5げと
>>1乙
エレオノールが目を醒ますと、両手を体の前で縛られて床の上に転がされていた。
もちろんカトレアの仕業である。
周囲を見渡すと、そこはカトレアの部屋であることが分かった。
しかし、床に転がされているせいでまだ全体が把握できていない。
「ちょ、カトレアどこっ!?一体何のつもりなのっ!?」
姿の見えない容疑者の名を呼び、エレオノールは腕を縛られたまま上半身を起こす。
幸い、足は縛られていなかったので、バランスさえ崩さなければ立ち上がれるだろう。
しかし。
その立ち上がった細い肩を、がっしりと掴まれた。
「ここにいますわ、お姉さま」
エレオノールの右側からひょっこりとカトレアが顔を出す。
そして、ふぅっ、と熱い吐息をエレオノールの耳に吹きかける。
「うひゃぅっ!?」
「うふふ。可愛い声」
淫靡に笑い、カトレアはエレオノールの整った顎をつつ、となぞる。
「ちょっとカトレア、どういうつもりなわけっ?」
「あら。言わなかったかしら?お姉さまに、孕まずに気持ちよくなる方法、お教えして差し上げようと思って♪」
そういえばそんな事言ってたっけ、などとカトレアの台詞を思い出す。
ちょっと期待している自分に自己嫌悪しながら、エレオノールは反論する。
「い、いいわよそんなの!」
「まあまあ遠慮なさらず♪」
カトレアは言いながら、隠し持っていた杖で魔法をかける。
魔法の効果で、エレオノールの身体がふわり、と浮く。
「ちょ、や、やめなさいカトレアっ!」
しかしカトレアは一切話を聞かず、部屋の隅をつ、と指差した。
「ほら、あれを見て姉さま」
中空に浮いていては抵抗らしい抵抗も出来ないので、言われるままにエレオノールはそちらを向く。
そこには、奇妙な椅子があった。
背が高く、手すりがあり、がっしりした作りの椅子。
ただし、その座面に異常が見られた。
その座面には、生白い、大きくて歪な花弁が置かれていた。
図鑑や、一般に生息しているものとは色が随分違うが、エレオノールにはそれが何か、はっきりと分かった。
「ろ、ローパー?カトレアあなた、こんなものまで飼ってるのっ?」
ローパーとは、他の動物の排泄物を摂取して生きる、下等な生物である。
その生態はひどく不潔で、自分の上に立った動物を、その花弁に酷似した器官から生えた無数の触手で絡め取り、排泄物を吐き出すまで拘束するのである。
しかし、このローパーはエレオノールの既知のものとは色がはっきりと違う。
ローパーは生息地こそ違えど、基本的に大地に擬態している生き物である。茶色や緑の色をしているものが殆どで、白いローパーなど聞いた事はない。
さらに、ローパーが忌避される理由の一つである、独特な香りがしない。それは動物のフェロモンに酷似していて、ヒトが嗅ぐととんでもない異臭として鼻をつくのだ。
カトレアは、怯えたようなエレオノールに説明する。
「この子は、少し特殊な生い立ちの子でして。
極北の地に住む、亜種のローパーなんです」
言いながら、カトレアは杖をつい、と振る。
エレオノールの体がすいーっ、とローパーの植えられた椅子の上に運ばれる。
そこでエレオノールは気付いた。下穿きを脱がされていることに。
「ひ…!」
ぞわりぞわりと蠢くローパーの触手に、エレオノールの喉から小さな悲鳴が漏れる。
カトレアは説明を続ける。
「北の大地に住む子ですから、当然、他の動物に逢う機会も少ない。
だから、この子は他のローパーと違って、排泄物を『食べに行く』役目の『お口』があるんです」
真上に動物の気配を感じ、ローパーの一部がぐじゅり、と盛り上がる。
花弁の一部を割り、太い白い触手が生えてきた。鎌首をもたげるそれはそれは、男性器にひどく酷似していた。
「その『お口』を他の動物の肛門に突っ込んで、腸がカラになるまで、食べてくれるんです。
野生のままだとそこで病気とか移されちゃうんですけども、その子は無菌状態で培養した子ですから安全ですわ」
カトレアが何をしようとしているのか、ここまできてようやくエレオノールは理解した。
カトレアは、肛門性交を自分に教えようとしているのだ。
「ま、待ってカトレア、わ、私ローパーなんかで気持ちよくなんかなりたくないわ!」
エレオノールの言葉に、カトレアは首を傾げた。
「大丈夫ですわ。まずはその子と、お薬を使って、まずは腸をキレイにするんです。
じゃないと、サイト君が病気になっちゃいますから」
「じゃ、じゃあお薬だけで全部出せばいいじゃない!こ、こんなの!」
エレオノールの否定の言葉に、カトレアは笑顔で反論した。
「あら。でも結構お上手ですのよその子。
…実は私も、その子にお尻の気持ちよさを教えてもらってたりして♪」
そう、カトレアも最初は、才人の精液をより効率よく吸収する為に、直腸での摂取を思い立ったのである。
さらに、直腸の洗浄用に、医療機関で研究されていた『無菌状態で栽培された白ローパー』を使う事を思いつく。
そして。
初めて、そのローパーを使って、直腸を洗浄した際。
事もあろうに、カトレアは肛門で軽いオーガズムを感じてしまったのである。
それ以来、カトレアは肛門で才人の精を受け続けている。もちろん、その前には丹念に直腸を洗浄するのだ。このローパーと、薬を使って。
「ま、待ってカトレア、後生だから…っ!」
「それでは、始めますわよ」
カトレアは無常にも、つい、と杖を下ろす。
どちゃ!
重い音を立て、エレオノールの体がローパーの上に落ちる。
ちょうど、その椅子に腰掛けるような格好で。
「ひ…!ひぃぃ!」
ぞわりぞわりと細かい触手がエレオノールの柔らかい玉の肌を撫で回す。
十分な弾力を持つその触手は、絶妙な強さで肌を刺激し、そして、数本が長く延びて、自らの上に落ちてきた獲物を捕縛する。
必死に足を閉じようとするエレオノールだったが、股間に絶え間なく受ける刺激のせいで、甘い痺れが股関節に響き、力が抜けていく。
「や…やぁんっ…」
密着した部分を無数の細かな指でなぞられるような愛撫に、エレオノールの喉から早々と甘い声が漏れる。
その脳裏に、先ほどのカトレアの声が響く。
『あら。でも結構お上手ですのよその子。
…実は私も、その子にお尻の気持ちよさを教えてもらってたりして♪』
キモチイイの…?私、気持ちよくなってるの…?
自分の体の示す反応に、エレオノールは戸惑う。
しかし、それは愛撫への反応であり、肛門の快楽ではなかった。
「あら、随分いい反応ですわねお姉さま。
それだけイイ反応だと、サイト君とする時はさぞかしスゴいんでしょうね」
「ち、ちがっ…ひぁ!だ、だめえ!」
カトレアの指摘に反論しようとした瞬間、エレオノールの肛門に、いよいよローパーの捕食用触手が伸びた。
白い皮に覆われたそれを、ローパーは容赦なく開かれたエレオノールの肛門に押し当てる。
必死に括約筋を締めるエレオノールだったが、色素の沈着した肛門の襞を、糸のように細い触手がさわさわと愛撫し始めた瞬間、ぞくりと背筋に強い電流が走る。
「ひぁ!だ、だめ、おしりざわざわしちゃだめえ!」
「そうそう、入れる前のそれが凄いんです。しわの一本一本まで、丁寧にさわさわしてくれますわ」
カトレアの言葉通り、その細い触手は、閉じた肛門の一番奥から、皺の一本一本を丹念になぞり、刺激してくる。
これは、そのローパーが生き残りの過程で習得した、他の動物の肛門を効率よく開けさせる手段だった。
そして、エレオノールの肛門も例外ではなく、じわりじわりとその穴を広げていく。
「だ、だめ、開かないで、おねがいぃ!私のおしり、ひらいちゃだめえ!」
必死に抵抗するが、体を襲う負の快感刺激が、容赦なく括約筋を弛緩させていく。
「あら、開かないとお腹をキレイにできませんわ。いい事ですのよ、それは」
「あ、あなた、あ、あとで、覚えてらっしゃいカトレ…ぁーーーーっ!?」
ずぶぶぶぶぶぶぶ!
カトレアに対する呪詛を吐こうとした瞬間、エレオノールの肛門が決壊した。
白い太い触手が容赦なくエレオノールに突き刺さる。
その触手はエレオノールの括約筋で締め上げられ、白い皮を剥かれていく。
エレオノールの直腸の中で、白ローパーの触手はその正体を露にしつつあった。
それは、表面に無数のイボのついた、褐色の触手だった。
その表面のイボには一つ一つ裂け目がついており、それぞれが直腸の襞にこびりついた糞便をこそげ取る口になっていた。
そして、その先端には、一際大きな裂け目。
それは結腸までに溜まった糞便の本体を喰らう、白ローパーの『口』であった。
白い皮とその触手の間には、粘液が充填されており、潤滑油としての役目のほかに、直腸の襞にこびりついた糞便をこそげ取る助けをしていた。
入り口を抜けた触手は、あまりにもスムースにエレオノールの直腸を進む。
そして、すぐにエレオノールの中に溜め込まれたモノにぶちあたる。
もぐ…。
直腸に溜まった糞便を咀嚼されるのが、肉越しに、わかった。
「や、やだ、止めてお願い!もぐもぐしちゃだめえ!
わ、わたしの汚いの、そんな、もぐもぐしないでえ!」
咀嚼されたモノが、触手の中の管を伝い、本体に運ばれていく事すら、肉を通して感じられる。
それは、排泄の感覚にあまりにも似ていた。
大きな塊が開かれた肛門を抜ける瞬間、エレオノールの体の表面にぶわ、と脂汗が浮き出、そしてその背筋にぞわり、と悪寒が走る。
「や、やらぁ!お、おねがいカトレア、たすけて、おねがいぃ!」
「あら、助けるなんて。その子はお姉さまの中をキレイにしてくれてるのよ。
悪い事なんてどこにもないわ」
体内のモノを食われるという異常な感覚に、恐怖を覚えたエレオノールは妹に助けを求めるが、カトレアは聞き入れない。
「や、やめて、こんな、だしてないのに、だされてるぅ!」
排泄のときに確かに感じる開放感、それに酷似した感覚は、確かに快楽といえた。
しかし、エレオノールの中の倫理観が、それを快楽とは認めない。
まるで祈るように縛られた手をぎゅっと握り締め、上半身を揺らし、美麗な金髪を振り乱し、エレオノールは必死に訴える。
「やめて、これ、これ以上されたら、わたし、私どうにかなっちゃうっ…!」
快楽と倫理のせめぎあう崖っぷちに立たされたエレオノールの声に、カトレアの言葉が重なった。
「あら。最後の締めがすごいのに。これじゃあ確実にどうにかなっちゃいますね、お姉さま♪」
「…え………?」
カトレアの声と同時に、糞便の塊を食べきった触手がごりゅ、と結腸と直腸の壁を押す。
「ひ───────────────────!」
何も触れた事のない、恐ろしいほど奥の肉を圧迫される感覚に、エレオノールの背筋がびくん!と反り返る。
これか、この事か、とエレオノールはその感覚に恐怖する。
しかし、カトレアの言っていたのはこれではなかった。
ぶじゅる、と触手の表面から粘液が分泌される。
それは、直腸の襞の隅々まで染み込み、皺の谷間に溜め込まれた宿便を浮かび上がらせる。
そして、触手を埋め尽くさんばかりにびっしりと生えたイボの裂け目が、全て開く。
直腸の圧迫感に、エレオノールはとんでもない息苦しさを覚えた。
「き──────かは───────!」
反射的に息を吸おうと、水揚げされた魚のように口がはくはくと動く。
そして、次の瞬間、とんでもない事が起こった。
触手が回転しながら、ずりゅずりゅと直腸内を往復し始めたのである。
それは、直腸に残った宿便まで残さず捕食しようと言う、ローパーの貪欲なまでの食欲のなせる業。
襞の一枚一枚まで丹念に削り取られる感覚に、エレオノールは全身を紅潮させ、小刻みに震える。
「ひあぁっ!?あひぃ、なに、これなにぃっ!?」
肛門を前後する触手の感覚に、戸惑い、しかし確実に登り詰めて行くエレオノールの体。
それは、股間から溢れる愛液が証明していた。
そして。
エレオノールの股間から、ぷしゃあ、と絶頂の証が噴出した。
「い、いく、わたひ、おしりでいっちゃうぅぅぅぅぅ!」
びくんびくんと触手椅子の上で痙攣しながら、エレオノールは新しい快楽を脳裏に刻まれながら、完全に気を失った。
しまた、大事な言葉を付け忘れた
※スカ・触手注意※
いやでもお兄さんにスカ趣味ないですからね、マトモですからねお兄さんは。ええ。
んじゃ続きの本番はまた後日にでも。ノシ
なぜだろう、釈然としない
乙
しかし、こっちになれるとサイトじゃ物足りなくなりそうw
わっふるわっ(ry
あいからわずぶっとんでますね
へんたいさんそれを忘れちゃあいけないだろう
罰としてルイズを加えた4Pエンドにしなさい
>>18 GJ!
カトレアの性癖ダメすぐる えらくアナキーな性癖だなぁ
>23
シエスタを含めた5Pエンドじゃないかな。
かりんとう?
カリン様っつったらやっぱり杖持った白猫だよな
カリン「仙豆かじっちゃらめえええ」
こうですかわかりません
「お豆はらめえええ」
卑猥ですね
>>28 カリン様のかりんとうをローパーがたべちゃうんですね、スカトロです
>>33 話題を振ったのは君だろうに ここは変態紳士の巣窟なんだから
そういう風に変わるのは当然だと思うが
しかしドラゴンボールか懐かしいな
変態とはどこまで許されるのか。
いままでこのスレで出たSSで変わったシチュは、
触手、アナル姦、竜姦(竜→男)、SM、スカあたりか?
どれもこれもそれなりに特殊性癖だが、ソフトなものならおkって人も多いしな。
>>35 好みじゃないシチュが来てもスルーするればよくね?
ここは18禁のエロパロスレなんだしな 建前上このスレの住人は
大人なんだし 面白いもしくはエロければ何でも良いかな
>建前上
まさかな・・・
>>37 俺は一応20過ぎてるよ
精神年齢は低いと家族と知人によく言われるけどなorz
>>38 m9(^Д^)
ってのは冗談だけどそんな詮無きこと言っても仕方ない。
変態紳士はクールに待つぜ
40 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:44:45 ID:J9o4ZiT0
>38
子供が持つ純真さを失ってないんですね わかります
41 :
精神年齢:2008/09/08(月) 22:47:34 ID:i5Q2azro
「なにこの流れ」
「要約すると、精神年齢の一番高い娘がサイトの嫁、ということ」
「え、えぇ? そんなお話でしたっけ?」
「ふふん、まあいいじゃない。精神年齢の話だったら、当然このわたしが一番上よね!
ゼロのルイズとバカにされて十数年、耐えに耐えて培われた、逆境に打ち勝つ強靭な精神力!
このわたしこそが精神年齢最年長であることは確定的に明らか!」
「なに言ってるんですか、ミス・ヴァリエールの気の短さと言ったら、ミスタ・コルベールの髪の毛並じゃありませんか。
そもそも皆さん貴族の生まれですから、結局のところまだ自立していない御身分でしょう?
その点、わたしはこの年で既に自立しているわけですから、やっぱり精神年齢では一番上なんじゃありませんか?」
「えー、でもさ、シエスタって結局は貴族のお子様相手に給仕とかやってるだけでしょー?
わたしなんか毎日毎日貴族のおっさんたちの汚い面見せられて、そういう連中に笑顔ふりまいてるのよ?
ぶっちゃけもう神経すり減りまくり。よく逃げ出さないでいるなーって自分で感心するぐらい。
ま、伊達に魅惑の妖精亭のNo.1キープしてるわけじゃないって。やっぱわたしが一番でしょ」
「お金ならわたしも任務で少しは稼いでる。その上境遇はルイズ以上に悲惨。
客としてよりも敵として大人と対峙する方が、世の中の汚い面は学べると思う。
さらに、この中で一番書物を読んでいるのもわたしだし、精神年齢では誰よりも上だと自負してる」
「あの、でも、精神的な年齢って、お金を稼いでるとか、本を読んでいるとか、そういうことで決まるんじゃないと思います。
特に女の場合、精神的に大人なのってやっぱり母親じゃないですか。子供の手本になろうとすると、自然と大人として振舞わなきゃいけませんから。
皆さん子育てってしたことありませんよね? わたし、血の繋がりはないけど、毎日子供たちの世話ばっかりして生きてきました・。
だから、精神的な年齢ではわたしが一番かなって……あ、いえ、皆さんと張り合おうとかじゃないんですけど」
「ほらご覧なさいアニエス、これがどんぐりの背比べというものよ。
皆さん分かっておりませんわね。女王の責務という重圧! これに勝る精神的な苦痛などありません!
そういうものに常時責め苛まれ、それでもなお壊れないでいられるこの私こそ、この中で最も精神年齢の高い人間なのです!」
「でも姫様は役目をちゃんと果たせておりませんわ。よく暴走するし」
「読書家ってしばしばコミュニケーション不全に陥るんですってね」
「貴族のおっさんに媚売ってれば生きていられるんだから、楽な商売よね」
「魔法学院のメイドなんて大して機転求められるわけでもないし、ただの労働者みたいなもんじゃないの」
「子供の世話してましたって言ったって、外の世界の大人と対等な立場で付き合ってたわけでもないし」
「バカにされ続けた結果は、成長したんじゃなくて屈折しただけなんじゃないの?」
「……」
『なによ!?』
「……で、そういった口論の結果、なぜか君がボコボコにされた、と」
「『こうなったのはそもそもあんたが原因なんだからあんたが責任取りなさい!』だってよ」
「なんという無責任さ……しかし、そういう流れになることぐらいは予想出来ていたんじゃないのかね?」
「一応は」
「じゃあ何故逃げなかったんだい?」
「だってよー、結局最後はどういう形であれ俺が治めないと、どんどんヒートアップしていくじゃん?
穏便に収める最良の手段がボコられることだってんならまあいいかっていうか。
それにまあ、俺はこういう役回りなんだなって最近思うようになってさ。ぶっちゃけ慣れたっていうか諦めたっていうか」
「……君は精神的な成熟を通り越して精神的な老成を果たしたようだね……」
42 :
205:2008/09/08(月) 22:48:53 ID:i5Q2azro
すげえ読みにくいw そして原作の彼女等はこんなひどい性格じゃないw
精神年齢7歳脳年齢70歳と判断された俺に勝てる奴がいたらかかってこい! 相手になってやる!
>>42 >精神年齢7歳脳年齢70歳
。・゚・(ノ∀`)・゚・。
>>42 GJw コルベールの髪の毛並って、つまり無(ry
>>42 それって老衰で脳がとろけてるんじゃ…!?
gjですた。
>>42 GJ!
>ミスタ・コルベールの髪の毛並
すっげー言い種だなw
ここで爆笑したぜw
>>42 私は元
>>38なのですがあなたのおかげでフルボッコで涙目の所を救われますた
ありがとう そしてGJ!
>>41 >「確定的に明らか」
ブロント様自重ww
おいィ?って言いだしそうなルイズだなw
時にここの住人で黄泉比良坂という同人サークルのルイズ本を購入した方はいらっしゃるのだろうか
ああいう感じでルイズが調教されちゃうようなSSはここでも需要あるかな?
(あったら頑張ってみたい)
黄泉比良坂とはまたコアな趣味をw
さあ、頑張るんだ。
ここは住人が多いから、需要はあると思うよ
オレはあまあまルイズスキーだから、微妙に趣味が合わなくて残念だが
さあ、頑張って投下してくれ
ここは住人が多いから=×
ここは変態が多いから=○
アズーロだから惜しくない事もない事もない
>>53 せめて住民の好みが多彩と婉曲的な表現でぼかそうぜ
まあ、君のいうとおりなんだが
婉曲に変態紳士と言いたまえ
紳士という名のhentai
男はみな変態なのさ
一緒にすんな
俺はド変態だ!!1
夜。才人が部屋に戻ってみると、ベッドの縁に腰かけたピンクの髪のご主人様が、
両手を前に唸り声をあげていた。なにやら深刻そうな様子である。
「ただいま」
と恐る恐る声をかけると、
「あ〜〜もうっ、わからなくなっちゃったじゃない!」
案の定というか、きつい目で睨まれてしまった。
「何してるんだよ」
それでもめげずに尋ねると、
「何でもいいでしょ。とにかく今忙しいんだから、声をかけないで!」
ルイズは怒鳴り、それから両手をお手上げといった風に大きく万歳して
そのままベッドに倒れこんで盛大にため息をついた。
「おかしいわ。どうしたって変よ……」
なおも呟く。「何が?」と才人は尋ねなかった。
過去の経験から見るに、気軽に声をかけてはいけない雰囲気だ。
こういう時は放っておくに限る。そう考えた才人は静かにその場を離れて、
壁際に座を占めた。ちょうどその昔ワラ束の寝床だった辺りである。
そしてご主人様を観察することにした。……とにかく暇だったのだ。
さてご主人様は、真剣な顔で眉を寄せると、何やらう〜んと考えているご様子で
それからぶるぶるっと頭を振り、目をつむり、またう〜んと唸り始めた。
そしておもむろに目をかっと見開き「1、2、3」と指を折り、また目をつむる。
何か数を数えているらしいと、それだけは理解できた。
時おり合いの手のように「これも数に入るわよね」などと独り言を呟く。
そうやって何度も目をつむっては開いて指を折ってを繰り返し、
結構な数になったところで、がばっと跳ね起きた。
「おかしい! 絶対合わない!」
そして勢いよく才人の方に顔と視線を向けると、にま〜っとイヤな笑みを浮かべた。
どくんどくんどくん……。才人の心臓がホラーの効果音を奏で始める。
「ねえ、サイト」
き、来た。痛む胸を押さえつつ、続くルイズの言葉を硬直して待つ。
「あのね。ちょっと聞きたいんだけど」
「はい、なんでしょう。ご主人さま」
「私の笑顔の回数って、まだ数えてる? 大体でもかまわないわ」
恐ろしくてとても否定できる雰囲気ではない。必死に記憶をたぐる一方で、
もちろんです。こくこくと頷いた。冷や汗がこめかみを伝い落ちる。
「じゃあ、言ってみなさい」
「……72回、かな?」
「そうね。確かにあんたロマリアでそう言ったわ。偉いわ。よく覚えていたわね」
「お褒めに預かり光栄至極にございます」
「でもね。おかしいの。あんたからもらった記憶をすっかりさらってみたんだけど、
どうしてもね。数が合わないの。ものすっごく合わないの」
ぎくりと才人は顔を歪め、ゆっくりと立ち上がろうとした。逃げ腰である。
「あの時……、私がどんなに感動したか知ってる? もちろん覚えてないけど、
でも絶対に感動したと思うの。私すごく嬉しそうな顔してたもの」
もはや猶予はなかった。才人は猛ダッシュで部屋を飛び出そうとした。
しかし、ルイズはガンダールヴも真っ青な素早さでベッドから飛び出すと、
扉の前に立ちはだかった。右手にはもちろん杖。パチパチと火花を上げている。
「正直におっしゃい。あんた本当に数えていたの? それとも……」
選択ウィンドウが開いた。YES or NO。
しかしどちらを選んだとしても結果は恐らく同じに違いない。
その瞬間……、才人は己の運命を悟り静かにそれを受け入れたのだった。
〜FIN〜
この数え好きカップルが!とツッコミたくなったエピ。
しまった……
2+72=74
それではヴァリエール三姉妹編続き。
『ねえ、ちゃんとしようよっ! 〜Duo〜』完結編です
「あら、ようやくお目覚めですね、お姉さま」
どのくらい眠っていたのだろうか。
エレオノールは、カトレアの部屋のベッドの上にいた。
全裸で。
ついでに言うなら同じようにベッドに横たわるカトレアも、全裸だった。
エレオノールは置き上がって妹に文句を言おうとしたが、両手を麻縄で縛られたままの上、猿轡をかまされていたので何も言えず、また、うまく起き上がれない。
「ふぐーっ!」
とりあえず柳眉を吊り上げ、カトレアに怒りの視線を向ける。
あんなことをされては当然と言えたが。
しかしカトレアはエレオノールの視線にもどこ吹く風で、ベッドの上で上半身を起こし、そして困ったような顔でエレオノールに言った。
「ああ、そんなに怒らないでお姉さま。
今からとってもいいものが来ますから」
いいものって何よ!またろくでもない生き物か何か!?と叫ぶエレオノールだったが、猿轡のせいでふごふごとしか喋れない。
エレオノールが口許へ手を持っていって猿轡に手を掛けた瞬間。
とんとん。
カトレアの部屋のドアがノックされる。
「あ、来ましたわ。それじゃあ…」
カトレアはベッドから降り、そして、ベッド脇に丸めてあったシーツをばさあ、と広げると。
そのまま、エレオノールの上に被せた。器用に、エレオノールの目だけ覗かせて。
「んーっ!?んむぅー?」
「ちょっと、そこで待っていてくださいな」
カトレアは部屋の中央にある円卓の椅子にかけてあったガウンを羽織ると、部屋のドアの前に行く。
こんな格好を誰かに見られては事なので、エレオノールはシーツの中に潜り込み、外の様子を伺う。
『あら、遅かったですわね。お待ちしておりましたのよ』
『大変だったんですから、ルイズ説得するの』
!…あれは、平民…?
ドアを開け、やってきたのは才人だった。
ルイズに拘束されているはずの才人が、カトレアの部屋にやってきている。
その理由は単純だった。
カトレアは、病弱だった体質を治すため、ある秘薬を週一回、投薬している。
それは、『ガンダールヴの精液』。つまり才人の精液である。
彼女が元気でい続けるためには、週に一度、才人に『お注射』してもらう必要があるのだ。
しかし才人の子種がラ・ヴァリエールの跡取りの鍵となる今、ルイズが才人を手放すはずはない。
そこでカトレアは一計を案じたのである。
メイドの一人に命じ、ルイズに『カトレア様が熱を出して倒れました。薬が切れたらしいのです。ついては、『お薬』をお屋敷まで届けていただきたく』と伝えさせた。
もちろん、それは虚言であるのだが。
本来は姉思いのルイズ、しょうがないわね、ちぃ姉さまのためですもん、と才人にきっつぅぅぅく言い含めて、本邸へ才人を送ったのである。
「…なんか元気じゃないっすかカトレアさん」
「あら。これでも随分ムリしてますのよ…?
可愛い、弟が、お姉ちゃんにいたずらしにくるんですもの…♪」
ガウンの前を留める紐を解くと、ふぁさ、と前が開く。
その下は、瑞々しく美しい肢体。ルイズには到底なしえない、大人の魅力満載の、出るべきところが出っ張って引っ込むべき所の引っ込んだ、扇情的な身体。
ごくり、と才人の喉がなる。
既に臨戦態勢に入っている才人のムスコにカトレアはにっこり笑うと、直後、わざと咳き込んで見せた。
「えほえほ!」
「だ、大丈夫ですかっ?」
思わずカトレアの細い肩を抱きしめる才人。
そんな才人の手を優しくふわりと握り締め、カトレアは言った。
「ねえ、サイト君…」
最近、『投薬』の際、カトレアは才人を君付けで呼ぶ。
その方がなんか弟っぽくていいじゃない?とはカトレア本人の弁。
「な、なんです?」
心配そうに覗き込んでくる才人の耳元で、カトレアは熱い吐息を吐きかけ、淫靡に囁いた。
「お姉ちゃんのお尻に、サイト君のあっつぅいお注射、いっぱい、して…?」
そう言って。
カトレアはガウンの下半身をはだけ、円卓に両手をついて才人めがけてお尻を突き出す。
丹念に洗われ、薬品で洗浄を繰り返したお陰で、カトレアの肛門からは色素が抜けて薄いピンク色になっている。
まるで第二の性器のようなそこは、腸液と、消毒用の薬品の混じった粘液をとろりとろりと零している。
「ほら、早く。お姉ちゃん、いつもみたいにお尻キレイにしてきたから。
早く『お薬』ちょうだぁい…♪」
言って今度は円卓に上半身を預け、臀部に両手を噛ませ、ぐに、と開かれた尻の谷間をさらに開く。
こぽり、とカトレアの肛門から中に塗り込まれた粘液が溢れる。
「わ、わかりましたよ」
言って才人はズボンを脱ぐ。
ぼろん、と才人の一物が震えながら飛び出る。
ベッドの中からそれを除き見ているエレオノールは、カトレアが必死に広げる肛門と牡の性器のサイズを見比べて、思った。
…あんなの入ったら、裂けちゃうんじゃないかしら…?
先ほど自分の肛門を犯したローパーの触手も太いと思ったが、それはせいぜい親指ほど。
屹立した才人のモノはそれよりふた周りは大きく、小さなカトレアの穴にそんなものが入れば、きっと裂けてしまう。
しかしそれは杞憂だった。
ぐぷぷぷぷぷ…!
あっさりとカトレアの肛門は才人の肉棒を受け入れる。
根元まで刺さった牡に、カトレアの喉が踊る。
「あっあっあっあっ…!すき、これすきぃ…!さいとくんの、おちんちん、だいすきぃ…!」
「いつもながら、おいしそうにもぐもぐするね、お姉ちゃんのお尻はさ」
才人の言葉どおり、カトレアの腸はまるで才人の一物を口で頬張っているように、もぐもぐと咀嚼していた。
膣道とは違う、消化器官の動きに、奇妙な快感を覚えながら、才人は腰を動かし始める。
ぶりゅりゅ…!
「あ、やっ、しゅごいぃっ!」
舌を出して呼吸を貪りながら、カトレアは嘶く。
その肛門は赤く腫れ上がった内壁を引きずらせながら、才人の肉棒をぎゅうぎゅうと食い締める。
「ほんとは、薬、なんかより、スルのが、好き、なんでしょうっ?」
「は、はい、私は、カトレアは、お尻で、弟の、おちんぽ、もぐもぐスルのが好きなっ、変態なお姉ちゃんなのぉっ!」
貴族にあるまじき淫らな声を上げ、善がり狂う目の前の妹に、エレオノールは。
…す、すごい…アレ、触手よりもイイのかしら…。
シーツの中で先ほどの感覚を思い出していた。
つ、と自然に股間に手が伸びる。
にゅるり。
エレオノールの股間は確かに濡れそぼっていたが。
エレオノールはそこには一切触れず、身体を曲げて後ろの穴に指を伸ばす。
ちぷ…。
指先だけが、肛門に沈む。
丹念に開発されたその襞は、指の進入を歓迎した。
…やだっ…なにこれきもちいい…っ!
目の前で展開される妹と平民の絡みと、先ほどの肛虐の刺激が、エレオノールを堕落させる。
ひくんひくんと反応するエレオノールの身体は、肛門への刺激を完全に快楽と認識していた。
「や、だめ、おねえ、ちゃん、いっちゃう、いっちゃう、おしりでぇ、いっちゃうのぉ!」
「ほらっ、お薬ですよっ!ぜ、全部、全部受け止めろよっ!」
シーツの外では、いよいよカトレアの治療が終わろうとしていた。
シーツの中では、もどかしい刺激を目の前で肛門を犯される妹に自分を当てはめる事で慰める、エレオノールが軽い絶頂を迎えていた。
「いく、いく、いくぅぅぅぅぅっ…!」
「く…!出るよ、全部出るっ…!」
ビクビクと振るえ、才人がカトレアの直腸に精液をぶちまけているのが分かる。
ガクガクと痙攣し、直腸に精液を受け、カトレアが絶頂の中にいるのがはっきりと分かる。
そして。
軽い絶頂で完全に火のついた、自分の身体をエレオノールは持て余す。
はぁはぁとシーツの中で荒い息をつきながら、
どうしよう、そう思った矢先。
がばっ、とシーツが剥がれた。
シーツを剥いだのは、全裸のカトレアだった。
びく!と震えるエレオノール。そんなエレオノールを見て、一番面食らっていたのは、これからベッドの上でもう一戦、と身構えていた才人だった。
エレオノールはこの状況に混乱してしまい、小さくなって震えている。猿轡をされているので声も出せない。
そんなエレオノールを見て、カトレアはくすり、と笑って言った。
「ねえ、サイト君。お姉さまも、して欲しいそうよ」
「え、な、何を?」
間抜けな返答をする才人に、カトレアは続けた。
「答えはお姉さまが言ってくれるわ。ねえ。お姉さま?」
そして、エレオノールの猿轡と、手の戒めを解く。
エレオノールはのそ、と起き上がり、潤んだ瞳で才人を見つめる。
見つめられた才人の喉がごくりと鳴った。
エレオノールは、才人を見つめたまま、ころん、とベッドの上に倒れこむ。
そして、M字に足を開くと、膝を踏ん張ってお尻を上げる。
「ねえ、へい…サイト」
『平民』と呼ぼうとしたが、エレオノールの中の何かがそれを止めた。
いつもと違う、懇願するような弱弱しい声に、才人は怯えたように応えた。
「な、なんですか?」
「わ、私のお尻も、私のお尻も、犯して頂戴…」
言って、先ほどさんざん肛虐を受けた部位を、両手を使って割り開く。
カトレアのそれと違い、色素が残って灰色に近い色になっているそこは、ひくひくと確かに物欲しそうに蠢いていた。
才人は思わず脇に控えるカトレアに視線を送る。
「…サイト君、お姉さまのたっての願いですわ。聞いてあげてくださいな」
「で、でも、お尻とかして大丈夫なんすか?」
才人はエレオノールを気遣って言ったのだが。
おねだりをしている当の本人は、それを、『オシリなんて不潔』だと言われているように取ってしまう。
「だいじょうぶ、キレイに、キレイにしてあるからぁ…して…」
今、エレオノールの腸内はほぼ空の上、カトレアの手によって消毒液が塗り込められている。
たしかに、肛門性交をするには十分な準備ができていた。
エレオノールの言葉と、カトレアの視線に、才人は折れた。
エレオノールの上気した身体に覆いかぶさり、いつもしている場所とは違う、円形に襞の広がる器官に己を押し当てる。
今、エレオノールの腸内はほぼ空の上、カトレアの手によって消毒液が塗り込められている。
たしかに、肛門性交をするには十分な準備ができていた。
エレオノールの言葉と、カトレアの視線に、才人は折れた。
エレオノールの上気した身体に覆いかぶさり、いつもしている場所とは違う、円形に襞の広がる器官に己を押し当てる。
「あっ…♪」
それだけで、歓喜の声を上げるエレオノール。
確かにこれは、触手と違う。
暖かい吐息、牡の体温。
温かい何かが、エレオノールの中を満たしていく。
「じゃ、いきますよっ…!」
ぐぶり。
重い肉の音をたて、才人はエレオノールの菊門を割った。
「かはっ…!」
同時にエレオノールを苛む圧迫感。触手も太かったが、才人の一物はそれより太く、また返しも大きかった。
ずるりずるりと才人の竿がエレオノールの肛門に飲み込まれていく。
その才人の竿を、エレオノールの腸壁が反射的に張り付き、もぐもぐと噛み締める。
「すっ…げっ…!エレオノールさんもっ…お尻すげえ…!」
「あ、あ、やだ、おしり、かってにもぐもぐしてるぅっ…!」
互いに快感を訴えあい、抱き合う二人。
その脇からカトレアが手を伸ばし、エレオノールの股間に手を伸ばす。
ぶちゅ。
「きひゃぁっ!なに、何するのカトレアっ?」
カトレアが、肛門を犯され濡れ始めたエレオノールの牝をいじったのだ。
少しはみだしていた小さな神経中枢をつまみ、中身を出す。
「や、ひ、やめっ…!」
「動くと少し大変かと思いまして。サイト君、動いてあげて」
「あ、はい…!」
カトレアの言うがまま、才人は腰を前後に動かす。
カトレアの肛門より強く才人を抱きしめ、ずるりとエレオノールの肛門が捲れ上がる。
しかし引き伸ばされる痛みは、股間に与えられる快感に打ち消されていた。
「ひゃひぃ!おしりめくれちゃう!めくれちゃうぅ!」
「大丈夫お姉さま。人間の体って、意外と伸びるものよ」
カトレアの言うとおり、エレオノールの肛門は才人が引き出されるたび限界まで絡みつき、差し込まれるたび元に戻る。
そして、内臓を引っ掻き回される異常な快感に、エレオノールが限界を迎えた。
「や、だめ、だめ、だめだめだめだめぇぇぇぇぇ!」
美しい金髪を振り乱し、眼鏡の下で泣き叫びながら、ぎゅ、と腕と足で才人を抱きしめ、エレオノールは達する。
それと同時に肛門と腸壁がぐぶぐぶと才人を締めつけ、股間から軽く潮を吹く。
そして数瞬遅れて。
「く、出る、出るっ…!」
どぷどぷと、先ほどカトレアの中に出したにも拘らず、才人はエレオノールの中で果てた。
吐き出された精液を、からっぽのエレオノールの腸がもぐもぐと咀嚼する。
「や、ひ、おなか、もぐもぐしてるぅ…!」
新しい快感に目覚めた長女は、絶頂のあとの気だるさに身を任せ、眠りに落ちていった。
そして、結局ルイズにこの事はしっかりとバレ。
才人はエレオノールとカトレアの見守る前で、フルボッコにされた。
そしてルイズがいよいよその怒りの矛先を二人の姉に向けようとした瞬間。
カトレアがそれを止めた。
「あのねルイズ。私たち、二人で話し合った結果、あなたが正妻でいいんじゃないかって結論になったの」
「そうそう。元々あんたのだしね。姉妹で取り合うのもなんだと思うわけ」
二人の言葉に思わずきょとんとなるルイズ。
「でも、サイト君は貸して欲しいのよ。私はお薬がいるし。今までどおり週一回、貸してね」
「私もよ。ストレス解消しとかないと仕事になんないのよ。だから時々借りに来るわ」
いやしかしその理屈はおかしい。
「待ちなさいよ!結局サイトとシたいだけなんじゃないの!」
妹の予想された反応に、二人はあらかじめ決めておいた言葉を放つ。
「だから、これからルイズが孕むまで、私たちは一切子宮でサイト君の精を受けません」
「え」
驚いた顔のルイズに、エレオノールが続ける。
「私たちがするときは、必ず口か外かお尻で出させるから安心しなさい」
「え、ちょっと待って?お尻ってそんな汚い」
ルイズの言葉に、カトレアが説明した。
曰く、ローパーと薬を使って直腸を洗浄するから不潔ではないと。
「で、でもあんなのお尻に刺したら…痛いだけなんじゃないの?」
ルイズの素朴な疑問に、エレオノールが応える。
「あら?意外とキモチイイのよ」
そう言って二人は『ねー』と笑い合う。
ルイズは暫く口の中でもごもご言っていたが、やがて応えた。
「わかったわ!週一で貸したげる。
でも、絶対お尻以外で出させちゃだめなんだから!」
そう息巻くルイズ。その足元には虫の息の才人。
そして、計画がうまくいって嬉しそうに微笑みあう二人に、ルイズは、おずおずと尋ねた。
「…で、お尻でするのってそんなにキモチイイの…?」
末の妹の素朴な疑問に、二人の姉の目がきゅぴぃん!と光った。
「それじゃあルイズ、私の部屋にいらっしゃいな」
「すっごくいいもの、あるんだから…♪」
そして、ルイズは二人の姉に肛門性交を覚えさせられ、以降才人がえらい目に逢う事になるのだが。
それはまた、別の話。〜fin〜
はいなかなか変な終わり方。
どう収拾つけるか悩みどころ。
さて明日も仕事なのでこの辺でノシ
ハイハイ、GJ、GJ
別に面白かったからGJしてるんじゃ無いんだからな!
次の投下を楽しみにしてる訳でも無いんだぜ!
……GJ!
>>73 GJ
いやーでもルイズにあの刺激は耐えれるだろうか
ちょいと気になった
>>69の最後と
>>70の頭
同じ文章がダブってるのは仕様?ミス?
へんたいだー!へんたいさんがいるぞーーー!!!
GJするぞーーー!!!!
GJ…
…ふぅ
>>73 (*^ー゚)b グッジョブ!!
しかし、前回がねちっこかった割りに今回はアッサリ風味だった気がする…
なんにしてもエロエロでよかった
きっとへんたいさんは前戯に興奮するタイプなんだよ
GJ!!
アナル三姉妹… ふぅ… GJですぜ
ウンコ出て来たから一話飛ばしたら訳分らなくなった
もうどうでもいいや…
ローションつけて指いれてみたら意外と気持ちよかった
意外でもなんでもないぞ、男も性感帯の場所だからな。
彼女いるならいっぺんアナル舐め+手しごきやってもらうとよろし。頼めるならだが。
昔彼女にたのんでしてもらってそのまま別れ話になだれ込んだ男ならここに
>>85 …合掌
GJです へんたいさん
また次回作に期待します!
そりゃ相当洗いこんでも臭くてかなわんだろうからねえ
>>73 せんたいさん、GJ! こうして同好の人物を増やすカトレアであった
そのうち、貴族の有閑夫人の間でローパが流行ったりしてww
>>87 そりゃとんだ間違いだな。洗えば臭くはない。
それににおいとはまた別だが、人体の表皮にいる常在菌のはたらきによって、
排便から数分後には肛門周囲の大腸菌はほとんど死滅してるから、アナル舐めがそう不潔というわけでもない。
「排便直後でなければ汚くありません」とはアメリカのsexテクニック本より。
民明書房なみに信用できないソースだ…
まあ、実をいうと経験はある。
菌の専門家じゃないので、そこらへんははっきり言えないが、
臭いはしなかったよ。むしろ前の穴のほうが乳酸菌じみたにほひを(ry
>>92 乳酸をつくるラクト・バシラスですね
れっきとした酸ですから、匂いと酸味が…
あえて言おう
もう勘弁してくれ!!
きゅいきゅいのは鱗が挟まってたよ
この変態共め(ホメ言葉)
>>92 入り口だけ狭くて中は意外にスカスカなんだよなw
でも、あんまり使いすぎると穴が開きっぱなしになっちゃうぞ
99 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 04:50:48 ID:55Yvhw0+
なんだこのスレ変態大杉だろwww
この平民どもめっ
俺なんかあと5年我慢すれば貴族になれるんだぜ!
貴族って自動的になれるもんなのか。
そりゃあまぁ・・・魔法使いになるってことはメイジになるって事だし
メイジは貴族であるわけだし・・・
「貴族はみんな魔法使いだけど、全ての魔法使いが貴族なわけではないわ」
「洪水」のモン漏らんしー
保管庫のサイト×フーケもの作者が消した?
十数年後…
サイト:「今日から俺もメイジだぜ!」
ギムリ :「え?」
レイナール:「しかし君はルイズと…」
ギーシュ :「サイト、君こそ真の勇者だ」
マリコルヌ:「メイジの世界にようこそ!」
>>106 マリコルヌはトライアングルすら凌駕しそうだw
40歳当日
マリコ「今日の僕は…スクウェアすら凌駕する存在だ!」
火に焼かれるような辛さ
水で窒息するような辛さ
地に生き埋めにされるような辛さ
風に身を切られるような辛さ
それらを識って、ついに何にも代えられない虚無感を手にしたか
マリコルヌ・・・恐ろしい男だ
>代えられない虚無感
賢者タイムですねわかr
マリコルヌみたいなのが案外、
露出狂でありながら偉大な法哲学者であったルソーのようになるのかもしれない。
113 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:20:00 ID:vYifriBT
マリコルヌはスカロンの嫁
(ついでに去勢)
>>113 ごめん、俺もたいがい変態だが君の発想にはついていけません
偉大なるオスマンはどれだけ偉大なんだw
史上最強の童貞ロベスピエールはどーしたッ!?
>>116 >宮沢賢二
マリコルヌの死後マリコルヌの蔵書のなかからエロ小説とエロ画集が大量に
見つかるわけですね わかります
「サイト。どうしても行くの?」
「ああ。彼とは決着をつけねばならないからな」
「奴は手強いぜ、相棒」
「分かってる。今度のばかりは自信がない…」
「サイト!」
「ルイズ、分かってくれ。あいつを止められるのは俺しかいないんだ」
「相棒。漢って辛えよな」
「よく来たな、サイト」
「行くぞ、童貞皇マリコルヌ!」
神の左手w
左手派なのか
123 :
ツンデレ王子:2008/09/12(金) 13:39:17 ID:ALEXwFwF
さてさて、青春時代続きいきます
今回でサイトとアンリエッタは元に戻ります
レス数8
124 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:40:23 ID:ALEXwFwF
*************************************************************
【9】
結局朝食を取り損ねたルイズだったが、その後は普段と変わらずに過ごし
ていた。いつぞやにもサイトが居なくなった事はあったが、あの時と違い今回
は直前に喧嘩をした訳でも無い。そして決定的に違うのが、今回は彼の目撃
情報が得られているのである。
だからなのか、今日の昼には戻ってくるだろうと考えていたのだ。
その上、自分が授業にも出ず部屋で帰りを待っているとすると、使い魔をの
ぼせ上がらせる事になってしまうとも。
(か、帰ってきたら、おお、おしおきなんだから!)
ところが、授業が終わって部屋に戻ってみても、サイトが帰ってきた形跡は
見つからなかった。そのまま時間が過ぎて夕食の時間となり、就寝の時間に
なってもサイトは姿を現さない。
途端にモンモランシーたちから言われた言葉が、現実のものとなって彼女に
襲いかかった。
普段は三人で寝ているベッド。ルイズとシエスタの間には人一人分のスペ
ースが設けられている。何時もならそこに居るはずの人物を抱きしめようとし
て――
「サイトぉ…」
空を切ると同時に、その鳶色のはずの目から大粒の涙がぽろぽろと零れ落
ちる。
「やだ…置いて行かないでよ…」
「泣かないで下さい、ミス・ヴァリエール」
やはり眠れなかったのだろう。シエスタは隣でしゃくり出したルイズを見かね
て手を伸ばし、彼女の頬を濡らす雫を、目尻に溜まった雫を拭ってやる。
「大丈夫、サイトさんがミスを棄てたりするはずありませんよ。アルビオンの時
だって貴女の下に戻ってきたんですから」
125 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:41:10 ID:ALEXwFwF
釣られて泣き出しそうになるのを堪えて、勇気付ける様に語りかける。自分
だって辛いはずなのに、その表情は慈愛に満ち溢れていた。
ここで思いもよらぬ事が起こった。
なんと、ルイズは己の手を頬に宛がわれたシエスタの手に重ねると、そのま
ま頬ずりを始めたのだ。
思わず手を引っ込めてしまう。
「あ…サイトぉ…」
追いかけるルイズの視線が彷徨う。
「どこ、どこ行っちゃったの?サイト、サイト、サイトぉ」
――今しがたまで自分の頬に当てられていた彼の手が、突然に跡形も無く消え失せた
ルイズの瞳にはそう映っていたのだ。
止まったはずの涙がまたもや溢れ出し、シーツに濃い斑点模様を描いていく。
(ミス・ヴァリエール…)
二人の間に出来た空間を見つめるその鳶色のはずの目は、シエスタには
若干澱んでいる様にも見えた。
意を決した彼女は布団の中でもぞもぞと動くと、身体をずらしてルイズに近
寄る。サイト用のスペース、そこに身を置くと、彼女の桃色の髪の毛を優しく撫
でた。
「サイト、戻って来てくれたのね」
虚ろな瞳をシエスタに向けて弱々しく笑いかける。
「ああ、おやすみルイズ」
シエスタがサイトの口調を真似て囁きかけると漸く安心したのか、睡眠不足も
手伝って、やがて彼女は安らかな寝息を立て始めた。
126 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:41:56 ID:ALEXwFwF
幼馴染がそんな状態になっているとは露知らず、トリステイン女王は本来自
分の物であるベッドの傍らでサイトと向き合っていた。いや、それだけでは無
い。彼等の距離はゼロと言ってもおかしくない状況で、二人の間からは舌が
絡み合う淫靡な水音と、鼻から漏れる悩ましげな息遣いが響いている。
「姫さま」
「サイト殿」
漸く接点を切り離した二人だったが、【アンリエッタ】の口元からは通常より
も濁りを増した互いの混合した唾液が溢れている。更には二人の間に細い
銀の橋までもが架けられていた。
これからの行為とそれがもたらすであろう結果に不安と緊張を隠し切れない
のだろう。しかしながら期待を多分に含んだ目で見つめ合うと、アンリエッタは
【サイト】の、サイトは【アンリエッタ】の夜着に手を掛ける。
尚、この時点でもまだサイトの精神は【アンリエッタ】の躯に、アンリエッタの
精神は【サイト】の躯に入ったままである為、彼も彼女も自ら夜着を脱いだ事と
なる。
少しの躊躇いを見せながらも一糸纏わぬ姿となった二人は、またもや抱き
しめ合うい、そして――そのまま【サイト】が押し倒す形でベッドに倒れこんだ。
「ん…」
今度はただ触れるだけの軽い口付けを交わした後アンリエッタは顎、首筋、
肩へと舌を這わせて行き、物理的に客観的に見る事となった自分の豊満な
乳房へと吸い付いた。
(な、なんだこれ。昨日自分で触った時とは全然違う)
(凄い!普段は邪魔にしかならないモノなのに…)
サイトにしてもアンリエッタにしても、躯からの信号を心が完璧に捕らえてい
る。図らずとも昨晩の自慰が功を成した様であった。だが、本来の自分では
感じ得なかった感覚に戸惑いを覚えていたのも事実である。
乳房へと行っていた口撃[コウゲキ]を、その頂で頭をもたげつつある乳首へと
移すと同時に、逆の乳房を揉み始めた。
127 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:42:31 ID:ALEXwFwF
「きゃふ…」
意識せずに漏れ出した声に慌てて口を噤むと、ギュッと目を閉じて顔を背け
てしまうサイト。
「い、痛かったですか?」
たとえ昨夜の事があったとしても、肉体が入れ替わって未だ二日目なのだ。
男の躯での力加減に完全には慣れきっていないアンリエッタは、申し訳無さそ
うに声を掛ける。
ところがサイトは、背けた顔を僅かに揺らして否定の意思を伝えるのみ。微
かな逡巡の後アンリエッタが取ったのは、彼の表情を見ながら愛撫を続ける事
だった。
「ん…ぁあ…」
切なげに歪ませながらも決して痛がっている風ではない表情から、アンリ
エッタは安心して【サイト】の手と口を動かし続ける。力加減を先程よりも若干
強めにしながら。
一度は止まった愛撫に物足りなさを感じたものの、再び流れ込んでくるやや
強めの波にサイトは絶えず声を漏らし続ける。
(なん、で…だ…声が止め…られな…い…)
自身が発する声を止める事が出来ず、また本来男である自分が嬌声を上げ
ているという事実が彼の羞恥を高ぶらせており、しかもその声が【アンリエッタ】
のものであるという矛盾が相乗効果を生み出し、更にサイトを高みへと押し上
げていく。
だが…どれだけ昇ったとしても、頂上へと到達するには至らなかった。何か、
決定的な何かが足りないのだ。
サイトがそんな事を考えていた時だ。まるで彼の思いが通じたかの様に
乳房を揉みしだいていた手が離れたかと思うと、触れるか触れないかといっ
た微妙な加減で肌を滑り降りて行く。
やがて【サイト】の手は【アンリエッタ】の股間へと宛がわれ、
――クチュ
既にしとどに溢れ出していた蜜に触れ、淫猥な音を立てさせた。
128 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:43:10 ID:ALEXwFwF
「あっ…」
異物を飲み込んだ経験は無いに等しいながらも十分に濡っていたそこは、
宛がわれただけの指に物欲しげに蠢き、僅かな力でも簡単に侵入を許して
しまう。
女の指とは太さ硬さ共に違う男の指の侵入、しかもそれまでの愛撫によって
存在を訴え始めていた陰核に掌が当たり、それまでに無い大きな波に飲み
込まれ――背を大きく反らして絶頂を迎えてたのだった。
女性の性感は、男性の数倍にも及ぶと言われている。
それを身をもって体感したサイトは、あまりにも強烈な快感故に瞬間的に意
識を手放す事となった。
恍惚とした表情を浮かべながらもぐったりとしている彼をゆさゆさと揺り起こ
そうとするが、呼びかけてみても反応が得られない。
(わたくしは一体どうすれば…)
アンリエッタは困り果てていた。
それもそのはず、彼女とて未だ生娘なのだ。
今回の目的は子を宿す事では無いにしろ、【サイト】が【アンリエッタ】の中で
“果てる”事にある。だが、慣れない男の躯では次にどういった行動を起こせ
ば良いのかが分からない。
サイトが達するのを目の当たりにして既に臨戦態勢を取っている【サイト】の
肉棒を持て余し、おろおろとしながら【アンリエッタ】を揺さ振っていると、漸く
彼は気だるそうに躯を起こした。
「サイト殿、大丈夫ですか?」
心配そうに顔を覗き込むアンリエッタに微笑んで応えると、サイトは逆に彼女
を押し倒しその躯に跨っていく。そして仰向けになった【サイト】の聳え立つ
一物に手を添えると【アンリエッタ】の秘唇へと宛がい、そのまま肉槍に密を
塗すかの様に、手を前後に動かし始めた。
(初めての時って痛いらしいけど、上になったら多少はマシだって何かで読ん
だ気がするしな)
129 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:43:45 ID:ALEXwFwF
何度か往復させて亀頭が十分に蜜で濡れると、入口に狙いを定めて【アン
リエッタ】の躯をゆっくりと落とし始める。ところが、亀頭を飲み込んだ辺りで
激しい痛みに襲われ足に力が入らず、重力に従って一気に肉棒を咥え込む
事となってしまった。
「―――っっ!!!」
声にならない叫びを上げて【サイト】の胸へと倒れこむ。
(いってー、こりゃ七万なんか目じゃない痛さだ)
荒い息を吐くサイトとは対照的に、破瓜の血を漏らしながらも内部へと侵入
してきた肉棒へ絡みつく襞。本来の彼ならばそれくらいでは絶対に果てはし
ないのだろうが、男の肉体で感じる女の膣の感触に肉体ではなく心が耐え切
れなかったのであろう。アンリエッタは【アンリエッタ】の膣内で果ててしまった。
同時に、破瓜の直後であるとは言え騎乗位で男を奥深くまで飲み込んでいた
女の躯は子宮口に迸りを受ける事となり、痛みで朦朧としつつもこれまた心
が反応したのか、サイトは絶頂を迎えるのだった。
さて、何故に昨日の今日でこうなったのか、それは――
『二人同時に、何かしらの強い刺激を味わえば戻るかもしれない』
というサイトの提案が切っ掛けであった。そして次いで彼が言った同時に刺激
を味わう方法、それがこの“行為”であったのだ。
アンリエッタ自身、“二人同時”という台詞から浮かんだのは彼と同じであっ
たが為に断る理由もなく、しかも彼女にとってそれは願っても居ない事であっ
た。
彼の言う行為が子を宿す為の営みである事は勿論知っていたし、ハルケギ
ニアの倫理観からして婚前交渉は好ましくない事であるのは理解していた。
しかも自分は女王である。禁忌を犯す事になるのだ。
しかし、一国の女王という立場にいたとはしても、彼女とて女である。純潔を
愛する男に捧げたいと思うのは無理の無い事。しかも彼女には、過去に想い
を遂げれなかった苦い思い出さえあるのだ。人一倍その思いが強くなったと
して誰が責められよう。
130 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:44:22 ID:ALEXwFwF
「…姫さま」
「サイト殿…」
息を整えながらもお互いを呼び合うその声は、ここにきて漸く本来の肉体から
発せられていた。サイトの予想通り、そしてアンリエッタの予想と希望通りに、
肉体を交える事によって二人は元に戻る事が出来たのだ。
(この痛み、これがサイト殿を迎えた証なのですね)
身体に残る痛み、それは確かに凄まじいものではあったが、破瓜の瞬間に
サイトが感じたものと比べると大したものでは無い。またそれは彼女の純潔が
今肌を重ねている愛する男によってもたらされたものである為に、アンリエッタ
は愛おしさを感じていた。
サイトとしては彼女の膣内に埋まったままの肉棒も未だ衰えを見せておらず、
このまま第二ラウンドへと突入したい気持ちも有ったのだが、今しがた彼女の
躯で感じた痛み、それが未だ引いていないのは明らかだったので、動きたい
のを堪えて彼女を抱きしめると唇へと吸い付いた。
「ぁむ……んむ……んぁ…」
舌を絡め合い、唾液を混ぜ合わせてお互いを貪り合う。アンリエッタが覆い
被さる格好になっている為に、彼女の唾液がサイトの口内へと流れ込む。ゴ
クゴクと喉を鳴らしてそれを飲み込むと、アンリエッタははにかみながらも
はっきりとした口調で告げた。
「サイト殿、動いてくださって大丈夫ですよ」
「え、でも…まだ痛いんじゃ…」
「あの時のサイト殿に比べたら、我慢できない程ではありませんわ。それに…」
「それに?」
「この痛みは貴方がわたくしに与えてくださったものですもの」
健気なその言葉に、サイトは胸の奥が熱くなるのを感じていた。
「姫さま…」
その想いに応えようと、サイトは繋がったままにそっと身体を入れ替えると、
今度は彼女を下に組み伏せる形になる。
131 :
青春時代:2008/09/12(金) 13:46:50 ID:ALEXwFwF
「じゃあ…」
一応念のためにとサイトが同意を得ようと口を開いたところで、アンリエッタ
は頬を染めて見上げながら『お願いがあるのですが…』と切り出した。
「お願い?」
「あの…今だけ、今だけで良いのです。わたくしのことを『姫さま』でも『アン』
でもなく…『アンリエッタ』とお呼びくださいませんか?」
幾度と無く見てきた、女王としての彼女の貌。そしてそれしか見せないと
自ら宣言しながらも時折見せる縋る様な表情。そのどちらでもない潤んだ瞳
で見つめられ、思わずクスッと笑ってしまう。すると彼女はそれを拒否と取っ
たのか寂しそうにすると、
「も、申し訳ありません、忘れてください」
と顔を真っ赤にして背けてしまった。
「…わかったよ、アンリエッタ」
「――!サイト様!」
要望を聞き入れられた事に満面に笑みを湛えると、感極まったのか目尻に
涙まで浮かべるてサイトにしがみ付く。
それを合図にサイトは動きを開始し――結局この夜、アンリエッタの膣内で
彼は合計三度の精を放つのだった。
132 :
ツンデレ王子:2008/09/12(金) 13:51:49 ID:ALEXwFwF
今回は以上です
ちょっと展開が早いかなとも思わなくは無いんですがね^^;
エロくなくて申し訳ない
語彙が少ないから同じ言い回しが多いし…><
エロ満載の作品を投下してくださってる職人様方は本当に凄いと思う
では
ルイズが不憫で素直にGJできない…(´・ω・`)
ルイズとシエスタの仲の良い姉妹のような雰囲気が良かったです。
取替え物は読むのも恥ずかしいですが、丁寧に描かれていてGJ!
