「えーっと、ここは……ゲームセンター?」
「はい! 南はゲームとか好きだから気にいってもらえるかなって!!」
うーん……定番と言えば定番なのかな?
でもタバコ臭くなるから私はちょっと苦手なんだよね。
って、こういう女の子の気持を教えてあげなくちゃ……
「あのね、これは私の意見なんだけど、ゲームセンターはタバコ臭くてちょっと嫌かなぁ……って」
「あっ、それなら大丈夫ですよ! ここは禁煙のゲームセンターですから!」
「へ? そんなのがあるの?」
中に入ってみると、確かに全然煙草の匂いがしない。
今までゲームセンターって聞くだけで敬遠してたけど、これなら楽しめるかも……
そして一時間後、
UFOキャッチャーにレースのゲーム、いろいろ遊んだ後私たちが来たのが――
「最後にして一番のメイン……それがコレです!」
「うん、デートと言ったらプリクラだよね」
「最近は男だけじゃ入れないから撮った事ないんですよ……」
そう言えば最近はいろいろと物騒だから男の子だけじゃ入れないんだっけ。
「それなら私と一度撮ってみる? ほら、男の子でもカップルなら入れるって書いてるし……」
「はい、是非お願いします!」
「うん、じゃあ入ろっか」
……と、中に入ったのは良いけど……傍から見たら私たちってカップルに見えてるのかな?
なんだかそんな事を考えてると緊張してきちゃったよ……
「アツコ先輩、これにしましょう!」
「う、うん、そうだね」
落ち着かなくちゃ……私の方が先輩、お姉さんなんだからリードしてあげなきゃだよね。
「あの……ポーズとかってどうすればいいんでしょうか?」
「適当で大丈夫だよ。ほら、もっとこっちに寄らないと映らないよ?」
「えっ、あ……はい、失礼します」
肩を並べて顔を少し寄せると、藤岡君は顔を真っ赤にして硬い表情をする……
こんなんじゃ本番のカナちゃんと撮った時は倒れちゃうんじゃないかな?