桜場コハル Part 8.1

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122名無しさん@ピンキー
「藤岡君、そんな緊張してたら変な顔に写っちゃうよ?」
「えっ!? 俺……そ、そんなに緊張してますか!?」
「うん、顔が真っ赤。もっとリラックスしなきゃ」
そう言いながら私は、手を伸ばして耳をくすぐってみると
藤岡君は肩を震わして笑いをこらえる。

「ほら、我慢してないで笑わないと!」
「あっ、そ、そうでした。 ……ふっ、あははっ」
「そうそう、その調子だよ。ほら撮るよ……んっ、あっ!!」

――――ごつんっ……!

シャッター音がする瞬間、それと同時にゴツンとなる鈍い音。
あぁ、ふざけ過ぎて二人で頭をぶつけちゃったんだ…
「……ッ……てて……」
「ご、ごめんなさい、大丈夫ですか? おでこが赤くなってますよ!?」
「うん、平気平気、ちょっと私が調子に乗りすぎちゃったね」

心配そうに私の顔を覗き込む藤岡君。
私は恥ずかしくってちょっと苦笑いを浮かべて誤魔化していた。……と、その時、
『ねぇねぇ、ちゅーしてプリ撮ろうよ♪』
『はぁ? なんでそんな事――』
『いいじゃん、付き合い始めた記念に♪』

隣から聞こえてきたカップルの声に固まる私たち。
「あっ、あの……カップルって普通プリクラでキスとかする物なんですか?」
「えっ、えぇ!? いや、多分しない……と思うけど……」
私だって男の人とプリクラなんて撮った事なから分からないよ。
だから断言する事は出来なかった……

「南と来たら……やっぱりした方がいいですか?」
「うーん……カナちゃんはそう言うタイプじゃないかも」
私がそう言うと、藤岡君は明らかに落胆の表情を浮かべる。
そりゃそうか……好きな人とはキスしたいよね……。


だったら私にできる事は――――