。
 それでは、これからもよろしくお願い致します」
「あいよ、じゃあ早速出かけようか」
「どこにですか? お仕事にはまだ早いですれけど」
意外そうに聞き返すハンナに、
金髪の修道女は営業用の笑顔を浮かべてみせた。
「――男を引っ掛けにさ。さっさと初めてを済ませておかないとね」
445名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:07:47 ID:U4L4VMfw
ドアをノックする音に、オリヴィアは顔を上げた。
読んでいたつまらぬ書物を放り出して扉に向かう。
「……姫様」
侍女だった。新しい教育係が決まったので呼びにきたという。
「わかった、すぐに行く」
見かけは平静を装っていたが、内心では笑いが止まらなかった。
あの忌々しい教育係が、今は娼婦として
夜な夜な女を売っていると思うと、にやけずにはいられない。
新しい教育係もどうせくだらぬ退屈な輩だろうが、
偉そうに自分を怒鳴りつけるあれに比べればまだ我慢できるはずだ。
王女はにこやかに微笑んで勉強部屋に向かった。

「――はじめまして、オリヴィア様」
「な…… !?」
頭を丁寧に下げる修道女を見て、王女が驚愕する。
「このたび、姫様の教育係となりましたシスター・ローズです」
シスターはそう言い、燃える頭を上げた。
そのはずみで、豊満な一対の球体が修道着の胸元で揺れる。
顔を見る。濃い褐色の肌はこの国では珍しいが、充分な美人と言える。
紅もつけていない口を一文字に引き絞り、ニコリともせず
堅物そのものという雰囲気でこちらを見つめていた。
446名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:08:27 ID:U4L4VMfw
「私、この間まで卑しい娼婦だったのですけれど――」
真面目な口調でローズが話す。
「このままではいけないと、教会に行き神におすがりしたのです。
 以前、神学を学んでおりましたため、
 幸いにも司教様のお目に留まり、分不相応にも
 姫様の教育係という大任を仰せつかりました」
「そ、そうか――」

馬鹿な。そんな馬鹿な。
ローズの話に相槌を打ちつつ、オリヴィアは密かに戦慄していた。
彼女の計画では、今頃この女は下賤な商売女として、
よがり声をあげながら男に抱かれているはずだった。
想像もできなかった事態に、王女の美しい銀の髪が震え
力なく白いドレスに垂れ下がる。
「既に前任の者よりお話は承っていますのでご安心下さい」
「う……」
「姫様には、特に神学を念入りに勉強して頂きます。
 では早速、教典をご用意下さいませ」
地獄の再来に、オリヴィアの白い顔から血の気が引いた。
「――ほら、早く !!」
「なぜだぁああぁあっ !?」
少女の鈴の音の悲鳴が、空しく城に響き渡った。
447名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:12:09 ID:U4L4VMfw
以上となります。

うーん……濡れ場がありませんねえ……申し訳ありません。
今回は立場と容姿のギャップに重点を置いたのですが、
やはり年齢差のある入れ替わりが私にとっては一番書きやすいようです。
またリクございましたらどうぞよろしく。

では今日はこれにて。はいちゃっ
448名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:14:38 ID:zVTbbxjd
GJ!
ちょ、これ魔導師萌え話じゃwww
449名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:49:40 ID:JJlC+OCk
いいねいいね
確かにエッチシーンはないが
代わりに魔導王女様に萌えたから充分だよ
また登場させてほしい
GJ!
450名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 01:03:44 ID:u+nHjZU5
シリーズ化か!?
続編期待ですな!
451名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 19:16:35 ID:hVmz+9Nt
>>104
429です。こんなすぐリクエストに応えていただけるなんて
思ってみなかっただけに、びっくりです。
103さんはサキュバスの話と言い
どんどんストーリーが広がっていくのが魅力ですね。

その後の二人がどうなっていくかも少し気になりますね。
452名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:59:53 ID:Uu46m8sy
GJです
シスターの精神力すげー
どこぞの姫様とは大違いだw

それにしても首のすげ替えとかも面白いな〜
その能力で女子高を牛耳ってる女が服を着替えるように体を変えていくとか

「あっ、今日はあなたの体にしようかしら」

「え、そんな、返してください、今日は彼氏と・・・、はっ!」

「へ〜彼氏とね・・・、どれどれ、あら、この体、経験がないのね、これじゃあ痛いわよ、いい体に付け替えてあげる」

「ひぃい、ああああっ、な、なにか入ってる」

「どうやらバイブ入れてたようね、でもその体なら、拳を入れたって気持ち良いし、乳首にもあそこにもピアスがいっぱいでおしゃれよ、彼氏もきっと喜ぶわ」

みたいなのが頭に浮かんだw
453名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:12:22 ID:U4L4VMfw
こんばんは納豆嫌いな>>104です。
すげかえと聞いて飛んできました。

今書いてるのが
@いつもの少年のすげかえ話(教師編)
Aキモ姉再び
の二本なんですが、どちらを先に完成させたものか…
で、最初にご要望のあった方を投下してみようと思います。
申し訳ないですが、できたらレスをお願いしたいところです…
454名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:30:00 ID:/ngNcypk
Aキモ姉再び
希望ですね

今日中になんとかならないでしょうか笑
455名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:30:56 ID:/ngNcypk
452さんみたいな話希望
456名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:31:50 ID:xCvTUPBr
書いてきました>>104です。
結構かかってしまい、申し訳ございません…。
しかも慌てて書いたのであいたたた、かもしれません。



という訳で投下です。キモ姉メイド、再び。
457名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:32:28 ID:xCvTUPBr
穏やかで、少々眠たくなってくる昼下がり。
しゃべる時の癖だろうか、眼鏡を手で押さえ、女が聞く。
「……ではジュリアン様、この『陛下』とは
 どなたを指していると思いますか?」
「えーと……」
問われ、彼は必死で記憶の土を掘り起こしたが、
目当てのものを発掘する事は出来なかった。

「ではアントワネット様、ご存知ですか」
屋敷の外の人間は、この少女の事をそう呼ぶ。
「はい、この時代に王の座にあったエドモン四世です」
「よろしい」
にこりと上品な笑みを浮かべるアン。
小柄な体とは対照的な大きな瞳がくりくりと可愛らしい。
「…………」
ジュリアンが何気ない視線を向けると、
少女は一瞬だけ、勝ち誇った表情で口を動かす。
――当然よ。
そう言っているようだった。
458名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:33:00 ID:xCvTUPBr
「ふう……疲れた」
自室のベッドにゴロンと転がり、彼は息をついた。
その背中にアンの叱り声がかかる。
「――なに疲れてんのよ。まったく、あんな問題も
 わからないなんて、こっちが恥ずかしいわ」
「僕は文学が苦手なの、姉ちゃんも知ってるだろ !?」
「男だったら文句言わないの。
 私を見なさい、何でもパーフェクトじゃない」
「う……」

姉は昔から何でもできた。稽古事や学問だけでなく、
剣や乗馬すらその辺の男など比べ物にならない。
それがまたジュリアンが逆らえない理由でもある。
「――ほら、今お茶入れてあげるから起きなさい」
アンは白いエプロンを身につけ、カチャカチャと用意を始めた。
掃除、洗濯、ベッドメイク、お茶くみ、少女は一人で何でもこなす。
「今の私はあんたの専属メイドだからね。
 こんなのできて当然よ、と・う・ぜ・ん。ホホホ」
甲斐甲斐しく世話をしてくれるアンの姿を見ていると、
なぜか逆にため息の出てしまうジュリアンであった。
459名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:33:23 ID:xCvTUPBr
ジュリアンは伯爵家の長男、やがては爵位を継ぐ身である。
貴族らしい見事な金髪碧眼に線の細い整った顔立ち。
やや頼りないところもあるものの
優しく真面目な性格で、将来有望な貴族の少年だ。
今年で17歳になり、年下ながら許婚もちゃんといる。
しかし、その許婚が最大の問題であった。

――ゴシゴシ、ゴシゴシ。
座ったまま、布で強く背中をこすられる。
湯気で満たされた空間は暑く、
水分が肌から噴き出す感覚が心地よい。
「はい、前向いて」
今でもアンは彼を子供扱いする。
彼女が姉でなくなり、メイド兼許婚になって二年が経つが、
それが変わる事がなかった。
胸や腹を丁寧にこすられる感覚にくすぐったくなり、
ついアンの手から逃げようとしてしまう。
「こら、じっとしてなさい!」
と、少女に叱られる。
460名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:34:18 ID:xCvTUPBr
アンは一糸まとわぬ姿で、温かな白い肌を晒していた。
結んでいた長めの黒髪も今は垂らし、
濡れたひとふさが胸に張り付いている。
平らだった胸もこの二年で少しは大きくなり、
小ぶりながらもぷにぷにとした柔らかさが見てとれる。
あれからこの少女とは、毎日一緒に風呂に入っているが
アンの肉体がだんだんと色気づいてきている事に彼も気づいていた。
だが必死に肉欲を抑え、平静を装う。
この少女のこと、言えばこっちが押し倒されるのは間違いない。

「――ふう……」
垢を落とし終わり、ジュリアンは湯船で快い息を吐いた。
この辺では貴族や富豪にしか許されない贅沢ではあるが、
湯につかるというのは実に気持ちがいい。
ぴとりと背中に張り付いた裸の少女がいなければ。
「…………」
もはや何の感情も込めず、無機質な視線をアンに向ける。
だがアンは、何かを勘違いしたらしい。
笑みを浮かべ、湯船の中、力一杯抱きついてきた。
(――ああ、柔らかいなあ……)
半ばのぼせた頭で、少年はぼんやりとそう思った。
461名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:34:44 ID:xCvTUPBr
アンはジュリアンの許婚で、確か体は15歳だったか。
わざわざ「体は」とつけたのは、この少女の体には
別人の魂が入っているからだった。その名はエリザベート。
幼い頃からジュリアンの面倒を見てきた姉である。

だが、エリザベートの弟に対する愛情は常軌を逸していた。
家でも外でもジュリアンについて回り、彼に近づく者は
男であれ女であれ、容赦なく彼女の剣のサビとなった。
事あるごとに弟を抱きしめ自由を奪い、着る物から食べる物、
靴下ひとつに至るまで姉が選んで与えるのだ。
ジュリアンも薄々姉の異常さに気づいていたが、
小さな頃からこの才色兼備の姉に抑えつけられていたため
今さら逆らう気も起きず、黙って服従するしかない。
何しろ、剣であれ学であれ、彼が勝てる要素がないのだから。

しかしそんな姉も、突然舞い込んできた縁談話によって
家を出る事が決まり、ジュリアンは生まれて初めて
姉の手から解放されるはずだった。
だがそれに対してエリザベートが打った手も、また常識外れだった。
メイドの一人と体を入れ替え、血の繋がっていない娘として
ジュリアンの許婚になるというのである。
彼が反対する間もなく、彼女は父を説き伏せ話を認めさせた。
かくして正式に、ジュリアンの許婚が決定する事となる。
462名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:35:39 ID:xCvTUPBr
そして今、アンの体を奪った姉はジュリアンの婚約者として、
また彼専属のメイドとして、一日中彼にくっついている。
「……はあ」
カップを手に、ジュリアンが息を吐いた。
相変わらずアンの入れてくれた茶は美味い。
ベッドはしわ一つなく整えられ、主を今か今かと待っている。
静かな夜、既に屋敷の住人の大半が床についていた。

「――あら、もうこんな時間。さ、そろそろ寝なさい」
黒い瞳のメイドはそう言うと、ティーセットを片付けだした。
アンには以前使っていた立派な部屋があるが、
最後に姉があそこで寝た日をジュリアンは覚えていない。
小柄な体で彼のベッドにもぐりこみ、毎日一緒に寝るのである。
「アンの体になって良かったわ」
と彼女も認める、意外な利点である。
何しろエリザベートは、ジュリアンとほぼ同じ身長だったのだから。
463名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:36:04 ID:xCvTUPBr
明かりの消えた暗い部屋、アンが声を漏らす。
「う……ん……」
薄目を開けると、こちらを向いた少女の顔が至近にあった。
だがその目は閉じられ、穏やかな寝息を立てている。
どうやらただの寝言らしい。
安心したジュリアンの視線がアンの顔に注がれる。

(アン……)
記憶に残る、アンの姿を思い出す。
内気で、彼以外とはあまり口をきかず、でも真面目で
小さな体で一生懸命働いていた、黒いショートヘアのメイド。
ジュリアンはそんなアンが好きだった。
恋愛とかそういうのではなく、ただ姉から離れて
あの可愛らしいメイドと二人でいると、どこか心が安らぐような、
満たされた気分になるのだった。

あの少女は今もすぐ傍にいる。黒いくりくりした瞳で
こちらを見つめ、あれこれ世話を焼いてくれる。
だが違うのだ。姿は同じでも、心が――。
464名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:36:26 ID:xCvTUPBr
「――ジュリアン」
「………… !?」
いつの間にか目を開けてこちらを見つめているアンに気づき、
ジュリアンは心臓を躍らせた。
「いい子、寝ている時でも私を想ってくれてるのね」
「ち、違――」
彼は弁明したが、アンはそう受け取らなかった。
「でも私たちは許婚なの。まだ、肌を重ねる事はできないわ」
……あれだけ普段ベタベタしておいて、今さら何を言うか。

「あなたも私が好きで好きでたまらないでしょうけど、
 この体じゃまだあなたを受け入れられない。
 いつか契りを交わす日を夢見て、今は眠りなさい」
「はいはい」
「あ、聞いてないわねこの馬鹿!」
気のない返事をして目を閉じるジュリアンが気に入らないらしく、
アンは狭い寝床の中でこちらに密着してきた。
「そりゃ、見目麗しい私の体の方が良かったわよね。
 でもそれは無理なの、今はこの貧相な体で我慢してちょうだい」
「貧相って……アンは可愛いよ」
アンの体を悪く言われ、少し不愉快になる。
465名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:36:53 ID:xCvTUPBr
「そう? 私の体に比べればひどいもんよ。
 ああ……こんなちんちくりんになって、哀れな私……」
「――全部姉ちゃんがやったんじゃないか。アンだって
 別に姉ちゃんになりたかった訳じゃなかっただろ。
 なのに、勝手に体を取られて無理やり結婚させられてさ」
輿入れを泣いて嫌がった、身代わりのエリザベートの姿が
脳裏に浮かび、ジュリアンは姉を咎めだてた。
一人の少女の人生を台無しにした自覚があるのだろうか。
「ふーん、随分とあの子の肩を持つのね……」
しかしアンは細い目でこちらを見やり、言葉を続ける。
「まったく、卑しい平民の分際でジュリアンを誘惑して、
 とんでもない娘だわ。しかも私の体で子供まで作っちゃって、
 さしずめ棚からぼたもちってところ――」

