キスフェチ専用スレ

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1名無しさん@ピンキー
ディープキスとか・・・?
そんなのエロパロで表現して欲しい


職人任せになるけど・・・
2名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 07:13:06 ID:Q3VlY0S6
2
3名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 07:32:15 ID:l8u0+cSf
所謂
「んはぁ…っ!ぁ…ぅ…。…っぅわ、私…小学生の男の子にキスだけでイカされちゃったぁ」
とかいうヤツだな?いいんじゃね?行けるトコまで行ってみろよ
4名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 19:31:06 ID:+DhSheKO
いいと思うんだけど
ネタがな〜
小学生とか中学生同士とかのプラトニックな関係とかだったら萌えるかも
5名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 21:17:41 ID:Z962rnrw
シチュ的にはかなり好き
期待大
6名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:20:18 ID:3/AXn6oS
>1
ん……
百合でもOKなのか?
 
7名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:13:02 ID:mbG5LNak
>>1じゃないけど百合も読みたいな
86:2008/08/27(水) 01:58:50 ID:658XC/sH
フライングだけれども書いてみる。
百合、オリジナルで2レス使用。
9ひと夏の―― 1/2:2008/08/27(水) 02:03:29 ID:658XC/sH
「あー 暇だよぅ」
 8月の半ば、由美はクッションを抱えたまま、バタバタと足を振った。
 一方、由美の家に遊びに来ていた同級生の恵那は、お気に入りの小説を読んでいる。

「ねえねえ恵那ちゃん。暇だよう。どっか遊びにいこうよう」
 ほっぺたを膨らませながら、由美のスカートの端を引っ張る。
「暑いからパス」
 暑さのピークは過ぎたとはいえ、まだまだ夏の日差しは強い。
 恵那にしてみれば、わざわざ酷暑を味わいに外に出かける気がしれない。

「そんなあ。じゃあ、折角の高校2年の夏を、だらだらと非生産的に過ごすわけ? そんなのやだよう。
だって来年は高3だよ。大学の受験で遊ぶ暇なんか全然ないよ。刺激的なひと夏の経験を味わうチャンスは
今しかしかないんだよ」
 マシンガンのように喚く、童顔のクラスメイトに心底うんざりしながらも、由美の最後の言葉だけは気にかかった。

(刺激的な経験か…… )
 恵那は、幼いけれどかなり整った顔立ちをしている少女を見つめる。
 はっきりいって由美はもてる。
 彼氏はいないというけれど、遠くない時期に由美の美味しそうな唇は、どこの馬の骨とも知らない
男子に奪われてしまうだろう。

(確かに、今がチャンスかな)
 恵那は心を決めると、ほっぺたを膨らましている少女に、にじりよっていく。
「ねえ。由美…… 刺激的な体験がしたいと言ったわよね」
「そうよ。退屈な日常生活を過ごすのはもうたくさんだもの」

(私もよ)
 心の中だけで呟いてから、更に距離を詰める。
「由美。刺激的な体験をさせてあげるね」
「恵那ちゃん。何するのっ! 」
 ようやく意図に気がついて、由美は慌てて身を捩るけれど、もう手遅れだ。
「ごめんね。由美」
 恵那はくすりと笑うと、あっさりと由美の唇を塞いでしまった。
10ひと夏の―― 2/2:2008/08/27(水) 02:04:14 ID:658XC/sH
「ん…… 」
 喉を鳴らす音が微かに聞こえる。
(とてもプリプリしているわね)
 恵那はゆっくりと唇を動かしながら、リップを塗った唇を丹念に吸っていく。
「んっ、くうん…… 」
 微かに見じろきしながら喘ぐ由美に、身体の奥が疼いてしまう。
(由美、可愛い…… )
 恵那は、頭一つ分だけ小さい少女の唇の感触を存分に味わってから、ゆっくりと舌を挿し入れた。

「ん、んんんっ! 」
 由美が大きく呻いて、身体を引き離そうと両手に力をこめる。
(逃がさないよ)
 しかし、恵那は背中にまわした手で、華奢な身体を強く抱きしめて離さない。
「んあ…… んんッ」
 さらに、口内に入れた舌を伸ばして、少女の舌を絡め取ってしまう。

「くちゃ…… くちゅ……  」
 二人の少女の舌が、唾液を掻き回す淫らな音がして、残された理性を消していく。
(由美…… 美味しい)
 欲情の赴くまま、舌だけではなくて、頬の裏の粘膜や歯の裏までを丹念に舐め取る。
「んん…… むぅ…… んん! 」
 深いキスを強制された由美は、何度も逃れようと身体を捩るけれど、ほとんど効果をあげることができない。
「ちゅっ、ぐちゅ…… 」
 唾液が口の端からあふれて、由美のあどけない顔に跡をつける。
「ん…… んんっ…… んんんんっ! 」
 由美は、大きな喘ぎ声をあげながら、顔を真っ赤にして身体を震わせた。

(そろそろ…… 限界か)
 恵那が奥に挿し込んでいた舌を引っ込めてゆっくりと唇を離すと、二人を結ぶ半透明のアーチが作られて、
すぐに途切れた。

「はあっ、はあっ」
 息を荒げながら、由美は呆然と恵那の顔を見つめている。
「どうっ、刺激的だったでしょ? 」
 恵那は、濡れた唇の端をぬぐいながら尋ねる。
「恵那ちゃんのばか」
 しかし、普段は明るい由美の声は、とても小さかった。

(ちょっと、やりすぎちゃったかな…… )
「ご、ごめんね。由美 」
 後悔した恵那は、頭をかきながら謝る。しかし――
「あ、あのね。恵那ちゃん…… 」
 耳たぶまでゆでたこのように赤くしながら、由美は鈴の鳴るような声を出す。
「お願いだから、もう1回キスして…… 」
 初めてのキスを終えた少女は、しばらく躊躇った後に心持ち顔をあげて瞼を閉じた。

(おしまい)
11名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 09:26:33 ID:WuuZw/t9
乙です。
やっぱりキスは百合ものの華だなあ
12名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 11:30:19 ID:n1qGht86
たまらん。
大人になる前のキスが一番エロい。
もっとチュウして!
13:2008/08/28(木) 02:17:33 ID:VAawrk6N
>>1だけど結構人が来てよかった
14:2008/08/28(木) 02:19:20 ID:VAawrk6N
http://red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/t/toarumajutu08.html
俺がキスフェチになるきっかけのSS
とある魔術の禁書目録ネタ
分からん人は想像にお任せ申す
15名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 15:22:43 ID:vI/lGmTM
age
16名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 20:00:23 ID:y7AWri1R
>>1が禁書厨である事をカミングアウトしたせいで過疎ったな
17名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 20:53:54 ID:l8YTY+kJ
いや、題材的に難しいだけだと思う。
SS作っても、どうしてもキスより先に進めてしまうw
>>14を見る限り、キスより先に進めてもスレ違いにはならないみたいだけど、所詮キスは前戯だからなあ。
たっぷりキスシーンを書いたら間延びしてしまう。
18名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 21:25:40 ID:MjqPIHqX
禁書厨だか何だか知らんが、>>1が特定の作品示してきた時点でなんだか萎えた。
エロパロなんだからそっから先書いてもいいんじゃね?
19名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 21:31:10 ID:U/+HndxY
キスSSを紹介するのもいいんじゃね?
20名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:55:46 ID:15t/R/9C
1、キスだけでイキまくるほど異常なまでに唇が敏感な女の子のエロエロな話

2、いっそのことエロなしでキス大好きっ娘のラブラブ甘々な話


3、何かの理由でキス依存症になった女の子と男が結ばれるまでの甘酸っぱい話

俺が思いついたのはこんな感じ。
ハッピーエンドが似合うと感じるのはひとえに俺の好みw
21名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 23:08:38 ID:l8YTY+kJ
>>20
3は俺も考えたわ。ただ、愛のないキスは感情移入しずらくて、途中放棄してたw
どうしても、初めのキスは治療行為としてのキスになるから萎えるんだよなw
22名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:57:15 ID:BqlHW5FY
書いてみたので投下させて下さい。

8レスお借りします。
23名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:57:56 ID:BqlHW5FY
「いい年して木から落ちるなんて……」
肘の上の骨を折って入院して三日目。
ようやく見舞いに来てくれた彼女が大きなため息をついた。
こんな風に言うと聞こえは悪いが、彼女は東京住まいで俺は名古屋に赴任中だから仕方がない。
むしろわざわざ半日有給取って来てくれたんだ、本当は感謝しないといけない所なんだけど、
佐和子さんの顔を見てると、見舞いに来たというよりは貶しに来たようにしか見えなくて、素直に感謝出来ない。
「まあいいじゃない。酔っ払って木に登って落ちましたー、っていう訳じゃないんだから。
 あの子とあの子のお母さんは感謝してくれたよ」
「木の枝に引っかかった帽子を身体張ってまで取ってくれた人間に対して、
 感謝しなかったらただの恩知らずじゃない」
間違ったことを言ってる訳じゃないんだけど、もうちょっと言い方ってものがあると思うんだけどなあ。
「それで?入院はいつまで?」
「来週の火曜か水曜には退院できるって」
佐和子さんの眉がほんの少し下がった。
「そう……」
佐和子さんはなんでもすぐに顔に出る。
今日もそうだ。
分かってる。
今週の土日は伊豆に一泊旅行に行く予定だった。
でも、僕が入院したせいでそれが中止になってしまった。
そりゃ、貶したくもなるか。
「佐和……」
「じゃあ、宿はキャンセルしておくわね。
 今日中にキャンセルすれば、キャンセル料取られないから。
 土曜日にはお母さんか誰かが来てくれるんでしょう?
 鉢合わせするのも面倒だから、私は来ないでおくわね」
24名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:58:53 ID:BqlHW5FY
ああ……。
怒ってる。
旅行、すごく楽しみにしてたもんなあ……。
僕だって楽しみにしてたけどさ。
久しぶりに二人でゆっくり過ごせるなあ、って。
……エッチ出来るなあ、って。
不純な動機ではあるけれど、その計画がおじゃんになったんだとか考えていたら、僕まで腹が立ってきた。
「怒らないでよ。僕だって、好きで怪我した訳じゃないんだ。
 旅行だって行きたかったよ。
 でも、仕方がないだろ?
 来週までは検査だなんだって入院しろって言われちゃったんだから」
「別に怒ってないでしょう?」
いつも喧嘩するときのパターンで佐和子さんの声が大きくなった。
いつもだったら、ここで僕が『怒ってるじゃないか』って返すんだけど、
今日はそれを言いそうになったところで、カーテンの向こうから咳ばらいが聞こえた。
「兄ちゃんさあ、痴話げんかは外でやってくれよ」
隣に寝てるガテン系のおっさんだ。
僕は出かかっていた言葉を飲み込んで、すみません、と謝った。
佐和子さんもおっさんには素直に謝ったけど、僕たちの間には気まずい空気が残ったままになってしまった。
いつもだったら、膨れっ面をつついたりしていつの間にか仲直りできるんだけど、
左手がギブスで固定されてて指先しか出てないせいで、なんだかほっぺたを触る気になれなかった。
右手を動かせばいいんだろうけど、タイミングを完全に失ったせいでそれが出来ない。
このままじゃ、面会時間が終って喧嘩したままお見送りになっちゃうじゃないか。
25名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:00:02 ID:BqlHW5FY
「ごめん」
佐和子さんと同じで謝るのは苦手だけど、喧嘩したままバイバイなんてしたら、
次に会う時、気まずくなってしまうから僕は口を開いた。
けど、僕の言葉は佐和子さんの全く同じ言葉と重なった。
ちょっと間の抜けた佐和子さんがこっちを見る。
多分、僕も同じような顔をしてる。
小さく苦笑いをしてから、
「来週の土曜日、休み取ってそっち行くからさ」
と僕は言った。
「無理しないで。
 私は確実に土曜休みなんだから、私がこっちに来る」
「でも、いつも来てもらってばっかりじゃない?
 たまには新宿で飲みたいしさ」
付き合い始めた頃、二人でよく行っていた店を思い浮かべてそう言うと、
「怪我が治るまでは禁酒でしょ。
 ついでにタバコもやめたら?」
と言われてしまった。
僕が言葉に詰まっていると、佐和子さんはギブスからちょっとだけ出た指をそっと握って、
「来週……来てもいい?」
と、僕だけに分かる上目遣いでこっちを見てきた。
僕はこの表情に弱い。
だって、これは甘えてる時の顔だから。
めったに甘えてくれない佐和子さんが甘えてくるのはたいていヘコんでる時。
それと、キスがしたい時だ。
ここにエッチが加われば最高なんだけど、僕の我慢が足りないせいで
今のところエッチをねだる佐和子さんは見ることが出来ていない。
26名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:00:39 ID:BqlHW5FY
いくら旅行が中止になったからって、こんな顔を見せるほどヘコんでいるとは思えない。
という事は、キスしたいのかな、こんな所なのに!?
こんな所なのに、と思ってはいるくせに、こんな所のせいか僕までしたくなってきた。
仕方ないか。
前に会ったのは一か月前。
エッチしたのは二か月半前。
まずい……。
思考が変な方に行く。
僕だってキスはしたい。
でも、今そんなことされたら、ちょっと……いや、相当まずい。
「うん。来てくれる?」
笑顔を作って返したつもりなんだけど、うまくいっているかどうか怪しい。
僕の心を知るはずもない佐和子さんはやっと笑顔になると、案の定ベッドに手をついて身体を伸ばしてきた。
「ちょっ……!」
突き出しかけた唇を、唇がくっつく寸前でどうにか引っ込めると、佐和子さんはあっさり顔を引いて、苦笑した。
「ごめんなさい。やっぱりダメよね」
「あ、いや、あの……あのね、僕もしたいんだけど……」
苦笑してた顔が今度は不思議そうな顔に変わった。
「もうちょっと先もしたくなるから」
そう言うと、佐和子さんはすぐに納得してくれた。
納得はしてくれたんだけど、今度は少し笑って僕の耳元に口を寄せて、
「男の人ってキスだけじゃ満足できないんだっけ?」
27名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:02:51 ID:BqlHW5FY
たったこれだけのセリフを囁かれただけなのに、これは大打撃だった。
耳に触れた佐和子さんの声と息は僕の身体全体に心地いい電気を走らせた。
二十も半ば過ぎて、付き合いだってもうすぐ三年目だっていうのに、欲求が簡単に顔を出す。
中学生みたいだって思うけど、惚れてるんだから仕方がない。
好きな人がこんな近距離に居るのに、冷静でいられる方がどうかしてる。
「まあ、そうなんだけど」
佐和子さんが至近距離で顔を覗き込んできた。
やっぱり我慢できない。
「そっちは後でどうにかするよ」
僕はそう囁き返すと、目の前の唇に自分の唇を押しつけた。
僕の左手の指先がぎゅっと握りしめられる。
ああ、やっぱりかわいい。
佐和子さんも僕のことを好きでいてくれてるんだなあと一番実感できる瞬間だ。
いつも通り、目をつぶってこの瞬間を堪能するんだけど、今日はこの手を握り返せないのがすごく悔しい。
どうにか身体をよじって右手を佐和子さんのほっぺたに伸ばす。
心持ちほっぺたがあったかい。
音をたてないようにそっと唇を離して目を開けると、予想通り佐和子さんはほっぺたを紅くしていた。
照れた顔で小さく笑う。
「後でどうにかしなきゃいけなくなる前にそろそろお暇」
「ダメ」
僕はそう言うと右手の指を髪に絡めて、佐和子さんの顔を引き寄せた。
28名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:03:24 ID:BqlHW5FY
「裕也!」
今度は佐和子さんがキスの寸前で顔を止める。
でも、ダメ。
「ダメだよ。誘ったのは佐和子さんでしょ。
 今夜のおかずになるくらいのものは残していってよね」
目の前の顔がより一層赤くなる。
三十路前のおねえさんの顔とは思えない。
佐和子さんをお局様なんて呼んでるやつらは年上の女性の良さと可愛さを分かっていないんだ。
かわいそうに……。
佐和子さん本人にはもうちょっと意地悪を言わせてもらう。
「フェラして。
 佐和子さんにフェラされてるとこ考えながら抜くからさ、フェラするみたいにキスしてよ」
僕がんべっと舌を出すと、佐和子さんは固まった。
「はーやーく。面会時間、終わっちゃうよ」
ワザとらしく時計を見ると、佐和子さんもつられたように時計を見た。
面会時間が終わるまでに、あと二十分もない。
キスなんて始めたら、二十分なんてあっという間だ。
「ね。して」
もう一回舌を出して、今度は佐和子さんの唇をぺろりと舐めると、佐和子さんは恨めしげに一睨みしてから、
視線を僕の口元に落として舌を覗かせた。
舌先が触れ合って、それだけで身体ぞくりとした。
舌先をチロチロと細かく繰り返しいじられる。
ちょうど鈴口の周りを舐めるときとおんなじ要領だ。
まずい、もう下半身に血が集まってきた。
佐和子さんのおっぱいに触りたいけど、今日は自重する。
自分でも舌を動かしたい衝動に駆られていると、舌が裏に回ってきた。
29名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:03:59 ID:BqlHW5FY
裏とは言っても全体を舐めてくれる訳じゃない。
舌の先の裏っ側。
イメージとしてはカリの辺り。
多分、佐和子さんもそのイメージで舐めてる筈だ。
動きがそこを舐める時とおんなじだから。
ぐりぐり舌先が押し付けられて、僕の舌がぴくぴく震える。
そろそろ裏筋のあたりを舐め上げてほしいな、って思ってたら、希望どおり舌の裏を舐め上げられた。
「ん……ふっ……」
危うく出そうになった声をかみ殺す。
好みのフェラを佐和子さんに教えたのは僕自身だけど、こうもツボを突かれるとかなり危険だ。
舌だけでイかされたらどうしよう。
なんて、あり得ないことを思ってしまう。
でも、そう思えるくらい気持ち良くて、舌とリンクした下半身はもういい感じに充血してる。
そこでしごいて……と口に出そうになった瞬間に舌が離れていってしまった。
舌から伝わって唇に溜まっていた涎が顎に流れて、僕は佐和子さんを見た。
佐和子さんはちょっと不満げな顔で軽くキスすると、僕の顎を指で拭ってくれてから、
「……普通のキスさせて」
と、またあの上目遣いで囁いてきた。
「……うん、ごめん。
 普通にしよう」
僕が唇を寄せると、佐和子さんは小さく微笑んで同じように唇を寄せてくれた。
30名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:04:33 ID:BqlHW5FY
ゆっくりと唇を押し付けて、佐和子さんは僕の唇を塞いだ。
しっとりとした唇が僕の唇を緩く挟む。
そうやって優しく唇を嬲られてるうちに、僕もお返しがしたくなってきて、同じように佐和子さんの唇を食む。
佐和子さんが時々落とす小さな息が唇をくすぐり、吐息に混じる微かな声が耳をくすぐる。
ちゅ、と音を立てて唇を吸うと、僕の指先を握ってた手に力が籠った。
ほんの少しだけ顔を離して表情を窺うと、佐和子さんは赤い顔で眉を顰めて、ほう、と息を零した。
佐和子さんの火照りが伝わってくる。
もっと、と舌を差し出した瞬間、
ピーンポーンパーンポーン、といいムードをかき消す音が頭の上で響いた。
「間もなく、面会時間が終了いたします。
 御面会の皆様はご退室の準備をお願いいたします」
あーもー、これからいいところだったのにっ!
突き出してしまった舌のやり場の無さに、そんなことも言えずに舌を出したまま天井を仰ぐと、
急に視界が遮られて、ほっぺたを挟まれた。
そして、出しっぱなしになっていた舌もぱくんと挟まれた。
「ぅふむっ!?」
驚いている僕に構うことなく、その舌に自分の舌を這わせて吸いながら、佐和子さんはゆっくりと顔を引いていく。
佐和子さんの舌が僕の舌にぬるりと絡められていく。
顔が離れると、佐和子さんは赤い顔で笑って、
「じゃあ、来週来るから、必要なものがあったら連絡してね」
とだけ言うと、僕の返事も待たずにショルダーバッグを肩にかけ、カーテンの向こうに消えてしまった。
佐和子さんからの不意打ちなんて初めてで、僕は佐和子さんが去った後もしばらくぼんやりとしていた。
となりのおっさんが何か言ってたみたいだけど、頭になんか入ってこない。
下半身がまずいことになっているのを思い出したのは、看護婦さんが晩ご飯を持ってきた時だった。