>>132 GJ! いつもながら丁寧な描写ですねぇ でもこのままだとサイトが
帰ってきたらルイズに殺されるなぁ
>>132 GJ!
相変わらず良い描写ですなぁ。
そういや童貞王より童帝マリコヌルの方がしっくり来るキガスw
138 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:43:20 ID:tXnW+jzX
憤怒の童帝マリコルヌ
アン様アン様アン様アン様アン様アン様ぁあああああん
ちょっとした用事を終えてルイズの部屋まで戻ってきた才人は、ドアノブに手をかけたところでふと動きを止めた。
扉の向こうから、聞き慣れた声が聞こえてくる。
(なんだ? ルイズの奴、誰かと喋って……いや違うな、こりゃ魔法の詠唱か?)
才人は首を傾げる。使い魔にお仕置きするわけでもないのに、なぜ部屋で虚無魔法の詠唱などやっているのか。
気になったので、できる限り音を立てないように注意して、ほんの少しだけ扉を押しあけた。
部屋の中には、やはりルイズしかいなかった。大きな姿見の前に立って、低い声で魔法の詠唱を行っている。
その詠唱が、最近ではすっかり聞き慣れてしまった感のある「エクスプロージョン」のものではないことに、才人は気がついた。
(これは……ひょっとして、イリュージョン、か?)
自分のイメージを元にして、自由自在に幻を作り出す虚無魔法である。
だが、何故今あの魔法を……才人が疑問に思ったとき、詠唱を終えたルイズがゆっくりと杖を振り下ろした。
その瞬間、魔法の効力によって幻が現れた。具体的には、彼女の胸に二つの巨大な乳房が現れた。ティファニア並の巨乳である。
ルイズは別段嬉しがることも楽しむ様子もなく、ただ無表情のまま鏡の中の自分を見つめている。
彼女がおもむろに体を揺すると、それに合わせて胸も揺れた。
ぶるんぶるんと音が聞こえてきそうなその弾力と揺れっぷりは、遠目に見ても本物の胸であるとしか思えない。
だが、ルイズは相変わらず無表情である。整った顔に何の感情も浮かべないまま、今度は自分の胸に手を伸ばす。
小さな手が大きな乳房を揉みしだく、かと思いきや、彼女の細い指先は胸の中に埋まってしまった。
どんなに本物らしく見えても、幻なのだから当たり前である。
「フ」
ルイズが笑った。どこまでも虚ろな、乾き切った笑みであった。
「ここまで精巧な幻を作るのに、どれだけの時間をかけたか。それでもなおこの胸に実はなし。まさに虚乳、か」
その呟きを聞き届けた後、才人は無言のままそっと扉を閉めて、学院寮の廊下を走りだした。
しばらく走ってギーシュの部屋のドアを蹴り開けて、中に入る。
何をするんだと抗議する部屋の主の胸にしがみつき、才人は涙枯れるまで泣いた。泣くことしかできなかった。
141 :
205:2008/09/13(土) 19:35:19 ID:55g/Qwp9
虚しい話だと分かっていても、思いついた以上は書くしかない。
人生ってそういうものだ。無駄と知りつつもやらねばならぬことがあるのだ。
書きながらそんなことを思いました。
ルイズ…イ`(T_T)
大丈夫胸なんてなくっても(俺達の)需要はあるさb
ぶわはwwwwww
俺のいた世界には巨乳平面説というものがあってだな…
当に虚乳
>>141 ルイズ(ノД`)
なぜか目から汗が出た GJ!
ルイズうぅぅぅぅぅぅ
205氏がキャプテンハーロックだったとはw
涙無くして読めない名作ですね。
ルイズ切な過ぎ、だけどワラタ
鏡で見ても、ルイズ自身が不審に思うんじゃないか?
例えば普段スポーツ刈りの男がロングヘアのカツラ被ったときに
違和感感じる様に(←実は経験ありw
だからルイズも
「巨乳には憧れるけど…わたしには似合わないわ」
とか言ってたりしてw
んで、テファに頼んでサイトの巨乳好きの記憶だけを消して
耳元で「あんたは貧乳が好き」って暗示かけてたりしてw
でも、虚無って粒子の組み換えだから
ルイズの祈祷書には
他人の乳を横取りする呪文とか出たりしてw
保管庫ってどこにあるの?
愛ってどこにあるの?
>>153 君の心の中 もしくは世界の全ての人の心の中
若さ 若さってなんだ?
タバサ
>>150 確かにあの背丈で胸革命はバランスが悪いな…
そういえばルイズの胸が凹むってやつがあった気がするんだが
(サイトさん…)
憂いを秘めた瞳で窓から城下を見つめるアンリエッタ、その瞳は恋する乙女のものであった。
一体いつから彼のことを好きになったのか?それはわからない。最愛の人を失い、もう恋はしない
と決めていたのではあるが気がつくとよりにもよって親友の使い魔に再び恋心を抱いてしまったのだ。
だが、未だにウェールズを想っているという気持ちには偽りはない。さらには、親友の使い魔という事
でウェールズと親友。大切な二人の気持ちを裏切っているという後ろめたさがあり、その事を想うと
彼女はいてもたってもいられなくなってしまう。
(こんな思いをするなら…、愛なんてて…愛なんていらない)
アンリエッタの瞳から一筋の涙が流れた。
「何を泣いているのですか?」
「お母様!?何故ここに」
そんなアンリエッタの元に父の喪に服しているはずの母が何故かやって来た。
「マザリーニから聞いたのですよ、最近のあなたの姿を見ていると辛いと」
「マザリーニが、そんな事を」
「私はすでに隠遁の身…政に関しては口は挟めないけれど、それ以外の事でなら事情は聞けますよ」
「そんな、お母様!?」
「あなたの苦しみ…政の悩みではないのでしょう、目を見ればわかります」
「…」
「話してみなさい、私だって母なのですよ」
「お、母様。実は…」
まるで聖母のような笑みを浮かべる母の姿に押され、アンリエッタは思いのたけをぶちまけた。
「そう、そうだったのですか」
「はい、でも…殿下やルイズを裏切る様な事は…」
「その優しさ、あなたの美徳ですね。ですが、それは時としてあなたを苦しめてしまう…」
「美徳、ですか…」
「あなたは元からこの国を治める王として生まれてきました、ですから素直に恋に生きるという事は
決してできないかもしれませんね」
「そう、ですよね」
「私も…違いはあれどそうでした、当時はあの方よりも慕っていた方がいましてね…ですがその想いを
打ち明ける前にあのマンティコア隊の隊長が…」
「お母様?」
「あ、話がそれてしまいましたね。ですが結果的には私はあの方の元に…ですが、それでも私は幸せだった…
意外と、相手が自分の想い人でもなくとも幸せになれるものなのですよ」
「そう、ですか」
「でもね、アン。それでも私達は所詮は女、悲しい性質なものでやはり自分の最愛の方と結ばれるのが本望…。
時としては素直に生きるのも人生なのです」
「ですが!どうしたら…」
「ウェールズ殿下の事は残念な事でした。でもね、アン。失礼な話かもしれないけど彼はもう故人、故人に操
を立て続ける事は美談であるかもしれないけれどあなたはそれで本当に満足なのかしら」
「お母様だって!お母様だって、そうじゃないですか…」
「私は、あの方との間にあなたという子をもうける事ができました。それに、あの方にそれはもう随分と可愛
がって頂きましたしね。それに比べアンあなたは未経験ですよね」
「…はい、何度かお誘いしたのですけれど」
「偶然に見せかけて湖での水浴びを覗かせた件ね、紳士なのはいいけれど少しばかりは牙を剥きだしにしても
いい所よね」
「それでもあの人は目をそらすだけだった…」
「あなたも少しは迫ればよかったものを…とにかく、あなたは処女のまま殿下に操を立てたままでいいのですか?
違うでしょう、そうでなければあの様な目はしないはずです」
「それは」
「いいですか、やはり女に生まれたからには初めては愛する人に捧げたい物。だが、肝心の相手はこの世にいない。
しかし、再び想い人が現れてしまった…ならばヤル事は一つでしょう」
「ですがお母様!」
「…殿下とて、あなたには幸せになってもらいたいはずです。なんていったって最愛の人なんですから」
「それは…」
「アンリエッタ…あなたは殿下のためにも幸せにならなければならない権利があります。だから、自分に素直に
なってもよいのではないでしょうか」
「ですが、それだと…」
「私にいい考えがあります、全て任せてもらえないでしょうか」
「お母様」
「私もあなたには幸せになってもらいたいから、だって愛する我が子なんですもの」
「お母様ぁっ!!」
アンリエッタは母の胸に抱きつきわんわん泣いた、それは果たして何年ぶりの事だっただろうか。
マリアンヌもそんなアンリエッタの頭を優しく撫でた、その姿はまさにトリステインの聖母の姿であった。
そんな親子のやりとりがあった二日後の事。アンリエッタの想い人である平賀才人は豪華な宿にお呼ばれされていた。
さすがにこのような事はルイズには怪しいと思われるだろうが、そのルイズとは現在訳あっては離別中だ。
なんの事はない、ただ騎士隊の件に関してお呼びがかかったので離れているだけだからだ。
「それにしてもこんなところで何の用だろう、いつもならアニエスへの言付けで済んでいるのに」
お呼ばれした宿はVIPクラスの貴族しか入れないような五つ星クラスのホテルだ、まぁそういう事で呼んだ相手
は十中八九アンリエッタであるとは感づいていたのだが…。なにはともあれ才人は手紙で指定された部屋に向かった。
「あなたが噂のシュバリエ殿ですね。あ、どうぞどうぞここにお座りになってくださいな」
部屋に入るとそこには妙齢の貴婦人がいた。才人にとっては初めてみる人であるが、しかしながらどこかで見たような
顔をしていた。
「は、はぁ…。あのー、それで何の用なんですか?」
才人は頭に?マークを浮かべつつ、貴婦人に呼んだ理由を聞いてみた。
「あ、自己紹介が遅れましたね。どうも娘がお世話になったそうで、アンリエッタの母マリアンヌです」
「アンの母ぁ!?ってやべ」
才人を呼んだのはマリアンヌであった。成る程、どこかで見たような事があると思ったら髪質から色、そして髪型まで
アンリエッタと似ているせいだったのかと才人は思いながらも、自分の失言に気づき顔を青くした。
「ほぅ、アンとな。この国の女王にその様な名で」
「いや、これに関しては色々ありまして」
「まぁ、いいでしょう。あなたをここに呼んだのは他でもありません」
「(ほっ、何とかなったか…)それでご用件はなんでしょうか?」
「私と一緒に食事でも、と」
「はっ?」
マリアンヌの言葉に才人は思わず間抜けな声を出した、当たり前だろう親しくもない王族の人間が自分と食事をしたい
なんて言い出したのだから。
「何かご不満でも?」
「あ、いえいえ。そのような事は。逆に光栄であります」
才人はマリアンヌの機嫌を損ねまいと脳をフル回転させはじめた。
(しかし…)
今になってマリアンヌの姿を冷静に見つめてみると、やはり髪から目、顔の輪郭はアンリエッタに似ている。
さらには清楚なドレスに隠れてはいるもののその奥に隠れている二つの脂肪は確かなものでアンリエッタは
とことん彼女に似たのだな、と才人は感じた。
「何をそんなに見ているのですか?どこか変なところでも」
「いえ、あまりにもお綺麗でしたので見とれていたのですよ」
「ふふ、中々口が達者なのですね。それでは、そろそろ料理が出てくる頃ですので楽しみましょう」
マリアンヌはそう言うといつ食事が運ばれてきてもいいように少しテーブルを片付けた。
(なんか、特に何もなさそうだな…。あとはへましないようにすればいいだけなのか?)
才人は少し不審に思いながらも、とりあえずは今夜の食事を楽しむ事に決めた。
しかし、この時才人は気づいていなかった。すでに自分がマリアンヌの思惑にずっぽり嵌ってしまった事に。
とりあえず今回はここまで、続きは…まぁ早ければ明日に出来たらいいなぁ…。
ちなみに才人を呼び出したマリアンヌ様の姿はあの髪型ではなく降ろしています。
まぁ、見る限りアンリエッタと似ているので熟女版アンリエッタと考えてもいいん
じゃないでしょうか?それでは次回をお楽しみに。
GJ!
続きが気になる
>ならばヤル事は一つでしょう
マリアンヌ様、ぶっちゃけ(はっちゃけ?)すぎw
ところで一個よろしい?
>あなたは殿下のためにも幸せにならなければならない権利があります
ここは権利ではなく義務では?
権利…自ら放棄できる
義務… 〃 出来ない
『ならなければならない』とあるので、権利より義務のがいいかなと思ったしだい
(私の勝手な意見なので、気にしないで下さい。
あと、コレに関しては誰も突っ込みを入れないように
入れると荒れる原因にもなりかねんので^^;)
なんて鋭いんだアン母!未経験って水魔法でわかるんだろうか
それともアン様の口から直に語られたのか…
原作より良い母娘関係ぽいなぁ。次回に期待GJ
トッピクさん乙
ちょっと違和感感じたけどイメチェンという事で納得
トッピクさん乙です。
GJ
というかマリアンヌさん、なんかものすごいこと口に仕掛けませんでしたか?!
どんだけあの家との因果があるんだ・・・
>>165 >政に関しては口は挟めないけれど、
政治に関しても愚痴ぐらいなら聞いてやれよ
あと、マリアンヌ様ルイズの父が好きだったのか
まあそれでも幸せだったらしいが
トリップは打ち間違いかな? 乙です
>>138 FFTwwww
豆スープはアニエスで、「家畜に神はいない!」はド・ロレーヌだなw
>>172 アニエス・オークスってわけか…
「いまさら疑うものか!私はお前を信じる!! 」
「「貴様たちはアンリエッタ様を戦争の道具にしようとしている!貴様とて一緒だ!ヴァリエール公やルイズ殿にいいように使われている!
恥ずかしくないのか!?犬に成り下がっている自分が!人間としての誇りはないのかっ!?」」
ハマりすぎだろw
さてあと1話でゼロ魔3期も終わりですね。
そんなわけであのジョゼフ見てたら電波降りてきたので投下。
溶鉱炉の赤い光が、レンガ造りの工廠内を紅く照らし出す。
地響きのような音を立てながら、黒い大きな機械が鉄を砕き、人足たちがそれを大きなトロッコで運ぶ。
ここは、ガリア王直轄の、ヨルムンガントの工廠。
今、その試作一号が完成し、そのお披露目にガリア王ジョゼフ一世は立ち会っていた。
「ここにございます」
恭しく頭を垂れ、見目麗しい女性がそう告げる。
ジョゼフの使い魔、ミョズニトニルン…シェフィールドであった。
頭を垂れた彼女の額の『使い魔の刻印』が光り輝く。
それに合わせ、彼女の後ろのとてつもなく大きな、ガリア王城グラン・トロワの正門よりも大きな門が重い音を立てて開く。
複数のマジック・アイテムを組み合わせて作った、自動扉である。
そして、その大きな扉の向こうには。
ハルケギニア始まって以来の巨大な、そして強力なマジック・アイテム…巨大な騎士人形…ヨルムンガントの試作一号が、まるで王の前で畏まる騎士のように、立っていた。
「おお…これが、ヨルムンガントか…」
溜息をつき、ジョゼフはヨルムンガントを見上げる。
その瞳は新しい玩具を与えられた幼子のように光り輝き、目の前の巨大な騎士を見つめる。
再び、その喉から熱い溜息が漏れる。
この巨大な騎士が動き、戦うさまを想像し、ジョゼフは興奮を隠し切れないでいた。
そんなジョゼフを見て、シェフィールドは、ただのマジック・アイテムでしかないヨルムンガントに軽い嫉妬を覚えた。
しかし、すぐにその考えを打ち払う。
…馬鹿馬鹿しい。
ジョゼフはしばらくその巨大な騎士人形に見入っていたが。
すぐに、ある事に気付く。
「…ん?奥にも、まだあるのか…?」
試作一号、と聞いていたので、てっきり一体だけだと思っていたヨルムンガントは、奥に連なるように、5体が並んでいた。
「…差し出がましいとは思いましたが、試作一号の動作が良好だったため、すぐに同じものを5体、作らせました…。
申し訳ありません、我が王」
深々と頭を垂れ、自らの身勝手を詫びるシェフィールド。
そんな己が使い魔に、しかしジョゼフは。
「かまわん!かまわん!いい判断だ!お前は素晴らしい使い魔だ、余のミューズよ!!」
「お褒めに預かり恐悦至極にございます、ジョゼフ様」
上機嫌で己が使い魔を褒める。
そんなジョゼフの中で、膨らみ始めるある妄想。
それは、大きな機械を目の前にした男なら、誰しも思うこと。
…乗って、動かしたい。
ジョゼフは、ミョズニトニルンに命を下した。
「…すぐ、これを人が乗って動かせるように改造いたせ」
「…はい?」
シェフィールドはジョゼフの意図がつかめず、そう聞き返してしまう。
「人が乗れるようにと言ったぞ、ミューズよ。そうだな、手足を連動させて動かせればなおよいぞ!」
「…し、しかしジョゼフ様。
人が乗ってどうしようというのです?所詮ヨルムンガントは巨大なゴーレムに過ぎませぬ。人の代わりに動く者に過ぎませぬ」
シェフィールドの言葉に、ジョゼフはしかし。
「これは命令だミューズ。乗って動かせるようにしろ」
その瞳に宿る光りは尋常ではなかった。
シェフィールドは故人の言ったある言葉を思い出していた。
『大人の男と子供の男の違いは、オモチャの値段だけだ』
全く持ってそのとおり。
この我侭な王は、この巨大な玩具に、虜になってしまったのだ。
はぁ、と溜息をつき、シェフィールドは王に言った。
「委細承知いたしました、我が王。
では、私は早速操作方法を考えてまいります」
…また、専門書と設計技師と格闘する日々が始まるのね…。
ヨルムンガントを作った濃い技術者たちの事を思い出しながら、ミョズニトニルンはヨルムンガントの部屋をあとにする。
…後に、シェフィールドはその事をひどく後悔することになる…。
「そうだな!折角だからこいつらを闘わせてみよう!面白いぞきっと!
しかしガリアだけでやっていたらまるで一人遊びでいかんせん面白くないな。
…そうだ!素体になるヨルムンガントを各国に送りつけてやろう!そして、それで世界の覇権を争うのだ!
うむうむうむ、燃えてきた!よーし、開催者としてやはりルールは決めねばなるまい!
そうだな、出場できるのは操作する者と、補佐をする者のペアで…」
一人、ヨルムンガントの部屋で盛り上がるガリア王。
その姿は、まるで面白い遊びを思いついた小さな男の子のようだった。
それから一ヶ月ほどして。
ハルケギニアの各国、エルフの国にも、一通の手紙と、巨大なヨルムンガントが送りつけられた。
手紙にはこうあった。
『世界の覇権が欲しければ、ヨルムンガントを駆り、王都リュティスまで来い────────。
世界の全てを、そこに置いてきた! ガリア王 ジョゼフ』
なんのこっちゃい、と思った各国首脳だったが、その手紙の裏を見て目の色を変えた。
一つ、ヨルムンガントに乗れるのは各国代表2名。操縦者と、補佐者のみ。
一つ、ヨルムンガント同士以外の戦闘を禁ずる。ヨルムンガント同士以外の戦闘に用いた場合、その機能の全てを失う。
一つ、ヨルムンガントへの改造の制限はない。ただしその大きさを著しく変えてはならない。良識の範囲内で。
一つ、唯一残ったヨルムンガントが世界の王となる。以降、十年ごとにこの行事を行い王を変える事とする。
なお、従わない場合には他のヨルムンガントが貴君の国を滅ぼすであろう。
手紙を運んできたヨルムンガントに一切歯が立たなかった各国首脳は、その条件を飲む事になる。
そして、王都リュティスでは、既に準備万端整ったジョゼフが、真っ黒な鎧のヨルムンガントに乗り込み、叫んでいた。
「遠からん者は音に聞け!近くば寄って目にも見よ!
未だ敗けを知らぬはこのガリア王ジョゼフよ!
負けたいヤツから…かかって来いっ!」
びし、ばし、とポーズを決め、ジョゼフの乗るヨルムンガント『マスターヴァジュラ』は最後に腕を組み、構える。
「ふはははは!どうだミューズよ!かっこよかろう!しびれるだろう!
これが男の浪漫というものよ!」
シェフィールドはそんな王を見上げながら思った。
──────────どこで、間違えたんだろう──────────────。
と。
しかし時の輪は容赦なく回り。
ハルケギニア中を巻き込んだ、『ヨルムンガント・ファイト』の幕は、切って落とされるのであった────。
※続く※
…ワケガナイ。
んでね、トリステインのヨルムンガントには才人とルイズが乗ってね。
必殺技が『エクスプロージョン・フィンガー』でね。
金髪ぱっつんの仮面のヨルムンガントファイターが出てきたりね。
んでいつのまにかジョゼフが才人の師匠だったりね。
そこで夢が覚めました。そんだけ。
まあごみ箱にでも放り込んでくれ。ただの気の迷いにおじゃる。
ではではノシ
GJ!
いやーマジ男のロマンですな
でもこれだと。下手したら才人の方がジョセフより上手く操れるんじゃ?
ドリルは?ドリルはつけないのかい??
漢ならドリルだろ。ドリルドリルドリル!!
>>179 いや、サイトは軍事オタの類だ。奴は人型兵器を否定しやがったんだぞw
人型兵器は有用性じゃない、ロマン兵器なんだよ!!!
>>181 松本零士乙
・・・いや松本零士先生は人型兵器嫌い?だっけ・・・orz
>>181 ん、考えてみればサイトってば兵器武器万能型なので、その人型兵器が優秀なら扱っちゃうんじゃない?
それといかんですな、まことに!なことにせんたいさんGJ!!を忘れていたぜ。も一度せんたいさんGJ!!
>>178 乙! ハルキゲニアの男って馬鹿ばかりだなww
男の浪漫は理解できるけど実際巨大人型兵器なんて唯の的だろ
精々パワードスーツくらいが限度じゃないかなと言ってみる
>>178 GJ!ガリアは改造できるって点でミュズ様が頑張るだろ
ロマリアは速度重視でジュリオが操縦するとして、エルフはカウンター保護で防御型
問題はアルビオンだよなぁ…特徴がない
んでジョゼフってさ、絶対TRPG好きだと思うんだよね
フィギュア好きだし、でもってメカも…。愛すべきオタクキャラだよなぁw
きれいな口ひげを蓄え眼帯をしたおっさんの
ヨルムン・ファイトレディィゴォォォオ!!!!!
の掛け声でバトルが始まるんですね、わかります。
>185
アルビオンは空中の国ですから、飛行能力に重きを置いているのでは?
いやー、おおいにアリだな
せんたいさんGJ!
ファンタジー世界の人型兵器なら富野監督という偉大な先達がいるな。
現実世界から召喚された科学者がハイテクノロジー普及
↓
兵器作ろう!
↓
戦闘機?何それ?戦争って騎士が剣もってバンバンやるものでしょ?
↓
羽が無い物が空飛んでるのって気持ち悪いからいらないけど羽つけよう!
↓
オーラバトラー発明!
聖戦士ダンバインか。あれも異世界召喚ものだったな。
結末はかなりアレだったが。帰ってきた息子を見ての母親の対応が…
才人はあんな風になりませんように。
「人を殺す貴様が許せないからぶっ殺してやる」とかふざけた主人公だったな。
それに比べて、戦う理由はホレた女の為に、つーサイトはやっぱラノベ的主人公だよな。
貴様のようなのがいるから戦いは終わらないんだ!消えろ!
いいんだ、わかったマリコルヌ。一緒にトリステインに帰ろう。
>>194 コアムって書くつもりだったのに…orz
196 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:15:35 ID:KGfdxEgL
>>192 御禿様の作品では才人みたいな奴は真っ先に殺されますw
白くなってからはそうでもないみたいですけど。
197 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:35:38 ID:YreYM6Js
マリコルヌ 「た、たかが一人のガンダールブに、このヨルムンガント・ビグザムがやられるのか」
サイト 「なあマリコルヌ…」
マリコルヌ 「やられはせんぞ、やられはせんぞ、貴様ごときに。やられはせん」
「メイジの栄光、童貞のプライド、やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞーっ」
サイト 「な、何だこのプレッシャー(汗)」
サイト「死にゆく男達は 守るべき女達に
死にゆく女達は 愛する男達に
何を賭けるのか 何を残すのか
I pray pray to bring near the New Day1♪」
ルイズ「だから何悲しい歌歌ってんのよぅ」
とりあえずスレチ
>>190 いや、空中運動性を高めるために羽にもあれはあれで意味はあるのだが。
唐突ですが 『ギーシュ・ド・グラモンの最後』 前編
行きます
202 :
1/15:2008/09/17(水) 02:38:37 ID:hA1+cFGG
パチリと小さな音共に杖が少女の身体に押し付けられる。
気を失う寸前に向けられた、驚いたような瞳に彼は……
――明かりの消えた部屋の中で、握った拳をテーブルに叩き付けた。
骨まで響く痛みと、耳に突き刺さる騒音が一瞬だけカルロの気を楽にする。
が、
『逃げた聖堂騎士隊だぜ……あいつら……』
『いっつも、威張ってるくせによぉ』
『しかも、学生は逃げなかったらしいぜぇ』
耳の奥に、いつまでも残る幻聴が彼の心を揺さぶった。
「うわぁぁああああっっ!」
狂ったような詠唱に導かれて、杖が光を帯びる。
「ちくしょぉ、ちくしょぉっ、ちっっしょぉぉぉっ」
鍛え上げられた魔力は、数秒でテーブルを細切れにした。
いびつな形に切り刻まれ、無残に床に転がるテーブルに目もくれず、カルロは暴れ続ける。
ここ毎日の狂乱で、部屋の中にはまともな家具など一つも無かったが……
「黙れっ、黙れぇっ、黙れよおぉぉっ!」
メイジたる聖堂騎士のための宿舎の『固定化』を掛けられた壁だけが、カルロの魔法を黙って受け止めてくれた。
――彼は……いや、聖堂騎士隊は逃げた。
聖別された、守るべき聖女を一人残して。
最後まで踏みとどまり、一人戦おうとした少女を守ったのは、その任務を帯びていた彼らではなく。
そのメンバーのほぼ全員が学生からなる、『水精霊騎士隊』
もし、彼らが逃げていれば、まだ言い訳も出来た。
『聖女だから踏み止まれたのだ』と。
もし、負けていたのなら、まだ言い訳も出来た。
『あの場は引くのが正しい選択だった』と。
――現実は、言い訳一つ出来ぬままに彼らを押しつぶした。
203 :
2/15:2008/09/17(水) 02:39:32 ID:hA1+cFGG
――敵前逃亡で告発される事を覚悟していた。
その覚悟も有った。
「ん? あぁ、いいさ、別に」
水精霊騎士隊の隊長の言葉を、最初は理解できなかった。
「言っただろう? 『僕も含めて』からっきしだったのさ。人を告発するなんて恥ずかしくて出来ないさ」
戦いの前に彼は言っていた。『地獄を見た』と。
ハッタリだと判断した自分を魔法で撃ち殺したかった。
顔が赤く染まり、自分より年下のはずの少年に、自然と頭が下がっていた。
謝罪の言葉を口にする前に、慌てたギーシュが叫んでいた。
「誰だって、最初はそんなものさ、”最初から期待していなかった”から気にしないで」
――呼吸が止まった。
ギシリと、魂に何かが食い込む音がした。
サイショカラキタイシテイナカッタ
努力して、努力して、努力して、聖堂騎士隊隊長まで上り詰めた男の心に、
負けたこと等無かった男の心に、凍った楔が打ち込まれた。
その後の事は、余り良く覚えていない。
気付けば自室でただ泣いていた。
そして……
――水精霊騎士隊が黙っていても、自然と噂は広まった。
ぽっかりと穴の開いてしまったカルロの心は、心無い陰口に耐えることが出来ず……
騎士隊の宿舎の壁は、今日も黙って呪文を受けていた。
204 :
3/15:2008/09/17(水) 02:40:35 ID:hA1+cFGG
――長かった船旅ももうすぐ終わる。
モンモランシーは旅費を切り詰めた事を後悔しながら、強張った身体をゆっくりと伸ばした。
(ギーシュの馬鹿っ! どうしてわたしがこんな苦労しないといけないのよ!)
ルイズを連れて行くだけなら安全だろうと。
そう、高を括って送り出したのは間違いだった。
(戦争って……どういう事よ……)
握られた手のひらが、じっとりと熱くなる。
とくとくと心臓の音が高鳴り、じっとしているのが辛くなる。
怪我を……してないないだろうか?
(あの馬鹿……変な所で格好付けたがるんだから……)
『ぼくがいる』とか言って、あっさり無茶をしそうだった。
(わたしの……事なんて)
『コイビト』という言葉が、口の奥で小さく消える。
そう口に出せるほどの想いを、彼と交わした自信がなくて。
心配で夜もゆっくり休めないし、食事だっていつもの半分も食べられない。
――前にギーシュが戦争に行った時と同じ。
それだけ心配しているのに。
(あ、あ、あ、あの馬鹿だけはぁぁぁぁっ)
平気でまた戦争に行くのだ。
それに、折角帰ってきたから、少しでも一緒に居たいのに。
最近のギーシュは騎士隊の練習優先だ、僕は隊長だからねと男の子とばかり一緒にいた。
あまつさえ……
(覗きとかしてるんじゃないわよ……馬鹿ぁ……)
ギーシュは以前よりはるかにもてる。
本人は気付いていないようだが、女王直属の騎士で最年少の騎士隊長だ。
多少の問題点には目を瞑ろう。そんな相手はいくらでも居る。
モンモランシーが随分焦っていた状態での覗き騒ぎ。
彼女には自信がない。
1年生だというのに、ギーシュを始め男性生徒がこぞって覗きたがるティファニアの胸も、
ルイズの様に綺麗な顔立ちも、自分には無いと。
自分より美人など、学院にはいくらでも居る、彼女はそう思っていた。
205 :
4/15:2008/09/17(水) 02:41:38 ID:hA1+cFGG
努力は以前からしていた。
身に付いたスキルでお金を儲けることも、うっとりとする程の芳香を組み上げる事も。
全てはその延長。
大貴族の女の子には劣るかもしれないけれど、稼いだお金で自分を飾り、
他の娘には無いアクセントで自分を演出する。
築かれた自信と、十分な結果は彼女を内面からも輝かせる。
誰かを癒すその優しさと、幾人かが知る芯の強さは、ルイズやキュルケの華やかさとは別の意味で注目を集めていた。
だから、モンモランシーにもギーシュ以外の選択肢は在る。
……それでも、彼女はギーシュを待っているのに。
(他の娘見るなんて……)
平均よりやや下回る胸の前で手を組みながら、ふつふつと湧き上がる怒りで不安を焼き尽くす。
――悪い事ばかりを考えてしまうより、その方がはるかに楽だったから。
次に会った時に、どんな言葉を交わすのか想像するのだ。
そうすると、少しだけ気が楽になった。
張り詰めていた気配が緩むのを待ち構えていたかの様に、するりと言葉が滑り込んできた。
「もうすぐかねぇ、お嬢ちゃん」
船代を安く上げるための、同性との合い部屋。
戦争に向かった孫が心配らしく、随分体調を崩したらしい老婆に、
”なぜか”大量に持っていた水の魔法の触媒を惜しむ事無く振舞ったお陰で老婆に妙に好かれていた。
貯金を殆どはたいて購入した触媒は、学生の持ち物とは思えないほど充実した品揃えでたまたま乗り合わせただけの相手を一人癒す事など造作も無かった。
「お嬢ちゃんは、恋人に会いに行くんだったのかねぇ?」
「……ちがっ……」
「お嬢ちゃん、みたいな子が孫の嫁に来てくれたら、思い残すことは無いんじゃがねぇ」
他愛ない話は、ロマリアの港に付くまで尽きることは無く。
モンモランシーの旅は、それなりに楽しく過ぎ……
港で水精霊騎士隊の評判を聞いた時には、安堵の余りその場に座り込むところだった。
晴れやかな気持ちで、ギーシュが居るはずの聖堂の方を見つめ、通りすがりの騎士に道を聞き……
恋人の自慢をしながら案内を受けていた彼女が、人気の無い道で意識を失う寸前に見たものは
喜悦に満ちた騎士の顔。
206 :
5/15:2008/09/17(水) 02:42:51 ID:hA1+cFGG
「あれ? ギーシュ、モンモランシーは一緒じゃないのか?」
「は?」
唐突な言葉に、ギーシュはまじまじとギムリを見つめた。
「どうしてモンモランシーがこんな所にいるんだね?」
「いや、なんか、うちのばーちゃんが、陣中見舞いに来たんだが……」
「ほうほう」
「船で一緒になった娘が、美人で、トリステインの制服着てて、体調崩してたら看病してくれて、恋人が騎士隊の隊長だって」
一瞬の硬直の後に、ギーシュは無言で港に向かった。。
素晴らしい速度で入国管理の神官に会い、口先三寸でトリステインから入国した旅行者の名簿を見せてもらったギーシュは来た道を更に早いスピードで駆け戻る。
「何処でモンモランシーと会ったって?」
「はやっ、いや、港で別れたらしいけど……まだ会えてないのか? ばーちゃん来たの結構前だけど?」
唐突に、ギーシュの脳裏によみがえる幾つかの話。
『最近はロマリアも物騒だねぇ』
『光の国も物騒なことだな、ここに来る途中物盗りに会ったよ』
『しかも最近は難民が押し寄せて来てるとか……』
治安の悪化している国で、美人の恋人が行方不明。
「モンモランシィーーーーーーー」
ギーシュの絶叫が聖堂の中に響き渡り、人目を一瞬引いた後にギーシュはその場から走り出した。
泣き出しそうな瞳は必死に愛しい人の姿を求め、真っ直ぐに治安の悪い地区を目指していた。
が、側を通りかかったサイトがあっさりとギーシュを捕まえた。
「いきなりどうしたんだ?」
「サ、サイトか……モンモランシーが……モンモランシーが行方不明なんだ」
その説明の合間にも、ギーシュは前に進もうとしていた。
虫の知らせとでも言うのだろうか? 嫌な予感がギーシュを駆り立てていた。
「早く見つけないと……」
落ちつか無げなギーシュを取り押さえながら、サイトは回りに手早く指示を出し水精霊騎士隊を数人集めた。
「ギーシュ、落ち着けよ。人数が居た方が探しやすいだろ」
「……あ……」
「それに……あ、そこの人たち、ちょっといいか?」
サイトは半ば強引に、通りすがりの騎士に声を掛けた。
207 :
6/15:2008/09/17(水) 02:43:42 ID:hA1+cFGG
「我々も暇ではないのですがね」
ギーシュの耳に届くよう、カルロは呟いた。
「すまない、でも……土地に詳しい人間の案内が居るんだ」
サイトの判断で、土地に詳しい聖堂騎士とモンモランシーの顔を知る水精霊騎士が一組で捜索に当たる事に成った。
隊長のカルロは、部屋で待機中の所を呼び出されたらしく機嫌は最悪だった。
「その……できれば、手をかして欲しいんだ……」
「……お願いしますは?」
「あ、お、お願いします、カルロ騎士隊長」
深々と頭を下げたギーシュの頭上で、カルロの顔は嫌らしく歪んでいた。
「まぁ、恋人が危ないんじゃ、仕方ないよなぁ」
「あ、ありがとう……」
ギーシュに見えないように笑い続けながら、カルロは呟く。
「この先で、良く婦女暴行が行われているらしいんだが」
ついと指差された方向に、蒼白になったギーシュが走り出す。
「あぁ、そこを左、次は真っ直ぐ、その建物の中だ」
「良かったな、何も無かったようじゃないか……次に怪しいのはそうだな……」
一言一言に過剰反応するギーシュを、玩具の様に操りながらカルロは見知った街を駆ける。
走りつかれ、その場に崩れたギーシュには更に言葉を送る。
「ここで最近殺人事件が有ってね、犯人はまだ捕まっていないんだ」
「被害者の状況は酷くてね……女性相手の快楽殺人犯だったみたいでね」
死力を振り絞るギーシュを、見つめる冷たい瞳のその色は……
それはそれは楽しそうだった。
208 :
7/15:2008/09/17(水) 02:44:42 ID:hA1+cFGG
「げ……ほっ……ぁ……ぅ……」
「あぁ、いいのかな? この先にも怪しい建物が在るのだが?」
僅かに反応したギーシュの手が、ぱたりと道の上に落ちる。
数時間走り続けたギーシュは、気絶することでようやく初めての休憩を取れた。
(ちっ……水でもかけるか)
辺りを見回すカルロの視界に、部下がこっそりと忍んでくるのが見えた。
流石に他人にこの様を見られると不審に思われる。
そう考えたカルロは自分から部下に近づき、ギーシュをその視界から隠した。
「どうした?」
「隊長……気付きませんか?」
手がかりを見つけた。
つまり、自分が何かへまをしていたのか。
カルロは焦りながら先を促した。
「証拠が無さ過ぎます。ここまで完璧にこの街で痕跡を消せるのは……治安を預かる側……つまり聖堂騎士が一番怪しい」
カルロの背中を冷たい物が走った。
周りを見回し、人影を確認する……が……
(こいつが、他の誰かに言ってから来ているとすると……消したところで意味が無い)
「最後に姿を確認された地点はかなり人通りがあったはずなのですが、警備中の騎士が誰も見ていないというのも異常です。
それにそれらしい人影と聖堂騎士が一緒だったという報告も数件あります」
(無駄に優秀な男だ)
「聖下に聖堂騎士全てについての査察をするよう、隊長から進言いただけないでしょうか」
瞑目し、黙考。
「……事は軽々しく話す事もできないな……所で、この事は君が気付いて?」
「はい」
「ここに相談に来ることを他に知っている者は?」
「いえ、連れとははぐれた振りをして来ましたので、誰にも悟られておりません」
……
「君に見てほしいものが在るのだが、ちょっとそこの路地まで来てくれないか? 犯人がどうやって彼女を運んだのか分るかもしれない」
「た、隊長は手がかりを? 流石です、内部犯等とは自分の考えすぎだったのですね」
ほっとした様子で付いてくる騎士の背後から、カルロはそっと呟いた。
「彼女の周りにゴーレムを作って、それに鎧を着せたのさ。
聖堂騎士と私服とはいえ騎士隊長だ、何処でもフリーパスだったよ」
振り向くより速く、ナイフが闇に煌いた。
209 :
8/15:2008/09/17(水) 02:45:41 ID:hA1+cFGG
「グラモン! グラモン! 起きろ……」
「ぐ……ぁ……げほっ……」
ギーシュは乱暴に揺さぶられ、無理やり意識を覚醒させられた。
「す、すまな……い……」
「いいから、ちょっと来てくれ」
それは、ギーシュが倒れていた位置からほんの少し通りを奥に入ったところ。
距離すれば、十数メートルしか離れていないその通りは、真っ赤に染まっていた。
「……え? ……な……」
ギーシュが事態を把握しきる前に、カルロが首を切り裂かれた遺体を示しながら語る。
「僕たちは街で嫌われているからね、そろそろ日が落ちて通りも暗くなり始めたということさ」
本来、こんな時間に我々は街をうろつかないのだがね。
そう続けるカルロの声を、どこか遠くに聞きながらギーシュは年近い少年の遺体の側に跪き脈を確かめた。
冷たい腕。妙に重く感じるその感触は、生き物のそれでは無く。
戦場で幾度か見た、ただの肉塊と成り果てた、元・生き物。
「あ……ぁ……」
「こんな時間に我々をここに連れ出したのは誰だったかな?」
カルロは静かにギーシュの魂に毒を垂らす。
「優秀な男だったのに残念だよ」
「良かったな、被害者が君の恋人じゃなくて」
「これからも、まだ何人か死ぬかもしれないな」
力なく遺体の腕を握り締めていたギーシュの身体が、ビクリと震えた。
「まぁ、君は騎士隊長だ。自分の隊の事は好きにすればいいさ」
虚ろな眼で物言わぬ騎士を返し下に見つめるギーシュの肩をしっかり掴んだカルロは、ゆっくりと確実に聞こえるよう囁いた。
「女王からの預かり物とはいえ、君の隊は君の物だ。好きに使って、いくらでも使い潰せばいいさ」
「なっ、み、皆は僕のクラスメイトだ、友達なんだ。そんな危険な目に会わせる訳にっ」
「なら……恋人は見捨てるのか? グラモン」
痛いほどに掴まれていた腕の力が、ふっと緩み優しいほどの口調でカルロは続ける。
「いいじゃないか、たとえ何人死のうと、苦しもうと、君の大切な人が助かるのなら、彼らも納得してくれるさ」
そのままギーシュから離れ、うな垂れ蒼い顔をしている彼を観察する。
……そして……
立ち上がったギーシュが騎士隊を呼び集め始めると、カルロは密かに哂った。
210 :
9/15:2008/09/17(水) 02:46:41 ID:hA1+cFGG
用事が在るので少し外す。
カルロはそれだけ伝えると、聖堂へ撤収した部隊から別行動をとった。
真っ直ぐに自室に戻り、掛けてあった『ロック』の呪文を確認した。
いまだ解除されていないその呪文が、誰も部屋に出入りしていないことを保証しあふれそうになる笑いを必死でこらえた。
気配を殺し、物音を立てないように注意しながら自分の部屋に侵入すると、入り口からは見えないように注意深く配置されたベットの上には拘束された少女の姿があった。
よほど暴れたらしく、硬く結んだ後に頭上でベットに固定されている手首は滲み出る血で赤く汚れていた。
「……モンモランシーというそうだな」
恐怖を煽るため、部屋に入ったことに気づかれる前にカルロから声をかけると、モンモランシーは弾かれたように罵声を浴びせようとしたが、
「んっ……んんんっ、ぁっ…………」
万が一に悲鳴が漏れて人が駆けつけないように、その口には猿轡が噛ませて有った。
身動きの出来ないモンモランシーの傍らに、にやにやと笑うカルロが腰を下ろし息のかかるほど近くからまっすぐに顔を見つめた。
「いい事を教えてやろうか?」
そう言いながら、鍛えられた手が胸の上に乗せられる。
モンモランシーの身体は嫌悪で暴れだそうとするのに、怯えが全ての抵抗を停止させる。
嫌なのに、まるで無抵抗になってしまった自分に対する悔しさと恐怖で、じんわりと世界が滲む。
だが……
その涙が零れ落ちる前に、カルロは躊躇なく右腕に力を注いだ。
成長途中の胸は、繊細で敏感で自分でも強く触ると痛みを感じるほどなのに。
――世界が灼熱し、言葉を封じられた喉からありったけの空気が吐き出される。
カルロは、恐怖も怯えも全て吹き飛ばしてしまう激痛にモンモランシーが悶え狂う様を、じっくりと鑑賞した。
身体が軋み、間接が悲鳴を上げるほどの力で歪められ、場所も状況も忘れるほど必死に狂乱しているのを見ると……
カルロはほっとくつろいだ。
憎い相手の恋人を……あそこまで必死に探す意中の相手を。
自分は完全に掌握している。
その事実はどんな美酒より極上で……
「っ……ぁ…………っく…………」
時間を掛けて痛みが一段楽するまで眺めていたカルロは、モンモランシーが落ち着いたのを見て、やっとこの部屋に帰ってきた目的を果たした。
「グラモンはお前を見捨てたよ」
モンモランシーが驚愕に目を見開くと同時に、カルロの手はもう片方の胸を……
211 :
10/15:2008/09/17(水) 02:47:41 ID:hA1+cFGG
「隊長! 何処にいらしたんですか?」
「いや、少し纏める書類があったのでね」
ギーシュと共に聖堂に帰ったカルロは、ほんの十数分席を外しただけだと言うのに、生き生きとしていた。
「申し訳ありませんが、至急こちらに……水精霊騎士隊のグラモン隊長が、副隊長と揉めてらっしゃいます」
「ほぅ……それは、それは」
目を輝かせたカルロが導かれるままに進むと、人の迷惑にならないような物陰でギーシュがサイトをはじめとする数名の騎士に吊るし上げられていた。
「ギーシュっ、モンモンが見つかったから撤収したんじゃなかったのかよっ!」
「…………捜索は……明日に……続きを……」
「ギーシュ!」
ギーシュは激昂したサイトに壁に叩き付けられ、そのままずるずるとその場に崩れ落ちた。
サイト達の顔を見ないように、うつむいたまま撤収の理由を作ろうとぼそぼそと言葉を続けた。
「……モンモランシーじゃなかったのかもしれないしね」
「ギーシュ、悪いがそれはない。港の係員に君の持ち込んでいた彼女の肖像を見せた……
間違いなくこの国に入国しているし……行方不明だ」
誰かのつぶやきの後、自然に全員が黙り込み不自然な沈黙が満ちた。
皆心配なのだ。
訓練で怪我の耐えない騎士隊のメンバーの中に、彼女の世話に成っていない者は一人としていない。
ギーシュとのじゃれ合う様な掛け合いも、その後に続く微笑ましい折檻も騎士隊にとって、無くてはならない日常だった。
なにより、自分が守れなかったときに、大切な相手のために命を掛けてくれた親友にサイトは恩を返そうとしていた。
しかし、それでも……体温を失った騎士の腕が、ギーシュをサイトの前に立ちふさがらせた。
「め、命令だ、騎士隊長としての命令だ……みんな、部屋に戻るんだ」
端から見ていても、お互いを大切に思っている事がわかる一幕に、聖堂騎士たちが息を呑む。
そして、水精霊騎士達をギーシュを始めとした一団を尊敬の眼差しで見つめていた。
――周りに聞こえないように小さく舌打ちしたカルロは、ギーシュとサイトの間に亀裂を入れるために動き始めた。
「ギーシュ・ド・グラモンという男は、隊長として問題があるようだな。
部下に命令のひとつも下せないなんてな」
ギーシュを馬鹿にした途端にサイト達からの冷たい視線が集められる。
それすらも、思い通りに人を動かしてきたカルロにとっては予想通りの反応だった。
「説明ひとつろくに出来ないようじゃ、隊長としてこの先やっていけるのか不安だな」
水精霊騎士の注目が一身に集まるのを感じながら、彼らの注目がピークに達したところで、カルロは説明を始めた。
212 :
11/15:2008/09/17(水) 02:48:43 ID:hA1+cFGG
「グラモンは君たちの力を信用していないだけだ」
「は?」
ギーシュが思わず反論しようとするのを、カルロはまっすぐ目を見つめて止めていた。
『黙って僕に任せたまえ』
――最悪の結果を招いてやる。
そんなカルロの心の声が聞こえるはずもなく、ギーシュは大人しく黙り込む。
……それは、まるでギーシュがカルロの言葉を認めたかのようだった。
「先ほど、聖堂騎士隊に欠員が出た……街に下りた際に何者かに殺害されたのだ」
ギーシュの反論がないため、サイト達は大人しくカルロの言葉に聞き入った。
部下を鼓舞し、指揮することに慣れたカルロの声は、力強く響き、そこに語られることがまるで真実であるかのように紡がれる。
「死体を発見したのは僕とグラモンの二人だ……
見事な手並みでね、並みの使い手ではかなわないだろうね」
そしてカルロは語り始める。
ロマリアでは騎士がいかに嫌われているかを。
サイト達との始めてあった時の群衆の行動を交え、詳細に語る。
そして……
「君たちでは勝てない、グラモンはそう判断したのだよ」
そんな事は無い、危ない目に合わせたくないだけだ。
ギーシュはそう言いたかったが、今口を挟むわけにもいかない。
「……ギーシュ……俺たちそんなに頼りないか?」
「ち、ちがっ……」
「そうっ、君たちが心配なんだグラモンは」
……確かに心配だった……が、このタイミングで認めても、何の解決にもならない。
「……ギーシュ、僕たちもモンモランシーが心配なんだ……たとえ君が反対しても、街に下りるよ」
「ま、待て、待ってくれ」
ギーシュ自身も、今すぐ街に下りたかったが自分の都合で騎士隊を危険な目に合わせる。
そんな男になるのは、貴族としての誇りが許さなかった。
「め、命令だ……水精霊騎士隊・隊長としても命令だ……みんな、街に下りることは許可できなっ」
そこまで言った瞬間、ギーシュはもう一度壁まで突き飛ばされた。
「ギーシュっ! いい加減にしろよ! 困った時くらい俺たちを頼れよ、何のための仲間だっ」
自分が居ない間に、ギーシュは決死でルイズを守ってくれた。
その思いが、サイトを過剰なまでに反応させた。
お互いがお互いを思っていても、暴力に出てしまっては容易く思いはすれ違う。
「……だ……れのっ……」
誰のためを思って言っていると思っているんだ?
