アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、OVA化も決定した「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。
☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること
※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。
■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます
マターリはぁはぁしましょうか。
☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html ☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ51
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1218371860/
新スレ乙
いつまで続くんだwww
だー
>>1 乙ってことかい?ぷ!
>>12 正確には『
>>1 乙ってこたない』だと思うが。
とりあえず早く書き上げなきゃ……
>>13 スマン…。未だに歌詞がうまく聞き取れてないのかも…。
前スレのTS荒らしはとんでもないチキンだった 奴が現れた夜、こなかが板にコピペ荒らしが来なかったのは偶然?
こなた「だが断る」 かがみ「空気よみなさいよあんたは・・・」
20 :
名無しさん@ピンキー :2008/09/03(水) 21:33:49 ID:VHsMWYxJ
>>16 と
>>18 を見て、かがみのニーソをくんかくんかしてるこなたを想像して萌えた
sageてない自分に萎えたorz
その命神に返しなさい
>>20 俺としては、そのフレーズからそんな斜め上な妄想ができるあんたに萌えた
ひょっとしてひよりんか?
24 :
ルーク :2008/09/03(水) 21:47:21 ID:VHsMWYxJ
25 :
ひよりん :2008/09/03(水) 21:50:52 ID:VHsMWYxJ
…なんて妄想してたら、かがみ先輩のニーソ持って帰ってきちゃったッス…
26 :
こなた :2008/09/03(水) 22:28:19 ID:1LZ8P3D6
>>25 やぁ、ひよりん
そいつを渡してもらおうかね? (手をワキワキさせながら)
へんたいかがみさんならぬへんたいこなたさん?
俺はへんたいかがみさんの方がいい。こなたが常識人な方が好きだ。 あと「あやみさ」もかなりツボだった。
30ゲット。これで即死回避か? 前スレの小説にあったツンデレこなたが俺の心に住み着いてしまってどうしようもない
回避ついでに小ネタを投下します。刺身のツマ程度のものです。
戦争ネタ(死人、暴力描写は無し)、このレスで全てです。
*** ***
知っているだろうか?ベトナム戦争中の当時、軍の娯楽品として煙草が配布されていた事を。
そして、その中でも兵士がもっとも忌み嫌った煙草があるという事を。
それは、『ラッキーストライク』。
まるで的のようなデザインのパッケージ、弾が命中する事を連想させるような銘柄名。……兵士が毛嫌いするのも頷ける。
だが、中にはそんな嫌われ者の煙草を持ち歩く者もいた。……これから紹介する四人も、そんな兵士の一部だ。
まず、偵察から戦闘までをそつなくこなし、ムードメイカー的雰囲気を持つ――コナタ。
「基本はやっぱ大事だよねー。……あ、このシチュー温めるの忘れた」
次に、戦闘に関してはエキスパート、率先して敵陣に特攻して道を開く――カガミ。
「……まったく、誰がブルドーザーよ。そんなに私は凶悪か?」
他の兵士に比べて戦闘能力は劣るが、爆発物や機械の操作に長けている――ツカサ。
「今日は何を作ろうかな?モロトフカクテル(火炎瓶)にしようかな?パウダーケーキ(火薬式爆弾)にしようかな?」
そして、上記の三人をまとめる存在であり、チーム唯一のスナイパー――ミユキ。
「こう見えて、情報戦も得意なんですよ?お恥ずかしながら」
彼女達の詳しい所属などは明らかにされていない。しかし、他の兵士達が畏敬の念を込めて呼ぶあだ名がある。
彼女達のヘルメットバンドに挟まれたラッキーストライク、そして、ヘルメットに吹き付けられたステンシルの星型マークから取られたあだ名が。
……チーム『LuckyStar』。
今日も彼女等は、戦場を駆け巡る……
*** ***
あとがき
まあ、ナム戦なんて知らんがな!(まさに無知)(挨拶
とりあえず、今回は
ttp://10.studio-web.net/~phototec/mci3.htm ←このページの一文から妄想を広げてみました。
ベトナム戦争について詳しくないので、ちゃんとした物語としては書けませんが。……というか、つかさに台詞を言わせたかっただけです。
>>31 ごめん、その立ち位置聞いて、映画「アヴァロン」を彷彿してしまったwwww
シーフ兼ファイターとファイターとメイジとスナイパー兼ビショップか
なかなかいい組み合わせだな。
クラスAの戦場を縦横無尽に駆け巡る彼女たちの姿が目に浮かぶぜコンチクショウ
新スレ乙です。 まだ、51の序盤のSSで保管されてないものがあるので、保管庫入りしてくださると嬉しいでつ。
気持ち悪いスレタイ久々に見かけたので記念カキコ まだ続いてたこと自体も驚きだがまさか52スレ目とかwwwおまえらマジ狂ってるなwwwww 読んでみようとは決して思わないけど内輪だけでここまで飽きずに続けられる執念にただただ脱帽 ここまできたらいっそ100目指しちゃおうぜ
なんというツンデレ
かがみ「あんたまたエロげーとかやってんの? わたしが家に来るといっつもやってるような気がするのは気のせいか? まあこなたも18歳だからもうちゃんと合法だけどさ。 見た目は完璧違法だけど。 しっかしよく続けてやれるわよね。 いっそエロげー会社にでも就職したらどうなのよ」 こんな感じですねわかります
>>33 まだ前スレが埋まってないので500KB行って
書き込みが出来なくなったら一括で保管されるのではないでしょか
>>36 でも、こなたがマジでエロゲ会社に就職しそうになったら、かがみは全力で止めそうだけどなw
「バ、バカっ ! そんな会社に就職するくらいだったら・・・わっ私が養ってあげるわよっ ! ! /// 」
エロゲメーカーの名物広報になりそうw
「かがみんやエロゲはやる物であって、作るものじゃないのだよ。」 「マジレスされても私が困るわね。」 「あとお父さんにとってはエロゲは積むものだけどね。」 「まあ、何となくわかるわね。」 「後かがみは攻めるほうでなく、受けるほうなのだよ。」 「あの、こなたさん…アッー」
〜一時間後〜 こなた「…あへ…あへ…///」 かがみ「ふぅ…………こなた、美味しかったわ♪」 つかさ「お姉ちゃん………怖い………」
>>39 かのジョイまっくす御大とコンビを結成してイベントジャック・・・・ってやりそうだよな、ドリパあたりでw
〜翌日〜 みゆき「つかささん、お願いしていたものは」 つかさ「うん、持って来たよ」 みゆき「では拝見しましょうね(ポチッ)」 みゆき「やはりかがみさんがタチで、泉さんがネコでしたか」 つかさ「う、うん……(どうしよう、ゆきちゃんの言ってることが判らないよ〜)」 みゆき「それにしても、泉さんの泣き顔は何度見ても素晴らしいですねだばだば」
攻め(タチ)になりたいと思うのがこなた。でも受け(ネコ)。 エッチな事をしようとするのがこなた。でもエッチな事をされる側。 かがみをツンデレだとからかうのがこなた。でも実は自分がツンデレ。 エロの知識はあるのがこなた。でもそれが生かされる事は無く、むしろイかされる。 それがこなたクオリティ
確かに。ぱっと見S攻めっぽいけど、良くて襲い受か誘い受け。 でもってSの皮かぶったMにしか見えないなこなたは。 狼だと思ったらとんだネコ(役割的な意味で)だったよ。
>>45 あー、妙にしっくり来るわ。それでこそこなた、というか。
でもアレだ。
個人的には、原作こなただとマイペースに、旧ドラマCDこなた(広橋こなた)だとはきはきと、
それぞれ攻めに回るような気がするんだ。
つまり何がいいたいかというと、アニメ版の平野こなたは「自分自身」に対してすらも総受k
つまり、こなたは攻めたいけど受けに回っちゃう、とな? ……何だね、平野声のこなた君や。 え?『ヴァンパイアハンター・かがみ』の作品部分を完成させろ?……冗談がきついな。 アレは某二次元ドリームノベルスやらのような『エロゲっぽい小説』をネタにした書き捨て文だよ。続きを考えているわけが…… え、ちょっと?何そのチェンジゲッター、もといドリル……アッー
平野こなたは本当に受け受しいな。カラオケボックスのモンキーマジックはその極みだ。
一瞬
>>49 が
平野こうた
に見えた俺はもう寝るわ
受けこなたか…以前あった自慰すらしたことない純粋こなたと欲望まみれのかがみのSSは俺のバイブルだ
>>51 詳しい………話を聞こうじゃないか
あと
>>41 みたいにアヘ顔になるよりはむしろ途中で泣き出す方がしっくりくる
こなたが受け受けしいことについて 前々から語られていたが こなたってあのとおりのおちゃらけキャラだが、 容姿や設定を見ると「儚げフラグ満載」なんだよね ・青くて長い髪はあえてストレート ・泣きボクロ ・実はたれ目 ・小学生レベルの体つき ・母を幼いころなくしているという設定 受けに転ずるとメチャマッチするのは実は必然だったのではないかと。 そこに、おまいらがいうとおり平野こなたが 受け受けしく声を出すと。その破壊力は倍増すること請け合いというものだ。 思えば、こな☆フェチってのは、 出るべくして出た、宿命、ってやつだったんだろね。
>>53 儚げなフラグ満載に激しく納得。
今のこなたがおちゃらけキャラなのはかがみ達と知り合えたからだと思う。
「ここでつかさやみゆきさん、その他1名に出会えてよかったよ。」
「略すな。」
「みんなに出会えなかったら、今頃ネトゲーやフィギュアに夢中だったよ。」
「今と同じじゃないか。」
>>52 ちょっと亀だが、10-249氏の報われない現実からの一連のシリーズ
ダメだ、上の話題で軽く鬱な展開を考えてしまった…… ・実は全てこなたの想像 ・友達もおらず、見た感じも性格も暗いこなた(ハルヒの平行世界的な感覚で) 関連性はないがこんな感じで……
だから自殺ものがやたら流行るんだよね。 儚げフラグ万歳なため、そして普段がおちゃらけなため、 鬱展開にすると異様にマッチ+ギャップに萌えられるという。 確かにそんな流れには納得いくのだが・・・ こなた派の俺としてははなはだ不本意では、ある。
こなたには幸せになって欲しい!! エロ展開でも充分ギャップ萌えを発揮できるキャラだと思うので、そちらの方面に期待してみる
現実が嫌で空想に浸ってるのに なんでわざわざその空想でまで嫌な思いさせたがるのだろう こなた「きっと愛が足りないんだね」
方向は変わるが儚いといえば ひかげ「うぅ、今日はわたしの誕生日なのに…… お誕生日くらいお肉が食べたい……のに……」
40から41の流れがやっぱり笑えるw かがみとこなたの関係を端的に表しているというか。 先に襲おうとするのはこなただけど、すぐに逆転されてしまうとか あーダメだこの2人の関係、やっぱり萌え過ぎるw
>>58-59 個人的にはマジ泣きこなたも幸せなこなたも好きな悪食だが。
といっても、好きだからついつい虐めてしまうのであって、ドSではない。
>>61 よし、ひなたさんも一緒に連れて焼肉食いに行くか。支払いは
>>64 に請求しとこう(まさに外道
虐待ネタ書きたがるのはキャラをモノとしか見てない証拠
議論を展開する前に前スレを埋めてください
>>64 そういう言い方は荒れるからやめた方が・・・・
とは言え、虐待ネタこそ該当スレでやって欲しい。
でもえろーすなお仕置きとかは大歓迎www
こなたはMっ子だと思うけど、かがみはドSだと思うんだ・・・・(デレ覚醒状態で)
やっぱここはエロスレだからして。 いじめるならかがみに徹底的にいじめてほしいものだ もちろん性的な意味で。 こなたもまんざらじゃないみたいだしwwwwwwwww
じゃあ、誰がSで誰がMかを話し合おうか。 こなたは全面的にM(Sのつもりらしいが) 柊姉妹は全員Sだな。かがみのみ隠れMの付属で。 みwikiさんは……どうだろう、Sも似合うしMもいけそう。両刀? みさおはM。そしてみさ兄もM。兄弟そろってSのあやのにいぢめられてるね。 ゆーちゃんは潜在的S。ゆーちゃんにMは似合わない(というか想像出来ない)。 ひよりんはM。そうでないと(今書いてる作品的に)困る。 みなみちゃんは両刀だね。むしろそうでないと(ry 他のキャラは任せた。
こなたはドM。狼の皮をかぶったネコ。 かがみはデレスイッチが入るとS。姉妹は確かに全般的にS ゆたかはドS。猫をかぶっている狼。 みなみはドMだと思う。 つまり何が言いたいかと言うとゆたみなはエロい(←結論)
間をあけてしまいました。前スレ
>>478 の「ハッピーエンド・ストーリー」の後編です。
非エロ。
15レス。規制に引っかからないか心配ですが……
ここで前書きとして注意があります。
グリム童話というものは当時の西洋の人間の価値観が色濃く反映されているためか、
残酷な描写がたびたび登場します。例えばシンデレラの場合は、
「玉の輿を果たしたシンデレラにたかろうとする継母と姉たちが、鳩に目をえぐられる」
など、えぐい結末が待っています。
このSSも、ある程度ソフトにしたつもりですが、死や暴力的な描写があります。
4/15できな臭い雰囲気が漂い、5/15で「その結果」がどうなったか、ということが説明されます。
また、9/15の前半を最後にそのような描写はなくなり、一応そこからでも
一体何が原因でこんなことになってしまったのかという「解答」は得られます。
一応あらすじ。
シンデレラであるこなたは、不幸な境遇ながらも魔法使いの助けによって舞踏会に行き、
かがみ王子とダンスを踊ったことで王子様に見初められる。魔法が解ける間際にその場を
逃げ出したが、毛皮の靴をその場に残すというミスを犯してしまう。
王子様はシンデレラを捜索するが、その手がかりとして何故かガラスの靴を使っていた。
シンデレラは不審に思いながらも王子様に再び会いたいという意志から、それを受け入れる。
そしてシンデレラを待っていた王子様は、かがみではなくつかさだった。
シンデレラが王子様に見初められ、結婚して、幸せに暮らすことになれば私の役目はそ こで終わるはずでした。 おとぎ話はハッピーエンドで終わるのが定番です。おとぎ話のハッピーエンドといえば 王子様と結婚すること、これも定番です。 つまり、大抵の物語は主人公が結婚したところで話が終わってしまうのです。古今東西、 恋を題材にした物語はそうなっていることがとても多いのです。 しかし私はシンデレラがお城に招かれた時点で『シンデレラは王子様と結婚していつま でも幸せに暮らしました』と話を結ぶことができませんでした。それはちょっとしたイレ ギュラーが発生したせいなのですが、今度こそ万難を排してシンデレラが幸せになるまで 物語を進行させなければなりません。これまでのお話はただテンプレートに乗せるだけで 良かったのですが、これから先はどうすればよいのか指針となるものが何一つなく、この 先にどんな出来事が待ち受けているのか、何もわかりません。 はっきりしているのはただ一つ、シンデレラは幸せでなければならないということです。 「よくこんなにレパートリーがあるよね。毎日毎日」 「それが私の仕事デス。趣味でもありマスが」 シンデレラは舞踏会の時とも王子様と『再会』した時とも違う、幼い可愛らしさを引き 立てるようなふわっとしたデザインのドレスに身を包んでいます。ちなみに侍女のパティ はフリフリのメイド服を着ており、見方によってはこっちの方が派手とも言えます。 「でも靴は毎回ガラスの靴なんだよネ」 「それは基本ですカラ」 「でも履きづらくってしょうがないよ。毛皮の靴とかじゃだめなのかな」 お城に妃として招かれてから数日、毎日ガラスの靴を履いていたので少しは慣れてきて いるようです。 「ツカサ王子からの申し立てで、コレを基本に服を仕立ててくだサイと。特に毛皮製の靴 は固く禁じられてイマス。その靴はお二人の馴れ初めですから愛着があるのでショウ」 「だからそれは違うんだって。こんな靴で踊れるわけないし。それに王子様の名前が」 「おっとそれ以上は言わないでクダサイ」 パティは厳しい口調でシンデレラの言葉を遮りました。 「シンデレラは今シアワセデスカ?」 「幸せ……だよ」 シンデレラは現在の自分の生活に思いを馳せました。王宮暮らしというだけあって毎日 が庶民だった頃には考えられなかったご馳走で、綺麗な服をいっぱい着られて、身の回り の世話は全部お城に仕える召使がやってくれます。それはこれまでの境遇を思えば天と地 と言っていいほどでした。 「つかさのことは……好きだし」 それよりなにより、つかさという王子様に心惹かれているのもまた事実なのです。 「でも、王子様ってかが」 「シンデレラ、人物には役割というモノがありマス」 パティは再び話を遮りました。 「役割?」 「例えばワタシの役割はこの城のメイドです。王様はこの国を治めマス。そして王子様の 役割はシンデレラを幸せにすることで、シンデレラの役割は幸せになることなのデス」 「それって哲学?」 「ワタシに言えるのはここまでデス」 それからパティは、さっきの会話がなかったかのような人懐っこい笑顔で着付けを再開 しました。
「こなちゃん、おまたせっ」 午後三時を少し過ぎた頃、テラスで待っていたシンデレラに、つかさ王子がクッキーと 紅茶を持参してきました。 「ごめんね。執務が思ったより時間かかっちゃって」 「いいよ。真面目にやってたってことなんだよね」 つかさがトレイに載せたクッキーの皿をテーブルに置き、二人分のティーカップに紅茶 を淹れると、とても安らかな香りがあたりを包みました。 「こういうのって私がやったほうがよかったかな」 「いいよ。私が好きでやってるんだもん」 そう言ってつかさはシンデレラの隣に椅子を寄せ、腰掛けました。テラスから見下ろす 景色はとてものどかで穏やかなものなのですが、今は互いのことしか目に入っていないみ たいです。 「やってるって……つかさが作ったの?」 「うん。意外だった?」 「意外だけど……なんか意外じゃないような気もする」 改めてつかさの顔を見てみると、やはりこの人にはそんなことが似合いそうな気がして きました。 つかさはクッキーを一つつまんで、シンデレラの口まで運び、シンデレラは少し照れな がら、『あーん』と口をあけてそれを受け入れました。 「美味しい?」 「うん」 それはとても優しい味がして、思わず微笑んでしまうような美味しさでした。 「作るのが好きだけど、食べた人が喜んでくれるのが嬉しいんだ。美味しいって言ってく れてよかった」 花がほころんだようなつかさの笑顔にシンデレラは心奪われました。シンデレラの笑顔 がつかさを喜ばせたように、つかさの笑顔がシンデレラの胸を高鳴らせるのです。 「もう一つ。あーん」 つかさはクッキーをもう一枚とって、シンデレラの唇に触れさせました。クッキーの厚 さの分だけ口を開いてそれを受け取ると、少し勢い余ってつかさの指先にキスをしてしま いました。 「あ……」 「んっ……」 二人とも真っ赤になって見つめあいました。ほんの僅かな触れ合いでしたが、まだ婚礼 前の二人は、こんなスキンシップも初めてだったのです。 「キスは結婚式の時って決めてるから」 つかさは自分の指先を羨むように見つめ、そこにキスをしました。 「大好きだよ。こなちゃんは私のこと、好き……?」 そして、手を繋いでシンデレラと指を絡ませあいます。いわゆる恋人つなぎです。 「うん。好きだよ」 シンデレラは指を力を込め、つかさの手をより確かに感じます。 自分がシンデレラと呼ばれるようになってからは感じることのなかった温もりを。 「ちょっと今更だけど、なんで私のことこなちゃんって呼ぶの?」 「シンデレラのほうがよかった?」 「シンデレラも普通にあだ名みたいなものだから呼ばれても悪い気はしないんだけどね」 現につかさ以外の人はみんなシンデレラと呼んでいるのです。 「こなちゃんって呼んでくれるのはつかさだけだよ。つかさがそう呼んでくれるの好き」 「私専用なんだ……うん、それがいいよね」 ただ一緒にいるだけで、幸せになれる。そんな二人は、お日様に見守られ、数日後に 控えた結婚式のことを話し合いながらおやつの時間を優雅に過ごしました。
「初々しい二人がいいっスねぇ……見詰め合っただけで赤くなって……たまんないっス」 怪しい人も二人を見守っていました。 「互いに好きなのにずっと我慢し続けて、新婚初夜はハァハァ」 「こんなところで何をやっているのですか?」 突然ひよりの後ろから声がかかり、身を強張らせました。 「!? こ、これは……」 ひよりが恐る恐る振り返ると、雇い主である王様と、王様に付き従う背が高くて無表情 な騎士がいました。 「あなたの仕事は斥候だったはずですが」 「は、はい、今報告に上がろうと思っていたところで」 「それでは早々にお願いします」 ひよりはガクガクブルブルと震え上がっていました。王様は始終にこやかに対応してい ましたが、その笑顔の下には静かな怒りが秘められているようにも見えました。その後ろ にいる騎士も全く表情が読めないため、ひよりはかなり怖がっています。 「ご苦労様でした」 ひよりの調査結果を聞き終えてそれ以上咎めるつもりはないのか、王様はひよりを下が らせました。そのままシンデレラとつかさのいるテラスに向かいます。 「お二人のところすいません」 「ゆきちゃん、みなみちゃん、そんなに堅苦しくなくてもいいのに」 「立場が立場ですから……つかささんの方こそそれはちょっと」 「あの、二人とも?」 シンデレラはみゆきとつかさの会話に困惑しているようです。近衛騎士のみなみも口を 挟もうとしないのでこちらの方の扱いにも困っています。 「あなたは好きなように呼んでくれて構いませんよ」 「えっと、じゃあ、みゆきさん」 「はい」 「何か用……ですか?」 色々と戸惑いがあって、敬語なのかそうでないのかはっきりしない言葉遣いになってし まいました。 「先程お二人が話していた結婚式のことで、私もシンデレラから意見を伺いたいのです。 失礼ながらシンデレラの家庭の事情について調べさせていただきましたが、今の家族とは 折り合いがよくなかったそうですね」 「……はい」 「伺いたいことというのは、今のご家族を式に招待するかどうかということです。ご本人 が嫌というのであれば、無理してお招きすることもないと思います」 「それは……」 シンデレラは悩みました。扱いが悪かったとはいえ、名目上は家族として共に生活して いた人間のことで大いに悩みました。 「こなちゃん、無理しなくてもいいんだよ」 「うーん……意地悪されてたけど家族は家族だし」 「その『意地悪』の内容を聞いた私としてはお勧めし難いのですが……」 なるほど。意地悪な継母と姉たちがいるとシンデレラはとても困るようです。彼女たち はシンデレラの父の財産が目当てで擦り寄ってきたような女ですから、シンデレラが妃と なったらたかりに来ることは間違いありません。シンデレラが幸せになるためには確実に 邪魔になるといえる存在です。 「ゆきおばさん、ゆい姉さん、ゆーちゃんが悪い人間っていうわけじゃないんだけど」 そんなことはありません。そいつらは必ずシンデレラの幸せを妨害します。絶対に式に 来させてはなりません。強く反対しておいたほうが良いでしょう。 「ここで迷うようではやめておいた方がよいでしょう」 「そうだよね。仲直りしたければ後でもできるんだし」 これで大丈夫です。悪役である継母と姉たちが結婚式に来ることはなくなりました。 できれば、彼女たちはもう二度とシンデレラに近づくべきではありません。シンデレラ が幸せな結末を迎えるためには不必要な存在であることに間違いないのですから。
シンデレラの生家で、継母と二人の姉がまったりとお茶を飲んでいました。 「シンデレラが王子様と結婚かー。何が起こるかわからないもんだよね」 「そうだよね」 ゆいとゆたかが肯きあいました。 この三人がこのままシンデレラと金輪際関わりあいにならないのならば、彼女たちの存 在など気にかけなくてもよいのですが……。 「すっごい玉の輿だよね。もう私らなんか他人扱いかな。招待状来なかったし」 「こなたお姉ちゃんと離れ離れかぁ。もう会えないのかな……」 「お城に行ったら会わせてもらえるかな」 やはり危険です。この期に及んでシンデレラを家族として扱おうとしているのはとても 危険な思想です。 後顧の憂いは完全に断つべきでしょう。幸い、このケースに関しては見本があります。 どうせ存在そのものが用済みですから、その見本と同じやり方で始末してしまいましょう。 「さっきから鳩がうるさいね」 「結構いるよね。何十匹……百匹以上いるかな?」 群れをなす鳩たちの羽音と鳴き声が次第に大きくなっていきます。非力な鳩といえど、 数がいれば十分に用を成すことができるでしょう。
「……うそ……だよね……」 「嘘ではありません。残念なことですが……遺体は酷い状態だったので見ないほうがよい かと思います」 翌日、前日と同じようにテラスでつかさと談笑するシンデレラにみゆきから事件が伝え られました。継母と姉たちが鳩の群れに襲われて重傷を負って死亡。それは間違いなく事 実です。無数の鳩の群れはあの忌々しい奴らの目をえぐり、肉を啄ばみ、命を持たぬ肉片 へと変貌させました。いくらおとぎ話の世界といえど、生き返ることはありえません。 「……そんな……」 「こなちゃんしっかり!」 シンデレラが倒れそうになり、つかさが慌てて支えました。せっかく邪魔な家族がいな くなったというのに嬉しくなさそうです。真っ青な顔で小さく振るえています。 シンデレラがショックを受けているようですので、励ましてやりましょう。 「まあ、もう会うこともない方々だったでしょうし、死んでしまっても害はないでしょう」 「み、みゆきさん? みゆきさんはそんなこと言う人じゃ――」 シンデレラ、何を言っているのですか。王様との付き合いはここ数日で人格などろくに 知らないでしょうに。 「シンデレラは鳩と仲良くしていたそうですから、鳩が助けてくれたのでしょう」 「ちょっと待ってよ! 私は鳩と仲良くした覚えなんかないよ」 覚えがなくてもちゃんとした設定として存在します。舞踏会に連れて行って欲しければ 庭にばら撒いた豆を始末しろと姉が要求して、鳩に食べてもらうことですぐに片付けると いうエピソードがあったのです。 「あちらで暮らしていたとき、鳩に助けてもらったそうじゃないですか」 「そういえばそんなことがあった……ような……あれ? そうだっけ?」 「混乱しているようですから少し落ち着きましょう。長く続けていて気分の良い話題でも ありませんし」 王様がそう言えば誰も逆らわず、シンデレラの疑問はうやむやのまま終わりました。 それでいいのです。
リーンゴーン…… 二人を祝福する教会の鐘の音が、青空にこだまします。 シンデレラは純白のウェディングドレス。つかさは白いタキシード。清らかな衣装に身 を包んだ二人は、寄り添いながら赤いバージンロードを歩きました。 本来バージンロードは父親と共に歩くものですが、シンデレラにはそれがいません。こ れを父と歩いて新婦を新郎に渡すという行為は『これまで育ててきた娘を新郎に託す』と いう意味合いを持った儀式なので新郎新婦が共に歩くことは相応しくないのですが、二人 はこのやり方で合意していました。宗教がどうであれ、人を祝福するという気持ち自体は もっと柔軟なものなのです。 こなたの元家族はもちろん参列していませんが、新郎側の親類縁者として、みゆき国王 や王宮の側近が何人か参列しています。 「汝、つかさはこの者を伴侶とし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、 悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、 これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」 「誓います」 神父の述べる厳かな誓いの言葉に、つかさはしっかりと答えました。 次は、同じことをシンデレラに告げます。このときばかりは本名です。 「汝、こなたはこの者を伴侶とし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、 悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、 これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」 「誓い……」 シンデレラは言葉に詰まりました。一呼吸おいて言い直します。 「誓います」 その声は確かに響き、やがて静寂の中に消えました。 「では、指輪の交換を」 つかさがシンデレラの方に向き直り、その左手をそっと手に取りました。 「こなちゃん」 つかさがシンデレラの薬指に指輪をはめ―― 「やっ」 ようとしたそのとき、シンデレラが左手を引っ込めました。シンデレラも自分のした事 に驚いているようです。 「こなちゃん?」 「あれ? なんで私」 二人とも何か戸惑っている様子ですが、今は結婚式の最中です。シンデレラが幸せにな るための儀式なのです。速やかに進行するべきです。 「こなちゃん、私を信じて」 「つかさ……」 つかさの真摯な瞳に見つめられ、シンデレラは今度こそ指輪を受け入れました。 「では誓いの口づけを」 つかさが薄いヴェールを持ち上げ、二人は遮るものはなくなりました。つかさはそのま ま唇を寄せ、シンデレラにキスを―― 「やめて!」 シンデレラはつかさを突き飛ばしました。二人の唇は触れないままに。時間が止まって しまったかのように、その場の全員は動きを止め、教会は静寂に包まれました。 「あの、私……つかさ、ごめん」 つかさは目に涙を溜めて、抗議するようにシンデレラを見つめています。 「そんなに……」 つかさは声を震わせました。 「そんなにお姉ちゃんがいいの? 私じゃダメなの!?」 「お姉ちゃん?」 「王子様はシンデレラを幸せにしなくちゃいけないのに、お姉ちゃんもこなちゃんのこと 好きになったのに、変な意地張って何もしなかったんだよ! だから私が代わりに王子様 になってこなちゃんを幸せにするって決めたんだ!」 そうです。かがみは意固地になって自分の気持ちを認めようとしませんでした。それで はシンデレラを幸せにするという役割を果たすことができません。ですから、王子様とい う役はつかさの方が相応しいのです。 「じゃあ、やっぱり王子様ってかがみ――」 「私も王子様だよ。ちゃんとこなちゃんを幸せにできる王子様だよ」 それは間違いありません。かがみとつかさは姉妹なのですから。
「かがみはどこ行ったの?」 「古来より双子というものは、洋の東西を問わず忌避されたものです」 疑問に答えたのは、つかさではなくみゆきでした。そういえばみゆきは雑学好きな人間 でしたね。 「片方が間引かれるというのはよくあることです。もし片方に何かあったときのために、 後継者としてもう片方をひっそり生かしておくということも」 「そんな、みゆきさんがそんなことするなんて」 シンデレラは何やら驚いているようですが、みゆきは国王なのです。多少はそういうこ とをしなければならない立場の人間なのです。 「生まれた順番が違うだけでずっとお姉ちゃんの召し使いとして扱われてたんだよ。お姉 ちゃんにいつもいつも虐げられてきて……私がどんなに辛かったかわかる!?」 つかさは瞳に涙を溜めて、シンデレラに同情を求めます。 「ずっと我慢してきたけど、こなちゃんだけは譲れなかった。こなちゃんに好きになって もらったお姉ちゃんが憎かった……!」 物語は決して嘘をつくことができず、既に起こったことを無かったことにすることはで きません。かがみという人物が舞踏会に登場したという事実はもはや曲げられないのです。 そのかがみを物語の舞台から排除してつかさを代わりに登場させるためだけに、これだけ の設定を付加しました。陰謀渦巻く西洋の王侯貴族の世界では、この程度の事は日常茶飯 事です。 「じゃあ、まさかつかさがかがみを……」 謀殺。便利な言葉です。 「そうだよ。お姉ちゃんじゃこなちゃんを幸せにできない! こなちゃんのことを幸せに する王子様は、絶対に私のほうが相応しいんだから……!」 つかさはシンデレラを逃がさないように、しっかり肩を掴みます。つかさの瞳には、姉 への憎しみとシンデレラへの情欲が炎となって燃えていました。 「つかさ、怖いよっ」 シンデレラが幸せになるためには、王子様と結婚しなければなりません。ですから結婚 式と、その中の誓いの口付けは必ず成功させなければならないイベントです。絶対に拒ま せてはならないのです。 「キス、しよう」
「でも、かがみが」 「お姉ちゃんより、私の方がこなちゃんのこと幸せにできる!」 「んぅっ……!」 つかさがシンデレラの肩を引き寄せ、そのままキスをしました。 「つかさっ」 シンデレラが抵抗して暴れてしまい、つかさがシンデレラを押し倒す形で倒れてしまい ました。つかさはますます必死な形相になります。 「うわっ!」 「絶対、私のこと好きになってもらうから……! そうすれば、こなちゃんが幸せになれ るんだから」 シンデレラに覆いかぶさったまま、王子様は強引にシンデレラの唇を奪いました。舌を ねじ込んでシンデレラの唇を開かせ、互いの舌を絡め合いました。 「つかさっ……んっ……つかさぁ……」 「こうすると気持ちよくなるんだよね?」 つかさはドレスの上から優しく手をあてがい、その胸を揉みしだきました。小さすぎて ほとんど膨らみのない胸は、つかさの掌に敏感に反応していました。 「つかさ、あっ……やっ、やだよっ……」 口では抵抗しながらも、シンデレラの吐息には甘い色香が含まれていました。王子様は シンデレラを幸せにするのが役目なのですから、王子様のすることはシンデレラを幸せに できるのです。 「やぁっ、あぁっ、ふあっ……やだ、つかさ、だめっ」 この際手段は関係ありません。王子様がシンデレラを虜にしてしまえばいいのです。 「こなちゃん、大好きだよ。その唇も、目も、声も、身体も、全部大好き」 つかさは、再びシンデレラに口付けて、その唇を貪りました。 「ちゅっ……んちゅっ……こなちゃん……」 互いの吐息さえ感じられるほどの至近距離で、二人は目を合わせます。 「んっ……んくぅ……や、やめてっ! こんなのやだよ!」 シンデレラは必死に抵抗します。まだ受け入れる気がないようです。 「私が好きなのは優しいつかさだよ。やだよ、そんなつかさは嫌いだよ!」 「そんなの関係ないよ。私が王子でこなちゃんがシンデレラなんだから」 事実、王子様の愛撫でシンデレラは悦んでいるのです。口では何と言おうと身体は正直 なものなのです。 「やめてよ、女の子同士なのに……あれ?」 シンデレラ、それだけは言ってはなりません。 「こなちゃん、それだけは言っちゃダメ」 「え? え?」 余計なことは考えてはなりません。ハッピーエンドのためにはシンデレラは王子様と結 ばれなければならないのです。 「私と結ばれれば、こなちゃんは幸せになれるんだから」 「やだよ、誰か、助けてっ」 つかさがシンデレラのドレスを脱がそうと自分の身体を起こしたそのとき。 「つかさ先輩、すいません!」 「わっ!」 突然現れたひよりがつかさを突き飛ばしました。 「泉先輩、逃げるっスよ!」 「ちょ、待っ」 いきなりシンデレラの手を引いて、逃げ出してしまいました。
ひよりはウェディングドレス姿のシンデレラの手を引いて走っています。 「だから言ったじゃないっスか、自分の立場に疑問を持たない方がいいって」 「どーなってんの?」 余計なことをやってくれましたね。あと少しでシンデレラが王子様と結ばれるところだ ったというのに。重要な人物以外の登場人物の動きはある程度本人に任せてきましたが、 いくらひよりが脇役だとしても流石にこれは看過できません。 「やっぱり無理矢理っていうのはよくないっスよね」 「なんで助けてくれたの?」 「よくわからないっス。なぜか勝手に身体が動いてました」 「他の人は何もしてなかったのに」 「それも何でかわかんないっス。あの様子を見て興奮してたのは私だけでしょうし」 「…………」 シンデレラの目にちょっとした不信感が宿ったようです。 「そんなことはいいから逃げましょう」 「逃げるってどこに?」 二人はあっという間に教会を飛び出し、必死に走っています。しかしどれだけ逃げよう とも無意味です。緑豊かな地域にある教会の、近くの森の中に逃げ込んで人の追跡しにく い環境で追っ手を撒こうとしているみたいですが、そんなことに何の意味もありません。 「私が斥候っていう設定でよかったっスよ。おかげで神出鬼没ってことにできましたから」 確かにこんな人物を配してしまったのは失敗だったようです。 「設定? 何言ってんの?」 「とにかく、こんなことはもうやめるべきっス。こんなんじゃ誰も幸せに……うぐっ」 「ひよりん!?」 ドサッ。そんな音がしてひよりは倒れました。 逃げるひよりを後ろから、近衛騎士のみなみのサーベルが貫いたのです。 みなみは俊足です。いくら逃げようとも、話の展開が『みなみは追いつく』と決めたか らには、必ず追いつくのです。これ以上話をかき乱されては困るのでみなみには自発的な 行動は一切許さないようにしましょう。 「ひよりん!」 いくら倒れたひよりを揺さぶろうと、ひよりは何の反応も返しません。今も背中から剣 がはえているのです。これで生きてるはずがありません。 「みなみちゃん」 みなみがひよりの背から剣を引き抜きます。シンデレラはひよりを刺した張本人を見上 げました。 「王族を守るのが近衛騎士の私の役割……それは王妃であるシンデレラも同様です」 「でも殺さなくても!」 みなみの持つサーベルから、赤い血が滴っています。地面にまばらに生える雑草は、あ るいはその血で赤く染められ、あるいは赤によってその色を引き立てられています。地面 を濡らした血液の量からして、ひよりが助かることはないでしょう。どうせ斥候などとい う登場人物はいなかったのですから死んだところで支障はありません。 「人には役割があります。田村さんはそれに反したからこんなことになったんです。結婚 式を再開しましょう。シンデレラは幸せにならなければならないのですから」 「絶対……絶対おかしいって! 目の前で人を殺しておいて幸せになれって!」 「シンデレラが幸せになるためには王子様と結ばれなければなりません。田村さんはそれ を妨害する人間なのですから、死んだほうがシンデレラのためです」 「私はそんなの望んでないよ!」 シンデレラは立ち上がってみなみのことを正面から見据え、拳を握り身体を震わせてい ます。まだ納得してくれないようです。 「あなたの意志は関係ありません。大切なのはシンデレラが幸せになることです」 「こんなの幸せじゃないよ。こんなんが幸せだって、おかしいよ!」 「おかしくありません。この世界ではそれが当たり前なんです」 「そうだよ、だからおかしいのはこのせか――」 「それ以上言ってはいけません」 「!?」 シンデレラがそれを言ってはいけないのです。 みなみはシンデレラに剣を突きつけました。あと半歩前に出れば、シンデレラの喉元に その切っ先が埋まることでしょう。
「みなみちゃん……」 「シンデレラであるあなたは、この世界の全て受け入れればそれでいいんです。それさえ すれば確実な幸福があなたを待っています」 「嫌だよ。ゆーちゃん達が私を苛めたり、つかさがかがみを憎んで殺したり、みゆきさん が人の死を喜んだり、そんなの絶対イヤだ! そんな世界にいたって幸せになれないよ!」 「あなたが彼女たちの何を知っているというのですか」 「そんなこと絶対にやらない人だって知ってるよ」 シンデレラはみなみを真っ直ぐに見据えています。まだ立場がわかっていないようです。 「みなみちゃんだってそんなに饒舌じゃないし、人を殺すような人じゃない」 「何を馬鹿な……」 「なんでか分からないけど、知ってる。私の友達にそんな人はいないよ。何かがおかしい って自分の立場に疑問を持ってみたら、おかしいことばっかりだったよ」 シンデレラ、余計なことは考えてはなりません。 「シンデレラ、あなたは余計なことは考えてはなりません」 「私はこなただよ。泉こなた」 「あなたは……シンデレラです」 みなみが三十センチ前進しました。あと五センチで、剣は首に突き刺さります。 「みんながどこかでおかしいって思ってたんだけど、違うんだよね」 黙りなさい。 「黙ってください」 それでも、シンデレラは退こうとはしません。 「おかしいのは、この世界全部だったんだ」 「黙ってください!」 四センチ前進。あと一センチ。 「こんな世界いらない。こんな世界に、私の幸せはないよ」 「黙ってください!」 みなみがその剣を突き出―― 「……消えた?」 シンデレラがどこを見回しても、みなみはいませんでした。シンデレラを殺そうとする 者は、ここにはいません。いえ、人どころか、森さえも無くなっています。木だけではな く、草も、土も、鳥も、街も、全てが無くなっています。シンデレラの周りにあった、あ らゆるモノが無くなっているのです。 「泉ちゃんの言うとおりだよ。この世界はおかしいんだ」 あの舞踏会の夜と同じように突然声がして、同じように振り向いた先にいたのは―― 「魔法使い……」 「ごめんね泉ちゃん。こんなことになったのって、全部わたしのせいなんだ」 「魔法使いが何かやったの?」 「泉ちゃんの言ったとおり、ここは本来泉ちゃんたちがいるべき世界じゃない。もう気付 いてるかもしれないけど、ここは童話『シンデレラ』の世界なんだ」
魔法使い、あなたまで余計なことを喋るというのなら 「あんたは黙ってろ!」 魔法使いは杖を振り―― 「え? あれ?」 「あ、ごめん。黙ってろっていうのは泉ちゃんに言ったんじゃないよ」 「じゃあ、誰に言ったのさ?」 「……『物語の意志』。もうあいつには一切干渉させない」 「物語の意志?」 「この世界そのものって言ってもいいね。この世界で『シンデレラ』の物語を成立させよ うとする意志。わたしが作り出して、泉ちゃんたちのことを滅茶苦茶にしちゃったモノ。 泉ちゃんも他のみんなも、どっかで自分にその『意志』が介入してることを感じていたん じゃないかな。心当たりあるでしょ。知らないはずのことを知ってたり、その逆だったり」 「なぜか靴が毛皮製なのを変だと思ったり?」 「そ。言っておくけど、ゆたかちゃんたちはちゃんと血が繋がってるし意地悪な事なんか しないし、かがみちゃんは妹を虐げたりするような人じゃないし、つかさちゃんやみゆき さんは自分の利益のために家族を謀殺したりするような人じゃないよ。『物語』の設定が 勝手にそう決めただけだから」 「うん……」 「もちろんつかさちゃんは乱暴するような子じゃないしかがみちゃんを憎んだりなんかし ない。みゆきさんは人の死を喜んだりなんかしないし、みなみちゃんは人を殺したりなん かしないよ。それも『物語の意志』が勝手にやらせたことだから」 「……うん」 「『物語の意志』が暴走して、『シンデレラを幸せにする』こと以外の目的意識を全部と っぱらっちゃったんだ。でも、グリム童話の世界って残酷だから、こんなことになっちゃ った。ほんとにごめん」 「じゃあ、ひよりんが私のこと助けてくれたのは?」 「多分、泉ちゃん本人の意思も無視できなかったんだろうね。だから助けを求めれば誰か 助けてくれたし、泉ちゃんを殺しそうになったみなみちゃんは消滅した。泉ちゃんがこん な世界いらないって言ったから、この世界は消滅するんだ」 「消滅って、や、やばいじゃん! 私はどうなるの?」 「慌てなくていいよ。わたしの魔法で泉ちゃんたちを元の世界に戻すから。物語は嘘をつ けないけど、ここで起こったことは全部嘘になる」 「魔法ってそんなことまでできんの?」 「言ったでしょ。魔法を使うっていうことは、この世界が決めた約束に背くっていうこと。 この世界の約束はたった一つ、『シンデレラを幸せにする』こと。たったそれだけでこの 世界は成り立ってた」
「……でも、こんな世界で泉ちゃんが幸せになれるわけないんだよね。ほんとに、わたし がバカだったよ。泉ちゃんがお姫様待遇っていうだけで幸せになれるって思ってたんだか ら……そんなの泉ちゃんのガラじゃないのにね」 「よくわかんないけど、今は幸せじゃないと思う」 「うん……わたしも見てて辛かった。誰かが死んだり不幸になったり、他人事でもたった それだけで悲しい気持ちになる人って沢山いるから……泉ちゃんはもっと辛かったよね」 「何でこんなことしたの?」 「泉ちゃんに幸せになって欲しかったから……別に、シンデレラじゃなくてもよかった。 白雪姫でもおやゆび姫でも何でもよかった。結局、わたしの自己満足なうえに大失敗だよ。 当たり前っていえば当たり前の結果だね」 「やっぱり泉ちゃんたちには争ったり憎みあったり殺しあったりなんて似合わないよ」 「似合わないったって、生きてる以上はどこかでそういうことがあるんじゃない?」 「ないよ、絶対にない! もしそんなことが起こったとしたら……その世界は歪んでるん だろうね。ここと同じように誰かの意志が働いて無理矢理不幸にされちゃった、紛い物の 世界だよ。泉ちゃんたちはそんなとこにいちゃいけない」 「自分で作っといて紛い物って」 「だからほんとにごめん。いくら謝っても謝りきれることじゃないけど……泉ちゃんたち がいるべき世界では、そんなことは絶対ないよ。心配する人もいるだろうけど、大丈夫。 少なくとも泉ちゃんの好きな人たちは、ちゃんと泉ちゃんに好きになってもらえるような いい人たちだから、心配しなくていいよ」 「そこって幸せな世界なの?」 「幸せな世界ってわけじゃないけど、シンデレラ……泉ちゃんが幸せになれる保証がない 代わりに、誰にでも幸せになれるチャンスがあって、泉ちゃんが自分の意思で人を好きに なることができて、大きい不幸がない代わりに大きい幸せを掴むことも難しいけど、でも それが普通だって思える、そういう世界。でも、そのほうがいいよね」 「うん。私を幸せにしようっていう意志が働いただけでこんなになっちゃったんだから」 「これから戻る世界には魔法が存在しないから、幸せになりたければ自分でなんとかしな いといけないんだけどね」 「魔法がないって、それじゃ魔法使いはどーなるの?」 「泉ちゃんはこの世界のことを忘れちゃうだろうし、わたしは……泉ちゃんのそばには居 られない」 「居られないって……誰にでもチャンスがあるって言ったじゃん!」 「この杖の光が視界を埋め尽くしたとき、この世界は消滅して泉ちゃんは元の世界に戻る」 「ちょ、スルー!? なんか光ってるし!」 「わたしだけは自分の意志で『物語の意志』に逆らうことができた。だから、泉ちゃんの 傍にはいられないんだ。それに、泉ちゃんに合わせる顔がないしね」 「なにそれ、うおっまぶしっ!」 「あははっ、泉ちゃんらしくなってきたね。……ねえ、この世界が消える前に一つだけ約 束してほしいな」 「約束なら目を見て言ってよ。まぶしくて何も見えないよ!」 「これから戻る世界にはハッピーエンドが存在しない。だから約束してほしいんだ」 「幸せになってね。泉ちゃんにはきっと幸運の星がついてるから……」
◆ ◇ ◆ 陵桜学園高等部、三年B組。こなた、つかさ、かがみ、みゆきの四人は他愛もない話に 花を咲かせる。本当に他愛もない話だった。 「シンデレラで十二時になると魔法が解けるっていう話でさ、どうして靴だけはガラスの 靴のままなんだろ?」 「靴だけは本物だったから、なんて説明がよくされるわよね」 あの物語を読んだ者ならば誰でも一度は行き着く疑問である。 「恐らく翻訳や設定の変更をした際にミスがあって、そのような矛盾が生じてしまったの ではないでしょうか?」 「ミス?」 三人の視線がみゆきに集まる。 「シンデレラは元々各地に伝わる民間伝承をまとめたものなんです。ペローが編纂した版 では、シンデレラのもとに魔法使いが現れて、魔法で衣装をドレスに変化させます。現在 よく知られている形に最も近いものですね」 「他にもあるの?」 「はい。グリム兄弟版では、ドレスや衣装一式は亡くなった母親の遺産で揃えています。 助けてくれるのは小鳥だったりネズミだったりすることもありますが、グリム兄弟版が最 も原型に近いと言われています。その時シンデレラが履いていた靴は毛皮製なんですよ」 「毛皮? ガラスじゃないの?」 こなたが特別驚いたような反応を見せる。 「元々はリスの毛皮(vair)だったものを、ペローがガラス(verre)に誤訳したのだと言われ ています。どちらもヴェールと発音するのでペローが聞き取りを間違えたのだという説と 美しさと脆さの象徴としてわざとガラスに変えたという説があります」 「言われてみれば、ガラスの靴なんて踊りにくくてしょうがないわね」 「ガラスの靴って素敵だね。綺麗なんだろうなぁ」 前者はかがみの、後者はつかさの反応である。 「姉妹でこうも反応が違うとは」 「う、うるさいわね」 二人の性格は正反対だけれど、こなたはそんな親友二人が心の底から愛しいと思った。 「それでみゆき。それってどっちが正しいのかしら」 こなたの興味の矛先を変えようと、話の続きを促すかがみ。 「どちらというわけではありませんね。さっきも申し上げたように元は民間伝承が寄り集 まったようなものですから、『完璧に正しいシンデレラ』というものはないと思います。 現代向けに話がアレンジされているものもありますしね」 「アレンジってどんなふうに?」 「えーとですね……よく知られているのは、シンデレラに擦り寄ろうとした継母と姉たち が、鳩に目をえぐられるという話なんですが」 「そんな話なのっ!?」 つかさは今まで知らなかったらしくショックを受けている。 「そのようなショッキングな場面がかなり削られていたりするんです。最近では、桃太郎 は戦わずに話し合いで鬼と決着をつけるそうですね」 「なんか風情がないわねー」 「いいのかなー、それ……」 「私達の知ってる話も、昔から見れば大分アレンジされているのですから、どれも似たよ うなものではないでしょうか。改変された部分には、改変した人なりに伝えたかったもの が込められていると思います」 「うーん……」 まだ納得いかない顔のかがみとつかさ。こればかりは話し合ってもどうしようもない。 「でもさ、鬼と戦わないんなら何でお供を連れて行ったんだろ? 脅しに使うための圧力 として用意したんなら、ある意味現代の世相を反映した名アレンジだよネ」 「またあんたはケンカを売るような発言を……」 本当に、他愛もない話だった。 そんなことが繰り返される、そんな毎日。
その日の夜。 「こなたお姉ちゃん、どうかな……?」 ゆたかは上目遣いでこなたの表情を伺う。ゆたかが作った絵本の感想を、こなたに求め ているのだ。 その絵本は、こんな内容だった。 『シンデレラ』に登場し、彼女を手助けすることで見事に彼女を幸せにした魔法使い。 彼(魔法使いは男性という設定である)はその後も魔法でたくさんの人たちを幸せにして きたが、ある時、一人の女性に一目惚れしてしまう。魔法使いは魔法でその女性のために 贈り物をして気を引こうとするが、どんな豪華な贈り物でも彼女は満足してくれない。業 を煮やした魔法使いは彼女に問いかける。一体何が不満なのか。どんな贈り物をすれば喜 んでくれるのか。彼女は答える。贈り物なんかいらない。ただ自分のことを好きだという 気持ちがほしい。それを受けて彼は、魔法で二人で住むための家を作って、晴れて彼女と 両思いになることができた。 わりと簡単に恋が成就している点は童話的といえば童話的だし、恋愛というものを実直 に描いている点は漫画的といえば漫画的。そんな話だった。 「ゆーちゃんらしい話だと思うよ。私だったらもうちょっと違う話にしてたかも」 「そうなの?」 こなたが思いついたのは、別の魔法使いが現れて、シンデレラの魔法使いを幸せにして くれるという展開だった。シンデレラもそうだが、分不相応な幸せが欲しければそれこそ 魔法の力を借りるしかない。創作としての出来は悪くないが、あまりに身も蓋もない意図 が込められているので、こなたはそれをゆたかに話すのはやめておいた。 物語を作るには、何かの動機がある。作者は何かを表現したくて作品を発表する。それ をどう解釈するのかは、もちろん読者次第である――それを踏まえたうえでこなたは思い を巡らせる。 こなたは学校でのみゆきの話を思い出していた。あの話が正しければ、魔法使いという ものは、ただシンデレラに魔法をかけるためだけに作られた存在なのだ。小鳥とか、母親 の遺産とか、そういったものと同等の価値しか認められない人格なのだ。その魔法使いが 幸せになる物語を作ったゆたかという人は―― 「ゆーちゃんは優しいね」 「そんな、照れるよー」 照れくさそうに真っ赤になって俯くゆたかはとても可愛らしく、こなたはとても幸せな 気持ちになった。 「なんでこういう話を書こうと思ったの?」 「えーと、お姫様ばっかりじゃなくて魔法使いが幸せになるお話があってもいいと思った から……」 「うん、やっぱりゆーちゃんは優しいよ。私が中学のとき仲の良かった友達で、魔法使い になりたいって言ってたのがいたんだけど、今は全然連絡とってないもん」 「それって全然関係ないんじゃ……」 「ゆーちゃんはみんなに幸せになって欲しいって思ってるんだよね。そういう人が書いた お話は、読んでていい気持ちになれるよ。やっぱりハッピーエンドの話がいいよね」 「うん。ありがとう」 花が綻んだような笑顔。その笑顔を見ていると――
――幸せになってね どこかで誰かと交わしたかもしれない約束が、頭のどこかで蘇った。 今、幸せなのか。こなたは考える。 平凡な学生だ。魔法なんか使えないし世界を救う勇者でもなければ王子様が迎えに来て くれるようなお姫様でもない。勿論、輝かしい将来なんか約束されていない。 母親はいない。物心つく前に、もう亡くなった。 それでも。 こなたがオタクだと受け入れて付き合ってくれる親友。天然ボケで人の良い、どこか放 っておけない親友。博識なのにやたらとドジを踏む、萌え要素満載の親友。妹のように可 愛がっている、心も純粋な従妹。その従妹の親友となってくれた優しい少女。その二人を 見守る、ちょっと危ない腐女子な同級生。こなたと趣味の合う、日本の文化をちょっと勘 違いしている留学生。親友を通じて仲良くなった、妙に親近感を覚える親友二人。やたら と元気で暴走気味な従姉。友達みたいな付き合いをしている先生。こなたをオタク趣味に 染めた父親。 もっともっと、数えればキリがないほど、こなたの好きな人はたくさんいる。 他愛もない話。他愛もない毎日。大切な人たち。 いつかこれが崩れてしまわないかという不安もある。でもそんなときは―― ――泉ちゃんには幸運の星がついてるから いつの間にか、不安は消え去っている。 「ハッピーエンドが好きって言ったけど、私たちは終わらないよね」 「うん、そうだよね。終わっちゃったら困るよ」 それは、この先幸せになれる絶対的な保証はないという意味でもある。それでも、今は 幸せなのかと聞かれたならば…… 「私は今、幸せだよ」 「お姉ちゃんどうしたの?」 「ゆーちゃんは幸せ?」 幸せだからといって、普通は独り言で幸せだよなんて言わない。それが幸せということ なのだから。 怪訝そうに訊ねるゆたかに、こなたは誤魔化すように聞き返した。返ってくる答えはも うわかっている。 「うん、幸せだよ」 聞かれたらそうだよと答える。それが、幸せということなのだから。 「物語はいつか終わっちゃうけどさ」 こなたは本を閉じて言う。 「私たちハッピーエンドじゃないから、明日もまた幸せだよネ」
86 :
3-283 :2008/09/06(土) 20:12:06 ID:U5JtD1vs
私は二次創作をするうえで 「これをやったららき☆すたではなくなってしまうのでやらない」 というルールを自分に課して話を作るのですが、(らき☆すた以外でもそうです) 今回はそれをあえて破りまくってみました。 わざわざそんなことをして私が何を表現したかったのか、 ということに関してはやはり読者の解釈次第ということで。 前後編という構成で発表したのは初めてですが、 前中後編にしたほうがよかったかも。
>>86 すご……なんというか、いい意味で『味の濃い』作品でした。
最初に王子の話を振ってもはぐらかされた時に小さな疑問が生まれて、継母の話でそれが確実になりました。
『この世界は狂ってるんじゃないか?』と。
シンデレラ(こなた)は『三人とも悪い人間じゃない』と言っているのに、ナレーションがそれを『否定』した。
そして、彼女の意思に関係なく(原典ではシンデレラの意思でだったが)三人が命を落とした。
その後、自分の思いが確信に変わったのがナレーションの一言、『話の展開が『みなみは追いつく』と決めたからには、必ず追いつくのです』。
狂気に駆られたナレーション……『物語の意思』の怖さがここからビンビンに伝わってきました。
ちなみに、俺もグリムの原作版を読んだ事があります。
ガラスの靴の場面ではそれぞれの姉が足の肉を切り落としてたり、この作品で書いてあったように鳩に目玉をえぐられたり。
結構エグいんですよね……。そりゃ物語の意思も狂うかも(SANチェック的な意味で)
最後にふざけてごめんなさい。でも、最高にGJでした。
>>86 後編に以降するにつれて、語り部がやたらうざいなあ・・・と思ったら、
なるほど、そういうことでしたか!
注意書きがあえてぼかされている点とか、その他諸々・・・
まあとにかく、
ここまでエンターテイメントなメタフィクションは久しぶりにみました!
こなたのちょっと奇妙な童話物語、GJ!
>>86 何とも型破りな作品でしたが、それがまた非常に面白かったです。
シンデレラに限らず、童話の原作って残酷なんですよね。自分が一番驚いたのは、家来に殴られて生き返った白雪姫かな。
まあ、スレ違いなので、詳しくはWikipediaに譲りますが、ともかく素晴らしい作品であったといいたいです。GJ。
>>86 これは良いものです
前編を読んだ段階での正直な感想は、童話ネタか…です
それは、3-283氏自らおっしゃってる様に
>これをやったららき☆すたではなくなってしまう
多分これが原因でした
無理な配役と感じました
それでも、気になった部分がありました
>背約だよ
とか色々と
だから、後編もしっかり読みました
最終的な感想として、「すごいな」です
肯定、否定、考慮、思索、etc...
とにかく色々と考えさせられました
そして、自分が書いてるものって……
とにもかくにも、GJ!!!
>>86 GJです!
自分は文の構成、描写などにとても疎いのでここが〜みたいなことは言えないですが、
感覚だけでも分かるすばらしいものだと思いました
もう一度、GJ!
>>86 前編の違和感はそういうことでしたか!
職人の末席に連なる者として、肝に銘じたいと思います。ぐっじょぶでした。
>>86 久しぶりに読み応えのあるSSありがとう ! GJ !
現実世界に戻れて幸せそうなこなたにホッとしました
関係ないが前スレが500k逝ったようだ。
今回は長持ちだったね。
>>86 作品の感想とは少しずれてるかもしれないけど。
「サーベルを持ったみなみ」って絵的にかなり合うなぁ、と
そんなことをふと思ってしまった
ひより「まさに、リボンの騎士っす!そしてそんなみなみんに護られる小早川さん・・・ああっ!」
>>97 それなんて念レス?