(了)
31名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:28:08 ID:Rjtfplg3
ktkr!
gj!
32名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:51:31 ID:0VO0f164
GJでした!
33名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 23:21:32 ID:DBnRU49/
GJ!

愛情の確認のためのキスっていいよね!
34名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 07:32:35 ID:jAv9k+Fy
保ちゅ
35名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 11:33:13 ID:mvsHqSYJ
保ちゅ
36名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 11:49:24 ID:ERc9lp+A
ほしゅage
37名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 11:50:15 ID:ERc9lp+A
ageてないわな
38名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 13:50:21 ID:/bdJxuDK
キスっつっても舐める程度までが好きだったり
唇指で撫でられる方が好きだったりする人は
どうすればいいんですか
39名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 16:42:44 ID:R0+HdRBt
>>38
その妄想をそのまま書けばいいと思うよ。つーか、お願いだ書いてくれ。
40名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 16:03:07 ID:52hkHBQD
保守
41名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 15:55:32 ID:pgNdPn5t
保守
42名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 22:29:15 ID:U3KGc0/G
保守
43名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 19:01:00 ID:xWzksS2a
age
44名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 18:38:51 ID:u8pWojb0
保守しておく
45名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 23:18:39 ID:QBmHA9o2
保守
46名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 15:53:48 ID:q5Dyd7Bs
>>1がディープだけしか例示してない(他趣向の人には痛い)
・言い出しっぺの>>1が手本となるようなブツ何一つ書いてない
(当然流れも出来ない)
・雑談も盛り上がってない

勉強不足としか言いようが無いな。
えちねた板でスレ立て直せ。
いとふゆ
47名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 18:32:38 ID:d7pXkyHp
保守
48名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 18:44:41 ID:+u6AFsvV
俺も保守だ
49名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 20:48:11 ID:6pPEENUV
いいね!
50名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 16:20:37 ID:v5JSKO/+
キスフェチなんだけどなぁ 保守
51名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 16:39:21 ID:8h/mE3TL
>>50の活躍に期待
52名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 21:53:49 ID:TP8Rq4vf
「ん……」
 最近の私たちのバイバイの挨拶は、唇と唇を合わせる事。
 ――要するに、キスだ。
「……」
 何も言わずに、爪先立ちになる私の肩に軽く手をおき、彼がそっと
近づいてくるのが、目を閉じている私にも気配でわかる。
 ちゅ、という音でもって、彼と私の唇が重なり合い、その状態のまま
数十秒。長くもあり、短くもある時間が過ぎた後、私は踵をおろして
瞳を開き、彼の顔を見る。少し照れたように頬を赤くする彼の顔は、
こういう時にしか見れない。凄く、可愛いと思う。可愛いと言ったら
『可愛いは男には褒め言葉にならん』と怒り始めた事があったので、
口に出しては言わないけど。
「今日も、楽しかった。じゃあまた明日、ね」
 そう言って、私は彼に背中を向ける。いつもなら、その背中に彼が
『おう、また明日』とか声をかけ、肩越しに振り返って彼の姿をもう一度
確認しながら、手など振りながら帰路に着くのがパターンだ。
「……なんかさ」
 でも、今日は違った。
「いつもこういう感じでバイバイなの……なんか寂しくないか?」
 彼の声が、私の足を止める。
 ん?という疑問の表情が、自分の顔に浮かぶのがわかる。彼の言葉
の意味が、よく理解できない。
「えっと、だな……俺達、もう一年くらい付き合ってるわけだし、こういう
 キスもいいもんだとは思うし、実際なんか凄い幸せな気分になったり
 はするんだけども、何というかその後次にお前に逢えるまでが物凄い
 寂しい気分になったりするというか……」
「ヤリたい?」
「そうそう、具体的に言うとヤリたいってコラお前何言ってんだ!?
 嫁入り前の娘がそんな言葉使うんじゃありません! お父さんは
 お前をそんな娘に育てた覚えはありませんよっ!」
「ふふ、冗談だってば」
 ちょっとだけからかってみると、彼は真っ赤になって叫んだ。その表情
は、やっぱり可愛いと思う。やっぱり口に出しては言わないけど。
「……そういう気持ちがあるってのは、否定しない。でも、俺がそういう
 気持ちで暴走したら、お前傷つけちまうだろ? だから……えっと、
 何て言ったらいいのかな……ああ、よくわからなくなってきた」
「……じゃあ、もっと深いキスとか、してみる?」
 彼の言葉は、実は私も少しだけ思っていた事だった。ただキスをして、
それで終わりというのは、少しだけ物足りない、と。もっとも、その……
彼と、いわゆる……セックスをするには、まだ、踏ん切りがつかない。
これは私の側に理由があり、彼もそれを理解してくれている。
 でも、少しずつ進んで行かないと駄目だとは、私も思っていた。このまま、
いつまでもずっと彼の優しさに甘えていては駄目だと。
「深い、キス?」
「うん……それで、ね? お互いの唾液とか、交換しよ?」
「……だ、だえき?」
「そしたら、少しだけ貴方の中に私がいて、私の中に貴方がいるって
 ことに、ならないかな?」
 そうすれば、明日までの十何時間かも、彼と――彼の一部と、一緒にいる
事ができる。彼に逢えない時間が寂しいのは、私だって同じだから……。
53名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 21:53:57 ID:TP8Rq4vf
「……大丈夫、なんだよな?」
「うん。そのくらいは、もう大丈夫だよ。だから……ん」
 私は、彼を急かす為に爪先立ちになって瞳を閉じた。しかし、その唇は
いつものように閉じたままではなく、少しだけ開いて、その隙間から舌の
先端を覗かせて――
「ん……」
 そんな姿勢で彼を待つ自分の姿を思うと、頬が熱を持つのがわかる。
 彼も、恐らく同じように顔を真っ赤にして、私のそんな姿を見つめている
のだろう。そう思うと、さらに恥ずかしさが増していく。
「……」
 彼の手が、私の肩を掴む。いつもは軽く置かれるだけの手も、緊張から
か、少し力が入っている。痛みはわずかにあるが、そのわずかな痛みが
気にならない程、私も緊張しているようだった。
「……いくぞ」
 ゆっくりと、彼の気配が近づいてくる。そして、ちゅ、といういつも聞き
なれた音がして――そこから、さらに彼の舌が私へと伸びてきた。
「んっ……」
 応えるように、私も舌を伸ばし、彼のそれに絡める。それだけで、ただ
唇を合わせただけの時とは比べようも無い程の快感が背筋を駆け抜け、
私の身体はぶるっと震えた。
 彼の口内は、液体で満ちていた。彼の唾液だ。舌と舌を絡めながら、
私はその味を確かめるように、自分の口へと移そうとする。彼もそれに
気づいたのか、積極的に自分の唾液を私に送り込んでくる。
 その味は――甘かった。まるで、砂糖水を飲んでいるかのような甘さ
が、彼の唾液にはあった。自分の唾液には決して感じないその甘さに、
私は目の裏に星がきらめくような感触を覚え、再び身体を震わせた。
「んちゅ……つぎ……わらひ……」
 舌と舌は絡めたまま、今度は私が彼の口へと唾液を送り込んでいく。
彼も、私が感じたような甘さを味わっているのだろうかと、そうであったら
いいなと思いながら。
 ちゅぷ、じゅる、という淫猥な音と、私と彼の息遣いだけが周囲に満ちる
音の全てであるかのように、ただそれだけしか私の耳は捉えず、それが
私の中の快感をどんどん加速させていく。
 彼が、彼の舌が、さらに私の唾液をもっと沢山味わおうとしたのか、
犬歯の裏をしごくように刺激した、その瞬間――快感は頂点に達した。
「んっ……んぅぅぅぅぅぅぅんっ!?」
 もし彼の唇で口を塞がれていなければ、私は間違いなく大きな叫びを
辺りに響かせていただろう。びくっ、びくっ、と背筋が自分の意に反して
何度も大きく震え、同時に下半身から生じた液体によってショーツが
濡れるのを感じた。膝からは力が抜け、思わずその場に崩れ落ちそうになる。
「……だ、大丈夫か!?」
 彼は、そんな私の身体を抱きとめてくれた。
 ……どうやら、私は絶頂してしまったらしい。キスだけで。
「ら……らいひょうふ……」
 ろれつの回らない口の端からは、涎がこぼれている。目元からは、涙が
こぼれ、恐らく酷い顔をしているのだろうなと、そんな事をはっきりしない
頭で考えながら、私は彼の胸に身体を預けた。
「……ひょっと……こうはへて……」
 彼の身体のぬくもりを感じながら、私はまぶたが自然に落ちるのを自覚した。
「お、おい? おいってば!? 寝るなよこんな所で!」
 強い刺激に、心の方はともかく、身体の方が限界を迎えてしまった
らしかった。自然に落ちたまぶたは、どうしてもあがりそうになく、私は
そのまま自らの身体の求めるままに、意識を手放した。
「……えへ……えへへ……」
 キスだけでこんなに感じるのも、相手が彼だったからなんだろうなと、
そんな事を考える自分に、そんな事を考えられる自分に、そんな事を
考えさせてくれる彼がいてくれる事に、これ以上無い幸せを感じながら。
54名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 21:54:05 ID:TP8Rq4vf
ここまで投下です。
55名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 22:08:54 ID:QgVk+Gjx
はい。
56名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 23:37:18 ID:l1JEWuxr
GJ
丁寧でよかった。
57名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 07:53:59 ID:5FuXP5xf
>>52
GJ!
エロくて良かった!
58名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 09:01:59 ID:9ZbygIO9
上手いなぁ
GJ!
59名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 16:47:00 ID:GceDvRCl
三時間キスは長すぎでしょうか
60名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 21:16:51 ID:4zSG0+3j
アリアリアリアリアリアリアリ
61名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 14:24:32 ID:S93uww9b
いいじゃないですか
素敵ですよ
62名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 19:07:24 ID:EAMUwKRS
とらドラの最終回を見たんだが、そこでの主人公二人の
キスシーンが何かもう凄いキタ
63名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 03:03:30 ID:fDWRByRC
くわしく
64名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 21:59:54 ID:7WtZ4uPp
一回短くチュッてするんだが、その後
「もう一回……」ってチュッ、「もう一回……」チュッ、
「もう一回……」チュッ、って何回もやって、こう、あれだ、
なんつうか、いいなっ!(くわっ

