1 :
名無しさん@ピンキー:
おおい、即死するぞー。
>前スレ
だからそういう掛け合い大好きだって言ってるだろ子のヤロー!w
つくづく馬鹿だなぁ(褒め言葉
今気づいたwww
しかも韻を踏んでるしwwww
これは新ジャンル「内気な子の侵攻」の予兆だなw
>1
乙です あとどれだけ内気好きなんだよwww
以下投下
豆田家執事見習いの少年、塩崎勝四郎は大いに頭を抱えていた。
彼の一族…塩崎家はこの地域の領主である豆田家の譜代家臣として、何代にも渡り忠節を尽くしてきた。
戦の際には鎧兜を纏って馳せ参じ、選挙戦の際には街頭宣伝車の運転手を務め、平時には執事として侍る。
主君への忠義こそ、彼ら塩崎家の誇りであり、誉れであった。
そして塩崎家現当主の彼は大いに苦悩している。…主筋である豆田貴子からの命令を無視してしまっていた件で。
…しかも、恋人のレーファと喫茶店でいちゃついていたという、草葉の陰のご先祖たちが激怒しかねない理由で…。
……僕、もうダメかも。この事が母さんにばれたら、きっとこんな展開に…。
『…塩崎家当主たるあなたが、なんと不甲斐無い振る舞いを。
…不肖ながらも、母としての最後の勤めです。介錯して差し上げますから、潔く腹をお切りなさい。
…心配しなくて良いわ。私も後を追いますから。』
…うん。嫌な汗が止まらない。というか、母さんまで巻き込むのはマズい。
そんな彼の表情の変化にうろたえるレーファ。
「ダ、ダーリン?…どうしたネ?」
「…レーファ。短い間だったけど、君と一緒に居れて楽しかったよ。
母さんの事、よろしく頼めないかな?あと、次代は久蔵兄さんを推挙してたとも伝えて欲しいんだ。
生まれこそ分家の人だけど、腕も、頭の切れも申し分ない方だしね。勘兵衛先生が付いていれば、間違いないとも。」
「だ、ダーリン…?」
「え〜と…。
『五月雨と 共に散るかな わが命 愛しき人よ 君に幸あれ』
うん。辞世の句はこんなものでいいかな?」
「ダ、ダーリン!!少し落ち着くネ!!!」
妙に悟りきった顔でシャツを脱ぎだした勝四郎を、あわてて止めるレーファ。
そりゃ普段は奥手な彼が自ら服を脱ぐなんて美味しいシチュエーション、喜ばしいに決まっている。
しかし、腹を切るとなると話は別なので、とりあえず平手打ちを何発か入れて落ち着かせる。
「ダーリン…。確かにサムライとしては失態なのかも知れないヨ…。
…でも、闘いが始まってるなら、武功を挙げることで挽回すればいいネ。」
ちょっぴりやり過ぎたかな…と心の内で反省。
レーファとしても、従者としての勤めを果たす為に意図的に彼を引き回していた事実もある。
まぁ貴子の命に従った勝四郎を、陽子の側に付いた自分が拘束していた事を証言すれば、彼の名誉は守れるだろう。
一定時間の足止めを果たせた以上、自分の任務も達成できているはずだし。
「…うん。そうだね。」
勝四郎の腹も固まった。放逐されたとしても、それ以上の功を挙げて帰参すれば良い。
少年の顔は、先ほどまでの頼りない表情ではなく出陣に望むサムライの貌へと変っていた。
「行ってくるよ。レーファ。」
「うん。ダーリン。」
竹刀袋から愛刀を取り出し、腰のベルトに鞘を固定する勝四郎。
そしてレーファを振り返ることなく、戦場にむかって歩みだす。
目指す先は新醤油学園高等部の第3会議室……。
しかし、彼は知らない。………わずか2ブロック先の交番で、職務質問を受ける運命が待ち受けている事を。
新ジャンル「サムライボーイ」新醤油学園野望編
一方、竜虎が相打つ第3会議室。
「黙れ!!ならば、この場でお前を倒し、青山先生を奪うだけだ!!」
「ふふふ。面白い冗談を言う子猫ちゃん……。
でも、黙ってあげるつもりもないし、倒されてあげるつもりもないわよ。」
怒りに身を任せて拳を振るい続ける玲に対し、身を翻し続ける夏実。
「ふふふふふふ…。貴女って健気な娘だったわよね…。
毎日の様に我が家に通って、いつだったかは手作りのクッキーまで持ってきたこともあったし。
でも、秋くんとの関係は『いい先生と生徒』止まり。」
「言うな!!!!」
「断るわ。だって貴女との因縁を断ち切るには、再起不能になるまで遣り合う必要があるよね。
だから、本気で倒してあげる。」
そんな彼女の残虐ファイトにげんなりする外野たち。
「な、なぁ夕圭…。コレってかなりエゲツない攻め方じゃないのか?」
「…ぞっとするよね。自分の胸にしまって置けば、甘酸っぱい思い出で済む話なのに、それを暴露されるなんて…。」
「おばさn(びくっぅ!!)青山先生、普段なら力づくで仕留めて終わるのに…。
アレって潰しにいってるよぅ…。」
「全く恐ろしいお方だ…。将来的には、嫁と姑の関係でお付き合いすることとなるのか…。」
やがて夏実の一方的な口撃が続く部屋に飛び込む何人かの影。
「みんな、大丈夫なのか!?」
「春樹、ルカに貴に囲炉裏!?大丈夫だったのか!?」
「ああ、豆田それに……夕圭…!?どうした!?顔色悪いぞ!!あと、千所先生も…。」
「え、えぇ。私達は大丈夫だけど…。」
やがて部屋に飛び込んだ春樹は、異常に気付く。
なぜか遠山理菜に加えて己の母まで居て、更に、なぜか自校の校長を責め立てている。
「ふふふ。貴女、今は破廉恥な振る舞いをやってるみたいだけど、これも『大人の女を演じる』ためなのよね?
…秋くんが教え子、つまり子供だった貴女を相手にしなかったから。
それにしても秋くん、酷いよね。
初めて口紅をつけてウチに来た時は貴女があんなにドキドキしてたのに、完全にスルーしてたし。
まぁ私一筋だから仕方ないかも知れないけど。」
「く…。お、お願い…。もう止めてよ…。」
ついに、心まで折れかける玲の姿を見て、思わず止めに入る春樹。
「ちょ、ちょっと待てよ!!…うちに来てたって。
まさか、校長先生って玲姉ちゃん!?」
彼の、幼い頃の記憶が呼び起こされる。
セーラー服に身を包んだ、清楚な女性。春樹の初恋の相手だった少女…。
一方、春樹の反応に、玲の方も動揺を示す。
「…私の方も…今まで気付かなかったが、春くん…なのか。」
思わぬ所で思い起こされた恋心…。
彼らの胸に眠っていた種火は、いかなる未来を照らすのだろうか…。
新ジャンル「新フラグ追加」新醤油学園野望編
前スレの最後のほう、既に新ジャンルじゃなくてコントの台本になってるなw
それこそが新ジャンル「台本コント」
>>9 それが新ジャンルinエロパロクォリティw
まぁ基本掛け合いだからね。
>>10 なんでもかんでも新ジャンルにすればええっちゅうもんちゃうぞ
新ジャンル「なんでもかんでも新ジャンルにすればええっちゅうもんちゃうぞ」
こりゃまた失礼しましったー!
「ぐはぁっ! ・・・あれ?」
新ジャンル「即死回避」
俺……実はうなじ萌えなんだ……
俺……実はうなぎ萌えなんだ……(土用だけに)
>18
ご存知かな?
元来、土用の丑の日は「う」の付くものを口にすればいいんだとか
うなぎだろうと、うなじだろうと、な
じゃあおっぱいも『うぉっぱい』とかそういう発音にしたらセーフになんねぇかなぁ
この流れ…スカトロか…!
つまりなんだ
それを知った子が「ウチを食べて」ってのもありか
なんだろう、今揺れるペッタンコが脳裏をよぎったぞ
夏祭で
男「おー内気久し振りー」
内気「ぉ……久し、振り……」
男「ん?」
内気「…!」
男「俺なんかした?」
内気「い、いや何もされてなぃ…」
男「じゃあなんで目を逸すんだよ」
内気(彼は私を見つめている、わざとらしく胸元を扇いだら彼はもう止められない
彼は私を花火大会の土手に押し倒した。興奮する息が首筋にかかり彼の汗が胸元に落ちる。私の汗ばんだ首筋を見て彼は…舌で美味しそうに…)
男「おいっ内気、水飴が垂れてるぞ!!」
内気「舐めて…」
男「いいの!?」
男「とにかく拭こうか」
内気「ぇ…あ、待っt…」ドサッ
男「うぉ!?」ドサ
内気(どうしよう…妄想と同じ・・・あの後の妄想は…)
男「大丈夫か?」
内気「優しく…して」
男「…?」
内気「…優しくして、くだ…さい」
男「…え?いや?その」
内気「痛くしないで…」
男「拭くだけだかr」
警備「夏祭り会場でイヤラシイ行為をしないでくださーい、子供が見ています」メガホン
:
:
男「染みにならないで良かったね」
内気「…うん」
男(あれ?もしかしてあの時内気は誘っていたのか?)
内気(私には魅力がないのかな…)
>>25 警備「イヤラシイ行為はこちらの茂みでお願いしまーす。今なら虫除けスプレーも販売しておりまーす」
丑の日だけに内気を食す
誰かー前スレまとめを完成させてー
夏だな
夏バテです
女「打ち水は〜省エネ〜〜♪」
バシャ
女「撒くなら朝夕〜昼撒くな〜〜♪」
バシャ
女「蝉〜♪」
バシャ
男「よう女。今日も朝からあっついな」
女「死ねェェェェェエエア!!」
ザバー
男「うわ!?な、何すんだよ!!?」
女「あ、ご、ごめんなさい男くん!男くんを見ることによってわたしの乙女ちっくハートが起動して
体感温度が上昇しついウッカリ!」
男「わざとだよな!?わざとだよな!?何その自己分析!しかも死ねって言ったよね!?」
女「水も滴るいい男くん……」
男「やかましいわ!」
女「ごめんなさい。じゃあ、服が乾くまでわたしの部屋でゆっくりしていってね!」
男「それが狙いか!」
新ジャンル「打ち水っ娘」
男「夏といえば」
女「夏といえば?」
男「暑いのもそうだけど、夕立もアレだよな」
女「風物詩?」
男「そう」
女「雷ヤバいもんね最近」
男「なんかドキドキするんだよな」
女「子供っぽい!」
男「ほっといて」
女「しかし、これはチャンスなのれす」
男「なんの?」
女「つり橋効果という現象をご存知ですか?人間は恐怖による動悸を恋愛のそれと錯覚し、
近くにいる異性に恋をしてしまうというのです!」
男「ああ、だから映画ではよく恋が芽生えるのか」
女「というわけで告白するなら雷が鳴っている最中に」
男「なんでそんな無駄にドラマティックにするんだよ!」
女「……じゃあ、お手軽に包丁片手に告白するしか」
男「ドキドキするけども!それは確かにドキドキするけども!!」
女「男くん、大好き……超好き、凄い好き!死んでも好き!殺したいくらい好き!!」
男「ヤンデレだ!!」
新ジャンル「夕立っ娘」
「な!三人でお医者さんごっこしないか?」
「え?でも、子供っぽいし……」
「あんたって本当にバカね」
「じゃあ、かのこんごっこしないか?」
「それくらいだったら……いいわよ」
「お医者さんごっこよりは面白いかもね。私もつきあうわ」
新ジャンル「かのこんごっこ」
マ「おはよーセッティー」
セ「わぁっ!なによ、朝っぱらから抱きつ…ちょっ!あんた何押し付けてっ、あ、」
マ「いやーなんつーの朝だからさー、わたしも若いなーみたいな。えへへへ、」
セ「もー、やめてよ!」
マ「とかなんとかいっちゃってー。セトリアさん、まんざらじゃないくせにー」
セ「なに言っ、あ、ちょっと!あっ!どこ触っってあ、あん!だめだってコラ!あっ!」
マ「もーセティさん、ココやココがカチンカチンですよー」
セ「あんたが触っ、あっ!あん、あ、ダメ、だめ、やぁあ、やめぇ。
あ、あ、あ、おねがっあ、あんあ、あ、あ…ん…ああん、…いやぁ」
新ジャンル「朝立っ子」
マ「わぁ凄い夕焼け…ねぇセティ、見てみ」
セ「もう…だめぇ」
マ「何よぉまだ寝てるの、だらしないなぁ」
セ「誰の所為だと思ってんのよ…」
マ「とかなんとか言っちゃてぇ、ノリノリだったくせにぃ、『欲しいのぉ、はやくぅう』ってw」
セ(///)「う、うるさーいい!」
マ「うわっち、いやーねぇーもう、直ぐムキになんだからぁーwねぇセティ」
セ「な、何よ」
マ「んふふ、でもそこがセティの可愛いトコだよねw」
セ(///)「…」
マ「ねぇ、セティ?」
セ「な、なによ」
マ「ほらセティがあんまり可愛いからわたしのココも、すっかりこんなに」
セ「え?…ってあんた!ナニ出してるのよ!」
マ「んふふー責任取ってよんねー!「(ルパンダイブ
セ「え?ちょ、イヤー!ヤメ、あん!だめぇええええええ!」
新ジャンル「夕立ちっ子」
こうですかわかりませんだかなんだか。
どーもお久しぶりですw
誰かと思えば吟遊詩人か
復帰するのかな?
復帰したいいですがーどーもこぉ接続が悪くって
それ以前に書いちゃ消しのくり返しとか仕事がイソガシーとかで。
新ジャンル「雑談」
昼休みの図書館、何かの本を探すうちに奥の人気の無い棚のところに居た時だった。
なにかくぐもった声と衣擦れの音、そしてわずかな湿った音。
真逆、と思った。
でも聞いた事がある。
人気の無い図書館で怪し気な小説を読みながら自慰に耽る生徒が居る言う話しを。
なんというふしだらな、と思う反面好奇心にかられてその音のする方に行ってみる。
回廊になっているところの窓の窪み、閲覧用のソファが置かれている辺りらしい。
そっと覗くと、窓の段に身体を預け、尻を突き出している下級生の少女と、その少女を
後ろから抱き締めているルームメイト-マナビナ-の姿があった。
服は着ているが責められている少女のブラウスはたくし上げられ、裾を少女が噛んでいる。
露になった乳房は後ろから掴まれている。
スカートの後ろが捲り上がっているがぴったりと腰を付けているマナの捲り上がったスカートの前が
下級生の尻を隠している。
そして彼女は踊るように腰を振っている。
二人とも片方の足首で丸くなっている白いモノが有る、良く見るとショーツだと言う事に気が付いた。
つまりショーツを付けていない二人は、スカートの中で素肌を合わせている事になる。
「な…」
絶句する。
鼓動が早まり、咽がカラカラに乾く。
そして咽の奥がびくびくと扇動するほど鼓動が激しくなった。
同性同士の営み、そういうモノが有ると言う知識はある。
実際、異性禁制の聖職者でそう言う事が有るという噂もあるのだ。
何より今自分がいる学院はその「聖職」である修道院系の女子校では無いか。
当然校内でも「そういう事」が行われて居るらしい噂、いや様子もあるのだ。
「気持ち悪い」
それがセトリアがその手の話を聞いた時の感想だった。
汚らしいとかふしだらというより先に、生理的に受け付けないとその時は思ったのだ。
だが今目の前に繰り広げられる光景はどうだ。
自分はその「気持ち悪い」行為に目を奪われているでは無いのか。
なんて
なんて扇情的な…
莫迦な、とも思う。
ついさっきまで自分と普通に話していた友が顔を上気させ、見た事もない表情を浮かべ
ほっそりといした下級生を追い詰めている。
あんな表情のマナビナは見た事がない、いつも大きく薄い色の瞳を輝かせて、元気一杯で
いる彼女が
あんな風に…
色っぽいなんて。
あんな風に微笑うなんて。
思わず自らの身体を、大振りな胸を抱きしめる。
ぎゅっと。
ぎゅっと太腿を閉めるとじゅっと何かが絞り出された気がした。
「ん、んん、ん」
「さぁ、どっちに欲しいの?お口?それとも…」
ふと腰の動きをとめてマナが下級生に問いかける
「んぁ、あ…」
「あれぇメルちゃんお返事は?」
子供を諭す様に耳もとで囁く。
「わ…あの…わたし…」
「ふふん?わたしの?どこに欲しいの?」
「わたしの…お…おま…んこの中に…先輩の…下さい…」
上気した顔に恍惚の表情を浮かべ少女は上級生に訴える
「はい、よくできました。、じゃぁ…御褒美よ」
「あくっ!」
激し突き上げられ少が啼く。
「あ、ああ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
「ふ、ふ、ふ、ん、ん、」
一転して激しく腰を打ち据える
衣擦れんの音と共にピチャピチャと水音がする。
「ん、ん…」
咽から心臓が出そうな勢いで鼓動が激しく胸を叩く
胸を抱く腕の指が乳房をわし掴みにする、指がいつしか先端を鋏んでいる。
二人の動きに合わせて指で奥を刺激する。
「せっ、せんぱい!」
「ん、メルちゃん…」
二人の身体が同時に突っ張り、そしてビクッと跳ねた。
二つの身体が折り重なるのと同時にセトリアも達して思わず背後に倒れこみ…
ドサドサドサ
「あひゃぁあああ!」
「誰!」
「せ、先輩」
そして彼女はルームメイトの身体の秘密を知った。
「…ってねぇ、あのときはホント吃驚したわ、覚えてる、セティ…セ?」
「ううん…だめぇもう、ゆる…、こわれりゅううぅぅ…ううん」
「…寝てるの?あは、しょうがないなぁwこのまま寝かしておくかぁ。
ラートハウスはメルチーと…そういや最近あの子もかまってないからなぁ…たまには…んふっふふ」
その日の夕方
>>35に続くのだったw。
〜英雄伝〜外伝の外伝
Four Minstrel Girls #3
新ジャンル「絶倫ふたなりっ子」
百合分ですね
百合分ですな
ふたなりは百合に入りますか?
41 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 10:45:11 ID:A0pjPWzO
景気付けに
上げ&保守ネタをば。
男『(プルプル)…』
男『て、天国から地獄とはまさにこの事だぜ…』
男『昼休みに女の手作り弁当(味微妙)を食って幸せ気分の筈が…』
男『授業終了まであと10分で、便意マックス!!』
男『しかし、テスト前の大事な時間&汚名を着るわけには!!』
グルグルグル…
男『う、べ、便意マキシマム…や、やば…』
女「(ガタッ)先生、男くんが具合悪そうなので保健室に連れて行きまーす」
先生「おう、男無理するなよー」
男「は、はひぃ…『天の助け到来!!!』」
(ジャー)
男「助かったよ、ありがとな女」
女「どういたしまして」
男「何かお礼でもしなきゃな…」
女「(ニヤリ)…保健室で休んだ方がいいよ、体調悪いんだから」
男「うん、そうするわ」
男「…ちょっと待て、なんでそんなものをもち歩いてる?」
女「(ウィンウィン)だって最近男くん、ガード固いし。それなら自分で分析して、何とかして崩そうかなと」
男「…弁当こそが仕組まれた罠だったのか!!」
女「もう男くんいやらしいんだから!!お尻であんな感じるなんて!!」
男「妹よ…兄はお前より先に処女を散らされただけでなく、こんな体に…(シクシク)」
新ジャンル「アナリスト 惨」
>>40 百合分ですなぁW
そういや百合分ってこの二人くらいか。
リューとローラは……無理そうだな。なんかそんなんじゃないし
それはともかく便意マキシマムに吹いたw
>>43 レオルがうっかり誰か…リューと未遂で、ならありそうだW
>>42 らめぇW
某醤油学園の校長とか、ノーマルな性癖なのにガチ百合設定された某幼馴染とか…
wiki見て思ったんだが、新ジャンル「歌舞伎娘」のあえぎ声は凄そうだな
47 :
44:2008/08/02(土) 22:01:59 ID:b2k1mhXr
「まさかあの春く…いや『春ちゃん』が君だったとはな…」
春樹による『玲姉ちゃん』の一言で尽きかけていた戦意を完全に喪失したのか、
ベッドに力無く崩れ落ちる千所玲。
突然の変貌ぶりに室内の人間は驚くしかない。
「ねえ、母さん…一体どうなってるの?」
「さぁ、ね。」
不安げな妹と肩をすくめる母には構わず、春樹は目の前で力無くうなだれる、
かつての初恋相手へと話し掛ける。
「ごめん…俺、玲姉ちゃんが校長なんて全く気付かなかった…いくらイメージが変わった…」
「お互い様だよ…私とてあの『春ちゃん』が高校生で、しかもあの青山先生の息子だなんて…
想像すらしなかったよ…」
『グスン…青山先生の鈍感…グスグス…青山先生のばかばか…』
『…おねえちゃん、どこかいたいの?』
『えっ!?だ、大丈夫よ…悲しいことがあっただけ…』
『かなしいのかなしいの、とーんでけー!!!…もう、おねえちゃんなかないで』
『優しいね…私の名前は玲よ。君はなんてお名前?』
『…ぼくは…』
『あっはるっ!!ほかのオンナとあそんじゃだめー!!』
『はるくん!!いくよ!!』
『(ズルズル)…れ、れいねえちゃんまたねー』
『くすっ…はるちゃんか…』
遠き出逢いの日を思い出す二人。思えば公園でのみ出逢い、お互いの名字すら知らなかった。
「玲姉ちゃん、いや千所校長先生。何があったか俺には分からない。
だがここにいる人は俺の大事な人達なんだ。許して貰えないだろうか?」
そう言って深々と頭を下げる春樹。
「変わらないな、その優しい所は…もしその身に責任が被っても…かい?」
「ああ」
すると背後から春樹を庇う声が。
「春樹!!あたし達は被害者なんだぞ!!」
「そうよ!!ハルは悪くないもの!!」
陽子とルカ、二人は声だけでなく身を呈して春樹と玲の間に割って入る。
「黙って…馬鹿姉とルカ義姉さん…校長…私も謝るから…(未来の妻として)」
「まめこ!!そのいみしんな()はなんですか!!」
「それより『義姉さん』ってなんなのよ!!」
「み、みんな落ち着いてよ〜…」
にわかに騒がしくなった室内を見わたして、玲は苦笑いを浮かべる。
「夏実先生…いや夏実さん。いいご子息をお持ちになりましたね」
「うふふ…秋くんの子供だしね。まだ諦めはつかないかしら?」
「いいえ、卒業します。偽りの自分と青山先生から…」
夏実へ簡単にではあるが、敗北を宣言し青山秋彦への思いを断ち切る玲。
だがしかし。
『春ちゃんを大人の男に育てる楽しみか、ならまだまだ色々経験して貰った方が…』
春樹の受難は続き、彼を巡る環境は一層混迷の度合いを増すのであった。
新醤油学園 青春編
「Target Lock Again」
夕暮れの中、新醤油学園高等部の校長室。
室内は緊張と奇妙な静寂が支配していた。
『あの校長がまともな服着てる!!』
第三会議室の会談後、そのまま連れてこられた豆田姉妹に、保健室で手当てを受けた後、
訪れた夕圭と麻里愛は驚きの光景を目にしたのであった。
「こ、校長…いった…」
「…トウバンジャン」
「は、はひぃ!!!!」
静かながらも威厳のある声に圧倒される陽子。
「今回は私の過ちだ。許せ」
「………は、はい…」
「それと…テンメンジャン。お前の反逆行為も不問だ」
「は、はぁ…」
あっけに取られる四人を前に玲は更に驚愕の事態を告げる。
「『囲炉裏ちゃん…(略)計画』は破棄する。まあ今まで忘れられていた気もするがな…」
まさに今までの校長とは思えない言葉に四人はうろたえるばかり。
「こ、校長先生。そりゃ構いませんが、一体どういった風の…」
「チーマージャン、言うな。私にも答えにくい事だってある…」
椅子をクルリと回転させて窓の外を見る玲。
彼女の目には、妹と幼馴染みに腕を取られ、小柄な少女に詰め寄られる少年の姿が。
『春ちゃん…やはり君は青山先生の息子だな』
再び椅子を反転させ、四人へと向き直った玲。
「改めて指令を出す。
まず…お前達。卒業するまでに春ち…青山春樹を落としてみろ」
再び椅子を反転させ、四突然突拍子もない玲の発言に更に驚く四天王。
「わ、私は関係ないんじゃ!?」
「チーマージャンは別の男で構わん。…ただ一人仲間外れでは肩身が狭いかもな」
「何ですかその指令…」
「まあ、お前たちの体たらくを見てな。あまりにも情けなくて涙がでた」
「……」
「…見事達成の暁にはスペシャルな報酬だ。反対に誰も達成出来なければ……」
「…ペット…ですか?」
肩を抱いて震える夕圭。どうやら先程の体験がトラウマとなった様だ。
「一年間千所家のメイドになってもらう、もっともペットの可能性もあるかもな」
ニヤリと笑う玲。年長者三人がガクブルとなるのを尻目に、貴子は質問を投げ掛ける。
「…報酬の内容を…」
「…流石XOジャン。冷静だな。春樹との『二人きり』同棲用のマンションでどうだ?」
「…承知」
一言を残し、校長室を出ていった貴子。慌てて後を追おうとする陽子を玲の声が止める。
「待て、まだ話は終わってないぞ」
「貴に先を越されるじゃないですか!!」
「…まだ先は長いんだ。もう一つの指令を聞け」
「う〜……」
渋々従う陽子。
机の中から一枚の書類を取り出して、玲はやや低めの声で説明を始めた。
「…東部味噌工業の動きが妙だ」
「妙って……春樹くんのお父さんが建て直して以来、平穏な学校になった筈じゃ?」
「青山先生が退任して約二年…反動が出てきた様だ。不穏な空気がある」
報告書を片手に玲は眉をひそめ、報告書を三人へと差し出す。
「…桜吹雪女学園の生徒が何人も被害にあったらしい」
「ウチにも…?」
玲は改めて指令を出す。
「新醤油学園四天王に命ずる。学園生徒へ危害を及ぼす者を排除せよ!!」
思わずその威厳溢れる姿に見とれてしまう三人だったが…
「そうそう。誰も落とせなかったら、青山春樹は自動的に私が頂くからな。
…羨ましがるなよ」
最後の一言で台無しにしてしまう玲、だがそれが痴女クールクオリティ……
新醤油学園 青春編
「不穏なる東部味噌工業高校」
「何にしても、ハルが無事でなにより!!良かったわ!!」
いつも以上に上機嫌な妹の感想に、思わず春樹は笑みを浮かべる。
途端に左耳をキュッと摘まれる感触。
「いててっ」
「春くん、私の活躍も忘れちゃ嫌。おばさまから聞いた時は…」
春樹の左腕をとった理菜が、ルカとは逆方向から自分の活躍を主張する。
「わかってるさ、理菜ありがとな」
「えへへ」
すると今度は右腕から柔らかく暖かな感触が強く伝わりだす。
「お、おい。ルカ、あんまり強く抱きつくなよ…」
それには答えず、右腕にすがりつくよう抱きつくブラコン妹。
「…ルカ、少し離れたらどうなの?」
「理菜こそ…!!」
天を仰いで嘆息するしかない春樹だった。
玲との話し合い後、呼び止められた豆田姉妹達を残し、春樹達四人が帰宅途中の出来事。
その帰り道半ば、春樹はある事実に気付いた。
「…囲炉裏?腹でも痛いのか?」
学校を出てから真智子の口数が極端に減っている事に。
いつもなら………
「ならわたしはおんぶかだっこしてもらいます」位は言い出す筈だが。
「…はるくん、みられてます…」
「は?あ、ああ。二人とも回りから見ても恥ずかしいから…」
「はなれてもらうのは、わたしてきにまるですが……ちがいます」
「…えっ!?うそ!?かなり離れた位置だけど、確かに尾けられてる…」
「なにものです…?」
「…ルカ分かるか?」
「ううん。寧ろ気付いた真智ちゃんと理菜こそ何者ってかんじ、私的には」
春樹達から離れること約100mの距離…
「ターゲット確認、遠山理菜だ」
「まあ主演女優はとっとくとして、残りは俺達で遊んで構わんだろ」
「……御意」
「ウホッ!!なかなか可愛い男の子じゃない!!」
「…『ウホッ』は辞めてくれよ…頼むから」
謎の男四人組が不敵な笑いを浮かべていた…
が。
「あやしい男たちね……不審者かしら?」
「それにあの格好…きっと『××(蔑称)』にちがいないわ」
「きっとそうよ…」
近所の暇な奥様方の視線に耐えきれなくなった四人組。
「…今日は止めだ、また後日にしよう」
「ああ…」
新醤油学園 青春編
「不穏なる展開」
新醤油学園からほど近い交番でのこと。
「…本当に申し訳ありませんでした…家の若い者が…」
「いやいや。貴子ちゃんの家の人だと分かってたら、こんな大事にしなかったのに」
中年の警官は穏やかに話しかける。
「塩崎…勝四郎くんだっけか?あんまり貴子ちゃんに迷惑をかけちゃいかんぞ」
「す、すみません…」
勝四郎にしてみれば失態ここに極まれりである。
呼び出しは無視するは、サボってデートするは、挙句の果てに
補導されて主君に迎えに来てもらうでは。
幸いにも今回のピンチは警官が大の貴子ファンであったことで、危うきを逃れたものの。
「…勝四郎…今月は給料抜き…!!」
「ううっ……(⊃дT)」
「…と言いたい所だけど……相方に免じて5%カットで許す」
「た、貴子様っ!!」
「…代りに特別任務を…与える…」
「は、はい!!」
「…で勝四郎が晩飯を作るのは兎も角。肝心の貴はどこへ?」
「さ、さぁ……?」
夕食の場に妹の姿が見えない事に不審を抱いた陽子。
割烹着姿が妙に板につく勝四郎に内心感心しつつも、疑問をぶつけていく。
「今日だけなのか?」
「い、いえ。暫く『人生を賭けて戦うから』とのことです」
「くそ…春樹ん家に入り浸る気だな…」
「…みたいネ。陽子サマはリードされてるヨ……この煮ビタシ美味ネ」
右隣で恋人の料理に舌鼓を打つレーファ。
「…あたしは負けない!!だからレーファ、何か策を考えやがれ!!」
「ホント人任せネ…ではこんなアイデア、陽子様的にどうネ?」
レーファの話に最初怪訝な表情だった陽子は、次第に身を乗り出して聞きいっていった…
次の日。
「豆田姉が休みなんて珍しいわね、明日はきっと雨よ」
「多分陽子のことだから爆裂な寝坊してるかも」
「まめこもしらなかったみたいですし…」
青山家に帰る真智子、夕圭にルカの三人は本日欠席した陽子について噂話をしていた。
「…話は変わるけど、昨日の変な視線はなんだったのかしら?」
「…すとーかーですかねぇ?」
「まあ、真智ちゃんに付き纏っても、食べてる所しか見れないけどさ」
「ふじょくです…」
あと10歩で青山家の玄関にさしかかったその時。
「おー!!三人ともお疲れさん!!」
突如響く陽子の声。
「よ、陽子!?ど、どこにいるの!?」
「夕圭!!上、上だ!!」
三人が見上げると、青山家の隣家のベランダから陽子が手を振っている。
「な!!そこから下りなさいって!!」
「あんでだよ?」
「その家の人に迷惑でしょうが!!」
血相を変えて怒鳴る夕圭に、陽子は事も無げにある事実を告げる。
「ん、今日からあたしの家だぜ。ま、借家だけど」
「…とりあえず話して貰おうか。豆田姉」
あの後真智子達は「まだ片付いてねえ!!」と抗議する陽子を三人がかりで
青山家居間へと引っ張りこみ、詳しい話を聞くことにした。
「…んー、あたしももう16だしさ、そろそろ独り立ちを…」
「嘘だ!!!!」
陽子の弁明は夕圭の一言にかき消される。
「決めつけんなよ…第一あたしがなんで…」
「大方春樹くん絡みで突然の独り暮らしなんでしょ!!」
「うっ…」
「でも今朝までお隣は普通に生活してたのに…」
ルカが首を傾げる。
「…まぁ、それなりに金積んだしな。決して無理強いはしてねえぞ」
「…まめあね…おそろしいこ!!」
この後帰宅した春樹が陽子の一件を聞いて、流石に呆れたのは言うまでもなし。
「豆田…本当やることなすことぶっ飛んでるよなぁ…」
「…でも貴子ちゃんが一人あの豆田邸で暮らすのは、なんか可哀想だな」
夕圭がポツリと漏らす。
「…あの家に一人?」
「うん。お手伝いさんはいるみたいだけど。ご両親は海外にいるらしいから」
「…………」
翌朝、爆睡中の陽子を襲ったのは……
バババババン!!!!
「い、いってえ!!!!」
「…起きろ馬鹿姉」
半分寝惚け眼の陽子が目にしたのは、片手に空気銃を持った妹。
「た、貴っ!?何しにきたんだよ!!」
「…今日から私も…この家で暮らすから…」
「なっ!?あ、あたしの家だぞここは!!」
「…春樹さんの…指示…でご飯は毎日青山家で取ることに…」
次々に決定事項を告げられて目を白黒させる陽子だったが…
「…仕方ねぇ、貴は隣の部屋使えよ」
「……いいの?」
「独り立ちを黙ってた罰だからな、あたしも貴がいないと寂しいし」
「お姉ちゃん…」
「だが春樹の隣はあたしのもんだからな!!んじゃ先行くぜ!!」
「あっ…もう…」
仲良く姉妹和解ムードで終われば美しかったのだが…
「豆田ぁ!!せめてパジャマの下くらいははいてこいよ!!」
春樹の心労は増大する一方なのであった…
新醤油学園 青春編
「豆田姉妹確変チャンス」
順序が逆になってしまったが、長々と申し訳ない。
あと、スレ住人の方々。熱射病にはお気をつけあれ…
GJ!
しかし、中華メイドが軍師キャラだったとは…
女「あついよぉ…男の家って冷房付けないの?」
男「うちには必要ないからな」
女「こんな暑いのに?そういえば…男汗ひとつかいてない…?」
男「…うちに居れば涼しくなるはずだ。何せうちは妖怪屋敷だしな…」
女「な、なにそれ!?」
男「聞いて驚くなよ…」
・子なきじじい
・砂かけ婆ならぬ水かけ婆
・包帯のないミイラ男
・いったんもめん
・ぬりかべ
男「…と様々な妖怪がいるんだよ」
女「こ、怖いけど是非とも見たい!!」
男「…見たいのか?」
女「当たり前でしょ、で妖怪が出るのは夜?」
男「夜の方が分かり易いとは思うが」
女「うん!!じゃ男の部屋に泊まるね!!」
(少々お待ちください)
女「…で待つ間、甘い一時を過ごした訳ですが」
男 「も、もう出ねぇ…」
女「何よ!!妖怪って男の家族ばっかじゃん!!」
男「そうとも言う」
女「どこが妖怪よ!!全然怖くないじゃん!!」
『ンギャー…』
女「!!!…夜泣き声!?でも随分と野太いけど?」
男「親父だよ」
女「…なぜ?」
男「うちの親父とお袋は今でも同じ布団で寝てるんだ。最近は特に熱々でな、チャイルドプレイで興奮して…」
女「…そりゃ怖いね」
男「お陰で毎朝濡れ布団干すわ、じーちゃんは不眠症で益々乾燥化…」
女「で男は性欲を持て余し、『一旦揉めー』というわけか…」
男「騙した訳じゃないけど…すまんな」
女「まあ、いいけど……あれ?ぬりかべは?」
男「ああ、そりゃお前の事だ。ほら、その貧しい胸がまさに…」
女「死ねーーーーーぇい!!!!(ギュギュッ)」
男「ゲゲゲ…」
裏ジャンル「妖怪屋敷」
オチww
ちょw「一旦揉めー」ってWW
無理しやがって…吹いたw
世に言う
「女は興奮するとソノ気になる」と。
って訳でだ。
女「キャーーーーー!すっごーいい!」
男「うはーーー!デッケー!凄ぇーー!」
女「凄かったねぇ、最期のなんか火事?ってかほら爆弾落ちたみたいな?
なんかもーわたし興奮しちゃってー」
男「おお、凄かったなぁ、さすが日本一の花火だぜぇ(ふふ興奮してるな)
あーなんかすげー渋滞だなぁ」
女「しょうがないよねーこの人出じゃ」
男「うーん、なぁこのまま並んでるよかどっかで時間潰して…なぁ?」
女「え?…えー…えへへ」
女「ちゅ、んちゅ、んあ、ああ男くん…」
男「ん、んちゅ、んん、へへ俺の八尺玉をお見舞いしてやるぜ!」
女「まぁ、線香花火も花火だけどさ」
男「…ううorz」
新ジャンル「花火」
世に言う
「女は興奮するとソノ気になる」と。
って訳でだ。
女「キャーーーーー!」
男「うはーーー!(えへへ)」
女「あー恐かった!すげー恐いよ!ここのお化け屋敷」
男「おお、凄かったなぁ、さすが霊山の遊園地にあるだけあるよな」
あーなんかすげー人だなぁ」
女「しょうがないよねーこの人出じゃ」
男「うーん、なぁこのまま並んでるよかどっかで時間潰して…なぁ?」
女「え?…えー…えへへ」
女「ちゅ、んちゅ、んあ、ああ男くん…」
男「ん、んちゅ、んん、へへ大入道を見せてやるぜ!」
女「あらー、かわいい一つ目小僧ねー」
男「…ううorz」
新ジャンル「お化け屋敷」
男「夏と言えば!!」
女「何と言っても!!」
男「定番というかベタだけれども!!」
女「補習授業!!…男に頼まれてテンションあげたけど、虚しさが倍増…」
男「ああ…俺も」
女教師「ほら…気が済んだかしら?52ページ開いて」
女「優しい女先生だからまだマシだけど、たるいよーあついよー…」
女教師「同じよ。私だって彼氏と海に行きたいんだから(いないけど)、我慢なさい。でも…暑いわね、汗が出ちゃう」
男『ぬう…女先生の汗で下着がスケスケ。なかなか補習も悪くない』
女『あれ?男が真剣な顔してる?…(キュン)…あんな表情するんだ…』
女教師「…で…なると」
女『…今まで男の事って意識してなかったけど、何かいいかも(///)』
男『しかし、このままではマイサンが完全メタモルフォーゼ…仕方ない女を見て気を静めよう』
(チラッ)
男『…うん、女を見たら落ち着い…!!!!…女の奴ノーブラか!?』
女「『男が見てる!?』…どうかしたの?」
男「!!…何でもねえよ(プイ)『谷間と果実見ちゃったよ!!やべえ、95%まで変身完了…』」
女『あんな真っ赤になってる…男も私を意識してるのかな?』
女教師「従って…に…」
男『やべえ、マイサンを宥めないと何も出来ん。…勉強だ…えーとルート…ルート16号はラブホ通り…だめだ!!』
女『悩んでるけど、私の事でも考えてたりするのかしら?』
男『半円の面積は1/2×半径2乗×π…パイ!!!しかも2つでおっ(ry)』
女『もしかして告白なんて…いやまさか…』
女教師「…終了、お疲れ様」
男「お、お、お…」
女「男?顔が真っ赤だけど…」
男『も、燃え尽きたぜ…しかしマイサンはいまだ健在、迂闊に立てん…』
女「(チラッ)…男?」
男「ああっ!?こ、これはあくまでも男性の正直な本能というか、理性を越えた野性というか!?」
女「『私を見て…?』…うん、男…私も男の事好きになっちゃった(ポッ)」
男「???」
女教師「早く帰りやがれこのクソエロガキ共!!」
夏ジャンル「イケ(て)ない課外授業」
かみ合ってるようでかみ合ってないw
ところでさー、七番目の勇者って何か設定あったっけ?
双子連れてるらしいことは覚えてるんだけど名前とか特技とかなかったよね?
発案したひとも一年くらい音沙汰なしだし勝手に考えちゃっていいよね?
や、ちょっと設定あったと思う、双児の属性とか。
ちょと過去ログ見てみるわ
あったよー2スレの581
以下転載
『巌(いわお)と仙道の国、オーカ帝國の勇者』一行
キャラは
コールド:姉。冷静キャラ。妹に対するツッコミを担当。素直系だが甘え下手。
体温が異常に低く、普通に生活しているだけで氷なみ。戦闘時には氷点下にまで到達する。
ホット:妹。王道型素直系。ヒートと違い叫ぶことはないが愛情表現は直接的。
姉とは真逆の高温遣い。鋼鉄を飴のごとく溶解可能。板チョコとか絶対食べられません。姉の呼び方は『姉さま』。
勇者:あるいは男。普段はどこか芝居がかった嘘くさい話し方。不意を突かれるとチンピラじみた安っぽい口調に。
ある事情があってコールドともホットとも付き合える。
戦闘技能は格闘。体内の『気』をブースターのように使って身体能力を上げる闘いを好む。
ふいんき(ryはチャイナっぽく。
本編はおなじく2スレの544 、545 、571 、577 、578
ありがとうございます。過去ログ見れないんです
迷惑ついでに本編をwikiに入れておいてくれれば助かります
了解でーす、でもちょと時間ください>wiki。
ページタイトルはとりあえず「7番目の勇者」としますか。
只、544は初期稿で、これだとジョンの前任の勇者になっちゃうんで、これとか只のレスとかは外しますね。
571、577、578が本編ですわ。
自己中て我が儘だけど男にはベタ惚れなので従順(気味)になってしまう
『じゃじゃデレ』
女A「さ、女Bちゃん!今度はもっと谷間を強調するポーズを取るのよ!」
女B「ふえぇ、も、もう許してくださぁ〜い」
女C「………」
女A「問答無用!そんなんじゃ明日の表紙は飾れないわよ!」
女B「な、なんのですかぁ。なんの表紙ですかぁぁ」
女A「ほら、男Bくん!シャッターを切った切った!」
男B「すみません、女Bさん」パシャパシャ
女B「うにゅぅ」
男A「なーにやってんだ女A」
女A「な!なによ男A!」
男A「また女Bさんを困らせてるのか!女Bさんはお前の玩具じゃないって言っただろう」
女A「そんなんじゃないわよ!あたしはただ」
男A「ただも何もない!さっさと女Bさんを解放しろ!もしくは無茶な注文をやめるんだ!」
女A「わ、わかってるわよ!ふん、冗談よ。軽い冗談!まったく、冗談のわかんないヤツね!」
女B「みぃい」
………
……
男B「助かりました、僕も困っていたところで」
男A「顔が近いぞ気持ち悪い。お前もハイハイ言ってないで少しはあいつの暴走を止めたらどうなんだ」
男B「いえ、それができるのは貴方だけかと」
男A「……はぁ。やれやれだ」
女C「……………………………谷間……」
新ジャンル『じゃじゃデレ』
もうね、これしか思い浮かばなかったさ
男「ひっく…ひっく…」
A「やーい、もやしっ子の男やーい!!」
B「泣き虫野郎の男やーい!!」
女「あんたたち!!男をいじめるなんて、この女がゆるさない!!」
男「女ちゃん…」
A「くそぉ、覚えてろよ!!」
B「男のくせになまいきだぞぉ!!」
男「ありがとう女ちゃん…」
女「男の泣き虫にあきれただけなんだから!!でも…またいじめられたら…助けてあげる…」
男「うん!!」
女「てめーら!!このあたしに逆らうとはふてぇ度胸じゃないか…たっぷり可愛がってやるぜ!!」
A&B「(((゜д゜;)))」
男「あれ?女ちゃん。一緒に帰ろうよ」
女「!!…てめーら。また今度だ、覚えとけ!!…男、お前も『ちゃん』付けて呼ぶんじゃねえよ!!」
男「ごめん…つい…」
女「ああもう…辛気くさい顔すんじゃねえ!!シャンとしやがれ!!」
A「男も勇気あるよな、あの狂暴な女と付き合ってるなんてさ」
B「大した奴だ…」
男「そうかな?女ちゃんは女の子らしいと思うけどなあ?」
A「マジでw」
B「テラありえねえw」
女「…ほお、てめーら人の悪口は人のいねえ所で言いやがれよ!!」
A&B「(((゜д゜;)))」
男「あ、女ちゃん帰ろ」
女「な、ち、ちょっと待て!!あたしはこいつらに…」
男「(ボソボソ)…」
女「!!…し、仕方ねえ…A&B覚えてろよ!!」
A「助かった…」
B「しかし、男の奴は何を言ったんだろう…」
女「いやぁ…らめぇ!!お、おとこぉ!!あ、あたしぃおがしぐなっぢゃう゛!!」
男「いいよ…女ちゃん、イッてほしいな(ジュポジュポ)」
女「ああん!!はぁん!!い、いぐぅ!!いっぢゃう!!」
ジャジャー…
男「女ちゃん、またお漏らししちゃったんだ。でもそんな女ちゃんが可愛いよ(スリスリ)」
女「おとこぉ…(デレデレ)」
新ジャンル「じゃじゃデレ(厨訳)」
ヤンキーデレ、略してヤンデレですね、わかります。
アタシはグズグズした奴が大っ嫌いだ
自分の意見も満足に話せない奴に魅力なんて無いに等しい
内気「あのぅ…」
アタシはこいつが大っ嫌いだ
内気「あの…進路希望の提出が今日までで…」
ヤン「はぁ?」
内気「ひぐっ…その、回収したくて…」
ヤン「何を?」
内気「ひぃぃ……進路き…ぼうの紙を」
ビクビクウジウジグズグズ
こいつはアタシの嫌いな三要素が入ってる稀なクラスメイト、正直マジウザい
ヤン「アタシ就職しないよ、卒業したら即結婚すっから」
内気「そ…そうなんだ、お…おめでとう」
ヤン「嘘だよバカ」
内気「あぅ……ごめんね」
いっつも眉をハの字に曲げてビクビクウジウジグズグズ、オドオドもしてる
友達もいないみたいだし何の為に学校来てるのって感じ
ヤン「っつー訳でアタシ出さないから」
内気「それは…困るの、ちょっとで良いから書いて…」
ヤン「うっぜーな絶対書かねえよ!!」ドンッ
内気「ぁ…っ」ガタンッ!!
内気「いたい・・・・・」
男「内気大丈夫か!?」
内気「うん大丈夫、平気平k…」
男友「平気じゃねえだろ!足から出血してるじゃねえか」
内気「大丈夫ちょっと切っちゃっただけ…」
男友「おいヤンキー女、テメェ謝れよ」
ヤン「はぁ?誰に言ってんだよ」
男友「テメェだよこのクソアマ」
他(今のはヤンデレさんが悪いよねー)
他(さっさと退学しろよな)
ヤン「やんのかテメェ!!」
内気「違うの、強制した私が悪いの…」
男「お前はいいから保健室行こう」
マジありえねえ、どんだけお人好しなんだよ
ヤン「やってらんねー」
アタシは居心地の悪い教室から出た
アタシはグズグズした奴が大っ嫌いだ
自分の意見も満足に話せない奴に魅力なんて無いに等しい
・・・・はずなのに
気付いたら絆創膏と包帯を買っていた
ヤン「アタシ何やってんだよ…」
そんな事を考えてる間にアタシは原チャで学校まで戻って保健室のドアに立っていた
中を覗くと人一倍心配してた男子が奴と話してた
ヤン「邪魔するよ」
男「何しに来たんだよ」
ヤン「テメェに用はねぇ外に出てろ」
男子はシブシブ出て行き保健室にはアタシと奴の二人だけになった
ヤン「ん」
内気「あ…絆創膏、ありがとう」
ヤン「ありがとうじゃねえよバカ」
内気「あぅ…ごめん、優しいんだね」
ヤン「や、優しくねぇよボケ!!」
またこのパターンかよ、アタシはつくづくそう思った
いや、それはデレじゃないだろ…jk
ヤン「怪我んとこ見せろ」
内気「……ここです」
あいつはそういうとスカートを少し捲って太股の内側を見せた
内気「あまり…見ないで」
ヤン「絆創膏貼るほどじゃねーな、舐めたら治る程度の怪我だ」
内気「な…舐め!?」
ヤン「こーやって」チュ…
内気「ふぁあ!」
ヤン「舐めてたら治るよ」チュ・・チュウ
内気「や、やっぱりヤンデレさんはイジワルです…」
ヤン「やっと分ったか」
内気「でも…少し気持ちいいです…」
ヤン「////!!」
アタシはグズグズした奴が大っ嫌いだ
でもこの日以来こいつにちょっとだけ魅力を感じた
>>79 ヤンキーデレはリアルで見てたはずなのにな
おかしいな
そのまぁ、なんだ。
内容云々よりもそのブツ切り投下が気になるよ
1レス一区切りの短編ならともかく
まとめて書いてたけど気付いたら4/5貼るくらいで寝てた
つかこれくらいなら1か2レスでいいんじゃないかな。
あとデレってほら、男に対して女がデレデレって事じゃね?
