【ここで】フォーチュンクエスト13【ない場所】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
萌える話をお待ちしております。
がんがん書いていきましょう。

注意
人によっては、気にいらないカップリングやシチュエーションが描かれることもあるでしょう。
その場合はまったりとスルーしてください。
優しい言葉遣いを心がけましょう。
作者さんは、「肌に合わない人がいるかもしれない」と感じる作品のときは、書き込むときに前注をつけましょう。
原作の雰囲気を大事にしたマターリした優しいスレにしましょう。

関連スレは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:36:13 ID:Ej5MtmVr
初代スレ【ここで】フォーチュンクエスト【ない場所】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1055/10556/1055691001.html
【ここで】フォーチュンクエスト2【ない場所】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1064/10644/1064418158.html
【ここで】フォーチュンクエスト3【ない場所】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10651/1065113446.html
【ここで】フォーチュンクエスト4【ない場所】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10656/1065673087.html
【ここで】フォーチュンクエスト5【ない場所】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1066/10662/1066284626.html
【ここで】フォーチュンクエスト6【ない場所】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067037876/
【ここで】フォーチュンクエスト7【ない場所】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1067820828/
【ここで】フォーチュンクエスト8【ない場所】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1068595655/
【ここで】フォーチュンクエスト9【ない場所】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1069345894/
【ここで】ォーチュンクエスト10【ない場所】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078245053/
【ここで】フォーチュンクエスト11【ない場所】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132238881/
3名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:38:17 ID:Ej5MtmVr
【ここで】フォーチュンクエスト12【ない場所】
http://sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1155/11556/115561823

【ここで】フォーチュンクエスト12【ない場所】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159945879/

今14?
スマソ
4名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 12:08:58 ID:KvCu+RFw
SS保管人様が管理されている
ttp://adult.csx.jp/~database/index.html
SSの保管庫です。
このスレの作品はライトノベルの部屋その2にあります。
dat落ちで見れないときにご利用ください。
5名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 12:49:10 ID:KvCu+RFw
サンマルナナさんいますか?久しぶりに新作を読みたいな
6名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 17:14:24 ID:28mMtnUf
1乙です!
7名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 10:08:09 ID:SdfDdGay
>>1
激しく乙です

>>5
同意
8名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 12:50:00 ID:kVhlA9EC
一番乗りで投下。
「秘密の教科書編」の続編、ギアXパス「続・秘密の教科書」編です。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
9名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 16:23:47 ID:EXNmOwpO
>>1
乙です!

>>8
いつも乙!ほんとありがとう
今までギアパス少なかったんで尚更嬉しい
10名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 07:27:09 ID:qWu5Xhk3
保守
11名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 09:48:34 ID:E7+pP+sY
>>1乙
12名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 10:45:25 ID:ov6AcH6B
スレ変わったの気付いてない人結構いそうだ
13名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 15:34:29 ID:hMT3fWMR
ほっしゅ!
148:2008/09/02(火) 20:57:31 ID:FhVtBDlx
クレイ・ジュダXパステルを投下。
幻の花編の番外編、ラストナイト編です。
http://m-pe.tv/u/page.php?uid=giaxpasfqparo&id=1
15名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 09:40:17 ID:eCF+iPXA
>>1
遅ればせながらスレ立て乙
前スレは落ちてしまったか〜。

>>14
いつも乙です。コンスタントにいいペースで書けてて裏山

>>8及び>>14さん、書き手さんとしてふたスレ跨いだし、ぼちぼちコテハン襲名されたらどうでしょう。
これまでの書き手さんは、スレを跨った時点で襲名されてる方が多いし。
読み手もわかりやすいんジャマイカ。
16名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 12:31:24 ID:fmyZLuT7
ギアパス最高ですwww
17名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:24:46 ID:BBDG2/SH
前スレ終わったのは容量オーバーだね
変なとこで終わっちゃって残念

>>14
乙です
自分もそろそろコテハンつけてほしい
というか書き手さんは皆つけてほしいwわかりやすいんで
18ギアパス職人:2008/09/03(水) 20:45:35 ID:lvU7cgVL
>>15 >>16 >>17 ありがとうございます!
名前はわかりやすくギアパス職人で投稿します。
ところで、>>15さんはもしかして職人さんですか?
ぜひ新作を投下していただきたいです!
そういえば、フォーチュンの新作が11月に出るみたいですね。
楽しみ。
19名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 05:35:36 ID:5r2RAEOg
フォーチュン新作よりも、ギアパス作者様の投下が楽しみでつww
20ギアパス職人:2008/09/08(月) 02:06:28 ID:1JTb1DDa
保守を兼ねて投下。
クレイ・ジュダXパステル「地図にない場所編」です。
やたら長い話になってしまったので、分割してうp。
まずは前編。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
後編もできるだけ早めにうpします。

>>19 それは言い過ぎw
読んでいただけて感謝ですw
21名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:27:20 ID:vCTbOUlG
ほしゅ
22ギアパス職人:2008/09/13(土) 15:25:48 ID:PtNNAeoF
クレイ・ジュダ×パステル地図にない場所編の、うp完了です。
遅くなってスマソ。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
23名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:03:36 ID:7VEmuV9n
乙!いつもありがとう
24ギアパス職人:2008/09/15(月) 01:22:18 ID:QkwZ7Rpa
>>23ども(・ω・)!

クレイ・ジュダXパステル地図にない場所編のボツエピソードをおまけでうp。
ほのぼの短編エロなしです。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
25サンマルナナ:2008/09/16(火) 01:41:15 ID:AVgJz5gq
どうしてだろう。
あいつが特別になったのは。

「もう!トラップ?呼んでるんだから、ちゃんと返事してよね?」
顔を膨れさせて、わがパーティーのへっぽこマッパーが顔をのぞかせた。
…わざと聞こえないふりをしていることは、絶対にこいつには気付かれないだろう。
こいつは鈍い。ものごとには裏があるってことも少しは考えたほうがいい。だがまあ、それはこいつのいいところでもあるからな。

俺が何を考えているかなんて、きっとしっかりいつだって、勘違いしているに違いない。

頭はよくねぇし、鈍くさい。十人並みで、よく泣く。…んで、よく笑う。
感情が表情に直結してて、よく怒るし、そのぶんすごく喜ぶ。
こいつは俺の『特別』だ。
誰にもやらない。

だから、おれは細心の注意をはらう。
気付かれないように、かけらも匂わさないように。
中途半端なところで気付かせたら、あいつは絶対に逃げるから。

「もう、みんな猪鹿亭に向かってるんだからね。急ごう」
振り向かず、歩くあいつの金色の髪を…気付かれないように、ひと房。
掴んで、くち付けた。

「…トラップ?いまなにかした?」
「ん?ああ、背中にでかいクモがいたから、見てたんだけどな

「え、えええ?!と、と、取ってよーーーーー!!!」

色気もなくぎゃあぎゃあと騒ぐ。
いまはこれでいい。だけどな、いつか。
――覚悟してろよ?パステル。
その日のことを思って、おれはニヤリと笑った。
26サンマルナナ:2008/09/16(火) 01:44:27 ID:AVgJz5gq
どうしても専ブラから書き込めず、長編が落とせず…携帯から失礼します。
覗いてみたら呼ばれていて嬉しかったです。まだ覚えていてくれる方がいたとは…

エロなしですみません。
長編どうやって落とせばいいのか…
27名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 01:57:47 ID:Svql0APK
サンマルナナさんおかえりー!
携帯からならギアパス職人さんみたいに携帯小説に落とすのはどうだろう?
28ギアパス職人:2008/09/18(木) 18:59:40 ID:EbmwFYIQ
ギアXスライムXパス「悶絶編」投下。
※注意書きです。
ノーマル推奨の方はスルーでお願いします。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

>サンマルナナさん
GJ!
長編読んでみたいです。
>>27さんのおっしゃるとおり、携帯から落とすのなら、
携帯小説を利用するのが楽かと思います。
29名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:34:30 ID:XStiSXvq
>>26
汎用SS投下スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1081525681/


保管庫の管理人さんが借りてる掲示板の中のスレ。
ここに投下して誰かに転載を頼むってのは?
30ギアパス職人:2008/09/21(日) 03:47:15 ID:y2G/JH5g
ジュダ×デュアン×ラン×パス「黒ジュダ編」投下。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
注)ノーマル推奨の方はスルーでお願いします。
アンハッピー、ダーク系です。
デュアンサークを読んでないと、よくわからない描写あり。

アンケートに答えてくださった方ありがとうございます。
参考になりますw
31名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 13:39:53 ID:EIDgEdDN
サンマルナナさん来てた・゚・(ノ∀`)・゚・。
すごい好きです、面白い。ありがとう。
ギアパス職人さんもいつもホントに乙です。
いろんなの書けてすごい。

単発でもコテの人も、好きな話ほんとたくさんある
32ギアパス職人:2008/09/22(月) 18:06:31 ID:k0HEj19q
>>31 ドモ(・ω・)!
そう言っていただけると嬉しいです。

またまた投下。
ギアパス「ギボン亭の夜編」です。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

アンケートにコメントくださってる方々ありがとうございます!
33名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 17:27:27 ID:tVBT7BZd
乙&保守!
34名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 12:00:27 ID:HkqYURvL
このペースの速さはすごい
職人さん乙です!ありがとう!
35名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 17:47:55 ID:xwLcdiJw
>>34 ドモ(・ω・)/
最近はアンケートでのネタ提供で色々書けてたりするw
リクくださってる方もありがとうございます。
できるだけ答えられるよう頑張ります。
作品の感想は特に嬉しいです!
参考になってます。

今回は提供されたネタの中から、新12巻パラレル設定、ギアXアルXパス「ナリスアにて」投下。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

ノーマル推奨の方はスルーでお願いします。
36ギアパス職人:2008/09/28(日) 09:27:18 ID:BhN4aNZ/
クレ×パス「誰が為に竹アーマーは鳴る」投下。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
すごく短い短編です。
エロなしほのぼの。
37名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 14:42:25 ID:3GRtAI/B
おおおおおおおクレパスきたああああああああ
職人さんいつもありがとう!ゆっくり読みますね
タイトルわろた
38名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 03:38:47 ID:B7kEc4FM
タwwイwwトwwルww
39名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 15:32:27 ID:ANrk3IWb
>>36
すっごい和んだ
タイトルも上手いしかわいいwww
まだ夏終わったばっかだからなんかしんみりする
40ギアパス職人:2008/09/30(火) 23:29:47 ID:aA4qsDF4
タイトルに思わぬ反響w
クレパスも好きなんです。

ギア×ルルフェ「森の中の少女」(ギア視点)投下。
おまけ編も投下しました。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
実はこの二人は似合う気がするw
41名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 09:29:59 ID:fXJ+bjqH
ギアルルグッジョブ
また読みたいですー!!
42名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 01:31:00 ID:MHK3eRWU
保守
43ギアパス職人:2008/10/05(日) 12:19:36 ID:a4rzd5Iu
>>41 ども(・ω・)/
めちゃめちゃ強引なカプですが、そう言っていただけると嬉しいです。

クレイ・ジュダ×パステル「コトユリの木の下で」投下。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
長編なので一話づつ、うpします。
多分、10話くらいで完結。
44名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 03:15:47 ID:MajOAWLN
すごいペースだ
ほんと乙です ゆっくり読みます
45名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 10:55:22 ID:ge2F+maz
クレパス読みたい
職人さま降臨して〜
46名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 13:10:41 ID:k4mZqt6n
クレイとジュダの対面キター
乙です GJ(^ω^)

ギアパスも期待してます
47名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 21:54:03 ID:6TFlQJqC
クレイはパステルにおまえなんて言わないような・・・><;
48名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 22:26:34 ID:ge2F+maz
たまにお前って呼んでる
原作よく嫁
49ギアパス職人:2008/10/09(木) 11:38:48 ID:6cGalle6
>>44 ども!

>>46 ギアパスも考えておきますね。

>>47 新5巻のラストのクレパスシーンが好きでクレパスといえばこのシーンのイメージ。
ここではおまえって言ってますよー。

>>48 パステルがメインで、おまえはたまにって感じですかね。
個人的には、おまえが好きだったり。
50名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 11:44:38 ID:NU4skrFD
>>47-48
たまに呼ぶよね
ちょっと意外で嬉しくなるぜ
51トラパス小ネタ:2008/10/09(木) 14:02:08 ID:VJhZQ714
最近少ないのでなんとなく投下
お目汚しすみません
マリーナも無事救出し、パーティーは久しぶりにのんびりと過ごすしている

(そうだった!トラップにクロスボウを改造してもらうかな)
以前トラップがパチンコを改造していたのを見て頼もうと思ってそのまま忘れていた

「あのトラップがタダでそんな事してくれるわけないしなぁ」
ブツブツ独り言をいっていると
「俺がなんだって?」
「わあっ」
考え事をしていた時に不意に声をかけられて振り向くといつの間にか真後ろにトラップが立っていた。
「もーびっくりさせないでよね」
「なんだよ人をレイスかゴーストみてーに」
不機嫌そうな顔をして部屋に戻ろうとしたトラップをパステルは呼び止めた。
「トラップはパチンコ自分で改造したんだよね?私も戦闘で足を引っ張りたくないからクロスボウ改造と訓練お願いできる?」
「甘い甘い!そういうのは自分でなんとかするんだな!どうしてもって言うなら条件がある」
トラップはニヤニヤしながらパステルの方を見ると、やっぱりという顔をしながらパステルは言う。
「加工料とレッスン料が発生するわけね?今余裕がないの…そうだ!クレイにショートソードの稽古を付けてもらうわ」
そういって部屋にもどろうとするパステルを今度はトラップが呼び止めた。
「まあまて、クレイはこの間まで調子が悪かったろ?せっかくアンタがやる気になったんだ!オレがなんとかしてやるよ」
「それをいうならトラップだって死にそうだったじゃないの!でもよかったー引き受けてくれて
もしかして、クレイからお金とか借りてるの?そんなにクレイ事心配するなんて」
クロスボウを部屋に取りに行くパステルを見ながら
「まったく鈍感なヤツ…」
トラップは小声でつぶやいた

終わり
52名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:58:27 ID:RfMwW1zz
トラパス乙
53名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:17:29 ID:bb63/4WZ
GJ!ほのぼのいい感じ〜
54名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 08:51:13 ID:58pimTJR
トラパスの賑やかしに書きました
>>52どうも!
>>53ありがとう!

トラパスも増えて欲しいです
55名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 06:00:09 ID:Vv0MD+Re
保守
56書人:2008/10/16(木) 15:39:48 ID:tJDZF4Ca
こんにちは、ご無沙汰しております。
久々に投下に参りました。

御品書きです。
クレパス、前提恋人。
皆様の萌えのお手伝いになれますように…w
57クレ×パス クエスト帰り道編 1:2008/10/16(木) 15:41:12 ID:tJDZF4Ca
もう秋なんだなぁ。
汗ばんだ襟足を吹き抜ける風に、もう夏の熱は感じられない。
峠をやっとの思いで越えて、後はシルバーリーブまで1時間くらいかな。
今回のクエストもなんとか無事終えられそう。
でもクレイなら、「帰るまでがクエストだよ」なぁんて真面目な顔して言うんじゃなかろうか。
くすっとこみあげた笑いをかみ殺して後ろを振り向くと、当の本人が不思議そうに首をかしげた。
なんでもないよ、と目だけで答えてまた前を向く。

「お? あれなんだ?」

走り出す先頭のトラップ。
束ねた赤い髪が軽やかに揺れる。

「おい、ひとりで先走るなよ!」
「ほぇー、こりゃすげえ」

クレイの止める声も聞かず、小高い丘を一足先に越えたトラップの感心したような声が聞こえた。
そこにあったのは、あたり一面のお花畑。
色とりどりに咲き乱れる、たくさんの花の洪水。
ルーミィは歓声をあげながら、わき目も振らず花の中へ飛び込んでいっちゃった。
一緒に駆けていったシロちゃんは、花に埋もれちゃってもう姿が見えない。

「ルーミィ! あんまり遠くへ行かないのよー!」

慌てて声を張り上げるわたしに、ルーミィの後を追って花畑に分け入ったノルがにっこりして頷いた。
ノルが見ててくれるなら大丈夫だよね。

「ほほぉ、これは珍しい。この花は…おお、こんな場所に生えているんですねぇ」
「ふーん、んなに珍しい花なのかよ?」

いそいそと花の中に座り込んで、興奮気味に周りを観察しているキットン。
ノートまで取り出してる側には、寝転がったトラップが話しかけている。

「ええ、この花なんかですね、まずシルバーリーブあたりじゃ見られない貴重な種なんですよ」
「へー、よくありそうな花だけどな」
「シルバーリーブからこんな近くに、こんなに希少種が自生しているとは素晴らしい!」
「じゃーそれ根こそぎ持って帰りゃ、高値で売れるんじゃね?」
「あのですねぇ、トラップ。学術的見地からいって、これらの花を抜いて売り飛ばすだなんてありえませんよ!
 まったく、あなたはいつだってお金のことばかり…」
「んだとぉ!? キットン、てめー」
「ぐ、ぐるじいぃぃ」

…またやってる。
あの二人の言い合いなんていつものことだもん。ほっとこ。
ちょっと休憩ムードになったので、わたしも花を踏まないように腰を下ろす。
ほんとだ、見たことない花ばっかり。キレイだなぁ。


「ちょうどいいな。ちょっと休憩にしよう」

座った私の頭上から声がした。
振り仰ぐとそこには、太陽を背にして微笑んだクレイ。
初秋の陽光が、端正な頬にやわらかな影を落としている。
58クレ×パス クエスト帰り道編 2:2008/10/16(木) 15:41:52 ID:tJDZF4Ca

「そうだね。シルバーリーブまでもうあまりかからないでしょ?」
「ああ。来ようと思えば、ピクニックに来れる距離だよ」

クレイは重そうなリュックを下ろし、アーマーの金属音をたてながら私の傍らに腰を降ろした。
ふっと息をつく凛々しい横顔。かっこいいんだよねぇ、どんな時でも……
基本的にクエスト中は、恋人同士ということは封印してる。
真面目なクレイだし、命だってかかってるクエストの最中に、気を散らしちゃいけないしね。
でも。
ほんの少しお尻を移動させ、ふたりの間の距離を詰めてみる。
背中越しに軽くもたれると、一瞬驚いた顔をしたクレイ。
へへっと笑って見せると、黒髪をわしゃわしゃっと掻きながら照れくさそうに笑った。

「えー……と、トラップの奴、寝ちゃったな」
「疲れたんだろうね。最後の洞窟、罠解除多かったじゃない」
「そうだな。珍しくあいつ頑張ってたし」
「時間は大丈夫なんだから、少し寝かせといてあげようよ。みんな好きなことしてるもん」
「ああ。1時間くらいしたら出発しよう」

トラップの話題で、なんとか平常心に戻ったらしいクレイ。
話しながらリュックから水筒を取り出すも、ほとんど中身は残ってなかったみたい。

「わたしの水筒にも、もうお水ないよ。もうちょっとで着くからいいけど……」
「いや、帰るまでは、何があるかわからないからな。そのへんに探しに行ってみよう」
「うん」

水筒だけ持って、クレイの後に続く。
ブツブツつぶやきながら花のスケッチに入ってしまって、軽いトランス状態のキットンに一声かけて。
ありゃ聞こえてないな……まぁいいか。
お花摘みに熱中しているルーミィはノルに任せとこう。
ちょうどこちらを向いたノルに、水筒を持ち上げて合図をすると、うんうんと頷いてくれた。
手には作りかけの花冠。さすがノル、器用だよねぇ。
そんなことをしてるうちに、フルアーマーの後姿が遠ざかっていく。

「早くおいで」

振り向いて手招きするクレイに慌てて追いつくと、彼は歩みを森の方へと向けた。
木々の間に踏み込むと、すぐに小さな清流。

「クレイ、川があったよ!」

返ってきたのは生返事。
渓流を見つけたにも関わらず、クレイはずんずん森の中へと分け入っていく。
?どこまでいくつもりだろう。
仕方なく後をついていくけど、もうどっちから来たのかわからないんですけど?
わたし、絶対ひとりじゃ帰れない。
心細くなってきたところで、クレイが不意に足を止めた。

59クレ×パス クエスト帰り道編 3:2008/10/16(木) 15:42:31 ID:tJDZF4Ca

「クレイ?」

わたしの問いかけに、くるりと振り向いたクレイ。
どうしたの?そう言おうとしたのに、言葉にならなかった。
目の前にあるのは、アーマーに包まれたクレイの厚い胸板。
気がつくとわたし……クレイに抱きしめられてる?
ほっぺに押し付けられる、冷たい金属の感触。
ちょ、ちょっと痛いんですけど。
大きな手は、わたしの背中にぎゅっとまわされて、身動きがとれない。

「ね、どうし……」

今度こそ言おうとした言葉は途中で途切れた。
唇をふさぐ、熱いキス。
強く押し付けられたクレイの唇は熱くて、微かに吐息がこぼれてくるよう。
ぬるっとした舌が口の中を這い回り、わたしの舌を強く吸い上げる。
ダメ……だよう、膝の力が抜けちゃう。
ズルズルとくず折れそうになるのを必死でこらえ、クレイにしがみつく。
長い長いキスからやっと開放されると、透明な液体が離れた唇同士をつないだ。

「な……んで……」

やっと搾り出した言葉に、クレイはちょっとすねたような表情で答えた。

「パステルがいけないんだよ。あんなことするから……」

あんなって、さっきもたれかかったこと?
それくらいでどうしてこんな……
うろたえるわたしを気にもかけず、クレイはわたしを傍らの木に押し付けた。
背中に木、目の前にはクレイ! に、逃げられません、この状況。
わたしの両肩をがっしり掴んだまま、身をかがめる長身の恋人。

「クエスト中ってさ、ずっと我慢してるんだよ? すぐ傍にパステルがいるのに、何もできないのにずっと」
「そ、んなこと言われて……も、んっ」

つぶやきながら首元に触れる唇。
くすぐったさに思わず身をすくめる。

「このところクエスト続きだったし……」

唇はそのまま胸元に下りてくる。
鎖骨をなぞり、アーマーの隙間から入り込んだ指先が胸を探った。

「や、こ、こんなところでダメだよぉ……誰か来たらっ」
「来ない来ない」
「帰ってから、ゆ、っくり……」
「帰ったらパステルはすぐ次の執筆だろ? 締め切り近いの知ってるんだから。そうなったら脱稿までおあずけだしさ」
「……」

60クレ×パス クエスト帰り道編 4:2008/10/16(木) 15:43:24 ID:tJDZF4Ca

クレイってば、何もかもお見通し。
戻ってすぐ次の小説にかからなきゃいけないのよね。
今回のクエストも本にしてくれるって言われてるし、何せ書くことがやまほど……って今そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!?
はっと我に返れば、クレイはわたしの耳たぶを甘噛みしながら、片手をスカートの中に滑り込ませようとしていた。
慌ててその手を押さえるも、抗議はあっさりと聞き流されてしまう。
下着の上からその部分に触れる太い指。

「やん、だ、めぇ……」
「ダメも何も、もう……湿ってるけど?」

クレイの笑みを含んだ言葉に、顔が真っ赤。
そんなこと言われても、仕方ないじゃない!
わたしだってさ、久しくその……そういうことしてないんだし。
好きな人にこんな風にされちゃったら……その……えっと……
内心言い訳しているわたしの表情を見てとったのか、クレイはわかってるよと言わんばかりの笑顔で頬にキスした。
その間も、指は休むことなく下着ごしにその部分を弄る。
ひっかくように軽く触れたり指の腹で割れ目をなぞられるうち、どんどん体の奥から雫が染み出すのがわかる。
程なくしてびしょびしょになった下着の隙間から、指を這いこませるクレイ。
ちゅぷ、という音が思いのほか大きく聞こえた気がした。

「や……ぁん……っ」
「パステル……すごく……濡れてる」

頬に囁きが熱い。
じゅぶじゅぶ音をたててかきまわす指。
なんかもう立ってられないんだけど、木に押し付けられ、クレイにがっちり体を拘束されて座り込むこともできない。

「ね、す……座らせてぇ……」

わたしの哀願は、耳元で甘くささやかれた「ダメ」の一言で軽くいなされてしまう。
がくがくする膝には力が入らない。
と、体がさらに木にぐっと押し付けられたかと思うと、片足をひょいと持ち上げられてしまった。

「え、なっ」
「……このままいくよ」

黒く、甘やかにわたしを見つめる瞳。
反論もできず見とれた瞬間、足の間に押し当てられたクレイ自身。
下着の隙間から無理やり入ってくる熱いソレは、わたしの襞を押し分けてゆっくりと入り込んできた。
61クレ×パス クエスト帰り道編 5:2008/10/16(木) 15:43:59 ID:tJDZF4Ca

「ん、くぅ……ん……っ!!」
「パステル……力ぬいて」

そんなこと言われても……っ、こんな不自然な体制で無理だよぉ……
クレイは何度も軽く腰を上下させ、少しずつ奥へと腰をすすめる。
やがて火傷しそうな熱さと弾力のある堅さは私の中に飲み込まれ、かすれた吐息がクレイの口からこぼれた。

「き……もちいいなぁ……パステルの中」
「……」

恥ずかしいし熱いし……気持ちいいしで、声も出ない。
うつむいてきっと真っ赤になってる顔を伏せたわたし。

「動かす……よ。痛かったら……言って。多分止められないけど」

搾り出すようにつぶやいたクレイ。
言葉の最後は苦笑いだったような気がする……なぁ。見えないんだけど。
ゆっくりと動き始めたクレイの体。
だんだんと勢いをつけて突き上げられ、薄っすらとした痛みは押し流されていく。

「パス、テル、いた……くないかっ」
「ん、うん……っ、気持ちい……いよ……ぉっ、ぁんっ」

つい喘ぎと一緒に出た言葉に、汗びっしょりのクレイは驚いた顔をした後、艶っぽく微笑んだ。
その笑みのままで噛み付くように口付けられ、強くこすり付けるように腰を動かす。
お腹の奥を揺さぶるような快感に責め立てられて、もう立ってられない、と思ったとき。

「も、も……だめ……えぇっ」
「ごめん、出す……よっ」

言葉が重なると同時に、体の奥にクレイの熱い液体が迸ったのがわかった。
何度も痙攣するようにわたしの中に精を注ぐ。
クレイは荒い息を吐きながら、へなへなと崩れ落ちかかるわたしをがっしと抱きとめてくれた。
がっしりした腕に、力の入らない手ですがりつく。

「クレ……イぃー……、だいすき、だよぉー……」
「……おれも」

わたしの一番大好きな、極上の微笑み。
あぁ、この人が恋人でよかった。
そんなことを思いながら、逞しい腕に抱かれて空を見上げる。

もうかなり西に傾いた太陽。
そろそろお花畑に戻らなくちゃね。

62クレ×パス クエスト帰り道編 6:2008/10/16(木) 15:45:06 ID:tJDZF4Ca
クレイに手を引かれて森を抜けると、すぐ向こうにさっきのお花畑が見える。
あぐらをかいて器用に花冠を編んでいるノルと、花をくわえて摘んできては差し出すシロちゃん。
ルーミィは、花冠を頭にのせて、花びらをちぎって遊んでるみたい。
私達に気づくと、頭の花冠を嬉しそうに見せながら転がるように駆けて来た。

「あ! くりぇーとぱーるぅだ! これのりゅに作ってもらったんだおう!」
「わぁいいね、さすがノル、上手だね!」

にこにこと笑うノル。
ちょうどできあがった小さな花の首飾りを、傍らのシロちゃんの首にかけた。

「ありがとさんデシ!」

まとわりつくルーミィを抱っこして、嬉しそうなシロちゃんの頭をなでていると、クレイのあきれたような声が風にのって聞こえてくる。

「キットン、いつまでやってるんだよ、そろそろ行くぞ」
「は? まだ全部スケッチできてないんですよ。もう1時間くらいいけませんかねぇ」
「その調子じゃ日が暮れるぞ。おいトラップ! いいかげん起きろ!」
「んぁー? うるせーな、起きてるっつーの」
「嘘つけ。イビキかいて寝てただろうが」

むくりと起き直ったトラップは、あごが外れそうなほど大きなあくびをした。

「そーゆークレイちゃんよ、おめえは何してたんだよ?」
「え? あ、俺はパステルと水を汲みに……」

唐突な質問にうろたえるクレイ。
絶対に今まで寝ていたはずのトラップ。
なによ、なんでそんなニタニタ笑って意地悪そうなのよ?
まさか、まさか見てたんじゃないでしょうね!?

「ほっほぉーん、水汲みか。水ねぇ。俺にもくれよ」
「あ、ああ、いいぞ。パステル、水は」
「あ!! ……汲むの忘れてた」

絶句したわたしとクレイを見て、大笑いしたトラップは、お尻をはたきながら立ち上がった。

「ばっかでぇ。おめえら仲良すぎて妬けるぜ。ひゃっはっは」
「……!」

クレイってば顔を真っ赤にして、何言ってるんだかしどろもどろ。
わたしもきっと顔赤いと思う……
トラップってば、絶対寝てたはずなのになんで気づいたんだろう?
顔を見合わせると、首をかしげて照れくさそうな顔のクレイ。

「まぁ……いいか。そろそろ帰ろう」
「……そだね」

西の空には、わたしたちの顔みたいに真っ赤な夕日。
まぶしそうに目を細める恋人を見上げて、わたしはひとつ大きく深呼吸した。



----------------------------
完結です。

エロ以外の部分が、前後ちょっと長くなってしまいました。
63名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:00:34 ID:mZXRN6FL
>>56さん超GJでしたー!
64名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 00:10:15 ID:MIsaEvZw
久々に見に来たら大好きなクレパスだった
やっぱりほのぼのしてていいね〜、GJでした〜!
65名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 12:52:41 ID:x7Wj52Zs
書人さん北!!!
しかもクレパスだ、すごい嬉しい
本番の前と後が長い話はキャラ大事にしてる感じで好きだよ
ゆっくり読むわ

>>51
乙ですた!!
この温度差になごなごする
66名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 12:15:29 ID:FNMeuoye
すごいほのぼのした。ありがとう
書人さんの話好きなんだぜ
67名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:43:55 ID:2ZWdM57Y
クレパスやっぱいいなぁー。
自分の中のキャラのイメージと離れてなくて萌え萌えしたー!
68名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 13:53:19 ID:hd0L4pQ6
投下乙&保守しまつ
69名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:09:22 ID:0b3XbmXa
なんか新刊よりここの投下が楽しみ
フォーチュンの好きだったふいんきが、本編よりも残ってると思う
70小ネタクロスボウ改造編:2008/10/23(木) 10:45:11 ID:tD7izlD0
トラパス職人が来るのを待ちながら投下。
ギアパスもクレパスも好きですが。
雰囲気でてるかいまいちわからないけど、読みにくいかもしれないけど、いろいろ堪忍ね。



クロスボウを改造する為に、トラップはどこから集めてきたのか強化パーツを持ってパステルとルーミィの部屋に入った。

手のかかる作業だから邪魔にならないようにノルがルーミィをつれて散歩に出かけていったので、しーんと静まりかえっていた。
その静けさが気になるのかわざとドッカりと椅子に座りトラップが口を開く。
「やり方教えっからアンタがやんな」
トラップにしては律儀に工具の柄の方を向けてビシッとパステルに手渡した。
「えぇ〜っ!?トラップがやるんじゃないの?」
パステルは眉をひそめて抗議するが
「甘い!甘い!甘い!ホレ銃床から弓を外す!」
トラップに圧倒されてパステルはぶつぶつ言いながらも、バラしたパーツを机に広げ一個一個とにらめっこするパステル。
「だーぁらフロントサイトはそこじゃねぇっつーの照準が狂うだろ?レールと平行だっての」
「そんないきなり言われたってわからないわよっ!!」
「あぁん?マッパーなんだろ?ちゃんとやれよ」
「んもー部品の名前すらわからないのに!というよりマッパーと関係ないじゃない」
何度も何度も説明を受けて半泣きになりながらも、パステルはやっとこさ組み上げていくのでトラップはベッドに横たわって見ていた。

「ちょっと!トラップ何寝ころんでいるのよ」
「あぁー?オレが見ていないから寂しいってか?」
にやけ顔で言うも
「何それ?それよりほらココ!」
パステルにあっさり冗談を切り捨てらて、ブスッとしながら差す方を見ると、あとクロスボウの弓と弦の部分の接続するだけとなっていた。

しかし弓のポンド数が強化されているからしならせて繋ぐのにはパステルの力だけでは無理だった。
「ここが堅くてできないのよゴメンねお願いできる?」

「んだよしょーがねーな!ホレ俺がここを押さえっから繋げてみそ」
トラップはパステルを背後から包むかのように長い両腕を伸ばし、グイと弓の部分を押さえる。

薄着なので肌の温度が伝わる。夢中で弦と格闘しているパステルの横顔の間近にトラップの顔があり、弓をしならせようと腕に力を込めると頬と頬が触れ合って柔らかい感触がした。
カチリとパステルが弦を張るとトラップは頬を離した。
「できたートラップありがとう」

最後は手伝ってもらったがパステルが自分でやった事でうれしさもひとしお振り向いて笑顔をトラップに向けようとしたその時だった。無意識のうちにトラップはそのままパステルを抱きしめていた。

カタンと工具が床に落ち静かな部屋にひびく。
なんぼ鈍いパステルも自分の置かれている状況が把握できたのか赤面していく。

お互いの鼓動がうるさいくらいに伝わり長いようで短い抱擁からパステルを解放した。

「あ、あの…トラップ?」
うわずったようにパステルは言うのを遮るように
「ホレ、クロスボウ貸してみな細かいサイト調整してやっから。そしたら訓練やんぞ」
というと、トラップはパステルの頭をぽんと叩いてクロスボウをもって部屋に戻ってしまった。

時間が合ればつづく
71名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:10:11 ID:b2wYIWDU
乙乙
続き楽しみにしてます。
72名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 15:56:06 ID:ZlujQnPO
保守
73名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 11:22:17 ID:ninO3xG7
職人・神の降臨を待ちつつ保守
74名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 11:48:32 ID:Cx8FL/fB
書人さんありがとう!
クレイ好きだから嬉しかった!
75ギアパス職人:2008/10/31(金) 01:22:19 ID:qEI5V6Jx
書人さん、トラパスさんGJ!!!

クレパス読みたかったから嬉しい。
萌えました。
ぜひまた新作を!

新3巻パラレル展開、基本ギア×パス「逃避行編」を投下。

※注意書き※
鬼畜、ドロドロ、ダーク要素ありなので、閲覧の際には注意が必要です(・ω・)/
苦手な方は避けてください。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
76名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 11:14:45 ID:P+VbKQNo
>>75
いつも激しく乙です
大分たまってきて、なんか見てて嬉しいwww

倉庫に納めてくれる人も乙です
77名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 06:42:14 ID:yoAaUiJf
GJ!!!!!!!!!!!&保守
78名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 09:56:34 ID:3GF/WoKS
職人様いらは〜いと言いつつ保守
79名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 00:58:18 ID:tl9eHEkp
保守
80名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 12:08:41 ID:M1XzSqIu
新刊age
81名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 13:45:54 ID:M1XzSqIu
どうでもいい話だけど、パステルが毛糸のパンツやめてスパッツはいたら泣きます
82名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 14:17:30 ID:aduXwTlD
>>81
緑のスパッツとか…?
でも毛糸のパンツは可愛いよな
どっかに引っ掛かってシュルシュルほどけたらさらに可愛い。パステルの反応が
83名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 16:17:38 ID:M1XzSqIu
>毛糸のパンツがほどけたパステルの反応

パステル「ギャーほどけてるっ!!」
とかいいそう
84ギアパス職人:2008/11/11(火) 03:39:03 ID:he8xG7gN
>>76 ありがとうです(・ω・)/

クレ×パス「貧乏脱出大作戦」投下。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

毛糸のパンツがほどけて焦るパステルはかわいいだろうなぁw
85名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 14:28:46 ID:XI82uWhu
>>84
GJGJGJGJGJGJGJGJ
いつもありがとう!!
86名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 00:30:51 ID:wi/6qMyC
>>84
めっちゃGJ
クレパスは「誰がために竹アーマーは鳴る」も大好き
87名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 01:05:53 ID:rU0415Jk
フリフラにあらぬところをくすぐられて悶絶パステルを妄想
88名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 04:02:52 ID:wi/6qMyC
>>84
隠された真実編のその後が気になるw
89名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 15:09:34 ID:Gl3L0HBO
確かに気になる
ルーミィに何する気だマリーナ
90ギアパス職人:2008/11/14(金) 13:45:38 ID:3VMRuGyG
またまたクレ×パスを投下。
短編。新15巻パラレル展開。
ほのぼのです。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

>>85>>86 ありがとうです(・ω・)/

>>88>>89 続編はそのうち。
マリーナ以外の部分は七割くらい書いてるんですが、
マリーナのエピソードがまとまらない(・ω・;)
91名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 15:49:18 ID:cMcImiW2
>>90
続編あるんすか!!
すごい楽しみ。ゆっくり待ってます。
地の文の真っ黒なマリーナが面白い
原作通りな他のキャラの性格との対比も

クレパス乙です。ほのぼの大好き
いろんなカップリング書ける人達ほんとすごいな
92名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 20:21:30 ID:RJvPgFIj
>>90
激しく乙ですた
ほのぼのなのに色っぽくてすごい良い
93名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 19:02:33 ID:oyupxA1U
GJ & ほしゅ
94名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 15:56:19 ID:tQ1kg4Gt
>>90
なごんだ(´∀`)
隠された真実続編も楽しみにしてるです
いつもありがとう
95名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 00:16:43 ID:oo3sztdr
ほっしゅ
毎日覗きに来てる自分キモス
しかし本編に全然エロスがないのになんでこんなに妄想をかきたてられるんだろうか
96名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 04:59:03 ID:vWG+oTWP
新15巻読み終わった
クレパスの挿絵に萌え萌えした
そしてやっと読めた>>90GJ!
97小ネタクロスボウ改造編:2008/11/25(火) 16:52:18 ID:OfMRFGQA
トラパスエロなし
だいぶカットして完結ですw
お目汚しサーセンw

夜になり、夕食も済むとルーミィとシロちゃんは早々に寝てしまった。

パステルはとうとう夕食の時間トラップと顔を合わせることがなかったが、自分から訓練を申し出た手前、約束通りに大きめのカンテラを持って外にでた。
(そうよね!トラップの気まぐれよねあれは。よし!戦闘で足手まといにならないようにがんばらなきゃ)

外に出るとトラップが待っていた。
木には的が既に設置されている。
「じゃあ矢をセットしてこっから、この的に当ててみそ」
トラップがいつものトーンで話すからパステルも気が楽になったのか、クロスボウに矢をセットする。
パワーを上げるとセットするのも大変になってくるので、フットレバーに体重をかけて装填する。
「よし!できた」
パステルが的に向けて構える重さは従来より少し重いがなんとか構え、トリガーを引く。

バシュッ
ガサッ
「きゃあ」
反動でパステルが尻餅をつき、矢は大きく外れた。
「言うの忘れてたけど、威力が増えた分反動もすごいぜ?」
「言うの遅いわよっ!!」
98名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 18:22:37 ID:8uuX4Cl1
GJ!
こういうふいんきが好き、この2人は
覗きにきて良かったー ありがとう
99小ネタクロスボウ改造編完:2008/11/25(火) 19:07:31 ID:OfMRFGQA
パステルはスカートのほこりを払いながらもう一度装填して構える。
(前はトラップに上を狙えっていわれたんだよね)
前の通りに上を狙ってトリガーを引く。
バシュッ
ヒュッ
風切り音とともに矢はカツンという音と共に、木の上の方に刺さる。
「あれ?」
「おめぇ上ねらったのか」
「なんで判るのよ?」
「あのなぁー弓は威力が上がると軌道は山なりじゃなく直線に近くなんだよ」
トラップは地面に拾った小枝で絵をかき説明する。
「だってトラップが今まで¨上狙ってみそ¨って言ってたから」
パステルがトラップの真似をしながら言うと、心なしか笑みをこぼしながらトラップは軽くパステルを小突く。
「あと、反動があるからブレるっていうのかな?手が動いちゃうんだけど」
「あぁん?そんなもん筋トレしろよ!今日は支えてやっから構えろよ」

支えてもらって撃つが、支える前よりもあらぬ方向に飛んでしまい、矢のストックも尽きてしまった。

矢を拾っては撃ちの繰り返したが、結果は散々なものだった。
「やっぱりもう訓練できない…ゴメンね私から言っといて」
飛んだ矢を回収しながらパステルは言った。
あきらめたような、そんな言い方のパステルにイラ立ちながらトラップがパステルの肩につかみかかる。
「あんでだよ理由を聞かないと納得できねぇーよ」
「…トラップに触られてると昼間の事…意識しちゃってちゃんと撃てないのよ…」
パステルの顔がカンテラに照らされると、真っ赤になりながら泣きそうな、恥ずかしそうな複雑な顔をしていた。

「昼間は悪かったな…
抱きしめたらどんな反応するか…怖くて急いで部屋に戻っちまったんだ。反応みて告白しようか、冗談ですませようかそんな下らねーこと考えてたんだ」
カンテラは燃料がなくなり火がゆらゆらと尽きようとしている。
トラップの表情が読みとれないぐらい火が落ちるとトラップは意を決したように口を開いた。
「俺はおめぇが、パステルが好きだ」
つかんだ肩を引き寄せ抱きしめた。
(私も…トラップの事好き…だとおもう…ううん、きっと好きなんだ。告白されてこんなに嬉しいんだもの)
霧のようにモヤモヤしていた気持ちが晴れるかのように、パステルはトラップに触れた。
「私もトラップの事好きだよ…でもそうなると」
でも、という次に否定の言葉が続きそうな雰囲気にトラップの表情が曇る。
「でもなんだよ?」
「やっぱり触られているとドキドキすると思うの」
思わずガクッとなりそうなトラップだったが、何を思いついたのかニヤリと笑みを浮かべた。
「じゃ俺に慣れろ」
そういうと、トラップはパステルの手を引き寝室に向かった。

終わり
100名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 19:13:01 ID:OfMRFGQA
>>98
ありがとうございます

さっき秒数制限で残り投稿ができていなかった
orz今気がついたサーセン
101名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 21:54:56 ID:gLh8msli
あ、>>97の最後がオチなのかと思ったw
激しく乙ですた!後でゆっくり読ませてもらいます
102ギアパス職人:2008/11/28(金) 16:03:31 ID:GhLVGHjl
トラパスさん乙です(・ω・)

久々にギアパスを投下。

ギア×パス「君と一緒」
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
ほのぼの。
エロなし。
新4巻パラレル展開です。

>>91がんばります(・ω・)

>>92>>93>>94ありがとうございます!

>>96クレパスの挿し絵はホントよかった!
103名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 11:24:38 ID:F0xxQ18+
エロなし作品はさすがにスレ違いじゃないかなあ
104名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 12:03:03 ID:BkBRt4Bq
>>97>>99
乙ですた!
クロスボウの練習ネタ好きだ

>>102
いつも乙
あんまりなかったギアパスが充実してきて嬉しいわ

>>103
今までもたくさんあったしいいんじゃね?
スレ違いのスレもあるけどここでは別にいいと思う
105名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 00:57:47 ID:Mmvo6rqy
>>103
禿同

今までもあったってのは語弊がないか?
通常エロを書いてる職人さんが、
たまにエロなしやエロ軽めのものを投下することはあったが。
テンプレで「気に入らない作品は(ry」とはあるが、
エロが全くないものは、
気に入る入らない以前の問題で、そもそもスレ違いだと自分も思う
106名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 01:18:47 ID:FMoTU0wn
>>103
自分も同意します。
エロと言えるかどうか判断に分かれるほど微妙な・・・とかなら
「気に入らない作品はスルー」も通じると思うけど
職人自ら「エロなし」と言い切っているような作品は
投下する場所間違えてると思う。

>>104
今までなかったとは言わないけど
そのたび「スレ違い」って言われてたと思う。
多分、投下してそんなこと言われた職人さんはいい気がしなかっただろうけど
それに抗議した職人さんもいなかったような。
今更「エロなしOKにしよう」って言うくらいなら
もっと早くに議論すべきだったと思う。
今いる職人さんだけ庇うのは過去板の職人さんに失礼だし気の毒だ。
107名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 01:10:29 ID:+FehlmZE
>>105>>106
>そのたび「スレ違い」って言われてたと思う。
そうだったか。104だけど、完全に記憶から抜けてたよ。
無神経なこと言ってごめんね。

スレ違いっていうか板違いになるのかな
エロ無しの話が書けるFQスレを作る?
それとも完全に自重かな
108名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 02:15:33 ID:QiKsFbge
エロなしも保守代わりになるし喜ぶ人もいるしいいんじゃないか?
過疎スレだしな
住み分けが必要なほど職人がいないのが現実
ひたすら保守が続くよりは話が読める方がいい
文句たれるヤシの書き込みより職人の話が読みたい
109名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 03:16:52 ID:7IEC4BBv
過去ログ前スレの分しか持ってないけど、
とりあえずエロなしって宣言してるSSに、特に文句はなかったよ
一応確認した
その前はどうだったっけ?特に揉めた覚えはなかったんだが
110名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 03:22:56 ID:7IEC4BBv
あと、完全にエロなしSSのスレになってしまうとかならともかく
ちゃんと根本がエロネタっていうのは変わってなければいいんじゃないかと
>>108に同意で保守代わりにもなるし

しかし職人への乙より文句の方が大きいのもそれはそれで気の毒な気がする
まあ議論は必要だね確かに
111名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 04:01:09 ID:QiKsFbge
何のメリットもないのに投下してくれる職人がいるのはありがたいけどな
自治厨や文句だけになったらスレ消滅だが、
職人が一人でもいればスレ存続にも呼び水にも賑やかしにもなる
ここでのほのぼの話は全部とは言わないが、
もしもふぁず先生の創作掲示板に投稿したら
エロ認定を受けそうな物が多いと思う
過去スレで最初はほのぼのだったが後に
続編でエロ話がきたこともある
たまたまエロなしが二つ続いたけど
全体でみれば圧倒的少数のエロなしをやり玉に
あげる必要はない
自治厨が仕切る必要があるほど職人もいないし
もしスレの半分以上がエロなしになったら議論賛成
だが本音を言うとタダで読めるものだから
どうでもいいのでは?と思う
112名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 04:52:47 ID:LPl/WQMP
>>111
本音賛成ww

まあとりあえず職人さんが書きやすいようにやってほしい
つーかなにも作品投下直後に言わなくても。

>>97>>99>>102
乙ですた。
113名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 07:55:45 ID:EgxM/pUu
エロ無しとは言っても、最後の行でエロを妄想したので
自分的には何の問題も無い
114名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 12:36:14 ID:T4ZACQX9
スレによってはエロなし絶対ダメってところもあるけど
このスレはとりあえず恋愛物、カップリング小説であればOKってことかな。
エロス描写は自信なかったから今までROM専だったけど
朝チュンくらいなら書けるかも。
ネタ思いついたら挑戦してみよう。
115名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 13:45:11 ID:yzyg4FJA
ガイシュツだけどスレの主旨が変わらなければ大丈夫だと思う
というかなんでいきなり文句がついたのかよくわからん

>今までなかったとは言わないけど
>そのたび「スレ違い」って言われてたと思う。

そうだったっけ?このスレの話だよね?
116名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 13:46:59 ID:yzyg4FJA
というか職人さんが書きづらくなって過疎ったら困るお

>>97>>99>>102
乙乙

>>114
楽しみwktk
117名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 14:21:51 ID:Hi3gssuo
>>103>>105>>106

エロ乞食涙目www



>>114

楽しみwktk
118名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 14:29:26 ID:FmGBhUNp
>>117
そういう書き方いくない
荒れるもとだ

彼らは一応議論提起してる訳で、
住人でおおまかな流れが決まったんだから
名指しでの深追いはやりすぎ
119名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 16:20:56 ID:GbEFzS2b
117はわざとじゃないのか?
普通にただの煽り野郎かと思ったけど
120名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 09:08:53 ID:pfjq+5AE
>>114
朝チュンでもノープロブレムwktk


エロエロガッチュンな表現がなくても
スレによって程度違うだろうし
エロい妄想が喚起されるならいいんじゃないの?
ああ、やっちゃったんですね、昨日やっちゃったんですね・・・!だけでハァハァするわ。
極端な話、指を舐められて「やぁ・・」だけでもエロ成立すると自分は思ってる。
121名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 11:32:46 ID:x2E8++JW
>ああ、やっちゃったんですね、昨日やっちゃったんですね・・・!だけでハァハァするわ。
わろたw
同意wwwwすごい萌える


>>110>>111-112>>114-115に同意
というかそういう前提のつもりで見てた
改めて話し合うのは良いことだけど、
そもそも今までエロ描写なしで注意が入ったことあったっけ?
あったような気もするけど、投下のたびに注意が入ったっていうのは記憶にない
122名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 12:56:55 ID:7+XGwkh8
初代の頃からスレ見てるけど
確かにエロなしスレ違い!
って言われてたこともあったね。
ただ投下のたびに、っていうのは言い過ぎかな。
書き手さんがたくさんいて住人が何もしなくても定期的に新作が読める時代だったから
当時の住人の中にはワガママな奴も荒らす奴もいたってこと。今とは状況が違うんだと思う。

でもエロパロスレなのにエロなしはスレ違いじゃないの? って疑問もわかるかなあ。1には何も書いてないし。
特にギアパス職人さんはご自分のサイトにアップしてアドレス紹介の形を取っておられるから
このスレからいきなり見たら、一般ファンサイトの管理人が自サイト更新の宣伝しにきたみたいに見えるんじゃない?
エロなし更新の宣伝はスレ違いだ、ならわからなくもない。
自治厨とか乞食も言い過ぎだと思う。

まあまあ、書き手さんに好きなもの書いてもらうのが一番じゃないかな。
123名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 14:33:21 ID:idO7YQBB
>>122全く悪意がないのはわかるけど荒らしを誘発しそうだな
今実際に言われてることだけ話し合うほうがいい


次回からのテンプレにこのスレのエロ基準を追加したらどうだろう?
124名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 23:58:15 ID:qTC8wi0h
>>123
エロの基準なんて人それぞれだからなあ。
例えガッチュン描写があっても全くエロスを感じない作品もあれば
指を舐められて「やぁ・・」だけでもエロ成立な作品もあり(>>120さんナイス)
スレ内公式基準、は難しいかも。

書き手さんが「ぜひこのスレで紹介したい」と思った作品なら
内容問わずOKとかは駄目なのかな。
せっかく書いてくれたのに
自分が気に入らないからって文句言うのがおかしいと思う
別にお金払って買った小説でもなければ個人に向けてプレゼントされたわけでもないんだから
125名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 07:52:32 ID:YBDhPZQE
職人自体が少ない状況なので
エロスレとエロ無しスレがあってもどっちも過疎ること目に見えてるし・・・
エロ無しは表記さえすればおkとかでいいんじゃないかな。


職人が書きたいもの投下すればいいと思う。
>1にもあるけど、萌える話をお待ちしております
むしろお願いします
飢えてr

人口少ないので、もうエロも投下できる二次創作スレでいいんじゃないかと思う自分がいる。
126名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 15:56:00 ID:oFO6Thyw
激しく同意
職人さんが書きづらくなるのが一番良くないし、
今のとこ、スレ(板)の主旨を理解しないでエロなし投下してる人はいないと思う
「エロなしも投下されるけどあくまでエロパロスレ」っていうのが守られてればいいんじゃないか
そこを無視・勘違いしてる人が出てきたら注意するんでいいと思う
127名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 16:03:51 ID:oFO6Thyw
>>122
ギアパス職人さんのも特に気にしたことなかった
言われてみるとそうなるのかなあ
別の場所にまとめるのってわかりやすいし負担かからないし便利だと思ってたわ
状況が違うのは同意
128名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 16:17:01 ID:oFO6Thyw

この流れで投下しづらくなって過疎らないといいな
上で出てたけど、乙や感想や萌え雑談よりも
こういう話の方がレス多くて盛り上がってんのが微妙だ
ギアパス職人さんも遠慮しないでね。黒マリーナのその後とか楽しみにしてるんで
129114:2008/12/05(金) 17:45:20 ID:o1kKIPmY
114です。
wktkしてくれた人ありがとう。
朝チュンじゃないけど
120さんのシチュが萌えだったのでちょこっと書いてみました。
エロなしになるのかな?
カプはトラパスです。


 それは荷物運びのバイトをしていたときの出来事。
 わたし達は、バケツリレー方式で延々と積み上げられた荷物を運び続けていた。
 いや、「荷物」って一言で片付けてるけどさ、これが結構大きな木箱で。ルーミィとシロちゃんはもちろん無理だからお留守番で、男四人+わたしで頑張ってたんだけど。正直、わたしの腕にはかなり辛いものがあった。
 もっとも、「辛いから宿で待ってるね」とは言えない事情があるから、文句も言わず頑張っていたんだけど。え、事情って何だって? 主にお財布の重さ。いつものことだけど……って、言ってて悲しくなるけど。
 で、その最中。
 隣のトラップから受け取った荷物をさらに隣のキットンに渡そうとして、手を滑らせてしまった。
 それは全くわたしらしい、ドジ。
「あっ!」
「お、わりいっ!」
 ずるっ! と指先をかすめて転がる木箱。ああ、割れ物でなくてよかったあ……と安堵すると同時、鋭い痛みが、腕を駆け上がった。
「痛っ……」
「パステル?」
「あちゃあ、やっちゃった……」
 顔をしかめていると、ぐいっと腕をつかみ取られた。
 そのまま手首を持ち上げられる。ぷっくりと膨れ上がった血の塊が、つつうっ……と滴り落ちていくのが、見えた。
 うああ、これは結構大きな傷だぞ? 大丈夫かなあ。このバイトの後、原稿もあるのに。
 そんな呑気なことを考えていると、隣で見ていたキットンが「薬取って来ますから待っててください」と走り出した。
「あ、いいよいいよキットン! それよりこの仕事、早く終わらせ……」
 ぬるり。
 妙な感触が走って、一瞬、言葉が途切れた。
130114:2008/12/05(金) 17:48:43 ID:o1kKIPmY
「と、トラップ!?」
「ん?」
 ちゅうっ、と、やけに大きな音が響いた。
 同時に指先を駆け巡るのは、やけに生暖かい……それでいて不快ではない、不思議な感触。
「やぁっ……ちょ、ちょっと」
「黙ってろ。化膿したらどうすんだ」
「だ、だって……」
 指先が、トラップの唇に触れていた。いや、包まれていた。
 やけに艶かしい赤い舌が、ちろちろとわたしの指先をくすぐって、溢れる雫をなめとっていた。
 ただそれだけのことなのに。それがどうしてか、とても……とても、恥ずかしい。
「あの、すぐにキットンが薬持ってきてくれるって、だからっ……」
「…………」
「トラップ、聞いてる……?」
 ちろちろと、最初はかすかな動きだった。
 本気になれば振り払える程度の、ゆるやかな動きだった。
 なのに、わたしは、動けなかった。呆気に取られた、というのもあるけれど。何より……
 少しだけ、気持ちイイと……そんな風に、感じてしまった。
「っ……トラップ!」
 けど、駄目。いや、何が駄目なのかわからないけど……とにかく、これは非常にまずい状態な気がする!
 このままこうしていたい、という誘惑を振り切って、わたしがきつい声を上げると同時……
「パステルートラップー! 薬、持って来ましたよう!」
 呑気なキットンの声が響いて。その瞬間、わたしの指を弄んでいた舌は、するり、と引っ込められた。
131114:2008/12/05(金) 17:55:15 ID:o1kKIPmY
「……あ」
「ちゃんと手当てしとけよー」
 一瞬前に自分が何をしていたのか、なんて、まるで覚えていない、という顔で。トラップは、ぱっと身を離した。
 思わずよろけそうになる。そうして初めて、わたしは、トラップに身を預けかかっていたんだ……という事実に気づいた。
 って、えー!? な、何これ!? 何なの!? ただ、指をなめられただけなのに。怪我をして、化膿したら大変だって、消毒代わりになめてくれただけなのに!
 な、何でわたし……こんなに、身体が熱いの!?
「う、嘘っ。何だろ、わたし……」
「おい、どうした?」
「! な、何でもないっ。何でもっ! そ、それより、あの……ありがとう」
「……いや」
 何が何だかわからないけど。とにかく……トラップには、黙っていた方がいい気がする。
 そう思って、慌ててごまかすと。トラップは、何だか意味ありげな笑みを浮かべていた。
「感謝してんなら、今度、お礼に俺のモノもしゃぶってくれ」
「ああ、うん。それくらいいくらでもっ! 本当にありがとう」
 とにかく、とにかく落ち着こう。うん。まあよく考えたら本当に大したことじゃないよね。大体、血で服や荷物を汚しちゃったら大変だし。その意味でも助かった、って言える。何とか、血は止まってくれたみたいだし。
 もしかしたら、トラップの家では誰かが怪我をしたら薬を塗る代わりにこうやって消毒するのが普通だったのかな? ありそうだ。大家族だし、盗賊なんて手を怪我することは日常茶飯事だろうし。そのたびにいちいち薬! なんて言ってられないこともあるだろうし。
 よし、今度、もし彼が怪我するようなことがあったら、お礼代わりに同じ「消毒」をしてあげよう。うん。
「トラップ?」
 そう決意すると、どうにか心が落ち着いた。
 そのとき初めて、わたしは、背後がやけに静かなことに気づいた。
 何だろう、と振り向くと、トラップがさっきのわたしよろしく真っ赤な顔でこっちを見つめていたんだけど……
 何で彼がそんな顔をしているのか。わたしには、さっぱりわからなかった。



終わりです。
FQSS初めてなんで未熟なとこいっぱいあるけど楽しかったです。
シチュ考えてくれた120さんありがとう。

お目汚し&流れぶった切り失礼しました。
132名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 10:21:29 ID:YrWc0d4O
>>129GJ!!!!!!!!!!!!!!