久しぶりにキスに萌えた。
65名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 21:29:55 ID:2gdh7v4+
保ちゅ
66 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:35:10 ID:b3dbMY5c
誘導されてきました。こんばんは。
短めのSSで申し訳ないですが投下でございます。
素材はツンデレ高校生。
67亮と真耶(1/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:36:34 ID:b3dbMY5c
駅前のスーパーは夕方になると安売りを行うため、かなり混雑する。
「五時の市」と書かれた垂れ幕をぼんやり眺めながら、
清水亮は重い買い物カゴを持ってレジの前でじっと待っていた。
「ったく――いつまで待たせるんだ……真耶のやつ……」
三割引の豚肉のパック、ビニール袋に入ったキュウリ、
賞味期限切れが近く値引きされた牛乳などで黄色のカゴは
かなりの負荷を彼の両手に与えていた。

周囲では制服姿の彼を感心した目つきで見やる主婦が何人もいて、
あまりいい気分ではなかった。
毎日買い物に来ているため、見知った顔もできてしまう。
これではいけない、と亮は思うが何か対策がある訳ではなかった。

彼がいい加減こちらから探そうかと思い始めた頃、
店の奥からセーラー服を着た小柄な少女が駆けてきた。
「――亮ぅ、お待たせぇ!」
手には程よく体温で温められた豆腐のパックが握られている。
……ちゃんと中身が崩れないよう注意してるんだろうな。
彼はそう思いつつ呆れた視線を彼女に向けた。

「別に豆腐くらい、いいじゃねーか」
腕を痛めてくる買い物カゴの中に豆腐を受け取って、
彼は少女と共にレジに並んだ。
「何言ってんのよ。豆腐のないお味噌汁なんて、
 ハンバーグの入ってないハンバーガーじゃない」
「人、それをフィレオフィッシュと呼ぶ……!」
腰に手を当てて偉そうに言ってくる少女は、長い黒髪を自然に垂らし
脚には黒のニーソックスをはいていた。
やや勝気そうではあるが、全体的に見て可愛らしい娘である。
名前は遠藤真耶。高校二年生で亮とは同じ歳だ。

二人は小さい頃から一緒に過ごしてきた、いわゆる幼馴染であった。
亮の記憶では、幼い頃の真耶は素直でいい子だったはずなのだが、
成長するにつれだんだんと尊大で凶暴になっていった気がする。
親の都合とはいえ、そんな少女と二人っきりで
一つ屋根の下で暮らしている亮は、とても奇妙な状況だと言えた。
68亮と真耶(2/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:37:06 ID:b3dbMY5c
帰り道、亮は両手にスーパーのレジ袋を持たされふらふらと歩いていた。
学校のカバンも肩にかけているため、半端なく重い。
その後ろからは、楽そうに手提げカバンだけを持った真耶が
弾むような足取りでついてくる。
時折、通行人がちらちらと振り返ってくるが、今の二人は
どう思われているのだろう。

「――ま〜〜やぁ〜〜〜……」
「何よ亮、そんな死にそうな声出して」
真耶はきょとんと彼を見上げ、不思議そうにたずねてくる。
いくら演技でも、これはちょっとやり過ぎじゃないのか……。
まだ家までは数百メートルあったが、亮は脇にあった公園に入ると
ベンチに座ってカバンと袋を下ろしてしまった。

「ちょっと亮! 何でこんなとこでヘタれてんの !?
 もうちょっとでしょ、とっとと歩く!」
「すまん、マジ無理……休ませろ」
彼を叱りつけてくる真耶をなだめ、自分の隣に座らせる。
亮は息を切らして少女に愚痴をこぼした。
「第一、なんで今日はこんなに買ってんだよ。重すぎじゃねーか」
「特売日なんだからしょうがないでしょ!
 ――あんた、チラシ見なかったの?」
はいはい、主婦の鑑ですね……。
彼は幼馴染の女の子に、心の中でそう言った。

しびれた腕をだらりとたらした亮を、真耶が横目で見つめている。
子供の頃からすれば、かなり成長したと思う。
体は小柄な方だが胸だってあるし、意識的につり上げられた目も
あの頃からは考えられないほどの眼力を感じさせる。
(そういえば、最近してなかったな……)
女にはややこしい時期があるらしく、ここ数日ご無沙汰だ。
年頃の男の性欲を抱えて夜ごと悶々とするのも切ないものである。
69亮と真耶(3/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:37:39 ID:b3dbMY5c
亮は腕の力だけでベンチの上を平行移動し、真耶に接近した。
「……亮、どうし――」
と問いかけようとする少女の体を、彼はがっしり抱きしめた。
ふわりと真耶の髪が揺れ、女子の香りが亮の鼻をついた。
亮はか細い恋人の体をぐいぐいと腕で引き寄せ、自分の体と密着させる。

「――ちょ、ちょっと亮 !? こんなところで何やってんのよ !!」
当然のように慌てふためく真耶を尻目に
静かで暖かな夕陽と風の中で、彼は少女を抱き続けた。
「……いいじゃん。今、ここ誰もいないし」
「ひひひ、人が来たらどうすんのっ !?」
「そのときは、俺たちのラブラブっぷりを見せつけるだけだな」

夕陽のせいでなく顔を真っ赤にする少女の耳元で、
彼はそっと自作の愛の詩を口と喉とで吟じてやった。
「――俺、たまってる。真耶とヤりたい。でも真耶嫌がる。悲しい」
「……あ、あのねえ……」
直球すぎる彼の作品に呆れる真耶。
しかし彼女とて、亮の気持ちが分からない訳ではない。
ふっと優しい笑みを浮かべ、彼女も亮を抱き返した。

二人だけの公園に、少女の声が流れる。
「――それじゃ、帰ったら亮くんには色々してあげる……。
 でも、今はこれだけで勘弁してちょうだい?」
安らかな笑顔で、真耶は背を伸ばして亮の口に自らのそれをあてがった。
「…………!」
桃色の柔らかな肉の感触に、亮が大きく目を見開いて真耶を見つめる。

次の瞬間、少年は彼女をベンチの上に押し倒した。
「んっ……るおぅっ !?」
口が塞がったままのくぐもった音声が一瞬だけ出て、すぐに消える。
白く塗られたベンチの横木に真耶の後頭部を
押しつけないよう腕で支えながら、亮は恋人の肉を貪った。
70亮と真耶(4/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:38:16 ID:b3dbMY5c
「んむ……んっ……」
舌を伸ばし、硬く閉ざされた少女の歯をなめ回す。
「ん……んんんっ……!」
歯と唇を同時にこすりこすられる心地よい感触に、
二人は抱き合ってベンチの上で横になったまま目を細めた。

亮は頭を少しだけ上げて、唇を名残惜しそうに離したあと
真耶の閉じた唇にベロベロと唾を塗りたくった。
「…………!」
品のない彼の責めに真耶は抵抗もできず、されるがままになっているが
その目には隠しようのない劣情の色が浮かんでいた。

「ん、はぁ……」
てらてらと唾で光る唇が開かれ、少女の切なげな熱い息が漏れる。
しかし、彼はその隙を見逃さなかった。
亮はもう一度、鼻が触れ合うほど真耶に顔を寄せ、伸ばした舌を
開いた歯と歯の間に一気に滑り込ませた。
「――はふぅっ !?」
驚きに目を丸くして、恋人の舌を口内に受け入れる少女。
ここぞとばかりに亮の舌は真耶の歯の裏、頬の内側、濡れた舌を
思うがままに蹂躙していく。

「はぁ、あぁ……ふ、はぁ……」
ニチャニチャと唾の絡む音が二人の耳に届くが、もはやどちらも
それで恥ずかしがることはなかった。
これが当然と言わんばかりに舌を絡め、唾をすすり合い、
混ざり合った唾液をお互いの喉に流し込んでいく。
こくん、と真耶の小さな喉が熱い液体を飲み干したのが見えた。

亮は興奮のあまり小柄な恋人の体を抱きしめのしかかり、
散々に真耶を苦しめた。喘ぐ少女の口を塞ぎ唾を飲ませ、呼吸を妨害する。
性感と苦しさでもう真耶の顔は真っ赤だった。
「ちゅ、じゅる……はぁ、まや、はや……」
「――んむぅっ……りお、りょーくぅん……んっ……」
71亮と真耶(5/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:38:52 ID:b3dbMY5c
そろそろ決めてやらねば。
亮は人工呼吸の要領で真耶の口に覆いかぶさり、少女の中の
気体と液体を力の限り吸い上げた。
――ずるうぅううぅうううっ…… !!
「…………っ !!」
真耶の体がビクンと跳ね、白い手がブルブル痙攣した。

やっと満足したようで、亮は真耶の体を優しくベンチに寝かせ
ぐったりした彼女に自分の脚で膝枕をしてやった。
「ふう……気持ち良かった……」
袖で口元をぬぐい、爽やかにそう言い放つ。

不意にその頬に少女の手が伸ばされ、亮の顔が痛いほど引っ張られた。
「――痛っ !? な、何すんだよ !?」
「……何すんだよじゃないわよ……」
真耶の声は低く、地獄から聞こえてくるかのようだった。
「あんた、あたしを殺す気……?」
「――い、いいえそんな滅相も……」
よくわからないが、ここは全力で否定しておいた方がいい気がする。

彼女は亮の顔を引っ張って起き上がると、静かな目で彼をにらみつけた。
「とりあえず、あたしの言いたいことはねぇ……」
「ん、なに、なに……?」
苦しさのせいでなく恐怖に青ざめた亮の左頬を、
真耶の拳が一直線に打ち抜いた。
「このドアホォォォォオォオォウゥッ !!!」
「――ぶげぇっ !?」
今度は亮が膝枕をしてしまう羽目になってしまった。
もっともそれはそれで、心地よい話ではあるが。
72 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 02:41:51 ID:b3dbMY5c
以上となります。
書き込んだ後はageる、それが俺のジャスティス!
いや、単に下がりすぎと思っただけなんですがね。

エロいかどうかはわかりませんが、結構ギャグ入った気も。
やっぱりポイントは唾液にあると思うのですが、皆様どうでしょう。

それではこれにて、失礼致しました。
73名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 03:11:25 ID:VEAwIAqz


