【お焚き上げ】投げSS供養スレ【墓場】

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3名無しさん@ピンキー
【宇宙から】電波系な女の子【受信中】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199703509/
このスレに投下しようと思ってたけどいつの間にか落ちちゃっていたようなので
こっちでお炊きあげさせてください

では投げます
4名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:03:26 ID:nreq02k1
「ここでわたしは重大な情報を提供しましょう『猫は人類の敵』!! 膝の上
から地球侵略を狙っているのです」
「はいはい、分かったから目ぇ開けたまま寝てないで教科書とノート出そうな」
 男一人と女一人の十畳間。この部屋はこの家で最も小さいと言うのだから金
持ちの考えることはよく分からない。
 そこの主である彼女は足は正座の形で上半身を後ろに倒す形で布団につけて
いつも通り夢物語を真顔で語る。
 つーか部屋に客が入ってきてるのに布団しきっぱか、どんなしつけされてん
だお前。
「重大情報を知った人間らしくもっと慌てたらどうなんですか、地球の危機が
回避されるかそうでないかの分かれ目なのですよ」
「分かったから教科書出せ、お前留年かかってんだぞわかってんのか」
 二進も三進もいかない状況だが彼女が頼るべき家庭教師は居ない。
 もうすでに現実とおとぎ話の区別が付いていて当然の年齢でありながら彼女
は未だに変態行動を行うためにまともな家庭教師は続かないのだ。
 彼女があまりに真顔で妄想を垂れ流すためそれに毒されて精神を病んだ家庭
教師もいるという。
「ああまさかここまで事態が把握できていないなんて。オメガプラニティ界よ
り使わされた使者の言葉を信じられない貴方には天罰が下ることでしょう。…
…はっここで天啓が! 貴方の愚鈍さを責め立てるのは間違っている! これ
は実に強固な洗脳なのでしょう。真実を真実と思わせない猫の力なのですね、
恐るべしねーこー!」
 何故か彼女は両手を広げ天井を仰ぐ。その視線は明らかに天井を見ている。
 掃除が行き届いているらしく天井には蜘蛛の巣どころかホコリ一つ見あたら
ない。当然蛍光灯の傘にもそれらは見あたらなかった。
 ハウスキーパー雇ってんだっけな。これだから金持ちは。
 明らかに掃除などするはずもない部屋の主を半眼でにらみつければ彼女はゆ
らゆらと上半身を起こしたり倒したりねじったりしている最中だった。
「この社会不適合者が。お前のことはどうでもいいがこっちはお前のご両親か
ら泣き付かれてんだ」
 本人はマジでどうでもいいが、こいつのご両親は金持ちで俺の両親とは若い
頃からの友人らしい。
 その縁で俺はこいつのご両親からちょっとばかり援助を受けている。そのた
めこいつのご両親の頼み事は断れないというわけだ。
 例えその頼み事がこのバカ女に留年を免れさせるという途方もないものであ
ったとしても、だ。
「おいバカ。最後通牒だ、教科書とノートを出せ」
「バカなんてこの部屋には居ないのです。いるのは真実を理解できない洗脳さ
れた貴方です!」
 上半身を起こし両手を握りしめてなお彼女は言いつのった。
5名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:04:01 ID:nreq02k1
 思わずその頭を思いっきり揺さぶってから床にたたきつけてやりたい衝動に
駆られるがそれを数字を一から十まで数えることでやり過ごす。
 これ以上いらいらしないために黙って立ち上がり部屋の隅に置かれたままの
学習机からノートと教科書を取り出した。
 マジで傷一つ無い新品同様の教科書の姿に思わずめまいがする。
 所謂一貫性のエスカレーター式の学校だからこそどうしようもないバカが時
折生み出されるが、彼女はそういうやっかいさに加えて性格がダメだった。
 ぶっちゃけ早いうちに金を積んで今の学校に入れたと彼女のご両親は言って
いたがそれは正解だ。
 高い金を払う私立だからこそ彼女は引っかかっているのであって、予算も人
間の余裕もない公立校ではまずこういう彼女から切られていくであろう事は想
像に難くない。
 そのエスカレーター式校に居てさえ彼女はどうしようもないレベルで引っか
かって留年の憂き目に遭いつつあるのだが。
「……おい、この教科書名前も書いてないぞ。お前これに今の今まで触ったこ
とあるのか!」
「ロックボトムにおけるスーサイダルカンパニーであるわたしは無意義に地球
の物質に触れることを禁じられているのです」
「いいから黙ってここにちゃんと名前を書いてみろ」
 また机から真新しいサインペンを取り出し彼女に握らせる。
 そしてその目の前にそっと教科書を差し出した。
 彼女は軽く首をかしげ考え込んだ後素直に名前欄にサインペンを走らせる。
「……」
 数秒の間の後、俺は黙って教科書の名前欄に訂正線を引いた。
「ああっ!」
「ふざけんな!『緋藍姫羽炎愛』ってなんだ!!! 読めるかー!!」
 ぶっちゃけ彼女はこんな何かを勘違いしたような名前ではない。
「ネガティブクリープな存在のわたしは母星からのからの要求により抽象輪廻
のため常に変名を求められているのです!」
「偽名って分かってやってんのかよ!」
「偽名ではありません、無上の存在からによる秘文を用いた絶対的な名であり
今世界に置いてのわたしの存在を秘密裏に示すのに最もふさわしいと思われる
文字の並びなのです」
 何故か彼女は胸を張っていた。張られた胸に肉は少ない。
 金持ちだから良い物を食べているだろうにどうして必要な場所に肉が付かな
いのだろうか。
「まず名前をまともに書かせるところからやるってなんなんだよ畜生!」
 悲鳴に近い気持ちを叫ぶと彼女は明後日の方向を向いていた。
「ああ、こうしている間にも猫は鯨と手を組みフラッシュバックエクソダスを
引き起こそうとしているというのに!」
 そして部屋から出て行こうとしたので思いっきり足を引っかけてやるとたや
すくその場にすっころんだ。
6名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:05:35 ID:nreq02k1
投げ終了です、失礼しました