「……いい加減にしてよ !!」

突然の大声にアンが目を見開く。
「どうしてそんなに勝手なのさ !!
 何でもかんでも自分の思い通りにして !!
 僕はまだいいけど、アンが可哀想すぎるよ !!」
今まで見せた事のない、姉への反抗。
あまりの驚きに少女は言葉を失い、動けずにいた。
466名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:37:13 ID:xCvTUPBr
ジュリアンは起き上がると、寝ている少女に掴みかかった。
「ちょっ…… !!」
仰向けのまま、両手首をがっちり押さえられる。
元の体ならば押し返せただろうが、華奢なアンの体では
単純な力でジュリアンにかないはしない。

「ジュリアン、何を――」
「うるさい !!」
少女にのしかかって怒鳴りつけるジュリアン。
初めて見る少年の態度に、アンは驚愕し、戸惑っていた。
完全に彼女を組み伏せると、乱暴に少女の寝巻きの前を開く。
――ブチ、ブチブチッ……。
ボタンの千切れる音と共に、白い肌が露になる。
発展途上の膨らみかけた乳房を丸出しにさせると、
ジュリアンは犬のように歯を立て、それにかぶりついた。
「……痛っ !!」
悲鳴を無視し、荒い息を吐きながら少女の胸を貪る。
その手が下に伸び、下着ごとアンの寝巻きを
力任せに引きずり下ろす。
467名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:37:40 ID:xCvTUPBr
アンは恐怖のこもった眼差しをこちらに向けていた。
「やめて、ジュリアン――」
「……やめろ、だって?」
彼は口元を曲げニヤリと笑った。
「姉ちゃんは僕のメイドなんでしょ?
 なら、ご主人様に逆らっちゃダメじゃないか」
指を少女の股に差し入れる。
触れると、冷たさにアンの体がビクリと震えた。
「主人の言う事が聞けないメイドには、お仕置きが必要だよね」
左手で小ぶりな乳房を、右手で硬く閉じた割れ目をこする。
小柄な少女は抵抗もできず、触れるたびに声をあげ続けた。

「はんっ……や、やめて、ジュリアン……」
「まだ言うの? そんな口は塞いであげるよ」
「……んんっ !?」
「む……ちゅ……」
小さな唇に吸い付き、舌を差し入れて暴れさせる。
苦しげにあえぐアンの口内に彼が唾液を送り込むと、
ゴクリと喉を鳴らして、彼女はそれを飲み込んだ。
「ん……んん……」
いつの間にか、いつも勝気な黒い瞳に涙がたまり、
それが雫となって少女の頬を流れ落ちた。
468名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:38:00 ID:xCvTUPBr
唇を塞がれ、悲鳴も上げられないアンの割れ目からは
じっとりと汁がねばつき、ジュリアンの指を湿らせた。
乳首も小さいながら一人前に立ち上がり、
彼がつねり上げるたびに体が跳ねる。
「んんっ――む……じゅ……」
たっぷりと口内を犯され、彼女の理性は半ば消えかけていた。
焦点の合わぬ目がぼうっとジュリアンの碧眼と向かい合う。
そこにはいつもの強気な姉の姿はなく、
弱々しく犯されようとしているメイドの少女がいるだけだった。

「――ぷはあっ」
少年はようやくアンの口を解放すると、
嗜虐心に満ちた笑みのまま少女を見下ろした。
二人の口の間には唾液の架け橋が一筋、つうっと伸びている。
「それじゃあ、入れてあげるよ……」
鼠を前にした猫の表情でジュリアンが言う。
取り出された陰茎はガチガチに硬くなっており、
先走りの汁がアンの細い太ももに白い線を描いた。
少年は張り詰めたそれを手で押さえ、狙いを定めて
メイドの濡れそぼった下の口に押し当てた。
469名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:38:33 ID:xCvTUPBr
「はあ……はぁ……」
アンはもはや半泣きで、ジュリアンに逆らう事もできない。
その目には、硬く閉じた自分の女陰に侵入してくる
弟の硬い肉棒が映っている。
「あ、あああ、ああ……」
「ん……きつ……」
呻く少女にも構わず、ジュリアンは割れ目の奥、
抵抗を感じる部分に自分自身を思いっきり突きこんだ。
――メリ、メリメリ……!
「あぐううう…… !!」
歯を食いしばって痛みに耐えるアンだったが、
少年は非情にも、そんな彼女の中で前後に動き続ける。

「……ほら、入れてあげたよ」
勝ち誇った顔のジュリアン。
「こうして欲しかったんでしょ?
 僕のチンチンを思いっきり突っ込んで欲しかったんでしょ !?
 ほら、何とか言いなよ !! ほら !! ほら !?」
「うぁあ――痛い、痛いよぅ……」
「痛いとか言うな !! もっと喜べ !!」
「うぅ――うぅ……」
ぽろぽろと大粒の涙を流し、姉が自分に犯されている。
征服欲の満たされる快感にジュリアンの震えが止まらない。
470名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:39:29 ID:xCvTUPBr
予想以上に、少女の膣内は狭かった。
強く締め付けられる陰茎を何とか前後させ、
彼は血の滴るアンの中を存分に堪能していた。
「ああ……あったかいよ、姉ちゃん」
「うぅ――ううう…… !!」
「姉ちゃんも気持ちいいだろ、ほら?
 僕と繋がってるんだよ、気持ちいいだろ?」
言葉で嬲るジュリアンに、姉は泣いて首を振るばかりだ。
「やだ……こんなの、やだよう……」
「気持ちいいよね、姉ちゃん !?
 ほら、いいって言えよ !!」
「――あ゙あ゙あ゙っ !?」
アンの奥底に、根元まで乱暴に突き込む。
そのはずみで汁と血の混合液が二人の肌に飛び散った。
結合部は真っ赤に染まり、見るも痛々しい有様だ。
だがジュリアンは責めをやめず、
腰を突き込み怒鳴りつけ、散々にアンを嬲り続ける。
471名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:40:31 ID:xCvTUPBr
「う――はあ……あっ……くう……」
歯を食いしばって苦しみながらも、
少女はだんだん痛みに慣れてきたのか、
その呻き声が小さくなっていった。
「ん……く……うう……」
一方のジュリアンもまた、初めての性交に
そろそろ限界を迎えようとしている。
「ジュリアン……ああっ……う……」
「ね、姉ちゃん……うあ、く……!」
乱暴に犯される痛みに苛まれ続け、
アンはとても感じるどころではなかったが、
それでも激しくなる少年の動きについ声をあげてしまう。
ジュリアンは少女の腰をつかむと、ラストスパートと
言わんばかりに突き、引き、膣内をかき回した。

「くう……ああ、ああっ !!」
「あああああ―― !?」
先に達したのは少年の方だった。
奥まで突き込まれた陰茎の先から白い液がほとばしり、
未熟な膣内にドピュドピュと注ぎ込まれてゆく。
アンもまた、自分の中に入ってくる熱い感触に悲鳴をあげ、
それが終わるとシーツの上に力なく横たわった。
「はあ……はあ……」
「ふ……はあ……」
部屋にはしばらく荒い息だけが聞こえていたが、
時と共にそれも止み、やがて館に真の夜が訪れた。
472名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:41:05 ID:xCvTUPBr
夜が明けると、アンは部屋から消えていた。
――おかしいな、どこに行ったんだろう?
ジュリアンは久々に一人で起きると、一人で身支度を整え、
汚れたベッドはそのままに、一人で食堂に向かった。
「おはよう、ジュリアン」
「……おはようございます」
父も母もいつも通り、何の変哲もない朝だ。
ただ、いつもうるさいばかりに付きまとっていた
黒髪のメイドの姿がどこにもない。
――カチャ、カチャ……。
何の会話もなく、食器の音だけが鳴り続ける。
そんな状況が十分ほど続いたろうか、
やっと伯爵が口を開きジュリアンに話しかけた。

「――ジュリアン」
「はい」
無表情な両親の様子に不安を感じる。
父は表情を硬くした息子をしばらく見つめていたが、
やがて再び口を開いた。
「じきに私は隠居する。後はお前が爵位を継げ」
「――はい?」
473名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:41:39 ID:xCvTUPBr
……どうしてこの父は唐突な話ばかりするのだろう。
理不尽さに怒る間もなく、父が話を続ける。
「お前とエリザベートの挙式は来月となった。
 まだ若いが、妻を持つ以上は爵位を継いでも問題あるまい。
 私が父の後を継いだのも結婚直後だったしな」
「……な !?」
「まさかお前からあれを手篭めにするとは思わなかったが、
 相思相愛だとわかり私もほっとしたよ。
 てっきり、お前は嫌がってるものだと思っていたからな」
「エリザベートをよろしくね、ジュリアン」
「――な、ななな、な」
まともに言葉も出てこない少年をよそに、
和やかな明るい雰囲気が両親を包み込んでいた。
「既に屋敷中がこの話で持ちきりだ。
 何しろあれが広め回ったので、な」
……ここに姉がいない理由がわかった。
だが、わかってもジュリアンにはどうする事もできない。
474名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:44:45 ID:xCvTUPBr
先ほどを上回る理不尽さに彼がおののいていると、
食堂の扉が開いて、黒髪のメイドが顔を見せた。
「――おはようジュリアン。
 それとも、旦那様って呼んだ方がいいかしら?」
「ね、ねねね、姉ちゃ――」
「予定よりちょっと早くなっちゃったけど、
 かえってちょうどいいくらいだわ。
 あんなに激しく愛してくれて、お姉ちゃん感激よ♪」
頬を赤く染め、アンが両手を握り締める。
こちらの言葉を聞く様子はどこにもない。
「これからもずっと二人で生きていくのよね……。
 子供も、何人でも産んじゃうから頑張りましょ!」
……夕べの半泣きでわめいていた姿はどこへやら、
そこにはいつもの勝気な姉の姿があった。
475名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:47:11 ID:xCvTUPBr
メイドの少女はそのままジュリアンに近づくと、
グイっと腕を回して彼の首を挟み込んだ。
「――やってくれたじゃない」
それは彼にしか聞こえないほど小さく、
だがこれまで聞いた中で最も力強く、凛とした声だった。
「でも見直しちゃった。
 あんたも男だったのね、カッコ良かったわ。
 またあんなふうに力強く犯してちょうだいね、ジュリアン♪」
結局何も変わっていない。
その事実に少年はガックリと肩を落とした。
そんなジュリアンの顔に手を回し、アンはそっと口付けをした。
「ん……」
舌を絡める淫らなものではない、
物慣れぬ少年少女がするような穏やかなキス。
今日の姉の唇は――思った以上に甘かった。
476名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:49:05 ID:xCvTUPBr
以上となります。
やっぱり慌てて書くと文が荒くていけませんね。
でも姉ちゃんは強かった。


という訳で、次回はまたすげかえ物になりそうです。
では今日はこの辺でっ
477名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 08:15:26 ID:dpq6dO35
お姉ちゃん最高ーー!!
「年下」「メイド」と主人公が優位に立てる属性を重ねがけしても姉には敵わないのね。
GJ!
478名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 15:25:52 ID:U3gftWyQ
楽しく読ませていただきました。GJ
アイドルとAV女優、女医とナースなんかの職業の入れ替わりもの希望です。
あと少しダークな物も読んでみたいです。わがまますいません。
479名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 18:53:13 ID:Why8CDzO
GJ!

こうなると元アン側の後日談も見てみたいところです。
結婚先での展開をひそかに期待してます。
480名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:13:41 ID:xCvTUPBr
ゲーム大好き>>104です、こんばんは。

>>453で申し上げたとおり、すげかえものを投下します。
しかし当初の予定よりかなり長くなってしまったので、
珍しく二部構成となりました。
とりあえず穏やかな前半部分をうpでございます。
481名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:14:53 ID:xCvTUPBr
「みどり先生、早く早くぅ〜」
赤いランドセルを背負った女の子が後ろに手を振った。
短い髪を二本のおさげにまとめた、活発な可愛らしい少女だ。
黄色いワンピースが幼い顔によく似合っている。
「走ったら危ないわよ、沙耶ちゃん」
その後ろ、少し離れたところを歩いているのは
長いウェーブの髪を肩まで垂らした、若い女の先生だ。
いつもは化粧っ気のないジーンズ姿なのだが、今日は身だしなみを整え
落ち着いた色のロングスカートとカーディガンを着ている。
そう、今日は家庭訪問の日なのだ。
担任の山口みどり先生が一番最初にうちに来るというので、
沙耶は先生と一緒に通学路を歩いていた。
みどりは新米ながら優しく、皆を大事にしてくれるから
沙耶はこの先生が大好きで、両親にもよくみどりの話をしていた。

「もうちょっとで着くから、早く来てよ〜」
「ええ、わかったわ」
沙耶の家はニュータウンの一角にある、ごく平凡な一戸建てだ。
長い間一人っ子だったが、半年前に妹の沙智が生まれて今は四人家族である。
沙耶はこの妹が可愛くて可愛くて、家にいる間は一日中側にいた。
今日はみどり先生に沙智を見せてやろう。その思いもあって、
彼女は引っ張るようにみどりを自宅に連れて行った。
482名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:15:18 ID:xCvTUPBr
「ただいま〜」
「こんにちは小島さん、沙耶ちゃんの担任の山口です」
二人は呼び鈴を鳴らしたが返事はない。
おかしいな――沙耶はそう思った。
母親の佐和子にはちゃんと家庭訪問の話はしてあるし、
生後半年の赤子の世話もあるはずだから、いないはずがない。
聞こえてないのかな、と思いドアノブを回すと戸がガチャリと開いた。
「あれ、お母さん? ……変なの、いないはずないのに。
 とりあえず先生、上がってよ」
「そう? 出かけてる様子はないようだし……
 それじゃ、お邪魔させてもらうわね」
二人は靴を脱ぎ、リビングに入った。