サーベル……個人的にはレイピア風味のイメージで考えていたな。
「うん、確かに岩崎さんってそういうのが似合うイメージかも」
「とりあえずかがみに合う武器は……キリバチで」
「私はアー○ンかっ!」
「かがみさん、実際にキリバチという武器はあるんですよ?他の名前は『テルビューチェ』や『テブテジュ』などがあります。
この武器の面白い所は、普通の刀剣で言う刀身がなく、代わりにサメの歯を並べて刃にしている所なんです」
「ふーん……って、やっぱりアレな武器じゃないの!」
「凶暴なかがみんにはピッタリだよ?」
つかさ「じゃあ私はスリバチかな」
みゆき「泉さんはステバチですねハァハァ」 すてばち:襲われて最初は抵抗したものの諦めて無抵抗になった様
>86 ぐっじょぶ。すごく面白かったです。 「恐ろしい童話」が上手く使われていて、お話に引き込まれました。 誰も準備される方がいなければ、投下いたします。
「背徳の宴 前編」 ・ゆたか×かがみ+こなた 注意事項 ・ダーク(合わない方は退避願います) ・続きもの ・エロあり ・ゆーちゃん注意 ・7レス程度使用
沈みかかっている夕陽で空が茜色に染まる頃、ポケットの中に入っていた携帯が震えた。 私は、教材を鞄にしまっている手をとめてボタンを押すと、『小早川ゆたか』という文字が目に入った。 『5時30分に駅前の喫茶店でお会いしましょう』 メッセージの右上に表示されている時刻を見ると、4:50と表示されていた。 駅までの所要時間を差し引いても、少し余裕がある。 私は、ゆたかちゃんに『OK』と返信してから、読みかけとなっていたライトノベルの頁を捲り始めた。 「おーい。かがみん」 30ページ程先に進んだ頃、教室に入ってきた少女に声をかけられる。 「あっ、こなた」 「ちょっとゲマズ寄らない? 」 「今日あんた、バイトじゃないの? 」 「6時からシフト入っているけれど、少し時間あるから」 「そう…… でも悪いけれど、この後、待ち合わせがあるの」 こなたの誘いはとても魅力的だったけれど、既に私はゆたかちゃんと会う約束をしてしまっている。 生真面目な自分の性格が嫌になるけれど、こればかりは仕方がない。 「そっか。んじゃ、また今度ね〜 」 こなたは手を小さく振ると、あっさりと去ってしまった。 後ろ姿が完全に消えた後、私は大きく息を吐き出した。
5時25分。待ち合わせ場所に指定されている駅前の喫茶店に入ってぐるりと見渡すと、 ゆたかちゃんが既に窓際の席に座っていた。 閉店時間が迫っていることもあって、彼女以外に客はいない。 「こんばんは。かがみ先輩」 ゆたかちゃんが私に気づいて、見た目は無邪気な笑顔をみせながら手を振った。 「こんばんは。ゆたかちゃん」 挨拶を返してから、彼女の真正面に座る。 ゆたかちゃんは大きな瞳とふっくらした頬が魅力的な、可愛らしい女の子だ。 身長は小柄なこなたよりも更に小さく、小学生か、せいぜい中学一年生にしか見えない。 「今日は何の用かしら? 」 ウエイトレスにホットを頼んでから、私は不機嫌さを隠そうともせずに言った。 「かがみ先輩とお会いしてすることなんて、ひとつしかないと思いますが」 しかし、ゆたかちゃんは、私のそっけない態度を気にする様子はない。 「そうね…… 聞いた私が馬鹿だったわ」 今日何度目かの溜息をついた。溜息をついた分だけ幸せが逃げるという言葉は本当かもしれない。 私は、いらつく気持ちを抑えようと、鞄からたばことライターを取り出した。 「吸ってもいいかしら? 」 たばこをくわえながら、同席者であるゆたかちゃんの承諾を求める。 「構いませんが…… 先輩、制服ですよ? 」 「誰も見てやしないわよ」 「でも、店員さんが」 ゆたかちゃんは、可愛らしい顔をしかめながら、カウンター席の向こうで動いている人影をちらりと覗き見た。 「学校に通報したければすればいいのよ」 私は投げやりに言ってから、ゆたかちゃんに告白された場面を振り返った。
「かがみ先輩のことが好きです。付き合ってほしいんです」 ゆたかちゃんから告白を受けたのは、今から1か月前だ。 9月上旬のやたらと暑い日だったことは、はっきりと覚えている。 「ごめんね。ゆたかちゃんの想いには応えられないわ」 私は一旦は断ったが、ゆたかちゃんはあきらめてくれなかった。 「かがみ先輩は、やっぱり、こなたお姉ちゃんのことが好きなのですか? 」 「どうして知っているのよ? 」 「見ていればすぐに分かりますよ」 「なっ」 緊張しまくっていたように見えたゆたかちゃんが、がらりとかわった。 余裕綽々といった様子で、こなたへの想いを明かされてひどく動揺している私を、じっくりと観察している。 「こなたお姉ちゃんはノンケですからね」 「そんなことは、とうの昔に知っているわ」 こなたには、私やゆたかちゃんと違って同性愛の趣向はない。 彼女の口から『私はノンケだ』という言葉を聞く度に、心の中に鋭い槍で貫かれたような痛みに襲われる。 永遠に届かぬ恋と知ったからには、諦めないといけないと理性では分かるのだけれど、 こなたの笑顔を見てしまうと、どうしても想いを捨てることができない。 「こなたお姉ちゃんに、もう告白したのですか? 」 「できるわけないじゃない」 「そうでしょうね」 ゆたかちゃんは、袋小路にはまり込んだ私を笑った。 「何がいいたいのよ」 私は癪にさわって、目の前の少女を睨みつける。 「こなたお姉ちゃんをおかずにしての一人エッチは、とても寂しくありませんか? 」 「うっ」 全くの図星だ。 私は、ほぼ毎日こなたの裸を妄想して、自慰にふけっている。 縄で縛られたり、バイブを入れられたりして、淫らに喘ぐこなたを妄想して愉しむのだ。 もちろん、友人をオナネタとする最低な行為であり、コトが終わった後には必ず猛烈な後悔に襲われる。 しかし、本能的な欲求に逆らうことができず、やめることはできなかった。
「だ、だったらどうだっていうのよ。アンタには関係ないでしょ」 ここまで追い込まれてしまっては、開き直るしかない。 しかし、ゆたかちゃんは微笑を浮かべたまま近寄って、軽く抱きしめた。 華奢な身体だけれども、とても柔らかい。 こなたの抱き心地もたぶん似たような感じなのだろう。 「先輩の切なさ…… 私に癒させてほしいんです」 「ゆたかちゃん? 」 「かがみ先輩の心を頂こうとは思っていません。私、こなたお姉ちゃんの代わりでもいいんです」 ゆたかちゃんはひどく、私にとって都合の良いことをいってくる。 「愛情とかはいらないの? 」 彼女は少しだけ寂しそうな表情に変わった。 「もちろん。かがみ先輩が私のことを愛してくれれば嬉しいです。でも…… 」 「でも? 」 「かがみ先輩は、こなたお姉ちゃんしか見ることはできないんですよね」 一転して真面目な口調になったゆたかちゃんは、しっかりと私の瞳を見据えて言葉を続ける。 「こなたお姉ちゃんは、女の子を愛することができない。だから、先輩の愛情は届かないところも 知っているんです。私は、先輩の心の隙間に飛び込もうとしているに過ぎません」 夢もへったくれもない、あまりにも現実的な思考方法だ。 「私が欲しいのはこなたからの愛で、ゆたかちゃんの愛ではないわ」 「確かに、私の恋慕はこなたお姉ちゃんの代わりにはなりません。しかし」 ゆたかちゃんは、コップに入っている水で唇を濡らしてから答えた。 「身体への欲求については、代用となると思うんです。こなたお姉ちゃんと同じく小さいですから」 私は、顔を真っ赤にしながら声を荒げた。 「ゆたかちゃん、アンタ何をいっているのか分かっているの? 」 「分かっています。先輩の寂しさを、身体を使って慰めたいのです」 ゆたかちゃんは、無邪気で純粋そうな顔だちからは全く似合わない、自嘲めいた笑みを浮かべた。 「分かったわ」 長い逡巡の後、私は、ゆたかちゃんの告白というよりも提案を受け入れた。
回想にふけっている私を、ゆたかちゃんは小さく微笑みながら眺めている。 ゆたかちゃんと私の関係は、セックスフレンドという言葉が一番しっくりくる。 えっちだけと割り切ることさえできれば、後腐れはないし、性欲も満たされて、良いとこずくめである。 女同士だから妊娠する心配もない。 私はあの日以来、こなたへの想いを引きずったまま、性欲の赴くままにゆたかちゃんとのエッチを繰り返している。 このままではいけないと何度も思いながらも、どうしてもやめられない。 私は、底なし沼にはまりこんでしまい、抜け出すことができなくなっていた。 「今日は、こなたお姉ちゃんの家でしましょう」 ゆたかちゃんが紅茶で喉を潤しながら提案する。 「お姉ちゃんも、おじさんもいませんから」 こなたはコスプレ喫茶のバイトだが、おじさんは出版社主催のパーティだそうだ。 「そうね…… 」 私は、半ば上の空で相槌を打っていた。 喫茶店を出てから、最寄駅まで電車を使い、頭上に明るい星が瞬くのを眺めながら夜道を歩くと、 こなたの家が見えてくる。 玄関先で、ゆたかちゃんが鞄を開けて鍵を取り出した。 ゆたかちゃんの部屋はクッションやぬいぐるみが置かれてあり、ゲームやフィギュア類で占められている こなたの部屋と比べて、女の子らしい部屋という感じがする。 「かがみ先輩…… 大好きです」 ゆたかちゃんが、早速といった感じで抱きついてくる。 「どうして…… 私なんか? 」 私は、日頃から思っていた疑問を口に出した。 「先輩がとても優しいからです。気分が悪くて廊下でしゃがみこんでいた時に、 保健室まで連れて行ってくれたことは、決して忘れません」 「そりゃあ、具合の悪い子を介抱するのは当然だからね」 「でも、とても嬉しかったんです」 「そ、そう」 ゆたかちゃんは微笑みを浮かべながら、背中にまわした腕に力をこめる。 私より、いつものことながら思ってしまう。 こなたを抱きしめたら、こんな感じなのかしら?
「やっぱり、こなたお姉ちゃんの身体と比べていますね」 「え…… あっ、ごめん」 「ふふ。良いですよ。代わりで十分ですから」 ゆたかちゃんは、私の制服のスカーフを抜き取りながら薄く笑った。 「そんなこと…… 」 「コトの最中に、こなたお姉ちゃんの名前を連呼しなければそれでいいです」 ゆたかちゃんが歌うように言うと、私のセーラー服を脱がせた。 肌が外気に直にさらされて紅く火照る。 「先輩の肌って凄くきめ細かいですね。羨ましいです」 ゆたかちゃんが私の素肌を触りながら、うっとりとした表情で呟いている。 「ゆたかちゃん。このままで本当に良いの? 」 私は、情欲に溺れてしまった後輩を見下ろしながら問いかけた。 「何をおっしゃるんですか? 」 ゆたかちゃんはきょとんとした顔をしたまま、小首をかしげた。 「ゆたかちゃん…… 想いの通じていない相手とえっちして楽しいの? 」 「先輩こそ、性欲処理の為にここまで来たのではありませんか? 」 全くもってその通りだから反論できない。 「こなたお姉ちゃんは、よく脳内補完って言葉を使いますが、それと同じです」 ゆたかちゃんによってブラのホックが外されてベッドに落ちる。 「あまり、難しいことは考えない方が良いですよ」 ゆたかちゃんが呟くように言ってから、ゆっくりと唇を重ねてくる。 「ん…… くぅ」 弾力性のある唇を吸っていると、頭を回転させることに疲れてしまう。 ゆたかちゃんがえっちだけの関係で良いと言っているのだから、割り切って楽しむことに専念すれば良いではないか。 「ん…… んくぅ」 ゆたかちゃんの舌端によって、口腔内がいやらしく掻き回される。 私は口の端から唾液を漏らしながら、くぐもった声をあげた。 「ん…… んぐ、くぅん」 頬の裏の粘膜や、歯の裏側までも執拗にねぶられて、頭が真っ白になっていく。 「く…… くぅ…… んあっ」 何度か喘いだ後に、ゆたかちゃんが唇を離した。 とろとろとした唾液が口の端から漏れて、頬にいやらしい跡をつける。
「かがみ先輩…… だいすき」 蕩けるような表情を浮かべて、ゆたかちゃんは私に覆いかぶさるように倒れこみ、乳首を吸い始める。 「んんっ! 」 とても敏感なところを強く刺激されて、私は背中をそらした。 「先輩の乳首、桜色でとても綺麗です」 うっとりとした表情をして、ゆたかちゃんは舌を伸ばして突起を押し潰す。 「いや…… 」 私は、身体を震わせながら悲鳴をあげてしまう。 「先輩、ちょっと尖ってきましたね」 「そんなこと」 「くすっ」 ゆたかちゃんは少し笑うと、何度も乳首をつついた。 「んあっ、そこ…… だめっ」 甘酸っぱい刺激が伝わってきて、私は淫らな喘ぎ声を洩らしてしまう。 「先輩…… とってもエッチです」 「余計なことをいわないで」 ゆたかちゃんの手がいやらしく伸びて、スカートがめくられる。 「先輩、今日は白なんですね。可愛らしいです」 「そ、そんなこと言うなっ」 ゆたかちゃんは、私の下着を触りながら愉しそうに囁いた。 「かがみ先輩の下着、シミができていますよ」 「う、うるさい」 真っ赤になる私の顔をみながら、ゆたかちゃんは下着をいやらしく触りまくる。 「ん…… ひゃう」 ショーツの上から執拗になで回されると、たまらなくなってしまう。 「そろそろかな」 唐突に、ゆたかちゃんは時計を見ながら小さく呟いた。 「な、何が? 」 「すぐに分かりますよ」 ゆたかちゃんは笑っただけで答えず、濡れてしまった下着の端に手をかけて止める。 「さっさと脱がしなさいよっ」 「ふふ…… 本当に良いのですか? 」 ゆたかちゃんは、私のショーツをぎりぎりのところまで脱がして、またとめる。 「じ、じらさないでよ」 私は赤くなりながら顔を横に向ける。 「そうですね。ご要望がありましたので、脱がしちゃいますね」 ゆたかちゃんが宣言して、私の下着が膝のあたりまで下げられた時、下の方で微かに物音が聞こえた。まさか!? 「かがみ先輩…… キスしましょうね」 ゆたかちゃんが唇を差し込んでくるが、一度生まれた胸騒ぎは収まらない。 「ゆたかちゃん。待って! 」 高まる不安に耐えられなくなった私は、唇を強引に離して叫ぶ。 ほぼ同時に、けたたましい物音が立て続けに鳴ったかと思うと、ドアが開き―― 血相を変えたこなたが、部屋に飛び込んできた。
続きます。 読んでくれた方、ありがとうございました。 相変わらずな感じですが、自分に一番合っているような気がしないでもないです。 あと、原作6巻は相変わらず、ゆるーり、またーりな感じで和みました。
>>110 GJ!!!
相変わらず素晴らしい作品をありがとうございました!
そして・・・・これはこなた堕としフラグと見た。
続きをwktkで全裸待機せざるをえない!!!!!!
おお新シリーズktkr。 趣向が新たになってるか?
>>110 おお、また新しいトライアングルが。
かがみのやさぐれっぷりに逆にときめきつつ、ぐっじょぶ。
モヤ吹かすかがみんってぼっちスレでも見たような気が・・・・・?
もはや「ゆーちゃん注意」は慣用句にすらなりつつあるのか 曰く『隠れSに注意』
ちょっと思い付いたのでレスしてみる。 らき☆すたキャラを神様に例えたなら こなた→技芸の神 かがみ→閻魔大王 つかさ→台所の神 みゆき→知識の女神 みさお→韋駄天 あやの→鬼子母神 こんなもんかななにかSSのネタになれば幸いです
>>115 隠れSっつーか俺の中ではもうドSにしか見えないw
裏表の激しい感じで(笑)
こなた逃げろ!
お前と同居している子は本性を隠しているがとんでもない女豹だ!
いずれ取って食われるに違いないww
そしてみなみんは既に食われすぎ(性的な意味で)で 完全下僕というわけか、うんうん、うんうん(鼻息) 隠れドS「田村さん?^^^^^^^^############」
>>115 どちらかと言うと特定の作者さんしか使わないような……
まあ、それが癖と言う事でわかりやすいけど。(過去の例:かがみ注意など)
>>118 ひよりん……(ムチャシヤガッテ
とりあえず6巻の6Pで思い切り同意して、21Pでマジ泣きした。
>>110 こなた飛び込んできたって・・・嫉妬?
どっちに対してなんだろう? かがみ? ゆーちゃん?
続きはどうなるんだろうGJ
ゆーちゃんがこなたに対しても同じことしてたと予想 もはや「ちびっこあくま」になってる俺の中でorz
ここで、 「Sが襲い掛かります、注意」という意味で「○○注意」という ジャンル書きに対応する言葉は何かな〜と考えた。 つまり、「Mが襲われます、注意」という意味で。 で、出てきた。 「○○後ろ〜〜〜!!」 用例)「ひよりん後ろ〜〜〜!!」
こなたが「姉としての威厳が〜」とか言ってるのがまたツボ! ゆーちゃんの事は守ってあげなきゃって思ってるっぽいのが・・・・・・ そのうちに食べられるとも知らないでwww
自分の身すら守れない・・・
>>110 えーと、つまんないことで申しわけないんですけど
四レス目の「コップ」がどこから出てきたのか分からなくて
もしかしたらミスかなー、と・・・・・
あ、もちろんGJです
書き尽くされたと(勝手に)思ってたこの三人の関係にまだ新しいパターンがあったとは
今回のみなみの立ち位置を主に気にしつつ、続きをお待ちしています
>>123 こなたって自分が襲われるに値する立場だって気づいてなさそうだからいいんだよね。
自分は攻めだとか余裕があるとか、そういう根拠ない自信を持ってるやつを崩すのはすごく楽しい。
こなた受けは精神的下克上を感じられて好きだ。あと、ゆたこなだと立場的にも下克上だから二倍美味しい。
「なかなか寝付けないな……。しょうがない、SSの執筆でもするか。ちょうど書きかけのもあるし」ドウセトチュウデネムクナルシネ 数時間後…… 「……ふう」 (ふと窓を見て)「眠くなるどころかもう朝だよ……」 ====== 本気でこんな感じでした。とりあえず、一日置いて手直ししたら投下します。
128 :
18-490 :2008/09/08(月) 11:41:46 ID:a8SMZDCR
おはこんにちわ! 夏休みボケを解消すべく、SS投下させて頂きます。 他に投下されるかたがいらっしゃらないようでしたら数分後投下致します。
129 :
18-490 :2008/09/08(月) 11:46:03 ID:a8SMZDCR
いらっしゃらないようなので投下致します。 ・タイトル『嫁は誰だ?』 ・かがみ、つかさ、みゆき→こなた(つまりこなた総受け) ・エロなし ・ギャグ風味 ・3レスお借りします。
130 :
嫁は誰だ? :2008/09/08(月) 11:47:20 ID:a8SMZDCR
事の発端はそう、確か一週間前。 最近出たギャルゲにハマってた私の 「CL●NNADに出てる女の子は全員私の嫁」 とかいう一言だった気がする。 よく某巨大匿名掲示板やら動画サイトやらに書かれてる言葉だけど。 いくらオタクだってそれが二次元の女の子だってことは分かってるし、ましてや本当に嫁だなんて思ってる人は少ないと思う。 いや、まぁ本当に思ってる人もいるかもしれないから、そこを断定形では言えないんだけど… とにかく、いくら世間外れな言動や行動をしている私だって、その言葉に深い意味なんてなかったんだよ。 「おはよう、こなちゃん。結婚指輪はダイヤモンドとルビーとサファイア、どれがいいかな?」 「おっす、こなた。結婚式の衣装、ドレスと白無垢と内掛け、どれがいい?」 だから、朝、しかも人通りが激しい駅前でかれこれ2年半も一緒にいる友達2人からこんなカオスな質問をされる筋合いもない。 てゆーか、なにそれ、新しいテンプレ? 「今日もいい天気だねぇ」 目をキラキラと輝かせて私の答えを待つ2人を華麗にスルーして一歩先を歩く。 「そうだね」 「そうね」 と、さすが双子!!と言う位息をピッタリに合わせて返す2人。 コンパスの違いかあっと言う間に一歩の距離を詰められて前につかさ、半歩後ろにかがみといった変な対陣でバス停へと向かう。 てかつかさ、なんで私の左手の薬指に物差し当ててるのかな。 そして、かがみ。メジャーで胸部とか身長とか計らないで。 どこから持って来たのか、とかなんで測定結果を必死にメモってるのか、とかもうそんなツッコミさえする気力がなくて。 慣れって怖いなぁ、と深い溜め息をつくと 「「ジャスティス!!!」」 とか言いながら小さいビニール袋で必死にソレに空気を入れる二人。 なにをそんなに集めているかなんて知ったこっちゃない。というか、 知 り た く も な い 。 私の口の周りの空気を取り終えた二人がソレを自分の口に当てて、一気に吸込む。 なにを飲み込んだのかなんて知ったこっちゃない。というか、 知 り た く も な い 。 大事なことだから2回言うよ。本当にありがとうございました。
131 :
嫁は誰だ? :2008/09/08(月) 11:49:13 ID:a8SMZDCR
『CL●NNADに出てる女の子は全員私の嫁』発言から今日で一週間。 アレ以来ずっと2人はこんな調子だ。いや、学校に行けばもう1人強敵がいるんだけど。 なんでこうなったか、とか考えるだけ無駄だと理解するには十分な時間で。 『こなたは私の嫁よ、常識的に考えて』 『お風呂、ご飯…悩むけどやっぱり、こなちゃんかな』 『泉さんが毎日作ってくださる味噌汁、楽しみで堪りません』 上からかがみ、つかさ、みゆきさんの発言に唖然となったあの瞬間から私の理解できる枠からは逸脱していたんだと思う。というかそう思いたい。 それになんだろ、かがみが一番まともに聞こえる辺り私も枠から逸脱しかけてるのかもしれない。 つかさやみゆきさんは返し自体、意味不明だし。 一体脳でどんな変換作用が働いてたのさ。 「え?だってお風呂とご飯とこなちゃんだったら、確実にこなちゃんでしょ?」 だから、何が。 というか心の中の会話に自然に入って来ないでよ、つかさ。 そしてなにうんうん頷いてるのさ、かがみ。 「泉さん三原則ですね、分かります」 いつから居たのかいつの間にか背後から私を抱き締めていたみゆきさんが私の頭を撫でる。 色々ツッコむことはあるけど…とりあえずおはよ、みゆきさん。 「泉さん三原則の概要ですか?それを説明すると後2年はかかりますが、よろしいでしょうか?」 いや、遠慮しとくよ。そもそも聞いてないし。 何気なく抱き締めているみゆきさんの腕から脱出を試みるも、そうはさせないと言うように予想外の力でそれを防がれる。 あ、あれ?みゆきさんってこんなに力強かったっけ。 運動部に所属してないとは言え、格闘技経験者だし、体力には自信あったんだけどなぁ。 「みゆき、腕離しなさい」 「そうだよ、ゆきちゃん。離してあげなよ」 本気で困っていた私を見兼ねたのかそれまでビニール袋に夢中だったかがみとつかさが助け船を出してくれ… 「こなたは私の絶対にして、無二の嫁なのよ」 「こなちゃんはご飯よりもお風呂よりも大事なお嫁さんなんだよ」 ――なかった。 2人とも、真顔で言う台詞じゃないよ。 そしてそんな熱い視線送られても困る。
132 :
嫁は誰だ? :2008/09/08(月) 11:49:55 ID:a8SMZDCR
「いや、あ、あのね。ちょっと待っ…」 「泉さんと私は1万年と2千年前からの許婚です」 うわぉ、それは無理あるよ。みゆきさん。 「ですよね」って笑顔で同意を求められても困るって。 大体歌詞パクってるから、ソレ。 「ほ、ほら急がないと…学校!!遅刻するって!!」 あまりのカオスな3人の言動に忘れてたけど、ここはまだ校門で。 登校する生徒の数もどんどん減ってきている。 時計も携帯も持ってきてないから正確な時間は分からないけど、もうすぐ予鈴がなるんじゃないかな。 時間にルーズな私に指摘されるなんて相当なことだよ、3人共。 「もうすぐ私とこなたを祝福する鐘が鳴るわ」 「指輪交換が楽しみだね」 「そもそも泉さん三原則とは、アホ毛、泣きボクロ、猫口がベースになっており…」 ツッコム気すら起きない友人からの問い掛け。 みゆきさんに至っては何やら『泉さん三原則への考察』とかいう辞書並に分厚い本を持って説明しだしている。 右腕につかさ、左腕にかがみ、後ろにはみゆきさん。 そして一歩も動けない私。 なんてカオス。 フラグ乱立しすぎだよ。 誰かリセットボタンを!!それかロードして、一週間くらい前のデータを。 「ちょ…3人ともいい加減に…っ!!」 いくら行き交う生徒数が少ないとはいえ、校門の前で女の子3人が1人に抱き付いてる光景は普通とは言いがたくて。 好奇と異端と少しの野次馬心理で見られる目が痛い。 被害者は誰でもない私なのに。だけど… 「ハネムーンは…そうね、やっぱり岐阜かしら」 「ウェディングケーキ、バルサミコ酢味にしてもらわなきゃ」 「2005年、国会の5/2の承認を受けた泉さん三原則は、市民の支援もあり…」 なんでハネムーンが国内、しかも岐阜県とかいうマイナーな県なのか、とか。 そんなウェディングケーキ誰も食べたくないよ、とか。 5/2って1超えてるじゃん、そもそも国会に提議したんだ、とか。 いちいち返答を返してしまう私は、結局この3人のことが好きなんだな、と半ば他人行儀に自分に言い聞かせた。
133 :
18-490 :2008/09/08(月) 11:54:03 ID:a8SMZDCR
以上です。 とりあえず、ごめんなさい(岐阜県民の皆さん) 読んで下さった皆さんありがとうございます!
>>125 多分、喫茶店(というか飲食関係の店)に入ると最初に出される水だと思いますが。
一応ゆーちゃんが先に来ていた事になっているので、その時に水が出されていたんだろうと(だから描写されていなかったのかも)。
す〜ぱ〜らき☆すた大戦 こなんゲリオン 碇ゆたか「動けっ…動け動け動けっ…動いてよっ!」 ソウリュウ・かがみ・ボンクレー「あんたバカぁ?」 アヤナミ・ミナミ「多分…私はむねぺったんだから」 こなんゲリオン「ぅぅぅぅぅううううう〜〜〜」 機動戦士らきすた・逆切れのこなた こなた・アズナッポゥ「人類はツルペタになるべきなのだ!だから地球にみウィキを落とすと決めた!」 つかさ・ミコス「エゴだよ!それは!」 こなた・アズナッポゥ「もう遅い!みウィキは落下コースに入ってる!」 つかさ・ミコス「たかが巨乳二つ!吸って揉んでくんかくんかしてやる!」 こなた・アズナッポゥ「馬鹿な事はやめろ!もう間に合わん!」 つかさ・ミコス「ν・エターナルファンタジスタは伊達じゃない!ばるさみこすー」 みウィキ「はふぅん!(ぶしゅー)」 こなた・アズナッポゥ「何ィ!?鼻血でコースを変えた!?」 挿性のアクメリオン あやの「…ダーリン…みさちゃん…皆と…合体したい…」 みさ兄「…ああ」 みさお「嫌だ!絶対ヤだかんね!」 あやの「挿性!」 みさ兄「合体!」 みさお「みゅーーーん!」 あやの「アクメリオーーーン!」 みさおの足に四の字、首に首四の字
>>135 あやの×みさ兄×みさおの禁断の3Pキタコレ!?
ちょっと、みさ兄妹と念願の合体を果たしてものすごくいい顔になったあやのを想像して
破壊されて(破壊力抜群的な意味で)くる
> 吸って揉んでくんかくんかしてやる! ワロタ
>>133 GJ!!!
これは素晴らしいこなた受をありがとうございました!
>125 ご指摘、ありがとうございました。 おっしゃる通りミスです。(回想シーンでお水を飲んではいけませんね) wikの方を修正いたしました。 >133 ぐっじょぶ。 総受け話、とても美味しくいただきました。 戸惑うこなたが、とても可愛らしかったです。
>>135 に便乗してエースコンバット5でらき☆すた。
ブレイズ:かがみ
チョッパー:こなた
グリム:つかさ
ナガセ:みゆき
チョッパーは途中で撃墜され死んでしまうのだが、こなたの場合は墜落前にこっそり脱出成功し後に合流、とか。
ナガセが捕まるシーンがあるのだが、そこではかがみがその役を演じてこなたがメインとか。
…分からない人ごめんなさいw
>>141 とすると
サンダーヘッド:ななこ
となるかな? あそこまで堅物じゃないか。
ていうか、ブレイズの無口ぶりと犬との会話能力は、むしろみなみかも……。
>>142 ビンゴ、サンダーヘッドは黒井先生を考えてたw
チョッパーこなたとサンダーヘッドななこのミッション前ネトゲ談話とか。
1年ズは誰が適任なのやら…。
じゃあ俺はやはりMGSで妄想 こなた「またダンボール?またダンボールなのっ!?;;;」
>>133 GJ!こなた総受は正義
>>139 黒ゆたかはジャスティス!!!!!
大変おいしゅう頂きましたw
ネタという名の愚痴を投下 ビリィッ! 無数の手が私の制服を無理矢理引き剥がす。 こなた「や、やめてええええええ!」 かがみ「こなたが・・・こなたがいけないんだよ」 つかわ「私達、もう限界・・・」 みゆき「さあ、楽になって・・・怖いのは始めだけ・・・」 こなた「いやぁ!誰か!誰か助けて!」 私は力の限り叫び続け、抵抗した。 これはこな☆フェチじゃないんだよね? うん、わかってるよ・・・無理矢理はよくないよね。
それはこな姦です
>>147 「こなかん?」
もわわん
つかさは「かん→缶」という変換を実施したようです。
ツナ缶とかカニ缶の要領で。
「こなちゃんの……缶詰……」
「……つかさ?よだれ出てるよ?」
実際の話、こなフェチとこな姦は紙一重だと思うが。
個人的にはこな姦とこなフェチの違いって、ゆるい空気とかまたーりとした日常とか、 その辺の有無じゃないかと思う。
こな姦でもありかなと思ってしまった俺はきっと大いに間違っている。 ・・・かがみんだけは、やっちゃった後で凄く後悔するんじゃないかと思う。 ゆたかだったら、一回やったのにつけ込んで更に激しいry
しかしこなたほど受け攻めの扱いが変わったキャラも珍しいね。 最初の方のエロパロスレじゃこなた受けなんて全然なかったのに今じゃ逆転気味だよ。 個人的にはこなた受け大好きだからもっとやれってなもんだけど。
こなた「いつの間にか攻守逆転!挙句の果てに受け受け萌えキャラにされてるなんて! いつフラグ立てたんだろう・・・選択肢どこで間違えたかなぁ・・・orz」 かがみ「こなたと相思相愛はともかく(こなた「置いとくんだ!?」) いつの間にか攻め側で定着してるのって一体・・・それも百歩譲るとして、 へんたい・・・って・・・私のイメージが・・・orz」 つかさ「えへへへ・・・この手の作品の私って・・・ いっつも・・・おばかか・・・黒だよね・・・orzorzorz」 みゆき「だばだばいつも思うのですがだばだばこんなに出血したらだばだば とっくに死んじゃいますだばだば」 ゆたか「え・・・えと・・・責め専門!?一体何がどういうこと? ゆーちゃん注意・・・って・・・何!?危険物取扱対象!?;△;」 みなみ「ゆたかと最近、一緒できない・・・そもそも私・・・あまり出てない・・・(´・ω・`)」
あやの「……ねぇ、みさちゃん」 みさお「みゅ?」 あやの「……私って、何キャラかなぁ?」 みさお「んー……あ、そだ! あやのはあやのキャラだZE! 間違いねーってヴぁ!」 あやの「……うふふ……初めのうちはお嫁さんにしたいキャラ、デコキャラ、常識人キャラとか色々あったのに――」 そっとバッグのポケットからトラをモチーフにしたマスクを取る。 そしてそれをぎゅっと握り締めた。 あやの「……いつの間に、武闘派キャラに……!」 みさお「でもさー、実際ぶとーはぢゃん。アタシ見たんだZE? あやのがアニキとプロレスしてるとみゅんっ!?」 あやの「……みさちゃん、それ以上は、ね?」 みさお「みゅ、みゅぅぅ……ぅ」
>>133 GJこなた総受けww
もうこっちでキャラ定着してきたなw
そして怒涛の小ネタの数々w
小ネタ職人のみんなGJ !
>>155 とりあえず詳しく聞かせて……いや、なんでもない。
しかし、6巻のサービスシーンを見てふと思ったんだが、みさおって意外に羞恥心とか無いのか?
>>157 あるでしょ、間違いなく。
アレは目の前にいるのが身内だけだからじゃないかな?
たぶん、みさおに注意しているのは母親かあやのじゃないかと想像してる。
6巻38Pのひよりの妄想は 絶対身近な人物をモデルにしてるよなぁw
160 :
最早 :2008/09/10(水) 00:57:35 ID:UTuQf/UR
そういえばみなみの誕生日は9月12日らしいですね
寝る前に投下したく思います。
誕生日かぁ・・・・・・ 黒化したゆーちゃんから激しい「プレゼント」を貰う姿しか想像できなくなった俺の頭はもうダメだ
163 :
42-115 :2008/09/10(水) 01:07:06 ID:1kJd4vnC
ではまいります。 「三角トレード・泉家編 小さなメロドラマ」 ・6レス ・こなた&かがみ ・エロなし
犯人のアジトに突入すべく、ドアや窓の脇の壁に背をつけ、時計を睨みながらタイミングを計る刑事が、 その手にいつでも銃弾を発射できる状態にした拳銃を手にしているものならば、こなたの部屋に入るかが みは、「あんた、本当に病人か?」という言葉を喉に装填し、いつでも言えるようにいしていたつもりだ った。元々風邪の症状は軽いという話だったし、高良家に出発するゆたかも「もうほとんど大丈夫みたい です」と言っていたし、てっきりテレビの前に胡坐をかいてゲームでもしているものだと思っていた。 ……そのはずなのに。 「やあ、かがみん……」 電波状態の悪い無線機から漏れてくるようなガラガラ声のこなたが、ベッドの上で布団に包まったまま 弱弱しく手を上げてかがみを向かえた。 「おーっす……」 なんとも期待ハズレである。予想通りかそれと近似値を取る状態のこなたが、「うおっ!? かがみ?? みゆきさんだと思ってたよ」とか何とか言って狼狽するのを狙っていたのだが、どうにも弱っているよう にしか見えない。横倒しのアホ毛だって、枯れかけの朝顔のようにしなびている。 「私の最期を看取りに来てくれたんだね。うれしいよ……」 「な、何バカ言ってのよ。ネタか?」 かがみは窓の外を見たが、そこには残り葉の少ない木は見当たらなかった。ネタだとしても、古典的な ものではなさそうである。 「ほら」 かがみは荷物から、本と紙束を取り出す。本の方は『とある宇宙飛行士への追憶』というタイトルで、 泉家を辞するまでに読み終えたいと思って持ってきたラノベ。紙束の方は、みゆきがコピーしてくれた授 業のノートである。 「宿題に関する注記もしてあるから、ちゃんとやってくのよ」 こなたの表情が相変わらず冴えないので、こう付け加える。 「手伝ってあげるからさ」 だが、反応さえない。こなたは歯を食いしばって、「クックック……」と苦しげな吐息を漏らすばかり である。そんなに悪いのだろうか? ゆたかの話では、ほとんど治ったようなことを言っていたはずなの に。そもそも、苦しがり方が変ではなかろうか。半信半疑でかがみは、濡れタオルをずらしてこなたの額 に触れてみる。 「!!」 すごく熱かった。 「こなた!? ちょ、何なのこの熱!」 頬や首筋にも触れてみる。やはり熱い。勝った負けたではないが、少なくともこなたを狼狽させようと いう当初の意図は外れ、かがみの方が大いに狼狽していた。 「ゆたかちゃんの話じゃ、もう大丈夫だって……」 「急変したみたいだねえ」 のんびりとこなたは言う。というよりは、のんびりとしか言えない状態なのだろうか。 「みたいだねえじゃないわよ。とりあえず熱を測って……」 いや、病院に行かないと。
「救急車呼ぶわ」 こなたの携帯が枕元にあったが、手っ取り早く逆探知してもらえる固定電話の方がいいだろうと部屋の 外へ向かいかけたかがみを、こなたの手が捕まえた。 「……行かないで」 ほとんど液状化した目で、かがみの腰にすがり付いてた。 「最後まで一緒にいて……」 泣き顔を見られたくないとでもいうように、かがみの背に顔を埋める。ベルトのように腹の前で結ばれ た手は、普段のこなたならまず間違いなくかがみのダイエット状況の確認に使われるだろう。だが、今は それはない。ただかがみを離さないだけに使われている。これはいよいよ……? 「そんなこと言ってたら、本当に最期になっちゃうわよ。病院にも一緒に行ってあげるから……ね」 自分でも驚くほど優しい声で言って、こなたの手を離させようとする。頭はすでに、救急車を呼んだ後 のことを考えていた。まずこなたを落ち着かせて、グズるようなら……抱き締めたりしてやった方がいい のかな。それから着替えの用意に、そうじろうおじさんへの連絡、ゆたかちゃんも呼び戻した方が……。 油断したと言えなくもない。とはいえ、油断したことが批判されるような状況ではない。 かがみの体を離したこなたの手は、間髪を入れず腕を捉える。 「呼んじゃ、ダメ!!」 「メ」の音節でかがみは強く引っ張られ……体が宙に浮いた。なんと投げ飛ばされたのだ。 こなたの上空を通過しながら考える。 ああ、そういえばこなたって格闘技の心得があったっけ……。投げ飛ばすのもお手のものだわ……。 ベッドが迫る。不時着……今! どすん 背中からベッドに落ちる。脚からネジが飛んで、板が垂直に落ちなかったのはダイエットの成果と思い たい。天井が良く見えた。こなたはかがみに馬乗りになった後、胸に顔を埋めた。体はやはり熱い。かが みは布団を引き、自分と自分の上にこなたに掛けた。 「かがみ」 心臓の辺りから、こなたの声が響いてくる。 「今までありがとね」 これは別れの言葉? 「色々迷惑も掛けちゃった、かな。ごめんね……」 「……謝るくらいなら生きなさい」 肺腑を膨らませて萎めるのをたっぷり5回繰り返してから答える。かがみの思考は分裂していた。つま り、 こなたが死んじゃう? 動けなくなって、喋れなくなって、いなくなっちゃう? と、こなたの死を真剣に受け止めようとする方向と、 風邪ってそんなに急に悪くなるものだっけ? そもそも、こなたって簡単に死ぬようなキャラ……とい うか、タマ? 人間て死ぬ間際に人ひとりを投げ飛ばしたりするもの? と、こなたの死を疑う方向。
聖徳太子であれば17方向に分裂した思考をも統合できるかもしれないが、かがみには2方向だけでも手 一杯だった。あるいはそれは、投げ飛ばされて(一般的には押し倒されるものだろうが)ベッドの中(布 団掛けたの自分だけど)でのしかかられている事を意識してせいかもしれない。 「みんな、あんたのこと大好きなのよ」 上の空だからこそ、滅多なことでは言えない本音。でも上の空だから、それにこなたが大いにたじろい だことにも気付かない。 「私こそごめんね。こんな時に、何もしてあげられなくて」 心臓のすぐ上のこなたの頭を、そっと撫でる。 こんなに小さかったっけ……。 こなたの小ささを実感すると、目前に迫った彼女の死が急にリアリティを増す。 ……やっぱり死んじゃうのかな。 小さくて弱いものから死ぬ。往々にして動物界の真理。 今までは、小さくても弱いだなどと思った事はなかったのに。 「じゃあ、キスしていい?」 こなたが弱弱しく言った。 肺腑の膨縮5回。 「かがみ、キスさせて」 さらに2回。やっと理解。 「ええっ!?」 こなたの表情は窺い知れないが、元気な時ならニヨニヨと、薄笑いでうろたえるかがみをからかうとこ ろだろう。元気なら……。 「嫌?」 「……」 答えなど持ち合わせているはずがない。 「かがみはしたことある?」 「したこと……」 文脈的には、キスをした事があるという意味だろう。一般的・年頃的には、殿方と深い仲になったこと があるかという意味で使われる質問だろう。どちらだとしても……。 「ないわよ」 「初めての人のことは忘れないっていうよね……」 「……いうわね」 それも初めてがあってこそだ。本当のところは分からない。 ……そうか。 かがみはこなたの意図を察した。こなたは、自分のことを忘れてくれるなといいたいのだ。 「いいわよ」 自分だって忘れたくないと思った。忘れるべきでもないとも思った。加えて死に行く者の最後の願いで あるならば……。 「キス、してもいいよ」 「じゃあ、目を瞑って……」 かがみは言われるまま、視界を闇に閉ざす。こなたが体を上げたようだ。やがて薄い胸と細い腕に、肩 を抱きしめられる。かがみは心持ち顎を上げ、唇を突き出したが、そこに柔らかな感触が降って来る事は なく、代わりに抱きしめる体の重心が右にずれる感覚が伝わってきた。そしてそのまま動かないこなた。 動けなくなるかがみ……。 「こな……た?」 目を開けるのが怖かった。多分顔は目の前にはなく、自分を見てもいない。
「こなた……キスしていいよ」 答えない。 「キス、しないの?」 動かない。 「キス、しなさいよ……」 言葉とともに細い筋が目から伝わり、こめかみの方へ流れた。 「……」 無言のまま体を起こし、そっとこなたをベッドに横たえる。 インドア派にしては色黒な肌にはまだ生気があり、体はまだ十分に温かかった。でも瞼は力なく閉じら れ、口は半開き。 「ねえ……」 持ち上げて揺すってみる。両腕だらり、頭はガクガク、髪は空しく揺れるだけ。 「ねえってば……」 なおも揺する。なおも答えず、動かず、だらり、ガクガク、揺れるだけ……。 「……っ」 かがみは小さく嗚咽してこなたの体を離し、両手で顔を覆った。こなたの体は微妙に低くない位置から ベッドに落ちた。生きていれば微妙に痛くなくないだろう。生きていれば……。 「こなた……こなた……こなたぁ〜〜」 嗚咽はやがて咆哮へ。慟哭へ。 涙は滝となり、手の平の滝つぼへ。 どれくらい名を呼んだことか。 どれくらい叫んだことか。 どれくらい時間が経ったことか……。 やがて悲しみの第一波が過ぎ去ると、かがみは涙に濡れた手でこなたを抱き上げて膝に乗せた。こなた の姿勢が微妙に変わっているような気もするが、きっと気のせいだろう。 こなたの体は、まだ温かった。 温かいうちに、こなたの最後の願いを叶えよう。 忘れないため、覚えているため、私の初めてをあげよう……。 こなたにそうされたように肩を抱きしめ、顔を近づける。二度としゃらくさい言葉を吐かなくなった唇 に段々近付け、目を段々と閉じ……重ねた。 「……??」 あれ? 唇ってこんなに硬かったっけ? ていうかこなたの唇、骨がある?? 先ほどとは別の意味で恐る恐る、かがみは瞼を開いた。 こなたの顔は、想定より微妙に離れた位置にあった。力なく閉じていた目は、今は力いっぱい笑ってい る。二人の唇の間にはこなたの右手があり、かがみはその手の甲に口付けていた。まるで騎士が、お姫様 にでもするみたいに。 「え〜と、よきに計らえ?」 猫口が不敵に笑った。
ベッドの上でへこたれたまま、戦火に焼け出された難民のような顔のかがみが尋ねる。 「つまり……?」 つまり、かがみの最初の想定が正しかったのである。 「お昼ごろまでに、すっかり熱も下がっちゃってね〜」 こなたはベッドを降り、伸びをしながら言う。 「さあて、何して遊ぼっかな〜って思ってたところにゆーちゃんから連絡があって、みゆきさんが来て くれるっていうじゃん」 「だからって、死ぬふりと死んだふりをして遊ぼうって思うか、普通?」 「ク●ヨンし●ちゃんに『死体ごっこ』ってのが出てきて」 「五歳児と同レベルか!?」 「頭のいいみゆきさんになら、すぐに見破られると思っててねー」 「……私が大バカだって言いたいのね。まあ……今だけは認めるけど……」 まるで熱でもあるみたいに赤面して、かがみは縮こまる。 「いやいやいや、愛だよ、愛。かがみに愛があったからこそ、引っ込みがつかなくなるほど真に受けた んだって。しょげないしょげない」 そう言いながら、こなたは頭をさする。かがみに微妙に高い場所から落とされて、微妙に痛くなくなか ったため、かがみが顔を覆って嗚咽し咆哮し慟哭している間、痛みに耐えかねて悶えていたのである。姿 勢が変わったように感じたのはそのためだ。 「今さらどうでもいいけど、熱はどういうトリック?」 「ああ、あれはね、布団の中でブリッヂしてた」 歯を食いしばって「クックック」の真相は、布団の中でブリッヂだったというわけで、そうやってエネ ルギーを燃焼させて高熱を装ったのである。 「いやー、かがみの愛を一身に受けて、我が人生に悔いなしって感じだよ」 「ほぉ、じゃあ今ここで私に殺されても悔いなしなんだ」 鬼か悪魔か邪神が憑依したかのような顔で、かがみは指をボキボキ鳴らしながら立ち上がりかけるが、 立ちくらみのようにふらっとなり、結局ベッドに倒れて力なく布団に包まった。 「だ、大丈夫?」 こなたが恐る恐る近付いて聞く。 「疲れた。寝る」 こなたが近付くのを見ると背を向け、拗ねたように答える。危険はないと悟ったこなたは、後ろからそ っと額に手を触れた。 「熱、あるみたいだね……」 さすがに罪悪感を感じるが、自分が看病する側になった事に気付くと、俄然やる気が出てきた。 「とりあえず濡れタオルかな」 「いい。喉渇いた」 「じゃあ何か持ってくるよ」 答えたこなたは、持ってきた飲み物を置くことになるであろう座卓に、かがみが持ってきた本を認めて 言う。 「『とある宇宙飛行士への追憶』か……。朗読してあげよっか?」 「いい。それより宿題やっちゃいなさい。自力で」 「う……」 こなたがうろたえたように唸ると、後姿のかがみは肩を揺らした。 こなたが思ったよりは、ずっと元気なようだ。
やれやれと肩をすくめ、廊下に出て、ドアを閉めるとこなたは壁に背をつけ、苦しい胸を押さえながら へたりこんだ。 「やばかったなあ……」 キスをするつもりはなく、されるつもりもなかった。そういう意味ではNGを出すことなく、一応シナリ オ通りに進んだのである。 何が想定外といえば、みゆきに見破られることを前提としたシナリオを対かがみで強行し、自分の心性 をシナリオに織り込み損ねたことであろうか。 つまり、こなたの「死ぬふり」を真に受けたり、「死んだふり」でマジ泣きするだけで可愛すぎだとい うのに、ベッドの上、布団の中で、他の人間(この場合自分だが)に抱かれてキスを許したかがみときた ら……やば過ぎたのである。 美しかったかといえばイエスだし、きれいだったかといえばもちろんイエスだし、そういう言葉も概念 も萌えツボも全部爆砕してたどり着いた先に圧倒的な存在感を意識した時、悪魔が、いや多分自分の中の 「オトコ」が囁いた。囁き続けた。 キス、しちゃってもいいじゃないか? キス、されてもいいんじゃないか? ……結局その誘惑に抗し切ったということは、それだけ天使だったか「オンナ」だったか、シナリオに 忠実な役者だったということにでもなるのだろう。 でも今にして思うと、もっと良いオチのつけ方があったように思う。 「あの顔をカメラでパチリ……でさっさとネタばらししちゃえば良かったんだ」 あれほどのレアはそうそうないだろう。実に惜しいことをした。 どちらにしても、後悔ばかりしている場合でもない。 「かくなる上は、看病シチュを満喫するとしますか」 バイト先からナースのコスを借りてこられればもっと盛り上がるのに……。 そんなことを考えながら、キッチンのある二階へと上がって行った。 おわり
170 :
42-115 :2008/09/10(水) 01:13:01 ID:1kJd4vnC
以上です。 次は 高良家編「みなみ争奪 ゆたかvsゆかり看病合戦」にエピローグがくっついて完結となるはずです。 ありがとうございました。
>>170 うおおおおおっ!これはいいこなかが!
久しぶりに素敵過ぎるこなかがを堪能させていただいたっ!
しかも儚いこなたつきでっ!!かがみの本気モードつきでっ!!
やっぱこういうこなかが、い〜な〜ニヨニヨ(≡ω≡.)
>>170 朝からいい話を読ませていただきました。
かがみのこなたへの愛が思考を暴走させていくところがよかったです。
かがみの愛は本物ですね。
愛で思いついた妄想
「おや、かがみんどしたの。」
「もう愛などいらぬ、帝王は退かぬ、媚びぬ、省みぬ、こなたを貪るのみ」
「いかん怒りで聖帝カガミーになっている。」
スレ汚しすまん
>>170 キス一歩手前! キス一歩手前!
なんだかんだ言って実は相思相愛な二人にやられました。
百合ん百合んな一作、ぐっじょぶでした。
本家で始まった小説を読んでみた。 ゆるゆるまたーりならこんな感じなのかなあ、と思った。 良し悪しに関しては今はまだ何も言えないかな。
>>170 GJ !
なんという正統派こなかがwww
こなたは悪魔の囁きに抗わずに、かがみにキスするべきだと思う ! ! もう、やっちまいなー ! みたいな勢いで !
次回も全裸待機
>>174 まだコンプ買ってないけど毒にも薬にもならないゆるゆるな話のようだな
このスレに入り浸っていたら、物足りない感じなのかもしれんなw
誕生日には間に合わんかもしれんが 男ゆたか×みなみ って需要ある?
需要のあるなしは問題ではないのだヨ さぁ来たまへ〜
>>176 おお!今までにないパターンかも!どんとこいwktk
>>176 なるほど、そう来たか。
無理なお願いかもしれませんが、なるべく間に合わせてくださいね。楽しみですので。
こなた「…王者は誰か、きっと今回の萌えイドでわかると思うよ」 人生総誘い受けフラグ! 泉こなた! 第一回萌えイドから常に上位進出を果たしている、今や萌えイドの代名詞。 普段はのらりくらりとしていながら、突如目覚める萌えの美学! こなた「あっぷっぷぇ!」 必殺のあっぷっぷぇが炸裂した時、そこには鼻血の海が出来る! 誘い受けを得意とし、特に対柊・ジーニアス・かがみを相手にすれば全戦全勝。今大会も入賞なるか? かがみ「…地上最萌? ううん、私は宇宙最萌になってみせるわ」 新たなる最萌伝説! 柊・ジーニアス・かがみ! ここ数年で急激に力をつけてきた新進気鋭の萌えファイター。泉こなたに苦手意識を持っているも、クラシカルなツンデレスタイルはソーリューあすからんぐれーを彷彿とさせる。 かがみ「萌える、萌えないじゃないの。ただ、素直になれないだけ」 淡々と語るその姿は正に萌えの哲学者。初の王座奪取なるか!? つかさ「萌にカタチはないと思うの。だから私は…先駆者になるよ」 飽くなき萌の求道者! 柊・ジーザス・つかさ! 神出鬼没! 荒唐無稽! 奇妙奇天烈! かつて萌をこのように表現したものはいただろうか? つかさ「ばるすー」 伝説となったエターナルファンタジスタを始めとし、新しい技を常に模索する姿は正に求道者! 今宵も萌えイドのリングに奇跡が舞い降りるのか!? みゆき「萌えとは強さなんです。私にとって」 アルティメット・モエスティック・モンスター! MIYUKI! UMM。それは萌えイドに君臨する女王。UMM。それは究極の歩く萌え要素。 みゆき「例えば、虎は生まれながらに強いように…私にとって、萌えとは身近な物なんです」 女王の比類なき萌えの前に、あらゆるものが平伏す。 今宵集うは最強の萌えファイター達! 萌で萌を洗う戦いが今―― ――Warning!! Warning!! あやの「…私をわすれるなんて、どういうこと?」 解き放たれしエロスと萌! 仮面たいがー☆あやのんが緊急参戦! 今宵の萌えイドは…萌轟震恥態と化す!
こなたはかがみを精神的に散々弄んだ結果、 理性やら人として大切な何かやらをなくしたかがみに肉体的に弄び返されるのがすごく似合う子だなと思う。
うにゃあああああ!ですね、わかります
こなた「・・・こなフェチのみなさん・・・ こなたはいやらしいメス豚奴隷です・・・ たっぷりいじめてください・・・!」 かがみ「な〜んか、こなたじゃないよね」 つかさ「こなちゃんは嫌がるからこそだよね」 みゆき「私達、そういう痴女には反応いたしません」 教訓 こなフェチは こなたがいやがらないと 発動しません な〜んてのはどうよ? こなフェチ、こな姦に続く第3のこなた その名は「エロこなた」w
>>185 嫌がってこそのこなたというのには同意だけれど、エロこなたというネーミングはどうかと思うぞw
えちこなた
こなメイドが欲しい
らめぇ受こなた でどうでしょう…
190 :
26-468 :2008/09/11(木) 23:55:13 ID:Qcboi6He
投下される方いなければ5分後投下したいと思います 4レスいただきます みなみ×ゆたか 非エロです
つくるものじゃない 繋がりはいつも そっと結ばれるリボンで いま風になびいて 仲良くゆれてる A clear ribbon 人は完璧なものに魅かれる。 そしてそれを自分以外の何かに求める。 いくら欲しても自分ではたどり着けないジレンマからだろうか。 完璧を信じたいからだろうか。 その対象はテレビの戦隊もののヒーローだったり 銀幕の世界を救うハリウッドスターだったりする場合もあるし ごく身近な人であったりする。 私もそんな対象のひとつだったように思う。 「みなみちゃんは勉強ができていいね」 「しっかりしてて偉いわね」 そう褒められるたび、嬉しいと思う反面 人の中に映る私は一体どんな風に見えているのだろうと不安になることもあったし 外に出るときは思わず心のスイッチが入ってしまうような感じがした。 大きな悩みでもないけど雨の日に跳ねる前髪みたいに何となく気になる。 そんな感じが好きでなかったことは事実だ。 桜舞う4月、風に吹かれる花びらよろしく可憐という言葉がぴったりの女の子と出会った。 衝撃的な出会いではないけど、春の風みたいに柔らかくて優しい始まり。 「これから3年間よろしくお願いします」 そう言ったゆたかが私の隣にいるようになって1ヶ月が過ぎようとしていた。 「大丈夫?」 「ごめんね、みなみちゃん」 ゆたかは体が弱い。こうして保健室に連れて行くのも何度目だろう。 「気にしないで、私は保健委員だから」 そう、私が自分でなりたいと思った、自分で選んだ役割。だから謝らないでいいんだよ。 「今度みなみちゃんにお礼しなきゃね」 「じゃあ私の家に来て」 「みなみちゃんの?」 「そう」 ゆたかは疑問に思ったようだったけど微笑でその答えを返してくれた。 保健室まで連れてくるのが私の仕事だからすぐに授業に戻らなくてはいけないのだけど 最近は少しだけゆたかの様子を見ている。 体調を崩し気味のこの子が気になるのは仕方がないことだろう。 少し開けた窓から入る風が心地いい。 新緑の匂いがわずかに感じられる保健室でゆたかが眠りについたのを確認した。
保健室の約束から2回目の土曜日、晴れ。 今日はゆたかが私の家に来る日だ。 あれから体調も良いようだし昨日電話した時も元気そうだった。 友達を家に呼ぶのも久しぶりで妙に胸が高鳴る。 「行ってきます」 駅まで迎えに行こうと玄関を出ると向かいの家のみゆきさんと鉢合わせた。 「あらみなみさん、こんにちは」 「こんにちは」 「どうしたんですか?嬉しそうですね」 「友達を迎えに・・・」 「新しくできた友人ですか?」 「高校でできた友達です」 「それは良いですね。私も今から友人と出かける所なんですよ」 こうして並んで歩いていると本物の姉妹みたいに思えてきて みゆきさんの方へと一歩近づいた。 それに気づいたのかみゆきさんは私の手を握った。 「ふふふ」 みゆきさんは何を言うでもなく微笑んでいる。私もつられて笑った。 空には青が広がっていた。 「それでは私はこれで」 「みゆきさん、また今度」 「はい」 ゆたかはまだ駅には着いていないようだった。 それは待ち合わせの時間まであと30分もあるからだ。 それとなく人が行き来するのを眺めていると後ろから声がした。 「早く来ちゃった」 「私も」 「よかったぁ。どうやって時間潰そうか考えてたんだ」
今日は昼ごはんをふたりで作る予定だったので、スーパーへ寄ることにした。 「みなみちゃんて料理するの?」 「たまにお母さんを手伝うくらい。ゆたかは?」 「私もまだ上手にはできないな。こなたお姉ちゃんに教わってるけど」 「じゃあカレーにしようか?」 「うん、私もカレーなら作れるよ」 カレーなら失敗することも少ないだろう。 冷蔵庫にあるものと材料とを照らし合わせつつ 高い所にあるものは私が、低い所にあるものはゆたかが手に取り ふたりで相談をして食材を決めた。 傍から見ると姉妹のようだろうか? 「待って、お姉ちゃん」 ひとしきり買い物がすんだ頃、ゆたかに呼び止められた。 「どうしたの?」 なぜ私をお姉ちゃんと呼ぶのだろう。 さっきふたりは姉妹みたいだ、と思ったのがゆたかにも通じたのか。 「お菓子!」 女の子は甘いものが好きだ。 私も例に漏れず勿論好きだが、「お菓子!」と言うゆたかがとても可愛くて思わず笑った。 「あー、笑ったー」 「ごめん。何か凄い可愛くて」 「やっぱ苺ましまろは通じないよね・・・」 ゆたかはプチチーズケーキの箱を見せながらちょっとため息をついた。
何だかよく分からないゆたかの行動はさておき、 お菓子も買った私たちはベンチで一休みしてから店の外へ出た。 みゆきさんと二人で来た道を今はこうしてゆたかと並んで歩いている。 いつも通る道なのに目の前には少し違う景色が広がる。 不思議がる私にゆたかは「どうしたの?」という目でこちらを見上げる。 深めに被った帽子から覗くその保護欲をそそる表情、男の子なら一発で恋に落ちるだろう。 「何でもない。ただちょっと景色が変わって見えるなって思っただけだよ」 「私服でみなみちゃんと会うのって何か特別な感じだね。いつも制服でいるからさ」 そうか。今日は友達と遊ぶ日。 小学生に戻ったみたいな、この落ち着かなくて走り出したくなる気持ち。 実際この思うままに走ったらゆたかを置いていってしまうから止めておくけど ああ、とても久しぶりな感じがする。 街路樹の葉は日差しを跳ね返していて、それを見てひとつ深呼吸をした。 気づくとゆたかは私の横から消え 「みなみちゃん、行こ」 無邪気な笑顔で振り返ってふいに駆け出したゆたか。 その小さな背中に追いつくまで、あと五メートル。
支援
196 :
26-468 :2008/09/12(金) 00:16:53 ID:PGTxrC8D
以上です。 タイトルから一目瞭然ですが みなみのキャラソンに影響を受けてこんなSSができました 曲のイメージ通りなんて程上手くはいかないと思いますが 一応続きを書く予定でいます。 今回は短めなのは続きを載せようとすると 時間がかかりすぎてしまうのではないかということと 時間軸が連続した話を書いてみたいなと思ったからです。 原作6巻はみなみの台詞が多くて嬉しかったです 意外とお茶目で可愛い部分を見せてくれてとてもいいですね みなみとゆたかは本当に素敵な信頼関係だなぁと関心します まとめの方でも有難いコメを頂いて 本当に励みになります 読んでいただいてありがとうございました
みなみん誕生日おめでとう&
>>196 氏GJ!
キャラソンの優しくて温かな雰囲気がそのままSSになったって感じでした。
いつもは何かと報われないみなみが今日は幸せでありますように…。
__ ,ヘ/ヽ、,-、
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おくれたけど、誕生日おめでと〜☆みなみちゃん
そして
>>196 ぐっじょぶ!
みなみ誕生日おめでとう!!