せっかく職人さんが投下してくれたのにみんないなくなるなんて冷たいね

>>123全文同意

>>122>>127みたいに言われたら職人さんも投下しにくいんじゃないか?
ほのぼのの件もそうだが言われてないことをわざわざ提起しなくても

>>125を次回からテンプレに入れたらいいと思う
133120:2008/12/06(土) 10:25:56 ID:feLRDDiZ
>>129-131

120です、トラパス乙です! GJ!!
って自分の最萌カプがトラパスと何故ばれているのか・・・あなたが神か。
妄想していたシチュが文章になって還ってきて、
PC前で思わず奇声を発してしまうところだったじゃないですか。ハァハァ

ぽろっと零しただけのシチュが114氏の創作の一助になれて嬉しいです。
ていうかトラップどさくさに紛れてなんて事を確約してるんだw
十分えろいです萌えました、ありがとうです!
134名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 19:49:50 ID:0UcD8WNF
>>97>>99>>102>>129-131
乙!
トラパスギアパス共に乙でした。激しく萌えますた。

>>110>>128>>132
まあ確かに
読む側は書き手が投下しやすい状況保つのがマナーだと思うし
>>1にエロなしの件付け足して、早いけど一度テンプレ作っちゃおっか
135名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 23:20:17 ID:/bqh9Iib
>>131
トラップwwwwwwwwwww
136名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 00:20:48 ID:7636iAp4
今北
137名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 00:26:29 ID:7636iAp4
今北


ほんと今更だけど>>105-106
言ってることは別におかしいとは思わないけど、
投下直後に乙も言わないで文句をたたみかけてるのにびっくりしたよ
職人が来づらいスレになったら困るよ


>>131
パステルかわいいよパステル
オチもワロスw
138名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 06:03:09 ID:BrAi/+SZ
議論のときはやたら盛り上がってたのに
投下された途端いきなりスレが沈静化するのも
かなり問題あると思うけど。
過去どんなSSよりも今回のエロ有無議論は盛り上がってたような。
職人が来づらくなることに関しては
今回文句言ってた奴だけじゃなく住人全体の問題
139名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 16:45:04 ID:lZ+oo6nA
元の流れに戻っただけって気もするが…
まあ>>137のも>>138のも、どっちも問題あるな
両方なんじゃないの?相反するもんじゃないだろ
140名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 07:57:56 ID:pR1bNNVC
テンプレ修正案

1: 2008/08/19 11:34:16 Ej5MtmVr
萌える話をお待ちしております。
がんがん書いていきましょう。

注意
人によっては、気にいらないカップリングやシチュエーションが描かれることもあるでしょう。
その場合はまったりとスルーしてください。
優しい言葉遣いを心がけましょう。
作者さんは、「肌に合わない人がいるかもしれない」と感じる作品のときは、書き込むときに前注をつけましょう。
原作の雰囲気を大事にしたマターリした優しいスレにしましょう。

書き手さんが「ぜひこのスレで紹介したい」と思った作品なら
内容問わずOK。
エロ無しは表記さえすればおk。
お金払って買った小説でもなければ、
個人に向けてプレゼントされたわけでもないので
自分が気に入らないからって文句を言わない。
たとえ気に入らない作品でも、それが新しい作品の呼び水になります。

関連スレは>>2
141書人:2008/12/10(水) 09:19:04 ID:dqO4lRhu
こんにちは、書人です。
議論の最中ですが、空気読まずに投下に参りました。
こういったタイミングではありますが、拙作が以降の職人さん達への呼び水となることを切に願います。

御品書きです。
トラパス、前提恋人。あえてジャンル分けするならほのぼの。
エロめに書いております。


※先日までの流れを鑑みて、今後は御品書きにエロの程度も書き添えますので、よろしくお願いします。
142トラ×パス 風邪ひきトラップ編 1:2008/12/10(水) 09:20:07 ID:dqO4lRhu

寒い。
窓の外は白い雪が音もなく降っている。
古びたみすず旅館の木製の窓枠の隙間から、しんしんと入り込んでくる冷えた空気。

「びえーっくしょい!!」

……まだ風邪治らないんだなぁ。
薄い壁越しとはいえ、はっきりと聞こえたくしゃみの声に苦笑しつつ、わたしはブランケットをそっとめくって体を起こした。
手編みのパウダーピンクのストールを羽織ると、よく眠っているルーミィとシロちゃんの布団を直して部屋を出る。
うう、寒いや。
真っ暗な階段を抜けると台所。
手探りでたどり着くと、小さなお鍋を火にかける。
くつくつと小さな泡が煮立つのを確認すると、マグカップにそっとホットミルクを注ぎ、ほんの少しの蜂蜜を加える。
トレイに載せて歩きかけて、思い直して片方のマグカップにジンジャーを加えた。
まったく、世話が焼けるんだから。
軽くため息、でもほんの少し含み笑いをしつつ、くしゃみの音源の部屋をノックする。
中から聞こえたのは、寝ぼけたような鼻声のような、返事になっていない返事。

「入るよ」

答えを待たずにカチャリとノブを回す。
カーテンを閉めてないせいか、雪明りでぼんやりと薄暗い部屋の中には、予想通り赤い顔をしたトラップが横になっていた。
いつもなら同じ部屋で寝ているクレイとキットンの姿がない。
2人は病原菌と一緒になんか寝られないというきわめて現実的な理由で、1階の空き部屋で寝てるみたい。
不機嫌そうなトラップがゆっくりと目を開ける。やっぱり起きてるんだ。

「あんだよ」
「昼間ずっと寝てたから、眠れないんだろうと思ってね」

実はこの人、もう一週間ほど寝込んだままなんだよね。
バイト先でお客さんにタチの悪い風邪を移されちゃったみたいで。
鼻水垂らして咳してるなーと思ったら、あれよあれよという間に熱があがって、それ以来ベッドに入りっぱなし。
キットンの風邪薬が効いたのか微熱程度まで下がってはいるみたいだけど、人間、微熱ってけっこうしんどいもんだしね。
「全快までまだかかりそうですねー。まぁたまには黙って寝てるのもいいでしょう」なんてキットンの言葉にも反論しないあたり、余程今回の風邪には参ってるみたい。
そんなことを思い返しながら、ベッドサイドのテーブルにトレイを置く。
それを横目で見たトラップは上掛けを跳ね上げ、この寒いのに布団から上半身を出してしまった。
143トラ×パス 風邪ひきトラップ編 2:2008/12/10(水) 09:20:48 ID:dqO4lRhu

「もーダメじゃない。風邪ひいてるのに」
「あちぃんだよ……まだ熱あんのかな」
「あるある。その顔はどう見ても」

うつろな目にぽーっと赤く染まった頬。
いつもの抜け目なさそうな表情も鋭い眼差しもそこにはなく、どこかあどけなく感じる子供みたいな緩んだ口元に、可愛らしささえ感じてしまう。

「あったかいミルク作ったから。飲むでしょ?」
「……おう。サンキュ」

素直にカップに手を伸ばす指。
細くて繊細そうで、盗賊という職業柄か、爪先まで手入れされていてとてもきれい。
思わず見とれていると、その手がふとカップを置き、わたしの手首を掴んだ。
熱い指。

「冷てぇ……気持ちいー……」
「そりゃそうだよ。また熱上がったんじゃない? キットン起こして解熱剤もらって来ようか?」
「いらね。それよりちょっと来い」
「え? な、ちょっと」

寝込んでいた人とは思えない力強さで、ぐいっとベッドに引きずり込まれてしまった。
布団の中はあったかくて、ほんのり香るのは汗ばんだトラップの匂い。
ぎゅぎゅぎゅっと胸の中に抱きしめられてこっちが青息吐息。

「なんなの、もうっ。離しなさいってば」
「いーだろ。しばらくこうしてろ……お前、ひんやりしてて水枕みてぇ」

そ、そりゃそうでしょうよ。
それだけ熱出てたら、今まで火の気のないところウロウロしてたわたしなんて氷嚢みたいなもんでしょ。
ぐっと押し当てられるのは、細身だけれどしっかりしたトラップの胸板。
いやいや、ドギマギしてる場合じゃないでしょ!?
どうにか文句を言わねばと、数センチの距離にある形のいい唇を振り仰ぐ。
と、その至近距離が一気に詰まって、熱っぽい唇がわたしの唇に触れた。

「ん!」
「ほんと冷てえな……」
「キスなんてしたらそれこそ移るじゃない!」
「……けち。風邪くれえ持ってってくれよ。もう病み疲れたぜ」
「んもう……」
144トラ×パス 風邪ひきトラップ編 3:2008/12/10(水) 09:21:40 ID:dqO4lRhu

唇同士が触れ合ったままで囁くような会話。
湿り気を帯びた吐息がふたつの舌と舌を行き交う。
少しざらりとした感触のトラップの舌がわたしの歯列をなぞり、反射的に身をすくめてしまう。
それは下唇を緩慢にとろりと這い、ゆっくりと喉元へと滑り降りた。

「なぁ。ここ。熱持っちまって下がんねえ」

トラップの手がわたしの手を導いた先は、パジャマの両脚の間。
火照った体の中でも、一番火傷しそうに熱くて堅いそこ。
自分でパジャマと下着をずり下げると、トラップは少しずるそうな笑みを浮かべてわたしの顔を覗き込んだ。
……仕方ないなぁ、もう。
彼自身をそっと握ると、「おっ」と耳元から聞こえる呻き声。
なめらかでビロウドのような感触のそれを、おそるおそるそっとしごいてみる。
トラップは半開きの唇から軽く息を洩らしながら、わたしの胸元に手を伸ばした。
パジャマのボタンの隙間から差し込まれた指が、ブラをつけていない胸をゆっくりと揉みしだく。
指先が乳首を弄ぶように捏ね回す動きに、反射的に思わず声がうわずる。

「や……ぁんっ」
「嫌じゃねんだろ? もう堅てぇぜ」
「トラ、ップのばか……ぁ」

おかしい。この人熱あるんじゃなかったっけ?
確かに顔も赤いし目元もぼんやりしてるけど、今のニヤッと笑った笑顔はいつものトラップだったような……
そんな疑問を抱きつつも、動き回る指に異議を差し挟む余地もなく。
だって……ねぇ? このところトラップが寝込んじゃってご無沙汰……いやいや。
久しぶりに彼に触れた気がしてドキドキしちゃって……いやいや。

「あに百面相してんだよ」

呆れたような言葉にふと我に返ると、いつの間にか体制が逆転し、布団の中で組みしかれてしまっている自分を発見した。
そして知らぬ間にボタン全開であらわにされた胸元も。
さっきから弄くられて堅くなってしまった乳首へ、躊躇いなく唇が吸い付いた。

「ひゃぅっ」
「知ってっか? 風邪って粘膜だとすぐうつるんだぜ」
「粘膜……」
145トラ×パス 風邪ひきトラップ編 4:2008/12/10(水) 09:22:17 ID:dqO4lRhu

舌を這わせて胸を愛撫しながら、パジャマのズボンに忍び込むトラップの手。
下着の上からスリットを行きつ戻りつ何度もなぞる。

「ん……やぁ、あ、ん」
「まだあんまり触ってねんだけど……なんかそーとー濡れてねえ?」

トラップの言葉で、頬にかあっと血が上る。
だって……だからぁ、久々なんだってば、わたしも……。
わたしの無言の抗議なんて気にもかけない風のトラップ。

「んな上目遣いで睨むなよ。ほれ、ケツあげろ」
「えー」
「シーツが汚れるだろが」
「……」

ごくまっとうな理由に文句も言えず、素直にお尻を持ち上げる。
器用にパジャマのズボンとショーツが引き剥がされ、上半身はボタン全開のパジャマと、限りなく全裸に近い状態にされてしまった。

「それこそ風邪ひいちゃうよ」
「布団もぐってりゃ平気だって」

どことなく嬉しそうなトラップ。
あちこち触れる指や唇が熱いのは、やっぱりまだ熱があるからなのかな。
って、風邪なのにこんなことしていいの? ほんとに。
しかし彼の指は止まらない。
襞を撫ぜていたトラップの指が、だんだんとわたしの愛液にまみれて滑りがよくなっているのがわかる。
まだ表面をなぞる愛撫だけなのに、もうあそこが熱くてたまらない。
それは不意にスリットを押し分け、わたしの中へぬるりと這いこんできた。

「や、あっ」

器用に親指で蕾を擦り上げながら別の指を激しく出し入れする。
ぴちゃっぴちゃっと音をたてて太腿に散る飛沫。

「ん、ぁあ、や……はぅっ」
「すげー……今までで一番濡れてる気がすんぜ。もうヌルヌル」

感心したように呟きながら、トラップは指を引き抜くと、代わりにそこへ自分のものをあてがった。
下卑たその表現に抗議を覚えるも、体の奥がじゅん、となった気がした。
わたしの意志に反して、どんどんにじみ出てくる蜜。
トラップはそれをすくい取るかのように、わたしの襞の周囲に自分自身を擦りつけ。
中へ入り込むか、と見せかけてはまた滑らせて表面をなぞる。
焦らすように何度も何度も襞とクリトリスの上を滑らされ、快感ともっと欲しいという思いが交錯する。
146トラ×パス 風邪ひきトラップ編 5:2008/12/10(水) 09:23:00 ID:dqO4lRhu

「ねぇ……」
「なんだぁ?」
「…………」
「聞こえねー。はっきり言えって」

含み笑い。
いつもなら絶対こんなこと言わない。言えない。
でも……今日はなぜだろう。
悔しいけど、ものすごく、この人が……ほしい。

「……入れ……て、よ……ぁあっ、あああんっ!!」

言葉の終わりに被せるように、一気にトラップのものが突き入れられた。
めりめりっと襞を割り裂いて熱い棒が文字通り押し込まれる。
お腹の奥底から突き上げるような快感。
焦らしに焦らされたぶん、内壁を擦り上げる感触がたまらなくて……。

「や、んあ、くっ、あぁっ」
「中は……熱ちぃ、なー……でも、気持ち、いーぜ」

リズミカルに体を揺らすトラップ。
わたしの腰を両手でがっしり掴み、奥にぶつけるように、ぐりぐりと押し付けるように腰を動かす。
ふたりがつながっている部分から、絶えることなく溢れる雫がお尻を伝う。
それはトラップが腰を打ち付けるたびに飛沫になってあたりに飛び散った。
同時になんとも卑猥で湿った音がするのどうにも恥ずかしい。
でも、恥ずかしがってる余裕もなく……どうしてこんなに気持ちいいんだろう?
わたしのここで、全体で、トラップを感じていたい。
なんだかたまらなくなって、シーツを握り締めていた両腕をトラップの背中にまわして抱きつくと、トラップが荒い息を吐きながら呟いた。

「く、締めんなって」
「締め、て……ないって」
「締まんだよ、アホ。いっちまう……だろが」

ちょっと苦しそうな顔をしたトラップは、わたしをぐっと抱き寄せてそのまま抱え上げた。
いきなり視界が90度起こされ、でもその部分はつながったままで、わたしは目を白黒させるしかない。

「ちょ、っとおっ」
「これなら、も少し……」

何やらぶつぶつ言いながら、トラップは器用にあぐらをかくと、わたしを膝の上に座らせるようにして正面から抱きしめた。

147トラ×パス 風邪ひきトラップ編 6:2008/12/10(水) 09:30:47 ID:dqO4lRhu

あったかい布団から冷え切った空気に、一気に素肌が震え上がる。
その冷たい空気の中なのに、発熱のせいなのか熱気を体の表面から放出しているようなトラップの熱っぽい体に、ぎゅっとしがみつく。
そんなこと滅多にしないからだろう、トラップは一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐ答えるように抱きしめ返してくれた。
おでこに、耳元に、うなじに、浴びせるようにキスの雨が降る。
寒さにちぢこまっていた皮膚が、そのひとつひとつで熱を帯びていくみたい。

抱きしめあったままの姿勢で、トラップは勢いをつけるように下から腰を突き上げた。

「ぁはんっ」

男の人にしては細めだけれど、躍動するような腰の動きと激しさは、そんなことを全く感じさせない。
ずくずくと振動と快感があそこから頭のてっぺんまで響く感じ。

「んんっ、ぁっ、ト、ラ……ぁっ、や、ぁんっ」

途切れ途切れにこぼれる喘ぎを、トラップの唇が荒々しいくちづけで奪った。
はっ、はっ、とまるで走り続けているみたいに呼吸しながら、畳み掛けるように加速して突き込まれるもの。
熱くて、べちゃべちゃで、気持ちよくて、頭が朦朧として……もうダメかも、何がなんだか……
と思った時、トラップは悔しそうに呟いた。

「だ、めだ。体調これじゃあ…………もうもたねぇ。くそっ、早ぇっ」

終わりの方は絶叫調に叫びながら、彼は力いっぱいわたしのからだをかき抱いた。


148トラ×パス 風邪ひきトラップ編 7:2008/12/10(水) 09:33:17 ID:dqO4lRhu

「さ、後はこの水薬を飲んでおいてください。これは解熱の効果がありますから」
「うえっ、苦いよう……」
「それだけ熱があるんですからね、仕方ありませんよ。これを飲めば、3日もあれば治るはずです。この前トラップに飲ませた薬より強力な新製品ですからね」

キットンの差し出した薬は、見た目どろっとした深緑でいかにもまずそう、案の定恐ろしく苦い。
こんな薬飲むくらいなら、一週間くらいゆっくり寝ててもいいよ……
あまりのまずさに水をがぶ飲みしているわたしを横目に、キットンが呆れたように言った。

「せっかくトラップが全快したというのに、入れ替わりでパステルが風邪を引き込んでしまうとは」

そうなんだよね。
トラップってば、わたしに風邪うつして、自分はすっきり元気になっちゃったみたいで。
こっちはあれから高熱にうなってるっていうのに……

「それにしても不思議ですねえ。他に誰にもうつってないんですけど」
「え? まぁわたし看病してたしさあ」
「まあ、それはそうですが……まぁいいか。ではパステル、わたしは薬局まで行ってきますから」

どたどた言う足音と共にキットンが階段を下りていった。
あー頭が重い。
場の流れでああなっちゃったとはいえ……ほんとにうつっちゃうとは思わなかったなあ。
しかし、トラップも薄情だよね。
人にうつしておいて、自分はさっさと遊びにでも行っちゃったんじゃなかろうか。


コンコン。
ちょっと控えめなドアのノック音がした。
あれ? 今はクレイはバイトでキットンは薬屋さん、ルーミィとシロちゃんはノルとお出かけ……のはず。
ということは。
わたしは慌てて布団をかぶり、寝たふりを決め込む。
わざと返事をせずにいると、そっとドアの開く気配。

んもう、絶対今度はお返しにうつしてやるんだから、覚悟してなさいよ!
頭はぼおっとしててしんどいのに、不思議に高揚した気分。
わたしは薄目をあけて入ってきた彼の姿を窺った。



----------------------------
完結です。
149名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 11:19:45 ID:lPJ54VMD
>>140
乙 いいと思うです
ちょっと長いかもしんないけど最近の流れ見てたら
あらかじめそのくらいの前提を書いておいた方が良さそうだね

>>141
キター 
書人さんの話ほんと好きです
やっぱいいなあトラパス。GJですた
150名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 12:09:47 ID:5zKNbVNs
>>140
乙でした!論議というと某スレ見たことあるけどあそこよりこのスレはマターリしてていいわ

トラパスさんも書人さんもG乙でした!!
また何か思い浮かんだらお願いします
151名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 23:07:00 ID:AEsWgKZL
>>148
恋人前提の話ってラブラブ全開でいいなあ
細かい描写が上手くて萌えますた
パステルかわいいよパステル

激しく乙でした
御品書きも乙です


>>140
その修正案に賛成
152名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 23:38:33 ID:QFc84Ct1
>>141
乙でしたー
恋人同士のラブラブエロエロ素敵でした!
何か設定とか落ちが昔の投下作品の
ttp://be-sp.com/eroparo/sslibrary/f/fq11-1.html
とよく似てるような気がするんですが
この作品の作者さんとは別の方ですよね?
153書人:2008/12/11(木) 09:29:14 ID:yVwg17xn
お読み頂きありがとうございます。
書人です。
いつも過分なお褒めを頂いて、執筆の励みとさせて頂いています。

>>152 さんのご指摘についてですが。
これは昔いらしたトラパス作者さんのSSですよね。
(勿論、私はトラパス作者さんではありません)
私もスレ立ち上げ当初からおりましたので、神職人と呼ばれたトラパス作者さんの作品は読ませてもらってきました。
しかし氏の膨大な作品群を全ては読めておらず、この作品は初めて読みました。

読後感としましては、確かに類似の表現(薬の描写等)があり、設定も似てないとはいえません。
ストーリーのアウトラインは別ですが、トラ風邪ひく⇒パス看病⇒ヤってw⇒パスにうつる⇒トラ治る、と。
後発の私のSSが盗作と思われても仕方のない類似だなと感じました。
しかし、筆に誓って盗作をしたわけではありません。
ここだけは書き手としてどうしても信じて頂きたいです。
正直なところ、カップリングがトラパスで片方を病気にしてエロパロを書くとなると、設定がどうしても似るのは否めません。
自分の発想力のなさをカバーせず、ある意味ステレオタイプな展開で書いてしまったのは、まさに私の技量不足であると痛感しております。

過去の作品を全て読んで、かぶらない展開を書くのが正道かもしれませんが、そこまで努力が及ばず、ご指摘のSSを読まれていた>>152さんや、もし覗かれていたらトラパス作者さんにも、さぞ不快な思いをさせてしまったかと思います。
本当に申し訳ありませんでした。

正直こういったご指摘があり、暖めているネタも自分は得々としていい話と思っていても、過去にどなたかが書かれた内容に酷似しているのかも、と疑心暗鬼になっているチキンな書き手ですw
今後の執筆も、暫く検討・精査の余地があると反省致しました。
重ねてお詫び致します。
長文失礼致しました。
154名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 10:21:44 ID:JQ+JQIuP
書き人さん乙です
気にしないほうがいいですよ
話そのものが王道でトラパス職人さん以外でもよくある話だし
そのレベルで文句言われたら何も書けないよ
指摘の仕方も変
悪意のある言葉を使わずに職人さんに皮肉を言いたいだけに感じる
このスレって職人さんは気を使いまくり
読み手デリカシーなしだよね
昔の某職人さんのことがあっても進歩がなさすぎ
住人自らスレつぶしにかかってるの?と言いたい
155名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 10:46:39 ID:JE9phm4B
>>153
いやいや全然気にしないでください
そんな反省しなくても154さんの言う通り王道だし
王道の面白さ大好きだし(王道を面白く書けるのはすごいことだし!)
全部を把握しきれないのだって当たり前だし
というか>>152も盗作とか言うつもりで書いたわけじゃないと思うんで
(多分言葉以上の意味はないんじゃないかな)
気楽に考えてください。そんで気軽に書いて、ぜひ読ませてくださいね
暖めているネタにwktk

それにトラパス作者さんの作品数はほんと膨大なんで、
多分どれかはどうしてもかぶると思う。純粋に偶然で。
もしかぶったとしても文章の性格の違いで完全に別作品になるし大歓迎ですよ。
156名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 11:00:29 ID:JE9phm4B
>>154
職人さんが気を遣いまくりなのは同意
SSへの感想とかより文句の時の方が声大きいのは問題あるんじゃないかなー
投下された途端書き込み減ると、
今まで議論してた人たちはどこに行ったの?と思ってしまうよ
自分もしてたけど

というか議論はいいんだけど、
文句をつけたことが改善されたらちゃんと反応した方がいいと思う
意義がある時だけ発言するのはちょっとずるい
書き手がいないと成り立たないスレなのに、書き手が投下しづらくなったら困るお
157名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 12:36:50 ID:s76DuARa
154の言いたいことはわかるけど
152の書き方見ると
悪意があったかどうかわからない。言葉以上の意味はないように見える。
それなのに悪意がある皮肉ってるって決めつけるのもどうかと思う。
何気ない感想にまで噛みつく奴がいるから、投下された途端に書き込みが減るんじゃない?
そんなことされたら、投下作品には乙と神以外言えなくなる。
つまらん来るなとかそういう明らかな荒らしならともかく、「感想」や「意見」を第三者が勝手に「文句」「言いがかり」って決めつけるのよくない。
それを言っていいのは言われた書き手じゃないかな。

長くなったけどつまりは
書き手さんはもっと堂々としてていいと思う。
158名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 13:33:25 ID:JQ+JQIuP
>>154
確かに悪意は言い過ぎだったかもしれないけど
>>152から>>153の流れを読んで発言したつもり
職人さんがそういう風に感じる感想はかくべきじゃないと思う
わざわざ比較作品持ち出す必要はあるのかな
159名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 13:48:12 ID:JE9phm4B
自分も同じこと書くけど
152は責めてるとかじゃないと思うから
153さん気にしないでくださいってことで話終わりじゃだめ?

なんか話大きくなってるけど、
別に比較とかしてるわけでもないと思うんで
でもやっぱ書く立場からたらびっくりすると思うから気をつけた方がいいね
160名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 15:17:33 ID:s76DuARa
152の似てるねーに
似てるかもねー。ま、王道な設定だしねー
と流せばいいものを
わざわざ悪意だ皮肉だ書く必要あるのかな、ってことです。

それにまあ、今回は比較されたのが相当昔の作品だからともかく
偶然かぶることはあるだろうけど
書人さんも書いておられるように、先に書いた書き手さんはいい気はしないんじゃないかな。
ぱっと見て似てると思ったのなら指摘してあげるのも親切の一つじゃない。
でないと後発の書き手さんは
わざとじゃない、偶然と訴えることすらできないんだし。

もちろん言いがかりに等しい指摘は問題だしそれは注意しないといけないけど。
161名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 16:01:33 ID:JE9phm4B
159だけどごめん
>書く立場からたら→書く立場からしたら

>>160
いや、157の時点で意味はわかったお


153の時点で書き手さんが気にしちゃったからフォローしたいのはよくわかるんだけど…
162名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 10:47:02 ID:n+7n4Lxb
なんかもうどこへ着地すればいいのかわからん議論になったなw

漏れも別スレにSS落としてるから書人氏の気持ちは痛いほどわかるぞ
悪意がなくとも「これと似てね?」って言われただけで心臓止まりそうになるからな
そもそも152はどうしてほしかったんだか
トラパス作者氏と書人氏が別人なのはSS読めばわかるだろうにわざわざ保管庫アドまで晒す必要あるか?
書人氏にここまで反省させたかったのか?それなら思ったとおりの展開だが
「似てますけど私は別人ですよ」程度の軽い返答が欲しかったのか?そんなの保管庫の作品見ればわかることだろうに
152が何を意図して書いたのかがわからんから、
指摘された書人氏は異様に恐縮し、住人達も迷走状態でスレストする始末

王道ストーリーなら似てる話なんて腐るほどある
このスレでもすげー似た内容ってのは何度も見たぞ
でもどこをどう見てもパクリだと言えない限りあえて指摘する必要はないと思う
今回のことは、指摘して結果として良かったのか悪かったのか‥
この流れじゃ嵐と変わらんとすら思うがな
これで書人氏が消えたらこのスレどうなるんだ一体
せっかく賑やかしに書いてくれていたエロなしも排除したがる香具氏がいたり‥
衰退に向かってる気がしてならん
163名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 11:17:35 ID:gKk8qDow
>>154>>>158>>162が書き手視点で、>>160が住民視点なんだろうね
>>162と同じく他所で書き手経験がある身からすれば
似てる作品をわざわざ紹介されたらまじで心臓止まるわ
盗作ですねと言われたのに等しい気分になる
その行動を親切心っていうのはどうかと>>160
エロが足りない、王道だと似てますね、こんな調子だと
書き手は怖くて作品を書けないよ
>>162が言いたいことをほとんど言ってくれたけど
>>152は何をしたかったんだ?
悪意や皮肉に取られても仕方ないと思う
164名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 12:47:22 ID:GnoF1ZD4
もう住人は書き手に対して乙神マンセー以外の書き込み禁止
余計なこと付け足して書き手を傷つけた奴は真意がどうであれ荒らし煽りとみなして
スレ永久追放とかテンプレに書いとけば?

何でそうやってみんなで誰かを悪者にしようとするんだ。
152の真意がどうだろうが
さらっと無視スルーしとけばいいじゃないか。
152が何をしたかったのかは知らないけど
その後で議論してる奴らも152に何をして欲しいんだ?
荒らしですと名乗るなり真意を説明するなりしてほしいというのなら
自分は今の流れでもし152が名乗り出てきたら
ある意味その勇気を賞賛する。
何か悪意以外の意味があったとしても信じてもらえるとは思えない。

ついでに、わざわざ似てる作品をさらす必要があったのかって話に
具体的な作品を出さずに「似てる作品見たことある」と書き逃げする方が
よほど悪意にあふれてると思うのは少数派なんだろうか。
それを言うなら
明らかなパクリでない限り安易に似てるとか書くな、じゃない?
165名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 13:32:44 ID:n+7n4Lxb

152の内容で書き手に影響が及んでるように見受けられた
だからその書き手に去って欲しくない人間がフォローを入れた、それだけじゃないのか

もういいや、>>164の最後の1行が全てだな
166名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 14:28:11 ID:3AmA/R7p
書き手へのデリカシーの無い発言禁止。
パクリ疑惑はスレ違い。
「あの作品と似てる」発言はスルー推奨。

ってかんじではっきりしててもいいかも・・・?
やんわりした言葉で書けなくてスマソ。
曖昧なかんじだと、でもでもだってな人が現れるかもしれんし。
何か最近このスレが迷走してる気がする。
167名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 16:47:39 ID:ZhrYvDyJ
正直>>159の時点で結論出てる気がするんだが…
なんか同じ話繰り返してないか?


読む側は、書く側が投下しやすい雰囲気作るのがマナーだと思う。
何か問題発言があっても、熱くならずにやんわり指摘すんのが一番じゃないかな
書く側のためにフォローしても、
熱くなって議論が始まっちゃったらやっぱり投下しづらくなるし。
どういう発言がダメ、っていうんじゃなく、
荒らしの種を育てて大きくするのがダメなんだと思うよ
168名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 16:49:22 ID:ZhrYvDyJ
あと今回はエロなしで揉めた後だから、
余計気が立ってたのかもね。
自分は>>137に同意だった。さすがにひどかったと思う。
169名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 17:22:50 ID:ZhrYvDyJ
167だけどちょっと付け足し

>>154-166を否定してるわけではないです
内容はちゃんと読んだし、どれももっともなこと言ってると思った
だから微妙に反発しちゃってんのがもったいないと思った
167はどれかへのレスじゃなく、スレの流れ全体への話です
170名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 17:59:35 ID:nOK40o7W
書人さんにあそこまで謝罪させた時点で>>152は責められても文句言えないんじゃない?
職人さんへのフォローより152へのフォローが多いのが何とも。
親切心というのにはびっくりしたよ。
文句や批判でスレ繁栄はないから禁止でいい。
辛口コメントも欲しいって職人さんが言った時だけ書けばいいんじゃないかな。
あと、わざわざパクってまで一文の得にもならないSS書く人もいないと思う。
書人さんは今までたくさん面白い話を書いてくれたから、そんなつもりないのわかるし。とにかく、書人さん気にしないで下さい。
また読みたいです。
王道の話も書き手が変われば別物で面白いです。
171名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 18:19:37 ID:GnoF1ZD4
親切心っていうのは
自分の作品パクられた! ってショック受けてる書き手さんがいた場合の話じゃない?
これは外から見たらよくある設定、王道だからかぶっても不思議はないんですよ、と教える意味で。
この展開は王道、この展開はオリジナルって明確な基準はないわけだから
読み手から見たらよくある展開でも書き手にとっては自分が考えた大切な話、というのはあるんじゃないかなあ。
そんな書き手がいるわけない!という場合と
そんな風に思い上がる書き手が悪い、そんな奴にフォローの必要ない!という場合はチラ裏な意見失礼しました。

後金にもならない作品をパクる奴いるわけ〜な意見には残念ながらいると答える。
昔このスレにもいなかったっけ。全然関係ない作品のエロパロをカップルの名前だけマリーナとかアンドラスにすげ替えて投下した奴。
何が楽しいのかは知らないが
172名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 18:27:26 ID:ZhrYvDyJ
152へのフォローと職人さんへのフォローは別に対立するもんじゃないと思うよ…
なんかもう152でも職人さんでもない第三者が話広げちゃってる気がする
言いたいことがあるのはわかるがそろそろ自重しないか


この話いつまで続くんだ?
続けば続くほどSS投下される日が遠のくお
173名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:05:17 ID:D8I8aQVN
冷静な書き込みで収束しかけるたびに
少しケンカ腰なレスで蒸し返しになってる気がするわ


>>167>>172に同意。
言ってることが正論でもそろそろ荒らしっぽくなってきてる
これじゃ職人さん書き込めないだろ。もうやめないかこれ以上は

というか…
SSに飢えてる上
待ってる職人さんとか作品とかあるのに
これじゃますます読めなくなるお(;´Д⊂
174名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:09:50 ID:k+8wzCqX
という訳で、このへんで強引に流れ変えていいか?

この頃不毛な議論が多くて、まともに萌雑談すらしてない気がしてきたw


最近リクというものを全然しなくなって久しい
クレクレ厨とか言われることもあるが、意外と書き手さんってリク喜んでくれたりするんだよな
住人の雑談からインスパイアされることもあるだろうしさ
クレトラギア、誰でもパステルと絡むと大好物なんだが、たまには希少カプも読みたくなるw
保管庫漁ると、とんでもないカプがあって興味深く読んだもんだ
175名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 09:47:26 ID:Ers0JUDH
中年フェチだからオーシパスが気になる。新になってオーシが格好良くなったし。
少数派ですともw
176名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 14:50:18 ID:AZ5jAQAO
前スレでも書いたけど
ダンシングシミター×パスが好き
あとカプは何でもいいから(パスが入ってると嬉しいけど)
幸せな3Pがたくさん読みたいです

キットンとパステルが会話してるの見るとなごなごして超好きなんだけど、
奥さんいるし身長に差がありすぎるしカプは難しいよなー
キットン×スグリももちろん好き
177名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 16:24:48 ID:Ers0JUDH
スグリ好き!!でも、スグリのエロは難しそうだな
178名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 20:11:50 ID:AZ5jAQAO
だなー
自分で書いといてなんだけど、エロなしほのぼので愛でたいキャラだ
もちろんあってもいいけども
179ギアパス職人:2008/12/14(日) 09:33:37 ID:EfiLZ8N/
希少カプのリクに答えてみる。

トラップ×キム・ジンガー。
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

挿入ありだけど微エロ寄り。
サクッと読める短編です。
小ネタ的にお楽しみ下さいな。
180名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 12:07:21 ID:YoC89NEj
>>179
おおおおおなんて素早い
そのカプ好きだ。似合うよね
キムのフワフワはそのためについてたのか!
しかしトラップひでえwしかも「また」ってwwww
ひどいけど萌えちゃったよ トラパスも入ってんのが美味しいな
でもキムがすごい可愛くて嬉しいわ
181名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 18:24:34 ID:vKIF6wW8
キムのSSはじめてみたギアパス職人さんいつもG乙です
182名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:32:23 ID:EfiLZ8N/
>>180感想ありがとうございます。
「また」はご想像にお任せしますw
こんな細かい所にまで反応していただけると書き手冥利に尽きますよw
>>181ありがとうございます(・ω・)/

流れに乗ってリクです。
他の書き手さんが書いたギア×パスが読みたいです。
保管庫にある途中で終わってるギアパスの結末も気になります。

希少カプと言えば、保管庫のキットン×サラディーの土地が究極だと思うw
183名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:57:53 ID:GRkg0ZCh
>>182
乙ですた

>キットン×サラディー
あれはワロタwwwwwww

面白そうなのに途中で終わってんの多いよなー
遅くなってもいいから読みたいお
184名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 23:02:54 ID:xLkdiXvG
以前FQに初めて目覚めた頃、
ヒュー・オーシを超ダンディにしてパステルがメロメロになるSSを書いたことがある
何を血迷ってそんなものを一生懸命書いたのか・・・
流れでそんな黒歴史を思い出してしまったよorz
185名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 04:41:53 ID:NHv/TByq
>>184
ごめんワロタwwwww
読みたいwwwwwwwww
186名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 11:26:33 ID:kawSncgw
幸せな3P確かにイイ!(゚∀゚)
共有編を思い出すな。あのある意味壊れた幸せっぷり最強

クレトラパスでない3P・・・パステルは確定要因として
クレギアパス?トラギアパス?クレアルパス?アルイムパス?アルトラパス?
ギアダンシミパス、トラオーシパス、オーシヒューパス(怖えな)
なんか呪文書いてる気分になってきたw
でも
キットンノルが絡んだ途端カオス化確定www
187名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 14:57:24 ID:rQf25V4B
わろたwwwwwwwww


トラギアパスはあったね
喧嘩になりそうとか思ってたけど普通に面白かった
幸せな場合は同性2人の仲が良い+同性2人が異性1人を純粋に好き
このへんが条件なのかな?別に同性3人でもいいけど
あと3人の合意か

>ギアダンシミパス
これいいなー
188114:2008/12/15(月) 23:43:35 ID:oyfRwvrD
自分114ですが
ちょっとネタ思いついたので書いてみました。
ギア×パステル×ダンシング・シミターで
幸せ? 少なくともどろどろ不幸ではない3Pです。
189ギア×パステル×ダンシング・シミター 1:2008/12/15(月) 23:44:41 ID:oyfRwvrD
 短期間でお金を稼ぎたい人、大募集!
 その店に足を向けたのは、扉や壁、一面にべたべた貼られた、そんなチラシに目を奪われたから、だった。
 近づいて覗き込んでみる。そこに書かれていたのは、一時間で何千ゴールドとか、普段わたしがやってるバイトとは桁が二つくらい違う金額。
 え、嘘! 見間違い? あるいは一時間じゃなくて日給の間違いとか……いやいや日給だとしても凄く美味しい話だぞ? なんて思いながら「じーっ」とチラシを見つめていると、いきなり「ぽん」と肩を叩かれた。
「お姉ちゃん、お金欲しいの?」
「え、はい?」
 声をかけてきたのは、うーん何と言えばいいんだろう。一言で言えば、人相のよくない人だった。
 全身を黒いスーツで固めていて、あまつさえ顔の半分は真っ黒なサングラスで覆われている。とどめとして、ほっぺたに走っているのは……ナイフ? か何かでできたと思しき傷跡。
 でも、口調は優しかった。サングラスのせいで目つきとかはよくわからないけれど、わたしが身を固くしたのを察したんだろう。「ごめんね、驚かせた?」と、ぺこぺこ謝ってくれた。
 うう、そんな風に謝られると、こっちが悪いことをした気分になるなあ。まあ、人を見た目で判断しちゃいけないよね。
「いえ、すいません。いきなりだったから、驚いて」
「いやいやそうだよねえ。ごめんねえ。あのさ、俺、ここの店で働いてるんだけど」
「はあ」
 ここの店、で指差されたのは、わたしがさっきから熱心に眺めていたチラシが貼ってある、あの建物だった。
「チラシ見て、来てくれたんだよな? お姉ちゃん、お金が欲しいの?」
「え? えーと……まあ……」
「へえへえ! ふうーん」
 曖昧に笑うわたしを見て、男の人は、じろじろとわたしの全身を眺め回した。
 うう、この人、このお店の人だったのかあ。もしわたしがここにバイトに入ったら、この人と一緒に働くことになるのかなあ? それはちょっと怖い……いやいや、でも人は見かけによらないって言うし。
 それに、正直お金は欲しい。というよりも、今日明日にも稼いで来ないと宿代さえままならない! って状態なんだよねえ。
 何でこんなに貧乏なのかって? いつものことだし理由もいろいろ。誰かさんがギャンブルで、とか、人のいい我がパーティーのリーダーが困ってる人を見捨てておけなくて、とか、薬草やキノコの話になると周囲が見えなくなる人が後先考えずに……とか。
 ……でも一番大きいのは、財布を預かっているパーティー会計担当が、肝心の財布をどこかに落としたっていうのが多分……あああ本当にごめんなさい!!
 とまあそんなわけで。わたしは何とか短期間で稼げないバイトはないかなあ、と探している最中だった。
 いや、もちろんバイトより先に落とした財布を見つけようとはしたんだよ!? でも、村中探したのにどうしても見つからなくてさあ……多分、誰かに拾われちゃったんだろうなあ。うう、今月の生活費が全部入ってたのに……
 優しいみんなは、「みんなで頑張ろう」「誰にだって失敗はある、反省して次に生かせばいいんだ」って言ってくれたけどさあ。やっぱり、いくら何でも申し訳ない。
 ついでに、若干一名からは、「甘い甘い甘い」と指をつきつけられて「本当に悪いと思ってんなら金を稼ぐ手段くらいいくらでもあんだろ! それをちっと財布が見つからなかった時点で泣きついてくるのがまず甘いっつーんだ!」と怒鳴られてしまった。
 もっとも「ギャンブルで金を使い込んだお前が偉そうなこと言うな」ってみんなからどつかれてたけどね。でもまあ、確かに彼の言うことも一理ある。
 ごめんって謝るのは簡単。謝ったら優しいみんなを「いいよいいよ」って言わざるを得ない。それに甘えるのってすごく卑怯だよね。
 だからこうして、時給の高いバイトを探し歩いていたわけ、なんだけど……
 知らなかった。シルバーリーブにこんないいアルバイトがあったんだ!? どんな仕事なんだろう?
190ギア×パステル×ダンシング・シミター 2:2008/12/15(月) 23:45:40 ID:oyfRwvrD
「うーん、ま、いいだろ! 合格!」
「え、はい?」
 なんてわたしが回想にふけっていると、唐突に「ぽんぽんっ」と頭と肩を叩かれた。
 え? え? なんて疑問を上げる暇もない。怖い顔の男の人……店長さん? は、長々とわたしを眺めた後、実に満足そうに頷いていた。
「いいよー。ちょーっと痩せすぎな気もするけど、君、化粧映えしそうだし」
「は、はあ」
「いいよ、合格ってことにしてあげる。お姉ちゃん、今日から早速働ける?」
「え……ええ!? 働かせてもらえるんですか!?」
 けれど、微かな疑問なんて、続いた言葉で一瞬にして吹き飛んでしまった。
 嘘、雇ってもらえるの!? え、だって一時間に何千ゴールドですよ!? 正直2、3時間も働けば、落とした財布に入ってた金額にお釣りが返ってくるって!
 面接らしいことなんか何もしてないけど……い、いいのかなあ?
 いやいや、迷ってる場合じゃないでしょ、パステル。こんな幸運、そうそうあることじゃない。時給がいいってことは、仕事内容はそれなりにきついだろうけど、でも、冒険者だもん。きつい労働なんて慣れてるし! 何とかなるでしょう!
「は、はい! 大丈夫です! お願いします!」
「おお、本当に? 助かったよお。若い子が少なくて困ってたんだ。じゃあ、早速……」
 そう言って、店長さんがぐいっ! とわたしの肩をつかんだときだった。
 突然、背後から伸びてきた大きな手が、店長さんの手首をつかみあげた。

「う、えええ? あ、あのあのあの?」
 全く、突然何が起きたのやら!?
 一瞬で起きた出来事は、正直、わたしの理解を超えていた。
 突然伸びてきた腕が、店長さんの手首をつかんで、同時にわたしの身体を引き寄せた。
 すごい力だった。逆らうことなんてできそうもない。正面に立っていた店長さんも驚いたんだろう。わたしの背後を、凄く怖い顔でにらみつけていて……
 けれど、その表情が怯えたものに変わるのに、一秒もかからなかった。
「あ、あんたは……」
「ほおう。たったの一時間でこの給料か……おたくの店は、よっぽど金が有り余ってるらしいな」
「え、い、いや……」
「俺は商売のことに口を出す気はない。雇う側の利益と雇われる側の利益が一致したのなら、どんな非合法な取引だろうが俺には関係ないことだからな。が……この娘は、まあ……そう、俺の連れと顔見知りでな」
「つ、連れ!? あんたの連れって、まさかっ……」
「そう、そのまさかだ。だが、俺は親切だからな。お前がこの娘に『仕事』の内容をちゃんと説明して、それに見合った給料を払うつもりもあり、この娘がそれに納得したと言うのなら、連れには黙っておいてやるが。どうする?」
「か、勘弁してくれっ!」
191ギア×パステル×ダンシング・シミター 3:2008/12/15(月) 23:46:49 ID:oyfRwvrD
 ばんっ! という音と共に、目の前で、ドアが閉じられた。
 え、ええっと……何が、どうなっているのやら? っていうか、えー!? わ、わたしのバイトは!?
「あ、あのあのあの!?」
「ったく……ガキがこんなとこで何をやっているんだ」
「あなたは!?」
 ぐいぐいと乱暴に腕を引かれて。わたしは、今更、その人が誰なのか、に気づいた。
 見上げるような長身と鍛え抜かれた身体。身に着けているのはやけに特徴的な剣。そして何よりも忘れられないのは……綺麗にそり上げられた頭から、長く長く伸びたみつあみ!
「ダンシング・シミター!? な、何であなたがここに!」
「それはこっちのセリフだ。何でお前がこんなところにいるんだ」
「こんな、って……ここはわたし達が拠点にしてる村で……ええと、あの、それよりも! あなたがいるってことは、もしかして!?」
「ああ」
 抗議と疑問とその他色々な感情をこめた質問に、以前知り合った冒険者……ダンシング・シミターは、ちらりと視線を向けた。
「とりあえず。こんなところで騒ぐのはやめろ。俺が淫行罪で捕まるだろうが。落ち着いて話せる場所に連れていってやるから、少し黙ってろ」
「……はい」
 ぎろっ、と怖い目で睨まれて。わたしは、蛇に睨まれたカエルのごとく、こくこくと頷いた。
 うーん! 悪い人じゃない、はずなんだけどなあ。でも、出会いが出会いだったからかな? やっぱりちょっと……怖い、かも。

「遅かったな、ダンシング・シミター。何をし……」
 ダンシング・シミターが連れて来たのは、シルバーリーブの中では一番の高級宿(もちろん、わたし達は泊まったことがない)の一室だった。
 受付を素通りして、まっすぐに最上階の部屋へ向かう。ノックもなくドアを開けた瞬間飛んできたのは、ある意味……予想通りと言えば、予想通りの声。
「ぱ……パステル!? 何であんたがここに……」
「ぎ、ギア!」
 いつか再会することはあるんだろうか……なんて思っていたけれど。まさか、こんな形で再会することになるとは思わなかった。
 ギア・リンゼイ。以前、わたし達を助けてくれた、黒衣の冒険者。
 そして、わたしにとっては、忘れられない思い出を与えてくれた人……だったりする。
 ぼんっ! と頭に血が上るのがわかった。うわーん! こんなときに、こんなときに! とは思うけど! やっぱり……恥ずかしいっていうか、気まずいっていうか……
 わたしが困っているのがわかったんだろう。ギアは、しばらく戸惑いの視線を向けていたけれど。やがて、わたしの隣で仏頂面をしているダンシング・シミターへと視線を移した。
「……何があった?」
「こっちが聞きたい。この小娘がどこに居たと思う」
「? い、いや……そもそも、何でパステルがここに居るんだ?」
「ええと……シルバーリーブは、わたし達が拠点にしてる村で……もうすぐ冬になるから、クエストに出るのは危ないし。アルバイトをしてこの冬を過ごそうっていうことになって……」
192ギア×パステル×ダンシング・シミター 4:2008/12/15(月) 23:47:39 ID:oyfRwvrD
 ぼそぼそと事情を説明すると、ギアは「ああ、そうなのか。ここが……」と顔をほころばせたけれど。
「ギア。お前、俺が今雇われてる店を知ってるな?」
「? ああ」
「その向かいの店が何をやってるところか知ってるか」
「…………?」
「こいつはそこにバイトに入ろうとしてたんだぞ」
 ダンシング・シミターの一言で、「びしっ!」と表情を凍りつかせていた。
 え……えーと。な、何でしょう? この気まずい沈黙は。
 確かに今日、わたしが歩いていた辺りは、この村を拠点にすると決めたとき、オーシやリタから「絶対に近寄っちゃいけない」って言われた界隈だった。
 いや、けどさあ! 村のめぼしいバイト先はどこもそんなにお給料がよくなくて……実は、以前トラップがあの辺りで一時的にバイトしてたことがあったんだけど。そのときに「結構稼げた!」って騒いでたからさ。わたしも……って……
「パステル……ね、念のために聞きたいんだが。あんたは、あの辺りの店が何を商売にしているか知ってるのか?」
「え……? う、ううん。全然……けど、お給料が良かったから」
「い、いくら金のためとは言え何を考えてるんだ! あいつらは知ってるのか? クレイやトラップは何をやってるんだ!?」
「えと……多分、みんなバイトを探してるんじゃないかなあ。いや、でもね、ギア! た、確かにあんなにお給料が高いんだから、危ない仕事なんじゃないかなあって言うのはわかるけど! でも、ちょっとくらい危なくてもやらなきゃいけないの!」
「ちょっとじゃない! パステル、あのな……」
「まあ、待て、ギア」
 何だかやけに慌てふためくギアを制して、ダンシング・シミターは、くっくっと面白そうに笑った。
「まずは事情を聞こうじゃないか。おい、お前。金がいるとか言ってたな。一体何があった?」
「え、えーと」
 うう、改めて説明するとなると恥ずかしいなあ。でも、まあ何だか助けてもらった? みたいだし。言わないわけにはいかないよね。
 そんなわけで、わたしは事の経緯を二人に説明した。色んな人の不運やら何やらが重なったことに、とどめとしてわたしがお財布を落としたことまで、ぜーんぶ。
 最後まで説明すると、ギアは椅子の上で崩れ落ち、ダンシング・シミターはお腹を抱えて大爆笑した。
 そ、そんなに笑うことないでしょー!?
「も、もう! 笑わないでよっ! とにかく! そういうわけで。わたしのせいだからお金を稼がないといけないの。この季節に野宿はいくら何でも辛いし! さっきのところでバイトさせてもらえば、落としたお金なんて一日で取り返せるし!」
「あ、あのなあ、パステル……」
「ひーっひっひ……はっ……はははははは!! 全く! 何ともお前ららしい!」
 実に情けない顔をするギアの肩に手を置いて、げらげら笑うのはダンシング・シミター。そう言えば、この人見かけによらず笑い上戸だったんだっけ?
 うー、これだけ笑われるとさすがに腹が立ってきたなあ。でも、笑われても仕方ないもんね。はあ。
「えっとね、そういうことなの。あの……久しぶりに会えたんだしさ。夕食でも! って言いたいけど……ごめんね、ギア。わたし達、本当に今、余裕が無いんだ! こうしてる間にもみんなに迷惑かけてると思うから、このお礼はまた……」
「待て」
 とにかく、説明するだけはしたんだから、もういいでしょう、ということで。
 きびすを返そうとすると、今度はギアに肩をつかまれた。
193ギア×パステル×ダンシング・シミター 5:2008/12/15(月) 23:48:47 ID:oyfRwvrD
「ギア?」
「いくらだ」
「はい?」
「いくらあれば、あんた達は助かるんだ?」
「はい?? ギア?」
「おいおい、ギア」
 ずいっ、と詰め寄るギアに目を白黒させていると、ようやく笑いが収まったらしいダンシング・シミターが、呆れたようにつぶやいた。
「お前、まさか肩代わりしてやろうなんて考えてるんじゃないだろうな」
「うええ!?」
 とんできた言葉に、わたしは、思わず足を止めた。
 肩代わり……って、それって!?
「パステルがあんなところで働くのを黙って見ていられるわけないだろう!?」
「ちょっ……だ、駄目だよギア! そんなの駄目だって!」
 やけに強い口調で言い切るギアに、わたしは慌てて首を振った。
 いや、そりゃあ、そりゃあさ? 正直に言えば助かるけど……でも、前みたいに騙されて借金を背負わされた……ってわけじゃない。完全にわたし達自身が招いたピンチなのに、肩代わりなんて!
「大丈夫だってギア! 心配してくれるのは嬉しいけどさあ! 理由もなくお金なんてもらえないよ!」
「理由ならある! 止めるなダンシング・シミター。お前に迷惑はかけん」
「当たり前だ。かけられてたまるか。そうじゃなくて落ち着け、ギア」
 ぶんぶん首を振るわたしと今にも財布を押し付けそうなギアを交互に見やって。ダンシング・シミターはため息をついた。
「お前、今何をしようとしてるのかわかってるのか? こいつも言っただろうが。理由もなく金を与えるというのは、それはつまり施しを与えるって意味だろうが? ひよっこのこいつらにだって、矜持ってもんがあるだろう。それをわかっているのか?」
「……やる、とは言っていない。貸すだけだ」
「それでいつ返してもらえるんだ? こいつらがお前に金を返す余裕ができるまで、ずっとこの村に居座るつもりじゃないだろうな」
「…………」
 ダンシング・シミターの言葉に、しーんと重たい沈黙が立ち込めた。
 うう……言うまでもないけど……例え貸してもらうにしろ、わたし達にそれをすぐ返す余裕なんて欠片も無いです、はい。
「だ、だから、いいってば! 本当にいいんだって! わたし達、バイト三昧には慣れてるからさあ。本当に心配しないで!」
「……パステル。いや、多分あんたはわかってない。いいか? あんたがバイトしようとしてた店。あそこはな……」
「まあ、とは言え」
 きっぱり断るわたしに、ギアが何やら説明しようとしたときだった。
「とは言え。確かにこの何も知らないネンネをあの店に放り込むのは、賛成できんな。寝覚めが悪い」
「そうだろう? いいか、パステル。返すのなんかいつでも構わない。余裕ができたときに、冒険者グループにでも伝言を残してくれればいい。幸い俺達は傭兵だからな。金を稼ぐ手段には困らない。あんたは何も気にすることは……」
「だからお前は浅はかだと言うんだ」
 再び詰め寄るギアをはたいて。ダンシング・シミターは、さらに続けた。
194ギア×パステル×ダンシング・シミター 6:2008/12/15(月) 23:50:13 ID:oyfRwvrD
「あの大所帯パーティーの面倒を一冬ずっと見てやるつもりか? お前はそれでも傭兵か、冒険者か。見返りもなく易々と金を出すな。さっきの言葉をもう一度言ってやる。お前には、冒険者としての矜持はないのか」
「…………ダンシング・シミター。いや、お前の言いたいことはわかるが……しょうがないだろう。今回のことは……」
「待て待て。話を最後まで聞け」
 全く、何が何やら?
 ギアとダンシング・シミターの会話に入れず。かと言って帰ることもできず。わたしはただただ、目の前の展開をぼーっと眺めていることしかできなかった。
 ふう、何でこんなことになったんだろう? わたしはただ、いいバイトは無いかなあって村を歩いてた。それだけだったのになあ。
 というより。ギアが好意で言ってくれるのはとても嬉しいけど、わたしとしてはダンシング・シミターの意見に賛成だった。
 確かにそうだよ。自慢じゃないけどわたし達って人数だけは多いからね。全員が一冬越す金額って言ったら結構な額になる。
 昔助けてもらったからって、ううん、助けてもらったからこそ。無条件にお金を貸してもらうなんて、できるわけがない。
 早くダンシング・シミターがギアを説得してくれないかなあ、と思っていると。
「だから、だ。俺も金を出す」
 とんでもない意見が飛び出して。わたしの目は、完全に点になった。
「……は?」
「おい?」
「もちろんタダじゃ出さんぞ。こいつは少々辛くてもきつくても時給の高いバイトを探していたんだ。だったら、俺達がこいつを雇ってやればいい。簡単なことだ」
「ダンシング・シミター?」
「あのときはどたばたしていたからな。じっくり話す余裕もなかったが……」
 そう言って。
 ダンシング・シミターは、初めてわたしに視線を向けた。
 その目つきは……何だろう。値踏みしている、ように見えるのは……わたしの気のせいでしょうか、ねえ。
「こうして見ると、ガキくさいが、立派な女じゃないか」
「ダンシング・シミター!?」
「世間知らずだが冒険者として最低限の矜持と度胸も持ってるようだ。お前が気に入るのもわかる」
「おい、お前!」
「それとも何だ。お前は嫌なのか。言っておくが、こいつは多分ただ金をやると言っても受け取らんぞ」
 なあ? と話を振られて、わたしは反射的に頷いた。
 何だかわからないけど、それだけは絶対だった。仮に受け取ったとしても、事情を話せばクレイは絶対「返して来い」って言うだろう。トラップはわからないけどさ。
「駄目だよ、ギア。ダンシング・シミターの言う通り。理由もなくお金なんて受け取れない」
「……だ、そうだ。だがお前はこいつらを助けてやりたいんだろう? だったら俺の案が一番いいと思わんか」
「…………」
「それとも、ここを出た後、こいつがあの店に向かうのを黙って見送るか? どんな奴を相手にさせられるかわかったもんじゃないぞ」
「!!」
 びくり、と、ギアの肩が震えた。
195ギア×パステル×ダンシング・シミター 7:2008/12/15(月) 23:51:44 ID:oyfRwvrD
「それとも……だ。お前はこいつ相手じゃ不満だと? ならお前は無理しなくてもいいぞ。俺一人で」
「ダンシング・シミター」
 ……どす黒いオーラがギアの身体から立ち上った、と見えたのは、わたしの気のせいだろうか。
「本気なのか?」
「……剣を握るのはやめろ。お前と本気でやりあったら冗談抜きで殺し合いになりそうだ。質問ならこいつにしろ」
 ずいっ、と立ち上がるギアを適当にあしらって。ダンシング・シミターは、ひらひらと手を振った。
「聞けばいい。こいつが金を必要としていて、だがお前から施しを受けるのは拒否している。それが現実だ。あの店で働くのと俺達を相手にするのとどっちがマシか、あるいはこのまま野垂れ死ぬか。こいつに好きな道を選ばせろ」
「…………」
「お前が嫌だというのなら俺は一人でも一向に構わんぞ?」
「……嫌なわけが……あるか」
 ダンシング・シミターの質問に、重苦しくつぶやいて。ギアは、ため息をついた。
 そして言った。
「……パステル」
「うん。何?」
「あんた……俺達に、俺とダンシング・シミターに雇われる気は、ないか?」
「雇うって……ギア達が、わたしを?」
「ああ。一晩……俺は五千出してもいい。ダンシング・シミター。お前は?」
「……こんな何も知らなさそうなガキにその値段か? 待て睨むな。わかった。言い出したのは俺だからな。お前よりも安い値をつけるわけにはいかんだろうが。同じだけ出してやる」
「だ、そうだ。二人合わせて一万ゴールド出す。どうだ?」
「い、一万っ!?」
 提示された金額に、思わずのけぞってしまう。
 だ、だって一万って! みすず旅館が一人一晩100ゴールドなんだよ!? それを……
 いや……正直、物凄く、物凄く心は揺れてる! けど……
「一万って……雇うって言ってたけど。ギア……わたし、何をすればいいの?」
「あんたが嫌なら断ってくれていい。無理強いする気はない」
「えっと……だから、何をすればいいの?」
「だから、その……」
「まどろっこしい奴だな。言葉を繕ったってやることは一つだろうが」
 わたしが顔いっぱいに疑問符を浮かべていると。要領を得ない話に苛立ったんだろう。ダンシング・シミターが、ギアを押しのけるようにして、前に出てきた。
「単純なことだ。お前、一晩俺とギアのベッドの相手をしろ。それで一万ゴールド払ってやる。どうだ? 簡単な話だろう?」
196114:2008/12/15(月) 23:55:20 ID:oyfRwvrD
今日はここまで。何か長くなってしまった。読み辛くてすいません。
一応朝チュンじゃなくてエロシーンに挑戦してみる予定です。

他にも酔っぱらったクレトラにレイープされたパステルがショック受けて逃げ出したところを
ギアとダンシミに発見されて、とか
借金の方に娼館に売り飛ばされそうになったところをギアとダンシミに助けられて、とか
そういうネタも考えたんですが
パステルが可哀想なネタになりそうなのでやめました。
自分も保管庫の「共有編」大好きなので、幸せなエロ目指して頑張ってみます。
197名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 01:56:39 ID:W0x4HIHx
GJGJ!!!
続き楽しみにしてる!
198名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 04:29:40 ID:rcFP0NxC
GJGJGJGJGJGJGJ!
ちょwwwギアwww
何てことをwww
続きが楽しみ!
199名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 07:35:16 ID:s9HO/gXa
正座で待機してます
200名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 11:55:56 ID:uJpRJOyz
>>188
ぎゃああああなんというGJ
早速読めるとは思わなかった
ほんとありがとう、続き楽しみにしてます
この3人好き
201名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 12:08:32 ID:uJpRJOyz
>>196
いろいろ考えてくれてありがとう
読みたいと思ったけど、どうやったらギアダンシミパスで幸せな状況ができるか
自分は想像つかなかったんだが上手いなー
キャラや感情変えないでほのぼのしてていいね
202ファーファ:2008/12/16(火) 14:36:50 ID:Y4YakA6A
はじめまして。
3Pで盛り上がってるところをぶった切ってすみません。
>>180で他の方の書いたギアパスを…とのことでしたので、初めて書いてみました。大変お目汚しで申し訳ないですが、読んで頂けると嬉しいです。

原作新2巻が舞台です。
ギアパス、微エロです。
エロ以外の部分も多くなってしまいました(汗)
203ギア×パス@新2巻@:2008/12/16(火) 14:42:06 ID:Y4YakA6A
ギアはたくさんのオーナリの実を持って戻ってきた。
逃げ遅れたんじゃないか、って心配してたわたしに対してトラップがひどい言い方をしたもんだから、思わずかっとなって言い返してしまった。

だって『いなくなってラッキーだな』とか言うんだもん!
彼の口の悪さは天下一品だけど、言っていいことと悪いことがある。
さっきまではトラップの態度に対して落ち込んでたけど、今は何でそんな言い方するんだろ!って少し腹ただしかった。

んもー。

よってまた、わたし達はすごーく気まずい雰囲気に。

はぁぁ。


わたし達はグリムラの店を後にし、森の中を歩いていた。
オーナリもここで初めて食べたベルルもおいしかったんだけど、さっきの言い合いがあってからなのか、何となく胸がつっかえてる感じがした。

「ぱぁーるぅ!おーなぃ、もっとたべうー!」
わたしのすぐ横を歩いていたルーミィが急に騒ぎだした。
「ほら、ルーミィ。ベルルの実ならここにいっぱいありますよ」
キットンがベルルの房を持ってルーミィを呼んだ。
「べううちがうのー。おーなぃ、もっとたべうのー!」
彼女、こう言い出すと聞かないんだよね。
「じゃ、ルーミィ。わたしさっきのお店に取りに行ってくるからここで待っててくれる?」
「わぁーったお」
わたしはなんとなくほっとしていた。
ダンジョンの中とはいえ、少しでもこの場を離れたいと思ってたからだ。
ここにいると、なんとなくトラップと気まずいし…

「パステル一人じゃ心配だ。おれも一緒に行くよ」
クレイが声を掛けてくれた。
うう、確かに。
もう一度さっきの店に戻れる自信はなかったし、やっぱりいつモンスターが出るかもしれないダンジョンで1人で歩くのは危ないもんね。
204ギアパス@新2巻A:2008/12/16(火) 14:44:43 ID:Y4YakA6A
「いや、おれが行くよ」
遮るようにギアが口を開いた。
「石に目印つけたのはおれだし、おれが行った方が早いと思う」
うーん、確かになぁ。
ちらっとトラップを見ると彼はさも面白くないといった様子でこっちを見た後ぷいっと後ろを向いてしまった。
ったくー。 
何がそんなに面白くないんだか。

「クレイ、ごめんね。やっぱギアと行ってくる」
クレイには悪いけど、わたしはそう答えていた。
トラップもそれを聞いてこっちを向いて一瞬戸惑った目をしたけど、また後ろを向いてしまった。

さっきの当てつけ?
そんなんじゃない。
わたしはトラップに妬いて欲しかったのだろうか。


「…………かな」
ん?
気付けばわたし達は石の前にいた。
「あっ…」
やだやだ!
わたしったらボーッとしてたんだ!
「えーっと、えーっと…」わたしがあたふたしていると、そんな様子を見て、ギアはクックッと笑った。
ふえーん。
気まず−い…

「…もう!何がそんなにおかしいんですか!」
わたしは強気に言うと、ギアはわたしの頭を撫でた。「あんた、かわいいよな」そういってニヤッと笑った。
からかってるんだ、この人!
ちょっと大人だからって…
わたしは顔が怒りで沸々と赤くなっていった。

「んもー!からかわないでくださ…」
そう言った時だった。
わたしは何かに口を塞がれた。
あまりに突然のことで一瞬何がなんだかわからない。ちょっと冷たくてしっとりしたものが唇を塞いでいた。
えーっ!!
ちょっと、ちょっと、ちょっと!
これって……………

もう頭がパニック。
ギアはわたしの唇から離すと、わたしを正面からぎゅっと抱きしめた。
ちょっとごつごつした腕と肩。
決して広くはない胸板。
でもわたしをしっかりと包んでいた。

「パステル…」
急に名前を呼ばれ、わたしは我にかえった。
思わずギアを突き飛ばす。
205ギアパス@新2巻B:2008/12/16(火) 14:46:41 ID:Y4YakA6A
「…なんでこんなことするんですか!」
ギアは笑った。
しかし、さっきのようなちょっと意地悪っぽいのとは違う。
わたしの目をしっかりと見てこう言った。
「好きになったんだ」
えっ…
えっ、えっ、えっ
ちょっと待って!!
好き?
好き?

わわわわわわわわ……

あまりのことにまたまたわたしはパニック状態。
カーっと顔が真っ赤になっていくのがわかった。

「あの盗賊があんたの彼氏?」
わたしは思いがけない一言に思わずブッと吹き出した。
「違う!違います!なんであいつが……」
トラップの顔が思い浮かんだ。
「そりゃ、トラップはやたらギアにつっかかるけど…そんなんじゃないです」
「素直じゃないな、あいつ」
そう言って再びわたしを抱きしめた。
全身が脈打つ。
わたしは初めてのキスで心がどこかに置いてけぼりになっていた。
ギアはわたしの背中が石にもたれるように押し付け、目を閉じた。

わたしはギアのことを特に異性として意識はしていなかった。
出会ってすぐということもあるし。
でも、初めての甘い雰囲気にわたしは酔ってしまったのだ。
思わず目を閉じる。

冷たくてちょっと固いギアの唇がわたしの唇と重なる。
むにっとした柔らかく弾力のある感触。
全身の感覚が唇に集中しているかのようだ。

するとわたしの口の中に粘り気のある何かが入り込んできた。
「……んふっ」
我慢してとめていた息が漏れる。
唇よりももっと滑らかでとろけそうなのはギアの舌だった。
「あふっ…」
声が漏れる。
彼は自分の舌でわたしの口の中をまさぐって、わたしの舌と絡め合わせてきた。わたしの唾液とギアの唾液が混ざり合う。
なんともいえない甘い恍惚にわたしは身を委ねていた。
時折ギアは舌先でわたしの上あごをなぞるように舐めたり、唾液を含んで唇をくちゅっと吸った。

あ…
ちょっと…もらしちゃった…。
わたしは自分の下半身がじわーっとあったかくなるのを感じた。
206ギアパス@新2巻C:2008/12/16(火) 14:49:36 ID:Y4YakA6A
「ん……ギア…」
口を塞がれながら呼ぶとギアはわたしから顔を離した。
口の周りはどちらのものとも分からない唾液でビショビショになっていた。

「はぁ……、なに?」
ギアは荒い息をつくと、わたしの目をじっと見た。
「ごめん、ごめんね…ちょっと、トイレ行きたいなって……」
わたしが彼の腕から抜けだそうとすると、逆にがっちりと押さえ付けられてしまった。

「やっ…」
「だめだ」
そう言うとギアは左手をわたしのスカートの中に入れた。
「やっ…だめ……」
おもらししているかもしれないという羞恥心で彼を制止したかった。
彼の指が毛糸のパンツ越しからわたしの敏感なところをなぞる。
「…あっ…」
じわっと濡れるわたしの下半身。
やだやだ、これ以上触られるともっと出ちゃう…
「…ギア…や、めて…」
わたしは彼を見つめて懇願した。
「すごいな、パステル。こんなところまで濡れてるよ」
あーあ…
もらしちゃったのギアにわかっちゃった……
あっ…そういえば毛糸のパンツ履いてたんだった。
おもらししたりつくづく子供だなぁって思われてるんだろうな。

「やらしいな。きっと下のパンツはビショビショだね」

彼はそう言って屈むと私のスカートの中に顔を突っ込んだ。
「…いやっ…」
そうしてわたしの毛糸のパンツを膝まで下ろした。
急にすっとした風が太股をなぞる。
「パステル、こんなに濡れてて気持ち悪いだろ。グチョグチョになってる」
そう言ってわたしの太股の間に手を伸ばした。
「だめ……そこは…」
彼の指がわたしの下着から直に一番敏感なところに触れる。
「ひゃあん…」
濡れた下着がわたしの秘部をこすった。
「だめぇ……オシッコ…」じょわっとした熱い感触がした。
「気持ち良くなっちゃったんだね。大丈夫だよ、オシッコじゃないから」
そういって彼はわたしの下着の隙間から直にわたしの熱くなったあそこに触れた。
ヒダヒダの間からから粘っこい愛液を指にからめとり、わたしの蕾をなぞった瞬間、身体が自然にびくんとなった。
「ぁ…ん」
わたしがのけ反って思わず喘ぐと、ギアはスカートから顔を出し、愛液が絡み付いた指をわたしの目を見たままべろんと舐めた。
やだ……恥ずかしい…。
「おいしいよ、パステル。」
恥ずかしくて目をそらすしてしまった。
「中はもっとグチョグチョかな?」
そう言って再びわたしのあそこに指をいれようとしたその時。

「パステル−!」
恍惚を切り裂くわたしを呼ぶ声に、その場に凍り付いてしまった。
207ギアパス@新2巻D:2008/12/16(火) 14:51:36 ID:Y4YakA6A
「パステル−!てめぇどこ行きやがったんだ」
なんとトラップがわたしを探しに来ていたのだ。
ぎゃーーーー!
トラップからはちょうど影になって見えないところにいたんだけど。
この状態を見られたりなんかしたら…
ぎゃーーーー。
最悪なんてもんじゃない。
わたしは急に快楽の坩堝から現実に引き戻された。
そしてなんだか申し訳ないような気がしてきた。
トラップに当てつけのようにギアと二人で来てしまったこと。
ルーミィにオーナリを持ってくることを口実にするかのように、ギアと快楽に溺れていたこと。

「ちっ…」
ギアは立ち上がるときに下ろしていた毛糸のパンツを上まで上げて舌打ちした。
「ねぇ、ギア。ここではやっぱりまずいと思うの。みんなだって心配してると思うし」
わたしが必死に彼に懇願すると、ギアは
「…じゃあパステル。今度は2人っきりの時に」
そう言ってわたしをぎゅっと抱きしめた。
そのとき、ギアの下半身がわたしの太股に触れた。
ズボンの上からではあったけど、なんだか暖かくて固かった。

「パステル−!」
トラップがだんだん近くに来ている。
「ギア、もう行かないと」「パステル、今度はもっと気持ち良くしてあげるから」
ギアはわたしの耳元でささやくとぱっとわたしから離れた。
わたしは思わず走って「トラップ−!」と呼び声に応えた。
それを聞き付けトラップが走ってきた。
「パステル!あにやってんだ!てめぇどこまで行ってたんだよ」
「ごめぇん……」
「ったく…あんた、こいつをどこまで連れてくんだよ」
そう言って、ギアをジロッとにらんだ。
「勘弁してくれよ、ったく…」
そう言って彼は今来た道を引き返した。

ごめんね、トラップ。
わたしは初めて感じたこの快楽をしばらく忘れることが出来そうにもない。
わたしがギアを見上げると彼はいつの間に持ってきたのだろう、オーナリの実をわたしに見せた。
「あーっ!」
すーっかり忘れてた!
「あんだよ」
先に歩いてたトラップが振り返ってわたしを見た。
「んーん、なんでもない!」
わたしは首を横に振った。今日のこと、それからこれからのことは、わたしと彼との秘密………

わたしはギアの手をぎゅっと握った。


END
208ファーファ:2008/12/16(火) 15:11:05 ID:Y4YakA6A
>>202

180→>>182のミスです。すみません。
ケータイからですので改行とかおかしくなってるかもです。
以上です…
209名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 15:53:23 ID:uJpRJOyz
>>208
すっごい良かった
乙!
最後もなんかいい
210名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 16:12:57 ID:YvXMU0Z7
ギアシミパスもギアパスもGJ!
どちらも続きに期待
色々あって流されたけど>>102のギアパスも萌えた
職人さんたち乙です
211名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 22:59:34 ID:GCPXMPG6
ID変わってるけど漏れ174=186

何だこの素敵すぐる流れw
読み応えあるSS乱舞の書き手さんたち、禿GJだ!
あの荒れっぷりから一転して、一気に大賑わいの良スレになって嬉しいぜ

そしてコソーリ流れを無理矢理変えた自分に乙だw
212114:2008/12/17(水) 01:11:56 ID:uX1zxOq7
114です。コメントくださった方ありがとう。
下手なりに頑張ってみたんですがエロ難しい……
というわけで続きです。
すいません、また長いです。後、今日中に完結は無理でしたorz
213ギア×パステル×ダンシング・シミター 8:2008/12/17(水) 01:13:07 ID:uX1zxOq7
 最初、わたしは「ベッドの相手」の意味がよくわからなかった。
 わかった瞬間、奇声を発して飛び退ってしまった。
 いや、だって、だって! それって、それってつまりっ……
「なっ……なななななななななななななっ……何、でっ! 何でいきなりそんな話に!?」
「いきなり……なあ」
 わかりやすくうろたえるわたしを見ても、ダンシング・シミターは、怒る様子も呆れる様子も見せなかった。
 うー……「そんな反応するだろうなとわかってました」って態度を取られると妙に腹が立つのは何でだろう?
「パステル。無理する必要はない」
 そして。
 対照的に優しくわたしの肩を叩いてきたのは、ギア。
「言っただろう? 俺もダンシング・シミターも無理強いするつもりはない」
「え、えと……」
「ふん。全く俺達も親切なことだ」
 真っ赤になってうつむくわたしに、ダンシング・シミターが、さもつまらなそうに続けた。
「いいか。お前がここから逃げ出した後、さっきの店に飛び込まれたら後が面倒だからな。今から教えておいてやる。お前がやろうとしていたバイトは、さっき俺が言ったのと同じことを、どこの誰だかわからん奴にやるってことだからな」
「……え?」
「ギア、教えてやれ」
 呆気に取られるわたしに、今度はギアが、気まずそうに言葉を繋いだ。
「……パステルが入ろうとしていた店は……いわゆる娼館だ。わかるよな? パステル。娼館がどんな場所かは」
「…………」
「それも、俺達みたいな用心棒が職にありついてることからもわかると思うが……あの辺りの店は、どこも相当に治安が悪い。すねに傷を持つ客が多いし、娼婦の扱いも悪い」
「あの店にバイトに入った場合のお前の末路を教えてやる。どこの誰かもわからん男どもに好きなように犯されて、最後は病気をうつされて放り出されるか……気がふれて使い物にならなくなるまで働かされて死ぬか。まあそんなところだろう」
「…………」
 ぞくり、と、背筋に寒気が走るのがわかった。
 世の中にはそういう場所がある……ってことは、もちろん知っていた。
 でも、それは何て言うか……エベリンみたいな都会の、わたし達が普段は行かないような別世界の中だけに存在する、そんな場所だと思っていた。
 自分が、もう後ちょっとでその世界の住人になるところだった。急にそんなこと言われても、ぴんと来なかった、って言うのが正解。
「脅かしすぎだ、ダンシング・シミター」
「事実だろうが。あそこで俺が止めてやったことに、こいつはもう少し感謝するべきだ。そうしてもう二度とあんな場所には近寄るなと、教えてやれ」
 そう言って、ダンシング・シミターは立ち上がった。
「……で、金がいるんだったな」
「おい?」
「五千ゴールドだったな」
214ギア×パステル×ダンシング・シミター 9:2008/12/17(水) 01:14:03 ID:uX1zxOq7
 顔を上げると、ダンシング・シミターが、どこから取り出したのか、自分のものらしいお財布を覗き込んでいるところだった。
 って、ええ?
「あ、あの?」
「勘違いするな、やるとは言っていない。なかなか面白い経験をさせてもらったしな。見世物料だ」
「ダンシング・シミター。お前……」
「それに、こいつの仲間にはそれなりの腕の立つファイターや盗賊が居ただろう。ちょうどいい。小金稼ぎにも飽きたところだったから、クエストにでも出ようかと思っていたところだ。あいつらに手伝わせよう」
「……ああ、そうだな」
 ダンシング・シミターの言葉に、ギアは優しい笑顔を浮かべて頷いた。
 いつも冷たい表情ばかり浮かべている印象があったけれど。ギアって、こんな顔で笑うことができるんだ……
 ぼんやりと眺めていると、視線に気づいたのか。ギアは、照れたように視線をそらした。
「そういうことだ、パステル。先払いということでとりあえず一万ゴールド払うから、クレイに話をしておいてくれないか。いいクエストを見つけたら連絡する。あんた達への連絡は……」
「いいよ」
「え?」
「いいよ、わたし。その……べ、ベッドの、相手。雇われても……ううん、雇って、もらえる?」
 上目遣いで見上げると、ギア……そしてダンシング・シミターが、そろって呆気に取られた表情を浮かべていた。