女「……」
男「女ってさ、いつも難しい本読んでるよな」
友「ああ、タイトル見てもさっぱり何の本かわからん」
男「けど、女ってさ、かわいいよな」
友「ああ、文学少女という形容がぴったり来る美少女だな。メガネだし、おさげだし」
男「でさ、俺、女にアタックしようかと思って」
友「けど、アイツ割とクールだぞ。どうやってアプローチするんだ?」
男「そこはま、当たって砕けろだよ。とりあえず、本の話題に何とか喰らい付いて……」
友「やれんのか?」
男「やれるさ!」
友「なんでー?」
男「なんでかって!? それは、そう……鍛えてるからだー!」
友「……まあ、シカバネは拾ってやる」
男「……かたじけねえ」
男「やあ、女!」
女「……何」
男「何読んでんだ?」
女「……人類史上におけるマイノリティとマジョリティの変遷とその歴史的影響の考察」
男「む……難しそうな本だな」
女「……面白い、よ?」
男「ど、どういう風に面白いんだ?」
女「普通歴史的影響に関する考察においては、マジョリティに関する
考察しか行われない例が多いのだけれど、この本においてはマイノリティに
ついての考察も行われ、それが少なからず歴史的な影響を人類史に与えている
という事を、納得できる形で論証している。凄く、興味深い。英語で言うとインタラスティング」
男「……そ、そうか。面白いんだな、要するに」
女「そう、面白いの。……読む?」
男「……俺に、読める?」
女「……さあ……わからない、けど」
男「……せっかく女が貸してくれるって言うんだし、読んでみるよ!」
女「そう……頑張って、男君」
男「じゃ、じゃあ、これ、借りてくな」
女「うん……返すの、いつでもいいから」
友「おい、何かいい感じだったんじゃないか?」
男「あ、ああ……」
友「……で、それはどうするんだ?」
男「……男たるもの、女に誓った言葉を曲げるわけにはいかない……っ!」
友「男……漢だな……」
男「……でも、曲がりそう。何この分厚さ? 千ページ軽く超えてんですけど!?」
友「けど、それを読破して、その本の話題で盛り上がれば……」
男「そう、もっと女と仲良くなれるはず!」
友「……頑張れ、男よ。俺は影ながら応援してるかもしれないししてないかもしれない」
男「どっちやねん。……まあ、頑張るわ」
一ヵ月後
女「どうだった?」
男「うん、面白かったぜ! なんかこう、読書ってのもいいもんだな!」
女「どの辺りが?」
男「ああ、やっぱり二章の辺り、こう今まで考えてもなかった斬新な
着目点は目から鱗だったな」
女「……うん、私もそう思うよ」(ニパッ♪)
男(お、女が笑った……! あのクールで有名な女が、こんなに可愛らしい笑顔を……!
一ヶ月かけて、レジュメ作りながら、学校休み休み読んだかいがあった……!)
女「嬉しいな……今までこんな風に本の話できる人いなかったから……」(ニコニコ♪)
男「そうなのか? あのさ……俺でよかったら、いつでも、話し相手になるぜ?」
女「ホント?」(パァッ♪)
男「うん、ホントホント!」
女「じゃあ、今度はこれ読んできてくれるかな?」(ニコニコニコニコ♪)
男「………………さ、サイコロみたいな本だね?」
女「……だめ、かな?」(……シューン)
男「いや、読むさ! 読んでみせる! それが君のためならばっ!」
女「……男君、私男君のこと……好きかも」(キラキラキラ)
友「……あいつも難儀な恋したなぁ」
新ジャンル「読んデレ」
うつうじん
それは言うなっ!w
>>85-86 読んでる本がハーレクイン文庫になったら告白チャンスだな
ちょっと投下しますよ
寄せては返す波の音。
蒼い空には雲ひとつなく、白い砂浜が陽の光を受けてきらきらと光っている。
そして何より、視界に一直線のラインを引くかのようにどこまでも、どこまでも広がる海。
海。
海!!
「うみ」
碧の髪を風に泳がせて、少女は砂浜を駆けた。美しい白は太陽によって焼かれ、
熱を持っているが足に感じるそれすら少女の高揚を高めてくれる。
「だぁァ――――――――――――ッッッ!!!!」
リオルはそう叫びながら、だだー、と走って白い飛沫をあげる海に突撃した。そしてそのまま砂に足をとられ、
波に体当たりする形ですっ転ぶ。引く潮でごろごろと転がりあっという間に全身ズブ濡れリオルになった彼女は
それでも最高潮のテンションのまま八重歯を覗かせて大きく笑った。
「ジョン!見て!ジョン!ほら!海!海!!うーッ!みーッ!!」
「リオル。はしゃぐのも分かりますが遊んでいると置いていきますよ」
「うぇあっはーい!!」
分かっているのかいないのか。妙な奇声を上げながら波と戯れている少女を見やって、
ジョンはしかし怒るでもなく、仕方ないな、と溜め息をついた。
「すみません、ヒロトさん」
「いいさ。なんせリオルは海を見るのが始めてなんだから」
隣でやはり海を見ていたヒロトが謝ることはないと首を振る。
そう。リオルの生まれは火山であるモン・スレイヤーであり、こうやって少女の姿を手に入れるまでは
溶岩の溢れる火口の洞窟に篭っていた火龍イグニスドランなのだ。今までのジョンやヒロトたちとの旅の中で
結構な大きさの河や湖は見たことがあるのだが、磯の匂いが風に薫る海というものはまた趣きというものが
違うとういうもの。そうでなくとも海には全ての生物のテンションを上げる何かがあるのだ。
砂浜で拾った蟹を水平線に向かって思いっきりブン投げるリオルを誰が咎めることができようか。
「気持ち良さそうですわね。ね、ヒロト様。そのぅ……少しくらい遊んでいくのはダメでしょうか?
もちろん、仕事のあとでですけど」
大きな日よけの麦わら帽子の下から、ローラがヒロトの顔を覗きこむ。
そう、彼らは何も海を見るためにここ、海辺の町に来たのではない。今回はちゃんとした依頼、
しかも聖堂教会からの任務を貰って仕事でやってきたのである。
海魔退治―――。
この町に住む漁師によると、今の時期は少し沖に出て投網を用いた漁を行っているそうなのだが、
漁に出た船が帰らないという事件が今期に入って既に十件以上も発生しているらしい。
ある漁師は目の前で『何か』に襲われて仲間の船が沈むのを見たという。波に浚われたとは思えない、
『引きずり込まれた』ような沈み方だったので魔獣の仕業には間違い無さそうだが、
しかし漁師たちとて何も昨日今日初めてこの海で魚を獲っているわけではないのだ。
漁は人間の力の及ばない強力な魔獣が現れないような海域、時間帯を選んで決められるし、聖堂教会は
いい顔をしなくとも漁の無事を祈願するための『奉納』として、きちんと酒の樽を流したりもしている。
その儀式は、酒が人間にしか作れない甘露であり人間を殺してしまうと美味い酒を飲めなくなるために
海の魔獣は漁を行う人間を見逃してやる、という長い間続けられてきた暗黙の取り決めなのだ。
その了解が破られたとあらば、漁師の方も黙っているわけにはいかない。生活ができなくなってしまう。
そうして聖堂教会は魔獣退治の専門家であるヒロトに『使命』を下し、
一向は一路海を目指すことになったのだった。
が―――。
「スイカ!ジョン!スイカない!?割りてぇぇぇええ!!何故だか無性にスイカが割りてぇぇええ!!」
「……ね?せっかく海に来ているのですから………」
リオルは興奮しすぎてわけのわからないことを叫びだし、ローラもなんだかそわそわしている。
ヒロトは口をへの字に曲げた。まぁ、少しくらい遊んでいっても罰は当たらないだろうとは思う。
それに、少女たちが楽しみにしていることを(一人は既に楽しんでいるようだが)無碍にするのも忍びない。
もちろん、任務が終わってから、の話ではあるが。謎の海獣を鎮めることは最優先だ。
聖堂教会は倒してしまえといってきたが、今のヒロトなら殺生はしなくてもぱぱっと無力化することは可能だろう。
相手にもよるが、なにせこちらには魔王がいるのだから。
魔王―――。
「リュー?」
ヒロトが顔を向けるとリューはこの蒼天と青海に相応しくない、うじゅうぅ、といった苦い顔をしていた。
そういえば今回、海に向かうと言ったときからこんな感じだった気がする。
リオルのネジが二、三本飛んだかのようなはしゃぎっぷりで印象はそっちへ持っていかれてしまったが。
ヒロトの声に気付くと、リューはぱっと顔をあげて何やらわたわたと手を振った。
「う、うむ。何だ?」
「いや、何か嫌そうな顔をしていたから」
「嫌?何の話だ。我は魔王。嫌なことなんてあるものか」
「………なら、いいが」
ぼぉう、と猛る血潮の赴くままに口から火炎を吹いているリオルに目線を戻す。
さすがに危ないのでジョンに怒られている………こっそりと横目でリューの様子を伺うと、
やはりどこか憂鬱そうな様子で、小さく溜め息なんかをついていた。何なんだ。
ヒロトは首を傾げた。
「正直、海にはいい思い出がないのだ……」
薄いカーテンに遮られた狭い空間、しゅるしゅると服を脱ぎながらリューは溜め息混じりに呟いた。
「?」
話を振ったわけでもなかったので、リオルとローラはきょとんと顔を上げる。
ちなみにリオルは海でずぶ濡れになったので服は既に着替えていたりする。
「というと?」
「………魔王城からヒロトに連れ出された直後の話さ。
知っての通り、魔王城からこの大陸に入るにはどうしても海路を取らねばならんのだが」
「あ、そうなんですの?」
魔王城がどこにあるのか。それは人間の記録にはまだない最果ての大地、ネバーノゥズのどこかだと言われている。
そこは北の大洋の中心にある島。その暗い海には無数の強大な魔獣が待ち構え、常に大時化で
荒れ狂っているために存在すらろくに確認されていない。暑いのか、寒いのか。殺風景なのか
うっそうとしているのか、それすら不明の未踏領域(アンノウン)なのだ。
―――が、当然のことながらこの魔王はそのネバーノゥズ出身なのであるからして。
「そうなのだ。で、その海を渡るのにヒロトが乗ってきた手漕ぎボートに乗せてもらったのだが」
「ボート!?鉄の戦艦でも渡れないあの海をボートで渡ったんですの!?」
「ん?ああ。水漏れが酷いボロ船でな。話を聞いたところ誰も魔王城まで乗せてくれなかったんで
海岸に流れ落ちてたボートを自分で修理したとか言ってた。馬鹿だろ」
「…………なんというか、もう呆れるしかないってヤツっすね」
「まったく。で、その過酷な航海をこともあろうに我にも強要したのだよ。ヤツは」
リューはどこか遠くを見るような目をして、次の瞬間目尻を押さえた。
「魔王城の外へ連れ出してくれたヒロトは、まぁ、なんだ。当時の我には少しばかり眩しい存在でな。
まぁそれもヤツなりの目的あってのことだとわかってはいたんだが、ほれ。なにせ我、ヒロトとは
殺しあうしかない運命だと思っていたから。それを破って別の道を差し伸べてくれたわけだから、
そのぅ……………わかるだろう?」
「………ええ、まぁ。」
出会ってすぐのヒロトとリューのことをあまり詳しく聞いていない。ローラには、だがリューの言うこともわかる。
リューはヒロトに魔王城から連れ出されるまで城の外に出たことがない究極の箱入り純粋培養だったそうだ。
その扉を開けてくれたヒロトは白馬の王子様にも見えたことだろう。しかし、リューがそんなに初期から
ヒロトのことを意識していたとは―――。
……………………………好きになったのは私のが先ですもん。
「何か言ったか?」
「いえ、何も」
ものすごい勢いで目を泳がせたローラをとりあえず置いといて、リューは溜め息をついた。
「あー、それで海がトラウマになったとかですか?」
「……それだけではない。当然我、船なんか乗ったの初めてだったからな。耐性がついておらなんだ。色々と」
木の葉のように揺れる小船。流石に魔王が乗っているとあって襲いかかってくるような馬鹿はいなかったが、
右も左も上も下もないようなボートの上でリューの身体、特に内蔵的な部分がどうなったかは想像に難くない。
「………オートマティック?」
「オートマティック」
ローラの問いかけに遠くを見つめながら頷くリュー。
ローラとリオルは同情した。そりゃあもう、もの凄く同情した。
そりゃあトラウマにもなるわ。やっと巡り合えた想い人の目の前で嘔吐マティックである。
むしろその場で身を投げなかった分だけ立派だというところだろう。
「で、でもリュリルライア様!せっかく海に来たんだしィー。ね、楽しまないと!」
わたわたと手を振って励ますリオル。その声を聞いて、リューははぁ、とまた溜め息をついた。
胸元にそっと手を添える。リオルやローラのそれとは明らかに見劣りする、申し訳程度の膨らみは
この恰好ではどうしたって誤魔化しがきかなくなる。
………いっそ子供化してやりすごそうか、いやそれは逆に恥ずかしい。
この間のドレスアップはヒロトと二人っきりだったから良かったが。
「どうっすかー?」
「わぁ!!」
カーテンの上からリオルが顔を覗かせる。
驚いて固まるリューの頭のてっぺんからつま先までじろじろと無遠慮に眺め回して、リオルはふんふんと頷いた。
「うーん、やっぱこっちの水着の方がいいんじゃないかなぁ?どう思う、ローちゃん」
取り出した紺色ワンピースタイプで胸元に名札ワッペンのついたそれを掲げてみせる。
無論、ローラとリューが首を縦に振ることはなかったが。
男二人の着替えは早い。ハーフパンツタイプの水着にハイビスカス柄のシャツといった恰好のヒロトとジョンは
さっそく聞き込みに回っていた。日差しが強く暑いこの地域、しかも今回の相手が海中にいるとあっては
鎧姿では重りにしかならないという聖堂教会側の『差し入れ』である。
実際その通りだったのでヒロトたちはその差し入れを快く受け取り、
勇者扱いにはならない女性陣はこの町で唯一の服屋でお気に入りの水着を購入することになっていた。
「………遅いですね」
砂浜に三角座りをしているジョンが呟く。足元をかさこそとヤドカリが一匹、通り過ぎてゆく。
約束の時間はとっくに過ぎている。大方の聞き込みも終わり、集合地点にやってきたのだが
そこに少女たちはいなかった。女性陣は聞き込みには回らずずっと買い物をしているはずだから相当なものである。
「遅いな」
その隣にあぐらをかいているヒロトといえば、何やら難しい顔でぱらぱらと分厚い本を捲っている。
「なんです、それ」
「図鑑。この町、情報局がないんで荷物下ろしたあとリューに召喚してもらったんだが」
「………………魔道書ですか?」
「いや、普通の市販されてる本だ。あいつ、城から出てから結構普通の本も読むようになったけど、
荷物になるんで必要な時以外は魔王城の書庫に転送してるらしい」
『エゼキエル』や『アル・マデル』級の魔道書がごろごろしている魔王の書庫に市販の恋愛小説やら
図鑑やらが並んでいる光景を想像して、ジョンは少しばかり頭痛を覚えた。シュールすぎる。
こめかみを押さえているジョンの隣でヒロトは首を傾げ、続けた。
「海に出るって言う怪物に該当しそうな魔獣がいないんだよな」
「そうなんですか?」
「ああ。この辺りの海のヌシは『八ツ牙腕』のクラーケンらしいんだが、
どうも船乗りたちの話じゃ襲ってくるのはもっと得体の知れない『何か』らしい」
そもそも目撃証言があまりに少ないのがネックなのだが―――その姿を見て、
生きて帰ってきた者があまりに少ないため―――それでも僅かに生き残った男たちによると、
あれはクラーケンの触腕では決してありえないという。
クラーケンはやれ八つ首の海竜だなんだと言われてきたがその正体は巨大な軟体生物、蛸や烏賊の怪物である。
海中から伸ばされるそれはあくまでも『腕』であるため、牙のような吸盤がついているといえど
船を襲うとすればまず巻きつかなければならない。
しかし、漁師の話によると船はまるで海に吸い込まれるように沈んでいったのだそうだ。
彼らは言う。
『緑色の海に喰われた』
と。
「海に喰われた、ですか」
「ああ。気がついたら辺りの海が気味の悪い緑色に染まっていて、まるで落ちるみたいに仲間の船が
沈んだんだそうだ。生き残った男は必死に海に飛び込んで逃げて―――船の残骸と一緒に海岸に流れ着いた。
意識を取り戻したのは三日前の話。海の中で大きな光る目を見た、とも言ってた」
「大きな、光る目―――」
「それ以上はわからない。そいつ自身まだ半分錯乱状態で、話しながら気絶した。
あれ以上聞くのはちょっと無理だな」
「………そうですか。そうですね」
とにかく、この町の漁師たちが今までに遭遇したことのない『何か』であることは確かなようだ。
しかも制御を外れている。この海に棲む魔獣ならヌシであるクラーケンがその魔獣を管理するはずで、
クラーケンはこの町の漁師たちの『奉納』を受け入れている手前、漁師たちを襲う魔獣を放っておけないのだから。
ということは、既にクラーケンはその怪物と戦って敗れているのかも知れない。
「こっちもE.D.E.N.を使って調べましたが………船が襲われても、海岸には死体が上がっていません。
生き残りは、本当に運が良かったとしか言いようがないほどにね。となると、その魔獣が
船を襲う目的は―――それ、でしょうね」
「………………………そうか」
「ヒロトさん。今回は聖堂教会の勅令の任務です。しかも人喰いの化け物で、ヌシさえ倒しているのかもしれない
強大な力の持ち主だ。さらには相手は海の上―――地の利までもが相手にある。情けをかけることはできない。
………違いますか」
「………………………………」
ジョンはその怪物を殺してしまえ、と言っている。
いつものように交渉で退いてもらったり、叩きのめしてお灸をすえて終わり、ではなく。
始めから。剣を抜いて。勇者として。
ジョンの言うことはわかる。相手は理を乱し、人を襲った化け物なのだ。
襲われた漁師たちにも、勿論家族はあった。恋人も、子供もいた。生き残った者も、恐怖で精神を破壊されていた。
そんな傷ついた彼らをこの目で見た。それでも、
「殺しにいくつもりはない。こっちにはリューがいるんだ。相手が魔獣ならなんとでもなる」
「ヒロトさん……」
「……………『人を喰ってはいけない』っていうのは人間の常識だ。
相手にとってはただ飢えを満たしただけかも知れない。なら俺がまずするべきなのは、
もうヒトを食わないよう説得することだ。それからどうするかは、それからの話だろう」
「………………」
ジョンは何か言い返そうとして少し口を開いたが、結局喉を震わせることなくまた口を閉じた。
何を言っても無駄。この勇者は人と魔獣が諍う現状を憂い、単身で魔王にも挑んだ男なのだ。
かつて死山血河の凄惨な光景を見てきた―――否、作り出してきた彼だから。
逆に、人の側に偏った位置にはもう、立てなくなっている。
そう悟った。
「……しかし、相手が人間の味を覚えてしまっていて、もう他の獲物を襲う気がなくなっていたときは?」
だから、辛うじて、それだけを訊ねる。
「その時は―――………仕方がない」
返ってきたその言葉に少しだけ、安堵した。
「おっまたー♪」
背後からリオルの陽気な声がしたのは二人のやりとりがひと段落ついて、なんとなくまた海を眺め始めた頃だった。
少しだけ沈んだ空気だったので、彼女の明るい声はありがたい。ヒロトとジョンは振り返って、
―――少しだけ、目を奪われた。
眩むような美少女三人がそこにいた。
貧乳と言えば聞こえは悪いが、その分しなやかでスレンダーな身体に黒のワンピース―――ただし
胸元には大きくダイヤ型の穴が開いている―――を身につけ、白いパーカーを羽織った海辺の魔王。
ボトムの角度がかなり小さく、ほとんど腰までカットされたハイ・レグがもとより長い脚をさらに際立たせている。
上半身の露出が少ないために晒された脚線が妖艶に目を引く恰好である。
凹凸の際立つ抜群のスタイルを惜しみなく晒す清楚な白いビキニ―――もっともデザインは清楚とは程遠い、
ただでさえ小さな布地を繋ぐのは完全に紐といった有様である―――に青のパレオを巻いた波音の姫君。
一歩歩くたびにその大きな胸が揺れ、パレオのスリットから白い脚が覗く様はちょっと平気では直視できない
美しさがある。話しかけられて顔を向けようにもどこを見ればいいのか困ってしまうほどに。
そして健康美溢れる肢体を際立たせる紺色の水着―――胸元に大きく名札が貼ってあり、不器用な汚い字で
何故か『りおる』と書かれてある。無くしても安心―――で、麦わら帽子をかぶったビーチの龍。
地味な色、地味なデザインのそれは色気もなにもないようでいて、それが逆に素材の良さを引き出している。
しかも本来幼子が着るであろうそれを育つところは育った彼女が纏うことによって、どこか背徳的な
「………リオル。なんですかそれ」
「え?どっかヘン?」
顔を引きつらせて紺色の水着に身を包んだリオルをじろじろと眺め回すジョン。
リオルはきょとんとして身体を捻らせたりしながら自分の姿を見てみる。別に水着が裏表になったりしていない。
ヘンなところはないはずだ。
「いやヘン………ではないですけど」
「だったら褒めれ!リオルは結構褒めると伸びる子ですよ!?」
「いやぁ、ヘン………………ではないんですけど………」
なんだろう、何かが酷くズレている気がするジョンであった。
「うん、綺麗じゃないか。似合ってるぞ」
その隣で、何やら頷いているのはヒロトである。………ちょっと待って。今なんて言いました?
リュー、そしてローラは驚愕した。絶句した。愕然とした。空間が歪み、稲妻が空気を焦がした。
「うわ!危ないな!」
放たれた魔力波と電撃を跳んで躱し、ヒロトは抗議の声をあげる。
ヒロトを攻撃した二人は完全に敵を見る目でヒロトを睨みつけていた。
「―――リューさん。相手は何者ですの?」
「わからん。変化の魔法だろうが、魔力の残滓も感じさせない。恐ろしく精巧な変身能力だ。
我をも欺くとはよほどのてだれに違いあるまい……」
「ええ、しかし失敗しましたわね。ヒロト様はどんなに着飾っても超スルーするどころか速攻で
今後の予定を話し始めるような超絶朴念仁なんですわよ!?」
「おのれ偽者め!ヒロトをどこへやったのだ!?」
混乱している二人だった。
「………お前らな。俺だって褒めるときは褒めるぞ」
ヒロトがぼやく。
リューとローラはひとまず臨戦状態を解き、まじまじとヒロトを観察し、
それが偽者ではない正真正銘本物のヒロトであることにようやく気が付いた。そして滂沱した。感涙である。
あの、あの朴念仁を絵に描いて額縁に飾ったようなヒロトが!水着姿をお披露目した女の子を前にして!
まず一声、褒めた!さらには『綺麗だ』だって?これが涙せずしていられようか。夢じゃなかろうか。
「リューさん、ヒロト様が、私のこと綺麗だって……」
「ああ。いや我に言ってたと思うが」
「結婚しようって……」
「いや、それは言ってないと思うが。言ったとしても我に言うと思うが」
「くたばりあそばせ」
仲のいい二人であった。
「見てほらジョン。この水着、ワンピースに見えるけど実はここで分かれてて、
胸から入った水がお腹の下から逃げる仕組みになってるの!よくできてるでしょー」
「わかりましたから見せないでください!」
こっちも、仲のいい二人であった。
「―――なるほどな。漁船を襲った魔獣はクラーケンではない、別の怪物だと」
とりあえず集めた条件を話し合い、リューがはぁ、と溜め息をついた。
「しかも真性の人喰い(マン・イーター)かぁ。んー、珍しいけど、ない話じゃないもんなぁ」
「やはり、そうなんでしょうか?」
訊かれて、リオルはむぅ、と唇を尖らせる。
「まぁ、ぶっちゃけ好みの問題なんだよねー。魔獣にだってトーゼン好き嫌いはある訳。
あたし―――『灼炎龍』のリオレイアだって山のケモノより人間の村にいる家畜の方が美味しかったから
麓まで飛んで襲いに行ってたわけだし?ヤな話になるけど、ソイツが人間を食べて『美味しい』と思ったんなら、
………まぁ、そうなっても不思議じゃないと思う」
ぞっとしない話だった。
「こればっかりは嗜好だからねぇ。ヘタに譲歩したりしないで、リュリルライア様の魔王権限で
わかりやすく禁止しちゃった方がいいかも。一月に何人までOK、とかそういう話じゃないでしょ?」
それは―――無論だ。
相手が人喰いで、それしか口にできないようなら。ヒロトはそいつを生かしてはおけない。人間の敵として。
情けない話ではないか。人間と魔獣が共に生きる世界といっても、結局のところ相容れないのなら戦うしかない。
そうやって、残念だが仕方ない、として。いったい人間はいくつの略奪を行ってきたことだろう。
ヒロトは見てきたのだ。人間と魔獣の諍いはリオル―――リオレイアのように魔獣の側が
人間の村や町を襲ったことに端を発するものばかりではない。むしろそれは稀であり、
魔獣の棲む土地に人間が移り住んだために起こるケースがほとんどなのである。
――――――仕方ないことなのだ。
町がなければ人間は生きていけないし、森を拓けばその森を管理するヌシは当然それを阻止しようとする。
そして森を奪われた魔獣たちはかつての自分の土地を取り戻そうと、人間を襲い始める……。
その因果を、摂理を、仕方がないと諦めることをしたくなかったからこそ、ヒロトは魔王を目指した。
―――筈なのに。
結局のところ、どうしようもないことには成す術もなく。
理(ことわり)を変えることができるわけでもない。
少しくらい強かろうが、頑丈だろうが、ヒロトは唯の人間なのだから。
「………………………………」
沈みかけた思考を、頭を振って封印する。今考えるべきことではない。
今はとにかく、その怪物の発見と正体を突き止めることが先決なのだ。
「ヒロト」
「ヒロト様……」
「ん。ああ、すまん。大丈夫だ」
リューとローラが察したのか、声をかけてくれる。まったくありがたい。
この一声が、どれほどヒロトの支えになってくれていることだろう。
さて―――。
「今回は俺とリュー、二人だけで行こうと思う」
「妥当ですね」
「えー」
「えー」
ヒロトの提案にジョンは頷き、二人っきりというシチュエーションに反応したローラと
喧嘩に参加したいリオルが不満そうな声をあげた。
しかし少し考えればわかることだ。ジョンの言うように、今回は完全に相手に地の利がある。
最悪、足場がない海中で戦わなければならないのだ。拳闘主体のジョンは言うまでもなく、
稲妻を使うローラもここで外れる。海の中では電撃は拡散して使い物にならないためだ。
仲間ごと黒こげにするのはどう考えてもうまくない。
リオルはといえば、確かに龍化して空を飛べば一応海戦には対応できるかもしれない。
が、風船じゃあるまいしいつまでも飛んでいられるかというとそれは無理だ。
潜り、襲いくる相手には分が悪すぎる。しかもリオルの武器は炎であるからして。
「……………ヒロトはどうなんさ?」
「俺は今回の使命を受けた張本人だからな。一応、海戦の経験もある」
………そういえばこの男、荒れ狂う海を越えて魔王城に乗り込んでいった勇者なのだ。ボートで。
「リュー。頼めるか」
リオルがむう、と黙ってしまったのを見て反論はなしと取ったか、ヒロトは首を回してリューの方を向いた。
リューは―――。
「………………」
微妙な顔をしていた。
ローラとリオルにはその微妙な顔を理由がわかる。ヒロトと二人っきりというシチュエーション、
それは願ってもないところだろう。たとえ色気も何もない魔獣退治になろうとも、頼られるのは嬉しいのだ。
しかしそれは今回トラウマと被ることになる。当然移動は船だろう。以前、湖を渡るときに乗った船では
調子が悪そうではなかったので(ローラを警戒していて、それどころではなかったのかも知れないが)
特に酔いやすいというわけでもないのだろうが……。
ヒロトは小首を傾げた。水着に着替える前にもリューはなんだか嫌そうな顔をしていたことを思い出す。
なんだろう、リューは海が嫌いなのか?海、海―――。
と、そこまで思考を巡らせて、ヒロトは気付いた。
「ああ、安心しろ。今回の海は比較的静かだから。それにジョンに酔い止めの薬も貰えるだろ?」
「………………………………」
至極あっさり言うヒロトを、リューは思い切りジト目で睨みつけるのだった。
聖堂教会から提供された船は大きな帆のついたヨットであった。とりあえず沖には出られる、
しかしこれを足場に戦うのは結構無茶ではないだろうか?と残されるジョンたちは不安そうだ。
もっと大きな船を手配することもできたのだが、多人数用の帆船では船の知識がないヒロトたちでは
操作できないし、船員を増やせばそれだけ彼らに危険が及ぶことになる。
それに―――ヒロトは『退治』という使命を全うする気はないのだ。あくまでヒトを襲わないように、
そしてこの海域から離れるように誓約させることが目的である。殲滅は―――そのあと。
聖堂教会の命令を無視する姿はできるだけ晒すべきではないし、
何より、リューの秘密は絶対死守しなくてはならないのだ。
ヒロトはその点で、勇者としてかなり危うい立場にあるといえよう。
「そんなもの、今に始まったことではなかろうが」
ふよふよと宙に浮きながら、リューがニヤニヤと笑っている。
よほど船に乗りたくないのか、結局こうやってヨットの周りを飛びながらついてきているのだ。
無論、リオルと同じくリューとて飛行にはそれ相応の魔力を消費する。飛び続けるにも限界があるのは確かだ。
ただしそれは、短く見積もっても数年間。いやともすれば半永久的にリューは空を飛んでいられるかもしれない。
そもそも彼女、旅の間にも実は少しだけ浮いていたりするのであるからして。
ヒロトたちの旅は基本的に徒歩での移動になる。それは岩山を上り、砂丘を下り、
町から町へ渡り歩かなければならない過酷なものだ。勇者であるヒロトやジョン、王女なのにやたら活発なローラ、
それに龍の力を持つリオルならともかく、インドア派の魔王にそこまでの体力はない。魔王なのに。
しかしその代わりに魔力でカバーはできる。それがすなわちこの浮遊なのである。
「だが貴様には何も疚しいことはないのだろう?ならば堂々としていればいい。
何、いざとなれば我とローラが何とかしてやるさ」
「そりゃあ助かるな」
風に向かって斜めに進むヨットは慣れなければ扱いが難しい。四苦八苦しながら、ひっくり返らないように
バランスを取ってなんとか沖へと進んでいく。その隣を飛ぶ、水着姿のリュー。
振り返れば陸はもう小さく、水平線にうっすらと張り付いた膜のようにしか見えない。
見掛けによらず結構なスピードが出ているらしい。
「お、ヒロト。見ろ。鳥だ、鳥」
二人のすぐ横を海鳥がすいっと通っていった。風に乗るように旋回し、ゆっくりと離れていく。
魚を探しているのだろうか。波を覗き込んでみると、きらきらと光るものが見えた。
波の煌きではない。小魚が泳いでいるのだ。海鳥がくー、と鳴く。なんだか楽しい。
「………さっきまで嫌がってなかったか?」
「我は船に乗るのが嫌だったのだ。こうやってお前と二人、海を散歩するのも悪くない」
リューはくつくつと笑うと、片足を海につけたままヒロトを通り越し、くるりと回転してみせた。
それは冬の湖に踊る氷の妖精のように優雅で、未曾有の魔獣を前に緊張するヒロトの心を緩めてくれる。
「―――いや、我はヒロトとならばどこでもいいかも、な?」
思わず微笑んでしまったヒロトの顔が、その言葉で固まる。照れよりも申し訳なさが色濃い影を落とす、
決して嫌悪ではない、複雑な表情だった。リューの微笑みには透き通るような好意が溢れていた。
それでもヒロトは答える言葉を持たない。触れ合う指先に特別な意味を込められない。
ヒロトにとってリューが特別な存在だということは明らかだ。しかし―――。
「そんな顔をするな。聞き流せ。南国の太陽が我を少しばかり大胆にさせているのさ」
リューはぱしゃ、と水を跳ねさせると、ふわりと少し高度をあげた。
その姿を目で追うが、逆光になったため、ヒロトはそのときリューがどんな顔をしていたのか知る術を失った。
「―――しかし、随分と久しぶりじゃないのか?貴様に聖堂教会から使命が降りるのは」
「そうだな。少なくともリューと一緒に旅をするようになってからは
初めてだから―――ああ、本当に久しぶりだな」
「まぁ貴様は元々、放っておいてもあちこちで魔獣相手に大立ち回りを繰り広げるようなヤツだからな。
いつだったか遺跡の中で暴走した古代兵器を殲滅したことがあったろう。あれなんかまだ危機に誰一人
気付いていなかったが放っておいたら街の三つくらい滅ぼされていたかも知れん。それを未然に防いだのだ。
そういうヤツなんだよ、お前は」
ヒロトは、ちょっと目を丸くした。確かにそんなことはあったが、それはリューと仲間になるずっと前の話である。
聖堂教会にも別に報告する必要もないかと思って報告はしていない。加えて独り旅だったために、
それを知るものは誰もいないはずだ。………なんで知っているんだ、リューは。
正解は、ヒロトの旅のかなり初期からリューは魔法水晶でヒロトをずっと観察していたからなのだが、
もちろんそんなことはヒロトは知らない。
何故知っているのかと聞くと、リューはすいっとまた海の上を滑って秘密だ、と笑った。
さっきのお返しだ、と。
「ああ―――しかし、いい天気だなぁ。リオルがはしゃいでいたのもわかる気がする」
空を仰いで、リューは眩しそうに目を細めた。
ヒロトも疑問をそれ以上追及する気にはなれず、黙って風を感じている。
帆を膨らませ、波を切って進むヨット。その周りを流れるようについてくるリュー。
耳をすませば、聞こえてくるのは鳥の鳴き声と波の音だけだ。
海は広く、平和で、正体不明の怪物が現れるなんてにわかには信じられなかった。
「そういえばリオルがスイカ割りがどうとか言っていたろ。あれはなんのことなんだ?」
「なんだヒロト、知らんのか?目隠ししたままスイカの気配を感じ取り、棒で叩き割るという遊びがあるのだ。
その昔、盲目の剣客が視覚を頼らぬ剣術を編み出した際行った修行に端を発しているのだとか」
「へぇ」
「ま、リオルはただスイカが食べたいだけだろうが」
「……だろうな」
食い意地の張ったリオルのことだ。スイカを割ろうと振りかぶった棒についつい力を込めすぎて、
木っ端微塵にして泣きを見る、なんてこともありえる。ジョンが溜め息をつく様子が目に浮かぶようだった。
「仕事が終わって陸に戻ったら、あの町で少しくらいゆっくりするのもいいかもな。
特にリオルは二、三日泊まっていかないと暴れそうな気がする」
「当然。リオルだけと思うな。我とて海で遊ぶのは初めてだからな。色々やりたいこともあるし、
何より海は飯が美味いと相場が決まっているだろう?我、エビ食べたい。エビ」
「クシャス温泉で食べたのが気に入ったのか?」
ヒロトははは、と笑って、それからすっと笑みを消すと、目を細めた。
「そのためにも、リュー、頼むぞ」
「任せろ」
リューがニヤリと口の端を吊り上げる。その時だった。ヒロトの乗っていたヨットがぎしっ、と動きを止める。
風が消えたわけではない。何かに捕まったのだ。よく見ると、いつの間にかヨットの側面に
深い緑色のものがびっしりと張り付いているのだった。
これは―――海藻、か?
「リュー!」
「わかってる!」
それだけではない。見る見るうちに海が緑色に染まっていく。
ヨットに張り付いた海藻はざわざわとあっという間に成長し、その重みでヨットはどんどん沈んでいく。
これは―――
「海の底からか!」
海底深くから海面に向けて上昇し、船を飲み込もうというのか。故に気が付いたときには手遅れ。
小魚を追い詰める鯨のごとく、逃げ場を与えず『それ』は一気に船を海に引きずり込んだ。
――――――オォ、オオオオオ、ォォオオオォォォォ……
海の底から襲来したそれは、静かに根を下ろした藻の触手を一気に引いた。
そのパワーはヨットを『海に落ちるように』沈め、苗床である人間を完全に無防備にする。
海に放り出された人間になす術などないのだ。たとえ世界一泳ぎが得意な人間だろうが、
逆にかなづちだろうがそんなものは『彼』にしてみれば蟻のそれに等しい。
えらを持たない人間は水中で呼吸をすることができず、ひれを持たない人間は水中で自在に行動することも
ままならない。あとは果物を摘み取るように、その身体を飲み込めばいいだけのこと―――。
――――――オォォオォォ、ォォ、ォォォォォオオオ……
しかし、沈めたヨットに乗っていたはずの人間はどこにもいない。
それは首を捻った。沈める瞬間にヨットから跳んだとしても泳いでいる姿がそれからは丸見えのはずなのだ。
いったいどこへ―――?
と、水面に何か大きな影が映った。鳥?いや違う。あんな大きさの鳥は海にはいない。
それにあの形。あれはまるで魚―――鮫ではないか。しかしそれも妙だ。
海底から見る限り、どう考えてもあの鮫は空を飛んでいる。より正確に言うなら、空中に静止している。
そんな鮫がいるものか。ならばあれは何だ。
『彼』はその正体を確かめるため、そして見失った人間の姿を探すためゆっくりと浮上を始めた。
ざばば、と海面を盛り上げてその姿を現す怪物に、ヒロトたちは半ば唖然としていた。
緑色の怪物―――それは海苔や昆布などの海藻が集まってできたような化け物だった。
どこが頭かもどこからが胴体なのかもわからない『塊』である。辛うじて爛々と光る目と
全てを飲み込むような口が開いているためにどこを見ればいいのかわからない、
という事態は回避されているが、しかしそれにしても―――。
『ォォ、オオオオォォォオオオオオオオオオオォォォ………』
――――――でかい。
鯨どころの話ではない。小さな島ほどもあるのではないか、考えてみれば真下に来ただけで
海を緑色に染めたような相手である。ここまで巨大だと最早何がなんだかわからない。
ヒロトはリューに頼んで、もっと距離をとってもらった。
しばらく離れたところで、やっと全貌が見渡せる。いやはや、生物とは思えない大きさだ。
「リュー、この辺でいい!」
大声で叫ぶ。叫ばなくてはこの大風に負けて声が拡散されてしまう。ヒロトもコックピットに
入ればいいのだろうが、ヨットから飛び移るのと乗り込むのを同時にこなせるほどヒロトも器用ではない。
それに―――フレズヴェルグのコックピットは狭いのだ。
フレズヴェルグ。
魔王リュリルライアが創造し、召喚し、使役する超高速飛行を可能とするクレイドラゴンであり、
従来とは異なり背中に乗るのではなく『腹に飲まれた』状態で操縦する。
四肢の代わりに挿げ替えられた頭部から大風を噴出し、
最大速度は音速をも優に超えるという飛翔に特化したゴーレムである。
ただし機動性は高いもののその分搭乗できる人数はたった二人と少ない。それも本来一人乗りのところを
詰めての二人なのだ。前回は三人で乗ったが、あまりにすし詰め状態で身体が痛くなってしまった。
そして今回、それこそが他のメンバーを陸に置いてきた本当の理由だった。
ヨットはあくまでも誘き出すための囮。餌に釣られてきたところで目的は果たした。
あとはフレズヴェルグの上から話をつければいい。
「リュー、頼む」
見たことも聞いたこともない怪物ではあるが、出てきたのが怪物だったのである意味ほっとできた。
それなら、魔王たるリューで簡単に話はつけられる。
「………………………」
しかし、どうしたことだろう。リューは何やら難しい顔をしたまま反応しない。
ヒロトはフレズヴェルグの単眼に顔を近づけると、こんこん、とノックした。
リューがゆっくりと、非常にゆっくりと顔を向ける。気のせいか、どこか顔が蒼い気がする。
「リュー?」
「―――ヒロト。あれはなんだ」
………。
……………よくわからないことを言った。
リューにわからないものがヒロトにわかるわけがない。
他のことならともかく、魔法や魔獣のことに関してならなおさらだ。
それに人間と違い、魔王は生まれながらにして全魔獣を従えることができる特殊能力があるのだ。
それは魔獣の『名』を把握し、支配することでもある。リューは相手がどんな魔獣だろうが、
魔獣であれば一目見ただけでそれが何者なのか知ることができる。そのリューが、あの怪物が何なのかわからない?
それは一体どういうことだ?
謎の巨大な怪物に目を向ける。海藻の塊のような異形。どう見ても魔獣以外の何者でもない。
と、ひとつ思い至った。先日立ち寄った国で出会ったワーラビットの少女。
そして、彼女に恋をさせた一人の魔導師を。彼の専攻は、確か。
「ゴーレムか何かか?と、いうことは近くに術者が!?」
海藻を媒体にゴーレムを作るなんて聞いたこともないが、それなら一応あの怪物の説明はつく。
少なくともヒロトにはそれしか考えられなかった。それでもリューは首を縦には振らない。
掠れた声で、
「違う……」
そう、呟くだけだ。
「じゃあ―――」
『ォォォオオオオ、オオオオオォォォォオォォオ……』
海藻の怪物が吼える。その側面にざわざわと触手が伸び、それが縒り合わさって腕になった。
振り上げられ―――空高くに持ち上げられた『槌』を一気に叩きつける……ッ!
―――――――――ッッッ!!!!
単純な攻撃だが、その重量をその高度から振り下ろす破壊力は絶大だ。
水柱が立ち昇り、大波が巻き起こる。吹き飛ばされた海が飛沫となり、辺りに潮の雨を降らせらた。
ずざざざざ、と渦が逆巻き、海水が海に開いた『穴』に戻っていく。
『オォォ、オォオォォォォ、ォォオオ……』
怪物はぐる、と頭を回し、神速で離脱したフレズヴェルグを追った。
潮水に濡れながらも海藻のハンマーを回避したフレズヴェルグのコックピットでは
リューが戦慄の目で怪物を睨みつけている。その翼に乗っているヒロトも同じだ。
こちらは濡れ鼠になっているが、そんなことは気にしてはいられない。
海藻の怪物は啼いていた。さながら海に沈み、腐敗した泥になって
死んでいった全ての生物の怨嗟の声であるように。
『オォオオォオオ、ォォォ……』
勇者と魔王のこめかみに冷や汗が伝う。
「わからん―――ありえん!何なんだ、こいつはッ!?」
魔獣ではない、異形の海魔。
寄る辺無き海の真ん中で、二人は正体不明の怪物と対峙していた。
使命:海魔殲滅〜「新ジャンル達が海水浴にやってきたようです」英雄伝〜 続く
GJ
新展開ktkrww
マジュヌーン的な何かなのか?
GJだけど
古株ばかりで新参が書き込みにくい状況になってない?
そうなんだよなぁ
どうしよう、とりあえず小ネタで頑張ってみようか
パート化したエロパロスレではよくあることだよな
ここはまとめサイトあるけど最初から全部読むには取っ付きづらかったり
男「じゃ……挿れるぞ」
女「うん。キて」
ず……
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……これ(5mm)以上入らないんだけど。本来の膜までも到達出来てないんだけど」
女「うわーん」
新ジャンル「バリア(性的な意味で)」
男「遊戯王だぁ?バカ言っちゃいかんよ。あんなカードしかしてない男が遊戯の王なわけあるか!」
女「うーん、でもさぁ。初期は色々やってたじゃん。ハイパーヨーヨーとか」
男「ハイパーヨーヨーする古代エジプトの王(笑)」
女「それは言ってやんな」
男「だいたい、あいつ猫被ってるんだぜ絶対!王だろ。
もっと、こう……色んな『アソビ』を知ってるんだぜ!」
女「遊び、の発音が若干気になるところだけど。たとえばどんな?」
男「野球拳とか」
女「野球ねぇよ古代エジプトに!!」
男「じゃあピラミッド拳!」
女「必殺技みたいなネーミングだね」
男「ピラミッドーつ〜むならっ♪こーゆー具合にしやしゃんせっ♪吉村!作治!よよいのよい!」
女「あー負けちゃったー。ファラオ強ーい」
男「遊☆戯☆王だからね!」
女「バカか!」
男「あとファラオ様ゲームとか」
女「ファラオ様だーれだっ?」
男「俺ー!えーと、4番がー、全裸にワイシャツ一枚でファラオ様にコーヒー持ってきてくれる!」
女「えー、ファラオ様まにあっくー」
男「遊☆戯☆王だからね!」」
女「バカか!!」
新ジャンル「遊戯王」
>>106 古株ったって、勇者の人と奈良の人くらいじゃねぇか。
その二人も最近そんな落とし無ぇぞ?
女「暑い夏は〜打ち水で〜〜乗り切れ〜ィ♪」
バシャ
女「撒くなら朝夕〜昼撒くな〜〜♪」
バシャ
女「何故ならかえって〜蒸し暑くなる〜〜♪」
バシャ
女「から〜〜♪」
バシャ
女「環境優しいエコライフ〜♪」
バシャ
女「それが〜♪」
バシャ
男「お、女。水撒いてるのか。ご苦労さ」
女「でぁるィやぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」
ザバー
男「うわ!?な、何すンだよ!?」
女「わ、わ!大変!男くんが水もしたたるいい男くんに!」
男「てめェが水ぶっ掛けたんだろが!!」
女「ごめんなさい!急に男くんが来たからビックリして」
男「完全に狙ってたよね!?バケツごと行ったじゃん!ザバーって!」
女「本当にごめんなさい……お詫びにウチでお風呂入っていって?服、乾かしておくから」
男「ああ。本当に気ィつけろよな。俺だったからよかったものの……」
女「ごめんね!」
女「………………計画通り」
男「聞こえてるぞー」
新ジャンル「打ち水っ娘」
女「目には目を、とは有名なかのハムラビ法典の一説です」
男「………」
女「目を潰された場合は相手の目を同様に潰し、歯を折られた場合は同様に歯を折りなさい。
つまり厳罰は罪と同等のものでなくてはならない、という内容なんですね。
犯された罪に対し重すぎても軽すぎてもいけない。最もわかりやすい『罰』なわけです」
男「………」
女「わたしはこれを現代社会にも適用させたい!人殺ししといて『責任能力がうんちゃら』とか
ワケわかんない理由でお咎めなしとはどういうことだと!汝、右の頬を殴られたら左ストレートで殴り返せ!!」
男「………」
女「が!そんな話は今はいいのです!複雑に入り組んだ現代社会、そうそう字面通りに行くわけないしね!
だいたいモノホンの『目には目を』だってごく限られた範囲でしか適用されなかったわけだし?
ようは!今ここにおいて!わたしが犯すことに対し『目には目を』の精神で報復して欲しい!のです!!」
男「………つまり、僕を縛ったのは」
女「はい!お察しの通り、わたしは今から貴方を強姦します!!」
男「………………………………………」
女「でも、安心してください!その代わり、あとでわたしを強姦してもいいです!!」
男「………………………………………」
女「では」
男「では、じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!」
新ジャンル「目には目を」
>>106-
>>108 女「ふぇぇ…このスレじゃない、新ジャンル女学園って怖そうな人ばかりですぅ…」
女先輩「あら?あなたは…転入生の?」
女「は、はいっ!!一年SS組に転入した新座三奈(にいざみな)ですぅ!!」
女先輩「クスッ…そんなに緊張しないで。私は堅田(かただ)かなえよ。二年絵組、イラスト委員をしてるわ」
三奈(以下三)「ぐすっ…堅田先輩…この学校、私には敷居が高くて…」
かなえ(以下か)「あらあら?どうして?」
三「だって私みたいな新参には…パッと見ても凄そうな人ばかりで…」
か「まあみんな上級生はキャラ濃いしね、って噂をすれば…」
三「!!…あ、あれは!!」
か「三年の平城京(ひらしろみやこ)さん…通称「奈良の人」ね。彼女の知識とキャラ数の豊富さは随一よ」
三「ふぇえ…」
か「おっと、反対からは同じく三年の広戸(ひろと)まおさんが」
三「わ、私だって知ってます!!魔王様だけではなく、あらゆるジャンルに精通してる、まさに…!!」
か「クスッ…詳しいのね」
三「…堅田先輩、私はあのまおさんに憧れて、この新ジャンル女学園に転入したんです。でも…」
か「三奈ちゃん、この新ジャンル女学園の理念て知ってる?」
三「え?」
か「ここはあらゆる人間があらゆる作品を自由に作成する、発表できる場として作られた学校…」
??「そして、己を磨くための場所ですわ」
三「ひ、広戸まおさん!!」
まお(以下ま)「その覚悟がないなら去りなさい、自分を表せない人間などこの学校には不要ですわ」
か「…うーん、いつ見ても迫力あるわね…」
三「わ、私頑張ります…少しでもあの人に近付いてみます!!」
ま『新座三奈…待っていたわよ…わたくしを越える無限の可能性を秘めた貴女を…!!』
新ジャンル「新参も古参もin女学園」
まあ、みんなそんなこと気にせず投下して貰うのがいいんじゃない?