200 :
9-727 :2008/09/12(金) 20:44:48 ID:eOJOJEhx
みなみんおめでとう! ということで、SSを投下したいと思います。 ・エロ有り ・みなみ×ゆたか(リバ有り) ・7レス使用 です。ではいきます。
入学からの付き合いである親友三人が開いてくれた誕生会は笑顔と共に終わり、 みなみ達は二組に分かれて別々の部屋で眠ることとなった。 隣の部屋にいるのはひよりとパティ、そして今みなみの隣で布団に入っているのは、 「今日は楽しかったね、みなみちゃん」 そう言って惜しげもなくみなみに笑顔を向けてくれるゆたか。 「なんだか私達のほうが盛り上がっちゃったみたいで」 「ううん、私も楽しかった」 プレゼントを貰ったり、みんなでゲームをしたり。 それは嬉しくて、楽しくて、けれどあっという間に過ぎてしまったひと時だった。 「今までで一番の誕生日だったかもしれない」 「本当?」 「うん、だって」 お父さん、お母さん、そしてひよりやパティには悪いけれど、 「ゆたかがお祝いしてくれたから」 「ええっ、な、なんだか照れるよう」 「でも、本当のことだから」 今日何度も見たゆたかの笑顔。 それを見る度にみなみの胸は大きく高鳴ってしまって。 それはゆたかにお祝いされて嬉しいんだなと思わせるには充分だった。 「えへへ……そう言ってもらえると嬉しいな。あのね、みなみちゃん」 「なぁに、ゆたか」 「大好きだよ」 ドクン。 まただ。胸がきゅうっとなる、この感じ。 みなみがゆたかの笑顔を見たときに起こる症状。 けれど今のこれは、それまでとは比べ物にならないくらいの大きさだった。 「私、みなみちゃんに会えてよかった。みなみちゃんにいろんなことを教えてもらった。 だから私、みなみちゃんに感謝してるんだ」 ゆたかが言葉を紡ぐごとにみなみの胸の高鳴りは大きさを増していく。 決壊したダムのように血が心臓に流れ込んできて、 忙しなく動くそれは一向に止まってくれそうになかった。 「みなみちゃんに喜んでもらえたっていうことは、私の気持ちがみなみちゃんに届いたってことだよね。 良かった。それは、私のみなみちゃんへの気持ちだよ。 来年も、再来年も、そのまた次の年も、それから先何年も何十年も……。 こうやって、みなみちゃんのそばで私の気持ちを伝えられたらいいな」 「ゆたかっ……!」 ゆたかの言葉が終わると同時に、 みなみは愛しさのあまり胸が張り裂けそうになっている親友の名を呼んだ。 「ど、どうしたの、みなみちゃ……わわっ!」 そして側で寝ているその親友の腕を取り、 そのまま勢いに任せてその小さな体を自分のほうへと引き寄せた。 「ごめん、ゆたか……なんだか急に、胸がドキドキしちゃって。 それで、ゆたかの言葉を聞いていたら、ゆたかを抱きしめたくなって、それで」 みなみは衝動的にゆたかを抱き寄せてしまったが、 その衝動が治まった後も尚、ゆたかの体を離そうとはしなかった。 今ここでゆたかの体を離してしまうことは、みなみにとってひどく不安なことだったのだ。 「みなみちゃん、すごくドキドキしてる……」 心臓は相変わらずみなみを内側から激しく打ちつけ、 このままみなみの体を破いて外に飛び出してしまいそうだった。
「ごめん、変だよね、私……」 「ううん。気にしないで……でも、どうしよう、なんだか私までドキドキしてきちゃった」 体全体に伝わるドクドクという鼓動。 それに付随するかのように、密着したゆたかの体からもかすかな鼓動が伝わってくる。 「ゆたか……」 「みなみちゃん……」 追いつき、追い越し、一緒になって。 みなみはゆたかの鼓動を感じるにつれ、ゆたかが自分の中に入り込んでいるような気になった。 そんなことを考えると、どういうわけか体が熱くなっていった。 呼吸は次第に感覚を狭め、自分の耳ではっきり聞けるほどに荒く、深くなっていく。 それはゆたかも同じようだった。 耳元にゆたかの深い息がかかるとまた体が熱くなった。 熱くてどうしようもなくて、体をもぞもぞと動かすと、 ゆたかの肌の感触がパジャマ越しに伝わった。 頭がどうにかなってしまいそうだった。 自分とゆたかの息の音が耳を支配する。 それは部屋全体に響いているのではないかと思うくらい大きかった。 苦しいけれど、こうしていたい。 矛盾したおかしな頭は、そのうちもっとおかしな願望を抱いていた。 ――ゆたかに、キスがしたい。 みなみの頭は次第にそのことしか考えられなくなっていった。 でも、ゆたかにキスだなんて。 出来るわけがない。何を考えているのだろう。 ゆたかは友達で、しかも女の子なのに。 けれど、この抑えようのない気持ちはどうしたらいいのだろう。 キスしたい。 キスがしたい。 ゆたかにキスがしたい。 きっと次にゆたかの顔を見てしまえば、 みなみはこの思いをもう引っ込めることが出来なくなってしまうだろう。 しかしだからと言って、いつまでもこうしていられるわけではない。 いっそこのまま眠ってしまえればいいのだが、 こののぼせた頭を抑えて眠りにつくなど、今のみなみには出来ようはずもなかった。 一体、どうすれば――、 「み、みなみちゃん、苦しいよぅ」 思考の螺旋に陥りかけていたみなみはゆたかのその言葉を聞き、 いつのまにか腕に力が入ってしまっていたことに気がついた。 「ごめん、ゆたかっ……!」 みなみは慌てて体を離したが、 それによって今まで見えなかったゆたかの顔を見てしまうことになり――、 「……っ!!」 みなみの体はその場で硬直してしまった。
ほのかに上気したゆたかの顔は、 みなみの記憶していたゆたかのそれよりもずっと可愛く、艶っぽいものだった。 ゆたかはやや苦しそうに息をつき、みなみを見つめている。 みなみの視線はもうほとんどゆたかの唇へと注がれていた。 今すぐにでもそれを奪ってしまいたかったが、 それをしなかったのは、みなみをかすかな理性が繋ぎとめていたからだった。 しかしその理性の糸はあまりに細く、何かの拍子にぷつりと切れてしまいそうだった。 心臓の音はいつからかドクドクからバクバクへと変わっていた。 唇からゆたかの目へと視線を移すとぱちりとゆたかと目が合い、 そしてまたみなみの胸は切なくきゅうと締め付けられていく。 もう、限界だった。 心の中でゆたかに謝りながら、みなみがその唇を近づけようとしたその時、 「どう、する……?」 ゆたかが不意に口を開いた。 みなみはそれによってすんでのところでキスを思いとどまった。 そしてかすかに回る頭の中で、ゆたかの言葉が反復していった。 (どう、する……?) ゆたかは確かにそう聞いた。 その問いかけは何かの判断をみなみに仰いでいるということは分かるのだが、 その何かがみなみには分からなかった。 いや、本当はもうほとんど見当はついているのだ。 ゆたかは、みなみにキスするかどうかを聞いている。 ゆたかの目は相変わらずみなみを見つめているが、 言葉の真意はその目からは読み取れそうになかった。 しかし、この状況を考えると、みなみはそれしか思い当たる節はなかった。 みなみはそう期待する一方で、 まさかそんなことはあるはずない、とそれを信じられずにいた。 そんな都合のいい話、どこに転がっているだろうか。 みなみは一瞬こそ期待したものの、考えるほどにそれを否定する気持ちのほうが強くなっていった。 しかしその胸中は、ゆたかの次の一言で完全に覆されることとなった。 「私は……"いい"よ。だって、」 この場合の"いい"、には二種類の取り方があるが、今回に限っては一種類だった。 なぜならゆたかのその顔は優しい笑みをたたえており、 "OK"以外の意味は一切そこから読み取れそうになかったからだ。 (だって……だっての先は何があるの、ゆたか) みなみはゆたかの言葉の先を恐れていた。 それは拒絶の言葉が出ることを恐れていたのではない。 ゆたかの次の言葉によって、自分の歯止めがきかなくなるような予感がしていたからだった。 果たして、みなみの予感は的中することとなる。 「だって、みなみちゃんだもん」 ぷつん、がらがら。 みなみは頭の中でそんな音を聞いた気がした。 その瞬間、みなみはゆたかの唇を塞いでいて――
止まらなかった。止められなかった。 みなみはキスの経験などなかったので、 自分の体の動くまま、無我夢中でゆたかに口付けていた。 触れるだけでは自制できず、貪るように唇を沿わせ、 ゆたかの唇を吸ったり、舌で愛撫したりした。 ゆたかは最初こそ少し体を強張らせていたものの、 徐々に弛緩していき、次第にみなみに身を任せるようになっていった。 ゆたかの唇から漏れる切なげな声はみなみの情欲を一層かきたて、 呼吸をするのも忘れるほどゆたかに夢中にさせた。 ゆたかが欲しい。もっと、もっとゆたかを愛したい。 ああ、自分はゆたかのことをこんなにも愛おしく思っていたんだ。 みなみは思考の混沌の最中、ゆたかへの思いに気付く。 するとみなみはえも言われぬ感情の昂りに襲われ、 いてもたってもいられなくなり、ずっと触れ合っていたその唇を離した。 そして先ほどのようにぎゅっとゆたかを抱きしめ、ありったけの自分の感情を吐き出した。 「大好きっ…! 大好き、大好き、大好きっ!!」 ゆたかだけが聞くことを許されたその思いは、何度も何度も言の葉となった。 みなみがこんなにも誰かに感情を吐露するのは初めてだった。 それはみっともない光景だったかもしれない。 しかし、それでもみなみは伝え続けた。 こんなにも誰かを愛したいと思ったことはないから。 だから、伝えられるだけみなみはその思いを、愛しき親友に向けようと思ったのだ。 「ゆたか……離したくない。今だけは、私のわがままを聞いて」 みなみはゆたかが頬を染めた顔で小さく頷いたのを見止めると、再びゆたかに口付けた。 胸の内を吐露したことにより今度は少し落ち着いた頭でキスすることが出来たが、 唇の感触を味わっているうちに体が熱くなり、 段々と思考に自制がきかなくなってくるのをみなみは感じていた。 口を割ってみなみの熱を帯びた舌が入り込むとゆたかは体を震わせ、 みなみの口にくぐもったよがり声を大きく響かせた。 みなみの舌が口内で動くたびに、ゆたかはまだ幼さの残る可愛らしい声で、 しかし非常に官能的な声でそれに応えた。 あのゆたかが、自分のキスでこんなにも艶めかしい声を出している。 そのことはみなみをひどく興奮させていた。 いつしかゆたかも自分から舌を動かしており、 二人のどちらともつかない場所でみなみ達はいっそう激しく絡み合っていた。 みなみはゆたかとのキスに悦びを感じていたが、その一方で不安も感じていた。 ゆたかを欲しいと思う気持ちが、いつまでたっても治まらない。 それどころか、ゆたかと唇を重ねているとどんどんそれが増幅していく。 みなみはその不安を振り切ろうとするかのようにひと際大きくゆたかをよがらせた後、 唇を離し、ゆたかの肩のあたりに額をぎゅっと埋めた。 「ゆたか……どうしよう、私、自分が止めれらない。 これ以上したら、絶対にゆたかを傷つけてしまう。 でも、止めたくない、もっとしていたい…!! ゆたか…、私はどうすればいいの……?」 ゆたかを想う気持ちと、ゆたかを思いやる気持ちが交差し、ぐしゃぐしゃになる。 ゆたかはこんな自分を、情欲を抑えることが出来ない自分をどう思うだろうか。 いっそ嫌ってくれたら。そうすればゆたかを傷つけなくて済むのに。 みなみがそんなことまで考えていると、突然ゆたかの手がみなみの頭にふわりと触れた。 驚いて顔を上げると、ゆたかは「安心して」といわんばかりの優しい顔をしていた。 そして軽く口付けたかと思うと、体勢を変え、みなみの上に覆いかぶさった。 「心配しないで、みなみちゃん。私が落ち着けてあげる……」 ゆたかはそう言ったかと思うとみなみのパジャマのズボンに手をかけ、静かに下ろし始めた。
「ゆ、ゆたか……?」 「そのままでいて、みなみちゃん」 ゆたかはそのまま、みなみの下半身を露出させていく。 みなみはゆたかの手が足に触れるたびに押し倒してしまいたい衝動に駆られていたが、 ゆたかの言ったことを反復し、必死に堪えていた。 「ふ、あっ!」 突然、体中に今まで感じたことのない感覚が走ったのは、 ゆたかの手がみなみの下着に触れたときだった。 「ゆたか、何してっ……」 「大丈夫、大丈夫だから……」 ゆたかはそう言うが、みなみは初めての感覚に戸惑いを隠せなかった。 不意にゆたかに触れられたかと思えば、一瞬声が勝手に出るほどの何かに襲われた。 その何かはよく分からなかったが、みなみにはそれは一瞬だけでもとても気持ちの良いものに感じられた。 「みなみちゃん、ぐしょぐしょだね……、脱がしちゃっても、いい……?」 ゆたかにそう言われ、みなみは下着周りが濡れたように冷たくなっていることに気がついた。 少し恥ずかしかったが、そのままだと少し気持ちが悪そうだったので、みなみは小さく頷いた。 ゆたかに脱がされているとき、みなみは羞恥とともにかすかな期待を抱いていた。 もし、さっきのあの感覚が何度も続くのなら。 それは今からゆたかによってもたらされるのではないか、と。 ゆたかは下着を下ろし終わるとみなみの露になったそこに手を差しやった。 「痛かったりしたら、言ってね……」 そしてゆっくりとその小さな指を動かし始めた。 「あっ、ん……」 ゆたかに触られているところを中心に、またあの感覚が駆け抜けていく。 どんな風に触っているのかは分からないが、とても気持ちが良い。 それはキスの気持ちよさとは全く違うものだった。 「やっ、あっ、ゆたか、だめっ……、変になりそうっ……」 それはときに、不安さえも感じるものだった。 このままこの快感を受け続けたら自分はどうなってしまうのだろう。 何も考えられなくなって、体も動かせないようになってしまうのではないか。 そう思ってしまうほどにこの感覚はみなみの全身を支配していた。 「みなみちゃん、声、大きいかも……」 「ごめっ、ゆたか……ぁっ、んんっ……」 ゆたかに言われて片手で口を押さえても、 もう片方の手でシーツをぎゅっとつかんで堪えても。 我慢しているつもりなのに、勝手に声が出てしまう。 艶っぽさとは無縁の自分が、こんな声を出しているのは少し恥ずかしかった。 「ゆ、ゆたかっ、駄目、ぞくぞくして……変な感じ……」 ゆたかに撫でられている内にみなみは、 体の奥底からえも言われぬ何かが押し寄せてくる感覚に見舞われた。 それこそ、先ほどから感じていた不安の正体であると言ってよかった。
「心配しないで、みなみちゃん。そのまま楽にしていて」 ゆたかはそう言って、シーツを握りしめていたみなみの手を取った。 それだけのことだったのにみなみは何だか安心してしまい、 すると今度はどうしようもなくゆたかのことが愛しくなってしまって、 「ゆたかっ、キス、したい……」 ゆたかは愛撫を続けたまま、ゆっくりとみなみに近づいた。 そして唇が重なると、ゆたかは口を開けてみなみの口内へ舌を滑り込ませた。 その瞬間、みなみは自分の体が強い快感に飲み込まれていくのを感じた。 ゆたかの口の中へと嬌声を響かせ、体を仰け反らせた後、 みなみは全身どこも力が入らなくなり、ベッドの上に身を落とした。 「はぁっ、はぁっ……」 喋ろうにも息が乱れて声が出ず、また、頭もはっきりとしないせいで何も考えられなかった。 「みなみちゃん、大丈夫……?」 ゆたかの問いに辛うじて頷く力は残っていたらしく、みなみは小さく頭を縦に動かした。 「どう? 少し落ち着いた、かな」 そういえば、ゆたかに触ってもらう前のあの胸が押しつぶされるような苦しみはもうなかった。 というか、途中からそれどころではなくなっていたのだが。 みなみがまた頷くと、ゆたかは安心した表情を浮かべた。 「良かった。お姉ちゃんのゲームが役に立ったかな……」 「?」 「え、ううん、なんでもないよっ、あは、あははっ……」 「……ふふっ」 みなみは絶頂からややあって体も少し自由がきくようになったので、 ゆたかをまた抱き寄せるために体を起こそうと足を動かした。 すると山になったひざが丁度ゆたかの足の間に入ってしまったようで、 ゆたかは突然の刺激に「ひゃっ」と可愛らしい声をあげた。 みなみはその様子に悪戯心のようなものを芽生えさせ、 そのまま膝をぐりぐりとゆたかの秘所に押し付けた。 「やっ、あうぅ……駄目っ、みなみちゃんっ」 ゆたかはみなみの膝の上で上手くバランス取れず、 そこから抜けようとしてもなかなか抜けられないようだった。 それをいいことにみなみはさらに膝を動かし、ゆたかのそこを刺激し続けた。 すると最初こそゆたかは抵抗していたものの、徐々にその抵抗も弱まり、 ついには完全にみなみのおもちゃのようになってしまった。 「はぅっ、はぅぅ〜……気持ちいいよぅ……」 みなみは下着とパジャマ越しにもゆたかのそこがひどく濡れてきていることが分かった。 「ゆたかも、ぐしょぐしょ……」 「い、言わないでよぉ〜……あうぅ……」 ゆたかは恥じらいながらもみなみに抗おうとせず、 完全に快楽の虜になってしまったようだった。 そのうちみなみの愛撫だけでは物足りなくなったのか、 自分からみなみの膝の上で腰を振って快楽を求めていた。 「あっ、あっ、はぁぁっ……や、止まんないよぅ……」 虚ろな瞳で口を半開きにしながら喘ぐ様は、 いつもの無垢なゆたかからは想像も出来ないほど官能的だった。 みなみはその様子に一旦は治まっていた情欲がまた自分の中から湧き出てくるのを感じ、 ゆたかが喘ぐことに不思議な悦びを覚えていた。 「ん、ん、あっ、あっ、も、駄目っ……気持ち良いぃ……」 ゆたかはよがった声でそう言った後、前後に激しく腰を振り始め、 そしてびくんと大きく跳ねたあと、小さく体を震わせながらみなみの上へと崩れていった。
「みなみちゃん、おはよぅ〜……」 「ゆたか……、うん、おはよう……」 明けて十三日。 みなみ達は昨夜の疲れがまだ残っているのか、少々だるそうに朝の挨拶をした。 結局あの後みなみ達はすっかり盛りがついてしまい、二回、三回と体を重ねてしまったのだ。 おかげでパジャマ、下着はすっかりびしょ濡れ、シーツも乱れ放題で、 後で気付かれないうちに洗濯機に放り込むしかないようだった。 しかしそんな憂いも、今日からみなみはゆたかの顔を見れば吹き飛んでしまうのだ。 「あのね、みなみちゃん」 「なぁに、ゆたか」 「大好き。何か順番が前後しちゃったみたいだけど、私、みなみちゃんのこと大好きだからね」 「ふふっ、その言葉なら、もうとっくにもらったよ、ゆたか」 「ええっ、あ、あのときのはほら、その、そういう意味じゃないっていうか、その」 「ううん、一緒。LoveでもLikeでも、"好き"ならそれで良い。 私達が一緒にいるのに、"好き"以上の理由も、それ以下の理由も必要ないよ」 そう、そんなことはどうだっていい。 お互いのことを好きでいる限り、みなみ達はいつまでも一緒なのだから。 「みなみちゃん……うん、そうだね! ふふっ、みなみちゃん、大好きだよ」 「うん、私も、ゆたかのことが大好き」 二人の歩む道は、先が見えないほどにずっとまっすぐ続いている。 今日もその一歩を踏みだすために、その先にどんな障害があろうとも二人で乗り越えていけるように、 みなみ達は手に手を取って、一緒にドアを引く。 おまけ 「あ、パティちゃん、おはよう〜」 「おはよう、パティ……」 「Good morning、ミナミ、ユタカ」 「あれ、田村さんは?」 「(ガチャッ) おはよ〜……、小早川さん……、岩崎さん……」 「ど、どうしたの、田村さん、なんだか、やつれてるみたいだけど……」 「いやーね〜……、昨日ちょーっとどーもーな獣に襲われたというかー、なんというかー……川*´ヮ`)」
208 :
9-727 :2008/09/12(金) 20:55:30 ID:eOJOJEhx
これで終わりです。みなゆたのエロを書くのは2回目ですが、 前回はエロに重きを置いていたのに対し今回は内面描写に重きを置きました。 だからエロシーンに入るまでがやたらと長くなってしまった気がします。 それと今回は「甘さとエロさの両立」も目指しました。(でもやっぱりエロシーンって書くの難しいですね) それでは読んでくださった方、ありがとうございました。
GJ! 情熱的なみなみは良いもんですなぁ……
ぬわあああああ甘い!これはいいみなゆたw …ひよりん…覗いてたね?
あ・・・ありがとう・・・みんな・・・ `〜〜〜〜〜〜(_)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜' ○ O 。 -―――― ―- , '" : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`丶 / : : /:/ : : : /: : : : :j : l : : : : : : :\ / : : : /: :_:{ : : :/: : : ,: :-/| 、|: : : j : : : : : : / : : : : ,': :'´ハ : / : : : : : / :|:.∧: :/: : : : : : : /: : : : : :|: : /_ ∨ / : : / _j/ ∨: : : : : : : : / : : :|: : :ャテ=ァミ∧/: :/ィ代孑アア : : : : : : : : / : :/:│: / V込j |/ ヒ込ン′/: : : : : : : : : / : :/: :│: l ´ , /: : :/: : : : : ,′ ///: : : :\|.::::::. .::::::./: :/: : : : : ∧: /' ,′ : : : l (ヽ //|: : : : : : /_ノ │: : : l : 人 /´ /: : : : : /: : : ひより「声に出さないと意味ないっす!でもそこがイイッス!!!」
誕生日に結ばれておめでとうみなみ! こなたのエロゲーがを参考ししてしまうとはw みなみはこれから大変ですね。 ゆーちゃんにエロゲー仕込みのプレイを次々されてしまうんですねw ひよりんがパティに食われるのは日常になりそうw
ちょっと来ないうちに随分過疎ったね……
214 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:03:45 ID:O1qLcBXy
おはようございます、42-15です。 5分後辺りから投下します。 ・タイトル『タチネコ談義』 ・エロあり ・こな×かが、あや×みさ+みさ兄、ゆた×みな ・5レスお借りします
215 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:09:05 ID:O1qLcBXy
「ねぇかがみん」 「んー?」 「うちらっていわゆる同性同士のカップルってやつじゃん」 「まぁ、そうね。てか突然どうしたのさ?」 「いや、エッチする時になると必ずタチかネコかがいるわけじゃん」 「うん」 「かがみんはネコだよね」 「え!? ち、違うだろ! ネ、ネコはこなたでしょ……?」 「エッチな単語に反応して恥ずかしがるかがみん萌え。てかタチとかネコとかエッチな単語なの?」 「それは知らないわよ! ただ、なんとなく……」 「まぁいいや。つかさとみゆきさんも付き合ってるんでしょ?」 「みたいね。この前つかさに何の気なしに聞いてみたら、しどろもどろになってたし」 「他にもゆーちゃんとみなみちゃんも付き合ってるし、みさきちと峰岸さんもそうらしいし」 「え、ちょ、日下部と峰岸も!? え、てか峰岸って彼氏いるんじゃなかったっけ?」 「そう、みさきちのお兄さん。二人がイチャイチャしてるとこをみさきちが見ちゃったことが発端だとか」 「な……てか何故アンタが知ってる」 「そこは企業秘密だよかがみん。あと……えっと、誰だっけ……」 〜〜〜〜〜 「ハッ、ハッ……うゅ」 「ん? どうしたんスか、パティ」 「くしゃみが出そうになりましタ。ダレかがウワサしようとしてまース」 「噂未遂っスか。てか、いつまでも裸でいるからじゃないっスか。ほら一緒に布団入ろ?」 「oh! やっぱりヒヨリはヤサしいネ! ……ガマンできませーン!」 ガバッ 「あ、ちょ、パ、パティ、んんん……」 〜〜〜〜〜 「まぁいいや。知り合いで怪しいな、って人がいたんだけどなー」 「放っとくんかい。あ……アンタの言いたいことが分かったわ……」 「さっすが私の嫁。以心伝心だね♪」 「話の流れ的にわかるだろ……」
216 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:11:07 ID:O1qLcBXy
当初は私の家でいつもの四人でのお泊り会の予定だったんだけど、まず始めにみゆきさんがいつになく丁重にお断りしてきて、次につかさも用事があるから、と言って辞退した。 二人の辞退の理由はまぁ大体分かる。今頃お楽しみなのでしょうね、きっと。 で、私とかがみんの二人っきりになったので早速服を脱がせ合い、互いに互いを貪り合った。 今日はゆーちゃんがみなみちゃん家にこちらもお泊まり。こちらも今g(ry お父さんも仕事で関西の方に行っちゃったから、今この家にはかがみんと私の二人しかいない。 そんな安心感からか、二人ともいつもよりも激しく声を上げ、そしてより深く愛し合った。 エッチが終わった後、ぐったりしながらベッドの上で横になり、軽くキスをしたり、ぎゅーっと抱きしめあったり、互いに見つめあってニヤニヤしたり。 そんなことをしながら二人だけの時間に浸っていると、突然『恋のミクル伝説』が机のある方から流れ始める。 せっかくの甘い時間が台無しじゃないか、と思いながらケータイを開くとみゆきさんからのメールだった。 題名:夜分遅くにすみません。 本文:今日はお泊り会にいけなくてすみませんでした。 もし宜しければ明日泉さんのお宅を伺ってもよろしいですか? 重大なお話があるので聞いて頂きたいのですが。 ふむふむ、これはカミングアウトでもするつもりなのかね。だとしたら、あの二人のお泊まりはこれについての会議でもしてたのかな。 メールの文面をかがみんにも見せていると、かがみんのケータイにも同じ旨のメールがつかさから入ったみたい。 てか、同じタイミングでメール送っちゃすぐにバレちゃうじゃんか。まぁでも明日言ってくれるんだろうしそれはそれでいっか。 で、これから二人は本番に突入ですねわかります。
217 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:13:11 ID:O1qLcBXy
そういえば、二人がエッチする時ってどっちが攻めになるんだろう。 みゆきさんもつかさもどっちかっていうと受けっぽいからなー。 ということでかがみんに振ってみたってとこ。 「で、どっちがタチでどっちがネコだと思う?」 「そんなの知らないわよ! てかどっちでもいいじゃない」 「だって気になるじゃん。つれないなー」 「だ、だってホントに分かんないんだもん……」 「どっちもネコって感じだからなー」 「てか二人ともそういうことしないんじゃないのかな」 「あー、それもあるかもしんない。んじゃ次、みさきちと峰岸さん」 「うーん……峰岸は裏の顔が黒っぽいしなー、多分こんな感じかな」 〜〜〜〜〜 ぐちゅっ ぐちゅちゅ 「あ、あぁっ! きもち、いいよぉ……」 「あらみさちゃん、もうイきそうなの?」 「ぅん、もう、イきそう、あ、あやのぉ……イかせて……」 「うふふ、みさちゃんったらかわいい♪ でも、だーめ」 「あ、だめ! やめないでぇ!」 「そんなにイきたいの? みさちゃん」 「うん、だからお願いっ、イかせてぇ……」 「もう、みさちゃんはエッチだなぁ。みさちゃん、イかせてあげる」 「おねがいっ! あ、ああ、そんなに早くしたら、すぐ、イ、イくっ」 「あ、あっ、ああああああん!!」 〜〜〜〜〜 「かがみん、ちょっと峰岸さん黒すぎない?」 「そうかしら? まぁ想像だけだし」 「かがみんも乗ってきたね。私が考えたのはこんな感じ」 〜〜〜〜〜 「兄貴、二人におっぱいでされるってのは気持ち良い?」 「あぁ、きもちいいよ……」 「お兄さんのいつもよりもおっきいわ。妹にされてるってのも興奮するの?」 「それもあるかもな……あ、ダメだ、もう出るっ!」 「兄貴って早漏だったんだな。よし、イっちゃえー♪」 ドピュ ドピュッ 「うわぁあ、顔にかけんなよなー。あ、でも結構この味好きかも……」 「ハァハァ、わ、悪い」 「みさちゃん、私にも味見させて」 ペロン 「変な臭いだけど嫌いじゃないや。どう?」 「おいしい。でもみさちゃん、私はいっつもこれをごっくんさせられてるのよ」 「あ、あやの、そういう事言うなよ……」 「そうなのか? 兄貴趣味わりー」 〜〜〜〜〜
218 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:15:02 ID:O1qLcBXy
「今回は3P、しかも男の夢である二人からのパイズリとやらに挑戦させてみました」 「だいぶエロゲに脳みそ支配されてるな……てかお兄さん出す必要ないじゃん」 「それもそうかもねー、タチとネコ関係無くなっちゃってるし」 「全く」 「お次はゆーちゃんとみなみちゃんのカップル」 「この二人もよく分かんないわ……」 「私的には、ゆーちゃんは意外にタチと予想」 「あら。これまたどうして? あ、アンタゆたかちゃんにエロゲとかやらせてるの? 純粋な子に何刷り込んでんだよ」 「いや、これまた違うんだよね。実は私のいない間にやってたエロゲのストーリーが進行してたり、18禁な同人誌が数冊無くなってたり」 「そうなのか……てかアンタがエロゲをそのまんまにしたり、表に見えるように同人誌置いてるからじゃない」 〜〜〜〜〜 「みなみちゃんのおっぱい、もっとおおきくなあれっ♪」 「ゆ、ゆたか、胸ばっかりやらないで……」 「え、何で? もしかして痛かった?」 「い、いや、そういう訳じゃ、なくて……」 「うふふ、アソコもやって欲しいんでしょう?」 「う、うん……」 「だってシーツにおっきいシミできちゃってるもんね♪」 「あ……み、見ないで///」 「え……みなみちゃんのアソコ、見ないと上手くいじってあげれないなぁ……」 「あ、うぅ……ゆたかのいじわる……」 「ねぇ、みなみちゃんは私にどうして欲しいの?」 「ゆ、ゆたかに私のアソコ、い、いじって欲しいの!」 「うふふ、しょうがないなぁ♪ みなみちゃん、脚、広げて?」 「うん、気持ち良くして……んんん!!」 〜〜〜〜〜 「…………」 「私の想像力に絶句かね?」 「は、はい……」 「伊達に昔からエロゲをゲーム代わりにやってないからね」 「そこ、胸張るようなとこじゃない気がしますが……」 「まぁよいではないか。なかなかありがちかも知れないでしょ?」 「まぁ、有り得なくもないかも知れないわ……」
219 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:17:08 ID:O1qLcBXy
「あー!! 思い出した!!」 「!? 突然何よ!?」 「パティとひよりんだ!」 「あ、何? さっき思い出せなかったカップルのこと?」 「そうだよ! やっと思い出せたー」 〜〜〜〜〜 「はっ、はっくしょーいっ!」 「これまたイセイのいいくしゃみですネ、ヒヨリ?」 「これは絶対誰かが私を噂してるっス!」 「たぶんヒヨリのビボウにシットしているんですネ、ワタシがマモらねバ!」 「ひゃうん! な、なんでそこでクリを弄る必要が……」 「ヒヨリにワルいムシがツかないようにするんでス!」 「あ、んんぅ、あっ、パティ、これで何回目、だと思って、るんスか……」 「エート、これで6カイメですカ?」 「あっ! そう、もう、6回目、体、ダメ、おかしくなっちゃうから!」 「ダイジョブでス、ヒヨリはナンカイおかしくなってもかわいいでス」 「そういう、こと、あぁっ、じゃなくって! あぁっ、あっ、ダメ、く、くるっ!」 「ああっ! あっ! あ、ああああ!!」 〜〜〜〜〜 「ってことは主要キャラはみんなそういう関係ってことか」 「主要キャラってなんだよ……」 「あ、もう一組忘れてた」 「え、他に誰かいtあん! こ、こら、こなたっ」 「ここにもう一組いるじゃないですか。尤もかがみんが必死にネコだってこと否定してるだけなんだけどもね」 「あぅ、ひゃぁ! 否定とか、そういうのじゃ、あっ、なくてっ」 「んじゃ何だい? この状況見る限りじゃかがみんネコ確定だよ? こんなに濡れてるくせに」 「それ、は、あぁん、あんな話、するから……こなたも、ホラ、濡れてるん、でしょ?」 「ひゃん! ふ、不意打ちすぎるよぉ……」 「こなたぁ、タチとか、んっ、ネコ、とか、関係ないよっ」 「そうだねっ、ねぇ、かがみん、んんっ! 一緒に、気持ちよくなろ?」 「そうね、こなたぁ……」 「好きだよ、かがみん……」 「私もよ……」 「ぶわぁっくしょーい!! ウチが主要キャラじゃないんくらい自覚しとるわっ!」 「ホラホラ、ななこさん飲みすぎですよ……どうしたんですか? 突然」 「どっかの誰かさんが噂しとるんじゃい! ウチの! それが悪いんかぁ!?」 「何言ってるかさっぱり分かりませんよ……ほらっ、帰りますよ」 「ウチはまだ飲める! オヤジぃ、もう一杯!」 「ほらほら、いいから帰りましょ」 「ゆいさんっ、アンタはウチと仲間やもんなぁ! 一生仲間やぁ!」 「はいはい、仲間ですよぉ(いつになったらホントの事言えるんだろう……)」
220 :
42-15 :2008/09/13(土) 08:19:07 ID:O1qLcBXy
タチとネコ、という響きのみにピンときてザクザク書き進めた結果、こういった作品になりました。 てかしゃべりっぱなしにさせてしまってすいませんw ネタが被ってしまいそうな危険性もあるのですけど、もし被ってしまいましたら申し訳ございません。 普通に攻め受けで良かったかもなぁ、と今更反省しております。 最後に、読んで下さいました皆様ありがとうございました。
>>220 やることしっかりやってるのにこのゆるゆる感。
ドラマCD聞いたあとだと、余計になじみます。ぐっじょぶでした。
そして、オチ要員のななこ先生に合掌w
>>220 これはいいピロートークですね。ってか2回戦w
そしてまだ本当のこと言ってなかったんですかゆい姉さんw
まぁとにかくGJ!
ところで、かんなぎのエロパロが無いのはなんでだろう
誤爆?
>>220 それにしてもいいなあこのピロートーク
やることしっかりやりつつ、他のカップリングについてかたるとか
この2人、行き着くところまでいっちゃってますね^^^^
しかし、ゆいねーさんにななこせんせーが絡んだ場合、
みさあやあにのようにさわやかにならず、
ドロドロヒルドラな展開になりそうな希ガス。
だから最後、あえてこういう展開にしたんだろうなあ・・・w
>>196 GJです ! もう転げまわりましたww
ああもうかわいいなこいつらw
>>208 こちらもGJ !
みなみが「大好き」を連呼するところで不覚にもキュンとしたw
>>220 GJですよ !
こなたとかがみ、女同士でエロトーク
普通にありそうだから困るw
「ところでこなたさん」 私は目の前に居る――いや、目の前にある顔に向かって問いかける。 「なにかな、かがみんや」 こなたは猫口でニヨニヨしている。 呼び方に突っ込みたいところだけど、それよりも確かめなければいけないことがある。 「なんで私は押し倒されてるんだ」 そう。自分の部屋の自分のベッドの上で、こなたに押し倒されたのだ。 こなたは私のお腹に馬乗りになり、右手で器用に私の両手を頭上の方で押さえつけている。 当然こなたは前屈みになり、顔が目の前にあるというわけだ。 家族全員が出かけて暇だから、こなたに遊びに来ないかと電話したのが全ての始まり。 こなたは二つ返事で承諾すると、すぐに家に来た。 ゲームやお喋りで二時間ほど過ぎた頃だろうか。 飲み物を取りに部屋を出て戻ってくると、こなたはベッドの上に座り背を向けていた。 「こなた。どうしたの」 私は持ってきた飲み物とお菓子をテーブルに置いて、こなたに近付いた。 ベッドに片膝を着いたときにこなたが突然振り向いたかと思うと、私は天井を眺めていた。 そして、今の状況になったのだ。 「かがみんや。最近は、私が受けというのが定着しちゃってるみたいなんで、攻めてみようかと」 こなたは真剣な表情で、そんなことを言ってのけた。 まてまてまて。私がいつこなたを攻めた? と言うか、私とこなたはそんな関係じゃないし―― 「ひゃうっ」 突然訪れた感覚に声が漏れた。 混乱している間にシャツの釦が外され、わき腹にこなたの指が当てられていた。 「ちょっ、こなた。いったい何してるのよ。ってか、受けとか攻めとか、私達はそんな関係じゃないでしょっ」 私の言葉を無視して、こなたは指を這わせ続ける。 わき腹から腋へと向かい、ブラの淵をなぞる。 くすぐったさの中に、僅かな気持ちよさが混じる感覚が体を襲う。 それから逃れようと体を動かそうとするが、こなたの足でしっかりと押さえられて身動きができない。 「こ……ぅん。こなた。ちょっと、ほん……あぅっ」 次第に増していく気持ちよさに翻弄され、言葉を上手く発することができない。 こなたはなぜこんな事をするんだろう。 単なる悪戯? それとも、私のことが好きだから? それが分からないのに、こういう事をされているのが哀しかった。 「かがみ、ごめん……」 そう言ってこなたは私の上から降りた。 私は体を起こしてから、初めて自分が泣いていることに気が付いた。 慌てて涙を拭うと、シャツの釦を留めていく。 「こなた。私はこなたのことが好き。はっきり言えば、押し倒したいって思ったこともある」 こなたの顔を見ると、驚いたように目を見開いている。 「こなたと、その……そういうこともしたいと思ってる。でも、それは――」 最後まで言い終えることができなかった。 目の前にこなたの顔。 唇にはやわらかな感触。 その瞬間、理性が弾けとんだ。 気が付けば、目の前には生まれたままの姿のこなたが、ぐったりと体を横たえていた。 どうやら私が攻めらしい―― SSが詰まって、むしゃくしゃしてやった ごめんなさいっ
>>227 なんかもうどうやってもこなたは襲い受けどまりなんだなぁw
そしてかがみは意識と理性をなくしすぎだと思うがもっとやれ
いかん…俺的にはこなたとかがみだとこなかがのはずだったのに何故か最近かがみが攻めにしか思えなくなってきた… だけどもっとやれ。
私から攻めるから逆転されるんだ。 かがみから攻めてくれば、逆に私がフフフ。 私は天才だ。
>>231 「ずっとえろみんのターン」は確実だな
何故かこなたは夜の方の体力はなさそうな気がするよ
格闘技習ってたのにエロい展開になると据え膳よろしく誰からも美味しくいただかれるこなたw
きっと性欲の差だよ こなたは一般的っていうか淡白な寄りな気がする かがみは普段溜めて夜、一気に爆発させるに違いない
>>234 みなみ、恐ろしい娘!
それはそうと
・こなたのみなみの呼称はみなみちゃん
・flomじゃなくてfromね
だけど面白かったのでおけ。
了解。 保管する時に修正しますね。
>>234 みなみんってばっ!!!そしてゆーちゃん///こなた(´・ω・`) GJ!
んでこの後は 227の後日 KYサーセン
むぅ。この前はひどい目にあったよ。
かがみと付き合えるようになったのは良いけど、まさか一方的に攻められるとは。
でも今日は大丈夫だよ。二の舞は演じないよ。
「かがみー、今日家来ない。誰も居なくて暇なんだよねー」
『えっと、こなた。誘ってる?』
「かもねー。じゃあ、待ってるから」
『わかったわ。じゃあ、今日はそっちに泊まるわ』
かがみはそう言うと電話を切っちゃったよ。
明日学校だよ? なんで泊りがけになっちゃうのさ。
いつの間にか、かがみは家に着てた。
上がってた。部屋に居た。ま……まぁ、気にしないよ。
そして、抱きつかれてるのも嫌じゃないよ。本当だよ?
「こなたから誘ってくれるなんて嬉しいっ」
いや、確かに誘ったんだけど、付き合いだしてからかがみの性格変わってない?
デレなんてもんじゃないですよ。一歩間違えればヤンになっちゃいそうな勢いですよ?
「ね、かがみ。ちょっと飲み物とか持ってくるから」
かがみは渋々だったけど、離れてくれたよ。
台所に行って飲み物とお菓子を準備しながら、今日の作戦を再確認する。
まずはこのミニスカートで、見えそで見えないチラリズム。
で、時々見えるようにすれば、かがみが攻めて来る。
そこで、私はこの前のかがみのように、ちょっとだけ拒否する。
そうすればかがみは、きっと私のことを気にして止めてくれるはず。
そこで一気に攻めに出て、ずっと私のターン。
うん。完璧だね。
「お待たせー」
部屋に入ってテーブルにお盆を置くときに、見えるか見えないかのぎりぎりのところまでスカートを揺らす。
うん。かがみも気付いたようだね。
これから暫くはかがみの横に座って、見えないように焦らしてっと。
「ね、こなた。今日はスカートなのね」
うん。食いついてるね。
「そだよー。かがみの前では可愛くしてたいしねー」
「そっ、そうなんだ」
かがみったら、真っ赤になっちゃって。
さてと、次の段階に入りますかね。
ベッドの枕元に積んである本を取る振りをして、かがみに見せちゃいますよ。
ちゃんと目で追ってきてるね。
「ちょ、かがみ。何見てるのかなー。そん――」
予定通り、かがみは私を押し倒してきた。
同時に唇を重ねてきて、舌まで入れてきたよ。
なんか気持ちいい。
いやいや、ここで流されたら計画がぱーになっちゃう。
かがみの肩を押して、無理やり体を離す。
「やだ。そんな無理やり……」
涙つきの完璧な演技だよ。
さあ、かがみんや。受けに回る準備はできたかな?
「そんな事言ったって、あんたが誘ってきたんじゃない。それに、こなたが可愛すぎるのがいけないのよっ」
そう言いながら、かがみの右手がシャツの中に入って胸を触る。
左手がスカートの中に入って、下着の上から敏感な部分を刺激してくる。
目が覚めたとき、私もかがみも裸だったよ。
三回目までは覚えてるけど、その後は記憶がない。
結局、ずっとかがみのターンだったらしい……orz
何やってんだ俺……orz
>234 激しくぐっじょぶ! エロすぎです。くーるなみなみにハマりました。 ゆーちゃん可愛すぎ、こなたんたくらみすぎw おばかなえろえろ話、堪能させていただきましたよ〜
>>234 女体盛りっ! 女体盛りっ!
こう、情景を想像するだに高ぶりますね。今なら一枚絵が想像し放題です。
ぐっじょぶでございました。
そして。お仕置きくらったこなたんに萌えました。ああ、今日もこなたは受け受けしいなあ。
>>237 GJ!
おっしゃる通りで、かがみが攻めだって言うのは、「ツンデレ」だからなんだよね。
ツン状態のときは素直になれなくてこなたに攻められかかるが、
関係が進んで「デレ」化するともう自分の感情と欲望に素直過ぎる状態にw
そしてこなたはその欲望を一身に受ける事にwww(もちろん性的な意味で)
こなたはむしろその状態を深層心理で楽しんでるフシすらあるしなー 楽しんでないなら、好きでも拒絶するはずだ、潜在能力ふりしぼってでも。 楽しんでるからこそ、にゃあああああああしてるし かがみをさそうために、「イジメテクダサイゴシュジンサマ」なんて真似もしない。 最近では、体力維持と、襲われたときの快楽を倍加させるため、 あえて「かがみんの責めに耐えられない!」と言って逃亡すらする始末wwww そして今日も、ダンボールの中で、かがみんに襲われたときのことを想像して・・・一人で・・・
つまり、深層心理においては こなた=ドM かがみ=潜在的ドS ですね。わかります
243 :
23-49 :2008/09/15(月) 16:11:00 ID:pkivAZXN
どうも めっきり涼しくなってきた今日この頃なのに春秋用の掛け布団が行方不明で困ってる23-49です 短編一本投下させてください 被りがないようでしたら五分後ぐらいから ・かがみ&みき ・微こなかが分含む ・エロ無し ・7レス使用
柊家の台所に、水の流れる音が響いている。 また、泡の掻き混ぜられる音。陶器とガラスの触れ合う音。 それら食器洗いの音の合間をすり抜けるようにして、窓の外からは虫の鳴く声も聞こえてくる。 何の虫だろう。 マツムシか、クツワムシか。鈴虫ではないと知れるが、この場に立つ彼女は昆虫に詳しくない のでそれ以上のことは分からない。 ――ただおさんなら、知っているかしら。 声には出さず、彼女、柊みきは呟いた。 昆虫、あるいは天体や航空機。そんないかにも“男の子”が好みそうなものへの憧れを未だに 抱き続けている夫なら、訊けば即座に答えてくれることだろう。 くすりと笑って、そして再び作業に没頭する。 家族六人分の夕食の後片付けだ。相応の量がある。 たまに、みきは思う。 自分はどうして、こんなことができるのか、と。 今やっている後片付けだけではない。食事の支度も、掃除も洗濯も、全て六人分。それらを 自分は一日も休むことなく続けている。家事とは別に、家業である神社の方の仕事もある。 もちろん、四人の娘たちが、ときには夫のただおも、手伝ってくれる。 旅行に出かけたり、風邪を引いてしまったり、あるいは母の日や誕生日などで一日休めること もある。しかしそれでも、やはり毎日休まず六人分、だ。 それを十八年――結婚したときから数えれば、およそ四半世紀。 どうしてやってこられたのだろう。今もできているのだろう。 学生時代には考えられなかった。当時の方が今よりずっと体力もあったはずなのに。 たまにそんなことを考えて、そしていつも同じ結論に達する。 それはみきが母親で、彼女らが家族だからだ。 愛する夫と可愛い娘たち。彼らのことを思えば日々の雑務など苦にもならない。……いや。 彼らのためだなどと、そんなことを思う必要すらない。 やって当然、できて当然なのだ。 例えば――息を吸ったら、その分だけ吐かなければならない。吐いたなら、次は吸う必要がある。 そんなことをいちいち考えたりしないのと同じ。 義務ではないのだ。 ただ、やる、という事実があるだけ。 それが主婦という生き物なのだろう。そして、そんな生き物になれた自分が、みきは嫌いではない。 ……もっとも。 面倒だと思ってしまう瞬間も皆無ではなく、というかむしろ頻繁だったりするのだけれど。 それはまぁ、主婦である前に人間であるということで。 「……、……、…………♪ ……〜♪」 気がつけば、みきは鼻唄を口ずさんでいた。 水の音、泡の音、食器の音。皿洗いの合唱に虫の声が合わさって、四重奏。 さらにみきの鼻唄で、五重奏。 ……惜しい。 歌いつつ、そんなことを思う。もう一つ何かの音が欲しいな、と。 「…………、…、…、…♪」 一番賑やかな水の音は、次女のまつりだろうか。なら食器の触れあう澄んだ高音は、長女の いのりだろう。白いふわふわの泡は、四女つかさのイメージ。 窓の外、ほんの少しだけ離れたところから、全体を包み込むように歌っている虫は、ただお。 さて、困った。 このままでは娘の一人を仲間はずれにしてしまう。
「……♪ …、…、〜〜♪ ……――?」 と、ちょうどそこに、六番目の音がやってきた。 ひた、ひたと、廊下の床板を踏む素足の足音。目を向けると、台所の入り口から顔を覗かせた のは、はたして三女のかがみであった。 風呂上りなのだろう。パジャマ姿で、肩にタオルをかけている。 「……なに?」 そして入ってくるなり不審げに眉を寄せて、尋ねてくる。 みきが、傍目には必要以上としか思えない満面の笑みを浮かべていたためだ。 「ふふっ、なんでもないわ」 とりあえず笑って誤魔化し、皿洗いと鼻唄を再開させる。 「〜〜♪ ……、……♪ 〜……♪」 水の音、泡の音、食器の触れ合う音、虫の声、みきの鼻唄。そして足音。 みきの背後の食卓を回り込み、冷蔵庫の方へと寄っていく。 めでたく六つ揃ったわけだが……しかし、「遅れてきた足音」か。あまりかがみらしくはない。 けど、まぁ本人なわけであるし……と、思いかけたところで、みきは違和感に気付いた。 冷蔵庫があるのはそっちじゃない。 手を止め、振り返る。 するとかがみが、食卓の向こうからみきのことをじっと見つめてきていた。 「……どうしたの?」 「あ……うん」 尋ねると、目を逸らす。 てっきり風呂上りの牛乳を飲みに来たものと思ったのだが、どうやらそうではないらしい。 ということは、用事があるのは冷蔵庫ではなくみきの方にか。 「何か話?」 「えっと……」 曖昧な返事。 ふむ。 納得し、とりあえずみきは皿洗いを続けることにした。しかし鼻唄は止める。 ようやく決心がついた、か。 先ほど自分に向けられていたかがみの目。その色に、みきは覚えがあった。 確か先週の頭ぐらいからだっただろうか。縋る――というほど強くはないものの、何かを求める ようなその視線を、かがみはみきに、あるいはただおに、気がつけば向けてきていたのだ。 なんだろうと思ったが、自分から尋ねることはしなかった。他の家族にも特に言っていない。 この子の場合は結果的にそれが一番早いと、経験から知っていたから。 「お母さん」 「なぁに?」 背後からの声に、前を向いたまま応える。 「その……手伝お、っか?」 「大丈夫よ。あともうこれだけだから」 「……そう」 落胆したような声。 こっそりと苦笑いを浮かべつつ、言葉どおり、みきは最後の皿をすすいで食器かごに立てかけた。 入れ替わりに、洗いたてのコップを二つ抜き取る。 エプロンで手を拭いて、コップは布巾でぬぐい、向き直る。 「何か飲むでしょ?」 「……いいよ。せっかく洗ったのに」 「遠慮しないの」 軽くあしらい、冷蔵庫開く。 「麦茶でいい? それとも牛乳にする?」 「…………麦茶」 俯いたまま、ぼそりと。 そんな不器用な姿が微笑ましくて、みきはまたこっそり微笑むのだった。
「――それで? 何の話?」 「えっと……お父さん、のことなんだけど……」 食卓を挟んで向かい合って座る。 「お父さん?」 「うん……」 みきが聞き返すと、かがみはやはり俯いたまま頷いた。 と思ったら、突然顔を上げる。 「あ、ちょっと待って。みんなには、内緒にして欲しいんだけど……」 「分かったわ」 「……ありがと」 そしてまた俯く。 「で、お父さんが、なに?」 「……」 また少し沈黙し、麦茶を一口飲んで、それからようやく、言いにくそうにかがみは言った。 「……お母さんは、お父さんの……どんなところが、好きになったの?」 「えっ」 目を見開くみき。 頬にかすかに赤みが差す。 が、次の瞬間には嬉しそうに緩んで、目がキラキラと輝きだした。 「え、なに? ひょっとして、好きな男の子でもできた?」 「へ? ……なっ! ちっ、ちがっ――」 かがみは一瞬きょとんとし、そして真っ赤になった。 「えぇ〜? ホントに? 誰にも言わないから、ね? 教えて?」 「だっ、だからほんとに違うってばっ。そんなんじゃなくて――とにかくそんなんじゃないのっ」 重ねて詰め寄ると、声を潜めて語気を荒げる。 他の家族を警戒しているらしい。 みきは乗り出していた身を引っ込めた。 「んん〜、ケチ」 「いいからっ……! 答えてよっ……!」 「はいはい。分かりました」 入れ替わるように顔を突き出してくるかがみに、みきは両手を軽く上げて降参の意を示した。 そして首をかしげて、頬に手を当てる。眉も寄せる。 「でも……どこがって言われても、難しいわねぇ」 「そうなの?」 「ええ。たくさんありすぎるから」 「……あ、そう」 かがみがげんなりとする。 みきも別にふざけて言っているわけではない。……だからこそ、げんなりなのだが。 「じゃ、それはもういいわよ」 「あら、そう?」 きょとんとするみきに、ため息をつくかがみ。 また麦茶を一口飲んで、質問を続けた。 「じゃあさ、今でもお父さんに……その、ドキドキとか、そういうのを感じることとかってある?」 「ええっ? それは……さすがに、ないかな……」 苦笑い。 しかし、みきは冗談あるいは冷やかしのようなニュアンスで受け取ったが、かがみは真剣だった。 「……そうなんだ……」 食卓の中心当たりを見つめて、重々しく呟いたりする。 「?」 疑問に思ったが、みきはそのまま待つことにした。 「……」 「……」 が、
「……」 「……」 かがみは動かない。 じっと何かを考え込んでいる。 「……」 「……ねぇ、かがみ」 「えっ?」 「もう終わりなの?」 「あ……う、うん。ごめん」 どうやらそうらしい。 かがみの頷きを受けて、みきは釈然としない気持ちになる。結局なんだったのだろう。これの どこが、他の家族に内緒にするほどの話なのだろう。 気にはなるが、しかし訊いたところで答えてはくれまい。 かがみのこの、申しわけなさそうな顔。その意味するところは、「ごめんなさい、言えません」だ。 「そう」 吐息をついて、みきは麦茶の残りを飲み干した。 そして席を立つ。 「それじゃ、お母さんもお風呂入っちゃうわね」 エプロンをはずし、椅子の背もたれにかける。自分の分のコップを流しの洗い桶に沈めて、台所 を出ようとしたところで――かがみも立った。 「ま、待って」 「え?」 「その……ごめん。あと一つ」 そう言ってみきを見るかがみは、また真っ赤になっていた。ぎこちない足取りで歩み寄ってくる。 「えっと、その、あの……」 俯いて、ぼそぼそと。 そんなかがみに、みきは正面から向き直り、優しく微笑んだ。 「なぁに?」 「その……これは、質問ってゆーか、確認したいことがあって……そのために、確認したいから、 協力……ってゆーか、して欲しいことが、その……あって……」 つっかえながら、早口で、しどろもどろに。 この子らしくないと思う。 しかし同時に、この子らしいなともみきは思った。 なんだかんだ言っても、やはりかがみはつかさと同い年の双子で、いのりとまつりという二人の 姉の妹なのだ。 「いいわよ。お母さんにできることならなんでもするから、遠慮なく言って?」 「……」 かがみが顔を上げ、口を開く。 「――待って。ちょっと待って」 と思ったら身体を離し、台所の出入り口から頭だけを外に出し、左右に目を向ける。 そうしてから再びみきの前に戻る。 「や……見られたくないから……」 他の家族が来ないかどうか、改めて確認していたらしい。 みきの微笑が、やや苦笑い気味にシフトした。 「そう。これも、秘密なのね?」 「う、うん。お願い」 かがみは、頷いて。 そのまま俯いて。 またしばらくの沈黙を挟んでから。 ぼそぼそと。 つっかえながら。 その望みを、口にした。
「……ぎゅって……して、欲しいの……」 「……」 一瞬、みきの思考が停止する。 そして次の瞬間、その空白に疑問が雪崩れ込んできた。 ぎゅっとして欲しい? 抱きしめろということか? 誰を? かがみを? それがお願い? それだけ? そんな簡単な ことが? なぜ? 聞き間違えではないのか? 「……え?」 一部が、口から漏れた。 「――っ!!」 とたんにかがみが爆発する。 俯かせていた頭が物凄い勢いで跳ね上がり、肩にかかっていたタオルが弾みで落ちた。 顔はもちろん耳や首元にいたるまで真っ赤。目の端には今にも零れ落ちそうな大粒の雫。 口がわなないた。 「ごっ――ごめんっ! なんでもないっ! ってゆーか冗談だから! わ、忘れてっ!」 一気に言って、背を向けて、走り去ろうとする。 が、落としたタオルをちょうど踏んづけてしまい、足を滑らせた。 「あっ」 驚くみき。 しかし同時に身体は動いていて、伸ばされた腕はかがみを抱きとめることに成功していた。 「……!」 硬直。 のち、身をよじって逃れようとするかがみを。 みきは強引に引き寄せ。 そのまま、抱きしめた。 半分以上……無意識だった。 ☆ 「……」 「……」 沈黙。 静寂。 水仕事は終わっている。虫の音もやんでいる。 感じられるのは、互いの息遣いと心臓の鼓動だけ。 「……ごめんね」 「……」 「もっと甘えていいって、いつも言ってるのは私たちなのに、いざ言われたら驚くなんて……傷つく わよね」 そう。 いつもというほど頻繁ではないが、みきやただお、またいのりなどは、折に触れてはかがみに そんなことを言っていた。 冗談半分だが、もう半分は、心から願って。それなのに。 「本当に、ごめんね……」 「……いいよ、もう」 くぐもった声でかがみが言う。 きっと本心だろう。 そういう子だから。
昔から聞き分けのよい子だった。姉妹の中で一番早く「我慢すること」を覚えた。 ふだんなら、それらはみきにとって好ましい事実だ。 しかし今は、あえて後悔する。 自分たちのせいだ。 この子に、頼りすぎた。 娘なのに。 つかさと同い年の双子で、いのりとまつりという二人の姉の妹なのに、「姉」として扱いすぎた。 ――あなたは、お姉ちゃんなんだから。 何度そう言ってしまっただろう。数え切れない。 こうして抱きしめるのは何度目だろう。思い出せない。 育て方を間違えたとは思いたくない。 こんなにも良い子になってくれたのだから。 だけれど、今よりもっと上手いバランスの取り方があったのではないかと、考えてしまう。 こんなにも“良い子”になってしまったのだから。 抱きしめて欲しい、と。 たったそれだけのことを頼むために、あんなにも勇気を振り絞らなければならないような子に。 耳を澄ませる。 聞こえてくるのは、自分の鼓動と、かがみの鼓動。その二つだけ。 二重奏。 それでいいと、みきは思う。 今、このときだけは、かがみだけの母親であろうと、そう思う。 「……何か悩みがあるの?」 「別に……」 「受験勉強、疲れちゃった?」 「だから……そんなんじゃないってば。……ちょっと確かめたかっただけ」 「何を?」 「……」 返事が途切れる。 代わりに、みきの腰に回された腕の力が、少しだけ強まった。 「……そう」 みきは片腕をほどき、髪を梳くようにかがみの頭をなでた。 シャンプーの香りが鼻に届く。 ……もしかして。 風呂上りの状態でここに来たのは、意図的なのだろうか。 こうしてもらう以上は少しでも清潔にと、そんなことを考えたのだろうか。 「……」 また少し、みきは抱きしめる力を強めた。 「……何か、わかった?」 「……もうちょっと」 「いいのよ。いくらでも」 「……ありがと」 「あ、でも……誰か来そうだったら、教えた方がいい?」 「……」 少し、強張った。 「……お願い」 「分かったわ」 頷いて、耳を澄ませる。 鼓動の音に聞き惚れそうになるのを抑えるのは、難しかった。
幸いにも誰にも邪魔されることなく、やがて、抱きしめていた腕に内側から圧力を感じた。 みきは素直に手を下ろす。 「もういいの?」 「うん」 身体を離し、距離は離さず、かがみはみきを見上げる。 「……ねぇ」 「なぁに?」 「……お母さんがいないのって、どんな感じなのかな」 どこか悲しそうな声。 みきは眉根を寄せた。 「どういう意味?」 「…………友だちに、そういう子がいるの。うんと小さい頃に亡くなったんだって」 「……そう」 吐息めいた相槌が漏れる。 “それ”なのだろうか、確かめたかったこととは。 母親がいない。 その感覚を理解するために、逆に母親というものを強く感じようとしたのだろうか。 そんなふうに、みきは思った。 思いつきの当てずっぽうだ。間違っている可能性の方が高い。 しかしもしそうだとしたら、なんて不器用で、遠回りな、優しさなのだろう。 「……ごめんなさい、分からないわ」 「……だよね」 悲しげに呟いて、かがみは目を伏せる。 「その子の支えに、なってあげたい?」 「……どうかな」 口元が、少し笑った。苦笑い。 みきはその肩に手を乗せる。 「でもね、かがみ」 「ん……?」 「その子のお母さんの代わりには、きっとなれないわ。あなただけじゃなく、他の誰も」 「……ん」 「だから、あなたはあなたとして、友だちとして、その子のそばにいてあげればいいんじゃないかしら」 「…………うん」 ゆっくりと、かがみは微笑む。 それを見て、みきはクスリと笑った。 「それとも……恋人として、かな?」 「なっ!? ――お、女の子よっ!」 「あら、残念」 「残念じゃないわよ、もう……」 そっぽを向く。唇がとがっている。 頬が、赤らんでいる。 それを見て、みきはまた、クスリと笑った。 「――じゃ。ありがと、お母さん」 足元のタオルを拾い上げ、かがみが言う。 「どういたしまして」 今度こそ、もう終わり、ということだろう。 かがみはそのまま、きびすを返した。 「お休み」 「まだ寝ないわよ」 「そう。でも、お休み」 「…………お休み」 去っていくかがみを見送ってから、みきも台所を後にする。 照明が落とされる。 窓の外では、名も無き虫が、誰に聞かせるともなく鳴いていた。
251 :
23-49 :2008/09/15(月) 16:22:49 ID:pkivAZXN
以上です ありがとうございました なんかよくわかんない話になってしまいました 今までこの組み合わせが少なかった(ってゆーか皆無?)理由が分った気がします それはさておき えーと、ですね 長らく凍結していた連載の続きなんですけど、もう誰も覚えてないような気もしますけど、 次回あたりから再開しようと思います
>>251 GJ
みきさんに頼るかがみ、母娘の描写が良いですなぁ
ちなみにみきさんの母なる心理描写から何故かあやのを連想してしまったw
>連載
待ってました!