切迫した声が聞こえてきたのはそのときである。
「――だ、誰 !? 誰なの !?」
それは沙耶の母親、佐和子の声だった。普段穏やかなはずの声が、
今は何かに脅えたようにブルブルと震えている。
「あれ、お母さん? どこ、どこにいるの?」
声はすれども姿は見えず。
沙耶とみどりはリビングを見回した。清潔なソファとテーブル、
それにベビーベッドが並んでいるが、母親の姿はどこにも見えない。
ベッドの上には妹の沙智がいるようでモゾモゾと動いていた。
483名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:15:43 ID:xCvTUPBr
「さ、沙耶 !? ――ダメ、き、来たらダメよ !!」
「……?」
母親の声はベビーベッドの方から聞こえてくる。
何があったのだろう――そう思って沙耶とみどりはベッドに近づき、
沙耶の自慢の妹の姿をのぞきこんだ。

「――ひっ !?」
「きゃあああっ !!」
二人は揃って引きつった声をあげた。
ベッドの上には、可愛らしいピンクの乳児服を着せられた
小さな赤ん坊が仰向けに転がっている。
だが、その顔は明らかに乳幼児のものではなかった。
「――ああ……沙耶、早く逃げて……」
「……お、お母さん……?」
赤子の首から上は沙耶の母親、佐和子のものだった。
大人の頭部が乳幼児の体についているため、ひどくバランスが悪い。
「いやあ……見ないで……」
ジョオオオオ……。
我慢できなかったのか、おむつの中から小さな水音が聞こえてくる。
どうやら大きい方も既に出してしまっているらしく、
赤ん坊の排泄物のほのかな匂いが沙耶の鼻をついた。
「ど、どうしたんです !? お母さん !?」
みどりがベッドの上の赤子に問う。明らかに常識外の事態だったが
教師としての責任感が、みどりに逃げるなと告げていた。
「本当にお母さん !? ど、どうしちゃったの !?」
「――うう、気持ち悪い……。早く逃げてぇ……」
佐和子は涙をぼろぼろ流し、そう言うだけだった。
そうだ、お漏らしをしたのならおむつを替えなくては。
沙耶は隣の部屋の、いつも紙おむつを積み上げてあるところに向かった。
484名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:16:03 ID:xCvTUPBr
「……ひゃああっ !!」
またしても少女の派手な悲鳴があがる。
みどりがそれを耳にして駆けつけてみると、
沙耶は隣の部屋で腰を抜かして床の上に座り込んでいた。
そのすぐ側に、仰向けに寝転んだ佐和子の体があった。
ブラウスから伸びた大人の腕を面白そうに振り続け、
パンストに包まれた両脚を曲げてブンブン回している。
垂れ流した尿で床はびしょ濡れだったが、
佐和子の体はそれにも構わず床の上で不気味に暴れていた。
その首の部分には、これも不釣合いに小さな赤子の頭が乗っている。
「お、お母さん……が……沙智ちゃん……」
「何てこと……!」
あまりの異常事態に二人は我を忘れ、呆然と主婦の体を見つめていた。

先に理性を取り戻したのは、やはり年長のみどりである。
「……と、とにかくどっちも着替えさせないと。
 沙耶ちゃん、お母さんのおむつ替えてきてくれる?
 私はこの子を着替えさせておくから――」
「う、うん、わかった」
言われた通り、沙耶は替えのおむつを持ってリビングに戻った。
ベッドでは赤子の体になった佐和子が涙を流していた。
485名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:16:31 ID:xCvTUPBr
「……じゃあお母さん、おむつ替えてあげるね」
「ああ――ダメ、沙耶、そんなのいいから逃げてぇ……」
相変わらず訳のわからない事を言う母親だったが、
沙耶が慣れない手つきでおむつを替え始めると
口を閉ざしてすすり泣くだけになった。
赤子の体に大人の頭部という佐和子の姿は少々怖いものだったが、
隣でもっと恐ろしい光景を見てしまったために抵抗は薄れている。
本物の赤子のように泣きじゃくる母親のおむつを何とか替え終わり、
沙耶はみどりを待つことにした。

「――きゃあぁああっ !?」
そして、三度目の悲鳴があがる。
何事かと慌てふためく沙耶の目の前でドアが開き、一人の少年が顔を見せた。
「やあ、こんにちは」
……美しい少年だった。
整った顔立ち、涼やかな目元、爽やかな笑み。
街を歩けばほとんどの女がこの少年に目を奪われるに違いない。
だが、もちろん沙耶の知らない侵入者である。
いつの間に家の中に入っていたのか、それを不思議がるより先に、
彼は手に持っていたモノを沙耶に見せた。
「――みどり先生…… !!」
「……ぁ……」
それは恐怖に顔を歪めたみどりの首だった。
486名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:16:53 ID:xCvTUPBr
沙耶は直感で理解した。
(この人が、お母さんを、沙智ちゃんを――)
今起こっている悪夢。その元凶がまさしくこの少年であると。
そして今、みどりが次の犠牲者になろうとしている。
「どうも、お邪魔させてもらってるよ」
この場に全く不似合いな人懐こい笑顔を彼は浮かべた。
道ですれ違ったら思わず「こんにちは」と言いたくなる笑みである。
その手にはカタカタ歯を鳴らすみどりの首が握られていた。
信じられなかったが、どうやらこの状態でも生きているようだ。

「あ……」
しばしの間言葉が思いつかなかったが、沙耶は勇気を振り絞って言った。
「あ、あなたがやったんでしょう、これ !?
 早くお母さんと沙智ちゃんを元に戻してっ !! 先生も !!」
「へえ――?」
その言葉が意外だったらしく、少年はまばたきをして沙耶を見つめた。
「沙耶ちゃんだっけ。とっても偉いね、そんな事が言えるなんて」
「い、いいから戻してよ !!」
「そうだね……じゃあこっちに来てごらん」
彼は背を向けて隣の部屋に入った。誘いに乗るのは危険に思えたが
このままにらみ合っていても埒があかない。沙耶は大人しく従った。
487名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:17:13 ID:xCvTUPBr
隣室の状況は先ほどより悪化していた。
着替えさせる途中だったのだろう、佐和子の体はスカートとパンストを脱がされ
あられもない姿で生足と陰部とを晒していた。
裸になった下半身が冷えたのか、沙智の頭が大声で泣いている。
「せ、先生……」
その近くにカーディガン姿のみどりが座り込んでいて、ピクリとも動かない。
首から上は切断されたかのような滑らかな肉の面を見せている。
だが頭部と同じく血は出ておらず、体も生きているようだ。

「お母さんの体、胸が大きいよね。赤ちゃん産んだからかな?
 この子も首を伸ばして自分のおっぱい飲めたらいいのにね」
世間話でもするような平静の口調で少年が言う。
それがまた沙耶の気にさわり、彼女を怒鳴らせた。
「いいから早く戻してよ !! こんなのおかしいよ !!」
「そうかい? 結構いいと思うけど」
少年はみどりの首を持ったまま、その場に腰を下ろした。
動かないみどりの体を片手で引き寄せ沙耶に問う。
「で、この先生の体に首をつけてあげたらいいんだね?」
「そうよ、早くして !! 先生が死んじゃう !!」
「別に死にはしないけど――まあいいや。
 首はちゃんとつけてあげるから、君もこっちにおいで」
手招きする少年に沙耶は躊躇したが、やはり今は従うしかない。
沙耶もみどりの体のすぐそばに座り込んだ。
すると――。
488名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:17:34 ID:xCvTUPBr
「おさげっていいね。だって持ちやすいもの」
という軽い言葉と共に、彼の白い手が沙耶の髪を撫でる。
おさげをそっとつままれ、上に引っ張られた――気がした。
「――え?」
スポン、という音こそ聞こえなかったものの、まさしくそんな感じで
簡単に少女の首が取れてしまったのである。
血も噴き出さず普通に話せることに驚きつつも、体の感覚が全くないという
初めての体験に、沙耶は戸惑いと恐怖を覚えた。
「な、何するのよ!」
「だから――首をつけてあげるんだってば。君のをね」
「!?」
抵抗もできず持ち上げられた沙耶の首は少年の手によって
みどりの体に乗せられ、一体化した。

「な、何これ……?」
「どう? 先生の体は」
はいた事のないロングスカートと、胸についた肉の確かな重さに
激しい違和感を覚えながら、沙耶はみどりの体を動かした。
胸を包むブラの感触が、憧れの先生の体であることを強調してくる。
(あ、あたし、先生の体になっちゃったんだ……)
いつの間に運んできたのか、風呂場にあるはずの大きな姿見が
沙耶の前に置かれ、今の彼女の姿を映していた。
「……これが、あたし……?」
細く長い手を口にあて、驚愕の表情を浮かべる少女。
489名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:18:17 ID:xCvTUPBr
鏡には大好きなみどり先生の姿が映っていた。
しかしその首に乗っているのは自分の幼いおさげ頭。
その事実に軽い興奮を覚えつつ、沙耶は鏡を見つめていた。
「ふふっ、気に入ってくれたかな?」
穏やかな声にふと我に返り、笑う少年に言い返す。
「違うじゃないの! 先生の体に先生の頭をつけてよ!
 このままじゃ先生、可哀想じゃない!」
「そうだね。先生も首だけじゃ困るよね」
みどりはいまだ首だけの姿で、少年の手の中で震えていた。
沙耶の首が自分の体につけられたときはさすがに顔を強張らせたが、
声も出せず恐怖に脅えているだけ。

「――という訳で、先生の首はこっちにつけてあげよう」
「あ……ちょ、ちょっと!」
止める間もなく、彼はみどりの頭部を横たわる沙耶の体につけてしまった。
「ほら。みどり先生、可愛いだろ?」
「な、何するのよ! どんどん変なコトになってるじゃない!」
「ああ……わ、私――」
涙を流し、沙耶の体になったみどりは姿見を見つめている。
可愛い生徒の体になった自分は、明らかに顔と体の年齢が合わず
アンバランスな姿を晒していた。一筋の涙が頬をつたう。
「気に入ってもらえて何よりだよ。そこで一つ質問だけど――」
少年はご満悦といった表情で二人を向いた。
後ろでは腹を冷やした半裸の主婦が、再び小便を漏らし始めている。
「――犯されるならどっちがいい?」
490名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:19:22 ID:xCvTUPBr
少年は素早く沙耶の後ろに回りこむと、服の上から
女教師の大きめの胸を優しく揉みしだいた。
「な……何するの !?」
「性交と言われたって、君にはまだわからないだろうね。
 でも、小学生になっちゃったみどり先生はどうかな?」
問われたみどりが小さな体をビクッと震わせる。
「や――やめて下さい……!」
半泣きの顔ながら、やっとの事でみどりが言い返した。
「私の生徒に……手を出さないで……」
「そうそう、その言葉が聞きたかったんだ。よかったよかった」
「な、何する気よ !?」
「大丈夫、とっても気持ちのいいコトだから。
 でも先生は、君に手を出すなって言うんだよね」
となると――少年はみどりの黄色いワンピースに目をやった。
「代わりに先生に相手してもらおうかな?
 でも、その体は沙耶ちゃんのだよねえ……」
「―――― !!」
「さて僕は、みどり先生の心と体と……。
 どっちと遊んだらいいんだろうね?
 難しい質問だね、これは」
あはは、とにこやかに笑う少年。
その姿はとても無邪気で爽やかで――悪魔めいて見える。
491名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:19:48 ID:xCvTUPBr
「ま、せっかく先生がそう言ってることだし――」
少年はまた手を伸ばし、沙耶の首をもぎとって床に置いた。
「――何するのよ !!」
「いや、邪魔されても困るからね」
細くしなやかな腕が伸び、脅えるみどりの腕を掴む。
「いや……いやぁぁあ……」
「せ、先生!」
黄色いワンピースがゆっくりと脱がされ、
苺のプリントのされた白い下着に少年の手がかけられた。
みどりは必死に暴れたが、子供の体で抵抗ができるはずもない。
ついに靴下一足を除き、生まれたままの格好にされてしまった。

「ああ――こんな……」
化粧を施したうら若い女の顔に、つるぺたの幼女の体。
毛も生えていない陰部は硬く口を閉ざし、
電灯の光に照らされて白い肌色にテカテカと輝いている。
「どれ、味見をしてみようか」
少年はみどりの腰をがっちり押さえ、未熟すぎる割れ目に舌を這わせた。
――ピチャ、ペロ……。
「ああ……なめないで――お願い……」
そんな言葉に耳を貸すはずもなく、彼は初潮も迎えていない
未発達の女性器を丹念になめ続ける。
「いや――いや、いやぁぁ……」
「あ、あたしの体……」
口では嫌がっているが、みどりの頬は既に紅潮しており、
幼女の体がもたらす僅かばかりの性感にもだえ、荒い息を吐いていた。
492名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:20:25 ID:xCvTUPBr
「――どうです? 考え直す気になりましたか」
平らな胸にちょこんとついた極小の乳首を口に含み、少年が問う。
「な……何を……?」
「あなたが意地を張るのは構いませんが、このままその
 小さな下のお口に僕のを無理やり突っ込んでも困るでしょう。
 だって沙耶ちゃんの体なんですから」
「…………」
「だからもう諦めて、あなたの体と交わらせて下さいよ。
 もちろん頭は沙耶ちゃんですけど」
「そ、そんな事――」
「あれ、いいんですか? このまましちゃっても」
細い小指を唾で濡らし、狭い割れ目にほんの少しだけねじ込ませる。
「――痛ぁっ !!」
「せ、先生っ !?」
「ほら、指一本でこれですよ。
 僕のなんか入れたら壊れちゃいますって」
「……わ――わかった、わかりました。だから……」
ついにみどりが降参した。その答えを聞いて満足そうに頷いた彼は
幼い少女の体を解放し、また沙耶の傍らに戻ってくる。
「あ――あなた……」
「お待ちどうさま。先生も許してくれたよ、僕らの性教育」
そう言って再び沙耶の頭を女教師の体に合わせた。
493名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:20:49 ID:xCvTUPBr
つるぺたの女教師が見守る中、
ついに沙耶の熟れた性器に少年の肉棒が侵入した。
「ふぁあっ…… !?」
痛みは感じない。だが、熱い異物が大事な部分に
侵入してくる未知の感覚に、声が漏れてしまう。
「どうだい、大人のお付き合いの味は」
「何コレ……あぁ……い、嫌だよお……」
「最初だけさ。じきに良くなるよ」
「――あぁあっ !!」