だな
もうこの手の話題は秋田、どこでもループしてるもんな。
バリヤーとか言ってるの書き手なの?
四の五の言わずに書いてみろ
反応無ければ残念でした。
やる気があるなら次頑張れ。
嫌なら余所行けばイイジャマイカ
ネタの数程スレは有る。
そんなもんだろ?
>あらゆるジャンルに精通してる
>精通してる
>精通
>精通
………ドキドキ
女「ならばあらゆるジャンルに射精していると言うのはどうだろう?」
男「どうだろうって……アホか?」
女「ふむ。男は罵倒に射精している」
男「その言い方だと俺がM男みたいじゃないか」
女「ふむ。男は例えにも射精している」
男「その言い方だと俺が想像力逞しいみたいじゃないか」
女「ふむ。男はイマジネーションにも射精している」
男「その言い方だと俺はただのオナニストじゃないか」
女「ふむ。男はオナニーで射精している」
男「その言い方だとただのオナニーじゃないか」
女「ふむ……」
男「……そろそろやめようぜ。なんか疲れてきた」
女「男はオナニーのしすぎで疲れている」
男「なんでやねん」
女「というわけで」
男「どういうわけだ」
女「男の射精を無理やりみたくなってので見せてもらえるか? いや、見る」
男「ちょ、お前反語の使い方間違って、アッ!?」
どぴゅ
女「ふむ。男は三擦り半で射精している」
男「その言い方だと俺が早漏みたいじゃないか」
女「違うのか?」
男「……しくしくしく」
新ジャンル「射精」
>>91-103 GJ!なんかドキドキしてきましたよ?
後「アソビ」の王様吹いたww
>>113 平「恐いって…そんなにわたし恐いのかしら…」
和泉真菜(わいずまな)「いっつも陸に説明も無しに始めるし、まぁとっつきは良く無いと思うよ」
平「う…そう言われると…でもあの転入生もう広戸さんのお眼鏡にかなうなんて」
和「うん、なかなかイイ素質持ってそうじゃない」
平「うう…一年なのに…」
和「あんたも頑張りなよ、うかうかしてると…」
平「そうね…とりあえずあの娘のキーボードにこの画鋲を…」
和「やめい」
新ジャンル「やぁねぇ冗談よジョーダン、ほら恐くないよ?」
>>91 なんか読んでて恥ずかしくなるな
中二の漫画を文章で表したようで
男「中二病ってあるだろ」
女「若さゆえの勘違いってやつだね」
男「架空のお友達作ってみたり、社会に絶望してみたりな」
女「恰好いいだろ?っていうしたり顔が見てて癇に障るね」
男「だが甘ぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッッッ!!!!」
女(!!)ビクッ
男「中二の頭ン中がカッコつけだけで埋まってると思うな!エセファンタジーだけで埋まっていると思うなッッ!!!!」
女「ど、どしたの急に!?」
男「中二ッ!それは人生で一番アホな時期……そして!人生で一番純粋にエロい時期でもあるのだ!!」
女「なん……だと……?」
男「俺がリアル中二のときなんかなぁッ!あまりにもエロに興味がありすぎて拾ったエロ本で走り出す!!」
女「そんな尾崎は嫌だ!そしてエロ本を拾うのはむしろ小学生では!?」
男「そして下ネタを覚える!小六=ちんこだが、中二は凄いぞ!SMとか言うぞ!」
女「おおー」
男「しかしスパンキングと聞いても具体的なプレイが思い浮かばない純粋さも持ち合わせている。それが中二だ!!」
女「たいしたヤツだ……」
男「懐かしいなぁ。中二。もし戻れたら下ネタ王としてクラスの男子の尊敬を一身に集めることができるのになぁ」
女「いや、流石に引かれると思うなー。今の知識量だと」
男「もうあと戻りは……できねェンだよ……」
新ジャンル「中二」
男「……誰、お前」
女「わたしはドラクエの精。貴方に溢れるドラクエ愛が私を精霊にまで進化させたのです」
男「いや、俺別にドラクエ詳しくないよ?むしろあんまりゲームやら」
女「やらないか」
男「ウホッ!……ではなくて」
女「デンデンデンデロデロデン。私を装備から外すことはできない」
男「わかったわかったよ。やるよ。やりゃいいんだろ」
女「(二人のラ・ブ・ラ・ブ♪)ぼうけんのしょをさいしょからはじめますか?」
男「待て。カッコの中なんて言った?カッコの中なんて言った?」
女「主人公:男。←決定」
男「勝手に始めんな!そして俺の名前をつけるな!なんか恥ずかしい!」
女「貴方はムッツリスケベです」
男「3かよ!俺持ってないぞ3!お前誰だよ!!?」
女「とりあえずアイーダの酒場で仲間を集めましょう。どんなパーティにします?」
男「待って!アイーダの酒場ってどこだよ!?なんかエジプトかどっかが舞台の悲恋オペラみたいな」
女「勇者:男さんと僧侶:私の二人旅でいいですね。←決定」
男「ツッコミが追いつかねぇ!!」
女「コンドームは持っているだけじゃ意味がないぜ!ちゃんと装備しないとな!」
男「持ってもいねぇよ!!」
女「え!?生ですか?ダメですよ、人外といえど避妊しないと……でも、貴方が望むなら……ぽっ」
男「うるせぇぇぇええええ!!」
女「ぱふぱふでも………………………」
男「………………?」
女「……………………………………どうやらフリーズしちゃったみたいですね。
一度カセットをヌイてふーふーしてもらえます?」
男「はい いいえ←」
女「そんなひどい」
新ジャンル「ドラクエ」
だれか…「うつうじん」でエロパロ書いてくれ!!
だが断る!
そんなひどい
旧ジャンル「エンドレス・ワルツ」
父「せ、先生。うちの倅の病気とは何ですか…」
母「まさか不治の病では…?…うっ…」
医師「ある意味誰もがなりうる恐ろしい病…厨二病です…」
………
父母「…なんですか、厨二病とは?」
医師「厨二病とは…(略)…といったある意味誰もがなりうる病気…しかし特効薬がなく…」
母「ううっ…息子がそんな病気にかかるなんて…」
父「…どうしたら…」
女「…任せて」
母「お、女ちゃん…」
医師「任せろと言ったって君ねえ…」
女「…男は私の全て、治してみせる。…暫く二人きりにして欲しい…」
父「しかし…」
母「わかったわ…じゃあ二人とも…」
医師「お、お母さん!!」母「女ちゃん、よろしくお願いね…」
男「よお、女じゃねえか。お見舞いに来てくれたのはうれしいが、もうすぐ巨乳ナースが検診に…」
女『妄想症状レベル5…病状が進行している…』
男「やっぱり巨乳ナースが一番萌えるよな、貧乳なんぞ価値ねえよw」
女『我執レベル7…しかも私を否定した…』
男「ん?どうした?」
女「…おしおき…!!(ガバッ)」
男「うっ…」
女「あなたは現実を知るべき…巨乳信仰など虚構に過ぎない…日本人の八割は所謂貧乳…」
グッ!!…ニュプニュプ…
男「……つう!!」
女「…盲信は屈辱感を感じる事で晴れる…あなたが屈辱感を感じるのは…」
グリグリ…
女「…ずばりお尻を…」
男「じ、自分が…なぜ…(こんな目に…い、痛いが気持ち…や、ヤバス…)」
女「…責めるのが」
男「『で、出る!!』んんっ!!!!」
女「効果的……!!」
ドピュッドピュッ…
男「はあはあ…」
女「まだまだ…」
(一月後)
女「…病気は完治した」
男「そのおかげで俺は変な性癖に目覚めたがな!!」
女「…ユニーク」
新ジャンル「うつうてき厨二病治療」
それは尻か?貧乳か?
>>126 でもそれ「うつうじん」でも「中二病」でも無い罠
>>128 あんまり細かいことを気にすると新ジャンルになるぞ
朝、予備校へ行こうと玄関のドアを開けたら、庭にUFOが刺さっていた。
「………………………………」
しゅうしゅうと煙を上げている。さっき小さな地震が起きて俺の部屋に飾ってあった達磨
(俺の勉学に対するやる気を上げようと両親が買ってきたもの。片目)が落ちて砕け散ったという
朝っぱらからまぁ縁起の悪い事件が起きて欝になったものだが、どうも地震速報がいくらニュースを見ても
一向に流れないのはそれが地震ではなくUFOが墜落してきた衝撃であったためらしい。
俺は寝起きでぼんやりとしている頭をがしがしと掻いて、ふわぁと欠伸をした。
UFOが庭に刺さっているなんて、珍しいこともあるもんだ。そういえばUFOは
アナイデンティファイド・フライング・オブジェクトつまりは未確認飛行物体の略なんだけど、
この場合どう呼称すればいいんだろうか。飛んでないし。しかもこの目で確認してるし。
物体であることは確かなようだけど。確認済み落下物?なんかヤシの実みたいでやだな。
などと考えながら、その確認済み落下物(俺命名)をじーっと眺めていると、なんだか頭が段々正常に
働いてきたようで、ついでに脳味噌からただでさえ足りていない血液がさーっ、と引いていくのを感じた。
UFO。
UFOだ。
そうとしか言いようがない。
銀色で、円盤で、より正確に言うなら平べったい皿の上にお椀を逆さまにひっくり返してくっつけたような形で、
そのお椀には丸い窓が開いている。といっても半分ほど埋もれているので中の様子はわからないけど。
お椀のてっぺんには、ひょろんとしたアンテナが伸び、その先端には光る玉。
なんとなくチョウチンアンコウを連想させた。
なんというか―――。
物凄く、UFOだった。
「………………………………なんじゃこりゃあ」
俺が呟いたのは、UFOすぎて逆に信用できないものがあったからに違いない。
でも、しばらくの間もなく俺はこれは疑いようもなくUFOなのだと信じざるを得ない状況に陥ることになる。
俺はこんな所でぼけっとUFOを見ている場合じゃなかったんだ。家の中で眠りこけているであろう姉ちゃんを
叩き起こし、一刻も早く逃げるなりモルダーさんとスカリーさんに電話するなりしなきゃいけなかったんだ。
質問。
UFOは誰の乗り物でしょうか?
答え。
宇宙人。
ピンポンピンポン、大正解だ。正解者の俺には多分人類史上でも稀な、宇宙人とのご対面をプレジデント。
UFOの傾いた機体ががたん、と揺れた。
俺は逃げようとした。だけど身体が動かない。情けないことだが、完全に竦んでしまっていた。
背中に冷や汗が伝う。UFOの頂点部分、チョウチンアンコウの部分がぎぎ、と音を立てて開いていく。
もう駄目だ。きっと中からアマゾンの奥地に生息していそうな不可視の怪人が出てきて
頭の長いエイリアンと接戦を繰り広げてなんやかんやで俺は殺されるのだろう。
思えば短い人生。せめて童貞を捨ててから死にたかった。
父ちゃん、母ちゃん。親不孝な息子でごめんよ。予備校の夏期講習代、どうやら無駄になりそうだ。
あと父ちゃんの大事にしてたゴルフクラブ、ひん曲げたの姉ちゃんだから。俺のせいにされたけど。
母ちゃんが陶器講習で作ってきた父ちゃんとお揃いの夫婦茶碗、割ったの姉ちゃんだから。俺のせいにされたけど。
姉ちゃん。悔い改めろ。借金返せ。俺のPS2弁償しろ。あと早く彼氏つくって幸せになれ。
そしてプロレス技はその人にかけてくれ。それから……。
今までの人生を振り返りながら、俺は涙しつつもなんだか一方で腹が立ってきた。
死んでも死にきれねぇ!
「……ぷあ」
がたん、と音を立て、顔を出したその生物を見て、俺はかなり意表を突かれた。
女の子だったのである。
女の子というからには、顔立ちは普通の人間のそれだ。
いや。どっちかというと可愛い、ひいき目に見てかなり可愛い容姿といえる。
可愛い、というからにはその少女は俺よりも年下のようであり、たぶん中学生かそこらだろう。
嘘みたいに鮮やかな緑髪と透き通るような白い肌の持ち主だった。頭からUFOとお揃いのアンテナが伸び、
やはり豆電球のような発光体がくっついている。
よいしょ、と女子が身体をUFOから引きずり出した。服はなんというか、銀色の―――スクール水着。
うん。多分これでイメージと激しいとは言いがたいしては間違っていないと思う。もちろんデザインは多少異なるけど、
印象としてはそれが一番近い。はっきり見てわかる女の子の身体のラインがどうにも
フラットなのがそんなイメージを強くするのか。
中学生かそこらにしてみても発育がいい方とは言いがたいみたいだ。
宇宙人(?)の女の子は斜めになったUFOから地上に降り立とうとして、
バランスを崩してべだんと派手な音を立てて落っこちた。
「痛い……」
涙目で鼻っ面をさすっている宇宙人(?)。
俺はグッと拳を握った。
………………………………………………………………………………勝てる!!!!
「あ、どうも。地球人の方ですね」
「がぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
「きゃぁぁぁぁぁああああああああ!!?」
俺は宇宙人(?)に向かって突進した。思えばこのとき、俺はかなり混乱していたんだと思う。思わせてくれ。
俺は年下の女の子に正気で襲い掛かるような鬼畜じゃあないんだ。いやマジで。
俺が正気に戻ったのは、がらら、と玄関の扉が開いたそのときだった。
「………………なにやってんの、諒(りょう)」
両手を広げて女の子に突撃する体勢のまま、俺の身体はぴたりと止まる。
我が姉、縄谷 明(なわや めい)の登場だった。
姉ちゃんは俺と、怯えている女の子の両方をしばらくじーっと観察したあと、
状況を粗方把握したのか履いていたサンダルをおおきく振りかぶって俺の顔面にブン投げてきた。
「死ねぇ、鬼畜外道!!!!」
めごす、と嫌な音を立てて底が木製の(便所)サンダルは俺の顔にめり込み、
俺は鼻血を撒き散らしながらくるくると回転して地面に倒れ臥した。
さすが姉ちゃん。UFOは超スルーである。
―――からん、と。
麦茶に浮いた氷が涼しげな音をたてた。
あのあと怯える宇宙人(?)をどうにかあやしてなだめて、とりあえず事情を聞くために
家に上がらせたのだった。ちなみにその間、俺は軽く数十回は姉ちゃんに殴られている。
いやまぁ、仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。今回ばかりは悪いの俺だし。
そして居間。泣き止んだ宇宙人(?)は俺たち姉弟の前で座卓を挟んで正座していた。
宇宙人(?)はえへんえへん、と咳払いをして、クソ真面目な顔で、
「始めまして、地球人の皆さん。わたしは からやってきた 、 といいます」
そう、言った。
「………………え?」
よく聞こえなかった。聞こえなかったというか、なんだろう。
頭の中でテルミンがほわーん、と響いたような。なんて言った、こいつ?
俺たちが不思議そうな顔をしていると、宇宙人(?)は慌てたように、
「あ、そっか。すみません。えーと、わたしたちの言葉は地球の皆さんには
聞き取れないので ……じゃないや。えーと、一応翻訳機を通してはしているんですが、
名詞は翻訳のしようがなかったみたいです。すみません」
と頭を下げた。今さらながら戦慄する。なるほど確かに、頭に響くこの感じは地球人の言葉とはちょっと違う。
頭から生えてるアンテナも作り物じゃなさそうだし、こいつ、もしかして本当に宇宙人なのかも知れない。
「やり直しますね。わたしは、えーと、遠い星からやってきた宇宙人です」
「おおおおぉぉぉぉぉぉおお」
いきなりフワフワした感じになったが、これではっきりした。庭に落ちているUFOとかがあんまりにも
アレな造形をしているんで正直不安だったんだ。やはりこの女の子は宇宙人らしい。
宇宙人。スゲエ!本当にいるんだ、地球外生命体。
「へぇぇえ。宇宙人。へぇぇええええ」
「わ、や、な、なんですかぁ!?」
とりあえず姉ちゃんと一緒にぺたぺたと触ってみる。おお、普通だ。
「どうしよう、諒。とりあえず写メ撮って写メ」
「え?でもマズくね?こーゆーのって基本秘密とかじゃね?」
「あ、そっか。あー……でもさ。ぱっと見、コスプレした女の子だし。で、なんか名前とかないの?」
「それは…… ですが、地球の方にはちょっと」
「あ、そっか。発音できないんだっけ。あー……じゃあ、あたしが付けてあげる。宇宙人だから、ムーでいいや」
「いきなり胡散臭くなったな」
「いいじゃん別に。ムー、ムーちゃん、返事しなムーちゃん」
「犬猫じゃねぇんだから」
「あのね、相手は地球に来たばかりで右も左もわかんない宇宙の女の子なのよ?ある意味犬猫よりか弱い存在!
と、いうわけでウチで飼います」
「拾った場所に返しなさい!!」
「うっさい。父さんと母さんがいない間はあたしがこの家の家長です。唯一絶対神です」
「姉ちゃんの傍若無人は今に始まったことじゃねぇだろうがよ」
「なんだとこの不出来な弟!くらえコブラ・姉・ツイスト!」
「痛い痛い痛い痛いいたたた!それ普通のコブラツイストだろ!!」
と、乱暴な姉に虐待されていると、ぽかんとした宇宙少女、ムー(姉命名)と目があった。
とりあえずこほんと咳払いし、笑いかける。
「あー、勘違いすんなよ。地球の姉が全部こんなんじゃないからな」
「地球の弟も全員が全員女の子に襲い掛かって泣かすようなバカじゃないからね」
「それは違うんだって!!」
「あんた、まだ謝ってないでしょ。謝りなさいムーに」
「あ痛痛たたた!!ごめんなさい!ごめんなさい!!」
ムーはそんな俺たちを見て、―――笑った。
ふわり、と。花が咲いたみたいに。
「安心しました。地球の人が、優しそうで」
――――――。
…………思わず見とれてしまった自分はちょっとうかつだ。とりあえず、さっき泣かしてしまったことは
不問にしてくれるらしい。よかった。星交問題とかに発展したら俺は全地球人から総スカンだからな。
姉一人を敵に回すだけでも現実問題勝てる気がしないのに、
さらにプラス66億9999万9999人なんてまっぴらゴメンである。
「―――で?ムーちゃんはいったい地球に何しに来たわけ?」
俺を解放した姉ちゃんが麦茶の氷をがりごり噛み砕きながら質問する。ワイルドな姉である。
それにしても、いつの間にかムーの名前がムーで決定してるけどいいんだろうか。まぁいいか。
こいつの本名は地球人には発音できないっぽいし。名前は必要だ。
ムーもその辺は気にしていないらしく、ニッコリと笑うと明るく宣言した。
「はい。地球を侵略しに来ました!」
………。
翻訳機とやらの調子がおかしいのだろうか。今、なんか侵略とか聞こえたような。
もしくは俺の耳がおかしくなったのかとも思ったけど、それは姉ちゃんも同じだったらしく、
耳の穴を小指でほじほじとほじったあと眉間に皺を寄せて、
「……ごめん、もう一回言って。侵略がどうのこうの言われた気がしたんだけど」
「はい!地球はわたしたち が頂きます!」
「………………………」
にこにこしているムーの前で、俺たち姉弟は顔を見合わせた。そりゃあそうだ。
ムーはどう贔屓目に見ても強そうじゃないし、凶暴そうでもない。だいたい、侵略するって。どうやって?
俺はよく知らないが、人間は有史以前から戦争ばっかりしてきただけあって結構強いらしいよ?核爆弾とか。
俺がそんなことを考えていると、ムーはない胸を張ってフフンと笑った。
「もちろん、突然武力で制圧するほどわたしたちも野蛮ではありません。大人しくこの星の
支配権を明け渡すと言うのなら、我ら200人の兵士たちも地球人を滅ぼしたりしないでしょう」
「200人?」
「驚いていますね?ええ、そうでしょうとも。さあ、この星の最高責任者に連絡を取るのです。
そして言うのです。こちらには200人もの軍勢がいると!!」
「………………………」
なんだろう。何かが酷くずれている気がする。
その直感を確かめるべく、俺はリモコンでテレビの電源をオンにした。映し出される映像は高校野球。
全国の球児たちが集い頂点を目指す青春の1ページだ。無論、応援する側にも熱が入る。
各校応援団、生徒たち、保護者の皆さんに高校野球大好きな観客たち。人、人、人……。
ちなみに阪神甲子園球場は約46000人もの収容能力を持っているとのこと。
この炎天下、よくもまあこんだけ人間が集まっているもんだと俺も呆れたが、
ムーの方はやはり、呆れるどころの話じゃなかったらしい。
「………………………………………」
顎を外しかねないほどに口をあんぐりと開けて、ひいふうみい、と人間の数を数えようとし、
画面が切り替わった辺りで諦めてばっと俺たちを振り返った。
「で、で、ででででも彼らは戦闘員ってわけじゃないですもんね!?」
まぁそうだが。
「ふ、ふふふ、ふふん。ならばいくら数を揃えようと無駄です!
ちなみに彼らはこの星の住民の何10パーセントくらいですか?半分くらいですか?」
「いや、知らないけど。何10パーセントどころの話じゃないことは確かだな」
「100パーセントですか!?あ〜、よかった……じゃなくて。えへん、えへん。へ、へぇ?
わたしを驚かせるために全地球人を集めたってわけですか!それはご苦労様ですね!!」
「いや、0.000……なぁ、姉ちゃん。一億ってゼロいくつだっけ?」
「さあ?」
「いちおくぅ!?え?地球人の話ですよね!?地球人だけで一億人もいるんですか!!?」
「いや、確か67億人」
「ろ……!!!?」
ムーは今度こそ完全に固まると、そのままぱたんと横倒しに倒れた。何事かとこめかみに冷や汗を感じながら
見守っていると、ぼん、という音と共に頭のアンテナについている謎のピンポン玉の光が消えた。
そのまま沈黙してしまったのでどうしたものかと姉ちゃんと顔を見合わせていると、ムーは突然がばー、と
立ち上がり両手を振り回して暴れだした。頭のピンポン玉もぴかー、と光を取り戻す。そして
「え、ええい!たかが66億人がなんですか!わたしだって200人の精鋭部隊 の端くれ!
我が故郷 が為、ここで67億人の内2人をやっつけて66億9999万9998人にしてみせます!!
圧倒的数の差をひっくり返すのはヒーローのお約束と相場が決まっているんですーっ!!」
と、手をぐるぐる振り回して俺に向かって突進してきた。奇しくもさっき俺がムーに襲いかかったのと
間逆の構図になったが、もちろん銀色のスク水を着た女の子がだだっこパンチで攻撃(?)してきても
少しも怖くないので泣いたりしない。極めて冷静に、というか素でムーの頭を押さえ、
はい、これでムーの攻撃範囲からは外れました。
やがてムーは疲れたのか(早い)、うじゅう〜、と涙目になってだだっと背を向けて走り出した。
なんのつもりなのか、と思いとりあえず追ってみる。途中びだん、とこけたりもしていたけど健気に走って、
辿り着いたのはウチの庭先だった。なんだと言うのだろう。
見ると、墜落しているUFOによじ登っている。UFOの表面がつるつるしている割にムーは器用に
てっぺんまで登り、UFOに生えているアンテナ辺りを引っ張り始めた。
「ムーちゃん、何やってんの?」
俺の後ろから、やはり追いかけてきた姉ちゃんがムーに声をかける。
ムーは壮絶な笑みを浮かべて俺たちを見下ろすと、ぷるぷる震える指をびしっ、と向けた。
「ちょっと位数が多いからって調子に乗るのは早いのです!この宇宙船の中には武器だって通信機だって
あるのです!応援さえ呼べば、すぐにわたしの他199人の精鋭が駆けつけて助けてくれるに違いないのです!
それだけじゃない、このUFOの装甲はいかなる惑星への大気圏突入にも軽く耐え、
兵装のビームは100万トンの氷山も一瞬で蒸発させ、さらに乗組員の安眠を約束する快適ベッドや
プライバシー保護のためのオートロック機能も―――」
オートロック機能。
ムーはそこまで叫ぶと、がっくりと膝をついた。
……まさかとは思うが、閉め出されたのかコイツ。さっきの物言いだと、武器も通信機もこのUFOの中らしいし。
甲子園を見て驚愕していたことやさっきのだだっこパンチから察するに、コイツ自身の脅威は
ZEROに等しいと見ていいだろう。地球侵略の危機は去ったのだ。勝手に。
「う」
UFOの上でぺたんと座り込んでしまったムーはその大きな瞳に涙を浮かべると。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」
大声で、泣き出した。
………地球を侵略しに来た割に脅威をまったく感じなかった宇宙人は見ていて可哀そうになってくるほどで、
俺と姉ちゃんは再びあやしてなだめて励ましながらムーを家に戻した。
しくしく泣き止まないムーは話ができるような状態ではなさそうだったのでとりあえず姉ちゃんはベッドで
寝かせて落ち着かせると部屋に連れて行き、俺はといえば高校野球を眺めながら麦茶を啜って待つことにした。
しかし別段贔屓の高校が出場しているわけでもなし、俺の目はテレビを映していても観ているわけではない。
見えているだけだ。
ムーのことを考えていた。
あの、天然記念物級のドジである侵略者をどうするべきなのか。
侵略者といってもあいつはまだ何もしていない。せいぜいウチの庭に大穴を開けたくらいだ。大した問題じゃない。
UFOが開かない今、中にあるという武器も通信機も使えず、またUFOそれ自体も操作できないということは
ムーは今や頭にアンテナのついたただの女の子ということになる。
そんなムーをどこぞのヤバげな研究所やら警察やらに引き渡す気にはなれない。引き渡す方法も知らないし。
―――気が付くと、どうにかしてムーをこの家に置いてやろうと考えている自分がいた。
宇宙人なのに。侵略者なのに。いや、後者は自称であって中身が伴わないんだけど。
『安心しました』
そう言って笑ったあの顔が忘れられないのだ。
ああ、参ったな。
くそ。
そうやってぼりぼりと頭を書いたとき、ムーを寝かしつけていた姉ちゃんがドアを開けて部屋に入ってきた。
そのままどっかりと俺の前に座り込むと、残っていた麦茶を一気に喉に流し込んで、さらに氷をボリボリと
噛み砕く。その様子を見て、なんとなく俺は悟った。やはり俺たちは姉弟だ。考えることは同じらしい。
「―――諒」
「なんだよ」
顔をしかめながら、やっぱり顔をしかめている姉ちゃんに返事を返す。
「ムーのことなんだけど、この家に住ませることにしたから」
「わかった」
「――――――……」
姉ちゃんが驚いて目を丸くする。
俺は新たに麦茶を注いだ。そして姉ちゃんの顔も見ずに、さも当然のように言う。
「まぁ、見た感じ悪いヤツでもなさそうだしな。それにUFOが操縦できないってことは、
つまり自分の星にも帰れないってことだ。そんな状態で行くあてのないムーを外に放り出してみろ。
地球人はどんだけ鬼畜なんだってなるだろ」
そう―――そうなのだ。
ウチの庭に落ちてきたのも何かの縁。
しばらくは、ドジな宇宙人と同居生活をするのだって悪くない。
「……わかってんじゃん。さすが我が弟」
しばらく目を瞬かせていた姉ちゃんは、やがてニヤリと微笑んだ。
「家長には逆らえないんだろ?我が姉」
「もち」
俺は立ち上がり、そのまま背を向けて居間を出た。
とりあえず、ムーが落ち着いたら街にでも連れて行ってやろう。きっと人ごみに驚いて腰を抜かすはずだ。
インターネットを教えてやるのかもいいかもしれない。侵略しに来たくせに、どうせ何にも調べていないに
決まっているのだ。宇宙を飛び回ったり頭にモヤモヤ響くような言葉を地球の、しかも日本語に翻訳したり、
物凄い科学力を持ってるのはわかるんだがなんでそんなにウッカリしてるんだ?
あいつの星の住民はみんなドジっこなのかも知れん。
聞きたかった。
宇宙の話を。
ムーの、話を。
俺はにやつく顔を抑えながら自室のドアを開け、
――――――何者かに内側から引っ張り込まれた。
「うわ、わ!?」
余りに突然のことだったのでふんばることもできない。俺はひっくり返り、思い切り尻餅をついた。
そして打ち付けた腰をさする暇もなく、俺を引き倒した犯人がのしかかってくる。
襟元を締め上げるように引っ掴み、ぐぐいっと顔を近づけてくる―――宇宙人ムー。
なんだか目つきがおかしい。ちょっと見ないうちに色濃い隈ができたようで、
瞳から光沢が消えぐるぐると渦巻きが回っている気がする。どうしたというんだろう。
顔の近さにちょっとだけ顔が赤くなるのを自覚しながら、俺は―――っていうか、
なんでこの部屋にいるんだ、ムー。ここ、俺の部屋なんですけど。お前、姉ちゃんの部屋にいたんじゃないの?
「……メイさんに案内されたんです。好きに使えって」
ああ、そっか。ムーをこの家に置くってことは、つまりムーの部屋が必要だってことで。
姉ちゃんはそこで自分の部屋ではなく、俺の部屋を提供したってことですか。確かに空き部屋は
ひと部屋あるけどほとんど物置になってて片付けるには大変な労力がいるもんなぁ。
―――って、おい姉上!さっき少しだけ分かり合えたと思ったらコレですか!!
「ふふ、ふふふ……うふふふ…………」
ムーは何やら笑っている。さっきまで泣いていたのにもう立ち直ったのか。
それならいいが……しかしよく見るとそれはさっき見せたような花のような笑顔ではなく、
もっと鬼気迫るような何かだった。顔に影がさして表情はよく見えないのに目だけが爛々と光っている。
俺はなんだか恐怖を感じて、だがムーがお腹の上に乗っているので後ずさりもできない。
「えーと、ムー?」
「侵略は諦めません」
怖い笑顔のまま、ムーはそう言った。
そうして悟った。この顔は自棄になっている顔だ。宇宙人も自棄になるのか、なんて俺は頭の片隅で
そんなことを考えていた。ムーの重さをお腹の辺りに感じて、否応無しに神経がお腹に集中していく。
姉ちゃんのそれとは違う。アレは野生動物とかそういう類のものだが、ここに乗っているのは女の子のそれだ。
しかも銀色の宇宙素材とはいえ見るからに薄手のスク水モドキ。ということはこのお腹のすぐ上には……って、
いかんいかん。ヘンな気を起こすな俺。同じ家に姉ちゃんがいるんだ。こんな所を見られたら顔面にサンダルが
食い込むどころの話じゃなくなる。
俺は必死に理性さんを引きとめて、
「いや、しかし、侵略は諦めないって言ってもどうするんだよ」
そう言葉を紡いだ。
「UFOは使えないし、武器だってないし、仲間にも連絡は取れないんだろ?お前一人でなにが……」
「諦めたらそこで侵略終了です!!」
某名作バスケットボール漫画の監督のようなことを言い出すムー。
「確かに、わたしは一人かも知れません。それでは流石にこの星を侵略することは難しいでしょう」
「………いや、難しいっていうか無理だろ。あんた弱いじゃん」
「ですが!わたしの意志を継ぐ子供たちならどうです?孫なら?ひ孫なら?地球人に紛れ込んだわたしの一族は
いずれ200人くらいになって、この星を制圧してくれる日がくるかも知れません!!」
「自分の責務を未来に押し付けるな!」
っていうか200人じゃ無理だって。
つまりはムーの言い分はこうである。ムーは確かに一人だが、ムーが子供を二人産めば侵略者は三人になる。
その二人がさらに二人ずつ子供を成せば七人。さらに、さらに……。で、なんやかんやで地球を
征服してしまおうというのだ。なんとまぁ、気の長い計画である。何百年、何千年かかるんだ、それは?
っていうか時間の経過に合わせて地球人も数を増やしていくだろうから、結局無理なんじゃなかろうか。
そしてムーの子供でさえ半分は地球人になるのだから、何世代にも渡って薄まっていけば
そいつは別に地球を侵略する必要もなく普通に地球人と言えるんじゃなかろうか?
ツッコミどころ満載ではあるが、自暴自棄になっているムーの耳には届かない。
「うるさいですうるさいですうるさいです!」
ムーはじたばたと暴れると、
「したっぱでも、落ちこぼれでも、失敗ばっかりでも!わたしは誇り高い !!
一度こうと決めたら他のひとの忠告なんていらないのです!行き着くところまで突っ走るのですー!!」
「うわぁ、すげえ我が侭!そしてやっぱり落ちこぼれだったんだ!」
「やっぱりってなんなのですか、やっぱりってー!」
頭のアンテナがくるんと動いて俺の方を向き、先っちょのピンポン玉みたいな発光体が
ぴかっ!と一際強い光を放った。そして―――。
「あ、あれ!?動けねぇ!」
「ふっふっふ。まぁざっとこんなもんなのです」
ふふん、と無い胸を張るムー。俺はといえば、金縛りにあっているかの如く身体がぴくりとも
動かなくなってしまっている。超能力だ。すげぇ!ムーを見くびっていた。こんな隠された能力があったのか。
俺の身体から自由を奪ったムーは、それで何をするのというと―――。
俺の服を脱がし始めた。
「どぇぇぇええええええああああああああああああ!!!?」
「うるさいです。うるさいです」
「な、ななな何するんだよ!?」
「さっきの話を聞いていたでしょう。わたしはこの星をなんやかんやで侵略するのです!!」
「自棄になるな!自分の身体は大切にしろ!!」
「聞く耳持ちません!!」
ムーはしばらくジーンズのファスナーを下げようとわちゃわちゃやっていたが、不器用なムーは上手く金具を
掴むことができす、業を煮やしたようにジーンズそのものを引き摺り下ろした。一緒にトランクスも脱げてしまい、
ムーの眼前に俺のモノが飛び出してくる。既に大きくなっているが、だって仕方ないだろう?
宇宙人とはいえ、可愛い女の子であることに違いは無いムーにマウントされたあげく、
なかなかファスナーを下ろせずにいたその刺激が敏感なところに伝わってきていたんだから。
「ひぃ」
目の前に突然飛び出してきたソレに驚いたのか、ムーが喉の奥から変な音を出した。
そして目を白黒させながら、
「な、なななななんですかコレはっ! ですよね!? ですよね!?嘘!?え?だってコレ……。
えぇ!?こんなんになるんですか?怖ッッ!!性交ってこれ、わたしの中に入れるんですよね!?
無理!絶対無理!!死んじゃうじゃないですか!!」
いやいや。確かに大きくはなっているけど俺のは地球人、っていうか日本人の中でも平均的な大きさだと思うけど。
っていうかなんでお前が混乱してるんだ。襲っているのはそっちだろう!
「うるさいですよ!わたしだって性交の経験ないんですから優しくしてくださいよ!!」
「だったらやめろ!無理すんな!!」
「諦めたらそこで侵略終了です!!」
ムーはいらんところで熱血になると、俺の剛直を掴んでその上に跨った。
―――って、おい。俺も経験はないが―――それでも、今の時代インターネットでいくらでも情報は手に入る。
普通、こういう時は前戯や何やでたっぷりと濡らしてからするもんじゃないのか!?
経験はないって言ったよな!?ってことは処女だろ!?宇宙人だから大丈夫なのか!?
ぐい、と剛直がムーのその部分に押し当てられる―――。
「―――えい!」
ムーはぎゅっと目を閉じて、一気に腰を沈めた。
すべすべと柔らかな感触が鈴口から滑って裏筋に、そしてサオに押し当てられる。
ぞくぞくとした快感に思わず歯を食いしばる―――が。あれ?これ、入ってるのか?なんか変じゃない?
俺は逸らしていた顔をムーのその部分に向けて、すぐに悟った。
入ってない。俺の肉棒はムーの股に擦りつけられているだけで、挿入には至っていない。
ムーはムーなりに自分の『入口』に正確にあてがったのかも知れないが、それでも入るわけがなかったのだ。
何故なら、ムーはまだスク水モドキの銀色スーツを脱いでいなかったのだから。それじゃ入るわけがない。
俺は残念なような、ほっとしたような―――そんな余裕は一瞬で消え去った。
ムーが腰を動かし始めたのだ。
こいつ、必死すぎて入っていないことにも気付いていない。どんだけテンパってるんだ、こいつ!
動いているといっても股をもぞもぞと俺の下腹部に擦り付けているだけみたいなものだが、
それでも俺にはちょっと刺激が強すぎる。ひと擦りごとに背骨を駆け上る快楽に歯を食いしばり、
喉の奥から情けない声が漏れるのを防ぐしかできない。ムーに挿入をしていないという伝えることもできず、
またムーの金縛りのせいで動くこともできず、俺はムーのなすがままになるしかなかった。
「―――はぁ、ふ、ぁ……ッ」
やがて、俺の頭の上で―――甘い声が、聞こえる。
ぱたっ、ぱたたっ、と何か温かいものが零れ落ちてきた。
ムーの涎だ。半開きになったムーの口から、蕩けた声と唾液が漏れていた。その目は切なそうに細められ、
頬は真っ赤に上気して。擦り付けられるその部分から決して汗ではない体液が染み出し、
ぬちゃぬちゃと粘っこい水音が響く。擦り続けるうち、最初は気付かなかった小さな突起を
感じるようになっていた。ムーもそこが特別気持ちいいのか、腰の角度を変えて動きをこそに集中する。
多分、間違いない。クリトリスだ。
「あー、あーっ、はぁ、はぁあぁ、あー……」
苦しい。
ムーが上に乗っているからではない。
動けない、ということが。
自分が、一番気持ちのいいペースで動けないということが、とんでもなく苦しい。
もどかしく、しかし気持ちよく。
俺はただ耐えるように歯を食いしばっていた。
「ふぁ、あー……リョウさん、リョウさん……は、あぁ、あン、あぁぁ、」
ムーの動きが大胆になっていく。激しく、強く擦り、身体を丸めて俺の肩に噛み付く。
痛い。痛いけど、それ以上に気持ちがいい。奥の方から精液がこみ上げてくるのがわかる。
「くる、くるです、リョウさん、わたひ、あ、ヘンに、ヘンになる、ですぅ」
ムーの声も切羽詰ってきていた。ムーも限界が近いらしい。
摩擦熱で火がついてしまうんじゃないかと心配になるくらい―――いやもっと。もっとだ。もっと強く、
強く、強く、強く―――。
「は、ぁ、ぁ、くる、きちゃう、ヘンに、ぁ、あああ、あ、ああああ、ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!」
びくん、びくん――――――。
ムーがぎゅうっ、と俺の身体にしがみ付き、身体をぴったりと密着させてがくがくと痙攣する。
絶頂に達したらしい。そしてそれは俺も同時だった。硬く硬く立ち上がった肉棒から、
丁度ムーのおへそに突き刺さるように大量の精液が放たれた。
身体の芯から搾り取られていくような感覚に、金縛りとは違う意味で力が抜けていく。
かは、と息をつくと、腹の底に溜まっていたのかやたら生臭いことを自覚した。
そしてそれはムーも同じだ。しかしこっちはやたらに甘ったるい―――気がする。
「……はぁ、はぁ、はぁ………」
ムーは精根尽き果てたのか、くったりと俺に身体を預けて目を閉じ、動かない。
俺はとりあえずお腹にべっとりとぶちまけられた精子をふき取ろうとムーを抱きかかえたままティッシュに
手を伸ばし、いつの間にか金縛りが解けていることに気がついた。
ムーの意識が途切れたために超能力もその効果を失ったらしい。
「痛て」
腰を捻っただけで痛みが走る。ベッドの上ですらないフローリングの床での行為だったので身体がぎしぎしする。
ムーは俺の身体をクッションにしていたからいいだろうが、腰をさすると床の跡がついていた。
噛み付かれた肩にも歯形が残っているだろうし、これを姉ちゃんに見られたら何されるかわかったもんじゃない。
いや、というかこの場を見られたら間違いなく重くて硬いものを投げつけられるだろう。
「………………………」
なんだかもの凄く嫌な予感がして、俺はとりあえず自室の鍵を閉めようとドアに手を伸ばした。
しかしその手が鍵をかけるより前に、ドアが外側から、開く。
「なーにやってんの諒、さっきからわぁわぁうるさい……よ………………………」
姉ちゃんと。目が。合う。
「…………………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………………………………」
完全に硬直する姉ちゃん。
状況確認。ちくたくちくたくちくたく。
ムー。俺の腕に抱えられて、さらに意識がない。しかもお腹からとろりと垂れているのは、
どう見ても精子です。本当にありがとうございました。対する俺。下半身丸出し。
ちーん。状況把握。
「……いや、あのですね。お姉さま、これはムーの方が俺に襲い掛かってきたわけでして、
俺は金縛りで身動きが取れなかったわけでして、むしろ俺のほうが被害者なわけでして、
信じてもらえないのは百も承知ですが信じて欲しいけど信じられるわけないですよねやっぱりーッ!!?」
目の前に重くて硬いものが迫っていた。
めごす。
―――――――――………。
――――――………。
―――そして。
「うう……消えてしまいたい」
目を覚ましたあと、ムーはやっとテンパり状態から正気に戻ったのか、
自分のヤったことの恥ずかしさを自覚して両手両膝をついてがっくりとうなだれていた。
そりゃあそうだ。俺も恥ずかしいが襲い掛かった本人は穴があったら入りますからそのまま土葬にしてください
ってなもんだろう。しかも行為に及んだ理由があまりにバカバカしすぎる。死んでも死にきれない。
あまりに見事に凹んでいるので見ていて可哀そうになり、俺は
「大丈夫だって、ムーちゃん。挿入は未遂なんだから。犬に噛まれたとでも思って」
「いや噛まれたのは俺ですけど姉ちゃん!?」
噛まれたどころか重くて硬いものを顔面に投げられて鼻血出たけど。
「すみません。この刃物借りますね」
はッ!しまった、ムーがカッターナイフを手にしている!
きちきちと刃を出して喉元に押し当てようとするムーを羽交い絞めにして止める。
宙に浮いた足をじたばたさせながら、ムーは涙目で叫んだ。
「やー、死なせてください!星にも帰れず、侵略もできず、おまけにあんな恥ずかしいことまでして、
それでも生きていけっていうんですかぁ!!どんだけ精神力強いんですかわたし!
いっそ死なせてくださいぃ!!」
「落ち着け、落ち着けって!頑張ったよ!お前は頑張ったから!その結果はアレだけど」
「死なせてぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!」
とりあえずカッターは没収して、落ち着かせるために俺は叫ぶ。
「わかった!わかったから!手伝うから!」
「へ?」
ムーの動きが止まる。姉ちゃんも、何を言うのかを目を丸くしている。
俺は方法を間違えたか、と早くも後悔しながら、それでも後戻りはできそうになかったので続けた。
「ようは67億人も人間のいる地球は一人じゃとても侵略できないっていうんだろ?だったら俺も
ムーの仲間になるって言ってるんだよ。少なくとも、一人VS67億人よりかは
二人VS66億9999万9999人の方が見込みはある。違うか?」
「……で、でも………」
「諦めたらそこで侵略終了……なんだろ?」
「………………………………」
我ながらアホなことを言っていると思う。たった一人、たった一人仲間が増えたところでなんだって言うんだろう。
焼け石に水、どころか溶鉱炉に霧吹きみたいなもんだ。しかし、それを聞いて吹き出した者がいた。
姉ちゃんである。
「………なんだよ」
「いや、別に?」
ニヤニヤしている。なんだってんだ、クソ。
―――ああ、そうだ。姉弟なんだ。考えていることはわかるだろうさ。
俺が、とっくにこの女の子に侵略されてしまっているってことも。
「じゃあ、あたしも仲間になるわ。これで三人VS66億9999万9998人、ね?」
66億9999万9998人。
それは奇しくも、ムーが俺たち姉弟を亡き者にし、数の不利をひっくり返すと宣言した数と同じだった。
しかも、あの時、侵略者はムー一人だけだったのが今は三人に増えている。
ムーはしばらくぽかん、としていたがやがて口元を緩ませると俺を振り返った。
俺は大きく、頷いてやる。
もうすぐ。もうすぐだ。
「は……はいっ!よろしく、ですっ!!」
はたして、この天然記念物のようなドジっこ宇宙人は、ぺこりと俺たちに頭を下げ、
ふわりと。まるで花が咲いたみたいに、笑うのだった。
結成!地球侵略軍!!〜新ジャンル「うつうじん」妖艶伝〜 完
144 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 08:07:05 ID:sTZ3MTYB
フェチズムがたまらん
夏だな
>>129 女「新ジャンルにしてやろうかー!」
男「……何気に怖いな、それ」
新ジャンル「蝋人形」
>>142 絵癖廉斗です
>>147 俺はヒーロー物で考えてたが、オチがつかなくて断念した。
しかし保管庫の過去作を読み返してるが、続編を読みたいのがかなりあるな…
>>148 きっとお盆だから柳川大尉あたり、帰ってくるよきっと
ところで・・・つまりオチ前までは書けているんだな?
>>130-142 いつもながらGJ!
つか先こされましたw
オチはあるんだけどそこまで中々でorz
俺、柏木和也はとある夢を見ていた。
『…久しぶりだな。この夢…。』
空を飛ぶ夢である。…しかも腹に250kg爆弾を抱えた零戦六二型に乗って、63年以上も前の空を飛んでいる。
もっとも、この機を飛ばしているのは柳川敬一と言う名の軍人であり、俺にできるのは見ることだけ。
…この機の攻撃目標は敵空母群であり、俺が見ているのは、敬一が命を落とした特攻作戦である。
「…くそっ、後ろに…。うわぁああ!!!」
右手後方を飛んでいた列機が落ちる。…同じく爆装仕様の零戦。
「柳川少尉!!ご武運を!!」
無線から飛び込んでくる断末魔と爆発音。
「…酒井も殺られたか。」
酒井だけじゃなく、今田、東に田川…。…これで編隊を組んでいた部下たちは、自分を除いて全て喰われた。
しかし、悲しみや怒り以上に、諦めの色が強いセリフが零れ落ちる。…例え振り切っても、彼らの死は別の形で待っているのだから。
一方、酒井機を落としたグラマンF6Fの方だが、こちらもすぐに柳川機への攻撃を行えなかった。
どうやら直援に廻った紫電改が食い止めてくれているようである。
この隙に、目視で空母を確認できる距離まで接近はできた。もっともその分、対空砲火の火線は濃密になっている。
柳川少尉が操る零戦は海面スレスレの突入ルートを取っており、あとは標的に衝突する時を待つだけである。
「…ここが俺の死に場所か。」
やがて幾筋かの火線が機体にかすり始めた。…もうすぐ、彼は空母の護衛についていた駆逐艦の機銃で落とされる。
「…美代子さん。今まで言えなかったが、君のことが好きだった。
喜久子くん。…折角、千人針を縫ってもらったのに、俺はここまでみたいだ。
大二郎…。貴様はまだ死ぬな。生きて帰って、美代子くんと幸せになれ。」
きっとその当時は、誰も聞き届けることができなかった柳川敬一の遺言…。
その一言を聞き届けた後に、視界が光に包まれて意識がフェードアウトしていく。
いつものように、この夢が終わったようだ。
目を開けると、ここ最近いつもの様に、俺を覗き込んでいる二人の顔。
「カズヤ!?大丈夫ですか!?…酷くうなされていたようですが。」
心配気な表情をみせる恋人のマギーと
「…アンタも見たんでしょ?大尉殿の…。」
疲労した表情を見せている恋人兼従姉の柏木由美 。
…きっと彼女も、彼女に憑いていた佐々木さんの最後を『また』看取ったのだろう。
「ああ。またあの夢だ。…だからという訳だが、今日って何か予定あるか?
…お盆だし、終戦記念日だし、久しぶりに墓参りでも行こうと思ってな。」
「はい。判りました。」
「それが良いわね。」
俺の考えに同意してくれる2つの声と、
「ああ。それなら『らてんもの』の猥褻本が良い。前に墓前に供えてくれたヤツが良かったからな!
