1 :
名無しさん@ピンキー:
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ __ _____ ______
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 00:47:34 ID:X1E68sJx
ぬるぽ救命病棟
4 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 17:48:52 ID:Pi6HVA0L
前スレのしんたまねぎさんの続編キボン!!
前スレ書けないOTZ
まとめどうするよ?
6 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 19:15:50 ID:G81SbVRN
まとめサイトもだけも、前のスレが書けなくて新しいスレたってること、みんな知ってるのかなぁ?
7 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 19:56:49 ID:6AkjCkOB
重すぎたんだね。
落ちないうちにログだけでも保管できないだろうか‥
8 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 00:21:32 ID:WtrChDXQ
書いて〜
前スレ書けないことをここで書いてれば見てくれるとおもふ!
一応ページ保存かけたけど皆言うようにまとめサイト欲しいね・・・
10 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 10:50:29 ID:CWDL3QgZ
テスト
11 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 10:53:59 ID:CWDL3QgZ
すみません。
家のパソコンから書き込もうとするとアクセス規制中になって書き込めません。
ケータイからも無理なので、更新は遅くなりますがお許しください。
前スレの最後を飾ってしまってごめんなさいです><
続き、いきます!
12 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 10:57:35 ID:CWDL3QgZ
少し緊張しながら玄関のドアを開けると、リビングに明りがついている。
足を進めその扉を開くと、キッチンから仄かに湯気が上がっていた。
その、黒いワンピースの後姿を認め、安堵と喜びが湧き上る。
強く強く抱き締め、貴方に会えないのはもう耐えられないと泣いた彼女だが、
あんなことをしてしまったのだ、やはりもう赦してくれないかもしれない。
そんな気持ちに怯えていた。
「お帰りなさい」
振り返って微笑むその顔が、美しく、懐かしく、恋しい。
「ただいま」
そんな気持ちを抱いて、微笑んだ。
「ちょうど出来たところよ。時間がなかったからおかずは少ないんだけど」
そう言いながらてきぱきと料理を器に盛りテーブルに並べる。
1ヶ月の空白を感じさせないような日常に、一瞬眩暈がしたような気がした。
付き合い始めたころ、彼女が手料理をするというのが似合わなくて驚いた。
「失礼ね」
シカゴに居た頃はよく作ってたのよ、向こうの外食はカロリーの高いものばかりだから。
そう言って出されたのは手の込んだ和食が多く、味も旨かった。
どう?と勝ち誇ったように見詰め訊いてくる彼女の笑顔に辟易した。
外科医なんだから手先が器用で当たり前だ、と薄く笑って返すと、
むっと細い頬を膨らませむくれる彼女が、余りにも可愛く見えた。
後でベッドの中で、旨かったと素直に言ってやると、子供のように無邪気に微笑んだのを覚えている。
「座って?」
はっとして我に返り、テーブルの上を見ると、
湯気のたった白いご飯に味噌汁、きんぴら、魚の切り身―多分、鰆か―が2人分。
「お前、何時に帰ってきたんだ?」
「え?・・・9時半頃だったかしら・・・」
確かに品数は多くはないが、そんな時間から、これだけのものを作ったのか。
もっと簡単なものでよかったのに。
彼女も仕事で疲れているだろうに。
「どうしたの?食べましょ」
さっさと椅子に座りいただきます、と手を合わせる彼女を見て、自分も椅子に座り箸を進める。
「…旨い」
素直に言ってやると、驚いたような顔でこちらを見た。
「珍しい、貴方がそんなこと言うなんて」
からかうように微笑む彼女は、もうあのときのことは忘れてしまったのだろうか。
いや、忘れていたのは自分も同じだ。
妻を失ってから初めて手に入れたこの幸福に、初めの頃は静かに胸が振えていたというのに。
いつのまにか、当たり前と思うようになっていたこの日常が、いつまた失うかもしれないと今日気付かされた。
「どうしたの?」
箸を止め瞳を漂わせている自分に、たまきが眉を寄せ訊いてくる。
「いや…」
またはっとして、再び箸を進めだす。
「食べ終わったらお風呂入ってね。沸かしといたから」
「・・・お前は?」
「先に頂いたわ。シャワーだけ」
「そうか、わかった」
また少し微笑んで、進藤は箸を口に運んだ。
13 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:00:35 ID:CWDL3QgZ
頭を拭きながら浴室から出、冷蔵庫のミネラルウォーターを口に含んだ。
と、ソファに座っていたたまきが、何故か少し恥ずかしそうに目を逸らしていた。
怪訝に思うと、自分の上半身が裸であることに気付いた。
その反応に、彼女が自分を意識してしまっていることに気付いて、嬉しくなった。
ソファへ足を運ぶと、彼女の隣に座る。
「・・・風邪引くわよ」
「いつものことだろ。何照れてるんだ」
「・・・別に、照れてなんか・・・」
「じゃあ、こっちを向いてくれ」
「・・・」
細い顎を掴み、振り向かせると、見詰められた美しい瞳はゆらゆらと揺れていた。
緊張、不安、期待、怯え、喜び、哀しみ・・・
そんな感情の全てを湛えているようで、胸が詰まった。
優しく口付けをし、胸に引き寄せた。
「…久しぶり、この鼓動(おと)…」
たまきは進藤の左胸に耳を当て、微笑んだ。
「もう、帰ってきてくれないかと思っていた」
「え?」
「すまなかった」
「…喧嘩のこと?」
「それもあるし…昼間のことも」
「…もういいのよ」
「お前を、傷つけた」
「…私も悪いの」
「お前は悪くなんかないだろ」
進藤の胸の上でううん、と首を振る。
「貴方のこと、ちゃんと解ってなかった。ごめんなさい」
そう言うとたまきは進藤の身体に腕を回した。
「…たまき」
しばらく抱き合ったあと。
「一緒に、暮らさないか?」
進藤の言葉に、たまきは瞳を開けた。
「え?でも今だって半同棲みたいなものじゃない…?」
「中途半端なかたちは辞めたい」
「…ねぇ、それって、もしかして」
「ああ、そういうことだ」
たまきは身体を起こして進藤を見詰めると、真剣な彼の瞳に射抜かれた。
「もう、離れたくないんだ。失いたくない。お前の帰ってくる場所は、俺のところだ」
その言葉と彼の深い瞳に胸が詰まり、たまきの瞳は濡れた。
それを見た進藤に、また抱き寄せられる。
「二度と、離れないでくれ」
少し震えたその声に、進藤の胸の上でたまきはこくん、と頷いた。
14 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:03:11 ID:CWDL3QgZ
「…でも、此処じゃ、部屋が足りないのよね…。だから今までも越してこなかった訳だし…」
小さな声で独り言のようにたまきが呟いた。
この部屋には寝室のほかに進藤の書斎しかなく、
たまきの大量の医学書や文献を置き仕事をする場所がなかった。
「新しい部屋を捜そう。もっと広いところを」
「え…?」
たまきは驚いてまた身体を起こした。
「…いいの?」
この部屋は、進藤が車椅子の妻と暮らすために用意したものだと、たまきは知っていた。
日本を離れるときにすら手放さなかった、進藤の亡き妻への想いが詰まった部屋。
「いいんだ」
たまきを安心させるように進藤は微笑むと、その柔らかい髪を撫でた。
「…俺は甘えていたんだ。お前が傍に居てくれることに」
早紀が教えてくれた。
永遠に失うことの耐え難い苦痛と哀しみを。
俺はたまきを、失いたくない。
そんな想いで彼女を見詰めていると、たまきの表情がみるみる崩れていった。
急に首に手を回し、口唇を塞がれた。
想いをぶつけるような、熱いキス。
口唇を放すと、彼女の頬が涙で濡れていた。
「ありがとう…」
切なげな、儚げな、深い瞳で見詰められた。
きっと、苦しめていただろう。
早紀への拘りを、捨てきれなかった。
そんな自分を受け容れ、たまきは進藤の傍にいてくれた。
この、プライドの高い女が。
ずっと傷つけていたのかと思うと申し訳なさと共に愛しさが込み上げ、今度は進藤がたまきの口唇を奪った。
昼間で懲りたはずなのに、どうしても女を慈しむときは、その身体を満たしてやりたいと思ってしまう。
男ってものはどうしようもないなと自嘲しながら、彼女の甘い口唇を割り、歯も割らせようとすると、
たまきの方から柔らかい舌を絡ませてきた。
熱い舌と舌が激しく絡まり合い、吸い取り合い、貪り合い、息をするのも忘れるほど。
久しぶりのその感覚に頭が痺れていると、彼女の重みでソファに押し倒された。
「好きよ…」
進藤の胸の上で囁いたその瞳は切なげに光り、ぞくりと妖艶に映った。
彼女の柔らかい髪に指を差し込み、梳きながら手を頬に移動させる。
両手でほっそりした頬を包み込むと、また口内を貪り始める。
何度も喉を鳴らして自分の唾液を飲み込んでくれる彼女のその音に欲情し。
ずっと緩やかに背中を擦っていた手で、ワンピースのファスナーを下ろし。
ぷちっ、とブラのホックも外した。
ワンピースを脱がすのももどかしく身体の脇から差し込んだ進藤の大きな手は柔らかい膨らみを掴み、ゆっくりと、やがて激しく揉みしだく。
「…っ・・・っ・・・」
口唇の隙間から甘い吐息が漏れると、また進藤は欲情する。
何もかもが、1ヶ月ぶりの刺激。
いや、3ヶ月、半年、1年、それ以上にも思えるほど。
失っていた時間が永く感じられた。
同じ部屋で過ごすのも、隣で眠るのも、男の欲望を満たすのも。
何もかも、今はもうたまきでなければ駄目だというのに。
15 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:04:48 ID:CWDL3QgZ
大きく包んだ手の指で、膨らみの先端を挟む。
「ぁっ…」
声を聴きたいと放した口唇から、甘い啼き声が漏れた。
もっと、もっと聴きたいと、指の腹で柔らかく擦り、きゅっと爪を立てた。
「ん・・・あっ・・・あぁん・・・」
甘く甘く耳を刺激する嬌声に進藤は耐えられず、強引にたまきの腕からワンピースの袖を外し、腰へと落とした。
ぷるん、と露になる、形のいい胸。
「良く見える…こんなに硬く尖ってるのまで・・・」
見詰めながら囁くと、ここが明るいリビングだということに気付いたのか、たまきは急に羞恥に襲われる。
咄嗟に胸を隠そうとするその両腕を進藤は掴んだ。
「駄目だ。もっと、ちゃんと見せてくれ…」
その言葉と視線に犯されているようで、たまきの背中にぞくぞくっと稲妻が走った。
「や…そんなに見詰めないで…!」
両腕を掴まれ身動きがとれず、恥ずかしさに目を瞑る。
「どうして?お前のほうから、押し倒してきたんじゃないか」
進藤が愉しそうに薄く笑うと、
その身体に馬乗りになっている自分の状況すらもとてつもなく恥ずかしくなり、
たまきの白い肌は羞恥の紅い色に染まる。
「こんなに積極的なお前は、久しぶりだな…」
「…だって、待ちきれなかったんだもの。ずっとこの身体が欲しかったのよ」
頬を赤らめて切なげな表情でそう言うと、進藤の熱い胸に白い掌を這わせた。
そんなたまきの頭を引き寄せ。
「そうか。なら、もっとちゃんと自分で味わえ」
頬を染めながらもそのことばの意味を知り、たまきはそっと進藤に口付けた。
口唇の周りを柔らかく舐め、それから口唇をその角ばった顎、喉、首の先、尖った喉仏・・・と、啄むようにキスをし、舌を這わせてゆく。
首筋から根元、太い鎖骨を降りた口唇は、小さな突起へとたどり着いた。
先に指で、ころころと転がしてみる。
それからゆっくり口に含み、丹念に舐めあげた。
「そうだ、上手だ・・・」
もう片方の突起も口に含み、舌先で転がした後、今度は甘く噛んでみる。
ぴくん、と進藤の身体が反応したのが判った。
悦びが込み上げてくる。
また下へと口唇を移動させ、割れた腹筋に舌を這わせ、その先にたどり着いたのは、固い膨らみ。
それは、さっきからずっとたまきの腹の下に感じていたものだった。
服の上から、そっと掌で包み込む。
熱い…
その熱さが、愛しかった。
16 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:06:07 ID:CWDL3QgZ
服の上から軽く擦ると、更に膨れてくる。
我慢できなくなって、たまきは進藤のズボンと下着を一緒に摩り下ろした。
自由になったそれが、堂々とそそり立つ。
こんなに明るい場所で見るのは初めてかもしれない。
その先端の亀裂に、そっと口付けてみた。
欲情してしまっている自分に、進藤の視線がじっと纏わり付く。
こんな淫らな姿を明るい中でその表情さえも克明に見られているかと思うと、
羞恥と同時に身体の芯が熱くなった。
口唇から割って出た柔らかい舌でそっと舐める。
また硬くなり、膨れ上がった。
声には出さないが、敏感に反応してくれていることに悦びを感じ。
根元を掌でぎゅっと握り、浅いところをちろちろと舐め回した。
それから裏筋を根元から先端まで一気に舐め上げる。
「・・・っ・・・」
進藤が声を押し殺したのが判った。
何度も何度も舐めあげる。
膨れきったところで、先端全体を口に含む。
舌で丁寧に舐め、先端の亀裂に軽く歯を立てた。
「っ・・・おい・・・」
その声は聴こえなかったようで、たまきは更に、大きく口を開き奥まで含む。
たまきの小さな口腔では到底全部含みきれず、先端が喉の奥を突く。
「たまき・・・もういい」
それでもたまきは辞めようとせず、口を前後に動かし始めた。
細い指で両脇の袋にも刺激を与えながら、たまきの動きはどんどん激しくなってくる。
口の端から唾液が零れ出すのも構わずに、たまきは夢中で進藤自身を味わった。
と、急に強い力で腕を引かれ、進藤の胸元に引き寄せられる。
「もういいと言ってるだろ!」
すると叱られた子どものようなあどけない顔をして。
「だって・・・味わいたかったんだもの、貴方の味」
達した彼から溢れ出るものを全て飲み干したかった。
口内に広がる、あの苦みすら恋しかった。
「・・・しょうがない女だな、お前は」
進藤は意地悪く笑いながらも優しくたまきに口付けし、
進藤のものをずっと含んでいた口内を全て吸い尽くしてくれた。
そして口付けをしながらたまきの膝裏に手を這わせた。
スカートを捲し上げ、下着が露になると、膝裏からゆっくり擦るように腿を撫でる。
内腿に手を滑り込ませたとき、ねっとりとした感触が進藤の指に絡まった。
もう、こんなところにまで伝い漏れていた。
「すごいな…」
進藤の言葉に羞恥を感じつつも、たまきは言った。
「そうよ、もう、待てないの…」
口唇から漏れる淫らな言葉が進藤の首にかかる。
こんなに敏感になっているのは、何もかもが久しぶりのことだからか。
それとも進藤のものを愛撫させたことで、気持ちが昂ぶったのか。
それとも、昼間のあのせいで感じ易くなっているのだろうか。
17 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:08:56 ID:CWDL3QgZ
「ちょっと待ってろ。」
進藤は持っていた小さな袋を徐に開け、素早くそれをそそり立った大きなものに引き被せた。
そしてたまきのぐしょぐしょになった下着を引きずり下ろす。
「たまき、来い」
たまきは進藤の手に腰を支えられ、その熱いものを自分の上に置いた。
先端が触れるだけで、達しそうになる。
眩暈に襲われながら、ゆっくり自分の身体を沈み込ませた。
「くっ…んんん!」
大きくて硬いものが、自分の中を貫いている。
ずっと、ずっとずっと欲しかった、それ。
挿入される瞬間の、あの妙な違和感も忘れて、たまきはしばらくその愛しい感触に酔いしれた。
進藤もまた、ずっとずっと焦がれていた彼女の中の感触を愉しんでいた。
熱く熱く、いつも以上に熱く感じられるそこが進藤をきつく包み込んでいる。
その感触と悦びを存分に味わった後、内側からたまきを促した。
促されるままに、ゆっくりと、腰を回すようにしてうねらせる。
「ぁっ・・・あん・・・あぁん・・・」
敏感な部分に触れるたび、たまきは淫らな声を出した。
やがて進藤が、激しく腰を動かし始めると、たまきの動きも大きくなっていった。
「あっ・・・ひゃっ・・・んっ・・・あんっ・・はうぅん・・」
たまきの身体は激しく上下に揺れ、その啼き声の間隔が徐々に狭まってゆく。
進藤が腰を打ちつけるたびに、くちゅくちゅと淫らな音が鳴り、
室内に響くたまきの甘い嬌声が、進藤の欲望を更に更に刺激する。
もっと…もっと聴かせてくれ・・・
そう願いながら腰を打ち付けるも、先ほどのたまきの愛撫のせいか、進藤自身の限界も近づいていた。
息を吐き、我慢しようと息を整えるも。
自分の目の前でこんなにも乱れてくれる愛しい存在に、理性を奪われそうだった。
リビングの照明に晒されて、彼女の華奢な、美しい体の艶かしい曲線も、脚を大きく開き進藤のものを飲み込んでいるその淫らな姿も、普段の冷静さを忘れて顔を歪まして啼くその切なげな表情も。
全てを自分の脳裏に焼き付けよう。
18 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:09:54 ID:CWDL3QgZ
手を伸ばし、揺れているたまきの2つの膨らみを掴む。
揉みしだくと固い突起が掌に擦れて、それも愛撫となる。
「あぁぁん!」
その愛撫に、ひときわ大きな声を上げて白い喉を仰け反らせた。
「あ・・っ・・ン・・もう駄目・・一生ぇ・・お願・・ぃ・・」
濡れた瞳に妖艶に哀願され、
進藤はたまきの腰を更に沈めると、たまきの再奥を突いた。
「ひゃああぁぁっ!」
背中を大きく仰け反らせ、悲鳴のような声を上げる。
だが、それだけで許しはしない。
「ひゃっ…あっ・・はっ・・ン・・はぁん・・」
何度も何度も、彼女を追い詰める。
再奥に自身を突き付ける。
彼女にも、刻み込ませてやりたい。
もう二度と、離れようなんて思わせないように。
彼女の身体と、その心に。
俺自身を。
自身も限界を悟り、一際強く彼女を奥の奥まで貫くと、
「あっ・・あああぁぁぁぁっ!」
悲鳴と共に、彼女が達した。
締め付けられていた進藤のものが、さらにぎゅうっと強く掴まれ、
その力に進藤もまた達してしまった。
自身に被せていたものの中から、少しずつ零れ落ちたそれは、ソファに染みを作った。
ひくひくと痙攣する彼女の内側に自身を埋めたまま、
捕まってしまったのは自分のほうかもしれないと、快楽の中でぼんやり思った。
19 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:10:32 ID:CWDL3QgZ
自身を引き抜いてやり、崩れ落ちてきた彼女を抱きとめると、その胸の中でうっとりと瞳を揺らす。
そんな瞳をさせているのは自分なんだという誇りが、進藤の胸を満たす。
彼女を抱き締め、ひとつになれた歓びを噛み締める。
やがて気持ち良さそうに瞳を閉じてしまった彼女を見て、
耳元で囁いてやる。
「お前、どうして部屋着に着替えてなかったんだ?」
その言葉に、たまきは朦朧とした意識が少し戻ったようで。
「シャワーを浴びたときに着替えればよかっただろ?」
だけどたまきは答えようとはせず、胸の上で顔を逸らす。
「俺に、脱がせて欲しかったのか?」
意地悪に聴いてやる。
「っ!……解ってるなら聴かないでっ!」
開き直ったように言うが、羞恥に締め付けられてることは容易に想像できた。
「こっち向けよ、たまき」
無理やり顎を引き寄せると、怒った顔の中に恥ずかしそうに口唇を噛む彼女。
「…貴方だって、脱がせたかったんでしょ?」
私にだけ恥ずかしい思いをさせるのはずるい、と言ってやった。
「ああ。何しろ久しぶりだからな」
だけど進藤はさらっと言って笑い、結局たまきひとりが恥ずかしさでいっぱいになる。
「…もう!せっかくひとが余韻に浸ってるのに…」
「…そんな暇はないんだ、たまき」
「え?」
顔を上げたたまきをソファに座らせて、腰に纏わりついていた黒ワンピースを両手を上げさせて脱がせると、
片足に纏わりついていた下着も剥ぎ取る。
そうしてふわっと、彼女を抱き上げた。
照明が全裸になった彼女の隅々まで照らし出し、その姿に進藤は喉をごくん、と鳴らせた。
「こんなもので足りると思ってるのか?」
「…っ!」
「1ヶ月もおあずけさせられたんだ。それなりの覚悟はしてるんだろうな?」
そう言うと、進藤は寝室へと足を進めた。
恥ずかしげな瞳で俯いていたたまきは、やがて観念したように進藤の首に手を回した。
20 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:11:54 ID:CWDL3QgZ
「ねぇ、一生…」
寝室にたどり着き、彼女をベッドに優しく横たわらせると、たまきが口を開いた。
「お願い。優しくしてとは言わないから、少しは手加減して?」
進藤を見上げ、甘い瞳で言う。
「明日も仕事なの。立てなくなったら、困るのよ…」
困ったように笑うその顔も妖艶で。
「さぁな。何しろ今の俺はもう、自分を抑えられないからな」
妖艶な瞳を見つめ返し囁いてやる。
そんな、と小さな抗議を呟く彼女に言ってやった。
「でも、優しくはしてやるよ」
髪に長い指を差し入れ、優しく何度も梳いてやる。
するとまた切なげな瞳をし、たまきは首に手を回してきた。
優しく口付けて、すぐに口唇を放す。
しばらく啄むようなキスを繰り返す。
やがて彼女の口唇を割り、歯も割らす。
浅く舌を侵入させたかと思うと、また放す。
何度も繰り返しているうちに、切なくなったのか、彼女のほうから口唇を求めてきた。
「そんなんじゃ、手加減してやれないぞ?」
意地悪に微笑んで言うと、泣きそうな顔で懇願された。
「もういいわ。貴方の、好きにして…」
その言葉に強い力で彼女の顔を掴むと、深い口付けを落とした。
苦しげな吐息が漏れ、息が上がる。
それでも貪欲にふたりは、お互いの口唇だけを貪った。
21 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:13:03 ID:CWDL3QgZ
どれくらい経っただろうか。
口唇を放すと、お互いの息が上がっていた。
たまきの瞳がとろんと快楽の色に濡れているのを見ると、
ほとばしる衝動になんとか耐えながら、進藤は口唇を落としてゆく。
その舌が首筋を這うだけで、びくっとたまきの身体は震えた。
さきほどの口付けのとき、進藤の指だけがたまきの耳の裏を優しく撫でていた。
想いをぶつけ合い、奪い合い、与え合うようなそのキスと愛撫だけでも疼く身体を感じていたのに。
その奥から既に溢れ出ているのを感じる。
たまきは自分がどうなってしまうのだろうと思った。
進藤の口唇は鎖骨からそっと身体の裏へ回った。
上半身を抱き起こし、背中を抱くと、そこにも口付けてゆく。
項、左右の肩甲骨、そしてその真ん中に口付けし、強く吸い、舌で愛撫する。
「あ…」
思わず声が漏れた。
「お前、此処がいちばん感じるんだろ…」
呟くその吐息すら愛撫になる。
「やっ…しゃべらないでよ、そんなところで」
強がって言いながらも快楽に息が乱れる彼女の両の膨らみを掴むと、柔らかく揉みあげる。
「…っ…は…っ…」
「我慢するなよ…」
尖った先端を指の腹で転がしてやる。
「あっ…ぁん…はぁン…ん…」
指先での刺激と背中での刺激に、抑えていた声が漏れ始めた。
とろっとまた溢れ出すのが判った。
早く触れて欲しい。
でも、こんなになっている自分を、知られたくない。
ふたつの思いの狭間でたまきは更に濡れた。
進藤の口唇が更に下がり、腰の辺りを愛撫する。
「はあぁん…」
びくんと身体が跳ね上がり、声を抑えることも出来ない。
「一生…私、おかしいの。今日はなんだか…」
「おかしい?どんな風に」
「その…いつもより敏感になってて…だから」
「…だから?」
「…驚かないで…」
瞳に快楽を湛えながらも羞恥に締め付けられながら言う。
「…どれ」
徐に進藤がたまきの内腿に手を滑り込ませた。
22 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:14:15 ID:CWDL3QgZ
……」
とろっ、と熱い液体が進藤の指に纏わり付く。
シーツを濡らし、太腿にまで濃密なものが流れ出していることに、言葉を失っている進藤。
その様子に、ついに知られてしまったことに、耐え切れずたまきは瞳を瞑った。
「やっ…やだ…もう…黙らないでよ…!」
「…何を言って欲しいん「だ?」
意地悪く進藤が笑う。
「べ、別に何も…」
「言わなきゃ、何もしないぞ?」
「………」
「こんなに濡らして…何も欲しくないわけないだろう」
「………」
「ほら、たまき…」
膝から腿の付け根にかけて撫でながら、進藤が促す。
「…触って…?」
その言葉を合図に、進藤の長い指がたまきの中心へ動いた。
「あぁっ…!」
びくん、と身体を震わせるたまき。
ぴちゃ、と淫らな音をさせて進藤の指がたまきの泉を撫でる。
「あぁ…ん…」
「触るだけでいいのか?」
指は泉を薄く愛撫している。
「やっ…意地悪しないで…」
「ちゃんと言えよ…」
耳元で囁く。
「だから…いつものように…」
「ように?」
「…中へ挿れて…」
よく言った、と誉めるようにたまきの頭を撫で、進藤は指を侵入させた。
くちゃ、とまた淫らな音がなる。
「あぁっ・・ん!」
浅いところで出し挿れを繰り返す。
「ぁん…はぁ…はぁん…」
くちゃくちゃという水音と、たまきの淫らな啼き声が室内に響く。
「…もっと…」
「ん?もっと、なんだ」
「…もっと奥まで…」
恥ずかしさに瞳を伏せたたまきににやっと笑うと、進藤は急に指を引き抜いた。
23 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:15:38 ID:CWDL3QgZ
「あぁっ…?」
途端に名残惜しげな声を出した自分にまた羞恥が募る。
そんなたまきを押し倒すと、進藤はたまきの脚を大きく開いた。
「あっ…やっ!」
じっ…とそこを見詰める進藤。
「すごいな…太腿までてらてら光って、ひくひく動いてるのが此処からでも判る。お前にも見せてやりたいよ」
「やぁっ…!」
羞恥にたまきは手で顔を覆う。
「こんなになってるお前は、初めて見たな…」
「…だ、って、初めてだもの、こんなになったの…」
そう呟くたまきを見ると、潤んだ瞳から涙が伝い漏れていた。
「貴方のせいよ…!」
責めるような瞳で言う。
「まだ半分もしていないのに、そんなに良かったか?」
にやっと笑う進藤。
「馬鹿っ!!」
また顔を覆ってしまう。
「たまき…」
「…それだけじゃないのに、解ってて意地悪言うの?」
顔を覆ったまま呟くたまき。
そっと身体を起こし、顔を覆ったたまきの手を優しく解くと。
艶を含んだ、優しい瞳がたまきを射抜いていた。
その瞳に、たまきの瞳はまた濡れる。
そっと優しいキスが落とされ、また進藤の顔は下がっていった。
開いた脚を固定し、その間に顔を埋める。
「きゃっ…!」
ひくひくと痙攣している突起に優しく口付けし、それから泉を舐めた。
くちゅ…と水音が響く。
太腿を舐め上げ、溢れ出た蜜を吸い尽くして、太腿の付け根を舐めると、
また蜜が溢れ出す。
そのたびにそれを絡め取ってやる。
焦らされる愛撫に、またたまきの瞳は濡れる。
言葉の替わりに細い指を彼のくせっ毛の髪に差し入れた。
徐々に口唇はまた近づいていき、絡め取りながら泉へ触れると、また蜜が溢れ出した。
泉の周りを舐め回し、舌を尖らせてその中へ挿し込んだ。
「あっん…」
指よりも柔らかく熱いものが、たまきの中を掻き回している。
一際大きな啼き声が進藤の耳を刺激する。
「あっ…ねぇ…もぉ…お願ぃ…」
それでもぴちゃぴちゃと舐め続ける。
「ねぇ…一生…焦らさ…ないで…」
涙で掠れた声で懇願する。
そっと指を這わせると、小さな突起は更に大きく痙攣していて、たまきがもう求めていることが解った。
それでも。
そっと指を挿入する。
「ひゃ…ぁ…っ!」
2本の指を軽く出し挿れし、奥のほうへと押し進めると、
待っていたかのようにたまきの中はそれを強く咥え込む。
その感覚に麻痺しながらも自分の欲望を抑え、舌で外の突起をころころと転がしながら、更に1本加えた指で何度も突いてやると、たまきの中がきゅうっと締まったのが解った。
「ぁああっっっんん!!」
24 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:16:59 ID:CWDL3QgZ
一際高く甘い声が上がる。
締め付ける感覚を愉しみながら顔をたまきに近付けると、汗と涙に黒髪が肌に纏わり付き、息を上げながらたまきが切なげな瞳で睨んできた。
目の前で抜き取った指に絡まったたまきの蜜を吸い上げると、また羞恥に頬を染めたが。
「もう…貴方って…やっぱり酷い。」
零れた涙で髪を濡らしながら、罵りの声を上げた。
「どうしてだ?」
「どうしてって…そんなの…解るでしょ…」
怯むたまきの涙を拭いてやり、何度も髪を梳いてやる。
「まだ、何か欲しいものがあるのか?」
「っ!……」
「ちゃんと言わないと判らないな」
意地悪に微笑んで訊いてやると、艶を含んだ瞳が観念したかのように切なげに呟いた。
「貴方の全部が欲しいのよ。お願い、挿れて…?」
そう言うとそっとそそり立った進藤のものを掴んできた。
髪を分け、たまきの額に口付けすると、たまきの脚をさっきよりも大きく開いた。
たまきの泉にそそり立ったものの先端を付けると、それだけで進藤のものはどくん、と鳴った。
「あっ…」
それはたまきも同じのようで、声を上げる。
その表情を見詰めながら、ゆっくり、先端だけを沈み込ませてゆく。
「あっ…あぁあ…はっ…」
目を瞑り啼く彼女の表情は妖艶で。
また少し焦らしてやろうと浅いところを掻き回す。
「あん…あっ…あぁんっ…っ…」
知り尽くしている進藤がたまきの敏感な部分に触れるたび、くちゅくちゅという水音と共に彼女の淫らな声が響いた。
「っ…もっと…もっと奥まで…っ!」
たまきが羞恥を纏いながらも懇願する。
「もう…待ち…きれな…のっ…お願ぃ…っ!」
進藤の髪に指を差し入れて掻き回した。
そんな淫らな彼女に誘惑され。
進藤は深く、深く身体を沈み込ませた。
「あ…ああぁぁぁっ…っ!」
渇いていた地面に雨が染み込むように、ずっと欲してた場所に進藤のものが触れたことに悦んだ。
身体を密着させ、強く抱き締める。
何もかもが重なり、ひとつになったことが嬉しくて。
遠のきそうな意識の中で、たまきは気付いた。
25 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:18:53 ID:CWDL3QgZ
何かが、いつもと違う気がする。
進藤のものが、いつも以上に熱い気がする。
たまきの中でいつも感じる、少し擦れるような違和感が、ない。
もしかして彼は、避妊をしていない…?
そう気付いたとき、進藤が激しく動き始めた。
「あっ!…あ…いっせ…一生っ!…あっ…」
ぎりぎりまで引き抜き、また強く打ち付ける。
「ひゃぁっ!…あ…あぁあ…あ、なた…?」
「これが、俺自身だ。ちゃんと感じてくれ…」
艶を含んだ低い声が、上がった息と共に漏れた。
「あ…あぁ…ん…あつ…い…っ!…」
息も絶え絶えにたまきは叫んだ。
彼に直接挿れられたのは、初めてのとき以来。
いつも2人を隔てていたものは今はなくて。
胎内に感じるその熱さは、いつもは口にしてくれない彼の熱い心の中と同じなのだと、感じた。
どくどくと脈打つそれも、ぎゅっと締め付ける胎内も。
密着させたお互いの身体から聴こえる、お互いの鼓動が交ざり合い、
まるでふたりの身体の境界線が消え、ひとつになってしまったかのようだった。
こんな、歓びがあるなんて。
進藤の律動に揺れながら、快楽に潤んだ瞳でたまきは思った。
身体を起こし、たまきの膝裏に手を当てると、脚を自分の肩に乗せた。
そして、更に奥深くたまきに沈み込ませる。
「ひゃああぁぁぁっ…っ…」
淫らな格好で、たまきは更に快楽に身悶えた。
割れた腹筋がたまきの敏感な突起を擦り、
徐に伸ばされた手は、たまきの双丘を下から激しく揉みしだいた。
「ぁん…一生…いっせ…ぇ…」
思考は麻痺し、たまきの脳裏にあるのは愛しい者の名前だけ。
進藤の指がたまきの胸の果実をくりっと捻る。
「ぁあんっ!…も…ぅ…あたし…っ!…」
激しく身体を揺さぶられながら限界を悟り、告げると。
一際深く沈み込んだ彼自身をいっそう強く締め付け。
「くっ…」
それとほぼ同時に、たまきの奥に熱い熱いものがほとばしった。
これが、初めて知る、彼自身の感触…。
痺れた身体と記憶の中で、ぼんやりと思った。
その熱さを子宮に抱きながら、霞む視界を閉じた。
26 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:20:00 ID:CWDL3QgZ
気がつくと、彼に抱きこまれ眠っていた。
心地よい腕の感触。
久しぶりの、愛しく安らかな場所。
それに微笑みながらも、まだ覚醒しない頭の隅でぼんやりと、ピルを飲まなきゃ、と思った。
腕をそっと払い、起き上がろうとするも、腰に力が入らない。
そのうちにまたぎゅっと強い腕に抱き寄せられた。
自分を抱き締める彼の、安らかな寝顔をじっと見詰める。
あぁ、一体どれくらいぶりなのだろう。
この、仕事場では見られない彼の無防備な表情を、こうして見詰めていられるだけでも幸せなのに。
でも、とたまきは思った。
さっきたまきの中に放たれた熱いものには、同時に彼の哀しみも含まれていた。
このひとは寂しいのだ。
一体どれくらいの寂しさと哀しみを独りで乗り越えてきたのだろう。
その哀しみを、初めてたまきにぶつけてくれた。
そう思うと、涙が溢れてくる。
弱音を吐けないこのひとを、これ以上独りにしてはいけないと思った。
どれだけ喧嘩をしても、解り合えない日があっても、ずっと傍に居てあげたい。
傍に居たい。
傍に居て欲しい。
溢れた涙はいく筋も零れ落ち、シーツに染みを作った。
これからは何度でも、彼の哀しみを飲み込んであげられる。
そう思うとたまきは歓びにまた一筋涙を流し、進藤の胸の中に顔を埋めた。
安らかに寝息を立てる進藤は、また、そんなたまきをぎゅっと抱き締めた。
もう二度と離さない、とでも言うように。
27 :
しんたまねぎ:2008/08/01(金) 11:22:39 ID:CWDL3QgZ
終わりです。
最後の方息切れしました…
ご容赦ください。
まぢエロ難しい…
微エロのほうが得意です(爆)
しんたまねぎさん、GJーーーーー!!!!!!!!!!!!
激しく萌えます!!!!!!!
凄い!!!
ストーリーもエロも最高です!!!!
まじ感激!!!!
またキタイしています!!!
しんたまねぎさん乙です!!!!!
続き楽しみにしてました!!!
凄い良いです><><><><
息切れをマジで感じさせないです 笑
また楽しみにしてます〜
しんたまねぎさん
最高です!神ですね!
次回作も楽しみにしています!
>彼に直接挿れられたのは、初めてのとき以来
しんたまねぎさんの描く2人の初めて読みたくなった!!
しんたまねぎさん、超GJです!!
32 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 00:53:50 ID:rpdiVXle
しんたまねぎさんGJです。
新しいレスが出来ていたの知りませんでした。
いつもPart1を見ていて、更新を待っていたのですが、新しいのが出来ていたんですね。
しんたまねぎさんすげえ!何この大作〜〜!
進藤先生に激しく萌えました。最強です。
また気長に待ってます〜
34 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 23:17:49 ID:k1PjzJiE
しんたまねぎさん、凄すぎ!
そして、31さんに同意です!
うう(;_;)
切なくて泣きそうになりました!!
ありがとうございます!
たまきさん背中なんですね〜w
微エロもぜひ読みたいです〜
ほんとにありがとうございました!!!!
36 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:14:46 ID:3EZhebNx
いつの間に、こんなに育ってしまったのだろう。
時間を経るごとに
言葉を交わすごとに
肌を重ねるごとに、どんどん強くなる気持ち。
想い、愛しさ。
最初は、少し驚いた。
遠くから指示を飛ばせる程の腕があるのに医者を辞めたと言う事に
でも少し後に理由を知って、見かけによらず愛情深い人なのかもしれない、と
ぼんやりそう思った。
それでもその時はそんな感情よりも彼を利用して自分が第一外科に戻れるよう
そう仕向ける事で頭が一杯で
彼を救命のスタッフにしようと何度もコンタクトを取った。
それでも自分は第一外科に戻れなくて
嫌々、救命の仕事をこなした。
でもその内に救命の面白さに気が付いて、進藤を始め、周りのスタッフの優秀さにも
気が付いた。
そしていつからか彼を特別視するようになった。
いつからか、なんて解らない。
いつの間にか好きになっていて
そのせいで亡くなった奥さんの事を今でもとても愛していることに
嫌と言う程に思い知らされて。
だけど、自分の中で日々大きくなる気持ち。
そんな双方に、押しつぶされそうだった。
押しつぶされそうで、だから。
その前に気持ちを伝えるしかなかった。
すると、彼も私の事を愛している、と
そう言ってくれて歓喜のあまり涙を流した事を今でも鮮明に覚えている。
想いが通じ合っている今、毎日が幸せな時間。
・・・初めの内はそうだった
37 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:15:40 ID:3EZhebNx
「……何を考えている……?」
間近に見上げる整った顔が、不機嫌に歪んでいた。
たまきは宥めるように小さく笑うと、自分から唇を重ねる。
一瞬触れるだけのキス。
「――貴方のこと」
笑いながら囁きかける。
しかしその答えは気に入らなかったらしい。
今度は進藤の方から乱暴に唇を重ねて、舌を絡めてくる。
「……っ、んぅ……は……っ」
濡れた音がたまらなく羞恥を煽るのに、それが嫌なのに
分かっていて、進藤はそうしてくる。
たまきは逃れようと身を捩ってみたが、結局は無駄だった。
体格差、腕力の違い、体勢の悪さ
……そして何より、力が抜けて身体が思うように動かない。
「――……っ、」
「余計なことは考えるな」
「……余計、じゃ、ないわよ……!」
やっと離れた唇が、吐息がかかる距離で呟く。
息を弾ませ、目を潤ませている自分は解っているけれど
目の前の人のことを考えて何が悪いのか、と
たまきが睨めば、漆黒の瞳がいつもの底意地の悪い笑みに歪んでいた。
「余計、だな……今は何も考えるんじゃない」
38 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:16:27 ID:3EZhebNx
「な、……っあ、やぁ……っ」
反論しかけた時には、熱い唇が首筋に動いていた。
焦らすようにゆっくりと移動する熱。
思わず悲鳴のような声が漏れる。
考えるな、と言われても考えてしまうのは
きっと彼女の癖で。
「あ、っ、あぅ、……ん、んんっ……んあっ」
つ、と指がなぞればそれだけで身体が跳ねるのに
好き放題に触れてくる唇が、指が、舌が。
恥ずかしいから抑えようとしている声を、上げさせる。
甘く切ない声は、やはり何度聞いても自分の口から漏れるものとは思えない。
今まで男に抱かれても、こんなに感じる事はなかったのに。
それを1度進藤洩らしてから、そんな声を上げさせるのがそんなに面白いのか
いつだって進藤は口元に笑みを浮かべている。
反撃しようにも、すでに身体に力が入らなくて。
いつも何だか悔しい思いをさせられる。
「やぁっ、っ、あっ、は、ぁ、ぁん……っ」
いつの間にか身体が転がされ、うつ伏せになっていて
進藤が背後にいた。
後ろから回った手が胸に伸びて、唇が、吐息が、背中を移動する。
熱い・・・
見えない分、不安なのか。
それとも別の理由なのか、いつもより敏感になった神経。
懸命にシーツを握って我を保とうとしても、全く上手くいかない。
頭に靄がかかる。
39 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:17:14 ID:3EZhebNx
「一生……もっ、ソコやめ…て…?やぁあっ!」
くつくつと低く笑う声。
次々に移動する手、指、唇、舌、吐息。
くすぐったいよりもむしろ落ち着かなくて
不安で、ざわざわするのに全然分かってくれない。
嫌だと言うごとに、どんどん意地悪な動きになる。
「もっと、して。の間違えだろ?」
違う、と言いたくても、喘ぐような短い呼吸では酸素がまともに吸えなくて
意味のない言葉しか口から漏れない。
少し落ち着きたいのに、背後の進藤の動きが見えなくて解らなくて
どんどん追い込まれる。
追い込まれるくせに、大部分の熱に浮かされた頭の中
ほんの少しだけ冷静な部分が思考を進めている。
この人にとって、自分はどういった存在なのだろう。
・・・愛してくれているのは確かだと思う。
いつだって気にかけてくれる。
ぶっきらぼうな優しさは解りづらい時もあるけれど、嬉しいし
仕事の時にもとても頼りになる。
それでも
『愛してる』だけでは、それだけではもう満足出来なくて
私1人で彼の心を独占したいと、そう願ってしまうのは
やはり傲慢なのだろうか。
40 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:18:06 ID:3EZhebNx
・・・解っている。
亡くなった奥さんを今でも想っている、そんな所を含め
彼を愛し、傍にいると決めたのは自分自身。
それでも自分は彼だけを想い、彼は・・・
そう考えると、片思いの時よりも切なく、苦しかった。
どこまでも強欲で勝手な自分に嫌気すら差してくる。
そんな思考に支配されている内にいつの間にか手は下の方へと
下がっていて、つ…っと、長い指が脚を這った。
その感覚に、我へ返る。
「やあぁ……!」
ぎりぎりの所でうろうろされて
ぼんやりとした頭で自分のそんな間の抜けた声を聞いた。
たまきが身を捩ると、それでも身体に回った手は揺らぎもしない。
揺らぎもしないで当然のように、すでに熱くて堪らなかったところへ
ゆっくりと指が伸びる。
乱暴な動きでもないのに湿った音が立って。
わざとに違いないと思う。
「本当に嫌だったら、こうはならないよな……?」
「……っ」
意地の悪い台詞。
図星を指されて身体が跳ねる。
進藤の指の動きそのものは、とても優しくて丁寧だ。
どこまでも優しく丁寧に、たまきの弱い所を意地悪く的確についてくる。
その動きが嫌なのに、嫌なはずなのに
どうしようもなく感じてしまって
身体にはいよいよ本当に力が入らなくて
耳元で囁かれれば、ざわり、いっそ腕に首筋に寒気が走って。
こんなの自分じゃない、いつもの自分じゃないと
泣きそうな理性が懸命に叫ぶ。
41 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:18:54 ID:3EZhebNx
それでも、理性よりももっと奥深い場所
身体のずっと奥からは、もっとしてくれ、と
そんな風に甘くねだる声。
正反対の事を考える頭が、心が、身体が。
たまきには信じられなくて、それが少し怖かった。
「や、だ……っ、やめ……」
なんとか顔だけ背後を振り向いて、短い呼吸からどうにか言葉を絞り出した。
目が合うと、その瞳がいつもよりなんだか野生の獣のような
そんな危険な光を含んでいるような気がして、頭の奥で警鐘が鳴る。
鳴ている筈なのに、動けないのは
きっと・・・
怯えがかすかに顔に出たたまきの懇願に、ふと目が少しだけ細くなった。
口元の笑みはそのまま、指の動きだけが予告も何もなく唐突に、止まる。
「……ぁ」
「……望みどおり、だろ?」
小さくもれた声には、愕然とした切望めいた色が混じっていた。
やはり意地悪く笑う進藤が、そんなたまきの耳に舌を這わせる。
ぴくん、勝手に揺れる身体。
動きは止まっても指はそこにあるままで
小さく揺れた身体のせいで、一瞬だけ刺激が走って。
「どうした、腰、動いてるぞ……?」
低くかすれた、意地の悪い声に
ぞくぞくする。
42 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:19:42 ID:3EZhebNx
「い、じ、わる……っ」
すねた声が勝手に出る。
言葉の裏に、ねだる響きを持った声。
自分が分からない。
真っ赤になって顔をそらせると、進藤は笑いながら唇を寄せてきて。
唇が重なった瞬間、指の動きが再開して
今度はもうなす術もなく高いところへ連れて行かれる。
私は貴方が全て。
言葉ではもう言い表せないほどに、愛している。
……でも、あなたは
私の事をどう思っているの……?
気がついたら、また進藤が正面にいて、ベッドを背負っていた。
「っ、あ、……ぁあっ、あ、っは、……あぅっ」
私がたまに考えに現を抜かしているのに気が付いているのだろう。
知らしめるように、ゆっくりと入ってくる、それ。
――熱い。
熱と、圧迫感。
息苦しくて、上がった呼吸ではなかなか合わせられなくて、自然と眉が寄る。
「……っ」
荒い息、熱い身体。
進藤の首に腕を絡ませて、快感の熱を共有している
そう思ったらなんだか幸せで、涙が滲む。
43 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:20:28 ID:3EZhebNx
「……一生……っ」
私だけを見て。
そう口走りそうになって、呑み込んだ。
どんなに想っても口に出さないのは、言葉で彼を縛りたくないから。
うわ言のように聞き流してくれればいい。
でもきっと彼はそうしないで、凄く悩むのだろう。
どうすれば、私の心の不安を取り除けるのか、を
悩ませたくはない、でも・・・
独占したい。
一瞬でもいいから、彼の心を
「いっせ、一生……!」
だから、呪文のように彼の名前だけをくり返し呼ぶ。
好き、愛してる、ずっと傍にいて・・・
そんな想いを溢れる程に込めて、ひたすら彼の名前を呼ぶ。
「……たまき」
何度も呼べば、進藤も応えてくれる。
何かに耐えるような辛い表情がたまらなく色っぽくて
そんな表情をさせているのが他でもない自分なのだと
そう思うとそれだけで胸が高鳴る。
不安は澱のように心に沈んでいても
ただ名前を呼んでもらえれば、それだけで喜びに満たされるから。
だからもっと、名前を呼んで・・・
44 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:21:06 ID:3EZhebNx
「い、っせい……!」
「たまき……」
お互いの名前を呼んで、絶頂に身を委ねて。
ふと目を覚ましたら、進藤の腕の中にいた。
「愛してるわ。早紀さんよりもずっと貴方の事・・・」
たまきは小さな寝息を立てる進藤の顔にそっと手を伸ばす。
頬を撫でても、呼吸には何の乱れもない。
ぐっすりと寝入っている。
そんな彼にそっと、額に唇を寄せて。
だから貴方も私を1番に愛して・・・。
音のない声で、そっと囁いた。
溢れそうなこの想いは、きっと言葉では言い尽くせない。
だけど今、少し言えて楽になった気がした。
たまきは小さく微笑んで、その腕の中に再び潜り込む。
進藤が起きて聞いていたとも知らず
たまきは再び深い眠りに就いたのだった。
45 :
通りすがり:2008/08/04(月) 02:22:53 ID:3EZhebNx
私も切ない系に挑戦してみました★
・・・難しい・・・
しんたまねぎさんあんなのが書けるなんて、凄いデス!
46 :
しんたまねぎ:2008/08/04(月) 06:53:15 ID:qcjWLbDe
てすと
47 :
しんたまねぎ:2008/08/04(月) 07:02:41 ID:qcjWLbDe
アクセス規制中が解除されて書きこめるようになりました!!
通りすがりさんGJ!!
モノローグも得意なんですね。
>今まで男に抱かれても、こんなに感じる事はなかったのに。
これすごくたまきのイメージですw
てか、私の書いてるのとネタがかぶりました(−_−;
それから感想くださった皆さんありがとうございますm(_ _)m
31さん、34さん、リクエスト頑張って考えてみます…(実は考えてなかった爆)
35さん泣きそうとか言っていただけるなんて…感無量です。
微エロ読みたいって言ってくれて嬉しいです。
過去ログ読めなくなっちゃったのが悲しいです・・・
通りすがりさん、GJ!!
切なくて切なくて・・・
最後に進藤も聞いてたってのがまた切ない!
名作でした!!
しんたまねぎさん、かぶってても投稿待ってます〜
うわ!通りすがりさんGJ〜!
やっぱ流石ですね!!!凄いです!!
最後のほう切ないです><神だ〜
また待ってます!
てか過去ログマジで消えちゃった〜〜
神作投下キタw
通りすがりさん大好きですwwwww
また待ってます〜
通りすがりさんもしんたまねぎさんも凄すぎます!!
また切ないの投下してください!!
進藤はドSが恐ろしく似合うwww
あげ〜!!
54 :
しんたまねぎ:2008/08/10(日) 10:12:42 ID:6veM1XZ7
一方方向だ、とたまきは思う。
初めの頃は、無理だと思っていた想いが叶って、舞い上がっていたけれど。
彼が私を見てくれる、求めてくれる、一緒に居てくれる。
私だけを愛してくれているとすら、錯覚した日もあった。
だけど。
これだけ長く一緒に居たら、嫌でも分かってしまう。
彼の心にはどこか空白があって、そこに私は入らせてもらえない。
頑なに独り守っているものがある。
いや、独り、じゃないのかもしれない。
ある程度覚悟はしていた。
妻を亡くした男を愛したのだから。
それでもいいと思って彼に抱かれた。
彼の瞳が少しでも私を見てくれるなら、幸せだと思った。
なのに。
この胸にのしかかる寂しさはなんだろう。
いつからだろう。
愛されるだけでは足りなくなって、贅沢になってしまったのだろうか。
ふと、前にもこんな思いをしたことがあったと。
妻子ある男を愛したときだ。
家族と別居して、アパートで暮らしていたその男は、
ふたりで居てどんなに楽しく心安らかであっても、
いつも心の片隅に、家族を思い浮かべていた。
離婚して欲しいとか望んだわけじゃない。
だけど、たまきと一緒に居るときも彼の心の一部はどこかに置いてけぼり。
一緒に居ても、一緒に居なかった。
そして彼は、結局家族の元へ帰ってしまったのだ。
不倫はあれで懲りた。
…はずだったのに?
55 :
しんたまねぎ:2008/08/10(日) 10:13:22 ID:6veM1XZ7
馬鹿ね。
進藤とは、不倫じゃない。
彼にはもう帰るところなんてないじゃない。
…でも。
もし今、亡くなった彼の奥さんが、目の前に現れたなら。
彼は、迷わず奥さんのほうへ行く。
そんな気がしてならない。
胸に募った不安で苦しくなり、
馬鹿ね、とまた自分を諭す。
医者のくせに、何非現実的なことを考えてるのかしら。
自嘲気味に笑い声を上げた。
「楽しそうだな」
リビングから声が聞こえてきた。
進藤はソファに座り、たまっていた新聞にかじりついている。
そっと傍に寄り、後ろからソファ越しに首に手を回す。
「思い出してたの。貴方って、ちょっと似てるなぁって」
「ん?誰に」
「昔付き合ってた男」
「………」
ぴくん、と進藤の神経が鳴った。
「それだけよ」
悪戯に微笑んで手を解くと、その場を離れようとした。
と、不意にその手をぐっと掴まれた。
引き寄せられ、強引に口唇を奪われる。
突然のことに目を瞑る暇もない。
「ちょっ…なに…」
必死に抵抗すると、喋ることも出来ないほど完全に口唇を塞がれる。
口唇を割らせ、逃げる舌を執拗に追う。
捕まえたら、強くねっとりと絡ませる。
口内を吸い取り、深く貪り、息をする暇もない。
息が乱れてくる。
抱き締める力は痛いくらいで、口付けは強引なのに、絡んだ舌は柔らかく熱く。
痺れるような感覚に、瞳を閉じ力が抜けると。
口唇が離され、強い瞳がたまきを睨んでいた。
腕が放されるとくたっとしゃがみ込んだたまきは、俯いて肩で息をしていた。
「…もう…なんなのよ…!」
訳が分からなくて力なき抗議をしたたまきの両手を、進藤は掴んだ。
「っ?」
次の瞬間には床に押し倒され、大きな身体に組み敷かれた。
「ちょ…ちょっとっ!?離してよ、痛い!」
じたばたともがこうとするたまきの両腕をがっちり掴んだまま、進藤は無言でたまきを見詰めていた。
その瞳は、冷たくもあり、とても熱くも感じられた。
「な、なに怒ってるの?ねぇ!」
怖い…。
急に進藤が怖く感じられて、たまきは泣きそうに眉を歪めた。
56 :
しんたまねぎ:2008/08/10(日) 10:13:53 ID:6veM1XZ7
その瞳に、進藤の力がふっと緩んだ。
「お前、何年女やってるんだ」
「?」
「そういうことは、冗談にもならない」
その言葉に、たまきは少しずつ目を見開いた、
「………」
たまきの驚いた顔を見て、進藤は組み敷いていた身体を離し、背を向けた。
「もう言うな」
ソファに座ってまた新聞で顔を覆ってしまった進藤の顔が、こころなしか僅かに赤らんでいるような気がした。
乱れた衣服を整え、たまきは身体を起こす。
髪に手を差し入れ整えながら、胸が満たされていくのを感じた。
ねぇ、それって、ちっぽけな独占欲?
それとも…
どっちでもいい。
貴方がこんなに激しく嫉妬してくれるなんて。
僅かな時間でも、貴方の心を私だけでいっぱいにすることが出来たのだから…
こんなことでこんなに幸せを感じてしまうのだから。
立ち上がってまた進藤に後ろからそっと抱きついた。
「ごめんなさい…」
「………」
進藤は新聞から目を離さない。
「ねぇ、本当にごめんなさい。許して?」
白い掌を胸元から首筋へ這わせ、耳元で囁いた。
その手をそっと進藤が掴む。
「お前、明日オペがあるんだろ…」
「…んー…少しなら、平気、かな?」
「…こんな気持ちにさせられたまま、少し、なんて出来るか…」
「じゃあ、一緒に寝ましょう。ね?」
「………」
それもまた不満気に進藤はむくれている。
やがて観念したように立ち上がり、たまきの肩を抱いてふたりは寝室に向かった。
貴方は知らないでしょう。
私はいつも嫉妬してるのよ。
苦しくて切なくて、溺れそうになるの。
それでも、離れられないわ。
そんな貴方を見ていられなくなることの方が、辛いんだもの。
そして、ほんの少しのことで貴方は私を幸せにしてくれるんだもの。
まぁ、惚れた弱み、ってヤツかしら?
57 :
しんたまねぎ:2008/08/10(日) 10:18:30 ID:6veM1XZ7
終わりです。
全然エロくない上に自己満SSでスミマセン…
更新が滞ってたのでないよりはましかと思い投下しました。
この後は皆さんのお好きに想像していただければ…(笑)
いいところに遭遇!
しんたまねぎさん、GJです〜!
エロなしでもサイコーです!
続きは、、、、想像します(笑)
時間があれば、また続き書いて欲しいケド(笑)
お、しんたまねぎさん乙です!!
やっぱしんたまねぎさんの書く進藤先生に萌えです><
エロじゃなくても素晴らしいです!!!!最高!
続きは妄想ですね笑ww
何でエロじゃないのにこんなに萌えるんだwwww
GJ!
エロじゃなくとも萌え!
ドラマに近い感じがします。
脳内で構成して再生しちゃいました(笑)
62 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:37:22 ID:me6F8fU/
「ふ〜……」
夕飯を済ませ、切りの良いところまで論文を進めた後、就寝の準備を調えたたまきは、吐息を漏らした。
明日も仕事だ、早く寝てしまおう。
そう考えたたまきだったが、ふと、思い出した。
もうどれ位、プライベートで進藤の顔を見ていないだろう?、と
それは、自分が論文をまとめたいから、と言ったからなのだが・・・
本当に1度も来なくなるとは思っていなかったのだ。
会いたい・・・
そう思うも、自分から言い出した事なので論文を仕上げるまでそうはいかない。
だが、そろそろ限界だった。
彼が恋しい。
寂しくて、仕方が無かった・・・
それなのに素直になれない自分の性格が憎くて。
だから今日の、この夜だけは彼の事を想おうと決めた。
63 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:41:43 ID:me6F8fU/
が、思い出した途端、心だけでなく身体もが熱くなった。
進藤がいた晩は、ほぼ必ず進藤は身体を求めて来た。
指で、掌で、唇で、舌で、彼は自分の全身を愛撫し
意思の力ではどうにもならない快感を送り込んで来る。
たまきは思わず、寝間着の上から自分の乳房に触れた。
掌で包み込み、強弱を付けて揉みしだき、そして指は先端の突起を摘む。
「……んっ……、ん……」
喉の奥で声を殺しながら、たまきはいつも進藤がするように
自身の乳房を揉み始めてしまっていた。
指の先で膨らみの頂上を軽く引っ掻くと、寝間着越しに硬く膨らみ始めているそれが布地を押し上げている感触が分かった。
…どうしてこんな事をしてしまっているのか分からない
ただ身体が熱くて、考えるよりも早く手が勝手に自分の身体をまさぐっていた。
64 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:44:32 ID:me6F8fU/
身体の中心が熱い。
疼き始めたそこが既にとろりとした液体で濡れてしまっている事を
たまきは自覚していた。
寝床に寝転がると、片方の手で乳房に刺激を与えながら軽く脚を開き
もどかしげに寝間着をずらすと指でそこに、触れた。
「……ぁ……っ」
思わず声が漏れる。
進藤の指はいつも、そこに触れるといやらしく蠢く。
花弁を開き、指の腹を前後に滑らせ入り口に刺激を与え
かと思うと中に入って来て彼女の特に敏感な辺りをまた指の腹で刺激する。
そうかと思えば指は彼女の中を激しく出入りして、また別の指が膨らんだ彼女の突起をこねくり回すのだ。
「ゃ……っ、ん、あぁ……」
吐く息は荒く、漏れる声は甘い。
たまきはただ一心に、濡れそぼる自身の身体を慰めていた。
65 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:47:16 ID:me6F8fU/
自分の指が泉を出入りする度、くちゅくちゅと音がする。
「……は、ぁ……、も……ぉ」
腰を突き上げ、指の出入りさせる速度を上げ、ただ快楽に身を委ねる。
だがもう一息、というところで邪魔が入った。
「たまき。俺だ」
インターフォンの呼び鈴と共に扉の外から聞こえたのは、進藤の声だった。
「ぅそっ!?!」
夢から醒めたかのように、一瞬で顔色を変え、思わず跳ね起きた。
「たまき。開けてくれ」
「〜〜……っ」
何て間の悪さで来るんだろう・・・
たまきはそう思ったが、ここまで来られてしまってはどうしようも無い。
たまきは急いで乱れた寝間着を戻し、自身の愛液で濡れた指を手拭で拭うと
何事もなかったかのような顔をして、扉を開けた。
66 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:49:37 ID:me6F8fU/
「限界だ」
短くそれだけ言うと、進藤はたまきの返答も待たずに上がり込んだ。
「……何しに来たの?」
たまきは再び戸締まりをし、既にソファに座り込んでいる進藤の側まで言いながら歩いて行く。
「最初に言っただろう?限界だ、って」
そう言いながら進藤は彼女の全身を眺めた。
「……な、何よ……?」
つい今しがたまでの秘めた行為に気付かれているのではないかと
たまきはぎくりとしながら、思わず両手で軽く自分の体を抱き締めた。
……目線で、だけでも彼女を焦がす。
「そのせいか、いつもよりお前がエロく見える・・・・」
そう言い放ち、進藤はまだ立ったままだったたまきの腕を引き、抱き寄せた。
「っ……」
体勢を崩したたまきは、そのまま進藤の胸の中へと倒れ込む。
進藤はすぐに彼女の唇を奪い、舌を使ってそれを割り開き、たまきの口腔内を蹂躙する。
片方の腕ではたまきを逃がさぬよう、彼女の腰を強く抱き寄せながら
もう片方の手で胸の膨らみに触れた。
67 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:53:25 ID:me6F8fU/
「……んっ! ん……んぅ……」
喉の奥からくぐもった声を漏らしながら、たまきはびくりと体を震わせる。
進藤は彼女の乳房を揉みながら、指を滑らせその先端の辺りに触れた。
「あっ……ぁ、ん!……ぁあっ!!」
普段、この程度触れたくらいでは発しない程の艶かしい声が
たまきの唇から零れる。
いつもならば抵抗の一つもして来るはずの彼女は
見ればとろんとした表情で頬を上気させ
進藤を見上げている。
指先に触れた蕾は、既に硬くしこっていた。
「…………」
進藤は黙ったまま、乳房から手を離すと、そのままたまきの寝間着の裾を開き、脚に触れる。
それにたまきは慌て、声を上げた。
「なっ……、ちょ……っと待てっ!」
指は拭ったものの、股間までは拭いていない。
しかも、今ほんの少し進藤に触れられただけで、更に熱く潤みを増した事に気付いていたからだ。
だが進藤がそんな制止を聞く筈もなく
半ば力の抜けかけたたまきの脚を強引に割り開き、その付け根に触れる。
68 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 13:53:53 ID:BkvIr2R0
しんたまねぎさん最高です!
