スレ立て乙であります
月並みだがスレ立て乙
6 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 17:18:35 ID:8M1/tq0q
甲
>>1 乙
前スレ
>>638 GJ。
クリスマス・イヴでちょっとフイタw
投下おつかれさまです。
9 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 19:25:50 ID:2oJtBHqU
12 :
rmy:2008/08/17(日) 16:46:35 ID:ue85Py8E
遅くなりましたが前スレのリト唯話にコメントくれた方々、ありがとうございます
自分の中でリトと唯が成長していっているので、
皆さんのイメージとのズレは出ちゃってるかもしれないですね
SSは本当に難しい・・・このリト唯話もそろそろ潮時かな、なんて考えたりしてます
ただ、今のままじゃキリが悪いので、少なくとももう一話は書くつもりでいます
もし良かったら読んでやってください
なんて書き込みつつ、ふと思いついてリト御門の短編も書いてたりしますw
もしかしたら今夜行けるかも・・・な感じです、短いんで
ではでは
>>12 キャラに対してのイメージは皆それぞれ違うのでズレは仕方ないと思いますよ。
リト御門は数が少ないので期待してます。
潮時なんて・・・そんな悲しいこと言わないでよ・・・GJ
rmyさん 新スレのお祝い&景気づけに一発ということで
たのんます。
>>12 「リトと唯」書いてるものですけど
rmyさん。確かにSSとくに原作ありきのSSは本当に難しいと思います
すでにキャラのできあがってるものをいかに”エロパロ”に持っていくのか…
特にリトなんかは一番キャラを崩さないとダメだし(エロシーンとか)他だってそうです
だからこそ、書き手の持ち味というか個性が生かされるんじゃないんでしょうか?
キャラに忠実なのも大事な事かもしれません。でもここは”エロパロ”なわけで、
書き手の書く”もう一つの話し”をみんな読みに来てるわけです
イメージとのズレが気になるのなら逆のその事を参考に次に繋げてはどうでしょう?
もちろん持ち味を崩さずなんですが、それが難しいんですよね……
長くなりましたが、これからも書いてほしいです…。
あと俺も「夏祭り」のSS書き上がりましたが、rmyさんが投下するという事で、少し期間開けて投下します
17 :
rmy:2008/08/18(月) 08:23:47 ID:Wbr3QVGz
なんか皆さんに励ましていただいているっ!
ホントありがとうございます
しっかり納得のいく形でリト唯話を完成させられるよう、これからも頑張ります
>>16 「リトと唯」さん
貴重なご意見ありがとうございます
同じ書き手の方からの言葉はすごく励みになります
実は急な予定変更があって、リト御門話はまだ未完成なのです、ごめんなさい
なんで「リトと唯」さん、書き上げられたのなら投下しちゃってください
楽しみにされている方がいると思いますし、自分も楽しみです
ではでは、朝から長くなり失礼しました
花火大会のあと、夜遅くなったということで
美柑の提案でヤミは結城家で一泊することに
翌朝
「ヤミさん!これから私たちと一緒に住まない?」
美柑の問いかけに、ヤミは
「それはできません。迷惑をかけます」
「そんなことないよ。だってヤミさんずっと一人なんでしょ?私も一人の寂しさを知っているし・・・」
「私も賛成!一人でも多いほうが楽しいよ!」
美柑にララが続く
「結城リトはいいのですか?」
「えっ、っ!?いいんじゃないかなぁー。美柑とララ、それにヤミがよければ」
突然のフリに驚きながらも冷静に答えるリト
「お人よしですね」
「なんで?」
「あなたは私の標的ですよ?いつ始末されてもおかしくないのですよ?」
強い口調にリトは黙ってしまう
「うぅ・・・」
(少し、言い過ぎましたか・・・)
ヤミが下方修正案を出す
「しかし、始末するのは先になりそうです。美柑やプリンセス、たくさんの友人が悲しみますから」
「そ、そう。よかったぁ」
ほっとした表情のリト
「それじゃぁヤミさん・・・」
「はい。美柑、プリンセス・・・ついでに結城リト。ここでお世話になります」
ヤミはこれからも宜しくお願いしますと頭を下げた
(なんでオレだけついで・・・)
前スレの
>>621 に影響されて書きました。初めて書きました。我ながら酷い出来だと思います
ええぇ?もう終わり?
どうせならもうちょい考えてから投下して欲しかった
偉そうでごめんなさい
コテ会話きも自分語りがまかり通るスレだろ?
君ら新人には手厳しいのう…
>>18がコテの人だったらGJ連発するんだろうなぁ。
創作能力のない俺は楽しみに待ってるよ。
>>22 「俺こういう理由でSS書くのやめようと思うんだけど」
「考えすぎじゃない?まあ確かにSSって難しいけどね」
つもりこういう会話だろ?別におかしくないぞ?
>>23 誰もいうわけないだろw
あの内容でどんなGJ連発あるだよ!バカw
ヤミが結城家に居候をして数日後の夏休み。
(なぜ私は今ここにいるのでしょうか・・・昔の私なら同居なんて承諾していないはずなのに・・・)
とヤミはここ数日、何度か考えてしまう
「結城リト、起きてください」
リトの部屋のドア越しに何度か呼びかける。しかし返事の無いリト
「これ以上返事をしないと斬りますよ」
脅しをかけるが、これでも返事は無い
(部屋に入ってもいいのでしょうか・・・?)
なぜか少し赤くなるヤミ
「へ、部屋に入りますよ・・・結城リト・・・」
ためらいながらも部屋に入る
(意外と普通の部屋ですね・・・)
何を想像してのか知らないが、ヤミは落ち着きを取り戻す
「結城リト、起きてください」
「う、うーん。ってヤミ!?美柑たちはどうしたの?」
(おはようぐらい言わないのですか)
あいさつをしないリトにむっとしながらもヤミは
「今日は2人ともいません。美柑は友達の家に泊まって、プリンセスは1日用事があるようです」
「それじゃ今日は俺たち2人だけかぁ」
「不服ですか。私と2人きりじゃ」
するどい言葉に、リトはあわてて
「そんなことないって(汗)」
>>25は
>>18の地上最低作品の続きです。
この後もずうずうしく引き続き投下します
ヤミとリトは特に会話をしないまま夕方になった。先に口を開いたのはリトで
「なぁヤミ、夕食はコンビニの弁当でいいかな?」
「駄目です。体に悪いです」
意外なヤミの知識に
(へーよくそんなこと知っているな。そーか本をたくさん読んでいるからか)
リトは感心するがあることに気づく
「じゃぁ今日はヤミが作るのか?」
「そうです。美柑から少し教わりましたから」
もう食材はそろってあるとかなんとか。ヤミは調理を始める
「オレも手伝うか・・・?」
「いいです。足引っ張ってしまうと迷惑ですから」
リトはしゅんと落ち込んで、上の部屋に戻る
しかし、ヤミは
(なんでこんなことを言ってしまったのでしょうか・・・)
と後悔
ヤミは途中、指を誤って切ってしまうなどなかなかうまくいかないが、
あんなことを言ってしまった為、手伝いを頼むことができない
(わたくしって不器用なんですね・・・)
半ば諦めるように悟った
夕食の完成が遅いことに心配しリトが2階から降りてきた
「おーい、ヤミ大丈夫か」
すでに完成していたらしい
「今、呼びに行こうと思ったところです」
ヤミが作っていたのはハンバーグであるが、多少形がおかしい。それに気づいたのかリトがすぐに
「おお、うまそうじゃん」
とすかさずフォロー
ヤミも美柑が作ったときのハンバーグを知っているのだろうか、恥ずかしさのあまり
「ちょっと上で休みます。疲れました」
「お、おいヤミ食べないのか?」
ヤミは無言で自分の部屋に戻ってしまう。
(足引っ張るからとか言って手伝いを拒否したのに・・・なんですかアレは)
顔が赤くなっているというより、青ざめている
リトがどんな酷評をするのか不安なのである。しかしヤミは部屋を出て一階へ
(どんな感想を述べるのでしょうか・・・?)
ヤミがこっそりと見ていることを、知ってかしらずかリトは
「形はちょっと変だけど、味はうまいなー」
(よかった・・・)
ヤミはほっとした表情で、何事も無かったかのように食卓へ戻る
「形はアレですけど、味はどうですか・・・?」
もう一度言ってもらいたくて、尋ねる
「うまいよ。おいしい。ヤミも食べてみなよ」
リトの笑顔に答えるようにヤミもハンバーグを一口食べる
「確かにおいしいですね」
ヤミはなぜ自分が恥ずかしがっているのかわからなかったが、そう答えた
終わりです。感想をくれると幸いです。
次はどうなるかわかりませんが、最終的にはエロに運んでいきたいですね
「確かにおいしいですね」
ヤミたん(*´д`*)ハアハア
>>29 ヤミたんかわいいよ!!続きが気になる!エロまであるとかもうね(;´Д`)ハァハァ
>地上最低作品の続きです。
この後もずうずうしく引き続き投下します
だけど、これは余計だと思いますよ。俺たちは”地上最低の作品”を読んでるわけじゃなくて、
あなたの作品を読んでるわけです。もっと自分のSSに自信を持ってください。俺も人のこといえませんが…
前スレ
>>577さんのリクエスト「夏祭り」編を投下します
ナナとモモの活躍によりラコスポとランジェラを撃退したリト一行
屋上で互いの無事を確認するも束の間、その場の勢いで再び祭りに行こうと言い始める
ララ達の輪の中で、リトは一人、フェンスにもたれながらぐで〜っと伸びていた
「どーしたの? リト」
「あの人混みの中どんだけ走らされたと思ってんだよ。もうヘトヘトだぜ…」
「オヤジくさいよリト」
「うっせー」
美柑の揶揄にもいつもの調子がでない
「じゃあリトはここで休んでてよ! 私達でもうちょっと遊んでくるから!! 唯も一緒に来るよね? ね?」
「え…」
祭りに一人遅れてやって来た唯。突然の事態に事情もわからないまま置き去りにされ
やっと事情を呑み込めたと思ったら、今度は祭りの誘い
「わ、私は…」
相変わらずなララのペースに返答に困っている様子な唯に、リトは助け船を出す
「行ってこいよ! だってお前、全然、祭りまわってねーじゃん! せっかくの祭りなのにもったいないって!」
「そうだよ! 行こうよ唯」
「え…ええ。…で、でも結城くんはどうするのよ?」
「オレ? オレなら別に気にしなくたって平気だって! ここで休んだらそっちに行くからさ」
涼しそうな顔でそう振る舞うも、あきらかにリトの顔には疲労感が滲み出ている
「唯!」
背中を後押しするようなララの笑顔と、そんなリトの横顔を交互に見ながら、考える事十数秒
唯の出した答えは────
「ホントによかったのか? オレなら気にする事なんかなかったのに」
「い、いいでしょ別に! それに! 彩南高一の問題児であるあなたを一人にしとくと
何するかわかったもんじゃないからねっ! これは風紀委員として当然よ!!」
「あはは…」
未だに唯の中の自分の扱いが問題児事に、リトは軽くショックを受けた
屋上のフェンスにもたれながら待つ事、数十分
「おせーなァ。ララ達…」
「そうね…」
いっこうに戻ってくる気配のないララ達にリトは溜め息を吐いた
「大丈夫かしら…。また襲われてたりしたら…」
「ん〜…ヤミもいるしそれは大丈夫だと思うけどな……よし!」
リトはフェンスから背中を離すと、隣にいる唯に顔を向けた
「オレ達も祭りに戻ろっか? ララ達を探しに」
「え? 大丈夫なの? 結城くん」
「ああ。もう平気だって! それにせっかくの祭りなんだしこんなトコで腐ってるワケにはいかねーだろ?」
さっきまでの元気のなさがウソの様なリトの笑顔に、心配でいっぱいだった唯の顔が晴れわたっていく
「古手川はどーする? その…よかったらオレとまわらねー?」
「え? 結城くんと?」
「あ、いや! 古手川も祭りに行くんなら一人より二人のほうがいいかなって思ってさ」
少し慌てた素振りで話すリトに、顔をしかめるも、今度こそ唯は首をコクンと縦に振った
「し、仕方ないわね! あなた一人じゃなにかあると大変だし、私もいくわ!」
「じゃあ決まりだな!!」
本当にうれしそうに満面の笑みを浮かべるリトに、唯はぷいっと顔を逸らしたのだった
「にしてもララのヤツ、どこ行ったんだ…」
「西連寺さんもいるから大丈夫だとは思うけど、心配ね」
リトの隣を歩きながらそう相槌を打つも、唯の表情はどこか複雑なものになっている
「だよなァ。まーララの事だから大したことにはなってねーと思うけどな」
「……」
唯のほっぺが知らず知らずの内にぷくぅと膨らむ
「たぶん食いモノのトコにでもいるんじゃねーかなァ。そっち行ってみよっか?」
「…え…ええ」
いつの間にか唯の口はすっかり尖っている。そして、唯はムッとした顔のまま下を向いた
(何よ結城くん! さっきからずっとララさんの事ばっかり)
あれだけの騒ぎがあったのだから心配になるのは当たり前だし、自分だってクラスメイトとして、
友達として、ララ達の身を案じるのは当然だ
当然なのだが────
(だ、だからってもうちょっと……もう…ちょっと……)
二人だけの時間を楽しんでくれたっていいじゃない────!!
唯はチラリとリトの横顔を見ながらそんな事を思っていた
けれど同時に、リトにはそんな事が出来ない事もわかっていた
お人よしで、やさしくて、気持ちのいいほどに不器用で、思わず殴りたくなるほど鈍感で
いろんなリトに会って、いろんなリトに触れて、そうして辿り着いた答えは
”そんな結城くんが好き”だということ
好きだという気持ちと、誰かさんへの淡い嫉妬でもやもやしている時
ぐぅ〜〜〜っとすぐ隣からいかにもお腹が空きましたと告げる腹の虫が鳴りだす
「あ…あははは……食べ物の話ししてたらお腹空いたみたいだな」
恥ずかしそうに苦笑いを浮かべるリトに唯はふんと腕を組みながらそっぽを向ける
「こんな時ぐらいもっと緊張感持ちなさいよね…! あきれるわ!」
「し、仕方ねーだろ! オレだって好きでこんな…」
ぐぅ〜〜〜!!
「うぅ…」
再び鳴りだす腹の虫にリトの声が消えていく
「……はぁ〜。それでどうするの?」
「どうするって?」
「この後よ! ララさん達を探すの? それとも…」
唯の視線が広場に並ぶ露店へと向けられる
その視線に何を感じたのか、リトのお腹がまた鳴りだす
「と、とりあえずなんか食いに行くか! もう一人のヤツもやっつけたって言ってるし、ちょっとぐらい大丈夫だろ」
ぎこちない笑みを浮かべるリトのお腹は、早く食わせろと急かす様に鳴り続けている
それに唯は小さく苦笑すると、リトの隣に並び露天へと足を向けた
こうして、二人だけの夏祭りが始まった
「おぉー! うまそーだなァ!! 古手川も食べる?」
くるっと後ろを振り返ったリトを出迎えたのは、リトの斜め後ろで腕を組みながらまだムスッとした顔の唯
「……私は別にいいわよ…」
「そっか。じゃあおっちゃん一つ!」
たこ焼きを待ってる間、リトはチラリと唯の横顔を覗き見た
(……古手川のヤツ、なんか怒ってる? オレなんかしたっけ……)
小首を傾げていると、おいしそうな匂いがリトの鼻を刺激する
「うわ! うまそー!」
逸る気持ちを抑えきれずに、早速たこ焼きを口に運ぶリト
その隣で唯は、そんなリトを複雑な気持ちで見ていた
(もぉ…結城くん、もうちょっとぐらい私の事…)
なんて思っていると、唯のお腹の虫が可愛い音を奏でた
「へ?」
「あっ」
慌ててお腹を押さえながら顔を背ける唯
「古手川?」
「ち、違っ…これはそういうのじゃなくて私はっ」
顔を赤くさせながら腕をぶんぶん振って全否定を繰り返す唯に、リトはニカっと笑みを浮かべた
「なんだよ! お腹すいてるならすいてるって言えばいいじゃん! ホラ、オレの食えよ?」
「え…ぁ」
「一緒に食べよーぜ! な?」
自分だけに向けられるその笑顔も気になったが、一番はやっぱり
(ぃ…一緒に…とか…)
差し出されたたこ焼きとリトの顔を交互に見つめながら、唯の顔はみるみると赤くなっていく
「早く食わねーと冷たくなっちゃうぜ?」
「…ぇ、じゃ、じゃあ…ぃ…ただきます…」
ぼそぼそと小声で話す唯に、リトは首を傾げながらも添えられている爪楊枝を唯に渡した
「フ〜フ〜」
と、何度も熱々のたこ焼きに息を吹きかける唯
「……」
「フ〜フ〜…ん…んく、熱ッ!」
「…古手川ってさ」
「ん? 何?」
「ひょっとしてネコ舌?」
ドキーーン!! と、唯の胸が警笛を鳴らす
「い、い、い、イイでしょ別にっ!! 舌がヤケドしたらどーするのよ!?」
「い…いや、そりゃそーだけどさ…。で、舌大丈夫なのか? なんか飲み物買ってこよーか?」
唯は戸惑う様に視線を彷徨わせた後、小さな舌をチロッと出すと、少し涙目になりながら舌を指で指した
「ちょ…ちょっとヤケドしちゃったみたい…かな」
見ると、確かに舌の先っぽが赤くなっていて…………リトの目が大きくなる
「って、なんですぐ言わねーんだよ!! 待ってろ! なんか冷たいもの買ってくるから!」
「え? ちょっと待っ…」
言い終わるよりも早く、猛ダッシュで人ゴミの中に消えていったリトの背中を唯は、ボーっと眺めていた
「そんな大げさにしなくても…」
なんて言ってしまうが、リトの慌てた顔や、走って買いに行ってくれるその後ろ姿に、
どうしようもなく胸がドキドキと高鳴る
(優しい…結城くん)
リトのやさしさに触れたのはこれで何度目なのか
いつもハレンチで問題ばかり起こすクセに
たまにどうしようもなく優しくなったり…カッコよくなったり…
宇宙人に攫われた時も、ゲームの世界に行った時も
教室で、コンビニの前で、そして、雨の中、公園で────
(結城くんってやっぱり…)
『古手川』
そう自分の名前を呼びながら笑顔を浮かべるリトの顔に、唯のホッペはリンゴあめの様に赤く染まる
(って私、何考えてるのよ!? ハレンチな!!)
一人ポカポカと頭を叩く唯の元に、息を切らせながらリトが戻ってきた
「お待たせ! って何やってんだ? おまえ…」
「あ…」
頭を叩く体勢のまま固まる唯
「よくわかんねーけど…ホラ、ジュース! オレンジジュースでよかった?」
「……ぇ…ええ! あ、ありがと」
唯は恥ずかしさを誤魔化すかの様にリトの手からジュースを受け取ると、急いで喉に流し込む
白い喉をコクコクと言わせながらどんどん中身の減っていく紙コップに、リトは心配そうに顔をくもらせた
「…ホントに大丈夫なのかよ? ヤケド」
「う、うん。もう平気! ぁ…ありがと…」
「そっか…? でもマジで焦ったよ! だって舌ヤケドしたらウマイもの食べれないもんなァ」
そう言いうとリトは、舌を出しながらニッと笑った
「…ッ…!!?」
瞬間、自分の胸がそれこそヤケドしたのではないかと思うほど熱くなるのを
感じると、唯は慌ててリトから視線を逸らした
「……ッ!!?」
「古手川?」
「…ッ…!」
真っ赤に染まったままの唯の横顔をリトはジッと見つめた
その視線だけで唯の顔はますます紅潮していく
「…やっぱまだヒリヒリするんじゃねーのか? 舌」
「違…そうじゃなくて…」
リトに視線を合わせられないどころか、まともに正面すら向けない
(もう…何やってるのよ私はっ!! これじゃまるで…)
ジッと見つめるその視線が熱い矢となって、キュンキュンと胸を射抜いていく
もちろんリトにそんな気はないのだが
「ぅ…うぅ…」
リトへの気持ちに気付いてからというもの、毎日、リトを想っては悶々としている唯
今日だって
いつもより長めにお風呂に入り、いつも以上に髪の手入れに時間をかけ、この日のために買った浴衣に袖を通し
そして、選びに選んだ髪留めで髪をセットして────
急に体をもじもじさせる唯にリトは眉を寄せた
(やっぱ、古手川ってよくわかんねー…)
結局、満足にたこ焼きを食べられなかった唯を連れて、リトは再び露店の前に戻って来た
「ん〜古手川がネコ舌となると……やっぱ冷たいモノとかの方がいいよな…じゃー…」
リトは一旦立ち止まると、顔をくるっと唯に向けた
「カキ氷でも食べる? 冷たいし、それに甘くておいしいじゃん!」
「ぅ…うん」
甘いモノ好きな唯にとってカキ氷の魅力は十分すぎるほどだったが、今はそれ以上にリトという
存在が眩しすぎるほど大きく感じる
まだ、さきほどの余韻が残っていたのだ
胸がキューっと締め付けられて顔がずっと熱い
「ひょっとしてカキ氷嫌いとか? 別のにする? 向こうにいったら…」
様子のおかしい唯を怪訝に思ったのか、気を利かせたのであろうリトの言葉に唯は全力で首を横に振った
「ち、違うわ! 好きよカキ氷!! だからその、心配とかしないでっ」
「ホントにいいのか? じゃー何にする? いろいろあるから好きな味選べよ」
「え…えっと……じゃー…イ、イチゴ味で…」
「OK! じゃーオレは……ブルーハワイかな! おっちゃん、イチゴ一つとブルーハワイ一つ!」
カキ氷を待っている間。唯はリトの後ろ姿をジッと眺めていた
二人っきりの状況
それに、今日は夏祭り
浴衣姿の自分と、その隣には好きな人がいて
ここにきて唯は要約気付いた
(こ、これってもしかしてデ、デ、デートなんじゃ…)
『古手川』
『な、何よ?』
"いつかの時"と同じ、顔をなんだかキラキラと輝かせながら迫るリトに、唯は息を呑む
『今日は、いつも以上にかわいいと思ったら素敵な浴衣を着てきたんだ! オレのため?』
『ち、ち、ち、違うわ! こ、これは別に普通の浴衣よ! ど、どうして私が結城くんのためにそんな事…』
顔を真っ赤にさせながら身を捩る唯の頭にリトはポンと手を乗せる
『この髪留めも』
『え…』
『とっても素敵だよ! 唯』
『ちょ、ちょっと! な、馴れ馴れしく下の名前で…』
『唯』
『…だ…だから…』
『唯』
『…ぅ…う』
と、想像の世界がピークを迎えていた時、現実のリトの声が唯を呼び戻す
「古手川!!」
「は、はい!!」
ビクンと体を震えさせながら大声で返事をする唯にリトは眉を寄せた
「いや…カキ氷できたんだけど…?」
目をパチパチさせる唯の目の前には、カキ氷の入ったカップを二つ持つリトの姿
祭りの提灯よりも顔を赤くさせた唯は、大急ぎでリトからカキ氷を受け取った
(なんか……今日の古手川へん…だよなァ。うまく言えないけど…)
ぼけっと見つめる視線の先には、恥ずかしさを誤魔化す様に、カキ氷を口に運ぶ唯の姿がある
「ま、いっか」
細かい事よりも今は祭りとカキ氷が大事
リトはスプーン状に先を丸めたストローでサクサク氷を崩していった
「やっぱ、祭りと言えばカキ氷かたこ焼きだよなァ! 古手川はなんかほかに食べたいものある?」
「わ、私はもうお腹いっぱい! これ以上はムリよ!」
「そっか。にしても、古手川のカキ氷うまそうだな! ちょっともらってもいい?」
「え? ええ。いいわよ」
カキ氷を差し出すよりも早くリトの顔が唯に近づく
その距離わずか数センチ
唯の白い喉がコクンと音を立てる
「イチゴとブルーハワイ、どっちにしようか迷ったんだよなー! オレも好きだからさ、イチゴ味!」
ニカっと子供のような無邪気な笑みを浮かべるリトに唯の鼓動がどんどん早くなる
(ち、近い! 結城くんの顔近すぎるっ!!)
こんなに急接近したのはいつぶりなのか、あの雨の中の公園を思い出し、唯の
顔はいよいよ沸騰寸前まで赤くなっていく
「ん? 古手川も食べる? ブルーハワイ! すげーうまいぜ!!」
目の前のカキ氷よりもその屈託のない笑顔から目が離せない
彫像のように固まる事、たっぷり十数秒
ようやく動いた唯だったが、その顔はいつもの毅然としたものとは掛け離れていた
(う〜ん。やっぱいつもと違うんだよなァ。ひょっとして古手川も祭りが好き
で、いつもよりテンションが上がってるとか?)
的外れな解釈をしてしまうリトと、すっかり恋する女の子モードに突入した唯
そんな二人だけの夏祭りはまだ続く
「なんかさっきよりも人、多くなってないか?」
「うん…。いろいろ騒ぎがあったからじゃない?」
「だよな」
気のない返事を返すリトの隣で、唯は顔をしかめた
(もう! いい加減落ち着きなさいよっ!! 結城くんといるだけじゃない! そうよ結城くんと一緒にいるだけじゃない!!)
"一緒に"
その単語に、唯の胸はまたドキンと音を立てる
(うぅ…これじゃあ逆効果じゃない! 何やってるのよ私は…)
なんて頭を抱え込みたくなる状況に拍車をかける出来事がこの後起こってしまう
「よお! そこのお熱いカップルの二人!!」
「へ?」
「カ、カップル!?」
と、素っ頓狂な声を上げながら、金魚すくい屋の前で立ち止まる二人
「かわいいカノジョにいいトコ見せてみないかい?」
突然カップルだ彼女だと言いだす露店のオヤジに早速唯は噛み付いてしまう
「ちょ、ちょっとおじさんっ!! 何わけわかんない事言ってんのよ!!」
「おや? 違ったのかい? オレぁってきり…まあいいや! それよりどーだい? いっちょやっていかないかい?」
どこか挑戦的な眼差しを向ける露店のオヤジに、リトの目がキュピーンと輝く
「…いいぜ! じゃあ一回!」
「ちょ…ちょっと結城くん! 私たち別に付き合ってるわけじゃ…」
「ん? まーそーだけどさ。得意なんだ! こーゆーヤツ! だからうまくいったら古手川にあげようって思ってさ」
「え…」
「ま、そーゆーワケでそこで見とけって! な?」
腕を捲りながら意気揚々と"ポイ"を水面に近づけるリトの横顔を唯はジッと見つめた
いつもの優しい眼差しとは違うすごく真剣な目
(こ、こういう時だけマジメになるんだから! ホント…)
なんてぼやきながらも唯の視線はリトから離れることはなかった
「おぉー! すげーじゃねーかカレシ! ホラよ! オレのお気に入りの特別なヤツだ!! もってけ!」
「サンキューおっちゃん!」
その腕前を遺憾無く発揮したリトは、オヤジから金魚を受け取ると、早速、唯に渡した
「ホラ! 古手川にやるよ!」
「え? わ、私に?」
「おまえにあげるって言ったろ?」
「そ、そうだけど…」
水の入ったビニールの袋の中では、キレイな尾びれを靡かせながら赤い金魚が優雅に泳いでいる
「ホ、ホントにいいの? だって…」
「いいんだって! だって古手川のためにがんばったんだぜ?」
「う…うん」
私のために────その想いを噛み締めながら受け取る唯を露店のオヤジはニヤニヤと眺めていた
「いや〜青春っていいやねぇ〜」
そして金魚屋を後にした二人はというと
「古手川! 次アレ! アレやってみようぜ!!」
「え? ちょ…ちょっと結城く…もう! ホントに落ち着きないんだからっ!!」
なんてホッペを膨らませるも、笑顔輝くリトにいつもの堅い表情もすぐにやわらかくなってしまう
「いや〜すごいね! にいちゃん! ホラ、持ってきなっ!!」
「あはははは」
射的屋で大量の景品を手に誇らしげに笑うリトに、開いた口が塞がらなくなる唯
「……な、なんというか…ホントにムダな才能だわ…。あれぐらい勉強も集中すればもっと…」
「ぷはぁ〜! やっぱ祭りと言えばラムネだよなー!! サンキュー古手川!!」
「うん」
リトから飲み掛けのラムネを受け取った唯は、自分もそれを口にしようとしてふと気付いてしまう
(ちょ、ちょっと待って! こ、これってもしかして間接キ…キ…)
ラムネを飲む途中で固まっている唯に、リトは不思議そうな顔を向ける
「古手川? 何やってんだ?」
(そうよ! そ、それに私も一回は口をつけてるんだから結城くんも…)
「古手川?」
(…ど、どうすればいいの? キ、キスとかそんなハレンチなこと…)
ラムネを手に一人固まる唯は、すでに別の世界へと飛んでいた
ビニール袋を提灯の灯りに照らしながら、金魚をうっとりと眺めている唯
優雅に泳いでいる赤の金魚。ありきたりな種類なのかもしれないが、見ているだけで心が躍る
だってそれはリトからのプレゼントなのだから
「名前…何にしよう…」
小さく呟きながらも、唯の中ではすでに名前が決まっていたりしていた
「うまいよなー!」
香ばしい匂いのする焼きトウモロコシを頬張りながら、リトは声を弾ませた
「あなたさっきから食べてばっかりね…」
「へ? そうか? だってせっかくの祭りだろ? この時しか食えねーのばっかだし、それにうまいじゃん!」
「まあ…そうだけど」
子供の様に歯を見せて笑うリトに唯は相づちを打ちながらも、ふぃっと顔を背けた
「でも、古手川だって人のこと言えないだろ?」
「え?」
「それ」
唯の手には、リトから貰った金魚にヨーヨー、そして、わたがしが大事そうに握られている
おまけにさっきのラムネまで捨てずに持っていて、唯は思わず顔を赤くさせた
「べ、別にいいでしょ!! 私の勝手じゃない!!」
カランとビー玉の音を立てながらも決して捨てようとしない唯に、ただただ不思議そうに
腕を組みながら首をかしげるリトだった
そして、祭も後半に差しかかった頃
「なんか人さっきよりもすごくないか?」
「う、うん。花火も終わったし、みんなお祭りに戻って来てるのよ」
ギュウギュウづめの中を進むリトと唯
次第に開きつつあるリトとの距離を必死に詰めようと、唯はリトの背中に付いていく
「ん…んん、結城く…ん!」
リトの手を掴む寸前、伸ばした手を引っ込めてしまう唯
『古手川、こっちだ!』
なんて言って手を繋いでほしいな
そんな淡い想いを抱きながら、唯はキュッと手を握りしめた
人の波はますます大きくなっていく
当然、背の高い人もいるわけで、高校生にしては背の低いリトの姿がふいに唯の視界から消えた
「え…」
思わずその場で立ち止まってしまう唯
キョロキョロと周りを見渡してもリトの姿は見えない
そればかりか、唯自身、人の波にのまれどこかに押し出されそうになってしまう
「ゆ…結城…くん」
一瞬見えたリトの姿にドンっと肩をぶつけられよろめきながらも、唯は一生懸命手を伸ばした
「結城く…ん」
愛しい人の名前と共に伸ばした手は、宙を彷徨う
それでも唯は必至に手を伸ばし続けた
いつかの様に、いつもの様に、きっとこの手を掴んでくれると信じているから
「ん…んん、結城…くんっ」
白い手は何度も宙を切り、やがて────
「古手川!」
「あ…」
人ごみを掻き分けて、息を切らせながらもこの手を掴んでくれたリトに、唯は思わず顔をほころばせた
「大丈夫か?」
「う…うん!」
「よかった! じゃあこっち」
「うん!」
コンビニの前で
雨の中
いつも自分を助けてくれる、そのぬくもりを唯はキュッと握り返す
(……また手、繋いじゃった…)
少し前を行くリトの背中を見つめながら、いつの間にか唯のホッペは真っ赤に染まっていた
「ふぅ〜。ここまでくれば平気だろ?」
「そ…そうね」
二人は今、祭会場から少し離れた場所へとやってきていた
周りには人はあまりいない
そんな中、隣同士、並んで座る二人
(二人っきり…二人っきり…二人っきり…)
お尻の下の石畳の冷たい感触に反比例するかのように、唯の心拍数がどんどん上がっていく
(ど、ど、どうしたら…何話せばいいのよっ!?)
いつもと同じようにすればいいだけの話しなのだが
今の唯にそんな余裕は微塵もない
リトへの想いに気付いたその時から、唯の頭の中には常にリトがいて
『古手川、大丈夫か?』
さっき手を握ってくれた情景が頭の中に鮮明に再生されていく
(な、何考えてるのよ!? こんな時にっ!!)
また一人頭をポカポカさせる唯とそれを不思議そうに見つめるリトの目が合う
「何やってんだ? おまえ…今日なんか変だぞ?」
「ぅ…う」
いつもの調子がまるで出ない。そればかりか頭から湯気が出そうなほど顔が火照ってどうにかなっちゃいそうだ
(やっぱ古手川も祭りとなると、いろいろ変わるんだなァ)
見当違いの答えを導きだして一人納得してしまうリトの顔も、今の唯に
とったら眩しすぎてとても真正面からなんて見られない
それからしばらく、無言の時間だけが流れた
両腕を少し後ろに付きながら、ぼんやりと空を見上げていたリトの口が小さく開かれる
「にしても結局、花火見れなかったよなァ」
「…うん」
見上げる満天の星空は、それはそれでいてとてもキレイなのだが、今はそれが無性に寂しく思える
(…見たかったな……花火…)
チラリと横目でリトの横顔を見ながら、唯は心の中でそう呟いた
別に二人っきりで見られるだなんて思っていなかった
ただ、同じ花火を一緒に見られるだけでよかった
「……」
「ん〜今年はもう……あ! そうだ! アレがあったんだ!! 忘れてたっ」
リトはピョンっと立ち上がると、ポケットの中から何やら取り出し始める
「結城くん?」
「ちょっと待っててくれ! 確か……あ! あったあった! コレだコレ!!」
リトが取り出したのは、数本の細長い紙縒りの束だった
「何んなのソレ?」
「へへ、さっき射的やった時に貰ったんだけど、線香花火! まあ、花火にしちゃショボイけどな」
少し苦笑いぎみのリトに唯はふっと表情をやわらげた
「そんな事ないわ! 好きよ線香花火! どうする? ここでする? あまり人もいないし…」
思った以上の唯の反応に、リトは思わず顔をほころばすと、コクンと首を振った
夏の夜の虫の音色に混じってパチパチと花火が音を奏でる
「キレイね」
「そだな。…っと、ああ! また落としちまった!」
灯りの消えた線香花火を手にガックリと肩を落とすリトに、唯は苦笑交じりに溜め息を吐く
「もう。あなたこれで何回目なのよ? 私なんてまだ一回も落としてないのよ?」
「だよなァ…。なんかコツでもあるのか?」
「ん〜コツと言うか……あまり揺らさない様に上の方を持っちゃダメとか…
あとはなるべく、風に当てないようにとか…」
「上の方を持っちゃダメなのか…よし!」
一つ気合いを入れて、再び挑もうとするリトに、唯は釘を射すように目を細めた
「結城くん。長く持たせる事も大事だけど、ちゃんと線香花火を楽しまなきゃダメよ?」
「楽しむ? 楽しむって?」
「線香花火はね。"牡丹""松葉""柳""ちり菊"と言って、火が灯ってから
落ちる時までそれぞれ名前が付いてるのよ?」
「へ〜」
「私、線香花火って好き! 繊細で儚くて、だけどちゃんと芯があってキレイで…とっても素敵だと思うわ」
花火の灯りに照らされた唯の顔は、これまでリトが見たどの時よりも一番やわらかく見えた
(古手川ってこんな…)
「まあ線香花火のことなんて意外と知られてないけどね!」
「…で、でもさすがだよな?」
「何が?」
「やっぱ古手川ってすげーって思ってさ!」
「そ、そんな事……だいたいこんなの知ってたってすごくもなんとも…」
顔をぷいっと逸らすが、線香花火の光が唯の頬を赤く染め上げる
「そんな事ねーって! だって古手川っていつも難しい本読んでるじゃん! オレなんか
分厚いのとか見ただけでクラクラしてくるのに…」
「……」
「オレからしたらそれだけもすげーって思うけどな! いつもマジメだし、風紀活動とかガンバってるしさ!!」
「…ぁ…」
"マジメ"
いつも、誰からも言われ続けたその言葉を、結城くんにだけは言ってほしくない
唯はそう思った
「…マ…マジメじゃないわ……」
「へ?」
「…わ…私だって…」
「え?」
「…私だって…普通の女の子なのよ? 結城くん…」
「え…」
花火の淡い光に照らされながら、二人の視線が交わる
が、唯はすぐに俯いてその表情を隠してしまう
長い前髪が前に掛かり、リトの視界からその顔が見えなくなってしまう
俯く前に一瞬見えた唯の表情に、リトはなんとも言えない気持ちを胸に抱いた
赤くなった頬に、どこか何か期待しているかの様な瞳
それはいつか見た時と似ているとリトは思った
夕暮れの誰もいない二人っきりの教室
『責任…取ってくれるとでも言うの…?』
夕日に照らされながら、唯はそう言った
期待と不安、両方を宿した瞳で
「古手…川」
リトのその声には何が宿っていたのか
言い終わると同時に、唯の線香花火は終わりを告げ、あたりにまた漆黒の闇が訪れる
「……花火、終わっちゃったわね?」
「あ…ああ」
いつもと同じようでいてどこか違う唯の声に、リトは自分の胸が妙に高鳴っているのを感じた
(何だ…コレ?)
闇夜の中、ふいに立ちあがる唯の気配にリトは慌てて立ちあがった
「大丈夫か? 暗いから気をつけろよ?」
「…ええ、平気よ」
暗がりで唯の表情はますますわからなくなってしまう
そして、その事がリトの胸をさらにざわざわとざわめかす
「あ、あのさ古手川。さっきの事なんだけど…アレってどーゆー…」
「…そろそろお祭り会場に戻った方がいいんじゃない? ララさん達も戻ってるかもしれないし」
「そ、そーだよな…」
なんだかうまい具合に話しをはぐらかされた感じがしてリトは眉を寄せた
(何だよコレ…)
すっきりしないまま終わりを迎えそうな雰囲気に溜め息をこぼしかけた時、リトの隣から小さな悲鳴が上がる
「キャッ」
「え? …古手川!?」
見ると、慣れない下駄で石に躓いてしまった唯がコケそうになっていたのだ
「あぶねっ!」
「ん!」
リトに抱き止めてもらいながら、そのままの勢いで地面に倒れる二人
「ってぇ…大丈夫か? 古手川?」
「う…うん。ありがと…」
しっかりと抱きとめられた唯の腰にはリトの腕がギュッと絡まり、胸を通してその体温がゆっくりと伝わっていく
「…ッ!」
そして、小さな吐息と共に、唯は動けなくなってしまう
間近にあるリトの顔から目を逸らすことができない
その白い手は、リトの両肩を掴んだまま離せない
どんどん高鳴る鼓動に、唯の顔は沸騰寸前まで赤くなっていく
「古手川? どしたんだ? どっか痛めたのか?」
「ち…違…」
ドキドキしすぎて満足に声すらでない
恥ずかしさと緊張で小さく震えるその体に、リトの腕にさらに力がこもる
「古手川?」
「…ッ…!!」
恥ずかしさの限界なのか、唯はその顔をリトの胸の中にうずめてしまう
「……」
ドクン、ドクンと、聞こえるリトの鼓動が唯の中にゆっくりと染み渡っていった
そして、それはリトも同じだった
トクン、トクン、トクンと、唯の胸の高鳴りに自然と顔が赤くなっていく
それはちょうど二つの音色が一つに溶け合っていくような
小柄な唯の体はますます小さくなり
緊張でリトの心臓は張り裂けんばかりに大きくなり
(古手川ってすげーやわらかくていい匂いがする…)
(結城くん…すごくドキドキしてる…。こ、これって私とこんな風にくっ付いてるからよね…)
トクン、トクン、トクン、トクン、トクン…と、心地いい胸の音色が二人を包み込んでいく
淡い期待と、甘い雰囲気の中、二人はその場から動けなくなってしまった
(もっとこうしていたい…)
どちらも同じことを考え、どちらも同じ気持ちになりかけた頃、遠くの方から二人の名前を呼ぶ声がし始める
「「……ッ!!?」」
その聞き覚えのある声に、二人は目を合わせると、一瞬で体を離した
「アレ? 何してたの?」
「な、何でもねーよ!」
「そ、そ、そうよ! べ、別に何もハレンチな事なんてしてないわ!!」
「む〜」
どう見ても冷や汗を浮かべている二人に、ララは腕を組みながら小首を傾げた
「ん〜〜」
「ララ様、二人に伝えないといけないのでは?」
「あ! そーだった! あのねこれからみんなで花火するんだけど、リトも唯も来るよね? ね?」
「花火? 花火って?」
キョトンとするリトにララは満面の笑顔を向ける
「うん! リサとミオがね! せっかくみんな集まったんだから花火でもして盛り上がろ〜!
って、さっきコンビニで買ってきてくれたんだよ♪」
「へ〜。まーあの二人らしいって言えばらしいけど…。古手川はどーする?」
「え? どうするって…」
"…結城くんはどうするのよ?" という声を呑み込むと、唯は腕を組んでララに向き直った
「あ、あなた達だけじゃ何が起こるかわからないから私も行くわ! 彩南高の風紀委員として当然よ!!」
「うん! じゃあ決まりだね!! 私、みんなに言いにいくね!」
そう言うや否や、ララは全速力で走り去ってしまった
「お、おい! ララ!! ったくどこでやるのかぐらい言っていけよな!」
すぐに見えなくなってしまうピンクの髪にリトの深い溜め息がこぼれる
「…まあとりあえず行こっか? 古手川」
「…ぅ…うん」
ニッコリと笑いながら差し伸べられたその手を、唯は戸惑いと迷いの混じった目で見つめた
(…わ…私は……)
「ん?」
唯は浴衣をキュッと握りしめると、その手を素通りしてそのままリトに身を寄せた
「え? 古手…」
「…ッ…!!」
真っ赤になった顔を俯かせながら、唯はリトのTシャツの袖をチョコンと握りしめた
もじもじと体を揺らしながら、視線はリトの顔と地面を行ったり来たり
そんな唯に何を思ったのか、リトはにんまりと笑うと、唯が転ばないよう、ゆっくりと歩き始めた
まだそのやさしさに甘えたりなんてできない
自分の気持ちに素直になるなんてもっとできない
だけど、それでも────
「また……また、みんなで集まって、夏祭りに行けたらいいよな?」
「…ぅん…」
"みんな"の部分にすぐにいい返事ができない自分に胸の中がチクリと痛む
「そン時は……そン時はまた、こんな風に二人で抜け出そっか? 今日みたいにっ!」
「え?」
暗がりでもはっきりとわかる、屈託ない少年のような輝く笑顔
自分の好きな、大好きなその笑顔とその言葉に唯はハッと息を呑んだ
「また…私と?」
「そ! って古手川がムリならあきらめるけど…。でも、そん時はまたその浴衣着て来てくれねーかな?
なんつーか…す、すげー似合ってると思うからさ! 浴衣…」
唯はもう何も言えず、ただ黙ってリトを見つめ続けた
その瞳の中のリトは、赤くなっていて、そして、誰よりも輝く笑顔を浮かべていた
唯、ただ一人のために
二人の間を夏の夜の涼しい風が吹き抜けていく
忘れない、忘れることの出来ない一欠片がまた一つ生まれた
終わり
前スレ
>>577さん、こんな感じでどうですか?
前回書いた「夏祭り」の反省点をいかして、今度こそ、リトと唯を”二人っきり”にしてみたのですが…
この後一応、「リトと唯」の話しも投下したいのですが、それは夜にでも投下したいと思います
49 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 16:28:17 ID:IQ/x7oKm
ぷ
>>46 いい作品でした。読んでて楽しかったです。
GJ。
51 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:25:37 ID:yuDQgNY3
さすがです。
GJ。
52 :
to:2008/08/20(水) 00:50:56 ID:fHm80Oep
>>46 2828、良かったです。唯のツンデレは最高ですよねww
新刊の小さくなった唯に萌えた俺はロリコンなんだろうか・・・?
あれ可愛すぎなんですが。
夏休みも終盤に差し掛かる
リトにとって毎年の恒例行事が始まる
「やっべぇー。オレ全然進んでねぇー」
夏休みの宿題である
ララは妹たちを連れて、帰省してしまい2学期が始まるころまで帰ってこないらしい
宿題の殆どは答えのプリントがあるか、見たものを書き写して練習する場合の
2パターンであるため教えてもらう必要は無いのだが、なんにせよ量が多い
(ララがいたら手伝ってくれただろうな〜)
などと帰ってくるのを祈って(?)いた
「リト〜。宿題ヤバイんじゃないの〜」
食卓での美柑の一言
「ええっ、美柑何でそれを知って・・・」
「やっぱりね。リトの顔に書いてあるよ」
(美柑は勘がいいなぁ・・・)
と心の中で感心するリト
「リトは計画性が無いのよ。ね、ヤミさん」
突然、ふられたヤミであるが冷酷に
「そうですね。駄目人間の典型ですね」
(そこまで言わなくても・・・)
「うわー!今日も徹夜かぁー!!」
リトは助けを呼ぶように叫んだのが聞こえたか知らないが、そのときドアをトントンと叩く音
「美柑か?」
「違います」
声で気づいたのかリトはドアの前まで行く
(ヤミか。こんな夜に何の用だろう?)
「な、なんか用でも・・・」
「結城リト。宿題が大変そうですね・・・クスッ」
(完全に馬鹿にされているな)
リトは少しムッと来る
「笑いに来たのかよ」
「そんなこと言っていいのですか?手伝ってあげようと思って来たのですが・・・」
ヤミはボソッと意外な一言を放ったため、リトは聞き返す
「えっ?」
「でも、その様子じゃいいですね。余計なお世話でした」
ヤミが自分の部屋に戻りそうなところを必死で止める
「わーっ!待って!お願いします!!手伝ってくださ〜い!!」
「・・・仕方ないですね」
ヤミは比較的難しいものを引き受けた
「ありがとう、ヤミ。助かるよー」
「いえ、こらくらいの宿題は・・・では失礼します」
ヤミは部屋に戻る前に聞こえないぐらいの小さい声で一言リトに言った
「この貸しはいつか返してくださいね」
「えっ、なんか言った?ヤミ」
ヤミは部屋に戻ると、宿題にとりかかる
(けっこう難しいですね・・・)
悪戦苦闘していたようだ
「リト、朝食できたよ」
美柑の呼びかけにリトは起き上がる
「やっべ、寝ちまったのか」
リトは結局あの後すぐに寝てしまったようで・・・とりあえず朝食を食べに下へ行くが、ヤミがいないことに気づく
「美柑〜。ヤミはどうした?」
「ヤミさん寝てるよ。なんか一晩中起きていたらしくて・・・。まさかリト、ヤミさんに宿題頼んだ?」
「そ、そんなこと・・・」
「頼んだんだ。ヤミさん疲れきっているよ。たい焼きの一つでもおごりなよ」
「頼んだんじゃないけど・・・でもそんな感じかぁ・・なんでもお見通しなんだな美柑は」
と言ってリトはたい焼きを買いに行った
(まったく鈍いよ・・・リトは)
ヤミの好物であるたい焼きを買ってきたリトはヤミの部屋に向かう
「ヤミ〜、起きてるか?」
ドンドンとノックをする
ガチャ。寝起きの顔を覗かせるヤミ
「結城リトですか。宿題を取りに来たのですね」
「お、終わったの?」
驚くリトに気にせず、ヤミは宿題を差し出すと同時にジト目でリトを見つめ
「はい。それで、宿題を取りに来ただけですか?」
「いや違う。ありがとな。ヤミ。ほい、お礼にたい焼き5つ」
リトは慌ててたい焼きを渡す
「!!。こ、こちらこそありがとうございます。それでは早速いただきます」
ヤミはたい焼きを受け取ると早口でお礼をして、すぐにドアを閉めてしまった
(喜んでくれたかなぁー。あっ、もしかしたら怒ってるかも・・・)
すぐドアを閉めてしまったので不安になった
勿論ヤミが怒っている訳がなく、顔をやや赤くしながらうれしそうにたい焼きを食べている
「結城リト・・・罪な人ですね・・・」
思わずつぶやいてしまったヤミであった
リトはヤミのおかげで夏休みが終わる前に宿題を終えることができたそうだ
投下終了です
次は2学期に入っての話になりそうです
エロはいついけるのか・・・表現するのが難しそうです
ララは今回の話では邪魔だったので故郷に返しました(ララが宿題を手伝ってしまうため)
テスト
ケータイから失礼します。
前回のスレではケータイからの書き込みが出来ずに悶々としてましたけど、このスレじゃできるようになったみたいなんで、書こうと思います。
ララがお気に入りなのに、ララネタのがなかったので、いっそのこと自分で書いてみました。
ひと夏の冒険って事で見てやってください
>>46 前スレでリクしたものですがまさか本当に書いてくれるとはGJです!
相変わらずうまいしさすがです
このスレで一番安心して読める職人さんだと思うのは俺だけだろうか?w
>>56 とりあえずこれぐらいの量だったら全部書き上げてから投下すべきかと
前編後編とかならともかく、量的にもぶつ切りは良くないよ
>>58 でいつ投下?
ここもやはり夏の香りがしてるなー。
SSはよく推敲してからまとめて投下してほしい。
職人に影響されるのはいいけど自分の文才をわきまえようね(−w−
臭いが一番キツイ人に限って他人の臭いにケチつけるよね。
まぁでもぶつ切りはよくないかな。できるだけまとめるほうがないよう以外でケチつけられないから
その辺の自己防衛は出来るだけしといたほうがいいよ。
「なにやってんだろオレは。」
そう考えながらリトはみそ汁を啜っていた。
啜りながら目線を上げるとそこには髪を結い上げ、ちょうどポニーテールの髪型になっている宇宙人が居た。
チラチラと、みそ汁を啜るたびに目を上げ盗み見ていると、実に多彩な表情を見せるララ。
好物を見つけたのか目をキラキラにして箸をつけ、手を頬にやりオーバーじゃないかって位味わって食べている。そうかとおもったら予想していなかった味なのか、何とも不思議な表情を浮かべている。
見る度にころころ変わる表情にこっちとしては飽きない。
「ん?」
「っ!」
ちょうど目が合っちまった。首を少し傾げくりくりした目を向けてきた。
別に二次元になんて興味はないが萌え絵っていうのだろうか、その絵を切り取ってきたような見事な萌えがそこにあった。
「どうしたの?なんか付いてる?あたしの顔。」
ん〜ん〜言いながら自分の顔をさすっているララに
「いっいや、ベ別に…何て言うかその」
うまく呂律が回らない、いつもどおりしゃべれないオレ
「あ、おかわり?それならそうと言ってよね〜♪どれぐらい食べる?これくらい?」
そう早合点したララは、持っていたオレの茶碗を分取り、ご飯をよそおうとしていた。
別におかわりもなにも、腹が一杯だったからそんなにも盛らなくてもって感じだったけど、自分の事を頼りにしてくれたのがそんなに嬉しいのかルンルンしながらご飯をよそっているララを、くじく訳にはいかないのでそのままにした。
くじいたらくじいたでまた見れないような表情が見れて楽しいのだろうけど、まぁいいか
そのおかげでオレの前にはこんもりと盛られた見事な茶碗が鎮座していた。
「はぁ〜」
いくらなんでもこの量は…。見ていても減ることのないこの茶碗を見つめてもしょうがない。
オレは目線を外して外の景色を眺めていた。
そこにはもう家族に近い域に達し、なにを食ったらそこまで成長するのか一度問い詰めてみたい、宇宙植物セリーヌが
居なかった
かわりに窓の外には海が広がっていた。ここは5階、旅館の一室。
つまり、オレはララと二人っきりで旅館に来ているのだ。
話は昨日に遡る。
「リトっ♪」
デレビを一階のリビングで寝そべりながら見ていたら一度聞いたら忘れない声が聞こえた。視線を向けると見事にたわわに実った巨乳が顔面に飛び込んで来た。
避けることも出来ず、飛び付いて来た巨乳をもろに抱き留めることになった。
このままでは呼吸困難に陥る。男としては最高の死に方だか、テレビを見ていていきなり死にたくない。
死因、圧死。
言葉だけじゃなんとも恐ろしい。
どうにか巨乳から脱出し、なんとか言葉を発した
「何すんだいきなり!お前は!」
まるで聞く耳を持っていないのか、自分の意見を言い切るまで聞く耳は機能しないのか、とにかく都合のいい耳を持ったララは臆する事なく言った
「オンセンリョコー行こうよ〜リト♪」
は?うまく聞き取れませんでしたけど
「また、お前はなに言ってんだ?」
言ったところで気がついた。
「っ!!てゆーか離れろっ!」
気がつくとちょうど抱き合う恰好になっており、目の前の至近距離にはララの顔がドアップでいた。
ララの吐息が鼻をくすぐる。
理性が安全圏を突破しかねないので、可及的速やかにララを遠ざけ安全を確保した。
顔もそうだけど一度離れた豊満な胸を押し付け、吐息をかけるなんてのは男としていろんな想いが巡るためキツイ。
ある一カ所に血液が集中するからだ。
「あんっ♪」
押しのけたララは勘違いされるような、声をあげた。
そんないやらしい声をあげるんじゃない。その♪はなんの意味なんだ
オレに押しのけられたララは床にちょこんとペタンコ座りをしながら、言ってきた
「オンセンリョコーだよ、温泉りょこー」
なんとか聞き取ることが出来るようになって来た
「りょこー行こうよぉリト。りょ・こ・う♪」
ペタンコ座りから前屈みになり床に手をついたララは、オレはソファーにいるから自然と上目使いになりそのくりくりした目でオレを見つめてきた
本人はその気は無いのだろうけど、前屈みで手を前にやれば胸が強調されるんだよっ!ララ!!
なんでそんなに薄着なんだ!
オレの数十センチ先にクラビア撮影会が開かれている気分だ。てゆーか開かれている。
盛り上がってきたけど、グラビアはそこまでにして本題に取り掛からねば、
「旅行っていつ行くんだよ」
とりあえず日程を確認する。こっちも予定ってものがある。
「明日っ!」
即答ときた。
まぁ、今更こんな事で驚かない、明日は休みだし予定ないし。
「予約とかしてあるのか?」
ただの思いつきかもしれない。現実は厳しいのだ
「今さっきしたよっ!」
また即答。
答えを用意してやがるなこいつ。
さっき珍しく家の固定電話の周りでごたごたやっていたのはその為か。本当いまさっき1時間もたってないけど…オレに断られたらどうするつもりだったんだか。承諾もしてないけど。
あまり聞きたくないけど、聞かねばならぬ質問をしなければならない。
ララはこちらを見つめている。グラビアポーズで
「誰と…行くつもりなんだ?…」
ポッ…
ん?今なんか灯った音がしたような柄に合わずモジモジしたララの頬が薄く赤みがかっていく
さっきまでの即答の明るい声は何処へやら、なんとか聞き取れるような声で絞り出すように言った。
囁いたのほうがいいかもしれない。
「リトと二人っきりで……」
「…………」
普通にフリーズしたオレの脳内のPCは完全に機能を停止した。せざるをえない。
「……?リト?」
小首を傾げ覗いてくる
手を目の前で振ったり、呼びかけたりしても完全に停止してしまっている愛おしい人をどうにかしようとしたララは、
はむっ♪
「んのっわぁぁぁァァァァァァ〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「起きたっ♪」
オレの耳たぶを甘噛みしやがった
そのせいでソファーから転げ落ち、台所のすぐ前まで這い下がることになった。その間数秒。
「もう、リトったらそこまで驚かなくていいのに〜顔赤くしちゃってさ、ウブなんだから〜」
いつの間にか立ち上がった、実行犯はオレをいやらしい目線で見つめながら近付いてきた。
さっきまでのくりくりした可愛いらしい目はどこに行ったんだ。
蛇に睨まれた蛙状態になりながら、なんとか言葉を絞り返した
「なっ!ななななっ何すんだいきなり!お前は!!!」
本日2度目の発言。
顔がものすごく熱い。のぼせた気分だ。
「何ってそりゃあ〜…」
話しかけたララのいやらしい目線がオレから離れオレの上に上がっていく。だんだんさっきのくりくりした目に戻っていくのがわかる。
「一緒に行ってあげなよリト」
いつの間に現れたのか、エプロンで手を拭いている蜜柑がいた。
そのままリビングに入りエプロンを外しソファーにかけると、テレビのリモコンを弄りながら言った
「どうして一緒に行ってあげないのよ。ただ温泉入って泊まるだけじゃん。」
当たり前の事言ってきやがる。ララもうんうんって頷いてる。
んな事分かってるつーの!