少年は沙耶の上で、喘ぐ彼女を見下ろした。
おさげ髪で大きな瞳の幼い少女が
首から下が憧れの女教師の体になり、一人の女として犯されている。
横で見守るみどりも絶句する光景だった。
少年が肉棒で膣をかき回すたび、沙耶は目を細めて嬌声をあげた。
本来ならば十年ほど経ってから味わうはずの快楽。
それを大人の肉体と共に無理やり与えられ、
彼女は抵抗もできずに翻弄されるばかりだった。
494名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:21:20 ID:xCvTUPBr
どのくらい肉棒を貪っただろうか。
息を切らし身をよじり、沙耶がよがり狂う。
しかしそれももう限界にきていた。
「――あぁっ……あ、あたし、もう……」
「限界かい? それじゃ僕も出してあげるよ。たっぷりとね」
少年はにこりと笑い、肉づきのいい腰を押さえると
いきりたった陰茎を奥の奥、子宮に届くほど突き込んだ。
「あ゙あ゙ぁあ゙ぁあっ !!!」
――ビュルルルルルルルッ !!
勢いよく噴き出した白い液体が膣の奥深くに注ぎ込まれ、
うねる子種が子宮の壁を存分に這い回る。
「――さ、沙耶ちゃん……」
最後までしてしまった事に、絶望のあまりうなだれるみどり。
あまりの衝撃か悦楽ゆえか、沙耶は白目を剥き
背中を大きく仰け反らせたままの姿勢で気絶していた。
口からは熱い息が漏れ、短いおさげが体に合わせて
ピクピクと痙攣を起こしている。
「あ――あぁ……あ――」
小さく、喘ぎ声とも呻き声ともつかぬ響きが聞こえてきた。

「……ああ、そういえば家庭訪問だったっけ」
少年の声は沙耶にはもう届いていない。
「僕も手伝ってあげるから、次の家に行こうか。沙耶ちゃん」
とても楽しそうな声だった。
495名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:26:40 ID:xCvTUPBr
以上となります。
今回は初心に帰ってちょっぴりダークなすげかえ話に。
後半も近いうちに投下致しますのでよろしければご覧下さい。

>>478さん
以前もやってみたんですが、なかなかそういう話が書けず…。
「年齢」とか「体格」が全然違う二人を入れ替える話は楽に書けるんですが、
「職業」や「立場」の入れ替わりを書くのはかなり苦手です。
なので申し訳ありませんが、またの機会になりそうです。
496名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:13:39 ID:XvZlB/0v
ムチムチ幼女よりつるぺた女教師の方を
犯して欲しいと思ったのは俺だけじゃないはず

とにかくGJでした!
後半も楽しみにしてます!
497名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 00:40:23 ID:H3inG2ES
GJすら追いつかない高速投下GJ!
少年が人の依頼じゃなくて自分で動いてるのが意外な気がしたが、
よくよく考えてみると初回の>>104もそんな話だったっけw
498砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:06:18 ID:o2135Cb3
<1>
街中を歩く二人の女性。
一人は170cm超の長身。細い手足に革のロングブーツ。
もう一人は150cm前後、ピンクのアンサンブルが可愛い感じだ。そしてその上からはっきり分かる大きな胸。
「こんな店あったっけ…」
「何の店だろう…」
怪しげな仮面や奇妙な形の壷。二人は吸いこまれるように入っていった。
「いらっしゃい。」
中には白髪の老婆が座っていた。
「これは何のお店なんですか?」
小さな瑠美が甘ったるい声で聞く。
「まぁ、一言で言えば骨董品屋ってところかねぇ。」
二人がそんなやり取りをしている中、コツコツとブーツの音を立てながら、さやかが小さな店の中を見回していると、鈍く光る銀色のオブジェを見つけた。幾何学的なデザインで、なんともいえない形をしている。
「それがお気に入りかい?」
老婆が声を掛ける。瑠美も老婆と一緒についてくる。
「ここにおいてあるものはいろいろ言われがあるんだけどね…」
老婆が続ける。
「これは、どこから来たのかよく分からないのよ。何かと一緒に店に置いたんだろうけど。」
「ふぅん、そうなんだ…」
さやかがつぶやく。
「気に入ったなら持っていきなさい。」
「そんな、価値のあるものじゃないの?」
「どこから来たものか分からないんだから、お代をもらうわけにはいかないよ。」
含み笑いをしながら、老婆が答える。
(そこまで気に入ったわけじゃないけど、タダなら持って帰っちゃおうかな…)
「じゃあこれ、いただけますか?」
さやかより先に、瑠美が言った。
「えぇ、今包むから待っててちょうだい。」
老婆はオブジェを両手で持ち上げると店の奥へと消えていった。
「瑠美も気になってたの?」
「うぅん、ていうかどこから来たかわからないってなんだかミステリアスじゃない?」
白い歯を見せながら瑠美が笑う。
(この歳になってこんな無邪気な感じが似合うのも、瑠美だからよね)
さやかがそんなことを考えている間に、老婆が店の奥から出てきた。丁寧に布で包んである。
「出所はわからないけど、大事にしておくれ」
「はい。」
さっきと同じ笑顔で瑠美が品物を受け取った。
499砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:07:37 ID:o2135Cb3
<2>
店から出ると、ずいぶん雲行きが怪しい。遠くでは雷鳴が鳴っている。
「早く帰ろうか。」
さやかは瑠美と帰路に着いた。
その途中、雷鳴が轟いた。
「キャァッ!!」
二人が悲鳴を上げた。
「落ちたわよきっと。早く帰ろう。」
さやかが言った途端、大粒のひょうが落ちてくる。
「何なのこの天気。」
「とりあえず、家に行こ。」
二人は走って瑠美の家へ向かった。
アパートの階段を駆け上がり玄関に入った時には二人はびしょ濡れになっていた。
「こんなの言ってなかったじゃない、晴れだって言ってたのに」
瑠美がふくれながら今日の天気予報に文句を言った。
「とりあえず上がって。」
「濡れてるけどいい?」
「しょうがないよ。上がって。」
瑠美がバスタオルを持ってさやかに近づく。瑠美はもう髪を結わいていたゴムを解いてバサバサと髪を拭いている。
「ありがとう」
さやかも部屋に入り、長い髪を乾かし始めた。ブラウンに染めた髪がしっとりと濡れている。
「服着替える?」
「そうね。でも瑠美の服なんて着られるかな。」
「Tシャツなら大丈夫でしょ。」
そう言いながら瑠美はクローゼットから服を探す。
「先に着替えていい?」
ピンク色のニットのアンサンブルは、濡れたために胸の大きさがより露わになっていた。
(中学の頃から大きかった胸、女の子らしい小さな背丈。いいなぁ、瑠美みたいなかわいい感じ)
「いいよ。」
さやかは長い髪を赤いセーターの上に垂らしながら、瑠美に答えた。黒いパンツは濡れたためにヒップから脚へのラインをそのまま描き出している。
(モデルみたいな長い手足、スラリと伸びた背丈。いいなぁ、さやか。)
500砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:09:05 ID:o2135Cb3
<3>
その時だった。
台所に無造作に置かれていたオブジェが光を放ち出した。
「何だか光ってない?」
先に気づいたのは瑠美の方だった。身震いするような感覚が襲う。
「どうしたの?瑠美」
声を掛けるさやかの目の前で信じられない光景が広がっていく。
袖から出ている手が徐々に細く、そして長く伸びていく。
アンサンブルからあらわになる臍。
グレーのチェックのミニスカートから見える脚は、
むっちりとした太腿とふくらはぎが、
ムチムチとした肉感的なものから細くスラリとした脚に変わっていく。
「い、痛い…」
「瑠美、瑠美!」
「あぅっ!」
声にならない悲鳴を上げる瑠美。
体をよじりながらも一瞬動きが止まる。
少し癖の入った黒いセミロングの髪が
さらりとしたブラウンのロングヘアへと変化していく。
胸元で存在を主張していたバストはゆっくりとしぼんでいった。
苦痛にゆがんでいた視点が定まらなくなり、
徐々に瑠美の体は白い光に包まれていく。
「今の、何だったの?」
そうつぶやく瑠美。
目の前の光景に、さやかは目を疑った。
丈の短くなったピンクのアンサンブルに、ショーツが見えてしまうほどのミニスカート。
そこから伸びるモデルのような長い脚。
小さな瑠美の服になんとか身を押し込めたさやかの姿があった。
「どうしたの、さやか。」
目の前に自分がいる…
「なんなの、これ。」
「え、何?」
「瑠美、私になってる。」
「えぇ?」
顔を見合わせる二人のさやか。
鏡の中にも二人のさやか。
一人は、赤いニットに黒いパンツ。
もうひとりは臍出しのアンサンブルにきわどいほどのミニ。
「さやかに、なってる!?」
口を半開きにして驚いた様子の瑠美。
表情の違うさやかが顔を合わせている。
言葉もなく、本物のさやかがうなずく。
思わず瑠美に手を差し伸べるさやか。
右手で左肩をつかむ。
自分で自分の体を抱きしめたような感覚。
(なんなの、これ。なんで瑠美、私になっちゃったの?)
501砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:09:51 ID:o2135Cb3
<4>
「!!」
「どうしたの?」
さやかの体にも異変が起きる。
細い脚はパンツの中で生き物のようにうねった後、
むっちりとした丸みを帯びる。
はち切れそうに黒いパンツの生地が密着する。
パンツを破きそうなほど、膨張するヒップ。
細い指はふっくらと丸っこくなり、やがてニットの袖から見えなくなった。
腕も肉感を増していく。赤いニットの上からもわかる、やわらかな二の腕。
ブラウンのストレートの長髪が縮み、癖のある黒髪へと変化していく。
「何?何なの、これ。」
さやかの姿になった瑠美があわてている間にも、変化はゆっくりと続いていく。
わずかに生地を押し上げていたバストがゆっくりと、しかし確実にその膨らみを増していく。
ブチッという鈍い音がした。
大きさに耐えられなくなってAカップのブラジャーが切れる。
ようやくバストの変化が止まったときに、また、
光がさやかを包んだ。
眩んだ目が見えるようになった頃、瑠美の目の前にはさやかの服を着た瑠美がいた。
瑠美の眼に映る自分の顔。袖がだぶだぶの赤いニットとは対照的に、
イヤでも視線がいく胸の膨らみ。裾が床に付いた黒いパンツ。
さやかの服を着た自分。
服の違いで辛うじてさやかであるとわかるが、外見はどこから見ても瑠美だ。
さやかも自分の体が瑠美になってしまったことを実感する。
どちらへ向いても視界に入る大きな胸。下から見上げる自分の姿。
「私、瑠美になってる?」
「うん。」
さやかが恐る恐る鏡を見る。
赤いニット、黒いパンツルックの瑠美。いつもより大人っぽく、背伸びをしているように見える。
「瑠美になっちゃった…」
「何なの、これ?さっきあれが光ってたよ」
瑠美がオブジェの元に駆け寄る。
向きを変えるだけで感じていた胸の感触が全くない。
階段に昇ったまま歩いているような目線。
さやかも後をついていく。
歩くだけで胸に感じる違和感。
「これが原因?」
「でもそれしか考えられなくない?」
「まぁね。」
さやかも瑠美の考えに乗ったが、気になることがあった。
「でも、なんで私たち、お互いに変身しちゃったの?」
「なんでだろう…」
「だってさ、なんでこうなったか分からなかったら、元に戻ったりできないじゃない」
鼻にかかった甘い声で言うさやか。
「そっかぁ。」
口調はいつもの瑠美だが、発せられる声は落ち着いたおだやかな声色だ。
「とりあえず、服着替えようか。」
502砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:11:30 ID:o2135Cb3
<5>
互いの服はまだ濡れたままだ。ゆっくりとお互い服を脱いでいく。
まずアンサンブルを脱ぐ瑠美。
袖を出そうとしたが濡れているせいで生地が伸びきらない。
なんとか脱ぐと、わずかな胸のふくらみ。
フリルの付いたピンクの大きすぎるブラジャーが瑠美であったことの証だ。
何をするにも邪魔っ気だった大きな胸はもうそこにはない。
ほっそりとした、二の腕から手首へのライン。
スカートも脱いでしまう。
ピンクのショーツの下から伸びるスレンダーな長い脚。
(腕も脚もほっそいなぁ…)
さやかも服を脱いでいく。
赤いニットを押し上げる大きな胸。
胸元のワンポイントは持ち上げられて斜め45度を向いている。
脱ぐと白くふっくらとした大きな胸。
Aカップの黒いブラジャーはちぎれてしまい、
ニットを脱ぐとだらしなく前に垂れた。
ずっしりと肩に胸の重みがのしかかる。
黒いパンツは濡れて脚にまとわりついているのと
脚自体が太くなったせいでなかなか脱げない。
なんとか脱ぐと、露わになるむっちりとしたふくらはぎ、そして太腿。
黒いショーツは大きくなったヒップを覆いきれず、Tバックのようになっている。
(この丸み、私と全然違う…)
目の前には決して自分が着ないフリルをあしらったピンクの下着を着けた自分の体。
「私の体…」
さやかが瑠美の腕をつかむ。
ほっそりとした二の腕。
つかんだ自分の二の腕は丸みを帯びた肉感的なラインを描く。
声はいつものアルトボイスではなく、甘ったるい瑠美の声だ。
つかまれた瑠美も不思議な気持ちだった。
思わずさやかを抱き寄せる。
ブラジャーがはだけ、直接伝わる柔らかな感触。
肩までしかない背丈。
(私の胸ってこんなんなんだ…)
「なんか変な感じ」
「ちょっとお姉さんになったみたいな?」
「何言ってるの、同い年じゃない。」
抱きしめ合った腕をほどくと、さやかは瑠美に言った。
503砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:12:15 ID:o2135Cb3
<6>
「とりあえず服着ないと。」
「私の服しかないけど、どうしよう。」
「私は瑠美の服着ればいいけど。」
「そっかぁ。じゃあ私は?」
「私が服取りに行くよ。持ってきてあげる。」
瑠美は自分の服をクローゼットから探し出した。
体が大きくなったせいで、服を探すのも違和感がある。
「こんなんでどう?」
瑠美が出してきたのはピンクのプルオーバーと白のキャミソール
そして、白黒チェックのミニスカートと黒のストッキング。
「これ着るの?」
「え、いや?」
「私着ないからこういうの。」
「でも、今はさやかが私なんだから。」
「いつもは瑠美が着ている服だもんね。」
納得するとさやかは服を着ようとしたが大事なことに気がついた。
「瑠美、下着も貸して…」
「そっかぁ…」
瑠美はクローゼットの下の段から下着を探し始めた。
淡いブルーの生地にフリルがあしらわれた上下。
「違うのがいい?」
「大丈夫。あっちで着替えてくるね。」
下着を含めた着替え一式を抱えて、さやかは隣の部屋に入った。
(まぁ、今は私が瑠美なんだからしょうがないよね…)
フリフリのかわいい下着にとまどいを感じながらも再び自分を納得させ、
さやかは下着を着け始めた。
ブラジャーを着けると肩にかかっていた重量感がいくらか和らぐ。
黒い自分のショーツを脱ぎ、瑠美のショーツを穿く。
他人の下着を着けているという違和感。
胸にかかる重さも視点も違う。
(これからどうなっちゃうのかな…)
さやかは漠然とした不安を抱えずにはいられなかった。
504砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:12:52 ID:o2135Cb3
<7>
その頃、瑠美も着替えを始めていた。
下着を探すが、ブラジャーはどれも大きすぎて役割を果たしそうにない。
「下だけでいいよね…」
淡い黄色のショーツに穿き変え、ベージュのキャミソールを着る。
(脚長くて穿き変えるの大変…脚冷えて寒いし…)
瑠美はクローゼットからレギンスを取り出し穿き始める。
足首までの10分丈のはずが7分丈くらいになっているが
脚にフィットするだけにそのラインの素晴らしさが際立つ。
シャドーグレーのニットを着てデニムのミニスカートを穿く。
やはりミニスカートは膝上10cm以上になり、
その下からは長い脚が伸びている。
しばらくするとさやかが着替えを終えて出てきた。
「ほんと、自分がもうひとりいるみたい。」
「何言ってるの、お互い変わっちゃったんだから。
もうひとりじゃなくて瑠美は私。」
「そりゃそうだけど…」
もっともなことを言いながらも、
さやかも目の前の自分は自分でないような感覚を覚えていた。
瑠美は瑠美なりにさやかっぽい服を選んだのだろうが、
こんなファッションはしないからだ。
505砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:22:39 ID:o2135Cb3
<8>
「あれが原因だとすると、さっきのお店行かなきゃ。」
「そうだね、すぐ行こっか。」
二人はまた外出の支度を始めた。
さやかは掛けてあったサーモンピンクのコートを取る。
「それ、さやかのコート。私のはこっち。」
瑠美は胸元にファーの付いた白いコートをさやかに渡し、
さやかのコートを自分で着始める。
支度が整うと二人は玄関へ向かった。
さやかが革のロングブーツを手に取る。
「さやか、それさやかのブーツ。」
「そっか。また間違えた。」
「私のそっち。」
白い革のブーツは雨の中を走ってきたために少し汚れていた。
「濡れたし、新しいの出すね。」
「ありがとう。」
瑠美は同じくらいの丈の黒いブーツを取り出した。
さやかが履こうと片足を上げたその時…
「どん」という音がしたと思うと、さやかは
バランスを崩して玄関の壁に体を強打していた。
「痛ったぁ…」
「大丈夫? 鈍くさいのもそのまんまなのかな?」
「ううん。まだ瑠美の体に慣れてないからだよ。」