一筋縄ではいかなそうだがあれからどう展開していくのか……
こちらもwktkで全裸待機してます
>251 ぐっじょぶ とても優しい気持ちにあふれたSSですね。 こなたのことで迷うかがみも、わが子を思いやるみきお母さんも、ひとを想う優しさに満ち溢れた 素晴らしいお話だと思います。 こなたの母親がわりにはなれないけれど、友達として支えてあげることはできるという助言には、ぐっときました。 連載(ちぐはぐランチ〜圏外でしょうか?)の続編はとても楽しみにしていますよ。
>>251 GJ
上手くて優しくて感情が丁寧に描かれていて、
SSっていうより普通の掌編小説のようです
結局虫の名前が判然としないように、きっとかがみの感情も
これと名付けられないようなふわふわとしたものなんでしょうね
そして連載再開凄い嬉しいです。きっと単なるこなかがに収まらない、
「らき☆すた」らしいものになるんだと思いますし、今から楽しみにしてます
>>251 上手い、と思ったらあのシリーズの作者さんでしたか。
この間完結した某超大作と並んで大好きな作品です。
連載再開期待してます。
257 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:01:08 ID:sQK8Fc3Z
こんばんわ42-15です。5分後投下します。 ・タイトル『ドッキリし返し大作戦』 ・『嘘には嘘を 涙には涙を』の続きものです。 ・8レスお借りします。
258 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:06:08 ID:sQK8Fc3Z
「かがみん、どしたの? 最近テンション高くない?」 「そ、そうかしら」 「たしかにそうですね。何か良いことでもあったのですか?」 「てか基本ニヤニヤしてるよ。最近は一緒に帰ってないしね。――あ、ついに男ができましたか」 「え、あ、そ、そんな事ないってば」 「むふー♪ こりゃ図星だねー。でどんな男なんですかい、かがみさん?」 「だ、だから違うってば!」 「顔真っ赤にしながら違うと言い張りますかー。それはちょっと無理があるんじゃないですかい?」 「お待たせー、おトイレ結構込んでてさー」 「もうつかさ、遅いじゃない。さっ、帰りましょ!」 「あ、ちょっ、かがみーんずるいよー」 「え、何のことー? ほら帰るわよ」 私が無駄な涙を流してから早2ヶ月。もう梅雨に差し掛かろうとしている6月のある日。 私は自らが打ち立てた作戦の準備を終わらせ、後は実行に移すだけという状況になっている。 作戦内容が決定して以来、私は水面下で行動を続けてきた。 といっても委員会活動と称して放課後に残ってある人と打ち合わせをしてるだけなんだけどね。 休み時間とか昼休みはこなた達といつも一緒にいるから、というより私がそっちのクラスに遊びに行くんだけども。 とにかく二人で会うには休み時間とかでは怪しまれる。しかもその人はこなた達とクラス一緒だしより都合が悪い。 「で、かがみん。このツンデレを落とした噂の彼はどんな人ー?」 「だから違うってば」 「お姉ちゃんどうしたの?」 「つかさのお姉様についに男ができたんですよ」 「ホントにー? おめでとう、お姉ちゃん!」 「だからできてないってば。てかつかさも簡単に騙されるな」 「かがみんったら、恥ずかしがっちゃってー」 「うーん、もうしょうがないわね。んじゃそのうち色々と教えてあげるから」 「お、ついに認めた!」 「だーかーら、違うってば。とにかく今日はネトゲしないで早く寝なさいよー」 「もう、かがみんは口うるさいなー。だから彼氏でき……たんですよねー」 「うるさいわねー。それじゃまた明日」 「バイバイこなちゃん」 「んじゃねー、つかさに彼氏持ち」 「うるさいっ!」
259 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:08:18 ID:sQK8Fc3Z
ふぅー、疲れたー。 バッグを下ろしベッドに飛び込む。 かれこれみんなと一緒に帰ったのは1週間ぶりくらいだろうか。それに帰りなんかは質問しかされなかった気がするし……。 もっと手こずると思っていたけれども、作戦は割とスムーズに進んだ。 まず、最も重要な主役である彼氏役を見つけなければならなかった。 彼氏役さえ決まってしまえば、頭の中で組み立てたシナリオもある程度はあったし、あとはすんなりと進むだろうという自信もあったし。 自分で言うのも変だけど、どんな男子とも分け隔てなく話したりとかはしてるつもり。 けどこういう頼みごとをできるほど仲の良い男友達がいなかったもんだからちょっと不安だったんだけどね。 で、その彼氏役ってのはセバスチャン。そう、こなた達もよく知ってるセバスチャンですよ。 この人選はむしろ都合が良いってだけでなんだけど。ごめんね、セバスチャン。 それで、あれこれ事情をセバスチャンに話してみたら(もちろん、私が泣きじゃくった話は伏せた。黒歴史すぎるわ)案外乗り気になっちゃって。 それからは何故かセバスチャンが積極的だったせいもあって、このほど準備が完了したってわけです。 作戦の全容はざっとこんな感じ。 まず4人集まったところで彼氏がいるということを匂わせつつ、じらす。 ↓ スペシャルゲスト呼んであるわ、とセバスチャンを呼びお披露目。 ↓ 2人ののろけ話を散々聞かせラブラブなんですよ、という雰囲気を強調。 ↓ 最後に一言、『もう一緒にお弁当食べたりできないだろうから』と言い残し2人で帰宅。 ↓ みんなが悲しんでいる所にもう一度戻り、ネタばらし〜 といった具合。我ながら底意地の悪い作戦だわ…… てかこれって、悲しいってより腹立つだろうな。 まぁどっちにしろ同じようなものね。私嵌められたんだし。 仕返しはでっかくいきたいですもの……。
260 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:10:02 ID:sQK8Fc3Z
その後も学校では質問の嵐。それをかわしながら迎えた決戦前夜…… プルルル ガチャ 『かがみん、どしたー?』 「お、すぐ出た」 『いやー、それほどでもー』 「決して褒めてないからな。で、明日の午後は暇かしら。色々話したいことがあるんだけど」 『男か』 「……鋭いわね」 『当ったり前じゃん。あの口うるさい凶暴な寂しがり屋のうさちゃんツンデレかがみんに彼氏だよー? 正直考えられないね』 「……一言二言、いやもっと余計だぞ」 『とにかくっ! 明日はたっぷり聞かせてもらいますぜ』 「はいはい分かったわよ。あとつかさとみゆきにも同席してもらうから」 『かがみーん、みんな呼んで自慢するつもり? それとものろけ話ー?』 「違うわよ! とにかく、明日の1時に行くから」 『楽しみで夜も眠れないなぁ♪』 ふっふっふ。楽しみで眠れないのはこっちも同じだよ……。 プルル ガチャ 「セバスチャン、明日の午後1時よ」 『了解、かがみ』 「私はつかさと先にこなたの家に行くから……2時頃までに駅にいてて」 『ん? 一緒に行くんじゃないのか?』 「まぁそうね、スペシャルゲスト的な感じでいきましょう。 それで時間になったら私が迎えに行くから」 『了解。んじゃまた明日』 「頼んだわよ、セバスチャン」 「ついに、ここまできたかぁ……」 ベッドに横になり私はこれまでのことを思い出す。 唐突に告げられたこなたの引っ越し。それもアメリカに。しかも翌日に、と。 最後の思い出作りとして行った公園。 こなたが桜を見たいって言いだしたのよね。とてもきれいな夜桜だったわね。 あの公園でこなたは泣いていたわね。後にも先にもこなたの涙を見たのはこの日だけだった。結局嘘泣きなんだけども。 そしてこなたの家に行ってお酒を飲んで、私の感情が爆発して泣きじゃくって。 そして訪れたネタバレの瞬間。金縛りかなんかに遭ったんじゃないかと自分でもそう思ったわ。 で、あのビデオを事あるごとに観せられる始末。誰にも観せたくないわ……。 そこから思いついたドッキリし返し大作戦。 全くネタのない状況からよくここまで辿り着いたわ。 あとは明日を待つばかり。早くこなた達の驚く姿が見たいわね! 明日の事を考えるとベッドに入ってもしばらく寝付けなかった。 それでも人間の三大欲求の一つである睡眠欲に勝てるはずもなく、夢の世界へと私は徐々に近づいていく。 ――でも、何でこなたは私にドッキリなんて仕掛けたんだろう? 一番始めに考えなければいけない問題が、ふと私の頭をよぎる。 しかし眠りに落ちる寸前の人間の思考力にこの難問が解けるはずもなく、問題を放棄し目を閉じた。
261 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:12:06 ID:sQK8Fc3Z
うう、寒い〜 肌寒さに強引に夢の世界から引きずりおろされた。 そういえばどんな夢だったかしら。なにか楽しかったことは覚えているんだけれども。まぁいいや。 私は立ち上がってカーテンを開けると、どんよりとした灰色の空が目に入る。 今にも雨が降りそうな空模様に私は思わずため息をついた。 それでも私は今日これから起こることを思うとそんな心配も吹き飛ぶような気がした。 しかし寒さのせいとはいえ、休日だっていうのに平日よりも早く目が覚めるとは。なんだか子供の頃に戻ったみたいだわ……。 何はともあれしっかりと朝ご飯を食べ、眠い目をこすりながら下に降りてきたつかさを見届けた後、自分の部屋で宿題を片付けた。 お昼ご飯を早めに食べ終えつかさと家を出た頃には太陽が雲の間から顔を覗かせていた。 そのおひさまを見て、作戦の成功の暗示か? と思いニヤリとした。 他愛のないことをつかさと話し合いながらこなたの家へと向かう。 自転車で行くことも考えたのだが、天気予報を見ると夕方からの天気が良くないということなので傘を持って歩いていくことにした。 「今日は何でこなちゃんの家に行くの?」 「まぁ色々と話したいことがあるのよ」 「お姉ちゃんが?」 「そうよ。あとみゆきも呼んだから」 「ゆきちゃんも来るんだー」 ターゲットとしてつかさとみゆきを追加したのにはそれなりの訳がある。 本来ならばこなたに対してのみ仕返しをすればいいのだが、あの時は二人ともこなたの計画に充分加担していた。 そして何より私が下校時に一緒に帰れないということを、こなたと同様に悲しんでいたからだ。 みゆきは、帰れない理由として挙げていた委員会活動に対して、私も手伝いましょうか? とか、声を掛けてくれていたし、 つかさはつかさで、家にいる時でさえ、委員会って大変なの? と私にすがりついて半泣きになりながら聞いてくるのだった。 という訳で二人追加。私ばっかりやられっぱなしじゃ嫌だもの。 みゆきはどういう反応するか分からないけど、つかさなんかセバスチャン呼んだ時点で泣き出しちゃいそうだしね。 「……お姉ちゃんどうしたの? ニヤニヤして」 「え、だ、大丈夫よ。何でもないわっ」 とにかく! この際だから二人も追加して、一気に驚かせてやる! といった感じになったわけである。
262 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:14:08 ID:sQK8Fc3Z
「やぁかがみんにつかさー」 「こんにちは、こなちゃん」 「おっす」 「さぁさぁ、上がって上がって」 丁寧に並んだこなたに似合わないだろうな、といった感じの靴が既に一つ並んでいた。どうやらみゆきはもう来ているみたいね。 こなたの先導で部屋に入ると、みゆきはフローリングに座って何か本を読んで待っていた。 「あらこんにちは、かがみさんにつかささん」 「ゆきちゃん早いねー」 「今日はなんだかかがみさんが重要な事を告白すると聞いて、気づいたら早めに着いてしまいました」 お恥ずかしながら、と言わんばかりに顔に手を当て笑みを浮かべるみゆきを見て、このあと私の話を聞いてどんな顔をするのかしら……と想像していると 「どした? 何をそんなにニヤニヤしているんだね?」 と、こなたにニマニマした顔で訊かれて戸惑う。そしていつものようにつっけんどんな返答をしてしまう。 ――ああ、なんか楽しいな このところの作戦会議のお陰でなかなかこの空間にいられなかった分、余計にそう感じた。 こなたが私をからかったり、それに対して私が答えれば『ツンデレだー』などとさらに茶々を入れてきたり、 つかさの天然ボケな所を突っ込んでみたり、博識なみゆきの話に耳を傾けたり。 そんな他愛のない事がとても楽しくなっていくこの暖かい4人だけの空間を壊しちゃうことになるのかもしれない、なんて考えが一瞬頭の中をよぎる。 そう思うと作戦の実行を躊躇してしまう自分がいた。 そ、それでもやると決めたのだ。女に二言などないっ! 「あ、あのさみんな聞いてっ!」 や、やっぱり視線が集まるのって緊張するわ。思わず声上ずっちゃったし。 「か、彼氏ができたの!」
263 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:16:53 ID:sQK8Fc3Z
……あ、やば やばいやばいやばい! 言っちゃった! どうしよ! 違う! シナリオと全然違うじゃない! まず焦らして、セバスチャン連れてきて、それからそれk 「お、ようやく口を割ったねかがみん」 「ホントですか? おめでとうございます、かがみさん」 「お姉ちゃんおめでとー♪」 え? 何で悲しまない? 「かがみんが一番乗りかー、本命はみゆきさんだったんだけどなー」 「いやいや、私はそんな……」 「私もゆきちゃんが一番最初に誰かと付き合うんだろうなー、って思ってた」 「つかささんまで……」 「みゆきさんは絶対モテるしねー。 で、かがみんを落とした素敵な王子様って誰ー?」 あ、あれー? 想像してたのと全く違うんですが……むしろ歓迎されてる気がする…… で、でも聞いてみないと分からないものよね……明るく振舞っているけど実は、みたいな。 「ね、ねぇ、私がその、誰かと付き合うのって悲しく、ないの?」 「ねぇ、何で動揺してんの? まさか良からぬ考え持ってるんじゃないだろうねぇ?」 とニヨニヨとするこなた。 う、嘘!? たったこれだけで見抜かれたの!? ちょっとこなたさん!? あんた勘良すぎだろ! でも、何とか耐えきってみせるわ! セバスチャン、安心しなさいっ! 「だ、だってこういうのって慣れないし緊張するじゃない! と、とにかく私の質問に答えてよね!」 「何でここでツンを混ぜ込むのやら……」 「これから彼氏とお弁当一緒に食べるようになったり、帰りに一緒に帰ったりしたら悲しくないの?」 「で、でもお姉ちゃんが幸せそうならそれでいいと思うけど……それじゃダメ?」 「それはたしかに悲しい事かも知れないですが、休日にお会いすることだって出来ない事ではないですし」 「みゆきさん、デートデート」 「あ、そうでしたね……」 「でもかがみんが彼氏と遊ぼうが何しようが私達って親友じゃない?」 「そうですよ」 「そうだよ、お姉ちゃん」 「だから悲しむとかそういうのっておかしくない?」
264 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:18:47 ID:sQK8Fc3Z
あ、ダメだ。私の負けみたい。 いや、負けってのもおかしいわね。こんな風に思ってくれる友達が出来たってことは私の勝ちなのかも知れないわ、なんてね。 とにかく、やられたらやり返すとかそういうのって間違ってる気がする。ってここまでやっといて思うのも変だけどね。 でも、嬉しいや。謀ったわけではないけど、みんなこんな嬉しい事言ってくれるなんて…… 「あの、ありがとう。でもごめんなさい」 「ん? どしたの?」 「実は……」 この前ドッキリを仕掛けられて、やられっぱなしじゃ嫌だから仕返ししようとしたこと。 先日から委員会活動と称して作戦会議をしていたこと。 それから、嘘とはいえみんなが素直に祝福してくれたこと。 謝罪と感謝。それぞれを漏れなく打ち明けた。 全て話し終えて、それまでそれを黙って聞いてくれた三人の穏やかな笑顔を見ると、何だかちょっぴり泣きそうになった。 「……というわけです」 「そういう訳ですかー。ん、どしたの? かがみん泣きそうだよ?」 「う、うるさいっ! 別にそんなことないっ!」 「あの、ハンカチなら貸しますよ?」 「そんなことないから! あと、みゆきも大丈夫だから。あの、ありがとう……」 「こなちゃん、今のがお姉ちゃんの『デレ』ってやつなの?」 「そうだよ、つかさー。いやー、良いもの見たねー」 「もう、うるさいっ!」 「……こなちゃん、あの事ってもう言っちゃっていい?」 「あの事? あぁあの事ね」 「いや、でもこれは言わなくてもいい事ではないでしょうか……」 え、何それ? いい予感はしないけど気になる…… 「気になるから教えてよ」 「いやー、これは……ねぇ」 「そうですよね、かがみさんに良い事ではないですよ……」 「いいからもったいぶらないで教えてよ!」 「かがみんがそんなに言うなら、言っちゃおうか」 渋々とつかさとみゆきが首を縦に振る。 しかし、と言うよりやっぱり私の予感は的中する……
265 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:20:35 ID:sQK8Fc3Z
「実は、そのドッキリの事知ってたんだ」 え 「委員会が忙しいということなので先生にそのことを尋ねてみたところ、『柊は委員会の活動なんてしてないぞ』と回答を頂きまして……」 「家でお姉ちゃんが電話してるところ聞いちゃって……べ、別に、盗み聞きしようとかしたわけじゃなくて、お姉ちゃんの部屋に入ろうとした時に聞こえちゃって……」 えっ ええええええ! んじゃ何!? 全部筒抜けだったってこと!? うわ何それ!? これで抜かりない、なんて思ってたの!? 恥ずかしすぎる! 「で、かがみんが意気込んでたからとりあえず最後までやらせてみようか、と思ってやらせてたってわけです」 「申し訳ございません……」 「電話してるときのお姉ちゃん、すごい楽しそうだったし……ごめんね?」 「あっ、あうー……」 「まぁそんな時もあるさ、かがみん♪ まぁお口直しにこれでも観よ?」 そう言って見せてきたのは…… 「そ、それだけはやめてー!!!」 「あぁ、あのビデオですか♪」 「久しぶりだねー♪ 見よう見よう♪」 「いやー……やめてー……」 「かがみん、これは私達を陥れようとした罰だよ。これからはもうしないでね?」 「はい…もうしません……」 「よろしい。では、『かがみんドッキリ大作戦』上映しまーす! ポチっとな」 いやああああああ…… 「もう陽が翳ってきたんですが……俺はどうすればいいんでしょう……」
266 :
42-15 :2008/09/18(木) 02:22:52 ID:sQK8Fc3Z
以上で投下終了です。 これで一応完結です。実は白石目線でちょっと書いてみたいなー、とも思ってたりしますが。 今回もまたエロなしですいません。もっと頑張ります。 読んで下さいました皆様、ありがとうございます。
>>266 「あーもーくやしいいいいいいいっ!!やっぱりこなたは
直接責めないとだめだということがよくわかったわ!
こなたああああああああああああ!」
「ちょwwwwwかがみマテwwwwwまずはおちつkアッーーーー!!」
かがみんの空しい逆襲乙GJwwwwwwwwww
かがみん…ぬかりすぎです…(涙) そして放置されっぱなしのセバスチャンにも全俺が泣いた。 要するにGJということで。
オチは読めたがいい奴すぎるぜ。セバスチャン。
>>266 かがみん謀議に向かなすぎるwww
途中でやめないでセバスチャン呼んじゃったらもっと恥ずかしかったんだろうなあw
セバスチャンはこの時に風邪をひいちゃってあきら様の看病イベントが発生!
なんてことはないですねすみません。
今日は休みで暇なので、ひとつ書いてみました。 ・パティ&みなみ で2〜3レス程の短い小ネタみたいなものです。 流石にこの時間で人もあまりいないと思うので、すぐ投下します。
次の授業は体育。 体育着に着替える時、つい見いってしまうものがある。 それは…… 「〜〜♪」 目線の先にいるのはクラスメイトのパティ。 そして、私が見つめているのは彼女の……胸。 パティの胸を見ると、つい自分の貧相な胸と比べてしまう。 同じ学年なのに、なんでこんなに差があるんだろう。 私もパティぐらいに胸が大きければ良いのに。 いつもそう思う。 そんなパティは、みゆきさんと並んで『吸収できるのなら吸収したい人物』のひとり。 吸収、したいな…… 半分よこせ、なんて言わないから。 田村さんくらい、いや、ゆたかくらいでもいいから。 少し分けてほしいな、その胸。 「どうかしましたカ、ミナミ?」 パティが顔を上げてこっちに近づいてくる。 もしかして、じっと見てたのに気付いたのかな? でも、言えるわけない……胸を見つめてました、なんて。 とりあえず適当に答えておこう。 「ううん……なんでもない」 「ふーン……そうですカ」 とりあえず、大丈夫かな? と、そう思ったのだけれども。 「そうは言われてモ……」 !! 「そんなモノホシソウな目で見つめられたら、イヤでもわかりますヨ♪」 そう言いながら、パティは私に抱きついてきた。 そうするとその……胸が…… 「あててんのヨ」 自分の胸を押しつけるようにしてパティがそう言う。 その感触は私の体にはないとても柔らかいもので、とても羨ましい。 「でも、ムネなんてそこまでキにしなくてもいいんじゃないですカ?」 私の体に自分の胸を押し当てながら、パティがそう聞いてきた。 胸が大きくなりたいなんて気持ち、スタイルの良いパティには分からないのかもしれない。 でも、私としてはとても切実な願いな思いだ。 「そんなことない……とても気にしてることだし……」 「そうですカ。それなラ……」 そう言ってパティは私の胸に手を伸ばし……って、あの、えぇと? 「ほら、よく言うじゃないですカ。ムネは揉むと大きくなるッテ」 そういえばそれ、ゆたかのお姉さんも言ってたな……じゃなくて。 こんなこと急にされると、恥ずかしいってば!
「……ホントにZeroなんですネ。想像以上に」 ……今、とてもひどいことを言われたような。 悲しくなるから、そんなこと言わないでよ。 と、いうか、その。 「や、やめてよ……は、恥ずかしいからっ」 「ベツにいいじゃないですカ。女の子同ドウシですシ」 そ、そんなこと言っても、周りには他の人もいるんだよっ。 「アララ、こんなにアカクなっちゃっテ」 それは、パティがいきなり変なことするからっ。 いつも落ち着いているってよく言われるけど、実は結構恥ずかしがり屋なんだよ、私。 「いつもはCoolなのに、今日のミナミはなんか可愛いでス」 そう言ってパティは口元を近づけ……私の頬にキスをした。 「え!? あ、あの、その……」 私の顔は今、さっきまでよりももっと赤いに違いない。 パティの方はというと、『だって、ミナミが可愛かったんだもン』とでも言いそうな顔をしている。 確かにパティの国ではキスやハグといった行為に寛容な所があるのは知ってるけど、 私としてはそういうのは恥ずかしくてしょうがない。 「また赤くなってますネ。もう、ミナミの恥ずかしがり屋サン♪」 そう言って、より一層強く私をぎゅっとするパティ。 そんなパティに、今日はずっとペースを握られっぱなし。 まるでゆかりおばさんと話しているみたい。 「そろそろ授業ですネ。先に行ってますヨ」 そう言われ、私はやっとパティの腕から解放された。 気付くと、もう少しで鐘がなるという時間になっている。 「今日はミナミの可愛い顔がみれて、とても楽しかったでス」 教室を出る際にそう言い残すパティ。 私の顔はきっとまだ赤いままだろう。 ……ふう。 少し落ち着いたかな。 教室に残っている女子も少なくなって、あとは私と田村さんだけみたい。 ……あれ? 田村さん、鼻血が出てる……。 大変、保健室に連れていかなきゃ。
以上、小ネタでした。 読んでくださった方、ありがとうございます。
>>274 悶えたww
パティみなみのみって珍しいなあと思ったら、ひよりん一部始終見てたw
みなみの微妙にボケてるというか、無防備な感じがたまりませんね!
おっぱいモミモミはパティの母国でも挨拶でするレベルじゃねーw
>>274 エロというよりエッチという言葉がぴったりな、明るいお色気シチュエーションがGJ!
最後にひよりんのご冥福をお祈りいたします。
パティちゃん・・・^^^^^^^^###########
投下の気配は無さそうかな… 投下するならいまのうち… かぶりがなければ三分後に投下開始させていただきやす。
279 :
三毛また :2008/09/19(金) 22:05:53 ID:ffOnrOZj
ではいきます。 タイトル:らき☆すた妖奇譚〜長い前振り〜 テーマ:らき☆すたで幽霊とか妖怪とか都市伝説とか。 エロ:無し。ただし下ネタ有り。 注意事項:話の時系列が前後します。 みゆきさんが変態です。 カプ:無し。ただしみゆきさんは変態です。 消費レス:11レス。 前後編です。 なので今回は前振りです。長いくせに。 すいやせん。
らき☆すた妖奇譚〜長い前振り〜 四時限目が終わって昼休みになった廊下。 「…うん、わかってるって。授業終わったらすぐ帰るからさ。じゃ、ちゃんとうちにいてよ?」 私は電話を切ると、携帯電話のモニターを見てついため息をついた。 そこには、きちんと登録されていることを誇るように四文字で名前が表示されてる。ただしつか さやみゆきさんみたいに『友達』のアドレスグループには入ってないし、家族やバイト仲間グルー プでもない。全くの無分類。 でも着信履歴を見ると、履歴を残せる限界までその四文字で埋まってるのだよ。 ちょっとこわい。 「おーっすこなた」 ケータイを閉じたところで聴きなれた声で聴きなれた挨拶が背後から聞こえた。 かがみだ。 「うぃ〜かがみん。今日もクラスを追い出されたのかね」 「んなわけないでしょ、あんたじゃあるまいし」 「いやいや、そろそろかがみんの凶暴さがクラス中に浸透したころなんじゃないかと思っt、 むぎゅ〜」 話してる途中だったのに、かがみが後ろから覆いかぶさってきたから言えなくなっちゃったよ。 かがみは私の頭の上にあごを乗せると、ぬいぐるみか何かみたいに私の頭を抱え込み続ける。 長々とぎゅ〜っと。 いつまでもぎゅぎゅ〜っと。 「かがみん…ながいよ」 「あ、そ、そうよね。ごめん」 私から離れたかがみは誤魔化すように薄く笑った。 うっすらと頬も赤い。 今年は十月になってもまだ暑いのにべったりとくっついたからかな。 うん、きっとそうだよね。 「と、ところであんたが電話してるなんて珍しいじゃない。なによ、男の恋人でもできた?」 かがみはにやにやと笑って言う。 絶対にないとわかってて言ってるんだ。 失礼だね。 っていうか男のってなに、男のって。 女の恋人はできないよ。私が女なんだから。 「あーいや、えっと、なんていうか…」 とりあえずなんて言ったものかと、口ごもる私。 実は昨日からちょっとした厄介事を抱えているんだけど、それを説明するにはじっくり話しこ まなきゃいけないからなのだ。 もともとみんなに相談しようとは思ってたんだけど、厄介事の相手の名前にちょっと難があって ね。ちょっといきなりかがみに説明するのをためらう理由があるのだよ。 だから、今言っちゃってもいいものか。 さて、どうしよっかな。 そんなふうに考えをまとめるためのちょっとした沈黙。 そしたら、その沈黙をかがみは別の意味に取ってしまったみたい。 「え、ちょ、何よその反応?まさか、まじ、で?………………も、物好きなやつもいたもんね。 良かったじゃない」 ん、どうやら私に恋人ができたと思っちゃったようだ。 なんかアメリカ人みたいに肩をすくめてヤレヤレって言ってるけど、その腕がぷるぷる震えて る。 そんなに私が男子と付き合ったらおかしいかね? もちろんそんな事実は、ないんですがね。 残念ながら。 くっ。 でも私がちゃんと否定する前に、かがみはふらふらとよろめきながら私たちの教室に入ってし まった。
「そそそそんな……こなたにオトオトオッコト?オッコト主?ちげえよオトコ?……どういうこ となのつかつかつつつかつかさぁぁぁぁああ!!!」 そのままふらふらとつかさのところまで行くと、その肩を掴んで思いっきり揺すった。 かがみん動揺しすぎ。 私の前では冷静を装ってたのか。ういやつめ。 教室のドアが空きっぱなしだから丸見え、丸聞こえなんだけど。 「おおおお姉ちゃん落ち着いてええうぇうぇ」 つかさはかがみに振り回されてまともに喋れない。 自分で尋ねてるんだからかがみもやめればいいのに。 「今日の泉さんは頻繁に電話をしていらっしゃいますね」 自分の首を絞めるようなかがみの行為に晒されているつかさにかわって、みゆきさんが答えた。 「……ふぇぇ。誰と電話してるのかこなちゃんに訊いたけど教えてくれなかったよ。はぁはぁ、 男の子なのかなあ?」 やっとかがみのブレインシェイクから解放されたつかさも、へろへろになりながらみゆきさん に追随する。 かがみはつかさの肩から離した手を血管が浮き出るほど握りしめると、引きつった笑顔を作っ て震える声で言った。 「ま、まあこなたが誰と付き合おうと私には関係ないけど、ね」 「それは違いますかがみさん」 かがみの様子を眺めていたみゆきさんが、真面目な顔で口を開いた。 「泉さんが悪い男性に騙されていたらどうするんですか。ここはお友達として御相手の方がどの ようなお人なのかを知っておくべきです。ええお友達として」 みゆきさんは心配してくれてるのかな。 じぃんとくるね。 でも友達としてってなんで二回も言ったんだろ。 「うーんあいつを騙そうなんて人いるか?あんな幼児体型のちみっこ。まあそこが可愛いんだけ ど……い、いや私の意見じゃないわよ?!世間一般のうちのごく一部を代弁しただけよ!」 「いえかがみさん、泉さん魅力を挙げたらキリがありませんよ。眠たげな瞳に艶めかしい泣きぼ くろ…ハァハァ。噛み心地のよさそうな耳たぶに舐め心地の良さそうな首筋…アフン。ひきしまった ふくらはぎに幼さ残したお腹のライン…だばだばだばだば」 次々と私の身体の特徴を挙げるみゆきさん。 これは褒められてるのかなあ。複雑な気分だ。 とりあえずみゆきさんは鼻血を止めようね。 「ま、まあどんな男子なのかは知っといた方がいいわよね。友達として!」 「はい、お友達として」 「友達!」 「友達!」 ともだちともだちと交互に連呼し合うかがみとみゆきさん なにこれ宗教? ともだち教? 「えっと、私はそっとしておいてあげた方がいいと思うけどなあ」 そこに、さっきかがみに乱された呼吸を整え終えたつかさが口を挟んだ。 なんか変な雰囲気の二人に対して、ただ一人つかさだけが反対してるようだ。 がんばれつかさ!
「甘いわよつかさ!悠長に構えてて私のこなたが変な男にぼろぼろにされちゃったらどうする の!」 間髪入れず反応するかがみ。 心配してくれるのはいいけど、もう私が変な男と付き合ってること前提になってるよね。 っていうか私はかがみのものじゃないよ。 「そうですよつかささん!泉さんは男性とお付き合いするより私とした方が幸せになれます!」 みゆきさんもかがみに続く。 え、なにこれ、プロポーズ? 勢いに任せて凄いこと言ってない? ともだち教どこいった。 「え、あぅえ…そうなの、か、なあ?」 あぁ… 言いくるめられちゃだめだよつかさ。 かがみとみゆきさんに言い捲し立てられたら、あっちが正しいんじゃないかって思っちゃうの はわかるけど。 「それではつかささんも納得していただけたようですので…」 「そうね。もう本人に聞くのが一番よね」 つかさをあっさりと撃墜した二人は、くるーりと二人同時に振り向いた。 二人の目が光を放ってるようにすら見えた。 思わずビクッとしてしまう。 ようやく本題だと言わんばかりに、ずんずんと私に向かって歩いてくる。 「「誰と電話してたのか言いなさい(言ってください)!!」」 目が怖い。 これでほんとに付き合ってるって言ってみたらどうなっちゃうんだろうね。例えばセバスチャン とか。 刺されちゃったりするのかな。 あはは…… やめよ。縁起でもないや。 「わかったから二人とも落ち着いてよ。放課後に言うからさ」 もともと相談するつもりだったからちょうどいいや。 皆が勘違いしてるような彼氏ができたとかいう話でもないし。 ええ、勘違いですよ。 勘違い。 だって、電話の相手って男子じゃないからね。 女の子だよ。 ……たぶん。
そして放課後。 「なによ彼氏が出来たわけじゃないのね?びっくりさせないでよ」 まずは放っておくと危険なことになりそうな誤解は解いとこう。 勝手にかがみ達が勘違いしただけなんだけど。 「どきどきしてしまいました」 「いやーごめんごめんみゆきさん」 「ですが、こういうプレイもたまには良いですね」 人の耳元でプレイとか言わないでよみゆきさん。 「濡れてしまいました」 何が?! とは言わない。どうせみゆきさんのことだから瞳が濡れた、とかじゃないだろうし。 何を言い出すんだろねこの人は。 「泉さん」 「んー?」 「見ます?」 「…遠慮するよ」 スカートの裾をつまんでこっちに視線を送るみゆきさん。 ……ほんと、このひとはなんなんだろう。 私が断ったので残念そうにスカートを下ろしたそのとき、つかさが不用意な一言を発してしま った。 「ねえこなちゃん。濡れるってなに?ゆきちゃん何かこぼしちゃったの?」 つかさには、まだみゆきさんの言うところの『濡れる』を理解するには早かったらしい。 これが妹属性というやつか。ピュアだねえ。 途端にみゆきさんの目が、妖しく光る。 「つかささん」 次の瞬間、シュイン、という風を切る音がした直後、机を挟んだ向こう側にいるつかさの肩を 掴んでいた。みゆきさんが。 あれ?みゆきさんは私の隣にいたはず… みゆきさんが二人いるように見えたので自分の隣にいるほうのみゆきさんに手を伸ばすと、霧 を掴むようにすり抜けた。 はッ、これは…残像!
「それをお教えするにはぜひ体験していただくのが一番ですので、これから一緒にトイレに行き ませんかだばだばだば」 「え、なんでトイレに行くの?なんでゆきちゃん鼻血出してるの?!」 何のことかわからなくてオロオロするつかさ。 小動物みたいだ。 「つかささんかわいいですつかささんハァハァ」 「ゆ、ゆきちゃん目が怖いよぉ!」 陰獣と化したみゆきさんに哀れつかさは食べられてしまうのか!(性的な意味で) と思われた時、陰獣の脳天にチョップが一閃。べしっと決まった。 かがみだ。さすがお姉ちゃんだね。 「ひとの妹に変なこと教え込むんじゃないわよ」 「うう、痛いです…」 自分の頭を押さえてつかさから手を離す陰獣、もといみゆきさん。 正気に戻ったかな? 「つかささんがダメでしたらかがみさんでも良いのですけど」 そんなことはなかったね。 というか、これがみゆきさんのデフォなんだ。まいったね。 「いやよ」 「残念です」 「ったく、誰でもいいのかあんたは」 「ええ可愛ければ誰でもいいです」 「即答かよ…歪みないわね」 ここまでくるといっそ清々しいね。 さすがみゆきさんというかなんというか… ん〜…… っていうかみゆきさんってこんなキャラだったっけ?もっと清楚でほわほわしてたような… こんなエロゲーから抜け出てきたような人じゃなかったような… まあいっか。 いやよくはないけど。 「それでこなた、電話の相手って誰だったのよ」 おっとそうだ、そのことで集まってもらってたんだっけ。 インモラルみゆきさんのせいで忘れるところだたーよ。 「んーと、昨日ちょっとしたことがあってさ。みんなで放課後に怪談話したでしょ?あのあとの ことなんだけど」 「そういえばやったわね。確か黒井先生が授業中に話し始めたからとか言ってたっけ。私はクラ ス違うからよくは知らないけど」 そう、昨日の放課後も今みたいに集まっていたのだ。 その時にみんなでした、というよりほとんどみゆきさんの話を聞いてるだけだったけど、怪談 を楽しんだわけさ。 今年は異常気象で10月の今でも妙に暖かいから、残暑払いってことで。 今思うと、絶対にそこでイベントフラグが立ったんだと思う。 それじゃあちょいと、一日ほど話の時間を巻き戻すよ。 そぉい。
「みぃ…みぃ…」 んぁ… どこかで萌えキャラっぽい声が聞こえる。 みぃみぃって。 「…ずみい。いずみー。こぉら泉!」 あ、違った。私の名前を呼んでたのか。 もーお昼ご飯食べた後だから眠いのに。 誰だいまったく。 「ええかげん…起きんかい!」 ハッ。 この声は、ななこ先生だ。 ということは…緊急回避!! 「ゴスッ……………ちぃ」 私が急いで身体を起こすと、さっきまで私の頭があった机の上に丸めた教科書が突き刺さった。 ふぅ、あぶないあぶない。 ななこせんせー、教科書で叩くのはともかく、縦はやめようよ縦は。 机がぷしゅーっと煙を吹いてる、ように見える。 「寝てたやろ?」 「い、いえネテマセンヨ」 「ほぅ〜さよか」 丸めた教科書をぽんぽんと叩きながら私を見下ろすななこ先生。 教師が教科書を大事にしないのはよくないと思います! 「せやったら葵の上は誰の嫁や?寝てへんのやったらわかるやろ?」 「葵の上?何のアニメキャラですか?」 「そういうヨメちゃうわ」 葵の上、か… 日本人の名前だよね?ななこ先生世界史担当なのになんでだろ? ま、いいや。えっとなんかの漫画でそんなキャラが居たような… 名前的に古い時代の人……あ、そうだ、あれか。 「光源氏ですよね」 「なんや、ちゃんと聞いとったんかい。それともただ知っとっただけか?」 「いやー私も十代ですから。ガラスの」 「壊れたものばかり集めてるかー…って古いなおい」 そうそう、葵の上といえば光源氏のヨメだよね。 読んでてよかった、あさきゆめみし。 幼女を囲って自分好みに育てる光源氏計画は男のロマンだよ。 わたし女だけど。 「まあ聞いとったならええわ」 寝てましたけどね。 午後の授業が眠くなるのは宇宙の真理ですよ。 「そんなわけで日本の古くて有名な源氏物語でも呪い殺される描写があるように、世界中でそう いう話はあるわけや。今の時代じゃピンとけえへんけど、昔はよくわからんことが起きたら大 真面目に呪やら悪魔のせいにしとってな……」
授業が終わると、つかさがすぐに話し掛けてきた。 「こなちゃんさっきのよく答えられたね〜。寝ちゃってると思ってたのに」 当のつかさ本人は、私と同じ居眠り仲間でもあるため、授業の後半に力尽きてななこ先生の一 発を貰っていた。なので今は、自分の頭をさすりながらちょっと涙目になっている。 「運良く漫画で読んだことあるとこだったんだよ」 「え、じゃあ寝てたの?」 「うぃ」 いいな〜、と心底羨ましそうにつぶやくつかさ。 私も世界史の授業で源氏物語の知識が役に立つとは思わなかったよ。 「私のときも知ってる質問だったらよかったのに〜」 つかさも同じようにななこ先生に質問されて試されたのに、私と違って棒状教科書の一撃をく らってしまったんだからそう思うのも当然だね。 「そだねー…でもつかさが知ってる世界史ってなに?」 「う〜ん……バルサミコ酢の歴史とかかなあ?」 それって世界史? まあ源氏物語よりはまだ世界史っぽいかな? 「つかさ…そんなの授業で出るわけないでしょ」 溜息といっしょに呆れた声が教室に入ってくる。 かがみだ。 「えへへ、そうだよね〜」 「ったく珍しく授業の話してるから復習でもしてるのかと思ったら。どんな授業やってるのよ」 それを訊かれても私たちは答えられないよ…と思ったら、つかさはどんな授業だったかをさらっ と説明した。 途中で眠ってはしまったものの、つかさはその時以外は一生懸命授業を聞いてたようだ。 私と違って。 どうやら中世ヨーロッパの魔女狩りの話をしていたときに「昔はどこでも今考えるとどないや ねんってこと、魔女がどうとかそんな話を事実として扱ってたもんやねんで」という流れで日本 の呪い殺された話代表で源氏物語の話になってたらしい。源氏物語は創作だけど。 へ〜そうだったんだ。それでいきなり世界史らしくない質問されたんだ。 把握把握。今知ったよ。 いや、だって寝てたからね。 さーせんww 「なるほどね。まあ昔の人は迷信深かったから、厄介なことは妖怪やら悪魔のせいってことにし てきたってことね。ようは幽霊やらなんやらはそうやって作られたものに過ぎないってことよ」 当然じゃない。かがみはそう言って言葉を締めた。 「え、でもお姉ちゃん。怖い話って今でもいっぱいあるよ?あの、信じるか信じないかはあなた しだいーって言うのとか……あぅッ」 つかさはそこまで喋ると目をギュッと瞑った。自分で言っておきながら都市伝説を思い出しちゃ って怖くなったらしい。 うーんなんだろうね、この差は。 幽霊とか全然信じてないのか全く意に介さないかがみと、信じすぎちゃって怖がっちゃうつかさ。 お家の神社にはどっちがふさわしいのかな。 全然信じないかがみでもアレだし、つかさはつかさで仕事にならない気がする。 どっちも神社を継ぐわけじゃないらしいけどさ。 「そうね、たまにブームが来たりするしね。ねえ、みゆきはどう思う?」 自分の席に座ったまま微動だにしない背中にかがみが話を振る。 「………」 みゆきさんは応えなかった。 そういえばさっきから一言も喋ってないや。 ずいぶん大人しいなあ。どうしたんだろ。 「みゆき?」 「……あ、すみません。泉さんとつかささんの寝顔を脳内で再生して堪能することに夢中になって しまいました」 ……心配して損した。
授業終わってからずっとそんなことしてたんですか貴女は。 「えっと、媚薬の作り方ですね。それでしたらたしか家の書庫の奥から二段目の棚の」 「そんなことは訊いてないよみゆきさん」 私は思わずみゆきさんの口を遮った。 なにをどう聞き間違えたら媚薬の話になるのかなあ。 だいたいなんでそんな本を持ってるのかと。 だいたい誰に使う気なのかと。 ……うッ。 なんか悪寒がする。 「今の時代でも怪談とかが無くならないのはなんでだろうねって話だよ」 「はぁ、そのようなお話でしたか」 みゆきさんは残念そうに息を吐いて一度言葉を切る。 どんな話を期待してたんだ。 「そうですね、今も昔も分からないことを理解したい思っているということなのではないでしょう か。昔は自然現象などわからないことがたくさんありましたので、その恐怖を紛らわすために作 り出されたことが多かったらしいです。空想であれ、原因を作ってしまった方がいくらかましだ ったのでしょう。森で迷うのは狐に化かされているせいだとか、そういう類のものですね」 日本昔話でありそうなやつだね。 ぼうや〜よいこだねんねしな〜♪ 昔テレビでやってたっけ。ゴールデンタイムに。 良いセンスだ。 「一方現代では自然現象の話は解明されてきていてあまり作られなくなったものの、悪霊や妖怪化 した人間のお話が増えています。情報の接触が増えたので、悲惨な出来事に関する情報にも誰で も接するようになったからでしょう。そのままでは昔の自然現象による怪談と違い自分の身には 起こり得ないもう終わった情報に過ぎませんが、悪霊化して出没することになれば自分のところ にも現れるかもしれません。そういうことにしてしまうことで、より身近に理解できる形に作ら れたものと思われます。成形手術が失敗してしまった女性が口裂け女として現れるなど、昭和の ころには全国的に流行ったらしいですよ」 みゆきさんは続けて人面犬や人面魚など昭和に流行ったというお話をいくつも詳しく挙げた。 私も聞いたことはあるけど、そこまでは詳しくないよ。 あるぇーみゆきさんって同い年だよね? 私たちと同じ平成生まれだよね? 実は25歳ですってことはないよねえ? 「なお最近では人間そのものなど怪奇現象を含まないことを恐怖の対象にしたものが多く見られま すが、これらは怪談というよりも都市伝説と言った方が当てはまりますね。時代を経ていろいろ と解明されてきました結果、結局人間の行いが一番怖いということなのでしょうか。情報の伝播 の仕方を研究するために意図的に都市伝説を作り出して流した方がいたりと、いろいろと不鮮明 ではありますが」 みゆきさんが都市伝説と口にすると、つかさがまた目をギュッと瞑った。 ほんとに怖がりだなあと思いつつ、いったいどんな都市伝説を思い出してそんな思い出し笑いな らぬ思い出し怖がりしてるのか気になってきたよ。 しかし何かと幽霊を勘違いしたとかじゃなく、2ちゃんの釣りみたいに遊ぶってわけでもなく、 研究のために都市伝説を流した人もいるってのは驚きだね。 なんてゆーか、ひねくれすぎっしょ。 ねえかがみん。 「……ん?なによ」 私の視線に気づいたかがみ。 幽霊を信じないツンデレなお姉さんと研究してた人は、どこか被るところがありそうだ。 ホラー映画とか見るからいろいろ思いつきそうだし。 「うんにゃ、なんでも」 まあでも、かがみはそんなことしないかな。 あんまり嘘が上手いタイプでもないしね。
「それにしても、みゆきってこんなのも詳しいのね。口ぶりからすると幽霊とかいないと思ってる みたいなのに、興味ないことまでよくもまあ調べる気になるわ」 かがみは私からみゆきさんに目を移すと、半ば呆れ気味に感心した。 そういえばみゆきさんが話したのは全部、怪談や都市伝説の幽霊なんかは人が作ったものってい う内容だ。 ちっちゃいころにサンタクロースの夢が破れたときみたいに、怪談とかもよく調べていったら存 在しないっていう結論になっちゃったのかなあ。 幽霊とかって、私はわりと信じる方なんだよね。 つかさみたいに怖がるわけじゃないけど、いたらいいなあって感じで。 私が暢気に幽霊のことを考えてると、みゆきさんはかがみの言葉をやんわりと否定した。 「いえ、そんなことはありません。あくまでも、」 そこまで言うといったん息継ぎをして、かがみに向けていた目をちらりと私に向ける。 気のせいかと思った。 目の動きだけだったら、一瞬だから気のせいだと思えたかもしれない。 けどそうじゃなかった。 こっちを見た瞬間、みゆきさんの口角が、にやりと歪んだ。 「幽霊などが存在しないとしたら、という前提ですから……ね」 ゾクッ 全身が、音が鳴りそうなほど鳥肌が立つのがわかった。 みゆきさんが怖いことを言ったわけじゃない。今の言葉は何の変哲もないかがみへの返答。 それなのに、なぜか私に向けて喋ったかのように感じられた。 なんでだろう。 みゆきさんが言ったことは受け取り方によっては、幽霊が存在することを実は知ってます、って 言ったように取れなくもない。 もしそうなら、みゆきさんから見て私がいる方向に幽霊がいて、みゆきさんには見えてるとか? まさか実は私に幽霊がとり憑いてるとか? むしろ実は私が幽霊とか? ………それはないか。 「な、なによ。まるで幽霊を見たことがあるみたいな口ぶりじゃない」 かがみもちょっと腰が引けてるみたい。 幽霊を見たという言葉だけでかがみが怯えるとは思えない。さっきみゆきさんは私だけに視線を 向けたんじゃなくて、全員に順に視線を送ってたのかもしれない。 つかさはどうかと言うと……ずっと怖がってるからわかんないや。 「うふふ」 「いや、うふふじゃ分かんないからみゆき」 「いえいえうふふ」 「ほとんど変わってないわよ」 「いえいえいえうふふ」 「………もういいわ」 かがみの追及を、小舟を駆る水先案内人がオールで水を受け流すかのようにかわすみゆきさん。 どうやら、これに関して明言するつもりはないらしい。 ほんとのところはどうなんだろう。霊感があるんだとしたら、何か言いたくない理由があるのか な。 私にはそういう経験がはっきりとは無いからわかんないけど。
「え、ゆきちゃんって幽霊見えちゃう人なの?」 怖い話が苦手なつかさは断片的にしか話を聞いてなかったのか、かがみと同じ質問を繰り返した。 姉でだめなら妹で、か。 結果が変わるとは思えないけど。 「いえいえ…ポタポタ」 おや、みゆきさんの鼻の穴から垂れる赤い滴。さっきとは違う反応だね。 確かにみゆきさんはつかさと絡んで鼻血を出すことはよくあるけど、それはかがみが相手でも同 じはず。だって、ホイホイついていったら姉でも妹でも構わずくっちまうタイプなんだよあの人は。 なんでつかさのときだけ…… って、ああ。そういうことか。 よく見たらつかさってば、みゆきさんの片手を両手できゅっと握って引っ張っていた。 お母さんにおねだりする子供みたいに。 「ねえねえゆきちゃんどーなの?」 「いえいえ……だばだば」 みゆきさんがはっきり答えないので、つかさはさらに近づいて追及する。 握っていたみゆきさんの片手は、つかさが近寄ったので自然と腕を抱きしめるような格好に。 そんなことになれば当然勢いを増すのは、鼻から流れ出てる真っ赤なみゆきさん汁。 みゆきさんが答えるまで続くそれは、ぱっと見拷問か、色仕掛けか。 つかさ自身は普通に尋ねているつもりっぽいのがまたすごい。 そして、さらにベタな技まで無意識に使いこなすのだ。 「ねえゆきちゃ〜、わきゃッ」 あんまり近づきすぎたので足が絡まりでもしたのか、バランスを崩すつかさ。 倒れこんだその先は、 みゆきさんの、 胸の中。 わ〜お。 「………ブシュァーッッ!」 それは、綾桜学園に一つのマーライオンが誕生した瞬間だった。 出してる物が水じゃないことと、口からじゃなく鼻から吹き出してることを忘れれば、それはま さしくマーライオンのようだった。 「えへへ、ごめんねゆきちゃん」 つかさはみゆきさんの胸に埋まりながら上目がちに言うもんだから、紅のマーライオンの勢いは 止まらない。 「ブシュるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 つかさ、もうやめて! みゆきさんのライフはとっくにゼロだよ!(血量的な意味で) とりあえずみゆきさんが出血多量で死んじゃう前につかさを引き離すと、元々白いみゆきさんの 肌がさらに蒼白になっているように見えた。 「だ、だいじょうぶ?みゆきさん」 「これで死ぬのでしたら本望で、す…」 なんかへろへろになりつつも、親指をたてるとグッと爽やかに笑っている。 これが萌え死にってやつか…… あとでお父さんに教えてあげよう。 死んでないけど。
「ところでみなさん」 鼻血を止めるべく鼻の付け根を抑えて屈みながら、みゆきさんはある提案をした。 「や ら な い か」 くそみそ自重。 「みゆきさん、何をするのか言い忘れてるよ」 「そうでしたすみません。せっかくですので、残暑払いにこれから怪談話でもいかがでしょうか?」 もう10月なのに今年は妙に暖かいからね。たしかにいいかもしれない。 ちょうど幽霊やら都市伝説の話をしてたわけだし、みゆきさんの気がのってきたのかな。 「まあ私もさっきのみゆきの話聞いてたらそんな気になってきたわね」 「かがみさん、むらむらしたんですか?」 「ちげーよ。怪談話とか聞きたくなったってこと」 かがみも乗り気だ。 そういえばかがみは幽霊とか信じないくせにホラー物の話自体は好きなんだよね。 「でもね…」 でもかがみは、全く違う反応を示している一人を見つめてつぶやく。 つかさだ。 「ゆ、ゆきちゃん何でそういう話になるの」 やだよーと言ってかがみの背中に隠れる。 かがみもつかさの頭を撫でながら、お姉ちゃんらしく妹をかばう。 「あのねみゆき。私は好きだけど、つかさはそういうの苦手だから」 「そうですか…それではしかたありません」 残念そうな表情を浮かべるみゆきさん ただそれもつかのま、私とかがみに向けてにやりと笑った。 「では、泉さんと登り棒の、かがみさんと机の角の素敵な出会いについてのお話にいたしましょう か」 なんのことだろう? 自分の名前が出てきたので少しの時間考えてみると、すぐに答えは出た。 私と登り棒の関係と、みゆきさんの性格。 この二つを考慮すると、答えは一つしかなかった。 「なんで知ってるのみゆきさん!」 「なんで知ってるのよみゆき!」 私とかがみの驚愕が重なる。 顔面温度が急速に上がっていくのがわかる。 「うふふ……あれはお二人が小学生でしたころ、初めての感覚に身を悶えs」 「「わーわー!!!!!」」 みゆきさんの発言を邪魔するべく、共鳴する私とかがみの声、いや悲鳴。 な、なんでそんなこと知ってるんだよみゆきさん。 貴女のエロパワーは千里眼をも可能にするのくゎッ。 「や、やっぱり怪談にしよう!みゆきの怪談が聞きたいわ!ね、こなた!!」 「う、うん!そうだねかがみん!昭和のころの怪談とかあんまり知らないから聞きたいな!」 二人がかりで必死に話題誘導だ。 だって初めてあの、あ、アレを感じたときの話を人にされるのって、想像以上に恥ずかしいよ。 びっくりだよ。 「そうですか。では、少し古めのものからお話しましょう。うふふ」 みゆきさんが素直に乗っかってくれてほっとする私とかがみ。 そんなわけで、みゆきさんを中心に残暑払い怪談大会が突発的に開催されることになったのだ。 私はけっこうそういう話好きだからいいんだけどね。 少なくとも自分の恥ずかしい話をされるよりは。 …………… つかさが泣きながらイヤイヤ言ってるのは気づかなかったことにしよう。 >つづけ
291 :
三毛また :2008/09/19(金) 22:18:32 ID:ffOnrOZj
終了です。 妖怪とか大すきなんでつい勢いでやっちゃいました。 ほんとに前振りのみで長くなっちゃってすいません。 ではこれから台風がくる地域の方はお気をつけて。 みゆきさんダイスキデスヨ?
>>274 あ、パティみなってちょっと新鮮かも。天真爛漫なパティが良いですね。
ひよりんに合掌しつつぐっじょぶ。
>>291 ほほう、携帯に都市伝説と来ましたか。
いかにもな雰囲気、後編も楽しみにしてます。
追伸。よろしければこなたと登り棒の素敵な出会いについても、詳しく(だばだば
293 :
21-260 :2008/09/19(金) 23:04:32 ID:OvZeK/pP
なんかSSが次々と! というわけで、人々の目がむにゅうみなりんや鼻血みゆきさんに向いているうちに、 以前書いた『黙っと〜』の続きを書き込ませて頂きます。 ですが、 ・みなみ&ゆたか、エロ無しです ・ぶーわ氏のSS『人として袖が触れている』をもとにした三次創作です ・舞台設定が平安時代なので、人物の呼称など、様々な点で現代と異なっています ・幕間には 『オリジナルの男性キャラ』 が登場しています! 等、かなり偏った内容になっていますので、苦手な方は注意して下さい。 ↓では、これより5レスほど使用します。
小ネタが大量にばらまかれていて、お腹が痛いです。腸捻転になったら賠償を要k(ry 長めなのに不思議なほどさらっと読めてしまいますね。 続きが楽しみでしかたがないです。腸を丈夫にして待ちます。
秋の夕暮れは釣瓶落とし。色づき始めた紅葉を透かす夕陽はみるみる薄れて、山々は夜に 沈んでいく。そんな薄墨色の森に浮かぶ、ひとすじの沢―― そこに、私はいた。 ぱしゃり。 竹を割って作った杯で水を掬っては、顔を、手足を清める。 群青の空を映し込んで瑠璃のように煌く水は、今日の汗と泥を流し、暗がりに浮かぶやわ肌の 色を、一層白く、清冽に引き立てていく。 ぱしゃり、また、ぱしゃり。 晩秋の禊は、決して心地良いものではない。ただでさえ温もりが欲しくなる季節なのに、 肌を落ちる沢の水は夕風に吹かれて、容赦なく体温を奪っていく。 水を注ぐたびに、小さく強張る身体……でも、大好きな人に逢いに行くのに、衣装を選ぶことも、 香を焚きしめることもできないのなら、せめて汚れた体を少しでも綺麗にして行こう。 綺麗になった体を純白の束帯(そくたい)で包み、手折った野の草花をお土産にして、 私は小早川の邸へ急ぐ。 恋人が少しでも喜んでくれるように、今の自分にできる精一杯を尽くして。 恋人が何より喜んでくれるはずの文は、まだ真っ白のままで……。 第ニ話 ―― しのぶれど、紅葉色 ―― 「堪へず紅葉青苔の地――又これ涼風暮雨の天――」 ゆたかの『準備』ができたのを見て、私は舞を披露する。 邸の人に気付かれないよう、声量こそ抑えているけれど、それ以外は、自分の全てを篭めて。 薪の爆ぜる音を囃子代わりに、火明かりに浮かぶ袖を振るい…… 「……ゆたか?」 「……あっ、うわっ、いいつの間にか引き込まれちゃってた。ご、ごめんね、気付けなくって」 「確かに、これは萌えざるを得な……って何魅了されてるんスかっ、落ち着け私っ」 私が覗き込んでいるのに気付いたゆたかが、お土産の紅葉を扇にして顔を隠す。 けれど、紅葉に負けないほど色付いた顔も、紅葉をかざす小さな手も、ずるい位に愛くるしい。 「ありがとう、私は、こんな舞しか……」 「ほら、『こんな舞』なんて言わないで?あんなに素敵だったんだから」 「でも……」 「みなみちゃん」 「そんな……ありがとう」 「……って無視っスか?私無視なんスかっ!?」 褒められるのが苦手で逸らした顔を追いかけて、ゆたかが笑う。 世界で一番好きな人にそんな風に見つめられると、顔が月明かりでも分かるくらい火照って、 恥ずかしいのと同じくらい、胸がどきどきする。 それまで生きるための手段でしかなかった舞なのに、今では強制的に教えてくれたお母さんに 心から感謝している。だって、このたった一つの芸のお陰で……。 「でも、さっきの詩……白居易だったよね?」 「朗詠では、よく出てくるから。漢皇、色を重んじて傾國を思ふ――とか」 「ちょ!長恨歌っスかっ!?」 「天に在りては願はくは比翼の鳥となり……そんな風に愛し合えたら、きっと素敵だよね。 ちなみに、今の詩をかな文字に直すと、いくね? か、ん、く、わ、う……い、ろ、を…… みなみちゃんも、書いてみて」 月の光を頼りにした秘密の稽古が始まって、二ヶ月。 最近はゆたかの綴る文字を、ゆたかが書き下ろすよりも早く読めるようになった。 私がこんなに早く覚えられたのは、ゆたかが私の知っている詩のような、私に一番身近な 題材で、文字を教えてくれるからだ。 好きな人に色々なことを教わって、間違えたり上達したりするたびに、一緒になって笑い合う。 それは本当に、例えようもなく嬉しいこと。でも、だからこそ……。
「すごいすごい、みなみちゃん本当に上手になったよ!」 「ゆたかが、教え上手だから……」 舞の後は、私の謡った詩で書の練習。 今日みたいに月明かりの弱い日は、ゆたかが手本を書いてくれるだけで、後は雑談になるの だけれど、ゆたかが頼んでくれたかがり火のお陰で、久しぶりに手習いができる。 「まだ転折がだめだめっスけど。あと、『おもんじて』みたいに長い線だとすぐよれよれに……」 「仕方ないよ、私だって、初めは全然……って、ひより何書いてるの?」 「え゙っ、これはその別に……それよりほら、また間違えてるっスよ、角度とか」 慌てて紙を隠しながら、私のずれた文字を指さすひより。 「かなはそういう所で上手下手が分かれるっスからね、ほら、そこも……」 「あ、みなみちゃんここはね、」 「っ!?!?」 ゆたかが小さな体をうんと伸ばして、私の前に潜り込んできた。 遠目には、座っているゆたかを、私が抱き寄せているように見えるくらいの至近距離だ。 「こんなふうに……次の画に入る前に一呼吸置いて、穂先を上に向けて書いてみて。 あと、こういう繋がってる所だけど、無理して一筆書きにしなくても大丈夫。 例えば『おもんじて』なら、『お』を書いた後、『も』に入る前に、ここでちょっと筆を休めて……」 袖が触れ合うだけだって、想像できないくらいどきどきしてしまうのに、 無邪気なゆたかは小さな体をくっつけて、私の拙い字の横に、すらすらと筆を走らせて…… 「……みなみちゃん?」 「あ……」 幸せ過ぎてくらくらしているうちに、ゆたかが手本を書き終えていて、ゆたかに目を合わされて、 真っ赤になって……そこで初めて、肝心の筆先の使い方を、全然見ていなかったことに気付く。 「ごめん、もう一度書いて」 「こっちで?」 「ここからだと、見えにくかった、から……」 「あっ、ご……ごめんね、そうだよね、そんなこと考えてなくて……じゃあ、もう一度書くね」 もう一度硯に向かうと、数瞬目を閉じて深呼吸。 上気した頬をさましたら、筆先を整えて、いくね、と笑ってから筆を動かし始める。 私のために、手本を書いてくれた時よりもゆっくり、筆の休みや返しを丁寧に説明しながら。 「こんどは、大丈夫だった、かな?」 いつもとは全然違う調子で書いた筈なのに、それを全く感じさせない出来。 大丈夫、と頷くのも忘れて、しばらくその例えようのない筆蹟に魅入ってしまう。 「……やっぱり、ゆたかは綺麗」 「そんなことないよ、私もまだまだ」 「いやいやゆーちゃんの書は評判っスよ?黒井式部だって驚いてたし、あの赤染の上だって 『権大納言以来の名人になれるかも』って」 「ひひひひよりっ!?」 「権大納言……実里の邸の……?」 「そうっス、茅原長門!小野古泉、春日天皇と共に『三蹟(さんせき)』と称された書の大家っスよ」 「わぁっ、そんな、あれはきっとお世辞で、私は全然……」 持ち上げられて恥ずかしいのか、ゆたかは筆先を乱してわたわたしている。 そんな仕草は堪らないけれど、やっぱり好きな人には、自己否定なんてされたくないから。 「ゆたかは、上手……だから、私に言ってくれたみたいに、『全然』なんて言わないで。 私は、ゆたかの字が……」 本当に、だいすきだから。そんな気持ちを精一杯伝えると、ゆたかは 「ふふっ、そうだね。じゃあ、お返しにその書で、 みなみ風かよふ嵯峨野のもみぢ葉も甘く色づくきさなみの舞 ――って、ちょっと恥ずかしいかな」 「これ、その……!!?」 「えへへ、本当はもっといい紙が良かったんだけどね」 私とゆたかを暗示した、意地悪な三十一字。 それは、声よりずっと心に響く――けれど、同時に何より心を苛む、世界一幸せな歌だった。
「うぅ、そんなに見られるとやっぱり恥ずかしいよ、即興だし、推敲とかもしてないし、それに……」 「でも、凄く素敵。私には……」 「だいじょうぶだよ、みなみちゃんなら、練習すればすぐ詠めるようになるよ」 「えーと……私は今泣いていい、泣いていいんスよね?」 即興で綴られた歌を、寝待の月に照らしながらの会話。 ゆたかと語らう時間が少しでも長く続いて欲しい、そんな悪あがきだ。 けれど、やっぱり……。 「それに今のは、その、みな……」 「っ、ゆーちゃ」 「ゆたかっ」 本人が自覚するより早く、ゆたかの体が僅かにかしぐのを見て、慌ててその背を支える。 もうすぐ子の刻。体の弱いゆたかが身を起こ続けるには、辛い時間だ。 「辛いなら、ちゃんと言わないと」 「そんな、私はだいじょうぶだよ」 笑顔を作って平気を装ってくる。 でも、辺りを照らしていた火がすっかり衰えて、もう橙の光が炭の上を這うだけになっていても、 ゆたかが重くなった目蓋を擦りながら、一生懸命強がっているのがわかる。 「無理しないで」 「そうっスよ、たまには休んでも……」 「ううん、明日も明後日も、こうやって逢いたい。今日だって、みなみちゃんが良ければ……?」 頑張って笑顔を作るわがままゆたかの頭を、さわさわ撫でてあげる。 「ひゃふっ、みな……」 「それなら尚更、無理したら駄目」 私だってもっと話していたいけれど、そろそろ切り上げないと色々と大変になってくるし、 何よりゆたかの体に障る。 季節ももうすぐ冬。無理されて倒れられたりなんかしたら、一晩二晩逢えなくなるより辛いから。 「もう、そんな子供扱いしなくたって……」 くすぐったそうに目を閉じて、むくれてくる。でも、その『ありがとう』に溢れた瞳を見れば、 互いの気持ちがちゃんと伝わっているのがわかる。 「そろそろ、行くから」 幸せに甘えたい気持ちを押し込めて、ゆたかから離れる。 「大丈夫、私も……明日も明後日も、ゆたかと逢いたいから。ちゃんと、来るから」 「うん、絶対だよ?」 言葉の代わりに、ゆたかの小さな手をきゅっと温める。 契りの言葉一つ交わす間さえ、そばにいたい。 「今日は本当に、これで……ひより、後はお願いね」 「そうっスね、ゆーちゃんも早く休まないと駄目っスよ? ……じゃあ、みなりんは『いつもの』で」 「うん……また、明日」 温もりが、冷えた指先に伝わった頃。絡めた指を解いて、ゆたかに背を向ける。 すると。 「あ、待って」 くいっ、と、袖を引かれて、立ち止まる。 振り返ると、廂(ひさし)からめいいっぱい手を伸ばして、 「みなみちゃん、これ……」 「ありがとう、後で、きっと…………」 最後の最後に、ゆたかから『忘れ物』を受け取って、 私はまた、ひよりが透垣(すいがい:竹でできた垣根)に仕込んだ『抜け道』から、束の間の夢に 別れを告げる。 でも…… ひよりと御堂で別れた後。 ゆたかとひよりには悪いけれど、私にはまだ、しないといけないことがあった。
幕間 ―― 瞬きするほど長い季節が来て ―― 「みなみは……」 「ええ、きっとまた、遅くなるわね」 桂川を遡っていった先にある、茅野原の片隅。隙間だらけの壁に、古びた苫(とま)が被さって いるだけの粗末な庵で、二人は目を閉じたまま言葉をかわしています。 一人は、齢三十半ばの精悍な男性。引き締まった筋肉に刻まれた幾つもの傷が、 過去の激しい戦歴を物語っています。 そしてもう一人は、男よりもう少し若く見える女性。 このような荒地でどんなに苦労を重ねてきたのでしょう。 髪はほつれ、肌も日焼けと土に汚れていますが、袖さえない粗末な麻の衣で、 ぼろぼろの筵(むしろ)に横になる姿にさえ、気品めいたものが感じられる美人です。 「明日、何かあるんですか?」 「舞の稽古つけて、都に薬草と蔓細工を売りに出て……それくらいだな」 「いつも通りですね。舞の依頼も、相変わらず?」 「ああ、あいつの『お出かけ』以外さっぱりだ。幸か不幸か知らねえけどよ。 けどほんと、毎日毎日どこに通ってんだか」 苦笑いをする彼に、彼女は困ったような、切ない息を漏らします。 「もしかして、心当たりあるのか?」 「ええ……多分、私達にとって、一番辛い場所」 「それって……あいつ!?」 遥か遠い世界に呼びかけるような呟きに、彼が『あること』を察したのでしょう。 仰向けになっていた体を飛び起きるように寝返りさせて、彼女の肩を揺さぶりかけて…… そこで慣性に逆らって、強制的に手を止めます。 「そんなに気を使わなくても大丈夫なのに」 「うるせぇ」 肩に触れる寸前で止まっていた指先に微笑んでから、そっと視線を合わせます。 夫婦というより、むしろ幼馴染を見つめる視線。 ですが、外を再び草木のざわめきが通り過ぎていったのを切欠に、彼女はふと視線を逸らして、 青褪めた月が照らす草原の方へ、体を起こしました。 「でも、お前……いいのか?」 同じように身を起こした彼への沈黙は、肯定。 背中を向けているので、その表情は分かりません。ですが、顔を覗き込むまでもなく、 その身に凛と纏った空気が、嘘偽りのない感情を伝えています。 「あなたは、やっぱり迷っていますか?」 暫くの静寂を乱して、また風が吹き抜けた後。 「私も、本当は迷ってる。もし決めてしまえば、あなたに辛い思いをさせてしまう。恩を仇で返して しまう。それでもやっぱり、私は我が侭で……あなたと私を引き換えでも、みなみに幸せに なって欲しい。もうすぐ巡ってくる、紅葉の季節に」 その四肢を庇うように、静かに立ち上がると、そのまま月光の下に歩み出ます。 まるで、満天の星に舞を奉納する姫君のように。 「本当に、いいのか?それがどんなに……」 「私なら大丈夫。後は、あなたの赦しだけ」 「っ……」 苦々しい言葉は、歯軋りにかき消されて。 それでも思わず伸ばした指先もまた、殺し切れない感情に震えています。 彼は知っていました。 彼女のしようとしていることが、どれほど危険で、分不相応なものか。 彼女のしようとしていることが、どれほど自分を、二人を苛むものか。
彼女を守りたいなら、無理にでも止めた方がいい。 ほんの五、六歩駆け出して袖に触れれば、まだその決意を鈍らせることができるかも知れない。 ……でも、彼は分かっていました。 ほんとうに彼女を愛しているのなら、それは決してしてはいけないと。 「初めは、止めようかとも思った。釣り合わない恋なんて、きっと不幸になるだけだから。 でも、あなたも気付いているでしょう」 傍の尾花を扇代わりに折り取って、ふわりと腕を振るいます。 神楽とも雅楽とも違う、切ない詩歌の朗誦始めにたびたび見せる、彼女特有の型。 今の彼女には振るべき袖もありません。 舞を引き立てる衣装もなく、冷たい風に晒された腕は小さく軋んでいて……それなのに、 『構えを取る』、ただそれだけの動作さえ、着飾った貴族をも圧倒する存在感を放っています。 「みなみは立派に育ったわ。舞だって、もう私よりずっと上手。 だから、後は一人前になったお祝いに、あの子が幸せになる道を作ってあげたい―― 今までずっと、不幸だった分まで」 「それは……」 それは、本当に『幸せ』への道なのか。 お前は散々見てきた筈だろう、雅な世界の裏側も、絶対的な身分の壁も。 けれど、そんな叫びを捻じ伏せる彼を、痛いほど理解しているからこそ、彼女は全てを悟った 表情で、静かに振り向きました。 「私は、大丈夫ですよ」 月明かりの中、風を受けてひらめく楓のように。 葛葉色をした前髪の奥で、群青の空を硝子に透かしたような、澄んだ瞳を煌かせて。 「くたびれた手足でも、それくらいはこなすのが親です。後は、あなたが私を信じてくれさえすれば、 迷うことなく舞います」 穏やかで、気高い微笑み。 隠居していた貴族はおろか、同業者や夜盗達からさえ慕われた、凄腕の白拍子。 沢山の想いを背負って舞い続けた彼女の、散り際の花に似た情緒がそこにはありました。 ――だから。 「ったく、そりゃ反則だろ。そんな目でそこまで言われたら、もう頷くしかねえじゃねえか」 傷ついて欲しくないわがままを捨てて、彼も心を決めました。 折れることのない彼女に、最上級の敬意としての、呆れ果てた苦笑いで。 「ありがとう……では遠慮なく、好き勝手させて貰っちゃいますね?」 「ああ、俺のことは心配しないで、思い切りやってくれ、いわさき」 「はい、いわおさん」 春の風に桃李花の開くる日、秋の露に梧桐葉落つる時、 西宮の南苑秋草多く、落葉階に滿ちて紅ひ掃はず――。 秋と冬との狭間の夜、 世界で二人だけしか知らない、切ない恋の朗詠が続きます。 舞い手は、いわさき。 恋を知った娘のために、願いを込めた白い花。 聴き手は、いわお。 恋をしている人のために、花を支え、花と共に朽ちることを厭わぬ枝。 暫くの間休んでいた夜風が、川下の方へ、ざぁっと吹き過ぎていきました。 扇代わりの綿尾花から、仄かに煌く種を巻き上げて、 小倉山の麓――小早川の邸の方へと。
300 :
21-260 :2008/09/19(金) 23:14:21 ID:OvZeK/pP
本編3レス+幕間2レス、『葵の上』という単語を見て発作的に投下。
なんか所々、時代考証的に怪しいのも忘れて、勢いで書き込んでしまいました(笑)。
しかし、今更ながら、
素晴らしい和歌を即興で当たり前のように詠んでいた貴族って、まじですごいですね。
自分もこっそり和歌作りに挑戦してみましたが、くちゃくちゃ難しい(汗)
>>274 ぐあっ、こここれはなんというパティみな!!