久しぶりに神降臨
69 :
通りすがり:2008/08/13(水) 13:56:33 ID:me6F8fU/
「あ、ふぁぁ……っ!」
哀しい程正直に、たまきの唇から喘ぎが漏れる。
だが進藤は、そのまますぐにそこから指を離し
唸るような低い声で、言った。
「・・・何でもうココがこんなになってるんだ?」
そう進藤が思ったのも無理からぬ程に、たまきの股間はぐしょぐしょに濡れそぼっていたのだ。
言われた途端たまきは俯き、顔を赤く染める。
「お前・・まさか・・・」
そう意味深に続けられ、たまきは進藤の言葉を遮って即座に反論した。
「べ、別に私何もしてないわよ?!」
だが声は上ずり、動揺しているのが自分でも解る。
「・・・素直に言ってみろ」
たまきが浮気なんでする女じゃない事なんて解っている。
そうなると思い当たる節はたった1つ。
今の態度と、たまきが初めから妙に妖艶に見えたのも、それなら説明がつく。
たまきの口から言って貰おうじゃないか・・・
進藤は静かにほくそえむと再び指を彼女の秘部に触れ、陰唇を開き入り口を擦り立てる。
「やぁっ、あ……っ、あ、んんっ」
常よりも過分に敏感になっている秘めた場所を刺激され
たまきは答える事も出来ずに声を上げ、身を仰け反らす。
70 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:00:11 ID:me6F8fU/
「ちがっ……、あっ、ぁ…ぁ…!」
だが進藤の指は、たまきを絶頂に導こうとはしない。
彼女が極まって来たと見るや、そこから離れた。
「……っ、……ぁ、……?」
満たされず、たまきは濡れた瞳で進藤の顔を見上げた。
進藤はただ黙って、彼女を見下ろしている。
このまま言わなければ、一晩中これを繰り返されるのではないかという恐れが
たまきの心に浮かび観念して、たまきは口を開く。
「た……、たまたま……、そういう、気分に……なって・・・それで……」
だがそれ以上を自分で口にするには
まだ少し決心が足りなかった。
そこまで言って黙り込んだたまきを見て、進藤は再びほくそえむ。
「自分で慰めていた、か」
その言葉に、またたまきの顔が真っ赤に染まる。
進藤は喉を鳴らし、低く笑った。
「なら俺が来て都合が良かったじゃないか」
71 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:03:08 ID:me6F8fU/
「…………」
たまきは目を逸らした。
進藤を思い出した上に、その記憶に頼って自慰を行ったなどと
もうこれ以上は口が裂けても言いたくなかった。
だが進藤はそれ以上の言及はせず、たまきの体を敷いてあった寝床に押し倒す。
彼女の寝間着を開いて体の前面を剥き出しにさせ、掌で包んで乳房を揉み立てながら
片方の乳首を指で摘み、捻り、こねくり、もう片方のそれを唇で挟むと尖らせた舌先で突付く。
「あ……っ、あ、ぁ……」
達し切れなかった体は敏感で、たまきの口からは絶えず甘く喘ぎが漏れる。
でも、それだけでは、到底足りない。
しばらくそのまま乳房だけに愛撫を受け、たまきはたまらずに懇願した。
「あぁ……一生っ……、……ん……下もっ……、触って………っ」
焦れてねだる声を聞き、進藤はまたも喉を鳴らし、笑った。
72 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:06:21 ID:me6F8fU/
「あぁ」
片手で乳房への愛撫を続けながら、進藤は片手をたまきの胸から
腹、そして下腹部の先、濡れた茂みへと滑らせる。
「んぁっ……!」
その感覚に、たまきはぞくぞくと体を震わせる。
進藤の指が、そこに触れた。
くちゅくちゅと音を立てながら陰唇の中を擦り立て、彼女の中へと浅く指を出し入れする。
「あっ、あ……っ、あ、あぁん……」
身悶え、たまきは軽く背を仰け反らす。
進藤に割り開かれた訳でもないのに、その両脚は大きく開かれていた。
「……たまき。……もう、欲しいか?」
たまきの耳元で、進藤が甘く囁く。
たまきは短く呼吸を繰り返しながら、閉じていた目を開いて進藤の顔を見上げ
そして、羞恥に染まった顔で、小さく頷いた。
進藤は満足げに笑い、素早く下を剥ぐと既に熱く、硬く猛っている分身を取り出した。
73 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:16:06 ID:me6F8fU/
もう少し焦らしてやろうかとも思ったが
こんなに淫らなたまきを、今まで見た事が無かった。
愛でてやれば最初の態度がどうあろうと解いた身体を彼に委ね
感じて乱れもするが、彼女に求められた記憶は無かった。
あまり焦らして熱が冷め、常と変わらぬ態度に変じてもつまらない。
驚く程、大量の蜜で塗れそぼっているたまきの入り口へ、剛棒の先端を押し当て、囁く。
「たっぷり味わえ」
そう言うと、進藤は一気に彼女の奥まで貫いた。
「あっ……、あぁ、あ……っ!」
たまきは全身を震わせながら悦びの声を上げる。
進藤を呑み込んだ彼女の蜜壷は、ひくひくと蠢きながら
ようやく与えられた悦楽の塊を逃さぬよう、強く吸い付いて来る。
「…っ、きつく締めるな……。俺の方が持たない」
何処か可笑しげに、進藤が囁いた。
「そんなっ…ぁ…事、言わせて…も…」
たまきは小さく呟いて進藤から顔を逸らす。
74 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:21:17 ID:me6F8fU/
だが、その身体は彼を更に奥へと迎え入れようとでもするかのように
腰を突き上げ、自身の股間を進藤のそこへと押し付けている。
「知らな……ぁ、あ!自分でも、…コントロール…出来な…ぃ…の」
うわ言のように呟きながら、たまきが小さく腰を揺らす。
進藤は愉しげに笑うと両腕をたまきの体の両脇に突き、腰を引いた。
そしてすぐさま、強く突き入れる。
「あっ……あ、あ、あっ、っ……っ!!」
進藤の剛直で粘膜を激しく擦り上げられる度、たまきは淫らな声を発する。
突き上げられる度に胸の上で乳房が揺れる
その様に進藤も更に興奮を覚える。
ぐちゅぐちょと音を立てながら彼女の中を掻き回してやると
たまきの喘ぎは更に甲高くなって行く。
75 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:25:25 ID:me6F8fU/
「ああっ、はっ、あっ……あんっ、あぁ……ん、も……、ぁ」
自らも腰を振りながら、たまきの唇が絶頂を訴えた。
進藤は更に速度を上げ、彼女を激しく幾度も突いた。
「はぁ、あっ、あっ、あぁ、あああぁぁ っ!!」
一際大きな声を上げ、たまきの身体が大きく仰け反った。
進藤を咥え込んだままのそこも、激しく痙攣を繰り返す。
「っ……」
詰めた吐息と共に、進藤も達し、そこへ熱く粘る液体を放った。
「は……、ふ……ぅんっ」
満足げな吐息混じりに声を漏らすたまきの中から進藤が引き抜くと
その感覚にか彼女はぞくぞくと身を震わせた。
はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返しながら、まだぼぅっとした目でたまきは進藤を見上げている。
自身も呼吸を整えながらその視線の意味を少しだけ考え、やがて進藤は笑った。
もはや袖を通しているだけに過ぎない彼女の寝間着を剥ぎ取り、寝床の外に放る。
「……いっ、せい……?」
76 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:27:26 ID:me6F8fU/
掠れて囁くような声で、たまきは彼の名を呼んだ。
「まだ足りないだろう? ……俺もだ」
そう答え、進藤は一度たまきの身体を抱え上げ、後ろに返すと四つん這いの体勢を取らせた。
「えっ……」
驚いたように声を漏らし、たまきは振り返る。
77 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:32:51 ID:me6F8fU/
先程の彼女の痴態を思い返せば
…否、思い返さずとも、すぐに大きさと硬さを取り戻した己の一物を
突き出させた彼女の中心にあてがい、そして、腰を進める。
「はっあ…!…ぁ、ああぁ……」
ずぶずぶと進藤を呑み込みながら
たまきはまたもぞくぞくと身を震わせ、官能的な声を漏らした。
両手で彼女の腰を掴み、すぐに進藤は激しく腰を使い始め、幾度も叩き付ける。
「ぁあっ、あっ、あ……あぁっ……ぉ、奥に……当たっ……あ、ぁん」
進藤の男根に幾度も抉られ
たまきの唇は絶え間無く淫靡な調べを奏でる。
後ろから貫いたのは初めてだったが、これも悪くはないと進藤は思った。
少し腕を伸ばせば、揺れる彼女の乳房に触れ
それを鷲掴む事も出来る。
「あぁっ、あ、あぁ、あ……っ」
悶え喘ぎながら、たまきは無意識の内に更に尻を突き出し、進藤に押し付けてしまっていた。
激しく出し入れされる度に、大量の水分が掻き回される卑猥な音と
肌と肌の打ち合わさる乾いた音とがたまきの寝室に響く。
78 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:36:02 ID:me6F8fU/
「も、だめ……ぁ、も……う…イキそ…なのっ」
既に力は抜け切り、進藤に抱え上げられている腰以外をぐったりと布団に預け
たまきは普段なら決して口になどしない言葉を吐く。
目が回りそうな程気持ちいい。
自分を満たす進藤の熱い塊が幾度も激しく天井までを突き上げる
その感覚がたまらない。
「あぁぁ、あぁ〜……っ、はぁっ、あぁぁぁ……!!」
もう幾らも持たず、深い吐息のような声と共にたまきは果てた。
達してはいないはずの進藤の感覚が、一度、胎内から消える。
「んっ……、……ん……っ」
全身を、そして秘所をひくつかせながら、たまきは声を漏らす。
79 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:39:45 ID:me6F8fU/
その彼女の身体を、進藤の手が今度は横向きに寝かせると
上になった片脚を抱え上げ、そのまま交差するように貫いた。
「ひぁっ、あ……、あ!」
余韻醒めやらぬままに挿入され、たまきの身体がびくん、と震えた。
「俺がまだだ」
荒い呼吸と共に、進藤の声が熱く囁く。
「……んっ、ぁ、あ……ぁ、も、もう……!」
たまきが喘ぐ。
視線を落とせば、二人の繋がっている部分が進藤の目に映る。
彼がたまきの中を出入りする度に、花弁がめくれ上がり
また押し込まれる様は、例えようもなく淫猥な眺めだった。
80 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:42:02 ID:me6F8fU/
その光景に、進藤は更に興奮を募らせる。
限界が近い。
たまきの方も、二度も達したというのに休む間も無く責め立てられ続け
あまりの快感におかしくなりそうだった。
「あー……っ!あっ、あぁ……は、ぁ……も……無理っ……」
たまきは悲鳴のような嬌声を上げた。
こんな体勢で進藤の好きなように肉体を貪られているというのに
どうしてか、それすらもぞくぞくした熱となって彼女を燃え上がらせる。
「たまき……、行くぞ」
激しく繰り返される呼吸に混じり、進藤が言った。
81 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:44:16 ID:me6F8fU/
そして、もう快楽に喘ぐしか出来ないたまきの返答を待たず
彼は動きをより速く、力強いものへと変化させて行く。
「ああ!あっ、あん、ああぁ、あぁんっ!!」
より一層強く、激しく抉り、突き上げ、擦り立てられて
たまきはまたも感覚の果てを感じた。
絡まり合う結合部から立ち上る音が間隔を狭め
そして一際強く進藤が彼女の身体の奥に叩き付けた時
それと同時にそこへ熱い液を浴びせ掛けられ
たまきはびくびくと全身を震わせながら声を上げた。
「ぁはっ……あ、あ……っ! あ、ああぁ !!」
翌朝、進藤は普段よりも早く起き出し、身なりを整えた。
そして、まだ布団の中でよく眠っているたまきに声を掛ける。
82 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:46:46 ID:me6F8fU/
「いきなり来て悪かった。俺はそろそろ出る」
「……ん〜……?」
声を掛けられ、たまきは薄く目を開けた。
枕元の時計をチラリと見て、眠い目を擦りながら答えた。
「貴方、今日早番?」
「いや、そうじゃないが」
進藤の返答を聞き、たまきは掛け布団を抱えたままむくりと体を起こす。
「……じゃあ朝ご飯でも一緒に食べましょ?」
「そぅだな」
「すぐ作るわね」
返事をしながら、たまきはとりあえず昨晩進藤に剥ぎ取られた寝間着を身に着け直し、立ち上がった。
「予想外に冷蔵庫の中に材料がなくて、こんなモノしか作れなかったけど・・・」
そう言いながらたまきが進藤の前に用意したのは
こんがり焼けたパンと色とりどりの野菜が入ったオムレツに珈琲。
「十分だ」
そう答え、進藤はオムレツを口に運ぶ。
83 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:49:10 ID:me6F8fU/
たまきも進藤の前に座ると、自分の分の食事に手を付けた。
するともくもくと食べていた進藤が食べ終わるなり、いきなり口を開く。
「たまき」
名を呼ばれ、パンを口の中に放り込みながら、たまきは進藤を見た。
「ご馳走様。・・・うまかった」
「…どう致しまして」
うまいと言われ、隠し切れないらしい嬉しそうな笑みを浮かべ進藤の言葉に答えた。
84 :
通りすがり:2008/08/13(水) 14:56:04 ID:me6F8fU/
慣れない事ばかりして芯がブレてる気がするφ(.. ;)
たまきさんに一人Hさせてしかも事後の会話まで書いちゃって
どうでしょうか?
これ、大丈夫…ですか?(ドキドキ)
ぬぉぉぉ!!
通りすがりさん、超大作です!
ダイジョウブどころか、今までで一番好きかも!
最高です!!
うををををを
たまきさん可愛ええーw
GJです!
1人Hのシチュもいいかもw
87 :
しんたまねぎ:2008/08/13(水) 16:53:03 ID:CxoNN0FJ
やばいやばいやないやばい!
ちょっと覗いてみたら通りすがりさんの新作が!
すっごい読みたいけれど時間がないので明日以降になる…
ぎゃーーーーー!!発狂しそう!!!(爆)
ええええええええええすげえ!凄すぎる!!!!
何この大作!!すっごい萌えました!!!!!
進藤香坂良い!!
通りすがりさん最強( ゜∀゜)o彡゜
とにかくGJ!!!!!
89 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 21:15:23 ID:tv48BBve
うああああああああ!!!
通りすがりさんGJGJGJGJ!!!凄すぎる神すぎる!!
たまきかわいすぎwww
通りすがりさん、まじで凄すぎ!!!!!
まさに神です!!!!!!
進藤もたまきも最高にイイ!!!
91 :
しんたまねぎ:2008/08/14(木) 00:11:49 ID:QqjVFPCz
頑張って時間作って読みました!
うぉぉぉぉぉおおおおめっちゃ良すぎ!!!!!
たまきがめっちゃ可愛くてエロくて最高デス!!!!!
『恋人同士の秘密』って感じが堪らなく萌えます!!!!
通りすがりさん神過ぎます!!!!
ってか、また微妙にネタがかぶりました…
それから58〜61さん、68さん、エロじゃないのに受け入れてくださってありがとうございましたm(_ _)m
(私にとっては微エロなのですが^-^;)
ドラマっぽいと言ってもらえると、とても嬉しいです。
(ドラマっぽくないと憤慨された方はスミマセン…)
通りすがりさん、GJすぎ!!!!!!
逆に進藤先生が、たまきのゴハン作るエプロン姿とかお風呂上がりを見て
一人悶々としたりは…するのでしょうか?
>>93 wwwwwwwなるほどwwww
通りすがりさんすげえ!GJです!
97 :
通りすがり:2008/08/16(土) 00:10:36 ID:jtgvF1Zz
無防備過ぎる…
進藤は目の前の女を見てまた1つ、ため息をついた。
「また、ため息ついてる。幸せ逃げるわよ?」
冗談混じりに言ってくる彼女の能天気さに、またため息が漏れる。
…誰のせいだと思ってるんだ…
そう言ってやりたくなった。
そりゃため息も出るだろう…
そんな姿でいられたら男なら、誰でも
当の本人は気にしていないみたいだが
その姿に俺は、興奮していた。
髪をタオルで拭きながらバスローブでうろついている彼女を意識しないよう、心掛けようとしてしているのに
彼女がそうはさせてくれない。
「ねぇ、貴方も何か飲む?」
冷蔵庫を開けながら声を掛けてくる。
「いや、俺はいい」
それだけを返すに、精一杯だった。
彼女を見れば理性は失われていく一方だ。
見てはいけない。
そう思うのに、水を飲み下す音にまた彼女に目を向けてしまい
整った横顔に、思わず見惚れる。
すると視線に気が付いたのか、こちらを向いて小首を傾げる。
98 :
通りすがり:2008/08/16(土) 00:11:35 ID:jtgvF1Zz
「何?」
「…いや………」
何でもない、そう言ってさっきから読んでもいない雑誌に再び視線を戻す。
彼女はもう1度首をかしげながらも水を冷蔵庫に直すと
何やら自分の方へ向かってきているようだった。
足音が近づいてくる。
「ねぇ、やっぱり貴方今日は少し変よ?」
自分の後ろについた気配を感じるや否や、ふわりと首に腕を回される。
背後から感じる、彼女の温もりと、香りに、自分が更に動揺しているのが解る。
「誘ってると勘違いするだろ…」
理性が飛んでいきそうだ…
そう危険を感じ、彼女に離れてもらおうと言ったのだが
返ってきた言葉は意外な物だった。
「そうだと、したら?」
耳元で静かに囁かれる。
「何だと?」
甘く妖艶に響いてきた囁きに思わず耳を疑った。
振り返って見ると彼女は自分を真っ直ぐに見つめていた。
「女は誰もが自分の魅せ方を知っているものよ?」
目眩を覚えた。
麻薬のような、危険な…
媚薬のように自分を熱くさせ、狂わせる
そんなどこまでも甘い囁きに
「じゃあ俺は」
「蜘蛛の巣に架かった蝶、って所かしらね」
そう言って妖艶に笑う彼女には口では表せない程の色香が漂っていた。
こんな罠ならば、いくらでもかかりたい。
こんな甘い、甘い罠ならば…いくらでも、何度でも…
99 :
通りすがり:2008/08/16(土) 00:14:26 ID:jtgvF1Zz
93番さんの意見を取り入れて書いて見ました。
この後は想像でよろしくお願いします(笑)
それから1つ前のお話が好評で安心しましたvv
いい反応が聞けて嬉しい限りです♪
神きたああああああ!!!!
GJ!萌えです(;_;)
あとは想像しますね(笑)
通りすがりさん、すげぇーーー!!
激萌えです!!
102 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:41:20 ID:eFNLc8bv
やっばー…たまき色っぽ過ぎですvvvvv
>女は誰もが自分の魅せ方を知っているものよ?
くぅぅぅぅぅ>▽<
こういうたまきが見たかった!!
新作投下しにきたら思いがけず遭遇★
すぐで申し訳ないけれど、私も投下させていただきます!
103 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:43:51 ID:eFNLc8bv
「こちら救急指令センター。医師とナースの派遣をお願いできませんか?」
港北医大救命救急センターに、今日もけたたましいホットラインが鳴り響く。
「進藤先生と香坂先生、それから山城君、行って!」
小田切医局長が指示を出す。
この数日、激しい雨が降り続いていた。
水かさの増した河川に沿った道路で事故があり、救助が困難なため先に現場に来て欲しいと要請があった。
幸い、今は雨が止み、進藤達は車に乗って現場へ向かった。
患者は幸い多くはなかった。
だが、場所が悪かった。
幅の狭い道路で乗用車とマイクロバスが衝突し、挟まったまま動けない患者がいたのだ。
「ここで治療をするしかないな」
「そのようね」
進藤の素早い判断にたまきも同意し、その狭い中で治療が開始された。
手早く処置をしていく進藤を、的確にサポートするたまき。
息の合ったふたりの仕事ぶりに、助手をしながら山城は感心していた。
「もう少しで身体が抜けます!」
レスキュー隊員が叫んだ。
「よし、後は病院でオペだ」
「胸部と腹部と、2ヶ所同時にやらなきゃいけないわね」
進藤が言うと、たまきも頷いた。
患者の身体が車の隙間から抜けた。
と、そのとき、その身体がたまきにぶつかり、たまきはバランスを崩した。
「きゃっ…」
はっと進藤が気付いたときには遅かった。
足を滑らせ、転げ落ちていった先はその下の大きな河川。
「香坂!」
「助け…」
水かさの増した河はその流れを激しく速め、うねるようにたまきを飲み込んでいった。
――助けて、進藤先生――
霞む視界にたまきの声と進藤の姿がかき消された。
104 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:45:36 ID:eFNLc8bv
どれくらい経ったのか。
横たわったたまきがふと目を開けた。
すぐ側に、轟々と河の流れる音。
――助かったの…?
覚醒しない頭と身体に、重みがかかっているのに気がついた。
「…進藤先生!?」
たまきを抱きかかえるようにして重なり、進藤は気を失っていた。
進藤先生が助けてくれたの?
あの激しい流れに躊躇なく飛び込み、必死で泳ぎ、たまきを捕まえ、この河岸へと押し上げてくれたのか。
重なるその身体が、哀しくなるほど冷たくて。
たまきは泣きそうになった。
必死に堪えて辺りを見渡す。
一体どれだけ流されてきたのか。
家の一件もない、人の一人もいない寂びれた田舎の風景だった。
一体此処はどこなのか。
ぽつぽつと、また雨が降ってきた。
考えてる暇はない。
とりあえず、雨を凌げる場所まで。
たまきは進藤の身体から自分の身体を抜くと、気を失った進藤を必死の力で支え、辺りを彷徨った。
古びた小屋を見つけ、中に入って進藤を横たわらせる。
「進藤先生!進藤先生!!」
必死で揺さぶるその身体の冷たさに、ぞくりとした。
顔は完全に血の気が引いて青ざめている。
相当の時間あの冷たい水の中にいたのだ。
ふたりの衣服はその水をこれでもかというほど含み、身体に纏わりついている。
完全に冷え切ったその身体を温めなければ、命に係わる。
辺りには火をおこす場所も道具もなかった。
たまきは素早く自分の服を脱ぎ捨て、そして進藤の服も脱がせた。
生まれたままの姿で進藤に重なる。
その素肌が猶冷たいままだということに、涙が溢れる。
少しだけ触れたことのある彼の手や肩は、いつだって温かかった。
あの熱さを、取り戻してよ。
こんなの、貴方らしくない。
零れる涙が進藤の胸を濡らした。
ぎゅっと強く抱き締め、白い掌が身体中を辿る。
そっと胸に口付け、腕を擦り、背中を擦り、太腿を擦る。
ぴくん。
進藤の身体が少し反応したのが判った。
その反応に泣きそうになりながら、反応した部分を徐々に擦ってゆく。
「…う…ん…」
「っ!進藤先生!」
反応した部分は、徐々に熱を帯びていった。
「進藤先生!ねぇ、起きて!」
「…ん…早…紀…?」
105 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:46:17 ID:eFNLc8bv
瞬間、ずきっ、と何故か胸が痛んだ。
でもそんなこと考えてる場合じゃない。
誰に間違えられても構わない。
この人を助けなければ。
「早紀……」
そう動く口唇を、そっと塞いだ。
深く口付けし、耳元を撫でながら頬に、喉に、首筋に舌を這わせてゆく。
敏感な部分を中心に、身体は徐々に熱を帯びてきた。
そっと進藤の腕がたまきの身体に纏い付く。
「早紀…すま…ん…」
そう呟くと、抱き締められた腕に力が籠もった。
進藤先生…
顔を見上げると、少しずつ血の気が射している。
その顔に、たまきは心から安堵した。
同時に涙が溢れた。
大丈夫、彼は助かる。
喜びに胸を満たしながらも、たまきは進藤の身体を温め続けた。
「…う…ん…?」
ゆっくり目を開くと、霞んだ視界が徐々に明けていった。
蜘蛛の巣の張った天井が見える。
此処は…?
古びた壁の窓から見える空は、深い藍色に暮れかけている。
胸元にくすぐったさを感じて目を遣ると、同僚である香坂たまきが規則正しい寝息を立てていた。
「っ!!?」
また頭が真っ白になる。
状況を把握しようとまだ鈍い頭を必死に巡らせた。
人気のない古びた夜の小屋、薄い毛布の下には、裸の自分と、そして香坂たまき。
この、ありえない状況は…?
106 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:46:54 ID:eFNLc8bv
気配を感じたのか、眠っていたたまきが、ゆっくり目を開ける。
「気が付いたのね。良かった」
微笑むその笑顔は、いつもより柔らかい気がした。
「…香坂…?」
ま、まさか俺は、過ちを犯してしまったのか?
必死に思い出そうとしても頭が痛むばかり。
戸惑うばかりの進藤に、たまきは状況を短く説明した。
「ショックで一時的に記憶がとんでるのかしら…。大丈夫よ、すぐに思い出すわ」
自分の胸の上で頬杖を付き、たまきが言った。
「そうか…」
たまきの説明にとりあえずはほっとするも。
微笑むその瞳とその仕草が悪戯な少女のようで、進藤は少し目を逸らした。
「でも良かった…。本当に、すごく冷たかったのよ、この身体…」
そう言うとたまきはまたそっと進藤の胸に両掌を置き、身体を重ねた。
全身に感じる、その柔らかい肌。
初めて触れるその肌が、こんなに白く柔らかいなんて、反則だ、と進藤は思う。
「今はほら、こんなにあったかい…」
そっと目を瞑り、胸の音を聴くように顔を埋める。
その身体の中でも、特に柔らかい部分が、進藤の胸板に押し付けられている。
肌だけなら心地よいだけで済むかもしれないが、その感触は…。
嫌でも其処に神経が集中してしまうのを、必死に防ごうとした。
「どうかした?」
心拍数が上がったのに気付いて、たまきが少し身体を起こす。
と、硬くなったふたつの先端が進藤の胸板を柔らかく擦る。
くすぐったいだけでは済まない刺激が進藤の頭を痺れさせる。
目をぐっと瞑り腕を額に押し当て、必死に我慢した。
「どうしたの?具合が悪いの?」
心配そうな声にどうにかなんでもないと答えようと目を開けると。
まだ僅かに湿った髪を白い肌に纏わり付かせ、あどけない顔で訊いてくるその、全てが妖艶で。
見なければ良かったと後悔した。
ただでさえ、尋常じゃないこの状況なのに。
こう、いつもと違う表情ばかり見せられては。
ましてや、相手はこの女、香坂たまき、なのだ。
理性を保つ自信がない。
「ねぇ…?」
たまきが肩を掴み、進藤の身体を揺さぶる。
「こ、うさか…。すまないが、少し離れてくれないか…?」
目を腕で覆ったまま、どうにか言葉だけを押し出した。
「あ……」
その言葉に、自分の状況に気づいたのか、たまきは近付けていた顔を離した。
「ごめんなさい…っ」
そそくさと進藤の身体から降り、少し離れて毛布でその艶やかな身体を隠す。
ふ―――――っと、押し殺した溜め息をつく進藤。
たまきもさっきまでの自分の行動が急に恥ずかしくなったのか、顔を赤らめている。
107 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:47:50 ID:eFNLc8bv
息を整え、どうにか気持ちを落ち着かせる。
外は激しい雨の音が続いている。
ぽつんと取り残された静寂に、二人の胸に不安が広がる。
このまま誰にも発見されなければ…
ふっと首を振り、弱気な思考を振り払う。
唯一の救いは、すぐ隣に感じるあどけない温もり。
「あの患者、どうなったかしら…」
たまきがぽつん、と呟いた。
「…後は医局長たちがうまくやってくれただろう。今は考えなくて良い」
「…そうね。それより自分達の心配しなきゃ、ね…」
ふっと悪戯に笑って見せた。
いつもの調子に戻ってくれるのにほっとし、でも心の底では、どこか寂しい気持ちにもなり。
少しだけ触れた肩から、お互いの気持ちが伝わってくるような気がして。
「…そういえば、夢を見ていたな…」
ぼんやりと進藤が呟いた。
「…幸せな、夢?」
天井を見上げたまま、たまきが優しく問う。
「ん?」
「貴方ずっとうわ言言ってたわ。ねぇ、早紀さんて、亡くなった奥さんなんでしょ?」
「…早紀の名前を?」
進藤は思わず驚く。
「きっと、奥さんが助けてくれたのね、貴方のこと」
たまきは微笑んだまま目を閉じた。
「…お前もたまには医者らしくない、感傷的なこと言うんだな?」
珍しいものを見た、とでも言うように進藤が言った。
「…こんなときまで医者やってたくないわよ」
ぷい、と進藤に背を向ける。
「………」
そう、今ふたりは、医者じゃない。
意見をぶつけ合い、助け合い、信頼し合っていたのは、いつも医者として。
病院の外では、会ったこともない。
どんなところに住み、何を食べ、休日には何処へ出かけ、誰に会うのか…
何も知らなかった。
知りたいと思う心を、押し殺していた。
「…早紀の夢じゃない」
ぽつん、と進藤が言った。
「え?」
「早紀じゃないんだ…」
暗く冷たい闇の底で、助けてくれ、と声にならない声で叫んですがり付いたのは、
いつも強気で前ばかりを向いている、危なっかしいその華奢な身体。
危なっかしくて目が放せなくていつも追っていたその後姿に、
いつの間にか救われている自分がいた。
抱き締めたいと願ったその心に、罪悪感を感じて亡き妻に謝った。
今、亡き妻とは少し違う位置で進藤の胸に住んでいるのは。
その、強がりで脆い、確かな温もり。
108 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:48:24 ID:eFNLc8bv
「…俺を助けたのは、お前だろ」
少し笑って進藤が言う。
その笑顔に、たまきもまた微笑む。
「助けてくれたのは、貴方の方じゃない」
そう、いつも。
誰も気付かない私のSOSに、ひとりだけ気が付いてくれる。
決して言葉に出さない優しさで、私を包み込んでくれる。
見詰めるだけで、心ごと私を抱き締めてくれる。
そんな貴方だから、誰よりも死んで欲しくなかったのよ。
貴方を助けたのは、医者としてじゃない。
こんなに傍にいるのに、声に出せない想いに、たまきの瞳は潤んだ。
ぶるっと、身体が震える。
雨に冷やされた外の冷気が古びた小屋を浸蝕してゆく。
更けてゆく夜にまた身体が冷え、毛布を握る手が震える。
「どうした、寒いのか?」
進藤が問うと、たまきは小さく頷いた。
戸惑いがちに、問う。
「もっと傍に、行っていい?」
「………」
進藤は腕を伸ばし、無言でたまきを抱き寄せた。
肌と肌が重なり、お互いの体温が伝わる。
小さな顔を首と肩の隙間に埋め、柔らかい胸を厚い胸板に押し付け、細い脚を絡ませる。
その冷たさにひやり、とし。
進藤は、強く強くたまきを抱き締める。
「…最期の場所が此処なら、悪くないわね」
進藤の耳元でたまきが囁く。
「何言ってるんだ。お前がこんなボロ小屋で…」
言いかけてその意味に気付く。
「こんな温かい場所、今まで知らなかった」
柔らかい髪を何度も梳き、進藤は囁いた。
「弱気になるな。お前らしくない。必ず助かる」
この温もりを抱くのを、これで最後になんてしたくない。
否、させない。
「…お願いがあるの」
たまきが進藤の瞳を見詰めて呟いた。
「なんだ」
「名前を、呼んで?」
鼻と鼻が触れるほどの位置で見詰めた瞳は、美しく柔らかくゆらゆらと揺れ。
そっと片手を頬に遣り。
初めてその、儚さに触れる。
「たまき」
見詰め返した進藤の瞳は、切なげに、愛しげに光り。
自分の名前が、ふたつとない愛おしい響きを奏でる。
たまきの瞳は涙で潤んだ。
「もっと、もっと呼んで?」
「たまき…」
呼びながら、優しく髪を梳く。
「たまき…たまき…」
溢れた涙がこめかみを伝い、髪を濡らしてゆく。
彼の口から呼ばれると、なんだか、生まれ変わったような気がする。
「何度でも、呼んでやるから。だから、諦めるな。たまき」
頼むからもう二度と俺の前から消えないでくれ、と強く願いを込めて。
「たまき…」
うわ言のように繰り返す進藤の頬をそっと撫で。
「ありがとう…」
濡れた瞳で微笑んだ。
瞳を瞑り、そっと口唇を近付けた。
109 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:48:54 ID:eFNLc8bv
微かに触れた口唇が、小刻みに震えていて。
その震えが、どうにか繋ぎとめていた理性を、崩した。
震えを止めてやりたくて、再び口唇を塞ぐ。
初めて触れ合ったことに胸が熱くなり、だけどその口唇は何故か、ずっと前から知っているようで。
もっと触れたいと頭を抱き寄せると、苦しそうに口唇を緩めた。
自然に口唇が割れ、重なりが深まってゆく。
そっと舌を差し入れると、柔らかいそれの先端に触れ。
ぞくりと甘い痺れが走る。
戸惑いがちに、ゆっくりと絡めてゆく。
優しく舐め上げるとそっと応えてくれ、その歓びに動きが激しくなってゆく。
絡み合う舌に口内が熱を上げ、熱い吐息が零れる。
震える肩を抱き、柔らかい髪を撫で、細い腰に手を回す。
絡めた脚に力を入れ、そっと口唇を放した。
真っ直ぐな眼差しで、たまきを見詰める。
「今度は俺が、お前を温める。いいか?」
110 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:49:34 ID:eFNLc8bv
見詰めた瞳は涙で潤んでいた。
その瞳が切なげに光り、こくん、と小さく頷く。
それを合図に、ふたりは再び激しく口付けを交わした。
口付け合いながら耳の辺りを撫でてやると、たまきの身体がぶるると震えたのが判った。
堪らず耳元に口唇を移動させる。
耳朶を甘く噛み、入り口を浅く舐め、耳の後ろを愛撫する。
「…っ…」
甘い吐息と共に、たまきの腕が強く進藤の頭を抱き、細い指がその髪に絡まる。
進藤の長い指はゆっくりと降りてゆく。
口唇を縁取り、細い顎を伝い首筋を撫でる。
たまきの冷たい皮膚に触れてゆくその掌は、驚くほどの熱さ。
その熱に、泣きそうになった。
冷えた肩を何度も擦り、深く口付けたまま柔らかい膨らみを覆った。
どきん、と胸が高鳴る。
尖った先端が彼の手に触れるのが恥ずかしくて、たまきはふと顔を逸らした。
すると進藤の口唇が頬から首筋へと移動し、鎖骨のくぼみに顔を埋める。
「や…っ」
思わず声が漏れる。
先端がみるみる硬くなるのが判った。
五本の指を大きく広げ、掌全体で優しく揉み解してゆく。
その優しさが嬉しくもあり、同時に哀しくもあった。
この男が、たまきを欲して抱くわけがない。
それならいっそ、我を忘れて激しく抱き潰して欲しいのに。
こんなときでも自分を失くさない彼が、恨めしくもあった。
衝動に襲われ、たまきは進藤の頭を強く抱き締めた。
するとその指が、そっと先端に触れ。
ぴくん、と身体が震える。
これ以上ないと思っていたのに、また硬く尖ってゆく。
指と指でそっと挟み、揉みながら転がしてゆく。
やがて揉みあげる手が激しくなり、その柔らかい膨らみは進藤の掌の中で自在に形を変える。
摘まれていた先端を、くいっと引っ張られる。
「んっ!…」
甘い吐息と共に声が漏れ、慌てて口唇を噛み締める。
しかしその声に欲情したのか、進藤の口唇がそこに移動した。
優しく含み、蕾をちろちろと舐める。
目を瞑り眉を歪め、必死に声を押し殺す。
手がたまきの背筋を何度もなぞり、もうひとつの掌はたまきのもう一つの膨らみを愛撫している。
口唇を離し、熱い舌が尖った先端にぺろりと絡みつく。
「っ!」
いろんな角度から、優しく、ねっとりと舐め上げられた。
「…っ…ぁ…ん…」
噛み締める口唇に力が入る。
そっとその口唇にささくれ立った指が触れた。
111 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:50:45 ID:eFNLc8bv
「…痛いだろ?」
「…べ、つに…」
「無理するな」
「…恥ずかしいのよ。……それに…」
「それに、なんだ」
「…悔しいんだもん…。私ばっかり本気になってるの…」
恨めしそうに進藤を睨むその瞳には、涙が溜まっていた。
僅かに滲んだ瞼の淵にそっと触れ、それを拭いながら進藤は言った。
「どうして自分だけって思うんだ」
「そんなの、判るわよ…」
哀しげな瞳をふっと逸らした。
彼女の心を満たしてやる言葉は、いくらでもあるのだろう。
だけど。
この状況でそれらの言葉を使いたくはなかった。
何を言っても、この場限りの言葉だと彼女は思うだろう。
自分も今はただ、目の前の愛しい女を抱き締め、温め、勇気付けたい。
それしか考えられなかった。
「…俺がボランティアでこんなことをしてると思ってるのか?」
精一杯見詰めたその瞳が、強く、切なげで。
その瞳に触れたいと、そっとたまきは手を伸ばした。
その手を掴み、優しく包む。
「頼む。声、聴かせてくれ…」
艶めいた瞳で熱く見詰める進藤に、たまきは思わず頬を赤らめた。
「…そういうこと、言う?」
「俺も普通の男だからな。幻滅したか?」
悪戯に笑う進藤の顔が、なんだか少年っぽくて。
つられて微笑んだたまきの表情も、いつもとは違う女のものだった。
「たまき…」
額を押し当て、微笑み合う瞳と瞳がそっと近付き、
また口唇が重なり合う。
掌が脇腹を伝って脇の下を撫でる。
もう片方の手が腰骨から臍を辿り、柔らかい茂みをそっと梳いた。
その度にぴくんと跳ねる身体。
その反応に耐えられず、逸る心をすんでで止める。
こんなぼろくて薄い床の上ではかわいそうだし、床が耐えられないかもしれない。
そっとたまきの身体を反転させた。
112 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:53:40 ID:eFNLc8bv
たまきの脚にそっと手を触れる。
柔らかい肌の上を進藤の掌が滑ってゆく。
膝から腿を何度も撫でながら、白い項に口付ける。
もうひとつの手は柔らかい乳房を弄ぶ。
「っん!ぁっん…」
顔が見えなくなったからか、さっきより大胆に声を漏らす。
「もっと、聴かせてくれ…」
耳元で囁いた。
その吐息にまた身体を震わせる。
そっと指を滑り込ませると、温かく潤んでいた。
指を押し付けると、ぬるっと纏わり付いてくる。
「あ…」
敏感な突起に触れると、ぷっくりと膨れてくる。
優しく擦ってやる。
「ぁ…っ…ぁあ…ん…」
甘い声を漏らし始めた。
「ここが、良いのか?」
耳元を犯す吐息に羞恥を感じ、また蜜が溢れ出る。
そっと、泉に指を沈めた。
「ぁあっ!」
甘く啼く彼女に誘惑され。
何枚もの襞を指でなぞり、丁寧に押し拡げてゆく。
その感触に耐えられず腕の中でたまきは何度も身を捩る。
また指を沈め、ゆっくり掻き回すと。
「あぁん…はっ…」
良いところに触れるたび、たまきは淫らな声を漏らす。
全身を優しく愛撫しながら、指を深いところまで挿し込んだ。
「ん…っ!」
温かな内部が締め付けるのを感じながら、徐々に慣れさせてゆく。
首筋にかかる進藤の吐息が熱く乱れているのを感じ、たまきの心も熱くなった。
そのまま進藤の口唇は降りていき、たまきの背筋を這う。
堪らずたまきは背を弓なりに反らした。
舌と吐息が臀部を柔らかく愛撫すると、身体中を震わせながらたまきは言った。
「ぁ…あぁ…ね、ぇ…もぉ…お願い…」
切なげな懇願を聴き、たまきの顎を掴んで振り向かせると、そっと口付けした。
そして、片脚を大きく上げさせる。
そそり立ったそれを、たまきの泉にあてがうと、
その熱さが愛しくて、たまきは泣きそうになった。
激しい衝動に襲われつつも、たまきを傷つけないようにとゆっくりと沈める。
「ぁああっ…んっ!」
熱く硬いものがたまきの中を貫いてくる。
何もかもが寒く冷たい中で、その感触だけがたまきを安心させた。
「あつい、わ…。生きてるって感じがする…」
113 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:53:56 ID:eFNLc8bv
涙を零し微笑むたまきに、それは自分も同じだと、
自分を締め付けてくる熱い感触を感じながら。
強くたまきを抱き締めた。
「いくらでも、感じさせてやる…」
囁くと、たまきの中で優しく動き出した。
ゆるくゆるくたまきの中を掻き回し、良いところを探り当て、
指は優しく、胸の突起を弄ぶ。
「ぁん!あっ…はぁん…」
快楽がたまきの頭を支配してゆく。
その声が進藤の頭を浸食し、動きは更に激しくなる。
「っ!…はっ…ひゃっ…」
乱れる嬌声と共に、進藤の思考も乱れ、激しくたまきを突き上げる。
「あ…っ…激し…っ!…」
苦しげな吐息と共に漏らす。
大きな腕でたまきを優しく包み込み、首筋を舌で愛撫する。
「ぁあん…も…好きに…し…て…」
快楽と歓びに蝕まれ、たまきの思考は麻痺した。
「たまき…」
その言葉だけが、たまきの脳裏に届いた。
涙が溢れる。
そっとその涙を拭い、進藤はまたたまきに口付けた。
「っ!」
瞬間、更に深いところを突かれた。
進藤の口唇からはぁはぁと乱れた息遣いが聴こえる。
何度も、何度も突き上げられる。
甘い啼き声が、古びた小屋に響き渡る。
抱き締められた腕も、背中に感じる胸板も、乱れた吐息も。
彼の全てが熱くて。
今まで知らなかった、ずっと知りたいと思っていたその熱さを知れたことが嬉しくて。
彼によって乱され、火照った身体が。
熱くなった心が。
確かに此処に在る。
私は生きている。
そう、気付かせてくれた。
歓びに濡れ、昂ぶらされた身体が、限界を知り。
「ぁあああっっっ…ん…!」
一瞬意識が飛び、体中の力が抜けた。
霞む意識の片隅で、進藤の声を聴いたような気がした。
114 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:54:26 ID:eFNLc8bv
横たわった身体を、彼が優しく抱き締めてくれる。
何度も頭を撫でてくれるその手の温かさが、愛おしくて堪らない。
「…優しいのね」
「ん?」
全てが、余りに優しくて、辛くなる。
こんなに優しく女を抱くひとだなんて、知りたくなかった。
知ってしまえば、もう自分の気持ちを抑えられなくなる。
声を押し殺して涙を流した。
彼に背を向けているのが救いだった。
「…泣いてるのか?」
震える肩に気付き、進藤が訊いてくる。
「どうして?泣く理由なんてないじゃない」
いつものように強がって笑った。
「…傷付けたかと思ったんだ」
少しくぐもった声に、また彼の優しさを感じ、彼の手にそっと掌を重ねた。
「大丈夫よ。貴方は優しかったわ」
「…誰にでも優しくするわけじゃない」
「…え?」
その言葉の意味を、知りたくて。
たまきは次の言葉を待つが、進藤の口唇はそれ以上何も語ってくれなかった。
責任を取れ、なんて言う気はさらさらないけれど。
期待してしまう気持ちが膨らんだことは、否めない。
切ない気持ちが膨らんで、せめて進藤の気持ちを推し量りたくて表情を見たかった。
だけど同時に怖くもあって、振り向けない。
やるせなさに、俯く。
その顎に長い指が伸び、そっと進藤がたまきの身体を振り向かせた。
「少し眠ろう。朝になったら、外に出てみよう」
進藤はたまきを優しく抱き込み、柔らかい頭を優しく何度も撫でた。
「…そうね」
その優しい感触に包まれながら、今はただ、彼の優しく熱い思い出を抱き締めるだけでいい、と。
その胸にすっぽりと包まれ、眠りに落ちていった。
115 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:54:48 ID:eFNLc8bv
翌日、雨が止んでいるのを見て、外に出ようと進藤が言った。
「絶対、振り向かないで」
進藤の背中を睨んで念を押す。
昨夜と違い明るい小屋では、たまきの身体は克明に見えてしまう。
一線を越えたというのに照れている自分に妙だとも思いながら、たまきは素早く服を着た。
余り渇いていない衣服は、べたっと身体に纏わり付いて気持ち悪かった。
しばらく辺りを散策したが、延々と同じ風景が続いていて、そのうちにまた、雨が降り始めた。
この場を離れるのは危険と判断し、ふたりは元の小屋に戻った。
また夜が来て、二人の胸には不安が募ってゆく。
壁に凭れ、毛布を掛け並んで床に座っていた。
あの河がどれだけ長いかなんて知らない。
どれだけ捜索隊が捜してくれていたとしても、
この場所を見つけてくれる可能性なんて、限りなく低いのではないか。
思考を悪い考えが支配してゆく。
明日も発見されなかったら、もう3日飲まず喰わずになる。
脱水症状か何かが出るだろう。
そしたら…。
そっと腰に手が回された。
「悪い方に考えるな」
「………」
どうしてこのひとには自分の考えてることが解ってしまうんだろう。
こつん、と、進藤の肩に頭を凭れ掛けた。
「ねぇ、また抱き締めてくれる?」
「…」
そっと腕が回され、その腕の中にすっぽりと収まる。
胸に顔を埋め、進藤の背中に細い腕を回した。
抱き締めあったまま、ふたりは眠りに就いた。
互いの体温と、安らかな鼓動を感じながら。
116 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 01:55:16 ID:eFNLc8bv
翌日は晴れ間が見えた。
河川沿いに歩いてみようとの進藤の提案で、ふたりは歩き出した。
「足元に気をつけろ」
弱った身体で足元がふらつく度に、進藤の手が支えてくれた。
たまきは遠慮がちに進藤の青い術着をずっと掴んでいた。
そのまま、何時間も何時間も歩き続けた。
歩き続ける身体は、どんどん体力を消耗してゆく。
それでも流れてくる河だけを道標に、ただ歩き続けるしかなかった。
辺りが暗くなってきた。
憔悴しきった身体に、度々視界が霞む。
「大丈夫か?」
今日何度も聞いたその台詞に、大丈夫よとまた返そうとしたとき、ふっと身体が揺らめいた。
「香坂!」
進藤が手を伸ばすと、その腕に崩れ落ちた。
進藤の胸の中で、はぁはぁと上がった自分の息を聴いた。
「だい…じょうぶ…。少し休めば、また歩けるから…」
「………」
「本当に、大丈夫よ…」
笑って見せたつもりなのに、弱弱しく映ったのか、進藤はたまきを強く抱き締めた。
「香坂!」
抱き締められた胸の中は温かくて。
ふっとこのまま眠りたい衝動に駆られた。
「香坂!しっかりしろ!」
進藤が必死の顔で叫ぶ。
その顔が愛しくて、そっと手を伸ばす。
その手を進藤が掴む。
「香坂!」
「……なまえ…」
「え?」
「何度でも呼んでくれるって、言ったじゃない…」
「…たまき。お願いだから、しっかりしてくれ」
霞む視界の中、進藤の顔が泣き出しそうに見えて。
そんなはずはないと思いながらも、その顔を抱き締めてあげたい衝動に駆られる。
「たまき…!」
愛しい響きを何度も聞きながら、たまきは力なく瞳を閉じた。
「たまき!」
遠のいていく意識の中で何度もその声を聴いた気がした。
かっ――
そのとき。
瞑っていた目にも感じる、激しい閃光が見えた。
「おい、人がいたぞ!」
何人かの人の声が聞こえ、光が近くなってくる。
進藤が何かを叫んでいる。
あぁ、助かったんだ、と気付いたときには、たまきは意識を手放していた。
FIN
117 :
しんたまねぎ:2008/08/16(土) 02:05:17 ID:eFNLc8bv
雪山で遭難・ふたりきりを救命バージョンで描いてみました。
せっかくの萌えシチュなのに、激しくならなくてスミマセン…
すっごい迷ったのですが、進藤は2夜目はやらないだろうと思い…
(体力温存もあるし笑)
ありえない設定なのにリアリティに拘ってしまう自分の性格が悲しいデス><
さすが週末。一気に神二人が連続投下してる〜。
>通りすがりさん
いつものどSっぷりがなりを潜め、欲求を抑え込んで我慢してる進藤が新鮮で萌えました(笑)
ちょっと小悪魔なたまきも可愛すぎます。
でもきっとこの後罠に掛かったはずの蝶に、逆に食べられちゃうんでしょうねこの蜘蛛は…
>しんたまねぎさん
告白します。読んでてマジ泣きしました(笑)
女のわたしはたまきの心情に120%移入してしまって…気が付けば号泣(苦笑)
本編じゃありえない設定でも、細部でリアリティにこだわるからこそ
無理なくするっと読めて、はまり込めるんですよ!
でも出来れば助かった後どうやって二人の関係に決着付いたのかも読みたかったです。。
うっとおしい熱帯夜に良いものを読ませていただきました。GJ!
通りすがりさん良いです!!!!o(^▽^)o
描写が素敵すぎ!!!!萌えました!
しんたまねぎさんも凄いです…私も今し方号泣しました(;_;)
香坂先生切ないし進藤先生カッコ良すぎです(;_;)
お二人ともすばらしすぎo(^-^)o
朝から良いもの見せていただきました!!!!
もうGJ過ぎて涙出てきましたよ(TT)
通りすがりさん、しんたまねぎさん、最高にGJです!
しんたまねぎさん、私も118さんと同じく、2人の関係がどう決着したのかみたかったです・・・
122 :
通りすがり:2008/08/17(日) 01:10:00 ID:G53ptxuu
しんたまねぎさんGJデス!
私も2人の関係がどう決着したのか、気になります!
ので、続きお願いしますvv(笑)
お二人とも良すぎてめまいがする
GJです!
通りすがりさん素敵すぎ!!!!!
また新作楽しみにしています!!!!!!!
125 :
通りすがり:2008/08/20(水) 01:16:11 ID:meh/bOh8
皆様いつも拝読ありがとうございますv
いきなりですが、ちょっとアンケート(?)にご協力下さい。
PC内のファイルを整理していたら書きかけの救命小説を発見しました。
で、ですねエロじゃないんですけど
折角、昔の私が頑張って書いたので日の目を見せてやりたくて
ココにUPしたいと思うのですが宜しいでしょうか?
通りすがりさん
えええ!!!
私は通りすがりさんの大好きなのでエロじゃなくても全然おけです><
是非読みたい><
127 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 02:09:41 ID:cl138MB1
読みたーい!!!
ていうか通りすがりさんの作品全部っ!
128 :
しんたまねぎ:2008/08/20(水) 03:06:11 ID:oISpxZ+e
あらら・・・またタイミング悪いっ><
通りすがりさんの作品、是非読んでみたいです!!!
でもその前に・・・くだらない話なんですが投下させてくださいm(_ _)m
切ないものを書きすぎるとこういうバカなものを書きたくなってしまって・・・
「遭難」のお話喜んでくださった方ありがとうございます。
特に118さん、本当に読み入ってくださったみたいで、丁寧な感想がとても嬉しかったです。告白してくれてありがとう(笑)
実は今、続き書いてます。良かったら楽しみにしていてください。
あ、しんたまねぎさん、私は蜘蛛が蝶に食べられちゃうお話も読みたいですvv
「お前から誘ったんだろ・・・」とか言って蜘蛛を苛めて下さい(爆)
129 :
しんたまねぎ:2008/08/20(水) 03:07:56 ID:oISpxZ+e
外科医ほど、裸を見慣れてしまう職業はない。
深夜の救命センター・医局。
女性医師は2名しかいないので、必然的に夜勤は男だけになることが多い。
そうするとやっぱり、自然にその手の話に移行することもたまにある。
「はぁ〜、さっきの患者は女の先生の方が良かっただろうな」
「そうですね…。便秘が酷くてトイレで失神ですからね」
「こっちは仕事だから気にしないけど、彼女はいたたまれねぇだろうなぁ」
馬場が肩を揉みながら言う。
「医者は人の裸見ても恥ずかしいところ見ても、何も感じねぇもんな〜」
「半年もポリクリやったら、もう見慣れちゃいましたもんね」
「はぁ〜、僕医者になっての誤算ってそれかも知んない」
「女の乳首は可愛いピンク色〜なんて信じてた自分が懐かしいよ」
「あっれ〜馬場先生、ピンクの乳首見たことないんですか?」
城島がからかうようににやけて言う。
「えっ!おまっ…援交か!?」
「何でそうなるんですか!馬場先生、童貞喪失したのいつなんですか?」
「なっ…うっせーなっ!」
「やっぱりピンク色なんですか?若い女の子って?」
矢部が食い入るように訊いてくる。
「うーん…そんな鮮明に覚えてはないけど…やっぱり大人の女に比べたら色が薄かったと思うな」
ふー――ん、と、納得したように矢部が何度も頷く。
「あ、あと、すっごい美人でスタイルいい女の人の下着がデカぱんだったりすると、ショックじゃありません!?」
「ばーか。お前なぁ、女がいつも勝負パンツみたいなスゴイのはいてるなんて幻想なんだよ」
「いやそうだけどさぁ、矢部の気持ちも分かるぜ。男はいつだって幻想を抱いていたいもんじゃねぇか」
話はどんどんエグくなってゆく。
「なぁ、そう言えばさ、誰かアレって見たことある?」
馬場が顔をニヤつかせて訊いてくる。
「アレって?」
「だからぁ、アレだよアレ!要するに…合体したまま運ばれてくるヤツ」
「あぁ〜。膣痙攣が酷すぎて抜けなくなった…ってヤツですね」
「俺救命来てから日が浅いし見たことねぇんだよ」
「俺もないなぁ…。そうそうあるもんじゃないんじゃないんですか?」
「僕も研修医だし…。経験長い人ならあるかも」
「………」
皆の視線が自然と進藤のほうへ。
進藤もその気配を感じていた。
「進藤先生は、ありますか?」
馬場が恭しく訊く。
皆が興味津々だった。
130 :
しんたまねぎ:2008/08/20(水) 03:10:10 ID:oISpxZ+e
「………」
こういう猥談は得意ではない。
以前なら、無視して出ていっていただろう。
しかし、桜井に言われた言葉が効いていた。
誤解されやすい自分を何とかするためにも、皆に溶け込む努力をしなければ。
「ありますよ」
笑顔を作って答える。
「え〜〜〜!まじっすか!!」
一気にその場が盛り上がる。
進藤が猥談に加わってくれたという新鮮さもあいまって。
「どんな感じでした?」
「やっぱり、男女とも素っ裸で運ばれてくるんすか?」
「どういう処置をしたんですか〜?」
皆が興奮しながら訊いてくる。
当たり障りなく答えていった。
「でもそれって、ちょっと興奮したりしませんでした?進藤先生」
城島が突っ込んで訊いてくる。
「………仕事ですから」
曖昧に笑顔で答えた。
えーっ、と、面白く無さそうな態度を皆がとる。
「まぁ、心の中はどうあれ、態度には出せないよな」
「そうですよね。周りにはナースとかもいるし」
「幻滅〜とか言われたくないもんな〜」
皆の興味が自分から離れてくれて、進藤はホッとした。
131 :
しんたまねぎ:2008/08/20(水) 03:10:45 ID:oISpxZ+e
「まぁでも、オペや初療中はスタッフも男女入り乱れてるわけだしな」
「みんなで患者さんのおっぱい見たり、陰部見たりしてますもんね」
「あ〜俺、仕事仲間をオンナとして見れないかもな〜」
「えー、僕はそんなことないけどなぁ」
矢部が呟く。
「おいお前さぁ、香坂先生はやめとけって」
「え、なんでですか?」
「だってお前、冷めないか?男の裸見ても顔色一つ変えずに治療するんだぜ?」
「そうそう。それに一緒に患者の裸見てる男を恋愛対象にはしないよ、彼女みたいなオンナは」
「えぇ…そうなのかなぁ…」
矢部が凹む。
「いくら美人でも俺はゴメンだね、あのオンナは」
馬場がきっぱりと言う。
「馬場先生の好みは聞いてませんよ!」
矢部が怒る。
「香坂先生だって、プライベートではきっと可愛いんですよ…」
矢部がうっとりとした顔をする。
「そうかぁ?男にも命令したりしてそうだぜ」
馬場が矢部の想像を邪魔する。
「あれは絶対Sだね。ほら、黒い網タイツとガーターベルトつけて、ムチ振るってる姿が想像できないか?」
馬場が悪乗りして興奮している。
「や、止めてくださいよ!」
矢部が怒る。
が、ちょっと想像してしまう…。
「解ってないなぁ馬場先生。ああいうひとほど、プライベートではMなんですよ」
城島がニヤけて口を挟む。
「お帰りなさい、とかって玄関まで出てきたら、裸にエプロン姿だったりしてね」
城島もかなり悪乗りしてはしゃいでいる。
「は、裸にエプロン…」
さっきよりも激しく想像してしまい、矢部の顔がどんどんニヤけてゆく。
「ギャップって萌えますよね〜」
これ異常ないほど盛り上がる医局。
がたっ。
「………」
無言で進藤が出ていってしまった。
「あれ〜、進藤先生なんか怒ってた?」
「やっぱりこういう話嫌いだったかな?」
「ちょっと調子に乗りすちゃったかな?」
残された男たちが顔を見合わせる。
ICUの様子を見に行った進藤の顔は、極まりなく不機嫌そうだった。
FIN
132 :
しんたまねぎ:2008/08/20(水) 03:17:46 ID:oISpxZ+e
終わりです。
93番さんのお話を聞いて、私はたまきの「裸でエプロン」姿を妄想してしまい(爆)
でもそういう設定がちょっと思いつかなかったので、みんなの妄想ということに(笑)
微エロってゆーかR指定くらいですけど、許してください><
進藤先生が何故怒ったのかは、皆さんのご想像にお任せしますw
しんたまねぎさん、乙ですvv
通りすがりさん、私も通りすがりさんの作品、エロじゃなくても全部読みたいです!!
しんたまねぎさん
GJです!またまた脳内再生しちゃいました(笑)
そりゃあ…進藤が怒ったのは、皆が香坂の裸エプロンを妄想しての嫉妬ですよw「俺のたまきで遊ぶな」的な(笑)
家に帰ってたまきにリクエストしたりしないんですかねw
とっても楽しかったです!
しんたまねぎさんの
>蜘蛛が蝶に食べられちゃうお話も読みたいですvv
「お前から誘ったんだろ・・・」とか言って蜘蛛を苛めて下さい(爆)
に同意!
通りすがりさん、お願いします!!
あ、超個人的願望ですがたまきに「私を食べつくして」って言わせてほしいです(><)
もちろん作者様が要らないセリフだとお思いになれば
いれなくても結構ですので…
137さんの台詞、進藤が言わせるのとか良さそう!!
139 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:50:07 ID:px17xUzl
アンケートに答えて下さった方、ありごとうございます。
皆さんの温かいお言葉に甘えて、UPさせて頂きますv
が、その前に注意事項があります。
今からUPするお話は物凄く長いです。
ただでさえ長かったのに中途半端さが気になり
切りの良い所まで書き加えてしまって・・・
更に長くなってしまいました・・・↓
それでもお付き合いして下さる方はこのまま下へお進み下さい。
140 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:52:24 ID:px17xUzl
『闇』
「それじゃあ、お先に失礼します。」
「お疲れ〜!気をつけて帰ってねぇ」
香坂先生、美人さんだから。と神林は心配を口にしながらも
いつもの人懐っこい笑顔を向けて見送ってくれた。
やっと患者が途絶え、帰れる事になったのは、夕日の残照で空が赤く染まる頃だった。
たまきは疲れた身体を引きずりながらも最寄り駅から帰路を辿っていた。
電車で少し眠ったせいか、余計に眠い・・・
それでもたまきは必死に眠気を振り払い、気を張り詰める。
それには理由があった。
ここ数日、この道を通ると決まって背中に人の気配を感じるのだ。
そして今日もやはり、誰かに後をつけられている気配を感じていた。
足音からしておそらく男だろう。
いつもはつかず離れず一定の距離で後をつけていたが
今日に限って違った。
空きビルの前に差し掛かった時、背後の足音が急に迫ってきたのだ。
それに気付いたたまきは怖くなり、走り出したが
疲れた身体は思うように動いてはくれず、すぐに追い付かれてしまった。
本能的に身構え、大声を上げようとした瞬間
背後から伸びてきたその手に、たまきは口を覆われ
そのままたまきは薄暗いビルの中へと引きずり込まれた。
141 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:53:42 ID:px17xUzl
たまきに息がかかる程、近づいた男の手はたまきの服にかかり
布の引き裂かれる音がうす暗いビルに響いた。
目を見開き、たまきは必死にもがき、抵抗する。
「やめて!」
口から手が外れるとたまきは叫び、男の腕の中から逃れようとした
が、男の腕力はそれを許さず、更に強く押さえ付けてきた。
「黙って大人しくしてろ!」
背後から鈍く光るナイフが首元に当てられ
刃先がゆっくりと首をなぞると赤い線が出来た。
痛みにも勝る恐怖でたまきの体から次第に力が抜けていく。
「暴れるとこのナイフがその白い喉を引き裂くぞ!」
笑いを含んだその声が、いっそうたまきを怯えさせた。
本当に殺されるかもしれない・・・
「…や、止めて・・・お願い・・・」
視線の端に映るナイフを意識しながら
それでも強張る唇を開き、やめてと懇願する。
「怪我したくなければ黙ってろ!これは最後の警告だぞ!!」
男はたまきの目の前にナイフをぎらつかせて見せた。
まるで次、騒げば殺す。と言っているかのように。
たまきは完璧に恐怖に支配され、抵抗など出来ずに体を強張らせ
固く瞼を閉じた
その瞼にはじんわりと涙が滲んでいた。
142 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:54:36 ID:px17xUzl
大人しくなったたまきを男はすんなりと押し倒し
その手をどんどん進めていく。
だけどズボンを降ろす音に再度、強張る唇を開き、暴れた。
「いやあぁぁ〜!」
お願いだからこれ以上はやめて、という意味を込めて
必死に・・・
だけどもちろん聞き入れてもらえる訳もなく
頬を叩かれただけで、そのまま最後までやられてしまった。
「たまき、またね」
思う存分たまきを玩び、満足すると
そう一言だけ言い残して男は去って行った。
その場に残されたたまきはどんよりとした瞳を宙に彷徨わせていた。
だけど愕然とした頭でも気になった。
何故あの男は自分の名前を知っているのだろう、と。
それからどう帰路を辿ったかは覚えてないが、何とか家まで辿り着いた。
仕事は風邪だと嘘の電話を入れて休んだ。
一歩も家から出る事なく、ほとんどの時間、風呂場にいたと言っても過言ではない。
あの男の汚れがいくら洗っても落ちていない気がして
白い肌が赤くなってきても止めることなく、何度も何度も体を洗い続けた。
暗闇は怖いからか、部屋の明かりは全て消される事なく、煌々と照らされたまま
それでも夜は眠れずただ、ぼーっと瞳をあてもなく彷徨わせていた。
気付けばあれから4日も経っていた。
殴られた頬のアザはだいぶ目立たなくなってきた。
ただやはり首の傷は少し目立っている。
だけどいい加減、仕事に行かなくては迷惑がかかると思い
たまきは行く事にした。
143 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:55:16 ID:px17xUzl
が、やはり外を1人で出歩くのは怖くて
タクシーをマンションの下まで呼んで、病院まで向かった。
その間、ずっと冷や汗みたいなものが滲み出てきて
額や掌はぐっしょり湿っていた。
微かに震える手でお金を払って病院の中へと入っていった。
そこは今までとは打って変わっているような感じがした。
やたらと音が耳について、過剰に反応してしまう。
自分の足音にさえ震えが走る。
一体、どうすればいいというのだろう。
たまきは小刻みに震える手を隠すように握りしめて、医局の前に立った。
しかしどうしても、身体が動かない。
目眩を起こしそうになり、ぎゅっと目を瞑った時だった。
「風邪はもういいのか?」
後ろから声がした。
目をあけて恐る恐る振り返ると、そこには進藤が立っていた。
「・・・えぇ、もう平気。」
「その傷どうしたんだ?」
首を指して少し驚いたような口調でたまきに聞いた。
まともに顔が見れず、うつむき加減のまま
傷を隠すように、首に掌をあてがった。
「あ…あぁ、これ?これは…」
宙をさまようたまきの視線を、進藤は追い続ける。
苦しいほど厚い沈黙が、二人の間に流れていく。
少しの間、何か考え込むようにたまきは目を瞑る。
そしてすぐに、乾いた唇を開きかけた時だ。
144 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:55:55 ID:px17xUzl
「おはようございます。何してるんすか?」
馬場が怪訝そうな顔で、二人の間を裂いて医局に入っていった。
「…私たちも入りましょ?そろそろカンファレンス始まるわ」
馬場がこのタイミングで現れてくれた事に、感謝した。
進藤にばれないように小さく溜め息をついて医局に足を踏み入れた。
すると一斉に自分の方に向けられた視線。
解ってる。
あの忌まわしい出来事が知られた訳じゃなくて
3日ぶりに自分の顔を見れて、喜んでくれているだけ。
頭では解っていても、感情とのバランスがとれなくて
怖くて、逃げ出したい衝動に駆られた。
「香坂先生まだ顔色悪いみたいだけど大丈夫〜?」
佇んでいると神林が心配そうに聞いてきた。
「はい。お休みを頂いたおかげで、だいぶ」
適当な事を言った。
本当はろくに寝てないせいか頭がはっきりしない。
少しでも気を緩ませるとふらついてしまいそうだった。
とりあえずカンファレンスが始めるとの事で席についた。
だけど誰かが少しでも動いたり、物音を立てると
身体が反応して飛び跳ねそうになる。
そんな事ばかりが気になってしまい
カンファレンスの内容なんてほとんど耳に入ってなかった。
145 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:56:40 ID:px17xUzl
それでも朦朧した頭を必死に起こし、自分を騙しながら仕事と向かい合う。
比較的穏やかな一日のスタートであった。
しかし昼が過ぎた頃、突然鳴り響いたホットラインの音で
たまきの中の何かが崩れていくような気がした。
鼓動が狂ったように打ちつける。
震えて汗ばむ手をポケットに仕舞いこみ、悲鳴をあげなかった自分を褒めた。
仕事をしていれば、忘れられる。
そう自分に言い聞かせるように、深呼吸をし、立ち上がって震えを払う。
駆け出す足取りも、頼りなく揺れていた。
それからも、患者は途絶えることなく搬送されてきた。
それに比例するように、陽が傾くにつれ、たまきの体は悲鳴をあげ始めた。
寝不足の頭、あの時の嫌悪感。
思い起こせば、擦り続けた肌が、ヒリヒリと痛み出したような気がした。
夕闇が近づく頃。
患者の治療が終わり、ICUに運ばれていくのを見届けた。
スタッフの皆が口々に話す声を聞きながら、初療室から足を踏み出した時に
たまきの足下がふらりと揺れた。
そして遠のく意識をそのままに、細い身体が床に崩れ落ちていった。
「香坂!」
直ぐさま進藤が駆け寄った。
呼び掛けても目を覚ます気配はまるでなく
抱き上げてとりあえず仮眠室へと運んだ。
146 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:57:42 ID:px17xUzl
顔色が朝より青ざめているのを見て点滴を繋ごうと
白衣をめくり上げて驚いた。
白く透ける肌はそこにはなく、赤い痣のような模様と、内出血のようなものがあった。
香坂に一体何があったんだろうと、じっと見つめ
色々な考えを巡らせているとたまきは魘され始めた。
か細い声で聞き取れないが戯言のように何かを繰り返し口走っている。
起こして現実に引き戻してあげるべきかと、悩んでいると
たまきは悲鳴と共に目を開けた。
額にはうっすらと汗が滲んでいる。
額に手をあて、ゆっくりと彼の方へ顔を向ける。
視界に進藤が映ると、たまきは勢いよく身体を起こした。
そして怯えた目をし、一瞬息を詰まらせた。
声にならない悲鳴に、口元に震える手をあて
涙の溜まる眸を背けると、ゆっくりと息を吐き出した。
先ほどの重苦しい沈黙が、再び訪れる。
147 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:58:35 ID:px17xUzl
進藤はたまきをじっと見つめ、彼女が落ち着くのを待っていた。
仮眠室には、夕暮れの橙が、ブラインドの隙間からこぼれ出している。
たまきの乱れていた呼吸が、冷静さを装い静まりだすと
進藤はたまきの目線に合わせて、ゆっくりと口を開いた。
「香坂。」
こちらを向かせる為に放った言葉に、彼女は僅かに目線をあげる。
涙を溜めた大きな瞳が、助けてと繰り返しているように思えた。
進藤はその瞳を覗き、優しく語りかけた。
「香坂、怖がらなくて良い。」
そして、たまきに手を伸ばした時。
たまきはその拙い力を振り絞り、進藤の手を振り払った。
小さな悲鳴もあげた。
明らかな拒絶だった。
「何があった。」
仕方なしに続けた言葉にまた、たまきは体を震わせた。
唇を噛み、布団に握りしめる。
点滴を打つ腕に浮き立つ、赤い痣のような模様が目に触れて
たまきは泣き出しそうな顔をした。
「香坂…」
「何でもない。」
声を詰まらせ、それでも凛とした言葉が放たれる。
何でもない訳がない。
あの腕の痕が、それを物語っている。
最悪の事態を考えれば、進藤の気持ちは焦りを見せるだけで。
148 :
通りすがり:2008/08/22(金) 00:59:32 ID:px17xUzl
「話せないのか。」
問いつめるように近づけば、彼女は怯えて後退さる。
口を噤み、震えている。
「香坂!」
思わず声が大きくなり、たまきはまた震えた。
怯えを宿した瞳が、進藤を責めた。
その瞳に少し冷静さを取り戻し、そして反省した。
今回の件は前みたく強引には聞き出せないのだと、ようやく悟った。
香坂の方から話してくれるのをひたすら待つしかないのだと。
だけどさっきの頑なに口を割らない態度を見る限り
しばらくは望みがなさそうで
やはり気持ちばかりが焦った。
それを必死に制御して、優しくたまきの方を見た。
「悪かった。点滴に睡眠薬入れておいた方がいぃか?」
たまきは何も答えずただ首を横に振った。
眠ればあいつが来るから。
拒んだ。
「・・・そうか」
「あなたはもう仕事に戻って」
静かに呟く声も、今にも崩れてしまいそうな身体も
放っておける筈がない。
泣き出しそうなたまきを見つめ、彼女に掛ける言葉を選んだ。
傷つけることのないように、と。
149 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:00:07 ID:px17xUzl
「一人で、大丈夫か。」
進藤の優しい眼差しから目を反らす。
今は、観ることが出来ない。
「大丈夫よ…子どもじゃないんだから。」
しかし彼のその優しさが、言いようのない罪悪感を生みだした。
見透かされているようだ。
あの夜の、忌まわしい出来事が。
途端に、身体が震え出した。
知られたくない。
知らないで。
知っているの?