「何〜まさかいやらしい事考えてるんじゃないでしょうね〜」
テレビから目線を外し、オレに目線を移しながら嫌な声で言ってきやがる。
最近母さんに似てきたなこいつ。
「んなわけねぇ〜だろっ!!」
全力で否定する。まだ顔は茹でタコのように熱い。
「やったねララさん♪一緒に行くってさ」
綺麗な笑顔でララに話し掛ける我が妹。ララはもう最高の笑顔で溢れている。
「ちょっ!待っ!んな事言ってなっ…」
「何っ?」
蜜柑に遮られ、間髪入れずに言葉を重ねてくる
「何?いやらしい事考えてるからララさんとは二人っきりでは行けませんって?」
「え?そうなの?リト?」
「っ!……」
そんなくりくりした純粋無垢な目で見つめるな
さっきのいやらしい目線はどこ行った。
「さぁ言うの?言わないの〜?」
蜜柑の容赦ない追い討ち。
妹の容赦ない目線と、ララの純粋無垢な目線がオレに集中する。
目が泳ぐオレ。
「もう好きにしてくれ…」
完璧にオレの完敗だった。情けない…。
オレは蜜柑には勝てそうにないな…
そこには力尽きた屍が一つと、喜び溢れる宇宙人が一人と、一緒に笑いなが屍にほくそ笑む悪魔が一匹いた。
づづく…
>>66 乙だけど、ララの一人称は「私」な
あと蜜柑じゃなくて美柑
ちょっと前でも言われてるけど、大した量じゃなかったらまとめて投下したほうがいいと思う
とりあえず続き期待してます
>>59 安心というかツボを押さえてるんだと思う(まあお約束というんだけどw)
ただその描写がすごく丁寧なんだよなあ。あとどんなシチュや会話が萌えるのかよくわかってると思うよこの人は
>>66 一人称と名前の間違いとか一番萎える
一回とかなら間違ったんだって思うけど
さすがに毎回、美柑→蜜柑とかもう嫌がらせなのかと
みかんの件は本当にスイマセンでした
70 :
rmy:2008/08/20(水) 22:12:48 ID:4xCl+0h0
リト×御門話を投下します
なんだかんだでそこそこ長いです
「なんだこりゃーー!!」
夏休みのある日、彩南高にリトの叫び声が響き渡った。
いつもの彼より、大分低い叫び声が・・・。
―――
「ったく・・・なんだってこんな暑い日に、学校なんて・・・」
リトは一人ぼやきながら慣れ親しんだ通学路を歩く。
まだ朝の8時とはいえ、真夏の光線がじりじりと身を焦がす。
「それも御門先生から呼び出されるなんてな・・・」
保健の先生から呼び出される生徒というのも珍しいだろう。
関係ないとは思うが、参考までにいうと保健のテストは赤点を免れている。
「ま、なるようになるか」
自らの家にトラブルメーカーの少女が来て以来、彼の精神は多少の困難など屁とも思わなくなっている。
「ごめんなさいね、呼び出しちゃって」
大人の女性の柔らかい微笑みに迎えられ、リトの胸はそれだけで一つ高鳴る。
「適当にかけていいわよ」
その言葉を受けて、一番近いベッドに越しかけ汗を拭う。
「麦茶ですが」
「あ、すいません」
と受け取ったものの、リトとしては早く用件を知りたい。
「あのー、今日はいったい・・・?」
「うふふっ。焦らないの」
鼻頭を真っ白な人差し指でちょんとつつかれ、暑さによってすでに赤かったリトの顔がその度合いを増す。
気持ちを落ち着かせるために、麦茶を口に含む。
御門は実に誘導がうまい。
さほど大きくないコップに注がれた麦茶を、ゆっくり時間をかけてリトは飲み干した。
ようやく心臓がいつものペースを取り戻すと、リトは改めて問うた。
「御門先生、そろそろ用件を聞きたいんですけど・・・」
すると御門は子供のような仕草で舌を出しながら、こう返した。
「デートしましょ?ゆ、う、き、くん?」
御門のその言葉と同時に、リトの身体が強烈な熱に襲われた。
「・・・は、ぐっ・・・ぁ」
外部から焼かれるなんて生易しいものだと、混乱した頭でリトは思った。
内部から、臓器の全てを溶かしつくされるかのような異様な感覚。
目に映る全てが真っ白になったと思った次の瞬間、リトは気絶した。
そして冒頭の叫び声へと、話は繋がって行く・・・。
―――
道行く人々の奇異の視線を一手に集める、一組の男女。
誰がどう見てもかなりの美女である女性のほうは、薄紫のカットソーに黒のタイトスカートでバッチリ決めている。
しかし男性のほうはというと・・・。
下は脛までしかない学校制服と思わしきズボンで、上は白衣をはおっているという、
デートとしては(デートじゃなくてもだが)全くシマラナイ格好である。
そんな二人が炎天下の中腕を組み、肩を寄せ合って歩いているのだから注目も集まるというものだ。
「あ、の・・・センセイ・・・?」
「なぁに?」
「歩きにくいんですけど・・・」
ただでさえ自分の格好が恥ずかしくて精神的に堪えているのに、御門の豊満すぎる胸が当たって理性的にもキツイ。
「だぁめ。我慢なさい」
御門が背伸びをしてリトの耳に囁く。
彼女の息が鼓膜を震わせ、リトの身体がビクリと反応する。
鋭い方ならもうお気付きだろう。
御門がリトの耳に囁くのに、背伸びをする必要がある。
つまり、今のリトは・・・デカイ。
元の彼より身長は10センチ以上伸び、身体全体に程よく筋肉がついている。
遠目からパッと見たならば、誰もが20台だと思うだろう。
原因はもちろん、麦茶に混入されていたドクター御門お手製の特殊薬。
「さ、着いたわよ」
狼狽しているリトに御門が明るく弾んだ声を掛ける。見上げると、そこはカジュアルショップだった。
「まずはカッコから入らなくちゃね」
御門はリトの腕を引いて店内に入っていった。
1時間後。
「うんうん。いい感じよ」
ご満悦の御門と先程よりさらにぐったりしたリトが店から出てきた。
「ハァ・・・」
リトからしたら、ため息の一つもつきたくなるというものだ。
いきなり身体がでかくなったというのに混乱する時間も与えられないまま街中に引っ張り出され、
1時間もああでもない、こうでもないと多種多様の服を試着させられたのだから。
「どうしたの、ため息なんかついて」
あまりにも屈託なく言うので、怒る気もわかない。
「そりゃ、つきたくもなりますよ・・・」
「そんなに落ち込まないでよ。あと10時間もすれば元に戻るわ」
薬の効果は半日限定。まあ、そうじゃなきゃさすがの御門も使わない・・・だろう。
「カッコいいわよ、結城くん。私の恋人としても外見は申し分なしね」
御門はとっかえひっかえの末に靴、ブラックジーンズ、Tシャツにコットンシャツと洋服一式を購入してしまった。
「やっぱりお金出しますよ。結構高かったし・・・」
あまりの状況の変化にへこんではいたが、リト自身も御門のコーディネートを実は気に入っていた。
しかし御門はこの申し出をばっさりと切り捨てた。
「今日は私のわがままで付き合ってもらうんだから、これくらいさせなさい」
そしてもう一度マジマジと、リトを見つめる。
服装がまともなると、グッと精悍さを増した顔が引き立つ。
「どうかしたんですか?」
聞きなれた声よりもだいぶ大人びた、落ち着いた声に思わずドキッとしてしまう。
「な、なんでもないわ」
本気でときめいてしまった自分を隠すように微笑んで続ける。
「ちょっと早いけれど、昼食にしましょ」
御門は旺盛なリトの食欲を、微かに目を細めて優しく見つめている。
リトは猛烈な勢いでカルボナーラを啜っている。
「結城くん、そんなに急がなくてもパスタは逃げやしないわよ」
「いや、なんか腹減っちゃって・・・」
もちろん胃袋も一時的に大きくなっているのだろう。
「ほら、ソースついちゃってるわ」
唇の端にべったりと残ったそれを拭ってやる。
身体は大きくなっても中身はまるで変わってないようだ。
(クスクス。結城くん、可愛いな・・・)
外見が格段に大人びても、自覚がない彼はまるで飾るところがない。
「ところで先生、聞いてもいいですか?」
カルボナーラを完食したリトが、口元を拭いながら言う。
リトの意図を察した御門は、知らんぷりをせず、先回りした。
「なんであんな薬を飲ませたかって事よね?」
「はい」
リトが我が意を得たりと返すと、御門も間をあけずに続けた。
「デートがしたかったのよ・・・」
それは穏やかな口調だったが、どこか感情を抑えたものだった。
一方リトは御門の答えがピンときていない。
そもそも「デートがしたかった」ことと薬を飲ませたことに何の関係があるというのか。
身体がでかくなるなんていう"普通はありえない薬"を断りもなく飲まされたわけだから、ある程度納得の行く説明をして欲しかった。
「地球じゃ、先生は教え子に手を出しちゃいけないんでしょ?」
「ああ、それで・・・」
と納得しかけて、リトはおかしな点に気づく。
「身体でかくなっても、俺は先生の教え子でしょ・・・?」
「見かけ上そうじゃなきゃいいのよ」
あっさりと返されて、リトは苦笑するしかなかった。
しかしリトはすぐに新たな疑問に辿り着く。
「でも先生くらい、その、綺麗なら相手なんていくらでもいるんじゃ・・・」
御門は瞳を閉じて俯き、わずかに間をとった。
その艶やかな唇が、静かに言葉を紡ぐ。
「そんなことないわ・・・」
堂々とした、いつもの口調ではなかった。
その切なげな声が、リトの心を大きく震わせた。
「私はね・・・もう恋愛なんてしないつもりだった」
どうしてですか?と聞きかけて、リトの記憶が思い当たる過去に辿り着く。
宇宙マフィアが必死になって居場所を探し、汚い手を使ってまで手に入れようとした、その医学。
御門はいつも、危険な連中と隣りあわせだ。
「私は、キミが思っているよりずっと危険人物なのよ?」
明るい態度をとろうと作られた笑顔が痛々しくて、リトの胸が締め付けられる。
「大切な人なんて・・・作れるわけがない。私はいつ、その人に迷惑をかけるか分からない・・・」
地球に来て、もう3年。
住み心地もいいし、本当に気に入っている。
だけど、いつこの星を出て行かなくてはならなくなるか分からない。
そんな場所で、こんな私が、誰かを愛していい訳がない。
愛されていい訳が、ない。
「でもね・・・」
御門の笑顔が、虚ろなものから優しさを湛えたものに変わる。
「あなたたちを見ていたら・・・私も、確かめてみたくなったの。
私にもまだ、胸が躍るという感覚を味わうことができるのかを」
リトは声を発することができなかった。
少なくとも見た目では、まだまだ若く見える御門。
彼女が普通の人であれば、まだ素敵な恋愛を、結婚を、夢見ていてもおかしくないはずだ。
(俺は先生の過去なんて知らない。だけど・・・)
当たり前のことをできない御門のささやかな望みを、叶えてあげたいとリトは思った。
「行きましょう」
急にリトが立ち上がったので、御門が少し驚いた表情を見せる。
「俺、デートとかわかんないですけど・・・。
時間制限があるんですから、ゆっくりしてちゃもったいないですよ」
伝票を持ってレジへと歩いていく後姿に、御門は小さく呟いた。
言おうとしていた「ごめんね」ではなく、「ありがとう」を。
それから二人は仲睦まじくデートを楽しんだ。
今度はしっかりと腕を組んで歩いてブランド店を冷やかし、喫茶店でお茶をして、
その後はカラオケ(御門は地球のポップスを難なく唄いこなした)。
まるで高校生のようなデート。
ある意味御門のイメージにそぐわないデート。
しかし彼女は、見たこともないほど楽しそうだった。
二人は何度も笑いあった。
カラオケ店から出ると、御門が何気ない調子でリトに話しかけた。
「ねえ結城くん。この後行きたいところがあるんだけど、いいかしら?」
リトとしてはもう今日はとことん付き合うつもりでいた。
「もちろんいいですよ」
「ありがとう」
少し照れたような御門の横顔に、リトの心臓が早鐘を打つ。
その気持ちは身体が大きくなったからなのか、それともデートというシチュエーションがもたらしたものなのか。
御門がいつもよりもずっと身近に感じられていた。
一人の女性として、彼女が可愛いと思った。
市街地から40分は歩いただろうか。
二人が辿り着いたのは、表札のない、お城のような家。
そこが御門の家であることはリトにも明白だった。
「先生・・・、さすがにこれは・・・」
いくらリトでもただお茶を飲んでお疲れ様、で済まないことくらい分かる。
それにここで歯止めを掛けないと、もう自分は抗えなくなることも。
「・・・結城くん、今日は楽しかったわ」
リトに背を向け、玄関へと視線を向けながら御門が言う。
リトはその言葉にデートの終わりを感じて、寂しさに襲われた。
(違うだろ。ここはホッとするところだ・・・)
自分に言い聞かせ、踏み出そうとする足にブレーキを掛ける。
「でもね、まだ私の目的は果たせていないの」
「えっ?」
御門の言葉にリトは戸惑った。
自分と同じように、御門も楽しんでくれていると思っていたのに。
あの笑顔は、本物だと思っていたのに。
目的を果たせていないといわれてしまえば、立ち去ることなどできない。
そう思うことで、心のうちに潜んだ自らの欲望を正当化しようとしていたのか・・・。
「どうすれば、いいんですか?」
しかし御門はすぐには答えない。
「とりあえず、入ってくれる?」
表向き穏やかな言葉の裏には、御門の激情が潜んでいた・・・。
御門が後ろ手で玄関ドアを閉める。
「ごめんね・・・」
耳元に掠れた声が届き、振り返ったリトに口付けが降り注いだ。いや、襲い掛かった。
「んぷっ!?ん!」
その柔らかさを認識する間もないまま、口内に侵入者が現れた。
それは深くまで入り込み喉奥をかき回したかと思えば、入り口に戻って歯列を舐め回す。
まさに蹂躙だ。
何とかして顔を離そうという意思はあるのだが、いかんせん身体に力が入らない。
口内をひとしきり探検して、ようやく侵入者は去って行った。
リトの理性を溶かし、情欲に火をつけて。
「センセイ・・・なんで・・・」
息も切れ切れに問う。ジーンズの内部では己が既にはちきれんばかりに昂ぶっている。
「ごめんね、結城くん・・・」
御門の瞳が、潤んでいた。
あまりにも甘美な、雄という雄を引き寄せそうな彼女の香りが、リトを包む。
「本当はね・・・忘れたくなかっただけなの。
女としての悦びを・・・。誰かに抱かれたいっていう気持ちを・・・」
眩暈がした。頭が熱くなりすぎて卒倒しそうだった。
「お風呂に、行きましょ・・・?」
もうリトの頭の中に、少女たちの姿はなかった。
「んぐっ、んっ・・・んっ、んちゅ、ぬちょ・・・」
「っ!!・・・ぅ、ぁ!」
バスタブの一端に腰掛けたリトの足の間に、御門が膝をついている。
淫靡な舌の動きに、リトは呻きを漏らさずにはいられない。
自分のものとは思えない(実際、自分のものと言えるかは怪しい)ほどの大きさとなった一物が、御門の口内で跳ねる。
「ンンッ!結城くんの、はむっ・・・おっきい」
しっとりとした唇と、別の生き物かのように這い回る舌のコンビネーションに
リトの意思とは無関係に腰が動いてしまう。
「んぅ!?っ・・・こほっ!こほっ!」
「うあっ!・・・ぁあ、センセイ・・・すいません」
しばらく舌を向いて咽せていた御門だが、顔を上げたその表情は嬉しそうだった。
「もう・・・暴れん坊さんね」
御門の表情は淫らなのに透明感に満ちていた。
その顔が再びリトの竿に近づいていく。
「センセイ・・・もういいよ」
それが疲労や嫌悪から出たものではないことを声色が教えている。
「これ以上されたら・・・もう出ちゃうって」
雄雄しく天を向き、血管が力強く浮き出たそれ。
御門は口元に手を当てて、いつもの思案顔だ。
こんなときでも大人の女の余裕は失われないようだ。
「でも、こんなに大きいなら・・・一度出してくれたほうがいいわ」
御門は悪戯っぽく言うと、再び唇を窄めた。
「ちゅ・・・んっ、ちゅる・・・ちゅっ」
今度は亀頭に、カリに、裏筋に、キスの雨が降ってくる。
「くっ・・・あ、すげっ!」
ただでさえいつもとは違う違和感があるのに、そこに痺れるような刺激を与えられてはたまらない。
今度は竿を手でしごきながら、先っぽのほうを軽く舐められる。
舌先と唇の上下を巧みに使って舐めあげられる。
自分がアイスクリームになったかのようだ。
背筋に電気が奔り、迸りが上ってくるのを感じる。
リトの昂ぶりにあわせるように、しごきあげる御門の手の動きも加速していく。
「っ!!センセイ・・・もう出る!」
リトの身体を大波が襲った次の瞬間。
「あっ!!ぐっ、あああ!!」
腰が砕けるかと思うほどの振動とともに、命の種子たちを弾丸のように吐き出す。
それらは焼きつくような熱を伴って御門の喉奥を叩き、口内を満たしていく。
「ン゛ンッ!!・・・あぐっ、ぅん・・・はふ」
収まりきらなかった白濁液が、唇の端に縦筋を作る。
リトは絶頂の余韻で働かない頭のまま、御門の喉が隆起し鎮まるのを、ぼんやりと眺めていた。
「んっ・・・こんなにたくさん・・・。若いってすごいのね・・・」
リトの瞳に映る御門が、妖しく微笑んだ。
その表情が、今度はキミがわたしを満たす番よと語っていた。
寝室のベッドの上、仰向けに寝た御門にリトが覆いかぶさっている
「すげぇ・・・何センチあるんだ?コレ・・・」
リトの両手はすっかり大人の大きさになっているというのに、豊満すぎる胸は掌から溢れる。
しっとりと吸い付いてきたと思った次の瞬間には、もう零れ落ちていく。
「乳首たってるよ?」
「あっ、ばか・・・言わないでよ」
瞳を細めて恥らう御門が愛しい。
リトは確認も取らずに、谷間へとまっしぐらに顔を埋めた。
柔らかい。ふわふわだ。
天にも昇る気持ちとはまさにこのことだろう。
「ふふっ・・・。ずいぶん大きな赤ちゃんね」
御門のからかいの言葉も耳に入らない。
今のリトは腹をすかせた子犬も同然だ。
そのゴージャスすぎる裸体を惜しげもなく晒されたというのに、
ベッドで愛されたいという御門に風呂場では触れることを許されなかったのだ。
一度絶頂に達した分身も、とっくに怒張していた。
「舐めてもいい?」
「ここまで来てダメなんていうほど、私は鬼じゃないわよ?」
承諾がもらえたので、桜色の突起にしゃぶりつく。
舌を使って舐め挙げ、唇で挟み込む。
「ぁ・・・結城くん、んっ・・・可愛いわ、よ・・・はぁ・・・」
ようやく御門の口からも、艶っぽい声が漏れ始める。
そのことに満足して、リトは愛撫のペースを増す。
ミルクを飲む猫のように、リズミカルに舌を動かしてみる。
ピアノを弾くようなイメージで、指先を順に乳房に埋めてみる。
「あ、は・・・気持ちいいわ、ぁんっ・・・はぅ」
御門のほうも、実は声を出さないのに必死だった。
久しぶりに味わう、他者からの愛撫。
女の自分にはない大きな手、太くて固い指先。情熱的な唇と舌の動き。
そして何より、目の前の男が可愛くて、愛おしくてしょうがなかった。
しっかりと筋肉がついた逞しい肉体。洋服を選んだときから待ち焦がれていた。
お湯と汗にまみれた髪の毛、時折のぞく鋭い視線、野性味を増した風貌。
男としての魅力に溢れた外見とはアンバランスな、幼さを残した反応。
随所に見せる経験のなさ、隠しきれない優しさ。
(結城くんが、欲しい・・・)
なぜ自分は相手にリトを選んだのか。
答えは簡単、彼が自分の正体を知る、数少ない男だからだ。
それ以外の理由はないはずだった。
興味を持っていたのは、彼とララや春菜との恋愛がどうなるのか、それだけだったはずだ。
でも、本当にそれだけだったのか。
リト自身に興味はなかったのか。
どうしようもなく鈍いけど純粋で真っ直ぐ。
そんなリトに、ただの教え子以上の感情を抱いていなかったとはもはや言い切れない。
そんな彼が今、一人の魅力的な男の姿をして、目の前にいる。
(ダメよ・・・本気になんかなっちゃ。結城くんはまだ子供。
今の姿は、あくまでも薬による一時的なもの・・・)
しかし。
(あんな大きいので愛されてしまったら・・・私・・・)
好きにならずにいれるのだろうか。
この関係を一度きりで終わらせられるのだろうか。
自信は、ない。
それでも、女の本能には抗えない。
ぐちょぐちょになった膣から零れた秘蜜はすでに太ももを濡らし、性器はリトの侵入を今か今かと待ち望んでいるのだ。
自分はまだ、男に愛されることができる。
愛されることを、幸せに思うことができる。
だから御門は、微笑みながらその言葉を口にすることができた。
「結城くん・・・おいで?」
リトは無言のまま、自身の性器を御門のそれに宛がった。
「・・・ぁ、ん・・・ふっ」
陰裂の上を何度か滑らせると、すでに先走りによって濡れていた一物は御門の愛液と混ざり合いテラテラと輝いた。
「焦らさないで・・・お願い・・・」
焦らしたつもりなどない。
ただあのタイミングで挿入すると、あっという間に射精しそうだったから誤魔化しただけだ。
もっとも、今にも訪れそうな射精感はちっとも衰えやしなかった。
ただ、御門への愛しさが増しただけだ。
「・・・はぁぁ・・・ぁっ、ん・・・」
この上なく悩ましげな御門の吐息に、挿入したばかりの性器が膣内で歓喜に跳ねる。
「ぁう・・・はぁんっ!!そ、んな・・・あふぅ」
まだ動いてもいないのに、御門の声はどんどん大きく、艶っぽくなっていく。
そんな御門がどうしようもなく愛しくて、リトは
「涼子・・・」
初めてその名を呼んだ。ありったけの愛情を詰め込んで。
「あぁっ!・・・ゆ、うきくんっ・・・」
名前を呼ばれただけで御門の膣内が絶妙なタッチでリトを締め付けた。
「ぅあっ!・・・な、んだ・・・これ、すげっ」
充分に潤んだ大人の秘穴が、蕩けるような快楽を与えてくる。
「来てぇ・・・。早く結城くんのおっきいので・・・あんっ!」
御門が言い終える前にリトが腰を奥へと大きくグラインドさせた。
膣壁を滑り、逞しいそれは最奥へと到達する。
「あっ、あっ、ダメッ・・・気持ちよすぎるわ!こ、んな・・・」
「ぅく・・・涼子、俺も気持ちいいよ・・・」
快楽によって掠れ、震えたリトの低い声が、御門の快感を更に高める。
「もっと呼んでぇ!涼子って・・・。もっと聞きたいの!」
「涼子・・・。すごく綺麗だよ・・・」
「あはぁっ!ウンッ、嬉しい・・・。もっと・・・んちゅ、ちゅ」
もっとと要求しながらも激しく口づけをしてくる。
「んむっ・・・ちゅ、りょう、こ・・・ん」
そんな理不尽な行動も、何もかもが愛しい。
保健室の先生じゃない、御門涼子の全てが愛しい。
感情そのままに、リトの性器はあっという間に昂ぶり、限界に到達する。
「涼子、俺もう・・・」
「あぁっ、で・・・るの?はああっ!いいわよ・・・どこでも、あんっ!・・・受け止めるからぁ」
そんなこと言われちゃったら、最高の居心地のソコから出ることなどできるはずもなく。
最後の力を振り絞って、御門を味わいつくす。
「結城くんっ!・・・私も、イクッ!・・・はあああぁ!!」
「っ!!!」
ドクッ!ドクッ!ドクッ!
精気が抜ける、とはまさにこのことだ。
圧倒的な放出感に、リトの身体は震え続けた。
男からの愛に飢えていた御門の膣奥は激しすぎるほどリトに絡みつき、搾り上げ、その全てを奪っていった。
「はっ・・・はぁ、はぁ・・・結城くん・・・」
リトもぼんやりした頭のまま反応する。
「お役に、立てましたか?・・・先生」
その言葉に、御門は唇を尖らせリトを睨んだ。
「・・・先生?もしかして俺・・・早すぎたり、とか」
外見上20台半ばに差し掛かろうかという男が、おどおどと視線を泳がせる。
まあ確かに早かったが、達してしまったのは御門だって同じ。
どこまでも鈍いリトに、御門は小さくため息をついた。
「ま、ある意味助かったわ・・・。
これでカッコいいこと言われちゃったら、危なかったし・・・」
リトは御門が何を言っているのか、全くもって理解できない。
明るくなった彼女の表情につられて、ただなんとなく笑みを作っているだけだった。
そんなリトに、御門の言葉が続く。
「ありがとう、結城くん。キミのおかげで、私は思い出せた・・・。
恐怖でも驚きでもなく、心臓が震える感覚を。誰かに愛されたいという、女としての本能を・・・」
からかいを一切含まない穏やかな笑みで真っ直ぐ見つめられて、
リトは「あ、いや・・・」と、もう照れるしかない。
「まだもう少し・・・そばにいてくれるでしょ・・・?」
ラベンダーピンクの唇が、そっと、しかし熱く、魅惑的に囁く。
リトの脳内に数分前までの濃密な二人が蘇った。
精気とともに消え去っていた、御門への切ない気持ちがぶりかえしてきた。
つまり、断れるわけなどなかったわけで。
リトの身体が元に戻る数分前まで、二人が愛し合ったことは言うまでもない・・・。
その二日後、リトの家に小包が届いた。
差出人は不明。
「なんだろ・・・」
訝しがりながらも開けてみると、出てきたのはさらに小さい、白い袋。
用法 1日に1度 20日分
その下には、朝食後服用と書いてある。
「これって、まさか・・・」
リトは急激な寒気に襲われた。
身体が震えた拍子に袋を落としてしまう。
と、一枚の白い紙が目に入る。
どうやら袋と一緒に掴んでいたらしい。
処方箋 結城リトくん
私と愛し合うことのできる、魔法のお薬
お水に混ぜて飲んでね
でも使いすぎには注意するのよ(はぁと)
御門涼子
いつかあなたの元にも魔法の処方箋が届くかもしれない・・・?
82 :
rmy:2008/08/20(水) 22:24:39 ID:4xCl+0h0
終わりです
リトが大人っぽくなったら、まあトレインみたいな感じで男前でしょうねw
せっかくだから御門先生のお相手をしてもらいました
楽しんでいただけたら幸いです
>>82 GJ!相変わらずうますぎです
rmyさんの書くリトはいつも少し大人な感じがしてたので、将来的にはトレインみたいになりそうですね
でもやっぱり天然で鈍感でw
次の作品も期待してます
84 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 08:21:12 ID:0czWsthK
保守
>>82 GJ!御門先生ネタおみごと!
ただ前々から思ってたけどrmy氏のSSって全体的に落ち着いてるんだよなあ
何が言いたいかって言うと、唯じゃなくて御門先生とか晴子先生、春菜みたいなキャラのほうが合ってるような気がする
常にハイテンションなララとか、表情やリアクションがコロコロ変わっちゃう唯を書くよりもなんかそう思った。もちろんいい意味でね!
でも何を書くのかは職人さんが決めることだから、気に触ったんならすまん
>>46 リクもいいけどさ。新作が見たいです!新作を
>>69 投下前の見直しは大事だぜ
86 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 12:41:58 ID:0czWsthK
保守
>>86 感想書いてあげればいいのに…
モブにヤラれた女の子がリトにバレて捨てられて絶望する、とかはココでは読めないのかな
>>82 GJ!御門先生ときたら今度は晴子先生・林檎ママもお願いしたい
>>87 >感想書いてあげればいいのに…
いやおまえもだろ…
保守
>>82GJ!100点でつ
強いて言えばパイズリが有れば200点でしt(ry
>>82 乙!ただ「・・・」の多用が気になりました。それと「・・・」もしくは「…」のが個人的に見やすいです
「・・・」ってなんとなく間延びしてる印象があるよね。
俺は自分で書くときは「…」を2つ重ねてて、ずっとそれがスタンダードだと思ってた。でも最近になってちょっと窮屈すぎるかな、と。環境によっては間隙が均一にならなくて美しくないし。
つかこのスレの話題じゃねーですね。ごめん。
ところでシリアスって需要ある?
>>92 シリアスは需要あります
あと、そういった話題もいいと思いますよ。何よりも職人とってとても参考になりますし
俺は「・・・」はダメだと言われました。なので三点リーダにしました
あと、「?」「!」の後は一スペース開けろとも。両方とも見やすさだと思うんだけどね
三点リーダの二個並べと
クエスチョンマークやエクスクラメーションマークの後の空白は
文法として確立された、正式な書式。
以前別の板で、たまたま知識のある人間二名が
偶然共通して「……」という表記を使っていただけで
無知な奴がそれを根拠に自演扱いしてたけど
知ってる人間からしたらその光景はもう、滑稽で滑稽で。
それは文章の書き方として制定されてるし
作者が間違えてても、編集が掲載段階で直すんだよと教えてやったら
そいつ曰く
「文章のニュアンスが変わってくるからそんな事編集が勝手にしちゃ駄目なんだよー」
ときた。
ラノベやケータイ小説はどうだか知らないけど
「小説」を一冊でも持ってる人は、試しに適当なページを片っ端からめくってみると良い。
1ページたりとて「・・・」とか「・・・・」なんて書き方してるページは無いし
「?」や「!」の直後に文字が書いてある事も無い。
まぁエロパロでそんな瑣末な事、気にする程の事じゃないとは思うけど
俺はこの「……」は、その人の力量を測る一つの目安だと思ってる。
確かに、・・・だと何だか妙に長いこと間が空いてる感じもしますね。……の方が点の数が多くても丁度良い間に感じます。
まあどう感じるかは人それぞれですから、職人さんが・・・の方が良いならそれはそれで良いと思いますけどね
問題は点云々じゃなくてお話の内容ですし
>>93 どもども。ではそのように。
「?」「!」後のスペースは、あるね。括弧内の語尾につくときは空けないけど。
そういえば台詞の最後は句点をつけないケースが多いけど、読みやすくなってるのかな。既に違和感は感じないのだけど、英文ではピリオド必要だし。ちょっと謎な文化ではある。
あとシリアスっていうか、完全なハッピーエンドにならないんよ、俺が書くと。思いつくテーマがネガティヴなのばっかだから(ex.ララ父とリトの初対面にララが居合わせなかったif)。
過去スレ通し読んだけど、主題のカプが幸せにならなかった作品って陵辱くらいでしょ? だからちょっとどうなのかなと。
97 :
rmy:2008/08/23(土) 01:01:35 ID:SmSFrEeO
コメントくれた方々ありがとうございます
三点リーダに関しては、自分はエロパロの作品を読むときには全く気にしないので「・・・」を使ってましたが、
見てる人は見てるんですね 以後気をつけます
それと
>>82さんに言われたからというわけでもないのですが、
次は春菜の話になる予定です
>>94 リトと唯の人が三点リーダとか、クエスチョンマークの後とか、使ったり開けたりしてるけど
あれってそういう意味だったんだ
納得したw
>>96-97 期待して待ってる
三点リーダは一個じゃなくて二個
「…」じゃなくて「……」ね
そこまでやってる人は案外少ない
でも賢者タイムの時は…だけじゃないかい?
…ふぅ読み返してみたがエロイナ
>>100 そりゃあんた完璧な小説とか感想文のときの書き方
>>94 真面目な話
「…」「……」の違いって気持ちの表し方だと思ってる
例
「結城…くん」
「結城……くん」
とじゃ、下の方が少し思い詰めてるというかそんな感じがするなあと(個人的に)
文法的の違いとよくわからなくて、いつもキャラのその時の気持ちを表したくて使い分けてるんだけど
こんなんでいいのかな?
間を空ける表現が長くなるからその考えはいいと思うな。
「…あのさ」
「……あのさ」
こうしたら下の方が声かけるの躊躇ってるように感じるよね。
確かに「……」が正しいってのはわかってるんだけど、そればっかりだと変化が無いから結局「…」も使っちゃうんだよね
三点リーダの使い方ってすごく難しい
そのキャラの気持ちの現れ方を出すものだし、それが読み手にちゃんと伝わる様に表現しなきゃダメだし
「…」「……」とか「────」の使い方がもっとうまくなりなたい
「────」この使い方は人それぞれだと思うけど、俺の場合は
「だからそうじゃ――――」
そこで美柑によって言葉が遮られた
「リト……言い訳は見苦しいよ」
「……」に対して、その場面その場面でどの程度の「間」があいてるのか
その読み取り方や感じる空気は、読む人それぞれだから
わざわざ書き手が「ここはこのぐらいの間隔を感じ取って欲しい」
なんて理由で点の数を調整するのは、書き手としての驕りというもの
小説読む時どうしてる?
点の数が全部同じだからって、同じ分だけ「間」が空いてると思って読むか?
つまりそういう事
109 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 03:34:11 ID:qMZZJKJn
ぺ
>>108 なるほど…
確かにその通り。俺、もっとがんばろ…
書き手スレに書き込んでる手合いの作品がどれ程のもんか以前から興味があったんで答えが出て良かったです
説得力って大事
SSの書き方講習スレはここですか?
いいえ、これは次の神光臨までの時間稼ぎです。
流れwwwwww
もしリトと喧嘩したら皆どんな反応を見せるんだろう?唯やヤミは謝るまで無視しそうだけど
117 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 01:28:17 ID:avpwkcjY
>>116 唯:ずーっと膨れっ面。謝るまで無視。
ヤミ:半殺し。
ララ:天然過ぎて想像つかねぇw
春菜:冷たい態度。謝ってもしばらくはギクシャク。
天条院:嫌みを言いまくり圧倒。
美柑:パンチが飛んでくる。全然非力で痛くないけどw
お静:呪う。
>>118の補足で
唯:ずーっと膨れっ面。謝る時もツン。だけどホントは「私、このままじゃ結城くんと……」不安でいっぱい
本当はすぐにでも謝っていつもの二人に戻りたい気持ちで溢れてる。仲直りした後、泣くと思う
ヤミ:黙ったままジッと睨みつける。「な、なんだよ?」「…………いい度胸ですね?結城リト」で半殺し
ララ:「リトのバカー!!」でその場から走り去る。一人になってしばらくして自分が悪かったと反省(原作の家出話しから推測)
春菜:一番難しいなw 冷たいというよりずっとギクシャク。謝ってもギクシャク
天条院:文句を言いまくる。だけど本気でにリトが怒りだしたら黙ると思う。で、リトが去ったらまたぐちぐち言いだすw
美柑:パンチの前にまずクッションあたりが飛んでくる。そのあとパンチ。もちろん痛くない
「…ぅ…うぅ…リトのバカッ!!」涙を溜めた目でリトを睨んでから自分の部屋に走って行く
お静:「何でそんなこと言うんですかー!!」とぷんぷん怒りだす。呪うのはどうだろ?w
ルンはレンと交代して引きこもり続けるだろうな
今週のお静のかわいさは異常。
お静が呪うのはヤンデレの時くらいしか想像できんw
ヤミは喧嘩の場合は逆に攻撃しなさそうだけどな
「あっち行ってください!」って武器ぶんまわすぐらいで
むしろ仲直りした後に「余計な心配させないでください」って殴られる
>>119 お静ってほんとプンプンって擬音が似合いそうだよな
127 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 01:05:25 ID:ev4hx3VK
聚
唯とリトバスの佳奈多が一瞬かぶったのは俺だけなのか?
それ言うと沙姫はリトバスの佐々美と被る。
・風紀委員 ・ツンデレ とか
・タカビーお嬢様 ・でも根は優しくていい人 とか
そういう記号的要素が被れば自然に似てくるわな。
うん、全く理解できないから他作品出すのはやめてほしい
>>119 ナナ:このバカ犬!キスしたくせに、キスしたくせに…
あれ?ここゼロ魔スレだっけ…
ナナは言葉遣いがかなりボーイッシュだな。
136 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 02:53:48 ID:7cVWWrjl
フーッ!
137 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:44:43 ID:7cVWWrjl
ち
ンポー!
こ
140 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 22:04:40 ID:0hMoYS5i
職人期待保守
鬼畜リトが調教する話があったら…
やっぱ
美柑→春菜→ララ→金色の闇→ルン…と続いていくのかなぁ?
途中で御門先生を挟めば薬の使用も楽になるな
>>142 御門センセに薬貰ったらその場で実験台になってもらうわけですね
好感度的に
ルン≧ララ>春菜>>>唯>>>美柑>>>>>>ヤミ>>>>>>その他
じゃない?
女の子は誰でもいいけど調教は他の男に任せたいな
何でリトありきなの?
>>144 なんの好感度?
あと美柑は家族なんだよ?妹なんだよ?
その美柑がなんで赤の他人のルンやララより低いんだ?リトってそんなヤツだっけ?
どうみてもヒロインからリトへの好感度じゃね。
上位5人ぐらいはランク付けれるほど大きい差はないと思うけど。
主観妄想だからあんまきにするな。
ちょっと質問。
デビルークがいつ宇宙を統一したかについて、原作でちょっとでも触れてるところってあった?
もう少し日が過ぎればここも落ち着くだろうとは思う。
さて、今週のジャンプ読んでくるかな
>>145 まぁ寝取り物は確かに見たい!!
リトが気付いて♂の処に向かった時には、既に開発されて首輪を着け♂に奉仕している♀キャラ達とかな〜
だが俺は妄想は出来るが!!
文才がない!!
153 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:47:29 ID:VK1YI1w1
ま
ho
プロットだけで観衆を全裸に!?
>>152……おそろしい子ッ!!
お盆で田舎の御婆ちゃんの家に行った帰り道
バスの中で痴漢に遭う唯のSSはありませんか?
出来れば痴漢から逃れる為に途中降りた山道で後から追ってきた痴漢に強姦される話を希望
あれだけ美少女揃いなんだから狙ってる男もいくらでもいるはずだ
学校のヤリチンに快楽と話術で軽く処女奪われる唯とか見たい
処女は面倒とか言われるかもなーとか言われちゃうんですね、わかります。
>>156 何で田舎のバス限定?と思ったらそーゆーオチね。
しかし唯大人気だなw
161 :
149:2008/09/02(火) 23:16:18 ID:2WmR+Ypo
答えてくれた人たちありがとう。
>>157 そうなん? 歴史浅いな、意外。
じゃあララが幼い頃はまだプリンセスじゃなかった可能性もあるのか。レンとルンが幼馴染とかいうわりに、最近まで付き合いに空隙があったのは、そういうことなのかな。
そういや、何でララがくるまで宇宙の交易みたいなもんから地球がハブられてたのかもよくわかんないんだよね。このネタだけで一本作れそうだが、絶対需要ないな。
マイペースでリトララSS進行中。
空間歪曲技術の発達した星では膨大な居住空間や施設を作るのに
高層建築を用いる必要は無いわけだから、高層建築だらけの地球文明は
そりゃあ辺境扱いだろうし、ハブられもするだろう
今の地球だってどこぞの裸族や先住民とは殆ど交流してないわけだし
(もうそんな先住民はあんま残ってないだろうけど)
164 :
rmy:2008/09/03(水) 21:56:17 ID:tVyXZ2+9
2週間も投下がないなんて最近のこのスレには珍しいですね
変な流れの原因になった自分が言うのも何ですけどw
リト×春菜をちょこちょこ書いてます
ぶっとんだお話にしようかとも考えましたが、
あえて春菜でやることもないかと思い直して、いつもどおりの切な系だったり
週末くらいを目処に何とかしたい今日この頃……
楽しみにしてない人には果てしなくウザイ
それを口にする奴も(ry
で、論争が巻き起こしたいんですね、分かります
楽しみにしている人には果てしなくwktk
>>166 は?wwwなにいってんのwwwwうぜえじゃんwwwww
みたいなレスが飛びかうんですね、わかります
169 :
164:2008/09/03(水) 23:14:07 ID:tVyXZ2+9
余計なこと書くのはやめにしますんで、すいませんでした
大学生だった頃は暇だったから良かったけど
社会人になって何年か経過してくると勤務や会議やで忙しくなり
とても複数のスレにまたがって活動してる時間が無くなってくる
時間があればここにもわんさか投下したいんだけどなぁ
他の職人さん達ってどうしてるんだろう
自分なんかより圧倒的に筆が早いんだろうなぁ
>>169 とまぁこんなこと言って絡む人がいるので俗に言う誘い受け発言は避けたほうが吉かと。
自分は待ってますよー。
コピペじゃないよな・・・?
>>170 俺はリトと唯の人ってどうしてるのかが気になる
リク応えるのも自分の作品出すのも早すぎだろとwそれでいてクオリティ高いしさ
まあリトと唯の人に限らず他の職人さんもどうやって一つの作品を仕上げるのか気になる
SS書けない俺の好奇心だけどね
>>170 通勤中とか、少し開いた時間に携帯使ってちょこまかと書いてる
と、言っても俺は色んなスレに適当に落としてるだけだからそこまで速く書く必要は無いんだけどな
>>170 もう一度大学生になればいいんじゃね?
27歳で高校生やってる(小説中で)人もいるんだし
>>170 移動中(電車の中とか)ケータイで書いて、それをPCに送ったりするとかどうでしょう?
とりあえず閃いたら迷わずケータイorPCですねw
>>173 俺、別に早くないですよ?
ただ一つの作品だけってわけじゃなくて、3〜4本同時に書いてたりするので…
出来た時期が重なったら投下期間も短くなります。閃いたらどんどん書いていくのでw
>>174>>176 SS職人さんですよね?
どうやって一つのSS仕上げてます?
自分もSS書きたいんですけど何から初めていいのかわからなくて……
よかったらアドバイスみたいなのお願いします
負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じること〜(*´∀`*)♪
>>177 俺の場合だが
キャラを決める(俺は色々なスレに住み着いてるので)
↓
ネタを考える
↓
大まかに流れを決める
↓
重要な部分を先に書く(主にネタの部分)
↓
その他の部分を書く
↓
エロ部分を書く(一番気を使う作業なので最後)
↓
見直し、修正
↓
完成。投下
こんな感じかな
>>177 参考になれば…
「リトと唯」書いてるので例としてクリスマス回で
まずテーマを決める→今回はクリスマスにしよう
↓
テーマが決まれば、次はそのテーマにそったイベントを考える→プレゼント交換・ケーキ作り等々
↓
書きたい事が漠然と決まれば、次は頭の中だけでもいいので、リトと唯を動かしてみる
↓
その時、いいなと思ったセリフなんかはちゃんとメモって!
↓
見せ場やその話しの軸になる会話なんかを考える→クリスマスの時は、プレゼント交換時のリトの唯への想いでした
↓
プロットを書いてみる→型に嵌まらず途中で変えてもおkかと!いいと感じたものはどんどん採用
↓
ワード等を開いてプロットにそって書いていく
↓
書いてる途中で閃いたシチュとかは使う使わない関わらず、走り書きでもいいのでどこかに書く
↓
エロを書くならできれば最後に→エロは体の動き・心理描写(書くなら)・二人の会話と一番気を使います
↓
見直し・修正→俺はすぐに見直さないで、書き上げてから一週間ぐらい間を開けます。
そしたら少しは自分の書いたのを客観的に見れるので、また違った視点で見直し等できるので
時間がかかるし、悩むしであまりおすすめできませんがw
↓
投下
こんな感じです。
>>178さんの言ってる様にまずは他のスレの作品や他サイトに行ってみるのも大事だと思います
もちろん「SS書きの控え室」に行っていろいろ聞いてみるのもいいかと
表現の仕方から言い回しまでちゃんと真面目に応えてくれますよ。真面目なスレなので一度覗いてみる事をお勧めします
182 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 03:29:56 ID:n3WExRz6
俺の場合は順序立てて組み立てずに
書きたいシーンが思いついたらそれを書くために組立始めるな
だから長編には向かない性格
職人はSSで語るべし
読者が読みたいのは良SSであって職人の自分語りじゃないとあれ程(ry
誰か注意しないとホントやめないな
ララの妹達が、オナホで尻尾を、ぎゅっぽぎゅっぽしあう話しまだー?
実はナナの本名がル○ズで、リトがサイトに改名する話madder?
188 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 15:22:59 ID:Wq/ufQ71
「あれ?リトったらそんなトコに突っ立ってどーしたの?」
「いや、別にどうもしないけど……」
「……ははーん。なるほどね。」
「な、なんだよ気味悪いな!」
「リト〜黙ってちゃわかんないよ?
ハッキリとなにをして欲しいのか言わないと。」
「な、なんの事だよ…」
「ん〜…たとえばー
『おちんちんが勃っちゃってガマン出来ないから、前みたいにいじめてください』とか?」
「な、なに言って…
そんな訳無いだろ!」
「あっそ。
なら良いんだけど。
用事無いならさっさと出てって。」
「あ…うぅ…。」
「なに?」
「ごめんなさい…。」
「…なにが?」
「前みたいにいじめて欲しいです…」
「誰に言ってるの?
もっかいやりなおーし。」
「あ…。
前みたいにいじめて欲しいです……美柑さまぁ……。」
「ふふーん。よくできました♪
ただ、悪いけど今日は私機嫌悪いから。前みたいに優しくしないから覚悟しといてね」
唯がフェラチオに初挑戦するSSはまだですか?
>>189 ちょっとおどおどしながらリトのモノを握って、上目遣いでチラチラと交互にリトの顔とモノを見て
チロチロ舌先で舐めつつリトの反応を見ながら、だんだん口の中に……
初々しくて緊張と恥ずかしさでいっぱいなんだけど、徐々に気持ちがほぐれていく展観かな?やっぱり
淫語連発はダメだし、ちょっと歯を当てちゃったりと失敗もいれて
咥えてる時、どっちかの手で髪を耳にかけ直すのも忘れたらダメだよね?
SS職人さんは一つの作品を書くのにどれぐらいの時間を使うのでしょうか?
193 :
あ:2008/09/06(土) 02:26:52 ID:TWqyOXSI
>>188 SM系か。
人を選ぶが書き手も少ないだろうし貴重だね。
>>188 普通に続きが気になるね。こういう役割は確かに蜜柑が適任だ。
195 :
rmy:2008/09/07(日) 00:19:19 ID:9EZitHQF
リト×春菜投下します
エロは無いんで、それが嫌な方はスルーしちゃってください
196 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:20:30 ID:9EZitHQF
きっかけはいつだって些細に思える。
しかし考えれば考えるほど、運命めいて思えてくるものだ。
その日も、校門を出るまでは何の変哲もない日常の中の一日にすぎなかった。
ピンク色の髪には特徴的な髪飾り。スカートから覗くのは尻尾の形をしたアクセサリ。
そんな地球における違和感など、吹き飛ばして余りあるヴァイタリティと美貌。すれ違えば誰もが振り返る。
そんな女の子と同居している。男なら誰もが羨むリトの日常。
しかしその日、ララの足は結城家へと向かわなかった。
「おい、ララ。どこに行くんだよ?」
「ん? 春菜ん家!」
見上げた空と同じような、カラッとした様子で言う。
「な、なんだって!? 聞いてないぞ!」
「ほぇ? そうだっけ?」
動揺しまくりのリトとまるでケロッとしているララ。見事なまでのコントラスト。
「リトも行くでしょ?」
さも当然とララが訊いてくる。
「お、俺はいいよ……」
リトの声のトーンが下がった。しかしララが耳を貸すわけもなく。
「リトも行くの! 春菜のお家へレッツゴー!!」
「ちょっと! 待てってララ、止まれーーー!!」
粉塵を上げながらピンク色の髪の少女は猛スピードで走っていった。地面に対して100度の角度に浮き上がった、少年の手を引いて。
少し前までのリトなら、口では拒んでいても春菜の家には行ってみたい気持ちで一杯だっただろう。
しかし今は、そんな気持ちにはなれなかった。
ララと春菜、春菜とララ。
春菜への想いは、少しも色褪せてなどいないつもりだ。
しかし自分の中で、ララの存在が日増しに大きくなっていくのを感じている。
もし人が誰かを想う気持ちに限界量があるのなら、今の自分の心はどちらがより多く占めているのだろう。
そんなことは分からなかった。しかしそんなことを考える自分を切り捨てることもできなかった。
何気ない、しかし退屈とは無縁の日常の中を泳いでいく。
対岸がいつまでも見えてこないことを、願いながら。
197 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:21:02 ID:9EZitHQF
春菜は意外なほどあっさりとリトを自室へと導いた。女の子特有の、甘い匂いが鼻を衝く。
「散らかっててごめんね」
もちろんこれは社交辞令だ。春菜の性格上、来訪者を(ましてや異性を)散らかった部屋に入れるわけがない。
しかし春菜の謙遜は彼女が持つ透明感ゆえか、不快感を与えない。
前回は状況が状況だったので、初めて見るに等しいその部屋。
春菜の部屋にいるという事実が閉塞感を薄れさせ、リトの心臓を弾ませた。
あちこちに視線を泳がせていたかと思えば、突如としてカーペットの一点を見つめて動かなくなる。
「あ! このぬいぐるみ喋るんだー! カワイイッ」
「小学生の頃に買って貰ったの」
頭に美がつく少女二人の楽しげな会話も耳に入らない。
その挙動不審ぶりは、春菜がお茶を入れに部屋を出た際にペケは愚かララにまで突っ込まれたほどだった。
そんなこんなで、春菜の部屋を訪ねて30分程が過ぎた頃。
ララの電話、もとい通信機が鳴った。
「はーい。ララでーす! あ、モモ? どうしたの?
パパから通信? こっちに送れないの? ……うん、うん。わかった。すぐに行くね」
ララが通話口に言葉を吹き込むたびに、リトの表情は困惑の度合いを深めていった。
そんな様子には気づかず、いつもの明るい調子でララが言う。
「ごめーん! ちょっと急用。帰らなくちゃ」
「だ、大丈夫なのか?」
リトは若干声が上ずっている。まるで縋るように自分の鞄に手を伸ばしたリトを見て、春菜の胸がチクリと痛む。
「大丈夫! ちょっとパパと話をするだけだから。じゃあ春菜、ありがとう!!」
屈託なく言うやいなや、一目散にララは去っていった。
想い人と恋敵を、6畳にも満たない部屋に残して。
「……結局あいつの目的ってなんだったんだ……?」
「あ、ララさんに漫画を貸してあげるつもりだったの。結城くん、渡してくれる?」
「あ、ああ。構わないけど……」
198 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:21:31 ID:9EZitHQF
会話が切れ、部屋に沈黙が訪れる。それはぎこちなくて息苦しい時間。
胸が躍るのではなく、締め付けられるような時間。
二人とともにそこにいたのが、ララだからこそ生まれた時間。
「「あの」」
同時に発せられ、重なる二人の声。
「な、なあに?」
春菜の声は心なしか震えていた。
「あ、いや……。漫画、受けとってもいい、か?」
「う、うん」
少し慌てた様子で機敏に立ち上がる春菜。リトに背を向ける形で本棚に手を伸ばしている。
しかしその動作は、少しずつ鈍っていく。
リトの言葉が、拒絶の意思に思えて。
(結城くん……)
胸が苦しいのは春菜だって同じ。
ララとリトとの間での、板挟み。
片方が同姓で片方が異性というのも珍しいが、春菜にとってララは大切な存在だ。
ララにはいつも笑顔でいて欲しいと、心から思える。
だけど。
(わたしは……)
こんなに苦しいのに、リトと離れたくはない。
一緒にいたい。一秒でも長く。
傍にいたい。一ミリでも近く。
なのに。
(あなたのことが……)
想いを伝えることは、できない。
「あ、の……これ」
「あ、ああ! ありがと」
ぎこちない微笑み。いつものリトではない微笑み。
「じゃあ俺、行くな! お邪魔しました!」
リトは引きつった笑顔のまま、鞄を両手で抱えて春菜の部屋を出た。
口調だけは、努めて明るくして。
「結城くん……」
春菜の呟きは、部屋を出た途端に早くなった想い人の足音に掻き消された。
199 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:22:38 ID:9EZitHQF
マンションを飛び出し、右に左にいくつか路地を曲がって、リトはようやく足を緩めた。
(ハァ、ハァ……何やってんだ、俺は)
まさに逃亡、逃避だ。
大好きな女の子を前にしても、晴れることのない雲からの。
(どうすりゃいいんだっての……)
雑踏の中をリトは歩く。あてもなく、途方に暮れながら。
二人の少女の顔が、交互に浮かんでは消えた。
夕日が空を鮮やかに染めるまで歩き続けても、思考は一向に収束する気配を見せなかった。
そんなリトを、見つめている目があった。
(あの男の子って、たしか写真の……)
春菜の姉、西連寺秋穂。
その聡明な頭脳が、額に汗を浮かべ狼狽した少年を見て一つの仮説を打ち出す。
いや、仮説というよりただの直感だ。
(よしっ。可愛い妹のために一肌脱いじゃおうかな!)
秋穂の口元が引き締まる。
思い過ごしならそれはそれでよし。
しかし時々春菜の様子がおかしいことは分かっていた。
妹には、いい初恋をしてもらいたい。
200 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:23:13 ID:9EZitHQF
「ただいま、春菜」
「…………」
呼びかけても反応がない。唇に手を当て、物思いに耽っている。
テーブルの上には3つ置かれたコップ。部屋の隅で退屈そうにしているマロン。
(いつもは閉まっている玄関も鍵が開きっぱなしだったし)
秋穂は自らの直感が正しかったことを確信し、そのうえでいつもどおりに振舞う。
同じベッドの上に腰掛けても、未だ気づかない妹に向けて。
「はーるーなーっ! ただいま」
「……お、お姉ちゃん!?」
ようやく春菜が秋穂の存在に気づく。
「お、おかえりなさい」
心の中にふわりと広がる安心感が、春菜にいつもどおりの「おかえりなさい」を言わせた。
「うんうん。それが聞きたかったの」
満足げに微笑む秋穂。
いつだって自分の味方でいてくれると信じられる、親愛なる姉。
「今日はどうしたの? いつもは戻る前に電話くれるのに」
「ん、ごめーん。忘れてた」
ペロリと舌を出す秋穂。
何気ない姉妹の会話。淀むことのないテンポ。
それが、春菜にいつもの自分を取り戻させていく。
「晩御飯の用意するね」
立ち上がり、自室を出ようとする春菜。その背中に、秋穂が言葉を投げかけた。
「何かあった?」
いきなり真剣になった声色。心臓が痺れるような感覚に、春菜は小さく息を零した。
「な、何かって……?」
左手でドアノブを掴んだまま固まってしまう。
「結城くんと」
その単語に、今度は背中が震える。動揺を隠しながらゆっくりと振り返り告げる。
「そんな、大した事じゃないの。ただ、ちょっと考え事してただけだから」
声が震えそうになるのを必死に抑える。
しかし今日の秋穂には、誤魔化しは通用しそうになかった。
あまりにも穏やかな姉の微笑みによって、春菜はそれを察した。
201 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:24:22 ID:9EZitHQF
「春菜……わたしにまで隠さないでよ」
いつもの姉とは何か違う。
サバサバした感じがなかった。からかいの要素がなかった。
「結城くんが、好きなのよね?」
だからその直球に、春菜は首を縦に振ることで答えることができた。
「もしかして、今日……」
秋穂の脳裏に予想していなかった要素が浮かび上がる。
奥手な妹の、告白。
しかし春菜は、今度は首を横に振ることで応じた。
そして今度は、秋穂の胸が震えた。
いつもやせ我慢をする妹が、負担になるまいとする妹が、強がりの笑顔を作れなかった。
何が春菜を、こんなにも苦しませるのか。
「春菜……」
自分はこんなにも、恋愛に悩んだことがあっただろうか。
どう言葉をかけたらいいのか、秋穂には分からなかった。
だから、姉らしくないかもしれないけれど、背伸びはせずに。
「私はきっと、今春菜が抱えているような気持ちを知らないんだと思う」
少し申し訳なさそうに見返してくる視線。
妹だからだとか家族だからなどという気持ちでは、もはやない。
この気を遣いすぎる、優しすぎる少女の、力になってあげたい。
「でも、私が春菜のことを負担に思うなんて、絶対にないからね」
秋穂の、まるで同い年の親友に向けたかのような真っ直ぐな言葉。
春菜の瞳から、涙が溢れた。
心の奥底の部屋に、閉じ込めてしまった想い。
しっかりと鍵をかけても、今日のように時々溢れ出してしまう想い。
誰にも見せずに持ち続けていくことを、受け入れたはずの想い。
初めて、この恋を応援してくれる人ができた。
扉がほんの少しだけ、でも確かに、開く。
202 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:24:59 ID:9EZitHQF
「怖いの……」
涙に濡れ、掠れたか細い声。
秋穂は自然と立ち上がっていた。
「結城くんに、告白するのが?」
また春菜の首が横に振られる。
秋穂は春菜の元へと歩み寄って、その小さな手を優しく握った。温かい秋穂の体温が、春菜へと伝わっていく。
「今の関係を壊すのが……怖いの。
結城くんと、ララさんと、わたしの……」
ララさん……。
春菜の口から良く聞く、もうひとつの人名。明るく活発、天真爛漫で無邪気。
「わたしが告白したら、今の関係が崩れちゃう……。
そんなことは、できないの」
秋穂の頭が高速で回転する。
恐らくはララもリトのことが好きなのだろう。
つまりは三角関係。それも、かなり特殊な三角関係。
春菜の話からすると、ララは春菜を大切な親友としてしか見ていない。
一方春菜の方も、ララに対して負けたくないという気持ちなどもっていない。
それどころか秋穂には、感じるところがあった。
(春菜は、ララさんには敵わないと諦めてしまっている……。ううん、諦めようとしている……)
ララが大好きだから。
だから春菜は、一歩引いてしまっている。
妹らしいといえばそれまでだ。
でも、秋穂は納得できなかった。
「それで、春菜は身を引こうとしているの?」
「っ!」
声を出すことができなかった。首をどちらにも振ることができなかった。
「ララさんを傷つけたくないから? 自分が傷つきたくないから?」
秋穂の話す速度は変わらない。
しかしそこに、熱情が混じり始めていた。
「今の関係は、居心地がいいかもしれない。でも、その関係に終わりが来たとき……」
秋穂はそこで言葉を切った。
春菜にも、続きは分かっていた。
今まで何度となく考えた末に、いつも決まって描かれる結末。
その時リトの隣に、きっと自分は……いない。
203 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:25:47 ID:9EZitHQF
「それでいいの?」
感情を落ち着かせるためか、深呼吸した後で秋穂が問うた。間近に聞く穏やかな姉の言葉が、春菜の頭を駆け巡る。
(それで、いいの……?)
今まで何度となくした自問。
その全てで、いいと思おうとした。
結論は、未だ出せていない。
「いい訳ないよね?」
そのとおりだった。
いい訳などないのだ。
諦められるはずがないのだから。
だから、こんなにも切なくて、こんなにも苦しくて。
涙が、でちゃうんだ……。
春菜の本当の想いが、溢れ出す。
「ララさんの恋を応援したいって、思ってた……」
その気持ちは、決して嘘や誤魔化しじゃない。
自分にはないものをたくさん持っているララに、憧れた。
それ以上に親しみを感じていた。素直で裏表がなくて、自分と同じ人に好意を寄せた彼女に。
しかし、結論はとっくに出ていたのだ。
かつて同じように問われたとき、自分は答えていたのだ。
よくないと。
「だけど、私は……」
扉は、もはや開かれた。
春菜の中でリトへの想いが溢れ、奔流となる。
「私は、結城くんが「ストップ!!」
春菜の激情を、秋穂が大声を出して止めた。
涙で頬を濡らしながら、きょとんとしてしまった春菜。
そんな妹が愛しくて、秋穂は抱きしめたい衝動に襲われた。
しかし、耐えた。
「お、ねえちゃん?」
そうするのは、自分ではなくあってほしいから。
だから、いつもの笑顔を見せる。
204 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:26:21 ID:9EZitHQF
「ふふっ。春菜ったら、私に告白してどうするのよ」
「え? ぁ……」
からかうときのちょっとだけイジワルな笑顔を。
「すごい勢いだったわねぇ。その勢いなら、結城くんもイチコロよ?」
真っ赤になり、固まってしまう春菜。
「お、おねえちゃんっ!!」
ぽかぽかと胸を叩いてくる、可愛い妹。
姉として、最後に背中を押してあげなくては。
「ほら春菜、さっさと着替えて」
「へ?」
春菜はまだ制服のままだった。
帰宅後着替える前にリトとララがやってきて、彼らが帰ってからは何も手につかなかったから。
困惑している春菜をよそに、秋穂は箪笥やクロゼットを開けて片っ端から春菜の服をベッドに並べていた。
そのファッションショーが終わるまでには、小一時間もの時間がかかった。
「お姉ちゃん」
玄関先、秋穂のコーディネートで着替えた春菜。
「ん?」
「伝えてくるね」
穏やかに笑って、春菜は言った。
不安や葛藤はまだ胸の中で渦巻いているだろうけれど、曇りのない笑顔だった。
だから秋穂も、同じように笑顔で返した。
「大丈夫。きっとうまくいくよ」
「……うん」
春菜は真剣な表情になって、唇を結んで頷いた。
「行ってきます」
決意に満ちた表情で玄関を出て行く妹を、秋穂は目を細めてみていた。
(ちょっと、羨ましいな……)
いつのまにか親友ができて。
自分はまだ味わったことがないほどの、恋心を抱えて。
今から大好きな人にありったけの想い告げに向かう妹。
秋穂は瞳を閉じた。
「頑張れ、春菜……」
205 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:26:58 ID:9EZitHQF
春菜は結城家へと歩いていた。
あまり履きなれていないパンプスが地面と音を立てる。
姉とともに選んだのはクリーム色のフリルブラウスと白と黒のチェック柄のミニスカート。
大きなベルトがアクセントだ。
普段の春菜よりちょっとだけ大人っぽく、大胆に。
ミニスカートに細い美脚が映え、優しい色合いのブラウスが柔らかな印象を醸し出す。
髪の毛は、いつものように前髪を2つのピンで留めたスタイル。
髪型も変えていったら? と秋穂は言ったが、それはやめた。
リトの目にはもちろん可愛く映りたいけれど、それ以上にありのままの自分をぶつけたいから。
(こんな時間に、結城くん驚くよね)
リトはどう反応するのだろうか。
きっと困惑し、オロオロしながらも突き帰すことはしないだろう。
(結城くんのことだから、ご飯食べていけって言うかな?)
表情に笑顔が浮かぶ。春菜は不思議と落ち着いていた。
それは目的がはっきりしているからだろう。
リトに、自分の気持ちを伝える。
ただ、それだけ。
その"先"のことなど、何も考えていなかった。
初めて好きになった人に、ずっと閉じ込めていた想いを知ってもらいたい。
想いを告げたい。
そうすれば変化が起こることはわかっているけれど、怖れることはもう止めた。
(だってきっと、私だって変われるはずだよね?)