こんなの目の当たりにしたら、ひよりんならずとも耐えられない!!
しかし恥らうみなみちゃんはいつでもかわいすぎる!!もうめちゃGJでした!!
>>291 み、みゆきさん!?
というか都市伝説以上に私も登り棒や机の角の話がきになりだばだば
>>274 これはレアな組み合わせですなw
長身なのに凸凹コンビ…萌えましたw
パティは誰が相手でもペース握りそうですな。
ひよりん全部見てたんかいwwww
>>291 とりあえずみゆきさんいろんな意味で自重してくださいもう本当俺の腹筋がやばいことになりましたからwww
そういえば鼻血みゆきさん久し振りに見たような希ガスwwww
>>300 なんとも綺麗な雰囲気で進んでく話に引き込まれてしまった…
とにかくみんなまとめてGJ!
>>291 読んでてすごい楽しかったw
みゆき自重しなさすぎです。
こなフェチの人もそうですが、みゆきを超人にする人の作品は
なぜこうもおもしろいのか。
>>300 みなみの両親を出すとは挑戦的な作品ですね。
みやびな雰囲気がGJです
SSというか小ネタ投下します。1レス分。 タイトルは『自重できない少女たち』とでも。 こなたの場合。 「新刊が発売で店舗ごとの特典が…… アニメイト、ゲーマーズ、マグマニ……とらのあなまであるんだ。 一番欲しいのはアニメイトかな。いやでもゲマズのも捨てがたいし でもやっぱりこっちにも欲しくなるし……」 つかさの場合。 「もう起きなきゃ……でもあと5分……」 かがみの場合。 「もう間食は控えないと本格的にヤバいわね…… でもつかさがせっかく作ってくれたんだし……」 ひよりの場合。 「お泊り会のときにもし私がいなかったら小早川さんと岩崎さんは 二人きりで夜を……やめろ私ー!」 以上、自重できない少女たち。 ななこの場合。 「あーやっと今週も終わりやな。 帰りにコンビニ寄ってビール買って……2本でええよな」 この人は自重する気がありません。
305 :
3-283 :2008/09/21(日) 00:33:50 ID:9ubOpsIt
もっと練りこめば話を広げられたかもしれませんが 軽く終わらせるのが丁度いいネタかなと思いまして。 ここから私事に関する独り言なのですが、 自作『ピンクなみゆきさん 〜みゆきさんは本当はこんなことを考えている〜 』の 6巻バージョンを作ろうと思っているものの、なかなかネタが出てこずに 難航しております。 だって、6巻ってみゆきさんの出番が少な……おや、こんな時間に誰か来たようだ
みゆきの場合 §いつもの 「『自重』とは、本来、自らを重んじたり、品性を保ったりすることのようですね、 もう一つ、言動を謹んで軽はずみなことをしないというのが皆さんがご存知の方の意味ですね。 現在においては、調子付いた方、落ち着きのない方を牽制するために 使うことが多いようです。とりわけ、ネットで用いられるのは大概この意味のようですね」 §ここでのw 「今日の泉さんは一段とかがみさんにべったりですね 非常に愛らしくていじらしくて萌えますねだばだば 今日のかがみさんはそんな泉さんに一段と辟易されてますね その困りようがツンデレにさらに磨きをかけてますねだばだば 今日のつかささんは、いえ今日に限らず 無条件で年中無休で萌えますねだばだば」 みさおの場合 「う〜〜ひぃらぎのやつ〜ちびっこにまたあんなにべたつかれても 抵抗一つしないんだZE・・・あたしがそれやったら、確実に振り払われるんだろな・・・ ぅゆ〜〜〜差別だぁ〜〜〜格差だぁぁぁああ;;」 あやのの場合 §いつもの 「ああ、またみさちゃん、嫉妬に泣いてるわ・・・ 今日はどうやって慰めてあげようかしら、そうだ、取って置きのケーキでも・・・」 §ここでのw 「みさちゃんの嫉妬姿、いつ見ても、濡れるわね・・・ 今日はどうやって慰めてあげようかしら、そうだ、ケーキに媚薬をしこんで・・・」
>>305 「今年はすごいらしいですね〜(私のこなたさんに対する気持ちが」
あぁ・・・花粉と一緒にこなたさんの中に入ってしまいたいですハァハァ
こうですかわかりません><
みゆきさんはいろいろな意味でかわいいから困るw
PS2の「…いじわる」はやばかった
311 :
23-49 :2008/09/22(月) 08:08:17 ID:Wz6ru0F8
どうもです 前回予告しましたとおり、『メドレーリレー・バースデー』までの続き、おおよそ四ヶ月ぶりになりますが、 再開させていただきます 被りがないようでしたら五分後ぐらいから ・こなた→かがみ ・エロ無し ・オリキャラ要素あり ・9レス使用 ・全6回を予定 ・過去作を読んでいることが前提な不親切設計
「それじゃ、こなた」 「ん」 放課後。 私の知る限りで最高の笑顔を浮かべながら片手をあげるかがみに、曖昧にうなずいて返す。 上手く笑えている自信はない。 けど、かがみに不審そうな様子は一切ないから、特に不自然な顔もしていないのだろう。 それとも私がどんな顔をしていようが、もうお構いなしなのか。 「私、今日もあの子と帰るから」 あの子。 誰のことかというと、例のラブレターの差出人だ。そしてかがみの“カレシ”。 結局付き合うことになったらしい。 どんな人かは知らない。「あの子」ってことは、下級生なのかな。 どうでもいい。 興味がないといえばウソになるけど、知りたくないといえばウソにはならない。 本当だ。 知りたくもない。 知ってなんかやるもんか。 「じゃあね」 私に背を向けながら軽く手を振って、かがみが去っていく。 「かがみ」 反射的に呼び止めた。 「……なに?」 イヤそうな、迷惑そうな顔。 水を差された顔。 それでも、ちゃんと立ち止まって振り向いてくれるんだね。優しいね、かがみは。 「……また、明日ね」 「ああ、うん。また明日」 私の声の未練がましい響きに気付いているのかいないのか、おざなりな相槌と軽やかな足音を 残して、今度こそかがみは去っていった。 そこに、声がした。 「――いいの? 泉ちゃん」 背後。 振り返る。 どうしてこの人がここにいるのか。 「峰岸さん……なんで……」 「なんでって、何が?」 だけど疑問に対して返ってきたのは、不思議そうな顔。何の裏も計算もなさそうな、疑問符。 ……そっか。ここ、C組だったっけ。道理でつかさやみゆきさんがいないわけだ。 みさきちはどうしたんだろう。 部活かな? ま、なんでもいいや。 「ごめん。なんでもない。ってゆーか、いいのって、何が?」 「もちろん、柊ちゃんのことよ」 「かがみが、なに?」 「行かせちゃっていいの?」 ……何を言ってるんだろうこの人は。 「いいに決まってるじゃん。ってか、行かせない理由がむしろないよ」 「嘘」 「――」 「行かせたくないんでしょう?」 「……」 そんなことを、どうして笑顔で言えるんだろう。 やっぱり、凄い人だ。 怖い人だ。
「そりゃ――ま、正直、そうだけど」 「だったら」 「でもかがみの気持ちとか、無視するわけにいかないし」 「無理することないのに」 「無理なんか……してない」 「嘘」 「嘘じゃない!」 怒鳴った。 思わず、怒鳴ってしまった。峰岸さんが首をすくめる。 「……ごめん」 「ううん、いいの」 だけどこっちが声を落とすと、またにっこりと、笑顔。 つくづく、読めない。 「……確かに、嘘かもね。うん、少しは無理して強がってると思う」 半ば諦めの気持ちで、ちょっと開き直ってみる。 っていうと、ちょっと違うかな。 なんていうか――本当に、なんていったらいいのか。そういう計算とかなしに、この人相手だと 本音が出しやすい。操られちゃってるのかな。別にいいけど。 「でも、やっぱりワガママは言えないよ」 「どうして?」 どうしてって…… そりゃ確かに、今さらだけどさ。私とかがみとの間でそんな遠慮なんて。 でも私は反省したんだよ。 「だってそんなの、私一人だけの勝手な都合だもん。だけど――」 「向こうは、柊ちゃんとそのお相手、二人分の都合?」 先回りされた。 わかってるなら、言わせないで欲しいな。 「……そうゆうこと。私だってちゃんと考えてるんだよ」 「そっか。それが泉ちゃんの主義だったわね」 ん? ……ああ、そういえばそんなこと言ったっけ。 どの口がって感じだよね。自分のことしか考えてないくせに。 「じゃ、私ももう帰るから」 そろそろ苦痛になってきた。背を向ける。 そして扉に向かいかけた私の耳に、 「――でもね、泉ちゃん」 声が届いた。 振り返る。 「ちゃんと考えて、最善の選択をして……」 表情は見えない。 「……それだけじゃ足りないときもあるんだよ?」 影が落ちたような、のっぺらぼうの顔。 「言葉にして伝えるべきことを」 それなのに、声だけが。 「伝えるべき相手に」 深い。 深いところから、一気に突き上げてくるような。 「手遅れになる前に」 声が。 まるで脳の奥から発せられているように。 響いて。 「あなたは、言えるのかしら……?」 弾けて。 次の瞬間、私の意識は急激な浮遊感に襲われて、消えた。
☆ 冷気。 最初に感じたのは、何かの冷たい感覚だった。 風になでられたのだとなんとなく理解して、窓が開けっ放しになっているんだなと、ぼんやりと思う。 「……う?」 そんなとりとめもない、けれど比較的ハッキリと文章化された思考をきっかけに、意識が急激に 醒めていく。 目が、覚めた。 「あぁ……」 寝ちゃってたのか、と。口の中で呟きながら身を起こす。 寝ぼけまなこに真っ先に飛び込んできたのは、ほの暗いオレンジに染め上げられた椅子と机。 深緑色に照らされた黒板。視線を転じると、開け放たれた一枚のガラス窓と、吹き込む風に たなびく日焼け色のカーテン。 そして呆れるぐらいに透明な朱色をした、きれいなきれいな夕焼け空。 放課後の教室の風景だ。 記憶を探ってみると、六時間目の途中辺途切れてしまっている。また寝落ちしてしまったらしい。 ということは、今のは夢か。 なんだかヘンな夢だったな。 よく憶えてないけど、確か峰岸さんが出てきて……なんか、いろいろイジワルを言われたような。 あれが私の中の彼女のイメージなんだろうか。だとしたら、相当酷い気がする。 ってゆーか…… 「……あれ?」 不意に気付いた。 誰もいない。 椅子に座ったまま、上体を捻って前後左右を確認する。 するとやっぱり誰もいない。なぜだかすぐ隣の席に誰かのカバンが一つだけ放置されているのと、 遠くから吹奏楽部のラッパの音が聞こえてくること以外には、人の痕跡は見つけられなかった。 どうやらみんな帰ってしまったらしい。 「……なんで?」 いや、なんでも何も。放課後だからなんだろうけど。 でも、それにしたって、起こしてくれてもいいのに。他のクラスメイトはともかく、つかさとみゆきさん までいないなんて。何か怒らせるようなことしたっけかな? ……いや。それはない。 考えかけて、首を振る。 うん。それはないよ。仮に何かで機嫌を損ねちゃったんだとしても、それで私を置き去りにして帰る ような陰湿さなんて、あの二人にはないはずだ。 ない、と思う。 ……ない、よね? むぅ、なんか確信できないな。昨日あんなことがあったばかりだから。 やっぱりもうちょっとよく考えてみよう。 今日、九月十七日の月曜日は、その朝は、夕べ寝つけなかったせいで寝坊しそうになった。 ってゆーかした。 いつもより一時間近く遅い時間になってようやくお父さんに起こされて、朝ごはんは断念して顔だけ 洗ってそのまま家を飛び出した。 ちなみにゆーちゃんは普段どおりの時間に、先に出発したらしい。 まぁ、巻き添えで遅刻させるわけにはいかないからそれでいいんだけどね。 で、微妙に人通りの少ない通学路をひた走り、電車とバスを乗り継いで、どうにかギリギリで遅刻 することなく学校に着くことができた。 その代わりってゆーか、空腹と疲労もあって一時間目の記憶はきれいサッパリ無いんだけど。 マァいつものコトか。 ともかく、それから休み時間になってようやくつかさとみゆきさん、二人に挨拶をした、と。 そのときの二人の様子は……どんなだったかな。
んと……とりあえずおかしなところはなかったと思うけど……うん。 少なくとも目に見えて明らかな異変とかはなかった。次とその次の休み時間も、たぶん同じ。 私の方も、別に変な話とかはしなかった。 っていっても二人には絶対通じないようなオタネタを飛ばしたり軽くからかったりはしたけど、いつも やってるのと変わらないレベルだったはずだ。むしろいつもより抑え目だったかな。 昼休みのときも同じだった……けど。 そういえば、かがみがこっちに来なかったよね。 昼だけじゃなく、他の休み時間も。 だから――今日はまだ、一度もかがみと会っていない。 いや、一度も会わなかったって言うべきかな。もう帰っちゃっただろうし。 もしかしたら、初めてかも。 二人とも学校に来てるのに一度も顔を合わせなかったなんて。 例の、みさきちとの“かわりばんこ”になってたときもなんだかんだで会ってはいたのに。 もっとも、主に私の方から押しかけてたんだけど。 今日は何か用事があるとかつかさが言ってたけど……それってやっぱり、アレなのかなぁ。 返事。 ……ラブレター、の。 ――って、違う違う。 今はかがみじゃなくつかさとみゆきさんのことだってば。 でも……うん。やっぱり、何もない。 二人におかしなところはなかったし、私の方も怒らせるようなことは何もしなかった。少なくとも、 自覚できる範囲では。 だから――うん。 きっと二人とも、何か急ぎの用事があったんだ。そんで、私があまりにも気持ち良さそうに寝てた から起こすに起こせなくて、とか、そんな感じだ。たぶん。 ――でもね、泉ちゃん。 不意に。 そんな声が響いた。脳内で。 峰岸さんの、声だった。 ――ちゃんと考えて、最善の選択をして、 さっき夢の中で聞いた声だと、すぐに思い当たる。 それにしては妙に耳に残っている。夢の中のセリフが「耳に」ってのもおかしな話だけど。 本当にこの耳で直接聞いたみたいに、妙に鮮明に残ってる。 ――それだけじゃ足りないときもあるんだよ? これは、つまり。 いわゆる「夢のお告げ」というヤツなんだろうか。 ――言葉にして伝えるべきことを、 ――伝えるべき相手に、 ――手遅れになる前に、 やっぱり私はつかさとみゆきさんに何かをしてしまって。 そのことを謝らなければならないと、そういうことなんだろうか。 ――あなたは言えるのかしら……? でも。 何を、どっちに、いつまでに言えばいいんだろう。 さっぱり、わからない。 それとも、「わからない」ということを素直に告げればいいんだろうか。
……なるほど。 そっか、うん。きっとそうだね。 よし。 それで、必要だったら謝ろう。うん。それがいい。それでいい。 そうと決まれば。 でもまぁ、とりあえずは明日だ。いつまでもここでこうしてても仕方がないし、今日はもう帰ろう。 席を立つ。 まずは先に窓を閉めて、鍵を掛ける。まったく誰だろね、開けっぱにしてるのは。 意味もなくぼやきつつ、なんとなく外を眺める。 「……」 夕日って、こんなに赤かったっけ? 空気が澄んでるのかな。――いや、確か夕焼けの赤は赤外線以外のアレが空気中のチリとかに 乱反射して散っちゃうからそう見えるって仕組みだったはずだから、逆だよね。 ある程度濁ってたほうが赤く見える、と。 なんか……ヤだな、それって。 「――いやいやいや」 首を振る。 勢いで舞い上がった髪が肩に首に絡んでくる。 「……もぉ……」 ときどき――そう、ほんのときどきだけど、この髪をうっとうしく思ってしまうことがある。 雨の日とか、風で目や口に入ってきたときとか。 まぁ、お母さんの形見みたいなモンだから短くしようとは思わないんだけど。やっかいだね。 ため息を吐きつつ、解いて降ろした。 なにやってんだか。 なに考えてんだか。 やっぱヘンだ、私。テンションがおかしい。 ダメだな。こういうときはさっさと帰って二次元にダイブ! それに限る。 うん。 自分の席にとって返す。机のフックに引っ掛けてあるカバンを手にとって――そこで、ふと気付いた。 隣の机。 その上に、ぽつんと置かれた誰かのカバン。 そういえばこれ、誰のなんだろう。 この席の子のじゃないよね。 学校指定のカバンなんだからみんなおんなじなんだけど、毎日見てるからそれぐらいはわかる。 ってゆーか彼女のにはストラップやらキーホルダーやらがじゃらじゃら付いてるから、一目で。 でも、これには何も付いてない。 目立った傷とかもなくて、持ち主を特定できそうな要素は何もない。 それなのに。 「……かがみ?」 そんな声が、私の口を衝いて出た。 ……。 ……。 いや、なんで? そんなわけないじゃん。なんでそうなるのさ。かがみのカバンがここにあるわけないよ。 そりゃ言われてみれば――って、言ったの自分だけど――そんなような気がしないでもないけど。 でも。 違うよ。 だって。 そんなわけないじゃん。そうだよ。かがみのカバンがここにあるわけがない。あるはずがないんだ。 って、なんでこんな必死に否定してるんだろ、私。 ヘンだな、やっぱり。なんか混乱してる。別にかがみのだっていいじゃん。 「……駄目だよ」
……。 ……。 うん。 ダメだよ。それはダメだ。そんなのは――そんな可能性は、考えちゃダメだ。 期待しちゃダメだ。 もしこれがかがみのだったとしたら、どうなる? つまりどういうことになる? それは、例えば―― かがみは、ここに来た。 そして、私の隣の席に、カバンを置いた。 寝ている私を起こそうともせず――あるいは起こそうとしたけど、失敗して諦めて。 つかさとみゆきさんを先に帰して。私が起きるのを一人で待つことにして。 だけどなかなか起きないから、ラノベでも読んで時間を潰して。それにも飽きて。 ちょっとトイレとかに行きたくなって、だからカバンを置いたまま席を外した。 ――ああ、なんか今、凄くリアルに想像できた。 うん。そういうことになっちゃうよね。もしこれがマンガやギャルゲだったらソレでFAだよね。 だとしたら物凄い勢いでネタバレなモノローグじゃん、私。さらにメタ発言のおまけつき。ダメじゃん。 でも、まぁ。 そんな心配はいらない。 だって、ほら。 ゆっくりと。 カバンに――“かがみのカバン”に、ゆっくりと手を伸ばす。 留め金に指先を乗せる。 ひんやりとした感触。 ほんの少しの力を込めて、押し込む。 カチリと、軽い手ごたえ。 留め金が外れた。 と、同時に―― “――ちょっと、なにやってんのよ。人のカバンに” 「……」 ほら、ね。 そんな声は響かない。私の脳内以外には。 だってこれはマンガでもギャルゲでもないから。二次元じゃなく三次元だから。 だからそんな“お約束”は、発生しない。 ため息をついて、留め金を元に戻す。 もうやめたんだよ、そういうのは。 二次元を棄てる気なんてさらさらないけど、そこで起こるような奇跡を現実に求めるのは。 もうやめたんだよ。 やめにしなきゃって、そう決めたんだよ。 かがみはツンデレじゃない。つかさは天然じゃないし、みゆきさんも萌え要素のかたまりじゃない。 そういう部分も少しはあるかも知れないけど、そんなひとことで片付けられるような存在じゃない。 三次元の、現実のこの世界で生きてる生身の人間なんだ。 それぞれの意思があって、考えがあって、好き嫌いとか都合とかもあって、ときには妥協もして。 そうやって、私なんかとは関係なく動いてるんだ。 だから、宿題がヤバいときに限って風邪で休んでたりとか。 別に用事もないのに寄り道に付き合ってくれなかったりとか。 カラオケで英語の曲を無理やり歌わせようとしたりとか。 寝ている私のことをほっぽいて先に帰っちゃったりとか。 知らないうちにカレシを作ってたり、とか。 そういうこともある……ってゆーか、それが当たり前なんだよ。 三次元は、現実は、そうなんだよ。
もちろん、だからといって付き合いをやめようなんて思わない。そんなことしたら、つかさなんかは たぶん泣いちゃうだろうし。そしたらかがみが黙ってないだろうし。 ただ、折り合いをつけるだけ。 そういうものなんだって認めて、丸ごと受け止める。寂しくなったら二次元に逃げる。 つまり、今までどおりだ。 ただ、そのことを今までよりもっとしっかりと自覚するだけ。 そして、ごくごくたまに、二次元みたいな奇跡を三次元でも見ることができたら、それでいい。 それだけで十分に幸せだ。 誰に迷惑をかけることもないしね。 「……うん」 帰ろ。 うん。いつまでも未練たらしくぐずぐずしてないで、さっさと帰ろう。 カバンの持ち手を握りなおして、教室の出入り口へと歩く。扉の取っ手に手をかけて―― ――ガラッ。 開いた。 開けた、じゃなくて、開いた。私はまだ手に力を込めていない。なのに勝手に。ひとりでに。 つまり。 外側から、開いた。 「――って、うわっ」 言っちゃなんだけど、間抜けな声をあげてその人物がのけぞる。 そりゃま、驚くよね。ドアを開けたらいきなり人が、なんて。 もちろん私も驚いた。とっさに声が出せないぐらいに。 「びっくりした……なんなんだよ、泉」 「いや……帰るとこだけど。セバスチャンこそなんでいるのさ」 「白石だよ。――ちょっと忘れ物をな」 言って、セバスチャン――もとい、白石君は、立ち尽くす私の脇を迷惑そうにすり抜けると、 そのまま机の群れへと分け入っていく。 やっぱり、ね。 あのカバンはかがみのじゃなかった。 ってゆーか忘れ物って。カバンを丸ごと忘れるって、どんだけですか。執事にあるまじき 間抜けっぷりだね。 苦笑いを噛み殺しつつ、きびすを返した私の視界の端で。 だけど彼は、カバンをスルーした。そして全然別の席へと辿り着き、中をあさり始めた。 ……え? ってゆーか、よく見たら彼は手にカバンを持っている。 あれ? 確かに彼の席はあのへんだった……ような気がしないでもないこともない、けど……あれ? 「――こなた」 「……」 教室と廊下の境界線上で、混乱しながら室内の方に首を向けていた私に。 背後から。 死角から。 聞きなれた、声がした。 振り返る。 陰の落ちた薄暗い廊下。 そこに佇むシルエット。 窓とドアの隙間をすり抜けた夕陽を受けて、不思議な色合いで揺れるのは、特徴的なツイン・テール。 柊かがみが、そこにいた。
「……かがみ?」 何かと見間違えたかと思った。 だけど見間違えるわけがなかった。 「……なんで起きてんのよ、あんたは」 ぼやくような声。見下ろしてくる、呆れたような目。 その口調も、眼差しも、間違いなく、紛れもなくかがみのものだ。 でも。 「なんでいるの?」 「いちゃ悪いのかよ。――あんたを待ってたんでしょうが。起きるのを」 待……ってた? 私を? 「なんで?」 「なんでって……ってゆーか、どうしたの? ひょっとして寝ぼけてるの?」 言いながら一歩近づいて、かがみが私の顔を覗き込む。 「え、いや……」 目が逸らせない。 寝ぼけてる。そうかも知れない。むしろまだ寝てるのかも知れない。 夢をみているのかも、知れない。 手を伸ばす。 かがみの手に。 そして、掴んだ。 掴めた。 温かい。 「ちょ……何よ」 訝しむ声。 戸惑った顔。 だけど振り払おうとはしない。 ――ガラリ。 そんな音がした。 驚いて掴んでいた手を離す。そして見ると――忘れ物の回収を終えたのだろう。私たちが塞いで しまっているのと反対側のドアを抜けて、白石君が教室を出て行くところだった。 「……」
「ねぇ」 それを呆然と見送る私に、再度の呼びかけ。 半ば自動的に向き直ると、かがみがまっすぐに私を見下ろしていた。 それは真剣な眼差し。 敵意はない。 冷たさもない。 だけど友好的な色も、またなかった。 「あんた、これから時間ある?」 「え……あ、うん」 今日は月曜日。ゴールデンタイムにアニメはない。 いや、仮にあったとしてもうなずいていただろう。有無を言わせぬ雰囲気だったから。 「そう。よかった」 かがみが私の脇を抜け、教室に足を踏み入れる。 その姿を追った目に、飛び込んできたのは。 朱い、 朱い。 朱い夕日の、差し込む教室。 その中に佇む、ツインテールのシルエット。 ……そのときの私の気持ちを、どう表現すればいいだろう。 「ちょっと話したいことがあるのよ」 浮遊感。 高揚感。 或いは――既視感。 どれも当てはまるような気もするし、どれも外れているような気がする。 ただ一つ言えるのは、おかしな、だけどはっきりと形をもった認識が頭に浮かんでいたということ。 「私とあんたと、一対一で」 ああ、ここなのか、と。 「二人っきりでね」 ここが最終ステージなのか、と。
321 :
23-49 :2008/09/22(月) 08:25:01 ID:Wz6ru0F8
以上です ありがとうございました 正確には赤外線じゃなくて「可視光線の中の赤い部分」ですが、まあ面倒くさかったので
うーん、凄すぎる。夕焼けの情景に不安を誘われたり、 こなたのリアルな友人への思いにはっとさせられたりと、 なんか読んでいて背筋が伸びる気がします。続きも超期待。
>>321 情景描写の素晴らしさは言わずもがな
この気弱なこなたが可愛くて仕方ない
続きも待っています
>>321 おかえりなさい !
そして相変わらずの上手さに惜しみないGJ !
こなたのかがみへの想いが徐々に変化していく様にキュンキュンきましたw
最後に、貴方の書かれる黒あやのはいつ見てもすばらしい !
325 :
36-273 :2008/09/23(火) 11:20:06 ID:QUwNoh6w
こんな良作の後で、まことに恐れ多いのですが、自作が完成いたしましたので、投稿いたします。 以前に投稿しました「明けき白光」の続きです ・かがみ&みゆき ・エロ無し ・10レス前後 誰もいらっしゃなければ、五分後に投下いたします
326 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:25:37 ID:QUwNoh6w
「それでねー、このストラップを買うのに物凄ーく並んだんだよー。もう、それで疲れちゃってね」 「まあ、そうなんですか。でも、苦労した甲斐あってか、とっても可愛らしいストラップですね。それに、つかささんにとても良くお似合いです」 「えへへ、そうかな……。あ、そうそう。ゆきちゃんの分もあるから、あげるねー。ゆきちゃんにも似合うと思うよ」 「まあ、ありがとうございます。大切にしますね」 私の後ろからは、さっきから楽しそうな会話が聞こえている。話が途切れることはなく、ずーっと話は弾んでいるようだ。……つかさとみゆきは、いつもこんな風に仲が良かったっけ? ……いや、考えてみれば、こんな会話は何てことない友人同士の会話だ。それだというのに、私は何で苛立っているんだ? どうも、今日の私、いや最近の私は心中穏やかではない。一体、どうしたことだろう。大学受験という問題が、目の前に迫りつつあることを考えると、精神面が乱れるのはどう考えてもよくない。ただでさえ体重のことで悩んでいるというのに、本当に神様は意地悪ね……。 さて、今、私たちは何をしているかというと、秋葉原駅から徒歩五分ほどのところにあるそば屋さんの順番待ちをしている。このそば屋は、昨日、こなたに紹介されたお店で、結構おいしいらしい。 というわけで、いつもの仲良し四人組でこのそば屋さんに来た……というわけなんだけど、何だかつかさとみゆきが楽しげで、何故かいらいらしている私なのであった。はあ、と大きく溜息も出てしまう。 こうなったのも、一週間前のせいかもしれない。 一週間前、こなたとつかさが風邪で休んだので、私は学校ではみゆきと二人きりだった。あの日は色々と思い出に残ることがあったけど、長いのでそれは割愛。そしてその後に、私はみゆきと二人で、こなたとつかさのお見舞いをしていたのだ。 問題は、そのつかさを見舞ってから、みゆきが帰った後のこと。帰るみゆきを見送ってから、私はもう一度、つかさの顔を見に行った。すると、つかさはこんなことを言い出した。 「……今日のお姉ちゃん、何だかうれしそうだね。何かあったの?」 「え? そ、そうかしら。特に何もなかったと思うけど……」 当然、嘘だ。何もなかったといえば嘘になる。だけど、あれは……私と、みゆきだけの秘密。そうしておいたほうがいいと思った。 しかし、少し私の様子がおかしいことに気付いたのか、 「でも、今日の二人は、いつもより妙に仲がいいよね。絶対、何かあったでしょ」 眉をひそめて、つかさは言った。何だか詰問されている感じだ。 「……いや、だからね、別に何もないわよ?」 「そう……? なら、いいんだけど……」 「そうよ、そうよ。それより、つかさは早く風邪を治しちゃいなさい。いい?」 私がそう聞くと、こくんとつかさは黙って頷いた。 私はそれにほっとして、つかさの部屋を出た。ところが、 「……負けないんだから」 ……出る直前に、私はそんな声を聞いた気がした。あくまでも、気がした、っていう程度だけど。もしかしたら、つかさの妙な態度に苛立ったせいで聞こえた私の幻聴かもしれない。でも、今となっては、真実は藪の中だ。 でも、そんなことがあったからか、私の心はそれからずっともやもやとしていた。このやりきれない思いは何なんだろう。何故、私は心にわだかまりを抱えているのだろう。考えてもますますわからなくなるだけだった。 そんな風に曇りゆく私の心とは裏腹に、今日の東京の空は憎いくらいに晴れ渡っていた。そして、つかさとみゆきは、未だに楽しそうに会話をしている。両々相まって、ますます私のイライラは募っていった。 「かがみー」 「……ん、何?」 横にいるこなたが話しかけてきた。 「どうかしたのー? なんか変だけど……。何か悩んでいるの?」 その言葉に、私は一気に心臓が跳ね上がるような衝撃を覚えた。こなたに様子がおかしいと咎められたということは、イライラが何らかの形で外に出てしまっているということだ。その事実が、私を動揺させた。 それでも、何とか悟られぬよう、顔と声だけは何とか平静に保ち、慎重に私は答える。 「別に……何でもないわよ」 「ふーん、そうー? だったらいいんだけどね……」 その答えだけで、こなたは納得してしまったようで、それきり私を問い詰めることはなかった。いや、私に何かわけがあると見込んで、聞くのを遠慮しただけかもしれない。こういうときのこなたの勘が、妙に鋭いしね……。 全く、今日は一体どうなるのだろう。私は、とても不安だった。今日一日を楽しく過ごせるのだろうか……と。
327 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:26:35 ID:QUwNoh6w
―――結論から言うと、それは杞憂だった。この後、私たちはそば屋さんでそばを食べた後、休日の東京で興じたわけだが、それはえも言われぬくらい楽しいものになった。 秋葉原でいつもどおりのノリで暴走するこなたとか、ウインドウショッピングを楽しむはずが、ファンシーショップに目を輝かせたつかさが衝動買いしてしまったりとか、豆知識やら受験やら学校行事やらと、話題の提供に事欠かないみゆきとか。 客観的に見れば、あまりにも普通過ぎる女子高生の休日。しかし、その日常が、私にはとても楽しかった。 こんな楽しい日々がいつまでも続けばいい――。そうは思っても、いずれ別れの時は来る。そのことは、一週間前に認識していることだ。そして、こんな言葉もある。青春の特権といえば、一言も以ってすれば無知の特権であろう。……これは三島由紀夫の言葉だ。 ああ、その通りだ。全く、無知であることは、何故こんなに楽しいんだろう! 無知とはある意味、純粋さでもある。そう、私たちは、社会のことを何一つ知らなくともいい。純粋に、自分の欲求に従い、ただ青春を謳歌していればいい。それが青春なのだ。 今になって私は、何故三島があんな事件を起こして死んだかも分かる気がする。つまり、三島は失われた青春を取り戻そうとしたのだ。だからこそ、「法治国家」という社会に対抗して、自らの欲求の赴くままに、あんな事件を起こした。 そして自分の願いが叶わないことを知って、それに絶望して死を選んだ―――。 この三島のように、知らないことは幸せで、真実を知ることは、残酷だ。そして、そのことを、私はこの翌朝に実感することとなる。 ――― 明くる日の月曜日、私はつかさと一緒に、電車に揺られていた。 糟日部は、我が町鷹宮から約20分。もうそろそろ着くだろう。ふっと、右を見てみれば、つかさがつり革につかまりながら、目をつぶり、うとうとと首を揺らして、まどろんでいた。立ちながら寝るとは何とも器用な奴ね……。 おまけに、目の前に座っているおばさんにくすくすと笑われている。全くもう。だらしのない。 「つかさー。起きなさい。もう少しで駅よー」 「うーん、あと五分だけー……」 どうも、つかさは、五分寝たらどれだけ時間をロスしてしまうことになるか考えたことがないらしい。せめて、高校生のうちに、この悪い癖は治してもらわないと……。精神的には成長したつかさも、何故か生活習慣だけはからきしダメで、姉としては、ほとほと心配だ。 『ご乗車ありがとうございました。まもなく、糟日部、糟日部です。野田線ご利用のお客様はお乗換えです。お忘れ物ございませんようお気をつけ下さい。この電車は、区間急行浅草行きです。糟日部の次は、てんげん台に止まります。途中の二ノ割、竹里には止まりません』 そして、とうとうつかさが起きないうちに、電車はスピードを落とし始めてしまった。やがて、電車は完全に停車し、ドアが開くと同時に、どっと人が降りていく。 さすがに、つかさを置いていくわけにはいかないので、私は、つかさの片腕を掴んで強引に一緒に下車させることにした。 「う、うわぁっ……。お、お姉ちゃーん? な、何が起こっているのー?」 程なくして、つかさがこの上なく驚いた声を出した。まあ、驚くのも無理はないわよね。まどろんでいたところに、腕を掴まれて、あまつさえ歩かされているんだから。でも、この混雑では振り返るのも面倒なので、前を向きながら私は訳を話すことにする。 「あのままじゃ、あんた、寝過ごしちゃいそうだったから、降りさせただけよ。ともかく、早く目を覚ましなさい」 「ん……ふぁ〜い……」 ……ちっとも信用できないぞ。 そんなことを思いながら、改札を抜け、駅を出る。そこで、ようやく、私はつかさから腕を放した。 いつもと何ら変わりない駅前。天気は快晴。一週間の始まりとしては、幸先がいい、清々しい朝だ。澄み切った空を朝に見ると、何だか晴れがましい気持ちになる。だから、今日の私の心は、空と同じ、快晴だった。 「気持ちのいい朝ねー」 天を仰ぎながら、私は言った。 「あはは、そだね。今日もいいことあるといいねー」 つかさもようやく、寝ぼけ眼から復活したようで、愛嬌笑いをしながら、そんなことを言った。 そんな朝の会話をしながら、バス乗り場に近づいていくと、見知った影がバスを待っていた。やがて、その影は私たちに気付き、 「あら? おはようございます、かがみさん、つかささん」 丁寧にもゆるりとお辞儀をしながら、挨拶をした。
328 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:27:37 ID:QUwNoh6w
「お、みゆき、おはよー」 「おはよう、ゆきちゃーん」 「朝会うのは珍しいわね。どうしたの?」 手を振ってみゆきに挨拶をするのもそこそこに、私はそんなことを聞いてみた。確か、みゆきはいつもは一本早いバスに乗っているはずだったからだ。 みゆきは、はにかんで、 「お恥ずかしながら、今日は、少し寝坊しまして。いつもより遅い電車になってしまいました。でも、そのおかげでお二人と会えたのですから、不幸中の幸い、かもしれませんね」 そんなことを言った。どことなく落ち着きがあるその話し方とたたずまいは、見るものも落ち着かせる。忙しい朝には、みゆきは丁度良い存在なのかもしれない。 「へえ、ゆきちゃんって今よりもっと早く起きてるんだ。私にはできそうにないなあ」 「つかさだって、もう少し早く起きれるでしょー」 「えへへ、ゴメンね。そのせいで、いつもお姉ちゃんを待たせているよね」 「まあね。あまり早く来すぎてもなんだからさ」 そんな他愛無い姉妹の会話を、みゆきはニコニコとしながら聞いていた。しかし、私の言葉で何かを思い立ったのか、ああ、とみゆきは声を出し、 「そういえば、泉さんはご一緒じゃないんですか?」 と聞いた。 「ん、そういえばいないわね。ま、どうせ、ゲームやりすぎて寝坊した、とかそんなくだらない理由でしょ」 「遅刻されないとよろしいのですが……」 みゆきは不安げな顔をして言った。 でもまあ、たまにぐらい遅刻しないと、あいつはいつまでも生活習慣を改めようとしないでしょ。たまにはいい薬よ。 そんなことをみゆきに言おうかと思った私だったが、どうやら「噂をすれば影がさす」という諺は正しいようだった。 「みんなー! ごめん、ごめーん!」 その声に振り向くと、青髪の女子高生がこちらに向かって走ってくるのが見えた。自然と私の口からは溜息が出る。こんなことを言うのは奴しかいない。 やがて、その女子高生は、私たちの前で止まり、ぜいぜいと肩で息をして、 「いやー、間に合った、間に合ったー」 額の汗を腕でぬぐった。 私は呆れた面持ちで、こなたを注意する。 「間に合ったは間に合ったけど、もう少し余裕を持ちなさいよ」 「そんなこと言ったってねえ、私は寝てないんだ!」 「ネタが古い」 わざと、刺々しく聞こえるような声を私は出したが、こなたはそれを無視し、 「いやー、私ってボキャ貧だからさー」 「……冷めたピザみたいなギャグね」 「んー、ブッチホンを馬鹿にするなー」 ……だから、ネタが古いっての。 助けを求めるように、私が困ったような顔をして振り返ると、つかさとみゆきはくすくすと笑っていた。 「みゆきさんは、ブッチホンって覚えてるー?」 「いいえ、記憶にございませんね」 ……みゆき。みゆきまで、そんな昭和脳に付き合わなくていいのよ。付け上がるだけなんだから。 「恥ずかしながら帰ってまいりましたー」 つかさはつかさで、変なことをのたまってるし。はあ……。私たちって、本当に十代よね……? 一応、1900年代後半生まれのはずなのに、どうして、こうも昭和の流行語が出てくるんだ……? そんな私の疑問をよそに、時間は過ぎていき、やがてバスが到着した。到着と同時に、生徒が流れ込む。 私たちもそれに続いてバスに入ったけど、四人固まって座れる状況ではなかったので、私はつかさと、こなたはみゆきと隣がけで座ることになった。私たちが着席してから程なくして、バスも出発する。
329 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:28:34 ID:QUwNoh6w
「ふう。今日もようやく動き出したわね」 後ろへと流れ行く糟日部の景色を眺めながら、私はつかさに話しかけた。 「そだね。そういえば、今日調理実習あるけど、お姉ちゃん、大丈夫?」 「う、き、聞かないでよ。……全くもう。双子なのに、どうしてこういう技能は似ないのかしらねえ」 「うーん、完全に同じだったら、それは双子じゃなくてクローンだもん。似ているけど、少し違う。それが双子じゃないかな……。それでも、私とお姉ちゃんはとっても似ていると思うけどね」 「そう? こなたには、あまり似てないって言われたけど。顔とか髪以外に何かある?」 「……え。う、うーんと例えばね……」 何故かつかさは、そこで言いよどんだ。視線をあちらこちらに移し、どこかつかさの様子は挙動不審だった。 そんなに言いづらいことなのか……? そんな言いづらい特徴など、身に覚えはないはずなんだが。 「例えば? どうしたのよ?」 埒が明かないので、私の方から言葉を促してやる。 その言葉にようやく決心したのか、つかさは辺りをきょろきょろと見回し、周りをはばかるような様子で、私の耳にそっと口を寄せて、こう囁いた。 「例えば……ゆきちゃんが好きだってこと」 その瞬間、私の身体を電撃が迸ったような、そんな衝撃が走った。正直言えば、このときの私は、まだ少し眠気があった。しかし、その眠気も今や完全に吹き飛んでしまった。私は、驚きの声さえ上げられず、ただつかさの顔を見つめるだけだった。 そして、当のつかさはというと、私の反応がよほど予想外だったらしく、驚きの表情を浮かべて、私の顔を覗き込んだ。 「まさか、とぼけるつもりじゃないよね?」 つかさの質問が、どこか刺々しく聞こえるのは、私の錯覚だろうか。 「いや、とぼけるも何も……」 私は答えようもなく、俯いて言いよどむ。 急に好きだって言われても……そんな自覚はなかった。いや、みゆきを嫌いなつもりなんて微塵もない。好きか嫌いかで問われたら、好きに決まってる。そうだ、私にあの高良みゆきを嫌う理由なんて何もない。 誰にだって優しく、聖人君子、成績優秀の高良みゆきを嫌う理由なんて、どこにもない。いるのは、成績などの劣等感から、一方的に妬む奴くらいだ。というか、いたら、私が許さない。 ただ、ここでつかさが聞いているのは、どう考えても友愛の感情で好きかを問うているのではない。明らかに、恋愛感情で好きかを聞いている。それで好きかと聞かれれば、私は何故か即答できなかった。 私が黙っていると、 「だって、最近、二人とも妙に仲がいいんだもん。一週間前の二人も、何だか恋人みたいだったよ?」 「ちょ、ちょっと待ってよ。そりゃあ、確かにみゆきのことは好きだけど、別にそんな目で見てるわけじゃ……」 「本当? 本当に断言できる?」 「つ、つかさはどうなのよ。好きなの?」 矢継ぎ早に浴びせられる質問に私は耐え切れず、私は話題を転換させた。 「……うん。多分、好きなんだと、思う。一緒にいて楽しくて。ずっとそばにいたいと思えて。相手のことをもっと知りたくなって……。これって、好きってことだよね……?」 「……そう……だと思うけど」 それは、好きなのには違いないだろう。ただ、どうなんだろう。恋愛感情なのか、友情の延長線にあるものなのか、それが私には、いまひとつ分からない。定義が曖昧模糊としている以上、断定は出来ない。 だから、私の答えは自然と曖昧なものになってしまっていた。 「女の子を好きになることって……おかしいことかな?」 真っ直ぐに私を見つめ、つかさはそんなことを言った。その瞳には、確固たる意思が感じられた。たとえ、ここで私が質問を拒否したとしても、つかさは自分の意思を貫き通すだろう。だから、私は、弱々しげな答えしか出せなかった。 「いや……そんなことないわよ……」 私は、そんなつかさの顔を見るのに耐え切れず、窓の外へと視線を移しながら答えた。 しかし実際、彼ら、彼女らはただマイノリティな指向を持っているだけで、何人たりともそれを拒否することはできないのだ。できたとしたら、それは差別であって、憲法違反に値する。弁護士志望の私にとっては、許せない話だ。 でも、ただそうだとしても。憲法は国家、公務員を縛るものであって、国民は縛られない。結局のところ、同性を好きになったら、待っている先は不幸だけなんじゃないかと、私は思った。しかし、そんなことをつかさに言えるはずがなかった。
330 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:29:27 ID:QUwNoh6w
「じゃあ、お姉ちゃんはどうするの?」 「……え?」 予想外の質問に、私は慌ててつかさに視線を移す。相変わらず強い意志を持った青紫色の瞳が、私を見つめていた。 「お姉ちゃんは、自分の想いを、どうするの?」 もはや黙るしかなかった。 私は、みゆきのことを恋愛感情で好きなのだろうか? そんなこと考えたことがない。だから、それすら分からない以上、今答えるべき回答などなかった。 視線に困り、私はみゆきの方を一瞥した。私から見て、右斜め前の席に座り、みゆきはこなたと楽しそうに話していた。それを見て、また私の心が曇りだし、何故だか胸が痛んだ。 そんな進退窮まった中、私の頭にふと浮かんできたのは、あの三島由紀夫だった。前に言ったとおり三島は、一回青春を失っている。だからこそ、あんな事件を起こした。 三島は何故青春を失ってしまったのだろう? 彼は、青春時代に、仮面を被って生きていた可能性がある。だからこそ、三島は大っぴらに青春を謳歌することが出来なかったんじゃないか、それが私の考えだった。 では、三島は何のために仮面を被っていたんだろう? その答えは「仮面の告白」など数々の著作からうかがい知ることが出来る。彼は、大きい秘密を持っていた。だから、仮面を被らざるを得なかった。 すなわち、三島由紀夫は、同性愛者だったのだ。 ――― 時は過ぎ、放課後になった。今日は二者面談があったのだが、今はちょうど二者面談を終わったところで、私は生徒指導室の前で窓越しに空を眺めていた。気がつけば、日は、既に空を赤く染め、窓を通して廊下を赤く照らしている。意外にも二者面談が長引いてしまったようだ。 さっさと帰るか、と思ったとき、今日が委員会の日だということを思い出す。確か、桜庭先生が今朝にそう言っていた。ってことは、みゆきはまだいるのか、なんてことを思い、私の足は自然と、学級委員会が行われている三年A組へ向いていた。 歩いていると、自然と今朝のことが思い出された。そして、思い出さなくてもいいのに、つかさの言葉が勝手に頭の中で再生される。 『例えば……ゆきちゃんが好きだってこと』 『多分……好きなんだと思う』 『お姉ちゃんは、自分の思いをどうするの?』 私はもう一度、これらの言葉を反芻した。どうも、つかさは本気らしい。いや、それだけならまだいい。問題は、つかさの質問の矛先が私に向けられたことだ。私は、つかさの質問に何一つ明確に答えられず、曖昧模糊な回答に終始してしまった。 実際、どうにも答えられないというのは正直な気持ちだ。だって、他に何を言えばよかったというの? あのときの私、いや今の私だって、明確な答えを私は持ち合わせていない。 気がつけば、私は3年A組前に着いていた。案の定、A組ではまだ委員会が行われていて、今は担当の先生が総括しているようだった。私はそこで首を振って、考えるのをやめた。いつまでも後ろ向きに考えても仕方ない。それに、考えることはいつでも出来るんだしね。 「ま、というわけで、勉学に良く励んでくださいー。では、陵桜学園高等部第三学年学級委員会を閉会しますー。学年委員長、号令ー」 「起立、礼」 「ありがとうございました」 号令の途端に、わらわらと教室内が騒がしくなる。そして、程なくしてぞろぞろと生徒が教室から出てきた。 その中に、みゆきもいた。隣には、B組の副委員長を従えて、何か二言三言言葉を交わしていたようだった。多分、委員会について話しているんだろう。やがて、会話も終わり、副委員長が帰宅の途につくと、みゆきはこちらに気付いた。 「あ、かがみさん。もしかして、待っておられましたか」 「うん、二者面談で遅くなったから、一緒に帰ろうと思ってね」 「ええ、是非。……ですが、まだ次のスクールバスには早い時間ですね」 その言葉に、私は腕時計を見てみる。確かに、次のスクールバスまでには四十分ほど、余裕があった。
331 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:30:55 ID:QUwNoh6w
「どうでしょう、屋上で風でも浴びませんか?」 「ああ、いいわね。何だか気持ちよさそうだし」 「ふふ、では参りましょうか」 そのまま、私たちは他愛無い会話をしながら屋上へと向かった。二人分の足音と声が、廊下に響いては消えていく。放課後の学校は、人が少ない。おかげで、廊下を貸しきってしまったような感覚に襲われ、他人を気にすることなく、私たちは会話を楽しんでいた。 幸いにも、まだ屋上への立入規制はかかっておらず、私たちは容易に屋上へ上がれた。ひとたび、空の下へ出ると、私たちを夕日影が迎えた。子供の頃、夕日が出るまで遊びに明け暮れた当時の光景がまざまざと目に浮かぶ。これをノスタルジーというのだろうか。 そうでなくとも、沈みつつある夕陽に赤く染め上げられた糟日部の景色はまさに絶景だった。一日のうち、町が赤く染め上げられるのは、ほんのわずかな時間でしかなく、すぐに闇が街を覆ってしまう。それだけに、夕日の景色というのは、儚く、とても切ない。 しかし、だからこそ、私たちはその一瞬の景色に見とれてしまうのだろう。一生のうちで何回見れるか分からない最も美しい景色。それに魅せられてしまう人間こそ、人間という存在は何とも儚く切ないのだろうと思う。 しかし、目の前に掲げられた夕焼けの街は、やはりどう考えても美しく、私たちを魅了させてしまう。 「……綺麗ですね」 その美しさに引き込まれて、放心状態にあった私たちの沈黙を破ったのは、みゆきの言葉だった。確かに、綺麗、としか言いようがない。 「そうね……。何だか、映画のワンシーンみたいだけど、これも、ただの日常の景色の一つに過ぎないのよね」 「事実は小説より奇なり、という言葉があります。ちょっと意識してみれば、ただのありふれた光景も、結構新鮮に見えるものですよ。私たちは、日常の中にこそ非日常を見いだす存在ですからね」 「なるほどね。ただのありふれた光景……か。それでも、そのありふれた光景は一日一日、少しずつ変わっていったわよね。でも、私はその変化に暫く気付けないことばっかりだったわ……」 脳裏を、こなた、つかさ、そしてみゆきの顔が掠める。日々の日常の中から、三人とも大きく精神的に成長していることを、私は感じ取っていた。しかし、その成長する過程を私は見ていなかったのだ。 「……You were not afraid when spring became summer, or when summer became fall. Changes are natural.」 「え?」 ふと呟いたみゆきの英文に、私は対応できず、間抜けな声を漏らしてしまう。 みゆきは、私のその様子に苦笑いして、 「あなたは春が夏になり、夏が秋になったとき、怖がらなかった。変化というものは自然なものなのです……という意味です。アメリカの教育学者、レオ・ブスカーリアの「葉っぱのフレディ」という本にあった文です」 「……いい言葉ね」 「ええ、私も好きです。ドストエフスキーは、人間を「全てに慣れ得るもの」と定義しました。それを証明したのが、このブスカーリアの言葉かもしれません。もっとも、この言葉は葉っぱに対しての言葉なんですけどね」 その言葉に、もう一度、つかさの顔が思い浮かばれる。明らかに、つかさの心は変化している。そして、私も。何だか分からないけど、一週間前を境に何かが変わってしまった。しかし、その変化も自然と慣れてしまうものなのかもしれない……。 何だか怖い。変化というものは、結局慣れえてしまう。どんなに生まれた綻びも、時が経てばそれに順応してしまうわけだ。もしかしたら、綻びに気付かず、その綻びを正常と受け取ってしまうことがあるかもしれない。 それは、とても恐ろしいことだ。それとも、知らないことは幸せ、なのだろうか。 「何か、お悩みですか?」 「……えっ?」 その言葉に、私は、目の前にいるみゆきの顔に、こなたの顔が重なって見えた。昨日そば屋前でも同じことをこなたに聞かれたからだ。あのときのこなたも、今のみゆきも、二人とも顔を曇らせていた。 「その……顔が曇っているように見えましたので。……何だか、一週間前と何だか同じような顔をしていました」 その言葉に、私の頭を一週間前の記憶が駆け巡った。ライトノベルで盛り上がった会話。膝枕をさせてもらって、下から見上げたみゆきの顔。ポカポカと屋上を照らしていた太陽と青空。それら全てが、脳裏を掠めていった。 考えてみれば、あれからたったの一週間しか経っていない。それなのに、私には遠い昔のように思えた。……まあ、色々あったってわけよね。
332 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:31:48 ID:QUwNoh6w
「……少し、疲れてるのかもしれないわね」 それは、あながち嘘でもない。疲れているのは本当のことだ。 「それは、確かにそうも見えます。ですが、本当に原因は疲労だけですか?」 私は、うつむき、そして黙ってしまった。本当のことを言っていいものか。いや、言えるわけがない。何せ、目の前にいるのは“当事者”なんだから。 「かがみさん?」 黙る私を心配したのか、ひょいっと、みゆきに顔を覗き込まれた。 目の前にみゆきの顔がある。その瞳は、二年前、初めて会ったときと同じで、とても綺麗で、そしてらんらんと輝いていた。それは、どんな闇にとらわれても決して、輝きをやめることがない、そんな輝きに見えた。 そして、いつしか、みゆきの顔に見とれていることに気付き、慌てて私はみゆきから目をそらした。それでも、みゆきの輝いた瞳は、脳裏に焼き付き、忘れてはくれなかった。 結局、私は意を決し、少しぼかして話すことにした。 正確に言えば、みゆきの瞳の輝き、その裏に隠された意志の強さに負けたのだ。思えば、今までみゆきに愚痴を漏らしてきたのも、無意識にこの瞳に魅せられてきたからかもしれない。 そして、もう一つの理由として、あの瞳は、今朝のつかさと相通じるものがあったようにも思えたのもある。 私は話した。私はある人に、何やら言葉で言い表せない感情を抱いていると。しかし、それが恋慕か、単なる憧れか、さっぱり分からないと。……ただ、つかさのことは言わなかった。こればかりは、とても言える気にならなかった。いや、言うことが私の中で許せなかった。 私が話し出すと、みゆきは最初、驚いたような目をした。でも、すぐ顔を引き締め、また一週間前と同じように、黙って目を瞑りながら私の話を聞いていた。やがて話し終わると、みゆきは慎重に言葉を選ぶように、ゆっくりと話し出した。 「……そのようなことは、いずれ、あるかもしれない、と思っていました。ただ、そういう人が現れるのは、何となくつかささんが最初のような気がしておりまして。かがみさんが最初とは、少し意外でした」 「まだ決まったわけじゃないわ。それを見極める為に、みゆきにも話したんだから」 「そうでしたね、すみません。でも、何はともあれ、その人を……好意的に見ていることは確かなのでしょう?」 その質問に即答は出来なかった。でも、確かに「好き」なことは間違いない。それは、偽りのない私の本心だ。 「確かに……その通りよ。でも、仮にその人に恋愛感情を抱いているとしても、本当にその人のことを好きになっていいものか、とも思っているのよ。恋は……罪悪だって言うしね」 「恋は罪悪……? ああ、夏目漱石ですか」 こなたやつかさならクエスチョンマークを浮かべるような示唆にも、ちゃんとみゆきは答えられる事に私は感心した。……まあ、教科書に出ている小説なんだから、クエスチョンマークを浮かべられては、かなり困ることなんだけど。 ともかく、夏目漱石が発表した作品の中に「こころ」というものがある。これには、「先生」という登場人物が登場し、彼は作中で「恋は罪悪」というセリフを残す。彼は、親友が思いを寄せる相手を知っておきながら、その相手と結婚してしまう。 結果、親友は自殺し、「先生」も罪悪感にさいなまれてしまい、「先生」も自殺してしまうという、少し後味の悪いものだ。これは乃木希典将軍の殉死に影響されて書いたといわれる。 「恋は罪悪、なんて言わないでください。人が人を好きになって何が悪いんです? どうして逃げようとするんですか? それは……お相手の方にも失礼というものですよ」 そう話すみゆきの顔は、口元こそ笑みをたたえていたが、目だけは真剣で、心の中まで射込まれるような視線だった。しかし、その“お相手”が目の前にいるなんて、言えるわけもなく。私はまた黙ってしまった。 すると、みゆきはすっと目じりを下げて、 「まだ、お気持ちも整理がつかないでしょう。ですが、決して逃げないで下さい。そして一人でふさぎこまないで下さい。困ったときは、私が、ついてますから。こんな私でもお役に立てられるなら、立ちたいと、思いますから」 「……ありがとう」 そんなみゆきの気持ちをとてもありがたいと思ってから、急に申し訳ない気持ちで一杯になった。思えば、一週間前もこうしてみゆきに甘えてしまって、今も甘えてしまっている。そして、更にこれからも甘えていいという。 ややもすれば、私たちはみゆきに頼りがちだ。それなのに、何も考えずに、その恩恵だけを享受して、全然みゆきに何もしてあげていない。本当に、みゆきは聖人君子なのだ。 「……みゆきは、どうして……どうして、そんなに人のために頑張れるの?」 それはふとした私の疑問だった。
333 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:32:21 ID:QUwNoh6w
「え?」 「だって、いつも私たちが、みゆきに迷惑ばかりかけて。それなのに、私たちは何もしてあげられていないじゃない」 「いいんですよ」 「だって、そんな……」 反論しようとすると、みゆきは口に指を立てて、しーっ、と言った。仕方なく、反論をやめる。 そしてみゆきは悪戯っぽく微笑むと、 「私は皆さんのお役に立てればそれでいいのです。かがみさんやつかささん、それに泉さんは、私のような人と友人になってくださいました。これは、それに対する罪滅ぼしをしているだけなのです」 「罪滅ぼしって……何を……」 物騒な言葉に私は、途端に反論を加える。しかし、みゆきはまたも私の言葉を遮った。 「ちょっと、今から独り言を言いますね。あくまでも独り言だから、聞き流して結構です」 そういわれると、聞きたくなる。でも、わざわざ言うことだから、あまり楽しそうな話じゃなさそうだ。 みゆきは、フェンスのそばまで近づき、夕日を見つめながら話し始める。 「私は昔から、何かと他の方々に頼られる質(たち)でした。同級生の皆さんに、頼られ、慕われる、そんな存在でした。しかし、それはあくまで委員長としてであって、友人としてみてくれる人はほとんどいませんでした。 それでも、クラスの委員長、という事実だけが私にとっての人との接点でした。私が「委員長」という記号である限り、私は他の方々とのつながりが出来ます。そうでしか、私は友人というものを作れなかったのです。ただ、本当の友人と思える人は出来ませんでした。しかし、」 そこでみゆきは言葉を切る。私は黙って、その横顔を眺めながら、話を聞いていた。今思えば、このとき私は、みゆきを睨みつけていたのかもしれない。 みゆきの顔は、どこか寂しそうだった。視線もどこかぼんやりとしていて、焦点が定まっていない。西日に照らされたみゆきは、全身が紗をかけたように烟り、実体か幻影かを曖昧にしていた。勿論、私の錯覚であるだろうけど。 正直言ってしまえば、親友のこんな顔は見たくないし、こんな話だって聞いてられなかった。でも、逃げ出すわけにはいかなかった。みゆきが私たちにいつも何かしてくれたのと同じように、今は私が何かしてあげるべきなのだ。 やがて、みゆきは、再びゆっくりと話し出す。 「かがみさんは、私と本当の友人のように接してくださいました。それは、泉さんとつかささんにしても同じことが言えます。かがみさんたちと会えて、私は本当に救われたのです。毎日が本当に楽しく送れるようになったのです。 ですから……私は、量りきれない罪を被ったのです。泉さん、かがみさん、つかささん、お三方には無理を強いてしまいました。皆さん、本当にいい方ですのに、私なんかのダメ人間に……無理に付き合わせてしまいました」 それは、みゆきが今まで隠してきた真情だった。みゆきは今まで、人知れず、ずっと耐えながら苦しんできたのだ。それでも、たとえその事実があったことを差し引いたとしても――その言葉は聞き捨てならなく、私の頭の中では何かが切れた。 「違う!」 私の大声とともに、パシン、という乾いた音が屋上に響いた。気付けば、私はみゆきの頬を平手でひっぱたいていた。自分でもこんなことが出来たのかと、正直言って驚いてしまう。 みゆきは、叩かれた頬を押さえて、目をパチパチさせていた。信じられないというような目だ。そして、あの意志の強さは瞳から消えていた。 私は臆することなく、言葉をたたきつける。そうでもしないと、心の収まりがつかなかったのだ。 「違うわ、みゆき。私もつかさもこなたも、みんな、みゆきを本当の友達、親友だと思っている。それを……どうして、わかってあげられないの?」 「っ……」 みゆきの顔が少し引き攣る。でも、構ってられるか。このままじゃ、みゆきは自分をいつまでも卑下したままだ。 みゆきを救う為には、少し厳しいことも言ってあげないといけない。いつまでも、親友に迎合したままでは、親友の為にならない。正しい道に進む為には、厳しいことも言ってあげないといけない。それが、親友たる私の務めだ。 「みんな、みゆきのことを親友だと思っているの。みゆきに頼りたいこともあるし、頼られたいこともあるの。少なくとも、私はみゆきを含めて、みんなを信頼しているわ。でも、みゆきは私たちの事を信頼していないの?」 「それは……」
334 :
明けき夕影 :2008/09/23(火) 11:33:25 ID:QUwNoh6w
「それなのに、それなのに、私たちは無理を強いられている? 冗談じゃないわよ! 私は、今まで一度たりとも無理を強いて、みゆきと付き合ってきたんじゃない! ただ、心のそこからみゆきを尊敬して、そしていつまでも友達でいたい、そう思っているだけなのに!」 「……」 「今だって、一人でうじうじと悩んでいて……。私たちって、そんなに信頼できないわけ!? もっと……私たちを頼りなさいよっ……!」 私は、そこまで言って、みゆきを抱きしめた。無我夢中だった。ちっぽけな自分に出来ること、それを探したとき、私に思いついたのはこれしかなかった。 みゆきの身体は柔らかく、そして温かかった。制服越しに伝わる体温が、みゆきはここにいるということを実感させ、私は心底安心する。 「あ……あはは……」 腕の中で、みゆきは乾いた笑いを出した。 「……みゆき?」 「すみません……御迷惑をおかけして……これこそ、私の罪だったんですね……。一人で勝手に考え込んで、親友を頼らないなんて……最低です。本当の私の罪は……親友に頼りきれなかったこと……」 「……いいのよ。分かれば、ね」 その瞬間、急に罪悪感が私を襲った。 本当のことを言えば、最低なのは私のほうだ。親友の痛みにもまったく気付けず、何が親友なのか。苦しんでいるのを分かっているのにひっぱたくなんて、何が親友なのか。そう考えれば、さっきまで私がみゆきに説いていた言葉も、何たる偽善か。 本当は、私は、私なんかの方が……みゆきの親友を名乗る資格がない。それなのに、みゆきは許してくれた。その優しさが、私にとっては、甘くほろ苦かった。いっそのこと、罵倒し返されたほうが、私にとっては救われたかもしれない。 それなのに、みゆきは、本当に優しかった。 「ふふっ……。相変わらず、ツンデレ、ですね。でも、でも……そんな友達想いで、とっても優しいかがみさんが、私は大好きですよ」 顔を上げて、みゆきはそういい、笑みを作った。その瞳には、またあの輝きが戻っていた。 その言葉は、本当に本心からだったんだろう。だけど、私の心にはその言葉が深く突き刺さった。みゆきに、大好きだといわれて、とても心が痛かった。 親友である資格さえないのに、自分のことを棚に上げて、みゆきをしかっている自分。その光景は、想像しただけで、ひどく滑稽なものだった。 私は、バスで問われたつかさの問いへの答えを持ち合わせていなかった。そして今も、みゆきの謝辞に対する答えを持ち合わせていない。 親友の苦しみに気付けなかったばかりか、その親友をひっぱたき、あまつさえその親友の想いにもさっぱり応えられない。今の私は、世界一の最低な奴だった。 気付けば、私の頬を涙が伝っていた。そうだ、私は泣いていた。こちらは、励ましている側だというのに、それなのに、私は泣いていた。みゆきは、ひどくやつれた表情をしながらも笑っているのに。私は、笑えなかった。 みゆきは、強かった。心の弱さを克服し、その壁を上れる強さがあった。でも、私にはそれがなかった。だから、今、笑うことが出来ず、そればかりか、涙まで流している。私は、みゆきよりずっとずっと弱かった。 その証拠に、決して離すまいとがっしりと抱きしめているのは、みゆきじゃなくて私のほうだった。 どこか遠いところに行ってしまうような、そんなことを言うみゆきが、私は怖かった。だから、私はみゆきを放したくなかった。つまり、今、私がやっている事だって……私の、柊かがみの、わがまま。 自分だけじゃなく、親友であるみゆきまで騙している自分。そんな、弱い、とても弱い自分。そんな自分が嫌になった。 そんなときにあるというのに、今、私は自分の気持ちがはっきりと分かってしまった。私は、私は……みゆきを、放したくない。しかし、放さなければ放さないほど、私の心は痛んでいくのだ。 またあの三島由紀夫の言葉が思い出される。そう、無知はいいことだ。自分の気持ちなど、知ることなかった。苦しむくらいなら、こんな恋など、抱くべきじゃなかった……。 ―――気付けば、夕日は地平線上から消えていた。まもなく、闇が、糟日部の街を覆うことになるだろう。
335 :
36-273 :2008/09/23(火) 11:33:58 ID:QUwNoh6w
以上です。 何だか、暗めなお話になってしまいました。劇中のかがみの言葉を借りれば、まさしく「甘くほろ苦い」お話です。ですが、バッドエンドにすることだけは考えていませんので、念のため。次回で終われればいいなあと思います。 ただ、次回の話にエロパートを入れようか入れまいか、ずーっと悩んでいて……これが続きを書くに当たっての一番の障害となりそうです。 それと、今回は何故か昭和ネタが入っていたのですが……言うこなたもそうですが、それが分かるかがみも相当変です。 それでは、読んでくださった皆様、ありがとうございました。失礼致します。
>>335 夕暮れの屋上での情景、赤く染まる街と学校と二人が
自分の中にありありと浮かんできました。
そんな中で友情や恋という感情に真剣に向き合うかがみが
とても青春してて、やっぱり青春って良いよなぁと思ってしまいます。
そしてみゆきさん。
自分はらき☆すたキャラではみゆきさんが一番好きなんですが
キャラソンを聞いてからその思いがとても強いものになったことを思い出しました。
少し自虐的な歌詞に「そんなことない」と言ってあげたくなるような
そんなみゆきさんの心情が丁寧に描写されていて、とても良かったです。
後は「蕎麦屋」「昭和」のキーワードにもニヤリとw
やっぱり、あのキャラソンは良い物ですよね。
次回も期待しています。
素晴らしいSSをありがとうございました!