 言い訳はいくらでもあった。
 例えば、ギアとダンシング・シミターが一緒にクエスト……なんて、絶対にトラップがトラブルを起こすだろう、とか。
 こんなに実力のある二人だもん。本当なら、わたし達の手伝いなんて必要ない……つまり、何だかんだ言ってわたし達を助けてくれるつもり。それが申し訳なかった、とか。
 でも、一番の理由は……
「パステル……あんた、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」
「わ、わかってる」
「あの、な。言っておくが、俺達だって男だ。金を払って女を買った以上、紳士的な行動を期待されると困る」
「ギア。もうそれ以上言うな」
 何とかわたしを説得しようとするギアを見かねたのか。ダンシング・シミターが、首を振りながら言った。
「お前にならともかく、まさか俺に対して紳士的な行動とやらを期待するほど馬鹿じゃないだろう。それに、まがりなりにも冒険者と名乗っているんだ。自分の行動に責任くらい持てるだろう」
「…………」
「おい、お前」
「パステル」
「何?」
「わたしの名前は、パステル。そう呼んでよ、ダンシング・シミター。ごめんね、お礼も言えなくて。さっきは、助けてくれてありがとう」
「…………」
「わたし、本当に馬鹿なことしようとしていたんだね? 二人はそれを助けてくれて、今も助けてくれようとしてる。それが、凄く嬉しい。雇うって言ってもらえて、すごく嬉しい」
「…………」
「だから、わたし、雇って欲しい。あの……は、初めて、だから。何も知らないから、いっぱい迷惑かけるかもしれないけど……それでも、いいかな?」
 そう言った瞬間。
 ギアの腕が、脇から伸びてきて。そのまま、抱きすくめられた。
215ギア×パステル×ダンシング・シミター 10:2008/12/17(水) 01:15:35 ID:uX1zxOq7
 ギアの胸は、広い。
 その中にすっぽり包まれて、そのまま窒息しそうになった。
「っ……ぎ、ギア、ギア苦しいって!」
「おい。いきなり独り占めする奴があるか」
 わたしの悲鳴と、そして呆れたようなダンシング・シミターの声に、ギアは、はっと顔を上げた。
「あ……わ、悪い。驚かせたな、パステル」
「う、ううん」
 ばっくんばっくんと、心臓が、うるさいくらいに高鳴っていた。
 ええと……本当に、何でこんなことになったんだろう? 今朝宿を出るまでは、「何とか今日中にバイトを!」って、それしか考えてなかったのに。
 でも……
「あの……わ、わたし、何をすれば、いいかな?」
「…………」
 そう問いかけると、ダンシング・シミターが音もなく立ち上がって。そのまま、わたしの身体を横抱きに抱えた。
 ……ってこれは! も、もしかしてお姫様抱っこという奴では!?
「わあっ!?」
 悲鳴を上げた瞬間、ぼすんっ、とベッドに優しく投げ出された。
 今頃気づいたけれど、この部屋って、ツインらしくてベッドは二つ並んでる。
 でも、高級宿らしく、ベッドはかなり大きめで、わたしが寝転んでもまだまだ余裕はありそうだった。
「うー……」
「いいか、これが最後の質問だ」
 ぎしり、とベッドに腰掛けて。ダンシング・シミターは、のしかかるような格好で、わたしの顔を覗き込んだ。
「一晩で一万ゴールド出す。お前は俺達のベッドの相手をする……この条件で、いいんだな?」
「……はい」
 こくん、と頷くと、ダンシング・シミターは満足そうに笑った。
 笑って……わたしの脚を、撫で上げた。
「ひゃああっ!?」
「おい。これくらいで悲鳴を上げてどうする」
 つつっ、と指を滑らせて、ダンシング・シミターは、不満そうに言った。
「まだまだ先は長いぞ」
「は、はいっ。ごめんなさいっ」
「おいギア。お前もいつまでそうしてるつもりだ。女を買うのが初めてってわけでもないだろうが!」
 あれ、そう言えばギアは一体……
216ギア×パステル×ダンシング・シミター 11:2008/12/17(水) 01:16:25 ID:uX1zxOq7
 薄情なようだけど、ギアがさっきからやけに静かなことに、わたしは今更気づいた。
 上半身を起こして視線を巡らせると、ギアは、ベッドの脇にしゃがみこむようにして……な、何をしてるんだろう、あの格好。お腹を押さえてるみたいに見えるんだけど……苦しいのかな? 食べ過ぎてお腹が痛い? いやまさかね……
「おいギア。お前……早いにも程があるぞ」
「……うるさい。お前には俺の気持ちはわからんだろう」
 首を傾げていると、ギアは、仏頂面をして立ち上がった。
「安心しろ。一度や二度でばてるような、柔な身体はしていない」
「ふん……それでこそ男だ。安心した」
 ギアに場所を譲るように腰を動かして。ダンシング・シミターは、不適な笑みを浮かべた。
「さて。まずは何をしてもらおうか? ギア。もちろんお前が最初に味見をするんだろう?」
「…………」
 味見、という言葉が気に入らなかったのか、ギアは、顔をしかめてベッドによじ登った。
 そうして……優しく、わたしの髪を撫でた。
「パステル」
「う、うん」
「怖がらなくてもいい。安心しろ。俺もダンシング・シミターも、女の扱いには慣れてる。痛い思いは、させないから」
「うん……」
 慣れてる……んだ。やっぱり。
 ちくん、と胸を刺した痛みは、何だったのか。
 でも、不思議なほど、「怖い」とは思わなかった。何となく、だけど。最後の最後までわたしを助けようとしてくれたこの二人なら……任せておけば大丈夫なんだ、って。無条件に信頼することができた。
 そして……
「……んっ……」
 柔らかく、唇を塞がれた。
 一瞬視界を過ぎったのは、ざんばらに散る黒い髪。
 以前経験した、掠めるだけで終わったキスとは違う。それはもっと深い……もっと濃密な、「繋がってる」って実感させてくれる、そんな、キス。
 あえぐように唇を開くと、隙間から舌が滑り込んできた。逃げようとした瞬間、絡め取られて。甘い味が、いっぱいに広がった。
 っ……き、もち……いい……?
「……目が潤んでるな」
 そんなキスを、どれだけ続けたのか。
 息苦しさを感じる頃に解放された。深い息をつくと、黙って様子を見ていたダンシング・シミターが、横から声をかけてきた。
「よかったのか」
 何を、とは聞かない。何を聞かれたのかは、わかっていたから。
 黙って頷くと、「よかったな」と言われた。
 そして……
 伸びてきたダンシング・シミターの手が、わたしのブラウスをつかんで、太い指からは信じられない器用さで、あっという間に前身ごろを全開にした。
217ギア×パステル×ダンシング・シミター 12:2008/12/17(水) 01:17:20 ID:uX1zxOq7
「わっ!?」
「どれ、次は俺が味あわせてもらうとするか」
「うう……は、恥ずかしいんですけど……」
「……恥ずかしがることはないよ、パステル」
 下着に包まれた胸を、男の人の前にさらけ出している。
 そんな状況に気づいて、とっさに手で隠そうとすると。逆側から伸びてきたギアの手が、やんわりとわたしの手首をつかんで、その動きを押しとどめた。
「とても、綺麗だ」
「っ…………!」
 ぼんっ! と頭に血が上る音を聞いた気がした。
 そんなわたしの様子に微かな笑い声を漏らして、ギアの手が、肩に回された。
 かろうじてひっかかっていたブラウスが、優しく払われる。そのまま滑るように背中を走って行った手が、器用にブラのホックを探り当てて、そのままぶつんっ! と外してしまった。
「ひゃっ……」
「ほう」
 ずるり、と、肩紐が滑り落ちて行った。
 押さえようとするよりも早く、ダンシング・シミターの手が、ブラを「さっ」と外した。
 あっという間に上半身裸にされてしまった。けれど、隠そうにも、ギアに肩を、ダンシング・シミターに腕を捕らわれて、身動きすら、取れなかった。
「ガキくさい女だと思っていたが……どうしてどうして。女は怖いというのは名言だな、ギア」
「……それを俺に聞くか? それよりダンシング・シミター。早くしろ」
「せかすな」
 ギアの言葉に、ダンシング・シミターは笑うだけ。
 笑いながら、ごつい指とはうらはらに繊細な動きで、わたしの胸を撫で上げた。
「ひゃあっ!?」
「立ってきたな」
 くりくりと、頂きを指でこすりあげられた。
 ただそれだけの動きなのに、そのたびに、わたしの背筋を走りぬけるこの感覚は……これは……
「やっ……いやあっ……んんっ……」
「綺麗な色だ」
「んひゃあっ!?」
 ぺろり、と、生暖かい感触が走った。
 何の? なんて考える暇もない。強い刺激にとっさに目を閉じると、強く肩をつかまれた。
 ついで反対側から伸びてきたのは……これは、多分……ギアの、手?
 ダンシング・シミターの愛撫に身を任せていると、全身から、力が抜けていくのがわかった。
 どうかすると、倒れこみそうになるわたしを支えてくれていたのは、ギアの胸。
 伸びてきた手が、優しく優しく髪を撫でてくれた。耳元をくすぐるのは、「怖がらなくていい」という、微かな声。
 うん……大丈夫。怖く、ない。
「あっ……やっ……」
「気持ちいいのか?」
「うんっ……うんっ……!」
「そうか」
 ごそごそと、衣擦れの音がした。
 何の音だろう? と薄目を開けると、上半身裸の胸が迫ってきて、一瞬身体が震えた。
「……見るのは、初めてか?」
「え、えと、クレイとかトラップのなら……」
「……あいつらはお前の前で平気で裸になるのか?」
「え、ええっ!? いえ全部じゃなくてっ! 上半身裸、なら……」
 わたしの答えは、どうやらダンシング・シミターのみならずギアの笑いまで誘ってしまったらしい。
 しばらく低い笑い声が響いた。次いで、ごそごそと、背後からも衣擦れの音がした。
「お、ギア。お前もやる気になったか?」
「……お前一人にいい思いをさせるのは癪だからな」
「安心しろ。お前と女のことで争う気はない」
 頭上で交わされる、大人の男性の会話。
 潤んだ視界の中、わたしは、自分が未知の世界に足を踏み入れようとしていることを、はっきりと実感した。
218114:2008/12/17(水) 01:18:28 ID:uX1zxOq7
今日はここまで。
ギアが何かへたれになってる……ファンの方すみません。
続きもできるだけ早くあげるようにします。
219(ヽ`д`)職人:2008/12/17(水) 02:01:21 ID:bFEVQhZo
>>114さん、ファーファさんGJ!めちゃめちゃGJ!
>>211さんもGJ!
>>182でリクしてこんなに早く、しかも二つもギアのお話を読めるなんて。
ファーファのその後の二人にひっそり期待。
114さんの続きも楽しみすぎる。
キス担当がギアってとこに愛を感じました。
220名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 02:04:38 ID:bFEVQhZo
↑すみません……。

ファーファ→×。
ファーファさん→○。

失礼しましたorz
221名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 03:50:19 ID:4POSuvn/
>>218
GJGJ 大人の会話イイ
丁寧ですごい良いよー
書いてくれるだけで嬉しいので急がないで大丈夫だよ

>>211
なら流れが変わるように話持ってった人達もGJですな
荒れっつっても悪意があったわけじゃないしね
222名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 11:17:32 ID:Kn23TYbH
wktk状態
しっかし台詞がちゃんとそのキャラらしくて素晴らしい
223ファーファ:2008/12/17(水) 17:12:52 ID:qFEqebR5
コメント下さった方々、本当にありがとうございます
自分のを改めて読み返して発狂…orz

>>220さん
全然良いですよ
何とか今続きを作成中です。
完成したらまた投下しにきます。

>>114さん、禿GJです
パステルの雇ってほしいっていう所の流れが個人的に萌えです




224名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 21:04:12 ID:c71qgifr
自分もそこ萌えた
うろたえつつしっかりけじめつけてるパステルが良い
厳しさを保ちつつ優しいギアとダンシミ良いっすな
225名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 00:31:37 ID:53tAIPZj
昔、同人で出そうと思ってたFQエロSSのデータのファイルが出てきた。
それを2002年ごろエロSSスレに投下しようと思ってなんか書いた事も思い出した
あらすじも覚えている。

しかし…でてきたデータ FDです。3.5インチフロッピーディスクです…
物理的にフロッピーをはさんどくファイルで6枚発掘。

外付けの読取装置は捨ててないはずだからがんばって探します。
書き直したほうが早いのかな
226名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 06:46:23 ID:0eJKGFw2
この豊作はなんということでしょう(ビフォアアフター風に)
職人さんの頑張りがとてもありがたいです

>>225さん
楽しみにしています
227名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 11:52:09 ID:0Wn8SfrB
>>225
がんがれ!超がんがれ!
超待ってる


職人さんおつかれさま!
お茶とロールケーキいかがっすか

   ∧_∧
  (・∀・,,)     旦~@   旦~@   旦~@
  O┬O )□─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|
  ◎┴し'-◎    ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ̄◎ ̄ 〜 〜
228名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 16:17:06 ID:QWOMQ+ti
ネタを思いついてもエロなしで書く度胸がない。
229名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 16:40:05 ID:d2HK2Urc
>>225
>>228
投下待ち

新人さんも楽しみだけど、書人さんの新作も楽しみ
230名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 16:44:37 ID:+mY/v/J5
>>228
もめたばかりだから気持ちはわかるけど
そんなあてつけみたいなこと書かなくても。
231名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 18:02:52 ID:0eJKGFw2
キッパスかオーシパスかヒューオーシパス
オッサニズムな自分が通りますよ
232名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 18:13:15 ID:d2HK2Urc
>>231
マニアックだなwww
わろたwww
233ファーファ:2008/12/18(木) 18:27:43 ID:iSQL3prr
途中までですが、投下します。

話の流れで言うと>>203の続きですが、
カプがギアパス→トラパス

ほとんどエロなし…だと思いますが
判断は読み手の方にお任せします

いただきます
つ旦~@
234トラパス:2008/12/18(木) 18:31:16 ID:iSQL3prr
 わたし達はクエストを終え、無事にエベリンに戻ってきた。
 ふぅ、色々大変だったけど、キットンの記憶も戻ったし、キットン族の証ってのも手に入ったし。
 よかったよかった。
 でも、まさかあんなキノコマークがなんて思わなかったけど。
 宿屋に着いてやっとひとりになれたわたしは今日一日の出来事をベッドに腰掛けて思い返していた。
 もう一つの簡易ベットは完全にルーミィとシロちゃんが独占していた。
 ルーミィはお風呂に入った後コテンとベッドの上で意識をなくしてしまった。
 いつもの如く、シロちゃんをぎゅっと抱きしめたまま。しかし、シロちゃんも苦しそうな顔をせずグッスリ眠っている。
 わたしはそんな二人(一匹?)の姿を見ているうちになんだか急に胸が苦しくなった。

 クエスト中はいっぱいいっぱいだったから思い出す暇もなかったんだけど。
 ひとりになった時、あの事を思い出してしまった。

 ギアとのこと。

 途端に顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかる。
『ギア』って名前だけでも身体中が熱くなってくる。
 わたし、ギアに好きって言われたんだよね。その後、キ、キス…されて……それから、それから…………。
 ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 あの時の自分がフラッシュバックする。
 むにっとした妙に生々しい唇。唇よりも柔らかくてなめらかな舌。それから、快感で濡れてしまったわたしのあそこをなぞる彼の指。

 ひゃああああああ。
 なんかわたしってすごーく恥ずかしい。会ってまもないギアにあんなことされて、喜んでるなんて。用を足すところを触られて強い快感にギアに抵抗することもできなかった。

 あーあ………

 なんだか少し後悔の念が浮かんだ。なんて言うんだろう、何か汚れてしまったんだろうなっていう…ちょっと後ろめたいような気持ち。
 でもそれと同時に再び胸が苦しくなった。
 あの時の快感が忘れられない。…ん…苦しい…。
 そして身体の奥底からじわっと滲み出てくるなんとも言えない熱い衝動に襲われる。
「ん……」
 わたしは思わずのけ反って声を漏らしてしまった。いっけない、ルーミィ達が起きちゃう!
 素早くもう一つのベッドの中に潜り込む。
 
 目を閉じて浮かぶのは、やっぱりギアのこと。
 ギアは「2人きりのときに」なーんて、言ったけど。今度いつ2人で会えるかなんてわかんない。
 メインクーン亭での打ち上げのときだって何度かギアと目が合ったんだけど、彼は何も言わずにわたしを見て笑っただけだった。
 ギアは、どうしてわたしが好きなんだろう……。
 そういえば聞けてなかったな。まぁ聞いてる暇もなかったんだけど。
235トラパスA:2008/12/18(木) 18:35:16 ID:iSQL3prr
 そんなことを考えていたときだった。
 コンコン、とわたしの部屋のドアがノックされた。
「……はい」
 もしかして、ギア?
 わたしは小さな期待をもったままベッドから立ち上がり、ドアを開けた。

 
「トラップ…」
 トラップには悪いけど、 正直ちょっとガッカリしてしまった。
「わりぃ」
 こんな時間までどこをほっつき歩いてたのか。まだ普段着のままでちょっとお酒のにおいがした。
「どうしたの?」
「ちょっと話せねぇかな、と思って」
 彼にしては珍しいちょっと真面目な顔。今日のクエストのことかな。わたしギアに甘えて2度も抱っこしてもらって絶壁を登っちゃったし。あの時、トラップはわたしに何だか怒ってたからな。やっぱり…幻滅したのかな。
「うん…でもここじゃなくて下にしよ。ルーミィ達が起きちゃうといけないし」

 
 この宿屋は1階にちょっとしたロビーがある。ロビーといっても安宿だから、そんな立派なものじゃない。古びた長椅子とテーブルが並べられただけの談話スペースのようなものだ。
さすがに夜も遅かったせいか、明かりはついてなくて、ほんのりと窓から差し込む月の光だけであたりはほの暗かった。
 わたしが長椅子に座ると、そのすぐ真横にトラップは腰掛けた。彼は一度ため息をつくとむずかしい顔をして空中をじっとみつめている。
 何となく気まずくって、わたしは口をつぐんだ。

 二人の間にゆっくりと長い時間が流れた。
「……ごめん、トラップ」
 先に口を開いたのはわたしだった。
「ん?」
「だから、今日のクエストのこと」
 初めて彼はわたしの顔を見た。
「………ああ」
「…わたしってホントにふがいないよね。自分一人でやればよかったのに、ギアの手なんか借りて」
 そう言うとトラップはぎょっとした顔でわたしを見つめた。
「は?パステル、おめぇ一人でするのか?」
 信じられないといった顔。
「なによ。わたしなりにやろうとしてるのに」
 もー……こっちは真剣なのに。そんなにわたしって頼りないのかなぁ?にしても、そんな言い方することないじゃん。
 彼はわたしをまじまじと見つめると、ちょっとにやけながら
「パステルってけっこーやらしーんだな」
 思ってもみなかった彼の発言に思わず耳を疑う。
「は?」
「だからって、ギアにいじってもらわなくても……」
 トラップは苦笑した。
 
 えっ……てことは、つまり、え、えっ、えええええええーーーー!
 カーッと頬が紅潮していくのがわかった。
236トラパスB:2008/12/18(木) 18:42:06 ID:iSQL3prr
「み、見てたの?」
「気づかない訳ねーだろ」
  
 …………!!ああああああーーーーー!!
 わたしは思わず手で顔を覆った。
 まさか、まさか、見られてたなんて。…でも、一人っていうのは……
 そしてやっと、わたしはトラップが何を言おうとしているのが理解できた。
「…ってあのねぇ!わたし一人でなんかしないから!」
 トラップに向き直って言うと、彼はびっくりした顔でわたしを見た。そしてくねっと体をよじると、
「きゃっ。パステルちゃんったら、こっわ−い!」
 …こいつ…。
 わたしはまた顔が真っ赤に染まった。しかし、それは恥ずかしさからもあるけど、トラップへの怒りだった。
 どうしてそんな言い方するんだろう。
 わたしだって初めてそんなことされて、どうしていいかわかんなかったんだもん。
 ギアからあんなことされて、好きかどうかまだわからなかったけど好きって言ってもらえて正直うれしかったし。
 あんなことされて正直まだ身体が疼くくらいだし。忘れられない。簡単に忘れられない。
 トラップに見られたことも恥ずかしかったけど、わたしがひょいひょいと知り合ったばかりの男とあんなことをダンジョンの中でして、しかも普段は一人でしている淫乱な女って言いたいのかなあ。
 後からそんなことを言ってわたしを辱めるためにわざわざ呼び出したんだろうか。
 そう思ったら、目の奥がじわぁっと熱くなってきた。
「…そんなんじゃない」
 わたしは震える声でそういうのが精一杯だった。
 すると涙があとからあとから溢れてきた。
「わたしだって、びっくりしたよ。…初めてだったんだもん」
 しゃくりあげながら、わたしは話した。
「…………。」
「最初は抵抗したんだけど…でも…」
「なんだよ」
「できなかったの……身体が、ギアを、拒めなかったの…」
 ふーっ、とトラップは大きなため息をついた。
237トラパスC:2008/12/18(木) 18:47:22 ID:iSQL3prr
「………ごめんね」
 なんて言っていいかわからず、わたしはそう泣きながらつぶやいた。
「なんでお前が謝ってんだよ」
「わかんないけど…トラップには、そんなこと、簡単に、出来るような、女の子って、思われたくない…」
 その瞬間、それまで黙っていたトラップが急にわたしの肩をぐっと抱き寄せた。思わず、トラップの身体に倒れこむ。
「え………ちょっと」
 そのままトラップの腕はわたしの背中にまわされた。
「ちょっ……トラップ」
 一瞬の出来事だった。
 顔にサラサラの髪が触れたかと思うと、わたしの唇に何かが重なった。 熱っぽくて、ちょっと湿っぽくて………ふっとお酒のにおいがした。

 ……………!
 何が起こったのかすぐに理解できなかった。
 トラップはわたしの顔から顔を離すと、ぎゅっと抱きしめた。

「おめぇが好きだ」
「…っ」
 そう言うとさらにトラップは力を込めて抱きしめた。
「……苦しいよ…」
「おれ、あいつに嫉妬してた。素直じゃねぇから気持ちも上手く伝えられねえし」
「……うっ」
 思わず苦しくて咳込むと、ちょっと腕の力を緩めてくれた。
「わりぃ…今日だって、本当はからかうつもりじゃない。おれ、いつもこうやって怒らせてばっかなんだよな。ごめんな」
 思ってもみなかったトラップの言葉。
「とにかく、おれ、早くこうしたかったんだ」
 再びわたしにトラップは唇を重ねた。そして、噛み付くようにわたしの唇をむさぼった。トラップの舌もわたしの舌を激しく求めるように絡ませる。
 あまりの激しさに、わたしはどうかなりそうだった。
 むわっとむせ返りそうになる、トラップのお酒のにおいにわたしは酔ってしまったのか。気付けば、わたしも自分の舌を絡めていた。
 指先から、胸から、唇から感じるトラップの熱。
「ぅ…ん」
 熱い吐息がわたしの鼻にかかって思わず我慢していた声が漏れる。
 月明かりがさしこむロビーで、相手の顔も良く見えないまま、わたし達はお互いを激しく求め合った。


 どれくらいの時が流れたのだろうか。


 トラップは肩で大きな息をしながらわたしをぎゅっと抱きしめている。
 ギアとのキスとは、ちょっと違う気がした。なんていうか…ギアのは、なんとなく慣れている感じがした。キスされながらとろけそうな気持ちにされたし。
 トラップとのキスは、なんかむさぼりつく感じ。途中、舌を噛まれたりしたし。でも、トラップが心からわたしを求めてくれているのがわかった。
 それがうれしかった。
238トラパスD:2008/12/18(木) 18:51:08 ID:iSQL3prr
「パステル……好きだ」
 トラップがわたしを抱きながら耳元で囁いた。
 わたしは思わず彼の唇にキスをした。たっぷり十秒間の時が流れる。
 トラップの唇から唇を離すと、彼はちょっと面食らったような顔をしているのがわかった。それを見てわたしは思わずぷぷっと笑ってしまった。

 これが、わたしの答え。

 キスひとつでこんなに簡単に変わってしまうなんて、軽い女って思われるかもしれないけど。今わたしはトラップが好き、って心からそう思えたんだ。
「…………!」
 トラップはわたしをたまらなくなったかのように押し倒した。
 でもその勢いが強すぎて。わたしは思いっきり長椅子から滑って転んでしまった。その拍子に近くにあったテーブルもひっくり返してしまった。


 ガターン!!!
 

 しーんと静まりかえっていたロビーに、ものすっごく大きな音が響き渡った。
 床に倒れたわたしはしたたかに腰を打ちつけてしまった。
 
 うううう…………い、痛い………。
 
 声も出ないくらいの痛みに思わずその場に倒れこんだまま動けない。
「わ、わりぃ、パステル」
 トラップが心配そうに屈みこんでわたしをさすってくれた。
 痛みを抑えながら、大丈夫、と言おうとした時だった。ロビーに一番近い部屋の扉がバン!と開いた。
 わたし達はびっくりしてその場に凍りついた。
 
 そこに現れたのは、この宿のおかみさん。
「あんたら、時間を考えとくれ。やるなら、部屋でやんな」
 そう言うと再び扉を閉めて中に入っていった。
 
 ふーーーーっ。びっくりしたあ。
 思わず、わたし達は顔を見合すと、なんだかおかしくなってふふっと笑ってしまった。
「そーいや、おめぇ、腰大丈夫なのか?」
 実はまだちょっとじんじんしてるんだけど、なんとか頑張ったら歩けるくらいにはなっていた。
「んーん…まだ、歩けない。階段上れるかなぁ」
 そう言うとトラップはふっと笑ってわたしをひょいっと抱きかかえた。ギアよりも細いと思っていたトラップの腕だけど、わたしをしっかり抱えてもびくともしない。

「…重くない?」
「あー。すげー重い。肩が折れそう。何食ったらこんなに重くなんだろな」
「…………。」
「嘘に決まってんだろ」
 トラップはわたしをみて意地悪っぽく笑った。
 わたしはトラップの肩にしがみついて首の匂いを嗅ぐ。ほんのりと汗ばんだ匂いがしたけど、なんとも言えないような幸せな気持ちに酔いしれてしまっていた。
239ファーファ:2008/12/18(木) 18:55:12 ID:iSQL3prr
とりあえず、ここまでです。

今夜できたらまた投下しにきます。
続きはちゃんとエロありです
240名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 19:52:17 ID:0eJKGFw2
ファーファさん続きwktkです!

ここの職人さんの作品はみんな好きだ
241名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 00:35:29 ID:mPLANcUs
おかみさんワロタw
やっぱトラップはヤケ酒飲んでたんだろうか…
乙です。楽しみにしてます。どっちも純粋な感じが良いね
パステルがエロカワイイ
242名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 07:35:24 ID:PI08Hyws
>首の匂い
ニオイフェチなので気持ちが良くわかる
243書人:2008/12/19(金) 16:37:13 ID:7+xIv1uX
こんにちは、書人です。
いつもお読み頂きありがとうございます。

先般は私が原因で、結果的に荒れた流れになってしまって申し訳ありません。
気を遣ってフォローしてくださった方、ありがとうございます。
今後も書き手として精進しますのでよろしくお願いします。

少し長編を投下します。
連載中の流れをd切ってすみません。

アルテア×パステル×クレイです。
けっこう幸せ?で、エロがっつりめです。
244アル×パス×クレイ 1:2008/12/19(金) 16:38:51 ID:7+xIv1uX

 あぁもう……お酒臭い。
 なんかもうこの臭いだけで酔いそうなんですけど。
 上品なワインレッドの絨毯を敷き詰めた廊下一帯に漂う、なんともいえないお酒臭さ。
 正しくは、前を歩く酔っ払い約1名からにじみ出ていると言うべきなのかも。
 ワインの甘い香りやお料理に使うブランデーの芳醇な香りは大好きなわたしだけどさあ、さすがにこれはないでしょ。

 わたしの数歩前を歩く、いや酩酊した足取りでフラフラしているのはクレイ。言うまでもなくアルコール臭の発生源。
 そしてそのクレイを半身抱えたクレイより更に長身の男性は、なぜか嬉しそうな表情で「貸しはでかいぜ」だの「しっかり歩けってば」と愛すべき弟を叱咤している、。
 クレイのお兄さんであり、膨大な人数のファンクラブを有する、ロンザ騎士団でもアイドル中のアイドル。わたしみたいな一般庶民には普通近づくことすらできない雲上人……アルテア。
 ちなみに双子の兄弟であるところのイムサイはここにはいない。
 いつも彼等は一緒にいてふたりでひとつの芸術品みたいなイメージがあるので、ひとりのアルテアを見るとなんとなく違和感を感じたりするんだけどね。

「ごめん、パステル。そのドア開けて」
 ツンツンに立ててアレンジされたヘアスタイルの、形のいい後頭部が振り向いた。
 襟元にさりげなく飾られた、真珠をモチーフにしたピンが微かに煌く。
 それはもうため息が出そうなほどかっこよくて。
「パステル?」
 困ったように首を傾げるアルテア。いけないいけない、見とれてる場合じゃなかった。
「ごっごめんなさい、いま開けますっ」
 慌てふためいて重厚な装飾の重い木製扉を押し開ける。
 中はふたつのベッドルームのある続き部屋になっていて、勿論ドアに負けぬ劣らぬ上品な豪華さ。
 緞子のベッドカバーやカーテンはもちろんのこと、ちょっとした暖炉の装飾ひとつとっても決して成金じみた金ぴかさはない。
 お部屋全体で調和の取れた控えめな品のよさが醸し出されている気がするなあ。
 なぁんてわたしみたいな小娘でも、思わず評論家口調になっちゃうほど。
 さすがはドーマでも名家のアンダーソン家のお屋敷だよね。

 しかし、なんで今日に限ってクレイがこんな風になっちゃったんだろう。
 アルテアにベッドまで連れていってもらい、酩酊状態のままで羽枕につっぷしているクレイを見やり、こっそりため息をつく。

 まぁあの夕食じゃ仕方ないのかもしれないけど。
 今日の夕食には彼の厳格なおじいさまが同席されていた。
 久々にクエストの途中でドーマに寄ったからというのでアンダーソン家では大歓迎して頂けて、たっくさんのご馳走が並んだんだけどね。
 おじいさまはやっぱりご機嫌斜めだったみたいで……前の時みたいに女子供のパーティだの帰ってこいだのとボロクソには言われなかったからまだいいんだけど。
 軽口を叩きつつ素晴らしくスマートにコース料理を平らげていくアルテアとイムサイに挟まれ、仏頂面のおじいさまのご機嫌と様子を窺ってカチンコチンに緊張していたクレイ。
 余程喉が渇いてたんだろうね。無意識のうちに手元のグラスをぐいぐいあけて、お水のグラスがあっという間にカラに。
 そこで隣のアルテアがいつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのグラスにおかわりを注いだ。
 目の端で終始おじいさまをちら見していたクレイは「あ、ありがとうアルテア兄さん」なんて真面目にお礼を言ってたけど、グラスの中なんてまともに見ちゃいない上の空。あのそれ、ロゼワインですからっ!
 それにすら気づかないクレイは何杯もグラスを重ね……見事にこの酔っ払いのできあがり。
「冷たいよなー、イムサイも。けっこうこいつも重いんだから手伝ってくれてもいいのにさ」
 いじけた調子で恨み言を言いながら、閉めてあったカーテンをザッと音をたてて開けているアルテア。
 薄暗かった部屋の中に月の光が差し込んできて、窓辺のすらりとした長身を控えめに照らし出した。
 食事があらかた終わった頃イムサイは、コーヒーにもデザートにも手をつけず目の焦点がいっちゃってるクレイを見て軽く嘆息。
 アルテアにあっさりと「責任とれよな」と言い置くと席を立ってしまった。
245アル×パス×クレイ 2:2008/12/19(金) 16:40:31 ID:7+xIv1uX

 その一部始終を見ていた、すぐ向かいに座ってたわたし。
 アルテアにパチンとウインクされ、どぎまぎしながらクレイを運ぶお手伝いしたんだけどね。
 ここまでついてきて何やったって、結局ドアを開けることしかしてませんし。
 正直わたしも1杯だけとはいえワインを頂いちゃって、ちょっと頬がぽーっとしてたりする。
 今日は泊まらせてもらえることになったから、お部屋に行って休もうかな。
 クレイがこんな調子じゃ、これ以上ここにいたって介抱のしようもない気がするし……うん、そうしよそうしよ。
 それを伝えようとベッドサイドでクレイに布団をかけていたアルテアに近づくと、振り向いた笑顔が口を開いた。
「悪い、ちょっと水汲んできてくれないか? 次の間にあるから」
「あ、はい」
 部屋を出るタイミングを失い、まぁいいかとお水を取りに行く。
 今いた部屋と次の間はドアの代わりに暗幕みたいな布を垂らして仕切られている。
 金の縁飾りのついた布をめくると、次の間も同じような作りでかなり広いのが見てとれた。
 辺りをきょろきょろ見回し、部屋の奥まったところにある暖炉の上に目指すものを発見。これこれ。
 凝ったカットのガラスの水差しと伏せられたグラスの載ったトレイを両手で捧げ持って仕切りの布をめくろうとするも、四苦八苦。
 ……今に始まったことじゃないけど、わたし不器用なんだよね。
 トレイを傍らに置いて布をめくると今度はトレイが置き去りになっちゃうし。ええいどうしてくれよう。

 もたもたと布と格闘していると、クレイに寝ぼけ声で名前を呼ばれたような気がした。
 目が覚めたのかな。
 返事をしようとした瞬間。聞こえてきたアルテアの言葉に、布を掴んだまま手が止まる。
「へえー寝言にまで言う程なのか。いいねえ仲が良くてさ」
 寝言? 確かにクレイが答えないとこを見ると(いや聞くと?)ほんとに寝てるのかな。
「なぁクレイ。つき……ろ?」
「……」
「は? 違う? 聞こえないっての」
「……」
 クレイの声はほとんど聞こえない。というより、アルテアが一方的に何か話しかけてるみたいで、会話になってるのかどうかすら怪しい。
「ふぅーん。俺はてっきりお前の……いや、違うなら気にしなくていいよな……なあ? パステル」
「は、はいっ?」
 急に話振らないでほしい……いや別に立ち聞きしてるつもりはないんだけど、心臓に悪いってば。
 危うく落とすところだったトレイを持ち直し、背中で布を押し分けてどうにか仕切りを通りすぎると、ベッドの端に腰掛けたアルテアがにこにこと笑いながら手招きしていた。
 トレイを受け取ってお礼を言うと、さわやかな笑顔のままでわたしにダメ押しのように問いかける。
「かわいい弟クンではあるが、この場合遠慮なんていらないよな。パステルもそう思うだろ?」
「は? 何がですか?」
「そうだよな、わかんないよなー。いいよいいよ。ははは」
 全く話が見えず、狐につままれたような気分。
 しかし、なんでこの人こんなに嬉しそうなんだろう。
 ふたりで会話してたのかと思ったけど、クレイはさっきと全く同じ格好で、相変わらず赤い顔に半開きの口で目は閉じたまま。
 何か口をぱくぱくさせてるみたいなんだけど、うわごとにしか聞こえないんだよね。なんて言ってるの?
 まだ漂うお酒臭にちょっと顔をしかめつつ、クレイの口元に耳を近づけて聞き取ろうとしたら、大きな手が伸びてきて手首を掴まれた。
 そのままぐいと引っ張られバランスを崩したわたしは、アルテアの膝の上に倒れこんでいた。
 仰向けに半身ひっくり返ったわたしのすぐ上にあるのは、90度角度の変わった方向から覗き込む甘やかな瞳。
「きゃ、すみませんっ。ってあのっ」
 凛々しい顔が至近距離にあることと自分の姿勢に焦って飛び起きようとした、んだけど。手首を掴まれたまま離してもらえない。
246アル×パス×クレイ 3:2008/12/19(金) 16:43:15 ID:7+xIv1uX

軽く押さえ込まれてしまって、アルテアの膝の上から動けないんですけど!
「俺が引っ張ったのにあやまらなくても」
 そ、それもそうだよね。我に返ると同時にこの姿勢の不自然さに気づき、一気に顔が真っ赤。
「あの、あの離し」
「まぁそう言わないの」
 押さえ込まれたままでの会話。なんかもう眩暈してきたし……離してください、いやほんと。
「あのね。一応聞いとくけどさ、君らつきあってるわけじゃないんだろ?」
「は!? わたしとクレイがですか!? そんな、わたしたちパーティだしパーティといえば家族みたいなもんですしそんなつきあってるなんて」
「わかったわかった。そう言うと思ったよ」
 しどろもどろに答えるわたしの口を、しいっと言うかのように長い指がそっと押さえた。
 少しひんやりとして、細くて長いアルテアの指。
「いまクレイにも聞いてみたんだけどね、てんで要領得ないんだ」
「?」
「確かに君は可愛い。うん。正直初めて会った時から純朴でかわいーなーとは思ってたからね」
「はあ、それはどうも」
 可愛いって……そりゃそう言われると嬉しいけど、自分より遥かに美形な人に言われても正直微妙なんだけどなあ……
 素直に喜べないわたしを見て、苦笑するアルテア。
「気のない返事だなぁ」
「す、すみません」
「あやまんなくていいって。そういうとこが初々しくていいんだけどね。クレイが大事にしてんのもわかる」
 大事にされてる? まあさすがに粗末にはされてないと思うけど。一応パーティの仲間なんだし。
「俺はてっきりクレイと付き合ってるのかと思ってたからね。寝言にまで名前呼ぶくらいだからラブラブなのかと思いきや……一方通行なんだね。相変わらず不憫な奴だ」
 饒舌に喋るアルテア。なんだかいまいち話が見えないんですけど……わたしがクレイと付き合ってないってことだけは間違いなく言える。
 だってねぇ、何度も言うけどパーティでしょ? 今までそんな目で見たことないもん。
「とりあえずはっきりしてんのは、パステルはクレイのものじゃない。じゃあ俺がもらったっていいだろ?」
「もらうって、あの、それって」
「いやクレイには悪いと思うけど、そりゃ早いもん勝ち……いや違うな、取ったもん勝ち……でもないか。まぁそれはいいけど、クレイはゴニョゴニョ言うばっかりで何が言いたいのかさっぱりわかんないし」

 ……わけがわからない……ってあの、もらうよってわたし物じゃないし!
 リーダーであるクレイに聞いたって、パーティの一員を相手がお兄さんとはいえどうぞ持っていけなんて言わないと思うもん。
 いや、そもそもさあ、こんな人に欲しがって頂ける理由がなんら思い当たらないんですけど。
 とりあえず不自然極まりなく寝転がったまま、恐る恐るその疑問をぶつけてみる。
 だってわたし冒険者としてのスキルなんてアルテアから見れば無いに等しいだろうし。
 何か優れた特殊能力があるかって別にないし。
 アンダーソン家にはお手伝いさんがたくさんいたからそんなのいらないだろうし。
 ……自分で言うのも何だけど正直何のお役にもたてないと思うんだけどな……

 アルテアの膝の上、ある意味膝枕状態で。
 しみじみと自分の潰しのきかなさと無力感を感じて暗くなるわたしの質問に、勢い良く吹きだした彼は軽く眉間を押さえて横を向いた。
「……そっか、意味通じてないな」
 えーと……わたしなんかおかしいこと言ったのかなあ?
 脱力した様子のアルテアは口元に苦笑いを浮かべると、膝の上のわたしをひょいと腕の中に抱き上げた。
 途端に厚くがっしりした胸板に密着し、さらに顔に血がしゅわわわっとのぼるのがわかる。
「ちょ、おおおろおろしてくださいっ」
「ほら噛まない暴れない。もう言うだけ野暮かなと」
「は?」
「わかんなくていいよ。くくくっ」
 含み笑いをしている彼に軽々と運ばれ、否応なしに連れて行かれたのは次の間。
 相変わらず目を開けず、グロッキー状態のクレイをそこに残して。
247アル×パス×クレイ 4:2008/12/19(金) 16:44:33 ID:7+xIv1uX


 わたしを抱えたままの手で、器用にブランケットを跳ね上げるアルテア。
 ベッドにそっと抱き下ろされてようやく密着状態から抜け出すことができたけど、なんとも身の置き場に困るような気分。
 なんでわざわざこっちの部屋に運ばれたのか、さっきの話の意味もわかんないし……
 考えれば考えるほど、自分の置かれている状況が理解できなくなってきた。
 と、背中に当たるベッドのヘッドボード。我知らず少しずつ後ずさっていたらしいわたし。
「なんで逃げるかなあ」
「いえ、その逃げてるわけじゃ」
「いいから。ほらおいで」
 アルテアはおたおたしているわたしの両手をやさしく絡め取り、片手でまとめて握りこんでしまった。
 とても大きい手のひら、長い指。わたしの両手首を掴んでもまだ余裕がある。
 抗う余地もなく唐突に拘束状態にされて、もう何が何だか。
 口を開きかけた瞬間、一瞬早く目の前を何かに塞がれた。
 これ以上近づけないくらい至近距離にあるのは。端正で凛々しいなアルテアの顔。
 唇に触れているのはほの熱くさらりとして形のいい唇。
 これって……キス、だよね。唇当たってるし。キス。キスかぁ……睫毛長いなあ。
 頭ぐるぐる。目も閉じられず、ぼおっとそんなことを考えながらアルテアの顔を見つめていると、ふと唇が離れた。

「こういうこと」

 目の前のひとはそれはそれは嬉しそうに、花がほころぶように微笑んだ。
 こんな非常時なのに、思わず見とれてしまって暫し時間が止まる。
 固まっているわたしを見て浮かぶ、ほんの少し困ったような目の色。かと思うと近づいてきた唇がまた重ねられた。
 やさしくやさしく、唇全体を軽く吸うようなキス。
 形のいい唇の間から漏れるわずかな息は甘く熱く、少しずつわたしの唇を湿らせていく。
 ほんのり熱を帯びた舌が唇を割ると、つるりと滑り込んできた。
 それはわたしの舌を探し当てるとそっと吸い上げ、歯列をなぞるようにゆっくりと這っていく。
 アルテアは何度も顔の角度を変え、味わっているかのように穏やかにとろりとしたキスを続けた。
 ひとつひとつの呼吸が全て吐息になって、もうこのままだと気を失いそうって思った時、ようやくそっと離れた唇。
 吸っても吸っても苦しい息をなんとか吸い込み、大きく息をついて言葉を搾り出す。
「どうして、こん、な……?」
「あれ、まだわかんないの? 困った子だね」
 呆れた表情のアルテア。
 形のいい唇はさっきのキスで微かに濡れていて、もうなんとも言えず色っぽい。
 本日何度目か、自分の置かれた状況を忘れて見とれていると、真っ白なシーツの上にやわらかく押し倒され大きな体がのしかかってくる。
 目の前に迫るのは、いつの間に上着を脱いだのか、クリーム色の上質そうなシルクのシャツに包まれた厚い胸板。
 強引に抱き込まれてどうあがいても動けない。いやその困りますってばっ!
「こら、猫じゃないんだからジタバタ暴れないの」
 限りなく甘い声が耳たぶに囁いた。電源OFFのスイッチを押されたように動きが止まる。
「パステルが可愛いから……俺がもらった。クレイも君を好きらしいけど手を出す度胸もないようなので先着順。以上。わかったかい?」
「好きって、その、もらうって、えっと」
 わかったけど、わかったけどどうすればいいの、わたし。
 酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせるわたしを笑いながら制したアルテアは、さっきとは打って変わって強引に、噛み付くように唇を奪った。
「なっ、ん、ぁむっ」
 貪るように舌を吸い上げ、息つく間もないほど激しく口付けながら、鮮やかな手つきで片手でわたしの服を脱がせていく。
 抵抗することもできずなすがまま。そもそも服を脱がされているのすら今やっと気づいたし……
 やっとキスから解放された時、下着1枚にされている自分に気づいて慌てて胸を隠す。
 知らぬ間に顎まで伝っていた唾液が冷たい。
248アル×パス×クレイ 5:2008/12/19(金) 16:46:36 ID:7+xIv1uX

「パステル、幼い顔してるけどちゃんと女性だね」
 どこを見て言ったのか、何気なくつぶやかれた言葉にカッと熱くなる頬。
 そのすぐ横をかすめて首筋をつうっと撫であげられる。「ひっ」反射的にピクンと首をすくめるわたし。
 首元から襟足をかきあげた細い指は触れるか触れないかくらいのタッチで首から肩、胸元を滑り降りてくる。 ぞくぞくと背中を何かが駆け上がり、指の動きにつれて呼吸が乱れてくるのが自分でもわかる。
「はぁ……っん、ん」
「パステル勿論初めてだよね? その割に感度いいなぁ。まだ肝心なとこは全然さわってないのにさ。ほら」
 やたら嬉しそうなアルテアは、不意にわたしの下着の上からその部分に触れた。
「ひゃんっ! やっ、そんなとこ……っ」
「残念、ここはそう言ってない」
 下着1枚で恥ずかしいのも緊張もあって、ぎゅーっと閉じていた太ももと下着の三角地帯。
 そのわずかな隙間に滑り込んできた指にはわかってしまったと思う……意に反してその部分が、じっとりと湿り気を帯びてしまっていることを。

「今からこんなにしてどうするんだい? お楽しみはこれからなのに」
「お楽しみ、って……あ、やめ、てくださいっ」
 なんとか胸を覆い隠していた両手を、無常にもあっさりとほどかれる。
 月明かりの中にもはっきりと見えるさらけ出された胸。
「すごくきれいだ。隠しちゃだめだからね」
 甘く釘を刺されてもう一度隠すこともできず、もうどうしようもなく恥ずかしくて。せめてもの抵抗に目を閉じて顔を背ける。

 ぴちゃ。

 静かな部屋に響いた湿った音。
 先端の部分をぺろりと舐め、軽く歯を立てるくらいの甘噛みの愛撫。
 同時に大きな手のひらで乳房全体を包むようにくるみ、さわさわとやわらかく揉みあげられる。
「あ……ん、んんっ」
「ほぉら、もう硬くなっちゃった」
 その都度指摘しないでほしい……隠せないからだの反応を言葉にされると、見えないところまで裸にされちゃったみたいで逃げ場がない気分になってしまう。
 わたしのそんな気持ちなんておかまいなく、揉みしだかれる胸。
 舌が離れたかと思うと、指先がくにくにと円を描くように乳首をこねたりごく軽くはじいてみたり。
 痺れるような刺激と初めて感じる快感とに翻弄されて、脚の間にじゅん、と熱いものが滲む。
「どうしたの? 切なそうに身をよじっちゃって」

 ……聞かないでほしいのに。
 あの部分が疼くような熱いような変な感触を持て余し、つい両脚をぎゅうっとすり合わせてしまっていたみたい。
 ほんのりあたたかくなった手が胸からウエストをなぞって降りて来て、わたしのかたく閉じた太腿を何の苦もなく押し開いた。
 かろうじて最後の1枚を履いているとはいえ、その中はもうびっしょりになっているのがわかる。
 そんなところをまじまじと見つめられてしまい、もう顔から火が出そう。
「ほんとに感じやすいんだね」
 いつの間にかわたしの足元にいたアルテアが、感心したように呟いた。
 羞恥で視線をあわせることもできないわたしの顔を悪戯っぽい表情で覗き込んだ。
「白い布がびしょびしょに濡れて透けちゃってるよ」
「……」
「色までわかる……ほら!」
「ひっ! や、あぁっ」
 一気に引き剥がされた下着。
 器用に片脚を抜かされ、抵抗の余地なく足首をつかんでぐいと膝を曲げさせられてしまう。
 もはや隠すものなく晒されてしまったわたしのあそこ。
249アル×パス×クレイ 6:2008/12/19(金) 16:47:53 ID:7+xIv1uX

「やっぱりね。キレイなピンク色してるなぁ」
「や、見ない、で……」
「そんな無理な注文困るって。自分で見てごらん。すごく……いやらしいからさ」
 最後の部分、喉に少しだけからんだようなアルテアの囁き。
 思わず言われるままにを自分の秘部に目をやる。
 薄く生えた髪と同じ色の茂みは、雫がつくほどに濡れてしまっていた。
 そして何より恥ずかしいのは、開かされた脚の間にアルテアがいて……その色っぽく微かに潤んだ眼差しに穴が開くほどその部分を見つめられていること。
「濡れ濡れだねー。ほら」
「んんっ」
 熱い息がそこに吹きかけられた。何度も、何度も。
 直接触られてないのに、アルテアの熱い息がかかるたび、わたしのその部分はどくどくと激しく、心臓とは別の動きで勝手に脈打っている。
 からだの奥の方から雫がどんどんにじみ出てきて、飽和状態になったように一滴がつるっとお尻へ伝うのがわかった。
「やらしいなぁ。全然触ってないのに溢れちゃってるよ。そんなに欲しい?」
 欲しいって……欲しいってよくわからないけど。
 男の人に触れられたことなんてないのにこんな気持ちになってしまったのが、正直不思議で仕方ないんだけど……
 この疼きはきっと、直接触れて欲しいから、なのかな……
 目を伏せてコクンと頷くと、ちょっと驚いた顔をしたアルテアは、心底嬉しそうに微笑んだ。
「もうほんとに……可愛いなぁ」
 体をするりとずらして頬にかるいキス。瞳に宿る艶っぽい色。
「気持ちよく……してあげるから」
「きゃ……あぁ、ああんっ、やっ」
 言葉が終わらないうちにずぶっと指が差し込まれる。
 そこから頭のてっぺんまで電流が走ったみたいになって、漏れる声が抑えられない。
 ぬちゃ、ねちゃっとなんともいえない音を立てながら、襞を割って出し入れされる細い指。
 奥のほうで小刻みに指先が動かされるたび、例えようのない快感が走る。
「んく、んっ、あ……ん、やぁ、そ、こ……」
「んーここがいいのかな? パステルはエッチだねぇ。初めてなのにこんなに濡らしてさ」
 わたしの反応を楽しむようにいやらしい言葉を重ねるアルテア。
 一度抜いた指をまた膣の奥まで押し込むと同時に、襞の重なりをかき分けると躊躇いなくクリトリスに吸い付いた。
「ひっ、あ、あぁっ! や、あ……あぁ、ん、んんっ」
 唾液をたっぷりと含ませて弾くように芽をつつき、硬くなってしまったそれを舐めあげる舌。
 そして休むことなく内壁を擦ってかきまわす指。
 快感の階段を駆け上がっているような、ううん、強引に押し上げられているような気がする。
 ぴんと伸ばしきって愛撫に耐えている脚がつりそうになった時、前触れなく不意に指が引き抜かれ、アルテアが身を起こした。

 どう……して? こんな、途中で梯子を外すみたいに……
 火照って潤みきったその部分は、恥ずかしさを捨てきれないわたしの気持ちとは裏腹に、アルテアの指と唇を求めていた。
「そんな顔しないの」
 見透かしたような一言。
 我知らずすがるような表情になってしまっていたらしい。
 いつの間にか服を脱いでいたアルテアは、わたしの愛液で濡れた口元を手の甲でぬぐうとやさしくくちづけた。
「いくらなんでもここでやめたりしないからさ」
「いやそんな、ええっと……」
 慌てて形だけでも否定しているわたしの頭を軽く撫でると、彼はわたしの脚を開かせた。
 よく見えないけど引き締まったお腹のおへそ近くまで立ち上がったアルテア自身を見ると、本能的に怖さが先に立ち腰が引けてしまう。
「大丈夫。できるだけ痛くないようにするから」

 アルテアは軽く頭を振りさばいて大きくひとつ息を吸うと、わたしの上にゆっくりと跨った。
 怖い。でも。

250アル×パス×クレイ 7:2008/12/19(金) 16:49:27 ID:7+xIv1uX

 そのとき、何か空気が揺れた気配がした。

 わたしより一瞬早くにそれに気づいたアルテアが振り返る。
 彼越しに見える間仕切りのカーテン。そこに立っていたのは……夜目にもわかる、驚愕の表情を浮かべたクレイだった。

「パステル!?」
「クレ……イ」

 喘ぐようにつぶやいたわたしの声と、クレイの信じられないといった声は同時だった。
 見られちゃった……よね。まずい、よね。これ。
 さっきとは違う意味で頭が真っ白になっているわたしにアルテアは、ふっと息をついて体を離すと、そっと体を隠すようにシーツをかけてくれた。
「いいとこで邪魔が入ったね」
「アルテア兄さん……なんで、パステルと」
 まだ酔いが醒めてるわけじゃないんだろう。
 どことなく焦点の怪しい目で、間仕切りを片手で千切らんばかりに握り締めているのが見える。わなわなと震える握り拳。
「おまえさっき言っただろう? 彼女じゃないって」
 目をむくクレイ。
「そんなこと聞かれたっけ? いや、そりゃ本当に彼女じゃないけど、だからって」
「弟とはいえ、こんな可愛らしい子を譲る義理はないじゃないか」
「いや譲るって……アルテア兄さん、いつからそんな」
「おまえが連れてきたときから可愛いなとは思ってたさ。でもおまえにはいつまで経っても彼女にするだけの甲斐性がないみたいだからなあ」
「甲斐性も何も、アルテア兄さんが全力で迫って勝てるわけないだろ!?」
 悲痛な叫び。
 ……クレイ、例えそうだとしてもそこまで言い切らなくても。いや論点はそこじゃないけど。

「気に入ったから実力行使。全ては実力主義だよ、我が弟クン。用事が済んだならそっち行って寝てろよ。まだ酔いは醒めてないんだろ?」
 なんとも人の悪そうなニヤニヤ笑いを浮かべたアルテア。そういえばこの人って、けっこう意地悪だったんだよね。
 対するは今まで見た中で一番悔しそうなクレイ。
 真っ白になるほど唇を噛み締めると、わたしに向かって言った。
「……パステルは、それで……いいのかい?」
 いいのかって……わたしどう答えればいいんだろう?
 いや正直なところ、アルテアとこうなっちゃったのも怒涛の勢いに押し流されたようなもんだし……
「あのなあクレイ。パステル困ってるじゃないか。おまえがだらしないから俺がさっき強奪したの。彼女の意思とかあまり反映されてないといえばないけど……パステル、それはごめん」
 なんか話のついでにあやまられてるけど。
「で、おまえはどうなの。それであきらめられるのか?」
 いつになく真面目な声色のアルテア。
 クレイに対してお兄さんらしい威厳のある言葉。状況が状況だけにあまり締りがない雰囲気ではあるんだけどね。

「俺は……」
 うつむいて暫し逡巡していたクレイは顔をあげると、心を決めたように口を開いた。
「あきらめられない。パステルが、好きだよ」
「よし、よく言った」
 必死で言ったと思われるクレイの言葉に、意外やぱあっと嬉しそうに笑ったアルテア。
「全力で弟の恋愛成就を応援してやりたいとこだが、もう遅い」は!?
「まだ完遂はしてないけど、ここまでしちゃったからねぇ……ほら」
「きゃああっ!?」
 ぺろっとシーツをめくるアルテア。もちろんその中にいるのは、全裸のわたし。
 焦りまくってシーツを引き戻す。どうにかくるまって体を隠してはみるけど、見る間に真っ赤っ赤になったクレイ。
 くるっと回れ右して激しく頭をかきむしっている。
251アル×パス×クレイ 8:2008/12/19(金) 16:51:16 ID:7+xIv1uX

「パステルにここまでしておいて途中止めなんて、俺は紳士としてできない」
 紳士って、あの。
「でもこのままクレイの意思を無視って遂行すると寝覚めが悪いよな……仕方ないなぁ。来いよ、クレイ」
「来い?」
 棒読みで鸚鵡返し。クレイは首だけこちらに振り向いた姿勢で固まってしまっている。
「相変わらず鈍いな、おまえは。まぜてやるって言ってるんだよ」
「まぜるぅ!?」
 見事にシンクロしたクレイとわたし。
 まぜるって、混ぜるってその……
「パステル。今どっちか選べなんて酷なこと聞かないからさ。それとも何? この状態で……やめちゃっていいのかい?」
 シーツの下に手を差し込んだアルテアは、わたしの脚の間にするりと手を滑り込ませた。
「ひっ、ゃぁんっ」
「ちょ、ちょっと兄さんっ」
 立場は違えど、それぞれの理由で慌てふためくわたしとクレイ。
 こんな状況になったというのに、さっきの愛撫のせいでそこにはまだ潤いが残っている。
 アルテアはそれを指先に絡ませて引き抜くと、立ち尽くしたままのクレイにこれ見よがしに見せた。
 親指と中指をくっつけて離す。とろりとねばって糸を引く液体……
 まだ顔の赤いクレイはそれを見て何かわかったらしく、ゴクリとつばを飲み込む音が響いた。
「というわけだ。いいよね? パステル」
「いいも悪いも……」
「それとも……嫌? 俺のこと嫌い? クレイのこと嫌い?」
 実に楽しそうに、ちょいと頬をつつく指。
「……」
 やっぱりこの人って、意地悪だ。
 わたしがそんな風に思ってないの知ってるくせに。
 さっき途中でやめられたことで、どんなになってるかよくわかってるくせに。
 返事の代わりにシーツから手を出すと、アルテアの指先をきゅっと握ると、それはそれは鮮やかな満面の笑みが返ってきた。

「ほら、クレイを呼んでやりなよ」
 毒を食らわば皿まで……この場合はちょっと違う、いやだいぶ違うけど。
 わたしは尻込みする気持ちをぐっと飲み込むと、自分を包んでいるシーツの端を少しだけ捲った。

「ど、どうぞっ」
「どうぞか……どうぞねぇ。くくっ」
 何がおかしいのかお腹を抱えて笑っているアルテア。
 わたしそんな変なこと言ったっけ?
 しかしそれを全く気にも留めない、というより葛藤と戦ってた風のクレイは。
 真っ赤な顔のまま機械的に胸のボタンを外し、おぼつかない手つきで脱いだロングブーツを放り出す。
 下着だけになって遠慮がちにベッドに近づいてきたクレイは、わたしが作ったシーツの小さな隙間から、広い肩幅を斜めにするように体を入り込ませた。
 シーツの下で腕や脚が軽くぶつかり、双方焦って身を引くけどもちろん逃げ場なんてない。
 笑いをどうにか収めて、果てしなくぎこちないわたしたちの様子を見ていたアルテアは呆れたように唇を歪めた。
「あのね、君らここまで来て引いてどうするんだよ……パステル、出ておいで」
「あ、は、はいっ」
 本日2度目、勢い良くはがされるシーツ。今度はお腹に力を入れて叫び声をあげないよう頑張ってみる。
 一気に外気にさらされてひゅうっと縮こまる皮膚。
 隠しようもない裸の体を4つの目に凝視されているのが痛いほど伝わってくる……もうどうにも恥ずかしくてたまらない。
「おまえも初めて見るんだな。綺麗だと思わないか?」
「……うん。すごく、綺麗だ」
 ゆっくりと言葉を区切りながら言うクレイの言葉に、ぎゅっとつぶっていた目をおそるおそる薄く開いてみる。

252アル×パス×クレイ 9:2008/12/19(金) 16:52:41 ID:7+xIv1uX

 わたしのすぐ傍らに座ったクレイと、足元にいるアルテア。
 兄弟だからかな、当たり前だけどすごく雰囲気が似ている。
 クレイも長身だけどアルテアの方がさらに高くて、胸や腕の筋肉もひとまわりがっちりとしていて。
 でもこれはアンダーソン家の遺伝なのか、がっちりしているけど決してムキムキなわけじゃなく、引き締まった細身の筋肉質っていう表現がぴったりくる気がするんだよね。
 裸の上半身をついまじまじと観察していると、アルテアがにやりとした。
「なーに見てるのかな? なんか比べてる?」
「いいいえ、そんなっ」
「そんな落ち着いてる余裕があるのかなあ? ほら」
「やぁ……」
 また伸びてきた手が、閉じた太腿をぐいと開いた。あらわにされるわたしのあそこ。
 く、クレイそんなに見ないでほしい……
 食い入るように見つめている目が真剣すぎて怖い。
「あぁさっきの方がもっとびしょびしょだったのになぁ。途中参戦のおまえのせいだぜ」
 残念そうに言わないでくださいっ!
 クレイが真に受けちゃってるし!

 アルテアは芝居がかった口調で責任転嫁しつつ、人差し指をついと立てるとわたしのおへそに軽く触れた。
 そのまますーっと線を引くように、まっすぐ茂みの部分まで指をおろす。
「んっ」
「お、毛が立った。本当にパステルは感じやすいんだね……よいしょ」
 その人差し指を茂みの中に這いこませると、指の腹でクリトリスをむにっと押しつぶすようにこねる。
 同時にずぷんと合わせ目に差し入れられた親指。
 ヒダヒダになった部分を指先でほぐすように愛撫され、膣の奥からまた何かがじわっと湧き出すのを感じた。
「ぁんっ、あ、や……ぁぁあ……っ」
「クレイ。ぼーっとしてないで何かすることがあるだろ?」
「え、何かって」
「俺が手がまわらないとこ、あるんだけどなあ」
 皮肉っぽい含み笑い。
 その視線の先に気づいたクレイ。暫し落ち着きなく逡巡していたけれど、思い切ったようにわたしの胸に手を伸ばした。
 恐らく彼も初めてなんだろう、慣れない動きの愛撫。
 すんなりとなめらかなアルテアの手に比べると、ファイターっぽいごつごつ感があるんだけど……その硬い動きで逆に昂ぶらされてしまっている気がする。
「あれぇ、どんどん濡れてくるんだけどなー。クレイも貢献してるってことかな?」
 からかうようなアルテアの言葉に、胸のあたりに屈みこんでいたクレイがわたしの顔を見た。
「パステル……そうなのか?」
「あ、うん。気持ち……いいけど」
 言った後で顔から火が出そうになる。
 そんなに真面目に聞くから、つい素で答えちゃったじゃない!!
 き、気持ちいいだなんて……もうわたしどうかしちゃってるし!

 内心身悶えているわたしの気持ちなんて知らず、ほっとしたように嬉しそうな顔をしたクレイ。
 そんな顔されたら文句も言えやしない。
 なんとも複雑な気分に陥っていると、愛撫の手をとめたアルテアがベッドから滑り降りた。
「兄さん?」
「そろそろ大丈夫だと思うよ。クレイ出番」
「は?」
「パステルとしたいんだろ? 最初は譲ってやるから」
「……」
「モタモタしない。俺が先でもいいのか?」
「良くない!」
 大真面目に即答した弟の顔を見たアルテアはぷーっと吹きだし、笑いながらクレイを促して体の場所を入れ替えた。
253アル×パス×クレイ 10:2008/12/19(金) 16:53:28 ID:7+xIv1uX

 わたしを背後から抱え起こすと、後ろからぎゅっと抱きしめる。
 裸の厚くて硬い胸板が背中に触れ、今更、本当に今更すぎるんだけど、心臓が跳ね上がった。
「クレイだから慣れてなくて痛いかもしれないけど……サポートするから大丈夫」
 耳元で囁く甘い声にコクコクとぎこちなく頷くわたし。
 アルテアは耳たぶを軽く噛み、ぺたんと座り込んでいたわたしの両膝の裏をぐっと持ち上げた。
 ちょうど子供がおしっこをするように膝を立てたあられもない姿。
 隠すもののないその部分は打ち続く愛撫にぐっしょりと濡れ、空気の動きにすら敏感になってしまうほど。
「お互い初めてなんだから、ゆっくり。ゆっくりだぞ、クレイ。パステル壊すんじゃないよ」
「わ……わかってるよ」
 兄弟のなんともいえない妙なやり取りを経て、クレイは股間にそそりたったものをわたしの脚の間に押し当てた。
 その予想しない熱さに思わず身震いする。それを感じてかやさしくなだめるように、とんとんと動くアルテアの指。

 クレイの先端がおずおずと襞を押し分けた。堅くて今まで感じたことのない異物感。
「んくっ」
「痛い? 痛いかっ?」
「だ……いじょうぶ」
「クレイ、とにかくゆっくり。少しずつ入れなきゃ裂けちゃうから」
 アルテアのアドバイスに無言でせわしなく頷きながら、クレイは腰をゆっくりと押し進める。
「く……っ、んっ、んんっ」
 ぺたりとくっついたものを剥がすような、狭いところを無理に通ろうとしているような感触だけれど、不思議にそんなに痛みは感じない。
 ただ圧倒的な圧力がそこにかかっているのはわかるんだけれど。
「奥に当たる? よし、パステルの顔色をちゃんと見ながら、そーっと動かして」
「いい……かな、パステル」
「う、ん」
 何がいいのか。自分でもよくわからないけど頷く。
 細心の注意を払っているような真剣な表情で、クレイが腰をわずかに引いた。
 ずず、とお腹の中が擦られているようなひっかかりとわずかな痛み。
 微かに寄せた眉根を見たクレイは焦ったように腰を止めてくれたけれど、また少しずつ、少しずつ動かし始める。
「ぁ……ぁん……んっ」
 じわじわと押し広がるような快感に流され、さっきから感じていた痛みはその底辺にほんの少しの苦味のように残っている。けど、気持ち……いい。
 背後から両脚を支えていた手が離れ、両胸を包み込んだ。
 下から持ち上げるように揉みながら先端を弄くる指に、胸とあそこの両方から責め立てられて喘ぎ声が抑えられない。
「あ、はぁ……あっ、や、ぁあっ」
 わたしとクレイのつながったところから、愛液がとろとろと漏れ出して太腿にぬるく伝い、腰の動きに合わせて飛沫になって散る。
 動きを押し殺すみたいにそおっとだった腰の動き。それが段々と早くなってきたと思うと、苦しそうなクレイの両手がわたしのウエストを掴んだ。
「パステル、パス……テル、もうおれっ……!!」
「ぁあん、クレ……イぃっ……」
 思い切り強く突きこむと同時に、クレイが体を震わせて動きを止めた。
 お腹の奥の方にどぼっとなにか注ぎ込まれたみたいに熱い。
 アルテアに倒れこむように体を預けると、厚い胸がわたしの背中を受け止めてくれた。
 乾いた手のひらがやさしく額の髪をかきあげる。

「大丈夫? パステル」
「は……い」
「クレイ、早い」

 アルテア、ちょっとこのタイミングでそれは……

「そんなこと……言われても……無理だよ」

 ゼエゼエ荒く息をついていたクレイは、恨みがましい目でアルテアを見ると、わたしから体を離してベッドの端にごろんと横になってしまった。
 裸の胸が呼吸に合わせて上下している。

254アル×パス×クレイ 11:2008/12/19(金) 16:55:45 ID:7+xIv1uX

「まぁ初めてだしね、仕方ないけど。パステルはもう……満足かな?」
「え? あ、やっ」
 伸びてきた指がわたしのそこを確認するように探った。
 指の行き先は、ほんの少し半開きの、濡れそぼってまだ熱い入口。
「まだこんなに。足りないんじゃない? ほら」
「あっ、あん、あぁぁん……っ」
「かわいい弟のフォローは、やっぱり兄がしなきゃいけないよね。さ、手ついて」

 抱きしめられていた体を前に少し倒され、四つんばいになるように促される。
 お尻をそのままアルテアに向ける姿勢が恥ずかしいけど……抗えないのはこの火照るからだのせいだと思う。
 わたしは言われるがままに両手をベッドについて目を閉じた。
 暫しの空白の時間に思わず振り返り首をひねって見上げれば、とろりと色っぽさのにじんだ眼差しがわたしを見つめていた。
 赤い舌が軽く唇を舐める。
「あーそそられる。そんなせがんじゃって」
 大きな手がわたしの腰骨をがっちりと押さえ、太くて堅いものが、クレイに潤されたわたしのあそこへめりめりと押し込まれてきた。
「あぁ、んっ、はぁん」
「まだきついなあ……クレイのが入ってるからまだましか」
 つぶやきながらゆっくりと自身を進めるアルテア。
 ぷっくりふくれている充血した襞を巻き込みながら、時々中をかきまわすように動かされる。
 じゅぶ、じゅぶっと湿った卑猥な音。
「ぁん、あん、あぁ……はぁ……ぁっ」
「可愛いよ……パステル」
 背中にキスの雨を降らせながら、ゆっくりと、でもわざと乱暴にしているかのように強く、後ろからわたしを犯すアルテア。
 肌同士がぶつかる音とわたしの喘ぎが静かな部屋に響き、アルテアが腰を動かす速度があがるにつれて目の前が白くなっていくような気がした。
「だめ、な、んか、へ……んに……」
「イキそう? いいよ、変になっても」
 アルテアの少し乱れた呼吸。
 いつの間にかすぐ前にいたクレイの唇が降ってきた。
「ぁむっ、んっ」
「パス……テル……」
 舌を貪るようにキスしながら、わたしの名前を囁くクレイ。
 アルテアは腰をリズミカルに動かしながら片手を伸ばすと、クリトリスを摘むように指先で弾いた。

「やぁ、あああっ、だめ、だめぇ、も、あぁ、やあああぁんっ……!!」
 思い切り喉の奥から叫ぶと、耳の奥でぱしっと何かが弾け飛んだような音がした。
 一面スパークしたみたいにチカチカして、まぶたの裏がじんじん熱い。
 やっと視界が落ち着いてくると、わたしはアルテアの腕の中に抱きしめられていた。
 髪をなでてくれているのはクレイの手だろうか。
255アル×パス×クレイ 12:2008/12/19(金) 16:57:08 ID:7+xIv1uX

「大丈夫? ごめん、初めてなのに無理させたかな」
「うう……ん」
 力なく首を振る。
 しばらくわたしを落ち着かせるように抱いていたアルテアは腕を解くと、いつの間にか身に着けた下着姿で立ち上がった。
「パステル、シャワー浴びておいで。俺達はあっちの部屋のを使うから」
「え、アルテア兄さんと一緒に?」
「へーえ、俺とじゃ嫌とでも?」
「嫌とかじゃないけど……」
 すごく嫌そうな顔してるよ、クレイ。
 気持ちはわからないでもないけど。
「俺達は男同士の会話があるからね」
「何だよそれ」
 不承不承といった感じで部屋の入口に追いやられたクレイが、続き部屋への仕切りをくぐった。
 続いて布を捲ろうとしたアルテアは、ふと思い出したように戻ってくると、座り込んだままのわたしの傍で身を屈めた。
「今度はふたりで……ね?」
 それだけ言って踵を返すと、彼は仕切りの向こうへ消えた。
 すぐシャワーの音が聞こえてくる。

 唇を軽く曲げて笑ったアルテアは、なんだかとっても……大人っぽかった。



--------------------------------------
完結です。

途中、行間調整に失敗して見づらくなってしまいました。
申し訳ありません。
256名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 19:29:10 ID:gLxX7V6H
きたああああああああああああ
その3人の絡みすっごい好き
書人さんありがとう!
257名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 19:30:39 ID:gLxX7V6H
あっ感想書いてなかった
というかこれからゆっくり読ませてもらいます
幸せ3P(がっつり)がこんな短いスパンで2つも読めるなんて
涙ちょちょぎれ
258名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 19:41:02 ID:SxTzcybT
ぐっじょぶ!
兄弟愛に燃えた!
次はぜひイムサイも混ぜてあげてください!