その言葉はギーシュの口の中で消えながら、拳がサイトに向かっていった。
213 :
12/15:2008/09/17(水) 02:49:41 ID:hA1+cFGG
続いて起きた乱闘で、水精霊騎士隊が街に下りる話はうやむやになり、数人の聖堂騎士の手でギーシュとサイトは取り押さえられた。
「げ……ほっ……げほっ……ぐ……ぁ……」
ギーシュはカルロの手で取り押さえられていたが、その際に偶然を装い痕が目立たないように服の上から良いのが数発抉り込まれていた。
「落ち着けよ、グラモン……暴れていても、彼女の無事は保証されないぞ」
無力に取り押さえた状態で、愛しい人の危機と、自分には何も出来ない現実を突きつける。
カルロは笑いをこらえるので精一杯だった。
「……なせ」
「んんん? 何かな? グラモン」
「離せっ」
どこにそんな力が残っていたのか、ギーシュは力任せに立ち上がりながら炯々と目を光らせた。
追い詰められた獣のように、荒い息を吐きながらカルロを睨み付けた。
「ちょっ……ギーシュ落ち着け」
「まてっ、サイト……離せっ、離してくれっ!」
数秒前まで喧嘩してはいても、サイトにとってギーシュは大切な友人で、その友人がまったく関係ない人間に今にも襲いかかろうとしていては止めない訳には行かなかった。
「落ち着け、ギーシュ」
「離せっ! 離せぇぇぇぇっ!! 離せサイトォォォォォ!」
狂ったように暴れ始めたギーシュを見て、カルロはまた一つ幸せを噛み締めた。
「副隊長だったな? ちゃんとその狂犬を押さえつけておいてくれよ。
自分が無力だからといって、言い難いことを言っただけで襲い掛かられてはたまらないからな」
「ちっ、なんだか分からんが、ギーシュの目の前から消えろっ!
何を言ったのか分からなかったけど、ギーシュが普通ここまで怒るは……」
「離せぇぇぇぇぇっ、離してくれっ、サイトォォォォ!!」
体力はサイトのほうが上回っているはずなのに、ギーシュはそれすら振りほどいて前に進もうとしていた。
その瞳には狂おしいまでの炎が宿り、ほんの一瞬目が合ったカルロは、思わずサイトの言葉にすがった。
「わ、私は悪く無いからなっ、しっかりそいつを監視しておけよっ」
勝ち誇っていた筈のカルロは、ギーシュの一睨みで精神的優位を崩された。
そして……それは彼のプライドに大きな傷を付け……
(こ、この報いはお前の女に、たっぷりとくれてやるからなぁっ!)
自室への足を急がせた。
214 :
13/15:2008/09/17(水) 02:50:41 ID:hA1+cFGG
ガチャガチャと乱暴にドアが開かれる。
怯えと共に、僅かな希望……
(ギーシュ! お願いっ……助け……)
「知っているか?」
期待と裏腹に、部屋に立ち入ってきた男の声は、忘れたくとも忘れられない絶望の主。
「聖都の消灯は早い……つまり……時間はたっぷりと有る……」
(やあぁぁぁぁぁっ!)
カルロは振り向くと扉に厳重な『ロック』を掛ける。
(や……ぁ……そんなの……そんなの……)
他に入り口の無い部屋。
つまりは、この男がその気になるまで自分はここに拘束されたまま。
「……まだ、仕事はあるが……まず手始めに手付けだけでも貰うとするかなぁ」
カルロの視線が足の間に絡み付いているのを察した、モンモランシーは何が起こるのか理解し、必死に叫ぶ。
たとえ、猿轡を噛まされていて言葉に成らなくとも。
始祖より、父母より、いつの間にか頼りにしている愛しい人の名を。
(ギーシュっ! ギーシュゥゥゥ、いやぁぁぁぁ、お願いっ助けてっ、助けてよぉ)
拘束された手首に、ぎりぎりとロープが食い込み皿に出血を誘うが、今目の前にある危機はそんな些細な問題より、はるかに重大だった。
――そんなモンモランシーを、カルロはまるで慈しむ様に見つめながら言った。
「このままじゃ、悲鳴が聞けないな……あの男の名前を呼ぶ相手の初めての男に成るのは……楽しいだろうなぁ」
狂ってる。
モンモランシーは、そう確信したが。
同時にカルロが口にした言葉に、絶望を深くする。
『初めての男』そう言ったのだ。
絶望は彼女の力を奪い、拘束を解かれたというのに、逃れられない恐怖を前に全ての抵抗を放棄させた。
「おや? 騒ぐのは止めたのか?」
凍ってしまった心で、物でも見るようにカルロを見つめる。
(ごめんね……ギーシュ……ごめんね……)
こんなどうでもいい男に、奪われる位なら……もっと早く貴方に……
自分の腕がねじり上げられ、無造作に体が固定されるのを見ながら、モンモランシーは……
「あぁ……そうだ……使い終わったら、ギーシュに返そう。一晩掛けてあいつに余計なことが言えない位教育してから……そうしたら……
あいつ、俺の中古品で大喜びすることになるんだなぁぁぁぁ」
……どこまでもギーシュを愚弄する言葉に、凍った筈の心が悲鳴を上げる。
「やぁぁぁぁぁぁっ、ギーーシュ、助けてぇぇぇぇ」
215 :
14/15:2008/09/17(水) 02:51:45 ID:hA1+cFGG
耳が痛いほどの悲鳴を聞きながら、悦に入ったカルロは濡れてもいない秘所を無理やり引き裂こうとした。
が、そのとき。
――バキン
耳慣れない音が、廊下から響き渡る。
――メキメキメキメキ
「な、なんだっ?」
石造りの頑丈な壁が、熱せられた飴細工のように形を変える。
地震のような激しい振動に、カルロは体勢を維持できずモンモランシーを手放してしまった。
モンモランシーはその機会を逃さず、ぼろぼろに裂かれた服のまま部屋の端まで逃げ去った。
――そして、形を変えた壁の向こうから、ギーシュ・ド・グラモンが姿を現す。
「見つけた……」
「ギーシュ!」
モンモランシーはそのままギーシュに駆け寄り、その腕の中でぽろぽろと涙をこぼし始めた。
ギーシュは黙って傷だらけのモンモランシーを見ると、静かに……とても静かにカルロを見つめた。
カルロは慌てながらもズボンを上げ、杖をギーシュに向ける。
(まだ……だ、まだ……)
カルロはギーシュがここにたどり着いたのを偶然だと判断した。
ならば……先ほどの猛り狂ったギーシュが自分に挑んできたため、やむなく決闘の上殺した。
そうすればギーシュが見たことは闇に消え、モンモランシーをもう一度閉じ込めることも容易い。
その……つもりだった。
「香水が……ね……カルロ」
「? な、なんだと?」
「彼女の香水の香りが君からしたんだ……」
「……そ、そんな、どこにでも有る物で、こんな暴挙をしでかしたのか? 君はっ」
カルロは知らない。
モンモランシーの香水が彼女のオリジナルである事も、今付けているものがギーシュと会うとき専用の取って置きだという事も。
ギーシュがその香りを間違えることなどありえない事も、彼は知らない。
「暴挙?」
「聖堂騎士の宿舎を破るなどっ……誅殺してくれるっ! 死ねっ」
カルロは知っている。
水精霊騎士隊・隊長。
その立派な肩書きに見合わず、ギーシュ・ド・グラモンがドットメイジにしか過ぎないことを。
一度杖を交わした彼は、本気を出せば自分ならば容易く彼を殺せる事を――知っていた。
216 :
15/15:2008/09/17(水) 02:52:42 ID:hA1+cFGG
カルロが詠唱を始めたというのに、ギーシュは冷たい瞳でじっと見つめるだけだった。
(諦めたのか?)
自分に勝てるはずが無いことを理解しているグラモンが、恋人と一緒に死ぬことを選んだ。
カルロはそう判断し、愉しみの予感に震えた。
(ならば……半死半生にして、奴の前で恋人を嬲ってからあの世に送ってっ……)
ギーシュと目が合った瞬間、カルロの舌が凍りついた。
背筋を這い上がる冷たい予感が、逃げろと叫んでいた。
この男には勝てないと、自分がこいつを殺せるはず……そんな知識は何かの間違いだと……
そう……叫んでいた。
(そんな筈は無いっ!)
惨めなプライドを振り絞り、詠唱を再開する。
そして……ギーシュに杖を向けながら……
カルロは思い出していた。
自分の呪文では、この部屋の壁に傷一つ付けられなかった事を。
今、飴の様に曲がった壁が、どれほど強力な『固定化』に守られていたのかを。
「ワルキューレ」
ぼそりとギーシュが呟くと、”作りかけられた居た”ゴーレムがその姿を現す。
部屋の壁を材料に構成されたゴーレムは、その作成過程の”ついで”として壁を貫いていた。
「ちょっ! まてぇぇぇぇぇ、ぐぁ」
カルロは忘れていた。
メイジがその能力を飛躍的に伸ばす可能性を。
知っては居ても、めったに起き得ぬその現象をよもやこの男が起こす可能性を。
ここまで追い詰められた、ギーシュのモンモランシーを求める心はその魔力を底上げし……
ワルキューレに握りつぶされかけているカルロを取り出すのには、トライアングルメイジ数人を以ってしても敵う事は無かった。
新刊出る前に、続きが投下できるといいなぁ……カルロ君いい人だったら浮くし。
では、出来ましたら近日中にお会いできますことを祈りつつ。
>>217 GJ! 卑怯者の屑の逆恨みのせいで災難だな ギージュとモンモン
なんか屑の鏡のfateの慎二を思い出した
ドキドキ・・・
一気に読ませて頂きますた
>>217 GJ!
すっげえ緊迫感が漂ってきて読み応えありました!
ギーシュ格好ええ!
>>217 乙〜。最近のモンモンはマリコルヌとかカルロとかもうねw
ええい不甲斐ない!モンモンは俺がもらった!
>73
>209
◆三笠フーズ 汚染米事件 〜食べた人は全員肝臓ガンで死にます
・「アフラトキシン」は地上最強の天然発ガン物質
・発症までに10〜20年かかるが、極微量でも摂取すれば、
肝臓ガンになる可能性は100%
・調理では分解されず食品中に残る
・西日本で肝臓ガン死亡率が高く偏っており、原因不明とされていたが・・・
(資料)国立がんセンター
http://ganjoho.ncc.go.jp/pro/statistics/gdball.html?7%9%1 医師板からのコピペ
40 :逃亡者:2008/09/13(土) 01:26:17 ID:23fUP1Pf0
2年前から大阪で勤務しているが、以前の勤務地と比較して大阪は本当に
肝臓癌の患者が多いと感じた。消化器内科からTAE(肝動脈塞栓)の依頼
が次から次へとくる。
で、ずっと疑問に感じていたことがある。大阪では患者の殆どが男性なの
だ。おまけにウイルスフリーもちらほらいる。それでHCV・HBV以外にも肝臓
癌の原因はきっとあるに違いないと、大阪に来てからずっと思っていた。
今回この事件を知って二度驚いた。ひとつは不謹慎だけど、「あー、やっ
ぱり」っていう驚き。実際には因果関係を証明するのは無理でしょう。でも
治療している私の実感としてはピッタリだったてことなんですよね。そうい
う驚き。
もうひとつは、自分も肝臓癌になる可能性があるっていう驚き。というよ
り、恐怖だろうか。肝臓癌の治療すればするほど思うのだが、本当に治らな
い。今では絶対に治らないという確信さえ持っている。最期が悲惨なだけに
考えてもみなかったことだ。
肝臓癌になるかどうかは別にしても、今はこんな情けない国に生まれてき
たことが悔まれて仕方がない。
三笠フーズ(大阪)、浅井(愛知)→ノノガキ(三重)、太田産業(愛知)
島田化学工業(新潟★) ←new!!\(^o^)/
>>217 GJ。原作カルロが良い人でもパラレルということで構わないのでは?
そろそろ幸せなモンモン作品が投下されると予想〜
>>217 カッコイイなギーシュ。続編頑張ってくれ
そういえばモンモン系は少ないな…
なのでいつも悶々としてます。
そのうちムラムラと…
「モーンモンモンモンモン」
「どうしたのよ、あんた」
「モーンモンモンモンモン」
「なに、この娘?柱にしがみついて大声張り上げちゃったりして」
「モーンモンモンモンモン」
「…変」
「モーンモンモンモンモン」
「大変だ、モンモンランシーが壊れたぞ!」
「モーンモンモンモンモン」
「なあギーシュ、一体何があったんだ?」
「うーん。ひょっとしてあれかな」
「また何かの薬かよ?」
「昨日、モンモランシーが持ってきたんだ。何でも特別な方法で抽出した愛の液体で、
二人の男女が揃って飲むと、お互いを呼び合うようになるんだって」
「飲んだのか?」
「そりゃモンモランシーの薦めだもの。断れないさ」
「はぁ」
「で、僕も何だか柱にしがみつきたい気分になってきたかな、かな、カナカナ、カナカナカナカナ」
をいをいおうぃww
>モーンモンモンモンモン
吹いたじゃねぇか!w
モンモン自分の事呼んでね?w
最後の「カナ」がよく分からない^^;
ミンミンゼミとヒグラシは呼び合わないと思うよw
この間質問した者だけど
やっぱり俺の彼女は腹がたつくらいエロいんだけど…
質問した後に今までで彼女が起こした行動
朝俺が起きたら勝手にチンコしゃぶってた
トイレについつきて小便してる所をじっと観察
(ドアを閉めようとしたら泣きそうな顔したので閉められず)
一緒に電車に乗ると身体を密着させてズボンの上から俺の股間をずっと擦る
五分に一回は眼を合わせてきてディープキスをしてくる(所構わず、エレベーター、エスカレーターでは必ず)
ファミレス等では隣に必ず座り片手は常に俺の股間の上
家でテレビを一緒に見てると徐に俺のズボンのチャックを降ろし、チンコをずっと擦る
しかもこっちがイキそうになると丁度良いタイミングで手を離す
そんで暫くしたら再開を映画とか借りてきたらその間中続ける
外でセックスをしたがる
恥ずかしから俺は服を着たままだけど彼女は全裸
一回全裸で家から外に出で近くの公園でセックスした
彼女の事は好きだから何とか普通の付き合い方をしたいんだけど…
俺がMっぽいから駄目なのか?
やっぱり彼女Sっぽく接してせめて外での行為を抑制した方が良いのだろうか?
スレ違いだ。あと病院池
外でせっくるしたがる以外は普通でね
かまってちゃんはスルーしてくだしあ
どうせ誤爆だろ
裏山…
今回はキュルケとコッパゲ先生です。需要が薄そうですが…。
導入部ですが、投下します
(1)
「あ、ふ……。いいわ、素敵よ……」
トリステイン魔法学院の女子寮の一室で。
かぐわしい吐息を漏らす一人の少女がいる。
「ねえ、もっと私を感じて欲しいの……。お願い……」
喘ぐように呟きながら、真紅の薔薇の花びらのような官能的な唇をうっすらと開き、艶かしい吐息を紡ぎ続ける。
豊かに波打つ彼女の髪は、唇と同じ、燃えさかるような炎の赤。
その両の瞳は、今は固く閉ざされているが、常であれば妖艶なルビー色の輝きを放って目の前の者を魅了する。そんな魔性の瞳だ。
少女の名はキュルケ。キュルケ・フォン・ツェルプストー。二つ名は「微熱」。
微熱のキュルケ、それが少女の通り名である。
しんと静かな夜だ。
空に浮かぶ月が、時おり雲の合間から姿を見せては、冴え冴えしい光で辺りを照らし、しばらく舟を漕いでは再び闇にかえってゆく。
時はすでにウィンの月。
北風が肌を刺すこの季節、もう雪が降っても不思議はない。
けれども薄手のネグリジェを一枚まとっただけの少女の体は、芯から熱く火照っていた。
オレンジ色に燃え盛る暖炉の熱に加えて、官能から生まれくるともし火が、少女の体をじんわりと炙りあげているのだった。
「ねえ、気づいて? 私の微熱……。ほら、もうこんなに……」
媚びた笑みの形に唇を作ると、少女はいじらしく訴えかけた。
まるで娼婦がするように、未だためらうその指を、自らの意思の導きで自分の奥へと誘い込む。
「ん……、んっ……」
濡れた音を響かせながら、ねっとりと埋めこまれたそれは、最初こそぎこちなかったものの、次第に少女の反応を確かるように場所を探りだし、的確に官能の炎を散らしはじめた。
少女は夢見るような表情を浮かべて、
「いいわ、とても……。ああ後生だから、そのまま私を溶かし尽くしてちょうだい……」
艶っぽく甘えた声でねだる。
目を閉じたまま少女は、快感に意識を集めるように眉をきつめた。
ゆらめくようなともし火は全身にくまなく広がり、熱せられて溶けたバターのように少女の体をとろかせて、隅々までをも侵していく。
甘い疼きに体を揺らしながら、頭を振り、身をよじって、もどかしげに訴えた。
「だめ……。だめよ、足りないわ。もっと……。壊れるぐらいに、激しく犯して欲しいの」
彼女の属性は『炎』。火を扱うメイジだ。
その本性は――、情熱。そして破壊。
だから抱かれる時にはいつも、燃え盛る業火に身を焼かれたいと、彼女は願う。
何もかもを容赦なく滅ぼし焼き尽くす、荒ぶる紅蓮の獣に己の身を投げ与えて、その牙で散り散りになるまで引き裂かれてしまいたいと、願う。
「どうか私を壊してしまって」
悲鳴のように訴える。
けれども……、その願いは叶えられることはない。
どんなに懇願しても、目の前の少年の表情は変わらない。
ただ困りきったように顔をうつむかせるばかり。
申し訳なさそうにその漆黒の瞳を伏せて、視線を所在なさげにさ迷わせるだけだ。
とうとう諦めたように少女は目を開けた。
途端、まぶたの裏の少年の姿は、はかなく幻とかき消えた。
後に残るのは侘しさだけ。
体を暖める熱の名残も、徐々に冷えてゆく。
「……だめね」
キュルケはがっかりして、頭を振った。……まるで燃えない。
もうずいぶんとこんな調子が続いているのだった。
情熱のキュルケも落ちたものだと、情けなく思い、肩をすくめる。
でも、仕方がないのかもしれない。理由はわかりきっている。
要するに、欲しくなくなってしまったのだ。
漆黒の髪と瞳を持つ、使い魔の少年。
見た目もぱっとしない、態度もどことなくおどおどした、ただの平民の少年、そんな彼の瞳の中に宝石のような強い意思の輝きを見つけた時には、何千年も埋もれ続けた古代の宝を見つけ出したかのように舞い上がって心躍らせた。
一目で恋に落ちたと確信し、それこそツェルプストーの名にかけて、何がなんでも手に入れようと躍起になった。
けれども、その輝きは自分とは別のある少女にこそ必要とされるべきものであって、どうやっても自分には得ることは難しいと分かり始めると、急速に興味を失ってしまった。
別段嘆いたりはしない。恋とはそういうもの。次を見つければいいだけの話なのだ。
人生は長いし、男は星の数ほどいるし。彼以上に自分の心を燃え上がらせる、もっと自分にふさわしい相手が、この世のどこかにいる。
その“誰か”を見つけるまでのちょっとした繋ぎに、昔したように、近づく男を片っ端から手玉に取って気晴らしをしてもよかったのだが、残念なことに今は戦時中で、男性という男性は学生教師を問わず出払ってしまっている。
だから今はこうして自分で自分を慰めるしかできない。
まったく退屈この上ない。
開戦が間近なのだった。
学院のあるここトリステイン王国は、彼女の故郷である帝政ゲルマニアと共同戦線を張って、再びアルビオン王国と戦火を交えようとしている。
つい先日にも、大小五百隻を数える大船隊が、女王陛下に見送られてラ・ロシェールから出航したという話だ。
学生ばかりの魔法学院といえども、その影響から逃れることはできず、二ヶ月ほど前の侵攻作戦の発布をきっかけに、学院にいる男たちのほとんどが軍に志願した。
あのお調子者のギーシュや臆病者のマリコルヌでさえもだ。
もちろんキュルケも勇んで志願した。
男子のいない学園に何の楽しみがあろう。いっそ退屈紛れに暴れた方がずっとマシだ。そう思ったのだが、しかし女子というだけですげなく断られてしまった。
そんじょそこらの男には負けないんだから、と歯噛みして悔しがったが、すぐに思い直した。同じ暴れるんなら、偉ぶった人間の配下でちまちま戦うよりも、臭い野蛮なオークでも相手にしてる方がよほどマシである。
そもそもが生粋のゲルマニアっ子である彼女は、祖国に対する忠義心に薄い。
戦争についても、頭の悪いオトナ同士、勝手にドンパチやってなさいな、と冷めた目で見ている。
ただ学園の女の子たちが、恋人や友人を思って嘆く姿には、素直に胸が痛んだ。
戦争であるからには、常に死の危険と隣り合わせである。
生きて帰れる保証などどこにもないのだった。
そして意外にも、キュルケが一番に心配するのは、桃色の髪の少女、ヴァリエール家の娘ルイズのことだ。
先祖の代から運命づけられたライバルであり、例の黒髪の少年の主人でもある、つまりは恋の元ライバルといえるその彼女が、なぜ今回の戦争に駆り出されることになったのか、頭の回転のよい彼女にはなんとなく察しがついていた。
数日前。彼ら二人がアルビオンに向かって発つ時の様子を、彼女は偶然にも見ていた。
あの馬鹿な子は、あいかわらず不機嫌そうだった。
何があったか知らないが、もうずっと前からあんな調子だ。自分の使い魔に対してひどく素っ気無い態度を取り続けているのだ。
そういう彼女の部分が、キュルケにはまったくもって理解できない。とにかくいらいらして、ライバルであるのも忘れて、要らぬお節介を焼きたくなってしまう。
そして、そんな不器用で生真面目でプライドばかり高い愚かな少女に、過酷な運命の矢が当たってしまったのは、まさに皮肉という他はない。
どうしてもっと気楽に生きられないのかしらね。
深いため息をひとつ。
それから、キュルケはベッドに身を横たえて、目をつむり、祈った。
どうか彼らと……、そして学園の皆が無事に戻ってきますように、と。
そして深い眠りの底に落ちていった。
(2)
扉を叩く音で、キュルケは目を覚ました。
窓の外はまだ暗い。夜明けはかなり先のようだ。
目をこすりながら、いったい何事かと扉を開けると、
「変」
廊下で出迎えた青い髪の少女が短くそう告げた。雪風のタバサだ。
学園内で何かが起きている、と言いたいらしい。
本当だろうかと耳をすませる。
聞こえるのは風の音ぐらいで、異常を告げるそれらしき物音はまだない。……だが。
うるるる、と使い魔のフレイムが窓に向かって唸り声をあげているのに気がついた。
なるほど確かに何かがおかしいようだ。納得したキュルケは手早く服を身につけると、タバサに目配せをして、ひとまず様子を見るために外へと退避することにした。
烈風に煽られた炎が乾いた草原を焼き尽くすような早さで、魔法学院は占拠された。
賊は隊長メンヌヴィルを筆頭とする、メイジ十数名――。
敵国アルビオンの手の者である。
まったく予想外の襲撃の上に、未明を狙われたとあって、学園に残っていた女子生徒と教師のほぼ全員が、ろくな抵抗もできないまま捕えられてしまった。
彼らは捕虜として、ひとまとまりにアルヴィーズの食堂に集められている。
その様子を、外から伺う一団がいた。
幸運にも、もしくは実力によって、賊の手を逃れることのできた者たちである。
その内訳は、メイジである教師一名および学生二名と、軍事教練目的のために偶然駐屯していた銃士隊が隊長アニエス以下十名ほど。
彼らは、食堂の見通せる階段の踊り場に身を隠しながら、今後の対応を相談し合っていた。
事態は深刻をきわめ、かつ急を要していた。
というのもつい先ほど賊が、「アンリエッタ女王か枢機卿を呼べ」などと、とんでもない要求を突きつけてきたからである。
人質を盾に、アルビオンに向けられたトリステイン全軍を引かせる心づもりらしい。ことは一国の将来をも揺るがす大問題である。
そして返答のために彼らに与えられた猶予はわずか五分。
それを過ぎれば、人質を一人ずつ殺すと言う。
援軍を待つ余裕はない。
たとえ得られたとしても、このように人質を取られていては無意味だろう。
進退きわまるとはまさにこのこと。打つ手を探しあぐねて、アニエスは黙りこんだ。
その時である。
「ねえ、あたしたちにいい計画があるんだけど……」
背後から明るい声が提案した。
「計画?」
訝しげにアニエスが振り向くと、赤毛の少女がにっこりと微笑んでいた。
その隣にもう一人、寄り添うように小柄な青髪の少女が立っている。双方ともに学生だ。
アニエスはあらためてその二人を値踏みするように眺めた。
赤毛の方は、年の割りにグラマラスな肢体をぴっちりとした制服に包み、豊満な胸を持ち上げるように両腕を組んで不敵に微笑んでいる。
もう一人は、正反対に、まったくの無表情。体には似つかわしくない大きな木の杖を握って、ただその瞳だけが氷のような鋭い光を放っている。
そのちぐはぐな取り合わせは、アニエスの目に奇異に映った。
が、それ以上に奇異だったのは、二人がこんな緊迫した状況でもまったく動じている気配がないことだ。
どこまでも自然体なその様子に、アニエスは舌を巻いた。
学生ではあるが、それなりに戦闘経験を積んでいるに違いない。そう踏んだ。
真に優秀な戦士は、危険な場面であればあるほど余計に落ち着いているものだ。それは単に自信のせいばかりではない。『危険な状況下にこそ冷静であれ』と経験則で学んでいるからだ。
まだ若いのに大したものだ、とアニエスは感心した。
そして、この二人の提案であれば、耳を傾ける価値があるかもしれない、そう考え、
「何かいい思いつきでもあるのか?」
尋ねると、赤毛の少女は茶目っ気たっぷりにウィンクをした。
「そうよ。早いとこ皆を助けてあげないとね」
言うや否や、彼女は手早く計画を披露した。
さて、その計画とはこうである。
まず中に黄燐をたっぷり仕込んだ紙風船をたくさん用意する。
それを風魔法で食堂に送りこみ、まとめて一気に爆発させて敵の目をくらましてから、その隙に乗じて叩こうというのだ。
つまりは魔法を利用した奇襲作戦である。
「なるほど、面白い」
銃士隊の隊長アニエスはすぐさま賛成の意を見せた。
多少のリスクはあれども、提案された計画は実に理に適っていたし、また成功の可能性も高いように思われたからである。
敵と味方の人数はほぼ同数。うまく虚をつけば、人質に手出しさせる前に捕らえることができるだろう。そして敵は、こちら側にメイジがいることを知らない。
ところが、反対する声があった。
男子教師ジャン・コルベールだ。彼は火の塔近くにある専用の研究室で寝泊りしていたために、賊の奇襲を免れたのだ。
彼は渋い面持ちで主張した。
「やめた方がいい。危険すぎる。相手はプロだ。そんな小技が通用するとは思えん」
そんな慎重な意見に、キュルケはふんと鼻を鳴らして抗議した。
「やらないよりはマシでしょ。先生」
見下したような表情で、コルベールを見返す。
研究者風情が口を出さないでよね、という目つきである。
もとからキュルケは、この頭の禿げ上がった教師を臆病者だと決めつけていた。
この戦時中、従軍もせずに学園に残っているのが、その確かな証拠だ。その理由を、彼に直接尋ねたことがある。「戦いは嫌いでね」というのが答えだった。
キュルケに言わせれば、そんなものは臆病者のたわごとでしかない。
きっと彼には、誇りも、守るべき主義もなく、ただ己の命だけが大切なのだろう。
つまるところ、ジャン・コルベールは彼女が最も軽蔑するタイプの人種であった。
せいぜい邪魔にならないように、平民の使用人に混じって遠くから見物していればいいんだわ、とキュルケは吐き捨てるように心の中で呟いた。
結局、コルベールの意見はアニエスにも全く無視され、自動的にキュルケらの提案した計画を実行することが決まった。
そして五分後――。
食堂では、一人目の犠牲者が選ばれようとしていた。
賊の隊長メンヌヴィルは、メイジらしからぬ筋骨隆々とした大男で、黒装束に薄汚れた革のマントを羽織り、いかにも戦いなれした傭兵らしいオーラを漂わせている。
それが彼の杖なのだろう、無骨な鉄棒を手のひらに打ちつけながら、メンヌヴィルはぐるりと人質たちを見回した。
女子生徒たちは、一様に息をのみ、震え上がった。
どうか自分が最初の犠牲者になりませんようにと、目をつむりひたすらに祈った。
その時である。
奇妙なものが食堂の中に入ってきた。
ふわふわと漂うそれは……、よく見るとオモチャの紙風船だった。
それがシャボン玉のように、次々と大挙して流れ込んでくる。
紙風船はまるで訓練された兵のように、最短ルートをもって均等に部屋に行き渡った。
そして食堂にいる全員が見つめている中で……、一斉に爆発した。
轟音、そして閃光。
錯綜する悲鳴が、部屋に満ちる。
数人の賊メイジが、まともに光をくらって、目を押さえてしゃがみこんだ。
たちまち食堂は激しい混乱に包まれた。
その混乱に乗じて、キュルケとタバサ、銃を構えた銃士たちが、我先にと食堂に飛び込もうとした。
刹那。
「きゃあっ!」
食堂から矢のように放たれた炎の弾に、キュルケの体が大きく吹っ飛んで、大地に転がった。
至近距離で爆発した炎の爆風をまともにくらったのだ。
さらに続けざまに飛来した炎の弾によって、タバサも銃士隊も、その全員が、たちまち地に伏した。
何が起こったのかよく判らないまま、とにかく杖を……、と手を伸ばしていると、濛々と立ち込める白煙の中から大きな黒い影が現れた。
影はうっそりと白煙をかき分けるように近づいてくると、一人の人間の姿となった。
その人物は、キュルケの前に立ちはだかると、にやりと笑った。
賊の中でただ一人、混乱を全く意に介さない人物。
――隊長、「白炎」のメンヌヴィル。
その時はじめて、キュルケはまともに彼の顔を見た。
にやにやと笑う顔は、悪魔の化身のように映った。
その顔は醜い火傷で覆われている。
特に目の辺りが酷く、赤黒くひきつれており、窪みに埋まる眼球は死んだ魚の目ように生気がなく、あさっての方向を向いていた。
ようやくキュルケは気がついた。
「あなたもしかして……、目が」
するとメンヌヴィルは自分の目に指を伸ばし、何かを取り出した。
見せつけるように掲げたそれは、義眼であった。歯をむいて笑う。
「そうだ。オレは目を焼かれていてな。光がわからんのだよ。だが、ちっともかまわん。お前は、聞いたことがないか? 蛇は温度で獲物を見つけるそうだ。……オレも同じだよ。温度で人を見分けることができるのさ」
そこまで言うと、メンヌヴィルはのけぞって高笑いをした。
キュルケは驚愕した。
このような人間がいることが信じられない。
いや、人間と認めたくない。彼から放たれるどす黒い悪臭のようなオーラは、好んで人間を食らう醜悪なモンスターのそれと同質のものだ。さらに煮詰めて凶悪にしたそれだ。
ぞくりと背筋を冷たい汗が伝い落ちた。
そんな少女の心境を見越したかのように、メンヌヴィルは、笑った。
「お前、恐いな? 恐がってるな?」
嬉しげに鼻腔を膨らませて、いっぱいに空気を吸い込む。
「ああ、嗅ぎたい。……お前の焼ける香りが、嗅ぎたい」
キュルケの体が一瞬にして凍りついた。ガタガタと震えた。
生まれて初めて感じる、本物の恐怖――。
死に対する恐怖ではない。異質の物に対する純然たる恐怖だ。
こんな存在が、自分と同じ人間であろうはずがない。
そう思う一方で、共通の物を認めずにはいられない。
『炎』。
全てを支配し、破壊し尽さんとする欲望は、まさに『炎』の本性そのものではないか。
ならば目の前のこの存在は炎の権化に違いない。
同じ炎の属性を持つ自分も、この男と同質の存在なのだろうか……。
その思考がキュルケを恐怖と混乱に陥れた。
「やだ……」
キュルケの口から、呟きが漏れる。
たまらぬ、と言わんばかりの笑みを浮かべ、メンヌヴィルは杖をかかげた。
「今まで何を焼いてきた? 炎の使い手よ。今度はお前が燃える番だ」
ぶわりと杖の先から炎が生まれる。
炎の生む熱風が、キュルケの髪と肌を焼いた。
けれど熱など微塵も感じない。ただ冷え切った恐怖だけが全身を支配している。
杖がゆっくりと振り下ろされた。
キュルケは覚悟して、目を閉じた。
とまあ、こんな感じで。よろしければお付き合い下さい
しばらく私事が忙しめなので、間が開くかもしれませんが
なんとかマイペースで続けてみます
ぎふと氏、投下乙です。
股間の炎蛇がみwなwぎっwてwきwまwしwたwぞwww
>>249 新作投下 GJ!
そういやキュルケの自家発電シーンを書いたSSって
これが初めてなんだよなぁ
>>249 初々しいキュルケGJ!!
…自家発電…魔法使い…魔力・・・・いや、止めておこう。万が一ノボル神がここを見ていたら公式設定にされかねない
>>253 いいたいことはわかったが、賢い判断だ
SSのために本編一巻まるまる使ったからな、ノボル氏 www
これはキュル×コッパゲの予感!!!
大好物なんだぜ
今からwktk
さて、飼っているわんこを愛でていたら電波がきたので投下。
でも続くじゃから過度の期待は禁物なのぜ。
とんでもない夢を見た。
その夢の中で、私は黒い革の首輪だけの姿で、ずっと部屋の中にいた。
だって、ご主人さまが『待て』って言ったから。
私はずっとずっと、待ち続けた。
気が狂いそうなほど長い間?それともあっという間?
それでも私には関係ない。ご主人様が帰ってくるまで待つだけ。
そして、部屋のドアが開く。
ご主人様が、帰ってくる。
「ただいま、テファ」
「おかえり、サイトっ!」
私は首輪だけの格好でご主人様に抱きついて…。
そこで目が覚めた。
「はー、うー。もうダメかも私…」
ティファニアは昼食後の紅茶を銀のスプーンでくりくりかき回しながら、食堂のテーブルの上で潰れていた。
原因は単純。
この一週間ばかり、才人の夢ばかり見るのだ。
それも尋常でない夢。
完全にペットとして、『飼われて』いる夢ばかりを見るのだ。
ある時は、部屋でずっとお預けをされる夢。ある時は、手ずからご飯を食べさせてもらう夢。
首輪をつけられ、部屋から逃げられないように繋がれ、全裸で才人に飼われている夢。
拘束などされなくとも自分は逃げ出す事などないのだが、その拘束が却ってティファニアの従属願望を満たしていた。
ティファニアはそんな夢を思い出して、はぁ、ともう一度溜息をつく。
「三日逢ってないだけだっていうのに…おかしいよこんなの…」
ティファニアはこの三日ほど、才人と逢っていない。
それは、才人が水精霊騎士団の任務で王都に行っているせいなのだが。
その逢えない三日の間、ティファニアは己の願望を投影した夢を見させられ続けている。
それも、一番いいところでその夢は醒めるのだ。
才人に抱きついた瞬間。才人に唇を奪われる瞬間。才人に押し倒される瞬間。
そんな一番ティファニアがどきどきする瞬間に、彼女の目は無情にも醒めてしまう。
そのせいでティファニアは余計に悶々としていた。
ちなみに才人は今日の午後帰ってくる予定だと、ティファニアは本人から聞いていた。
しかし、もう既にティファニアはガマンの限界だった。
…どうしよ。王都まで迎えに行っちゃおうかなあ。
その後できるならおねだりして、外でもいいからしてもらおうかな、などとだんだん危ない方向に思考が逝き掛けた瞬間。
「やっほーお姉ちゃん」
陽気な声で、前からブルネットのメイドが声を掛けてくる。
食器の載ったワゴンを牽いている事から、食べ終わった食器を下げているのだろう。
「…なぁにタニアぁ…?」
紅茶をくりくりかき回しながら、テーブルの上で潰れたまま、ぜんぜんやる気のない声で、ティファニアはタニアに用件を尋ねた。
タニアはティファニアの尋常ならざるテンションの低さに軽く驚いたが、そんな事はとりあえず置いておく事にした。
「…なんかテンション低いな。
まあいいや。これ見てお姉ちゃん」
言ってタニアは屈みこみ、ちっちっち、と舌を鳴らす。
すると。
テーブルの隙間を、てってってー、と茶色い毛玉がタニアに向けて突進してきた。
それは、開立したオレンジ色の毛の、毛足の長い仔犬。
小さな三角の耳と、くりくしした目。へふへふと常に舌を垂れている小さな口。
『可愛い』としか形容しようのない生き物が、タニアの腕の中にいた。
「へえ、可愛い子ね。どうしたの?」
先ほどまでのテンションの低さとは打って変わり、ティファニアは上半身を起こしてその犬に見入る。
「聞いて驚け。この子ね、某クルデンホルフのお嬢様なんだ」
「え?これヴィ」
「ちょいまちそこでストップ。それ以上言うな。元に戻るから」
ベアトリスの名前を出そうとしたティファニアを、タニアは止めた。
そしてそこから、彼女の説明が始まった。
事の起こりは昨日の夕方。
タニアがいつものように夕食の片付けを終えて、厨房の裏でちょっと一息ついているところへ、ベアトリスがやってきた。
普通貴族の子女は厨房の裏になんぞこないものだが、彼女とマリコルヌは違った。
ベアトリスはタニアに逢いに、わざわざ夕食後まで待って、ここに来るのである。
まあ別に、他のお友達の所へ行ってもいいんですけれども、などとベアトリスは言っていたが。
タニアは確信していた。
…クラスに友達いねえなこいつ。
でもまあ懐かれて悪い気はしないな、と元々子供好きのタニアは、そんな彼女を邪険にすることなく扱っていた。
そしてその日は、ベアトリスは奇妙な指輪を二つ、持ってきていた。
それは『アイシャの指輪』と呼ばれる魔法の指輪の模倣品で、嵌めると犬になってしまうらしい。
そして、その効果は自分の名前を呼ばれるまで続くのだと。
ベアトリスは、その指輪をティファニアにプレゼントしたらどうか、と相談してきた。
彼女の話によれば、普段本妻の影に怯えてまともに逢瀬も重ねられないティファニアのために、この指輪を用意したらしい。
タニアは半信半疑でその指輪を弄んでいたが、面白い事を思いつく。
そしてその指輪をつまんで、ダメ元で言ってみる。
「ほれベアちゃん、指出してみ」
タニアの言葉に、ベアトリスはなんと素直に指を差し出した。
その頭の中ではタタタタタニアさんがわわわわ私に指輪!?指輪!?お、女の子どうしなのに私たちああどうしましょうなどという妄想が繰り広げられていた。
しかしそんな事はタニアは露知らず。
タニアはなんだベアちゃんもつけてみたかったのか、などと素直にその指に指輪を嵌める。
そしてベアトリスが指輪を嵌めた瞬間、ぽへん、と奇妙な音と煙が立ち…。
タニアの目の前に、ベアトリスの服に絡まった小さなオレンジ色の仔犬が現れたのである。
「名前呼んじゃだめだよ。こんな公衆の面前で、裸にされたらオシマイだからさ」
故意に固有名詞を抜いて、ティファニアにそう警告するタニア。
彼女は服がその場に残った事から、この魔法が解けた瞬間のベアトリスは真っ裸であろうことを予測していた。
タニアの警告にティファニアはうんうん、と頷く。
そんな元保護者に、タニアは手を差し出した。
「そんなわけで、コレ。もう一個余った分。この子があげるって言ってたからさ、お姉ちゃんにあげるよ。
どう使うかはおまかせするわ。んじゃね〜」
タニアはもう一度ベアトリスの化けたポメラニアンを床に置いて、ワゴンを牽いて去っていく。
ワゴンを牽くタニアの後ろを、てってってー、とち忠犬さながらにベアトリスは着いていく。
犬になった後さんざん愛撫されて、もう完全に心の底までタニアの犬と化していたベアトリスだった。
そんな奇妙な二人を見送って、ティファニアは手の中の指輪をまじまじと見つめる。
…ひょ、ひょっとしてこれって…!
サイトにホントに飼ってもらえる、最大のチャンス!?
犬でもいいのかお前、と突っ込んでくれる人は、そこにはいなかった。
以上。続きは明日以降。
んじゃねゆ。ノシ
>>260 へんたいさん…
相変わらずwktkさせる男よ!
>>260 …ふぅ
なんという引き。これは全裸待機せざるを得ない。
保管庫ドコー?
かか、飼い犬を愛でながらこんな変態的な妄想するなんて!!
へんたいさんって本当に最低の屑だわ!!!
でも…GJ…
確かによくよく考えると、飼い犬をテファに見立てて欲情してたって事だからなぁ…
さすがへんたいさんだ!!
へんたいさんとこのテファはアホの子で助平で可愛いすぐるGJ!
>>260 テファの従属願望も酷いが地味にベアトリスの妄想も酷いwww
タニアがマジで容赦ねえな GJ!
269 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 19:01:05 ID:09Lxcfgu
>>260 GJ!
ベアトリスが戻ったときが気になって仕方ない
270 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 20:45:26 ID:Pk9/GWIB
GJ
>犬になった後さんざん愛撫されて、もう完全に心の底までタニアの犬と化していたベアトリスだった。
ここを詳しく
>269
タニアが襲われちゃうんですね
わかります
というか我々にとって
それはごほうびです
・・・我々?
3枚目が見れない・・・
俺の年代だとヨーコと言えば
ティア・ノート・ヨーコ
俺は宇宙戦艦
278 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:16:43 ID:HQG6MV2s
横浜横須賀
へんたいさんのページが300000ヒット越えた件
前の保管庫と合わせたらどんだけいくんだろう
まあそんなわけだからせんたいさんは記念のシャルロットSSをですね
そこは6Pだろjk
いやいやルイズ×サイトだろ、jk
284 :
ツンデレ王子:2008/09/20(土) 22:22:42 ID:UEu4HVz+
青春時代の続き いきます
短く3レス
未だエロ無し
285 :
青春時代:2008/09/20(土) 22:23:19 ID:UEu4HVz+
【10】
「三日も留守にして、ルイズ心配してるだろうなぁ」
サイトは馬を繋ぐと、寮へと向かって足を踏み出した。
既にこの日の授業も終わったのか、学生達の多くが広場に設置されたベン
チに座り、優雅な一時を過ごしている。
そんな中、こちらを目指して歩いてくる一人の少女の姿が目に入った。どす
黒いオーラを纏い、オーク鬼でさえ射抜いてしまいそうな程の威力で睨みつ
けている。桃色の髪が重力に逆らい宙を舞っているのは目の錯覚だろうか。
「サーイ−トー」
ルイズが1歩また一歩と近付いてくるにつれ彼の背中に冷たい汗が流れ落
ちる。辺りに漂う空気は段々と重たくなり、彼女との間の周辺にいた生徒達は
皆揃って逃げ出してしまった。
「や、やぁルイズ、ただいま」
「……」
「そ、そんな怒るなって。せ、折角の可愛い顔が台無しだぞ」
何とか主人の怒りを軽減しようと口を開くも、彼女の迫力に圧されて声が震
えてしまっている。
「犬、いったい今まで何処に行ってたのかしら?」
ルイズが口を開いたのは、サイトの目の前に立ってからだった。二人の距
離はお互いに手を伸ばせば届く範囲となっており、彼女は今までに見せた事
も無いような笑みを浮かべているのが見て取れる。
「ご、ご主人さま。今日はまた一段とお綺麗ですね。特にその笑顔が最高!
妖精たちも真っ青になる位ですよ、ホント」
サイトはここで、いつもの様に『可愛い』では無く『綺麗』という単語を使った。
確かに彼の言う通り、この時の彼女の笑顔は綺麗とでしか表現出来ないだろ
う。ただしそれは、嬉しさや喜びからではなく怒りからくるものであったのだが。
「もう一度聞くわね。何、処、に、行ってたのかしら?」
「えっと、いや、その」
286 :
青春時代:2008/09/20(土) 22:24:05 ID:UEu4HVz+
言えない。言える訳が無かった。
一昨日、マザリーニから口止めされていた事もある。今日の昼食後、城を発
つ前にアンリエッタから口止めされたのも原因の一つでもある。だが最大の
理由は彼女との間で起こった事件だ。
彼等の精神が入れ替わってしまった事を話したとしても、ルイズは信じはし
ないだろう。しかしながら、よしんば信じたとしよう。そうすると元に戻った過程
までもを説明しないと辻褄が合わなくなる(とサイトは思っている)。彼女との
キスだけでもあれだけ憤怒したルイズの事だ。もしアンリエッタと致した事が
バレてしまえば、どれほどの怒りを買うか分かったものでは無い。
(ま、その前に黙って出掛けた事で怒ってるんだろうけどな)
「まぁいいわ」
サイトは自分の耳を疑った。あれだけ怒りのオーラを湛えたご主人さまが、
あっさりと引いたのである。助かったのか?と胸を撫で下ろしかけ――
「質問を変えるわ。あんた三日前、街で女の子と歩いていたそうね」
一気に地獄へと突き落とされた。
「な、なな、なんでお前がそれを…」
「別にいいじゃない、そんな事。それより犬、あんたご主人さまに断りも無く居
なくなって、その上街で女の子を引っ掛けていたのね」
やばいと思った。
ルイズのいつものどもりが無い。過去に彼女を怒らせた経験は幾度もあれ
ど、その全ては怒りから言葉に詰まる箇所があったのだ。それが今回に限っ
て見当たらない。しかも、今までなら彼女は身体全体で怒りを表していたのに
対し、今回はオーラこそあるもののそれ以外は全くの普通なのである。
(これはマジで死ぬかも)
シエスタにセーラー服を着せた時みたいに逃げ出そうか、でもあいつに心配
させた俺にも原因は有るしな、でも姫さまとやっちゃったんだよなー責任取ら
ないと、等と悩んでいると彼を呼ぶ声が聞こえてきた。
「サイトー」
「テ、テファ!?」
287 :
青春時代:2008/09/20(土) 22:25:03 ID:UEu4HVz+
大きく腕を振りながら、そしてその大きな胸をボヨンボヨンと揺らしながらティ
ファニアがこちらに向かって駆けてくるではないか。
「来ちゃだめだ、テファ!」
しかしサイトの叫びが聞こえなかったのか、彼女は止まる気配を見せない。
その間もルイズの詠唱は続いており、このままでは巻き込んでしまう。彼は慌
てて踵を返すとティファニアの下まで駆け寄り、彼女を抱えてそのまま走り出
した。これが更にルイズを刺激し、益々彼女の纏うオーラが色濃くなっていく。
「こんの、バカ犬〜〜〜〜!!」
吐き捨てる様に呟きながら杖を振り下ろす。
辺りを巻き込んだ大規模な爆発が起こる――かと思いきや、爆発どころか
草の一本も焦げず、彼女の虚無は不発に終わった。
(え?な、なんで?)
これまたいつぞやの様に虚無が打てなくなったのか、ルイズの頭にそんな
考えが過ぎったが、それにしてはおかしい。ここしばらく魔法を打つ様な事件
は起きてはいなかったので、精神力は溜まっているはずなのだ。
そこで漸く、小さくなっていく自分の使い魔が抱きかかえている少女の事を
思い出した。彼女はエルフの血を引いているとは言え、自分と同じ伝説の担
い手であるのだと言う事を。
果たして彼女の読みは当たっていた。
ハーフエルフの少女の詠唱が早かったのか、それとも彼女の唱えた呪文
のスペルがルイズのエクスプロージョンよりも短かったのかは定かでは無い
が、ティファニアのディスペル・マジックが奇跡とも呼べるくらい同時に発動し
たのである。
(あんのっオバケ胸〜〜〜!!)
サイトの消えていった先を恨みがましく睨みつけながら、地団太を踏む。
暫くして彼等の行先に思い至ったルイズは、今ので精神力を大幅に消費し
てしまったのだろう、手にした杖を鞭に持ち替えると来た道を戻り始めるの
だった。寮塔内のティファニアの部屋を目指して。
288 :
ツンデレ王子:2008/09/20(土) 22:26:29 ID:UEu4HVz+
今回は以上
続き投下乙です。ルイズ不遇の時代が続いてますなぁ
次はてふぁ編かな?
>>288 新作投下 GJ! ルイズ虐められてるなぁ(展開的に)
だがそこがいいな
>>288 GJです。
そういやテファ書く作家さんそう多くないような気がする。
なので次回がワクワクだったり。
今後の原作の展開によっては、テファの時代が来ると信じている
ティファニアの活躍の場は16巻以降でしょう。展開的に見て。
けど彼女が自分の喚んだ使い魔とくっつくとか言う展開になったら俺は泣く。
つまりズーレ(ry
ズレータ?
16巻は展開的に見てタバサのターンじゃね?
なにしろ今回はロマリアに初めての○○を利用されたんだし。
新刊のネタバレ怖いからここも覗くのやめるかな
>>297みたいに余計なこと言う奴出てくるだろうし
ここんとこハーレム厨の俺にとってはなんだかなあな展開なので
ここだけが楽しみw
それがいいだろうね
もうふつうに書店にあるから
そのうち新刊のネタ使うひともでてくるだろうし
ロマリアというと王様になれる街を思い出す
>>298 んー、確かに、この程度でネタバレとか言う奴にはまだ年齢的に早いのかもね。
問題
>>なにしろ今回はロマリアに初めての○○を利用されたんだし。
上の○○に入る言葉を述べよ。
というのは?
「初めての○○」といえば日テレのあれだろうJK
初めての女子校生
あいつらは、わたしのはじめてのおつかいを利用した
初めてのパルプンテ
モリエール夫人がジョゼフに愛の告白。
しかし、ジョゼフは小姓たちにその熟れた体を与える。
薬と若さと愛する人の目の前で犯される興奮に堕ちていくモリエール夫人。
シェフィールドが、よろしかったのですか?と聞くと、
愛する人が目の前でやられるのを見ても何も感じないと。
無能ならぬ不能王。
で書き始めたけど俺には駄目だ。文才ある人頼む。
ここでのネタバレ解禁は確か公式発売日の次の日だから
26日からだよな?
ここにネタバレの公式ルールは無い。
原作スレと一緒で良いんじゃね?くらいの紳士協定があるくらい
前にフライングネタでSSが投下された事もあるし。もちろん、注意書きついてたけど
↑そうだったけ? 俺は気にしないけどネタバレが気になる人も
多いから自重した方がいいかもしれないな
はじめてのチュウですね、わ(ry
そういえば、ギーシュ話を書いていた人は大丈夫なのかな
新刊が出ると、連載中や執筆途中のSSにも影響あるよな
どの話も漏れなく楽しみな俺としては
連載中のSSが止まってしまわないか心配なんだぜ・・・
>>313 ノボル氏が本編から外れてエロSSを書き出したときの驚きに比べたら w
もともとエロ書きだし12巻なんてSSみたいなもんだし、そんなことは大した驚きではない
エロをかける人はいい人だ!
15巻注文しようとAmazonで検索したら、アンアンの抱き枕カバーが18禁指定w
お馴染み白ドレスのすそが乱れて太もも露なんだが、指定を受けてないシエスタは完全に下着姿…
あれか、やんごとなき方の太ももは村娘の下着よりもイケナイものだと言うことかw
タバサの18禁指定は納得だがな www
新刊読んできた
もう俺に怖い物はない
なんでもこいや
ググれと言われちゃそれまでだが・・・
あえて聞く
新刊25日に出るのか?
怒らないで教えてくれ。
>>321 先週の金曜日に神保町、秋葉などでフラゲ報告あり。
土曜日には専門店を中心に大都市圏で普通に発売って感じだったな。
連休が挟まるので地方は多少遅れるだろうけど、それ含めて25日発売って感じじゃね。
今巻もヒロインがそれぞれのエロ味を出しててようございました
せんたいさん、あなたは予言者か?