(かがんだらバストが動いてバランスが…大きいと大変なんだな…)
エレベーターを待ちながら、さやかは数分前の出来事を思い出していた。
(確かに、胸が大きい人は転びやすいって聞いたことあるけど…)
そんなことを思いながらマンションを出る。
道路へ出る小さな階段さえも慎重に降りていく。
(一歩が倍くらいあるみたい。胸がないとなんだか身軽)
瑠美の方は歩きながら、さやかの身体でそんなことを考えていた。
雨は嘘のように上がり虹が出ていたが、
他人の体になって外を歩いている二人には
気づく余裕はまだなかった。
506砂漠のきつね:2009/02/24(火) 19:29:16 ID:o2135Cb3
集中投下に乗じて私も…

ずいぶん上になってしまいましたが、エレベーターの話を書いたものです。
TS総合板がもう生き返らなそうですので、こちらへ鞍替えさせていただきました。
あちらではこのHNで書いてました。今後ともよろしくお願いいたします。

あちらで見ていた方には申し訳ないんですが、おさらい代わりに、
一部加筆したものを載せ直させていただきました。
途中で話があっちこっちへ行ってしまいますが、最後までおつきあい頂ければと
思います。

自分の家からは、荒らし規制中(dionなんですけど)で書き込みできず、
こっそり仕事場から。

規制の外し方など、素人でよくわからず。教えていただければ幸いです。
507名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 20:31:59 ID:N/0/Tu07
>>498-506、砂漠のきつねさん
こんばんは、ありがたく読ませていただきました。
服装あたりの細かな描写が実にいいですね。
>>210-216のエレベーターの話といい、
こういったテンポのいいセリフ回しは大好きです。

私も新参ですのでよろしくお願い致します。
スレが賑わうのは とても うれしい ものです。
こちらも続きを書き上げなくては…
508478:2009/02/24(火) 21:03:23 ID:nvKKksBg
>>495
わざわざレスありがとうございます。
104さんの新作、きつねさんのSSで十分お腹いっぱいです。
いつも、ありがとうございます。
それに、なんだかにぎやかになってきた。w

509名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:54:39 ID:k0sqS6/W
>>498-506
乙! 体型だけじゃなくファッションの違いも書いてるのが面白い
続き楽しみにしてます。
510104:2009/02/25(水) 00:04:38 ID:N/0/Tu07
再びの>>104ですこんばんは。
こちらも小学生教師の続編ができたので投下でございます。
ちょっと実験的に、色々な要素を放り込んでみました。

HNはありませんが、他の方のSSと混じるとよろしくないので104の名で投下です。
これもスレが賑わってきたため、嬉しい限りです。
511104:2009/02/25(水) 00:05:51 ID:1o22anqy
前編:>>481-494

今日もいい天気だ。風が頬を撫でる感触に沙耶は快い笑みを浮かべた。
「おっはよー !!」
クラスメートに元気な声をかけ、走って校舎に入る。
もう3年2組の教室には半分くらいの生徒が登校しており、
教師が来るまでの短いお喋りと悪ふざけの時間を過ごしていた。
「さやちゃんおはよう」
「ミカちゃんおはよー !!」
背負ったランドセルを机の脇にかけ、使い慣れた椅子に腰かける。
子供用の椅子のため、今の沙耶には正直言って小さすぎたが、
代わりが来るまでしばらくの間はこれで我慢するしかない。
ミカも椅子が小さいらしく、おかっぱ頭に困った顔を浮かべていた。

「へっへー、おっぱいターッチ !!」
「あっ !? ――ちょっと、何すんのよ !!」
悪ガキ男子の一人が、沙耶のスウェットの上から大きな胸を撫で回した。
ブラのずれる不快な感触に、大声でその男子を怒鳴りつけてしまう。
もう慣れてしまったとはいえ、デパートの下着売場に並んでいるような
あんな派手なものを自分が身につけるなど、考えもしていなかった。
「もう、さやちゃんに何て事すんのよ! エッチ!」
動けない沙耶に代わり、ミカが男子に仕返しをする。
40cmも背が高いミカにゲンコツでしこたま頭を叩かれ、
その男子は泣いて謝ってきた。この学校では女子の方が遥かに強いのだ。
512104:2009/02/25(水) 00:06:24 ID:N/0/Tu07
やがてチャイムが鳴り、担任の山口みどり先生が優しい笑顔で入ってきた。
「はい皆さん、座ってね」
揺れるウェーブの黒髪を肩まで垂らした、いつもの落ち着いた物腰である。
先生は教壇の上に立ったまま、クラス全員を起立させた。
――ガタガタ、ガタッ……。
椅子を引く音と共に、子供たちが立ち上がる。
みどり先生は大部分の生徒を見上げるように、朝の挨拶をした。
「皆さん、おはようございます……」
『おはようございます !!』
3〜4年の小学生では男女の身長差はほとんどない。
それでも130cmほどしかないみどり先生の身長は、クラスでも随分と低かった。
男子とはほぼ同じ目線で話ができるが、女子ともなると
ミカのように170cm以上の生徒もいる訳だから、見上げないと会話にならない。
教師の威厳もへったくれもないが、相変わらず子供たちには慕われている。

「では今日は、漢字テストをします」
ええー、という悲鳴を無視してみどり先生はプリントを配り始めた。
今日の服は子供用の白いブラウスと真っ赤な吊りスカートで、
伸ばした髪と薄い口紅がなければ、同級生の女の子にしか見えないだろう。
壁の時計で時間を計り、終了後テストを集めるみどり先生。
大好きな先生が自分の小さな体で一生懸命、教師の勤めを
果たしているのを見ると、沙耶は申し訳なくも応援したくなるのだった。
513104:2009/02/25(水) 00:06:46 ID:N/0/Tu07
三時間目は体育である。
男子は隣の教室で着替え、隣のクラスの女子がこちらに着替えに来る。
むっちりぜい肉がついていたり、やせていたりする生徒もいるが
全員が子供の体格ではなく、成長しきった大人の女の体だった。
「ハア……着替え、めんどうだな〜」
沙耶がため息をつくが、面倒なのは皆も同じだ。
彼女は平均的な体格のみどり先生の体だからまだマシと言える。
小学生の体操服でも、何とか入るサイズがあるのだから。
それでもぴちぴちで胸や尻が絶えず締め付けられ、苦しくて仕方がない。

「さやちゃんはいいな〜、わたしなんて大変だよ」
隣の席からミカが話しかけてくる。
おかっぱ頭の下で、Fカップはある爆乳がぶるんと揺れた。
「えー、でもミカちゃんのカラダ、うらやましいよ」
アメリカのファッションモデルと入れ替えられてしまったミカは
クラスで一番スタイルのいい生徒になった。
腰は細くくびれ、尻も胸も形がよくボリューム満点、
いずれも男なら飛びつきたくなるほどのフェロモンを発している。
当然、小学生用の体操服など入るはずもなく、
大人用の、それも特注のスポーツウェアを着て体育に出るのだ。
クラス一の長身とスタイル、そして体全体が日本人離れしたミカには
悪戯好きの男子も恐れをなして近づこうとしない。
それがまた、少しだけうらやましいところだった。

「舞は体育どう? やっぱり無理?」
「うん、あたし見学……」
教室の隅で、大きなお腹を抱えた女子がそう答える。
妊娠中の母親と入れ替えられてしまったらしく、
再来月くらいに弟か妹を自分が産むのだと言う。
妹か――沙耶は家で自分を待っている沙智の事を思い出して微笑んだ。
514104:2009/02/25(水) 00:07:07 ID:N/0/Tu07
グラウンドに二クラスの生徒が集まり整列する。
男女が二列ずつになって並んだ生徒たちは、小さな男の子たちと
大人の女子にはっきりと分けられ、親子のようにも見えた。
大部分の女子は子供用のブルマと体操着を窮屈そうに着ていたが、
中にはミカのようなスポーツウェアやジャージの生徒もいる。
「今日は50m走のタイムを計ります。皆、頑張ってね」
生徒と同じ、白い体操着と紺のブルマ姿のみどり先生が言う。
その胸と背中には『3-2 小島』というゼッケンがつけられていた。
縫い直すのが面倒で、沙耶のをそのまま着ているらしい。
柔軟運動が始まり、皆は体を馴染ませるように動かした。

最初にスタートラインに並んだのは沙耶、ミカ、そして二人の男子。
男子に比べ、沙耶とミカの方が30cmは大きい。
「よーし、頑張っちゃうぞ!」
「さやちゃん、負けないからね!」
笛の合図で四人は一斉に駆け出した。
沙耶の体が跳ね、長い手足が力強く躍動する。
大地を蹴って一歩跳ぶごとにグングンと男子たちを引き離してゆく。
(は、速い―― !!)
みどりの体は圧倒的だった。
窮屈な体操着に胸や尻を締め付けられる痛みも忘れ、
沙耶は一番にゴールに到着した。
「やったあ! ねえねえ、何秒何秒?」
計測係の生徒に尋ねると、7秒4との答えが返ってきた。
今までの沙耶の最高記録が11秒だ。大躍進である。
「やったー! 先生の体のおかげだー!」
沙耶は男子の視線も気にせず、胸を揺らして跳びはねた。
515104:2009/02/25(水) 00:07:34 ID:1o22anqy
当然の事ながら、競争は女子が勝ち続けた。
やがてほとんどの生徒が走り終わった頃、
一人の女生徒がスタートラインに立った。
「あっ、ミホちゃんだ」
ポニーテールを白いリボンで束ねた、大人しそうな女子だ。
いつも途中で息を切らしてしまい、走るのに20秒はかかる子だった。
しかし今、その首から下はコーヒー豆を思わせる真っ黒な色をしている。
決して大きな体格ではないが、細い手足についた無駄のない筋肉が
サバンナの肉食獣を思わせる静かな迫力を持っていた。

「……ミホちゃんも外国の人になっちゃったの?」
「そうだよ、あふりか? のせんしゅの体なんだって」
へえ――と声を上げたとき、合図と共にミホが跳んだ。
弾丸のような速さでグラウンドを一直線に突き抜けてゆく。
いつものだらしないミホを知っている皆は、その変わりように
ぽかん、と口を開けるばかりだった。
「中川ミホ、6秒3!」
どよめきが上がり、皆は驚きと興奮の入り混じった顔で
息も切らさず50mを往復してきたミホを見やった。
今や驚異のランナーになった少女が恥ずかしそうにうつむく。

ちなみに50m走は陸上の正式種目ではないが、
女子の日本記録は小西選手の6秒47である。
516104:2009/02/25(水) 00:07:57 ID:1o22anqy
大人になっても給食はいつもと変わらない。
丸いプラスチックの容器に盛られたクリームシチューとレーズンパン、
カルシウムたっぷりの魚のフライと冷たい牛乳。
以前なら多いと残してしまっていたところだが、今の沙耶は違う。
「――おかわり!」
シチューの鍋に駆け寄ると、既にそこには食べ足りない顔をした
大きな女子が何人も並んでいる。
大人の体は小学校の給食の量では足りないのだ。
「先生、いつもお腹すいてたんだろうなあ……」
普段おかわりもしないみどりの姿を思い出し、沙耶がつぶやく。