嫌だ。
怖い。
そんな目で、私を見ないで。
少し落ち着いた呼吸はまた乱れ始め、自分自身の身体を抱きしめた。
怖い。
お願いだから、そんな目でみないで。
反らしても尚、感じる視線はあの忌まわしい出来事を見透かされていて
まるで進藤は汚い物を見る目をしているような、そんな錯覚を覚えた。
150 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:00:51 ID:px17xUzl
「・・・そんな目で見ないで…!」
「香坂?」
「・・・見透かさないでっ!!」
「何をだ」
何を、と聞かれてあの時の事が鮮明に頭を駆け巡った。
目を見開き後退っても、本当にあいつがそこにいて
また襲ってくるような感覚に見舞われた。
まるであの時にワープしたように・・・
鼓動が早くなり、再び呼吸が乱れ始める。
上手く息が吸えずに、胸を抑えるように手を当てた。
「やめて・・・やめてよっ!!・・・来ないで!!」
声にならない声で叫ぶ。
叫べども迫りくる恐怖には勝てない。
「香坂…大丈夫だ。何もない。誰もいない。」
恐怖に震える瞳を覗いて、手を伸ばし肩を掴む。
抱きしめようとするも、抗う力はまだ強い。
「香坂、落ち着け。大丈夫だから。」
必死になり逃げようとする身体を抱き込む。
華奢な身体が、悲しい程に小刻みに震えていた。
しかし強い力は、無意識のうちに、自分を抱き止めている進藤の腕を掴んでいた。
助けてと繰り返す。
声なき声が、進藤にも聞こえたような気がした。
151 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:01:39 ID:px17xUzl
安心させるように背を撫でると、びくりと体が動き
一瞬たまきの動きが止まったかと思うと、怯えた目で見あげられ
そのままぐったりと進藤の胸へと倒れ込んできた。
そおっとまたベットに横たわらせ、このまま暫く眠らせようと
睡眠薬を点滴に注入して仮眠室を後にした。
夢を見て魘される事のないよう祈りながら。
睡眠薬のお陰かたまきは夜中になるまで眠っていた。
だけどやはり目覚めは良いものではなかった。
さっきと同じように汗が滲む額に手をやった。
乱れた呼吸を必死に落ち着かせて
白衣の袖を戻してベットから降りた。
立った瞬間、立ちくらみを起こしそうになったが何とか持ちこたえ
大きく深呼吸をして、何食わぬ顔を作って仮眠室から出た。
「香坂先生!もう大丈夫なんですか!?」
出てきたたまきにいち早く気付いたのは矢部。
その声で医局にいたスタッフもたまきを心配そうに見た。
「えぇ、風邪をなめてたわ。治ったと思ったんだけどね」
苦笑しながら言った。
「・・・だけど声が聞こえてきた…よ?」
「何の声です?」
「うなされてるような・・・ねぇ?」
ねぇ、と振られてほぼ皆が頷く。
「じゃあ怖い夢でも見てたのかしら?」
覚えてないわ、と笑みを作って言うと
夢ってそんなものだと皆も笑い、頷く。
たまきも頷いて笑うと、白衣のポケットに手を突っ込んだ。
「さっきはすみませんでした。ICU行ってきます。」
そして皆から視線を逸らすように、医局を出ていこうとした。
それをデスクから観ていた進藤は、不意に立ち上がり
彼女の行く手を遮った。
152 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:03:24 ID:px17xUzl
はっと顔をあげれば、先ほどの恐怖が蘇ってくる。
彼の優しい眼差しが、見下ろしてきているのが解る。
「無理しない方が良い。」
また、医局にいたスタッフの視線が集まる。
また、だ。
この視線が、怖い。
「もう平気よ。」
早口でまくし立てるように言い、進藤の横を通り抜けようとした。
動かない足を、前へ出す。
進藤は腑に落ちないような顔をしながらも、道を開けてくれた。
ポケットに入れたままの手を、ぎゅっと握りしめる。
そしてそのまま、小走りにICUに向かった。
仕事をしていれば忘れられる。
ずっと、ずっとそうしてきた。
だから、大丈夫。
ICUのまぶしい照明に目を細め、叫び出しそうな感情を殺した。
心が、壊れていく音を聞いた。
153 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:04:02 ID:px17xUzl
そんな中、患者の1人が急変した。
たまきは我に返り、気を引き締め、駆け付ける。
近付いて診ていると患者は苦しさのあまり
たまきの服をきつく掴み、もの凄い力で引っ張った。
その強い力がまたあの忌まわしい記憶を呼び覚ました。
「っ…!!」
声が出ないほど、体が硬直する。
患者であるはずの男は、いつの間にかあの男に姿を変えていた。
男の手が伸びてきて、たまきの体をいたぶるように捕まえる。
「たまき、また逢えたね。」
男の呟きと卑猥な微笑みが、たまきに襲いかかってくる。
あの日のように。
「香坂先生?どうなさったんですか?」
一緒に治療にあたっていた山城が少し戸惑いながらも声をかける。
たまきの反応はなく仕方なく違うドクターを呼んだ。
服を掴む患者の手を解いて、たまきを自由にした。
その反動でたまきはそのまま床に座り込んだ。
山城が落ち着かせる為、肩に手を回そうとした。
だけどやはり小さな悲鳴を上げて拒絶をみせた。
154 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:04:34 ID:px17xUzl
たまきの震え方が尋常じゃないとは思い山城は
たまきと2人きりで話をしてみようと決めた。
たまきが外来で座り込んでいる間にも、ホットラインは鳴り続けた。
幸い外来には誰もいなくて、それが誰かの気遣いだったかさえ
たまきには解らなかった。
気がつけば、山城に付き添われ此処にいた。
ぼんやりとした頭で、先ほど観た男の姿を思い出していた。
頭痛がする。
時折、あれは夢だったのではないかと思うのだ。
しかし赤くなった腕が、現実だと教えている。
涙がせり上がってくる。
嫌悪感がこみ上げる。
唇を噛み、白衣の上から腕を力を込めて擦った。
赤い肌が、痛みを伴う。
でももういい。
痛みなど、なんともない。
早くこの、酷く汚れたような感覚を消してしまいたい。
「香坂先生。」
優しい声にも、体がびくつく。
手を止め、顔をあげると、山城が穏やかな表情を浮かべていた。
たまきはバツの悪そうな顔で、手を膝の上に戻した。
「医局に戻りましょうか。患者さん来るといけませんから。」
「…え」
「もう少し此処にいたいですか?」
「・・・大丈夫、戻るわ」
首を振って言った。
それは山城に向かって言ったのか
それとも自分を言い聞かせる為に言ったのか解らなかった。
ゆっくりと立ち上がり外来を出た。
山城は気を使って少し距離をおいて横を歩いてくれている。
その心遣いが嬉しかった。
155 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:05:20 ID:px17xUzl
「山城さん」
「何ですか?」
「・・・・・」
そんな山城になら言えるような気がして自分から声をかけた。
けれどやはり言い出せなかった。
思わず唇を噛み締めて俯き、立ち止った。
「いつでも聞きますから。」
「え?」
たまきが弱々しく聞き返すと山城は微笑み返した。
まるでたまきを優しく包み込むかのように。
医局に辿り着くと、神林と太田川がお茶を啜っていた。
山城に付き添われてきたたまきを観て、一瞬訝しげな表情をした。
先ほどの出来事を耳にしていないか、不安だけが募る。
しかしそんなたまきをよそに、二人はすぐに笑顔を見せるのだった。
三人でお茶を飲みながら、他愛のない話をした。
先ほどまでの恐怖が、段々と和らいでいくような心持ちさえした。
神林の穏やかな表情や口調からは、あの嫌悪感は生まれない。
もう、大丈夫だと、思った。
暫くして皆が医局に帰ってきても、それは変わらない。
大丈夫だ・・・
このまま何事もなかったように過ごせる。
ほっと胸の撫で下ろそうとした時、何気に矢部がテレビを付けた。
156 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:05:59 ID:px17xUzl
画面に映し出されたのはドラマのワンシーンだろう。
だがそれはたまきにとっては酷なシーンだった
たまきはそれから逃げるように医局を飛び出した。
「香坂先生?!」
誰かが呼ぶ声がしたが、振り払うように駆け出す。
気がつくと二階の廊下から、ICUを見下ろしていた。
私は、どうしてしまったんだろう。
泣きたくなって、うな垂れた。
そこへ、ICUから階段を駆けあがってくる山城の姿が目に入った。
「香坂先生、ここにいらしたんですか。」
山城は安心したように笑い、胸を撫で下ろした。
医局から逃げてきた手前、なにも言い出せず、曖昧な返事をした。
「あの、香坂先生。少し、お話ししませんか?」
にこっと笑う彼女に、先ほどの気持ちが蘇る。
山城さんになら
そう思った。
たまきは山城に連れられるように、説明室へと向かった。
暫くは長い沈黙が続いた。
「6日前・・・」
ぽつりと呟いた。
だけどそれ以上続けようにも声にならなくて、口元に震える手をあてた。
「ごめ・・・」
短く言ってたまきは説明室を飛び出した。
今まで殺してした感情が爆発して、コントロールがきかなくなったのだ。
157 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:06:44 ID:px17xUzl
「香坂!」
たまたま怯えるように説明室を逃げ出す姿を見た進藤は後を追い掛けた。
けれど、その後ろから自分を追ってくる足音がたまきの恐怖心を余計に煽った。
「やぁ…!」
こないで。
追い掛けて来ないで!
嫌だ。
追い掛けてくるのは進藤ではなくあの男に見えていた。
必死に走って逃げても追い付かれて。
また、あんな目に合わされるのは嫌だ・・・!
その時、目に入ってきたメスを取ってあの男に向かって切り付けた。
だけどそこにいるのはもちろん、あの男ではなく進藤で。
「っ…」
たまきは目に涙を溜めてメスを握りしめたまま、肩で呼吸する。
「香坂先生?!」
駆け付けたスタッフはその光景に驚いた。
「あ…」
我に返ると現実とのギャップに耐えられなかったのか
細い身体は床に崩れ落ちていった。
頭痛がする。
体が熱い。
熱があるのかな。
それにしても、安らぎが近くにある気がした。
何だろう。
重い瞼をあけると、彼女の優しい瞳が目に入った。
さっき振り切ってきた、山城の優しい眼差しは
まだ自分を観ていてくれたのだ。
たまきは目に涙を溜め、大きく息を吐いた。
158 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:07:21 ID:px17xUzl
「目、覚まされました?」
たまきが頷くと、山城は握っていたたまきの手を、ぎゅっと握りしめた。
ごめんなさい、とたまきの口が動き
涙がぽろぽろと零れてきた。
山城は首を横に振り、たまきの手を両手で包む。
「ゆっくりで、良いですから。」
その言葉にまたゆっくりと頷いた。
だけどあの事を口に出せればきっともう楽になると
そう思って。
無理に唇を開いた。
「家に、帰る途中・・・・私・・・」
また震えが襲ってきた。
あの時の嫌悪感がはっきりと蘇りそうだった。
「香坂先生。」
優しい声でもびくつきながらもまた山城の方に目をやった。
「私が言った事、聞いてました?」
「・・・・・」
「ゆっくりでいいですから。ね?焦りは禁物です。」
山城の優しい言葉と笑顔に落ち着きを取り戻し
そして今度はありがとうと口を動かせた。
159 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:07:59 ID:px17xUzl
「いいえ。あ、熱があったので暫く仕事、休んで下さいね」
言いながら、山城はたまきの手を握りしめる。
暫くして、たまきが眠りにつくまでそうしていた。
柔らかな寝顔を観ながら、静かな怒りが込み上げる。
たまきの腕に痕を残す、赤い痣。
過敏な反応と酷い怯えようで、大体の想像はつく。
わざわざ彼女の口から聞かなくても。
それでも、聞かなくてはいけないような気もする。
細い手を握りしめ、祈るように目を閉じる。
何をしてあげられるんだろう。
どうしたらいいんだろう。
私にはこうして手を握ってあげる事しか出来ないんだろぅか。
だけど絶対に目を背けないと、受け止めてあげるのだと固く
あの時から決心している。
ゆっくりと瞼を開いて手を解いた。
個室から出ると進藤が立っていた。
「香坂の様子はどうだ?」
「熱のせいもあって今やっと眠りました。」
「そうか」
「進藤先生、傷大丈夫ですか?」
「あぁ、かすり傷だ」
たまきに切り付けられた傷はすでに手当てされていた。
「そうですか」
「香坂を頼む」
「え?」
そう言って切なげに笑い、去って行った。
進藤もたまきを苦しめている原因が何なのか、想像がついているのだろう。
160 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:08:33 ID:px17xUzl
だから女の私に任せた。
男というだけで今の香坂先生には酷だから。
何も出来ない苦しみを、進藤先生も受けているんだ
だから私が、頑張らないといけない。
山城はさっき握った、たまきの細い手を思いだし、ぎゅっと手を握る。
「紗江子。」
はっと顔をあげると、城島が立っていた。
「香坂先生、どう?」
「今は、眠ってる。」
「そっか…。」
「ねぇ俊、もしもよ。」
「うん?」
「もしも、私が…香坂先生みたいに深く傷ついたら…」
「許さないよ。傷つけたやつを。」
「…進藤先生、私達より苦しんでる。香坂先生に、何もしてあげられないって。」
「あぁ。解るよ、進藤先生の気持ち。」
山城も頷き、たまきの眠る方に視線を向ける。
ため息は深くなるばかりだった。
それからたまきは医者ではなく患者となった。
161 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:09:33 ID:px17xUzl
数日で熱は下がったものの、何故か夕方に原因不明な発作を起こすようになり
恐らく精神的なところから来るものでたまきは自らを弱らせていた。
それでも山城が来ると、たまきは笑顔で出迎えた。
山城は空き時間、必ずと言ってもいい程たまきのベッドへ足を運んでいた。
その度、安心したような顔を向けてくれる。
だけどその反面、話せない自分の弱さに苛立っているようにも見えた。
「山城さん。」
ある日、いつものようにたまきが山城を呼び止めた。
たまきはICUの個室から出ようとする山城を呼び止め
彼女が振り返ると礼を言うのだ。
今日も山城が振り返ると、たまきはいつもよりもどこか柔らかに笑った。
顔色も良い。
「外に出たいんだけど…。屋上でも良いの。駄目かしら?」
「外、ですか。」
正直言うと、彼女を外に出すのはあまり賛成はできなかった。
しかし、何時までも此処にいるわけにもいかない気がした。
発作のようなものは起こすものの、腕の痣は日に日に薄れていっている。
162 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:10:09 ID:px17xUzl
「じゃあ主治医のドクターに聞いてみます。」
「主治医のドクターって進藤先生よね?」
「えぇ…そうですけど…。」
「絶対だめって言われそう。山城さん頑張って説得して。」
言いながらも笑顔を作る。
そんなたまきの表情に安心したように山城も微笑んだ。
「解りました。頑張ります。また、来ますね。」
「山城さん。」
「はい?」
「ありがとう。」
「それはいい返事が貰えてから言って下さい」
プレッシャーがかかりますから、と笑いながら言った。
その言葉にたまきもクスクスと笑ってそうね、と同意する。
山城は早速、進藤の元へ向かった。
163 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:10:39 ID:px17xUzl
「進藤先生。」
「何だ?」
「香坂先生を外に連れ出してもよろしいでしょう?」
「…ダメだ」
その返事を聞いて山城はクスクスと笑った。
進藤はその姿を見て首を傾げる。
「すみません、香坂先生の予想してた通りだな、と」
「香坂本人の希望なのか?」
「はい、屋上でもいいと仰っていました」
「…発作が起きる時間帯の前に戻る。これが条件だ」
「解りました。伝えます。」
承諾を貰え、軽い足取りで香坂の元へ向かった。
たまきにそのことを伝えると、彼女は驚くも、素直に喜んだ。
しかし今日行くのでは、もうあまり時間がない。
空が暗くなり始め、もうすぐあの嫌いな時間がやってくる。
164 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:11:13 ID:px17xUzl
山城は明日にその約束を取り付け、たまきの手を握り、他愛のない話を始める。
やはり楽しみがあると、気持ちも変わるのだろう。
たまきの発作は、いつもよりも酷くは出なかった。
山城もたまきを励ましながら、その発作を抑えようと努めた。
回復の兆しは、見えている。
もうすぐ、その日がくる。
山城には、そう思えてならなかった。
いつもは発作を起こした後はぐったりとしてそのまま眠りにつくのに
今日は違って、また明日はどうするかと話を始めた。
遠足に行く前の子どもみたいに。
正直何がそんなに楽しみなのか、山城には解らないが
きっと香坂先生には何か思いがあるのだろう、と。
どこか意を決した目をしているのでそれは解る。
願うはその試みが克服に繋がる事。
不安がないといえば嘘になる。
下手すれば傷口に塩を塗り込む事になる恐れだってある。
だけど信じるしかなかった。
おそらく進藤も同じ気持ちなのだろう。
たまきにとっては待ち侘びた次の日
車椅子に乗せられて屋上まで連れてきてもらった。
165 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:12:10 ID:px17xUzl
「風が気持ちいい」
「そうですね」
暫く風と戯れて久しぶりの外を満喫していたたまきが急に口を開いた。
「もぅ1週間くらい前になるのかしら」
「え?」
「山城さんに話そうとしてから」
「そうですね」
「話の続き、聞いてもらってもいい?」
「私でよければ、」
「・・・・・レイプ、されたの。私」
「あいつ・・・私の名前、知ってた・・・」
「それから・・・またねって言った…のよ。あの道を通るとまた…
襲われるんじゃないかって・・・不安で、堪らない…それから…」
「今日はもういいです!休みましょう?」
浅く肩で呼吸して震えながらも必死に唇を開くたまきが痛々しくて
思わず制止の声を入れた。
166 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:12:47 ID:px17xUzl
「大丈夫…最後まで言わせて?」
「…はい」
「あいつ…ね、私の中に・・・何度も出したの・・・それが1番、心配…なの・・・
もしもって考えると…おぞましくて・・・」
そこまで言うとたまきは自分自身の身体を強く抱きしめた。
震えは更に酷くなり、呼吸もどんどんと浅いものとなっていく。
山城は発作の原因がはっきりと解ったような気がした。
組み敷かれた時の恐怖、からではなく
これから起こり得るかもしれない事への恐怖。
そのどうしようもない不安感が、発作という形でSOSを求めていたのだろう・・・
「香坂先生・・・」
大丈夫です、なんて無責任な事は言えない。
なんと言葉を掛けていいか解らず
山城は自分自身を抱くたまきの手をとって握り締めた。
「そんな目に合ったら誰だってそう思います、でも・・・香坂先生には私達がついてます」
そう言われ、たまきは怯えを宿した瞳のまま。
顔をあげた。
その拍子に一筋の涙が頬を伝う。
だけど、それは自分だけではなかった。
山城の頬も涙で濡れていた。
167 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:13:33 ID:px17xUzl
そんな様子にたまきは居た堪れない気持ちになった。
頭の片隅に残る冷静な思考が自分の弱さを責める。
何処までも山城さんに甘えていた自分。
もっと、考えるべきだった。
こんな話、聞く方にだって覚悟がいると言う事に・・・
たまきは必死に自分を落ち着かせ、口を開いた。
「最後まで、聞いてくれてありがとう・・・でも、山城さんにも辛い思いさせてしまった
事、なんて言ったらいいか・・・・・・ごめんなさい・・・。」
すると山城は静かに首を振った。
「いいえ。私が決めていた事ですから・・・香坂先生の話を聞くんだって。」
いつものあの穏やかな表情を浮かべ、言った。
その顔を見てたまきも穏やかに笑うと
もう1度ありがとう、と呟いた。
「いいえ。それよりもう、戻りましょう?進藤先生が心配で、ほら・・・」
山城が目配せした方をみると進藤が立っていた。
おそらく今の話も聞いていたのだろう・・・。
でも、もう知られたのだと解ると、少し楽になった気がした。
168 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:14:08 ID:px17xUzl
もう、進藤の眼差しにも恐怖は感じない。
たまきはゆっくりと長い溜め息をつくと自分で車椅子を推し進めた。
「進藤先生・・・ごめんなさい。その手・・・」
進藤の前で止まると、包帯の巻かれた手を見つめ
罪悪感に満ちた目を向けて謝った。
「いや、こんなのお前の心の傷に比べたら何ともない。
お前が悪いんじゃないから気にするな」
努めて優しく笑い、言うとたまきの後ろへと回り、車椅子を押した。
「戻ろう。皆もきっと心配してる」
「ええ・・・」
屋上を後にしてICUへ戻ると皆は進藤の方へと目を向けた。
その視線に返すように進藤は小さく笑顔を作り、頷くと
皆も安心したような顔を見せてくれた。
169 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:14:42 ID:px17xUzl
「話せたんですね、すっきりしたって顔してますよ」
途中で会った、城島にもそう声を掛けられ、たまきも笑顔で返す。
「ええ、山城さんにはお世話になったわ。・・・後は自分との戦いだと思ってる・・・」
久しぶりに見たたまきの笑顔
それでもいつもの自信に満ちた表情はまだそこにはなくて
笑顔を向けられている筈なのに、その姿は儚げで、城島は息を呑んだ。
今にも壊れてしまいそうな淡く、脆い・・・
そんな風に映り、まだ回復への1歩を踏み出したに過ぎないんだと、実感した
それは勿論、その場にいた進藤も山城も感じていた。
きっとまだまだ道のりは長いだろう
妊娠している、という最悪の事態もあるかもしれない。
それでも、どんな事が起こり得ようとも、絶対に立ち直らせたいと思う。
大切な存在だから・・・
闇を照らす月のように、道標を作っていたい。
本当に心から笑える、その日まで・・・
170 :
通りすがり:2008/08/22(金) 01:22:55 ID:px17xUzl
はい、おしまいです。
最後までお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。
恐らくSPに萌えて書いたモノなので「傷ついたたまきさん」
がテーマだったんだと思います。
100%進藤×香坂じゃなくて申し訳ありません。
でも山城さんを起動させた事は後悔していません(笑)
皆様いかがだったでしょうか?
ちょおおおおお起きててよかった・゚・(ノД`)・゚・。 !!
感動!!!!通りすがりさん凄すぎる!!!!!><
エロじゃなくてもハイクオリティ!!!
超大作ですね!!!!
乙でした!!!!
通りすがりさん、すごすぎ!!!!!!
超大作で感動です!!!
通りすがりさん凄い!!!
泣きました〜むっちゃGJ(;_;)
通りすがりさん、神ですね!!
エロなしでも、この切ない小説に鳥肌が!!
また期待していますvvvv
175 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 08:44:17 ID:srnTM2w3
通りすがりさん、乙です!
私も山城さんを起動させたのはいいと思いました。
男性の進藤にはどうしても救えない部分を救うのに選んだのが、桜井さんではなく大田川さんでもなく、山城さんというのが上手いですね。
103〜116の遭難話の続きを投下させてください。
かなり長い上、なかなかエロに到達しませんが・・・
最後まで読んでいただけると、嬉しいです。
176 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 08:47:00 ID:srnTM2w3
静かに寝息をたてるその顔を、進藤はじっと見つめていた。
頬には赤みが射し、そっと触れた肌は温かい。
それだけのことが進藤の胸をこれ以上ないほど満たす。
その場から離れられなくて。
離れたら、また消えてしまうのではないかと思って。
何時間も、何時間も…
ただ、その安らかな寝顔を見詰め続けた。
―――
瞼に当たる柔らかい陽射しを感じて、ゆっくりと目を開ける。
「…………」
白い天井。
暖かい空間。
此処は…?
「気が付いたか」
すぐ隣に、進藤が座っていた。
「…進藤先生?」
進藤は穏やかな瞳でたまきを見詰めている。
目を遣ると腕には点滴の針。
病室の片隅で、たまきはベッドに横たわっていた。
「覚えてるか?」
「…助かったの?」
「あぁ」
進藤が少し微笑む。
「…此処は?」
「保護された場所からいちばん近い病院に担ぎ込まれたんだ」
「………」
そうだったのか、とまだ覚醒しない頭でぼんやり思った。
「お前は脱水と疲労から意識を失った」
「…ずっと、付いててくれたの?」
「…あぁ」
戸惑いがちに進藤の瞳を見ると、少し真剣な眼差しで進藤は答えた。
「…貴方は?休んでないの?」
「点滴をしてもらった。お前、丸2日眠ってたんだ」
「え…そんなに?」
「よっぽど疲れたんだな。ゆっくり休んだほうがいい」
「…ええ」
天井を見上げて言う。
ずっと触れ合って支え合ったあの3日間が幻だったように、
進藤はたまきに触れようとはしないし、
たまきもそれ以上進藤に近づくことはなかった。
いつもの日常に戻ったのだ。
いつもの、ふたりに。
177 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 08:57:34 ID:JuuggdLM
港北医大救命救急センター。
「よし移すぞ、1,2,3っ!」
「血ガス血算生化、モニター!」
スタッフの遭難事件も無事解決し、いつもの慌しい日常が戻ってきた。
進藤もたまきも体調に異常はないようで、
仕事をしながら他のスタッフたちはちらっと二人を見ては安心していた。
そのふたりは、今日も相変わらず息の合った仕事ぶり。
「肝臓と腎臓、どっちを先に?」
「俺が腎臓をやろう。お前は肝臓を頼む」
無駄のない会話で迅速な処置が行われてゆく。
いつも通り、と誰もが思った。
当の、本人達以外は。
その小さな違和感に、進藤は気付いていた。
「最近、香坂先生いねぇなー」
お昼の医局。
皆がほらちゃんの出前を食べている中、馬場が言った。
「外で食べてるんじゃないですか?」
「えっ、僕また匂う?レバニラ頼んでないけど」
心配気に言う神林に矢部が笑って首を振った。
「でもさー、昼以外もあんましいなくね?」
「そういえば、そうかも」
「たまにいたとしても、ずーっと怖い顔で専門書睨んでるんですよね〜」
「そうそう。なんか、話しかけられない雰囲気」
「なんかあったんでしょうか?」
「専門の勉強に必死なんじゃね?第一外科に戻るために」
皆が苦笑する。
「………」
医局長だけがひとり、複雑な顔をしている。
「………」
皆の会話を、進藤は無言で聞いていた。
178 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 08:58:05 ID:JuuggdLM
屋上へ出てみる。
もしかしたら此処か、と思って来た。
しかし、たまきはいなかった。
煙草に火をつける。
たまきはいつも通り、ちゃんと仕事をこなしている。
患者の処置には救命に来て日が浅いとは思えないほど、目を見張るものがある。
進藤のやり方をよく見ているのか自分との息も合っていて、仕事のしやすい相手だった。
ただ。
あの事故以来、進藤と瞳を合わさない。
処置中すらもそうだし、それ以外では進藤を見ようともしない。
ふぅ、と進藤は溜息を吐いた。
白い煙が細く吐き出され、立ち昇って消えてゆく。
話さなければいけない、と思っていた。
このままではいけない、と。
それでたまきを捜しに屋上に来た。
だけど、彼女がいなかったことに、半分ほっとしている自分がいる。
何を言っていいのか、判らないのだ。
進藤の中で、何も結論は出ていなかった。
179 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 08:59:03 ID:JuuggdLM
数日後。
進藤が資料室のドアを開けると、白衣に黒髪の後姿があった。
お気に入りのシエロのサンドイッチを頬張りながら、キーボードを叩いていた。
「香坂」
進藤の声に、気付いてたまきが振り返る。
進藤の姿を見て、すぐに視線を戻してしまう。
「…いつも此処にいたのか?」
「論文書いてるの」
「何も、食事中にまで」
「締切が迫ってるのよ」
進藤を見ずに軽く笑う。
「締切?学会か何かか?」
「…城南医大の心臓外科研究チームに空きがあってね。スタッフを募集してるの」
その言葉に、進藤の顔色が変わった。
「あそこも心臓外科では優れたところだし、申し込んでみようと思って」
「…うちを辞めるのか?」
「…ええ」
「…何故」
ふっ、と、可笑しそうにたまきは笑った。
「何故?判ってるでしょ?私は心臓外科医なの」
ずっと第一外科に戻りたがってたの知ってるでしょ、とたまきは言う。
「…なら、第一外科に戻ればいい」
「…神宮教授が許してくれそうにないもの」
「…いつか実力で戻るんじゃなかったのか」
「此処だけが病院じゃないわ」
そう言うとたまきは振り返った。
「これは私にとってチャンスなの。小田切医局長にももう話してあるわ」
いつもの強い意志を含んだ瞳で、整った表情で言い切った。
だがその瞳は、進藤を見ているようで見ていない。
「此処、使うんでしょ?」
たまきは席を立ち、資料室を出ようとした。
その腕を、進藤が掴んだ。
びくっ、と、身体を強張らせるたまき。
「…何?」
後ろを向いたまま言う。
「…俺のせいか」
進藤の言葉に、一瞬たまきは止まり、そしてすぐに振り返って言った。
「違うわ。」
真っ直ぐに進藤の瞳を見て言った。
進藤が戸惑うほど、強く美しい瞳だった。
緩んだ手を振り解き、たまきは資料室を後にした。
180 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 09:00:34 ID:JuuggdLM
カラ―――ン
外来診察室の方から、金属が落ちるような音が聞こえた。
近くを通っていた進藤が急いで行ってみると、外傷患者の処置をしているたまきがいた。
眩暈を起こして、座り込んでいる。
「どうした?」
「急に、鑷子(せっし)を落とされて…」
ナースが心配そうに言う。
「香坂!?」
進藤がたまきの肩を掴む。
「…大丈夫よ」
たまきは額を押さえながら立ち上がる。
「なんでもないわ」
そう言うと、患者に謝り、治療を続けた。
「香坂!」
処置が終わるのを待って、診察室を出てきたたまきに声をかけた。
たまきは振り返らない。
「疲れてるんじゃないのか」
「大丈夫よ。少し寝不足なだけ」
進藤を見ずに笑うその姿に、理由の判らない苛立ちが募る。
「…根の詰めすぎなんじゃないか?」
「…しょうがないじゃない」
「此処は救命救急だ!」
急に、進藤が怒鳴った。
驚いて進藤を見るたまき。
「仕事に支障をきたすようなら、専門の勉強は辞めろ!」
「っ!………」
瞳を見張らせ黙り込んでしまうたまき。
プロとしての甘さを指摘され、何も言えない。
進藤の言うことは、いつも正しい。
…正しい、けれど。
「…もうすぐ、いなくなってあげるわよ。お望み通りね」
瞳を伏せて去っていこうとするたまき。
進藤の表情も見られない。
きっと、とても怒っているんだろう。
そう思いながら、足を進める。
そのとき。
どさっ
何か音がして、振り返ると。
進藤がその場に倒れこんでいた。
「進藤先生!?」
181 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:12:00 ID:bhRjVfyK
「過労だな」
血液検査の結果を見ながら、小田切医局長が言う。
時間外になった外来診察室のベッドで、進藤は眠っていた。
腕には点滴の針。
「…どうして、急に…?」
その傍らに座って、心配気にその顔を見つめながらたまきが言う。
「おそらく例の遭難事故の疲れが今頃出たんじゃないかな。進藤先生、あの事故の後も休みもせずずっと働いてたし」
「………」
そう、進藤はあの時も、ふらふらになったたまきをずっと支えてくれたし、
たまきが2日間眠ってる間も傍にいてくれた。
長引く事情聴取の間も一緒にいてくれて。
そして、帰って来たら休むこともなく仕事に復帰したのだ。
「…少しは、休んだらいいのに」
「進藤先生って仕事好きだからね〜。それに自分でも大丈夫だと思ってたんじゃない?自分の疲れ自覚できない男ってけっこういるからね〜。進藤先生なんか、まさにそんな感じ」
「………」
ふっ、と苦笑するたまき。
「何かのきっかけで急に溜まった疲れが出ることがあるんだよね。なんかあったのかな?」
医局長が怪訝な顔をする。
「…え…」
何かのきっかけ…?
たまきの胸の中が少し波立った。
が、すぐに思考を振り払う。
「とにかく今夜は一晩寝かせてあげよう。明日も休んでもらうか」
「…そうですね」
医局長の言葉にたまきも頷き、ふたりは仕事に戻った。
182 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:13:28 ID:bhRjVfyK
翌朝、目を醒まし点滴を終えた進藤は、医局長に帰るように指示を受けた。
夜中、何度か様子を見に行ったときは、よく眠っていた。
夜勤明けで帰る支度を整えたたまきが更衣室から出ると、医局長と、同じく服を着替えた進藤がいた。
「香坂先生、今日休みだよね?悪いけど進藤先生送ってあげてくれないかなぁ」
「え!?」
医局長の言葉に驚くたまき。
「検査結果は異常なしだけど、やっぱりまだ心配だからさ。頼むよ」
「………」
何と返事していいか判らない。
でもきっと、進藤が断るだろう。
そう思った矢先。
「…頼む」
進藤がぼそっと言った。
「え!?」
言葉を失うたまき。
「良かった〜。香坂先生が付いててくれるなら安心だね。じゃあとよろしく〜」
笑顔で去ってゆく医局長。
「………」
「………」
沈黙が続く。
進藤が無言で歩き始める。
おずおずと付いてゆくたまき。
ふたりは黙ってタクシーに乗り込んだ。
183 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:15:06 ID:bhRjVfyK
郊外の綺麗なマンションだった。
こんなかたちで、初めて訪れることになるなんて。
たまきがなんとなく見上げていると、5階だ、と進藤が言い歩き出した。
エレベーターに乗り、部屋の手前まで来る。
鍵を開けたのを確認して、
「じゃあ、私はこれで」
たまきはさっさと去ろうとした。
「中に入れ」
腕を掴まれた。
「…どうして?」
「まだ具合が悪い」
飄々と言うと、進藤はたまきを引っ張って中に入った。
「ちょっ…」
引っ張られるままに、慌ててたまきは靴を脱いで歩く。
何処が具合が悪いのよ?と思ったが、
リビングのソファに辿り着くと進藤はそこに倒れ込んだ。
「………」
その様子に、心配になるたまき。
「コーヒーでも淹れるわ。飲み終わったら、さっさと寝室で休むのよ」
初めて立つ彼のキッチンで、道具や材料を探し出しコーヒーを淹れる。
サーバーから液体が落ちてくるのを待っている間、ちらっと進藤の方を見る。
ソファに倒れ込んで目を瞑っている彼の後ろに、真っ赤な薔薇が活けてあった。
「………」
見なければ良かった、と後悔した。
そもそも、来なければ良かったのだ。
此処は、多分彼と亡くなった奥さんとの思い出の場所。
あれはきっと彼の趣味じゃない。
進藤は、今も亡くなった奥さんと暮らしているのだ。
彼の中で彼女は、今も生きている。
…分かっていたことだけど。
こんな風に突き付けられると、やっぱり胸が痛い。
差し出したコーヒーを無言で飲む進藤の顔は、いつになく覇気がなかった。
やはり具合が悪いのか、とたまきは心配する。
それとも、意外に家での進藤はこんな風なのかもしれない。
いつも、仕事で気の張っている彼しか見たことがないのだ。
184 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:16:58 ID:bhRjVfyK
「ほら、立って」
進藤の腕を掴み、寝室へと促してゆく。
広いベッドに横たわらせると、ふぅ、と溜息をついた。
「今日一日はちゃんと大人しく寝てるのよ?」
怖い顔をして念を押す。
「………」
覇気のない顔に苦笑し、帰ろうとするたまきの服の裾を、進藤が掴んだ。
「…傍にいてくれ」
「…え?」
「…いてくれないなら、大人しく寝てない」
「………」
子どものようなことを言う進藤に、言葉が出てこない。
そのまま進藤はぷいと少し顔を逸らせ、眠ってしまった。
やがて安らかな寝息を立て始めた進藤の顔を、たまきはただ見つめた。
…眉が下がってる。
仕事中の進藤からは想像も付かない、無防備な顔。
まるで、熱を出した子どもが泣き疲れて眠ってしまったようだ。
なんだか、可愛く思えてしまって。
そっと進藤の頬に、指で触れた。
母親のような気分になってしまうのは何故だろう。
こんな顔を見られただけでも、此処に来られて良かったのかもしれない。
最後に、こんな顔を。
進藤の掌を握り、そっと座り込んでベッドに顔を乗せた。
185 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:19:08 ID:bhRjVfyK
「………」
進藤が目を覚ますと、ベッドの傍らに座り込んでたまきが眠っていた。
進藤の掌を、ぎゅっと握っている。
そっと、手を伸ばす。
柔らかい髪に触れた。
温かくて、あの日触れた温かさを思い出して。
何度も、優しく髪を撫でた。
「…ん…?」
たまきが目を覚ます。
寝起きの顔が、あどけなさを感じさせる。
「…起きたの?」
「あぁ」
「気分はどう?」
「だいぶいい」
「そう、良かった」
柔らかく笑った。
眩しく感じた。
「…悪かったな。お前、夜勤明けなのに」
「…全くよ」
「今度は、お前が眠れ」
「え?」
「腹減っただろ。俺は何か買ってくる。お前が起きたら食べよう」
「ちょっと待って!私はもう帰るわ」
「今日一日俺の面倒見る義務がお前にはある」
「は?ど、どうして?」
「どうしてもだ」
「は!?な、何それ……!?」
怒りたかったが、上手く言葉が出てこない。
こんな道理の通らないことを言う進藤は初めてなのだ。
「疲れてるんだから此処で休んでいけ」
そう言って進藤はベッドを出、たまきをそこへ促した。
そのまま進藤は出ていってしまった。
「………」
今日の進藤は何処かおかしい。
しかも、それに振り回されている。
ふぅ、と溜息を付きながらベッドの中で目を瞑ると、進藤の匂いがした。
3日間だけ感じていた、進藤の匂い。
温もり。
まるで進藤に抱かれているようで。
決心が鈍ってしまいそうだと思いながらも、その温もりを手放すことが出来なかった。
そのまま、たまきは眠りに堕ちていった。
186 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:20:40 ID:bhRjVfyK
バタバタと遠くに物音を感じて、目が覚めた。
寝室のドアを開けると、なにやら食欲をそそる匂い。
進藤がキッチンに立っていた。
「…何してるの?」
驚いてたまきが問う。
起きたのか、と進藤が振り返る。
「何って、座禅組んでるようにでも見えるか?」
腹減ったって言っただろ、と進藤が笑う。
大きな身体を少し屈めて、フライパンを揺する。
「…わざわざ作らなくても。買ってくるって言ったじゃない」
「栄養のあるもの食べようと思ってな。すぐ出来るから、座ってろ」
「………」
無言でテーブルに座るたまき。
「…栄養のあるものって、これ?」
悪戯な瞳で見詰めながら箸を口に運ぶ。
「悪かったな。これくらいしか作れなくて」
少し剥れて進藤が言う。
進藤が差し出したのは、いわゆる焼き飯。
「これじゃ油分の摂取が多くすぎて健康には良くないわね」
たまきがしれっと言った。
「いつもこんなものばかり食べてるの?」
「普段は料理なんて滅多にしないんだ」
「そのようね。味付けもちょっと濃いわ」
「………」
「外食ばかりしてると味覚が麻痺しちゃうわよ」
「…解ってる」
「なら気を付けなさいよ。中年太りした進藤一生なんて可笑しすぎて笑っちゃうわ」
たまきがからかう。
「相変わらずたいした物言いだな。メシご馳走になっといて」
進藤が笑う。
ふたりの間に、久しぶりに穏やかな時間が流れた。
187 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:23:15 ID:bhRjVfyK
「…急に倒れるから、びっくりしたわ」
「…心配かけたな」
「…やっぱり、疲れてたの?あの事故のせいで…」
暗黙の了解のように、ふたりとも口にしなかったことを、ふいにたまきが切り出した。
「…それだけじゃない」
「…え?」
「このところ、毎日眠れなかった」
「どうして?」
「………お前のせいだ…」
思い詰めたような瞳を少し伏せて進藤が言う。
「………」
予感は当たっていた。
たまきは視線を箸に落とす。
「忘れて」
「………」
「私も忘れるから」
「…忘れられるなら、病院を辞める必要なんてないだろ」
「だから、それは違うって言ったでしょ」
可笑しそうに笑う。
「違わない」
しかし進藤は真剣な瞳をして言い切る。
たまきの笑った顔が少しずつ戻ってゆく。
「…何言ってるの?私が違うって言ってるのよ」
「お前の嘘は、すぐに判る」
「…随分、解ったようなこと言うのね?」
「解る。お前のことは」
「自惚れないでよ!」
高まった感情が爆発した。
「お前だって、俺が倒れた理由も判ってたんだろ?」
しかし進藤は怒鳴ったたまきを真剣な瞳で射抜き、静かに進藤が答える。
「………」
その言葉と瞳に、たまきは言葉を失う。
苦しそうに瞳を揺らせ、俯いてしまった。
188 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:25:11 ID:bhRjVfyK
どんなに演技をしても、顔を合わせなくしても、瞳を見ないようにしても。
お互いの気持ちが、筒抜けだ。
観念するしかない。
「………そうやって、悩まれるのがいちばん嫌なのよ!」
視線を合わせないまま、たまきが強く言う。
「責任感じる必要も、私に同情する必要もないわ。貴方は貴方らしくしてればいいのよ」
「………」
「新しい職場に行って、貴方のこと早く忘れたいの。報われない想いはもうたくさん」
「………」
「私だって早く私らしさを取り戻したいわ」
「…お前は、俺が必要じゃないのか」
思わぬ言葉に驚き、たまきは涙を溜めてきっ、と進藤を睨んだ。
「必要だって言ったら傍にいてくれるの?」
「………」
「もう、なんでもない振りして一緒に仕事するなんて、出来ないのよ…」
感情的になってしまった自分を恥じて、たまきは涙を拭き笑った。
「だからもう忘れて」
「………たまき」
はっと進藤の方を見た。
真剣な眼差しに射抜かれる。
「死んだ妻を大事に想ってる男じゃ、ダメか?」
その一言に、一瞬で様々な想いや葛藤が溢れ出す。
たまきの瞳がゆらゆらと揺れる。
少しの沈黙が流れた。
「…駄目よ」
たまきがそっと口を開いた。
「私、自分が一番じゃないと気が済まないの。知ってるでしょ?そういう女だって」
笑顔で告げると、箸を置いた。
「貴方と私じゃ合わないのよ。だからもう、終わりにしましょう。ご馳走様」
立ち上がって、荷物を取りさっさと出て行こうとする。
189 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:26:20 ID:bhRjVfyK
玄関へ続く短い廊下に差し掛かったとき、不意に進藤の手に引っ張られた。
腕を掴まれ、そのまま抱き締められる。
「……離して」
たまきが静かに言う。
進藤は、無言で抱き締める腕に力を込めた。
「離してって言ってるでしょう」
言いながらも、その胸の温かさをどうしても振り払えない。
「…責任でも、同情でもない。俺はお前に傍に居て欲しい」
抱き締めたまま、たまきの小さな頭の上で進藤が言う。
その言葉がたまきの胸に広がってゆく。
「あれからずっと考えてた。いい加減な結論は出したくなかったんだ」
「………」
「俺は、お前が居たから医者に戻ったんだ。それなのにお前は、俺の前から消えるのか?」
「…貴方は最初から医者だったわ。私がいなくたって、平気よ」
「平気じゃない。俺はそんなに強くない」
「…強いわ」
「お前だって、俺がいないとダメになる」
「………自惚れないでって言ってるでしょ」
そっと進藤が抱き締める腕を緩める。
強がりな言葉とは裏腹に、見詰めたたまきの頬には涙が伝っていた。
「俺はずっと、お前を追いかけてたんだ。お前のことを誰よりも見てきた」
その涙を長い指で拭いながら進藤が言う。
「その泣き顔だって、他の男には見せたくない」
「…誰のせいで、こんな顔になってると思ってるのよ…」
涙で光る瞳で切なげに進藤を睨む。
「お前を泣かせるのが俺だけだとしたら、俺はそれでもいい」
その言葉に、またたまきの涙が溢れる。
190 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:28:28 ID:bhRjVfyK
「……酷い男」
そう発音する口唇を、素早く塞ぐ。
一瞬の柔らかく熱い触れ合い。
そっと口唇を離して、進藤が呟く。
「酷い男で構わない。早紀を忘れられない俺の傍に居てくれ」
その言葉に目を見開き、また涙が溢れてくる。
その真剣な瞳を抱き締めたい衝動に駆られながらも。
たまきはきっ、と、進藤を睨んだ。
「貴方が苦しむって言ってるの!」
幾筋も涙を流しながら、たまきが言う。
「本気で惚れた男なら例え妻がいたって奪ってやるわよ私は!でも貴方は…っ…」
嗚咽とやるせなさで、言葉を詰まらせる。
「貴方っていう男(ひと)は、奥さんを忘れられないまま私を抱いたりしたら、二人への罪悪感と自己嫌悪にずっと苦しむでしょう…」
伏せた瞳からまた涙が溢れる。
そんなたまきを熱い瞳で進藤は見詰める。
「そんな貴方を見てるのはきっと辛いわ。どっちにしろ私たち上手くいかな…」
言い終わる前に、進藤はたまきの口唇を再び塞いだ。
強引に口唇を割らせ、舌を絡ませる。
「……っ……っ…」
息も出来ぬほどに、口付ける。
たまきの手が進藤の身体を突き放そうともがく。
そんなたまきを離すまいといっそう強く抱き締めて、逃げる舌を執拗に追う。
たまきの涙が進藤の頬に伝う。
それでも強引に口付けし、優しく舌を絡ませる。
お互いの想いがぶつかり合う。
やがてたまきの抵抗の力が弱まり、身体から力が抜けた。
それを感じ、進藤はそっと口唇を離した。
「もう何も喋るな。お前は黙って俺の傍に居ろ」
泣きはらした瞳で、たまきは進藤の瞳を見詰めた。
強く熱く、強引にたまきを射抜く瞳。
だけど、同時に今にも泣き出しそうな程切なげにも見えた。
191 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:29:17 ID:bhRjVfyK
あぁ、この瞳に溺れたい。
もう何度も、そう願ってきた。
抱き締めてあげたい。
独りで孤独に耐えるこの人を。
抱き締めて欲しい。
貴方を求めて止まない私を。
その瞳に、捕まった。
「…命令しないで」
涙がまた一筋、頬を伝った。
それを合図に、ふたりは再び激しく口付け合った。
192 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:30:32 ID:bhRjVfyK
さっきまでたまきが寝ていたベッドに、ふたりで倒れ込む。
息も出来ぬ程に、ふたりはお互いの口唇を貪った。
進藤の舌が優しくたまきのそれを絡め取ると、たまきの手は進藤の髪を激しく掻き乱す。
進藤の長い指がたまきの顔中をなぞり、頭を強く引き寄せる。
押し付けられる口唇が痛いほどに。
苦しくて嬉しくて哀しくて、気が狂いそうだった。
進藤の指がたまきのブラウスのボタンに掛かり、外すのももどかしくてブラウスを一気に引き剥がした。
瞬間、恐怖を感じる。
その気配を感じ、進藤が口唇を放す。
涙でぐしゃぐしゃになったたまきの顔を見詰め、進藤はそっとたまきの手を取った。
中指、薬指、小指…一本一本を丁寧に優しく舐めてゆく。
じっとたまきの顔を見詰める進藤の瞳は、優しく熱く淫靡で。
お前が欲しい、と言っていた。
ぞくぞくっと背筋が痺れ、瞳が潤む。
親指から掌の柔らかい部分を舐められると、頭と身体の芯が熱くなるのが判った。
心拍数が上がってゆく。
口唇がゆっくりたまきの細い腕を上ってゆく。
柔らかい二の腕から脇の下を舌がなぞる。
たまきの口から甘い吐息が漏れた。
「たまき…」
進藤の口がそう発音する。
酷く愛しげに、聴こえた。
「今日は、優しく出来ない」
艶めいた瞳でそう告げた。
193 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:32:28 ID:bhRjVfyK
再び口付けをし、そのままブラウスから覗いたブラを激しくたくし上げ、露になった乳房を鷲掴む。
「っ…痛…」
僅かに離れた口唇が呟いた。
その口唇をまた塞ぎ、少し力を弱め乳房を揉みしだいてゆく。
たまきが進藤の首に腕を回す。
進藤の口唇が降りてゆき、身体中に紅い華を咲かせる。
その度にたまきは甘い吐息を漏らす。
上の衣類を全て剥ぎ取り、腰を浮かせスカートを脱がせる。
立った脚を口唇がなぞり、たまきはびくっと身体を震わせる。
足の指を舐め、甲を辿り丁寧に口唇が移動してゆく。
たまきの身体は震えっぱなしだった。
進藤の口唇が内腿に滑り込んだとき、思わずたまきは声を上げた。
「やっ…」
丁寧に丁寧に、内腿を舐め回す。
ねっとりと舐めると、少し音がたった。
「…ぅぅ…」
快楽の波が背筋を伝って頭のてっぺんまで響いていた。
脚が震えているのを感じると、進藤は乱暴にショーツを引きずり下ろした。
そっと指を触れると、溢れ出しているのが判る。
抑えきれず其処に口唇を当てた。
「あっ…」
思わず上がったたまきの声に欲情し、もっと乱してやりたいと思う。
ぴちゃぴちゃと音を立てた。
「やっ…」
たまきは顔を横に逸らす。
敏感な突起に進藤の熱い舌先がそっと触れると、それだけで身体中が震えた。
「…っ…んっ…ぁっん…」
舌で転がされ、淫らな声が漏れる。
それだけで思考が麻痺し、また息が上がる。
「っん!」
突起を口全体で含み、少し強く引っ張られた。
足の先まで震え、踵が上がる。
その脚を手で支え、進藤の口唇は溢れ出す泉へと移った。
何枚もの襞を一枚一枚丁寧に舌で捲り、その度に快楽の波がたまきを襲う。
甘い吐息が咲き乱れる。
194 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:33:08 ID:bhRjVfyK
やがて泉の中心に辿り着き、そっと舌を挿し入れる。
「あっんん!」
たまきが顔を仰け反らせた。
その途端、進藤の口唇が離れた。
「ぁ…?」
瞳の端に涙を浮かべたたまきが思わず疑問の声を上げる。
「悪い。我慢できない」
熱い息をあげた進藤が、素早くズボンのベルトを外す。
そそり立ったものを素早くたまきの泉へと押し付け、一気に貫く。
「…ぁあ…っ…」
目を瞑ってそれに耐える。
濡れそぼった膣内がねっとりと絡み付いてくる感覚に、進藤は酔いしれた。
一度だけ知った、その感触。
熱さも襞の感触も、懐かしく恋しかった。
「ぁ…あ…」
瞑った目に涙を滲ませているたまきにそっと口付けすると、進藤は激しく動き出した。
「きゃ…っ…あっ…あんっ…はっ…」
あの夜のことが嘘だったように、進藤は激しかった。
休む間もなく揺さぶられ続ける身体に、たまきは身体だけでなく心も熱くなった。
これが、彼の本当の熱さ…
たまきの腰を抱き、更に深いところを突く。
「ひゃっ!やっ…あぁん…っ…」
進藤の激しい息遣いが聴こえる。
たまきは霞む視界の中、必死に手を伸ばした。
その手をそっと掴み、掌に口付けする。
涙が一筋流れた。
「っ!」
進藤がたまきの最奥を突く。
声を上げる間もなく、昇りつめさせられた。
自分の中が激しく痙攣するのを感じていた。
195 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:33:59 ID:bhRjVfyK
「っ!?」
霞む意識を、無理やり起こされる。
息が上がったまま、気がつけば目の前に進藤の顔。
「ぁ………」
たまきは抱き起こされ、進藤の腕に抱かれていた。
自分の中にある熱い感触は、そのままに。
激しく漏らす進藤の吐息を間近で感じる。
とても、とても熱い。
理由も判らず涙が溢れてくる。
たまきは進藤に口付けした。
首に腕を回し、激しく舌を絡ませる。
進藤が優しくそれに応える。
背中を抱いていた進藤の片手が、そっと乳房に掛かった。
口付け合いながら、揉みしだいてゆく。
全体を揉みながら、指で突起を弄ぶ。
「…ん…っ…ン…」
甘い吐息が口付けの合間に漏れる。
繋がった部分から、また溢れ出すのを感じる。
進藤のものがまた中で動き出した。
ゆるゆるとたまきの中を掻き回している。
「ぁん…あっ…ぁあん…」
口唇を放すと、たまきが淫らな声で啼く。
その瞳は快楽と切なさに潤み、妖しく進藤を誘惑する。
掻き乱しながら、指で胸の蕾をくいっと捻った。
「やぁんっ」
顔を仰け反らせると、その白い喉に口唇を這わせる。
背筋に掌を這わせながら、動きを早めてゆく。
「あっ…あっん…ひゃっ…あぁん…」
啼きながら、それに合わせてたまきも動いた。
その淫らな姿が、進藤の欲望も心も支配する。
もっともっと乱してやりたい。
欲望のままに動くたまきをもっと見たい。
一緒に、乱れたい。
196 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:35:01 ID:bhRjVfyK
奥を奥を突き、胸の蕾を口に含む。
「ひゃあぁん…ん…」
堪らず背を仰け反らせ、涙を流す。
上がってゆく腰をしっかり捕まえる。
たまきも必死に進藤にしがみ付く。
脳天まで貫かれているようだ。
いっそ、自分を壊して欲しい。
いつ壊れるか判らないふたりの関係なら。
そう思って、また涙が流れる。
一度結ばれた後の別れは、きっと何も言わず離れるより辛い。
涙が頬を伝い、揺さぶられる身体から飛び散る。
零れた涙が進藤の頬にかかった。
「っ!」
鈍い痛みを感じた。
進藤のものが壁まで届いている。
「あぁ…っ…も…ぉ…」
たまきが限界を悟る。
進藤が律動を更に早める。
欲望と熱い想いの塊を、たまきの再奥に突き付けた。
届いてくれ、と強く願って。
「ああぁ…っ…ん」
進藤の腕の中で、たまきはまた果てた。
強く進藤を締め付けているのが判る。
「く…っ…」
その瞬間、進藤も達した。
熱い液体がたまきの中に放たれた。
その感触を身体で感じ、たまきはぐったりと進藤にしがみ付いた。
進藤はそんなたまきの背中に手を回し、強く優しく抱き締めた。
繋がったまま、ふたりは抱き締め合った。
上がり切った息が、優しく元に戻るまで。
お互いの心と身体で上がりきった熱を、全身に感じながら。
197 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:36:06 ID:bhRjVfyK
繋がった部分を離すと、たまきはどさっとベッドに倒れ込んだ。
激しい快楽の後の優しい波に揺られながらそっと瞳を閉じた。
この幸せの余韻にだけ浸って眠ってしまいたい。
今このときだけは、哀しい予感は忘れたい。
そう思った。
…が。
進藤がその身体を掴み、うつ伏せにさせる。
「え…っ?」
そっと項に口付ける。
「ちょっ…やめ…もう無理…!」
「嫌だ」
耳元で囁かれ、重なった彼の体重を感じた。
耳朶を噛まれ、手はもう片方の耳の裏へ。
完全に抱き伏せられ、逃げることも出来ない。
耳裏を撫でられながら、項を舐められた。
「…っ…」
また身体が震える。
2度も達したというのに、まだ身体は求めているのだろうか。
「お前だって、まだ感じてるじゃないか…」
耳元を犯す言葉と吐息に、羞恥を感じる。
「ちがっ…」
反論しようとするも、進藤の愛撫に言葉が詰まる。
「まだ欲しいだろ…?」
そう言ってそっと指を挿し入れると、まだ乾き切っていない泉からまた新しく溢れ出す。
「…や…ぁ…」
羞恥に締め付けられる。
そっとそんなたまきの頬に口付けする。
「俺だって、まだ足りない」
熱い吐息とともに漏れる進藤の言葉が、胸を熱くさせた。
いっそ何度でも快楽に溺れてしまえば。
その間は、何も考えないでいられる。
「もっと、お前が欲しい」
艶めいた声で囁く。
「だから、もう哀しいことは考えるな」
その言葉にはっとし。
そっと進藤を見上げると、強く優しい瞳でたまきを見ていた。
「言っただろ…?何度でも読んでやるって。たまき」
そっと口付ける。
また涙が溢れる。
「たまき。もう他の男には呼ばせるな」
呟くと、進藤の口唇は降りてゆく。
198 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:36:46 ID:bhRjVfyK
背筋をなぞり、肩甲骨のくぼみに口付けた。
掌が身体のあちこちを這う。
そっとたまきの身体を持ち上げ、重力で揺れている乳房を掴んだ。
「あ…」
また甘い吐息が咲き始める。
揉まれながら両の蕾を同時に摘まれると、甘い痺れが身体中に走った。
「ひゃっん!」
思わず身体が反り、腰が突き出る。
その腰に手と口唇は降りてゆき、手で臍の周りを撫でながらゆっくりと口唇が仙骨から腰骨の周り、そして臀部へと降りてゆく。
「んっ…ん…」
吐息が乱れ、びくびくと身体が震える。
脚を開かされ、口唇が再び泉に触れた。
「やぁあんっ!」
反応する身体に、正直に声を上げる。
先ほどとは少し違う角度から泉を舐め回される。
浅いところばかりを焦らすように舐め続けられ、たまきの欲望が羞恥に勝った。
「あぁんっ…あぁ…ねぇ、もぉ…お願い…」
その言葉を待っていたかのように、進藤がたまきの腰を掴んだ。
ゆっくりそれをたまきのそこにあてがう。
一気に貫いた。
「あぁぁぁぁっ!」
獣のようにたまきは叫ぶ。
「あっ…やっ…もっ…と、ゆっ…くり…っ」
たまきの懇願も届かず、進藤は激しく動いた。
絡み合う粘液の音が、くちゅくちゅといやらしくたまきの耳を犯す。
「あ…あ…っ…」
それだけで達してしまいそうだった。
進藤の手が伸び、激しく揺れる乳房を鷲掴む。
「ひゃぁあっ…あぁ…」
必死に進藤に合わせて動く。
激しすぎると思っていたそれが、やがてもっと大きな快楽のうねりを生む。
「あ…あぁ…っ!はっ…あぁん…」
獣の如く啼き叫ぶたまきの思考は痺れ、何も考えられなかった。
「あ…あぁぁ…も、…っとぉ…」
気がつけば淫らな懇願をしていた。
ただ、快楽に身を委ねたい。
理由も判らず涙が溢れた。
その言葉に、進藤も欲情する。
「こうか…?」
更に激しく、たまきを突き上げてゆく。
「あっ…あんっ…あぁあん…っん」
悦びの涙が飛び散り空を舞う。
力が抜け切り、繋がってる部分以外をくたっとベッドに押し付けた。
199 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:37:45 ID:bhRjVfyK
それでもたまきの中は、絡み付いて更に進藤を奥へと誘う。
「…く…」
乱れた進藤の息遣いが此処からでも強く響く。
限界が近いことを、お互いが悟る。
再奥をいっそう強く突き上げると。
「ひゃぁあああっ!」
「うっ…」
たまきもいっそう強く締め付け、ふたりは同時に果てた。
たまきの脳裏は真っ白になった。
何も考えられない。
何も考えなくていい。
彼が、全身でそう教えてくれたから――
200 :
しんたまねぎ:2008/08/24(日) 10:38:35 ID:bhRjVfyK
そっと頬に指が触れたのを感じて瞳を開けると、
すぐ隣に進藤の顔があった。
熱い瞳で、頬に伝った涙の後を拭っている。
「俺は、お前を泣かせることの方が多いかもしれない」
真っ直ぐにたまきを見詰め呟く。
「でも、絶対に離さない」
まだ快楽を湛えた瞳が、また霞んで進藤の顔をぼかしてゆく。
その、熱く優しく激しく哀しい瞳に、捕まったことを知る。
いや、ずっと、もうずっと前から捕まっていたのだ。
愛すれば愛するほど辛くなると判っていて、それでもその瞳に溺れたいと願ってしまったのは、私。
「…本当に、酷い男」
そう言うと、進藤の胸に顔を埋めた。
そっとその背中を進藤が抱く。
「ねぇ…ちゃんと呼んで?」
「…たまき」
流れた涙が進藤の胸を濡らしても、その言葉を聴けばたまきは微笑むことが出来た。
「…好きよ、貴方が」
そっと進藤の背中に腕を回した。
言葉の代わりに、進藤は抱き締める腕に力を込めた。
FIN
いやあああああ超感動!!!
切ないっす!
お疲れ様です!
丁度よく投下!!!1
すげえええええ!!
やっぱ進藤香坂は萌える!!!!!
続き気になってました!!!!!!!!
ホント乙です!!!!!!!!!!!
203 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 23:27:22 ID:zUKmuu+/
しんたまねぎさん最高です!!!!
ありがとうございました!!!!!!
204 :
通りすがり:2008/08/24(日) 23:32:25 ID:nl8YJp9E
171さん172さん
エロじゃないのに読んで頂けただけでも有り難いのに
感動だなんて言って下さってありがとうございます!
173さん
私の小説で泣いて下さったんですか?!
嬉しいデス〜〜〜〜〜!!>▽<
何処らへんで泣いてくださったんでしょう?
気になります(笑)
よろしければ教えて下さい♪
174さん
と、鳥肌、ですか?!
それは完成度が高いって言って貰えてる?と
調子に乗っちゃいそうなくらい嬉しいデス♪
しんたまねぎさん
やっぱり桜井さんや大田川さんでは経験や人としての深み
みたいなモノがまだ足らないな、と思い
山城さんが適任だと思いました。
そしたら城島も使いやすいし(笑)
エロじゃないのに受け入れて下さった皆様、
本当にありがとうございました!!
通りすがりさん
173ですo(^-^)o
山城さんにたまきが事件のこと話せてそこから進藤先生と話すところ、泣きました(;_;)
sp好きなのですごい感動でした(;_;)!
しんたまねぎさんGJ!!!!
どうなったかな〜と考えていたので凄い!!乙です!
通りすがりさんもしんたまねぎさんも最高です!!!!!
それはそうと、前スレの進たまさんや283さんはもうこないのかな…。
207 :
通りすがり:2008/08/27(水) 22:50:14 ID:VGMW12vL
私も密かに思ってました。
今はしんたまねぎさんと私の2人…
前スレではもっと書き手さんいたのに
進たまさんと183さん、どうしたんでしょう↓
208 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 00:04:44 ID:PRpDqH1V
通りすがりさん、しんたまねぎさん、いつもいつもありがとうございます。
常連さんも新しい書き手さんも待ってます!!
209 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:18:02 ID:YL6ZUuDK
私もずっと思ってました。
283さんも進たまさんも大好きだったのでv
書き手がふたりというのはちょっと寂しいですね>通りすがりさん
4人くらいいたら、それぞれの作風の違いでもっと盛り上がれそう!
我慢強く、気長に待ちましょう。
ところで『続・遭難』読んでくださってありがとうございました。
この作品、描くのが余りにも大変で、ノイローゼ気味になり・・・(爆)
でもその分とても愛着があります。
そして、例によって切ない系を書きすぎた後の反動もちゃんと出来てますw
『続・遭難の後日談』微エロですが、どうぞ!
210 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:20:41 ID:YL6ZUuDK
「…ん…?」
大きな腕の中でたまきは目を覚ました。
寝ちゃってたんだ…。
すぐ隣を見上げれば、安らかな寝息を立てる進藤の顔。
この無防備な顔を見られるようになってから、少し経つ。
そっと頬に触れ、微笑んだ。
が。
幸せに浸ってる場合ではない。
久しぶりに家に帰れたのだ、しなければいけないことがいっぱいある。
飛び起きて、脱ぎ落とされたバスローブを再び身につける。
いちばんにしなければいけないのはアレだ。
玄関へと急いだ。
いつも救命で履いているヒールのないサンダルを手に取ると、
薬品を含ませたぬ布で、丁寧に磨きだす。
夏は裸足で靴を履くから、汗を直接吸収してしまって傷みやすいし、何より臭いが付いてしまうのだ。
もちろん、よっぽど近くに来なければ臭うことはない、が。
よっぽど近くに来る者が出来たのだ。
進藤は、行為のとき、手の指や足の裏まで口で愛撫することが多い。
愛を感じて嬉しいのだが、同時にこんな苦労も生まれる。
ふぅ、と玄関を見渡して今夜のことを思い出した。
少しずらして病院を出、近くで落ち合った。
1週間ぶりに、進藤と夜を過ごせる。
少しでも長く一緒に居たくて、シャワーは浴びてこなかった。
たまきの家に着き玄関のドアを閉めたらいきなり抱き締められキスをされた。
1週間ぶりのその感触が嬉しくてそのキスに応えたら、それはどんどん激しくなった。
そのうち大きな掌がたまきの身体中を探り出し、下手したらこの場で行為に及ぼうという勢い。
必死に抵抗し、どうにか進藤を説き伏せて、シャワーを浴びた。
「女にはいろいろ準備があるの!」
精一杯怖い顔をして睨んだ。
進藤は聞き分けのない大きな子どものように剥れていた。
211 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:21:29 ID:YL6ZUuDK
救命に来てから毎日家に帰れない。
一日一回は病院でシャワーを浴びるようにしているけれど、それも不規則で。
汗を流してから抱いて欲しいし、何よりムダ気の処理が…。
実は今、家庭用脱毛器が壊れてる。
あれってすぐ壊れるのよね!
買いに行かなきゃなーと思いながらも仕事が忙しすぎて、しばらく男も出来そうにないしいっかーと油断していた。
それで剃刀を使っているのだが…。
職場のシャワーでは、後で保湿が出来ないから、なるべく剃刀を使わないようにしていた。
(保湿しないと手触りがザラザラになるのよね!)
それでなくても、救命に来てから2,3日徹夜は当たり前の不規則な生活で、肌がボロボロなのに。
それで家にあった脱色剤を使っていたのだが、それなら普段はいいが、行為のときは誤魔化せない。
大体男は、女にも手や足の指にまで毛が生えるということを知らなさ過ぎる。
あの部分は特にデリケートで、慎重にやらなければ皮膚を傷付けてしまう。
ただでさえ荒れた肌、せめて少しでも綺麗に見せたいじゃない。
それにあんなところ擦り剥いてたら理由がバレバレで女として恥だわ。
ふぅ、とまた溜息をついた。
こんなことなら学生時代にやっぱり脇だけじゃなく全身永久脱毛しておけば良かったなぁ…。
余りにも莫大な予算と期間がかかるので、辞めておいたのだ。
医学生時代も勉強とサークルとバイトとでかなり忙しかった。
でも医者になったらもっともっと忙しくなって、仕事も面白くなって、
お金は出来たけど時間がなくなったのだ。
たま〜にエステで脱毛コースしてたけれど、あれって3ヶ月とかかかるくせに永久ではないのよね…。
またエステに通いたいけれど、今の職場じゃ到底無理だろう。
そういえば、またピルも飲みだした。
進藤はちゃんと避妊をしてくれるけれど、やっぱり…ね。
…たまにはナマでさせてあげたいし。(ってゆーか、して欲しいし?)