いいえ、預言者です。
327 :
バレット:2008/09/23(火) 00:53:00 ID:oz+XytyT
新刊ゲットでテンション上がり気味の俺が久々に本編投下いかせてもらいやす。
サブタイの元ネタが分かった人がいたら見事に俺と同類です。B級映画を語り合いましょう。
329 :
11:ブロブ:2008/09/23(火) 00:54:01 ID:oz+XytyT
貴族の間にも貧富の差というものがある。
エルフを含む『東方』との貿易で膨大な利益を上げているガリアやアルビオンの王家は特に豊かで、続けて元々金持ち達で構成された国であるゲルマニアがそれに続く。
ゲルマニアはともかく、ガリアやアルビオンは相互協力によって国内でのゴタゴタによる出費も少ないので国庫は増える一方だ。
対して貧乏貴族が多いのはトリステインを中心とした諸国群。
歴史はあるが小国なので貴族の数はガリアとアルビオンと同じ位なのにも関わらず1人当たりの実入りが少ない。
そういうのに限って領地の平民から散々搾り取って自分だけ贅の限りを尽くしてたりするが、それでも長くは持たない。
余りそういう事をしない、比較的(ここ重要)まともな貴族は尚更に。
そしてそんな貴族達の子息子女達も同じ事が言える訳で。
親からの仕送りが少ない(といっても平民の年収1年分ぐらいはポンと送られてきたりするのだが)彼らはどうするのかというと・・・
まあ、平たく言えばバイトするのである。彼らなりのやり方で。
トリステイン魔法学院の女子寮の一室は、女子生徒の手によって香水などの製造所に変貌していた。
といっても机の上に蒸留用の器具やフラスコにビーカー、匂いの調合に使う花や香草、薬品などが棚に並んでいるぐらいだ。
しかし、その中には学院ではご禁制の物とかも混じっているので注意が必要である。
ついでにここでは香水以外にもちょっとアブなめな薬を密造して、それを他の女子生徒に売り捌いたり城下町の薬屋に持ち込んだりしていた。
自宅で大麻を栽培したり阿片を自前で精製したりしてる密売人も真っ青だ。
しかし彼女自身はそこまで危険な代物は作っていないと思ってはいる。
そう、せいぜい使うと男を部屋に連れ込んで3日間ぶっ通しで頑張れるようになれるぐらいの代物だ。男の方が無事で済むかは保証してないけど・・・・・・
―――そういえば、この前はあの『微熱』のキュルケが媚薬と精力剤をまとめて買いに来た時があったわね。
彼女自身ゲルマニアの女らしく性欲が強そうだから、相手の男(心当たりが多すぎて誰かは分からないが)はご愁傷様、だ。
でも彼女が今までそういった薬を買いに来た事は無かったのだけれど、一体どういう風の吹きまわし?
・・・・・・ちなみに彼女が薬を買いに来た翌日、とある頭の眩しい教師が少し辛そうに腰を押さえる姿と、
その日の遅くに彼の研究室からフラフラになって、でもなぜかとても幸せそうに下腹部を押さえてた赤毛の女生徒が目撃されたらしいが、詳しい事は定かではない。
330 :
11:ブロブ:2008/09/23(火) 00:54:35 ID:oz+XytyT
ちょっと罪悪感は覚えるが、それでも実家に内緒で食い扶ちを自分で稼ぐ為には止める訳にはいかない。
それについ最近友人に成れたばかりの同級生のお陰で高価な原材料である『精霊の涙』も普通に仕入れるより格安で手に入る様になったんだし―――
そんな訳で、今日も少女はせっせせっせとフラスコを振る。
その広いおでこをすぱしこーん!、と思いっきり引っ叩かれた。
「きゃ!?な、何するのよ!?」
びっくりして危うくフラスコを放り投げそうになるのを慌てて堪えて下手人の方を見たが、相手が誰か気づいてすぐに口を閉じた。
あっちもあっちで文句を言っているらしいが声は聞こえない。
あ、部屋に『サイレント』かけてたの忘れてた。解除する。
「モンモン、アンタねえ、やっぱりサイレントかけて薬作んのやめたらどうだい?」
「し、仕方ないでしょ、時々失敗してその音が漏れたりしたら気付かれるかもしれないし。あとその呼び方止めてちょうだい」
「良いじゃないか別に。呼びやすいじゃないのさ」
モンモンと呼ばれた少女―――モンモランシー・ド・モンモランシは、あっさりそう言い放ったイザベラに向けて深〜い溜息をついた。
目の前の同級生は小国トリステインの貧乏貴族である己の実家とは違って大国・ガリアのれっきとした王女様だ。
本当に、こうして同じ学び舎での同級生でもない限り接点なんて持てない筈の高貴な相手・・・の、筈だったのだが。
実際に傍で見てみると、何というか、『普通の女の子』なのだ。妹共々意中の男性にぞっこんな辺りが。
それにイザベラ自身フランクでぞんざいな性格なので地位とかそういうのも気にせず接してくるタイプだ。
きっとその相手が元はガリアでは多分唯一の平民上がりの貴族だというのも関係あるかもしれない。
少し前にあった系統別でグループを組む授業の際に同じ水系統という事で初めて接する機会があったのだが、王族とは思えないぐらいその開けっ広げな性格に自分以外の生徒もかなり驚いていたと思う。
気取らず飾らず虐げず、立場も魔法の才能とかも知ったこっちゃなく、常に平等に接する王族。
とにかくそれをきっかけにその後も何度か話してる内に、気がつけばこんな関係になっていた。
ちなみにイザベラも自分の作った香水を気に入ってくれているそうな。
しかしそれを誇りに思えど大々的に宣伝する気には何故かなれなかった。
―――――自分はそんなつもりで彼女の友人になった覚えはない。彼女にお近づきになろうとその機会を虎視眈々と狙っている周囲はともかく。
閑話休題。
331 :
11:ブロブ:2008/09/23(火) 00:55:12 ID:oz+XytyT
「はいコレ、今月分の『精霊の涙』だよ」
机の上に置かれたのは小瓶に一杯まで収められた液体だった。
『精霊の涙』。これだけあれば軽く1500エキューは値がつくだろう。
様々な薬の材料にもなり、もちろんモンモランシーの作るご禁制の薬にも必須の代物だ。
水の精霊の住むといわれるラグドリアン湖のすぐ傍に別邸を持ち、代々精霊とも結び付きのあるガリア王家の人間だからこそこうもあっさり手に入れる事が出来るのだ。
その昔、ご先祖様が神聖なる水の精霊に暴言を吐いて干されたモンモランシーの実家とは違うのである。ザクとグフぐらいに。
「自前のが作れたら楽なんだけどねぇ」
「あなたって水系統なのに治療魔法以外だと攻撃的のばかり得意よね」
その原因は主によく怪我したり怒らせたりしてくれる恋人のせいである。
机の上に広げられた材料類を横目に見たイザベラは眉をつり上げた。その内容から今作っている薬を推測し、
「媚薬かい?またキュルケにでも頼まれたのかい?」
「・・・・・・・・・」
モンモランシーの顔が額まで赤くなる。
それを見たイザベラは少し首を捻ってから、急に意地悪げな邪笑へと表情を変えた。
「なるほど、自分で使う分なんだね?」
「じ、自分で使ってみないとどれだけの効力があるか分からないから、その為のよ!」
「なんだ、私はてっきりグラモンの奴との時に使うのかと」
「な、何でギーシュどの事知ってるのよ!?」
「なんでって、グラモンの馬鹿が盛大に言い触らしてたってサイトが言ってたよ?」
「・・・ギーシュ、後でブッ血KILL」
おでこにビキッ!と井桁が浮かぶ。一体どうしてやろうか。ストレートに平手打ちといくかそれとも顔だけ水で覆って陸の上で水死の亡き目に遭わせてやろうか・・・
「でも初めてぐらい薬無しでも別に・・・」
「痛いのは怖いのよ」
「まあ確かに私の時も結構痛かったけどねぇ。でも、それはそれで辛い分またサイトと1つになれた実感が凄くして幸せだったし」
「そ、それでも痛い物は痛いんでしょう?そ、その、い、挿れられた時に余りに痛過ぎて気絶するなんていうのは私は嫌なのよ!」
理解できないという感じで首をかしげるイザベラ。顔を真っ赤にして絶叫するモンモランシー。
しかし貴重な材料を提供してくれる王女様をこれ以上怒鳴りつける気にもなれず、溜息をついて作業を再開すべく机に向かい、
ゴロゴロピッシャーァァァァン!!!!
一面青空が広がっている筈の外で突然、雷鳴が轟いた。
「「きゃああぁぁぁっ!!!?」」
反射的に少女2人は身をすくませ、その際モンモランシーの手に握られていた秘薬入りの小瓶が宙に舞う。
「えっ、わっ、わっ、わきゃん!?」
数回お手玉して取ろうとバタバタ動かした手で逆に弾いてしまい。
勢いがついた小瓶はご法度な薬品が並んだ棚の方へと砲弾よろしく飛んで、互いの容器を粉々に砕け散らせて中身をぶちまけた。
「そんな、せっかくの秘薬がー!?せっかく手を尽くして集めてきた薬品ばかりだったのに!」
「あーあー、もったいないねぇ」
モンモランシーの絶叫とは対照的なイザベラの呟きだったが、まあ仕方ないといった風に首を振りながらまずは瓶の破片の片付けをしようと身を屈める。
そして不用意にも何種類もの薬液が混ざってしまった現場へと手を伸ばし、破片に触れた瞬間一瞬だけ微かに熱感を感じてすぐに引っ込めた。
332 :
11:ブロブ:2008/09/23(火) 00:55:49 ID:oz+XytyT
指先を見てお上品ではない舌打ちが漏れる。
小さな切り傷から血が滲み出てきていた。
―――――そしてその血が一滴。
指の腹を伝って、音も無く足元に零れ落ちた。
足元まで広がっていた、混合液の僅かな水たまりに。
その瞬間、何種類もの魔力的な効果を持つ薬液と、常識からすると大量とも言える量の『精霊の涙』と、れっきとした王家の血を引くメイジの血が魔力的な予想外の化学変化を起こした。
カーペットに染み込む形で足元まで広がっていた液体が、急に透明な液状のまま形を成して、2人の前で起き上がったのである。
「「・・・・・・え?」
立ち上がってうねうねと自在に姿を変える液体が、次の瞬間、呆けていた2人の少女に襲いかかった。
333 :
バレット:2008/09/23(火) 00:58:58 ID:oz+XytyT
はい、今回分はここまで。次回野郎サイドで出来ればエロも書けたらいいなぁ・・・願望ですんません。
あとせんたいさん様、事後承諾ですけど文面とか内容とか被り気味で本当すんませんです。
でも1割、いや1割5分でいいのでそのエロネタ脳を俺に分けて下さい。切実に。
新刊効果万歳!そしてモンモンktkr
ザクとグフetc細かい表現にしびれました。エロ期待しつつGJ!
>>333 GJ! なんか最近モンモンSS多いなぁ
>ご先祖様が神聖なる水の精霊に暴言を吐いて
>干されたモンモランシーの実家とは違うのである
暴言はいたのモンモンの親父じゃなかったけ?
干拓の協力依頼したにも関わらず屋敷が汚れるから土足で歩くなとか抜かして
バレット氏GJ!
いわゆるスライム物ですね、わかります
こちらは赤い奴ですが、スライムの類義語と言うか亜種みたいなものだし
映画は確か宇宙から来たものでしたっけ、あれは
しかし、自分の中での最高のスライムはBA○TA○D!!のあいつです(どうでもいい
337 :
ツンデレ王子:2008/09/23(火) 04:47:59 ID:rG4WEd3H
バレット氏、新作(?)GJです。
次は、イザベラの血を吸った液体が彼女に成りすましてサイトを襲い、
しかも元が液体だから変幻自在で…女同様に男も持ってる穴に入り込む
んですかな?そうだと面白いなぁと願望を出してみたりしてw
さて、こんな時間ですが
青春時代の続き、投下します
レス数8くらい
注意)
茶やジュースなどを飲みながら読まないで下さい
338 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:48:45 ID:rG4WEd3H
【11】
――パタン
後ろ手にドアを閉めて室内を横切ると、サイトは大きく息を吐き抱えていた
ティファニアをベッドに座らせる。
(何だか知らねぇけど助かった)
ご主人さまのお仕置きから逃げるのに精一杯だった彼は、少女が呪文を
唱えているのも耳に入らなかった様である。ルイズの性格を知る彼は、彼女
がこれで諦めたとはとても思えず、しきりに扉を気にしている。
「あの…サイト?」
ティファニアの呼び掛けに振り向いた彼は、彼女の肩を両手で掴むと真正
面から見据えて早口で切り出した。
「テファ、ロックの魔法使えるか?」
「え?うん、使えるけど…」
「じゃぁ掛けてくれ」
「ど、どうしたの?」
「早く!」
不思議そうに自分を見上げる彼女の言葉に、サイトはついつい強く促してし
まう。彼の迫力に圧されながらも小さく頷くと、彼女は小さく呪文を唱え部屋に
鍵を掛けた。
「…ふぅ」
取りあえず暫くはこれで大丈夫だろう。
安堵の溜息を漏らすと彼はティファニアの隣に腰掛け、そのまま身体を横た
える。ややあって自分を見つめる彼女の視線に気付くと、身を起こしてティファ
ニアに向き直った。
「そういやテファ、どうしたの?」
「ちょっとサイトに聞きたい事が有って」
言いながら彼女は立ち上がり、抽斗から一枚の手紙を取り出すとサイトに差
し出し、例の単語の部分を指し示す。
339 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:49:21 ID:rG4WEd3H
「あのね、ジムから手紙が来たんだけど…ここの意味が良く分からないの」
その文字を見た途端、サイトの頭は真っ白になった。
タバサに文字を教えてもらって以来、目を走らすだけでそれが意訳されて頭
に日本語として浮かび上がるのだ。ただし、今回彼女が指し示した単語
“masturbation”
は今までに読んだどんな書物にも出てこなかった為に、そのままの単語が出
現している。だが、彼とて年頃の男の子である。その単語が意味するところを
即座に理解した。
「なっ!ちょ…え?マジ?」
目の前の少女は真剣な面持ちで自分を見つめている。決して冗談や悪戯で
言っている訳では無い様だ。
(どうすんの?どうすんの、俺)
サイトの頭の中に、三枚のカードが用意される。
一枚目は『教える』、二枚目は『とぼける』、三枚目は『教える振りして…』。
その三枚を裏返してシャッフルし、適当に一枚を選び――引き当てたのは
『教える』のカード。
(はぁ、しょうがねぇ)
意を決すると、打って変わって真剣な目をしてティファニアの耳に口を寄せて
いく。
「えっとだな、その“masturbation”ってのはだな、つまり…自慰って意味だよ」
「え?自慰って?」
決心をしたとしても、やはり恥ずかしいのだろう。サイトは小さな声で囁くが、
それでもなお彼女は意味が分からないのかきょとんとしている。
どうやって説明すればいいのか悩みに悩んだ末、仕方が無いので実践で教
える事にした。と言っても実物を出す訳にもいかず、きょろきょろと辺りを見渡
していると、円卓に乗ったスプーンが目に入る。
「これを使って説明するな」
340 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:50:01 ID:rG4WEd3H
スプーンを股間部分に宛がい、それを男性器に見立てて空いた手で包み込
む。
「これは男の場合だけど、こうやって握って上下に擦るんだ」
言葉と同時に手を動かしていく。
と、そこで彼の前に正座したティファニアからストップが掛かった。
「待って、サイト」
「どうした?」
「それ、おかしいよ」
彼女はサイトの両手を不思議そうに見詰めている。
「おかしいって、何が?」
「サイトの説明だと、そのスプーンをおちんちんに見立ててるんだよね?」
自慰も知らない少女の口から“おちんちん”等とあからさまな単語が出た事
に面食らってしまうサイト。その明け透け様に、それまで感じていた羞恥が吹
き飛ばされてしまう。
「そうだけど?」
「サイト、嘘吐いてる。おちんちんがそんなに大きいはず無いじゃない」
「……は?」
「サイト、わたしの事馬鹿にしてる?わたしだって知ってるもの、男の子の
おちんちんくらい。ウエストウッドでジムたちの面倒を見てきたんだから」
「…うん」
「お風呂だって一緒に入ったし、あの子たちが小さい頃はトイレの世話だって
したんだよ?」
何を言っているんだ、この胸革命は。あんな僅か十歳程度の子供と一緒に
しないでくれ。
そう言いたかったが、事の元凶はその僅か十歳くらいのジムからの手紙で
ある事を思い出す。
「えっと…男の子は興奮したら、ちんちんが大きくなるんだよ」
まさかこんな事、女の子に説明するとは思ってもいなかった。
穴があったら入りたい、そんな気分である。
341 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:50:33 ID:rG4WEd3H
「うそ」
「嘘じゃねぇって。ジムだって、もうそうなるんじゃないかな?ちなみにテファの
知ってるのって何歳くらい?」
「そこまでは覚えてないけど…」
「まぁ、人によって早い遅いは有るけどね。でも男の子なら皆そうなるんだよ、
成長するとね」
何とか声を絞り出して説明すると、彼女の目が期待に色付いていくではな
いか。しまったと思ったが既に後の祭り、ティファニアはサイトを上目遣いに
見上げると予想通りの言葉を発した。
「見せて」
「…はい?」
「大きくなるって、信じられないの。だから、見せて」
「だ、ダメだ!女の子が気軽にそんな事言うんじゃありません!」
ついつい激しい口調になってしまい、ついでに彼らしくない言い方になって
しまっている。
サイトに怒鳴られたのが悲しかったのか、それとも知的欲求が満たされそう
に無い事に寂しさを覚えたのか、ティファニアは彼を見る目にみるみるうちに
涙を湛え始めたのだ。
「はぁ〜」
(頭痛くなってきた)
溜息を吐いて頭を抱えると、サイトは目を瞑って考え込む。
まさかこんな展開になるなんて予想もしていなかったらしい。
だが、世の男性の大半がそうであるように、彼も女の子の涙には弱かった。
しかも、それが過去に涙を見せた事の無いティファニアなのだから、尚更であ
る。
彼女を説得する言葉が思い浮かばず、結局サイトはティファニアの要望に従
う事にした。
「わわ、分かった見せる、見せるから泣かないでくれ」
立ち上がってウエストの留め金を外すと、ファスナーを下ろてジーンズと下着
を一緒に膝までずり下げ…つまり下半身をむき出しの状態にした訳である。
「…やっぱり嘘だったんだ」
「だから嘘じゃねぇって」
342 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:51:57 ID:rG4WEd3H
「だって、サイトのおちんちん小さいままだよ?少しははジムのよりかは大き
いかもしれないけど、でもフニャフニャだし…さっきサイトが言ってたのとは
全然違うじゃない」
再びベッドに腰を下ろしたサイトの陰部は、確かに彼女の言う通りの状態で
あった。それも仕方ないと言えよう。彼はコート一枚で出歩き、通りかかる少
女に見せ付けてその反応を楽しむ等と言った趣味は持ち合わせていないの
だ。目の前で真剣に見詰められては、緊張して縮こまってしまうのも当然であ
る。
どうやって息子をエレクトさせよう、さすがにテファに『胸見せて』なんて言え
ないしなぁ。とサイトが考え込んでいると、ティファニアは思わぬ行動に出た。
なんとサイトの陰部に手を伸ばし、彼の陰茎をそっと包み込んだのである。そ
して、自分の物ではない冷やりとした手に、彼女の女性ならではの柔らかい
手に包まれたサイトの分身はむくむくと体積を増していくのだった。
「きゃっ」
手の中で嵩(かさ)を増すそれに驚き、慌てて手を放して胸元に引き寄せる。
(す、凄い!)
だが視線はというと、目の前で起きた変化に釘付けになっている。
彼女の手に包まれたとは言っても直ぐにそれは離れてしまい、刺激が足り
なかったのであろう。彼の陰茎は頭を持ち上げ始めはしたものの、途中で勢
いは削がれてしまう。
ところが、好奇心からか僅かに顔を近づけたティファニアが感嘆の吐息を漏
らした途端サイトの口から呻きにも似た喘ぎが漏れ出し、同時に勢いを増し
ていくのであった。
「……」
「これで嘘じゃないって信じてもらえた?」
呆然としている彼女の髪にそっと手を置き、優しく語り掛けるサイト。
対するティファニアは、首を上下に振って肯定の意思を示してみせながら、
一つの疑問が浮かび上がっており頭を悩ませていた。だが男の身体の事は
女である彼女に分かるはずも無く、おずおずと切り出した。
「うん、信じる。でも…」
「でも?どうした?」
343 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:53:04 ID:rG4WEd3H
ここまで晒してしまったからには、もう怖いものは無いのだろう。次にどんな
言葉が来るのか想像は付かなかったが、彼はゆっくりと彼女の髪を撫でながら次
の言葉を促した。それが退路を断つ事になるとは思いもせずに。
「そんなのでズボン履いたら、苦しくないの?」
「……」
「どうやったら最初みたいに戻せるの?」
眩暈を覚えた。
彼女の言う通り、このままジーンズを履くとつっかえて確かに苦しいのは確
かである。確かではあるのだが、それ以前に彼女が言葉を紡ぐ際に漏れる
甘い吐息がムスコに直接当たるのだ。この時点で既に苦しい。
サイトの心を何やら黒いものが寝食し始めたのだが、彼が口を開く前にとん
でもない事をティファニアが言い放った。
「もしかして、さっきサイトが言ってた自慰ってのをしたら戻るの?」
自慰ってのをしたら…自慰ってのをしたら…自慰ってのをしたら…
サイトの脳裏に、そのワンフレーズがリピートされる。
(なんでこんなときだけ鋭いんだ、テファ!)
発生した彼の野望は、瞬時に打ち砕かれた。
恨めしそうに彼女を見やるも、込められた切ない思いをティファニアが気付
けるはずも無い。それどころか期待に満ちた瞳でサイトを見つめる始末。
(女の子の前でオナらないといけないなんて…)
俺って不幸、と彼女に聞こえない様に呟いた後、サイトは半ば投げやりな気
持ちで『そうだよ』と涙声で答え――右手で屹立した自身を扱き始めるのだっ
た。
サイトが自身のムスコに手を添えた頃、彼等が居るティファニアの部屋を目
指して歩いてくる人物が居た。ルイズである。
彼女はあの後、直ぐに踏み込もうかとしていたのだが思い直したのだった。
というのも、学院の領地はそれなりに広い。下手したら逃げ出したサイトが
着く前に自分が着いてしまう可能性があるからだ。
344 :
青春時代:2008/09/23(火) 04:53:41 ID:rG4WEd3H
体力を回復させる猶予を与えてしまう事にもなりかねなかったが、サイトの
事だ。さすがにティファニアの部屋の窓を叩き割ってまで逃げ出しはしないだ
ろう。入口を押さえておけば逃げ道は塞げる。
そう考えたルイズは、多少時間をずらして行動を開始したのである。
音も立てずに廊下を歩き部屋の前まで来ると用心深く辺りを見渡し、人影が
無いのを確認するとドアノブに手を伸ばし、途中で思いとどまる。そして小さく
呪文を唱えると、目前のティファニアの部屋のドアに向かって“アンロック”を
解き放った。
虚無魔法に目覚めてから使える様になったコモン・マジック。しっかりと開錠
の手応えを感じ取る。
勢い良く開けて乗り込もうかとも思ったが、サイトの退路を断つために更なる
慎重を重ねようと、音を立てない様にそっと開いて行き――目が点になった。
目を閉じて気持ち良さそうにムスコを擦るサイト。
そんな彼の表情と股間を交互に見ている内に、ティファニアは自分の中に
それまでに感じた事の無かった感情が芽生えていた。
(サイト、かわいい♪)
可愛い――そう感じた事に、彼女は愕然としてしまう。
彼は自分を連れ出してくれ、世界を見せてくれた人。ロマリアで女王陛下に
言った様に、わたしは彼について行くと決めている。そんな彼に対して、年下
の子に思うみたいに可愛いと思ってしまうなんて…
ティファニアは気付いていなかった。それが、ウエストウッドで子供たちに抱
いたのとは違う“可愛い”であったのを。慈愛に満ち溢れた彼女だからこそ感
じた恋の始まりであった事を。
だが、ティファニアはその事に関して深く考える事は出来なかった。何故なら
ロックを掛けたはずの部屋の扉が開いており、そこにサイトの主人であるルイ
ズが立っていたのだから。
(ルイズ!)
ティファニアが彼女の姿を視界に入れたと同時にルイズの硬直は解けたの
だろう、獲物を追い詰めるかの様にゆっくりと近付いてくる。迫力に圧されて
ズザザザっとティファニアは部屋の隅まで移動するが、快感の途中にあるサ
イトは目を閉ざしてる所為もあってか、彼女の侵入に気付いて無い様である。
先ほどまでティファニアが座っていた辺りに立ち、使い魔へと振り向く。
345 :
青春時代:2008/09/23(火) 05:02:51 ID:rG4WEd3H
「サァァイィィトォォォォ」
まるで地の底から響いてくる様な声を絞り出す。
丁度その時サイトは間もなく達しようとしているところでった。ティファニアに
掻けてしまわない様に空いた手を添えて迸りを受け止めようと思っていた彼
は、彼女の声にビクンと身を竦ませた拍子に手を宛がうのも忘れて欲望を吐
き出してしまった。
結果、白濁はルイズの顔や桃色の髪へと飛び散るのだった。
346 :
ツンデレ王子:2008/09/23(火) 05:05:32 ID:rG4WEd3H
今回は以上です
私は、ティファニアの性知識は皆無に等しいと思っているのですよ
だからこんな風に仕上がっちゃいましたw
さて、明日ってか今日も仕事じゃけーそろそろ寝ますね
まぁ夜からの仕事だからこそ、こんな時間まで書いてたりするわけですがw
では〜ノシ
修造「はい今死んだ!今サイト死んだよ!」
*ささやき えいしょう いのり ねんじろ*
**サイトは まいそうされます**
>>346 何という頭の悪い展開ww だがそこがいいな GJ!
GJ!
テファENDで、二人の結婚式の時「二人の馴れ初めは?」と聞かれて
もじもじするテファを想像したw
351 :
バレット:2008/09/24(水) 00:41:41 ID:abf3yOFA
うい、野郎サイドで昨日の続き投下させて下さい。
あと今更ながら久々なんでキャラぶっ飛んでます。みんな勝手に文章打ち込むこの指が悪いんです。
352 :
11:ブロブ:2008/09/24(水) 00:42:17 ID:abf3yOFA
女3人寄れば姦しいというが、その言葉は時に男にも当てはまる。
高貴とされる貴族の少年達も大半は異性に過剰なまでの興味を持ち始める年頃の男ばかり。
そんな訳で、今日も暇が出来ると集まった少年達は今までの女性経験だの同学年や先輩達の女子生徒をネタに度々猥談を繰り広げていたりするのだが。
ガタン!!
「だから!胸の良さにサイズなんて関係無いって言ってんだろうが!!」
「いーや君は間違っている!大きすぎず小さすぎず、やはり胸はバランスと形が1番に決まっているじゃないか!」
・・・そういう事はもう少し小さな声でするべきだろう。少なくとも今睨み合う2人の少年と青年の声は中庭に盛大に響き渡っていた。
ああ、通りかかった女子生徒のウォーターカッターのような視線が痛い。
堪らずギャラリーの他の少年達は身を縮こませてそそくさと早くも立ち去りつつある。
胸倉を掴みかねない勢いで超至近距離で睨みあうのはサイトと年下の同級生(正確にはサイトの方が周りより年上なのだが)であるギーシュ・ド・グラモン。
当初は表向き平民出身だったり大国の王族3人+αをモノにしてたりで生徒からのサイトの受けはかなり悪かった。学院で働く他の平民を除き。
しかし時間が経つにつれ授業などで否応無しに彼と接する事になるとそれなりに親しみやすかったりである程度は年下の友人達もそれなりに出来た。
もっとも血筋や家柄などを最も優先する類のこってこての貴族至上主義者からは逆に憎悪されてたりする。
とにかくそんな中、でトリステインの軍人一家の末っ子として生まれたギーシュは最も初期に知り合った相手だった。
それなりに美形だがアホらしいくらいにキザでナルシストで色男を気取るギーシュが、リアルに美女美少女を囲っているサイトに興味を持って真っ先に向こうから接触してきたのがそもそもの始まり。
何やかんやで話を交わす内にいつの間にか悪友ポジションに収まったギーシュであるが、
決してサイト繋がりでイザベラ達にお近づきになるのが狙いでも無く、純粋にサイトとしょっちゅうバカ話を交わす辺りが少女達にも好印象を与えているのは本人にも予想外である。
だが今日に限っては只管に2人は互いに噛みつき合っていた。
もっともその内容はいつも以上にくだらない内容だ。本人達以外には。
「大体サイト、君の周囲の女性は確かに魅力的な身体をしているがハッキリ言わせてもらおう。
ミス・シャルロットからミス・ティファニアまで、確かに彼女達は魅力的な女性だが!幾らなんでも極端過ぎじゃないか!
やはり女性の胸というものは腰やお尻の曲線美に対して最もバランスの取れた大きさと適切なラインを描く形こそが世界一いいいいぃぃぃぃ!!!」
353 :
11:ブロブ:2008/09/24(水) 00:43:00 ID:abf3yOFA
「んなっ!?言いやがったなテメェ!
胸っていうのはな、大きさとかで感触や感度も色々変わって、それが又良いんじゃねーか!外見だけ重視してんじゃねぇよ!このバカのギーシュ!」
「バカじゃなくて薔薇のギーシュだ!ふっ、どうもサイト、君はまだまだ真の女性の美しさについて知らないみたいだね。興奮する前のその事を理解すべきだったよ」
「ふん、そっちだってモンモンとまだニャンニャン出来てないせいで目ぇ血走ってまともに見えてねーんじゃないか?」
火花が散る。もちろん幻覚の筈なのだが何故だろう、2人の周囲が歪んで見える。
ちなみにその正体は、2人から漏れ出る魔力が衝突している為だ。
軟派な印象からは想像しにくいが、こう見えてギーシュはどうもイザベラと同じ昂ったりすると爆発的にレベルが跳ね上がるタイプらしい。
ギーシュはドットクラスなのだが、今の彼から漏れ出る魔力はラインクラスを超えそうな気配である。これだけカッカしている彼も珍しい。
サイトも負けじと歴戦の兵な闘気や魔力をばら撒く。
2人の手が、造花を模した杖と杖としての能力も持つ短剣の握りにかかった。
「君に教えてあげよう!入学前から実家の家庭教師を日々相手どって悟った女性の真理というものを!」
「こちとら伊達に毎日4人相手に繰り広げてんのは伊達じゃねぇんだよ!」
詳しい説明は省こう。
とりあえず言えるのは2人ともれっきとした『大人』の男という事だけである。
中庭を静寂が包む。
相手の瞳に映る己の顔が見える位の距離で。
どちらが先に抜くのか。
呆れた様子から一転緊迫の空気に呼吸すら忘れたギャラリーの1人が、ゴクリと息を呑む。
―――――それを合図に
・・・・・・睨み合っていた2人の元に雷撃が叩きこまれた。
それもとんでもないのが。
354 :
11:ブロブ:2008/09/24(水) 00:43:57 ID:abf3yOFA
サイトとギーシュ、何とか回避成功。でも余波だけでぶっ飛ばされた。
「のぎゃー!?」
「な、何だぁ!?」
「今のって『ライトニング・クラウド』!?トライアングルクラスじゃねぇか!」
「誰だ今撃ちこんだの!?」
「――――ボクダヨ」
その瞬間、少年達は見た。見てしまった。
小太りの、一見気弱そうにも見える少年が、切り裂かれたようにも見える位口元をつり上げてケタケタ笑っているのを。
というかむしろ、嗤ってる?
どっちにしたってドン引きしたくなる表情だった。握られてる杖もバッチンバッチン音立てて放電してるし。
「あれ、誰だよ?」
「あいつだ、マリコルヌ!確か、『風上』とかいう奴!」
「冗談、アイツも確かドットクラスだった筈だぞ!?」
「いやでも今のアイツなら吸血鬼も裸で逃げ出しそうな顔してるじゃないか!」
「殿中でござる!殿中でござる!」
良い具合にギャラリー、テンパリ気味である。
そんな周囲に目もくれず、マリコルヌは1歩1歩、恐怖を少しずつ与えるかのようにゆっくりサイトとギーシュの元へゆっくり近づいていく。
「いやうん。世の中って不平等だよね。僕の家の家庭教師なんてよぼよぼの年寄りメイジだったし。系統別の班分けでも僕の周りだけ女の子寄ってこないし」
「お、おおおおおお落ち着きたまえ君!そう、きっと話し合えば分かる!」
「そそそそそうだって!それにさ、きっとお前にもお前の事好きになってくれる奇特な子が出来るってきっと!きっと!」
だからそんな杖が血塗れのナイフにも見えてきそうな表情で寄ってこないで!とさっきまでの迫力はどこへやらで互いにしがみつく2人。
人間、どれだけ凄くても本能レベルでありったけの恐怖を感じてしまう事柄の1つや2つあるのだ。やっぱりその原因はしょぼいが。
そういえば前にジョゼフに聞いたところによると『虚無』の動力源は恨みとか妬みとか狂気とかそういう思考なんだとか。
もしマリコルヌが『虚無』の使い手だったら今なら世界すらも消滅させれそうなエクスプロージョンを生み出しそうだなぁとサイトは現実逃避気味に思った。
それから自分の言葉が微妙にフォローになってないのにはまだ気付いていない。
そんな2人を見下ろし足を止めた太っちょの少年は、邪悪の極北とも言えるイカレた笑みからコロリと今度は後光さえ見えてきそうな穏やかな微笑に変えた。
355 :
11:ブロブ:2008/09/24(水) 00:44:31 ID:abf3yOFA
その表情に思わずギーシュは安堵の溜息を盛大に吐き出し、ギャラリーもこれで一安心だと思って胸を撫で下ろしたが。
修羅場慣れしたサイトだけは気付いていた。
―――――こ、コイツ、眼だけ全然笑ってNEeeeeeeeee!!!
1人慌てて生死を賭けて制止にかかる。
「た、頼むからマリコルヌストッ――――――」
「サンダー・レ○ジィィィィィィィ!!!!!!」
「作品が違うだろうがバッキャロー!!!!」
余談だが、その日以来マリコルヌの2つ名に『太っちょの悪魔』が追加された。主に周囲から。
356 :
バレット:2008/09/24(水) 00:45:27 ID:abf3yOFA
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ(ry
次回こそエロを!って何度目だろうねこの台詞自分。
>>356 GJ! ギージュ地味に筆卸しを済ませてたのね しかも年上ww
しかしマリコルヌ哀れすぎ 原作でもここのSS内でも喪男扱い(ノД`)
GJ
最近のギーシュはかっこいいな
いろんな意味で
ああ、マリコルヌってこんなマトモなキャラだったのね、と崩壊させまくった人が通りますよ…。
次回のエロに期待しつつバレット氏GJなのですよ。
さて、半端ですが『DOGS』続き投下です。
水精霊騎士団の任務には、もちろんルイズが同行していた。
当然任務にかこつけて才人とにゃんにゃんしようという色ボケ女王の魔の手から、己が使い魔を守るためである。
しかしルイズの監視を縫って、しっかり女王は騎士とにゃんにゃんしたわけで。
結果、才人が王都を発ったのは他の団員よりまるっと一時間ほど遅れてからだった。
「で。弁解の余地があるなら言ってみなさいよ」
「ありまつぇん…」
フルボッコにされて縄で縛られて馬車に積み込まれ、才人は涙目だった。
本当はアンリエッタ女王のほうから迫ってきたのだが、女王の誘惑に軽々しく乗ってしまった自分も悪い、と犬根性の染み付いた才人は大人しくルイズの折檻を受けていた。
だがしかしガタピシ揺れる馬車の床に転がされ、ルイズの足で事あるごとに小突かれては実際たまったものではない。
いい加減酔って吐きそうになっていた才人を、ルイズの言葉が救う。
「…ほら犬。着いたわよ」
学院に着くまで折檻、と言っていた手前、学院に着いたならば手を引くのが道理。
ルイズは馬車が学院の門に到着したのを確認すると、才人の縄を解いた。
本当はルイズだってこんなことはしたくない。
…ちょっと蹴るのキモチよかったケド。
思わず浮かんだサディスティックな笑みを慌てて打ち消し、ルイズは開いたドアに向けて才人の背中を押す。
「…コレに懲りたら、二度と浮気なんて考えない事ね」
実際は二度どころではないのだが、これはもう半分お約束の儀式になりつつあった。
今ではもうルイズも心の中では半分諦めている。
才人に、他の女が寄ってくるのは仕方のないこと。だって自分が堕とされた相手だし。
それはもう、きれいな花に蝶が寄ってくるのと同じで、止められないのだ。
だったら、寄ってくるたびに虫どもを追い払うしかない。それで花の蜜を採られてしまったら、それは自分の責任なのだと。
だから、使い魔の手綱はしっかり握らなきゃね。
とりあえず簡単に赦すことはせず、そのたびにきっつぅいお仕置きをするのが今の自分に出来る精一杯、とルイズは思うようになっていた。
そして、押された才人は踏鞴を踏み、馬車の外に転がり出る。
「わっとっと」
才人は思わず転びそうになるが、何とか体勢を立て直す。日頃の鍛錬の賜物だろう。
しかし。
わふ!わふ!
バランスを崩したところへ、巨大な毛玉が才人を襲う。
「わーっ!?」
わふわふわふわふわふん!
才人を地面に引き倒した巨大な毛足の長い山吹色の毛玉は、問答無用で才人の顔をべろんちょべろんちょと嘗め回す。
「ちょ、わ、やめ、なんだっ?」
才人は慌てて自分の上に乗っかっているその山吹色の毛玉を退ける。
思いのほか少ない抵抗で、その毛玉は才人の目の前にちょこん、とお座りをする。
その毛玉の正体は大型犬。
現代日本では、ゴールデンレトリバーと呼ばれる類の、猟犬である。
毛足の長いしっぽをべっふべっふと振りたくり、才人をぢいいっ、と見つめている。
「な、なんだお前、どこから来た?」
「わ、何その子!可愛い!」
後れて馬車から降りたルイズが、地面に座り込む才人と対峙する犬を見て、そんな言葉を漏らす。
動物を飼うのが趣味のカトレアの妹だけあり、ルイズもひとかたならぬ動物好きであった。
カエルはダメだが。
その犬はルイズのその言葉に応えるように、わふ!と喉を鳴らす。
人の言葉を理解しているようなその素振りに、ルイズは思わず、その犬の頭を撫ぜようとする。
「賢いわね〜あなた」
しかし。
その犬はするりっ、とルイズの手をかいくぐり、膝をたてて座っている才人の足に前足をかけ、才人の顔を舐めんばかりの勢いで近づく。
ルイズは一瞬ムっとする。
「あ、あら、随分サイトに懐いてるのねえ?」
そう言って今度は後ろから背中を撫ぜようとした。
ばすん。
びゅんかびゅんか振り回されていたその犬の尻尾が、ルイズの細い手を綺麗に跳ね除けた。
その場に流れるイヤ〜〜〜な空気。
ルイズの顔が黒く染まっていく。気がした。
才人はそんなルイズを気遣って、声を掛ける。
「あ、あのさルイズ?」
しかしそれは逆効果だった模様。
「あっそう。そういうつもりなわけ?」
顔を上げたルイズの目は完全に据わっていた。
「い、犬に怒ってもしょうがないんじゃないかなあ?」
「そうね、そうだわね」
「だからさ、怒るなよ?絶対怒るなよ?」
「その通りだわね。そうよ、犬は犬と仲良くしてれば!?
もう今日は部屋に帰ってくるんじゃないわよっ!?いいわねッ!」
やっぱり怒った。
ルイズはぷんすか怒りながら、全くもう失礼しちゃうわふんとにもう、などと言いながら、女子寮のほうへすたすたと去ってしまう。
残されたのは、謎のレトリバーと才人だけ。
「…あのー?ルイズさーん?」
わふん!
才人の情けない呼び声に、ルイズではなくそのレトリバーが景気よく鳴いて応えた。
すまん、今日は以上。
最近帰りが遅くてまともに書けない状況が続いているのじゃよ…。
残業代の出ない残業を強要するわが社に死を。つうか転職しようまじで。
そんなわけで今日は寝ますノシ
GJ!ギーシュもいいがマリコルヌが最近ツボってたまらない
まさかここまでのし上がろうとはw
>>362 残業おつかれさまです。季節の変わり目なんで大事にして下さい
で「わふわふに思いっきりアニメテファ初登場シーンが重なったw
あの時確か犬イメージだって語ってた気がするんだよなぁ
>>362 今回もGJ!
アンリエッタとどんなHをしたのかとても気になりました
つーか、テファ分かりやすい行動してるなぁ
あとは体に気をつけください
バレット氏、せんたいさん、楽しませて頂きました
GJです
マリコルヌ、君の気持ちはよく分かる!
だが、他人に八つ当たりしても状況は変わらんぞw
確かあの指輪って、名前呼ばないと戻れないんだよね?
どういう状況でサイトが気付くのか、期待してます
でも戻ったら裸なんだよなあ
サイトの身体はもつのかな?
原作ではメチャクチャタバサのターンになってしまってるが、
そろそろテファファンにも燃料投下してください、ノボル神…
ボルボ氏=ノボルなのか…
アン様と彼の下りは正にここを見てるんじゃないか?という展開
ボルボ氏のねっとり艶やかなエロ描写はノボル神にも真似できまいて
文章の上手さ濃密さは凄いからね
>>368 正直、テファは原作だと共同生活くらいしかファン受けするようなエピソードがまだないよな。
ぶっちゃけボルボ氏のアン様のような濃厚セクロスしたいぜ・・・
どちらかというとアン様になりたい俺はMっ気があるのかも知れん
>>374 牝おち○ちんが大変な事になるがよろしいか
所でボルボ氏のサイトってなんであんなにテクニシャンなわけ? ファルコン加藤並のテクと持続力なんだけど。
エロ知識も、あなるセックスの時にきちんと艦長とかしっかり拡張してからとか、ちょっと詳しすぎる感じが・・・
やっぱ出会い系でどんな相手が出てきても大丈夫なように、ネットのエロSSで予習してたり、空気嫁とか相手に修行してたのかしらん?
>>376 使い魔だから主人の都合の良いように学習していきます。
てことはルイズは・・・
>>375 ばっち来い
ルイズと先にいろいろやってる設定だからなあ
ボルボ氏はどっかのエロゲーメーカーのライターだろw
>>380 乙です。
容量的にもレス数的にも半ばなので
次スレの時期にもう一度アナウンスしないと忘れそうw
11/1に切り替わるって事なのかな。
それまでは新旧併記するのが良さそうですね。
383 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 22:43:38 ID:5Pg+z7e/
>>376 「エロは女と男の戦い。
ならばガンダールブが如何なるテクニックを駆使しても不思議ではない、というかむしろ当然」
「ふーん。そ、それがあの、破廉恥行為の言い訳なの?」
「あ、いやそれはそのなんというか…」
「この馬鹿犬ぅ〜〜〜〜〜!!!!」
股間の槍が「武器」ですね、わかります
次々と「壁」を破って「降伏」させ、更に止めを刺すんですね
386 :
E.T.:2008/09/25(木) 23:27:36 ID:4SrefjgH
16巻はタバサ・シエスタ・テファ・アンリエッタをそれぞれメインに据えた短編を希望。
いや、ルイズとのやりとりを・・・
今ボルボ氏の初期のSS見てるんだが
氏は成長してるなw
初期は今からみると語彙も少ないが
段々、うまくなってるのがよくわかるな
特にシリアス編を書き始めたあたりから
文章の構成みたいなものが
しっかりと練りこまれているのがわかる・・・ような気がするw
原作最新刊を読んでいて、マリコルヌの行動やら才人の繰り広げた妄想が、
これまでここで変態紳士達が想像したものにとても似ていると思ったのは俺だけではないはず
ルイズがレモンちゃんだったり、タバサが恋する少女だったり、アン様が緊縛されたりと
SSのネタになりそうなシーン満載でおいしゅうございました
391 :
バレット:2008/09/26(金) 00:48:13 ID:NZqKI45p
やっぱりブランクあると文章しっくり来ないなぁとぼやきながらエロパートその1投下しやーす。
392 :
バレット:2008/09/26(金) 00:49:45 ID:NZqKI45p
決まった形を持たない癖に自我らしきものを持った液体は、いとも容易くイザベラとモンモランシーを包みこんだ。
「きゃあああああっ!?な、何よこれ!?」
「くっ!この、離れなっ・・・・・・!!」
もがくがしかし、液体は鳥もちの様にべったりくっついて離れない。
無駄な努力をしている間に、液体はあっさり2人の服の布地に染み込んで通り抜ける。
すると、液体そのものは冷たい癖に触れた部分からどんどん熱くなっていく。肢体中包まれてるせいですぐに身体全体が強い酒でも煽ったように芯から熱くなる。
―――――しかし、それが単なるボヤに感じる位1番熱くなったのは、下腹部だった。
液体がそこにまで触れた瞬間、2人はビクッ!と痙攣して、秘裂から一際熱い露が零れて液体がそれを吸収する。
「ふわっ!?ひゃああああん!何なのこれ、なんなのよぉ、こへぇ・・・・・・」
「こ、これ・・・何で、身体が疼くんだよ・・・・・!」
初めての感覚にモンモランシーは悶絶し、一方色々経験豊富なイザベラはサイトにされてる時と同じ感覚だと気付いて歯噛みする。
どうも混ざった薬品の中に催淫効果がある代物があったらしい。しかもかなり強力なの。
どっから持って来たんだと怒鳴りつけてやりたいが、今声を漏らしたら出てくるのは多分嬌声だろう。
サイト以外の手で嬌声を上げる事になったらそれはとんでもない屈辱だ。
イザベラは必死に声を抑えようとするが、手も塞がれているし下腹部の疼きはどんどんどんどん強くなっていく一方。
下着を通り越して秘裂に触れていた液体が、体内からの分泌液で既に湿り切っていたイザベラの中へと滑りこんだ。
「ひうっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?!?!?!」
抵抗も無く液体に膣内まで浸食される。
次の瞬間襲ってきたのは赤熱化した火串でも突っ込まれたような熱。しかし肉体を傷つける熱さではなく、脳髄を一瞬で犯す狂おしい熱さ。
その衝撃に、イザベラは絶叫ですらできず爆発的に息を吐き出すしかできなかった。
液体は更に後ろの窄まりまで侵食していく。周りの皺の1本1本まで丁寧になぞりながら膣内よりも更に奥へと侵食して中からイザベラに染み込んでいく。
限界だった。
「ふふぁ、ふああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」
393 :
11:ブロブ:2008/09/26(金) 00:50:18 ID:NZqKI45p
モンモランシーも、自分が火の玉になったかのような熱さを感じつつ、ひんやりとした液体に全身を貪られていた。
制服のシャツはピッタリ張り付き、もはやハッキリ膨らんだ先端まで透けてハッキリ浮き上がっている。
その上から液体は先端を吸い立て、舐め転がし、スレンダーな彼女の大きくも小さくも無いがハッキリとしたラインと谷間を持った膨らみ全体を揉み立てる。
僅かに窪んだへそも軽く抉られ、小用以外殆ど弄られた事が無い割れ目も浸食されて皮に包まれていた豆もほんの僅かな境目から液体に中と外から皮ごと吸われる。
「はひ、あひ、あん、あっ!!」
―――はじめて、こんにゃ、きもちいひの、はじめへぇ・・・・!!
排泄にしか使った事の無い後ろの穴にも容易く液体は潜り込んだ。
ガクリと力が抜けて崩れ落ちそうになるが全体を包む液体に支えられ、宙吊りのマリオネットみたいな奇妙な姿勢になる。
今では股を大開きにさせられ、イザベラもモンモランシーも全身を外から中から同時に嬲られていた。
口や鼻が塞がれず、窒息だけはしていないのは幸いか、もしくは今やこの液体にそう判別できるだけのある程度の理性が早くも備わっているという事なのかもしれない。
しかし液体は前後の穴2つだけをでは満足していなかったのか。
今度は秘裂よりも後ろの窄まりよりも小さい、尿道の方にも侵略を開始。
「ひぎっ!?うあ、らめぇ、逆流しちゃいやぁ!!」
「だめ、そこ、漏れる、もれるから、あああああっ!!」
尿道まで無理矢理侵されて収縮から強制的に開放される衝撃。
身体中トロトロに蕩け切っていたせいで十分に身体に力が入らない2人の膀胱は、耐え切れずに蓄えられていた中身を吐き出し始める。
し――――――――・・・・・・・っ
音も無く、濃さと透明度を併せ持った液体に黄色が混じる。
「・・・・っ・・・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・」
「うう、うううううううう〜〜〜〜〜〜・・・・・・」
モンモランシーは未知の快感の怒涛の津波にもはや息絶え絶えになりながら。
イザベラも紅潮した顔でしかし、悔しげに唇を噛み締めながら。
こればかりは幾ら熱に浮かされていても女としての理性に甚大な被害を与えたのか、2人は思わず涙を零す。
その時、また扉が開いた。
「も・・・・・もももももももももももももももももももも―――――!!!!!?」
そこに立っていたのは中の有様を認識した瞬間1秒間に10回ものペースで『も』を連呼し始めたギーシュと。
――――――――ぶっちん♪
鬼 神 降 臨
394 :
11:ブロブ:2008/09/26(金) 00:50:49 ID:NZqKI45p
何かもう形容できないくらい無表情なのに、指をバッキンバッキンいわせながら短剣に手をかける男が1人。
顔からは表情が丸々抜け落ちてるのに瞳孔は全開、ヤる気満々―どの漢字を当てるかはご自由に―な気配を背負ってギーシュと睨み合ってた時とは規模もベクトルも違う溶岩にも吹雪にも似た何かがスドドドドドと重低音を奏でている。
背後に見えるは阿修羅かはたまたスタ○ドか。
覚悟完了。当方に迎撃の用意あり。俺のこの手が光って唸る、俺の女に手を出したスライムもどきを滅せと轟き叫ぶ!
「うわ、うわわわ、うわわわわわわ!?」
というかマジで左手のルーンがギュンギュンエンジン全開とばかりに光っている。
そしてスクウェアも吸血鬼も裸足で逃げ出しそうなくらいキレまくっているサイトの気配の禍々しさにギーシュの頭に上って股間に漲っていた血も一気に意気消沈。
今更ながらよく彼に突っかかれたね自分!とギーシュは時の涙を見た。正確には走馬灯。
もはや医務室よりも手っ取り早くマリコヌルの襲撃で受けた傷を治療してもらう為にこの部屋に来た事など脳裏に無い。
そんな気配に恐れをなしていたのは、ギーシュだけでは無かった。
まるで本当に意志ある生物の様に、液体が一度大きく震えてから小刻みに震え出した。まるで怯える子供の様に。
否。実際に液体は怯えていた。
何種類もの秘薬と伝説の『虚無』さえも名を連ねる王家のメイジとしての血があり得ない反応を起こして生まれたソレが、最初に知った感情は―――『恐怖』だった。
液体はモンモランシーとイザベラを開放すると、文字通り床を滑る様に移動してすぐに壁の中へと消えた。
液体に隙間のサイズは関係無い。隙間さえあれば、そこから幾らでも通り抜ける事が出来るのだ。
サイトは後を追おうとしたが、しかしそれよりもすぐに床に打ち捨てられたイザベラとついでにモンモランシーの容態を確認する為に駆け寄った。
全身に水を吸った学生服を張りつかせて息も絶え絶えな2人。
ギーシュもモンモランシーに慌てて近寄ってから、びしょ濡れなせいで身体のラインとかスケスケの胸元とかめくれ上がったまま張り付いて丸見えなショーツが眩しくて即座に視線を頭ごとずらす。
そして同じような有様とこっち向いたギーシュに気付いたサイトにさっきの気配の矛先を向けられかけてすぐに反対方向に。
2回ほどイヤ〜な感じの音を発した首の痛みを我慢しつつ、自分のマントでモンモランシーを包む。
「大丈夫かい、モンモランシー!!?」
「ぎー・・・・しゅ・・・・?」
思わず肩から力が抜けた。少なくとも自分を認識できるだけの意識はあるらしい。怪我も無さそうだし。
安堵の息が知らず知らずに漏れる。サイトも同じようなものだ。
「ああ、良かったよモンモランシー、君が無事みたいで」
395 :
11:ブロブ:2008/09/26(金) 00:51:53 ID:NZqKI45p
出てきた言葉も毎度の彼らしいキザったらしさに満ち溢れたものでは無く素で安心した口調だった。
安心の余り微笑さえも浮かべていたギーシュの横顔をぼんやりと見つめていたモンモランシーは、自分の身体に背中から下腹部辺りまで回されて優しく抱き抱えてくれている彼の手を見下ろしてから。
衝動に駆られるまま、その手を掴むと自分からスカートごと下着の内側に突っ込ませた。
濡れた布の感触と粘着質な肉の質感と熱さに一瞬、今自分の手がどこにあるのかギーシュはすぐに理解できなかった。
「え?――――――え、ええええっ!?も、モンモランシー!?」
「あ、あはぁ・・・・・・ぎーしゅの指、気持ちいいのぉ・・・・」
「ふおおおおおおおおっ!!!?」
絶叫。何がどうしていやいやモンモランシーがこんな色っぽい顔してこんな事してくれるのはとっても嬉しいんだけどねえええええええええ?
「い、イザベラぁ!?」
「ふわぁ、サイトぉ・・・・・サイトサイトサイトサイトぉ・・・!」
素っ頓狂な声に痛みを堪えてまた首を回してみると、ズボンをずりずりとイザベラにずらされて股間を剥き出しにされた年上の友人の姿。
―――――くっ、流石王家の子女を堕としただけの事はある・・・!
現実逃避している間に、いつの間にか纏わせたマントも学生服もボタンを全部外してスカートも脱ぎ捨てたモンモランシーが、ギーシュのもう片方の手も導くように手を重ねて胸を揉ませていた。
水に濡れた女体の感触に理性のワイヤーが軋む音がギーシュだけに聞こえる。
そりゃあ恋人からこんな大胆に迫られたのは男冥利に尽きるけど、正直さっきの状況とかもうトリップしてるようにしか見えない彼女の経緯とかが気になって今一野獣になる気分になれなかったり。
「も、モンモランシー、一体何があったんだい!?」
「からだ・・・熱くて・・・・・おさまらないのぉ・・・・」
モンモンのなやましげなことば!ギーシュの理性に25のダメージ!
「お、おお落ち着きたまえ!と、とにかく今すぐ水系統の先生を呼んでくるから―――」
「らめぇ、これ・・・もうギーシュにしか治せないのよ・・・・・」
モンモンのおねだり!ギーシュはふしぎなおどりをおどった!