ピンとこない
74名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 05:50:00 ID:YGV+Asup
おつかれさま
75名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 19:21:04 ID:JM+cKjni
お疲れ様!
76名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 22:29:25 ID:Ic/FJSkZ
で、リアルに3時間キス続けるとどうなるんだ?
10分で結構疲れた記憶しかないっていうかそんな長時間挑戦した事無い
77名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 23:36:19 ID:eqMmGOnU
とりあえず、20〜30分はあっという間に過ぎると思う。
ディープで3時間はきついだろうけど、バードキスみたいなんだったらわりと長く行けるよ。
78名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 12:41:19 ID:H753x/7o
保守
79名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 15:24:15 ID:g3CmSXnG
エロゲだけど、学園催眠隷奴のキステキストは良かった。
特にピザ屋の姉ちゃんのシーンは、それだけで抜けるくらい
80名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 13:43:39 ID:OG7m/nY3
保守
81名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 01:13:46 ID:nscxnTp9
保守
82名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 17:29:39 ID:IcH0WDqh
外国はいいよね
アメリカイタリアあたりは頼めば誰でもキスしてくれるし
それを恥らう事もない
早く糞国(日本)捨てたい
83名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 00:00:07 ID:pTmdIzfS
保守
84名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 12:35:54 ID:tZJyt5Sd
hosyu
85名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 16:09:14 ID:oZf3prVV
ほうす
86名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:08:56 ID:abnLYVtH
「ねぇ〜、泰紀〜」
私、氷見清香(ひみきよか)は、仲のいい友人…いや、恋人の砺波泰紀(となみやすのり)の家にやってきていた。
泰紀は一人暮らしをしている高校生だ。私もそれは同じである。別々のところから東京へやってきた私たちは、クラスメートとして初めて顔をあわせた。
そして私たちはいつしか仲良くなっており、あることをきっかけに友人から恋人になった。
私は料理がからっきしで、彼は料理が大得意。ゆえに私は彼からお弁当を頂戴することが多くなっていた。
弁当を盗られるのが許せなくなった彼は、いつからか私の分の弁当を作ってくれるようになった。まぁ材料代はちゃんと要求してきたけれど。
私はそんな彼の優しいところと、繊細な味付け、そしてからかうと面白いところに惹かれていった。
まぁ、よくある恋愛関係なのである。
「やーすーのーりー!」
さて、私は今、エプロン姿で調理をしている泰紀に近付いて声をかけている。何もすることがなくて暇なのだ。ちょっと遊んでほしかったりするのだ。
「なんだー…っと。そこいると油が跳ねるぞ」
フライパンに調味料を入れながら、彼…泰紀は面倒くさそうに言った。
彼が作っているのは、豚肉のケチャップ和え。私の大好きな料理だ。いや、私は彼が作ってくれた料理だったらなんだって美味しいんだけど。
普通の(何を持って普通というかは知らないが)カップルは、女が料理を作り、男は基本的に金を出すだけの立場だ。しかし私たちはそうじゃない。
私は泰紀の料理を食べて幸せになれるし、泰紀はそれを見て喜んでくれる。
「おーい、聞いてるか。跳ねた油が当たると熱いぞ」
泰紀は右手でフライパンを揺さぶりながら、私を左手で追い払う。面倒くさそうに装ってはいるが、本心では私が心配でたまらないのだ。
だから私はついつい、彼に構いたくなるのである。心配をかけたい。遊んでほしい。構ってほしい。
「ねぇ泰紀、こっち向〜いて♪」
「俺はムーミンじゃないぞ、ニョロニョロ」
「誰がニョロニョロよ」
「お前の髪の毛が…よっと」
我ながら上手いことを言ったとご満悦な様子で、フライパンの中身をひっくり返す泰紀。むっ、誰がニョロニョロだ。
私の髪は癖が本当にひどく、彼にはよく「ワカメ女」「もじゃもじゃ」なんていわれてからかわれる。彼以外にそれを指摘されるのは不愉快だ。
まぁこれは彼なりの愛情表現なので、普段だったら頭にがつんと拳を浴びせて愛情を確かめているところだが…それでは芸がない。
「にょろにょろーん…」
彼の近くで、私は体をわざとらしく揺さぶる。さながらニョロニョロのように。
「…」
彼は気づかない振りをしながら、フライパンの中に野菜を突っ込む。ああ、やっぱり落ち着かないんだろうなぁ。口がへの字に曲がってるし。
さぁ、ここからは我慢比べだ。私が体を揺らすのを諦めるか、彼が「揺れるなぁ!」と怒るか。ま、結果なんて火を見るよりも明らかなんだけど。
87名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:09:27 ID:abnLYVtH
台所での我慢比べの決着はすぐについた。
「にょろー」
「…っだぁ、うるせぇ!とりあえず座ってテレビでも…」
時間にしてたった15秒程度で、彼はあっさり根を上げた。私の方を向いてその怒りをぶつけようとする。
そこに私は、飛びかかった。そう、例えるなら獲物を仕留める獅子のように。
「ん〜!」
「むぐっ!?」
飛び掛った勢いで泰紀を台所から引き剥がし、彼の体を壁に押し付けて、唇で唇を塞ぐ。一歩間違えば火事になるだろうが、一歩間違えないから問題はない。
困惑して、野菜のついた木ベラを振ってじたばたとする泰紀の右手首を押さえつける。同様に左の手首も、壁に押さえつけた。
「ん〜」
「んーっ、んぐっ、んっ!」
唇に、彼の声の震えが伝わる。やーい、ざまぁみろ。私のことをニョロニョロ呼ばわりしたお返しだ。
体をバネのようにして何とか押し返そうとしても、私が全体重をかけてそれを封じる。
残った腕で何とか抵抗をしようとするが、そちらは両方とも私に手首を押さえつけられているため、力が足りてない。
「んぐんぐ!んーっ!」
「お料理が焦げちゃう」ってことを言おうとしているんだろうな。でもそんなことは関係ない。気分はさながら新妻を襲う夫といったところだ。
上唇の出っ張りを軽く噛むと、彼の口全体にかかっていた緊張が和らいだ。そこに私は舌を突っ込み、舌先で彼の唇の裏側をそっと舐めた。
「ふぅ…ふん…」
ああ、泣きそうな声出しちゃってさ。情けないなぁ。女の子にキスされて泣くなんて、お前は小学生か。
そんなところがたまらなくかわいくて、愛おしいんだけど。彼のそんな反応を楽しみつつも、私は口撃をやめない。
私の舌先を、今度は彼の舌先に当てる。ピクリという一瞬の硬直の後、彼の舌の緊張が緩んだ。
緩んだ舌に、私は愛情を絡ませていく。舌根に自身の舌先を乗せ、舌裏で彼の舌先のマシュマロのような感触を味わう。
内頬を舌先でくすぐるたびに、彼は甘い息をつく。舌裏の血管を一筋なぞると、彼はぞわぞわと体を震わせた。
「(ホント、かわいいなぁ…)」
前歯で彼の唇の感触を味わいながら、私はしばしの恍惚に浸る。舌全体を重ね合わせ、絡み合わせるだけの作業を、私は飽きもせずに
火にかけられたまま放置されたフライパンの、パチパチという耳障りな音と、物がこげたような炭の臭気は、彼の精神をどれだけ焦らせることだろう。
だが彼は、私に拘束されて、唇を凌辱されている。彼はもうどうすることもできないのだ。
88名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:09:48 ID:abnLYVtH
しばらく彼の上顎を舐めていると、カタン、という音がして足に生暖かい物がくっついた。彼が手に持っていた木ベラを落としたのだろう。
肉の焦げ臭さがかなり目立っている。ちょうどいい頃合だ。泰紀の下唇を舌先でなぞる。ゾクゾクという震えが泰紀の体から伝わってきた。
それを最後に、私は泰紀の唇に吸い付き、余韻を残して唇を離した。
「っぷはぁ!はぁ、はぁ…」
荒いため息とともに、泰紀は溺れていたかのように激しく酸素を求める。唇に唾液の吊り橋が架かり、それが蛍光灯の光を受けて艶かしく輝いた。
まったく、こいつったらまだまだキスが下手なんだから。キスしながら息ができるようになるまで調教してやろうかな。
「あんたってホントに、唇の辺りに弱いよね。ちょっとくすぐるだけで女の子みたいな声だしてさ」
「き、清香…そんなことより料理…!」
「知〜らないっ♪」
安心しきった泰紀の唇を、私は再び塞ぐ。今度は先ほどのように、口の中を堪能するようなことはしない。
舌を無理やり突っ込み、力なく弛緩している喉奥に舌を突き入れた。
「んぶ!?」
泰紀の顔が引きつり、喉の辺りが変な痙攣を起こす。だがそんなこと、私の知ったことではない。
喉の入り口…扁桃腺や口蓋垂の辺りを舌でくすぐってやる。おそらくやられている方は壮絶な吐き気に襲われていることだろう。
ブルブルと嫌な震えが伝わってくるが、まだ許してあげない。震える舌を舌で無理やり押さえつけ、そのまま舌の表面で私の舌先を躍らせる。
「ふむ、ふぅ…」
やめて、って言ってるのかな。まぁどんなことを言われたにせよ、私は絶対にやめないけれど。
体全体を押し付け、肘で泰紀のお腹のあたりを圧迫し、そのまま唇に体重をかけて触れ合わせる。2枚の唇越しに歯の硬さが感じられた。
彼の左手の力が緩んだことが分かったので、私は彼を押さえつけていた右手を離し、後頭部から首筋にかけて指を這わせた。
つつーっと、くすぐるように。それとシンクロさせるように、舌先を彼の舌根から舌先にまで這わせていく。
先ほどの痙攣とはまた違った、ふるふるとした嬉しそうな震えが、唇越しに伝わってきた。
「(首筋弱いんだなぁ…)」
そう思いながら、もうひとつの弱点である唇を、舌でそっと、緩やかになぞる。
嬉しそうにびくびくと震える彼の体を、右手で思いっきり抱きしめてあげる。
そのまま右手に思いっきり力を込め、私は自身の唇をさらに彼のそれに押し付けた。
89名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:10:27 ID:abnLYVtH
肉の焦げ臭さが本当にひどくなったところで、私はやっと唇を離した。唾液が互いの唇から、吊り橋どころか瀬戸大橋のように伸びる。
それをぺろりと舐めとり、私はふっと嘆息した。
「けほっ、けほっ!…ごほごほ…」
「ふぅ…結構いいでしょ、こういう無理やりなキスも。最初は激しく、終わりは優しく」
「ぼほっ…お、お前なぁ…ごほっ!」
咳き込んで涙を浮かべながら(多分これは吐き気から来る涙だろう)、私に抗議の視線を送りつけてくる泰紀。ああもう、かわいいんだから。
「ねぇねぇ、これってディープキスに分類されるのかな」
「されんじゃないの。そんなことより料理どうしてくれるんだよ…はぁ」
泰紀はガスコンロの火を消し、深いため息をついた。フライパンの中身は…ま、まぁまだ食べられそうかな。
「そんなことより、って何よ。私と料理、どっちの方が大事なわけ?」
「そりゃ清香だが、清香に振舞う料理だって大事だよ。今回は会心の出来だったから尚更だ…はぁ」
再度ため息をついて、フライパンにはりついた肉を木ベラで取ろうとする泰紀。…ちょっと悪いこと、しちゃったかな。
「いいわよ、私食べるから」
「はぁ!?焦げてるだろうが!」
「あんたの失敗作なんて問題にならないわよ。私、もっと致命的だから」
「そりゃ、そうだけどさ」
泰紀は否定をしない。一度私が炒飯を振舞ったとき、彼は一口食べてぶっ倒れた。
それが気に入らなかったので、その日は2時間くらいくすぐりと電気按摩で攻めてやったんだけど、とにかくそれくらい私は料理が下手だった。
「…さすがに口移しは勘弁してくれよ」
「え?やってくれんの?」
「やるわけないだろ」
泰紀はふっと嘆息する。そして突然、私の肩に両腕を伸ばし…
「あらら、何のつもり?」
私はその伸ばされた腕を、がっしりと掴んだ。
「…やられっぱなしじゃ性に合わないんでね」
「へぇ…じゃあオードブルがてら、頂きましょうか」
「何をだい?」
「あんたの唇っ!」
掴んだ腕を思いっきり引っ張る。バランスを崩した泰紀の頭を掴み、そして私は唇を押し当てた。
瞳孔を開き、また唇が弛緩して、何か言いたげに弱弱しい声を出す泰紀。もう抵抗するのは諦めてしまったらしい。
今度はどうやって攻め立ててやろうかな。キスをされるたびにいちいち初々しい反応を返してくれる恋人の唇を堪能しながら、私は考える。
この甘い唇は、渡さない。絶対、誰にも。
そして私の唇も、彼だけのもの。ずっと、とこしえに。
90名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:13:39 ID:abnLYVtH
Q.これで終わりかよ。短いよ
A.気晴らしに書いているのを改変したものなんで許してくだしあ

Q.男の方、ちょっと非力すぎない?
A.襲われたら抵抗できなくなっちゃう人なんでしょう
91名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 21:40:56 ID:rQoMVxy9
SSについては何の文句もない。

でもさ、料理中にちょっかい出されるのって
ガンプラ塗ってる最中に邪魔されるぐらいのうっとおしさじゃん?
しかも焦げてるって事はテフロン加工が完全に剥がれ落ちるわけでしょ。

へこむわぁ・・・
92名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 03:48:32 ID:GJ0Uq0Mk
GJ!
93名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 20:01:55 ID:khi1uSmM
453 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/05/18(月) 16:34:18 ID:AENuuid0
投下したSSにものを焦がしちゃう部分があったんだが
テフロンが台無しになる、って理由でケチつけられた