「……あれ?」
ふと見ると、そのみどりが半分ほど食べたパンを持て余していた。
いつもは生徒に給食を残さないよう言っている手前、残せないのである。
「――みどり先生、それ食べてあげる!」
「沙耶ちゃん……」
みどりは躊躇してしばらく沙耶を見つめていたが、
やがて観念すると食べかけのパンをこちらに手渡した。
「……ごめんなさい。沙耶ちゃんが給食を残したとき、叱っちゃって」
「いいよ先生、代わりにあたしが残さず食べてるもん!」
にっこり笑う沙耶を、みどりはまぶしそうに見ていた。
517104:2009/02/25(水) 00:08:18 ID:1o22anqy
給食の席、教室の隅では二人の男女が言い争いをしている。
「こらヒロ! 人参残しちゃダメでしょ!」
「いいだろ、なんでリナが怒るんだよ!」
幼稚園のときから二人一緒の幼馴染、ヒロとリナだった。
ベージュのコートをまとったリナの体はヒロより二回りは大きく、
説教をするその姿は母親のようにも見える。
「当たり前よ! この体はおばさんのなんだからね!
 今はあたしがあんたのママって訳よ、わかった !?」
「何だよそれ! リナはリナだろ !?」
「ちゃんとおばさんにあんたを見張るよう頼まれてるの!
 わかったらママにちゃんと返事しなさい!」
「そんなのできる訳――ぎゃああっ !?」
リナの握り拳にこめかみを挟まれ、少年が悲鳴をあげる。
「い……痛ええ! 母ちゃん勘弁!」
「どう、真似しただけだけど結構痛いでしょ?
 ほら、やめてほしいならさっさと人参食べる!」
「く……くそぅ……」
可愛らしいフリルのついた少女の服を嬉しそうに着る母親の姿を思い出し、
ヒロは泣きながら人参を口の中に放り込んだ。
518104:2009/02/25(水) 00:08:45 ID:1o22anqy
放課後。日直だった沙耶は掃除を手早く終わらせ、
教室の戸締りをすると鍵を職員室に返しに行った。
「失礼しま〜す」
席に座る先生たち。その半分以上が自分より背が低い事に
軽い優越感を覚えつつ、担任のみどり先生を探した。
みどりは、隣のクラスの洋子先生と話し込んでいるようだ。
「――え、生理きたの? おめでとう、私なんてまだ……」
「大丈夫大丈夫、最近のカラダは発育いいから」
教師の机の前に座った、小学生にしか見えない小柄な二人の女教師。
――たしか、洋子先生の体は五年の山岸さんのじゃなかったか。
そんな事を考えつつ、上からみどり先生を呼ぶ。

「戸締りしてくれたの? ありがとう、気をつけて帰るのよ」
いつもの微笑みを浮かべて挨拶をする先生。
「――あ、そうだ……」
帰ろうとしてふと、みどりに呼び止められる。
「その体もそろそろ生理だから、気をつけてね。
 わからない事があったらすぐ先生に聞いてちょうだい」
「わかりました。先生、さよなら!」
礼をしてその場を後にする。
こちらを見つめるみどりが、どこか名残惜しそうな視線を送っていた。

職員室の隣、来客室には今日もPTAの役員がきているようで、
「あら奥様、とっても可愛らしいスカートですこと」
「いいえ――うちの子に買ってやったんですが、
 結局わたくしがはく羽目になってしまって……おほほほ」
「お若いですわ、このおみ足なんてまるで十代……」
などという中年女のやりとりが聞こえてきた。
519104:2009/02/25(水) 00:09:22 ID:1o22anqy
遅くなったため、クラブ活動中の生徒以外はもう帰ってしまった。
ミカも先に帰っただろう。沙耶は一人で下駄箱に向かった。
沙耶の靴は動きやすい白いスニーカーである。
みどりからは他にもパンプスやハイヒールを貸してもらったのだが、
歩きにくくて登下校には向かないのでスニーカーばかり履いている。

「あれ――?」
沙耶が軽く声をあげた。
ミカの靴――派手な赤いサンダルが下駄箱に入ったままだった。
ということは、ミカはまだ校舎内にいるのか。
ミカはクラブに入っておらず、残る理由はないのだが――。
「あたしを待ってくれてる、なんてことないよね……」
少し気になり、沙耶は教室やトイレを捜してみることにした。
だがミカはサンダルを残したまま消えてしまい、どこにも見つからない。

「――ミカちゃーん!」
沙耶は校舎の隅、放課後は人のいなくなる準備室のあたりにやってきた。
やはりミカはおらず、鍵のかかった部屋が並んでいるだけ。
「おかしいなあ――どこいっちゃったんだろ」
不思議に思いつつも見つからないため、そろそろ諦めて帰ろうとした。
かすかな音が聞こえてきたのはその時だった。
カタ……ガタ……
「……?」
沙耶は振り返った。音は小さく、だが止むことなく聞こえてくる。
どうやら、準備室の一つからのようだ。
520104:2009/02/25(水) 00:09:58 ID:1o22anqy
「ここ、みたい……」
沙耶は部屋の前に立ち、耳をすませてみた。
――ガタ、ガタ……ガタ……
机や椅子がきしむ音に思える。
準備室には鍵がかかっていたが、ドアに小さな窓がついている。
子供ではなかなか届かないだろうが、今の沙耶なら楽に覗ける高さだ。
沙耶はドアに体を寄せ、そっと室内を覗き込んでみた。

「ミカちゃん…… !?」
電灯の消えた狭い準備室の中、机の上にまたがった裸のミカが
ワイシャツの男に正面から貫かれている。
背を向けているため顔はわからないが、髪形から沙耶には誰かわかった。
「小林先生だ……!」
それは沙耶とは別のクラスの担任の、若い男性教師だった。
ミカの爆乳に顔をうずめ、必死で腰を振り続けている。
「山田……山田っ! どうだ、気持ちいいか !?」
「あぁっ……センセー、小林センセー……!」
おかっぱ頭の少女は恍惚の表情を浮かべていた。
弾力のある巨大な胸の塊と、なめらかに細くくびれた腰、
日本人より遥かに豊満なヒップが外からでもはっきり見てとれる。
すらりと伸びた白人の手足が教師の体に絡みつき、
淫らな海外ポルノのワンシーンを思わせた。

「――ミカちゃん……」
目を細めて嬌声をあげる彼女を見ていると邪魔をする気にはなれず、
沙耶はこっそりその場を離れた。
521104:2009/02/25(水) 00:10:18 ID:1o22anqy
いつもの通学路を一人で歩き、自分の家に帰る。
脚が長くなったため、早く歩けるのが地味に嬉しかった。
「ただいま〜!」
リビングに入ってまずやる事は、家族の状態の確認である。

「おかえり沙耶」
「お母さん、どう?」
ベビーベッドで仰向けに寝ている佐和子に声をかける。
問われた母親は、少し顔を赤らめて答えを返した。
「――おしっことうんちが二回ずつ漏れちゃったわ。
 それとお腹がすいたから、ミルクを飲ませてちょうだい」
「離乳食はいいの?」
「……あれは、お母さん好きじゃないのよ。
 だんだんと慣れていかないといけないけど……今は、ね」
すっかり慣れた手つきで母親のおむつを替え、
作ったミルクを人肌に暖め、哺乳瓶で飲ませる沙耶。
「……ありがとう、それじゃお母さん寝るわね。
 悪いけど、沙智の世話もお願い」
満足したのか、佐和子は小さなげっぷを一つすると
ベッドの中ですやすやと眠りこんでしまった。
沙耶はその寝顔を眺め、起こさない程度に軽く頬を突いた。
「……お母さん、可愛い――」
父親が帰ってくるまでまだまだ時間がある。
今のうち、沙智の処理もしておかなくては。
522104:2009/02/25(水) 00:10:41 ID:1o22anqy
妹の沙智はといえば、板の間で一人、寝転んでいた。
「さちちゃーん、お姉ちゃん帰ってきたよー」
沙耶が入ると、何が面白いのか手を振ってみせる。
出産して半年以上経つのに胸の張りは収まらず、
大きな双丘がシャツを内側から押し上げていた。
ちゃんと乳も出ているようで、シャツは母乳でベトベトだ。
病人用のおむつに垂れ流した糞便と母乳の匂いが混じり合い、
部屋は耐え難い悪臭に包まれていた。
「まずはシャツを脱がせて……」
新しいシャツに着替えさせ、おむつを取り替える。
本当ならシャワーに入れたいところなのだが、
いくら今の沙耶が大人の体であっても、
はいはいもできない三十代の女の体を一人で洗うのは無理がある。
こればかりは父の帰りを待つしかなかった。

テレビを見る合間に、母親と沙智のおむつを替えているうちに
父親が勤めを終えて家に帰ってきた。
夕食は外で買ってきた弁当や惣菜である。
沙耶が作れるよう頑張ろうか、と言うと父親は、
「いや、二人の世話で大変だろ。これくらい別にいいよ」
と言って沙耶に頭を下げるのだった。
やっと歯が生え始めたばかりの沙智にまともな食事はできないので、
毎日野菜ジュースやおかゆで何とかしている。
姉に食べさせてもらうと沙智は機嫌よく、ゴクリと飲み込むのだった。
523104:2009/02/25(水) 00:11:05 ID:1o22anqy
夜、終電もなくなり、人々が寝静まる頃。
「――沙耶、沙耶」
そういうときに、いつも母親に呼ばれる。
「ごめんなさい、ミルク作ってちょうだい」
この年頃の赤ん坊は夜泣きして親を悩ませるのだという。
さすがに佐和子が泣き喚く事はなかったが、
それでもミルクをねだられたり抱っこしてと言われたり、注文は多い。
はいはいと頷きながら、どうして夜中に
頻繁に目が覚めるのか聞いてみる事にした。

「……これは、赤ちゃんが寝るために必要なことなのよ」
「そうなの?」
「そうよ。赤ちゃんは大人と違って、毎日寝る時間が
 まだきちんと決まってないの。だから夜、突然泣き出したり
 機嫌が悪くなったりするの。赤ちゃんになってよくわかったわ」
「へえ――そうなんだ」
「沙耶も赤ちゃんの頃は明け方になって大泣きしたり、大変だったんだから」
ベビーベッドの上でそう言って笑う佐和子。
(……でも、今はお母さんが赤ちゃんなんですけどね)
声には出さずそう思うだけにし、沙耶は母親を寝かしつけた。
524104:2009/02/25(水) 00:11:56 ID:1o22anqy
佐和子が寝たのを確認し、沙耶はやっと寝室に戻った。
「……お父さん、もう寝た?」
「いや、起きてる」
父親は枕に頭を沈めていたが、寝てはいないらしい。
「……沙耶」
「何?」
「お前には苦労かけるなあ。いきなり先生の体になったり、
 母さんが赤ちゃんになっちゃったり。
 本当にお前はよくやってくれてるよ。謝らないといけないな」
「何言ってるの、もう慣れたよ」
「そうか、できる事があったら何でもしてやりたいが――」

父親は布団から起き上がり、沙耶の細い手を取った。
「……どうだ、やるか?」
沙耶は少しの間、自分のパジャマと父親の顔とを見比べていたが、
やがて消え入るように小さな声で、
「――うん、いいよ……」
とつぶやいた。
期待していたのだろうか。体の芯が
――キュン、と疼いた気がした。
525104:2009/02/25(水) 00:12:27 ID:1o22anqy
入れ替わってから、沙耶は父親と何回も交わっていた。
育児のストレスがたまっていたのかもしれない。
男子のセクハラがきっかけかもしれない。
単にみどり先生の若い体が淫らなだけかもしれない。
とにかく、父親は娘の体を夜ごと愛撫して何度も抱き、
沙耶も父親に抱かれるのを嫌とは思わなかった。
体は立派な大人でも頭は子供、性に対するタブーもなく
求められればたとえ父親とでも交わってしまうのだ。

母親に知れたらどんなに怒られるか想像もつかないが、
今のところ知られていないし、それに知れても相手はただの赤ん坊、
沙耶がいないと排泄の処理一つできない弱い存在だ。
親子だった以前とは完全に立場が逆転してしまっており、
今の佐和子が沙耶に逆らえるはずがない。
体の持ち主であるみどり先生には少し悪い気もするが、
元に戻れるなどとは思っていないので、もうこれは沙耶の体だった。
あの少年に入れ替えられてから随分経ち、
みどりも沙耶も、今の体に充分に適応していると言えた。
526104:2009/02/25(水) 00:12:52 ID:1o22anqy
あの日入れ替わったのは二人だけではない。
たった一日で、学校中の女子が体を入れ替えられてしまった。
ある者は母親と、ある者は教師と、ある者は見知らぬ外国人と、
女子は残らず首から下を大人の女性と交換させられ、
戸惑いつつも新しい生活を始めざるをえなかった。
どういう訳かテレビやネットの話題にはならなかったが、
それゆえ大騒ぎになる事もなく、ある意味幸せと言える。

しかしそのせいで、この学校からは性に関する一切のモラルが消滅した。
表向きは普通の小学校のままだが、その生徒は小学生ではない。
顔は愛らしい少女なのに、体は二十代、三十代の女性なのだ。
高学年ならばまだしも、大半は性教育を受けたことのない
純真無垢な子供たちである。当然生理や避妊の知識がある訳もなく、
ちょっと手を出してやればミカのように喜んで股を開く。
陰茎を性器に突き込まれる意味もわからず、嬉しそうに鳴くだけだ。
思春期の男子生徒や欲求不満の男性教諭にはまさに楽園だろう。
527104:2009/02/25(水) 00:13:20 ID:1o22anqy
実際、今日のミカのように、男子や先生に抱かれる生徒はかなり多い。
沙耶は気づかなかったが、放課後の保健室では六年生の男子が数人がかりで
グラビアアイドルの体になったあどけない一年生を輪姦していたし、
家庭科室では女教師と入れ替わった山岸という五年生の女子が
好きだったクラスメートに告白して、激しい性交を繰り広げていた。
特に肉体と知能のギャップが著しい低学年の女子が狙われやすい。
AV女優と入れ替えられてしまい、学校では教諭と先輩たちに、
家では父親や兄に犯され続けている生徒もいる。
だからと言って登校拒否になるでもなく、毎日セックス目当てに
きちんと登校してくるのだから大したものだ。

部活動も例外ではなく、テニス部の顧問は居残りと称して
毎日のように部員の、女子大生や人妻の体を堪能しており、
手芸部でも部員と顧問の乱交騒ぎが頻繁に起こっていた。
五、六年生にもなると性の知識もそれなりについてくるため、
授業中に教師の前で――しかもその教師の体で――自慰を始めたり、
何人もの生徒や教師と関係を持ったりする女子もいるという。
やがては妊娠する生徒も当然出てくるだろうが、
舞みたいに既に妊婦の体になった生徒もいるため
あまり問題視はされないだろう。
528104:2009/02/25(水) 00:14:12 ID:1o22anqy
もちろん、この事件の犯人はあの少年だった。
「……退屈でね。たまには派手な事でもやろうかと思ってさ」
さわやかに言って笑みを浮かべる美しい顔。
思い出すと今でも恐怖で体が震えるが、
なぜか沙耶は、彼とはもう二度と会わない予感がした。
それはつまり、沙耶たちが一生元に戻れない事を意味する。
だがうちの女生徒は予想以上にたくましく、
みんな大人の体の喜びを実感しながら過ごしている。
――これなら、もう戻れなくてもいいかもしれない。
沙耶は最近そう思っている。

「……ああんっ !!」
父親に激しく子宮を突かれ、つい声をあげてしまった。
すっかり性交にも慣れ、沙耶もみどりの体でそれなりに楽しんでいた。
しかし体は大人でも頭脳は小三、妊娠のリスクなど思いもよらない。
(――妹、もう一人つくったら面白いかも……)
などと不真面目に考えるだけだった。
だが沙耶は気づいていなかった。
みどりに注意されたはずの月経が、いつまで経っても来ない事に。
既にその胎内には新たな命が宿っているのだ。

……翌年、無事に女の子を出産した沙耶は、
一歳の体の佐和子と一歳の知能の沙智と、生まれた赤子の三人の子育てで
疲れ果てることになるが――それはまた別の話だった。
529104:2009/02/25(水) 00:17:41 ID:1o22anqy
以上となります。
今回は入れ替わりやエロシーンではなく
大規模なすげ替え事件の後日談、という形になっております。
たまにはこういうのも面白いかもしれません。
――少年、暴走しすぎです。

では今日はこれで失礼致します。
砂漠のきつねさんの続編も楽しみにしております。ではでは。
530砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:36:18 ID:1xeCB708
すごいですね。集団での入れ替わりは、自分でも職場で妄想したりしてしまうのですが(笑)
ここまでくると見事です!