春菜がもっとも嫌だったこと、怖れていたことは、いつまでも自分だけが変われずにいることだったのかもしれない。
でも、本当はもう変わり始めているのだ。
想いを伝えると決心した、その時から。
206 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:27:33 ID:9EZitHQF
結城家のインタフォンを鳴らす。
指が震えることはなかった。掌に汗をかくこともなかった。
じっと、スピーカーから流れてくるはずの声を待つ。
「ったく。おせーぞ、みか……」
声が届いたのはスピーカー越しではなく、今開け放たれた玄関前からだった。
顔をこちらに向け、絶句しているリト。
「こんばんは」
(なんでこんな時間に春菜ちゃんが……)
春菜の挨拶にも、リトは頭が混乱して何も返せない。
しかし視線だけは外さなかった。外せなかった。
ただそこに立っているだけなのに、春菜があまりにも可愛くて。
甘く痺れていく胸には、最近常に痛みが伴う。
「ごめんね。こんな時間に」
「あ、いや。全然っ」
いつもどおりの優しい口調に、リトが少し調子を取り戻す。
両手を開いて前に突き出す、オーバーリアクション。
「美柑のやつ、まだ帰ってこなくてさ。腹減ったよ。ハハ……」
左手で後頭部を掻く、照れ隠しの仕草。
「ちょっとだけ、お話できないかな?」
真っ直ぐに自分を見つめて放たれる春菜の言葉。
その度に、ときめいてきた。
好きになっていった。
なのに今は、どうしてこんなに逃げ出したい気持ちになるんだろう。
「夜のお散歩。30分だけでいいの」
拒めなかった。
春菜の瞳はあまりに澄んでいて抗うことなどできなかった。
207 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:28:15 ID:9EZitHQF
「星が綺麗ね」
「え……あ、うん」
隣を歩く春菜が夜空に向けて右手を伸ばす。
「こうやって手を伸ばせば、届きそうなのにな」
星明りに照らされた春菜の横顔は神秘的ですらあった。
(手を伸ばせば届きそうなのに、か……)
すぐ隣に、春菜がいる。満天の星空の下、二人きりで歩く。
これ以上ないほどのシチュエーションなのに、リトは手を伸ばせない。
二人は遊具などない、豊かな緑だけが取り得の公園へと足を踏み入れた。
「…………」
「…………」
互いに何も言葉を発せないまま、数時間にも思える数分が過ぎる。
道幅が広くなったことで、二人の間隔も少し広がっていた。
「結城くん」
沈黙を破ったのは、やはりというか春菜だった。
「聞いて欲しいことがあるの」
春菜はいつもよりも凛として見えた。
予感は、リトにだってある。
しかし春菜があまりにも大人びて見えて、リトには現実感が湧かなかった。
「私ね……ララさんが好きなの」
「……へっ?」
告白を予想していなかったわけではなかった。
しかし。
まさか相手がララとは。
リトとしてはどう応じていいかわからず、立ち尽くすだけだった。
春菜は瞳を閉じ、ゆっくりと噛み締めるように続けた。
「だから、応援したいって思ってた……。結城くんを振り向かせたいっていう、ララさんを」
切なさと寂しさに歪んでいくリトの顔。
208 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:28:49 ID:9EZitHQF
春菜が、ララを応援したいと言った。
その部分だけに、リトは大きく大きく動揺した。
それが過去形であったことにすら気づけないほどに。
「でも私、やっぱりダメだった……。ララさんのことどんどん好きになっていくのに、ダメだったの」
春菜の言葉はリトの耳を素通りした。
リトは強迫観念に襲われていた。今すぐ春菜に想いを伝えなければ、全てが終わってしまう。
そんなのは嫌だった。
今にも溢れそうなこの気持ちを、伝えられもせずに終わるなど耐えられなかった。
しかし、それを表現することができない。言葉でも、態度でも。
体全体が震え、唇は洗濯ばさみでも付けられたかのように開いてはくれなかった。
受身に慣れきった自分自身は、そんなに急に目覚めてはくれなかった。
「さ、西連寺。お、れ……」
おれという言葉だけが、リトの脳内を埋め尽くしていく。その先はどうしても形にならない。
「だってね……」
対照的に春菜の声は揺らぐことなく響いていた。
「だって、結城くんのこともどんどん好きになっていったから……」
ララを応援しようとした。自分は身を引こうとした。
だけど初めてそう考えたときには、結局そうしきれなかった。
リトへの想いを、断ち切ることなどできなかったから。
そして春菜には、繋がりを断ち切ることなどもっとできなかった。
だから、ララの傍にいた。
リトの傍にいた。
それからの、あっという間の様で長い長い日々。
ララを応援したい気持ちがどんなに膨らんでも、それ以上にリトへの想いが膨らんでしまった。
絶対に終わりの来ないイタチごっこのようなもの。
209 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:29:26 ID:9EZitHQF
「結城くんが、好きです」
もう一度、春菜が告げた。
その声は目に見えない何かに守られながら、リトの最奥に吸い込まれていった。
リトは無言のままだった。
春菜の気持ちが、自分に向いていないと感じたことによる揺らぎ。
気持ちを伝えなければという焦燥。
自分の中にある春菜への気持ちを再確認し、その大きさを知り、受けた衝撃。
それだけでも今にも倒れそうなほどだったのに。
春菜の想いに、ゆっくりと包まれた。
そしてあっという間に、侵入された。
声など発することができるわけがなかった。
そんなリトを見つめる春菜の瞳は、少しずつ潤んでいった。
常に前向きでいろ。悩むくらいなら行動しろ。
ずっと心に留めて来た、大切な言葉。
でもこの恋だけは、そうできなかった。失ってしまうかもしれないものが大きすぎて、そこにばかり目が行ってしまった。
そんな自分を、やっと断ち切れた。
結城リト。大好きなその人に、想いを告げることができた。
しかし瞳が潤んだのは、満足感からではなかった。リトにフラれることを、怖れているわけでもなかった。
(私って……勝手だ)
ただ、思ってしまっただけ。
(私って……欲張りだ)
ただ、気づいてしまっただけ。
210 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:30:33 ID:9EZitHQF
リトの瞳はずっと春菜を映していた。
漸く、僅かに平静さを取り戻した脳が、春菜の潤んだ瞳を認識する。
「西連寺……?」
告白を受けた後の第一声が、相手の名字の疑問形とは。
しかしそこには、滲み出てくるような温かさがあった。
何の見返りも求めずに、何の裏もなく、本気で相手を思いやることができる優しい少年。
「私は、自分の都合しか考えてなくて……。
結城くんが困ること、分かってたのに。ララさんを裏切ることになるって、分かってたのに」
リトの優しさを感じれば感じるほど、春菜の声は震えていく。
「でも、好きって伝えたかったの。
どうしても、あなたに伝えたかった……」
もう、公園に足を踏み入れたときの春菜の声ではなかった。
今、瞳を伏せているのは想いを壊さないように、そっと紡ぐためではない。
「伝えられればそれだけでいいって思ってたのに……。わたし……」
噛み締められた唇。震えるほどに握り締められた両手。
春菜が本当に望んでいたこと。
「結城くんが……好きなの。もう、どうしようもないくらい。
一緒にいるだけで、どんどん強く、どんどん深く、抑えられなくなっていくの」
恋愛なんて、勝手じゃなければ始まらないのに。
欲張りになれることは、素敵なことなのに。
「ごめんね……。ごめんなさい、結城くん……」
春菜は最後まで、涙を零さなかった。
211 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:31:41 ID:9EZitHQF
(どうして、そんなに……)
そんなに他人のことばかり考えなくていいのに。
自分を犠牲にしてまで、思いやらなくていいのに。
リトの胸は張り裂けそうだった。
できれば今の関係がずっと続いて欲しいと思っていた。
そんなことはありえない。分かっていたこと。いつか必ず、選択のときは来る。
その時に俺は、どちらかを選べるのだろうか。
いや、そもそもこんな俺に選ぶ権利などあるのだろうか。
そんなことばかり考えていた自分が、弱くて小さくて、どうしようもなく情けなかった。
でも、そんなこともどうでもよかった。
春菜を受け入れたかった。抱きしめてあげたかった。
できること全てをしてあげたかった。
その髪に触れたかった。唇を啜りたかった。
春菜の全てが欲しかった。
今。
すぐに。
でも、それはリトの流儀ではないから。
「俺は、謝ってなんか欲しくないよ?」
抱きしめるにしたって、手順ってものがある。
春菜の誠実さに、想いに、己の全てを賭けて応えるんだ。
ただし、言葉はできる限り短く。
「ありがとう」
リトは微笑んだ。
あまりにも切なくて愛おしくて、そうしなければ自分が先に泣いてしまいそうだった。
そんなリトを見て、春菜の瞳の中の雫が表面張力を打ち破った。
212 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:32:15 ID:9EZitHQF
「誓うよ」
まるで大画面スクリーンの中から響いてくるようなリトの声。
温かくコーティングされたかのような、微かにノイズの混じった声。
春菜の耳には、そう聞こえていた。
「俺はずっと、キミが好きでした」
誰にでも、何にでも、胸を張って言える。
「これからも、キミが大好きだ」
この気持ちが揺らぐことはないと、確信している。
「そして、ずっとキミを守り続ける……。キミだけを見ている。もう離さない」
決意に満ちた瞳だった。愛情に溢れた瞳だった。
「そう、誓います」
大きな瞳から溢れ出した透明な液体は、鼻頭と口元を覆っている春菜の両手を濡らしていく。
春菜が投げたボールを、リトはフラつきながらもしっかりと受け止めた。
そして構えてもいなかった春菜のグローブに、優しくボールを返した。
たった一往復に、どれほどの時間がかかったのだろう。
たった一往復で、どれだけの想いを交換できたのだろう。
213 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:32:50 ID:9EZitHQF
「……ぁ」
リトは春菜を抱きしめた。抱きしめたかったから。
でもそれは、欲望とは程遠い感情からだった。
きっと大丈夫。
不器用さを分け合って、支えあって、助け合って。
二人なら、やっていける。
春菜に伝えたかった。
「謝らないよ?」
「……えっ?」
腕の中で、春菜が小さく震えた。
「俺、勝手に誓い立てちゃったけど。勝手に抱きしめてるけど。でも、謝らないよ……?」
春菜の両腕が、リトの背に回された。
「私を、受け入れてくれるの……?」
きつく抱きしめられると、柔らかく包んでいたリトの腕にも力が篭る。
春菜の事以外、何も考えることはなかった。
「もう、強がらなくてもいいから……。俺がずっと、そばにいるから。俺にはキミが……必要なんだ」
もう、大丈夫だよ。
痛いほどに優しいリトの気持ちが伝わってくる。
春菜は涙を零しながら、長くて温かい、幸せに満ちた吐息を漏らした。
どうして、想いを伝えるだけで満足できるなどと思えたのだろう。
ずっと知っていた、リトの優しさ。それが今、自分だけに向けられている。
想像よりもずっと硬い身体。お日様のような香り。
包まれていた。愛されていた。
(私、変わっちゃう。こんな幸せ、知っちゃったら……)
もう、離れられない。
これ以上好きになったら、自分がどうなってしまうのか想像もつかない。
怖い。
214 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:33:42 ID:9EZitHQF
だから春菜は、リトの身体をそっと押した。
離れるためではなく、より深く重なるために。
リトの両手が、春菜の背から肩へと移る。
潤み揺れる対の泉が、斜め上に、しかし真っ直ぐにリトを見つめた。
リトの手がゆっくりと、左右対称に動く。
その両手がこの上なく繊細に春菜の頬に触れた。
慈しむように。愛でるように。涙のラインをそっと指でなぞった。
あまりにも優しいリトの表情に、心臓が止まってしまいそうだった。
春菜は3つ数えて、瞳を閉じた。
そっと爪先立って、顔の高さを合わせた。
ゆっくりと、重なる唇。
触れ合うだけのキス。
真っ白な頭と、痺れるような甘い感触。
悦びの涙が、今度はリトの手を濡らしていった。
唇が離れると、春菜はリトに身体を預けた。
そしてずっと、そのままでいた。
相手の鼓動を聞きながら、唇の余韻を反芻しながら。
木々がそよぐ柔らかな音の中で、二人はいつまでも抱き合い続けた。
215 :
リト×春菜:2008/09/07(日) 00:34:17 ID:9EZitHQF
「あ、あの、あのさ」
春菜の家への、帰り道。リトがそれまで以上に詰まりながら話しかける。
「な、なあに……?」
春菜の方も、スムーズに返せない。
二人は永遠にも近い誓いを刻んだ。
しかし二人のやり取りは、照れすらも入り込めないほどの初々しさに満ちている。
「は、春菜ちゃんって……呼んでもいい?」
リトが顔を真っ赤にして告げる。
数瞬キョトンとした春菜の顔も、同じ色に染まっていく。
「あ、いや! その、俺の頭の中だと西連寺はいつも春菜ちゃんで……。
って、何言ってんだろ俺。ごめん!」
そのまま固まってしまうリト。
そんな出来立ての恋人に、春菜の胸は愛しさで一杯になる。
昨日までは、こんなとき常に切なさが伴った。
だけど、今は。
「結城くん……謝っちゃダメだよ?」
満開の笑顔が咲いた。
リトの胸をマグニチュード8クラスの振動が襲った。
可愛い。可愛すぎる。
「結城くん」
それは、話を続けるための呼びかけではない。
リトはゴクリと一つ唾を飲み込んだ。
「春菜ちゃん」
同時に息を吐き出す。そして、顔を見合わせて笑う。
傍から見たら、完全なバカップルだ。
だけど二人にとっては、ものすごく大切で大きな一歩だった。
そして今度は春菜が。
「その代わり、ね?」
恥ずかしそうにポソポソと、小さな声で。
だけど、それでもちゃんと言う。
「明日も……一緒に帰りたい」
だって、もうすれ違わないと決めたから。
リトは最高の笑顔で頷いた。
これからはどんな小さなことでも、分け合えるように。
二人の想いが一度でも多く、互いの心を往復するように―――
216 :
rmy:2008/09/07(日) 00:36:12 ID:9EZitHQF
終わりです
エロシーンありでもう一話くらい書く予定です
楽しんでいただけたら幸いです
一番乗りGJ
GJ!超GJ!!
春菜可愛いな〜、描写も丁寧で良かったし読みやすかった
次も楽しみにしてます
誰かリサで書いてくれよー
222 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 02:50:20 ID:M1DQVUxY
は
る
か
か
今から投下します
と、いってもエロなしのミニミニSSなのですが…
それはずっと昔の話し────
「それじゃあみんな、ケガをしないように元気に遊ぶのよ?」
『は〜い!!』
カワイイ声を唱和させながら、幼稚園の制服を身にまとった男の子や女の子が、それぞれ
のグループに分かれて、思い思いの遊びを始める
その輪の外に小さな女の子が一人、ポツンと芝生の上に立っていた
「うぅ…」
小さな手で制服の裾を握りしめながら、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロ
落ち着かないのか、さっきからそわそわしっぱなしだ
やがて、見知った子達を見つけたのか、その曇りがちだった顔がぱぁっと輝く
「はぁ…はぁ」
一生懸命、トテトテ走ると、その女の子たちの前で唯は立ち止まった
「ゆ…唯もいっしょにあそんでもいい?」
息を切らせながら話す唯に、女の子たちは揃いも揃って露骨に顔を歪ませる
そして、辛辣な言葉を吐き出した
「いや!!」
「え…?」
その女の子グループのリーダーなのか、気の強そうな一人の女の子が目を細めながら唯に食い付く
「だって唯ちゃんとあそんでもつまんないんだもん! ねー?」
後ろにいる数人に目配せすると、それが合図だったかの様にみんな一斉に声を上げ始めた
「そーよ!」
「わたし、唯ちゃんとあそびたくないのっ」
「どっかいってよ!」
「え…え…」
その残酷な言葉に唯は、戸惑う様にオロオロと視線を彷徨わせる
「な、なんで…」
「だってあなた、いちいちうるさいのよ!」
「そーよ! この前だってセンセーに言いつけたし!」
「だ…だってあなた達がお花のおみじゅ(お水)やり全然ちないから…唯は…」
制服の裾をキュッと握りしめながらも唯は、精一杯の声を絞り出す
「それがウザいってゆーのよ!! どいてよっ」
ドンっと突き飛ばされた唯の小さな体は、地面に尻モチをついてしまう
「キャ! う…うぅ…いたい…」
目に涙をいっぱい溜める唯を嘲笑うかのように、女の子たちは唯を見下ろすと、ふんっと
鼻を鳴らしながらその脇を通り過ぎていく
その時────
「なにやってんだよ!? おまえらっ」
コロコロと転がったサッカーボールを拾いに来た一人の男の子が、ボールを手にこちらへと走って来た
「大丈夫か? ホラ、つかまれよ?」
「う…うん」
見かけない一人の男の子に戸惑いながらも唯は、差し出されたその手をギュッと掴む
「どこもケガないか?」
と、ニッコリ笑うその男の子の笑顔に唯は、初めて会うにも関わらず何かがそわそわするのを感じた
「へ、へいき!」
「そっか! …で、おまえら、なにやってんだよ?」
「な、なにって……アンタこそなによっ?」
突然の来訪者に若干顔を引きつらせながらも、リーダーらしく一歩も引く様子のない
その女の子に、後ろにいた数人が服を引っ張りながら小声で話し始める
「あのコ、ちょっと前にココにきた…」
「となりのサクラ組の…結城…とか…」
何やらぼそぼそと話し始める間も、男の子──リトは唯を後ろにかばいながらジッと目の
前の女の子たちを睨みつける
その背中からひょいっと顔を覗かせながら唯は、心の中で首を傾げた
(だれ……?)
ずっと幼稚園にいる唯でも初めて見るその顔
そして、初めて会うにも関わらず不思議な気持ちにさせるその雰囲気
唯はいつの間にか、その男の子の背中のシャツを握りしめながら、その後ろ姿をジッと見つめていた
小さな声でヒソヒソ話しながら、何度もこちらをチラチラと見てくる女の子たち
やがて、結論が出たのか、もう一度唯を睨みつけると女の子たちは背を向けて歩き始めた
「ちょ…待てって!」
「……アンタがあそんであげればいいじゃない?」
「唯ちゃん、よかったね!」
「アレってじつは唯ちゃんのカレシだったりして?」
「あ! そーかも!!」
「うるさいものどーし、お似合いだしね!!」
口々にそう囃し立てては、ケラケラと笑いだす女の子たちにリトは声を荒げた
「おまえらいい加減に……って全然きいてねー…はぁ〜」
力を吸い取られたかの様にガックリと肩を落とすリトに唯は表情を曇らせた
「ゴ…ゴメンなさい…。唯のせいで…」
「ん? なんでおまえがあやまるんだよ? 別におまえのせいじゃないだろ?」
「う…うん」
それでも表情が晴れない唯に、リトは元気付かせる様にニッと笑顔をつくる
「じゃあ、オレと遊ぼっか?」
「え?」
「ダメ?」
「ダ、ダメじゃなくて…えっと…」
誰かから誘われるだなんて初めての事だった
まして相手は男の子
唯にとって男の子は嫌がらせばかりしてきて、うるさくて、話しを全然聞いてくれなくて、
困らせてばかりで、そんな最悪なイメージしかない
裾を握りながら、もじもじしてばかりの唯にリトは笑みを深くした
「じゃあ決まりだな! なにして遊ぶ?」
「え…えっと」
急にそんな事をいわれても……
唯は目をキョロキョロさせると、もごもごと口を開いた
「それがいい…」
「え!? コレのことか?」
リトはサッカーボールを顔の前まで持ち上げると唯の手の中へ、ポンっと手渡した
「へ〜サッカーできるんだ?」
「が…がんばってみる…」
ホントはおままごとか、なわとびがしたい────……
初めて出来るかもしれない友達に、だけどそんな事言えるはずもなく
唯はギコチなく小さな笑みを作った
コロコロと転がってきたボールを空振ると、バランスの崩れた唯はそのまま尻モチを付いてしまう
「ぃ…たい…」
これで何度目になるのか、何度もぶつけたお尻の痛みに唯の目に涙が浮かぶ
「大丈夫か?」
「う、うん! へいき!!」
こちらに走ってくるリトに大急ぎで涙を拭うと、唯は立ち上がった
転ぶ度に心配そうに駆け寄ってくるリトの優しさに、唯の小さな胸はトクンと音を奏でる
(優ちいな…)
制服に付いたドロをポンポンと手で払う唯に、リトは頭を掻きながら難しい顔をした
(…ホントにサッカー好きなのかよ…)
パス交換もリフティングも、おまけにルールすらまったくわかっていない様子の唯
それに、さっきからしきりに何かを思いつめているのも気になる
(ん〜…)
小首を傾げながら腕を組んで考える
リト自身、女の子とこんな風に遊んだことはない
ないのだが、普段女の子たちが遊んでいるところは何度も見ている
なわとび、おままごと、折り紙折り、ケーキ屋さんごっこ、お花屋さんごっこ……
「……ほかのにしよっか?」
「へ?」
「ほかの遊び! ホラ、アレだ! おままごととかさ」
「え…ぁ…い、いいの?」
「つーかやったことないからわかんないんだけどな…。おままごと」
苦笑い浮かべるリトに唯は、ポンと手を合わせながらニッコリ笑った
「へーき! 唯がちゃんとおちえてあげる!」
「お、おう」
リトは目をパチパチさせながら、指で頬をポリポリ掻いた
(…へ〜コイツって、こんな風に笑うんだな…)
「じゃあ、唯がおかーさんね!」
目の前でキレイに並べられたおもちゃのお皿やコップを前に、リトはなぜだか正座したま
まカチコチに固まっていた
「じゃ、じゃあオレがおとーさんだな?」
「うん! おとーさん、今日も一日おつかれさま」
「へ!? あ…え、えっと……た、ただいま。で、いいんだよな?」
「ただいまってゆー時、そんなこと聞かないでしょ!?」
「だ、だよな」
腰に手を当てながら声をキツくさせる唯に、リトもつい声を詰まらせる
「それじゃー、えっと、ご飯にちますか? おフロにはいりますか? どっちにちますか?」
「え、え〜っと…じゃあご飯で…」
「はい! すぐにできるから待っててください!」
「…うん」
女のコってなんかすげーんだなァ、と思いつつ、キレイなドロの団子を作り始める唯にくす
ぐったくなる感触を覚えるとリトは、ニコッと笑った
(なんかいいな! こんなふーに遊ぶのも)
そして時間はあっという間に過ぎていき、夕暮れ時
「────つぎはおとーさんの番ね?」
「オレ!? オレもするのか?」
「当たり前でしょ! 泣いちゃったらどーするの!?」
むぅ〜っと睨んでくるすっかりお母さんになった唯から、赤ちゃん役の人形を受け取ると、
リトは、赤ちゃんを腕に抱いた
「え…えっと…」
「ちゃんとお歌を歌って、寝かせてあげないとダメなの!」
「わ、わかってるんだけどどーすりゃ…」
「さっき唯がやってたでしょ!? ちっかりちてよね! おとーさんなんだからっ!!」
「はい…」
リトは腕の中に視線を落とすと、キョドキョドしながらも赤ちゃんをあやし始めた
腕をゆっくり左右に振りながら、ヨチヨチとあやすリトの姿に唯の口から自然と笑みがこぼれる
小学生になってからすっかり構ってくれなくなった遊
ココでは半ば一人ぼっち状態の毎日
こんなに楽しいと感じたのは久しぶりだった
もっと続けばいいのに
もっと一緒に遊べたらいいのに
けれど、始まりがあれば終わりがある
それは楽しい時間も同じだ
「リトーー!」
「ん?」
遠くの方から自分の名前を呼ぶ声に振り向くと、リトはとたんに顔をしかめた
「あ、かーさんだ」
「え?」
リトが見つめる先、幼稚園の門の前でオシャレな服を着た若い女の人が唯の目に映る
「…ぁ…」
その小さな呟きが聞こえたのか、リトは申し訳なさそうに肩を落とすと、スッと人形を唯に返した
「ごめん。かーさん来たからもう帰らないと…」
「ぅん」
「今日、楽しかったよ!」
「ぅ…うん…。唯もたのちかった…。そ、それであのね…」
制服の裾を握りながらもじもじと体を揺する唯の言葉を待っていると、遠くの方から急か
す様に、自分の名前を呼ぶ林檎の声がしてくる
「ヤバ…そろそろ行かねーと」
「え…ぁ、ま…待っ…」
言いたい言葉があるはずなのに、出てこない
その後ろ姿に胸がキュッと締め付けられて声にできない
(唯…唯…)
制服を握りしめる手に力がこもった時、ふいに立ち止まったリトが、くるっと自分に振り返った
「また、明日も遊ぼーな!!」
夕日に照らされながら、ニッコリ笑ったリトにキュンと胸が高鳴ったまま唯は動けなくなってしまう
「じゃあな」
「…ぁ…ぅ…う、うん! うん!! また、また明日!!」
リトが見えなくなるまで何度もブンブンと腕を振り続けた唯
遠く見えなくなっても、しばらくその場から動かなかった
胸に今日の出来事が溢れかえっていた
そして、大事な事に思いつく
「明日…明日、がんばって名前ちゃんとおちえてもらわないと!!」
ぬいぐるみを胸に抱きしめながら、唯は自分にそう約束したのだった
そして、次の日────
「おそいな…。なにちてるんだろ?」
昨日と同じくキレイに並べられたおままごとセットの前で唯はずっと待っていた
「うぅ…」
けれどもリトはこない
昨日から気になって気になって、今日の朝、さっそく隣の組までいたのだが見当たらず
ガッカリしながらも"この時間"を今か今かと心待ちにしていたのに
「どーちたんだろ…。唯…なにかちたのかなァ」
と、一人沈んでいると、担任の先生が唯の元へやってきた
「唯ちゃん。何してるの?」
「へ? 友達……を待ってるの」
「友達? どんなコ? 先生、呼びに行ってあげようか?」
「う、うん。えっと…」
名前のわからない唯は、自分の見た事、感じた事を、事細かに説明し始める
「…それってもしかして結城くんのことかな?」
「ゆ、ゆーき…くん?」
「うん結城くん。でも、唯ちゃん。結城くんね、もういないのよ…」
「え? いない…?」
「そう……。昨日、お母さんの仕事の都合で急に引っ越すことになってね。幼稚園、やめちゃったのよ」
「え…え…」
ワケのわからない唯はただ、オロオロしたまま目を彷徨わせた
「結城くん、最後に唯ちゃんにゴメンって謝ってくれって何度も何度もお願いしてたんだ
けど、結城くんも唯ちゃんの名前わからなかったみたいで、先生も困っちゃって…。
そっか、唯ちゃんの事だったんだ…」
先生の声を聞いている内に、次第に、唯の目からポロポロと大粒の涙が溢れ出してくる
「ゃ…だ…」
ギュッと制服を掴む手に、涙が当たって地面に落ちていく。何度も何度も
「や、だぁ…。唯…唯…まだちゃんとお礼もゆってないのにぃ。やだぁ…やだぁ…」
夕暮れの中、唯の涙と想いは、いつまでもいつまでも溢れ続けた
────そして十数年後
「────あなた達、何してるのっ!?」
「へ?」
彩南高の廊下でリトと唯、二人は再開を果たす
幼稚園の切ない想い出を胸の奥にしまいこんだまま
終わり
元ネタは以前、唯スレで議論?されてた「幼稚園時代の唯は…」です
内容もほぼスレ内で言われてた通りですね
次は長いSSを投下します。9月中に
>>188 続きをぜひ書いてください!
美柑がかわいいよ。こんな美柑好きだw
>>216 毎回言ってるけど相変わらずいろんな引き出しの多さに嫉妬w
春菜の特徴というか、描写や表現の仕方が優しくて丁寧だなあ
勉強になります。ホント
>>232 投下おつかれさまでした。
まさかスレでいわれていた話を書いてくださるとは・・。
GJ。
えーと…美柑攻めの美柑×リトを書いたんで投下しようか悩んでるんですが……需要あります?
結構SM色強いんで、無理な人は無理かも……。
>>232 GJ!しかし相変わらず上手いなー
>>234 是非投下してくれ、wktkしながら待ってる
>>235 それじゃ投下します。
拙い文章ではありますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
【Prologue】
今年の春大学に合格して、一人暮らしを始めた。
家から通えない距離でもないのに一人暮らしを始めたのは、初めての一人暮らしが楽しみだったとか、通学が面倒だとかではなくて……。
ただ、妹の美柑から逃げる為だった。
【再会】
大学に入学しての一月はあっというまに過ぎ、GWに入った。
自宅で休みの計画を考えていた時、インターホンが鳴った。覗き窓から来客者を確認した瞬間、俺は愕然とした。
レンズの先に映っていたのは……紛れもなく妹の美柑だった。
呆然としていると、急かすように再びインターホンがなったので、慌ててドアを開けた。美柑は笑みすら浮かべ佇んでいた。
「リト、久しぶり」
「ああ……う……うん。久しぶり……。」
驚きのあまり言葉につまってしまう。そんな俺に美柑は笑いかける。
「どうしたのリト?そんなに驚いて。入っていいよね?」
がくがくと首を振ることしか出来ない俺をよそ目に美柑は
「おじゃましまーす」
と軽やかに声を上げた。
(今までのことは、無かったことにしていいのか?)
そんなことを思い、ドアを閉めた俺に美柑は苛烈な言葉を投げかけた。
「ねぇリト?……豚が勝手に一人暮らしして良いと思ってんの?」
……美柑は変わっていない。
それを実感すると、ペニスが人知れず勃起した。
……ん? これで終わり?
>>232ハアハアハアハア…唯たん…うっ!
…ふう…
糞SS乙
【再調教】[1]
美柑が来てからというもの、俺の生活は以前のものに逆戻りだ。
いや、親の目もあった実家に比べて、美柑と俺しかいないこの家では、より酷いものになったといえる。
当然のように衣服は剥ぎ取られ、排泄は管理され、自慰は禁止された。
出掛けるときはアナルにバイブを入れられ、常に微振動を保たれる。少しでも帰宅が遅れたらお仕置きだ。
家にいる間は常に美柑の理不尽な命令に応えなければならない。
そう、今も。
「ねぇリト。料理もうすぐできるけど、そっちはどう?」
「ううっ……あうっ……あふぅ……あん、ああんっ」
俺のアナルには太い張り型が入れられ、ペニスはカリを二つのローターで挟まれ、二つの乳首にすらローターが貼り付けられている。
もう10分以上、俺は快楽の波と戦っていた。
もし射精すれば、お仕置きが待っているから……。
「あれっ、リト。顔が赤いけど大丈夫?」
美柑が笑った。
「うーん。熱でもあるのかな」
わざとらしく、額をぴたりと当ててくる。
その間も俺はローターたちになぶられ続け、声にならない声を上げ続ける。
【再調教】[2]
「うーん、ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ。どうしたのリト?」
「チ、チンポ……」
「ん?こんなに大きくしてどうしたの?
もしかして、私が料理してる間に一人で楽しんでたの?
淫乱な“お兄ちゃん”♪」
自分でそうしたくせに、理不尽に美柑が責める。
だが、そんなことを気にする余裕はもうなかった。
「イ……イかせ…てぇ……」
「だから、何言ってのか聞こえないよ。はっきり言えっていったでしょ。」
おしおきとばかりに、美柑は俺のチンポを叩いた。
「ひいっ……」
臨界点に達していた俺のチンポは美柑のトドメで射精した。
快感がはち切れ、身体全体が痙攣する。
「ああっ……ああ……はぁ、はぁ」
一度射精して、頭に浮かんだのは美柑の言葉。
「射精しちゃダメって言ったよね。どうして欲しい?」
「……おしおき、してください」
ローターとかは全部取り払われても、俺の顔は苦悶にゆがんでいた。
アナルに別のモノを入れられたからだ。
「リト、しっかり調理してね」
ゆで卵。それが俺のアナルに入れられていた。
>>232 昔の偉い人は言いました
「まだ」と言っていたらいつまでもスタートできませんぞ
そろそろ誇りを持たれてはいかがかな byキ○キ○オ○ジ
あんた充分すごいんだからもっと自信持ったほうがいいよ
>>243 リトが大学生ってことは美柑は中学生なわけだけどさ
これってSSの内容的にいらない設定じゃないか?
あとケータイからかもしれないけどさ、これぐらいならまとめて投下は当たり前だよ?
最後に一つ。終わりなのか?続くか終わりなのか書かないとわからないよ
いろいろキツいこと言ったと思うけど、せめて下二つの内容ぐらいなんとかしてくれ
遊と秋穂がつきあってるとこでも妄想して寝るか
遊唯でいいや もしくは梨子
遊×リトだろjk…
>>247 理解できなぁぁあい
リトハーレムでもういいよ
美柑の初潮ネタ・・・ふぅ
249 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 00:57:20 ID:2m5rG6nU
どうしてもか?
あぁ? 何がよ?
>>247 遊×梨子だったら喜ぶ
遊×リトだと、遊はどっちでもいけるということか…
…ゴクリ
252 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 07:17:31 ID:Q8vkW3q3
260 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 22:33:41 ID:U4xZfHYj
何か今週の御門先生見ると下手な同人誌の女の胸みたいな変な形をしてる
わざわざageていうことじゃねーな。
ザスティンと御門先生の組み合わせってエロいと思う。大人な二人は濃厚そう
おいおい、俺の沙姫様が失恋するとかやめてくれ
264 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 00:20:35 ID:cjE0GX9l
>>262 どう考えてもザスティンが先生に絞り尽くされるのしか想像つかん
ザスティン妻子持ち説とかあるよな
>>259>>264 今じゃ信じられないかもしれないが、昔はいたんだぜ沙姫様専属の職人が
あの人もう書かないのかな?結構好きだっただけに残念だよ
もしまだこのスレにいたらまた書いてくれよ
金髪縦ロールは俺のジャスティス
ならポニテでツンデレな先輩が俺のジャスティス
ならポニテでクーデレな先輩が俺のジャスティス
なら黒髪ロングでツンデレな破廉恥が俺のジャスティス
沙姫様も凛も唯も俺のだって言ってるだろおおおおおお
沙姫ならなんだかんだ言いながら俺のために飯作った後
夜のために今シャワー浴びてるよ。
>>272 それはアリバイ工作のためにシャワーを流してるだけで
本人は隣の部屋で俺にフェラしてるよ
274 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:08:32 ID:cjE0GX9l
>>273それ影武者だろ。沙姫なら今俺の横で可愛い寝顔で眠ってるぞ。
くだらねー流れだ。
一人が調子に乗ると際限無く悪ノリするグズばっか。
少なくともこのスレに邪魔なのはお前だけだけどな・w・
あぁ、もちろんさマイブラザー
おちんちんきもちいお
モブ×女の子たんが見たいお
ララを騙して援交させる黒リトとか来い
281 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 11:57:24 ID:YQAg4JIK
原点に戻って、リト×ララはどうだろうか
あえてララ×リトはどうだろうか
エロなしで良ければ書いてみようと思うのだが、エロ無しは受け付けない流れ?
エロ無しでもいいって人は読みたい二人をリクエストしてほしい。
>>283 リト×唯
シチュは結城家に忘れ物を届けた唯がそのまま家に上がって、美柑にいろいろ訊かれたり
リトの部屋に行ってベッドに寝転びながら悶々しちゃってそれをリトに見られちゃう話しが見たいです
>>283 じゃあ俺はリトと唯がプリクラ撮る話を所望しようか
>>283 リト×唯承知。
それにしてもレス早いなwww
ところで、唯ってリトの家の場所知ってたっけ?
>>285 もう自分の中でストーリー出来上がったからその話しは不可www
今度また別のSSで書くよ。
>>286-287 不可か残念(´・ω・`)
ちなみに唯はオキナワ星行った時にリトの家に行ってるから場所知ってる
職人が二人もいるのにまたリト唯かよ
リクくらい他のにしてほしかったわ
何度もすまないがストーリーの進行上関わるので質問する。
結城家の親ってどうしてる?いる?いない?
>>289 うわー、ごめん。
実はリト春菜考えたりもしたんだけどエロないし需要ないかなと思って保留にしたんだ。
長くなりそうだから気が向いたらそれも書くわ。
>>291 ありがとう。
すまんね。自分たまにしか読んでないもので。
>>292 いや、書いてくれるあなたが謝ることじゃないよ
俺も勝手なこと言って悪かった
御門先生が処女なのないの?
ってか御門先生って処女だろ?なんで非処女になってるの?
林檎は処女だろうけど
>>295 それじゃリトと美柑誰の子なんだよw
つーか才培ww
(えーと、確かこの辺りよね……)
目の前には見覚えのある景色が広がっていた。しかしそこから自信は生まれない。やはり、自信が無いのに届け物なんて止めておけば良かったのかもしれない。
今更ながら後悔し、唯は小さくため息をついた。
鞄の中に入った二枚のプリント。六時間目に配られた宿題のプリントだ。それを届ける事が唯のここに居る理由だった。
さかのぼる事数時間前。昼休みが始まってすぐ、ララさんと結城君は二人してどこかへ行ってしまった。
どこに行ったかは分からない。ただ、意気揚々とした様子のララさんに対し、結城君がララさんに襟首を掴まれ無理矢理引っ張られながら「助けてくれー!」などと叫んでいた事から、いい事ではないという事は容易に理解できる。
あの娘が転校してきてから、私もよくトラブルに巻き込まれる。けれど私など、まだましな方だ。一番の被害者は、ララさんの一番近くの人間、結城リト。
トラブルに巻き込まれた後の彼のやつれた表情には毎度同情させられる。
(あ、あれだ)
それらしき建物を見つけ、唯はその建物に走り寄る。表札を確認すると、表札には結城の二文字。間違いない。
ようやく目的地についたと安心した唯は、一息つくとチャイムを鳴らした。
「はーい、今出ます!」
ドアの向こうから聞こえた声は女性のもの。少なくともララさんのものとは違う。誰だろうか。まさか結城君の彼女?色々思考を巡らせるが、考えれば考える程不安が募るばかり。
扉の向こうから出てきたのが、小学生くらいの女の子だった事に安心した。
この子には見覚えがある。結城君の妹で、名前は確か……
「美柑ちゃん……だったかしら。結城君か、ララさんはいないの?」
美柑は一瞬呆けた表情を浮かべたけれど、すぐに記憶の存在と一致したのだろう。次の瞬間、晴れやかな笑顔を浮かべて言った。
「あぁ、リトとララさんのお友達ですね。今はまだ二人とも帰ってきてませんけど、何かあったんですか?」
「ええ、昼休みに二人してどこかへ行ったっきり、帰って来ないのよ」
「そうなんですか」
私の説明に、美柑はふぅと呆れたようなため息をつく。最早このようなトラブル日常茶飯事なのだろう。
呆れこそすれ、驚くや心配するなどの感情はもうないようだ。
「あの、とりあえず上がって待っていてください。二人とも、多分もうすぐ返って来ますので」
その言葉に驚いたのは私の方。私はプリントを届けに来ただけだ。家に上がる気なんて更々……いや、少しは興味あるけど……でもやはり、家にあがる訳にはいかない。
「いいのよそんな、私はただプリントを届けに来ただけで、そんなに気を使ってくれなくても」
「わざわざ家にまで来てもらったのに、何のお構いもしないで返すなんて失礼です。ゆっくりしていってください。飲み物とお菓子くらいしか出せませんが」
そこまで言われてはお邪魔しない方が失礼だ。お言葉に甘えて家にあがる事にする。
美柑は私をリビングに通してソファーに座らせてすぐにキッチンへと向かった。早速飲み物とお菓子を用意しに行ったのだろう。
手持ちぶさたになり、辺りをキョロキョロと見回す。綺麗に片付いていて、居心地がいい。ここには一度来た事がある。
あの時も、ララさんの事でトラブルに巻き込まれたんだったな。確かあれは……
「お待たせしました」
過去に思考を飛ばしていたところに美柑の声。その声の方向に視線を向けると、お盆にジュースとお菓子を乗せた美柑の姿。
「ありがとう。ごめんね、何も手伝えなくて」
「いいえ、お客さまはゆっくりしていてください」
そう言いながら、てきぱきと準備をする。テーブルに並べられるジュースにお菓子。
本当に出来た子だと感心する。
「あの、お名前は?」
「あぁ、古手川唯よ。唯でいいわ」
「はい、唯さん。あの……いつもリトが迷惑をかけてしまって、すみません」
「え?」
先程までの笑顔が消え、代わりに浮かんだ落ち込んだ表情に困惑する。
「リトの学校での素行はよく知りませんが、酷いんでしょう?人畜無害そうな顔をして実は有害生物ですから、アイツ」
人畜無害そうな有害生物。確かに結城君はその条件に当てはまる。
今まで何度心を許しかけ、今まで何度それを裏切られた事か。
でもそれはそれ。美柑の責任ではないのだから、美柑が謝る事ではない。
私は俯きかげんの美柑の頭を撫でる。それに驚いたのか、美柑は顔を上げ、目を丸くした。
「どうしてあなたが謝るの?悪いのは全部結城君よ。あなたは何も悪くないわ。それにね、結城君にはいいところだってあって、決して悪いばかりじゃないの。たまにはかっこよかったりするし……」
そう。結城君は悪い人ではない。弱いくせに不良や怪物から私を守ってくれたり、いいところだってたくさんある。
結城君は優しくて、素敵な人。結城君は酷い人なんかじゃない。
「そっか、唯さんは……」「え?何?」
「いいえ。なんでもありません」
美柑の表情は、もう落ち込んだものではなかった。その代わり、なんだろう。笑顔なのだけれど、不自然というか、含みのあるような笑顔。
何かを知って、それに喜んでいるような。
「唯さん?」
「あっ、いいえ。なんでもないわ」
疑うのは良くないわよね。とにかく、美柑ちゃんの笑顔が戻ったのだから、それで良かったとしなきゃ。
それから色々な話をした。美柑は学校の様子を知りたがったし、私は家での結城君の様子を知りたがった。ダメな兄をもつ妹という境遇でも話が弾んだ。とても楽しい時間が過ぎていく。
気付けば、私が結城君の家にあがってから三十分近くの時間が経過していた。すぐに帰るつもりが、ついつい長居してしまったらしい。二人はまだ帰って来ない。
「二人とも、帰って来ませんね」
「そうね。今頃何してるのかしら」
探しに行きたくとも、どこに行ったのか分からない。ララさんは宇宙人なのだ。宇宙にまで行かれてしまってはそれこそ探しようがない。
待つだけというのは歯がゆい。なくなったお菓子を見て、私は小さくため息をついた。
「そうだ!唯さん、リトの部屋、見たくありませんか!」
「へっ?」
それは美柑ちゃんの突然の思いつき。あまりにも突拍子のない事ですっとんきょうな声をあげてしまった。
*****
「ゆっくり見ていて構いませんよ。もう少ししたら、飲み物とかお菓子持ってきます」
その言葉と共に背後の扉が閉められる。私はその背中にかけられた声に反応する事もできず、その場にただ立ち尽くしていた。
「結局来ちゃった……」
ここが結城君の部屋らしい。もっと不潔な感じだと思っていたけれど、思っていたよりも清潔で綺麗。整理整頓もきちんとされていて、私の愚兄の部屋とは似ても似つかない。
部屋全体を見回す視線は一ヶ所に留まる。結城君の勉強机。教科書や辞書が整頓されて並んでいる。少しだけ散らばった消しカスが生活感を感じさせた。
結城君は、いつもここで勉強してるんだ。
授業中の真剣な横顔を思い出す。きっとここで勉強する時も、あんな真剣な表情をしているんだろうな。
次に視線が向かったのは本棚。漫画本がところ狭しと並んでいる。本屋に行くと良く目にするタイトルや、全く見覚えのないタイトルまで様々だ。
結城君、こんな本読むんだ。一冊手に取って、パラパラとめくってみる。どうやらバトルものの様だ。こういうのが面白いのかな?男の子の趣味は理解できないけど、機会があれば読んでみようかな。
漫画本を本棚に戻し、もう一度辺りを見回すと、視線がある一点に止まった。まるで縫い付けられたかのようにそこから目が話せなくなる。
視線の先には、結城君のものなのだろうベッド。
試しに座ってみる。柔らかくて座り心地がいい。寝心地も良さそうだ。
結城君はいつもここで寝てるんだ。少し布団に寄っていたしわを正す。布団に手を当てると、結城君がここから離れて随分経つというのに、優しい体温を感じた気がした。
ここが結城君の生活の場所。生活の基盤。結城君の空間。机、椅子に、本に、鉛筆の一本にまで、色々な場所に結城君を感じては、胸が温かくなる。
いつ生まれたのかしれないこの気持ちに戸惑うばかりの私だったけれど、この想いはこんな幸せな気持ちを与えてくれる。
「これはなんだろ?」
次に手に取ったのは目覚まし時計。それに、シールのようなものが貼られていた。
「これ……」
目覚まし時計に貼られていたのはプリクラ。疲れきった表情の結城君に対し、満面の笑顔のララさんが二人で写っている。とても二人らしい写真だ。
そうだ。そういえば、ララさんと結城君は同居しているんだ。
美柑ちゃんが言っていた。今でも、三日に一度はララさんが結城君の部屋で一緒に寝ている、と。
もしかして結城君……ララさんと……。
「そんな筈ないっ!」
思わず声に出して否定してしまった。全く、何を考えているのよ私は。ハレンチだわ。
頭を思いきり振り、不浄極まりない考えを追い払う。 思考がようやく落ち着いた頃、私はベッドに大の字に寝転んだ。
「全く、私、何してるんだろ……」
結城君の一挙一動に怒ったり、喜んだり、ドキドキしたり。結城君の事で一喜一憂してしまう私は私らしくない。本当にどうにかしてしまったんじゃなかろうかと思うくらい。
こんな感情初めてで、どう付き合えばいいのか分からない。
私はいつだって、問題をすぐに解決してきた。宿題は出された当日にやったし、分からない問題があれば先生に聞いたり参考書を見たりして理解する努力をした。
委員会やクラス決めにも率先して参加して、早期の解決に積極的に取り組んだ。
でも、この問題は難しすぎる。どの参考書を読めば解決法が載っているのか、どんな先生に聞けば答えを教えてくれるのかすら分からない。
解決法の分からない問題程、難しいものはない。
その時、扉の開く音がした。美柑がお菓子とお茶を持ってくると言っていた事も同時に思い出す。きっと美柑ちゃんだろう。
「あっ、美柑ちゃ……」
「古手川?」
しかし、そこにいたのは美柑ではなかった。そこにいたのは結城君。手にはお菓子と飲み物の乗ったお盆を持っていて、呆然とした表情を浮かべている。
先程までずっと思考を支配していた相手が目の前にいる。それだけで恥ずかしさが込み上げる。鼓動が速まり、顔が紅潮する。
紅く染まった顔を見られたくないとか、急に込み上げた恥ずかしさを紛れさせるとか、一瞬の間に色々な考えが脳内で巡り巡って、気付けば私は結城君に枕を投げつけていた。
「きゃあーっ!」
「ぶっ!」
その枕は結城君が手に持っていたお盆に命中し、お盆の中の物が散らばる。お菓子は小袋入りの物だったから床に散らばってもそんなに被害はなかったけれど、結城君の顔には、コップの中身が思いきりかかってしまった。
「あ……」
*****
「ご……ごめんなさい……私……」
「まぁ、終わった事だし、もういいよ。理由は聞かないでおく」
片付けが一通り終わった後の二人きりの空間で、私はいたたまれない思いでいた。
明らかに私のせいで結城君に迷惑をかけてしまった。結城君はもういいというけれど、私は何度謝っても謝り足りない。
「本当にごめんなさい……」
「もういいって。だからさ、そんなに落ち込んだ顔するなよ。らしくないぞ」
分かってる。今の私は私らしくない。私はいつも勝ち気で、間違った事を間違っているとはっきり指摘する。しかし、だからこそ、私は私自身の間違いをなかなか許せない。
「でも……」
「本当にもういいからさ、そういえばどうしてここにきたんだよ。帰ってきたら、美柑が客がいるからって言って菓子と飲み物が乗った盆持たされてさ。そんで来てみたら古手川で。びっくりしたよ」
その言葉に、ようやくここに来た理由を思い出す。私が今日ここに来た理由を戸惑いながらも説明し二人分のプリントを渡すと、結城君は笑ってお礼を言ってくれた。
その仕草に鼓動が速まると同時に、不思議と気が晴れる思いがして私はやっと結城君の前で笑顔を浮かべる事ができた。
それからの時間は楽しいものだった。お互いに気を許して色々な話をした。実は、異性の部屋に訪問するなんて小学生の時以来の事だったのだけれど、こんなに気兼ねなく話せたのはきっと相手が結城君だから。
結城君の笑顔が目の前にある。私だけに向ける笑顔。私が話を始めれば真剣に聞いてくれて、要所要所で相槌を打ってくれる。話が弾んで、漫画本を貸してもらう約束まで取りつけてしまった。
ふいに視線を逸らした時、ある物が目に入った。それは、ララさんと結城君のプリクラが貼ってある目覚まし時計。それを見て浮かんだ疑問を素直にぶつける。
「ねぇ、どうしてこんなところにプリクラなんて貼ってるの?」
ああ、と結城君は納得したように呟く。
「朝起きたら、まず目覚まし時計止めるだろ。そんときに必ず時計を見るじゃんか。だからララが『朝一番にリトに私を見てほしい』なんて事言ってそこに貼ったってわけ」
あいつも変な事考えるよな、と、結城君は笑う。私はララさんの乙女の部分を垣間見て、少し戸惑っていた。
そっか。ララさん、結城君の事が好きなんだよね。そんなこと皆知ってる。ララさんの行動、言動の随所に結城君を想う気持ちがにじみ出ている。
それらが空回りしている感は否めないけれど、彼女は真っ直ぐに好きな人に気持ちを示している。ひねくれ者の私とは正反対。
プリクラに写るララさんはとても幸せそうで、見ているこっちまで笑顔になってしまう。好きな人と好きな時間を過ごせると、こんな表情ができるのかな。なんだか……
「……羨ましいな」
「え?」
ボソリと呟くような声だったけれど、この狭い空間。結城君には聞こえてしまったよう。
私は失言を口走った口をおさえるけれど、もう手遅れ。
「羨ましい?」
「ちっ、違うわよっ!別に、羨ましいとか、そんな……」
慌てて弁解するけれど、いい言葉が出て来ない。羞恥にまた顔が紅く染まる。私の言動に不思議そうな顔をしてなにやら考えていた結城君は、納得したように頷いて言った。
「プリクラ好きなのか?」「別にっ…そんな事っ…!」
プリクラに興味なんてない。ただ、結城君と写ってるララさんがなんだか羨ましくて……。なんて、こんな事、言える筈ない。
言ったら笑われちゃうのが関の山だもの。
それ以上の弁解も出来ず、私は黙りこむ。その様子に、結城君は勝手に解釈して納得したようだった。
「じゃあ、今度一緒にプリクラ撮ろうな」
「えっ!?」
それって、もしかしてデートの誘い?そんな、いきなりそんな事言われても、どう答えたらいいか……。
「そういえば古手川も入れて遊びに行く事、あまりなかったからな。今度皆で遊びに行こう。猿山にララに、春菜ちゃんも入れたいな。それから……」
「ち、違う!そうじゃないの!私は二人で……!」
指を折りながら考え事をする結城君に、思いきり声を荒げて否定してしまった。次の瞬間、しまったと両手で口をおさえる。
結城君は面食らった顔をして私を見つめていた。
「こ…古手川?」
いきなり声を荒げて叫ばれたのだ。戸惑うのは当たり前だ。けれど戸惑っているのは私も同じ。
咄嗟に言ってしまった本心。結城君はその続きを求めている。もう後戻りはできない。言うしかない。言うしかないんだ。
「ふ…二人で…」
「二人で?」
心臓の音がうるさい。顔が熱い。結城君の顔が真っ直ぐ見れない。口がカラカラに乾く。これが勇気を振り絞るという事?
不良に注意する時より、全校集会で壇上に注意する時よりも緊張する。
「二人でプリクラ撮りたいって言ってるの!」
結局口をついて出たのは、本心とは違う事。全くの……という程ではないけれど、でまかせ。
「ああ、そうだな。二人で撮ろう」
結城君は私の言葉に納得したようだった。そしてもう一度、遊びに行く計画を組み立てる。
あー、もう!私のバカ!こんな事が言いたいんじゃないのに。本当は二人きりでお出掛けしたかった。二人きりで待ち合わせして、お買い物して、映画を見て、ご飯を食べて。
けどそんな大胆な事言えなくて、誤魔化してしまった。素直になれない自分が心底嫌になる。
「古手川」
「ん?何よ」
「楽しみだなっ」
私の心中なんて全然分かっていないような、気楽な笑顔。それは心底楽しそうな笑顔で、顔と胸が熱くなる。
そうよ。別に悲観する事はない。二人きりではないにしろ、一緒に遊びに行く約束は取りつけたも同然。
今までトラブルに巻き込まれるという形で皆と一緒に行動するという事はあったけれど、考えて見れば普通に皆と出かける事は少なかった。
おめかししていこう。服も新調しなきゃ。結城君、どんな服が好みなのかな?色々な事を考える。それが凄く幸せ。
それよりもまずは……
「ええ、凄く楽しみね」
にっこり笑って結城君に言う。そう。少しずつでも、素直になる事から始めよう。
方程式のない難問があるなら、その方程式すら自分の力で見つけてしまえばいい。
参考書がなくたって、教えてくれる先生がいなくたって構わない。
素直になれる方程式、いつか自分の力で解き明かしてみせる。
―End―
投下終了。投下するのがこんなに大変だとは思わなかった……。
何回も出るエラーと悪戦苦闘しました。
>>284さんのリクですが、お望み通りに出来たでしょうか。
唯が結城宅に行く理由づけが甘くてすみません。
美柑との会話の時間も短かったですね。
キャラもおかしかったりすると思います。
実はたまにしかこの漫画読んでないので、色々分かりませんでした。美柑と唯のお互いの呼び方とかキャラの性格とか。
原作との食い違いが多々あると思いますがそこはご容赦ください。
ぎゃー!ミス発見!
>>303 > 不良に注意する時より、全校集会で壇上に注意する時よりも緊張する。
全校集会で壇上に上がる時よりも
です。壇上に注意ってどうするんだよ。
恥ずかしい。
何故か原作版の唯というよりもアニメ版の唯を連想してしまったぜ
>>304 依頼主です
GJ!!すごくGJです!!また書いて欲しいです
今度はこの続き、二人でプリクラ撮る話しが読みたいです
ただでさえ唯ネタ多いんだからある程度は自重してくれよ…。ホント唯オタって……
書いてくれないからってワロタw
そんなん言うから余計唯ネタ多くなるんじゃね?
空気読めない唯ヲタが悪い
俺は沙姫が出るまで根気よく待つさ。
それだけ他キャラと違って見たい奴も書きたい奴も多いんだよwww
アンチうざ
好きで書いてる分にはいいが、せっかくリクエスト受け付けてるところに率先してだもんなぁ
人気あるのはわかったからもう少し他のファンのことも考えろと言いたい
まぁだからと言って文句を口に出しちまう事ではない。
ほっときゃそのうち違うのも書いてくれるっしょ。
リクと聞いて誰にしようか悩んでいたところに速攻で唯来てたのにはワラタw
>>312みたいなの見ると、他キャラ叩きまくって嫌われてた頃と何も変わってないんだなと思う
まあ一部だろうけど
>>306 ぎくり。実は自分アニメから原作に入った人です。今では原作派ですが。
>>307 ありがとうございます。
気に入っていただけたようで嬉しいです。
次は今回書いた短編の内容を踏まえて
>>285さんのリクを書こうと思っていたのですが、どうやら今の空気の中でリト唯を投下してもスレが悪い方に伸びるみたいですね……。
書き上げてもしばらく時間を置こうと思います。
>>316 読み直して気づいたけど、リトは春菜の事は心中意外じゃ「西蓮寺」と苗字で呼ぶぜ
別にカップリング気にせずにじゃんじゃん出来たら投下すれば良いと思うよ。
こういう所でのマナーさえ守っていれば突っつかれないんだから。
変にレスが挑発的だったり空気を読めていない輩はNGに入れて終了ハイ終わりってね。
>>311 ナカーマ つか俺は過去の沙姫神が来てくれるのを待つ
>>318だよなぁ。
でも、確かにリト唯は多めだから…リクエストの時位は譲ってあげた方が良いかもしれませんですね
職人さんは遠慮する事は無いと思いますけど…あくまで職人さん以外は読ませていただく立場ですし
リト唯が多すぎて食傷気味って気持ちはわかるけど、だからって噛み付くのはマナー違反だよ。
自分の好きなカップリングのSSがいつまで待っても投下されないって苛立つぐらいなら、
「ないなら自分で書いてやる!」ぐらいの気持ちは持ってもらいたいかな。
まあ実際に書くのは難しいから、大人しく職人待ちに徹した方が無難ってのはあるけど。
322 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:39:14 ID:lpHLXUOr
じゃあ俺が書く!
いやここは俺が書くよ!
324 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:25:16 ID:uX75qHId
じゃあ書いてくれ、頼む
そこは、どうぞどうぞだろ…
ボケ殺しだな
この流れでとろサーモンを思い出した。
328 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:47:53 ID:eGdeR3BY
ダチョウ倶楽部じゃないの?
>>321 だから職人に文句言ってるやつなんかいないっての
去年の冬くらいからずっと似たような話題で揉めてるな
とりあえず職人が書きたいものを書けばいい
(それが唯なら結局文句言われるのは目に見えてるがそれはスルーすればいいし)
>>284の唯ヲタが偶然通りかかったのか張ってたのかは知らないが
文句ならせめて
>>284より先に反応してから言え
一番最初にリクしたのにそれが通らず職人が唯を書くって言ったのならまだ分かるが…
(この場合矛先が職人に向くからあまり良いことではないけど)
少なくともここは2chのエロパロなんだから2chで人気のある唯の作品が多くなるのは当然のことだろう
そんなことより沙姫様をだな…
まぁ書いてもらって自分の好きなキャラじゃなきゃ文句言うってのも筋違いだよな。
今回はリク受けしてそのリクどおりに書いたんだから仕方なかろうよ。
それでも許せないならググって好きなキャラに特化したサイトでも見つければ?と言いたい。
ついでに言えば、
>>321は「職人に文句を言ってる奴」のことなんか一言も話題にしてないんだが
>>308>>313は俗に言う唯オタのこと言ってるんじゃないの?
唯は既に職人がついてるんだからリク受けの時くらいは違うキャラに譲れよ、
みたいな意味だと思ったんだけど。
よく分からなくなってきたから俺は沙姫のドリルコキが見れたらいいや。
>>332 それはリクした人に文句言ってるんじゃないの?
唯ものは黙っててもいつもの人が投下してくれるんだから少しは自重したら?ってことでしょ
もう面倒だから職人がリク受けする際にキャラだけ決めときゃいいんじゃないか?
ララかルンでリク受け付けます〜
とか
表面的な問題は解決すると思う
>>337 そしたら今度はまたララかよとかそんなリクの仕方するくらいなら聞くなよ
とか言うそこから漏れた特定一部のキャラ好きーが騒ぎそうだけどねw
もう好きなように書いてもらったほうがいいかもしれないね。
そして俺は沙姫のドリルコキがみれればいい
なぜか職人の方が責任感じてるみたいだけど、実際職人には何の責任もないよな
>>316はただリク通りに書いただけなんだし
せっかく結構完成度高かったんだからこの流れに悲観して書くのを止めないでほしいよ
まあ文句を言う奴はスレ住人の中でも比較的少人数だとは思うが
しかし「また唯か…」等と筋違いなことを言う度に、唯職人は感じる必要のない罪悪感を感じてしまう上に、唯以外の職人でさえも、このスレを敬遠して投下し辛い状況になってしまうということがなぜわからないのだろうか
第一、職人に対して失礼だろ
職人は気にせず書けばいいけど、唯ヲタは少し考えてほしいわ
投下されたものに文句つけてるのはもっとだが
自重しろとか言ってる奴が自重すれば全部丸く収まるに
思慮に欠けてるな・・・
もう文句言ってる奴は音速でリクを言えばいいと思うよ
>>341 お前ももういいだろ
軽い気持ちでリクしただけだろうし
みんなごめんなさい
>>284=いつも「リトと唯」書いてる者なんだ
まさかこんな荒れるとは思ってませんでした。申し訳ないです
たまたま開いたらリク受付けしてたので、軽い気持ちでリクしたらそれが通ってしまって
唯をリクしたのは唯が好きなのと、自分のSSじゃやっぱ萌えないからなんです
そんな理由でリクしたんですが、もっとスレ全体のこと考えるべきでした
本当にすみませんでした!しばらく「リトと唯」は自重します
346 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:48:25 ID:hokYnF+u
それは勿体ない
>>345 俺は
>>313なんだが、正直それは本当に申し訳なかった
唯SS書いてる職人さんも唯ファンだってことを忘れてた
自重なんてする必要ない、というか待ってる人のためにもするべきじゃないと思う
俺は特別唯が好きなわけじゃないけど、あなたの作品はいつも楽しませてもらっているので…
本当に職人が自重する必要なんて無いので、これからもどうかよろしくお願いします
こういうときに鳥つけてたらなぁと思う。
書き手やリク者があやまることじゃないとは思うが
まぁこれでスレがいい方向に動くのならそれに越したことはないな
でも文句言った奴もそのままだとけむたがられるぞ
自重なんてしなくていいわよ!!
このスレ検索しにくいんだけど、何で普通にとらぶるってスレタイに入れてくれないんだ
唯で食傷気味だからって文句は無しで行こうぜ
自分の好きなカプばかりじゃないだろうし、リクエスト受け付けてくれたなら、次にまた別カプでリクエストすればいい
書いてくれた職人様に対して失礼だよ
せっかくいい職人様がいて良スレなんだからみんな仲良く行こうぜ
あと職人様方は自重せずにどんどん投下してください
毎日新作来てないかこのスレ覗くのが楽しみなんで
そもそもリク受け付けておいて、1時間も経たずに承知するというのがおかしい。
最初からリト×唯を書いていて反応を確かめたかっただけとしか思えない。
普通はもっと意見が出てから承知するものなのにだ。
結果、作者の目論見通り見事に荒れたね。
きっと今頃は、このスレの現状見て笑ってるだろうなぁ。
>>353 どこを立て読み?