え〜と何だ、白人と『いんでぃあん』との混血の娘か?巨乳で褐色の肌の女人が多いとなお良いぞ!!」
なぜか事細かに供え物のリクエストをしてくれる男の声。
振り返ると、当たり前と言わんばかりにふんぞり返ってる大尉殿と…
「…敬一さん、酷いです…。」
涙ながらに恋人の貞操義務を咎める佐々木喜久子さん。…号泣してるな、佐々木さん。
さらにその騒動の影で目立たないが、確実にいるもう一つの影…。
「…柏木殿。…ぼた餅、無いのですか。orz」
別の理由で涙ながらに蹲る酒井飛行兵曹長殿。
再起動した由美はイスを片手に大尉に対して折檻を始め、マギーは喜久子を慰めている。
その結果、盆の割には正月並みな騒がしさに満たされる我が家(ワンルームの学生寮)。
誰一人として聞いているとは思えないが、世帯主としてとりあえず言っておく。
「とりあえず、盆が明けるまでゆっくりしていけ…。」
新ジャンル「【妖怪】人間以外の男の子とのお話 お盆編【幽霊】 きけわだつみのこえ」
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
本当に来たw
>>149 オチがつかないので、中途半端で良ければ投下。
×「げへへ…かわいらしい幼女じゃねえか…」
母「きゃあー!!!!む、娘が、ば、化け物にぃ!!」
幼「ままー!!!」
化「お前はこの混沌獣合成新ジャンル様によって、新しく生まれ変わるのだ!!」
幼「ひ、ひゃぁ…」
化「属性カプセルは…そうだな…幼女だから……【巨乳】…ではありきたり…【ツンデレ】…では面倒…」
幼「ふ、ふぇーん!!」
化「大人しくしろ、さもなくば【ゴ○ブリ】と合成するぞ!!」
幼「…ひっく…ひっく」
化「よしこんな時こそ…『なにがでるかな?』サイコロを…」
内気「…あのぅ」
×「せーの!!」
内気「…す、すみま…」
×「なんだ?俺様は忙しいんだよ!!」
内気「(ビクッ)ご、ごめんなさい…で、でも私もひ、人質なんですけど…」
内気『きっと私は…【淫乱】とか【二穴開発】、【ス○ト○】属性を合成されて…』
×「……」
内気『怪人アジトへ連れてかれて、陵辱される日々を過ごし…』
×「…忘れてたな…ん?」
内気『運良く救助された後も、男くんの肉便器として、日々調教されちゃうんだ…』
×「…お前は…」
内気『そんなの…すごく…興奮しちゃうよ…』
×「そうだ、思い出したぞ。お前は確か実験体三号」
内気「…え?」
×「お前と…【妄想】を合成した効果はいまだに継続中か…」
内気「ええっ!?」
新ジャンル「内気妄想の誕生秘話」
連投すまん。
>>151GJ!!
ただ『らてんもの』と『白人といんでぃあんの混血』の元ネタがわからん…
「ツンデレは面倒」に不覚にも吹いた
確かにな。確かにね。
>156
GJ!……今の内気娘、妄想以外に何を足したんだよww
ちなみに大尉ですが、元ネタは特に無くたまたま見てたエロサイトで(ry
囲炉裏真智子と青山春樹に対する、恥女クール校長からの魔の手は消えた。
しかし、ここに気炎を上げる一つの影…。
「はっきりいっておかしいです!!わたし、めいんひろんのはずなのに!!」
囲炉裏真智子である。
「なんなのですか、まったく!!さいしょのとうじょうじんぶつは、わたしとはるくんだけだったのですよ!?
でもるかさんにがちれずさん、まめあね、まめこにゆかさん、あげくにはまいせんせいとこうちょうせんせいにまでふらぐたてて!!
しかもわたしいがいのひとのきゃらがこいから、いつのまにか、くうきすんぜんのあつかいなんて、ひどくないですか!?」
冷やし甘酒を自棄飲み(肴は豆大福)しつつ大いに管を巻いていたが、しかしひとしきり憤慨した後には不気味を浮かべる。
「…しかし、だがしかしですよ。きょうのわたしはひとあじちがうのです。
われにひさくあり…。きょうはほんきで、はるくんをおとしにいきます。」
『さくせんだいいちだん…どきどきねおきあたっくです!!』
「はるくん…あさです。おこしにきまし………た?」
春樹の起床時間直前を狙い、彼の部屋に侵入を図る真智子。
…しかし、目標以外の人物と遭遇(エンカウント)。
「…………………なんで、あなたが春くんの部屋に?」
「……こちらのせりふです。がちゆりさん。」
先客:遠山理菜としばらく睨み合い、やがて取っ組み合いの闘争へ発展するのは時間を要さなかった。
なお、死闘を始めた彼女ら二人は春樹の布団が普段以上に膨らんでいることに気付かなかった。
「ん〜〜。ハルぅ〜〜〜〜(ぎゅっ)」
今を遡る事3時間、寝ぼけて部屋を間違えてそのまま寝てしまった春香がベストポジションをしっかり押さえていたりする。
この展開は豆田姉妹が乱入し、春樹が目を覚ますまで続くこととなった。
はいいん:しょどうのおくれがはいいんにちょっけつしました まる
『つぎこそ…。さくせんだいにだん。ちょうしょくじにべたべたあまえて、とっぱこうをきりひらきます!!』
「はるくん!!あ〜んしてください!!こいびとどうしがやるよ…うな……。」
普段より3割り増しの甘え成分を混ぜつつ催促を行った囲炉裏だったが…。
次の瞬間、彼女は信じられない光景を見ることとなる。
「夕圭、口開けろ。」
「べ、別に大丈夫なのに…。…でも、あ〜ん。」
「な、なんでわたしじゃなくてゆかさんにやってるのですか!?」
「だって夕圭、右肩を脱臼してるだろ?左腕で食べるの大変そうだし。」
「ごめんね。治ったら真智ちゃんにあ〜んしてあげるから。」
『そ、そっちじゃないんです、ゆかさん〜〜!!』
はいいん:ゆかさんのけがをしつねんしていました まる
『…でも、いままでのさくはしょせんおーどぶる!!めいんでぃっしゅのだいさんだんです!!』
しかし、彼女は決意を新たに立ち上がる。囲炉裏真智子はうろたえない。
「はるくん!!いいおてんきですから、おさんぽいきましょう!!」
「あ〜〜。悪いが後にしてくれ。貴子ちゃんと買出しにいくからな。」
「…(新婚二人の)チャーミーグリーンな雰囲気に水を注すのは無粋。
…ちびおばさん、ここからは若い二人に任せるべき。」
「むきーーー!!!ちびなのはまめこもおなじなのです!!」
「まぁまぁ。…ただ、囲炉裏は買い物に連れて行けないな。」
はいいん:いぜんかいものにいったときに、かごのなかにこっそりおかしをいれたのがしっぱいでした まる
『れんぱいがつづいていますが…まださくはあります。きしかいせいのだいよんだんです!!』
「はるくん!おやつつくってほしいのです!!」
「あ〜〜。スマンが今、豆田の勉強を見ててだな…。…貴子ちゃん、悪いが頼めるかな?」
「そういうことだ!!あ、どうせならあたしの分も頼むぞ、貴!!
よく冷えた白玉ぜんざい、待ってるからな!!」
「いいですね、しらたまぜんざい!!まめこ!!おねがいします!!」
はいいん;しらたまぜんざいのゆうわくにまけました まる
『ずいぶんおいこまれてしまいました…。けんこんいってきのさいごのさくです!!』
「はるくん!!ちかくのゆうえんちではなびがあるそうです!!いっしょにいきましょう!!」
「あ〜〜。スマン。玲姉ちゃんに別の花火に誘われてたんだ。舞先生運転のサイドカーで行くから、定員は3人までだし。」
そして表から聞こえてくるバイクのエンジン音。やがてそのエンジン音が遠ざかっていったことで、囲炉裏は己の敗北を思い知らされた。
「わ、わたしのさくが…すべて…。そんな…orz」
ショックのあまり、意識がブラックアウトしてゆく。
・・・・・・・・・・・・・・・・
差し込んできた朝日に、囲炉裏は目を覚ます。
「あれ?…たしか、わたし。」
見慣れた自分の部屋…。時間を確認すべく昼内に目を巡らせると、昨日までにはなかった物が目に止まる。
「ん〜〜?あれ?なんです、これ?」
枕元に置かれていた、一つの風鈴とメモ。
『お前の行っていた花火、今日もやっている。一緒に行こう。 春樹 p.s 夏とはいえ、居間で寝てたら風邪ひくぞ』
「…えへへ。はるくん…。」
きっと居間にいた自分を抱きかかえてベッドまで送ってくれたのだろう。
風鈴を抱きしめる彼女の頬は、幸せそうに綻んでいた。
やがて囲炉裏主観ではあっという間に夜の帳が下りてきて…。
「はるくん!!はなびにいきましょう!!」
「あぁ。ルカたちの仕度も終わったみたいだし、行くか。」
「………………………」
「…?何だ、どうした?」
「るかさん…たちもですか?」
「ああ。みんなで行った方が楽しいだろ?」
囲炉裏真智子…。青山春樹を攻略する道程は、茨の道よりも険しいことを知った15の夜だった。
新ジャンル「レコンキスタ」新醤油学園野望編
あの騒動から数日…。
春樹たち新醤油学園の生徒たちは平穏な日々を過ごしていたのだが、嵐は別の場所で吹き荒れていた。
夏季休暇期間中とはいえ教職員と、補講に参加する生徒には登校する必要があるわけであり…
「…青山先生ぇぇ。なんで補講をこんな時期にやるのよ〜?」
「別に生徒が優秀なら、補講なんてやる必要ないけどね。」
「あ、あははははは〜。…今度、春くんに家庭教師お願いしよ。」
しかし、そんな彼女らに迫る4つの影。
「…遠山理菜を貰い受けにきた。」
東部味噌工業高校の学生に身を包んだ男子学生の姿があった。
「ん〜〜。誘ってくれるのは嬉しいけど、知的な感じの男の子が趣味なんだ〜〜〜。」
「校内でのナンパを見逃すわけには行かないわね〜〜。」
そんな2人に対し、返答代わりに襲撃してくる男達。
『この子たち、出来る!!相手は4人でこっちは2人…。私の方で3人を抑えないと、理菜ちゃんにはキツイかな…。』
しかし、彼らは二人の分断を狙い2人組で戦闘を継続し、やがて………。
「くっ?!きゃぁぁぁぁ!!!」
「理菜ちゃん!?」
目の前に立ちはだかった相手を左右両手のアイアンクローで仕留め、理菜の応援に駆けつけようとした矢先の悲鳴。
仕留めた筈の2人も既に起き上がり、理菜を連れ去った2人に続いて逃走していた。
「東部味噌工業が動いていたのは聞いていたけど…。…まさか理菜ちゃんが狙いだったなんてね。」
しかし、青山夏実とてこのまま引き下がるつもりもない。
この動乱は、やがて春樹たち新醤油の生徒達も巻き込んで拡大してゆく…。
新ジャンル「桜吹雪動乱」新醤油学園野望編
一方、遠山理菜を抱えて駆け抜けている4人。うち、2人が上の空で走っている。
夏実の足止めをしていたのは彼らだけに、ダメージの蓄積を心配した前方を走る2人が声をかける。
「おい!?お前ら大丈夫か!?」
「「…………」」
「しっかりしろ、大した傷じゃないだんろ?…どうした?」
「………やべぇ。」
「…………きたな、アレ。」
「「???」」
「………惚れた。」
「…俺って熟女趣味、無かったハズなのに。」
若作りだが誤魔化し切れていない目尻の皺がいいとか、ほんのり漂う香水と加齢臭がブレンドされた匂いが良いとか…。
手入れは怠っていないのに、年を重ねて荒れてきた手が良いとか…。
熱弁しだした2人を放置し、理菜を抱えた2人は足早に去って行った。
既出ジャンル「一目ぼれ」新醤油学園野望編
お盆ラッシュGJ
>>158 うん、GJだ。GJなんだが…敢えて一つ。
「なあルカ?」
「ハルどうかしたの?」
「気になってるんだが…いいか?」
「う、うん!!『もしかして私の事が!?』」
「囲炉裏は確か後期の開始直後に転入してきたんだよな?」
「へっ…?」
「知り合って5ヶ月ちょっと…今は少なくとも冬の筈だが?」
「……」
「なのに夏休みなんて…可笑しくないか?しかも夏休みの前のテストや成績発表もないし…」
「………」
「春樹くん。それは新醤油学園がアメリカ式の9月スタートで、前後期制だからよ」
「夕圭…」
「だから後期は2月からだし、私達は夏が終われば高校2年生!!」
「い、いや、そんな馬鹿な…第一ここは日本…」
「うちは9月スタートなのよ」
「おかしいじゃないか。
幼稚園から大学まであるこの学園が…それに俺たちの様に高校から編入した人間は…」
「新醤油学園はアメリカ式なの!!」
「いや、梅雨とかGWはどうなっ…」
「9月スタートなの!!!!」
「……………」
新醤油学園「帳尻合わせ」
話は多少前後する。
春樹たちが玲から逃げていた頃…
「…えー、今から第12回『うちらの上司おかしんじゃね』会議を開催〜」
とある公園の片隅で5、6人の少年少女がジュース片手に集まっていた。
もっとも会議とは名ばかり、自分直属の上司の愚痴を言いあう、いわばガス抜きの場だが。
「思えばこの会議、意外に続いてるよなぁ」
妙にオッサン臭い風貌の少年がしみじみと語る。
「まあ、私ら上司に恵まれてないしさ…」
茶髪ショートの少女が諦めた様に応じると、周囲からも溜め息交じりで同意される。
「だよなぁ…うちのアレ、ヒートがまたやらかしてさ…」
「私達の方ではツインが教師泣かせてました…」
「…あんたらなんかまだ良いって。私なんか報告の電話でのろけ話だよ…五時間も」
口々に直属上司の愚痴を吐き出す若者達に、中年の哀愁を漂わせたオッサン臭のする少年が宥める。
「まぁまぁ…」
「ねえ、あんたはいつも抑え役に回ってるけど、何か不満はないの?」
同級生ということもあってか、先程の茶髪ショートの少女が気安げに尋ねて来る。
「無いことは無いが、まあそこそこ報われてはいるしな」
「?」
仲間達と別れて少年は帰宅の途につく。傍らにはあの茶髪ショート少女の姿も。
「久蔵はさ…」
「ん?何だよいきなり」
「…いつも我慢してるから、心配なんだよね」
少女の口調は先刻とは打って変わり、かなり真剣なものだ。
「俺は別に我慢はしては…」
「うそ…私に合わせて進学先だって変えてくれたし、勝ちゃんの事だって…」
「勝四郎の事は仕方ないだろう、向こうが本家で俺は分家。第一あいつもよくやっている」
「けど!!」
「俺は今の自分に満足してるさ」
そう言うと久蔵ー少年ーはポンポンと少女の頭を撫でる。
「(///)…反則よ」
「お前のそばにいるのは退屈しないし、何より大事に思ってるよ。」
久蔵はにかっと笑う。
「久蔵のばか…」
「そんな馬鹿に惚れたお前は大馬鹿だ、絵美」
真っ赤になって黙り込んでしまった少女、絵美を伴って塩崎久蔵は歩く。
『寝技訓練であのロケット乳に埋もれるのは気持ちいいしな…』
新醤油学園 青春編
「四天王配下の人々」
塩崎久蔵、当年17歳の豆田家執事見習い。
塩崎家の分家に生を受けた彼だが、思慮深い性格、武芸の冴えより周囲から高く評価されていた。
一時は「豆田家婿入り」と当主に考えられもしていたのだが、本人の強い希望と豆田姉妹の
「久蔵は良い奴だけどあたしの好みじゃ…」
「……却下」
といった意見により、話は流れてしまった経緯がある。
さてその久蔵の姿を豆田邸、夜の武道場に見ることができる。
「ふぅ…」
「見事じゃな久蔵、相変わらずの冴えじゃ」
「勘兵衛先生…黙って見てるとは人の悪い」
現れたのは禿頭白髭の老人、豆田家の顧問弁護士・市川勘兵衛である。
齢70を過ぎても矍鑠とした老人であり、いまだ現役で久蔵と勝四郎の武芸師匠でもある。
「何か勝四郎の奴め、おさんどんをしとったが?」
「ああそれは…」
久蔵は事情を勘兵衛に説明する。
「なんとまあ…相変わらずぶっ飛んだ嬢ちゃんじゃのぉ…」
「ははは」
久蔵としても笑うしかない。
一時間後、稽古を終えた久蔵は応接室へと勘兵衛を案内し、話し相手を勤めていた。
「にしても久蔵」
「はい?」
「絵美ちゃんとは上手くやっとるか?」
ブホッ
お茶を吹いた久蔵。
「せ、先生!!変なことを言わないで…」
「どこが変じゃ、おぬしにとって絵美ちゃんとはそんな存在なのか?」
「い、いや…しかしなぜそのような…」
うろたえる久蔵に勘兵衛老人は事も無げに言う。
「いやなに、来る途中で会うただけじゃ。…娘らしく綺麗になって…」
「は、はは…」
「チチも尻もバッチリじゃな、ワシがあと五年若ければほっとかんぞ」
「…先生は相変わらずお盛んですな」
ジト目で見る弟子を気にすることなく、師匠は答えて一言。
「ワシは生涯現役じゃ!!」
その後勘兵衛老人の愚痴(最近孫娘が冷たい事)に暫く付き合った後、久蔵は話を切り出す。
「先生の今日の本題とはいかなる御用事で?」
「気付いておったか…」
「もう十年も師事を受けてますから」
勘兵衛老人は僅かに目を細めて話し出す。
「嬢ちゃん、陽子嬢ちゃんの方じゃが、ご当主から連絡があっての」
「陽子様に?」
「見合いの話が出てきたんじゃ」
「見合い…ですか…でもまだ陽子様は16になったばかり。早過ぎは?」
勘兵衛老人は首肯し、話を続ける。
「ワシも思うたよ、しかしそれがご当主の意思であれば避けられぬ…」
「…当主が今の状況を知ったら騒ぎになりますね」
「幸い相手は選考中とのことじゃ、ワシから推薦も出来ようしな」
「成程。で聞き込みという訳ですな、陽子様の思い人を」
「…理解が早くて助かるが、その時代がかった言い回しはなんじゃ?」
勘兵衛老人が帰った後に、自室で久蔵は一枚の写真をじっと見る。
『青山春樹…又聞きにしか過ぎないが、なかなかの人物らしい…詳しく調べてみるか』
新醤油学園 青春編
「見習い執事の事情」
豆田邸を辞した勘兵衛老人が帰宅したのは、時計の針が十時を回った頃だった。
「帰ったぞい〜」
「お帰りー、おじいちゃん」
出迎えたのは孫娘。
「おお、ただいま」
「こんな遅くまでお仕事なの?」
孫娘の声色は呆れ半分、気遣い半分といった所か。
「何か食べる?」
「いや、大丈夫じゃ。茶でも入れてくれ。芋羊羹買って来たしの」
「あたしも!!」
「しかし…」
「ん?どしたの?ジロジロ見ちゃって」
羊羹を美味しそうに頬ばる孫娘を見る勘兵衛老人。
「お前は昔のままじゃなぁ…色々な意味で」
「し、失礼ね!!これでもちゃんと成長して!!」
孫娘は抗議するが、その表情(や胸など)は勘兵衛老人から見て、幼き頃とあまり変わってない。
「まだまだ子供じゃな、いつになったら女らしくなるのやら…」
「べーっだ!!そんな事言ってると、すぐお嫁に行っちゃうんだから!!!」
孫娘が自室に戻った後も勘兵衛老人は一人考え込んでいた。
「陽子嬢ちゃんの見合いはまだ早過ぎじゃ…あの子、亜弓と同じ年じゃしな…」
ふと脳裏に孫娘、亜弓の婚礼衣装姿を思い、涙が出て来た勘兵衛老人。
「亜弓はまだまだ子供じゃから…」
そう思っても寂しくなった勘兵衛老人であった。
新醤油学園 青春編
「勘兵衛老人の憂鬱」
「…というわけだ。レーファ、君は陽子様直属だから、青山春樹について詳しく知っているだろう?」
「はいネ」
「出来れば早めに報告書をまとめてくれ、頼んだよ」
ポチッ
先輩塩崎久蔵との通話を終え、レーファ=シラーは思索に耽る。
『さすが久蔵先輩ネ、やることにソツないネ。…ダーリンもこの位…』
そのダーリン、塩崎勝四郎は彼女の目の前でぐったりと横たわっている。
「ダーリン、もうちょっと体力つけるネ。あの程度の事でヘトヘトなんて…」
「む、無理だって…」
勝四郎は疲労困憊。先程主人貴子からの命令、
『…私の衣類及び薬品、あと調理器具と春樹さんグッズを新居へ運んでおいて』
とかなりの重労働をこなした直後に…
『…あと下着が不足…レーファと買い出しに』
と精神的にきっつい仕事を終えたばかり。
「…ねえダーリン?」
「な、なんだい?」
「ワタシがこの黒を履いた所見たくないカ?」
ニンマリと笑い、黒いスケスケの下着を見せるレーファ。
勝四郎の苦難は続く…
さて一方の久蔵。レーファに頼んだだけではなく、自らも情報収集に動いていた。
『…しかし凄いな。現四天王のうち三人も彼に熱を上げ、なお校長と新任教師も…』
幼なじみの絵美を通して諜報担当、四天王チーマージャンから得た報告書を見ながら久蔵は歩く。
『…しかし代価があいつの情報で良かったのか?』
あいつとは久蔵の知人、通称『番長』の事である。
「あいつも厄介な女の子に目をつけ…ん!?…」
何かに気づいたのか、傍らの電柱の陰に身を潜める久蔵。やがて…
「…彼らを置いてきて良かったのか?」
「ほっときなさいよ、あんなオバサン好き共。任務を忘れて熟女談義するなんて、愚の骨頂よ」
二人の男が一人の少女を抱えてやって来た。
「しかし…意外に重い」
「ほんと…見た目よりはデブね」
「…女性相手にそれは禁句ではないのか?」
白昼堂々の凶行に一瞬呆気にとられた久蔵だが、すぐに気を取り直す。
『あれは味噌工の制服、女の子の方は桜吹雪のものだ…何なんだ?』
疑問は残るが目の前で起こった犯罪を放ってはおけず、久蔵は追跡を開始する。
東部味噌工業高校の方面へと。
『ツンデレに必要な物とは、ツンでもデレでもない。ツンデレを正しく理解し、包みこむ異性の存在こそ…』
「はるくんおひるです!!れっつそーめんです!!」
「…良いところだったのになぁ…」
「ん?…『つんでれろん』…またへんなほんをよんでますね…」
「ほっとけ。素麺くらいならルカに頼んでくれ」
「そうめんをわらうものは、そうめんになくのですよ!!それにるかさんはおでかけです」
「あ、部活か。仕方ないな、俺が…」
渋々昼ご飯の支度を始めようとする春樹だが。
「…ぬう…囲炉裏ぃ!!」
「なんです…あっ!!」
「お前また素麺をおやつに食べただろ!!しかもそのまま茹でずに一箱!!」
「わ、わたしじゃ…」
内心ドキドキしながらも白を切ろうとする真智子だが…
「棚の前に台が置きっぱなしなんだよ!!」
「…ふかくです…」
「はぁ、全くもう…仕方ない。買い物行ってくるから、一時間ほど待ってろよ」
「はい…」
「さてと…素麺の安売りは…確か○○スーパーだったか。味噌工のそばまで行くのはたるいが…」
自転車に乗り、買い物へ出掛ける春樹。
だがこの買い物が、彼を更なる混迷に巻き込むとはまだ誰も気付いていない。
新醤油学園 青春編
「東部味噌工業暗躍」
GJ。GJ。大事なことなので二回言いました
秋田
もう新醤油学園はお腹いっぱいです
てか一つのネタで引きずり過ぎだと思う
面白かったのタイトルだけじゃん
豚肉じゃねぇんだ。叩けばうまくなるってもんでもないぞ
そうさな、こっからここまでが1話っていう区切りが甘いんじゃないかな?
飽きたんなら読まなければいいんじゃね?
存在が許せないならもっと面白いのを書いて見せればいいんじゃね?
何はともあれ職人はGJ
>>174 だな、叩けばうまくなるわけじゃない。
それと同じに何でもGJってのもどうかなと思う。
>>175 「書いてみろ」って言うのは過疎スレか書き手が一人しかいないとこで言うんだよ
ここみたいに他に面白いのが有るとこだから指摘されてるんじゃないか。
>>174だって問題点の提示はしてる訳だろ?。今までだと大抵スルーとかネタに転嫁してたのにこれだけマイナス意見が出るってのは皆そう思ってるんじゃないか。
やめろとは言わんがちょっと考えてもいいんじゃないか。
>>176 なら黙ってろ
何か急に荒れだしたな
こういう時のお約束としてはだ、うん
殺伐としてる香具師同士をカップリングするんだ
全員ツンデレな女子高生なんだ
たまにヤンデレも混じってるんだ
そう信じるんだ
前々から思ってるのだけど、ヤンデレ同士が付き合うとベストカップルになるんじゃないかな
最終的にどうなるかは別だけど
>>181 互いに刃物握って刺したり刺されたりしながら、
それをほほえましく見守る周囲、という状況が浮かびました。
どう考えてもギャグ時空だから二人とも死なないだろうし。
・・・ある意味、ベストカップルっちゃベストカップル?
今までなら職人のフォロー小ネタ投下が有る所なんだろうけど…
全員スルーとは根が深いね
既に書き手が減ってるだけだろう。
GJでなければスルーっていう慣習の意味がわからないかな……
>>181 男のヤンデレは束縛
女のヤンデレは恐怖
誰か俺を新ジャンルにしてください
空気を読まずに投下します
「ヒロトたち、うまくやってるかなぁ?」
波は変わらず、打ち寄せては引き、また飛沫をあげている。その彼方を眺めながら、リオルはぼそりと呟いた。
砂浜に座り込んだその膝の上には既に大きなスイカが乗っている。
『勇者のお連れ様』とのことで、ぶらぶらしていたら八百屋の親父がただでくれたのだ。
もちろんスイカ割りに使う気マンマンのリオルだが、それは今はお預け。
遊ぶのはヒロトたちが使命を終えて帰ってきてから。いただきますはみんな揃ってから。
リオルは我慢のできる子なのである。
「心配はいりませんわ。リューさんがいますし、帰りはヨットではなくフレズヴェルグになりますから
日が沈む前には帰ってきますわよ」
同じく砂浜に座り込んだローラが苦笑する。リオルの様子は主人に『待て』と言われた犬のそれだ。
抱えたスイカに身体を預け、さも愛おしそうにべったりと密着している。違うのは、このお預けを
リオルが自主的に行っていることか。誰に強制されたわけでもなく、自分から。
リオルは我慢のできる子なのである。
「………ローちゃん、リュリルライア様のこと信頼してるんだ?」
「ええ、まぁ」
「いいのかなー。ヒロトと二人っきりなんだよ?芽生えてるかもよ?」
スイカを抱えたままごろごろ転がり、さらに三日月口でニヤニヤ笑うリオルに、ローラは静かに微笑んだ。
優しい、でもどこか寂しそうな、不思議な笑顔。リオルはその意図するところがわからず、目を瞬かせる。
しばらくの間ローラはそうやって笑っていたが、不意に空を見上げて磯の香りのする風を胸いっぱいに吸い込んだ。
「いい気持ち」
「ローちゃん?」
寄せては返す波の音。
きっと何百年、何千年。何万年も変わらない波の音。
でも、王城時代、とある授業で聞いたことがある。
静かに打ち寄せるこの波が岩を削り柔らかな砂に変え、大地の在り方をも変えてきたのだと。
この、海が。
「『綺麗じゃないか。似合ってるぞ』―――」
水着姿をお披露目したとき、ヒロトが言ってくれた言葉を反芻する。嬉しかった。とても。
ヒロト自身気付いているかどうかわからない。けど、彼は変わった。
思い出している。
王城の裏庭。たった一人で剣を振るっていた孤独な少年と、
その姿を窓から眺めていた一人の少女のことを。
あの時のヒロトは、どうしようもない程に独りだった。
ヒイヅルの対立する二つの血族の間に生まれたヒロトはそのどちらからも疎まれ、幼くして国を追われた。
物心ついたのは旅の途中。祖国を思うことはない。流れ往くものを当然として育つ心は
ひと所に留まることを知らず、故にその時『執着』を失くしたのだと思う。
父に連れられた長い旅の末にヴェラシーラに辿り着き、王城に住むようになってからもそれは変わらない。
いやもしかしたら、もっと酷い。彼を取り巻く環境が流れを止めたが故に、それは段々と濁っていったのだ。
なにせ彼はある日突然、王の護衛に就いた異国の剣士の連れ子である。これが疎まれないわけがない。
ヒロトの前ではっきりと口に出した者はまさかいないだろうが、それでも視線や態度、ちょっとした仕草を
少年は敏感に感じ取る。その結果が、あの孤独な剣の稽古だった。
彼は何も好き好んであんな、隠れるように剣を振るっていたわけではない。
いや自覚はないだろうが―――彼には単純に、他に居場所がなかったのだ。
孤独を孤独と思わず、いやそもそも独りだということが何なのか理解できない欠けた心で、
それでもまっすぐに、剣を振る―――。
………幼いローラが彼に興味を持ったのは、誓って同情や、下心あってのことではない。
何も持っていないのに、ただ一心に剣を振る少年に。
王女として国を手にすることを約束された少女が、ただ見惚れただけのこと。
それ以来何かと構うようになったのだが、それでも自分にはヒロトの欠落は埋められなかった。
少なくともローラは自分でそう思っていた。ヴェラシーラを出るよう告げられて、
何の未練もなく出て行ったヒロトの背中を幻視する。
一度も振り返らなかった。
『魔王を倒すまで帰ってくるな』。
暗に死ぬまで帰ってくるなとそう言われ、
それでも一度も振り返らなかった、その背中を。
あ.0の孤独な少年は、いつか―――何かを、誰かを手放したくないと、そう思えるのだろうか?
「いつか、ヒロト様が誰かを愛し、欠落した『執着』を覚えるようになったら。
それは、とても素晴らしいことだと思いませんか?そして、そのためなら私は―――」
「ローちゃん………」
「なんてね?」
それまでの儚げな雰囲気など潮風に飛ばされたかのように、ローラはぱっちりとウインクをした。
「もちろん、ヒロト様の一番になるのは私ですが!」
立ち上がり、大きな胸をたゆんと張ってローラはそう宣言する。
強い。リオルはそんなローラ(の胸)に思わず拍手をした。
「………まぁ、でもあたしは立場上リュリルライア様を応援しなきゃならんのですが」
「えー」
『オォ、ォォオオオオ、ォォォオオォォ……』
海藻の怪物の身体がざわざわと波立ち、全身から腕が芽生えていく。それは空高く立ち上がり、
振り下ろされ鉄槌。その数八つ。怪物にしてみればフレズヴェルグはやぶ蚊のようなものだ。
しかし、そのやぶ蚊は流星の如く神速。ならば広域広範囲に渡って一気に破壊を放つ気なのか……!
「ちッ!ヒロト!」
「………ッ!」
リューは舌打ちし、それでもフレズヴェルグを反転させたりはせず、逆に塔のように聳え立つ腕に突進した。
仕方ない。ヒロトは背中の長剣を抜き払うと、駆け抜け様に一閃する。
怪物の槌は振り下ろされること無く切断され、海に沈んだ。―――と、思いきやざわざわと動いて
怪物に再び吸収されていく。ダメージは無いらしい。
「不定形形態か……ならば我の魔力波で消し飛ばしてくれる!」
「待て待て、リュー!本当にアレは魔獣じゃないのか?」
にわかに信じがたいヒロトがコックピットを叩く。リューは異形を睨みつけ、首肯した。
「ああ。アレは魔獣ではない。それは確かだ」
「じゃあ―――」
「さぁな。だが、少し考えてみれば想像はつく。『似たようなもの』なら貴様も知っているだろう」
「似たようなもの?」
言われて、はっと気が付く。
ヒロトと同じ勇者であり、蒼い髪と神槍を携えた女騎士。彼女の身体に取り憑いていた怪物は、
確か魔獣であって魔獣ではない、ヒトの手で造られた合成獣(キメラ)ではなかったか。
リューと対峙してもその正体が魔王と悟れない、妄執のマジュヌーン。
だが、アレは異形とはいえまだ人間の形を保っていた。この海藻の怪物とは似ても似つかない。
「知らん。知ったことでもないしな。ベースの違いではないのか?それにブレイズの方は『封印融合』で
一体化してしまっているからな。肉体はあくまでも人間。アレはそうではないということだろ」
怪物が触腕を伸ばしてくるのを、リューはフレズヴェルグをくるくると回転させて避ける。
ヒロトは振り落とされそうになったが、剣を翼に突き立ててなんとかしがみ付き続けた。
「とにかく―――魔王である我をもってしても話は通じん。アレはただの化け物だ。
ヒロト、わかってはいると思うがアレと交渉は不可能と思え」
「―――………」
ヒロトは歯噛みした。魔獣ではない、ということに疑いはない。
他でもないリューが言うことだ。その通りなんだろう。ならばアレはキメラ。
人間の手で作り出した怪物ということになる。人間の手で作り出した怪物が海に放たれ、
魔獣の領域に入り込んで人間を襲っていたのだ。これはそういう事件だったのだ。
遣る瀬無い。
歯を、食いしばる。
しかし悠長なことも言っていられない。漁師たちは沖に怪物がでるというので船を出すことをやめてしまっている。
そうなれば、獲物を求めた海魔はまず間違いなく陸に向かうだろう。海藻の塊であるこいつが上陸できるとは
限らないが、それでも海岸の町や村を襲うことは容易。逃がせば広い海の底に消え、
探すことは不可能になる。ここで叩くしかなかった。
「リュー。倒せるか」
決まった形を持たない怪物は剣では倒しにくい。ヒロトは静かに、リューに訊ねた。
それを聞いて、リューはニヤリと壮絶な笑みを浮かべる。
「―――我を誰だと思っている!」
同時にフレズヴェルグの腕に挿げ替えられた頭ががぱりとその顎を開き、正面を向く。そしてその口先の空間が
波紋のように歪み、ふた筋の光線が放たれた。高密度の魔力をそのまま破壊力に転換するリューの魔力波だ。
フレズヴェルグは高速飛翔に特化したクレイドラゴンである。
よって爪や牙など直接攻撃に適した兵装は持っていない。が、リューが搭乗している間はこうやって
リューの力を借りて魔法攻撃を放つことができる。つまり、フレズヴェルグは音速以上の神速と
魔王の攻撃力を併せ持っているゴーレムなのだ。リュー自身、半分趣味で設計したというだけあって、
普通の戦闘にはまるで必要のないオーバースペックである。しかし、今回はそれが役に立つ。
『オォ、オォォォォォ、ォォオオオオ……』
魔力波が海魔の身体の一部を貫き、吹き飛ばす。砕けた破片は高温によって空中で燃え、消滅していく。
やはりヒロトが剣を振り回すよりは片がつき易そうだが―――それでも、吹き飛ばせたのは
海魔からしてみればほんの一部だった。
厄介な相手である。
この怪物、特別力が強くも、硬いわけでもない。
動きは鈍いし、攻撃もただ海藻の腕を叩きつけるだけという単純なものだ。
しかし、それらを補い有り余って、大きい。規格外の巨大さの前にどんな攻撃も霞んでしまうほどだ。
案の定、海魔は身体に穴が開いたことなどまったく意に介さず、海藻の触腕を振り上げ、
ネットのように広げてフレズヴェルグに襲いかかった。さっきのような叩きつける攻撃ではない。
これは逃げ場を奪うためか。どこが頭かわからないような造形のくせに脳ミソはあるらしい。
「ヒロト、コックピットの中に入れ!翼にいられては最高速度が出せん!」
「ああ、わかった!」
海藻のネットに魔力波で穴を穿ち、とりあえずは包囲網から脱出する。
そして海魔から距離を取り、ハッチを開けた。風の強い海上で、リューの朱い髪が流れるようにはためく。
リューはふう、と息をつき、改めて顔をしかめた。
「―――無駄にでかい身体をしおって」
「一撃で倒すことはできないのか?」
「馬鹿者。島ひとつを消し飛ばすようなものだぞ?そんな攻撃を放てば大津波が起きて町という町が
沈んでしまうわ。―――あの化け物に、核(コア)でもあれば楽なんだがあの巨体から
そいつを探し出すのは至難の業だな。面倒だが、ちまちま削っていくしかあるまい」
「………なるほど」
ヒロトがコックピットに移ろうと足を持ち上げた―――その横っ面に何かが叩きつけられ、
バランスを崩して膝をついた―――その膝もずるりと滑り、フレズヴェルグの翼からあやうく落ちそうになる。
「―――ッ!!?」
叩きつけられたと思ったのは液体だった。遠くから発射され、フレズヴェルグの機体はそれをもろに被ったのだ。
まさか飛び道具を持っているとは―――黒くてぬるぬるする、それは墨だった。腐っているのか、ひどく臭う。
………墨?
「クラーケン、だと!?」
近づく攻撃は魔法障壁で全て遮断されるため、リューの身体に墨は一滴もついていない。
距離を取ったことでまったく油断していたリューは海魔の方を向いて驚きの声をあげた。海魔の身体が
ばっくりと開き、そのスリットから顔を覗かせているのは間違いない、ここ一帯の海のヌシ、クラーケンである。
だが、一見してわかる。クラーケンは既に生きていない。
おそらくは自らの領地に侵入してきた海魔を排除しようと挑み、返り討ちにあってしまったのだろう。
そのまま海藻の苗床として取り込まれ、操られているのだ。
「―――ちッ!」
リューは舌打ちをした。死んで敵の手に堕ち、利用されているクラーケンに何を想ったのか。
しかしそれを自覚するヒマもなく、第二撃目の墨がフレズヴェルグに向かって放たれた。
それはもちろん、フレズヴェルグの高速機動を以ってすれば避けられない攻撃ではない。
だが、リューが回避を行おうとした、その操縦の手が止まる。
「ヒロト!」
ヒロトは今やっと翼に捕まっている状態だ。しかも全身は墨に濡れ、滑りやすくなっている。
ここで大きな動きを行えばヒロトは確実に海に落ちてしまうだろう。それで一瞬、躊躇し―――。
ヒロトはその一瞬で、翼に捕まっていた手を離していた。
「え?お、おい!?」
なにをやっているのだ、とすぐさま急降下して追う。
それで墨攻撃のポイントからは外れたのだが、ハッチを開けて伸ばした手も届かずヒロトは海に落ちていく。
いくら空を音速で飛行できるフレズヴェルグでも、流石に海は潜れない。海面ギリギリで急ブレーキをかけ、
波を弾き飛ばして静止する。慌てて海を覗き込むが―――暗い海の中には、既にヒロトの姿はない。
リューは歯噛みした。ヒロトはもちろん、墨で滑って落ちていったのではない。
リューが躊躇しているのを悟り、自分がいては墨をもろに被ってしまうことを考慮して自ら手を離したのだ。
バカな。リューならわざわざ避けるまでもなく、魔法障壁でいかなる攻撃も防げるというのに。
「―――ええい、あのバカ……!」
端正な顔を歪め、リューは呻いた。
魔法障壁のことを思い出したのは既に翼から手を離したあとのことだった。
魔王に害を成す全てを阻む絶対防御、その前ではたかだか墨を吹き付けられたくらいなんでもあるまい。
しかし、海魔の中から現れたクラーケンが再び墨を吐いてきたのが見えたとき、ヒロトは熟知しているはずの
それを忘れ、ただリューが回避行動に移れるようにと自ら海に落ちる選択を取ったのだ。
ど忘れとしか言いようがない―――うかつもいいところだ。渇きの国でも同じことをして、
いらないおせっかいだと言われた。どうも、ヒロトは時々仲間の能力を忘れて勝手なことを
してしまっているように思う。反省しなければ。
しかしそれも考えようで、ヒロトは海に潜ったままとりあえず海魔の元へと泳いでいく。
空ではフレズヴェルグが翻弄してくれているはずだ。フレズヴェルグの上ではヒロトは満足に
剣を振ることもできないし、それならば海の中でリューの言う海魔の核を探そうという腹である。
濁った海の中は視界が悪い。何かが目の前を横切ったので捕まえてみると、それは魚だった。
といっても泳いでいたのではなく、波に揺られて漂っていたのだ。ヒロトが握ったからか、
身体がぼろぼろと崩れていく……海魔の藻に侵食されていたのだった。
(……存在するだけで他の生物を喰らい、死滅させるのか………)
もはやヒロトもこの怪物を倒す以外の手でなんとかできるとは思っていない。
一刻も早く核を破壊し、藻を焼き払わなければこの海自体が屍で埋め尽くされてしまう。
そしてその死骸を餌に、藻は無限に繁殖していくことだろう。状況は秒単位で悪くなっていくといってもいい。
ヒロトは早くも絡み付いてくる藻を剣で払いながら泳ぎ進んだ。
「――――――………」
しばらく泳いだあと、海面から少しだけ顔を出し、大きく息をつく。
ヒロトとて人間だ。エラがあるわけではなく、したがって海中で呼吸ができるわけでもない。
潜っていられるのもせいぜい十数分。……人間の域にはない驚異的な肺活量だが、それでも時間が足りるかは
わからない。海魔の水域に入ったら、もう呼吸をしに浮上するなんてことはできないと考えたほうがいいだろう。
顔をあげると、リューがフレズヴェルグで戦っているのが見えた。
海魔の動きは鈍い。神速のフレズヴェルグが捕まるわけもなく、破壊光線で一方的に焼いているがやはり、
決め手に欠けるようだ。海魔も特に焼けていく自身の身体を気にしているようでもない。
このままちまちま削っていてもでもいずれリューは海魔の藻を全て焼き払うことができるだろうが、
こうしている今も藻は海の生物を取り込み喰らっているのだと考えると、やはり核を探す必要はありそうだ。
「―――頼むぞ、リュー」
小声で囁いて、ヒロトは再び海に潜った。
すれ違う死骸は主に魚、そして水棲の魔獣たち。どれも藻の苗床になっており、真っ白に濁った目が
ヒロトを恨めしそうに見つめている。ここはもう海魔の腹の中といってもいいかもしれない。
――――――オォ、ォォォォオオオオ、ォォオオオオオォォ、オォォォ………。
海魔が啼いている。
ヒロトはすぐ近くから聞こえるその声にふと耳を傾けて、そして理解した。絶句した。
潮水をびりびりと震わせる、その声は。
(―――ヒトの、声だ………)
人間の声。
何十、何百人もの人間の声が。嘆き、恨み、憎しみの声が。
寄り合わさり、合唱となって響いている。それが、海魔の咆哮の正体だった。
そういえば―――、
ヒロトは気付き、ぎくりとする。
さっきまで泳いできた海魔の藻の領域は死体に溢れていたのだが、その中に人間の死体はひとつもなかった。
ヒロトたちが滞在している町の漁師だけではない。この海域を仕事場とする船はこの海魔に襲われ、
殺されていった。それは、事前の調査で嫌というほどわかっている。普通に考えるのならば、
海魔に襲われた男たちも魚や海鳥、水棲魔獣たちと同じく藻の苗床になってそこいらを漂っているはずだ。
なのに、何故。襲われた人間は、その死体はどこにある―――?
(………………………)
ヒロトは慎重に海魔の中を進み、一際分厚い藻の壁を切り裂いて中を覗き込んだ。
そして、愕然とした。
(―――――――――な…………!!!?)
ヒロトは、それを葡萄のようだと思った。
ただし、その房の一粒一粒は甘く熟れた果実などではなく。
肌は白くふやけ、腐った身体がぼろぼろに朽ち、肉は削げ骨まで覗く死体であった。
彼らは一様に苦悶の表情に歪み、濁った目で虚空を睨みつけている。そして、おお、なんということか。
ヒロトがその空間に侵入した瞬間に、その目玉がいっせいにこっちを向いたではないか。
生きていた。
海魔の体内。その中核に囚われ、死体となったその肉体に藻を植えつけられ、無理矢理に『存命』させられている。
肉体は確実にに死んでいる。しかし絶命はしていない。ぎりぎりの縁で留まっている。
否、意図的に留められているのだ。死なないように。
九分九厘死んでいる、ぐずぐずに腐った身体に、生命たるマナを注ぎこんで。
おそらく、彼らは断末魔の瞬間をずっと、ずっと引き伸ばされているのだろう。
なんて―――、
(なんて、惨い……!!)
ヒロトは奥歯が砕けるかと思うほどに噛み締めた。
変わり果てた男たちが連なる死体畑。―――おぞましい、身の毛もよだつようなその光景を前にして
湧き上がるのは怒り唯ひとつ。耳元で血液が逆流し、ざわざわと音を立てて髪が逆立つようだ。
―――助ケテ、タスけテ、タスケテ―――
死体たちが啼いている。
既に恨みもなく、憎しみもなく。ただ、助けて欲しいと。
腐った腕はもうヒロトに向けて伸ばされることもない。破れた喉は声を出すこともできない。
それでも死体は呻き声をあげ、助けを求めていた。
ヒロトは一瞬目を閉じ、意識を集中した。
肉体を構成する極小の粒子にまで魔力を通わせ、身体能力を爆発的に向上させるその術の名は『豪剣』という。
魔法の才能がないヒロトが鍛錬の果てに手に入れたその術は魔王の障壁さえ斬り裂く、最強の剣。
それを、死んでなお現世に縛り付ける鎖を断ち切るために、高く高く振り上げて―――
(………え?)
腰に、一人の―――ひとつのむくろがしがみついていた。
囚われている屍とは違う。死後、相当経っているのだろう、完全に白骨になっている死体。
それが動き、ヒロトにすがりつくように抱きついている。
ありえない。死体は動かない。動くとしても、それは魔法によって動かされ、ゾンビという屍人形に
なった場合である。ならばこの骸骨も、海魔に挑み破れたクラーケンのように操られているのだろうか?
いや―――違う。
そうではない。
操られる側ではなく、操る側。
つまり、『彼女』こそが。
ざわざわ、ざわざわ、と。漂っていた藻が骸骨に集まっていく。
藻は肉となり、皮となり、衣服となり。
骸骨の、人間だった頃の姿を再現していく。
少女だった。
髪の毛を頭の上で団子状に括った、東洋の―――しかし、どこにでもいそうな普通の少女。
波に揺られて、少女の纏う着物がふわりと揺れる。
あらゆる生物を食い荒らし、苗床にし、漁師たちを捕らえて生きる屍に変えた海魔は、
ヒロトにすがりついたままとてもとても哀しそうに顔を歪めて。
その薄い唇をゆっくり動かし、言った。
「助けて」
――――――動けずにいたヒロトに、大量の藻の津波が押し寄せていた。
『ォォォオオ、ォォオオ、オォォォォォ………』
「………………………」
リューは、クラーケンが囚われていること自体には特に感情は湧くことはない。
クラーケンはこの海のヌシだ。世界各地の土地を支配するヌシは魔王の、リューの直属の家臣ということになる。
だがもちろん面識はないし、魔獣たちがどう生きようがどう死のうがリューには関係ない。魔王という種族は
ただそれだけで魔獣を支配する。よってリュリルライア個人はあまり彼らについて関心がないのだ。
方々を旅して色々命令をして回っているのは、ひとえにヒロトがそう望むから。
リューはヒロトたちとの一緒にいるのが楽しいから旅をしているのであって、決して
各エリアを支配するヌシたちに興味があって旅をしているわけではない。もっと言ってしまえば、
ヒロトが目指しているという人間と魔獣の共存―――それすら、リューはどうでもいいことだ。
彼らには彼らの生き方があるだろうし、また死に方がある。それに干渉しようとは思わない。
それこそ世代交代でヌシが別の魔獣に取って変わろうと、力ある勇者に倒されようと。
弱肉強食、魔と闇に生きる者の運命なれば―――。
「………………………」
だが。
あれは、気に食わない。
あの海魔は魔獣ではない。人間でもない。むろん、神でもない。
この世界に生きるあらゆる生命に、アレは該当しなかった。
そんなはみ出し者が、ヌシを―――この魔王から闇の領域の一部を任された管理者を取って食う?
この海でクラーケンと船を駆る漁師たちとが築いてきた関係を破壊し、蝕み―――苗床にする?
おこがましい。
「何様だ、化け物」
フレズヴェルグの周囲に無数の波紋が広がる。フレズヴェルグの砲口だけではない。
リュー本来の得意である複数同時展開の高出力魔力波は海魔に突き刺さり、海魔の巨体を確実に削っていく。
『ォォ、オォォォオオオオ………』
海魔が身を捩って呻き声をあげる。その姿はさながら、雨の中に放り投げられた砂糖細工か。
無数の魔力波に焼き尽くされ、海魔は海藻の装甲を破壊されて崩れていく。
「――――――………」
その破壊が、囚われているクラーケンの死体に届いた。
死してなお海魔に操られていたかの魔獣はしかし、魔王の砲撃に耐えられるわけもなく。
触腕が弾け飛び、頭部に穴が開き、墨袋が破れて辺りにぶちまけられた。
圧倒的だった。こんなもの、戦いですらない。魔王は戦わない。彼女の前に立ち、
そもそも『戦い』になる存在がいないから。魔王と対峙する者はいつだって、
一方的な『破壊』を押し付けられることになる―――。
『ォォォオオ、オオオ………』
海魔の身体が沈んでいく。危険を察知し、深海に逃れようというのだ。
さすがに海に潜られては追うのはやっかいだろう。しかし、その暇は与えない。
このままの集中砲火で、海魔を根こそぎ焼き尽くしてやる………!