>>335 >>328 の「1900年代後半(1951〜2000)」は「1990年代後半(1995〜2000)」のことかなー……と思いつつ(失礼)、GJです!
甘酸っぱい青春、いいですねぇ……
"青春の喪失"と"同性愛"の象徴として三島由紀夫をもってくるあたり、さすがとしか言えません。
行動まで彼を真似しないといいんですがw
エロパートについては、無理に(あくまでも"無理に"、ですが)入れなくてもいいんじゃないかな、という気がします。
自然な流れとして突入するぶんには、大歓迎ですが。
あらためて、GJでした!
かがみの揺れる想いに、みゆきの葛藤。 まさに「そんなことないよ!」コールが聞こえてきそうなかがみゆGJ! 恋愛要素、青春要素にちょっとした文学要素を交えが小品、堪能いたしますた。 こなた「かがみめぇ・・・へんたいやら責めやらで散々人をおもちゃにしておいて・・・ 浮気とは不届き千万・・・いつそりゆうぐうへつれてつてやらふか・・・」 つかさ「おねえちゃんはゆきちゃんのとこにいったということは、 こなちゃんがフリー・・・ということは・・・ 今度こそこなちゃんは、私のものになるんだね・・・ 長い悲願・・・ようやく・・・ 今夜はバルサミコ酢プレイだよこなちゃん・・・」
>>338 かがみ「おいしいものも続けば飽きるっ!」
こなた「え、えぇぇっ!?」
つかさ「おねーちゃん、それはちょっとひどい……」
かがみ「みゆきに飽きたらつかさ!そのあとこなたに戻るわよっ♪」
こなた「……なんというジャイアン……」
差し支えなければ投下させていただきます。
341 :
42-115 :2008/09/23(火) 21:12:02 ID:vw9B4fFR
では。 「新手紙騒動 または名前騒動」 ・8レス ・エロなし ・オリキャラたくさん ・みなみ&ゆたか ・拙作「手紙騒動」との関連はなし。非戯曲。
ラブレターに想いを託し、相手を呼び出してから告白するというのは、「青作戦」および「ハイイロア オサギ作戦」が発動され、スターリングラードを目指して進撃を開始したドイツ軍B軍集団が、その手前 のカラーチのソ連軍陣地に対し、いわゆる「古典的な両翼包囲」で以て挑んだのと同じくらいまた古典的 である。 その後スターリングラードでドイツ軍が大失敗をやらかしたからといって、その古典的方法の有用性が 損なわれることにはならないだろうが、しかし彼の地を目指していたはずB軍集団が、気付いたらアマゾ ンに着いていましたなんてことになればどうだろう。 一大事である。大失敗である。そこに何か重大な誤謬があったということを認めざるをえないだろう。 場所はスターリングラードでもアマゾンでもなく埼玉だったが、みなみに渡された手紙は、要するにそ ういう性質のものだった。 「私に……??」 いつものようにゆたかと一緒の朝。昇降口で靴を脱ぐか否かという隙だらけの二人の前に、一人の女子 生徒が立ちはだかった。その手には封筒。差し出す先はみなみの腰の高さ。 「はい……」 女子生徒の顔は俯き気味で視線は手紙に固定されたままだったが、しかし体はかすかに震えている。 「……」 みなみはそれを無言で受け取ると、女子生徒はごまかし笑いみたいなものを浮かべる。 「あ、あのすみません。渡す前に聞いとくべきでしたけど……あの……彼氏は?」 ギョッとしてあげたみなみの顔が強張る。 「……いない」 「そ、そうですか。よかった……。いえ……あの、まあ、えーと……ははは」 そのようなことをわざわざ聞くということは。 「ラブ……レター?」 みなみが問うともなしに呟く。 「はい……」 女子生徒は顔を上げずに肯く。覚えはないが多分違う組の一年生だ。取り立てて大きな特徴もなく、強 いて言えばひどく平均的で、ひどく庶民的な印象を受けるといった具合だろうか。ゆたか同様小動物的な 印象だが、よりせわしなく動き回った挙句迷子になってしまいそうな感じだった。 「じゃあ、渡しましたからね」 彼女は踵を返し、脱兎のようにその場を離れようとする。ゆたかは、彼女のこの言い方に違和感を覚え たが、その理由はすぐに戻ってきた彼女自身によって説明された。 「あ……あの、それ、私からじゃないですからね」 みなみとゆたかは、驚いたように顔を上げて彼女を見た。
「そんな……そんなわけないじゃないですか」 彼女は顔を上げみなみの顔を見るが、すぐに俯いて「はわわわわ」と言いながらモジモジと体を揺らす。 ゆたかは心の中の「こなた語録」を開いた。そのページには、「ドジッ娘」という言葉が載っており、そ の時は目の前の存在を説明する辞書としての役割を果たした。 「二年の吉田先輩、知ってますか?」 みなみは首を横に振る。 「その、よよよよよ、吉田先輩からです……」 「はあ……」 みなみの声と表情に戸惑いの微成分が添加され、知らない人だということの表明となる。 「じゃあ」 彼女は再び踵を返し、今度こそ去った。視界から消えるまでの間に、激突しそうになったロビーの支柱 と観葉植物を辛くも回避し、助けるために駆け寄ろうとしたみなみの動作を二度とも空振りさせながら。。 彼女―手紙を届けたのだから、便宜上「ヘイ・ミス・ポストガール」とでも呼ぶとしよう―が見えなく なると、みなみは再び手にある封筒に目を落として見ていたが、すぐに間が持たなくなる。 「ゆたか……」 心霊スポット探索中に、不意に誰もいないはずの背後から肩を叩かれた人間のように、恐る恐るみなみ はゆたかの方を見遣った。 「え……あの……よかったね、みなみちゃん」 「ゆたか、顔色が……」 それこそ心霊スポットの住人のように血の気が引いた顔のゆたかが立っていた。威風堂々と屹立するの ではなく、どうにかこうにか立っていた。 「おめでとう。お幸せに……」 「そんな……まだ付き合うと決めたわけじゃないし、知らない人だから取り合えず会ってみて……ああ っ、ゆたか!!」 取り合えず会うと聞いた途端、ゆたかは崩れ落ちてしまった。 みなみに背負われ保健室へと運ばれる間、ゆたかの心は震えながら叫んでいた。 みなみちゃん、行かないで……。 「ゆたかちゃん、お漬物食べる?」 「いただきます」 つかさの申し出にゆたかは即答した。 「ゆたかちゃん、ミートボール食べる? さっき日下部に押し付けられたのなんだけど」 「いただきます」 かがみの申し出にもゆたかは即答した。 「小早川さん、卵焼きを召し上がりますか? ウナギが包ん―」 「いただきます」 例によってみゆきの申し出にも、ゆたかは即答した。 「ゆーちゃん、コロネ二つあるんだけど……」 「うん、もらう」 こなたの申し出にもいうまでもなく、である。
ゆたかは3−Bの教室に来て、こなた、かがみ、つかさ、みゆきと昼食を共にしていた。 ゆたかが保健室で目を覚ましたのは、昼休みが始まる寸前だったという。 「腹時計」という言葉が四人の脳裏に等しく浮かんだが、「はらど―」と言いかけたつかさの口をかが みが慌てて塞いだだけで事なきを得た。 ゆたかは事の次第を話しながら、持参した弁当をあっという間に平らげてしまい、見かねた(?)四人 の食糧援助の申し出を全て受け入れていた。 「ヤケ食い」という言葉が四人の脳裏に等しく浮かんだが、「ヤケg―」と言いかけたつかさの口をみ ゆきが慌てて塞いだだけで事なきを得た。 「その手紙は、昼休みにみなみさんを呼び出していたというのですね」 「そうみたいです……」 ウナギ入りの卵焼きを力いっぱい飲み込みながら、ゆたかは力なく肯く。教室に戻ったらみなみの姿は なく、ひよりたちはゆたかを迎えに行ったものだと思っていたらしい。ゆたかは弁当を手にみなみを追い かけようとしたが、どこに呼ばれたのかが分からず、途方に暮れてフラフラになっていたところを、飲み 物を買って戻ろうとしていた四人の保護されて3−Bの教室にやってきたというわけである。 疑問なのはゆたかは何故、みなみを追いかけるのに弁当が必要だったかである。四人の内つかさとみゆ きは、事が済んだ後、一緒に弁当を食べるみなみとゆたかを想像し、こなたとかがみは弁当まみれになっ た「吉田先輩」を想像したが、確証を得ることなく弁当はゆたかの腹に収まってしまった。 昼休みはもう道半ば。どんなに遅くとも、みなみはすでに吉田先輩とのご対面を果たしているだろう。 「……ッ」 ゆたかが小さく唸る。四人のそんな心中を読心したわけではなく、コロネが詰まりかけただけである。 緑茶のペットボトルを手にスタンバイしていたみゆきがすかさずそれを渡すと、ゆたかは一気に飲み干し てしまい、次に詰まらせたらどうしようかとみゆきをおろおろさせることになった。 「だ、大丈夫よ、ゆたかちゃん」 かがみが言う。 「みなみちゃん、きっと断るって」 「うんうん、かがみほど餓えてる感じじゃないもんね」 「ミートボールを食べ損ねたくらいで餓えたりしないわよ!」 「いや、そういう意味じゃ……」 下手な慰めが通用する状況ではない。現に今、ゆたかは三年生の教室という異郷に一人なのだ。その事 実を忘れるためとでもいうように、食べる、食べる……。
「その『吉田先輩』は、みなみさんとは面識がないのですよね?」 みゆきが尋ねる。 「そうみたいです……あ、ウナギもう一ついいですか」 「卵焼きですか? どうぞどうぞ。……となりますと、いきなりお付き合いというのはいかがなもので しょう。あまりに相手の事を知らな過ぎるとなると、二の足を踏むのが人情です」 「まず友達からですか?」 怯えるような目でゆたかが尋ねる。 「そ、お互いの友達も巻き込んでね」 自分の分のコロネの袋を開けながらこなたが言う。そこで何かに気付いたようだ。 「おお、そうか。ゆーちゃん」 「な、何?」 無駄に目を輝かせているこなたに、ゆたかは体を少し引く。 「『吉田先輩』の友達とのフラグが立ったね」 「え……ええっ??」 「その内ゆーちゃんも『吉田先輩』の友達に見初められて、大人の階段を上っていくんだよ、うん」 「あんたより先にか?」 かがみが意地悪顔で聞く。 「いやー、私にはもう嫁がいるんで」 こなたはかがみを抱き寄せた。 「いや、嫁というより保護者だし」 「ゆーちゃんにとってのみなみちゃんは、保護者というより飼い主かな。小動物チックだし」 「お、お姉ちゃん!」 「いやー、ごめんごめん。でも、ゆーちゃんはどうしたい?」 「どうって……それはみなみちゃんが決めることだし……。急に『吉田先輩』の友達とか出てきても… …」 「うーむ、そうかあ……。私は内心、可愛いゆーちゃんの為に告白イベントのジャックを決心していた んだけどなあ」 「ジャックって、何するつもりだったのよ?」 「んー、別の告白イベントをでっち上げてみようかな、とか。私と嫁で」 またもやかがみにまとわりつこうとするこなた。 「やめんかー」 「さて……」 がた いつもの調子こなただったが、いつもよりずっと早くコロネを食べ終えて立ち上がる。 「みなみちゃんを探しに行ってみようか」 がた がた 「そうですね。結果が気になります」 野次馬根性をも敢えて隠そうとしないみゆき。いや、一人っ子なりに姉の顔になっている。 「仕方ないわね」 本当に仕方なさげなかがみ。
「じゃあつかさ。片付けよろ」 「あ、みなみちゃんだ。おーい」 三人の出鼻はもとより何もかもを挫くつかさ。 「「「え゛」」」 つかさの視線を辿り出口に目を向けると、息を切らしたみなみが古代文明の秘宝を見つけた冒険者のよ うな顔で立っていた。 「ゆたか……ここだったんだ……」 少なくとも保健室と教室には足を運んことだろう。学食にも行ったかもしれない。 「みなみちゃん……」 みなみは教室を見渡し、「失礼します」と小声で頭を下げてから入ってきた。かがみが近くの椅子を引 き寄せて、みなみ用の席を作ってやる。その椅子はちょうど白石が座ろうとしていたもので、彼は尻餅は おろか「後頭部餅」までついてしまったのだが、誰も気にしなかった。むしろ気になったのは、みなみの 顔がひどく赤いということだ。それはゆたか探しに行脚したせいだろうし、でももし「吉田先輩」に言わ れたことが原因だとすると……? 「みなみちゃん……『吉田先輩』とは……?」 「会ってきた……」 「それで……?」 五人が固唾を呑んでみなみの答えを待つ。 それは白石に続いて五人分の「後頭部餅」がつかれてしまうほど驚くべきものであり、同じくらいの勢 いで拍子抜けするものだった。 「「「「「人違い!?」」」」」 「……ですか?」 こんな時でも丁寧なみゆきに、みなみは肯く。手紙には丁寧な字でご丁寧にも、やれ、 「天真爛漫な君の事が」 だとか 「元気すぎて危なっかしくって、見守っている内に守ってやりたくもなって」 だとか、 「身に覚えのないことが書かれていて……」 体育の時間でもこれほど発汗しないだろうというくらい大汗をかき、みなみは言った。みなみが天真爛 漫で元気すぎて危なっかしいというなら、判断基準がよほど変わっているか、目か頭かあるいはその両方 がおかしいのだろう。そう見える人間の方がよほど危なっかしい。もっとも、手紙の文面を見る限り、そ ういう人間かもしれないという匂いがしないでもないが……? 「確信はなかったのですが、多分人違いだと思って……」 ……呼び出された屋上に行ってみたら、案の定「吉田先輩」らしい人が待っていて、君は誰だ、何で俺 の出した手紙を持ってんだ、1−Eの南に渡すよう頼んだのにという話になったという。みなみが苗字で はなく名前を強調して自己紹介すると、「吉田先輩」は全てを悟ったようで、手紙を返したらすぐに屋上 を去ったという。
「そこから芽生える愛もあると思うけど」 とはこなたで、 「ギャルゲ脳自重」 とはかがみである。 みなみによると、保健室にも教室にも姿の見えないゆたか探す方がよほど大変で、弁当もまだ食べてな いという。 「みなみさん」 「はい」 「卵焼きはお好きですか?」 「え……はい」 みなみの答えを聞くと、みゆきはゆたかの方を見た。余分な箸などあるはずもないのでゆたかに食べさ せてもらうようにする、というのがみゆき一流の気の利かせ方だった。だがみなみは、残念ながらウナギ 入りの卵焼きを味わうことは出来なかった。 ゆたかの体が揺らぐ、傾ぐ……。 みなみが慌てて支える。ゆたかは腹を押さえ、青白い顔をしていた。 「食べすぎ」という言葉が四人の脳裏に等しく浮かんだが誰も口にせず、かがみとみゆきに手伝っても らってみなみはゆたかを背負う。本日二度目の保健室送り。 「みなみちゃん」 3−Bの教室を出ようとしたみなみを、つかさが呼び止める。 「よかったね」 青白い顔のゆたかを背負っての保健室行き。良い事など何もないはずであるが……。 「……はい」 みなみは肯いた。 隠して四人が残されて、食べ物が粗方なくなってしまった机に顎を乗せ、た●ぱんだみたいになったこ なたが呟く。 「なんかさー」 「んー」 まだ少し時間があるなと、本を取り出したかがみが気のない様子で応じる。対異性人宇宙戦争モノのラ イトSF『人類は撤退しました』。 「虚しくない?」 みなみにしろゆたかにしろ、「吉田先輩」にしろ「ヘイ・ミス・ポストガール」にしろ、彼女たちより 年下なのである。 はあ…… 溜息が出る。 「昨日の放課後、生徒会の名簿を当たってみたのですが……」 翌朝。 登校のバスの中でみゆきが切り出したのは、「吉田先輩」の本命のことだった。 「1年E組に『南』という姓の女子生徒が在籍していました。一年生の女子でこの姓の生徒は他にいませ ん」 「確かに、苗字にも名前にもなるわよね。『みなみ』って」 二年の「吉田先輩」のことは敢えて調べなかったという。かがみはそれで良いと思ったし、自分でもそ うしただろうと思う。
「加えてDとEを聞き間違えたのかもしれないですね。業務上の必要性から聞き間違えを防ぐために、D を『デー』と発音する職業・業界があるくらいですから」 「いや、まず始めにドジッ娘ありきだよ」 異論を挟んだのはこなたである。 「なんといっても南さんとみなみちゃんを間違えた彼女によって、ドラマは作られたのだから」 バスは学校に着いたが、聞き役に徹したつかさを含め四人はなおも話す。 「さらに加えると、生徒やクラスがやたら多いのも原因じゃないかしら。13クラスもあると、三年にな ってもいまだに誰がどのクラスにいるのかとか、ほとんど把握できないし」 「うんうん、分かんないよねー」 かがみの意見に、こなたがしたり顔で肯く。 「交友範囲大絶賛限定中のあんたが訳知り顔で肯くな。覚える気もないくせに」 「いやー、嫁の全てを知ってれば十分」 「……確かに」 みゆきが肯くと、さすがにこなたも派手に驚いた。 「おお、みゆきさんも同意見!?」 「いえ……はい……あ、その、確かに二年の吉田さんや一年の南さんと聞いて、ピンとは来ませんでし たね。お恥ずかしながら」 かがみに同意見ということであるが、それはそれで引っかかるものがある。 「みゆきさん」 「はい」 「それってつまり、三年なら分かるって事?」 「はい」 「みゆき」 「はい」 「それだけでも十分立派よ」 聞き役だったつかさも肯くと、妙な説得力が生まれる。 そしてみゆきが立派だということは、すぐに証明されることになった。 3-Bの三人が上履きに履き替えていると、3-Cの靴箱の方から、コーラと間違えてバルサミコ酢を飲んで しまったような奇声が聞こえてきた。 「もらっちゃった……」 行ってみるとかがみが封筒を手にしていて、今度は三人が奇声を上げる番だった。こなたにいたっては、 長い髪が逆立つほどの衝撃を受けていた。 薄ピンクの封筒には「かがみ先輩へ」という宛名書きの下に、猫の頭に尻尾が生えたかわいいイラスト まで添えてあった。いや、可愛いのはイラストだけでなかくて……。 「どう見ても女の子の字よね。みゆき、心当たりは?」 「G組の男子生徒に加賀美という方がいらっしゃいます」 「今度はCとGか……」 「聞き間違えたのはBかもよ」 かがみが息を飲む。こなたは何気なく言ったのだが、「かがみ」と呼ばれているのは主にというかほと んどB組においてである。
「とにかく、G組の彼宛ね。HR前に届けちゃいましょ」 G組の教室の出口で加賀美某を呼んでもらい、封筒を渡す。 「私の靴箱に入ってたの。多分あんた宛よ」 あらかじめ宛名の「先輩」という部分を指差した上で、態度と口調で同級生であることを示したため、 面倒なやりとりもなくすんなりと渡すことに成功した。むしろ面倒なのは……。 「誤解されることなく渡せた?」 「見ての通りよ」 そう言われてこなたはG組の教室を覗きこむと、加賀美某の周りには男女混成の人垣が出来ていた。特 にご執心なのは男子の方である。 「誰? 今の誰?」 「後輩?」 「いや、タメだよ。確かB組の……」 「タメに先輩って呼ばれてんのか。マニアックだなオイ」 「どうやってオトした? いや、オトされたのか」 「いいなー」 ……あまりうまくいってないようである。B組の一員とみなされてるあたりは案の定だし……。 「いっそ、加賀美君の嫁になっちゃったら?」 B組、あるいはC組の方に歩くかがみに追いついたこなたが言う。 「なんでよ」 かがみは不機嫌そうに言った。予想外の剣幕に、こなた勢いを失う。 「いや……加賀美かがみになるから……」 言い訳がましくそう言うこなたを呆れたように見てから、 「マイヤー・マイヤーじゃあるまいし……」 と、87分署のユダヤ人刑事を引き合いに出してこなたを煙に巻いてから、かがみはなぜかC組ではなくB組の教室に入っていった。HRまでの残り少ない時間をそこで過ごすつもりらしい。 こなたの口が次第にネコ口になり、ネコ口がほくそ笑む。 「やっぱり、かがみは可愛いね〜」 噛み締めるように呟くと、こなたはかがみに続いてB組へと入って行った。 おわり
350 :
42-115 :2008/09/23(火) 21:24:46 ID:vw9B4fFR
キャラクター名が苗字にも名前にもなりうるというのは、いつか何かのネタになると思っていた のですが、7-896氏の『愛のこもった手紙』を読み返していたら急に形になってしまったため、 やっつけで完成。7-896氏に感謝。 最初は「ヘイ・ミス・ポストガール」が、その気のないみなみから、やはりその気のない「吉田 先輩」を略奪しようとする内容で、それはそれでおバカだったのですが、微妙にドロッとしたの で路線変更(手紙を故意にみなみに渡したのだとすると……ちょっと大変)。彼女には挙動不審 なドジッ娘になってもらいました。 みなゆたが何かこう、自分の中で楽しいものになってきています。 ツインズが地区優勝しなければ、次もきっとみなゆたです(「三角トレード」の高良家編)。 ではありがとうございました。
こんなにアクティブかつネタチックなゆたかは初めて見たwwww 思えば、ゆたかがみなみにジェラスイするのはこれが初めてなんじゃなかろか。 とにかくGJ!続くみなゆたも期待してまっせー。 ゆたか「ぬ、ぬすんだばいくで、はしりだす〜!」 みなみ「ゆ、ゆたかっ!?」
ドジっこ良いよドジっこ
>>350 GJ ! なんてほのぼの、そしてハラハラするお話 !
ゆたかを終始応援してた自分がいるw
そしてこなたに嫁と呼ばれてまんざらでもなさそうなかがみに萌えたw
かがみの方は実は本当にかがみ宛で、 後日加賀美君からそれを知らされてこなたがスネる二段オチかと思った こういう日常の面白いトラブルのネタがぴったりはまって面白かったGJ
>>350 気絶してすねてやけ食いしてまた気分悪くなって、ゆーちゃんの一挙手一投足がいちいち可愛すぎです。
連鎖する勘違いの妙にもにやりとしつつ、ぐっじょぶでした。
356 :
36-273 :2008/09/24(水) 16:56:47 ID:G5Yylekb
>>337 ご指摘どうもありがとうございました。
大して考えもせずに、軽い気持ちで書いてしまったのが原因です。
で、改めて考えたのですが、原作は、2005年に高校三年生であるので、これに従えば生年は1987年になるのですが、アニメだと2007年の設定だったりする、という風にごちゃごちゃなので、
生年については明記しない方がいいという考えに至りました。よって、該当部分はWikiより削除いたしました。
何はともあれ、私の力不足が招いた結果です。ご指摘をしてくださったことに御礼申し上げると共に、誤記をしてしまったことをお詫び申し上げます。
>>350 ゆーちゃんかわいすぎるwww みなみちゃん紳士すぎるw GJ !
そしてかがみがラブレターもらって慌てまくるこなたに萌えた
こなたってツンデレだよねw
つかさ、ふゆき、あたりもそんな話できそうだw
近い内に僕もSSを投稿しようかなと思ってるんですけど、 らき☆すたと他の作品の合作って、投稿していいんですか? なにぶん、ここに来たのは初めてだから、あまり分からなくて……
クロスオーバーなら過去にもいくつかあったよ 他の作品の様式だけを取り入れたものとかも(裁判モノとか料理対決モノとか) 受け入れられるかどうかは別として、禁止はされてないはず ただ、その「他の作品」にもスレがあるとして、そっちにも同じのを投下ってのは やめといた方がよさげ 便乗で質問 OVAがいよいよ明日発売だけど、こっちもゲームみたいに一定期間ネタバレ禁止とかします?
>>350 面白かった!良作だねこりゃ。
ゆーちゃんのかわゆい嫉妬に、らきすたらしいほのぼの、そして何気にかがみのことが
気になってるこなたも可愛い!
三角トレードの作者もあなたでしたか…あんた俺のツボ知りまくってるよwこっちもすごく楽しみw
>>360 分かりました。
あともう一つ質問し忘れていたのですが、
SS作家の名前に数字が入ってますよね(例えば42-115氏とか)。
あれって、どうやって付けてるんですか?
自分自身で数字以外の名前を付けてもいいんですか?
>>363 初めて投下した作品の頭のレス番だった気がする。
その例なら42スレ目の
>>115 から投下したとか。
紛らわしいからきちんとした名前欲しいんだったら、
トリップでも付けたらいいんじゃないかな。
>>360 あんまり気にすることはないと思う。
ゲームと違って重大なバレってなさそうだし、一応注意書きに入れとくレベルでおk。
最近黒井先生と結婚したくてしょうがないんだ。 ぼくどうにかなっちゃったのかなあ?
こなたと結婚したい俺 いやマジでマジで。 あんな嫁がいたら最高だと思わね?正直な話。 こな×かがをあえてはずして考えたら、どう思考してもそうなっちまうんだ。 あ・・・いや・・・やっぱ病気だよなこれ・・・すまんみんな、忘れてくれ。
>>369 かがみ視点になってこなたと恋愛すれば丸く収まるんじゃね?
よし、ちょっとかがみになってくるノシ ツインテールにした時点でこなたの合気道に腕おられますたorz
噴いたwww ふと、思ったんだけど、エロパロスレは現在約1800のスCPレがあって… 1000スレ越えた頃にCP別のSS数集計をやった時こなかがはそのうちの約3割強。 で、こなかがスレは現在約500。…てことはこなかがだけで、もう千は越えてんだな… 2000以上のSS…なんかもうこことこなかがスレだけで一生楽しめそうな気がするw
>>371 > よし、ちょっとかがみになってくるノシ
この台詞吐いた時点でお前の負けは決まっていた……
375 :
374 :2008/09/26(金) 04:19:02 ID:qWWuwjxW
すいません。いろいろ忘れてました。 白石&あきら、エロ無しです。
こなたが髪の毛をツインテールにして 鏡の前でオナニー始めて 「こなた・・・見ちゃだめ」とか呟きながら・・・
377 :
名無しさん@ピンキー :2008/09/26(金) 04:23:04 ID:RFHnjqEX
>>369 家事ができて要領も良くオタク話に花を咲かせられコスプレもしてくれる嫁か、いいな。
難点は世間にロリコン呼ばわりされる事だな。
あとラノベはあまり読んでくれない事か。
>>374 おお、甘々ですなあ。
海千山千の世界での経験が長いとはいえ、やはり中学生の女の子。
甘えたい時もありますよね。
ほのぼのとした作品にGJ!
>>374 あきら様が可愛らしゅうございます。
あきら様が、ことのほか可愛らしゅうございます。
大切なことなので二回言いました。ぐっじょぶ!
>>374 貴方のあきら萌えパワーに圧倒されますた
鼻から噴出した私の血液を返してくださいw
>>376 そんなシチュのSSどこかで見かけた気がする
確かこなたのオナニーを偶然かがみが目撃するみたいな
しかも最後まで息を殺して見守ってるww
でも続編書いてくれてないんだよな作者さん
ずっと待ってるんだが・・・
>>374 反則だ…あきら様が可愛くて反則だ…
白石め、いつの間に…
GJっした
>>374 やばい…あきら様が可愛すぎる…なんてものを投下してくれやがりましたか貴方は。
てかスーパーアイドルが皆勤賞って…ありなのかなんてツッコミは無粋なんだろうからやめとこう。
仕事は公欠扱いで欠席にはならないとかか? 実際はどうなのかは知らんが
6巻でいつ仕事してるんだとかそんなに知名度高くないとかネタにされてるし 学校が休み(or放課後)のときに細々と収録やってるんじゃないかと予想
OVAのみさおを見てぶーわ氏を思い出した SSの続きまだかなぁ
>>374 いかん、ニヤニヤが止まらない。
甘さたっぷりのSSありがとうございました。
チラシの裏
どーも白石みのるです、すこし解説します。
あきら様は学業を優先されていますので
あえて仕事数を制限しているだけであって、
決して仕事が無いからではありません以上です。
あのーあきら様これでいいですよね。
>>387 以下チラシの裏に殴り書き
いろいろごめんなさい。
小神あきらの言い分
がたっ
あ?
白石…なぁにあの態度。
あのねぇ白石、そんなフォローはアシスタントとしてはとーぜんなわけ。
それがあんたの仕事でしょ〜?
ま、14歳のスーパーアイドルがぁ?仕事がないだとかそんなわけないじゃない。
それともアレか?あたしの仕事を減らしたいのか〜?!(うぬぬぬ)
♪ちゃーちゃーちゃららっちゃーらーちゃっちゃー!
あれっ?もうこんな時間?
あきらさみしいぃぃ>△<
それじゃっ、あたしのスーパーアイドルの活躍を見たい人は、OVAを買ってねっ☆
それじゃっ、ばいに〜☆
がたんっ
………。
白石いないのさみしいな…
ひとりだけとか…やだよ…
はやく、あたしのところに、
来ないかな…。
「うぃ〜っす、WAWAWA忘れ物…あきら様〜♪」
んぇ?!白石?!
な、なんで居るの?
か、帰れ!ばかっ!別にさみしくないっ!
なに聞いて、近寄るな!ぎゃー!
(どったんばったん)
ぷちっ
ばかみたく遅くなったが
>>176 完成したので投下
注※
・男ゆたか×みなみ(TS要素あり)
以上がよろしけばどうぞ。
駄目な場合は「最早」をスルーで。
身体が弱くて、学校でもあまり友達が居なかった僕。 きっかけは、差し出してくれた一枚のハンカチ。 僕より少し背の高い、ミントグリーンの髪の女の子は―――― ――――僕、小早川ゆたかの、恋人になりました。 《 一段飛ばしの急な出来事 》 ドアを開けて、僕の部屋にみなみちゃんを招き入れる。 「さ、どうぞ」 「……お邪魔します……」 ゆっくりと部屋に入ったみなみちゃん。 九月にもなったので秋らしい装い……なのかは僕にはよく分からないけど、黒の ハイネックに白の薄手のジャケットを羽織り、チェックのスカートに黒の靴下と いう格好は、みなみちゃんによく似合っていると思う。 いつもの制服姿とまた違って、かわいいなぁ……こっちがいつもの制服姿なのが 恥ずかしい位だ。 「……ゆたか……?」 「……え…!?あっ、ごっ、ごめん!その……あんまりみなみちゃんがっ、か…か わいかったから、見とれちゃって……」 ……みなみちゃんの顔が、段々赤くなっていく。 「そう……気に入って貰えて、よかった。……その、ゆたかの為に、着て来たか ら…」 「……そ、そうなんだ……」 ……わあぁ、恥ずかしい。こっちの顔も真っ赤になってるな、きっと。 「ちょ、ちょっと待ってて!今飲み物持ってくるよ」 「うん……待ってる」 そう言って僕は、照れ隠しを兼ねて、飲み物を取りに一階へ降りて行った。 ――本当、何だか夢みたいだ。あんなにかわいい娘が僕の彼女だなんて。 病気になりやすいから、体育の授業も休みがちなので、スポーツも上手くない。 背もちっとも高くないし、勉強だってよくは出来ない僕。 それに比べてみなみちゃんはスポーツも出来て、勉強も出来て、僕より背も高く て……それに、とっても優しくて。 気分が悪くなった僕を保健室まで連れていってくれて、ハンカチまで貸してくれ て―― いつの間にか、みなみちゃんは僕の心の中で一番大切な人になってい。 そしてつい最近――こなたお姉ちゃん達と一緒に行った花火大会の日―― 貧血になってしまった僕を介抱してくれて、更にひざ枕までしてくれたみなみち ゃん。 ひざ枕をしてもらいながら頭を撫でて貰っている時に、「ずっとこうしていられ たら」と思って――いつの間にか、『岩崎さんが好きだ』と言っていて。 ――みなみちゃんはとても驚いた様子だったけど、さっきみたいに顔を赤くして 、『……私も、小早川君の事、好き……』と言ってくれて。 それから二人は互いに名前で呼び合う事になり、二人は恋人同士になったのです 。 みんなは「あんな石像のどこが良いんだ」とか、「よく男女なんて好きになった な」とかいうけれど、僕にとってみなみちゃんは、とっても優しくて、とっても かわいい、自慢の彼女なんです。 ……誕生日には何をプレゼントしたらいいのかな。
「いやぁ〜ゆーちゃんも隅に置けないなぁ〜っ、昼間からカノジョを家に呼び出 すなんてねぇ〜?うふふ、おサカンですな♪」 「さ!サカンとかじゃないよ!!こなたお姉ちゃんな、何言ってるのさ!」 りんごジュースを二つのコップに注いでいた時、こなたお姉ちゃんがやって来た 。 「おんやぁ?その様子じゃあまだチューとかしてないのかな?」 「だ、だってまだ付き合ってからそんなに経ってないし!おサカンだなんて、そ んな……」 「まだ……って事は、いつかはしたい訳だね!?」 「え!?え、えっと、その……」 ……ま、まぁ僕も、『顔とか女っぽい』、とは言われるけどやっぱり一人のオト コなわけで。みなみちゃんと色々な事をするシーンとか、その、か、考えない事 は無いんです…… 「色々ってなーにゆーちゃん?」 「うぇ!?」 言ってた!?今思ってた事言ってた!?うぁぁ恥ずかしい! た、多分人生の中で今一番うろたえてると思う!! 「アハっ♪もーかわいいなぁゆーちゃんはっ!あれだね、ゆーちゃん程かわいい 子が女の子な訳無いじゃないですかってあれだね!!」 こなたお姉ちゃんはお姉ちゃんで何だか盛り上がっているようだ。 「じゃあさ!みなみちゃんと今日辺りブチュッっとやっちゃいなよ!!」 「ぶ、ぶちゅうっ!?」 「そーだよ!キスぐらいだったら二人なら大丈夫だって!!」 「そ、そうかな……?」 「更にだよ、運とかよかったら、それ以上の事……なんて事も!」 「そ、それ以上……!!」 キス以上って、それって……!! 「ああ……見えるよぉ……ゆーちゃんの部屋に広がる、ゆーちゃんとみなみちゃ んの欲望番外地……」 「わーっ!わーっ!!ダメだよお姉ちゃんそんな事言ったら!!」 カゲキな発言に、思わずこなたお姉ちゃんの口を塞ぐ僕! 「……はしゃぐのはいいが、待たせてるんじゃないか?みなみちゃん」 キャッキャと浮かれはしゃぐ僕ら従姉弟にかけられた一人の声。 ……い、居たんですねおじさん……何だか、大人には聞かれたくない会話だった ようなきがします…… 「そ、そうですね…早くみなみちゃんに持ってってあげないと……」 少し気まずいので、僕はりんごジュースの乗ったトレイを持って、みなみちゃん の元へ向かおうとしたけど…… 「そうだな、もしかしたら今頃、ゆーちゃんのエロ本がみなみちゃんに見つけら れているかも知れないからなぁ……」 思いっ切り、すっ転びそうになりました。
「な、ななななな!?」 「そうだよねぇ〜、彼女を部屋に入れると必ずあるシチュだもんねぇ〜」 「みっ、みなみちゃんはそんな事しないよ!!」 「いいや……彼女とか幼なじみっていう生き物は、故意であれ偶然であれ必ずエ ロ本を探し出すものなんだよ! ああぁ……あの時かなたに見つかって捨てられた奴、気に入ってたのになぁ… …」 ……おじさんが想い出に浸り始めた頃に僕も落ち着きを取り戻し、急いでみなみ ちゃんを待たせてる僕の部屋に向かう。 ……確かにそういう本が部屋にない訳じゃないけど。 「キス、かぁ……」 階段を上りながら、僕はさっきのこなたお姉ちゃんの言葉を思い出していた。 『みなみちゃんと今日辺りブチュッっとやっちゃいなよ!!』 「……ブチュッ、とまでは行かなくても、チュッ、ぐらいはしてみたいなぁ…… 」 みなみちゃんの、肉付きは薄めだけど柔らかそうな唇と、僕の…唇が…触れて… …それから…… 『更にだよ、運とかよかったら、それ以上の事……なんて事も!』 ……うわぁぁぁぁ…… そ、想像しただけで恥ずかしい…… で、でもみなみちゃんや僕には、そういうのは、まだ、早いと思うし……そう! まだ早いです!まだ高校一年生ですし! ……でも、キスぐらいだったら、許されるんじゃないかな、その……恋人…なん だし…… って、これ以上みなみちゃんを待たせるのも何だから、早く飲み物を持っていく 事にしよう。 「ご、ごめんねみなみちゃん待たせちゃって……」 「っ……!?ゆ、ゆた……」 部屋に入ると、みなみちゃんはなぜか顔を赤くして固まっていた。 ……手が塞がっていて、ノックをしなかったから、急に出てきて驚いたのかな? 「いやぁちょっと時間かかっちゃって、急いで来たんだけど……」 「あのっ……その、えぇ……っと」 ?どうしたんだろう?どうやらみなみちゃんは動揺してる様な…… ……本を……読んでる? 「あれ?みなみちゃん、本読んでたんだ?何の本?」 「っち、違うの!これは偶然……」 ……何の本だろう?気になった僕は本の中身を見ようとみなみちゃんに近付く。 「だ、ダメっ!」 思わず拒絶の手を伸ばすみなみちゃん。でもそれはもう無意味でした。 だって僕の目はもうその本の内容を読み取っていたのですから。 ……おじさん、あなたの言った事は正しかったようです。 「うわぁぁぁぁっ!!みなみちゃん見ちゃだめぇっ!!」 そこにあったのは、女の子が男に×××されながら×××している絵が書いてあ る……いわゆるエロ本でした。
☆ ☆ ☆ 「「…………」」 二人はベッドの上で、背中合わせに座ったまま、会話も無く既に10分。 ……どうしよう、このままじゃキスどころか、このままみなみちゃんにフラれて しまうかもしれない……!! 「あ、あのさ……どうやって、見つけたの?」 意を決して、振り向かないまま、僕はみなみちゃんに話しかけた。 「……その、ベッドのシーツが歪んでたから、直そうとしたら、あれを見つけて ……」 ……なるほど。つまり、僕がベッドとシーツの間に隠していた例の物を、好意に よるみなみちゃんのベッドメイクによって見つけられてしまった、と…… 「……ごめんなさい」 「……みなみちゃんは謝る様な事してないよ……」 みなみちゃんはただ、偶然にアレを見つけただけ。みなみちゃんは悪くない。 ――いっそあの事自体をなかった事にして―― 「……さっきの事は、無かった事にしよう?みなみちゃんは、何も見なかった、 ね?」 「……ゆたかはアレをもってるのに?」 「う゛……」 ……だめだ。僕がアレを持っていたのを見た以上、みなみちゃんは無かった事に なんて出来るわけがない。 またの沈黙。 どうしたらいいのか分からずに、僕は俯くままだった。 「……ゆたかは――」 「?」 僕が途方に暮れていると、みなみちゃんから発言が。 「……やっぱり……その、胸が、大きい方が…好き……?」 「へ……ぇえぇ!?」 それも、飛び切りの爆弾発言だった。 「な、なんでいきなりそんな…」 「だってアレに描いてあった女の子、みんな……大きかったし……」 「そ、そういう物の女の子はみんなそうなんだよ……」 「…………そう」 ……な、何なんだろう、この展開……? ――ぎゅっ…
「っ!!?!」 後ろから、柔らかく抱きしめられる感覚。 「み、みなみ……ちゃん?」 そんな事が出来るのは、今後ろにいるみなみちゃんだけで―― 「…………らい……?」 みなみちゃんは、恥ずかしがった様な小さい声で―― 「……小さい胸は、嫌い……?」 でもはっきりと、そう言いました。 「…………え?」 僕にはその言葉の真意が分からなくて。 「私みたいな胸の小さい女の子はやっぱり……そういう対象として、見れない? 」 「いや、そんな……事は……」 ……見れない訳、無い。 だって、君は僕の恋人で、僕の一番好きな人で―― 「私は――ゆたかにだったら、あんな事されても……平気」
その言葉に驚いて振り返ると、赤い顔をしていたみなみちゃんが。 ――そのみなみちゃんの目は、冗談を言ってる様にはとても思えなくて―― 「……ゆたか……」 「……みなみちゃん……」 二人の顔が吐息がかかる位に近付く。 ……みなみちゃんが目を閉じるのにつられて僕も目をつぶる。 ――みなみちゃんの唇は、想像より、ずっと柔らかかった。 ☆ ☆ ☆ ……まさかこなたお姉ちゃんのいう通りになるとは。 今、僕は服を全部脱いだ状態で、正座している。 ――こなたお姉ちゃんが言ってた、「ワクテカで全裸待機」って、多分こういう 事なんだろうな。 そして僕の後ろでは、きぬ擦れの音…… 「脱ぐのを見られるのが恥ずかしい」という事で、今みなみちゃんに背を向けて 座っています。 ……これから僕達は、互いの『初めての相手』になる。 『あんな事があったからじゃない、私はゆたかが大好きだから』。そう言ったみ なみちゃんと、僕の気持ちは同じだった。 恋人だからじゃない、ましてやあんな事があったからじゃない。僕らは、互いが 好きだから、一つになる。 「……こっち向いていいよ……」 合図があったので、やっとみなみちゃんの方を向けた。 「……ど、どうかな……?」 「…………」 ……声が出せなかった。 恥ずかしさで赤くなっても、まだ雪の様な白い肌。女性としての膨らみは少ない かもしれないけど、その柔らかそうな身体は間違いなく女の子の物。 さすがに恥ずかしかったのか、淡い緑色のショーツを除いて、みなみちゃんは僕 と同じく、すべての服を取り払われた姿でそこにいた。 「……ゆたか……?」 「……みなみちゃん、凄く綺麗だよ」 お世辞など一切無しで、そう思った。 「…………ありがとう……」 お礼を言ったみなみちゃんの顔が真っ赤に染まる。 「じ、じゃあもう一度……」 みなみちゃんの顔を見て、こちらまで恥ずかしくなってしまったけれど、僕は目 を閉じてキスの形で唇を突き出す。 ――後の行為の為に気分を高める、というより、もう一度あの感触を確かめてみ たかったから。
「……うん……」 みなみちゃんも同じ形で僕に近付く。 「ん……っ」 「んぅ……」 唇が、触れ合う。 スポンジケーキの様に柔らかくて甘い、みなみちゃんの唇。 その柔らかさを味わう為に、僕の唇をみなみちゃんの唇にゆっくりと押し付ける 。 「んぅ……っ」 「んんっ、んぅ……」 今度は味。どこかで見たように、みなみちゃんの唇の隙間を舌でつついてみる。 「んっ……んっ、んぅ」 「んんぅっ……!?」 みなみちゃんは、少し驚いた様だけど、何回も隙間をつついているとみなみちゃ んからも舌を少し出して来た。 「んん……っ!んっ、んん……ぅ」 「んっ!!んん、んぅ……っ」 舌同士が触れ合うと、背筋がぞくぞくするくらい気持ちいい。その気持ちよさを もっと味わおうと、僕らはキスに夢中になる。 「んちゅ……んんっ、んぅう、んっ……」 「んふぅ……んんぅ、んっ、んんん……」 みなみちゃん、みなみちゃん、みなみちゃんっ……!! みなみちゃんの香りも、唇も、唾液すらも、ただひたすらに甘い。 みなみちゃんの甘さをいつまでも味わっていたかったけど、長いこと息継ぎを忘 れていたから、さすがに息苦しくなってきた。 僕はキスを惜しみながら、ゆっくりとみなみちゃんの唇と僕の唇を離す。 「……ぷはぁ…っ……」 「……はぁっ…………」 二人の間の、口同士を結ぶ銀の線。 ……みなみちゃんの緩んだ顔と相成って、とってもやらしい。 僕の下半身が、ぐいっ、と顔を上げた。 「……キスって、気持ちいいね……」 「そうだね……今までしてなかったのが、もったない位だよ……」 僕はまたキスをしようと、唇を寄せる。……でも、今度は違う場所。 「ひゃ、ゆたかっ、そこはぁ……っ!!」 みなみちゃんの胸のてっぺんに、赤ん坊みたいに吸い付く。 「はぁっ、あぁ……っ、うぅんっ……」 みなみちゃんは身をよじらせながら、ぴくぴくと身体を震わせる。 「……みなみちゃん、かわいい……んっ…ちゅっ、ふぅ、ちゅぅ……っ」 「あっ!……ゆっ、ゆたかぁ……つよくしちゃ……はっ、ああっ!」
ちょっと吸うのを強くしてみたり、ちょっと歯を立ててみたり。みなみちゃんは 些細な事でも敏感に反応する。 そんなみなみちゃんをもっと見たくて、今吸い付いている乳首と反対側の乳首を 人差し指と親指、二本の指でつまむ。 「は…っ!!ゆたかっ、だめっ、つ、つまんじゃぁ……っ!!」 そのみなみちゃんの声に触発されて、更に攻めを強くする。 「ひぁっ!?……は、あぁっ!やぁ……っ!ゆた、かぁ……っ!そんな……つよっ 、つよいぃ……っ!!」 そんな声を聞く度に、僕のそれは、『みなみちゃんと一つになりたい』と自己主 張する様に成長してゆく。 それと同じく、僕の中で我慢出来なくなる気持ちもどんどん大きくなって……も っとみなみちゃんを直に見て、触ってみたくなった。 僕はみなみちゃんの、ふくよかとは決して言えないけど、柔らかな胸に顔をうずめながら上目使いで聞いてみる。 「ちゅぷ……っ、はぁ……ねぇみなみちゃん、下、脱がしてもいい?」 「え……!?いゃ、そんな……恥ずかしいし自分で」 「だめ」 「だ…だめって……」 だって、恥ずかしがってるみなみちゃん、とってもかわいくて、えっちなんだも ん。 「大丈夫、優しくするから……」 「そ、そういう問題じゃ……」 起き上がって、みなみちゃんの腰辺りに目を向ける。 ――みなみちゃんの、淡い緑色のショーツ。……この下にみなみちゃんのアソコ がある。 そう考えるだけで、ごくりっ、と喉が鳴ってしまう。 「やっ、そんなっ、喉とか、ならしちゃ……」 みなみちゃんのショーツに手をかける僕。ショーツが僕の手によって降ろされて いく。 「……っ!……っ!!」 恥ずかしさのあまり、声にならない叫びをあげるみなみちゃん。 ……そしてショーツは太腿まで降ろされた。 「うわぁ……」 僕の目に露になったみなみちゃんのアソコ。 綺麗なピンク色をしたそこから、ぬめった蜜が湧き出てて…… 「糸……引いてる……」 ショーツとの間に、いやらしい橋がかかってた。 「や、そんな事……言っちゃ……」 手で真っ赤な顔を覆いながら、みなみちゃんはふるふると顔を振る。 そんなみなみちゃんを反応や、直接見たことへの興奮で僕の我慢は振り切れた。 「みなみちゃんのここ……触るね」 「ゆ、ゆたか、そんな急に……あっ!!」
指を上から押し付ける様に触ったみなみちゃんのそこは、みなみちゃんの身体の 身体のどこより柔らかで、ぬるぬる。 「はぁっ!あ……ああぁっ、あぁ……っ、はぁ!やぁっ!!」 そこを擦り立てる度に、みなみちゃんはあられもない声を出す。 もっとそんな声を聞きたくて、僕の行動は更に大胆になる。 「あ、あぁっ!?ゆたかっ、指、指はだめ、あっ、ああぁっ!」 みなみちゃんの中に人差し指を入れたら、みなみちゃんのそこは僕の指をきゅう きゅうと締め付ける。 「すごいよみなみちゃん……僕の指、みなみちゃんのここに食べられちゃいそう だよ……」 「あぁ、あっ!ゆたかっ、そんな、だめ、はぁ!言っちゃ、だめぇ……っ」 僕は指の腹でみなみちゃんの中をゆっくりとひっかいた。 「ひぁ!?やっ、やぁぁ……っ、ゆたかっ、それ…っ!!」 「ん?気持ちいい?」 「や、違っ、これ、今までと、動き、は、ああぁっ!?」 指を少し強く、速くして、みなみちゃんを攻め立てる。 「あ、だめ、ゆたかっ、強いっ、あっ、ああぁっ、はっ、あぁ、ゆたかっ、そん な、くる、だめ…っ」 「……イくの?みなみちゃん?」 指で感じるみなみちゃんの熱さと蜜の音、そしてみなみちゃんの乱れた声と恥ず かしそうだけどとろけてる顔。――とってもやらしい。 僕は指でみなみちゃんの中をぐちゃぐちゃとかきまわす。 「あぁっ、だめっ!ゆたかっ!きちゃう!わたし、こんな…っ、あ、あぁっ!だ、だめぇ……っ」 みなみちゃんはシーツを握り締めて、これから来る刺激に耐えようとする。 ――でも、まだそれはだめ。 ――ちゅぷ……っ 「はぁ……っ、あ……あれ……?」 みなみちゃんがイきそうな手前に、指を引き抜く。イく直前だったみなみちゃん は、どうして?という顔をしてた。 「どうしたの、みなみちゃん?だめ、なんでしょ?」 「そ、そうだけど……」 困った顔のみなみちゃんも、かわいい。でも……とろけた顔のみなみちゃんは、 もっとかわいい。 このままみなみちゃんのイった顔も見てみたかったけど、僕も我慢の限界だった 。 「みなみちゃんが気持ち良くなってるのもいいけど……僕も、気持ち良くなりた いからね」 はち切れんばかりのそれを、みなみちゃんの目に晒す。 「……すごい、ゆたかの……こんなに……」 「うん、みなみちゃんを見て、こんななっちゃったんだ」
僕も今まで見たことないくらい大きくなったそれを、みなみちゃんにあてがう。 「痛かったら、言ってね?僕はみなみちゃんにも、気持ち良くなってほしいから ……」 これから僕たちは、産まれて初めて、セックスをする。 ……女の子の初めてというのは、非常に痛いと聞く。 でも僕は、みなみちゃんにも、気持ち良くなって欲しかったから。 「……わかった。ゆたかも、無理しちゃ、だめだよ」 「……ありがとう、みなみちゃん」 こんな時にまで、僕の体を心配してくれるみなみちゃん。 ――本当に、優しいなぁ。 「……入れるよ」 「……うん」 あてがったそれを、ゆっくりと、細心の注意を払って押し進める。 「んっ……ぁ、ぐぅっ……」 「はぁ……っ、あぁっ、すごい……」 入った先から、とんでもない勢いで締め付けられる。 ――すごく、気持ちいい。 でもみなみちゃんは、やっぱり苦しそうだ。一旦進むのを止め、みなみちゃんに 話し掛ける。 「みなみちゃん……っ、だ、大丈…夫?痛く、ない?」 「はぁっ、う、うん、大丈夫…」 「そっか……でも、ごめん、みなみちゃんの中、とっても気持ち良くて……っ、 みなみちゃんに、痛い思いさせちゃうかも、しれない」 はっきり言って、限界だった。これ以上は保証出来ない、って位に。 「……最初に、言ったよ?」 「え?」 「……ゆたかになら、何されても、平気、って……だから、大丈夫」 「みなみちゃん……」 みなみちゃんは、本当に優しい。こんな優しい子が、僕の彼女で、初めての相手 で。 「分かった。今から一気に入れるけど……我慢、出来る?」 みなみちゃんは微かに震えてたけど――首を縦に振ってくれた。 「……ごめんね、でも、そのぶんだけ絶対――気持ち良くして、あげるから…… っ!」 そう言って、一気にみなみちゃんの中へ、突き込んだ。 ――ずうぅぅぅっ!! 「いっ!!っあ、ぐうぅ……っ」 「あぁっ、ああぁ……」 一瞬、抵抗があった気がしたけど、あれが処女膜だったらしい。 みなみちゃんは苦痛で顔を歪めた。
「これで、全部入ったよ……み、みなみちゃん?」 「……っ……つっ……」 目の端に涙を浮かべて、痛みに耐える様に――というか耐える為に――シーツを 握り締めるみなみちゃん。 「だ、大丈夫みなみちゃん!?ごめん、痛かったよね!?」 でもみなみちゃんは首を横に振った。 「違う……確かに……痛い、けど……っ、それだけじゃ、なくて……ゆたかと、 一つになれたのが、嬉しくて……」 最後に、ぎこちなく浮かべた笑みが、みなみちゃんの気持ち、全てを表現してい る様に、僕は思った。 「……動かない、の?」 「みなみちゃんの痛みが引くまで、待ってる。言ったでしょ、気持ち良くする、 って」 そう言って、みなみちゃんの唇に、軽くキス。 そう、二人で。二人で気持ち良くなる為に。 「みなみちゃん……分かる?みなみちゃんの中に、僕がいる……」 「うん……ゆたか、大きいね……」 「……だって、みなみちゃんの中だもん……大きくもなるよ」 「そ、そう……?」 「うん、みなみちゃんの中、すごく気持ちいい……」 「そんなに?」 「……うん、みなみちゃん、きゅっ……って締め付けて、僕を放さないんだ。ぬ るぬるで、吸い付いて来て……」 「ゆたか……なんか、恥ずかしい……」 「だって、本当に……気持ちいいんだもん」 このまま動かさなくても、精液出してしまうかもしれないってぐらいに。 ……でもそれはもったいないし、なによりまだ、みなみちゃんが気持ち良くなっ てない。 「みなみちゃん、そろそろ動いても……」 「……うん、痛みも引いて来たし……いいよ、ゆたか」 「じゃ……」 僕はゆっくりと、みなみちゃんの中からそれを引き抜く。 「あ、ああぁ……っ、はぁっ、はぁ……っ」 「大丈夫?痛くない?」 「……うん、思ったより、痛くない」 「じゃ、今度は入れるよ」 こくん、と頷くのを見てから、みなみちゃんの中へとこれまたゆっくりと侵入す る。 「あっ……ぅぐ、っ……」 「く、苦しそうだけど、大丈夫?」 「だ……大丈夫、平気。ちょっと痛いけど、ちゃんと……」 「ちゃんと……なに?」 「……ちゃんと、気持ちいいよ……」 「……そっか」 ち、ちょっと恥ずかしいけど……嬉しいな、その言葉。
「じゃ、これぐらいのを何回かするからね?」 「……わかった、ゆたかとなら、怖くない」 僕はその言葉通り、ゆっくりゆっくりと、入れたり出したりを繰り返す。 「はぁ……っ、ぁっ、あっ、っぐ、ああっ、はぁ、ああぁ……っ」 「ああっ……みなみ、ちゃぁ……っ」 ――これは、すごい。 みなみちゃんのひだひだが一本一本、僕の笠周りと重なる度に、背筋を快感が通 り抜ける。更にそこは、熱くて、ぐちゅぐちゅで。 「……っ、どう、みなみちゃん、慣れて来た?」 「……うん……っ、もっと強くしてもっ、平気……っ」 「わ……わかった、じゃあ、もう、少し……っ」 その言葉に、僕は徐々に突き込むスピードを速める。 ――ぐちゅ、ぷぬっ、ちゅぶ、じゅぷ―― 「ふぁ…っ、はぁ、あっ、ああっ、ひぁ、はぁっ、やぁ、っあっ」 ――ぎゅぶっ、びじゅっ、にじゅっ、くじゅっ、ぶちゅっ―― 「はぁっ!ふぁ…っ、ぁは、ひゃ、あっ!はぁぁ、やぁぁ!ぁっ、ああぁ……っ !」 「ぐっ……はぁっ、すごいっ、すごいよみなみちゃんっ!どんどんぬるぬるで、 変になりそう……っ」 「はぁっ、ゆたかっ、わたしもっ、わたしも変になる、なるよぉ……っ、あっ、 はぁぁ!」 僕たちは一つの固まりになって、互いに高まり合ってゆく。 「ぁは……っ、みなみちゃん、やらしい顔、してる……っ、気持ちいいんだね… …っ」 「はぁっ、はぁ、うんっ、ひぁ、ゆたかっ、気持ちいいっ、きもちいいよぉ…… っ!!ひゃ、ぁふぅ、はっ、ゆたかが、はぁ、ゆたかがわたしのなか、あぁ、いっ たり、きたり、してるぅ……っ!」 もう、みなみちゃんは痛み無い様だったから、二人で手を取り合い、一気に登り 詰める。 「はぁ、ああぁ……っ!みなみちゃん、みなみちゃんっ!!もぅ……このままっ、 一気に……っ!!」 「ふっ、あ!はぁ、ああぁ、ゆ、ゆたかぁっ、きてっ、きてえ……っ!」 ――ぐぎゅぶぬじゅぷにゅちゅぐずうっ―― 「はぁぁ、あっ、ああぁ、あっ、あっ、あっ、ああぁ、はぁ……っ!!」 「やぁっ!はぁ、あっ、あっ、ああっ!ゆたかっ、ゆたかぁ、ゆたかぁっ!!あ! あっ、あぁ……っ!」 限界だった僕は、みなみちゃんの中へ、最後の一突き、と思いっ切り打ち付けた 。
――こちゅっ 「あ……っ!?」 先端に感じた、固めの感触。――ここって、子宮口、だよね? ――びびゅう!ぶっ、ぷっ、びゅっ、ぶびゅ、ぶくっ、ぶぷぶ…… 「あぁっ!!あぅ、うっ、うぅっ、ぅあ、あぁ、ああぁ……」 『みなみちゃんの子宮口』って考えただけで……イっちゃって。そのみなみちゃ んの子宮に、僕の精液が入って行ってる、ってだけで、またイきそうになって。 ……でも、それは僕だけじゃない。 「はぁ……っ!!っ!っっ!!ん、んんっ、んんぅ……っ!」 みなみちゃんは僕の頭を抱きしめながら、身を震わせた。みなみちゃんの中は、 これでもか、って程僕を締め付けて。僕の精液がみなみちゃんのアソコに、一滴 も漏らさずに、飲み干されちゃって。 ……みなみちゃんも、イっていたんだ。 「はぁ……はぁ……あぁ……」 「……………ふぅ……っ」 二人で一息ついてから、みなみちゃんに話し掛ける。 「はぁ……っ……す、すごかったね……」 「は…っ、は…っ……そう、だね……」 二人共必死だったから、そんな言葉しか出せない。 でも、みなみちゃんの言葉に、僕はとんでもない事に気が付いた。 「……ゆたかと、中で……しちゃったね……」 「……そうだね……っあっ!?」 しみじみしてる場合じゃない。もしかしたらみなみちゃんに子供が出来てしまう かもしれないじゃないか!