「も、ももももももも・・・・・・・・!!」
「ギーシュ・・・・・・・たすけてよぉ・・・・・・ギーシュのおくすりが、ほしいの・・・」
モンモンのれんぞくこうげき!モンモンはしゃつのまえをひらくとMじかいきゃくをした!
やめて、ギーシュのライフはもうゼロよ!
濡れた下着越しに見えたぷっくりと布地の食い込むクレバスと薄い金の恥毛は、幾らなんでも反則過ぎる。
396 :
バレット:2008/09/26(金) 00:55:08 ID:NZqKI45p
はいー締めはまた次回。
・・・でも別口で書いてた分も合わせると今週これで5回目の更新。
これもみんな乙女タバサ祭りな15巻が悪いのれす。
>>396 GJです。
あいかわらず軽妙洒脱なノリのエロがいいなあ。
>>396 GJ。いやぁ液体相手にマジ怒りするサイトに笑った笑った
そしていきなり飛ばしすぎなモンモン。可愛いけど大丈夫なのか…
飛ばしてるといえばバレット氏もですね。乙女タバサいい仕事してます
瞳孔全開ときいて
頭文字Dを思い出した
>>396 GJです しかし今回も本番はないのね
個人的にはジョセフに小娘扱いされてたアン様がジョセフに褒められるほど
政治家として成長したのが感心した
結局、破滅願望持ちのジョセフのせいでうまくいかなかったけど
破滅願望が破廉恥願望に見えた俺は死んだほうが世のためになる
タバサ:ミカンちゃん
シエスタ:アケビちゃん
アンリエッタ:リンゴちゃん
キュルケ:メロンちゃん
ジェシカ:スイカちゃん
ティファニア:パラミツゃん
以上、レモンちゃんからの連想でした。
仲間外れな野菜が一人…
404 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 02:43:15 ID:PD0baBwJ
アンリエッタ×タバサの女王同士で「外交という名のレズプレイ」をキボンヌ
それはお前、「女王二人でご奉仕」というなし崩しの3P展開の前フリであろうな?
15巻、あそこでジョセフが改心したのが腹立たしい
>>405 それ最高wこれでガリアとトリステインの同盟も強固なものとなりました、展開だな
>>402 ティファニアがメロンちゃんだぞ
タバサ:グレープちゃん
シエスタ:パインちゃん
アンリエッタ:マンゴーちゃん
キュルケ:スイカちゃん
番外
サイト:バナナちゃん
>>405 ティファニアも交えて、いずれ女王3人が相次いで私生児を産むという非常事態に。
>>409 全員の子が何故か黒髪つんつんのあの人にそっくり
ハルケギニア大王サイトに各国王として服従を誓うかわり、種を授けていただきましたでいいじゃない。
412 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 18:29:28 ID:G/2JDM77
ノボル氏も書き間違いするんだな。
用意、ブリミルの2つかな
原作のテファはあんなに耐性なかったのか
SSばっか読んでるとキャラ設定混同しちまうぜ
けどキスの度に妄想流れてくるとはレモンちゃんできないな
さて原作15巻読んだ俺が通りますよっと
ザ☆原作ブレイカー!投下いきます!
鍵が掛かっていて開かない。
ルイズの部屋は完全に閉ざされていた。
中からはシエスタの『えーサイトさん締め出しちゃうんですかあ?』という不満タラタラな声と、ルイズの『いいのよあんな犬!』というルイズの怒った声が聞こえる。
「…疲れてるってのに…参ったなあ」
水精霊騎士団の任務と女王との情事、さらに飼い主の折檻で体力の消耗の激しい才人は、一刻も早く横になって休みたかった。
そんな才人に、足元から呼びかける声。
わふん!
尻尾をばふんばふんと床に叩きつけながら、才人の右斜め後ろで先ほどの山吹色のレトリバーが吼える。
才人はルイズとの仲を引き裂いたこの犬を一時は追い払おうとしたのだが、何度追い払ってもべふべふ言いながら尻尾を振って着いてくるこの犬に、完全に根負けしてしまったのだった。
「いいよなあお前は暢気でさ」
才人は溜息交じりにそう言って、女子寮の入り口に向かって歩き始めた。
そして今夜の寝床をどうしようか考え始める。
…タバサんとこ行ってみるか?
才人のいう事なら何でも聞く、小さな青い髪のお姫様を思い浮かべ、しかし才人は頭を振る。
タバサのところに泊めて貰って、誘惑に勝つ自信は毛ほどもない才人だった。
ただでさえしんどいのに、あのロリっ子に搾り取られたら、明日は昼までおねむだろう。ひょっとすると腰痛も再発するかもしれない。
そしてもしその事がルイズにバレたら。
『少し…頭冷やそうか…ヴァカ犬』
嫉妬と独占欲を魔力の源とする虚無の担い手に、バインドからダイレクトシュートでお仕置きされるのは目に見えている。
どうしたもんかなあ、と頭を捻りながら女子寮の入り口の石段に腰掛ける。
わふん!
その目の前で、お座りをしているレトリバーが吼えた。
飼い犬。ペット。
才人はピンときた。
ティファニアに、自分のペットだと言い張る常識知らずの規格外エルフのところに、泊めて貰おう。
ティファニアなら、今日はしんどいから寝るだけな、と言えばちゃんと『お預け』を聞いてくれるだろう。
そう予想した才人は、立ち上がってティファニアの部屋に向かった。
しかし おへやは からっぽだった
ティファニアは部屋にいなかった。
鍵も掛かっていないその部屋は見事にもぬけの空で、人影もない。
「…どっか出かけてんのかな」
言って無人なのを確認し、女性の部屋に無断で入り込む才人。
鍵が掛かっていないとはいえ公序良俗に反する行動だったが。
才人はテファなら別になんも文句いわねえよな、などと楽観視していた。
実際ティファニアも文句をいう事はないだろうが、だからと言って。
そんな才人の足元を、山吹色の毛玉が駆け抜ける。
わふ!わふ!
颯爽と部屋を駆け抜け、山吹色の犬はティファニアのベッドの上に駆け上ってしまう。
「あ、こら!」
流石にそれはまずいと思ったのか、才人はベッドの上のレトリバーを叱る。
しかしレトリバーはどこ吹く風でベッドの上でべふんべふんと尻尾を振りたくっている。
才人はベッドの上に上がり、尻尾を振る犬を抱え込んで抱き上げようとする。
「こら、降りろ!そこはテファのベッドだぞ!」
ぼふん!
才人が言った瞬間、レトリバーが軽い爆発を起こす。
不思議な青い光が辺りを照らし、奇妙な黄色い煙が才人を覆う。
「わ?なんだなんだ?」
驚いて思わず目の前の犬を抱きしめ。
むにゅう。
…なんだこのどこかで揉んだようなやわらかい感覚。
「…ここは私のベッドですけど何か?」
才人の腕の中にいたのは、犬ではなかった。
鈴を鳴らすような声で応えたのは、ティファニアだった。
金色の絹の糸のような髪の隙間から、いつもの細長い耳ではなく、山吹色の長い毛足の耳を垂らし。
なにもはいてないお尻から、これまた山吹色の毛足の長い尻尾を生やした。
全裸のティファニアだった。
ティファニアは、驚いて思わず手を放した才人に、まるで大型犬が獲物に飛び掛るように飛びつく。
「わっ!?ちょ、わっ!?」
あまりの勢いのよさに、ベッドに押し倒される才人。
その際、ティファニアの傍若無人な胸がぼにゅん、と才人の胸板に押し当てられる。
ああ、やーらけー…。
思わずその法外な感触に浸ってしまった才人だったが。
すぐに自分が疲れていたことを思い出す。
「ちょ、ちょっと待てテファ!落ち着け!」
しかし首ったまを完全にロックされ、完璧なフォールの状態になっている才人は、そう下から訴えるしかない。
そして、三日間大好きなご主人様の寸止めの夢ばかり見ていたティファニアは。
「サイトっ♪だいすき、サイトっ♪」
全然人の話を聞いていない。
長い尻尾を勢いよくびゅんかびゅんか振りたくり、身体を全力で押し付けてくる。
柔らかい牝の身体の刺激に、防御力が後期型ゼロ戦なみの才人の牡は敏感に反応する。
疲れているはずなのに、才人は完全に臨戦態勢になってしまった。
しかしそれでも、抵抗はするべきであって。
「まて!テファ!『おあずけ』!」
ペットに言うようにそう命令する才人。
普段のティファニアなら、そのような命令などどこ吹く風で才人に詰め寄っていただろう。
しかし、半分犬となったティファニアは、主人のその言葉に従い。
耳をくんにゃりと垂れ下がらせ、尻尾をへなん、と垂らして、才人の上から退く。
ぺたん、と才人の前で座り込み、ティファニアは泣きそうな顔で、『お預け』を聞き入れたのだった。
「くぅ〜ん…」
悲しそうな声で啼くティファニアに、才人は意を決して言った。
「きょ、今日は俺疲れてるから!休みたいの、な?だから、今日はお預け!」
才人の言葉に、ティファニアは一瞬びくん!と震えて。
「…はぁい…わかりました…」
しゅんとなって、座ったままうなだれる。
今にも泣き出しそうな顔で、文字通り指を咥えて才人を涙を溜めた眼でぢいぃっ、と見る。
犬耳を生やして尻尾を垂らすその姿はあまりにも現実味を欠いて、才人の煩悩を刺激する。
反応しはじめた我がムスコに、これはまずい、と才人は慌てて自分のペットから視線を逸らし、そして、本来の目的を遂げる。
頭までシーツに潜り込み、丸くなって、ティファニアに言った。
「んじゃ、俺寝るからっ!お休みっ!」
「くぅん…おやすみなさぁい…」
無情な才人の言葉に従うしかないティファニア。
『犬』に変化したティファニアの中で、主人の命令は絶対だった。
主人が『お預け』と言えば『お預け』なのである。
泣きそうな顔で、シーツに包まった主人を見つめる。
仕方ないので、ティファニアは、主人の眠るシーツの中に潜り込む。
『お預け』なので、丸まった主人の背中にぴったりくっつくだけにしておく。
全裸で。
しかし嗅覚の鋭くなったティファニアには、シーツの中に満ちた主人の香りすら、刺激になる。
自然に股間に手が伸び、黄金色の毛が生え揃った割れ目をまさぐる。
まだ濡れてはいなかったが、ティファニアの奥に眠る牝の器官からはとろりとろりと煮立った汁が溢れてきていた。
「くぅぅん…きゅ〜ん…」
切なく啼きながら、主人の背中で自らを慰めるティファニア。
その鳴き声に、少しずつくちゅりくちゅりと粘液をかき混ぜる音が混じり始める。
「サイト…サイトぉ…」
半分涙交じりの声で、才人の背中で自慰を続ける。
そして。
才人は我慢の限界だった。
それはそうだ。自分を好いてくれる女の子が、同じベッドの中で、自分の名前を呼びながらオナニーしているのだ。
しかも、その女の子は標準以上に可愛く、しかも規格外に胸が大きいと来ている。
この状況でガマンできる男がいるなら、そいつはきっと同性愛者だろう。
才人はたまらず、背中で淫らな声を発し続けるペットに、声を掛ける。
「…あ、あのさ、テファ…」
「…ふえ?」
突然呼びかけられ、手を止めるティファニア。
才人は覚悟を決めた。
…もうどうにでもなれ。
才人はシーツの中で振り返り、短く一言だけ言った。
「…『よし』」
ティファニアの顔がみるみる歓喜に輝き、へなんと垂れていた尻尾がシーツの中でばふばふ揺れる。
「いいの?ホントにいいの?サイト?」
信じられない、といった顔で才人を見つめるティファニア。
才人は嬉しそうなティファニアに、覆いかぶさりながら、言った。
「男に二言はねえ!思いっきり可愛がってやるからな!」
「わーい♪」
ベッドに組み敷かれながら、これ以上ないほど嬉しそうな笑顔で、ティファニアは悦んだのだった。
全裸になった才人がまずしたことは、もちろんティファニアの規格外の胸を揉みしだく事。
しかし、その愛撫はいつもとは違っていた。
巧妙に、一番感じる桜色の先端からは指を外し、肌色の乳房だけを丹念に、乱暴に揉みしだく。
「やっ…はっ…さい、とぉ…ンっ…」
一番感じる、一番弄って欲しい部分を巧妙に避けられ、しかし主人には命令できないという負い目から、視線だけで訴えるしかないティファニア。
才人はそんなティファニアに、意地悪く言う。
「テファは胸弄られるの大好きだもんなー?」
「そ、だけどっ…そこ、あ、じゃなくてぇっ…!」
身をよじり、なんとか乳首に才人の指を絡めようとするティファニアだったが、しかし、柔らかすぎる彼女の胸はその度に歪に歪み、才人の掌の中で踊るだけ。
思うままにならない自分の身体にもどかしさを感じながら、それでもティファニアの官能は燃え上がっていく。
じわりじわりと押し寄せてくる快感に、ティファニアの先端は物欲しげに膨らみ、ぷるぷると震える。
才人は今すぐその先端を蹂躙したい欲望にかられたが、じっと耐える。
このどうしようもない淫乱なペットが、ペットの分を忘れておねだりしてくるまでは、このじれったい愛撫を止めるつもりはなかった。
そして才人は、その真っ白な乳房を、横から握り締め、まるで牛の乳を搾るように先端に向けてこき上げる。
勿論、乳首には一切触れずに。
「ひ、あ、やだ、こんな、のぉ…!」
中途半端な、それでもしっかりと下腹部に火をくべていく快感に、悶えるティファニア。
もう、ガマンの限界だった。
「あ、あの、サイト、ちょっと、いい?」
「ん?何かな?」
ティファニアのいよいよの呼びかけに、才人は手を止めて先を促す。
ティファニアは才人の下でもじもじしながら、言葉を放つ。
「あ、あの、その、ち、ちくびも、乳首も虐めてほしいの…」
それを…待っていたァーっ!
心の中だけでガッツポーズを取り、才人は切羽詰った顔のティファニアに。
「んー?テファ、人にモノを頼む時はどうすればいいのかなあ?」
意地悪な笑顔で、そう言い放つ。
ティファニアは一瞬考え、そして応えた。
「…お願いします…ティファニアのえっちなちくび、いっぱい、虐めてください、ご主人様ぁ…」
とろんとした顔で、恥も外聞もなくそう訴えるティファニアに、才人の支配欲は満たされた。
「よく出来ました♪」
そして、才人はティファニアの膨らんだ左の乳首に文字通り噛み付いた。
歯の間で弾力のあるソレを、コリコリと磨り潰す。
「ひう!ひあ!それ、ちょ、ちょっと痛いっ…!」
しかし、そのピリピリとした痛みもスパイスとなって、ティファニアを襲う。
そして。
空いた左側を、才人の指が根元から押し出すように、コリ、と押しつぶした。
「ひう!」
びくん!とティファニアの背筋が反り上がり、長い毛足の耳がふぁさ、と跳ねた。
ティファニアは、胸で、胸への愛撫だけで、絶頂を迎えようとしていた。
ソレを察してか、才人の愛撫の性質が変わった。
乳輪ごと口の中に含み、ちゅうちゅうと吸い上げながら舌で乳首を蹂躙する。
指で柔らかい乳房の中まで乳首を押し込み、乳腺をかき回すように胸の中からティファニアを犯す。
「ひ!ひぁ───────────────────────!!」
ティファニアの身体が反り上がり、口でティファニアの胸を犯す才人の顔を柔肉に埋める。
ひく、ひくと絶頂に震えるティファニアを見下ろし、才人は言った。
「胸だけで逝っちゃったね、テファ」
「は、は、はぁっ──────」
犬と化した身体が、三日間の淫夢が、ティファニアの身体を敏感にしていた。
そんなティファニアの身体を、才人の視線が捉える。
才人の視線は息づく胸から下っていき、なだらかに震える腹部を伝い、金色の恥毛に覆われた陰部に釘付けになる。
そこはひくひくと物欲しげに桜色の大陰唇を震わせ、そして。
こぷりこぷりと、煮詰まった濃密な牝の果汁を零していた。
準備の整った牝を目の前にした才人の牡は、完全にいきり立つ。
先走りに濡れる肉棒を、才人はティファニアの裂け目に押し当てる。
「あ─────────」
絶頂の余韻に呆けていたティファニアの意識が戻り、そして、股間にその意識が集中する。
今から訪れる最大の歓喜を一瞬たりとも逃さぬように。
そして、ティファニアは己の意思で、大きく足を開き、股間の肉の門を弛緩させる。
そして。
愛しい愛しいご主人様に、最大級のおねだりをした。
「おねがいします、サイトの熱くて硬いので、ティファニアのえっちなおまんこを、いっぱいにしてください…」
「了解♪」
満面の笑顔で、才人はティファニアを貫いた。
入れるときとは真逆に、ティファニアは股間に力を込め、才人を噛み締める。
脚が勝手に才人の腰を抱え込み、腕で才人を抱きしめる。
ぐにゃりとティファニアの暴力的な胸が二人の間で潰れ、それがまたティファニアの快感を助長する。
そして。
ごり、と才人の先端が、ティファニアの小さな膣道の奥を押し上げた瞬間。
「ふぁっ!?んふぅぅぅっ!?」
ぎゅぎゅ、とティファニアの中が才人を締め上げる。
膣奥を突かれただけで、ティファニアは二度目の絶頂を迎えたのだ。
その締めつけに、才人も。
「く、な、なんだこれっ…!」
びゅるびゅると、ティファニアの中に才人の精液が満たされる。
ただの一合で、才人は吐き出してしまった。
「あ、きた、きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!」
歓喜に満ちた笑顔で、牡の精液の熱さに舌を出し、蕩けるティファニア。
そのティファニアの中で、どくんどくんと脈打ち、再び才人が大きくなる。
ぐにぐにと締め上げるティファニアの襞に刺激され、牡が復活したのだ。
「ご、ごめん、テファ…っ!動くよ…っ!」
「ふえ…?」
才人の謝罪に、呆けた声を返すティファニア。
才人はそのまま、激しく腰を動かし始める。
「やぁ!なか、なか、あついのにぃ!とけちゃう、とけちゃうぅぅ!」
びくびくと震えながら、三度目の絶頂の波がティファニアを襲う。
「ダ…めぇ!また、またキちゃうっ…!」
ぎゅり、と背筋を反らせたティファニアの中が才人を締め上げる。三度目の絶頂だ。
しかし、一度吐き出した才人は、刺激に対して耐性が出来ていた。
そのまま激しく腰を打ちつけ続け、ティファニアを更なる高みへ運んでいく。
子宮から零れた精液が愛液と混じりあい、ティファニアの膣をじゅるじゅると融かしていく。
「やぁ!だ、だめぇ、こんなのぉ!どろどろになっちゃう!わたしの、なか、ど、どろどろになっちゃ、うぅ!」
融けきったティファニアの中で、ずるずると才人の一物は摩擦を打ち消し、スピードと威力を上げていく。
ずんずんと奥を突かれ、ぐりぐりと膣襞を磨り潰されるたび、ティファニアの思考が彼女の言葉の通りどろどろになっていく。
「やあ、いく、いくのとまりゃないのぉ、いくのぉ、またいくのぉ!」
四度目と五度目の絶頂は間を置かずに来る。
引く腰で膣を擦りあげられて達し、そのまま押し込まれた腰で陰核を押しつぶされてまた達した。
ティファニアの身体は快感に完全に溶け切っていた。
そして。
「く、また出るっ、出すよ、テファっ…!」
絶頂が止まらず締め上げ続けるティファニアに、才人の牡が吼える。
ごぶり、と最奥で精液を吐き出す。
流石に勢いを無くし、ティファニアの中から才人が引き抜かれる。
「あ、く、あく、いっぱい…いっぱいぃ…。
わたしのおまんこ、サイトのせいえきでぇ…いっぱいぃ…」
力なく引き抜かれた才人を追う様に、ティファニアの中から白濁がごぶり、と漏れ、ティファニアの長い尻尾を精液でどろどろにした。
「ま、まあ、しょうがないわね。シエスタがそこまで言うんだったらね」
「はいはい、私がお願いしたってことにしておけばミス・ヴァリエールのプライドは痛みませんからねえ」
女子寮の廊下を、メイドと貴族の凸凹コンビが歩く。
目的地は、才人の目撃報告のあった、ティファニアの部屋の前。
女生徒Aが、そこで犬と一緒に部屋に入っていく才人を見たという。
ルイズは一応、才人とティファニアの関係を知っている。
まあメイドとよく似た扱いだし私が正妻だし問題ないわよね、と思っていたが。
もし万が一、才人がティファニアとしていたら。
フルボッコにしよう、そう思っていたルイズだった。
そして、二人は問題の部屋に着く。
そして、二人はその扉を開く。
「あぁん♪くるぅ!だいしゅきなサイトのしぇいえきぃ!またくるぅ!」
「テファっ!テファっ!とまんねえよ、俺っ!」
二人の目の前で、才人とティファニアは犬のように四つん這いで交わっていたのである。
その交わりはすぐにひと段落し、ティファニアの中に才人がぶちまけて、そして力の抜けた一物を引き抜く。
くたん、とうつ伏せにティファニアがベッドに埋もれ、才人は一息つくべくベッドの横に腰掛ける。
そして。
「…ぇあ。」
ナニカの気配に振り向いた才人と、二人の視線が見事に絡み合う。
「ねえシエスタ。縄と鞭、ある?」
「ええ。ここにありますわマイロード」
「うん、まあ俺がこう言うのもなんだけど。落ち着こう。」
「「少し…頭冷やそうか…」」
しゅるん、とわっかになった麻縄が才人の首に巻きつき、床に引き倒し。
二人の手に揃った白と黒の鞭が、容赦なく才人に振り下ろされた。
ぎにゃあああああ、と断末魔の悲鳴を上げる主人の声も、気絶して夢の中にいるティファニアには届かなかった。
「んにゅ…しょんなにしたらわたし、おばかになっちゃうよう…」
夢の中までしっかり才人に抱かれ、幸せいっぱいのティファニアだったが。
才人はその後、二人にさんざん鞭でしばかれ、約二週間もの間、鞭の痕が消えず、外出すらままならなかったという。〜fin
うん、なんだかね、本気でアニメゼロ魔は小説の販促に過ぎないと思うようになりましたあの最終回。
ていうか四期ヤル気まんまんじゃないか…DVDうれなかったらないんだろうけど。
んじゃ寝ますノシ
>>423 新作GJ!
>後期型ゼロ戦なみの
神装甲ならぬ紙装甲ですね わかります
しかしテファもアホの子に磨きがかかってきたよなぁ
>>423 へんたいさんとこのテファはアホでえろえろでもうかわいすぐる
おいらもアフォになっちまうよGJ
GJ!
サイトさん一瞬螺旋王入ってたw
だから
管理局の白い悪魔自重w
新刊で気になったとこ
サイトがサーシャって名前言ってるのにデルフがサーシャだって言ったら「そうそう。そんな名前だった」
そのあとのデルフがブリミル
旗は黒字じゃなくて黒地に白く染め抜いただと思う
用意ってのはわかんない
430 :
バレット:2008/09/27(土) 11:49:41 ID:aczWWiSM
くっ、せんたいさんの犬っ娘テファは化け物か!?
11話最終回、こんな時間帯からエロ行くよー。
431 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:50:16 ID:aczWWiSM
「んっ」
「ん〜〜〜〜〜♪」
唇を奪う。モンモランシーは侵入してきたギーシュの舌を逆に吸い上げて、積極的に応えてきた。
キスする時は精々2〜3秒程度、すぐに顔を離してそっぽを向いてしまっていた彼女からの反撃に、同じように夢中になって返した。
若々しさに満ち溢れて張りのある肌は全身がしっとり濡れている。
そういえばあの液体は一体何だったんだ?
唇を離すと、名残惜しそうに潤んだ瞳を向けてくるモンモランシーにまたむしゃぶりつくのを必死で自制してから。
ペロリと、首筋に舌を這わせた。
「ひあっ!ギーシュぅ・・・・・・」
それがあの液体のせいなのかそれとも発情しているモンモランシーのものなのかはギーシュには分からなかったが、微かにしょっぱさが混じった甘さに味雷が痺れる。
堪らなかった。今度こそギーシュは少女の身体を余す事無く味わう為に舐め立てる。
首筋から顔、耳からうなじまで。
モンモランシーも、催淫効果で限りなく敏感になっている肢体にはぬるぬるした唾液と僅かにザラザラした舌の感触に震える。
ギーシュに、身体中、味あわされてるっ・・・・!
っちゅ、っちゅ、っちゅ、っちゅ
湿り気を含んだ膨らみも揉み立てる。
興奮している為かギーシュの揉み方は幾分荒っぽいものの、摘まんだ胸が掌から逃げ出す寸前にまた全体を掴んで牛の乳しぼりの様に攻め立てるやり方は確かにある程度の経験者である箏の証明である。
それと同時に徐々に下がりつつあるギーシュの舌が谷間の底を内側から膨らみのラインをなぞる様に這う。
キュッと、2つの先端を強くつまんだ。強弱同時に胸から走る電流。
「ひぎっ!?先っぽ、そうされるの、いい!」
「最高だ・・・君の身体はどんな果実にも勝るよモンモランシー・・・!」
サイトとイザベラの方はというと、サイトの股に顔を埋めたイザベラがそれはそれは嬉しそうに頬ずりしていた。
いやうん、助けようとしたつもりがその助けようとした相手に襲われてるって何さそれ?
432 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:50:59 ID:aczWWiSM
「い、イザベラお前どうしたんだよ!?」
「何って、いつもどおりじゃないのさー」
いいえ、明らかに今の貴女は理性が飛んでおります。
まあ何が何だか分からない内に液体生物(?)にあれやこれやされて身体は発情心は傷心だった所に愛しの彼が助けにきた(偶然だけど)ら、色々なもんが100万リーグ彼方にすっ飛んでもおかしくないのである。
多分。
イザベラは反応前で血液が足りずに萎れているそれを、躊躇いなく口に含んだ。
いつも見てきたそれはどんな業物の刀剣よりも頑丈かつ雄々しく直立していたものだが、いつもは全部口に収まらないぐらいのサイズにまでなるそれはあっさり根元まで咥内に収める事が出来た。
「んひゅう・・・」
「くうぉっ!?な、何かいつもと違う感じが!」
覚醒前だと感覚も違うらしい。
しかし丁寧に根元から先端まで口に包んでいると、あっという間に膨張してイザベラの口を埋めつくす。
サイトがいつでもスタンバイOKな状態になったと悟ったイザベラは、喉の奥まで塞がれたまま頭を上下に動かす。
発動前からの刺激でもう発射寸前だったサイトはこれに耐え切れない。
どくどくどくどくっ!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
喉から食道に直接流し込まれる。
それをイザベラは1滴たりとも逃さないとばかりに喉を鳴らして飲み込んでいく。胸の奥が温かくなるような感覚さえもしてくる。
余す所無く1回目の発射を受け止めたイザベラはようやく口からサイトを開放すると、それはそれは幸せそうに笑み崩れて、
「えへへ、ごちそうさまだよ」
―――ぷっちーん
あ、さっきとは別の理性の糸が切れた。
「イザベラあああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「きゃーっ♪」
433 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:52:01 ID:aczWWiSM
抱え上げるとそのままベッドの上に乗せてから覆い被さってそのまま突き込むという一連の動作を流れるように滑らかに行う。
途端にビクビクとイザベラの身体が小刻みに震えて「ふあぁ」と仰け反った。入れただけでイってしまったらしい。
「ひぎいいぃぃっ、ギーシュの、熱いのぉ!」
「くっ、君の膣内、最高だよモンモランシー!」
すぐ隣で上がった嬌声に思わず視線を向けてみると、同じようにモンモランシーと繋がったギーシュが一心不乱に腰を振っていた。
ずっちゅずっちゅずちゅっずちゅっ!
ぶつかり合う度に少なくない量が飛び散る粘液は僅かに紅色が混じっているのだけれど、モンモランシーは痛みに喘いでいる様子はあまり見受けられない。
むしろ自分からギーシュの腰に足を絡ませでしっかりホールドまでしている。気に恐ろしきは薬の効果、か。
それともイザベラが言っていた通り、ギーシュと1つに成れた事への歓喜が優っているのもあるのかもしれない。
「ギーシュ、ぎーしゅ、ぎーしゅぅ!!」
「っ・・・・もう、我慢できないよ!」
「ふはぁん!!?・・・・・・あ、ぎーしゅの、びくびく、あついの、いっぱい」
大きく1回出し入れしてからギーシュの背筋が震えた。ピッタリとくっついたまま、自分の下の恋人を覗き込むように両手で身体を支えて荒く息をつく。
彼に押し倒されている格好のモンモランシーも、涎を口の端からだらだら零しつつちょっと虚ろ気ながら嬉しそうに笑っていた。
そっと顔を近付け、涎を舐め取りながら唇を合わせる。
「ひぐあっ!そこ、後ろ、そこもいいっ!」
とそこにすぐ横で絶叫。
思わずギーシュが顔を向けると横向きで大きく足を開かされた格好でサイトに貫かれたイザベラの艶姿。
あっちも1回前で出した後、今度は後ろの方でシているらしかった。
その明らかな証拠にイザベラの秘裂からは愛液交じりの白い粘液が突かれる度に零れだしてるし、後ろの窄まりは大きく拡張されて入口付近の肉壁は何度もめくれ上がっている。
434 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:54:00 ID:aczWWiSM
流石にそっちの経験はないギーシュは柄に無く顔を真っ赤にして視線を逸らし。
腕の下の―――今自分と同じ光景をしっかり見ていたらしいモンモランシーと目が合い。
モンモランシーはギーシュの下で身体を反転させながら、自分から程々な大きさのお尻を割り開くと、
こっちにもちょーだい?
視線でそうお願いしてきた。
もちろんさー!
ギーシュも行動で応えた。
ぬぶぶぶっ!!
「凄い締め付けだよ・・・キツくて、グイグイ呑み込んでくる!」
「かはっ!?・・・・・ひぐ、ひぎぃ、いい、そっちも、やっぱり、いっぱい、ぎーしゅでいっぱい!」
「こっちも、僕で、一杯にしてあげるからね!」
「ふれし・・・・・うれひぃ・・・・!」
窄まりも奥の奥まで液体が忍び込んでいたためか、十分以上に分泌液で溢れた中は前とさほど変わらないスムーズさでグラインドできる。
体格の割に少し浅めで先端が何度もコツコツとそこにぶつかったりした前とは違って、こっちは根元から先端までずっぷり肉に包まれてるのがまた堪らない。
ぐにゅっぐにゅっぐにゅっ!
出したばかりにも関わらず、また根元から熱い物がせりあがってくるのが分かる。
この一味違う快楽をもっと長く味わいたいのは山々なのだが、この分だとまた抑えが効かなさそうだ。
しかし、また彼女にも一緒にイってもらいたくもぼんやりと思う。
ならば、とモンモランシーの腰を掴んでいた両手を右は胸に、左手は下から太股の間に差し込んだ。
2つの膨らみをまとめて抱える様にして後ろから抱きしめて揉みほぐし、、突っ込んだ左手は中指は割れ目に差し込んで親指は外皮の剥けた肉豆をグニグニと潰す。
途端に更に締め付けを増す肉筒。堪らない。
「またっ・・・・・・出すよ!」
「いっちゃうの、ギーシュに、熱いので、かんちょうされて、イグウゥゥゥゥ!!」
モンモランシーの腸内にギーシュの白い欲望の塊が注ぎ込まれたのと、秘裂からプシュッ!と噴水の様に透明質の液体が噴き出したのは同時だった。
435 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:56:24 ID:aczWWiSM
数時間後。
ギーシュは顔を真っ赤にしたモンモランシー(既に予備の制服に着替えてある)に見事に足気にされていた。
その様子、まるで競馬で大損こいて地団太踏んで外れ券をひたすら踏みにじるオヤジの如し。
「このバカバカバカバカバカバカ何やってるのよ私何してくれたのよギーシュ〜〜〜〜〜!!!!」
「ぐ、ぐふぉ!?あ、愛が痛いよモンモランシー。って淑女としてヤクザキックは止めておいた方が良いんじゃないかなあごべっ!?」
「何してたって、ナニじゃないのさモンモン。いい加減認めたらどうだい?」
「どうしてそこまであっさりフランクなのよ貴女はー!」
「正直言ってね、こういう事にはもう慣れちまってるんだよ。主にコイツのせいで」
「し、仕方ねーじゃんか・・・イザベラがエロ過ぎんのが悪いんだよ」
「・・・・・ああもう、ご馳走様」
顔を両手で覆ってモンモランシーは天を仰ぐ。
その姿はまるで天に祈る迷った子羊。でも足元には足跡だらけで痙攣中のギーシュ。
正直、とってもシュールだった。
「でも気持ち良さそうにしてたじゃないのさ。特に後ろの方ん時」
「う、うん、不浄な穴の筈なのになんであそこまで気持ち良かったのかしらねって何言わせるのよ!?」
「素直になりなよ。何なら私があんたらの後押ししても良いんだよ?」
仮にギーシュとの事を実家に報告する事態になっても、ガリア王家の王女様であるイザベラの後押しがあれば2つ返事でOKを出すに違いない。
それにモンモランシーだってまんざらでは無かったりするので正直それはそれでありがたい申し出なのだが。
「なあ。そういやさ、あのスライムっぽいのどこ行ったんだ?ほっといていいのかよ?」
「「あ」」
3人が顔を見合せた時だ。壁の隙間から液体が滲み出てくると、ふよふよと3人の前で立ち上がった。
真っ先に反応したのはサイト。
即座に腰の短剣を抜いた瞬間、液体は恐れ戦くようにビクッ!と震えて後ずさった。様に見えた。
そのまま膠着状態に陥ってしまう。モンモランシーも動けない。
―――しかし、イザベラだけが何かを感じ取って、1歩、進み出た。
「ちょっと待ってサイト」
「イザベラ?」
そっと、ゆっくりとイザベラは手を差し出す。うねうねと一定の形は持っていないが、それでも立ち上がっている液体の方に。
イザベラの指先と液体が触れた瞬間、一気に液体の方で変化が起きた。
一定の形へと変貌していく。体積が一気に縮み、というか圧縮されて最終的に40サント位の大きさとなって固まったその姿は
「・・・・・・私?」
「むしろSD版?」
「こんな形にも成れるものなのね・・・」
2頭身っぽい本人よりも愛嬌さが感じられるデフォルメされたイザベラだった。
仮にちびイザベラとしようか。もちろんちびはひらがなで。これがデフォ。
滑る様にイザベラに接近したちびイザベラは、イザベラを見上げるようにしながら小首を傾げた。
小動物っぽい。ほぼ透明ながら細かく目元から瞳そのものまで皺みたいな感じで再現されているのでつぶらな瞳までハッキリ分かるので不気味さは無い。
436 :
11:ブロブ:2008/09/27(土) 11:57:33 ID:aczWWiSM
むしろ、
「・・・可愛いじゃないかい」
比率を考えると大きな頭を猫の様にすりすりとイザベラの足に擦りつけてみせる。冷やっこい感覚が何だかくすぐったい。
どうも、イザベラに懐いているように見受けられた。
「つーか何なんだよこれ?」
「もしかして・・・イザベラの血が大量の『精霊の涙』に交じったせいで血の繋がりが出来て、それに反応して自我か何かが生まれたんじゃ・・・」
「ガーゴイルみたいなもんか?」
「分からないわよ、私だってこんなもの見るの初めてなんだから!」
「水の精霊もあんな感じだったけどよ・・・・・・あんな風に可愛いというよりは、ふんぞり返ってる感じだったしなあ。むしろ、ありゃ使い魔って感じじゃねーか?」
とりあえず正体は正確に分からないのでうっちゃっておく事に決定。
イザベラはちびイザベラを抱き締めて持ち上げると、ぷにぷにひんやりした感触を楽しみながら嬉しそうに声を上げた。
「決めたよ!今日からこいつは私の使い魔にするからね!」
「あー、まあ良いんじゃねぇか?何かもう無害っぽいし、イザベラが気に入ったんなら」
「あああ、せっかく集めた貴重な材料が・・・」
「ヤバいモノ作るのは程々にって教訓になっただろう?んー♪ところでコイツの名前は何て名前にしようかねー?」
「んじゃスライムとか」
「捻りないねぇ」
「それじゃあメ○モン」
「任天堂から訴えられるわよ?――――何言ってるのかしら私?」
「ぼ、僕は結局放置されたままなのが今回のオチなのか・・・・・・・・・・・・・・・・・ガクリ」
437 :
バレット:2008/09/27(土) 12:00:05 ID:aczWWiSM
これで11話終了ー。うん、何でこういつも終わり方投げやりなんだろうね俺。
次の更新もネタが思い浮かぶのがいつになるか分からないんで遅くなりそうだけど、生暖かい目で我慢してくだせぇ皆さん。
ではこれから学校行く準備するんでさらば。
GJ!めたもんナツカシス
>>437 GJでした しかし初体験が後ろとはモンモンww
440 :
痴女109号:2008/09/27(土) 23:33:17 ID:00Ff2pZ4
剣と剣とを打ち鳴らす鋭い金属音が、王宮の中庭に響く。
いや、響くのは撃剣の音だけではない。
太く、短く、荒い呼気。
鋭い気合。
空を斬る音に地を蹴る音。
それらの響きが組み合わさり、重ね合わさって、壮大なる一つの楽曲と化し、アンリエッタの眼前で火花を散らす鍔迫り合いのBGMとして奏でられる。
――が、もちろん若き女王は、そんな音声情報など気にする余裕は無い。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……どうしたサイト、もうバテたか?」
「まだまだぁっ!!」
からかうようなアニエスの台詞に、才人は全身の疲労を感じさせない踏み込みで、彼女の懐に一気に飛び込む。
「ひっ!?」
思わずアンリエッタが目を伏せるほどに無雑作な間の詰め方。
当然、そのがら空きの頭蓋も砕けよとばかりに、アニエスの一撃が走る。
だが、来るのが分かっていれば、どんなに鋭い斬撃であろうとも防ぐことは出来る。才人はアニエスの剣を鍔で防ぐと、そのまま速度を落とさず彼女の懐に入り込んだ。
しかしアニエスも黙って間合いを詰められるようなヘマはしない。
乾坤一擲の上段を防がれたと知るや、才人以上の敏捷さで後方に跳び、すかさず間合いを取ろうとする。その判断力は銃士隊長アニエスなればこそだ。が、その時、彼女の体勢に乱れが生じてしまう。まさしく一瞬の隙ではあったが――無論、それを見逃す才人ではない。
「隙ありっ!!」
心中に勝利を叫びつつ更に一歩踏み込み、必殺の一剣を繰り出す――が、
(ッッ!?)
才人の突きを、首を振って躱したアニエスの顔には薄い笑いがこびりついていた。
「ぐっ!?」
才人の剣が宙に舞った。
そのまま丸腰になった彼の喉元に、逆に間合いを詰めたアニエスの剣が、ずいっと突きつけられる。
何が起こったのか、端で見ていたアンリエッタにも分からない。杖を取れば“水”のトライアングルメイジたる彼女であっても、しょせん剣に於いては素人に過ぎないからだ。
ただ、当事者の二人と、彼らを取り巻く銃士隊の隊士たちだけに、電光のようなの彼女の剣技――わざと無理な姿勢から後方に跳んで隙を作り、それに乗じて踏み込んだ才人の手首をアニエスの剣が打った――が確認できたのみだ。
「サイト殿っ、大丈夫ですかっ!?」
顔をしかめながら、水桶に痛む右手首を突っ込む才人は、狼狽しながら駆け寄ってくる女王陛下に、引きつった笑顔で、
「大丈夫ですよ。折れたわけじゃありませんし、冷やしておけば腫れも引くでしょう」
と答え、半ば憧れの目線で傍らの女剣士を見上げた。
「まだまだっスね。俺じゃあやっぱり、まだまだアニエスさんには敵いませんや」
「いや、いまのは結果が示すほどに、わたしにも余裕があったわけではない。お前がやったことを、そのままわたしもやり返しただけだしな」
才人がわざと正面をがら空きにして、アニエスの攻撃を誘導したことを言っているのだろう。意図的に隙を作って相手の攻撃を誘い、後の先を狙う戦法は、むしろ撃剣を含むあらゆる闘術における常套手段だとさえ言える。
だが、これは口で言うほど簡単なことではない。
わざとであろうがなかろうが、隙は隙だ。
もしも自分が意図した通りの攻撃が来なかったら。いや、読み通りの攻撃が来たとしても、それを受け切れなかったら……まともに致命傷を喰らってしまうのだ。たとえ稽古試合であっても、銃士隊長アニエスを相手にそんな戦い方ができる者など、そうはいない。
彼女が評価しているのも、まさにその才人のクソ度胸である。
だが、いつもの事ながら、彼女の舌鋒は優しいだけでは済まない。
「しかしサイト、今のままでは、いささかマズイのではないか?」
「え?」
「銃士隊の隊長職を任されているとはいえ、わたしごときに、いつまでも遅れをとっているようでは、本当に虚無の担い手を守りきれるのかどうか、資質を問われることになりかねんぞ」
その言葉に才人は思わず息を呑んだ。
「わたしがアルビオンで稽古をつけてやってからかなり経つが、お前はもっと強くなっていてもおかしくないはずだ。今のままでは、せいぜいわたしから三本に一本取れるかどうかの腕でしかない」
「……ッッッ!!」
少年は黙りこくったまま、身じろぎも出来ない。
「アニエスッ、控えなさいっ!! 王の御前ですよっ!!」
アンリエッタが、突然の部下の無礼に怒りの声を荒げるが、そんな女王を制したのは、勢いよく立ち上がった、傍らの騎士であった。
「サイト……どの……」
「アニエスさん、もう一本お願いします」
彼の相貌に浮かぶ厳しい表情は、決して手首の痛みだけが生み出すものではないはずだ。
そんな才人の顔を見て、アニエスはにやりと笑った。
「いいだろう。一本と言わず、貴様の気が済むまで何本でも相手になってやる」
[[[[[[[[[[[[[[[[
「ああ、サイト殿、お目覚めになられましたか?」
高い天井に燦然と輝くシャンデリアが、目覚めたばかりの彼の眼を刺す。
いや、才人の網膜を貫いたのは、その強烈な光だけではない。
胸元の谷間を強調した、女王としてはいささか自由過ぎる部屋着に身を包んだアンリエッタが心配そうに、それでいて少し嬉しげに才人の顔を覗き込んでいたのだ。
「……ッッ、ひめさまっ!?」
その瞬間に眠気は吹っ飛んだ。
当然だろう。目を開けた瞬間に、まるで互いの額と額をくっつけんばかりの距離で、国家最高主権者の美貌が視界に突然現れた日には、驚くなという方が無理がある。
彼女は、顔を真っ赤にして狼狽する才人とは反対に、聖女のような穏やかさで、
「大したケガもなく安心いたしましたわ。でも、念のために今宵一晩は安静にされた方が宜しいと思いますわ」
と、にっこり笑って言った。
だが、
(そうか、おれ……アニエスさんにやられて……)
真新しい包帯だらけの我が身を厳しい眼で見つめる才人には、トリステインの全国民が憧れる若き女王の、花のような笑顔も、いかほどの癒しになっているのか定かではない。
(ここにいるこの方は、わたくしの知るサイト殿、なのですよね……?)
アンリエッタは痣だらけの少年の肌を見て、思うともなく思った。
世界のあらゆる文化文明の根幹を魔法に依存するメイジにとって、実際に肉体を行使する技術に対する視線は、決して好意的なものではない。
たとえば、刀槍弓銃といった闘争武器術などというものに、王家に属するほどのメイジたちが実際に接する機会など絶無に等しい。
女剣士アニエスを銃士隊長として取り立て、側近に加えてからも彼女の剣技を直に見る機会などそうはなかった。――興味が無かったと言ってもいい。
そんなアンリエッタが、中庭で行われているという撃剣の稽古に足を運んだのは、無論、関心の対象が剣ではなく才人本人であったからだ。だが、実際に十合・二十合と火花を散らして斬り結ぶ彼の姿を見た瞬間に、魔法戦闘とは全く違う迫力に身をおののかせた。
無論、その鍔迫り合いは、嵐を起こし、燃え盛る炎を自在に操るメイジ同士の戦いとは全く違う。
だが……いや、だからこそ、剣という武具による闘技は、アンリエッタの目には、魔法のように他の何かに応用する事さえできぬ、純粋に殺人のために特化した、野蛮極まりない技術に思え、そして、その稽古に勤しむ才人は、彼女の全く知らない人のように見えてしまう。
それは、アンリエッタにとって、とてつもなく寂しい事であった。
だが、そんな彼女の寂寥感など、自らの傷を眺める少年には通じない。
アニエスに言われた言葉が、ひたすらに才人の心を打ちのめしていたからだ。
アンリエッタ暗殺計画の噂がトリスタニアを席巻し、銃士隊や旧魔法衛士隊はおろか、王宮に参勤中の諸侯の私兵まで動員された戒厳令が敷かれている現在、才人の所属する水精霊騎士隊も、当然首都警備陣に編入されている。
だが、その副長である彼の担当は、城門でも王宮でもなく、城の奥座敷――すなわち女王陛下アンリエッタの私的空間に於ける身辺警護であった。
無論、シュヴァリエとはいえ平民上がりの少年ごときが、国王の私邸に土足で上がりこみ、そのプライベートを共にしているという事実は、王家としても憚りがあるため、彼の任務は銃士隊長アニエスの助勤ということになっている。
だが、当の才人としては、この任務は実際のところ、退屈極まりないものであった。
無論、奥座敷詰めの護衛は、才人一人ではない。銃士隊の隊士たちや、女官・奥女中として働く女メイジたちもいる。だからと言ってはなんだが、才人は暇さえあれば、アニエスを語らって、中庭で剣の稽古をつけてもらっていたのだ。
アンリエッタが彼の稽古を見学しようなどと酔狂を起こしたのは、なにかと口実を設けては、アニエスのところへ行きたがる才人の挙動を怪しんだ結果であった。
「サイト殿……貴方が落ち込む気持ちも分かります。でも、アニエスとて、わたくしが銃士隊の隊長に抜擢したほどの剣士なのですよ。むしろガンダールヴの能力を使わずに、あそこまで彼女と渡り合える御自分の腕を、誇るべきですわ」
――そう。稽古中の才人の左手に、ルーンが輝きを放つことはない。
彼ら二人が使っていた剣は、稽古用の刃引きの剣に過ぎず、人を殺傷する事のみを目的に作られた真剣ではない。そしてガンダールヴのルーンが、その“神の左手”たる真価を発揮するのは、あくまでもルーンが“武器”と認めた得物を主が握った場合のみなのだ。
たとえばそれはM72 ロケットランチャーであったり、
たとえばそれは零式艦上戦闘機であったり、
たとえばそれはナチス・ドイツ製タイガー戦車であったり、
たとえばそれは『ガンダールヴの左腕』たるデルフリンガーであった場合である。
だが、やはり才人の心は落ち着かない。
アンリエッタの言うことなど百も承知だ。
家族や故郷を奪われ、女性の身でありながら剣一本を携えて戦士としての自分を鍛え上げてきたアニエスに比べれば、彼が剣の修行に本腰を入れ始めたのは、ハルケギニアに召喚されてからの、わずか数年のことに過ぎない。
(年季が違い過ぎる)
そう言い訳する事はいくらでも出来る。
だが、それで自分まで騙し切ることは、とうてい不可能だ。
才人には分かっている。
アニエスが言った言葉は、決して間違ってはいない。
虚無の使い魔だ、ガンダールヴだとふんぞり返ったところで、ルーンが発動しなければ、自分は所詮、歳の割には腕がたつという程度の、一山いくらの剣士に過ぎないのだ。純粋なわざの話ならば、まだまだ上には上がいる。
(いや、違う……)
そうじゃない。
おそらく、あの女丈夫の言いたかったことは、おそらくそういう処世訓じみた、当たり前の意見ではないのだろう。
彼女は、才人に『ルイズを守り切れるのか』と言った。
守るというからには、そこには“敵”の存在が不可欠になる。ならば、この場合の“敵”とは誰だ? この前の『聖戦』で伝説の系統“虚無”の継承者である事を満天下に喧伝し、“アクアレイアの聖女”の称号を送られた彼女に、牙を向ける者など誰がいる?
「姫様……虚無の使い魔は、虚無の担い手に勝てると思います?」
「なっ!?」
アンリエッタは絶句した。
そう、無能王ジョゼフがいない今、ルイズに触手を伸ばそうとする“敵”が、ハルケギニアにいるとすれば、それは即ちロマリア教皇聖エイジス三十二世こと、ヴィットーリオ・セレヴァレ以外にはいない。
彼がジョゼフを葬った真の理由は、明白だ。
それは、ジョゼフが自分以外の“虚無の担い手”の抹殺を図ったからではない。
本来、国王となるはずだった弟を暗殺し、王位を奪った簒奪者だからでもない。
享楽に耽り、政治を、信仰を、民を顧みない暴虐の王だったからでもない。
ともにエルフを討ち、聖地を奪回するための同志には、ジョゼフは決してなり得ないと判断したからだ。いや、同志どころか邪魔者以外の何者でもないと判断したからだ。
だからこそ、ジョゼフは消されたのだ。
そして、そういう意味では、教皇がルイズに毒牙を伸ばさぬ理由は存在しない。何故なら彼女もまた、教皇の提唱する「聖地奪回軍」に、絶対に協力するはずがないからだ。
「ルイズは、この前の聖戦で、完全に教皇とジュリオを敵視しちゃいましたからね。ああなったら、あいつはテコでも意見を変えませんよ」
「でも、でもサイト殿……たとえそうでも、ルイズは無能王とは立場が違います。公爵家の三女とはいえ、一介の貴族が教会にたてつくなど出来るものではありませんよ。教会の権威は、ある意味、国王すら凌駕するのですから」
確かにそうだ。
このハルケギニアが、あくまでキリスト教文明に沿った社会構造を有するならば、たしか教会には『破門』という必殺の切り札がある事を、高校で世界史を学んだ彼は知っている。
宗教圏からの社会的抹殺を意味する、この処分をちらつかされれば、いかにルイズといえど、彼らに正面切って逆らうことは出来ない。
だが、それでも才人には分かる。
ルイズが教皇の同志になる事は、絶対に在り得ない、と。
そして、才人は考える。
実際問題、ロマリアが何かを仕掛けてきた時、おれはどうすればいい?
世界への絶望と破壊欲に凍てついたジョゼフの精神さえも、あっさり覆してしまったヴィットーリオの“虚無”。剣を振り回してどうにかなる相手とは思えない。いや、はっきり言ってしまえば、具体的に何をすれば教皇に対抗し得るのかさえ分からない。
ならば、できる事をするしかない。
世界を手玉に取るような男を相手に、詰め将棋をしても勝ち目がある頭脳を、才人は所有していない。それは自分でも分かっている。ならば相手の土俵ではなく、自分の土俵で戦うしかない。謀略をあえて引っくり返すだけの暴力を、この身に装備するしかない。
だが、今の自分は……あまりにも無力だ。絶望したくなるほどに。
「デルフ」
「おう」
「おれは、虚無に勝てるか?」
「……どうだろうな」
「おまえは、虚無を吸収できるか?」
「やったことねえからな。わかんね、としか言えねえなぁ」
「そうか……」
そのとき、俯いた額をこつんと小突かれる感触に、顔を上げた才人が見たのは、可愛らしい膨れっ面のアンリエッタだった。
「サイト殿……貴方の苦衷は分かりますが、それでも少しは、このわたくしを信用してくれてもよいのではありませんか?」
「えっ?」
「ルイズを守るのが貴方の仕事。でも、あの子を守れるのは、何も貴方だけでは有りませんよ」
彼女はその豊かな胸に手を置くと、硬い声で言い切った。
「わたくしが、守ります。――貴方とルイズは、このトリステイン国王アンリエッタが、あらゆる手を尽くして守ります。たとえ教皇聖下であろうとも、お二人に手は出させませんわ」
「ひめさま……」
その言葉は、少年の心にとても力強いものとして響く。
一国に君臨する権力者が真摯な瞳で、自分が味方になってやると言ってくれたのだ。無論、才人にはアンリエッタの言質を取る意識はない。だが、一個の人間として、これほど言われて嬉しい台詞はない。
が、少年の心に満ちたぬくもりは、次の瞬間には氷点下に冷えた。
眼前の若き女王の瞳に灯った真摯な光が、いつの間にか、湿り気を帯びている事に気付いてしまったからだ。
(ちょっ、またかよっ!?)
包帯だらけの若い体に、アンリエッタが乗り出すように自らの体重を預けてくる。
「ですから、サイト殿……この哀れな女王に、貴方たちを守る“報酬”を、お恵み下さい……」
(もう、女王としての顔しか見せないって、言ったじゃないかよっ!!)