何がおかしいのかさっぱりだ。受けるだけならおkの一言ですむし
1時間もたたずに投下したなら不審に思っても仕方ないかもしれないがwww
って煽ってもらってレスがつくのを待ってるんですね、わかります。
以下沙姫がお弁当を作ってくれる流れ
書き手読み手双方のエゴがこんな形で出だすと先行きがあやしいな
書き手読み手それぞれに謙虚さや気遣いがないと空中分解する
>>353 リクがリト×唯だけならともかく、シチュまで指定されてたのにあらかじめ書ける筈がねぇだろ
あ、ごめん。スルー対象だったな
つか書き手が笑ってるてのには同意だな
誰も書かないのに何議論しちゃってんの て感じじゃね
いいトシこいてキャラ厨が多いのにびっくりだよ どの娘でもええやんけ
さすがにこういう書き手の感情まるだしなのは引く
感情的になると適度が見えなくなるね
いやネタすら書いた事ないけど(笑)
潜在的に書き手に敵意持ってる奴がよくいう
口では何とも言えるものだが
それにしてもみんな争いをひきずりたがるのな。
折れようとする人がいない
それが愛ってやつだ!
只今全裸待機中
どのカプでもいいからオレを悶えさせてくれる職人様待ってます
むに氏の投下を待っている俺がいる
366 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 00:06:30 ID:FVDGpt9t
ヤミ金氏の投下を待っている俺もいる
沙姫がいてくれるならそれでいい
ナナ×モモ×リト期待
そろそろガチレイプがくるのを待ちきれない
これだけ熱狂的な固定ファンがいる中でそれは難しいんじゃないか?w
こういうキャラ物でレイプ系って絵がないと燃えない
キャラ物だからこそ、小説だけでもいける口だなぁ。
俺もイケる てか切望してる
ガチレイプでもいいだろ。
ただ苦手な人もいるだろうから「ガチレイプ物です。」みたいなことは書いておくべき
>>372-373 そういうものなのか
参考までに聞きたいのだが、みんなは誰のどういったレイプ物が見たいわけ?
376 :
375:2008/09/17(水) 23:26:12 ID:dMAAxHFO
×見たい
○読みたい
嫌がるナナに無理やりスクール水着着せたり、
ナナがお浣腸我慢できなくてちょっとずつ垂れ流したり、
乳首思いっきりつねられてひぎぃしたり、
少ないおっぱいを優しい揉み揉みされたり、
目の前でモモ犯されたり、
そのモモがなぜか和姦でナナが困惑するSSを書いた夢をみたよ
イラマチオ RINKAN もしくは触手姦 が詠みたいよ。
「ほら口開けろよ。蜜柑」
リトはズボンを下ろし蜜柑へいつものように命令を下した。蜜柑はリトの前に膝をつくが
両手を握り何かを堪えるようにうつむいている。
「何やってんだ。口を開けろっていってるだろ」
リトはイライラしたように催促をする。
蜜柑はあきらめたのか、俯いた顔を上げリトを上目遣いに強く睨みながら大きく口を開けた。
唇はリップを塗ったかのように艶めいており、口内は緊張と不安で乾いているが虫歯も歪みもない
綺麗な歯並びと、ピンク色の舌は奥にちぢこまっているが女性の性器のようにリトを魅了した。
いやリトにとっては事実上蜜柑の舌は性器となんら変わりない。
「……」
リトは無言で蜜柑の髪と顎を両手で掴み固定すると自分のモノを蜜柑の唇に滑らせる。
モノは興奮で先走っており唇を液で汚しながら口内へ侵入していく。
蜜柑の口の大きさからするとリトのモノは大きく、口を精一杯開けないととても入りそうにはない。
それを理解しつつリトは、唾液の分泌を促すようにモノを舌へ擦り付けながら蜜柑の頭を前後に揺らし続ける。
蜜柑はそれでもリトを睨み続けるが、モノが根元近くまで押し込まれれば苦しみで目をつぶり声を押し殺す。
リトはその苦しみすら快楽に変え蜜柑の頭を何度も何度も前後に揺らし続けながら
小さい口を肉棒で蹂躙し続けた。
上向かせ口蓋の奥まった柔らかい部分に突き刺すようにモノをおしつけ腰を使う。
口蓋の柔らかい部分と硬い部分に触れる亀頭の感触の違いが心地良い。
頭の角度を横向きにずらしながら挿入し、柔らかい内頬を肉棒全体で味わい
モチのように伸びた頬から浮き出る亀頭を見て楽しむ。
唾液を口内でシェイクし蜜柑へ聞かせるようにわざと音を出し続ける。
窒息しない程度にモノを口へ押し込み抜いてまた押し込み嘔吐反射による喉の震えを味わう。
リトは蜜柑へ舐めろとも、吸えともいわない。ただひたすら
オナホールのように蜜柑の口を使っている。
射精の瞬間もいつもどおりだった。
蜜柑の上体をそらさせ、頭を跨りなが両手でがっしりと掴み
口と喉の角度を垂直にし腰をピストンする。
「……んぉぉ〜〜〜げほっ……んん…………げぼぉ」
蜜柑は喉、いや食道まで入ってくる異物感と嘔吐を堪えながら
あまりの勢いの強さに組んでいた両手を肩の後ろに持っていき体を支えた。
蜜柑は呼吸困難とリトの体重を支え続ける事で徐々にに意識を
なくしていきそうになっていた。
リトは窮屈な蜜柑の喉にがっちりとモノが擦り続けていることに
耐え難い快感を覚え蜜柑の様子にまったく気づいていない。
亀頭が汚辱に塗れなお瑞々しい唇に触れ、舌へ幹の中ほどがぬめり擦りつけ
口蓋垂と亀頭がディープキスをする。奥まで滑っていき綺麗なラインの喉が
膨らむまで差し入れる。押し込む。詰め込む。
蜜柑が窒息で意識を失う直前精液が迸る。
リトの射精は湧き水のように滾々と蜜柑の食道、胃へ流し込まれ
蜜柑を精液袋へと変えていった。
リトは射精しながらも腰を揺すり、蜜柑の喉から快楽を搾り取り続け
蜜柑は朦朧とした意識のなか、反射で嚥下をしてモノを締め付け精液を溜め込んでいく。
蜜柑にとって長い永い十数秒が終わった時支えた両手は力を失い意識を失ってしまった。
リトは作業をするように顔をタオルで拭いてソファーに寝かすと一回では足りないから
蜜柑を起こして続きをできる思案したが流石に無理だろうと判断し次の相手を探しに外出するのであった。
乙
だが、せめて辞書ツールに美柑と登録しておいたほうがいいと思われ
生まれてこなきゃよかった 死のう
>>378 名前の間違いは一番萎える。気付いてるのにわざとやってるのはもっとな!
いい加減な気持ちとか、ふざけてるんだったら書かないほうがましだって
本当の意味での職人さんはこのスレには3人しかいないのかねえ
>>378 乙。先に辞書に登録すれば良いだけだから今度からはキャラ名注意してね。
>>382 考え方は悪くないけど、純粋すぎて逆に毒だわ。
どうせどっかからのイタダキ改変をキャラ名直し間違えただけだろ
ナナ×モモ×リト再期待
すごいのいるなw
こんなんじゃいつまでたっても唯モノしか投下したくないだろw
唯モノなら確実に喜ぶ人が何人かいるわけだしw
で沙姫はまだかね
>>386 そうでもないだろ。
唯モノを投下したらしたで「また唯モノかよ」って確実に騒ぐやつ出るし
いくら喜ぶ人がいてもわざわざスレが荒れるリスクを背負ってまで投下しようとする人はいないでしょ
>>380 >>382 >>383 以前登録した事があったので環境変化していたのを失念してしまいました。申し訳ない。
初めてだったんで頭が回ってなかったです。
>>389 むに、リトと唯の人、rmyの三人
クオリティもだけど一番ちゃんとしたSS書いてくれるから
そうやって、職人限定するのは良くないだろ
俺にはヤミ金氏も妖氏も生きている
2chのSSでこれだけ熱くなれるっていいね。
しかも読者サイドが
生温い目で見てる人が大半だけどな
自演とは言わないがもっと巧い職人いるしねえ
職人もこんな状況で名前出されて迷惑だろうなw
>>390 お前の言う職人のうち、2人もが唯職人じゃないか
それなのに唯自重しろとか…このスレもいよいよ無くなるときが来たかな
リトと唯の人ってリトとララ書いた人と同一人物じゃないの?
コテなくて文章力と癖でしか判断できないから断定しにくいんだけど。
397 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 07:46:25 ID:Kkf6kjVk
保守
この状況では空気を変える為に投下も無理だろうな。
下手に投下してもまた一部の奴が暴れるだろうし
お静のエロを書きたいと思ってるんだが、どんなシチュなら違和感ないかな?
相手はやっぱリトがいいんかね?
>>398 普通に投下して暴れるようなのはただの荒らしだろ
>>399 春菜とくっつけようとリトの身辺を探っていたら好きになっちゃったとか…?
でも変にドロドロしそうだな
お静ちゃんなら江戸時代の頃の奴で「あ、止めて下さいお代官様〜」みたいなのでも・・・!
時を越えたNTR
ドロドロでも甘々でも大歓迎だが相手はリトが良いな
犬が嫌いという理由で獣か・・・なんでもない。
リトとならお静が春菜に憑してとか、どっかの悪霊さんとか犬の霊がリトに憑いて無理矢理とかは?
マロン×ナナ(中身お静)
を書ける職人はおらぬか
まぁヤミは俺とえっちぃ事してるから頑張れ
>>406 校長乙
ついでに言うなら
それヤミちゃう、猿山や
その理屈で行くと唯だと思ってエッチしていたこの相手の正体は凛って事だな
ジャンプの第41号を読んで、
籾岡里紗の魅力に参ったので、
ちょっと1本書いてみました。
結城リト×籾岡里紗 (未遂)
たそがれは逢魔が刻、という。
べつに妙なものに出くわさなくても、魔が刺す、ということはあって、
それが物憂い秋ならば、なおさらのことである。
すでに日も暮れかかって、放課後の教室はオレンジ色に染まっていた。
無人の机がズラリと並んでいる中に、ポツンと黒い影がひとつ。
机に覆い被さるように、ぐったりとしている―――― 結城リトである。
「はあ……」
静まり返った空間に、ため息が溶けていく。
リトは疲れていた。
ララの妹たちが家に転がり込んできてから、心の休まる時がない。
学校だけでなく、家でもあんな調子が続くのでは、たまったものではない。
彼とても健全な男子であるから、四六時中、桃色の空気に包まれていると、
危うく自制を失いそうになることもあるわけで、つまり、疲れるのである。
そして今、ララを先に帰して、ひとりでボンヤリしているリトであった。
そもそも、彼の日常に女の子が関わるようになったのは、最近の話で、
トラブルに慣れてきたとは言いながら、根本のところは純情なままである。
つまり、まともに女の子とつきあった経験がないのであるから、
色気ばかりが供給されて、はけ口のない状態というのは、これは困る。
リトは机に突っ伏したまま、もぞもぞと身体を動かした。
廊下のほうに、足音が聞こえたかと思うと、ガラッと扉の開く音――――
「あれ? 結城じゃん」
のっそりと顔を上げると、テニス・ウェアに包まれた胸が歩いてくる。
視線を上げると、ウェーブのかかった髪――――
淡いベージュ色だったはずだが、夕暮れの光の中で、焦茶色に見えた。
「籾岡か……」
「何やってんの?」
「べつに…… 籾岡は?」
「部活。 終わったトコ」
そう言って、リサは、リトの足元にスポーツ・バッグを放り出した。
(そうか、籾岡もテニス部だったな……)
ラケットの袋を肩から外して、となりの机に置くと、
その机の上にヒョイと飛び乗るようにして、腰かける。
(どうして、わざわざ、となりに座るんだ……)
もともと、籾岡里紗は人懐っこいほうで、女子に対するスキンシップなど、
常軌を逸しているが、女子がいなければ、話し相手は男子でもかまわない。
リトもそれを知らないではなかったが、今は女子と話すのが疎ましかった。
「元気ないじゃん」
「そうか?」
「ララちぃに振られたとか?」
「あのな……」
リサは、アハハと楽しそうに笑って、ぐっと伸びをした。
リトは再び机に倒れ込んだが、顔はリサのほうに向けたままだった。
スコートから伸びた太ももが、目の前にチラチラした。
いつもなら、真っ赤になって取り乱しているところである。
ところが、今日はそんな光景を目にしても、血液が這い上がってこない。
ボンヤリと視線を上げると、リサが悪戯っぽくニヤニヤと笑っていた。
(ああ、いつもの籾岡だ……)
頭に浮かんだのは、それだけで、そのままリサのほうを見ていた。
リサは不思議そうな顔をして、それから、大きく脚を組み替えた。
アンダー・スコートがチラリと見えた。
リトは身じろぎもせずに、リサの太ももの奥を睨んでいた。
「ちょ、ちょっと、結城ィ?」
「ん?」
「いつまで、見てるワケ?」
リサの頬が、かすかに赤く染まっていた。
それで、リトも自分の置かれた状況に気がついた。
宵闇せまる教室に、女の子と二人きり。
からかったのを、真面目に受け取った―――― と思われている。
まずい。 これはまずい。
「ご、ごめん……」
あわてて顔を背けて、反対側―――― 窓のほうを見る。
窓ガラスに映ったリサの顔が、ニヤ〜ッと崩れた。
いつものリトに戻ったので、安心したのだろうか。
「ちょうどいいや、そのまま、そっち向いてて」
そう言ってリサは、ユニフォームのシャツの裾を、一気にたくし上げた。
(なっ……)
叫び声を上げそうになるのを、リトは必死でこらえた。
窓ガラスに白いお腹が映って、それから、黒いブラジャーが目を奪う。
「ん、ん〜ん……」
艶めかしい声と共に、シャツの襟が広がっていって、
二の腕が持ち上がると、腋の下があらわになった。
ひょいと頭が現れて、乱れた髪が、わさわさと揺れる。
リサは、丸めたシャツを放り投げると、
ふうっと息を吐き出して、こっちを見た。
「ハイ、ここまで〜」
「へっ?」
「コーフンしたァ?」
細めた目に、弓を伏せたような眉、ニ〜ッと笑っている口元――――
自分のペースに引き込んだと見るや、すぐにリベンジとは、天晴れである。
リトは真っ赤になって、席を蹴立てるように立ち上がった。
「トイレ?」
「バカ! オレは帰るよ!」
そう叫んで、カバンをひっつかむ。
リサを見ないようにして、荒々しく足を踏み出す。
踏み出した先に、リサのスポーツ・バッグがあった。
ガタ――――ン!!
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
目の前の景色が、ガラリと変転する。
机の天板を額縁のようにして、ふわあっと広がった髪。
大きく見ひらかれた目、細い首すじ、むきだしの華奢な肩。
黒いブラジャーのふくらみの上に、自分の手が乗っていた。
――――柔らかい。
柔らかいと言えば、こっちの脚がもつれたままのところに、
からむように押しつけられた脚も、信じられないほど柔らかい。
香水と、汗の匂いが混じり合って、むせ返るような空気。
二人は身じろぎもせずにいた。
遠く、チャイムが鳴り出す。
キーン…… コーン…… カーン…… コーン……
「……結城?」
たぶん、リトの目つきが尋常ではなかったのだろう。
リサの声は、かすかに震えていた。
リトの手が、ぎゅっと縮むように、リサの胸に食い入る。
「痛ッ!」
ブラジャーの肩紐がねじれて、浮き上がる。
リトは、その白い肩へ覆い被さっていった。
「キャッ!」
咬みつくように唇を寄せると、しっとりと汗ばんでいる。
――――しょっぱい。
「私に八つ当たりしないでよ!」
その言葉で、リトはハッと我に返った。
一瞬、腰が引ける。
リサはパッと持ち上げるように、リトの身体を横に払いのけると、
机の反対側に、転がり落ちるようにして逃れた。
なるほど、力自慢のスポーツ・ウーマンである。
向こう側で、机から落ちかかっているリト。
こっち側で、椅子に身を預けるようにして、ひざまずいているリサ。
二人とも激しく息を弾ませて、ものを言わなかった。
やがて、リサはふらふらと立ち上がり、ずれたブラジャーを直した。
屈み込んで、シャツを拾い上げると、手早く着込む。
「あのサ、結城ィ……」
「えっ、な、なに?」
「そーとー溜まってんねェ」
リサは乾いた笑い声を立ててから、ふいに生真面目な表情を浮かべて、
ぐっと覗き込むようにして、リトの目を見つめた。
「そんな扱い、私だってショックだな〜」
そう言って身を屈めると、リトの踏んづけたスポーツ・バッグを拾う。
「あ、いや、籾岡、オレは……」
ヒュッ、と喉元にラケットを突きつけられて、リトは黙った。
「私、帰るから、悪いけど自分で処理して」
「しょ、処理って……」
「もしくは、家に帰ってララちぃに頼めば?」
「バ、バカ!」
ウヒョヒョ、と笑って去っていくリサは、いつものリサのようであった。
遠ざかる足音も消えて、ふと気づけば、窓の外は闇に沈んでいた。
次の朝、リトとララは、いつものように学校の門をくぐった。
「どーしたの、リト、元気ないね」
「いや、そんなことないって……」
「そお?」
ララは、いまいち納得がいかない様子で、首をかしげている。
実際、リトの目の下には、ひどい隈ができているのであった。
ホールの下駄箱の前で、籾岡里紗と沢田未央が追いついてきた。
「あっ、リサミオだ、おっはよー!」
「ヤッホー、ララちぃ!」
「ん〜、ララちぃ、今朝もノーブラですか〜?」
さっそくララの胸を揉みにかかる、リサミオであった。
「きゃっ、あはは、くすぐったいよぉ!」
ララの嬌声と、ミオのはしゃぎ声にまぎれて、リサの小声が飛んでくる。
(結城ィ、隈なんか作っちゃって、昨夜はお盛んだったようだねェ)
(バ、バカ、何言ってんだ、何もしてないよ、オレは!)
(てゆーか、あんた今、私の顔見て、逃げようとしませんでしたァ?)
(うっ!)
(根性ナシ!)
ミオが、気配に感づいたのか、こっちを覗き込んでくる。
「リサ、結城と何話してんの?」
「ナイショ!」
「うひょー、アヤシイなー」
「私と結城が? 冗談でしょ!」
リサミオとララは、じゃれあったまま、転がるように廊下を歩いていった。
ひとり残されたリトは、ふうっと息を吐き出して、それから、微笑んだ。
いつもと変わらない、平穏な日常――――
リトは、ララたちの後を追うように、ゆっくりと廊下を歩き出した。
ところで、リトは気づかなかったけれども、ひとつ、いつもと違った点があった。
それは、リサの制服の胸元に、ちゃんとリボンが結ばれていたということである。
秋の空に、始業のチャイムが鳴った。
キーン―――― コーン―――― カーン―――― コーン――――
以上で、完結です。
どうも失礼しました。
キターーーーーーーーーーーーーーーー
リト×リサはなかなか無いCPで萌えた
419 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:50:11 ID:g3HDUdaQ
ヤバい…
…(・∀・)イイ!
こういう新しい風が吹くのを待ってました!!
GJ!!!
微妙な心理描写がたまらんです
GJ!!!
422 :
417:2008/09/21(日) 14:54:57 ID:OCRLw0hK
皆様、コメントを有難うございます。
新参ですが、また何か書けましたら。
>>422 乙でした!良かったらまた書いてください
リサスキーの俺としてはとにかく超GJとしか言えない
理沙かわいいよ理沙
以前メガネネタで投下した直後には本当にリトがメガネをかけてしまい
今度は
>>245で遊と秋穂が付き合ってる妄想をしてみたら
マジであの二人、遊びの関係になってやがった……
俺はニュータイプかもしれん……
秋穂×遊を作ってくれる職人様はおられませんか?
遊×秋穂でもいいけど、イメージ的に秋穂×遊が希望です
いっつもリクエストばっかりで申し訳ない
427 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 13:59:32 ID:C0/8LwEh
自覚があるなら書いてみてはどうだ?
ぷ_。ゴロゴロ
428 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 17:30:22 ID:d5Tx2ARQ
アニメでナナの声やる人、釘宮理恵がいいと思うけど皆さんどう思いますか?
風音でいいよ
>>428完全にあの子と被るからヤメレ><ただでさえ原作の方でル○○化が進んでるというのに
春菜の姉と唯の兄は逆だった方が良かったような
>>428 ゼロ魔3期の声はいまいちだったんで勘弁して欲しい
どっこい釘宮で内定っぽいよ
唯が妊娠したと聞いて飛んできました
リト×ララです
エロはまだ無いです、すみません
ただラブラブなのが書きたかっただけなので、多少キャラに違和感があるかも知れません
ある休日の昼下がり
秋ともなるとそろそろ肌寒くなってくる季節だが、この日は朝から暖かく、午後になると心地良い陽気が眠気を誘う
結城家にも、ソファーにもたれ掛かりすやすやと眠る少女の姿があった
「ん……りとー……」
額の上の辺りがくるりと跳ねているのが特徴的な、桃色の長い髪
綺麗に通った鼻筋に寝息が漏れる形の良い唇と、整った顔立ち
そして、呼吸に合わせてパタパタと動く尻尾は、まさにララ・サタリン・デビルーク本人のものだ
美柑と一緒に作った昼ごはんを食べ、気持ち良さそうに眠るララが見ているのは、もちろん大好きなリトの夢
数分前、手紙を出しに行くと出掛けたリトはまだ帰ってこない
一緒に行くと言ったララだったが、すぐそこだからと置いていかれてしまった
美柑は友達と外出中
テレビもこの時間帯は特に目を引くものはやっていない
洗濯物も全て乾いてしまっているし、部屋の掃除も昨日したばかりだ
つまり、やることがない
やっぱりリトについて行けば良かったと思うものの、過ぎてしまったことはどうしようもない
そこで仕方なくララが取った行動はというと……
「……ぅぅん……♪」
そう、お昼寝だ
もともと昨夜は遅くまでリトと頑張っていて眠かったのだから、ちょうどいい
寝ると決めたらものの数秒で熟睡……もとい爆睡できてしまうのがララのすごい所だ
隣で犬が吠えようが家の風呂が爆発しようが近くに宇宙船が墜落しようが、大好きなリトの声を聞くまで起きることはない
規則正しい寝息だけが、静かな部屋の中にある
ララにとってお昼寝は、リトと一緒にいるのと並ぶほどの至福の時だった
「ただいまー」
用事を済ませ帰宅したリトが、玄関のドアを開ける
少々の期待を込めて大きめの声で帰宅を告げたリトだったが、妙にひっそりとしている
「おかえりリトーっ!」
そんなララの迎えがあると思っていたリトは、返事すら無い静まり返った家の様子に首を傾げる
「……? 出掛けたのかな」
でも鍵は開いてたし……
怪訝そうに家の中へと入るリト
リビングへ進むと、ソファーに座るララの後ろ姿を見つける
ふっと、リトの顔に安堵の色が戻る
なんだ、いるなら返事くらい……
そう声をかけようとしたところで、リトは小さな寝息に気付く
「……寝てるのか? ララ」
今度は後ろからではなく、正面に回りララの姿を見る
「すー……」
案の定ララは、天使のような寝顔を浮かべ気持ち良さそうに眠っていた
「……かわいいよな」
毎朝見慣れているのにも関わらず、見惚れてしまう
ずっと見ていたい寝顔だが、そういうわけにもいかないのですぐに思考を戻す
「にしても寝てるのか……これから一緒に買い物でも行こうと……いや、待てよ」
残念に思う反面、何か悪戯心のようなものが芽生えた様子のリトが、楽しそうにニヤリと笑みを浮かべる
ソファーにもたれ掛かるララの隣に腰を下ろすと、そっと桃色の髪に触れる
恐ろしい程にさらさらと指通りの良いララの髪に、すぐにリトは虜になる
その身を優しく引き寄せ、ララの頭に顔を埋める
「……いい匂い……」
いつも自分の隣にある、あたたかくやわらかな香り
リトの大好きな匂いだ
それをいつもよりさらに近くで感じると、リトの中に更なる欲求が生まれる
「抱きしめてもいいかな……」
もちろんそんなことをすればララは起きてしまうだろう
ぐっすり眠っているララを起こすのはさすがに可哀相かもしれない
必死で欲求を抑えながら、リトはララの頬に手を触れる
「ララ……」
「むー」
透き通るようなララのきめ細かい肌は、信じられないほどやわらかく触り心地が良い
閉じられた瞼の端から生える睫毛はスラッと長く、自らが女であることを強調している
ツヤのある魅力的な唇からこぼれる寝息は蜜よりも甘い
「やば……」
そんなララの姿に、リトを繋ぎ止めていたものはいとも簡単に崩れ去ってしまう
堪らずララの頬に口付けをする
「ん……」
不意に零れるララの吐息に、リトは自分を抑えるのも忘れララの唇に自分の唇を重ねる
やわらかいララの唇の感触がリトの思考を麻痺させる
「ん……ちゅ……」
「んん……り、とぉ……?」
唇を離すと、それに続くようにララが目を開ける
寝ぼけたままのララの瞳はリトの姿を捉えた途端にパッと輝き、腕は彼の首に回される
「リト♪」
「ごめんな、起こしちゃったな」
「ううん、おかえりなさいリトっ」
笑顔のままララは目を閉じて顔を突き出し「もう一回」とねだってくる
それに応えるように、リトは軽くララの唇に重なる
ただ触れ合うだけの浅いキスだが、それだけで十分幸せをかみ締め微笑みあう
「ララ、眠いのか?」
「うーん……ふぁ、少し……」
欠伸混じりでララがそう答えると、リトはふっと笑ってララの身体を引き寄せる
「……じゃあ、一緒に寝る?」
「いいの? うんっ♪」
リトと一緒にお昼寝……
考えただけでもララは嬉しくてたまらない
そんな様子がリトにも伝わったようで、意味もなく嬉しくなる
だが、リトにもララに聞いてほしい頼みがあった
「あのさララ……起きたらさ、昨日の続きしよ?」
「……!」
今さら言葉の意味がわからないわけではない、嫌なわけでもない
だがやはり恥ずかしさからか、かぁっと顔が赤くなってしまう
昨晩のことを思い出してしまったのだ
昨日したばかりなのに、それでもまだ足りないのだろうか?
リトが、自分を求めている……
求めてくれてる……
「イヤか……?」
「……ううん、そんなことないよ、ただ……」
「ただ?」
「嬉しくて……リトが私のこと、欲しいって思ってくれてるんだなって……♪」
ララが少し艶を含んだ笑みを見せる
狙っているわけではなく、自然に見せているのだから余計にリトは反応してしまう
「あ、あんまやらしい言い方するなよ……」
「えへへ……やらしいのはリトだもん♪ 当たってるよ……?」
「こここれは、仕方ないだろ! こんな風にくっついてれば、男なら誰だって……! 誰だって……」
そこで黙り込んでしまうリト
確かに健全な男からしてみれば、ララ完璧なスタイルや愛らしい表情は堪らないものがある
でも、それだけ……?
「……違う、それだけじゃなくて……ララが、好きだから……興奮する」
やっと絞り出した言葉
いくら距離が近くなっても、面と向かって好きだというのはやはり気恥ずかしいものがある
それでも、顔を赤くし目を逸らしながらでも、リトのその言葉がララにとっては何より大切だった
「……嬉しい、リト! 私も大好きだよ♪」
「ララ」
「……だ・け・どー♪」
「えっ」
突然人差し指をリトの口に当て、ウインクしてみせるララ
リトのドキドキはさらに増してゆく
「まだだーめ……ちゃんとお昼寝してからだよ?」
「あ、ああ……そうだな……」
ここのところのララは、大人っぽい表情を見せることが多い
というより、リトとより親密になっていくにつれて、ララの中の女の部分が徐々に目覚めて始めているように思えた
いつの間にか主導権を握られ少々納得のいかないリトだが、今はそう答えることしかできなかった
大きめのソファーに、二人して横になる
少し狭い感じもするが、その分ベッドよりも密着度が高い
「痛くない?」
「うん、ありがと」
リトがララの背中から腕を腰に回し、後ろから抱き締める形になる
狭いから足は絡み合った状態だ
スカートを履いているララの足は何も纏っていない
ズボン越しとはいえ、やわらかいララの足の感触が伝わってくるのを感じ、鼓動が速くなる
「リト……なんかすっごくドキドキしてるよ……?」
「わ、わかってるけど、こればっかりはどうしようもないし……ララは平気なのか?」
「ううん、私もドキドキするよ……心臓が飛びはねそう……でもね」
回されたリトの手に、ララの小さな手が重ねられる
冷たく気持ちいい手だ
「でも、それ以上に安心するの。リトに抱き締められるとね、リトの温かさを感じて、胸の奥が幸せな気持ちになるの」
「ララ……」
「きっと、リトがあったかい心をたくさん私にくれるからだね♪」
ララの言葉が胸に染み渡る
自分が抱き締めるだけで安心すると言ってくれる、幸せだと言ってくれる
これ以上に嬉しいことなどあるだろうか
真っ昼間、ただソファーで一緒に寝ているだけ
それだけのことなのに、ララからは溢れるほどに愛が伝わってくる
言葉だけじゃない、ララの見せる表情が、声が、自分への想いに満ちている
それを感じた時、リトの奥底から込み上げるものが溢れそうになる
「っ……」
「リト……? どうしたの?」
「っ、なんでもない……ララ、やっぱり正面向いて寝よ!」
「え? きゃっ」
そう言うとリトはララを抱え上げ、自分の方を向かせて寝かせる
向かい合い抱き締め合う格好になる
「り、リト?」
「このほうがいい」
「で、でも、今ちょっと恥ずかしいから……こんなにくっついたら寝られないかも……!」
「いいの。このほうが、もっと……ララを感じるから……」
「え、な、なに?」
「なんでもない。寝るぞっ!」
オレも……もっとララを喜ばせることが言えるようになりたいな……
優しく強く抱き締めながら思う
たくさんの愛を表現してくれるララに、もっと応えられるようになりたいと
今はまだ照れが抜けきらなくて言葉に出来なくても、いつか自分の気持ちを全て余すことなくララに伝えられるようになりたい……そう思っていた
二人の鼓動は激しさを増しながらも、徐々に穏やかなものへと変わっていく
数分後、結城家のリビングには二つの寝息だけが聞こえていた
幸せそうなそれは、まるで呼応するかのように交互に立てられる
二人の寝顔が最高の笑顔だったのは言うまでもない
「まったく…イチャつくのはせめて自分の部屋だけにしてよね」
夕方帰宅した美柑は、その光景にため息を漏らす
兄が最高級の美少女と寄り添い眠る姿など、数年前に予想できただろうか
正確には寄り添うどころか、ララがリトの腕にすっぽりと収まり抱き合っているのだが
「ニヤけちゃって……ホントにララさんが好きなんだね。ララさんも……なんかうらやましーなぁ」
こんなリトの表情を見たことがあっただろうか
安心しきったように、だらしなく口元が緩んでいる
自分といる時は……兄として自分に心配をかけまいとするリトが、決して見せたことのない表情だった
「ふぅ……」
もう一度大きなため息をついたあと、幸せそうに眠る兄とその恋人――ララの寝顔を交互に眺め、ふっと笑って向かいのソファーに腰掛ける
「まあ起こすのも可哀相だし……勝手に起きるまでテレビでも見てよっかな♪ 起きた時の反応が楽しみだしね」
こんな姿を妹にずっと見られていたと知ったら、リトは一体どんな表情を見せるのか
悪戯好きな美柑の好奇心に火が点く
「……そーだ! 今のうちに写メ撮っちゃお!」
携帯携帯〜♪とその場を離れる美柑
そんな妹の陰謀を知る由も無く、リトとララは幸せそうに眠り続ける
そんな、ある日の出来事
終わりです
こんなんでもララ好きの方に楽しんで頂けたら嬉しいです
夜の話は今書いてますので、そのうち投下すると思います
甘〜〜〜い!!!!!
虫歯治療したばっかなのにどうしてくれる!!
続き楽しみにしてます
寝言でリトの名を呼ぶララにいきなりやられますたww乙
446 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 19:48:17 ID:vRC8mb73
乙
もう恋人というより新婚GJw
「おかえり」じゃなく「おかえりなさい」なとこが妙に萌えた
448 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 15:23:00 ID:/YKCD20w
保守
男性視点で書くのと、女性視点で書くのと、客観的に視点で書くのってどれが一番エロいんだろうね
エロなしは良作とは絶対に認めない。
まあ、好みを言うのはともかく、苦手や嫌いを口に出すのはやめたほうがいいかと。
繊細な職人さんだと投下をためらってしまうぜ?
しばらくたって流れた後ならともかく…
いや苦手を言うのは問題ないだろ
ただ苦手だから書くなとかではなく、苦手だからNGワードつけてだとか、カップリングを先に書いて、みたいな感じで言えば問題無い。
>>454 それをしてないから問題になったわけなんだな
456 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 13:10:04 ID:JmZih96E
ち
く
び
>>345 「リトと唯の人」そろそろ自重はやめて投下してみてはどうだろう?
というか今スレ過疎ってるしさ、投下するにはちょうどいいんじゃないかと思うんだ
こういう時こそ職人さんの出番だよ!
そりゃ過疎るのも当然だ
実質唯職人しか常駐していないのに、軽々しく職人の悪口を言うからこうなるんであって
投下するもしないも唯職人の自由だ
一度棲み着いた煽り荒らしは消えることが無い
だから書き手は煽り荒らしの無いスレに移る
何年も前から、この板はこの繰り返しなんだよ
10月か。全裸待機には厳しい季節になってきたな。
風邪引く一歩手前だぜ。
投下したら不満を言う輩がいるからと自重すればもう大丈夫だからと投下を願われ、お望み通り投下したらしたでそれが叩きの種になる
嫌なループだな、ほんと
唯以外の続き物書いてくれる職人が現れてくれればなぁ
>>463 職人に文句つけてるようなのは荒らしも同然なんだから無視すればいい
多分もう投下したいと思わないんじゃない?
時間かけて書いてもどうでもいいことで叩かれてそれでも書こうって思う人がいたら尊敬するよ。
>>465 だな
仮に俺が職人の立場だったら絶対に投下したいとは思わない
そろそろこのスレ自体、潮時なのかもしれん
ま た 唯 か
って言われるの分かってるのに投下する気にはならないよな
もうしばらく放置でいいよ
無理して他キャラの作品書く必要もなし
金出して作るものとは違うから「作者様は神様です」が基本だしな。
まあ、他スレの荒れとかを見てると「愚者同士がぶつかり合うから交通事故は起きる」
っていうのを思い出すことがあるんだよな。
わざわざこういうネガティブな流れを作り出しても、余計に投下しづらいだけだと思うんだが…
ヤミ金氏なら…ヤミ金氏ならきっとそれでもあえて投下してくれるはず…!
>>459 すいません。ありがとうございます!!投下したいんですけど……
「リトと唯」は少し自重して、他書いてみよう
↓
ララ、美柑、沙姫のSS完成
↓
投下しよう
↓
アクセス規制中です!ここで告知(ry ←今ここ
自主自重が本当に自重するはめに…。今はケータイから書き込んでるんですが、ケータイからSS投下はちょっと苦しくて
規制がとけしだい順に出来たSSは投下していきたいと思います
>>465-467 嫌だと思ったことは一度もないですよ
ここでそんな事気にしてたら書き手なんてできませんから
「リトと唯」はこれからも投下していきたいと思います
マジで沙姫様書いてくれたのか?
すげー無理してくれたみたいでなんか申し訳ない
なんか言う人は絶対言うから気にせずどんどん投下してほしいよ
俺は唯好きじゃないけどあんたのSSおもしろから好きだしさ
そんな人も他にいるってことでこれからもがんばってくれ!
あと運営は氏ね
繋ぎでもいきますか。
短編2本投下
―――ホーホケキョッ
朝目覚めると、鶯(うぐいす)の鳴き声が聞こえた。
重いまぶたを手で擦り、ゆっくりと窓の方に顔を向ける。
外はまだ小鳥のさえずりしか聞こえず、人はたまに自転車か車で通り抜けるだけ。
時折欠伸をしながら、窓越しから来る春の風を体一身に受けた。とても清清しく心地よかった。
そんな静寂の景色と良い気分にしばらく浸っていたら、シーツに包まっていた少女がモゾモゾと動き出した。
「…ん…んっ〜……ふぁ?リト…」
寝起きの彼女はとても新鮮で、とても可愛かった。
何より、自我がない時に俺の名前を呼んでくれたコトが嬉しい。
そしてすごく…愛おしい…。
「ん〜〜っ!おはよ♪リト」
いつもの元気な声。
朝は大抵気分が乗らない俺なんかには到底できない。
でも、彼女の声や顔、彼女の存在があると不思議と笑みがこぼれる。
今日は最初から気分が良かったから尚更笑顔になれた。
「ん?リト、何か良いコトあった?」
彼女も気づいてくれたようだ。
というより「彼女はまた気づいてくれたようだ」に訂正した方が良いかもしれない。
彼女…もとい、ララは決まって俺の微に気づく。
他人には気づかれないと思ったのに、風邪を引いているコトがばれたり。
些細な悩みで心配は掛けたくないと平然としていたら、やっぱり気づかれたり。
ララはとにかく俺に敏感だった。
「あは♪リトが元気だと…甘えたくなるなぁ〜」
そう言うとララは俺に抱きついてきた。
いつもの抱きつきとは違い、俺に乗っかかる程度。
それは決まってララの甘えでもあり、求愛でもある仕草。
俺も抵抗はしない。
「…ん。…リトぉ…」
耳元で優しく囁かれ、尚且つ、甘美のこもった吐息が俺をくすぐる。
普段はそんなにされない事だから、意表を突かれ、少しだけ悔しさを感じた。
でもそれが返って俺を奮起させた――。
「ふぇ?…何?」
俺はララの名前を呼んだ。
そして見つめた。
ララの目はとても綺麗で瞳は汚れなき宝石のように輝いていた。
と言うのは言い過ぎかもしれないが(レンみたいだし)、でもそれでも、俺は見惚れていた。
―――その後、俺とララは自然と抱き合っていた。
「…えへへ。リト、大好き…」
ララは俺にそんな愛の捨て台詞を言う時、必ず顔を下に向けるか、うずめるか、そうする。
告白された時は真っ直ぐに俺を見て言ってくれたが、今となっては上記のようになる。
当時は今までのララとはギャップがあり、少しばかり戸惑っていたが、最近はそんな事にはならず、逆に可愛いと思うようになっていた。
…正直ララは「美」が五つぐらいつく程の可愛さを持ってる。
クラスの皆や結婚願望のある宇宙人がララを慕うのも、理解できる。
付き合うちょっと前までは意識しなかったが、こんなに可愛くて、優しくて、俺を一途に思ってくれている。
そう思うと、俺は世界一…否、宇宙一、幸せなんだなぁとこれほどない良感賞に酔っていた。
「だ〜いすき。リト。ずーっと…」
その言葉が、ちょっと前の俺の奮起を思い出させてくれた。
俺は酔いから冷め、ララに顔を近づける。
徐々に近づける内に、ララは瞼を閉じてその行為を受諾した。
そしてララの豊潤かつ繊細な唇を――奪った。
「ん………ん―――」
キス。
それをするといつも感覚が麻痺して、変な空間に行ってるような感じがする。宙に浮いてる感じもする。
でもその感覚が良くて、ずっと離したくなくなる。
それに追い討ちをかけるように、風が流れ込んできて、ララの髪を揺さ振る。
当然俺にその髪の香りは漂ってきた。
レモンのような、けれども、すっぱさは差ほど感じない。
それとラベンダーの香りが合い混じってとても癒される。
女性らしい、甘くて優しくて心地よい上品な香りだった―――――。
「―――――――…っん。………リト…」
長い至福の時間は自然と終わり、互いに酔いしれた顔を見つめ合う行為に移った。
…やっぱりララは可愛い。
可愛すぎて、もっとララを愛したくなる。
…でも今は朝。それに昨日体を何回も重ねたワケで、ララには相当な負担が掛かっている。
ララは優しいから、俺が頼めば喜んで「うんっ」と言うだろう。
…俺は我慢して、ララの髪を撫でた。
「…ぁ。えへへ。……ありがと……リト…」
ララは目を閉じた。
そして俺の胸の中にうずくまり、やがて寝息を立てていた。
俺は傍で甘える愛しい彼女の名前を呼んだ。
彼女はそれに無意識で反応する。それを見ただけで、俺は十二分に満足した。
―――そんな何でも無い毎日が…俺にとっての最高の幸せ――――
ララ偏以上。
次ヤミ偏。
――夜の公園に街灯がともる。
小さい子達はおろか、いつもはいる何組かのカップルも姿を消していた。
それもそのはず、今日はかなり肌寒い。
俺はコートを身に纏い、近くにあった自販(自動販売機)で缶コーヒーのボタンを押した。
計240円。
俺にとっては結構痛い出費だった。
重くて温かい缶コーヒーを両手で持ちながら、小走りで彼女のいるベンチに向かう。
…彼女はいつも通り、本を熟読していた。
そして俺の存在に気づいたのか、彼女は本を閉じた。
「…早かったですね。結城リト…」
俺は彼女…コードネーム金色の闇…通称ヤミの隣に座った。
そしてまだ温かさを保っている缶コーヒーを手渡す。
ヤミは「ありがとうございます」と言いながら、缶コーヒーを両手で持ち、口元につけた。
「コクッ、コクッ…ハァ…。やはり、このこーひーと言う飲み物は慣れません…。でもすごく温まります」
そう言うと、ヤミは俺の肩に寄りかかってきた。
ヤミは俺が選んだ冬服を着ている。
中々暖房設備は整った服装だと思うのだが、ヤミの体は冷たかった。
低血圧というものだろうか…。
「―――――...え?」
俺は彼女をコートで包み込んだ。
その際に、彼女の肩を掴み、強く抱きしめるような形でヤミを寄せる。
ヤミの体は殺し屋とは思えないくらいの柔らかさで、俺の腕の中にすっぽりと納まる。
ヤミの顔は見る見るうちに赤く染まっていき、やがては恥ずかしさのあまり、コートの中に顔をうずめてしまった。
率直な感想を言うと…――可愛い。
「…あったかい…ですね…」
ヤミの体温は上昇している。
それは俺も同じ。
なにせ、あの金色の闇を抱いていると思うと…尚更。
「こうしていると、貴方に全身が抱擁されている感じがして…とても心地よいです…。ずっと、こうしていたくなります…」
ヤミの素直な意見。
俺は歓喜のあまり、ヤミの頬に口をあてた。
…先程とは違い、すごく熱い。
こうしてキスしている間にも、熱さは上がっていった。
そして、頬からの去り際に、ヤミの耳元で「…愛してるよ」と囁く。
ヤミは体全体で反応し、「…バカですか…」と消え去りそうなくらいの音量で返答した。
―それから暫く二人で身を寄せ合いながら、他の誰もいない公園のベンチでキスを交わした。
ヤミの味は缶コーヒーの所為か、若干ほろ苦い。
でもそれが逆に俺の気分を酔わせた。
彼女も俺を離したくないと、コートの内面部分を掴んで身を一生懸命寄せていた。
そんなコトされたら、それもこんなにも可愛い娘なのだから、もっと愛したくなる。
もっと束縛したい…もっと独占したい…。
そんな気持ちが一杯だった。俺は独占欲無いのに…。
「――――………………ふ…ぅ……っ。…」
キスが終わり、ヤミは少しだけ身を引き自分の胸に手を当てる。
そして瑠璃色に染まっている目を閉じた。
「…貴方とこのようにしていると…何もかもが忘れられます。
…いえ、正確に言うと、貴方の事だけが頭の中にあるような…そんな感じ…。
貴方を好きになる前は…ここが何も無いような…空白だらけの心でした。でも…もう…。
決して埋まる事はないと思っていた…私に足りないなにか…。本を読んでも…変わらない…事」
ゆっくりと目を開け始めたヤミ。
真っ直ぐと俺を見つめ、少しだけヤミの瞼は潤った。
「………リト…」
その声から、その表情から…俺はヤミの真意を受け取った。
再び俺とヤミの距離は、吐く白い息がかかる程度の位置になる。
そして俺はヤミの頬を両手で擦った。
ヤミは甘えるように、顔の重心を俺の両手にまかせる。
脱力しきっているようにも見えた…。
「…本に書いてありました」
俺は一瞬キョトンとした。…唐突に言われたから…、それもあったが…。
…ヤミは俺の手を解くと、徐々に体を傾けるように、ゆっくりと近づいてきた。
「“人が人を好きになりすぎてはいけないのでしょうか?”“甘えすぎは駄目なのでしょうか?”と」
言いながらも、俺を瞳に写したまま。
――俺は正直驚いていた。
「…その質問。その答えは、いずれも……―――――――――」 「…ん…」
もう一度交わすキス。
そのキスには、ヤミの気持ち全てが伝わってくる。
…こんな積極的なヤミに、俺は俺自身は確信した。
ただ、ただ単純に…このまだ幼い、普通の女の娘を…守ろうと…。ずっとずっと傍にいて愛そうと…。
共に歩んで行こう…と
――空から雪が降り始める。
そんなある寒い日、…二人だけの温かい夜…
481 :
pos:2008/10/02(木) 22:03:06 ID:aTHAp6qi
>>475〜
>>480を書いた者です。
「リトと唯」さん及び、今後の職人さんのssの繋ぎになれば良いと思います。
自分も他のキャラを書いてみたいという心境もあるので、出来れば頑張りたいです。
GJ!!
こういった場で人を喜ばせる文章とは読みながら無意識に顔をにやけさせる文章の事だと思っている。
さて何が言いたいかわかるか?わかるよね?今俺は他人に見せられない顔をしている。
いい仕事してるなこんちくしょう!文句なくGJだよ!
484 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 00:10:22 ID:ExYzG6+v
風邪を引いている今の俺には最高の薬になった!!!
GJ!!!
甘いなーぁ。
二人ともすごく可愛かったGJ
486 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 17:31:08 ID:rEi+Y32+
pos、アンタいい職人だよ!
ヤミ好きにとってみれば、最高の出来!
福圓美里さんの声が自動再生されちまったじゃねぇか…くそぅ。
>>469 こんなものでも待ってくださりありがとうございます
でももう少しかかりそうです
>>481 二人ともすごく可愛くてGJです
その甘さを見習いたいです…
GJ!
個人的には、恥じらうララは無敵だと思う
ふぅ
・・・・・・何だこれは? 神なのか
GJ
結城リト×天条院沙姫 (微エロ)
>472
沙姫で、被ってしまいました。
前座ということで、ご容赦を。
最初は綾で、次は凛、最後は運転手だった。
たちの悪い風邪に、付き人が次々と倒れていった結果、
今日、天条院沙姫は、一人で学校へ行くことになった。
「心配は無用ですわ、ゆっくり休養なさい」
そう伝えるように言い置いて、沙姫は意気揚々と屋敷の門を出たが、
小鳥のように軽やかに、とはいかなかったのは、ドレスのせいである。
丈の長いドレスに白いパラソル、という装いは、彼女のお気に入りで、
長いまつ毛や、大きな目、縦に巻いた金髪が、よく映えるのであった。
以前にも、この衣裳で登校したことがあったが、今日それを選んだのは、
あるいは、他の生徒の間に埋もれるのを嫌った、彼女のプライドの表れか。
何にせよ、仰々しいドレスが現れても、クラスメイトは驚かなかったし、
先生たちは匙を投げていたし、下級生の風紀委員と出くわすこともなかった。
午前の授業が終わり、昼休みには購買部でメロンパンを買ってみたりして、
午後の授業ともなれば、すっかり寛いで、やがて終業のチャイムが鳴った。
「ホーホホホ! 何てことありませんわ!」
沙姫は、誰に聞かせるともなく、満足そうな高笑いを響かせた。
初めてのお使いをやり遂げた子供のような、無邪気な笑顔だった。
そして、学校の門を後にした。
と、ここで終われば、本当に何てことなかったのである。
しかし、不幸にして沙姫は、天気予報を見る習慣を持っていなかった。
シトシト………… ザ――――――――――――――――――――――――ッ!
「もう、最悪ですわ……」
沙姫は、歩道に沿って植えられた、街路樹の下に立っていた。
葉をすり抜けて落ちてくる雨つぶが、パラソルを叩いて震わせる。
灰色の塀が続いている、お屋敷街の旧道。
5分後には、パラソルだけでなく、沙姫の肩も怒りで震えていた。
(晴れ女クイーンと呼ばれた、この私が、こんな目に遭うなんて!)
その時、雨の音にまぎれて、自動車のエンジン音が聞こえてきた。
黄色いタクシーが、空車のランプも鮮やかに、こっちへ向かってくる。
沙姫の目が輝いた。
流しのタクシーには慣れていないが、そんなことは言っていられない。
喜び勇んで、街路樹の下から飛び出して―――― そのまま、飛び出し過ぎた。
キキ――――――――――――――――――――――――ッ!
「きゃっ!」
パパパ――――――――――――――――――――――――ッ!
クラクション。
パラソルが宙を舞う。
タクシーが走り去る。
へたり込む白い影。
そして―――― 雨の音が戻ってきた。
沙姫は、身じろぎもせずに座り込んだまま、雨に打たれていた。
ひどい運転手だ、というような考えは、不思議と頭に浮かばなかった。
水しぶきを浴びたドレスの胸が、じんわりと滲んでいるのが感じられる。
湿り気は、手袋とストッキングを通して、下のほうからも這い上がってくる。
大きな目から涙がこぼれた。
その時である。
「……天条院センパイ?」
見ると、彩南高校の制服―――― 結城リトが、傘を持って立っていた。
リトは学校の帰り、父親に頼まれた画材を買いに、隣町へ足を延ばして、
目当てのものは見つけられず、その代わりに、沙姫を見つけたのである。
とりあえず、濡れ鼠の沙姫を助け起こして、相合傘で歩き出したものの、
沙姫の屋敷は遠く、リトの家はさらに遠く、どうにもならない状況で、
タクシーを拾おうとしたら、沙姫が嫌がって、本当にどうにもならない。
「……あそこで休みましょう」
沙姫がパラソルの先で指したのは、雨に煙る小さな洋館だった。
近づいてみると、門柱に銀のプレートが嵌め込まれている。
飾り文字のアルファベットで、レストランという一語が読めた。
「店の中では、結城、と呼びます」
「へ?」
「よろしくって?」
「あ、はい、別にいいですけど……」
木製のノッカーを叩くと、扉が開いて、黒服を着た男が頭を下げた。
「しばらくね」
「お久しゅうございます」
「支配人を」
「かしこまりました」
やがて、銀色の髪をなでつけた男が出てきて、慇懃な挨拶をした。
「今日は突然のお越しで」
「散歩の途中で、この雨でしょう」
「災難でございましたね」
「肝心の付き人は、頼りにならないし」
そう言って沙姫は、リトのほうを見た。
その目には、何か必死なものが感じられた。
「……申し訳ございません、沙姫様」
と言って、リトが頭を下げると、沙姫の目に安堵の色が浮かんだ。
「いいのよ、結城、慣れないうちですものね」
銀髪の支配人の案内で、いくつかの廊下を通り過ぎた。
そして、支配人が自ら開けてくれたドアには、横文字が刻まれていて、
小さな文字だったが、かろうじて、プライベート・ルーム、と読めた。
白い壁紙に、色の褪せた金模様、木の出た部分も白く塗られていて、
茶色とも緑色ともつかない厚地のカーテンが、床まで下がっていた。
テーブルや椅子、彫刻の施された木製の衝立も、上等なものなのだろう。
正面の壁には、小さな暖炉が切られていて、火が赤々と燃えていた。
支配人が下がると、入れ替わりに、黒服を着た女が入ってきて、
柔らかそうなタオルと、緋色のガウンを、リトに差し出した。
「あ、どうも……」
リトが受けとると、女は一礼して下がり、ドアが閉められた。
静まりかえった部屋に、暖炉の燃える音だけが聞こえていた。
「悪いと思ってますわ、付き人扱いして」
「いや、別にいいですよ」
「話を合わせてくれて、感謝しますわ」
「格好がつかないですよね、付き人がいないと」
「……」
――――そうではない。
付き人以外の男と、こんな部屋に入るのが問題なのである。
老舗のレストランはホテル並みに口が堅い、と言われているけれども、
人の口に戸は立てられず、どんな噂が立つか、わかったものではない。
沙姫は小さくため息をついて、それからリトの目を見た。
「私、着替えますわ」
「あ、はい」
「どうぞ、ご自由になさって」
そう言って沙姫は、ドアの近くに置かれた車付きの台を指さした。
コニャックの瓶や、水差し、グラスなどが、台の上に並べられていた。
「あの、オレは酒は……」
「紅茶でも頼みましょうか」
「あ、いや、結構です」
「そう……」
沙姫は、タオルとガウンを受けとって、衝立の陰に消えた。
リトは手近の椅子に座って、ぐっと背もたれに身体をあずけた。
高い天井を伝わって、かすかに衣擦れの音が聞こえてくる。
しばらくして、衝立から細い腕が伸びて、手招きをした。
「……何ですか?」
「外れませんの」
「何がですか?」
「つまり、その、コルセットが……」
「……」
「……」
「女の人を呼びましょうか?」
「メイドを? 付き人がいるのに?」
「そ、そんなこと言ったって……」
多少の押し問答のあと、リトは観念して椅子から立ち上がった。
(着替えを手伝ってもらうのに、慣れてるんだろうな……)
うつむいて衝立の陰に入ると、暗い床の上に白いものがあった。
脱ぎ捨てられたドレスと、ペチコートと、何か柔らかそうなもの。
あわてて目を上げると、白いストッキングに包まれた脚があって、
その上にガーターの皺が見え、下穿きが提灯のように膨らんでいる。
そして、肌着を押しつけるように腰に巻かれた、革のコルセット。
その上に胸の半分が見え、縦に巻いた金髪が垂れ下がっていて、
金髪を辿っていくと―――― 案に相違して、真赤に染まった頬が。
「……何をジロジロ見てるんですの!」
「す、すいません!」
あわてて目を背けると、沙姫はくるりと背中を見せて、
コルセットの脇のところに、小さな結び目が六つあった。
平静を装って、一番下の結び目に手を伸ばし、ほどきにかかったが、
こま結びに見えたのは、何かもっと複雑な結び方で、一向にほどけない。
結び目に爪の先を掛けて、引っ掻こうとした手が、つるりと滑った。
「キャアッ!」
「わっ、ご、ごめんなさい!」
沙姫はかすかに身震いして、困惑したような表情でリトを見た。
「……し、信頼してますわよ、結城!」
「ハ、ハイ、ご安心ください、沙姫様!」
で、結局のところ、リトはちゃんと信頼に応えたのである。
四苦八苦の末、コルセットが外れると、リトは衝立の外へ出た。
しばらくすると、沙姫は緋色のガウンに身を包んで現れて、
その腕の中には、脱いだ衣裳のひと揃いが抱えられていた。
暖炉の前に、椅子を二つ横倒しにして、衣裳を並べて干すと、
その物干し台の隣りに、膝を抱えるようにして座り込んだ。
「お掛けになったら?」
「あ、はい」
と言っても、椅子を取られてしまったから、床に座るしかなくて、
暖炉の前、物干し台をよけて、つまり、沙姫の隣りで膝を抱えた。
パチッ… パチッ… と薪の音がして、炎がゆらめいている。
炎に照り映えて、沙姫の端正な横顔が、ほの赤く染まっていた。
緋色のガウンもますます赤く、そこから突き出た足の先に、影が宿る。
椅子の上で、ドレスや肌着が同じ色に染まっている―――― 下穿きも。
沙姫の両腕が、頭のほうへ持ち上がって、ガウンの袖が二の腕を滑った。
それから、金色のお団子がゆれて、ふわりと落ちかかるように髪が広がる。
同時に、雨のような甘いような、湿った匂いが漂ってきた。
沙姫は椅子の端からタオルを取って、ほどけた髪をそっと拭きはじめたが、
視線に気がついたのか、手を止めて、不思議そうにリトの顔を見た。
「何ですの?」
「あ、いや、何でも」
「おっしゃいな」
「その、髪を下ろしたトコ……」
「初めて見る?」
「……いや、キレイだな、って」
沙姫は、たしなめるように微笑んで、それから大きく息を吸い込んだ。
「ホーホホホ!」
とってつけたような高笑いを響かせてから、また髪を拭きはじめる。
「……髪を結ばない女が、お好き?」
「そ、そういうわけでは……」
「ララも、結んでませんわね……」
髪を拭き終えると、沙姫はふたたび膝を抱えて、炎を見つめた。
「綾と凛は……」
「え?」
「ケダモノと呼びますわ、あなたを」
「あはは……」
「私も、そう思ってますけど……」
これまでの行状を考えれば、無理もない話である。
「でも、誤解だったかもしれませんわ」
沙姫は、覗き込むようにしてリトの目を見た。
「いつも発情してる、というわけでもないし」
「は、発情って……」
「少なくとも、女の子に化けた時なんて、ね」
「へ? あ、いや、アレはですね……」
「……今日のあなたは、紳士的でしてよ?」
そう言って、沙姫はニッコリと微笑んだ。
(か、かわいい!)
リトはドギマギして、あわてて言葉を探した。
「ほ、ほら、今日は忠実な付き人ですから!」
「そうですわね……」
「だから、変なことになるわけないですよ!」
「……地球ではね」
「へ?」
「もし、あの方とララが……」
呆気にとられて沙姫の目を覗き込むと、瞳の奥に、何か――――
沙姫の白い指先が、すうっと泳ぐように、リトの頬へ伸びてきた。
「……天条院センパイ?」
その言葉に、沙姫はハッとしたように手を引っ込めた。
「ごめんなさい! 今のは忘れて!」
「は、はあ……」
「私ったら、こんな考え方、卑しいわ!」
沙姫は、暖炉のほうへ向き直ると、両手で頭を抱えた。
火が燃えつきて、熾になる頃には、雨が止んでいた。
沙姫の衣裳は、まだ少し湿っていたが、かまわずに着込んでしまった。
コルセットの紐をしめろ、と言われなかったので、リトはホッとした。
あんなに細い腰なのだから、軽く結んだだけでも変わらないのだろう。
支配人を呼び、挨拶を受け、ハイヤーを呼ぶのを断って、部屋を出る。
黒服を着たボーイから、パラソルを受けとって、店の外へ出た。
雨あがりのアスファルトが、街灯に照らされて鈍く光っていた。
夜風がひんやりとして、ひとつブルッと震えると、二人は歩き出した。
「あれ? 夜でも日傘を差すんですか?」
「だって、髪がクシャクシャですもの」
「こんな時間に、誰もいないでしょう……」
二人は肩を並べて、静まりかえった、夜のお屋敷街を歩いていく。
くしゅん!
小さなクシャミをして、沙姫は立ち止まった。
「風邪引いちゃいました?」
「私、手袋ですから……」
「え?」
「手を貸してくださる?」
リトは笑って、沙姫のおでこに手のひらを当てた。
「……ちょっと、熱っぽいかな」
「やっぱり……」
「無理もないですよ」
「その前に、綾と凛に伝染されてたかも」
「ああ、なるほど」
「そうだとしたら、あなたも危なくてよ」
そんなことを話しながら、二人は歩いて、沙姫の屋敷の辻まで来た。
「今日は、本当にありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
「それでは、ごきげんよう……」
そう言って、沙姫は、屋敷の門のほうへ去っていった。
闇の中、クルクルと回りながら小さくなっていく、白いパラソル。
その光景を、リトは身じろぎもせずに、見つめ続けていた。
以上で、完結です。
どうも失礼しました。
微エロもいいものだな…
GJ!!