「どうしたの?」 「み、みなみちゃん大丈夫だったの?その……中で、出して……」 「……今日は、大丈夫な日」 「そ、そっか……」 「……でも」 「?」 『でも』と言ったみなみちゃんの顔が綻ぶ。 「……ゆたかとの子供なら、ほしい……」 「みなみちゃん……そうだね……僕もみなみちゃんとの子供だったら、ほしいな ……」 「……ふふっ」 「……ははっ」 なんだかおかしくて、二人で笑った。 「……もう少し、このままでいていい?」 「……いいよ」 何てったってみなみちゃんのお願いだもの。 僕ら二人は、産まれた姿のまま、ベッドの上で寄り添いながら、しばしの時を過 ごした。 みなみちゃんとの出来事に比べたら、夕食がお赤飯だった事なんて、些細な出来 事だ。 〈完〉
404 :
最早 :2008/09/27(土) 21:39:23 ID:MqOcylkY
以上。 ゆたかっぽさがうまく出せなくって参った。
TS物は色々議論あるところだが、注意書きが添えられていたので俺的には無問題 貴方の勇気に拍手送る
>>404 投下乙です。そしてお待ちしていました!
おっさん二人がuzee!そしてゆたかもよく頑張った!
>>404 ああ、ゆーちゃんは男の子になっても初々しいなあ。
拍手を以ってその他もろもろに代えさせていただきます。ぐっじょぶ!
408 :
名無しさん@ピンキー :2008/09/28(日) 14:38:58 ID:/W06FlpG
>>404 ゆーちゃんっぽくて良かったです、GJ!
ごめんなさいsage忘れました
>>404 GJ!
>>372 去年の今頃はまだ19スレ目だったからなぁ
この一年でこな☆ふぇちやらElopeとかTSとか色々流行ったのが昨日のように感じられる
411 :
26-468 :2008/09/28(日) 20:30:00 ID:Z8R1f0eg
こんばんは 投下される方がいなかれば5分後に投下させてください
412 :
26-468 :2008/09/28(日) 20:36:33 ID:Z8R1f0eg
では投下します 注意 ・みなみ×ゆたか(非エロ) ・6レス借ります ・続き物 簡単なあらすじ ・ゆーちゃんが初めてみなみの家に遊びに来ました
413 :
26-468 :2008/09/28(日) 20:37:43 ID:Z8R1f0eg
つくるものじゃない 繋がりはいつも そっと結ばれるリボンで いま風になびいて 仲良くゆれてる A clear ribbon(2) 「ワウワウ」 チェリーが尻尾を振りながら飛びついてくる。 私はいつものように愛犬を受け止める体制に入った。 「きゃっ」 あろうことか手を広げて待つ私の横を抜けて客人へとまっしぐら。 ショックでふらつきかけたがなんとか持ち直して 目いっぱいの声で叫んだ 「チェリー、だめ!!」 100メートル先まで届くだろう、自分でもびっくりするくらい大声が出た。 恐る恐る後ろを向くと 「きゃっ。もうそんなにくっついたら苦しいよお」 なんて言いながらもじゃれ合うゆたかとチェリー。 手入れの行き届いたきれいな芝。 今日も平和だ。 心配性な私をよそに仲良く遊ぶふたりを見てひとつ深呼吸をした。 「とりあえず荷物を入れよう」 「そうだね。でもこの犬すごい人なつっこくて可愛いなぁ。なんていう名前なの?」 「チェリー。ちょっと興奮してるけどいい犬だよ。行こうか」 「またね、チェリー」 「ワウ!」 はぁ、チェリーも男の子ってわけだろうか。 少々ショックな場面だったが 相手がゆたかなら、まぁ仕方ないということにしておこう。 スーパーで買った野菜を冷蔵庫に入れ、リビングで一休みすることにした。 お母さんが入れてくれた紅茶を飲み、さっき買ったプチチーズケーキの箱を空ける。 ふいにお菓子コーナーでのやりとりを思い出し、また笑いがこみ上げてくる。 その表情を読み取ったのだろう 「どうしたの、何かあった?」 「ふふ、いやプチチーズケーキが・・」 「あー、お姉ちゃんって呼んだやつでしょ。あれはノーカウントなの、ノーカウント!」 顔を紅くさせて紅茶を一気に飲み干した。 そりゃチェリーも飛びつくわけだ。 リビングに流れるビートルズの曲はとても優しくこの空間を包み込んでいて お菓子をかじる手を止め、ふたりで聞き入った。 「私この歌好きだなぁ」 「お父さんが好きなんだ」 「そうなんだ。みなみちゃんの家ってなんかオシャレだね」 「そんなことないよ。でもゆたかもこの歌好きなんだ」 「うん。たまにテレビとかでも流れてるよね」 「良かった」 それから3曲くらい、ゆったりとリバプールの波に揺られた。
コツ、コツという音でチェリーが窓から呼んでいるのに気づいた。 一緒に遊ぼうと誘っているのだろう。 ゆたかも乗り気だったのでリビングの窓から直接庭へ出た。 サンダルは少し大きめだったろうか。 「チェリーおいで」 出会った頃の興奮もだいぶ冷めたようで、ゆたかに飛びかかることもなく フリスビーを追いかけて笑っているチェリー。 私も混ざって一緒になって庭を駆け回ると息を上げて緑の芝に寝転んでしまった。 皆に遊んでもらうの、久しぶりだもんね。 「水をあげないと」 「私があげてもいい?」 「いいよ」 「最初は驚いたけど、ホント人なつっこくていい犬だね」 水を飲むチェリーを撫でて上目遣いで見られると 人なつっこいのはあなたの方ですよと言いたくなるけれどちょっと照れくさいのでやめた。 「ここまで懐くのは初めてだよ。ゆたかのこと好きになったみたい」 「本当に?なんか嬉しいなぁ。チェリー、水おいしい?」 「ワン」 チェリーはいつもより元気よく答えた。 確かにこの子は人なつっこい方だけど、会ってすぐブンブン尻尾を振り回すこともない。 犬は匂いに敏感だから私と同じ年の子の匂いを嗅ぎ分けてこんなにすぐ懐いたのだろうか。 もしかして私の匂いがゆたかにもついているからとか? ただこの匂いに関する仮説は後日田村さんが家に来てあっさりと崩れ去るのだった。
チェリーを家に入れると、時計の針は12時を少し回っていた。 そろそろ昼ごはんを作る時間だとお母さんに急かされ 「お母さん、今日は作るじゃなくて食べるでしょ?」 なんて突っ込みを入れる間もなくエプロンに着替えて、とにかくカレーを作りだした。 「小学校のキャンプ思い出すね。私は野菜を切る係りだったよ」 少し大きめのエプロンを身に着けたゆたかがピーマンを切る。 「私は火をおこしてた」 今は並んでジャガイモの皮を剥いている。二人とも野菜係りだ。ご飯は炊飯器に任せておけばいい。 「みなみちゃんならテキパキやれそうだね」 「熱かったなぁ。でも楽しかった」 「そうだよね、キャンプ楽しいよね。あ、今度の夏休みキャンプ行かない?」 「うん。今度計画たてよう」 材料を切って、軽く炒めて鍋に入れる。 この一見簡単そうな手順を実際やってみるとやはり楽だった。 カレーにしたのは正解だったみたいだ。 少し大きめのエプロンを着けるゆたかも手慣れた手つきで包丁を扱っている。 料理はあまり上手くない、という言葉は謙遜だろう。 私はいつもより小さめにジャガイモを切って大きさを確かめてみた。 「これくらいでいいかな?」 「うん。ちょっと小さいかもだけど、うちも大体それくらいだよ」 お互いに大きさを合わせようとすればするほど具は小さくなり、普段と比べて半分くらいになってしまった。 最初に確認した大きさよりも二回りくらいになった材料を鍋で軽く火に通し水を入れた。 「思ったよりも小さくなっちゃったね」 「これはこれでおいしくなるよ、大丈夫」 「料理って楽しいな、色んなメニュー作れるようになりたくなったかも」 「私も、二人で作ったら他のも作りたくなった」 「こなたお姉ちゃんに教えてもらわなきゃ」 「泉先輩・・・」
料理への誓いを一通り済ませ、鍋にルーを入れ数分したらいい匂いがしてきた。 お母さんサラダを作ってくれて、三人で食卓を囲む。 お皿にご飯を盛って、ルーをかけようと鍋を覗き込むと 「あ・・・」 「どうしたの、みなみ?」 「お母さん、カレーが何か変」 「あら、これは――」 「どうしたの、みなみちゃん」 私たちは確かに切ったはずだ。 うん、キャンプの約束もしたし、大きさだって考えた。あれは夢じゃあない。 なのに、具がない。にんじんやお肉、ナスは見えるけど他の具が消えた? 「バイツァ・ダスト・・・。具を入れたという事実さえ、消し飛ばしたの?」 ああ、ゆたかが訳の分からないことつぶやいている。今度は青ざめた顔で。 「これは野菜とジャガイモが溶けちゃったのね」 「溶けたんですか?」 「そうねぇ、ちょっと具が小さすぎたのかしら」 「よかった。せっかく切った具がどこかに行っちゃったのかと思いました」 「ふふふ。そんなわけないじゃないの。でも味は良いハズでしょ?二人が作ったんだから」 一安心して、テーブルに座りなおした。 目の前には色は偏っているけど、力を合わせて作ったカレー。 おいしい、おいしいはずだ。 「いただきます」 ゆたかとほとんど同時にスプーンですくって口に入れる。 顔を見合わせ 「おいしい!」 「これおいしいよ!」 溶けた玉ねぎ、ジャガイモ等の具材が味を引き立て 冷蔵庫からこっそり使ったちょっと高そうなヒレ肉はもちろん、 お母さんが最後に入れたナスの食感や小さいにんじんも甘くて柔らかい。 何より二人で作ったという重み、おしゃべりやゆたかの野菜を切るときの真剣な眼差しが 最高のスパイスになっていて「おいしさ」の根源に触れたような気持ちになった。 「おいしい」 「うん、おいしいね」 「たまには具の溶けたカレーもおいしいわね。またご飯作りに来てね、ゆたかちゃん」 三人が口を揃えて褒めちぎった、カレーも満足しているはず。
さて、ゆたかにも手伝ってもらって片づけを済ませ私たちは、リビングへ戻った。 途中廊下で寝ていたチェリーは遊びつかれたのだろうか。 昼ごはんも上手くできたし一息つくにはぴったりの時間、午後2時。 天気は庭にシートでもひいて昼寝したいほどの晴れやか。 中学の頃の話とか棚に並んだDVDの中でどれが好きかとか、他愛のない話をしていて せっかくだから何か見ようかという話になった 「ゆたかはどれが見たい?」 「うーん。色々見たいけど決められないからみなみちゃんの見たいのがいいな」 「最近見てないのはこれとこれかな」 「私これ見たことあるよ」 二枚選んだうちゆたかが指さしたのは“DEEP BLUE”というイギリスのドキュメンタリー映画だ。 「すごく綺麗な海が出てくるんだよね。でもアホウドリが出てくる所で寝ちゃったなぁ」 「別のにする?」 「そうだね。また寝ちゃうかも」 「じゃあこっちの映画でいい?」 「スタンダバイミー、これ見たことない」 スティーブン・キング原作の青春映画。お父さんが好きで小さい頃一度だけ一緒に見たことがある。 男の子が線路を歩いてる場面しか覚えてないので、まぁ初見みたいなものだ。 「この男の子可愛いね」 「うん、私もほとんど覚えてないから楽しみ」 一時間半後、エンドロールまで見終えた私たちの表情は多分同じだったと思う。 「良かった」 「うん、すごくいい映画だったね」 ここで泣くんですよ!って場面はなかったけれど 確実に私の胸を暖かくさせるような感動と男の子へのちょっとした憧れを抱いた。 「やっぱいいなぁ、男の子って」 「うん。本当に」 やっぱり。私もゆたかも同じこと考えてた。 私は女の子で良かったよ。だってこうやってゆたかと友だちになれたんだから。 「じゃあ私そろそろ帰るね」 「ゆたかちゃん、また遊びに来てね」 「はい、今日はとっても楽しかったです。ありがとうございました」 いつの間にか一緒に映画を見ていたお母さんもゆたかのことが気に入ったみたいだ。 「帰りは駅までおくって行くからね」 「ではお言葉に甘えて」 「ほらみなみ、行くわよ」 車の中で今日のことを話した。 キャンプの約束やカレーのことや映画のこと。 もっと遊んでいたかったけどゆたかがこう言ったから 「みなみちゃん、また明日」 「うん、また明日」 続きは、また明日。
418 :
26-468 :2008/09/28(日) 20:50:42 ID:Z8R1f0eg
以上です 読んでいただきありがとうございます 相変わらず分量が分からず5レスで収まってしまいました 続き物がいつもよりも大分早く書けて安心しました もう少し話を続けていこうかと思っています 2人の微笑ましい姿を見ているととても幸せになりますね あと映画とかの趣味は完全に自分のものですので みなみのお父さんに何か設定ミスがあったらごめんなさい
>>418 GJでした。ほのぼのしててよかったです。
なんかあなたとは趣味が合いそうっす。
僕だったらお父さんの映画趣味は迷わずグッド・フェローズにしますが。
ビートルズよりQUEEN派です。
まぁ、これから初めてSSを投下しようと思ったら
こんなのが投下されてて、ちょっと気が引けてます。
えぇと、
>>359 と
>>363 の者です。
この前やっとできた!さぁ投下だ!と思ったら、規制の巻き添えを食らいました。
時間に余裕が出来たので、投下させていただきます。
誰もいなかったら、5分後に投下しようと思います。
・エロ無し
・ギャグマンガ日和ネタ
・5レス使います。
・キャラ崩壊
・一部のキャラがヤンデレ
・書いてみて気がついたのだが、何気に7-896氏のネタを使っていた……
・もしかしたら、ちょっと文がずれてるかも
正直、初めての投下なので緊張しております……
アニメ版の最終回のこなたたちの気持ちが分かる……
でも前からSSを投下したい!と思っていたので、
思い切って今日実行してみます。
では投下させていただきます 名探偵っスか! みWikiさん みゆき「はーい」 みゆきさんはオタクの間でも評判の巨乳キャラだよ この世の全ての犯罪者を例え親だろうが友人だろうが決して容赦することなく ゆい姉さんに通報するぐらいの心構えだよ みゆき「そもそも探偵という職業は、現在の日本では浮気調査が大半であって、 マンガやアニメでよく見かける犯罪の調査に関わることは、あまり無いですね。 殺人事件が起こった時の対処も大半は、警察の組織が(以下略)」 学校で大事件! こなた「うにゃぁぁぁぁぁ」 みゆき「あの悲鳴は……事件でしょうか?」 かがみ「おっ、久々にみゆきの名推理が見られるわね」 みゆきとかがみは、泣きじゃくるこなたの前に近づいた。 こなた「ヒックヒック」 みゆき「どうしたんですか泉さん。机の中に7-896氏のSSでも入っていたんですか?」 かがみ「妙に発想が恐ろしいわね、みゆき……」 みゆき「あの人の私の壊れっぷりは尋常ではないので、怖がるのも無理はないんですよ かがみさん」 かがみ「何かが盗まれたとかよ。きっと……」 みゆき「そうなんですか?」 こなたは、みゆきの方に顔を向けた。 こなた「ひぐっ……私の……ぐす、スク水が盗まれ……うえぇ……たんだよ……」 かがみ「なんですって?なんてハレンチな……!?一体誰なのよ、こなたのスク水を 盗んだ奴は!こなたが怖がってるじゃない!って、あぁ!!」 かがみは、みゆきの方を向くと、みゆきは7-896氏の『優しい目をしたみゆきさん』の 状態になったみゆきの姿があった。 みゆき「優 優」 かがみ(みゆきの目つきが優しくなった!これはみゆきのオーガズム、じゃない みWikipediaが働いた印ね……!この特徴からみゆきは別名『みゆき自重www』 と呼ばれている。あの優しい目から逃れられる犯人は一人もいないのよ!) みゆきは、視線をかがみの胸元に移した。 かがみ(さぁ、始まるザマスよ!みゆきの名推理が――!) かがみの胸元には、『6−3 泉』と書かれていた。 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」
のぞきなんて最低だ! こなた「うにゃぁぁぁぁぁ」 みゆき「あらっ事件でしょうか?」 かがみは大急ぎで、こなたの家に向かった。 みゆき「どうしたんですか?」 かがみ「おっ、みゆき。事件よ」 みゆき「なにかあったんですか、泉さん?」 こなたは、バスタオル一枚の姿で、ちらりと姿を見せている。 恥ずかしいのか、顔が真っ赤だ。 こなた「のぞきだよ、みゆきさん。誰かが私の萌え萌え入浴シーンをのぞいていたんだよ」 みゆき「優 優」 かがみ「え……ちが、私じゃないわよ、そんな優しい目しないで!確かに前科はあるけど……」 こなた「かがみんじゃないよ。犯人は逃げる途中、『バルサミコス〜』って言ってたんだよ」 みゆきは、ボリボリと頭をかくと、白いフケがパラパラと落ちた。 ……すまん。金田一耕助が好きだから、みゆきさんにこんな癖つけちまった。 みゆき「バルサミコスですか。普通に考えれば犯人は日下部さんですね」 かがみ「その線は無いと思うわよみゆき!バルサミコスっていう日下部なんて、 エロパロスレ板史上例が無いわよ!ヴぁっていう峰岸ならいたけど……。 マジメに考えなさいよみゆき!許せないことよ、こなたの入浴シーンを覗くなんて! しかも姉のくせに妹の口癖を利用するなんて、卑劣よ!」 みゆき「優 優」 かがみ「のぞきなんて、最低で卑怯な行いよ!」 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」 みゆきさん最後の名推理 こなた「みゆきさん……助けてぇ……ぐすっ……怖いストーカーから手紙が……ひくっ……きて、 すごく怖くて……怖くて……うえぇぇぇぇ」 みゆき「そ、それは本当ですか!?」 かがみ「なんですって!?私の友達になんてことを……許せない!!」 こなた「ひくっ……みゆきさん……どうすればいいの……?お願い、助けてぇ……。 このままじゃ、関係ない人まで……どうなってしまうのか……うえぇぇぇん」 みゆき「落ち着いてください。まずは、泉さん宛にきた手紙を読ませて下さい。 みゆきは、こなた宛にきた手紙を、不気味な雰囲気を感じながら読んでみた。
愛しのこなたへ 明日、こなたの家に泊まりに行きます。 こなたも分かっていると思うけど、わたしは、あなたのことが大好きです。 きっと、こなたもおんなじ気持ちでいてくれますよね?ぜったいそうですよね。 わたしにはわかります。あなたがわたしのことを大好きでいてくれてるということも。 ところで、先週の日曜日に、バイト先にいたあの外国人はだれですか? なんでわたしのこなたにあんなにベットリひっついていたんですか? あんなにあなたが迷惑しているのに、ベタベタ触ってきたりして、きっとこなたは うざく思っていると思うので、こなたの家に行く前日に、殺しておきますから。 こうしておけば、わたしとこなた、二人でずっといられますね♪ こなたの喜ぶ顔が目に浮かびます。 こんな手紙でも、私の気持ちは通じましたか? でも、わたしは不安になります。時々、あなたがわたしに向ける視線が、不自然だって どうしてそんな目をするの?わたしはこなたのことを大切に思っているのに。邪魔するやつを徹底 的に叩きのめして、あなたと二人きりになれるというのに、どうしてそんな目をして、私を見つめ るのですか?先ほど書いたように明日はこなたの家に行きますけど、けっしてそんな目をしないで ください好きな人にそんな目をされるとくるしいですだからあなたはずっと笑顔でいてその笑顔は 私だけのものにしてみゆきはつかさや一年生たちや背景などにあなたを渡したりしないだってあな たはわたしだけのものあなたはわたしだけのものあなたはわたしだけのものあなたはわたしだけの ものあなたはわたしだけのものあなたはわたしだけのものあなたはわたしだけのものあなたはわた しだけのものあなたはわたしだけのものあなたはわたしだけのもの ゲームだってずっと付き合ってあげるしこの前欲しいといっていたゲームやアニメDVDだって買って あげるしどこにだって連れて行ってあげるしあなたがセックスをしたいといったらあなたが満足する セックスをするし邪魔な人間がいたらこなたのために殺してあげるしキスだって何度もしてあげるし バイト先であなたに手をだす虫がいたら踏んづけてあげるし生意気な口を聞くエセ関西弁教師は こなたのことをいちいち叩いて起こすと聞いたので二度とそんな起こし方をしないように痛めつけときます ずーっと一緒にいましょうね。邪魔な人がいたら、すぐに片付けてあげるから、 私に身を委ねて、永遠に生きましょう。 柊 かがみ ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」
犯人っスか!?かがみちゃん みゆき「最近事件がなくて少々退屈ですね……。 かがみさん、自分のツインテールを取ってください」 かがみ「いやよ!どんな事件よ!」 ななこ「ほらー、席につけー」 教室にななこが入ってきて、生徒一同は机に座った。 なぜかかがみも座っている。 ななこ「あー、最近学校の近辺で露出魔が出没するらしいでー。 なにかあったらすぐウチに連絡するようにな」 かがみ「ほら、事件よみゆき。なにやらハレンチな事件ね」 みゆき「なんでかがみさん、この教室にいるんですか。 露出魔ですか。かがみさんじゃないですか?」 かがみ「ちがうわよ!そんななんでもかんでも私じゃないわよ!失礼な」 ななこ「昨日は泉が被害にあったそうやから、ほら、泉、その時のことを話してみ」 こなたは、ななこの隣に立った。 こなた「全裸のみゆきさんが、半笑いで家の前まで付いてきました」 かがみ「笑 笑」 みゆき「ちぇっ今度は私ですか。参ったね、てへっ☆」 名探偵だもん♪ みwikiさん みゆき「はーい♪」 陵辱学園高等部3−B組のみゆきさんはオッパイキャラだよ 好きなものは全裸とこなた。嫌いなものはもちろんかがみんだよ☆ そして好きでも嫌いでもないものはつかさだよ みゆき「ビル・エヴァンスの名盤とも言えるジャズ・アルバムの『Waltz For Debby』は、非常に 名曲揃いで、ベースのスコット・ラファロが亡くなる11日前に収録された、貴重な一枚です。 『Waltz For Debby』は、ジャズの初心者から、クラシック音楽好き、リラックス出来る音楽が 好きな人の間でも評判が高いので、初心者はまずこのアルバムから聞いたほうがいいですね それ以外にも、『Alone』とかもオススメですし、『You Must Believe in Spring』も(以下略)」 盗難事件を推理! みゆき「最近事件がありませんね」 かがみ「平和がなによ(ピー)りよ。ここのとこ(プィー)ろ事件続きだったし、ちょっと疲れちゃったわよ」 みゆき「かがみさん。ちょっと屋上から飛び降りてください。こなた自殺スレみたいに」 かがみ「ほぼ死ぬ(ポー)わよ!それにそんな事件推理する(ピー)ところないわよ!」 みゆき「わたしは……なんていうか……その……下品なんですが……フフ……泉さんの怖がる姿を見ると、 ドキドキ………しちゃいましてね」
かがみ「い、いやな優(プィー)等生だ……」 こなた「うにゃぁぁぁぁぁ」 みゆき「あら、事件でしょうか?どうかしましたか、泉さん?」 こなた「みゆきさん大変だよ!私の縦笛の先端部分が盗まれたの!」 かがみ「先端部分の(ピー)み……?一体なんのた(プー)めに!?これは奇妙な事件ね、みゆき! ……ってあぁ!?」 みゆき「優 優」 かがみ(怖っ!みゆきの目つきが優しくなった……。これはみゆきのオーガズム、じゃない みWikipediaが働いた印ね……!さすがみゆき。もう犯人に目星をつけたのね!? 一体誰なの、みゆき!?) かがみ「一(ピー)体誰が、犯(プー)人だと(プィー)睨んでい(ピー)るの!!(ピョィー)」 みゆきの視線の先には、縦笛の先端部分がはみ出てるかがみの口だった……。 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」 みゆきさん最後はスピード解決! こなた「うにゃぁぁぁぁぁ」 みゆき「あら?この声は泉さんですね……?」 街中でみゆきはこなたに使うディルドを買おうと歩いていたら、前方からこなたが 恐怖に怯えきった顔をしてみゆきに向かった。 こなた「みゆきさぁぁぁぁぁぁん!!!!」 みゆき「(おっと鼻血を拭いてっと……)どうしたんですか、泉さん!?」 こなた「みゆきさんみゆきさん!私がね、ゲームを買いに行こうと街中を歩いていたらね……グスッ 突然変な女の人が……ヒックッ……私の胸とかお尻とか……うえぇ……触ってきて 怖いよぅ……怖いよぅ……うえぇぇぇぇん」 みゆき「なんですって!?」 みき「うおおおぉぉぉぉぉーーーー!!!! こなたちゃあああぁぁぁぁぁーーーーーん!!!!!!! うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」 ゆい「さ、行こっか」 みき「……」 おしまい
>>421-425 以上です。
なんかもう、いろいろとすみません
次回は(多分)マジメに書きますので……
もう本当に文才とか無いんで、他の作品と
見比べると、なんだか場違いな気がしてきました。
最近6巻102Pのみなみさんの気持ちが分かる今日この頃。
>>426 この手の作品には、俺、例外なくいう事が、1つ、あるんだ
自 重 す る な
いやーもう、この際だから「終末」とか「奥の細道」とか「聖徳太子」とかも
このようなぶっ壊れこな☆フェチなノリでやっていただけると
俺様腹筋崩壊できると思います。それじゃあだめじゃん!!
ていうか、これもまた、クロスオーバー、といっていいのだろうか、判断に悩むな・・・w
とりあえず重ねていう、
自 重 す る な
>>418 ほのぼの GJ !
特に事件の起こらないこんな日常もらき☆すたらしくていいね !
>>426 ワラタ GJ !
ギャグマンガ日和のパロディかwww
もうバカバカしすぎて笑いが止まらんw
>>426 大爆笑したwwwwwひでえよアンタwwwww
かがみはこなたのことが好きすぎる故にあそこまで、大バカかがみんwwwww手紙に名前書いてんじゃねえよwwww
ああもうどっから突っ込んだらいいかわかんねえよwwwwとにかく、グッジョブすぎるwwww
あ、それと俺からも最後に言っておく。
自 重 す る な
>>426 何と言うカオスwwwww爆笑した!
もう名探偵云々以前の段階だろうにwwww
上でみんなも言ってるがそれにもう一つ付け加えておこう!
も っ と や れ
と。
>>426 自由すぎるだろかがみん。
重過ぎず、いや軽すぎる
すぐオチがわかるのも良いが
るんるんバカボンバカボンボン
なぜ止まらないこの鼻血
GJ
>>426 思わず増田画で想像してしまったジャマイカwwwGJ!!
>>426 オチの配役にやられました。ていうか血筋か、血筋なのか。
ぐっじょぶ。
434 :
戸別響 :2008/09/29(月) 13:26:18 ID:8eniTG9Z
お久しぶり、といいますか、2ヶ月ぶりです。戸別です。 小説を投稿したいと思います。 タイトル ある雨の日に ・ こなた&つかさ ・ 非エロ ・ 6レス使用 約3分後に投稿をはじめたいと思います。では、どうぞ。
ザァ――― ザァ――― 「……雨だねー」 「……そだね〜」 「……雨、ね」 二学期の期末テストが迫り、そろそろ冬の足音が聞こえてきそうな十一月の終わり、 私は久しぶりに柊家に遊び……じゃなかった、勉強会をしに来ていた。 朝に聞いた天気予報によると、今日の天気は晴れだということで、傘を持たずに 家を出たんだけど、昼過ぎくらいからだんだんと雲が出てきて、三時過ぎにはついに 降り出してしまった。 「降水確率10%だったのに……まるであの某超監督のアニメみたいだー」 「え、何の話?」 「ほらほら、あの長回しで有名なー……」 「はいはい、一般人にわからないネタを振るな。だいたいその話が有名なのは、 原作知ってる一部の人間だけだ」 「……じゃあそれを知ってるかがみも一部の人間だよね」 「なっ、そ、そういうわけじゃ……」 ちなみに私達は午前中に勉強を切り上げ、雨が降るまで縁側でのんびりタイムを満喫して いたんだけど、今は居間に避難して、恨めしく窓の外を見ていた。 ……今の会話で少し和んだけどね。 「……でも、困ったねー」 かがみとのちょっとした言い争いをした後、私はこれからのことを考えた。 「ん? こなちゃん、どうし……あ、そういえば、傘持ってきてなかったよね」 「うん、どうしようかな……」 窓の外の天気は明るいうちには降り止みそうにもない。傘無しで帰ったらびしょ濡れに なることは必至だ。
しばらく考え―― 「それじゃあ、私達の傘、貸してあげるわよ」 「え、いいの?」 ――る前に、かがみがひとつの提案をくれた。いや、私もそれは考えたけど、自分から 言うのはちょっと図々しいと思って抵抗が…… 「いいっていいって。どうせそうでもしないと帰れないでしょ? あ、でも次の月曜日には ちゃんと返すのよ」 ……さすがかがみ。私への注意は忘れない。 「それじゃあ、お言葉に甘えて……」 「あ、待って、こなちゃん」 さっそく傘を借りて家に帰ろうと立ち上がろうと思ったら、つかさがそれを止めた。 「ん? どしたの? つかさ」 「私が駅まで一緒に行ってあげる」 「えっ、いいよいいよ。一人で帰れるし」 つかさの意外な申し出に一瞬戸惑ったけど、すぐに断った。でも、 「ううん、私もついていく」 と、つかさにしては珍しく頑固になっている。 うーん、つかさがこうして積極的になるのも滅多にないし…… 「……わかった。いいよ」 「ホント?」 私はつかさが私についてくるのを許可した。つかさはとても嬉しそうに顔を明るくして、 玄関に向かう私の後ろについていった。
「もうすぐテストだけど、私達全然勉強してる感じしないよねー」 「うぅ〜、今は勉強の話はしたくないよぅ……」 雨が降り続く中、私とつかさは横に二人並んで駅までの道を歩いていた。ちなみに私は つかさから借りた青色の傘を持って、つかさは自分の水色の傘を持つとともに、同じ色の 合羽を着ていた。合羽が必要なくらいの大降りじゃないのに、なんでかなぁ? とも 思ったけど、人それぞれだよね、感覚っていうのは、と考えて自己完結させた。 今私達は、歩道のある比較的広い道を、つかさが車道側になって、二人並んで歩いている。 降り続いた雨のせいで、車道や歩道にはたくさん大きな水たまりができていて、私達は それらを避けながら、駅を目指していた。 「受験も近いけど、テストが終わったらどうしてもその前の冬休みっていう楽しいことに 目が行っちゃうよねー」 「そだね〜。クリスマスとか、お正月とか……」 「あと私的にはコミケとかねー」 「えっ、こ、コミケ……」 私の振りに始めは指折り数えて楽しそうにしてたつかさだけど、コミケという言葉を 聞いて、少し引いた様な、何かに恐れている様な表情になった。 ……まだ去年のトラウマを引きずってるみたい。 と、その時、 「きゃ!」 「うおっ!」 一迅の木枯らしが私達に向かって吹きつけてきた。 私達は二人とも秋物のトレーナーを着て寒さ対策はしていたけど、真冬の風並みに強く 冷たいこの木枯らしには、冷たい雨も相成ってその防寒性能ほとんどは通用しなかった。 「うぅー、さ、寒いー……」 「そ、そだね〜……手袋も必要だったかな……」 横を見てみると、隣にいるつかさも合羽があってもこの風はきつかったらしく、 両手を擦り合わせながら肩をしぼめていた……って、 「つ、つかさ!」 「ふえっ! ど、どうしたの? こなちゃん」 「か、傘、傘!」 「えっ、傘? ……ってああ〜!」 私とつかさの二人は、つかさが持っていた傘を見て驚いた。なんと、笠の部分が 見事にひっくり返ってしまっている。おそらくさっきの強風のせいだと思うけど、 それにしてもまるで台風の中を歩いていたかのような有様だ。
そこへさらに、 「ひゃっ!?」 「えっ、うわっ!」 追い討ちをかけるように、バシャーンという音とともに車道方向から津波のような 水しぶきが襲い掛かってきた。それはつかさの背中に直撃し、つかさは合羽によって 服が濡れる事はなかったが、傘をさしていて合羽のフードを被っていなかったために頭が、 合羽が届かなかったため足元が、それぞれびしょ濡れになってしまった。ちなみに原因は、 後ろから走ってきたトラックがやや深い水たまりに突っ込んだから。水しぶきが あがった後、トラックが走っていくのが見えたから、間違いない。 「ふえ〜ん、びしょびしょだ〜……」 「だ、大丈夫? つかさ」 泣きそうな声を聞いて視線をトラックからつかさに移した。 「う、うん……」 「そっか。それにしても、さっきの傘といい、つかさは相変わらずドジっ娘というか、 不幸属性持ちだよねー」 「うぅ……こなちゃんは大丈夫? 濡れてない?」 「えっ、私?」 ちなみに私はというと、その不幸属性に感謝すべきなのか、それともそう思って しまった事を謝るべきなのか、つかさが壁になってほとんど濡れる事はなかった。 その事をつかさに伝えると、つかさはさっきの半泣きに近い様な表情から一転、まるで 太陽のように顔を明るくして、 「よかった〜。さっきの水しぶき、すごかったから……」 と、ホッとした声で言った。
……あれっ? つかさの今の表情と言葉に、私は少し違和感を感じた。 ……つかさ、何で自分がびしょ濡れなのに、私の無事を聞いて笑ったんだろう…… あれ、そういえば……と思って、数分前のことを思い出してみる。家を出てすぐ、 つかさは車道側に出て私と並ぶように歩き始めたっけ。その時は余りにも自然だったから、 特に何も考えなかったけど…… もしかして……と私は考える。今私が偶然持っていたタオルで、濡れた頭を拭いている つかさは、こうなることを予測してたんじゃないの? よくよく考えてみると、こんなに 雨が降っているなら車道にも水たまりができるのも当たり前。そんな中で交通量の多い 道の歩道を歩いていたら水しぶきに遭う可能性は十分高い。 ……そっか、だからつかさは合羽に傘という完全防備で歩いてたのか。 自分が車道側で歩いて、傘しかない私を水しぶきから守るため。防御は完璧だから自分は いつ水しぶきが来ても大丈夫。だから私が帰ろうとしたときも、一緒についていくって 意固地になってたのかも もちろん、私の考えすぎかもしれない。つかさはいつも合羽と傘を一緒に身に着けてるの かもしれないし、たまたま車道側にいったのかもしれない。もし私の考えが当たって いても、風で傘が壊れたり、足元にまで注意が行き届いてなかったり、抜けている ところもある。 それでも―― 「…………」 「……あれ、どうしたの? こなちゃん。もう頭拭き終わったから、傘はもう離しても いいよ?」 「……ねぇつかさ。私が持ってる傘に入ってかない?」 「えぇ!? い、いいよ!」 「だってつかさの傘、壊れちゃったし」 「で、でも、私、まだ合羽があるし、フードを被れば……」 「いいのいいの! 私がしたいだけだから」 そういって私はつかさの真上に傘を持ち続けた。つかさは少しの間困った顔をしていた けど、すぐに「うんっ!」と嬉しそうに返事をし、私に身を寄せた。
「……それでね、お姉ちゃんったらね……」 「アハハ、かがみらしいねー」 私とつかさ、二人が一つに傘の中にいて、つまり相合傘で、他愛もない話をしながら 歩いている。 歩いているうちに、私は朝の天気予報を思い出していた。 天気は晴れ。降水確率10%。 つかさの家にいるまでは外れたって恨んでたけど、今の私にとっては、案外外れてないの かもしれない。 だって、つかさから借りた傘のおかげで雨を避けることができるし、傘の青色はまるで 青空みたいだし。そして太陽は―― 「? どうしたの? こなちゃん。顔、真っ赤だけど……」 「えっ、あ、いや、な、なんでもないよ」 「ホント? 熱でもあるんじゃあ……」 「だ、大丈夫だいじょーぶ! ほら、早く駅に行こう!」 「えっ、あ、ま、待ってよ〜、こなちゃん!」 私はまるでつかさから早く離れたいかの様に駆け出した。 だって、言える訳ないよね。顔が赤くなったのは―― 「太陽はつかさの眩しすぎる笑顔だって考えたら、急に恥ずかしくなったから」 ――なんてさ。
441 :
戸別響 :2008/09/29(月) 13:49:20 ID:8eniTG9Z
以上です。私、こなたとつかさ、このコンビが大好きなんですよ。何と言うか、二人の空気というか 雰囲気がとても似ていて、最高の仲良しコンビだと思います。 ちなみに今回のタイトルの前案は、「Some day in the rain」 元ネタは話の中にも出てきた、 某アニメのDVD版最終回のタイトルです。本案はこれを日本語訳したものです。 感想、批評、矛盾点、問題点ありましたら、どうぞよろしくお願いします。
けいかくどおり・・・っと (┃▽┃ )ポッポポポポポ これで、やっとこなちゃんはわたしのもの、わたしのもの、 ずっとおねえちゃんに奪われっぱなしだったけど、やっぱり こなちゃんの真のパートナーを、戸別さんはちゃーんと理解してるんだね。 GJだよ・・・・。
作品を投下してから一日経ち、覗いてみると予想外に
評価がたくさん書き込まれていて、びっくりしました。
みなさんの感想は全部保存してます。
初めてのSSに「笑いが止まらん」とか「ひでえよアンタw」とか
「自重するな」「もっとやれ」等たくさん頂き、非常に嬉しく思っています。
ですが、この作品を作れたのも、増田こうすけ先生と、7-896氏のおかげです。
この場を借りてお礼申し上げます。
いつか、自分自身のギャグを作り出し、皆さんを笑わせていこうと思います。
>>427 初めての感想ありがとうございます。出だしの「この手の作品には〜」で
始まった時は「迷惑だから、こんな作品は投下するな」って書き込まれたのかな
と思っていましたが、評価が良くて良かったです。
ギャグマンガ日和のパロネタは、他にも考えていますが、
あくまで自然にらきすたキャラが話しているように見せるのが難しいです。
上記三つの作品の内一つを執筆中なので、待ってて下さい。
>>429 大爆笑していただいてなによりです。とても励みになりました。
失笑程度ならしてくれるかなと思っていましたが、大爆笑していただけるとは…
>>430 わかりました。ガンガンやっていきます。
>>432 僕は美水画が頭の中で思い浮かんでおりました。
>>433 実は、オチはみきさんじゃなくてかなたさんにしようと思っていました。
死んだ人間が実は生きていた、というのはミステリーの常套手段ですから
>>441 僕はかが×こな派なんですけど、たまにはつか×こなもいいですね。
GJでした。
長くなりましたが、最後にありがとうございました。
これからは自重しないでもっとやっていこうと思います。
ところで、さりげに「名探偵だもん♪ みwikiさん 」の
みゆきさん紹介のところでさりげに「陵桜」じゃなくて
「陵辱」って書いたのですが、誰か気づいてください。
444 :
寝起きの人 :2008/09/29(月) 23:36:55 ID:bAQL5cJU
「こなたと合体したーい…」
>>443 おおぅ・・・俺
>>428 なんだが、感想書いたのになぜか俺だけスルーされたぜ・・・
微妙に傷ついた・・・
>445 レスの返事を求めなさんな
>>445 あ、すみません……すっかり忘れてました。
こまかくメモ帳で貼り付けを繰り返していたら、貼り付けるの忘れてました。
今貼り付けます。
>>428 バカバカしく感じていただければ、嬉しいです。そんな感じに狙って書いたので。
あともうちょっとで第二弾が完成するので、今夜中に投下しようと思います。
あぁあともう一つ貼り付け忘れました。
>>431 僕がこれを執筆中に止まらなかったのは、下痢です。
すごい痛かったです。健康管理に気をつけましょう。
>>447 やっぱ眠いので、もうちょっと見直してから明日か明後日投下します。
ではお休み
どうもです 前作「誰もいない」の続き、上がりました こなかが直接対決、スタート・・・・は、まだしません 今回は前回の裏側、同時刻のかがみ視点バージョンです 被りがないようでしたら五分後ぐらいから、投下させてください ・かがみ&こなた、かがみ&あやの ・エロなし ・9レス使用 ・全6回を予定
放課後。 意を決してΒ組の教室に入ると、こなたは机に突っ伏して眠っていた。 「……」 「あ、お姉ちゃん」 傍らでソレを見下ろしていたつかさが、こちらに気付いて朗らかな声を挙げる。隣ではみゆきが 柔らかく微笑んでいる。 「こなちゃん、お姉ちゃん来たよ。起きて」 「あ――待って」 こなたを揺り起こそうとしたつかさだったが、私はとっさにそれ制止した。 「え?」 つかさが手を止めて、振り返る。 きょとんとした顔。 不思議そうな、でもそれだけの、不安も緊張もなさそうな顔。 「……起こさないでいいわ。ちょうど、ちょっと二人で話しときたいことがあるのよ、こなたと。だから 悪いけど、先に二人で帰ってくれる?」 「あ――うん。わかったよお姉ちゃん」 妙に物分りがいい。 隣のみゆきも、心得てます、と言わんばかりの笑顔。 「……ごめんね。たぶんちょっと遅くなるから、そう言っといて」 「うん。――じゃ、行こ。ゆきちゃん」 「ええ。――それでは、失礼します、かがみさん」 そうして二人は仲良く寄り添いながら離れていった。 去り際に、 「がんばって」 そんな言葉と、いっぱいの笑顔を残して。 ……まったく。あんたのためでもあるってのに。 峰岸にも同じこと言われたっけ。ちょっと、意味が分からなかったけど。 まあいい。その峰岸も日下部と一緒に帰ったことだし、他のことに気を回す必要はないのだと 考えよう。目の前のことに集中できると。 さて、と。 見下ろす。 机に突っ伏して、こなたは眠っている。呼吸に合わせて肩が緩やかに上下している。 ほぼ真上からのこのアングルだと得体の知れない毛のカタマリにしか見えなくて、それがちょっと おかしかった。 緊張感が抜ける。 「……こなた」 呼びかける。 が、毛玉は反応しない。 そりゃあそうだろう。この程度で起きるようなら、さっきのつかさの声で目を覚ましていたはずだ。 ちらりと周囲を見回してみる。残っている生徒の数は、だいたい六割前後といったところか。 座ったままの人は少なくて、だいたいが仲の良いもの同士で談笑している感じ。 こなたの隣の席も、ちょうど空いている。 脇のフックにも鞄とかはかかっていないし、ここの人ももう帰ったと見ていいだろう。或いは部活 に行っているか、欠席でもしたのか。 いずれにしても好都合だ。少しの間、椅子を貸してもらおう。 「――失礼しまーす」 顔も知らない誰かさんに口の中で断りを入れつつ、腰を下ろす。 そうすると、こなたの様子がよく見える。
まったく、呑気に寝こけやがって。意外とかわいい寝顔してるのはどっちだっつーのよ。 普段の飄々とした態度や悪戯な仕草からは想像もつかない、見た目通りに子どもみたいな、 あどけない寝姿。 でも猫口なのは変わらないらしい。てか睫毛長いな、こいつ。 っと、いかんいかん。なにじっくり観察なんかしてるんだ私は。 視線をこなたから引き剥がし、鞄から読みかけのラノベを取り出す。 起きるまでこれで時間つぶしでもしていよう。 というか、今の行動は迂闊に過ぎたわね。 「……」 再度、今度はこっそりと教室内にいる生徒たち、特に男子の様子を窺い見る。例の三人組も まだこの中に残っているかも知れない。 彼らが今の、ここでこうしている私を見たら、どう思うだろうか。 耳を澄ましてみる。 放課後の教室特有の、開放感に満ちた喧騒が耳にクローズアップされる。が、 「……」 無理だ。 分からない。その中からあのときに聞いた声たちを拾い上げることはできなかった。 既に帰ってくれているのか、それともまだ残って、私のことを見て笑っているのか。 どっちつかずな状況に、イライラする。 すぐにでも立ち上がって片っぱしから問い詰めたい衝動に駆られてしまう。――が、駄目だ。 「――、……」 深呼吸を、一つ。 落ちつけ。 関係ない。 関係ないんだ。連中が今この場にいようといまいと。 あまり考えたくないことだけど、私とこなたのことをあんなふうに思っているのが彼らだけとは 限らないのだから。それにそもそもそんな外野の野次馬のことなんか、知ったこっちゃない。 人からどう思われるかなんて関係ない。問題なのは、私がどう思うかなんだ。 だから、気にしたら駄目だ。 そう、必死で自分に言い聞かせる。 こなたが眠っていてくれてよかった。もし起きていたら、こんな精神状態のまま始めなければ いけないところだった。まさかこいつのぐうたらに助けられる日が来るとはね。 っていっても、そもそもの元凶はこいつなんだけど。 まぁ、いい。 本、読もう。 きりのいいところまで。それまで待っててあげる。 それまでせいぜい、眠っていなさい。 ☆ 「……あんなヤツの、何を信じろって言うのよ……」 「……難しいね」 夕暮れにたゆたう、オレンジ色の水槽のような電車の室内で、峰岸は短く相槌をついた。 そして沈黙。 規則正しい車輪の音と、つかさたちの寝息だけが、ただ静かに流れていく。 そうして、たっぷりの間を置いて。 まるで何かを待つように、どこか不自然な空白を挟んでから。 「――でもね、柊ちゃん」 ゆったりと、峰岸は再び口を開いた。
「……なに?」 「信じる、にも、色々あると思うの」 どういう意味だろう。 顔を向けても峰岸はまっすぐ正面を向いていて、影の落ちたその横顔からは、少なくとも私には 何の情報も読み取ることができなかった。 「例えば――その人の、人柄を信じる。能力を信じる。将来性を信じる。――色々、あるわよね?」 「まぁ……そうね」 「この場合は、行動、かな?」 行動。 こなたの、行動。 なるほど、確かに私は、それを信じていなかった。だからこんな訳の分からないことになったんだ。 峰岸のさっきの言葉が本当だとするのなら、アイツは私と日下部、両方の意思を尊重した上で 行動していたことになる。 それを私は、無視されていると思い込んで。 混乱して。 暴走した。 でも、だからって、どうやってそんなふうに捉えろというのだろう。 できるわけがない。普段のアイツから、そんな殊勝な態度を想像なんてできるわけがない。 せめて何かひとこと言ってくれれば信じられたかも知れないのに。 ……違う。 それをいうなら、私もだ。 私があのとき――“かわりばんこ”についてこなたに最初に訊かれたときに、恥ずかしがらずに 素直に答えていれば、もしかしたらその場で全てに片が付いていたかも知れないのだ。 ……そうか。 なるほど。分かった。 つまり私たちに足りなかったものは。すべきだったことは。 そして今からでもそれをするためには。 片付けておくべきことが、ある。 「峰岸」 「なに、柊ちゃん」 「その……私を紹介して欲しいっていう、男子のことだけど……」 「あぁ……」 俯いたままの私の言葉に、峰岸は「すっかり忘れてた」とばかりに頷いた。 そしてあっさりと言う。 「分かったわ。断っとく」 「え――」 思わず顔を上げる。 屈託のない笑顔が、差し込む夕明かりでオレンジと群青に塗り分けられていた。 なんとなく、気圧される。 「待ってよ。私、まだ何も――」 「じゃあ、受けるの?」 遮られた。 「そ――そうじゃ、ないけど……でも自分で言うわよ。だからクラスと名前を――」 「柊ちゃん」 ぴしゃり。 そんな音が聞こえてきそうな、断ち切るような口調で再び遮られる。 「なんでも一人で抱え込もうとしないで」 いつの間にか笑顔が消えている。
「で、でも」 「だってその彼のことは、柊ちゃんには何の責任もないことなのよ?」 「なに言ってるのよ。私の――私とその人の、二人の問題でしょう? あんたはただの仲介役で」 「はぁ……」 ため息。 呆れたような、面倒くさがっているような、それでいてどこかわざとらしい。 悪戯を仕掛けてくる直前のアイツを髣髴とさせる、そんなため息を峰岸は吐いた。 「――本当はね、そんな人いないのよ」 「え……?」 「パーティーの間だけ、柊ちゃんの意識を泉ちゃんから逸らすために、適当に作った嘘だったの」 「……」 絶句する。 なに……何を、この子は…… 「だから何の責任も感じなくていい――ということで、どうかしら?」 にっこり。 「へ?」 えっと、それって……え? 「そ、そうなの? でも……え?」 「そうなの」 「……」 「だから――嘘ついてごめんね、柊ちゃん」 うわ。 直感した。これはダメだ。たぶん、どう足掻いても本当のことを聞きだすことはできない。 そんな気がする。 ため息が漏れた。 「アンタって……たまに訳わかんないわ」 「そう? 私は単純よ?」 「どこがよ」 これが単純なら、この世に複雑なものなんて存在しないじゃないか。 「私は、みさちゃんのことが一番大切。それだけなの」 「……」 また、絶句。 峰岸の言葉はあまりにもあっさりとしていて、なんのてらいも気負いもなくて、代わりにどこまでも 深い愛情と慈しみが込められていて。 甘く見ていたかも知れない。この穏やかなる友人を。 その想いは、下手をすれば私がつかさに向けるそれすら上回っているのかも知れない。 少なくとも私には、こんな台詞をこんな態度で人前で言うことなんてできそうもない。 感心や呆れを通り越して空恐ろしささえ憶える。 日下部の言っていたことが腑に落ちた。これほど想ってくれている相手から怒りを向けられれば、 なるほど、さぞかし恐ろしいことだろう。 「……そいつが一番って、あんた彼氏はどうなのよ」 不安に駆られて余計なことを口走る。 双子の絆をも凌駕する“何か”。 そんなもの、果たして血の繋がらない同性に向けていいものなのだろうか。 「あぁ……」 峰岸は深いため息をついた。 肺腑の中身を残らず吐き出そうとするかのような、それは深い深い吐息。 なんだか、嫌な予感がした。地雷を踏んでしまったかも知れない。 「お兄さんのことはね……もちろん、大好きよ」 お兄さん。 日下部の実兄でもあるというその人のことを、峰岸はそう呼ぶ。 きっと小さなころからの習慣なのだろう。
「優しいし、誠実だし、ちょっと不器用なところもあるけど、かっこいいし、かわいいし。――もし結婚 するならこの人しかいない、って思う」 まるでノロケだ。 言葉だけなら。 「――でも、ね」 だけど、それを語る峰岸の横顔には、色にのぼせただらしない様子などは微塵もなかった。 俯きがちに、淡々と。 まるで懺悔でもするかのように、彼女は言葉を紡いでいく。 「彼に対しては、どうしてもそんな“理由”が必要なの。みさちゃんに対するみたいに、何もなしに ただ『好き』とは言い切れない。女としてって前提もないとだめだし。あと、お姉ちゃんに対する 意地なんかもあったりね。――そういう余計なのが、どうしても混じっちゃうのよ」 どうやら本当に、私は地雷を踏んでしまったらしい。 この場で何かが爆発したわけではない。 語られた言葉はあまりにも少なくて、断片的に過ぎるその内容からは具体的なことはほとんど 何も読み取れなかった。 だけどきっと、爆発はあったのだろう。 足元がいきなり破裂するような、そこまで理不尽で悲惨なものではなかったにしても。 峰岸と、その姉。日下部と、その兄。或いは他にも何人か。 彼女らのそれまでの関係を、少なくともその一部を壊してしまうような、何かが。 その爆発の残響を、私は確かに聞いた気がした。 「……今の、みさちゃんには内緒ね?」 こちらに向き直り、なんとなく久しぶりに思える微笑を浮かべながら、峰岸が言う。 私は目を逸らした。 「……あんたでも、日下部に隠し事とかするのね」 「当たり前じゃない」 当たり前、か。 それはそうだろう。しかし私はそうは思っていなかった。 二人はお互いのことを何でも知っていて、どんなことでも言いあえて、どんな部分でも見せあえる。 つまり――そう。 信頼しあっていて、必要としあっていて、それでいてどちらも依存はしていない。 そんな『理想的な関係』を真に築いているのは彼女たちの方なのだろうと、無意識のうちに幻想を 抱いていた。 いや、今でもそれが的外れだとは思わない。 ただ、そんな二人でも、互いに知らないことや、言えないことや、見せたくない部分があるのだと、 それが当たり前なのだと、今さらになってようやく気付いたのだ。どんな関係のもの同士でも、生の 人間である以上は。 同時に。 逆に。 みゆきも言っていたように、どれほど分かりあえている人間が相手でも、言葉にして伝えなくては 分からないことというのも、またあるのだろう。 「……、?」 不意に、手に何かが触れるのを感じた。 見ると、 「つかさ?」 だった。 細くて白い指が私の手に絡んできている。 まさか起きていたのかと一瞬焦ったが、まぶたも下りているし、規則的な寝息もそのままだ。 ほっとする。 ほっとして、こちらからも握り返してやると、その口元が少し緩んだように見えた。
「あ、いいなぁ」 峰岸が身を乗り出して、そんなことを言ってくる。 「何よ。あんたには日下部がいるでしょ」 冗談めかして言ってやる。 「そうなんだけどね」 形のいい眉が、ふ、と下がった。 「妹ちゃん、私にはぜんぜん懐いてくれないんだもの」 「まぁ……そういう子だしねぇ」 基本的に人見知りが激しいのだ、つかさは。 こなたやみゆきなどは、むしろ珍しい例といえる。パトリシアさんのところに一人で行ったという 話にも、内心で随分と驚いたものだ。 「でも、あれじゃないの? 料理の話で盛り上がったんでしょ?」 この二人にはお菓子作りという共通の趣味がある。その関係で軽く意気投合したのだと、私は その場面は見ていないけど、峰岸本人が言っていた。 「ちょっとだけ、よ」 うん? なんだろう。今ちょっと、ニュアンスがおかしかったような気が、したような、しないような。 ……まぁ、いいか。 「そう。でもダメよ。私の目が黒いうちはつかさには指一本触れさせないわ」 「あ、そんなこと言うんだ。だったら私も、みさちゃんのことは渡さないんだから」 再び冗談めかして言ってやると、峰岸もわざとらしく拗ねたフリをしながら、日下部の肩をそっと 抱き寄せる。 しばし互いに睨み合い、そうしてからクスクスと笑った。笑うことができた。 さっきまであんなにもイライラと落ち込んでいたのに。 泣いたカラスがなんとやら、だ。 やはり持つべきものは友だち、ってことかしらね。 「……」 ちらり。 なんとなく、その友人を盗み見る。 ふざけ半分の行為であっても、日下部の肩に回された手はどこまでも優しくて、寝顔を見つめる 眼差しは限りない慈愛に満ちている。 きっと良い母親になるんだろうな、この子は。 そんなことを、あらためて思う。 私はどうなんだろう。 つかさに視線を転じる。 こちらもぐっすりと眠っている様子だ。 たまに双子だという事実を疑いたくなるほどの、私とは似ても似つかない純粋無垢なその姿。 守りたいと思う。 「良き母」になれる自信はとんとないけど、「そこそこ良い姉」にはなれていると思う。 これからもそうありたいと思う。 だとするなら。 そう願うなら。 やはり、もう一度真剣に向き合わなくてはならないだろう。この子が抱えるあの悩みに。 そのためには、やはり私は決着をつけなければならない。 こなたとのことに。アイツに向いている、この得体の知れない感情に。 私は、決着をつけなければならないんだ。 ☆
――パタン。 本を閉じる。 集中できない。物語が頭に入ってこない。文章から情景を思い描くことができない。読書ではなく、 文字を目でなぞるだけの作業になってしまっている。 たまにのめりこめる瞬間もあるけど、そのたびに周りが気になって我に帰ってしまう。 周りというか、こなたが。 他の生徒たちはみな帰ってしまって、今この三年Β組の教室に他に人はいない。 つまりそれだけの時間が経過している。なのに眠り毛玉が目を覚ます気配は未だにない。 本を鞄にしまう。 好きなシリーズなのに、こんな状態で消費してしまうのはなんか悔しい。 代わりにこなたの顔でも眺めていよう。もう誰はばかることもないんだし。 「……」 長い睫毛。きれいに細い眉。小さくて形のいい鼻。ふっくらとした頬。ふっくりとした唇。 今は閉じられているけど、開けば吸い込まれそうに大きな瞳。 もしかしたらこいつ、わりと美形なんじゃないだろうか。 いや、違うな。そういうのはもっと、スラっとした人に使う表現だ。 小さく整ったこいつの場合は…………美少女? 「……」 駄目だ。違和感が増した。 というか、何を考えているんだ。 これから対決――とかいうと無駄に剣呑な感じになってしまうけど、とにかくそんなようなものを しようという相手の顔を鑑賞なんかして。しかも可愛いとか。 まぁ新たな発見、みたいなものもあったわけだから、「あらためて向き合う」という目的に沿って ないわけではないんだけど。 うん。 そうね。そう考えると、今の行為にも意味がある。意味を持たせることができる、かな。 例えば、 「……いーかげん、起きろー……」 流れるようなその髪に触れてみても、ぷにぷにと柔らかいほっぺたをつついてみても、おかしな 感情が沸き起こったりはしない。胸の高鳴りを覚えたり、妖しい疼きに襲われたりといったことは 何もない。 ただ単純に、こいつもやっぱり手入れとかしてるのかな、とか。 そうじゃないとしたら羨ましいな、とか。 そんなことを思うだけだ。あと、なんとなく和む。 つまり私がこいつに向けている感情は、やはり恋愛感情や性的欲求ではないということだ。 それが再確認できたのは大きい。 しかしそうなると、また疑問が湧いてくる。 一昨日の、あのとき。 こなたは私のことなんて眼中にないんだと思ってしまったときに感じた、あの異様なまでの焦燥は、 こなたを求めて走っていたときに胸に渦巻いていた、あの凄まじい執着は、一体なんだったのか。 私にとって、こなたとはなんなのか。 分からない。 だから、知りたい。 “女同士”に違和感を覚えられないというつかさの悩みを理解するためにも。 そして、今までのようにこいつの隣で笑い続けるためにも。 私は、「私とこなた」に何らかの答えを見出さなければならない。
「……」 てか、なんか暑いな。 ――いや。だから、ドキドキして体温が上がったとかじゃなくて。ただ単純に、暑いなと。 炙られるような熱を身体の半分に感じるなと、それだけ。 振り返る。 思わず目を細めた。 西に向いたこの教室目掛けて、傾きかけた太陽の光がまっすぐに差し込んできている。 もうそんな時間なのか。 まずいな。そろそろこなたを起こさないと話をする時間がなくなってしまう。 「……」 でも、まぁ。 その前に、ちょっとした生理的欲求に応えておこう。 席を立ち、少し風を入れておこうと窓を開けてから、私は一旦、外に出た。 手洗いを済ませて来た道を戻る。 教室の少し手前まできたところで、廊下の反対側からも誰かが歩いてくるのが見えた。 男子だ。 足を止めてしまう。 まさかあの三人組の一人では――そんなことを思ってしまったためだ。 とっさに窓から外を眺めるフリをしながら見ていると、果たして、彼はΒ組の前で立ち止まった。 そして扉を引き開けて、 「――って、うわっ」 なにやら素っ頓狂な声を挙げる。 なんだ? 訝しんで見ていると、彼はその場でなにごとかをひとことふたこと呟いて、何かを避けるような 仕草をしながら中へ入っていった。 「……まさか」 慌てて、小走りで教室を目指す。 開け放たれたままの入り口を注視すると――やっぱり。青黒い何かがチラリと揺れるのが見えた。 あの、ばか。 なに帰ろうとしてんのよ。私の鞄が置きっぱなしなのに気付いてないの? 「――こなた」 ものの数秒で辿り着き、その名を呼んだ。 びくり。 小さな肩が大きく震えて、教室内に向けられていた首がゆっくりと回って、こちらを向いた。 逆光になっていて表情が見えづらい。 だけど、先ほどまで閉じられていた、大きな目がいっぱいに見開かれたのは分かった。 一瞬、思わず見とれて、 「……かがみ?」 「……なんで起きてんのよ、あんたは」 だけど出てきたのは、そんなぶっきらぼうな言葉。 内心で舌打ちする。 こんなことで、本当にできるのだろうか。こいつと腹を割って話す、なんてことが。 「なんでいるの?」 「いちゃ悪いのかよ。――あんたを待ってたんでしょうが。起きるのを」 「……」 というか、なんだろう。 妙に反応が鈍い。 「……なんで?」 「なんでって……ってゆーか、どうしたの? ひょっとして寝ぼけてるの?」 言いながら身をかがめて、その顔を覗き込む。 光の加減か、複雑な色合いをした瞳に私の顔が映り込む。
「え、いや……」 怯んだように、呆けたように、特に意味のない声をこぼしながら、しかし目は逸らそうとしない。 やっぱり反応が鈍い、というか、おかしい。何か悪い夢でも見たのだろうか。 思わず眉をひそめると、不意に手に何かが触れた。 温かい。 「ちょ……何よ」 こなたが私の手を掴んでいた。 驚いたけど――その指の感触はあまりにも弱々しくて、見つめてくる瞳は迷子みたいに儚げで、 振り払うのはためらわれてしまった。 なんだろう。 もしかしたらコレも何かのネタなんだろうか。いやしかしそれにしては…… ――ガラッ。 判じかねていた私の耳に、そんな音が届いた。同時に手から温もりが消える。 とりあえず音のした方を見ると、さっきの男子が、私たちがいるのと逆側の入り口を抜けて廊下に 出てくるところだった。そしてそのまま去っていく。 ……結局、分からずじまいか。 まぁいい。いなくなったのなら、その正体がなんであれ関係ない。 小さく息をつき、正面に向き直る。 こなたは私と同じように首を横に向けていて……本当に、なんだというのだろう。まだ茫然としている。 こいつのこんな顔、たぶん初めてだ。今年の春休み、アニメ関係のライブに連れて行かれたとき、 その帰り道でもこんなアンニュイな顔をしていた気がするけど、今はそれよりももっと弱々しい。 まぁ、別にいいか。ふざけた態度を取られるよりはよっぽどマシだ。……と、思う。 「ねぇ」 呼びかける。 振り返る。 「あんた、これから時間ある?」 「え……あ、うん」 問いかけると、曖昧ながら肯定の頷き。 見たいアニメがあるとか言い出したらアイアンクローかましてやるところだったけど。 「そう。よかった」 頷きを返し、こなたの脇を抜けて教室に足を踏み入れる。 夕日の差し込む教室。 ちょっと出来すぎてるって気がしないでもないけど、邪魔者がいないという点では申し分ない。 振り返る。 光源の位置が相対的に入れ替わって、随分と表情が見やすくなった。 相変わらずの茫然――に、少しの困惑、といったところか。 少し温度差がありすぎるか? いや、始めれば時期に追いついてくるだろう。 よし。 「ちょっと話したいことがあるのよ」 場所はとりあえず確保した。標的も今度こそ捕まえた。何を言うかも――だいたい、決めている。 「私とあんたと、一対一で。二人っきりでね」 さぁ。 それじゃあ今度こそ、白黒つけさせてもらうわよ。
461 :
23-49 :2008/09/30(火) 07:48:25 ID:aXu34xjL
以上です ありがとうございました 初っ端に名乗るの忘れてました ごめんなさい
>>461 ぐっじょーぶ!!