彼としても、そうツッコミたいところだが、最近のアンリエッタは妙に違う。警護任務として、傍らに才人を配するようになって以来、かつて以上に、過度のスキンシップを要求するようになってしまっている。
目を潤ませ、頬を染め、饒舌になり、二人きりの場所なら、吐息がかかる距離まで彼と接近し、それでいて才人と目を合わせると、俯いて黙り込んでしまう。また、彼がアニエスや他の銃士隊員たちと話をしていると瞬時に不機嫌になり、謝っても許してくれない。
(やべえよルイズ、やっぱこの人、露骨過ぎるよ……)
いまさら朴念仁を気取るつもりは、すでに彼には無い。アンリエッタの気持ちなど、その態度を見れば、バカでも分かろうというものだ。
だが、理由が分からない。
この高貴なる女性が、今更ながらのデレモードを再開させた理由が。
いや、分からないといっても推測は出来る。
(やっぱ、なんのかんのと暗殺計画の噂に怯えてるんだろうな……)
この女性は、自らの権勢欲によって為政者の座を得たわけではない。ただ王家に生まれ、王家の者としての当然の成り行きで玉座に就いただけの女性に過ぎない。
無論、今のアンリエッタは、即位したてのころとは違う。王として国を統べる気概や抱負も持ち合わせているだろう。
だが、この女性の本質は、自ら屍山血河を築いてでも鉄腕を振るう女傑ではない。誰かに支えてもらって、やっと気丈に振舞える、どこにでもいる当たり前のおんななのだ。
実は才人は、アニエスに釘を刺されている。
「陛下のたっての希望ということで、貴様を奥座敷の警護につける事を承知はした。だが、もし陛下と過ちを起こすような事があれば、貴様の死は、もはや免れ得ぬものと覚悟しておけ。法が裁くまでもない。このわたし自らの手で、貴様の首を刎ねさせて貰う。分かったか?」
と、彼女は眉間に皺を寄せて語った。
才人からすれば、自分の配置を勝手に決められた挙げ句、そんな台詞まで投げつけられるような任務など、はっきり言って迷惑きわまりなかったのだが、『陛下のたっての希望』である以上、拒絶する事も出来ない。
だが、まあ才人も正直言って、タカを括っていた。
いまさらアンリエッタが、自分にモーションをかけて来るわけがない。そう思っていたからだ。
だが、……結果からすれば、才人は自分の認識の甘さを大いに悔む事になる。
(この人、まさかおれを殺したいのか?)
アンリエッタの誘惑は、まさにそう疑わんばかりの勢いで、彼の理性を責めたてたからだ。才人が暇さえあれば、アニエスの元へ出向き、必要以上に剣の稽古に励んだ理由の一環は、意味不明なほどに積極的な女王のアプローチに辟易したという事実が、少なからずある。
だが、……いまこのとき、平賀才人は追い詰められつつあった。
「サイト殿、少しでいいのです。多くを望むつもりは有りません」
「なっ、何が……スか?」
「あなたがルイズに与える、その半分で構わないのです。ですから……わたくしにも、お情を下さいまし……」
そう言いながら、少年の胸板にそっと手を置くアンリエッタ。
細く、白く、形のいい指が蠢き始め、包帯に覆われた彼の乳首に、微かな刺激を送り始める。
「……ッッ!?」
「愛を誓えとは申しません。伽を命じるつもりもありません。ですから、ですからせめて貴方の唇だけでも、わたくしにっ!!」
「いや、でも姫さま、やっぱソレまずいっていうか――」
返事を聞く気はなかったようだ。
女王は、慌てふためく男の唇を、薔薇の花弁のような自らのそれで、一気に封じた。
]]]]]]]]]]]]]]
――暑いな。
マリコルヌは、思わずそう呟いた。
店先から、愛馬のいななきが聞こえる。
早く乗れよ、こんな峠の茶屋で、暇潰ししている場合じゃないだろうが。早く王都に帰還しねえと、オマエまずいんじゃねえのかよ?
茶屋の店頭に繋いだ馬がそう言っているように聞こえた。
まあ、そう聞こえるのも無理はない。
街道沿いの宿を出てから、まだいくらも進まぬうちに、この茶屋に入って数時間。
僅かな食事と数杯の水で粘りまくる彼の姿は、まるで現れぬ恋人との待ち合わせに焦燥する駆け落ち男のようだった。茶屋の亭主も、店の奥に引っ込んで出て来る気配もない。この、すっぽかされ貴族が、まさか食い逃げはすまいと思ったのだろう。
グラスに注がれた水を一気に飲み干す。
(ぬるい)
思わず顔をしかめたが、誰に文句を言う筋合いもない。この水を注文してから、もう30分は経過しているのだから。
ズキリとした疼痛が背骨を走る。
痛いのは、尻だ。
椅子が安物過ぎる、というわけではない。
何が原因かは分かっている。
(お尻叩きって、……こんなに後に引くんだな……)
快楽に酔うモンモランシーの顔が脳裡に浮かぶ。
満腔の屈辱と、恐怖と、嘔吐しそうになる程の不快感を伴って。
「じじいめ……!!」
吐き捨てたはずの唾液が、ひたすら苦い。
あの後、モンモランシーの膣内にたっぷり発射してしまったマリコルヌは、満足そうに意識を失った彼女とは対照的に、血相を変えてオスマンを探し回り、モンモランシーにかけられた暗示の解除と、処女膜の再生を懇願した。
もはや、モンモランシーは何も覚えていないし、ふたたび彼の前に頬を染めて現れることもない。――と、思う。
というのは、モンモランシーをオスマンに預けるや否や、マリコルヌはそのまま逃げるように魔法学院を後にしたからだ。一秒でも早く、ここから消えよう。トリスタニアに帰ろう。そう思ったのだが、道行きも半ばの街道で、不意にマリコルヌは思い出したのだ。
(王都には……ギーシュがいる……!!)
そして、いま、都から数リーグの地点で進退窮まったように、無為に時間を潰す太っちょの姿が、ここにあった。
男が一人、店に入って来た。
「親父、酒をくれ」
その声に、店の奥から慌てて亭主が出て来る。
「済みません、お待たせしました。――ご注文は酒と仰られましたが、葡萄酒で宜しいですか? 何か食べるものも御一緒にお持ちいたしましょうか?」
「そうだな、なら羊の干し肉でも貰おうか」
「はい、かしこまりました」
輝くような営業スマイルを見せ、ちょび髭を生やした店の亭主は、ふたたび店内に引っ込んでしまった。
マリコルヌは、そのまま店の隅のボックスシートに陣取った男を、引き付けられたかのように眼で追っていた。
こんなところで、供も連れずに一人出歩くメイジに会うなど、実に珍しいことだからだ。
いや、ひょっとすると男は、メイジではあっても貴族ではないのかも知れない。
そのマントは旅塵にまみれて真っ白になっており、テーブルに置いた羽帽子も、衣装に負けじと薄汚れをアピールしている。腰に吊るされたサーベル状の得物が杖であろうか。
ただ、この男がただものでないということだけは、マリコルヌにも分かる。
ぼさぼさの髪から覗く鋭い眼と、一面のヒゲに覆われた口元から、くたびれた外見をまるで感じさせないほどの精悍さを、男は発していたからだ。
そして、マリコルヌが彼から目が離せなかったのは、さらにもう一つの理由があった。
少年は、その男に見覚えがあったのだ。
(どこで見たっけ……? いや、確かにどっかで見たよな……間違いなく)
「小僧、俺に何か用か」
猛禽を思わせる鋭い視線がマリコルヌを貫く。
「あっ、いっ、いえっ! すみませんっっ!!」
慌てて頭を下げる少年に、男は、さらに追い討ちをかけた
「そのように、他人をじろじろ見るのは感心せんな。俺の機嫌がもう少し悪かったら、杖に手を伸ばしていたところだ」
「すっ、すみません! すみませんっっ!!」
狼狽するマリコルヌは、懐から銀貨を取り出し、自分が座っていたカウンターに置くと、ほうほうの態で店から飛び出し、馬の背に飛び乗ると、手綱を打った。
自分が飲んだ数杯の水と食事。銀貨一枚では、かなりの額の釣りが返って来るはずだが、そんな事は気にならなかった。男の目に宿っていた殺伐な光。それを見た瞬間、マリコルヌは素直に身の危険を感じたからだ。
「なんだったんだ、あのヤロウ……」
マリコルヌがさっきの男を馬上で回想したのは、馬が店からかなりの距離を走ってからだった。
いきなり全速力で早駆けをさせたものだから、馬もかなり息が上がっている。
「この老いぼれ馬が……!」
舌打ちしながら、思わず呟く。
まさか追ってくるとは思わないが、もしも男が、まともな馬に鞍を載せていたなら、あっという間に追いつかれてしまうだろう。
「せめてペガサスかユニコーンとまでは言わないがよ。やっぱ馬にカネを惜しむのはよくないよな」
その瞬間、袋小路が開いた。
閉ざされていた記憶が連結し、そこに鮮やかに、男の姿が甦る。
(ユニ、コーン……!)
あれはフリッグの舞踏会から数日後。
当時はまだ即位していなかったアンリエッタが学院を訪れたとき。
王女を乗せた、ユニコーンが牽引する王家の馬車。その傍らに、同じく歩を進めていた一頭のグリフォンに騎乗していた――王宮魔法衛士隊グリフォン隊の隊長。
「たしか……ワルド子爵……とか……っっ!?」
448 :
痴女109号:2008/09/27(土) 23:51:26 ID:00Ff2pZ4
今回はここまでです。
>>437 後付けになって申し訳ないですが、パレットさん乙です。
むかし、ガキの頃『ブロブ』を観て、トイレに行けなくなってしまったことがありました。
あと余談。
15巻のおかげで、「マリコルヌの〜〜」のプロット全滅ですな。
まさかジョゼフさんが、あんなカットアウトで退場してしまうなんて……。
なんとか軌道修正しながら、細々とやっていきます。
ではでは。
乙
つーかオレやる夫で番組作ってみたんだが
初めて脚本書いたわ
ムズかしーなー
職人はよくこんな長文かけるな・・・
しかも構成とかちゃんと考えてるんだろうなぁ・・・
450 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 00:13:16 ID:GNK/OvCQ
>>448 GJ! しかし、マリコルヌどんどん深みに足を突っ込んでいくなぁ
大丈夫なのかね まあ、サイトも別の意味でそうなんだけど
15巻読了。タバサがすげえ可愛くて哀れだった。
せめてSSでくらいタバサに本物と想いを遂げさせてあげてくれる職人はいないだろうか
ここではタバサ、想いとげまくってるので w
>>452 溢れる想いがあるなら、なぜ自分で筆をとろうとせぬのだ
しあわせタバサを書けとの電波がとんで来たので書いてみたぉ!
でもえろぬきだからな!(ぁ
目が醒める。
癖で、まず自分の置かれている状況を確認する。
ここは?トリステイン魔法学院女子寮の私の部屋。そのベッドの上。
どういう状況?起きたばかり。隣には…裸のサイト。私も、裸。
…昨日、『呼び方を間違えたお仕置き』と称して、いっぱい我侭を聞いてもらった。
大好きなだっこを昼までしてもらって。
お昼ごはんを一緒に食べた後、一緒に図書館に本を返しに行った。
そのあと部屋に戻って。お尻禁止を言い渡してから、抱いてもらった。
キスをいっぱいして、と言ったらいう事を聞いてくれた。
でも…そのうち…私がガマンできなくなって…。
だって、サイトがいっぱいいじるから…ダメって言ったのにいじるから…。
お尻で、おねだりしてしまった。
…恥ずかしいのに、勝手に口が動いておねだりしてしまった。
…もう、私には貴族のプライドも、女の子としての恥じらいもないのかもしれない。
私に腕枕をしながら、目の前で眠る、私をこんなことにしてしまった犯人を睨みつける。
…ばか。最低の屑。浮気者。鈍感のニブチン。
彼に対する不満を心の中でぶちまける。
でも。
どろり、と私の中で、溜め込まれた彼が動いた。
そのせいで…私の心は、しあわせで一杯になってしまう。
…これは、もうどうしようもないのかもしれない。
愛する人の分身を体の内に注がれると、私の心は折れてしまう。
なんでも許してしまう。世界中の何もかもがどうでもよくなってしまう。この温かい迸りさえあれば、何もいらないとすら思えてしまう。
『人を殺すのは剣でも魔法でもない。愛される事で人は死ぬ』
いつか読んだ哲学書にはそんな事が書いてあった。
昔の私はそんなことはありえない、と想っていた。
でも今は違う。
私はサイトに愛されて、初めてもう死んでもいい、と思った。
この瞬間に生が終わるなら、なんて幸せなんだろうとすら思う。
これが、愛に殺されると言うことなんだと、思い知らされた。
昔の私は死を覚悟していたつもりでしかなかったと、その瞬間に思い知った。
世界中の何もかもが、自分ですら、どうでもよくなるような幸せが存在するなんて、思いもよらなかった。
…でもそんな事言ったら、きっと彼は怒る。
未来にはもっと幸せがあるとかそんなことを言って、怒るだろう。
…分かってる、言われなくてもそんなこと。
私はそっと、いつもの夢想をする。
卵のない私の胎内でゆらめく、彼の子種を感じながら。
才人が目を醒ますと、右腕の腕枕の上で、タバサが柔らかく微笑んで自分の寝顔を覗いていた。
眼鏡をかけているので、随分先に目覚めたのだろう。
「…おはよう、サイト」
タバサは幸せそうな微笑でそう言って、才人の腕枕から起き上がる。
「…おはよ。シャルロット。寝顔覗いてただろ」
ちょっと不機嫌にそういう才人に、ベッドを降りながら青い髪の小さな少女は言った。
「…ちょっとだけ。可愛かった」
くす、と笑って、円卓の上に重ねられた服を着込みだす。
まあ見られて減るものでもないしな、と才人は思い、会話を続けることにした。
「…あのなあ。
まあいいや。今どんくらいだ?」
日差しは既に地平線をはるか過ぎている。朝食には遅く、昼食には少し早いといった時間だろう。
「お昼前。…お腹すいてる?」
二人は実質朝食抜きである。着替え終わったタバサにそんな事を言われると、才人は急に小腹がすいてくるのだった。
「…すいた。なんかあるの?」
「待ってて」
それだけ言ってタバサは、マントも羽織らず杖も持たず、部屋の外へ出て行った。
北花壇騎士だった昔の彼女からは、考えられない行動だった。
タバサが向かったのは、もちろん厨房。
大好きな才人に、朝ごはんを作るためだ。
こんな時のために、何度も料理の本を熟読しているのである。
厨房の裏口から入ると、丁度朝食の片付けが終わった所だった。
料理長のマルトーに事情を話すと、彼は快くコンロの一つを貸してくれた。
『寝坊した友達に朝食を作っていこうなんざ、見上げた心構えだねえ』などと言っていた。
少し嘘をついたが、まあこのくらいは許容範囲だろう。
タバサは卵を四個ほどもらうと、手早くかき混ぜ、フライパンで炒める。
最初はスクランブルエッグのつもりだったが、思いのほか綺麗に丸く焼けてきたので、オムレツにすることにした。
しかし結局失敗し、中途半端な崩れた平たい卵焼きになってしまう。
眉をへの字にしながら、タバサは捨てるのももったいないし、才人が待っているので、それを持っていくことにした。
「…ごめんなさい」
軽く失敗したオムレツをテーブルに出しながら、タバサはしゅんとなっていた。
才人はそんな彼女を気にも留めず、オムレツをつまむ。
「大丈夫、旨いって」
飲み込んでそう言う才人に、しかしタバサは。
「…今度は、失敗しないから」
そう言って決意を新たにし、才人の対面に腰掛ける。
そして、その鼻先ににゅ、とフォークに刺されたオムレツのきれっぱしが差し出される。
才人だった。
「はい、あーん」
「じ、自分で食べれる…」
しかし才人は困った顔のタバサに向けて、さらにオムレツを近づける。
「はい、あーん」
聞く気のない才人に、タバサは折れる。
大人しく口を開き、フォークの先に載ったオムレツを頬張る。
確かに、味は悪くない。
「このまま頑張れば、いいお嫁さんになれるな、シャルロット」
何の気なしに才人の放ったその言葉を聞いた瞬間、タバサの顔がぼん!と火を吹く。
お嫁さん。
それは、今の彼女が唯一持っている夢。
ガリアもトリステインも、ハルケギニアもどうでもいい。
タバサは、才人のお嫁さんになれれば、他になにもいらない、と思っていた。
でも、そのためには。
料理もできなきゃだし掃除もそうだしお裁縫もだし家計の管理もだしもちろんお洗濯も。
でもソレより何よりも。
サイトの、赤ちゃんを、産めなきゃダメ。
今のタバサにはそれができない。
生理は勿論来ているので身体的な問題はない。
あるのは、社会的問題。
タバサは仮にもガリアの王族である。そんな自分は身ごもれば、間違いなくその子供に累が及ぶ。
もちろん、才人にも影響を及ぼすだろう。
私一人の我侭で、サイトを、その子を不幸にはできない。
だから、タバサは全ての条件が揃うまで…。
全てのしがらみを捨て自由になるか、全てを手に入れ王になるか…。
それまで、才人の子を孕むつもりはなかった。
目の前で失敗したオムレツを旨そうにほおばる才人を見つめ、タバサは思った。
…いつか絶対、アナタの子供を孕ませてね。
それまで、完璧なお嫁さんになれるように、勉強をしなくては。
ガリアの王女が決意を新たにしていると、扉が突然開いて、仇敵が姿を現す。
「みつけたわよぉぉぉぉぉぉぉヴァカ犬ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
マントを羽織り、大きな杖を手にして、完全な臨戦態勢でタバサは。
未来の夫を守るべく、立ち上がる。
「私の夫を犬呼ばわりしないで」
「誰が夫だこのロリメガネえええええええええええええ!」
そして今日も。
トリステイン魔法学院に、虚無の花が咲く。〜fin
スラングでunder dogは「負け犬」という意味
ああ
やっぱりこういう微笑ましい話はいいなあ!
週末ずっと出かけて帰ってみたらSSラッシュとは!幸せすぐる
せんたいさん、バレット氏、痴女109号氏、GJであります。
>>423 愛くるしい描写に定評のあるせんたい氏。
わんこ可愛すぎと思っていたら、てふぁのおねだりにやられた件。
あー犬めっさ飼いたい。我が家はペット禁止だけど、いつかきっと!そして名前はてふぁ!(ぇ
>>437 どうしてこうも幸せそうかなぁこの人たち。にやにやが止まりませんよ。
やってるコトはあれなのに、つい微笑ましく眺めてしまうのは、氏の文章力のなせる技なのでしょう。
(それにしてもブロブってどんな映画なんだろう?気になる)
>>440 アニエスとの戦闘シーンが良いです。
そしてワの人の登場がっ、がっ、嬉しすぎる!今後も血沸き肉踊る戦闘シーンを切望。
そして軌道修正ですか。…大変そうですが頑張ってください。
>>460 ふふふ、女の子の夢は今も昔もお嫁さん♪ですよねー!
じゃあ男の子の夢はなんだろか?
せんたいさんのSS読んでると「はーれむ」と素直に言えなくなってきた自分。
あれは才人にしか無理だわ…
>>460 GJ!
せんたいさんのタバサは脳内お花畑になってしまったのですね
ハーレムは男の夢。
そう思っていた時期が俺にもありました…
orz
466 :
1/21:2008/09/29(月) 02:04:08 ID:M9vXSM+M
(しまったぁぁぁぁぁっ)
頭からシャワーを浴びながら、モンモランシーは冷静になり始めた頭を抱えた。
建材を利用してのゴーレムの創造等という大技の為に、ギーシュとモンモランシーは即座に聖堂騎士たちに囲まれたが、
同時に駆けつけたサイトや水精霊騎士隊、そして聖女と呼ばれるルイズとティファニアのお陰も有って、カルロの行動はあっさりと明るみに出た。
……それは良いのだ。
別に。
ただ……
攫われて監禁されていたモンモランシーに、ルイズ達は声を掛けた。
『今日はわたし達と休む?』
二人にしたら当然の提案だったのだろう。
今から宿を探す時間もないし、なにより安全を確保できる。
が、モンモランシーは無言のまま首を振り断った。
(うあぁぁぁぁぁっ)
思い出したくないのに、自動的に脳内で自分の声が再生される。
『ギーシュから離れるのやだぁっ!』
(し……死にたい……)
あの場には、水精霊騎士の主だった面々が揃っていたし、聖女二人どころか……
(陛下までいらっしゃった様な……)
そんな人たちに囲まれたまま、モンモランシーは必死にギーシュにしがみつき、離されるように掴まっていたのだ。
引き離されるのが怖くて、かたかたと震えながらギーシュの腕の中に居ると、
ギーシュがふわりと自分のマントをモンモランシーに羽織らせて、何も言わずに自分の部屋に連れ込んだのだ。
(あ、あ、あ、明日っからどんな顔してみんなの前に出ればっ……)
今にして思うと、なんだか皆、妙に祝福する表情で二人を見ていた気がするが、あの時は、そんな皆の表情もなんだか嬉しくて、掴まったままのギーシュにもっとぴったりと身体を押し付けてしまった……
……後ろから見ていた皆には、二人がどう見えただろう?
そう考えるだけで顔から火が出そうになり、温めにしたシャワーが気持ち良い。
正気に返ったのは、ついほんのさっき。
そして、今モンモランシーが最も悩んでいることは、
『シャワー浴びたい』
ギーシュの部屋に着いた時に、最初に切り出した言葉。
あの男に触られたところを一刻も早く洗いたかったのだが……
――二人きりで部屋に着いて、シャワーを浴び始める女に、ギーシュはどんな期待をするだろうか?
(っっっきゃぁぁぁぁぁぁっ!)
モンモランシーの悩みは尽きない。
467 :
2/21:2008/09/29(月) 02:05:04 ID:M9vXSM+M
触られたところを中心に、モンモランシーは念入りに身体を洗う……が、
この状況で『念入りに身体を洗う』事が、何かを『期待』してる様で、またも彼女をフリーズさせる。
(違うのよ、ちがうのよ、チガウノヨ、チガウノヨ、……)
湯に浸かっている訳でもないのに、真っ赤に茹で上がりながら身体を磨くモンモランシーは、ふと気づいた事実に慌てて浴室から出る支度を始めた。
この状況でギーシュが中の様子を覗くとは思わないから、ギーシュにとってモンモランシーがお風呂で何をしているのかは時間で判断するしかない。
つまり、あまり時間を掛けると、『念入りに身体を磨いている』事がばれてしまうのだ。
(で、出なきゃ、早く出なきゃ……)
一通り良く室内を片付けたモンモランシーは、そのまま外に……
出る寸前で、もう一度シャワーの前に引き返す。
(……も、もう一回だけ身体洗お……)
――彼女が部屋に戻ったのは、3回ほど身体を洗った後になった。
「お、お先に……」
「う……うん」
ギーシュの部屋に女物の服の用意等有る筈も無く……もっともそんな物が有ったら、モンモランシーはそのままルイズの部屋に泊まることに成ったかも知れないが。
ギーシュに用意できたのは、洗濯した所の自分の下着と制服のシャツ……それに念の為パンツも置いてあった。
モンモランシーは延々悩んだ末に、ワイシャツだけ着て部屋に戻った。
男の子のパンツを穿いている所をギーシュに見られるのは避けたかったし、ワイシャツの丈なら、十分に隠れる……と、歩き始めるまではそう見えたのだ。
「モモモモモ、モンモランシー、そのっ、刺激的な格好だね」
シャツの裾が翻るたびに、ギーシュの視線が不自然に踊っていた。
「そ、そう? だって、着る物他に無かったし」
気まずい空気が数秒流れた後、ギクシャクとギーシュは立ち上がり、
「僕も、シャワーを浴びさせてもらうよ、少々汗をかいてしまってね」
棒読みの台詞の様な言葉に続き、ギーシュが不自然な挙動で浴室に向かう。
……ギーシュの背中を見送りながら、寂しくなったモンモランシーは、ぽつりと呟いた。
「早く、帰ってきてね?」
ドアの向こうでギーシュがこけた。
468 :
3/21:2008/09/29(月) 02:06:01 ID:M9vXSM+M
けたたましい音を立てている脱衣所の方を見るとはなしに見ながら、モンモランシーはベットに倒れこんだ。
疲れていた体と心は、それだけで安らぎを感じ強制的にモンモランシーを眠らせようとしたが、
彼が帰ってきたときに、部屋で一人寝こけている女には成りたくないモンモランシーは、必死でそれに抵抗しながら、
(……ギーシュの……匂い……だ……)
枕に顔を埋めたまま深呼吸した。
そして、自分が何をしたのかを自覚して飛び起きた。
(ル、ルイズがうつったぁぁぁ、へ、変態になっちゃった!?)
ばたばたとベットから飛び降りながら、危険この上ない場所を見つめた。
ギーシュの匂いに包まれているだけで、頭の奥がぼーっとして……
(だ、だめよ……あそこは危険すぎるっ)
眠っているのなら、まだ良かった。
もし……もしも、だ。
(ギーシュが帰ってきたときに、『準備OK!』とかって、わたしどんな女の子なのよっ)
年中女の子を追っかけてるギーシュでも引く。
絶対、引く。
(って、この部屋、どこもかしこもギーシュの部屋だぁぁぁぁっ)
見覚えのある服がかかっていたり、自分のプレゼントがそこかしこで使われていた。
何より嬉しかったのは、サイドテーブルに載った自分の肖像。
(ひ、卑怯だぁ……)
冬眠前の熊のように部屋をうろついていたモンモランシーは、ぺたりと床の上に座り込む。
ここは危険だ。
ここに居るだけで、自分はギーシュに一切の抵抗が出来なくなる。
(うー、どうしてくれよう……あれ?)
ふかふかの絨毯の上でごろごろと転がっていたモンモランシーの視界の端に、何かが映った。
(? 靴下?)
ベットの下に丸められたソレが、ちゃんと自分が知っている男の子の名残のようで側まで寄って拾い上げてみた。
(……な……に? これ……)
ソレは、体力の限界も、日頃のペースも、一切無視して動き回った結果。
足の裏の皮がめくれても、血が溢れても走り回った結果。
――じったりと血を吸って重くなった靴下を見つめたまま、モンモランシーは泣きそうに成っていた。
469 :
4/21:2008/09/29(月) 02:07:01 ID:M9vXSM+M
(し、しみるぅぅぅぅ、死ぬ、死んでしまうぅぅ)
シャワーを浴びながら、ギーシュは一人悶えていた。
魔法で治すのは自信が無かったし、なによりモンモランシーの耳に詠唱が届くのを恐れたギーシュによる、男の子の必殺奥義『やせ我慢』
部屋に入った直後の呆然としていたモンモランシーに気づかれなかったのを幸いと、ギーシュは血が固まって脱ぐだけで再出血する靴下を剥がし、
新しい靴下に履き替えた上で、脱衣所に向かっていた。
(せ、石鹸を使ったら、死んでしまうかもしれない……)
お湯に当たっただけでこの激痛である。
石鹸水だとどうなるだろうか?
だが……
(き、貴族として、紳士として……身体も洗わず、モンモランシーの所に帰れないっ!)
斜め上を見上げながら、男泣きに泣いたギーシュは、覚悟を決めてタオルの上に石鹸を乗せた。
「ギーシュ?」
「ひゃ、ひゃいっ!?」
不意を付かれたギーシュは、妙な声で返事をしてから、すり硝子の向こうに見えるモンモランシーに返事をした。
「ど、どうかしたのかい? モンモランシー?」
硝子の向こうに見える、モザイクの様な肌色にギーシュは先の彼女の姿を思い出して、真っ赤に成って俯いた。
(同じ石鹸のはずだよなぁ)
自分がいつも使っている石鹸の匂いとは絶対違った。
なんだかすごく良い匂いで、足の痛みが無かったらその場で襲い掛かっていたかもしれなかった。
「……わたしの杖……知らない?」
硝子の向こうの肌色が、ゆらゆらと誘うように揺れる。
「あ、あぁ、君がシャワーを浴びている間に届いたよ、机の上に置いてある」
あんな怖い目にあった後だから、手元に武器が無いと不安なんだろうなぁ……
そう考えたギーシュは切なくなった。
(け、警戒されてる……)
良い雰囲気だと思ったけど、今日もまた、手は出せないようです。
始祖のこんじょーわる
ギーシュはしくしく泣きながら、身体を洗う覚悟を決めていたが、
そんなギーシュの背後で、すり硝子に映る肌色の範囲が大きく広がっていた。
470 :
5/21:2008/09/29(月) 02:08:02 ID:M9vXSM+M
「ギーシュ」
「ん? なんだい? モンモランシー」
泡立てたタオルを見ながら、ギーシュは返事をする。
悲鳴を上げてしまう可能性を考えて、彼女が立ち去ってから身体を洗い始めよう。
そう考えていたギーシュの目論見は、次の瞬間崩壊した。
「入るわよ?」
「……ふぇ? って、きゃぁぁぁぁぁ」
ギーシュは悲鳴を上げながら、浴室の一番奥……といってもそんなに距離を取れるわけではなかったけれど。
まで、逃げた。
身体を洗うつもりだったタオルは、パンツの代わりにクラスチェンジした。
「なななななぁっ」
仰向けのまま四つんばいという、いささか器用な体勢で壁際まで逃げたギーシュの足の裏は入り口のほうを向いていて、
バスタオル一枚で浴室に踏み込んだモンモランシーには、真っ赤な傷口がしっかり見えていた。
「ばか」
つかつかとギーシュに近寄ったモンモランシーは、そっとその場に座り込んだ。
胸のやや上めで固定されたバスタオルは、しっかりと胸を覆っていたがその代償に太ももは、ちょっぴりサービス大目だった。
「ちょっ、ご、ごめん、モンモランシー……その、しんぱ、うひゃぁっ」
モンモランシーはギーシュの足を手に取ると、傷口を見つめる。
足を取られたギーシュは、浴室の床から天井を見つめることになった。
……つまり、視点がとても低くなり……モンモランシーのタオルが非常に気になった。
そうなると、彼の分身は巨大化し始めるが……この体勢では、モンモランシーに丸見えだ。
(み、みちゃらめぇっ)
アワアワのタオルをしっかりと股間に押し付けながら、ギーシュは必死で関係のないことを考えようと……
「……なんで……こんなに成るまで……」
小さな小さな声が響いたその後に、ギーシュの視界は真っ白になった。
「んっ……」
モンモランシーの舌が、ギーシュの足の裏に触れていた。
前もって何らかの魔法を使っていたらしく、痛みはまったく無かったが。
「ちょっ、まって……モンモランシー、だめだ、そ、そこはちょっと……」
「……知ってる魔法の中で、これが一番痛くないの……」
口論する気は無いとばかりに、続きを始めるモンモランシーの恐る恐る当たる舌は、ギーシュに意味のあることは一切しゃべらせないほどの快感を与え始めた。
471 :
6/21:2008/09/29(月) 02:08:57 ID:M9vXSM+M
傷の治る気持ち良さや、痛みの引く安堵だけなら、ギーシュはまだ抵抗出来たろうが。
力ずくで逃げ出そうにも、足の先にあるのはモンモランシーの顔で、無理に抵抗すれば彼女の顔を蹴ってしまうかも知れなかった。
背中には壁。
逃げ道も無いギーシュは、されるが侭に成るのみだった。
与えられる刺激はあくまでもソフトだが、行動の自由が無い状況下ではもどかしさが感覚を増幅させる。
爪先から踵に向かい、また爪先に戻る舌先は、触れるか触れないかの距離でギーシュに魔力を送り込み続ける。
僅かな範囲しか触れていないため、何度も何度も往復することで、徐々にその治癒範囲を増やしていくが、
ギーシュにとっては身動き出来ないままに弄られているに等しかった。
「まって……モンモラ……ンシ……ちょっ……ふあっ……」
小さく開かれた唇の中に、ギーシュの親指が隠されて温かい口の中で何度も舌が踊る。
血の味が感じられなくなるまで繰り返したモンモランシーは、ギーシュが一息つくよりも先に人差し指に。
「っ! って、モンモ……休ませ……っ……」
舌を這わせるより、確実に治癒が確認できる事に気付いたモンモランシーが、愛しそうに口付け、丹念にギーシュを狂わせる。
柔らかい唇。
震える舌先。
何も考えられなくなったギーシュは、両手で床を支え喉が枯れるまで叫んだ。
隠すものの無くなったギーシュの股間は、モンモランシーにその興奮を伝え彼女の口撃は、治癒した後もギーシュの気持ち良い所を責め続けた。
肝心なところには指一本触れていないため、ギーシュは達することも無いままに小一時間ほど弄られ続けた。
流石に顎が疲れてしまったモンモランシーが、足を離しても全身の力を振り絞り続けたギーシュはすぐには動けず、
興味深そうに大きくなったギーシュ自身を見つめるモンモランシーをとめる事も出来なかった。
「……モ……ラ…………シー……恥ず……かしぃ……」
ビクビクと脈打つギーシュの分身は、モンモランシーの指先を求めギーシュの意思に反してその手の中に向かって腰を使わせた。
加減の分からないモンモランシーによって、やわやわと包まれるとギーシュの倦怠感は一瞬で晴れた、
ほんの少し強めに触れるだけ、それとも軽く擦るだけ。
それだけで、ギーシュは限界を超えそうだったが。
燻り続けていた彼女に触れたい欲求によって、攻守交替を求めモンモランシーの手首をつかんだ。
「っ……たぃ…………」
472 :
7/21:2008/09/29(月) 02:09:55 ID:M9vXSM+M
(モンモランシ……こんどは僕がっ)
そう伝えるつもりだったギーシュの手の中で、カルロに縛られていたモンモランシーの手首の傷が滑った。
「ご、ごめん」
「……いいわよ……別に、痛くないし」
さっきの悲鳴は、無かった事にするつもりらしい。
正直ギーシュはそのほうが有り難かった。
ギーシュの限界はもうすぐそこで、力ずくで押し倒してでも本懐を遂げたかったが……
「見せて……」
「ん……」
ギーシュの中の『男の子』は、女の子の怪我を放って置く事が出来なかった。
「痕が残るといけない」
そう言って、自分の杖を向けたギーシュの耳に、(残ったら、もう貰ってくれない?)そんな声が小さく届いて、頬を染めながらモンモランシーがさっきまで使っていた魔法を唱える。
「ちょっ、ギーシュ?」
自信は無かったが、思ったより簡単に魔法が成功したギーシュはお返しとばかりに傷跡に沿って舌を這わせた。
「ひぁっ……まって、ギーシュ。これっ、なんか変っ」
「……モンモランシーがしてくれた事だよ」
身体を捩って逃げ出そうとするモンモランシーを、ギーシュは腕力だけで留めると、
自分がそうされたように、治った所でもなんども舐め上げ、舌を這わせる合間にじっと彼女の目を見つめた。
「……こんなに早く治るのに、モンモランシーはあんなに時間を掛けてくれたんだ?」
「ち、ちがっ……なんで? ギーシュ? 貴方こんなに水魔法得意だった?」
両の手首はすっかり完治していたが、ギーシュの舌は手首から肩に向かってにじり進む。
「ひぅ……まって、ギーシュ、そこ怪我してないっ」
「…………」
その場に倒れこんでしまったモンモランシーを逃がさないように注意しながら、ギーシュは純白の肌を味わい続ける。
ついさっきまで、自分がどんな恥ずかしいことをしていたのか思い知らされる形となったモンモランシーは、羞恥に染まりながらもギーシュから距離をとろうとしたが、ギーシュの膝にタオルが踏まれていたため、
絡み合う二人の間で、モンモランシーを守っていた最後の一枚が解けてしまった。
473 :
8/21:2008/09/29(月) 02:10:52 ID:M9vXSM+M
ギーシュの動きが止まった。
「な、に?」
タオルが解けた瞬間、さっきまで有った甘い雰囲気は払拭され、ギーシュの顔に浮かぶ真面目な表情にモンモランシーは怯えた。
無言で身体に乗っていたタオルをむしり取るギーシュに、モンモランシーは抵抗も出来なかった。
(あっ……)
モンモランシーは思い出した。
自分がどうしてタオルを高い位置で留めていたのかを。
――モンモランシーの胸には、カルロが力任せに掴んだ事による痣が浮かんでいた。
爪あとのようなソレは、乳首に向かうように乳房ごとに5本引かれた醜い痕。
(……き、嫌われ……る?)
モンモランシーは恐怖に震える。
天国から地獄に突き落とされたかのように、甘い恋人同士の時が一瞬で終わってしまった。
そう感じていた。
目の前のその痕は、ギーシュ以外の男が触れた証明に他ならず、最後の一線は無事だったとはいえ、ギーシュが……
(し、信じてくれなかった……ら?)
杖を取り戻した時、ギーシュの怪我のことしか考えられなかった自分の愚かさにモンモランシーは泣きたくなった。
――ギーシュは怒っていた。
モンモランシーの考えているような事はまったく無かったが、
彼女がひどい目にあった証は、自分を心配してここまで来てくれたことによってついた痕。
もし、自分の助けがもうほんの少し遅れたらどうなっていたのかを、ギーシュにまざまざと感じさせた。
それは、彼を冷静にさせるには十分すぎる衝撃で。
自分に対する目の眩む様な怒りが、ギーシュの行動を停止させていた。
狂おしいまでに見ることを望んだ胸に刻まれた痣を睨みながら、ギーシュは深呼吸を繰り返す。
それがモンモランシーにどれだけ恐怖を与えているのか知らないままに。
次いで感じたのは絡みつくような感情。
ギーシュが他の娘に声を掛けることで、モンモランシーが嫉妬することは有った。
だが、モンモランシーは本気で怒ってダンスの相手を別に申し込んだにしても、別の相手と付き合い始めるようなことは一度もなかった。
――ギーシュはカルロに嫉妬していた。
大切な大切な相手に自分より先に触れた相手を、今から殺しに行きたいほどに嫉妬していた。
そして、渦巻く殺気はさらにモンモランシーを怯えさせた。
474 :
9/21:2008/09/29(月) 02:11:48 ID:M9vXSM+M
「あ……あの……ギーシュ? あの……あのねっ」
ギーシュは無言のまま、モンモランシーを引き起こすと裸のまま彼女を抱き上げた。
「きゃっ、ギーシュ? ちょっ……まって……ねぇっ、聞いて……きいてよぅ……」
徐々に小さくなっていくモンモランシーの声を聞きながら、ギーシュは自分ではどうにも出来ない苛立ちを感じていた。
モンモランシーを怯えさせているのは分かるのに、自分の中にある独占欲が彼を駆り立てる。
そして、黒々とした独占欲を自覚すればするほどに、ギーシュは自分に対して怒り、モンモランシーを怖がらせる自分に対し、また怒った。
「ちが……の……なにもされてないからっ……、だからっ……」
『嫌いに成らないで』腕の中で泣くモンモランシーを無言のままベットに横たえる。
恐怖と混乱で怯える彼女を安心させたかったが、今口を開くと自分が何をしゃべるのか見当もつかないギーシュは、黙っているしか選択肢がなかった。
二人きりでベットの上に全裸でされるがままに成る、大好きな彼女。
その存在はギーシュに強烈な優越感と占有感をもたらすが……
だからこそ、他の『雄』の痕跡にギーシュの心は狂おしく燃えた。
せめて怒りの理由を隠そうと胸の前で重ねられたモンモランシーの震える腕を、ギーシュは無言のまま力に任せて引き剥がした。
片手一本でのその両手を固定し、ぎらぎらと光る瞳で無言で胸を見詰めた。
ギーシュがいつもモンモランシーに向けていたのは、穏やかな優しい瞳。
モンモランシーが怒っているときも、笑みを崩さないその目が見た事も無い色のまま無言で注がれるモンモランシーの心が少しづつ磨耗を続ける。
攫われ、拘束され、犯される寸前まで追い詰められた彼女の心は、その危機を救ってくれたギーシュに無意識のうちに幼子の様な信頼を寄せていて、
ギーシュの非を考えることを止めていた。
そして、ギーシュと二人きりなのに彼が怒っている以上、悪いのはきっと自分だと愚かな自傷を始める。
彼女に罪はないというのに、攫われてしまった自分が悪いと。
逃げられなかった自分が悪いと。
傷つけられた自分の所為だと。
ぐるぐると、頭の中がそんな考えで一杯になった。
カルロに取り押さえられていた時に遥かに勝る恐怖が、彼女の行動を縛り、掠れて聞こえない声が喉から流れていた。
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……)
好きな人に嫌われたかもしれない恐怖が、彼女に心を壊す寸前、
ギーシュはのそりと動き出した。
475 :
10/21:2008/09/29(月) 02:12:42 ID:M9vXSM+M
モンモランシーの腕にかかっていた圧力が消え、ギーシュがその手を開放したのが分かったが、彼女はぴくとも動かなかった。
もし、彼がこのままこの部屋を出て行ったら?
ギーシュが次に帰ってきたときに最初に見るものは、物言わぬ彼女の体だったろう。
そんなところまで追い込まれているモンモランシーの上で、獣が獲物の柔らかい腹部を狙うかのような動きでギーシュの口がモンモランシーに迫る。
喰いちぎられる。
モンモランシーがそんな覚悟を決めてしまうほど、ギーシュの表情は鬼気迫っていた。
反射的に目を瞑り、身体を竦めたモンモランシーの胸に、何か熱いものが押し付けられ胸の曲線に従って先端のほうに向かって走った。
(……っ……ギーシュ?)
驚いて目を開くモンモランシーの目に映るのは、無心に胸を舐め上げるギーシュだった。
「あ……の……?」
「…………………………」
突き出された舌が痣に重ねられ、正確になぞり、もう一度同じ動きが繰り返される。
いつの間にか背中に手が添えられていて、その暖かさにモンモランシーの心がほぐされてゆき、
「ギーシュ?」
その言葉に、ほんの一瞬動きが止まる。
彼女の震えが止まっている事に、ようやく気付いたギーシュはやや乱暴に彼女を引き起こすと、濡れたままだった彼女の体が冷えないように自分ごと布団で覆った。
騎士隊長格の客が泊まる部屋の布団は、魔法でも掛かっているらしく、羽根のように軽く二人を包み込む。
じわりと伝わり始める体温に、モンモランシーの身体が崩れそうになる前に、
ギーシュは彼女の背中にクッションと枕を置くと、もう一度舌を動かし始めた。
「ちょっ……あのっ……ギーシュ?」
ギーシュの行動の理由を尋ね様としたモンモランシーは、下ろした視線の先で自分の痣がかすかに薄くなっているのに気付いた。
「……殺してやればよかった……あの……男っ!」
自分を怒っているわけではなかった事に、気付いたモンモランシーはようやく心に余裕が出来き、
まっすぐにギーシュの顔に目を向けられた。
ギーシュが自分に向けていた怒りはすっかり息を潜め、胸に刻まれた痣を通してその向こうに何かを見ていた。
そして、それは何時もならモンモランシーがギーシュに向ける感情だった。
――妬いてくれたの?
喉まで出掛かった言葉を、モンモランシーは飲み込んだ。
――ギーシュが浮気する理由……分かったかも……
(始めて感じた嫉妬してもらえる優越感に、胸を熱くしていた)
476 :
11/21:2008/09/29(月) 02:13:35 ID:M9vXSM+M
子犬でも抱くみたいに、胸の中にあるギーシュの頭に優しく触れると、たとえようのない幸福が満ちる。
夢中で痣を治癒するギーシュを見ながら、穏やかな気持ちでギーシュの髪を指で梳いた。
「こ、これからはっ、ぼ、僕以外に……見せたり、触らせたりしたら……相手と決闘するからっ」
「…………皆で覗きとかしなかったっけ?」
「……あとで皆殴っとく」
ギーシュはようやくサイトの心境を理解していた。
穏やかな時間がゆっくりと流れたが、5分もするとモンモランシーに次の苦難が訪れた。
(……っ…………ぁ……)
喋る事が出来たのはほんの暫くの間だけで、それからは声が漏れるのを必死に絶え続けることになった。
胸に刻まれた指の痕は、乳首までは届かず外れていたが、その為にギーシュの舌は肝心なところを避けたまま延々と往復を続けた。
胸の周りから始まり、一番敏感なところに向かった真っ直ぐに進む刺激は、肝心なところには近寄りもせずに、また離れた。
(やぁっ…………ギ、ギーシュ……はっ、真面目に治してくれてるのにっ……)
ギーシュの舌が先端に近づいたとき、身体が無意識に捻られそうに成るのを必死に押しとどめる。
舐め上げてくるギーシュの口に、つんと尖り始めた敏感な所を飛び込ませようと胸を押し付けてしまいそうになった。
抱いているギーシュの口を、無理矢理胸に向けそうになった。
寸前で離れていくギーシュの舌に、全身が付いていきそうになった。
(あっ……あぅっ……やあっ…………やだっ……)
いっそ、さっきまでみたいに押さえつけてくれれば良いのに。
全身を強張らせ、与えられる刺激に耐えようとすれば耐えようとするほど、身体は勝手に暴れだしそうになる。
耐えようと刺激に集中することが、更に感覚を鋭敏にしていることに、混乱し始めたモンモランシーは気付けない。
刺激を繰り返された胸の奥がじんわりと熱を帯び、そのまま蕩ける様に身体を滑り堕ちて行く。
トロリと熱い蜜のような塊がお腹の奥で自己主張を始めるころ、
クチと小さな音がモンモランシーの耳に届いた。
ギーシュの舌が胸に当たる音ではなく、もっとずっと下のほうから聞こえてきた音の正体に思い当たった瞬間、
モンモランシーの頭は羞恥で沸騰した。
そして、羞恥は与えられていた快感を数倍に跳ね上げる。
いつの間にかギーシュの頭を支えていた手は、自分の身体を支えるためにシーツに置かれていたが、その手に力が込められギュッとシーツが握りこまれた。
(ダ、ダメッ……こえっ……声……がっ……)
477 :
12/21:2008/09/29(月) 02:14:28 ID:M9vXSM+M
いつの間にか降り始めた甘い嬌声に、ギーシュは自分の行動がどれだけ際どいのか、その時になって理解した。
夢中だったのだ、それまでは。
自分の色欲などより、痣を消すほうが遥かに重要だと感じられていたのだ。
そして、まだ痣が有るうちはそれに集中できた。
殺しているつもりらしい声が、どれほど甘くなろうとも。
自分の拙い舌先で、操られるようにピクンピクンと跳ねる身体も。
離れようとする時に、堪え切れずに加えられた力によって頬に熱く尖った先端がかすろうと。
その時に漏れ出る吐息が、聞いた事が無いほど扇情的でも。
まだ集中することは出来た。
が、実はもうとっくに彼女の胸は純白を取り戻していた。
抜けるような肌も、薄い桜色の突起も、ギーシュが求める理想そのものでそこに有った。
それは、毎夜毎夜狂おしく求めたもので……
その文字通り夢にまで見た光景に、ギーシュは舌を止める事が出来なかった。
そして、とめる機会を逸すると、今更に
『終わった』
その一言は伝えられなくなった。
頭の奥の甘い痺れに押されるように、ギーシュは舌を動かし続けていた。
いつの間にか回りに満ち始めたモンモランシーの牝の香りは、ギーシュの思考能力を容易く全て麻痺させた。
「ひっ……あっ……ぅ……」
ビクンと、目の前で白魚が跳ねた。
支えあうように寄り添っていたはずなのに、気付くとギーシュは覆いかぶさるように胸を貪っていた。
その二人の体重を支えていたモンモランシーの腕が、崩れるように力を失ったのだった。
支えを失ったギーシュは、飛び込むようにモンモランシーの胸に顔を押し付ける。
埋まるほどの大きさではない。
周りを見回せば、幾らでも大きい胸はある。
が、浅い谷間の底でギーシュはこの上ない幸せに包まれた。
478 :
13/21:2008/09/29(月) 02:15:20 ID:M9vXSM+M
押し付けられる間際に、ギーシュの頬を熱い塊が通っていった。
「ひぁっ……」
僅かに与えられた、望んでいた刺激にモンモランシーの思考は閉じかけたが、自分の脱力の結果胸に押し付けられたギーシュの頭に、思わず謝っていた。
「ご、ごめんな……さひっ……」
クッションと背中の間でギーシュの指が蠢く度に、体温が上がっていく。
快感で繊細な行動を放棄し始めた言語中枢は、彼女の理性の残り少なさを物語っていた。
――このままだと、おかしくなっちゃう。
その思いが、彼女に問いを紡がせる。
「治っ……た?」
ギーシュと一つになりたい。
女の子からそんなことを言い出せるはずも無く、治療さえ終わればギーシュが続きをしてくれる。
そんな期待を含んだ問いに、ギーシュの一言は短く無常に告げられる。
「……まだ」
――もう終わり。
そう告げることが、この行為の終わりを意味する。
そんな錯覚にとらわれているギーシュにとって、『治った』等とは口が裂けても言えなかった。
甘い香りの立ち込める中で息を整えようとするギーシュだったが、呼吸すればするほどに甘い香りが彼の魂を縛った。
肺からだけではなく、まるで素肌からも透って来ていると錯覚しそうなほどに甘い香りはギーシュは魅了されていた。
堪えきれない衝動に押されるようにもう一度モンモランシーの胸に舌を這わせるギーシュ首元を、何か暖かいものが包み込んだ。
ほんの少しでも接触面積を増やそうと、無意識のうちに首元に回されたモンモランシーの腕は、
燃えるように熱く、しっとりと汗に濡れた肌は艶に満ちていた。
何時の間にかカラカラに乾き始めた喉を、胸元の汗で潤そうとしているかのように、
ギーシュはもう一度動き始めた。
何時まで続ける。
そんな展望は微塵も無いギーシュは、何時まででもこの行為を続けるつもりだった。
痛いほど膨れ上がった自分は、次に進みたがっていたが、未知への好奇心よりも今そこにある快感に抗えなかった。
479 :
14/21:2008/09/29(月) 02:16:16 ID:M9vXSM+M
繰り返し繰り返し、貪っているギーシュに、お気に入りの角度が出来始める。
下乳の陰りからゆっくり上がるように舌を這わせる。
右も左もモンモランシーの熱を感じながら、視界に侵入する乳首を観察する。
筋肉が有る訳ではないのに、ピクピクと震え続ける先端突起に軽く息が掛かったときのモンモランシーの狼狽も好きだ。
彼女は気付いていない。
もうかなり前から声が溢れていることを。
「ひあっ、いやぁっ……、……っあああああ」
首に回されていた腕に、ぎゅっと力が入る。
ふるふると何かを否定するかのように、首が必死で振られていてその振動がどこに触っても気持ちよくなり始めたお互いを狂わせる。
(はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……)
荒い息をつきながら、ギーシュがまた胸の下に潜り込もうとすると足元に何か違和感があった。
ギーシュの太腿になにか軽いものが乗った。
モンモランシーの足首だ。
そう悟った頃には、こすり合わせるように白い脚が絡み付いてきていた。
(うぁっ……)
柔らかな太腿が、ギーシュのお腹に当たりお尻のほうに向かって脚がぴったりと絡みついた。
思わずモンモランシーを見上げるが、無意識の行動らしく朦朧とした目でうっとりギーシュを見つめるだけだった。
快感への予感に震えながら、ギーシュが姿勢を低くするとギーシュの身体に、何か熱く湿ったものが当たった。
――部屋にモンモランシーの悲鳴が響く。
やっと触ってくれた!
望んでいた箇所への刺激に、モンモランシーは必死でギーシュにしがみ付いた。
だんだん開いていったとはいえ、片足が絡むまではギーシュは跨る様にモンモランシーに触れていた。
だが、片足が背中に回った今、ギーシュは彼女の足の間に入り、
結果として限界まで熱くなった箇所に無造作に触れてしまった。
首元で彷徨っていた腕は、ギーシュの頭を胸に押し付け、
弾かれた様に絡みついた両脚は、その中心でギーシュに火を点ける。
本能に導かれるままに、ギーシュはじっとモンモランシーを見つめる。
自分からギーシュに抱きつき、大切な所を押し付けている事に気付いたモンモランシーは、
もうこれ以上は無いだろうと思われていた体温を更に上げ、染まった頬をギーシュの視界から逃がそうとした。
しかし……その身体はギーシュから離れようとせず、更にそれが羞恥をあおり……
全ての仕草が、ギーシュに点いた火に油を注ぎ……
――そしてギーシュは獣になった。
480 :
15/21:2008/09/29(月) 02:17:11 ID:M9vXSM+M
モンモランシーの手に逆らわないようにするだけで、ギーシュの唇は一番感じるところへと運ばれる。
微かにかかる吐息で、腕の中のモンモランシーが悶え始めるのにギーシュの体温が上がった。
唇を軽くあて乳児の様に吸いたてると、悲鳴の様な声と共にギーシュの頭を抱きしめてきた。
ギーシュは舌先に感じられる乳首を、口の中の捉えたまま弄り、小さく吸い、舌先で押しつぶし、悲鳴を上げるまで吸い上げた。。
加減が分からないギーシュの愛撫は、軽い痛みを伴ったがそれすらも、モンモランシーは快感と捉え始めていた。
ギーシュを捕らえていたモンモランシーの手足が、ギーシュの動きを邪魔しないように僅かに緩む。
ギーシュが身体を離せるほどではないが、ギーシュの行動を妨げるほどではない。
そんな絶妙の距離を、モンモランシーの本能が探り当てた。
密着したままだと背中に回されるだけだったギーシュの指が、空いている乳首に向かうのを二人は黙って見つめていた。
触れられると、自分がどんな反応をしてしまうか分からないモンモランシーも、
見ることすら禁忌だった箇所を、吸いながら触れることを許されたギーシュも、
黙ってそれを見つめていた。
人差し指が触れるか触れないかの位置に来たとき、胸に密着していたギーシュは早鐘のような心音に気付いた。
自分のそれも、決して負けないスピードで打っている。
頬には柔らかいおっぱい。
唇に乳首。
そして舌より遥かに思うままに動く指が、つ、と乳首に触れる。
背中に回された腕が、期待と興奮でもじもじと動くのがかわいらしかったが、
ギーシュは興味を優先させ、それ自身の硬度で乳首を乳房に向けて押し込んだ。
硬さと柔らかさを同時に味わおう。
その程度のつもりだったが、限界まで感度が上昇した乳首を自身の柔らかい胸で受け止めることを強制されたモンモランシーはそれ所ではなかった。
先端を弄られる鋭い感覚と、胸に対する柔らかなタッチ。
そんなふたつの始めてを同時に受けたモンモランシーのもぞもぞと暴れ始める身体を、ギーシュはしっかり味わった。
不規則に彼女に訪れる痙攣の、小さな波をいくつか越し、最後に来た大きな波の後ぐったりと動かなくなったモンモランシーを見ると、
ギーシュはそっと自分の身体を起こした。
薄明るいランプの光で、うっとりと脱力した恋人を心行くまで観察する。
が、観察の時間はそう長く取れなかった。
(い、いよいよ……)
一刻も早く繋がりたいと、ギーシュの下半身が暴れ始めていた。
481 :
16/21:2008/09/29(月) 02:18:04 ID:M9vXSM+M
脱力仕切ったモンモランシーの脚を開き、
初めて興味を持ったときから、ずっと気になっていた隙間に指を当ててみた。
長時間繰り返された愛撫で十分に準備されたそこは、ギーシュの指を待ち構えていたかのように飲み込むと、
愛液を絡め奥へ奥へと飲み込もうと、熱くなった肉が蠢いた。
もしこの指が、アレだったら?