感想くださった方々、ありがとうございます。
自分ではテンポがいいとは思ってないのですが…お褒め頂きうれしいです。
前も書いたように、いろいろ書きたくなっちゃうんですよね。
服って個性が出る分、ギャップも出ますし、飲み会とかで私服を見ると、
そういう子同士の入れ替わりを妄想して悦に入ってしまいます。
スレンダーでパンツばっかりの子が、甘いファッションでミニスカの子と…とか
ブラウンとか紺とかがメインの、シックな感じの大人の女性とショートパンツも履きますみたいな若い子の
入れ替わりとか。
531砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:55:03 ID:1xeCB708
<9>
「なにこれ?」
「えぇ!?」
『品探しに出ます。しばらく休みます。』
店の前には達筆な筆で書かれた張り紙…
「さっきまでやってたじゃない。」
「まだいるんじゃないの?」
二人は各々に戸を叩いて中にいたはずの老婆を呼んだ。
しかし、中からの答えはなかった。
「はぁ…」
瑠美になったさやかがため息をつく。
「とりあえず帰ろっか。」
さやかの体の瑠美が言うと、さやかは小さく頷いた。
「これからどうする?」
瑠美の家に戻るとさやかが切り出した。
「そのうち戻るかもしれないんじゃない?」
体が変わっても瑠美の楽天家な性格は変わらない。
「そんな…明日までに戻らなかったら?仕事とか。」
「そっかぁ。」
「私、看護婦さんなんてできないよ。」
「大丈夫、私だってできるんだから。私だって、受付なんかできないよ。」
「とりあえず、調子が悪いとか言って座ってニコニコしてればなんとかなるから。」
そこまで言って、さやかが気づいた。
「明日の服…」
(え?)
瑠美は一瞬疑問に思ったが、
自分の眼下から伸びるスレンダーな脚を見て納得した。
「そっかぁ、こんな格好のさやか、見たことないもんね。」
「取りに行かないと…って、瑠美の知り合いにあったらどうしよう?」
「そうだね…。下向いて歩いたら。」
「そんなんでどうにかなるかなぁ。」
「とりあえず、この間だけはしょうがないよ。」
「じゃあ服取ってくるね。」
「いってらっしゃい。あ、これ私の傘。」
「ありがとう。」 
今度は慎重にブーツを履いていく。
「今度は大丈夫。」
そう言って笑うさやかは、いつもの瑠美のように見える。
「気をつけてね。」
瑠美の口調もいつものさやかのようにおだやかなものだった。
532砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:56:02 ID:1xeCB708
<10>
駅まで10分、電車で1駅、さらに歩いて5分。
幸い瑠美の知り合いには会わずに、さやかは自分の家に着いた。
「とりあえず服を持っていかないと」
さやかはクローゼットから服を探す。
白のブラウス、ベージュのニット、黒のジーンズ。
そして黒や紺の落ち着いた色の下着。
いくつかを旅行用のカバンに詰めていく。
「ふぅ。」
さやかは一息つくと、床に座り込んだ。
胸に感じていた重みが少し和らぐ。
ミニスカートから覗くのは黒いストッキングに
包まれた肉感的なふくらはぎ。
(私の服…今度はいつ着るんだろう。)
さやかの中にはまた不安がこみ上げてくる。
しばらくするとさやかは自然に服を脱ぎ始めていた。
「瑠美になっちゃったら着ることもないよね…」
部屋の寒さに気づきエアコンのスイッチを入れると
ピンクのプルオーバーを脱ぎ、白のキャミソールを脱いでいく。
白黒チェックのミニスカート、黒のストッキングも脱いでしまう。
淡いブルー下着姿の瑠美。
鏡の前に立つさやか。
(それにしてもおっきいなぁ。やわらか〜い。)
両手でバストをつかむと、後ろ向きになりヒップを持ち上げる。
(ヒップはちょっと大きすぎかな…)
クローゼットからボタン脇にフリルが付き
細い黒のストライプが入ったブラウスに袖を通す。
二の腕に抵抗を感じるも何とか通すが、指先が袖から出ない。
左手で引っ張り手先を出す。
左の袖を通し前を留めようとするがなかなかボタンが留まらない。
(ひゃぁ、留まんないんだ…)
胸を引っ込め慎重に留める。
そして黒のロングスカートを穿く。
なかなかファスナーが閉まらない。
(よいしょっと)
鏡を見るとヒップのラインが露わになっている。
正面を向くとずいぶんアンバランスだ。
ぶかぶかの袖、はちきれそうな胸のボタン。
この前着たのは3日前くらいだろうか。
あのときの自分と全く違う体。
ふっと息をつくとパチンという乾いた音が響いた。
少し軽くなる胸の圧迫感。
さやかの細身な体型を強調するデザインだが、
瑠美が着ると、縦横のバランスが崩れてしまう。
2番目のボタンが飛んでしまい、横からは水色のブラジャーがのぞく。
「あ〜あっ」
さやかはわずかに歩を進めるとかがんでボタンを拾った。
「そりゃこうなるよね」
苦笑いをしながら服を脱いでいく。
「これは置いていかなきゃ。瑠美も待ってるし早く行かないと。」
元の瑠美の服を着るとさやかはカバンを持って外へ出た。
533砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:56:42 ID:1xeCB708
<11>
「おかえり」
「ただいま」
「ちょっと遅かったね」
「うぅん…ちょっとね」
「誰か知り合いに合って困った?」
「うぅん、そんなことないよ」
(自分の服着てみたなんて言えないよね…)
「とりあえず、こんな感じ」
「ありがとう、ちょっと着てみるね。」
そういうと、瑠美は白と黒のツートンになった
レトロ柄のワンピースを取り出した。
「こういうのって、背が高くないと似合わないじゃない」
「そういうもんかなぁ」
「ちょっと待ってて」
瑠美は先ほどさやかが着替えた隣の部屋へ入っていった。
「あれは確かにお気に入りだけど…」
しばらくすると、瑠美が出てきた。
「どう?っていつものさやかになっただけかぁ」
「そうだね。」
いつもの自分を鏡で見ているようで、さやかは言いようのない違和感を覚えていた。

しばらくお互いの体で過ごしたが、戻る気配は全くない。
いつ戻るか分からない以上、とりあえずはお互いの役割を果たすしかなかった。
二人はお互いの情報を交換した。
職場の場所から始まって仕事の流れ、職場の人間関係などなど…
「大丈夫かなぁ」
「大丈夫なわけないじゃない、でもなんとかなるでしょ」
「そんなぁ」
楽観的な瑠美にさやかは半分あきれていた。
自分が看護婦の仕事なんて…
「私の仕事はたぶん瑠美はできるけど…」
「大丈夫。ちょっと風邪気味とか言ってればどうにかなるって。」
そういった後、瑠美が続けた。
「家とかどうしたらいいだろう、あと財布とかも。」
二人で相談した結果、家も財布も自分の体の持ち物を使うことにした。
財布ならばまだしも銀行のカードが他人では何かあったとき大変だ。
とりあえず夕食までは瑠美の家で過ごした。
出前のピザを頼み、同じピザを分けて食べたり、瑠美の食べたところにさやかが口をつけたり、いろいろしてみたが戻る気配はやはりなかった。
「じゃぁ、行くね。」
夜も更けてきたため、瑠美はさやかの家へ帰ることにした。
さやかのブラウンのロングブーツを履いた瑠美は、
どこから見てもさやかそのものだった。
「うん、何かあったら電話してもいい?」
「休みは不規則だからいつ電話できるかわからないけど。
患者さんの具合とかで変わっちゃうから。」
「そうなんだぁ。」
「さやかのほうはできるの?」
「大丈夫、昼休みはちゃんとあるから。」
「そっかぁ、じゃあ待ってる。」
瑠美は軽くバイバイをしながら、玄関のドアを閉めた。
(自分の家なのにバイバイしてドア閉めるなんて。しかも自分に見送られて)
そう思うと瑠美は少し苦笑いをした。
534砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:57:08 ID:1xeCB708
<12>
「ふぅ…」
瑠美が帰った瑠美の家でさやかは大きくため息をついた。
「こうなったらうじうじしてても始まらないかぁ。」
さやかは寝る前のいつものホットミルクでも飲もうと、
冷蔵庫を開けたが牛乳がない。
「そうだ、瑠美って牛乳嫌いなんだった。いいや、明日にしよ。」
あきらめてさやかは風呂に入ることにした。
再び襲う胸の重量感…
「やっぱり外すと来るなぁ…」
さやかは胸を支えながら浴室へ入った。
シャワーを浴び、体を洗っていく。
「それにしても柔らかいなぁ。おんなじ女とは思えない…」
つぶやきながらさやかはボディーソープを落とす。
くせっ気のある髪を洗い、浴室から出てくる。
「パジャマはどこかなぁ」
さやかはクローゼットを探す。
「これかぁ…」
パステルピンクで袖と襟に大き目のフリルがついたパジャマ。
「…しょうがないか。」
さやかはボタンを外してパジャマを着る。
「かわいいなぁ」
鏡を見て小さな体になった自分を改めて感じるさやかだった。
「病院までは15分くらい…7時には起きないと。」
さやかは部屋の電気を消した。
535砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:57:32 ID:1xeCB708
<13>
瑠美もさやかの家へ帰ってきた。
暖房を付けるとコートを脱ぎ鏡の前で腰に手を当ててポーズを取る。
レトロ柄のワンピースから伸びる脚は何度見ても美しい。
「お風呂入ろっかな」
瑠美は服を脱いで浴室へ入る。
洗面所の鏡に映る生まれたままの姿。
小ぶりな胸と長い脚、体全体のラインの細さ、型から胸にかかる長いストレートヘア。 
どれも瑠美の体にはないものばかりだ。
(モデル体型だよねぇ、胸だってこれだけあれば十分…
でももうちょっとあったほうがいいかぁ…)
そういうと再び瑠美はポーズをとったが、すぐに身震いした。
「お風呂入ろ」
シャワーを浴びると長い髪、そして体全体が濡れていく。
湯気の中で鏡に映るさやかの姿はまた美しいものだった。
瑠美も温泉に一緒にいったことがあるがこんな姿は見たことがない。
「きれいだなぁ…」
髪を洗い、体を洗い、瑠美は浴室から出た。
バスタオルで髪と体を拭いていく。
「下着は、っと。」
クローゼットを開け、黒のブラジャーとショーツを穿く。
「さやかの下着着けるなんて…」
思わず鼓動が早くなる。
小ぶりな胸を黒のブラジャーに収め、ショーツを穿く。
下着姿のさやか。
「これが私の体かぁ、風邪引いたりしないようにしないと。」
瑠美はクローゼットからパジャマを取り出す。
厚手の紺色の生地で、襟や袖には白いラインが入っている。
こんなパジャマを着ているさやかが、今頃は家で自分のパジャマを着ている。
「わたしはいいけど、さやかは嫌だろうな」
そんなことを思いながら瑠美はさやかのパジャマを身に着けた。
「あ…」
瑠美は大事なことに気がついた。
今の瑠美はさやかの体。
さやかの髪は長く、乾かすのに時間が掛かる。
「早く寝たいけど乾かさないと…」
ドライヤーで15分。
艶のある黒髪が肩にさらりと掛かった。
「ふぅ。ようやく終わり。」
瑠美は電気を消してベッドに入った。
536砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:57:59 ID:1xeCB708
<14>
翌朝。
ジジジーとけたたましく目覚ましが鳴る。
「うぅっ」
いつもと違う目覚ましの音にビクッと身震いをしたその時…
さやかはまたもや瑠美の体の怖さを知ることになる。
「う…ん、起き上がれない…」
大きい胸のせいでいつものように起き上がれないのだった。
両手をついてなんとか起き上がる。
目線の下にはピンクのフリルの生地を持ち上げる二つの膨らみ…
「なに、起き上がるのも大変なの!?」
つぶやきながらさやかは支度を始める。
クローゼットから下着を探す。
フリルや花柄のかわいい下着のセットが所狭しと入っている。
「う〜ん、辛うじてこれなら…」
黒い生地にピンクのバラがあしらわれた下着。
身に着けると胸の重みが少し軽くなる。
黒のタートルネック、バーバリー柄のミニスカート。
黒い分目立たないが少しでも下を向くと大きな胸が視界に入る。
いつものファー付の白いコートを着て、
さやかは瑠美として病院へ出かけていった。