強気なかがみと呆けたこなたに萌えた!
文体も好みだし
俺も今こなかが書いてるけど、他の人の見るのも勉強になるなあ
>>461 直接対決、さて一体どうなることやら……気になるなぁ
あやの側のドラマも垣間見ることができてGJでした
名探偵みWikiさん第二弾が出来上がったので、 誰もいないようであれば、これから投下します。 ・ある意味エロいかも ・7レス使います ・キャラ崩壊(一部全壊) ・自重してます この前の名探偵みWikiさんは少々やりすぎたので、今回は自重しています。
>>461 がっちがちに構えてるかがみが人事に思えなくって、ちょっと和みました。
ツンデレとこなデレの二重奏、行く末を見守りつつぐっじょぶ。
名探偵だぞえ! みWikiさん みゆき「はーい♪」 陵辱学園高等部3年B組のみゆきさんは空気キャラだよ☆ 事件が起これば得意の推理で大活躍。事件が無いときは全裸やこなたのことを考えてるから 多分大丈夫だよ。 みゆき「ギャング映画の名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は、今は亡き セルジオ・レオーネ監督の遺作で大変有名な作品です。 演出面から音楽、カメラワーク、ストーリーまで、非常に優れています。 作者さんも何回も見ています。ただ、この映画は3時間40分もある長い映画なので、 普段から映画を見慣れている人でないと、少々きついかもしれません。 ですが、この映画が好きになれば、3時間40分もあっという間に過ぎて(以下略)」 みゆきさん 朝から事件解決! みゆき「最近事件が無くて少々ヒマですね。かがみさん。少し舌を噛み切ってくれないでしょうか?」 かがみ「嫌よ!大体事件が無いということは、平和ということで、いいじゃない」 教室で話をしているつかさの周りが、なにやら騒がしい。 かがみ「ん?なにか盛り上がってるみたいね」 みゆき「さぁ、なにかあったのでしょうか?」 かがみは、話で盛り上がっているつかさの方に向かった。 かがみ「なにかあったの?つかさ」 つかさ「あ、お姉ちゃん。この前は名前しか出なかったけど、ようやく出演できたよ」 かがみ「はぁ?」 つかさ「ううん。なんでもない。今日は女の子が転校してくるんだって。 それでこなちゃんとうわさをしていたの」 こなた「いやぁ〜やっぱり転校生といえば、謎の力を持った転校生がデフォでしょ!」 かがみ「そんなわけないじゃない……。現実世界にそんなのいないわよ」 こなた「えぇ〜でも、やっぱり転校生っていうのはさ、私たちには無い意外な能力とか 持ってるもんだよ」 かがみ「まぁ、確かに環境とか違うからね。この学校にいる人たちとは違うような 趣味をしていたりするかもねー」 つかさ「お料理とか出来たら、一緒にお話したいなぁー」 こなた「じゃぁ、私は立派なオタクに調教、じゃない、教育をしてあげるからねぇ〜フフフ」 かがみ「全くあんたは……」 かがみは、やれやれと呟いてみゆきのほうに振り向いた かがみ「転校生だって、みゆき……ってあぁ!?」 みゆき「優 優」 かがみ(みゆきの目が急に優しくなった!こわっ!あの目はみゆきが事件を推理する時の目だ。この特徴からみゆきは 『みWikiも作者も自重しろwww』の意味を持つんだ……。でもまだ事件は起きてないわね…… もしかして転校生に事件の匂いを感じたのね!?一体どんな事件が起きるっていうのよ――!) みゆきの視線の先には、スカートもパンツも穿いておらず、かがみの敏感な部分にバイブが挿入されていた。
かがみ「違うわみゆき。私は変態じゃないのよ……ってあぁ!通報しようとしないでよ! ポケベルしまって!」 教室の真ん中で、かがみは正座した。 もちろんノーパンで。 もちろんノーパンで。 大事な事なので二回言いました。 かがみ「私はただ、こなたに調教されていると考えながら、屋外の露出プレイをするとやたら 興奮するって気づいただけなのよ。変態じゃないのよ。仮に変態だとしても、変態という 名の淑女よ。今度やる時は、お母さんと二人でやるから、通報はやめてよ」 みゆき「でも私、通報することが好きで優等生やっているところもありますから」 かがみ「お願いやめて!こんなことでいちいち警察呼ばれていたら、手錠プレイで余計萌えちゃう じゃない!」 みゆき「そうですね。では、今日一日かがみさんの生活態度を見て、マジメに大人しくしてたら、 コルレオーネファミリーに引き渡すのはやめてあげます」 かがみ「マ、マフィア!?警察でしょ!?」 みゆきさん転校生と推理対決! ななこ「転校生を紹介するで。聖フィオリナ女学院からきた、永森やまとや」 やまと「永森やまとです……。特技は推理で、前の学校では名探偵と呼ばれてました……」 かがみ「た、探偵ですって!大変よみゆき、ライバル登場よ!」 みゆき「だからなんであなたがこの教室にいるんですか」 先生のホームルームが終わり、こなたたちはやまとのところに向かった。 こなた「永森さん名探偵なんだよね。すごいなぁ」 やまと「いえ、大したことは無いわ」 つかさ「どんな事件を推理したの?」 みゆき「ふふっさっそく泉さんたちと仲良くしていますね」 かがみ「ソウダネ、忌々シイ永森ヤマトメ……私ノコナタニ私ノコナタニ…… 馴レ馴レシインダヨ。寿命後ドレクライナノカナ……。 スグニ死ナナインダッタラ、私ガ殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル 殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル殺シテヤル……」 みゆき「同じ名探偵として、推理力が見てみたいですね。なにか事件ないでしょうか。 そうだ、かがみさん。校庭の隅で犬神家の一族の佐清みたいな真似してきてください」 かがみ「い、いやよ!死んじゃうじゃない!」 みゆき「では、トランプ台上の首みたいに、机の上に首だけになって下さい」 かがみ「だから金田一耕助の事件の被害者みたいな死に方は嫌よ! いや死なないけどさ!」 やまと「えーと、高良さんだっけ?」 みゆき「はい、そうですが……」 やまと「あなたもこの学校の名探偵と聞いたわ。是非一度推理対決してみたいと思ってね」 みゆき「私もそう思っていますけど、事件が無いんです。今かがみさんが獄門島みたいに逆さ吊り になって死ぬのを待っているところです」 かがみ「待たれても困るわよ……」 こなた「そういえばさっき黒井先生が大きい三角定規が盗まれたって言ってたよ」 かがみ「それは本当?こなた!?みゆき、丁度いい事件じゃない。良かったわね、みゆ……ってあぁ!?」
※上記タイトルの番号に違いがあったことを、お詫び申し上げます。 みゆき「優 優」 かがみ(みゆきの目が優しくなった!あの目はみゆきが事件に集中してオーガズム、じゃない インスピレーションを働かせている印なんだ!この特徴からみゆきは別名『腹筋ブレイカー』と呼ばれている! さすがはみゆきね。もう事件の真相に迫ったようね!) かがみはやまとのほうに振り返った。 かがみ「残念ね永森さん。この勝負はこのクラスの秀才、みゆきの勝ちのようね……って、あぁ!!」 かがみがやまとのほうに振り返ると、突然やまとはデスメタルバンドのロッカーのような格好にな って、ベースを弾きながら歌を歌っている。 やまと「You've got something about you You've got something I need……」 かがみ(突然永森さんが、KISSのジーン・シモンズのようなコスプレして……うわっ血吐いた! こわっ!これは一体……?そう言えば聞いたことがあるわ。聖フィオリナ女学院には、 オーガズム、じゃない、インスピレーションが働くと突然ジーン・シモンズがメイクしたような格好になって、 ベースを弾きまくって『God Of Thunder』を歌う名探偵がいて、『ジーン自重www』の意味を持っているらしい。 彼女がその探偵だったのね……!これは面白くなってきたわね。黒井先生の大きい三角定規を巡って、 二人の珍探偵、じゃない、名探偵が火花を散らしている!) みゆきとやまとの視線の先には―― かがみ「一体この勝負、どっちが勝つっていうのよ!!」 片方の足に三角定規をつけ、もう片方の足にカメラをつけて、三角定規をつけたほうの足を使ってこなたのスカートをめくり、 カメラで盗撮するかがみの姿があった。 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「見事な推理だったわよ。みゆき、永森さん。でも一つだけ見落としていることがあるわよ……」 みゆき・やまと「なんですって?」 ――私もまた、三角定規とこなたのパンツに踊らされただけの、犠牲者の一人にすぎないってことよ。 みゆきさん やまとをはげます かがみ「永森さん、最近一人でポツンとしてるわね」 みゆき「この間ジーン・シモンズのコスプレをして事件を推理して以来、色々な人気ががっくり落 ちたようですし……ちょっと慰めてあげましょう」 みゆきとかがみは、一人でポツンとしているやまとのほうに向かった。 やまと「私もう探偵やめようと思うの……。前の学校でも全然人気がなくて、いやコアなファンな らついたけどね」 みゆき「永森さん、気にしすぎですよ」 かがみ「そうよ。顔にコンプレックスがあるのは、永森さんだけじゃないわよ。 私なんか、みんなから『かがみは俺の嫁』と言われるためにかわいい顔を保つためにいつ も両頬に布とか詰めたり、化粧をしたりしているの。これらをとると、ほら、 わくわく☆惑星プリンセスのメインヒロインみたいな顔に……」 検索は自己責任でお願いします。 やまと「うわ、私の机に靴下置かないでよ、ちょっと……」 こなた「うにゃぁぁぁぁぁ」
みゆき「あら?この声は……」 こなたは、みゆきの姿を見た瞬間、泣きながら抱きついた。 こなた「みゆきさぁぁぁぁん……グスッ……実は昨日ね……、家に泥棒が入ったの……」 みゆき「優 優」 かがみ「えぇ!?ちょっとなによその目は!?今回ばかりは私じゃないわよ!」 こなた「ベランダに干してあった……ヒックッ……お気に入りの靴下がぁ……ウゥッ……盗まれたの……。 チューリップの刺繍入りの……」 かがみ「なんですって!?たしかそれって、あんたのお気に入りだったじゃない……!たしかお父さんからプレゼントでもらった、 大切な靴下じゃない!……許せない、犯人は絶対……」 みゆきとやまとの視線の先には…… みゆき「優 優」 やまと「You've got something about you You've got something I need……」 かがみ「変態という名の淑女よ!!」 やまとの机の上にある、チューリップの刺繍いり靴下だった。 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「見事な推理だったわよ。みゆき、永森さん。でも一つだけ見落としていることがあるわよ」 ――私もまた、こなたの靴下と、こなたの下着と、こなたの服臭と、こなた全体のチマコンとした可愛らしさと、 あのプリティーでミニマムな体に踊らされただけの、犠牲者の一人にすぎないってことよ……。 みゆきさんやまとさん難事件に大苦戦! かがみ「みゆき!永森さん!大変よ!下着ドロボーが出たのよ!」 みゆき「優 優」 やまと「You've got something about you You've got something I need……」 かがみ「うわっ!いきなりそんな顔しないでよ……って、ああ!永森さん火吹かないで! 私じゃないわよ!私の家から盗まれたのよ!」 みゆき「そうですか……じゃぁ、かがみさんじゃありませんね」 やまと「そうね。それにかがみさんはもう誓約書を書いてもらったしね……」 誓約書には 穴という穴を犯ちつくちてくだちゃい☆ と書いてある。 かがみ「そうよ!私じゃないわよ!」 みゆき「正直な意見、今回はあまり乗り気にはなれませんね……泉さんのであれば気合が入るので すが、かがみさんだったら、ここのSSの『崩れ落ちる日々』のような目にあっても、 私は鼻くそほじりながら、高笑いしながらむしろ私もレイプに参加するほどなのですが……」 かがみ「ちょ、何気に怖い事いわないでよみゆき!マジメにしなさいよ!」 やまと「じゃぁ、誰の下着が盗まれたの?かがみさんの?」 かがみ「ううん。違うよ。」 みゆき「上のお姉さん達ですか?」 かがみ「違うわよ。こなたのよ」
みゆき「優 優」 やまと「You've got something about you You've got something I need……」 かがみ「もっとも、今では私のものなんだけど……」 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」 こなた「そういえばみゆきさん、私の下着が一枚無くなっていたんだよ」 やまと「全く、毎回どうやって釈放されてるのやら……」 みゆき「にしても……」 みゆきは腕を組んで考え始めた。 みゆき「かがみさんの家の下着を盗んだ犯人は一体誰なのでしょうか……?これは私でも分かりま せんね」 やまと「くやしいけど、私の推理でも分かりませんね……」 みゆき「これは迷宮入りになるのでしょうか……」 みき「うふふふ♪こなちゃんパンツ♪こなちゃんパンツ♪ このキツキツ感がたまらないわ☆」 おまけ みゆきさん狂愛-行きすぎた想い-の事件に挑む! つかさ「ゆきちゃん、あのね……」 つかさは、昼休みにみゆきを呼び出し、相談をした。 つかさ「お姉ちゃんが変なの……」 みゆき「つかささん。かがみさんが変なのは、今に始まったことじゃないですよ」 つかさ「本当に、おかしくなったの……。私がお姉ちゃんの部屋に入ったら、こなちゃんの写真が たくさん貼られていたの。私、何だか怖くて……」 みゆき「別に普通のようにも思えますが……分かりました。名探偵の名にかけて、かならず かがみさんの真相を暴いてみせます」 つかさ「ゆきちゃん、ありがとう!」 つかさは、そそくさとその場から離れた。 みゆき「さて、この話ではなぜか私の出番がほぼ無かったので、ここで元を取っておきますか」 ……時は流れ、数日後。 みゆきは、捜査を開始するために、こなたの部屋に侵入した。 みゆき「ゲヘヘヘヘッ!!!!これは俺のパンツだぁぁーー!!!!」 みゆきは、捜査を開始するために、全裸になり、こなたのパンツをばらまき、 ゴロゴロとパンツの上を転がりながら捜査を開始した。 みゆき「んん〜〜〜くんくん、ふふふ、やっぱたまんねぇぜ……。 そうだ!パンツかぶっちゃえ!」 みゆきは、『捜査のために』こなたのパンツをかぶった。 みゆき「ん〜すばらしい!これは2009年のNEWファッションだぜ!」 みゆきは大切な友人であるこなたのことを思い、自らの精神をすり減らし、『捜査』を進めていく。
ちなみにつかさも捜査をすると言ったが、みゆきが「おっぱいアタック!」をシャレで つかさにやってしまったら、顔面にあたり、顔半分にアザが出来てしまい、 捜査が出来なくなるどころか学校を休まないといけなくなってしまった。 突如、下の階の玄関ドアが開いた音がした。 みゆき(こ、これはまずいですね。どこかに隠れないと……そうだ!) みゆきは、そうじろうの使っているFAXの中に無理やり入った。 制服は着ないで頭にパンツをかぶった状態で。 制服は着ないで頭にパンツをかぶった状態で。 大事なことなので二回言いました。 みゆき(うぉぉぉぉ!!きっつ!!!!) みゆきはすっぽりと、FAXの中に収まった。 ……そして時は流れ。 こなたの電話の内容がみゆきの耳に届いた。 こなたが慌てて受話器をがちゃんと切った。 ……怯えるこなた萌え〜 みゆきはそう思った。 電話がさっきから鳴り響き、こなたはびくびく怯えていた。 こなたは、何かを決心したように、電話線を抜き、電話が通じないようにした。 その瞬間、家のチャイムが鳴った。 こなたがインターフォンを取ると、たちまち青い表情をした。 みゆき「ハァハァ(;´Д`)」 こなたはインターフォンを切り、すぐにその場から離れた。 その瞬間。 『〜♪』 『メールが届きましたよ、ご主人様〜』 『ヴヴヴヴヴヴヴ、ガー「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」』 そうじろうのFAXが動き、みゆきが紙と一緒に出てきた。 みゆきは、こなたに見つかる前に素早く隠れた。 全裸で頭にパンツをかぶった状態で。 全裸で頭にパンツをかぶった状態で。 大事なことなので二回言いました。 みゆきは、自分の体をよく見てみると…… 『私はこなただけを愛しているわ。 だから、一緒にいよう。ずっと一緒に。』 と書かれていた。 こなた「ふ……!ふえぇぇぇぇぇん……!!」 電話とメールが連続で受信し、あまりの恐怖にこなたは泣き出した。 みゆき「ハァハァ(;´Д`)」 ……すると、突然家の中が静かになった。 こなた「…よかっ…」 こなたは安堵の息をついた。しかし、 かがみ「…来たよ、こなた…」 こなたの後ろにかがみがいた かがみ「やっと…二人きりになれたね… 私達は…ずーっと…一緒だよ…?」
かがみは、手に工具以外の物を持っていた。 かがみ「こなた…ダ・イ・ス・キ…」 みゆき「優 優」 ゆい「さ、行こっか」 かがみ「……」 みゆき「……あのぅ、何で私まで……」 ゆい「不法侵入とわいせつ行為で」 みゆき「……」 おしまい ※ギャグマンガ日和のエンディングテーマのノリで歌ってみよう ヴぁーヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁー(ヴァルサミコス〜♪) ヴぁーヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁー(ヴァルサミコス〜♪) ヴぁーヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁー(ヴァルサミコス〜♪) ヴぁーヴぁヴぁだってヴぁー(ヴァルサミコス〜♪) テテテテン。
以上です。自重しました。
自重したのに、狂愛-行きすぎた想い-が違う意味で直視できなくなったのはなぜでしょうか。
作品をWikiに保存したいのですが、いまいちやりかたが分かりません。
まぁ、保管するだなんて、恐縮なことですが……。
ちなみに作中でやまとが歌っている歌は、KISSのアルバム「地獄の軍団」収録の
「God Of Thunder」です。アルバムの一番右にいるのが、ジーン・シモンズです。
血を吐いたり、火を吹いたり、長いベロを出しながら演奏しています。
>>427 さーん。
今終末書いてます。でもこれ、正直言うと投下しないほうが
エロパロスレのためかと書きながら思ってます。
読み直してみました。改行がおかしなところがあったことを お詫び申し上げます。読みにくくてすみません。
ゆたか「ちぇりーっくんーはー可愛いなー♪ チェリーっ君ーはーかーわいーいなー♪」 ひより「……何してるの?」 ゆたか「え? このチェリー君にぱんつ見せてあげてるの♪ 見て、おち(ピー)にバンドして、出せないようにして……手も縛っちゃったんだぁ」 ひより「うーわ……泣きそうになってるじゃん。そろそろ勘弁してあげたら?」 ゆたか「だーめ♪ 破裂しちゃうまでこのままにしておくんだもん」 ひより「面白そうだから自分も……ほーら、おっぱいっすヨー」 みなみ「……ゆたかダメっ……! ――夢、か……」
ゆたか「ポッポポポポ」
>>474 前回にも増した壊れ具合がGJ
これからもずんずん進んでください。
ただ荒れるのを覚悟で1点忠告
・今回 狂愛-行きすぎた想い-をネタにしていますが、
他人の作品の取り扱いは慎重にしたほうがいいのでは、
中には好きな作品が汚されたと感じる人もいるので。
これからも楽しみにしていますのであえて言わせていただきました。
空気読まない発言でスマン
別な作者の作品の舞台裏というか楽屋裏的なSSを書いて叩かれたケースもあったからね。 ここまでスレが続いていれば「一通りスレ1から目を通して」ってのは到底無理な話なので 知らなくて当然だけど、かつてあった事実として一応知っておいて欲しい。 その時も賛否両論があったけど、他人の作品を取り扱う場合は慎重に、てのには同意。
>>477 その件に関しては本作を投下してからしばらくして気がつき、
「しまった!断りを入れておくべきだった!」と今は反省しています。
書き込んでしまえば、修正は不可能なので、今回のことを教訓に、
次回からは気をつけます。
あと感想ありがとうございます。
>>479 すまんが「断りを入れる」じゃなく、許可を得て欲しい
481 :
名無しさん@ピンキー :2008/10/01(水) 21:33:35 ID:LTqO6xZw
卒業記念旅行でみゆきさんの別荘に行くことになった。 四人仲良く遊んでいると、ヤンキーどもが突然襲ってレイプされるストーリーはどう?
とりあえず何度でもいうが、 やってもいい、そのかわり前提注意書きは「絶対」すること これしか俺、ていうか、スレの総意はいえませぬ。
>>480 分かりました。肝に銘じておきます。
>>481 確か保管庫にレイプ関連のSSがニ〜三作品ほどあったと思うのですが、
大半は評価が賛否両論だった気がします(否定的な意見が多いが)。
個人的な意見ですが、男×女ではなく女×女の組み合わせだったら、
まだ批判は少ないと思いますけどそれは個人の自由でどうぞ。
まぁ投下するにせよ、
>>482 の言うとおり、注意書きはするべきですね。
あんまり人のこと言えたもんじゃないですけど……。
ついでに聞きたいのですが、岩崎みなみの飼っている犬って、
オスかメスかの設定ってついてますか?ついてたらどっちなのか
教えてください。
メスです ちなみに名前はチェリー、犬種はシベリアンハスキー
>>483 なるほど
すなわち、ヤンキーではなく、レディースだったらいいんだな
・・・ここでゴットゥーザ様華麗に登場!!!
イタイイタイスンマセンシタデスギマシタごっとぅーさサマ
>>461 おお黒あやのシリーズの新作来てたのかGJ !
なにやらこなたとかがみが、のっぴきならない感じになってきましたね
二人の間にどんな波乱が待ち構えているのかwktkしながら待ってます
ところで、ここまでこなたに心乱されておいて恋心を必死で否定するかがみが可愛いw
>>473 なんという壊れネタwww
気にせず貴方には突き進んでもらいたいw
かがみがこなたに、つかさがみゆきにレイプされるんだったら許す。むしろお願い。 …いつも通りかもしれんがw
>>484 ありがとうございます。
名前と犬種は知ってましたが性別が分からなかったので
助かりました。
>>485 まぁ僕の場合、レイプ作品で男×女も、後味が悪くなりそうですけど、
作品数的には少ないからたまにはいいんじゃないでしょうか。
女×女でやるのであれば、ヤンデレ要素も絡めたら、ホラー要素も
入り読み手もドキドキしながら読めるのでは。
あくまで素人の意見ですが、参考にしてください。
たまにはいいんじゃないでしょうかって…お前が言うなよ つか、自分のことどんだけすごいやつだと思ってんの? こんな質問をくどくどしてる時点で中身もたかが知れてる。
>>480 許可は……要るのか?そもそも誰の?
まぁ、
>>1 に書いてあるのが答えかと。
普通に考えて元の作品の作者でしょう テンプレに書かれていなくてもマナーとして
でもさ、「駄目です」とは言いにくくない?
>492 まーね。でも、無意味なごたごたに巻き込まれるのは嫌だから必要ならば言う。
なんか雰囲気が某麦のときっぽいな
>>488 の人へ
麦のときみたく、あなたはその気は無いのかも知れないが
傍から見ると少し調子に乗るというと言葉が悪いが
少なくとも自分にはそう見えてしまう。
書き手は謙虚であるべきだとはいわないが思いあがる(あるいはそう見えてしまう)と、
やはりどんな良い作品を投下しても素直に評価できないし、
その人本人の印象が悪くなって無条件に叩きだす人が出るかもしれない
またそんなのでこのスレが荒れてほしくないので、もう少し上記のことを意識してほしいと思う
あなたの作品は元ネタを知っててもとてもおもしろいし、一人の書き手としてスレを盛り上げてほしい
以上、長文駄文失礼しました
うん。
自分も初めてSS投下した某所であがめられすぎて調子に乗ってしまい、
「ここはお前の日記ry」と言われたことがあるから、
>>494 の言うことがとても胸に響くな。
まあ、何事も経験。
投下していくうちに少しづつ分かっていけたらと思います。
しかし、何故からき☆すたキャラのSSは一人称でしか書く気にならない。
何故だろう
ごめ……上げちゃったよ…… 偉そうに言ってる側からorz
ここかぁ?祭りの場所は…
ドゥーーーーーーン
まあスレ容量も終わりに近いし次スレに引きずらない様に真面目に意見交換するならいいのではないかと思う
1スレで1ヶ月以上続くなんて勢い無くなったよね 投下する人も減ったし なんか寂しいなぁ
それでも、職人さんがまだまだいることはありがたいことだよ。
訳あって「原作準拠縛り」を自分にかけたら、なかなか書けずに困ってますorz 意欲だけはあるんで、しばしお時間ください。
>>494-495 あなたがたの言うとおり、確かに僕は二度作品を作ったからって
調子に乗ってしまい、上記のような軽率な発言をしてしまいました。
一度初心に帰って頭を冷やしてきます。
申し訳ありません。
二度とこんなことをしないためにも、あなたがたの言葉は決して忘れません。
505 :
名無しさん@ピンキー :2008/10/02(木) 22:29:59 ID:ZhHI8Zjv
まぁ落ち着けw
>>461 このシリーズ好きだー ! !
作者さん頑張ってくれー !
貴方独特の緊張感あるやり取りが大好きだ 1
>>474 ワロタwww
もっとやってw
>504 調子に乗るとかそういう話ではなくて、単にエロパロ板の書き込みに慣れていないだけのような気がします。 住民の発言全部に対して、レスを返すことは望ましくありません。 重要と思うものだけにレスをするか、まとめてレスをするかにした方が良いです。 理由は、全レスをすると、皆で共用しているスレを一人で占領する状態になってしまうからです。 (このレスに対しても返答は不要です)
508 :
名無しさん@ピンキー :2008/10/02(木) 23:21:15 ID:ZhHI8Zjv
そうやって成長していくもんだw エッチ小説は一日にしてならずじゃ
あんたはsageを覚えてくれんか 最近はそう害があるわけでもないんだけど、どうにも不安になるんだわ
メール欄に「sage」と書くんだ。 専ブラだったら書き込みページの右上にある「sage」にチェックを入れるだけでいいぞ。 まあ基礎中の基礎だけど一応。
>>503 ガンガレ!!あせらずに。
俺もなにか書こう…
エロは書けないけど……
また書こう。
513 :
512 :2008/10/04(土) 05:41:59 ID:zj7qWQBk
言い忘れていた事が一つ。 かがみのみんなへの呼称が変わっていますが、意図的に変えました。 名前呼びだと親しすぎる(みゆきさんは特に)と思ったので。
てす
>>512 みさおが女の子に変わっていく感じがGJ
スパッツ属性は無いが少しハアハアした
呼び名が違っている理由は納得。
男じゃみゆきさんは呼び捨てにはできないよな。
以下、小ネタ
やっぱし同性だからできること多いよね
つかさとキスして舌を入れたり
みゆきさんの胸を揉んで、顔をうずめたり
かがみんにバイブを突っ込んだり
女の子に生まれてよかったー
なにこのへんたいこなたさん
「そうそう同性だからちょーっと耳舐めちゃったり」 「同性ですからその可愛らしい胸の先端を弄り回したり」 「同性だからお尻に頬擦りしてあげても」 「「「何の問題もない(よね)(ありませんね)(わよね)」」」 「な、何このハーレム!?にゃあああああーーー!!!」
へんたい祭り会場はここですか? w
「同性だからいっぱいいっぱいお着替えクスクス」 「同性だから・・・拉致・・・色々・・・」 「ドーセーだから、ジックリタップリネッチョリデース、ね・・・」 「「「ひより(ちゃん)(・・・)(ン!)」」」 「って・・・えっ・・・私・・・!?何スかこのへんたい祭りアッーーーー!!」 「最近ひぃらぎに洗脳されたあやのから逃亡中なんだZE;; ったくどーなってやがんだYO!;;」
「みさちゃんこんなとこに隠れてたのね、もう、探したんだからね」
「ヴァッーーーーー!!!」
アニメはアニメ2板で 声優は声優板で
>>522 「ほんとだ、ゆーちゃんとみなみちゃんによく似た人が。……でもこのアニメって、
主人公たちは小学生だったような……」
「まー、でも二人とも小学生って言っても違和感ない部分はあるんじゃない?」
「あ、泉先ぱi……って、なんスかその恰好!?」
「え?これ私に薫コスしろっていうフリでしょ?」
「小学生…」
「あぁそうだ。でも先輩、ゆーちゃんは確かに小学生って言われたら納得できるして、
みなみちゃんはちょっと無理がないっスか?」
ゆたかの方角から「田村さんのくせにー」とか聞こえた気がするが気にしない。
「いやいや、みなみちゃんにだって十分小学生の雰囲気を残した部分はあるわけだよ。
主に胸とkぶふぅっ!?」
みなみが涙目になりながら力任せに投げつけたドッジボール(なぜ持ってる)が
こなたに命中。さらにみなみは次のボールをどこからか取り出す。
「み、みなみちゃんやめて!お姉ちゃんにはあとでちゃんと言っとくから!!」
「ぅ、迂闊だった……。私が、よりによってドッジボールで負けるとは……」
こうですか?わかりません><
「いやー私としたことが忘れてたよ…みなみちゃんを泣かしちゃうとゆーちゃんが物凄く怒るってこと」 「ってかそーゆーことするなよ。あんたはともかく一般的には女の子はそういうの気にするんだから」 「何だかんだ言いながら手当してくれる優しいかがみんに萌え」 「うるさい。ってかドッジボールぶつけられただけじゃ出来ない傷まであるわよ」 「…ゆーちゃんを本気で怒らせると怖いんだよ…あんな怒ったゆーちゃん初めて見たよ…」 と勝手に後日談作ってみた。
本日のテーマ・同性だからできる事 こなたの場合 こなた「いいえわったっしっはっ、蠍座のおんな〜わぅぁ〜♪ かーがみんっ」 かがみ「……ノックしないでもわかるだろ、普通に。私が入ってる事ぐらい」 こなた「ツレションツレション!」 かがみ「ちょ! 何上から――アッ!?」 つかさの場合 つかさ「あれ? ゆきちゃん、せっかくの温泉なのに、入らないの?」 みwiki「え、ええ……私、お恥ずかしながら、その――女の子の日でして――」 つかさ「あー、わかる、わかるよー……じゃ、タンポン入れてあげるね」 みwiki「え?」 つかさ「あれ、入れるの怖いよねー。大丈夫、ヘンなもの入れないからー」 みゆき「あ、あの、片手に持っているバルサミコ酢の瓶は一体? あの、やめ、アッ――!」 ひよりの場合 ひより「あー、岩崎さん、小早川さん。ちょっとちょっと。小早川さんの後ろに岩崎さん立ってもらっていいっすか?」 みなみ「・・・?」 ひより「そしたら、小早川さんは机に手を突いて……そう、いいっすね! あ、バランス崩しちゃうといけないから、岩崎さん小早川さんの腰に手を……」 ゆたか「なんだろ? 絵のデッサンとかかなぁ?」 みなみ(……ゆたかのおしりゆたかのおしりゆたかのおしりゆたかのおしり) ひより「あーー!? 岩崎さん! 背中にセミが!!」 みなみ「!?」(必死に背中を見ようとする=腰が前に突き出る) ひより「ウッヒョー! 立ちバックゥ!!」 あやのの場合 あやの「みさちゃん、準備はいい?」 みさお「みゅ、みゅうう……あやのぉ〜、やっぱりやめようZE……」 あやの「ダメ! ダーリンをびっくりさせちゃうんだから」 みさお「みゅぅー……喧嘩なら二人だけでやってほしいゼ……」 みさお兄「……あやのっ! みさおと付き合うのは考え直し――なん……だと……?」 あやの「あぁん!? 最近だらしないわねっ!」 みさお「みゅぎゅううう!? げーい、ヴぁーーー!」 あやの「ファックユー!」 みさお「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」 みさお兄「こ、これは16世紀半ばよりイギリスで流行したといわれているパンツレスリング! お互いのパンツと誇りをかけ、戦うその姿からパンツレスラーは森の妖精と言われ愛されていたという伝説の――!」 あやの(――気づいて、ダーリン。私の気持ちに――) みさお兄「――あ、あれは――あのパンツは――俺が誕生日にあやのに贈ったOバックパンツ!! あ、あやの……お前って、お前ってヤツは――」 あやの「……新日暮里!!」 みさお「くまたんちタマランチ!!」 みさお兄「もういい! やめるんだあやの!」 あやの「今更何をしに来たの?」 みさお兄「……言葉を、伝えに来た。 ……愛してる、あやの」 あやの「……ダーリン! 馬鹿! 寂しかった!! ……大好き……」 みさお「茶番という以外に何か適当な言葉があるかね?」
「ねーねー、かがみん」 「かがみんてゆーな」 「神社を応援する飲みものはなーんだ?」 「神社ー、エール」 「かがみ、知ってたんだ、つまんないな」 「小学時代から言われてたわっ」
>>527 こなた後日談
「蠍の毒は、あとで効くのよ・・・」
「ちょ・・・かがみ・・・またこのパターンにゃああああああ」
つかさ後日談
「ハァハァ・・・あなたのバルサミコアタック・・・しかと味わいましただばだば
おかげさまで定期的に赤いものは引きましたが、
代わりに上から定期的に赤いものがでてまいりました。
これを収めるためには・・・わかっていらっしゃいますねだばだば」
「ゆ・・・ゆきちゃん・・・またぱふぱふ?・・・もう目がおかしいよムギュ」
ひより後日談
「いやあもう最高ッス!やっぱりこの二人の絡みは天国の光景ッス
・・・ってあれ?なんで二人ともこっちによって・・・
なんかお二人とも目がギラギラと・・・
わ・・・私のことはどうぞお構いなく・・・え?
あの体勢でいるうちに輿がのってきた?
私にもぜひその感覚を・・・って、いやその、お気遣いは結構・・・
ちょwwwww問答無用って何wwwwwアッーーーーーー!!」
あやの後日談
「あやの・・・プロレスどころか・・・ついにあの禁断の領域にまで手ェつけやがって・・・
こうなりゃ、あたしだって・・・」
数日後
「らん、らん、るぅ
みさおはうれしくなると、つい犯っちゃうんだってヴァ」
「カエレ」
「み"ゅ"ううううううううう;;」
ようやく規制解除。というわけで亀レスですがたまりに溜まった鬱憤を一言で晴らさせてもらいます。 わwくwわwくw☆w惑w星wプwリwンwセwスwwwwwwww 久々に笑い死にしそうになりました。そしてこの(↑)レスが出来なかったのが物凄く悔しかったです。 ……個人的にあの絵はそんな酷い絵柄じゃないと思うのは俺だけだろうか。
>>469 に今更ですが、脱文を発見しました。5行目と6行目の間です。
脱文個所は↓の通り。
こなた「……っていうか、この人だれ?」
かがみ「へ?何言ってるのよ。私よ、かがみよ」
こなた「あれ、かがみそんな顔してたっけ……?まぁそれは置いといて」
こなたはみゆきに向き直った。
以上です。失礼しました。
>>527 ワロタw
GJ !
ツレションじゃなくて、そりゃ覗きだwww
533 :
まだry :2008/10/07(火) 03:07:26 ID:ddHFN5Ec
おひさです。 投下する方が居ないようでしたら投下します。 6レス使います。 かなたxこなた エロ無し。
534 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:12:49 ID:ddHFN5Ec
かがみ達がいつもの様に遊びにきて、 いつもの様に話をしていつもの様に遊ぶ。 そこで、たまたまかがみ達の家族の話となり、 彼女達の母親みきの話も流れとしてでてきた。 いつもとなにもかわらない。 なぜにこんなに気になるのか。 自分でも良く判らない。 「お母さんかぁ〜」 そうつぶやき、床に大の字にごろんところがる。 「いやぁ〜まぁ〜、別に気にしちゃいないって言えば気にしちゃいないんだけどさ…」 よっこらせ、と起き上がり本棚へと手を伸ばす。 とあるアルバムから一枚抜き出し、頭の上の方へとかざして見上げる。 「お母さん………ね」 再びぽつりとこぼれる。 「お母さん、あのね…」 かざした写真を見上げながら話しかける。 「正直、お母さん居るのがうらやましい……。 とは思ったりすることもあったりした訳ですよ、昔は。でも、もう私もいい年だし、 最近、気になることもなかったんで、吹っ切れたかなぁ〜と思ってたんだけどもさ なのに今日はどうしちゃったんだろうねぇ〜 かがみ達がちょっとうらやましいかな?と、ふと湧き上がってくるしさ…… …そうそう、かがみ達のお母さんって、わたしにもすんごく優しいんだよ。 みきさんって言うんだけどさ。 ……お母さんなら、どんなお母さんになってたんだろうね。 やっぱり、優しいのかな? 写真で見ると優しそうだもんね! ぁぁ〜でも、わたしがお父さんみたいにならないように、 いろいろ厳しくなったりして(w まぁ〜お母さんが生きてれば、今のわたしみたいに オタク街道猫まっしぐらっ、てことにはまずなってはないだろうねぇ〜 …そういえば小学生の頃、良くこんな風に お母さんの写真に色々話しかけてたっけ。 お父さんに見つかって、お父さん大泣きしちゃったこともあったな。 あれ以来、見つかんないように陰でこっそりやるようになったんだよね。 でも、だんだんとこうして話さなくなっちゃってたね。 久しぶりだね、お母さん…こんな風にして話すの」
535 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:13:53 ID:ddHFN5Ec
見上げていた写真が徐々にぼやけてくる。 「うぐっ……」 そう、上を見上げていたのは、涙がこぼれてこないようにするため。 写真を涙で汚さないため。 よくよく見れば、涙の痕が無数に付いているその写真。 あれ?だめだ、涙が止まらない…… 滲み始めてた涙がとうとう溢れ出し、 上を見上げている頬をつたって流れ静かに流れ落ちてきた。 「あぁぁもぅ!!」 写真を胸元にあて、床にゴロンと寝転がる。 (……おかあさん……) そのまま、目を瞑る。 (おかあさん、逢いたい、逢いたいよ。私だって…おかあさん…) そのまま意識を失うように眠りへと誘なわれていった。 「こなた…」 ん?だれかが呼んでいる… 「こなたってば……」 お父さん?…いいや、お父さんはこんな呼び方は……? ゆーちゃん?…それもまた違うな…誰? 「もう、こなた、起きて。風邪引くわよ?」 やれやれしょうがないっといったふうに、むっくりと上半身を持ち上げる。 「んもぅ〜誰?」 と言って、見開いた目に飛び込んできた映像には…… 「へ?わたし?」 自分が居た。
536 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:15:19 ID:ddHFN5Ec
「んもう〜お馬鹿さんねぇ〜違うわよ」 もう一人の自分が苦笑いを浮かべつつ自分ではないと否定する。 だがしかし、そこに居るのは紛れも無く、自分……いや、どうも微妙に違う。 (んじゃ、誰だ?) ま、いいか。誰でも。こりゃ夢だ。 「夢の中で眠りから覚める場面を見るなんて…んじゃ、お休み、ドッペルンガー君」 そう言うと、クテンッと再び横になり、眠り始める。 「はいはい、おやすみなさい…って、わーーーーーーーーだから違うってば!!」 うるさいなぁという表情で再び起き上がる。 「もう…こなたってば……せっかく逢いに来れたのに……」 はぁ〜とため息を漏らす。 「へ?逢いにきた、ですと?」 その言葉で、シャキンと目が覚める。 (と、いうことはつまり……いや、そんなはずは…やっぱ夢?…) 「そう、逢いにね」 少し間があき、 「初めまして、泉かなたです…」 にぱぁ〜と顔を赤らめつつ微笑む。 「げっ!!」 反対に少し仰け反りながら、こなたの顔色が軽く青ざめる。 「……幽霊?」 微妙な、間が空く。 「へ?あ、あれ??」 ちょっとあっけに取られる、がすぐに元に戻る。 「まさか、『げっ!!幽霊?』なんて反応がくるとはね〜。 まぁ、間違ってはいないんだけど、お母さんの写真みて泣いてたみたいだから、 『お母さん!!』 ってお母さんの胸に飛び込んでくるかと思って期待してたんだけどなぁ〜」 (…そら〜まぁ〜お母さんの胸に飛び込みたいのは山々なんだけど 事情が谷々なんだよねぇ〜) とこなたが思っていると、かなたがちょっと拗ねた感じで目線を落とし、 しゃがみ込んで床に指でくるくると円を描きはじめる。 「ぉおぉぅ……困っちゃうな…」 と言いつつも、その子供っぽいしぐさに萌えてしまう。 (おおっと、なに見とれてんだわたしは…… いや、しかし…娘が言うのもなんだけど、かわいいね〜お母さん!)
537 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:15:45 ID:ddHFN5Ec
「おかあさん?」 「なぁに?」 「ほんとにほんとに?」 「ええ」 こなたが四つ這でじりじりと近づいていく。 「ちょ、ちょっと触ってみてもいい?」 「はい、どうぞ」 ニコっと笑いながら手をすっと差し出す。 差し出された手にすーっと触れてみる。 「おぉぉぉぉ、肉体があるよ!!」 「肉体って…なんか表現が…」 笑顔が微妙に引きつる。 ニマーと見つめるこなただったが 「えい!」 唐突に、こなたが、かなたの頬にぷにっと指を刺す。 「ほえ?」 面食らったかなたが対処に困り、目をぱちくりさせる。 「いやーーーー、お母さん!いいね!!萌えるよ」 こなたの目がキランと輝く。 「もえるって?」 さらにキョトンとした顔で聞き返す。 その表情がまた……あやうくまた見とれそうになる。 「あぁ〜〜その〜かわいいっていうか、ま、そんな感じの意味で深い意味はないよ」 (あ〜〜お父さんなら確かにイチコロだね〜こりゃ) 「もう……しょうがないわねぇ……」 かなたが、すっと立ち上がり、こなたの背後へと回り込む。 「ん?なに?どうしたの?」 顔だけ振り返す。 「えい!!」 こなたの真後ろに座り込んで、間髪いれずに抱き寄せる。 「え?あ?ちょ…お、お、お、おかあさ…ん…」 あまりにも突然すぎてちょっとしたパニック状態に。 「ちょっとくらい抱っこさせてよね…… 逢いたかったのはこなただけじゃないんだから……」 しばらく無言で抱きしめる。
538 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:16:09 ID:ddHFN5Ec
「ずいぶんと大きくなって…あの頃はあんなに小さかったのに 今やお母さんと同じくらいだものね。無事に育ってくれてありがとう」 と、こなたの肩がかすかに震え始める。 「…お母さんに逢えたら、いろいろ話したいことや聞きたいことが あったんだけど、いざ目の前にしたら…言葉が…出てこないよ…お母さん…」 どうにか絞りだしてそれだけ言うと、涙が溢れ出し止まらなくなった。 どれくらいの時間が経過したのか…… 長いのか短いのか……感覚ではいまいち判らなくなっていた。 「……へへ、やっと涙がおさまってきたよ…… 止まらなかったらどうしようかと思ったんだけどさ」 いつもの調子にもどったようだ。 「半分は本当に萌えてたんだけど、もう半分は照れ隠し…かねぇ〜」 「んん〜なにが?」 少し顔を赤らめつつ下をうつむくこなたと こなたの肩越しに覗き込むかなた。 「まぁ〜確かに驚いちゃって身動き取れなかったのもあったんだけど 本物だってわかって、私もね、すぐにね、本当はね…速攻で……その… だぁーーーっと、抱きつきにも行こうかなって…思ったんだけど… 多分…泣いちゃいそうだったから…なんか、こう… 恥ずかしいというか… 人に泣いてるとこ見られたら負けカナ? って思うようになっててさ」 恥ずかしげにボソボソと答える。 「う〜ん、変に恥ずかしがりやさんなところはそう君似なのかしら?」 「そ、そうなのかな? ……あぁぁ確かに、お父さん、基本的にオープンなクセに妙なところで 恥ずかしがって隠したがる時があるし…正直今更なにを?というのにね」 こなたが過去のそんな状況を思い出してクスクスと笑い出す。 「そうなんだ、やっぱり昔のまま変わってないのね」 かなたもクスクスと笑い出す。 こなたが、手にしてる写真にふと目を落とすと かなたが映ってる部分だけぽっかりと白くなっている。 「おろろ」 「そう、そこから抜け出してきたのよ」 「…う〜〜ん、ま、細かい設定なんてどうでもいいか」
539 :
夢で逢えたら :2008/10/07(火) 03:16:53 ID:ddHFN5Ec
「ねぇ、お母さん………」 「んん?なぁに?」 「……あ、あ、……あの…」 ちらちらと横目でかなたのことを見ては視線を落としながら 恥ずかしげに、おずおずと切り出せないでいる。 「なにか言いたいことがあるなら、恥ずかしがってないで言っちゃいなさい? どうせ、今はこなたとお母さんしかいないんだし、ね?」 どこか嬉しそうなかなた。 「あぁぁ〜〜うぅ〜〜……」 気がつけば、真っ赤になっている顔。 「……………少し、甘えてもいい?」 どうにか絞り出した声に出す。 「ええ!!もちろん!!」 かなたの顔がぱぁ〜っと明るくなる。 「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」 というかなたに対して、ばつが悪そうにうつむく。 「いや…だって、高校生にもなって、親に甘えたいだなんて…なんか…」 「ふふふ、こなたの場合はまた違うと思うなぁ。 だって、こなたには、お母さんが今までいてあげれなかったんだしね」 こなたが、ふいっと顔を持ち上げかなたを見つめる。 「そいでは、心置きなくいかせてもらいますか」 言うが早いか、するりとかなたから一度離れて、面と向き合って座る。 「んじゃ、ちょっと膝枕〜♪っと」 かなたの太ももめがけてダイブする。 「むふふふふふ〜こうやってお母さんとゴロゴロするのに憧れてたんだよねぇ〜」 こなたの頭をさするように優しくなでなでする。 「お母さんもね、こなたとこんな感じで一緒にいるのが夢だったのよね〜」 まるで膝の上でジャレる子猫のように、しばらくゴロゴロとするこなた。 「えへへへへへ〜〜お母さん、あのねぇ〜〜……………zzzz」 その心地よさにそのまま眠りへと誘われ落ちていく。 気がつくと、ベットの上で母の写真片手に寝ている状態だった。 「あ、れ?朝?…か。なぁ〜んだ、夢オチか……… ま、夢でもいいか。久しぶりにいい夢が見れたね。さ、ご飯でも作るか」 新しく現像し直したかのようにきれいになっている写真と そのうらに書かれている 『またね、バイバイ かなた』 の文字に気がついてちょっとした騒動が起こったのはまた後の話である。
540 :
まだry :2008/10/07(火) 03:18:04 ID:ddHFN5Ec
以上でございます。 ありがとうございました。
>>540 いい話でした。GJ!
ここのSSはかなたさんが絡むと大抵いい話になりますね。
484KBか。そろそろ新スレを立てる時期だな。
542 :
26-598 :2008/10/07(火) 17:30:08 ID:RScNOfSV
お久しぶりです。 え〜と、すでに忘れられた存在であろう26−598です。 またまたこなた×かがみものが出来上がったので、投下させてもらいます。
543 :
こなたの発見 :2008/10/07(火) 17:31:02 ID:RScNOfSV
「こなたー、つかさー、帰るわよー」 「あ、かがみ〜ん♪」 「ちょ、ちょっとこなた!いきなり抱きつかないでよ!」 「ふっふっふ、照れたかがみはカワユイのう…。かがみ分が補給される〜」 「ひゃうっ!?ど、どこ触ってんのよ!」 「あまりないと思われがちだけど、実はなかなかのサイズと至高の触り心地を誇るかがみのむ・ね♪」 「でかい声ではっきり言うなあああああー!」 ある放課後。 私はいつものようにかがみに抱きつき、かがみはいつものように真っ赤になって私を引き離そうとする。 ん〜、この反応この反応♪ 一日一回はこれを見ないと、もう生きていけないネ! あ…。やっぱかがみって柔らかくて、あったかくて、何だか良い匂い…♪ 「こなた!い、いい加減に離れなさい!」 「んぎーっ、横暴だー」 「こなちゃんとお姉ちゃんって、本当に仲良いよね〜。恋人同士みたい♪」 じゃれ合う私とかがみの姿を見て、つかさのナイスな一言。 「まあ、私とかがみは将来を誓い合った仲で…」 「な…!そ、そんなんじゃないって!」 それを聞いて慌てふためき、訂正しようとするかがみ。 しかし、 「……………」 クラス中から私たちに向けられるのは、慈愛に満ちたような暖かい眼差しのみである。 「な、なによ皆して…。黙ってないで何か言いなさいよ」 妙な雰囲気に包まれ、戸惑うかがみ。 まったくもう、かがみは鈍いな〜。 ま、そこが可愛いんだけどね♪ 「ふっふっふ…。皆はもう私とかがみんの関係を認めて、暖かく見守ってくれてるようだね。これで晴れて公認の仲に…」 「だ・か・ら、違うって言ってんでしょうがあああああああああ!」 「いやいや、もうそんな風になっちゃってるんだよ。この世界はいわゆる『こなかが』がデフォだし♪」 そう言いつつ、私はかがみに甘えまくる。 かがみはもはや真っ赤を通り過ぎた感じだ。 「それに、かがみがいくら否定しても『ははは、柊(かがみ)はツンデレだからなあ』って感じで全部肯定になるんだよ〜」 ほんとツンデレって難儀だよね〜。 まあ皆がそう思うようになったのも、私の不断の努力の賜物だったりするんだけど…。 「な…」 「な?」 「納得いかねええええええええええええっ!!!!」 今日もかがみの叫び声が教室に響き渡りましたとさ。めでたしめでたし。
544 :
こなたの発見 :2008/10/07(火) 17:32:01 ID:RScNOfSV
「全然めでたくないわよ…。はあ…」 所変わって、秋葉原。 私は新刊をゲットしに来たんだけど、かがみにはこれといった目的はない。 それでも私に付き合ってくれる辺りは、流石は私の嫁といったとこだね♪ 「かがみんや、ため息をつくと幸せが逃げていくんだよ?何か悩みがあるなら私に相談したまへ〜」 「もう突っ込む気も起きないわ…。いいから早く買ってきな」 「ん、りょーかい。いってきま〜」 「はいはいいってらっしゃい。この辺で待ってるからね」 「ふっふっふ〜、満足満足♪」 結局予定外のものまで色々買っちゃったけど、これも楽しみの一つだからね。 さ〜てかがみんは、と…。 「あれ?」 いない。ここで待ってるって言ってたよね? 「お〜いかがみ〜。どこにいるの〜?」 仕方なく辺りをうろうろと探し回ってみると、 「…………」 何かの本を熱心に読んでいるかがみを発見した。 (むむ、あれはもしや…。最近パティとひよりんが話してた、有名サークルの最新百合本!?) ゲームや漫画ばかりの生活にしては、意外と良い視力を持つ私の目にははっきりとそれが見えた。 (顔を真っ赤にして絡みシーンに釘付け状態だね。しかしかがみもいい趣味してるね〜) 自分でも分かるくらいニヤニヤしながらかがみに近づく。 かがみ弄りの第一人者として、こういうチャンスは逃せないのだよ…! 「………」 「お〜い、かがみ〜ん」 「………」 「ねえ、聞いてる〜?」 何度か話しかけたけど、かがみはまったくこちらに気付かない。 …な、なかなかの集中力だね。ならば…。 「ん〜〜〜っ、ちゅっ♪」 「!?んなっ、こ、こなたあ!?」 えへへ、かがみのほっぺにキスしただけだけど、効果は抜群だね♪ かがみがやっとこっちを向いてくれたよ〜。 「あ、あんたいきなり何してんのよ!」 真っ赤になって叫ぶかがみ。 …何度見ても可愛い。 私は間違いなく、この顔が見たくてかがみを弄ってるんだよね。 「ふっふっふ、かがみんわかんないの〜?もちろん愛のキ・ス♪」 「なっ…!?」 さらに顔を赤くして絶句するかがみ。 ツンデレはストレートな言葉に弱い…これは宇宙の真理なのだよ!
545 :
こなたの発見 :2008/10/07(火) 17:32:54 ID:RScNOfSV
「こ、こんな場所でいきなり…。もっと場所を考えなさいよ!」 「お姉ちゃん、それ突っ込むとこ違うよ…」 あれ?そういえばつかさもいたんだっけ? まあいいや、好都合だしね♪ 「何よ、つかさまで…。本屋さんでキ、キスなんておかしいでしょ?」 いやいや、つかさの言うとおりだよ。 何故なら… 「場所をちゃんと考えれば、キスしてもいいってことだよね♪」 という訳だ。 …かがみの顔は、爆発しちゃいそうなくらい真っ赤に染まっていた。 いつもならここまでだけど、今日はさらにいくよ〜! 「それに、さっきまで随分熱心に何か読んでたけど、あれは何かな〜?」 「!!!な、ななななななな何も読んでにゃいわよ!?」 焦ってる焦ってる♪ 途中噛んじゃってるし…かがみはほんと可愛いネ! 「いやいや〜あれは百合本でしょ?全くかがみもいい趣味してるよね〜」 そう言いながらまたかがみにじゃれつく私。 もはやかがみは、「あわ、あわわわ…」と言葉に出来ていない。 「かがみってば、本当に可愛いんだから…はむっ♪」 調子に乗った私は、真っ赤になったかがみの耳を甘噛みしてみた。 「!!!!!!??!?!?!?」 びくっ!と震え、そして完全に沈黙するかがみ。 (やりすぎちゃったかな…。え?) その時私は確かに聞いた。 かがみの中のなにかが、『ぷちっ』と切れた音を…。
546 :
こなたの発見 :2008/10/07(火) 17:33:36 ID:RScNOfSV
「………」 無言のままこちらを見つめるかがみ。 お、怒ってはいないみたいだけど、なんか目が虚ろになってませんかー!? 「あ、あの…。かがみ大丈夫?」 恐る恐る尋ねる私に対してかがみはにっこり笑うと、 「エエ、ワタシハダイジョウブヨ?」 …。か、かがみが壊れたーーーーー! カタコトになっちゃってるよ!凄く聞き取りづらいよ!? 「ドウシタノコナタ?ソンナニ震エチャッテ…」 怯える私に近づくかがみ。 満面の笑顔が逆に怖い! 「何ダカ怯エルコナタッテ可愛イワネ」 「ちょ、なにしてんのかがみ!?」 「フフ、コナタッタラ真ッ赤ニナチャッテ…」 ふ、ふわああっ、私今、かがみに体のあちこちを弄られちゃってるの? 「んっ、やあ…」 うう、自分からこんなエロゲみたいな声が出るなんて…。 「サッキノオ返シ…♪」 「んんっ!?」 「ちゅっ、んむ…。こなたあ…」 かがみのキス、上手すぎい…。口調はまだ戻ったみたいだけど、壊れたままだし…。 「準備出来たみたいね、こなた。それじゃあいっただっきま〜す♪」 「え、ちょと待ってかがみ、ここは本屋だしこの騒ぎで周りに人垣が…ってうにゃああああああああああああああああっ!?」 「こ、こなちゃんとお姉ちゃん、どんだけ〜」 問答無用で襲われた私は、結局かがみが元に戻るまで人前でイカされ続けた。 かがみは度を越して弄っちゃ駄目ってことだね…。 「…シクシク」 「ゆ、ゆきちゃん何で泣いてるの?」 「私…空気なんでしょうか…シクシク」 「だ、大丈夫だよ!私も今回はかなりの空気扱いだったし!」 「でも、今回はずっと一緒に居たはずなのに、一文字たりとも説明文がなかったから私は居ないように見えます…」 「………」 「何を言っても、台詞が文字にすらなりませんでしたし…」 「………」 「経済効果を狙っているにしても、これはひどくないですか?シクシク…」 (ど、どんだけ〜)
547 :
26-598 :2008/10/07(火) 17:35:25 ID:RScNOfSV
以上です。 久しぶりに書いたので滅茶苦茶だと思いますが、ご容赦を。 もっと精進せねば…。 ではまた〜。
まだ新スレ立ってないよね? もう492KBだし、ちょっと挑戦してくる。
>>547 GJ!
僕はあなたのファンです。
あなたのこなたの「うにゃああああ」を思わず自分の作品に使ってしまうほど。ええ。
ちょくちょくでいいので、これからも「こなたの〜」シリーズを書いて行ってください。
楽しみにしてます。
>>547 忘れるどころか、新作が来るのをいつも心待ちにしてますよ。えぇ。
そんなみゆきさんにはコレ
っ[はなぢ]
それはそうと
>>547 、半壊れこなかがGJ!!
そして
>>540 の心温まるこなかなもGJ!!
お二方GJでした。
>>540 自分に素直になれないこなたの描写がいいですね。
おちゃらけキャラも周りに心配をかけたくないという面もあるのかもしれませんね。
>>547 とうとう公開「うにゃああああ」ですか、
かがみの暴走とみゆきさんの放置ぶりがパワーアップしてますね。
おお、うにゃあああの人が来てる!貴方の作品は忘れませんよwww みゆきさんの扱いがアレだけど、とにかく壊れこなかがGJ!
>>540 なぜかなたさんの登場するSS派、こうも癒されるものが多いのだろうかGJ !
>>547 GJ ! うにゃあああああw
こなた受け好きな人たちって多そうだなw
>>540 おお、貴方のかなたさんにまた逢えるとは!
母娘の会話を読み返す度に頬が緩んで止まりません。
ほのぼのかつこなデレ、ぐっじょぶです。
>>547 冷静に考えるとかなりアレな状況なのに、「うにゃあああ」一言でほのぼのと
読めてしまうのが流石です。
アレですか、これはいわゆる「ほのぼのレイ○♪」というやつですか。ぐっじょぶでした。
エエ。ヨイコハ、ハンダクテンナンテツケチャイケマセンヨ?w
追伸:経済効果に悲しむみゆきさんにも合掌。
……ここは場末のとある一室。 今宵も、出番を今かと待ち続ける者が一人(と一体)……。 「おねーさんとうとう裏表紙からも居場所がなくなっちゃったよ」 寝転がったまま、成実ゆいは独り言とも恨み言ともとれる呟きをもらした。 前巻・前々巻の扱いから粗方予測はついていただろうが、流石に辛いようだ。 「せめて本編は、本編には活躍の場を! もっと出番を!」 作者の化身である縫い包みが激しく揺さぶられる。 頭頂部からはみ出ていた綿がさらに出てくる。 やめて、それ以上いけない、ぺちゃんこになっちゃうって。 ……こちらの願いが通じたのか、ゆいはシェイクをやめて一言。 「きよたかさんが本編に出てくれればいいのにな〜」 それはなんだろう、新手の脅迫だろうか。 「ゆい姉さんの一生のお願いなんだけどな〜」 やさしい声色とは裏腹に、顔が笑ってない。 可能な限り、前向きに善処しま―― 「そーれそれそれ」 先ほどよりも大きく揺さぶられる。 今度は縦方向に加え、横方向の揺れも加わって一層えげつない。 いや、淡々と状況説明してる場合じゃなかった。 本当に、綿が全部抜けちゃうからやめて、やめてくださ―― 「……お姉ちゃん、な、何をやってるの?」 「おお、ゆたかおかえりー」 救世主の登場により、ゆいによる拷問は終わりを告げた。 それとともに、縫い包みは部屋の隅へと放り投げられたが。 「ちょっとそこのぬいぐるみさんにオハナシがあってね」 「そ、そうなんだ……」 くたくたになった縫い包みを見て、察してくれたようだ。 こちらへ駆け寄り、若干無理やりだが綿を中に押し込んでくれた。 「これでよし。そうそう、今日はお姉ちゃんに渡したいものがあるんだ」 「うん? 何?」 「みなさん、おねがいしま〜す」 ゆたかが外で待機していた者たちに合図を送った。 すると、大きめの音量でクラッカーが炸裂し、紙テープが部屋を彩る。 『お誕生日、おめでとうございます!!』 みなみがハッピーバースデートゥーユーを演奏し、キャスト全員が合唱する。 「10月7日はお姉ちゃんの誕生日だから、お祝いしようと思って」 「……おねーさん、びっくりだ!」 信じられない、という顔をしたまま固まってしまったゆいをよそに、第二の計画が実行される。 「お待ちかね、ケーキの入場で〜す」 つかさ・あやのペアのプロデュースによるバースデーケーキが台車に載ってやってきたのだ。 バースデーケーキというよりはウェディングケーキといったほうが合っているくらいに豪華で、その高さは天井ほどもある。 土台となる一段目はチョコレートでしっかり固められているが、中のスポンジはとてもやわらかく繊細な味がする。らしい。 二段目は色彩豊かなフルーツケーキで、マスカット・キウイの緑、桃・リンゴのほのかな黄、イチゴの赤が鮮やかに輝いていた。 そして最後の三段目にはデコレーションが施されており、『おめでとう!』の文字が―― 「ちょっとちょっと」 陰からこっそりとこなたに呼ばれた。 ――なにか? 「あんまりケーキの説明しすぎると、それだけで容量が埋まっちゃうんだけど」 それもそうだ。とにかく、凄いケーキが運ばれてきた。 「ゆたか、みんな、本当にありがとう!」 とうとうゆいは感極まって泣き出してしまった。 主催者のゆたかも、姉が喜んでいるところを見て顔をほころばせた。 「……ちょっとだけ贅沢を言えば、ここにきよたかさんもいれば、もっと嬉しかったんだけどなぁ」 か、可能な限り、前向きに善処しま――
x-- 、 __ ____ / /⌒ハ 〃、了ア> ´ ‘< ノ_} {{ >'´.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨ソ ,ゞ'´.:.:.:.:.:.:.:.: /7^"^"ト、.:.:.:.:.:.:~ヽ /.:.:.:.:.:.:.:.//.:./ | / l |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:', / .:.:.:.:.:.⌒〃トV l i l | .:.:.:.:.:.:.:.:.l /.:./ .:.:.:/.:..ル心 ! _,斗 .:.:.:|.:l.:.:.:| /: イ .:.:.: |.:..j{ヘイ:ハ ≦气 | :.:.:.:|.:l.:.:.:| ´ |/l.: |乂ヘ.弋リ } ̄ゝ __''ン|.:.:.:/|/)W Y.:.. `jー‐'´ r'´`ヽ | :./-イ/ . |.: /个 、_ゝ-‐允≦V '´ ∨ ,ィー'´  ̄ 入 n { __/ / }} >ーぐ { ヽ_刃__/ /||/ }_ノ てフ¨¨¨¨'弋Z〃^⌒’ /::::::::::/^)::::} ,イ「丁「乃力'┴≠千fン::::::{ x勺'´ ̄ ̄ ̄ ̄丁¨千─rー┤ (彡' |: : :| l: : :| たはー♪ おねーさんびっくりだー
561 :
名無しさん@ピンキー :
2008/10/08(水) 01:07:44 ID:qdFsS5ZK アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、OVA化も決定した「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。
☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること
※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。
■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます
マターリはぁはぁしましょうか。
☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html ☆次スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ53
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223370476/