…どうしろってんだ
94名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 23:57:03 ID:W/3xjecd
よく見つけてくるなww
95名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 01:09:16 ID:bWfBI5+X
テフロンを台無しにしちゃいけないよな
96名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 02:41:24 ID:E0Ul0sxQ
テフロンは台無しになったがGJすぎるSSだ
97名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:42:49 ID:/rD9uppc
焦げた晩餐を終えた後。皿を洗う泰紀の口はへの字に曲がっていた。
彼の口からは短いため息が頻繁に漏れており、手に持っているスポンジは無駄な力がかかって歪に変形している。不機嫌であることは一目瞭然であった。
「怒ってんの〜?」
「…そりゃあな。テフロン台無しにされたからな」
ちょっと気を和らげようと、甘えるように話しかけたが、返ってきたのは怒りを孕んだ冷静な答えだった。
「テフロン?」
「つまり、このフライパンはもうダメってことだよ」
流しの中に無造作に置いてある焦げたフライパンを見て、彼はため息をついた。
テフロンが何者かはよくわからないが、彼の様子から、私がひどいことをしてしまったというのはよくわかった。
「…あ、あの…ごめんね、泰紀」
「いいよ、もう過ぎたことなんだから」
全然よくなさそうな口ぶりで言う泰紀。相当怒っていらっしゃる。こんなに怒った彼を見たのは久しぶりだ。
そしてその原因である私が無知で反省をしていないことが、余計に彼を苛立たせるのかもしれない。
「あの、私が買いなおすから…」
「別にいいって」
「でも…」
「あのさ、清香。風呂でも入ってくれ。それが終わったらそこでテレビでも見ていてくれないか。邪魔だ」
かなり強い口調で、泰紀は私に言いつける。こうなると取り付く島もない。
「…ごめん」
私は意気消沈して、台所から離れていった。
はぁ…調子に乗りすぎた。彼は無理を言っても意外と許容してくれるため、ついつい調子に乗りすぎてしまう。
けれど彼も人間だから鬱陶しいと思うこともあるはずだし、料理のための道具を台無しにされているのだから怒ったって仕方がない。
どうすれば、機嫌直してくれるのかな。
98名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:43:26 ID:/rD9uppc
「…はぁ」
シャワーをさっと浴び、ついでに口の中をゆすいでから、私は暗い彼の部屋…食事も就寝も趣味もすべてここで行われる…でため息をついた。
テレビを見ていろ、と言われたけれど、こんな状況でテレビを見ていられるほど私は図太くない。
口から出るのはため息ばかり。普段は何だかんだで甘えているうちに機嫌を直してくれるのだが、甘えることができないのだからどうしようもない。
友達にはよくクールでかっこいいと言われるが、やっぱり私って甘えん坊なのかな。
「…お前なぁ、電灯くらいつければいいのに」
台所から流水音が止んでしばらくして、私のもとに泰紀がやってきた。苦笑しながら、私の頭をもしゃもしゃと撫でる。
「覚えてるか、昔お前が俺に『好きだ』って言ったときのこと」
「え?」
「あの時もこんな感じだったよな。勝手にじゃれついてきて、勝手にしょげて、勝手にこの世の終わりみたいに落ち込んでさ。
こっちは突然好きだと言われて、理解できないから訝しがったらいきなり泣かれて…大変だったんだよ?」
そういえばそうだった気がする。…成長してないな、私も。
「ホント俺に手間ばっかかけるな、お前は。毎日弁当作りをせがむし、今日だって豚肉食べたいって言って勝手に家に来てこれだし」
「…怒ってる?」
「もちろん」
「…ごめんね。私…構ってちゃんだから」
「知ってる」
彼は苦笑しながら、私の言葉にきっちりと返答する。
「あ、あのさ…どうすれば、許してくれる?」
「まぁ色々考えたんだけど、過ぎたことを責めても仕方がないし。こういうひどいところもお前の魅力だから許すも何もって感じはするな。
それに清香も反省しているようだし、フライパンなんて買いなおせば済む話だろ?じゃあそれでいいじゃないか」
「でも、それじゃあ…!」
「うん、それじゃあ割に合わない。だから…まずはそこに正座してくれないかな」
彼の機嫌が直るのなら、私は土下座だってするのだが…正座程度でいいのだろうか?
「こう?」
「ああ…」
膝をそろえて正座した私を見て、泰紀は満足げに頷く。
「それじゃあ、頂きます」
そして私は肩を押さえつけられ、無理やり押し倒された。
99名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:44:04 ID:/rD9uppc
床に組み敷かれ、腕を押さえつけられる。気づいたときには既に泰紀の唇が、私の唇を塞いでいた。
「んっ、んー…」
泰紀の重みが、唇にずっしりと伝わってくる。そのまま舌先で下唇の内側をくすぐられ、私はゾクゾクとした震えに体を支配されてしまう。
「…んー…」
彼の舌先が与える唇のこそばゆさが、私に電流に似た快楽を与える。彼が唇をくすぐられるたびにゾクゾクと反応する理由が、わかる気がした。
彼の舌先は唇からさらに奥に侵入し、乱暴に私の舌を弄ぶ。舌の表面をくすぐり、こすりつけ、無理やり絡ませ、そして私の反応を楽しんでいる。
「(…意外と、上手かも)」
敏感な感覚器である舌を泰紀にいいように弄ばれ、私はたまらなく興奮していた。現金なものだ。
私はさっき「まだまだキスが下手だな」なんて思っていたのに。そのキスが下手なはずの男に、口の中を凌辱されて。
しかもあろうことか、その凌辱に対して悦楽を覚えてしまっているのだから。
今の私はきっと、愛と悦楽に蕩けきった、だらしない顔をしてしまっていることだろう。
唇をくすぐられるたびに、甘い息が漏れてしまう。私はただ喉奥で、情けない嬌声を上げることしかできない。
自分が攻められるキスというのは新鮮だった。普段の私の口付けが、どれだけ身勝手で押し付けがましいものだったかが、身に染みてよくわかった。
「(もっと…もっと激しくしてよ…)」
その思いが通じたのか否か。彼の舌が私の舌裏を刺激し、直後に吸い上げられるような猛烈な感覚が、私の口内を襲った。
吸われている。彼に、口を…
「(や、やだ…やめてよ、ダメだよそんな…!)」
唾液を思いっきり吸い取られている。いやらしい欲情をそのまま音にしたかのような、とても淫らな水音が狭い部屋の中に響く。
本当に情熱的なキスだ。相手を本当に愛していないとできるものじゃない。いや、私は彼を本当に愛していたのに、こんな発想に行き着かなかった。
それが何故か、とても恥ずかしいことのように思える。音を立てているから?それとも…もっと、別の理由?
「(も、う…やめて…恥ずかしいじゃない…!)」
唾液とともに、何か大切なものを吸い取られるような気がして、私はささやかに抵抗を試みる。しかしこのむさぼるようなキスの前に、私はあまりにも無力だった。
体中の筋肉は弛緩し、ただ両腕を押さえられている痛みと、唾液を吸われている異常なキスの感覚だけが残る。
こんなキス、初めて。私はこんなこと、考えたことがないから。恥ずかしくて、怖くて、それでもとても新鮮で、嬉しくて。
気がつけばそんな、彼の情熱的なキスを悦んで受け止めてしまっている自分が居た。
ただ私は口の中を吸われ、舌を好きなように弄られ、貪られることに対し、甘い声を喉の奥で出しながら悶えることしかできなかった。
100名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:44:26 ID:/rD9uppc
「…っぷはぁ!ぜぇ、ぜぇ…」
どれくらいの時間が経っただろう。彼は最後に唇をひと舐めし、やっと唇を離した。唾液の糸が唇の間にかかり、ビーズのような粒になって私の唇へと落ちてきた。
キスだけでこんなに疲れたのは初めてだ。頭の中が真っ白で、感覚は日に当てたバターのようにどろどろと溶けてしまっている。
自然と、息が荒くなっていた。やっと終わったのだという安堵と、もっとしてほしいという情欲が、心の中でせめぎあっている。
その葛藤の中、彼が息切れを起こしていることに対し、ああ、やっぱりまだキス自体は下手なんだなぁなんてことを頭のどこかで思ってしまっていた。
「ま、これで帳消しだな。言ったろ?やられっぱなしは性に合わないって」
「…あ、泰紀…これだけで、いいの?」
「これだけって…よく言うよ、普段は『これだけ』のことも許してくれないのに」
泰紀はそう言って苦笑する。それもそうだ、いつも私が主導権を握ってしまっているのだから。
「まったくさぁ、食事の前にこれをやってみようと思ったらお前に逆に押し倒されちまうし。まぁその前2回は言わずもがなだ」
「…それも、そうね」
「だから俺は、お前が泣くまでキスするのをやめない」
薄暗さの中、彼の口元が嬉しそうに歪む。腕に体重をかけられ続けていると、いいかげんに手首が痛くなってくる。
でも…ああ、私、これからめちゃめちゃにされちゃうんだろうなぁなんて思うと、胸の鼓動が高鳴ってくる。
「…泰紀」
「ん?」
「今度さ、一緒にフライパン買いに行きましょ?それと…」
体を起こそうとすると、彼は腕をやっと放してくれた。しかし主導権はまだ我が物だといわんばかりに、今度は背中を抱きとめてさりげなく腕をロックする。
それでいい。両手が自由になってしまっていたら、多分私はまた、自分本位の口付けをしてしまうだろうから。
「…泣くまでキス、してくれるんでしょ」
私が口付けを求めると、彼は少し驚いたような表情を浮かべ、そして優しく笑ってくれた。
「…ああ」
いつもそうだ。機嫌が直ったときは、こんな顔をしてくれる。それがどんなに私に安堵を与えてくれることか。
許してくれたことに安堵し、私は彼と唇を重ねる。今度は互いに求め合うような、優しい口付け。
こちらが泣くまでキスしてくれるなんて、ちょっぴり楽しみだな、なんて思いながら、私は彼の舌裏をくすぐってディープなキスを誘う。
頭の中はもう、どろどろに蕩けてしまっている。キス以外のことなんて、もう考えられない。
ああ、このまま…何もかもが、止まってしまえばいいのに…
101名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:45:08 ID:/rD9uppc
Q.愚痴スレに書いた?
A.もう開き直ることにした

Q.前の作品と男の性格が違わね?
A.どちらも攻めているときはノリノリだけど、攻められるとしおらしいんでしょう。ちなみに俺は女の子攻めの方が好きです

Q.キスをするときに「ズキュゥゥゥン」って音が出るんですか?
A.映画だとただの重低音です

Q.テフロンを台無しにしたことについては謝らないんですか?
A.許してください!悪気はなかったんです!ほんの出来心だったんです!
102名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 19:58:12 ID:RkbP5HJh
テフロンGJ!!
キスするたびにフライパン買い換えるカップルになってしまえw
103名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 04:45:40 ID:tKdUN6CH
テフロンの奥深さがよく分かる
104名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 08:06:36 ID:jz/AgcYn
料理上手い奴がテフロンのフライパン使ってるってのが何か嫌だ
鉄のフライパンを手入れしながら大事に使ってて欲しい
105名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 14:29:31 ID:8MtFiUsE
そうやってまたssを書かせようとは……
106名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 20:57:52 ID:Vop4nOzc
鉄のフライパン一本ですませようってのは乱暴でしょ。
基本テフロン、炒め物鉄、パスタとスープアルミじゃない?。
107101:2009/05/20(水) 21:19:11 ID:+oAtika7
>>105
このスレでは二度と書かないので安心してください
108名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:19:27 ID:tKdUN6CH
え…
なんでこんなことに…
109名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 22:46:36 ID:9JRi0cLd
53 名無しさん@ピンキー sage New! 2009/05/20(水) 21:21:08 ID:+oAtika7
>>47
そういう奴が一人でもいるとスレが衰退するんだよなー
まぁGJだけ言われんのもむかつくけど
それより俺はどうだっていいところにばかりケチつけてくる奴が鬱陶しい


ほんと面白い人だなあんた
110名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 23:18:48 ID:fi/XVuxM
テフロンなんてどうでもいいところにケチつけるんじゃなくて、スレ内容に関するところを批評して欲しいんだろうよ
わざわざ他のスレから引っ張ってまでケチ付けたい人間が居るスレでわざわざ書きたいと思う人間の方が珍しいと思うぜ
111名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 23:20:41 ID:pcFYIRBp
なんつうか、もうちょっとこう、余裕持とうぜ、皆さ。
112名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 03:10:25 ID:/RTkvFBH
もうダメだなこのスレ
113名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 14:55:21 ID:eJ3NtWJI
「今年の自由研究のテーマ、やっと決まったよ!」
 中学生の従姉妹、梨絵ちゃんが、何故か喜色満面で僕にそう
宣言したのは、八月三十日のことだった。
「……今頃?」
「キュートなあたしは、ピンチを脱出するナイスなテーマを思いつきました!」
「僕に手伝えってのは無しだよ。僕だって課題やんなきゃいけないんだから。
 と言っても、あと一ヶ月休みあるから楽勝だけどさ」
「ケン兄ずるい!」
「大学生の特権だ。で、自由研究のテーマはなんにしたの?
 今からだと、朝顔の観察とかもできないよね」
「へへぇーん! ぬかりは無いもんねー! 今回あたしが決めた
 テーマは、これでーす!」
 そう言って、梨絵ちゃんは梅干を食べた後のような、すっぱい顔を
僕の方に向けた。
「……」
「んー」
「……で? テーマはなんなの?」
「んー」
「だから、梅干でも食べたみたいにすっぱい顔してないで、早く
 教えてほしいんだけど」
「……ケン兄、わかんないの?」
 わかるわけがない。一体梅干を食べたような顔を見せられて、
それで何を察せと言うんだ。
「ははーん……ケン兄、そういう経験が無いんだ」
「?? そういう経験? 梅干なら食べた事あるけど……?」
「ちがうよー! なんで梅干食べなきゃいけないのよー!」
「え、だって、梨絵ちゃんの顔、そんな感じだったし」
「女の子が目を閉じて、こう、唇突き出してたら、男の子がする事は
 一つでしょ!」
「……ああ、唇突き出してたんだ、あれ」
 ……え? 待て、今この娘なんて言った?
「梨絵ちゃん……まさか……」
「そう! やっとわかった? テーマは……キスでーす!」
「………………」
 呆れて物も言えないとはこの事か。一体何を言い出すんだこの娘は!
「ケン兄だって、あたしとキスとかしたくない? したいでしょ?」
「……あのねえ、梨絵ちゃん。俺は中学生の、それも従姉妹に
 欲情したりする程分別が無い大人じゃないよ?」
「……あたし、魅力ないかな?」
「……そうじゃなくてね? 梨絵ちゃんは魅力的な女の子だと、そう
 僕も思ったりはするけど、だからってキスとかそういうのをするような
 関係じゃないわけだし、だいたい自由研究のテーマがキスって、
 一体どこでそんなの思いついたんだい?」
 少しだけ、心臓がどきどきしている。ちょっとしょぼんとした梨絵ちゃん
は、普段の元気いっぱいの彼女とは少し違い、何だか酷くはかなげで
可愛く見えた。
 そんな想いを誤魔化そうと、僕は早口で彼女に問いかける。
「えっとね、希ちゃんがね、この前彼氏と旅行に行って、そこで
 ゴールインしたんだって!」
「………………」
「そこで、彼氏といーっぱいキスして、凄く気持ちよかった、って、
 嬉しそうに言ってた。……それで、ね……うらやましいなぁ、って」
 最近の中学生はどこまで進んでるんだ。ゴールインってのは、
その、つまりは……そういう事だろ?
 でもまあ、梨絵ちゃんが突然突拍子も無い事を言い出した理由は
よくわかった。友達に自慢話をされて、それでうらやましくなって、
自分もしたくなってしまったという事なのだろう。
114名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 14:55:37 ID:eJ3NtWJI
「梨絵ちゃん、いいかい?」
「なーに?」
「キスとか……そ、その先とか……そういうのは、好きな人としか
 やっちゃいけないの。わかる?」
「そのくらいわかるよー」
「だったら、こんな所で僕にキスしてくれなんてせがんじゃ駄目なのも
 わかるよね?」
「なんで?」
「なんでって……だって、梨絵ちゃんは別に僕の事、好きでも何でも
 ないだろ? ただの従兄弟なんだし……」
「好きだよ?」
「へっ?」
「ケン兄のこと好きだよ、あたし!」
「……あ、あのね、梨絵ちゃん……そういう好きじゃなくて……」
「知ってるよ! ラブの方の好きじゃないと駄目なんでしょ?」
「……そ、そうだよ? だから……」
「だったら大丈夫! あたし、ケン兄のこと……愛してるから!」
 ……無知、なのだろうか。それとも、無邪気、なのだろうか。
 梨絵ちゃんの言葉に嘘は無い。それは長年の付き合いで、よくわかる。
 でも……だからって、そんな……梨絵ちゃんはまだ中学生で……。
「あ……でも、ケン兄があたしの事好きじゃなかったら……駄目、だよね」
 ――――――。
 その、少し落ち込んだような、でも、仕方が無いなという感じの諦めにも
似た感情が浮かんだ儚げな笑顔に、僕の理性は完全にKOされた。
「梨絵ちゃん……」
「あ……け、ケン兄……」
「僕は……梨絵ちゃんが僕の事好きなのと同じように……梨絵ちゃんの事、
 好きだよ。今、わかったんだけど、さ」
 彼女の小さな身体。その細い肩を両手で掴み、僕は彼女の目を覗き込んだ。
「ほんと! 嬉しい! じゃあ……キス、して?」
「……うん」
 そっと恥ずかしそうに瞳を伏せ、彼女は唇を突き出した。
 その顔は、やっぱり梅干を食べた時のすっぱい顔のようで少しおかしかった
けれど、それでも、そんな彼女が凄くいとおしく感じられて、僕はそっと彼女の
方に自分の顔を寄せていく。
 そして――
「……えっ?」
 ――僕は、彼女のおでこに口付けた。
「……ケン兄……キスって、唇にするものじゃないの?」
 瞳を開けば、彼女が頬を膨らませていた。怒っているのだろうが、
その怒った表情も、また可愛い。
「……あのね、梨絵ちゃん。例え僕が君の事を好きで、君が僕の事を
 好きであっても……君はまだ中学生なの。わかる?」
「えー! でも、希ちゃんは彼氏といっぱい……」
「よそはよそ! うちはうち!」
「お母さんみたいな事いわないでよー……」
 ……梨絵ちゃんには言えない。唇と唇でキスしたら、そのままの
勢いで最後までしてしまいそうだったのを、何とか踏みとどまったんだ、
なんて。
115名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 14:55:43 ID:eJ3NtWJI
 ……流石に、梨絵ちゃんの小さな身体を、欲望の赴くがままに
好き勝手にしてしまう事は、最後の残った理性の一欠片が許さなかった。
「もう後何年かして、梨絵ちゃんが高校生になったら……その、
 ちゃんとしてあげるから」
 ……たぶん、その時は……最後まで。
「……でもぉ……」
 梨絵ちゃんは不服そうだが、彼女が望んでいるのはキスまでだ。
それ以上を望んではいない。だから、それ以上をしてしまいかねない
ような事は、できない。
「……自由研究、どうすればいいの?」
「……元々、自由研究でキスの研究とか、先生が認めてくれるわけないから」
「そうなの?」
「当たり前でしょ」
「……じゃあ、おでこにキス、され損?」
「嫌、だった?」
「……ううん、嬉しかった。ちょっと、拍子抜けしちゃったけど。
 でも……自由研究本当にどうしよう……」
 彼女に嬉しいと言ってもらえて、僕は少しだけ安心していた。
 とはいえ、確かに梨絵ちゃんの自由研究を何とかしてあげないと、
役得だけで終わらせちゃ流石に申し訳ない。
「じゃあ、ドライアイス使った面白い実験教えてあげるから、それを
 自由研究にしたらどうかな? 一日あればできるし」
「ホント!?」
「うん。ドライアイスは、駅前のスーパーで売ってるかな」
「じゃあ、早速買いにいこうよ!」
 梨絵ちゃんは僕の腕を勢いよく引っ張った。
「うわ、梨絵ちゃんそんな引っ張らないで……!」
 僕は引っ張られた勢いでこけそうになり、床に膝をついてしまう。
「まったく、焦らなくたってドライアイスは逃げな」
 その態勢から、顔をあげた瞬間だった。頬に、やわらかい感触を
覚えたのは。
 視界の端に写るのは、頬を少しだけ赤くした梨絵ちゃんの顔。
「……お礼のちゅー、だよ」
 ……頬に覚えた感触の正体に気づき、僕の頬も赤くなる。
「じゃあ、先行ってるね!」
 呆然とする僕を一人残し、彼女は僕の部屋から駆け出していった。
 ……恥ずかしかった、のかな?
「……やれやれ」
 立ち上がり、頬の温かい感触を指でなぞりながら、僕は思った。
 一応これで……僕らは恋人って事になるのかな、と。