『――――――リュー』
不意に、声が響いた。
「………………ヒロトか?」
リューはきょろきょろと辺りを見回した。が、姿はない。
ヒロトはさっき海に落ちて、そのままだ。一応回収しようと海面を飛んでいたのだが、
すぐに海魔の藻が襲いかかってきてとりあえず放置することにしたのである。
ヒロトならまず死ぬことはないだろうし。
てっきり、その辺を漂っているものと思っていたのだが。
『攻撃……めろ』
声―――だが、音ではない。頭の中に直接響くような感じ。
念波というやつだ。しかしリューは眉をひそめた。念波?馬鹿な。だって。
『いったん攻……をやめてくれ。………は俺が……するから―――』
ヒロトの声は近くなったり遠くなったりひどく不安定で、何を言っているのかよく聞き取れないまますぐに消えた。
本当に聞こえていたのか、疑問を覚えるほどに。しかしリューは沈んでいく海魔にそれ以上の攻撃はやめて、
ヒロトの言うとおりにすることにした。
―――ヒロトに魔法は使えない。
それはリューもよく知っていることだ。そうでなかったら、『豪剣』なんて規格外のモノに目覚めるわけがない。
なのに何故、離れた場所にいるリューに直接言葉を伝える思念波なんてものが使えるのか。
そもそも、念波というものは特殊な魔法で、誰にも彼にも意志を飛ばすことなんてできないのに。
以前牙の森にブレイズが襲来するとの情報を受け、離れていたヒロトに伝えようとしたときのことを思い出す。
あの時ジョンに言ったことはなんのまじりっけもない事実だ。リューとヒロトの間に、念波は通じない。
念波を伝えられるのは、たとえば―――……。
………………………。
思い当たる節は、ある。
この身は魔王。いつだったか、ジョンに言われたではないか。
『神にできることは、魔王にもできる』。
確かに。選べというのなら、リューにとってそれはヒロト以外に考えられない。
しかし―――。
「………………………ヒロト……」
小さく呟いた、その声は。
聞く者がいれば驚くほどに、切ない響きを持っていた。
――――――――――――………。
―――――――――………。
ごぼり、と。
気泡が、目の前を揺れながら昇っていく。
あれは、記憶だ。どこかの誰かの、人間だった頃の、記憶。
――――――それを、見ていた。
少女の名はユエメイといった。
東一番の大国、央華帝国のとある貧しい漁村に生まれた七人兄弟の長女であった。
病気がちの母の代わりにまだ歩くことも覚束ない幼い弟や妹の世話をし、
同時に獲れた魚を裁いて干物にするために干していく。
年頃の娘だ。華やかな町の暮らしに興味がないわけではなかったが―――弟妹たちを残して
村を出るなんてできない。父は王都に仕事を探しに出て、もう何年も帰っていないのだ。
ユエメイはこの村で生まれ、そしてこの村で死んでいくのだろう。
外の世界を知らず、濁った海の潮と魚の臭いでむせ返るようなこの村で、一生を終える。
そう、思っていた。
ある朝、目覚めたユエメイは小首を傾げた。
腕に緑色の藻が生えている。
仕事のしすぎだと村のみんなは笑った。ユエメイは恥ずかしくなってすぐにその藻を洗い落とした。
毛深い男の人みたいでみっともない。ユエメイだって女の子だ。こんなつまらない村娘だけど、綺麗にしていたい。
けれども、あくる日も、目が覚めると腕には藻が生えていた。
落としても落としても。藻は生えてきた。
しかも前日より、少しだけ色濃く。少しだけ、範囲が広がって。
――――――何か悪い病気かも知れない。お金を集めたから、お医者に行っておいで。
村の人たちはそう言って、決して余っているわけではない大切なお金をユエメイに渡してくれた。
ユエメイはとんでもないと首を振ったけど、村の長はにっこりと笑って、ユエメイをその逞しい腕で優しく
抱きしめてくれた。ユエメイは泣きそうになって、でも、一生懸命に笑ってみせた。
嬉しかった。村の人たちの気持ちが。そしてちょっぴり―――町に出られるということが。
その町で、武装した兵隊に囲まれるまでは。
ユエメイにはもちろん、何が起きたのかまるでわからない。
ただ藻の生えた腕を医者に診せたら、その医者が何やら怖い顔をしてユエメイを睨んで。
どこかに連絡を取ったと思ったら、剣や槍を構えた兵士たちがやってきたのだ。指示を出しているのは
陰陽の刻まれた紋章を持つ道士さまだった。何やらお医者や兵士たちの隊長らしいひとと
話し合っていたようだけど、ユエメイにはもちろんその内容はさっぱりわからない。
何やら発症がどうとか鬼形がどうとか―――目を白黒させていたユエメイは激痛を覚えて悲鳴をあげた。
道士さまが何かの術を放ったらしい。ユエメイはわからない。何故?続いて兵士たちが剣や槍を突き立てた。
痛い。血が流れる。わからない。ユエメイは混乱の極みにあった。
ユエメイは何も悪いことはしていない―――何故?何故?何故こんな目に。誰か―――。
『助けて』
――――――瞬間。皮膚が食い破られるような激痛とともに、視界が緑色に染まった気がする。
が、ユエメイは必死で、あまりそのことを覚えていない。道士さまや兵士たちが何故ぴくりとも動かないのか、
怪物に踏み潰されたように血溜まりに倒れているのか、それを考える余裕はない。
死体の中でユエメイは怖くなって、その場を逃げ出した。
誰か、助けて。
ただそれだけを思って。
村が恋しかった。あの海が、やさしい村の人たちが。弟妹たちが。
でも大きく膨れ上がった身体は動かしにくくて、途中で色々なものを踏み潰してしまった気がする。
その中にはなんだか、かけがえのないものもあったような―――よく、わからない。
怖い人たちに沢山、襲われた。
ユエメイは怖くて、ただ助けて欲しかっただけなのに。沢山の怖い人たちがユエメイを追いたて、
襲い掛かってきた。恐ろしい妖怪もユエメイを仇のように攻撃してきた。
ユエメイは本当に殺されるかと思ったけど、なんとか海に飛び込んで逃げることができた。
とても怖かった。泣きたかった。
でも、ユエメイの朽ちた身体は既に涙も出なくなっていた。
泣きたくて、泣けなくて。怖くて、寂しくて、助けて欲しくて。
ユエメイは啼いた。
――――――ォォオ、オオオオォォ、ォォオオオ……。
けど、助けを求めて手を伸ばした先にいたひとは、どうしてか全員死んでしまう。
ユエメイはわけがわからなくなって、ますます哀しくなって啼いた。
辛くて、苦しくて。哀しくて、寂しくて、嫌だった。
広い海に漂いながら。
ユエメイは、独り。
助けて欲しいと、啼いていた。
けど、見渡した海は藻に覆われて。
気が付けば、ユエメイは死体の中で暮らしている。
助けて欲しいと手を伸ばしても、それが叶うことはない。
当然だ。彼らは、ユエメイが殺したのだから。
暗くて冷たい海に引きずり込んで、死にたくないともがく彼らを静かになるまで離さなかった。
いや、動けなくなった今もこうして捕えたまま。
ユエメイは独りではなくなった。
けど、こんなにも、冷たい。
誰か、
誰か―――。
そのユエメイの身体を。
誰かが―――ぎゅっと、抱きしめていた。
「――――――あ、」
………。
ユエメイの胸の奥から―――肉も内蔵も、もうないけど。
それでもそんなものには由来しない、胸の奥底から。
何かがこみ上げて、瞳から溢れた。
―――あたたかい。
ユエメイを抱きしめながら、ヒロトは奥歯が砕けんばかりに噛み締めていた。
ヒロトの身体にも藻が侵食し始めている。皮膚と肉の間に根を張るような激痛に襲われながら、
ヒロトはもう取り返しのつかないユエメイを抱きしめ、
「すまない」
そして離すと、心の底から謝った。
ヒロトは勇者で、ユエメイは化け物だ。変わってしまったユエメイを元の人間に戻すことはできない。
起こってしまったことを変える力はない。失った生命を甦らせることはでできない。
ヒロトにユエメイを救う力はない。ずっと助けを求めていた少女さえ、救うことはできない。
ヒロトが持っているのは、ただ剣だけ。
だから、謝った。ユエメイに。そして、ユエメイの犠牲になった男たちに。
『――――――………』
ユエメイは最後に少しだけ寂しそうに笑って、そして崩れた。寂寥の呪縛から解き放たれたのか。
それともただ単純に、抱きしめられたその圧力にさえ耐えられなかったのか。
肉体を構成した藻だけではない。骨も、ぐずぐずと海に解けるように朽ちていく。
ヒロトは藻の壁に突き刺さっていた剣を抜き、正眼に構えた。
そして海面を―――それを越えた先にいる、
天空のリューに向けて叫んだ。
「リュー!消し飛ばせ!!」
ごぼぼ、ごぼ、と気泡になって消えていく。
しかしヒロトには疑わなかった。この声は、リューに届く。
無論、小さな島ほどの巨大な身体を持つ海魔を一撃で消滅させるような攻撃を放てば衝撃で大津波が起き、
海岸の町や村を襲うだろう。海魔が深海に沈んでいる今ならなおさらだ。
だから。
ヒロトはこの海魔を海上に吹き飛ばす。
「―――――――――オ、」
ごぼ、ごぼぼ、と口から呼気が漏れる。
ここは海の底で、ヒロトは魚ではない。肺の中の空気を全て搾り出せばそれでお終いだ。
いくら強靭な肉体を持つヒロトとはいえ、呼吸できなくては溺れるだけ。
だが―――そんなもの、今は関係が無い。
「応ォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ――――――」
メキメキと音を立てて筋肉が隆起する。血管がびっしりと浮きあがり、みしみしと骨が軋む。
海魔の根元から、昇り龍の軌道を描く剣撃で海上に押し上げる。圧倒的な質量。重量。水の抵抗を押しのけ、
斬り裂き、ヒロトの持てる全ての力を爆発させる。ばきん、とどこかで何かが砕ける音がした。
激痛が走る。無視する。踏み込んだ脚が陥没する。耳元で血潮の奔流が渦を巻く。目の前が真っ赤に染まる。
海底の岩石が砕け、粉塵が舞い上がった。遠い。まだ、海魔の巨体を持ち上げるには遠い。
もっと、濃度をあげて。細胞が悲鳴をあげる。皮膚が裂ける。はらわたが潰れる。
喉元からこみあげる血反吐を飲み下し、ヒロトは叫んだ。
「――――――オオオオオオオオオオオオオォォアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
そして、ヒロトは。
深海を破壊した。
最初は、いくつか細かい気泡が浮いてきただけだった。
それはやがて大きなものとなり、弾け、膨らんでいく。
海面そのものが。盛り上がるように隆起して。
―――やがて、深い海の底から海魔がとてつもない速度で浮上してきた。
山のように膨れ上がった海面を突き破り、巨大なその身体が宙に浮く。
ヒロトが深海から押し上げてきたのだ。ありえない。不可能だ。そんなことは。
ドラゴンを斬り裂くどころの話ではない、島ひとつを持ち上げてのけたような、そんな怪力。
だが、目の前で起きているこれは紛れもない事実だ。リューは静かに目を閉じた。
この力。そういえば、最近いよいよ人間離れしていたとヒロトがぼやいていたのを思い出す。
――――――まさか、本当にそうだとはヒロトも思ってはいまい。
リューはずっと前からヒロトを選んでいたのだ。きっと、初めてヒロトのことを見たその時から。
『神にできることは、魔王にもできる』。
リュリルライアに選ばれたヒロト。
魔王に選定された人間。その意味は。
魔王侵攻と呼ばれた、あの戦争以来となる――――――。
「………………………………………、」
リューは目を開けて、召喚したクレイドラゴンの頭をそっと撫でた。
フレズヴェルグではない。漆黒の長い身体、伸びた角。宙を泳ぐ髭。
東洋に生息する蛇のような龍。それが外見のモデルだ。
フレズヴェルグが飛行に特化したクレイドラゴンなら、これは砲撃に特化したドラゴンといえよう。
ようは大砲だ。リューの魔力波を収束し、縒り合わせ、ひとつにして放つための。
魔王リュリルライアが持つ、最大火力。
「――――――焼き尽くせ。『ニドヘグ』」
黒い龍が咆哮する。
狙うは眼前、海魔の巨身。
海上に浮遊する幻の島のようなそれを、轟音をたてて放たれたニドヘグの息吹が貫いた。
貫き、穿ち、貫通してもなお勢いは衰えず。空に向かって光の搭が聳え立つ。
暗い深海から一転、光の搭に包まれて。幾人もの漁船を襲って男たちを殺し、魚を殺し、水棲の魔獣を殺し、
海のヌシたるクラーケンさえ殺し、周辺の漁村を恐怖の渦に叩き落した少女は――――――
――――――跡形もなく、消滅した。
……………まぶしい。
ヒロトは波に揺られながら、そう思った。
生きている。身体は弛緩しきって動かないが、それでも息を吐ける。心臓は動いている。
ユエメイを海上まで吹き飛ばしたあの一撃のあと、ヒロトは意識を失った。
それだけ全てを賭けた一撃だったのだ。深海で気を失うということが死を意味することは考えなかった。
………何故自分は生きている。
不思議といえばそれが不思議だった。
身体はさすがにぴくりとも動かないので、辛うじて動かせる首を回して辺りを伺い―――腕に、緑色のものが
へばりついているのが見えた。そうして、理解した。ユエメイの藻は捕えた死体たちを無理矢理延命させていた。
その力を使ったのだ。しかしユエメイ本体が消滅した今その力も尽き、藻はあっという間に茶色く腐食して
崩れていく。その様子を、ヒロトは黙って見届けた。
「………ありがとう」
最後にそれだけ言って、目を閉じる。
フレズヴェルグの機動音が近づいてくるのがわかる。
今回も本当に助けられた。陸に戻ったらたっぷりと労ってやることにしよう。
それはそうと―――。
ヒロトは少しだけ考える。
ユエメイの故郷、オーカ帝国。
知っている。ほとんど記憶にはないが、ヒロトも幼い頃住んでいたことのある国だ。
長い歴史を持ち、そして勇者選定の資格を持つ国のひとつでもある。
百を超える民族を抱える大国は国土だけなら世界でもトップの大きさを持ち、厳しい覇権争いで
しばしば内戦が起こっているらしい。それだけでなく、強大な怪物が多数生息することでも有名だ。
ユエメイの記憶を一部共有したからわかる。ユエメイを取り囲んだ兵士や道士たちは、
あきらかに『そういう』事態を想定した動きを見せていた。ユエメイの力が予想を上回り暴走しただけで、
彼らは『人間が怪物になる』事例を知っていたのだ。
「『鬼形(きけい)』―――『発症』―――か」
ヒロトはぽつりと呟いた。
魔獣とは違う。人間でもない。人造の合成魔獣(キメラ)でさえなかったあの不幸な少女は。
結局、いったい何者だったのだろう?
「―――状況、終了。目標、完全消滅」
打ち寄せる波が砕け、飛沫をあげる。美しい砂浜とは程遠い黒い岩の上に、数人の若者たちが立っていた。
背格好もばらばらなら、身に纏う衣装にも統一性がない。共通しているのは、
全員、ただの人間ではないということだ。炎を放ち、稲妻を手繰り、獰猛な魔獣を簡単に
退治してしまうようなてだればかり。彼らは聖堂教会の指令によって秘密裏にこの場に集められたのである。
その目的は二つ。ひとつは、海魔殲滅。海魔の存在は以前から―――そう、海魔ユエメイが
まだ央華帝国の周辺海域に潜んでいた頃から確認はされていた。ただ、その圧倒的質量を前に
倒せるものがいなかったために今回ヒロトに使命が下ったのだ。
それでも、いかな英雄といえど遅れを取る可能性はある。実際ヒロトが一人だったら、ユエメイは
倒せていたかどうかわからなかったろう。勇者ヒロトが万一失敗したときの予防策。それが彼らだった。
そしてもうひとつ。これが、彼らが集められた本当の目的。
ヒロト『たち』を観察し、その戦力を確認すること。
「ご苦労、ラン。シオン。もういいぞ」
「了解。接続、解除」
「……ぷは。あー、疲れたぜ」
彼らの中の一人。顎をすっぽり覆うような大きな詰襟に弁髪帽を目深に被るといった独特の服装をした
その青年の言葉に反応して、その仲間である少女たちは術を解いた。
熱によって光を歪め映し出されていた映像が消え、氷のスクリーンが瞬時に解けて海に落ちる。
この暑さの中、それでもほとんど肌を見せない厚着のランと、対照的に露出の高いシオン。
同じ民族衣装を纏ったこの二人は双子の姉妹で、どちらも弁髪帽の青年のパートナーである。
「しかし、信じられないナ。あの化け物を本当に二人だけで倒してのけるとハ」
背中に聖堂教会の十字紋様が刻まれた黒衣の青年が難しそうに顔を歪めた。太陽光があまり好きではないのか
日陰に座っていて、だからか、影からにょっきりと生えているような印象を受ける。
青年は大仰に手をあげて、
「海魔を吹き飛ばしたあの魔力砲―――参ったネ。聖堂騎士団の『聖歌隊』でもあんなものは撃てなイ。
直撃すれば、大聖城の対魔法結界でも木っ端微塵ダ。お手上げだヨ」
「なら、使わせなければいいだけの話だろう。相手の兵装さえわかっていれば、手の打ちようはある。
違うか、レイジュ・ランディス」
「―――ム」
長く蒼い髪を高い位置で括った少女にじろりと睨みつけられ、レイジュと呼ばれた黒衣の青年は片眉をあげた。
一瞬顔をしかめたレイジュはしかし、すぐに口元を吊り上げる。
「それは、使うことさえしてもらえなかった、の間違いじゃないかナ?ブレイズ姐さん」
「………………………!」
ばちちっ、とブレイズの担いだ槍が帯電する。
おおこわイ、とレイジュは笑った。この二人―――正確には、弁髪帽たち三人以外。
出身もバラバラなら普段は各々別行動をしているので仲間意識は低い。今回初めて顔を合わせた者もいるくらいだ。
そもそも彼らには彼らの目的があり、そのために聖堂教会に従ってるに過ぎないのである。
―――だが、それで十二分。信頼などいらない。目的のためなら、彼らは決して、
聖堂教会を……彼らを裏切ったりはしないだろう。
「………フゥ。喧嘩、制止する?」
「放っておけ、ラン」
「まったく、得体の知れない連中だぜ」
弁髪帽のフゥがひらひらと手を振って身構えようとしたランを止める。シオンも呆れたように溜め息をつくが、
ブレイズやレイジュにしてみればお前らに言われたくはない、というところだろう。
いや、自分たちよりも、もっとずっと得体の知れない存在がいることをまず指摘するだろうか。
「―――で、アンタはどう思うんだイ?テイリー君」
レイジュは少し離れた場所でうずくまっていた少年に声をかけた。
ランとシオンが用意したモニターに一度も目を向けなかったその少年は、確かにそこにいるのに
なんだか正体のはっきりしない不思議な空気を纏っている。触っても触れない、幻のような。
しかし手をさし伸ばせば、いつの間にか腕ごと断ち切られていそうな危うい光が瞳の中できらりと光っていた。
テイリーは少しだけ顔をあげると、にっこりと穏やかに微笑んだ。
「………彼女の方は僕がいればなんとかできるよ。それより、問題は彼の方かな」
彼―――ヒロトのことか。途中からどこへ行ったのかわからなくなってしまったが、
それほど注目するべき人物なのだろうか?確かに以前ブレイズを完全に食い止めたこともあり、
一対一なら相当に厄介な相手ではあるだろうが―――それでも、海魔を一撃で葬り去った
あの紅の髪の少女に比べれば危険度はかなり低いように思う。いや、テイリーは今、
『彼女はなんとかできる』と言ったのか?いったいどうやって?
確かに、このテイリー・パトロクロス・ピースアローは特別な存在であり、
人間などとは比べ物にならない絶大な力を持っているというが―――。
体内に怪物が巣食う、闇と孤独の国ジャルシアの勇者ブレイズ・トゥアイガ・ジャルシア。
ヒトと魔獣の能力を併せ持つ妖人、聖教国ナルヴィタートの勇者レイジュ・ランディス。
ランとシオンを従え、自身も功夫を積んだ拳法の達人、巌(いわお)と仙道の国オーカ帝国の勇者パイフゥ・リー。
三人の勇者の眉が訝しげに寄る。
そんな彼らを気にした様子もなく、テイリーはくつくつと笑い続けた。
「魔王に選定された勇者、魔界勇者―――か。いいね。やはり、キミはいい―――」
神に選定された勇者、神聖勇者たる彼は実に楽しそうに、きゅぅっ、と目を細めた。
使命:海魔殲滅〜「新ジャンル達が海水浴にやってきたようです」英雄伝〜 完
女「オリンピック!オリンピック!やっほう!」
男「おお、どうした女」
女「どうもこうもないよ!オリンピックだよ!?これがはしゃがずにいられますかって!」
男「………ふぅん」
女「ふぅんて!もっとテンション上げようよ!ワー!名前知らないけどがんばれー!」
男「お前はとことんミーハーだなぁ」
女「朝から冷房かけて2chやってる人に言われたくありません!」
男「2chじゃないですゥーエロパロですゥー」
女「一緒じゃん!」
男「一緒じゃねぇよお前それは∀ガンダムとガン種を『ガンダムじゃん!』で一緒にするくらいの暴挙だぞ!」
女「………?」
男「あ、コイツわかってねぇ!」
女「まー、どーでもいいけどさ。一緒に見ようよオリンピック。そして感動しようよ」
男「えー、だるい」
女「ポロリもあるよ」
男「あるかぁぁぁぁ!!」
新ジャンル「五輪」
男「だるいよぅ、眠いよぅ、冷房のきいた部屋に戻りたいよぅ」
女「ワガママ言わへんの!」
男「あー……何?コレ。陸上?」
女「そ。走り幅跳び。陸上はなんと言ってもシンプルイズベスト!誰より高く!遠く!速く!
んー、まさに肉体ひとつが己の武器!イイネー」
男「そーゆーもんかね。あー、あの人お尻ついちゃったよ。可哀そうに」
女「そういう場合、お尻のラインで距離を測るんだもんね」
男「お尻のラインで……距離を測る………?」
女「………なんかヘンなこと考えてない?単純に、一番跳躍線に近い場所が記録になるってことだけど」
男「なんだ、そっか……」
女「何その残念そうな顔。バカじゃない?バカじゃない?」
男「あ、陸上といえばさ」
女「ん?」
男「ハンマー投げのあと、『ウォワァァァァ!』って叫ぶじゃん。なんで?」
女「声を出したほうが身体に力が入るんだって。それに、内臓に負担がかからないらしいよ?」
男「ふぅん……じゃあさ」
女「?」
男「セクロスの時も、声は抑えないでガンガン出していったほうが負担は掛からないってことだな?」
女「……陸上男子睾丸投げ」
男「やめて!痛い!痛いイメージやめて!!」
新ジャンル「五輪・陸上」
男「水泳!水泳!キャッホホホゥ!」
女「うわっ!テンションうぜぇー」
男「このバカヤロウ!競泳だぞ!?競泳水着だぞ!?スク水もいいが競泳水着もイイ!食い込みィィ!!」
女「ハイハイ。エロマンガ脳乙」
男「なんだとこの……な……なん……だと……?」
女「これが競泳水着の今の姿。手首から足首まで、むしろ露出なんてありません」
男「絶望したッ!人間の皮膚より水の抵抗を減らせる現代競泳水着に絶望したッッ!!」
女「わかってんじゃん」
男「進歩ってさ……発展するのはいいけど、その為に大切な何かを置き忘れること……あるよね」
女「なんか言ってる!遠い目をしてなんか言ってる!」
男「まぁ、水泳が競泳だけだと思ったら大間違いだけどね」
女「ああ、シンクロとかね」
男「ありえん。水から脚出してくるくる回るなんてありえん」
女「すごいよねぇ」
男「あと、笑顔が結構怖いよな」
女「………」
男「笑顔が怖いといえば、AV嬢の笑顔も結構怖いもんが」
女「飛び込みはあたし絶対ムリだなぁ。高いところ、苦手だし」
男「飛び込んだ衝撃でポロリもあるよ!?」
女「全世界で放送されてるオリンピックで……それは惨い……」
男「ないかなー、ポロリ」
女「ないわよ」
男「………ちなみに、水球はマジでポロリが多すぎて日本では放送できないらしい」
女「え?マジ?」
新ジャンル「五輪・水泳」
キターーーーーーーーーーーーーーーー
こらこら長編のGJくらい付けさせろW
いろいろ吹き飛ぶGJ!ちうか勇者揃ったぜ!
いやー、そういう事かぁ成る程なぁ。
>>186 男「闇に隠れて書かれる♪」
女「私たちゃ旧〜ジャンル〜なのさっ♪」
186「早く新ジャンルになりた〜い!」
新ジャンル「旧ジャンル人間」
>>202 相変わらず雰囲気あるなー。
GJ!
>>203-205 さりげなく混ざってる関西弁に萌えたw
で、水球についてはマジなのかどうかkwsk聞かせてくれという(ry
水球 ポロリ
で
ググれ
色々勿体ないがGJwwwwwww
テス
解除キターーーーーーーーーーーーーーーー(・∀・)
>>187-
>>202 いつもながらGJ!七人目の名前も決まってるし!(w
いやーそうかヒロトそういう事か!
あ、7人目のショートエピソードの過去ログ方、またwikiに上げときます
>>169 遅くなったが業務連絡:これの続き分はwikiの方で書きますかね?もしくは追い出されスレ
切るなら諦めるし、続けるなら最後までお付き合いする
>>202 だんだんハードな展開になりつつある魔王だけでなく、全く好対照な作品も書けるあなたが好きだ
で、惚れ込み過ぎて似たような話を書いてしまった件を謝罪
女「知っているかい?男。」
男「なにさ?」
女「かつての古代オリンピックは全裸で行われていたそうだ。
そういえば今回のオリンピックでは日本の女子レスリングが大活躍していたが、あの種目も大昔からあったそうだしな。」
男「お、おおおおぉお!!!絡み合う肢体に交じり合う汗!!!!そして全裸!!! 古代良いじゃん!!」
女「…はて?君はノーマルな性癖だった筈だが、違ったのかね?」
男「………え?」
女「なにせ、当時は参加できるのは成人男子のみだからねぇ。ギリシャ彫刻でよくいる感じのガチムチさんもさぞ多かっただろう。」
男「…絡み合う肢体に交じり合う汗、そして全裸…。…やっぱ古代はいらんわ。」
新ジャンル「五輪・レスリング」
女「ご存知かな?男。」
男「今度はなにさ?」
女「マラソンの競技距離といえば42.195kmだが、これはとある国のとある王妃様、具体的にはイギリスのエドワード7世の奥さんが
『宮殿の庭をスタートして、競技場のボックス席をゴールにしろ。』と我侭をいった事が発端らしいのだよ。」
男「まぁ、見目麗しい女性の我侭なら可愛いものじゃないか?」
女「そうか…。しかしね、もともとは40km程度で済んでいたのが42km以上だよ?5%増しなんだよ?」
男「……5%か。なんとなくイメージしやすいようなしにくいような……。」
女「仮に、…仮にだよ。体重が5%も増えたらどういう結果になると思う?何回、君から搾り取ればいいと思う!?
私の体重が50kgと仮定すると増加重量は2.5kgだ!!体重1kgを減らすには7,000kcal必要なんだぞ!!
とある計算では45分のセックスでおよそ169kcalしか消費できないそうだから、41回だぞ!!君に責任取れるのか!?」
男「すんません!!!無理っす!!」
新ジャンル「五輪・マラソン」
ガチムチオリンピック…( ゚Д゚)ポカーン
勇者の人毎度GJ!
>3人の水着姿
いまいちイメージが掴めないんだ。絵に描(ry
天使様は半年以上も迷子をやっているようですが
ガチムチオリンピックが一瞬ガチャピンオリンピックに見えた
確かにヤツならやれそうだ
男「体操男子ガチャピン種目別」
女「おおぅ…」
男「陸上男子五百メートルガチャピン」
女「おおぉぅ…」
男「水泳男子二百メートルガチャピン型」
女「やめて! もうやめて! これ以上私の頭の中のガチャピンを増やさないで!」
新ジャンル「ガチャピンは増殖する」
Gを一匹見かければ30倍の数は居るということか…
無数のガチャピンの中に一人だけムック
題して「ムックを探せ!」
ほら、あの、「ウォーリーを探せ!」みたいなノリで
218 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 17:01:35 ID:qSiVRAkj
そういえば「ナンちゃんを探せ!」っていうのもあったなぁ
新ジャンル「擬態」ですね。わかります
好きな男に気付かれないよう待ち伏せて通りかかったところを捕獲するんですね。わかります
それはあたかもハナカマキリのように
男「一体、どこにいるんだ…。って女、お前、一体何してるんだ? 」
女「ダンボール箱を被っているんだが 。」
男「ダンボール箱?なぜそんな…。」
女「わからない。だがこの箱を見ていたら無性に被りたくなったんだ。
いや、被らなければならないという使命感を感じたと言う方が正しいかもしれない。
男「使命感?」
女「ああ。そしてこうして被ってみると、これが妙に落ち着くんだ。
うまく言い表せないが、いるべきところにいる安心感というか
人間はこうあるべきだとう確信に満ちた安らぎのようなものを感じる。」
新ジャンル「擬態」
女「うわーいおにいちゃん!」
男「うわっち」
女「何故逃げる」
男「つか何してんだお前、俺の部屋で。」
女「え?だってわたしおにいちゃのいもうとだよ?わすれたんのおにいちゃん!」
男「俺に妹はいないし、いるとしてもそんな変なのじゃない」
女「え?変?変かなぁ?」
男「当たり前だ、そんなちびまるこみたいな格好」
女「ほら、どっからみても小学校の妹でしょ?」
男「断じて違う」
新ジャンル「擬態」
男「いや、むしろ仮装じゃないか」
女「せめてコスプレって言ってよ、おにいちゃん!」
女「こら、早く起きなさい!遅刻するわよバカ息子!」
男「ううん…」
女「あら、こっちのムスコはもうおっきしてるのねーいい子ねー、
母さんこっちの息子を可愛がっちゃおうかなー」ズリズリ
男「うう…ってうわあああ!お前何してやがる!」
女「何とは何!母親が息子を起こしてんじゃない!」
男「何が母親だ!また変な割烹着着やがって」
女「ほらどから見ても日本の母でしょう?」
男「手前ぇ、いい加減にしろよ毎回毎回、今回は顔は作ったんだろうが正体バレバレなんだよ!
人のパンツ下ろそうとすんな!」
女「う…さすがは男だな(バリババリバリ)そうともわたしだ!」
男「威張るな!」
新ジャンル「擬態」
男「変装じゃねぇか!」
女「特殊メイクよ」
男「う…ううん…は、ここは?」
女「御目覚めの様だね、男くん」
男「その声は女?…あれ?身体が…って、てめぇ、縄で縛ってんじゃねぇぞ!」
女「キミがいけないのよ、大人しくしてくれないし。大人しくわたしのモノになっていれば
こんな事には…わたしね、もう疲れたの…だから…見て男くん」
スルスル(衣擦れの音)
男「て、手前ぇ、何脱いで…うっ…女、お前、それは…」
女「素敵でしょう…わたし、キミの為に身体をこんなにしたんだよ…ふふ、『僕の彼女はサイボーグ』
って訳ね。
さぁ、一緒に、一つになりましょう…」
新ジャンル「義体」
男「て、お前…ペニバンじゃねぇか!」
女「ふふふふふふ、観念しなさい!これでキミはわたしのモノよ!」
男「って待て、おまっ、っあーーーーーーーーー!」
完
>>212 他スレ(追い出され)で書いてみようかと。
ただ今回の指摘は当然のことばかりなので、それを踏まえた上で書きたいと思ってる。
なので形式等は変えるかもしれないがご了承を。
もっと勉強するわ…
がんばれ
「お」
待ち合わせ時間を5分過ぎて、俺は駅前にやってきた。もちろん、待ち合わせ時間はきっちり守るさ。
俺は時間にうるさい血統書付きの日本人だからな。しかし俺は毎回必ず待ち合わせ時間を
少し過ぎてから現れるようにしている。何故って、少し待たせてやった方がコイツは喜ぶからだ。
待っている時間も楽しいらしい。俺としても、待っているコイツの姿を遠くで眺めるのは楽しい。
しかしやっぱり早く会いたいので、焦らしてやる時間は5分が限界だ。アイツとしても、もちろん俺としても。
「と」
そう、コイツは俺を好きだと言ってくれた女の子。そして、俺が好きだと言える女の子。
いつでも直球で、感情をシークタイムゼロセコンドで放出する元気の塊。それが時々珠に傷だけど、
同時にこの上ない長所でもある。むしろ珠が輝きすぎて(俺が)失明するのでコイツはこれで良し。
「こぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
素直ヒート。
だだだだーと助走をつけ、獲物に襲い掛かる熊の如き体勢で飛び掛ってきた俺の恋人。
俺はそんな彼女に応えるべく両手を広げ、ヒートを爽やかに抱きとめると見せかけて西はスペインの
マタドールよろしく寸前でひらりと身を躱して、ついでに足も引っ掛けておいた。
どんがらがっしゃと派手な音を立てて不法駐輪の自転車の列に突っ込んでいくヒート。
いやぁ、流石に駅前だけあって自転車が沢山止めてあるもんだ。しかも花火大会当日とあらば
なおさらといったところか。
会場となる神社、及び河川敷一帯は警備員の目も厳しい駐輪禁止区域となるので、
みんなこの駅前に止めていくというわけである。それはわかる。しかしそもそも駅前に自転車やバイクを
止めるのは禁止されており、ちゃんと駐輪所もあるのだ。なのにこのザマ。
ヒートがぶつかるから危ないっていうのに、みんなそんなに有料が嫌いか。ですよねー。
「って、酷いぞ男ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
倒れた自転車の下敷きになってしばらくぐったりしていたヒートが、がおーと両手を挙げて立ち上がる。
おお、復活した。
「復活した、じゃないッ!あそこは普通アハハウフフと抱きとめてくれるところだろう!」
「はっはっは。冗談じゃない」
「酷いぞ男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ぶわぁ、と涙腺を決壊させるヒートにカラカラと笑ってから、俺は血でだくだくと濡れたヒートの顔を拭いてやる。
「ほら、動くなよ」
「……ん、んぅ」
ぐしぐしと擦って、よし、これで綺麗になった。
ついでに頭をなでなでしてやったら、ヒートは照れたのか顔を赤くし、
うじゅぅぅ、と口をへの字にして黙ってしまった。
いつも騒がしいヒートは黙ると可愛い代名詞のような女の子だ。
俺はもちろん、いつものうるさいヒートも好きだけど。
「待ったか?」
「い、いや!待ってない!わたしも今来たところだッ!!」
「そっか。奇遇だな。俺も今来たところだ」
「ああ!……え?あ?うん……うん?」
何かがおかしいが、しかし何がおかしいのかよくわからずに首を傾げているヒート。
ヒートは基本的にバカである。テストなんかは平均点辺りをうろうろしているらしいが、
端的に言ってバカである。だがそこがいい。バカワイイともいう。
セキセイインコのように首を傾げているヒートをしばらく観察してから、
俺はきびすを返してヒートを顎で促した。
「そろそろ行こうぜ。花火にはまだ早いけど、その前に出店を色々回っておくのが日本の夏祭りってやつだ」
「むむ!そうだな!」
コクコクと頷くヒートがてててとついてくる。
―――ああ、そうだ。ひとつ、言い忘れていた。
「ヒート。浴衣、可愛いな」
「………………………………………………………」
ヒートは目をぱちくりと瞬かせ、ぼん、と顔を真っ赤にさせたかと思うと、ついには俯いてしまった。
と、思ったらプルプル震えだす。
「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!」
にゃー、と両手をあげて襲い掛かってくるヒート再び。うんうん、いい笑顔だ。
どんな表情をしているヒートも可愛いけど、コイツはやっぱり笑顔が一番いい。さすが俺の惚れた女。
もちろん俺はこうなることはちゃんと予測できていたので、焦らず騒がず
ヒートの浴衣の襟を掴んで腰を落とし、帯に足を添えてそのまま突っ張らせ、投げ飛ばした。
いわゆる世に言う巴投げ。取ってて良かった通信柔道講座。ヒートはそのまま不法駐輪の
自転車の列に突っ込んでいき―――……今度は、なかなか起き上がってこなかったとさ。
めでたしめでたし。
「めでたくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」
あ、復活した。
ぴーひゃらしゃんしゃん。
ぴーひゃらしゃんしゃん。
陽気な祭囃子が耳に踊る、今日は楽しい夏祭り。普段はただだだっ広いだけのこの神社の境内も、
今夜だけは屋台や人でごったがえしている。
普段は人ごみなんて嫌いな俺だけど、今日この日は別だ。ずらりと並んだ屋台はたこ焼き、焼きそば、リンゴ飴。
射的にくじ引き。仮面ライダーのパチもんのようなお面が売ってあったので、ひとつ買ってヒートにくれてやる。
光る腕輪とか、プラスチックの指輪とか。一晩経ったらもう愛着はなくなっているような安っぽいアイテムが、
今夜だけはこんなにも魅力的に映るのは何故なんだろうな?
これぞ日本の風情の成せるワザってやつですか。ううん、粋だねェ。
ゆったりと流れていく、浴衣を見せっこしている友達同士っぽい女の子たち、
父親がチビを肩車しているような家族連れ、そしてお互いの綿飴を食べさせあっているアベックたち。
見た感じまっとうな根性は持っていなさそうな、鼻ピアスの男たちなんかもすれ違う。
お祭りで浮き足立っている女の子をお持ち帰りするのが目的だろうか。
清も濁も交じり合う、この感じは悪くない。ただ、同じく男二人なのに何故か手を繋いで
ぴったり寄り添って歩いていく輩を見たときはさすがにギョッとした。
深く考えるな俺。ヒートでも見て心を落ち着けろ。
「チョコバナナはおやつに入りますかー!?」
と、俺の腰にも届かないような背丈のガキどもがその小さな手に小銭を握り締めて走っていった。
不覚にも頬が緩む。ううん、ロリコンだのショタコンだのペドフィリアだの何かとうるさい昨今だが、
やはりガキがガキらしくはしゃいでいる姿はいいものだ。
「男ぉぉぉぉぉぉ!!金魚!ほら!金魚!赤ぁぁぁぁぁぁぁい!ようし今救ってやるぞぉぉぉぉぉぉぉ!
男ぉぉぉ!わたしの勇士をとく見さらせぇぇぇぇぇぇ!!」
そしてヒートも普段の二割り増しではしゃいでいる。なんだろう、同じはしゃいでいる姿なのに
なんだか微妙な笑いがこみ上げてくるような。
そしてヒート、金魚すくいの『すくい』は『救い』じゃなくて『掬い』だぞ。むしろ『巣食い』か。
金魚巣食い。なんとなく、ピラニアみたいに集団で襲いかかってくる金魚を想像した。
金魚といえど侮っては命取りというわけか。
そんなどうでもいいことを考えている間に、ヒートはどぉりゃぁぁぁぁぁ!と水槽にポイを力いっぱい突っ込んで、
うぉっしゃぁぁぁぁぁ!とこれまた力いっぱいポイを引き上げている。当然そんな動きじゃ
金魚どころかタニシだって掬えやしない。むしろ店の親父に水を跳ね飛ばして微妙な顔をされていた。
「むむぅ、魚類の分際で小癪な!よぉぉし、おっちゃん!もう一回だぁぁぁぁぁ!!」
でりゃぁぁぁ。失敗。「もう一回!」うぉらぁぁぁ。失敗。「もう一回!」
ちぇすとぉぉ。失敗。「もう一回!」どっせぇぇい。失敗。「もう一回!」
かにみそぉぉ。失敗。「もう一回!」ぼんちゅぁぁ。失敗。
「もう一回!」
「やめろバカ」
流石に見ていられなくなり、200円を突き出そうとするヒートからお金を取り上げた。
大雨の中傘も合羽もないのに某ウォルトさんのキャラクターをマスコットにした遊園地の
シーの方に行ってきた帰りみたいになってる店の親父が「やっと保護者が現れたか」みたいな顔で見上げてくる。
すんませんね。俺、基本的にコイツがバカやってるところを見るのは嫌いじゃないんで。
しかし余りに乱暴にポイを振り回す女の子を面白がってギャラリーができてしまったので、
流石に黙っているわけにもいかなくなった次第である。
いくらヒートがヒート級のバカとはいえ女の子だ。見世物になるのを良しとは思わない。
「男、気をつけろ!この魚類、エラ呼吸の割になかなかてだれだぞ!」
「安心しろ。俺は全日本金魚すくい協会のチャンピオンと同じ国籍を持つ男だ」
おぉー、とギャラリーからどよめきがあがる。表立っては言えないが、それだけではない。
俺はそのチャンピオンと同等の四肢の数を持っているのだ。人呼んで五体満足。しかしこれを公の場で言うと
怪訝な顔をされること請け合いなので人前で言ってはいけない。これが五体満足な者の暗黙のルールである。
「ニイちゃん、えらい自信ありげじゃねーか」
東○ディズニーシー帰りから復活した捻り鉢巻の親父がニヤリと笑う。覗く金歯がいやらしい。
俺は(ヒートから奪った)二百円を無言で渡した。そんな俺の様子に、店の親父がピクリと太い眉毛を動かした。
親父も悟ったらしい。この俺が、ただの金魚すくいラーではないことを。
「………………………」
俺はポイを水につけると、そのまま動きを止めた。これは金魚すくいのコツである。
水面から金魚を追いかけるなんてヒートのやることだ。金魚はすばやい。
追いかけても無駄にポイに負担をかけるだけだ。ならばどうするか?
諸君はワニガメをご存知だろうか。彼らはすばやい魚を巧みに捕えて餌としている。鈍重な亀が、だ。
その秘訣はズバリ追いかけないこと。届かない相手を追うことのなんと不毛なことか。
彼らは岩陰にじっと動かず、待って、待って、鼻先に魚が泳いできたときだけ神速で動いて捕えるのである。
動かないものは岩と同じ。金魚すくいでも同じだ。金魚がポイの上を通過したとき、初めて機会は訪れる。
音もなくポイが滑る。水面に向かって斜め45度。修正、40度。金魚が気付く。翻る朱。
無駄だ、魚類。貴様の逃走ルートは既に見えている―――!!
―――――――――ッッッ!!
「………まずは一匹」
ポイを高く掲げ、俺は呟いた。素人目には何が起きたのかわからなかったろう。一瞬の間を置いて、
金魚がお椀の中に落ちてくる。ギャラリーから歓声があがり、屋台の親父が驚愕に目を見開く。
「す、すごいぞ男ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
抱きついてくるヒート。しかし俺はそれを手で制し、静かに首を振った。
近づくな、ヒート。ここは戦場だ。だが安心しろ。堪え性のないお前にいつまでも黙っていろとは言わない。
俺は人差し指を立て、そっとヒートの唇にあてた。
「―――3分。それで全てを終わらせる」
「ま、まさか坊主、十年前金魚すくいという金魚すくいを荒らしまわった、あの伝説の―――!!?」
屋台の親父が何か言っている。懐かしい限りだ。十年も前。昔の話さ。
あの時の俺はまだケツの青いヒヨッコだった。っていうか実際まだ小学生だったし。
屋台の親父よ。余計なことは言ってくれるな。今、その話を語る言葉はいらない。
ただ―――ポイを握る、封印したはずのこの右手がやたらに疼く。
そう。
俺はしゅるるるる、と乾いた藁束転がる西部のガンマンの如くポイを回し、逆手に構えて両手をクロスさせた。
今宵のポイは金魚に飢えている――――――。
るんたったーるんたったー。
そんな擬音が聞こえてくる程、ヒートはご機嫌だった。
あのあと、水槽から金魚が消えうせるまで3分はかからなかった。
どうも俺はあの金魚たちを高く評価しすぎていたらしい。俺の目も曇ったものだ。
ギャラリーはスタンディングオベーションだったが屋台の親父は半泣きだったので獲った金魚は全て水槽に戻し、
適当に小さいのを選んでヒートに持たせた。金魚一匹であれほど機嫌よくなれるなんてヒートくらいなものだろう。
やはりヒートはヒートらしい。しかし、そのヒートらしさを俺は気に入っている。
「フランクフルトUMEEEEEEEEEEEEEE!!」
テンションが上がりきっているヒート。どうでもいいが食ってる間に叫ぶな。
咀嚼途中のなんやかんやが飛んで迷惑になるだろう。
そういえば、女の子がアイスなど何か棒状のモノを食べているとその光景を
妙にエロティックに感じることがあるが、ヒートに限って言えばその法則はまったく当てはまらない。
想像してみて欲しい。可愛い女の子がその可愛らしい唇を開けてフランクフルトを咥え、
ぷつりと噛み切って舌の上でねっとりと転がしながら溢れてくる唾液と絡めるように咀嚼。
垂れてきたひと房の髪の毛をかきあげ、唇についたケチャップを小さく出した舌で舐め取る。
この一連の動作が口淫を連想させ、何やら男性のいけない妄想に火をつけるのだ。
ちなみに、ケチャップは舐め取っても唇の端にまだ少し残ってしまっているのが定石である。
そのことで妖艶さの中にも幼さ、あどけなさ、すなわち転じて『隙』を作ることができ、
男の庇護欲を煽ることが可能となる。
がつがつもぐもぐむしゃむしゃゴクン!!
……まぁそこまでやれとは言わないが、しかしヒートの食事はエロティックというかワイルドのそれだ。
食欲は湧いても性欲は湧かない。
「男、男!フランクフルトもう一本買って!もう一本!」
「ダメ。一度のお祭りにつき同じメニューは一回まで。これが鉄則だ」
そしてフランクフルトの棒はちゃんと屋台の隣に設置されてあるゴミ箱に捨てましょう。これ常識。
「男ぉぉぉぉ……」
「そんな顔すんな。まだゆっくりできるんだ。そんなに飛ばしてたら持たなくなっちゃうぞ?」
ぐしぐしと頭を撫でてやると、ヒートはフランクフルト屋の屋台を未練がましく横目で見た後、こくんと頷いた。
うんうん。聞き分けのいいヒートはいいヒートだ。
「そ、そうかっ!?うん、わたしはいいヒートだ!」
にぱっと笑う。覗く八重歯が眩しい。嬉しそうないつものヒートなんだけど、浴衣姿で髪も後ろで上げて、
屋台の提灯に照らされたその笑顔はいつもとは違って見えた。
不覚にもドキリとして、俺は思わずぷいと顔を逸らした。
「男、どうした?」
ヒートの方はいたってナチュラルなのでキョトンとしている。
くそぅ、ヒートめ。こんな攻撃は卑怯である。素直ヒートはいつでもどこでも直情一直線、
裏表のないメビウスの輪のようなコイツだからこそできる笑顔だった。
「おーとーこー、どーしたー?」
ぐいぐいと俺の袖を引っ張る。伸びる。伸びるからやめなさい。
それから、
「ケチャップ、ついてるぞ」
「え、どこにだ?」
反射的に頬を触るヒートの肩をそっと掴んで抱き寄せる。
目を丸くしているヒートに顔を近づけて、―――ひと舐め。
「………ここ」
唇を離す。これで復讐は済んだ。この俺サマを不覚にもときめかせた罰である。
しかし……往来の真ん中でこんなことを仕出かすなんて、お祭りというシチュエーションが俺の判断能力を
大幅に奪っているようだ。テンションのままに生きるなんてヒートのやること。気をつけないといけないな。
なんて考えているのは、もちろん俺も恥ずかしいからである。
ヒートは目を真ん丸く見開いて、頬を押さえたままかーっ、と茹蛸のように真っ赤になり、
「――――――ン」
その唇を、そのまま俺の唇と重ねてきた。
「………………………………………」
完全に硬直する俺。ヒートはニカッとはにかむとイタズラ娘のように舌を出した。
「カウンターだ!」
それカウンター違う。どえらいコークスクリューを貰ってしまった。
一撃KO。ヒート、恐ろしい子!