でもあれ、私の体質にあまり合わないから、最初のうちは身体がキツいのよね…。
慣れるまでの我慢だけど。
あー、そういえば、新しい下着も買いに行かなきゃ。
古くなってきたのもあるし、毎回同じじゃ嫌だものね。
前の男が気に入ってたヤツは穿きたくないし…。
時間ないなー。
212 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:22:09 ID:YL6ZUuDK
はぁ。
いつもなら、新しい男が出来そうなときは、事前にいろいろ準備できるんだけど。
今回は、突然だったから。
そもそも、進藤の前からいなくなるつもりだったから。
だから今は幸せだけど、その分苦労も多いのよね…。
靴を磨き終わって、寝室に戻る。
のん気そうに眠っている進藤を見ると、なんだか腹が立ってきた。
誰のために、こんなに苦労してると思ってるのよ。
あ、あと冷蔵庫の中の整頓と、書斎の片付けと、植物に水をやらなきゃいけないんだった。
思い出してリビングに行こうとすると、うーんとくぐもった声が聞こえた。
隣にたまきがいないのに気付いて、身体を起こす。
「…何してるんだ?」
目をこすりながら言う。
「いろいろ。あ、ねぇ、手伝ってくれない?廊下の電球切れ掛かってるの」
たまきが笑顔でお願いする。
が。
寝ぼけ顔の進藤はまた布団を引っ被ってしまった。
「ちょっと、ねぇ?」
「………めんどくさい」
ぴきっ
別れてやろうかしら。
一瞬、本気で思った。
人の苦労も知らないで。
貴方との時間を作るために、いろんなことを犠牲にしてるのよ?
それなのに、『めんどくさい』!?
ヤるだけヤったら、とっとと寝ちゃうわけ!?
どんどん腹立ちが募っていった。
213 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:22:48 ID:YL6ZUuDK
はぁぁ。
書斎を片付けながら頭を冷やす。
大体、最初が盛り上がりすぎたのだ。
叶わないと思っていた想いだったから。
ガラにもなく切なさでいっぱいになっていた。
付き合ってみれば、こんなもんよ。
お互いの素顔が判っちゃうと、冷めることもあるわ。
そんなの当たり前。
楽しいときだけ楽しめばいいのよ、恋愛なんて。
…って、今まで思ってたけれど。
今回だけはいかんせん、想いが募りすぎていたから。
こう、いきなり嫌な面を見せ付けられると。
切り替えるのが難しい。
片想いが恋愛中でいちばん楽しい、とはよく言ったものだわ。
片想いってしたことなかったから、初めて知った。
このギャップに耐えられるかと不安に思いながら、寝室に戻った。
ベッドに入りかけて、あ、まだシャワー浴びてなかったと踵を返すと。
急にその手を掴まれ、ぎゅっと引っ張られた。
「きゃっ…」
あっという間に進藤の大きな身体に組み敷かれた。
進藤の顔は怒っている。
「な、何…?」
その顔と腕を掴む力の痛さに少し怯えてたまきが言った。
「…なんで、大人しく寝てないんだ」
「え、だって……靴磨きとか、冷蔵庫の整理とか、…書斎、の…」
泣きながら言い訳する子どものようにたまきは羅列した。
「…靴磨きが、俺と一緒に眠るより大事なのか」
「え…?何言ってるの…?」
たまきは涙目できょとんとする。
「…なんでそんな冷静なんだ。一週間振りだっていうのに」
「………」
やっとたまきは判ってきた。
進藤は、怒っているというより、拗ねている。
「俺はすぐに抱きたかったのに、お前はシャワー浴びるってきかないし…」
バツが悪そうに逸らした進藤の瞳が、可愛くて。
たまきの顔が少しずつ緩んでくる。
「しかも、中々出てこないし………」
瞳を逸らしたまま口を尖らせる進藤に、笑いそうになるのを必死に堪えながら。
「女には、女の事情があるのよ…」
そっと進藤の頬に手を遣った。
「…男の事情も少しは解ってくれ」
その手を握り、たまきの頬から耳に口唇を這わす。
起きたらもう一度、と思ってたんだ――
耳元で甘く囁かれ、思わず身体が震える。
「電球、後で替えてやるから」
それだけ呟くのを聴くと、ふたりはまた情事に溺れていった。
214 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 03:25:35 ID:YL6ZUuDK
終わりです。
リアルすぎてごめんなさいw
きっとこのあとたまきは急いで脱毛機を買いに行き、職場でもシャワーを終えたら保湿クリームを塗るようになるでしょう・・・
新しい下着は、どんなのを買うのかな?w
215 :
118です:2008/08/28(木) 04:17:37 ID:ZWac5KXi
しんたまねぎさん、お返事ありがとうございました(^^)
そして素晴らしい続編、おまけにこんな時間に後日談までリアルタイム遭遇できるなんて…幸せです!
たまきかわいいよたまき(笑)
一見パーフェクト人間なたまきも裏ではきっとこうやって女子ならではの苦労にため息をついてるんでしょうね。
そしてそういう部分はまったく汲み取ってくれない進藤。最高のほのぼのカップルですw
新しい下着かぁ…進藤はあんまりどぎついのは好みではなさそうな感じがします。
でも黒はたまきの定番カラーだからOKかな。白い肌にも映えるし。
そういうネタ(デートも兼ねて進藤好みの下着を買いにランジェリーショップへ‥とか)も読んみたい…なんて言ったら厚かましいですね(^^;
ともかくGJでございました!!
ちょwwwwww
無駄にリアルで何故か萌えましたw
進藤可愛い…
GJ!
>>しんたまねぎさん
リアルで萌えましたー!
GJです★
>>218 黒のレース下着のたまき想像しちゃいましたー(笑)やっぱり、たまきには黒ですねv
218じゃなくて215でした↑
219 :
しんたまねぎ:2008/08/28(木) 12:25:34 ID:8J6ldKIX
後日談、温かく迎えてくださってありがとうデス。
エロじゃないしリアルすぎて引かれるかなと思っていたので、
>>216さんの『無駄にリアル』で萌えてくださったという言葉がかなり嬉しかったですw
無駄に美人・・・わかる人にはわかるネタ(爆)
そして
>>118さん、また丁寧な感想をありがとうございます!!正直めっちゃ嬉しいんですvv
たまきさんは完璧な女を装ってるから、女である努力を惜しまない人だと思ってるんです。でもさすがに全身脱毛はしてないだろうなと思ってこういう話になりましたw
あと・・・コレ>デートも兼ねて進藤好みの下着を買いにランジェリーショップへ
ずっと考えはするんだけど、進藤がランジェリーショップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダメだorz
しかも黒い下着を手に取ってる姿なんて・・・・・・・・・・・・・・・・
あの真面目な顔で?それともニヤケテ?
想像できませんw
>進藤はあんまりどぎついのは好みではなさそうな感じがします
そうですねv
私は進藤の好みは…コレ、いつかネタに書きます(爆)
やっぱり皆さん、たまきさんの下着は黒だと思いますよね〜。
たまきさんの下着を選ぶ進藤先生を想像できないですねww
やはりたまきさんの下着は黒でしょうね。
しんたまねぎさん、GJ!!
いつも良作、ありがとうございます。
たまきの下着は黒に私も一票ww
222 :
通りすがり:2008/08/29(金) 19:10:34 ID:i0MuOqQy
同じ女として凄い共感しながら読んじゃいました〜!!!
楽しかったですvv
たまきさんの下着は皆さんと同じく
いつも黒で妄想してますね(笑)
223 :
118:2008/08/29(金) 20:47:12 ID:CP7YtrnN
>>217 やっぱりたまきは黒ですよねー。
レースかぁ…裏地のほとんど無い高級総レースなんてどうでしょうw
>>しんたまねぎさん
そりゃもう、自ら下着を手に取るなんていうのは絶対にムリです(笑)
そもそも進藤みたいな人は店に入ることすら大いに躊躇われるでしょう。
で、それはたまきもわかっている上で無理矢理引っ張って行って
散々おちょくるというか、からかいながら普段とは形勢逆転な状態を楽しむわけです。
もちろん進藤がやられっぱなしでいるはずもなく、後でしっかり(ベッドで)仕返しするんですけどね(笑)
一人で勝手にここまで盛り上がれる私を笑ってやって下さい…
>私は進藤の好みは…コレ、いつかネタに書きます(爆)
書いて下さい!是非!待ってます!
224 :
118:2008/08/29(金) 20:54:35 ID:CP7YtrnN
書き終わらないうちにボタン押してしまった・・
通りすがりさんもやはり女性の方だったのですね〜
描写の中で拾い上げる小さなポイントが何となく女性のそれに思えていたのですが。
ここって女性の割合が思ってたより高そう。
225 :
通りすがり:2008/08/29(金) 23:51:24 ID:i0MuOqQy
118さん
私も思ってました。
進藤×たまきに憧れるのは女性の方が多いのかもしれませんねvv
私も女です…(笑)
118さんの下着の妄想話、私まで楽しませてもらいました!!
118さん、書いてみては??(笑)
進藤香坂矢部の三人がいるシーンにて
何かのきっかけで香坂先生の下着が見えて矢部先生心臓バクバク
→あまりにも刺激が強くて矢部先生の表情崩壊
→進藤先生嫉妬w
229 :
りり:2008/08/30(土) 15:01:01 ID:uptOQCGi
本当の気持ちをなかなか言わない進藤。
ヤキモキしてるうちに愛想つかす香坂。
プライベートでは意外に頼れる男になっちゃう矢部。
『俺じゃ、駄目ですか?』
書き込みを見て、一瞬そんなシーンが浮かびました(笑)
230 :
しんたまねぎ:2008/08/30(土) 19:50:52 ID:dZwB5sEY
盛り上がってて嬉しいですvv
>進藤×たまきに憧れるのは女性の方が多い
コレ、書く上でいつも意識してしまいます。
てゆーか皆、S進藤が読みたいのかなぁって(爆)
M進藤を書くつもりはないんですけど、優しい進藤先生もアリですか?(爆)
>)118さん
裏地なし総レースってもしかして透けちゃうヤツですか???
私下着詳しくないんで、良かったらイロイロ教えてください!!!
お礼は、もちろん作品にて…w
ってゆーかスバラシイ妄想じゃないですか!!!
笑ってる場合じゃないですよ!!!本当に、書かれてみては???
こないだの通りすがりさんの作品に対するレスも冴えていたし、本当に挑戦してみては???
))通りすがりさん 凄い共感ありがとうデスv私も通りすがりさんは女性だと思ってましたv
))227さん))229りりさん、最高!
))221さんありがとうございますv
M進藤ももちろんアリです!!
もちろんSたまきも…ww
同じ女性としてたまきの美しさには惚れます(´∀⊂)
きっとそのことも女性比率が高い理由じゃないでしょうか^^
232 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 23:59:54 ID:XBhu4oS7
S進藤はあまり好きじゃないというか
エッチの時に気使いできない男性は嫌いなのでやさしい進藤先生が好きです(^-^)
なので、しんたまねぎさんの作品大好きです。
Mは想像できませんね(笑)
233 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:08:41 ID:n1qQOoE8
約束の日がきた。
ずっと心待ちにしていた日。
彼は無事なんだろうか?
空港でその便が着くのを標記で確認するも
探している人物が発見できず
焦る気持ちはどんどんと、たまきを不安にさせた。
まさか…そんなはずない…
今日、この時刻に帰ってくると
そう彼は約束してくれた。
絶対に私の元へ帰ってくると・・・
最悪の事態を迎えているかもしれない、という不安と
それを否定する気持ちのせめぎ合いにたまきの瞳から涙が零れだした。
「…一生…っ」
「呼んだか?」
耐え切れず呟くように呼んだ名に
背後から返された声にたまきは驚いて振り返った。
そこには…
「…一生!!・・・良かった・・・」
進藤が立っていた。
黒い短髪に漆黒の瞳。
渡米前と変わらぬ進藤の姿にたまきは思わず駆け寄る。
嬉しくて堪らなくて、進藤の姿を見たいのに涙で滲んでよく見えない。
234 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:09:17 ID:n1qQOoE8
「何を泣いているんだ・・・約束しただろう、信じてなかったのか?」
涙で濡れたたまきの瞳に苦笑して、進藤はそっとたまきの涙を指で拭い
もう片方の手でたまきの肩に触れる。
「心配させて悪かった・・・」
そのまま進藤はたまきの肩を引き寄せて、自分の胸に抱きしめた。
零れるように進藤の声が漏れる。
「無事でよかった…本当にっ」
絞り出すような声で進藤は強くたまきを抱きしめた。
「・・・会いたかった・・っ」
抱きしめられる腕の強さと温もりに、たまきも進藤の背に腕を回して強く抱きしめる。
互いの愛しい温もりを確かめ合っていると
進藤の後ろから大袈裟な咳払いが聞こえた。
235 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:10:09 ID:n1qQOoE8
「嬉しいのは解るんだけどね、お二人さん」
その声にたまきは慌てて進藤の後ろを窺う。
「馬場先生!?」
アフリカへとまた行っていた馬場と偶然、再会し
共に日本へと戻ったのだと、進藤は説明した。
思いも余らなかった人物の登場に、たまきは反射的に進藤から離れようとしたが
進藤の腕がそれを許さず、ぐっとたまきの肩を抱く。
二人の関係を知っている馬場には今更だったが
周りが見えなかったのが恥ずかしくて、たまきは頬を赤らめた。
「愛されてるねぇ〜」
たまきを離さない進藤に馬場はからかい口調で言う。
「悪いか?」
「いや、悪くはないっすよ〜?ないんですけどね・・・」
邪魔するなと言わんばかりの進藤に、馬場は苦笑し
「目立ってるんで、部屋へでも行ってやってくだないな」
と二人を促した。
馬場の言うとおり、空港の通路は帰還した人たちが行き交い、
絵になる2人を通行人たちはちらちらと盗み見ていた。
236 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:10:51 ID:n1qQOoE8
「…部屋にいくか」
流石の進藤も通行人のその視線には耐えられず、そそくさとたまきの肩を離して促した。
「そうしましょ…」
たまきも小さくそれに頷く。
そして思い出したように馬場の方に振り返った。
「ん?」
たまきに気づいた馬場が、何だろう?という目をする。
「おかえりなさい、馬場先生も無事でよかった」
優しく笑って言うたまきに、馬場は一瞬驚いて目を丸くしたが
すぐに照れたように小さく笑った。
「おぅ。サンキュ」
馬場が笑って言ったのに、たまきは笑みを深めると
進藤に促されて彼の部屋に向かった。
「嬉しいこと言ってくれるね・・・香坂先生」
寄り添うように去っていく二人の後姿に、馬場は笑って見送った。
237 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:11:23 ID:n1qQOoE8
「んっ!」
部屋に入った瞬間、たまきは進藤に強く抱きすくめられて唇を奪われていた。
進藤のキスは熱く激しい。
滑り込んだ舌がたまきの口腔内を犯すように動き回る。
「んん・・ふっ」
進藤の舌の激しい動きに耐え切れず、たまきは喉の奥で小さく声を上げた。
その声に進藤はそっと唇を離すと、何も言わず
たまきの身体を自分の胸に押し付けるようにぎゅっと抱きこんだ。
「ん…一生?」
何も言わずに、顔も上げられないほど強く抱きしめられ、たまきは彼の名を呼ぶ。
名前を呼ぶと、進藤はいつも自分しか知らない顔をしてくれるから。
だけど…
たまきの呼びかけに進藤は反応しない。
ただぎゅっとたまきを抱きしめていた。
238 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:12:06 ID:n1qQOoE8
「……」
痛いほどの進藤の腕に、たまきはそっと彼の背中に腕を回した。
「…私は生きてるわ…」
静かな声で優しく進藤の背中を撫でながらたまきは言う。
たまきの声に進藤の肩が小さく震えた。
「私は生きてる・・・そして貴方も・・・」
言い聞かせるように、たまきは進藤の身体を抱きしめる。
「ここに…貴方の傍にいるわ」
そっと、少しだけ身体を離して、進藤を見上げて柔らかく笑った。
たまきの優しい笑顔に、進藤は柄に似合わずに泣きそうになってしまう。
そんな進藤にたまきは困ったように微笑んだ。
「そんな顔しないで、私も貴方もここで生きてる」
そっと進藤の頬を包むように両手で触れる。
239 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:12:51 ID:n1qQOoE8
「解るでしょ?」
そして額をあわせるように進藤を引き寄た。
額を合わせ頬に擦り寄って、そっと唇を重ねる。
生きていること、生きていてくれて嬉しいこと
そして愛していることを伝えるようにたまきは優しくキスした。
羽のように優しく柔らかいたまきの口付けに、進藤はそっと彼女を抱きしめ
その唇の感触と温もりを堪能することに集中した。
失うことを恐れていたのは同じで、互いの温もりを確かめあうように
キスは次第に深く甘くなっていく。
「ん…っふ、ぁ」
重ねた唇を割って、ゆっくりと進藤の舌はたまきの歯列をなぞり
その奥の柔らかい舌を舐める。
「ぁん、ん…んぅ」
舌先を少し舐められただけで、たまきは小さく肩を震わせる。
そんなたまきを進藤は唇を合わせたまま
ひょいと横抱きに抱き上げた。
抱き上げられた拍子に、更に深く進藤の舌が侵入して
たまきの舌を絡め取る。
240 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:13:30 ID:n1qQOoE8
「んんっ!・・・ふあ…っん」
吸い上げるようにたまきの舌を弄びながら、進藤はたまきを抱き上げたまま移動すると
押し付けるような強さで彼女をベッドに下ろした。
ちゅ…っと濡れた音を立てて、甘く長いキスからたまきの唇を開放する。
二人の唾液で濡れて艶かしく光るたまきの唇に
進藤はそっと指先で触れて微かに笑った。
「あぁ、解った。だから…」
唇に触れた指が滑るように下に移動して、たまきの上着のボタンに手をかける。
もっと感じさせてほしい。
生きていることを、愛していることを。
進藤はたまきのジャケットのボタンを外し、上着の前を開いた。
シャツの下、柔らかな胸の膨らみにそっと手を添えるように滑らせる。
「ん…一生」
布越しに感じる進藤の手に、たまきの喉がひくっと震えた。
それにくすっと笑って進藤はシャツをたくし上げ、下着に手をかける。
241 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:14:05 ID:n1qQOoE8
「あ…っ」
進藤が片手で器用にフロントホックを外すと
形のいい乳房が開放されるように露わになった。
白く柔らかで、それでいて適度な弾力のある可愛いそれの片方を
進藤は包むように片手で触れて優しく揉みだす。
「アッ、あ…ん、いっせ・・」
揉み解すように優しく動く進藤の手に、たまきは甘い声を上げた。
その声に誘われるように、進藤はもう片方の胸に唇を近づける。
「あくっ、んんっ」
方胸に甘く走った刺激にたまきは声を上げた。
その声をもっと上げさせるように、進藤は揉みしだく手を早め
食いつくように口に含んだ乳首を舌で弄ぶ。
「んあっ、はっ…んっ、あぁっ」
いじる度に顕著に発せられるたまきの声に
進藤は指先で乳首を摘まみ上げ
同時にもう片方のそれにも緩く歯を立てた。
242 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:15:02 ID:n1qQOoE8
「ひあっ!ああっ、んんっ」
胸の先端だけに与えられる刺激と
そうされる度に上がる自分の声に
たまきは恥ずかしくて手の甲で唇を押さえた。
だが、進藤はそれを許さないというように
腰を抱いていた腕を離して声を遮るたまきの手を取り
ベッドに押さえつける。
「久しぶりなんだ、聞かせてくれ」
胸から唇を離して囁くように進藤は言う。
自分の手で乱れるたまきの甘く誘うような声が聞きたくて
進藤は今度は先ほどとは反対の胸に舌を這わせた。
「っあ、やっ、ん…ふ」
指で弄んでぷっくりと赤く立ちあがった乳首を擽るように
周りを円を描いて舐める。
時折先端を掠めるように舐めながら
空いた手で腹部からわき腹をまさぐると
耐え切れないというようにたまきはまた甘い喘ぎを零す。
243 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:16:20 ID:n1qQOoE8
「ふ、っんく…あぁ、い、っせっ!!ンン」
「たまき…」
弄んだ乳首を吸い上げると、たまきの腰が浮き始め膝が
進藤の下でもじもじと動きだした。
その様子にくすっと笑うと、進藤は
「解ってる、急かすなよ」
ちゅっと音を立てて吸い上げた乳首を離すと
たまきの肌をなぞるように
唇と手をたまきのウエストへと滑らせた。
するりとたまきのスカートのファスナーを外し下着ごと脱がせる。
白く滑らかな肌に進藤の視線が注がれる。
外気と進藤の視線に触れてたまきの下半身がふるっと震えた。
「っやッ、一生、…っ」
進藤の視線に耐え切れないようにたまきは彼の名を呼ぶ。
その声に誘われて、進藤はたまきの下腹部に唇を落とす。
きつく吸い上げて白い肌に紅の華を咲かせ
ゆっくりとたまきの足を開かせた。
「んふ、あっ、はん…っう」
下腹部から足の付け根、内股に舌を這わせると
たまきの秘所からとろりと透明な雫が溢れ出す。
ぺろりと内股を舐め上げて、進藤はたまきの割れ目を指でなぞった。
「ひあっ!や・・・あうっ」
敏感な部分に触れる進藤の指に
びくっと震えてたまきは高い声を上げた。
たまきの甘い声に進藤はごくっと喉を鳴らすと
我慢できないというように濡れた秘所の中に指を押し入れる。
244 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:17:28 ID:n1qQOoE8
「あうっ!んくっ、アッ」
一気に根元まで胎内に入ってきた進藤の指に
たまきは背中を仰け反らせた。
その身体を支えるように
進藤は指を入れたままたまきの身体を抱く。
「っ一生、ぁっ‥んあっ、はぅ」
胎内で探るようにゆっくりと動く進藤の指にひくひくと感じて
たまきは縋るように進藤の首に抱きついた。
進藤は蒸気した体からふわりと香るたまきに香りに誘われるように
彼女の首筋に噛み付くようにキスする。
何度も場所を変えて激しくたまきの首筋を貪ると
それに比例するように中で動く指も激しくたまきの中をかき回し
親指が敏感な下の突起を押すように捏ねる。
「ひっ!ああっ、ふあっ、んんぅ…やあっ!」
与えられる刺激に耐えられず
たまきは喘ぎながらイヤイヤをするように首を振った。
潤んだ瞳が進藤を求めるように見つめるのに
ふっと口元で笑って進藤は入ってきたときと同じように
一気に指を抜き去る。
245 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:19:11 ID:n1qQOoE8
「あぁうっ!は…ぁ…っ」
ずるりと指が抜ける感触に腰がビクリと震えるたまき。
そして、逃した快感を求めるように
たまきの入口が収縮を繰り返し、淫らな音を立てる。
ひくひくと疼く胎内に我慢できず、たまきは進藤に催促するように
彼の上着の胸を震える指できゅっと掴んだ。
その仕草に進藤はそっとたまきの手を解き、自分の上着を脱ぎ捨てる。
肩にかかったままのたまきの上着を落として
胸の上まで上げたシャツを脱がせてやる。
さらりとたまきの長い髪がベッドに広がり
漆黒の髪の上にたまきの細い身体が横たわる。
更に鮮明に浮き上がる白い肌。
その美しさと同時に
沸き立つような艶かしさに進藤は思わず息を呑んだ。
「たまき…」
囁くように呼んで、進藤はたまきの腰を引き寄せるように掴む。
「あっ…んっ!」
先刻まで進藤の指が解したたまきのそこに
進藤の熱い先端が押し当てられる。
その熱さにたまきは小さく期待の声を上げた。
たまきの声に、進藤はぐっと強くたまきの中へ
自身を押し込むように侵入する。
246 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:20:29 ID:n1qQOoE8
「ああっ!ひうっ、っんん」
指よりも熱く大きな進藤自身が半ば強引に胎内に入ってくる衝撃に
たまきは悲鳴に似た高い声を上げた。
待ち焦がれた内壁が進藤に絡みつき、奥へ誘うように蠢く。
「く…っ」
その誘いに応じるように進藤は、更にたまきの中に自身を進めて
根元までを納めてしまった。
「っんん!あぅっ」
奥に届く進藤の感触にたまきは声を上げる。
進藤は小さく息をつき、たまきの様子を窺う。
「っあ、はぅ…んっく」
奥で脈打つ進藤自身に
たまきはひくひくと身体を震わせて耐えていた。
247 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:22:25 ID:n1qQOoE8
「辛いか?」
たまきの様子に、進藤は極力身体を動かさないようにして
そっとたまきの頬に触れる。
蒸気した頬は熱く薄らと汗ばんでいて
進藤は優しくたまきの髪を指で分けた。
「久しぶり、だから、ね・・・でも、へ…ぃき」
その優しさと心配そうに覗き込む進藤の顔に
たまきはふっと笑って答えた。
大丈夫だから、そんなに心配しないで。
そう言うようにたまきの目は優しく笑う。
それに安心して、進藤はたまきの腰を両手で掴むとゆっくりと
腰を動かした。
「っあ!あぁっ、んく」
敏感な中で動く進藤に、たまきは声を上げてシーツを掴む。
耐えるようなその姿に進藤は我慢できず
たまきの中を抉るように突き上げた。
「ひあっ!ああっ、あふっ…いっせっ、んああっ」
何度もギリギリまで抜いて一気に最奥まで抉る進藤に
たまきの濡れた声と
繋がった箇所から漏れる濡れた音が部屋に響く。
いきなりの激しい行為に、たまきの身体は思わず逃げるように
上へ這い上がろうとするが、進藤はそれを許さず
彼女を抱き上げて自分の膝の上に座らせるように抱きしめた。
248 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:23:33 ID:n1qQOoE8
「ひっ!やあぁっ、あ・・うっ」
体勢を変えられてたまきは大きく悲鳴を上げる。
自分の体重でさっきよりも更に進藤を深く銜え込まされて
たまきの内壁がピクピクと震えた。
内壁と同様にたまきの身体も深いところで脈打つ進藤に震え
縋るように進藤の首に抱きつく。
自分を受け入れて震える、その華奢な身体を進藤も動くのをやめ
彼女に答えるように抱きしめた。
進藤の耳に早くなったたまきの鼓動が聞こえる。
愛する人の鼓動。
これが命の音だ。
たまきの胸に頬を寄せて、進藤はその音を聴く。
生きて、ずっと俺を待っていてくれた
愛しい・・・たった1人の大切な存在
249 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:24:50 ID:n1qQOoE8
進藤はかみ締めるよう、そう心のなかで呟いた。
「そう、よ…ずっと、待って・・・たん、だから・・・」
すると、頭上からたまきの声が降ってきた。
胎内にいる進藤自身の快感に耐えながらの切れ切れの声だったが
まるで進藤の心の声を聞いていたようなタイミングのよさに
進藤は驚いて顔を上げる。
そこには、優しく笑うたまきがいた。
そしてぎゅっと進藤を胸に抱きしめる。
その柔らかな温もりと鼓動に進藤も強くたまきを抱きしめた。
そして、貪るようにたまきの身体を撫で
中断していた腰の動きを再開する。
「あうっ!ひぁ、んっ・・・あ!」
たまきの腰を固定して、かき回すように
中で動く進藤にたまきは甘い声を上げてしがみついた。
もっとこの温もりを感じたくて、生きてることを確かめたくて
進藤は激しくたまきを犯す。
250 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:25:39 ID:n1qQOoE8
「あっあっ、い…っせっ、ああっ、ふあ」
甘く濡れた声と卑猥な音が激しく部屋中に響く。
「ひあっ、あっ、あ、く!」
進藤が与える激しい快感に、たまきの内壁は進藤自身を締め付け
限界が近いことを知らせていた。
「たまき・・・たまき!」
求めるように進藤は愛する人の名を呼ぶ。
それに答えるように、たまきは進藤を強く抱きしめた。
絡みつき締め付ける内壁に進藤も限界が近い。
「愛してるっ」
感情をぶつけるようにその言葉を繰り返しながら
進藤は更に激しくたまきを突き上げる。
251 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:26:51 ID:n1qQOoE8
「ひうっ、ああっ…あっあっ…っやああぁぁっ!」
その激しい快感にたまきは高く掠れた喘ぎ声を上げて果てた。
「くっ…ぁ」
同時に進藤もたまきの最奥に締め付けられて欲望を放つ。
「あっ…はぅ、ん」
どくどくと胎内で脈打つ進藤自身の感触に
たまきは小さく喘いで快感の余韻に震え
進藤の肩に凭れるように身体を預けた。
合わさった肌から、早鐘のような互いの鼓動が聞こえる。
「たまき…っ」
荒い息を整えながら、進藤はたまきの身体を抱きしめた。
優しく抱きしめてくれる進藤の腕に
たまきは荒い呼吸の合間にくすっと笑った。
252 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:27:42 ID:n1qQOoE8
「なんだ?」
それに気づいて進藤は怪訝な顔をして訊ねる。
「…いいえ、なんでもないわ」
たまきは笑いながら答えた。
「なんだよ?」
その答えに進藤もつられて笑って言う。
くすくすと笑うたまきを少しだけ離して、進藤は彼女の顔を覗き込む。
すると、たまきは幸せそうに笑っていた。
「嬉しいの。貴方を愛せて、貴方に愛されて」
たまきは真っ直ぐ進藤の目を見つめる。
たまきの言葉に進藤は一瞬驚いた
自分も同じことを考えていたから。
「一生、愛してるわ」
愛おしむような声と笑顔でたまきは言う。
そして進藤も優しく笑って言った。
俺も同じだ、と
253 :
通りすがり:2008/08/31(日) 00:31:31 ID:n1qQOoE8
勝手に約束していた事にしちゃいました(汗)
進藤さんは早紀さんの事があるから何より愛しい人は生きて
待っていた事が嬉しいかなって思いながら書いたら
こんなのが出来ました。
どうでしょう?(ドキドキ)
いいとこにきた!!
通りすがりさん、毎度毎度GJです!!!
普段よりずっと素直なたまきがとっても可愛かったデス☆
もー!!!!
空港でのシーン、なんてドラマチックなんでしょう(TT)
進藤×香坂って最高ですね。
大人の色気がプンプンしてるw
SUGEEEEE!!!!
二人ともなんか可愛い\(^_^)/
激萌えです!GJ!
257 :
118:2008/08/31(日) 11:22:28 ID:ue33TyDn
通りすがりさん!すてきだ!ある意味ドラマよりドラマチックな展開。
胸に溢れる思いを上手く言葉にできなくて、キスをしたりただ抱き締めるっていう所が進藤らしい。
本当に普段より二人の言動が素直で、読んでて愛しくなりました。
馬場先生の出方もナイスですw
>>226さん&しんたまねぎさん
私の妄想を楽しんでいただけたようで(笑)とても嬉しいですが
私が進藤x香坂を書く???滅相もないことですよ!!!!
…告白してしまえば、確かに何度か別ジャンルで挑戦したことはあります…
最初は勢いで何割か書いてしまいますが、いつも途中で他の才能ある作家さん
(ここで言えばしんたまねぎさんや通りすがりさん、前スレの進たまさん等など)
の素晴らしい作品との大きな隔たりにorz…となり、結局未完で棄ててばかり…
私には妄想ネタをふる方が性に合っているようです……
はじめまして!
通りすがりさんの作品はいつも拝見させていただいてます!
さすがですね。通りすがりさんの作品は神です。私には文才がないので憧れます!
通りすがりさんの進たま萌え〜!!!
感動〜!すごいわ!
通りすがりさん、GJ!!
いつも期待しています!!
261 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 14:02:50 ID:Xi3mpwzV
進藤×香坂もいいけど一度だけでいいから
進藤×桜井も見てみたいと思うのは私だけでしょうか?
私も見たいかも。
一晩限定で進藤×桜井。
進藤先生と香坂先生が破局して、進藤先生は桜井さんに告白されてつき合う。
でも、進藤先生は無意識のうちに桜井さんの前で香坂先生の名前を呼ぶ。
どちらかから別れを切り出す。
一晩限りだとすると、自分はこんなイメージかなw
進藤×早紀見たい
265 :
通りすがり:2008/09/01(月) 17:33:15 ID:tQbF7bST
254さん
可愛かっただなんて、嬉しいデスv
久しぶりだと素直かな、と(笑)
255さん
空港って、何かドラマチックですよねv
個人的に凄く好きです(笑)
大人の色気を漂わす2人にぴったりですしね♪
256さん
激萌え、して頂けて嬉しいデスvv
257 さん
丁寧な感想&褒め言葉ありがとうございますv
ある意味ドラマよりドラマチックな展開。
そう言って頂けて凄く嬉しいです!!!!
進藤らしい。 と言って貰えたのもvv
馬場先生の登場を褒めてくれたのもv
私はこんな素敵な感想をくれた貴方が愛しくなりました(爆)
それから、お話を書くなんて自己満足の世界で、私も文才なんて
ないですけどこうして調子乗ってUPしてますし、是非1度書いてみて下さい。
もし、最後まで完成出来ないようでしたらお手伝いさせて頂きますし♪
266 :
通りすがり:2008/09/01(月) 17:35:16 ID:tQbF7bST
名無しの権兵衛さん
はじめまして!
いつも拝見ありがとうございます♪
神だなんて・・・そんな、とんでもないです!><
文才なんてそんな大それたモノ持ってないですよ(汗)
259さん
さすが、だなんてありがとうございますv
260さん
いつも拝読ありがとうございますv
期待に応えられるよう書いていきますので
これからも宜しくお願いしますね♪
進藤×桜井とか想像できない…。
まだ香坂×誰か…の方が想像できる気がする…。
268 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:05:54 ID:yQVe4HsN
香坂×城島とか。
ラブには発展しなくてもお忍びで会う飲み友達としては絵になりそう。
美男美女だし。
269 :
118:2008/09/02(火) 02:31:12 ID:cKTtov0E
>>268 あー何かわかります。
腕も顔も良いけど自分のスタンスを崩さない為に周りから浮いてしまいがちな二人。
結構共通点がありそうです。
互いの恋愛相談…はしないな。仕事の話オンリー。
飲みながらグチ大会になったり…でもそれぞれ自分の言いたい事だけ言ってそうで
はたから見ると会話のキャッチボールは成立してないかも(苦笑)
城島と不倫関係にあって悩むたまき…とかちょっと想像できるww
271 :
しんたまねぎ:2008/09/02(火) 21:04:01 ID:PsxvTDxq
通りすがりさん新作乙です!あとがきのコメントにも納得です。
>>118さん
私も才能なんて大袈裟なものはないですよ!必要なのは妄想力です(爆)
ココってレベルもエロ度も高いから、私も初投下のときかなり頑張り&緊張しましたよ。
本来はリアルな後日談や医局での猥談話みたいなの書いてるのがいちばん楽しいんですw今も本番描写は苦労してます・・・。
エロパロ板のドラマ総合スレでCANGEの作品を見つけたんですけど、短くて軽くて楽しめました(笑)しかも会話だけなんです。
ああいうのから始めてみては?と思います。短くても書き上げると楽しいですよ!
新しい書き手さん熱望!!w
(上から目線?みたいに感じられたら申し訳ないです><そんなつもりはございません!!)
>>118さん他進×たまき以外のカップリングネタ
進藤は桜井さんふっちゃってるから難しいな。進藤×早紀さんは、早紀さんの神聖なイメージを汚してしまうのではないかと…。
香坂×城島はちょっと妄想膨らみますね。飲み友達っていうのもわかるし、118さんのおっしゃることも納得(笑)
いっそ、香坂×オリキャラの方が書きやすいかも。
香坂×オリキャラ…
ちょっと見たいかも!
書き手の皆さん、お願いします!!
香坂×オリキャラ…見たい!
ふとした時に妖艶さを増す香坂。
恋バナに花を咲かせる医局の面々。
何でもないフリをしてるけど、正直気になる進藤。
オリキャラってどんなタイプが良いでしょう?
腕も顔も良い。プライドもあって我が道を行くタイプの香坂だからね。。
やっぱり年上ですよね〜。
バーで偶然知り合うっていうのも魅力的。
「私が付き合った医者は、みんなロクでもなかったわ。」と言うぐらいだから、やり手の商社マンとかどうだろう…
て、妄想は浮かぶけど文才無いもので。
とりあえず勝手な妄想の形で投下。
皆さんのイメージも聞いてみたいです。
結局進たまが一番萌え(´・ω・`)
275 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:55:53 ID:zS5pg3EQ
香坂×城島とか進藤×早紀とか読みたいんだったら
ここじゃなくて救命の二次創作やってる所へ行ったら?
276 :
118:2008/09/03(水) 01:37:33 ID:wVVYsISE
やり手の商社マンと医者がどこで出会うかなぁと考えたときに患者なら…と思ったんですけど
そういえばオリジナルでありましたね、そういうこと。
たまきより少し年下っぽいどっかの御曹司でしたけど。
キャラが違えばもうちょっと面白いかも。
世界を飛び回って活躍しているスーパー商社マンで同世代か少し上。
仕事も恋も手抜きナシ。エンジョイwするタイプで、特に恋愛に関しては進藤と正反対。
たまきの上を行く超自信家で、自分がモテることをちゃんと自覚しつつ
世界で鍛えた積極性とツボを押さえた完璧なテクニックでたまきを落とそうとあれこれ仕掛けてくる。
ここまで堂々とアプローチを受け続けて、たまきもまんざらでは無い。
進藤はどう思っているのか…と見てみても、いつものように素知らぬ顔と態度で気にも留めてない様子。
(本当のところは気が気じゃない&相手に対して嫉妬の炎がぐるぐる渦巻いて大変なことになっていますw)
彼の本心が見えなくていい加減じれったくなり、やがてこっちの一人相撲かと諦めモードになるたまき。
目の前には絵に描いたようにパーフェクトな大人の男性…彼女の心は大きく揺さぶられて……
と、
>>273さんの一文でここまで膨張してしまいました。。
そう、オリキャラを登場させたところで、結局進藤x香坂は不動なんですね(笑)
あぁやっぱり妄想は楽しいなっと…すいませんまた落とし逃げです(^^;
277 :
しんたまねぎ:2008/09/03(水) 23:37:07 ID:Q79EA2zi
香坂×誰かネタは今度書きますv
てか、進藤×オリキャラ書いちゃってもいいですか?
最後はしんたま、って王道ですけど・・・
>>118さん、272さん、273さん
香坂×オリキャラネタ乗ってくれて嬉しいですv
相変わらず118さんの妄想は素晴らしい、細部までvv
って、また落とし逃げ!?w
それと・・・
>>275さん ココのパート1では矢部×大田川もあったし、他にもいろんなカップリングがありました。
しんたまネタばかり投下している私が言うのもなんですが、そういう言い方はちょっと良くないかと・・・。
ここは『救命病棟24時でエロパロ』板ですから、しんたまネタ以外を排除するような言い方はされないほうがいいと思います。
☆業務連絡☆
>>通りすがりさん
そろそろ新作投下できそうなんですけど、またかぶりそうですか?
278 :
通りすがり:2008/09/04(木) 00:04:42 ID:zS5pg3EQ
しんたまねぎさん
業務連絡って、ウケました(笑)
かぶるとか気にしなくていいので書けたらUPして下さいv
私は様子見て後にします☆
279 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:24:08 ID:fFU541WO
え?!
280 :
通りすがり:2008/09/04(木) 00:29:26 ID:fFU541WO
まずった!
すみません↓
驚き過ぎて名前変えるの忘れちゃいました(汗)
278の方、どうゆうつもりなんでしょう?^ロ^;
281 :
通りすがり:2008/09/04(木) 00:41:39 ID:fFU541WO
275さんですよね?
あの…上手に私の真似してくれていますけど
IDで解るので、止めて下さいね(T_T)
しんたまねぎさん
☆業務連絡の返信☆
大丈夫ですよvv
ついに通りすがりさんの偽物が現れましたね…
283 :
118:2008/09/04(木) 00:51:25 ID:bZqVpaOy
IDそのままって、バレバレな偽物でちょっと微笑ましい感じさえしますw
でも通りすがりさんやしんたまねぎさん本人がいらっしゃらない間に
別の方がなりすましてレスしたりしても、確固たる違いが無いとわからないかも…?
と以前から思っていたので、この際トリップとか付けてはいかがですか??
キタイ。
285 :
通りすがり:2008/09/04(木) 01:02:00 ID:fFU541WO
気になってまた来ちゃいました。
偽物が現れるとか考えてもいなかったので…
どうしたらいいか…
118さん
トリップを付けたらどうなるんですか?
詳しく教えて下さい!
286 :
通りすがり:2008/09/04(木) 02:03:16 ID:fFU541WO
トリップについて調べました。
これをしたら「通りすがり」ではいられなくなっちゃうんですねφ(.. ;)
ずっとこれで、愛着があるのでこのまま行きたいと思います。
でももし、またこのような事があれば考えさせて頂きますので
お願いします。
もうやめて下さいね?
118さん。
心配&アドバイスありがとうございましたvv
287 :
しんたまねぎ:2008/09/04(木) 17:22:25 ID:yxL8uspx
私が275さんを名指しで注意みたいなおこがましいことをしてしまったので怒ってしまったのかも。
それを通りすがりさんにぶつけるなんて、申し訳ございませんでした、通りすがりさん・・・。
やっぱり名指しは避けるべきだった…。
反省してます。
私は書きこむ日や時間によってパソコンのせいかIDが違うので、偽者が現れても対処できないかも・・・。
私もトリップについて調べてみます。
2ちゃんの説明みたいなところに載ってるんですか?
通りすがりさん
☆業務連絡☆の返信ありがとうございます(笑)今夜にでも投下します。
288 :
しんたまねぎ:2008/09/04(木) 17:41:59 ID:yxL8uspx
トリップについて調べてみたのですがさっぱり解らなくて・・・
無料でダウンロードできるみたいなことはわかったのですが、
>118さんやほかに分かる方、詳しく教えていただけませんか?
スレ違いは解っておりますが…良ければお願いしますm(_ _)m
おこがましいのは重々承知ですが、
しんたまねぎさん、業務連絡みたいなのはいかがなものでしょう。
通りすがりさん以外にももし投下を考えてる人がいたら
こういうことをするとまるでお二人しか書き手さんがいないように決め付けているようで(現時点では実際そうなのですが)投下しずらいのでは・・・?
複数の書き手さんがほぼ同期間で投下するのは問題ないことだと思うので、
ほかの方は気にせず、自分のタイミングで投下するようにしたほうがいいと思います。
出過ぎたことを言って申し訳ありません。
通りすがりさんもしんたまねぎさんもとても好きな作家さんなので今後も期待しています!
通りすがりさん
昨夜はあの後すぐに寝てしまったので質問に気付かず…ご自分で調べていただいてすいませんでした。
通りすがりさんのおっしゃりたいこともわかります。
もうこういう事が無ければそれに越したことはないのですし、もう少しこのままでも良いかもですね。
しんたまねぎさん
私の方から提案しておいて、実のところよく判っていないというアフォですが(^^;
知ってる限りから説明しますと、名前の記入欄の所に「#好きな言葉や数字」を書いて書き込むと
ランダムな英字と数字の羅列に変換されて表示されるようになります。
(↑私の名前のところがそのようになっているはず)
素人には元の言葉が何かはわからないので、真似をされることはまずありません。
トップから「初心者の質問」板に行けば、トリップのテスト用スレもあるので
どうなるか心配ならそこでまずは試してみてください。
どことなく殺伐とした空気になっておりますが…^^;
私には文才がなくROMに徹するしかないのですが
今までの書き手さんも新たな書き手さんもお待ちしておりますよ!
どことなく殺伐とした空気になっておりますが…^^;
私には文才がなくROMに徹するしかないのですが
今までの書き手さんも新たな書き手さんもお待ちしておりますよ!
293 :
通りすがり:2008/09/04(木) 23:54:15 ID:fFU541WO
289さん
私も注意せずに、答えてしまって…289さんに嫌な役割をさせてしまって
申し訳ないです…
元を辿れば私が偽物さんに騒いだから
こんなおかしな空気になっちゃったんですよね↓
何と言ったらいいか…
とりあえず皆さん、前みたく楽しくいきましょうvv
294 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:09:49 ID:RXfvTakK
このスレは好きだけど、ここは2chだってことは忘れちゃいけないね。
295 :
通りすがり:2008/09/05(金) 00:46:27 ID:5fg1/4yY
あと言い忘れちゃいました!
名前が使われた件、しんたまねぎさんのせいなんかじゃないですから
そんなに謝らないで下さい><
そんな事より、新作の投下楽しみにしていますvv
296 :
しんたまねぎ♯0723:2008/09/05(金) 03:30:31 ID:gcB7WQeB
テスト
297 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:38:48 ID:gcB7WQeB
すみません、↑失敗しました。
ちょっと今時間的余裕もないので、トリップは次回じっくり試してみます。
>>118さん、せっかく教えてくださったのに、申し訳ありません。
さらに情けないのですがトップから『初心者の質問』板を見つけられず・・・↓
>>289さん 貴重なご指摘ありがとうございました。
書き手としてはかぶるのは申し訳ないという気持ちが働いてしまったのですが、
以後気をつけます。
>>通りすがりさん
温かいお言葉ありがとうございます。
これからも通りすがりさんの作品楽しみにしています。
正直反省しました。
>>294さんのおっしゃるとおり、ここは2ちゃんなのだということを忘れてはいけないですね。
殺伐とした雰囲気にしてしまって申し訳ありません!!
新作投下します!
雰囲気変えられるといいんですけど!!><
298 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:41:27 ID:gcB7WQeB
「ん……」
そっと覗いた瞳は、平常を装っているが僅かに快楽を湛えている。
その瞳が男を煽る。
後ろから彼女を抱き締めた進藤は、
大きな掌で白衣の下のカットソーを捲り上げ、ブラもたくし上げる。
「きゃ…っ…」
必死で声を抑えている。
大きな掌で柔らかい膨らみ全体を優しく揉みしだき、ずらせた指が硬くなった突起を擦る。
こうすれば、彼女はいつも悦びに震える。
だが今日は、目を瞑り口唇を噛み、必死にそれに耐えている。
その表情が、また進藤を昂ぶらせる。
項に口付け、耳に口唇を沿わせながら、両の膨らみを焦らすように揉みしだき、その先の蕾をくいっと捻る。
「…んっ…!」
噛み締めた口唇から僅かに漏れた啼き声。
それにまた欲情する。
「もう……いいでしょ?」
息を僅かに乱しながらたまきが言う。
隠すように瞳を伏せ、冷静を装う。
「早く戻って。こんなところ、誰かに見られたら…」
「第一外科の准教授の立場がない、か?」
そっと白衣の上から敏感な背筋を指で辿る。
「…そんなんじゃ……っ」
言いながら、僅かに身体を震わす。
299 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:42:43 ID:gcB7WQeB
このところ、すれ違いが続いていた。
もうどれくらい彼女と口を聞いてないだろう。
そう思いながら、患者を移すため第一外科に足を運ぶと、たまきとばったり顔を合わした。
第一外科の入り口に立っている進藤に向けて、その先の廊下から目線を送る。
ふたりだけのアイコンタクト。
いつもならそれだけで満足だった。
元気そうな姿を見て安心した。
だが、少しだけでも声を聞きたかった。
そう思っていたら、彼女のほうから入り口までやってきた。
「進藤先生、この患者さんについて少し質問があるのですが」
「…はい」
患者は検査に運ばれ、たまきは進藤をその少し先の奥まった廊下に連れて行った。
「この患者さんは肝臓の移植ということですが、心電図を見させてもらったところ少し不安な点が…」
救命から回ってきたカルテに目を落としながら淡々と話す。
その所作が、上品で。
そっと落ちた髪を耳にかける。
内心見惚れながら、たまきのほうを見ないようにして質問に答えていく。
「わかりました。ありがとうございました」
進藤の方を向いて、優雅に笑った。
「…元気そうね」
少し小声で進藤に近寄ったその顔は、二人だけのときに見せる笑顔だった。
「ああ。お前も」
「オペが続いてるの。明後日まで連続」
「…俺も、2,3日は帰れそうにない」
「…そう」
300 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:43:36 ID:gcB7WQeB
笑顔の中に、少し寂しそうな顔を浮かべる。
近寄った彼女から、もうずっと嗅いでいない香水と彼女の匂い。
限界だ、なんて。
自分がそんな風に思うなんて以前なら考えられなかった。
死んだ妻を忘れられなかった頃は、他の女を欲しいとは思わなかったのに。
女を愛してしまえば、自分が男であるということを否応なしに気付かされる。
心の中で自嘲し、気持ちを抑えてその場を去ろうとしたとき。
「…限界だわ」
たまきがぼそっと呟いた。
振り向くと、寂しさを湛えた瞳が妖しく光り。
その瞳に、ぞくっと身体を鳴らす。
「なんてね。らしくないわよね。忘れて」
笑顔で言い、仕事に戻るわ、と振り返ったたまきの手を思わず掴んだ。
「え…?」
次の瞬間には、進藤の大きな胸に抱き締められていた。
「ちょっ…一生?」
語調は強いが、驚きを隠せない。
抱き締めると感じる華奢な身体と柔らかい肌が、進藤の心を縛ってゆく。
ますます強い力でたまきを抱き締めた。
「ちょっ…駄目よ!此処病院よ!」
たまきが必死にその腕を振り解こうとする。
幸い今は周りに人はいない。
だが、いつ誰に見られるか…
「ねぇ、聴いてる?此処じゃ駄目。放して」
たまきは焦った。
301 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:44:26 ID:gcB7WQeB
その声を聴こうとせず、進藤の手がたまきの背中をまさぐり始めた。
「ちょっ…」
背筋を伝い、臀部を撫でる。
「っ…。ねぇ…?一体どうしちゃったの?」
子どもをあやすように困った顔をするたまきが憎らしくて、進藤はその口唇を奪った。
「ちょ…っ…ん!」
声を出せないほど、強く口唇を押し付ける。
「悪ふざけはよして!貴方らしくもない…」
「俺らしくない…?」
その言葉が進藤の心のたがを外した。
この愛しくて憎らしい女に、本当の俺を知らしめてやりたい。
「…っ!」
再び口唇を塞ぎ、今度は舌を差し入れ、激しく絡め合う。
「…っ…っ…」
ねっとりと彼女の舌を絡め取りながら、掌は優しく身体中を擦る。
次第に、腕の中で彼女の力が抜けてゆく。
その身体を抱きとめると、そっと口唇を緩めた。
息を大きく乱しながら、とろんと揺れる瞳をどうにか隠そうとしている。
「…とにかく、此処じゃ駄目」
そっと腕を取り、たまきが進藤をすぐそばの病室へ促す。
扉を閉めると、そこは誰も使っていない個室だった。
「…もう!どうしてあんなこと…!」
震えそうな身体を細い手で抱き締め、怒った声を出すがその声は頼りない。
そっとその身体を後ろから抱きすくめた。
「…限界なんだろ?」
「っ!…それは…ふたりで会いたいって意味で…」
「…会うだけでいいのか?」
「………」
耳元で囁いた言葉に、本音を隠せず瞳を伏せる。
「…だからって、病院であんなこと…」
302 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:45:20 ID:gcB7WQeB
言い終わる前に、進藤の掌が白衣の上からたまきの胸を掴んだ。
「…っ…駄目だってば…っ…!」
力なき抵抗の言葉を吐くたまきの耳元を優しく口で愛撫する。
「…………」
抵抗の力が彼女から奪われてゆくのが判った。
服の上から、優しく揉みしだく。
何度も髪を梳き、カットソーの首元を引っ張り鎖骨を強く吸う。
紅い華が咲き誇った。
「………」
切なさを湛えた瞳を伏せ、たまきはじっと立ち尽くした。
それを見て自分と同じ気持ちになってくれたのかと歓び、
しばらく乳房を愛撫していたら、さっきの言葉を言われてしまったのだ。
進藤とて、何も最後までする気はなかった。
ただたまきに触れたい。
触れ合う歓びを分かち合いたい。
それだけだった。
でも。
もういいでしょ、と冷静に言い放った彼女に苛立ち。
その職場でのクールな仮面を剥ぎ取ってやりたい。
自分の手と口で激しく乱れ、貪欲に進藤を求めてくるいつもの彼女を見たい。
そんな衝動がどんどん募っていった。
303 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:46:53 ID:gcB7WQeB
両の手で、乳房だけを揉みしだく。
時に優しく、時に激しく。
硬く尖った先端を抓ったり引っ張ったりすると、喉で押し殺した声が聴こえ小さく絞り出す吐息が熱い。
僅かに震えているのを感じる。
そっと窓のほうを向かせる。
其処に映ったのは、捲り上げられたカットソーを持ち上げているような両の膨らみを、
大きな掌で良いように弄ばれているたまきの姿。
スカートや他の衣類は普段通りなのに、何より白衣を着ているのに、
其処だけ露になっているのが余計にいやらしく感じ。
何より此処はいつも働いている病院の中だということを否が応なしにも知らしめられ。
「いやっ……!!」
大きく首を振って逸らした顔を、進藤の大きな手が元に戻させる。
羞恥に顔を歪めたたまきの瞳は、その後ろからじっとたまきを射抜く進藤の瞳に捕まった。
意地悪で、冷たくて、艶っぽくて、熱くて。
絶対に離さない、と言っていた。
ぞくっと背筋が震えた。
進藤の口唇がたまきの柔らかい髪に口付けし、瞼、耳、頬…と優しく降りてゆく。
その口唇の熱さにまた震え。
項に口付けられたとき、その情熱に瞳も心も濡れ。
もう、逃れられない、と。
焦らされ続けて火照り切った身体を感じながら。
そっと、口を開いた。
304 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:47:34 ID:gcB7WQeB
「…すぐに、明日のオペの打ち合わせがあるから…」
進藤の大きな掌で乳房を弄ばれながら、押し殺した声でたまきが言った。
「だから…するなら、早く……」
体中の力が抜け、瞳は快楽を湛えている。
「…それは、同意とみなしていいんだな?」
意地悪く耳元で笑ってやる。
「…馬鹿」
拗ねたような顔を逸らした彼女の柔らかい頭を撫でながら囁く。
「分かったよ。すぐに終わらせてやるから」
「…あと、あんまり激しくしないで…」
「……努力する」
そういうと進藤は、そっと白衣から覗いている黒いスカートの中に指を差し入れた。
そっと腿を撫で上げながら、下着の上からそこをなぞる。
「………」
一瞬、言葉を失った。
たまきは恥ずかしそうに目を瞑り、眉を下げ、羞恥に耐えている。
「此処をちょっと触ってやっただけで、こんなに感じたのか?」
片手で乳房を揉みながら、また耳元で進藤が意地悪く呟く。
下着がびしょびしょになるほど、たまきは濡れそぼっていた。
「やっぱり、限界なんじゃないか…」
意地悪く笑う進藤に、たまきが力なく言う。
「貴方のせいよ…!」
そうしている間にもまた溢れ出し、下着の脇から腿へと伝いだした。
「俺のせい………?」
進藤は、にやりと笑った。
「いつも、俺を想ってこんなに濡らしてたのか?」
「な!?何言うの!!」
羞恥に顔を赤らめて言うたまきは、しかし明らかに進藤の言葉に動揺していた。
「正直に言えよ……」
305 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:48:43 ID:gcB7WQeB
進藤の指が、意地悪く下着の上から薄く撫で、腿に伝った蜜を淫らな指遣いで拭う。
下着の上からでも鳴る淫らな音と感触。
身体は求めているのに焦らされ、わざと響かせられる音に羞恥ばかりが募り。
観念してたまきは口を開いた。
「…だって…会いたくてしょうがないのに、会えなくって、寂しくて……」
言いながら羞恥に染まってゆくその瞳が、この上なく妖艶で。
「だから、貴方のせいよ…!」
目を瞑って言い放つたまきの手をそっと取り、濡れそぼっているその場所へと導いた。
「え…っ!?」
「やってみろよ。いつもみたいに」
また耳元で意地悪く甘く囁いた。
「なっ…や、やだ!」
「俺も、手伝ってやるから…」
そっとたまきの指をぐしゃぐしゃになっている下着に押し付ける。
「…っ…」
その濡れ具合にまた羞恥に締め付けられる。
「や、やだ…っ…!ねぇ、許して…」
懇願を無視し、たまきの指を下着の脇からそっと侵入させる。
くちゃ…
さっきよりも淫らな音と、絡み付いてくる愛液。
自分の淫らさを進藤に見せ付けられているようで、耐え切れないほどの羞恥を感じた。
しかしそう思うほど、また溢れ出してくる。
「ほら……急ぐんだろ?」
意地悪く笑う進藤に観念するしかなく、たまきはそっと指を動かした。
306 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:49:45 ID:gcB7WQeB
いつも進藤がするように、自分の敏感な突起を擦る。
「………」
下を向き、目を瞑って息と羞恥を押し殺す。
「よく覚えてるじゃないか、俺の動き」
にやっと耳元で笑う進藤に、また羞恥が募る。
こんな姿を見られているかと思うと恥ずかしいのに、意思とは裏腹にまた溢れてくる。
「いつも俺の指遣いを思い出しながら、こんなことをしてたのか?」
「………」
恥ずかしさで声が出ない。
「いやらしい女だな…」
「っ!」
低く嘲笑ったかのような声に、泣きそうになる。
その度に、また溢れてくる。
「……もう、いいでしょ?」
泣きそうな声を必死に堪えて、精一杯平静に言う。
しかし進藤はその指を取ると、たまきの溢れる蜜壺へと移動させた。
「やっ…」
くちゅ…
また淫らな音が鳴る。
「まだ終わりじゃないだろ」
そう言うと進藤は、たまきの指ごと自分の指をその中へ埋めた。
「ひゃ…っ」
溢れる愛液で潤んだそこは、ふたりの指を難なく飲み込む。
「こうやって、緩く掻き混ぜて…ほら、此処だ。お前の良いところは」
「…っん!…」
進藤の甘い吐息が意地悪そうに耳に掛かる。
二人の指が動くたびに、くちゃくちゃと淫らな音が鳴り響く。
身体の芯を巡る2本の指の感触に、全身に力が入らない。
「此処も、自分でしてたんだろ?」
いつも以上に苛めてくる進藤に、たまきは耐えられそうになかった。
「もう許して……」
307 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:59:06 ID:gcB7WQeB
涙を零して懇願する。
「…俺を想って、してたんだろ?」
「………」
「他の男じゃ、ないよな?」
「っ!当たり前じゃない…っ…!」
進藤の言葉に、たまきは涙を溜めて叫んだ。
「貴方に抱かれてるつもりで…いつも…」
涙がぽろぽろと零れていく。
「貴方の感触を思い出したくて……」
片方の手で、たまきの頭を撫でる。
「ずっと寂しかったのよ…っ!」
泣き出したたまきは進藤を責めるように言う。
進藤はたまきの柔らかい頭を優しく撫でる。
「俺も、寂しかった…。たまき」
しゃくりを上げながら、たまきが呟く。
「…本当?」
「あぁ。だから、我慢できなかったんだ。俺だって限界だった」
そっと指を抜き、濡れた指でたまきの顎を掴み、口付けする。
自分の愛液で顎を濡らしながら、たまきは懇願する。
「…なら、早く頂戴?自分の指なんかじゃもう嫌。貴方のものが欲しいの」
濡れた瞳で見詰め、いつも以上に淫らな言葉を口にするたまきに、
胸に募った愛しさと欲望を抑え切れなくなった。
艶めいた息を吐き、素早くたまきの両手を壁に付けさせ、腰を突き出させる。
「…声、我慢できるか?」
「…気を付けるけど……自信ないわ…」
いくら誰もいない個室でも、鍵はない。
声が漏れれば、誰かに入って来られないとも限らない。
進藤は側にあったガーゼを、たまきの口に何重かに巻きつけた。
白衣の下のスカートを腰まで捲り上げ、逸る心でショーツをずらし、片脚を外させる。
いつもよりも硬くそそり立ったものを取り出すと、たまきの其処にあてがった。
一瞬熱いものが触れたかと思うと、次の瞬間には一気に貫かれた。
「…………っ!!」
308 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 03:59:41 ID:gcB7WQeB
たまきは目を瞑り衝撃に耐える。
熱い感触に涙が出そうになる。
進藤も、きつく締め付けてくるたまきの感触に、酔いしれていた。
やがてゆっくりと動き出す。
「…っ…」
もう緩やかな快楽の波がたまきに押し寄せていた。
もっと感じたくて、自分から腰を動かす。
その姿に欲情した進藤は、だんだん律動を速めていった。
「…っん!ん…ん!んーっ」
だんだんとたまきの声が漏れ始めた。
甘い啼き声が聴けないのは残念だが、これはこれで淫靡な光景で、悪くない。
白衣のまま、下半身だけを露にしたたまきが、進藤のものを飲み込んで悶えているのだ。
腰に捲し上げられたスカート、片脚に引っ掛かっているショーツ。
後ろ向きで臀部を突き出し、脚を開いたたまき。
その光景に進藤はまた欲情した。
突き出した腰を逃がさないように両手で捕まえ、更に激しく打ちつける。
「んん!っん…んっん!」
目を瞑り進藤の律動に必死で耐える。
快楽の中で廊下を歩く足音が聞こえた。
「っ!」
瞬間、必死に声を押し殺す。
気付かれるのではないか、と思うと怖さと同時にぞくぞくとスリルを感じた。
進藤の律動は止まってくれなかった。
「んっ…ぅう…っ…!」
気付かれてはいけない。
必死に押し殺すが、激しさを増す進藤の動きに耐え切れず漏れてしまう声。
愛液と剛棒が奏でるくちゃくちゃという淫らな音。
気付かれても構わないとでもいうかのように進藤はそれをわざと響かせる。
恐怖とスリルと快楽に、涙が頬を伝った。
309 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 04:00:28 ID:gcB7WQeB
また誰か、廊下を通り過ぎる。
必死に抑える声とは対照的に、繋がった部分から次々と溢れ出す。
捲し上げたカットソーから、揺れる乳房を鷲掴む。
揉みしだきなどせずとも、掌を当てるだけで揺れている乳房の硬い蕾が擦れて、淫らな刺激になる。
「んっ!」
甘い痺れが全身に走った。
身体中に痺れが拡がり、子宮から脳天まで進藤のことだけでいっぱいになった。
瞳を瞑っていても眩しい。
そんなたまきの中が、更に奥へ奥へと進藤を誘うように締め付ける。
「…っ…う…」
限界が近かった。
「…っ…。中で出して、いいか…?」
息を乱しながら、くぐもった声で進藤が訊く。
揺さぶられながら、必死に頷くたまき。
最奥を突くと、緩く撥ね返すような壁を感じた。
「ん!」
何度も突き上げる。
無意識に合わせて腰を動かしていた。
何処か別の世界へ連れてかれているみたいだ。
ずっと恋しかった、二人だけの世界…
「ぅう…んぅ…」
いっせい、と呼びたかった。
しかし、喋ることは叶わなかった。
「たまき…」
その気持ちが伝わったかのような進藤の言葉に、たまきの瞳は濡れた。
「たまき!」
そう叫んで、進藤は最後の一突きを打ち付けた。
瞬間、子宮から脳天まで一気に貫かれた。
一瞬意識が飛ぶ。
ほぼ同時に、進藤が熱い液体をたまきの中に放った。
激しく痙攣する自分の中が、進藤のものを強く強く締め付けるのを感じていた。
まるで、放したくない、というように。
310 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 04:10:35 ID:gcB7WQeB
しばらくふたりで息を整えた後、進藤がたまきの中からそっと引き抜いた。
たまきはがたっと崩れ落ちた。
「大丈夫か?」
そっとたまきの肩を掴み、進藤が瞳を見て訊いてくる。
答えるように瞳で微笑んだ。
進藤は優しくガーゼを解いてやる。
巻きついていたガーゼの後を優しくなぞりながら。
「すまなかったな。歩けるようになったら早く行け」
「……」
そっと青い術着を掴み、たまきがその胸に顔を埋める。
「…まだ、足りない」
たまきのものとは思えない台詞に驚いて進藤がその顔を見ると、
甘えたような瞳で口を尖らせている。
「お前は仕事が一番大事なんだろ?」
進藤があやすように笑って言う。
「…仕事に打ち込んでるときほど、男が恋しくなるのよ」
解ってないのね、とたまきは呟く。
「…続きは、今度会えたとき、だ」
俺ももう戻らないといけない、と進藤がたまきを諭す。
「そのときは、もっと、ちゃんと抱いてね?」
進藤の瞳をまっすぐ見詰めて言うたまきの瞳は、いつになく素直で。
可愛いところもあるじゃないか、と進藤は笑う。
しかし、あまりそれを見てしまったら、進藤もまた抑えが効かなくなりそうだ。
「その言葉、後悔するくらい激しく抱き潰してやる」
そっと額に口付けすると、進藤は病室を去っていった。
FIN
311 :
しんたまねぎ:2008/09/05(金) 04:12:31 ID:gcB7WQeB
今回は純粋にエロでv
ストーリー考えなくて言い分めちゃくちゃ楽しく書けましたw
でもこういう新藤とたまき、抵抗あるかたは申し訳ないですm(_ _)m
312 :
118:2008/09/05(金) 05:44:56 ID:qpEwmyB5
しんたまねぎさん
純粋にエロ…なんて素敵な響きw
時間が時間なので後でじっくり読みますが、とりあえずお返事を。
トリップの件、失敗したのは多分「#」が全角だったからだと思います。
私も全角で打ってしまってるし…申し訳ありません。
『初心者の質問』板は一覧の最初の方にある【案内】カテゴリにあります。
CtrlプラスF同時押しで文字列の検索をしてみても良いかもしれません。
あとで読むのを楽しみにまたちょっと寝ます。。(^^;
>しんたまねぎさん
超GJです!!!
恐らく今までの作品の中で1番好きかも!!
最後の進藤の台詞、脳内再生しまくりました(笑)
しんたまねぎさん、サイコーーーーーです!
私も今までの中で一番好きかもです。
いつもとは違って余裕をなくした2人が最高!!
最後の進藤の台詞、どきどきですねwww
315 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 19:11:28 ID:GqdEV47z
最後の台詞、最高ですね!!
私も脳天撃ち抜かれちゃった気がします(笑)
しんたまねぎさん、GJでした!!!