瑠美もさやかから遅れること1時間、いつもより遅い起床だ。
すっきりとした胸周りに違和感を感じながらさやかの服を着ていく。
「地味な色が多いんだね。」
ベージュや黒、紺や深緑の下着。
さやかは深緑の上下を選んだ。
昨日着たレトロ柄のワンピース、黒のストッキング。
昨日と違うグレーのコートを着てブラウンのブーツを履く。
玄関の姿身に映るのはどこから見ても、いつものさやかの姿。
「ほんとにさやかなんだ…」
瑠美もさやかとして、家を出て行った。
537砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:58:20 ID:1xeCB708
<15>
二人はお互いの仕事をこなしていく。
瑠美は二人組の受付だったので駄目なときはもう1人に
任せればよかったが…
看護婦になってしまったさやかは初めて見ることばかりだった。
まずナース服への着替え。
どのボタンを外して着ればいいのかわからない。
「上からかぶるのかなぁ…」
普通のナースであればこれでも着られるのだろうが…
今のさやかは胸の大きな瑠美の姿だ。
上からでは胸がつかえる…
「おはよう」と同僚らしき人が声を掛けるが
さやかは必死でそれに気づかない。
上から着るのをあきらめ、下から持ち上げる。
力が入る分、胸の部分も引っ張り上げて通すことができた。
ファスナーを閉めるといままでとは違う圧迫感…
「なにこれ…ってぅぅん、遅れちゃう…」
急いで走るとユサユサと揺れるバスト。
「もうなんか痛いよ…」
エレベーターに乗り病棟へ着いた頃にはもうすっかり疲れてしまっていた。

上の空で朝のミーティングに出た後業務開始。
不思議なことに自然と体は動くが知らない人に囲まれ、
ぐったりして昼休みを迎えた。
「看護婦さんって大変…」
休みに入ったのは12時30分。
「まだ休憩中だ。」
さやかは瑠美に電話をかけた。
「どうそっちは?」
「もう大変、瑠美よく毎日やってるよね。」
「慣れちゃえば大丈夫だよ」
「もう午後も不安…」
「あ、今日夜勤だったはず。」
「えぇ!?」
「その分早く帰れるから。私も帰ったらすぐ家行くから。」
「うぅん…」
戸惑ったままさやかは電話を切った。
(夜勤って何?)
受け入れざるを得ない現実に、さやかは途方に暮れた。
午後の勤務を終えたのが午後5時。
さやかになった瑠美も5時には会社を出ていた。
538砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:58:51 ID:1xeCB708
<16>
先に帰ってきたのは瑠美。
何かあったときに部屋に帰れるよう互いの部屋の合鍵を持っていたのだ。
さやかの姿で自分の家に帰る。
いつもより低く見える玄関。
(なんか変な感じ…)
慣れた手つきで電気をつけ、暖房のスイッチを入れる。
15分ほど待っただろうか。
瑠美の姿のさやかが帰ってきた。
「おかえり」
「ただいま」
お互い自分の姿に出迎えられ、二人はリビングのソファーに座った。
さやかが大きく肩で息をする。
「大変だった?」
「大変なんてもんじゃないよ。私にはとてもできないよ。」
「でも、できたじゃない。」
「不思議よね、体は動いたし、職場の人たちもなんとなくわかった。
でも疲れた〜」
「夜勤は11時半には病院に行かなきゃだから。早く寝たほうがいいよ。」
さやかは昨日と同じパジャマに着替える。
ブラジャーを外して感じる重量感には少し慣れてきたようだ。
瑠美を見送りながらさやかが聞く。
「そっちはどうだったの。」
「なんともなく過ぎたって感じ。」
「看護婦さんに比べたら楽な仕事だよね。」
「そんなことないよ。おじぎいっぱいして結構大変だったよ。」
「でもそうしてれば終わっちゃうから。寝るね。」
「わかった、おやすみ。」
手を振るさやか。玄関のドアを閉め歩く瑠美。
すっかり馴染んだその様子は
まるで互いの体に戻ったかのようにも見えた。
539砂漠のきつね:2009/02/25(水) 00:59:12 ID:1xeCB708
<17>
それから夜勤をこなしたさやかは
前日からの騒動にすっかり疲れ、家に帰った途端に、
すっかり寝てしまった。
瑠美も夜勤明けであることはわかっていたので、連絡はしなかった。
しかし、それを機に、二人は会う機会がなくなってしまった。
毎日会おうと約束してはみたものの、
入れ替わってしまった驚き、これからの不安。
様々なものが2日もすると消え去ってしまったからだ。
元に戻らなければけないことは分かっていても、
仕事を持っている状況ではなんともし難いのが現状だった。
週末に会えば、と思っていたが、
その週、瑠美になったさやかは
どちらも勤務で元に戻る手間をかける時間がなかった。
何より、二人が仕事をこなせていたので
日々の生活に苦労しなかったのだ。

「ひょっとしたら、変わった体の覚えたこととかが、
そのままできるのかな?」
さやかがある日の電話で瑠美に言った。
最初は抵抗があったフリルたっぷりのパジャマにも
すっかり慣れてしまっていた。
「そんなことある?」
「だって、身体が他人のものになるのだって、普通じゃ考えられないことなんだから」
「そうだねぇ。そうなのかも。」
この体は他人のもの。
そんな異常事態のはずなのに、
流れる日々にはいつもとの変化を感じられず、
うっかりすると元に戻ることを忘れてしまいそうな二人であった。
540砂漠のきつね:2009/02/25(水) 01:02:15 ID:1xeCB708
規制が取れていたので自宅からさらに投下してしまいました。

あちらでも見ていた方には、申し訳ないんですが、たぶん今日1日で投下した分って、
半年かけて下ろしたくらいの分量ですよね

久々ここをのぞいた方は「祭り」状態にびっくりされるのでは…
541104:2009/02/25(水) 01:34:26 ID:1o22anqy
>>砂漠のきつねさん
素晴らしいですね。
入れ替わった二人の格好や戸惑いの描写が
とても丁寧で参考になります。
私は短編ものばかりなので、
長編を腰を据えて書けるのもうらやましいところ。


そういえば、このスレの容量もだいぶ大きくなりましたね。
次スレ、考えておいた方がいいでしょうか。
まとめサイトもありませんしね…うーん。
542名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:49:03 ID:M9sIN3ma
大量すげ替えGJ

104さんは文章力があって面白いな〜

私も男体化スレですげ替え物書いたりしましたが、もうちょっと本でも読んで勉強しないとだめですね

砂漠のきつねさんのも面白い
ただエロもほしいな〜w
543名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:53:51 ID:ghmks+Vp
砂漠のきつねさんの作品は
やはり服装や身体の特徴の描写がとても上手だと思う。

明らかに年齢差がある場合でも
面白い作品を書くのは難しいと思いますが
きつねさんは描写が上手なので
同年代でも違和感なくグイグイ作品に引き込まれて
行くところが魅力ですね。
544砂漠のきつね:2009/02/25(水) 02:05:09 ID:1xeCB708
みなさん、すぐの感想どうもありがとうございます。寝ようと思ったらこんなにお返事が!
しかも、作家さんが多いみたいで、作り手目線が入ってるのが面白い(笑)

自分は、エロは書くのが苦手というか、上手に書けないんですよね(泣)
だから彼氏いない設定にしてしまって…
上手に書ける人だと、ここからいっくらでも膨らませられるんだろうな、と思ってしまいます。
幸い、ここには団鬼六ばりの描写ができる作家さんもいらっしゃいますので(笑)
そっち方面はお任せしてしまって、私は「日常に入り込んだ入れ替わり」的な感じで書かせていただければと。

電車のとなりの席で、年の割にそわそわしてるきれいな女性の中身は小学生かもしれませんよ、みたいな。
545名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 02:06:45 ID:AhgiWyAM
546名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 07:42:32 ID:WffxJ7MC
気づいたら495kbだね。
確かに次スレいる時期。

ついでにまとめサイトもあれば…
547名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 12:01:59 ID:jiP0iT7T
104さんの新作やばい
少年飛ばしすぎだろwww
マジ神だわGJ!

まさか次スレの話になるとは思ってもみなかったぜ
548名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:56:30 ID:DpDok2TQ
では、立ててくる
549名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 22:13:29 ID:DpDok2TQ
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235567463/

次スレ立ててきました。
550104:2009/02/25(水) 22:26:20 ID:1o22anqy
>>549
GJです
次スレだけでなく、まとめサイトまで
用意して下さるとは…感激しました
551砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:25:10 ID:TYEDsV+R
<23>
もうあの日から何日たっただろうか。
季節が一つ過ぎ去ったというのに、骨董品店は相変わらず閉まったまま。
元に戻るため努力もしてみたかったのだが、
お互い何をしたらいいものか、見当もつかなかった。
仕事をこなす日常に流されてしまい、
いつの間にか過ぎた3ヶ月という月日。
さやかも瑠美も入れ替わった体にすっかり馴染んでしまっていた。
看護婦として、受付嬢としての仕事にも。
元の体に戻るという執着も薄くなってしまっていた。

春休みに入り、病院は見舞い客、
特に子供が多くなった。
さやかのよく受け持つ患者の1人に
いつも付き添う女の子がいた。
「休みだから付き添いしてるの?えらいね。」
受け持ちの部屋を見回り、一区切りついたさやか。
廊下に出ていた女の子に、声を掛けた。
「うん、おばあちゃん大好きだし、あと…」
「あとなぁに?」
「看護婦さんになりたいんだ、私。」
「そうなの、でも…」
「でも?」
「大変よ。」
「やっぱそうなんだぁ…」
そのうちに、部屋に行くたびにさやかはその子と話をするようになった。
彼女の名前は西山真由。今は小学5年生で4月から6年生だという。
(大人っぽいから中学2年生くらいだと思ってたけど)
552砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:25:59 ID:TYEDsV+R
<24>
春休みも半ばを過ぎたある日。
いつものように真由は祖母に付き添い、さやかは病室に顔を出す。
目をキラキラさせて話をする真由。
そんな真由の話をやさしく聞いているさやか。
さやかの身長は同じ頃、すでに160cm以上あり、
わずかに大人の匂いが混じり始めた、この年代特有のかわいらしさというよりは、
むしろ、かなり大人びた感じの女の子だった。
真由はといえば、
カップ付きのブラジャーを着けている同級生もいる中で、
なかなか胸が膨らまないことに、苛立ちを覚えていた。

(かわいいなぁ、私もこんな小学生だったらなぁ)
(瑠美さんって胸大きいよね。いいなぁ。)

「じゃぁ、また来るね。」
返事が返ってくるはずのところで、
さやかは「うっ」といううなり声を聞いた。
「真由ちゃん、どうしたの?」
「なんか、変な感じがする。」
「具合悪いの?トイレ行こうか。」
さやかはトイレに真由を連れて行く。

さやかの判断は正解だった。
トイレに入ると、真由は身をよじるように苦しみ始めた。
どこかで見たことがあるこの光景。
(まさか…でもなんで?)
その頃、あのオブジェがあの時と同じ鈍い緑色の光を放っていることなど、
さやかには知る由もなかった
553砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:26:29 ID:TYEDsV+R
<25>
悪い予感は、目の前で現実のものになろうとしていた。
ピンクと赤のボーダーが入ったニーソックスに覆われた
マッチ棒のような細く直線的な脚。
そのラインが、丸みを帯びたものに変わっていく。
とっさにさやかは二人で個室の中へ入る。
「瑠美さん、私…」
そういうと真由はまた、声にならない声で悶え始める。
ベージュのキュロットスカートから覗く脚は、
すでに太股が裾に密着するほど、むっちりと肉感的なものになる。
紺のプリントが入ったピンクのパーカー、その胸元がゆっくりと持ち上がる。
はっきりと形がわかるようになっても、大きくなるのは止まらない。
この年頃の女の子ではあり得ない大きさになり、隆起を描くバスト。
それに持ち上げられて、徐々に臍があらわになる。
ツインテールの髪がブラウンに変わり、毛先にパーマが掛かる。
悶える声が少し低くなる。

まぶしい光に眩んだ目が明るさを取り戻すと、
目の前にはさっきまで真由が着ていた服を着た瑠美の姿。
ローティーンの服にツインテール。
いくら童顔で幼く見える瑠美でも、ロリっぽいでは無理のある格好。
ボーダーのニーソックスに覆われたふくらはぎと、
キュロットから覗く太股は、明らかに成人女性のもの。
そして、パーカーのプリントがひしゃげるほどのバスト。
僅かに見える、ウエスト周りの肌。
「瑠美さん、私どうなっちゃったの?」
「真由ちゃん、今真由ちゃんは私になってる。」
「ええっ!?」
554砂漠のきつね
<26>
驚いている真由をなだめようとさやかが言葉を発しようとした瞬間、
さやかの身にも変化が訪れる。
ぎゅっと身を絞られるような感覚が全身を走る。
思わず身をよじるさやか。
(私、真由ちゃんに…)
真由は言葉も出せず、心配そうに見つめる。
ピンクの生地を持ち上げていた大きなバストが沈んでいく。
ストッキングに包まれた肉感的なふくらはぎは、
マッチ棒のように細くなる。
むっちりとした二の腕も、
思春期前のほっそりとしたものになっていく。
まぶしい光が真由に注ぐ。
目を開けるとそこには、
まるで職場体験のようにナース服を着た真由の姿があった。

「私がいる…」
「そう、真由ちゃんが私に、私が真由ちゃんに。」
11歳とは思えない、落ち着いた口調でさやかが言う。
「こんなこと…なんで?」
「実はね真由ちゃん、私、瑠美じゃないの。」
さやかは今までの経緯を話し始めた。
オブジェを買ったら入れ替わってしまったこと。
その前は、橋本さやかという長身の胸の小さな女性だったということ。
だからその時、自分は瑠美みたいになりたいと思っていたこと。
(んんっ?)
「そうだ、私瑠美みたいになりたいって思ってた!」
思わず大きな声を上げたさやか。
「急にどうしたんですか?」
「今まで気がつかなかったんだ、どうして瑠美になっちゃったか。
ひょっとして、今、私に、っていうか瑠美になりたいなって思った?」
「はい…私、胸全然大きくならなくて。みんなブラ付け始めてるのに…
瑠美さん胸大きいし。いいなぁって。」
「私もね、真由ちゃんかわいいな、私もうこの頃身長伸びてたし、
こんなかわいかったらよかったのになって…」
「じゃあ、また元に戻りたいって思えば戻れるんじゃ?」