                                  終わり
116名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 14:56:53 ID:eJ3NtWJI
ここまで投下です。
117名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 16:49:51 ID:XFgITtvH
ナイスあまずっぱ。
118名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 01:07:14 ID:kgQmXqk4
GJ。
119名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 05:46:32 ID:kAe/CHia
>>106
だが
一つしか持ってないフライパンがテフロンでは
料理好きとは思えない
120名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 15:31:24 ID:9dLtgehb
長い間使い込んだフライパンも、今日でその役目を終えた
その夜、私は夢を見た
私がキッチンに立っていると、美しい黒髪の女性が現れ
お別れは寂しゅうございます――と、袖を濡らすのだ
そして徐に抱きついてきたかと思うと、唇を重ねてきたのだ
甘く、しょっぱく、苦く、酸っぱく
ざらざら、さらさら、とろとろ、ぷるぷる
私はこの女性を見たことはないが、何故か懐かしい気がする
ずっと昔から、この口づけを知っているような気がする
私は悲しくなり、涙を流した。幾多もの感情が、心を締め付ける
名残惜しむかのように絡め合う舌も、やがて冷たく乾いていく
そっと引き離された唇が、穏やかに笑う
どうか、私のことを忘れないで下さりませ――
そんな言葉だけを残し、女性の姿は掻き消えてしまった
朝、私はキッチンに置かれたフライパンをもう一度手に取る
冷たい底が鈍く光る。涙を流しているかのように
121名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 22:32:57 ID:FuypobK+
フライパンとキスか・・・。
料理にしみこんだフライパンの味とか、そういうのが
感じられるのかな。なんか物悲しい。
122名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 20:53:55 ID:fvcSOJy4
123名無しさん@ピンキー:2009/06/11(木) 21:50:32 ID:d8S9RRcG
保守
124名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 12:05:19 ID:HBQ7880t
125名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 04:24:01 ID:2pAJuu60
ブチュ
126名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 19:28:23 ID:ogWTFnP0
127名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 02:12:31 ID:fXOCuVLb
ふむ
128名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 15:54:46 ID:1Pq17dY6
保守
129名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 23:00:51 ID:ZGp0fqUu
良スレなのに
130名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 12:57:01 ID:i2GF9sBy
保守
131名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 04:41:55 ID:ciVqeJgu
あげ
132名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 23:37:04 ID:klkjOHBF
ん?フライパンスレに間違えて入ったか…
133名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 16:14:18 ID:MB4HkHF9
保守
134名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 15:29:06 ID:HHYH3JL9
非エロになってしまう
135名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 16:39:33 ID:OZLcFBHE
保守
136名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 08:17:29 ID:2yMlPxMp
>>134
確かに
137名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 22:39:18 ID:VLLprRnc
テフロンパンの取っ手にあたしはキスをする。そう
唾液まみれのキスで・・。そしてテフロンパンを下の奥地に誘うのだ・・。保守
138名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 23:17:16 ID:Lbdptai2
「キッスしてつうじあう〜」
 古い歌だ。それを歌っているのが、俺より年下にしか、まだ年端もいかぬ
少女のようにしか見えない存在であっても、歌の古さには変わりが無い。
一体どこで覚えたんだと以前聞いたが、秘密、とだけしか答えは返ってこなかった。
「ねえ、おにいちゃん」
「なんだ」
 おにいちゃんという呼称とは裏腹に、複雑に絡まった親戚関係の結果、
俺はこいつにとっては甥だったりする。十以上年下の叔母。それがこいつと
俺との間柄だ。だが、それが何か俺とこいつとの間に特別な何かをもたらして
いるかというと、別に何も無い。
 おにいちゃんと呼ばれる存在が俺であり、こいつは俺にとっては妹的存在で、
それ以上でもそれ以下でもなかった。
 古い歌を、こいつが歌い始めるその日までは、少なくとも。
「キス、してくれないの?」
「だめだ」
 その歌を歌い始めるようになってから、何故かこいつはキスをせがむようになった。
おにいちゃんならいいよ、と唇を突き出し、瞳を閉じたたこいつのおでこに
デコピンをして以来、こいつは目を開いたまま唇を突き出すようになった。
ひょっとこみたいだ、といつも思うが、口に出しては言えない。
「なんで?」
「お前は、俺には妹みたいなもんだからだ」
 どうして俺なのか。何を思ってキスをしようと思ったのか。その辺りは、こいつは
黙して語ろうとしない。ただ、キスをしてくれとせがむばかりで、その理由や
なんかについては聞かせてくれないままでは、そして十以上も年下の、
妹のような存在が相手となれば、いかに俺が男であろうとも、ほいほいと
口付けを交わすわけにはいかない。
「……むかしはしてくれたのに」
「ほっぺにだろ」
 いつの事を言っているのかと言えば、それはこいつがまだ物心付く前の
話であり、ビデオの映像でしか、こいつはその事実を知らない。だからまあ、
ノーカンだ。唇じゃないし。ほっぺだし。ぷにっとして柔らかかったけど、ほっぺだし。
「どうしたらしてくれるの?」
「……どうしてして欲しいんだよ?」
「質問に質問でかえしちゃだめー!」
「わがままだな」
「女のわがままをゆるすのが男のかいしょーだって言うじゃない」
 まったく、先の歌といい、どこでそんな言葉を覚えてくるのだか。
「……お前がもう少し大人になったらな」
「おとなになったら?」
 実際、こいつはまだお赤飯も炊いていない、本当の子供だ。好きだとか
嫌いだとかは、仲がいいか悪いかの基準にしてるくらいが丁度いい。キス
なんてもっての他だ。……でも、最近は幼稚園とかでも普通にカップルが
できて、キスしたりベタベタしたりしているらしい。まったく、世の風紀は
嘆かわしいほどに乱れているな。
「……うぅ」
 などと考えていると、目の前に涙を溜めた瞳が二つ。
「な、泣くなよ」
 慌てて手を伸ばした俺の身体が、ぐらっと前に傾く。原因は、俺の手を
引っ張りやがったこいつだ。
「え」
139名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 23:17:39 ID:Lbdptai2
 あっ、と思う間も無く、俺は 体勢を崩した。その時、覆いかぶさるように
なったのは、こいつの計算の内だったのか、それとも偶然か。
「……んっ!?」
「……ん」
 柔らかい感触がした。ほっぺたなんかよりもずっと柔らかく、そして熱い
感触が、唇に当たっていた。
「……」
「……」
 どくっ、どくっ、と、心臓の音が耳に響くような気がした。
 唇を、触れている薄っぺらい胸とそれなりの胸板とを通して、向こうの心臓
の音も聞こえるような、そんな気がした。
 どくっ、どくっ、と、二つの心臓が、その鼓動が頭の中を真っ白にしていく。
「……ぷはっ」
 息が続かなくなって、俺は唇に当たっていた柔らかい感触から離れ、
大きく息を吸い込んだ。向こうはといえば、驚きと嬉しさとがないまぜに
なったような表情で、こちらをじっと見つめていた。
「……あ、う……」
 その目に正面から見据えられ、俺は思わず視線を外し、横を向いた。
「……ごめん」
 まず最初に口をついて出たのは謝罪の言葉だった。恐らく、それが彼女の
望んだ通りの展開であったとしても、不意の事故には違い無い。謝罪の言葉は
必要だろう――などという冷静な判断の上で出てきた言葉では、無論無い。
「……あやまっちゃうんだ」
「だって……事故だろ?」
「わたしは、うれしかった……」
 こいつは、一体どうしてこういう時に笑うのか。
 それも、とびきり色っぽい、とても十以上年下の、まだお赤飯も炊いていない
子供には見えない、艶めいた顔で笑うのか。
「しちゃったね!」
 その顔は一瞬で消え、無邪気な歳相応の表情が戻ってくる。
 だが、その一瞬で十分だった。
「……大人になる前に、しちゃったな」
「うん! うれしかったよ!」
 キスして通じ合う。あのふるい歌の歌詞が、頭に浮かぶ。
 そのキスで、俺とこいつとは、確かに通じ合った――のかもしれない。
 少なくとも、俺の方にはこいつの想いは、通じた。
「早く大人になってくれよ。でないと……もっと色々、できないからな」
「いろいろー? なにそれ?」
 好きでいてくれるなら、こいつがずっと俺の事を好きでいてくれるなら、
その時は、俺の思いもこいつに通じるだろう。今、この瞬間気づいた思いも。
「秘密、だよ」
「えー……ん!?」
 抗議の声を再度のキスで黙らせて、俺は思った。
 我慢しなきゃいけない時間は長そうだな、と。

 終わり
140名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 11:08:47 ID:vhrH/s5h
>>138
GJ!キスの続きはいつ解禁になるんだろうなw
歌詞が違うとか不粋な事はいわないぜ!
141名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:55:39 ID:SoMVST2c
よいですな
142あおいきす:2009/08/27(木) 14:33:04 ID:neRpE6d9
暑が夏い。

自分で寒くなるようなオヤジギャグをひとり呟いてみる。
それでも肌を包む温度が変わるはずもなく、
図書館の木陰にあるベンチでシャカシャカとかき氷を頬張る。
ブルーハワイって、名前と味が一致しない。

「さーつーきっ」

暑さを倍増させる声と顔が見えた。
幼なじみの勇。おそろしいぐらいさわやかで夏が似合う男。
私とはまったく対照的。
「んだよ、かき氷食うなら俺も誘え。
しかも俺の姿見たら一気に食っただろうお前」

ばれたか。おかげで頭の片隅がキーンと痛む。

「舌、出してみ、舌」
ばかばかしい、子供みたい、どうせ色ついてるんでしょう。
べぇーっとあかんべえをする勢いで舌を出してやる。

「…お前の舌っておいしそうだな」

急に顔を近づけて真顔でそんな事を言うものだから、不自然に身体を引いてしまう。
そんな私を見て、きょとんとした顔の口元をにっと歪ませ
憎たらしいぐらいに余裕たっぷりに、

「お前、キス、したことないんだろう?」

図星。一気に耳まで赤くなるのがわかる。
なによっ、キスぐらいっキスぐらいっキスぐらいっ
したことぐらいあるわっ
そう、多分あれは幼稚園の頃…ジャイAンのような奴にむりやり…っ
頭の中でぶつぶつと呟く私など尻目に、勇は涼しい顔をして

「目、閉じてみ?」

余裕ぶりになんだかむかついて、素直にしたがう私も私。
いや、どうせ冗談に決まってるし、ここで拒否ると余計うたがわれそう。
でも、うたがわれた所で何を困る事があったのか、と振り返ったのは後日談。

閉じたはいいけど、余計頭の中で妄想が広がる。
閉じられた視界とは別に、耳から入る刺激に敏感になったようでやけに蝉がうるさい。
自然を装いたいのに口唇に必要以上に意識がいき、乾いているのに気がつく。
しまった、ペロリと隠れて舐めておけばよかった。
いや、カマかけただけで、するわけない。
え、して欲しいの?私。

閉じた瞼越しに影が動くのがわかる。身体がピクリと固くなる。

くる。

きっとくる〜 …♪
こんな状況に古いオカルト映画の曲が頭を流れる自分の性格が少しうらめしい。
143あおいきす2:2009/08/27(木) 14:34:23 ID:neRpE6d9
------------

……
……?
決意に反して何事もおこらない状況に耐えきれず目を開ける。

目が合った。

視点を合わせるのがやっとなぐらい、すぐ目の前に勇がいる。

にこり

その微笑みに心臓が飛び出そうになった瞬間、触れた。
かるく、温度もわからないほどの、キス。
あっけにとられていると、顔の角度を変えてまた近づいてくる。
胸のくるしさに思わず目を瞑ると、今度はしっとりと押しつけるように触れられる。

ふに…

そう表現するのがぴったりなほどやわらかくしっとりととした勇の唇
以外だった。男の人でも、くちびるはこんなにやわらかいんだ。
そう冷静に考えられるほど、勇の口唇は優しいやわらかさで不思議に私を落ち着かせる。

口が塞がれててどうやって呼吸するんだろうとか、
上手なキスってどんな動きするんだろうとか
頭の中で考えていた事が全てなくなる。
それどころかいつしかうるさいぐらいの蝉の声すら耳に入らず
周りの空気も感じないほど、勇の唇がただ気持ちよかった。

あ、私は勇が好きなんだ…

大好きなんだ。

「何笑ってんだよ」

気がつくと、少し頬を赤くした勇が照れたように笑いながら鼻をつまむ。

「こっちはすげー緊張してたっつーのに、
 お前って、やっぱすごいわ」

緊張?してたんだ、勇も。
その言葉を聞くとなぜだか力がすとんとぬけた。

「お、おいっ何泣いてんだよっ何も泣くこと……
……ごめん、いまさらだけど、本当ごめん…」

謝るな、謝るならもう1度キスして。
144名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 14:36:09 ID:neRpE6d9
おわり
(エロ目指します)
145名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 17:00:39 ID:SXNiCKfQ
さあでーぷなキスシーンを追加した続きを書く作業に戻るんだ
146桜子の愛情表現:2009/08/29(土) 02:40:03 ID:N9LnSpRD
ただいま時刻は午後10時ちょうど、弟の春人がベットに入って20分ちょっと。
見た目よりもお子ちゃまなコイツは9時半には睡魔に勝てずに眠ってしまう。
帰宅部の癖によくまあこんなに寝れるもんだと感心するが、それが命取りだ。
春人は一度寝てしまえば、朝まで起きることはまず無いが、一応寝てるか確認する。