ギーシュは接合部を見ながら、血走った目で想像した。
いつのまにか息を潜め、ゆっくりと出し入れを繰り返しながら膣の感触を確かめる。
いよいよ事に及ぶために、中の形を確かめようと押し付けるようにグルリと指を回す。
それまでぐったりと動かなかったモンモランシーが、ピクリと微かに反応を返したが、ギーシュはまったく気付かず、念入りに入り口を確認したギーシュはおもむろにモンモランシーに圧し掛かる。
敏感な亀頭が僅かに熱を感じただけで、ギーシュは腰が引けそうなほどの快感を感じた。
先端を愛液で濡らし、そのままずるりと押し込もうとする。
外れ。
入り口の襞の上を滑る様に包まれたまま、皮の下で大きくなっていたモンモランシーの突起を擦り、漏れ出た甘い声に、ギーシュはそれだけで達しそうになった。
はずれ。
下を狙いすぎたギーシュは、粘液に包まれたままの亀頭をお尻の谷間に挟まれる。すべすべの素肌は、それだけでも快感で、繰り返したくなる衝動を抑えるのにギーシュは苦労した。
ハズレ。
しっかりと自分を掴み、襞をかき分けて入り口を求めるが、自分で強く握り締めたまま繰り返し訪れる襞々の感触は、気付くのが遅ければ、ギーシュは入れずに達するところだった。
何度も繰り返し挑戦するが、失敗するたびに限界は近づき、焦りは次の失敗を容易にする。
『い、入れたい……いれ……たい……イレタ……イ……』
入り口に僅かに潜り込む感触が、事の及んだ際の期待を煽り、ギーシュは荒々しく動き始めるが、結果に結びつく様子は無かった。
――すい、とギーシュの背中に手が回され、軽い力が加えられた。
「モ、モンモランシーそ、そのっ……ごめ……」
情けない気分で謝ろうとするギーシュの唇が、キスで塞がれる。
「ギーシュの意地悪……わたしの『初めて』の思い出、独り占めするつもりだったの?」
482 :
17/21:2008/09/29(月) 02:19:05 ID:M9vXSM+M
酔った様に潤んだ瞳が、じっとギーシュに向けられて、目を逸らせないままのギーシュの身体を、モンモランシーは自分の身体に重ねた。
「モンモランシー?」
「……暖かい……」
ギーシュが落ち着くまで、モンモランシーは抱きしめた。
痛いほど膨らんだギーシュの分身は、二人の間で熱を放っている。
ほんの少しの間、ギーシュはモンモランシーが主導権を握るとこを期待したが、彼女にその様子は無かった。
初めてなのはモンモランシーも同じだったし、ギーシュも出来ればモンモランシーに抱かれるのではなく、
モンモランシーを抱きたかった。
モンモランシーを見つめたまま、ギーシュはもう一度入り口を探す。
「んっ……」
粘膜同士が擦られたときの、モンモランシーの声にギーシュは二人で事に及んでいることを理解した。
真っ赤になった頬や、ギーシュの視線から逃れようと彷徨う瞳のに比べ、ぐったりした彼女をそのまま抱こうとしていた時の、なんと味気ないことか。
襞の間をかき分けているギーシュの背中に、モンモランシーの脚が回されそっと位置を調整する。
「「あ……」」
先が僅かに潜り込む。
ギーシュがそのまま進もうとするのを止めたモンモランシーが、腰を少し浮かせた。
「あの……こ、これで……」
ギーシュは無言で頷くと、浮かせたモンモランシーの腰が辛くない様自分の手で支えた。
彼女を気遣ったその行動は、ギーシュが腰を動かすのに都合が良かった。
腰を前に進めると共に、腰に添えた手でモンモランシーを引き寄せる。
指で感じていた感触が、ギーシュを包み込む。
それは指より遥かに気持ちよく、奥に進めば進むほどに柔らかい締め付けは増していく。
初体験のモンモランシーが示す抵抗も、ギーシュにとっては心地よい感触だった。
483 :
18/21:2008/09/29(月) 02:19:59 ID:M9vXSM+M
火照った身体がギーシュの下でくねる。
ギーシュが奥には入るほどに、引き換えのように深く熱い息が吐き出される。
――初めては痛いって聞いていたのに。
モンモランシーは混乱していた。
破瓜の血がシーツを汚しているのが確かに見えるのに、お腹の底から満たされる感触は痛みより遥かに快感が強かった。
感じたことのない違和感が、徐々にお腹からゆっくりと這い上がってくる。
モンモランシーは声が出そうに成るのを必死に殺しながら、苦しそうにすら見える表情で腰を動かすギーシュを見つめた。
挿入のために身体を起こしているギーシュの身体が遠いのが切なくて、一生懸命に手を伸ばすとどうして欲しいのか悟ったギーシュが、抜けないように奥まで差し込んだ後そぅっと抱きしめる。
(っ! っくぁ……うっ…………ぁ)
腰と腰が密着したときに、何かが捏ねられる感触にモンモランシー何度目かの悲鳴をかみ殺す。
二人の間で潰されたのは、皮に包まれたまま大きくなっていたモンモランシーの突起で、ギーシュが挿入に失敗するたびに擦られたため、
そこに触れられると、とても気持ち良い事を身体はもう教えられていた。
快感にもがくモンモランシーの腕の中に、ギーシュの身体が滑り込み二人は固く抱き合った。
何度も弄られた胸がギーシュの身体を直接感じ、そのまま動き出したギーシュによって胸から絡められた足まで、満遍なく擦られる。
そして、目の前には真っ直ぐに自分を見つめるギーシュの顔。
擦られた部分ではなく、胸が奥から熱くなる。
愛しくて、嬉しくて、ギーシュのこと以外何も考えられなくなる。
――初めてなのに感じで恥ずかしい。
そんな事はどこかに吹き飛んで、無心に彼にしがみつく。
殺していた声を、想いに任せて彼に届ける。
堪えていた快感を、感じるままに受け止める。
……いきなり反応が良くなり、飲み込むようにうねり出した肉体に、
そしてなにより蕩ける表情で自分を見上げるモンモランシーの、いつもと違う艶と色に……
ギーシュはあっさりと果てた。
484 :
19/21:2008/09/29(月) 02:20:55 ID:M9vXSM+M
お腹の奥に何かを注がれる生まれて始めての感覚に、モンモランシーの動きがしばし止まる。
ギーシュが逝った。
それに気付いたモンモランシーは、ほぅと一息吐くと優しくギーシュを抱きしめた。
中に入ったままのギーシュの分身は、気持ちよさそうにピクピクと跳ね、出し入れとは違う位置を甘く撫でた。
自分の身体で好きな人が果てた。
笑いたい様な、叫びたい様な、微妙な満足感がモンモランシーを満たす。
ギーシュもわたしに、気持ち良い事沢山してくれて……それだけで満足……
「……モンモランシー……逝った?」
「? い……く……?」
自分でするときより、ずっと気持ちが良かったから、
これで終わりだと思っていたモンモランシーは、思わず不思議そうにギーシュを見返す。
昔キュルケが何か言ってたような……
女の子同士の話を思い出して、慌てて頷いたが時はすでに遅し。
「が、がんばるからっ、がんばるからね、モンモランシー!」
「ちょっ……ギーシュ、待って、わたしはじめてっ……っあ……」
硬度を保ったままだったギーシュは、歯を食いしばりごつごつと奥を突付く。
一度逝った直後で、敏感なギーシュはさっきまでほど激しく動けなかったが……
初めてのモンモランシーにとって、それは適度な甘い刺激になっていた。
「っ……ま……って……いっ……」
程なくモンモランシーの身体は仰け反り、飲み込んだままのギーシュを強く握り締める。
「……うっ」
感度の上がっていたギーシュはそれだけでまた果てる。
「……ギーシュ……気持ちよか……」
たよ。そう言う前に、いきり立ったギーシュはもう一度腰を動かしだした。
「逝ったフリなんか要らないんだぁぁぁぁ、モンモランシーィィィ! 僕で気持ちよくなってくれぇぇぇぇっ!」
「ふぇっ? ちょ……まってぇっ……」
モンモランシーは何か言い募ろうとするが、ギーシュによって強引に奪われた唇は言葉を紡ぐのを禁じられた。
(まっ……て……ギーシュっ! ちょ……つらいのっ……休ませ……てぇ)
「うおぉぉぉぉぉっ!!!!」
ギーシュはとても頑張った。
――日が昇るまで。
485 :
20/21:2008/09/29(月) 02:21:53 ID:M9vXSM+M
あまり寝ていないはずなのに、ギーシュの目覚めは良かった。
心の奥が満たされていて、溢れるような魔力が身体能力を引き上げているようだった。
そっと隣を見ると、モンモランシーがぐったりと眠り込んでいる。
(夢じゃなかったんだ)
ほっと一息ついた。
モンモランシーとの睦み合いが、一晩過ぎたら夢だった。
実は結構良く有った。
間近で見ることの彼女の寝顔が、昨夜の行為を思い出させて、寝起きだというのに局所に血液を集中させ……
生唾を飲み込んだギーシュは、かろうじて彼女の身体を隠している布団をそーっと捲ってみる。
もちろんその下は全裸で、ギーシュの劣情を……
(って、だめだぁぁぁ、眠ってる所を襲うとかしたらっ)
最悪怒られて、昨日のことはなかった事に……
それはかなり悪夢だ。
彼女が目覚めるときには側に居たいが、昨日の誘拐劇は彼女を相当疲労させたらしく目覚める様子はまったくなかった。
(疲れてる彼女の邪魔をしないようにしないと……)
このままだと起きる前にモンモランシーに襲い掛かってしまいそうなギーシュは、静かに服を着ると起きたときの彼女のために食堂へ何かを貰いに行った。
不機嫌そうなレイナールが、食堂に入るなりギーシュに毒づいた。
「昨日は一晩中地震で、よく寝れなかったな! ギーシュ」
「? いや、地震なんか有ったかな? 隣だけど気付かなかったよ……それ所じゃなくてね」
無邪気にギーシュは答えた。
そんな二人を面白そうに水精霊騎士隊が見つめるなか、ギーシュは食べやすそうな果物や飲み物をトレイに集めた。
「ギーシュ、おめでとう」
何人かがそう言って、ギーシュの肩を叩く――ちょっと強めに。
和やかな雰囲気の中、誰かがポツリと聞いた。
「ギーシュ、モンモランシーと結婚するのか?」
浮気性の友人の気まぐれを、密かに皆気にしていた。
486 :
21/21:2008/09/29(月) 02:22:49 ID:M9vXSM+M
しん……と、静まり返った食堂に、ギーシュの声が響いた。
「うん……そのつもりだよ」
起きて、彼女の顔を見たときに……ひょっとしたらもっとずっと前に、
ギーシュはすっかりと彼女に捕まってしまった。
なにより……昨夜の彼女を……他の男に見せたくなかった。
彼女は自分の物だという強烈な独占欲が、他の選択肢を削っていた。
「おめでとう」
「おめでとう、ギーシュ」
一斉に祝福の声が溢れ、ギーシュは仲間たちに笑顔を返した。
そんな中、一人だけギーシュに否定的な目を向けるものが居た。
「……いいのか? ギーシュ」
レイナールは、眠そうな目でギーシュに聞いた。
「も、勿論だよ、レイナール、結婚するからには、浮気とかもね、そのね、しないでね」
「いや……そうじゃなくてさ、ギーシュ」
?
不思議そうな皆の視線を集めながら、レイナールは言った。
――モンモランシーが目を覚ましたのは、昼前だったが目を覚ましたとき最初に見たものはギーシュの顔だった。
「おはよう、モンモランシー」
「……お、おはよう、ギーシュ」
立ち上がろうとして、自分が何も着ていない事に気付くと真っ赤に成って固まった。
「……昨日、全部み……」
「そんな問題じゃないのっ!」
ギーシュは殴られた。そのままベットから転げ落ちてしまったギーシュはよろよろと立ち上がると、真剣な表情でモンモランシーの手を取った。
「モンモランシー!」
「は、はいっ」
真面目な表情で見つめるギーシュの真剣な表情で、モンモランシーは彼の用件を想像して、胸を高鳴らせる。
――『責任』を取ってくれる。そんなつもりで身体を許して訳ではなかったが、それはとても嬉しいことで……
「僕を……」
一呼吸溜めたギーシュは勢いよく続けた。
「お婿さんにしてくださいっ!」
「……っ、空気読めっ、ばかぁぁぁぁぁっ!!!!」
これが、ギーシュ・ド・グラモンの最後を締めくくる事件であった。それから程なく彼はギーシュ・ド・グラモンでは無くなった。
その名を持つものは大勢の祝福を受けながらハルケギニアから消えた。
モンモランシーはその時の事を、延々彼に怒り続ける事になってしまったが……
レイナールは言ったのだ。
「彼女、一人娘だろ? 嫁に取れないんじゃないのか?」
オチは決まっていたのですぐ終わると思っていたのですが、休み休み書くとどうも冗長になってしまって申し訳ないです。
要らないところがだらだら長くなってしまった気がしますので、次はもう少し締める感じで書きます。
聖下とシエスタもの ネタが被らなさそうなので。
ではまた、そのうちに。
>>487 ギーシュ・ド・グラモンの最後ってそういう意味だったのねww
てっきりギーシュが破滅して終了のダークSSなのかと思ってた
ハッピーエンドでホントによかった GJ!
>>487 GJ!
キレイな話でスムーズに読めました。モンモンを丁寧に扱ってたのが好感です。
次作お待ちしております。
>>487 GJ!完結お疲れ様です。タイトルでは自分もすっかり騙されました
前半が動なら後半は静ですか。丁寧な描写をじっくり堪能させてもらいました
そして次作はシエスタですと!!!
原作ではすっかり置き去りな彼女。登場を楽しみに待っています
ちょっと疑問なんだが
アン様のハルケギニア○○案ってマザリーニが感心するほどのデキなのか?
他の諸国が本当に賛成すると思ってたのか?
なんかここら辺の利害の一致や政治的な根回し、
それぞれの国の思惑などの写実描写が抜けているから
ストーリーに説得力がないんだよなー
ボルボ氏にここら辺のサイドストーリーをかいてもらいたいぜw
>>491 それ以前の資源も何もない砂漠くんだりに行きたがる奴なんざいないだろ
アン様の政略って要するに、自国がガリアの下についてでもロマリアを封じ込めて、勢力均衡をはかるってこと。
ノボル的にはジョゼフが言ってたとおり「正解」なんだろう。
ヨーロッパ史上、一つの国に対する大同盟ってのは何回も結ばれたしね。
しかし構想としてはよくても、実現の可能性となるとあのやり方では机上の空論に終わるって気はしないでもない。
「トリステインの王」という権威を活用しての対話ってのは十分にアリなんだが、少人数で乗り込み外交はさすがに無謀すぎる。
好意的に見ようと思えば「ガリア王が窮地に陥った今が会談を有利にすすめるチャンス、それに教皇が完勝してしまってからでは遅い」
と焦ったんだろう。逆に批判的な意見も簡単に出てくるけど。
なんにしても考察しようとすると味わい深い人ではある。
>>492 話の展開が十字軍をモチーフにしている以上、教皇の企みは少なくとも
砂漠にいってエルフと接触するまでは成功すると思うぞ。
ちなみに本物の十字軍は、宗教的情熱と、進んだイスラム文明の豊かな宝物をもとめて突進したわけだが。
>>493 >話の展開が十字軍をモチーフにしている以上
確か、三銃士の頃の文化レベルじゃなかったっけ? ハルケギニア
登場人物の名前もかなりそこから来てるし
>進んだイスラム文明の豊かな宝物をもとめて突進したわけだが。
エルフ領がどうなってるか現時点ではわからないんだよなぁ
魔法技術が進んでいるのはわかるんだけど、それとて系統魔法とは違う技術
だからハルケギニアで運用するのは難しいだろうし
>>491 ロマリアを止める力がある国は超大国ガリアだけ。
で、ガリアの王様を説得できるだけの交渉材料は国を売ることだけ。
(最強の国なので、大抵の事ならガリア単独で手に入れることができるし。)
アン様は正しいよ。
その後で結局ジョゼフに捕まっちゃうのも、ヒロインらしくてGOOD!
>>493 それにしても他の諸国が協力するとは思えないぜ
ゲルマニアとかは自国の豊富な地下資源?を後ろ盾に
各地に影響力を伸ばせばいいし
わざわざトリステインの政策に乗る必要はない
アルビオンは・・・いまいち地理的な特性が思いつかんが
浮遊大陸という特性を生かして
他の大陸に寄って空港や海港使用料の割引とかで物流を支配してるっぽいな
そんなアルビオンはまぁ、商都トリステインとともに発展したいだろうから
ここはまぁ、協力するか
まとめると
ゲルマニアは中立、アルビオンは協力するかも?ってところか・・・
なんにせよ
あの政略が成功する確率は微妙だろ・・・
とにかく
ハルケギニアのリアルな商業活動とか政治描写が少ないから
物語に厚みがないんだよなー
ま、ラノベだし仕方ないけどw
>>494 三銃士の要素もあるが、文化レベルはもうすこし後の17世紀くらい。
けど、それにしては教皇の力がありえないほど強いんだよね。
十字軍の盛んだった中世・教会権力最盛期くらいに。
エルフの富については言及がないからわからないが、となると宗教的情熱じゃないかね。
>>495 >(最強の国なので、大抵の事ならガリア単独で手に入れることができるし。)
ここを読んでガリアを掌中に収めたタバサがサイトをルイズから奪う為に、
トリスティンに無理難題を押し付けると言う妄想が頭の中に浮かんだ
誰か書いてくれないかな まあ無理だわな
ハルケギニアにおける経済や政治についてページを割かれるよりはサイトとルイズのイチャイチャにページを割くべきじゃないか?
もともと「ご都合主義のファンタジー世界」がハルケギニアの本質なんだし
>>496 ロマリアを選べば聖戦。ゲルマニアは聖戦で疲弊した諸侯が寄り集まった国とかいうから、
むしろ実をとるならガリア・トリステイン同盟に加わることは十分に考えられるかもよ。
政治状況ってのはいくつもの要因と相手があって成立するからね。
トリスティンはレコンキスタがらみの騒動で国庫は空
アルビオンは敗戦国で賠償と領土をなくし、ほぼ王族全滅の上
おそらく国庫は空
ゲルマニアとガリアとロマリア位しか余力がない
ゲルマニアは成立が元々十字軍遠征で不満を抱いた諸侯が作った国だから
おそらくロマリアに好意的ではありえない
ガリアだって今回の騒動の後始末をつけなきゃダメだし航空戦力は壊滅
ロマリアくらいしか動けないな
>>497 俺たちの世界と違い教皇の権威が下がる事件はなかったのかね?
アヴィニョン捕囚とか、女教皇の即位の伝説とか
流れブッタ斬りですまないが、オイラとしてはイザベラのその後が気になって仕様が無い
トリステインの学校に通わせたりしたら面白い気がする…
勿論タバサみたいに身分は隠してるんだろうけど、あの持ち前の性格からして八分にされそう
王族だし、プライド高くて、でも自分がこんなトコにいるのが屈辱で影で震えてそうだな
魔法も得意そうじゃないし、勉強は出来そうだけど実技で落ち零れなんかな?
弱っているトコに犬ッコロがふと現れればどんな展開になるのやら
愛情を受けて育った経験が無いらしいから、優しくされたら簡単に落ちそう
若しくは、真正面から喧嘩出来る友人としてか?
でも、部屋に引き篭もられると打つ手が無い気がする…
>>499 >サイトとルイズのイチャイチャにページを割くべきじゃないか?
まったくもってごもっとも ゼロ魔はラブコメだしな
まあこんな所で考察もどきを書いた俺の言っていい科白じゃないな
>>501 となるとアルビオンンとトリステインが
商業活性化のため一時的に手を結ぶことは十分考えられるな
そういや史実じゃ敗戦国となったドイツはどうやって賠償金払って
現代まで国庫を潤してきたんだ?
勉強不足でワカンネ
日本は華族のカネをボッシュートすることで復興の礎としたよな
そんなことよりルイズとサイトの子供マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
>>501 なかったっぽいねえ。
というか、ハルケギニア世界の創始者=各国王族の先祖=信仰の対象だから、
余計に教皇や王の権威が強いまま六千年なんだろうけど。
教皇の力が強すぎると言ったけど、こっちの17世紀近世ではまずありえないレベルだね。
当時のフランスなんかイスラムのトルコと同盟くんで、教皇庁の罵声を柳に風と流してた。
ゼロ魔世界で似たようなことやったジョゼフはあっというまに破滅だもんなあ。
まあでもさすがに俺もこのへんにしとく。作者さんの降臨を待とう。
>>502 イザベラはジョセフの次の虚無だと予想・・・ガリアでは他に王族は生き残ってないよね?
>>507 予想ついでに、テファの使い魔はマダですかと言いたい
眠らされた才人がワールド・ゲートで、もし戻された時は重複使い魔として戻ってくると思ってたんだ
「コレはルイズに召喚された時と同じゲート!?やっぱり、俺が必要なのか!?待ってろ、こんちくしょう!!」
で、ゲートを潜ったら…
みたいな感じで
ノボル氏も忘れてるのかもしれんが、アルビオンの代王はトリステインの貴族だぞ?
よほど無体なものでなければ、アンリエッタに同調すると思うが。
>>507 イザベラは水のドットとして覚醒済みだから、虚無は無理じゃないか?
チベット仏教の高僧と同様、転生するという設定だと予想してみる。
ヴァリエール家みたいに、ガリア王家の血を引く貴族がいるんだよ、きっと。
エロSS的に考えれば、タバサとサイトをギアスとか水の秘薬でヤらせて、
受精卵を教皇の虚無ゲートで取り出してなんか培養カプセルぽいので促成、
ついでに自分に逆らわないように洗脳・・・つーのは流石に無理か。
>>510 誰か人質にとってタバサとやらないと人質殺すぞって脅せばいいんじゃない?
シャルロットの子宮内にワールドドアは開くのか?
アンリエッタの性略
514 :
E.T.:2008/10/01(水) 13:34:50 ID:kUl3hIZe
おそらくガリアの次の「虚無の使い手」はイザベラに違いない。そして教皇様の策略によってロマリアの操り人形に・・・
そしてサイトに救われてサイトに惚れてしまう。
そこを土つながりでまさかのギーシュ展開
じつはグラモン家も昔王族を嫁に迎えていた!
そして教皇様の策略によってロマリアの以下略・・・
イザベラもタバサの即位で国に居場所なくなっちゃったし、
虚無にぐらい目覚めないと本当に立場ないよなあ
グラモン家も昔瑪羅門一族を嫁に迎えていた!
そして瑪羅門一族トリステイン代表として(ry
どこの民明書房だよ w
なぜジョゼフがフェードアウトしたか、多分テファに使い魔を用意させるためじゃないかなと
つい思った。 出番がまったくないシエスタの為に
おそらくミョズニトニルンじゃないかな、予想外れたらごめん
でもこれやらないとあの人のように完全に空気になる
520 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 19:50:46 ID:RFNNUstQ
イザベラシエスタ組とティファニアベアトリス組を希望
ここでまさかのミョズニトニルン・マチルダ姉さんをテファが召喚と予想。
お前らもっとエロい事考えろよ
タバタバの貴重な産卵シーンとかきゅいきゅいの貴重な産卵シーンとか
アン様とルイズはほかのことそっちのけで、自分の卵を一生懸命温めるんだろうなあ
はいみなさんこんばんわ。
『ヴァリエール三姉妹編』続編でございます。
いよいよ物語りも架橋、ついに妊娠>結婚までのカウントダウンの始まったルイズと才人の運命やいかに!べんべん!
ルイズが夜になっても帰ってこない。
こんな事、このお屋敷に来てからはじめての事だった。
こんな時間までサイトさんが帰ってこないことはあっても、ルイズが帰ってこないなんてこと、今までなかった。
私は心配になって、三人の寝室のベッドの上で、サイトさんに相談した。
そしたら、
「どうせ親父さんと一緒に社交界かなんかだろ?心配すんなよ」
…この人は、ホントにもう。楽観が過ぎるんじゃないかしら?
だから、アナタの婚約者ですよ、心配じゃないんですか、って言ったら。
「たまにはこんな事もあるさ。それよりシエスタ、今晩はルイズいないんだし」
…って何エロい目して人のおっぱい凝視してんですかこのおっぱい魔人。
まーあー。期待してなかったかって言われたらそりゃあ期待してましたけどぉー。
そのためにわざわざスケスケの寝巻き着てますけどぉー。
「…ほんとにもう。婚約者より先にメイド孕ませる気ですか」
「いいじゃんその婚約者公認なんだし♪たまにはシエスタのやーらかいおっぱいに埋もれたいなー♪」
…毎週爆乳姉妹の胸に埋もれてるクセに、この種馬はほんとに。
でも、呆れながらも私は断れない。
だって、そんな甘える仔犬みたいな目で見られたら…ねえ?
「…じゃあ、一回だけですよ。それと、明日ルイズが帰ってきたら、ちゃんとしてあげること」
「はーい、わかりましたシエスタせんせー」
そして。
サイトさんは、私のおっぱいにむしゃぶりついた。
で、結局、抜かずの三発になっちゃいました。
…ほんとにもー。このひとわー…♪
次の日の昼を過ぎてもルイズは帰ってこなかった。
二十四時間以上ルイズの顔を見ないのは、たぶんこの屋敷に来て初めてだ。
…いやまあ流石の俺もおかしいと思った。
だから、俺はヴァリエール本邸に向かう事にしたわけだが。
「…えー。帰ってくるまで待ちましょうよぅ〜」
朝食の席で、ルイズの行き先を聞きに本邸へ行ってくる、と言った俺に、不満げな声でシエスタはそう応えた。
お前昨日ルイズの心配してなかったか、と突っ込んだら。
「それはそれ、ですよ〜。『鬼のいぬ間に』って言うじゃないですか。せっかくのチャンスなのに〜」
まあ確かにルイズがいるとシエスタ単独とにゃんにゃん、ってのは難しい。
ルイズ単独はあるが、シエスタとだと、大概三人で絡むか、こっそり隠れて、ってのが定番だったりする。
当然普通にスル時は部屋でなんだが、ルイズも一緒に寝てるんでそうなるのは致し方ないわけで。
でもまあ、シエスタとは昨日しっかりしたしな。
俺はまあ心配だし迎えにいくよ、と言ったが。
「…せっかく今晩、『シエスタさんのメロンちゃんフルコース』を用意しようと思ったのに」
待て。
なんだその魅惑的な響きわ。
「…追加で、『禁断の果実コース』もOKだったのに」
どこのどの果実がどういうふうに禁断なんですカーっ!?
…い、いかん、危うく妄想だけで正気を失うところだった。
俺はなんとかかんとか、ま、まあ、ソレは今度にしような、と言って、本邸に向かう決心を固めたのだった。
本邸に行く途中の道。
才人は、一台の馬車を見つける。
真っ白な、小さな一頭立ての馬車。
毎週才人達の住むヴァリエール分邸にやってくるその馬車は、カトレアのもの。
同じように才人の馬を見つけて止まったその馬車の横に、才人は馬を着ける。
才人の予想通り、馬車の扉の窓を開けたのは、カトレアだった。
「あらサイト君。丁度良かったわ」
そうにっこり笑って言うカトレアに、才人は疑問を投げかける。
「…なんすか?お薬はまだですよね?」
才人がカトレアに口とお尻で搾り取られてからまだ四日しか経っていない。
次の『お注射』までは日にちがあるはずだった。
カトレアは笑顔のまま、首を振って否定した。
「違うわ。今回はお薬じゃないの。
ルイズのことよ」
「へ?」
いきなり出た婚約者の名前に、才人は首を傾げる。
カトレアが、ルイズの行き先を知っているのだろうか?
「カトレアさん、ルイズどこ行ったか知ってるんですか?」
才人の言葉に、今度は笑顔で首を縦に振るカトレア。
「ええ。だってルイズを攫ったの私ですもの」
「…へ?」
才人の目が、今度こそ本当に点になった。
才人は驚いて思わず聞き返してしまう。
「ど、どーして実の妹を攫うんですか!?」
カトレアはその柔らかい笑顔を絶やすことなく、応えた。
「私もお姉さまも、そろそろガマンが効かなくなってきてね」
「…へ?」
大体何の事か想像はつくのだが、才人は間抜けにそう返してしまう。
「…後ろばっかりだとね、切ないのよ、すごく。アソコが」
美麗な眉根を曇らせ、カトレアはそうのたまわった。
あまりにもダイレクトな物言いに、さすがの才人も軽く引く。
そして、至極真っ当な疑問を口にした。
「…あのーう?それとルイズを攫うのと何の関係が?」
もし二人が攫うなら、才人の方だろう。
そして、姉妹で好きなだけ貪ればいいのだ。
才人は知らなかった。
この三姉妹が、とんでもない密約を交わしている事を。
カトレアはその事を才人に話す。
「実はね…」
ルイズが孕むまで、自分とエレオノールは、一切子宮に才人の精を入れない、と約束した、と。
確かに、この一ヶ月あまり、二人とはお尻か胸かお口でしかしていない。
不自然なまでに、普通の行為はなかった。
「でもそのガマンもそろそろ限界。だからルイズを攫ったのよ」
「…だからなんで?まさかルイズを洗脳とかしようってんじゃ」
思わず浮かんだその可能性は、しかしすぐにカトレアが否定する。
「そんな事しないわよ実の妹に。まあ、一緒に来れば分かるわ。お姉さんに着いてらっしゃい」
言ってカトレアは馬車を反転させ、本邸へと戻っていく。
才人は疑問を抱えたまま、その後を黙って着いていくしかなかった。
で、ここで続くなのです。
まあ続きはゆっくり待たれよ。
んじゃねゆノシ
またやっちゃったZEorz
あんたは鬼だ!こんな所で切るなんて!
全裸待機するのも辛くなってきてるというのに、くやしい!でも待っちゃう!
乙です
やっちゃった?なにをやっちゃった?
すん止めはいつものことですし…ナニをやっちゃったんだろう?
>>528 また寸止めですか、そうですか GJ!
>…毎週爆乳姉妹
カトレアはともかく、17歳は、ルイズに匹敵するほど胸がなかったはず
年齢にも大きな補正がw
姉さまの性格と胸、ちい姉さまの髪色を足して2で割るとルイズになるのかなー
535 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 03:49:00 ID:fSLLE993
>>533 さあ、もう一度ヴァリエール三姉妹編を読み返す作業に戻るんだ
続き期待GJ!
いよいよルイズもお母さんかぁ…妊娠中って行為していいんだろか(悶々
てかシエスタ。親友のこともう少し心配してあげてw
もしかして…ふた…
>>537 安定期かつ激しくしなければ出来なくもない
>>534 それ割る必要なくね?
若干エレ姉より性格はやわらかいかもしれんが…
にしても15巻のこともあって、タバサ分が不足してきたぜ…
タバサ可愛いよタバサ
マリアンヌとの会食も和やかに進み、酒もちょびちょび入った頃。マリアンヌは動いた。
「サイトさん、私…ちょっと酔ってしまったみたいです。横になりたいのですが、寝室まで連れて行って
もらえませんか?」
「え?」
頬を赤らめながら流し目を使うマリアンヌに才人は少しドキっとしてしまった。元々がアンリエッタを産んだ
本人だけあって美人なうえに、胸も娘に劣らず大きめ。しなだれかかる美熟女に腕に押し付けられる柔らかな
豊かな胸。これに動揺しない男はありえない。結局、才人はマリアンヌに促されるまま寝室へと足を運んだ。
寝室のドアを開けるとそこは真っ暗闇、マリアンヌは室内を照らす魔法を使うとゆっくりと室内を照らしていった。
急な光で目をくらむのを防ぐためだ。寝室が照らされると、そこはまさにVIP仕様。豪華でありながらも
静かな空間を演出する理想的な居住空間。そしてベッドは言わずもがなのキングサイズ、優に6人は寝れそうだ。
あまりの光景に才人が言葉を失っていると、ベッドの方になにやら巨大な物がぼんやりと置かれているのに
気が付いた。しかし、それを良くみて見ると…
「な、あ、アンリエッタ!?」
そこにはまるでギリシャ神話の女神が着ている様な薄絹の衣装に身を包み、目隠しにギャグボールを噛まされ。
両手はベッドに括り付けられ、両脚はM字に開かれ固定されているアンリエッタがいた。白い肌はうっすらと
赤みを帯び、ふーふーと荒い息を立て噛まされているギャグボールの端からはしたなく涎が零れ落ちる。
開かれた脚の奥には通常はそこを守る布が無く、薄くも濃くもなく綺麗に生え揃った陰毛がぐっしょりと愛液
に濡れるのがはっきりと見えた。
「お、おい。なんだってこんな」
「!!」
拘束されていたアンリエッタに才人は素早くかけよると、アンリエッタもそれに気づいたのか首を左右に振った。
マリアンヌはそんな二人の様子を見て淫靡な笑みを浮かべた。
「どうなってるんだ!マリアンヌさっ」
才人は語気を荒げるも後ろからマリアンヌに抱きつかれ、背中にその豊満な双乳が押し当てられた。
そしてマリアンヌはそのまま。アンリエッタの目隠しとギャグボールを取り外し、横に捨てた。
「ほら、サイトさん。この娘を見てくださいな、すごいいやらしいでしょう?」
「あ、あんた。何言って!」
「さ、サイトさん…ぁんっ!」
才人の耳元でマリアンヌはそう囁くと軽くアンリエッタの秘所に指を入れた。軽く動かすとにちゃっと淫らな音
を立てた。
「すごい…、この娘。まだ男にも抱かれてもないのにこんなに濡らしてる…」
「や、お母様。そんな、うごかさ…」
「なっ…」
「ほら、サイトさん。見てください、この娘あなたに抱かれたくてこんなになってるんですよ」
「ふぁぁんっ!!」
「サイトさんも触ってみてくださいな。すごいでしょう?」
「や、やぁっ。そんな二本もぉっ」
笑いながらも突き入れた中指をくいくい動かしながらも、なお才人に話しかけ続けるマリアンヌ。
指をぐるっと一周掻き混ぜると、アンリエッタは艶かしい甘い声をあげた。ぬちゃっと指を抜くと、そのまますぐ
才人の手を取り、才人の中指を自身の人差し指で支えるとそのまま再度アンリエッタの中にうずめていった。
アンリエッタの秘所はずぷずぷと二人の指を飲み込んだ。そして、そのままマリアンヌが手を上下に動かすとなすが
ままの才人の指とともに二本の指は秘所を往復する。すでに濡れていたアンリエッタはこの動きに軽い絶頂を向え、
膣がきゅうっと締まり、体はびくびくと痙攣した。
「あらあら、この娘もうイッちゃった」
「(な、何が…これは夢か?)」
急にこんな展開になっているのを処理できない才人は混乱した。しかし、ふと自分の息子が握られるのを感じると
頭が現実に引き戻された。
「まぁ、あなたもそんな顔しながらここをこんなにして。やっぱり男なんですね」
いつ解いたのか、スルスルと才人のズボンが下がり才人の肉棒が姿を現す。そしてその肉棒は空いていたマリアンヌの
片手によってすでに握り締められていた。強弱をつけ握り締めながらマリアンヌの綺麗な手が才人の肉棒をしごいた。
「あ、あぁ」
「凄い、大きくて硬い…」
女性らしい柔らかい手が才人の肉棒を包み、動かされていく。女性からの手コキ経験事態は才人にとって初めてではない。
まだ、仕込み始めとはいえルイズに何回かやらせている。こちらはまだ動きがたどたどしく、満足がいくとは決して言え
ないものではあるが。ルイズのロリっぽい容姿に加えて、恥ずかしそうにやるその姿が才人のツボにヒットしている為、
個人的に気に入っている行為ではあった。マリアンヌのそれはルイズと比べると明らかに手練れ、プロの動きであった。
おそらくは亡き夫に仕込まれたのであろう、その動きは確実に才人の快感のツボを刺激していった。
「や、やめてください…でないと俺」
「射精そうになってるの?そうだと、アンリエッタの顔にサイトさんの男臭い精液がべったりかかってしまうわね」
才人はそのマリアンヌの言葉に白濁まみれになったアンリエッタを想像してしまい、びくんと胸と肉棒を高鳴らせた。
「あら、びくん。って動きましたわね、ふふふ。でも…射精してあ〜げない」
「あ、はぁぁっ…」
マリアンヌは肉棒を扱くその動きをゆるやかにすると、悪戯っぽくそう言った。
急に、動きの勢いをゆるやかにされた事で絶頂を迎えようとしていた才人の性感がすんでのところでストップする。
活かさず殺さずの感覚に才人は情けない声をあげた。
「射精したいでしょう?射精したいわよね?でもどうせ射精すんなら、手じゃなくてココで射精したいんじゃない?」
マリアンヌの二本の指がアンリエッタの花弁を開いた。するとにちゃあっと音を立てて愛液が零れ落ちた。
「娘の処女幕を突き破って、ぐちゃぐちゃに肉を掻きみだして、そのさきっぽを子宮に押し付けてたっぷりと中に射精
したいんでしょう?」
「あ、あ、あっ…」
「ほら、娘だって…。そう望んでいるわ。見て、あのまだ男も知らないのに男を欲しがってる目を。
あなたの太くて硬いので守り続けていた純潔散らされて、ぐちゃぐちゃに中の肉を犯されて、熱くて濃い精液を
赤ちゃんを育てるところにたっぷりと注いで欲しい…そんな目よ。あれは」
まるで、才人の理性の糸を焼ききるかのように甘く扇情的な声で耳元で囁くマリアンヌ。
それだけではない、これまでの行為で高ぶりきった性感。部屋にこもる淫靡な空気、そしてマリアンヌと
アンリエッタから漂う雌の匂い…。これに耐え切るような精神は今の才人に存在しなかった。
ぶちり、と理性の糸が切れる音を感じると才人は、元々開かれていたアンリエッタの両脚の太ももを掴むと
そのまま、硬くびくんびくん動く肉棒をアンリエッタの秘肉に押し当てそのまま力任せに突き入れた。
というわけで今回はここまで。
予想していたよりも書いてるうちにマリアンヌさんが動き過ぎてしまいました。
本来なら、もう本番いってるはずなのになぁ。
おおおGJ
アンリエッタ党としてはマリアンヌもっとやれといわざるをえない
なんという素敵母娘・GJ!
アン母の「あ〜げない」とアン娘の芳しい色気っぷりにやられた
前王はさぞかし相当な使い手だったんだろう。死因はきっと…
アトピック氏GJでふ
最近マリアンヌと聞くとピンク髪が浮かぶ俺はギアス厨。
さて
>>525の続きいきますよ。
でも終わってない罠。
辿り着いたのは、ヴァリエール本邸のカトレアの部屋。
元々病弱な彼女を喧騒から隔離するため、その部屋は渡り廊下によって本邸から隔たれている。
そのお陰で、ちょっとやそっと物音を立てたくらいでは、本邸に聞こえる事はない。
だから、元気になったカトレアは、この部屋で思う存分趣味の生物研究に打ち込むことが出来たわけで。
もちろんナニの声も届く事はないわけで。
「さあ、ルイズはここにいるわ」
言ってカトレアは部屋の手前で立ち止まり、自室の重厚な扉を指差す。
才人は疑問に思った。
「カトレアさんは入らないんすか?」
当然の疑問である。
しかしカトレアはにっこり笑って反論した。
「遠慮しておくわ。私、夫婦の営みを邪魔するほど野暮じゃないもの」
…いやまだ婚約の段階なんですけども。
突っ込もうと思った才人だったが、カトレアの『ほら、早く行かないとルイズがお待ちかねよ』という言葉に後押しされて、才人は扉を開いた。
そして、カトレアは部屋の中に入っていく才人の背中を見送りながら、ぽそりと呟いた。
「…私は別に、3Pでも構わないんだけどね」
扉を開けると、緑の匂いが才人の鼻を突いた。
カトレアの『お薬』のたびに嗅いでいる匂い。カトレアの部屋で栽培されている植物が、この緑の匂いの元だった。
しかし、数歩奥に進むと、緑以外の匂いが鼻をつく。
何か湿布薬のようなスーっとする薬品の匂いに、きついユリ科の花の匂いに、そして僅かに香る鉄サビの匂い。
その奇妙な匂いに鼻をひくつかせながら、才人は奥へ進む。
すると、天蓋の下ろされたベッドの前に、奇妙なマスクをしたエレオノールがいた。
鼻から下を丸ごと覆う灰色のマスク。頬の部分に、楕円に膨らんだ袋が一対、付いている。
見ようによっては防毒マスクに見えなくもない。
そのエレオノールは、やってきた才人を見て一言。
「あ、やっと来たわね。間に合わないかと思ったわよ」
マスクの内側からなので奇妙に声がくぐもっていたが、きちんと聞き取れる。
とりあえず才人は尋ねた。
「…なんでマスクなんかしてるんすかエレオノールさん」
当然の疑問に、エレオノールはしれっと応えた。
「そりゃ、この部屋いっぱいに媚薬まじりのお香が焚かれてるからよ」
エレオノールの回答にぶは、と吹き出す才人。
そ、そーいやさっきから下半身のえくすかりばーがえらいことに…!
後悔したが遅かった。
才人の目には、目の前に立つルイズの姉が、半分獲物に見え始めていた。
防毒マスクのエレオノールたんハァハァ、と思考し始めた才人を、エレオノールは誘導する。
「…目がエロいぞ平民。ま、その調子でルイズを襲ってあげなさい。ルイズ、そこのベッドの上で待ってるわよ」
天蓋の中には、確かに人影がある。
その人影に才人の注意がそれた瞬間、エレオノールは才人の背後に回りこむ。
「じゃ、頑張りなさい。ルイズを幸せにしたげて」
エレオノールは言って、才人の背中をどん、と押した。
「わっ、たっ!?」
突然勢いよく押され、才人は思わず踏鞴を踏んで天蓋を割りながら、ベッドに倒れこむ。
ぼふ、と柔らかいマットに体が沈む。その瞬間、別の場所で何かが動くのを感じた。
そして、聞きなれた声が聞こえる。
「むー、むー!」
才人がベッドの上を観察すると。
そこには、猿轡をかまされ、両手両足を縛られた、トリステイン魔法学院の制服姿の、ルイズがいた。
「だ、大丈夫か、ルイズっ!?」
慌ててベッドの上に登り、ルイズの拘束を解く才人。
丁寧に蝶結びされている両手と両足の縄を解き、そして、猿轡も外す。
そして、全ての拘束が外れた瞬間。
ルイズは、才人に問答無用で抱きついた。
それは、不安を打ち消すための優しい抱擁、などではなかった。
首筋に抱きつき、その薄い胸板を才人の身体にすりつけ、腰を押し当てる。
はぁはぁと荒い熱い吐息が才人の耳朶を撫で、たまらない牝の甘い香りが才人の鼻腔を浸食する。
「サイト、さいとぉ…」
泣いている様な、怒っているような、切ない声で呼ばれると、思わず才人はルイズを抱きしめ返す。
才人は、ルイズの耳元で尋ねる。
「…い、一体何されたんだよ、お前?」
才人の言葉に、ルイズはぎゅうっと締め付けていた腕を解いて。
才人の顔を覗きこむ。
その顔は朱に染まり、瞳は零れそうな涙で潤んでいた。
「聞きたいの?言わせたいの?」
「え」
真っ赤な顔で恥ずかしそうに言うルイズに、才人は間抜けにそう返してしまう。
それを、肯定と取ったのか、ルイズは続けた。
「さ、サイトが聞きたいなら…は、恥ずかしいけど…話すね…」
「う、うん」
ごくり、と才人は息を呑み、ルイズの話に耳を傾けた。
その日。
ちい姉さまに呼び出された私は、いきなり水魔法で眠らされた。
気が付くと、裸で、例の白ローパーの椅子に座らされてた。
私の目が覚めたのも、お尻の下でもぞもぞ動く触手の刺激のせい。
目が覚めたときには、私の身体の奥の奥まで触手が入り込んで、腸の中はからっぽだった。
そのせいで私の体は火照りきって、目が覚めてすぐに、イってしまった。
目の前にはちい姉さまがいて、事情を説明してくれた。
『今から丸一日かけて、あなたを全力で発情させるから、サイト君と子作りなさい』
私は耳を疑った。
だって、ちい姉さまも姉さまも、ヴァリエール家当主の事は諦めたって言ってたから、これからゆっくりサイトに孕ませてもらえばいいって思ってたから。
でも、隣にいる姉さまが説明を引き継いで、私はどうしてこんなことをされているのかやや納得した。
『いい加減、私たちも普通に彼とシたいの。だから、さっさと孕んでくれないと困るわけ』
…だからって、こんな乱暴な。
呂律の回らない言葉で反論した私に、ちい姉さまが言った。
『うんと発情させて、身体中綺麗に磨いてあげる。どこ使っても大丈夫なように、身体中綺麗にしてあげますわ』
ちい姉さまは手にスポンジと、お湯の入った桶を持っていた。
そして、姉さまが続けた。
『あと、特製の懐妊薬もあるからね。強制的に排卵を促す薬だから、使えば一発で孕めるわよ』
その手には、一本の注射器。中身は姉さまの言うとおりのお薬が入っているんだろう。
そして。
抵抗できない私は薬を打たれて、体を隅々まで洗われて。
そうして、完全に発情した状態で、私はトリステイン魔法学院の制服を着せられ、縄で縛られて、サイトを待つ事になった…。
今日のところは以上。続きは明日以降。
最近サイトのテーマが「RODEMO MACHINE」な俺ガイル。
んじゃねゆ。ノシ
GJだが俺のエクスカリバーはどうすればいいんだ
明日までしまっとくしかないのか
エクスカリパー
俺のエクスカリバーの鞘になってくれる姫はおらんのか!
どちらも本番前のお預けかよ
アトピック氏もせんたいさんもGJ!
>>556 俺の鞘は二年くらい前に切り離された。以後快適な人生を送っている。
559 :
sage:2008/10/03(金) 03:44:27 ID:N6aAfoBN
>>558 俺の『聖剣』は2年くらい前にチョッキン〜 と読んだ。スマヌ。
ハーフエルフですね、わかります
テファの乳はハーフサイズだったらちょうどよかったのだろうか
ハーフエルフの乳事情
ひと時の情事も終わり、今は静かに互いに向き合って抱き合って寝ている才人とテファ。
そんな時、才人は疑問に思っていた事をテファに聞いた。
「そういえばテファのお母さんってどんな人だったんだ?その、やっぱり胸も大きかったのかな」
「もう、サイトさんったら。おっぱいが好きなんですね!…確かに母は私と同じくらいはありましたが」
「へぇ、やっぱりそうなんだ」
「でも、私とはやっぱり少し違いました」
「どんな風に?(もしかして乳首が小さいとかそんなのか?)」
そんな事を才人が思っていると、ええ実は…とテファは語りだした。
自然と共に生きるエルフ、その食生活は人間とは少し違うようで肉類をとる事は少なく。
もっぱら野菜や果物等自然の中で採れたものを食しているという。そんな中でもエルフ
一族の中でも好まれているのが蜂蜜である。元々の栄養価が高く、そのまま食べるも良し
他の食物にかけて良し、発酵させて蜂蜜酒にするも良し。とにかくエルフは好んで蜂蜜を
摂取していた。そして、何代にも渡り蜂蜜を摂取していた為かエルフの女の母乳はどこか
蜂蜜の味に近くなり、人間の女のそれよりも甘みがあり栄養価も高いという。
よってエルフの母乳は子供に与えるだけでなく、大人も愛飲している。子供が飲み残し、
残りの乳を搾って飲むのだそうだ。
「母は私が乳離れした後でも何故か度々母乳がでる事がありまして…、その為私も良く
飲んでいたんです。やっぱり、母の母乳は甘かったと覚えています」
「へ、へぇ〜」
この話を聞いて、才人は思わず自身の胸に押しつぶされているテファの豊かな双乳をじっと見つめた。
(今度、モンモンに頼んで搾乳薬を作ってもらおう)
才人はテファの母乳も甘い味がするのか、想像しつつ硬い決意を心に秘めた。
母乳酒って単語が書いているうちに思いついたよ。
変態紳士乙
>>562 頭悪すぎww しかしそれがいいな GJ!
良い電波受信機をお持ちのようで
>>544 GJ、と言いたい所なんだが、
>「あら、びくん。って動きましたわね、ふふふ。でも…射精してあ〜げない」
マリアンヌが射精するの……?
>>566 「射精・して」と書いて
「だ・して」とルビふってるパターンじゃね?「だしてあ〜げない」なら意味が通じなくもない。
「ださせてあげない」のほうが誤解もないだろうけど。
ルビ、2ちゃんやpink板のレスだとつけらんないんだよなあ。
569 :
E.T.:2008/10/04(土) 08:04:24 ID:QQQFgAfh
アンリエッタとマリアンヌ皇太后またはタバサとオルレアン公妃の親子丼希望
マリアンヌ皇太后のほうは背景もいいとこだし、
オルレアン后妃のほうはずっと心が壊れてるからキャラ性が掴めないと思うのだが
キャラがつかめない、か…
マリアンヌには何も言わせないようさるぐつわをはめて縛ってヤり、
オルレアン公妃のほうは壊れたままヤればいいじゃない
保管庫で205氏の最初のSSを追加しようとしてる人がいるけど、
あれは本人が希望して消したものだから追加しちゃダメよ。
>>566 最近、使役の「せる」「させる」を満足に使いこなせず、「せて」「させて」を「して」「さして」
と勘違いしたまま覚えている人が(特に低年齢層を中心に)増えているらしいですよ。
驚くべきことにプロ作家でもいたらしいぜ?
そんなことよりきゅいきゅいが産卵する所をみんなで妄想しようぜ!!
マリアンヌとオルレアン公妃の挿絵ってないんだっけ?
577 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 13:31:38 ID:C4bkdC1z
>>575 有精卵だったら「誰の子か」?と騒がれ
無精卵だったら「美味しく食べられちゃうのね〜(涙」になりそ
サイト×きゅいきゅい
〜生まれる子は人なのか〜
上半身が竜、下半身が人間だな。
前半分が人で後ろ半分が龍
とりあえず尻尾と羽ははずせないな
まあ、どんな姿だろうと俺の嫁になることは既定事項だけどな
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
コボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
ボコボコボコボコ∧_∧ ∧_∧∧_∧ボコボコボコボコ
ボコボコ∧_∧´・ω・)(´・ω・`)・ω・`∧_∧ボコボコ
ホコボコ(´・ω・)∧_,∧lll ∪)∧_∧・ω・`)ボコボコ
ボコボコ∧_∧ ´・ω∧∪∧(・ω・∧_∧⊂)ボコボコ
コボコ(´・ω・)≡つ);;)ω(;;(⊂≡(・ω・`)___\ボコボコ
ボコボ(っ つ=つ (
>>582)⊂=⊂≡ ⊂) \ )ボコボコ
ボコボコ/∧_∧∧_∧ ∧ ∧_∧∧_∧\ボコボコ
ボコボ( ( ´・ω)( ´・)( )` )(ω・` ) )ボコボコ
コボコ(っ つ/ )( ) \ ⊂)ボコボコ
ボコボ/ )`u-u'. バ∪ ̄∪バ`u-u' \ボコボコ
ボコ( / ̄∪ボコボコボコボコボコボコボコ∪ ̄\ )ボコボコ
ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
コボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ
584 :
E.T.:2008/10/04(土) 23:10:34 ID:GVljZHGQ
エルフと人間の間に子供ができるんだから人間と韻竜との間に子供ができても不思議じゃないね
ちなみにサイトは子供100人作っちゃいますが・・・
きゅいきゅいの産卵か…人型で産むべきだ!と言ってみる。
このスレでは竜形態の方が人気あるけどね
交尾がちゃんと竜型でおこなわれるなら産卵が人型でもいいさ。
588 :
maryyy:2008/10/05(日) 00:08:31 ID:LFUKP5Bw
作者さん、乙!
交尾は竜型で産卵は人型だと…
フル勃起したw
ここはsage推奨じゃないの?
紳士の良識に任せてる
>>522 ヒョギフ大統領の貴重な産卵シーンとか?www
兵庫、岐阜
サイトXアン様 もしくは ヴェルダンデXロビン 希望
15巻発売記念して、タバサのあの原作の流れを引き継いだエロSSが見たいな。
スキルニルじゃなくて本物のサイトに「ルイズより好きだ」って言って欲しい。
それはある意味禁じ手
そろそろボルボ氏のアン様分が足りなくなってきた
598 :
E.T.:2008/10/05(日) 13:22:52 ID:7UQyj5Ht
シャルロット女王さまはサイトを手元に置くためにオルレアン公領と同公爵位
そして自分の母親と従姉を差し出すのでした
ドラゴンの卵は一個でないかも知れんぞ
亀のようにたくさんポコポコ・・・ありだな
「卵がぽこぽこ生まれてこまるのね、きゅいきゅい」
こうですか><
なんだかsageも知らない上に投稿する訳でもないのにコテつけちゃってる痛いのが湧いてるな。
まぁそんなのは放って置いてテファの乳輪の大きさでも妄想しようぜ!