書き手さんいっぱいでスレが賑わってて嬉しい。
3Pの後に3P連続投下とかすごい。
シチュや描写限られそうなのに書き手さん尊敬です!
114さんとファーファさんの続きも待ってます!
259名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 21:50:24 ID:HNciCyOi
クレイちゃんかわゆす
その後のクレパスがどうなったかも読んでみたい!
260名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 22:09:59 ID:PI08Hyws
G乙!もう新作ラッシュで嬉しすぎる
261ファーファ:2008/12/19(金) 23:01:43 ID:UoAk8NIp
コメント、読んでくださった方々、
ありがとうございました
遅くなりましたが、完結しましたので投下します。

初体験なのでやたらまどろっこしく長くなってしまいました。
終わり方もネタっぽくてすみませんです

>>241さん
好きな人のあんなところ見てしまってるので・・・自棄酒後、
結果作用して、勢いでw

書人さん
乙です。兄さんに激しく萌えました。
言葉嬲りが上手すぎるのと、クレイお子様扱いなのが
かわいすぎます
262トラパスE:2008/12/19(金) 23:15:48 ID:UoAk8NIp
 トラップは私を抱えたまま、結局部屋の前まで連れてってくれた。
 こういうのってなんか、ちょっとうれしい。いつものトラップだったらぜーったい、こんなことしてくれなかったもんね。
「ありがと。もう歩けるから大丈夫」
 しかしトラップはわたしを下ろそうとはせず、抱えたまま部屋のドアを開けるとそのまま入っていった。
「ちょっと!いいってば!いい、いい!」
 部屋では相変わらずルーミィとシロちゃんの寝息が聞こえてくる。薄暗い部屋ではなんとなくベッドの位置ぐらいしか分からない。
 トラップは抵抗するわたしを無視し、ルーミィとシロちゃんが寝ている横の空いているベッドに降ろした。
 微妙な空気。
 わたしが横になったままの体勢でトラップをみつめると、ちょっと意地悪そうな目をして笑った。
「ここなら出来るだろ」
「えっ……ちょ、ちょっと」
 そう止める上にかぶさるように四つん這いになる。トラップの体はわたしを逃がさないように覆っていた。
 さっきのおかみさんの言葉がよみがえる。
『やるなら部屋でやんな』って…えええええ。
 あー、でもこの状況って絶対そういうことなんだよね、キスまでしちゃったんだもん。でもそれ以上先のことなんて話でしか聞いたことないし、どうしよう。
 うー…どうしていいかわかんないよ…。
 思わず、喉がゴクンと鳴った。

「ルーミィ達が起きちゃう……」
 わたしはちょっとだけ抵抗してみた。自分の本心は分からない。このままどうなるかが知りたいくせに、ちょっと戸惑ったり。
 したい、なんて言えないし。したいのかは、わかんないけど、このままトラップと最後まで…いたい。
「だぁら、静かにやんだよ」
 小声でトラップは答えた。
 静かにって…。やっぱり、やるの?
 トラップと一緒にいたいけど、わたしは初めてなんだもん。
 そ、そりゃ、最終的にどういうことをするのかはわかるけど、でも、その前にどうしたらいいかわかんないし、怖いし。
 わたしがどうしていいかわからなくて困った顔をすると、トラップは少し残念そうな目をしてわたしを見た。
 その顔がどうしようもなく愛おしくて、無言でコクンと頷いた。
 
 トラップはうれしそうに笑って
「大丈夫だかんな」と言った。
 トラップ、ちょっと怖いけど、やっぱり…好きなんだもん。わたしだって今夜このままトラップと一緒にいたい。


 トラップはわたしの顔を見て、再び目を閉じた。
 反射的にわたしもそっと目を閉じると、サラサラの前髪がわたしの頬にかかる。少し熱っぽくて、湿っぽいトラップの唇が重なる。
 そのままトラップはゆっくりとわたしの上に覆いかぶさった。初めて感じた男の人の重み。
 ずしっとわたしの体は覆われ、重みに対する息苦しさなのか、愛おしさからなのか、重ねた唇から声がふっと漏れた。
 わたしの唇を吸い上げ、ゆっくりと味わう。くちゅっとした音に、身体はじゅんとなる。
 ゆっくり、ゆっくりとお互いを味わう。口から溢れ出す唾液一滴も逃さないようにしゃぶりついた。
 
 わたしはまさかトラップとこんな事になるなんて思ってもみなかったけど、今は彼しか考えられなかった。重ねる度に、伝えられる好きの気持ち。
 目を開けて目の前のトラップを見る。
 トラップはわたしを味わいながらも、片手でわたしの頭を撫でた。髪をくしゃっとさせながらわたしの顔を見る。
 思わずわたしは微笑んでしまう。
263トラパスF:2008/12/19(金) 23:25:21 ID:UoAk8NIp

 不意に、トラップの顔がわたしから離れる。夢から覚めるようにわたしは目を開ける。
 トラップはちょっと身体を起こすともう片方の手でわたしのネグリジェのボタンを外しだした。
「あっ……」
 急にすっとした風が胸元をなでる。
 そ、そうだよね。男の人と二人でベッドに寝ていてキスだけ、で済むわけないもん。でもやっぱり、脱がないとダメ、なのかなぁ?…うー……さむい…。
 脱がされていくことへの緊張からなのか、寒さからなのか、思わずちょこっと身震いしてしまう。
 トラップはそんなわたしに気づいたのか、わたしを一旦起こすと、身体の下にあった布団を無言で二人の上にかぶせてくれた。
 ふふっ。トラップにこんな優しいとこがあるなんて。
 
 わたし、トラップが好き。
 わたしはうれしくなって彼の首にしがみついた。

 胸元まで空けられたわたしのネグリジェの裾を、太股の方からたくしあげながらゆっくりと脱がせてゆく。その下から真っ白のパンツとブラが顔を出した。
「…やっ」
「おめぇらしいな」
 そう言いながら、トラップはわたしの背中に手を回すとカチッという音がした。急にすとんと身体が軽くなったと同時に、肌が外気にさらされ反射的に全身がぶるっと震えた。
 ちょ、それってどういうこと?そりゃ、今日の下着ははっきりいってそんなかわいいものじゃないし、ちょっと使い込んでるけど…あー…恥ずかしい。あんまり見ないでほしいなぁ。
「あれっ…?」
 ふと自分の身体を見ると、ブラを外されておっぱい丸出しの状態だった。トラップの手にはいつわたしから外されたのだろう、ブラが握られていた。
 い、いつのまに!
 彼の目はじっとわたしの胸に釘付けになっていた。
 カーッと顔が赤くなっていく。
「ゃんっ」
 わたしは思わず自分の胸を両手で隠した。が、それも彼の強い力でガッと外されてしまった。
「きゃっ」
 み、みてる…トラップがわたしの胸を、見てる…。うー…そんなに見ないでよぉ。・・・どうせ、小さいんだから。
 初めて異性の前にさらす恥ずかしさ。わたしの小さな胸の膨らみはトクン、トクンと大きく脈打っていた。
「…やだ、あんまり見ないで…」
 小声で言うと、トラップは急にわたしの胸元に頭を沈めて、わたしの乳房をぎゅっと掴み、片方を口に含んだ。
「…んふっ」
 わたしの身体に電撃のような快感が走った。それは胸から、下腹の奥の方から、じわっと溢れて指先まで全身に駆け抜けていき、我慢できずにわたしは声を漏らす。
 赤ちゃんのように安心したような顔でちゅう、ちゅうと音を立てて乳首を吸うトラップ。
 そのたびに、わたしは全身からあふれ出す快感に身をよじった。
 なに、これ、なんかすごく気持ち、いい…
「や、ん…トラップ…」
 乱暴にギュッと鷲づかみされ、乳首の突起を甘噛みされると、痛みと同時に激しい快楽がわたしの全身を駆け巡っていく。
 わたしの胸をちゅうちゅうと吸いながら、トラップはわたしの顔を舌から目だけで覗き込む。
 どうしようもない気持ちよさに、恍惚の表情を浮かべているわたしの顔をじっと見つめられ、恥ずかしくて、でも止められなくて、濡れてしまう。
264トラパスG:2008/12/19(金) 23:35:28 ID:UoAk8NIp
「ああっ」
 ギアとのキスでも愛液が溢れるほど濡れてしまったわたしは快感を覚えてしまったのか、徐々にせりあがってくる快感に再び身体は燃えるように熱くなり、じわっと濡れる。

「トラップぅ…」
 たまらなくてわたしは呼んだ。そんな様子に彼は上体を起こすと、おもむろに自分の着ていた服を脱いだ。
 上半身があらわになる。
 たまに上半身だけ裸でいるときもあるから、見るのは別に初めてじゃないけど。こんなにじっくり見たことはなかった。
 トラップって細い細いって思ってたけど、男の人の身体なんだ…
 うん、わかってたんだけど、こうやって改めて見たことがなかったんだもん。
 胸板にほとんど筋肉はついていないけど、腹筋は六つにちゃんと割れていた。
 わたしだけを抱く細い、けど広く感じる身体。
 
 そのまま、彼は自分の履いていたズボンに手を伸ばし、ベルトをカチャカチャと外しだした。静かな部屋に吐息と金属音が交じり合って響きわたる。
 ファスナーをおろすと今にも飛び出しそうに勃起したペニスがトラップのパンツの中にいるのがはっきりとわかった。
 グレーのボクサーパンツの膨らんだ先端はしっかりと濡れていた。思わず「ドキッ」となる。
 立ち上がり、その場で下着とズボンを一緒に脱ぐと、陰毛の茂みからぴょこんと反りあがったペニスが顔をだした。
 初めて見る男性器にわたしは目が釘付けになっていた。
 な、なんか生物みたい…ピクピク小刻みに動いていたり、先っぽから汁がチロチロ出てきてるし。
 トラップのほんのり赤黒い色のペニスは、ぴくっと動くたびに先走りが溢れるように流れてきた。
「あんだよ、あんまり見るんじゃねえよ」
 トラップはちょっと照れを隠すようにふてくされて言った。
 そりゃね、わたしだって昔お父さんとお風呂に入ったときに見たことはあるから初めてじゃないんだけど。
 こんな重力に逆らうように直立してるところなんて見たことないもんね。
 思わず食い入るように見つめていると、トラップはとんでもないことを口にした。
「舐めてくれ」
 って、ええっ!?
 わたしが、これを舐めるの!?
 そ、そんなこともするの!?
 わたしが目を点にさせていると、そんなわたしの困った顔にトラップは思いっきりわたしの目の前にずい、と自らを突き出してきた。
 ううー。きいてないぞ、そんなこと。
 でも、トラップがすきなんだもん。なんでもしてあげたいって思うのは、おかしいことじゃないよね?
 

 わたしは意を決してトラップ自身に向き合って、恐る恐る握ってみる。
 がちっと強張ったペニスの表面は今にも溢れそうなくらいに引きつっていた。
 うわ、か、硬い。ギンギンに張っちゃってる。痛くないのかな。しかも、これってこの前の冒険でキットンが騒いでいたキノコの形にそっくり。
 そんなことを考えていると先っぽの方からのぞいているキノコの傘からヌラヌラと汁が流れ出してきた。
 ぽたっとこぼれ落ちそうになる汁を、わたしは舌先ですくって舐めた。
「・・くっ」
 むせ返るような体臭に、ふにゃんととろけてしまう。
 トラップのペニスを覆う陰毛が鼻の下に触れる。
 キノコの先端に唇を重ねると、トラップはちょっと身体を仰け反った。
 そうしている間にも、だんだんとこの卑猥な行為にわたしは喜びを覚えてしまっていた。
265トラパスH:2008/12/19(金) 23:42:43 ID:UoAk8NIp
 見上げると、トラップは目を閉じてうっとりとした表情を見せる。じゅるじゅると溢れ出る先走りを味わいながら、もっともっとトラップが欲しくて、割れ目を舌でなぞる。
「んあっ・・・パステルっ、や、やべぇ・・・」
トラップはわたしの口からペニスを離すと、恍惚から覚めないとろんたした目をしてわたしを見た。
 荒い息を一息つくと、わたしの上に再び四つんばいに乗っかった。
「はぁ・・・はぁ・・・今度は、おめえの・・・番、だかんな」
 そう言うとわたしの履いていたパンツを器用な手先でするするっと脱がした。
 さすがは盗賊。
 
 わたし達は一糸纏わぬ姿になって布団の中でお互いの体温を確かめあう。
 するとトラップはわたし背中に手をのばし、わたしを抱いた。
「好きだ」
 ふふっ。
 思わず顔がほころんでしまう。
 何回聞いてもうれしくてたまらない言葉。
 布団の中にもぐりながらお互いの身体に唇を這わせた。
「・・・ん」
「くっ・・・」
「ふぅっ」
 トラップはわたしの唇、頬、耳、首すじ、肩、胸、お腹というありとあらゆるわたしの身体に熱っぽい唇をあてながら、わたしの髪を撫でたり、頬や胸や背中に触れた。
 その度にわたしは声を上げることを止められなかった。
 トラップ、もっと触って、もっと、もっとわたしを触って・・・
 恥ずかしいのに、体中の全細胞がトラップの身体を激しく求めている。
 トラップの片手がおへその下の方からもっと下の方まで撫でていくと、わたしの茂みに手が触れた。
「・・・!」
 手の腹を恥骨に沿って撫で下ろしていきながら、細長い指を、わたしの割れ目にあてがった。
 その瞬間に、ぐちゅっと卑猥な音が部屋に響きわたる。トラップのちょっとひんやりした指がわたしのあそこにゆっくりと沈んでいく。
「・・・ひゃあうっ」
 な、なんか、は、入ってるっ。んっ、わたしの、カラダに、トラップが、入ってるっ。
 なに、これ、なんでこんなに、熱いの?
 肉襞を押し上げながらぐっと押し込まれたトラップの指。思わず仰け反って激しく喘ぐと、トラップに口を塞がれた。
「バカ、静かにしろっつっただろ」
「ごめぇん・・・」
 だって、なんだかすっごく気持ちよくなっちゃったんだもん。
「すげー濡れてる。ほんとに感じやすいんだな」
 はずかしくって思わずトラップから目をそらす。
 わたしはギアからされたことを思い出してしまった。ギアから言われたように、こんなに濡れてしまうなんてわたしはやっぱりいやらしいのかな。
「脚、広げろ」
 言われるがままにわたしは両脚を広げ、蜜で濡れそぼったあそこをトラップに突き出した。しかし、トラップに強引にもっと広げられてしまった。
 い、いたいっ。これ以上広げられないってば!
「これじゃあ入れられねぇな」
 トラップはわたしの両膝を曲げると、腰の下に手を入れ、自分の方へとわたしの身体を寄せた。秘部がむき出しになり、トラップに丸見えの状態になる。
 ちょっ、こんな格好しなきゃならないの!?思いっきり、トラップに見えちゃってて。
 なんだか、わたしったらカエルが仰向けにひっくり返ってるみたいなんだもん。
 恥ずかしさと甘い気持ちにわたしの意識はもうろうとなった。もうどうにでもなっていい。
 トラップはわたしの割れ目に静かに腰を落とすと、わたしの膝に片手をつきながら、はあっと大きくため息をついた。
 「挿れるぞ」
 低い声に、息がとまる。
 肩が小刻みに震えた。わたしも大人になる。
266トラパスI:2008/12/19(金) 23:50:31 ID:UoAk8NIp
 トラップの亀頭がわたしの入り口に微かに触れると、反射的に足を閉じようとしてしまった。
 それをぐいっと力ずくで押さえつけられる。
「力抜けよ」
 ん、だって、いざそんな大きなものが入り込む、なんて考えると・・・やっぱり、こわいよぉ。
 ほんとにわたしに入るのかなぁ?
 急にそれまで全てさらけ出してたというのに、きゅうに自己防衛が働いてしまい、貝のように身を閉じてしまう。
 力を抜くって?どうやったらいいんだろ、はぁ〜、リラックス、リラックス、はぁ〜。
 妊婦のように呼吸を繰り返すと、トラップはわたしの広げた脚の間から上半身に抱きついた。
「怖くねぇから」
 そう言って、再びわたしにキスをした。あったかい唇に、わたしは氷が溶けていくようになる。
 お互いを舐めあいながらも、トラップが片手で自分の股間に手をやりつつごそごそしている。


 すると、突然。
「・・・!」


 鮮烈な痛みがわたしを襲った。
「やっ、いた、ぃたい、いたいっいたいっ」
 思わず顔をしかめて叫んだ。
「ちょ、無理、むり、ごめん、まって」
 あまりの痛さに、大声で叫んでしまった。トラップが慌ててわたしの口を塞ぐ。
 ヒダヒダに隠された、わたしの入り口。トラップの亀頭がそこに入ろうとしただけで、鋭い刃物で切られるような痛みが走った。泣き出しそうになる。
 トラップもわたしの様子にびっくりして、思わず挿入しかけたペニスを引っ込める。
「やっぱ痛え?」
 返事も出来ず、ただただ首を上下に何度も振って応えた。でも、これを乗り越えなかったら、トラップとひとつになれない。
 どうしていいかわからず、わたしは本当に泣き出してしまった。
 したいのに、身体が拒んでできない。
 世の中の愛し合う男の人と女の人は、こうしてもっともっと愛を深めていくなら、わたしだって、愛したいよ。
 トラップに、抱かれたい。
「そんなに痛えなら、やめるか?」
 心配そうにトラップがわたしを覗き込む。
 いや、やめないで・・・
 わたしは今度は首をしっかり横に何度も振って答えた。

「・・・わたしの、初めてを、あげる」
 言っちゃった・・・。
 もう、後戻りは出来ない。
 するとトラップは唇を重ねてきた。とっても、とても優しいキスに、わたしの時間は止まってしまう。
 唇の間から舌をねじ込ませられ、わたしはそれを激しく吸い上げるように求める。
 再び、張り詰めていた感覚がゆるゆる溶けていった。
 トラップを受ける準備なら、ちゃんと出来ている。
 ふっと顔を起こすと、トラップは
「おれだって、初めてなんだよ」
 と言って、チュッと軽くキスした。
 なんだかうれしくなって、おもわずふふっと笑った。
 あんだよ、というような顔をして照れを隠してふくれたような顔をしたトラップに、わたしは声には出さないで『すき』と言った。
267トラパスJ:2008/12/20(土) 00:00:32 ID:umpsLYCk
 トラップはとってもやさしい目でわたしを見つめたまま、再び自分の腰を落とした。さっきの痛みがふっとわたしの頭を掠めた。
 わたしの下の口はぱっくりと開いて、トラップを飲み込もうとしているのが寝ているわたしからも見えた。卑猥な姿にわたしは思わず感じてしまう。
 「怖く、ねぇから」
 そう言いながらもわたしの肩に置かれた手がちょっと震えている。
 わたしは大きく深呼吸をし、ふーっと長く息を吐いた。
 再びペニスがヴァギナにあてがわれる。ちょっとやわらかいのに、カチカチになった不思議な感触の先端に、わたしは息を吐き続けた。
「んああああああああっ!」
 先端がわたしの中に入り込んでいく。メリメリっと音がした気がした。何も考えられない。やっぱり痛い。いたい。
 初めてのセックスは痛い、と聞くけど好きな人とのセックスでもこんなに痛いのかな。ひとつになりたいと思うことは、こんなに痛いことなのかな。
 身体が上下に引き裂かれるような激痛に、ぎゅっと目をつぶると涙がにじむ。
「ああっ、いたい、いたいっ」
 そう泣こうが、わめこうが、トラップはより深く腰をぐぐっと沈めていく。天地がひっくり返ったかのような痛みを味わいながら、薄目で犯されていく肉体を見つめた。
「っく・・・やべ、きちぃ」
 荒い息を肩でしながら、トラップはわたしの中ににじりにじりと入っていく。
 わたしの中ではこんなにトラップを求めているはずなのに、痛みによって彼を拒んでいるようだった。
 不思議な異物感を下腹部の辺りに感じて目をやると、わたしの中にトラップが途中まで入ってきていた。
 結合部を見て、思わず動物みたいだなぁと思ってしまう。
「は、入ってる・・・?」
「もう、ちょい、・・・くっ」
 そう言うとわたしの腰を押さえつけながらぐっと腰を落とした。
 下腹部に走るずん、という衝撃。わたしはトラップをすっぽりと根元まで飲み込んでいた。
「ああああああっ!」
 痛みと同時に、今までに味わったことの無い、弾けるような快楽。
 奥のほうまでトラップのでいっぱいになる。
 ようやくわたしたちは、一番近くまで来れたんだ。
 うれしくって、一粒の涙がわたしの頬を流れて伝わった。
「あふっ」
「やべ、パ、パステル・・・」
 にゅるんとした感触がして異物感がすっと消えていくと、お腹に生暖かい何かがかかった。

 短い夢から覚めるように目を開けると、トラップはぐったりしたような、苦しいような顔をしている。
 何かに解放されたようにわたしの片足に身体をもたれた。
 お腹をみると、そこにはトラップの吐き出した熱い思いが白濁色の液体に姿を変えていた。
 ぷん、と甘いような酸っぱいようななんともいえない匂いがした。
「わり、おめえの中、気持ちよすぎた」
 トラップはほっとしたようなちょっと苦しそうな声で言うと、近くにあったティッシュをとり、精液を拭いてくれた。
 身体を起こすと鈍く残る痛みと残物感がして、思わず顔をしかめる。わたしの秘部から太股を伝わって、シーツには真っ赤な跡が残されていて、ぎょっとした。
 でも、それと同時になんとも言えない幸福感に包まれた。
「痛くしちまって、ごめんな」
 申し訳なさそうなトラップにわたしはしっかり彼に向き合うと
「トラップ・・・だいすき」
 普段のわたしはぜーったいこんな大胆なこと言えないけど、全部見せちゃったこの人になら素直になれる。
 トラップはわたしをギュッと抱きしめた。
268トラパスK:2008/12/20(土) 00:05:40 ID:UoAk8NIp
「ねぇ、ぱーるぅ。それ、とってぇー」
 ルーミィの声ではっと我にかえる。ああ、いけない。わたしったらボーっとして。
 今は遅めの朝食をとりにメインクーン亭にいる。
 あれからわたし達は抱き合いながら寝てしまったみたいで。
 でも、部屋が明るくなるときにトラップはもうわたしの隣にはいなかった。
 さみしかったけど、ちょっと安心してわたしは再び睡魔に襲われてしまい、わたしとトラップは寝坊してしまったのだ。
「いつも寝起きの悪いトラップならわかりますけど、パステルが寝坊とは珍しいですねぇ」
 と、わたしが起きてきたときにキットンが言ってたもんな、くう。

「ねぇ、ぱーるぅ。きのう、おなか、いたかったんかぁ?」

 ぎくっ!!
 予想もしていなかったルーミィの発言に、持っていたコップを滑って落としそうになる。
「ぶっ!!」
 絶妙のタイミングでトラップが飲んでいた水をふきだして、むせ始めた。
「うわっ、おい、トラップ!」 
 クレイがトラップの背中をさすってやる。
「どうしたんだ、パステル?」
 ノルが心配そうにわたしを覗き込んだ。ううう、その話題から離れてよう。
 
「なんかねー、きのうルーミィがしおちゃんとねてたらねー、ぱーるぅがおおきあこえで『いちゃー、いちゃー』ってないてたんらお」
 ひやっとした悪寒がわたしの全身に走り、思わずその場に固まるわたし。
 顔面蒼白とは、まさにこのことだ。
「なんだ、パステル、調子悪いのか?・・・そういえば、ちょっと顔色も良くないみたいだしな」
 クレイの心配をよそに、わたしは頭の中は大パニック状態。
「そ、そうかな?は、はは。ごめんねー、ルーミィ。そ、そーそー!お腹痛かったんだよね。起こしちゃった?」
 ひきつった顔のまま聞くとルーミィは無邪気な顔で答えた。
「ぱーるぅのこえはきこえたんらけど、そのまましおちゃんとねちゃってたんらー」
 そう言うとニーッと白い歯を出して笑った。
「そうだったんデシか?ぼく、知らなかったデシ」
 テーブルの下にいたシロちゃんもわたしのすぐ隣に来て言った。
 
 思わず胸をなでおろすわたしとトラップ。
「パステル、腹痛ならよく効く薬があるんですよぉー。何か持ってきましょうか?」
 軟膏を・・・と言いたいのをぐっとこらえる。実は、まだひりひりした痛みが残ってて、普通に歩けないんだよね。情けないんだけど、ちょっとがに股になっちゃって。
「ううん、ゆっくり休んでたら治ると思うから大丈夫。ありがと」
 笑顔でキットンに断ると、それまで黙っていたトラップが
「けっ!たるんでんじゃねーの」
 といつものように悪態をついてきた。しかし、少し照れているような感じでいつもの憎たらしい感じがしない。
 わたしはなんとなく調子が出ないトラップに対して、
「うるさいなー」
 としか言えなかった。あああ、何かわざとらしい。

 とにかく、わたし達は付き合うことになったんだから。
 わたしはうれしくなって、思わず顔がほころんでしまった。
269トラパスL:2008/12/20(土) 00:13:40 ID:umpsLYCk
「パステルおねーしゃん」
 メインクーン亭を出た後、わたしの後ろからシロちゃんがトットコ歩きながら声をかけた。
 「なあに?シロちゃん」
 「ごめんなさいデシ。ちょっとお話したいことがあるんデシけど、いいデシか?」
 シロちゃんの顔がなんだかとっても真剣だったので、わたしは2人(一匹?)で話を聞くことにした。


 近くの公園のベンチに腰掛けると、シロちゃんはわたしのことを困ったような顔でみつめていた。
「どうしたの?シロちゃん。何かあったの?」
「・・・パステルおねーしゃん、ごめんなさいデシ。ぼく、さっき嘘ついちゃったんデシ。ルーミィしゃんがおねーしゃんの声を聞いたとき、ぼく、ほんとは起きてたデシ」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「でも、この前おかーさんに会ったとき、おかーさんから言われてたんデシ」
「おねーしゃんが、いつか部屋に男の人と2人で入ってきて、ベッドに潜っても、寝たふりしてなしゃいって。それから、おねーしゃんがいたい、いたいって泣き出してもジッとしてなきゃだめよ、って言ったデシ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「それから、この事を聞かれても知らないって答えないとだめって言われたデシ。ぼく、何でかわかんなかったからおかーさんに聞いたんデシけど、大きくなったらわかるって言われたデシ。今はまだわかんないデシけど・・・これで、よかったデシか?」

 シロちゃんはキラキラとした黒目でわたしを見上げた。
 わたしは返事に困りながら、本当に胃が痛くなってきてしまった。


END








以上です。
長くなってしまいましたが、ここまでです。

ギアとのこともあるので、書こうか悩みます・・・
ありがとうございました。
270名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 00:46:53 ID:OTXacaxx
G乙!!オチまでついて(笑)パステル可愛いし面白かった
271名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 01:14:47 ID:OEaz5K9z
>>書人さん
新作お待ちしてましたー!
その組み合わせ好きです! お兄さんに萌えますた。
乙です!

>>ファーファさん
ぐっじょーぶ!!
初めてリアルタイム投下に遭遇しました!
続きどきどきしながら読みふけってしまいましたよ!
トラップ早っ(笑

新作ラッシュで毎日が幸せです。
114さんのギアシミパスの続きはまだかなあ。
あんなハイレベルな3Pの後に同じ3P投下って辛そうだけど楽しみにしてます!
272名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 16:44:47 ID:3m99u2UF
どっちもハイレベルだから大丈夫だお

>>243
激しく乙でした
アルテアの弟への愛とパステルへの優しさがすごい良かった
あとパステルの反応がめっちゃ可愛いし、地の文のつっこみが面白いです
自分もその後の3人が気になるけど、ここは想像するとこかな?
3人の行為は今回の一度だけなのかが気になるw
共有編もだけど会話多いのがイイ!
273名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 16:49:59 ID:3m99u2UF
>>261
乙です
ゆっくり読ませてもらいますね
こんな早く続きが来ると思わなかったからすごい嬉しい


ギアシミパスもめちゃめちゃ楽しみにしてます。すっごい楽しみ
あとギアパス職人さんの黒マリーナも楽しみです

長めに細かく書いてくれる作品が多くて嬉しい
もちろん短編も好き
274名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 18:19:27 ID:X9VbbcmT
黒マリーナは目的完遂しても報い受けても
どっちでも面白そう
275名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 23:42:47 ID:8NBJeWcg
黒マリーナってあまり見ないけど人気ないのか書きづらいのかな。
ちょっと出だしだけ考えてみた。
276名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 23:45:40 ID:8NBJeWcg
一目惚れだった。
人を疑うことを知らない優しさ。周囲に向ける温かい笑顔。
そのどれもが好きだった。
全てを私のものにしたい・・・だから私はとうとう動き出すことにした。

「じゃあ、お願いするわねクレイ」
「ああ、2人とも気をつけてな」
1人店番をしているクレイの姿をしっかり確認して向き直る。
「それじゃ行きましょうか、パステル」
「うん!」
店を出てパステルと連れ立ってエベリンの街を歩き出す。
今日はあらかじめ約束しておいた女の子2人だけで買い物の日。少なくともパステルはそう思っている。
クレイは店番、キットンは薬草協会、ノルにはルーミィとシロちゃんを押し付けて遊びに行かせた。
いつもパステルに目を光らせているトラップには私達とは逆方向へ向かう用事を言いつけておいた。
通り道にカジノがあるのもチェック済み。我ながら隙のない布陣だとほくそ笑む。
「どうかした、マリーナ?」
「なっ何でもないわ。ただちょっと・・・思い出し笑いしちゃって」
「あ〜あるよね、そういう時って!わたしもこないださあ・・・」
危ない危ない。いくらパステルが鈍感とはいえちょっと油断しすぎたわね。
楽しそうに自分の体験談を話すパステルに適当に相槌を打ちながら
彼女が迷子にならないよう全神経を集中させる。はぐれてもらっちゃ困るのよ、今はまだ。
そのままパステルと露店の品物を物色していく。すっかり買い物を楽しんでいる彼女を尻目に
私は気づかれないようだんだんと人通りの少ない物騒な通りの方に誘導していった。

「ここ、どこ?マリーナどこお?」
(省略されました。続きが見たければワッフル)
277ギアパス職人:2008/12/21(日) 12:20:16 ID:RoDWNKmX
新作祭りですね。
職人のみなさま乙です。
連載中の作品は結末が楽しみ。

ギアシミパスは激しく萌えます。
続きが楽しみで仕方ないです(ヽ`д`)
ほのぼのした三人の雰囲気が大好きです。

流れに乗って投下します。
注意書きを必ず読んだ上でお読み下さい。

クレ×パス&マリーナ陵辱
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo

※注意書き

【卑語あり】、【鬼畜】、【登場人物が全員黒化】
特にクレイが黒クレイかもしれないので
甘めクレイが好きな方はスルーして下さい。
ノーマル推奨の方もスルーして下さい。

タイトルから想像がつくかもしれませんが、
マリーナが大好きな人は絶対スルーでお願いします。
278名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 13:57:13 ID:Ciu8WyoU
>>275-276
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 わっふるわっふる!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 マリパス!マリパス!
 ⊂彡

マリーナはなんか企んでる方がしっくりくるというか…
可哀想云々より好感持てるし生き生きしてて魅力ある気がするお
279名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:04:11 ID:Ciu8WyoU
>>277
乙です!
黒いパステルが新鮮で面白かった
黒いけど優しいクレイが不思議な感じだw
鬼畜モノを直接貼らないのはスルーしやすいし良い方法かも
でも思ったより読みやすかったよ 

幸せ3Pといえばギアパス職人さんのギアアルパスも良かったです
ギアとアルテアが競ってるのが面白いw
280名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:04:46 ID:Ciu8WyoU
あ、ごめん、>>278は良い意味ね
281114:2008/12/21(日) 23:39:46 ID:D5eGnoQg
コメントくださった方、ありがとうございます。
遅くなってすみません。ギア×パステル×ダンシング・シミターの続きを投下します。
今回で完結になります。
282ギア×パステル×ダンシング・シミター 13:2008/12/21(日) 23:41:00 ID:D5eGnoQg
 初めて見た男性の……その、何て言うんでしょうか。それに対する感想は、まあ少なくとも綺麗とはたくましいとか、そういう「いい感想」じゃなかったのは確か。
 生々しいって言うか……うーんはっきり言っていいだろうか? グロテスク。多分これが一番ぴったり来る。
「おい、何だその目つきは。言っておくがこれでも俺は自分の身体にはそれなりに自信があるつもりなんだが?」
「言ってやるな、ダンシング・シミター」
 とても直視することはできなくて目を伏せるわたしを見て、ダンシング・シミターは不愉快そうな顔をし、ギアは慰めるように髪を撫で続けた。
「初めてなんだろう? パステル、無理しなくてもいい。怖かったら、目を閉じていればいい。俺達に任せておけばいいんだ」
「う、うん……」
「こう考えろダンシング・シミター。お前のが立派すぎるからパステルが怯えるんだ」
「ふん。そんな調子でよくもあの店に行こうなんて考えたもんだ」
 ギアの言葉に不本意そうな言葉を並べつつ。悪い気はしなかったのか、ダンシング・シミターはちょっと嬉しそう。
 ああ、そう言えばトラップとクレイが前に何か言い争ってたような。どうせ身体でお前には敵わないとか俺のはお前より小さいとかだから女はみんなお前を選ぶとか何とか……
 最初、わたしは「何を言ってるんだろう」と呆れたものだけど。今思い返すと……
 大きい、小さいってもしかしてこのことだったのお!?
 ああ、何だかショック。トラップ達に限って、とは思っていたけど。彼らもやっぱり男の子なんだねえ……
「パステル、どうした?」
「あ、う、ううん、何でもない」
 ああ、何だか急に気が軽くなってきた。
 馬鹿馬鹿しい思い出に浸ったせいか。さっきまでごちごちに強張っていた身体が、少しほぐれて来るのがわかった。
 多分に、「どうもトラップ達もとっくに経験済みらしい」ということに気づいてしまったのが原因なんじゃないか、と思うけど。
 そうだよねえ。よく考えたら、わたし達の年で既に親になってる人達だって、世の中には大勢いるもんね。
 それを考えたら、いまだ未経験だったわたしが少し遅れてたって言うか……
 経緯がちょっとアレなのは認めるにしても。決して嫌いじゃない……ううん、むしろ好き? 尊敬してる? 二人の男性に教えてもらえるんだ、って考えたら、いいことなんじゃないかって思えてきた。
 そう、思おう。大人な二人に色々教えてもらいながら初めてを経験させてもらえる。それってすごくラッキーなことなんだって、そう思おう!
「ごめんね、ダンシング・シミター……お願い、続けて?」
「……顔つきが変わったな。覚悟を決めたか」
 目を開けて、まっすぐに正面の顔を見据えると。覚悟が伝わったのか、ダンシング・シミターは、にやりと笑った。
「いい顔だ」
 そう言って、彼は、妙に滑らかな手つきで、わたしのブーツと靴下を脱がせた。
 やっぱり素足の方が楽だなあ……なんて思っていると。そのままわたしの足首をつかんで、大きく押し広げた!
 ってきゃああああああああああああああああああ!?
「あ、あわっ! やっ、その!」
「ぱ、パステル、暴れるな!」
 思わずもがくと、後ろから抱きしめてくれていたギアが、ものすごーく焦った声で、言った。
「暴れるな。大人しくしていてくれ」
「うう、だってえ……」
 だ、だってだって! は、恥ずかしいんですけどっ……?
 大体こんな場所、今までトイレとお風呂以外、自分でも見たことも触ったこともない。そ、そりゃ、直接じゃなくて、下着越しではあるんだけど。
 無理やり太ももを広げられたせいかな? 薄い布地が、段々と割れ目に食い込んでいくのが自分でもわかって……!
 熱い視線を感じた。恐々と視線を下ろすと、ダンシング・シミターが、身じろぎもせず、食い入るように「ソコ」を見つめていた……
283ギア×パステル×ダンシング・シミター 14:2008/12/21(日) 23:44:54 ID:D5eGnoQg
 ひっ!
 じわり、と、身体の内部から何かがにじみ出るのがわかった。
 何だろう、この感覚。トイレに行きたい……っていうのとは、ちょっと違う。あれは、我慢しようと思えばいくらかは我慢できる。
 でも、今は駄目だった。どれだけ我慢しようとしても……ううん、我慢しようとすればするほど? 内部で灯った熱は、強さを増した。
 じわじわと奥深くから何かがにじみ出ようとしている。それを自分では止めることができない。見られてるってことはわかってるのに、それがすごく恥ずかしいことだってわかってるのに……
 恥ずかしいって思えば思うほど熱くなるのは何で!?
「ひゃあっ……やっ……み、見ないで……うう……」
「パステル……」
 わたしの様子に気づいたのか、ギアは困ったような声をあげて……やがて、乾いた唇を、わたしの首筋に押し上げた。
「あっ……」
「目を閉じて、黙って、パステル」
 ちゅうっ、と、小さな音と共に、首筋に熱い刺激が走った。
「素直に、無理に逆らおうとするな。身体から力を抜いて」
「う、うん……」
 目を閉じる。またまた強張ってしまった身体を何とかほぐそうとすると、ギアの唇が、ゆっくりと背中に降りてきて……同時、骨ばった手が、胸にあてがわれた。
 うひゃっ!
「うっ……やっ、くすぐったい……ギア、くすぐったいよっ……」
「黙って、少し我慢していてくれ」
「だって……」
 さっき、ダンシング・シミターに軽く触れられた胸。今度は、そこにギアが触れている。
 強い刺激じゃなかった。痛くも何ともなかった。ゆっくり動き出した指先が、円を描くように中心部へと向かっていく……そんな、動き。
 次いで、ただ足首をつかんだまま動こうとしたダンシング・シミターの手も、動いた。
「感度は十分なようだな。いいことだ」
「わわっ!?」
 一瞬だけ、沈黙が走った。薄目を開けてみると、どうもギアに目配せを送っていたらしい。
 あれ? と思うと同時、膝を抱え上げられ、そのまま前に引っ張られた。
 うひゃっ!
 ずるっ、とシーツの上でお尻が滑った。さっきまでギアの胸に預けられた背中は、今はベッドに預けられ。下半身だけをダンシング・シミターに抱えあげられているという、何とも中途半端な状況。
 さっきまで背後にあったギアの顔が、今は天井と並んで見える。覗き込まれている、ということを理解するまでに、少し時間がかかった。
「ギア……ダンシング・シミター……?」
「熱いか?」
「う、うん」
 質問に素直に頷くと、そうか、と軽い答え。
 そして……
「うっ……ん!?」
 ダンシング・シミターの唇が、つまさきに触れた。
 そのまま足首、ふくらはぎ、膝へと、徐々にキスが上ってくる。
 ついで身体の中心を貫いたのは、感じたことのない、鋭い刺激。
284ギア×パステル×ダンシング・シミター 15:2008/12/21(日) 23:48:02 ID:D5eGnoQg
「んんー!?」
 けれど、悲鳴を上げることはできなかった。わたしの唇は、ギアに塞がれていたから。
 さっきよりも浅い、その代わり長い、そんなキス。その間にも、襲う刺激は、強くなるばかりで弱まることはない。
「ん、ん、んんっ!?」
 びりびりと、電撃のような刺激が走った。
 ごつい指が、下着の隙間にねじいれられた。そのままスリットをかきわけて、表面をなぶるように踊っていく。
 内部に入ろうとはしない。それなのに、ああそれなのに! ぐちゅっ、という湿った音がやけに大きく響いて、わたしの頭は軽いパニック状態!
 な、何なに! この感覚はなに!
「んんっ……」
 我慢できなくて、無理やりに唇を開こうとすると、あわせてギアの唇が軽く開かれた。
 どうしてそんなことになったのかわからない。けれど、わたしの舌は自然とギアの中へと引き寄せられ、熱く彼の舌と絡み合った。
 しようと思ってやったわけじゃなく。ただ彼が欲しかった。もっと熱く繋がりたいと、そう思ってしまった。
「ふっ……んっ……」
 所在をなくした腕を、ギアの腕が抱え込んで、そのままキスが深められた。ぴん、と張った胸に時折軽く触れながら、ただ、わたしの身体を優しく撫で続けた。
 対してダンシング・シミターは無言でわたしの内部を攻め立てた。ぐちょぐちょという音は大きくなるばかりで、さっきまでは「にじみ出る」だった刺激がやがて「あふれ出る」に変わり、シーツを湿らせていくのがわかった。
 これが……快感……?
 軽く背中をのけぞらせると、待っていた、といわんばかりに、指が内部へと吸い込まれていった。
 最初は一本。やがて、二本、三本……
 かきまわすような動きは、まるで頭の中をかきまわしているかのように、ダイレクトな刺激を与えてきて、目の前が真っ白にスパークするのが、わかった。
「んんーっ!」
 びくん、びくんっ! と、身体を貫く感覚に、背中が浮いた。
 一瞬の硬直と弛緩。それと同時、ギアとダンシング・シミターは、同時に身体を離した。
「イッたようだな」
「ああ」
 はあ、はあ……と、荒い息の下で目をあげると、二人とも軽く息を弾ませていた。
 イッた……? 誰が? わたし、が? 今のが、「イク」ってことなのかな……?
「これは、もう邪魔だな」
 そして。
 ダンシング・シミターの指が、ぐちゃぐちゃに湿った下着に引っ掛けられて、そのまま膝までずりおろされた。
 今のわたしにはそれに逆らうこともできない。さっきまでは確かに「見られて恥ずかしい」って思っていたはずなのに、今は……
 今は、何だか。見られても……ううん、それよりも。
 もっとして欲しいって、そう思ってる……?
「そろそろいいだろう。ギア、交代してやる。初めては俺よりお前の方がいいだろう」
「ああ」
 ぼんやりとされるがままになっているわたしを見て、ダンシング・シミターが浮かべたのは苦笑。
 ひっかかっている下着、それとスカートが床の上に落とされる。これでわたしは完全なすっぽんぽん。もはや隠すものは何もない。
 ついで、ころんと身体をうつぶせにされた。ぎしぎしというきしみ音と共に、ダンシング・シミターが頭の方へ、ギアが足の方へと回りこんでくる。ちょうど、さっきと体勢が逆転した感じ。
「パステル。尻をあげてくれるか?」
「え、ええ……? あの……」
「大丈夫、恥ずかしがることはない。それに、その方が、きっと君も楽だと思う」
「う、うん。ギアがそう言うなら」
285ギア×パステル×ダンシング・シミター 16:2008/12/21(日) 23:50:39 ID:D5eGnoQg
 確かに、ダンシング・シミターもそうだったけど、ギアもかなり大柄だからね。受け入れるためにずっと両脚を広げているっていうのは、体勢的に辛いかもしれない。
 というより、さっきダンシング・シミターが遠慮なく押し広げてくれたせいで、ちょっとふとももが突っ張ってたりするし。
「これで、いいかな?」
「ああ。可愛いよ、パステル」
「うひゃっ!」
 ぴちゃっ、と濡れたような音がするキス。それをお尻とその「下」に降るように浴びせられて、収まりかけていた興奮が、再び高ぶってくるのがわかった。
「ああ……」
「おっと、俺のことを忘れてもらっても困る」
 お尻だけ突き出すような格好で突っ伏すわたしの肩を支えて、にやり、と笑ったのはダンシング・シミター。
「ギアに最初を譲ってやったんだ。少しは俺にもいい目を見させてもらわんとな?」
「うー……ど、どうやって?」
 両腕をベッドについて、いわゆる四つんばいの格好になると、ダンシング・シミターはベッドの上で膝立ちをしていた。
 そうすると、ちょうどわたしの顔の前に来るのは、ダンシング・シミターの……
「手でも口でも構わんぞ、お前の好きな方で。この意味はわかるか?」
「…………」
 こくん、と頷くと、「いい子だ」と頭を撫でられた。
 ついでギアの手が、わたしの腰を支え。熱い塊を、お尻に押し付けてきた。
「……いいか?」
「ああ。こっちの交渉はまとまった。さて、どうする?」
 どうするも何も。この格好で「手」は使えない。だったら、こうするしか……ない。
 さすがにちょっと怖かったけど。でも、ここまで来てしまったら、もういいか……という気分になっていた。
 何事も経験とはよく言ったもの。今のわたしに羞恥心はあまりない。それ以上にあるのは……未知の経験に対する、好奇心?
 そそり立つモノに、軽く唇をあてがう。頭上から響いたのは「うっ!?」といううめき声。
 へえ、あの人もこんな声が出せるんだねえ……と思うと、何だか面白くなってきてしまって。
 わたしは、大きく口を開くと、そのまま、ダンシング・シミターのモノをくわえこんだ。
 同時、強い衝撃が、下半身を貫くのがわかった。

「んんんーっ!」
 そこは十分に濡れて柔らかくなっていたはずだけど、やっぱり、ちょっとだけ痛かった。
 最初は先端だけ。やがて、わたしが暴れないってことがわかったのか、少しずつ奥へ。
 うわっ……何だろ、これ? 辛い苦しいすごく痛いって話だったけど、それって絶対嘘だよね?
 すごく……熱くて。気持ち、いいよ……?
「ん、ん、んっ!」
「ほら、口がお留守になってるぞ」
「んんーっ!」
 悲鳴ともうめき声ともつかない声をあげてもだえていると、ダンシング・シミターの手が頭を小突いた。
 わかってるよう、と抗議の視線だけ向けて、そっと舌を動かしてみる。
 初めて頬張ったソレは……まあ、美味しくはなかった。それは、確か。
 でも、何だろう? 食事として味わったのなら、絶対に「まずーい」って言って吐き出していただろうけど。
 今、こういう場面で、感情に振り回されるようにして味わったソレは、何とも言えない満足感を、わたしに与えてくれた。
286ギア×パステル×ダンシング・シミター 17:2008/12/21(日) 23:53:48 ID:D5eGnoQg
「ん、ん、んっ!」
「そう……それでいい……もっと舌を動かせ。そうだ。苦しいなら無理をしなくていい。飲み込むんじゃない。口の中で転がすと考えろ……いいぞっ……」
 ずん、ずんっ! と、リズミカルにギアの腰がわたしのお尻に打ちつけられる。
 溢れる雫が太ももを伝いながら辺りに飛び散るのがわかった。本当ならギアの名前を呼びたいところだけれど、口がふさがっているからそれは叶わない。
 だから代わりに、一心不乱に舌を動かした。内部でうごめくソレに巻きつけるようにして、ときに吸い上げるようにしながら、ダンシング・シミターへ感謝の思いをぶつけていた。
 いつの間にか、わたしの腕は正面のたくましい脚にすがりついていた。砕けそうになる腰を震える太ももで支えながら、ただ、行為に夢中になっていた。
 やがて……
「くっ……パステル、出る、ぞ」
「ん、ん、んーっ!」
「っ……こっちも限界だ!」
 どんっ、と、ギアの腰が突き放された。
 自然前に倒れこむようになると同時、喉の奥に、苦い刺激がほとばしった。
「んぐうっ!?」
「くっ……お、お、うおっ!? おい、大丈夫か!?」
「ん、んん……」
 どくん、どくんと、口の中いっぱいに熱くてべとべとした感触が広がっていった。
 ダンシング・シミターも焦ったのかな? 慌ててわたしの肩を小突いたけれど、わたしは、意地でも離れなかった。
 最後まで刺激を受け止める。大分唇の端からこぼれおちた白い雫を、何とか、飲み下して。
 勢いを失ったソレをゆっくりと舌で綺麗にして、顔を上げた。
「あ、あの……」
「……驚いた。初めてでよくそこまで」
「うう。ごめんなさい」
「いや、謝ることはない。そこまで期待はしていなかったからな。役得だ」
 うつむくわたしの頭をわしわしと撫でて、ダンシング・シミターが浮かべたのは、爽快な笑顔。
 そして。
「おいギア。お前はどうだった」
「……大したものだったよ」
 だるい身体を何とか起こして、振り向く。ギアは、ベッドに突っ伏すようにして、ぜいぜいと荒い息をついていた。
「正直……持たせるのに苦労した」
「ふん、俺と対抗しようなんざ十年早いってことだ、若造が」
「大して年は違わんだろう」
 言いながら上半身を起こしたギアは……何だろう。申し訳なさそうな、それでいてすごく満足そうな、そんな顔をしていた。
「どうだった、パステル?」
「え、え? どう、って」
「痛くはなかったか?」
「う、うん! それは、大丈夫!」
 痛くなんて、全然。むしろ、すごく気持ちよかったです……って、言っちゃっていいのかなあ。
 思わずベッドの上に正座して。わたしは、今更「かあっ」と頬を染めた。
 いや、正直……ね? ギアを受け入れたその場所、まだ何て言うのか、熱くて。ギアとダンシング・シミター、二人がたっぷり可愛がってくれたからかな? って思うと、ますます、その……
「お……」
 そして、わたしの様子に気づいたのか。
 脇から覗き込んできたダンシング・シミターが、実に嬉しそうな声をあげた。
「どうやら、俺達が雇った女は、まだまだ働く気十分なようだ」
「え、ええ!?」
「ふん、当然だ。まだ俺は下の方を味あわせてもらってないからな。少し休んだら第二ラウンドだ」
「あ、あの……」
「安心しろ。俺のは、ギアよりいいぞ?」
287ギア×パステル×ダンシング・シミター 18:2008/12/21(日) 23:56:43 ID:D5eGnoQg
 そんなこと言われて、何て答えればいいのよう……
 困っていると、微かに不機嫌そうな顔をしたギアが、ずいっ、と立ち上がった。
「……痛い思いをさせたら俺が止めるからな」
「そんなヘマをすると思うか? そういうお前こそ物足りなさそうな顔をしているな。第三ラウンド以降は追加料金が必要なんじゃないか?」
「いくらでも払ってやる」
 ギアも止める気はないんだね。とほほ……
 い、いや、嫌じゃないよ? だって、確かに……疲れてはいるけど、動けない、ってほどじゃないし。何よりも、身体が……まだ、熱い。興奮が、冷めない。
 だけど、だけど……何だか、自分が自分じゃなくなっていくのが怖い、って。そう言ったら、二人は笑うだろうか!?
 
 一度最後まで「イッた」からだろうか?
 ダンシング・シミターは、確かにギアよりは長くわたしの中にいた、ような気がする。
 さっきは四つんばいだったけど、今度はあぐらをかいたダンシング・シミターの上にわたしがまたがるような形。
 その格好で正面に立つギアのモノをくわえるのはなかなか大変だったけれど、その分、満足感は高かった。
 座り込む形のせいか、つながりはずっとずっと深かったし。ダンシング・シミターは、彼も彼で休むことなくふとももやら胸やらへ愛撫を続けながら、背中に熱いキスマークをいっぱいつけてくれて、快感もずっと強かった。
 だから、かな? それとも二回目だから? ギアに対する舌使いもさっきよりずっと情熱的になって、最後は彼に「も、もう勘弁してくれっ!」て悲鳴まで上げさせてしまった。
 うーん、これって成長……って呼んでいいのかなあ……?
 ダンシング・シミターに続いてギアのものを飲み下しながら、わたしはぼんやりと考えていた。
 もっとずっとこうしていたいっていう思いと、そんなわけにはいかないっていう冷静な思い。
 相反する感情に振り回されながら、行為の中に、溺れていった。
 
 契約は一晩、っていう話だったけれど、わたしもすごーく疲れていたからそのまま眠りたかったけれど。夜中になって、ギアが「宿まで送っていく」って言い出した。
 泊めたら一晩で我慢できそうもない、という言葉に、ダンシング・シミターは呆れ顔で「好きにしろ」とだけ言った。「ただし、俺はもう寝る。さすがに疲れた。行くならお前一人で行け」と付け加えて。
 で、今。わたしとギアは、並んで宿への帰り道を急いでいた。
「……悪かったな、パステル」
「悪かった、って?」
「いや、その……こんな形で……その、何だ。あんたの窮状につけこむような真似して、悪かった」
「そんなこと……」
 ふらふらする身体を、ギアがしっかりと支えてくれた。
 今日、何回二人の身体を受け入れたのか、正直覚えていない。最後は、ベッドのシーツなんて目もあてられない惨状になってて、ダンシング・シミターとギアで「誰がシーツの交換を申し出るか」なんて話でもめていたくらい。
 確かに、今になって冷静に考えると……本当によかったの? どんな理屈をつけようと、お金のためにこんなことして、本当に正しかったの? なーんて心の声も聞こえてくる。
 でも少なくとも、わたしは後悔はしていなかった。
 ポケットの中で握り締めたお財布には、ギアとダンシング・シミターが少し多めに払ってくれたお金が入っている。
 いい、って言ったのに、二人とも聞き入れなかった。予想以上に働いてもらったんだからサービスするのは当然だって、そう言った。
 これだけあれば、少なくともこの冬は乗り切れる。そのことにもホッとしていたし。
 それ以上に……
288ギア×パステル×ダンシング・シミター 19:2008/12/21(日) 23:58:57 ID:D5eGnoQg
「……こんな形ででも。ギアと……こういうことになって、わたし、嬉しかった」
「パステル?」
 言おうか、言うまいか、ずっと迷っていた。
 でも、言わなかったら、生真面目なギアのことだから、ずっとわたしに謝罪を続けるかもしれない。後悔、するかもしれない。
 それが嫌だったから。わたしは、素直に伝えることにした。
 自分の本音を。
「本当は……以前プロポーズされたとき、すごく嬉しかった。うん、って、すぐにでも言いたかったよ? だって、好きだったから」
「パステル……」
「でも……ギアは言ったよね。わたしが冒険者をやめるって言ったら、ガイナに行く、自分も冒険者をやめるって」
「…………」
「でも、あの後、わたし気づいちゃった。わたしはまだまだ冒険者を続けたい、パーティーのみんなとも別れたくないって。でも、きっとプロポーズを受けてしまったら、それは叶わないから」
 わたしとギアがよくても、パーティーのみんながきっと迷惑するだろう。ぎくしゃくするだろうし、誰かさんあたりは「中途半端な気持ちで冒険者をやるんじゃねえ」って怒るだろうし。
 どっちかしか選べなかったから。わたしは、ギアを諦めるしかなかった。一度諦めてしまったのだから、もう一度……なんて虫のいいことは言えないって、そう思っていた。
 けれど。今日……わたしは、ギアと一つになることができた。
 恋とか愛とか、そんな重い関係じゃなくて。お仕事として。今夜限りの関係を、ギアと築くことができた。
 明日からは、また元のように冒険者としてパーティーのみんなと笑いあうことを許される、そんな関係を。
「勝手なこと言って、ごめんね。でも、わたし後悔はしていないって、それだけ伝えたかったんだ」
「……パステル……」
 俺は、と言いかけるギアを制して、わたしは笑った。
「ダンシング・シミターにも感謝してる。あの人は、きっとわたしの気持ちをわかってくれていたんだね。初めては、全部ギアに譲ってくれた」
「…………」
「ああ、この人……最初は敵として出会ったけど。でも、本当はこんなにいい人なんだなあって思ったら……そうしたら全然嫌だなんて思えなかったよ。だから、そう伝えて」
「……ああ」
「パーティーのみんなを助けることができて、わたし、本当にホッとしてる。本当に感謝してる。ありがとう、って」
 それが、けじめの言葉のようなもの。
 今日のことを二度と口には出さない。二度と思い出さない。全て今夜限りの思い出として、胸の中に秘めておきましょう、と。そんな思いをこめて口にした、言葉。
「ああ、わかったよ、パステル」
 わたしの気持ちは、伝わったんだろう。ギアも、それ以上は何も言わなかった。
 いつの間にか近くに見えてきていた、みすず旅館の明かり。こんな時間なのに宿の中は明るくて、きっとみんなが、わたしの帰りを待っていてくれるんだろう、ってことがわかった。
「さよならだ、パステル」
「うん、さよなら」
 今度は、別れのキスさえなかった。
 ぽん、と肩を叩いて遠ざかって行くギアの背中を見送った後、わたしは、深呼吸して、みすず旅館の入り口に手をかけた。
 大丈夫。涙は出ていない。悲しくも寂しくも、ない。
「――ただいまあ!」
289名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 02:51:14 ID:n3mH9Bqa
来たあああああ
ほんとありがとう!
290名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 13:15:27 ID:OfuvTC6q
キター
G乙でした!
すっごい良かったです
291名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 00:09:59 ID:LCzWuJ6z
他SS連載中に同じテーマのSS投下とか
別書き手が投下してから一日と経たないうちに投下ってぶっちゃけありなの?
読む方が追いつかないからまともにレスがつかない
なのにすぐに別のSSが投下されて自分の投下作があっという間に過去作品としてログの中に埋もれるって
書き手側から見てありなの?
私は別スレの書き手なんだけど、書き手側のマナーとして誰かが投下したら
大体一日〜二日は間を空ける(住人が大体詠み終わって適度にレスもついてスレが落ち着くまで)
っていう暗黙のルールがあり
書き手の控え室スレとか愚痴スレ見てても、投下直後に別の書き手に投下されるのって
嫌がる書き手が多いみたいなんだけど。
読み手にばっかりあれこれルールができたみたいだけど、書き手に関しては無法地帯?
292名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 00:53:07 ID:2T+FQm07
おまいの1レスで書き手さん達一斉投下停止を覚悟のカキコだな
確信犯か?釣りか?
では住民の誇りにかけて全力で釣られようジャマイカ

他所のスレの常識引っ張ってくる必要あるのか?
そういった暗黙のルールというのはスレによって異なる
ここは普段過疎ってるから多少かぶろうがなんだろうがアリと認識してるが
それを証拠に読み手衆は喜んでるしちゃんとレスもついてる
全くレスついてないSSがあるか?何処を見てる?
そして書き手衆もこの状況でかまわないから皆来て投下してるんだよ
これだけの筆力を誇る職人達だぜ?
このスレのスタイルが気に入らなければとっくにスレを去ってる。それだけ

他所はどうであれ
このスレにおいては個人的意見にしか感じられないし
KYにルール化を推し進めようというのが実に不遜だ
293名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 01:01:37 ID:LCzWuJ6z
全然レスがついてないとは言ってないですよ。
「ろくにレスがつかない」って言ったの。
ずーっとスレ読んでて思ったんだけど
間を置いて投下されたSSに対するレスと
今、やたら集中投下されてるときのSSに対するレスと
ついでに議論が始まってるときのレスって全然温度が違う。
SS自体のクオリティは高いのに
ほんの一人か二人反応したら即次の作品が投下ってもったいないなあって思っただけ。
294名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 01:47:32 ID:JQsXgFwT
元々がレスが付かないスレだよね
そういう自分もついつい読み逃げしてしまうけど
面白かったのにレス付けないことはよくある
書き手さんたちGJです
読み応えがある作品をたくさんありがとう
295名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 02:14:26 ID:xf8P3kU3
>>292
釣られるな(w
というか「書き手さんは嫌じゃないのか」という問いかけに
読み手の立場で目いっぱい力説してどうする。勝手に書き手の意見を代弁するな。

まあルール化うんぬんはともかく
確かにここ数日の投下作品に大してレス数が極端に減ったのは同意かも。
>>291 の言う通り、長くて読み応えのある作品が多いから読み手が追いついてないのかな。
携帯からスレ見ると、びっくりするくらいスレが進んでてさかのぼるのが大変なときがあるし。
296名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 11:19:02 ID:m8pVL76A
>>281
GJ!
3人全員に萌えますた
冒険者っぽくて良かった

>>294
同意 ここは作品投下の間隔とレス数にあんま関係ないというか、
どっちにしてもレス少なめだと思う 良くも悪くも?
>>291の言ってることはわかるんだけど、
今はもうちょっと間を置くか、言い回しに気をつけてほしかった
話し合うのはいいことだけど、このタイミングにその書き方だと
ケンカ売ってると思う人もいるかもしれんし
温度差違いすぎるのは同意


今のうちに言っとくけど、あんまり興奮しないようにしようね。みんな
そんな情熱があったらSSに興奮しよーZE
297名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 11:36:13 ID:m8pVL76A
あと普段の投下でテーマやタイミングがかぶったら問題あると思うけど、
今回は、>>174-187あたりを受けての流れだから、
例外ということでお願いします。リクに書き手側が応えてくれた形だし、
流れを変える意味もあったと思うのよ
298名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 16:58:50 ID:xf8P3kU3
例外っていうけど
改めて読み返すと一つもレスがつかないうちに次を投下された黒マリーナの冒頭考えてくれた人と
連載途中に同じ幸せ3Pテーマ(しかもハイレベル)ぶつけられたギアシミパスさん、かなり気の毒だよ。
せめて連載が終わるまで、何だかんだ反応が出るまで待ってあげればよかったのに。
どうしても1日だって投下を待てない理由があったとかならともかく。
同じリクエストに答えた結果ぶつかったんだろうからこそ
気遣ってあげてもよかったんじゃないかな。

読み手の心ない言葉に書き手が傷つくように
書き手が書き手を傷つけることもあると思う。

特定の書き手さん占有スレじゃないんだから書き手同士のつぶし合いみたいにはならないで欲しい。
普段過疎化してるスレだからこそ今いる書き手さんは全員貴重なんだから
299名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 17:39:55 ID:HF4zRSRQ
>>298
いや、それは全くその通りだと思うよ
例外だから良いってわけじゃなく、いろいろ側面があるってだけの話

主張すんのも大事だけどさー
こういう話ってまったりやった方がいいと思うのよ
ちょっと批判が来た途端に、我も我もってガシガシ応戦したら
批判されようがフォローされようが書き手は投下しにくいよ
しかもSS感想や萌え談義みたいな、本来の書き込みは少なめなのにさ
300名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 17:56:18 ID:HF4zRSRQ
 
301名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 18:03:11 ID:VKDfMqai
 
302名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 18:34:29 ID:uuAldO/w
何よりまずケンカ腰や煽りを禁止がいい
言葉尻とらえたり揚げ足取りしたりしたら
話し合いにならなくなって、結局結論出ないまま無理矢理話変えることになる。
言いたいこと言って自分はすっきりするかもしれないけどスレの流れ考えてほしい

もうやだよ、最近どうしちゃったんだよ
303名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 18:47:30 ID:W2KNxaCj
オーシ好きはおらんかー?オッサン好きはオラだけかー?

オッサン好きがいなかったらLの三つ編みパステル好きはおらんかー?
304名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 19:01:31 ID:uuAldO/w
オーシのヒゲ萌え
Lのパステルは三つ編みも好きだが胸元のリボンほどきたい
305名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 19:46:01 ID:KV6sAodI
>>298が批判してる二人の職人さんは完成した作品を書いてくれた
298が庇ってる二人は未完成と、書くかどうかもわからない
出だしだけの話
自分は完成した作品を書いてくれる職人さんの方が好み
終わるかわからない作品の完成を待たせるほうが
よっぽど298が言う占有スレ化だよな
みんなが298みたいには思ってるわけじゃない
書き手同士の潰し合いもどこにもないよ
それに、ハイレベル3Pをぶつけられたギアシミパスさんが
気の毒というあなたのコメントのほうが気の毒
ギアシミパスさんの作品も感情描写がハイレベルだよ
どちらもGJな作品
298は書き手を守りたいんじゃなくて愚痴をこぼしてるだけにしか見えない
自治論議も禁止にした方がスレが平和になりそう
306名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 20:30:40 ID:xf8P3kU3
批判のつもりはなかったんだけど
批判に見えたのなら申し訳ない。
後、別に気の毒って技術的な話じゃないよ。
上で似てるとか真似したとかでもめてたし
単に書きにくかっただろうなあって思っただけ。そう見えなかったのなら本当に失礼なこと言ってすいません。
でもあなたの意見も相当失礼だよ。
未完成作品だから出だしだけだから横入りされようがレスがなかろうがしょうがないってこと?
完成作品だから書き手さんは他書き手を気遣う必要は一切ないと?