「ハ〜ル〜ト〜…」

小声で名前を呼びつつ、頬を突っつく。

反応無し。
続いて耳に息を吹き掛けてみる。コイツは耳が弱いから起きてるのなら、堪えきれないのだ。
反応無し。
結論 熟睡している。
147桜子の愛情表現:2009/08/29(土) 02:44:26 ID:N9LnSpRD
私は寝間着のポケットから口紅を取り出し、戦闘準備に掛かる。

といっても口紅を塗るだけ何だけどね。

心の中で呟きながら、真っ赤な口紅を塗って準備万端。
私にはちょっと派手過ぎるけど、この方が色々と効果的なのだ。

規則正しい寝息を立てている春人のベット脇に膝立ちになり、両手を合わせて一言、

「いただきま〜す」

まずは啄むような軽いキスを、チュッ、チュッと繰り返す。
これが挨拶な欧米諸国がうらやましい。
もし日本もこれが常識になれば、毎日でもしてやるのにね

とか思いつつ頬、鼻、額、まぶた、更に首筋とキスの雨を降らせていく。
紅い跡を思う存分付けたら、いよいよ本番。
148名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 02:47:15 ID:N9LnSpRD
再び唇にキス。
今度は唇の感触を味わうようにゆっくりと。
私よりも少しだけ肉厚の唇は、ふにふにぷりぷりで思わず噛み付きたくなってしまう。

「んっ、ちゅっ、ふっ、んんっ…」

自分の荒くなっている呼吸とは裏腹に、春人の寝息は相変わらず規則正しい。

このねぼすけめ

そう思いつつ、静かにベット脇から弟の上に移動する。もちろんキスしたままだ。
弟に覆いかぶさるように、四つん這いになる。

軽く閉じている唇を、舌で割り、口内に侵入させる。
つるつるの前歯をなぞり、少しずつ隙間を広げていく。顔にあたる寝息が少しだけ荒くなってくる。
149桜子の愛情表現:2009/08/29(土) 02:50:14 ID:N9LnSpRD
寝ぼけている春人の舌と私の舌を絡め、口内を思う存分蹂躙する。
くちゅ、ぐちゅ、にゅる、ぬるっ…
私と春人の唇はお互いの唾液でぐちゃぐちゃだけど、キニシナイ。
こくっこくっと溢れる唾液を、飲みつつ春人の口内を楽しむ。
つるつるの歯、柔らかな唇、ザラザラの舌、この三位一体の感触はもはや犯罪レベルである。

まだまだ楽しみたいのだが、そろそろ弟の寝息が大変な事になってきている。よく寝れるなコイツ
名残惜しいが終わりにしなければ。
最後に口内に残った唾液を一気に啜りあげ、ゆっくりと唇を離す。

弟の寝息?は荒いが、目覚めたような感じは無い。
こんだけやって起きないとは、呆れるを通り越して尊敬すらしたくなる。
150桜子の愛情表現:2009/08/29(土) 03:00:50 ID:N9LnSpRD
「ま、充分堪能したしね〜」

時計をみると10時20分、そろそろ桜子も寝る時間だ。

「じゃあお休み、春人」

ようやく元の規則正しい寝息に戻った弟の頬にちゅっとキスして、桜子は静かにドアを閉めた。






「さくらこおおぉぉぉっっ!!!!?!!」

朝から半径1キロメートルには聞こえるかと思うような春人の叫び声で桜子は目を覚ました。
案の定、私のキスマークに気付かないでいつものように洗面所に行ったのだろう。
食卓で爆笑したいのを無表情で堪える母と、新聞紙で笑い顔を隠す父、ニヤつく小学3年生の妹の顔が浮かぶ。

「口紅はやめろって言っただろおおぉぉ!?」

怒鳴りながら、階段を駆け上がる音が聞こえる。
口紅を使うのは月に一回だけなのだから、起きて私を止めればいいのに。

「ま、無理だろうけどね」

低血圧で起きるのはツライが、ゆっくりと体を起こして、ドアに顔を向ける。
あと数秒後にドアから現れるであろう真っ赤な顔の弟にとびっきりの笑顔でこう言ってあげるのだ。



おはよう、春人。とても気持ちのいい朝ね。


な に か あ っ た の ?


151名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 03:03:02 ID:N9LnSpRD
表現のおかしな所はヌルーしてくれると嬉しいです(ヽ´ω`)
152名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:34:23 ID:K5XQDYss
家族は何で黙認しとるんだw
153名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 17:33:39 ID:VPR+mPTS
保守
154名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 04:36:20 ID:WxCGF2RG
以前どこかで読んだ、キスで女を攻める話は素晴らしかった
どこにしようが口が触れてたらキスだよね、
って発想だった


誰か頼む
155名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 01:58:03 ID:DNdE4wTm
チュッ
156名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:53:05 ID:6qMRMoGU
いやん
157名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 18:44:02 ID:0jXB0ExM
保守
158名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 23:08:07 ID:s4WQIGVD
落ちてるかと思ってた
159名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 19:08:13 ID:QnwhNhhF
保守
160名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 02:05:43 ID:EItsFSia
姉「何食べてんの?」
弟「飴玉」コロコロ
姉「一個ちょうだい」
弟「残念、今食べてるのが最後なんだ」コロコロ
姉「・・・・」
弟「・・・・」コロコロ









弟「んんっー!、んっー!」バタバタ
姉「♪〜」







姉「ごち☆」コロコロ
弟「」ビクンビクン
161名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 07:00:21 ID:eZJPQeZP
ワロタ
ビクンビクン
162名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 17:46:42 ID:QkC92lly
保守
163名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 13:34:37 ID:DHt1ei5i
保守
164名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 12:06:10 ID:+qBTlbpw
いいと思う
165名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 04:53:39 ID:xsN7RXHU
保守
166名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 22:47:25 ID:8XB8gxgn
保守
167名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 17:41:08 ID:dJ+k6z4B
保守
168名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 22:22:05 ID:66CBQIDD
キスインザダークネスちゅちゅっちゅ
169名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:35:47 ID:0uqViWIm
保守
170名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 14:39:44 ID:oKpCJOyT
保守
171名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 00:17:35 ID:iqBMhcLS
保守
172名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 00:13:57 ID:iZmUU5NK
ちゅっちゅしたいお
173名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 19:06:02 ID:WLE2cmCN
保守
174 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:04:23 ID:oYbe2Wey
挿入とかは取り合えずいいや。今はキスがしたい、という精神状態の時に書いた。
ただ可愛い子との甘い時間云々より、最後の方で何か自分の精神的な問題が浮き彫りになった気が……。
まあいいや。折角書いたので投下します。
175 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:05:36 ID:oYbe2Wey

 可愛い女の子が、軽く目を瞑って顔を上に向ける。細くて綺麗な白い首が、クッと伸び、鎖骨がチラリ
と見え隠れする。その姿勢で「んっ……」などと言われては、思わず唇を奪いたくなるのが男と百合の人
のサガだ。
 ある日の放課後。俺は借りていた本を返しに図書室を訪れた。図書委員に返却のスタンプを押してもら
い、後は元の棚に本を戻しておけば終了だ。俺の通う学校は創立者の意向で図書室に結構力を入れて
おり、質、量ともに中々の物だ。位置的には校舎の奥だが、図書室の部分だけ3フロアぶち抜きになって
おり、規模としてはちょっとした図書館並と言っていい。もっとも、良く閲覧される本は限られてくるので、マイ
ナーな作家の全集など人気のない物が並ぶ3階部分は、立ち入った事もないという生徒が多いそうだが。
 返却手続きを終えた俺は、手に香山滋全集の7巻を携え、その人気のない3階部分に足を踏み入れた。
江戸川乱歩はそれなりに人気があるのに、香山滋や海野十三が隅に追いやられているのは悲しい現実だ
が、それも致し方がない。
「あれ?」
「あ……っ」
 3階部分の更に奥、滅多に人の来ないNDC分類913の、人気作家以外の本が納められている棚には、
珍しく人影があった。しかもあろう事か、こそこそと紙パックの牛乳を飲んでいる。俺が眉を顰めると、
彼女は慌てて飲み物を背中に隠した。そして乾いた愛想笑いで場を誤魔化そうとしている。
 背は平均を僅かに上回る程度だが、それにしては豊かなバストが目を引く女生徒。知り合いであった。
クラスメイトでもある。山岸美由紀という彼女とは、良く話すという間柄ではないにしても、お互いの顔と
名前くらいは把握していた。
「まあ、俺が煩く言う筋合いじゃないけど」
「は、はい。あの……ごごご、ゴメンなさい。あの、その……」
176 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:06:52 ID:oYbe2Wey
 緩やかにウェーブした長い髪が揺れ、ノンフレームの大きな丸い眼鏡がズレている。普段は物静か
で落ち着いた印象を受ける女の子だが、こうして慌てている姿を見ると、突発的なアクシデントには弱
いらしい。わたわたと誤魔化そうとしている仕草は、小動物めいていて大変に可愛らしかった。
「それより、早く飲んじゃった方がいいぞ。零したら流石にバレる」
「そそそ、そうですね……あぅ。そうします」
 アホな男友達が本の価値も知らずにポテチをバリバリやってたと言うなら、俺だってそれなりの対処は
させてもらう。だが、山岸は紙パックで慎重に牛乳を飲んでいただけだ。勿論良くはないのだが、そもそ
も似たような事を良くやっている俺に彼女を咎める資格はないし、何より可愛い女の子だ。甘くなるのは
仕方が無い。
「んっ、んっ。……ん」
 手に持っていた本を元の位置に戻した俺は、暫し山岸の姿に見惚れた。目を細めて一心に牛乳を飲む、
その顔は幼い子供のようなのだが、ストローを吸う口元と液体を嚥下する喉元が変に色っぽく、そのギャッ
プにやられたのである。
 途中で息継ぎを挟み、チュルチュルとストローを吸う山岸。困った事に、俺と目が合うと恥ずかしそうに
顔を赤らめるのだから、こっちも変な気分になってしまう。まず人の来ない図書室の奥の棚というロケーショ
ンも絶妙だった。
「ん……んーっ。ん……ふぅ」
 コクリコクリと細い喉を鳴らし、ついに彼女がミルクを飲み終える。そして満足したのか、ホッと息を吐い
て目を瞑り「んっ」と僅かに顎を上げた。
 その仕草、まるでキスをせがんでいるようだ――。
 いつの間にか牛乳をミルクと脳内変換してしまっているダメモードの男の子である。殆ど無意識の内に
俺は山岸の側に寄り、そっと顔を近づけていた。
「――んんッ!?」
 やってしまったと気付いたのは既に唇を奪った後。最早、取り消しできない状況になってからだ。一瞬の
間をおいてパニックに陥った山岸は、当然ながら俺を振りほどいて逃げようとする。だが実の所、混乱して
いたのは俺の方も同じで、こちらは彼女を逃がすまいと必死だった。
 双方が必死なら勝つのは純粋に腕力のある方で、山岸はついに俺に抱きすくめられてしまう。それでも
ジタバタともがくのだが、普段本より重いものを持たない華奢な女の子の身だ。正面から両腕ごとガッシリ
抱き締められてしまうと何も出来やしない。
177 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:07:52 ID:oYbe2Wey
 ベソをかき、更にはポロポロと泣き出した彼女を前に、幾らか冷静になった俺は困った。自分から
不埒な事を仕出かしておいて困るも何も無いもんだが、これは言わば青春の暴走であるので、若輩者
としては困るしかない。だが、それで事が済むほど世の中は甘くないのは百も承知だ。何とか対処法を
考えなくてはならない。
「んーっ。ん――ッ!」
 しかしである。問題の山岸は現在、健気にも体を固くして抵抗中だ。言い訳をする前にキスと拘束を
解いたら、大声で泣き叫んでしまうだろう。そのまま逃げて誰かに訴えられたら俺は人間失格だ。そうさ
せないために、もう暫く彼女は虜囚の辱めを受けてもらうとして、今の内に誰もが納得の行く言い訳を
考えなくては。
「んっ、んんーッ。ん……んっ」
 ああ、それにしても。女の子の唇の、何と柔らかい事か――。
 抱きしめた体は、緊張しているとは言え、これも繊細で暖かい。それに俺の胸板を圧迫する乳房の感
触といったら、ただ押し付けているだけなのに震えるほど気持ちが良い。言い訳を、と思いつつも俺は
山岸の体に夢中になっていた。やっている事は強く抱き締めて口をつけているだけだ。別に愛撫までし
ている訳ではない。が、それでも。
「んん……あむ。んっ、んぁ……んっ」
 俺が実はカチコチになって体勢を維持している間、襲われている彼女の方にこそ驚くべき変化が起こっ
ていた。徐々に全身の力が抜けてきて、同時にギュッと閉じていた筈の唇が弱々しくも開き始めたのだ。そ
して頭の角度を少しばかりズラし、互いの鼻がぶつからないような位置になると、そっと自分の唇で俺の
上唇を挟んできたのである。
「ん――んっ、んぁ。あむ……んっ」
 たどたどしく、恐る恐るではあったが、山岸の方から俺の口を味わい出したのだ。
 綿菓子のように柔らかく、そして微熱を持った女の子の唇が、次第に大胆に俺の唇を挟む。遅れていた
現実の認識を脳みそがやっとの事で終わらせると、俺の方にも火がついた。
「ん……ん、ん――ッ! あぅ……あむ、んっ、んあ」
 既に山岸はホンの少し舌を伸ばし、チロチロと俺の上唇を舐めるまでになっている。そこへ俺も舌を突
き出すと、流石に彼女はビクリと震えて動きを止めた。だが、それも一瞬。やがてお互いの舌が、本当に
ゆっくりとだったが、徐々に接触部分を増やしていく。
「んっ、ん。あむ……ん。んふ――ぅ、んっ。はぁ、はぁ……んっ」
178 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:08:58 ID:oYbe2Wey
 大人のキスと言うには稚拙過ぎたかもしれない。2人してカタカタと震えながら、少しずつ相手の舌を
舐めあうキス。それでも、触れているだけで脳が溶けそうな感覚だ。
 やがて少しずつ慣れてきた俺たちは、舌を絡めあい、互いの唾液を交換して啜りあうまでにレベル
アップ。我を忘れてキスにのめり込んだ。
「んん……んぐ、んっ。あんっ、ダメ……。んっ、んぁ」
 俺はきつく抱いていた彼女の両腕を解放し、そっと手で肩を支えるだけに体勢を変える。もう逃げ出
せる格好ではあったが、むしろ逆に山岸の方から俺の腰に抱きついてきた。抗議すらされる始末で、
リクエスト通りに背中に腕を回して抱き締めなおすと、彼女は安心したように力を抜いて身を任せてきた。
「んーっ。あむ、んっ……ん、ん。んふぅ」
 少し目を開いてみると、山岸は幼児に戻ったような無邪気な顔で、幸せそうに俺の唇を舐めている。頬
は赤く染まり、瞑った目はトロンと垂れ下がり、心からキスを喜んでいるように見えた。そんな表情がむ
やみに可愛く、俺は右腕をそっと上の方へズラし、抱き包む姿勢はそのままに、彼女の頭を優しく撫で
る。山岸もそれが気に入ったのか、更にうっとりと俺に寄りかかってきた。
 これはもう前進しても良いだろう。健康な男子高校生としては、そう判断せざるを得まい。この場合の
前進とは、性的行為のエスカレートの事であり、つまりこのまま押し倒してOKなんじゃないかという事だ。
「山岸……可愛いな」
「んっ。あ、そんな……事」
 一度口を離してキスを切り上げ、俺は正面から彼女の目を見て囁いた。後にして思えば、良くもまぁキザ
な真似が出来た物だと歓心するほどだったが。それはともかく。頭だけ近づけて彼女と額を合わせ、チュ
と1回軽いキスをしてから、俺はそっと山岸の胸に手を伸ばした。
「ひ――っ! ダ、ダメぇッ!!」
 しかしながら、指先が乳房の先端を掠めると、山岸は急に全身を強張らせる。そして勢い良く俺を突き
飛ばそうとした。結果、反作用でむしろ自分が後ろに倒れそうになる。
「あ、ダメ……これ以上は、ゆ、ゆゆ許して……」
 咄嗟に手を伸ばして彼女の腰を抱き、床に体を打ちつけるのを防いだ俺は偉い。ただ、山岸は自分が
助けられたという事も理解できない様子で、必死に俺を拒んでいた。
179 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:10:24 ID:oYbe2Wey
「分かった。いや……ゴメン。俺が、無茶をしすぎた。本当にゴメン」
「あ……いえ。その、こちらこそ、その……」
 女の子の「ダメ」には種類があると聞くが、彼女のダメは本当にダメのようだった。さっきまで上気して
赤く染まっていた頬は血の気が引き、むしろ顔色は真っ青だ。これは本気で怯えている。そう認識した俺
は、それでも押し倒せと主張する本能を必死に宥めて山岸かを手放す。泣き喚きたくなるほど名残惜しく
はあったが。
 途中から向こうもその気になっていたとは言え、元はこちらが加害者である。頭を下げるのは俺の方
だ。だがテンパっている俺には棒立ちでモゴモゴと「ゴメン」を繰り返す事しか出来ず、むしろ山岸の方こ
そペコペコと頭を下げていた。
「あ、あ……あの。わ、私これでッ」
「や――山岸……」
 そして俺が戸惑って動けずにいると見たのか、彼女はサッとハンカチで口の周りを拭うと、危なっかしい
足取りで逃げ出した。結局、俺は引き止める事も追いかけることも出来ず、ただボンヤリとしていただけ
だ。山岸のフラフラな後姿に、階段で転ばなきゃ良いがと思った程度にしか頭が回っていなかったのである。