俺はとりあえず、そのままヒートをぎゅう、と抱きしめることにした。
「………はぇ?お、男……?」
俺の腕の中で、ヒートがふるふると震える。ヒートの身体は熱い。普通より平均体温が高いのだ。
なるほど、こんな年中カッカしてたら動き回りたくもなるよなぁ―――と、熱いのは俺の方かな。まぁいいや。
「ヒート。ちょっと来い」
「え、あ?男?どこへ」
「……人目につかないところ」
つないだその手が一瞬だけびくっ、と震え、そして柔らかく握り返していた感触を俺は感じていた。
――――――りりり、りりり、りりり……。
――――――ちゅ、ちゅく、ぷは、ちゅくっ。
どこかで虫の声が聞こえる。しかしそれよりも、心臓の音やお互いがお互いの唾液を啜りあう音の方が
何倍も大きく聞こえてくる。
神社の裏手。敷地からも外れているであろう林の中で、俺とヒートは口付けを交わしていた。
少し離れただけで祭りの喧騒は遥かに遠くなる。賑わいがこんなにもひとところに凝縮されているのが
驚くべきことだろう。それが、俺たちにとっては都合がいい。
初めは重ねるだけの幼いキス。それが首筋まで濡らすような激しいものになるまで時間はかからなかった。
舌でヒートの唇を舐めると、ヒートもそれに応えて舌を出してくる。お互いの舌を絡め、
分泌される濃厚な唾液を掬いとる。口の中で俺とヒートの粘液が混ざり合う。その事実にぞくぞくとした快感を
覚える。舌を積極的に動かしてヒートの口内を愛撫する。口蓋、柔らかな頬の裏、歯の一本一本を
確かめるように蠢かせ、味蕾のひとつひとつを使ってヒートを味わう。
さっき食べていたフランクフルトの風味が生々しい。
ヒートの呼吸が荒くなっていくのがわかる。
「―――ぷは」
唇を離してやると、ヒートが大きく息をついた。長いキスで苦しかったのか。しかしその目は切なそうに細められ、
頬は上気して口元から雫が垂れているのも構わない。ヒートはキスに弱い。触れるだけのキスでも
すぐに大人しくなってしまうし、こういう求め合うようなキスをすれば―――すぐに、高ぶってしまうのだ。
「………男ぉ」
「ヒート。綺麗だ」
耳元で囁き、そのまま甘噛みする。ひぅ、と喉の奥から吐息とも嬌声ともつかない声を漏らすヒートの背中に
手を回し、もう片手は胸元にやって、浴衣の上から優しく触る。どっ、どっ、どっ、とヒートの激しい鼓動が
掌に感じるようだった。ヒートの身体は細い。と、いうより引き締まっているといった方が正しいか。
無駄な肉の一切ない、そのくせ女性的な柔らかさを持っているから驚きだ。その肢体はきめ細やかで、
しみひとつないまっさらなもの。俺たちはもう何度も肌を重ねている間柄なのだけど、
ヒートの裸を見るたびにくらくらしてしまう。きっと、慣れることはないんだろうなと思う。
「男、男ぉ……。キス、してぇ………」
「ああ―――ん、ふ、ちゅ……」
外であることも考えて、流石に剥くような真似はできないが―――俺はキスをしながら
浴衣の裾から手を入れると、むにゅむにゅと捏ねてヒートの胸の感触を楽しんだ。
サイズ自体は、ヒートのそれはそんなに大きくはない。俺の手ですっぽりと包み込めるくらいだ。
しかし信じられないのはその柔らかさである。本当、女の子の身体って不思議なものだ。
温かくて、柔らかくて、まったくなんてものをぶらさげているんだ。お前はっ!
「あ、やぁ……男ぉ、男ぉ……」
うにうにと胸をいじめてやると、ヒートは唇を離して潤んだ瞳で俺を見上げた。
その声の意味するところはわかっている。ヒートは、さすが素直ヒートというべきか、快楽にとても素直だ。
感じやすい、ともいう。なんせ初めてした時から―――と、この話は別にいいか。
「わた、わたしぃ……」
「わかってる」
俺は既に細かく震えているヒートの太ももをゆっくりとなぞり上げるように、その部分に触れた。
「あっ」
ヒートがぴくん、と反応する。そこは、まだ愛撫をしていなのにも関わらず―――ちゅく、と
水音を立てるほどになっていた。ショーツがぐっしょりと、汗とそれ以外の液体によって濡れている。
さらになぞり上げるとヒートはきゃう、と高い嬌声をあげた。これ以上弄ると達してしまう、か。
湿り気は十二分。俺のほうもそうそう、我慢強い方じゃあないし。
「ヒート。―――するぞ」
「うん……うんっ……!」
こくこくと頷くヒートを確認して、俺はジーンズの中で痛いほどに硬くなっていたペニスを引っ張り出した。
あまりにガッチガチになっていたので少し苦労する。途中ファスナーの金具が当たって痛かったりもしたが、
なんとかスムーズと言えるペースで怒張を開放してやれる。高く聳え立つ俺の素直ヒートを見て、
ヒートはほぅ、と熱を帯びた溜め息をついた。
「木に手、ついて―――後ろ、向いて」
俺の指示に従って、ヒートが言うとおりにする。指示が箇条書き調になってしまうのは
俺も余り余裕がないからだ。
入りたい。
ヒートの中に。
柔肉を掻き分け、淫汁を撒き散らし。
腰を何度も何度も、叩きつけて。
悲鳴をあげるヒートの乳房を貪り吸い付く。
それはきっと、獲物の喉に喰らいつく肉食獣のような性欲だ。
自分の中でもとびきり凶暴な欲望を、
「男―――きて、くれ……」
ヒートは、受け止めてくれる。
弾け飛びそうなほどに腫れ上がったペニスをヒートのその部分に押し当て、腰を進めていく。
くにゅうぅ、とトロトロに蜜の溢れるヒートのそこは、蕩けそうなほどに柔らかく俺を受け入れていく。
「くぅ、ン……ンん……」
押し殺したようなヒートの声。ヒートの膣内は熱く、ざわざわと蠢いて挿れただけで腰が抜けそうになる。
ヒートの細い腰に手を添え、ゆっくりと引き抜いていく。ヒートの膣が受け入れた俺の怒張を逃がすまいと
ひだを総動員して収縮する。ねっとりとした愛液でペニスが濡れているのがわかる。
半分ほど出して、俺はまた腰を進め、ヒートの蜜壷に肉棒を差し込んだ。
初めはゆっくりと。段々と、その速度を速めて。
「〜〜ッ!ぅ、あ、〜〜……ッ!!」
ぱぢゅん、ぱちゅん、とヒートのお尻に腰を打ちつけるたび、肉と肉がぶつかりあうだけではない淫音が響く。
ヒートの汁が飛び散っているのだ。そのリズムに合わせて、ヒートの声が―――聞こえない。
「ヒート、声、我慢してる?」
動きながら聞いてみる。ヒートは肩越しに真っ赤な顔を向け、返事もできないのかコクコクと頷いた。
まぁ、そうする気持ちもわからなくもない。人気がない林の中とはいえ絶海の無人島にいるわけじゃなし、
大きな声を出せば何事かと警備の人間がやってくるかも知れない。
――――――だが。
普段喧しいヒートが声を出すのを我慢するというのもおかしな話。俺は茹で上がった頭でニヤリと笑い、
ふりふりと揺れるヒートのお尻に掛かっていた浴衣をさらに捲り上げ、
可愛らしい『後ろ』につぷり、と指を差し込んだ。
「〜〜〜〜〜〜ぁッッ!?」
びくん、と大きくヒートが仰け反り、ぎゅぅっ、と膣内が締め上げられる。
おお、ヒートは『コッチ』でも反応できるらしい。いやいや、ヤってみるものである。
「おとっ、男っ、な―――なに、をっ」
聞く耳持たず。差し込んだ指をぐりぐりと動かしてみる。
「〜〜〜〜ッ!〜〜……!!ひ、〜〜っ!!」
ぱんぱん、と腰を打ちつけながら同時にお尻を愛撫するのはなかなかに難しいが、
腰の動きに合わせて指を出し入れするコツを掴んでみたり。ヒートはがくがくと痙攣している。
頭に火花が散っている状態だ。声を堪える余裕もない。が、既に満足に声を出せる状態でもないのか。
「あっ、あっ、はぁっ、男っ、も―――、できな―――」
きゅう、と唇を噛み締めようとするヒートの口に指を差し込んで邪魔をする。
ヒートが泣き顔を向ける。俺はもちろんとびっきりの悪意を笑顔に込めて、ぐい、と『両方』の力を込めた。
「ん、んん、ん、」
そしてぱっとタイミングよく口内に入れていた指を外してやり、
同時にヒートの一番奥でどくん、と勢い良くスペルマを放出する。
「あ、あぁぁ、あぁぁぁぁぁ――――――――――――ッッッ!!!!」
口を塞ぐものもなく、緩みきった唇を噛み締めることもできず。
ヒートは大きく背筋を反らし、ついに絶頂と共に高く、はしたない声をあげた。
〜〜〜〜る、ひゅるるる……
どーん……
「酷いぞ男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ぶわぁっ、と目に一杯の涙を溜めながら吼えるヒート。しばらく絶頂の余韻でくったりしていたが、
もう大丈夫らしい。うんうん、ヒートは元気だなぁ。
ヒートは乱れた浴衣を器用に直しながら、うがー、と牙を剥いた。
「元気だなぁ、じゃないッ!こんな、こんな……外でッ!お尻にッ!
声も堪えさせてくれないなんて……なんてっ!!」
「いや、だってなんかヒートが声堪えようとしてるのってムカつくんだもん」
「ムカつくとか言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ほら。それそれ。それがないとヒートっぽくない」
俺はあっはっはと陽気に笑ってたっぷりとヒートに睨みつけられたあと、
「―――まぁ、本当はお前を苛めると可愛いからなんだけどな」
と、本音を言ってやった。ヒートがう、と固まる。
可愛いと言われるのは嬉しいけど、でも苛められるのはあんまり嬉しくない。
そんな顔だ。本当、ヒートは素直である。
「うー……」
悔しそうにしているヒートの頭をぽむぽむと撫でて、
「しかし、花火、始まっちまったなぁ。これから移動しても場所なんかないぞ、きっと」
頭を掻く。情事のあとで人ごみに紛れるような気は流石にしない。さっきまで屋台で食事をしたり
ゲームをしたりしていた人たちもみんな集まっているのだ。会場はごったがえしていることだろう。
………ま、いいか。ここで。
「ここ?しかし、男」
ああ、ヒートの言いたいこともまぁわかる。林の中だ。お世辞にも眺めがいいとは言えないだろう。
でもなぁ、ヒート。そんなことはどうでもいいんだ。
「折角二人っきりなんだ。俺は、ヒートと一緒にいられれば、それで」
どーん、とヒートの赤面が花火に照らされる。俺の方はどうだろうか。
やっぱり、赤く照らされているのかな?いるんだろうなぁ。
「お、おと、男……」
ヒートがぷるぷる震えている。この感じ。マジで飛び掛ってくる五秒前。
また花火があがる。くわっ、と両手をあげようとするヒートのタイミングを外すように、俺は叫んだ。
「たーまやーーー!!」
ほら、ヒート。ヒートも一緒に。
「え、あ?」
「たーまやー!」
「た、たーまやー!」
ひゅるるる……どーん、ぱらぱら……。
夜空に乱れ咲く大輪の花。
「男ー!好きだぁぁぁぁぁぁ!!」
それはあたかも、素直でヒートなコイツのようで。
「俺はそれほどでもー!」
「酷いぞ男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
がっくんがっくんと揺さぶられながら、俺は楽しくて大声で笑った。
ヒート。大好きだ。
オマツリヒート〜「新ジャンル達がお祭りに来たようです」妖艶伝〜 完
新ジャンルの基本ということで名無し、メジャーどころの素直ヒートで書いてみました
個人的に好きあっていても素直ヒートはバカ、男はノリのいい鬼畜なのが好き
>>213 イメージはあるんだけど難しいですね。一応描いてみ(ry
天使はねー、出すのが早すぎたんですね実際。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!GJ!!!
絵ー!
いつもながらのお手並みですGJ
ってこれあのカップルかな?
女「人間の細胞はつねに死滅しています。と、同時に新しく生まれ続けているわけですから、
人間は人間の形を保っていられるわけです」
男「垢とかウンコとか?」
女「老廃物とし排出されるわけですね」
男「そして飯を食ってその分補充する、と」
女「そうなります」
男「うんうん」
女「その周期はだいたい90日ほどと言われています。つまり、今から三ヵ月後の男くんは
今現在の男くんとはマルッと入れ替わって別素材になっているというわけですね」
男「……なんか不思議だな。だって三ヶ月前の俺も三ヵ月後の俺も俺は俺なわけだし」
女「三ヶ月周期で一度に入れ替わるわけじゃないですしね。毎日、少しずつということで」
男「そりゃそうだ」
女「しかし言い換えれば、連続した三ヶ月間、その人の栄養源を掌握できれば、
その人の身体を構成する細胞は全てわたしのモノということに」
男「そうかなぁ?」
女「そうですとも」
男「……で、女さんはその話で何が言いたいわけ?」
女「……結論のみを求めるのは男くんの悪い癖です。
結論よりも過程のほうが遥かに得られるものは多い。それをいい加減理解すべきです」
男「女さん、この箱なに?お弁当箱?」
女「………………」
男「女さん?」
女「……腕によりをかけて作りました///」
新ジャンル「理系さん」
>240
あなたのネタからいんすぱいあ
女「男よ。世に逆浸透膜をいうものがあることを知っているか?」
男「何さそれ?」
女「まぁフィルターの一種だな。孔のサイズがメソサイズ、つまり2nm以下の微細孔であり、この膜で水のろ過を行える。
どれ程の性能かというと、海水を飲み水にできたりするレベルで宇宙ステーションでの水循環システムにも使われているんだ。」
男「………なぁ、宇宙ステーションってトイレの水を回収して再利用していると聞いているが。
待て!!その水筒っぽいヤツ、携帯型の浄水器じゃねぇか!!……まさか、お前がさっき出したコーヒーって………。」
女「ふふふふふふふふふふふふふふふふ。」
新ジャンル「逆浸透膜」
女 「男くん……男くんはどこよ!?男くんをどこへやったのよ!?」
先生「女さん、落ち着きなさい!ここで負けては今までのリハビリが台無しだぞ!」
女 「うるっさいわね!そんなことどうだっていいのよ!男くんに会いたいの!抱きしめられたいの!
キスして欲しいの!!男くん!ぁああ、男くん!」
先生「もしもし、僕だ!ああ、404号室の患者が禁断症状を起こして暴れだした!拘束具と鎮静剤を持ってきてくれ!」
女 「男くんがいないの!男くん!男くん!!わたしは男くんがいないと駄目なの!」
先生「女さん……!」
助手「先生!鎮静剤の用意、できました!」
先生「僕が抑えている間に投与して!眠らせるんだ!」
助手「はい!」
女 「男くんが好きーーーーーーー!!!!」
………
……………
…………………
男 「先生、どうですか。女さんの様子は」
先生「……はっきり言いましょう。かなり難しい状態です」
男 「そんな」
先生「女さんの、貴方への恋慕は相当なものです。精神に異常をきたすほどに。無論リハビリは続けていますが、
皮肉にもその『会えない時間』がさらに貴方への感情を深いものにしている可能性もあります」
男 「それじゃ、意味がないじゃないですか!!」
先生「可能性の問題です。とにかく、確かな治療方法がない以上、これからは貴方の協力も必要になるでしょう」
男 「………」
(オトコクーン)
先生「……患者の意識が戻ったようです。では今日のところは、これで」
男 「……………………………女さん……」
新ジャンル「中毒っ娘」
>>241 女「じゃあ、トイレはこのおまるで済ませてくれ。あとで回収するから」
男「嫌だよ!何に使うんだよ!何に使うんだよ!!」
女「ふふふふふふふふふふふふふふふふ」
永久機関ですね。わかりません
>>243 なあ、その女さんの苗字、「石井」じゃないだろうな?w
>>240 やっべ
理屈っぽい乙女やっべ
物凄い壷ったやっべ
絵板に三人娘の水着姿が投下されてた件について
ちゅかリオルこれスク水かよw
>242
また被せてみた 謝罪はするが賠償は(ry
あと241はメソじゃなくてナノサイズだなコレ
男「なんか石井(仮名)さん、大変みたいだな。」
女「ああ。かなり重たい依存症のようだな。
それはそうと男、性依存症という精神疾患もご存知かな?」
男「セックス中毒みたいなモノか?」
女「半分正解かな。」
男「半分?」
女「ああ。秘書さんと不適切な関係を持った米国前大統領とか、スカリー捜査官の相棒の中の人とかも患ったこの精神疾患だが…。
この疾患は性交渉…つまりセックスだけでなく、自慰行為やポルノ収集に耽溺することも症例として考えられているんだ。」
男「な、何だってーーー!!」
女「つまり一日二桁の自慰やら、休日の10時間以上のアダルトサイト巡りを行っている君も、十分にその疑いがあるわけだ。」
男「ちょ、ちょっと待て!!……それ以上に、なぜお前が俺の日常性活を知っているんだ!?」
女「ふふふふふふふふふふふふふふふふ。」
新ジャンル「性依存症」
メソと聞くとどうしても中身を気にしちゃいけない謎の可愛い生き物を想像してしまうなぁ
男「どうやら俺は名のある陰陽師の末裔だったらしい」
女「………」
男「で、その中でも俺は千年に一人の大天才なんだそうだ」
女「………」
男「しかし俺は無論、今の今までそんなことは知らなかった。当然、修行もしたことがない。
結果、俺の溢れんばかりの才能は文字通り溢れ出し、そこらにあるものを片っ端から式神にしてしまった」
女「………」
男「……と、いう訳だ」
携帯『ご主人様!』
コップ『旦那!」
はさみ『殿!」
リモコン『男さま!」
お箸『親方ー!』『たー』
マウス『オヤビーン!』
リモコン『マスター!』
オナホ『男ちゃん!』
ティッシュ『主さま!』
男「うるさいな!ちょっと黙っててくれよ!」
小物s『ハーイ』
女「で?」
男「はい」
女「なんでみんな女の子なわけ?」
男「………………………さぁ」
女「これって浮気に入るのかなぁ?」
男「いやいや!入らないでしょ!?だって俺が意図してそうなったわけじゃないもの!!」
小物s『えー』『オヤビン酷ーい』『とりあえず一発ヌキましょう、ね?』『っていうか誰あの女』
『ご主人様の彼女さんだよ』『えー』『切り捨てる!』『まぁまぁ、はさみちゃん落ち着いて』
『でも貧相だよねー』『ねー』『胸とかねー』『ねー』『男ちゃんにはあたしがいるのにねぇ?』
『おナホさんちょっと聞き捨てならないなぁ、それ』『そうだぜ。旦那のイイヒトはあたしだぜ!』
『………割るわよガラス製品』『いいぞーやれやれー』『れー』『ちょっとー、やめなよー』
男「お前らちょっと黙ってろよ!」
小物s『ハーイ』
女「……もてるのね」
男「ああ、もう!」
新ジャンル「身の回りの物擬人化」
石井 濾過 でぐぐれ
悪名高い恐怖の組織が絡んでいるがw
>251
下二つが何か異色を放ってますなwww
>253
何てこった…
石井さん、依存症の人じゃなくて膜の人だったのかよ…
石井でピンとこないか
研究成果はごっそりアメ公持っていったんだけどな
女「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」
男「とりあえず何か履けよ」
新ジャンル「パンツじゃないから恥ずかしくない」
男「女の好みのタイプってどんな人よ?」
女「んー、あたしさぁ、モテる人って苦手なんだよなー」
男「ほうほう」
女「たとえばね、今あたしの友達のA子とB子が男の子を巡って大喧嘩してるわけ。
その男の子はA子のお気に入りだったんだけど、B子がその人のこと好きになっちゃって、
A子に内緒で遊びに行こうって誘ったりしたんだって。それがバレて、一気に喧嘩になっちゃった」
男「キツいな」
女「うん」
男「で?」
女「あたしはそんなの嫌だからなー。誰からも好きだなって思われないような人が好みかも」
男「キモオタ?」
女「いやいや、言ってもアレよ?男くんレベルは欲しいよ?」
男「……何気に酷くない?それ」
女「あっはっはっはっは」
新ジャンル「矛盾」
男「女さん。俺、女さんのこと好きです!」
女「男くん……嬉しい!わたしも、男くんのこと……」
男「ほ、本当に!?」
女「うん!」
男「やった!良し!良しっ!!……あれ?」
女「―――残像だ」
男「なにィ……ッ!?」
男「女さん、あのさ。手、つないでも……いいかな?」
女「え?……う、うん……いいよ」
男「てへへ」
女「えへへ。男くんの手、あったかいね」
男「お、女さんこそ……あれ?」
女「―――残像だ」
男「馬鹿な……!」
女「ちゅ」
男「……!」
女「えへへ。キス、しちゃった」
男「女さん……!あれ?」
女「―――残像だ」
男「なん……だと……?」
男「女さんっ!女さんっ!」
女「男くん……だい、好きぃっ!!」
男「俺もだっ!俺も好きだからっ!大好きだからっ!!」
女「嬉しい……!男くん、このまま、このまま膣内にぃ……!」
男「駄目だ、女さん、足、どけて……!出る、もう出るから……っ!」
女「男くん、男くん!男くん……!」
男「う、うぅっ……く!」
女「ふぁ、ぁぁぁあああああああああ!!」
男「………!……!!……はぁ、はぁ……膣内に出しちゃった……よ、女さん……女さん?」
女「―――幸せ……」
男「残像じゃない!?」
新ジャンル「残像」
>>258 質量を持った残像だとでもいうのか?!wwwww
女「ゆばってさぁ……」
男「ん?」
女「何でできてるのかなぁ……?」
男「ゆぱ?」
女「ゆば」
男「『また町がひとつ死んだ』」
女「それユパ」
男「ユパ?」
女「違う。ユバ」
男「ああ、湯葉ね」
女「知らない?」
男「タケノコの皮だよ」
女「そうなの?」
男「茹でたタケノコをこう、超薄く切って……」
女「へぇ〜」
男「ウソだけどな」
女「タケノコかぁ〜」
男「ウソだけどな」
新ジャンル「ウソだけどな」
女「うーん……」
男「どうしたー?女ー」
女「フェラチオってさぁ」
男「……お前はまた真顔でそんなことを……」
女「ん?」
男「いや、なんでもない」
女「フェラチオってさぁ、口でするわけじゃん。いわゆる口淫?」
男「うん」
女「じゃあイマラチオは?」
男「あー……」
女「口ですることだよねぇ」
男「そうだな」
女「ふたつの違いはいったいどこにあるのか……それが気になって気になって」
男「お前はまた真顔でそんなことを……」
女「ご飯も三杯しかおかわりできない」
男「………」
女「それで、男くんなら知ってるかなぁ、と」
男「不名誉だなぁ」
女「知ってる?」
男「……知ってるけど」
女「あ、知ってるんだ」
男「簡単に言えば、主導権がどっちにあるか、だな。
フェラチオは咥える側。イマラチオは咥えられる側」
女「ほうほう」
男「自主的にするのがフェラチオ、強制的にさせるのがイマラチオと考えてもいい。
イマラチオの方はフェラチオと違って女性側の奉仕は期待できないから刺激という点では
劣るかもしれないが、その分絶対的な優位性がないと不可能な行為であるために
一種サディスティックな快楽を得るにはもってこいの行為といえるだろう」
女「前にやってあげたのはフェラチオ?」
男「お前はまた真顔で……」
女「フェラチオだよね?」
男「……そうだけどさ」
女「ピスタチオは?」
男「豆」
新ジャンル「オーラルセックス」
豆wwww
豆wwwGJwww
女「ネッシー・ツチノコ・カッパ・ヒバゴン・チュパカブラ・スカイフィッシュ・ムケーレムベンベ」
男「なにそれ」
女「適当にUMAの名前を羅列してみた」
男「UMA?」
女「UMA」
男「ヒヒーン」
女「それウマな」
男「未確認生物の方か」
女「うん」
男「いやツチノコはアリだけどその他はナイだろ」
女「そうかなぁ?」
男「だってツチノコってようは変な形の蛇じゃん。恐竜の生き残りよりはいそうだろ?」
女「あー」
男「っていうかカッパってなんだよ。妖怪だろ。UMAじゃないだろ」
女「だってミイラもあるんだよ?」
男「あんなもんいくらでも捏造できるわ」
女「じゃあお前やれよ!できんのかよ!」
男「怒られた!いや俺はできないけど」
女「できないんじゃん!やっぱできないんじゃん!!」
男「……あ、UMAといえばさぁ」
女「ん?」
男「『ふたなり』って存在すんのかなぁ?」
女「………」
男「あ、いや、本気では言ってないよ?言ってないけど、ほら。世の中広いだろ?だから」
女「………」
男「中国の奥地辺りに存在するんじゃねぇかなぁ、と……思ってみたりみなかったり」
女「男」
男「うん?」
女「ちょ、触ってみ?」
男「……どこを?股を?いやいやいや、いくら友達でもそれは」
女「いいから」
男「………」
女「………」
男「……え?お前」
新ジャンル「UMA」
ドク 「マーティ!見て見て!デロリアンをタイムマシンに改造したよ!」
マーティ「タイムマシン!?しかもデロリアンを!?デートに行けないじゃないか!」
ドク 「デート?」
マーティ「うん。ジェニファーと湖までデートに行く約束なんだよ。
ウチの車潰れちゃったからデロリアンを借りようと思ってたのに……ヘビィだ」
ドク 「あ、そうなんだ。いいよ別に貸してあげても。スピード出しすぎるとタイムトラベルするけど」
マーティ「やだよ!どこ連れてく気なんだよ!」
ドク 「とりあえず30年前かな?トイレで滑って転んで頭打ってタイム回路を思いついたんだ。懐かしいなぁ」
マーティ「30年前って……前から思ってたんだけどさ。ドクって何歳?」
ドク 「マーティ、女の子に歳を聞くもんじゃないよ」
マーティ「………ヘビィだ」
マーティ「っていうか、ドク。デロリアンを改造したのはいいけど足、届くの?」
ドク 「馬鹿にしないでよ!こう見えても……えい、えい」
マーティ「………」
ドク 「よっ……あれ?」
マーティ「……………………」
ドク 「……今日は調子が悪い」
マーティ「はいはい、ボクが運転するよ」
新ジャンル「バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクが幼女」
3が百合になってしまう
>>258 先生「ほら、超音波で撮った画面がここに映し出されますよ。ほら」
女 「わー、すごい。もうちゃんと赤ちゃんの形してるんだぁ」
男 「結構はっきり見えるもんですねぇ」
先生「ええ。今は3Dエコーで立体的に見ることも出来ますしね」
女 「へぇ〜。あ、これ心臓ですよね?」
先生「そうですよ。ほら、お父さんも。動いているの、わかるでしょう……あれ?」
男 「……!!」
赤ちゃん「―――残像だ」
先生「!!?」
男 「……血は争えない、か………(ゴクリ)」
新ジャンル「残像U」
もうwww
ホントにもうwww
女「ねーねー、男くーん♪」
男「ん……ああ。なんだ女か」
女「次の授業、移動だよ。早くしないと遅刻になっちゃうよぅ」
男「………あー、そっか」
猫「にゃーん」
女「それでね、それでね?よかったらぁ、一緒に行ってもいいかなぁ?」
男「俺その前にトイレ行こうと思ってんだけど」
女「そう?じゃあ、あたし待ってるね」
男「………」
女「うん?どうかした?」
男「お前さぁ」
女「うん」
男「前々から思ってたんだけど、被ってるよな」
女「かぶってる?何をかな」
男「猫だよ。猫」
女「やだなぁ。そんなの被ってないよぉ」
男「まあ別にいいんだけどさ。疲れない?猫被ってるのって」
女「………そんなこと、ないよ」
猫「にゃーん」
男「絶対疲れると思うんだけどなぁ。首が」
猫「フー!」
新ジャンル「猫かぶり」
か・・・かわいいじゃねえか・・・
男「zzz……」
女(おじゃましまーす。ドリームイーター妖怪バクの女さんでーす。
今日はクラスメイトの男くんの夢を食べたいと思いまーす)
男「zzz……」
女(それじゃあ、いっただっきまーす)
男「むにゃむにゃ……うへへ……女ぁ……」
女「!!」
男「そんなに……zzz」
女(そ、そんなに……何!?そんなに何なんですか!?
っていうか今、男くんはわたしの夢を見ているってことに……!)
男「くかー」
女(夢を食べちゃったらその人は夢の内容を忘れちゃうし……くっ!
ここは覚えてもらっておくためにも諦めて……)
グー
女(……おなかすいた)
男「俺、女のこと……す………」
女(す!?女のことす……なに!?『好き』?『好き』だよね!?『好き』でいいよね!?)
男「す……す……」
女(おなかはすいたけど!すいてるけど!!こんないい夢を邪魔するなんてできないし……!)
男「……スイーツ(笑)」
女「………」
女「いただきます」
新ジャンル「獏」
そりゃねえよwww
プルル……プルル……
ガチャ
女『もしもし、女です』
男「あ、もしもし女?俺、男だけどさ」
女『ただいま、留守にしています』
男「……あ、なんだ……」
女『男くん大好き!という発信音の後に、三分以内でメッセージをどうぞ』
男「おかしいよね。発信音おかしいよね」
女『男くん大好き!』
男「待て、もしかして留守電になるたびこのメッセージ流れるのか?」
女『そうだよ』
男「変えなさい」
女『えー』
新ジャンル「留守番電話」
女「リストカット、とは」
男「手首を切ることです。自傷行為として有名ですね。致死率はあまり高くありませんが」
女「ショートカット、とは」
男「髪を短く切った髪型のことです。また、近道することもいいます。
マリオカートの対戦でこれをやると大ブーイングが起きます」
女「キットカット、とは」
男「ウエハースをチョコレートでコーティングしたお菓子です。ハブ・ア・ブレイク。
『ぶっ壊せ!』という意味ですね」
女「UVカット、とは」
男「UVはウルトラヴァイオレット。つまり紫外線をカットすることです。日焼けはお肌の天敵」
女「マスカット、とは」
男「オナニーをしているところに出くわしてしまうことです。気まずいったらありゃしません」
女「つまり今のこの状況のことですね」
男「はい」
女「………」
男「……………」
女「…………………ジー」
男「見んといて!見んといて!!」
新ジャンル「マスカット」
男「はー……焼肉食べたい……」
新ジャンル「肉欲」
男「はー……焼肉浴びる程食いたい……」
新ジャンル「肉浴」
男「はー……猫浴びる程飼いたい……」
新ジャンル「肉球」
>>274 留守電ちゃうやないかいっ!ww
男「『ぼくののーと』ってあれか、名前書かれたら殴られるのか」
女「はぁ?何それ」
男「いやだからさ
新ジャンル「撲ノート」
女「多分それは…悪口とかグチとかやっかみで一杯の」
男「まてそれは」
新ジャンル「毒ノート」
男「名前を掛れると身体の機能に障害が表れます」
女「ちょ」
新ジャンル「不g(自粛」
女「ぷーっって膨れるのよ」
新ジャンル「河豚ノート」
男「役立たずになるんだよ」
新ジャンル「木偶ノート」
男「高度の科学知識や専門技術を持って社会組織の管理運営に携わり…」
女「技術官僚ね」
新ジャンル「テクノクラート」
女「はい、じゃこれからこのノートの男くんの名前を書きまーす」
男「え、ちょ、おま」
女「お、と、こ、くん、と…はいーじゃあ今から男くんはー」
男「俺は…そうなるんだ」
ギュ
男「おい」
女「ぎゅーーーーー、ぎゅ、ぎゅ」
新ジャンル「ハグノート」
男「そうか、じゃあ俺はこのノートに女の名前を書くぜ!お、ん、な、と」
女「そしたらどうなるの?」
男「こうなるのさ…」
女「え?あ、あん、ちょ、男くんそこ…あ、あんだめ…」
新ジャンル「抱くノート」
お後がよろしい様で
あ、収納する時は「○クノート」でお願いしますw
女「男。コレを受け取ってくれ。」
男「なになに…?えーと、
『以下の条件を確約すれば、男は私との交際を許可する。
一つ、現在交際関係の女子と別れる。
一つ、別の女子に対して立てたフラグを廃棄する。
一つ、男のお小遣いはすべて女のもの。
一つ……………』
何だよコレ!?ふざけんな!!」
女「男…。私を拒むのか?」
男「当たり前だろ!!第一、なんで彼女と別れなきゃいけないんだよ!!」
女「…よろしい、ならば戦争だ。」
男「アッーーーー!!」
新ジャンル「ハルノート」
女「何をそんなに苛々しているの?耳を澄ませてみなよ。聞こえるでしょう?
暖かな日差しで、新しい生命が育っていく音が。
風に吹かれて遊ぶたんぽぽの声。葉っぱの下で踊るてんとう虫のワルツ。
冬を越して土から顔を出した芽が、大きなあくびをするのが見えるでしょう?
ね?春の音は誰にだって聞こえる素敵な詩なんだよ」
男「そうか。今は秋だけどな」
新ジャンル「春の音」
>>280 ハグノートくれW
>>281 「ハルノート」だと、男が逆切れして女をレイープ→出来婚→ハメられた!
にしないとW
女「じゃかじゃん!じゃーじゃっじゃじゃっーららっらーじゃかじゃん!」
男「………」
女「隊長!男くんの部屋に到着したであります!」
男「………」
女「気をつけろ!どこにどんな罠が仕掛けられているかわからないぞ!」
男「………」
女「承知しているであります!……アッー!隊長!これは!」
男「………」
女「男くんのぱんつ!隊員一号!よくやった!」
男「………」
女「隊長!しかしこのまま持っていけば先住民に感付かれる危険がありますであります!」
男「………」
女「安心しろ隊員一号!先程ジャ○コでぱんつを買っておいた!これを代わりに置いておくのだ!」
男「………」
女「さすが隊長!では男くんのぱんつを回収!」
男「………おい」
女「ハッ!先住民だ!」
男「何やってんだお前」
女「探検家ごっこ。ムチ攻撃!ムチ攻撃!」
男「痛ッ!痛い!インディ!?」
新ジャンル「探検家」
女「………」
男「ん?どうした女」
女「磁石を見ている」
男「……はぁ」
女「こっちがS極」
男「うん」
女「S極」
男「……うん?」
女「Sの極み」
男「………」
女「ものすっごいサド」
男「えー」
女「鞭とか蝋燭とかいうレベルじゃない。針とか使うほどサド」
男「怖っ」
女「草野球でも三塁を守るほどサド」
男「それ違うと思う」
女「とくれば、逆方向は」
男「………」
女「M極」
男「N極だろ」
女「そう、N極」
男「………」
女「………………………………………N!?」
男「N極だな」
女「Nって何だよ!?」
男「北だよ」
新ジャンル「磁石」
女「は!バレたかっ、では一思いににグサッと」
男「短剣か、って開き直ってるんじゃねーよ
」
女「ふふふふ、謎は解けたよ男くん!犯人はこの中にいる!」
男「探偵か、って俺とお前しかいねーよ」
女「ああ、そこはこう一つ一つ細かく丁寧に、ね?」
男「丹念か、って何をだよ!」
女「スタスクリーム!このバカ者!」
男「破壊大帝か、ってわかんねーよメガトロン!!」
新ジャンル「タカアンドトシ」
女「キターーーーーー!」
男「何がだよ」
女「え、あってほらキターーーって、ほらアレの特外人ってOh! COME ON!」て言うじゃん」
男「欧米か」
新ジャンル「キタ」
>>285 「三塁を守るほど」って言う女にキタww
で、ついやってしまった、後悔している。
オン書きはもうしません…
女「男!しりとりしようぜ!」
男「全裸で何を言ってるんだお前は」
女「はい?しりとりだけど」
男「どんな解釈をしたら言葉遊びで全裸になる必要性が生まれるんだ」
女「だって、しりとりだよ?」
男「………よし。お前にとってのしりとりと俺にとってのしりとりとに大きく隔たりがあるらしい」
女「いや、でも尻を取るんだから全裸じゃないと」
男「……とりあえず、しりとりとアナルは関係ないからな」
女「Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!」
新ジャンル?「しりとり」
男「時間帯によってツンからデレに移行するっていうのはどうだろう」
女「はぁ」
男「朝はツンツン、夜はデレデレ」
女「……エロい」
男「だろ?」
女「朝起こしに来る時は、男くんを蹴ったりするわけだ」
男「そうそう」
女「いつまで寝てるのよっ!置いていくわよっ!」
男「そうそう!」
女「AM8時、一緒に登校してくるのをクラスメイトに冷やかされて
『べ、別にこいつなんてなんとも思ってないんだからっ!』」
男「イイね!」
女「PM1時、ブツブツ言いながらも一緒にご飯。……朝、言ったことは嘘だからね」
男「お、デレてきた?」
女「PM4時。……ね、買い物に付き合ってよ」
男「えー、荷物持ちだろ?」
女「違……じゃなくて……ああ、もう!いいから来るの!」
男「ツンしきれてない!ツンしきれてない!!」
女「PM7時。夕食。おいしい?」
男「え?これ女が作ったの?普通に美味いじゃん!」
女「えへへ、よかった」
男「デレた!いいのか?まだ7時なのに!」
女「甘い。こんなもんじゃない!PM10時!」
男「お、おいバカ!風呂上りだからってそんな……服、着ろ!」
女「男……あたし……」
男「………」
女「………」
男「っていうツンデレ。どない?」
女「でもさ、折角いいふいんき(何故かry になったのに朝になったらまたツンに戻るんだよね。ソレ」
男「……ふわぁ。あれ?女は?」
女「起きろネボスケ!」
男「痛い!……あー、そうなるのか」
女「キツくない?」
男「キツいなぁ」
新ジャンル「デレ度=時刻」
ペンキの缶にハケを突っ込んで、ぺたり。
大きな書き割りに描き込まれた背景に色を付けていく。細かな部分は、面倒なので塗りつぶしてしまう。
べたべたとぞんざいにハケを動かしている少年からはどうにもやる気というものが感じられない。
それもそうだろう。今日は休日。本来なら夏休みの間にすっかり夜型になった生活リズムのままに
昼間まで寝こけていられるはずなのだ。『いいとも』が終わった辺りでやっと(暑さで)目が覚めるはずなのだ。
なのに、わざわざ登校させられたあげくジャージに着替えて文化祭の準備である。
クソ面倒くさい。そりゃあ、さっさと終わらせて早く帰りたいというものだろう。
「ちょっとぉ、ジンくん。適当に塗らないでってば」
と、いうのに。
このクラスメイトは鉛筆を片手にぷんすか、と怒るのだった。
ジンくん、と呼ばれた少年、椎 甚兵衛(しい じんべえ)は恨みがましい半目で
甚兵衛を咎めたクラスメイトの少女を逆に睨み上げる。
「む、何やら非難の眼差し。なんなのよー。あたしはちゃんと描いてるじゃん」
……この少女が悪いのだ。サボる気マンマンだった甚兵衛の家に襲撃し、黙っておいたのに
文化祭の準備があるとバラされ、母親に叩き起こされて首根っこ掴まれて引き摺られるように連行された。
ご苦労様なことである。同じアパートにあるとはいえこいつの家は甚兵衛の家がある棟から
三つも離れているというのに。しかも駅とは逆方向に、だ。
付き合いはこいつが引っ越してきた中学一年の夏からだから昔からの知り合いというには
微妙だが、何故か甚兵衛の幼馴染み兼世話係を主張するのがこの少女である。
しかも。
「沖野」
甚兵衛はだるそうな態度を隠そうともせず、
クラスメイトたる沖野 千香(おきの ちか)に大きく溜め息をついてみせた。
そうして、ハケを持ったまま手を広げてみせる。その背後にはがらんとした教室。
机は端に片付けてしまっているので余計に広く感じる。
「他の連中はどうしたんだよ」
「………………………」
千香が目を逸らす。
教室に二人。無論、この大きな書き割りを初めからたった二人で仕上げろという話ではなかったはずだ。
他にもちゃんと裏方のメンバーがいて、グループ分けされた書き割り班の中の二人だったはず。
それなのに、集まってみたらこのザマである。これではやる気を出せという方がおかしい。
「携帯は」
「メールは送ったよ。今、返事待ち」
「……いつ送った?」
「一時間くらい前になるかなぁ?」
黒板の上に掛かっている時計を見ながら千香が言う。
甚兵衛は確信した。返事は来ない。
返事は来ないって言うか他の連中は来ない。
「うだー」
「うだーってなんないでよ。せっかく学校までは来たんだからさ、もうやっていっちゃおうよ」
「そりゃあうだーってなるだろ。帰ろうぜ。こんなん二人でやったって働き損だろ」
寝っ転がりながらストレッチをするかのように身を捩る。
……と、その拍子に千香のスカートの中が見えそうになった。そうして、はっとなる。
千香はまだ気付いていないようだが、甚兵衛は慌てて目を逸らして身を起こした。
「どしたの?」
だらけモードとは思えない機敏な動きに、千香が目を瞬かせた。
甚兵衛は少しだけ頬を赤く染めて、しかし直接には答えない。
「……お前もジャージに着替えろよ。俺、ペンキ使ってるんだから」
「うん?でも、先に下書き描いちゃうからいいよ。ジャージに着替えるのは、そのあとで」
「………………………」
甚兵衛は何かを言おうとして、何を言っていいかわからず、もにゅもにゅと口を動かすに留まった。
ちらり、と下書きを再開する千香の、スカートの裾に目をやる。
甚兵衛も今まで気付かなかったし、千香に至ってはまだ気付いていないようだが。
………もしかしてずっと『そう』だったのか。家を出て、教室に来るまでずっと?子供じゃあるまいし。
スカートからイワシがはみ出てる。
鮮度が良さそうなのがまだ事態を軽くしているが、しかしこの歳にもなってスカートからイワシが
はみ出しているってどうなんだろう。お巡りさんに見つかったら、ヘタをすれば痴女扱いされて
署までご同行お願いします、だ。っていうかイワシって。マグロまでは流石に行かずとも、
普通サンマくらいのお洒落はしているもんじゃないのか?