自分もギアシミパスさんの続きが一週間も二週間もなかったっていうのならこんな例え出さなかったよ。
1日半続きが来なかったからって完成するかどうかわからないって言い方厳しくない?

投下に作品にレスがほとんどつかない、1日やそこらですぐ次が投下されてログが流れていくのは気の毒だなあって
そう思った自分がおかしいのかな。
307名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 21:00:52 ID:JQsXgFwT
あなたの書き込みを見ると、ギアシミパスさんが連載中に
黒マリーナ出だしを投下した職人さんも
黒パステル投下当日に当日したギアシミパスさんも
立場がないよ?
自分の意見を認めさせたいからって職人さんたちの気持ちを
勝手に代弁して職人さんたちに迷惑をかけるのをやめてくれ
誰もあなたを擁護しないことで状況が理解できないか?
308名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 21:21:32 ID:xf8P3kU3
そうですね。
すいませんでした。
309名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 22:31:37 ID:X3v7znsp
最初黒マリ冒頭だけ書いて逃げようかと思ってたと言ったらヤバイ空気だ。
いや元々オチ自体は考えてたしワッフルワッフルして頂いたから書く気にはなってたんだけど
うまいこと職人さんの投下に隠れられてよかった、と密かに思ってたのにw
310名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 23:46:42 ID:5Vq+y3Ms
今北産業

自分は>>292におおむね胴衣。かなり熱いけどw
そして>>305が大方代弁してくれてる。
そもそも投下間隔1日だの1日半だの誰も決めてないんでないかい。
連載途中とはいえ、カプが全然違うもの投下してもそりゃかぶせだって言われたら、
書き手さんどうすりゃいいのとコソーリ思う。

今さぞ投下しにくいだろうなぁ。SS読みたい・・・
311114:2008/12/24(水) 00:12:18 ID:OdFrtbAP
3Pのエロシーンて難しいな、どうしても体位とか共有編とかぶるなあ
とあれこれこねくりまわしているうちに
あまりに素敵なアルパスクレイが投下されて
影響受けずに書ききる自信が無いから本気で逃げようとしてたチキン書き手です、すいません。
たくさんの人がwktkしてくれたおかげで何とか書き切れました。ありがとうございます。
完結にちょっと間があいたのは何回も書き直してたからだったり……
筆が遅い、というより書き終わってないのに投下した自分が悪いんで自業自得なんですが。
すいませんでした。
312名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 00:22:29 ID:Fy9MdZ52
職人さんに要望があるとすれば、連載形式で投下するときに
前回>>〇〇〇の続きです、ってアンカーを付けて欲しい
それくらいかな
自分は最近の流れは楽しかった
連載中の作品の続きを楽しみにしつつ、
完結した作品も読めて面白かった
313名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 01:32:55 ID:+hD02bYK
別に書きかけの作品を投下することは謝るようなことじゃないだろ・・・
そもそも114の投下速度と作品の長さというか密度で筆が遅いって
ちと原作者:深沢美潮に聞かせてやりたい
314名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 02:27:10 ID:VpyopHgN
すっごい過疎る時と
すっごい投下ある時とあるよねw
ここは常にすごい流れてるわけじゃないから別にいいかなーと思う。
最近はいっぱい読めて嬉しかった。
315名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 08:48:48 ID:sxOKX+62
あんまり論議してると論議乙って言うよ?
316書人:2008/12/24(水) 09:23:08 ID:U5DFHoAQ
たくさんご感想とお褒め頂きありがとうございます。

前回SSは、114さん連載投下から丸2日はあいたのとレスを確認して、
ファーファさん投下からは投下予告から1日の経過を見て投下しました。
ちなみにこの執筆はリクからの流れだったので、3Pという内容がかぶってしまいました。
色んな意味で連載を邪魔してしまったようで、114さんごめんなさい。
不快に思われた方申し訳ありませんでした。
317名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:38:54 ID:+hD02bYK
今回連投っぽくなってるのって
投下間の日数じゃなくて読み手のレスが極端に少ないからじゃないかな・・・
書き手さんのルールじゃなくて読み手のマナーだと思うけど。
多分1日どころか一時間後に投下されてたとしても
間に10も20もレスが入ってたら誰も連投なんて言わなかったんじゃないかな。極端な例だけど。
どっちにしろ書人さんが謝る必要はないと思う。

議論になると必ず「SS読みたいのに書き手さんが投下しにくくなる」って意見出るよね。
連載作品には必ず続きワクテカな書き込み入るけど
いざ投下されたとき、その作品にちゃんとレスつけてる人ってどれくらいいるんだろう。
今回リクエストで投下してくれたギアパスとか黒マリーナとか3Pとかに対する住人の反応見ると
クレクレだけは言うけど後は読み逃げって人が多そうだよね。
318名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 14:33:34 ID:W7+1Mwne
>>317
>「SS読みたいのに書き手さんが投下しにくくなる」って意見出るよね。
よくわからんが、自分はその通りのこと言った後投下されたSSに全部感想書いたよ
そう言いたくなる気持ちはわかるけどさ
319名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 14:38:08 ID:W7+1Mwne
あと、ゆっくり語ることはできないのかおまいら


問題になった時にガーッと長文で語り合うんじゃなくて、
普段から小出しにして少しずつ話し合わないか?
短期間にガンガン話し合うと誤解が入りやすいよ。
320名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 16:51:34 ID:sxOKX+62
感想文が苦手ってことかね
感想苦手でも乙とかGJとかでもいいんじゃないかい?

論議より感想とか乙とか萌え話しないかー
オッサン好きはいねがー
321名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 18:05:11 ID:/IGJ1cxZ
感想少なめスレで感想を書くと痛い奴に見えそうで書きにくいのはある
そうだね、乙だけでも違うかもね
書き手さんが投下、レス少数、書き手さん(´・ω・`)ショボーンで
過疎板になったのかもしれないし
自分がしたことに反応ないとつまらないよね

書き手さんたちGJGJGJです
322名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 03:42:13 ID:3vSdXWZ2
誰だ深沢スレにギア×ルー投下してるのwww
こっちにくれwww
323名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 16:32:52 ID:LgN1SzDb
あれ欲しいのかwwwww
ワロタwwwwww


議論に関しては内容は頷けるもんが多いんだけど
気が立ってる人多いな。何人か指摘してるけど同意。
言葉の端に無意識にトゲが入っちゃったりしてんのかな
まったり話し合うことはできるはずだお
324名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 15:58:36 ID:7b0YTxSP
ここは、ギア×ルーで流れを変えるしか……
325名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 22:58:21 ID:tfyzSiGf
ギアルー、どう妄想してもエロパロにならないorz


自分は昔ここの書き手だったけど、やっぱりたくさんレスが着くと嬉しくて次の作品を楽しく書けた。
最近…といってもここ一年くらいは、軽く投下しても反応はちょい薄かったかも。でもそれって、スレが荒れて作家さんが離れて投下が減ったから読み手も離れたんじゃないかなぁと思ってた。

まあだからたくさん投下したほうがスレの活性化にはなると思いつつ、最近まともに投下してなくて住人の皆様ごめんなさい。

感想はつけてもらえた方が、絶対にいいと思う。
長文失礼。
326名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 03:38:09 ID:mbYXZyII
元書き手でした。
最近は全然投下してないですが。
書き手の正直な思いとしては、感想や反応がないスレは投下する気になれないです。
それでは自分のパソコンの中だけで話を完結させて自己満足に浸ってるのと変わらない
というより「自分の作品は面白くなかったんだorz」とへこむ分、マイナスかも。
1レスの容量分に話を分割して手間隙かけて投下しているのには
やっぱりスレ住人の方々に喜んでもらいたい
喜んでもらえたからには何かしらの反応が欲しい、っていうのが本音です。
でもこの本音を正直に書くと、普通は「感想クレクレ厨ウザイ」となるので
書き手としては「何で誰も何も言ってくれないんだYO」と本心思っていても
もしくは「乙」「神」の一言しかもらえなくて
「本当に読んだのかYO! もうちょっと何か言ってくれてもいいだろー!」と思っていても
黙って「感想くれた人ありがとう」と言うしかないのが辛いところ。
327名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 07:56:11 ID:i4bt7Bb4
同じく元書き手
>>325>>326は全部同意だが特に、
>「自分の作品は面白くなかったんだorz」とへこむ分、マイナス
>でもこの本音を正直に書くと、普通は「感想クレクレ厨ウザイ」となるので
>書き手としては「何で誰も何も言ってくれないんだYO」と本心思っていても
涙がでるほど同意
めっちゃ同意
328名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 08:24:17 ID:kk4I8pgj
書き手さんにはいつも感謝してるけど
読んでる人は特に文才があるわけじゃないから
うまい感想文なんてなかなか書けないんじゃないかな。

「投下おつかれさま!」くらいの言葉でしか返せないのが現状。
下手に「感想」なんて書こうとしたら、知ったかぶりの意見に見えてしまったり
作品の批判に繋がってしまいそうで、読者同士の意見の違いの衝突も怖い。

そういう自分も、↑の文章が自分の思惑通りに伝わるかすごく心配。
329名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 09:25:10 ID:0g1ioJqT
残念ながら、投下お疲れさまもほとんどないのが現状
議論の後の一時期は良かったけどね
330名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 13:42:19 ID:iIjVnSX0
長文になりますが

最近「乙」ばっかだった、ごめんなさいorz
好きなカプの場合はだらだら萌えポイント書いたりもしましたが…
>>328の言うこともわかるんだけど、
文才に自信なくても頑張って書いてくれてる人もいるはずだしね…

自分は一応毎回書いてたけど(ただの「乙」がほとんどなんですが)、
他の書き込み少ないなーと思ってたから、
議論になっていきなり書き込みが増えてびっくりした。
今熱く語ってる人たちは今までどこにいたんだと(感想書いてた人ももちろんいるだろうけど)。
ひととおり読んで、言ってることはおかしくないけどちょっと勝手だと思った
最終的に>>319>>323に同意。

激しく今更だけど、>>106とか、
>それに抗議した職人さんもいなかったような。
職人さん本人はそういうの書きにくいんじゃないかね
>>325-326にしても、言いにくいことをようやく敢えて言ってくれたんだろうなと思うし

要はガイシュツだけど、今こんなに盛り上がるくらいなら
普段から書き込もうZE
投下ない時は、ネタ振って雑談でいいじゃん
そういうのが途絶える時期もあるのはわかるけど、
投下待ちの過疎なのに、投下されても書き込みがないって変だ
確かにこれじゃ職人さんいなくなるよね
331名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 13:44:55 ID:iIjVnSX0
あーごめん、変な書き方した
>文才に自信なくても頑張って書いてくれてる人もいるはずだしね…

文才に自信なくても頑張って書いてくれてる職人さんもいるはず、って意味です
あと、文才のない書き手もいるってことでは全然ないです
332ギアパス職人:2008/12/28(日) 01:07:29 ID:dVQ7kaTq
確かに感想をいただくと嬉しいですね。
書いてよかったって思います。
だけど、乙だけでも嬉しいです。
反応してくださる方々いつもありがとう。
励みになります(・ω・)/
ずいぶん前に投下した作品でも感想をいただけると嬉しくなりますよ。
雑談は賛成です。
自分は深沢美潮スレの雑談がネタ元になった作品があるのでw
ギアルル、逃避行編、黒クレパス、あたりがそうです。
ギアルーは面白いけどなかなか難しい……。
エロより、ほのぼのかも。

たぶん今年ラスト投下。
少々時期がずれたけど許して下さいw

ギア×パス「サンタクロースに罠をかけて」
http://m-pe.tv/u/?giaxpasfqparo
甘めエロです。
333名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 02:20:48 ID:GlJXmkno
>>332

しかしパラレルなら前注一言欲しかった
334名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 11:52:43 ID:c8LxZeUA
>>332
おークリスマスだ!!
ありがとうございます
335名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 17:19:47 ID:pIS2wnEq
>332
ギア、手編みワロスw
器用だなw
336名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 15:53:45 ID:dk8f1Qaf
>>332
乙です!
粗品のタオルわろたwwww
ギア確かに器用w
最初のパステルが面白かった。後半可愛かった
337名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 15:57:10 ID:dk8f1Qaf
ところでなんで書き込み止まってんだ
当の書き手さんの意見がせっかく出たんだから反応すれ
338ギアパス職人:2008/12/29(月) 21:37:09 ID:20vRsjur
>>332※追記パラレル、パステルサンタクロース設定。
ダメな人はスルーして下さい。

>>333言われてみればパラレルだ。
ありがとう(・ω・)/

>>334ちょっと遅れましたがw

>>335毛糸ものは手編みが一番w

>>336粗品のタオルにツッコミありがとうございますw

>>337ありがとうです(・ω・)/
年末でもちゃんとレスついて嬉しいですよー。
339名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 12:38:39 ID:0j6bZwaZ
>>332
いびつにふくらんだ緑のタイツにワロタw
>>277
ちょwwwwマリーナ爆破てwwww
GJ!
340名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 16:37:21 ID:ye1VRB2a
新年age
341名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 11:19:29 ID:D6ihjyfM
職人さんたちGJあげ

またギアシミパス作者さんの話が読みたいな
今更だけど、ベッドの脇にしゃがみ込んで
お腹を押さえてたギアは一体どうしたのか気になるw
342名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 16:23:40 ID:jiW/tSfp
言ってやるなw
彼も大変なのさ…
343名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 16:59:58 ID:D6ihjyfM
やっぱりそういうことなのかw
344ファーファ:2009/01/07(水) 13:26:36 ID:OTdl5o2L
あけましておめでとうございます。
2009年初投下します。
議論のあとちょっと過疎ってるみたいなので、これを機にさらに書き込みが増えるとうれしいです。

クレパス微エロ。
恋人設定です。
345クレパス@:2009/01/07(水) 13:27:30 ID:OTdl5o2L
「ぱーるぅ、お誕生日おめえとー!」
ルーミィが差し出したのは、わたしの両手にすっぽりと収まるくらいの彼女にとっては大きな小瓶。
「ルーミィ!これ、どうしたの?」
小瓶には洒落た金細工ガラスので縁取られており、透明のガラス瓶の中にはうすいブルーの液体が日の光に照らされてキラキラ光っている。
へー、とってもきれい。
思わず見入ってしまう。
瓶の表面にはわたしの似顔絵と、肉球のスタンプがぺたっと押されている。
「こえはねー、ルーミィとしおちゃんがおえかきしたんらお!」
「中の香水を作ったのはキットンしゃんで、外の模様を作ったのはノルしゃんデシ」
え!?香水?
ノルとキットンの方を向くと、ノルは照れ臭そうな顔で頭を掻いた。
「ぐふふ。わたしが特別な薬草を使って調合した香水ですからねぇ。きっと気に入ると思いますよ」
得意げな顔で笑うキットン。
さすが、薬草に詳しいだけあるよねー。香水まで作れちゃうなんて、ほんと知識人だよね。
「おれ、パステルに、その匂いつけてほしい」
ぽっと赤い顔をしながらノルは言った。
ノルもすごいよね、あんな太い指でこんな繊細な物を作り出すんだから。
蓋を開けて匂いを嗅ぐと、お花のような涼やかな香りの中にほんのりと甘酸っぱいフルーツのような香りが広がった。
香水は持ってないから全然詳しくないんだけど、きつくなくていい匂い。
ほんのり甘いのに爽やかで、終わりがすっとしている。香水特有のきつさがないのかな。
すうっと鼻の奥まで吸い込んだ。
んー…。何だか酔いしれちゃう。
「すごーい。んー…。いいにおい」
「ぐふふ。でしょう?パステルにきっと似合いますよ」
キットンはまたも得意そうに笑った。
「ぱーるぅ、ルーミィも、ルーミィも!」
手を延ばすルーミィの顔の近くに小瓶を近づける。
「ふー、こえ、いいにおいらねー」
わたしの顔を見てニーッと白い歯を覗かせて笑った。
「…あんまり、おいしい匂いじゃないデシね…」
クンクンと鼻を近付けたシロちゃんがちょっと顔をしかめた。
うんうん、シロちゃんの香りの趣味というのはあんまりよろしくないからね。
346クレパスA:2009/01/07(水) 13:28:28 ID:OTdl5o2L
そんな時、ふっとわたしの鼻先をふっと甘い匂いがくすぶった。
ん?
なんだろう、これ。
クッキーみたいな、お菓子みたいな……うーん、なんだかお腹空いてきちゃう。
「ルーミィ、いいにおいかぁ?」
そう言うとルーミィはわたしにさっと小さな手の甲を突き出した。
どれどれ、くんくん。
んー……確かに、いい匂い。これはルーミィの好きそうな匂いだなぁ。
思わずルーミィの小さな手を食べたくなっちゃうくらいだ。
「それ、バニラエッセンスなんですよ。ルーミィがほしいって聞かないもんですから」
「あー!なるほど!」
確かに言われてみれば、バニラの甘い匂いだ。食いしん坊のルーミィにはピッタリかも。
シロちゃんじゃないけど、おいしい匂いだよね。
「ルーミィ、いくらいい匂いだからって食べちゃだめよ?」
そうそう、バニラエッセンスっておいしそうな匂いとは裏腹にすーっごく苦いんだから。
「わぁってうもん!ぱーるぅは、それ、つけないんかあ?」
そう言われてみれば、そうだよね。
香水って肌につけて香りを楽しむものだもん。
「そうだね!じゃあ……ちょっとつけてみよっかな」
みんながわくわくした様子で見守る中、わたしは小瓶をちょこっと傾けて指先に液体を取ると耳の後ろにつけてみた。
うーん、こんな感じ、かな?
初めてつける香水にドキドキする。
わたしだって、女の子だもん。オシャレするとちょっとうきうきする。
ふわっと髪を揺らすたびにほんのりいい匂い。
もうちょこっとだけ手首の裏につけてみる。
鼻を近づけると自分の身体のちょっと甘いにおいと香水が混ざって更に甘く感じられた。
でも全然きつくないんだよね、爽やかだし。
くんくんと匂いを嗅ぐと何とも言えない幸せな気持ちになる。
「ほんとにいいにおい……みんな、ありがとう。大事にするね!」
わたしはみんなの方を向き合って言うと、満足そうにみんなは微笑んだ。



ふふふふふ。
んー、早くクレイ帰って来ないかな。
347クレパスB:2009/01/07(水) 13:29:31 ID:OTdl5o2L
早く嗅いでもらいたいな!
それで、いい匂いって言われたいな−。
クレイったら、わたしの匂いを嗅いでもっと好きになっちゃうかもしれない。
あー……そしたらどうしよう。
もっともっとキスされちゃうかもしれない。
きゃー。きゃー。どうしよう、恥ずかし−。やだなーもう、わたしったら。
たっははは!

なーんて一人で部屋に居ながらニマニマしていると、ドアががちゃっと開く音が聞こえた。
クレイだ!
勢いよくドアを開けると、そこには真っ赤な顔をしたトラップの姿が。 
「と、トラップ!」
面食らっていると、トラップはぼんやりとした顔でわたしを見つめている。
「ちょっと、どうしたの!?熱でもあるの?」
「…がも"な"」
ひどい鼻声。
ぐすっと鼻をすすって力無く答えた。
いつものトラップの威勢の良さがない。あーあ、これは絶対風邪引いてるな。
この時期って寒いから、どうしても体調崩しやすいんだよね。
にしても、この前『風邪なんか引く奴なんざ気合いが足りねぇ』って言ってたのは誰だったかなぁ。
トラップの額に手をやる。ひゃっ、熱い!これは相当熱あるみたい。
ふらふらしてるトラップを支えながら男部屋へと向かう。
今は他の誰も出かけていないから、帰ってきたらトラップの部屋には出来るだけ近づかないように言わなくっちゃ。
トラップに肩を貸すとわたしに全体重をかけるくらいにもたれ掛かってきた。
わっ、ちょっと倒れちゃうってば!
頬がくっつくくらいに寄り添いながら歩く。
「トラップ」
「……あ"?」
「何かいいにおい、しない?」
そういいながらこてん、と首を彼の顔の方に近付けてみる。
「………わ"がんね"」
鼻をグシュグシュさせながらトラップが苦しそうに答えた。
ありゃりゃ。んー…、やっぱり、わかんないか!



トラップを部屋へ寝かせたところにちょうどクレイが帰ってきた。
348クレパスC:2009/01/07(水) 13:30:33 ID:OTdl5o2L
トラップを部屋へ寝かせたところにちょうどクレイが帰ってきた。
トラップの事を話すと、クレイは呑気そうに笑った。
「大丈夫だよ。ゆっくり寝てたらトラップもすぐに元気になるよ」
「うん、そうだね!」
なんて事を話していると、急に後ろからばふっと抱きしめられた。
ひゃぁ!
肩から回された太い腕はわたしをがっちりと捕まえて離さない。
「じゃあ、今はおれ達ふたりっきりってことだよな」
囁かれる度耳にふっと生暖かい息がかかる。
ひゃっ!
ちょ、ちょっと、くすぐったいってば!
わたしが身体をよじると、なおもぎゅっときつく抱きしめられた。
きゃっ!
ちょっと、どうしたの?
クレイの息が、なんだか荒い。
はあはあと大きな息を肩でしているし、鼓動が早い。
「…なんか、いい匂いするな…」
そう言いながらわたしの耳元をくんくんと嗅いだ。
く、くすぐったい!
あ、そうだった!わたしって香水つけてたんだよね、そういえば。
でも、クレイ、気づいてくれたんだ。えへへ。なんかこういうのってうれしいよね。
「もっと、パステルの匂い、嗅ぎたい…」
そういうと、わたしの首筋に熱い口づけをした。
首が焼けそうな甘い感覚。
どうしちゃったんだろう、いつものクレイじゃない…。いつもは抱きしめて、軽くチュってして。まだ、それだけなのに、なんか、激しくない!?
心臓がドクンドクンと大きな音で脈打っている。
身動きのとれないまま硬直していると、何かがわたしの耳たぶにふれた。
「ひゃうん!」
な、何これ!?
ちょっと熱っぽくて滑らかな…クレイの、舌!?
そのまま耳たぶをくちゅっと口に含まれたり、軽く甘噛みされる。
ん…何だろう…なんか、くすぐったいような気持ちいいようなかんじ。
我慢できずに思わず声をあげて身体をよじった。
349クレパスD:2009/01/07(水) 13:31:33 ID:OTdl5o2L
「あぁん…」
自分でもびっくりするくらいのいやらしい声が出てしまう。
「シーッ、トラップが起きてきちゃうだろ……」
わたしの口を塞ぎながら耳元でこそっと囁く。
ああっ、それがだめなんだってば。
くすぐったい。
クレイはわたしの耳への口での愛撫をやめようとはしない。
静かにしなきゃいけないのに、わたしはよがりながら喘いでしまう。
クレイはわたしの首筋から耳元まで唇を這わせたり、舌先でつつーっとなぞった。
むり、無理だよ…。
声を出さないなんて出来ないってば。
口元に押さえ付けられたクレイの手からわたしの声が漏れる。
「静かに出来ないなら、もうやめるよ?」
一瞬わたしの方を向き直ると、クレイは再びわたしの耳元に唇を近付け、触れるか触れてないかわからないくらいの軽いキスをした。
「ひぃぃん!」
その瞬間に、わたしの身体の中を熱いものが一気に突き抜けていった。
指先から足の先まで一気に広がると、それと同時に下半身から力が抜け落ちそうになる。
ち、力が入らない…。
それに、なんか、出ちゃったかも…。
下半身がじわわっと熱く湿っていくのを感じていた。いや…やめないで。
くすぐったいと思っていた感覚は、いつの間にか快感へと変わっていた。
もっと、して?
わたしは必死に自分の耳をクレイの口元に突き出す。
「かわいいな、パステル…もっと舐めてあげるから」
わたしの耳元にかかる毛を軽くかきあげながら、再び唇を這わせた。
やっ…クレイの唇がそっと触る度に、なんだか身体がびくんびくんと痙攣してる。
静かにしなきゃってわかってはいるんだけど、ああ、だめだ、こらえきれない。ぐちゅっ、ぐちゅっと音を立てながらわたしの耳の穴に侵入してくる舌。
何だか、犯されちゃってるみたい……?
そう考えると恥ずかしいんだけど、なんだか余計に興奮した。
もしかして、このまま…?
クレイの方を向き直ると、ぼんやりとした鳶色の瞳と目があった。
何も言わなくても、わたしはそっと目をつぶる。
そのまま、暖かい唇がわたしと重なった。
重なるところから広がる、好きの気持ち。
350クレパスE:2009/01/07(水) 13:32:22 ID:OTdl5o2L
たっぷりの時間が流れ、わたしから唇を離す。
クレイの顔を見ると、もの欲しそうなうっとりした顔でわたしを見つめている。
ふふっ。なんだか、すっごくかわいい。
わたしが思わずしがみつくと、首筋からクレイの匂いがした。
汗と体臭とが混ざり合ったすっぱいようなちょっぴり香ばしいような香りに酔いしれて、わたしはそのまま身を委ねていた。


「パステル、どうですか?香水は」
外から戻ってきたキットンが頭をぼりぼりと掻き毟りながら椅子に腰掛ける。うう、出来たらキットンにもつけてもらいたいくらいだけど。
「うん!とっても気に入ってるよ!」
そう言いながらわたしは手首の裏に鼻を押し当てる。
さっきまでのつけたての匂いは薄らいで、消えそうな中にはちょっと後引くような甘みのあるあたたかい匂いがうっすらとした。
「それはよかった!ちなみに、クレイやトラップは何ともないですか?」
「ええ?」
「何の話だ?キットン」
それまで黙って話を聞いていたクレイだけど、急に眉間にシワを寄せてキットンに尋ねた。
「いやー、わたしとしたことが、香水の調合を間違えてしまいましてねえ、フェロモン香水のページを見ながら作ってしまったんですよ」
「フェロモン香水ぃ!?」
わたしとクレイが同時に聞き返した。
「ええ、人間に催淫効果をもたらす香りなんですよ。まぁ、香り自体はすごくさっぱりとしてるんですが、フェロモンと同じ働きをする成分の薬草が入っていたからですねぇ。クレイ、ほんとに何もなかったですよね?」
「な、何もないに決まってるだろ!」
思わずテーブルに身を乗り出して怒鳴ったクレイ。うう、それじゃ、余計に怪しいんだってば。
実は、キットンたちが帰ってくる前にわたしたち、このテーブルの上で最後までしちゃったんだ。だから、決して何もなかったなんて言えない。大アリなんだもん。
そういえば…?わたしは、ふと、疑問に思うことがあった。
「ねえ、キットン。この香水がフェロモン香水だとしたら、キットンやノルはどうなるの?わたし、ルーミィからもらったときにその場でつけたじゃない。あのときどうだったの?」
「いやー、わたしは何ともなかったですよ。それは別に妻帯者であるからというのは別として、人間にしか効果がないからだといえるでしょうねえ」
351クレパスF:2009/01/07(水) 13:34:32 ID:OTdl5o2L
「え、ど。どういうこと?」
「いやですねえ、わたしもノルも厳密に言うと人間じゃないですから。わたしはキットン族ですし、彼は巨人族ですし。そりゃ効果ありませんよ。ぎゃっはっはっはっはっは」
わたしの問いに対して大笑いしだしたキットン。
って、確かにそれはそうなんですけど!
「おれ、なんともない。でも、パステルの匂いは好きだ」
ルーミィとシロちゃんと遊んでいたノルも振り向いてこんなことを言った。
「でもまぁ、風邪で寝ているトラップは別として、クレイにも効果がないってことはただの香水って訳ですね。よかったですね、パステル」
「んー…でもやっぱりもったいないから、普段には使えないよ。みんながせっかくくれたんだもん。大事に使うね!」
わたしは笑顔で答えたんだけど、ほんとの意味は他にもあった。
クレイと二人っきりのときにだけ、使うね。
あんなに激しく求めてくるクレイにはびっくりしたんだけど、たまにはそういうのもいいよね。
17歳の誕生日、わたしはまたひとつ大人になりました。





END



352ファーファ:2009/01/07(水) 13:36:30 ID:OTdl5o2L
以上です。
エロ以外多目になってすみませんでした。
投下する際に細かくなりすぎてすみません。。。


あと、亀で申し訳ないですが
114さんのギアシミパス、最後が切なかったです。
このカプすごい好きでした。

ギアパス職人さんのサンタパステルかわいかったです。
ギアが毛糸のパンツ編んでるところ想像して噴き出しました。

お二人とも乙です!
353前編:2009/01/08(木) 00:26:14 ID:S/8FAKDV
突発的に思いついたネタ。今では後悔している。だが反省はしていない。

カプ:トラパス+クレイも登場
エロ比率:低い

 つぷっ……と指を沈めると、粘性のある液体がまとわりついてきた。
 かきまわす。ぬるぬるとした感触に自然と頬が緩むのがわかった。
「やだぁ……」
 そんな俺の行為を咎めるのは、実に聞き慣れたパーティーの仲間の声。
 パステルの、声。
「やめてよ、汚いでしょ」
「おいおい、汚いたあ、また随分な言い草じゃねえの」
 ぐりぐりと、奥深くまで指をねじ入れた後、おもむろに引き抜く。
 どろりと指を伝い落ちる粘液。なめ上げると、口内に甘い味が広がった。
「――うまい。おめえもなめてみる?」
「ば、馬鹿っ。何言ってるのよ! それより……ねえ、早く」
「ああ、わあってるっつーの」
 せかす奴があるかよ、ったく。最高級の贅沢品が目の前にあるっつーのに、がっつく奴があるか。
 だがまあ……確かに、もたもたしてると他の奴に見つかる恐れがある。焦らすのは、ここまでにしとくか。
「んじゃ、まあ……いただきます」
「ん……」
 こくりと頷くパステルの顔は、微かに上気して見えた。かく言う俺の顔もだが。
 ここまで来るのに長かった。大げさと言うな。俺だって、話に聞いたことはあったが、経験したことなんざ一回もなかったんだ。
 だが、これまでの苦労は、今この瞬間に報われるっ……
「いくぞ」
 ぐいっ……
 十分に大きく、硬く膨らんだモノを内部にねじ入れる。だが、入り口が狭いと言うべきかモノがでかいと言うべきか……なかなか、思うように中に進まねえ。
「やっ……ちょっとトラップ! 無茶しないでよっ……」
 ぐいぐいと、強引にねじ入れようとする俺を見て、パステルが、悲鳴じみた声をあげた。
「乱暴にしないでってば……」
「わあってるっつーの。もうちっと……」
 んなことは言われるまでもねえ。
 いったんソレを引き抜いて、もう一度。さっきよりはスムーズに入っているように見えるのは……俺の気のせい、じゃないよな。
 がちがちに硬かった部分が、内部の粘液に包まれて少しばかり柔らかくなった。きっと、そういうことなんだろう。
 繰り返す。入れては沈め、入れては沈めの動きを何回繰り返したのか。そんなに長い時間じゃあなかったと思うが。
 いいかげん、我慢の限界だったし。
「……よしっ」
 ずるっ! と引き抜いた瞬間、どろりとした白濁色の液体が伝い落ちてきた。
 一種の達成感と共に顔を上げると、パステルも、まっすぐに俺の顔を見ていた。
 思いは、一つ。

354後編:2009/01/08(木) 00:27:27 ID:S/8FAKDV
「――いただきます!」
「二人とも、こんなところで何やってるんだ? ルーミィが探してたぞ」
 がちゃんっ、という音とともにドアが開き、俺とパステルは、そろって手を滑らせることになった。
 がちゃんっ! という似て非なる音と共に、台所の床が白濁色で覆われたのは、それから一秒後のことだった……

「練乳?」
「牛乳と砂糖を煮詰めて作るのっ! パンに塗ると、すっごく美味しいんだよっ!」
 説明を求めるクレイに、パステルは心底残念そうにつぶやいた。
「頑張ったのに……ここまで煮詰めるの、本当に苦労したのにっ!」
「……で、このフランスパンは……お前が焼いたのか?」
「んだよ。文句でもあんのか!?」
 無残に床の上で割れたガラス瓶と、ぶちまけられた練乳を掃除しながら。俺は、吐き捨てるように言った。
「おめえなあ! パン作りってのがどんだけ重労働かわかってんのか!? 苦労したんだぞ! 生地を作るだけでどんだけ体力使わされたと思ってんだ!!」
「いや……それはわかるけどさ……だったら、何でそんなこそこそと。何も内緒にするようなことじゃないだろう」
「だって、内緒にしたかったんだもん」
 ぎゅっ、と雑巾を絞りながら、パステルは、「はあ」とため息をついた。
「絵本に載ってるのを見て、ルーミィが食べたいって言ってたから。最近のルーミィはすごく頑張ってたから、ご褒美に作ってあげようと思って」
「……トラップもか?」
「だーってしゃあねえだろー。協力したら、晩飯にビールつけるって言われちゃあなあ」
「――お前ららしい」
 俺とパステルの言葉に、クレイは苦笑を浮かべて言った。
「悪かったよ。ルーミィはノルが見てくれてるから……俺も手伝うから、もう一度作ろう」
「え、クレイ、手伝ってくれるの?」
「よっしゃ、んじゃおめえはフランスパンの方な。俺は材料の買出しでも……」
「トラップ、そう言って逃げる気でしょ! 大丈夫、材料は十分あるから! 三人でもう一回頑張ろうね!」
 パステルの笑顔に、クレイはにっこり笑って、俺は渋々頷いた。
 料理なんて俺の柄じゃねえし、一回手伝ったんだからもういいだろうと言いたいところだが……まあ、たまにはこんなのもいいだろう。
 この笑顔が褒美だっつーのなら、割のいい仕事だしな!


 ――END――

 以上
 書き逃げ失礼しました
355名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:35:57 ID:z1zcyil6
>>345-351>>353-354
うおおおおお乙
ゆっくり読ませてもらいます。後で感想書くね
新年からクレパストラパス揃ってて超嬉しい
前後編の方はタイミング的にもーちょい間空けた方が良かったかもしれんお
どっちもGJ
356名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:43:53 ID:S/8FAKDV
投下して他のスレ見て戻ってきたらもうレスが。
>>355さん、ありがとう。

ところで
もーちょいってどれくらいあければよかった?
一応今までの議論ずーっと読んでたんだけど
>>292とか>>310とか見て
このスレでは投下間隔とか気にする必要ないのかなーって思ったんで
思いついて書きあがったから投下したんだけど。
357名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 14:01:56 ID:Zcg6V/e7
ファーファさんニオイフェチの自分にはたまりませんニオイのSSどんとこいです

トラパスクレイさん
洗濯機系のネタワラタけどトラパスでほっこりした、トラパスどんとこいです

論議するつもりはないですが希望いうと
書いたら投下でも自分はいいと思います
投下時期をのがす→忙しくなったりして投下せず→そのままにしてお蔵入りなんてことがあったら読めたはずのが読めなくなるなんていやなので
考えすぎかもしれないけどこのスレでは投下時期はこだわらないスタイルであってほしいです
358書人:2009/01/09(金) 15:47:19 ID:SdwWUPtq
あけましておめでとうございます。
書き手の皆さん新年から良作乙です。

今年度初投下に参りました。
カプはオーシ×パステル。パステルはクレイと恋人前提です。
なお、新年から暑苦しいエロです。
めくるめくオッサニズム!ほとばしるオッサニズム!
綺麗なエロが好みの方はスルー願います。
359オーシ×パス 1:2009/01/09(金) 15:48:12 ID:SdwWUPtq

「リター! こっちにビールあと3杯ね」
「あいよっ、ちょっと待っててー」
 大量のお皿の乗ったお盆を両手に持ったリタが、首だけ振り返って答えてくれた。
 くるくるっとまとめた髪の毛を結んだ後姿が厨房へと入るのを見届けると、椅子から浮かしかけていたお尻をおろす。
 今日も猪鹿亭は大繁盛。
 大きなお店のテーブルほとんどが埋まっていて、そこかしこでにぎやかな話し声が聞こえる。
 もちろんわたしたちのいるテーブルも例外じゃなく。
「くっそ、あの女絶対イカサマしてやがる! 俺のテーブル総取りしやがって!」
「また負けたのか? バイトの給料入ったばっかりなのに」
 悔しそうにジョッキを傾けるトラップに呆れたように答えるのは、串焼き片手のクレイ。
 今月はけっこうバイト頑張ってたからお給料多めだったみたいなのに、もうすっちゃったんだね。何やってんだか。
 まぁ自分のお小遣いだからどう使おうが勝手だけどさあ。

「畜生、今日こそ取り返してやらにゃ気がすまねぇ。おいクレイちゃんよ」
「ちょっとぉ、間違ってもクレイに貸してなんて言わないでよね」
 慌てて話に割り込むと、わたしの右側からにこやかな笑みが返ってきた。
「もちろん。こいつにギャンブル資金貸すなんて、破れた財布に金入れるのと一緒だよ」
 的確な表現にブンむくれるトラップ。
「パステル、いらんこと言うんじゃねえ!」
「なによ、トラップが悪いんじゃない。手持ちがなくなったらすぐクレイにたかろうとするんだから」
「へーへーそれでデート資金が減ったら困りますもんねぇ、いいよなぁ色々あったけえ奴らは」
 彼はおどけたように顎を突き出した。うー、むかつくなぁ。
「今そんなこと関係ないでしょ!」
「ぱーるぅ、顔真っ赤だおう」
 大きなソーセージを刺したフォークを握り締めたルーミィが、不思議そうな顔でこっちを見ている。
 同じく大きなくりくりの黒目をわたしにそそぐシロちゃん。いいのよ、君らは食べてなさい。
「まぁ今やクレイのお財布はパステルのお財布と同じですからねえ。いや、もともとうちのパーティのお財布はパステルが握ってたんでしたね。クレイも二重に管理されるとは」
 淡々と述べるのは、わたしの真正面に座ったキットン。
 そ、そりゃそうだけど、なんかそれじゃわたしがすごい守銭奴みたいじゃない?
 もう少しものには言い方って物があると思うんですけど!
「カカア天下と言いますか……あっ、何するんですかパステル!」
 キットンが伸ばしたフォークの先から、唐揚げのお皿をさらう。
「悪かったわねー、カカア天下で」
「いやその言い過ぎました。それよりその唐揚げ下さい」
 じと目でキットンを睨んでいると、横顔に感じる視線。困ったような笑顔のノルと目が合う。
 とりあえず愛想笑いして誤魔化すように咳払いしつつ、知らん顔して唐揚げのお皿を遠ざける。
 キットンの苦情の横では、まだしつこくクレイ相手にブツブツ言っていたトラップが、情けないため息をつきながら空になったジョッキを置いた。
360オーシ×パス 2:2009/01/09(金) 15:48:46 ID:SdwWUPtq

「だってよー、昨日の女ムカつくんだぜぇ? そこそこ若くてどう見ても素人なのによ」
「そらおまえ、女の胸ばっか見てっからだよ」
 机に突っ伏している赤毛の頭に、からかうような言葉が飛ぶ。
 声の方向を見れば、どっかと座り込んでる上機嫌な赤ら顔。なぁんだオーシか。
「まぁあの女間違いなくプロだろうがな」
 ぬうっと顔をあげたトラップは、オーシの言葉を聞いて一瞬眼光を鋭くした。
「プロ? あの風体でか?」
「おぅ、情報通の俺を舐めるんじゃねえよ」
 まぁそれは間違いないかも。
 このシルバーリーブで一番早くて正確な情報を持ってるのはオーシだろうな。
「ありゃここらの街のカジノ荒らしてる女賭博士だろ」
「有名なのかよ?」
「シルバーリーブじゃ初見だろうな。でも昨夜のあの荒稼ぎじゃ、今日はもういなくなってるんじゃねえか? がはははっ」
 下品に笑うと、特大ジョッキのビールをごくごくと飲み干すオーシ。
 浅黒い首の喉仏が脈打つように動く。
「くそーやられ損かよ」
「どうせあの女の胸だの脚だのばっか見てたんだろ? ガキだなぁ、まだまだ」
「んなこと言ったって、あの服は反則だと思わねぇ?」
 すっかりいじけた様子のトラップは、目の前の枝豆を口に運んでは前歯でちびちびと噛み砕く。
 ざまあみろと言わんばかりに大笑いしたオーシがふと真顔になった。
「まさかおまえ童貞かよ!?」
 とんでもない言葉が飛び出し、話の流れと意味を把握している大人全員が固まる。
「ちょっと、ルーミィもいるのにやめてよそういう話っ!」
 焦りまくって制止するも、案の定ちゃんと聞いてるルーミィ。
「ろーてえ? おいしいのかあ?」
「食べるものじゃないんだよ、ルーミィ」
「まぁ大人の女性が食べたりすることもありますがねぇ」
「キットン」
「あ、わかりましたすみません。その春巻き取らないで下さい」

 もめているわたしたちを余所にニヤニヤ笑っている事の元凶は、トラップの肩を軽く突いてまた尋ねた。
「どうなんだよ? え?」
「るせーよほっとけ」
 思い切り不貞腐れた表情のトラップはオーシから顔を背けると、ビールを持ってきた新しいウエイトレスの子を捕まえた。
 オーシを完全無視し、可愛いだのいつまでいるかだの話しかけてる。
 質問が空振った形になったオーシは、わざとらしく両手を広げて見せると、椅子から立ち上がった。
「俺としたことが、未経験のガキをからかってもつまらんな」
 言葉を切ってなぜかちらりとクレイを見やる。
「サカリがついちまってるような奴もいるのになあ……昨日も」
 な!? トイレのある方向へ歩く背中を思わず視線で追いかけてしまう。
 気がつけば皆同じ反応。今のどういう意味? と言いたげな空気をひしひしと感じる。
 もう、みんなの前でそんなことばらさなくったって……
――ちょっと待ってよ。
 なんでオーシがそれを知ってるの? 一気に顔から血の気が引く。
 クレイが言うわけないし、パーティの皆はさすがに知らないだろうしもし知っててもオーシに言う訳ないし。頭がぐるぐるぐるぐる回る。
361オーシ×パス 3:2009/01/09(金) 15:50:16 ID:SdwWUPtq

 テーブルの面々はわたしの表情を見てどう判断したのか知らないけど、わざとらしく帰る準備を始めている。「そろそろ出ますかねえ」
「そうだな。ルーミィ、ごちそうさまだよ」
 クレイもなんともいえない複雑な笑顔でルーミィを椅子から下ろしている。
「帰るんかあ?」
「ルーミィ、帰って、あやとりしよう」
「いいおう!」
 楽しそうにノルの指を握ったルーミィ。
「俺ぁ今日もカジノ寄ってから帰るぜ。昨日の女、来てるかもしんねぇからな」
 まさか……
 カジノとオーシの家を最短ルートで結ぶと、みすず旅館のすぐ裏の路地を通ることになる。
 そして昨夜こっそり使わせてもらった空き部屋は1階。
 カーテン閉めたか覚えてないけど。いや待て、わたし。珍しくあったかい日で、なんかいい風が入って気持ちいいなぁって思った! そういえば!!
 昨夜のカジノの閉店時間は0時……その頃わたしとクレイは……
 あああ間違いない! 通りすがりに見られた若しくは聞かれてたんだわ!!
 普段頭の回転があまり早くないわたしだけど、珍しくあっという間に結論を導き出し、椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がった。

「どうしたんですかパステル」
「先に帰ってて! わたし、その……リタにちょっと用事を思い出したの」
 恐る恐る問いかけてきたキットンに、無理やり作った言い訳で答える。
「わ、わかりました。じゃあ支払お願いしますよ」
 お腹いっぱいで口元にケチャップをつけたままのルーミィに作り笑顔で手を振って見せると、わたしはそそくさと厨房へ向かった。

 そっと厨房を覗き込むと、中は戦場のような慌しさ。
 こういう時は大抵、後で精算しとくから会計は明日来た時に払ってくれって言われるんだよね。
 すごい勢いでお皿を洗っていたリタと目が合うと、案の定「あした」とリタの唇が動いたので、うんうんと頷いて通りすぎる。
 その先、一番奥まった場所にあるのはトイレ。
 さっき席を立って、まだオーシは戻ってきてないんだよね。
 もしかして気持ち悪くなってるんだろか。でもそんなの知っこっちゃない。

 なんで知ってるのか聞かないと落ち着かなくて帰れないよ、わたし。
 ついでに一応……口止めしとかないとなぁ。
 いったいどこまで聞かれてたのかわかんないけど、どう考えてもクレイにもわたしにも不名誉な気がするし。
 でもただで黙っててくれるとも思えないし……口止め料とか言われそう。それかシナリオ買えとか?
 今お財布にあんまり余裕ないんだけどなー
 トイレの前で悶々と考え込んでいると、ぎいっという音と同時にドアが開いた。
「んあ? 何してんだ、こんなとこで」
 そこにいたのはもちろんオーシその人。
「話があるのよ、ちょっとこっち来て!」
「なんなんだ、一体。俺まだ飲んでんだけどよ」
 抗議を無視して太い腕を抱え込み、強引に引っ張る。

 トイレのある通路のどん詰まりにある通用口を押し開けると、猪鹿亭と隣の物置小屋の狭い隙間に出る。
 一応猪鹿亭の入口側へ抜けられるようにはなってるんだけど、今そこには山と積まれた木箱や樽で完全に塞がれてしまってる。
 ここなら誰にも邪魔されずに話ができるはず! このドアを開けて出てくる人がいるとは思えないしね。
 屋根はないけどある種密室になっていることを確認してほっと安心すると、本来の目的、オーシを問い詰めなくちゃいけない。
362オーシ×パス 4:2009/01/09(金) 15:51:12 ID:SdwWUPtq

「さっきの話……」
「あ? あぁおまえらが色気づいて色々やってる話か」
「なっ! 色気づくってそんな、色々ってその」
「何が言いたいんだよ」
 どもりまくるわたしの顔を覗き込んで意地悪そうに笑う。
「もしかして……見たの?」
「昨日だったかなー、カジノの帰りに某旅館の傍を通ったらなぁ、夜中なのに開けっ放しの窓があってだな」
「……もういいわよ」
 やっぱり……珍しくわたしの推理は、いや推理とも呼べないけど、推測は当たってたらしい。
「その話、誰かに言ってないよね?」
 せっつくように聞くわたしをまぁまぁと片手でなだめると、オーシは木箱に腰掛けて煙草を取り出した。
 焦らすようにゆっくりと煙草を取り出し、火をつける。シュボッ、という音と小さな灯り。
「まだ言ってねぇけどよー」
「まだ……って」
 眉間に皺を寄せているわたしの顔をしばらく眺めていたオーシは、弾かれたように笑った。
「はっはっはっは、何難しい顔してるんだか。別に言やしねえよ」
「ほっほんとに!?」
「さっきはちょっと匂わせてみたけどよ、正直ガキの乳繰り合いに興味ねえしな。誰に言っても俺の得にならん。貧乏所帯じゃ口止め料も弾めんだろ」
 まぁそれは間違いないんですけど。
 なんか果てしなく馬鹿にされてる気がしないでもないけど、この際いいことにしとこう。

「しかし"まただめ?"なんて聞こえたぜ。女の言うことって酷だよなぁ」
 ……そう。そうなんだ。
 クレイとわたしは付き合ってはいるんだけど。
 もちろん何度か事に及んだことはあるものの、実はクレイは一度も……ちゃんと達していなかったりするんだもん。
 クレイが言うとおり緊張しすぎてるのか、もしかしてわたしゆる……いやいや。クレイが初めてなのにそれは違うと思いたいんだけど。
 実は昨夜も試してみたけど、やっぱりだめだったんだよね。
 何がいけないんだろう?
 一応少ない知識を駆使して、クレイがちょっとでも気持ちよくなるといいなぁと思って、やったこともないことして頑張ってるんだけどなぁ……

 地味に落ち込んでいるうちに、煙草を一本吸い終わったオーシが地面に吸殻を擦り付けていた。
「クレイもまだガキなんだからよ、緊張すりゃ勃たねぇこともあるしイカねえこともあるさ」
 そういうもんなのかな?
 何せいつまでたってもクレイがちゃんと、その……出す、ってとこまでいかないんだもん。
 わたしもヘトヘトだし段々痛くなってきちゃうし、気持ちよくなんて全然ないしなぁ。
「それともパステル、おまえじゃ物足りないのかねぇ。気持ちよくねえとか?」
 物足りなくて悪かったわね。
 憮然としているわたしの顔色に気づかないのか気づいたからなのか。
 酔っ払って口が軽くなってるらしいオーシは、さらに調子よく言葉を継いだ。
「クレイも筆おろしくらい俺に言ってくれりゃ、安くて別嬪で床上手の年増くらい段取りしてやるのによ」
 なんかだんだんむかついてきたぞ。
 それじゃわたしが初めてで床下手のせいみたいじゃない!?
「まぁおめさん処女だったんだろ? そりゃーマグロでも下手くそでも仕方ねえわな」
「マ……マグロですってえ!?」
 あったまきた。
 そりゃ男の人のほうがデリケートだっていうのは知ってるよ?
 でもさぁ、相手が初めてのわたしだったからクレイがいつまでたってもイケないなんて、じゃあどうすれば良かったのよ。
363オーシ×パス 5:2009/01/09(金) 15:52:07 ID:SdwWUPtq

 わたしなりにリタに聞いてみたり試行錯誤しながら色々やってるのに!
「ま、そのへんはキスの仕方も知らん処女を選んだクレイの不幸だな」
 物足りない。マグロ。下手くそ。クレイの不幸……最後のはそのとおりだけど。
 なんかもう怒りのあまり頭が真っ白。
 なんでそんなに馬鹿にされなきゃいけないのよ!? 酔っ払いの戯言だとしても、絶対に許せない!

 わなわな震えてるだろうわたしを尻目に、オーシはお尻をはたいて木箱から立ち上がるとドアノブに手をかけた。
「話はそれだけだろ? 俺ぁもう行くぜ。まだ飲み足りねえんだから」
「……待ちなさいよ」
「まだ何かあんのかあ?」
「誰が相手として失敗か……自分で試してみてから言いなさいよ!」
「はあ!?」
 わけがわからない様子のオーシの胸倉をつかみ、力任せにドアに押し付ける。
「痛てっ、パステルやめろって」
「うるさいっ」
 ごちゃごちゃ言ってる唇に、思い切り唇を重ねる。
 オーシもけっこう背が高いので、背伸びしないと届かない。
 勢い余って鼻同士がぶつかってちょっと痛いけど、いまそんなこと言ってられないし!

「なっおま、何す」
 言葉を塞ぐようにぐいぐい唇を押し付けると、ちくちくした無精ひげが顎や頬に当たる。
 驚きのあまりだろう、半開きになっているオーシの口。
 一瞬躊躇ったけど、覚悟を決めて舌を差し入れる。
 ねっとりした感触。お酒臭くて湿った息。さっき食べたのかな、チリソースみたいな味もするけどもうこの際関係ない。
 熱っぽくて厚い舌を探し出して舌同士を絡め合わせる。
 何度も吸い上げるとそれは、純粋にオーシの唾液の味だけになっていった。
 少しざらざらして、煙草臭さの残る、男の舌の味。
 一生懸命口を開けすぎて顎が痛くなり、爪先立ちももう限界になってきた頃、押し返すようにわたしの両肩を掴んでいたオーシの手の力が緩んだ。
 それを合図みたいに、わたしはようやくオーシの唇を離した。
 お互いに荒い呼吸。全力疾走してきたみたいに、息があがってる。

「パステル、おまえ……」
「これ、でも、下手だって言う?」
 息継ぎしながら精一杯の虚勢をはって顎を上げる。
 信じられない、といった表情をしていたオーシは、ふと真顔になると大きく息をついた。
「いや、キスの仕方も知らんとは失礼だったな。でも」
「きゃ!?」
 オーシは不意にわたしの手を掴むと、ぐいと自分の股間に導いた。
 ごつい生地のジーンズの上から感じる、堅くなったオーシのそれ。
「こんなにしてくれてなぁ、責任取ってくれ」
 ギラギラした目とまともに目が合った。
「責任……って」
 それって普通女性が言うことなんじゃないの!?
「俺をイカせてみろや。そしたら、おまえさんがマグロ女でも下手でもないと認めてやる」
「…………約束だからね」
「おう。その時はおまえの勝ちだ。だが言っとくが俺は女慣れはしてるからな。伊達に年食っとらんぞ」
 不適に笑うオーシ。
 果てしなく不利な賭けをしてる気がしないでもないけど、乗りかかった船。
 あんなに馬鹿にされてしおしおと逃げ帰るなんて絶対できないもん!
 そもそもここまでしちゃったんだから、もう何したって一緒!
364オーシ×パス 6:2009/01/09(金) 15:53:01 ID:SdwWUPtq

「せいぜい気持ちよくさせてくんな」
 ぎろりと睨みつつ、意気込みも新たに深呼吸。
 膝につく土の感触にちょっと顔をしかめながら、オーシの足元に屈みこむ。
 ファスナーをおろして下着の隙間らしきところから、どうにかそれを掴んで引っ張り出す。
 ジーンズの中でぱつんぱつんになってたらしいオーシのモノは、弓がびよんとしなるようにジーンズから顔を出した。
「おいっ手荒に扱うなっ」
「あ、すいません」
 焦った苦情に思わず謝りつつ、てらてらと赤黒いそれに手を伸ばす。
 いつもクレイにしてあげているように、力を入れないように握り、ゆっくりとしごき始める。
「お、そうそう」
 軽い調子の言葉がなんとなく悔しくて。
 わたしだってさ、少しは勉強したんだから、何も知らないわけじゃないんだからね。

 わたしは口を大きく開けて鼻から息を吸うと、それをぱっくりと咥えこんだ。
「む」
 そそり立つそれは太くてなんと言うかやけにごつくて、なんとか口に収めることはできたけど……うまく動かせない!
 もがとかむがとか口の中で言いつつ、唇に力を込めて吸い上げる。
 唇の端から漏れるじゅるっという水っぽい音と雫に構わず、首を前後に振る。
 オーシのって、しかも長い……吸い付く度に喉の奥に当たって、正直うえっとなりそうになるんだよね。
 でもそんな弱音吐くわけにいかないので必死に我慢。

 遠くに聞こえるお店の中の喧騒に反して、ここは不思議に静か。
 じゅぼ、じゅぶ、ってなんとも卑猥な音をわたしの口が紡ぐ。
「まずます……だな。もっと裏とかカリとか舐めてくれよ」
「うあ?」
「そ、裏。なんか筋があんだろ? そこ舌でなぞってみ……う、そこそこ」
 一旦オーシのそれから口を離し、言われるがままに裏側にある細い筋上のでっぱりに舌をはわせる。
 舌先に力を入れて筋の真上や血管の浮いたあたりを集中的に舐めまわすと、オーシが低いため息のようなものを漏らした。

 不意に前髪を軽くつかまれる。すうっと外気にさらされるおでこ。何?
 そのままの姿勢で上目遣いで見上げると、軽く血走ったような目と目があった。
 どことなく顔が上気してる気が……いやお酒は飲んでるから最初っから赤ら顔なんだけどね。そうじゃなくて、火照ったような感じというか。
 ついそのまま見つめていると、軽く歪めた唇をべろりと舌が舐めた。
「んな目で見上げてよ。たまんねえな」
 オーシはそんなことを言ったかと思うと、おもむろに上半身を屈め、わたしの両腕を掴んで立ち上がらせた。
「え? まだ……でしょ?」
 このままでわたしの負けになんてなったら困る! 途中やめさせないで欲しいんですけど?
365オーシ×パス 7:2009/01/09(金) 15:54:20 ID:SdwWUPtq

 わたしの抗議を適当にあしらうと、オーシはわたしをくるりと反転させ木箱に向かわせた。
 目の前には積み上げられた前述の木箱、そして巨大なビール樽。
 後ろ向いてちゃできないじゃない。
 反論しようとしたとき、後ろから軽く肩を小突かれる。よろめいて反射的に木箱に手をついたら。

「きゃあああっ!!」
 思い切りスカートをめくられた!!
 まくれあがったスカートを慌てて押さえて振り向くと、ニヤニヤと下卑た笑いが見下ろしていた。
「何するのよちょっとっ!」
「ひゅー、純白! いいねぇ。噂の毛糸のパンツじゃねえんだな」
 そりゃあ、もうこの頃あったかいもん。
 クエストに出るんでもない限り、あんなの履いてたらムレちゃうよ……ってそんなことはどうでもいいの!
 なんでわたしがスカートめくられなきゃいけないのよ?
 オーシは猛抗議に耳を貸す様子もなく、お尻の上からスカートを押さえたままのわたしを後ろから抱き締めた。
「なっ、なんっ」
 抱き締めるというより羽交い絞め。
 大きな体に後ろから押さえ込まれ、わたしにできることと言えばスカートを押さえ続けるくらい。
 でもその努力はどうやら裏目に出ちゃったらしい。

「今更照れんなよ。おまえさんの舌使いもまあまあ巧いんだがよ〜、あと一歩イケそうにねえな」
 片手はわたしを押さえ込んだまま、もう片手が前からわたしのスカートの裾をかいくぐり、下着の上からその部分を撫ぜた。
「やぁっ」
「ほれ逃げるな。俺がイカなくてもいいのかよ? おまえの負けになるんだがなあ」
「……」
 そういえばそうだった。
 口じゃあと一歩って言ってるんだし……
 正直なところ、いくまでやらせてって言っても本当にいくかどうかわたしのテクニックじゃ甚だ怪しいし……
 このままオーシと……しちゃうしかないのかな。
 もしそれでもオーシがいけなかったら?……ううん、大丈夫よパステル、絶対大丈夫!
 なんとも根拠のない自信で自分を激励するわたし。

「結論は出たみてえだな。んじゃおっさんの魅力ってのを教えてやるからよ、しっかり体に刻んで帰るんだな」
「んっ」
 軽く噛まれた耳たぶ。
 下着の上で手が動きを再開した。
 スリットをなぞるように上下に動いていた指がおへそのへんまで上がってきたかと思うと、素早く下着をずり下げた。
 そのまま、反射的に閉じた太腿の隙間から這いこんでくる。
「は……んっ」
 その瞬間じゅわっとあそこが熱くなった。
 太い指が躊躇なく中にずぶっと押し込まれる。
「や、ぁんっ」
「お、もう濡れてねえか? 感度はいいんだな」
 こころなしか楽しそうな声色。
 このままじゃまともに立っていることができそうにない。
 抱き締めるオーシの手の隙間からどうにか両手を脱出させ、目の前の木箱に手をかける。
 するとそれを待っていたみたいに オーシの指が膣の中をゆっくりとかきまわし始めた。
366オーシ×パス 8:2009/01/09(金) 15:55:17 ID:SdwWUPtq

 指が蠢くたび、気のせいでなければちょっと湿った音が聞こえる。同時に体の奥をじわじわ責めるように快感が湧いてくる。
 確かにこの人……指使いもすごく上手。休むことなく指を動かしながら、執拗に首筋と耳を舐めあげる舌も。
「んん……んっあ……ぁん……」
「どうよ。気持ちいいだろ?」
 否定できないだけに悔しい。答えるもんか。
「ここは正直なこった」
「ぁうっ」
 ぬぷっと粘度の高い液体をまといつかせた指が引き抜かれ、芽を軽く弾いた。
 そこはきっと、もう堅くなってたんだろう。オーシの指が触れるたび、電流みたいに刺激が走る。
「ひっ、や、そこぉ……やんっ」
「ここ弱えんだなー。もちっと苛めたくなるぜ」
「そん、な……んっ、やぁっ」
 言葉通りオーシの指はなかなかそこを離れてくれない。
 普段そこを隠している襞を押し分け、指の腹で執拗に撫で擦る。
 時々芽から膣の中へずぶんと指を滑らせ、押し込んではまた抜いてしつこく捏ね回す。
 だんだんと足が痺れている時みたいに、足の間全体の間隔が研ぎ澄まされてきた。
 オーシの指の動きひとつひとつでそれはどんどん高まり、不意にあそこと目の前がしゅわっと一瞬強い熱を帯び、それがまた拡散するように散っていった。

「あ! あ……は……っ」
 膝ががくがくして、かろうじて木箱につかまっていた指先は力が入って真っ白。
 正直なところひとりで……していったことはあるんだけど、こんな風に男の人にいかされるなんて初めて。
「イッたか? 中年の指使いには勝てまい。ひひっ」
 なんともまあ品のない笑い。
「さぁ今度は俺の番。イクまでサービスしてやったんだから、しっかり楽しませてくれねえと、っしょ」
 よいしょなんていう緊張感のない言葉と同時に、すごい圧力があそこにかかった。
「あああんっ!」
 ずずずずっと重たい衝撃が内壁を擦った。
 立ったままの姿勢で後ろから犯されるなんて初めてで、どこに力を入れたら良いのかさっぱりわからない。
 わたしも初めてではないとはいえ、正直すごくきつく感じる。
 オーシのがやけにごついからなのかなあ? クレイのだって決して小さくないんだけどね。

「おー……いいじゃねえの。決してゆるかねえぜ」
 この急場に、心のどこかでほっとする。
 オーシはそれがわたしの一番奥に当たるまで腰を少し揺らしながらゆっくりと進めた。
「ん、く、んんっ、ぁぅんっ」
 普段合わさっているもの同士が強引に押し開かれて、みしみし言ってる気がする。
 でも……痛くないのはなんでなんだろう。正直なところ……かなり気持ちいい。
 こんな風に思えたのって初めてかもしれない。伊達におじさんじゃないのかもなあ。
「ほれ、しっかりそこ持っときな」
 木箱だったら言われなくてもつかまってるよ、と内心こっそり思う。
 でもそれからはそんな悠長なこと考えてられなくなった。
367オーシ×パス 9:2009/01/09(金) 15:56:42 ID:SdwWUPtq

 オーシはわたしの腰をがっちり掴んだかと思うと、激しく腰を打ちつけ始めた。
「あ、ぁあ、ん……んん、んく……んんっ」
 太くて堅いそれが内壁を強くすり上げ、オーシの太腿とわたしのお尻がぶつかる度に破裂音のような音が響く。
 荒々しく突き上げられると、あそこの一番奥から脳天まで突き抜ける振動。
 オーシは腰の動きを止めないままで、前かがみのわたしの背中に沿うように覆い被さると、セーターを乱暴にたくしあげた。
 両手で胸を揉みしだきながら耳元で囁く。
「いいだろ……なあ」
 低くて太い声。微かにしわがれてるのは煙草のせいなのか、呼吸が荒いからなのかどっちだろう。
「は、ん……んっ」
 まともに答える余裕のないわたし。
 胸を愛撫していた指が顎をつかみ、斜め後ろを振り仰がせた。

 間近にあるオーシの顔。
 オヤジのはずなんだけどな……目の端にどことなく色気……というか何かいつもと違うものを感じる。
 無精ひげだらけの口が近づいて来、べろりと舌がわたしの唇を舐めた。ざらざらした感触。
「答えられねえ? まだ欲しいんだろ?」
 意地悪そうに言いながらオーシは、腰の動きをおさえ、ごくゆっくりゆるゆると出し入れさせた。
 でもそれは半分程しかわたしの中に入ってなくて、動きは緩慢で。
 大きな両手は乳房全体をくるむように包み、時々思い出したようにふわりと揉む。
 全ての動きがわたしを焦らしているようで、さっきまでの湧き上がるような快感が後を引いてもどかしいことこの上ない。

「何だよその悔しそうな目はよ。言わねえとやめちまうぞ? 負けてもいいのか?」
 それはもう、実に嬉しそうに問いかける無精ひげ。あぁ腹立たしい。
 悔しいわ恥ずかしいわで、きっと顔が真っ赤になってると思う。
 ……体中が高ぶらされてるのは間違いない。言うしか……ないよね。
「…………もっと、して……」
「どうして欲しいんだ?」
「……奥まで……入れて」
「入れるだけで?」
「……もっと、動かして」
 必死に恥ずかしさに耐えて唇をかみ締める。かーっと熱くなってる耳。
 至近距離からわたしをじっと見つめていたオーシはねっとりとした笑みを浮かべた。
「お望みならな」
 言葉と同時にずぶりと奥まで押し込まれるオーシ自身。
「ああ、あ、ああんっ!」
 オーシはわたしから上体を離し、わたしの腰をがっちりと掴み直す。
 もう片手で木箱を支えに掴むと腰の動きを再開させた。

 さっきより激しく、さっきより強い刺激がわたしの中を蹂躙する。
 今のわたしには、両腕と膝を必死に突っ張って立ち続けることと、喘ぎをこぼして快感を逃がすことしかできない。
 勢いに任せるように荒々しく突き立てられる度に、つながった部分からねばった液体が溢れ出る。
368オーシ×パス 10:2009/01/09(金) 15:59:15 ID:SdwWUPtq

「は、はぁ……あ、ああっ、くぅ……っ」
「もっと……か?」
 オーシの汗が飛び散って頬にかかる。むせかえるような男の体臭。
「もっと、もっ……とぉ……っ」
 誘導尋問みたいにひとつの答えしか答えられないでいるわたし。

 すがりつくように木箱にしがみつくうち、知らず知らずのうちにお尻を後ろへ突き出すような姿勢になっていたらしい。
 オーシのものが出し入れされるたびに芽の部分が強く擦りあげられる。
 そこが充血してるみたいにどんどん熱くなってきて、太腿が痙攣を起こしそうにびくびくと震えた。

「ひっ、や……あぁ、そ、そこぉ……っ!」
「ここかっ、どう、だぁっ」
 中腰になるように少し膝を曲げたオーシは、下からさらに勢いをつけてわたしを責め立てた。
 あ、もう、あそこが熱くて熱くて……
「だめ、だめ、そこ、や……だぁ、だめえぇっ!」
 もうどうしようもなく、あられもなく悲鳴のような声をあげたわたし。
 一気に強くなった刺激に、あそこ全体がぎゅううっと収縮した。
「うお、やべっ」
 わたしが絶頂にのぼりつめると同時に、オーシは自身のそれを勢い良く引き抜いた。
 むき出しのお尻や太腿の裏側に熱いものがかかる。
 ずり下げられて太腿の途中にひっかかったままの下着にしみができちゃったかもしれない。
 そんな心配をしつつも、わたしは力が抜けて手を突いていた木箱に前のめりに突っ伏した。
 ささくれた棘が微かに痛いことも気にならなかった。


369オーシ×パス 11:2009/01/09(金) 15:59:50 ID:SdwWUPtq


「おめえさんの勝ち……と言いたいとこだが、引き分けだ」
「なんでよお!? ちゃんといったんでしょ?」
「2回も俺にイカされといてよく言うぜ」
「あれは……!」
 絶句するわたしに、オーシはかんらかんらと陽気に笑ってみせた。
「まあいいさ。おまえがマグロでも床下手でもないってこたあよくわかったぜ。クレイがイケねえのは緊張以外のなにもんでもないだろうな」
「それならいいけど……」

 いいのかなあ?
 自分がそれを証明できたからと言って、正直嬉しいとは言い難い気分。
 なんか必死だった気がするけど、どうしてこうなったんだか……
 思い返そうとすると、頭をよぎるのはさっきの行為の内容ばかり。
 こうして見ると押しも押されぬただのおっさんなのに、やけに男臭くって、ええと……色々上手で。
 果ては妙な色気すら感じてしまったんだから、何かに毒されてたとしか思えない。おお怖っ。
 厄払いをするように頭をブンブン振っていると、いつの間にか吸いつけていた煙草の煙が目の前を横切った。煙いなぁ、もう。

「まぁ今度クレイと寝るときは、俺仕込のテクニックでも披露してリードしてやるんだな」
「大きなお世話よ!」

 よれよれの煙草を唇の端にくわえたまま、ドアを開けようとしていたオーシが、思い出したように振り向いた。
「パステルはそっちから帰んな。店ん中通らん方がいいだろ」
「え? そっちって?」
「店の裏側だ。その空樽どけりゃ木戸がある」
 全然気づかなかった。入口側には山と積んである木箱類も、裏側には大きな大きな樽がひとつあるのみ。これ、空っぽだったのかあ。
「あ! ほんとだ。良く知ってるね」
「前手持ちが足りなくてトンズラした時に……いやなんでもねえ。それより風に気をつけるんだな」
 なんか前半ちょっと引っかかる内容があったけど、まぁいいか。

 確かに風が吹くとまずいなぁ。ミニスカートなんか履いてるし。
 わたしは手の中の小さく丸めた下着を握りこみ直した。
 そう、お察しのとおり履いて帰れるような状態じゃなくなっちゃったんだよねえ……
 お尻がスースーして実に心細いんだけど、まぁ仕方ないか。
 わたしはそれを庇うように左手でスカートを押さえつつ、片手をあげながらドアの向こうに消える、大きな背中を見送った。



------------------------------
完結です。
370オッサンスキー:2009/01/09(金) 16:54:13 ID:9gDpP/NX
新年早々オーシパスが読めるなんて感動です!
オッサニズムが熱っいSS超GJです
家に帰ってまた熟読します
371オッサンスキー:2009/01/09(金) 20:49:34 ID:9gDpP/NX
熟年テクとか焦らしプレイとか最中の台詞回しがツボりました!
成り行きでオーシとの展開も嬉しい

オーシパス読みたいって言って良かったです
372名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 15:59:20 ID:wfPeqI6z
>>356
あーごめん、>>357に同意ないんだけど、
少し上で、SS投下のタイミングとかでちょっと揉めたばっかだったから、
とりあえず気になっただけ 結局結論出なかったし
書き手さんが気にしてなければ別にいいんだ
>>355がなんか責めてるように見えたらスマソ


文章もだけどシチュエーションや関係がすごい好みなSSが連続してて幸せです…
373名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 20:04:01 ID:fqHlrDcr
しかし例え気にしてる書き手がいたとしてもそんなことなかなか言えないだろ。
下手したら上の議論で誰かが言ってたように「スレ占有」とか言われそうだし。
374名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 20:34:02 ID:TjfOQEMP
GJGJGJ!
新年早々良作三連発
書き手さんたち乙です

>>373書き手さんはコテだから色々言いづらいよな
住民は失言しても逃げられるけど
それを考えると書き手さんは大変だ
改めて乙です
375名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 13:41:20 ID:2XHL5eco
>>373
うん、だからどんだけ突っ込んでいいものか迷ったんだけど
でもなんも書かない方が悪いかなとかごちゃごちゃ考えた
上の方でちらほら書き手の人が意見出してくれたけど、
それでもかなり気遣ってる感じだったしなー

>>353-354
わろたwww
前編の振りと後半のオチがすごい上手いw
最後の3人がなんか和む
ルーミィ喜ぶだろうな
376名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 14:38:26 ID:2XHL5eco
>>344
乙!
クレイが楽しそうw
つーか普段からそんなにキスしてるのかとw
本番じゃないのにすごい色っぽくて良かった。パステルかわええ
こういうやりとりにたくさん行数使うのは個人的にかなり好み
パステル的には純粋に最後の結論なんだろうけど、
クレイは普段香水使われたら気が気じゃないだろうなw
あと何故かノルに萌えた
377名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 18:37:00 ID:YiZ9MgcF
パステルの立ちバックはエロそう・・・
378名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 16:48:50 ID:xngCwjwp
本番より愛撫の描写のがドキドキする事に気づいた(*´Д`*)
379名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 00:21:04 ID:DPwtLTmi
オッサニズム全開オーシに挑むパステルええのう
返り討ちにあってる気もするがw
レスが少ない気もするが、ここではやはりノマカプ好みが多いのか?
かなり楽しんだ俺は異端なのだろうかと小一時(ry

とりあえず新年早々書き手さん方GJですた
380名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 02:47:09 ID:R6OYzhGk
>>378
自分も(*´Д`*)
本番は本番で大好きだが>>345-351に興奮したww

>>379
単純に読むのが追いついてない、ごめん
自分もノマカプ以外も大好きだよ
381名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 08:08:16 ID:KTDncpGK
保守
382名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 00:20:59 ID:/TEjposN
ギアシミパス作者さんの作風が好きage
383114:2009/01/20(火) 10:15:41 ID:zUXr+Wxj
ギアシミパス好きだと言ってくれた皆さんありがとうございます。
せっかくなのでまた何か書いてみます。
ノーマルは他の方々が素敵な作品たくさん書いてくださってるし
珍しめの組み合わせで。
今考えてるのはギアトラパスです。需要があるといいのですが
384名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 11:05:58 ID:/TEjposN
需要あります!!
ギスギスギアトラはもうお腹いぱーいだし、
三角関係より共有のが好きだからこの3Pは嬉しい
ありがとう!!
楽しみにしてます
385名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 18:39:22 ID:63f6VjaG
ギアシミパスさんの台詞回しに感動したんだけどギアトラパスにも期待してます
386名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 21:14:27 ID:Iy18vnrD
久しぶりに覗いてみたら、甘々だったりえろえろだったり3Pだったり、ネ申SSがこんなにも大量に…!