こういうしんみりとしたSSも良いなぁ…と実感しました
GJ
微エロを読むとほんのり幸せな気持ちになれる…
気がする。
リトとしては妹のためを思って精一杯頑張っただけの事だし、
彼がそうせざるを得なかったのは一重に父親が多忙なためであり、
また母親が海外にいて殆ど日本に帰って来なかったためでもある。
だから例の一件が露呈した時、結城才培もその妻林檎も、
リトを責める事など出来ず、むしろ親としての不出来を詫びるばかりだった。
「ごめんなさいね先生。私達がもっと美柑の傍にいてやれば」
「すまねぇ新田先生! 先に入ってた予定を自分(と書いてテメェと読む)
の仕事の都合でドタキャンしちまった俺が悪いんだ!」
「い、いえいえそんな。
お二人ともお仕事がお忙しいのは重々承知しております。
私はむしろ息子様の美柑ちゃんを思いやる気持ちと
彼なりにご両親のフォローを買って出ようと言う気概に敬服致しますわ」
しょげかえるリトと、何が悪いんだかよくわかってないララと、
あぁ、まぁいつかはバレるだろうな、と予測していた美柑の三人を尻目に
保護者二人と新田晴子は、互いに頭を下げ続けていた。
かつて結城才培が、美柑の家庭訪問の日に締切が重なり、
どうしても原稿から離れられず、家庭訪問の予定を延期した日の一件だ。
才培はあんな性格だからしばらく忘れていたようだが、
ある日ふと「延期した筈の家庭訪問はどうなったんだ?」と気付いたわけだ。
たまの休みに学校に連絡を取ると授業時間中だったらしく、
電話で応対した者が代わりに晴子の勤怠表と予定表を確認し、
結城家への家庭訪問が既に終了している事を伝えた。
そこから少しずつ真実が判明していった。
当初は勝手に家庭訪問をしたリトとララを責めかけた才培も、
やがてその原因がどう考えても自分にある事を深く自覚した。
その日の夕方になって再び晴子が結城邸を訪れた際に
偶然帰国していた結城林檎も交えて、担任への謝罪が徹底された。
とりあえずリトとララと美柑に事情の仔細を聞き出した後は
子ども達は下がらせ、大人三人でまた一頻り会話が続いた。
晴子としては早く学校に帰って残りの仕事を片付けたかったのだが、
家庭訪問も大事な仕事の一つだ。
本物の保護者に一度も会わずに放っておくわけにもいかなかった。
だがその内に、林檎の悪いくせが出てきた。
「うーん、あなたも中々良いボディラインをしてらっしゃるのねぇ」
「ひわぁっ!? お、お母さん?」
林檎は晴子の胸、腰、尻を服の上から撫でまわし始めた。
あろう事か才培の目の前で。
「おいおい、先生が困ってんだろうが。仕事病は控えな」
そう言う才培の目に色は無く、晴子に欲情している様子は無い。
単純に晴子を気遣っているだけなのだが、その事が晴子に劣等感を抱かせる。
彼としては自分の妻以外に脇目を振らないだけだ。
しかし才培のファンとしての晴子は、
才培が自分に興味が無さそうなのは悔しい。
そうこうしている内に、林檎はどんどん晴子の服を脱がせていった。
「そう言えばあなた、この人の漫画のファンなんだっけ」
「む、そう言えばそんな嬉しい事を言ってくれていたな。
気が付かず申し訳ねぇ。不肖ながらサインの一つでも……」
下着姿を曝け出されて大人しくなったものの、
しかしモジモジしている晴子の様子を見て、林檎は彼女の気持ちを察知した。
一人の読者としての作家への尊敬と思慕に、折角だから応えてやろうと考えた。
「あなた。彼女にはサインよりも、もっと良いプレゼントがあると思うわよ」
顔立ちは若いが、これでも二児の母。しかも息子は高校生だ。
かなり若く見積もっても林檎の年齢は三十代前半。熟女に分類しても良い年齢だ。
その手練手管たるや、いくら大人とは言ってもまだ小娘に近い晴子では、
抵抗する事など不可能だった。
「お、お母さぁん……こんなの、いつ美柑ちゃん達が降りてくるか……」
「ウフフ。そうやって恥ずかしがるカオ、可愛いわよ」
「先生なかなか色っぺぇな。林檎も夜にゃそういう顔してくれるが、
ここ数年はとんと御無沙汰だったな、そう言えば」
才培の攻めはパワフル、林檎の攻めはデリケートだった。
晴子は両の乳房を左右それぞれ違う人間からの違う感触で責められた。
才培はまるで食べるように大きく口を開けて貪る。
林檎は愛でるように舌先でペロペロと豆粒を舐める。
硬く勃起した乳首は好きなように弄ばれ、晴子はその都度に体を痙攣させた。
「羨ましいわ、若さが満ち溢れてる。
ま、私もまだまだ若いつもりだけどねぇ」
「そんな……お母さんは凄くお若いですわ。
こんなお若いお母さんがいる美柑ちゃんが私には羨ましいで……ひぃあ!?」
無駄口を叩いている暇があったら行為に没頭しようとでも言わんばかりに、
才培は晴子の下半身への責めを開始した。
上は林檎、下は才培で分担する形になる。
林檎は晴子に深く唇と舌を重ね絡ませ、雛鳥がじゃれあうように戯れた。
「んむ……先生の唇……じゅぷ……柔らかいのね」
「お母さんだって……ちゅぱっ、んむ……この分だと、美柑ちゃんも……んん」
才培は滲んでくる愛液を飲む程の勢いで、晴子の秘部を舐め回す。
まるで晴子は、獣の餌にされたような気分だった。だがそれは心地良かった。
「じゅずっ、じゅぶふっ、じゅーっ!」
もうグチョグチョになっているそこからは止め処なくラブジュースが流れる。
才培は尽きる事なくそれを味わう事が出来た。
「ねぇ教えてあげましょうか。
この人の手マン、すっごく野獣的で激しいのよ」
林檎はそう言うと晴子の横に寝そべった。
栽培は「久しぶりだから腕が鈍っているかもしれないな」と言いつつ
自分の指と手に自信たっぷりといった面持ちだった。
ドキドキする心臓を抑えるように両手を胸の前で重ねる晴子と、
久しぶりの夫からの愛に期待も性欲も高まる林檎。
それぞれの股間に、才培の手が片手ずつあてがわれた。
「オラァいくぞテメェらぁっ!
三本の連載を同時にこなす俺様のゴッドハンズが巧みなのは
ペン捌きだけじゃねぇって事を教えてやるぜぇっ!」
その瞬間、超高速の手マンが開始された。
そのスピードはあまりにも早過ぎて、地球人の肉眼では捉えきれない。
この惑星で今この動きが見切れるのは、ヤミとザスティンとララぐらいのものだ。
「あぁっソコォッ! ソコ良いわぁ! あなたぁん!」
「アァン! 声聞こえちゃうぅんっ! 美柑ひゃんやリト君に聞こえひゃうぅん!」
あまりの摩擦に、入口が火傷してしまいそうに錯覚する。
先程よりも更に勢いを増して噴出する愛液は、
そこを癒すために噴き出ているように晴子には思えた。
摩擦で徐々に汁が白くなり、泡立ってきた。
決壊したダムのように音を立てて溢れ続け、居間の畳の上に染みを作る。
これがフローリングなら床には染みない代わりに、水溜りとなる事だろう。
晴子は絶頂寸前まで意識が飛ばされかけた。
だが手マンだけで終わっても、完全燃焼したとは言えない。
特に男性である才培にとっては不満足だろう。
彼だけがまだ何もしてもらっていない状態なのだ。
「そろそろ良いだろう、林檎。先生」
さすがは才培。これ程の手マンを繰り出しても、汗一つかいていない。
逆に晴子と林檎は汗でぐっしょりと体全体が濡れている。
既に息は荒く、間断無い。
それでもこれで終わりたくないという欲求は二人にもあった。
「今日は特別サービスよ。久しぶりに若いコを抱かせてあげるわ」
「おう良いのか? そいじゃお言葉に甘えさせてもらうぜ」
「先生のを入れて貰えるなんて、ファンとして感激ですぅ……」
トロけた瞳を潤ませながら、晴子は足を開いて彼を受け入れる準備を整えた。
彼女の腰を持ち上げて、才培はやはり獰猛に、いきなり奥まで貫いていった。
「ひわぁっ! い、いきなりぃ……」
そうは言うが、しかし晴子はもう随分仕上がっている。
徐々に慣らすような入れ方でなくても、十分にスムーズに奥まで届いた。
「さて、と。それじゃ私も」
林檎は正常位で貫かれている晴子の眼鏡を取りあげると、
その上に顔面騎上位でまたがった。
「んむっ! お、むぉ」
「おいおいお前、先生が困ってらっしゃるだろうが」
「そぉ? 私には悦んでるように思えるけどねぇ」
晴子は愉悦と息苦しさの入り混じった感情で満たされていた。
ピストン運動が開始されると同時に、林檎も腰を前後に振る。
そうして人妻の熟れた肉から染み出す果汁が晴子の顔面を濡らし、口中に侵入する。
他方、才培の荒々しい腰使いによって、激しい肉の音が部屋に響いた。
パン、パン、パンという淫らな音。上の子供部屋にまで聞こえそうだ。
晴子はあまりの快感に大声さえ上げそうになったが、
口を林檎の股間で塞がれていたため、それは出来なかった。
もっとも上に子供達がいる状況では、その方が良かったに違いない。
林檎と晴子のナイスバディが揺れ、乳房はドプン、ドプンと単調な音を奏でる。
林檎の短い髪も、晴子の括って纏められた髪も、それぞれに千々に乱れた。
才培もここにきてようやく汗を迸らせ始めた。
彼の男くさい汗が晴子の腹、胸、太股に飛び散り、滴る。
「フン! フン! フン!」
鼻息も荒く腰を打ちつける栽培の動きは、
連射性はバルカン砲、威力はミサイルのようだった。
たった一回の交わりだけで、晴子は自分の腰が変調をきたしそうな気さえした。
終わった後で果たして立てるのだろうかと心配もするが、
そんなつまらない計算よりも、本能が求める快楽の方が大きい。
絶え間なく流れる林檎の愛液が鼻の穴にまで入り込んできて、
息が苦しかったが、晴子はまるで気にしなかった。
鼻の代わりに酸素を取りこむために口を開け、空気と共に愛液も吸い込む。
心地よい味わいにウットリとする。
林檎は真下に見える晴子の乳首をつねると、そのまま上へ引っ張った。
そのままラジカセのボリュームを捻るように、乳首をクリクリと回す。
こうサービスされては晴子も黙って甘んじているわけにはいかない。
林檎の股間の中に手を滑り込ませ、指先でその肉を左右に広げる。
「ふわぁあ……拡げないれぇ……」
とても三十路とは思えない可愛くて若い、軽やかな喘ぎ声。
大人の女とはかくありたいものだと晴子に思わせるに十分だ。
この遺伝子をひいている美柑が羨ましくてしょうがない。
中に舌を突っ込むと、その柔らかさは林檎というより、桃の果肉のようだった。
「あぁ先生ぇ……あなたぁん……わたひ、もぉ……」
「んむぅ……んんむはっ……栽培せんせぇ……」
「オルァッ! 俺ももうイっちまうぜぇっ! テメェらぁあっ!」
完全にもう上の子供達に聞こえている。
最後の瞬間、三人は運命のようにタイミングを重ねて、最高潮に達した。
妻子持ちの精液と人妻の愛液を注がれて、晴子はぐったりと満足感に浸った。
「それじゃお父さん、お母さん。
今度はいつになるか分かりませんが、次にお会い出来る日を楽しみにしています」
「おうよ先生! 妻は海外にいる事が多いから中々会えないが、
俺は日本にいるから、家庭訪問があったら可能な限り都合をつけるぜ」
「私だって事前に教えてもらえたら、文字通り飛んで帰ってくるわよ?」
三人とも喜色満面で、玄関先で別れた。
一応見送りに降りてきたリトと美柑は、一階で何が起こっていたのか
音で大体予想は出来ていたので気まずかったが、
親達が満足気なので、口を挟めなかった。
「あ、そうそう」
立ち去り際、晴子が振り向く。
「家庭訪問は本来、児童のご自宅の位置の把握と、
家庭環境のある程度の把握、それと保護者の方々との意見交換、
児童の未来性についての話し合いが目的なんだけど」
何か小学生にはまだ分かりかねる、難しい話を晴子はし始めた。
「つまり何が言いたいかと言うとね。主役は美柑ちゃんって事なの」
「はぁ、それで……?」
美柑は嫌な予感がしていた。
「次の機会には、美柑ちゃんも……ね?」
美柑は背筋を寒いものが走り抜けていく感触を覚えた。
助け舟を求めて母を見上げるが、林檎はさも妙案とばかりに笑って頷いている。
父などは、いちいち口に出して
「オウそれぁ良いな! 先生なら大事な愛娘を任せられるぜ!」
などと言いだす始末。
リトだけは何とか妹をフォローしてやろうと慌てふためくが、
大人三人に高校生が勝てるわけはない。
トントン拍子で話しは進んでいった。
「それじゃ、また学校でね。美柑ちゃん」
「ちょっ、先生!」
続かない。
晴子は俺の嫁。つーか専用機。俺専用新田。
/ニYニ\
(丶 |(゚)(゚)| /)
((()/ ⌒¨⌒ \()))
//亅-)___(- L丶\
L__\ |\ \ /__ノ
| 丶_\  ̄ ̄\
 ̄ ̄フ ノ
こ、これは //
乙じゃなくて / (__/|
舌なんだから L___ノ
勘違いしない
でっていう!!
ここまで濃密なエロはここじゃ久々だな
ハァハァした。GJ
512 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 17:38:42 ID:/hFSy8ma
上げ
初投稿です。リト×沙姫でエロ無し。
話はPSPの沙姫ルートの後日談です
天福旅館への臨海学校。そこで、彼は沙姫と偶然出会い、旅館の裏庭に捨てられた子犬の世話をすることになった。
その臨海学校でリトはメイとかいうララの親友に誤解されて大変な目にあったりしたが無事彼女の誤解を解いて臨海学校は無事に終わった。
だが、リトは子犬、ペロの世話で沙姫の意外な一面を知った。いつもクイーンを名乗る少しとんでもない先輩とは全く異なる素直で優しいひょっとしたら……本当の天条院沙姫に心が揺れていた。
そして……旅行終了時、突然自分の好みのタイプを聞いてきた。何がなんだかよく分からないまま彼女は怒って去ってしまったが、砂浜には自分の名前と沙姫の名前が書かれた相合い傘が書かれていた。
「天条院先輩……まさか本当に……本気で俺の事を……。」
相合い傘は波によってすぐに消された。しかし今の彼には彼女が書いていた彼女と自分の名前が頭に残っていた。
「あの時……何で気付かなかったのだろ……。」
リトは自分の鈍感さを悔やむのだった。
「リト〜。臨海学校すっごく楽しかったねー!!」
「あ、あぁ……色々あったけどな。メイはあっちで元気にやってるかな。」
「大丈夫!メイならきっと元気でやってるよ。だって私の親友だもん!」
臨海学校の出来事を語りながらリトとララは登校中だった。
「ん?あっ!沙姫だー!!」
2人の目の前には金髪の縦ロールをした少女の後ろ姿があった。
(天条院先輩……うぅまずいな……)
リトはあの時に気まずい雰囲気を作ってしまった事から少なからず不安だ。
沙姫はララの方を振り向いた。
「あら、ララさん。おはようございますわ。」
(あれ……?)
リトはララにライバル心を抱いている沙姫が普通にララと接しているのに違和感を覚えた。
「そういえば、綱引きの綱が一人でに動いた時はワクワクしたよねー!!」
誰が面白がるか!と思うリトだが
「ええ、あの時は大変でしたけどまぁ私なりに楽しめましたわ。」
(えぇー!?ど、どうしたんだ天条院先輩はー!?)
「ララさん。そろそろ急がないと、遅刻しますわよ。」
「あっ!リトー!速く速くー!」
ララは少し離れて歩いたリトを呼ぶ。
「ではララさん。御機嫌よう。」
「うん!またねー!」
先を急ぐ沙姫にララは手を振った。
(一体どうしたんだろう。天条院先輩は……あれ?そういえばいつもは車に乗って、赤絨毯を敷かれた道を通って……それに、あの2人もいない!!……一体先輩に何があったんだろう……。)
リトは疑問を抱きながらもララに急かされて急ぐのだった。
昼食中、リトは猿山のどうでもいい話に付き合っていた。
「なぁリト……天条院先輩に一体何があったと思う?」
「ぶっ……何だよ!いきなり」
「まぁ聞け。いつも何かのクイーンを気取ってるはずの天条院先輩が全く気取らないんだ!」
「えっ!?」
「聞いた話によると先輩が無茶苦茶お淑やかでさ……全く普通なんだ!!いや、先輩の性格がすごいまともなんだ!!どうしちまったんだ!?なぁリト!!」
「おいおい……落ち着け猿山。」
リトは興奮する猿山を宥めながらも突然沙姫が変わった事が不思議で仕方がなかった。
何日か経ったが沙姫は変わったままだった。
あの頃みたいな学園のクイーンを自称していた高飛車な姿が微塵も感じられない程、物静かで大人しく、お嬢様言葉は変わらないがまるで人が変わってしまった。
一体沙姫に何があったのか……。
リトはそれが気掛かりだった。
「あ、結城リト。」
リトが下校中に2人の少女に呼び止められた。
「あ……えーっと天条院先輩の……。」
2人は凛と綾。沙姫の側近で今まで沙姫と共に行動していたが、最近は沙姫と一緒の姿が見られなかった。
「え、天条院先輩、風邪引いたんですか!?」
「はい。沙姫様が風邪を引くことなんて滅多にありませんのに。」
「結城リト、貴方が沙姫様のお見舞いに行ってほしいが。」
「えっ!?俺が天条院先輩の……。」
「ええ。結城リト、貴方が沙姫様が変わられた原因なのです。」
「え、俺が?」
リトは沙姫が変わった原因が自分にあると言われて驚いた。
「沙姫様がああなられたのは……あの臨海学校の後からなんです。」
「臨海学校の……。」
「ええ。沙姫様は私に結城リト、貴方が好みのタイプに合わせると聞いて私はおそらく結城リトが好むタイプを調べたのです……。それが優しくて、可憐で、お淑やかな女性だったのです。」
「えっ……。」
それは、同じ事を沙姫に聞かれた時に真っ先に浮かんだ、春菜の性格だった。まさか沙姫は彼女なりに自分の好みのタイプに合わせてるのではないかとリトは思った。
「その性格に合わせる為沙姫様は今までの自分を変えるのに必死にで……。」
「じゃあ、天条院先輩が最近貴方達と一緒じゃないのも……。」
「はい。学校で目立つからと沙姫様からの命令です。」
(そうか……天条院先輩は俺の為に無理矢理自分を合わせて……。)
リトはすぐさま沙姫の屋敷に足を運んだ。
「沙姫様のご学友の方ですね。話は聞きましたから沙姫様はそこの奥の部屋にいますからそちらへ。」
沙姫に仕えるメイドからの案内を受けてリトは奥の部屋に急ぐ。
「天条院先輩……入るよ。」
「その声は……結城リト…………入ってもよろしいですわよ。」
部屋から聞こえた彼女の声はあの頃と同じ感じだった。
「失礼します……。」
目の前にはベッドから起き上がった沙姫がいた。高級そうなネグリシェ姿で、頭のお団子は下ろされていた。
「先輩、風邪は……。」
「別に大丈夫ですわ……。」
それから話に行き詰まってしまった。だがリトは口を開けた。
「先輩……俺、気付かなくてすいません。」
「何の事かしら?」
「何の事って……最近の先輩は前みたいにクイーンを名乗る事がなくなったじゃないですか。まさか……」
「…………そのまさかですわ。どうしたら結城リト、貴方が気にかけてくれるか。私は私なりに自分を変えようと思いましたの……。」
「先輩……。」
「でも、その無理がきたのかしら。今まで風邪を引くことが殆どありませんでしたのに……。」
「!!でも、そうしなくては貴方が……。」
「俺は、臨海学校の時の先輩が……いつもの先輩の方が好きですよ。」
「え…………。」
「……実はですね。俺は海岸で先輩に告白するつもりでした……。でも先輩はザスティン一筋ですし……俺じゃザスティンに叶わないかなって……。」
「リト……。」
不器用ながらもリトは自分の事を想っていた。その事に沙姫は内心嬉しかった。
「確かに私はザスティン様が好きですわ。ですが……」
彼女の顔が少し沈む。
「ザスティン様はララの僕として働くのが仕事。もし私がザスティン様と付き合ったらあの方の仕事が疎かになってしまうのではと私は思いました……。」
「先輩……先輩はやっぱりいつもの先輩でも優しいんですね。」
「!わ……私は別にララの事を考えてそう思ったりはしませんわ!!…………それと……あの時、臨海学校で……ザスティン様より身近な素敵な人がいる事に気付きましたの。」
「そ、それって……」
リトは思わず生唾を飲んだ。沙姫は彼の顔を見て微笑んだ。
「……先輩……無理しないでください……。」
「やんちゃで汚くて元気だけが取り柄の……子犬みたいな貴方……。でもそれも悪くありませんわね……。」
「でもあの時、貴方には好きな人がいるかと思って、私は告白する勇気がありませんでした。だから私は直接話すことが出来ませんでした。」
「じゃあ先輩……あの相合い傘も……。」
「…………っ!!あ、あの相合い傘を見ましたの!?」
相合い傘の話をすると、沙姫の顔は耳まで赤くなった。
「落ち着いて先輩。俺は先輩がそこまで思ってくれたのが嬉しくて……お、俺も……先輩の事が……その……」
沙姫の自分への思いが本当だと知って、リトもその本当の思いを沙姫に伝えようとする。
しかし、恋愛に奥手のリトは途中で言葉に詰まってしまい顔は赤くなっていた。
「り、リト……。」
「せ、先輩……?」
「よ、よろしければ、わ、私の恋人にしてあげても…………いいですわよ……。」
「えっ……。」
リトより早く沙姫は自分なりに気持ちを伝えた。
「リト!ただし一つ条件がありますわよ!!」
「じ、条件?」
沙姫はリトを直視できず赤くなりながらも条件の内容をを話す。
「私の一番でいて……ザスティン様よりも……私の一番でいて。私だって……リトの一番になれるように多少は努力しますから……。」
「先輩…………。」
その条件は常に一番を目指すクイーンである沙姫らしいものだった。リトはその条件を聞いて思わず表情が綻びる。
「分かりました。努力してみます。先輩……。」
「リト……ですがリト?もう私にそんな堅苦しい口の聞き方をしないでくださらない?」
「ですが、先輩……。」
「ここは貴方と私だけしかいませんわ。それに恋人に先輩後輩は関係ないですわ。」
「あ、ごめん……先輩、じゃなかった沙姫……。」
「分かればよろしいのですわ。おーっほっほっほ」
久々に聞いた沙姫の笑い声。彼女が笑う姿にリトは愛しさを感じながら見るのだった。
以上で投下を終わります。稚拙な文章ですいません……。
一応その後に続きがありますが、とりあえず反応次第で投下しようと思います。
521 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 14:50:47 ID:EFX4C1Xt
お見事!!
GJでした!!
沙姫沙姫言い続けた甲斐があるってもんだ。
唯ヲタの俺を感服させるとは見事至極
マジGJ
オリキャラ使う必要あったのかぁ?
オリキャラなんてどこに居るんだ?
この「沙姫」っていうキャラじゃなくて?
リト×沙姫の者です。反応があったので今から後半をあげます。ちなみに本番です。
オリジナルキャラはおそらく「メイ」の事でしょうか?彼女はPSP版のオリキャラです。でも出しても出さなくても変わらなかったような……。余談ですが、とりあえずPSP版の沙姫ルートは沙姫好きにはお勧めしておきます。
この日、結城リトと天条院沙姫が恋人同士になった日になった。もう少し一緒にいたい。だが時間的にはそろそろ帰る時間まで過ぎていた。
「じゃあ沙姫。俺はそろそろ帰るからな。」
「え……。」
「え……って沙姫。また明日から学校で会えるじゃん。」「そ……そうですけれど…………。」
「…………何か俺にようでもあるのか?だったらもう少しいてもいいけど。」
「あ……あの……その……」沙姫の顔は完全に赤くなっていた。何やら言い辛い事なのだろうか。
「リト……耳を貸してくださらない?」
「え?でもこの部屋にいるのは俺と沙姫だけだぜ。」
「もう!この私を辱めるつもりなのですか!?リト!!」
いつもの様に沙姫は怒ってきた。リトは彼女に折れて耳を近付ける。
「あの…………ごにょごにょ」
「……え!?……沙姫……!」
リトは思わず驚いた。沙姫が耳打ちした内容をもう一度確認すると沙姫は赤面のままうなずいた。
「でも……今は……」
「リト……私が今までザスティン様の事が好きだったのは分かっていますよね……。」「あぁ……。」
「でも今の私は貴方が好き。だから……リトと私がお互いが好きな証を残したくて……。」
リトは沙姫の言葉にはある行為について暗喩してい
リトは無言でキスを躱した。そして?
「ん……!?」
リトの舌が沙姫の口内に滑り込むように入ってきた。沙姫は戸惑うが、自分も舌を絡め出す。
「ぷはぁ…………っ」
2人は唇を離すと銀の掛け橋が2人の唇を結んでいた。
「リト!勝手に私の口の中に……!!」
「……沙姫の味がした。美味しいよ沙姫の味は。」
「もう!恥ずかしい事言わないで!!」
沙姫が恥じらいを見せるのは今まで殆どなかった。リトにはそんな沙姫が可愛く見える。
(こういう沙姫は好きだ……。)
リトは思わず沙姫の恥じらい顔をじっとみつめると彼女の金髪が目に入った。
「ど、どうしたのですか、リト?」
「いや……沙姫の髪って無茶苦茶綺麗だなって。」
「当然ですわ。普段から髪に万全の注意を……きゃっ!」
突然前に垂れた髪をリトが優しく掴んできた。そしてその髪を鼻に近付けてきた。
「ひゃぁん!くすぐったいですわ……。」
「ごめん……沙姫の匂いが好きだからつい……。」
「貴方ったら本当に私のいろんな所が好きですわね。」
「そりゃだって……好きな相手の事はもっと知りたいし、……俺もっと沙姫の事が知りたい。」
「私だってリトの事が知りたいですわ……。」
「沙姫……胸さわっていい?」
「いいですわよ……貴方の自由にしてくださらない?」
リトは衣服越しに沙姫の胸を揉み出した。そういえば臨海学校でもうっかり沙姫の胸にさわって張り倒されたな……とリトは思った。でも今恋人同士になった沙姫は彼の愛撫を拒まずに、嬌声が聞こえて来る。
「あぁん……ダメ……ひゃぁん……気持ち良くて……あっ……。」
沙姫の甘い嬌声はリトを興奮させるには十分なくらいだった。
「沙姫……服脱いでもらっていい?」
「分かりましたわ……でも貴方も脱いでちょうだい。私だけだと恥ずかしいですわ……。」
沙姫の願いに応えてリトも制服を脱ぎ始めた。
そして全ての衣服を脱ぎ終えてお互いの素肌をさらし出す。
「沙姫……綺麗すぎる。それ以外の言葉が見つからないくらい……。」
「リトも……いい。結構男らしいですわね。」
「そ、そうか?ありがとな沙姫。ん……?」
リトは沙姫の秘所に目が行った。見慣れた髪の色と同じ繁みが大事な場所を覆い隠していた。
「は、恥ずかしいから見ないで……それよりも早く胸を……あぁぁん!!」
自分の秘所に温かい感触があった。リトの舌が彼女をすくい上げる様に触れる。
「ダメ!リト、そこは汚いですわ……だから……」
「沙姫に汚い所なんてないよ。みんな俺が求めたい綺麗な所だから。」
リトは沙姫の秘所から溢れ出る愛液を一滴も残らない様にすくい上げる。愛液は何度すくい上げても溢れだしてくる。リトはもっと沙姫の味を味わいたい。両手で沙姫の胸を揉み回した。今度は直接なのでさらに沙姫への刺激は強く甲高い嬌声をあげてくる。
「ふぁぁっ……リト激し過ぎて……私変になりそうですわ……あぁぁぁん!!」
胸と秘所への愛撫は止まる事なく、沙姫への刺激は強くなる一方だ。
そして、
「やっ、やぁ、やだ、な、何か、きてっ…は、はあぁーっ!、ふあぁぁぁぁぁっ!!」
その時、沙姫の体が激しく震えだし大きく腰を反らす。そしてベッドに沈んだ。
「も…………もぅ、激し過ぎですわよ、リト……。」
「ごめん……沙姫がとても可愛いからつい……。」
「全く……私だけが攻められるのも嫌ですわ。罰として……。」
「えっ…………うわっ沙姫!?」
気を緩めた瞬間、リトの息子が沙姫の舌に触れられた。
「ちょっと……沙姫!!そこは汚いぞ!!」
「あら……さっき私も同じ事言いましたのに、貴方はやめなかった。そのお返しですわ。」
沙姫はすかさず息子を咥えた。
(やべぇ……沙姫上手過ぎ……うわっ本当に……)
沙姫の口の中で息子は伸び上がり、リトに激しい射精感が込み上がった。
「やばい!沙姫離れろ!!もう俺は……!!」
リトは沙姫に離れる事を促すが彼女に離れる気配はない。そして、
「うわぁぁぁっ!!」
沙姫の口内で息子が暴れ、彼の遺伝子が口に放たれた。
「んん!!んー!!けほっけほっ……」
リトはすかさず息子を引き離すと沙姫の口から自分の遺伝子が流れ出る。が、口内に残した遺伝子を彼女は飲み干した。
「沙姫……!!無理しなくても……!!」
「大丈夫ですわ。リトが私の味を味わったから……私だってリトの味が気になっただけですわ……。」
「沙姫……。」
リトは自分を知りたい沙姫に心が動かされる。そんなリトに沙姫はベッドで彼の方に足を広げて寝転んだ。
「リト……早くお願い……私は何時だって構いませんから……。」
「沙姫……。」
2人はもはやまともな思考が出来なかった。今はお互いを気持ち良くさせたい事だけしか考えられなかった。
「いくよ……沙姫……。」
「ええ……私をリトので、貫いて……ザスティン様への未練を払って!!」
「わかった……。」
彼の息子が音をたてながら沙姫の秘所に入ってくる。沙姫の中はとても温かく、息子を締め付けて来る。
「沙姫の中……温かい……。」
「リト……嬉しいですわ……。」
そして、息子は彼女の膜に触れた。
「沙姫……多分無茶苦茶痛いと思うけど……。」
「私だって分かっていますわ。でも……リトが抱き締めていれば私は耐えられますわ。」
リトは沙姫を自分の方へ抱き寄せた。そして……
「うっ………い、いたっ」
沙姫の秘所からは純潔の証がベッドに流れ落ち、染みを残す。
沙姫の目からは涙が流れ落ちていた。
「沙姫……まさか痛かった……?」
「違いますわ…………やっと繋がったから……やっと私の未練が払われた気がするから……。」
「沙姫……。」
「リト、私は貴方が好き、大好きですわ。今なら言えますわ。だから……私を貫いて!」
沙姫は目に涙を溜めながらも優しくリトに微笑む。その表情から自分への思いが伝わってきた。
「沙姫……沙姫……!!」
「リト……離れちゃ嫌!……私だけ……私だけを見て!!」リトは必死に腰を打ち付け、肉と肉がぶつかる度に沙姫の感度はあがっていく。沙姫の言葉には今までとは違う激しさがあった。
「心配するな……俺だって沙姫が好きだ!……ずっとお前の側にいるからさ!!」
「リト……嬉しい!!私もすき……すき!だいすき!……ですわ!!」
沙姫の締め付けが強くなり、リトの腰を打ち付ける勢いが激しさをます。お互いを貪る中、限界が訪れた。
「リト……!私もう……!!」
「沙姫……!!俺も限界だ……!!」
「お願い……中に、中にして!!」
「あぁ……分かった!!」
沙姫の希望どおりにリトは沙姫の中に自分を全て吐き出した。
「リト……ありがとう……」「沙姫こそ……俺、沙姫と繋がって嬉しいよ。」
あれから2人は繋がったままさっきの行為余韻を味わっていた。
「リト……私から離れませんわよね?」
沙姫は不安そうな目でリトを見つめてくる。
「あぁ。俺は沙姫から離れたりはしない。絶対だ。」
「リト……好き、大好きですわ……。」
「俺もだよ。沙姫が大好きだよ。」
繋がったまま2人はキスを交すのだった。
翌日、沙姫はいつもの沙姫に戻った。凛と綾も一緒だ。
「は〜。結局、天条院先輩戻っちまったな。昨日までならマジで完璧だったのによぉ。」
猿山が沙姫の事で溜め息をついている。
「まぁいいじゃんか。あれが天条院先輩だしさ。」
「おい、お前あの性格が好きなのか?変わってるな。」
「うるせぇな。別にどうだっていいじゃないか。」
昼食中に2人はそんな話をしていた。
そして、放課後。
「あ、天条院先輩。」
リトは校門で待っていた沙姫に出会う。
「偶然ですわね結城リト。よろしければ一緒に帰ってもよろしくてよ。」
いつもの沙姫らしい態度にリトはとりあえず一緒に帰る返事をした。その時沙姫はいつもの高笑いをしていた。
が、それは校門までの話。下校時にはあの時の関係に戻っていた。沙姫の口調も随分甘い物になっている。
「ねぇリト。よろしければ私の部屋に来ませんか?」
「えっ……昨日も来たのに……。もうすぐ期末も近いのに……。」
「もう。私達は恋人同士ですわよ。それに貴方の勉強をこの私が見てあげてもよろしいですわよ。」
「えぇ……じゃ、じゃあ一緒に行こうかな……。」
「分かればよろしいですわ。行きましょうリト。」
沙姫に急かされリトは彼女の家に向う。
だがリトはそんな沙姫が好きだ。自分にしか見せてくれない沙姫が好きだ。
仕方なく行くと沙姫には言うけど、沙姫に誘われるのが内心とても嬉しいリトであった。
以上で終わります。
稚拙な文章ですね、すいません……。
とりあえずリト×沙姫シリーズ続きが浮かんだらまた投下しょうと思いますが、とりあえず今はリト×ルンを構想中です。
個人的にはお静で挑戦してみたいのですが、難しくていい案が思い浮かびません。御門先生を入れた3Pものとか面白いかもしれませんが……。
GJ!
ところで甘い看病漫画化来たな
いつもの人if書いて下さるのかな…
537 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 12:48:46 ID:P1gmKTwc
GJ
538 :
sage:2008/10/12(日) 15:25:13 ID:TS+s2Nqa
GJ!!
GJ
「お静の思い出」 本編8レス エロ薄
結城×ヤミ ララ×結城 結城×古手川
女心と秋の空、というが、朝の早いうちは、空も落ち着いているもので、
澄んだ青空の下、始業の一時間前、校舎には生徒の声は聞こえなかった。
校舎の一階では、黒髪の美少女―――― お静が、保健室の窓を開ける。
先生が朝寝坊だから、勤勉な助手が部屋を開けることになるのだろう。
もっとも、お静の屈託のない笑顔を見ると、この役を楽しんでいるようで、
世間と関わることの少なかった彼女は、働くことが面白いのかもしれない。
ともあれ、お静は床の掃除を済ませると、窓辺に椅子を引っ張っていって、
ちょこんと座ると、ミニ・スカートの膝の上で、持ってきた包みを開いた。
丸いおむすびが二つ、真っ白に輝いていて、お静の目もきらきらと輝いた。
実際、彼女の食べ物に対する執着というのは、並々ならぬものがあるようで、
荒んだ世に生まれ、荒んだ時代に生きたことを思えば、無理もない話である。
おむすびをパクつきながら、お静は顔を上げて、ふと遠い目をした――――
四百年ほど昔のこと、村雨静は、庄屋の一人娘として、この地に生を享けた。
幕府の開かれる前のことで、戦は絶えず、凶作が続いて、ひどい有様になって、
人は飢えて死んでいき、その亡骸を野犬が荒らし、その野犬を人が喰っていた。
お静の家は庄屋だから、ずいぶんマシだったが、娘盛りになっても痩せていた。
ある朝―――― やはり、こんな秋晴れの日に、お静は一人で森へ入った。
美しい小さな森だったが、昔から、お化けが出る、という言い伝えがあって、
誰も足を踏み入れないので、木の実などが手付かずで残っているはずだった。
お静も最初のうちは、お化けに出くわしたらどうしよ、と震えていたのだが、
秋の実りを目の前にして、そんな恐れなどは、どこかへ吹き飛んでしまった。
手近の木に走り寄ると、着物の裾が乱れるのもかまわず、不恰好によじ登って、
無数の木の実を食べ散らかした嬉しさ、懐に詰め込んで、家路を辿る誇らしさ。
しかし、これが元で、家に帰った彼女は、腹痛を起こして世を去ったのである。
年を享くること十七、幸薄き生涯なり―――― と、それで終わるはずだった。
しかし、お静の魂は、身体を抜け出て、成仏せずに、この世に漂うことになって、
早い話が、お化けに出くわす代わりに、自分がお化けになってしまったのである。
そして、長い年月を過ごすうち、色々な人生を垣間見ることになった――――
そうですね…… 長いあいだ、幽霊として生きて、いろいろなものを見ました。
たいていは忘れてしまいましたが、どうしても忘れられないこともありますよ。
あれは…… そう、文政七年、徳川の世もうしろのほうの、冬のことでした。
そのころは、このあたりも、大山街道の宿場として、たいへん栄えていました。
商いをするかたは、たいそう羽振りがよく、一方で、ふところの寒いかたも……
私の生まれた家は、そのころ長屋になっていて、私はそのあたりにいましたが、
そこの店子に、ひとりのお侍さんがいて、結城梨之助さま、というお名前でした。
もさもさの髪に、よれよれの着物、腰の刀の似合わない、やさしそうなかたで、
若いのに、仕官の望みを持つでもなく、のんびりと日々を暮らしていたのですが、
近ごろになって、とみに金策に走りまわるようになって、そのわけというのが……
「今帰ったぞ、ヤミ、今日はそちに、今川焼きを買ってきた」
それを聞いて、黒小袖の女のかたが、読んでいた黄表紙から顔をあげました。
「……おかえりなさい、結城梨之助」
このかたは、結城さまのご新造さんなのですが、武家のかたではないようで、
祭りの夜に、とつぜん転がりこんできたのを、結城さまがかくまったのです。
ものを言わない、素性の知れないかたですが、結城さまは、詮索するでもなく、
夫婦の契りを交わし、おふたりで暮らしはじめたのが、ふた月前のことでした。
近ごろ、金策にいそがしいのは、そのようにして食い扶持がふえたからで、
おみやげを買ってきたところを見ると、今日もまた駄目だったのでしょう。
おふたりは、火鉢をはさんで向かいあい、もくもくと今川焼きを食べました。
夕暮れの影が障子にさして、そのすき間から、冷たい風が吹きこんできます。
「すまぬ、ヤミ、今日もほうぼう歩いたのだが」
「……そうですか」
「甲斐性のないことだ、そちにも苦労をかけるな」
「私が無理に、置いてもらっているのですから」
結城さまは、それを聞いて、さみしげに笑い、ごろんと横になりました……
夜もふけて、行灯の火を吹き消すと、おふたりは襦袢ひとつで床へ入りました。
ふとんは一組しかありませんが、寒い夜は、そのほうがいいのかもしれません。
結城さまが、かじかんだ手を伸ばして、襦袢ごしにヤミさんの胸にふれると、
ヤミさんは、暗がりの中でもわかるほどに、ほほを赤くして、つぶやきました。
「……色っぽぃのは、きらいです」
しばらく襦袢のうえで遊んでいた手が、衿をわけて、中へ入っていきました。
ヤミさんは、ちいさく肩をふるわせ、夜具の襟で顔をかくそうとしましたが、
結城さまは、のしかかるようにして顔を近寄せると、口と口を合わせました。
そして、あごから白い頸へ、唇がすべっていって、胸元を探っていた手を引き、
前をはだけると、小ぶりな胸に舌を這わせ、先の薄紅色を口にふくみました。
せつない息を刻んで、それでも夜具の下で、裾を直そうと、もがいているのを、
ふとんをはねのけ、両足をとらえて、ぐっと上へ持ちあげるように開きます。
驚いて、畳へ逃れようとする太股の、かわらけのような付け根に顔をうずめ、
舌を伸ばして、気忙しく探りながら、奥深いところへ入りこんでいきました。
大きくひらいた両足が、ひきつったように震えて、その足の指先はちぢこまり、
この世もあらぬ声をたてて、あわてて袂を咬んだところへ、髪が落ちかかって、
かたん、と枕が外れると、合わせたように、夜回りの拍子木が聞こえました……
************************
「……囲まれたようですね」
結城さまが驚いて起きあがると、ヤミさんは、黒小袖をまとっていました。
わずかの間、結城さまの目を見つめてから、パッと外へ飛び出していきました。
結城さまもあわてて刀をつかみ、外へ出ると、闇に浮かんだ、御用提灯の波!
――――女盗賊ヤミ、神妙にお縄を頂戴しろッ
あおぎ見たのは屋根の上、金色にかがやく月を背に、すらりと映えた黒い影。
――――御用ッ 御用ッ 御用ッ
捕り手が迫ればその影は、疾風のように走り出し、あちらと思えばまたこちら、
屋根から屋根へ飛び移り、やま猫のごとき身の軽さ、さんざん捕り手を翻弄し、
ひらりと間近に舞い降りて、髪が伸びたと見えたのは、手練のわざの鎖がま。
戦いは長びき、私も及ばずながら、火の玉を飛ばしたりして、助太刀しました。
唖然としていた結城さまも、ひとつ大きく息を吸って、刀の目釘を改めました。
そして、結城さまが一歩前へ出て、刀の鯉口を切ろうとした、その刹那でした。
捕り手を圧倒していたヤミさんが、動くのをやめて、しずかに首を振ったのです。
そのまま、ヤミさんは、おとなしくお縄について、だまって曳かれていきました。
金色に月のかがやく寒空の下、結城さまは、いつまでも立ち尽くしていました……
ええ…… それが今生の別れで、それからのことは、私も知らないのです。
ヤミと名乗る盗賊はのちにも現れましたが、それがヤミさんなのかどうか……
結城さまは、まもなく長屋を出て、江戸の市中のほうへ越していきました。
それっきり、私も結城さまと会うことはなくて、世はご維新をむかえました。
そして、私はふたたび、結城の名字を持つかたを、知ることになったのです。
あれは…… 明治三十七年、おろしや国と戦になった年の、春のことでした。
そのころ、このあたりには練兵場があったので、兵営がたくさんできました。
私の家のあったところも、兵舎のひとつで、それで、そのあたりにいたのです。
軍人さんは、みんなこわい顔をしていて、戦になってから、なおさらでしたが、
その中に、おとなしそうな少尉さんがいて、結城梨太郎さん、というのでした。
空を見るのが好きなかたで、いつも、うら庭の芝生に寝ころがっていましたが、
その日も、春の風が、草をそよがせ、きれいな黒っぽい制服を、波うたせて……
「リタロー! 会いたかった!」
およそ場ちがいな、桃色の声が聞こえて、結城少尉が驚いて身体を起こすと、
まっすぐ胸に飛びこんできたのは、百合の花のような、あふたぬーん・どれす。
このかたこそ、おろしや国の伯爵令嬢…… たしか、ラーラ嬢とか、ララ嬢とか。
「ララさん! 交換船に乗らなかったんですか?」
「私、リタローのそばにいたかったから、残ったの!」
「露探の疑いで捕まったりしたら、どうする気です!」
戦のさなかに、敵方の恋人に会う、というのは、私の時代にもあった話ですが、
軍人さんが相手で、兵営を訪ねてくるというのは、たいへんな度胸だと思います。
そんな調子で、ララ嬢はもの怖じすることなく、まっすぐ結城少尉の目を見て、
温泉での逢瀬のあと、どんなに恋しく、焦がれていたか、あけすけに語りました。
そればかりか、結城少尉の両手をとって、しべりあへ逃げよう、と誘うのでした。
しべりあは、おろしや国の果てにある、夏のないところで、氷の世界だそうです。
「無茶を言わないでください、私は軍人なんです」
結城少尉は困ったように笑いましたが、ララ嬢はしべりあの話をつづけます。
満月の夜、氷は蒼くかがやき、その上をそりに乗って、ふたりでどこまでも……
「そいつは素敵でしょうが、ララさん、私は大日本帝国の……」
「祖国よりも…… 私、リタローが好き、世界で一番好きです」
結城少尉が答えずにいると、ララ嬢はほほを染めて、制服の袖を引きました。
そして、ほの暗い木蔭へといざなうのですが、結城少尉は首を振るばかりで、
動かないもので、私はちょっとだけ念力を使って、背中を押してしまいました。
ララ嬢は、草のしとねに、結城少尉を押し倒すようにして、身体をすりつけると、
裳裾の乱れるのもかまわずに、脚を両脚ではさみこんで、胸に胸をかさねました。
結城少尉の頬もほの赤く上気し、その頬に、まぶたに、接吻の雨がふりそそぎ、
ララ嬢の手が、結城少尉の手首をとらえて、自分の腰のほうへ導いていきます。
そして、すかーとに潜りこんだ手は、ふるえていたようで、ララ嬢の肩もふるえ、
白い下着が剥ぎとられて破れたのと、ずぼんの釦がはずされたのが、同時でした。
脈打つものが、望む相手に出会うだろうと思われるところへ、招き寄せられて、
ぐいっと身体がゆれると、嬌声とともに、しなやかな背が弓なりに反りました。
もみこむような動きに、はねる髪の先、とぎれとぎれの言葉に、激しい息づかい。
そして、動きは速まっていき、ふるえて、はずんで、ララ嬢の叫び、ひきつって、
死んだかと思うような静止のあと、倒れこんで、しがみつき、抱きあうのでした。
しばらくのあいだ、溶けあったように、ぴくりとも動かず、春の風が撫でていき、
ようやく身体を起こし、腰を浮かすと、ふたりは、ごろりと草の上へ寝そべって、
ララ嬢は、弱々しく笑い、両脚をくねらせて、奥には白いものがかすれました……
************************
「……ララさん、結婚しましょう」
結城少尉のつぶやきに、ララ嬢は、鈴を張ったような目を、さらに見張りました。
そして、ひとすじの涙とともに、結城少尉の首に、ぎゅっと抱きついたのでした。
次の日、ニコライ堂という耶蘇の寺院で、ふたりだけの婚礼がおこなわれました。
そして、一週間も経たないうちに、結城少尉は、戦火の大陸へ出征したのですが、
聞けば、ララ嬢の訪ねてきた日には、すでに軍命は下っていたということでした。
出征の日、天気晴朗なれども波高く、ララ嬢は水しぶきの舞う港に立ちました。
――――バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!
見送りの歓呼に送られて、堂々たる軍艦が、ゆっくりと港をはなれていきます。
でっきの上、結城少尉は小ゆるぎもせず、固く敬礼をしたまま、遠ざかっていき、
突堤に立ったララ嬢は、白いはんかちを、いつまでも振りつづけていました……
ええ…… 結城少尉は、それっきり、帰ってくることはありませんでした。
ララ嬢は、長らく日本に暮らしたそうですが、くわしいことはわかりません。
でも、何年も経たないうちに、おろしや国では、ご維新の大きいのが起こって、
ひどい有様になったそうですから、おそらく、お国へは帰らなかったのでは……
それから、しばらくのあいだ、町は栄えましたが、戦があって、焼けました。
そして…… 昭和二十七年、こうわ条約のハッコウした、その年の夏でした。
そのころには、すでに彩南高校ができていて、木造校舎もまだきれいでした。
先生も若いかたが多く、骨川先生などは、女生徒のあこがれの的でしたが、
その中で、美術を教える、結城梨才という先生は、ちょっと変わっていました。
いつも微笑を浮かべて、生徒さんをほったらかし、絵ばかり描いていたのです。
その日も、夜になって正門が閉まったのに、気にせずに、美術室に残っていて、
かんばすの前に腰をすえ、くわえ煙草で、楽しそうに絵筆を走らせていると……
「結城先生! こんな時間まで、何をしてるんですか!」
きつい調子の女の声がして、結城先生が開けっぱなしの戸のほうを見ると、
純白のぶらうすに、紺のぷりーつ・すかーとの、古手川先生が立っていました。
「古手川先生、こんな遅くにどうしたんです?」
「だから、それは、こっちが聞いてるんです!」
古手川先生は、つかつかと歩いてきて、結城先生の前に腕を組んで立ちました。
「いったい、あなたって人は、学校の規則を何だと思って……」
ぷんぷん怒りながら、古手川先生は、電球の下の、かんばすに目をやりました。
そこに描かれていたのは、若い男女のからみあった、なまめかしい春画でした。
「こ、これ…… あぶな絵じゃないの! どういうつもりなの?」
「校長の孫が、ガキのくせに助平なやつで…… 頼まれてね」
古手川先生は、あきれたように首を振って、もう一度ちらり、と絵を見ました。
「こ、こんな、はしたない恰好をする女が、好みなんですか」
「発想のもとは、古手川先生、いつかの夜の、あなたですよ」
そう言って結城先生が笑うと、古手川先生は、耳の付け根まで赤くなりました。
「……は、破廉恥だわ!」
ひらいた窓から、じっとりと湿った風が吹いて、結城先生は立ちあがりました。
そして、ぶらうすの肩を引き寄せようとしたのを、かわされて、追いすがり、
結城先生の伸ばした腕が、古手川先生を壁へ押しつけるかたちになりました。
白い太股のあいだに、ずぼんの足が割りこんで、すかーとの裾がめくれあがり、
絵描きさんらしい細い指が、すうっと入りこんで、ずろーすを撫でまわします。
半びらきになった紅い唇がわななき、なめらかな喉が、むせぶように鳴って、
いつしか、こわばった太股もじわりと汗ばんで、しどけなくなっていました。
そして、ずろーすが引っぱりおろされて、影を残したところがあらわになり、
長い指が根元まで入りこむと、ひとたまりもなく、腰を浮き立たせてしまい、
床のほうへ、ずり落ちていったのを、かんばすの春画が見下ろしていました……
************************
「私…… 結婚するの」
ぽつり、と発せられたその言葉に、結城先生の唇から、煙草が落ちました。
服を着ながら、古手川先生は、部屋の隅を指さして、そこには革製のとらんく。
「今夜、発つので…… お別れを言おうと思って、来たの」
古手川先生は、郷里へ帰って、ご両親の決めたかたと結婚するのだそうです。
あぷーる・げーる的な肉体の関係に、見切りをつけてしまったのでしょうか。
言葉もないまま、おふたりは学校をあとにして、夜の街を駅へ向かいました。
駅の中はにぎやかで、十時発の夜行列車は、すでに、ほーむに入っていました。
赤帽さんの声、おべんとう売りの声、汽車の蒸気が、しゅーっ、と鳴っています。
古手川先生は、空いた座席にとらんくを置いて、もう一度でっきに立ちました。
ためらいがちに手を差し出すと、結城先生も、何も言わずに、そっと握ります。
「私、やっぱり、古い女なのね」
そんな言葉に、結城先生が何か言おうとしたとき、発車のベルが響きわたって、
汽笛が鳴り、煙が吹いて、がたん、とゆれたかと思うと、すーっ、と動き出して、
それでも客車のドアはひらかれたまま、長い髪が舞って、遠ざかっていきます。
「……好きでした、結城先生」
そんな、つぶやきに似た告白は、ほーむに立つ結城先生に聞こえたでしょうか。
線路のかなたに、赤い灯が小さくなって、あとには煙だけが残っていました……
――――お静ちゃん! お静ちゃん!
耳元で呼ぶ声に、お静が我に返ると、親しげな微笑を浮かべた、春菜がいた。
「どうしたの? ぼんやりして」
朝の光の眩しい保健室―――― 廊下が騒がしいのは、始業が近いからだろう。
お静は、ミニ・スカートを穿いた自分の脚を、ぺたぺたと触って確かめた。
春菜の手が、唇のほうへ伸びてきて、口元に付いたごはん粒を取ってくれる。
「春菜さん、呼びにきてくれたんですか?」
「うん…… もうすぐ授業よ、行きましょう」
お静は、うなずいて立ち上がると、窓を閉めて、春菜と二人で保健室を出た。
早くから助手が待っていたのに、御門先生の寝坊も、度が過ぎるようである。
二人は長い廊下を歩いていく―――― 骨川先生と行き会って、黙礼をする。
骨川先生は、定年をはるかに越えて、健在だったが、若い頃の面影はなかった。
お静の耳の奥には、あの日に聞いた、古手川先生の声が、まだ消え残っている。
「……好きでした、結城先生」
ふと、春菜の顔を見る―――― 春菜は、自分の本心をララに告げたという。
いつの日か、リト本人に対して、秘めた思いを打ち明けることになるだろう。
その思いをリトが受け止めて、恋が実る、という結末になるのか、それとも?
教室へ入ったら、リトと目が合って、お静の胸は、ぎゅっと締めつけられた。
「あ、おはよう」
やさしい声も無性に懐かしく、お静はリトに近寄って、ぺたぺたと触った。
意外なふるまいに、リトは取り乱し、春菜もあっけにとられて眺めていた。
やがて、お静は手を止めて、リトの顔を見ると、無量の愛着をこめて言った。
「今度こそ、実ると思います」
「へ? 実るって、何が……」
「あ…… 森の、木の実が……」
ごまかすように、お静が窓の外を見たので、リトも春菜も、一緒に外を見た。
窓から見えるのは、何の変哲もない家々の屋根だけで、もう森はなかったが、
森を覚えている者にとっては、森はそこにあるので、人間も同じことであった。
以上で、完結です。
ありがとうございました。
上手な作りだな〜GJ。
ヤミ・ララ・古手川と続いて、今は春菜なんだね。
うん、今度こそ実るといいな。
これはすごい…GJ
>>549 GJ!ララを異国の女性として登場させたのがうまいと思う。もし続きとかあったら、楽しみに待っています。
GJ!!!!!!!!1
GJ!!!
しかしここはハイクオリティなSSが多いなぁ…
▲様好きなスタッフがいただけで
シナリオ上深い意味なさそうなのがwww
誤爆
これも2と同じでクリーチャーは主人公にしか見えないのか?
ママンや人間の敵が無事なのは
また誤爆w
なにやってるんだ俺w
ヤミ可愛いよヤミ
いいなぁ…文章、設定が最高にGJ。
こうレベル高いと作品投下しづらいよね。作りたくなるのに。
でも文章見てると幸せになるからそれでも良いかなと思える。だけどそれだけでは足りなくなって書きたくなる。
とにかくGJなのでした。
たしかにここレベルの高い作品多いよね。
レベルではなく愛だよ愛
愛が作品を美味しくするのか
愛故に作品はレベルが高くなる!
愛故にSSはエロくなる!
あれ…SSを作品に変え忘れてた
愛たっぷりなんで漫画の方でリトと凛のフラグを立てやがって下さい
それを元に何か書くお
凛と綾はむしろリコのほうとフラグがたちそうだから困るw
リトに戻れなくなったリコに、おにゃのこの色々を余す所無く教えるのか
下着の選び方付け方から日常の細かい仕草や注意点
夜は勿論、百合的な意味で床上手になるように躾を…
じゃあ俺は凛が桃太郎、綾が雉、リトが犬、沙姫様が猿の昔話を所望しようか!
百合は嫌いさ
普通にリト×凛でお願いします
もしくはリト×唯
>>571リト×唯(唯×リトかも)なら今書いてる
詳しくは唯スレ32の最後辺りへ
先輩に足コキされたい
鬼畜ものを書ける勇者をいつまでもお待ちしてます
リト×沙姫の者です。リト×ルン完成しましたので投下。ルンもPSPの後日談にしようと思いましたが、原作の方の内容にしました。
ちなみに前編はエロ無しです。
ルンがアイドルデビューして半年が経った。まさか彼女にアイドルの素質があるとは思いもしなかったが、現在彼女はかなりの売れっ子だ。
だが……やはり芸能活動との折り合いのせいか学校で彼女を見る事はめっきり減った。まぁ元々隣りのクラスだったルンはリトに会うのは、ララはともかく春菜や唯より会う機会は少ないので、さらにリトと会う機会が少なくなっている。
一方。
「あー!ルンちゃんだー!!可愛い〜♪」
「ルンさん凄いよね〜。恋のメタモルフォーゼ、クラスでも凄く人気あるんだ。」
結城家のリビングではララと美柑がルンが出演している歌番組を見ている。そしてリトもまたその歌番を見ていた。
「そーいえばリトってさールンさんの出てる番組よく見てるよね。」
「え……?そうか……?」
「さてはルンさんに気があるんじゃないの?」
「っ……!何でそんな話になるんだよ!俺はルンがアイドルとして頑張ってるか気になっているだけだ!」
美柑の問いにリトは返事を返す。
「そうだよ〜。ルンちゃんは幼馴染みだから、私もルンちゃんが頑張ってるか気になるもん。最近学校でも見ないしね。」
「ふーん。でもルンさんって凄いよね。高校生でアイドルやってるもんね。」
「あぁ。そうだよな……。」「しかも1人のソロでしょ?それだからルンさんは大勢の観客を前に1人で頑張ってるもんね。私ちょっと尊敬しちゃうな。」
美柑はそう言いながらテレビを見るが、よく考えれば美柑の言う事は最もだ。
「そうだよな。あいつはよく頑張ってるよ。でもな……。」
リトは自室でヘッドフォンでCDを聞きながら勉強する。
聞いている曲は「恋のメタモルフォーゼ」。彼女のデビュー曲だ。
「さて、明後日はルンのライブコンサートか。それまでに課題終わらせないとな。」
そう言いながら彼のペンは進む。
実は彼、ルンのコンサートには何回か行っているのだ。日付場所で行けそうな範囲で顔見せぐらいにだが。
今まで自分に過剰なくらいアピールしていたルンだ。自分もそのくらいは行ってやろうと思っていたのだ。しかし、それとは違う何かの感情が自分をそうさせる感もあった。まだそれが何か本人も分からないが。
だがいずれにせよ、席は殆ど彼女から離れている場所ばかりで彼女をまともに見ようにも見れないし。自分がルンのコンサートに行っている事も最近学校に来てない彼女に伝える機会もない。
「さて……終わったと……。」
リトは課題を終わらせた。
翌日の夕方。リトは父・栽培の画材を買うのを頼まれて、街に出た。
「さて、親父に頼まれた画材は……。」
その時だった。
「うわっ!」
「きゃあっ!」
突然、サングラスをして帽子を被っていた人物が自分にぶつかって来た。声からして自分と同じ年ぐらいの少女だが……。
「ご、ごめん!大丈夫!?」
「うぅん、こ、こっちこそごめんなさい!!」
慌てて彼女がお辞儀すると帽子が落ちてどこかで見覚えがある緑色のセミロングが露になった。
「ル……ルン!?」
リトが驚いた瞬間に彼女は自分の口をふさいで、すぐに帽子を被り直し彼を引っ張った。
「お、おい……ルン!?」
「ごめんね、リト君!私と一緒に逃げて!!」
彼女はリトを引っ張り走り出した。
「はぁはぁはぁ……。」
「はぁ……ルン……だよな……?」
街の外れにある人気のない公園のベンチに2人は息を切らしながら座った。
「うん……」
帽子とサングラスを外すといつものルンが見えた。
「久し振りだね、リト君。それとごめんね。」
「ルン……一体何があったのか?」
「リハーサルも済ませたから、ちょっと休憩してたの。でもね今の私が町を歩いたら回り大騒ぎするでしょ。だからちょっと変装してたの。」
「そうか……確かに今のルンは人気アイドルだからな。でもレンに変わればいいんじゃない?」
「リト君。レンの奴がもしくしゃみして町中で私に変わったらそれこそ大騒ぎだよ。」
「あっ……そうか。ごめんごめん。」
「でも私結構この格好で街に出てるし、よくリト君も見掛けるよ。」
「えっ。全く気付かなかったけど。」
「む〜。あ、でもバレたらそれはそれでまずいから……それでいいんだ。」
2人はしばらく公園で話した。芸能活動の事や学校で起こった事。お互いが話すに連れて時は過ぎて行く。
「でも、ルンは凄いよ。1人でさ大勢の前に立って歌える程の勇気は俺にはないかもしれないからな……。」
月明りが照らす夜の中、リトは昨日美柑が言ってた事をルンに話す。
だが、
「ううん……私は凄くないよ。」
ルンはいつもとは違う沈んだ声で喋り出した。
「あれから、学校に来る機会が少なくなってリト君とも会える機会がないから……。」「ルン……。」
「あの時、私はそこまで忙しくなるとは思わなかったんだ。確かに大勢の人の前で歌うのは私には合ってるけど、リト君に会えないと何かイマイチ気分が乗らなくて……。」
ルンの声が徐々に熱くなり、彼女の感情が現れてくる。
「リト君に会えるとね、いつも心が温かくなるの。
でもね、私が有名になればなるほど、リト君と会えなくなっちゃいそうで、リト君との距離が離れちゃうみたいで、私時々アイドルを続けるのが怖くなっちゃって……
あれ、どうしてかな……リト君に泣きたいつもりじゃないのに……。」
リトは今、彼女がどんな状況か既に理解していた。
「リト君、ちょっと待って……きゃっ!」
リトはルンを抱き締め
「まぁ、かなり後ろの席だからな見えないのも当たり前かもしれないな。
でもそれだけじゃないんだ。俺はルンのCDを買ったし、今もそれを聞いている。
さらにいえばルンのファンサイトをちょっと見たりしてるし、近いうちに出来るルンの公式ファンクラブの会員になろうかと思ってるぜ。」
「リ、リト君が……!?」
「あぁ。最初は何となくルンの活動がどんな評価なのかで見てたりしたけど、
俺をファンクラブに入会させようとするまでには、きっと何かが俺を後押ししてたんじゃないかなって思うんだ。」
「何かって……何?」
「それはルンが教えてくれたよ。」
そう言い切ると一息ついてから、
「好きな人が遠く離れると哀しくなる……ルンが言っていた事と同じ感情かもしれないんだ。だから俺はせめて少しでもルンに近い所にいようと思ったんだ。少しでも哀しくならないように。」
「リト君…………。」
「俺はルンが好きなんだ……きっと。」
そう言い終わると受け身だった彼女が抱き返して来た。リトと同じく強く優しい抱擁だった。
「リト君……ずっと前からだけど、私もリト君が好きだよ……ずっと。」
2人は唇を重ねた。どちらが先かは分からない。そしてお互いが舌を交わらせた。
以上で前編終了です。
反応次第で後半を投下します。
反応次第で、か
そういう態度はあんまいい結果を生まないのでは?