甚兵衛には最近の流行なんてわからないから勝手なイメージで考えていると、
千香が脚を動かしてスカートが捲くれ上がり、イワシの銀色の鱗が丸出しになった。
見ちゃだめだ。しかし目を逸らすどころではない。甚兵衛も思春期真っ盛りの男なのである。
気心の知れたクラスメイトの異性と二人っきり、こんなシチュエーションで意識しないわけは―――。
………二人っきり。
甚兵衛はどきりとした。
教室には甚兵衛と千香の二人だけ。
隣近所の教室にも誰もいないのか、物音は聞こえない。遠くから運動部が部活動している掛け声らしいものが
響いているだけだ。それがかえって、この空間が他といかに隔離されているのかを表していた。
「………………………」
それが、今さらながらどんなにとんでもない状況なのかを思い知った。千香の様子を伺ってみる。
靴下まで脱いでしまって、すっかり晒されている脚。ふくらはぎ。太もも。
スカートの裾から覗いているイワシ。虚空を見つめるその瞳と目があう。水槽に放り込めば、そのまま
泳いでいきそうな活き活きとしたイワシだ。零細スーパーでパックされているようなそれとは鮮度が違う。
自然、ごくり、と喉が鳴った。
華奢ながら女の子らしい柔らかなラインを描く胸元。薄い夏服にうっすらと透けて見える青い下着。
イワシといい、ブラといい、どこまで無防備なんだこの娘は。
と、甚兵衛は視線を上げていって、千香の顔が赤くなっていることに気付いた。
集中して下書きの鉛筆を動かしているようでいて、その実大して作業は進んでいるようにも見えない。
首筋にまでしっとりと汗をかいて―――その表情は固く、緊張しているのがありありと見て取れた。
「沖野」
声を掛けてみると、千香はびくっ、と肩を大きく震わせた。
「……な、何カナ?」
「お前、わざと見せてない?イワシ」
「……………………………………」
千香の顔が耳まで赤く染まる。その反応で十二分。
甚兵衛は心の中で溜め息をついた。なんだろう、ドキドキしていた自分がバカみたいに思える。
からかうんなら、もっと上手くやれっていうんだ。
「………なんのつもりか知らないけど。俺も一応、男だから。勘違いするだろ。やめた方がいいぞ、そういうの」
ぺたぺたとペンキを塗る作業を再開する。
鼓動が速い。何言ってるんだ俺、という後悔とそういえば何で沖野のヤツは、という疑問が
ないまぜになってぐるぐる回っていた。そして、それを考えないようにハケを動かすことに没頭する。
教室に、二人。
遠くから運動部の掛け声が聞こえる。
「……わざと見せてるよ」
千香が何か言った。
「え」
「イワシ。わざと見せてるって言ったよ」
千香は顔を伏せたまま、続けた。
表情は見えないけど、なにやら怒っているような気がする。
「……なんでだよ」
「わかってるくせにさ」
「からかってるのか」
「……それ、本気で言ってる?」
千香は鉛筆を置くと、四つん這いのままずいっと甚兵衛に迫ってきた。
拗ねたような、怒っているような表情のまま。そのただならぬ迫力に、甚兵衛は思わず身を引いた。
「………………………」
「………………………」
そして、しばらく見つめあう。と、いうより、一方が睨みつけ、一方は目を逸らせないでいる。
無論前者は千香で後者は甚兵衛だ。夏の終わり。あまり暑くもない教室だが
自然と汗がこめかみを伝うのがわかった。喉が、渇く。
「あたし、ジンくんのこと、好きなんだけど」
そうして、千香はそう言った。
「―――――――――………」
さぁ、と開け放たれたままの窓から涼しげな風が入り込み、カーテンをふわりと泳がせる。
甚兵衛は、―――なんと答えていいかわからない。いや、それ以前に、
千香の言葉が脳みそに届くまでにえらい時間がかかっていた。目を瞬かせる。
「……種明かしするとね。昨日、みんなにメールして来ないでいいよって言ったんだ。あたしとジンくんだけで
仕事、するからって。だからみんな来ないの。みんな、あたしがジンくんのこと好きだって知ってるから。
イワシを見せて誘惑しろってアドバイス貰ったから、恥ずかしかったけどちゃんと新鮮なイワシも
選んできたし―――。……それくらい、あたしはジンくんのことが好きなんだよ」
言っている意味は、わかる。
お気に入りの魚を使って異性の気を引くというのはその手の小説や漫画では別に珍しくはない展開だ。
現代社会の乱れた性というお題目で何度かニュースにもなっているのもちらりと横目では見ていたりする。
しかし、それをまさか自分が、しかも千香からされるとは―――そこが信じられず、甚兵衛は何も言えずにいた。
固まってしまった甚兵衛を不服と見たか、千香はぐい、と顔を近づけ、甚兵衛の唇に自分のそれを合わせた。
ちゅ、という軽い音と、柔らかな感触がした。
キスされたのだ。
「なッ……!?」
そのショックで硬直が解け、一気にズザザザザと後ずさる。
と、同時に脳みその硬直も解けたのか、甚兵衛はわたわたと手を振り回して
「ま、待て待て待て待て!沖野落ち着け!い、いいいいきなりそんなこと言われてもだな!心の準備ってものが!」
「―――ジンくんは、あたしのこと、嫌い?」
「きっ、嫌いでは………ない。その」
そう、嫌いではない。どちらかといえば好きな方だ。ただ、そんなことを考えたことはなかったから。
甚兵衛は早鐘のように鳴る心臓をなだめ、深呼吸をして、
「だったら、もっと好きになってもらえるように―――がんばる」
「ゴぶっ!?」
圧し掛かってくる千香の柔らかな感触にむせ込んだ。
詰みだ。後ろには机が並んでいて、もう下がれない。いや、相手は女の子なのだから押しのけようとすれば
いくらでもそうできるが………すがりついてくるような重みとほのかに香るイワシの匂いが
甚兵衛からすっかり抵抗する気力を奪ってしまっている。もし立ち上がっていたとしても、
腰から力が抜けてへなへなとへたり込んでいただろう。それほどに千香の身体は柔らかく、
信じられないほどに女の子のそれだった。知り合った当時からすれば色々と育っているのは知っていたが
こんなに柔らかいということは知らなかった。こんなにいい匂いがするということは知らなかった。
こんなに熱く、どくどくと脈打っているものだということは知らなかった。
「―――お、きの……」
「千香、って呼んでくれたら……嬉しいな」
千香は切なそうに目を細めると、ちゅ、とまたキスをした。
技術など何もない、ただ重ねるだけの、したいからするだけのキス。
鳥がついばむようなそれを何度も繰り返しながら、千香は甚兵衛の手を取って自分の胸に押し付けた。
びくり、と甚兵衛は大きく震える。初めて触る女の子の乳房は服の上から
手を置いただけでも十分にその感触が伝わるほどに柔らかかった。
耳元で千香が大きく息をつく。その熱量に甚兵衛の理性が溶かされ、脳みそが沸騰する。
―――据え膳喰わぬは武士の恥、っていうよな―――。
「沖野……いや、千香」
甚兵衛は千香の制服の中に手を入れると、直接胸を触れた。ブラだろう、制服とは別の感触もしたが
それも強引に押し上げてしまう。きめ細やかな肌が直に手のひらに伝わり、改めてその心地よさにくらくらする。
柔らかな中に硬い突起がアクセントとなって存在を主張している。乳首だ。親指の腹でこりこりと愛撫してやると、
千香は恥ずかしそうに身を捩り、鳴いた。
その声を良しと取った甚兵衛は千香の制服と下着を捲り上げ、
現れたしみひとつない真っ白な双丘に舌を這わせる。
「ジン……くんっ、は、恥ずかしいよぅ……」
「千香が誘ってきたんだろ」
千香の抗議も聞く耳を持たない。そうだ。だって、千香が悪いのだから。
甚兵衛は舌で千香の乳首を転がしながら、千香のショーツの中に手を伸ばす。
「あっ、ジンくん!だ、だめだよぅ!」
何を今さら。
千香は弱々しい力で甚兵衛の手を抑えようとしたがそれは抵抗の意味にならず、あっさりと侵入を許してしまう。
千香のショーツは、はたして、まだ触ってもいないのにぐっしょりと濡れているのだった。
甚兵衛は千香の胸から唇を離すと、意地悪く笑ってみせる。
「千香、なんだかすげぇ濡れてるみたいだけど?」
「……そ、それは……違うもん。イワシだもん」
何言ってるんだ、この娘は。
「イワシなのか」
甚兵衛はひょいと千香の身体を持ち上げると、向きを返して自分の足の間に座らせた。
向かい合う体勢だった位置関係が変わり、甚兵衛が千香を抱える形になる。
そしてそれは、甚兵衛が千香を一方的にやっつけるスタンスに違いなかった。
「あ、ジンくんそれ……!」
「気にするなよ。イワシなんだろ?」
甚兵衛はそう言い、スカートの中からイワシを取り上げると千香の濡れそぼった部分にぴたり、と貼り付けた。
「ひっ!?」
そして縦筋に合わせて擦り上げる。重さが変わるほどにぐっしょりと濡れたショーツは
イワシの刺激をダイレクトにその部分に伝えてしまう。
特に取っ掛かりとなるエラやヒレはそれまでに類するもののない感覚で、
千香の快楽を一気に押し上げる。
「ジンくっ……!それ、や、ぁあっ!!」
「大丈夫、大丈夫。イワシなんだから」
「い、意味わかんないよぉ……っ!?」
千香の弱々しい抗議も聞こえないふり。意味がわからないというなら、
甚兵衛だってイワシで愛撫するなんてまったく意味がわからない行為だと言うだろう。
ただ、誰も他にいないとはいえ普段学友とだべったり居眠りしたりしている教室で。
ずっと友達だと思っていた少女に告白され、キスされて、あげくの果てにはこんなあられもない姿を
晒されている今のこの状況が、脳みそのどこかにある物事を判断する部分をすっかり焼き切らせているだけの話。
甚兵衛はイワシを縦から横に持ち換えると、その口をくちゅくちゅと千香の秘部に押し当てた。
「ひぁああっ!?そこ、ダメぇ!」
それはさながら海を泳ぎまわり、餌を食む記憶が甦ったかのように。
甚兵衛の手で操られたイワシは千香の最も敏感な突起をついばみ、その度に泉からとぷとぷと愛液が溢れていく。
「ひぁっ、ひぁっ、ひぁあ、あ」
千香の声が一際高く、切ないものになる。その変化に甚兵衛はイワシを動かしながら、
「千香、もしかしてイキそうなのか?」
「そんなっ、ことっ!聞いちゃ、やだ……ぁ!」
真っ赤な顔で首を振る千香。図星らしい。
甚兵衛は、ずっと『友達』でいた女の子が自分の前であられもない姿を晒しているばかりか、
自分の手で果てようとしているその現実にすっかりヒートアップしてしまっている。
千香の声が、千香の淫音が。イワシを動かす甚兵衛の手つきをさらに大胆に、加速させるのだ。
横ならば口淫、縦ならば手淫。千香は甚兵衛が操るイワシに翻弄され、高められていく。
そしてイワシの口が完全に千香の秘部に埋もれ、そしてさらにぐりっ、と捻り込たとき。
「ジ、ン……く、ぁ、ぁ、ああ、ひぁ、ひぁぁ、ひ、ぁぁぁぁあああああああああっっっ!!!?」
千香の快楽の防壁はとうとう砕け、脚をピン、と伸ばして絶頂に達したのだった。
「―――――――――ぁ、」
おとがいを反らせてふるふると震え、
「―――は、ぁ……はぁ、はぁ、はぁ……………はぁ――――――」
くたり、とまるで糸が切れたかのように力尽きて甚兵衛の腕の中に沈み込んだ。
それで、思考回路が麻痺していた甚兵衛も我に返ってはっとなる。
「や、やりすぎちまった……か?千香。おい、千香」
腕の中でくったりしている千香は熱に浮かされているようで、
だから千香が薄目を開けて潤んだ瞳でこちらを見つめ返してきたとき、甚兵衛はほっと息をついた。
「ああ、よかった。悪い、少し調子に―――ん!?」
しかし、謝罪の言葉は途中で遮られる。千香が首を伸ばして、自らの口で甚兵衛の唇を塞いだのだ。
キスである。しかし先程の触れるだけのそれではない。千香の舌が甚兵衛の口内に侵入し、
うねうねと蠢いて唾液を絡め取っていく。
上手いか下手かで言えば、お世辞にもそれは達者な類には入らないだろう。
だが本能のままに、味覚でさえ相手を感じるのだと言わんばかりに貪られては技術も何もない。
「……ん、んむ、ちゅ、づ、るるっ………ちゅ、ぅっ………」
「ふ、ん……ンん……う、ン……ちゅ、ちゅぷ、ぢゅぅぅ……っ」
千香の唾液を流し込まれ、また千香に唾液を啜られて、甚兵衛の醒めかかった頭が再び沸騰する。
千香は唇を離し、大きく息をつくと、唇の端から垂れる涎もそのままにぐい、と甚兵衛を押し倒した。
「………ジンくん、すごく、おっきくなってる」
甘えるように甚兵衛の頬をぺろぺろと舐めながら、空いた手で甚兵衛の膨らんだ股間をさわり、と触る。
そりゃあそうだ。千香のむせ返るような雌の色香に当てられて、
甚兵衛のペニスはもうはちきれんばかりになっている。
ある意味、ジャージでよかった。これで着替えずにスラックスのままだったなら、
甚兵衛は内側から膨れ上がる痛みに悶絶していただろうから。
「千香。身体、大丈夫だったら……その、俺」
―――千香の中に、入りたい。
「……うん」
そう言うと千香は目を細めてこっくりと頷いた。
千香も、それを望んでいたというように。
ジャージとトランクスを一緒に下ろす。
抑圧から完全に解放された甚兵衛の怒張はぎん、と硬く硬くそそり立っていた。
そのあまりの猛々しさに、千香も怯んだかこくり、と喉を鳴らす。しかし千香は何も言わず、
クッション代わりの制服の上に座り込んだ甚兵衛に向かい合い、その上に跨った。
「……千香」
千香が少しだけ怖気づいたのは甚兵衛にもわかる。
だが、それでも千香は甚兵衛を受け入れようとしてくれていた。
なら、男がここで無粋なことを言うもんじゃない。そんな男前なことを
甚兵衛が考えていたわけではないが―――それを思考に浮かべずとも悟ったのか。
甚兵衛は千香の名を呼び、触れるだけのキスをした。
「ジンくん……」
唇が離されると、千香は勇気を分けてもらうかのように今度は自分からキスをし、
そしてゆっくりと腰を下ろしていった。
つ。
一度絶頂に達するほどに充分に濡らしたとはいえ、
初めてオトコを受け入れることになる千香のそこは小さく、狭い。
『入り口』への角度は、それでいい。亀頭は既に膣口にあてがわれている。
そのまま腰を下ろしていけば、男女の身体の構造上『入る』はず。
千香はそう信じて腰を沈めていく。
………けれど、それは甚兵衛の体感からすれば気がどうにかしてしまうほどにゆっくりと、
緩慢でぎこちない動きに他ならないものだった。
貫きたい。
千香の、女の子の柔肌を思うさま蹂躙したい。
腰骨から脊髄を伝って脳みその奥に響く、その欲求を。
甚兵衛は奥歯を噛み締めて堪えている。
そも、挿入という一大行為を千香に任せようと思ったのは、自分では理性が振り切れて
乱暴にしてしまうからである。さっきのイワシの二の舞いになるのは駄目だ。
ここはなんとしても自分を抑えきって―――少なくとも、千香の膣内に全部収まって、
彼女が落ち着くまでは―――我慢しなければならない。
しかし、この調子では焦らされすぎて気が変になりそうだ。
甚兵衛はぎゅっと目を閉じて、背を反らし……その拍子に、何かに触れた。
「………?」
甚兵衛は頑張っている千香から少しだけ目を逸らし、それを認めて。
「………あ」
落ちていたそれを、手に取った。
「千香」
やっと亀頭の半分ほどを膣口に埋め込んだ千香に、声を掛ける。
千香の額にはそれだけで汗が浮かび、まるで全力疾走の後のように息を荒くしていた。
千香は初めてだ。いや、甚兵衛もそうだが、緊張で身体が硬くなっているのである。
だからこそ、甚兵衛は千香の目の前に手にしたそれを突き出した。
「チカサン、ふぁいと」
「………………………」
――――――イワシである。
千香の汁塗れで放置させられていたそれを拾い、ぱくぱくと器用に口を開閉させて腹話術。
といっても裏声なだけでとても腹話術と呼べるものではなかったが。
千香は突然の甚兵衛の奇行に今行っている行為も緊張も何もかも白紙になり、
(やばい、スベったか?)
「……他人事だなぁ、ジンくん。あたし、しんどいんだよ?結構さ」
一転して、むっすーと唇を尖らせた。
その顔を見て、その声を聞いて。甚兵衛はほっとする。
拗ねているようだけど、そうじゃない。緊張を僅かでもほぐすことはできたようだ。
「馬鹿、そんなちまちましてるからだ。一気に行け、一気に」
「簡単に言っちゃってさぁ。いいよねー男のヒトは。痛くもないし苦しくもないんだからさ」
「うん。正直今この状態でスッゲー気持ちよかったり。お前、何?名器?」
「………う。恥ずかし。でもまだまだ、あたしの実力はこんなもんじゃないんだからね」
「そうか。がんばれ」
「がんばる」
最後に、千香は甚兵衛にキスをして。
「………ありがと」
そう、笑ってみせた。
「――――――っ、く、ぅぅぅうううっっ!!」
そして、ぐいっ、と一気に腰を沈める。
「お、おい!」
焦ったのは甚兵衛の方だ。確かに冗談で一気にいけとは言ったものの、
それはあくまでも冗談であり、千香のペースでいいと思っていたから。
しかし千香のお尻は完全に甚兵衛のお腹にくっついてしまっている。
本当に一気に甚兵衛の男性器を膣内に収めたのだ。
「………ぅ、くっ!?」
甚兵衛は慌てて丹田に力を込めた。千香の膣がぎゅう、と甚兵衛のペニスを締め上げてくる。
千香の中は千切れるほどに狭く、火傷しそうに熱く、気が変になりそうに気持ちが良かった。
まだ入っただけなのに、精液の塊が棹を駆け上ってくる。不意打ちに近いさっきの暴挙で
射精を堪えることができたのはほとんど奇跡といえるかも知れない。
それほどに、千香の膣内は快楽の坩堝であった。
「え、へへ……じんクン。アタシダッテ、結構ヤルデショウ?」
さっきのお返しか、千香が変な声色でニッと笑ってみせる。
結合部には破瓜の血が滲み、雫となってつぅっ、と落ちていった。
痛くないわけがない。苦しくないわけがない。でも、千香は笑っている。
瞳に涙を浮かべて、ジンくんとひとつになれて嬉しい、と囁いた。
そんな千香が不意に、愛しくてたまらなくなり、
自分でも気付かないうちに甚兵衛は千香をぎゅう、と抱きしめていた。
「ジンくん……動いて、いいよ」
甚兵衛の首に腕を回し、身体をぴったりとひとつにして千香はそう続けた。
「え、でも」
「いいから。……ね?」
甚兵衛はしばらく黙っていたが、
「………わかった。できるだけ、優しくするからな」
繋がったまま千香を抱え、割れやすいシャボン玉を扱うようにそっと敷いていた制服の上に寝かせた。
ころん、と仰向けになった千香は空いた手を胸の前に置いて、
それがまるで従順な子犬にでもなったように感じる。
あまりの可愛さに思わずモフモフしたい気分に駆られるが
―――痛みを堪えている千香のためにも、あまり余計なことはしていられない。
「ひぁぁあ……」
ぬるる、と。千香の膣内からペニスを引き抜いていく。
感触らしいものはなかったが、確かに処女膜を貫いた証に、その血管の浮き上がった強張りには
鮮血がこびりついていた。それを見て、生々しい肉襞がもたらす快楽に
理性の綱が早くも千切れかけていた甚兵衛は、乱暴にしそうになる己の獣心を押さえつける。
もどかしいほどにゆっくりとサオをカリまで引き抜いて、また肉壷に収めていく。
狭い膣内を掻き分けて進むペニスに千とも万ともつかない襞が絡みつく。
(き、気持ちいい……!)
じぐじぐと身体を焦がすように広がっていく『思い切り動きたい』という欲求を噛み砕き、飲み干し、
甚兵衛は優しい前後運動を続けた。
「ひ、ぁ―――ぁあ、ひぁ、ぁああ……」
………どのくらいそうしていただろうか。
甚兵衛の体感では気の遠くなるようだったが、もしかしたらストロークは
ほんの十にも満たなかったのかも知れない。甚兵衛の下にいる千香の声が、
苦しみ、痛みを耐えるだけのものではない、もっと湿度の高いものになっていった。
「ひぁ―――ひぃ、ぁぁ、ああ……ン、ぁあ―――」
そういえば、結合部もさっきよりぬめりが増し、動きやすくなっているように思う。
加えて抜き差しのリズムに合わせて吐かれる、熱い吐息。
「千香、どうだ?調子は」
「うん……大丈夫、みたい……ン、ぁあ―――いいよ。ジンくん……」
それをセックスに慣れてきたとみなし、甚兵衛は少しずつ動きを大胆にしていく。
もともと振り切れていた限界だ。加速していくのは当然のことで、
緩慢だった動きのツケを払うかというように腰を引き、抜けてしまうかという寸前でまた侵入する。
大きく波に揺られるようになりながら、千香は圧迫されるお腹の奥から切ない声をあげた。
「ぁひぁぁああ、ああ、ひぁあ―――ぁ、あ、あ、あ、あああぁぁぁ―――」
しかしもうそこに苦痛の色はない。それに、甚兵衛の方にも千香を気遣う余裕はなかった。
腰を打ちつける。愛液の飛沫が飛ぶ。千香の脚が宙を彷徨い、背中に回した手で甚兵衛の背に爪を立てる。
痛い、しかしそんなことはどうでもいい。熱い塊がこみ上げる。射精が近いのだ。
ペニスが真っ赤にはれ上がっているのがわかる。もう、堪えられない。
「ジンくんっ!ひぁああっ!ジン、く、ぅああっ!あっ!あっ!!」
「千香、千香―――千香……!」
「あたし、だめ、ひ、ぁ!ひぁぁぁああああああああああっっ!!!!」
千香の膣内を抉らんばかりに突き立てた怒張はついにいっとう深いところで爆発し、大量のスペルマをぶちまけた。
同じく千香の肉壁もぎゅうっ、と収縮して甚兵衛から全てを搾り取る。
子宮を満たすような長い射精の間、二人はまったくひとつになって抱きしめあい、
「――――――はぁ、はぁ……はぁっ、は……」
「――――――ひぁ、ひぁ、ひぁぁ……」
やがて、くたくたと倒れこんで荒い息をついた。
☨☨☨
……気が付くと高かった日は傾き、遠くに響いていた運動部の掛け声も消えてしまっていた。
日が落ちるのが随分早いように思えるのは、やはりもう『夏の終わり』ではなく
『秋の始まり』に季節は移っているからだろう。いつまでも薄着では風邪を引いてしまうのだ。
「で、全然進んでないよな。作業」
甚兵衛は溜め息をついた。
目の前には中途半端に色を塗られた書き割り。背景の下書きの方はもう粗方終わっているようだが、
甚兵衛が行っていた着色は端っから低かった本人のモチベーションの問題もありまだまだかかりそうだ。
と言っても、今日はもうだるくてそれこそやる気なんて起きない。
「今日は帰るか、なぁ千香」
「……うぅ、なんか挟まってるっぽい」
涙目でぷるぷる震えている、千香にしたってもう作業はできそうにないし。
ああ、調子が悪そうと言えば。
「千香、思いっきり爪立てただろ。背中、血ぃ出てるんだけど」
痛みに顔をしかめていると、千香はむすー、と剥れて甚兵衛を睨み返した。
「そっちこそ。思いっきり動いたでしょ?」
「……そりゃあ、お前。むしろ評価して欲しいくらいだぞ」
本当はもっと早くから動きたかったのだ。それを我慢したのは千香を気遣ってのことである。
とは言え、甚兵衛の方に肉体的な負担はないわけだから、これでトントンということになるのか……な?
「それよか、どうすんだ。コレ」
甚兵衛が書き割りを軽く蹴る。千香が引き受けてしまったというからには、
二人で片付けなければ……いけないんだろう、なぁ。
「うん。―――また休みに二人で学校に来なくちゃね」
何か含みのある千香の台詞に、思わずどきりとする。
今までしていたことのとんでもなさを思い出し、顔を赤くして千香に目をやる―――が、
既に千香はひらりとスカートを翻して背を向けていた。
小悪魔のように笑っているのか、それとも甚兵衛と同じく頬を染めているのか。
踊るような背中からは、残念ながらそれは読み取れない。
だが。
「……千香」
「ん?なに」
背を向けたまま、返事が返ってくる。
甚兵衛は溜め息をついて、言った。
「スカートからイワシがはみ出てる」
アンダースカート・サーディン〜新ジャンル「スカートからイワシがはみ出てる」妖艶伝〜 完
正に「新ジャンルでエロパロ」だなWW
GJ!
エロ空間に入ろうというときに、鰯に引き戻されるw
何ともシュールな光景がw
後輩娘「先輩〜おべんと食べましょ〜」
男子ABC「男!てっめえ!レベル高い娘どうやって拐かしたんだ!」
男「ハモるな、キモイ。お前等、コヒマまで歩かすぞ!」
−屋上
後「先輩、さっきはムッチーみたいでかっこよかったですよ」
男「ムッチーって誰だ?返答次第ではガタルカナルに投棄するぞ。」
後「牟田口廉也、インパール作戦を立案実行、多くの日本兵を餓死させた。」
男「聞くけど、硫黄島と小笠原、どっちに流されたい?」
後「ごめんなさい。もう言いません。だから真顔で言わないで下さい…」
男「今日はどうする?泊まりか?」
後「試験も終わった事ですし、久々に先輩…男さんの127mm単装速射砲が…」
男「後、遠巻きに早漏だと言ってるのか。お仕置き確定。」
後「ごめんなさい、46cm単装砲にしますから…お仕置きはやめて〜」
男「発射まで時間が掛かるが次弾装填時間が掛かるな…まあいい」
後「よかった、これでお仕置きは…」
男「お仕置きは執行な。今から6時間後の快楽に期待するんだな。」
後「ベットに関してはヒトラー並の独裁者ですぅ…」
その晩
男「撃ち〜方始め!」
肉の当たる音と嬌声が朝まで続いていた
新ジャンル「軍オタっ娘」
下・ヘイヘ
モノスゴイ下ネタ好きのヘイヘ
>>305 この人か
狙撃手 シモ・ヘイヘ
・わずか32人のフィンランド兵なら大丈夫だろうと4000人のソ連軍を突撃させたら撃退された
・シモヘイヘがいるという林の中に足を踏み入れた1時間後に小隊が全滅した
・攻撃させたのにやけに静かだと探索してみたら赤軍兵の遺体が散らばっていた
・気をつけろと叫んだ兵士が、次の瞬間こめかみに命中して倒れていた
・スコープもない旧式モシンナガン小銃で攻撃、というか距離300m以内なら確実にヘッドショットされる
・いとも簡単に1分間に150mの距離から16発の射的に成功した
・野営中の真夜中にトイレからテントまでの10mの間にヘッドショットされ即死
・戦車と合流すれば安全だろうと駆け寄ったら、戦車長がシモヘイヘから狙撃済みだった
・赤軍の3/100がシモヘイヘに狙撃された経験者、
しかも白い死神という伝説から「積雪期や夜間ほど危ない」
・「そんな奴いるわけがない」といって攻撃しに行った25名の小隊が
1日で全員死体になって発見された
・「サブマシンガンなら狙撃されないから安全」と雪原に突撃した兵士が
穴だらけの原型を止めない状態で発見された
・5階級特進で少尉となったシモヘイヘに狙撃の秘訣を尋ねると、ただ一言「練習だ」
・コラー河付近はシモヘイヘに殺される確率が150%。
一度狙撃されて負傷すると確実に凍死する確率が50%の意味
・シモヘイヘが狙撃で殺害した数は505人、
他にサブマシンガンで倒した数は正式なものだけで200名以上
女「はっ!ていっ!とあっ!」
男「何やってんだお前」
女「筋トレ」
男「……なんで?」
女「女友が言ってたのよ。胸筋を鍛えたら胸が大きくなるって」
男「へぇー」
女「家を建てるときだって地盤がゆるゆるだとすぐ崩れちゃうでしょ?
それと同じ。巨乳になりたければまず筋肉をつけろってね!」
男「でもオッパイって脂肪だろ。鍛えたらなくなっちまうんじゃ」
女「………………………」
男「………………………」
女「知ったことを言うなー!!貴様にわかるか!胸について欲しい脂肪がわき腹に来る女の気持ちが!うつぶせに寝ても
別に寝苦しくない女の気持ちが!巨乳を見れば『どうせ将来垂れるもん!』って思わないとやってられない女の気持ちが!!
貴様にわかるとでも言うのかぁぁぁぁぁああああ!!!!」
男「わかった。わかったから泣くな」
新ジャンル「どう見ても貧乳」
友「はー。思い切ったなぁ、こいつ」
男「あん?」
友「この女優。雑誌見てみろよ」
男「どれどれ?……うわ」
友「な?」
男「ロケットみたいだな」
友「このオッパイはやりすぎだろ」
男「整形丸出しじゃん」
友「ハリウッド女優みてぇ」
男「なんかさー、引くわー」
友「固そうだもんな」
男「そこまで必死にならんでも、って思うもん」
友「あー」
女「知ったことを言うなー!貴様にわかるか!天使のブラでも谷間ができない女の気持ちが!走っても揺れない女の気持ちが!
この……ここの、みぞおちの辺りにあせもができて大変だわー、とか言う友達に微妙な顔で相槌打たなきゃならない女の気持ちが!!
貴様にわかるとでも言うのかぁぁぁぁぁああああ!!!!」
男「わかった。悪かった。だから泣くな」
友「シリコン」
女「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああん!!」
男「いじめんな」
新ジャンル「どう見ても貧乳2」
男「ここが女オススメの回転寿司屋かぁ……つってもコレ何の魚使ってるかわかったもんじゃないぜ。
代用魚ってヤツ。TVでやってたもん」
友「いいんじゃね?別に。食って腹痛くなるわけじゃないんだしさ」
男「そんなもんかね」
友「そんなもん。そんなもん。100円だぜ?何贅沢言ってんのお前」
男「まぁ、そりゃあそうだ」
ウィィィン
女「………」
ウィィィン
男「………」
友「………」
ウィィィン
女「………」
ウィィィン
友「……なぁ、あれ女さんじゃ」
男「シッ!見るな!寿司屋で女体盛りとして流れてくるような知り合いなど俺たちにはいない!」
友「でも、メッチャ見てるぞ」
男「目を合わせるな!黙ってマグロとか流れてくるのを待つんだ!」
ウィィィン
女「………!!」
友「あ、違う人に取られた」
男「いや、抵抗してる抵抗してる」
新ジャンル「回転寿司」
とるなよ違う人www
女「デオキシリボ核酸」
男「………」
女「デオキシリボ核酸」
男「……うん?」
女「デオキシリボ核酸」
男「えーと、遺伝情報を担う物質で……俗に言うDNA、だっけか」
女「そう」
男「それがどうした?」
女「こう、密集してたのがわーっと、クモの子を散らすように」
男「………?」
女「デオキシリボ拡散」
男「………」
女「ものすごい堂々と。こそこそせずに」
男「………」
女「デオキシリボ隠さん」
男「………」
女「ひかえおろう!」
男「デオキシリボ格さん」
女「デオキシリボ格さん……あっ」
男「………」
女「………」
男「………」
女「デオキシリボ退散」
男「………」
男「……なんだったんだ………」
新ジャンル「デオキシリボ核酸」
幼女「私、恋空みたいな恋がしてみたいなぁ」
男「おじさんに任せておきなさい、はぁはぁ」
ぱんぱんぱん
幼女「いやああああ」
男「夢が叶っただろう?」
新ジャンル「映画のような恋」
いいや許さん
もっとやれ
男「………」
男「……………」
男「……………………うう〜ん、あと五分……」
ドカァァァァァァァァン!!!!
男「―――――――――ッッッ!!!?」
男「ごほっ!げほっ!な、なんだ……!?爆発!?」
女「男、生きているか」
男「お前は……女!?なんだその装備!」
女「グレネードランチャーだ。拾った」
男「嘘吐け!仮にも銃刀法がある日本でそんなB級アクションな装備が落ちてるわけねぇだろ!」
女「黙れ。着替えろ。我々には一刻の猶予も残されてはいないんだ」
男「え……!?」
女「説明している時間はない。早くしろ」
男「でも」
タタタタタタ
男「危なッ!マシンガン危なッ!」
女「つべこべ言うな」
男「わ、わかったよ!わかったから銃口向けんのやめろ!!」
女「……くっ。あと10分しかない」
男「何?何?何が始まんの!?何のミッションが始まんの!?」
…………………
……………
………
キーンコーンカーンコーン
女「間に合わなかったか……」
男「え!?お前俺を起こしに来ただけなの!?ウチ半壊させて!?」
女「萌えるだろう?」
男「むしろ燃えたんだけど」
新ジャンル「コマンドー」
なんで最近新ジャンル建たないんだろ
立ってることは立ってるだろー
そうか?パソコンで検索しても一向に引っ掛からないんだが
vip覗いてみれば幸せになれるかも
ここだけの話、一番好きな新ジャンルは荘厳さん
素直クールより素直ヒート
まあ作品にもよるが素直ヒートはいいよな。
ツンデレに並んでいい嫁になる。
素直クール派は少数派?
素クールかぁ。
断定口調でしゃべりゃいいってもんでもないだろってのが多い気がする。
無添加の素直クールより何か属性をプラスした素直クールが好き
アホの子とか変態とか
例えるなら素直クールは白米だな
米…そういえば君が好きだ
>>326 もしもし
sageって無いよ?(´・ω・`)
正直すまん
女「でもそんな
>>326君が好きぃ!タックルー!」
男「うわっだれだお前」
女「いやだな忘れたの?あなたに告白された米澤恵だよ」
男「こくは…?いやしらんぞそんなこと」
女「もうやだなぁ、今更照れる事ないじゃっん。
ほら『米…そういえば君が好きだ 』ってい…」
女2「おまちなさい!そこの勘違い女!」
女「あん?あんた誰よ」
女2「私の名前は米山遥、
>>326の彼女よ」
女「ああ?ナニ言ってんのよ」
女2「
>>326があんたみたいなつるぺったんに告白する訳ないでしょう!
わたしに決まってるのよ!…その…折角だから彼女になってやるだけだけど」
男「おーい」
女3「どうしたんだ
>>326、この女生徒達は。すこし嫉妬してしまうぞ。
とは言えこれくらいではわたしの君への愛は揺らがないのだが。
うむ、今日も素敵だ
>>326」
男「…一応聞くけどおまえは」
女3「うむ、わたしが君の真の彼女、米田真実だ。」
女「はぁ?、またバカが涌いた!」
女2「なんですかこの目つきの悪い女は」
女3「ああ、よく見ると嫉妬するほどの御面相では無いな」
女「ムキー!ムカツク!」
女2「なんですって!このブス!」
ギャーギャーギャー
男「…なにやってんだまったく」
女4「…」ギュ
男「うあぉ!いつのまに!」
女4「…」(///)
男「名前…」
女4「…ヨネムラアカリ…」
男「ああ、また『ヨネ』な訳ね…」
女4「…」(///)コクコク
女「ああ!また何か居る!」
女2「あ!あなたは米村灯!ちょっと!退きなさいよこの寝暗女!」
女3「
>>36の横はわたしと決まっているのだ、実力で排除する」
<時間の経過を示す空白>
男友2「好きだーーーーーーーーーーーーーーーっ
>>326」
男「うわぁお前もか!止めろ!米岬!」
女45「…あんな若いのはよしてワシと一緒にならんか」
男「え?誰、おばあちゃん」
女45「ワシか?ワシは花村ヨネというんじゃが…」
新ジャンル「ヨネ」
ほら、なんか米●て名字の人ってたいてい「ヨネ」って呼ばれるんだよねっ
ここって学園スレの住人とかいたりする?
モハメドさんの事ですね。わかります。
>>332 いや俺もだけど
いたらエロパロ投稿しづらいなぁと思って
モハメド・モハメド・モハメド・モハメd(ry 氏に萌えた
み、皆どこ行ったんだ!?
勇者の人に奈良の人
その他小ネタの人
皆どこへ行ったというのだ!?
どこもかしこも過疎だねぇ…
やっぱり新ジャンルは終わったんだろうか
エロパロ書きだめしたのになぁ
みんなモチツケ
これ位の間隔空くのは他のスレなんかザラだろ。
きっと大長編書いてるんだよ
(`・ω・´)b。
「男、どうしたの? うずくまって」
「女か……実は、俺は今物凄い危機に陥っている」
「危機って……何かこう、世界的に大変だ、みたいな?」
「その通りだ。世界的に大変な事態が、今俺の身に迫っている」
「うわ、ヤバイじゃん。何か私にできる事は?」
「とりあえず……背中さすってくれ」
「へ?」
「そうすれば、いくらか楽になるはずだ」
「……とりあえず、具体的に聞き忘れてたけど……世界的危機って、何?」
「腹が痛くてもれそう」
「漏らしとけぇぇええ!」
べごしっ
「あぁん♪」
新ジャンル「大腸変」
女「ああ…」
男「どうしたんだ朝っぱらからヘンな声だして」
女「変って…違うの、なんか調子悪くって」
男「またなんか食い過ぎたんか」
女「ううん、なんかこぉ熱っぽくって…ほら胸もドキドキして」
男「熱でもあるんか」
女「違うよ…でもなんか男の顔を見るとこぉ身体が熱くなって…」
男「風邪だな、病院行け」
女「は!これってもしかして恋!」
男「変だろ」
新ジャンル「体調変」
男「いやいや、だからさビルの屋上って、あれそんなに高くないだろ」
女「でもさーテレビで観てても大体ビルくらいじゃん」
男「違うって、武装ビルはもっと高いよ、大体空母の上乗ってたろ?」
女「じゃそんなに大きくないんじゃないの?」
男「あのさ大体艦載機の全長ってガンダム位なんだぜ?」
女「え?じゃサイコガンダムくらいとか」
友「何の話ししてんだよ」
男「いやだからさ、あのパチスロのCMおかしいだろ?」
友「何の」
女「だからさー初号機の…」
新ジャンル「体長変」
友「身長だろ」
男/女「あー…」
男「おかしいなぁ…」
女「どうしたの?」
男「何度チェックしても数が合わないんだ、ほらこれ、納品数がこれなのに
出荷がこれだろ、だけど在庫がこれだけって」
女「なるほど…つまりあなたはこう言いたいのね?」
新ジャンル「台帳変」
男「ああーわしは音楽を聞くとー」
女「え、なに?キャー!!」
他人男「おい、なんかあいつ様子が変じゃないか、女のこ前で服脱いで…」
他人女「え?ええ?キャー!」
他人男2「なんて奴だ!赤ふん一つになって踊ってやがる!」
他人男「だれか警察呼べ!」
友「あいつが変なのはいつもの事やおまへんか」
猫「しょうがないやつぞな」
新ジャンル「大ちゃん変」
どうやら俺は、エロに縛られていたらしいな……
そもそもがパロディなら、ガズボなしの微エロでも充分なワケだ
という訳で、書きため終わったら裏方さんの微エロネタ投下します
>>337 なんかサーバーの仕様が変わって書き込み出来なくなった専ブラとかあるらしい。
それかも。
>>346 言ったな?投下するって言ったな?
予告逃げはどこのスレでも一番ウザがられるパターンだかんな!
ある日の撮影中
丈夫さだけが取り柄と言ってはばからない裏方さんが
突然、何の前触れもなく倒れた……
ーードサッ
男「!?、おい裏方。大丈夫か!?」
裏方「うぅ……男さん……」
裏方「平気っす…ちょっと立ち眩みがしただけで…」
男「馬鹿、無理すんな!」
クー「すぐに医務室に運ぼう。男は頭を持ってくれ。私は足を持つ」
男「あぁ、分かった」
裏方「大袈裟っすよお…大丈夫っすから、下ろしてほしいっす…」
男「しゃべんな。安静にしてろ」
裏方「……すんませんっす」
クー「気にするな。今は何も考えなくていい」
裏方「……はい」
男「せーの、ヨイショ!」
クー「…異常に軽いな?お前、最近ちゃんと食事しているか?」
裏方「撮影の合間にちょこちょこと……」
男「そんなんだから倒れんだよ。行くぞ!」
クー「わっせ、わっせ」
裏方「うぅ……」
>>346 無知ですまんがガズボってなんだ
地方で獲れるマイナーな魚の名前か?
挿入の意、VIP発
詳しくはガズボズボでググれ
ガズボズボ無しのエロパロ書き溜めもう少しで終わるよ
ーーガチャ
男「……どうなんだ?裏方の容態は」
クー「うむ、それだがな。保健医の診断では、過労と軽い栄養失調だそうだ」
男「何だよ、ったく……心配かけやがって」
クー「こんな細い体で、なんでも抱え込むからな」
男「それがいけないっつうのに、つくづく分からん奴だ」
クー「私に言うな。起きたら本人に聞かせてやることだな」裏方「うぅ…ん…」
クー「噂をすれば、か。裏方、体はもう平気か?」
裏方「あ……クールさん……」
男「起きなくていいから、横になっとけよ?」
裏方「男さん……」
裏方「ご迷惑おかけしたっす…すぐ仕事に戻るっすから…」
男「馬鹿、そんなことしたらまた倒れんぞ!」
クー「過労と栄養失調との診断だったが、最近無理しすぎなのではないか?」
裏方「そうかもしれないっす……けど、裏方の仕事が出来るのは、自分しかいないっすから」
男「それで倒れてたら意味ねーだろが」
裏方「そうっすけど……」
男「とりあえず今日はもう仕事休め。社長には俺から話しつけとくから」
裏方「重ね重ね、ごめんなさいっす……」
一応アレなんですが、単発ネタじゃないなら、
ある程度まとまった量書きおえてから投下した方がいいですよ。
他の人の投下の妨げとかになったりしますんで、
物切れ投下はあんまり好まれる行為じゃないです。
ちょっと配慮してもらえると、皆幸せになれるんじゃないかと。
>>350 そうそう。魚の名前。
干潟の泥ん中に穴掘って住んでるんだけど、その穴に棒突っ込んだら餌だと思って食いついてくる
白身でテンプラとかにすると美味いんだけどキバがすごくて指噛まれたら病院に行ったほうがいい
顔だけ見るとエイリアンっぽい
>>354 すみません、エロパロ板不慣れなもので……
>>356 どんまい。
今後気をつけてくださいねー。
よろー。
>>357 ちなみに続きは明日書きます
重ね重ねすみません
裏方「男さん、クールさん、ここまで運んでくれてありがとうございましたっす」
クー「礼なぞいらない。お前がいなければ、撮影が滞ってうまくいかないからな」
男「そうだぞ。お前の体はお前一人のもんじゃないんだから、もっと大切にするんだぞ?」
裏方「はい……」
クー「横になれ、裏方。今は仕事のことは忘れるんだ」
裏方「じゃあお言葉に甘えて…ちょっと寝かせてもらうっす…」
クー「そうしろ。寝つくまで男がそばにいてくれるから」
男「え!?こういう時は女同士で看病するのが普通だろ!」
クー「そうしたいのは山々だが、私は次の撮影が差し迫っているのでな」
クー「君の出番は確か、一時間後くらいではなかったか?」
男「う……確かに今日のスケジュールではそうだったな」
クー「よし、決まりだ。たまには裏方にきちんと恩返ししてやるがいい」
男「その言い方だと、普段の俺が恩知らずみたいなんですが」
クー「言葉の綾だ、気にするな。では二人とも、また後で会おう」
裏方「はい、撮影頑張って下さいっす」
クー「うむ、では」
ガチャ
裏方「はぁ…」
男「どうした裏方、ため息なんかついて」
裏方「いえ…なんだか、こうしてただ寝てるだけっていうのは落ち着かないっすよ」
男「そうか、お前いつもコマネズミみたいに働き回ってるもんな」
裏方「そうっす。自分は裏方っすから、そうしてる方が性に合ってるっすよ」
男「だからって、体壊しちゃ本末転倒だな」
裏方「でも、自分に出来ることってそれくらいっすから」
男「んなこたねぇよ。お前はこの撮影所の、マスコット的存在だ」
裏方「なんか、コマネズミ呼ばわりされた後だと誉められてる気がしないっす」
男「充分褒めてるよ。裏方、お前は自分が思ってる以上に立派な仕事をしてるぞ」
裏方「……そっすか。なんか、照れるっすね」
男「お、顔が赤くなった。お前よっぽど誉められ慣れてないんだな」
裏方「もう、そういうとこばっか見ないで欲しいっす!」
裏方「……でも、男さんにそう言われてちょっとほっとしたっす」
男「なんで?」
裏方「自分は裏方っすから、自分の替えなんかいくらでもいるんじゃないかって、時々思うことがあったっす」
裏方「でも、さっきの男さんの言葉で、改めて自分の仕事に誇りが持てるようになった気がしたっすよ」
男「当然だ、お前の代わりなんか誰もいないよ」
裏方「えへへ、ありがとうっす」
男「………なぁ、裏方?」
裏方「何でしょう?」
ぎゅっ
裏方「ふあっ…?」
男「悪い。けど、少しだけこのままでいさせてくれ」
裏方「ど、どうしたっすか!?話しが全く見えないっすけど……」
男「いやぁ、なんつうか……気弱になってるお前見てたら、無性に抱きしめたくなってさ」
裏方「……駄目っすよ、男さん。あなたのお姫様は、自分じゃないっすよ?」
男「かもな。でも、今のお前に俺がときめいたのも間違いない事実なんだぞ」
裏方「……そんなこと言われたら、自分もその気になっちゃうっす……」
男「遠慮すんな、どうせここには俺ら以外誰もいないよ」
裏方「……はい、分かったっす」
裏方「自分が男さんの腕の中にいるなんて、なんか夢みたいっすよ」
男「夢じゃねえよ。夢なんかにゃ、絶対にさせない」
裏方「……嬉しいっす。すごくロマンチックっす」
ぐー、きゅるるる
裏方「……あ」
男「腹の音……裏方、今のお前か?」
裏方「……恥ずかしながら、その通りっす」
男「一気に夢から現実へ、だな」
裏方「うぅ…なんでいざという時こうなんすかねぇ…」
男「栄養失調だって言われたろ?なんか食うもんもってきてやるよ」
裏方「ごめんなさい、男さん。お心遣いはありがたいっすけど、今はこのままこうしていて欲しいっすよ」
男「けど、腹減ってんだろ?キャンディくらいしか手元にはないんだが」
裏方「我慢するのは、慣れてるっすよ」
男「つってもお前は病人だし……そうだ」
裏方「何かいい方法が浮かんだっすか?」
男「あぁ、空腹と愛情の飢えを同時に満たす方法だ」
裏方「なんっすか、それは」
男「まぁ見てろって」
続きはまた明日かな?
男「裏方、キャンディいるか?」
裏方「え?」
男「腹減ってるなら、キャンディでも腹の足しにはなるだろ」
裏方「あ、はい。頂くっす」
男「言ったな…」ニヤリ
裏方「え?」
カサカサ
男「あーん」
裏方「え、ちょ、何で男さんが食べるっすか?」
男「まぁ待てって」もごもご
男「裏方、こっち向いて」
裏方「何なんすかさっきから……んっ!?」
ちゅっ
裏方「!!」
ちゅ、ちゅ、ちゅく
裏方「……!……!っ!」
裏方「……ぷはっ!男さん、一体何っすか!?」
男「何って、体力の落ちた病人に口移し」
裏方「そんなことしなくても、一人で食べれるっすよ!」
男「いや、ごめん。ホントはただキスがしたかっただけなんだ」
裏方「キス?……自分なんかと、っすか?」
男「お前なんかと、だ」
裏方「……」
男「駄目だったか?」
裏方「い、いえいえ!全然駄目じゃないっす!」
裏方「ただ、初めてだったからもっとちゃんとして欲しかったっていうか……」
男「クス…じゃあ、こっから先はちゃんとお前の望み通りにやってやるよ」
裏方「は、はい!?」
ーードサッ
男「さぁ、どうしてほしい?」
裏方「え、まさかここでその、するっすか!?」
男「もちろん」
裏方「えぇぇぇっ!?」
男「ごめんな、弱ってるとこにつけ込むような真似して。けど、俺もう我慢できそうもないわ」
裏方「……こんな自分で、いいっすか?」
男「こちらこそ、こんな俺でいいのかって話しだよ」
裏方「そんな、自分はそういうつもりで言った訳じゃなく……」
男「分かってるよ。でも、確認くらいはしときたいだろ?」
男「裏方、いつも舞台裏で頑張ってるお前の姿を見てたよ。そんな健気なお前が、俺は好きだ」
裏方「……ありがとうっす。自分も、男さんのこと大好きっす」
男「裏方……」
裏方「あ、すみません男さん。ちょっと待ってほしいっす」
男「どうした。怖くなったか?」
裏方「そうじゃないっすけど、ちょっと静かにしといてもらえますか?」
男「……?」
裏方「そーっと、そーっと…」
ーーガラッ
友「おわっ!!」
俺「ぬあっ!?」
ウェックス「ひえぇ!」
裏方「お三方、こんなところで何してるっすか?」
友「いやぁ、撮影の合間にちょっと散歩を……ね」
男「友、俺、それにウェックスまで…」
ウ「ぼ、僕は覗きなんか止めようって言ったんですよぅ……」
俺「馬鹿、黙ってろ!」
裏方「デバガメなんて、関心しないっすねぇ」
男「お前ら、いつからそこにいた?」
裏方「多分一番最初からっす。なんとなく扉の向こうで気配はしてたっすから」
俺「いやあの、悪気は一切なかったんだよ。ただ男の帰りがあんまり遅いから心配でさ」
男「信じられんな。とりあえず二、三発しばいてやるから面ァ貸せよ」
三人「ひえぇぇっ!」
男「ということで裏方、ちょっと待っててもらえるか」
裏方「クスクス…はい、いつまでも待ってるっすよ」
男「ふぃー…あいつら、馬鹿なことしやがって」
男「すまん、裏方。遅くなった」
ーーがらん
男「あれ、もぬけの殻だ」
男「ん?」
『男さんへ。体調が良くなってきたので先に仕事に戻ります。看病ありがとうございましたっす!』
男「何だ、もう仕事に戻ったのか…」
『PS・さっきの続きはまた後で…』
男「……あいつって、こんなこと書くような性格だったのか」
男「……ま、後でと言うなら後で可愛がってやろうじゃないの」
男「さて、俺も仕事頑張ろっかなぁ」
スタスタ
ナイス!
裏方さんといえば絵師さんの絵がスゲーかわいかったなぁ
女「蟲毒、という呪術がある。壷にムカデやクモ、サソリ、蛙など毒を持つ小動物を入れて共食いさせ、
最後に残った一匹に呪いの力が宿るというものだ。それを踏まえ……貴方たちにはここでやってもらうことがある」
ツンデレ「な、なによっ!こんな場所にあたしたちを閉じ込めてどうしようっていうのよっ!」
素直クール「落ち着け、ツン。まずはこの女の言い分を聞こうじゃないか」
大杉×100「狭い!」「狭いわ!」「わたしたち、数合わせっぽくない!?」「ジッパヒラトカゲってやつね!」「ヒトカラゲ!」
ムスカ「ハハハ!新ジャンルがゴミのようだ!」
女「新ジャンル諸君。男にフラグを立てては折られる日々を送る諸君。このままでは我々にラブラブゲッチュな明日はない。
そこで、だ。今から君たちには殺し合いをしてもらう」
MMR「Ω ΩΩ<な、なんだってー」
素直ヒート「なッ!なんだってぇぇぇぇぇぇえええ!!!?」
軍オタ「ふん、バトルロワイヤルというやつか……面白い」
オカルトバカ「そして蟲毒の呪力を以って男さんを落とす力を手に入れる……と?」
女「理解が早くて助かる。彼のフラグクラッシャーを超えるにはもうこれしかあるまい。諸君の健闘を祈る。では、また」
ヤンデレ「いい機会だわぁ。雌豚どもめ、Nice boat.の意味を教えてアゲル……」
病弱「蝋燭は燃え尽きる一瞬が最も輝くのよ。ゲホッゲホゲホゴフゥ」
ゴジラ「アンギャァァァァァァァァアォォォァ!!」
騎士娘「いざ……勝負ッッッ!!」
…………………
……………
………
男「今日は誰もいないのか……静かだけど、なんか寂しいな」
女「わたしがいるぞ」
男「あれぇ、蟲毒さん。どうしたん?」
女「別に何も?さぁ、昼飯と一緒に食べようか。男の分も作ってきたんだ(ニヤリ)」
新ジャンル「蟲毒」
女「………………」
ヒュルルルルル……
ルルルルルル……
ルルルルルル……
ズドォォォォォン!!!!
男「………!!?」
男「………………」
男「………………」
女「………………」ムク
男「…………!!」
女「………………」ジー
男「………………」
女「…………////」
男「親方ぁ!空から女の子が!!」
親方「……もうそんな季節か」
王道ジャンル「空から女の子」
海魔との戦闘から丸一日経過した。
リューはフレズヴェルグで海上を漂流していたヒロトを回収し、
大急ぎで町に戻ってジョンの治療を受けさせたのだった。
幸いヒロトはすぐに回復したものの、ここでひとつ気が付いたことがあった。
剣である。
ヒロトは海底での一撃のあと、一度意識を失った。
そのため、手にしていた剣を落としてきてしまっていたのだ。
広い海の中から一本の剣を探すなど、砂漠で特別な一粒の砂を拾うに等しい。
残念ながら、ヒロトの剣は諦めるしかなかった。考えてみればヒロトがまだ魔獣を
退治して回っていた頃から背中に背負っていた剣である。『勇者』ヒロトのシンボルとも言えるだろう。
流石に執着というものを知らないヒロトでも寂しそうにしていると思いきや……。
「大丈夫だろ。明日あたり、武器屋で買ってくるさ」
「………………はい?」
戦士にとって。いやいや、それどころか戦いに携わる全ての人間にとって。
武器とは、己の命を預けるものである。どんなピンチであろうとも、強い武器を持っていれば
それを可能性は桁違いに上昇する。強力なモンスターに襲われたとして、手元にあるのが
銅の剣であるのと龍殺しの魔剣であるのと、どちらが心強いだろう。
いい武器を持つことは冒険者にとって常識以前の問題といえる。
まぁ、格好を付けて高級な武器を持っていても、使いこなせないのでは
持っているだけじゃ意味がないぞ、と皮肉を言われてしまうのではあるが。
それが勇者ともなればなおさらだ。
たとえば魔獣殺しの勇者であるところの槍姫ブレイズは雷神の槍グングニルを持っているし、
ニンジャ勇者のリューマは選定を受けた際にヒイヅルから八咫烏丸(ヤタカラスマ)という霊刀を始め、
手裏剣など様々な武器を授かったという。拳法を駆使し、身ひとつで闘う勇者パイフゥ・リーも同じ。
彼は籠手で拳を護ることによって、常に全力で闘うことができるのだ。
武具という点では、防具も武器も同じということだろう。
さて、そうなってくると気になるのは『はじまりの勇者』の再来とも謳われる勇者ヒロトが持つ剣である。
鉄より硬いドラゴンの鱗を砕き、首を刎ねた彼の剣はいったい、どんな伝説の剣なのだろうか?