俺は薄く小さくバージンピンクであるべきだと思ってる
>>600 きゅいきゅいがぽこぽこ産んだ卵に、自分の精子をかけるサイト。
するとあら不思議、(ry
>>602 タバサが勿体無いと全て舐め取ってしまうんですね、わかります
>602
かなり昔の作品ですが――スレイヤーズ第一巻に登場する魚人間のヌンサを知っていますか?
「犯せ」「子供を作ると言う意味か」「そうだ、なら卵を産め」という流れが……あったんですよ。
>>604 えらい懐かしいネタを持ってくるねぇ
マリアンヌ様って幾つくらいだ?
王宮に住んでるのだろうか?
キャラが掴みきれん^^;
きゅいきゅいは産卵は人間形態で口から卵をだな…
きゅい「お前の名前はシンバry」
アンリエッタの輿入れが17か18で、エレオノールさんが嫁き○れとすると
早ければ15くらいから、遅くとも25くらいまでが初婚年齢かな。
基本が中世の技術レベルにしては遅めだな。
おそらく、水魔法で衛生レベルが高めなんだろう。
なので、マリアンヌは30台前半〜40代前半くらい。
…アカデミーに呼び出されたみたいだから行ってくるノシ
30代ならフランス書院ではまだまだ活躍できる年齢だな
>>607 23のフーケが既に嫁き○れだから、もう少し早いと思うぞ
カトレア、アニエス、17歳と結構多いな売れ残り
主要ヒロイン勢はまさしく旬か。
鬼も18っていうけど、鬼どころかいずれ劣らぬ美少女ぞろいだ品…おっと涎が
そういえば中世は初潮が来たら即嫁入りとか当たり前の世界なんですよね。
しかし六千年も歴史のあるハルケギニアの事だから、妊娠安定期くらいはわかってそうだけど。
てかむしろ魔法で何歳でも孕めそうなヤカンだぜ
そんなわけで『子作りしましょ!』ラスト投下です
ルイズの生々しい告白に、ごくり、と再び才人の喉が鳴った。
その才人の腕の中で、ルイズは俯いていた。
才人は耐え切れず、ルイズに語りかける。
「じゃ、じゃあ今、ルイズ…」
「う、うん。すごく、したいの。サイトと、子作り、したいの…」
才人の言葉を途中で遮り、ルイズは顔を上げる。
潤んだ瞳。上気した頬。ルージュも引いていないのに朱に染まった柔らかい唇。
そしてその朱に染まった肌から立ち昇る、たまらない牝の香り。
媚薬交じりの香の影響もあって、才人の理性は既に吹っ飛んでいた。
どさ。
両手の指を絡ませ、柔らかいベッドの上に、制服姿のルイズを押し倒す。
ふわりとルイズの柔らかい髪がベッドの上で広がり、白いシーツの上に桜色の華が咲く。
才人の目の前で咲いた華は、甘い甘い声で、甘い甘い吐息の匂いで、囁いた。
「キス、して…」
ルイズの言葉のまま、才人はルイズのうっすら開いた薄紅色の唇を塞いだ。
最初はお互いの唇の形を確かめるように、表皮を擦り合せる軽い口付け。
そして何度も何度も、吐息と汗に湿った表皮が合わされる。
やがて絡み合っていた指が解け、ルイズの腕が才人の首に柔らかく絡みつく。
それが合図となって、唇が合わさった瞬間、お互いの舌が互いに口腔内に忍び込む。
お互いの舌と舌が上下を入れ替え、時には相手の口内を犯し、時には侵入してきた舌を優しく愛撫する。
上になった才人の唾液がルイズの口に流れ込み、混じりあった唾液を才人が啜る。
じゅぷ、ちゅる、とお互いの口の中で溢れる唾液が粘った音を立てる。
二人は夢中で、口だけで愛し合う。
まるで、それが性交であると言わんばかりに、口だけで互いを高めあっていく。
やがて、荒い息をつき、どちらからともなく絡めあった舌を解く。
とろ、と互いの体温で煮詰まった粘性の高い唾液が、二人の間で銀色の糸になる。
それがすぐにちぷん、と千切れ、ルイズの開いた唇の隙間に滑り込む。
ルイズは体外で冷えた唾液の刺激に一瞬だけ『あ』と呆けたが、すぐに目に光を取り戻し、才人の耳元で囁いた。
「キス、すき、だいすき…。サイトとキスするの、大好きなの…。
だから、キスしながらして。いっぱい、犯して…」
甘い甘い声で、精一杯の我侭で、ルイズはねだる。
だってこうでも言わないと、この犬ってば…。
ルイズは知っていた。
才人は、ルイズの卑猥な鳴き声を聞きながらルイズを犯すのが大好きなのだ。
特に、後ろから犬のように犯しながら、言葉で嬲るのが才人のツボであると、ルイズはとうの昔に見抜いていた。
しかし。
ルイズは、正面から、キスの雨を降らされながら、息が詰まるほど犯されるのが大好きなのである。
息苦しくなるほど口付けをされ、ねっとりと熟した股間を裂かれるのに、無上の喜びを感じる。
それが番の本能だとしても、唇を塞がれて達する瞬間、ルイズは『愛』を感じているのだった。
だがしかし。
ルイズのおねだりに、才人はんー、と一瞬考える。
…こーいう顔してる時のサイトって…。
果たしてルイズの予想通り。
「んじゃこうしよう。
ルイズがイクまで、キスしててあげる。でも、一回逝ったら、俺の好きにする。
それでどう?」
嬉しそうにそう提案してくる才人。
そしてルイズは内心呆れた。
…条件にもなってないじゃないのよう…。
そんなもの、すぐ逝ってしまうに決まっている。
さんざん身体を発情させられ、強制的に排卵まで促され、さらに部屋には充満した媚薬入りの香。
入れただけで、ということはないだろうが、この状態では数合もしないうちにルイズの堰は決壊するだろう。
だが、そう判断したにも関わらず、ルイズはその言葉を否定できない。
体の奥で熱く疼く器官が、ルイズを屈服させる。
「わ、わかったわよ。
で、でも、一回イクまでは、ちゃんとキスしてなさいよ。約束だかんね…?」
言いながら、きゅ、と再び才人の首筋に抱きつき、目を閉じてキスをねだる。
「はいはい、わかりましたよご主人様」
ちゅ。
才人は応えて、主人の言いつけどおりに、柔らかいルイズの唇に自分の唇を重ねる。
そのまま唇を合わせ、器用にズボンのファスナーを下ろす。完全にいきり立った雄が、ぼろんと飛び出る。
そして、才人はルイズの下半身に手を伸ばす。
スカートの中に手が入った瞬間、異変に気付いた。
才人の手に伝わってきたのは、火照って少し汗ばんだ、きめ細かい柔肌の感触だけ。
この娘。
はいてない。
「あの、ルイズさん?」
唇を離し、突っ込もうと思った才人だったが。
「何キスやめてんのよ!」
ぶちゅう。
無理矢理唇を奪われた。
いやあのその、と口の中で文句を言う才人だったが、ルイズは唇を離そうとしない。
それどころか、下らない突っ込みなんかどうでもいいから、さっさとしなさい、と目だけで命令を下す。
やれやれ、と心の中だけで溜息をつきながら、才人は自分のモノに右手を沿え、ルイズの入り口に導く。
お互いのぬくもりが、溢れ出たぬめりが、敏感すぎる器官を通して伝わる。
どくんと、互いの心臓が同時に脈打った。
それが、合図だった。
ぬる、とあっという間にルイズの裂け目はあまりにもあっさりと才人を飲み込む。
いつも感じる肉の抵抗は、一切と言っていいほどなかった。
その原因は、薄く濁ったルイズの愛液。
さんざん発情させられ、媚薬によって煮込まれた彼女の潤滑油は、粘りを持つまでに濃度を増していた。
そのお陰で才人は入れた時の勢いを全く緩めず、ルイズの底に到達する。
その瞬間びくん!とルイズの体が震える。
一番敏感な奥を圧迫され、膣が蠕動しそうになる。
…だめっ、いっちゃったらキスしてもらえないっ…!
ルイズは脚と腕でぎゅう、と才人を抱きしめ、最初の衝撃に耐え切った。
しかし。
無情にも、才人は普段よりずっと抵抗の少ないルイズの中を、容赦なく削りだした。
子宮内を満たし、膣道を埋めていた溢れんばかりの粘液が、剛直のピストンにぶじゅぶじゅと卑猥な音を立てる。
その速さに愛液が泡立ち、より一層ルイズの中をかき乱す。
そして。
数合繰り返すと、ルイズの背筋がびくん!と反り返った。
刺激に耐え切れず、膣道が容赦なくびくびくと痙攣する。
「あ…かはっ…!」
それでもなんとか声だけは抑えるルイズ。
そして次の瞬間。
「くぁ、出るっ!」
どくんどくんとルイズの中で才人が脈打つ。
「ひ、あっ、だめっ、いってる、今いってるからぁぁぁぁぁっ!?」
あふれ出した灼熱の白濁がルイズの子宮口を灼く。
その瞬間、ぱくりとルイズの聖域の門が開き、白い濁流を飲み込んでいく。
びくんびくんと痙攣する子宮に、生命の奔流が流れ込んだ。
子宮の奥、ピンク色の肉のベッドの上には、薬によって吐き出されたルイズの遺伝子情報の塊が眠っていた。
そこへ、堰を破った白い濁流が降り注ぐ。
愛しい人の遺伝子を乗せたその濁流に、ルイズの卵はあっさりと飲み込まれ───────。
「あ、奥、きた…サイトの、きたぁ…」
絶頂に蕩けた顔で、ルイズは呟く。
不思議なことに、彼女には子宮の一番奥で起きている変化が手に取るように分かっていた。
混じりあった卵と精が、今、命を紡ぎ始めた。
ルイズのゆりかごの中で、今、新しい命が芽吹いた。
自らの中に種が撒かれたのを、ルイズは感じていた。
「サイト…。サイト、サイトぉ…」
それと同時に心の中に満たされる歓喜。
それはすぐに溢れ出し、歓喜の涙となって目尻から溢れ、そして愛する人の名前となってルイズの唇から溢れる。
「ど、どしたんだよルイズ」
普段の性交ではありえない、ルイズの涙に、才人は思わずルイズの身を案じてしまう。
ルイズは泣きはらした顔のまま、聖母の微笑みを、才人に見せた。
「サイト…今ね、私、赤ちゃん…できたよ…」
「え」
そんなのわかるのか、女の子ってすげえな、と思わず感心してしまう才人。
そして、ルイズは才人の下でにっこり笑って言った。
「最初は女の子がいいわ。それで、二人目に男の子」
「お、おい、気が早くないか?」
「一人目はもう確定だもん。二人目もすぐじゃない」
笑顔のまま、ルイズは力を失い裂け目からひりだされた粘液まみれの才人を、きゅ、と握る。
「だから、お腹が大きくなる前に…ね。
いっぱい愛して…」
そして、ルイズの次の台詞が、才人の理性を完全に吹き飛ばした。
「いっぱい愛して…あなた♪」
妻の淫らな笑顔に、才人は完全に復活する。
そして。
部屋の中の香が完全に抜けるまで、二人は愛し合ったのだった。
裸のまま、二人はベッドの上に重なるように横たわっていた。
「…私、子供は三人欲しいな。女の子、男の子、女の子の順で」
「そんな上手くいくとは思えないけど…」
「あら。知らないの?水魔法で産み分けする研究が今進んでるのよ」
「…しらねえよ。俺メイジじゃないもん」
「…そうね。でも、あ、あなたが頑張ってくれればう、上手く、いくんじゃないかしら」
先ほどは行為の最中だったので、素直に、自然に呼ぶことが出来たが。
いざ冷静になると、少し恥ずかしいルイズだった。
才人は照れて真っ赤になるルイズに、くすりと笑って言った。
「それも気が早いんじゃね?まだ婚約の段階だし」
「…な、何言ってんのよ、もう孕んじゃったんだし、確定だもん。
…ふ、夫婦になるんだから、い、いまのうちから慣れておかないと」
真っ赤な顔でそう反論するルイズに、たまらない愛しさを感じる才人だった。
具体的には、ルイズを思わず抱きしめてしまうほど。
「あーもう可愛いなあ、ルイズ可愛い」
「ちょ、な、何調子に乗ってんのよ、ば、ばかい」
思わずいつもの調子に戻りそうになったルイズは、思いとどまる。
…そうだ、『バカ犬』の呼称も、変えてあげないといけないのよね。
そして、思いつく。
「調子に乗るんじゃないわよ、この…。
ダメパパ♪」
つきゅん、と才人のハートに鋭い矢が刺さった。
あーもうガマンきかん。
「もーパパ全力で調子に乗っちゃうぜーっ!」
そして、再びルイズに覆いかぶさったのだった。
その三日後。
王都から取り寄せた、水魔法で調合した妊娠検査薬を使った結果。
ルイズは正式に、ラ・ヴァリエールの次期当主となったのである。
そして、二人の結婚式はルイズが安定期に入ってから執り行う、とヴァリエール公爵は決定した。
しかし。
その結婚式が、とんでもないものになろうとは────────。
毎晩ベッドでいちゃつく二人には、予想だにつかなかったのである。〜fin
_ ∩
( ゚∀゚)彡 GJ!GJ!
⊂彡
はい、子作り編は以上。
次のヴァリエール三姉妹編はいよいよ最終回の予定。
ルイズが孕み、ヴァリエール家当主となる事が決まった今、どんな波乱が!べんべん!
んじゃねゆ。ノシ
>>618 GJ!
シェスタはともかくテファやアンアンやタバサが
この事態を黙って見過ごすはずがないよな 次回は修羅場?
へんたいさんGJ!GJ!
大丈夫、きっとちい姉さまが順番待ちの整理券準備してくれてるさ
勘違いしている人がいるが
せんたいさんのヴァリエール三姉妹編はつづきものから独立してるからメガネもうしちちもわたあめも関係ないべさ
たしかに注意書きで独立してるから出てこないと書いてあったけど、
最初の父来るでルイズは休学届を出してるから、学園関係を含めて
最後は乱交気味もありかな?
へんたいさんなら考えられるかも。
>389
>才人の繰り広げた妄想
確かに、そのまんまっぽいな。
>>623 だが、へんたいさんは我々の想像のさらに斜め上の変態っぷりを見せてくれるであろう
と変なプレッシャーを掛けてみる
サイトが妊娠するのか…
チンコが増えるマジックアイテム
むしろサイトを6人に増やして3人共の両穴を…
モンモンの秘薬で一度サイトを女にしてしまおう。
そしてドSのアニエスさんに攻められる百合ん百合んな戦いへと
630 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 21:47:19 ID:4pvfoqcr
文字通り変態紳士ばっかりだな
だがそこがいい
631 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 22:38:05 ID:s3sEwoO5
15巻のネタでタバサの読みたいな〜
夜の空中散歩の後、勢いでえっちしちゃうとか、2回目の訪問が偽者じゃなくてサイト
本人が来て1回目のでその気になったタバサが迫っちゃうとか…
15巻。いったいどこのSSを読んでるのかと思いましたホント。
そんなわけで妄想のままに、サイトxルイズです。(エロ分は脳内補完で…)
注)ネタばれというほどではありませんが、15巻ネタを含んでいます。
「なんとか卒業までには間に合いそうだな」
「そうね。客室やお庭は後で構わないし。食事と寝床さえあれば、とりあえずは十分よね?」
「二人きりを邪魔されなければ、もうなんでもいいよ。なあルイズ〜」
「……って、ちょっとこら、なにすんのよ」
「週末さ、買い物に行こうよ。家具とか日用品とか、服も」
「……や……だめ、そこだめッ」
「いろいろと、けっこう物入りだよなぁ。金足りっかな」
「……し、使用人は、どうするの?」
「それもあったな。どうしようか」
「……私の実家に言って、はうッ、身元のしっかりした人、あんッ、紹介してもらう?」
「それいいな。頼める?」
「も、もちろん。……あ、でもっ」
そこでルイズは言葉を切った。それから真顔で、
「メイドだけは要らないわ」
きっぱり宣言した。
+ + +
満天の星空の下。夜風をつっきって飛ぶ一匹の風竜がいる。
その背にひしとしがみついているのは、黒髪の少年。ルイズ・フランソワーズが使い魔、平賀才人である。
王宮での仕事を終えて、自宅への帰り道。
おりしも通り過ぎた強い突風に煽られて、才人は嘆きの声をあげた。
「うひぃ! さみーって! 冷えるって! 凍死しちまうよ!」
上空はるか三千メイル。
首を伸ばして下界を見下ろせば、鬱蒼とした森が黒々と広がるばかり。
落ちれば確実に命はない。握りしめる手綱が文字通り、唯一の命綱だ。
「なあ頼むから、もっと風とか乗り心地とか考えて飛んでくれよ!」
声を張り上げて、才人は哀願した。
「俺が魔法使えないの知ってんだろ! 風を避けたり宙を飛んだりなんて芸当俺には無理なんだよ!」
風竜は頭を才人の方に向け、笑うように歯をむき出した。魔法を使えないお前が悪いと言わんばかりの態度に、才人はむっとする。
「なんだよ魔法、魔法ってそんなに偉いもんかよ。俺なんてガンダールヴだぜ。伝説よ? 七万の敵を止めたことだってあるんだっつの。お前そんな大軍見たことすらないだろ」
返答なし。
残念なことにドラゴンは人語を解さないのだ。
それでも構わずに才人は続ける。
「別に尊敬しろとまでは言わねーよ。言わねーけどさ、ちっとは認めてくれてもいいと思うんだ。だいたいお前だって、俺を認めたからこそこうして乗せてくれてんだろ? ま、とてもそんな風には見えませんけどね」
寒い上に、体はへとへと。今にもまぶたが落ちそうだ。
だが寝てしまえば、天国行きのチケットを手に入れてしまうこと間違いない。
だからせめて口だけでも動かしていようと、才人はひたすら無意味な一方通行の会話を続けているのだった。
タバサの使い魔シルフィードの口利きで、毎日の王宮への行き帰りを、成体のこの風竜の世話になるようになってからすでに二週間以上が経つ。
ところがこの誇り高く長命な種族は、容易に馴れ合おうとはしない。
契約だから仕方なく相手してやってるんだと言わんばかりの、鼻持ちならない高慢ちきな態度は、まるで出会った頃の誰かさんのようだ。
今じゃすっかり懐いた仔猫のようなピンクのもふもふ。その姿を思い出し。
あーあ、と才人は低く呟いた。
「じゃじゃ馬ならしなんてもう二度とごめんだよ」
竜は、風をつかまえるべく大きく身をくねらせた。ぐんとスピードが上がる。
才人の体が風圧で浮き上がった。
吹き飛ばされそうになりながら、才人は目をつむりひたすらに耐える。
一時間。それだけ我慢すれば至福の時が待っている。
「新婚さん新婚さん新婚さん……。メイドメイドメイド……」
一心に唱える。
木の枝にひっついている枯葉のように、才人は竜の背の上ではためき続けた。
才人とルイズの屋敷は、ラ・ヴァリエールの領地の隅っこにある。アンリエッタ女王のおわすトリステイン王城に最も近い側である。
「親の監視下に置かれるなんて、冗談じゃないわ! もう子供じゃないのよ!」
当初ルイズは猛反対した。
しかし『虚無』でありかつ『第二の王位継承者』でもある人物の身の安全を考えた王室側の思惑と、可愛い末娘を手近に置いておきたいというルイズの両親のたっての希望とが合致して、この場所に住むように強く勧められた。
アンリエッタ女王からも、「それでは王城内で暮らした方がよいのですか?」と説得を受け、渋々ルイズは折れたのだった。
もとより才人の方は賛成である。四六時中ルイズの傍にいて守ってやれるわけではない。『安全』という二文字は彼の望みでもあった。
そしていざふたを開けてみると、この提案は別の意味でも利点があった。
無償で土地を手に入れたために、予算に余裕ができ、城とは呼べないまでもかなり立派な、実にルイズ好みな屋敷を建てることができたのである。
本館は二階建。
横に長いスタイルで、青い屋根に白壁の優雅で瀟洒な佇まい。
正面には広い車回しと薔薇の咲き乱れる花壇があり、それを囲むようにオレンジやレモンといった果樹が植えられている。
横手にはゼロ戦やドラゴンが着陸できる広いスペースが設けられており、裏手に回ると、散歩するに十分な広さの庭園が広がっていた。ゆるゆると続く小道沿いにはひなぎくやおだまき草、すずらん等の季節の花々が植えられて目を楽しませる。
さらに先を行くと、小舟の浮かぶ池や、足休めの東屋が配されていて、ルイズはそれらをとりわけ気に入っていた。
休日の穏やかな午後、そんな風景の中にいるルイズは、花の妖精のように眩しく愛らしく目に映って、才人はつい、ヴァリエール家に新設された“マンティコア自衛団”が上空から自分達を見張っているのも忘れて、ルイズの小柄な体をぎゅっと抱きしめてしまうのだった。
さらに敷地内には、本館とは別に厩や使用人専用の宿舎まであって、二人の新居は貴族の邸宅としてはなかなかの体裁を整えていた。
そんな我が家を上空から見下ろすと、砂漠の中のオアシスのように、森の中でそこだけがぽっかりと、抜き型でくり抜いたように浮き上がって見える。
その灯りの暖かさに、才人はほっと息をついた。
まだ住み始めて僅かだけれど、すっかり住み慣れた自分の城である。
風竜はぐるり円を描いてから、静かに着地した。
主人の帰宅は、遠目のきく訓練されたフクロウによって報されていて、使用人が玄関先に並んで出迎えてくれていた。
皆かなりの年配……、それも年寄りといってもいい年齢の者ばかり。
唐突に、子供の頃に家族旅行で訪れた温泉旅館を思い出す。その玄関先で従業員から一斉に頭を下げられて、なんとも言えない居心地の悪さを感じたが、今もそれと似た感覚を覚えながら、竜の背から降りていると、
「おかえりなさーい!」
上から声がした。
見上げると、屋敷の二階の窓から桃髪の少女が身を乗り出して、ぶんぶん両手を振っている。
「ルイズ!」
才人は嬉しそうな声をあげた。
頬を上気させて手を振る少女の姿は、美しい西洋風の館とあいまって、ソフトフォーカスがかった映画のワンシーンを思わせる。
腰まで届く波打つプロンド。宝石のように煌く大きな瞳。
こんな距離からでも容易にわかる。
まぎれもなくルイズ・フランソワーズは極上の美少女だった。
いやはやこんな可愛い子、映画の中やゲームの中でだって早々お目にかかれない。
ファンタジー世界万歳である。
そんな少女の頭を飾るのは、白のカチューシャ。
体を包むのは、漆黒のワンピースに、レースひらひら純白エプロンドレス。
さて問題です。この衣装はなんでしょう? 答え。萌え装備の究極系。またの名をメイド服と言います! ああ俺ってば天才! 才人は歓喜と自己満足にひたりながら、すくと仁王立ちで両腕をいっぱいに広げた。
「ルイズ、たっだいまー!」
「行くわよ!」
少女は勇ましげにそう言うと、杖を掲げてなにやら呪文を詠唱した。片足をひょいと窓枠にかけて、軽やかに飛び上がる。
ひらりそのまま宙を舞う。
桃色がかったブロンドが、広がってなびく。
これがもし背中に羽でも生えていて、鳥のように軽やかに降りてくるのであれば、まさに天使といった風情なのだが……、しかし少女は見事に重力の法則にもとづいて、急降下で落ちてきた。
目もくらむ衝撃とともに、その体を才人は全身で受け止めた。いや無残に押しつぶされたといった方が正解か。
ともかく才人はルイズの下敷きになったまま……、切なげに漏らした。
「お前さ、俺のこと生身の人間だってわかってんの?」
「わかってるわよ!」
「いい、見てなさい? 明日はしっかり決めてみせるんだから。ヴァリエール家の娘たるもの『レビテーション』ぐらい使えないわけがないじゃない。次こそは、かろやかに、ぱあっと飛び込んでみせるわよ!」
「諦める気、ない?」
念押しに聞いてみたが、
「聞くだけ無駄!」
軽く一蹴されて、才人は諦めて肩を落とす。
まあ、いいけどさ。こういうのが子供の頃からの夢だったと言われれば、我慢して付きあってやるほかはない。
その程度の度量は持ち合わせているし、それに自分だって似たようなもの。見合う以上の報酬はしっかり頂いているのだからして……。
「ほらほらほらぁ」
いきなりルイズが甘え声に変わった。
「なんだよ」
「だからぁ、帰ってきたらぁ、まず言うことあるでしょ」
指でぐりぐりと才人の胸をつつきまわす。
「もしかしてあれ?」
「そうよ」
「言わなきゃだめかな」
「当たり前じゃない」
仕方ないなぁ、と才人は、こほんと咳一つ。
「ただいま、俺の可愛い奥さん。会えない間すっごくさびしかったよ」
すらすらと言い切る。コツは深く意味を考えないこと。要はマジナイみたいなもんだ。
ほわんとルイズの瞳が夢見る乙女のそれに変わる。
「ちゃんと言ったぞ。ほら、お前も言えよ」
「う、うん……」
ルイズは恥ずかしそうに俯いて、両の人差し指をもじもじとこねくりあわせた後で、
「おおお、おかえりなさいませ。ごごご、ご主人様っ!」
しぼりだすように、言った。さらにワンピースの裾を握りしめながら、
「ごご、ご主人様がいらっしゃらないので、ルイズとってもさみしかった、ですぅ!」
真っ赤に染まった顔で、言った。
くはぁ、と才人の口から間抜けた息が漏れる。
(……やっぱ俺って天才! 天才ここに極まれり!)
これぞ平賀才人考案・日替わりお帰りメッセージ。
本日のお題は『メイド』。
他にも、制服バージョン、猫バージョン、ゴスロリバージョン、お嬢様バージョンなど、曜日ごとに衣装や台詞がこと細かく設定されていて、一日をそれに従って過ごす約束になっている。
そして今ルイズの身につけているメイド服は、学院のそれのデザインを基本に、丈を限界まで短く仕立て直した渾身の一作だ。
馬乗りになっているルイズの下半身に目をやると……、究極のエロチシズムがそこに展開されていた。
「じゃ、じゃあ、寂しくさせたお詫びに、今日はいっぱいかわいがってあげような!」
興奮しきりに、ああちくしょう、どうやってかわいがってやろうか、とアレやコレや手段を様々に思い浮かべながら、半身を起こし、目の前の赤く染まった頬に手を伸ばす。
「ん……」
ルイズは素直に目をつむった。その薔薇の唇に己のそれをゆっくりと近づけたその時……、巨大な空気の塊が飛んできて、二人を大きく跳ね飛ばす。
ぎゃんと叫びをあげて、二人は地面をゴロゴロ転がった。
上空に現れた黒い影がわんわんとがなる。
「下界の者どもに告ぐぅ! 即刻そのいちゃいちゃを止めろーっ! さもなければ神と始祖ブリミルとトリステイン女王の御名のもとにー、天罰が下るであろうーっ!」
ぽかんとした表情でルイズはそれを見上げ、呟いた。
「……王室の竜籠?」
いかにもそれは王室専用の竜籠であった。
四匹の飛竜につながれた王室の紋章付きの籠は、空からゆっくりと降りてくると、才人が乗ってきた風竜の横に着地した。
「まったく君たちは変わらないな。いったい恥ずかしくないのかね」
最初に姿を現したのはギーシュ。続いてマリコルヌが、ねっとりと二人を眺めながら、
「そうかぁ。これが噂の“新婚さんごっこ”ってやつかぁ。なぜ君らが結婚しちゃわないのか不思議に思っていたんだけど、なるほどね、“ごっこ”の方が盛り上がるってわけなんだね!」
勝手に納得し、次いでルイズに意味ありげな視線を送る。
「というかね、ルイズ。君のその格好はなんだい? それがサイトの好みってわけなのかい? それとも君自身の趣味だったりするのかな」
「ちち違うわ! したくてしてるんじゃないわ!」
ルイズは弾けるように立ち上がった。
前かがみに、極ミニワンピースの裾を引っ張る。すると困ったことに、後ろに立つ才人からはヒップが丸見えになった。その事実はおそらく周囲の人間にも予想できるのだろう。皆にやにやと見つめている。
「し、仕方ないじゃない! これが才人の故郷の習慣だって言うんだもの!」
「習慣ねぇ」
「本当なんだから! ね、そうよねサイト!」
才人は顔を赤らめ、苦しい言い訳をした。
「あー俺のいた国じゃさ、新妻はこういった格好で夫に奉仕する習慣があるんだよ、うん」
「そういえば、君は東方の出身だったな。向こうじゃそんな素晴らしい習慣があるのか……。うーん、結婚したら僕もそっちの習慣に従うかな」
しきりに感心するギーシュの様子に、おいおい信じるなよ、と才人はひそかにツッコミを入れる。
「それよりあんたたち、いったい何しに来たのよ!」
「ずいぶんとご挨拶だな。君のためにわざわざこんな辺鄙な場所まで足を運んだというのに。女王陛下直々のご命令でね、あるものを届けにきたんだよ。……ほら」
ギーシュは脇に寄ると、背後にいた人物をつと前に押し出した。
明るい懐かしい声が、ルイズに向けられる。
「お久しぶりです、ミス・ヴァリエール。またしばらくお世話になりますわ」
にっこり微笑んでお辞儀をしたのは……、ついこの前まで同じ部屋で過ごしていた黒髪のメイドだった。
「シエスタ……!」
ルイズの瞳が大きく見開かれる。
「なによこれ、どういうこと?」
ルイズは才人の方を振り返ったが、すでに彼にも話は通じているらしく、どこか困ったような表情を浮かべている。
「ひとまず詳しい話は、陛下から直接伺ってくれないか。お待たせしてるんだ」
そう言って、ギーシュが杖を一振りすると、すうっと布に覆われた四角い物が飛んできて、ルイズらの目の前で、宙に浮いたまま停止した。
ふぁさりと布が地面に落ちる。一枚の鏡が姿を現した。
「あいかわらずね、ルイズ・フランソワーズ。あなたの元気な姿を見られて嬉しいわ」
鏡の中から語りかけてきたのは、麗しきトリステインの女王アンリエッタであった。
もう2回ほど続く予定。
キュルケ物はひとまずおいて、こちらを終わらせる方向で。
メイド! メイドキタ!!
GJ!
15巻のマリコルヌのチートぶりにわろた。
あああああGJ
続き楽しみにしてます
ぎふとさん、キター!
新婚さん!そして変態紳士サイト!
>>632>>637 GJ!
なるほど、15巻冒頭のイチャイチャごときは、ここのSSでやるようなもの、とは
そういう主張でしたか w
続き待ってます
いやあ、ルイズ川相卓
ぎふとさん乙乙
サイト×シルフィでハーフドラゴンみたいな子が生まれるようなSSでも、別に構わんのよな…(構想だけで筆進まず。進行中のSSが完結しねぇ…
体の右半分が竜、左半分が人間の子供か
上半身が竜下半身が人間ならエロパロ的に無問題?
シルフィの出産は妊娠ではなく産卵な件についてw
649 :
ツンデレ王子:2008/10/08(水) 04:04:05 ID:C3g6YboY
>>645-648を見て、ちょいと思いついたネタを投下します
4レス程
ちなみに、獣姦ものでは無いです
650 :
誰の子?:2008/10/08(水) 04:04:45 ID:C3g6YboY
長く青い髪の女が訪ねてきた。
その姿は一糸纏っておらず、大きく膨らんだ胸や身体の中央よりやや下にあ
る青い叢までもがもろに目に飛び込んでくる。
「サイト、一緒に来るのね」
女は開口一番そう言い、俺の手を取って走り出した。
そしてここはヴェストリ広場。
ゼロ戦の格納庫の裏手に連れて行かれた俺は、突然彼女に下半身を露出さ
せられてしまった。
「おい、何すんだよ」
「これにサイトの精子をかけるのね」
そう言って彼女は俺の背後へと回ると、我が愛しの肉棒へと手を這わせたの
だ。
(…これ?)
よくよく見てみると、そこには昔図鑑で見た駝鳥の卵より一回りほど大きい卵
が、まるでラグビーボールかの様に盛り土に立てられていた。
何が何やら分からず、俺の頭にはクエスチョンマークが飛び交っている。
そんな俺の状況に構わず、彼女は女性特有の柔らかい手で我が分身を扱き
たてる。
(こいつ、どこでこんなテクニックを…)
彼女の手の動きはまるで熟練した女のそれである。
緩急をつけたり、絶妙な力加減で強めに握り締めたかと思うと逆に力を抜いて
やんわりと握ってきたり、エラの下辺りで手に回転運動を加えて刺激してきたり
、挙句の果てには空いた手で陰嚢をやわやわと揉んでくるのだ。
651 :
誰の子?:2008/10/08(水) 04:05:47 ID:C3g6YboY
「サイト、早く出すのね」
耳元で囁かれ、熱い吐息が掛かる。
ルイズを始め多くの女達と関係を持った俺。
今では全ての女達を足腰立たなくなるまでよがり狂わせる事も出来る俺だが、
彼女の手に掛かると僅か数秒しか保つ事が叶わなかった。
「で、出る!!」
俺の声を聞き取ったのか、彼女の手の動きは更にスピードを増していく。
やがてこれまで酷使してきた我がムスコは、その先から白く濁り粘ついた液体
を吐き出した。
血を滾らせたソコは天を仰いでおり、そのまま吐き出していたのなら大きく弧を
描いて標的に浴びせられる事は無かっただろうが、彼女の手によってしっかりと
卵に標準を向けられていた。
「ありがとうなのね、サイト」
彼女は一言礼を述べると、卵に付着した白濁をしっかりと馴染ませるように塗
り込む。
「数ヵ月後を楽しみになのね」
竜形態に変貌を遂げた彼女はそう言い残すと、大事そうに卵を抱えて飛び立
っていった。
数ヵ月後。
今度はしっかりと衣類を身に纏った青髪の彼女が現れた。
だが前回と違っていたのは、服を着ているだけでは無かった。
両手で大事そうに何かを抱えている。
そっと覗き込むと、果たしてそれは赤ん坊であった。
652 :
誰の子?:2008/10/08(水) 04:06:27 ID:C3g6YboY
「お、おい、この子もしかして…」
「サイトとわたしの子なのね、きゅい」
確かに言われてみれば、その赤ん坊の面影はどこかサイトに似ている。
そして、鮮やかな青をした彼女の髪に比べると赤ん坊の僅かに生えたそれは
黒に近い色をしている。
「……何してるの?」
そこに、彼女の主人であるタバサが通り掛った。
「お姉さま、見てなのね」
彼女は胸に抱いた赤ん坊をタバサに見せた。幸せそうな顔をして。
「……誰の子?」
「わたしとサイトなのね」
彼女は以前にヴェストリの広場であった事を綿密にタバサに耳打ちした。
瞬間、音を立てそうな勢いでタバサの頬が赤くなったかと思うと、彼女は人間
形態の使い魔の頭を叩こうと杖を振り上げる。
ところが時を同じくして、赤ん坊が泣き出したのだ。
タバサは彼女を叩くのをやめて暫し思案すると、頬を染めたままサイトの腕を
取った。
「な、何だよタバサ」
「……子作り」
「は?」
「わたしもサイトの子を産む」
タバサはきっぱりとそう宣言すると、有無を言わさずサイトの手を引いてその
場を去って行くのだった。
653 :
誰の子?:2008/10/08(水) 04:07:15 ID:C3g6YboY
サイトとシルフィードとの間に出来た娘。
彼女は母であるシルフィードとは逆に普段の生活を人間形態で送っている。
無論ハーフだからして、受け継いだ先住魔法によって竜形態へと成る事が可
能なのだが、彼女がその特技を身に着けるのは未だ数年先の事である。
-END-
654 :
ツンデレ王子:2008/10/08(水) 04:09:14 ID:C3g6YboY
以上
とんでもない物を書いてしまった
だが、後悔はしない!w
さて、青春時代、次はタバサのターンを予定してるのですが…
中々進まない><
もう暫くお待ち下さい
では〜ノシ
…本来、トリやトカゲみたいにカラのついた卵を産むイキモノは、交尾して卵子に受精した後、体内でカラを卵子の周りに形成して産卵というプロセスをとると…
いかなサイトとはいえ、生まれてしまった無性卵に、精子をカラを浸透して受精させることってできるんかいな(w
野暮なツッコミは無しだぜ。俺は素直にGJ!という賛辞を送ろう
卵生、卵胎生、胎生。
シルフィードなら、どれでもアリな気がする。
単純に人形態でエッチして、竜形態で卵うんでもよさそうだが
それでは理屈として合っていても、話がつまらない w
勇者の勇猛に敬意を表しつつ、これでいいんだとおもう
ここは素敵な変態の集うインターネッツですね、乙
>>655 そこは、ファンタジー舐めんな地球って事で
某スレ風に言うと 妄 想 万 歳 !! だな
いやでもカエルじゃないんだからさ…w
663 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 16:06:54 ID:HhHftZBF
しかしトカゲもオス無しで子供作る種もいるから
きゅいきゅいも自分だけで繁殖していそう
処女で産むとなると膜に卵がひっかかるんじゃなかろうか…と思ってから気づいてしまった
竜のシルフィに処女膜はあるのか? 通常、人間とモグラにしか膜はないが。
無い方がシルフィらしい明るいエロパロSSが書けそうなので、無い方向で
>>664 ならばモグラであるサイトにも膜は有るって事か…
>>666 雄にはないだろ サイトのモグラ扱いは見た目のことだから
ウィキペディアで調べたら他の動物にもあるみたいよ 処女膜
それはあれか、ギーシュの使い魔を女体化させて
どうにかしてしまいたいという遠回しな要求か。
…竜姦と土竜姦て似てるネ!
保管庫のX00-42シリーズを書いてる作者さん、誰なのかな?
すごい頻繁に更新あるし、面白いから「名無し」じゃもったいないよ?
どこに感想書いていいか分からないから、ココに書きました!
残念ながら直接投稿してる人みたいだね
雑談掲示板にでも書いたら?
>>664 > 通常、人間とモグラにしか膜はないが。
それ嘘らしいぞ
膜なんかにこだわってんじゃねーってことで誰かが言ったとか
673 :
ツンデレ王子:2008/10/09(木) 04:04:28 ID:PIhHIF1i
さてさて、お待たせですじゃよ
青春時代の続き、落としますじゃ
未だ途中なのですが…^^;
4レス程
今回はタバサたんの回ですよ
674 :
青春時代:2008/10/09(木) 04:05:13 ID:PIhHIF1i
*************************************************************
【12】
ノースリーブの黒いシャツにフリルが誂えられた赤いスカートを履き、いつもの白いニーソックスという服装をした少女。髪の色も加わり全身のコントラストが醸し出す雰囲気は、魔法学院の制服の時とは違って歳相応の活発な少女のそれである。
これで何度目になるだろうか。自身の姿を見下ろして着崩れが無いかチェックを入れると、じっと扉を見つめる。その瞳には、何かを決意したかの様な強い光が込められていた。
(もう、遠慮はしない)
声に出さずに呟くと、彼女は円卓に置いた赤い鞄に手を通した。
トリステインでは取り扱いの無い革製品で、被せで中身が落ちない様に蓋をする仕組みとなっている。肩紐が二本付いており、両手が自由に使えるという優れもの。
これは彼女が自国で無理を行って作らせたもので、ハルケギニア広しといえど彼女の出身国でしか取り扱いの無い物である。
少女が鞄を背負い終わり立てかけていた杖に手を伸ばそうとしたその時、タイミングよく部屋の入口がノックされた。
「……入って」
彼女の声に応える様に扉が開くと、黒髪の少年は室内に入ろうと足を踏み出し……固まった。
「……」
「……」
この数秒の空白に不安を覚えた少女は、珍しく涙を目尻に湛えて上目使いに彼を見上げる。僅かに頬を染め、顎を引いた為に出来た眼鏡との隙間から裸眼で見上げられ、少年は思わず彼女を抱きしめていた。
「ぁん」
艶っぽい声をあげ、なすがままに彼の胸に顔を埋めてしまう少女。
「……サイト、苦しい」
「ご、ごめんタバサ」
彼女の訴えにより理性を取り戻したサイトは抱擁を解き、タバサを開放した。
そして、部屋に訪れた時から感じていた疑問を口にする。
675 :
青春時代:2008/10/09(木) 04:07:43 ID:PIhHIF1i
「どうしたんだ、その格好?それに、呼び出したりなんかして」
彼の抱擁に気を良くした彼女は、しかしながらその問いに答える事無く身を反すと、杖を手にして窓際に向かう。そして
「乗って」
短く告げると、タバサは窓から身を躍らせたのだ。
慌てたサイトが駆け寄って見下ろすと、そこには己の使い魔である風韻竜の背中に乗った彼女の姿が。
「乗って、早く」
「ったく、しょうがねぇなぁ」
未だ理解が追いつかないものの、サイトは一言そう漏らすと彼女に習って窓から飛び降りる。
タバサのレビテーションによって調整されながら背に跨った彼を確認すると、シルフィードは飛び立って行った。
シルフィードが降り立った場所、そこには色とりどりの花が咲き乱れており、桃源郷と呼ぶに相応しい場所であった。
「へー、こんな所が在ったんだ」
サイトは目を見張り、震える声で呟いている。
こちらの世界に呼び出されて既に2年が経とうとしていたが、これまで伝説の使い魔ガンダールヴとして戦争に借り出されたり、ルイズの供をしたりと忙しない日々が続いていた。
また地球に居た頃も、コンクリートジャングルで育った彼はこの様な景色を見る機会も無かったのだ。
喜びを隠そうともしないサイトを見て、タバサも表情には出ていなかったが心底安堵していた。
(よかった、喜んでくれて)
それまでタバサは、積極的にアプローチする事を避けていた。
676 :
青春時代:2008/10/09(木) 04:08:49 ID:PIhHIF1i
自分は彼に仕える騎士だから、と言うのが主な理由ではあるが、他にも彼女が戸惑いを覚える理由があった。
それは、ルイズの存在である。
サイトが彼女を好きなのは、周知の事実である。そしてルイズが彼を好きなのも、いくら本人が口では否定しようとも傍から見ていて明らかである。その為タバサは彼女に遠慮していたのだ。
ところが先日街で目にした彼は、桃髪の少女ではなく栗色の髪の少女と逢瀬を行っていた。タバサの眼力を持ってしても彼女の正体を見抜く事は出来なかったが、それはこの際関係無い。問題なのはルイズ以外の女と仲睦まじく歩いていたという一点のみである。
自分が躊躇している間に、他の女に取られてしまうかもしれない。
そう危惧した彼女は、この事をルイズに報せようかとも思ったが、止めた。
もしルイズに報せたなら、また彼が酷い仕打ちを受ける事は明白である。それに何より、どこの馬の骨とも分からない女にチャンスが有るなら自分にだって有っていいはず、そう思ったのだ。
ちなみに今タバサが着ている服も、その時に買ってきた物。『あれに勝つ』宣言をした彼女が選んだ、彼女の魅力を最大限に引き出す戦闘服である。
ロマリアで教皇の陰謀により自分の気持ちに気付かされてしまったタバサだったが、当時泊まった部屋で自分の魅力の無さに気付いた彼女は、逆の発想をしたのだ。魅力が無い事を魅力にしよう、と。
「タバサ、昨日俺を呼び出したのはこれの為?」
振り向いたサイトが、そう聞いてくる。
「……そう」
小さく頷きながら声に出して肯定すると、サイトは駆け寄って彼女の小さな手を両手で掴んだ。そして
「いやーありがとうタバサ、すっげー感動したよ」
と嬉しそうに微笑むのだった。
その彼の笑顔はタバサの乙女心を鷲掴みにする。
「俺、元の世界でもこんな景色見た事無いからさ、もう最高」
繋いだ手に更に力を込めて今にも『ひゃっほ〜』と叫んで飛び上がらんばかりに感動を露わにしているが、タバサはそれどころでは無かった。
握られた手から彼の温もりがダイレクトに伝わり、もしかしてサイトにも聞こえてしまうのではと思うくらいに心臓の音がヒートアップしている。
677 :
青春時代:2008/10/09(木) 04:09:27 ID:PIhHIF1i
「……手、痛い」
かろうじて声に出来たのは、ただそれだけ。
「わ、わりぃ」
しどろもどろになりながら、タバサから手を放すサイト。
彼女のドキドキが伝わったのだろうか。
いや、そうでは無い。
やや俯きがちに声を絞り出す彼女の頬は薄く染まっており、視線だけを持ち上げて見つめてくるその表情に妙な色気を感じてしまっていたのだ。
「その辺でちょっと休もうか」
タバサの顔を直視出来ずに辺りをきょろきょろと見渡したサイトは、近くの大木を指差して提案した。
勿論タバサに異論があろう筈も無く二人は並んで大木の下まで来ると、幹に背を預けるようにして並んで座り、その美しい景色に心奪われていくのだった。
678 :
ツンデレ王子:2008/10/09(木) 04:13:24 ID:PIhHIF1i
今回は以上
まだこのままタバサのターン続きます
ありきたりなネタでスマン><
しかも今回は自分で書いてる内に、恥ずかしくなってくるし…
もうほんと、背中が痒いの何のw
さて、そろそろ寝ますわ
次回はタバサとのエッチに入れたらいいなぁと思いながら…
679 :
ツンデレ王子:2008/10/09(木) 04:15:22 ID:PIhHIF1i
そうそう、言い忘れ
誤字なり表現のおかしな部分有ったりしたら、指摘お願いします
>>679 せっかくなんで
一行がすごく長くて読みづらいんだけど
いつもはこうじゃないよね?モニタ買い換えた? w
あ、GJ!です。でもまだ山が先みたいなのでwktkで待ってます
革製品・・・被せで蓋・・・肩紐・・・両手が自由・・・
アレしかないなw
GJす
GJ!
人によって違うんだろうけど、俺には行が長いのは気にならなかった。
作者さんの書きやすいカタチでいいと思う。
GJ!ブラウザの幅で調整するから自分も気にならない派
15巻タバサは反則的な可愛さだよな。ピュア具合が堪らない
そして書き手さんはタバサに同化するから痒くなるんだろうと想像してみる
人間形態のイクイクゥをレイプして、きゅいきゅい鳴かせたい
イクイクゥのエロSSあったら教えてください><
急にきゅいきゅい好きが多くなったな。
>>685 ん〜ネタ?
きゅいきゅいを絡めたエロ?まかせんしゃい!
「さーサイト絡むのね!」
「…いや待て、お前竜だろう!」
「だーいじょーぶなのね!人に化けてる間は入れる穴もばっちりなのね!
もうミミズ千匹なのね!超名器だからサイトも速攻昇天なのね!きゅいきゅい!」
「いやまって耳に息、背中におっぱあああああああああ」
「そーれ、きゅーいきゅーい」
「…竜皮のカバンって売れると思う?ルイズ」
「…それよりも、そろそろ私『犬の躾け方大全』が書けそうな勢いよ」
ダメだ無理だ!w
まあそんなこんなで新作いきます
やっぱりない。どこにもない。
捜し物は見つからない。かつては王都へ水を運んでいた、今は廃棄され枯れた地下水道を利用した文字通り地下市場でも、見つからない。
もう、表に出回っているぶんは、貴族の有閑夫人たちが高値で買い漁ったため、相場がとんでもなく上がり、自分では手が出ない。
具体的には、それを適量手に入れるには、トリステイン辺境に立派な庭つきのお屋敷が立つほどの金額がかかる。
…そりゃ宝石店の入り口に、宝石でできた瓶に入れられて飾られもするわね。
成分を抽出し、製法を突き止めるところまではできた。しかし、水魔法の専門家でない自分には、微妙な温度や水分量、材料の配合具合がわからない。
それに、突き止めた成分もろくでもないものばかり。ひょっとすると水魔法で再現できるのかもしれないが、自分にそこまでの水系統のスキルはない。
その原材料も、もし見つかればと思ってここへ来たのだが、やはりそれも見つからなかった。
…サイクロプスの角膜なんて、どこで手に入れるのかしら。
捜し物は、見つからない。
黒いフードを目深に被り、地下市場を小さな影が歩く。
大人に混じって小さな影がちょろちょろと薄暗がりを歩く姿は、異様であった。
しかし、この市場に居る誰も、そんな事は気にも留めない。
本来水の通っていた一段窪んだ道が、客の通る道になっていた。
二人も通れば肩がぶつかるような狭さだったが、客は水道の端から端まで合わせても10人にも満たないので、問題はない。
たまにすれ違う事があっても、お互い干渉しないように器用に道を譲り合う。
そして、両脇に居並ぶ、布の上に商品を数点並べただけの簡素な店の店員達はは、客寄せの声を上げることはない。
客が店の前で立ち止まり、商品を手にとって、その商品について尋ねられるまで、声を上げることはない。
石壁に覆われたこの廃地下水道は、石を蹴る音すら反響する。そのため、店員も客も、必要以上の音を立てない。
もちろんそれは官憲を警戒してのこと。この地下市場で取引されているのは地上では及びも着かないほどの非合法品ばかりだ。
たとえば、銃士隊隊長の履き古したタイツやら、魅惑の妖精亭No,1のサイン入り本人の脱ぎたておぱんつやら。
そのどれもが、当然の事ながら目の飛び出るような金額で取引されている。
しかし、彼女の目の付けた材料の相場を総合しても、表で取引されているそれの金額には届かない。
以前はせいぜい高価なドレス程度の値段だったのに、今や郊外に立派な屋敷が立つ値段である。
出所の確かでない噂によれば、それの人気に目を付けた業者がそれを囲い込んで、値段を吊り上げているらしい。
しかし、それは正しい情報ではないと、地下市場を歩く小さな黒い影は知っていた。
『あれ』の値段が吊りあがった原因は、先も述べたとおり。有閑夫人たちがこぞって大量に買い付けたためである。
それの持つ効果は同種のそれを遥かに越え、一度使うとまた使ってみたい、そう思わせるほどの効果があった。
その名は『オーガの血』。
それはオーガから採取されるものではないが、その効果と薬の色から、血の名を冠する、強力な媚薬。
女性が服用すれば全身が性感帯と化し、刺激に対し何倍も敏感になる。男性が使用すれば性器が肥大化し、体力と精力を何倍にも増幅する。
小さな黒い影は、この地下市場に一縷の望みを託し、それを求めていたのである。
しかし、本来ここは『手に入らないもの』を手に入れる場所。
『オーガの血』は『手の届かないもの』になってしまったが『手に入らないもの』ではない。
それは、百も承知していたはずだった。
だが、やはり望みを捨てきる事は、できなかったのである。
しかし結局、捜し物は見つからない。
うなだれ、地下市場の出口へと向かう小さな影。
その脇から、声を掛ける者がいた。
「そこのお嬢さん。あなた以前、私の店で品物をお捜しになっていた方じゃありませんか?」
この地下市場で店員が客に声を掛けることは滅多にない。
だが例外はある。何度もこういった店を使い、『お得意様』となった人物は、信用のおける人物として、店員が声を掛ける場合がある。
その店員。中肉中背の、どこにでもいるような中年の親父は、黒い小さな影を知っていた。
彼は以前、トリスタニアの裏町で魔法具屋を営んでいた。
そこで、この人物に品物を売ったのである。
その後、彼は王都を出て別の場所で商売を始めたが、王都以外の場所で魔法具屋がそうそううまくいくはずもなく。
仕方なしにとっておきの品物とともに、この地下市場で王都に再び戻る資金つくりをしていたのである。
彼女とは以前敵対していたこともあったが、今は純粋に客と売り手の関係にある。
しかも、彼女なら支払いは確実だ。
店員はにこやかに続ける。
「『あれ』はここにゃあありませんが…代わりになるものが、入ってますよ」
最初は人違いを装って通り過ぎようとしていた黒い影だったが、『代わりになるもの』の言葉に、完全に足を止める。
「…あまり、沢山は出せない」
いつものように抑揚のない声で、黒い影はフードの奥から呟く。
店主は椅子にかけたまま、黒い影の下からにっこり笑って応えた。
「ええええ、貴女の置かれたお立場はよく存じておりますよ。
できるだけウチも勉強させていただきますから」
そして、自分の椅子の脇に置いてあった、十本ほどの薬瓶の詰まった小箱を正面に持ってくる。
「この箱の中身、一品につき全て以前にお買い上げいただいたものと同じ値段でようございます。
効果の説明は要りようで?」
店主はにやりと笑って小箱を差し出す。
黒い影は、効果をよく聞くためにフードをふぁさ、と外した。フードの内側からでは、小声で話される店主の声が聞き取り辛い時があるからだ。
フードの内側から、絹糸のように滑らかな、短めの青い髪がふわりと広がる。
「説明、聞かせて」
その表情はいつもと同じように微動だにしていなかったが、彼女の恋人なら彼女が興奮しているのを一発で見抜いただろう。
それが証拠に、耳の下の肉がぷるぷると震え、二つ名になぞられる雪のように白い頬が、ほんのり朱に染まっていた。
そして。
タバサは、才人のために、『オーガの血』の代わりを果たせる薬を一瓶、買ったのである。
明日も仕事なので今日は以上。
んじゃねゆノシ
>>690 今回も寸止めかよ!と文句を言いつつGJ!