「返事を返す」とかがになる
>>582 そんなに自分の作品に自信がないのなら、
無理して投稿してくださらなくとも構いませんよ。
これなら読者を楽しませるに充分という自信の持てる作品が書けたら、ぜひ読ませてください。
586 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 02:37:51 ID:qdWbRkxm
自信を持て
いやいやいや、読みやすいし文章としては上手いよ。わざわざ聞かなくても大丈夫だから投下してください
リト×美柑のエロを書いてみたんで投下
部屋の中は締め切られて蒸し暑く、そしてむせ返る淫靡な臭気が充満していた。
熱にうなされる夏の夜の中で、男女は互いに絡みつくように交じり合っていた。
互いの擦れ合う肌の隙間で汗が混ざり合い、過剰な物が体が動くたびに飛び散っている。
肉体が蛍光灯の光を写すほど汗と愛液に塗れ、なおも二人は淫猥な快楽を求めて股を開き、腰を振り続ける。
硬く聳える肉棒が快楽に煮える秘部に突き刺さるたび、少女のはしたなくも悩ましい悲鳴が部屋の中を突き抜ける。
その悲鳴は麻薬のような力を男に与え、疲労を瞬く間に忘却の彼岸に置き去りにしてしまう。
そして男は肉体の限界を超え、快楽の絶頂に上り詰めるまで少女を激しく責め続ける。
男の息が荒くなるほど掻きまわされる秘部から淫らな水の音が大きくなり、少女の悲鳴も増して凄艶な嬌態もまたその激しさを極めていく。
正上位で責められて喘ぐ少女の顔を男は獲物を見る獣のような、それでいて少女を気遣う優しさを持った目で見つめる。
男は少女をとても愛しく思っていた。
快楽の熱に少女の体から絶え間なく汗が噴き上がり、真珠のように純白で燦爛と輝く肌の上を汗の玉が滴り落ちる。
可憐で折れそうなほどか細く悩ましい腰を、肋骨が微かに浮く肉の薄い脇を、鎖骨の浮くほっそりとした汗で髪の張り付く首周りを、ツンと先端が尖りほのかに赤付く小さな乳房を、愛液に塗れるまだ産毛すら生えていない幼い股を、光る汗の玉が滑っていく。
その姿は堪らなく淫猥だった。凄艶な柳腰から薄い尻にかけての未成熟な曲線は見るだけで男の下半身を熱く滾らせ、情欲の炎は男に腰の動きを更に激しくさせるよう暴力的なまでに責め立てる。
熱く、そして硬く肥大した肉棒は殴りつけるかの如く少女を蹂躙し、それを受け入れる少女の小さな幼い秘部は決壊したように汁をとめどなく流し続ける。
潮を吹き、尿も流し、少女は破壊的なまでの快楽に身が張り裂けんばかりに悶えた。
涎が零れるのも厭わず口をだらしなく開き、腹中を蹂躙する肉棒から叩き込まれる灼熱の快楽に身も心も焦がしながら、少女は切なげに自らを責める男を過度の貪淫で呂律の回らない口で呼んだ。
「り……れろ……、…リト……リト……」
かぼそい少女の声をリトと呼ばれた男は聞いて、肉棒を秘部に挿したまま腰を一旦止め、少女の身体に被さるようにして顔を少女の顔に近づけた。
その際、体が密着して潰れる小さな乳房の刺激に少女が短く喘いだ。
少女は何か言おうとするが、上手く声が出てこない。
リトの激しい責めに少女の息は荒く、肺は未だに多量の酸素を欲していて喋るだけの余裕が持てないでいる。
そんな少女の姿に、リトは一旦中断しようと肉棒を少女の中から引き抜いた。
肉棒は少女の愛液で光沢を持ち、そこから少女とリトとの間には名残惜しそうな愛液の糸がお互いが離れるのを嫌うように架かっていた。
そしてリトは少し間をおいて愛していた少女を見た。
肉体を駆け巡り焦がしていた淫らな快楽が途切れ、少女は力尽きたかのようにベッドの上で横になっている。
全身を汗で濡らし、両足が開いたまま弛緩したことによって惜しげもなく晒される秘部は、リトを待ち望むかのように口を開いて愛液を流し続け、そして快楽の名残によって未だ僅かに痙攣を繰り返していた。
そんな少女のあられもない痴態はリトの淫欲を更に燃え上がらせた。
リトは堪えきれず、少女に秘部に指を二本突き立てた。
「ぁああっ!!」
いきなりの刺激に少女が鳴く。
リトは指を動かして少女の内側を擦るように動かす。
少女の秘部はそれを待ち望んでいたかのように轟き、流す愛液の量を増やした。
「やぁぁ、止めなさい……よぉ…」
少女は二本の指が齎す刺激を欲しながら、己の股の下で動くリトの手を掴んで引き抜いた。
「どうした美柑?」
「どうしたじゃ…ないわよ。明日は一緒に朝から買い物に行く約束でしょ?
このまま何時ものように続けたら起きられないよ」
「んー、そうか?」
「そうよ」
「じゃあ、このままここで止めとく?」
この言葉に美柑の顔が曇った。
未だに体に残る熱は引いておらず、下腹部で蟠る快楽への欲求は行為の続きを望み、火照った秘部は餌を前にした犬のように涎を垂れてリトを待ち焦がれている。
ここで止めるなんて事は美柑にとってあまりにも耐え難い。
リトによって玩ばれた秘所の疼きをこのままにしておくなど、到底出来るはずもなかった。
「それは……嫌。なるべく速く終わらせて」
「わかったよ。じゃあスピードを上げよう」
そう言うとリトは美柑に圧し掛かり、唇を啄ばんだ。
「ん……」
唇を重ねて舌を絡ませあい、お互いを愛撫する。
しかし美柑の下はリトと比べて小さく、愛撫される方が多くなる。ざらつく舌の感触や唾液の味に、美柑の呼吸は荒くなる。
美柑はキスが好きだった。
それは血の繋がった実の兄妹でありながら男と女として愛し合っているという不道徳な関係だが、キスは知人の目がなければ公衆の面前でも出来るからだ。
前に人目を憚ることなく町中でキスをしたときなど、公然と兄に女として接することが出来た事にどれほど歓喜したことか。
もっともリトはそのことで衆人から訝しい視線を向けられていたのだが。
矢張りどう見ても小学生の美柑と背は低くて幼顔だがちゃんと男性の風采をしたリトの組み合わせは公では許容され難いらしい。
だがそれも、もう暫くの辛抱だ。
胸も膨らみ始めて小さいながらも乳房が付き、成熟し始めた美柑の体はもうまもなく女としての形態を会得するだろう。
そうすれば、あのような目にはあわない筈だ。その時こそ思う存分キスをしようと美柑は硬く決めていた。
「あっ……!」
リトの指が美柑の小さいクリトリスを強めに摘まんだ。その電流のような痛みのある刺激が子宮を奔り、快楽に更なる火を灯す。
磨り潰すように強烈に弄られるクリトリスに、耐え切れないというふうに美柑の腰が跳ねる。
しかしリトの手はクリトリスを離さない。
「やぁぁ! いたぃよリトぉ……ぁあん!」
痛いという美柑だが、その声色は蕩け切っていて拒絶の色は微塵も無い。
リトの手も振り解こうとせず、逆に大きく股を開いて弄り易いように構えている。
美柑の心身はリトが与える刺激なら痛みだろうと体を火照らせる。
美柑は覚えている。初めてリトと関係を持ったとき、抉るように差し込まれて純潔を失った痛みの中で鮮明な快楽に喘いだことを。
いつからか兄に恋をして、やがて兄で肉欲を満たしたいと願い始めたときから自分の中のどこかが変になり始めたと感じていた美柑は、処女を失った時にはっきりと自分は変になったと確信した。
実の兄に欲情して、あまつさえ実際に交わるなど背徳の極みなのに、自分はこんなにも歓喜に捕らわれ、肉欲に囚われている。
だがそれは仕方がないとも美柑は確信している。
何故ならこの背徳の関係は兄が拒絶していればそもそも成立することはなく、兄がおかしくなった美柑を許容したからこそ、この背徳は成立しているのだから。
つまり美柑と同じくリトも変になっていて、お互いが普通の人とズレているが故に、兄と妹は歯車が噛み合うように背徳の関係に到ったのだ。
そして普通とは違う歯車を持った兄妹以外では噛み合うことは無い。
だから美柑は痛みを快楽として受け入れられる。
この体の一番深い場所から膨れ上がってくる飽く無き姦淫の欲求を満たせるのは、美柑が愛して止まない実の兄しかいないのだから。
やがて美柑の限界が来た。快楽の津波が一気に押し寄せて薄弱となった理性を意識と共に押し流す。
一際大きい淫らな悲鳴が部屋を貫いた。美柑の秘部から潮が噴射され、リトの手を盛大に濡らし、ベッドに大きな染みが広がる。
絶頂を通り過ぎて全身を弛緩させた美柑を、リトは愛しげに抱きしめた。
姦淫の熱で掻いたぬめる汗は密着して擦れる肌の上で音を立て、腕の中に美柑がいることをより一層リトに知らしめる。
「大丈夫か?」
「だいじょう…ぶ。けど、もうすこしまって……」
息を整えるのにもう少しと言う美柑を、リトはそっとベッドに横たえた。
ああ、なんて愛しいのだろう。
自らが行った行為で全身を汗で濡らし、緩く波打つ艶やかな黒髪を体に張り付かせて乳首を尖らせながら股を濡らす美柑をみて、リトは自分の中の肉欲が高まるのを感じて熱の篭った息を吐いた。
早くこの妹を抱いて犯したいと、心の底からそう思う。
そしていつからこの感情を持ったのかと、横たわる美柑を眺めながらつらつらと思い起こした。
辿り着くのはいつも、まだ自分たちが幼くて両親と一緒に暮らしていた時の、ある寒い冬のことだ。
その時はまだ両親と共に四人一緒に寝ていて、美柑もリトの隣で寝ていた。
リトがパジャマを引っ張られる感覚に目を覚ますと、体を振るわせた美柑が泣きそうな顔でパジャマの端の摘まんでいた。
どうしたのかとリトが聞くと、怖い夢を見たと言う。
そんな美柑を安心させようと、リトは美柑を抱きしめてそのままお互いに再び眠りについた。
その時だ。その時感じた美柑の体温をリトはずっとはっきりと覚えていて、いつまでも消えることは無かった。
そして中学の卒業まぢか、風呂上りの美柑を見てリトは息を詰まらせた。
普段なら女性の水着姿を見ただけでも体温が上がって平常を保てずにいて、その時も同じようになったが、その感覚は普段とはまったく毛色が違った。
熱が滾るのだ。
普段感じるような気恥ずかしさなど微塵も顔を覗かせず、唯々性的な欲求が――かつて感じた体温が欲しいと――噴出してくるのだ。
その圧倒的物量はリトの理性を駆逐して脳内を瞬く間に占領し、まともな精神を取り戻した時には、美柑はリトの体の下で秘部から赤い血と白濁した粘液を流していた。
これをきっかけに自分と美柑の関係は始まったのだとリトは思い返す。
罪悪感は不思議と無い。在るのは美柑を愛しく思う感情と、美柑と交わっていたいという欲求だけ。
だがそれでも良いとリトは思う。
だってほら。
息を整えた美柑がリトの首に両手を巻きつけ、貪るようにキスをしてくる。
唾液を酌み交す美柑の口からは喘いでいた時と変わらない熱い吐息が絶えず洩れ、秘部はなおも物欲しそうに涎を垂れている。
美柑だってこの背徳の快楽で繋がる関係を望んでいる。
キスを終えるとリトは仰向けになり、手を肉棒に添えて向きを整えると、美柑がゆっくりを腰を落としてくる。
肉棒の先端が美柑に触れると、余ったほうの手で秘部を開き、そして美柑を降ろさせた。肉棒が閉じた肉穴をこじ開けて、奥に隠れた子宮を突き上げる。
「あああっ!!」
淫靡な悲鳴に合わせて肉穴がリトを貪る。
はしたなく涎を垂れ流しながら肉棒を根元まで飲み込み、歓喜に打ち震えるように美柑が悶えた。
「ああ……、リトの熱ぃ……」
体内を占領され掻き回される悦楽に身を縮ませる美柑は、力が上手く入らないで倒れそうになる体を支えるため、リトの腹に軽く手をつきながら蕩けるように呟いた。
「いやらしいな美柑」
「いやらしい私は嫌い?」
「いいや。じゃあ、いやらしい俺は?」
「大好き」
美柑は体を倒してリトにもたれ掛かると、甘えるように胸を擦りつけた。
そしてちょうど顔の位置に来たリトの首筋を味わうように舌を這わせる。
「なあ、早く終わらせるんじゃなかったのか?」
「いいじゃない。気持ちいいんだし」
「買い物は?」
「SEX優先」
「さっきと言ってることがまるで違うな」
「仕方ないじゃない、気持ち良過ぎるんだから。
それとも私を抱くより買い物に行く方がいい?」
「そんなわけない」
「じゃあいっぱい抱いて。私の気が済むまで」
「それって何時までだ?」
首筋を這っていた美柑の舌が耳元まで動き、リトの耳を甘噛みすると、そっと口を離して
「私が跳んじゃうまで」
ねだるように囁いた。
この言葉にリトは瞬く間に沸騰し、勃起した肉棒が更に肥大するのを感じた。
「あ……また大きく……」
突き刺さった肉棒に美柑の小さな秘部は限界近くまで伸びていたが、今はもう裂けそうなほどになっている。
その秘部を、リトは容赦なく抉った。
「ぅあっ! ああああ!!」
美柑の肉の薄い尻を鷲掴みにすると、リトは肉棒を美柑めがけて激しく打ちつけた。
肉を打つ甲高い音と粘り気のある水の鈍い音が部屋中に響きわたり、続いて美柑の喘ぐ悲鳴が貫く。
どこまでも甘く悩ましい淫猥な合唱がリトの脳を揺さぶり途方もない淫欲を引きずり出していく。
もっと速く犯したい。そうすればより強い快楽が得られるから。
もっと長く犯したい。そうすればより淫猥な美柑を犯せるから。
もっと、もっと犯したい。だから美柑を抱きしめる。こんなにも愛しい人を手放したくないから。
リトの体の上で涎を散らしながら淫靡な悲鳴を叫び続ける美柑は、既に数回絶頂を迎えていた。
猛烈なリトの突き上げが齎す摩擦の甘美さは壮絶の一言で、美柑はまるで秘部に機関銃を突っ込まれているようだと思った。
このまま行けば自分はどうになってしまうと本気で感じた。
だが美柑はとっくの昔に自分はどうにかなってしまっていると自覚しているので、その身を苛むこの世で最も愛しい兄の淫欲を最大級の歓喜を持って享楽する。
一度リトが突き上げるたびに迸る、内臓を捩じらせるような快楽の電流が背筋を走って脳を焼き、奥に打ち込まれた肉棒を引き抜かれるたびに捩れた内臓を一緒に引き摺れ出されるような快楽の電流が再び背筋を走って脳を焼く。
それによって美柑の意識と体は正常さを欠いていた。
肉棒で膣内を蹂躙されるたびに最早呂律の回らない舌で息切れを起こした悲鳴を上げ続け、秘部からは愛液とも尿とも区別できない体液がとめどなく吹き続けている。
下のベッドのシーツは巨大な淫猥な染みがついていて、吸収できなかったものが所々で溜まっていた。
リトは美柑を下にするよう体の位置を変え、再び美柑を責め始める。
美柑の肉穴いっぱいに詰め込まれた肉棒は乱暴に美柑を掻き回し、その様は極限まで飢えた狼が極上の肉に喰らいつく姿そのもののようだった。
そしてリトの絶頂が来る。最初から早かった腰の動きが更に加速し、結合部からの淫猥な音も音量を増す。
「美柑……! いくぞ、いくそ、いくぞ!!」
打ち付ける激しさに愛液が飛び散り、理性を奪われた美柑の悲鳴の中、リトは情欲の種子を美柑の子宮めがけて吐き出した。
肉棒を捻じ込むよう美柑に密着して、リトは最後の一滴まで吐き出し尽くす。
「あっ! ああっ! イクッ、イクッ、イクッ…………ッ!! ぃあああああああああっっ!!!」
リトから体の奥――肉欲の根源へと注ぎ込まれた精液の感じる筈の無い熱を感じて、美柑もまた絶頂に達した。
今まで何度も味わった中に出される感覚。その魂を犯す至高の幸福感を、美柑はしゃぶるように味わった。
リトが肉棒を引き抜くと、興奮で充血した美柑の秘部の奥から白濁した精液と咽るように淫猥で濃厚な臭いが溢れ出た。
臭いは瞬く間に部屋に満ちて、リトと美柑の嗅覚を淫靡に刺激した。
だがリトに訪れた凄まじい疲労感は、さすがに行為の続きをさせなかった。
全身の何もかもが重く、リトはぐったりとした美柑の横に寝転んだ。
流石に疲労困憊だった。頭を起こすのもキツイ。だがそれと共に体に満ちる充実感に浸りながら、リトは閉じていた目を開く。
開けた視界には、リトと同じく疲弊した眼差しの美柑が視線を向けていた。
リトは喋ろうとして、失敗した。疲れのあまり声が出ない。
そのまま二人はなんとなしに見詰め合っていたが、おもむろに美柑が体を起こした。
すると美柑は秘部に指を差し込むと、中に残った精液をすくって啜り始めた。リトはそんな美柑を呆然と見ていた。
そして啜り終えた美柑が振り向いてリトへと顔を近づける。
「今日はやたらエロいな」
「エロい私はどう?」
「超大好き」
「私はそれ以上にリトのことが好きよ」
そう言葉を交わして、美柑はリトとキスをしようと顔を顔を近づけて
「まった。流石に自分の精液を啜ったばかりの口とキスしたくないんだけど……」
「そんなの知りませ〜ん」
美柑は馬乗りになって無理やりキスをした。
それに最初はもがいていたリトだが、諦めて美柑を抱きしめた。
そこから数分間、長いキスの音が響き続けた。お互いを味わうよう、ゆっくりと。
キスが終わり口が離れた時、美柑とリトの舌は唾液の橋が架かっていた。
「さてと。再開するわよ」
「はぁ!? もう終わったんじゃないのか!?」
「何言ってるのよ。言ったでしょ? 私が跳ぶまでって」
「いや、さっきまで跳んでたんじゃ……」
「違うわよ。私が言ったのは、跳んでそのまま寝ちゃうまで。つまり気絶するまで」
「いやいやいや、無理だから。体力がもう無いから」
「リトに拒否権なんて認めないわよ」
「ちょっ! お前、一体SとMのどっちなんだ!?」
「ん? リト為ならどっちでもなれるよ」
そう言うと、美柑は聞く耳を持たずにリトに襲い掛かった。
淫らな夜は更に続き、姦淫に耽る声は響き続けた。
以上で投下終了です。
なんだか文章が変なような気がしてならない。
なんか情緒的というかジュブナイルポルノじゃなくて官能小説みたいな印象を受けた。
あと跳んじゃうはトんじゃうって感じの方が多い気がする。
みかん大好物なのでよかったです。
なんだ、ただの神か
600 :
1:2008/10/15(水) 06:32:22 ID:kqn4KvnQ
600
リト×ルン後半を投下します。
あと、皆さんに言われた事もあり、これからは反応次第でなく、まとめて投下しようと思います。
「ねぇ……リト君。」
「どうした……ルン?」
「私を抱いて……。ここまでしたらもう我慢出来ないな。」
「…………いいのか?ルン。」
「リト君だからだよ。私がずっと大好きなリト君だからいいよ。」
「ルン…………。」
もはや彼女を止めるのは酷だと悟ったリト。人気のない公園だし、空は既に暗い。リトは上着を地面に敷いた。
「ルン、この上に寝て。」
「リト君……ありがとう。」ルンは彼の上着の上に仰向けに寝転ぶ。その時街頭が彼女を照らし、彼女の顔はほのかに赤かった。
「恥ずかしいな……。」
ルンはリトによって服を一枚一枚脱がされる。
リトも既に下着一枚だけだった。
そしてルンの裸体が照らし出される。愛しい人に自分の裸を見られるのが恥ずかしく、彼女は両手で胸と秘所を隠して、リトに顔を向けられなかった。
「恥ずかしい……見ないで……。」
「大丈夫だよ。ルン、無茶苦茶綺麗だから。」
「で……でも……ひゃん!」
彼女が恥じらう中リトは形の整った胸を揉み回した。
「ぁん!リト君……だめぇ……。」
「ルン……可愛い……。」
「リト君のエッチ……でも、リト君なら……。」
愛しい人に胸を愛撫されるルンはその刺激に心地よさを感じ出した。
「あぁん……リト君……もっと……もっとして……。」
彼女の甘い声にリトは彼女への胸の愛撫を強める。そして……
「うぁぁん!し、下はらめぇ!」
胸だけでは物足りず、ただ割れ目のみが見える秘所に手を当てた。
「うぁん、も、もう……ふぁぁぁぁぁっ!!」
ルンは体中が震えながら、グッタリした。
「もう……リト君激しいんだから……。」
「ごめん。それよりも……。」
ここまで来たらリトは既に覚悟を決めていた。
ルンはただ首を縦にうなずいた。
音をたてながらリトの息子が入ってくるのをルンは感じていた
「リト君のが私の中に……」
ルンの中はリトの想像よりも息子を温かく締めつけてくる。そしてリトは覚悟を決めた。
「ルン……凄く痛いけど……いいか?」
「……うん。リト君のだから平気だよ。」
ルンの了承を得て、リトは息子を突き出すが……。
「あれ……?」
リトは自分の息子が難なく差し込んだのに驚く。
(そうか……メモルゼ星人には膜がないのか……。)
リトは戸惑いつつもルンを痛い目に遭わせなかった事に安心した。
それに今まで自分が好きだと素直に表現したルンに膜は要らない。そう感じたリトは腰を強く打ち付ける。「ひゃッ…んっ、ふぁっ」
ルンの快感に満ちた喘ぎが聞こえてくる。
「リト君……私リト君を感じてるんだね。」
「ああ。ルンの中温かいよ。」
腰を打ち付けるたびにルンは喘ぎを洩らす。行為に連れて、まともに思考する事が出来なくなる。
「ルン……ルン……。」
「リト君……リト君……。」お互いが愛しい人の名前を呼ぶ。それだけでもう2人の感情は高まるばかりだった。
「リト君……胸はらめぇ……。」
「だって……ルンの胸凄く好きだから……」
「そう……リト君にそう言ってもらえると、なんだか嬉しいな……。」
リトは、両手でルンの胸を揉み、ルンは、彼の愛撫に、快楽と愛しさを感じていた。
そして、お互いが快楽を味わう時に限界が迫った。
「リト君……らめぇ!……も、もう…っ……ふぁ…ぁぁああっ!!」
「ルン!!」
ルンの身体で何かがスパークしたような感覚が全身に駆け巡る。
そしてリトは理性を総動員させて息子を引き抜き、ルンの白い腹の上を遺伝子で汚した。
「ねぇ……なんで中にしてくれなかったの?」
あれから服を着直したルンは少し不満そうにリトに喋る。
「だって……ルンはアイドルだろ。お前が妊娠でもしたら大変じゃないか。」
「あっ……そうだね……ごめんね、リト君。今の私の中に出せれなくて……」
ルンは塩らしく謝るが、リトは彼女を優しく包んだ。
「中に出せるか出せないかで好きか嫌いかが分かれるわけじゃないよ。俺はルンが好きなのには変わりないからな。」
「リト君……。」
「ルンがもし辛くなったら何時でも俺に会いにきてくれ。アイドルのお前も好きだけど、いつものお前も大好きだからな。」
リトの温かい言葉にルンは抱き返した。
「リト君……またこんな事していいかな……中じゃなくてもいいから……。」
「ああ。ルンとなら何度でも繋がってやれるよ。」
「嬉しい……。私リト君が好きになってよかったよぉ……っ!!リト君、大好きだよ。」
「俺も……ルン、お前が好きだよ。」
そのまま2人は夜の公園で抱き合うのだった。
翌日。
リトはライブ会場に着いた。今回は珍しく比較的前の方の席に座る事が出来た。
そして、開演時間になるとステージ衣装を着たルンが現れた。
「みんなー!元気にしてたー!?」
ルンの登場に観客が湧き上がる。その時のルンはいつも歌番組で見るよりも遥かに可愛かった、
その時ルンはリトに気付いたのか彼に向けてウインクを送った。
観客が湧き上がる中リトもまた自然に笑みが漏れたのだった。
以上で投下終わります。
次回は何にしようかな……。多分リト×沙姫の続きにするつもりですが。
美柑とのカップリングは考えてはいたのですが、さっきの作品が素晴らしすぎて少しためらい気味。
個人的には唯のSS職人が来るのを楽しみにしてます。
美柑gj
超GJ!
お二人ともGJです!
てか美柑の人の文章すごいな
ルンで少し感動した
美柑の続きキボン
オチが思い浮かばない・・・orz
夢オチ
夢ってwどんだけ飢えてる&変態なんだリトw
夢オチだけど起きたら美柑がちんこしゃぶってたとか
夢オチだけど、台所に行ったらバナナでフェラの練習してる美柑と鉢合わせするんだな
そして始まるエロい話
私夢オチだけど起きたら美柑がキスしようとしてて、急にリトが目を開けたのを見てあたふた、みたいな
だがそれがまた夢
夢オチでその夢のせいで美柑を意識しちゃってついには本当に襲っちゃうみたいな
無限ループですね。
ここで断ち切る!!
無限ループって怖くね?
初執筆の、唯リト作品を投下します。
原作の唯メイン回、「特恋薬」の後日という設定です。
…が、PCで書き込み出来ないという不測の事態に陥ってるんで、申し訳ありませんが保管庫に直接投稿という形を取らせて頂きます…f^_^;
編集・投稿完了致しました。「8スレ622」です。
いろんな意味で経験が足りないんで、表現方法に困りました…(´・ω・`;)
乙。
一応言っとくね。
顔文字は自重すべき絡まれる前に止めておいた方が良い。
了解しました。
パイズリがあるではないかー 短いけど
いいラヴ分でした。所で
>いくら数多くのエッチなトラブルに遭いつづけてきたリトも、さすがに生の胸は揉んだ事は無い
これマジだっけ?
ジャンプで読んだ限りではウロだけどあったよーな
言われてみればそうかも知れない
一応書く前に持ってる分のジャンプと単行本を確認した限りは無かったが
取っておいてなかった42号(ヤミメイン回part1)で春菜の浴衣に手を突っ込んでたような気もするんだ…
まあそれならそれで少し修正すれば良いけど…
間違えた、35号だった
誰か持ってないでしょうか…
あー、何でTo LOVEるな日々で確認という選択肢を思い浮かべなかったんだ
確認したら見事に手を滑り込ませてますね…擬音は出てないですが揉んでるって事にしてSSの放修正しておきます、指摘ありがとうございました
リトは乳首にぶら下がるという稀有な経験の持ち主だからな。
女の書き手タンが『今日は安全日だから中に出して♪』なんて処女に言わせてるとそれだけでハァハァするお☆
また体験談書いてくださいw
お風呂場戦争でララの胸揉んでなかったっけ
半分タオルだからノーカウント?
635 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 01:46:06 ID:VUgwThaH
サゲないとどうなるの?
良い男に尻を掘られる
age
638 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 11:04:41 ID:VQzGGpNA
校長は便意を催すと、おもむろにズボンとブリーフを脱ぎ去った。
縛られたまま床に転がされた古手川唯に、校長のブツブツだらけの尻が無造作に向けられる。
真っ昼間の校長室で、校長はでっぷりした白い腹と赤黒いペニスを放り出し、眼前の美少女に迫った。
驚愕する唯の目の前にすね毛だらけの足が現れその美しい顔をまたいだ。
皺だらけの陰嚢が唯の顔の上で揺れて校長の肛門がヒクヒクと開閉してゆっくり近づいてきた。
「ひぃっ…いやあっ!」
「結城がどうなってもいいのか?」
何度目かの悪魔の呪文に唯の抵抗が止むと校長は尻を下げていく。
唯の唇と校長の肛門が熱くキスをした。
「うぐ…むうぅぅっ」
真下でもがく少女に構わず校長は小さく呻くとそのまま白い絨毯と唯の顔の上に大量の糞を垂れ流した。
(ひいいいいっ)
静謐とした、無機質な白い部屋に便臭が立ちこめ、毛足の長い白の絨毯の上で、汁気たっぷりの糞が湯気を上げ、香ばしい匂いを放つ。
校長の糞を顔と髪と口内にたっぷり浴びた風紀委員は凄惨なまでに動転していた。
「さあ古手川くん、残したらだめだよ。生きている結城に会いたいなら」
唯は泣きながら這いずり、その糞をむさぼり喰った。
腐った蛋白質の臭気が鼻を突き、その刺激によってさらに涙が流れる。
「うげぇ…ぐちゃぐちゃ…ごくん…はあはあ…」
(結城くん…待ってて…必ず助けるから…)
「ひどい顔だな…こっちを向きたまえ」
校長はペニスをつまんで唯の顔に小便をかけた。
大便を洗い流したそれは唯の口と胃に大量に流れ込み、制服にもびっちょり染み込んだ。
数日ぶりの糞を捻り出し、健気な美少女とのスカトロプレイに、校長は小便を終えると激しく股間に血流を集結させ数秒で肉棒をそそり立たせた。
そんな事には気付かず、校長が嘲笑って見下ろす中で唯は何度もえづきながら臭い糞を食い続けた。
止め処なく流れる熱い涙を拭うことさえ忘れ、ただリトを想い一心不乱だった。
自分の排泄物をむさぼり食う唯に侮辱の視線を向けながら、校長は彼女の後ろに廻り制服のミニスカートをたくし上げる。
「ま…待って!約束が違うわ!」
身の危険を察して校長を振り払おうとしたが、ぬかるむ糞に手を取られてベチャリと滑ってしまう。
639 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 11:05:41 ID:VQzGGpNA
「うぷっ!」
どちゃっと糞溜りに転び尻だけが高くかかげられた。
「ゆ、唯くん…好きだっ!」
その隙を逃さず校長は唯の下着をずり下ろし彼女の前の穴と自身のペニスを慌てて結合させた。
「い…いやあああっ…!」
「これはっ…なかなかいいマ×コだぞ…唯くんっ!」
唯の柔らかな尻に太い指を食い込ませて引き寄せながら校長がぐいぐいと突っ込んでくる。
「ひいっ…ぎゃあああっ…」
「おうう…唯くん…」
唯のやわらかな白い尻に校長のぶくぶくの下腹が密着して、男の陰毛の感触が唯に根元まで挿入されたことを知らせた。
(うう…結城くん…)
白い太ももに一筋の赤いものが流れる。
糞便を唇にこびりつかせたまま唯は中年の豚のような男に獣の体位で突かれ始めた。
「あっ…いやあ…痛いっ…抜いてぇ!あぐぅ…」
校長の太い亀頭が奥に当たるたびに糞の匂いのゲップが唯の唇から漏れた。
(結城くん…)
恥垢で汚れたペニスを襞の整然と並んだ膣で導きながら唯はスカトロ以上の嫌悪感を校長とのセックスに抱いていた。
「はあはあ…女子高生の膣内はたまらんな…吸い付いてくるわ」
パンパンと汗ばんだ腹を打ち付けながら校長は唯の粘膜を存分に味わった。
自己を守るための唯自身の潤いと破瓜の血液と校長の少年のような先走りが抽送を円滑に行い、いやらしい音を奏でる。
校長が膨れた亀頭でこりこりと子宮口を擦り付けてくるのが唯はたまらなく嫌だった。
自分が腹の奥まで犯され肉棒を受け入れたことを思い知り憎しみとそれ以上の悲しみに心が壊れそうである。
エラの裏まで絡み付いてくる膣壁と幸せそうに擦り合っていた校長がやや緩慢な動きになった後急速に腰を振り出した。
「…っ?」
校長のラストスパートに処女の唯は気付かない。
「はあはあ…中に出すぞ!唯くんっ…!」
(えっ?あ…っ!)
全てを悟った時にはもう遅く、唯の膣内にはどくどくと校長の尿道口から精液が飛び出していた。
「ちょっ…中はダメッ…いやあ…っ」
「あうっ!ぎゅうぎゅう搾ってくるッ…。ああ…全部でたぞ…唯くん」
「そんな…うう…ひどい…」
射精して満足すると校長は監禁していたリトをあっさり解放してくれた。
唯は体内の温もりに吐き気が止まらない。
(ううん…結城くんさえ無事なら…こんなの…何でもないわ)
好きでもない男の精液の漏れる自分の性器に悔し涙を堪えながら唯はリトと対峙した。
「こ…古手川…」
「…見ないでよ…こんなの何でもないんだから…結城くんのせいじゃないんだから…」
リトは会心の笑みを浮かべた。
「そ…そーだよな!古手川が勝手にやったんだし!あー、春菜ちゃんじゃなくてヨカッタ〜!何しろ春菜ちゃんのお腹には俺の子がいるからさ!」
「……え?……」
「あ、安心しろな。俺このこと誰にも言わないから!」
「ゆ、結城くん…」
唯が縋るように手を伸ばすと遠巻きに彼女を見ていたリトが飛びすさった。
「さ、触んなよ、汚え!」
「え…」
「あ…わ、悪い。だって古手川ウンコまみれだし…俺そーゆー趣味ないから…じゃ俺帰るわ!さいならっ!」
逃げるように立ち去るリトを見送ると唯はそのままノロノロと屋上への階段を上がっていった。
見事な荒らしだ。
ここまで腐ったゴミを見たのは初めてだ
これは・・・・・
これまた悲惨な……
( ゚д゚)
アンチ唯の厨房か?
校長キャラ違うし、最悪だな。
なんでスルーできないの?バカじゃね?
ダークカラーの強い作品として読んだけど荒らしだったの?
でもこういうのは投下する前に注意書きとかして欲しかったわ
いきなりこれはちょっとね…
>>634ありがとうですー!こう言ってもらえると嬉しい
あと言い忘れましたが、作品の中にいろんなモノのオマージュがあります、暇があれば探してみてください♪
1つは…すぐ分かりますよね、もう2つありますがこれは知る人ぞ知るみたいなものなので分かり辛いかも…1つは麻雀漫画の有名なフレーズ、1つは唯と里沙のやりとりの中にあります。
書き手が喋りすぎるのもあまりおすすめしないぜ
痛い腐女子へのプレゼントは届きましたか?^^
>>648 自分が書いた作品に対して説明等があるのなら、投下直後に纏めてコメントするのがスマート
過度な自分語りや自己主張は読者に悪い印象を与えかねんよ
>>650 誤爆か?
>>649>>651そうですよね…すみません;
上の方でなんか変な流れになりそうだったから空気を変える意味もありましたが、やっぱ要らぬお節介でした…
実際に妹がいるのに兄×妹モノに反応してしまう俺は人間失格かw
別に本当の妹にムラムラしたりはしないんだがな・・・
二次元の兄妹ってまた違うもんだからな
遊×唯も梨斗×美柑も惹かれるものがある
性的なもんならダーク系SSのほとんどは平気だがスカはちょっとなぁ
厨房と罵りつつ厨房に萌える漏れ達w
厨坊に萌えてるんじゃない、中学生に萌えてるんだ
漏れって久々に聞いたわ
>>658 ネラーを指す為に使ったまでで普段使っている訳ではry
規制解除!やっと書き込める。長かった……
早速投下
エロなしのほのぼの系です
「わぁ〜すごーい! 色んな乗り物があるよー」
遊園地の入園ゲートをくぐると、ララは、両手を広げて敷地内をぐるっと見渡した
「当たり前だろ。遊園地なんだから」
今にも走り出しそうなララの後ろで、リトはぶっきら棒にそう呟く
今日は、ララの地球見学の日ということで、リトとララは遊園地に来ていた
もともと美柑も来る予定だったが、どういうわけか急に友達と約束ができたとか言って来
られなくなってしまったのだ
どう見ても怪しい美柑だったが、一人ワクワクしているララを見ては今更行かないとは言
えず、仕方なしに今日は、二人だけでやってきたのだ
(とは言え……これじゃあ、まるっきりデートと一緒じゃねーか)
リトにとってララは、大事な家族の一人であり、そして大切な存在だ
けれども、心のどこかでまだ春菜のことを想っている自分がいるのも事実
告白もできず、今だ話しかけることすら苦手な自分は、ただ、毎日春菜のことを想っては悶々と過ごす日々
そんな自分にやさしく、そして、時には積極的ともいえるぐらいに甘えてくるララの存在に
リトはどこかで甘えていた
ララと春菜、二人の間で揺れる想いにリトの純情な心はグルグルと廻り続ける
それでも、目の前で明るくはしゃぐララを見ていると、そんな重くなった気持ちもすーっと消えていく
それもまた、ララに甘えているに過ぎないのだが――――
「リトーっ。早く早く!!」
元気にはしゃぐララに腕を引っ張られながら、リトは慌ててその後をついて行く
「おまえ、ちょっとは落ち着けって」
「え? どーして? あ! アレすごーい!」」
そう言いながらどんどん先に行くララは、ホントに楽しそうで、思わずリトの顔もほころんでくる
「…ったく、ホント子供みたいだよな…」
ララは立ち止まると、その眩しいほどに輝く顔をキョトンとさせながら、リトの方を振り返る
「ん? なにか言った?」
「なんでもねーよ…。それより乗りたいモノは見つかったのか?」
ララは再び満面の笑みを浮かべると、お目当てのアトラクションを指差した
「アレ! アレに乗りたい!」
「……へ? アレに乗るのか?」
「だって、みんなキャーキャー言ってて、すっごくおもしろそーなんだもん!」
「う…」
期待で胸をいっぱいにさせているララ
そんなララに一体どんな言葉を掛けられようか
リトは苦い顔になりながら、黙ってララの後を追った
「う〜すげーキンチョーする……」
安全バーが胸の位置まで下がってくると、いよいよリトの心臓は悲鳴を上げ始める
「ドキドキしちゃうね? リト」
緊張で体がガチガチのリトとは違ってララは上機嫌そのものだ
並んで待っている間も、他の人が次々と乗り込んでいる時も、ずっと笑顔のままだ
「おまえ……こーゆーのへーきなの?」
「え、どうして? すっごくおもしろそうだよ? リトは違うの?」
「え!? 嫌…オレは…」
口ごもるリトにララは怪訝な顔をする
「どーしたのリト? 怖いなら乗るのやめよっか?」
「ば、バカ言うな! これぐらい…全然へーきに決まってるだろっ。おまえの方が心配だからオレは……」
実はリトは絶叫系の乗り物が苦手だった。中でも今乗っているジェットコースターは一番の苦手だった
「エヘヘ、ありがとうリト。心配してくれたんだね」
本当は違うのだが、ララの笑っている顔を見ているとなにも言えなくなってしまう
そう――――ララの笑顔は魔法と同じ。見る者全てを魔法にかけてしまうのだ
そして、最後の安全が確認されるとジェットコースターは、ゆっくりと動き出した
「おもしろかったね? リト」
ヘロヘロになってベンチに休んでいるリトに、ララが溢れんばかりの笑顔を向ける
そんなララに気のない返事を返すリトの頭は、今だグルグルと回り続けている
「ねェねェ、次はなにに乗ろっか?」
「え…次!? もう? おまえもうちょっとゆっくり…」
ララはリトの手を取るとぐいぐいと引っ張りながら歩いていく
「ちょ、ちょっと待てよララ! もうちょい…」
「ん〜〜…ねぇ、次はアレに乗りたい!」
「へ?」
ララの指の先には、さっきとは違うタイプのジェットコースターが見える
(……マジかよ!?)
「ね! 次はアレに乗ろっ! ね?」
もはや言葉すら出てこないリトを引っ張りながらララは猛然と乗り場へと向かった
「はぁ〜…。死ぬかと思った…」
どこかげっそりとなりながらベンチで休んでいるリトに、ララの容赦ない声が飛んでくる
「リト、次はアレ! アレに乗ってみたい!!」
「アレ?」
ベンチから体を起こして遠くの方に目を凝らすと、可愛いコーヒーカップがリズムに合わ
せて、クルクルと回っているのが見える
「アレに乗りたい!! すっごくカワイイと思うの♪」
目をキラキラと輝かせているララにリトは指でホッペをポリポリ掻いた
(ま…、あーゆーのなら全然平気だしな)
そして、それから十数分後────
「うっぷ…」
「あはは、楽しかったね! リト」
コーヒーカップから降りたリトを待っていたのは、猛烈な吐き気と、頭痛だった
地面に突っ伏すリトにララは楽しそうに声を上げる
「……お、おまえなァ…」
すでに半泣きになっているリトの後ろではモクモクと煙を上げているコーヒーカップの無
残な姿が横たわっている
限度を知らないララの力で回され続けたカップは、ついに限界を迎えたようだ
「じゃあ次にいってみよ〜!」
「…おい」
疲れをまるで知らないと言った様子のララに、リトは魂が抜けていくのを感じた
シューティングアトラクション────
「む〜、全然当たらない…」
「ったく、貸してみろって! ホラ、よく見とけよ?」
銃を構えたリトの目がいつものソレとは違い、真剣なモノへと変わっていく
狙いを澄まして一発、二発、三発
次々に的を撃ち抜いていくリトに隣にいたララが感嘆の声を上げた
「すご〜い! リトー!!」
「うわっ! バカ…何やって…」
勢いあまって抱き付いてきたララのおかげで最後の狙いは外れたものの
ハイスコアを叩きだしたリトに、最後にぬいぐるみの賞品が贈られる事となった
「うれしい! 私、大事にするね!!」
「お前があんなトコで抱き付いてこなきゃもっといいヤツ取れたってゆーのに…」
「いいの…」
「は?」
ララは両手でぬいぐるみを抱き上げると、本当にうれしそうに声を弾ませる
「だってリトからのプレゼントだもん♪ コレで二回目だね…。大事にするよ」
いつか見たララの"たからものいれ"を思い出しながら、リトは、幸せいっぱいなララに
クスッと笑みを浮かべた
「ま、いっか」
急流下り────
「エヘヘ、びしょびしょになっちゃったァ」
頭から爪先までずぶ濡れ状態のララに、周囲の好奇な視線が集まる
「ちょ…おまえ、服、スケスケ……ちょ、ちょっとこっち来い!」
「え? でも、冷たくて気持ちいいよ?」
「そんなワケにいかーねーだろ!!」
人垣を掻き分けながら猛然とダッシュするリトに手を引かれ、ララは笑顔をこぼれさせる
その手をギュッと握りながら
お昼のランチ────
「たこやきもやきそばもすっごくおいしー!」
テーブルに並べられたお皿をどんどん空っぽにしていくララを、リトは、ジュースを飲み
ながらぼんやりと見つめていた
(ララもずいぶん地球の食いモンに慣れてきたよなァ…)
「コレもおいしい! ん〜でも……あ、コレなんてゆーの?」
「ん? ああ、ソレは…」
なんでもないモノ
ありふれたモノ
全てに純粋な好奇心を抱かせるララ
(ホント、こーゆートコ、出会った時から変わらねーよな…)
ソレはきっと変わってほしくないと思う
ララの好きなところの一つなのだ
そして、それから数時間後────
「もう〜だらしがないよ? リト!」
今度こそベンチでグダってしまったリトにララは少し口を尖らせた
「早くしないと今日が終わっちゃうよ?」
「……今日がって…おまえ、まだまだ時間いっぱいあるだろ? それに、また来たらいい
じゃねーか? 何をそんなに…」
「もう! リトなんにもわかってない!」
いつもとは違うララの真剣な声にリトは目を丸くする
「だって…だって今日は初めてのデートの日なんだよ! ……私いっぱい思い出作りたい
のに…。リトはまた来たらいいって言うけど今日は、"今日しか"ないんだよ! 初めての
日は今日しかないんだよ? 今日しかできない思い出いっぱいあるんだよ? だから…だから私……」
「ララ…」
そう言い終わると俯くララにリトは、今度こそなにも言えなくなってしまう
「……」
「…………そーだよな」
リトは一声そう呟くと、ベンチから立ち上ってララの腕を掴んで歩き出した
「リ、リト?」
自分の事しか考えていなかったこと
ララの気持ちに気付けなかったこと
こんなに近くにいるのに────
ララの手を握りしめるリトの手に力がこもる
「リト? どーしたの?」
何やってんだ……オレ……?
「リト?」
黙ったまま、ずんずんと前に進むリトにいい加減、ララの顔にも怪訝な色が浮かび始める
その気持ちが届いたのか、リトは、急に足を止めた
「リト、どーしちゃったの? 私と遊ぶの……イヤ…なの?」
寂しい、とても沈んだその声に、リトは、くるっと体をララに向けた
「そんなんじゃねーよ! あのままヘバッてたらせっかくの"今日"が終わっちゃうだろ?」
「…ぁ…リト…」
バツが悪いのか苦笑いが混じるいつもの笑顔のリトに、一瞬、キョトンとなりながらもララは笑顔で頷き返す
「うん!! そーと決まったらどんどん行ってみよー!」
ララの行先はもちろん絶叫系のアトラクション
「あ…あはは…」
どこかげんなりしつつもララの隣に並んで歩くリトだった
「すご〜い! 馬がいっぱい走ってる!!」
「馬っつーか、アレはメリーゴーランドって言うんだ」
「めりーごーらんど? ふ〜ん…」
メルヘンチックな音楽に合わせてくるくると回る馬や馬車にララの目がどんどん奪われていく
「私、コレに乗りたい! リトも一緒に乗ろ? ね?」
「あ…ああ、別にいいけど…」
普通なら、この年になってメリーゴーランド? と、思ってしまうも、リトの足は自然と歩きだしていた
ララと一緒にいるからか、それとも、遊園地独特の楽しい雰囲気に影響されてか
リトの顔はすっかり子供になっていた
「じゃあ、リト。私の後ろに乗って!」
「後ろって…そんな恥ずかしいマネできるかっ!!」
「いいからいいから! ホラ、始まっちゃうよ?」
ララの言葉通り、音楽と共にメリーゴーランドが動き始める
「ったく!」
半ばヤケクソぎみになりながらもリトはララの後ろに乗った
一人ご機嫌なララに対し、リトは、どこか俯きぎみだ
無理もない
周りは子供とその親ばかり
おまけに二人乗りしているのは自分たちだけだ
(…何やってんだオレは……)
恥ずかしさでどうにかなってしまいそうなリトにララがポツリと呟く
「なんかイイね!」
「なんかって何が?」
「ん? だってリトが白馬に乗った王子様みたいなんだもん♪」
瞬間、リトの顔が火を噴いた様に真っ赤になる
「ば、バカ! 何言ってんだ!? おまえはっ」
「私、今とっても幸せだよ」
そう言いながらララは、リトに背中を預けてきた
胸に当たるララの温かい背中の感触と、甘い髪の匂いに、どんどん心拍数が上がっていく
「お、おい! ララ」
「ん?」
「ん? じゃなくて! やめろって! 恥ずかしいだろ! こんなコトっ」
「む〜!」
口を尖らせながら嫌々離れていくその姿にどこか寂しさを覚えてしまうリト
(って何考えてんだよっ!! オレは!!)
そうなのだ
遊園地に来てからというもの、どんどんララの魅力に惹かれていく自分がいる
ウチや学校とか違う、その一つ一つの表情や仕草に
でも自分には好きな人がいる
(そうだよ…! オレが好きなのは春菜ちゃん…春菜ちゃんじゃねーか!!)
それでもなんだろう……この気持ちは
どこか寂しそうなララを背中から抱き締めてあげくなるこの気持ち
そして、その気持ちは、ララの後ろ姿を見つめる度に大きくなっていく
(ララ…オレ…)
答えの出ないままメリーゴーランドは終わりを迎えた
「楽しかったね! リト」
「あ、ああ…」
少し暗くなったララの笑顔にリトは戸惑ってしまう
それは、リトにしか気づかない微妙な変化なのかもしれない
「……」
「ん? どーしたの?」
「……おまえさ…その…………やっぱいい…、それより次なに乗りたいんだ?」
「え? え〜っと…」
腕を組みながらうんうんと真剣に悩むその姿が妙に可愛いと感じてしまう
ララは可愛い。それも飛びっきりの可愛さだ
銀河を統べるデビルークの血
それも全宇宙で一番キレイだと言われる母の血を受け継いでいるらしい
けれども、リトは、そんなモノは関係ないと思っていた
ララの美しさも、ララのイイところもみんなみんな
ララの自身のモノだからだ
う〜んと、一頻り悩んだララは、ふいにリトの腕を取るとニッコリ笑みを浮かべた
「私、アレに乗りたい!」
「アレ?」
ララの見上げる先には、大きな観覧車が回っている
「ね? 次はあのおっきな乗り物にしよーよ!」
「観覧車って…いいのか? だってアレ高いだけで全然動かねーんだぞ?」
「いいの、いいの!」
どこかウキウキしてるララに内心首を捻りつつも、リトは、ララを連れて観覧車へと向かった
「うわ〜どんどん地面が見えなくなっていくよ」
さっきから窓にかじり付いて外を眺めているララにリトは苦笑を浮かべた
(なんつーか…、ホント、子どもってゆーか…)
キラキラと輝くその横顔にリトは笑みを深くした
「ねえ、リト」
「ん?」
「コレって一番上までいったらどーなるの?」
「どうって…またさっき乗った場所まで戻ってくるんだよ」
「それだけ?」
「それだけっておまえ……何を期待してたんだ何を…」
半眼になってしまうリトに、ララは向き直ると、リトの正面の席に座った
「よかった!」
「へ?」
「だって、やっとリトと二人きりになれたんだもん!」
ドキンと心臓の音が高くなったのをリトは感じた
「ば…バカ! 何言って……だいたい二人っきりって言うけどちょっとじゃねーか! すぐ終わっちまうんだぞ?」
「うん。でも、ちょっとだけでもうれしいよ!」
満面の笑顔を浮かべてくるララをリトは、正面から見る事はできなかった
「どうしたの? リト。さっきから変だよ?」
「い、いや! オレは全然へーきっつーか……そ、それよりキレイだよな! 景色!!」
「うん! そうだね〜! リトの後ろにお日さまが見えるよ」
「へ〜」
後ろを振り返ると、確かにちょうど真後ろあたりに沈んでいく夕日が見える
「キレイだね〜」
「そだな…」
「……ねえ、リト」
「なんだよ?」
再びララに振り返ると、ララは、どこかもじもじしながら頬を赤く染めていた
それは、夕日に照らされているからだろうか
「ララ?」
「一緒に見よ」
「へ?」
「一緒に! 私、リトと見たいんだ! この景色!!」
ララはスッと席を移動すると、隣にちょうどリト一人分が座れるスペースを開けた
「…ダメ?」
「いや…ダメっつーか……」
ゴクリと唾が喉の奥に消えていくのを感じる
カワイイ!
上目遣い、それも、ホッペをほんのりと染めながらの視線
リトの鼓動はますます高まっていく
「リト?」
「え!? あ…えっと……じゃ、じゃあ一緒に見よっか?」
「うん!!」
この日、最高の笑顔を浮かべるララの隣にリトはどこかギクシャクしながら座った
ほんのりと香るシャンプーの匂いと、わずかに触れ合う腕の感触に、頭が沸騰しそうになってしまう
「キレイだね」
「そ、そーだな」
「…私、今日、こーやってリトと来れてよかった」
チラリと横目で覗き見ると、ララは、まっすぐに夕日を見つめていた
「リトと二人で遊園地に来て、おいしいモノ食べて、いろんな乗り物に乗って……
もっと、もっと、続けばいいのにって思っちゃった」
「ララ…?」
観覧車は間もなく、一番上に来ようとしている
「……ねェリト。私、変われたかな? あの日、屋上でそう言って決めたのに、そう約束したのに
今日だってずっとリトを困らせてばかりだったし…」
────あの日、屋上で見せたララの"本気"をリトは忘れた事はなかった
胸の奥に刻みこまれたその想いは、今もずっとリトの心を動かし続けている
「リトのため……ううん、それだけじゃない。デビルークの王女だって事に甘えていた自
分を変えるため…、もう一度、ゼロからちゃんとリトに見てもらうため…
私、変われてるのかな…? がんば…ってるのかな? あの日、そー誓ったけど…、私…ちゃんとできてるのかな?」
「ララ…」
夕日に照らされながら、ぽつりぽつりと、小さく呟くララの顔は、今まで見た事がないぐらい
真剣で、そして、儚く映った
「リトのためにがんばりたい…! リトのお嫁さんになるためにもっともっと……」
黄昏色に包まれるララ
その表情同様、このままとけて消えてしまうのではないかと思うほどにか弱く映るララに、
リトはギュッと手を握りしめると声を大きくさせた
「ララは……お前は、今のままでもすっげーいいんだって! つーか最初からお前はすげーヤツで!!
オレが…オレがちゃんとお前のコト見ようとしてなかっただけで、ララは…ララはずっと……」
「リト…」
「それに甘えてるのはオレの方だ…。オレなんか、いまだにお前がなんでオレのコト好きなのかもよくわかってねーし」
「……」
珍しいララの沈黙の後、リトは想いを込めて話し始める
「なあ、何でオレなんだ? だって、オレよりカッコよくてすごいヤツいっぱいいるんだぞ?」
「……そうかもね」
「……ッ!!?」
わかっていたはずなのに、やはり、こうして直接言われると胸に堪える
「じゃ、じゃあなんで?」
ララはまっすぐリトを見つめると、くすっと笑みを浮かべた
「答えは簡単だよ! ココ」
「ココ?」
ララが手を当てたのはちょうど胸の位置
「ココがね、ドキドキするの! リトといるだけでドキ、ドキ、ドキって」
窓から吹き込む夏の風が、リトにララの香りを届ける
その香りに包まれながらもリトはひどく呆けた顔になっていた
「それだけ……?」
「うん! そーだよ! …ホントはね、もっといっぱいいっぱいあるんだけど……うまく言えなくて…ゴメンね」
えへへと、誤魔化し笑いを浮かべるララだったが、その笑いが照れ隠しだという事に、リトは気づいただろうか?
「な、なんつーか…」
指で頬を掻きながらいまいちよくわかっていないリト
「そんなんでホントにいいのかよ?」
「いいの! だって私、今、すっごく幸せなんだもん♪」
夕日に負けないぐらいの眩しい笑顔を浮かべると、ララは、トンっと頭をリトの肩に預けてきた
「……っ」
一瞬、緊張で身体をピクンと震えさせたリトだったが、そのまま黙ってララと一緒に夕日を眺め続けた
二人を乗せたゴンドラは真上を過ぎ、下へと下がりつつある
「キレイだったね…夕日…」
「ああ…」
その返事に応えるように、ララは、さらに身体をリトに寄せた
「……」
「……」
どちらも何も言わないまま、ゴンドラはゆっくりと下へ下へと降りていく
「……観覧車…終わっちゃうね?」
「だな。……あのさ、このままもう一回乗ろっか?」
「え!? いいの?」
思わず頭を上げたララは、その大きな目をさらに大きくさせてリトに詰め寄った
「ホントにホント?」
「ま、まあ、お前がそんなに気にいったんならイイっつーか…」
「やったーー!!」
「うわっ! ちょ…ララ!?」
狭い室内でムギュっと抱き付いてくるララに、リトはあたふたとなってしまう
「やめろって! 何やって…」
「だってだって、すっごくうれしいの! リト、ありがとー!!」
そのうれしさを身体全体で表わすララに、リトも、なんだかこそばゆい様なうれしさを覚える
「ありがとーリト! 大好き」
「だ、だからってくっ付くなって!」
ララとリト
二人の気持ちがいつか重なる時を信じて────
観覧車はゆっくりと廻り続ける
終わり
ゴンドラ内のセクロスも考えたんですが、話しの内容的に何か違うと感じたので今回エロは省きました
一応その3まで書いたのですが、話しは全然繋がっていません
>>472で書いた、「特恋薬」のif話しと、美柑のSS等は後日また投下していきます
美柑期待してます。
GJ!!
特恋薬if期待してます〜
GJ&wktk
>>669 やっぱりリトと唯の人がララとリト書いてたのか
だからあれほどコテかトリを付けろと言ったのに
せっかくいいSS書くのに、変に誤解されたら意味ないじゃん
でもGJ&また書いてくれて安心したよw
WIKIにある ラコスポの逆襲(ヤミ)
の続きみたいです。
投下乙であります。
応援してますー
誰かレモりんの絵描いてうpしてくれ
頼む!
677 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 18:34:54 ID:KB9rPMe4
がんがれ
>>678 本家にも女リト出てたのねw
ググったら画像あったわd
あと、リコってゼノギアスの!?と一瞬思って吐き気を催したのは内緒だw
にしても同人誌なんかより小説の方がかなり萌えるな…
やっぱ字>>>>声>>絵だわ俺は
ラブラブ&甘甘なのもっと投下してください
夏にリコ物を書くと言っていた
職人さんはどうしたのだろうか・・・
今週号のエロララは相変わらず良かったが、あんなにケツ突き出してパンツ穿く女おらんわw
683 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:16:31 ID:AV4EKREs
<<682
それを敢えてやってのける矢吹神に痺れる憧れる
誘ってたに決まってるじゃないか。
男を誘うポーズを無意識にやってしまうところがララの恐ろしい所
(リト来ないかなあ(ワクワク)
頭に乗せてたタオルが落ちちゃったから拾おうとしたんだよ
それか尻尾が邪魔でああしないと穿きにくいんだよ
結局ララ春菜の友情エンドになるのかな…それはないか
個人的にモモ→ナナがストライク
ララ春菜ヤミのハーレムENDだなきっと。
ヤミはない
そしてハーレムもない
ハーレムエンドって良くわからないんだが全員と暮らしてチョメチョメ(古い)三昧ってことかな
…けしからんな
ToLOVEるの保管庫ってどこにあるをですか?
―バーン!ババーン!!