316 :
通りすがり:2008/09/05(金) 23:58:46 ID:5fg1/4yY
いつもそうだ…
気が付けばいつも彼のペースにハマってしまっている。
身体を這いまわる武骨な指。
それが紡ぎ出す甘美な波から、どうにかして逃れたくて
上がる吐息を聞かせまいと、たまきは先程から必死に唇を噛締め、耐えていた。
が、そんなたまきの思惑を知ってか、進藤がニヤリと笑う。
「……何を我慢してるんだ?」
そう言われ、たまきは与えられる快楽に潤んだ瞳で、キッと進藤を睨み付ける。
「そんな眼で睨んでも、無駄だ」
それどころか、かえって煽られるだけだと教えられると
たまきの顔に悔しさと困惑の色が浮かぶ。
「……それとも、俺を挑発してるのか?」
そう言いながら、進藤はたまきの耳に舌を這わせる。
わざと音を立てるように舐めあげてやると、たまきの身体がビクリと震えた。
317 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:00:25 ID:5fg1/4yY
「どうなんだ?」
耳朶を唇で挟み込み、そっと歯を立てる。
「……っんっ」
その刺激に耐えられずにたまきが吐息を洩らすと、進藤はほくそえんだ。
「聞かせろよ……お前の、イイ声」
「……やぁっ!」
たまきの肌の滑らかさを楽しんでいた指が、たまきの秘められた場所に触れる。
薄い叢を掻き分けて触れた花芯が、その奥から滲み出る蜜で
しっとりと濡れている事に気づくと、進藤は満足げな笑みを浮かべる。
「……嫌がってる割には、随分、濡れてるじゃないか」
318 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:01:34 ID:5fg1/4yY
ちゅぷり、と溢れる蜜を指に掬い取りわざとらしく音を立ててやると
羞恥の為にたまきの花弁がヒクリと震える。
「…嫌、がっ…てるんじゃない、の……ダメなの……解って?」
「そういいながらも、もう、欲しいんじゃないのか?」
ヒクヒクと震える花弁を割りそっと指を差し入れるてやると
たまきの身体が、まるで電流が走ったかのように跳ねあがった。
「あぁっ…!」
「……絡みついてくるぞ?」
自分の裡へと入り込んできた進藤の指にたまきの熱い肉壁が
もっともっと、とせがむ様に絡みつく。
319 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:02:57 ID:4gSr1IsY
「……素直になれ」
「やぁ…!…あぁっ…ん…」
「……欲しくないのか?」
そう言いながら、進藤はたまきの中へ差し入れる指の本数を増やした。
「言えよ。……俺が欲しいってな」
指先を円を描く様に動かしながら、更に奥へと動かしてやる。
「だ……めぇ……」
意地悪な言葉とは裏腹に、優しすぎるほどの甘い愛撫。
その甘さに流されてしまいそうになる自分を如何にかしたいのか
たまきは必死に頭をふる。
「…欲しく…ない……っ!」
与える愛撫には敏感すぎるほどに感じるくせに
いつまでも頑なに自分を拒むたまきの姿に、進藤の表情が曇る。
320 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:04:41 ID:5fg1/4yY
「……一体、何が気に入らないんだ」
「…そ…じゃない…今日…は……だ…め…っ…なの…」
切れ切れに紡がれるたまきの言葉に、進藤の動きが止まる。
これほどまでにたまきが嫌がるのは、そういう事か。
やっと得心がいった進藤は小さな笑みを浮かべる。
「……悪いが、そいつは聞いてやれないな」
それだけを言うと、進藤はたまきの脚を大きく割り広げ、怒張した己を押し当てる。
「や……ダメだ、ってば!ぁ…っ…あ…ぁ…」
少しでも逃れ様とするように上へと這いあがるたまきの腰を押さえつけると
進藤は己自身を一気に突き入れる。
321 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:06:11 ID:4gSr1IsY
「ああぁっ……あっ……はぁっ……」
与えられた愛撫に既に充分過ぎるほど潤っていたそこは
少しの苦もなく進藤を飲み込むと、更に奥へと誘い込もうとするように蠢く。
「…はぁ……ん……ぅ……!」
堪え切れずに、たまきの口から嬌声が上がる。
「……そうだ、それでいい」
そんなたまきの様子に満足した様に笑うと
進藤はゆっくりと腰を動かし始める。
「あ……あぁんっ……ぁあっ…」
熱く絡みつく内壁を抉る様に突き上げてやると、止めど無く声が上がる。
322 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:07:40 ID:4gSr1IsY
「…もっと……イイ声で啼けよ」
そうたまきの耳元で囁くと進藤はまずはたまきが達するように
たまきの感じるポイントばかりを突いた。
「ひっ…あ!あ…あぁぁ…っ!…もう……」
すると進藤の思惑通り、たまきはすぐに限界を訴えた。
「ああ、イかせてやるさ」
そして今までより激しく突いてやるとたまきは悲鳴に近い嬌声をあげて達した。
はぁはぁと肩で息をするたまきを少し休ませてから
今度は自分が達する為に己を動かす。
323 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:09:26 ID:4gSr1IsY
「自分だけ達って終わり、なんて思ってないだろうな?」
「やっ!これ以上は…本当に、ダメ!!…もう許して……」
そんなたまきの言葉を進藤はあっさり無視して
今までより更に激しく突き上げる。
「くっ…」
暫くすると進藤の小さなうめき声の後に
自分の中で進藤のモノが脈打っているのを感じ、たまきは目を見開く。
「やっ…?!中はダメぇぇ!!」
それでも進藤は引き抜く事をせずに
最後の一滴までたまきの中へと注ぎ込む。
324 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:10:40 ID:4gSr1IsY
結局、拒み切れなかった。
先ほどの余韻がまだ冷めきらぬ身体を抱きしめながら、たまきは小さな溜息をもらした。
今日だけは、絶対に流されてはいけない事だったのに…。
それなのに。
進藤が自分に触れただけで、もう、拒めない。
―――否。
見つめられただけで、もう、自分には拒絶する事なんて出来ないのだ。
325 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:11:55 ID:4gSr1IsY
……でも、本当に今日だけは意地でも拒まなければ行けなかったのに…。
「……お前は、嫌なのか?」
そんな事を考えていると、隣りで眠っているとばかり思っていた彼に不意に声を掛けられ
驚いた様にたまきは顔を上げる。
「……な…に…?」
「……嫌なのか?」
それまでとは雰囲気の一変した進藤の様子を不信に思ったのか
たまきが進藤の顔を見つめる。
「……答えろ」
「…答えろって…嫌なのか?だけじゃ話がみえないわょ……」
326 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:13:16 ID:4gSr1IsY
「解ってる筈だ……答えろ」
唸るような声。
「……貴方を直に感じるのは…嫌じゃないわ…けど……今日は……ゴム使わないと……」
出来ちゃうから……
と、辛うじて聞き取れるくらいの小さな声でたまきが続ける。
「ああ。そんなことは知ってるさ」
「……え?じゃあどうして…」
「お前は……嫌なのか?」
「……嫌じゃない、って…さっき答えたじゃない…」
327 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:14:36 ID:4gSr1IsY
「そうじゃない。お前は、俺の……子どもを産むのは……嫌なのか?って聞いてるんだ」
「え!?!…い…いきなり…何、言ってるのよ……」
予想もしなかった進藤の台詞に、たまきが驚いた様に目を見開く。
「答えろ」
「……貴方は……欲しいの?」
「俺の事はいいから、答えろ」
「…勝手なのね………」
「たまき」
「………欲しいわ、決まってるじゃない」
欲しいか、欲しくないかと聞かれるのなら、答えは一つだ。
心から愛した男の子どもを欲しくない筈が無いだろう。
328 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:15:58 ID:4gSr1IsY
「……でも、だからって…」
酷く不安げなたまきに、進藤は優しい口付けを降らせる。
「だったら、何の心配もいらない」
「…それって…どうゆう意味?…期待、しちゃうじゃない………」
「俺がどうして最近避妊しないのか、考えなかったか?」
そう言って、進藤はそっとたまきの頬を撫でる。
「俺は……お前に俺の子を産ませたいんだ」
「……う……そ」
あまりの衝撃的な言葉にたまきはそれしか言えない。
「……嘘で、こんな事が言えるか?」
そう答える進藤の頬に僅かに赤みがさしている。
329 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:17:16 ID:4gSr1IsY
本当にそう思っていてくれたんだ…
「……だって……貴方は……そう言うの……嫌なんだと思ってたから……」
「俺がいつ、嫌だなんて言った?」
進藤が苦笑いを浮かべる。
「……そうは言わなかったけど…でも…そうじゃないとも……言わなかったから」
「…まあ、確かにな」
「……なんだ……そうだったの……」
たまきからそれまでの切羽詰った雰囲気が薄れて行く。
330 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:19:58 ID:4gSr1IsY
「……よかった」
「……たまき?」
「……もし、今の話しを聞ける前に出来ちゃったら……私…一人で…悩んでたと思う……」
そうはなりたくない
だから、どうしても拒まなければ……
そう思ったのだとたまきはぽつりと呟く。
「……そんな事で、俺がお前を離すと思ってるのか?」
「……一生…」
「…そんな事で悩むな」
「そう、よね。悩む前に……ちゃんと話しておけばいいのよね……」
ごめんなさい、貴方を信じなくて。
そう静かに謝まると、たまきは進藤に擦り寄る。
331 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:22:34 ID:4gSr1IsY
「いや……そんな状況を作ってるのは、俺の方だろうから、
お前が謝る事ない」
そう言いながら進藤がたまきの細い身体に腕を回す。
「……一生?」
「もう少しだけ待ってくれ……そうすれば、
こんな事でお前が一々悩まないで済むようにするから」
「…?…良く…判らないけど……貴方がそう言うなら……待つわ。
但し、今日は本当に危険日だから出来てたら、待てないわよ?」
そういたずらっ子のように笑って告げるたまきの顔は幸せに満ちていた。
「ああ、解ってる」
その表情を見て、進藤も安心したように笑うと
たまきはゆっくりと目を閉じるのだった。
332 :
通りすがり:2008/09/06(土) 00:25:38 ID:4gSr1IsY
S進藤に振り回されている話に見せ掛けて…
実は甘々なお話でした(笑)
333 :
118:2008/09/06(土) 01:05:43 ID:9DUk8/vX
しんたまねぎさんのは二人の切羽詰まった感じが良いですね。
鍵のない扉一枚隔てた所で、いつ誰が入ってくるかもわからない緊張感が興奮を更に煽って…
進藤x香坂に似合いすぎるシチュでしたv
あれだけ激務なんだから、職場が別の所になったら余計二人で会う時間が減りそうだし
ああいう急ぎ仕事(笑)がちょいちょい無いとやってられないですよねえ。
通りすがりさんもいつもの超S進藤かと思いきや、何と甘々なオチ(^^)
でも話さなきゃわからない大事なことを身体で先に質問したり、答えを出そうとしたり…
不器用とも言えるけど、自分の趣味と兼ねて愉しんでる進藤はやっぱりどSです。
子供欲しいなら欲しいってひと言いってから行動に移してください(笑)
お二人とも今回も素晴らしかったです! GJ!!
おお!二人も神が!
しんたまさんの病院シチュ良かったですo(^-^)o
進藤先生が我慢できないように見えて実はたまきが…笑
GJです!
通りすがりさんのオチがすごい気に入りました><進藤先生萌です!
ホントに子供が欲しいなんてたまきもビックリですよねwww
2人とも乙でした!!!!!!!!!
あ、あと自分もS進藤先生好きですね〜笑
しんたまねぎさんも通りすがりさんも本当にGJ!!!
お二人とも凄すぎです!!!
これからもキタイ!!!
337 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 19:54:24 ID:4cuPyn57
通りすがりさんもしんたまねぎさんも、本当に神ですね!!
私はやっぱりドS進藤が好きです。
しんたまねぎさんの切ないけど積極的でもある2人、
通りすがりさんのドS進藤、
お二人の作家さんの違う一面が楽しめるのが最高に良いです!!
個人的には通りすがりさんのドS進藤がちょっとソフトになってるのでまた昔みたいなドSぷりにも期待!!
通りすがりさんのドS進藤、私も好きです!
340 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:40:24 ID:yPqR+h2o
進藤先生、大規模な事故が発生したので私と一緒にDrヘリに乗って現場に行きますよ。
341 :
通りすがり:2008/09/08(月) 21:58:49 ID:VJmNOZON
「それにしてもずいぶん派手にやってくれたな」
キッチン。
そう、たしかにここはキッチンであった筈だ。
今朝まで……いや、オレが帰ってくるまでは。
改めて見てみると、キッチンは惨憺たるものだった。
「べ、別に…わざとじゃないわよ・・・?」
そう言いつつも心の中は自己嫌悪でいっぱいだ。
どうしてキッチンがたった数時間でこんな乱闘現場みたいになってるんだろう。
…やっぱ私、料理向いてないのかしら…
ダメな意味での自分の才能に自分で傷つきつつ、ボウルの中を覗いてみる。
…やはりチョコは固まってはいなかった。
薄々解ってはいたものの、がっくりした気持ちでそれを流しに捨てようとしたところで、
「何してるんだ?」
背後から、少し低めの…怒ったような進藤の声がした。
「何って、捨てるのよ・・・」
「それって俺のために作ってくれてたチョコだろぅ?
…何故捨てる?」
「…こんなみっともないの、あげられないわよ・・・。
とろとろして全然固まってないんだもの…」
「・・・固まってなくても、いくらだっておいしい食べ方はあるさ」
342 :
通りすがり:2008/09/08(月) 21:59:35 ID:VJmNOZON
「えっ?どうするの!?」
「俺がやってやるからよこせ」
進藤の笑みに何か裏があるような気がしつつも
たまきはもう神にもすがるような気持ちでそれを渡した。
すると何故か押し倒され、服を脱がされる。
そして何をするかと思えば、たまきの白くやわらかい肌に
進藤はホワイトチョコレートをぺとりと塗りたくる。
「え?!一生?!?」
「エロい眺め」
「っ…ん…」
そしてそれをちゅうっと吸いつくようにして舐め取っていく。
舐め取られたあとの肌には、濃淡さまざまの花びらが散っていた。
「お前のカラダ、何処も甘い」
進藤の言っていた『おいしい食べ方』とは、こういうことだったのだ。
343 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:00:06 ID:VJmNOZON
「ば…か、…悪趣味!」
たまきは羞恥に顔を真っ赤にしながらも毒づいた。
既に一糸も纏っていない姿で食卓の上に押し倒されている。
4人掛けの食卓はたまきが乗り上げてもまだ余裕のある大きさで
進藤はそこに手をついて覆い被さってくる。
「何とでも言え。」
ボウルに手を入れた進藤は、チョコレートまみれになったそれを
再びたまきの身体に這わせていく。
少し冷たい、とろりとした感触にふるりと震えた。
「…っ!!貴方がこんな変態だったとは、ね・・・」
「俺はただ色んなやり方でお前を愛したいだけだ」
腹の上にたっぷりとチョコレート液を垂らしてうっとりと笑うその表情は
ひどく愉しそうで
何となく…危険を感じる。
344 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:00:42 ID:VJmNOZON
つい流されるままにこんな状態になっているが
実は諾々と従ってる場合じゃないんだろうか・・・?
混濁としている頭でも解る。
首、肩、胸、お腹…ときたら
このまま行けば次はどうなるか…。
……わからないほど経験が無い訳じゃない。
「あっ、一生!…キス、して」
たまきはおかしなチョコレートプレイの餌食にされてたまるか、と
危険地帯へとだんだん下がっていく進藤の髪を引っ張り
なんとか普通の形、正常位に持ち込もうと頑張る。
しかしそんなたまきの思惑に、進藤が気付かない筈がなく。
「可愛い事言ってくれるな」
進藤は、たまきの誘導にわざと乗る形で、ねっとりと口付けを交わしながら
その白い胸のふくらみに指を這わせた。
345 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:01:12 ID:VJmNOZON
「っ…んっ、んむ…ぅっ」
大きくて、温かい手の感触。
捏ねるようにゆっくりと揉みしだかれると、胸の奥が漣のようにざわざわして
…息が苦しくなる。
思わず口付けをほどくと、進藤の唇はそのまま顎、喉、鎖骨…と降りていき
胸の上でかすかに自己主張する赤い粒に到達した。
「っ…ひゃ…ぁっ」
なだらかな丸みをじゃれつくようにやわやわと齧られ
舌を這わされて、ぞくりと背中を何かが駆け抜ける。
先端にちゅっと吸い付かれて、思わずびくりと身体を跳ねさせた。
「ああ…!んっ」
頭の中が真っ白になるほどの衝撃。
背を反らしたせいで、腹の上に溜まっていたチョコレート液が重力に従って流れ落ちた。
そしてそれは、淡い茂みの奥にまで伝い落ちていき・・・。
346 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:01:43 ID:VJmNOZON
「っ…!!」
チョコレート液がとろりと秘部を伝う感覚。
それにすらぞくりと感じて身を震わせる様子を、進藤は目を細めてゆったりと眺めている。
両脚をそっと左右に押し広げられると、チョコレートは蜜と絡んで淫靡に光っていた。
「いけないな。俺以外のモノでここを白く濡らすなんて」
「っ…ふ…っ」
この状態を避けるための手段だったはずなのに
…まんまと墓穴を掘ってしまった。
「しかも…まだココには触れてもいないのに、こんなにぐちゃぐちゃなんて、な」
進藤がそこをつつ…と指でなぞる。
「ゃ・・っ!…んぅ!!」
「どうなるか、解ってるな…?…さっきみたいな誤魔化しは無駄だ」
まるで視線で犯されているような、情欲を隠しもしない雄の目で見つめられ
頭の芯が蕩かされていく…。
ゆっくりとそこに唇が寄せられるのを感じて
たまきは観念したようにそっと目を閉じた。
ぴちゃぴちゃと厭らしい音が響き渡る。
347 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:02:19 ID:VJmNOZON
「ふっ、んぅ…っ!」
丹念に花弁を舐められ、前の粒には特に念入りに舌を這わされる。
「あ、ん…!やぁっ」
ちゅ、と柔らかく吸いつき、小さな穴を舌先で抉るように刺激された途端
ものすごい衝撃が身体の中を駆けぬけた。
「やあっ、あ…あぁ…っ」
頭の中が真っ白になる。
耐えきれなくて嫌々と頭を横に振ると、進藤の指が宥めるようにそっと太腿を撫で上げた。
「…もうこっちの方までチョコ流れてきてるな」
「ひぅっ」
蜜とチョコレートが交じり合った奥に進藤が舌を滑らせると
濡れたそこがきゅ、と反応して、ねだるようにひくひくと収縮を繰り返す。
いつもと少し違った水音が耳に入ってくるのが恥ずかしい。
「あっ…やあっ、いっせ…っ!」
「ココ、こんなにとろとろにして…チョコ、気持ちいいか?」
「ぁっ…違っ!!!」
そうは言ったが、全身痺れたように力が入らなくなった体。
身も心も、進藤の思い通りに蕩かされていく。
「っ…やめて…もう…!」
「…残念だが、まだチョコが残ってる。…たまきの蜜が俺以外のものと絡み合ってるなんて許せないからな」
進藤がゆっくりと身を起こし、覆い被さるように顔を近づけてくる。
348 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:03:03 ID:VJmNOZON
「……何に嫉妬しているのよ・・・貴方の為に用意してた…ただのチョコ、じゃない…」
「たまきのこんな姿見せられたら、俺は物にだって嫉妬する。」
「貴方のそうゆう思考回路、本当解らないわ・・・独占欲の塊みたいよ?」
「それだけお前に惚れてるってことだ。」
唇が触れあうほどの至近距離で微笑まれて、心臓が高鳴った。
この人にはいつもしてやられる。
進藤が目尻にキスを降らせてくる。
ちゅ、ちゅ、と繰り返されるそれに、溜息をひとつ吐いてからゆっくりと瞳を閉じた。
「もう・・・解ったわよ…今日は貴方の好きなようにさせてあげる・・・」
そう言って身体を弛緩させると、瞼に口付けを落とす。
すると進藤の指が、なめらかに下肢へと降りていった。
「珍しく従順的だな。…初めはあんなに騒いでたクセに」
「いつまでも騒いでいて欲しいの?」
「いや・・・でも何か気味が悪いな」
「私にだって考えくらいあるわよ」
進藤は思わず身構えた。
言われなくても勿論、好きにさせて貰うつもりだが
…その前に、この甘い空気にそぐわないたまきの意味深な言葉が引っかかって仕方ない。
そもそも羞恥心の強いたまきは、許容範囲を超えたこういう行為は恥ずかしがって
いつもなら止めさせようと必死になるのだ。
ついさっきだってチョコレート液の行方を巡って、水面下で攻防を繰り広げたばかり。
349 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:03:39 ID:VJmNOZON
それなのに、そんなたまきが先ほどからされるがままになっているのを
どうしたのかとは思っていたが…。
十中八九とんでもないことを考えたに違いない。
「…その考えってのは何だ?」
「・・・いいじゃない。それよりチョコがどんどん下に垂れてきてるの・・・舐めて?」
潤んだ瞳で言われ、視線を下げると
目に飛び込んでくるチョコに濡れた下肢。
殺し文句に加えて、この光景。
どこまでも俺を惑わすつもりなんだろうか・・・?
進藤はたまきの体を再びテーブルに押し倒した。
「…一生?」
「…遠慮なく頂かせてもらおう。…覚悟しろ?」
「覚悟って…っ!」
「ああ、もしかしたらこの奥にもチョコ入っちゃったかもしれないからな。ちゃんと確かめて綺麗にしてあげないと」
「ひゃうっ…そ、な奥になんて…入って、な…ああぁっ」
太腿をがっちり腕で固定され、柔らかく濡れた舌を中に差し入れられ
奥を舐められ、たまきは身悶えた。
350 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:04:43 ID:VJmNOZON
「あっ…やぁ、いっせ…も、それやめ…っ」
指を埋めて中を広げ、より深くまで舌を侵入させようとしてくる。
「煽ったのはお前だろう・・?」
「そ、かもしれないけど・・っ!、も…そこ…はっ!あぁ…許し……やああぁっ」
――――その夜、たまきの鳴き声がやむことはなかったという。
351 :
通りすがり:2008/09/08(月) 22:12:59 ID:VJmNOZON
最近ソフト気味なのバレてましたか(汗)
ちょっと飽きちゃってストーリー重視したらそうなってしまって・・・凹○
要望にお応えして今回久々にドS進藤さんを書こうと思ったんですけど
・・・あははは。
リハビリします(笑)
神降臨!!!!!!!
進藤先生wwwwww
やっぱ通りすがりさんの書くドS進藤大好きですwwww
うを〜!キタキタキター!通りすがりさんの新作めっちゃ良いですね!
チョコレートプレイってのがまた堪らないです!
たまきが何を企んでいたのかがきになりますな。
354 :
sage:2008/09/08(月) 22:39:23 ID:bZF1JvwA
新作キター\(^o^)/
チョコレートプレイ\(^o^)/
たまきさん可愛すぎる!
GJです!
新人ですが投下します。
エロさが無いと思いますが読んで頂ければ幸いです。
たまきはこの日を楽しみにしていた。
シカゴに行っていて、長い間逢えなかった彼、進藤一生に会うその日を…
向こうを立つ前にもらった彼からのメール。そこには『空港で待ってる。』
という彼らしい短く簡潔な文章。
たまきはそのメールをみて嬉しさでいっぱいで日本に帰って来た。
だが、空港には彼の姿はなかった。
たまきはその場では『きっと救命が忙しいのだろう』と思い、空港を後にした。
彼に会えると思い久しぶりに救命に帰って来た……
しかしそこには
救命の慌ただしさがなく、静まり返っていた。たまきはおかしいと思い、立ち尽くしていた桜井に
『どうしたの?』
と聞けば、桜井の口からは思いがけない言葉が
『進藤先生が亡くなられました……事故に遭って運ばれて来て、一命を取り留め意識が回復したんですが、容態が急変して……』
桜井の言葉はそこで途切れた。
たまきは進藤の遺体があるという部屋に行く。
そこには白いぬのを掛けられた進藤が横たわっていた。
たまきは直ぐさまに彼の側に駆け寄る。
駆け寄り、彼の身体に縋り付き
『ねぇ、あなたアタシを迎えに来てくれるって言ったよね?どうして?
お願いだからもう一度目を覚ましてよ!』
たまきはその場に泣き崩れる。そして彼の手を握り締めようとしたとき、彼の手に何かが有るのがわかった
彼の手に握られていたのは手紙と一枚のCDだった。
たまきは手紙を読む。
『この手紙を読んでいるということは、俺はもうこの世にはいないのだな。
たまき、約束守れなくてすまない。
お前より先に逝くけど、俺はこれから先もずっとお前のそばにいる。
だから悲しまないで欲しいずっとお前らしく生きていって欲しい。そして幸せになってくれ。
これで最後になるが
お前を愛することが出来てよかった。』
たまきの目からはは大粒の涙が零れ落ちる。
そして彼の手に握られていたCDを聞く。
ーもしもあなたが淋しい時 にただそばにいる事さえ 出来ないけど
なくす痛みを知った貴方 はほかの愛を掴めるそう 祈っているー
たまきは涙を拭い、手紙とCDをにぎりしめ部屋を出る。
その心には、ひとつの大きな決心を抱いて……
すみませんorz
初めてなのでgdgdになってて……
今後は通りすがりさんやしんたまねぎさんみたいな素晴らしい作品を書ければいいなぁと思います!
チョコプレイwwwwww
続き、本番がどうなったか気になりますな(^_^)
通りすがりさん最強です!
またまた新しい書き手さんが\(^_^)/
ほんとにそうなったら悲しいですよね(;_;)←
また期待してま(^O^)
360 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/09(火) 09:31:26 ID:EnJdcjpu
通りすがりさん超GJです!!
チョコレートプレイ…やられました。
私も通りすがりさんのドS進藤大好きなんです。
またいろんなプレイでたまきを苛めて下さいw
298〜310の作品読んでくださった方々ありがとう。
感想書きこんでくださるととても嬉しいです。
>>313さん、もしかしていつも脳内再生してくださる方ですか?
嬉しいですvvありがとうござます。
私、実は勝手に脳内再生さんと呼ばせてもらってます…
>>118さん、トリップのやり方を丁寧に説明してくださってありがとうございました!
おかげでやっと出来ました。
いつもながら丁寧な感想もありがとうございますm(_ _)m
361 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/09(火) 13:21:00 ID:RQwRdRF3
大変失礼いたしました><ちょっとネットトラブルが起こっていて…
名無しの権兵衛さん、投稿ご苦労様です。
「かたち あるもの」私好きなんです。
次回作も楽しみにしていますね^−^
362 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/09(火) 13:37:33 ID:RQwRdRF3
>>118さん
前回の感想があまりにツボで…
リアリティを追求すると、こんな忙しい二人が付き合ったら暇も体力もなくてヤってる場合じゃないんじゃないかな…
「疲れた、寝る」みたいな…エロパロになりませんwww
その辺考慮して新作考えますw
通りすがりさんの新作2作品があまりにツボだ…
エロくてラブラブなのいいなぁvv
日常忘れられる。
通りすがりさん、いつもありがとうございますm(__)m
通りすがりさん、最高です!!!!
やっぱり進藤はSがぴったり。
いつも以上に変態な進藤に激萌えでした!!
364 :
774:2008/09/09(火) 18:57:29 ID:wVgdaHsb
あのぅ…^^;
私もちょっと書いてみたんですがあまりに文才がないので
つまらないと感じたらスルーしてください!
SSです。
たまきは進藤と家に帰ってきてから申し訳なさそうに進藤に言った。
「ねぇ…一生?」
「なんだ」
「今日何の日か知ってる…わよね?」
「バレンタインデーか」
「あ…あのね、プレゼント用意するつもりだったんだけど忙しくて…」
進藤はこの頃休みが入っていたが、たまきはずっと救命に居たおかげで進藤へのプレゼントを買う時間が無かったのだ。
「だからお詫び…って言うわけじゃないけど…何かほしいもの、ある?」
「…たまき」
「はい?」
「たまきが欲しい」
「え、ちょっといっせ…きゃっ!」
進藤はソファーに座ったままたまきの腕を引き寄せ強く抱き締めた。
「お詫びに何でもくれるんだろ?なら俺はたまきのすべてが欲しい」
「あ…あたしならいつも全部あげてるじゃない…」
進藤は赤面したたまきを優しくソファーに寝かせると、二人だけの世界に入っていった。
>>364 きゃー(*´Д`)=з!
二人とも、なんかほのぼのしててかわゆすデス。
すごくステキでしたよ!ありがとうございます!
萌え〜〜〜!
進藤先生かわええww
367 :
118:2008/09/10(水) 04:20:40 ID:eYoxHE+2
通りすがりさん…やばいです。悶絶です。だってこういうの大好物なんだもの〜(何の告白だw)
前回は展開が甘々でしたが、今作はもっと直接的な甘々でしたね。チョコ…それもホワイトなんて。
進藤のSっぷりと相まって、たいへん美味しくいただきました。
それにしてもたまきの「考え」って何だったのでしょう…
明らかにならない内に鳴かされ続けてその夜は終わっちゃったようなので(笑)すごーく気になります。
しんたまねぎさん、トリップ成功したようで良かったです。
そして私の感想が新作への何かしらのヒントになったのならとても嬉しいです。
いつも感想でレスが長くなっちゃって心苦しいんですが、いろいろ書きたくてつい。
新作楽しみにしてますね〜
そしてそして新たな作家さんが2人も!賑わってて良いですねえ(^^)
お二人ともこれからもどんどん投下してください。楽しみにしてます。
368 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:57:26 ID:TncevdzX
過去スレまだ見れるんですね!!
どなたか保管庫を><
370 :
yuyu:2008/09/11(木) 01:29:19 ID:khFL5bbT
目が合ったら最後。
彼に捕まってしまった。
どんなに意地を張っても覆せない。
気がついた時には唇が触れていた。
どんどん深みにはまる。
「あっ…あなたがこんなひとだなんて…」
「…お互い様だ…ふっ」
互いの唇を貪る。
「どこまでも強がりだな。」
「誇りが高くなきゃ、やってられないわよ…」
この女は分かっていないのだろうか…
言えば言うほどに俺を欲情させてるということに…
壊れるまで、抱き締めてやる。
その強がりな声が、ことごとく淫らな叫びに変わるまで。
どこまでも啼かせてやる。
進藤は不敵な笑みを浮かべながら、たまきの躰を愛撫していく。
手慣れた手つきで服を脱がせ、たまきの感じるところを炙り出していく。
初めて体を重ねる相手なのに、この人は一体どれだけ知り尽くしているのか。
くやしくてたまらないけど、まさにゴッドハンドだわ。
たまきは顔を歪めながらも、進藤がもたらす快楽をたのしんでいた。
その快楽も緩急つけて波があり、なかなかたまきをイカせてくれない。
じれったさに抗議の声をあげる。
お構い無しと言わんばかりに、また新たな波をもたらす。
その波に呑まれ、また堪えられない。
「…早く素直になったほうがいい。」
「きゃあ…いじわる…!」
「たまき?」
「…あなたが…欲しい…!」
「よし。」
たまきの秘所に入れていた指が抜かれる。
しかし躰に残る余韻に、肩を上下させながら呼吸を乱し、耐えていた。
このまま、やられてばかりではいられない。
細い指で進藤の服を器用に脱がせ、そそりたったモノをつまみ出す。
愛情深く見つめ、その先端に口づけた。
それを口に含み、上下させる。
時折、上目遣いで顔を窺う。
進藤もまた顔をしかめ、快楽の波に耐えていた。
やっぱり、ただの男じゃない…
たまきは意地悪にもそう思うと、動きをさらに早めた。
口のながで、そのモノが脈打ち、熱くなる。
限界が近かった。
「あっ…たまきぃ!!」
たまきの口内に欲望を放つ。
進藤の目を見ながら、意地悪い笑顔で欲望を飲み込んだ。
「あなただけ、イッてないのもズルいわ!」
こんな場においても、強気なんだな。
挑むような目で、俺を見上げている。
しかし、そんなたまきが愛しくて仕方がないのも事実だ。
「…いいか?」
「…うん。」
優しいキスを降らせ、たまきの体に入る。
ため息がこぼれる瞬間。
「動くぞ…」
「もうちょっと…待って…」
動こうとする進藤の腰に手を回す。
「やっと、本当のあなたに逢えた気がする。」
だからもう少し…
たまきが呟く。
どこまでも強情だと思っていたが、やられてしまったな。
「私の負けよ。
今夜は、壊れるまであなたに抱かれたい。」
「いいんだな。」
艶っぽい顔でたまきが頷いた。
372 :
yuyu:2008/09/11(木) 01:45:45 ID:khFL5bbT
すいません。
駄作を投下させていただきました(笑)
また来ます。
おお!また新しい書き手さんが!
続きが気になります><
yuyuさん、GJです!!
駄作なんてそんなそんな・・・
素敵すぎです!
続きお願いします。
375 :
通りすがり:2008/09/11(木) 22:24:49 ID:oWAlcFR0
あっv書き手さんが増えてる♪
嬉しいなぁvv
352〜354さん
感想ありがとうございます!
チョコプレイ、好評で嬉しい限りですv
たまきが何を企んでいたのか、はまだ秘密です♪
しんたまねぎさん
2作品とのツボだなんで嬉しいデス><
いえ、私もいつもしんたまねぎさんの小説で楽しませて頂いてますのでv
とちらこそ、いつもありがとうございます♪m(__)m
363 さん
最高ですか?!ありがとうございますvvv
でも変態進藤って(笑)
118さん
悶絶ありがとうございます、大好物でしたか(笑)
では、次も食べ物シリーズでいかせて頂きます♪
「考え」についてはそりゃ〜「復讐」ですよ(にやり)
いつか書きますねvv
376 :
yuyu:2008/09/12(金) 01:46:23 ID:1LRgd+fb
嫌だ…
さっきの発言を撤回したい…
「…いっ…せい…」
「なんだ…?」
「うぅん…いぃ…すごく…きもちいい…」
もうとっくにおかしくなりそうだった。
またしても彼はたまきの中を探るかのように、体を沈めている。
ふと、たまきは思った。
今までいろんな男に抱かれたが、ここまで感じたことはあっただろうか?
どんな男に抱かれても、快楽に溺れる自分は変わらないと思っていた。
今日はちがう。
彼がもたらす快楽に、自分の躰が悦んでいるのが常に感じられる。
躰の奥から湧いてくる喜び。
この行為で、愛されてることが何よりも感じられる。
長身な体を屈め、またしてもキスを浴びせてくる。
たまきは進藤の逞しい躰にしがみつく。
耳元でささやく。
「…たまき…」
そろそろ、限界が近い。
「…うっ…俺もそろそろ…イキそうだ…」
「…はぁっ…いいよ…中に…出して…ああっ!」
返事の代わりにたまきの唇を貪ると、進藤は動きを早める。
つかんだ腕をさらに強く握る。
細く白い指が、大きな手に絡まる。
ドクンっと進藤のものが脈打つと、熱い欲望がたまきの中に広がる。
あまりの快感に涙を流すたまき。
進藤もまたさらに強く顔をしかめ、快楽に耐えていた。
永遠にも思える一瞬だった。
377 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:06:50 ID:rqRIwbIl
ririさん、待ってました!GJです!!
378 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 23:10:04 ID:Xjgos0rj
ririさんじゃないですね・・・。
yuyuさんです。
失礼しました。
続き待ってました\(^_^)/
最近書き手さんたくさんで楽しいです(^O^)
あげ
380 :
名無しさんピンキー:2008/09/14(日) 20:33:11 ID:CrSzNJb5
通りすがりさんの食べ物シリーズ楽しみwww
自分も通りすがりさんのドSっぷり復活が嬉しいから
食べ物シリーズ楽しみです!
383 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:06:05 ID:ibWi7Zrr
新しい書き手さんがたくさんいらっしゃってて嬉しいですvv
私も新作投下させてください。
384 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:07:23 ID:ibWi7Zrr
がちゃん、と玄関のドアを開けると、目に入ってきた壁掛け時計は3時を少し回っていた。
よくあること、急患で人手が足りなかったのだ。
医局に泊まろうかとも思ったが、やはり少しでも自分家の風呂とベッドで休みたい。
ふとソファを見遣ると、見覚えのあるセンスの良い黒いバッグ。
来てたのか。
疲れた身体を引きずって風呂場を覗く。
ちゃんと溜めてある。
追い炊きのボタンを押して、温もるのも待たずに服を脱ぎ捨てる。
短い入浴を済ますと、上着も着ず、冷蔵庫にも向かわず寝室へ足を運ぶ。
深夜までの激務でヘトヘトになった身体は程よく温まり、アルコールの力を借りる必要もなく、すぐに眠れそうだった。
ドアを開けると、広いベッドに少し片寄って、身体を丸めて横たわっている彼女がいた。
ドアから漏れる明りに少し目を開き、おかえり、と掠れた声で呟く。
ただいま、と短く返事をすると、また目を閉じてしまった。
心地良さそうな寝顔。
そっとベッドに入り、丸めた身体に手を伸ばす。
彼女は気だるそうにしながらも身体を浮かせ、進藤の腕を受け入れる。
温かい温もりを抱くと、すぐに眠りに落ちた。
385 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:09:46 ID:ibWi7Zrr
次に気が付いたとき感じたのは、華奢な背中の温もりだった。
外は白みかけている。
触れ合っている温もりが気持ちよくて、その身体を抱き寄せる。
すやすやと寝息を立てている。
柔らかな髪に口唇を寄せ、少し顔を上げて項に口付ける。
女性もののシャンプーの香り。
薄いシャツ一枚の身体の上を、骨ばった掌が這い回る。
柔らかな肌の感触。
余計な肉のない、艶やかな腰のラインをなぞり。
ゆっくりと、その上へ掌を移動させる。
何の異物もなく、柔らかな膨らみへ辿り着いた。
下着は付けていない。
小振りなそれを、そっと揉み始める。
朝の敏感な身体は反応が早く。
すぐに硬くなった蕾がぴんと勃ち、薄いシャツを持ち上げる。
直接触れるより淫靡なその光景を愉しむ。
シャツの上から蕾を弄んでいると、
「…ぅ…ん…?」
ようやくたまきが少し気付いたようだ。
項に遣った口唇を耳元まで滑らせ、耳裏を舐めながらシャツのボタンを外してゆく。
「…もう起きたの?」
甘い吐息を吐いてたまきが呟く。
露になった肌は進藤の掌に吸い付くように滑らかで。
柔らかい胸をぎゅっと掴む。
たまきはそっとその手に自分の手を重ねた。
「夕べも遅かったわね」
「あぁ」
「連絡くらいくれれば良いのに」
「来てるって知らなかったんだ」
「メールしたでしょ」
「………」
またチェックしなかったの?怒った声で呟くたまきの声を遮り。
ぴん、と指先で胸の蕾を弾くと。
「ぁん…」
気だるそうな様子で声を上げた。
386 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:11:48 ID:ibWi7Zrr
蕾を捏ね回しながら、片方の手をゆっくり下げてゆく。
下腹部から腰へと回し、臀部を撫で、腿をゆっくり撫で上げる。
ショーツからそっと滑り込ませると、適度に潤んでいた。
「ん……」
首を仰け反らせ、甘い息を吐く。
逸る思いで泉の中心を探り、くちゅっと指を埋める。
掻き回すと水音が増し、指を増やして奥まで埋めた。
「は…ぁ…ん」
緩やかな快楽を湛えた甘い声に我慢できず、ショーツを剥ぎ落とし、片足を上げさせようとした。
「待って。」
その手を彼女が制し、身体ごと振り返る。
両手を進藤の首に巻き付け、拗ねたように睨み付ける。
「ちゃんとキスして。」
「………」
彼女が怒った理由が余りに可愛くて。
進藤は、そっと口唇を触れる。
「…それだけ?」
眉をしかめ、口唇を尖らせる。
ふっと進藤は笑い、また口唇を近づけた。
触れては離し、啄むようなキスを繰り返す。
尖った胸の蕾を指で転がすと、はぁぁん、と甘い啼き声を響かせる。
その声を奪うように、今度は深く口内に侵入する。
進藤の掌が柔らかな肌の上を這うと、たまきの細い指が進藤の髪を掻き乱す。
「これで、いいか?」
口唇を放すと、たまきの瞳はとろんと濡れていた。
仰向けになったたまきの脚を大きく開かせると、温かく潤んだ其処に自身をあてがった。
「ん…っ!」
性急な進藤を、たまきの其処は熱く受け入れる。
「あぁ…」
漏らした溜息が、幸福そうで。
朝の光に照らされて、白く滑らかな肌のきめ細かさまで良く見える。
悦びを湛えて微笑む瞳は妖艶で。
「…っ…」
己の欲望に、進藤は余裕を失くしていった。
「…っ…ぁ…っ…はっ…」
性急な進藤の動きは緩やかにたまきを悦ばせる。
そっと身体を折り、ぴんと尖った胸の蕾を口唇と指で愛撫した。
「あぁ…っ…ん」
さらに悦びの声を上げる。
たまきの腕が進藤の首に回される。
進藤はそっとたまきの顔に近付き、その瞳を見詰める。
たまきも潤んだ瞳で見詰め返す。
しばらくの間、見詰め合う。
387 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:12:32 ID:ibWi7Zrr
"お前が""貴方が"欲しかった。
そう瞳で伝え合う。
繋がったまま、深く口付け合った。
そっと口唇を放すと、たまきの手がそっと進藤の頬に触れた。
「…もう、いいわよ」
その掌にそっと口付けすると、進藤は再び激しく律動した。
「…っ…んっ…あっ…っ!」
進藤に掴まり、目を瞑って必死に快楽に耐える。
たまきの短い爪が進藤の背中に食い込んだ。
それと同時に進藤をきつく締め上げるたまきの胎内。
「くっ………」
ふたりは同時に限界を迎えた。
抱き合ったまま、息を整える。
はぁはぁ、と息を乱しながらたまきが微笑んで言う。
「こんなのばっかり」
「…不満か?」
「…不満なのは貴方の方じゃないの?」
これくらいじゃ満足できないくせに、と意地悪く微笑む。
「…なら、うちに住め」
「…毎朝こうなの?」
それはちょっとゴメンだわ、とたまきが笑う。
「イけなかったか?」
「…馬鹿。判ってるでしょ」
「判らないときの方が多いんだ、男には」
ごろんと寝転んで息を吐いた。
くすっ、とたまきが笑う。
こんな淫らな朝を迎えるようになってもうどのくらい経つだろう。
ふたりで堕ちてゆくなら悪くはない、とたまきは思った。
「まだ時間あるな」
シャワー浴びるか、と進藤が起き上がる。
んー、と気だるげにたまきは寝返りをうつ。
「…来いよ」
耳元で甘く囁く進藤の吐息に擽られ、たまきはくすくすと妖艶に微笑んだ。
終わり
388 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/15(月) 14:13:14 ID:ibWi7Zrr
朝の急ぎ仕事でしたw
この後シャワーでもいちゃついたんでしょうww
GJですー\(^o^)/
お疲れさまです!
シャワーでのいちゃつきぶりも見てみたいなぁw
のわー!
良いですね(^-^)シャワールームでの二人も見てみたいです!
お!!!
しんたまさんGJo(^▽^)o!!!
シャワーの二人気になるw
てか進藤は絶対上手そう…ゴッドハンドだし
392 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:20:59 ID:sWBgTpy8
しんたまさんGJです。
少数派かもしれませんが、ドSとか実際にかなり抵抗があるのでこういうの嬉しいです。
進藤先生は性格的にソフトSなイメージなので^ロ^;
次回も期待してます。
393 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:21:47 ID:sWBgTpy8
しんたまねぎさんGJです。
少数派かもしれませんが、ドSとか実際にかなり抵抗があるのでこういうの嬉しいです。
進藤先生は性格的にソフトSなイメージなので^ロ^;
次回も期待してます。
進藤先生はSで強いけど優しさがある、みたいなイメージかな
というか大切な人だけにはそれ+優しさがあるみたいな
香坂先生も仕事中とかどちらかといえばSだけど、進藤先生といると幼くなっちゃう感じかな
395 :
118:2008/09/16(火) 07:22:07 ID:fysbUF3z
yuyuさんは初投下ですよね。
ドSでゴッドハンドwな進藤ですが、たまきも負けてないのが良いですねー。
はじめましてGJでした。
しんたまねぎさん、会話のリアルさが好きですわ。
くたくたで帰ってきたのに仮眠程度で寝起きの急ぎ仕事…さすが進藤タフすぎる。
冗談じゃなく、一緒に住んだりしたら毎朝こうなりそうでたまきの身体が心配です(笑)
あと通りすがりさん、「食べ物シリーズ・たまきの復讐編(笑)」楽しみにしてますね。
今からニヤニヤ笑いが止まりません。むふふ。
396 :
通りすがり:2008/09/16(火) 17:45:25 ID:8RAOEJ2u
118さん
ありがとうございますvv
明日の夜には投稿出来ると思いますのでお楽しみに(^O^)
食べ物シリーズ第二段は…苺 です(笑)
397 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 18:31:52 ID:gTsVcKXS
ソフトSな進藤でもハードSな進藤でも、
ここの書き手さんの作品の進藤はどっちもたまきへの愛情が感じられるから好きvv
個人的にはしんたまねぎさんのソフトS進藤、通りすがりさんのドS進藤がはまってる気がしますが・・・
何でも好きです(笑)
わぁ、通りすがりさんの食べ物シリーズ嬉しいです!
うふふ…苺…なんかいいですね、にやにや。楽しみに待ってます!
苺ですか!!!!
めっちゃ楽しみですdkdk
おお〜めっちゃ楽しみ!
苺待ちwktk
402 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:15:10 ID:215ew6gu
部屋の中に甘酸っぱい香りが充満している。
熟れ過ぎて落ちる寸前まで熟した苺の果汁が
これほどまでに甘ったるい香りを発するものだとは知らなかった。
くちゅっ
果汁の立てるほどがやけに響いた。
音が聞こえてくるのは
果汁をすする進藤の口元
それはつまり
大きく足を開かされて少し大ぶりな苺を咥えさせられた秘所なのだ。
「っ・・・ん・・・」
恥ずかしさに居たたまれなくなり、身を捩る。
すかさず、進藤の両手がたまきの腰を押さえて動きを封じる。
そのままの体制で視線だけがこちらに向けられると、
舌で苺が更に奥に押しやられた。
「ん・・・・・・やぁ・・・っ!」
すがるものをもとめて宙をさまよった腕を掴まれ
音を立ててキスをされる。
そんな些細な刺激にまで、大きく震えてしまう自分の体が恨めしい。
403 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:17:08 ID:215ew6gu
「おい。締め付けたから・・ほら、苺がこんなになっちゃったぞ」
そういうと、窄まろうとする秘所を広げながら
ずるりと苺が引きずり出される。
それとともに、生暖かい液体が流れ出る。
「あ・・・ん・・・!」
充溢する香りみたいに甘い声がもれるのを抑えられなかった。
「ほら、見るんだ。こんなに歪になってる。
お前が『もっともっと』って欲しがるから仕方ないのか?」
見せ付けるために、取り出した苺が目の前に突きつけられる。
自分の中から溢れたものと、進藤の唾液とでぬらされたそれは
頭の部分を無残に潰された姿を晒していた。
赤くなってうろたえる様子を見て、進藤は小さく笑うと
進藤の愛撫であふれ出て止まらない蜜を掬い取り
たまきの口元に差し出す。
404 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:17:52 ID:215ew6gu
「こうすると、イチゴミルクみたいなるな。
・・・食べろよ」
冗談じゃない。
唇に擦り付けられる苺から逃れるように、顔を背ける。
けど、それが進藤の機嫌を損ねてしまったらしい。
「・・・お前ってホント素直じゃないな。身体の方はこんなに素直なのに」
あっさり、口元の苺を引いたかと思うと
立ち上がっている胸の飾りに押し付けられた。
潰れてしまった先端の微妙な柔らかさと
自分の体内で温められた生温かさとが相まって絶妙な刺激が送られてくる。
「あ・・・あっ・・・・それ、やぁ・・・」
「嫌じゃないだろ?
たまきのここ、苺みたいに赤くなって。これよりも美味しそう」
さらに強く苺が押し付けられる。
ぐちゅ、という音がして苺の果汁が身体を伝う。
全ての刺激が下腹部に伝わって、欲望が溢れ出す。
言葉と肉体で煽るだけ煽られた快感が、最後の刺激を欲しがって暴れている。
思わず浮かした腰を進藤が見逃す筈がなかった。
405 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:20:18 ID:215ew6gu
「欲しいんだろ?」
少しためらった後、素直に頷いた。
意地を張っても、もっと焦らされるだけで
結局頷くまでイかせて貰えない。
「じゃあこれを食べんだ。」
また、胸の苺が差し出される。
「下の口で上手に食べれたんだ。上の口でも食べて見せてくれよ。
食べたら、オレを入れてやる」
抗議の意思を込めて進藤を睨み付けたが
憎らしいほど色っぽい笑みを称えたまま
たまきが食べるのを待っている。
406 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:21:11 ID:215ew6gu
進藤だって一度もイッてないのだから耐えている筈なのに
なぜ私ばかりが追い詰められるのだろうか・・・
我慢比べのような状態に陥ったが、結局我慢し切れなくて
おずおずと舌を差し出したのはたまきの方だった。
躊躇いながら口を寄せていき
何度か舌で突付くようにしてから、ゆっくり歯を立てる。
口の中に苺の甘酸っぱさと、自分の蜜が混ざり何とも言いようがない味がする。
それに耐えて何度か咀嚼して飲み下すと
進藤がキスをくれた。
「よくできました。
自分の中に入ったものを本当に食べちゃうなんて、淫乱だな。」
耳元で囁かれたセリフに涙が浮かぶ。
「けど・・・それが壮絶に色っぽい。
だから、俺ももう限界だ・・・」
407 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:22:06 ID:215ew6gu
入り口に進藤の熱く高ぶったものが擦り付けられる。
欲しかった熱を得られる期待に
ソコがひくひくとおねだりを始める。
そんな状態は恥ずかしくて
とてもたまきには耐えられない。
早く、入れて欲しい・・・。
「ふっ、そんなに慌てなくてもちゃんとやるよ。
もう少し濡らしてから、な。」
そう言うとベッドサイドに置きっぱなしになっていた皿から
新しい苺を一つ取ると、たまきの下肢の上で潰し
溢れた果汁でたまきの秘所を濡らし
そしてまだ原型が殆んど残る苺まで中に押し入れた。
「やっ?!そんな奥に入れたら・・・!」
出せなくなっちゃう、とたまきは焦って苦情と言おうとしたのだが
間髪いれず、進藤自身が一気に挿入される。
408 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:22:44 ID:215ew6gu
「ひああぁぁっ!!・・・奥に・・・・苺が・・・!!」
その衝撃に、力いっぱい進藤にしがみつく。
進藤のモノに押されて1番奥にまで押しこまれた苺が
いつもとは違う刺激を見出し、抱えきれないほどの快感を与えてくる。
快感を上手く逃すことが出来ず
どうしていいか、解らなくなる。
「やぁああっ、いっ・・・せい!一生!怖い・・・!」
ひたすら進藤の名前を呼んで縋り付く。
それに応えるように、たまきを包み込む進藤の腕にも力が篭る。
「大丈夫だ。・・・俺が・・・ついてる・・・」
進藤はいつものようにたまきの反応をみて楽しみつつ
ただひたすら熟知しているたまきのイイトコロを突き上げる。
体ごと押し上げられるように突かれる度に
卑猥な音を立てて溢れる液体が二人の間を伝ってシーツに染み込まれる。
「あ、あぁ・・・!もう・・・駄目!」
たまきの限界を知らせる切羽詰まった声に進藤の動きが変わる。
409 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:23:45 ID:215ew6gu
「あぁ、解った。一緒に・・・」
「一生・・・!・・・ああ・・・あ・・・・・っ・・・あ!」
背を反らし、たまきは絶頂に押上げられた。
秘所はきつく進藤のモノ締め付け殆ど間を空ける事なく
進藤はたまきの中へと熱を吐き出した。
荒い呼吸の音だけが残り、
ただ重なり合ってベッドの上に倒れこんでいた。
少し呼吸が落ち着いたところで、進藤はたまきの中から引き抜く。
「はうっ・・・ん」
粘膜の擦れ合う感触にたまきの口からは
鼻から抜けるような声が出てしまう。
410 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:24:28 ID:215ew6gu
その声に進藤は再び煽られるも、何とかその衝動を抑え
「たまき、見てみろよ」
まだ力の入らないたまきの身体を支えて身を起させた。
そして、たまきの下肢の間を指し示す。
シーツの上に、二人の蜜と体内に入れられた
苺の赤い液体が混ざって流れていた。
「処女みたいだろ?」
どこか満足げにそう言う進藤に対して
たまきはどうしようもない羞恥心で真っ赤になっていた。
苺を使った理由は自分の処女姿を見立てる為か、と
文句の1つでも言おうと何度か口を開きかけて、言葉が出てこず
シーツを巻きつけて隠れてしまおうとしたが
すばやく進藤に剥かれてしまった。
411 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:25:21 ID:215ew6gu
「何隠れてるんだ?
まだ、苺はたっぷりあるんだぞ?」
凶悪な笑顔満面の進藤が示した先には
まだ殆んど手がつけられていない、苺の山。
「せっかくの苺はちゃんと食べないと、な」
・・・・
進藤は好きだが・・・
これ以上苺プレイの餌食にされるのは嫌だ・・・。
だが、そんな訴えすらキスで封じられたたまきは
結局苺がなくなるまで進藤にいいように抱き倒されたのだった。
412 :
通りすがり:2008/09/18(木) 01:27:46 ID:215ew6gu
楽しみにしていて下さった方、お待たせ致しましたvv
私的には苺、楽しかったです>▽<
皆さんはいかがでしたでしょうか?
413 :
118:2008/09/18(木) 07:50:01 ID:GQorXbjK
進藤のSっぷりが爆発してますね〜
良いようにされるがままのたまき。苺がトラウマにならないと良いけど…(笑)
でも白い肌に真っ赤な苺…進藤じゃなくても確かに萌えます。
苺ともろもろwの匂いで読んでてこっちまでむせ返るような気分になりました。
いつか彼女の「復讐」が成功することを祈っています。
GJでした!!
414 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 16:10:12 ID:MauSZZHz
通りすがりさん、GJです!
やっぱり通りすがりさんの書くドS進藤大好きです!
やはり通りすがりさんは神です!
イチゴプレイ……萌えますねwww
たまきさんの逆襲も見てみたいですね(笑)
苺ーwww
たまきの処女萌えますね〜www
通りすがりさん大好きです!!!
しんたまねぎさんも新作投下期待しております^^
たまきが実は処女…!
で進藤先生が初めての人だったらどうなるんだろうw
と考えてみた。そしたらやっぱり進藤先生は嬉しいのかなぁ
俺のたまき!みたいな感じで攻めまくり?
うわああああきたああああ\(^_^)/
待った甲斐がありました!
ド変態進藤萌え!!苺で処女なんて進藤先生…w
とにかくGJ!!!通りすがりさん愛してます←
通りすがりさん、神です!
変態チックな進藤に萌えましたww
417さんのよんで、私も妄想してしまいました。
実は、今まで軽くしか男と付き合ってこず、意外にも処女だったたまき、
本人もそれを隠してきたって感じで。
そうだったら進藤先生は最初は優しくソフトSな感じで、どんどんSっ気が増していくのかなぁなんて。
通りすがりさん、シリーズ化してください!!(笑)
420 :
118:2008/09/19(金) 18:24:39 ID:gGTLy9Tp
どうしよう。私も419さんと同じく、417さんのネタに脳みそが…
恋も仕事も両方バランス取って楽しんできた大人の女を装っているものの
実はキャリアを最優先にしてきたため、本物の恋愛経験はほぼ皆無。
処女も守るつもりなどなかったのに、付き合い"のようなもの"しか知らないせいで
いつも肝心なところで怖じ気付いて、「今日は調子が・・」などと言い訳をして
ここまできてしまった純血たまきの前に現れた、進藤という名のドS男……
ごめんなさいまた勝手に膨らませてます(苦笑)
ということで通りすがりさん、しんたまねぎさん、もしくは新たな作家さんでも…
誰かお願い!!(丸投げ・笑)
超マニアックSな進藤が書きたいんだが、
ここは女性が大きいからひかれてしまうかもなぁ。
たまきが進藤の患者になって、恥ずかしい治療をされてしまい、でも感じてしまう、、、、っていう内容なんだが。
自分、変態どSなもんで。
>>421様
いえいえ!引くなんてことはございません!
むしろ読みたいくらいですw
424 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 12:26:58 ID:h/nvHKzQ
421さん、ぜひ投下してください!
もし反応が気になるのでしたら、最初に注意書きをして、嫌な人にはスルーしてもらえばいいのでは?
118さんをはじめ、上のみなさんの意見に同意!
自分も妄想してしまいます…(笑)
書き手の皆さん、どなたか書いてください!!><
425 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 12:28:28 ID:h/nvHKzQ
あ
426 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 12:29:19 ID:h/nvHKzQ
↑間違えです、すみません。
たまきが進藤に受ける羞恥の治療!
421さん、お待ちしていますww
429 :
421:2008/09/21(日) 00:39:31 ID:OKRniiQG
421です。
住人さんたちにそう言って頂けると有り難いです。
最初に注意書をしておけば、不快な方はスルーしてもらえますね。
アドレスありがとうございます。
アドバイスでした。申し訳ない。
431 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 17:58:44 ID:JMVna0+I
勤務時間はとうに過ぎた夜中の研究室で、たまきはひたすら顕微鏡を覗いていた。
少し目を逸らして溜息をつき、また顕微鏡に向かう。
そんなことをひたすら繰り返しては、思い通りにいかないことに苛立ちと虚しさがどんどん募ってゆく。
はぁ、と大きく溜息を付いて、たまきは立ち上がった。
プルルルルル―――
病院を出たところで、携帯をかけてみる。
出てくれない確率の方がはるかに高い。
プッ
「もしもし」
声が聴こえた瞬間、何もかもを忘れられる気がした。
432 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 17:59:39 ID:JMVna0+I
寝室へ入るなり、たまきは進藤に抱きつき口唇を塞いだ。
突然のたまきの積極性に驚きながらも、進藤もそれに応えた。
進藤の少しかさ付いた口唇を、たまきの熱い舌が縁取るようになぞる。
その柔らかい舌は淫らに湿り気を帯びていて。
それだけでもぞくっと身体が鳴り。
割って入ってきた舌はいつもよりも激しく進藤のそれを求め。
その官能的な光景と感触に瞳も心も奪われていると、どさっとベッドに押し倒された。
「…たまき?」
進藤が訝しげに見上げると、たまきはにやっと不敵に微笑んだ。
どきっ
その微笑みが余りにも美しく、艶かしくて。
目を奪われていると、また口唇を塞がれた。
激しく口付け合いながら進藤がたまきの身体を支えようと手を伸ばすと、するりとそれをかわす。
「?」
たまきの顔はすっと降りていき、徐に進藤自身をぎゅっと掴んだ。
「っ!」
少し硬くなり始めているそれを、衣服の上からなぞってやると、また少し硬くなった。
ジッパーを下ろす。
「おいっ!」
進藤の抗議は聞かず、下着もずらすと、それが露になった。
いつもたまきを愛し満たしてくれる硬く太いそれは、今はまだその3分の1程度の大きさで。
くすっ、とたまきが笑った。
妖しく艶かしく、欲望を湛えた瞳。
いつものたまきじゃない。
進藤は初めて、うっすらと恐怖のようなものを感じた。
たまきの柔らかな掌で直接愛撫してやると、それはどんどん大きく、硬くなっていった。
「可愛い…」
ふっと呟いたたまきの妖しい微笑みにぞくっとし。
次の瞬間、たまきの口唇がその先端に口付けていた。
「…っ…」
指よりも柔らかい刺激に、進藤の身体がぶるっと震える。
口付けは猶も続き、先端、裏筋、根元、両脇の袋にまで何箇所にも及ぶ。
「…ぉい…っ」
進藤の抗議の声を無視し、
先端を舌でちろちろ舐めた。
わずかに進藤の息が漏れる。
意地悪にくすっと笑い、そそり立ったそれの裏筋を一気に舐め上げた。
「…っ…!」
何度も、何度も舐め上げる。
進藤の息が乱れ始めている。
根元を手でぎゅっと掴み、亀裂の入った先端だけをちろちろと舐め始めた。
亀裂に舌を沿わせると、進藤が声を押し殺すのが判る。
何度も何度もそれを繰り返す。
悪魔に思えた。
これ以上ない、美しく、淫らな悪魔。
433 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 18:00:30 ID:JMVna0+I
進藤のものを舐めながら、ちらっと進藤の顔を覗き見る。
息を乱し、声を噛み殺し、いつもの余裕気な彼はそこにはいない。
そっと瞳をやると、進藤のものを舐めながらじっと見詰めてくるたまきは、淫らで妖艶で。
ぞくっ
今まで見たことのない美しさだった。
その妖艶な瞳に命令され。
自らの欲望に耐えられず、進藤は呟いた。
「口に…含んでくれ…」
すると妖艶な瞳がにやっと意地悪く笑い。
形の良い口唇がそっと開いた。
先端を口に含む。
緩やかに上下に動かす。
「………」
雄の生理を解っていながら、たまきは焦らす。
進藤は観念するしかなかった。
「もっと…。頼む…っ…」
余裕をなくした進藤の顔を満足げに見つめ、くすっ、と意地悪な瞳が笑い。
口を大きく開け、進藤のものを奥まで含んだ。
口の中では舌先でちろちろと舐め回しながら、口を上下に動かす。
掌でぎゅっと根元を掴み、それにも緩急をつける。
喉の奥まで届く進藤自身を丹念に舐め、次第に口の動きを早めてゆく。
そっと伺い見ると、いつもの進藤は何処へやら、息を乱し快楽に身を委ねた瞳をしている。
その瞳と、たまきの瞳がぶつかる。
進藤がその瞳に捕まると、たまきはいっそう口の動きを早めた。
そっと先端の亀裂に舌を沿わせる。
甘い痺れが全身を駆け抜けた途端、
悪魔のような甘い舌が進藤を何度もしごき。
限界を感じた瞬間。
「う…っ…」
434 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 18:01:42 ID:JMVna0+I
短く声を上げ、進藤が果てた。
その欲望がたまきの口内に放たれる。
ごくん、と喉を鳴らしてたまきはそれを飲み込む。
一度では足りず、二度喉を鳴らした。
いつもなら、まだ滲み出る液も丁寧に舐め取ってくれるたまきだが、
今夜はそのまま、進藤の身体に馬乗りになった。
もう一度口付けながら、細い指で器用に進藤の衣服を脱がしてゆく。
そして自らのスカートを捲し上げ、ショーツを引きずり下ろすと、まだそそり立ったままの進藤の剛棒に自らの泉をあてがった。
潤み切った其処は、とても熱い。
自ら、進藤の其れにに自分の身体を沈める。
「…ん…」
快楽に身を委ねる暇もなく、すぐに動き始めた。
ゆっくりと腰を回し、自分の良いところを探る。
その官能的な動きに、瞳も心も奪われる。
「ぁあ…あっ…あんっ」
淫らな啼き声を抑えようともしない。
進藤はたまきの腕を上げさせカットソーを脱がせた。
ブラのホックを外すと、ぷるん、と形の良い胸が顔を出した。
たまきの動きは激しくなり、上下に揺れた。
その度に揺れる乳房を、そっと掴んだ。
「あぁっ…っ」
たまきが顔を仰け反らせて悦び、その姿は進藤の雄をそそる。
たまきの動きに合わせ、進藤も律動する。
たまきが悦ぶ場所を、何度も突いてやる。
「ぁああっ…あんっん…ふぅうっん…もっ、とぉ…!」
官能的なたまきに煽られ、進藤は更に動きを早めていく。
ささくれ立った指で、そっと敏感な突起を擦ってやると。
「ぁああっ…!!」
背を弓なりに仰け反らせ、たまきは悦んだ。
突起を擦りながら、更に、とたまきの悦ぶ場所を突いてやると、
「あ…はぁっ…」
きつく締め付けていたたまきの膣内が更に収縮し、達したのが判った。
肩を上下に揺らし、快楽の余韻に浸る瞳は何処か遠くを見詰め。
彼女の中がひくひくと痙攣し、官能的な刺激だった。
435 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 18:02:18 ID:JMVna0+I
ベッドに横たわって並び、たまきはそっと進藤の熱い肩に頭を寄せていた。
「どうしたんだ?」
進藤がそっと柔らかい髪に触れ、呟く。
「…煮詰まった」
たまきがぼそっと呟く。
その瞳は苦しみや苛立ちを訴え、だけどまるで拗ねた子どものように可愛くて。
ここ数日、画期的な発見がありしばらく研究に没頭するから、とたまきが言っていた。
それでしばらく会えない日々が続いていたのだ。
研究はいくつもの細かい作業を繰り返して、何度も後戻りしてやり直して。
非常に神経を使う作業だった。
精神的にも追い詰められる。
「それで、あんなことを?」
「追い詰められると、虐めたくなるのよ」
女王様のような物言いに、進藤は苦笑する。
「俺は、苛立ちの吐け口にされたのか?」
「私のためなんだから、我慢してよね」
傲慢に言うその表情に苦笑しながらも、何故か憎らしい感情は湧いてこない。
いつもとは違うあんなたまきを見られるのは、悪いものではない。
たまきの柔らかい頭を掴み、ぽんぽんと撫でる。
「頑張ってるな、お前は」
そう言って、何度も何度も頭を撫で、滑らかな髪を梳く。
その言葉と掌の温かさに、たまきの胸はきゅーんと鳴った。
仕事第一の女は、男のこういう言葉に弱い。
判っていながらも嬉しさと愛しさが後から後から込み上げてきて。
そっと進藤の逞しい胸に顔を埋める。
しばらく感じてなかった、熱い身体。
そっとその心地よさに身を委ねていると。
この人の欲望も満たしてあげたい。
そんな気持ちになった。
「おい?」
「…抱いて?」
そっと進藤の瞳を見詰める。
「疲れてるんだろ?」
進藤は苦笑する。
「平気。研究ばかりで運動不足」
「…手加減できないぞ?」
あんな姿を見せられたんだからな、射抜くような瞳で呟く。
「朝まで眠らせない。覚悟は出来てるのか?」
その瞳と言葉にぞくりと背中が鳴った。
それでも。
たまきは自分の欲望と感情に素直に身を委ねた。
そっとその顔に近付き、口唇を重ねる。
口付け合いながら進藤がたまきの細い身体を抱き締め、押し倒し組み敷いた。
脳内を麻痺させるような甘く激しい口付けに、たまきの思考はすぐに奪われていった。
FIN
436 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 18:14:37 ID:JMVna0+I
私も少数派かも知れませんが、Sたまきも大好きなんですv
きゃーっwwww
香坂先生エロすぎ…素晴らしいです!!!!!!
進×香ならたまきがSだろうが進藤がMだろうが
何でも良いと思う私も少数派でしょうか\(^o^)/
438 :
118:2008/09/21(日) 19:03:24 ID:GRWOx/J+
しんたまねぎさん!好きっ!!