書き手さん達、愛してます(*´Д`*)


>>383さん
三人の微妙な距離感にかなーり萌えました
次の作品もコソーリ楽しみにしてますー
387書人:2009/01/23(金) 16:17:56 ID:RN66XaKR
書人です。
いつもお読み頂き感謝。

クレパス投下に参りました。
以前書いた、アル×パス×クレの続編です。
388クレ×パス アルパスクレ続編 1:2009/01/23(金) 16:18:41 ID:RN66XaKR

 窓枠が微かにカタンと揺れた。
 風が出てきたのかな。
 わたしは読んでいた本から目をあげると、開けたままにしていたビロードのカーテンに顔を向けた。
 上品な縁飾りの向こう側。さっきまで出ていた月が雲に陰り、かろうじて見えているのは広い庭に植わった木々のシルエットだけ。

 わたしたちがドーマを離れる日が近づいていた。
 もともとはクエストの途中でドーマを通るので、クレイの実家に立ち寄ったんだけどね。
 自分の実家に行ってきたトラップが、どうやらそのクエストは既に攻略されちゃってるらしいって聞いてきたもんで。
 そこですぐにシルバーリーブに帰っても良かったんだけど、ついつい勧められるままに滞在が長引いちゃって。
 来週くらいには帰るかなぁって話してたとこなんだ。
 だってね、クレイもトラップも久々の地元だし、ルーミィとシロちゃんはクレイのお母さんにすっかり懐いちゃって毎日一緒に寝る状態だし。
 もちろんわたしたちも歓迎してもらえて、普段とは比べ物にならない美味しい食事に豪華なお部屋に宿賃はかからず……いやあのそれは置いといて。

 わたしも、いつもなら絶対取れない、ひとりでゆっくり本を読める時間があるなんてすごく贅沢で嬉しい。
 ここには大きな図書館もあるから、毎日借りに行くのが楽しみでしょうがないしね。
 今読んでるこの本もあと少しで完結するけど、来週帰るなら次は短編にした方が良さそうだなぁ。
 そんな思いをめぐらしていると、不意に控えめなノックの音がした。
 誰だろう、こんな時間に。
 ベッドサイドの時計は11時を指している。

「はい?」
 細く開いたドアの前にいたのはクレイ。
 さすがにいつもの竹アーマーはつけてない長身のファイターが、なんとなく硬い表情でわたしを見下ろしていた。
「クレイ? どうしたの?」
「ちょっと……いいかな」
「あ、うん。どうぞ」
 体を半身ずらして部屋に招き入れる。
 ひとつしかない椅子はわたしの荷物が陣取ってしまっているので、座れるのはベッドしかない。
 ドアを閉めても所在なさげに立っていたクレイを促して座らせると、わたしも並んで腰を下ろす。
 どうしたのかな、こんな時間に。
 隣に座ってもなぜかこっちを見ないクレイの横顔を見上げていると、小さな声がぼそぼそと呟いた。
「ちょっと……話したくてさ。この前のこと」
「この前……って」
 クレイの言葉で、頬にぽっと血が上るのがわかった。
 この前って、あれだよね。間違いなく。
 わたし、クレイに告白されたんだった。
 そしてなんでそういう流れになったのかどうしてもわからないんだけど、アルテアとクレイと3人で、その……そういうことになっちゃって……
389クレ×パス アルパスクレ続編 2:2009/01/23(金) 16:19:37 ID:RN66XaKR

 でもねでもね、どう考えても理解できないと思わない?
 実はロンザ騎士団トップクラスの実力と人気を誇るアルテアに気に入られてて。
 実はパーティの仲間だったクレイに好きだって思われてて。
 その時点でも考えられない話だっていうのに、その2人とそんなことしちゃうなんてさぁ……そもそもわたし初めてだったんですけど。
 正直なところ、何もかもわたしの理解の範疇を超えた出来事だったから、それ以上深く考えないようにしてたんだ。
 幸いその翌日からアルテアは近衛隊のお仕事で数日ドーマを離れてるし、忙しそうなクレイと2人になることもなかったしね。
 だって考えたって明確な答えなんか出ないよ! 出るもんか!

「パステル?」
 いけない。隣のクレイを完全にほっぽって考え事にふけっちゃってた。
「ごめん、それでなんだっけ?」
 すっとぼけたわたしの質問に苦笑したクレイ。
「いや、どうしても……言っておきたくて。この前も言ったと思うけど」
 こちらに向き直って咳払いひとつ。
 黒曜石みたいな瞳。澄んだ眼差しがまっすぐわたしを見つめている。

「俺、パステルのことが好きだから。ずっと好きだったから」
 告白なんて、一度聞いたとはいえ、慣れるもんでもない。
 どう答えていいのかわからず戸惑うわたしを見たクレイは、やさしく笑って首を横に振った。
「今すぐどうしてくれって言ってるんじゃないよ。俺の気持ちをさ、改めて伝えておきたかったんだ。第一、この前唐突にそんなこと言われて困ってたんだろ?」
 そりゃもう。
 だって話がいきなりすぎて展開が飛びすぎてて、頭がついていかなかったんだもん。
 小さく頷くと、クレイも呼応するように深く頷いた。笑顔を消して、はあぁっと重いため息ひとつ。
「そりゃそうだよなあ。なんせアルテア兄さんまでパステルを……俺、そんなこと想定してなかった。正直どうあがいたって勝てる気がしない」
 そんなところだけ自信持って言わなくても。
 大きな手が黒髪をわしゃわしゃっとかきまわしている。
「そりゃあのアルテア兄さんだよ。全力で迫られたらパステルだって無理だ。現に落ちてる」
 なんか色々ひっかかる部分があったような気もするんだけど……
 どうフォローすればいいものやら、いやそもそもわたしがフォローすべきなのだろうか。

 不意にクレイが、何かを振り払うようにがばっと顔を上げた。
「パステル、アルテア兄さんとつきあうのか?」
「は!? いやそんな恐れ多い。恋愛対象としてなんて、考えたこともないよ」
「先日のことがあっても? 俺の目から見ても兄さんは魅力的だと思うけど」
「そりゃそうだけどね……確かにすごく素敵だけど」
「それなら……いやいやなんで俺は斡旋してるんだ……そうじゃなくて、えーと」
 あぁもう、綺麗な黒髪がぐっしゃぐしゃになっちゃってる。
390クレ×パス アルパスクレ続編 3:2009/01/23(金) 16:20:26 ID:RN66XaKR

「少しは俺……希望持ってていいのかな」
 真剣な眼差しが真正面からわたしを射抜いた。気圧されて目がそらせない。
「俺のこと、嫌いじゃないよな?」
 ずるい、それ聞くかなぁ。
 この前もアルテアに同じこと聞かれたけど。嫌いなわけないでしょ、当たり前じゃない。
 反射的にコクコクと頷くと、どことなく強張っていた表情が破顔一笑した。
「ありがとう、パステル」
 誘導尋問というかうまく乗せられたっていうか……なんかやはりあのお兄さんの弟と言うべきか……
 でも、そのあんまり嬉しそうな表情に、こっちまで口元がほころんでしまう。

 思えばわたし、こんなに真剣に人に好きになってもらったことあったかな。
 それも、クレイに。
 今までずっとリーダーとしてわたしたちを守ってくれていた、やさしいクレイに。
 超絶美形のお兄さんを持って本人はコンプレックス化してるとはいえ、十二分にかっこいいクレイに。
 真面目で礼儀正しくて剣の腕もあってマダムキラーで不幸で……あれ? 最後の方どこかおかしかった気がするけど……まあいいか。
 ……なんか、言いたくなっちゃったな。言っちゃおうかな。

「ありがとう」
「何がだい?」
 不思議そうなクレイの視線が照れくさくて、あさっての方向に一瞬目をそらす。
「……好きになってくれて」
 驚いたように目を見開いたクレイはしばらくその目を空中に泳がせていたけど、思い切ったように手を伸ばした。
 力強い腕が、わたしをぐいと抱き寄せる。
「きゃっ」
 抗う間もなく厚い胸にぎゅうぎゅう押し付けられ、強く抱きしめられる。
「うまく、言えないけど……本当に、本当に、本当に好きだ」
 胸から直接響いてくる、呟くような低い声。
 早いリズムを刻む心臓の鼓動が、布越しにわたしの耳に伝わってくる。
 クレイはゆっくりと腕をほどくと、わたしの両肩を掴んだ。
 まるで壊れ物に触れるみたいにそっと肩を包む大きな手に、自分が自分で思ってるより華奢なのかもしれない、って気づかされる。
「キス、して……いいかな」
 わたしの反応を窺うように顔を覗き込む。
 気弱な問いかけ。
 どう答えたらいいんだろう。クレイのことは好きだけど。
 そういうことにもなっっちゃったけど恋人でもなくて、アルテアという人もいて。

 暫しの逡巡。自分でもよくわからないけど、わたしは小さく頷いた。
391クレ×パス アルパスクレ続編 4:2009/01/23(金) 16:21:36 ID:RN66XaKR

 大きな体を屈めて斜めに押し当てられる形のいい唇は、微かに震えていた気がする。
 そっと触れてはまた離し、また触れる。
 何度も触れるだけのキスを繰り返すうち、ためらいがちに舌が忍び込んできた。
 おずおずと口の中を這っていたそれが、わたしの舌を探し出す。
 そして何度も深く絡め合わされる舌と舌。
 永遠に終わらない気がするキス。
 もうどのくらいこうしていたのか、ふたりの唇と唾液の温度が交じり合い通じ合った頃、ようやくクレイは唇を離した。
 思わず息をついてクレイの胸に頬を寄せる。ほっぺたが熱い。
 喘ぐような声が囁いた。
「パステル……君を……抱きたい」
 一瞬耳を疑い端正な顔を思わず見直すけれど、クレイはそのままわたしを押し倒して胸元に顔を埋めた。
 ごつい指がパジャマのボタンにかかる。
「クレイ、クレイちょっとっ」
 わたしの反論なんて完全に聞こえてないみたい。
 でも、焦ってるのか緊張してるのかこういうことに慣れてないからなのか、スムーズにボタンを外すことができないらしいクレイの手。
 引きちぎるような勢いで幾つかのボタンが飛ぶ、ぶちっていう音が聞こえた。
「ごめん。俺……止められない」
 最後の方はくぐもっててよく聞こえなかったけど。
 のしかかる大きな体を押し返すこともできずされるがまま。というより、あえて抵抗しなかったというか。
 どうしてだろう。情に絆される? ……ううん、それとは違う気がする。
 わからないけど……クレイの真剣な眼差しと言葉は嘘じゃない、と思ったから。

 クレイはこの前と比べ物にならないほど強引に、わたしの胸をまさぐった。
「あ……ぁっ」
 はだけた胸を揉みしだきながら強く乳首を吸い上げる。微かに痛みを覚えるほど。
 クレイの手が性急にウエストのあたりに下りてきた。そのままパジャマの中へ入り込むと、おへその辺りで何かを探すように這い回る。
 下着との境目を見つけたらしいごつい指は、少しゴムの部分に関節をひっかからせながら這いこむと茂みに触れた。
 途端、さっきとは打って変わっておずおずとした動きになる。
 そっか、クレイにここをさわられるのって、初めてなんだ。

 閉じた秘部の上を、合わせ目をなぞるようにゆっくりと擦る。
 乾いた感触がくすぐったいけれど、何度も繰り返し滑る指に、段々とその部分が熱っぽくなってくる。
 クレイが指にわずかに力を込めたのか、指がほんの少し、合わさる襞の間にぬぷっと押し込まれた。
「ぁん」
 唇を噛んでこらえていた声をついこぼしてしまうと、指を止めて胸元に伏せていた顔をあげたクレイ。あぁ、汗びっしょり。額に玉のような汗が浮かんでる。
「パステル……感じてる?」
 恥ずかしながら、さわってたらわかると思うんだけどな。
 比べちゃ失礼だけど、アルテアの手馴れた愛撫にはさすがに及ばない。
 決して感じるところを知ってる動きじゃないんだけども、少しの突起やわずかな潤いも見逃すまいとしているような、確かめるような、探るような愛撫。
「俺でも?」
 自信なさそうな聞き方とちょっと情けない表情が可愛く見えてしまって、つい頷いてしまう。
 うーん、クレイのこの顔に弱いなぁ……わたし。
392クレ×パス アルパスクレ続編 5:2009/01/23(金) 16:22:37 ID:RN66XaKR

 どこか子供っぽくて嬉しそうな笑顔を浮かべたクレイは、仰向けのわたしの傍らに寄り添うように横になった。
 耳元や首筋に柔らかく唇をつけながら、秘部にふれたまま止まっていた指を動かし始める。
 それは少しずつ少しずつ、潤って滑りのよくなった襞を押し分けて奥へと進む。
「んっ、ん……っ」
 漏れる喘ぎを喉の奥で飲み込みながらシーツを握り締める。
 彼の指が動くたび、奥の方から熱いものがじわっと押し出されてくるみたい。

 クレイはゆっくりと指を引き抜くと、わたしのパジャマのズボンと下着を一緒にずり下げた。
 上半身はボタン全開、下半身は纏うものなくむき出しにされて、なぜかあまり感じていなかった恥ずかしさが突然こみ上げてくる。

「やっぱり、きれいだ」
 ため息のようなクレイの言葉に、さらに火照ってしまう頬。
 どうにも恥ずかしいんだけど、でもここまできて体を隠すのも今更って気もするんだよね。
 せめてもの抵抗にと、まぶしさをさけるみたいに両手の甲で目を軽く覆う。
 全裸になったクレイはわたしの閉じた太腿をそっと押し開くと、脚の間に自分の体を進めた。
 熱いものが入口を確かめるようにあそこに触れる。
 反射的に脚を閉じそうになるけれど、クレイの体に遮られて無理。
「入れる……よ」
 聞こえるか聞こえないかの呟き。と、同時に。
「ぁああんっ!」
 ずずずっと押し込まれたクレイ自身。
 熱くて硬くて張り詰めたそれは、入口の重なり合う襞の障害を押し広げて通りすぎると、一気に奥まで貫いた。
 この前は本当におそるおそるゆっくりだったのに……それは一度経験して慣れたからというより、噴き出すような思いをぶつけたらこうなった……みたいな感じ。

「パステル……」
 クレイは目を閉じ、低い声とともに長く息を吐き出した。
「パステル、目を、開けて」
 荒い息で途切れ途切れの言葉に、ついぎゅっと閉じていた目を開ける。
 艶やかな黒髪がくしゃくしゃに乱れて。汗ばんだ端整な頬に張り付いている。

 上半身を起こした姿勢だったクレイは、わたしの顔の両脇に手を突いて身を屈めた。
 微かに潤んだような黒い瞳が、至近距離から覗き込む。
「今だけで、いいから」
 そこはかとなく艶っぽい、少しかすれた声。
 おでこにそっとふれた少し湿った指が、いとおしげに髪をかきあげる。
「俺だけ……見ててよ。俺だけ、感じて」
 数センチ先で甘い吐息がひそやかに囁いた。
 何も言葉を返せず、見つめ返すことしかできなかったけど。

 何より体が雄弁に物語ってるはず。
 今見てるのはあなただけです。
 今全身であなたを感じてます。

393クレ×パス アルパスクレ続編 6:2009/01/23(金) 16:24:23 ID:RN66XaKR

 クレイはわたしの目を見つめ返すと唇を寄せて深くくちづけ、そろそろと腰を動かし始めた。
 二度三度、馴染ませるように腰を左右に揺らし、ごつごつした異物感で膣の中をゆっくりとかき回す。
「ん……ん、は……ぁっ」
 波が打ち寄せるみたいに、緩やかに増す快感。
 わたしの呼吸は溜め息の延長のように緩慢な喘ぎになる。
「ぁん、あ……クレイ……ぃっ」
 あそこがずくずく熱っぽくて、頭がぼおっとしてきて心もとない。
 何かにつかまりたくなって握り締めていたシーツを離す。
 目の前にあるクレイの首に、ぶらさがるようにすがりつく。
 ファイターだけあって鍛えられてがっしりした首。どこに触れても熱い肌。
 首元に頬を寄せると、結んでいない乱れた髪の毛が当たってくすぐったい。
 でも、そんな風にゆったり構えていられたのはわずかな間だけだった。

 耳元で生唾を飲むようなごく、という音が大きく聞こえたかと思ったら。間髪入れずに思い切り突き上げられる。
「やぁ! あぁぁっ!」
 膣の奥まで抉られるような地響きにも似た激しい圧力。
 ねっとりした愛液を纏ったソレが、内壁を擦るように何度も突き込まれる。
 唇を噛み、早いテンポでがむしゃらに腰を振るクレイ。厚い胸からお腹へのなめらかな筋肉がしなる。
 それに合わせてうずくような快感がお腹の一番奥からにじみ出てきて、喘ぎを止めることができない。

「ぁん、あ、あんっ、くぅっ、んっ」
 ぎゅっとしがみついて、蕩けてしまいそうな快感に耐える。
 激しい動きは止むことなく続き、痺れにも似た感覚があそこを中心に広がっていく。
 なんかもうこのまま気を失いそう、どうしようと思った時、クレイがわたしを力いっぱい抱き締めた。
「パステル! パステルっ……」
 びく、びくっとひきつっているみたいに震えるクレイ自身。
 呼応するように、勝手に小さく痙攣しているわたしの膣の中に、とろりとしたあたたかみが広がった。

394クレ×パス アルパスクレ続編 7:2009/01/23(金) 16:25:17 ID:RN66XaKR


「アルテア兄さんになんて言えばいいんだろう……抜け駆けとか絶対言われるよな……」
 怒られる生徒みたいな表情をしたクレイ。
 いや別に悪いことをしたって訳じゃないんだけど、この前のことが下敷きになってる以上、確かに微妙だよねえ。
「パステルの気持ちも考えずに! とかさ。自分のこと棚に上げて」
 まだ何も言われてないのに、アルテアのコメントまで想像して落ち込まなくてもいいと思うんですけど。

「アルテア、いつドーマに戻ってくるの?」
「今週中には帰ってくるらしいよ。顔を見せずに入れ違いって訳には……いかないだろうな」
「でしょうね」
 皆にもう来週に帰るって言っちゃったし。
 今から出発を早めるなんて理由がないし。
 第一そ知らぬ顔して逃げるように帰るには、クレイは正直すぎるところがあるしねえ。

 そもそもわたし、一応当事者のはずなんだけどね。ほとんど他人事のように聞いてる状態。
 本気で悩んでるクレイがあんまり面白いから、ついつい……というよりも。
 あんまり鈍感だから、ちょっとこのまま放っておいちゃおうと思って。
 だってね、クレイってばわたしの気持ちなんて全然わかってないんだもん。
 俺の片思いだの暴走しただのアルテア兄さんに勝てるもんかだのと言うばっかりで、なぁんにも聞いてくれないんだよ?
 今聞いてくれたらわたし、クレイがさぞかし喜ぶだろう事を言ってあげられるのになあ。

 さて、クレイはアルテアに会って、なんて言うつもりなんだろう。
 なんだかちょっと意地悪な気分。それがまた楽しいし。
 なるほど、アルテアやイムサイがクレイをいじめて遊んでるのはこういうことだったのね。くふふ。

 隣にいるのは困り果てたハンサム。
 わたしは不幸なクレイをさらに不幸にしそうなことを考えながら、こっそり含み笑いした。



-----------------------
完結です。
395名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 21:04:22 ID:TYMLoWpp
クレイかわいすぎ鼻血でた
396114:2009/01/23(金) 22:31:59 ID:IHtYlHrn
少し時間がかかってしまってすいません。
先日予告したトラパスギアを投下します。
途中で投下するのがお嫌いな方もいるようなので、完結するまで頑張ろうと思ったのですが
物凄く長くなりそうな気配だったので、今回も途中までです。すいません。
続きもなるべく早くあげられるように頑張ります。
397トラップ×パステル×ギア 1:2009/01/23(金) 22:34:14 ID:IHtYlHrn
 確かに、覚えてる。
 わたしには恋人がいた。彼氏って呼べる人がいた。付き合い始めてから、まだそんなには時間は経っていないけど……でも、いわゆる「最後まで」進んだ、そんな相手が。
 好きだって言われたのは生まれて初めてだった。これまでだって、人を好きになったことは何回かあるし、好きだって言われたことも何回かあったけど。でも、その頃のわたしは、自分で言うのも何だけど、「恋」っていうのがどういうものか、よくわかってなかった気がする。
 だって、「好きだ」という言葉の先にどんな行為が待っているか、なんて、全然考えたこともなかったし!
 でも、「その人」は違ったんだ。
「その人」から好きだって言われて、最初は戸惑って、すごく困って、どう答えようか迷って……結局「うん」って頷いた。その葛藤も覚えてる。うわーどうしよう、何て言えばいいんだろう!? って、何日も迷って、しばらくはなかなか眠れなかった。
 考えて考えて、そうしてようやく決心がついて、恋人同士になって……それから、わたしはこれまで、噂でしか知らなかった経験を色々とした。
 手を繋ぐこと、腕を組むこと、唇で触れ合うこと……身体の奥深くまで、繋がること。
 そこに進むまで、時間は大してかからなかったけど。でも、わたしの中では、それこそモンスターだらけのダンジョンに飛び込むくらい緊張したし、なけなしの勇気だって振り絞った。
 初めてはやっぱり痛かったなあ、とか……「その人」もすごく緊張してて、そんな顔見たの初めてで、ちょっと笑っちゃったんだよねえ、とか……そんな感情すらもはっきり覚えてる。
 うん。これは夢なんかじゃない。想像でもない。もちろん妄想でもない!
 わたしは確かに「誰か」と付き合っていた。できれば将来のことも真剣に考えたいなあって、そう思える相手が、確かにいた。
 なのに。
「……どうして……?」
「おい、パステル。おめえ、どうしたんだよ?」
「大丈夫か、パステル? 顔色が悪いようだが……?」
 辺りは湯気が立ち込めていた。お風呂場……うん、間違いない。ここはお風呂場。それもみすず旅館でも、猪鹿亭でも、ましてやエベリンのマリーナの家とかでもない。初めて使わせてもらう、クエスト先の宿のお風呂場。
 わたしはそこに立っていた。正確にはその入り口……よくある「女湯」「男湯」ってなっているあそこね? ……の前に、タオルや着替えの下着を持って、立っていた。
 それは、いいよ? わたしは……わたし達は、クエストのためにこの町まで来た。そして今日、無事にダンジョンをクリアして、明日にはシルバーリーブに戻ることになった。
 で、依頼人が気前のいい人で、宿代を出してくれたから、ってこともあって、この宿に泊まることになった……うん、間違いない。覚えてる。
 それから……?
 それからわたしがお風呂に入ろうと思ったとしても、何の不思議もない。結構深いダンジョンだったから汗もかいたし汚れもしたし。
 でも、それなら何でわたしは一人なんだろう? こういうとき、わたしは絶対にルーミィと一緒に入るのに?
 いや、それは時間を考えれば不思議じゃない……?
 ちらっと目をやれば、窓の外はもう真っ暗で、シーンと静まり返っている。虫の鳴き声さえ聞こえない。
 多分……身体もすごくだるくて疲れてるから、時間は深夜なんじゃないか、と思う。ルーミィ達は、きっともうとっくに夢の世界だろう。
 クエストが終わったのは夕方で、宿に引き上げてきたのは「これから夕食だ」って時間だったのに、何でこんな時間までお風呂に入らなかったのか?
 何で、こんな時間にお風呂に入ろうと思ったのか……?
 その答えは、きっと彼らにある。
 わたしの目の前に立っている、二人の男性に。
398トラップ×パステル×ギア 2:2009/01/23(金) 22:35:22 ID:IHtYlHrn
 一人は、肩の下まで赤毛を垂らした、ほっそりとした身体つきの男性。
 一人は、面差しの鋭い、削ぎ落としたような痩身の黒髪の男性。
 トラップと、ギア。一人は大切なパーティーの仲間で、一人は、とあるクエストで知り合った用心棒の男性。
 二人は戸惑った顔でわたしを見ていた。わたしが何でポカーンとしているのかわからない、そんな顔で。
「……おい、パステル。おめえさあ、あに間抜け顔してんだあ? まさか、俺の顔を忘れたとか言うんじゃねえだろうな?」
「どうした、パステル。入らないのか?」
 二人は、お互いの存在を不審にも思っていないらしい。もちろん、わたしも。
 当たり前のように手を伸ばして、わたしを呼んでいる。
 すなわち……男湯の方へ、と。
 な、何!? 何でこんな状況になってるのー!?

 しばらく前から、ギアがわたし達のパーティーに参加することになった。
 何で? って言われると……その理由もすごく曖昧だ。何かのやり取りがあってきっかけがあったはず、なのに、いつの間にか、そこに居た。わたしの記憶では、そうなっている。
 そして、今回のクエストでも当然のように第一線で活躍してくれた。まあ、当然だよね。わたし達とは全然レベルの違う冒険者だし。
 いつまでいるのか、いつかは抜けるのか。それも、今のわたしは覚えていない。記憶喪失、っていうのとは、ちょっと違う。どっちかって言うと、寝起きで頭が混乱してるとか、そういう状態に近いと思う。
 だって、細かいやり取りを忘れているだけで、「確かそういうことがあった」っていうぼんやりした記憶は、残っているから。
 うん……そうだ。ギアとトラップが並んでるのも、不思議なことじゃない。初めて会ったときはやたらギスギスしてた二人だけど、一緒にクエストをクリアするうち、男同士の友情? って奴が芽生えたのかな? 最近は、二人で何やら話し込んでいることも多かった。
 そうだよねえ。プロ意識に溢れるって意味では、二人ってすごくよく似てると思うもん。昔、初めて出会った頃は……まあ状況っていうか、間が悪かっただけで。お互いに腹を割って話し合えば、分かり合えるところも通じるところも多かったんだろう。
 ギアとトラップがいつの間にか仲良くなっていた。仲良くなってくれた。それも、覚えてる。
 それで……?
「うん……わたし、お風呂に入ろうと、してたんだよね? うん、覚えてる……」
「おい。おめえなあ……あんまふざけてると、いい加減怒るぞ、俺も」
 いつまでも要領を得ないわたしに苛立ったのか、トラップが、こつこつと壁を叩いて言った。
「こんな時間だあら、誰か来るとは思わねえけど。うっかりチビ達が目ぇ覚ましたら面倒だろ?」
「……う、うん」
「おいトラップ。そうやいのやいの言ってやるな」
 困っているわたしを見かねたのか、手を差し伸べてくれたのはギアだった。
「無理もないよ。戸惑うのも当然だ。……大丈夫、パステル。怖いことは何もない。俺達を信用してくれ」
「え、と……」
 何で、お風呂に入ることになったんだっけ? 汚れたから? 何で? 何をして?
399トラップ×パステル×ギア 3:2009/01/23(金) 22:37:10 ID:IHtYlHrn
「あんだ、おめえ怖がってんの? 初めてじゃあるめえし」
「三人はさすがに初めてだろう」
「ヤることは変わんねえだろ? それともあれか? 噂に聞く尻の穴も使うっつー……」
「馬鹿。言っただろう? パステルを苦しめることは絶対にしない。痛い思いもさせないって」
「冗談だよ、じょーだん! 第一、ありゃ本の世界だろ。入るわけねえじゃん、あんなとこにあんなもんが」
「や、ちょっと! ちょっと待って!」
 放っておくとどんどんルーミィには聞かせられなくなりそうな話を遮って。わたしは、おそるおそる声をあげた。
「あ、ええと……ほ、んき?」
「んだよ、今更。本気も本気、大本気だっつの。おめえだって『うん』って言ったじゃねえか」
「うん……?」
「全然気づかなくてごめん。それで許してくれるなら、それでいいよって、そう言ったじゃねえか」
「ゆる、す……」
 あ、待って。少しずつ思い出して来た。
 そう。わたし……わたし、は……
「ひゃっ!」
 不意に、つつっ、と太ももを生暖かい液体が伝っていって、わたしは思わず悲鳴をあげた。
 いや、一瞬もらしたのかと心配したんだけど。どうも、そういうのじゃなくて……何だろう。もっとどろっとした……
「……あ……」
 そうっと視線を下ろす。いや、さっきから薄々気づいてはいたんだけど、きっと汗だとか、そんな風に言い聞かせて考えないようにしていたというか。
 わたしは今、服を着ている。でも、上着ははだけてるし、スカートもしわだらけだし、どうも一度脱いでまた着たような、そんな感じになっている。
 じっとり湿った下着。ぴったりとあそこに張り付いているのが、見なくてもわかる。
 そして、その奥から染み出しているのは……いや、あふれ出して来たのは……
「あ……」
 太ももをすり合わせるようにしてうつむくと、事態に気づいたのか。トラップの顔が面白そうにゆがみ、ギアは静かに目をそらした。
 ああ、そうだ。思い出して……来た。
 わたし、さっきまで……その、してたんだ。
 何を? ……この寒いのに、わざわざ外に出て。ここなら誰にも見つからないとか、早く戻らないとルーミィが心配するから、とか言いながら……恋人、と、この宿の裏で。何度も抱き合っては唇を合わせ、「好きだ」「綺麗だ」「すごく可愛い」なんて言葉をもらって……
 その、クエストクリアの高揚感もあって。つい、いわゆる「身体と身体のお付き合い」という奴を、やってしまったのだ。
 うわああああああああああああああ恥ずかしい! な、何やってるんだろうわたしってば!
 いや、でもすごく盛り上がってしまったのを覚えてる。汚れるからって躊躇してたら、大きな手がそっと下着に触れてきて、「立ったままでも大丈夫」なんて言葉を囁かれて……
 い、いや、忘れよう。うん。忘れてしまおう! あのときのわたしはちょっと浮かれてた。マッピングもちゃんとできたし、影ながらクロスボウで戦闘の役にも立てた。「よくやった」って褒めてもらえてすごく嬉しくて……
 嬉しくて、そして?
400トラップ×パステル×ギア 4:2009/01/23(金) 22:38:13 ID:IHtYlHrn
 そうだ。いくら盛り上がったとは言え……そのう、すごく気持ちよかった、とは言え、場所は外。誰に見られるかわかったものじゃないから、時間的にはそんなに長くなかった。せいぜい三十分くらい?
 本当はもっとずっと一緒にいたい、もう別に一室取っちゃおうかなんて言いながら、何とか身体を離して……そうだ。下着も汚れちゃったし汗もかいたから、わたしはお風呂に入る、って言ったんだ。
 で、「彼」も一緒に入ろうなんて冗談交じりに言ってきて、わたしはそれに「誰かが来たらどうするの! もう、馬鹿!」なんて肩をひっぱたいて……
 そんなやり取りをしているうちに、「誰か」が来たんだ。

 ――そういう関係だったんだ――
 ――何となくは気づいていたけど、そんなわけないって言い聞かせてた――
 ――正直ショックだった――
 ――だって、俺も好きだったんだ――
 ――ずっと好きだったんだ、パステルのことが――

「あ……あ……」
「ほれ、行くぞ。ギア、誰もいねえよな?」
「ああ、大丈夫だ」
 あれよあれよという間に、腕を引かれた。
 ひょいと入り口にかけられる「準備中」の札。閉じられるドア。がちゃりと落ちる鍵。
 脱衣所の中も、ガラス戸で仕切られたお風呂場も静まり返っていた。本当に誰もいない……わたしと、トラップとギア以外は。
「脱げよ、パステル」
「ぬ、脱げって」
「あんだよ、脱がせて欲しいとでも言うつもりか?」
「ば、馬鹿っ! そんなわけっ……ない、でしょ……?」
「……そういうお前は早すぎだ、トラップ。焦ることはない。夜はまだまだ長いぞ?」
「へっ。そういうおめえこそ、さっきから視線が泳いでるぜー? 早く拝みてえんだろ? まあ気持ちはわかるけどな」
「…………」
 わたしの視線など気にする様子もなく、さっさと服を脱ぎ捨てる男二人。
 いや、さすがは冒険者。二人とも細く見えるけど鍛えてるんだねえ……って、ってー!?
 タオルすら使わず、隠すそぶりもなく堂々と全裸になる二人に、瞬時に血が上るのがわかった。
 わーっ、わーっ!? や、は、初めて見たわけじゃない……と、思うんだけど!? な、な、なーっ!?
「ちぇっ、やっぱ大きさでは敵わねえのなー」
「体格を考えればお前も相当立派なものだと思うが? 大分遊んできたようだな」
「そりゃお互い様って奴だろ? そういうあんただって、その年まで綺麗な身体でいたとは思えねえぜー?」
「ふん……想像に任せる、と言ったところか」
 わたわた、おたおたしてるのはわたしだけで、トラップもギアも、全然焦る様子がない。全くの余裕の表情。
 そんな顔見せられると、一人だけ焦ってるのが馬鹿みたいなんですけど!?
401トラップ×パステル×ギア 5:2009/01/23(金) 22:39:15 ID:IHtYlHrn
「で、パステル。準備はできたか?」
「……ちょ、ちょっと待ってよ! い、今脱ぐ……から……」
 わけがわからないけど。不思議でしょうがないけど……でも、状況を考えれば、脱ぐしかない、らしい……
 え、ちょっと待ってよ? そう……わたしはよりにもよって「恋人」と身体を重ねている場面を「誰か」に見られてしまった、らしい。
 ところが、その「誰か」も、わたしのことを好きだった、らしい。
 それから……?

 ――可哀想だと思うなら、悪いと思うなら――
 ――一度だけでいいから――
 ――そんなの――に悪いから――
 ――それなら――

「…………」
 いや、ちょっと待ってよ? 本当なの、ねえ? わたしのこの記憶は本物なの!?
「……パステル……」
 機械的にブラウスを脱いだ。ついで、スカート。
 既にホックの外れていたブラを床に落とし、最後にショーツから足を引き抜く。
 食い入るような視線を感じて顔を上げれば、トラップが、ギアが、じーっとわたしを見ていた。
 恥ずかしくて目を落とすと、目に飛び込んできたのはよく今まで履いてられたよねえ……と感心してしまうくらい、汚れきった下着。白っぽい、どろどろした液体。
 ……嘘、じゃない。夢じゃない。確かにわたしはついさっき、誰かの身体を受け入れてる……
「ってええええええええええええ!? 何でえっ!?」
「ば、馬鹿っ! 大声出すなっ!」
 思わず両手を頬に添えて絶叫した途端、ギアとトラップ、両方から抱え上げられてしまった。
 それからはあっという間。両脇から腕を取られて、開け放たれたガラス戸の中に飛び込んで、ぴしゃりとドアを閉められて……
 そうして三人で、ざばん! とお湯に……泳げそうなほど広い湯船に、飛び込んだ。
「――ぷはっ!」
「ったく、びっくりさせやがって。誰か来たらどーすんだっつーの」
「うー。ご、ごめん……」
「お前の声も十分大きい。ドアには鍵をかけてあるから大丈夫だ。……じゃあ、パステル」
 お湯の中で身を縮めていると、ギアの手が、トラップの手が、そっとわたしの肩に置かれて……そのまま、耳元で囁かれた。
『好きだ』

 ――好きだって言ってもらえて、すごく嬉しかった。何でわたしは今まで気づかなかったんだろうって、本当に申し訳なく思った。
 けれど、謝らないでくれと言われてしまった。それはみじめになるだけだから、って。
 でも、どうしても気が済まなかった。お詫びがしたいと言った。
 そうしたら、「彼」は言ったのだ。

 ――一晩限りの、思い出が欲しい、と――
402トラップ×パステル×ギア 6:2009/01/23(金) 22:40:12 ID:IHtYlHrn
「……正直、受け入れてもらえるとは思わなかったな」
「そりゃ、普通あんまねえよなあ。いわば恋人と愛人と三人でヤるようなもんだろ? でもまあ、たまにはこういうのもいいんじゃねえ? いっつも普通だと、飽きるって言うしな」
「まあ、それを言うなら俺達も、だしな」
「だな。でもまあ、同じ女を好きになったもん同士。気持ちはわかるよなあ……こいつの鈍感ぶりにやきもきさせられた仲間って思ったら、他人とは思えないっつーか」

 そう、だ。
 さすがに、それはちょっととわたしは尻込みした。当たり前だよね。いくら「好きだ」って言ってもらえたのが嬉しかったからって、恋人がいるのに、他の男の人とそんなっ……!
 でも、何だか男二人が盛り上がってしまったのだからしょうがない。
 ああだこうだ言い合っているうちに、「大体お前が鈍感だったのが悪い」だとか「思わせぶりな態度ばっかり取って」とか「そもそも嫌いじゃないとか好きって言ってもらえたのが嬉しいとか、そんな言い方するから相手が勘違いする」とか何とかかんとか。
 いえ、それはもう全くその通りなんだけどさ。ごめんなさいって言うしかないんだけどさ!?
 それにしたって、「1対1は許せないけど俺も加えてなら許す」って、それはあんまりじゃない!?
「……パステル」
「ひゃああああああああああああああああ!?」
 ぴちゃり、と首筋をなめられて、わたしは思わず悲鳴をあげた。
 あ、駄目。今、わたしの身体……
「すっげ……触ってもいねえのに、もう乳首が尖って来てんじゃねえか……」
 キスしてきたギアに対抗して、だろうか。次に指を伸ばして来たのは、トラップだった。
「おめえ……感じやすくなってんだな」
「やっ! ひゃあっ! だ、駄目だってばっ……」
 つんつん、と胸をつつかれて、わたしは思わず身もだえしてしまった。
 だって、だってしょうがないじゃない! わたしっ……ついさっきまで「そういうこと」しててっ……本当はもうちょっと、って思ってたけど、でもこんな時間だし外でだしルーミィ達も待ってるだろうしって、一生懸命我慢したところで……
 そんなときに、触られたらっ……頭がどうかなっちゃいそうで!
「パステル……脚を、開いてくれるかい?」
 わたしが十分に感じていることはわかったんだろう。ギアの柔らかい言葉が、ゆるゆると耳朶を打った。
「まずは……綺麗に、しような?」
「きれ、い?」
「ん、そりゃまあそうだな。前の男の匂いが残ったままっつーのは、やべえよな」
 ぽかんとしていると、横でトラップが頷いた。
 そっと胸から手が外される。あー……と、ちょっと残念に思っていると、そのまま、指が下腹部まで滑り降りて行った。
 え、まさか……
「ひゃっ……やああああああああああっ!?」
「おー……十分やわらけえ。ほれ、ギアも触ってみ」
「ああ」
 じたばたともがいていると、二人がかりで太ももをつかまれてしまった。
 膝裏を通すようにして、二人の指が差し伸べられる。触れられたのは……さっきからうずいてしょうがなかった、わたしのあそこ。
403トラップ×パステル×ギア 7:2009/01/23(金) 22:42:22 ID:IHtYlHrn
「やあん……は、恥ずかしいってば。やっ」
「とか何とか言って。硬くなってんじゃん」
 まだろくに触れられてもいないのに。お湯の中で、わたしの中に二人の指が沈みこんでいるのが見えた。
 ごついギアの中指と、少し細い、トラップの中指。
 そのまま、同時にうごめき始めた。もちろん狭い場所だから、そんなに激しい動きじゃないけど。二人分の指が、わたしの内部をこすり上げて、絶叫したくなるような快感が駆け上って行った。
 だっ……駄目っ……
「あっ……あああああああああああああああああああっ!」
 一瞬で目の前が真っ白になった。びくびくっ! と身体を痙攣させていると、お湯の中に、とろりとした液体があふれ出るのがわかった。
 さっきわたしの中に吐き出されたばかりの、白い液体が。二人の指にまとわりつくようにして、お湯の中へと流れ出て行った。
「ううー……」
「イッたみてえだな……っつーか、お湯の中って滑りが悪くねえ?」
「しょうがないだろう。流れてしまうからな……外よりは寒くないから、大丈夫だろう」
 ぐったりしているわたしの頭上では、好き勝手な言葉が飛び交っている。けれど、それに抗議する余裕なんて、もちろんない。
 そのまま、わたしの身体は湯船のへりに押し上げられた。けれど、二人の身体はお湯に沈んだまま。
 視線が、そそがれる。ちょうど彼らの目の高さにある、腰掛けたわたしの中心部に……
「や……み、見ないでよ……」
「だーめ、隠すなっつの。こんな機会、滅多にねえんだし。ほれ、おめえも見たかったら見ていいんだぜ?」
「もお、ばかぁっ!」
「恥ずかしがることはないよ、パステル。とても……綺麗だから」
「…………」
 い、いや。その、こんな場所を「綺麗」って言われても……言葉に困る、って言うか。
 身体の中が、熱くなってくるのがわかった。もじもじと膝をこすり合わせていると、「……欲しいのか?」と囁かれた。
 欲しい。何を? ……そんなの、決まってる。
「……うん」
「ちゃんとおねだりをして欲しいな」
 うつむくわたしを見て、ギアが浮かべたのは苦笑だった。
 たくましい身体が湯船から上がってくる。隣に腰かけられて、びくりと身を強張らせると……そのまま、肩を抱き寄せられた。
「パステル」
「あ」
 ぴちゃり、と耳をなめられた。
 きゅうっ! と下半身に走った、締め付けられるような衝撃。震えていると、伸びてきた手が頬を撫でて、そのまま鎖骨のラインを辿って行った。
「お、ギア。おめえ抜け駆け」
「早い者勝ちだ。同時には無理なんだから仕方ないだろう」
「あに言ってんだよ。ぶちこむ前に色々やることはあんだろー? やってもらうことも、さ」
「……そうだな。パステル」
「ん……」
 くりくりと、胸を撫でられた。
 さっき、ほんのちょっと撫でられただけで硬く尖ってしまったわたしの胸。ギアの愛撫はとても丁寧だったけれど、少し力が強い。痛いようなくすぐったいような微妙な感じに悶えていると、トラップが、わたしの脚を肩に担ぐような格好で膝立ちになった。
 太ももの上に置かれたのは、骨ばった手。
「なあ、パステル」
 はあ、はあと息を荒げながら、トラップが注視しているのは……わたしの、唇?
「どっちが、先に欲しい?」
「……どっち、って」
「どっちのを、先に、欲しい?」
「…………」
 ここまで来て、その意味がわからないって言うほど、わたしも馬鹿じゃない。
 でも、どう答えればいいのかわからない。欲しいって思ってる。来て欲しいって思ってる。このままやめられたら、きっとわたしは、どれだけみっともなくても泣いてすがるんじゃないかって思う。それくらい、身体がうずいてる。
 でも、答えられない。だって……

 どっちかは、恋人で。どっちかは、恋人じゃない……そのはず、なのに。
 トラップと、ギア。どちらがわたしの恋人なのか……今のわたしには、それが、わからない。
404114:2009/01/23(金) 22:43:33 ID:IHtYlHrn
今日はここまでです。
中途半端なところで本当にすいません。なるべく早く完結させるようにします。
405名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 04:02:14 ID:btobn4t1
>>394
乙〜ハァハァ
パステルかわぇえ〜
萌えました
406名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 04:04:35 ID:btobn4t1
>>404
完結待ってるよノシ
全裸で
407名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 15:52:19 ID:CHve0QBn
ちょい意地悪パステル萌え。
408114:2009/01/25(日) 16:59:04 ID:TdiFJkbU
完全なスレストッパーになってしまい申し訳ありません。
他の方々の作品のログを流してしまいますし、投下し辛いと思いますのでギアパストラはなかったことにしてください。
つまらない作品をあげてしまってすみませんでした。
次はもっと皆さんに楽しんでもらえる作品が書けるよう努力します。
409名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:41:31 ID:mC6e0EHH
>>408
えっなんでそーなるの!?
410名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 07:31:49 ID:N6310E0+
>>409
まあ投下して丸2日以上で
ついたレスが一つだけ、
全く中身に触れられてない、乙すらない
いかにも書人さんにコメントするついでに書きました的なレスだけじゃあ
書き手さんがへこむのも無理はない
411名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 11:20:31 ID:HjCSMeS5
エロパロ系はここしか読んでない自分にとっては
ここのローペースっぷりが普通だから
自分も>>409と同じく「へ!?」状態。
読者は一人でこっそりニマニマしてるさw

感想が少なくて寂しい気持ちも分かるけど
ここの昔からのスタイルを受け入れると気楽になるんじゃないかなぁ。

ちょっと前の討論みたいに無理に雰囲気変えようとかしないで、
かといって妥協でもなくて、そのまんま受け入れる。

>>408
言われてもない事を勝手に想像して凹むってバカバカしいぜw
また書いてくれるようなので楽しみに待ってます!
412名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 14:43:27 ID:N6310E0+
>>411
言われてもいないことを想像してへこんだんじゃなくて
何も言ってもらえないからへこんだんじゃないか?
って言ったつもりなんだ、文章下手でごめん。
感想なかったら読み手は心の中で喜んでくれたと脳内補給しとけってひどいと思うんだけど。

前の議論のとき思ったんだけど
討論始まるとがーっと長文書き連ねるくせに
感想少ないねって指摘されたら「文章力ないから書けません」て虫がよくない?
そういう自分は、ギアが苦手だからギアシミパスもギアトラパスもスルーしてしっかり読んでないから何もレスつけなかったんで、あんまり偉そうなこと言えないんだけど。
書き手さんごめんなさい。
413名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 18:47:53 ID:oO9un8Ce
あぅあぅ…
なんだか討論雰囲気で足が遠のいて
しばらくご無沙汰してるうちに たくさん投下されてた!
書き手様たちありがとです〜!

114さん、悶々パステルかわいい…
完結、お待ちしてますよ〜!
414名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 19:35:14 ID:G3uMoNUm
>>114さんにリクした者です
週末ずっと忙しくてネットできなかった申し訳ない
続き待ってます
感想は完結後に増えるのでは
415名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 20:46:26 ID:CcXFCRgM
>>414
そんなこと言って、完結後も過疎ったままだったらどうする(w
ずっとスレを追ってるが、前回のギアシミパスのとき、完結後にわんさか感想がついたような覚えはないぞ。
まああのときは、直後に議論が始まったってのも大きいけど。
何にしろ無責任に書き手の期待煽るようなこと言わない方がいいんじゃない?
>>411 も言ってる通り
投下があろうとなかろうと常にローペース常に過疎状態なのがこのスレのスタイルだ。

結局、以前に
>>292 と >>326 が言ったことが全てじゃない?
>>326 のように、レス・感想がほとんどつかないスレには投下する気になれない書き手は確かにいる。
>>292 の言う通り、このスレのスタイルが気に入らない書き手はスレを去っていく。
今回、まさにその通りになっただけの話。
416名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 23:49:06 ID:h7oWx10q
それにしても、他人の感想をけなす奴って最低だな……
普通の神経しているとは思えないわ
417名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 00:18:52 ID:GE3gbUQR
トラパスギア(ギアトラパス?)の続き気になるんだけど。。。
もう読めないのかな
418名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 00:25:44 ID:GE3gbUQR
この「続き気になる」「楽しみ」って一言をもっと早く書き込んでおけばよかったんだな、きっと。
何となく、何も言わなくても書き手さんは最後まで書いてくれるもんだと思い込んでた。
419名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 01:58:13 ID:pVtLP8yB
レス進んでるから続きが来たのかと思ったw
>>408
邪魔になったら悪いかなーと思って完結してから感想書くつもりでした
ぜひぜひ続きおねがい

>>418
自分も反省したお
420名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 01:59:46 ID:pVtLP8yB
あと以前の討論の時も思ったけど、
他人の意見に噛みつくような書き方はやめた方がいいお
そっから無意味に荒れてしまったりしますし
悪意ないのはわかるし言ってることはおかしくないけど
書き手へのフォローもそれ以外のフォローも、トゲ入れなくてもできるはずだお
421名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 15:15:53 ID:hUj9B8SX
>>387
クレイ可愛かったですGJ
「今だけでいいから俺を見て」が健気すぎる。こういう心理描写大好き
あとなんかパステルがかっこいいなw
双方可愛かったです。なんかこの2人らしい

>>408
完結してから読もうとジリジリしながらハァハァ待ってる人もかなりいると思うし
ストッパーとかいうことは全然ないから気にせんで
書き手さん全体に言いたいんだけど、感想やフォローを普段あんまりしてなくてごめんね
とりあえずスレに来た時は書き込んでるんだけど、もっと頻繁に来れるように気をつける
422書人:2009/01/28(水) 11:55:47 ID:Ec+EZKtV
いつもお読み頂き感謝です。

114さんへ。
ログ流す等はお気になさらず。
スレストは私も経験あります。
確かに書き手として凹みますが、114さんの場合は完結待ちによるものと思いますので。
ここは慢性的過疎スレですが、投下にひとつも感想がないということは殆どありませんし。
読み手として、wktkしてお待ちしております。

感想頂けたりリク頂けると、書き手冥利につきます。
読んでもらえてるんだなー次何書こうかなという原動力ですので、
今後ともよろしくお願いします。


さて。ささやかなエロなしのネタSS投下します。
呼び水になりますことを願って。
423トラパス小ネタ(エロなし) 1:2009/01/28(水) 11:56:44 ID:Ec+EZKtV

 キキ、っと鋭い音をたてて自転車を止める。
 明日もバイト朝からだから乗って帰っちまった。まーいいだろ。

 あー疲れた。
 朝っぱらから赤チャリで走りっぱなし、ようやくメッセンジャーのバイトを終えて帰宅したみすず旅館。
 まっすぐ2階に上がってぐてっと寝転がるつもりだったが、台所前を通って気が変わった。
 開けっ放しのドアを覗き込むと、視界に入るのは柔らかそうなはちみつ色の束ねた髪。
 後姿ですぐわかるうちの方向音痴マッパーが、エプロンをかけてなにやら立ち働いていた。
「おーいコーヒーくんねえ?」
「そこにあるよ」
 即答。
 つ、冷てえな、この野郎。
 仕事して帰ってきた人間にもーちっとやさしくできねえのかよ?
「いいじゃん、ついでくれたって」
「忙しいのよ。それくらい自分でやってよね」
 にべもない返事。
 確かに忙しそうではあるが、それくれえしたって罰は当たらねえだろうが。
 ブツブツ言っても振り向きさえしないパステルには、何を言っても無駄らしい。
 仕方なく食器棚からマグカップを取り出すと、テーブルの上にあるポットからコーヒーを注ぐ。
 所在無く立ったままでぬるいコーヒーを飲んでいると、ふと目に留まったのは籐製の籠。中には編み棒が数本とはさみ、小さい毛糸玉が幾つか入っているだけだ。
 よく見れば籠の傍に切り落としたとおぼしき糸端も落ちていたりする。
 あれ? 確か昨夜はまだこいつなんか編んでた気がするが、もう仕上がったのか。
 昨夜見たそれはあまり大きくない編地で、確かピンクとベージュの毛糸じゃなかったっけな。
 その配色からして、バレンタインが近いというのに俺用じゃねえな、くそっとひとりいじけてはいたんだが。

 こいつが編んでたあれ、もしかして……毛糸のパンツじゃねえのか?
 そうかそうか、それなら納得がいく。
 仕上がったから速攻履いてヌクヌクと台所仕事をしてるというわけか。相変わらず色気のねえこった。
 ひとり得心してニヤニヤ笑いつつ、パステルの後姿に目をやる。
 この前リタにもらったとか言ってたエプロン姿。
 ……言々撤回だな。
 エプロン姿の女の後姿というのは、なぜか訳もなく背後に立つ男をかきたてるものである。
 例えそのスカートの中身が毛糸のパンツであろうとも!
424トラパス小ネタ(エロなし) 2:2009/01/28(水) 11:57:36 ID:Ec+EZKtV

 職業柄得意の忍び足で、相変わらず食材と格闘しているパステルにそっと近づく。
 まぁ何も気配を殺して近づかずとも、にぶいこいつは気づきもしねえだろうが。
 しかし真昼間なんだよな。背後から抱きつくわけにもいかねえし、押し倒そうもんなら包丁かフライパンで半殺しにされる。ならば。
 俺は大きく息を吸い込むと、力いっぱいスカートを跳ね上げた。
「きゃああああっ!!!」
「あ……あれ? 履いてねえのか?」
「は、履いてないってなんなの、何するのよトラップ!!」
 一瞬にして顔を真っ赤に染め上げ叫びまくるパステル。
 俺がめくりあげたミニスカートの中にあったのは、真っ白のふつーのパンツ……予想と違って毛糸のパンツではなかった。
「おかしいなー、ぜってぇおニューの毛糸のパンツだと思ったのによ」
「おニューって何の話よ!」
「とりゃー、今のなんらぁ?」
 この非常時唐突に、舌ったらずな声がした。
 振り向けばちびエルフがきょとんとした顔をして台所の入口に佇んでいる。
「お、おぉルーミィ、なんでもねえよ。新しい遊びだ。それよりおめえその帽子」
 シルバーブロンドが被っているのは、何やら見慣れないニットキャップ……その色が……ピンクとベージュ!!
「ぱーるぅができたよ、ってさっきくれたんだお!」
「……だろうな」
 パステルが編んでたのはルーミィの帽子で、俺の早とちりだったってことか。
 まぁ生パンツ拝ませてもらって得したっちゃ得だが……毛糸のパンツならまだしも、そっちを見られたパステルが黙って許してくれるかが微妙だが……
「……トラップ」そらきた。案の定、片手には武器と推測されるおたまが握り締められている。包丁でないだけまだ可愛げがあるなぞと思いつつ、じりじりと入口方向へ移動する俺。
 俺とパステルを見比べてきょろきょろしているルーミィを、格好の障害物としてパステルの方へ押しやる。
 脱出の算段が整ったところでまた現れたのは、招かれざる闖入者。
「パステルー、頼まれたオレンジとレモンってこれで良かったのかな」
 場の空気に関係なく実にさわやかな、紙袋を抱えたクレイ。軽く身を屈めて台所を覗き込んできた。
「あれ? おまえ何してるんだ」
「いやちょっとな、ははは」
 白々しく笑いながら不思議そうなクレイに半笑いを返す。
 クレイと体を入れ替えようとすると、俺が逃げようとしているのに気づいたのか、今更待ったがかかった。
425トラパス小ネタ(エロなし) 3:2009/01/28(水) 11:58:33 ID:Ec+EZKtV

「ちょっと待ちなさいよトラップ!」
「ねえねえぱーるぅ、ルーミィもいっしょに遊ぶぅ」
 足元にまとわりつくルーミィに阻まれるパステル。よしよし、計算どおりだな。
「今ね、すごーく忙しいんだけどな。ひとりで遊んでてくれる?」
「わかったお!」
 満面の笑みのちびエルフを作り笑顔で見下ろしたパステル。
 わけのわかっていないクレイをやり過ごして台所から退避した俺を追いかけようとしたのだが……そのとき悲劇は舞い降りた。
「いい子ね、さてトラ……ルーミィっ!?」
「うわっ」
 ごとん、バサっ、ゴロゴロゴロゴロ……
 にぎやかな悲鳴と派手な落下音。
 廊下まで転がってくる、クレイが落としたと思われる紙袋のオレンジやレモン。
 既に階段に足をかけていた俺に現場は見えなかったが。おおよその予想はつく。
 ルーミィ……俺の真似してスカートめくったな……くそ、2回目見逃した。
「もう、もう、何なのよぉー」
「ごめんパステル、俺、俺決して見るつもりはっ」
「とりゃーが教えてくれたんだおう!」
 やべ。
 この後の流れを想定して、俺は急遽方向転換して玄関へと走った。
 部屋でのんびりするつもりだったけどよ、さすがの俺も命が惜しい。
 しゃあない、ほとぼりが醒めるまでカジノでも行ってくっかなー


 今日に限ってチャリに乗って帰ってたのは先見の明があるな、さすが俺。
 赤い自転車に勢い良く飛び乗ると、頬に刺さる冬の冷たい風もむしろ心地よく、俺は立ち漕ぎでみすず旅館を後にした。



---------------------
完結です。
426名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 22:25:22 ID:9k+arYml
乙です
なんか情景がすごい想像できてワロタwww
毛糸以外のパンツ見れたのに、直後の反応が微妙に残念そうなトラップと
あとさわやかなクレイになぜか笑った
やっぱこの後は真っ赤なまま怒るんでしょうか

エプロンパステルの後姿とニットキャップルーミィ可愛いだろうな
ピンクとベージュとか超似合いそう
よく思うけどここのSSを絵で見たい。特に女性陣の格好とか
427名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 22:28:05 ID:9k+arYml
あとパステルふんだりけったりでカワイソスw
パンチラネタでこんな盛り上がる作品も結構すごいよね

なんかツボにはまってだらだら書いちゃったスマソ
最近ペース早くて嬉しいです
428名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 15:18:20 ID:rdMXsYuy
書人さんGJ
パステルの武器が可愛い
それと早速リクをしちゃいます
書人さんの甘めギアパスも読んでみたいです
三角関係や嫉妬がない平和な感じで

114さんの3Pの完結も楽しみに待ってます
みんな心配してるから作品の完成はまだでも
反応して欲しいです
429名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 19:24:14 ID:6tBYj+s6
トラップに赤チャリ似合うなw
平和なシルバーリーブだ
430名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 19:27:07 ID:6tBYj+s6
それにしても、ほんとに…感想少ないね
基本的にこういうもんだと思ってたけど、このスレに入ってから
SS投下以外の話題だとものすごく書き込み増えるの見て
こんなにいつも人いたのかとなんか変な気分になったお
431名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 12:38:08 ID:SNU0Byhn
書き手名指しリクなんかされたら
そのリク投下が終わるまで他の書き手は投下できないと言ってみる。
ただそういう作品が読みたい、じゃ駄目なんだろうか。書人さんが書いてくれなきゃ駄目だと。
感想少ないスレスタイルを書き手が受け入れろって言ってた奴もそうだけど
ここの住人は基本的に書き手の気持ちを考えてるつもりで理解してない。
だが絶対数は読み手のが多いだろうし、余計なこと言えば叩かれるだけなので書き手は黙ってるしかない現実
432名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 14:47:47 ID:jBiFsZsy
もーちょい気楽な感じでもいいんじゃないかね
ちょっと前後混乱しても、好きな時に好きなネタでやってもらう感じで
事前にあいさつとか「これの続きです」とか「途中に失礼します」とかあるだけで充分な気がする
要するに最低限の配慮があれば
リクに関しても深く考えないでいいと思う
433名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 14:56:11 ID:jBiFsZsy
あと、今更だけど、
書き手はただでさえ意見出しづらいわけだから
議論になると変にギスギスして、ますます出せなくなるような流れはやめよーぜ
自分の意見を淡々と言う感じがいい
ケンカ売るような書き方するのも、それを買う方もやめないか

あと>>430に同意
434名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 19:35:01 ID:qRxR4RHp
>>431
>>428>>422の書人さんの、
>感想頂けたりリク頂けると、書き手冥利につきます。
>読んでもらえてるんだなー次何書こうかなという原動力ですので、
>今後ともよろしくお願いします。
に反応しただけでは?
書き手さんがこう言ってくれたときに、
誰でもいいから書いてってリクの方が失礼な気が
感想に意見したり自治しようとすればするほど
このスレは荒れるような
マターリしようよ
435名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 22:04:27 ID:30WvIoiD
他人の感想を引き合いに出す奴、いつも居るよな。
毎回同じ奴か?
その感想を述べた人には勿論のこと、
職人さんにも失礼だからいい加減止めろよ。
436名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 22:53:51 ID:9of8GXE8
>>435
2chでそれは愚問。
本人が認めるわけないし違うと言ったところで証明もできない。
徹底放置すれ。上でも言われてるじゃん。
「けんか売るような書き方するのも」「それを買う方も」やめないか

議論文書き連ねる暇があるなら感想なりリクエストなり前向きなこと書こう。
というわけで自分はがっつりエロありのトラパス希望と言ってみる。
状況に流されてとかじゃなくて、パステルが望んで〜というのは、パステルの性格上難しいかな。
甘いギアパスもギアトラパスの続きも楽しみにしてます。
437名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 12:13:18 ID:uwuznNMy
元プロテニスプレイヤー松岡修造の自作動画がナゼか大人気

『YouTube』や『ニコニコ動画』にアップロードされている動画に、なにやら不気味な兆候が見えているという。なぜか、
元プロテニスプレイヤーであり、テレビのレポーターで活躍をしている松岡修造さんの動画が大量にアップロードされて
いるのだ。しかも、放送されたものをそのまま掲載するわけではないことから、松岡修造さんを見たいがためにアップロ
ードしているわけではないようだ。そう、アップロードされる松岡修造さんの動画のほとんどが編集されており、意味不
明の動画になっているのである。

著作権等の問題がクリアになっていないと予想されるためココに掲載することはできないが、松岡修造さんが見ても誰も得しない
動画を紹介する『【どういう】「誰得動画」ランキング創刊号【ことなの…】』や、強引に松岡修造さんにアフレコさせてしまった
『【ドラゴンボール】 もしも16号が 松岡修造だったら』、意味不明な松岡修造さんの編集動画ランキングの『年刊 松岡修造
ランキング』、松岡修造さんのわけがわからない動画の総集編『【松岡修造】ニコニコユーザーへ向けてメッセージ【熱血】』など、
とにかく数多くの動画が掲載れている。その数は、『ニコニコ動画』だけでも918件もあるのだ。

なぜ、いま松岡修造さんに注目が集まっているかまったくの不明だが、動画の内容もまったく不明なので、最近は誰も得しな
い謎だらけの動画が流行っているのかもしれない。
438名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 16:50:28 ID:P/k1Gxhd
自分はギアパスの人の黒マリーナをしつこく楽しみにしてます…

あとねー、>>377の一行にすっごい萌えた
439名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 19:12:37 ID:C5JOP19h
保守
440名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 08:48:28 ID:/srA789i
誰か書いてくれないかな〜保守
441名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 10:51:12 ID:ZuRLpSgF
はす
442書人:2009/02/14(土) 02:12:20 ID:iri9+ZJo
こんばんは、書人です。
リク頂いていたにも関わらず遅くなってすみません。
バレンタインネタにしましたが、ギリギリ間に合いましたw


ギアパス、甘めです。
カプが苦手の方はスルー願います。
443ギア×パス バレンタイン編 1:2009/02/14(土) 02:13:32 ID:iri9+ZJo