夏の空を彩る風物詩、祭りの定番、花火。
それが始まる前は、美柑と仲良く他愛も無い話をしていた俺。
でも、花火の音が聞こえたら、俺はそちらの方に目がいってしまった。
美柑はわざとらしい笑い声を発すると、目を花火に向ける。
…今年の花火はとにかく新鮮だった。
「…リトってほんと花火好きだよね〜」
綿菓子を食べながら呟く美柑。
全体的に色は黄色で、所々に赤と青の点々が付いている美柑の浴衣。
そしてその浴衣は祭りが始まる前に、二人で購入した物だ。
と言っても、殆どは俺が決めたような感じだが。
…浴衣を着た美柑を初見で見た時は、兄の立場から見ても、とても似合っていて…それでいて凄く――
「…ん?何?…あ、もしかして…これ欲しいの?…別にいいけど――」
そう言いながら俺の膝の上にちょこんと居座る我が妹。
美柑は俺に体重を預けるように寄っかかってきて、綿菓子を上げてきた。
…一緒に食べよう…と言う事なのだろうか。
「……で、さっきの話の続きなんだケドさ」
藪から棒だった。
美柑は花火が始まる前の話の続きを所望。
俺は口の中にある綿菓子を急いで食べ、一度だけ深呼吸をした。
確か、学校のコトについてだったような…。
「さっき言ったじゃん、私。…なんかいろいろプレゼントされるって」
美柑は学校で何かと(殆ど男子)貰い物が多いらしい。
まぁ旅行帰りのお土産とか、要らなくなった物なら分かる。
だが美柑の話によると、それは好意的な物が殆どで、少しばかり迷惑しているようだ。
「でさ…。こうゆうコト兄のあんたに話すのもどうかと思うんだケド…。
…私…結構…告られるんだよ…ね。昨日は2回されたし――…驚いた?」
…驚かない。驚くワケがない。
理解できるからだ。
前に来た美柑の担任、新田先生の話からも想像できる美柑の学校生活。
真面目でいて、しっかり者で、信頼されてて、頭もいい…。
それに何より、兄の立場からみても…美柑は―――
「…?…ぷっ。アハハ。やっぱ今日のリト変だよ」
振り向きざまに悪戯っぽく笑われた。
…でもその笑顔は俺の目に焼きつき、心に響く。
まだ小学生なのに、妙に大人っぽい。
「……断ったよ。全部……ん?安心した?」
花火に照らされる美柑の顔。
清清しい顔…若干震える手…俺に乗っかかる繊細な体…。
「ははっ。大丈夫だよ。…だって私には、どうしようもないくらいのバカ兄がいるから…。ね?」
美柑の赤みがかった顔。振り向きざまに、そう言われた。
俺はお返しにただ、笑ってみる。
美柑はムスっとした表情に変わり、「○○リト」と、何度も照れ隠しの中身の無い罵倒をしてきた。
俺はお詫びに、自分を慕ってくれる大切な…何より…愛しい妹を、抱え込むように抱きしめた。
「っ!…な、な…は、ハァ?ちょっ、ヤダ、リト離してよっ」
暖かく柔らかい感触。―可愛い…。可愛いすぎる…。
言葉ではあぁ言っても、嫌がる素振りがない。むしろ…安心してる。
そういった行為が凄く俺に愛情を沸かす。
美柑は俺の回した両腕を握り締め、「リト」と、一度だけ本当に小さな声で呟いた。
「…苦しいよ…」
その言葉に俺はすぐに腕の力を抜こうとしたが、美柑の手がそれを拒否する。
そして暫くして、美柑の目が潤いだした。
―…どうして…兄妹なの…―
そう…聞こえた…。美柑の声にならない悲痛な想い。我慢していた想い。
―…もっと…もっと甘えたいよ…。もっとリトと一緒にいたいよ…。ずっとリト…と…―
「―――…こうして、いたい…よ」
感情が崩れ、涙を流す美柑。
…やはりまだ小学生なのだと、俺は美柑の涙を拭きながら微笑ましくも、感じた。
俺は片腕を離して、美柑の髪を撫でた。サラサラで、しなやか。
…美柑は気持ちよさそうに体をもぞもぞさせる。
「……ぅ…。やっぱり…優しい…。優しいから……優しすぎるから……いけないんだよ――――」
俺はもう一度美柑をギュッと強く抱きしめる。
一瞬体を震わせた美柑だが、すぐに子猫のような溜息を吐いた。“安心”と精一杯の“甘え”なのだろう。
――花火が終わる。それは祭りの幕閉めに等しい。
俺達は、その後想いを伝え合った。美柑はまた泣きはじめた。
そして泣きじゃくる、愛する妹の小さなか弱い手を握りながら、優しくゆっくりと唇を重ねる。
柔らかくて、とても甘いキス。終わっても、またすぐに再開されるキス。何より、…愛ある深いキス。
「……リト………………好き…だから……大好きだから………ずっと……傍に……――」
美柑の二度目の告白。勿論俺は何回目かの満面の笑みを見せた。
そして俺は眠る恋人のすぐ傍で、これからくる色々な困難や障害から絶対に美柑を守ると…絶対に幸せにすると…
絶対に…傍にいる… と強く誓った――。
695 :
pos:2008/10/28(火) 22:17:04 ID:mzuKjcWS
どうも、posです。
今回は美柑偏で投下しました。
たぶんこの続きは書くと思うので(今回のは序奏)、宜しくお願いします。
美柑だと…… 次がきたら本気出す
697 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 18:37:10 ID:yK6jqCFX
激しくGJ!!
唯とリトのドキドキ初フェラはまだ〜?
>>698 頑張って書いてくれ
楽しみにしてるから
>>699 自分じゃ書けないよ 文才もなにも無いもん
>>696出すのは本気ではなく別のモノじゃなくて?
今から「特恋薬」のif話しを投下します
長くなってしまったので前後編にわけて投下します
「ハイ、コレが持って来たプリント」
「あ…ありがと…」
ソワソワと目線を動かしながら唯は、リトからプリントを受け取った
(お、落ち着かない…)
自分の部屋なのに、まるで知らないところにいるかの様だ
(結城くんが私の部屋にいる───…)
ただ、それだけの事実が唯からいつもの調子を根こそぎ奪っていってしまう
(た…頼まれた事とはいえ、結城くんが私の家に来るなんて…)
生まれて初めて異性が、それも好きな人が自分の部屋にいる事に、さっきから心臓の音が
うるさいほど高鳴っている
そしてリトはというと───―
(う…。女のコと部屋で二人っきりって妙にキンチョーするぜ…。何か…何か話さねーと)
慣れないシチュにさっきから目はキョロキョロ、おかしな汗まで掻き始めていた
(何か…何か話さねーと…)
(…結城くんが私の部屋に来てる…結城くんが…)
(あぁ…。やっぱ何話していいのかわかんねーよ…)
(ってどうしてさっきから黙ってるわけ? …何か言いなさいよ…)
「あ、あのさっ」
「な、何?」
急に声を上げたリトにビクンとさせながらも、唯は、努めて冷静さを保とうと手を握りしめた
リトの言葉を待つ間、コクンと白い喉が音を立てる
「お、オレ…」
「うん…」
ドキン、ドキン、ドキン、ドキン…
心臓の音がいつもより大きく聞こえる
そればかりか、衣ずれの音や、ツバを飲み込む音までもやけに大きく聞こえる
キュッと布団を握りしめる白い手と、ギュッと握りしめられる少し汗を掻いている手
どちらも何も話さないまま
チクタクチクタク、時計の針の音を挟んだ後、リトはようやく口を開いた
「お…オレ、帰るな」
「え…」
「そ、その、プリント届に来ただけだから! それにこれ以上ココにいるワケにいかーよ!
古手川、風邪引いてるのに」
「ぇ…あ、ちょ…」
「じゃ、じゃあまた学校でな」
自分でも情けないと思ってしまう
女の子とまともに会話すら出来ないどころか、逃げる様にその場から立ち去ろうとしている
(オレ…情けねェ…)
ガックリと肩を落としながらドアへと向かおうとする足がふいに止まる
「え───?」
後ろを振り返ると、ベッドからうんと腕を伸ばした唯が、リトの手を握りしめていた
「古手…川…?」
「……帰らないで…」
「え…」
「もう少し居てくれたっていいじゃない…」
「え…?」
それっきり会話が途切れてしまう
どちらも何も話さない
お互い手を繋いだまま、繋がったまま
チクタク、チクタクと、時計の針が進む音だけが部屋に響く
「……」
「……」
「……えっと…その…」
やがて、ぼそぼそとしゃべりだしたリトに、唯はハッと手を離した
「あ…えっと…そ、そういう意味じゃなくて……ほ、ホラ、せっかく来てくれたんだし、
もっとゆっくりしていけばいいじゃない! 別に急ぐ事もないんでしょ?」
「そりゃまァ…」
「な、ならいいじゃない!」
「そう…だよな? はは…」
リトはギコチない笑みを浮かべながらカバンを置くと、再び元いた場所に腰を下ろした
これではさっきの逆戻りになるわけだが、どういうわけか、あのまま帰ってはいけないと、そう感じた
それに────
(…なんかさっきの古手川って……)
手を握りしめていた表情
どこか寂しそうに、切なそうに、けれど必死な感じがして
いつもは見られない唯の顔にリトの心拍数が上がっていく
(古手川ってあんな顔するんだな…)
そんなリトの気持ちなど知るはずもない唯は、さっきまでリトの手を掴んでいた自分の手を見つめていた
胸からドキ、ドキ、ドキ、ドキ、とうるさいほどに鼓動が鳴り続けている
(何やってるのよ私は…)
さっきの出来事が頭から離れない
帰ってほしくなかった
一人にしてほしくなかった
(だからって───…)
横目でチラリとリトの様子を見ると、リトは、さっきからソワソワしながら部屋の中をキョロキョロと見ていた
(わ、私の部屋を見てる!?)
その事実に胸の鼓動がどんどんと早くなっていく
(やだ…。何か恥ずかしい…。な…何もヘンなもの置いてないわよね…)
「古手川」
「な…何!?」
「お前ってさ…」
急に思い詰めた様に、リトは一点を見つめたまま黙ってしまう
(…真剣なカオ…何を言う気!?)
白い喉の奥にコクンとツバが落ちていく
リトは手を伸ばすと近くにあったぬいぐるみを手に、唯に向き直った
「もしかしてネコ好き?」
「え…」
いつかの公園と同じように"心の準備"をしていた唯にとって、リトの言葉は不意打ちに近いモノで────
恥ずかしさと、そんな自分への憤りで、思わず声が上ずってしまう
「そ、そそ、そうよ悪い!?」
「い、いや、何か意外だったから…」
「も、もういいでしょ!? ちょっと! それ返してよっ!!」
リトからお気に入りのぬいぐるみを取り返すため、身を乗り出す様にして腕を伸ばした唯の身体が、ふいにグラつく
かけ布団に手を滑らせそのままバランスを崩してしまったのだ
「あ…」
「おっおい!!」
ドサッっという音と供に唯は床に落ちてしまう
「だっ大丈夫か古手川っ!!」
「……っ!?」
間一髪、床に落ちる直前、リトに抱きとめられた唯は、リトの両腕両足に包まれながら
リトの胸の中で身体を預けていた
声が出ない
胸になにか触れているような感じはするが、そんな事に構っていられる余裕は今の唯にはない
(結城くんが、それもこんな間近に───!?)
背中に感じるぬくもりと、やさしくて強い腕の感触
慣れない
何度となく似たような状況にはなってきたけれどまるで慣れない
そればかりか、回を重ねる毎にどんどん身体が心が熱くなっていく
カァァっと耳まで真っ赤になりながら何も言わない唯を不審に思ったのか、リトは少し身
を起こすため手に力を入れようとして────その手が止まった
ムニュっと柔らかい肌ざわり
それでいて押し返すような弾力
恐る恐る自分の手元を覗き見たリトの口から声にならない声が飛び出る
「……!!!」
「……っ」
キュッと身体が固くなる唯に、リトは慌てて手を離した
「わ、悪ィ! そんなつもりじゃ…」
「…ぃ…わよ」
「へ?」
「……いいわよ別に。その…気にしてないから…」
リトは何を言われたのか一瞬理解できなかった
その目をパチパチと瞬いて、頭の中で言葉を反芻させる
「……へ? それってどーゆー…」
「……」
唯は今の自分の顔を見られたくないのか、顔を俯かせるとぼそぼそと声を紡ぎ始める
「だ、だから別に気にしてないって言ってるでしょ……悪い?」
「いや…そーゆーんじゃなくて、えっと…アレ…?」
どちらも言葉に詰まり、考えがうまくまとまらない
ただ、互いの体を寄せたまま、黙って自分の胸の鼓動だけに耳を傾けていた
背中に触れるリトの感触が心地いい
やさしくて、あったかくて、いつもの匂いがして
(私、求めるの……? 結城くんを───?)
その手を、そのぬくもりを
そう意識した瞬間、唯の手は自然とリトの手に重ねられていく
「え…?」
ピクンと反応するリトの指に自分の指を絡ませていく。一つ一つ指を確かめる様に
「古手…川?」
唯の胸の前で互いの手を握り合う、リトと唯
唯はゆっくりと頭をリトの胸に預けると、少し顔を持ち上げジッとリトを見つめた
長い睫毛が揺れ、熱を帯びたかの様に濡れた瞳が、唯をいつも以上に妖しく彩る
リトの喉にゴクリとツバが落ちていく
「古手……川…?」
「…うん」
時が凍り付いたかの様に互いを見つめ合ったまま、手を握り合ったまま
やがて、少しすると唯がさらに身体を寄せてきた
触れ合いそうなほどに近づく唇
とろけそうになるほどの甘い香り
その黒い瞳は自分しか映していない。世界でただ一人自分だけを
(古手川ってこんな可愛かった……っけ?)
リトの手にわずかに力がこもる
胸の前で握り合う手は、やがて誘われるかの様に、唯の胸に当たる
パジャマ越しに伝わる柔らかい肉感と少し火照った体温
唯は何も言わない
その瞳にリトを映したまま、キュッと唇を噛み締めている
トクン、トクンと、胸に触れる手に鼓動が伝わってくる
心地よくて、熱くて、そして、何かを待っているかの様な音
リトは両手と両足でギュッと唯の身体を抱き締めた
「ん…結城…くん」
「何…?」
「……」
「……」
どちらも口を噤んでしまう。代わりにその唇が少しずつ近づいていく
緊張と恥ずかしさでわずかに震える唯の手を、リトは力と想いを込めて握り返す
少しでも不安や怖さを紛らわせるように
それはリトにしてみたら無意識のリードだったのかもしれない
鼻先数センチで何かを確かめる視線と、まだ戸惑っている視線とが交わる
長いようでいて一瞬の交差の後、二人はゆっくりと唇を重ねていった
「ん…あふ」
初めてのキスは重ねるというより、少し触れ合うだけのものだった
けれど、それだけで十分だ
リトと唯、二人の心臓の音が一層激しくなっていく
「…また、していい?」
「……うん」
恥ずかしそうに小さく頷くだけの唯を両腕で抱き締めると、今度は少し強引に口を寄せた
「あ…ふ」
口元からこぼれる吐息さえ逃しまいと、リトの身体に力が入る
少し汗ばんだリトの手
けれどもその手を唯は決して離そうとはしなかった
リト以上の想いを乗せて握る
自分の気持ちから逃げない様に、見て見ぬフリをしない様に
自分の想いを正面から受け止める様に
「ン、ふ…」
息を吐き出す様に離れていく唇に代わって、今度は互いの顔を見つめ合う
どちらも耳まで真っ赤に染まった顔に、その目に互いの顔を映している
「すごく…ハレンチだわ」
「だな…」
少しの沈黙の後、どちらともなくクスクスと笑い始める
緊張の糸が切れたのか、落ち着きを取り戻したのか
どちらの顔も曇り一つない、とっても晴れやかなものになっている
「責任…ちゃんと取らなきゃダメだからね? わかってるの?」
「ああ…。一応……彼女ってことになるのかな?」
「か、かか、カノ…!? そ、そんなお嫁さんとか早すぎるわよっ!!」
「……いや、飛び過ぎだって古手川…」
「え!? ええ…そ、そうよね! わ、わかってるわよ!!」
どう見てもしどろもどろになっている唯に半眼になるも、その慌てぶりにすぐに笑みがこぼれてしまう
「何よ?」
「何でもないよ」
「む〜…じゃあどうして目を合わせないのよ? 結城くん。こっちを向―――くちっ」
「って大丈夫かよ? ちょっと身体、冷えてきたんじゃねーか?」
リトの言うとおり、背中や腕なんかはまだあったかいけれど、足の先などは冷たくなっていた
「ん…平気よ」
「けど、くしゃみしてるじゃん?」
「これぐらい……くしゅっ!」
「ホラ、言ってるそばからそれだろ。そろそろベッドに戻ったほうがいいって」
リトは唯の身体を起こそうとするが、その手を振り払うかの様に唯は、リトに身体を預けてきた
「おい」
「……もうちょっと」
「けど…」
「…ゃ…だ」
か細い、消え入りそうな声でそう呟くと、唯はそのまま頬をリトの胸に押し当ててきた
「古手川?」
「…ん…」
唯は身体をピッタリとくっ付けたまま動こうとはいない
(もしかして甘えて……え、えっとこんな時、どーすりゃいいんだ?)
空いた腕をあわあわと動かす内、やがてリトは、左手を恐る恐る唯の頭に乗せた
「…ん」
ピクっと動く頭に慌てて手を離しそうになるも、何も言ってこない唯に大丈夫と感じたのか、再び手を頭に乗せるリト
長くて流れる様なキレイな黒髪に、リトの手は自然と前後に動かされていく
女の子の頭を撫でたことなんてないリトの手は、ギコチない
こそばゆい様な、くすぐったい様な感触に、唯の表情がほっと綻ぶ
唯はうれしかった
今まで遊や家族にしか触れさせなかった髪
その髪を今、大好きな人が撫でてくれている
唯は胸に顔をうずめながら、誰にも見せたことのない笑顔を浮かべた
もちろんそんな唯の顔はリトからは見えるはずもなく
リトは今だビクビクしながらも頭を撫で続けた
「ちょっとくすぐったい」
「わ、ワリィ!」
ビクッと驚いたかの様に手を離すリトに、唯はスッと顔を上げた
ジッと見つめてくる紫がかった黒い瞳にリトの背中に汗が浮かぶ
「な、何?」
リトの疑問を余所に唯の両手がまっすぐに伸びてくる
(や、ヤバい…っ!!)
怒られる! 反射的にギュッと目を瞑って身構えたリトを待っていたのは、意外なモノだった
「……好き」
「へ…?」
首筋に回された腕に引き寄せられたリトは、そのまま唯の唇に触れた
「ん!?」
目にいっぱいに映る唯の顔と、柔らかい唇の感触と、ほのかに香る髪の匂い
それらを全てすっ飛ばして、リトの脳裏にあるのはただ一つの事だった
(い…今、オレ、好きって言われた……?)
さっきから散々、手を握って、身体に触れて、キスを繰り返して、責任取ってと言われ
だけどここにきてようやくリトは、唯の心に触れた実感を得た
(古手川ってオレのこと…)
今さらそんな事言えるはずもなく、代わりにリトは目を瞑ると、唯と同じ様に背中に腕を回し、その身体を抱き寄せた
それから何度キスを繰り返したのか
唇から糸を引かせながら顔を離した唯は、風邪のせいかキスの余韻のせいか、いつもより赤くなったまま
(また…また私…結城くんとキス…)
ハレンチだとわかっていてもやめられない
触れ合うたびに心地よくて、そのままとけてしまいそうになってしまう
なにより、リトとキスをするという事が、唯はとても幸せに思えた
指先で唇のラインをなぞっていく
さっきまで触れ合っていた場所
繋がっていたところ
また…また────…
想いはどんどん強く大きくなっていく
「…結城…くん」
「へ?」
唯と同じ様にどこか呆けた顔をしていたリトは、その呼び声に現実へと引き戻される
「ど…どしたんだ?」
「うん…、あの…」
止まらない…止まってくれない
結城くん……あなたのせいなんだからね…
「古手川?」
膝立ちになった唯は、リトの顔の正面まで行くと両手をリトの頬に当てた
「へ?」
やわらかくて、スベスベしている白い手に、今は、ほんのりと熱がこもっている
「な、何…」
「…好き」
「え?」
「結城くんが好きなの…悪い?」
「わ、悪いっつーか全然そんなコトなくて…だから…その……え?」
視線を逸らそうにも唯の眼差しから目を逸らせない
逆にグッと惹きこまれて動けなくなってしまう
「こ…古手川」
「結城くん」
徐々に近づく顔
わずかに開いた口からこぼれる甘い吐息が鼻をくすぐる
唇同士が触れ合い、そして、離れていく
「は…ぁ」
おデコとおデコをくっ付け合い、手と手を握り合い、指と指を絡ませ合い
互いの顔を見つめ合う
「もっと…」
「していいのか?」
「…うん。私を結城くんだけのモノにして…」
きっと精一杯の想いと勇気をのせて言ったに違いない
唯の声も肩もずっと震えていたから
「古手川…」
「ん…」
リトは唯の手を引き寄せると、身体を密着させた
大きな胸をリトの胸に押しつけながら、唯は夢中でキスを繰り返す
この時間、この瞬間を刻みこむ様に
やがて、少し大きな舌が自分の唇を割って入ってくる感触に、唯は身体を強張らせた
握りしめた手にも力がはいる
(結城くんの舌が…こんなキス…)
一瞬の躊躇いの後、すんなりとその舌を受け入れている自分に唯は少し驚く
(あぁ…私、ホントに結城くんと…)
いつも、ずっと、想い描いていた事に身体が素直に悦びの声を上げている
(いけない事なのに私……悦んでる…。ずっと…ずっとこうしたいって想って…)
その声に従うかの様に唯は自分の舌を絡ませていった
稚拙で不器用な舌使いは、中々、二人を結びつけず、すれ違ってばかり
カチカチと歯が当たっては、どちらもゴメンなさいの表情を浮かべ
それでも、二人は身体を決して離さなかった
次第に水音が混じるようになっていき、そして────
「はふ…ん…ぅ」
口元から涎をこぼしながらも、唯は首筋に腕を回してリトにしがみ付いていた
口内を舐められ、唾液を吸われる感覚にはまだ戸惑ってしまう
(こんなハレンチなキス…)
想い描いていたキスは、もっとやさしくて、甘くて、とろけるようなモノだった
リトに合わせる余裕なんてない。一生懸命なキス
そしてそれはリトも同じ
女の子とキスどころか手も握った事もないのだから、余裕なんて微塵も生まれない
リードしなくちゃ、と思う気持ちも生まれない
ただ、必死に舌を口を動かしていく
制服の背中のシャツを握りしめる唯の手にギュッと力がこもる
わずかに目を開けたリトは、少しだけ苦しそうに眉間に眉を寄せている唯の表情を見る
(もしかして…)
やっと生まれたわずかな余裕
リトは舌を絡ませたままゆっくりと口を離した
舌の先端と先端が離れても、唾液のアーチが二人を繋ぐ
口元を唾液で汚しながら唯はゆっくりと息を吐いた
「ゴメン…。苦しかった?」
「別に私は……それより結城くん」
「何…?」
「ちょっと吸いつき過ぎよ! 私、もっと優しいのがよかったのにっ」
「う…ご、ごめん」
シュンと肩を落とすリトに唯は口元に笑みを浮かべた
「…でも、うれしい」
「え?」
「結城くんとあんなにいっぱいキスできて。うれしいの」
「古手川…」
いつか見せてくれた笑顔の何倍も可愛いその笑顔に、リトの胸がときめく
その想いそのままにリトは唯の両肩に両手を置いた
「…な、何?」
「その…続き! してもいいかなって?」
「つ…続き?」
聞かなくたってリトの顔を見ればなんの事を言っているのかわかる
「そ、そんなコト…」
唯は目を彷徨わせたまま、どこを見ればいいのかわからなくなってしまった
リトの顔をまともに見られなくなってしまう
さっき自分でも言ったばかりなのに、こうして面と向かって言われると、まだ気持ちが揺らいでしまう
(だって…だってそんなコト…)
結城だけのモノになりたい! 結城くんだけの…
だけど…だけど……
「古手川」
「…っ!?」
頬に触れるリトの手の感触に心が震える
「やっぱダメか?」
「そ…そんなコト誰も…」
彷徨っていた目がふいにリトと交わる
それだけで、キュンとスイッチが入ったような気がした
唯は頬に触れているリトの手に自分の手を重ねると、恥ずかしそうに呟いた
「……優しくしなきゃダメだからね…」
「ああ、わかった」
このままとけて消えてしまいそうなほどに儚く弱く映る唯の身体をリトは両腕で抱き締めると、そのまま床に寝かした
長い髪が床に広がり、わずかに開いた襟元から胸の谷間がのぞいている
リトは四つん這いになるとジッと真上から唯の顔を見つめた
キレイだと思った
長くて艶やかな黒髪も、今は少し赤く火照っている白い身体も、紫色が混じる、濡れた黒い瞳も
古手川唯という一人の女の子がどうしようもないほどにキレイに映る
「…ん、な…何よ…」
ジッと見つめられることが恥ずかしいのか、唯の頬が赤に染まっていく
「そ、そんなにジッと見られたら私…」
「古手川…」
「ん? 何…ん、んっ!!」
返事を待たない少し強引で、不意打ちのキス
目、いっぱいに映るリトの顔に目を大きくさせ驚くも、唯は少しするとリトの背中に腕を回した
今度は少しだけ気持ちを踏み出して、最初から舌を絡ませていく
相変わらず下手で戸惑いの混じるキスだけれど、今の二人はそれでもいいと思った
お互いの事を想いながらするキスが、こんなにも気持ちいいだなんて思わなかったから
しばらくキスをかわす内、ふいに胸元に感じる違和感に唯は眉をひそめた
(何…?)
と、疑問を挟むまでもなく、すぐにその正体がわかる
「古手川のムネ…見たい」
「え…」
いつの間にかパジャマのボタンに手をかけているリトに、唯は声を詰まらせた
「古手川のムネ…嫌?」
「…い、嫌じゃない…けど…、結城くんが見たいなら……だ、だからってヘンなコトしたらダメだからね!」
唯の声を聞いているのかいないのか、すでに息が荒くなっているリトは、胸元から視線を逸らさない
(やっぱり結城くんってハレンチだわ…)
思わず目を細めそうになった唯の顔が、けれどふっとやわらかくなる
(でも、そんな結城くんも私…好きなのよね。きっと―――)
慣れない手つきで一生懸命ボタンを外そうとしているリトに、唯はやわらかい笑みをこぼした
そして、その頭に手を置くと、髪を梳くように撫でていく
「何だよ? やっぱ嫌なんじゃねーのか?」
「違うわよ」
さっき頭を撫でてくれたお返しよ、と唯は含みを込めて笑みを浮かべた
その笑顔にドキン――――と自分の中の何かが音を立てたのをリトは感じた
唯の笑顔は母性的で、可愛くて、キレイで
自分の一挙手一投足全てに、白い頬を薄紅色に染める唯がたまらなく愛おしく想えた
最後のボタン一つ残して固まるリトに唯は眉を寄せる
「どうしたの?」
「い…いや、なんか古手川の事がスゲーかわいいなって思ってさ…」
「……ッ!!? な、なな、何言ってんのよ!!?」
顔を真紅に染めながら、そのまま起き上がってポカポカと殴ってきそうな勢いの唯に、リトは慌てて弁明を述べた
「ほ、ホントだって! ウソなんかじゃねーって!!」
「ホントでもウソでもそんな事言わないでっ!! バカッ!!!」
ガンバって褒めたつもりなのに――――予想に反して唯を怒らせてしまったことにリトは、ガックリと項垂れた
そんなリトの様子を横目に、唯はなんとも苦い顔になってしまう
(か、かわいいとか……そんな事、私…)
今まで、そんな言葉とは縁がなかった唯
いつも言われてきた言葉は、"カタイ""厳しい""キツイ""うるさい"等々
(私がそんな…)
『古手川の事がスゲーかわいいなって』
「……ッ!!」
想いだすだけで、顔がにやけてとろけそうになってしまう
チラリとリトの様子を確かめると、リトは相変わらずバツが悪そうな顔をしていて
(……結城くんに私…褒められた…の?)
唯は躊躇いがちに手を伸ばすと、リトの頬に両手を当てた
「へ…?」
「しないの? …続き」
「続きって……いいのかよ? だって…」
「……オレのモノにすんじゃなかったの? まだされてないんだけど?」
まだ口を尖らせて話す唯だけれど、その表情は小さな子供がわがままを言っている時の様だと、リトは思った
リトは苦笑を浮かべながら少しイタズラっぽく訊いてみた
「もう怒ってないんだ?」
「…知らないわよ」
怒っているようで、それでもどこかやわらかい顔の唯
"やっぱ古手川は古手川だな…"、とリトは心の中でそう呟いた
リトは自分の頬に触れている唯の手に自分の手を重ねると、そのまま握り返し、唯の手の甲にキスをした
「ん…」
「古手川の全部オレに見せてくれるのか?」
「…うん」
唯がそう返事をすると同時に、リトは最後のボタンを外した
ハラリと広がるパジャマから白い肌が露出する
赤いパジャマの真ん中に現れる白のラインが艶やかに映える
わずかに見えるおヘソと、息をする度に上下に動く胸
シャンプーの匂いとは違う、唯の純粋な肌の匂いに、リトの鼓動が速くなる
ゴクリ――――、と喉を鳴らしながら、震える手でパジャマに手をかける
「それじゃあ……脱がすからな?」
唯はわずかに身を捩るだけで何も応えない
本当に自分に全てを任しているのか、恥ずかしさで声が出ないだけなのか
答えのわからぬまま、リトは唯のパジャマをはだけさせた
薄い肩に浮き出る悩ましげな鎖骨のライン
手の平サイズよりも大きめな胸はブラなど着けておらず、その魅力をいっぱいに溢れさせリトを釘付けにした
白くてモチモチの弾力は、今も唯が息をする度にプルプルと小刻みに震え
その先端を彩るサクラ色の突起はリトを誘っているかの様だ
細いくびれと、かわいいおヘソの腰回り
その全てがシミ一つない白磁の色で彩られた唯の身体
この日、何回目かになるリトが唾を飲み込む音に、唯は顔と言わず身体まで赤に染まった
「ちょ…ちょっと結城くん! そんなジロジロ見ないでよねっ。恥ずかしいわ…」
「へ……あ、ああ。そ、そりゃそーだよな!」
そう返すも、すでにリトの頭の中はいっぱいいっぱいだった
(す…げー…、ララとかとやっぱ違うんだな…)
当り前の事なのだが、これまで女の子と付き合った事がないどころか、裸と言えば、ララか、
美柑か、母親であるリンゴぐらいしか見た事のないリトにとって、唯の裸はまさにいろんな意味で衝撃だったのだ
(……こ、このあとってどーすりゃいいんだ…?)
パニックになった頭に理性が中々、追いついてこない
唯の恥ずかしそうに身を捩る仕草に汗がどんどん噴き出してくる
「え…えっと……さ、触ってもいい?」
「え!? さ、触……ぃ…いわよ! 結城くんだから」
「オレ……だから?」
それは唯の中の自分が特別だという証だ
リトは一つ心の中で気合いを入れると、ゆっくりと手を伸ばしていった
白い乳房に指先が触れると、それがスイッチだったのか、吸いつくようにリトは手を這わせていった
「や…ん、ん」
突然やってきた未知の感覚に唯の口から甘い声がこぼれる
「古手川のおっぱい、すげーやわらかくて気持ちいい…」
両手を使って胸全体を揉みしだくリトに、唯は声を熱くさせながら訊いた
「結城くんってムネ好きなの?」
「え? つーか古手川のおっぱいが好き。ずっとこーしてたいぐらい」
「ずっととか……もぅ、ハレンチだわ結城くん」
唯の声は嗜めるでもない、どこかうれしそうな声だ
「もっと…してもいいんだからね」
「もっと?」
「…うん。だって結城くんのモノなのよ?」
期待と羞恥の混じるその視線に、リトはゆっくりと口を近づけていった
「じゃあ舐めてもいい?」
「ん…ぁそんなコト…訊かないでよねっ」
唯の返事が終わるよりも早く、リトの舌が先端を掬いあげる
「ひゃ…あ…ふ」
「ちょっと汗の味がする」
「だ…だってぇ…熱出てるから…寝汗が…ぁ」
その汗の味すら愛おしむように、リトは舌を絡ませると、口をすぼめて乳輪を吸い上げていく
「ん…ん、ぁ」
「やっぱおいしい! 古手川の…」
「ば…バカ…ぁ、おいしとかそんなハレンチな事…ん…」
両手で揉みしだかれ、口で吸い上げられ、舌で乳首を刺激され
唯の口からどんどん卑猥な声が溢れ出す
「もっと…もっと聞きたい…。古手川のかわいい声」
「へぇ…?」
すでにトロンととろけた目に映るリトは、唾液の糸を引かせながら顔を上げると、するすると手を移動させていく
おヘソの周りを撫でるように過ぎていくと、ズボンに手をかけるリト
「ちょ…ちょっと…」
「ココ…いい?」
「……う、ま、待っ…………もぅ…ぃ…いわよ…、どうせダメって言っても聞かないクセに。ホントにハレンチなんだから」
と口を尖らせつつもすっかり自分に全てを委ねている唯に、リトは見えない様に苦笑をした
ズボンの中に入っていく自分以外の手の感触に身体が震える
何度かリトを想いながら触れたことのある、大切なところ
そこにリトが触れるという不思議な感覚に、心のどこかがざわざわとざわめく
「ヘンなコトしたら…許さないからねっ」
精一杯の強がりを見せるも、すでに唯の下腹部は力が抜けきり、触れる前から腰がピクピクと小刻みに震えていた
期待と不安、好奇と羞恥の混じる唯の反応に、リトの息も上がる
ショーツの上から恥丘の上を滑る指は、ほどなくして割れ目に当たった
「ん…」
眉間に眉を寄せ、ギュッと手を握りしめる唯はどこか緊張の色が濃い
リトはその緊張をほぐす様に、ゆっくりとショーツの上から割れ目をなぞっていった
「あふ…」
腰をわずかに浮き上がらせ、何かにジッと耐える唯
その間もリトの指は、割れ目に沿って上下運動を繰り返す
徐々に開いていく脚にしたがって、唯の声も艶を帯び始める
シュリシュリとショーツを擦る指に、溢れだした蜜が絡まり、ベットリとショーツを濡らしていく
「すげ……古手川のココ…、もうビチョビチョじゃん」
「だ…だって、結城くんが…ぁ…ん、く…いっぱい触るから…ぁっ」
「…もっと触ってもいいか?」
いつの間にか好奇と欲に満ちた牡の顔になっているリト
息も荒く、手の動きを決してやめようとしない
(結城くん……あんなハレンチな顔して……、結城くんも欲しいの? 私みたいに…)
唯は何も言わずただ、首を小さく振った
「……じゃあ、コレ脱がすな?」
腰をわずかに浮かした唯の下腹部から汗をすったパジャマと、ベットリと濡れたショーツが脱がされていく
「…ッ…!!」
火照った肌が外気に触れる気持ちよさと、人前でさらけ出した自分の大切な部分に、唯の身体が小刻みに震える
前編終わり
後編は間を開けて、今日の夕方か夜に投下します
ついに神が降臨なされたッ…!
俺の股間が覚醒したまま戻らないんだが
また唯かよ……しかも暗くなるまで待って、と来たもんだ
責任…取ってくry
復活ッ!
リトと唯、復活ッ!!
リトと唯、復活ッ!!
リトと唯、復活ッ!!
前編、前編でこの萌えっぷりか! GJとしか言いようがない!
自重する必要なんざ無かったよな
「また唯かよ」とかほざく荒らしの言うことを聞く必要もなかった
第一唯職人に責任は無いわけだし
まあ何にせよ、おかえりなさい
ん?誤解されたかな?
>>718は半裸待機で凍死寸前だよ
>>722 君に対して言っているのではないよ
ここが荒れたときのことに対して言ってる
いい人って大変なんだなぁと思いました。
それでは後編投下します
「足…閉じたまんまだと見れないって」
「……わかってるわよ。そんな事…」
いつもの強気な態度がウソのような唯
小さな声に、その仕草もどこか小さな子供を感じさせるほどに弱々しい
「ちゃ…ちゃんとしなきゃダメだからね? わかってるの結城くんっ」
わかってる、と苦笑を浮かべるリトにまだ半信半疑ながらも、唯はゆっくりと足を広げていった
「……ッ」
恥ずかしさと、背徳感に身体中が熱くなる
(うぅ…こんなコト…)
開ききった足の間にすぅっと冷たい外気が染み込んでくる
それ以上に、ジッと熱っぽく見つめるリトの視線でどうにかなってしまいそうだ
唯はギュッと目を瞑ると、少し声を尖らせた
「もう! そんなジロジロ見ないでっ」
「……古手川のココ、ピンク色ですげェキレイだ…」
「ば…何言って……もぅ…そんないっぱい見たらダメ…」
リトの言葉一つで身体中の力が抜けていってしまうが、どうすることもできない
(結城くんに見られてる…私の……)
そう思うだけでアソコがキュンと熱くなる
わずかに開いた入口は、まるでリトを待ちわびているかの様にヒクヒクと動く
(ダメ…ぇ…そんなに見たら私…)
もじもじと動く腰に合わせ、割れ目から溢れ出した蜜がつーっと床に落ちていく
小さな水たまりと、本能を刺激するには充分すぎる唯の女の匂いに、リトの喉が鳴った
「ゆ…結城くん…、そんな見てばっかりは嫌ぁ…、もっと…もっと私の事…」
ハチミツの様な甘い声に、心の中の何かがとろけていく
「古手川…」
リトは本能に赴くままに唯に身体を寄せた
クチュクチュと愛液を絡ませながら、リトの指が膣内に入っていく
中は思った以上に温かくて、膣壁がキュウキュウと指を締め上げていく
「ぁ…ふ」
わずかに腰を浮かせながら熱い息をこぼす唯に、リトの心拍数が上がっていく
指を折り曲げ、唯の弱いところを探す様に、中を弄っていく
「すごい…古手川のココ…、オレの指しゃぶってるみたいだ…」
「も、もぅ…またそんなハレンチな事言って…私を…ん」
なんて返すものの、唯自身、自分の秘所を中心に下腹部全体が、どうしようもないほどに
熱くなっているのに気づいていた
足の震えも、腰を動かしてしまうのもやめられない
もっと、もっと、と身体がリトを求めて止まらない
しばらく中を掻きまわした後、ふいにリトは指を秘所から抜いた
指はとろりと濃厚な蜜でヌラヌラといやらしく濡れている
「古手川のすげェ…やらしい…」
「…っツ…」
恥ずかしさで真っ赤に染まる唯の前で、リトはその濡れた指を自分の口に運んでいく
「や…やめて…そんなの汚いわ」
「そんな事ねーよ。だって古手川のなんだからさ」
チュパチュパとキレイに舐め取っていくリトに、唯の表情はなんとも言えない恍惚としたものへと変わっていく
(結城くん…私のあんなにキレイに……ッ)
もじもじと擦り合わせていた太ももがゆっくりと開いていく
「古手川?」
「……べ…別にその…結城くんがしたいならもっとしても…いいかな」
声は震えているし、目も合わせてくれないけれど、リトはそんな唯に苦笑を浮かべた
「もっとしてもいいんだ?」
「べ、別に私は……ゆ、結城くんがしたいならって言ってるじゃないっ」
「……じゃあもっとしたい! 古手川ともっと…」
スッと身体を寄せてくるリトに、唯の心臓が警笛を上げる
ジッと裸を見つめるその視線に、アソコがキュンと締め付けられる
「古手川…」
「…は…ふ」
もはや返事すらまともに返せないぐらい、息が熱くなる
「……してもいいか?」
ドキン――――と脳髄がしびれるほどに胸が音を立てた
「え…ぁ…な、何が?」
自分でも間の抜けた事をきいているとわかる
それでも唯に残った最後の理性がそう呟いた
「何ってその……だから…」
言い難そうに頭をポリポリと掻いているリトに、唯はゴクリと唾を飲み込んだ
「だ…だから?」
「だから……こ、古手川とその…したいなって…思ってて…」
リトは湯気が出そうなほど真っ赤になりながら、それでも唯の目をジッと見つめながら言った
「こ、古手川の中に入れたい」
「……っ!?」
太ももに当たるリトのモノはすっかり膨らみ切っていて、切ないほどに自己主張をしている
(結城くんのあんな……すご…、私の事想って大きく…)
「ダメか?」
「……ダメじゃないわ……、い、言ったじゃない。私を結城くんだけのモノにしてって! だから…」
今この瞬間は誤魔化しも、言い訳もしてはいけないと唯は感じた
だから、精一杯の想いを込めて言う
自分の気持ちを
「私も…私も結城くんがほしい! 結城くんじゃなきゃ嫌! 結城くんじゃないとこんな気持ちになれないのっ。だからお願い…」
「古手川…」
しばらく上下で見つめ合ったあと、リトはいそいそとベルト外し、ズボンから勃起したモノを取り出すと、唯に身体を寄せた
クチュリと先端と入口が触れ、水音が鳴る
「わ…私、初めてだから……だから優しく…」
「わかってる」
そう短く返すも、リト自身、自分の事で精一杯だ
さっきから竿を持つ手が震え、中々、思う様に挿入口を探し当てられない
「あ、アレ? なんで…」
「ん…そこ違う…」
「こ、ココ?」
「あ…もう…ちょっと下…」
先端が上下に擦れる度に、唯の秘所から愛液が、まだかまだかと溢れ出してくる
「もっと…ん、ぁ」
「あ…えっとココ?」
「ん…ん、そ、そこ。そこぉ…」
何回目かのすれ違いの後、唯の秘所は、ゆっくりとリトの肉棒を咥え込んでいった
「ぁ…ン、ンン」
狭い中を広げて入ってくる熱い肉の感触に、唯は目をギュッと瞑った
(何なのコレ…こんなの…)
「ちょ…古手川、もーちょっと力抜いてくれないとオレ…」
唯の膣内はリトをキューッと締め付ける
その強さに気を抜けば一気に果ててしまいそうだ
「そ、そんな事言ったって…あなた男でしょ? 男ならなんとかしなさいよね」
「んな事言ったって…」
リトは歯をくいしばると、少しずつ奥へ奥へ突き入れていく
「結城くんのがどんどん入って……ん、く」
しばらくすると、どちらとも言わずお互いの顔を見つめた
リトの先端が唯の純潔の証に触れていたのだ
唯は握りしめていたシーツから手を離すと、スッと両手をリトに差し出した
「結城くん、お願い…。手…握って」
「いいよ」
リトもつらいとわかっていたが、甘えずにはいられなかった
これから一生の内、最初で最後の「痛み」がくる
唯はその事をリトに伝えたかった
「痛み」ではなくリトへの「想い」を少しでも多く
自然と胸の中でこれまでのリトとの出来事や、その時感じた事、想いが溢れてくる
第一印象は最悪だった
元から要注意人物としてマークしていたが、その言動に、初日から最悪の烙印を押してしまった
ハレンチで、ララさんと一緒に騒ぎばかり起こす問題児で
だけど、そうじゃないって少しずつわかってきた―――
子供のような顔に溢れるばかりの優しさを込めて笑う結城くん
それはいつの間にか、私の一番好きな顔になっていた
不器用で、頼りなくて、カッコわるくて
だけど、誰よりもカッコよくて、優しくて
そんな結城くんに私は、いつも素直になれなくて、すぐ怒って、すぐ叩いて
いつもキツクあたって
自分でも堅いってわかってる
優しくなんてない事ぐらいわかってる
私は、ララさんみたいに可愛くないし、明るくもできない
あんな風に自分の気持ちを言えない
笑顔一つ見せられない―――
きっとこれからも
だけど…だけど……それでも…それでも―――
「古手川」
「え…?」
いつものやさしい声と、ふいに頬に触れるあったかい感触に、唯は目を開いた
目の前にはいつものリトがバツが悪そうに微笑んでいて、その手でそっと頬を包んでくれていた
「結城…くん?」
「大丈夫か? ムリならムリでいいんだって。慌てなくたって古手川の気持ちとか全部オ
レに届いてるから。だから心配すんなって、な?」
そう言いながらニッコリと笑うリトに、なぜだか目元が熱くなっていく
「ってアレ? 何で泣いて……っておわっ!?」
急に抱き寄せられたリトは、唯の胸に顔を埋めながらくぐもった声を出す
「お、おい、古手川? どーし…」
「いいからっ。最後まで…最後までお願い! 私、大丈夫だから…」
それは、おねだりや甘えよりも切望に感じた
リトは両腕を伸ばすと、唯の頭と背中に回し、その小さな身体をやさしく強く抱き締める
「…オレ…オレ離さないから。お前が不安で怖くて痛くて震えてたら、いつもこーやって
一緒にいるから。だから…だから…」
「うん。わかってる…」
唯はリトと同じ様に両腕をリトの頭と背中に回すと、同じ想いを込めて抱き締めた
唯は万感の想いを込めて、もう一度口にする
「結城くんが好き、大好き…! この先もずっとずっと…」
「古手川…」
唯のその想いが胸から聞こえる鼓動と一緒に伝わってくる
強く、強く
「ああ、オレも古手川のことがすっごく大切で大好きだよ」
その言葉に一瞬目を大きくさせた後、唯はイタズラっぽく口を尖らせた
「…ゃ…っと言ってくれた……、もぅ、言うのちょっと遅過ぎよ、結城くん」
「ゴメン…」
照れと、ごめんなさいの気持ちが混じるその声に、唯はふっと笑みを浮かべた
「……きて。結城くん。私はもう大丈夫だから、ね」
「…わかった」
その返事とともに、リトは腰を深く突き入れていく
先端が膜に当たり、唯の手にギュウウっと力こもる
「ん…んん」
「古手川?」
もう大丈夫だと言っていたが、気持ちと身体に来る痛みはまた別のもの
唯の両腕にも力がこもっていく
「唯…」
「…ん…ッ」
キュッと膣内が締まると同時に、リトは唯の純潔を汚した
ブツンと音がなり、少しすると割れ目から愛液に混じって赤が伝い落ちていく
「ん…んん…ぁぁ…」
辛そうな声を上げる唯にリトは、その身体を力をこめて抱きしめた
少しでも痛みを和らげるように
少しでも不安が拭える様に
少しすると、背中で握りこぶしを作っていた唯の手が開いていく
やわらかい手の平は汗ばんでいて、今は少し震えてすらいた
「古手川?」
リトは少し身体を離すと、唯の顔を覗き込んだ
「大丈夫か? その……下手でごめんな」
情けないほどに顔を歪めるリトに、唯はそっと微笑む
「…バカね。そんなの別に期待なんてしてないわよ。それより結城くん、さっき私の事"唯"って呼んだでしょ?」
「え!? そ、それはえっと…勢いっつーかなんつーか…」
唯はあたふたと汗を掻き始めるリトの頬に手を当てた
「……特別に許してあげる。そのかわりちゃんと最後まで、ね?」
「わかった」
リトは軽くキスをすると、再び腰を動かしていく
「ん、ん…あ」
腰を突き入れる度にくぐもった声を出す唯に顔を曇らせるも、リトは動きをやめなかった
少しでも早く痛みがなくなるように、快楽を送り込んでいく
「古手川…古手川…」
「結城…くぅん…あ、ん…結…城…く…」
「す…げぇ…気持ちイイ! 古手川の中…病みつきになりそうだ」
「なって…いくらでもなってぇ…、その…代わり、私以外のコとこんな事したら…ダメ…なんだから…ね」
「わかってる」
リトは熱い吐息をこぼし続ける唯の唇にキスをした
すぐにキスに舌が応え、リトの舌と絡み合い、唾液の交換をし始める
「…はむ…ン…ンン…ぷはっ…ハァ…ハァ…、結城くんのキス好き…」
「オレも。古手川とキスするのすげー気持ちイイよ」
「うん…」
心の底からうれしそうに微笑むと、唯はリトの首筋に腕を絡め抱き寄せる
「結城くん…」
「何?」
鼻先数センチで見つめ合いながら、二人の動きは止まらないどころか、ますます激しくなっていく
ヌプヌプと音を立てる結合部からは、赤と白が混じる愛液がトロリと溢れ
口元は、唾液の痕と涎ですっかり汚れしまっている
それでも嫌だとは思わない
それがとても幸せだと感じる
顔をジッと見つめたまま何も言ってこない唯
その瞳にリトをずっと映している唯は、なんとも言えない幸せそうな顔をしている
「さっきから何だよ?」
「……うん。あなたの顔を見ているの。私にいっぱいハレンチな事をしたあなたの顔を」
「何だよソレ」
どこかこそばゆい様なうれしさが身体中を走るのを感じた
「…はぁ…ぁ…結城くんの…またおっきく…」
「うん…そろそろ限界…かな」
ポトリと額から落ちた汗が、唯の頬を伝い口元に入っていく様に、なんとも言えない興奮を覚えるリト
小さな舌を出してその汗を舐め取ると唯はクスっと笑った
「古手川…ッ!!」
「あふっ…ん、や…もっと…」
「もっと?」
「あ…ん、ん…く」
身体を起こしたリトは、唯の腰を掴むと、腰を突き動かしていく
もう唯の身体を労るとかいう余裕は消し飛んでいた
今はもう、溜まりに溜まった欲望を吐き出したい、それだけだ
「ア…アァ、ん…ゃ…結城、くん、もっとゆっく…激し…」
「古手川…古手川…」
理性が溶け本能が自分を支配するのを止められない
パチュ、パチュと、卑猥な音を立てながら肉と肉がぶつかる度に、二人を未知の感覚が襲う
「古手川…もう…出…」
「あ…ま、待って! 私も一緒が…」
唯の言葉が終わるより早く、限界を迎えたリトの肉棒から欲望が吐き出される
「ひゃあ…かぁ…ぁ結城…くんのが出て…いっぱぁい…出て…る……」
リトを逃がさぬように締め付けられる膣の奥、子宮の中にたっぷりと注がれる熱い奔流に、
唯の身体は小刻みに痙攣を繰り返す
「すご…い…まだ出てる…。こんないっぱい…熱いのぉ…」
「ハァ…ハァ…」
「結城くんのばかぁ…。赤ちゃん…結城くんの赤ちゃん出来ちゃうのに…ぁ…」
腰にしっかりと回されている唯の脚は、次第に痙攣を繰り返しながら、腰から解けていく
二人はしばらく身体を重ねながら、荒い息を吐き続けた
唯はだらんと力が抜けきった腕を宙に彷徨わせると、リトの頭の上に手を置いた
「ん? 何だよ?」
「……キスして」
「キス?」
リトは身体を起こして唯の顔を見つめると、そのまま黙って顔を近づけた
「好きだよ。古手川」
「…うん。私も大好き…」
二人はキスを重ねると、どちらともなく互いの身体を両腕で抱き締めた
互いの性器を繋いだまま、床を転がりながら、互いの位置を入れ替えながら
上下左右、くるくると回り続ける世界の中で、二人のキスは離れては重なり、何度も繰り返す
互いに同じだけの想いを込めて何度も
秘所から肉棒を引き抜くと、愛液に混じった白濁液がゴポリと外に溢れ出す
その強烈な牡の匂いと量の多さに、リトの額に冷や汗が浮かんだ
「わ…わわ、ワリィ古手川! ちゃんと外出したかったんだけどガマンできなかったっつーか…」
あわあわと慌てるリトの目の前で、唯の目が徐々に細められていく
いつも怒られる直前に感じる寒気にも似た感覚にリトの腰が引ける
「ホントにごめん! って謝っても許される事じゃなくて、ど、どーしたら…」
「結城くん…」
「な、何?」
どこまでも凍えそうな唯の声
反射的に目を瞑って"その時"が来るのをジッと待っていたリトの頬に痛みが走る
恐る恐る目を開いたリトを待っていたのは、ジト目になりながら、自分の頬を抓る唯の姿だった
「ほへ?」
「ほへ? じゃなくて…何で名前で呼ばないのよ?」
「へ? だって…」
「許してあげるって言ったじゃない!? もう! そーじゃなくてもそれぐらいわかりなさいよねっ。ばか…」
「え、じゃー…中に出したコトを怒ってるわけじゃ…」
唯の表情は、拗ねているのか怒っているのかすぐにはわからない複雑なものになっている
ずっと勘違いをしていた自分にリトは、照れくさそうに苦笑を浮かべた
「よかったー! てっきりオレ…」
「許したわけじゃないから」
「え…?」
「…な、中に出した事よ。言っとくけど、さっきの話しとは別だからね?」
ここに来て、ようやく唯の頬が微妙に引きつっている事にリトは気付く
その肩がプルプルと震えていることも
「…ご、ごめ…」
「いったい何考えてるのよっ!!? バカーッ!!」
部屋に唯の声が響き渡った
「ったくせっかくイイ感じだったのに。相変わらずおカタイ奴」
と、壁に背をもたれながらトレイを手に遊はそう呟いた
トレイの上には○カリスエットと、湯気が立ち上っている熱々のコーヒー
誰に頼まれたわけじゃないその飲み物を手に遊は壁から背中を離した
「唯も唯だけど、アイツもアイツだな…。似た者どーしってヤツなんだろーけどさ」
唯の部屋のドアを通る時、遊の口に自然と笑みが現れる
「ま、ウルサイ奴だけど、よろしく頼むぜ結城くん!」
部屋の中からは、まだ唯のお説教と謝り続けるリトの声が聞こえてくる
「にしてビビった…!! まさか唯のヤツがあそこまで進んでるとは…、完全に油断してたぜ
…オレもがんばろ…。秋穂さんにオレがマジって事わかってもらわねーとな…」
なんて妹思いな一面を覗かせるも、すっかりお説教モードに入っている唯の耳に届くわけはなく
遊は、二人っきりのイイ雰囲気を崩さない様に、と静かに階段を下りて行った
「ホント、ごめん…!」
「もういいわよ…。それに別にダメってわけじゃないし…」
急に、もごもご口調になる唯に、リトは首を傾げた
「え…? なんか言った?」
「別にっ!! そ、それよりもな、名前は……どうなのよ?」
「どうって…」
リトは指で頬を掻きながら一人顔を赤くさせると、やがてぼそぼそと口を開いた
「じゃ、じゃあその…唯…」
唯の胸がキュンと音を奏でた
"唯"
たった一言、リトがそう呼んだだけで、なんとも言えないうれしさが込み上げてくる
「…何よ?」
一拍置いての返事だったが、ちゃんと返事してくれた事にリトはホッと胸を撫で下ろした
「もぅ、名前で呼んでもいいって言ってるんだから遠慮なんかしないでよねっ」
「ごめん…」
申し訳なさそうに顔を曇らせるリトに唯は、腕を組みながらツンっとそっぽを向けると、
いそいそとベッドに戻ってしまう
まるで何かを隠すように
唯はコレで話しは終わりとばかりに頭から布団をかぶると、そのまま布団の中で丸くなった
(うぅ…もぅ、結城くんの鈍感! バカ! ハレンチ!)
(あれ…? 疲れて寝ちゃったのか…?)
頬を指で掻くこと数秒
「じゃあ…オレ、そろそろ帰るわ」
「…え!?」
と、突然、布団をガバっと捲った唯は信じられない物で見たかの様に、目を大きくさせる
「帰っちゃうの…?」
「ああ。さすがにこれ以上長居はできねーし。唯の体調が悪くなったら元も子もないだろ?」
「そ…そんな事…」
布団を握りしめる手が震える
唯はリトから視線を逸らしたまま赤くなった顔でぼそっと呟いた
「………風邪なんて…ふっとんだわよ。結城くんのおかげでね」
「え?」
「な…何でもない!」
"もっと素直に言いなさいよね! 私のバカ"、と心の中で自分の頭をポカポカ叩く唯
そうこうしている内にリトはカバンを手にドアへと歩いて行く
(結城くんが帰っちゃう…。さっきまであんなに一緒にいたのに…。なんで…)
答えは簡単で明白だ
けれども、リトが帰ってしまうという現実が、唯の心を掻き乱していく
震え続ける心のまま、唯は声を出した
「結城くん」
「ん?」
いつもと同じ声。だけど、その声にいつもとは違う成分が混じっている事に、リトは気付く
どんなに隠しても、もうわかってしまう
「どしたんだ?」
「…その……ぇ…っと…」
唯は俯いたまま両手をもじもじさせている
「唯?」
「だからその……」
「ん?」
唯は布団の下で手をギュッと握りしめると、その想いを口にした
「こ、今度また家に来て! そ、その…今日のお礼がしたいから…」
「お礼って……別にいいってこんなんで気を遣わなくてもさ」
「そうゆうコトじゃなくて…」
「は?」
相変わらず鈍感の上、女の子の気持ちに気付かない
(もぅ、気づきなさいよ…)
唯はパジャマの裾を握りしめると、チラチラとリトの顔を見つつ、ぽそぽそと口を動かした
「……イヤなの? 私の家に来るの…?」
「い、いや!! そ、そーゆーコトじゃなくてなんつーか…」
「何よ?」
唯の頬はすっかり膨れてしまっている
さっきまで甘い雰囲気なんて忘却の彼方だ
「だ、だからオレが言いたいのは…」
「言いたいのは?」
ますますぷくぅっと膨らむほっぺに、リトの額から冷や汗が伝い落ちる
「あ…だ、だからその、また来てもいいのかな…って思ってさ」
「何回だって来てもいいわよ! と言うか、あなたに来てほしいから言ってるんでしょっ?」
そこまで言ってから、今まで膨れていた頬が一瞬で真っ赤に染まる
「何回も来てもいいんだ?」
「…そ、そうよ! と、とにかくそういうわけだからっ!! 結城くんがイヤならムリしなくてもいいけど…」
嘘だ、と言った瞬間、自分でも気づいてしまう
そんな言葉聞きたくない
何回だって、何度だって来て、話して、そして――――
「……」
「……また来るよ」
「え…?」
「今度は唯が元気な時にな!」
ドアの前で振り返ったリトは、どこか照れくさそうに、恥ずかしそうに笑顔を浮かべた
「……っ」
唯は自分の胸がキュンと音を立てるのを感じた
だって、その笑顔は自分が一番好きな顔だから
世界で一番好きな人の、一番好きな顔
「……」
「―――い? お〜い! 唯?」
「…へ?」
「へ? じゃなくて…」
いつの間にボーっとなっていたのか、リトの呼び声に目をパチパチさせると、唯は慌てて表情を引き締めた
(しっかりしなさい! ちょっとうかれすぎよ!!)
「ホントに大丈夫なのかよ?」
心配と呆れが混じった視線を向けてくるリトから、唯は気まずさから顔を背ける
「ホントに大丈夫だから、その……心配しないで」
「ふ〜ん、ならいいんだけどな」
指先で頬を掻きながら話すリト
本当はもっと心配してほしい
本当はもっと一緒にいてほしい
他愛ない話でもいい
そばにいて、隣りで座っていてくれる、それだけで
なんてコトを胸の内で考えてしまう自分に唯は、顔が上気してくるのを感じると、布団で
顔半分を隠してしまう
「汗拭きたいから…部屋から出ていって」
「あ、悪ぃ。じゃ、オレ、帰るから。ホントにムリすんなよ?」
「もうわかったから!」
「なんか食って、あったかくして寝ろよ」
「もう! 結城くんじゃあるまいし、それぐらいちゃんとやるわよっ!!」
「だな…」
リトは苦笑を浮かべるとドアを開け部屋の外に出た
「…ぁ…」
ふいにおとずれる損失感にも似た感触
ポッカリと空いた穴を慌てて埋めるかの様に、唯は声を上げた
「結城くんっ!!」
「ん?」
振り返ったリトはいつもの顔で、いつもの声で
唯は自分の中にある気持ちにあらためて触れる
私…私……
こんなに結城くんの事…
大好きなんだ
もう好きじゃない
それだけじゃ足りないところまできてしまっている
さっきまで触れ合っていた手が、重なっていた身体が、冷たくて、寂しく想える
唯は布団の中で手を握りしめた
「…また……またね、結城くん」
「おう。また、明日な!」
遠ざかる声と、振り返らない背中
今すぐに追いかけて、手を掴んで、抱き付いて、その背中にいっぱい甘えて
でも、そんなことできなくて
また名前…呼んだら……そしたら来てくれるかな…?