 ここまでが、俺と山岸美由紀の間に起こった全て――という訳では勿論無い。
 話は最初のキスから一夜明けた次の日から始まった。

 古典の授業中、俺は眠い目を擦ってボーっと教師の口元を眺めていた。
 眠いのは昨晩、良く眠れなかったからで、それはやはり昨日の出来事が原因である。若さを持て余した
のだ。夕食と風呂を済ませた俺は、自室に篭って山岸とのキスを思い出し、居ても立ってもいられず、自分
の物を自分で慰めた。実際に現実の女の子と触れ合った後であるから興奮もひとしおだ。何のオカズも無
しに、しかもあっという間に登りつめ、射精の量もいつもより多かった。
 しかしながら、それで満足できなかったのである。布団の中で思い起こすのは甘く悶える山岸の顔ばかり。
更にキスと抱擁の感触を思い出して布団を抱けば、無意識の内に腰が動いてしまう体たらく。結局、二度目
三度目のオナニーに突入し、まともに眠れたのは2時間ほどだったのである。
 それでも若さとは大した物で、午前中の授業を終えて昼飯を食べると体力もそれなりに回復。眠くはあった
が、起きていられるようにはなった。問題は脳みそがピンクモードに突入してしまった事で、俺は美人と評判
の若い女教師の口元を、無意識の内にジッと見つめていたのだ。また女の子とキスしたいなぁ、とばかりに。
180 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:11:45 ID:oYbe2Wey
 その古典の授業がそろそろ終わろうかという時間。俺は不意に視線を感じ、特に何も考えないまま
横を向いた。
「――っ!」
 視線は確かに存在していたらしい。ちゃんと朝から出席し、だが俺には決して近付こうとしなかった
女子、山岸美由紀が珍しく不機嫌な顔で俺を睨んでいたのだ。
 おや、と俺が首を傾げると、彼女はサッと前を向いて、しかも教科書で自分の顔を隠してしまう。ここ
で相当恨まれているなぁ、と思った俺は相当迂闊だ。いや、山岸が俺を恨みがましく思っているのは真実
だったにしても。その時は、彼女が抱いていた別の感情に気がつかなかった。
 そして、それに気付いたのは二日後の事。未だに俺に近付こうとしなかった山岸だが、理科の授業で
移動教室があり、班分けされて偶々俺と向かい合わせに座る事になった。三日前とは言え、あんな事を
した仲だ。こうなると意識しまくりである。彼女だけでなく、俺の方も。チラチラとお互いの表情を覗き合うと
いう、青春の一幕っぽい事までしてしまい、流石にどうかと思ったが。
「……はぁ。――。あ……ッ!」
 教壇にたった先生が授業を進める中、俺はまた視線を感じ、不意に横を向く。今度も確かに山岸は俺
を見つめていた。顔はポーッと赤くなり、僅かに潤んだ目でジッと俺――の口元を眺めているらしい。その
視線の意味に気付いた俺が思わずゴクリと喉を鳴らすと、流石に彼女も正気に返ったようだ。慌てて悲鳴
を押し殺し、教科書で顔を隠してテーブルに伏せる。そして隣に座った女の子に心配されていた。
 山岸も、もう一度俺とキスをしたがっている。
 まあ「俺と」の部分はこちらの願望だとしても、彼女が例の件にネガティブな印象だけを持っている訳で
はないのは確からしい。そう判断してよかろう。こうなると妄想は願望を含んで広がる物だ。未来の俺が
恋人同士になった山岸と深い契りを交わす。そんなイメージが頭に浮かんで消えやしない。ああ、もう一つ
きっかけがあればなぁ、と俺は思い悩むようになった。
 そして、そのきっかけは有難い事に、その日の放課後に訪れたのである。
 少し頭を冷やそうかと思い、香山滋全集の8巻を借りに図書館に行くと、また彼女がいたのだ。同じ場所
に、同じように牛乳を飲みながら。
181 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:12:47 ID:oYbe2Wey
「きゃっ!」
「あ、あー。これ使ってくれ、早く……拭いた方が」
 ただし今回は既にあらかたを飲み終えていたようで、驚いた拍子に思わずパックを握りつぶしてしまっ
た山岸だったが、被害は軽微で済んだ。頬がちょっとミルクに濡れただけだ。
 如何にもな光景にドキドキしつつ、ハンカチを出した俺は、それをそのまま自分の手で拭いてしまう。そう
するとどうなるかというと、彼女の頬に優しく俺の手が宛がわれている感じになり、正にキスをこれからし
ようかという体制になった。
「あ……」
「う……っ」
 期せずして見つめ合い、動けなくなる。以前は無意識の内に奪ってしまったが、こうして意識してしまうと、
体がガチガチに緊張してしまう自分が情けない。かといって「ゴメン」と口にして手放すのも、これは男の魂
が許さない。
「……ん」
「――ッ!」
 結局の所、先に意思表示をしたのは山岸だった。頬に添えられた俺の手をそっと握り、だが振り払おう
とはせず、目を閉じて軽く上を向いたのである。
 キスOKのサインで間違いない。
 それを正確に読み取った俺は、だが思うように体が動かせず、何とか顔を近づけて、本当に触れるだけ
のキスをやっとの思いで行った。
 こういう時、女の子は強い。俺がバカみたいに緊張していると悟った山岸は、二コリと優しく微笑んだ。そ
してこちらの背中に手を回し、ゆっくりと撫でて俺の体を解きほぐす。そして今度は自分から唇を合わせて
きた。
「んっ。……ん、あむ、んっ。――ちゅ」
 弱々しくなってしまっている俺を慈しむように、キスをし、唇を挟み、或いは舌でチロチロと舐める。最初は
ゆっくりと、徐々にじっくりと。
 カラカラだった俺の口の中は、そんな彼女の行為に触発されて潤い始め、いつの間にかゴクリと飲み込む
ほどの唾液で溢れてきた。そして、これを山岸と交換したいと思い立った瞬間、俺の方も完全に復活。さら
にヒートアップ。思いっきり彼女を抱き締めて、その柔らかい唇を貪った。
「んぁ……んッ! んっ、んむ……んく。はふ……」
182 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:13:54 ID:oYbe2Wey
 暫くはそのまま、夢中で小さな口を蹂躙し、舌を乱暴に絡めて唾液を啜り、届く範囲全てを舐め尽く
す。呼吸すら忘れて俺は、山岸美由紀の唇を奪った。
「んーッ! んんーッ!! ……ぷはっ。はぁ、はぁ……」
「あ……わ、悪いっ。ゴメン、本当にゴメン」
 しかしながら人間は酸素を必要とする生き物な訳で。呼吸が出来ないと問答無用で苦しいのである。
最初は大人しく俺にされるままになっていた山岸だが、流石に無呼吸キスは辛かったらしく、途中から
激しく暴れだす。マズイと思って口を離した時には、彼女は涙目で息も絶え絶えだった。俺とて女の子
を苦しめたい訳ではない。山岸の肩を撫でながら必死に謝り倒す。というか、ここで泣かれたり逃げら
れたりしたら俺のダメージが甚大だ。
「う……うん、大丈夫。でも、その……」
「ああ、優しくする。約束するから」
 幾らか怯えてしまった様子の彼女を宥め、またもキザなセリフを吐く。それが効果的だったのか、や
がて山岸は再び目を瞑って顎を上げた。
「んっ、ん……」
 頭が冷えた俺は、先ほど彼女がしてくれたように、今度はこちらが優しくキスを主動する。顔を傾け、
唇を合わせるだけのキスに始まり、徐々に深く、大胆に。夢中になり過ぎないように気を抑えつつ、山岸
の唇と舌をじっくりと味わう。
「んぁ……んん。はぁ――ん、はむ……ん、んちゅ」
 一度は冷えてしまった彼女の体温が徐々に上がっていき、それに合わせて山岸もこちらの口を丹念
に舐め、そして混ざり合った唾液を飲み込んでいた。
 心と行為、その2つがやっと重なったと言っていい。どちらか一方が自分勝手に相手を求めるのでは
なく、互いを慈しみ、貪りあう。感情と体液を共有し、快感を与え合う。そんなキスが出来ていたのだ。これ
が深みにはまらないはずが無い。
 俺と山岸は、このキスを行って以来、日常的に唇を合わせあう仲となった。
 事が前後したが、俺の方からちゃんと告白して恋人にもなった。だからまあ、俺の願望は確かに果た
されたという訳だ。しかしながら、心は繋がっても、未だ体の方は深く契るまでにはなっていない。
 山岸はキスと抱擁以上の事を酷く怖がった。俺がその気で胸に触れようとすると、途端に身を竦ませ
て怯えてしまう。これは何か彼女の過去や家庭環境に問題があるのでは? と疑わざるを得ない。勿論、
それで山岸との関係を考え直そうなどとは思いもせず、恋人たる身として心から支えになりたかったのだ。
183 ◆O94IilXdKs :2010/01/22(金) 16:15:12 ID:oYbe2Wey
 結論から言うと、本当に何も無く、単に「まだこれ以上は怖い」と思っているだけだったのだが。まぁ、
その際に色々とクサいセリフを吐くだけ吐き、お陰様で山岸の俺への信頼もうなぎ登りで、最近はちょっ
とだけ下乳を揉むくらいは許されるようにはなった。
 そういう訳で初々しいカップルになった俺達だが、どうにもキスまでの関係とは言えなくなって来てい
た。いや、確かにキスだけと言えばキスだけなのだが、そのキスが少々常軌を逸脱してきたのである。
人前で公然とするとかではない。問題は内容だ。
 キスによる一体感を求めた挙句、飲食物の口移しを始めたのである。最初は飲み物だったが、これ
が飴玉になり、チョコレートになり、やがて固形物になった。固形物とはつまりクッキーやスナックなどの
お菓子とか、或いは弁当とかだ。
 互いの口で租借した物を、口をつけて交換し合い、舌と唾液で良く混ぜてからキスをしたまま飲み込
むのである。別にどちらかが考案し、提案したわけではない。いつの間にかこうなっていたのだ。
 これはひょっとして随分と変態的な行為なのではないだろうかと、2人して頭を抱えて悩んだ事がある。
だが、別に誰に見せるわけでないし、キスの延長という事で決着した。したのだが、山岸が友達同士の
会話で「こんなのって、どうだろう?」と、あくまでその場で思いついた一例として挙げたら、ドン引きされ
てしまったらしく、暫く落ち込んでいた。結局、開き直って口移しは止めなかったのだが。
 ともあれ、昔で言うA・B・CのAだけをひたすら追及するカップルである俺たちは、人目のつかない場所
であれば自然と唇が重なっているというレベルにまで進歩。今日も今日とて、廊下の隅、そして図書室
の棚の陰でキスをし、唾液を舐め合う毎日である。



 了


 ― * ― * ― * ―

 多分、この二人はセックスよりも先にシックスナインに行き着くんじゃないかと思います。
 口移しとかしたいわー。良く噛んでドロドロに唾液が混ざった食い物とかで。
 でもここまで来ると、ちょっと趣旨が変わってしまった気もします。
 お目汚しでした。
184名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 20:36:08 ID:t+PYxFud
なんかキター GJ
185名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 20:41:37 ID:BK5rSOpk
ごちそうさまでした
186名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 21:08:35 ID:CAYG+CQN
俺は好きだよ
187名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 20:20:54 ID:1xbbEfrM
ちょっとドキドキしたw
GJ
188名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 19:03:24 ID:alMkeMDQ
保守
189名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 20:33:22 ID:EtA/hhmE
期待あげ
190名無しさん@ピンキー
唾液を交換