 よーし、できたっと。
 わたしはつけていたエプロンを外すと、思い切り伸びをした。
 台所のテーブルの上には、リボンをつけた小さな包みが山と積みあがっている。
 しかし我ながらたくさん作ったもんだわ。
 クレイでしょ、トラップでしょ、キットンでしょ、ノルでしょ、そしてもちろんシロちゃんとルーミィにも。
 お世話になっているみすず旅館のおかみさんやリタやルタ、印刷屋のご主人にもお渡ししたいし……
 ひとつひとつあげる人を数えながら包みを紙袋に入れていくと、最後にひとつだけが残った。
 大きなテーブルの上にぽつんと佇んでいるそれをそれをそっと手のひらに載せると、軽くため息。
 シックなブラウンの包み紙に赤くて細いリボンを結んである。
 小さな包みはたくさんの中に埋没していた時は気にならなかったけれど、こうしてひとつだけ残ると、なんだか妙に自己主張しているようで、たかがチョコレートなのになんだか気後れしてしまうなあ。

 ひとり包みとにらめっこしていると、廊下からとててててと小さな足音がした。続いてチャッチャッチャという、足音ならぬ爪音。
「あ! ぱーるぅ、それなあに?」
 足音の主は予想通り、ルーミィとシロちゃん。
 わたしが手のひらに載せた包みに気づき、すぐお菓子とわかったんだろう。
 目をキラキラさせながらスカートにまとわりついてくるルーミィ。
 ふわんふわんのシルバーブロンドを撫でながら、手の上の包みを差し出そうとして手を止める。これは……いや、中身も外見も全く同じなんだけどね。
 一瞬の躊躇いの後テーブル上にそれをそっと置くと、紙袋の中から別の包みを取り出す。
「はい、チョコレートだよ」
「ちょこえーと! ありがとだお!」
 にっこぉーっと満面の笑みを浮かべるルーミィ。かわいいなぁ。
 お行儀よく座り込んでいたシロちゃんにも差し出す。
「シロちゃんにもあるのよ、はい」
「ありがとさんデシ!」
 二本足で上手に立ち上がってお礼を言うシロちゃんの背中のリュックにチョコレートを入れてあげる。
 彼は食べたくなったら自己申告してくれるだろうから、その時剥いてあげればいいや。
 このふたりが帰ってきたということは。
「ノル? いるんでしょう?」
 勝手口のドアを開ければ、やっぱり。
 今帰ってきた風情のノルが、裏庭に干した洗濯物を取り込んでいるところだった。
 長身の彼はみすず旅館に入ると床が抜けちゃうので、ふたりがちゃんと旅館に入ってきたか外から見守ってくれてると思ったんだよね。ふふふ、大当たり。
「おかえりー、ノル。ふたりのお守りありがとう。これ、バレンタインのチョコレート」
「ありがとう、パステル」
 洗濯籠を片手に抱えた彼は、手のひらどころか指先に載ってしまうほどの包みを受け取るとにっこりと笑った。
 うーむ、ノルにはちょっと小さすぎたみたい。もう少し大きく作ってあげればよかったかなぁ。ま、いいや。
 チョコレートをポケットにしまって洗濯物の取り込みを再開したノルに軽く手を振ると、わたしは踵を返して台所へと戻った。
 わたしと入れ違いに裏庭へと飛び出していくひとりと一匹の後姿を見送ってから、わたしは階上へと足を向けた。
444ギア×パス バレンタイン編 2:2009/02/14(土) 02:14:37 ID:iri9+ZJo

「入るよー」
 男部屋のドアを開くと、相変わらず怪しげな実験に没頭しているキットンと、帽子を顔に載せて傍のベッドで寝転がっているトラップが視界に入る。
 キットンは例によって例のごとく軽くトランス状態で、目の焦点が合ってないような状態だけど……話通じるのかなあ。
「キットン、チョコレート……」
「はいはーい、そこに置いといてもらえますかあ?」
「……わかった」
 返ってきた返事はどう聞いてもラリった人のそれで……あまり関わらないほうが身のためかもしれない。
 キットンから半径1メートルほど離れた場所にそっとチョコレートを置いて振り返ると、寝ているように見えたトラップが帽子を持ち上げてニヤリと笑った。
「俺にもあるんだろうな、もちろん」
「あるよー、はいこれ。でもどうせファンクラブの子達から山ほどもらったんでしょ?」
「そりゃもう。でも俺甘いもん苦手なんだよなぁ。まーおめえのくらいならちいせぇから食ってやらねえでもねえけど」
 偉そうに寝転がったままニタニタしているのが癪に障るなぁ、もう。
「あ、そう。別に無理に食べてもらわなくったっていいんだけど?」
「まぁそう言うな。置いてけよ」
 まったく。
 にゅっと伸びてきた手にひょいと包みを載せて部屋を出ようとすると、背後から飛んできた唐突な質問。
「おめえ、本命はどしたんだよ」
 ぎく。
「は? 何の話よ」
「今シルバーリーブに来てんだろ? 情報通の俺を舐めてもらっちゃ困るぜ」
 トラップが言ってるのは間違いなく。
 特別警備隊の任務で、南部への移動途中でシルバーリーブに宿をとっているギアのこと……だと思う。他に該当者はいない。
 ギアと行動を共にしているダンシングシミターは今一緒じゃないらしいし、実際そうかどうかはともかく、本命かなんて言葉で尋ねられる相手は他に思い当たらないし。
「本命も何も……」
 口ごもるわたしに呆れたようなトラップ。
「あのなぁ、ぼやぼやしてていいのかよ。チョコレートくれえ準備してんだろうに。あいつ明日には行っちまうらしいぞ?」
 そうなんだよね。
 ギアは先日この街に来て、みすず旅館を訪ねてきてくれた。
 前の別れ方が別れ方だっただけにどんな顔をしていいのか微妙だったけど、兎にも角にも久々の再開を喜んだんだよね。
 でも数日滞在しただけで、すぐに南部へ出発してしまうそう。
 南の街でダンシングシミターと落ち合う予定なんだとか。
445ギア×パス バレンタイン編 3:2009/02/14(土) 02:15:39 ID:iri9+ZJo

 そしてわたしはというと。
 ギアに再会してからというもの、落ち着かないような考え込んでしまうような、なんとも気持ちがはっきりしない日を過ごしていた。
 そんな気持ちのままでバレンタインデーを目前に迎え、毎年恒例、周囲皆へのチョコを作るうち、気がついたらひとつ余分を拵えていたというわけ。
 どうしてわたしったら、単にバレンタインだからという理由で渡せばいいだけなのに、ひっかかりまくってしまってるのか……
 トラップの言葉に思わず考え込んでいると、意外に真面目な声色が問いかけた。
「おめえ見てりゃわかるっつーの。後悔しねえうちに早いとこ持ってけ」
 別に何を相談したわけでもなんでもないのに、その言葉はお見通し、と言わんばかりで。
 でもその表情は意外に揶揄するでもなく前みたいに不機嫌そうなわけでもなく。
 どことなく心配してくれている感じすらあって……あのトラップがねえ。なんだか不思議。
 トラップはわたしの様子を見て取ると、苦笑しつつごろりと寝返りを打った。
「嫁にまで行くんじゃねーぞ」
「はあ!? そんなわけないでしょ!」
 わたしはいつもの調子で勢いよく言い返しながらも、こっそり心の中で背中にお礼を言った。

「で? どうするんだい」
「……どうって」
 こちらははなっから真面目なコメント。でもその口元にはやさしい笑みが湛えられていて、ひしひしと気遣いが伝わってくる。
「持って行ってくる……つもりだけど」
「それがいいよ。パステル、ずっと考え込んでたから心配してたんだ」
 隣に座ったクレイは、手の中のチョコレートを胸元のポケットにしまうと、わたしの肩をぽんと叩いた。
「行っておいで。暗くならないうちに」

 そしてわたしはドアの前にいる。
 ギアが泊まっている部屋。少しお高い部類の宿屋で、絨毯の敷かれた廊下はしんと静まり返っている。
 さっきまでのもやもやした気持ちは、パーティの皆に会ううちにだんだんと形になってきたみたい。
 ただの義理チョコのつもりで渡す気になれないのはどうしてなのか。
 ギアがシルバーリーブに来ることなんて、ううん、そもそも会えることなんて滅多にない。
 彼がここにいる間に会いに行こうと思うのはどうしてなのか。やっとわかってきた気がする。
 好きとか嫌いとかわからないけど……どうしても会いたかった。
 バレンタインのチョコレートが気持ちを伝えるものならば、わたしはこれを、どうしてもギアに渡したかったんだ。
……わたしって、自分のことにまで鈍いのね、本当に。
 散々トラップに鈍いと言われて怒ってきたけど、あながち間違いでもないみたいだわ、こりゃ。

 トラップとクレイの言葉に背中を押されて、わたしは夕暮れの中みすず旅館を出た。
 始めはゆっくりとした足取りだったけど、なんだか気がせいてきてどんどん早足になり、このドアの前に立った今は肩で息をしているわたし。
 暫く呼吸を整えて、ドアをノックする。静かな廊下に響くノック音に、思わず周りを見回してしまいながら。
446ギア×パス バレンタイン編 4:2009/02/14(土) 02:17:30 ID:iri9+ZJo

「どうしたんだ? ここを訪ねてきてくれるとは」
 部屋に招き入れてくれたけれど、不思議そうなギア。
 わたしはどう言ったものか迷ったけれど、結局それには答えないで持ってきた紙袋を差し出した。
「これ」
「おれに? 何だい?」
 ば、バレンタイン知らないのかなあ。いやまさかそんなわけないか。
 一瞬がくっと脱力しつつ、まぁ冒険者だしそんなこといちいち気に掛けてもいないだろうと思い直す。さてどう言おう。落ち着かない心持ちで視線を泳がせつつ口を開く。
「……えっと、その……バレンタインだからチョコレート持ってきたんだけど……」
「あ、そういえば今日バレンタインか。わざわざおれに?」
 端整な顔に柔らかい笑みが浮かぶ。
 その顔を見た時、わたしはどうしても、どうしても言っておきたくなってしまった。
「あの、それ……いわゆる義理じゃないから」
 大きく目を見張るギア。
 い、言っちゃった。こんな言い方でちゃんと伝わるんだろか。慌てて言葉を継ぎ足す。
「あ、あのね、バレンタインって本来大切な人にチョコレートあげるって日でしょ?
 パーティの皆にもあげたしお世話になってる人たちにも渡してきたの。
 でも、その、ギアに持ってきたのはそれだけじゃなくって、えーと好きとか嫌いとかうまく言えないんだけどね、パーティの皆にも行って来いって言われて、えっと」
「もういいよ、パステル」
 しどろもどろにとりとめのない説明をするわたしをギアが遮った。
 大きな手がわたしの手をそっと握る。少しひんやりとして乾いた手のひら。
「言いたいことはよくわかったよ……来てくれてありがとう」
 黒い瞳がやさしく微笑んだ。
「え、いえ、どういたしまして」
「じゃあこれは本命チョコという風に受け取っておくよ」
「ほ本命って、そんな大袈裟なっ」
「違うのかい?」
「……」
 違わないけど……いや違うような……うーむ。
「でもさ、パステル。贅沢かもしれないけど、本命にしてはちょっと小さいんだな」
 あ、それは。
「ごめんなさい、あまりにもたくさん数が必要だったから、材料がギリギリになっちゃってそのサイズに」
 焦って顔の前で両手を振って謝ると、ギアがぷーっとふき出した。
「そんな真面目に謝らなくてもいいさ。冗談だって。というか」
「え? きゃっ」

 唐突に失われる平衡感覚。目の前にギアがいるのは同じなんだけど、その背後に見えていた窓が、今は天井……
 わたしはひょいと抱き寄せられて、そのままベッドに押し倒されていた。
 ほわんほわんと弾む、やわらかいマットの感触。ルームライトの光を背中に背負ったギア。
「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
「アレ?」
 状況にも関わらずつい真剣に問い返すと、形のいいな唇がくくくっと笑った。
「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
 ぼん! と顔に血が一瞬にしてのぼったのが自分でもわかってしまった。
 うー、きっとトマトみたいになってるんだろうな。だってだって、ギアってばなんてこと言うのよお!
「違うの?」
「違うも何も、……そんなつもりはまったく……んんんっ」
447ギア×パス バレンタイン編 5:2009/02/14(土) 02:18:54 ID:iri9+ZJo

 言い訳をする唇を、前触れなく冷たいものが塞いだ。
 睫毛がふれんばかりの至近距離にあるギアの顔。
 すらりと高い鼻がぶつからないように、斜めに被せられたキス。
 そ、そりゃいつかキスされたことはあるけど。正直なところわたしのファーストキスはあれで、セカンドキスがこれなわけですけどっ。
 内心ジタバタしているんだけどどう反応していいやら、完全にそのままの姿勢で固まっているわたし。その動揺を感じたのか、わずかに唇が離れてくれた。
 ふう。思わず止めていた息をほんの少しこぼすと、同時にギアも小さく息をついた。唇の間を交差する吐息はほんのりとあたたかい。

「パステルがいけないんだからな」
「だからなんでそう、や、んっ」
 体制を立て直そうとした抗議は、頬から耳元へ滑るギアのキスにあっさりと遮られる。
「んっ、ギア、や……め」
 耳元から首筋を、舌がゆっくりと伝い下りていく。
 襟元に手をかけたギアはわたしの抗う手を軽く押しのけ、器用にボタンを外してしまった。うぅ、恥ずかしいよお。
 わたしの上半身からブラウスを取り払いながら、自分のシャツも脱ぎ捨てるギア。一見細身だけれど、鍛えられた裸体が薄暗くなってきた部屋に浮かび上がる。

「思いつめたような顔してチョコレート抱えて」
 そのままわたしにの胸元に顔を埋めて。胸に唇をつけたまましゃべるからか、少しくぐもった響きの声。
「頬っぺた真っ赤にして。好きな女の子にそんな一生懸命告白されたら……男だったら黙って帰せやしないよ」
 告白……あれって告白だったんだろか。
 言ってた自分も必死でよくわかってなかった気もするんだけどな。
 この状況下にも関わらず思わず内心首をひねる。そんなわたしにはおかまいなく、ギアはブラジャーをくいと引っ張ってずらすと、胸をあらわにしてしまった。
 必死に両手で隠そうとするけど、簡単に手の動きを封じられてしまう。
 全然力を入れているように見えないのに、男の人の力ってこんなに抗えないものなんだ。
「抵抗しても無駄だよ。男をこんな風にさせておいて、今更止められるかい?」
「させておいてって、そんなっ」
 別にわたしがそうさせたわけじゃないってば!
 ささやかに反論しつつ、どうにか逃れようと体をよじらせるも無駄な抵抗にしかならない。
 ギアの大きな手がわたしの胸を包むように触れた。やさしく柔らかく、押しつぶすように揉みあげる。
「ぁあ……あ、ん」
 ついこぼれた喘ぎに、思わずまた頬が熱くなる。だってこんな声が自分から出るものなのかっていうだけで恥ずかしくて。
 そもそも誰かに体をさわられるなんて初めてだし、しかもそれがギアみたいにかっこいい人なわけで。
 しかも慣れているのか大人だからなのか……正直、気持ちよかったり……する。
「後悔なんて……させないからな」
「ん……っ、はっ」
 乳首を口の中で転がしながら呟くギア。
 舌先でくりくりと舐めまわされると、皮膚感覚が凝縮されたみたいに先端が更に敏感になる。寒いわけでもないのに鳥肌がたってて。
「ひっ」
 スカートの中に、いつの間にか手が忍び込んでいた。下着の上からわたしのその部分をそっと撫でる指。
 わたしの抵抗なんて全くの無駄。
 思い切りきつく閉じているはずの太腿の間を滑らかに割り込むと、何度も何度もそこを緩やかになぞる。
「や、あっ」
 ぞくぞくする。ギアの細いけれど節くれだった指が動くたび、脚の間にくすぐったいような熱いような感じたことのない感触が広がる。と、お尻側に回った手がつるりと下着をずり下げた。
「や……だぁ……」
 ぎゅっと目をつぶり、胸のあたりに覆いかぶさっているギアの頭を反射的に抱き締める。指に触れる、ちょっと硬めの黒髪。
448ギア×パス バレンタイン編 6:2009/02/14(土) 02:20:35 ID:iri9+ZJo

「怖くないから、大丈夫」
 胸を愛撫しながら、視線だけこちらに向けるギア。こ、こんな状態で目があってしまうのって、ある意味余計恥ずかしいものなのね。
「あ、んっ、ん……んん」
 実にどうでもいいことなんだけど、唇を噛み締めて喘ぎを殺そうとすると、「ん」の音にしかならないことに気づく。そしてかなり息苦しい。いつまでこれで堪えられるかなぁ……

 ギアはわたしに体を密着させたまま、右手でわたしの秘部を愛撫する。
 気がつくとスカートも下着も脱がされていて、いったいいつの間に全裸にされていたのか見当もつかない。
 でも、そんなことを悠長に気にしている余裕もなく、彼はわたしの敏感な部分を刺激する。
 刺激に慣らすかのように、表面だけにやさしく触れていた指は徐々に潤ってきたその部分に少しずつ分け入ってきた。
「ん、ん……ぁあん」
 じわじわと奥へと進むギアの指。ほぐすよう奥まで辿り着くと、一旦それは引き抜かれ、太さを増してまた内壁を擦るように進んでくる。
 そうして何度も何度も出し入れされるうちに、膣の奥の方まで熱を帯びてきて痺れてきたみたい。
 指の動きに合わせてぴちゃ、ぴちゃっと音がたてられて、他に何の音もしない部屋に響いて何とも恥ずかしい。
「濡れてるね。痛くないか?」
「……うん」
 やさしく気遣う言葉に、回らない舌で答える。なんだか頭までぼおっとしてきたみたい。

 つとギアが体を離した。汗ばんだ体と体の間を通り過ぎた空気が火照りを冷やす。
 彼はそのままわたしの脚を開かせると、その間に屈み込んだ。
「な、やっ、そん、なっ……」
 少しざらりとした舌がわたしの襞の上を這う。その襞を押し分けると、普段は隠れている蕾を舐めあげた。
「や、やぁぁっ、あぁんっ」
 びいん、と音を立てるみたいに電流のような快感が走る。
 もう言うまでもなく当たり前だけどこんなところを触られるのは初めてで、もちろん舐められるなんてあり得なくて。
 でもそこは止めようがないくらい気持ちよくて。
「気持ちいいかい? その状態で入れた方がよさそうだな」
 前半は質問、後半は一人ごちるように呟いたギアは、その部分から唇を離した。
 体を起こすと細身のパンツと下着を床に脱ぎ捨てる。
 わたしの半分脱力して開いたままの脚の間に体を入れると、そそりたった自身のものをあてがう。
 思わずそこを凝視しているわたしに苦笑してみせた。
「大丈夫。こう見えても、女慣れしてないわけじゃない。無理はさせないから」
 そう言いながら本当に少しずつ、少しずつ腰を進めるギア。
「ん……くっ」
 愛撫で潤ったその部分は苦もなくギアのものを受け入れている感じだけど、やっぱり途中でひっかかるようなきつさと抵抗を感じる。ギアが時間をかけてほぐしてくれていたからか、恐れていたほどの痛みはないんだけど。
「痛い?」
「だい……じょうぶ」
 わたしを気遣いながら、抵抗がある度に腰をゆるゆると回すようにして動きを緩める。
 そうしてすごく時間をかけて、ギアのものはわたしの体の一番奥まで差し込まれた。思わずはーっと息をつく。お腹の中にはもちろん違和感。
449ギア×パス バレンタイン編 7:2009/02/14(土) 02:21:38 ID:iri9+ZJo

 ギアはわたしが落ち着くのを待って、ゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かし始めた。
 自身は上体を起こして背筋を伸ばした姿勢で、わたしの両脚を握って。
「は……あっ、んっ、くっ」
 徐々にスピードがあがってくる。滑らかになってるとはいえ、膣の中の襞に逆らうような動きに鈍い痛みが混じり始める。
 それを見透かしたように、ギアは腰を動かしながら自分の指先を舐めて湿らせると、わたしの蕾に伸ばした。
「ひゃ、んっ」
 再び走る電流。お腹の奥で鈍い痛みを感じつつも、一番外側にある敏感な部分を刺激されて、もう痛いんだか気持ちいいんだか。
「あ、や、やん、あん」
 もう声を堪えることなんてできない。
 ギアの突きこむリズムに押し出されるように喘ぎがこぼれる。
「パステル」

 目を上げるとギアの黒い瞳がわたしをじっと見つめていた。
 ほとばしるような想いが伝わってきて、思わず手を伸ばす。
 ギアは一瞬目を見開くと、伸ばしたわたしの手を握り返し、そのままわたしの体を引き起こした。
 下半身はつながったまま、逞しい胸にぎゅうっと抱き締められる。
 下から強く突き上げるギアのものは、わたしの中をえぐるように動き、痛さと快感とがごちゃまぜになった状態で、わたしはギアに思い切りしがみついた。
「んっ、あっ、あっ、あぁぁっ」
「パステル。おれを呼んで」
 耳元で荒い息をこぼしながら低い声が呟いた。
「ギ、ア……ぁ、あん、ギア、ギアぁっ」
 お互いの熱い息と声と体が絡み合い、わたしはギアの背中に跡が残るほど爪をたてた。

450ギア×パス バレンタイン編 8:2009/02/14(土) 02:22:28 ID:iri9+ZJo

 もうとっぷりと日が暮れた夜道。
 ギアは夜道は危ないから送ろうといってくれたけれど、断った。慣れた道だし知った街だしね。
 ギアの泊まっている旅館の外までついて出てくれたギアに、改めて握手。
 長身のギアを見上げると、いつかダンジョンで初めて抱き上げられた時の思い出が蘇る。
「何考えてるんだい?」
「ううん、何でもない」
「そうか」
 何気ない会話。
 でも、夜が明けたらこの人はまた旅立ってしまう。
 わたしの気持ちを知ってか知らずか、彼は伏せ目がちに微笑んだ。
「じゃあ」
「またモンスター討伐に行くのね」
「ああ。でもまた必ず来るさ……いつかガイナに連れて行ってくれるんじゃなかったのかい?」
 そんな話をしたことがあったっけ。正直、今なら本当にギアと戻ったっていいやと思っている自分がちょっと怖い。でも。
「でもわたし、もうしばらくは冒険していくと思うんだ」
「おれだってそうさ。おれの剣の腕も、特別警備隊ではまだ必要とされているようだし」
「そりゃそうだよ!」
 ギアは薄く笑うと、わたしを腕の中に抱き締めた。
 うっ、こんな旅館のどまん前でいいのかなあ。幸い誰も通る気配がないからいいけど……
「ホワイトデーまでいないからお返しがあげられないけど」
「そんなの、いいよ」
 厚い胸に押し付けられたままモガモガと答える。
 ギアは、抱き締める腕に力を込めた。

「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
 切なそうな、辛そうな、独白。
 ギアはそこまで言うとわたしから体を離し、くるりと踵を返した。黒衣の広い背中。
「きっと会いに来るよ」
 振り返らずそのまま建物の中へ歩いていくギア。
 追いかけて背中に抱きつきたい衝動をぐっと堪えて、立ち去る後姿を見送った。

 追いかけたい。
 でも、わたしにはパーティの皆がいるし、守るべき人たちもいる。
 非力なわたしだって誰かに必要とされてる以上、まだまだ冒険者として頑張らなくっちゃ。
 そうよ、誰かさんにも、嫁にまでは行くなよって言われてるんだもんね!
 お腹に力を入れるとブーツの踵を軸に回れ右。
 わたしは金色の月明かりの下、懐かしいみんなのいる場所へと、大またに帰路を急いだ。




-------------------------
完結です。
451名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 03:27:52 ID:owLOV5yh
>書人さん
ギア×パスリクした者です
GJGJGJGJGJGJ!
ありがとうございます
お腹いっぱいです
タイムリーなテーマも良かったし「嫁にまで行くな」
というトラップの優しさに萌え
>「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
>「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
ギアの強引な期待具合にも萌えました
>「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
大人なギアに似合いすぎな台詞もGJ!
すごく甘かったです
また読み返します
途中投下時刻が2:14でしたねw
452名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 16:35:25 ID:FSQXV2eb
GJ!
毎回楽しみに読ませていただいてます。
453名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 18:22:22 ID:am3CUQon
GJ!
素晴らしいです
454名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 04:21:01 ID:xko5Hqxg
書人氏、投下お疲れ様です!
萌えさせていただきました!
455名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 01:04:13 ID:9EHVsOQa
>>書人さん

なんていうさくさくという進み方!
無駄な描写は何もないのに一文一文が分かりやすくて
ナイスです。
クレイやトラの性格にあった台詞にも
グッときました!
よく思いつきますね!
素敵でし!!!!ギアパス!さいこー!!
456名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:36:48 ID:b35oRFJU
書人さん乙です!
ギアにヤキモチ焼くトラパスかクレパスも読みたいです
457名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 12:35:50 ID:4Cg82bxZ
スレ進んでたから次の作品が来たのかと思いきやいきなりの感想ラッシュにびっくり。
このスレ、こんなに読み手がいたんだ。

自分はしつこくギアパス職人さんの黒マリーナの続きと114さんのギアパストラの続きを楽しみにしてます。
いつか書いてくれると信じていつまでもお待ちしてます!
458名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:41:17 ID:zNBRbnNm
またか……イチイチうぜぇ
459名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:37:47 ID:UT0Ipq2t
>>458
気に入らない書き込みにイチイチうざいとレスをつけにくるあなたも相当ウザいね。
460名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 20:43:27 ID:nZmrJN6O
>>458その言葉そのまま返すよ
巣から出てくんな
いつも通り巣で吐いてろ
461名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 00:00:04 ID:XRwKaUmC
つ華麗にスルー
嵐にかまうのも嵐だ
462名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:27:36 ID:EFxPBxqA
(・∀・)ニヤニヤ
463名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 01:11:27 ID:MpvE8FPo
あぁまたウザスなこの流れ…

書き手どなたかの降臨を願う
ここしばらくのパステル幸せワールドも実にGJなのだが、
久々に陵辱エロ発動なんてどうでしょ
464名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 15:05:09 ID:SvHExUW6
書き手の皆さん元気ですかー!

投下待ち保守
465ファーファ:2009/02/28(土) 00:37:00 ID:rkpO9fS8
ご無沙汰してます。
久しぶりに投下しに参りました。
PC故障のため、携帯からの投下ですので読みにくいところがあるかもしれません。

亀で申し訳ないですが、>>345-351に感想下さった方々ありがとうございます。
またまた愛撫ネタでクレパスです。
466クレパス@:2009/02/28(土) 00:40:20 ID:rkpO9fS8
「ふーっ。疲れたー」
そのままベッドへと吸い寄せられるように倒れこむ。
今日は、久しぶりにアルバイトの日だったわたし。貧乏パーティのわたし達にとってアルバイトなんて全然当たり前のことで全然珍しいことじゃないんだけど。
最近、ちょっとは冒険者らしくまともに冒険もしてたから、本当に久しぶりのことなんだ。
でもまぁ、急遽パーティ全員総動員(もちろん、ルーミィとシロちゃんは留守番してるんだけどね)でこうやって働かなきゃいけなくなったのは、もちろん、我がパーティが誇る赤毛のトラブルメイカーのせいなんですけれども!

「わりぃ、パステル。金、全部すっちまった」
わたし達がみすず旅館へ帰る途中に、トラップはへらへらと笑いながら手を合わせて言った。
「んもー。知らないわよ。自分でなんとかしなさいよね!」
トラップが自分のお金をギャンブルで浪費しようがわたしには関係ないもんね!
『これが何倍にもなって戻ってくるんだぜぇ』なーんて言ったって1Gも貸さないんだから!
わたしが冷たく突っぱねるとトラップはさらにへらへらしながら、
「いやー、わりわりぃ。賭けた金が自分のじゃねえってことも忘れちまっててさあ」
なんて言うんだもん。
「トラップ!まさか、お前!」
クレイがわたしとトラップの間に割って入った。
「いやー、ちょっくら財務担当さんの財布からちょろっと失敬しただけだぜぇ?そこら辺歩いてる奴らの財布ちょろまかした訳じゃねぇから、ちったぁ良心的ってもんだ」
そんなこと言いながら鼻歌を歌ってる。
ん?
てことは、つまり…。
わたしは自分の首から提げていたお財布を開けてびっくり。
えええ?なんでこんなに少ないのよう!
今日はみずず旅館のご主人に、宿代をまとめて払いに行こうと思ってたところだったのだ。
だから、ちょっとはお財布もあったかかったはず…なのに!
えーと、ひのふのみの…、ってほとんど入ってないじゃないのー!
「トラップー!」
わたしだけじゃなくて他のみんなもトラップをじとーっとにらんだ。
「お前、よくもそんな…ったく、ちょっとは反省してるのか!」
そう言ってクレイはトラップの頭をゴン!と思いっきりグーで殴った。
「いてっ!…ったく…殴るこたぁねーだろ、殴るこたぁ」
「何言ってるんですか、殴られるようなことしてるのは、トラップ、あんたでしょう?」
キットンもあとに続くようにトラップを責めたてる。
「るせー!なくなっちまったモンは、もうしょうがねぇだろ?おめぇもなー、財務担当だったらその辺に財布置きっぱなしにするなよなー!」
そう言いながらあっという間に雑踏の中へと姿を消していった。
「ったく、しょうがない奴だなぁ…」
クレイも小さくなる赤毛を見つめながらため息をついた。
それを思っていたのはその場にいた全員が思っていたことで。
全っ然!!悪びれてないんだもん!
ほんっとに、しょうがないやつ!

次の日からそれぞれ働き口を決めて何とかアルバイトをし始めたわたし達。
わたしはシルバーリーブに新しくできた服屋さんで働くことになった。
服屋っていうと、エベリンのマリーナの古着屋さんを思い出しちゃう。マリーナ、元気で本当の両親と暮らしてるかなぁ?
この服屋さんなんだけど、割と安くて質もいい。デザインもシンプルでおしゃれだし。
シルバーリーブでは珍しいからか連日、すごい数のお客さんが訪れる人気店なのだ。
お店が繁盛してるってことはとってもいいことなんだけど。
とっても忙しいんだよね。常に立ったままお客さんのぐちゃぐちゃに引っ掻き回した服を一枚一枚丁寧に、かつ早く畳まなきゃならない。
きれいになったと思っても、また引っかきまわされる。
はあああ。もう、畳んだって意味ないような気がするんだけどなあ。
そう思いながら畳むから、ついちょっと雑になる。そうすると、店長さんに怒られちゃうから気も抜けない。
一日中立ちっぱなしだから、もー、足がパンパン。
服はかわいいんだけど、終わりごろにはそんなところに目がいかなくなっちゃうほど疲れきってしまっている。
そんなんだから、帰ってきたらベッドに直行して休みたくなる。
こうやって寝転がっていると、自然と目が重たくなってくる。
うん、ちょこっとだけ、みんなが帰ってくる、ちょこっとだけ。
そうそう、ご主人は宿代ももうちょっと待ってくださるって言ってくれたんだよね。
いつものことながら、ほんとに申し訳ないけど、ありがたい。
だから、もうちょっと、頑張らなくっちゃ…。
467クレパスA:2009/02/28(土) 00:41:05 ID:rkpO9fS8

「…パステル」
ふわっとわたしの髪を撫でる大きな手の感触。
うっすら目をあけると、なんだか暗いようなほのかに明るいような視界。
まどろみながらも、その感触があまりに気持ちよすぎてそのまま意識を失いそうになる。
とろんとしたまま夢と現実の曖昧な場所をさまよっていたとき、わたしの唇に何かが触れた。
「…ふにゃ…?」
うっすらと目を開けると。そこにはやさしい鳶色の瞳。
わたしと目が合うと、うれしそうににっこりと笑った。
「おはよ」
「きゃっ!」
一気に現実へと引き戻された。
「クレイ!こ、こんなとこで何やってんのよ!」
身体を起こしてクレイに向き直った。
でもまだ頭は半分寝ぼけていて、熟睡していたせいなんだろう、なにがなんだかよくわかってない。
さ、さっきの、なんだったの?
な、なんでクレイがこんなとこにいるの?
さっと唇に手をやると、口の周りがベショベショに濡れている、と同時にむわっとちょっと生臭いような唾液の匂いが鼻の奥まで広がってきた。
ぎゃーーーーーー!
は、はずかしーーーーー。
わたしったらヨダレ垂れ流して熟睡してたんだ!しかも、クレイがしっかり見てたかもしれない…。
思わず口の周りを両手で隠しながらくるっと後ろを向いた。
「拭いてあげるよ」
そう言いながらわたしの背後からクレイがかぶさって来た。
そのまま回される大きくて太い腕、その手にはタオルが握られていた。
ええ、顔を出せってこと?ヨダレでベショベショに濡れてるんだよ?
ううー、そんな恥ずかしいところ、これ以上見せられないぞ。
そのまま無言でタオルを取って顔に押し付けた。
と、同時にクレイの汗ばんだ酸っぱい匂いと石鹸の匂いが混ざった匂いがわたしの鼻腔をくすぐった。
思わずちょっとドキッとしてしまう。
それにしても、カッコ悪いなあ、わたし。
「ごめん、さっきバイトでちょっと使ったから臭いかもしれないけど」
クレイはわたしの顔を後ろからちらっと覗かせて言った。
それでも身体のほとんどはわたしにくっつけたまま。服越しだけど、久しぶりに感じたクレイの体温に身体が自然に熱くなってくる。
「ううん!…わたし、この匂い、すき」
なんだかたまらなくなっちゃって。
振り返ってクレイの胸にぎゅーっと自分の顔を押し付けた。
「ちょ、パステル!」
クレイがわたしから身体を離そうとしたけど、今度はわたしの腕がしっかりと回されていた。
シャツの下から、むわんとむせ返るように香る汗の匂いと、それと同時に甘いような香ばしいような嗅いだだけでとろけてしまう匂いに、最上級の幸せを感じる。
でも、それと同時に息が出来なくなるくらい、きゅっと心臓を握られてしまう。
クレイの匂いを全身で感じて、まるで守られてるみたい。
クレイは、わたしが自分から抱きついてきたのでちょっと最初は戸惑ったみたいだけど、だんだんと優しくわたしを包み込むように抱きしめてくれた。
ふふっ、しあわせ!
468クレパスB:2009/02/28(土) 00:43:33 ID:rkpO9fS8
「…疲れてる?」
わたしは顔を起こしてクレイを見上げた。
彼は引越し屋さんでバイトをしている。この時期は何かと引越しが多いから毎日大変なんだろうな。いやいや、引越し一件だけでも大変だと思うけど。
「んー、今日は割と楽な方だったんじゃないかな。それより、パステル相当疲れてるんじゃないか?」
「ごめん、ちょっと寝るつもりが、だいぶ寝ちゃったみたい」
窓の外を見ると、いつの間にか外は真っ暗。
気づけばテーブルの上にはクレイが持ってきてくれたのか、明かりが置いてあった。
「みんなは?まだバイト?」
「いや、猪鹿亭。パステル熟睡してたから」
げげ、わたしったら、そんなに寝てたの!?うー、起こされた記憶なんて全然ないぞ。
つくづくカッコ悪いよなあ、わたし。
しかもクレイは、わたし一人を置いて出かけられないからってきっと残ってくれてたんだ。
バイト帰りで、お腹も空いているのに。
「ごめん、クレイ」
そう謝ったわたしに、クレイは返事の代わりに唇を重ねた。
ちゅっと軽く吸われるようなキスに、思わず全身の力が抜けた。
一瞬でわたしから顔を離すとやさしく微笑んだ。
「久しぶりにパステルにこういうこと出来るから、いいの」
うわーーーーーーーーーーーー。
は、恥ずかしい。そ、そういえば、ふ、二人っきりっていうのも、久しぶりかも。
それに、それに、こういうことって…?
思わず想像してしまったわたしの顔はみるみる赤くなっていくのが自分でも分かった。
「でも、パステル。疲れてるだろ?立ち仕事ってきついよな」
わたしが一人で悶々としているのをよそに、クレイが声をかけた。
うう、クレイってほんとに優しい。そういう優しいところが好きなんだよね。
そんなのキスひとつで治っちゃうよ!なーんて思うけど、肉体的にはちょっときついものがあった。
「う、うん…。ちょっと脚がパンパンで痛いんだよね」
タイツを履いてるからあんまり見た目には分からないんだけど、ほんと、足が棒になるとはよく言ったものだ。
469クレパスC:2009/02/28(土) 00:43:59 ID:rkpO9fS8
「じゃ、マッサージしないとな」
「え、う、うん」
そう答えてはみたものの、どうやったらいいかなんてよくわかんないし…。
ただ揉むだけでいいならやるけど、ほんとに効果あるのかなぁ?
そう思いながらなんとなく自分のふくらはぎをもみもみと握ってみる。
「おれがやってあげるから、脱いで」
「えっ!?」
ぬ、脱げって?い、今、脱げって言った?
マッサージってことは脚のマッサージに決まってるけど、でもそれ以外にどっか他にもマッサージするのかもしれないし。関節とか、筋肉が関係してる、とか。
あー、でもでも、今は二人っきりだし、何が起こるかわかんないような状況だし。脱げってことは、やっぱりそういうことなの?
えーっと、ど、どうしよう。ま、まだそんな心の準備っていうものが…。
またしても一人で悶々とするわたし。
そんなわたしをよそに、クレイはわたしのスカートをめくりあげて、タイツのゴムに手をかけた。
「ほら、パステル。腰、浮かせて」
「う、うん」
わたしから皮を剥ぐようにするっとタイツを脱がせていったクレイ。急にひやっとした外の冷気が直にわたしの太ももをなぞった。
うー…、やっぱりそうだったんだ。そうなるんだ。
ど、どうしよう。今日ってちゃんとした下着つけてたっけ?ピンクのだっけ?ううん、それは昨日着たやつだから、えーっと、んーっと…。
一人でえらく別のことを心配していると、クレイはわたしの足の裏に手をやった。
「カチカチだな。ここをやわらかくほぐさないとな」
そう言って硬くなってしまった足の裏のつま先から、丹念にマッサージし始めた。
あれ?
あ、やっぱりマッサージしてくれるんだよね。
あーもう、なに考えてるんだろ、わたしったら。やーらしーなー、もう。
一日中立ちっぱなしで固まってしまった足の裏に、クレイが自分の指の第二関節でぐいぐいっと押した。
たまに、それが土踏まずのやわらかいところを刺激されると、飛び上がるくらいに痛かったんだけど。
丹念にゆっくりマッサージしてくれたおかげで、だいぶ楽になってきた。
「ふー、ありがと、クレイ」
クレイはうれしそうにうなずいた。
「じゃあ、今度は足首からふくらはぎだな」
そう言ってわたしの正面に向き直った。
ぎゅっと足首を握られ、そのまま絞るようにぎゅっ、ぎゅっと握る。
力加減が絶妙で、ちょっと刺激がたまらなくいい。イタ気持ちいいって言うのかな。
「クレイ、ほんとに上手だね!」
そう言うとちょっと照れくさそうに笑った。
「痛かったら、言ってくれよ。力加減、人にやってるとあんまりわからないから」
「大丈夫。すーっごく、楽になってきたもん。それよりも、どうして、こんなこと出来るの?」
「なんとなくね。ま、自己流なんだけど。でも、効果は抜群だぜ」
「そうなんだ」
なんてことを話しながらも、クレイはずーっと休まずにわたしの足を揉み続けた。
帰ってきたときの脚と比べたら、断然楽になった。だって、パンパンにむくんじゃって、足首なんかどこへ行っちゃったの?って位に腫れてたもんね。
ぎゅっと指で押さえたら、そのままくっきりと痕が残っちゃうくらい。
こんなに長いことマッサージしてもらったのなんて初めてだった。
指とか腕とか疲れちゃうんじゃない?ただでさえ疲れて帰ってきてるのに。
そんなことをクレイに言ったら、「おれは大丈夫。さ、こんどは肩だから」なんていってくれるんだもん。思わずそれに甘えてしまった。
「横になった方が、パステルも楽だよ」
そう言ってうつぶせの姿勢で寝転ばされてしまった。こうしてると、再び睡魔が襲ってきそうになる。
わたしの身体にクレイがまたがるような姿勢(と、いってもクレイの身体は浮かせてくれていた)で再び肩を揉みだした。
「ふーっ」
思わずため息が出ちゃう。
クレイってほんとに上手なんだね。
そのままじっくりと肩から上腕までゆっくりとぎゅっ、ぎゅっとほぐされていく。
身体の疲れのかたまりなんてどっかいっちゃいそうだ。
やさしく、たまに強くわたしのツボを知り尽くしてるように刺激してくるんだもん。
だんだんとクレイの手が背中からゆっくりと下のほうに移動し始めていく。
そうそう、脚だけじゃなくて手も使うんだよね。
んー、だんだん力が抜けてきたぞー…。そ、それに、なんだか…ねむたくなってきちゃったかも…。
半分まどろみながらクレイのマッサージをされてたんだけど、なんだか身体がほんのりあったかくなってきた。
いや、熱くなってきたのかな。それに、なんだか、変な気持ち。
クレイの手が腰から下を指圧してるんだけど、身体の内側から熱くなってきて、なんだか息苦しくなってきた。
470クレパスD:2009/02/28(土) 00:47:29 ID:rkpO9fS8

「…んふぅ」
溢れるように漏れ出したのは、自分でもびっくりするくらいのいやらしい声。
どうしたんだろ、ただ身体をほぐしてもらってるだけなのに。
どくん、どくんと心臓が大きな音を立てている。
衝動がつきあげてきそう。
そのままクレイに身を任せていると、急に下着の上からあそこの筋をすっとなぞられた。
「ひゃあぅっ!」
びくっと反応する身体。
それと同時に全身を駆け抜ける快感。
「パステル…」
クレイは荒い息を吐きながら、わたしの上に被さった。首を片手で持ち上げられると、唇にクレイがしゃぶりついてきた。
ぐちゅ、じゅるっと音を立てながらお互いを食べるような激しいキス。
唾液を転がしながら、舌でまさぐりながら、お互いを激しく求め合う。
キスしている間も、もう片方の手でわき腹を撫でるようにふわっと触られる。うう、くすぐったいようでなんだか気持ちいい。
「…んんっ」
唾液まみれになりながらキスをしている最中も、クレイはわたしへの愛撫をやめようとはしない。
おしりを円を描くようになぞったり、ぎゅっと握ったり。
おしりの付け根からあそこの近くの肉をふにっと握られると、身体は正直にびくんと反応する。
ぷるぷるとしびれるような刺激。なんだか感じすぎてトイレに行きたくなっちゃう。
「ク、クレイ…うっ」
べちょべちょになった顔を起こすと、クレイはなんだかぼんやりとわたしをみつめている。
そのまま身体を起こすと、今までお尻を撫でていた右手をゆっくりとわたしの太ももの間に滑らせてきた。
「…ひっ」
触れてるか、触れてないかわからないような感覚。
なんだかくすぐったいんだけど、もっと触ってほしくなっちゃう。
太ももの奥のほうでは、熱を持ちながら蜜が溢れるように流れ出している。
「ああん、クレイ…」
だんだんと身体をわたしの下半身に移動させながら、クレイはもう片方の手でわたしの服をめくり上げ、ブラジャーをしたままの胸をあらわにさせた。
「んっ」
すすす、っとブラの隙間から入り込むちょっとごつごつした指。
ぷにゅっと乳房に触れたかと思ったら。
わたしの小さな胸の小山の周りをそっと撫でたり、一番敏感なところを避けるようにやさしく撫でるだけだった。
ううー、なんだかまどろっこしい。もっと触ってほしいのに。
こうしてる間にもじゅわっと下半身が濡れそぼっているのがわかる。


ゆっくり時間をかけながら、クレイはわたしの色んなところを撫でたり、自分の唇を這わせてわたしの秘部へとたどり着いた。
そこには、大きなシミを作った水色のパンティがスカートの間から顔を覗かせている。
「あーあ…パステル、こんなに濡れて…」
クレイはわたしの太ももの間から顔を覗かせながら言った。
ううう、そんなところから見ないでよう。そんなこと言わないでよう。
ちょっとの羞恥心がさらに神経を高ぶらせる。
そしてパンティの隙間からするっと指を入れたかと思うと、にゅるっとわたしの愛液でいっぱいになったそこに触れた。
「ひぃいいん!」
今までに感じたことのないような快感が身体の奥底から電流になって駆け巡った。
爪先がぴいんと伸びていく。
471クレパスE:2009/02/28(土) 01:00:24 ID:rkpO9fS8
「パステル、感じてるのか…?」
はあはあと荒い息遣いのクレイ。ほの暗い部屋の中でも、ちょっとクレイの顔が赤く染まっているのがわかる。
わたしはコクンと首を縦に振った。
体中が甘くしびれている。
「んっ…」
どうにかしてほしい。頭の中までおかしくなっちゃいそうなんだもん。こんな風に理性がとんじゃいそうになるなんてこと、今までなかったのに。
カチャカチャっと部屋に響く金属音。
この時間が、本当にじれったい。ああっ、クレイ。
ファスナーを降ろすと、今にも飛び出しそうにぱつんぱつんに膨らんでいるボクサーパンツ。それをそのままぐいっと下げると、びよん、としなりながらクレイのペニスが飛び出してきた。
ズボンを脱ぎ捨てて、わたしの前に向き直ったクレイ。そのままわたしの脚をがっと広げると、腰を近づける。
わたしもそれに応じて自然と腰を軽く浮かせたいところなんだけど。
で、でも、クレイ…。わたし…。
「ほら、パステル、パンツ穿いてたら出来ないぞ」
「えー、クレイ、脱がせて…」
自分で脱ぐなんて、なんか積極的すぎるよね。恥ずかしいんだもん。
甘えたように言うと、クレイは「…しょうがないな」と言ってずるっとパンティを脱がせてくれた。
そのままスカートを腰までたくし上げて、わたしの腰を掴む。
「うっ」
決壊したようにあふれ出す蜜に身体を震わせる。
思わずちょっともぞもぞと身体をよじった。
「ふう」
一息つくと、クレイは自分のペニスの竿を持って、わたしの中に入れようとした。
下腹部にぐっと力が入る。
が、クレイは亀頭でわたしの入り口をなぞっている。ヌラヌラと濡れた亀頭が触るたび、わたしの頭の中が狂ってしまいそうだ。
ねえ、早く挿れて!
そう言えたらどんなに楽だろう。
「ああん、ねえ、クレイ…」
「…なに、パステル」
「……んっ」
「…何?黙ってちゃわからないよ」
そう言いながら、またまたわたしの割れ目をなぞった。
入れるようで入れない、いつもの優しいクレイにしてはすっごく意地悪な気がした。
「…やだぁ」半分泣きそうになりながらつぶやいた。
「何がいやなんだ?」
入れて、なんてこんなこと言えないよ。
472クレパスF:2009/02/28(土) 01:00:47 ID:rkpO9fS8
「……!」
先っぽがにゅるっと微かに入った感覚がした。が、それもすぐに抜き出されてしまう。こんなにじらされて、ほんとにどうにかなっちゃいそうだ。
「いやぁ…、い、れてぇ…」
思わず本音が出てしまった。
わたしの顔を見るとクレイは満足そうに笑って深く腰を沈めていった。
ずん!
「んああああああっ!」
わたしの中に広がっていく、クレイの甘い痛み。
開放されるように、そのまま理性と意識はスパークした。

それからわたし達が果てるまでそれほど時間はかからなかった。
そして、わたしは初めて到達した感覚に、まだ頭の中がぼんやりしている。
顔に手をやると、そこには白濁色の液体に姿を変えたクレイの想い。少し手に取ると、鼻を突き刺すような生臭いなんともいえない匂いが鼻腔まで突き抜ける。
でも、なんだかとっても愛しい匂い。
舌ですくって口の中にどろんとした液体を入れる。そのままゴクっと呑み込むと、喉を突き刺すような刺激がした。
ちょっと辛いし、喉はイガイガする。はっきり言って気持ち悪いけど、クレイのだから、と思うとなんだか後をひくような感じがする。
「パステル…」
「…へへ、なんだかマッサージどころじゃなくなっちゃったね」
わたしたちは布団の中で抱き合いながら言った。
「でも、こういうマッサージも、たまには悪くないだろ」
ちょっと照れながらクレイは笑った。
うん、って言うのがちょっと恥ずかしい。
「今度は、優しくしてね」
ちょっと口を尖らせて言うと、クレイは意地悪っぽく笑って答えた。
「エッチなパステルってかわいいな」
「んもー!恥ずかしいってば!」
そう言ってわたしはクレイの胸に顔を押し当てた。
さっきよりもより感じるクレイの匂い、このままずっといたいって、心からそう思った。
473ファーファ:2009/02/28(土) 01:05:01 ID:rkpO9fS8
以上です。


途中でエラーになって書き込めなくて焦りました。

結構前に書いた作品で文章とかおかしくてすみません。
というか、毎度毎度拙い文章で申し訳ないです。
474名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 13:40:30 ID:+LTWeqdD
>>473
乙です。
匂いへのこだわりに萌えたw
475名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 07:16:33 ID:V1y7/ZvC
>>463
確かに久々に読んでみたいかも
476名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 13:22:48 ID:E668x1G6
クレパスGJです!
477名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 18:16:32 ID:LGf5Mx+V
二人ともやらしくて、でもかわいい〜!
ファーファさんありがと〜!
478名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 13:56:42 ID:qBPGmpDz
保守〜
479名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 17:21:37 ID:4OjL6ZXw
>>475>>478書き込むなら乙とかGJの一言くらい言えばいいのに。

職人様GJです。
いつもお疲れ様。
480名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 20:02:35 ID:0xo5HfTb
>>479
そういうあなたはその文句を言いたいがためにGJコメント書いたの?

違うというのなら、投下から10日も経って今更……はまあ毎日スレ覗いてる暇人ばかりじゃないと言われたらそれまでなのでともかくとしても
感想より先に他人のコメントに対する皮肉書いてる理由を教えてくれ。

他人の感想にケチつける奴最低って誰か言ってたけど
嫌味皮肉書くついでに感想書く奴も最低だと自分は思う


ところでこのスレは投下作品へレス入れなければ雑談や保守に参加してはいけないってローカルルールでもあるの?
481名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 20:18:52 ID:4OjL6ZXw
人の感想を皮肉ついでって…。
失礼な人ですね…。
別に義務じゃなくても、乙やGJなんて一秒で打てるんだから、
投下してくれた職人様への感謝くらいあってもと思っただけ。
特に職人様の投下後に雑談しようとしてる人とか。
職人様あってこそのスレじゃないのかなぁ。
職人様へ感謝しようよってのはそんなに悪いこと?
いいじゃん、たった一言の感謝の言葉くらい。
482名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:15:12 ID:0xo5HfTb
>>479=481?
書き方悪かったね。言い方というか質問変える。
あなたが
475は474と別人
478と474、476、477は別人
そう思った根拠は何?
日付も空いてるし、474=476=477=全てあなた、くらいしか答えが思いつかないんだけど。

それとも、一度感想を書き込んだ作品に対しても
後続がなければ書き込みのたびに乙GJ書いて感謝の意思を示せってこと?
確かにたった一言は一秒で打てるだろうけど
同じ人から義務で何回も何回も乙GJだけもらって書き手さんは嬉しいのかな。
483名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:25:16 ID:CuvrCz3N
賞賛って強要されて書くもんじゃないだろ
484ファーファ:2009/03/10(火) 23:48:30 ID:bSLjmMqG
レス下さった方、ありがとうございます。


書き手として、私個人の意見を書きたいと思います。

投下後すぐに感想なしで雑談に入ることを不快に思ったりはしません。
スレ自体が盛り上がっているのはいいことだと思いますし。

私自身も自分が読み手の立場になった時、なかなかレス出来ませんし、また、自分の肌に合わなかった作品についてはどうしてもスルーしてしまうかもしれません。
なので、書き手として読み手の方から感想等絶対を要求することは出来ません。

それでも、投下作品にレスがあると大変嬉しいですし、励みになります。


最後に、書き手が投下しやすいように配慮して下さって本当にありがとうございます。
力不足ですが、ここの住人さんに満足して頂けるよう頑張ります。

長文失礼しました。
485名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 09:31:20 ID:VTMPJnKk
478だけど

見当違いの指摘は本当に勘弁

どのレスかまでいちいち書かないが、
自分は書き手さん投下後は読んでるしレスも入れてる
>>479みたいなこと言ってたら、読み手までコテハンかトリつけなきゃならなくなるよ
私は○○です・一度感想書きました・だから今回は保守だけね・という説明までいるのかい

ある意味過剰自治のせいで
このレス人口も投下も減ってるのではないかと思うよ
486479:2009/03/11(水) 12:04:23 ID:qEjOlE5/
何だか自分が書いたレスがあらぬ方向に解釈されてる。。
賞賛の強制はしてないし、読み手コテハン強制もする気ないよ。
ただ、乙やGJなんて一言で済むんだから言えばいいのにと思っただけ。
過剰自治の気もないし。
日常生活でも、ありがとうって言われたら、ちょっとしたことでも嬉しいじゃない?
だから職人様へ一言感謝してもいいのになと感じた。
それは賞賛しろってことじゃないよ。
乙でもいいじゃない。
そういうことだから過剰反応しないで。
487名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 14:53:12 ID:0SAroyeu
パステルちゃんのおっぱい!
488名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 17:30:18 ID:mo5ogqtK
おっぱい! おっぱい!
489名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 08:22:10 ID:kK/ZxEBX
そういうことだから過剰反応しないで(笑)

なにこいつ
490名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 10:21:52 ID:iCDWiXv2
あれだけ書いといて強要する気はないとか
その図太さには恐れ入る。

とりあえず言い訳書き連ねる前に478にまず謝れよ
491名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 10:36:11 ID:kK/ZxEBX
手前の発言の責任くらい取れるよな
今更逃げんなよ
492名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 18:55:15 ID:Uw2oIfUJ
春厨フルボッコされすぎワロタ
493名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 11:03:51 ID:vd+4WOtY
>>486
みっともなく言い逃れをするな。
あれだけの暴言を人様に吐いたのだから先にすべき事があるはず。

>書き込むなら乙とかGJの一言くらい言えばいいのに。
こんな礼を欠いた筋違いの指摘をしたら、周囲にどんな心証を与えるのか、
スレにどんな事態を引き起こすのか、分別ある大人なら予想出来るよな?
それが理解出来ない子供なら、もう二度と来るな。
ここは成人向けの板だ。
494名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:18:14 ID:h0/6f3+r
ここまでがルーミィの自演
495名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 13:35:38 ID:pxIkQT5a
ルーミィwww
496名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 22:15:47 ID:gZfBA6BD
興奮した
497名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 01:15:41 ID:i+3vXbFL
ルーミィのおっぱい!
498名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 03:44:07 ID:37YwvSuw
ちっさいなー
499名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 00:11:12 ID:DmW8ATee
ちゅぱちゅぱ
500名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 05:11:44 ID:M4ez0OsM
れろれろ
501名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 10:17:27 ID:B9mBH4XB
なんとも微妙なこの流れワロスw

しかしなー
ルーミィ使っちゃうと成長させない限りもろロリだからなー
クレイとかギアとかエロオサーンまっしぐらになっちまう
見てみたいけど見たくない…
502名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 21:45:30 ID:I7zvTAbr
微妙な流れの中失礼します。初めてですがクレイ×パステル×トラップを書いてみました。
そんなに暗くないです。


 「お前なぁ!ガキ臭いことしてパステルを泣かせるな!いいかげんにしろよ!」
 「おめえこそなあ、甘いことばっか言って本気でこいつのことを考えてるってのかよ!」
 「ちょっとl・・・。二人ともこんな時まで、いいかげんにしてよ!」
 薄暗いダンジョンの中、わたしの泣き声だけが虚しく響いた。
 してよ・・・してよ・・・。
 わたしの最後の叫び声はこだまとなって何度もリフレインする。ようやくわたしの前で醜く争っていたクレイとトラップも気まずそうに黙った。
 「今は・・・そんなこと言ってる時じゃないでしょう・・・?」
 「ああ・・・」
 「そうだな・・・」
 クレイは後悔しているのか目を伏せ、トラップは不貞腐れたようにしゃがみ込んだ。
 わたしは・・・涙を浮かべて天井を見上げた。
 「この天井・・・さっきと同じね」
 そう、わたしたちは迷っていた。ううん、正確に言うと閉じ込められていたのだ。このダンジョンに。



 あなたたちって本当に仲のいいパーティーね。
 羨ましいよ。
 まるで家族みたいですね。

 今まで知り合った何人もがそう言ってわたしたちを褒めてくれた。
 わたしもそう思っていた。確かにいつまでもレベルが上がらない貧乏パーティーだけど、わたしたちの絆だけはどんなパーティーにも負けない確かなものだと思っていた。家族のような愛情をみんながみんなに抱いていると思っていた。
 その絆は本物。どんなパーティーにも負けない。
 それなのに、それはある日唐突に、あっけなく壊れてしまうほど脆いものだったのだとわたしは思い知らされた。
 クレイからの突然の告白でもって。
503クレイ×パステル×トラップ 2:2009/03/26(木) 21:47:27 ID:I7zvTAbr
 「パステル・・・俺、君のことが好きなんだ・・・」
 それは、ありきたりの台詞だった。飾り気のない、だけど何よりも真心のこもった告白。
 正直嬉しかった。クレイみたいな格好いい人にそう思われるのは光栄だと思えた。そして次にとても困った。
 だってわたしは・・・クレイをそんな風な目で見たことは今までになかったから。
 返事は急がない。そう言ってくれたのは彼の優しさ。いつだって彼は、自分の気持ちよりもわたしを優先してくれる。
 もし、わたしがここで彼を拒絶しても、きっと彼は少し寂しそうではあっても笑顔を見せ、「そうか、仕方ないな。でも、これからもいい仲間でいてくれよ」と言ってくれるだろう。そしてわたしに罪悪感を抱かせないよう、いつもと変わらず接してくれるだろう。
 でも、確実に彼は傷つく。
 わたしは確かに鈍感だ。だけど、今まで恋愛に疎かった彼が、サラという綺麗な婚約者がいて、マリーナ、親衛隊の女の子達に好意を寄せられても喜びより戸惑いを覚えていた彼が好きだと言ってくれた。その想いの深さに気付かないほど、わたしは鈍感じゃない。
 わたしが一人悩んでいる時、傍にきたのはトラップだった。
 「おめえさ、何悩んでるんだよ」
 クレイと顔を合わせられなかったわたしが部屋に篭って原稿を書いている時、突然彼はやってきた。
 「え?何もないよ?」
 「おめえさ、嘘つくの下手すぎ。ひょっとして・・・クレイと何かあったのか?」
 わたしの顔は強張ったのだろう。確かに彼の言う通りわたしは嘘をつくのが苦手だ。相手が仲間で、人一番勘の鋭い彼相手ならなおさらのこと。
 「そ、それは・・・」
 わたしの顔から察しのいい彼は気付いたのだろう。じっとわたしの顔を見て彼は呟いた。
 「そっか。あいつ・・・とうとう言ったんだな。なのに、おめえはあいつを避けるんだな。あいつが好きじゃないのか?」
 「好きだよ、もちろん。でも・・・クレイは仲間なんだよ。家族みたいなものだから・・・そういう対象として見たことなんか一度も・・・」
 そこまで言った時、強い力で腕を掴まれた。
 「え?」
 「それは、俺もか?」
 驚いて顔を上げると、そこには明るい茶色の瞳が、いつになく真剣な光をたたえていた。
 「トラップ・・・?」
 「俺は、おめえがクレイを好きなんだと思ってた。クレイがおめえに告白したんなら、もう諦めるしかないと思ってた。だけど違うんだな。おめえは、あいつを家族のようにしか見られないんだな。・・・なら、俺のことは?俺のことも家族としてしか見られねぇ?」
 何を言われているのかわからなかった。だけど、彼の瞳は真剣だった、とても。なぜか心臓の鼓動が激しくなる。
 「トラップ・・・?」
 「おめえが好きだ、パステル」
 顔が赤くなるのがわかった。
 そんな・・・。いつもわたしを子ども扱いしてからかうトラップが、わたしを好き・・・?
 「おめえはどうだ?やっぱり、クレイみたいに俺を男としては見られねぇ?」
 「それは・・・」
 クレイと違って彼は強引だった。答えをすぐに求めている。だけど、それはそれだけわたしを求めているわけでもあるんだと思う。
 トラップは、なんだかんだいって慎重なところは慎重に行く人だ。その彼が、切なげにわたしを見ながら「俺のことを男として見られないか」と問いかける。
504クレイ×パステル×トラップ 3:2009/03/26(木) 21:48:13 ID:I7zvTAbr
 わたしは・・・。
 その時、後ろでガタンと音がし、わたしとトラップが振り返った。振り返った先には・・・クレイがいた。
 息を呑むわたしの横で、トラップがクレイを真っ直ぐに見た。
 「聞いての通りだ、クレイ。俺もこうなったからにはパステルを諦める気はねぇ」
 「パステルの意思はどうなるんだ?パステルは俺達の関係が壊れるのを一番恐がっているんだ」
 クレイの言う事は当たっていた。結局彼は、わたしの本心を見抜いていたんだ。
 「だからなんだ!俺達がいつまでも同じパーティーでやっていくとは限らねぇだろ!?キットンだってノルだって当初の目的は果たしてんだ。俺だってお前だっていつかはドーマに帰る!いつまでも仲良しパーティーのままでいるわけじゃねぇんだよ!」
 トラップの言葉にわたしの体はビクリと揺れた。
 そう、彼の言うこともまた真実だ。
 キットンとノルはそれぞれの目的を果たしてる。クレイとトラップはもともと家業を継ぐための修行だったし、ルーミィだって、もし彼女の両親が見つかったりしたら、その場でわたしたちと離れることになってしまうんだ。
 わたしが大好きだった強い絆を持つ、家族のような暖かいパーティー・・・。
 それは、こんな脆いものの上で成り立っていたんだ。
 でも、わたしがもしどちらかの手をとれば、少なくともその人とは離れることはない。
 わたしはどうしたらいいのかわからず両手で顔を覆った。
 「いいかげんにしろ!パステルの気持ちも考えて・・・」
 「おめえだって、結局は居心地のいい関係でいてぇだけだろ!?その癖それは本心じゃねぇ!汚ぇんだよ!」
 「なんだと!?」
 「やめてよ!」
 これ以上二人に争って欲しくなくて、わたしは叫んだ。
 そして泣き出した。
 今までの関係が何て薄っぺらかったんだろうと思って泣いた。どうしてこんなことになってしまったんだろうと思って泣いた。どうしたらいいのかわからなくて泣いた。
505クレイ×パステル×トラップ 4:2009/03/26(木) 21:49:18 ID:I7zvTAbr
 わたしたち三人の問題は、キットンとノルには、もちろんルームィとシロちゃんには何も話さなかった。
 でもキットンとノルには何となくわかったのだろう。ルーミィとシロちゃんも、何も理解できなくとも不穏な空気を感じ取ったのか、どこか不安な目でわたしたちを見つめている。



 でも、いくらばらばらになりかけてたって、わたしたちは冒険者だ。しかも情けないことにとびきり貧乏な。
 だからキットンが持ってきた「儲け話」にわたしたちは乗った。
 キットンの話はこうだった。
 ある薬草を欲しがっている人がいる。ただしその薬草は貴重でどこにでも生えているわけではなく・・・あるダンジョンの奥深くにしか生えていないそうなのだ。
 「モンスター自体はそれほど手強いわけじゃないんですよ」
 珍しく神妙な顔付きでキットンはそう言った。
 「ただ・・・なぜだかその中で頻繁に神隠しが起こると言われています。勿論ならない人もいるんですが。神隠しにあった冒険者で、帰ってきたのはわずか数人しかいなかったとか」
 「へえ、一体どうしてその人達は帰って来れたんだろうね」
 わたしがそう言うとキットンも首を傾げた。
 「ええ。まったくの謎です。生き残った冒険者・・・その方々はちょうど二人の冒険者でしたが、レベルが特別高かったわけでもなかったんです。なぜ生きて帰れたのかはお二人とも揃って『わからない』と言っていたそうですが・・・」
 「まあ、ここでああだこうだ言ってもしゃーねえじゃん?行ってみるしかねぇんじゃねえの」
 トラップがそう言うと、キットンとノルもうんうんと頷いた。
 「そうだな・・・クエスト自体は難しくないようだしな」
 クレイも同意したところで、わたしたちの次の目標は決まった。
506クレイ×パステル×トラップ 5:2009/03/26(木) 21:49:52 ID:I7zvTAbr
 そしてわたし、クレイ、トラップがその神隠しにあってしまったのだ。
 それは不思議な出来事だった。先頭を歩いていたクレイ、真ん中を歩いていたわたし、そしてしんがりを務めていたトラップがなぜだか気付けば三人だけで見知らぬ場所にいたのだから。
 なぜ神隠しにあったのがわたしたちかと言えば・・・出られないのだ、この回廊から。
 「見て、この壁。さっきわたしがつけた目印だわ」
 わたしは思わず自分のマッピングした地図を見た。そりゃわたしはマッパーの癖に方向音痴だし、また間違えた可能性も(かなり)高いけど!
 「間違えたにしては妙だよな・・・。さっきから15分と歩いたわけじゃない」
 「分かれ道があったってわけでもねぇしな」
 クレイとトラップも厳しい顔で頷く。
 「ってことは・・・何かの魔法か?幻覚とか・・・」
 「帰ってこれた人達は・・・一体どうしたんだろうな」
 わたしはそう言いながらきょろきょろと辺りを見回した。誰かに見られている・・・そんな感じはしない。
 「また・・・同じ目印」
 もう一周したらしい。わたしはへなへなと座り込んだ。
 「どうしよう・・・どうやって帰ったらいいの?」
 キットンとノルは無事なの?ルーミィは・・・ルーミィはどうしてるのかな?わたしがいなくて泣いてたりしない?どうやったらみんなとまた会えるの?
 恐怖と不安でわたしの頬を涙が伝った。
 「おい!こんなとこで泣いてても仕方ねぇだろ!?」
 「だって・・・」
 「だー!『だって』じゃねぇ!泣いて解決するなら俺だってそうしてんだよ!帰って来る方法はあるんだ、どうにか・・・」
 それはいつものトラップの憎まれ口だった。泣いて立ち止まるわたしへの、彼らしい手厳しい叱咤と激励。だけど、その時もうひとつの声がした。
 「やめろよ。パステルだってこんな状況じゃ弱気にもなるさ。みんながお前みたいに強いわけじゃない」
 「あんだとぉ!?おめえがそうやって甘やかすからこいつが成長できねぇんじゃねぇか!」
 「お前はパステルに厳しすぎるんだよ。そりゃ時には厳しいことも必要なことはわかるさ。でも俺達は仲間なんだ。対等な相手なんじゃないのか。お前、自分がパステルを育ててるとでも勘違いしてないか?」
 その言葉にトラップの目が鋭くなった。あの目は、本気で怒っている目だった。
 この言い合いがさっきの喧嘩の発端なんだけど・・・。
507クレイ×パステル×トラップ 6:2009/03/26(木) 21:50:31 ID:I7zvTAbr
 「わたしたち、ばらばらだね・・・」
 疲れきったわたしたちはその場で座った。少し休憩と、頭を冷やす必要があると思ったから。
 本当、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
 わかってる。わたしがはっきりと言わなかったのがいけないんだ。
 でも、いつまでもあの家族みたいなパーティーでやっていきたいと思う事は間違いだったの・・・?
 静かで薄暗いダンジョンの中、モンスターたちは一匹たりともやってこない、ある意味落ち着いた環境の中、わたしはふと思った。
 ずっと混乱してて、関係が壊れることを恐れてわたしは肝心な、二人にどう向き合うべきかと考えることが出来なかった。
 答えは宙ぶらりんのまま。だからこの二人だっていつまでもいがみ合うしかできないんだ。
 二人は優しいから。
 優しいから、わたしの答えを急がせない。だけど苛立っているから、つい互いを責めてしまうんだ。
 そっか・・・。わたしが一番悪かったんだ。
 わたしが変化を受け入れず、ただ変化が恐くて泣いているだけだから、パーティーはばらばらになりかけているんだ。
 右隣で壁にもたれて目を閉じているクレイを窺った。
 左隣で膝を抱えて考え事をしているトラップを窺った。
 クレイもトラップも、わたしにとっては何よりも大事な人。大切な仲間。それは確かだ。
 もちろんルーミィやキットンやノルだって同じ。
 でも、この二人に抱いている感情は、キットンやノルに対しての感情とは少し違うかもしれない。
 だって、クレイに告白された時、嬉しかった。トラップに告白された時、ドキドキした。
 二人に想いを告げられ、わたしは確かに困ったけど、それだけじゃない、胸が温かくなった気持ちも、確かにあったんだ。
 告白してきたのがキットン(そりゃ彼は妻帯者だしそんなことはないだろうけど)やノルだったら、わたしはあんな気持ちになっただろうか。
508502 クレイ×パステル×トラップ:2009/03/26(木) 22:10:16 ID:I7zvTAbr
規制が入ったので続きはしばらくしてからにします。
509名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 01:20:49 ID:qe8krLzH
規制め!
前にあったクレパストラとは違いシリアス調ですね。多分一番難しいような・・・
続きそのうち期待してます。
510502 クレイ×パステル×トラップ 7:2009/03/27(金) 22:08:33 ID:ogzGEgXj
昨日の続きです