…何か告白みたいですが(笑)、でもツボでした〜。
たまきの性格からしたら、こんな時も絶対にあることと思います。
進藤もきっと彼女の好きにさせてくれるでしょう。
でも「煮詰まった」っていう理由がまた彼女らしくて、クスッとなりました(^^)
いつもは鬱陶しい窓の外の雨と雷がより気分を盛り上げてくれたような感じで、読んでて楽しかったです。
女王様たまきGJ!!
439 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/21(日) 19:37:15 ID:Pdp7rvGB
437さん、118さん、早い反応ありがとうございますToT
>>437さん
しんたまへの愛が素晴らしいですね!素敵ですv少数派バンザイということでw
>>118さん
今回は経験豊富テクニシャンたまきで書いてみましたw
>進藤もきっと彼女の好きにさせてくれるでしょう。
その通りだと思います!!煮詰まったらSになるたまきもツボですv
外の光景まで織り交ぜた丁寧で情緒溢れる素敵な感想、いつもありがとうございます!
めちゃくちゃGJです!
Sたまきさん萌え(>▽<)/
ちょいMな進藤先生もヤバイです!
しんたまねぎさんもやはり神ですO(≧∇≦)o
尊敬しますッッッッ!
441 :
通りすがり:2008/09/22(月) 00:34:30 ID:95yBoWfJ
118さん
苺トラウマになっちゃいますか?(笑)
そして118さん、さすがと言うべきでしょうか。
今回は「匂い」を重視して書いたのでそれに気がついて貰えて嬉しいですv
「復讐」は勿論、成功しますよ(ニヤリ)
414さん
大好きだなんて・・・!!>▽<
ありがとうございますvv嬉しい限りデス。
名無しの権兵衛さん
神だなんてそんな・・・!
ただ書くのが好きなだけですv
「たまきさんの逆襲」絶対書くつもりですので、お楽しみに(笑)
416さん
たまきさんの処女萌えますよねv
同意して貰えてほっとしました♪
実はあそこどうしようか悩んだんです。
引かれないかなぁ・・・って(笑)
そう言って下さる貴方が大好きです!!(爆
418さん
お待た致しまして申し訳ないです(汗)
苺で処女妄想のド変態進藤受け入れて貰えて嬉しいデス…w
そして「愛してます」だなんて・・・!
そんな事言われたら照れちゃいます///(笑)
417さん419さん118さん
仕事優先だったせいか、仕事よりも好きな相手に出会えてなかったのか
意外にも未だ処女だったたまき。
それを知った進藤先生は驚きつつも喜びを隠せない。
最初は気遣って優しく丁寧に扱うが、たまきの初々しさに
S心が刺激され、ついたまきを虐め、自分色に仕上げていこうとする。
シリーズ化ってこんな感じでいいですか?
442 :
通りすがり:2008/09/22(月) 00:39:30 ID:95yBoWfJ
421さん
私も読みたいデスv
たまきさんがが進藤の患者になって、恥ずかしい治療をされてしまって
でも、感じてしまうお話。
楽しみにしていますvv
しんたまねぎさん
Sたまき、素敵でしたvv
今書きかけていた「復讐編」ちょっとかぶってしまいましたが(汗)
まだ途中なのでなんとかしますvv
しんたまさんGJ!!たまきがSのも良いですな〜
通りすがりさん\(^_^)/
たまきの逆襲Sたまき楽しみです♪
あとシリーズ化マジになりそうですか(;_;)!!
いえええい←
通りすがりさん、シリーズ化まじで楽しみです!!
期待していますww
445 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/22(月) 23:12:56 ID:OkxYa+Ov
名無しの権兵衛さん、443さん、ありがとうございます〜^−^
>>名無しの権兵衛さん
すごく気に入ってもらえたみたいで嬉しいです!!そ、尊敬だなんて…^-^;
私も、やっぱり結局は書くのが好きなだけなんだと思います。
でもきっと、名無しの権兵衛さんもこれからも書きたいという気持ちがあるのですね。
楽しみにしてますね1o(^-^)o
>>通りすがりさん
読んでくださってありがとうございました^-^嬉しいですvv
あ、またかぶってしまいましたか・・・。どうしてもネタってかぶりますよね。
でも私も「復讐編』かなり楽しみにしているので、かぶっても楽しみにしています!!
そして遅ればせながら苺プレイ、読ませていただきました。
まさか苺をそんな風に使うとは・・・完璧にヤラレマシタww
私の中では変態とは思わないですけど〜v
そして匂いに気付いたという
>>118さんは、やっぱりすごいんだなぁと思いました。
それと・・・処女たまき妄想、私の中でもかなり膨らんじゃってるんですが、シリーズになると今は書けないかなぁ・・・と。
なので、通りすがりさんのを楽しみにしていますvv
それと384〜387の朝シチュ、読んでくださった方感想くださった方ありがとうございました。
シャワーシチュ、いつか書きますvv
個人的に
>>391さんの
>てか進藤は絶対上手そう…ゴッドハンドだし
発言が気になります・・・。具体的にナニが上手そうなんでしょうか?(笑)
>>118さん
会話のリアルさを誉めていただけて嬉しいです。
あと言い忘れてたのですが、2度目の告白ありがとうございます!!
決定的な主導権を握っているのは進藤だけど、たまきの好きにさせてあげる器の大きさが好きなんですv
たまきはどんなときに追い詰められるだろうと考えたら、ああなりました。
そんな私の思惑を見事に読み取ってくださった118さん、私も好きですっ!
446 :
421:2008/09/23(火) 02:08:46 ID:pQQ73SMl
お言葉に甘えて投稿させて頂きます。
長くなってしまうので、前編・後編です。
ドS進藤、M甘えたまきです(後半特に)
SMもの、治療行為など、変わった描写がありますので
嫌いな方はスルーしてください。
「カルテ」
寝室のドアを開けると、たまきは明かりも点けずベットに倒れこんだ。
体が重い。。。。
連続勤務の疲労と論文執筆のための寝不足で疲れきっていた。
しかし、それよりもたまきを苦しめているものがあった。
端正な顔に苦痛の影が落ちている。。。。
あの時・・・あの人の言う通りもっとガマンしてれば。。。。
たまきの脳裏に今日の病院での出来事が浮かぶ。
『顔色が悪いな。。。』
進藤はその日、廊下の向こうからやってくるのを見かけたときに思った。
一緒に暮らし始めたものの、お互いに忙しく、すれ違いの生活が続いている。
白くきめ細かい肌が、くすみ、生気がない。
進藤の視線にも気付かない。
腹部に手をやり、眉根をキュっと寄せるたまき。
「おい!」
近くまで来てもぼんやりとしているたまきの腕をつかむと、空室の処置室にひっぱり込んだ。
「ちょっと!誰かに見られたらどうするのよ!」
「何か言いたいやつは言わせておけ。」
進藤がたまきをギュっと抱きしめる。かすかな香水とたまき自身のまざった香りがふわりと鼻腔をくすぐる。
いつもならこうして抱きしめると、進藤の腕の中で文句を言いながらも身体は抵抗をやめる。
しかし、今日は違っていた。
447 :
421:2008/09/23(火) 02:09:53 ID:pQQ73SMl
抱きしめた途端に視線を落し、身体を離すたまき。
「!」
だが、その一瞬で、進藤はたまきの身体の変化を感じた。
腹部が異常に張っている。
再び進藤は背後から抱きしめる。今度は腹部を両手を回して。
「やめて。。。」たまきはうなじまで赤く染めながら、また逃げる。
「どれくらい出てないんだ?」
一週間、いや10日くらいは出てないかもしれない。。。
進藤は平然と、何でも無いことのように尋ねた。
当然のような問いに、恥ずかしがるのもかえって恥ずかしい。
「い、一週間。。。かな。休みの前じゃないと薬飲めないし。。。」
たまきは羞恥に真っ赤になりながらも、同じく何でもない事のように答える。
強い下剤ははっきりとした時間を読むのは難しい。
診察中や処置中に急にもよおしても困るのは、確かだが。。。。
「次の休みは・・・3日後だったな?」
一緒に食事をとる約束をしていた進藤は、処置室の棚の方に向かいながら聞く。
「ええ。。。。」
「これから食事だろ?少し時間はあるな?」
振り向いた進藤の手にあるものを見たたまきは驚いて叫ぶように言った。
「ムリよ!今できるわけないわ!」
進藤の手にあったのは、150mlのディスポーザブル浣腸だった!
448 :
421:2008/09/23(火) 02:11:14 ID:pQQ73SMl
慌て後ずさるたまき。
しかし、その先にあるのは処置室のベットだった。
「すぐ済む。5分ガマンすればいいだけだ。」
「そんなのわかってるわよ!でもダメ!絶対に嫌!」
必死に抵抗するたまき。
「3日、持つのか?」
真正面から見つめる進藤に、たまきは射抜かれたように止まる。
そう。ムリ。。。限界。苦しい。。。。
助けてほしい。。。
でも、その願いの先にあるのは恥ずかしい処置である。
「自分で、できるわ。。。」
「俺がやる。お前の主治医は俺だ。忘れたのか?」
最後の抵抗も進藤の言葉に打ち消される。
そうだ。1年前のあの日も、高熱で倒れたたまきに点滴をし、カルテをきったのは進藤だった。。。。。
無言のたまきをベットに促す。
左側臥位(左側を下にして横向きになり、上の右足は胸のほうに曲げる体位)にさせ、
スカートをまくり、パンティをおろす。
首すじまで真っ赤にし、瞼を閉じ、必死耐えるたまき。
いくら、セックスでは、花弁に舌を這わせ、蜜をなめ取られても、
そういった性行為ではないまったくの素面で局所を見られるは、
相当恥ずかしいのだろう。
脚を曲げるのもほんの少しだけ、お茶を濁す程度である。
深く曲げれば、それだけ、はっきりと花芯もアヌスも露呈する。
『ああ。。。あまり見ないで。。。』
449 :
421:2008/09/23(火) 02:13:33 ID:pQQ73SMl
そんなたまきの女心を無視するかのように、進藤は足首をつかむと、
タイトスカートからすらっりと伸びた脚をしっかりと胸の方に曲げる。
普段なら人目に触れる事の無い、禁断の秘所が露になる。
進藤は、アヌスにワセリンを塗るりこめる。
ヌルっとした質感がゾクりとたまきの背筋に走る。
軽く円を描くようにクルクルと動く指に「うぅ。。。」たまきの声が漏れる。
恥ずかしい。。。でも。。。
羞恥に染まりながら、身体の奥からじんわりと湧き上がってくる感覚。
しかし、「じゃあ入れるぞ。」という進藤の言葉が現実に引き戻す。
管が体内に挿入された瞬間、たまきはビクンと身体を固くした。
「力を抜いて。」
わかってる。。。
わかってるけど。。。
何も言えない。。。
進藤にこんな姿を見られているなんて。。。。
「息を吐け。そう、ゆっくりだ。」
まるで素人の患者扱い。。。でも、抵抗できない。。。
ふっと息を吐く。
その瞬間に体内に薬液が入ってくる。グリセリンの独特の感触に身震いするたまき。
しっかりとつぶった瞼に涙がにじむ。
『あぁ早く終わって。。。お願い。。。』その願いとは裏腹に、進藤はゆっくりと浣腸を握り潰していく。
450 :
421:2008/09/23(火) 02:14:22 ID:pQQ73SMl
「う。。。うぅ。。。」
ゾワっとする薬液の注入に必死に耐えるが声が漏れてしまう。
腹痛の波がたまきを襲う。
「ま、まだ?・・ハァハァ・・・まだ、お、終わ、終わらない・の・・?」息を乱し、
震える声で訊ねるたまき。
「もう終りだ。」最後、ギュっと握りつぶ進藤。
「あぁ。。。嫌。。。」最期の注入涙がこぼれる。
アヌスから管を引き抜くと「5分のガマンだ。」と言い、進藤は脱脂綿で押さえる。
「んぅ。。。うぅ」
「ん、んんぅ、」
ハァハァと息遣いも荒い。。。。相当苦しいのだろう。。。。
たまきのは体内の荒れ狂うグリセリンに、必死に声を殺して耐えるが、
1分も持たず、「も、もうダメ!!!!」と身を起こした。
「まだ1分だぞ。」進藤はニヤリと笑って言う。
「いつも患者には5分ガマンしろって言ってるだろ」
そうは言っても苦しいものは苦しい。
押さえつける進藤の手を振りほどこうとしたその時、緊急コールがなった。
進藤がコールに気をとられた隙に、スルリとベットを降り、処置室のトイレに駆け込むたまき。
初療室に駆け出しながら『あれじゃ、出ないな。。。』
その進藤の想像どおり、トイレに滑り込んだたまきは、薬液のみしか排出できなかった。。。。。。。
そして中途半端に薬液だけ出してしまったたまきは、結果的にさらに症状を重くすることになるのだった。
続く
451 :
421:2008/09/23(火) 02:36:15 ID:oPEqPnwo
後半はもっとドS変態?!進藤、甘えっ子たまきになります。
続けてもいいですかね?
脱字、打ち間違いが結構あるますね。
申し訳ありません。
ふおーー!!
来ましたね><
421さんGJ!!!!!
進藤先生S萌え!!!!
私はこういうのも大好きです♪
後半きぼん!!!!!!!
421さん、後半待ってます!!!
GJです!!!!!
進藤の妙にクールな感じがリアルですね(笑)
しんたまねぎさん、シリーズじゃなくてもしんたまねぎさんの中で膨らんだ作品、
めちゃくちゃ読みたいです♪
通りすがりさんもしんたまねぎさんも大好きなので
お二人ともに書いてほしいのはわがままですかね・・・?><
421さんGJです!
『あぁ早く終わって。。。お願い。。。』その願いとは裏腹に、進藤はゆっくりと浣腸を握り潰していく。
って所がツボです。
意地悪な進藤先生、やっぱり好きだな。
「まだ1分だぞ。」進藤はニヤリと笑って言う。
「いつも患者には5分ガマンしろって言ってるだろ」
とかもツボツボ。
浣腸とかも全然抵抗ないし、ガッツリ書いちゃって下さい!
後編楽しみにしてます!
455 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 23:18:50 ID:D1XFveoG
421さん
早く続きが読みたいです!!!!
最近は、しんたまねぎさん・通りすがりさん以外にも新しい作家さんが増えて楽しいです。
456 :
421:2008/09/24(水) 02:02:46 ID:Aas5OB+m
421です。意外に気に入ってくださる方もいて、嬉しいです。
ありがとうございます。
こういったジャンルが苦手な方はスルーして下さっていると思いますが、
大人な対応ありがとうございます。
>>452さん
こういうのお好きですか!嬉しいです。
>>453さん
クールさの内側は実は熱い。。。。とか。
>>454さん
やはり、そこがつぼでしたか。結構気に入ってるシチュエーションです。
>>455さん
明日には続きを投稿します。
少し手を加えたくなったので明日投稿させてもらいます。
よろしくお願いします。
>421さん、GJ!
続き、楽しみに待ってます!!
>しんたまねぎさん
自分もしんたまねぎさんの中で膨らんだものを作品にしてほしいです!!
シリーズ化とかじゃなくていいので書いてほしいな〜!!
もちろん、通りすがりさんにもキタイ!!
ここの作家さんたちはみんなすごいです!!
458 :
通りすがり:2008/09/24(水) 22:45:58 ID:rDwCIj3m
しんたまねぎさんへ
シリーズ化、何て言ってますがそんな大それた物ではないので
しんたまねぎさんもたまきさんの処女ネタ書いて下さいvv
是非とも読みたいデス(^O^)
421さんも皆さんも投下お待ちしてます〜
460 :
118:2008/09/24(水) 23:31:29 ID:MxFrrZJN
>>421さん
完結してからレスしようと思ったのですが、続き期待してます!
普段ならこういうネタはちょっと抵抗あって避けがちなのですが
進藤×香坂の場合、仕事柄あまりにも身近な行為だから
読んでも変態プレイが変態に感じないというマジカル(笑)
というかはまり過ぎてて…浣腸持ってニヤっとする進藤が容易に浮かんで困ります。
しんたまねぎさん、通りすがりさん
神二人が書くたまき処女ネタ、贅沢に読み比べ…なんて言ったら失礼ですが
お二人それぞれの世界観で是非読んでみたいです。
461 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/09/25(木) 12:17:08 ID:spNvIiav
>通りすがりさん
暖かいお言葉ありがとうございますm(_)m
また書き方が悪かったかなぁとちょっと気にしておりました。
本来通りすがりさんの小説から膨らんだたまき処女ネタなのに私がこんな風に書いたら書きにくんじゃないかと…
気にせず思いっきり書いてくださいね。
それから
>>453さん、
>>118さんはじめ私の妄想も読んでみたいと思ってくださった方、ありがとうございますm(_)m
通りすがりさんがあらすじを書いてくださっているのでかぶらないように妄想は出来るのですが、今は本当に無理でして・・・。
書けるようになったら、書かせていただくかもしれないので、気長にお待ちくださると嬉しいです。
>>421さん
私も118さんと同じ理由で今までコメント出来ずにいましたが、面白かったです。
それに文章もとてもお上手だし、ドラマの進藤の特徴をよく掴んでらっしゃると感じました。
てゆーか前半ではまだ変態とか全然感じなかったけど・・・??w
後編楽しみにしていますv
続編待ち上げ
463 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 11:29:20 ID:TD1fV8EU
皆さんの新作早く見たいo(^-^)o
465 :
421:2008/09/28(日) 00:44:42 ID:5qoi4PoP
遅くなってすみません。
アク禁のとばっちりを受けてます。
転送して携帯からやってみます。
466 :
421:2008/09/28(日) 00:48:07 ID:5qoi4PoP
カルテ・中編
帰宅した進藤が目にしたものは、明かりの消えた部屋で、
着替えもせず倒れこんだまま、うとうとするたまきの姿だった。
ドアの開く音に目を覚ますたまき。
「おかえりなさい。。。。」
「まだ具合悪そうだな?」
起き上がろうとするたまきを制して進藤は明かりをつけながら言った。
「大丈夫よ。少し横になったし。。。」
明かりが灯ると顔色の悪さは隠しようがない。
つとめて元気に「シャワーも浴びずに寝ちゃった。浴びてくるわ。」
というたまきを進藤はまっすぐ見つめながら言った。
「無理するな。」
「大丈夫だったら!」
笑顔を作って通りすぎようとするたまきの手をつかむ進藤。
「お前はお前の主治医だ。」
「それはさっきも聞いたわ。」
目をそらし部屋を出ようとするたまき。
「だったら」進藤はたまきを抱きしめ、耳元で囁く。
「これ以上心配させるな。」
「どうするべきか、お前が一番わかってるはずだ。」
たまきは何も言えず立ちすくむ。
そんなたまきを抱きしる進藤。
たまきの瞳から涙が溢れ出す。
「だって。。。。」
たまきをベットへ連れ戻す進藤。
「用意はしてきた。」
進藤を見つめるたまき。
「限界だろ?」
進藤の言葉に糸が切れた人形のように、たまきはベットに腰をおろした。
涙がひとしずく頬をつたう。
467 :
421:2008/09/28(日) 01:03:24 ID:5qoi4PoP
「よし、いい子だ。」進藤はたまきをゆっくりとベットに横たえた。
脚を軽くたて、腹圧を逃がして腹部の触診する。
シャツを巻くりあげ、スカートとパンティ、ストッキングをヘアぎりぎりまでおろす。
やはり恥ずかしいのだろう、たまきは横を向いている。
「ガスでパンパンだし、かなり固いな。」
進藤は一旦たまきのそばを離れながら言った。
「中も診るぞ。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!直腸診まで必要ないわ!」
その声を無視するように進藤は病院から持ってきた紙袋を広げ、準備を始めた。
ラッテクスブローブにガラスの浣腸器、カテーテル、グリセリン、脱脂綿。。。。
「ディスポじゃないの?!」たまきは驚いて言った。
通常、病院では消毒の手間もかかり、保険点数も低いため、浣腸はほとんど
使い捨てのディスポーザブル浣腸なのだ。
「おまえ、グリセンリン弱いだろ。」進藤はそう言って出て行くと、洗面器にお湯を入れて戻ってきた。
『確かにそう、かもしれない。。。でも。。。』ディスポの浣腸器より、
やはりガラスの浣腸器は威圧感があるのだ。
される側のとってみれば。。。。。。
しかし、濃度の調節がしやすく、ディスポより直腸の奥まで入れることができる。
直腸の入り口は敏感でガマンがしずらい。カテーテルで奥に注入した方が、
ガマンし易いし、奥まで届きやすい。
それに、後の片付けを考えるとディスポの方が簡単なのに、
わざわざ持ってきてくれた進藤の気持ちを思うと、
拒否することが悪いように思えてしまう。
複雑な思いのたまきをよそに、進藤は、お湯にグリセリンをお湯に溶かし、
浣腸器に吸い上げ、カテーテルを取り付ける。
ラッテクスグローブをつけると、バスタオルを尻の下に敷きながら、
たまきの体位を左側臥位に変える。
目をつぶるたまき。。。
白いふっくらした臀部を割ると、すうぅと風がアヌスをくすぐる。
『恥ずかしい。。。。』しかし進藤は構わず指にワセリンを取り、アヌスに塗る。
昼よりもゆっくりと円を描いていく。
くすぐったいような、せつないような、そんな感覚と、羞恥とがないまぜになる。。。
468 :
421:2008/09/28(日) 01:15:07 ID:5qoi4PoP
「指、入れるぞ。」たまきはその声にハッとアヌスをしめる。
尻たぶを軽くパンパンと叩き、撫でる進藤。
「力を抜いて。」
アヌスを緩めると進藤の指が侵入してくる。
指先が入り、第一関節、第二関節と深く沈めていく。
ゆっくりとまわしながら、内部に触れていく。
「うぅ。。。」慣れないアヌスに進入した指の感触に思わず声が漏れる。
「カチカチだな。。。少しほぐすぞ」恥ずかしそうに、ぎゅっと目をつぶるたまき。
指を回し、カギのように曲げながら、内部の塊を崩す進藤。
しかし、普段、出す事はあっても入れる事はない秘穴に指を差し込まれ、
かき回されるのは痛みも伴う。
「んああっ、い、痛い!ぁあ。。あ。。」そんなたまきに構わず、かき崩す進藤。
「い、痛い!やめて!お願い!」
「カチカチの栓になってる。崩さないと出ないぞ。苦しいだけだ。」
たまきの目から涙がこぼれる。
必要な処置だとわかってはいるが、きつい。。。。
進藤は、尻たぶをつかんだ手に力を入れ、しっかりと押さえると、
最期にグイっとかき壊した。
「い、嫌ーーー!」
「終わったぞ。入り口のは崩れただろ。」といいながら、
進藤は浣腸器を取り上げる。
200ccの浣腸器は200のメモリをはるかに超えて薬液をたたえている。
恐ろしそうに見上げるたまき。
医療器具など見慣れているはずなのに。。。
処置される側になると、やはり怖い。。。。
しかし、進藤の指でほぐされたアヌスは、易々とカテーテルを飲み込んでいく。
指に比べれば細いとはいえ、小指の先ほどはある。
奥に侵入していくほどに、たまきはおぞましさを感じていく。。。
「気持ち悪い。。。」
かなり奥まで侵入させると、進藤は言った。
「20%だ。昼よりラクなはずだ。その代わり、量は少し多いけどな。」
「入れるぞ。」
目をつぶり、手を握りしめるたまき。
「楽にしろ。」そういわれても、できるわけがない。。。。
進藤がピストンを押し始めると、生ぬるい液体が体内に流れ込んでくる。
その気持ち悪さといったら。。。。
たまきは、鳥肌の立つような感覚に必死に耐える。
50、100。。。。薬液の注入は容赦なく続く。
しかし、すでに腹痛がおきはじめている。
「はっ、はぁはぁはぁ。。。」息が荒くなっていく。
469 :
421:2008/09/28(日) 01:33:50 ID:5qoi4PoP
「後半分」
「ま、まだ、半、半分な。。。の。。?」
「もう少しだ」
「ん、ん、んぅ。。。んあっ。。。はっはっはぅ」必死に耐えるたまき。
たまきの体には脂汗が浮き、涙がこぼれる。
眉根を寄せ、必死にたえるたまき。
ゆっくりと、そう、ゆっくりとピストンを押していく進藤。。。。
カチリと音を立てて、ピストンがとまった。
注入が終わったのだ。
進藤はカテーテルを引き抜き、脱脂綿でアヌスを押さえる。
「五分我慢だ。」
「んああ、ダ、ダメ。。。はぁはぁ。。。お願い。。。」はぁはぁと息をしながらたまきが懇願する。
「ト、トイレに行かせて。。。」
「はぁはぁ。。。。も、う。。。ダメ。。。お願い!!」
そんなたまきに進藤は「バルーン入れるぞ。そしたら我慢できるだろ。」
「!!!!」
進藤は、別のカテーテルを挿入し、その先端に空気を入れて風船状の栓をするというのだ。
バリウムなどの注腸検査で使うことはあるが、まさか?!
パンパンに張ったお腹に200cc以上の浣腸液を注入され、バルーンまでいれるとは!
しかし、すでにたまきのアヌスには新たなカテーテルが挿入され、進藤はゴム球を握り、空気を送っていく。
「あ、あ、あ、んあーーーーーーっ」涙が溢れる。。。
「よし、いい子だ。」空気を入れ終え、たまきのアヌスに栓をした進藤は、
たまきの頭をゆっくりと撫でる。
お腹の痛さ、苦しさに必死に耐えるたまき。
涙を流すまぶたに、優しくキスする進藤。
「はぁ。。。ん、んぅ。。はぁはぁはぁ。。」
苦しそうに、そして、すがるように進藤を見上げるたまき。
「い、一生。。。はあ、はあ、一生。。。」
いつもの強気のたまきとは正反対の瞳で。。。。
470 :
421:2008/09/28(日) 01:45:35 ID:5qoi4PoP
「苦しいか?」
「あたりまえじゃない!」普段のたまきならそう返すだろう。
しかし、今のたまきにはそうすることはできなかった。
返事をするかわりに、たまきの頬に手をやった進藤の手を握り締めた。
「い、一生。。。」進藤を見つめるたまき。
たまきには、いつも最期の一線で越えられない、自分自身の弱さをさらけ出せなない、
薄い、薄い、しかし非常に固い壁をがあった。
進藤にさえ、抱かれて夢中になっているような時でさえ、突き破れない、そんな壁が。
しかし、この苦しいような、せつないような、そして体の奥底で進藤を求めるような
感覚と共に、進藤にすべてゆだねる感覚に、その壁がくずれつつあるのを感じた。
進藤もそんなたまきの変化を十分に感じていた。
すがりつくようなたまきのまなざしに、眉を寄せ苦しさに耐えるたまきに、
いとおしさがこみ上げてきていた。
ベットの上に上がると、たまきをうしろから抱きかかえながら、首筋にキスをする進藤。
新たなたまきが生まれようとしていた。
いや、奥深く隠されていた本来のたまきが、顔を見せた始めたのかもしれない。。。
471 :
421:2008/09/28(日) 01:51:38 ID:5qoi4PoP
もうギブです。
携帯からなんで、また後編かきます。
暖かいレス、ありがとうございます。
また改めて書きます。
よろしくお願いします。
472 :
通りすがり:2008/09/28(日) 02:14:50 ID:WAndiCZB
421さん
お疲れ様です。
UPしようかと来てみれば更新されていて嬉しかったですvv
なんか医療用語がたくさんで救命!!って感じが凄くして素敵でした☆
たまきの新たな一面がどう開花していくか、、楽しみに待っています。
あ、UPは今度にしますね。
因みにまだ食べ物シリーズで「アイス編」だったんですけど(笑)
はまってしまうとそればっかりになってしまうのは私の悪い癖・・・
皆さんはもう飽きちゃいました?(ドキドキ)
421さん。すごくよかったです〜。しかも医療用語くわしいですね(^-^)後半も気になります!
通りすがりさん。アイス編観てみたいです!今度たまきさんがどんなことされるのか楽しみです!
421さん
医療用語が多くて、すごくリアルな感じがしました!
>たまきには、いつも最期の一線で越えられない、・・・・・
>その壁がくずれつつあるのを感じた。
の部分、すごく気に入りました!
後編楽しみです!!
通りすがりさん
アイス編みたい!
できるだけ早く投下してくださいね!
待ちきれませんww
421さん、中編(三部作になったのですね)GJです!
他の方も書かれてますが、器具とか用語とか処置の手際とかリアルですね。
実際に関係者の方なのかと思いました。
する事はSながらも、医者の理性が働いてるせいかまだ優しい(笑)進藤と
腹痛に耐えて子どものようになっているたまきが新鮮で何かかわいいです。
これから二人の新たな関係がどう形作られていくのか、楽しみです!
通りすがりさん、なぜ落とさずに帰ってしまわれたの〜〜〜
今度はアイス編ですか!
これで食べ物プレイの三本柱(勝手に認定w)が揃いますね。
私は全っ然飽きてないですから、どうぞ気にせず投下をお願いしますm(_ _)m
421さん、すごいGJです!
医学用語がいっぱいでめちゃめちゃ雰囲気でてました!
わざとゆっくり浣腸するなんて、やっぱり進藤はSですね。
たまきが甘える様子が新鮮で可愛いです。
私も進藤先生に恥ずかしい治療されたいなーっなんて思いました。
たまきに自分を重ねてドキドキしちゃいました。
アク禁で大変だと思いますが、続き待ってます!
早く読みたいです!
421さんスゲェ!医学用語スゲェ!後編も楽しみに待ってますww
通りすがりさん、アイス気になります!
これはもしや焦らしプレイ?!…首を長くして待ってます笑
478 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:32:15 ID:WAndiCZB
「……あつい……」
窓を全開に開けた居間にて
ノースリーブの膝丈のワンピースという
あられもない姿でたまきはだれていた。
隣ではぱたぱたと暢気な動きで進藤が
そんな彼女を団扇で仰いでいる。
「暑い!暑い!暑い!暑い!」
「たまき・・・、そんなに言っても暑さは変わらないぞ。」
「だって暑いんだもの!
何でこんな暑い日にエアコンが壊れるのよ!!」
既に寝返りをうつだけの気力もないのか
言葉だけを進藤に返し、たまきは額を流れる汗をぬぐう。
季節は真夏。
それの暑さは、歴史上まれにみる猛暑、と
既に太鼓判が押されている代物であった。
479 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:34:12 ID:WAndiCZB
「壊れたものは仕方ないだろ・・・」
「もぉ〜〜!!一生どうにかしてよ……
こんなに暑くちゃ何にもする気になんないわよ!!」
フローリングの床の冷たさも、すでに緩くなってきており
不快感ばかりが募っていく。
「どうにかって…どうしろって言うんだ…
俺は電気屋じゃないんだぞ」
「ったく、使えないわね・・・。」
じろっと険悪な目つきでたまきは隣にいる進藤を睨みつける。
──完全な八つ当たりである。
「あーあ……夏バテなんて、冗談じゃないわよ」
「夏バテってお前・・・さっききっちり食べてたじゃないか・・・」
「当たり前でしょっ!!
家でごはん抜いてたら、いつまともな物食べろって言うのよ!」
たまきは勢いづいてむくっと起きかけ……再び床に倒れ込んだ。
480 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:36:58 ID:WAndiCZB
「たまき……?」
「もう……やだ、暑いのが1番嫌い!!」
もう何も言う気力をなくしたのか
その言葉を機にたまきは横になったまま黙ってしまう。
やれやれ、と肩をすくめ進藤はすくりと立ち上がった。
「ほら。」
差し出されたのはアイスキャンデー。
それを見て一先ず機嫌が直ったのか
笑顔で起きあがるなり、美味しそうにペロペロと舐め始める。
その様子に欲情した進藤は、たまきが1本食べ終きるのを見計らい
「俺にも少しくれ・・・」
言うが早いか、進藤の唇がたまきの唇を塞ぐ。
反射的に抵抗しようとしたたまきの身体をきつく抱きしめ
思う存分その唇を味わう進藤。
舌を絡ませながら
進藤はたまきの身体をゆっくりと床に倒していく。
481 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:38:34 ID:WAndiCZB
「はん……あ…くぅん……」
たっぷり口腔を犯して進藤が唇を放すと
たまきの瞳は既に潤み始めていた。
その事実に気付いていないのか、たまきは首を振り
「や……こんな、明るい中で……やめてよ・・・」
力の入りきらない手できゅっと進藤の服を掴んで抵抗の意志を示す。
そう、彼女は気付いていない。
その仕草が、どれほど彼を刺激するのかということを・・・
進藤はたまきの懇願をあっさりと無視し
服の上からたまきの身体をなで始める。
「や・・・だって言ってるでしょ!聞きなさい!!」
「それは無理な命令だな」
そう言う進藤の手は既にたまきの服の中に滑り込んでいた。
ワンピースと下着を一緒にめくり上げ
赤く色づいている蕾にキスをする。
それだけで、たまきの体はぴくぴくと震えて反応を示す。
「止めろって命令した割には敏感な反応。」
くくっと笑みを漏らしつつ
進藤の唇はたまきの肌を巧みに味わっていく。
482 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:39:58 ID:WAndiCZB
「……煩いっ、わね・・・暑苦しいから止めて!!」
「まだそんな事が言えるのか・・・脱いだら涼しいだろ?」
必死に流されないように、いつも通りでいようとする様子が可愛くて
進藤はたまきの頬を撫でながら、軽くついばむように再び唇を奪う。
「ふ、ぅ・・・・ん・・ぃや!」
相変わらず口では強がりを言っているが
たまきはもう、抵抗はしない。
心地よい愛撫に身を任せ、されるがままになっている。
それに気をよくした進藤は指をたまきの秘所に滑り込ませる。
「あんっ、ああ……はっ!!」
「濡れてるぞ、お前のココ。こんなに溢れて、聞こえるだろ?」
くちゅくちゅと秘所から響く水音に、たまきは首を振る。
「…きこえ…ないわよ…!!」
「なら質問を変える。気持ちいいか?」
「…………」
「たまき、ちゃんと答えるんだ。」
483 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:41:44 ID:WAndiCZB
言い終わらないうちに、進藤の指が敏感にな突起を摘む。
「ひ・・ゃんっ!」
摘んでそのまま揉みつぶすようにぐりぐりと強く嬲る。
付き合い始めて、何度も何度も快感に浸らされ
慣れきった身体には強すぎる快感で…
たまきの喉からは止めどなく喘ぎ声が響いていく。
「ああ……あん…ひぁ…あんんっ」
「それが返事か?」
にやりと、悪魔的な笑みを浮かべつつも
進藤の指の動きは少しもおさまる気配はない。
荒い息をつきながら、たまきは顔を真っ赤にして答える。
「…っ…そぅ…よ…!」
「そうか。なら・・・
もっと、大きな声で聞かせて貰うとするかな。」
「な・・・!っぁ・調子乗らないで!!」
「ん?それは足らないって事か?ならば・・・」
秘所に入り込む指がもう一本増えて
更にちゅくちゅくといやらしい音を立てる。
ぴくぴくと震え、快感に流されつつも
たまきははっきりとした口調で言い返す。
484 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:42:46 ID:WAndiCZB
「それ、が・・調子に乗ってるって言ってんのよっっ!」
そう言って起き上がろうとするが
そんなたまきをあっさり押さえつけ
進藤は困ったように微笑んだ。
「…素直じゃないな。そんなに可愛くない事ばっかり言うなら──」
器用にたまきを俯せにすると、その両手首を軽く押さえ込み
「本格的に苛めてやる」
ぼそりとたまきの耳元で呟く。
それは呪縛の力を秘めたもの
「な!?苛めるって何する気よっっ!?」
「こうするんだ」
言い終わるなり、進藤の唇はたまきの秘所を弄ぶ。
485 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:44:47 ID:WAndiCZB
「うんっ……うぁ……あん…ああっ…そんなっ!!ダメ……!」
「何がダメなんだ?こんなにひくついて…
…ほら、熱くなってるのが自分でも解るだろう?」
ぴちゃぴちゃ…ちゅくちゅくと。
耐えることなく指と舌で奏でられ、響く淫らな音に
たまきは息をするのも辛いほどの羞恥でいっぱいになってくる。
何よりもその快楽に慣れきった身体が
もっと、と叫んでいるのが解ってしまう。
「ふぁん……ああ……やぁ!……あっん…」
「もっと……か?」
「ん・・違っ・・・ああぁ!!」
床に頬を押しつけたままの姿勢で
たまきはわずかに頭を左右に揺らす。
そういった返しをするほど
進藤の行動がエスカレートさせていく事を
たまきは身体で嫌という程、知らしめられている筈なのに・・・
そして今日もやはり、進藤はにやりと妖しく笑うと
愛撫する手は休める事なく、さらりと爆弾発言をする。
「そうか・・・ここまでしてもまだ素直になれないんじゃ…
…もう一工夫するしかないな」
486 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:45:56 ID:WAndiCZB
言いながら、たまきの秘所に入っていた手を引き抜く。
彼女の蜜を殊更丁寧に舐めとる仕草は普段では考えつかない程
色めいていて……
恥ずかしいという気持ちを感じつつ
呆然とそんな事を考えるたまきの視界の隅で
進藤が何やら箱から取り出す。
一瞬みえたそれに見覚えがあるのは……気のせいだろうか。
たまきがそっちに気を取られている間に
進藤は近くにあったクッションを取り
たまきの上半身を乗せると、腰を高く上げさせる。
「や…!…こんな、格好……!!」
いきなりの事に戸惑い、羞恥の声を上げる。
「可愛くなってきたな。これから、もっと素直にしてやる」
「何?……ひゃんっ!」
びくっとたまきの全身が揺れる。
進藤が手にしていた物を、たまきの中に入れ始めたのだ。
その正体は・・・・
「やっ、冷たっ・・・!!」
487 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:46:56 ID:WAndiCZB
「それはそうだろう。アイスキャンデーだからな」
さっき1本食べただろ?と言って
未だたまきの蜜で濡れる手でアイスを
ぐりぐりとたまきの中に入れていく。
そのアイスは熱くなったたまきの内側の熱で溶けていき
秘所を満たす液体のどこまでが蜜なのか、判断が付かない程だった。
「ああ…!…こんなの、いや…あん!…はぁぁ」
「いい声。もっと聞かせてくれよ」
そう言った瞬間、たまきの中に入ったものが最奥をついた。
「ひんっ、あ…あああああっっ!!」
焦らされ続けた身体は、既にその刺激に耐えられなかった。
快感に支配された全身を張りつめ、たまきは絶頂に達してしまう。
ぴくぴくと小刻みに揺れる身体を見つめながら
進藤は秘所に突き立てていたアイスを引き抜き、ぺろっと舐める。
「お前の蜜の味が染みこんでる…」
そこに浮かぶものは、嬉々とした次なる企みを含んだ笑み。
488 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:49:04 ID:WAndiCZB
「次は、俺を気持ちよくして貰おうか」
「……ん? あ……むぐ」
ぼんやりと快感の余韻に浸っているたまきの口に自身を含ませる。
「ほら…さっきアイス食べてたみたいに…」
「んむ……はん…むぐ…」
ぴちゃぴちゃと先程とは違う水音と
荒い息遣いがしばらく響いていく。
「ん……イイぞ、その調子だ。
だんだん上手くなってきたな・・・」
誉めながら、微妙な動きをする頭に
その髪に触れ、指を絡ませる。
「ご褒美だ」
そう言って、進藤は残っていたアイスを
再び秘所に入れ、かき回す。
「!…んんっ……は…うぐ……んん!!」
「ほら、気持ちいいだろう?
上手に出来てる、ご褒美だから普段よりも・・・」
ポタポタとたまきの秘所からは雫が垂れ
フローリングに水たまりを作っていく。
たまきの口に入った自身を上下に揺らしながら
進藤は自身の快感を高めていく。
「…くっ…でも、もういい…」
だがたまきは進藤がそう言っているにも関わらず
止めようとはしない。
それどころか、更に音を立てて先端を吸い上げてくる。
489 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:51:04 ID:WAndiCZB
「んんっっ……は、ん…ん…むぐ……」
負けてたまるか・・・・と
極める直前で進藤はようやくたまきの口からそれを抜き取る。
「もういいって言ってるだろ?
──まだ…悪戯する気か…なら・・・あれ?」
訝しげな顔をした進藤が視線を移す。
先程までたまきの秘所に入れていたアイスはかなり溶けてしまい
棒だけが抜けてしまったのだ。
「たまきの中、よっぽど熱いんだな。アイスがこんなに溶けて……」
そう言って棒だけになった事をたまきに見せると、たまきの反応は
進藤が予想していたものとは著しく異なっていた。
「……嘘?!・・・どうしてくれるのよ!
きちんと責任持って対処してくれるんでしょうね?!」
俯いたかと思うと、はっきりとした口調で罵声を浴びせられた。
その声に、やり過ぎたか?と
急に不安になり、たまきの表情を確認しようと下にある顔を覗き込むと
それを見計らったかのように、たまきはくすりと笑った。
490 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:52:34 ID:WAndiCZB
「・・・冗談よ、本当に怒ったかと思ってびっくりした?
それより・・ね。・・・一生」
熱っぽい、艶のある声でたまきが進藤を呼ぶ。
すっかり快感にとけきった瞳は熱い雫で潤んでいた。
「もう……ダメ…お願いだから、──して」
その瞳でたまきはまっすぐに漆黒の瞳を見上げる。
「なにを、だ?」
やられた・・・
進藤はそう思ったが、何とか冷静を装い、返す。
けれど本当の所は、激しく心を乱され動揺していた。
自分が優位に立っていた筈なのに
ふいうちを突かれれば
その熱の篭った視線と甘く罠を仕掛けられれば
容易に惑わされてしまう。
「・・・さっきの仕返し?
……一生のを私にちょうだい……?」
491 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:54:11 ID:WAndiCZB
どこまでも罠の手を緩めない彼女。
こうなってしまったたまきを前にすれば
理性なんて物は、簡単に音を立てて崩て落ちる。
「俺の何をあげたらいいんだ?」
だけど
やられっぱなしになるのは悔しいのか
その絡みつく罠から必死に逃れ
すぐにでもたまきの中へと突き立てたい衝動を
何とか抑え込んだ。
いつもこうしていきなり主導権を奪われそうになるが
そうなっては面白くない。
彼女の思惑通りにならないように、進藤も負けずと仕掛けていく。
「…本当に何処までも苛める気なのね……
解ったわよ、私の負け……
素直になるし、好きにしてから…
もう焦らさないで…?お願い…」
「それでいい・・・」
たまきの言葉に笑顔を惜しげもなくさらし
進藤は軽々とたまきを抱き上げると
居間のテーブルの上にその身体を乗せる。
俯せのまま、頭から腰までをテーブルの上に乗せ
足は垂れるように落ちている。
そんな姿勢にし、苦しくないように気を遣ってか、身体の下に
先程のクッションを入れるのも忘れない辺りは流石である。
羞恥に震えるたまきの両足を左右に広げ
秘所に自身を軽くすりつける。
492 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:55:45 ID:WAndiCZB
その淫らな音とともに、性への刺激を受けたたまきの口から
快感の喘ぎが歌のように響き渡る。
「あっ……!ね…一生・・・早く・・・」
「あぁ、たまきの希望通り・・・」
その言葉を言い終わらぬうちに
進藤のそれがたまきの中に入り込むっ。
「ああああっん…くぅん」
ようやく満たされた感覚と、望んだ快楽に
たまきの声が跳ね上がる。
その声にうっとり聞き惚れながら
進藤はたまきの中に入れた自身をゆっくりと快感を味わうように
前後に動かし始める。
「…まだ中にアイスが残ってるの、解るか?」
「んん、あ……当たってる……」
「たまきの中で俺がアイスを潰しているのも?」
「あんんっ! 解る、わ!…ん…いい……っ」
493 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:57:22 ID:WAndiCZB
「ほら、胸ももうこんなに硬くなって…
…ココも、大きくなってる」
進藤の指は胸の頂と秘所で輝く真紅の突起に伸ばされ
ほぼ同時に揉み立て始める。
その度にたまきの身体は飛び上がらんばかりに大きく反応する。
「あああっ……ふあん…ひんっ……だめ!
…あああ……そんなにしたら、すぐにイっちゃう…」
「何度でも、イけばいいじゃないか。」
少しも動きを止めることなく
いや、なお一層の激しさでたまきを責めながら
進藤はそう嘯く。
「こんな乱れたたまきを見れるのは、俺だけだ・・・
誰にも、見せない・・・」
「当たり…前…よ!ふああ…一生・・・んん!
貴方、だけ…!!…ああ、ん・・・!!」
今までにないほど、大きくたまきの身体が強ばり
そして一気に力が抜けた。
「・・・イったか。
でも俺が満足するまでは付き合って貰っていいんだろ?」
さっき好きにしていいって言った事忘れたとは言わせないぞ?と
進藤は笑みを深め、たまきを休ませる事なく
奥へずくん、と突き上げる。
494 :
通りすがり:2008/09/28(日) 21:58:54 ID:WAndiCZB
「ひあっっ!!待っ・・!ふぁ……あぁ、んっ!!」
深く奥深く中に挿入され
たまきの意識が快楽に支配された現実に戻る。
「くく……お前、以前は後からするのは嫌がってたのに
今はそんなことないみたいだな」
「……は、恥ずかしいわ、よっ、今だって・・・!!」
「でも、『嫌』じゃないんだろう?
気持ちいいってさっき言ってたし」
「っ・・・!!」
──忘れたんなら──
「身体に思い出させようか?もう一度・・・いや、何度でも」
「んっ・・!ああっ___覚えて、る・・・からぁ・・」
激しく自身を打ち付け
、進藤がたまきの中と外を出たり入ったりする。
「ほら、後からの方が深く入るのが解るだろ?」
「あんっ……ああ…ん…ひぅ・・・!…」
ぴくぴくと震えながら、与えられる快楽に
たまきの身体は酔いしれる。
495 :
通りすがり:2008/09/28(日) 22:01:05 ID:WAndiCZB
「もう何度もイってるのに……俺のをこんなに締めつけて
・・・たまきの身体は、いやらしいな」
「やっ……ぁ!そんなこと……」
「気持ちいい、か?」
「んんっ……きもち、いい・・・わ、よ…」
とろけきった瞳であっても
今までにないほどはっきりした快感の声に
進藤の機嫌は急激に上昇する。
「本当に可愛いな、お前・・・」
「ん…ふぁ…ああっ……あんっああん」
「そろそろ限界か?」
進藤の言葉にこくこくと頷き
激しく腰を打ち付ける進藤の動きに
たまきの身体も自然に快楽を求めて動き出す。
自由にならない体を、腰を揺らすたまきのその動きは
さらなる快感をお互いに与えていく。
それに答えようと進藤の動きもなお一層の激しさを増していく。
いつしか、たまきはずぶずぶという淫らな音にさえ羞恥を感じず
ただ身体を支配する快感に飲み込まれていく。
496 :
通りすがり:2008/09/28(日) 22:01:36 ID:WAndiCZB
「ああ……あん…いい…もっと……一生…!もっとして……もうっ…!!」
「もっと、なのか、もう限界、なのか・・・どっちか解らないな・・・」
苦笑して言いながらも、進藤の手はたまきの全身に愛撫を加え続けている。
胸、腹、足、臀部、秘所……
そして、唇は至る所に所有の証とも言える赤い名残を残していく。
一際大きく進藤のそれが、たまきの最奥を激しく突き立てた瞬間
「は、んっ…!!…ああ…もう、だめぇぇっ!」
「あぁ。たまき、一緒にっ」
「あああああっ___!!」
頂点を極めた快感に、ふたりはともに達したのだった。
497 :
通りすがり:2008/09/28(日) 22:06:13 ID:WAndiCZB
ツンデレなたまきさんが書きたかったんですけど・・・
なってませんねぇ(汗)
さて、今回のお話で本当に主導権を握っているのは
どっちなんでしょう?(笑)
私もアク禁です(;_;)
421さんめっちゃGJ!!!!!!
医療用語リアルですね!!!
S進藤の今後の展開めっちゃ楽しみです(^O^)
通りすがりさんきたああああo(^▽^)o
アイス最高ですね!!!!
めっちゃ溶けそうです←
ほんと愛してますよ通りすがりさん\(^_^)/
>>通りすがりさん
いえいえ、十分ツンデレなたまきさんですよ!
進藤先生もアイスが溶けきったのにも気付かないで…可愛いです^^
いつにもまして二人のエロさが際立ってましたし
始まり方もツボでしたよ!
お疲れさまでした〜。
通りすがりさん、最高!!
たまきの普段とのギャップが良かったです!!
やっぱり通りすがりさん、すごいです!!
また新作も待ちわびていますww
>>通りすがりさん
乙デス。
2人のエロさが良かったですww
2人ともお互いにしかみせないエロさ、みたいなのが際立っててww
いつもながらGJでした!
>>421さん
初とは思えないです!
後半もキタイww
通りすがりさんGJ!!!
やっぱ神業ですね〜〜
半端無くエロい進藤が好きですw
421さんの続き、激しく期待!!
通りすがりさんもさすがです〜!
進藤のSっぷり、エロさ、最高です!
やっとアク禁解けた><
421さん、GJです!!!
他の神の方々とはまた違う雰囲気が非常に好きです!!!!
続編待ってます!!!
通りすがりさんGJ!!!!!!
なんというか本当にさすがです!!!
通りすがりさんの食べ物シリーズはまっちゃいました!
皆さんまた待ってます><
505 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:14:18 ID:ObPI7vO/
今からUPしていくのはエロじゃありません。
エロじゃないと嫌だ!という方はスルーして下さい。
では大丈夫な方のみ、どうぞ!
506 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:14:51 ID:ObPI7vO/
月日が経つのは早く
あの事件から何度目かのクリスマスがやってくる。
救命センターは例年通りの慌しさをみせていた。
人の記憶はやがて消えていくもので
あんなに恐怖を感じた暗闇も
あの男の顔も、少しだけ薄れていた。
「うわ〜!!もう23日!?」
「あたし83時間も此処から出てない。」
「俺なんか105時間だぞ…。」
毎回のように繰り返されるこの会話に
ため息を付いて自分の時間を静かに計算する。
計算してまた1つ、ため息をつく。
悲しくなる程の忙しさ。
いつの間にか隣りに立ってコーヒーを差し出す彼は
あたしを見て微笑する。
何よ、と少し不機嫌さを露わにして言うと
何でもないと言って自分の席へと戻っていった。
507 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:15:29 ID:ObPI7vO/
夕方近くになって、今更に昼食も食べずにいたことを思い出した。
ずっと慌しくしていたせいで、逆に食欲は無くなっていて
彼の淹れてくれたコーヒーを一口飲んだ。
慌しくしているときには気づかないが落ち着いて一息つくと
どっと怠惰の感覚がやってくる。
気のせいか頭痛も少しする。
疲れているんだ、と改めて自覚せざる得ない。
少し眠ろうかな・・・
頬杖をついてうたた寝でもしようとするも
声がかかる。
「香坂先生、翔太君が先生を呼んでます。」
大丈夫ですか?と看護師に声を掛けられて、笑顔を見せて医局を出た。
大丈夫かと尋ねられると反射的に平気だと言ってしまうのは
あたしの性分なのだろうか。
日が暮れるのは本当に早くて、七時にもならぬ内に外はもう真っ暗だった。
508 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:16:42 ID:ObPI7vO/
「どうしたの、翔太君。」
「たまき先生〜!!」
翔太とは喘息で運び込まれてきた小学生で
病弱だが普段は本当に元気な子である。
「あのね、あのね、あのね!
パパが明日から“しゅっちょー”に行くから
クリスマス会えないからって。
これね、プレゼントだよってくれたの!」
翔太は文頭にあのね、を繰り返す癖がある。
嬉しい事や楽しい事を話すときはその数は多くなるのだ。
今回は余程嬉しかったのだろう。
聞いているこちらまで嬉しくなった。
そう思いながら聞いていると隣の患者を診ていた矢部が顔を出した。
「それってギアレンジャーのだよね?」
「うん!!あのね、あのね、レッドと一緒だよ!」
矢部は翔太の持つおもちゃを知っているらしい。
話によると戦隊モノのヒーローが扱う武器の一種で
名前は英語を使っていて響きはやけにカッコいいが
日本語に訳したら到底強さを感じない可笑しなものだった。
509 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:17:32 ID:ObPI7vO/
いろんな武器の形に変形させることができて
大人にも興味を持たせるためにリアルなものになっている、と
矢部が力説してくれた。
が、自分には理解しづらいものだと苦笑して
一緒にはしゃぐ矢部を見て再び苦笑した。
「これね、すっごいんだよ!みんなやっつけちゃうんだよ!!」
「良かったわね、翔太君。」
「うん!!」
翔太は大事そうに抱きしめてニコニコ笑う。
夜になり眠っている翔太はおもちゃを抱きしめたまま
幸せそうな寝息をたてていた。
―そして24日。
この日も昨日に引き続き忙しく
三次の患者が昨晩から朝にかけて二名も運ばれてきた。
治療を終えて医局に戻り時計に目をやり、ため息を吐く。
イヴだというのに今日も仕事で終わってしまうのだろうか。
今日の夜には帰ることになっているが帰れるか、疑わしいもので
彼はあたしより早く午後には帰れると言っていた。
510 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:18:47 ID:ObPI7vO/
クリスマスの約束をしたことを彼は覚えているのかと
彼の方に目をやるとタイミングよく目が合った。
「なんだ?」と言って怪訝な顔をする彼に再びため息を吐く。
昨日からの頭痛は痛みを増し、体調が優れないせいか
なんだか余計に腹が立つ。
こめかみを押えて俯いていると進藤が近くに立っていた。
「どうした?顔色が良くないぞ。」
「これくらい平気よ。年末が忙しいのはいつものことでしょう?
ちょっと休めば大丈夫よ。」
「無理するなよ。医者が倒れたら患者はどうする。」
「分かってるわよ。そういう貴方も、ね。」
お互いにそう言って笑うと彼は外来の時間だと言ってドアへと向かう。
彼の後ろ姿を見送っているとドアに差し掛かったところで彼が振り返った。
「今のうちに休んでろよ。今日約束してただろ、クリスマス。うちで待ってる。」
彼はそう微笑して出て行った。
やっぱり、彼には敵わない。
あたしの心はいつも見透かされているようだ。
511 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:19:28 ID:ObPI7vO/
夕方になって翔太の検査結果が出た。
特に異常は見られず、本人も元気な様子である。
退院のことを翔太に伝えようとICUへ向かった。
途中、廊下で頭痛が酷くなった。
しかしあと何時間かしたら帰るわけだし
あと少し頑張ろうと自分に鞭打った。
「翔太君、今年中には退院できそうね。」
「ほんと!?」
「うん、ほんとよ。よく頑張ったわね。
でも、これからも気をつけなきゃダメよ。」
「うん、わかったぁ!」
翔太は嬉しそうに笑ってベッドの上で跳ねた。
ガチャガチャと何やらプレゼントされたおもちゃをいじりながら。
そういうことしちゃダメよ、と苦笑しながら
香坂はカルテに目を落とす。
こめかみを押えながらカルテに書き込みをする。
その時。
眩暈が襲った。
512 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:20:42 ID:ObPI7vO/
ふらりと身体が揺れて、慌てて翔太のベッドに手をついた。
危うく倒れるところだった。
彼の忠告はしっかり聞くべきだと心の中で思って
きっと彼に知られたら「だから言ったんだ」と
笑われるに違いないと、そんな事を思った。
「たまき先生〜〜!」
呼ばれた声の方にまだ少し朦朧としながら顔をあげると
その光景に息を呑んだ。
夕方の暗くなった外の景色を背景に。
眩暈で少し視野が狭く暗くなった瞳の中に写ったのは
銃口のようなぽっかりと空いた穴。
一瞬にしてフラッシュバックを起した身体にあるのは
蘇るあの日の恐怖だけで救命センターに響く慌しい人の声も
騒音も、眩しすぎる明かりも、彼女に届く事はなかった。
”この穴の奥をよく見ろ。”
嫌な出来事というのは
どうしてこんなにもリアルなままで残っているんだろう。
あの時のことが今、鮮明に蘇る。
513 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:21:46 ID:ObPI7vO/
混乱した乗客。撃たれた男性。
ライフルの乾いた銃声。
そして。
あの男の声。真っ暗な銃口。
”この穴の奥をよく見ろ。”
あの男がまるで本当にそこにいるような錯覚。
また墜ちていくのだろうか。
暗い底に、闇の中へ。
深いところへ堕ちていきそうになったとき
たまきは進藤を思い出した。
その瞬間、現実に引き戻された。
救命センターに響く慌しい人の声。
眩しすぎるほどの明かり。
その全てが戻ってくる。
514 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:22:35 ID:ObPI7vO/
「…たの?せんせ…」
「どうしたの?たまき先生!!」
「え…?」
「ちょっとどうしたんですか香坂先生。汗、すごいですよ!?」
はっきりとした意識が戻り見てみると
心配そうに顔を覗き込む矢部と翔太の顔が入ってきた。
「大丈夫ですか?…翔太ぁ〜お前なんかしたのか?」
「してないよう!
ぼくはせんせと遊びたくてこれ持ってただけだもん。」
翔太が手にしているのは父親にプレゼントされたおもちゃで。
エアガンのような形のものだった。
”大人にも興味を持たせるためにリアルな造りになっている。”
”様々な武器の形に変形できる”
そう説明した矢部の言葉を思い出し、まだ少し荒い息で返事をする。
「大丈夫よ。なんだか疲れてるみたいね。」
「ほんと大丈夫ですか?顔色も悪いですから…」
「大丈夫なの?たまきせんせー。」
「ええ、大丈夫。心配させちゃってごめんね。」
そう笑ってICUを離れた。
青ざめた顔はそのままに、手の震えが止まったのは
暫く経ってからだった。
515 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:23:53 ID:ObPI7vO/
たまきはなんとか時間まで働き、家に帰った。
しかし自宅に帰ってくるまでの間にも一度
フラッシュバックを起こし恐怖に苛まれた。
家に着いて疲れのせいもあり、ぐったりとベッドに横たわる。
しかし、目を閉じると暗い世界が広がり
その恐怖からすぐに目を開けた。
真っ白な天井をぼんやり見つめその頬を涙が伝う。
この弱さを自分自身悔しく思い
流れる涙を拭おうともせず定まらない視線をさ迷わせた。
進藤は正午過ぎには仕事を終え
自宅に帰って彼女が来るのを待っていた。
遅くても10時には帰れると聞いていたが
その時間を過ぎても彼女は来ない。
急患でも運ばれたのだろうかと思いもう少し待つことにした。
しかしそれでも何か言いようのない感覚に襲われ
携帯を手に取った。
長いコールが続いた後、留守電のメッセージが聞こえてきた。
そのまま電話を切り、車のキーを手に取ると、急いで家を出た。
進藤がたまきのマンションに着いたのは
電話から15分ほど経った頃で。
時刻は11時を回っていた。
進藤はエレベーターでその階まで来ると
部屋のインターフォンを押した。
しばらくしてドアがわずかに開いて、彼女が少しだけ顔を出した。
516 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:24:53 ID:ObPI7vO/
「あ、…どうしたの?」
「どうしたのじゃないだろ。うちに来るんじゃなかったのか?」
「ごめんなさい」
「何かあったのか?」
「なんでもないわ」
「なんでもないようには見えないぞ」
「…ほんとに、なんでも」
「じゃあ、ドア。開けてくれないか?」
チェーンで閉められたドアに進藤は手を掛ける。
俯いたままのたまきは黙ったまま。
「何でもないなら、いれてくれるだろ。このまま話す気か?」
苦笑してわずかに開いたドアからたまきの頬を撫でる。
すると黙っていたたまきが頬に添えられた進藤の手に自分の手を重ねた。
微かに震える彼女の手は一層白く、ただ震えて。
「…助けて」
そう絞り出された声に、進藤は力強く頷いた。
517 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:26:10 ID:ObPI7vO/
部屋にあがり、コーヒーを淹れた。
ソファで並ぶように座って強く彼女の肩を抱いた。
その横顔は普段纏っている鎧を剥いで
ただその弱さだけが映っていた。
言葉を選びつつ、ゆっくりと問う。
「何があった?」
彼女は胸の前で強く手を握っていて
それが自分を保っているようだった。
俯いていた彼女は暫くするとこちらに向き直り、声を漏らした。
「また…思い出して、怖かった」
「ああ」
「すごく怖くて・・・どうしたらいいのか、解らなくなって・・・」
「ああ」
「一度思い出したら…怖くて、何も考えられなくて・・・
あいつが…目の前に現れて…」
「あいつが…あ、あいつが…」
”あいつ”と言った言葉に進藤はすべてを理解した。
彼女の顔を覗き込んで、優しく笑いかける。
彼女の目から零れ落ちる涙を拭って。
かつてと同じように抱きしめる。
518 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:26:46 ID:ObPI7vO/
「大丈夫だ。…俺がついてる」
涙はいっそう流れ出て、声を出して泣いていた。
進藤は強く抱きしめて背中を優しくさすった。
「傍にいる」
その声は強く。
たまきの中に響いた。
こうやって抱きしめられるだけで少し楽になった。
それでも。
それでも不安で仕方なかった。
断ち切れるのか。
あの出来事に縛られて、思い出すだけで吐き気がする。
だからただ、貴方に縋って
不安な想いを貴方にかき消して欲しくて。
その広い背中に腕をまわして。
しがみつくように、縋るように、力を込めた。
519 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:27:31 ID:ObPI7vO/
気がつくといつのまにか眠っていたようで。
ソファからベッドへと移っていた。
彼はずっと抱きしめたまま、背中をさすってくれていたようだ。
埋めていた顔をあげて彼を見やる。
するとちょうど目が合って。
「もう寝なくていいのか」
そうからかうように彼は言った。
あたしはそんな彼を直視できないで節目がちに答える。
「…ありがと。それと…ごめんなさい」
「何がだ?」
「イヴだったのに」
「もうクリスマスだな」
身体を離して、ベランダのほうに目をやる。
外は風が強いのだろう。
木々が左右に強く揺れていた。
「これから…」
「うん?」
「あたしは楽しむことができるのかしら、この日を」
自分を抱きしめるように腕に力を込めて。
じっと見つめている彼に気づき、すぐに笑みを作る。
520 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:28:13 ID:ObPI7vO/
「…なんて。なんだかか弱い女みたいね」
「前も同じようなこと言ってたな」
「そう?もう忘れたわよ」
「お前は自分の弱さと向き合うべきだ」
「何よ、それ」
「弱くてもいいんだ。それを受け入れれば」
「あたしはそんな弱い女じゃないわ」
「お前は弱い」
「違う」
「弱いよ」
「違うって言ってるじゃない!!」
「自分の弱さを直視して向き合えないほど、お前は弱い」
彼の目を見れば自然と涙が零れた。
521 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:29:11 ID:ObPI7vO/
彼の目は深くて
なんだかすべてを見透かされていそうで
吸い込まれそうで
少し怖くもなる。
でも、暖かくて
目を逸らすことも出来ないくらい引き寄せられる。
泣いているあたしは引き寄せて再び抱きしめられて
落ち着くまでの間彼はずっと髪を優しく撫でてくれた。
「それだけ泣いたらしばらく泣けないんじゃないか?」
「そうかも。こんなに泣いたのは久しぶりだもの」
彼の体温を肌に感じ、彼の心音を子守唄のように聞きながら
あたしは彼に包まれて、なんだか赤ん坊のようにそのまま眠った。
恐怖に感じた暗闇も彼がすべてを覆い尽くしてくれているようだ。
522 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:30:28 ID:ObPI7vO/
朝、目が覚めればなんだかすっきりとした気分だった。
あまりに疲れていて精神的にも弱っていただけなのか
それとも彼言うように弱い自分を受け入れたからか
いずれにせよ彼がいてくれたからということに変わりはない。
いつまた、この悪夢を思い出すのかは解らない
再び真っ暗な闇の中へと墜ちていきそうになるのかもしれない。
それでもきっと
あたしを抱きしめる強くたくましいこの腕がきっと
あたしを導いてくれる。
光の射す方へ、と
523 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:33:58 ID:ObPI7vO/
SPネタでした。
やっぱりSPが1番好きで妄想が膨らみます(笑)
524 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:48:23 ID:c/1vtp9A
アク禁がやっと解けて投下しに来てみれば、またもや通りすがりさん投下中に遭遇!
SPは本当に、妄想が膨らみますね。でもそういえば私は一度も書いたことないかもなぁ・・・
直後で申し訳ないけれど、次いつ投下しにこられるか判らないので、させていただきます!
私も本番はなく、微エロになっておりますv
525 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:50:38 ID:c/1vtp9A
明日は久々の休みが取れたというので、たまきは久しぶりに進藤の部屋に来た。
あの人、ご飯は食べてくるのかしら。
そう思いながらも一応、仕事帰りに買い物して、料理を作って待っていた。
何しろ、普段なかなか連絡が取れない。
病院内では一部しか携帯電話が使えないというのもあるが、何しろ彼自身が滅多に連絡してくれないのだ。
電話はたいてい短く用件だけだし、メールなんてほとんどしない。
だから彼が普段何してるかなんて、たまきはほとんど知らないのだ。
まったく、筆不精、いや連絡不精にも程があるわ。
まぁ、もちろん救命の仕事に日々追われているのだろうけれど。
お互い仕事優先とは解っていても、会えない日々が続くと寂しくはなるものだ。
そういう気持ちをちっとも解ってくれないんだから。
ふぅ、と溜息を付き。
まぁ、浮気なんてできる人じゃないだけいいかな、なんて思ってちょっと笑ってみる。
でも…。
ここ数日、前にもまして連絡がないのよね。
それが少し、腑に落ちない。
時計を見ると深夜1時を回っている。
急患で人手が足りないのかしら。
先にベッドに入って、寝ながら待っていようかな。
そう思ってダイニングの椅子から立ち上がったとき。
リビングの棚に目がいった。
大量の雑誌が立ててあった。
あんなの、前にあったかしら?
不思議に思い、棚のほうへ行ってみる。
雑誌を1冊手にとってみた。
綺麗な女優だか可愛いアイドルだかが表紙の写真週刊誌。
彼が滅多に見たり、まして買ったりしないものだ。
付箋が貼ってあることに気付き、そのページを捲ると。
「っ!!」
『巨乳アイドル加藤みさのハダカな一日』
タイトル通り、零れんばかりの巨乳を強調したグラビアアイドルのヌード写真が何枚も載っていた。
「ウソ………」
526 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:51:41 ID:c/1vtp9A
たまきは目を見開く。
俄かに信じられるものではない。
他の雑誌も手に取る。
付箋の貼ってあるページを片っぱしから見てゆく。
幼な顔制服アイドル、人妻風着物熟女、キャリアウーマン系美女、す、数学教師と放課後の教室で!?…
いろんなタイプの女性のヌード。
しかも、袋とじになっていたところは丁寧に開けられている。
「………」
衝撃の事実に、たまきは愕然とした。
ほんの少しの間に、こんな大量に…
浮気は出来ない人だけど、こういうことはする人だったわけ?