結城くんって……
唯は膝を抱えると、その膝にうずめる様に顔を俯かせた
「…また…明日か……。ちょっと永いな…」
そして、リトが帰って一時間あまり―――
熱も収まりどこか足取り軽く階段を下りてきた唯は、リビングにひょいと顔を出した
「あ、お兄ちゃん」
「お! なんだよ"ゆうきくん"はもう帰ったのかよ?」
「うん。もう遅いし、これ以上メイワクかけられないでしょ……って何よ? その顔は」
唯の話しを聞く間、遊の顔はずっとニヤニヤしっぱなしだった
そして、ますます笑みを深くすると、唯に意味深な視線を向ける
「へ〜、メイワクねェ…」
「だから何よっ? 言いたい事があるならはっきり…」
「ちょっと言えば、すぐにでもお前の隣りにアイツの布団敷いてやったのに。ん、それか
もしかして一緒の布団がいいとか?」
「へ…一緒…」
瞬間、頭の中で一緒に寝ているところを想像してしまい、唯の顔が火を噴く
「な、何バカな事言ってんのよ!? そんなのダメに決まってるでしょっ!!」
「へ〜、ホントかよ?」
「あ、当たり前じゃない! 何言ってるのっ」
腰に手を当ててぷんぷんと頬を膨らませる妹に遊は笑みを深くさせた
「ま、お前がそこまで言うならいいんだけどよ。でも、アイツ結構いいヤツじゃん?」
「え?」
「結城リトだよ。お前のカレシの」
「か、かかか、か、カレシ!!?」
顔を沸騰させたみたいに赤くなる唯に、遊はニッと歯を見せて笑った
「ま、正直おまえらがどんな関係なのか知らねーけどよ…」
遊は言葉を一旦止めると、唯の頭にポンっと手を乗せた
「今度、アイツが風邪引いた時は、お前がちゃんと看病してやれよ?」
「え…?」
「好きなんだろ? アイツのことが」
「そ…それは…まぁ…その…」
さっきまでの威勢がウソの様な、急に俯いてゴニョゴニョ口調になる唯に、遊は笑みを浮かべた
それはいつもの"からかい"の混じったモノではない、一人の兄としての笑みだった
「だったらちゃんと看てやらなきゃな! つーかそれだけで男なんてうれしいもんだし!」
「う、うれし……そ、そうなんだ…」
「って当たり前だろ! お前だって今日、アイツが来てうれしかっただろ?」
「…うん…」
顔をほんのりと赤らめながら頷く唯
その頭を遊はやさしく撫でる
「そんで、それが終わったら今度はいっぱい甘えてみろ」
「甘え…どうして?」
「どうしてって……お前、アイツに甘えたくないのかよ? つーか普通、尽くしてやったら今度は自分の番だろ?」
「そ、そんな事っ!? だいたい甘えるとか私……甘えるとか…甘え…」
唯の頭の中では、リトにべったりと寄り添う自分の姿が鮮明に浮かんでいる
そればかりか、甘い声で囁き合い、指を絡ませ、何度もキスをし、そして――――
「……っ!?」
真っ赤に染まったまま俯く唯に遊は"仕方ねェなぁ"と笑みを浮かべると、最後にポンポンと頭をたたく
「ま、お前のペースでいいんじゃねーか? けど、たまには素直になって何でも言ってみ
るのも大事だぜ? いっぱい甘えて、わがまま言って困らせる事もな」
いつものイタズラっぽい仕草の中に、真剣なモノが含まれている事に、唯はハッとなる
(お兄ちゃん…私のこと心配して…)
そういえばいつもより触れる手のぬくもりが温かいような気がする
唯は出かかった文句を喉の奥にしまい込むと、ふっと表情をやわらげた
「…心配なんかしなくたって私たちは大丈夫よ! だからその……と、時々でいいから相談とか…」
「へ〜やっぱオレの言ったとおりじゃん! おまえらいつから付き合ってんだ?」
急にいつもの調子を取り戻した遊に、唯は赤くなったまま声に詰まらせた
「え、え? お…お兄…」
「あ〜…、そーいやまだ言ってなかったよな? 今日、赤飯炊いてもらったぞ! 母さんも
はりきってさ。よかったじゃん! "いろいろ"」
いろいろの部分にわざと含みを持たせる遊に、唯は今度こそ顔を真っ赤にさせながら肩を震わせると、声を張り上げた
「お兄ちゃんのバカッ!! 何考えてるのよっ!」
「んな事でいちいち怒るなよ…。ウルサイ奴」
「うるさいとは何よ! うるさいとはっ! だいたいお兄ちゃんはね…」
「あーあー、わかったわかった。風邪なんだからさっさと寝ろよ…ったく」
唯と遊が古手川家のリビングで、相変わらずなやり取りを繰り広げていた同じ頃――――
「…っくしゅん」
家に帰ったリトは、リビングのソファに座りながらこの日、何度目かになるくしゃみで鼻を啜っていた
さっきから何度、鼻をかんでも一向に鼻水は止まらない
「もしかしてオレ、風邪引いた? ……まさかな…」
その"まさか"がこの数日後、やってくるのだが
それはまた別の話し――――
終わり
本当はもっと原作の最初から、リトが唯の家にやってくるあたりからしたかったのですが
・リトと遊の会話
・熱いお粥を「あ〜ん」して食べさせるとか
そんあお約束も書きたかったんですがむちゃくちゃ長くなってしまって……
次は美柑のSSです。内容はまた看病ものなんですが…、トラブル104「兄妹」のif話しです
…ふぅ GJ
やっぱピロートークがあるほうがいいな
……………ふう……………
なんだこの駄文は、かけらも興奮しないぜ
>>743 >ついに神が降臨なされたッ…!
賢者いくない
復活ッ!
リトと唯、復活ッ!!
リトと唯、復活ッ!!
リトと唯・・・・・・ふぅ・・・
GJでし
おぉっ!乙です!!
自分は未熟者で唯のSSを書くのが苦手なので唯のSSを書ける才能が羨ましいです。
とりあえず美柑か沙姫編の続きを近い内に書けたら書こうかと思います。
待ってました!
GJ!!
次も楽しみにしてます
最近密かに勢いがあるリト×美柑を投下します。
とりあえず前半はエロ無しで。後半も出来る限り今日中に落としたい所です。
ドジで女に奥手なリトには妹である私がついていなくちゃダメだと美柑は思っていた。
ララや春菜とかに戸惑うリトを美柑は傍観する形で見ている。自分はあくまでも傍観者。あくまでもリトの妹。リトと美柑の関係は両親が共働きで家にいない時でもごく普通の兄妹だった。そう。ごく普通の。表面は。表面だけは。
でも年を経るに連れて一方は普通の関係からより近い関係に近付いていた。だがもう一方は本人の意識は関係なしに普通を維持しようとしている。
一方が近付くだけでは真に近付いた事にならない。でも近付くのを塞ぐかのように兄妹の二文字が存在していた。
「はぁ……はぁ……」
結城家の夜。部屋からは少女の喘ぎが聞こえている。
「リト…………リト…リト…」
喘ぎ声の主は美柑だった。いつも大人びていた彼女らしくない嬌声。右手にはリトの下着が握られていた。
「リトの匂いがする……リト……リト……。」
一家の家事の大半を担う彼女にとっては兄の服をこっそり持っていく事は簡単だった。洗濯中にこっそり持っていけばいいからだ。
美柑にとってはリトはただ1人の兄であり……密かに想いを抱いていた。
ずっとリトが好きだった。最近は冷め気味だったその感情は自分
「はぁ……はぁ……。」
美柑がただ行為に浸っていた時だった。
「おーい美柑。さっきから返事がないから開けるぞ……。」
リトが扉を開けた。その瞬間美柑の意識は快楽から現実に急速に引き戻された。そしてリトに半裸のその上Hな自分を見られてしまった事に気付いた。
「うわっ!!ごめん!!」
見てはいけない物を見てしまったリトはすぐさま扉を締めた。
「あ……あ……。」
自分の愛しい人に見られたくないものを見られた。美柑はただ声がでなかった。
「美柑の奴が……まさかあいつにも好きな人がいるって事だよな。」
自室でさっき見た事をなかった事にしようとするがついつい余計な事を考えてしまう。
「あいつに酷い事したかもな……。とりあえず後で謝っておこうか……。」
とリトは考えていた。
「リト……入っていい?」
美柑の声がドアからした。さっきの件の割りには随分と落ち着いている。恥ずかしくなかったのか……?
まぁ本人も余り気にしてないのなら拒む理由はない。リトはドアを開けた。
「リト……さっきは……そのごめんね。」
「えっ?」
突然自分に謝ってきた美柑。自分から謝ろうとしていたのに、しかも悪いのは自分なのに……一体美柑はどうしたのだろうか。
「さ、さっきって……その、あれか?」
遠回しな返事に美柑は小さく首を縦に頷いた。
「リトの前ではいつもの私でいたかったのに……。私ってHだよね……。」
「おい、美柑……一体どうしたんだよ。何かあったのか?」
「あの姿を見られたから……あんたに嘘ついても意味ないよね。」
リトが頭を傾げるのに美柑は一呼吸を置いて言いたい事を口にした。
「……ずっとだまってたけど。私はリトが…好き……本当に好きなの……。」
その言葉をリトはすぐには飲み込めなかった。だがリトが理解する前に美柑はリトが好きだという事を話し続ける。
「私が風邪ひいた時とか……こないだの私が宇宙人に襲われそうな所を助けてくれたりして……私は……リトが好きになっちゃったのかもしれない。
そう…………ずっとずっと前から想っていた事が一気に溢れちゃったのかな……。」
「美柑……。」
思えばリトは美柑をずっと見てきた。美柑が生まれた日から今まで。両親も仕事で忙しい中美柑を一番見てたのは自分だったのかもしれない。
あの頃の美柑はよく自分の側にいて、よく自分を頼っていた。自分も兄として美柑を守ろうと決めていた。
「私とリトは5歳も年が離れているから……私がリトを好きになっても、リトは小さい私を好きになってくれるなんて思ってなかったから……
私は早く大人になりたかったの。背伸びでもいいから大人になりたかった。私が「お兄ちゃん」から「リト」て呼んだり、家事をやるようになったのも……リトに自分が子供じゃないって……でも……。」
どんどん感情が表に出て来る気持ちは美柑自身にも止められない。
「リトが春菜さんを好きだと知って……ショックだった。でも……兄妹同士が付き合えないから……リトに自分だけ見てもらえなんて言えないしリトに迷惑がかかっちゃう……。
だからリトと春菜さんの仲を阻まないように……私は普通に妹としての関係に徹したかった……。
ララさんにだって同じ態度で接していけたけど……いけたけど……。」
溢れ出す感情は遂に決壊した。
「リトが私を助けてくれて、守ってくれて……だらしなくて間抜けなリトが……やっぱり私が頼れる「お兄ちゃん」だから……!!そんなリトが私は……私は好きだから……!!」
リトの胸に美柑は顔を押しつけて、彼に泣き顔を見られないようにした。
「こんな事考えちゃいけないのに……兄妹同士が付き合っちゃダメなのに……リトのせいで……リトのせいで私変になっちゃうよ!!」
リトの胸で美柑は延々と泣き続ける。
「美柑……美柑!!」
「…………リト?」
「顔を上げろ美柑!」
「え…………でも……」
「俺はお前の顔を見たいんだ!」
リトに言われるがままに美柑は涙でぐしょぐしょになった顔を上げた。
「!!」
その瞬間リトは美柑にキスをし、細い腰が折れるくらい強くそして優しく抱き締めた。
恋に奥手なリトがこれほど大胆な行動をしたのは初めてだ。いつもとのギャップに美柑は呆然としていた。
「リ……ト……?」
「ごめんな……美柑……。お前がずっと俺の事をそう想っていたのに気付かなくて……。」
リトは美柑に安心させるような優しい声で話す。
「お前を守ろうとは俺もずっと想っていた。けど…。お前が俺よりもしっかりしてるから……。
お前を守ろうとしていた気持ちが少し色あせてたかもしれない。美柑は1人でやっていけると思っていたから……。」
「リト……。」
「でも、それは俺の勘違いだった。お前には俺がいるし、俺にはお前がいるんだ……。」
「どういう事……?」
美柑の問いにリトは決心したかのように口を開いた。
「……俺は今までどおりお前の兄として、お前を守ってやりたい。そして……お前を幸せにしてやりたい。……お前の男として。」
「え…………で、でも兄妹が恋人になんかなれないし…………。」
リトの言った意味を美柑は理解した。しかし自分のわがままにリトを巻き込みたくはなかった。だから本当は望まない事をリトに訴えようとしたが。
「兄妹が恋人になるのはタブーだって言う事は俺も分かっている。
でも……俺はお前がずっとずっと……春菜ちゃんやララより長く俺を想っていた気持ちに応えたいんだ。そして……背徳感や不安からお前を守りたい、兄として。」
そう言い張るとリトは美柑の耳に囁く。
「お前を幸せにしてやりたい。男として……。」
「リ……ト……。」
リトの強い抱擁に美柑も小さな手でリトを抱き返した。
「リト…………私リトを好きになって良かったと思うよ。……今なら絶対言えるよ。リトが好き。大好きだって……。」
「…………俺もだよ。」
抱き合いながらお互いはキスを交わした。どちらが先に求めたか分からないキスを。
とりあえず前半終了。後半は執筆中で、意地でも今日中に完成させます。
そんなに焦らなくてもw
よく推敲して良い作品をお願いします
わけなくてもまとめてでもよかったと思う
なんだなんだ。美柑ばっかで美柑モノ出せねぇじゃないかwww
書いてる途中だが落ち着くまで他のでも考えるしかないのか・・・。まぁヘタな作品なんて誰も見たくないか。
はいはい誘い受け誘い受け
やっぱ俺なんか…とか言ってさw
く
投下してくれ
一見叩いてるように見えたがよく見て納得した
美柑好きの俺にとっては多ければ多いほど良いんだぜ!
是非投下して頂きたい
あげ&保守
やばい枯れて来た
>>761 わざわざアレの後編だか中編を待つ事も無いんじゃない?
「意地でも今日中に」に対して
>>757があてこすってるんじゃないの?
うわ……肝心な所飛ばしてました。一体俺は何をやっていたんだ……。以下の文章が750と751の間です。これで前編はとりあえず完全版です。
自分が風邪を引いた時、自分が宇宙人に襲われた時、リトは自分を守ってくれた。その時から再び好きという感情が呼び覚まされた。その時から美柑は兄の物で自分を慰めるようになった。達する事を知ったのもこの時からだった。
普通だったら自分はリトに気持ちを伝えていたかもしれない。
でも出来ない。何故なら……二人は実の兄妹だったからだ。
兄妹は付き合う事をタブーと見なされる。
何で自分はリトの妹なんだろう。物心ついた時からずっとリトを見てきたのに、好きという気持ちはララや春菜に負けないのに。
でも妹は婚約者にも思いをはせているクラスメイトにもなれないのだ。
だから今の自分はただ兄の分身で自分を慰める事が精一杯なのだ。
今から後編をあげます。何故か今回はついつい焦ってしまいました。落ち着かなくては……。
「ねぇ……リト……。」
しばらくキスの余韻に浸っていた美柑だがリトに甘えるような口調でねだってきた。
「あの……その……ね?」
「どうしたんだ……美柑。」
上目遣いでねだってくる美柑を前にしても、リトのやはり鈍感な所は変わらないものである。
「もう!分かんないの!?全く本当にリトは鈍感だよ!!」
「ちょっと……一体何か何を……。」
いつもの態度に戻った美柑はリトの手を強引に持ってきて自分の秘所に当ててきた。
「ぬ……濡れてる…………。」
「………………。」
自分の大切な所など当たり前だが今まで誰にも触らせていない。今初めて人にそこを触らせているのだ。美柑の顔は当たり前だが耳まで赤く、リトの視線に合わないように顔をそっぽ向いていた。
「もう……分かんないの?あたしが濡らしているのはリトのせいだよ。ずっと濡らしたら自分で処理してた。でも……。」
上目遣いのまま美柑はリトにねだる。恥じらいつつも。
「今は……リトに……シテほしい……。」
「…………!!」
その言葉の意味くらいはリトには分かっていた。だが美柑をこの先へ本当に後戻りできない場所へ引き込んでしまう事をしてしまうのだ。
「美柑……お前の気持ちは嬉しいけど……。」
「リト、あたしを子供と想ってるでしょ?」
その先への躊躇するリトに美柑は皮肉めいた事を言う。
「あたしは早く大人になりたい……。背伸びしても……。後戻りなんかできなくてもいい。リトの手で大人にしてもらえるなら……背伸びじゃない本当の大人にしてもらえるなら…………あたし、怖くないよ。」
「美柑……。」
これ以上彼女を止めるような事を言っても意味がない。それに自分に一途な想いを抱いていた美柑の気持ちを傷つけたくはなかった。もう立場なんか気にしている場合ではなかった。
「リト…………。」
「凄い濡れてるぞ美柑……。」
「バカ……恥ずかしい事言わないでよ。それに見てるだけでなく早く入れてよ。」
リトの目の前にはパジャマのズボンと濡れたいちごパンツを脱いだ、まだ産毛すら生えてない割れ目があった。幼い頃に見た事はあれど、触った事は決してなかった美柑の大事な所に指を入れた。
「あぁ……あん……。」
「美柑……俺がこんな事するの初めてだけどさ……気持ちいいか?」
「うん……。」
リトの愛撫は初めてとの事もあってぎこちないものだった。しかし、自分が想ってきた人がしてるだけで美柑は十分に感じてきた。その感度は徐々に目に見えるほど激しい物になってきた。
「あっ、あんっ!りと……気持ちよ過ぎて……あんっ! あうっ、あんっ!」
「気持ちよ過ぎて……どうしたんだ?」
「やっ! おかしくなっちゃっ! あっ、ぁあっ……あんっ! ふぁっ、あぁん!」
「なら……止める?」
「バカ!止めないでぇっ……ふぁぁぁっ!あぁん、焦らさないでぇ!!」
普段の美柑とは思えないくらいはしたなくも悩ましい嬌声を上げ、リトもまた普段の奥手な面がなりを潜めたかのように男の本性が浮かび出ていた。
そして、愛撫が佳境に差し掛かってきた。
「ダメダメダメ!もうあたし……ふぁ、あぁーーーーっっ!!」
愛しい人の愛撫に彼女は震えながらベッドに体を沈めた。 そして彼女が悶えながらベッドに倒れた姿を見てリトは理性を取り戻した。
「ご、ごめん美柑!なんか……その夢中になりすぎて……。」
慌てて弁明するリトに美柑はいつものようにやや呆れ気味の口調で返す。
「はぁ〜。全くリトは本当奥手ねぇ。別にあたしは何度かイッてたから大丈夫よ。ただ……。」
「ん…………うわっ!」
そういいながらリトの見事なくらい立ったテントに手を添える。
「リトにやってもらえたから……あたしはいつもより気持ち良かった。ここまで気持ち良くなれたのもリトだからだよ……。」
「美柑……。」
自分を前に微笑む美柑につい口元が綻んでしまう。だがその瞬間だった。
「うわっ……ちょっ、美柑!!」
一瞬の隙をついてリトのズボンが下着ごと下ろされた。ズボンに隠されていたそそり立つ肉棒が外の空気に触れた。「ここまであたしを虜にしてしまったから……責任とってよね……ちゃんと最後まで……。」
いつもの口振りには照れが見え隠れしている。そして彼女が言いたい事が、して欲しい事が何なのかはリトにも理解できた。
「いいのか!?本当にするぞ!?」
「リト……あたしとリトは恋人なんだよ……拒むわけないじゃない。」
美柑の一言が行為をためらっていたリトの背中を押す事になった。
触っていた時よりも濡れていた大事な所に自分の肉棒を当てる。その時の美柑は赤くなりながらも真摯な想いを抱いて自分の方を見ていた。
“早く入れて。私は大丈夫だから、お願い。“
そんな想いが伝わってくるように見つめる美柑の想いを無駄には出来ない。ここまで来たら後は前に進むしかない。
リトは一息付いて、勢いよく中に入れた。
「んんっ…」
自分の膣にリトの肉棒が物凄い勢いで突っ込んでいく感覚に、声が漏れる。そして
「あ、あ、ああああっ……!」
処女を失った痛みに、美柑が顔をゆがめ、シーツを固く握りしめる。
“大丈夫か?“と声を掛けたかった。でも自分を受け入れてくれる美柑を信じたかった。
“ここまで来て止めるくらいなら突き抜けてしまえ。“
思考回路が麻痺していたのかもしれないがリトは彼女を信じて自分の想いの塊を勢いよく美柑にぶつけた。
そして肉棒を1/4ほど残したけれども、美柑の膣に空白なしで収まった。
「美柑……。全部、入ったよ……。」
「うん……あたしの中にリトがいる。動いていいよ。」
痛みに瞳を潤ませながらも自分にだけにしか見せないような恍惚とした表情を見せる美柑。
自分を受け入れた彼女がただ愛しくて、リトは彼女の期待に応えるように腰を激しく動かした。
「あん……!あぁ……!気持ちいいよリト!もっとして!!」「言われなくても分かってる……!!お前の中すごく気持ちいいから!!」
肉棒を出入りさせると美柑が快感に悶え、リトもまた快感に浸る。お互いの腰が激しくぶつかり結合部からは愛液が泡立ち、溢れ、シーツを濡らす。
「ふぁぁっ!ふぁぁぁん! リトっリト!!」
「美柑……美柑……!!」
「リト! 好きだよ! 大好きだよ! リト!!」
「美柑……!!」
幼い頃に自分を慕ってくれた美柑は自分を大好きだと言ってくれた。そして今、自分に純真な想いをぶつけてくれる美柑の“大好き“という言葉がリトの心の琴線を震わせる。
「俺も……好きだ!大好きだ!!」
「リト……!!」
お互いが理性を失い快楽を求めて抱き合う。
だが快楽に長時間耐えられるほど人間は出来ていない。
無情にも全てを解き放つ時間が迫り、リトに少しばかりの理性が戻ってくる。
「やばい……美柑……出る!!」
何も装着してない自分が中に出すなど危険すぎる。
リトは美柑に離れる事を促した。
だが彼女は足を腰に絡めて離れようとはしない。
「やばい!もうダメだ……!!」
ついに自分は全てをぶちまけた。同じ血を引いた遺伝子を美柑に勢いよくぶちまけたのだ。
「なぁ……美柑。何で離れなかったんだ。」
「いいじゃない……だって一度くらいは中でリトのを感じたかったんだから。」
あの行為からしばらくして落ち着きを取り戻した2人はいつものような会話をベッドで続ける。
「あのな……お前妊娠でもしたらどうするんだよ?」
「あら、あたしはリトとの赤ちゃんが欲しいな〜♪」
「な……何だって……!?」
美柑の一言はリトを慌てさせる。相変わらず女に慣れないリトを美柑は小悪魔のように微笑んでいた。でも。
(ありがとう……リト……やっぱリトは頼れるお兄ちゃんだったし……今は自慢の彼氏だよ……。)
その想いをしみじみと実感しつつも美柑はいつものようにリトをからかう。
「全く……リトって本当に女が苦手よね。いつもあたしがリトの相手になってあげようかな?」
「何……!?」
それからいつものような日常がまた始まった。兄妹もいつものような関係だった。表向きは。
一方はいつものように近付けてくる。そして……もう一方も近付くようになった。
あの日は2人にとってお互いが近付いた記念すべき瞬間だったのだ。
以上で終了です。なんか作品を書くとついつい焦ってしまいます……。反省。
とりあえず次こそは沙姫編の続きを書くつもりが、その一方で凛×綾、理沙×未央(これは不向きか?)を構想中だったりしますがとにかく焦らず自分なりに投下できたらいいなと思う所です。
大事な事を忘れてました。
よく考えたら美柑の一人称って「私」か「あたし」のどっちなんでしょうか……。
前編は「私」ですが、たまたま見たSSで「あたし」だったので後編は「あたし」にしてしまいました……。
まとめサイトに上がったら統一しなければ……。
何と言うか……もう少し国語の勉強をした方がいいんじゃない?
途中で読む気が失せてしまったよ
精進して下さい 激励の意味も込めて乙
>>775 書き手はもっと大事にしたげてもいいかも
打たれ強いとは限らないし
あれだけ文法が明らかにおかしいのは指摘した方が本人の為だと思ったんだけどねぇ
すごいショック……前2作と同じノリで書いてたのにそこまで駄文だったとは全く気付きませんでした。
作者としては美柑編をまとめサイトに載せないでください……。どうせ否定意見しかない作品なんか見たくもありませんし、他人が見たいとも思えないので……。
今は猛省します。でも正直自信を無くしたのは事実なのでひょっとしたらもう筆を置こうかとも思っています……。
>>777 人に物教えるつもりなら、叩くだけじゃなく褒めるところも褒めてやらんと。
ここはプロ育成する場所じゃないんだから、そういうのは職人を減らす一因になるだけだよ。
ちなみに俺は萌えた。こういうシチュエーションは好きだ。
ああそうそう。一つ言い忘れ。
>>778 センスは個人が生まれ持った資質の比重が多いから、伸ばそうと思ってもなかなか伸びない。
けど日本語力とか文章力とかは、意識しながら数書いてれば上達する。
継続は力なりってやつ。本気でやめる気なら止めないけど、そこんとこもう一度よく考えてみれ。
そうかなぁ。そんなに駄文には見えなかったけど……
まあ推敲の余地はなかったと言うとそれは確かにウソになるけど。
批判するのは簡単だが誉めるのは難しい
批判しかしない上司は役にたたない上司だ
文章がおかしいって言うのなら誰にでも出来るんだからそこまで言うんだったら
何レス目の○○とかに代表されるようにこういうところは××の方が表現としては正しい
とか言ったほうがいいと思うよ。あくまで文章としての体を為すような校正を。
まぁもうちょい推敲に時間かけたほうがいいかも。
三点リーダを少し多用しすぎかな?読点で済むところは読点の方がすっきりするかも。
あ、追記
基本SSではシチュエーションに重きを置いてるので美味しかったです。
ぶっちゃけ生みの苦しみのない自分みたいなのがgdgd言ってもただの戯言なので。
0から作り出すほうが大変なんですし気に病むことはないと思います。
出来上がったものにケチつけるのは簡単ですがそれを0から作れと言われても自分じゃ無理でしょうし。
心配させるような事を書いてしまってすいませんでした……。軽はずみな事はもう差し控えます。
前言撤回してもう一度再起します。いつになるかは分かりませんが焦らずに投下していこうかと思います。
>784
どれも等しくGJさ!!
何が悪いかわからんかったなぁ。
とりあえず地の文に話し言葉が入ってるのを直せばいいんじゃないか
あと難しい言い回しとかしなくても、自然な言葉で書けばいいと思う
わかんないけど
>>784 すげぇウザイ。
少し指摘されたくらいで、凄いショックだったとか、もう書かないとか何様のつもりだ?
焦って推敲出来なかっただの、言い訳がましいやつが被害妄想に捕われるのは性質が悪い。
というか今さらだけど、
>>778 前二作って何だ?
トリップ付けてコテハンにしたほうが作品も保管庫で纏めやすそうだな。
基本どこが悪いか言えてない意見はスルーでいいと思う。
そろそろ容量的に次スレを考える時期かな?
短いならあと1作品。長いなら途中で次スレって感じだろうか。
>>788 おいおい、作品をあげれない奴が、作品あげてる奴をウザいとか叩くのはやめようぜ。お前のせいでまた書かないとか言い出したらどうするんだ。少なくとも作品をあげれない奴がそんな事言うのは失礼だな。
それはそうと、前2作は恐らく沙姫、ルンの事か?多分作品書いてから日が浅いと思うのだが。
まぁ反省してても軽々しくすごいショックとか書くのはもうやめようぜ。住人の同情を誘ってるみたいだからさ。
794 :
776:2008/11/04(火) 01:44:23 ID:IlDbWGNA
>>778の反応を見ると
前編後編にわけてることさえ、好意的なレスを
1度でなく2度ほしかったレス乞食に見えてしまう…
思いっきり慰め待ちモードだもんな
言外に思いっきり否定的レス拒絶のための脅しを込めてるし
予想外に叩かれて動揺したのかもしれんが
もうすこし態度は気をつけないと、作品がもったいないよ
まぁコテトリつけてないし日付代わってるからそれを証明する手立てはないんだけどね。
勝手に人のレス番語るのはレス乞食以上の屑だと思うな
なんで騙ったことになってるんだろう
その上断定して屑呼ばわりとは思考回路が理解できない
ふだん騙りをやりつけててそういう発想がうかぶのかなぁ…?
全ておかまいなしで叩きたくてたまらないほど身に覚えがあったとか?
どこのスレにも叩くだけの人はいるものだよ…スルーが一番
>>784の書き手さんへ
よく思うんだが『もう投下しない』というのなら分かるんだが『もう書かない』ってのは何で?
発表の場は他にもあるし、発表しなくても自分だけの楽しみとして書けばいいじゃん
スルーされたり評価が微妙だとすぐ、もう書かないだの、構ってちゃんな事言いだす人がいるが不思議でならない。大人の板なのにw
文才の無さ、泣き言、すぐさま前言を翻すいい加減さ…最初はスルーしてた人も叩きたくなるわなぁ
多分、
>>784はキレたんだと思う。
頑張って作品書いて投下しても「また唯か」と言われ
様子を見るために自重していたら「そろそろ書けよ」と言われ
いざ作品を投下したら「日本語でおk」と言われ...
俺が職人の立場だったら絶対に投下しないな。というか書く気にすらなれないだろう。
けどそれでも、筆を置こうかとも『思っています』と書き込むのはやっぱり別問題だし軽率な発言だと思う。
それこそ
>>788の言うとおりだ。
職人なんだから、もっと確固とした自我を持って臨むべき。
俺は貴方の書く唯の作品が好きだから、これからも頑張って欲しい。
え?リトと唯の人じゃないでしょ?サキのPSP後日談とルンの青姦の人だよね?
ここってそんな大層なもんじゃないだろう。
二次創作なんだぜ。自分で取捨選択して満足しろよ。
>>801 それがいいんだけど一々読み手が口出しすぎだよね。
推敲は確かにしたほうがいいけどここは基本的に誰書こうとか自由なんだし
また誰々かよとか言うなら自分でSSサイト探してそこに篭ってればいいのに。
文句つけるくらいなら読まなきゃいいだけ。編集気取りが多すぎ。
803 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:16:17 ID:clWwQKxi
禿同
楽しく読んだり、リクエストしたりするところだと思う
書かせてもらってる、読ませてもらってるって考えればいいんじゃないかな
なんだかんだ言って
>>785が一番的確だとおもうのだが・・・
805 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 00:42:50 ID:VI7Qfory
とにかく、作品が投下されたらまずはお礼やら激励の言葉(?)とかが先なんじゃない?
それから指摘やらなんなりするのが読み手の筋なんじゃないのかな?
書き手の人も自分の時間を削って書いてくれてるんだからさ。否定的な事しか言われなかったら、そりゃやる気なくすだろ
とりあえず俺は、
>>788に何様のつもりだ?と問いたい
まぁそういうどっかが変な輩は置いといてそろそろ次スレの季節ですね。
それこそ合わないと思ったらスルーして感想書かなければいいだけなんだから。
ネット上で情報の取捨選択が重要なのは今更言うことじゃないしね。
>>799 リトと唯の人じゃないぞ
いったいどこから出てきたのかとw
もう一度スレを読み返すんだ
>>805 書き手も読み手も、もうちょっと丁寧に書き込んだら
それだけでも大分違うと思う
>>807 どっかで見たけど
書き上げる→一晩寝かす→推敲する→1週間寝かす→読み返す→推敲する→決定稿にするか考える
みたいなことが書いてあった。
書き込む前に読み返すくらいの心のゆとりを持ったほうがいいよね。
キレやすかったりかまってもらいたがりな書き手が叩かれると
過剰擁護→事態が落ちつかない→荒れ続ける が多いな
淡々としてて作品もいい書き手が叩かれても
スルーされるだけだったり、上手にあしらったりでイザコザが残らないことが多い
なぜかそういう傾向がある
>>809 はいはい、そういうのはもういいから、ね。
この流れじゃ書き手も作品投下しづらいんじゃない?
と、荒らしてしまった張本人が言ってみたり
次スレは鬼畜が増えるといいな、と密かに願うぜ
じゃあ俺は春菜とリトの甘々な作品を願うよ
>>810 自覚や反省がないと
せっかく場をつくろって仕切り直して雰囲気戻しても
繰り返しになっちゃうからなぁ…
815 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 02:00:07 ID:OYE6YDUN
test
> せっかく場をつくろって仕切り直して雰囲気戻しても
それに気づいてるなら何故今更また蒸し返す必要があるのか反省してみましょう。
思ったことは言えばいいってもんじゃないんだ。
数十レスくらい付いたんだから書き手に対しては今更言わなくても大丈夫でしょ?
それこそ
>>802-805の流れでいいんじゃない?あくまで書き手がいないと成立しないんだから。
うわ、ごめんなさい。某アドオンを通して書き込んでも弾かれてしまうらしいのでいったん無効にしたら書き込めるかと思い試してみたのですが、そのときsage設定が外れることを失念していました。
書き込めることはとにかく分かったので、まだ少し書き足す必要はあるのですが、近いうちにss投下しますとだけ。初投稿です。
輪姦モノってSSで書くの難しいんだな
他スレでとらぶるの凌辱物を読んだが、ここでも読みたかったりする俺がいる
昨日ageた者です。
一部にて打ち切りとか噂があるらしいので、ずっとほったらかしだった掌編を最近明らかになった設定とちょっとだけ平仄を合わせて投下。3章編成(のつもり)。
1.
「――なさい……」
まどろみの中で、最愛の人のくぐもった悲痛な声を聞いた。目は見えない。けれど、彼女が泣いているのは分かった。
「――んなさい、リト」
泣くなよ、似合わないから。そう言いたかったけど声が出ない。抱きしめてあげたいのに、腕を動かすこともできない。
似合わないって?
「ごめんなさい■■」
耳までおかしくなったらしい。耳障りなノイズが頭の中に響いて、彼女が言おうとした最後の名前をかき消した。
俺はふたたび泥のような眠りのなかに沈んだ。その中でふと疑問に思った。あれは一体誰だったのだろうと。
やがて意識がまっ黒に塗りつぶされた。
◆
「あ、リト。起きた?」
そう言われて目を開けると、ララが真正面からこちらを覗きこんでいた。一瞬自分の立場が分からなくなり、記憶を辿る。
まず、ここは遊園地だ。先月完成を見たばかりの新しいテーマ・パークで、広告を見たララにせがまれて来ることになった。
美柑は用事があるといって来なかった。本当かどうかは知らない。
敷地内はかなり広大だった。入園前からララのテンションは下がることを知らず、俺は朝から夕方までずっと振り回されっぱなしだった。
最後に乗ったのは俺の少し苦手ないわゆる絶叫系というやつで、流石にへとへとになり、少しベンチで休もうということになった。
それでララが売店で食べものを買ってくるといって……。
「……ああ。そのまま寝ちゃったのか」
「そーだよ。帰ってきたらリト、ベンチに横になってるんだもん。倒れちゃったのかと思って心配したんだから」
ララはそう言って、少し頬を膨らませた。
夕陽を柔らかく反射して、ピンク色の髪が垂れ下がる。それをなんとなく弄りながら、思わず笑ってしまう。なんて平和なんだろう。……垂れ下がる?
寝惚けた頭が一瞬で覚醒した。
「お前、膝枕……!?」
慌てて起き上がろうとすると、肩を押されて元の位置に戻された。
「だーめ。私を心配させた罰。リトはもうすこしこのまま寝てること」
「いや、ララ、それはちょっと――」
「……寝てて」
……その顔は反則だ。何も言い返せなくなる。
結局俺はそのまま衆人環境ではカップルですらやらないような行為を続けることになった。寝ているときはずっとこうだったのだから、今更なことではあったが。
「リト、ホット・ドッグ食べる? 少し冷めちゃったけど、美味しいよ」
思考停止に陥って10分ほど経ったころ(実際にその数字を時計で確認して信じられない気持ちになったけれど)ララが言った。
「……腹は空いてるけど。そうするにはとりあえず起き上がんねーとな」
「むー」
「ほら。もういいだろ」
そういって起き上がった。ララの無言の抗議と自分の名残惜しい気持ちに気づかないふりをして。
冷めたホット・ドッグを頬張っていると、ララが心配そうに訊ねてきた。
「ねえリト、本当に大丈夫? 寝てるとき、なんだか苦しそうな顔してたけど。悪い夢でも見てたの?」
ああ、それで俺が起きるのを止めようとしたとき変に強情だったのか。まあそうはいっても心当たりなんてない。
起きてすぐならともかく、起き抜けにあんなサプライズがあっては夢の内容なんてもう朧だ。
「いや……覚えてねーな。まあ大したことないよ、覚えてないってことは」
「そっか。うん、それなら良かった」
ララは失意や落胆を隠すのが、意外なほど上手い。物事に悲劇的な解釈を抱くことなどありえないと、単に不運に鈍感なだけなのだと周囲に思わせることが。
実際、ララがやや常識外れであることを差し引いても、ララほど迅速に不運の傷を癒し新たに行動のできる人間を、俺はほかに知らない。
それでも初めから何も傷つかないわけではない。
だからララがときおり見せるあの微かな悲哀を孕んだ微笑に気づいてからは、俺はどこか危ういものを見せられているようで、いつも何もいえなくなってしまった。
俺のそういった反応を、ララ自身は望んでいないように見えたけど。
◆
一月前、ララがデビルークにいったん帰省することになった。かなり唐突な出来事だった。
暗にほとんど有無を言わせないという意味の仰々しさがあり、ララのささやかな抵抗は初めから勝ち目がなかった。
里帰りといえば普通だし、ララはすぐ帰ってくるねと笑っていたけど、俺はどうしても動揺を隠せなかった。そこに潜む深刻さに、美柑でさえ気づかなかった。
ザスティンによると、ララの親父、ギドはララの不在の理由として、ララがある想い人の気を惹くことに腐心しているとあえて公にしていた。
反体制派や王位の後釜を狙う連中に、それがジェスチャーだと思いこませるために。
ララの滞在先は公にされないものの、それを突き止めるのは権力者ならそんなに難しいことじゃない。
ララの親父は地球の知的水準の低さが誇張されるよう、暗に情報操作していた。
『未開の惑星人』である俺がララの寵愛を受けているという事実を、いかにもありえないと思えるように。
破綻は初めから予定されていたことで、それを迎えるのがいつになるかというだけの問題だった。
◆
初めこそ疎ましく思ったものの、ララのいない生活が今ではほとんど考えられなくなってしまったことは、認めるしかない。ララのことが好きだということも。
かつては、ララへの愛情の半分は家族に対して感じるそれにすぎないと思いこもうとしていた。
今でもその考えはときどき頭をよぎり、俺はいまだにそれを確信をもって退けられない。
それは本当かもしれない。違うかもしれない。そんなのは言葉を弄しているだけで、本質的な隔たりなんてないのかもしれない。
それでも春菜ちゃんが好きだという事実は変わりようがなかった。好きな人を忘れられるのは、憎しみがそれを上回ったときだけだ。
2人の女性が同時に好きだという、とても矛盾して聞こえる感情。優柔不断で利己的で、俺の欠点はいくらでも見つかるけれど、不正直にだけはなりたくなかった。
そして、今と変わらない関係を永遠に続けることは不可能だ。たとえ関わる人間の全てがそれを望んでいたとしても。それがこの1年で俺が学んだことの一つだった。
せめて自分がありえないほどの鈍感さを装い続けていられるうちに、ララが錯覚に気づいてくれたらと願った。
分不相応な幸せと絶望は、与えるのも与えられるのもひどく重たい。
以上。今読み返すとなんかあれなので、次章からもう少し萌え分挿入するべく努力します。
アドオンないとプレビュー出なくてこわいよ……。
>>826 乙!
これはまだプロローグといったところかな?
この後、どうなっていくのか展開が気になる
展開気になるなぁー
そう思わせるって事は上手いんだろうなぁー
すげー
リトララと見てよろしいんでしょうか
序章はシリアスな雰囲気ですね
表現とかすごく参考になります
続き期待してます
830 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 04:02:25 ID:ju0BhI5U
お
ば
ま
大
統
835 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 16:11:55 ID:/s/M2+7T
領
なにやってんだww
ワロタwwww
あれ?
声が
出ない・・・
おくれて
くるよ
だろ
さてラコスポの逆襲の続編はまだかね
ヤミ金!ヤミ金!
貸した金返せよ〜♪
845 :
820:2008/11/09(日) 21:51:21 ID:Wmcgq6Zy
まずはレスくれた人たちに有難うございます、と。
予想外に長くなりそうで気が遠くなっています。
>>829 リト春菜かもしれない。少なくとも次章は。
846 :
820:2008/11/10(月) 00:29:10 ID:8JvQWkjz
書けたので、懲りずに2章目投下。
847 :
820:2008/11/10(月) 00:30:19 ID:8JvQWkjz
2.
夢を見ている。短い夢。
見覚えのない建物の階段を登っている。夢だから細部は靄がかかったように灰色で、不明瞭だ。
全ての段差を登りきって、側の椅子に座っている誰かに気づいた。
逆光のせいでその顔は判らず、ひどく暗い影を落として背景に浮かぶ姿は容易に喪を連想させた。
「どうしてここに」
抑揚のない声で、彼女(そう見えた)が訊ねた。
答えることはできたけれど、口にすれば一番傷つけたくなかった人を傷つけてしまう気がして、俺は黙って歩を進めた。
予想通りに、唐突に高揚感を感じて世界が移ろう。
目の覚める予感があったのに終わるはずの夢はまだ続いていて、俺は軽く気を落とす。夢でまで一番わかりやすい解決法が使えないなんて。
さっきより遥かに濃い灰色が足下に渦巻く。地平線はぼやけている。他に何も感じない。
頭の中でさっきの質問がリフレインする。
わからない、これが間違ってて俺に非があることくらい分かる。でも、じゃあ俺はどうすればよかったんだろう?
突然、彼女の声が響いた。
「リトは悪くないよ」
それはどこから届いたのか、あるいはさっきのペルソナが発したのか。とにかくひどく驚いて、彼女の姿を探して振り向いた。
そこで何故か俺はバランスを崩し、ついでに世界もバランスを崩して夢は終わりを告げた。
それがもっともたちの悪いたぐいの悪夢だったのだと、そのときは気づかなかった。
◆
848 :
820:2008/11/10(月) 00:31:10 ID:8JvQWkjz
「あの、結城くん。ちょっといいかな」
ララが家を空けて数日後、考え事をしていて何となく教室に残っていると、春菜ちゃんに声をかけられた。
ララが来てから少し前まで日常の刺激が強すぎて、こんな状況でも昔ほどあからさまに動揺することは少なくなった。それが良いのか悪いのかは分からないけれど。
春菜ちゃんが続ける。
「今度の学祭で観る映画のことなんだけど」
ああ、うちのクラスが担当するやつ。先週のホーム・ルームで2本に絞ったところで鐘が鳴って、委員長の春菜ちゃんにあとは一任することになったんだっけ。
「うん。それで?」
「えっとね。私どっちの作品も知らなくて、お姉ちゃんにDVDを両方借りてもらったの。それで始めのさわりだけでも観てから決めようかなって」
真面目だ。そんなの、適当に決めちゃっていいのに。
「でも委員会の仕事が長引いちゃって。今から教室のスクリーンを借りるんだけど……」
「ああ。用事があるわけじゃないし、邪魔だったら帰るよ」
一応、そう言ってみた。
「ち、違うの。そうじゃなくて、その……結城くんが良かったら一緒にどうかと思って」
「あ、もちろん喜んで」
降って湧いた幸運に心の中でガッツポーズをとりながら、俺は春菜ちゃんのプロジェクターの準備を手伝った。
準備が終わり、あとはボタンを押すだけになった。遮光カーテンから洩れる夕暮れ前の淡紅の光が、暗闇に幽かに漂う。
初めに見たのは恋愛ものとアクションものが半々に混じったものだった。設定自体はありふれた、演出効果を巧みに使った作品で、カップル受けが良さそうだった。
どちらかというと縁がないほうのうちの男子連中は、ストレス溜めるかもな……ぼんやりとそんなことを考えて、ふと、今の自分自身の状況に思いあたって
何となく気恥ずかしくなり、春菜ちゃんのほうを振り向くと、同じタイミングで似たようなことを考えたのかもしれない。微妙な空気になった。
場面が一段落したところで春菜ちゃんが切り出した。
「……そろそろ、次を観ようか」
「え? あ。そうだね」
動揺して、すこし裏返った声をだしてしまう。それをごまかすようにもう一つのDVDをケースから取り出した。
さっきとはうってかわった、おどろおどろしい装丁が目に飛び込んできた。煽り文句を読む。“絶対的悪夢の戦慄すべき象徴!!”
「……ホラー?」
「え?」
◆
849 :
820:2008/11/10(月) 00:31:56 ID:8JvQWkjz
「西連寺、大丈夫?」
「だいじょうぶ……」
お静ちゃんの存在は、春菜ちゃんの幽霊恐怖症をあまり治せなかったらしい。春菜ちゃんは明らかに大丈夫じゃない顔色をしていて、俺はマンションまで送っていくことにした。
周囲は夕焼けに染まって朱一色だ。あと1時間もすれば完全に日が落ちるだろう。
結局春菜ちゃんはよくわからない義務感からか、幕開けがいきなり女性の断末魔ではじまる悪趣味な作品をたっぷり15分堪能した。
俺が隣にいたせいもあるかもしれない。一人ならそもそも観ようとしなかったはずだ。そう考えると変に申し訳ない気持ちがした。観る順番がせめて逆なら良かったんだろうけど。
「ここで良かったんだっけ、西連寺の住んでるとこって」
「ありがと、結城くん……本当にもう大丈夫だから」
「あんまりそうは見えないんだけど……。誰か家に人は?」
「お姉ちゃんが……あ」
「? えーと……じゃ、お大事に」
まだ不安だったけれど、これ以上してあげられることも考えつかない。俺は踵を返そうとした。
二歩目が地面につく前に何か引っかかったような抵抗を感じた。振り返ると、春菜ちゃんに裾をつかまれていた。
「さ、西連寺?」
「え? あっ……え、えっと結城くん。お茶でも飲んでいってくれない、かな? その、送ってくれたお礼……ってほどお構いできないけど」
一瞬で様々なことが脳裏を駆け巡った。
半分はただ嬉しかったけれど、逆に不安な気持ちがネガティヴな可能性をいくつもでっちあげていた。
もしかしたらこれはリップ・サービスで、歯切れが悪いのは俺が断るのを期待しているのかもしれない……とか。
そして、何の覚悟もなしにいきなり想い人の部屋に平静で上がりこむような度胸は、俺にはそもそもなかったことに気がついた。
春菜ちゃんに裾をつかまれている状況にまともな判断力が奪われて、いちばんあり得そうな可能性には、何故か頭が回らなかった。断ったあとの壮絶な後悔も。
「いや、あの……悪いよ。突然お邪魔しちゃ。それに大したことはしてな――」
最後まで言い切る前に、ぎゅっと握ったままの春菜ちゃんの右手の力が強くなった。
「お願い……少しいてくれるだけで良いから……」
涙声になりながら上目遣いでそう言われ、一瞬でさっきとは比べ物にならないくらい頭が真っ白になった。どんな脅迫よりそれは効果があった。
結局どもりながら了解の生返事をするのが精一杯で、俺はそのまま春菜ちゃんの部屋まで招かれることになった。
春菜ちゃんの右手は、俺が指摘するまでずっとそのままだった。
850 :
820:2008/11/10(月) 00:33:25 ID:8JvQWkjz
以上。冒頭は要らなかったかな……分かりづらいし。
遅筆と時間をあまり取れないせいで、文量が増えません……。
お休みなさい。
851 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 01:29:18 ID:unXwSpDv
一番槍ぃぃぃぃ良いと思うよ続きに期待
今週のモモのあれはフラグ…?
美柑ですらフラグ立つ漫画ですから
ナナのストライプのパンチラとマンチラは神だな
モモはルンと違いガチの腹黒っぽいよな
腹黒が本気で惚れる展開はいい
一歩間違えると病みそうだけど
姉妹丼なら病まないってばっちゃが言ってた
病まない女はないってばっちゃが言ってた
恋自体を病と呼んだりするしな。
>>850 いいよいいよー、久しぶりに春菜物見たけどやっぱ好きだわ
続き楽しみに待ってます
ToLOVEるSTYLINGってのをこないだからずっと買ってんだが
他の全てが当たってるのに春菜だけがいつまでも当たらない
春菜が一番好きなのに
服装的にララonペケとヤミが重量はトップ2
一番軽いのが美柑、僅差で春菜、中間が制服ララ
だと読んで買ってるんだが
軽いと思った箱で二度もヤミが当たってたりして
もう全然当たる気がしない
つかヤミでこの軽さだったら、二番目に重かったアレは
一体誰なんだ?
誰か春菜を当てる知恵を授けてくれ
ヤミと美柑のダブルロリが無駄に二体ずつダブってやがる(ノ_;)
>>860 あやまれ。
ヤミたんが出ればそれでいいやと思って買っていって、
7箱も買ったのに結局ヤミたん出なくて落ち込んで帰路に着いた俺にあやまれ!
春奈なら1つ出ました。もうほんと、交換したいくらいだよ。
というか交換してください。
ここで生まれたアッー友情
864 :
860@自宅:2008/11/12(水) 22:03:51 ID:0CckMtL9
>>862 是非
これ以上はスレチだから、捨てアド晒しときます
そちらも捨てアドで結構なんで、連絡下さい
いやマジで切実に
↓
[email protected] どうでも良いけど、このURL直接メ欄に入れたら「長過ぎる」って表示された
そんな長いかな、コレ……
おま…充分スレチな気が…
だからってどこでやるんだと言われたら分からんが
867 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 16:35:05 ID:ruG5ZpNx
体は 剣で 出来ている
I am the bone of my sword.
血潮は鉄で 心は硝子
Steel is my body,and fire is my blood.
幾たびの戦場を越えて不敗
I have created over a thousand blades.
ただの一度も敗走はなく
Unknown to Death.
ただの一度も理解されない
Nor known to Life.
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う
Have withstood pain to create many weapons.
故に、生涯に意味はなく
Yet,those hands will never hold anything.
その体は きっと剣で出来ていた
So as I pray,unlimited blade works.
868 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 01:44:39 ID:qqRhybXP
↑なんぞこれww
ふぁては文学
型月関係のスレへのレスが誤爆した感じだな。
この文は和訳と英訳の対比が面白い
あくまでふいんきを味わうものだからな
多分誤爆じゃなくてコピペ荒らし。この板でも偶に見かける。
ネタにマジレスカコワルイ
マジだったら笑うが
俺はどういう反応すればよかったんだ?
アォーーンで良かったと思うよ^^
美柑マダー?
878 :
820:2008/11/16(日) 00:55:32 ID:99FoIrz1
設定や世界観は好きで、あれほど勢いのある文章を書けることを羨ましいとも思い、しかし敢えて言いますが、Fateは文学じゃないです。
と、ネタにマジレス。
……ああ筆が進まない。ベッドシーンまで辿りつかずに週末が終わる。どうしよ。
つか820って言われても誰だよとしか…
基本的に近況報告とかは余程の神でなきゃ要らないしウザイよ?
きみは神なワケ?
あらすじだけだけどのせてもいいですか
つかのせるぞこんちくしょう
4年後リト21歳の世界
リトの気持ちがずっと春菜に向いていたことを知ってしまったララ。
親友である春菜のために自分は引き下がり、春菜とリトの恋を成就させようと奮闘する。
しかし何度やっても煮え切らない態度の二人にイラつき、
自身の発明品を使って二人を引き合わせることに成功する。
しかし、幸せそうな二人を見るたびに、心の内に仄かに後悔と嫉妬の念が生まれているのに気づく。
自分の長い間の願いが叶ったリトは当初は浮かれるが、徐々に春菜との価値観がズレていくのを感じ悩む。
複雑な思いで相談に乗るララだったが、ふとリトの「ララのほうがやっぱ楽だわ」という言葉を聞き、
動揺して泣き出してしまう。そしてリトに自分の本当の気持ちが変わっていないことを告白する。
そして流されやすいリトは、ララと一線を越えてしまう。
春菜とララに二股をかけていることに少しずつ疲れ、嫌気がさしてきたリトはつい妹の美柑を犯してしまう。
兄の性欲のはけ口にされることがまんざらでもなかった美柑は、
エスカレートしていく行為に身をゆだねてしまう。ララはそれに気づいていたがリトに強く言うことができない。
ついにセックス中毒とドラッグ漬けになって変わり果てた美柑を見て、ヤミはリトを殺害することを決心する。
リトを呼び出し斬りかかるが、異変を察知したララに邪魔されてしまう。
ヤミとララの勝負は続き、ペケが充電切れになりララは地上に叩きつけられ気絶してしまう。
ヤミはリトに再び襲い掛かり、ついにトドメを刺そうとするが、
「殺してくれ・・・」というリトに対して何もすることができなかった。
自分はリトを好きだったことを悟ってしまい失意のうちに失踪する。
しばらくして病院でリハビリ中のララをよそに、懲りずにルンと付き合うリト。
ルンはとうとう子供を孕んでしまう。またSEX映像をフライデーされ芸能界を干されてしまった。
ルンはリトと子供と暮らせればそれでいいと言ったが、リトは内心堕してほしいと願っていた。
フライデーの記事は波紋を広げ、春菜もルンの相手がリトであることに気づいてしまう。
倒れてしまい家にこもってしまう春菜。
春菜のことをリトに聞き出そうとした里紗も、気付けばリトの部屋でYシャツ一枚でいるのだった。
もはや性獣と化したリトはモモとも関係を結んでしまう。
つややかさが増したモモを見たナナはリトを説得しようと試みるが、逆にレイプされてしまう。
怒ったナナは「ぴょんぴょんワープくん」でリトをどこか遠くへ島流しにしてしまうのだった。
―インドネシア・リアウ諸島
自分探しのために大学を休学して青年海外協力隊に参加していた唯は、
スラムの物乞いの列の中にボロボロになったリトを発見する。
唯のアパートで看病を受け、気力を取り戻したリトは唯と新婚生活のような日々を送る。
リトは唯とそのまま暮らそうかとも考えたが、ララと春菜を忘れられず日本に戻ることにする。
日本に戻ったリトは春菜が結核で死んだことを知る。自分の犯した罪にさいなまれるリト。
ラリった美柑と、連載打ち切りで借金を抱えアル中になった親父と一緒に暮らすことがつらくなり、
ララ達をおいてルンの家に居候する。
ルンは難産のうえに男の子を産み、リンと名づけたがそのまま力尽き死んでしまう。
そのころデビルーク星では危機が迫っており、超巨大な隕石がぶつかろうとしていた。
あらゆる兵器を投入しても破壊できず、デビルーク王の攻撃も遠すぎて通用しない。
老いを悟った王は後継者に結城リトを指名し、自らミサイルに乗って隕石に突入した。
そして隕石とともに宇宙の藻屑となりましたとさ。
ついに全宇宙の実権を握ったリトだったが、ひ弱な人種であることがばれ大ラコスポに襲われる。
身を呈して護るザスティンと自作のロボットで対抗する御門先生だったが、
大ラコスポのパワーに屈し殺されてしまう。再びピンチになったリトだったが、
駆け付けたララの「超ウルトラグレートデリシャス大しっぽビーム」で大ラコスポを撃破する。
自分に一番大切な人がララであることにようやく気づいたリトは、
ララに今までの行いを謝罪し、ララに告白して結婚する。
しかし大ラコスポとの一戦で放った「超〜しっぽビーム」の反動で
体調が優れなくなり、ついに倒れてしまう。
寝込んでいたララの前に現れたのはお静ちゃんであった。
「親友の春菜と親のような御門先生が死んだのはあなたのせい」と言われたララは
さらに容体が悪化してしまう。
しかしリトは祈祷師を呼び悪霊を追い払うことに成功。ララも意識が戻った。
落ち込むララだったが、秋穂に渡された春菜の手紙を読み、
誰のことも全く恨んでいなかったことを知り、少し安心するのだった。
だが、それ以降疲労したララの容体は回復せずついに息を引き取る。
激しく泣き立てるリト。
ララの死からひと月が経ち、街の中をさまよい歩くリト。
いつもこの風景の中にララと春菜がいたことを思い、あの日々を夢想する。
そして春菜に―ララに告白した十字路までたどり着く。
春の日も夏の日も秋の日も、そしてこんな冬の日もここをララと通ったことを思い出す。
ずっとそこに生えていた枯れた桜の木を見てリトはあることを決意する。
家族をデビルーク人に任せ、デビルーク王としての称号を息子のリンに譲ったリトは、
宇宙船に乗り込み「ヴィモークシャ星」へ一人旅立った。
リトが出家したことを知らされた唯がふと空を見上げると、
激しいオーラが天に向かって伸びていくのがわかったのだった。―完―
885 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 12:41:25 ID:vOA+qeUb
どうぞどうぞ
ふぅ・・・
すごいごめんなさい
文章とかまったく書いたことないんだけど
つい思いついちまったんで・・・
>>886 それでこの”あらすじ”をSSとしてちゃんと書いてくれるの?
暇になったら書こうと思います・・・
リアウじゃなくてスマトラのほうがよかったかも・・・須磨だし
あらすじでお腹いっぱいになっちまった
こんな重いの詳しく書かれても俺は耐えきれんぞ
エロシーンはともかく
確かに重い
スクールデイズの終盤みたいだな
本編が軽いタッチなのでネタとして
スクイズみたいなドロドロにしようとしたのですが
どんどん鬼畜になってって
途中から源氏物語をパクってみますた
美柑ってダルデレ?
な、なんというドロドロ…
820から830辺りの作品はとっても上手だったから
きっと書くジャンルを間違えたんかなぁ…
俺は好きだよ!
ララ×美柑を読みたいのは俺だけか?
>>895 いきなり分割投下宣言してたあたりで
こんなもんだろうとは危惧してた
いっぱい投下してくれる(する予定がある)なら酉つけてもいいかもね
>>901 それはリトと唯の人にトリをつけろ!そう言ってるわけですね、わかります
あの人なんでトリもコテもつけないんだろ
こんだけ書いてくれてうまいのに付けないとか、変わり者w
トリは苦手な人に回避してもらうという性質もあるから、自分の小説が人に好かれてる嫌われてるという意識があまりない人なんだと思う
ついでに、読み手の都合で何でアタシがトリつけなきゃいけないの?とか思ってる可能性も多いにある
ごもっともだがね
いや、常につけなくてもいいんだから。雑談の時は七誌でいいしね。
偶に騙る奴が出たりするからさ。
お前そんなことより来週はリトが自分の着てる服をララに着せるくらいのシチュはありそうだと踏むんだがどうか
俺もそれを考えてたところだ
そういうシチュエーションはよく夢で見るよね
うむ
ララや春奈、唯たちの公式スリーサイズってどこかに掲載されていましたっけ?
コミックのおまけであったような気がしないでもないけど。
確か唯はB91だった記憶があるけど、それが本当だったらとんでもないことです。
ちなみにその場合はパーカとズボンを貸すのかな
つか元がペケ服じゃないときでもペケが外れると服が消えるのはなんでなんだろう
よくよく考えると本当にそのタイプの夢をよく見る
なんか深層心理があるのだろうか
誘拐されてた女の子が全裸で近くの家に逃げ込んだ
っていう話を聞いた時からか?
>>909 アニメのアニマル喫茶のとき出てたよ
唯は87とかだった。ルンは存在が抹消されてた
アニメだと
ララが89・57・87、春菜が79・56・82、唯が88・59・87だよ
春菜は貧乳設定とはいえ81くらいありそうだし
実際漫画だとC以上はありそう
唯はプロポよすぎだし
アニメはイラネ
>>910 何言ってるんだ?
ペケが取れて服消えるのはペケが服になってるからだろ
そうでないときもあったよな
いや、ないけど
書き手が固定HNもトリップもつけない理由は、目立ちたくないからだよ
ある程度長く職人やってきて、自分が賞賛され過ぎたせいで他者の投下が減ったり
逆恨みややっかみから、的の外れた予想・推測に基づく批判中傷受けた経験があれば
普通はHNなんて名乗るのが億劫になる
名乗らなくても投下は出来るし、長編ならタイトルつけるなりすれば済む話だからね
「ほ…ほら、これ着ろよ」
ドレス化していられぬペケの替わりにリトが自分のシャツを差し出す。
やや頬を染め、ぎこちなく受け取るいつもと違うララにリトは不審げな視線を向けた。
「? 早く着ろよ。…そんなに汚れてないと思うけど…」
自分の着かけの服を渡したリトの口をつい言い訳がついて出る。
「そんなんじゃない…っ」
ララの大声に驚くリト。
「な、何だよ急に…?」
「う、ううん…ありがとう、リト」
「? それより、とっととこの薄気味悪い森を出ようぜ」
ララを狙う奇妙な植物から彼女を守りながらリトが歩きだす。
やけに静かな二人の間の空気にリトは取り留めのない話題を振った。
「…なあ、前から思ってたけど何でフツーの服着ないんだ?お前」
「え」
「いくらペケが万能だって今日みたいな事もあるし…人気のない場所だったから良かったものの…何ていうか…機械より布製の服のが安心つーか」
以前も校内でこんな風に服が急に消えた事があったのを思い出し、リトは眉間に皺を寄せた。
「普通の服がそんなに嫌いか?」
ララの顔とスタイルならどんな服でも似合うだろうに、と云いそうになってリトは慌てて口を押さえる。
少し困ったようにララは過去にあった出来事を話し始めた。
「地球の服は嫌いじゃないよ…でも」
「でも?」
「私…ね、デビルーク星で…暴漢に襲われた事があるの」
「…え…?」
一瞬聞き違いかと思うリト。
「星の人たちの中には良い人も困った人も両方いたから」
ララは何処か達観したように語った。
「ナイフで服を切り刻まれたの…恐かった…しっぽを掴まれて…イヤだったのに力が抜けて…でも妹たちはどうしても守りたくて…」
「ラ…ララ…?」
「ペケはナイフも弾丸もへっちゃらなんだよ。私か解除しなければ誰にも脱がせるコトは出来ないの。だから…もう男の人にあんなコトされないんだよ、私っ」
明るく笑うララにリトは言葉を失ったままだった。
「あ、美柑とお買い物行く時はたまに地球のお洋服着てるんだよ?美柑が選んでくれたの、可愛いんだもーん!」
自分の浅慮をこの時ほどリトは呪った事はない。どうしていいか分からず、気付けばララの頭を撫でていた。
「リ…ト?」
(な…何してんだ!俺っ!?)
引っ込みのつかない手をララがそっと両手で握り締める。
「ありがとう…リト」
「俺…俺が守るから…ペケの分もララのこと必ず…!だから…地球に帰ったら何でも好きな服…着ろな!」
リトの精一杯の言葉をララは森の闇を吹き飛ばす眩しい笑顔で応えた。
「うん!」
ペケって貞操帯にもなるよねー と思っただけなんだが、どうもすみません