 ・・・たぶんならなかった。
 二人は、とてもとても大事。
 パーティーをばらばらにしたのがわたしなら、それを繋げるのもわたしでなくてはならない。
 カタをつける。それがこの三人の中の、わたしの役目なはず。
 わたしはそっと口を開いた。
 「クレイ、トラップ聞いて」
 わたしが静かな、落ち着いた声を出したので、二人は少し驚いたようだったけど、わたしの真剣な顔に、そのまま何も言わなかった。
 静かにわたしの言う言葉に耳を傾けようとしてくれていた。
 ありがとう、二人とも。いつだって二人はわたしのことを大事にしてくれたよね。
 嬉しくなってわたしは二人に微笑みかけ、続けた。
 「考えてみたの・・・二人のこと。こんな時に、なんだけど」
 「・・・ああ」
 「いいぜ、続けてくれ」
 こんな状況だったけど、二人はそのままわたしを促してくれた。
 「あのね。わたし、正直に言って今まで二人のことは家族としてしか見てなかったの」
 「・・・そうか、やっぱりな」
 「わかってたさ、そんなこと」
 そう言って二人は揃って苦笑した。二人は、わたしがどんな結論を下しても、きっとこんな風に受け入れてくれたんだろう。
 「だけど・・・二人を誰かに渡したくない。だって二人は・・・」
 クレイとトラップが驚いてわたしを見ている。だけどわたしは少し泣けてきて声を詰まらせながら続けた。
 「クレイとトラップは・・・本当に大事な人だから。キットンやノルに抱いている感情とは違う。二人から告白されて、本当に嬉しかった。ドキドキした。
 二人とも大好き。クレイはわたしを包み込んで、わたしの意見を尊重してくれる人。トラップは、わたしを理解して、わたしを導いてくれる人。だからあの時すごく困った」
 涙が一粒零れでたのでわたしは慌てて拭った。喉からこみ上げてくる熱いものに、わたしはしゃべるのが困難になる。でも、続けなきゃ。わたしを愛してくれる、愛する人達のために、わたしができることだもの。
 「こんなどっちつかずみたいなこと言ってごめん。でも、これがわたしの正直な心なの。どっちも同じくらい大事で、どちらかを選ぶことなんて・・・わたしにはどうしても無理だった。
 ごめんね、軽蔑してくれてもいいよ。でも、二人とも大好きなの」
 それが、わたしの正直な気持ちだった。
 家族と思っていたとか、今の関係を壊したくないとか、もっともなことばかり言って。
 本当の絆があれば、例え一時期恋愛問題でごたごたしたとしても、乗り越えることはできるはずなのに。そんなこともできないくらい、わたしたちの絆は安くなかったはずなのに。
 わたしが躊躇したのは、ただ単に選べなかったんだ。
 その時、もうどうしようもなく溢れた涙を、二人は両側からそっと拭ってくれた。
 「パステル、もういいよ」
 「おめえの気持ちはわかった」
 目を開けると、そこにはとびきり優しいとび色の瞳と薄茶色の瞳。
 「ごめんね、二人とも・・・。わたし、こんな中途半端な・・・」
 「いや、それは違うよパステル」
 「中途半端なんかじゃねぇよ。おめえの気持ちはよくわかった」
 二人はそう言って、互いに笑いあった。
 「実は俺、ずっとパステルはトラップが好きなんだと思ってたんだ。トラップと一緒にいるパステルはすごく楽しそうに笑ってたし。
 トラップの気持ちは知ってたし、いずれは二人はくっつくと思ってた。告白したのは・・・パステルが俺の気持ちを何も知らないままトラップと一緒になるのが悲しかっただけなんだ」
 「おめえ馬鹿か?」
 トラップが呆れ声を出した。その後、彼は少し気まずそうにぽりぽりと頬を掻いた。
 「でもよ、俺もなんだ・・・。クレイは顔もいいし、何よりおめえに優しい言葉をかけてやれるだろう?そのたびにパステルは嬉しそうに笑うんだ。
 俺にはできねぇ。いつだって泣かせることばっかり言っちまうんだ。だから、クレイがパステルに告白したと知った時は覚悟した」
 「つまりさ・・・」
 クレイが優しくわたしの髪を撫でてくれた。
 「俺は、楽しそうに笑っているパステルを見るのが好きだ」
 「俺は、嬉しそうに笑っているパステルが好きだ」
 それってつまり・・・。
 わたしは戸惑って二人の顔を交互に見るしか出来なかった。
 「おめえ、変な顔してんじゃねぇよ」
 トラップが声を上げて笑いながら、わたしの額を軽くデコピンした。
 「変な感じだけど、なんか、これが一番しっくりいかねぇ・・・?」
511クレイ×パステル×トラップ 8:2009/03/27(金) 22:09:24 ID:ogzGEgXj
 その後、わたしたちはごく自然に体を重ねた。
 急な展開に、わたしならもっと戸惑うと思ってた。二人もそう思っていたみたいで驚いていた。
 だけど、わたしは今まで悲しかった分、不安だった分を取り戻したくて性急に二人を求めた。
 一度はばらばらになったわたしたち。それを繋ぎ合わせるにはこうするのが一番いい気がして。
 こんな場所でと、普段のわたしなら思うかもしれない。
 だけど、わたし達の「初めて」は、冷たく薄暗いこの場所が、どんな場所よりもふさわしいような気がした。
 「あっ・・・」
 クレイの大きなごつごつした手がわたしの胸をなぞった。わたしの体を電流が走る。
 「んっ・・・」
 トラップの細い繊細な手がわたしのふとももを撫でる。わたしの体が震えた。
 「パステル、かわいいよ」
 「おめえはいい女だよ」
 二人から耳元で囁かれる。わたしの体が熱くなる。
 二人の舌がわたしの体を優しく這い回る。きっと、わたしの体で二人に支配されなかった場所なんかないだろう。
 敏感な箇所、ううん、体中の隅々まで攻められ、わたしは息も絶え絶えだった。だけどなんて幸せなんだろう。
 「ああんっ」
 一際大きなうねりがわたしの体を襲い、わたしはたまらず声を上げた。
 「その声、いいな・・・」
 「もっと聞かせてくれよ」
 そのたびに、二人が切なげに囁く。
 「大好きっ」
 わたしは思わず叫ぶように言った。
 「クレイ、トラップ、二人とも大好きっ」
 「俺もだ」
 「俺も」
 二人の指が、舌が、わたしを翻弄し、わたしの奥深い場所を攻め立てた。

 きっとわたしたちの愛は他人からは理解されない。でも、それでいいと思った。
 未熟で不完全なわたしたち。だからこそきっとこの関係も成り立つんだろう。
 不安定で、同時に揺ぎないわたしたちの愛は、とても奇妙でとても不思議で・・・そして何よりも純粋だった。
 「同時に愛して欲しい」
 わたしがそう言うと、二人は驚いていたようだった。
 「お前、その意味わかってるのか?相当痛いぞ?」
 「そんなことしなくてもいいんだよ、パステル」
 わかってる。でも、初めての時は同時がいいとわたしは思った。
 痛い?だからなに。どれほど痛くても、この二人とばらばらでいた時ほど痛いわけがないもの。
 二人は時間をかけて、ゆっくりと丹念にほぐしてくれた。わたしの願いを聞き届けてくれるつもりなんだろう。
 「そろそろいいか・・・?」
 「痛かったら無理するなよ・・・?」
 二人が心配そうに声をかけてくれる。こんな時でも、二人はわたしを優先してくれるんだ。嬉しくてもう一度涙が出た。
 「うん、いいよ・・・。きて・・・?」
 その瞬間、激しい痛みと衝撃、快楽とそして強い喜びがわたしを包んだ。
512クレイ×パステル×トラップ 9:2009/03/27(金) 22:10:10 ID:ogzGEgXj
 気がつくと、クレイとトラップが心配そうにわたしを見つめていた。
 「クレイ・・・?トラップ・・・?」
 「大丈夫だったか?」
 「すまねぇな。痛くしちまった・・・」
 少しだけ申し訳なさそうに言う二人がおかしくて、わたしはくすりと笑った。平気と伝えたくてわたしは身を起こした。
 いつの間にか服を着込んでいた。どうやら眠っている間に二人が着せてくれたみたい。
 「ここは・・・」
 「どうやら、俺達あそこから抜けられたらしいな。あの後、すぐに抜け道を見つけたんだ」
 クレイがそう言ってわたしの頭をそっと撫でた。
 「え?」
 「ほら、見てみろよ」
 そう言ってトラップが見せてくれたのは・・・キットンがさっき見せてくれた薬草辞典のイラストと同じ薬草・・・。
 「たぶん、パステルのおかげなんだと思う。なぜだかわからないけどそう思う。パステルがばらばらだった俺達を一つにした。だから戻ってこれた。そんな気がするんだ」
 「うん」
 クレイの言葉にわたしも頷いた。
 「わたしもそう思うよ」
 そう言って、わたしは二人に深いキスをした。
 その時、遠くでキットンたちのわたしたちを探す声が聞こえて来た。
 クエストは成功したのだ。
513クレイ×パステル×トラップ ラスト:2009/03/27(金) 22:11:56 ID:ogzGEgXj
 「いやあ、一時期はどうなるかと思いましたが、パステルたちも無事だったし、薬草は見つかるしよかったですねぇ!」
 薬草を届け報酬を貰って猪鹿亭に戻った後、キットンはそう言ってぎゃっはっはといつものように笑った。
 「ところで、どうやって戻ってきたんですか?」
 わたしの体が思わず強張る。隣にいたクレイも食べていたミケドリアを喉に詰まらせ目を白黒させた。
 「ああ?パステルが偶然隠しドアを見つけたんだよ。で、俺が罠を解除して、後から出てきたモンスターをクレイが倒したんだ。ま、連携のなせる業だな」
 しゃあしゃあと言い切ったのはトラップ。彼はそう言った後、何も言えないわたしたちにニヤリと意味ありげな笑みをなげかけた。
 うう〜・・・。やっぱり嘘の上手いトラップがいてくれてよかった・・・。何も言わないけど、きっとクレイもそう思ってるんだろうな・・・。
 「そうだったんですか・・・。じゃあ次の時も、わたし一人じゃ無理ですね・・・」
 「ああ、またあの薬草が要るんだったら、俺達が行ってやるよ」
 キットンは一人納得している、彼はさっきから顔が明るい。
 珍しい薬草を手に入れたこともあるだろうけど、たぶん・・・わたしたちが元に戻ったことに気付いたんだ。
 ノルも、ルーミィもシロちゃんもわたしたちを見てニコニコ笑っている。きっと、彼らはわたしたちが思っている以上にわたしたちを心配してくれてたんだね。ごめんね、もう大丈夫だからね。
 わたしは嬉しくなって一緒にうふふと笑った。
 「おや?パステル機嫌がいいみたいですね。・・・それにしてもパステル、何かちょっと雰囲気変わってません?」
 キットンの何気ない言葉にわたしの心臓が跳ねた。
 雰囲気が変わった・・・?も、もしかして、クレイとトラップとの・・・アレのせい!?
 「そそそそう?ど、どんな風に・・・」
 「う〜ん・・・上手くはいえませんが・・・綺麗になったというか、色っぽくなったというか・・・」
 「綺麗」のところまではニコニコ聞いていたクレイとトラップが・・・「色っぽくなった」の部分で急に顔色を変えた。
 な、なんというか・・・すごく、怖くなった。
 一気に変貌した二人に、ノルが一歩引いている。ルーミィとシロちゃんは目を丸くした。キットンは一人気付かずなおも続けている。
 「そうそう!色っぽくなった!そんな感じですね。パステル、あなたお化粧でもしてるんですか・・・?今日は妙に肌が・・・」
 ビシ!
 トラップがキットンに思い切りデコピンした。
 「うぎゃ!何するんですかトラップ!?一体わたしが何を・・・」
 ドン!
 キットンが抗議の声を上げた瞬間、クレイがもっていたショートソードをキットンの前のテーブルに突き刺した!
 「ひ!」
 「キットン・・・こいつをそんな目で見てんじゃねぇ・・・」
 「次にそんなふざけたことを言ったら、俺も容赦はしない・・・」
 「は?はひ?」
 二人の目は真剣だった。二人が本気で怒っている事は理解できても、それがなぜなのかがわからないキットンはすっごい戸惑っている・・・。
 そうだよね、ご、ごめんね、キットン。でもわたし・・・今、すごく・・・う、嬉しかったりする・・・。
 この二人って、こんな風に妬いてくれるんだ・・・。
 純粋に感動したわたしはキットンに助け舟を出すのを忘れてしまった。
 はっと気がついたらキットンが二人に小突かれて叫んでいた。
 「ちょ、ちょっと!何やってるのよー!?」
 二人の大事な恋人を止めるため、わたしは大声を張り上げた。


 
 
おそまつでした。
ちょっとエロが中途半端な感じになってしまいました。
次書く機会があったらもうちょっとエロに力を入れたいと思います。
514名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 22:18:06 ID:/hVspqCH
規制大変だったな、乙
台詞運びと心理描写が丁寧で良かった!
GJ
515名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 00:16:56 ID:KE94S5iJ
お疲れ様です。クレイとトラップの対応の違いが何か好きだ。
中途半端などではなく話が綺麗に纏まってるだけに逆にエロ部分が浮いちゃった感じですね。
真面目に3Pみたいなアブノーマルやる難しさを凄い巧く処理してるな、と。
何だか感想というより下手な評論みたいになってしまった。悪い癖だ。
516名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 00:52:48 ID:t+n/8eNK
投下乙。
規制は本当に大変だったね。
丁寧な作品だった。
いいお話が読めて幸せだ。
517名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 09:17:25 ID:R6DQbR/t
保守
518名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:39:22 ID:6F+tyXde
圧縮は大丈夫かな
519名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 09:22:50 ID:2dQ2VlkE
現在782スレか・・・
後数日で圧縮来そうだね
ひとまず保守
520名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 03:53:14 ID:8MVMAWDC
圧縮が近いか
521名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 09:36:40 ID:2JNmfEOV
モーニング保守
522名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 11:30:54 ID:1iKf4LbD
おはよう
523名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 21:54:52 ID:tg9/HE6O
圧縮に備え保守
524名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 09:38:48 ID:HzV5FYfm
もう来るか
保守
525名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 10:37:13 ID:QYNBp9Eg
やはりパステルはコットンの下着を愛用しているのだろうか。
冒険時はスポーツブラ?何色?
クレイはトランクス派?トラップはボクサーブリーフかな。
526名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 10:25:57 ID:Fb1HJ0LO
念のため保守。
527名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 11:23:35 ID:OkLypx7p
保守ついでにssのヒントになりそうな妄想をみんなで考えようぜ。誰かssにしてくれたらいいな。

草むらもろくにないところでおしっこするシーンあったよね。忘れられた村へ行くときだったっけ?
ルーミィはジャンプスーツだから大変らしい。先にルーミィの世話をしつつパステルも漏れそうだったり。
「絶対見ないでよ」みたいなことトラップに言ってたような。
んで蛇や虫なんかに驚いてパステルが悲鳴上げて、クレイあたりが見ちゃったりして…。
528名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 20:33:12 ID:ScTro3xE
>>527
保管庫にある一番最初の作品がまさにそのシチュ。
相手はトラップだったけど
529ファーファ:2009/04/16(木) 00:02:46 ID:RunLt4UW
お久しぶりです。
今の需要に応えられるネタではないかもしれませんが…投下しに参りました。

トラ→パスタイツネタ。


ちなみに、元ネタであるパステルのイラストはダイスをころがせ公認ファンブックのキャラクター紹介ページから。
迎先生のイラストですが、本編では見なかったと思います…。
わかりにくい元ネタで申し訳ないです。
530タイツ小ネタ@:2009/04/16(木) 00:05:56 ID:RunLt4UW
「あれ、パステル。どうしたんだ、それ」
クレイがわたしの足元を見ながら言う。
「あ、コレ?マリーナからもらったの。かわいいでしょ?」
そう言って脚を向けた。
マリーナがくれたのは、ロイヤルブルーのカラータイツ。
今、カラシ色や赤紫色とか様々な色のカラータイツがエベリンで流行っているらしい。たしかに、ポイントとなってなかなかかわいい。あったかいし。
普段オシャレ出来ないわたしにとって、ささやかな乙女心なのだ。ぐっすん。
「…おれはいつもの方がいいんだけどな…」
「え?何か言った?」
「いやいやいや!な、なんでもない!かわいいよ、うん。すげーかわいい!」
慌ててクレイが首を横に降ったり縦に降ったりする。
珍しくクレイがわたしの変化に気づくなんてねー。
普段髪型変えても気づかないくせに。
まったく、男ってのは!

「そういえば、パステルって昔緑のタイツ履いてませんでしたっけ?」
キットンが横から口を挟む。
「何言ってんだよ、緑のタイツって言ったらこいつだろ」
クレイが指さしたのはもちろんお馴染みのトラップ。珍しくそれまで静かだったトラップだが、急に話を振られたからなのか動揺してたように見えた。
「あ、あったりめーだろ!?由緒正しきブーツ家に伝わる緑のタイツ様だぞ?な、なんで、こ、こいつがもってんだよ!なぁ、クレイ!」
そう言って顔を見合わせた。
それにしても、キットンって実は細かいところまで見てるのね−。
それにひきかえ、トラップとクレイったら!
実はそんなに長くはないんだけど、結構前に履いてたんだ、緑のタイツ。
赤のスカートには合わないから最近お蔵入りしてたんだけど。
………あれ?それにしても、あのタイツどこへ行っちゃったんだろう?






…あっぶねー。
キットンのやつ、変に記憶力がいいからな。
にしても、あいつが緑のタイツを履いてた期間なんてそんなに長いことじゃねえんだぞ!なんで覚えてやがんだ。
クレイもクレイで『緑のタイツ』ときたら、俺様なんてお約束のように話ふるんじゃねー!
ったく、この場はなんとかごまかすことが出来たし、パステルもすぐに家計簿とかなんやらですぐに忘れるに決まってるしな。
まー、とりあえずは一安心ってとこだな。
531タイツ小ネタA:2009/04/16(木) 00:06:25 ID:RunLt4UW

どういうことかって?

へへ、俺様は盗賊のトラップ様だぞ。盗めねぇもんなんてねぇんだ。
しかもいつもぼーっとしてる財務担当さんのとこからなんざ、1Gやそこらスッたって全然気付きゃしねーんだ。ったく、財務担当が聞いて呆れるよな!

え?パステルの緑のタイツを盗ったかって?

バッキャロ−、おめぇ今の話の流れからわかんじゃねぇか。
ああ、そーだよ。盗りました。盗りましたとも。あんだよ、文句あっか。
なんで盗ったか?そりゃ、おめぇ愚問だよなぁ。
ま、おめぇも男ならわかんだろ?おれだって健康な男の子なんだかんな。
普通だったら年頃の男と女が一緒に生活してたら何が起こるかわかったもんじゃねぇ。な、だろ?
…それなのに、あいつときたら全然意識してねぇんだから、どうしていいかわかんねぇよなぁ。これだから厄介なんだよな。
だから、たまーに元気になっちまう息子のためにちょっくら拝借したっつーわけ。
んだよ、そんな目で見んじゃねぇ!

は?タイツをどう使うかだと?
しらねー!んなことまで言えるか!
んまぁ、その辺は好みっつーか…それぞれ趣向があるっつーことはおれのじっちゃんもよく言ってたもんだ。
でもまぁ、もしおれが持ってたのが万が一見つかったとしても…何かあったときのスペアとしときゃーいいしな!

まぁ、正直言うとパステルは生足が一番だよな!
…か、勘違いすんじゃねーぞ!誰のだっていいわけじゃねぇんだから!




「んー…どこにしまったんだろ」
わたしは荷物の中からあのタイツを探しているが、一向に見つかりそうもない。そういえば、あのタイツ…よく考えたらトラップとお揃いみたい…。
そんなことを想像して、思わず首をぶんぶん振った。
いっけない!あんな派手好きの盗賊とお揃いなんて…なんだかわたしまで趣味が悪いみたいに思われそうじゃない!?
あーあ、やめたやめた。きっと破けて捨てちゃったんだよ。うんうん!
トラップとお揃いなんて、ぜーったい、やだ!

あ、そういえばノルにこの格好まだ見せてなかったんだ!
…ふふ、ノルったら褒めてくれるかな?

わたしは立ち上がると、馬小屋へと走った。
532ファーファ:2009/04/16(木) 00:07:15 ID:RunLt4UW
以上です。

失礼しました。
533名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 01:02:01 ID:bT6cUvJ0
ファーファさん投下乙でした!
そういやパステルも昔履いてましたね、目の付け所が素晴らしい。
トラップならやりかねませんねぇw
ノルの反応も見たかったなーと思いつつ、そちらは妄想で補完します。

…自分、元書き手だったんですが、半年くらいぶりにログ遡り皆様の神作品たちに刺激受けました。
何か思いついたら投下しに参ります。
534名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 08:39:47 ID:+43iF61j
>>ファーファさん
トラパス派ですが、クレイの『いつもの方が〜』のあたりの男心に萌えてしまいましたw
535名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 12:33:33 ID:K1Mqhbfo
>>528
ありがとう。たくさんあって嬉しい〜w
このスレに貼ってあるリンクから飛べなかったから諦めてたんだけど検索かけたら読めた。

2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/

ミラー
http://database.f-adult.com/
http://library.f-adult.com/
http://sslibrary.arings2.com/
536名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 09:25:06 ID:0MrzZ5mu
朝保守
537名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 10:29:38 ID:7SFz1WMa
>>534
同じく萌えたw
クレイの慌てっぷりが良い。
538名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 22:34:05 ID:YAw0Jv5N
GJ!クレイの慌てぶりが目に浮かぶね〜w

しかしダイスを転がせとは懐かしい…不幸のカードだかを集めてヒールニントの温泉みると女性陣の裸が…(*´ω`*)
539名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 01:42:35 ID:XSb+4L8t
>>538
kwsk
540名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 09:20:11 ID:nes2cNsU
ケンカはこちらw
【隔離】場外乱闘専用スレ【施設】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1239770078/
541名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 20:52:27 ID:t58ScGge
>>539
 SFCソフトのフォーチュンで、ドクロカードを集めてMAP上のヒールニントの温泉を覗くと、
 誰もいない、コボルトだかスライム、そしてユリアさん等の女性陣の入浴シーンが見られるんだ。
 もちろんSFCの倫理規定にしたがって胸とかは隠されてるけど。
542ファーファ:2009/04/19(日) 02:03:53 ID:Lkq5jf3R
こんにちは。
>>530->>531ではエロ無しの前注なくてすみませんでした。

コメ下さった方々、ありがとうございます。
個人的にクレイ好きなので(トラもギアも好物ですが)、クレイのシーンに力が入ってしまったのかもしれませんw

またまた投下しに参りました。
クレパス、微エロ。
>>525さんのレスで思い付いた下着ネタです。
543クレパス@ 下着ネタ:2009/04/19(日) 02:05:00 ID:Lkq5jf3R
「パステルって…まだそんな下着なの?」
不意に背後からかけられた声に振り返る。
「ちょっ!マリーナ!?」反射的に身体を隠す。
マリーナはカーテンの隙間から顔を覗かせてわたしの方をじっと見ていた。
「ま、まだ着替えてる途中なんだってば!」
「ふふっ、いいじゃない。女同士なんだし」
いたずらっぽく笑うと、マリーナはそのまま試着室に入ってきた。
「ちょ、ちょっと…お店の方はどうするの?」
「いーの、いーの!今日はもう店じまい!」
わたしの制止も空しく、マリーナは試着室に入ってきた。
そう、ここはエベリンのマリーナの古着屋さん。
マリーナに『パステルに似合いそうだから』とちょっと強引に試着室に連れていかれて着替えてたところなんだけど…。
試着室、といってもそんなに広くはない。大人二人が入れるくらいの広さ。
だから下着姿のわたしのすぐ目の前にはマリーナがいて…恥ずかしいんだけど、すごい近くで身体を見られてる感じ。
「もー、隠すことないでしょ?」
そう言いながら強引に身体を隠していた服を剥ぎ取った。
「きゃっ!」
思わず両手で身体を隠す。
「ふーん。結構着痩せするのねー、パステルったら」
わたしの身体を上から下まで見るとマリーナはくすっと笑った。
えっ、それって…太ってるってこと?そ、そりゃトラップには『引っ込むべきところは出てる』なんて言われちゃうし…。
うー…なんか恥ずかしいなぁ。というより、スタイル抜群のマリーナに言われると…ショックかも。
「あ、違うよ?パステルはスリムだもん。ウェストもキュッとしてるし……どのくらい?」
むぎゅっ。
「きゃあっ!な、なにすんの!?」
ま、マリーナったらわたしのむ、胸を揉んだ…っていうより、掴んだんだもん!
「ふふ、ごめんね!でも、やっぱりパステルって…結構ムネ、あるよね」
それよりも、目の前にいるマリーナのグラマーなバストは、厚手のセーターを着ているというのに存在感がある。
「うーん、Bか…Cくらいかな?」
「そ、そう?そんなに?」
「アンダー細いから、そのくらいかな。…でも、ちょっとその下着は…」
ちょっとだけ遠慮がちに言ってくれたけど。
ううっ…。
わかってはいたんだけど、そのことはあんまし触れてほしくなかったなぁ…。
思わず自分の下着姿を鏡で見た。
冒険で少しでも動きやすいようにスポーツタイプのブラをつけてるんだけど。
で、パンティは…というか、パンツはムレるのが嫌で綿100%白のパンツ。
色気とは無縁、機能性重視の下着。
「そりゃ、冒険のときはそういう下着がいいのかもしれないけど…ちょっと、年季入ってない?」
ぎくっ!
「う、うん…実は…」
実は、冒険に出てから新しいのって買ってない。かわいいのって高いし。まだまだ着れるし、大丈夫かなって…。
そう言うとマリーナはすごくびっくりしてた。
544クレパスA 下着ネタ:2009/04/19(日) 02:06:47 ID:Lkq5jf3R
「貧乏パーティだもん、経費削減しなきゃ」
そう言って笑ってみせた。
うう、情けないけどほんとのことだもん。
「パステルはみんなのお財布管理してるもんね。確かに節約かもしれないけど…でも…ちょっとヨレヨレじゃない?」
マリーナはわたしのブラを見ると言った。
「そりゃ、川で洗濯もしたりしてるし、仕方ないよ」
悲しいけど、冒険に出てたらそんなことは日常茶飯事だから。かわいいレースの下着なんてきっとすぐにダメになっちゃうんだろうなぁー。とほほ。
「ええー!でも…」
「いいの!誰かに見せる訳でもないんだし」
まだ何か言おうとするマリーナを遮った。
言いたいことはすごーく、よくわかる。でも、わたしには勿体ないし。今でも十分着れるから…。
レースとかサテンのかわいい下着が嫌いなわけじゃないよ。そ、そりゃ着てみたいけどさぁー…。
「パステル、言いにくいんだけどね」
「マリーナ…ありがとう。でも、やっぱりわたし…」なおも続けるマリーナを再び止めたけど。
「ブラのサイズが合ってない気がするんだ」
「……え?」
思わず自分の胸を見る。
「そのスポーツブラじゃ、パステルのムネが入りきってないよ」
そう言われて鏡を見ると、確かに脇からはみ出ちゃってる。
「それにちゃんとワイヤーが入ってるブラしないと、垂れてきちゃうよ?」
「そ、それはいや!」
思わず首を横に振ると、マリーナはくすっと笑った。
「…せっかくだから、新しいのにしようよ!うちの店、下着もおいてあるんだ」「でも、マリーナ…」
「あ、下着は古着じゃないから安心して!パステルに似合いそうなやつ、幾つか持ってくるから」
そう言ってマリーナは試着室から出ていった。



うー…なんか、落ち着かない。やっぱりやめとけばよかったかなぁ…。
わたしはマリーナのお店で買った下着(だいぶまけてもらったけど)を早速つけていた。
なんか、心なしか胸が大きくなった気がする。
それに、薄い水色のつるつるした生地に、同じ色のレースがあしらわれた上下。
これが、すーっごくかわいいんだ!他のもお花の刺繍がしてあったり、お尻にリボンのついたのとか…。
あーあ、何か今まで損して気がする。こんなかわいいの着てなかったんだもん。
お茶を飲みながら、わたしは一人でニマニマしてしまった。
「なぁーに、一人でニヤけてんだよ!気持ちわりぃ奴!」
トラップがそんなわたしの様子を見て悪態をついた。
「ふんだ!トラップには関係ないでしょー」
そうそう。これはわたしだけのひそかな喜びなんだから。
そう言って再びお茶を口にしたときだった。
「ねぇーねぇーぱぁーるぅ、こえ、ルーミィもー!」
「ブッ!!」
目の前の光景に、思いっきりお茶を吹き出してしまった。
「ル、ルーミィ!!」
なんと、ルーミィはわたしの新しいブラを持ってトテトテ歩いている。
その場にいた男性陣は目が点。
「もぉー、ルーミィ!こんなとこに持ってこないでよぉ」
「やだやだぁー!ルーミィもほしいおう!」
ルーミィに駆け寄ってブラを奪おうとするが、ルーミィも離そうとしない。
それを無言でニヤニヤしながら見つめるトラップ。
ノルは真っ赤な顔で下を向いている。
「ごめんねー、ルーミィ。ルーミィにはまだ早いと思うんだ。だから、返してくれない?」
そう言ってみたものの、ジタバタ暴れてやんちゃを言い出した。
545クレパスB 下着ネタ:2009/04/19(日) 02:09:14 ID:Lkq5jf3R
「やだやだぁー!ルーミィ、ぴんくじゃなきゃやらぁー!」
そう言って離そうとしない。
うう、困ったなぁ…。
「そうだ、ルーミィ。これさっき袋についてたんだ。あげるよ」
それまで黙っていたクレイがピンク色のリボンを差し出した。
その瞬間、ルーミィの顔に満面の笑みが広がる。
「あー、くりぇー!そえ、ほしいおー!」
「ああ、いいよ。じゃあ、それはパステルのだから返そうな?」
そう言って、ルーミィの頭にリボンを結んであげた。
さっすが、クレイ!
「わーい!わーい!わぁーったお!ぱぁーるぅ、ごめんなしゃーい」
そう言ってわたしにピンクのブラを差し出した。
「もー、いたずらしちゃだめでしょ?」
そして、もうルーミィの目に着かないように後ろに隠した。また『ルーミィもー!』なんて言い出したら大変だもんね。
てか、人に見せるもんじゃないなんて思ってたけど…すっっっごい、見られてるよね…。はあああ。



「まぁ、ルーミィちゃんにはちょーっとばかし、早かったよなぁ」
トラップはルーミィの胸をつんつん突きながら言った。
「もぉー、とりゃっぷ、えっちらお!」
ルーミィはぷーっとバラ色のほっぺを膨らませてトラップを睨んだ。
「まぁ、わたしの作った胸部成長促進剤を使えば…」
「キッ・ト・ン!!変な冗談やめてよね!」
「あんだパステル、おめぇも促進剤欲しいってか?」
「まぁ、それが脂肪となってくれればいいですがねぇ。大胸筋が発達してしまったら大変ですよねぇ。うひゃひゃひゃひゃ!」
「ムッキムキになっちまったりしてなー!ひゃははは!」
「………!」




その夜。

「あ、クレイ。まだ起きてたの?」
下に行くと、クレイが椅子に座っていた。
「ん、何か寝付けなくて。パステルは、風呂?」
「う、うん」
すると、なぜかクレイはちょっと恥ずかしそうな顔をした。
「昼間…大変だったな」
「あ、ああ…うん」
あのあと、キットンとトラップをボコボコにしちゃったけどね。
「あいつらも、悪気があるわけじゃないから…許してくれよ」
「あはは、もう慣れっこだし!ありがと、クレイ」
そう言うと、ふっとクレイが真顔になってわたしを見つめた。
「な、何?」
急に真面目な顔になるんだもん。
するとクレイは立ち上がるとわたしを抱き寄せた。
「えっ…」
な、なに?
そのままクレイの大きな腕は背中に回されて、優しくわたしを抱きしめた。
まるでクレイの一部になっちゃってるみたいに。
「ど、どうしたの?」
そう言うのが精一杯なぐらい、胸がドキドキしてる。でもそれはクレイも同じで。すっごい速さで打っている胸の音が伝わってくる。
546クレパスC 下着ネタ:2009/04/19(日) 02:10:09 ID:Lkq5jf3R
「きゃっ!」
急に、生暖かいものがスカートの下に入ってきた。え、これってクレイの手!?
「や、やめて!」
抵抗しようと思っても、身動きが取れない。片方の手でがっちり捕まえられていた。
く、くすぐったい!太股なんかさわさわ撫でないでよぉ!
「やっ…クレイ!」
どうしちゃったんだろ…なんか、いつものクレイじゃないみたい。あ、そこ…お尻なんだけど!
「ちょっ…」
クレイは下着の布の上からお尻の割れ目の辺りを優しく撫でている。
ぬ、布越しにクレイの指が…っ。
「…ひゃっ!」
「やっぱり…」
く、くすぐったい!生暖かい息を吐かないでよぉ。
思わず身体をよじると、クレイはわたしの肩を掴んで身体を離した。
「…何するの!?」
クレイを睨みつけると、ギラギラした目でわたしを見ていた。
「……!」
身体に戦慄が走る。
ど、どうしよう…。なんか、いつものクレイじゃないみたい。
「そんなに…トラップ達の気を惹きたい?」
「え……?」
言ってる意味が全くわかんないんだけど。え?気を惹くって…?
「パステルは自覚なさすぎるんだよ」
そう言って厳しい顔をしてわたしを見つめるクレイ。

「ご、ごめん。わたし気付かないうちに何かしちゃってた…?」
おそるおそる聞いてみる。ぜんっぜん心当たりがないからなぁ…わたしってにぶいみたいだし。
「…そんな下着つけてて、おれ達がいつまでも冷静でいられると思ってんの?」
「え?」
思わず耳を疑った。
え、下着って…?まさか今日の昼間のこと?
「ただでさえ、パステルは短いスカートはいてるし、その…たまに…」
「たまに?」
何を想像しているのか、クレイの顔は真っ赤になっていった。
「……下着が見えてたんだよ!」
「ええええ――――!?」
う、嘘でしょお!?だって、結構気を遣ってたし、誰も教えてくれなかったじゃないのよぉ。
そう言うと、クレイは頭を抱えた。
「パステル…おれ達が言えるわけないだろ?」
うっ、そりゃそうだよね。
「こんな事…パステルには言いたくないんだけど、おれ達は男だから、その…なんていうか…そういう欲求がすごいんだよ。パステルが考えてる以上にさ」
「…う、うん」
そういう欲求てのは、つまりその性欲ってことは…さすがにわたしでもわかるけど。
「ちょっとした刺激でもムラムラするし、それはパステルのことをそういう対象として見ていなくても、どうしても身体は反応しちゃうから…」
わたしは黙ってクレイの言葉を聞いていた。
「あんな…その、色っぽい…下着をつけてるなんて考えたら…理性が飛んじゃいそうになるんだ」
そ、そりゃ普段の綿100%パンツに比べたら…確かに、色っぽいよね。
「じゃあ……クレイは、わたしとそういうことがしたいって…ことだよね?」
思わずそう聞くと、クレイは一瞬真っ赤な顔で固まった。
「えっ…誤解するなよ!あいつらが、パステルに対して変な気起こしたらどうしようって…おれ、心配で…」
変な気起こして人のパンティ触ってたのは誰だったかなぁ?
「心配だったら、なんでさっきあんなことしたの?」
「えっと、それは…」
ふふっ。
なんだか焦ってるクレイがかわいい。
するとクレイはわたしの腕を引っ張った。
「きゃっ」
再び、クレイの身体の中にすぽっと入り込んでしまう。
547クレパスD 下着ネタ:2009/04/19(日) 02:11:00 ID:Lkq5jf3R
「…し、したいに決まってるだろ!…好きなんだから」
ぐっと手に力が入った。
いつも優しいクレイが見せる、珍しく子供っぽいところ。
お気に入りのモノを見つけて手放したがらない子供のようで、なんだか…わたし、うれしい、かも。
両手をクレイの首の後ろに回してしがみついた。

あ……。

目の前のクレイは、優しい瞳でわたしを見つめている。
そして、クレイの顔がだんだん近づいて来て…。




お風呂から出た後、わたしはクレイとベッドの中にいた。
たまたま宿屋に空き部屋があって、こっそりそこに忍び込んじゃったんだよね。
「これも…いいなぁ」
そう言いながらクレイはわたしの下着を触っている。
「もー…昼間見たやつだよ?」
そう、今つけてるのは、ルーミィのお気に入りの下着。
「パステルによく似合ってるよ」
そう言ってキスをした。
ふふっ。
「他のやつに見せないようにするんだぞ?」
「わかってる!見えないように気をつけるね」
何か過保護なお父さんみたいだけど、クレイがヤキモチを妬いてるのはなんだか嫌な気がしない。
「心配だなぁ…」
まだ不満そうな顔のクレイ。
「もー…だったらスカートの下にスパッツ履こうかなぁ?」
「えっ!いや、それは…」
なーんてクレイは言うんだよね。どうしろって感じなんだけど、それが男心らしい。
「パステル…好きだ…」
そう言うとわたしのパンティに手をかけた。
「…もう1回?汚れちゃうよ」
「また風呂入ればいいだろ?一緒にさ」
「うん……そうだね」
目をつぶると、キスの雨が降ってくる。

リボンやレースの施されたピンクの下着を脱がされて一糸纏わぬ姿になる。
…そこにはほんのり赤く染まった花びらがたくさん散っていた。




END
548ファーファ:2009/04/19(日) 02:12:29 ID:Lkq5jf3R
以上です。

失礼しました。
549529:2009/04/19(日) 11:22:11 ID:P5BfeIZK
執筆乙でした。ヒントにしていただいて嬉しいです。

パステル&クレイの初々しさに甘酸っぱい気持ちになっちゃいました。
マリーナの大人っぽさとの対比で際立っていますね。
読み進むうちにドキドキして最後のほうはバクバクでしたw
550525:2009/04/19(日) 11:22:57 ID:P5BfeIZK
自分のレス番間違いました。ごめんなさい。
551名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 15:25:57 ID:UsblhdJW
乙です!
エロもさることながら
胸部成長促進剤のくだりで大笑いしましたw
思い切りエロも大好きですが
エロシーン以外も丁寧に書いて下さるのはやはり嬉しい!

余談ですが
何巻かのオマケにパステルとルーミィの着せ替えついてましたよね
確かにスポーツブラでした
552ファーファ:2009/04/25(土) 00:21:00 ID:5xkZ9Gek
コメント下さった方、ありがとうございます。
いつも励みになってます。
そしてアンカー間違っててすみませんorz

えと、久しぶりにトラ×パス(>>530-531はトラ→パスだったので)を書いたのですが、最近私の作品が連続しているので、躊躇してます…。
>>533さんや、他の書き手さんが現れるまで待とうと思ったのですが…。

>>551さん
確か電撃版の外伝か、バイト編だったような…?
角川版しか手元になくて、確認出来ませんでした。
553名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 10:03:24 ID:EQwy9ZDI
圧縮来てたのか
スレ数減ってたから油断してたよ
あっぶねぇぇぇ・・・
554名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 22:26:49 ID:2CpJksV1
>>553
圧縮でスレがなくなる基準ってわかる?
定期的に書き込めばいいのかな

ファーファさん、連投気になるかもしれませんが
作品読んで創作意欲が沸くタイプの職人さんもいらっしゃると思いますし
ぜひ投下して下さいまし
555名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 00:35:15 ID:HOw13kVT
>>554
基本、書き込みが古い順にdat落ちする
スレの位置は関係ないので、ageてもsageても問題なし
今回の圧縮で落ちたのは、だいたい一週間くらいらしい
(一週間書き込みがなかったスレは大抵落ちたようだ)

スレ数は800になったら一気に100落ちるから怖いわ
危険を感じたら保守しに来てるが、あまりにも芸がなくてスマソ

次回は頑張って保守代わりになんか落としに来るよw
556名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 16:00:15 ID:5CHKrTgE
>>555
そうだったのか d
自分も今じゃ完全読み手側だから
感想や雑談でしか保守しかできないのが歯がゆいw
このスレ来てからというものクレパスにすっかり嵌ったわけだが
もうすぐタイツの誕生日ってことでトラパスも読みたいな
557名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 15:07:37 ID:ffa8BcIg
トラップの誕生日
558ファーファ:2009/05/03(日) 23:45:50 ID:CcrH2VBu
>>554さん

ありがとうございます。
過去スレで何度か連投が議論になってたので…。

お言葉に甘えて、再び投下しに参りました。
トラBDなのでトラパスです。恋人設定。
559トラパス@:2009/05/03(日) 23:49:18 ID:CcrH2VBu
「きゃっ!」
背後からいきなりばふっ、と抱きしめられた。振り返らなくても相手が誰かってすぐにわかるんだけどね。
「もー、やめてよ、クレイってば」
「……あ゛?」
あえて冗談で言ったつもりだったけど…はは、この状況じゃ冗談にならないよね。後ろから何やらいやーな空気が流れてくるのがわかった。
「もー、トラップ!冗談だってば」
わたしはすぐ後ろで腕を回している相手に振り返らずに言った。
「…おめぇ、それ冗談になんねぇから」
あ、まずい。ちょっと声が怒ってるかも。
押し殺したように小さな声だったけど、彼の場合すごーくわかりやすいんだよね。
「へへっ…びっくりした?」
振り返ると、トラップは鋭い目つきでわたしを睨んでいた。
「ったく……冗談じゃねぇぜ」
そう言い残すと、くるっと振り返ってすたすた歩き出す。
ま、まずい!本当に怒っちゃったのかな。
「わわわ…ちょ、待って!」
慌ててトラップの腕を掴むと、一瞬彼の目が光った気がした。
えっ?
そう思ったのもつかの間。
「きゃあ!」
両肩を掴まれて壁に押し付けられる。そしてそのままトラップの顔が近づいてきて…。
「ん…っ」
強引に唇を奪われた。
そのままたっぷり30秒間、わたしは身体と同時に唇の自由までも奪われてしまった。
「…ぷはっ!」
やっと唇が離され、我慢していた酸素を吐き出す。
「はぁ…っ…は、っ…強引だよ…」
息を整えながらトラップに抗議した。
「けっ!おめぇが余計な冗談言った罰だ。つーか、おめぇ、嫌なんて思ってねえだろ」
「え、えーと…」
まあ、実を言うとこういうのも悪くないよね、なーんて思ってたんだ。あはは!
「ん、じゃあもっとしてもいいってことだよなぁ?」ずい、と思いっきり顔を近づけたトラップ。
え?ええーっと…。もっとっていうと…。まぁ、そういうことなんだろうけど。この場合、『うん』って言っていいもの!?
「え、えと…」
返事に困ってると、トラップはわたしの頭を掴んで無理矢理縦に振った。
「きゃっ!なにすんの」
「へへ、これがおめぇの答えっつー事で間違いねえよな?」
そう言うと再び私の頭を掴んで縦に振った。
「やっ」
思わずトラップの手を払いのけると、ちょっと怒ったようなすねたような顔をした。
「……んだよ、嫌かぁ?」
そう言った顔が叱られた子供みたいにかわいくって。今度はわたしの方から唇を突き出し、そのまま無防備な唇を奪う。
それから、ちゅぅっという音を立てて唇を軽く吸うと、それに応えるようにわたしの唇をこじ開けるようにして舌をねじ込ませた。
「んんぅ……っ」
舌同士がとろけそう、ううん、なんだか……身体までとろけちゃいそう。全身が甘く痺れるようなキスの最中に、トラップとふっと目が合った。
それを合図に唇が離れる。
「っ……はぁ、おめぇ、こんだけキスしといて嫌とは言わせねぇかんな…」
壁に身体を押し付けられて、そのままトラップが覆いかぶさる。
「……んっ」
あ、また…。
唇の先にトラップが触れた瞬間、からめとられるように舌がまとわりつく。それと同時に、膝にトラップのあったかい手の感触。
「んぅ……」
なんか身体がぞわぁってする…!でも…いやじゃないかも。き、きもちいい…?のかな…?
「……あ?」
トラップの手が太股に差し掛かったとき、ふとその手が止まった。
560トラパスA:2009/05/03(日) 23:50:09 ID:CcrH2VBu
「え、どうしたの?」
そんな問いにも答えず、トラップはただ神妙な顔で太股を触っている。
「ちょっ、くすぐったいってばぁ!」
両手で太股を撫でまわしたあと、今度はわたしのウエストに手をかけて抱き寄せた。
「な、なに?」
すると今度は腰周りを両手で撫で回した。
「ひゃっ!ちょ、ちょっとくすぐったい!ひゃ、ははっ、やめ、やめてってばぁ…ぎゃははは…」
わたしが一人ヒーヒー笑ってるというのに、トラップは一人冷静で。
何かを確かめるようにひとしきり触った後、ぽつりと言った。

「なぁ、パステル…おめぇ太ったんじゃねえか?」
「な……っ!」
突然何を言い出すかと思えば!
「違うってかぁ?」
今度はお腹の肉をつまむ。
「きゃっ!」
「へへっ、やっぱそうだよな!おめぇ、このところよく食ってたもんな」
「う…」
勝ち誇ったような顔のトラップに、返す言葉がない。
確かに最近、なんだかご飯がおいしくって。
我がパーティの食欲魔神、ルーミィがびっくりするくらい食べちゃってたんだもん。
『あ、クレイ、もういらないの?』とか言って人のお皿から勝手に食べてたくらいだし……。
「うう…そうかも」
突然トラップは落ち込むわたしの両頬を軽くつねった。
「…ひょ、ひょっほぉー…はに、ふんほぉ!?」
「そーいや、顔に肉ついたみてぇだな」
「はなひへひょー!」
「わぁーったわぁーった」
やーっとわたしのほっぺから手を離してくれた。んもー、おもちゃじゃないんだからぁー。
そう思ってむくれてると、ニヤニヤ笑いながらトラップの手が伸びてきた。
「顔じゃなくて…この辺につけばよかったのになぁ」ってそこ!
わたしの胸じゃないのよぉー!
「もぉー、トラップのえっち!」
「いて、いてて!もー、パステルちゃん、怒っちゃやーよ!」
わたしがぽかぽか叩くのを、へらへらしながら避けるトラップ。
「うるさい!もぉー、一言余分なんだからぁ…」
「でもまぁ、今の方が触り心地はいいぜぇ?なんつーか、こう…やらけぇモチ抱いてるみてーでさ」
も、モチってあんた!
…にしても。
くぅぅぅぅ…。くやしぃぃぃ―――…。
でも、今の体型じゃなーんにも言い返せない。
所詮モチなんだもんね、はぁぁ。でも、このままってのも何か悔しい。
「……決めた」
わたしがつぶやくと、トラップはぽかんとなった。
「あ?」
「わたし、ダイエットする」
「はぁ?」
「痩せればいいんでしょ?痩せられるもん」
わたしの強気な発言に、トラップはため息混じりに言った。
「やめとけ、やめとけ。どーせ『明日から痩せるもーん』とか言って今日の晩飯たっぷり食うんだろ」
「いらないもん。ご飯、食べなかったら…痩せるでしょ?」
「あまい、あまい、あまーい!おめぇそんな簡単に痩せられたらなぁ、世の中の太ってる奴ぁ苦労しねぇんだよ」
「無理かどうかなんて、やってみなきゃわかんないじゃないのよう。とにかく、今日からご飯、いらないから」
そんな決意を固めたわたしを見て、一瞬だけ驚いたみたい。
ふふ、わたしだってやるときはやるんだから。
561トラパスB:2009/05/03(日) 23:51:00 ID:CcrH2VBu
「…つーか、おれは別に今のまんまでもいいんだぜぇ?」
「ふんだ。おモチなんか抱きたくないでしょ」
「いや、そこが癒されるっつーか…だから、な?」
そう言いながら再びわたしの脚に手をかけてきたんだけど、
「だーめ!痩せてから!」とキッパリ断った。
すると、トラップは明らかに不機嫌そうな顔をした。
「けっ!じゃ、やってみろってんだ。ま、おめぇじゃ無理だろーけど」
なーんて憎まれ口まで叩く始末。
ふんだ。
悔しいから絶対痩せてみせるもん!


と決意したわたしだったのだが。
なんと、その夜挫折してしまったのだった。
だって……こんなに残酷なことって他にある?
猪鹿亭に行っても、みんなが美味しそうに食べてる横で水だけ。
「パステル、どこか気分でも悪いの?」
そう言って心配してくれるリタ。
「う、うん。ちょっとね…」
全っっ然!悪いところなんてない。でも、ダイエットしてるから食べたくない…なんて…言えないよね。
ううう、ごめんね、リタ。
「ぱーるぅ、こえ、たべないんかぁ?」
わたしの横でルーミィがミケドリアの串焼きを口いっぱいに頬張っている。
うう……おいしそう。
たっぷり脂ののったミケドリアをこんがり炭火で焼いて、猪鹿亭秘伝の甘辛いタレをつけて…。
あああ、なんかめまいがする。
「パステル、何も食べないなんて逆に身体に悪いぞ。ちょっとだけでも食えよ」
そう言ってクレイはわたしに一本串焼きを差し出した。
ごっくん!
思わず生唾を飲み込む。
そ、そうだよね。一本くらい食べたところで太ったりしないよね?
「そ、そうだね。じゃあ…」
そう言って手を延ばそうとした。
うっ…。
わたしの視界にトラップの「だから、おれの言った通りだったろ?」って勝ち誇った笑顔が入ってきた。
くぅぅぅぅ。
「やっぱり…いい…」
泣く泣く手を引っ込めた。
そんなわたしの反応に、みんなはちょっと変な顔をした。
「パステル、もしかしてダイエットですか?」
ずばり言われたキットンの言葉。
「えと…」
「だーえっと、ってなんらぁ?」
ルーミィの無邪気な声に、再びリタも近寄ってきた。
「パステル、そういうことだったの?そんな必要ないじゃないの」
そんなことないんだってばぁ。
わたしが必死に首を横に降ると、リタはトラップに詰め寄った。
「トラップ!あんたパステルに何か言ったんじゃないの?」
「はぁ?こいつが勝手に一人でやってんだよ」
ったく、あんたでしょ、あんた!にしても、なーにむくれてんのかね。
「残念ですが…パステル、断食は痩せませんよ」
「ええー!?どういうこと?キットン」
「食事を抜くことで逆に身体が飢餓状態になって、余計に太りやすい身体になってしまうんですから」
「パステル、食べないと、身体こわす」
ノルもキットンに同意する。
えぇ――…そんなこと言われたら…。
562トラパスC:2009/05/03(日) 23:51:54 ID:CcrH2VBu
すると、お皿の上のミケドリアが視界に入る。
ごくっ。
ちょっとだけ……いやいや、だめだってば!
頭の中で食べる、食べないの争いが起こっている。
「ぱぁーるぅ、ルーミィ、もうおなかいっぱいらおぅ…」
わたしが食べない分、余計に食べちゃったんだろうね。ルーミィのお皿の上には1本だけ串焼きが残っている。

思わずそれを掴むと、思いっきりかぶりついた。
んんー…。
肉汁が口の中いっぱいに広がって…。



結局。
追加で2人前は食べてしまったのだ。
はぁぁぁ。自己嫌悪。
肩を落とすわたしにキットンが声をかけてくれた。
「パステル、そんなに痩せたいんでしたら、いいもの持ってますよ」
「本当?キットン」
いつもはあやしいと思うわたしだけど、もう溺れるものはナントカだわ。
キットンの話しに食いつくと、彼は嬉しそうに話し出した。
「ぐふ、エベリンに行ったときに手に入れたんですがね、脂肪分を吸収してくれるキノコが…」
「あまい、あまい、あまーい!」
それまで黙っていたトラップが急に怒鳴った。
「おめぇなぁ、そんな胡散くせぇキノコなんかやめとけ。そんなんで痩せれたら苦労しねぇんだ」
「な、なんですか!トラップは人聞きの悪い!」
「るせぇ!大体なぁ、そんなに痩せたきゃ運動しろっつーの」
それまで静かにわたし達の様子を見ていたクレイ。
トラップがそう言うと、急に何かひらめいたように膝を叩いた。
「そうだ、パステル。こいつ昔ダイエットしたことがあったんだ」
…トラップが?えーと…ああー!確かにそんなこと言ってたよね。小さい時太ってたーって話。
「け!だぁら、なんだってんだ」
「え?いやぁ、お前一応ダイエット経験者だろ?パステルにいいダイエット方法教えてやれるかなって思ってさ」
てっきり『やなこった』と返ってくるかと思ったら、意外や、意外。あっさり引き受けてくれた。
これには提案したクレイも…だけじゃなくてその場にいた全員がびっくりしたんだけど。
「へへっ、でも今からはちーっとばかし早すぎっから…夜中だな」
「え?そんな遅く?」
思わず聞き返すと、トラップはニヤッと笑った。
「つー訳で…後でおれの部屋こいよ」
??
なんだかよくわかんないけど、痩せろって言い出したのはトラップだもんね!



という訳で。
みんなが寝静まったあと、わたしはトラップの部屋をノックした。
「おう、入れ」
そう言われてドアを開けると、上半身裸で、下は下着だけのトラップが立っていた。
「なっ、なんでそんな格好してんのよ!」
その問いには答えず、わたしを強引に中に引っ張るとドアを閉めた。
カチリ。
鍵の閉まる金属音が部屋に響く。
「な、なによぉ。ダイエットに協力してくれるんでしょ?」
「そーだよ、なんか文句あっか」
「ひ、昼間の続きがしたかっただけじゃないのぉ?」
563トラパスD:2009/05/03(日) 23:52:41 ID:CcrH2VBu
「ん?何かしたっけ?」
「…!」
すっとぼける赤毛頭をぽかっと殴る。
「けけ、冗談に決まってんだろ。つーか、なに?おめぇ、そんなにエッチしたかったのか?ん?」
なんて意地悪そうに言ってきた。
「………!!」
え、エッチって…
トラップがそんな格好してるから、そう思っただけじゃないのよぉ!
だから、別にしたい、とかそんなんじゃなくて!
「パステル、おめぇの気持ちはよーくわかった!」
あーあ、だめだ。
この赤毛頭にはわたしの言い分なんて通りっこない。
「もー、それは置いといて…結局何するの?」
そう言うと、トラップはわたしをベッドに座らせ、ちょっともったいぶって話し出した。
「まーそう焦らせんなって…」
「教えなさいよぉ」
「へへっ、今巷で話題になってんだろ?朝バナナダイエットっちゅー…」
「ああ!」
すぐにピンときた。
確か冒険時代のコラムに載ってた気がするもん。確か、朝ご飯をバナナに代えてやるダイエット方法だった気がするけど。
「え?じゃあ何で今なの?」
そう聞くとトラップはわざと胸を張って答えた。
「まぁ、せかすなって。おれ様のダイエット方は、その……いわゆる、夜バナナっちゅーやつだ」
「へ?朝じゃないの?」
そう言うとトラップはちょっとため息をついた。
「おめぇ、今までの会話でわかんねぇわけ?」
なんて言われても。
「うーん…とりあえず、バナナ食べればいいんだよね?あれ?そういえば、どこにあるの?」
そういえば、ほの暗い部屋の中にはバナナなんて見当たらなかった。
すると突然、トラップは自分の履いていた下着を降ろした。
「きゃっ…」
「ぶぁーか。バナナって言ったらすぐにピンとくるもんだろ」
そう言われて、初めてトラップの言っていた意味がわかった。
目の前で重力に逆らうように反り返った彼自身は…そりゃあもう、バナナといえばバナナなわけで。
いやー、実に的確な表現だよね!
なーんて、ムードもなく、そんなことを考えてしまった。
「なんだ、結局トラップも…なんていうか、その、そういうこと、したかった…んでしょ?」
付き合ってからたった一度だけ、トラップとしたことはあるんだけど、まだハッキリと言うのに抵抗はあった。
それに、まだ裸にも慣れていない。
この前は…夢中だった…って言うと変かもしれないけど、とにかく、いっぱいいっぱいだったんだよね。
「いちいちうるせぇな。とにかく、ほれ」
そう言うと、わたしにずい、と自分のモノを突き付けてきた。
「な、なに?」
おそるおそる見上げると、トラップの目はギラギラした獣のように見えた。
「夜バナナっつたら…これを口でしごくんだよ」
ええっ!?
く、口でって…。
「顔の肉も、これでちったぁ引き締まるかもしんねぇぜ」
なーんて言われてもなぁ…。
わたし、トラップの…その、アソコって…こんなにじっくり見たことないんだもん。
赤黒いバナナ(っていうのも何か変な話だけど)の先っぽからは、チラチラとヨダレがにじみ出している。
「ほら、垂れてきちまう」
ちょ、ちょっと待ってよぉ。まだ心の準備ってもんが…。
わたしが一人アタフタしていると、トラップは
「ま、おめぇにはダイエットなんて出来ねぇつぅこったな」
なーんて憎まれ口を叩いてきた。
564トラパスE:2009/05/03(日) 23:55:28 ID:CcrH2VBu
「下の口では食えたのに、上の口では食えないですか、そーですか」
ううっ。
付き合っているとはいえ、トラップの毒舌は相変わらずなんだから。
でも、やっぱりここまで言われたら悔しい。えーい、なんとでもなれってんだ!
わたしは意を決して目の前に突き出された棒をパクッとくわえてみた。
「ん……ぅ」
むっとむせかえるような体臭。
な、なんか思ってたよりおっきい…。それに、すっごい熱いし。
思い切って吸ってみると、びくん、とトラップが軽く痙攣した。
「うっ……く、パステル、もっと、舐め…ろ」
トラップが苦しそうにわたしに言った。
え、えと……こんな、感じ?
先っぽをちゅぅっと吸うと、トラップの雫が口の中に広がっていく。甘いような味が、わたしの頭まで突き抜けていって、痺れちゃう。
も、もっと……もっとトラップが…欲しい、欲しいよ…。
刺激するたびにトラップから露がとろりとにじむ。それがなんだか嬉しくって、思いっきり吸い込んだ。
「…ってぇ…。パステル、もちっと、軽く…」
「ほ、ほひぇん…」
「強く吸えばいいってもんじゃねぇ…こう、もうちっと……緩急を…つけて」
ええー?よくわかんないんだけど…。
「も、もっと…奥まで…」
そう言うとトラップはわたしの頭を持ってぐっと棒を押し込んだ。
「んっく!」
ちょ、苦しい!苦しいってば!
手をバタバタさせて抵抗すると、やっと離してくれた。
「げほっ……今、喉まで入ったんだからぁ…」
「へへ……わりぃ」
そう言うと再びわたしの頭を持った。
もぉー、強引だなぁ。
でも、何だか不思議なんだけど。この行為が嫌じゃなくなってきたんだよね…。
最初はトラップが頭を動かしてくれたんだけど、次第に慣れてきたのか、自分から動かせるようになってきた。
舌を竿の裏に軽くあてて顔を前に突き出せば、自然に喉の奥の方まで入ってくる。そうやって出し入れするたびに、トラップは小刻みにびくん!びくん!と反応した。
んー…でもちょっと顎が疲れてきたかも。結構おっきくて口いっぱいに入ってるからきついんだよね。
「……疲れたか?」
わたしの髪を撫でながら優しくトラップは聞いた。
彼のモノをくわえた状態で見上げると、なんだか恥ずかしくなってきちゃった。
口から出すと、びよん、とトラップ自身がしなる。
あれ、こんなにおっきかったっけ…?
思わず見入ってると、「あんまり見んじゃねえ」とぺしっと頭を叩かれてしまった。
「ん…ちょっと…」
そう言うと、トラップは満足そうに笑った。
「な、効きそうだろ?夜バナナ」
「…うん」
そう言うのは恥ずかしかったけど、ほんとに顎がだるくて仕方ないんだもん。
「でも…もちろんこれだけじゃ終わんねぇからな」
そう言うとトラップはベッドの上に座った。
え……てことは…?
トラップを見つめていると、彼はわたしを両手で抱き寄せた。
「座れよ」
え?座るって…。ここかな?
トラップに跨がると、トラップは自分自身を片手で支えながらわたしをその上に座らせた。
「んひゃぁ…んっ」
固くなったトラップ自身が腰を沈めるとぐぐぐっと入ってくる。
「ぁあ…んっ、ぁ、ぁん、ぁぁ」
おっきい、トラップが、トラップが…入ってる!
565トラパスF:2009/05/03(日) 23:56:17 ID:CcrH2VBu
「…今日はおめぇに動いてもらうかんな…くっ」
動いたら、おかしくなっちゃうかも……っ。
そう思いながらも、本能のままに腰が浮く。
すっと抜けるような感覚が刺激と同時に余計に欲しくなって、再び腰が沈んだ。
「ん…くっ、パステル…」
トラップは苦しそうにわたしの腰を掴んで、呼応するように腰を振った。
下から突き上げるように刺されて、腰を浮かせると抜かれるような苦しさに溺れそうで。
息もできないほどなのに、どこまでも求めるように身体は意識とは関係なく動いた。
「パステル……お、おれ、もう……」
そう言うが早いか、トラップが中で精を吐き出した。
「んぁあああぁぁっ……!」
それと同時に、お風呂に入ったようにじゅわっと身体が熱くなった。



「パステル、ちょっと痩せたんじゃない?」
何日か経って、猪鹿亭で食事をしていたわたしにリタが聞いてきた。
「そ、そうかな?」
「顔もちょっとシャープになったみたいじゃない?ねぇ、クレイ」
「え、えーと…そうかもな」
もぉー…クレイったら、絶対、気付いてないな。
えへへ、でもリタの言うとおり、確かに最近痩せたかもしんない。
「でも、パステルはどうやって痩せたんです?最近食事は前よりは減ったみたいですけど」
キットンがパンを頬張りながら聞いてきた。
「えと……それは…」
チラッとトラップの方を向くと、ギロッとわたしを睨んでいた。
もぉ、言えるわけないでしょー?
夜バナナダイエット――…なんて言ったら、男の人はすぐにピンときちゃうよね!
「トラップが運動付き合ってくれてるんだよな?」
ドキッ!
クレイの何気ない一言に、思わず身体が硬直する。
「へぇー、トラップが?珍しー」
リタも話に食いつく。
「ま、これ以上見苦しくなったら困んだろ?」
なーんて、言うんだけど。
でもね、トラップったら、ちょっと体重が減ったときに「…頑張ったな」って言ってくれたんだよね。
それがすごいうれしかったんだー!ふふっ。
「ねぇ、パステル。どうやって痩せたのよ?やり方教えてよ」
「え…っ、そ、それは」
「じゃあ、トラップ。パステルと一緒にあたしも教えてよ」
「ブッ!!」
リタの言葉に、トラップが飲んでいた水を吹き出した。
「うわっ、きったねぇな!トラップ!」
「とりゃっぷ、きっちゃなーい」
「トラップあんちゃん、大丈夫デシか?」


まぁ、リタを含めて…は、やっぱり出来ないけどね。
でも、痩せてからもしばらくこのダイエットは続きそう。
え?リバウンド防止?
まぁ、それもあるんだけど、実は…なんか、病み付きになっちゃったみたいで……へへ。


こうして、わたしとトラップは夜な夜な秘密の『夜バナナダイエット』に励むのだった。




END
566ファーファ:2009/05/03(日) 23:58:42 ID:CcrH2VBu
以上です。
本当はトラップBDネタで書きたかったんですが、間に合いませんでした…。

失礼しました。
567名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 17:45:48 ID:o270vvGj
554です
ファーファさん投下乙でした〜
夜バナナ笑いつつ萌えました
で・最後のオチはトラパスリタの3Pフラグですね、わかりますw
フォーチュンはどんな組み合わせでもしっくり来るから不思議ww
568名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 22:56:44 ID:fcYxmg1d
保守age
みなさんGW明けで忙しいかな?
569名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 00:37:21 ID:SCNbBt6C
>>568
いるよノシ

確かに忙しいけどなんか書きたいなぁ・・・
570名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 01:50:00 ID:YiY81GqZ
保守
571名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 05:25:57 ID:mZn/+JUM
ルーミィ、おなかボッテボテだおう!

フォーチュン読んでるとRPGやりたくなる。
DQ3みたいな職業選んでパーティ組むやつ。
572名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 00:45:43 ID:bnBlopwh
ほしゅ
573名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 08:01:06 ID:cSwHdYKY
自分もRPGやりたくなる
574名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 08:16:40 ID:SJIYY7Ws
自分まさにdq3やり始めた
575名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 00:08:11 ID:g22zb+3C
誰もいないのかなぁ
576名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 09:36:25 ID:/y3M43hJ
おーーーーーーいと叫んでみるテスト
577名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 09:47:25 ID:g22zb+3C
ノシ
578名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 17:52:39 ID:Yla8nqPW
ぉーーーーーーぃ>
579名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 02:41:18 ID:iT1fGP6C
ん?
580名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 22:28:55 ID:V+6mfrCm
何?
581名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 11:51:30 ID:dVYx/l1G
どこのスレも過疎気味だ
このとこ規制まみれだったのねん
582名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 17:11:01 ID:pyxMHN40
寂しいね
583名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 16:47:59 ID:uBtv0wJ8
元々過疎スレだけど、一時期賑わってたのになぁ…。
容量も中途半端だし、次スレになったら投下くるかな?
584名無しさん@ピンキー
現在、長期にわたって全規制の影響を受けている職人の皆様。
ただいま、こちらのスレ(したらば・エロパロ避難所)に置いて代理投下の以来が行えます。

書き込み代行スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1060777955/

投下して欲しいスレの名前とアドレスを張り、その後、作品を書き込めば有志のかたがそのスレに作者の代理として投下いたします。
(数日ほど、時間が空くことがあります。できれば、こちらに書き込める方、積極的に代理投下のチェックをお願いします)