しかも…
このタイプの違う女性たちの間にひとつだけ共通するのは、
『巨乳』。
むかっ…っっっ!!!
一気に腹が立ってきた。
別にオトナなんだしこういうもの見るくらいで怒りはしないけれど。
あの人………
巨乳好きだったわけ!?
もしかして、それでココ最近連絡なかったの?
つまり、私じゃ満足できなくなったってことね!?
女のプライドが………
雑誌を掴んだ手を握り締め、怒りで肩が震えた。
雑誌を放り捨て、荷物を引っつかみ、足早に出て行こうとしたとき。
携帯が鳴った。
彼からだった。
527 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:52:39 ID:ObPI7vO/
498〜504さん
アク禁になっている方多いようですね・・・
大丈夫か心配です。
皆さんいつも感想ありがとうごさいます!
ツンデレにちゃんとなっているの言ってくれたり
ギャップがいいと褒めて貰えて嬉しかったデスvv
毎回テーマ部分に反応して頂けて嬉しい限りです、本当v
新作はエロじゃないのですがこちらも感想頂けると嬉しいです。
528 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:56:13 ID:c/1vtp9A
「…もしもし?」
不機嫌な声を隠さず応える。
「俺だ。すまん、遅くなって」
「…忙しかったの?」
「…あぁ」
「遅くなるならそれだけメールしてくれたっていいでしょ!」
「…すまん、忘れてたんだ」
カチン。
あぁ、そう。
どうせ貧乳の私に、もう興味なんてないんでしょうね!
「帰るわ」
「帰る?今からか?」
「そうよ」
「ちょっと待て!こんな時間に外に出るな」
「ほっといてよ!どうせもう私に興味ないんでしょ!」
「何言ってるんだ?落ち着け」
「命令しないで!タクシー呼ぶからご心配なく!さ・よ・な・ら!」
「おいたまき?連絡しなかったのは悪かった。頼むからそんなに怒らないでくれ。それに、俺ももう家に着く。タクシー使ってるんだ」
「………」
電話の向こうからは、僅かに車のエンジン音が聞こえていた。
「とにかく家に付いてから話をしよう」
「………」
「判ったな?帰るなよ」
それだけ言って電話は切れた。
「………」
腹立ちが収まることはなかった。
いいわ。
はっきり突きつけてやろうじゃないの。
これほど言い逃れ出来ないものはないわ。
529 :
通りすがり:2008/10/03(金) 02:56:49 ID:ObPI7vO/
あ・・・ごめんなさい。
しんたまねぎさんの投下中のお邪魔しちゃって(汗)
530 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:57:16 ID:c/1vtp9A
ほどなく、深夜のマンションの前に静かなエンジン音が轟き、それからすぐに玄関のドアが開いた。
進藤は軽く息を切らしている。
たまきはその前に立ちはだかり、腕を組んで進藤をじっと睨んだ。
「…すまなかった。そんなに怒るとは思わなかったんだ」
息を切らしながら進藤が喋る。
「………」
たまきは無言で進藤を睨みつける。
「でもこんなこと、前にも何度かあっただろう?」
「私たちが会うの、何週間ぶりだか覚えてる?」
「…3週間、ぶり…か?」
「3週間と6日。いえ、日付が変わったからもう1ヶ月ぶりよ。」
「…本当に、すまなかった。もう、許してくれ」
「…どうせ貴方は私と会えなくても寂しくないんでしょうね!」
たまきが叫んだ。
その拍子に、涙が溢れた。
その声と様子に、進藤が驚いた顔をする。
「どうしたんだ。何かあったのか?」
「…馬鹿みたいよ、私。食べてもらえるかも判らない料理作るために仕事帰りに買い物して、時間かけてお芋煮込んで…」
怒った顔が少しずつ歪み、涙が零れ始める。
「ろくに連絡もくれない人のこと、会えない間も考えて…。次はコレ作ってあげようとか、仕事の合間に本見て研究して…」
「…たまき…」
必死に堪えようとするほど零れ落ちてしまう涙を隠すように俯くたまきを、進藤は優しく抱き締めようとした。
どんっ
その身体を突き飛ばす。
「たまき!?」
「でもそんなこともうどうでもいいわ!こんなもの大量に買い込んでる人だって知っちゃったんだもの!」
そう叫んだたまきは、さっきの雑誌を手に取り付箋の付いたページをばっと開いて進藤の前にどんっと突きつけた。
「っ!!」
531 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 02:58:24 ID:c/1vtp9A
進藤が目を見開く。
「悪いけど、こんなの見たら百年の恋も一気に冷めるわ。もう貴方とは会わない」
「ちょっと待ってくれ!コレは…」
「どう言い訳する気?付箋まで貼り付けて…。私に会えなくてもこの娘達に会えればそれでよかったんでしょ!」
「な、何言ってるんだ!」
「それはこっちの台詞よ!私だって別にヌード写真見たくらいで怒りはしないわよ。でもまさか貴方…」
俯いて肩を震わせる。
「これ巨乳写真ばっかりじゃない!!知らなかったわ、貴方がそういう好みだったなんて!!」
「誤解だ!」
「何が誤解よ!私を抱いてても楽しくなかったんでしょ?だから最近めっきり連絡くれなかったのね…」
また瞳が潤んでくる。
「だったら最初からそう言ってくれれば良かったのよ。こそこそこんなことされる方が、よっぽど傷付くわよ…」
涙を流して俯くたまきの肩をとんとん、とたたき、顔を上げたたまきの前に進藤が突き出したのは、携帯の液晶画面。
「何よ?」
「いいから、読め」
532 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 03:00:27 ID:c/1vtp9A
画面にはメールが映っていた。
怪訝に思いながらもその文章を目で追ってみる。
『進藤君。こないだパソコンのほうにも連絡したとおり、例のもの送りました。僕の今の仕事の集大成です。他のクラスメートには知らせもしないけれど、進藤君にだけは解ってもらいたいんだ』
「?何これ?」
「この写真を撮ったカメラマンだ」
たまきが握り締めてる雑誌を指差して言う。
「え!?」
「こないだ、大量に送りつけきた。付箋をつけてな。」
たまきは意味がわからず、ぽかんとしている。
「医学部のときの同級生なんだ。真面目すぎるくらい真面目なヤツでな。精神を病んで中退してしまった。その後何年も連絡がなかったが、こないだ急にパソコンにメールが来たんだ」
「え………」
「自分の撮った写真を見てほしいというから住所を教えたらコレだけのものが一気に届いたんだ」
大量の雑誌が入っていたダンボール箱を進藤は見せた。
「ご丁寧に、袋とじの部分は開けてあった」
「…写真て、こういう写真だったの?」
俺も届くまで知らなかった、と進藤が呟いた。
「生きるとは何かをとことん追究し続けて、最終的に性の悦びに辿り着いたそうだ…」
進藤は雑誌に同封されていたらしい手紙もたまきに手渡した。
そこには、神経質そうな字で長い文章がびっちりと書き詰められていた。
「…こんなの、置いておかなくても…」
「……捨てるわけにもいかんだろう…」
メールを見ながら、どうしょうもないという顔で進藤は吐き捨てた。
「なら人目に付かないところに置いておけばいいじゃない」
「…そんなやましいことしてるたいなことするのもな…。」
中学生じゃあるまいし、とまた呟いた。
「どう返事をしたらいいのかも困ってるんだ…」
ソファに座り込み、顔を両手で覆って大きな溜息を吐いた。
その姿に思わずたまきは小さく吹き出した。
533 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 03:01:40 ID:c/1vtp9A
「…笑ってる場合じゃないんだぞ」
恨めしそうに進藤が睨む。
「知らなかったわ。貴方がそんなに友情を大切にする人だったなんて」
その様子が可笑しくてまたたまきが言う。
「繊細なヤツなんだ。俺のせいでまた精神を病んだりされたら困るだろう」
心底困ったというように、進藤はまた深い溜息を吐いた。
「…なんで俺に送ってくるんだ………」
袋小路に追い詰められたとでもいうような進藤の呟きに、堪えきれずたまきは笑い出した。
その様子をまた恨めしそうに進藤が睨む。
「もしかして最近連絡がなかったのはその返事に悩んでたせい?」
「…まぁな」
「言ってくれればよかったのに」
「…こんなことどうやって話せって言うんだ…」
あはははは、といっそう大きな声でたまきは笑う。
「それだけでも頭が痛いのに、誰かさんは誤解して手が付けられないほど怒るしな…」
陽気に笑うたまきを小さく睨む。
「ごめんなさい。でも、誰だって誤解するわよ?こんなの見たら」
せめて付箋は外しておけばよかったのに、とたまきが言う。
「そんな時間もなかったんだ。というか、全部見てない」
「あら、そうなの?」
「…見てたほうが良かったか?」
「こういうのは好きじゃないの?」
「…こんな写真見せられても、欲求不満が募るだけだろ。お前とはなかなか会えないわけだし」
ちょっと目を逸らしてぼそっと呟く。
その様子が可愛くて、たまきがくすっと笑う。
534 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 03:02:23 ID:c/1vtp9A
「ということは、巨乳好きは貴方のお友達の方だったのね?」
「…そうみたいだな」
手紙のなかには、いかに巨乳が素晴らしいかが学術的にも芸術的にも高らかに謳い上げられている。
「コレはコレで凄い才能よね。そういう風にお返事してあげれば?」
「…そういうもんか?」
「そういうもんよ。てゆーか、貴方も真面目に悩みすぎなのよ」
「……そうか」
そう呟いた進藤は長い悩みから解放されたと感じたのか、ソファに持たれて長い息を吐いた。
「助かったよ」
安らかに目を閉じる進藤。
「…でも、疑惑は残ってるわ」
声のトーンが低くなったのを訝んで進藤が目を開けると、たまきがじっと睨んでいた。
「な、何が?」
「…貴方、本当はどうなの?巨乳の方が好きなの?」
「は!?」
「この際はっきり聞いておきたいのよ」
「そんなこと聞いてどうするんだ」
「本当は私の胸に不満持ってる?…その、小さい、って」
恥ずかしそうにしながらもじろっとたまきが睨む。
「…そんなこともないだろ」
ぼそっと呟く進藤。
「触らないと判らないけどな。でもむしろ、そっちの方が都合がいい」
他の男には知られたくないからな、と進藤は飄々と言う。
その言葉にちょっと顔を赤らめるたまき。
「それに………」
「え?それに、何?」
535 :
通りかかり:2008/10/03(金) 03:02:35 ID:TGCQGdTe
SPネタ、どこかのサイトさんで見た記憶があるんですが、その管理人さんが投稿したんですかね
それなら、まだ活動してるって意味で嬉しいんですけど
536 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 03:03:06 ID:c/1vtp9A
「…いや」
進藤はにやっと笑い、立ち上がってたまきの腰を抱いた。
「ちょっと、何?」
「何って、決まってるだろ?」
訝しむたまきをひょいと抱き上げる。
「きゃっ」
そのまま寝室に向かう。
「もうこんな時間よ?私は明日仕事なの!」
「俺は休みだ」
抗議の声を上げるたまきに、しれっと進藤が言う。
「やっと悩みから解放されたんだ。祝ってくれてもいいだろ」
耳元で囁く。
「勝手に誤解して怒り出した罰だ。大人しく抱かれろ」
「きゃっ…」
キスをするのももどかしくベッドに押し倒す。
口腔内を貪りながらそっと手を降ろしてゆく。
柔らかな胸を撫でながら進藤は思う。
たまきの胸は大きくはなくとも、感度はかなり良好だ。
服の上からでも既に感じ始めているその甘い吐息が、いつも進藤の心を昂ぶらせる。
そういうところが気に入っていることは、あんまり言葉にして言いたくないが。
おしまい。
537 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/03(金) 03:06:46 ID:c/1vtp9A
たまきさんを貧乳とか書いてごめんなさい><
あくまでも写真の女の子達に比べて、デス。。。
でも胸の小さな女性の方が、余分な脂肪がない分感じやすいそうです。
進藤先生は大きさよりそっちの方が重視ではないかと思いまして…w
ちょうど救命2スレで進藤先生の好みで議論?になってたのがびっくりしました^−^;
しんたまねぎさん、
さいこーでした!!
笑えつつ(笑)、なんか妙にリアルで・・・ww
しんたまねぎさんの新作、嬉しかったです!
また書いてください〜
通りすがりさん、
エロじゃなくても切なくて良かったです♪
こういう作品だと通りすがりさんのうまさがさらに際立ちますね!
またキタイしています!
540 :
ふとふと:2008/10/03(金) 09:50:17 ID:fTaShlc1
私も通りすがりさんのSPネタ、他の方のサイトで見ました。
そのサイトの管理人さんが通りすがりさんですか?
SPネタは色々な人書いてるじゃん
前にもあるけどここ2ちゃんなんだから誰とかそういうのあんまり…と思うんだが
偉そうににスマソ(;_;)
お二人ともGJ!
通りすがりさんのエロじゃないのも大好きです!
通りすがりさんはほんとに文章が綺麗ですね!
また投下お願いします〜
しんたまさんのは凄い笑えましたwww前にも言ったんですが無駄にリアルで萌えますo(^-^)o
無駄に美人といえば笑
また待ってます!
543 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 13:56:50 ID:80IP0rgj
久々に来たらイッパイ投下されててびっくら。
本番ナシでも楽しませていただきました。
進藤君の好み…ホンマに巨乳だったら…
なーんて妄想ふくらみます。
ムッツリスケベっぽいなあと毎回思うんですけどね(笑)
544 :
通りかかり:2008/10/03(金) 15:11:46 ID:TGCQGdTe
SPネタは確かにいろんな作品みかけるけど、そのサイトさんの文がそのままそっくりだったものだから聞いてみた
無断転載はやっぱいけないでしょ?
545 :
通りすがり:2008/10/03(金) 16:53:05 ID:aZ2N61jk
通りかかりさん、ふとふとさん
変な誤解が生まれそうなのでサイト運営をしている事はこの際、認めますが…
541さんの言う通りここは2ちゃんねるなんです。
正体がばれるような発言は…困ります。
今回はサイトの方にUPしている小説をうっかりこちらにもUPしてしまい
私にも問題があるので非常に言いにくいのですが
こちらで書かせて貰っているのは誰も私の事を知らない所でエロを思い切り書きたいからなんです。
なのにそんな事を言われてしまうと思い切り書けなくなります。
なのでこれ以上サイトの件に触れるのは止めて下さい。
もし、また1人でも口にすればもう私はココには来れなくなります。
そうはなりたくないので、もし何処のサイトの運営者か解っても一切触れないで下さい。
探さないでください。
宜しくお願い致します。
詮索しません!これからも書いてください。
待ってます!
通りすがりさま
分かりました。ここは匿名性が特徴ですしね!
通りすがりさんも気にせずこれからもお願いします(^^)
通りすがりさんの言うとおりですよね。
ここは匿名性が生かせる場所でもあるし。
通りすがりさんの大・大・大ファンなのでこれからも通りすがりさんにずっと書いていてほしいです。
今後もずっと期待して待ってます!
私は見たことないですがやっぱり
>>541さんの
通り2ちゃんですもんね。
ホントに通りすがりさんの大好きです!
これからも頑張ってください〜!
全っ然分からんし、探す気もないんでここでマッタリと書いてくれやす。
救命好きだが文才ないんで職人さんたちのネ申業お待ちしとります。
551 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/10/05(日) 11:32:21 ID:y8QgGBqq
『疑惑』ネタ読んでくださってありがとうございましたo(^o^)o
すごく楽しんで書けたので、とても気に入ってますv
>>538さん
笑ってもらえて嬉しいです!新作喜んでもらえて嬉しいです。
ペースは遅くなるかもだけどまた書きますので、気長にお待ちくださると嬉しいです^-^
>>542さん
無駄に美人に乗ってくれて嬉しいデスw
無駄にリアルな私の文章で萌えてくださるあなたはとても貴重な存在です!!ありがとうございますm(__)m
>>543さん
進藤君ムッツリスケベ説wwおおっぴらにスケベではないでしょうけど・・・^-^;
そりゃあ進藤先生も男ですからねぇ?w
巨乳好きだけどたまきを好きになっちゃって悩む、とか?
私もエロじゃないものもたくさん書いてますが、通りすがりさんと同じです。
名前を変えて、別人として全然違うものを書きたくてここに投下させてもらってます。
(結果的に全然違うもの、とまではいかなくて、親しい読者さんには見破られましたけど^-^;)
なので詮索されたら困るという気持ちにはすごく同感です。
もしこの人じゃないか?と思ってもおおっぴらにしんたまねぎですか?などと書かないでくださいませ><
私もばれるとここにも向こうにも書けなくなるので・・・。
ただ、無断転機は本当によくないですよね><
もちろん通りすがりさんはそういうことする人じゃないと思っていますし、
疑惑は晴れましたが。。。
皆様、本当に無断転機はやめてくださいねm(__)m
ココの板でも、過去にあって、された人は傷付いていましたから…
もし自分もされたらすごく傷付くと思います。
えらそうに失礼致しましたm(__)m
皆さんの投下、いつでも待ってます!
私も皆さんの投下、楽しみに待ってます!!
話を蒸し返すようで悪いのですが、正体がバレるのがいやならばそのサイトのものは書き込まなければいいのでは。
ネットは誰が見てるかわからないという性質上、特定されてしまうのは想定内だったはずです。
自分の身は自分で守るしかないと思います。
批判ではなく、特定されないための提案です。
批判として受け取られてしまったら申し訳ありません。
私個人としては、サイトの文章の方が文体から何から好きですので読めなくなってしまうのは残念ですが、通りすがりさんが特定されてしまう方が危ないと思ったので意見させていただきました。
たまきの処女疑惑が読みたいwww
556 :
通りすがり:2008/10/07(火) 00:27:25 ID:86W/223Y
言ったはずです。
1人でも口にすればもう来れなくなる、と。
提案だろうが対処は同じです。
とても残念ですが、お別れです。
読んで下さった皆様、応援して下さった皆様。
今まで本当にありがとうございました。
!?
(´;ω;`)
…(TT)
>>554さん
アナタ何考えてるんですか?あの一言のせいで通りすがりさんが来れなくなるじゃないですか!
通りすがりさん、自分は通りすがりさんのこと尊敬してました。でも、こんなことになってしまった以上しょうがないのですかね…
こんなことになって本当に残念です……
最初から作品だけ投稿してればよかったのに。
変に馴れ合うからこういうことになるんだよ。
561 :
558:2008/10/07(火) 17:32:12 ID:UhknJCqn
558です。朝はびっくりして(TT)としか書けませんでした…
通りすがりさんの作品が大好きでした。
もし今は無理でも、またいつか戻って来ていただけるのなら
待っているので…
非常に残念です。またいつかお会いできる日を楽しみにしています。
通りすがりさん、お願いします!
待ちますのでいつでも戻ってきてください!!!
通りすがりさんの小説、大好きだったので今回の流れが本当に悲しいです。
もう一度考え直してほしい><
うっそぉおおおおおおん
これが2chの恐ろしい所…
565 :
通りすがり:2008/10/08(水) 00:26:01 ID:fPTOjThK
560さん
確かに。少し馴れ合いになってたのかもしれませんね・・・
気が緩んでいたのは確かです。
ココが2ちゃんねるだって事を忘れて、信頼してました。
でもその点については後悔してませんよ?
同じ救命好き同士、盛り上がれて
本当に楽しかったですから。
だからそんな事言わないで下さい・・・
名無しの権兵衛さん
私の為に怒って下さってありがとうございます。
でも554さんを責めないで下さい。
元はと言えば私のミスですし、私が自分で決めたルールなので
誰が悪いとかは一切ありません。
言わば私の勝手な行動です。
尊敬してくれる人がいる。
大好きだと、ファンだと言ってくれる人がいる。
それだけで私はココで書いていた意義がありました。
でもだからこそ、後ろ髪引かれる思いはあります。
1つ前のコメントであっさり消えようと思ってましたが
・・・無理でした。
なので554さんの言う通り、今度は区別を徹底して
558さんや559さんのお言葉に甘えて、いつか戻ってくるかもしれません。
皆さんがこの件をすっかり忘れた頃に・・・
その時はまた温かく迎えてくれたら嬉しいです。
↑なんだこいつ?
ええええええ><
ショックすぐるwwwww
いつでも戻ってきてええええええ
きっといつか帰ってくるまで、待ってます。
私も馴れ合いすぎてたのは感じました。
仲間内だけで盛り上がってる感じ。
今回の通りすがりさんへの提案は特に問題無い範囲ではないのかな?
通りすがりさんは、ちやほやされていたから、自分がもう書かない、といえば、
気に入らないレスはされないだろうと思ったんだろうけど。
自分の気に食わないこと書いたら、書かないよって脅してるみたいで、嫌な感じだった。
>>569 なんで、そんなもう終わったような話を蒸し返すようなこと言うの?
あなたも
>>554と同じだよ。
いつもROMしてる者ですが、いつも皆さんの盛り上がりを見て楽しんでました。
ということで、通りすがりさん、いつでもお待ちしてます。
しばらく前から、変でしたよね。
作品が投下されるのはいいですけど、
誰かのブログやHPじゃないんだから、
個人宛てのレスとか多すぎと思います。
感想書いた人は返事もらってうれしいかもしれないけど、
スレは個人のものじゃないし。
新作はエロじゃないのですがこちらも感想頂けると嬉しいです。
とかって、誉めて!誉めて!って言ってるのと同じでしょ。
最近うんざりしてました。
>>569 同意。
馴れ合い過ぎは良くない。
別に他の書き手さんもいるから、そこまで引き止めなくてもいいだろ。
今までだと新しい人は書きにくい雰囲気だった。
過度の馴れ合いは排他的な土壌を産む。
もういいよ。スレが荒れるのは嫌。
通りすがりさんがまた書くなら書けばいいし、書かないならそれまでのこと。
しんたまさん、おもしろかったです!GJです!
たまきの早とちり、進藤を好きだからこそのヤキモチ。
超かわいい!です!微エロでもおもしろかったです。
しんたまさんや他にも作家さんはいるんだからその人たちの投下を待まってます。
これ以上騒ぎ立てないで投下された作品楽しみながら、次の投下待ちましょう。
421さんも後半待ってます!
イガイニキラワレテタネ。
モウイラネ。
ツギノカタドゾ。
ここは2chであることを忘れてはいけないですね。
好意的な人も、そうではない人もいて当然。
ただ、通りすがりさんがここが盛り上がる火付け役になったのも事実。
いっぱい楽しませてもらったし、できることならこれからも書き続けてほしい!
でも、必要以上のレスは良くないのかもしれませんね。
馴れ合いは確かに2chには合わない。
通りすがりさん、しんたまねぎさん、421さんや新しい書き手さん、投下待ってます!
なんつー自演www吹いたw
人の作品を読んで、馴れ合ってるなど文句言ってる奴ら、
文句があるなら来なければ良いだけ。
578の意見に賛成だな。
なんか何でもかんでも通りすがりさんのせいにされてて可哀想。
レス付け始めたのってしんたまねぎさんだった気がするんだが…
消えた途端に手の平返したみたいな人もどうかと思うが
とにかく文句しか言わない君たちがこなければ丸く納まるよ。
アンチはもうくるな。
自分は通りすがりさんの作品、すっごく楽しみにしてました!
本当に楽しみで楽しみで・・・
実は、
>>441のシリーズ化もめちゃくちゃ楽しみに待ってたし・・・
どうしてもアンチの人もいると思うけど、
通りすがりさん、大好きです!
また投下してくださるのをずっと待ってます!!
作品はよかったのに。
最後のあたりの通りすがりさん自身の傲慢な言葉にがっかりしました。
作品は好きだっただけにショックです。
でも、ここは通りすがりさんのスレじゃないので、しんたまねぎさんや他の作家さんの作品を読みにきます。
579さんの言葉でしんたまねぎさんまで書きにくくならないか心配です。
しんたまねぎさん、またお待ちしています。
別に通りすがりさんの最後の言葉は傲慢とは思わない。
彼女は自分の意見を述べただけで。
いちいち厭味みたいなレスはいらないよ。
みんなが気を悪くするようなことは書くんじゃない。
作家の皆様お待ちしています。
私は気を悪くしてないよ。
別に「みんな」が気を悪くするわけじゃない。
今回のことで馴れ合いレスにうんざりしてたのは、
自分だけじゃないのがわかったし。
投下の付録として我慢してたけど。
通りすがりさんを庇うために、しんたまねぎさんがやりはじめたって、
引き合いに出して書く方がどうかと思うよ。
>投下の付録として我慢してたけど。
…何様ですか?
私は通りすがりさんの大ファンでした!
シリーズ化も本当に楽しみにしていました。
ここは2chなのでアンチの人やいやみを言う人もいるかもしれませんが、
それよりもっともっといっぱいの人が通りすがりさんに楽しませてもらっていると思います。
だから、いつか必ず戻ってきてくださいね!!!!
しんたまねぎさん、421さん・・・その他書き手の皆さん、投下しにくい状況かもしれませんが、
待ってます!
特に421さん、続き気になるのは私だけかな・・・ww
587 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 09:37:48 ID:Vj8KqUPU
いつまで通りすがり、通りすがり言ってんだよ。
他の作家さんたち書きにくいだろ。
いい加減にしろ。
早く元の雰囲気に戻るといいなー・・・
作家さんたち、また書いてください!!
またわけのわからないこと言ってる。
自分の発言の方が、よっぽど作家さんたちを書きにくくしてるってわかんないのかな。
まあ、そんな奴はスルーすべきなんでしょうね。
他の作家さん、待ってま〜す!
きっともうここが盛り上がる事はない。
今までの雰囲気を壊され、アンチや嫌な奴が入ってきて居着いたから…
やっぱり火付け役が消えたら終わりなんかなー…
良質な小説が投下される事はもうないと思った方がいい
微エロでも何でもありませんが投下します。初めてこういうの書きました。
――――――――――
医者の不養生とはよく言ったものだと、進藤は働かない頭でぼんやり考えながら横になっていた。
季節の変わり目に風邪をこじらせてしまった。香坂をはじめとする周囲の心配を余所に、大したことではないという判断をしたのが不味かった。
自分がしたいだけの無理ができる歳でもないが、何分気持ちが素直に付いていかないのだ。
香坂に兎に角大人しくしていなさいとベッドに寝かされてから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。寝返りを打つことさえ辛く、すぐそこにあるはずの時計を見やる気力もない。熱はまだ高いようだった。
部屋に人の気配はない。香坂はどこに行ったのだろうか。
彼女には悪いことをした。今日は二人で小さな予定を立てていたのに、無いことにしてしまった。
また、彼女であればセルフマネジメントの出来ない自分をなじりたかったろうに、
その言葉を飲み込んで甲斐甲斐しく看病してくれている。
何か埋め合わせが必要だ―
進藤はとりとめもなくそんなことを考えながら、再び眠りについた。
身体は依然として苦しく、汗が肌に纏わりつき不快だったが、
しかし心持ちは久しく持ち合わせていなかった安らかなものだった。
香坂は自身に厳しい。仕事もプライベートも、無論進藤との交際も、完璧にこなしている。
しかし進藤は、それは彼女の弱さなのだと感じていた。
自信がないから、襤褸が出せないのだろう。
完璧でなければ、愛されないと思っているのだろう。
精神的にも肉体的にも無理をしている香坂を垣間見るほど、香坂が鉄壁で自身を固めるほど、
進藤は香坂が愛おしく、また自分にだけは心を許してほしいと思うのだった。
当の香坂も進藤に頼りたい気持ちは山々なのだが、慣れていないので遣り方が分からないのだ。恥ずかしさと照れも相まって、小さな一歩を踏み出せないでいた。
「目が覚めた?どう気分は」
進藤が目を開けると香坂が顔をのぞき込んでいた。
「熱はまだあるようね。でも大分下がったみたい」
香坂はベッドに腰を掛け、進藤の額に手を当てながら静かに呟いた。進藤は喉の渇きが酷く、すぐに声が出せなかった。
不快そうに顔を歪ませている進藤に、香坂が察してミネラルウォーターのペットボトルを渡す。
半身を起こしながら進藤は差し出されたものを受け取り口にした。
冷たすぎず、かつ温くもない、とても飲みやすい水だった。こういう気遣いさえ完璧なのだ。だから彼女は駄目なのだ、と進藤は思った。
「すまない」
香坂の完璧さに思わず言葉が出たが、香坂にはしおらしくなっている進藤が可笑しかった。
「ふふ。何か食べられそう?お粥作ったけど―」
「いや・・・」
申し訳ないが、何も食べられそうになかった。
「そう」
「すまない」
「謝ってばかり。あなたのような人でも病人になると弱気になるのね」
コロコロと鈴の鳴るような声で香坂が笑う。
「どういう意味だ」
進藤の表情も自然柔らかくなる。
「ゆっくり休んで」
香坂が進藤を見つめながらその顔に手をやった。その眼差しは温かい。
「うつるから」
と進藤は香坂の手を振り払おうとする。酷く緩慢な動きになった。
「はいはい、横になって」「埋め合わせ、必ずする」
横になりながら進藤は強く言った。
「本当かしら」
「ああ、約束する」
「・・・行きたいところがあるんだけど―」
「ああ、どこだ」
進藤が問いかけると、香坂は少し躊躇したようだった。
「・・・bunkamuraのミレイ展。駅で見たポスターの作品がすごく綺麗で・・・美術館なんてまともに行ったことないんだけど」
「――そうか。いいじゃないか」
進藤は内心驚きながら返事をした。香坂が新しいことをしたいと言い出したのは初めてだったし、それを自分と共有したいと思ってくれたことが嬉しかった。
「俺もその絵が見てみたい」彼女が美しいと感じたものを。
香坂の顔が高揚し、明るくなったことが見て取れる。その表情はいつもの完璧な笑顔ではなく、少女のような鮮やかなものだった。
「おやすみなさい」
香坂の穏やかな声で、進藤はもう一度眠ろうとしていた。
少しずつでいい、彼女が俺の前では完璧さを纏わないように、できるだけ甘えさせてやろう、と思いながら。
終
キタ━━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!
>>592さんはこの流れを変えてくれたネ申様かもしれない。
えちょwww
神杉る(´;ω;`)
597 :
1/3:2008/10/12(日) 20:33:38 ID:oGkWkJmm
えろくないのに温かいお言葉ありがとうございます。微々たるエロを書いてみたので投下します
―――――――――――
昨夜は珍しく同じ時間に帰ることができた。
進藤の部屋で酷く遅い食事を取ったあと、お互いシャワーを浴び、急ぐようにセックスをしてそのまま寝てしまった。
ちょうど夜が明ける頃にたまきが目覚めると、進藤の寝顔が目の前にあった。
たまきはゆっくりと、進藤を起こさないように彼の腕枕を外した。きっと痛いだろうと思ったからだ。進藤を気遣ってのことだったが、痛いかどうか進藤に確認したことはない。
こんな睡眠では疲れはとれなかった。勿論激務のせいでもあるが、たまきには気になることが一つあった。
この人は、セックスのとき何を――誰のことを考えているのだろう。
私のことではない気がするのは、やはり考えすぎなのかしら、と。
彼が考えることといえば、やはり先の奥さんのことではないのか。
しかし情事の最中に尋ねるのは興が醒めるし、かといって日中にそんな話を持ち出すのはスマートではない。
どうしてもたまきの美学が、彼女を素直にさせることを拒んでいた。
たまきの進藤の亡き妻に対する感情は嫉妬や焦燥ではなく、むしろ穏やかな気持ちだった。
近頃の進藤は、進んで、しかしたまきが傷付かないようにエピソードを選んで昔のことを話してくれていた。
そのことがたまきには嬉しかった。二人の思い出の、三人目になれたからだ。
だが、それとセックスの際のことは別である。自分のことを見てほしい。
まだ子供のようだわ、私も人間が出来上がっていなかったのね、とたまきは自嘲気味に笑った。
ベッドの周りに脱ぎ散らかしたローブを纏い、上半身を起こして静かに窓を開けた。朝の澄んだ空気が気持ちいい。頬を撫でる涼しい風が、彼が何を考えていてもいいじゃないかという気持ちにさせてくれた。
598 :
2/3:2008/10/12(日) 20:37:01 ID:oGkWkJmm
「・・・もう起きたのか?」
隣にある大きな身体が寝返りをうちながら声を発した。
「ごめんなさい、起こした?」
たまきは慌てて窓を閉めた。
「眠れなかったのか?」
進藤はベッドサイドにある時計で時刻を確認しながら尋ねた。
「――寝たわよ。朝の風にあたりたくて。朝食作るわね」
些か不自然だったかもしれないが、たまきは進藤を心配させないような返答に努めた。
進藤は腑に落ちないようだった。たまきの背中に腕を回し横になるように彼女を無言で促した。
「まだ時間はあるだろう」
たまきを抱き寄せながら進藤は言った。先ほど外した進藤の腕が、再びたまきの枕となった。
進藤はとろんと目を閉じた。たまきはそんな進藤の頭を撫で、起こしてしまったことを帳消しにするように睡眠を促した。
しかしすぐに進藤は目を開けた。至近距離で突然目があったのでたまきは驚いた。
どうしたの、と尋ねるより早く唇を奪われた。
「・・・ッ」
すぐに進藤の舌がたまきの口を割って入ってきた。抵抗しないつもりはなかったが、進藤の意思の方が香坂の力よりも強かった。
「っは・・・んっ、何よ急に」
先ほど言葉にならなかった問いをもう一度試みる。
進藤はたまきの問いに答えることはなく、何ってこうだろと言わんばかりに続けた。
キスに始まり、愛撫の対象は次第に香坂の身体の中心へ向かっていく。
揉みしだかれた香坂の乳房は朝の陽のなかで一際美しかった。乳首は薄桃の花弁であり、ほんのりかいた汗は朝露だった。
進藤は奮う心を一層止めることが出来なかった。勿論、たまきの造形が美しい為ではない。今自分の側にいてくれるのが彼女であることが、奇跡のように嬉しいのだ。
599 :
3/3:2008/10/12(日) 20:39:46 ID:oGkWkJmm
「っん・・・はぁ・」
「いいか?」
挿入してもいいか、という意味だった。
「待って・・・」
とたまきはいつもとは違う返事をした。
おもむろにたまきは起き上がり、進藤のペニスに顔を近付けた。
これまでたまきは、オーラルセックスに抵抗があった。昨今の若い者には当たり前であるらしいが、CT(クラミジア)を初めとするSTD(性行為感染症)に経口感染するおそれがあるのを彼らは知っているのかしら、と内心冷ややかだった。(無論、進藤はクラミジアではないが。)
今は少しそれを、試したくなったのだ。
進藤は怪訝そうにした。彼は普段から喜怒哀楽を顔には出さない。進藤自身は顔に出さないことに無自覚な節さえある。
しかし、たまきが進藤のペニスを口に含んだときは驚いた顔をした。
「!・・・おい」
香坂は上目遣いで進藤を見やる。ペニスの先を口にしたままの香坂の小さな顔が、一層小さく思えた。
「急にどうしたんだ」
「こういう気分なのよ。それよりどうしたらあなたが気持ちいいのか教えなさいよ」
照れを隠すように語調が強くなった。
進藤は、たまきが自分とのセックスを楽しめていないのではないかと常々感じていた。そしてそれは、早紀の、否自分のせいなのだとも感じていた。
だからたまきの、この新しい試みは意外であり、同時にその行為の裏にある心の動きを正確に捉えたかった。
万が一にでも自分を見てほしいという彼女の意思なのではないかと考えると、進藤はいたたまれなくなった。
だがたまきの高い自尊心が、無駄な詮索はさせてくれないだろう。
なんであれ、彼女の好きなようにしてやろうと、進藤は一瞬のうちに逡巡をやめた。
まだ時間はあるのだから。
終
すげーーーーーーーーーー!!!!
初めてとは思えないすばらしさ!!!
これからもキタイしています!
まじですごすぎ・・・
エロなしでもスゴいよかったー!なんか大人な救命って感じだ
上手く言えんがヒンヤリした感じがたまらなくいい
うおおまた!
ホント大人っぽくて好き
592さんの大人で切ない感じ、すっごく好きです!!!
GJすぎる…
605 :
1/2:2008/10/13(月) 10:03:42 ID:116J9fXv
大人じゃない感じで小ネタを。すみませんがエロくありません。
ミレイは好きな画家です。
――――――――――
「えっ、進藤先生と香坂先生って、付き合っ、えぇーー!!!」
医局に響き渡る太田川の雄叫びで、束の間の休息が始まろうとしていた。
「あれ〜気が付かなかったの。純粋だねぇ」
と言いながら神林が炒飯を頬張り始めた。健康と頭皮のために23時以降の脂っこいものは小百合に止められていたが、腹が減ってはなんとやら。たとえ足軽だとしても、だ。
「えっだって、えっ、えっ!?みなさんご存知だったんですか!!?」
太田川はまだ混乱の中にいた。
「見ればわかるじゃない」
城島はコーヒーを啜りながら部内回覧で回ってくる学会誌に目を落としていた。健康と頭皮のために21時以降の脂っこいものは紗江子に止められていた。
「香坂先生を見る進藤先生の眼差しを、なww太田川お前鈍すぎんじゃないの?」
馬場はそう言いながら太田川の注文したものをチェックしていた。
「おま、下っぱのくせに特盛チャーシュー麺かよ・・・」
馬場は自分の醤油拉麺にチャーシューを二枚ほど移したが、太田川は気にも止めなかった。
そう言われれば。最近同じ時間にあがるときは二人で帰っているようだった。防犯のために進藤が香坂を送っているのだと思っていたが、どうやら違ったらしい。
また屋上でよく話しているようだったし、何より処置や経過の際の二人は阿吽の呼吸だった。
えっでもそれじゃあ矢部くんの気持ちは・・・と言い掛けて飲み込んだ。
太田川でさえ野暮すぎる問いかけだと判断できた。
606 :
2/2:2008/10/13(月) 10:09:16 ID:116J9fXv
「あら、いいにおい」
「揃って夜食ですか」
太田川がぶつぶつと考えを巡らせていると、件の二人がICUから戻ってきた。
太田川は、何故か動揺してしまって動けない。心臓が高鳴る。悪戯が見つかった子供のような気持ちだった。どうして私が照れなきゃいけないんだと太田川は思いつつも、最大限の意識をしてしまうのだった。
注文聞けなかった二人の分は勝手に炒飯頼んだよ。拉麺は伸びちゃうからね〜と神林が炒飯を勧める。
ありがとうございます、じゃあ少し頂こうかしら、馬場先生半分食べてくださいますか、と香坂は尋ねた。
当然喜んで、と既に拉麺を食べ終えた馬場は答える。
太田川の視界からはよく見えなかったが、進藤は恐らく資料をファイリングをしているらしかった。
太田川は、進藤先生はヤキモチ妬いたりしないのかなあと、ひどく心配になった。
「どうしたの太田川さん?さっきから。のびちゃうわよ折角の拉麺」
「四連直以上ににショックなことでもあったのか?」
香坂と進藤の二人に問いかけられると、自分が子供じみているように感じられて恥ずかしかった。
それでも。太田川の頭の中は先程聞いたニュースで持ちきりだった。
うわ〜美男美女カップルだー!
なんて呼び合ってるのかな?たまきといっせい?何か芸人みたい・・・。
喧嘩とかするのかな。香坂先生が拗ねちゃって進藤先生がなだめるなんてことはあるのかな!?うーん
てかデートとかはどこに行くんだろう。やっぱり歩くときは手は繋ぐのか!?
香坂先生ああ見えて料理上手だから進藤先生に作ってあげたりしてるんだろな。
あ!この前進藤先生が風邪引いたときも香坂先生が看病してあげたのかな?
お、大人の恋ってどんなんなんだ〜・・・。
などとあらぬ妄想を膨らまし、目を白黒、口をパクパクさせていた。
進藤先生風邪うつしたんじゃないですか?と香坂は笑いながら進藤に話を振った。太田川は人と話せないほど重症らしい。
こんなにおかしい症状じゃなかっただろ、とファイルに目線を落としたまま進藤は答えた。
いつものやりとりだったが、あたたかい。とてもリラックスできる気分だ。それは、神林や城島、馬場も感じているらしかった。
ホットラインがけたたましく鳴った。反射的に神林が受話器をとる。
「はい港北医大救命救急センター」
「こちら救急指令センターです。三次の患者二名の受け入れを要請します」
神林が周囲に目配せをし、一拍おいて返答をする。
「どうぞ」
「一人はCPA(心肺停止)患者で――」
その場にいたスタッフは、緊迫した空気を共有した。
また長い夜が始まる。
太田川は楽しい妄想を中断し、いつもの時間に戻っていった。
終
※最後のホットラインのところがよくわかりませんで、適当です。
キタ━━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!
すごい作家さんがやってきた♪
嬉しいです!!!!!
おおw
これは楽しみだ
610 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 01:25:44 ID:0+wC3BQ5
もっと改行をしてくれたら尚良し!!
またしんたまさんの読みたい(^-^)
>>611さん
しんたまさん?しんたまねぎさん??
投下お待ちしてやす
自分じゃ絶対書けないからなあ・・・
しんたまねぎさんとかも最近見ないので寂しい
しんたまねぎさん待ってます!
前回の書き手さんも最高だし、421さんの完結編(?)も読みたい!!
どの作家さんも文章の雰囲気が違ってて、それぞれ面白い。
皆さんの作品大好きです。
ほんと、才能のある書き手さんばっかりですごく楽しみ。
待ってま〜す。
新作読みたい><
これで終わっちゃうとかだったら嫌だな
どうして私は人に頼ることができないのだろう。
頼り方を知らないのだろう。
本当は、いつも誰かにそばにいてほしいのだ。でも。
淋しいのに、突き放してしまうのは何故だろう。
ああ、どうしてこんな事を考えてしまうのだろう。
仕事をしているときは、こんなこと考えもしないのに。
くだらないわ、と自分を鼻で笑うことができるのに。
香坂は進藤のマンションでそんなことを考えながら、ベッドから起き上がれないでいた。
進藤は仕事だった。香坂を気遣い、黙って出勤したようだった。
しかしそのことが、香坂を一層虚しい気持ちにさせていた。
一言、声をかけてくれてもいいじゃない。
おはようもいってらっしゃいも言えなかった。
昨日の夜、愛し合い、お互いの存在を確かめ合ったことが、なかったことにされたように感じていた。
珍しい休日なのに、香坂はこれといった予定もないのだった。
人を頼ることができない、と考えただけで涙が出てきた。
心が弱っていた。そして、その事は誰にも見せられなかった。
香坂が自ら選択した生き方だったが、
これからもこの選択を続けていけるかどうかは自信が持てないでいた。
ただ、そうかといって他の選択肢を知っている訳ではなかった。
香坂はそのもやもやした気分のまま、無為に一日を過ごしたのだった。
「どうした?」
次に進藤に会ったのは、医局でだった。
進藤は香坂の僅かな変化に気付いて声を掛けたのだが、
その問いかけ方はどうとでも捉えられてしまうものだった。
「どうって、何が?」
香坂は、いつもの調子で――いつもの仕事中の自分を保って――
進藤の問いかけに応じた。
「いや――」
進藤は目線を下に向けながら答えた。こんなとき、どう言えばいいのか分からないでいた。不器用なのだ。
――――――――――
すみません今日はここまでです。
ここのところ学校とかバイトが忙しくなって中々書けません。
あまり期待なさらずにして頂けると幸いです。
ご指摘いただいた改行を気をつけました。
携帯から書き込みしているので気が付きませんでした。
ありがとうございました。
きったあああああああああああ
421さんの後編読みたいです!
待ってます!
592さん、待ってましたーーーー!!
続き読みたいです。
切なくて良い感じデス!!!
421さんもまたきてほしいですね><
623 :
250:2008/10/19(日) 20:56:04 ID:6p2TqSQ6
なかなか書き込みがなく淋しいので自分で初めて書いてみました。携帯からなので読みにくいかもしれないです。無駄に長いです。
『粉雪』
地下の駐車場から地上に出ると、いつの間にか降り出したのかちらちらと粉雪が降り始めていた。
つい1時間程前、医局で患者のオペの方法についてたまきと口論になった。
患者の体力を考えた治療を優先させる彼女。少しの可能性があれば、その方法を選択するべきだと主張する自分。
周りの医師達は、いつまでも終わらない言い争いに半ば呆れた様子でいた。
最後には神林が、
「二人の強い思いはわかるけど、治療は個人でするものじゃないよね、特にここでは。しばらく、この患者のことは僕に預けてくれる?」
「えっ?」
「はっ?」
どっぷりと二人の世界にはまっていたので、神林の声に二人で驚いた表情になる。
特にたまきは、神林の話した内容を理解すると、あなたのせいだと言わんばかりに唇を噛んで見上げてくる。
大きな溜め息をついて、あえて彼女の視線には会わせないようにした。
気付けば、もう終電にギリギリの時間で当直の者以外は慌てて医局を出て行った。
進藤は、今日はたまたま車で来ていたので、ゆっくりと帰り支度をして医局?
624 :
250:2008/10/19(日) 21:26:56 ID:6p2TqSQ6
医局を出ようとすると、今日は当直でないはずのたまきが自分のデスクで、まだ先程の患者のデータを真剣な眼差しで見つめている。
もう終電は出たはずだ。泊まっていくのだろうか。それとも、タクシーで帰るのだろうか。ついでに乗せて帰ろうか。
少しの間逡巡するが、先程の口論していた時の少々憎たらしい表情を思い出すと、医局を黙って後にした。
正面玄関の前に差し掛かると、タクシー乗り場の前で寒そうなに自分の身体を抱きしめ立っているたまきがいた。
タクシーを待っている様だが、運悪く雪も降り始め回送のタクシーも出払っているのだろう。
減速して彼女に近付く。窓を開けると、もともと白い肌が寒さでさらに青白くなっていた。
「この雪じゃタクシーを待ってても凍え死ぬぞ。本格的に降り出す前に乗っていけ。」
「……。いいわよ。来なかったら泊まっていくからいい。」
自分の命令口調が気に入らないのか、堅い表情ねまま視線を逸らす。
「お前、ここんとこ帰ってないだろう。今日は大人しく乗っていけ。」
例の患者のことで、ここ数日泊まり込みで治療に当たっていた。
進藤も同じだが、意地を張って仮眠室やソファを使わない彼女の身体は自分以上に疲労しているはずだった。
さらに雪は粉雪からぼた雪に変わろうとしていた。
たまきの足の先から冷気が上がってくる感覚がする。
たまきは悔しそうに空を仰いでいる。
進藤はドアを少し開けてたまきに乗るように視線を送る。たまきは、白い息を吐くと黙って助手席に座った。
場所は知らないが、自分のマンションと最寄り駅を挟んだ反対側のあたりに住んでいるはずだ。
それくらいのことは知っていた。
進藤が無言で車を出しても方向は間違っていないのかたまきも何も言わなかった。まだ寒そうに自分の身体に手を回しているが、青白かった頬は少し赤みをさしてきたようで安心する。
625 :
250:2008/10/19(日) 22:05:47 ID:6p2TqSQ6
正直に自分の気持ちを言ってしまうと、生意気なこの女医に自分は心惹かれていた。
もうずいぶんと前から、彼女を見ている。
そして彼女も自分のことを、自惚れではなく意識しているとわかっていた。
自分のわずかな感情の波に彼女は気付いていることが多いし、また彼女の他人には決して見せることのない弱さを自分は気付いてしまうことがあった。
患者のことや治療のことでは口論は絶えないが、何も言わなくても分かり合えることがあるし、医者としてお互いに誰よりも信頼していた。
そして、彼女が本当は彼女自身を支えてくれる手を欲していることもわかっていた。
でもだからといって、そんな気持ちを素直に出せる彼女でないし、自分も然り、それに自分の中には永久に忘れることのない大切な存在がいる。
果たしてそんな自分と一緒にいて彼女が幸せになれるのかと思うし、彼女を幸せにできる男は他にいるように思う。自分は一人でも今までもそうしていたし、これからも生きていけると思っていた。
だから、彼女の気持ちに気が付いていても、敢えて一歩踏み出すことはなく、距離を置いた関係を意識的に自分は作っていた。
そしてそんな自分に、もどかしく感じている彼女の苛立ちや寂しさに気が付いていても、知らない振りをしてきた。
隣で黙って運転を続けるこの男に自分はいつまで振り回されるんだろうと思う。
今まで出会った男の中で一番腹の立つ何かと気に食わない存在なのに心惹かれている自分が信じられない。
恋とか愛とか、そんな言葉で片付けられない。
自分の全てが彼の全てを欲している。
でも、彼には死んでしまった奥さんがいる。よく知らないが、とても愛していたらしい。
あんなにストイックに自分を捧げている仕事でさえ、彼女を亡くした時には辞めていたのだから、何者にも代え難い存在だったはずだ。
以前の私なら、そんな男は逆に気味悪く感じてたはずだ。
それに自分が一番でないと気が済まない性格なのに明らかに別の女性を深く愛しているとわかっている男に惹かれてしまった。
自虐行為としか思えない。情けなくなる。もうどうにでもなれ、という気持ちになってくる。
どうせ、この男に私の入る隙間などないのだから。
ネ申ktkr
大人しく待ってまつ。
627 :
250:2008/10/19(日) 22:44:25 ID:6p2TqSQ6
「ねえ。」
先程の不機嫌な口調とは打って変わって、少し明るい声で聞いてくる。
進藤は返事はせず、視線で返し、次の言葉を促す。
「奥さんが亡くなって何年?」
「さあ、数えてない。」
表情を変えず進藤が答える。
亡くなってどれくらいなんて彼には関係ないのかもしれない。
彼の心の中に彼女は生き続けているのだろうから。
「医者の立場からの興味なんだけど、女に飢えたりしないの?」
わざと不躾な質問をしたつもりだが、進藤は表情を変えない。
少し自分の方が動揺するが、それは出さない。
「あなたが奥さんをとても愛していたのは知ってるけど、男の生理は別でしょ。女を抱きたいと思わないの?逆に奥さんを思い出して人肌が恋しいと思わない?」
進藤は黙っていたが、車が信号で止まると視線だけ横目でたまきを見た。
「どうだろうな。」
その答えは彼女にとって意外だった。
思わない、って直ぐに返ってくると思っていたからだ。
「仕事中は患者のことで頭がいっぱいになるし。そういう存在が近くにいればそんな気持ちにもなるかもしれないな。」
口角を少し上げ横顔でもわずかに笑っているのがわかる。
自分の質問の意図など見透かされているような気がする。
近くにいないということか。そんな存在皆無なんだろう。
進藤の余裕の表情を見てそう思う。
誰にも心揺るがされることはない、と。
「そう。なあに、奥さんとはよっぽど相性が良かったのね。心も身体も。」
「子供はできなかったの?ああ、でもあなた昔も仕事人間だったんじゃないの?作っている暇ないわよね。」
「奥さんとは付き合い長かったの?もしかして純愛?あなたからは想像できないけど、優秀な正義感いっぱいの進藤先生を支えてたくらいだもの健気な奥さんだったんでしょうね。」
矢継ぎ早に次から次へと言葉が出てくる自分にもびっくりするが、反論も肯定もせずにいる進藤の何を考えているかわからない様子に、ちょっと不安になる。
呆れているんだろうと思う。
その時、急に車が止まる。
えっ、と辺りを見回すと覚えのない場所だった。
雪が降っており余計に闇に包まれているようだ。
信号もないような場所で、何故急に止まったのか理解できなくて、どうしたの、と進藤の方を向くと暗闇の中自分を無表情で見ている。
その視線に動けずにいると、ふいに手が伸びてきて車のシートががたんと倒される。
628 :
250:2008/10/19(日) 23:22:05 ID:6p2TqSQ6
何が起きているのかわからず、びっくりして思わず目を瞑る。
「男と二人きりの時にそういう話をするってことは、お前が慰めてくれるってことか。」
ゆっくりと目を開けると今までの無表情とは違う、男の強い視線があった。
鼻先すれすれまで近付いて低く艶のある声で話しかけてくる。
たまきの心臓が早鐘のように打つ。
今までこんなに近くで進藤の顔を見たことがない。
「何言ってるの?ちょっと離れて。」
進藤の胸を両腕で押すがびくともしない。
その腕を掴まれる。
そして手のひらを舐められた。たまきを熱い視線で見つめたまま舌先で指の間を舐める。
瞬間、たまきの背中に冷たいものが走る。
「あっ…。」
その声に進藤は動きを止める。
今度は首筋に柔らかいものを感じる。
そして耳の裏側を舐められる。
抵抗したいのに力が出ない。
軽く噛まれるように歯を立てられる。
進藤は執拗にたまきの首筋や項、鎖骨の辺りを愛撫してくる。
けれど、キスはしない。
それ以上触れることもしない。
進藤の熱い手や唇に翻弄されながら、それに気付く。
多分、からかわれている。
瞬間自分を取り戻し、あらん力を振り絞って進藤の頭を振りほどいた。
「痛っ…。」
たまきの手が幸か不幸か進藤のこめかみあたりにヒットし、進藤がたまきから身体を起こしシートにもたれる。
「お前なあ。抵抗するなら無駄に煽るな。覚悟してからにしろ。」
呆れたように苦笑して頭をさすっている。
「ここからはどう行けばいいんだ。」
よくよく周囲を見てみると、そこはいつもたまきが利用している地下鉄の駅の近くのようだった。
ちゃんと送り届けるつもりで、進藤はここまで来たのだ。
たまきの心臓は、まだ爆発しそうに早く打っているのに、何もなかったように冷静な余裕な表情の進藤を見ていると悲しくなった。
自分はこんなにも進藤を感じてしまっているのに、この人は何も感じていないんだ。
一度は熱くなってしまった身体が冷え冷えとしてくるのがわかる。
でも、心の熱は溶けそうになかった。
瞬間、たまきは進藤に抱きついていた。
「おい、」
何か言おうとする進藤の唇を塞ぐ。
無理矢理にたまきをはがそうとするが、たまきは力いっぱい進藤にしがみつく。
唇こそは離れてしまったが、進藤の首筋に顔を埋める。進藤もそれ以上無理に離そうとせず、大きな溜め息をついた。
629 :
250:2008/10/19(日) 23:57:51 ID:6p2TqSQ6
少し意地悪をしてやろうと思った。
早紀のことを、プライベートな夫婦生活のことまで聞いてくるたまきを逆に痛いとも感じたが、不器用な彼女な対して苛立ちも感じた。
大切にしたい気持ちもある。
でも、壊してしまいたい気持ちもある。
一生触れないと決めていても、自分の手で翻弄されるたまきも見たいとも思う。
無表情の中で逡巡していた自分に対して、いつまでも早紀の話を止めないたまきに苛立ち行動に出てしまった。
たまきの自分の愛撫で出た甘い声に瞬時理性が飛びそうになったが耐えた。
そして、たまきの一撃が冷静さを取り戻させてくれた。
なのに……今、甘い匂いと柔らかな肌が隙間なく進藤に密着している。
たまきから見れば冷静に見える進藤だが、彼自身はたまきを振りほどく自信がだんだんとなくなっていた。
まいった、と思う。
だから、距離を置いていたのだ。
歯止めが効かないのは自分の方だ。元来、人一倍感情的な方だ。
走り出したら自分でも驚くほど止められないのだ。
でも、結局自分から距離を詰めてしまったのだが。
「香坂。頼むから離れてくれ。」
「あなたが、離せばいいでしょ。」
「………。」
「嫌なら、殴ってでもはがせばいいのよ。」
「こんなところでできないだろ。誰かに見られたらどうする?」
呆れたように話す進藤に腹が立つ。
する気なんか無いくせに。
「誰もいないじゃない。」
駅から少しだけ離れたこの場所は元々人通りが少ないうえに、夜も更け雪も積もっていた。
「それに寒いぞ。」
「だから、早くして。」
だったら家で、という話かもしれないが、この人は今離したら二度ともう距離を縮めることはないだろう。
きっと、今までと同じくうまくはぐらかすのだ。
進藤の胸板に、自分の胸を押し付ける。
でも、押し付けて相手に感じさせるほど大きくもなく、今更ながら自分の小さな胸を呪う。
進藤のシャツの裾から手を入れ素肌を撫でる。
そして首筋に舌を這わせた。
進藤が息を吸ったのがわかった。
自分にも触れて欲しくて、再び唇を塞ぐ。
最初は反応がなかったが、たまきが舌を絡めるより先に進藤の熱い舌がたまきの冷たい舌に絡んできた。
だんだんと激しくなりお互いに夢中になる。
進藤の大きな手がたまきのシャツの裾から背中に侵入してくる。
たまきの肌はするりと滑らかで、進藤は息を飲んだ。
多分、もう止まらない。
面白い><
631 :
250:2008/10/20(月) 00:39:20 ID:bYkvUjY/
はやる気持ちを耐えて、動きを止める。
「後悔するぞ。いいのか?」
無理矢理たまきをはがすと顔を上げさせる。
「それはあたしが決めることでしょ。あなたからの指図は受けない。」
たまきは自らブラのホックを外し、進藤の手を膨らみに導く。
その先端は既に硬くなり始めていた。
ゆっくりと揉みしだくと、たまきは甘い声を上げる。
「あっ…、あん…んっ…。」
小ぶりで進藤の大きな手にすっぽりと収まってしまうが、その柔らかさにだんだんと進藤の手は激しくなる。
そして、たまきを助手席のシートに押し倒すと、シャツをたくし上げる。
暗い車内だが積もる雪の白さの明るさではっきりとたまきの両の膨らみを見ることは出来た。
雪の白よりも白く、そして先端はほんのりとうすく桃色だった。
思わず舐めるように見てしまう。
「あっ……、」
それに気付き、たまきは自分の腕で隠そうとするが進藤がそれを許さない。
自分から飛び込んできたのに今更何を隠そうとするのか。
先端には触れず、焦らすようにゆっくりと唇を寄せてくる。
片方の胸は揉みしだかれ、もう片方は舌が這わされる。
時に歯を立て激しく吸われ、紅く跡が幾つも残る。
先端を舌で転がすと、たまきは甘い吐息を何度も漏らす。
そして、再び唇が塞がれると、息つく暇もなく進藤の舌がたまきの口内に侵入してくる。
その舌はとても熱く、たまきは焼けそうだった。
耳の裏や首筋を余すことなく進藤の舌が這う。
くまなく舐められ、身体中の水分が無くなってしまうのではと思われる程吸われる。
進藤の熱い息が首筋にかかる。
たまきの身体が震える。
両の膨らみを愛撫していた熱い手は徐々にたまきの中心へと降りてくる。
そして、スカートの裾から大きな手がたまきの太腿を撫で回す。
不意にストッキングが乱暴に破られる。
進藤がもどかしげに脱がしにかかる。
寒いはずの車内は二人の熱で温まっていた。
フロントガラスが曇る。
最初の冷静さはなく、熱い視線でもって自分の身体にくまなく愛撫し続ける進藤に切なくなりふいに涙が出てくる。
それに気付くと、進藤が優しい表情で顔を寄せてくる。
「怖いか?」
声は出ず、首を振って答える。
頬を流れたたまきの涙を唇で受けると、再び熱い舌がたまきの舌に絡んできた。
たまきの下着の横から進藤の手が侵入してくる。
もう既にそこは充分にぬかるんでおり、その感触に進藤の雄の部分が熱く反応する。
632 :
250:2008/10/20(月) 01:06:04 ID:bYkvUjY/
突起に触れると、たまきが艶のある声を上げる。
「んんっ……!あっ…、やっ…」
その声に欲情する。
突起を擦るとたまきの下半身が跳ねる。
たまきは快楽に身をゆだねており、その表情は艶やかで進藤は興奮した。
たまらず、たまきの中心にある襞をかき分け指を侵入させた。
その中は、進藤の指をまるで飲み込むように蠢く。
彼女が自分を感じている証拠だった。
指を増やし、彼女の感じる場所を探し刺激する。
早く彼女の中に自分自身を入れてしまいたい衝撃に耐え、彼女の自分の手で乱れる姿も見たい欲求もありたまきの中をかき乱す。
車の外はしんしんと雪が降り、気温は氷点下をきっていたが、進藤の肌はじわりと汗ばんでいた。
「あん……んっ!…やっ…もう、だめ…!」
たまきの背が今まで以上に反らされる。
たまきは目を開けたまま視線を宙にさまよわせて肩で息をしている。
進藤はたまきの頬を両手でそっと包む。
「大丈夫か?」
少し放心していたたまきだったが、意識を進藤に戻すと、まだ息を切らしているが進藤に微笑む。
「大丈夫…よ。」
しばらくたまきの頬を撫でている進藤に、たまきが少し眉間にシワを寄せる。
「まさか、これで終わりじゃないでしょうね。」
不機嫌になるたまきに進藤は苦笑する。
「あたり前だろ。俺がまだだ。」
633 :
250:2008/10/20(月) 01:11:08 ID:bYkvUjY/
携帯から打っているので時間が かかります(-.-;)残りはまた明日投稿します。あと 3分の1くらいです。
乙です!!!!!!!
大人っぽくて凄い良い!!
初めてとは思えないです!GJ!!
続きが楽しみ♪
GJ!
文章もお上手で原作っぽい進たまがいい感じです。
続き楽しみに待ってます。
また素敵な作家さんが!!
まじでGJです!!
文章、ストーリー申し分なしな大人な小説!!
続き、楽しみにしています。
637 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 19:52:28 ID:hrjmywm9
つC円
マジで初めてですかwww
凄すぎGJ!!!
続き読みたい!
639 :
250:2008/10/21(火) 03:57:13 ID:jNNKCUV+
『粉雪』のつづき
身体の大きな進藤が動くには、どうしても車内では狭く、彼は運転席のシートを深く倒すと横になり、素早く服を脱ぎ捨てる。
まだ動けずにいるたまきを抱き寄せると自分の膝の上に跨がせて乗せる。
たまきの下腹部のすぐ下で進藤の熱を感じる。
「あっ……」
思わず声が出てしまう。
進藤も、たまきがスカートを巻くし上げ自分を跨ぐ姿に、自分自身をたまきに晒していることで再び興奮する。
「お前が動くんだ。できるか?」
進藤は左手でたまきの腰を掴み浮かせると、右手でたまきの中心にある突起を刺激する。
進藤から下から見上げられ、自分の恥ずかしい部分を刺激され気が狂いそうになる。
先ほど、自分の刺激で止めどもなく溢れていたはずなのに、再び少しの刺激で溢れてくるたまきの秘部の様子がわかると進藤はとうとう我慢できなくなって、一気にたまきの腰を引いて自分自身にたまきの腰を沈める。
先ほどの進藤の指と違い、太くて大きなそれは、しばらく性行為をしていなかったたまきの中を鈍い痛みとなって刺激してくる。
「つっ……!」
わずかにたまきの表情が険しくなる
進藤にとっても、女のその中は久しぶりの感触であり、またそれがたまきの中だと思うと、まとわりついてくる肉の塊に一気に持って行かれそうになる。
たまきは鈍い痛みに耐えられず、進藤に身体を倒すとしがみつく。
そんなたまきに進藤は気付き、動くのを耐えていた。
「大丈夫…か?…辛いか?」
「うんう…最初だけ…だから。…だから動いて…。」
掠れた声でたまきが答える。
進藤は探るようにゆっくりと動き出した。
鈍い痛みがありながらも、ある部分はたまきの快楽を誘う。
進藤の動きが激しいものへ変わっていく。
たまきも刺激を受け鈍い痛みが、だんだんと快感へ変わっていく。
「ああっ、…あんっ…あんっ…んんっ!」
「…うっ…」
たまきは進藤の胸に手を付いて身体を起こす。
進藤の肌からは汗が噴き出しており、たまきの手がすべる。
身体を起こしたことでより深く進藤のものを飲み込む。進藤から下から激しく突かれ、たまきの身体が上下に激しく揺れる。
たまきもより深い刺激を求めて腰を動かす。
快楽に身をゆだね乱れているたまきを下から眺めていると、もうどうしようもなくなってくる。
640 :
250:2008/10/21(火) 04:33:05 ID:jNNKCUV+
「あっ…だめ…あたし…もう…んんっああああん……!」
進藤自身も、その快楽に耐えきれず、夢中で腰を打ち付けるとたまきは一際大きく声を上げ達した。
そして、たまきの膣内がきゅうっと進藤を締め付け、そのあまりの感触に進藤も自らの熱を吐き出す。
一瞬、意識が遠のく。
進藤に倒れ込んできたたまきをきつく抱きしめる。
進藤の呼吸は乱れていたが、徐々に落ち着いてくる。
まだ、たまきは意識を取り戻さない。
冷静になると、身動きしないたまきの髪をかき分け顔を覗く。
「…香坂、…香坂。」
名前を呼ぶと、たまきは意識を取り戻した。
「大丈夫か?」
「…そう思うなら、少しは手加減して欲しいわね…。」
意識は取り戻しても、まだたまきは身体を動かせずにいた。
進藤は自分の上の暖かい重さに、どこかで満たされている自分に気付く。
たまきの髪を何度も撫でている。
「あなたは後悔してるの?」
「そうだな。」
その進藤の言葉にたまきは悲しくなる。
でも、自分で決めたことだ。
後戻りはしない。
急に寒さを感じる。
曇っていたフロントガラスもだんだんと、曇りが晴れてくる。
「寒いわ。帰りましょう。」
努めて冷静にたまきは言うと、進藤の身体から離れる。
助手席のシートに戻ると進藤に背を向け、外からも見えないように少し身体を屈めて乱れた衣服を直す。
先ほどの快楽と、進藤の暖かな胸や手や唇を思い出すと泣きそうになるが、絶対に泣かない。
ふいに、背中に温かな体温を感じる。
「なんで、もっと早くこうしなかったかと後悔してるんだ。」
進藤が後ろからたまきを抱きしめてくる。
えっ、と振り返ろうとするが、さらに進藤がきつく抱きしめてくる。
他の男の方がたまきを幸せに出来るなんて……、今はもう他の誰にもその白い肌を触れさせたくない。
「逃げてたんだな俺は。」
あまりもあっさりと枷が外れて、そんな自分に呆れて笑えてくる。
「何よ。訳がわからないわ。」
「分からなくていいんだ。さあ、今から俺の部屋に行くぞ。」
脱ぎ捨てた自分の服を身に付けると、サイドブレーキを下ろす。
「ちょっと待ってよ。ちゃんと説明してよ。」
進藤の自己完結について来れないたまきは不機嫌に進藤の腕を掴む。
641 :
250:2008/10/21(火) 04:42:58 ID:jNNKCUV+
「まだ足りないんだ。今までの溜まった分がまだあるからな。おまえだってそうだろ。」
「はっ、な、なに言ってるのよ!」
「俺が好きなんだろ。なら黙って付いて来い。」
「!………。」
進藤の強い口調と優しい眼差しにたまきは何も言えなくなる。
そして、これから起きることに期待している自分もいる。
進藤は、たまきのそんな表情を満足げに見ると少しだけ頬を緩め、アクセルを踏み込んだ。
FIN
250さん、超GJ!!
最高です!!!!!
文章もストーリーもうますぎる〜。
これからも楽しみにしています!!
GJ!
これからも期待してます。
きたあああGJ!
ホントに上手いですね・・・!
支援
646 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 15:02:23 ID:TqXeX9oC
支援?
250さん、最高!!!
大人な進香萌え!
投下乙です!
しんたまねぎさん来ないかな〜
しんたまねぎさん来にくいのか、ただ忙しいだけなのか。
後者ならいいんだけど…
250さん、すげぇぇぇ!
421さんの後半も、他の書き手さんの新作もまた読めるといいなぁ・・・
何かホントに寂しいね
書き手さんにもフツーな生活があると思うので、あまり急かすようなことはどうかと。
負担にならない程度によろしく頼んます。
書く才能のないオイラはまたーり待ってるがな。
私もま〜ったりと気長に待ってます!
進藤香坂は最強w
進藤×香坂 はエロじゃなくても萌えるよねvv
進香は大人の色気
アナザヘヴンかぶるwww
アナザへヴン(笑)
進×香ファンにとっては、かなり嬉しい映画。
殴っちゃうけどね(笑)
殴らないで、あのままキスされてベッドになだれ込めばよかったのにね〜
馬乗りで殴るの怖かった…
進藤先生どうしたwwwみたいな
アナザヘヴンw
あれは確かに救命とかぶる。
大人な色気、わかる!!
妙に色っぽいんだよね〜。
アサコさえ居なければ・・・w
664 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:04:23 ID:o/qkTNN7
いや〜!あの時はまだ麻子に興味持ってなかったぞ?
だから悪いのは「ナニカ」
あるいは頭痛の事を吹き込んだじいさんと
学に接触してくるお前から惚れるような好みの女だと言ったトミタカ
全然関係ないけど笹本先生がじいさんの研究室にきて机の物手当たり次第落としながら
歩いてくる松雪さんのあの笑顔がぞくっとして好きw
救命スレだが誰かアナザのパロ書いてくry
江口松雪はとりあえずお似合いすぎ。
アナザヘヴンであのままベッドシーン見たかったww
治療するシーンもいいね
アナザだと立場入れ替わる?
マナブがMで笹本先生がSと想像してしまうのだがw
マナブは常に受け身でいそうだから積極的でいても笹本先生に
もっとして…とか言われて結局Sにはなれないというか
668 :
ナニカ:2008/10/30(木) 02:11:21 ID:rdLaHQGN
「どっちに言われても信用出来ないから…」
それだけ言うと彼女は俺の後ろ髪を指先で遊ぶ
前に誰かにされた覚えのある動き…
そうだ。
思い出す一歩手前で、彼女に見つめられ、思考が止まった。
元より吸い込まれそうな漆黒の瞳をしているのに
今は色香も含まれていて…
反らす事が出来ずにいた。
そのまま見つめあっていると、彼女がアクションを起こす。
近づいてくる唇。
慎重にならなければいけないはずなのに、思考は止まったまま
盗聴されている事も忘れ、このまま彼女に誘われるままに抱きたいと思った。
彼女がこめかみを押さえ、「痛い」という、その瞬間まで…
ベッドシーンあればねwww
あの二人はエロでも絵になり杉
マナブはいつも受け身だねたしかに
670 :
ナニカ:2008/10/30(木) 02:13:28 ID:rdLaHQGN
これが限界…
救命のみのファンの方、すみません。
じじじじGJ!!!!!!!!
GJ!!
ベッドシーンあってほしかったよねー。思わず、
「怪我…治ってないんだから無理しないで、じっとしてて」
と言いながらマナブに奉仕する笹本先生を想像してしまったw
救命のスレなのにすまそ。
アナザで同じように萌えていた仲間がいると知り嬉しい(笑)
674 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 01:00:41 ID:ZCwd6fyi
アナザヘブンの2人のシーン見たら妄想が止まんねー!!
その妄想を小説に!!
>>672 何か色々と同意www
アナザも救命のも読みたい
時間かかってもいいなら書こうか?>アナザ
>677
お願いw
>677さん
ぜひ!!
680 :
677:2008/10/31(金) 21:13:37 ID:RnoEAJL7
今書いてます。
相談ですが、盗聴されたままヤっちゃう展開と盗聴無しでヤる展開と皆さんはどちらがいいですか?
>>677 読みたいっすw
それかなり迷う自分がいる…笑
盗聴ありじゃない?w
有が良いかもwww
飛高とじいさんどうすんだろwwwww
盗聴されてるの初めは忘れてたけど途中で思い出して学が盗聴器を壊すOr遠くに投げる。
がいいw
で、2人が果てた時に松雪さんが含み笑いを密かにする感じとか(^O^)/
進たま読みたーーーーーーーーーーーーーーーーーい
書こうと思っても挫折orz
686 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 02:00:45 ID:6v7+C+vd
進藤×たまきも勿論読みたいんだけど、アナザのも読みたいw
やっぱ江口さん×松雪さんの組み合わせは最高なんだなwww
687 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 06:18:54 ID:i5uHcdCJ
>>686 何あのお似合い2人www
S進藤はとにかく最高
688 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 11:10:06 ID:B/DDumW8
舞台の五右衛門ロックでも共演してたけど、絡みはあったのか?
689 :
677:2008/11/04(火) 13:25:39 ID:uD7wcm0B
絡みは少なかったですね。つか無いに近い…。
江口さんはルパン三世でいう銭形警部、松雪さんは峰不二子でしたから。
話変わりますが、今日の夜あたり投下します。
690 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 15:26:47 ID:B/DDumW8
江口さんはルパンじゃないのかWWW
投下楽しみにしてます!!
691 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 16:44:19 ID:nZpmGq8J
むしろ、ルパンでやってほしかったw
つか今ブラックジャックU見てるが、松雪さんが天才女医。
萌えるww
スレ違いスマソ
ブラック・ジャック2も萌えるねw
松雪さんのウエディング姿見れるしwww
エロじゃないけど進藤×たまきの結婚式のお話とか読みたいなぁ♪
また矢部と太田川がいけないの(笑)
投下楽しみじゃ
694 :
677:2008/11/04(火) 21:11:05 ID:uD7wcm0B
お待たせしました。下手で無駄に長いですが投下させて下さい。
この作品は江口さんと松雪さんが好きな私が書いたアナザへヴンの笹本×早瀬です。
救命とは関係ありませんので、嫌な方はスルーでお願いします。
それからストーリー的にはアナザヘヴンの例のシーン(キスしようとするシーン)の続きになります。
ほぼ、妄想の塊ですが、それでもいい人だけお読み下さいませ。
ちなみに、初投下&携帯からですので、文字の誤りや改行できてないなどはお許しください。
695 :
罠:2008/11/04(火) 21:12:45 ID:uD7wcm0B
「私ね、珈琲の匂いって大好きなの」
ソファに座って、キッチンに向かって嬉しそうに珈琲をいれる笹本の背を見て、早瀬は警戒していた。
しかし、ナニカを誘い出すための質問をしても、笹本は自分がバツイチで慰謝料代わりに家を貰ったと言う話しをし始め、悲しそうに目を伏せて笑うだけだった。
「不器用なんだよね。いつになったらちゃんとした恋愛ができるのかな」
もしかしたら、笹本は何も関係ないのかもしれないと思う自分がいた。
考えを巡らせていると、笹本が隣に座って、頬杖をつく。
「家なんか欲しくなかった…それより、もっと他のものが欲しい」
笹本は警察病院の美人医師として、同僚の刑事の中ではかなりの評判だった。
その彼女が隣に居ることすら不思議なのに。
そんな顔をされては、どうしようもない。
思わず、その瞳に吸い込まれそうになる。
「…俺じゃ役不足じゃないかな」
動揺を隠すかのように、視線を逸らすと珈琲を啜った。
笹本は首を横に降ると、更に肩を密着させてくる。
目があった瞬間、早瀬は答えを出そうと口を開いた。
しかし、かさついた唇に、そっと白い指が添えられる。
「今すぐ、決めないで。どっちに言われても信用できないから…」
甘え声でそう言うと、笹本は早瀬のシャツの胸元に手を差し入れようとした。
いきなりの行動に、少し驚き身を引くと、彼女も手を引いて小さく謝る。
「…笹本先生」
「先生は止めてって言ったよね?」
肩や髪に細い指が絡んで、固まったまま居ると、ゆっくりと唇を塞がれた。
理性が飛んでいきそうになったが何とか押さえ込む。
マンションの外で飛鷹が盗聴しているということを思い出すと、思わず笹本の細い身体を引き離す。
「…私じゃ駄目だよね」
「先生と俺は、そういう関係じゃないですから」
早瀬の真面目な答えに笹本はくすりと笑うと、そうねと言い、立ち上がる。
「今日は帰るね。また包帯かえに、また来るから…。」
玄関に向かう笹本の背を追い掛け、立ち上がろうとした拍子にテーブルに脚をぶつけてしまった。
「…っ…」
その途端にコーヒーカップがひっくり返り、早瀬のズボンが茶色く染まっていく。
「大丈夫!?」
鞄から白いハンカチを取り出し、慌てて拭ってくれている。
「これくらいたいしたことありませんよ」
「駄目よ、冷やさないと。」
そう言って冷蔵庫から氷を持って来てズボンの上から冷やす。ひんやりとした冷たい感触とピリピリとした痛みに、自然と眉間に皺が寄る。
笹本は自分の鞄から消毒や包帯を取り出す。
下を脱いで欲しいと言われて躊躇したが、笹本は腕組みをして、早瀬を睨み付ける。
「医者の言うことはちゃんと聴いてくれないと困るわ。患者さん?」
笹本に促され、ベルトを外し、珈琲塗れのズボンを脱ぐ。
「これ、クリーニング出しといてあげる。例の事件で忙しいでしょう?」
悪いからいいと言ったが、笹本は珈琲で染まったズボンを丁寧に畳んで紙袋にいれ、慣れた手つきでソファに座ったままの早瀬の軽火傷した脚に治療を施していく。
時刻は夜11時を過ぎている。薬品の臭いが鼻に衝く。
早瀬は徐に目を開け、笹本を見た。笹本もまた、早瀬を見つめている。
ソファに座ったままのこの位置だと、笹本を見下ろすような形になる。
僅かに潤んだ瞳に惑わされ、心臓が高鳴る。
「やっぱり、次まで…答えを待てないかも」
そう静かに笑って言うと笹本は這い上がり、至近距離まで顔を近づける。
ゆっくりと早瀬のワイシャツに手をかけ、ボタンを丁寧に外していく。
包帯の上から、つーっと細い指でなぞられ、身が固くなる。
「反応してるの?…可愛い」
その笑いが艶めかしくて、見惚れてしまう。
笹本は大きく骨張った早瀬の手を取ると、自らの胸に押し当てた。
「…女にここまでさせないで」
彼女に誘われた。
数日前に、朝子に犯された時とは違った大きな感情が心の中でうごめいて爆発し、ソファに笹本を押し倒す。
早瀬は完全に罠に堕ちた。
696 :
罠2:2008/11/04(火) 21:14:55 ID:uD7wcm0B
夢中で唇を奪う。
しきりに啄むようにキスをすると、彼女が衿を引っ張り、深く舌を絡めてきた。お互いの絡め合うキスの音と荒い息遣いが部屋に響き渡る。
ふと、盗聴器の存在を思い出した。完全に忘れていた。
盗聴器は、胸ポケットのタバコの中に隠していた。
今、ここで盗聴器を壊してしまえば、飛鷹が突入しかねない。
そんなことを冷静に考える余裕が自分自身にまだあったことに、驚いた。
「ちょっと待ってくれないか」
微笑み頷く笹本に笑顔を向けると、着ていたシャツ脱ぎ、丸めて、隣の部屋に放り込んだ。
これで事態はバレてはいるだろうが、飛鷹に行為の最中を聴かれることはないだろう。
ソファに戻ると、また深く口付けをされる。
白い肌が映える赤いブラウスに手をかけて、器用にボタンを外す。
隙間から、黒いレースのブラが見え、フロントホックを外そうとした時。
「まだ駄目。お預け。」
笹本に止められた。
お預けされた犬の気持ちが解る。
「そんな顔しないで」
笹本は早瀬に横になるように言った。皴の入った肋骨を気遣かってのことだった。
「怪我してるんだから、じっとしてて」
そう言うと、いつの間にかスーツのポケット中に入れていた手錠を抜き取り早瀬の手に素早くかけた。
「一体、何のつもりで…」その時、一瞬ナニカの存在が頭に過ぎった。
騙されたのかという不安が渦巻く。
しかし、笹本は早瀬に妖艶に微笑むだけ。
「せっかく良くなってるのに、怪我が酷くなったら困るの。だからあなたは動いちゃ駄目よ」
それは随分酷な話しだと早瀬は思った。
こんな美しい女に触れられないなんて。
早瀬自身を下着の上から優しく摩り、僅かに震える反応を見て、笹本は妖しく笑った。
不意を突かれて、下着をずらされると、一瞬遅れて空気に晒されるのが分かる。
笹本が白魚のような細い指で、愛撫し始めた。
少し硬くなり始めると、口に含まれた。先端、裏筋、袋と丁寧にゆっくりと舐められ、深くくわえ込む。
その温かい舌の感触に息を乱し、声が出てしまう。
熱が集中し、熱くなる。白い欲望が出口を求める。
「……く……っ…」
何度も何度も刺激され、小さく呻くと、笹本の口の中で脈打ち、達してしまった。
喉を鳴らしながら、全て飲み込むと、色っぽい仕草で唇の縁に付いた精液を舐めた。
「すまない…我慢出来なかった…」
息を整えながら謝ると、笹本は早瀬のものを撫でながら、また首筋にキスや胸に手を這わせ始めた。
完全に焦らされている状態で、我慢出来なくなった。
ブラウスを開けさせたままの笹本に触れたい衝動に駆られた。
697 :
罠3:2008/11/04(火) 21:16:45 ID:uD7wcm0B
しかし、手にかかっている手錠のせいで笹本に触れることが出来ない。
「鍵、外してくれないか。」
「激しくしないって約束出来る?」
少しの沈黙の後、早瀬が答える。
「…ああ、約束するよ」
そう早瀬が言うと、笹本は手錠の鍵を外す。
肩にかかっている赤いブラウスを落とすと、白くきめ細やかな肌が見えた。
笹本の身体を撫で回してから、フロントホックを外す。
形の良い胸が露になり、その美しさに見惚れてしまう。
「やっぱり、加減が出来るかわからないな」
そう小さく呟くと胸に触れ、舌や手で愛撫していく。
「…あ…ん…っ、あ 」
笹本の潤んだ瞳と甘い喘ぎが早瀬を煽る。
細い腕が早瀬の首に絡まる。鼻が当たる距離まで顔を近づけ、微笑み、また舌を絡めてくる。
笹本の積極性に少し戸惑いながらも、また熱が移動し、自身が硬くなっていくのがわかる。
タイトスカートを少しめくって、ストッキングを爪に引っ掛けて、引き裂く。
僅かに湿ったショーツを脱がすと、秘所を軽くなぞり、節くれた指を埋めた。
「あ…っ…ん…だめ…」
身をよじると、腰を浮かした。その光景は、堪らなく淫らに見えた。
指を動かすと、笹本の身体が震え、指を締め付ける。同時に蜜が溢れ出し、早瀬の手を濡らす。
奥を突く度に、温かいものが溢れ出す。眉間に皺をよせ、シーツを握りながら、彼女が感じてくれてることに嬉しく思う。
「…だめ…っ、もう我慢できない…あなたが欲しい」
早瀬の大きな身体を押し倒し、体重を感じさせない動作で、上に乗る。
濡れそぼった秘所に早瀬自身を擦り付け、腰を落としていく。
「…あ…んっ、…あ…っ」
温かく狭い胎内と腰遣いに、達しそうになり、堪える。
腰を大きく動かしている笹本の姿は淫ら過ぎた。
怪我をしている身体は、まだ自由に動けず、下から秘所の上の突起を摩ったり、胸を弄った。
甘い声が部屋中に響き渡る。
堪らなくなり、大きく突き上げる。
「あっ、あっ、ん…!」
突き上げる度に口から漏れる喘ぎと同時に膣が締まった。早瀬の胸に、笹本が倒れ込むと、びくびくと震える。
「……う…っ…」
笹本の中で、早瀬が脈打つ。二人同時に達したのだった。
息を切らしながら広い胸に凭れ、笹本が妖しい笑みを浮かべたことに、早瀬は気付かなかった。
698 :
罠4:2008/11/04(火) 21:18:17 ID:uD7wcm0B
あれから激しく抱き合い、疲れて眠っていた。
今日、飛鷹に会ったら間違いなく怒鳴られるだろう。覚悟しなければと思った。
彼女の体重を腕に感じ、愛しさが込み上げ、白い顔に触れる。
すると、ゆっくりと美しい目が開いた。
「おはよう」
微笑んで言う彼女に、自分も微笑んで挨拶した。
ゆっくり起きて、下着とブラウスとスカートを付けていく。
帰るのか?と尋ねると、彼女は寂しそうに微笑んで、俺を見る。
「今日も仕事なの…また明日ね」
玄関先まで送ると、顔に触れ、見つめながら言われる。
「私、こんなに誰かに愛されたの初めてなの」
それだけ言って、彼女は去って行った。
何故だろうか。男なら言われて嬉しい言葉な筈なのに、何か引っ掛かる。
さっきの言葉を含め、抱いていた時の彼女の言葉に、どこかデジャヴを感じるのだ。
スポーツカーのエンジンと発進音がした。
必死に記憶を辿る。
木村の部屋を捜索した時のビデオだ。
木村は恋愛物のビデオが好きだったらしく、ラブストーリー物を集めていた。
そのビデオに出てくる台詞や行動、男の喜びそうな表情など昨日の笹本と全て一致したのだ。
「畜生!やられた!」
記憶の糸が繋がった。
急いで、スーツを着ると、拳銃だけを持ち、鍵も閉めずに部屋を出て、車を飛ばした。
終
699 :
罠(おまけ):2008/11/04(火) 21:21:44 ID:uD7wcm0B
以後、飛鷹と赤城(会話だけ)
「あの野郎…こんな時期にあのいい女とヤリやがったな」
「マナブも男だったんだな、据え膳食わぬは男の恥。」
「黙れよ、ジイさん」
「とにかく、この賭けは俺の勝ちだな」
「あんた医者だから、金持ってるんだろ」
「まあ、刑事よりかは持ってるな」
「早く墓に行けよ、ジジイ」
終
700 :
677:2008/11/04(火) 21:23:41 ID:uD7wcm0B
調度700(笑)
ヒントを下さった方ありがとうございました。
おかげでスムーズにイメージして書くことができました。
マナブをM、笹本先生をSということで意識しました。
イメージ壊してしまったらすみません。
ちなみに、取り付かれた笹本が木村の恋愛映画をコピーしたあたりは若干原作アナザへヴンのパクリです。
いろいろ混同してストーリーがおかしいと思います。
ここの板がいつかみたいに盛り上がるお手伝いができていれば、嬉しく思います。
職人様、お待ちしています。それではありがとうございました。
701 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:27:22 ID:6v7+C+vd
もう夜だけど投下まだかなw
楽しみで待ち切れない!!!
702 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:46:20 ID:6v7+C+vd
そう思っていたタイミングに投下がキタw
自分の意見が取り入れられてて嬉しいwww
楽しかったです!
スレ違いは十分解ってますがまた書いて欲しいwwww
GJ!
ホント最高でした!
最後爆笑したwwwww
エロも最高www
マナブ萌え〜
705 :
774:2008/11/05(水) 20:00:56 ID:5VCiKC+f
アナザへヴン萌えしてる所で申し訳ありませんが進たまですw
ボキャブラリーが無いので悲惨な出来ですが…orz
「ねえ」
ソファーに腰掛けながらたまきが聞いてくる。
「私のこと愛してるの?」
実は今日2週間振りにたまきと会ったのだ。
その間何の連絡もしなかった自分に不信感を抱いているのだ、と進藤は思った。
「…言わなくても解」
「そういうのは男のエゴよ。言わなきゃ解らない事もあるの。言いなさい?」
言葉を発し終わらぬうちにたまきが問うてくる。
勿論、たまきも進藤に心から愛してもらっているのも十分理解している。
だが今日は、どうしても本人に言って貰いたいという気持ちでいた。
706 :
774:2008/11/05(水) 20:02:47 ID:5VCiKC+f
「………」
何時にもなく積極的なたまきに、進藤は内心焦っていた。
「どうなのよ…」
「…お前を愛している。それは今までもこれからも変わらない」
不安げなたまきを宥めるように、ゆっくり、それでいてはっきりと言った。
「…良かった」
「何かあったのか」
「会えないと、不安になるのよ…貴方が早紀さんを思い出したんじゃないか、
私に愛想尽かしたんじゃないか、って…」
俯いて、小さな声でぽつりぽつりとたまきは続ける。
「昔は男に会えなくても何とも思わなかったわ、私は本当に貴方が好きなのね」
涙を一粒溢しながら自嘲気味にくすりと笑う。
妖艶に黒光りするその瞳に、進藤は釘付けになった。
そんなたまきを心から愛しいと思った。
と同時に、自分の腕の中でたまきを乱れさせたいという感情も芽生えた。
「安心しろ、早紀は早紀、たまきはたまきだ…」
たまきを抱き締め顎を引き寄せ、その唇にキスをした。
「んっ……あぁ…」
舌と舌を絡ませると、たまきが甘い声で鳴く。
707 :
774:2008/11/05(水) 20:03:49 ID:5VCiKC+f
その声をもっと聞きたいと、進藤は服に手を入れて、柔らかなふくらみを撫で回す。
「ぁあん……ねぇ…もっと、して…」
いつもは進藤のされるがままになっているのでたまきが要求してくるのは珍しかった。
「どうした?俺が恋しかったか?」
苦笑する進藤。
「そう…よ…ずっと…我慢してたのよ…」
とろんとした目で微笑みながら見つめてくるたまき。
進藤も早くたまきを感じたい衝動を堪えていたが、そんな目で見つめられてはもう限界だった。
「あぁ…すぐにイカせてやるさ…俺も限界だ」
ソファーの上に仰向けになったたまきのスカートを下ろし、濡れ始めていた下着を脱がせると、自分のズボンを下げ
たまきの入り口に自分自身をあてがった。
「ひぁっ…ね…ぇ早く…もぉ…我慢できな…ぃ」
「解った…行くぞたまき」
進藤はたまきの脚を開かせ一気に沈み込んだ。
708 :
774:2008/11/05(水) 20:04:45 ID:5VCiKC+f
「ぅんんっ…あぁ…気持…ちぃ…ゃんっ」
たまきを更に快楽の波に飲み込ませてやろうと進藤は白い肌を唇でも愛撫し始めた。
その唇が、紅く尖った物に降れるとたまきは一層声を高めた。
「ぁぁああああんっ!」
「お前…よっぽど欲しかったんだな…っ…締め付けすぎだぞ…」
「ん…だって貴方…に…会いたか…った…あああっ!」
そうか、と進藤は頷きたまきを達させてやろうと腰の動きを早めた。
「ぅんんんっ!…あぁ…やぁっ!」
たまきの手が宙をさまよう。
「ほら…イケよたまき…」
「一生もいっ…しょに…来てぇっ…!」
「あぁ…たまき…!」
「いっ…せい…」
「たまき…っ…!」
「っぁあ……!」
二人は同時に達した。たまきのそこは進藤を離したくないと言うかのように
最後まで進藤を呑み込んでいた。
「すまなかった」
「ん…どうしたの?」
裸のまましばらく抱き合っていた二人。不意に進藤が言葉を発した。
「俺のせいでお前を傷つけた」
「あぁ…その事ね、気にしなくていいわ…
でも…会えないならたまにはメールくらいよこしなさいよね」
上目遣いで進藤を睨む。
「ああ、今度からはちゃんと連絡する、約束だ」
「本当に?約束破ったら次の休みにショッピングに付き合ってもらうわよ」
「破らなくてもいつも付き合ってやってるだろ…」
「それもそうね」
ふふっ、と二人は見詰め合いながら微笑んだ。
-おしまい-
709 :
774:2008/11/05(水) 20:05:50 ID:5VCiKC+f
あぁもう上手く書けないorz
つまんないと思います。すいません(TT)
>677さん
まじでGJです!
ストーリーも文章もエロも・・・申し分ない感じでww
才能ある677サンに進たまも書いてほしいな・・・
>774さん
全然そんなことないです!
久しぶりの進たま、とても嬉しいです!!
ぜひまた書いてくださいね〜
ふおおGJ!!!
久々の進香良いo(^▽^)o
GJ!!!!
救命4やってくれよ・・・
重たくなってきたのか携帯からだとすぐに開かなくなってきた…orz
救命4あるのかなぁ…
勿論あって欲しいけど、あれだけのメンバーをまた集めるのって難しそう…。
若い研修医がきて、香坂先生に一目惚れ
それにもやもやする進藤先生がみたい
もやもやする進藤先生に萌え
スレチごめん
誰かフジに2メンバーで続編して!とか要望送った人いる?
キタイ!!
進藤香坂のエロは何故ここまで萌えるw
2人とも大人な色香(気)ムンムンだからサ
進藤が香坂先生を押し倒すとこだけでもドラマで見てみたい
進香の中の二人はどっちかというとボケっぽい感じがするんだけどねぇ…
どこか抜けてるというかトークとか危ないしw
>>722 分かるw
二人とも天然ボケ・・・w
そんなノリの進香も見たいかもしれんwww
末期スマソorz
>>722 >>723 そうそうw
中のひとはたいぶ違うよねww
二人が素で話してるのも見たいなあ・・
でもいいムードで押し倒しちゃうのも見たいなあ。
自分も相当末期ですw
進香職人カモーン!!!!
最近皆さん見かけなくて寂しい(;_;)
どなたか3で書いてくれる方いませんか〜?
進×香大好き!
あの二人の大人なんだけど不器用な感じが萌えるww
作家さんたち、お待ちしています!!
書きたいけど書けない・゚・(ノД`)・゚・。
>>724 五右衛門ロックのパンフで江口さんとか松雪さんとか共演者対談してたよ。
そこで救命の名前が上がってた(笑)
パンフ内容どんなのか知ってる人教えて〜(>_<)
進たま読みたい〜。
誰かー…・゚・(ノД`)・゚・。
神様どうか救命エロを復興させてください
こうなったらまとめサイトをつくって、書き手を待とう
734 :
しんたまねぎ ◆D1x2DzgQQo :2008/11/23(日) 06:46:50 ID:dtPvGjQ0
すみません、前回書き込み以来覗くことも出来なくて、
こんなことになっていると知りませんでした。
私の書き込みで不愉快な思いをされた方がいたら申し訳ございません。
書き込みしづらかったわけではなく忙しかったからで、
申し訳ないですがまだ投下できる作品は出来ておりません。
ただ合間を縫って書き続けている作品はあります…が、いつ完成するかも見通しがつきません。
以前のような頻度で投下することも出来ないと思われます。
それでもこの板に素晴らしい作品が降りることを祈っております。
しんたまねぎさん(;_;)
いつでも来て(;_;)
パソコンアク禁(;_;)
なしてこんな過疎ってるんだ…
737 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 23:11:16 ID:ppiexXIM
終わったな・・・・・・
アク禁だったわ・・・
復活しないかな〜
740 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 23:09:23 ID:J2lQpX/4
香坂はM
741 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 01:04:16 ID:8MvkoOoB
進藤はドS
いまから気合いを入れて書いてくる!
キターーーー!
キタイ!!!
進藤香坂はとにかく萌える
盛り上がりたい
期待してます!!
745 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 22:54:14 ID:W241+YBf
wktk
あげ
747 :
774:2008/12/08(月) 19:21:47 ID:RvVOaoXT
エロっていうよりネタなんですけど…何もないよりは良いかと思って書いてみました。
------
「ねぇ…しましょ?」
「あの、あれか」
「そう…手加減してね?」
「そいつは無理な願いだな」
今医局でブームになっているのはトランプだ。
休憩時間、皆が昼食代を賭けてババ抜きをしている。
もちろん進藤やたまきも強制的に参加させられているが
ここ最近昼食代を払うのは負け続けている城島の仕事となっている。
「医局でやっているように何か賭けるか」
「いいわよ…私が勝ったら新しいネックレス、いいかしら?」
「ああ、じゃあ俺は…」
そこまで言って、進藤の口が閉じた。何か良からぬ事を考えているのだとたまきは思った。
「ちょっと、早く言いなさいよ」
「…裸にエプロンだ」
「………はい?」
「だから言った通りだ」
「ちょ、ちょっと何よそれ…」
「俺にとってはネックレスと同じくらい価値があるんだが」
「分かったわ、負けなきゃ良いだけじゃない、簡単だわ」
よっぽど自信があるのか、腕組みをしながら進藤を見つめている。
「お前が先攻で良い」
「ずいぶんと物分かりが良いわね…いくわよ」
・・・・・・・・……
「俺の勝ちだな」
「嘘…」
たまきの手元にはまだ3枚のカードが残っていた。
「さあ、約束通り裸にエプロンをしてもらおうか」
「あの…本当にやらなきゃだめ?」
「約束しただろう」
「…分かったわよ、ちょっと待ってて」
そう告げると、寝室へ入っていった。
748 :
774:2008/12/08(月) 19:23:05 ID:RvVOaoXT
「出来たわよ」
「どれ」
「………これでいいんでしょ!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶたまき。その姿を見た進藤は
たまきのあまりの色気に耐えられずに卒倒してしまった…。
……・・・・・・・・
「……い、…せい、一生!」
「………ん。」
「ん。じゃないわよ、晩御飯出来たわよ」
先程までのたまきと違って、今のたまきはきちんと服を着ていた。
「お前いつ服着たんだ」
「やだ、過労でおかしくなっちゃったのかしら?」
「今トランプしてただろ」
「あなたずっと寝てたじゃない…」
たまきは唖然とした顔で進藤を見つめている。
「まぁ良いわ、準備できたらリビングに来て」
たまきが出ていった寝室に1人残された進藤、1つ気付いたことがあった。
「……夢か」
おしまい。
774さん、ありがとー!!!
エロじゃなくてもかなりのGJです!!!
750 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 22:27:33 ID:Y5oOqMA4
GJ〜!!!
ホント久しぶりだw
751 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 23:34:10 ID:anRKPg+4
おもろかった。
進藤エロいなwww
みんな戻ってきて…(;_;)
それでもあげ
ドS進藤が読みたい
自分もずっと待ってます・・・
進藤に抗精神薬の横流しをネタに病院の霊安室に呼び出されフェラチオを強要される香坂たまき。
「進藤先生のオ◯◯チン美味しいです」 って感じか?
758 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 00:23:43 ID:0MbSXNRw
そんな冷やかしにまで縋るなんてここも落ちたな・・・
>>758 ふざけて言ってんじゃね?
それより読みたいな…
759
ああ!おちょくってるだけかvv
処女たまきボンヌ(*´Д`)=з
きっと可愛いんだろうなw
>761
いいねーwww
自分も読みたいです!
誰か書いて欲しい。。。
処女たまきとそれに気遣いながらもドSな進藤が見たい
同じく!でも自分じゃかけないorz
誰か書ける人、お願い!!
キタイ!!
みんなの希望を書ける新しい書き手さんが君臨することを願う!
こんな過疎ってる状態で2008年が終わっちゃうの嫌だね(;_;)
あけおめ〜vv
ことよろ!
とくに書き手さん!!
771 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 23:54:00 ID:NK0Ci0+S
あげ
772 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 00:39:19 ID:jhr1AgdZ
そろそろスレ復活きぼん
保守
774 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 22:23:47 ID:pF57XVIO
去年もこの時期は過疎ってたな
775 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/01/18(日) 01:51:05 ID:FryYMn3d
たまき処女編見たいw
776 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 03:38:04 ID:8B5+fNQi
見たい見たいw
777 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 10:16:22 ID:w7tJmwyr
誰かー><
778 :
名無しさんは見た!@放送中は実況板で:2009/01/21(水) 10:03:45 ID:Th31u4H4
神待ちの間に聞く
おまいらどんなの読みたい?
778
何でそんな偉そうなの?
780 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 22:52:45 ID:Poks7ibv
>>779 2ちゃんじゃ多いだろw
また揉め事起こすこと言うなよただでさえ過疎ってるんだからさ
>>778もね
早く神が光臨しますよーに
781 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:09:16 ID:TDITVNTl
チンピラかよwww
マターリ行こうぜヽ(´ー`)ノ
782 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 22:27:25 ID:pn1OwEga
関東再放送でスレ復活キボン
まとめサイトも欲しいなぁ〜
784 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 02:17:54 ID:b4/eII6G
まったりも限界だ!!
読みたい!!!!
785 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 02:21:10 ID:b4/eII6G
まとめサイトがあったら投下されなくても今までの神作読んで凌げるのに・・・
786 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 02:25:54 ID:42uT0fA5
この時期忙しい人多いんでない?
春くらいには時間できる人もいるかもしれない。
自分もその一人。
とりあえず保守。
間違えて、Part1スレの方に飛んでしまって、超焦った。
あ〜、びっくり。
春まで待つのか……待てるかなぁ、自分orz
788 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 01:44:50 ID:WsgvekIW
再放送始まるんだから誰か一発投下してええ
え?!再放送?!
どこの区域でですか?
790 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 19:03:36 ID:N1Wpzx7V
あー…関東なんですか
見れない○| ̄|_
教えてくれてありがとうございます。
関東の方楽しんで下さい(;_;)
792 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:21:39 ID:YUByGh1D
進
793 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:22:08 ID:YUByGh1D
藤
794 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:22:31 ID:YUByGh1D
は
795 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:22:57 ID:YUByGh1D
国
796 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:23:20 ID:YUByGh1D
際
797 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:23:45 ID:YUByGh1D
調
798 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:24:10 ID:YUByGh1D
査
799 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:24:38 ID:YUByGh1D
官
800 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:25:03 ID:YUByGh1D
神
801 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:25:26 ID:YUByGh1D
林
802 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:25:48 ID:YUByGh1D
は
803 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:26:13 ID:YUByGh1D
刑
804 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:26:36 ID:YUByGh1D
事
805 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:27:02 ID:YUByGh1D
城
806 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:27:23 ID:YUByGh1D
島
807 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:27:44 ID:YUByGh1D
は
808 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:28:13 ID:YUByGh1D
ジャ
809 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:28:34 ID:YUByGh1D
ー
810 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:28:55 ID:YUByGh1D
ナ
811 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:29:19 ID:YUByGh1D
リ
812 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:29:45 ID:YUByGh1D
ス
813 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:30:08 ID:YUByGh1D
ト
814 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:31:45 ID:YUByGh1D
に
815 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:32:13 ID:YUByGh1D
転
816 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:32:36 ID:YUByGh1D
職
817 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 00:25:22 ID:+vLUhM0y
ドSな進藤せんせとたまきタンきぼん
たまきの処女ネタきぼん!
たまきタン、進藤先生に大切にするから大丈夫だって言われても
こわくて瞳がウルウルしちゃうんですね(*´Д`)=з
かわゆすなぁ
んで、しゅんとなってるたまきタンに進藤先生がさらに萌えるとw
820 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 02:04:55 ID:StpxLzi6
たまきタン可愛すぐるwww(´・ω・`)最近ロム専だけど去年も二月頃には投下神復活してたから期待
激しい進藤先生とかわゆすたまきタンの病院シチュきぼーぬ
822 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:25:03 ID:jd06HInx
香
823 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:25:34 ID:jd06HInx
坂
824 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:26:00 ID:jd06HInx
先
825 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:26:26 ID:jd06HInx
生
826 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:26:48 ID:jd06HInx
は
827 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:28:22 ID:jd06HInx
結
828 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:28:55 ID:jd06HInx
婚
829 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:29:43 ID:jd06HInx
し
830 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:30:21 ID:jd06HInx
10
831 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:30:50 ID:jd06HInx
年
832 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:31:12 ID:jd06HInx
目
833 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:31:56 ID:jd06HInx
に
834 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:32:17 ID:jd06HInx
待
835 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:32:38 ID:jd06HInx
望
836 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:33:19 ID:jd06HInx
の
837 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:33:42 ID:jd06HInx
赤
838 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:34:03 ID:jd06HInx
ち
839 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:34:24 ID:jd06HInx
ゃ
840 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:34:45 ID:jd06HInx
ん
841 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:35:13 ID:jd06HInx
を
842 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:35:54 ID:jd06HInx
授
843 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:36:40 ID:jd06HInx
か
844 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:37:35 ID:jd06HInx
る
845 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:38:16 ID:jd06HInx
も
846 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:38:46 ID:jd06HInx
乳
847 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:39:08 ID:jd06HInx
が
848 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:39:28 ID:jd06HInx
ん
849 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:40:29 ID:jd06HInx
に
850 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:40:50 ID:jd06HInx
な
851 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:41:10 ID:jd06HInx
り
852 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:41:30 ID:jd06HInx
こ
853 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:41:53 ID:jd06HInx
ど
854 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:42:52 ID:jd06HInx
も
855 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:43:17 ID:jd06HInx
の
856 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:43:46 ID:jd06HInx
命
857 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:44:16 ID:jd06HInx
と
858 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:44:38 ID:jd06HInx
引
859 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:45:40 ID:jd06HInx
き
860 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:46:12 ID:jd06HInx
か
861 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:46:33 ID:jd06HInx
え
862 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:46:56 ID:jd06HInx
に
863 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:47:23 ID:jd06HInx
死
864 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 01:47:56 ID:jd06HInx
亡
>819に激しく同意!!!
進
藤
は
国
際
調
査
官
神
林
は
警
官
城
島
は
ジャ
ー
ナ
リ
ス
ト
に
転
890 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 16:39:37 ID:qGne/cOD
再放送始まったので来ました
やっぱりいいわ〜
再放送見たので来ました
やっぱりいいな〜
妄想が膨らむわww
あれ?
>>890書き込んでた?途中で消したはずなのに…
まあいいや…
893 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 22:36:55 ID:4lbZjytQ
よーみーたーいよー
書き手さんたちに戻ってっ来てほすいい
今でも好きすぎw
てか1スレ見れなくなったようわああああああああああああ
うまくかけない
まとめサイト作るとしたらサーバーとかどうしますか?
小説のみコピペしてUPするかたちになるのでしょうか?
簡単なものでよければ誰でもできるかと思うのですが、管理もとなるとむずかしいですよね。
896 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/03(火) 01:48:06 ID:R3me+C7B
サーバーどうしようね
コピペが妥当な気がするが書き手さんの要望があれば修正とか…
管理は難しいよね(;_;)
このままだと2スレ目も終わってしまう…
書き手さん現れてくれ
いっそのことまとめサイトなんてものではなくオシャレ〜な普通の
救命サイトのように作ってしまえ!!
898 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/04(水) 00:34:02 ID:ZFom40Lf
結局一番手っとり早いよね
899 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:06:07 ID:5wPXyDJj
香
900 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:06:35 ID:5wPXyDJj
坂
901 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:07:00 ID:5wPXyDJj
先
902 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:07:25 ID:5wPXyDJj
生
903 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:08:35 ID:5wPXyDJj
は
904 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:08:58 ID:5wPXyDJj
結
905 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:09:22 ID:5wPXyDJj
婚
906 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:09:44 ID:5wPXyDJj
し
907 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:10:36 ID:5wPXyDJj
10
908 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:11:13 ID:5wPXyDJj
年
909 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:11:34 ID:5wPXyDJj
目
910 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:12:19 ID:5wPXyDJj
に
911 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:12:47 ID:5wPXyDJj
し
912 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:13:08 ID:5wPXyDJj
て
913 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:14:19 ID:5wPXyDJj
待
914 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:14:45 ID:5wPXyDJj
望
915 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:15:12 ID:5wPXyDJj
の
916 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:15:49 ID:5wPXyDJj
赤
917 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:16:48 ID:5wPXyDJj
ち
918 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:17:11 ID:5wPXyDJj
ゃ
919 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:17:32 ID:5wPXyDJj
ん
920 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:17:56 ID:5wPXyDJj
を
921 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:18:29 ID:5wPXyDJj
授
922 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:18:53 ID:5wPXyDJj
か
923 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:19:21 ID:5wPXyDJj
る
924 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:19:54 ID:5wPXyDJj
も
925 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:20:17 ID:5wPXyDJj
乳
926 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:20:37 ID:5wPXyDJj
が
927 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:21:05 ID:5wPXyDJj
ん
928 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:21:50 ID:5wPXyDJj
に
929 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:22:10 ID:5wPXyDJj
な
930 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:22:31 ID:5wPXyDJj
り
931 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:22:54 ID:5wPXyDJj
こ
932 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:23:17 ID:5wPXyDJj
ど
933 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:23:39 ID:5wPXyDJj
も
934 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:24:00 ID:5wPXyDJj
の
935 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:24:23 ID:5wPXyDJj
命
936 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:24:47 ID:5wPXyDJj
と
937 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:25:21 ID:5wPXyDJj
引
938 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:25:46 ID:5wPXyDJj
き
939 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:26:08 ID:5wPXyDJj
か
940 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:26:49 ID:5wPXyDJj
え
941 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:27:10 ID:5wPXyDJj
に
942 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:27:36 ID:5wPXyDJj
死
943 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:28:00 ID:5wPXyDJj
亡
944 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 02:38:21 ID:ZFom40Lf
誰か次スレを
よけいなカキで埋まりそう
946 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:06:41 ID:NR46JRDK
テスト
947 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:10:36 ID:NR46JRDK
久しぶりにきて見たらなんかビックリな状態ですね・・・
きっと新しいスレを立ててくれているのでもうこっちを見る方は
少ないでしょうけどこの状態は見てられないので投下していきますね
前に言っていたたまきさん処女ネタです。
948 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:11:34 ID:NR46JRDK
たまきは緊張していた。
もう何度かプライベートでも会っているし
デートもしていたのだが、家に招かれたのは今日が初めての事で
どうも落ち着かない。
何もしていない状態だと、どうしても落ち着かなくて
いっそ抱きしめて欲しい、と心の中で思うとそれが通じたのか
進藤はたまきの背中に手を回し、力を込めてきた。
たまきは彼の胸に耳を寄せ、規則正しい鼓動を聞いた。
落ち着きを与えてくれる、心地いい音。
やがてその音が自分の心臓の音と重なって、ひとつの音になる。
彼の体温が伝わり、自分の体温を伝える。
空気すら共有するような、そんな濃密な幸せを感じる。
「一生の心臓の音、心地いい」
「そんなのいつも聞いてるだろ」
「・・・診察と同じにしないで」
少し怒ったような口調で言うと抱擁には益々の力が込められ
それと共にたまきの身体は熱くなってくる。
抱きしめられているだけだとういうのに
地面がぐらぐらと揺れるような、そんな高揚感に襲われる。
949 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:12:18 ID:NR46JRDK
「キスしていいか?」
ふいに、進藤はたまきを捕らえたままで呟いた。
「・・・ねぇ、普通そういう事聞く?」
そう言っている進藤の瞳はいつもよりも熱っぽく、情熱的で
たまきはされに驚きつつも悪態をつく。
「それもそうだな」
短く言って笑うと進藤は狂おしい程甘く、口づけた。
進藤は、初めは専ら吸うように求めてきたが
やがて舌でたまきの唇を割って入ってきた。
愛しい人の舌・・・
たまきはそれを味わうようにして自分の舌を絡めた。
唾液が音を立て、熱が背筋をずり上がってくる。
進藤の手が背中や腰をまさぐり、そこにも熱が生まれる。
たまきも進藤の体に触れた。
もっと激しい口付けを催促するように
指先を進藤の頸部に当てて優しく滑らせ、髪を撫でる。
「んっ…ん……」
舌を絡めながら、たまきは小さく声を上げてしまった。
愛する進藤から与えられる熱で、身も心も溶けてしまいそうだ。
いつの間にか、二人はもつれ合いながらベッドへと倒れこんでいた。
950 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:12:57 ID:NR46JRDK
たまきは仰向けにされ、馬乗りになった進藤の腕の中に閉じ込められ
されるがままに動けない。
「ん…、んっ…ぁん……」
声の調子が少しずつ上ずっている事にも自分で気付いていたが
それを止める事はできなかった。
理性ではもう抑えられない程に、進藤の唇が愛しかった。
その後も口づけは少しも調子を衰えずに続いたが
唇の周りが涎に濡れまみれた頃、進藤の指先の動きが変わった。
彼はそれまでたまきの頬や頭、腕などを弄ってくるだけだったが
少しずつ指先は胸の辺りや太股に伸びてきていた。
しかも、始めのうちは遠慮がちに少しずつだったが
続けるうちに彼の指はたまきの乳房を揉み、下着へと近づいてくる。
「し…進藤先生…!」
抱かれる。
そう確信した瞬間
これには抵抗せずにはいられなかった。
951 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:13:39 ID:NR46JRDK
実は、たまきはまだ男の体を知らなかったのだ。
モテなかった、などと言う事は勿論ないし、付き合った事がない訳でもない。
今まで何人もの男と付き合ってきたし、キスこそは何度もしてきたが
抱かれてはいなかった。
「嫌・・・か?」
進藤はやっと唇を離し、涎で塗れた唇を軽く拭ってから聞いてくる。
「い…嫌っていう訳じゃないんだけど…」
「けど、何だ?」
たまきは言い淀む。
今までの人たち如く、適当な事を言って拒む事も出来るが
進藤に求められた事は、嬉しくて応えたい。
今までとは違う、この人に抱かれたいと心から思った。
彼の温もりをもっと感じたいと・・・・
それはきっと、自分も進藤を求めているという点があるのだろう。
だから拒む理由はない。
けれど、怖いのも確かだし、未だ処女だと知られるのも少しの羞恥を感じる。
どうすればいいだろう・・・?
こうして考えている間も進藤はじっとたまきを見つめていた。
その視線は熱く、真っ直ぐで・・・・
早くたまきを抱きたい、と目線で訴えかけてきているようで
「…進藤先生、驚かないで聞いて?私ね…その・・・」
たまきは意を決し、話し始めた。
952 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:14:29 ID:NR46JRDK
「まだ誰にも抱かれた事がないの。…男の人に抱かれるのは・・その・・・初めてなのよ……」
言った後に猛烈に恥ずかしくなり、思わず目を逸らしてしまった。
あんなに激しい口付けを交わしたというのに
今更男に抱かれるのは初めてだからなど、と
かまととぶっているようにしか聞こえないだろう。
そう思ったが、進藤の口から紡がれたのは、意外な物で
今までの彼の情熱を少しも損なわない言葉だった。
「それは光栄だな、俺がお前の初めてで、本当の女にする事が出来るなんて・・・」
「えっ…驚かないの?」
「嫌で拒んだんじゃないならいい。それに嬉しい朗報だったしな」
言いながら、進藤はたまきの乳房に掌を乗せてきた。
「…でも、私……」
それでもたまきは踏ん切りがつかず、もう一度だけ進藤を止めようとしたが
進藤はたまきの言葉を遮るようにして乳房を揉み始めた。
そしてもう一方の手をスカートの中へと差し込むと
迷うことなくたまきの下着にかけ、脱がそうとしてきた。
「大丈夫だ…優しくする、何も心配する事はないから」
「進藤…先生……」
射抜くような強さの視線がたまきの瞳に注がれ
それっきりたまきは進藤を止める事が出来なくなってしまった。
953 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:15:18 ID:NR46JRDK
夕焼けの光が差し込む中、たまきは少しずつ服を脱がされていった。
上着も下着も全て進藤の手によって剥がされていき
露出が多くなる程に羞恥で体が燃え上がっていったが
彼の優しい手つきには抗う事の出来ない何かがあった。
進藤は身体の各部を舐め回すように見てくるので
たまきは居た堪れなくなり、胸を両手で覆い隠した。
「やっぱり・・・恥ずかしい…」
「隠す事はないだろう?こんなに綺麗なんだ・・・ちゃんと見せてくれ」
手首を掴み上げられ、隠していた部分は進藤の眼前に晒されてしまう。
優しくねぶるように絡みつく視線に耐え切れず、たまきは進藤から視線を逸らした。
「そんなに恥ずかしがっている姿見ると虐めたくなるじゃないか」
たまきが恥ずかしがるのを見て、その初々しさに進藤は喜んでいる。
「なんだか進藤先生、いやらしい……」
「お前が可愛いのがいけないんだ。それからさっきから言おうと思ってたんだが・・・」
954 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:15:57 ID:NR46JRDK
こうゆう時は名前で呼べ。
そう耳元で囁かれ、たまきは真っ赤になった。
実は未だ、彼の事を下の名で呼んだ事がなかったのだ。
「・・・進藤先生じゃ駄目・・・?」
この状況だけでも恥ずかしさはピークなのに
せめて呼び方くらいは呼びなれた進藤先生で呼んでいたい・・・
そう思って聞いてみるも勿論許して貰える筈がなく
「・・・一生だ。」
「い・・っせい・・・」
たまきは観念して顔を更に真っ赤にさせ、小さな声で言われた名を唱える。
そんなたまき彼は笑みながら乳首に唇を寄せ、舌を絡めて吸い付いてきた。
「あ、んっ…!」
吸引されただけだがたまきにとっては何もかもが新鮮な感触で
快感と共に驚きも隠せなかった。
乳房も揉まれ、今まで感じた事のなかった心地よさに声を抑える事もできない。
955 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:16:45 ID:NR46JRDK
「あんっ…ん……」
進藤が肌のどこに触れるだけでも言い得がたい快感が背筋を這い上がる。
勿論それが性感帯に近ければ近いほど快感は激しく
たちまち全身は進藤の指先の玩具にされてしまった。
「ここ、気持ちいいか?」
「あっ…」
指先は首筋を下り、喉元を擽って胸へ
乳首を捏ねた後に腹筋を通り、臍を撫でて恥丘へと辿り着く。
道程は長いものではないのに、進藤はたまきを焦らしながら
やたらと時間を掛けて愛撫してくる。
「ん……」
「気持ちいいか?」
「あっ、あ…」
進藤はたまきの陰毛をひとつまみ取り、軽く引っ張りながら聞いてきた。
たまきにとってはもうどんな動作も恥ずかしくて、堪らない。
もう少しで大事な部分に触れられてしまうと思うと尚更・・・
彼の僅かな指の動きにも神経が反応してしまう。
進藤はそれが楽しいようで、少しずつ確かめるようにたまきを責めてきた。
決して大きな動きはしなかったが
それでもたまきが充分に感じてしまう事に彼は気付いているようだ。
956 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:17:36 ID:NR46JRDK
「そろそろたまきの全てが見たい…」
進藤はそう言いながらたまきの太股に触れてきた。
終始、優しいその手には少しずつゆっくりと力が入っていき
足が左右に開かされていく。
「や…っ……」
たまきは秘所を露にさせられて焦りのようなものを覚える。
自分でも直視した事のないような場所を人に
それも愛する人に見られるなんて・・・
恥ずかしい・・・
しかし、別に自由を奪われている訳でもないのに
抵抗もできず、開いた足を閉じる事も出来ない。
「見ないで、お願い…」
ただそう言うのが精一杯だったが、勿論進藤は目を逸らしてはくれないし
羞恥でただ頭の中が真っ白になっていく。
「綺麗な色だ、それに濡れてるみたいだしな。」
進藤の目線が上から下へ動いていく。
目で犯され始め、触れられてもいないのにたまきは喘いでしまう。
「しん・・・一生…!…恥ずかしい…ってば…」
「その方が楽しいから大いに恥ずかしがってくれ」
「なっ・・・・!」
進藤は意地悪く言い返してきた。
たまきはもう何も返す言葉もなく、ただ視線に耐えるしかない。
初めての感覚に秘所が疼く。
早く何かして欲しい―――
いつの間にかそう思うようになっていた。
957 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:18:35 ID:NR46JRDK
そしてその願いが通じたのか、程なく進藤は行動を起こしてきた。
「咲きかけの花のようだ・・・」
進藤はそう言いながら秘所の周りを丁寧になぞり、割れ目にそって指を動かしてきた。
初めはゆっくりと優しく、そして段々強弱をつけて
動きを変えたりしながら弄ってくる。
「あっ、あんっ……ぁ……」
今までの行為の中で一番強い快感がたまきの体内を駆け抜けていく。
性器に触れられる度に、体の芯が痺れてしまう。
「っあ…!…そこ…っ…や」
「ん?ここが感じるのか・・・」
進藤はあからさまな喜びの表情を浮かべていて
初めて経験する快感に戸惑いながらも喘ぐたまきを見つめていた。
そして進藤はたまきが慣れるのを見計らっていたのだろうか
ふいに指先で弄んでいた部分に唇を近づけてきた。
「えっ…?!やっ、そんな所舐めちゃだめ…!あっ!!」
たまきはまたもや焦ってしまう。
舌先は小陰唇や膣口をチロチロと刺激してくるだけだったが
先程とはまた違う快感が降りかかる。
958 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:19:22 ID:NR46JRDK
「指と舌、どっちが好みだ?」
「そんなの…解らなっ…あ…ぁ!」
「まあ、どっちにもいい反応するように俺がしていくんだけどな…」
進藤はくくっと喉の奥で笑った。
余裕綽々な進藤とは裏腹に
たまきは自分が次に何をされるのか解らず怖くなったが
次の瞬間今まで感じたこともないような
総毛立つような快感に襲われて声を上げてしまった。
同時に、内股がビクンと痙攣する。
進藤は尿道の上の肉芽を口に含み、舌を擦り付けてきている。
ツンと突き出た鮮やかな緋色の芽と包皮の隙間に舌が這い
根元から頂点へ向けて螺旋を描くように愛撫される。
「やっ…な…に?!そんな…あっ、あ……あぁん…」
たまきはビクン、ビクンと太股を痙攣させながら進藤の頭を押さえた。
たまきの目線からでは進藤が性器に口元を埋めている様しか見る事ができないが
何をされているか直視できなくて良かったと思った。
触れられている瞬間を見せつけられたら、おかしくなってしまいそうだ。
959 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:20:18 ID:NR46JRDK
「やっ…一生…!…あぁ……っ」
少しずつ、今までとは違う感覚が湧き上がってきていた。
それは確かに快感なのだが、体の奥からは更に強い波が襲いかかってきている。
その正体はたまきには解らなくて、今の彼女にとっては不安でしかない。
じっとりと汗ばんだ身体が、宙に浮くような錯覚を覚える。
「ここ…1番感じやすいだろ?」
「ん…あんっ…解らない、もぅっ…あっ…ぁ…今日は、許して…あぁん…」
未知の世界にたまきは本気で怖くなり、許しを請うが
進藤は止めるつもりはないようだった。
「やっ!もう・・・限界・・・」
何が限界なのかはよく解らなかったが、たまきはそう呟いた。
とにかく愛撫されている部分が熱く、ジンジンとして、怖かった。
「限界…か…なら…」
960 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:20:58 ID:NR46JRDK
進藤は限界という言葉に反応し
やっと唇の責めからたまきを開放した。
「次に進むぞ…」
進藤はフッと微笑を零して体を起こし自身のそれを取り出すと
視界を遮るようにしてゆっくりとたまきに覆いかぶさってきた。
「次って、その・・・入れる、の・・・?」
「…力を抜いて、俺に任せてればいい。」
「…優しく、してよ?」
「あぁ。」
優しい視線に心が蕩けたが、その安堵は儚く一瞬だった。
進藤は位置を探るようにして、勃起の先端で割れ目をなぞってきたが
「っ!!あ…くぅ……っ」
膣口への擽られるような違和感の直後、たまきは予想以上の痛みに驚き
思わず身体をずりあげて逃げ出そうとしてしまった。
まだ先端が入っただけなのにこれでは、彼のモノ全てが収まるまで
どれ程の苦痛に耐えなければならないのか・・・
961 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:21:51 ID:NR46JRDK
「っ、痛……!!」
それでも大丈夫、と
そう言った進藤を信じてきゅっと瞳を閉じる。
「まだ先しか入ってないんだ…もう少しだけ我慢出来るか?…」
「ふ…こんなに…痛いなんて…ね…でも…早く貴方と1つになりたいから、大丈夫。続けて…」
進藤が困った表情を浮かべたので、たまきはとっさに取り繕ってしまった。
しかしどんなに言葉で繕おうとも痛みは現実で
一方ではやめてくれても構わないとも思っていた。
「たまき・・・愛してる。・・・」
進藤は言葉で痛みを紛らわそうとしてくれている。
たまきはこくこくと頷く。
行為は再開され、少しずつゆっくりと男根が突き入ってくる。
「っ…ひぁ…!ん…」
たまきは声を上げた。
それは痛みのせいでもあるし、形容しがたい、初めての感覚のせいでもある。
進藤は確かに目の前にいるが、自分の身体の中にもいる。
このまま彼が体の内側の壁を突き破り、もっと深い部分まで
侵食してくるような気がした。
「…一生……」
肉を裂かれる激しい痛みだが今まで何にも触れられた事のない部分を開いていくのが
進藤の大事な部分だと思うと、途端にそれが愛しく思えてくる。
この痛みが二人をもっと近づけるのだと思うと尚更
962 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:22:33 ID:NR46JRDK
「んっ……ぁっ……はぁ……」
「大丈夫か?」
「ん…大丈夫……」
どちらかというと大丈夫ではないのだが、たまきはそう答えた。
今はもう先程のようにやめられても構わないとは全く思っていない。
もっと深く、最後まで愛して欲しい。
ただそう望んでいる。
根元まで入ったのだろうか?
進藤はやがて動きを止め、それ以上腰を押し進めてはこなかった。
たまきは初めての感触に戸惑い何も言えずにいたが、ただ
先程感じていた形容しがたい感覚―――
それが気持ちいいという感覚だという事に今ははっきりと気付いていた。
息の詰まるような圧迫感の中にも、確かに快感があって
それが意識とはまた別の所から悦びを運んでくる。
「………気持ちいい……かも…」
たまらなくなり、そう零してしまった。
963 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:23:14 ID:NR46JRDK
ジンジンと響き渡る破瓜の残痛、そして、芽生えた女の快感―――
肉孔が少しずつ受容を始めた証に神経を傾ける。
「……私の身体、貴方でいっぱいになってて…溢れそう…」
現実には性器の先端は子宮口で止まっているのだが
心の中では進藤のもので体の隅々までががんじがらめになっているような
不思議な感覚が渦巻いている。
進藤はしばらくの間は見守ってくれるような優しい視線をしていたが
たまきが少し落ち着いた頃、動いても平気か?と
囁くように聞いてきた。
「…えぇ…いいわ…」
「辛かったら素直に言うんだぞ?」
たまきは一度だけ、小さく頷く。
グッと進藤が腰を引いた瞬間、膣の内側がめくれるような衝撃を受けた。
再び痛みが来る事は予想していたが
それは予想以上のものだった。
癒着しかけていた二つの体が引き裂かれ、進藤が動きを止めている間は
燻っているだけだった痛みが、再び燃え上がる。
964 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:24:00 ID:NR46JRDK
「ん……っう…!」
「…やめた方がいいか?…」
「…大丈…夫、続けて……」
「今、強がると辛いのはお前だぞ?」
「辛くても、いいわ・・・貴方をもっと感じたいから・・・こんなに近くで感じられるのが嬉しいから」
「たまき…お前、可愛過ぎ・・・出来るだけゆっくりするから」
進藤はたまきの言葉に躊躇う様子を見せながらも抽送を開始したが
彼が動く度にくちゅ、くちゅ、と音がして
たまきの身体には肉を穿たれる衝撃が走る。
外側に感じるものとは明らかに違う、身体の内部に与えられる衝撃。
しかし痛みは苦痛ではなかった。
むしろ幸せで、切ない。
「いっせ……一生……!!」
進藤の腕にしがみつく。
進藤はたまきの体にぴったりと寄り添うようにして腰だけを動かしている。
痛みはあったが、進藤が呼吸を上ずらせて恍惚の表情を浮かべている様を見て
たまきは嬉しくなった。
自分が進藤を気持ちよくしているのだと思うと
これ以上の激痛でも耐えられるような気にもなった。
965 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:24:42 ID:NR46JRDK
それからどれ位の時間が経ったのか
必死に耐えていただけのたまきには判らなかったが、やがて進藤が達し
膣から陰茎を抜いて腹部に向けて射精してきた。
激しい運動の後のような疲労感が全身を覆い身動き一つ取れない状態だったが
その時たまきは、せっかくだから中に出して欲しかったなどと
そんな勝手な事を思った。
勿論、中で射精されて妊娠などに発展すれば
困るのは自分だという事も解っていたが
進藤は言葉通り、優しく大事に扱ってくれた上
痛みに隠されてはいたが、時折走る快感は愛される悦びを
しっかりと教えてくれた。
それに自分の大切な物を進藤に捧げられたのだと思う度に
喜びが湧き上がった。
味わった事のない幸せ・・・
それに浸るように、ふたりはベッドに深く沈み込んだ。
966 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:25:30 ID:NR46JRDK
進藤はまだ平気そうな顔をしていたが
たまきはとても体を動かすような気分ではない。
進藤はそんなたまきを労わるように、ただ黙って抱きしめる。
たまきは秘所に残る幸せな違和感をかみしめていた。
「夢みたいだ…お前の初めてを貰ったなんて、嬉しすぎる」
それは進藤も同じだったみたいで、幸せそうに呟く。
温かく大きな掌で頬を包まれ
そこから伝わってくる温度はただの熱ではなく、心地よい熱。
たまきは進藤の嬉しい言葉に小さく頷きながら
「そう言って貰えると痛い思いした甲斐があったわ」
たまきは照れ隠しにそう言った。
967 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:26:06 ID:NR46JRDK
「お前の中、想像していた通りだった」
「想像って…貴方って本当にいやらしいのね…」
意外だったわ、と悪戯っ子な目をして笑う。
「気付かなかったか?好きになった頃から…ずっとそういう目でお前を見てたぞ?」
だが、進藤の方が上手だったらしく
しれっと返され、たまきは返り討ちにされ頬を赤く染める。
「…信じられない…もう…」
ますます照れさせられてしまい、たまきは進藤の唇に指を当てて言葉を遮る。
進藤は尚も何かを言いかけたが
たまきはそこから先を指で止めきる自信がなくなり唇で唇を塞いだ。
初めて重ねた時と同じ、甘く柔らかい唇を
968 :
通りすがり:2009/02/05(木) 01:27:23 ID:NR46JRDK
第一部終わりです。
二部はまたいつか・・・
969 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 02:18:41 ID:xgdxl3uF
きゃあああああああああ
ヤバい涙出てきたYO(;_;)←
マジ大好きっす
まさかの神降臨!!!
970 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 03:51:03 ID:ISuB+2Bh
いやぁぁぁぁっっ涙涙
夢見てるみたい…う…うれしい…うれしすぎます…なんか最近ブルー
だったけど
元気でてきました…また頑張れそう…ほんとにありがとう
ございます!生きてて良かった、スレをみんなで繋げられてて
感謝です!
通りすがりさん、お帰りなさい!!!
ずっと信じて待ってました!
うれしいぃぃぃ。
また次回作も超・超・超楽しみにしています!
972 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 22:28:59 ID:3eWnyio/
きたああああああああGJGJGJ!
今でも進たま大好きw
ネ申復活!!
たまきが処女だって言えず、はぐらかしちゃって、2人がそれぞれ苦悩する姿も見たいかもwww
974 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 17:56:07 ID:fuBGtjJR
通りすがりさんGJスギ…
で、結局まとめページとか作らないの?
まとめwikiとかならみんな編集できるし過去ログ見れない人もいるからあったほうがいいんじゃない?
まとめwiki賛成
他のエロパロスレ参考にしてみてるけどwikiなら1人に負担をかけないですむしwikiでいいんじゃないかな
977 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:08:36 ID:iplG14Kz
賛成。
前の作品読みたいです
じゃあ簡易版で良いなら作るよ
1とか前スレとってある人編集よろしく
980 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 02:30:17 ID:SBybxM5Q
981 :
『水面の月』 進藤×香坂:2009/02/10(火) 05:08:32 ID:wuP1mUMM
初投稿ですが、異常に長くなりそうです。
進藤×香坂ものです。読みたくない方は『水面の月』という単語をNGにしてください
名前欄にあるのは分かりやすくタイトル(仮)とカプ表記です。
982 :
『水面の月』 進藤×香坂:
「香坂」
呼び止められて彼女はカルテを整理していた手を止め、顔を上げた。
ほの暗いせいだろうか、どんな表情をしているのか見えにくかったこともあり声色で確認することしか出来ない進藤の声に耳を傾け、何、とだけ返事を返す。
もともとそこまで会話が多い二人ではない。
ある一定のラインを保ち敷居をまたぐことなく、踏み越えることなく、触れることも愛を交わすことも抱き合うこともしない。
お互いをお互いが必要とし、支えあう。 それだけの関係のつもりでいた。
少なからず、彼女――香坂たまきはどこか惹かれる要素を持ち合わせている少し不安定なこの男に持つ淡い感情を押し殺し、対等でありたいと常日頃から願っている。
「今夜、空いてるか」
「今夜? また唐突ね」
進藤と香坂が食事をするのは初めてのことではない。 彼女自身が誘うこともあったし、彼が誘うこともあった。
だから、その日も彼女にとっては何の意味も持たない「唯の飲み」だと思って時刻を確認し、手帳の中をチェックし明日の予定を確認し特に問題がなかったのでOKを出した。
……それだけの、ことだったはずなのだが。
「デートですか? 香坂先生」
「違うわよ、呑み」
茶化してくる小田川をあっさりとあしらって第一外科へと移動することになった患者に付き添い戻っていく姿を何ともいえない顔をして見つめている進藤の表情に、彼女は一切気づかなかった。
いつぞやにすっぽかされたレストランに先に仕事を終えたたまきは入り、進藤を待つ間時計をじっと見つめながら考え事をし続ける。
―― あの時は、すっぽかされて怒るということよりも先に、呆れたものだ。
彼はどこまでもお人よしで、ついでに言えば御節介だ。 そんな人間だとは思っていなかったから意外であり、同時に少しうれしかったのも事実。
知らぬ間に気持ちが風船のように膨れ上がり、ふわふわと浮遊している様だ。