「すみません。この剣見せてもらえますか」
「はいよゥ」
様々な種類の剣が壁に並んでいる。
【ブロンズソード】。多くの剣士がまず初めに持つ練習用の剣。斬り裂くというより殴りつける鈍器に近い。
【カトラス】。船乗りが好んで持つ片手剣。使い勝手がよく錆にも強い。
【シャムシール】。砂漠の戦士が持つ半月刀。ベストセラー冒険小説『千夜一夜』で一気に人気商品に。
【スティールソード】。一般的な、いわゆる鋼の剣。片手剣サイズと両手剣サイズの二種類がある。
【ヒルデガン】。伝説の刀匠カーペントが打った傑作。巨龍に踏み潰されても少しも曲がらない硬さを持つ。
壁に掛けてあった大剣をしばらく眺めていたヒロトは、カウンターで大きな鎖鉄球の
手入れをしていた老人に声を掛けた。
「どれだィお客さん」
「このスティールソード。ロングで」
「ちょっと待てい」
そこに、リオルが突っ込みを入れる。
きょとんとして振り返るヒロト。本当に何がおかしいのかわかっていない顔だ。
リオルはこめかみに手を当てて口元をヒクつかせながら、
「何?何なの?何のつもりなの、あんた」
「……何が?」
何がも何もない。普通そこで選ぶのはヒルデガンでしょう。
こういう場末の武器屋にまれに眠っている掘り出し物だ。
それも相当なもの。少しでも強い武器を、という冒険者のセオリーを完全に無視して
なんでわざわざ普通の剣を選びますかってなものである。
「そんなこと言っても、俺はずっとこの剣を使ってたんだが」
「そうなの!?」
リオルががーん、と驚愕に仰け反る。
灼炎龍リオレイアとしてヒロトと戦い、斃された彼女としてはそこはもっと
いい剣を使って欲しかったところだろう。ヒルデガンならいい。
なんか格好いいし、負けても仕方がないと思う。しかしスティールソードって。
渾身の火炎球もシッポでの一撃もスティールソードで弾かれたのか。
溶岩の海も泳ぐことのできる鱗もスティールソードで斬り裂かれたのか。
「あたしすげえ格好悪いじゃんかぁ………」
「そんなこと言っても、魔剣とか聖剣って扱いにくいんだよ。一度レーヴァテインとかいう
魔剣を使ったことがあるんだが、研ぎ方がやたら難しくて結局すぐに折れたしなぁ」
【レーヴァテイン】。黒い火焔を纏う伝説の魔剣。絡みついた炎は、敵を焼き尽くすまで決して消えない。
「結局、使いやすくて手入れが簡単で、どこにでも売っててそこそこ安いとなると
スティールソードが一番なんだ。特別剣にこだわりがあるわけじゃないし」
「………………………」
リオルはもう、脱力して立っていることもできずにがっくりと膝をついた。
そんなヒロトたちを見て、少し離れた場所で武器を眺めていたジョンは苦笑している。
「まぁ、ヒロトさんらしいといえばヒロトさんらしいですけどね」
「というか、確かリオルさんの……いえ、リオレイアの鱗は鋼よりも硬いんですわよね?
スティールソードでどうやって斬ったのかしら?」
顎に人差し指をあてて首を傾げるローラ。
「……まぁ、優れた魔女はデッキブラシで空を飛ぶ、という諺もありますし。
今までそのスティールソードで闘ってるヒロトさんを見てるボクらからすれば、
もうヒロトさんの規格外っぷりにツッコむのもいい加減疲れたというか」
「………………ですわね」
顔を見合わせてアハアハと笑い合うジョンたち。
確かにそうだろう。そもそも今、こうやって武器屋に来ていること自体が常人ならありえない。
何せヒロトはつい半日前まで、瀕死の重傷を負っていたのだから。
海魔との激突は苦戦を強いられた。
海魔ユエメイは不定形ゆえに、また島ひとつはあろうかという巨大さゆえに
非常に戦いにくい相手だった。戦闘に参加したリューには一撃粉砕の手段があったものの
それを使えば海ごと吹き飛ばされて大津波が起きてしまうし、ヒロトは途中で海に落ちて
深海に引きずり込まれ、あげく捕食されかけた。というか、された。
殲滅の決め手となったのは結局リューの奥の手だったわけだが、
それを可能にしたのはヒロトが深海からの一撃であり、海魔を海上に吹き飛ばしたからである。
海魔といっても風船ではない。巨体に見合った重量を押し上げ、
居るだけで潰れてしまいそうな水圧を撥ね退け、水の抵抗をものともせず、
海魔を吹き飛ばすにはいったいどれほどのエネルギーが必要だったのか。
全身全霊を掛けた一撃はヒロトから力を根こそぎしに、
あわやあと一歩で海の底でお陀仏、海の藻屑というところだったのだ。
その後ジョンのところまで連れ帰ってなんとか治療を受けたはいいが、
ヒロトの身体はずたぼろで、腱は切れ骨は砕け臓腑は破れ、血は肉の中で固まりと散々なものだった。
普通の人間なら生きているだけでも奇跡といえる、もし助かっても立ち上がるまでに
数ヶ月かかるような重症だったのが―――ああやってもうぴんぴんしている。
信じられない。たった一日、眠っただけで全快してしまったのだ。
人間の回復力ではない。
―――人間では、ない。
……それでも、ジョンもリオルもローラも、それからヒロト自身も
その強靭と称するにも躊躇われるような肉体に特に疑問は感じていないようだ。
ヒュドラの毒にも耐え切った常識外れの生命力の前に、
それこそ今さら何を驚くことがあるだろうか、というように。
「………………………」
それは、リューも同じだ。以前なら気にも留めていなかっただろう。
――――――以前なら。
リューは、昏い瞳でヒロトを見つめている。
『魔界勇者』。
それが、ヒロトに取り憑いた力の根源である。
『魔界勇者』―――神々の光を以ってヒトの世の秩序を守護する神聖勇者と対を成す、魔と闇に仕えし魔王の騎士。
考えてみれば辻褄は合う。
ヒロトがヴェラシーラの勇者に選ばれたのは、腕の立つ剣士だったからではない。
勇者としての働きを期待されたからではない。単に王女たるローラに惚れられ、
国の将来の邪魔になると考えられたからだ。少なくともヴェラシーラにいた頃、
ヒロトは強いといってもヒトの域を出る剣士ではなかった。騎士団にも入らず剣術は独学。
たとえ天賦の才があったとしても、その時点ではヒロトより強い戦士など山といたことだろう。
各地のヌシを倒すなんて芸当、逆立ちしても不可能だったはずだ。
魔法水晶でヒロトを初めて見かけたあの時、スライム一匹に苦戦していたあの姿を思い出すまでもない。
そう。まさにあの時。
リューは自分とヒロトの間に繋がりを作ってしまった。
孤独の魔王の心に留まった、ある駆け出しの少年剣士の姿。
目が合った。
黒い鏡のような、覗き込めばこちらの顔が映りこむような澄んだ瞳。
こういうものも一目惚れと言うのだろうか?
ヒロトをはっきりと好きだと言える、今ならわかる。
あの時確かに、リューはヒロトに好意を持った。
それが、全ての始まりだったのだ。
『魔界勇者』―――デモンズ・ヒーロー。
……なんだ、それは。
笑ってしまう。
奇跡だと思っていた。運命だと思っていた。星が瞬くのを見て溜め息をついた。
それは、全て。魔王という血が動かしていた箱庭の中での出来事だったというのか……!!
ふざけるな。
リューの胸の奥底がかっ、と熱くなり、同時に氷水を被ったように冷たくなっていく。
自分の心の、最も神聖な場所が。なんだか酷くつまらない、滑稽なものになってしまったようで。
それでも、リューはヒロトが好きだった。それは間違いない。今だってもちろん、リューは
ヒロトのことを想うだけで切なくなる。それはどんなに貶められられようが否定することはできない。
この先もずっと、ずっと、リューの中心を温め続けることだろう。
――――――だが。それは。
「……リューさん?」
ジョンが心配そうに訊いてくる。
はっと我に返るのと、唇から零れた血がつうっ、と一筋流れ落ちるのは同時だった。
痛みを感じる。どうやら気付かないうちに唇を噛み締めていたらしい。
「どうしたんです?」
「………いや、なんでもない」
「なんでもないって」
といっても流石に短い付き合いじゃない。
首を振って誤魔化すも、誤魔化しきれるものではなかった。
リューははぁ、と溜め息をひとつついた。そして、既にローラがその場から離れていることを確認する。
ローラは……と。いた。
「雷鳴剣シャンドラ……ボルテックもだいぶ痛んできましたし、買い換え時ですかしら?」
真剣な眼で自分用の魔法剣を品定めしていた。
魔法剣士である彼女にとって剣は魔法使いの杖にもなる。そのため、普通に使っているより劣化が激しいのだ。
特に最近は主にヒロトとの相性の問題で剣士としてではなく魔導師として術を使うことが多かったので、
ローラの使う雷と相性のいいボルテックも刃こぼれがしてきたらしい。
しかしやはり魔法力を付加させた武器は大きな町に行かないと満足な品揃えは難しいのか、
ローラは少ししかない雷剣の前で眉間に皺を寄せている。
「あー、爪がある。ドラゴンクロウだー。懐かしー」
ちなみにリオルはかつて龍人形態に変身できなかった当時、好んで使っていた武器を眺めて喜んでいた。
ヒロトと初めて遭遇した当時、激情に任せて変身したのも随分前の話。
ちなみに今のリオルに武器はもちろん必要ないので完全な冷やかしである。
ヒロトの方を見ると、自分の身長ほどもありそうな長剣を棒切れか何かのようにひゅんひゅんと振り回している。
その剣捌きに武器屋の店長らしい老人は感心したように目を丸くしていた。ジョンたちからすれば………
特に、深海の海魔を海上まで吹き飛ばしたあの一撃を知っているリューにしてみれば今さら何を驚くのか
といったことだが、こんな場末の武器屋にしてみれば重い大剣を軽々扱う膂力の剣士は珍しいんだろう。
もっと重量のある、そしてもっと高価なウォーハンマーやバトルアックスを勧めて断られている。
思わぬビジネスチャンスを逃すまいとしているが丸出しだ。
まぁ、何を勧められてもヒロトはロングソードしか買わないだろうが。
話を聞いているのがジョンしかいないのを確かめて、リューはぼそり、と呟いた。
「………ジョン・ディ・フルカネリ。貴様は自分の生まれを呪ったことはあるか」
「ははぁ、魔王に生まれるんじゃなかったと思っているんですね?
普通の女の子だったなら普通の恋ができたんじゃないか、とかそういう類の悩みですか」
「………………………」
察しが良すぎるジョンにがっくりと肩を落とした。
「お前なぁ」
「あ、すみません。図星でしたか」
「………………………」
図星というか―――まぁ図星のような、図星じゃないような。
微妙にズレているような、そのくせそこが核心ではあるような。
まぁいいか。どうせ全てを明かそうなんて思っていないのだ。
「でも、そうですね。ボクはあまりそういうことを考えたことはないかも知れません。
ラルティーグという国の錬金術師の家系に生まれて、生涯を研究に捧げるよう生まれた時から
―――いえ、きっと生まれる前から決まっていましたから。子供の頃なんて、遊ぶ暇もなく勉強漬けでね。
自分と同い年くらいの子供が遊んでいるのを窓から眺めて、それを少し寂しく思ったりもしましたけど。
勇者に選定されて、リオルと出会って。ラルティーグに生まれなければそんなことはなかったんですから。
それは、リューさんだって同じでしょう?」
それは。
「ああ―――そうだな」
その通りだ。
魔王に生まれなければ、ヒロトと出会うことはなかった。
ヒロトに力を求められ、こうして共に旅をすることもなかった。
魔王だから、ヒロトの傍にいられる。魔王だから、ヒロトの力になれる。
それは間違いない。だが、それはそもそも―――。
所詮、リューの側からの視点に過ぎない。
ヒロトは?
魔王に魅入られなければ、ヒロトは普通の剣士としていられたのではないか。
魔獣たちと戦うこともなく、血を浴び肉を断つこともなく。千切れかけた腕が再生するような、
人外の力も持ってしまうことはなかった。バケモノと呼ばれることもなかったはずだ。
ヒロトが受けた痛みは、そして、これから受ける痛みは。リューに咎があるとしたら。
リューは、それが、とても悲しい。
「それでも納得がいかないなら、そうですねぇ。ローラさんに相談すれば、
きっとボクより遥かに明確に、わかりやすく答えてくれると思いますよ?」
結局ヒロトはそのままスティールソードを購入し、午後は男女別れての行動となった。
使命を終えた勇者は聖堂教会に報告を入れねばならず、
『海魔は魔王が跡形もなく消し飛ばしました』と事実を伝えるわけにもいかないので
一応、ヒロトはジョンと協力して海魔を退治したと報告することにしたのである。
偽りの報告を嘘をつけない性格のヒロトがするのは若干不安があったが、
まぁ魔獣退治には定評のあるヒロトが言うこと、疑われはしないだろうというのがジョンの意見だった。
ちなみに彼らは知らないことだが、この任務は端っからヒロトたちの監視を目的としたものであり、
ヒロトの上げる報告が嘘だということはあっという間にばれてしまったりする。
それどころか、嘘の報告をしたことがかえって聖堂教会の中での
ヒロトを立ち位置を危ぶめることになるのだが―――。
それはまた、別の話だ。
それだけの用なら別行動を取る必要もないのだが、ヒロトはどうも、
ジョンと一緒に調べたいことがあるらしい。それはあの海魔に吸収されかけたとき、
流れ込んできた記憶の中にあった『鬼形腫』という言葉に関するものだというのだが、
苦手なデスクワークだといち早く察したリオルは当然同行を拒否。
普段なら喜んでついていきそうなリューは何故かリオルと共に残ると言い出し、
折角だからとリオルはローラも強引に誘って海水浴をしようと提案したのだった。
目の前に広がる穴場的ビーチ。
ローラも女の子だ。申し訳なさそうな顔をしながらも、ちらちらと海に目を向けていた。
そうして、野郎たちが宿をあとにした後、少女たちは焼けた砂浜を走っていったのだった。
「ッッッしゃぁぁぁああオラァァァァァアアア!!!!」
リオルがわけのわからない雄叫びをあげながら海に突撃する。
今回は前と違って水着で、しかも自由時間だからいつもに増してフリーダムだ。
打ち寄せる波にスライディングタックル。拍子に鼻に潮水が入ったらしく苦しそうに咳き込み、
なにくそ、と再びダイブして見事に波に弄ばれている。
「あはははははははは!!」
全身で海を満喫しているリオルであった。
「超楽しんでますわねぇ」
ローラも凹凸の激しい滑らかな肢体を惜しみなく晒す水着姿で、歩くたびに揺れたりする。どことは言わないが。
さぞ浜辺の視線を独り占めと思いきや、つい先日、というか昨日まで海魔が暴れている水域だったので
旅行者も冒険者もローラたちだけだった。基本的に漁師の町なのでゴージャスとは程遠いにしても、
玉のように瑞々しい肌は目に眩しい。見るものがいないというのももったいないものだ。
「………で、リューさんは何をしていますの?」
「うるさい。放っておけ」
やどかりになっていた。
もとい、やどかりみたいになっていた。
岩の上で膝を抱えてじっとしている。何をしているのかわからないがローラとて海で遊びたいのだ。
そう言うのならお望み通りに放っておいてもいい。しかしここで放置しておくと経験上
またこの娘はぐだぐだと考えてますますヘソを曲げるだろうし、何よりここは海だ。
今のリューは小一時間ほどでフジツボが生えそうな勢いである。いくらリューとはいえ
フジツボが生えるのは余りに憐れだ。お腹がよじきれるくらい。
「また何か拗ねていますの?ヒロト様に何か言われました?胸がないとかペタンコだとか
海に来たのに平原を見るとはこれいかにとか」
「殺すぞ」
「冗談ですわ」
リューが目を三角にして睨むと、ローラは肩をすくめてリューの隣に腰を下ろした。
寄せては返す波の音。
磯の香りが鼻腔をくすぐり、足元を小さな蟹がちこちこと歩いていく。
リオルはといえば海に潜って魚を追いかけたり、拾ったヒトデを沖に向けて遠投したりしている。
海なる場所に始めてきた彼女だが、カナヅチではないらしい。そういえば以前に立ち寄った温泉で、
故郷では火山の温泉湖で泳ぐのが好きだったと言っていたっけ。
「………………………」
「………………………」
二人はしばらくそのまま無言でいたが、
「―――ローラは、ヴェラシーラに帰ったらどうするつもりなのだ?」
ぽつり、と。
リューはやがて、そんなことを呟いた。
「はぁ?」
「いつかの話だ。いつまでも旅を続けるわけにはいかんだろう。ヴェラシーラに戻って、
王女に戻って―――それから?どうするのだ。本気で、ヒロトを王に迎えるつもりか」
リューはローラをじっと見つめている。ほとんど睨みつけているような視線だが、
ローラにはその瞳の奥に何か敵意ではない悲しみのようなものが見えた気がした。
冗談で流せる話ではない。そして………きっと、これが本題でもない。
だからローラは、頷いた。
「ええ。私はヒロト様を夫に、ヴェラシーラ王にするつもりですわ。
私は、あの方を愛しています。ヒロト様を夫にして、傍にいる。それが私の野望ですわ。
誰がなんと言おうと―――邪魔はさせない。文句は、言わせない」
野望。
まるで町娘のようなことを、炎ような生気を滾らせてローラは言う。甘いだけではない。恋とは覇道なのだ。
特に、この少女にとっては。恋する乙女でいることに全力を尽くす、尽くさなければならない環境に彼女はいた。
それがローラの強さだ。王ではあるがひたすらに孤独で、そして気ままだったリューとは違う。
「………しかし、どうやって。ヒロトは勇者であり、強い剣士ではあるだろうが………少なくとも知る限り、
政には向いていなさそうだが。人間の上流社会とはそう簡単なものではないのだろう?」
リューはなんとなく、以前関わった貴族のピーターのことを思い出していた。
貴族でありながら畑を耕し、ゴーレムを使って野菜の自動生産を計画していた変わり者。
そのためにあらぬ噂を立てられ、ピーターは血の繋がった一族からも疎まれていたという。
それが元々異国の民であるヒロトならどうだろう?しかもややこしいことにヒロトは
ヒイヅルで朝廷と敵対しテロ活動を働いている組織の中枢の血を引いているのだ。
叩いても埃は出ない誠実な男ではあるが、火にないところに煙を立たせる、
生き馬の目を抜くような世界でどう扱われるかはわかりきっている。
「言ったでしょう?誰にも文句は言わせないって。私はヒロト様をヴェラシーラに必要な人間にする。
そのために王城を抜け出してヒロト様の後を追ったのですもの」
「そうだったのか?」
「ええ。ですが、その必要もなかったわけですが」
ヴェラシーラに必要な人間。それは王ということか?いやしかし、王となるために理由を作るいう話。
ようは、王がヒロトでなくてはならない理由ということか。勇者である―――ことは、大した理由にはならない。
確かに偉業ではあるだろうが、政とはあまり関係ないように思える。では、なんだろう?
「貴方ですわ。リュー」
「我?」
きょとんとして聞き返す。
ローラは頷くと、誇るように笑顔を浮かべた。
「ヒロト様は自力で貴方との絆を作っていた。リュリルライア―――魔王との絆をね。
ヒロト様を王族に引き込めば、それはつまりヴェラシーラと魔王、ひいては魔族と関係を築くことになる。
聖堂教会をどう黙らせるかが今後の問題になりますが、現時点ではそれを無視できるほどの
メリットがあります。反対できるものは、まぁいないでしょうね」
「………………あ」
思わず声が出た。
そういうことか。ヒロトを、リューとの関係ごと王家のカードに加えるつもりなのだ。
魔王とは魔の闇の全てを支配する者。押さえられるなら、それは世界の半分を手に入れたようなもの。
しかも。ヌシたる魔獣は世界各地に存在するのだ。彼らを制御できれば、各国に
どれほどの恩を売ることになるだろう。ヴェラシーラの力は一躍トップに躍り出ること間違いなしだ。
「これは国益の問題でもありますからね。ヒロト様が何と言おうと、逃がす気はありません。
ヒロト様を利用するようですけどね。そうでもしなければ、私とヒロト様は結ばれはしないでしょうから」
ローラは一国の姫君として、そして驚くべきことに同時に一人の少女としてそう頷いた。
ヒロトが勇者に選定され、引き離されてからローラが何を思ったのか知らない。
確実に言えるのは、その間にローラは確実に強くなったに違いないということだ。
それがリューとは違う、恋する王女の気高さの秘密。
「………すごいな、ローラは」
リューは、しみじみと呟いた。
ローラはそんなリューの隣で苦笑して、
「別に。そうでもないですわよ」
「え?」
思わず顔を上げてローラを見る。ローラはどこか寂しそうな顔で肩をすくめてみせた。
「ヒロト様はきっと、それを望まないでしょうからね。ヒロト様はこうやって旅をして、
目の前で自分の力を発揮できる環境にいる方が好きなのですわ。ヒロト様は居場所を必要としない抜き身の剣。
ヒロト様が、魔王という力を求めたように」
魔王という、力。
リューはどきりとして身を固くした。
魔界勇者のことは、ローラは知らないはずだ。それどころか魔王に
選定される勇者の存在を知っている人間は誰一人いないだろう。
魔王侵攻と呼ばれる災厄の中で、人間を裏切って魔王と共に戦った人間のことは
聖堂教会の発行している聖書にも書かれていない。人間の歴史には必要ないと判断されたのだろう。
魔王は、人間にとって脅威でしかない―――その方が都合が良かったのだ。
それでも、リューがヒロトに力を与えたことは変わりない。
………ヒロトが、リューの力を求めたことに変わりない。
「私は、ヒロト様に決して求められない。私では、あの方の剣にはなれない―――。
リュー。私は貴方が羨ましいのですわ。ヒロト様に必要とされる貴方が、とても」
ローラは心からの言葉でそう言うと、視線を海に戻した。
リューの方からは、ローラがどんな表情をしているのか見えない。
しかし、なんとなく知りたくないような気もした。
何故って、リューも似たような顔をしているに違いなかったから。
リューは。
「―――その『力』が、ヒロトを不幸にするとしてもか」
え、と。
ローラの声が聞こえた。
目の前には、海が広がっている。
「我はローラのようにはできない。我と共にいても、ヒロトの前にあるのは戦いのみだ。
今までどれだけヒロトが傷つき、血を浴びてきたことか。我がヒロトに力を与えれば、
ヒロトはその力を自分以外の者のために使おうとするだろう。己が傷ついても構わない、とな。
確かにヤツは強い。だが―――それは、傷ついてもいいということにはならない。
何より我は、ヒロトに傷ついて欲しくないのだ。そうだろう、ローラ」
「………………………」
ローラは、応えない。
「さっきの話を聞いて思ったよ。ローラなら、ヒロトを幸せにできる。
ヒロトはきっと、誰かが見ていてやらねばならんのだ。抜き身の剣の鞘となるように、
誰かがヒロトの居場所になってやらねば、ヤツはきっといつまでも戦い続けてしまう。
だから、ヒロトの為を思うなら―――我はヒロトの傍にいるべきではない」
そこまで言って、リューは俯き、唇を噛んだ。
そうとも。それがいい。昨日だってそうだ。ヒロトは海魔を倒すために、何の逡巡もなく
自分の命を犠牲にしようとした。そういうヤツなのだ。だったら、ヒロトに力なんていらない。
ヒロトの命を危ぶめるような力なんて、必要ない。必要なのは、ヒロトを幸せにできる者―――ローラだ。
そうだろう、リュリルライア。
リューは、そう自分に言い聞かせ、
「そうですか。だったら、ヒロト様は私が貰いますわ」
「え?」
あっさり言ってのけたローラの言葉に驚いて顔をあげた。顔をあげてから、はっとなる。
ローラが呆れたような顔をしていたからだ。ヒロトがローラのものになる―――それは
リューが言ったことなのに、舌の根も乾かぬ内にもうコレである。いや、嘘を言った覚えはない。
リューなりに真剣に言葉を紡いだつもり……なの、だが。
「………あのね、リュー。自分がヒロト様を幸せにできないとか、何を言っていますの?
自分でも納得できないようなことを口にするような真似はやめてくださいます?
仮にもライバルとしてこっちが恥ずかしいですわ」
「い、いやその、冗談で言ったつもりは………」
「お馬鹿。リューがヒロト様のことを諦められるわけないでしょうが。
だって貴方、ヒロト様のこと大好きでしょう?」
「………………………う」
それも他でもないローラに言われて、リューは首筋まで赤くなった。
ヒロトのことを諦められるわけがない……と、いうより。ヒロトがいない世界など
考えられないといった方が適切か。そんなこと、想像するだけで胸の奥が痛くなる。
こんな痛みを抱えて生きていくのはリューには耐えられないだろう。
初めから、リューにはヒロトと一緒にいることを諦める選択肢などなかったのだ。
しかし、ローラにこんなにも早く見破られるとは。自分でもわかっていなかったのに。
「だって、私もかつて歩んだ道ですもの。諦めることをやめた……とでも言うのでしょうかね。
リューが何を思い悩んでいるのかは知りませんが、少なくとも諦めることだけはおやめなさいな。
そんなこと、貴方には絶対に無理です」
きっぱり言われる。
なんだかむず痒く、リューはムニャムニャと口を動かした。
「私だってそうですわ。私は、けっしてあの方を諦めない。ヒロト様は私の中心ですから。
いつか―――絶対に。ヒロト様の居場所になってみせますわ」
そうして、ローラは挑むように笑った。
綺麗だ。
そんなローラを、リューは同性でありながら心からそう思った。
羨ましいのはリューの方だ。ローラのその強さが、リューにはたまらなく羨ましい。
しかしそれは妬みではなく、憧れや尊敬という、もっと晴れやかな感情だった。
ヒロトとリューの間に絆が生まれたのは事実。確かにヒロトのバケモノのような能力は
リューによってもたらせられたものかも知れない。しかし、そこから先はヒロトの選択だ。
魔界勇者など関係のない、ヒロトの意志。
そして、リューがヒロトを好きになったこと。
それもまた、魔王とは関係のないリューの想いだった。
「諦めるのをやめた……ね」
ぽつり、呟いてみる。
どうすればいいかなんて、まだわからない。
でも………なんとなく、心が軽くなった気がした。
「ありがとう。ローラ」
「構いませんわ。お友達でしょう?」
友達って。こいつはまた……。
少しだけ頬が熱くなるのを自覚し、それに気付かれないように目の前に広がる青に目をやる。
―――そこでは、足が攣ったらしいリオルがばしゃばしゃと暴れていたのだった。
デモンズフレンド〜新ジャンル「親友」英雄伝〜 完
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
俺は信じてたよ!
キタ―――――(゚∀゚)―――――!!
リュー可愛いよ、リュー
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(・∀・)----------------------------------------!!
なんかこういろんなアレがGJ!
( ´ー`)y-~~ ふぅ…
お前さんがいなかった3週間、寂しかったぜ……
GOD JOB!!!
『はじまりの勇者』の再来と、人は言った。
勇者ヒロト。
人間離れした膂力を持つこの剣士は、信じられないことに剣一本のみで各地の魔獣たちを殲滅してきたという。
己の何倍もある魔獣の巨体を斬り裂き、首を刎ね、血の雨を浴びる姿は時に戦鬼と恐れられるほどで、
しかし風のように現れては風のように去っていく。そのストイックさに憧れを抱く者は決して少なくなかった。
実際、積極的に人に関わろうとせず、それでも弱きを助ける彼はまさに勇者の鑑といえるだろう。
たった独り。
蒼い鎧に紅のマントを棚引かせ。
人々が『どうにもならない』と思っていることを根こそぎにしていく抜き身の剣。
それでよかった。
人々は英雄を求めていたのでって、人間を求めていたのではなかったから。
勇者を選定する制度の起源にしても、『正義の味方』たる勇者は偶像である方が都合がいい。
ヒロトが何を思い、何を信じていたのか。剣を振るい、血を浴びるとき何を思っていたのか。
それを憂う人はいなかった。
だから。
ヒロトが紅の髪の少女を連れて現れたその時に。
何かが変わり始めたのだと、聖堂教会は考えた。
――――――アレは、何だ。
「知るかっつーンだよなぁ」
七人の勇者が一人、パイフゥ・リーはオープンカフェテリアのテーブルの上に顎を乗せて愚痴を零した。
口にくわえたフライドポテトを食べるでもなくぴこぴこと動かし、ぐだー、と突っ伏している。
はっきり言って行儀が悪い。
「………フゥ。行儀、悪い」
「食わないんなら私が食ってやるぜ?フゥ」
フゥの両サイドに座っている双子はフゥの連れだ。
短い単語だけで喋る氷のようにクールな女の子が姉のヤオラン。フゥのバーガーに
手を伸ばしている火のように活発そうな少女は妹のシォン・シォンである。
纏う雰囲気に違わず、傍にいるとなんとなく涼しくなったり暑くなったりして忙しい。文字通り。
フゥがぐだぐだし、シオンの伸ばした手がランに叩かれているのは
この三人組にとっていつもの光景だったりするが、今日同じテーブルについているのは三人だけではない。
「じゃア俺は姐さんのを貰おうカ」
「………………………」
「突っ込みなしカ。それガ逆に怖いナァ」
黒衣の背中に十字紋様。神父のような格好の長身の青年は、実際に聖堂教会の神父だったりする。
影から突然湧いてくるという術を駆使して人を驚かせるのが好きなこの青年の名はレイジュ・ランディス。
その隣に座っている、長い蒼髪を高い位置でひと括りにしている、男もかくやという凛々しさを湛えた
男装の少女はブレイズ・トゥアイガ・ジャルシア。元々は一国の姫君だったほどの血筋である彼女だが、
しかし姫などという甘い空気は一切持ち合わせていない。触ればそれだけで殺されそうだ。
ブレイズはどうやら機嫌が悪いらしいと見て、レイジュは首を引っ込めて自分の豆パンに齧りついた。
この二人もフゥと同じく勇者の肩書きを持つ選ばれた戦士である。実力はフゥと同じか、いやそれ以上か。
顔を合わせたのはつい先日のことだが、フゥはもちろんそれを見抜いていた。
しかし―――それでも。
世界は広いものである。
彼らが集められたのはある勇者の、正確に言えばその仲間の一人を監視し、正体を見極めるためだった。
フゥもランもシオンも、なんでそんなことにわざわざ勇者たちが集められなければならないのかと呆れたものだ。
監視の対象になった勇者はヒロト。なるほど、今期の七人の勇者の中でも最強と謳われた剣士だった、
正直その評価には納得がいかなかったが、桁の違う実績を見ると何も言えなくなってしまう。
なんだ、火龍とタイマン張って首を刎ねるって。人間か、それ。
聖堂教会はヒロトに海魔の殲滅という使命を与え、彼らはその裏でヒロトと、
任務に同行していた目標の少女を悟られないよう監視することになったのだが。
「あンなんもう、決まりっしょ。人間じゃねっつーの」
集められた勇者たちの予想を、疑惑を抱いた聖堂教会の予想を。遥かに上回るほど、少女は桁が違った。
島ほどあろうかという海魔の巨体を一撃で吹き飛ばす圧倒的魔力。
アレは空に放たれたからよかったものの、たとえばこの街に向かって放たれたなら建物はひとつ残らず壊滅、
更地になるどころか谷かと思うような巨大な大穴が穿たれることだろう。
もし聖堂教会の疑惑が杞憂だったとしても、あの少女は存在するだけで立派な脅威である。
「イヤ、今のところわかっていルのはアレが俺たちとでも比べ物にならなイ、
おそらくは歴代の魔導師たちの中でも最強の魔法使いであル……というところまでだヨ。
現状では聖堂教会ハ、未だその先に達してはないと考えるだろうネ」
が、その聖堂教会総本部がある聖教国ナルヴィタートの勇者であるレイジュは首を振るのだった。
その弱腰に、一行の中でも特に気の短いシオンは不満そうに唇を尖らせる。
「シオンちゃんそんな顔しないデ。慎重、と言って欲しいネ。仕方ないだロ、
なんせアレに掛けられている疑惑は聖堂教会の、イイヤ人間の天敵―――……魔王か否か、なんだカラ」
「――――――………」
ぼそり、と呟いたレイジュの言葉に緊張が走る。
特にそれまで食事にも手をつけずにじっと目を閉じていたブレイズの肩がぴくり、と動いた。
が、魔王、という単語に顔色を変えているのはその場にいる全員だ。彼女の反応に誰も気付かない。
勇者ヒロトが魔王と行動を共にしている―――かも、知れない。聖堂教会が抱いているのはそういう疑惑だ。
そう。聖堂教会はまだヒロトが連れているあの少女が『どっち』なのか掴みきれずにいる。
決定的な証拠は未だないし、確かめようにも下手なことをすれば火傷では済まない相手だ。
魔王城にでも潜りこんで不在かどうか確かめられればいいのだが、それも簡単にはいかない話。
それに、まず可能性があるということ自体。
聖堂教会にとって、いや世界にとって大きすぎるほどの問題なのであった。
――――――そもそもの、話。
勇者ヒロトは元々魔王退治を言い渡されて選定された勇者だった。
だが、少し考えればわかることだが、実のところこの使命は実行不可能なのだ。
何故なら、かつて―――人間がまだ世界という概念もなく、国というレベルの
コミュニティさえ持っていなかった時代。人間たちを滅ぼそうとした恐るべき魔王は
神々の祝福を受けた勇者の【聖剣】によって既に倒されているのだから。
それ以来魔王は一度も現れていない。
そう。魔王が未だ存在していると考える方がおかしいのである。
いないものを退治することはできない。
それもそのはず。
この使命は訳あって罪人にはできない者(例えば正当な王位継承の邪魔となる側室の子)を、
それでも無理矢理国外に追放するために使われるものなのだ。
ヒロトは移民の子でありながら王城で暮らしていたが、
それは豪放磊落なヴェラシーラ王が認めたことであって決して後ろ暗いことはない。
問題は。ヴェラシーラ王の一人娘、つまり王女たるローラ姫がヒロトに恋をしてしまったことだった。
ヴェラシーラ王はそれでも機嫌よく笑っていたらしいのだが、さすがに国益にプラスになるものが
何もないと判断した大臣たちは策謀を巡らせ、ヒロトを勇者として追放することに決めたのである。
ヒロトもそれは承知していたのか、ヴェラシーラを出てからは長く各地を放浪していた。
知られているように人間たちの生活を脅かす魔獣たちを倒して回り、
一騎当千の活躍から魔王を倒した『始まりの勇者』の再来とまで呼ばれるようになったのはこの時期だ。
その評判に違わず、紅のマントを翻し、背中の剣一本で自分の数倍はあろうかという大きさの魔獣を
討ち取っていく姿は伝説に謳われる英雄そのもので、ここ百年でも指折りの『模範的な』勇者だったといえよう。
しかしある時、勇者ヒロトはぱったりと行方をくらませてしまう。
奇しくも大陸の最北端、魔王城があるとされる『最果て』に最も近い町を最後にして。
英雄の活躍をサポートするという名目で勇者の動向を常に監視している聖堂教会だが、
勇者の行動を完全に把握できるかというとそうでもない。姿を見失うのもしばしばである。
一応、公式には勇者はどんな組織にも属していないという立場なので聖堂教会も密着して勇者を
マークするわけにはいかず、現在地を把握するためには勇者自ら『祝福を受けに』教会に
足を運んでもらうしかない。ほとんど義務に近い『推奨』だが、それを守らない不良勇者も当然存在する。
ヒロトの場合、同期にリューマ・イシカワという勇者がいたので姿を消しても特に問題視はされなかった。
なにせリューマはあまりに連絡が取れないので一時期死亡扱いにさえなっていた勇者なのである。
それに比べればたかが数日、数週間。ヒロトが消えたとしても誰が不思議に思うだろう。
誰もヒロトの動向を気にしないうち、ほどなくしてヒロトは姿を現した。
傍らに、炎のように鮮やかな髪を持つ少女を連れて。
それからだ。何かが変わり始めたのは。
ヒロトは極力魔獣を倒さなくなった。一度剣を抜けば巨大な火龍だろうが両断したあの戦鬼が、である。
そのくせ各地は変わらず放浪し、その土地で最も強力な魔獣を探しているようだった。
それで何をするかと思えば、特に何をするでもない。ヒロトが去った土地では
変わらずその魔獣は目撃されたりする。ただ、妙に大人しくはなっているようだが。
一体何をしているのかは、誰にもわからない。
勇者ジョン・ディ・フルカネリが仲間に加わったこともそうだ。
ラルティーグの勇者が長年賢者の石を研究しているのは聖堂教会も知っている。
ただ、何故それでヒロトの仲間にならなくてはならないのか。ヒロトはジョンのように研究職ではなく、
完全な戦闘職の勇者だ。ヒロトと仲間になってもジョンには何のメリットもないだろうに。
そしてヴェラシーラの王女ローラ姫が彼らと接触し、パーティに加わった。
ローラ姫はもともと勇者ヒロトに執心していたようだったので、これは特に問題視はされていない。
ローラ姫がヴェラシーラ王城から抜け出した日は国中大騒ぎだったようだが、それは聖堂教会とは関係のない話だ。
ちなみに現在ローラ姫が勇者ヒロトと共に旅をしていることを(無論、秘密裏に、だが)
ヴェラシーラ王は黙認していたりする。ヴェラシーラ王も各国を旅しては家来の目を盗み
独りでそこいらをうろついて回るという悪癖があので有名だ。それで知り合った剣士を
自分の側近にしている辺り、懐が深いのかそれとも馬鹿なのか。
これだけ特異な人間がヒロトの周りに集まる中、ついに事件は起きた。
ローラ姫がヒロトたちと接触したと思われる最初の夜のことである。彼らが滞在していた湖の町の、外れ。
水量が減って小さくなった湖にあわせるように町は形を変え、そして捨てられた古い廃墟街。
一夜にして、その町が根こそぎに破壊され、壊滅したのである。
廃墟街だけあって犠牲者はいない。ただ、湖の町の住民や停泊していた大勢の人々が
廃墟街の方で何かとてつもない大爆発と、天に向かって逆さまに昇る雷槌のようなものを目撃している。
どうも攻撃魔法のよう、だが、そんな規模の破壊を可能とする魔法使いは聖堂教会でも把握している。
今回の爆発はその誰とも当てはまらない、まったくの未知の魔導師によるものだった。
未確認の魔導師は一体何の目的があって廃墟街などを吹き飛ばしたのか。
そして重要なのは、勇者たちのすぐ近くで起きたこの謎の爆発だということ。
はたして、これは彼らとは無関係なのだろうか?
それだけではない。渇きの国の上空に現れたという謎の巨大龍。
襲い掛かる炎の津波から街を守るように張られた、大聖城クラスの結界。
クシャス温泉を襲撃した灰色のドラゴン。消滅した湖。
そして―――【事象崩壊】。
ここで聖堂教会の違和感は確信に変わった。
常闇が侵食し、『存在する可能性』そのものを曖昧にして崩壊させる創世の大魔道―――事象崩壊。
幸いそれは世界を飲み込むことなく、ごく一瞬で終わったものの、それを可能とするのは魔王を措いて他にいない。
倒されたと思われていた魔王は、現代にも存在するのだ。
いや、確かに一度倒されてはいるのである。ということは、甦ったのか。
何故?永い眠りから何故今、目覚めたのか?
度重なる調査、世界中で起きた魔獣絡みの事件。『原因不明』として
倉庫にしまわれた過去のデータを徹底的に洗い直し、そして浮上したのが勇者ヒロト。
その傍らにいる、少女の存在だった。
――――――アレは、何だ?
「聖堂教会はアレの身元を秘密裏に調査したガ、結局アレがどこの誰なのかわからずじまいだっタ。
今まででわかっているのは『正体不明』だというこト、そして少なくと記録にある限り
最強クラスの魔法使いだというこト。ソレがこれまた最強クラスの勇者と一緒にいル。
確かにどっちにせよ脅威といえば脅威なのに変わりないだろうナ」
レイジュがウンウンと頷いている。
「だろォ?」
「しかシ、ソレでも魔王であるよりは随分マシダ。聖堂教会が
魔王に関してどれだけ神経質になるかハ、聖堂教会の歴史を顧みればわかるだロ」
「………まァ、そりゃ、そォだろーけどさ」
独特のおかしなトーンで話すレイジュの言葉に、フゥは顔をしかめた。
聖堂教会は、正確にはその前身となった組織は、勇者を中心として魔王に対抗するために作られたものなのだ。
魔王という存在は聖堂教会にとってのトラウマといえよう。そりゃあ、慎重にもなるというものである。
「………それに今、聖堂教会は魔王なんぞに構っているほど暇じゃないんダ」
レイジュは声のトーンを落とし、低く呟いた。
「――――――………」
「――――――………」
ラン、そしてシオンの顔が鋭くなる。
一瞬ひやり、と冷気が霧を作って足元に流れ、熱気が陽炎となってゆらり、と揺らめいた。
フゥはそんな姉妹に目をやって静まるよう言外に伝え、変わらない口調で、
「苦戦してンの?ラルゲリュウス聖下」
「連中、基本的に交渉の余地なんてナイらしいからナ。文字通り雲の上の連中と、
ソレでも『対話』してくださっていル。昔から頭が上がらんヨ、あの人にハ……」
「………ふぅん」
フゥはなんとなくレイジュの僅かに細めた目が気になったが、詮索するのはやめて曖昧に頷くに留まった。
ラルゲリュウスの『対話』が求めるところは、自分たちの目標でもある。
ランとシオン、フゥが連れる双子の姉妹を振り返るまでもない。
彼女たちの生まれ育った村―――オーカ帝国の異形の里を思い返すまでもない。
フゥはそのために。人ならぬ人々を守るために、勇者になったのだから。
それはきっと、『妖人』であるレイジュ・ランディスも同じなのではないだろうか。
「………」
フゥはなんとなく、そんなことを思っている。
その時、それまでずっと黙ったままだった蒼髪の槍姫ブレイズが口を開いた。
「―――それで結局、魔王への対応はどうなるんだ?」
フゥたちはブレイズに顔を向け、目をぱちぱちと瞬かせた。
ブレイズも瞑想するかのように閉じていた目を開き、静かにフゥたちを見つめ返している。
ブレイズの瞳には炎が揺らめいている。髪の色と同じ、静かで冷たい蒼い炎が。
そんな彼女の眼光に射すくめられてしばらく誰も返事をしなかったが、
「……もうしばらくは様子見だそうダ。少なくとも、こっちから手を出すような真似は
ご法度だろうナ。下手に刺激して暴れられたら、それこそ洒落にならなイ。
もし本当に魔王だったとすれば世界の終わりに直結ダシ」
レイジュがとりあえず聖堂教会の方針を説明した。
フゥたちは何か言いたそうにむにゃむにゃと口を動かしたが、文句は言えない。何せ仕掛けても
勝てる見込みはほとんどないのだ。幸い今のところ暴れまわっている様子もなし、
少なくとも対策が練られるまでは何もできなくてもやむなしといったところだろう。
………ああ、対策といえば。
「そーいやァ、レイジュ。あいつどこに行ったンだ?」
聖堂教会に集められた三人の勇者、その仲間であるランとシオンを含める五人の監視とはまた別に、
知らない少年が同じ任務に就いていたのだ。
いわゆる美少年で、柔らかな物腰に気取った口調という印象。なんとなく、フゥはいけすかないと感じていたが
その底知れなさに怯んでしまったことも否定できない。虫も殺せないような優顔のくせに、
本能的なところで危険だと感じるような不思議な少年だった。不気味とも言う。
「っつーか、あいつ結局誰だったん?お前のツレ?」
フゥはレイジュが例の少年を見て驚いていたようだったのを思い出していた。
フゥとレイジュは今回の任務で顔を合わせたのが初対面だったが、
なんとなくレイジュのそういう反応は珍しいもののように感じたことを覚えている。
レイジュは、これもきっとそうあることではないだろう、困ったように苦笑いし、
「テイリー・パトロクロス・ピースアロー。………お偉いさんだヨ。まぁそのうちわかるだろうサ」
と答えた。よくわからない。
「あの人ハ聖堂に残ってるってサ。何の用かは、俺は知らないけどネ」
「あいつ、自分がいれば何とでもなるとか言ってたけど―――」
例の少女が海魔を消滅させたあと。
誰もが度肝を抜かれる中で、あの少年だけは想定の範囲内とでもいいたげに静かに微笑んでいた。
それがまた不気味で底知れない。
「正直、私は信じられないぜ。あんなの、フゥの方が強いに決まってる」
「………同感。虚勢」
シオンとランはぶーぶー言っていても、フゥはその点については何も言う気になれない。
龍の鱗をも砕くこの拳。決して己が最強とは思っていなかったが、
こうも実力者を何人も前にすると流石に怯んでしまうフゥである。
まぁ、底知れないといっても、あの威力の魔力砲を放つ少女を
どうにかできる存在がいるとは思えないのだが………。
「あー……まァ、その辺のことも含めて、後々わかってくると思うヨ」
「なンじゃそら」
「何其」
話は続いている。
「………………………」
しかし、もうブレイズは聞いていない。また黙り込み、瞳を閉じて意識を内側に向けている。
ブレイズは聖堂教会にも報告していないことだが、一度例の少女とは接触しているのだ。
勇者ヒロトとも、一度刃を交えている。
だから、なんとなくわかる。
聖堂教会はまだ彼女が『どちらか』なのか判断できずにいる―――その答えを。
あの少女が、正真正銘に魔王であるということが。
『あ、はぁ―――』
頭の中で、声がしていた。
『そぉぉオよねぇ。私たちの目標はもともと同じもの。そォでしょう、ブレイズ?いえ……フレイア?』
この声を、知っている。
ジャルシア王家の血に巣食う、古代の怪物の声だ。
ブレイズに絶大な力を与え、代償として精神と肉体を蝕む悪魔の声だ。
国に帰るため、使命を果たすために何度この声の力を借りたか知れない。だが。
『それも最後―――かもねぇ?貴女の目標(しめい)と私の目標(やぼう)、その両方が目の前にいるのだから』
「………………………」
そう。
ブレイズの血に棲む悪魔は、魔王の槍であるデ・ミ・ジャルグを欲している。
魔王を模して造られ、しかし魔王になれなかった彼女は。
代わりに、最強の証としてその槍を手に入れようとしているのだ。
そして、ブレイズの目標も魔王にある。
ブレイズもまた、勇者ヒロトと同じ。
永久追放の『魔王退治』を定めとして選定された勇者なのだから。
『いないものを退治することはできない』。
実現不可能な使命だから、ブレイズは代わりに聖堂教会の手足となることで国にいる病に臥す母を救おうとした。
だが、だが―――もし。もしも。それを果たす機会があるとしたら……?
(………………………いや。オレには)
『迷う余地なんてない……わよねぇ?あ、はぁ―――ははは、ははっ、ははは、はは―――』
ブレイズの頭の中で。
耳障りな笑い声はいつまでも。
いつまでも、響いていた。
礼拝堂。
地方に建てられている教会よりも大きく、複雑な構造をしている聖堂の中でも
最も広いスペースを取られている部屋である。
かつて勇者によって世界が救われたという英雄譚や神々が残したありがたい説教を神父が語るのだ。
これは聖堂ではなく普通の教会でも同じ。唯一例外なのは聖堂教会の本部たる大聖城くらいなものだろう。
というのも、大聖城に入ることが許される人間はみな徳の高い神官ばかりであり、わざわざ説教を聴かなくとも
自分たちできちんと修行できるからである―――と、いうのが一応の理由である。
その大聖城セントレイ・ピアラの、地下。
大聖城に出入りする神官たちも何人その存在を知っているかわからない聖堂教会の最深部にも
立ったことのある少年は、礼拝堂の椅子に腰掛けて聖書のページを捲っていた。
テイリー・パトロクロス・ピースアロー。
神々に選定されし秩序の剣、『神聖勇者』たる彼は、実のところ神官たちが毎日一度は目を通すこの聖書を
今まで読んだことがなかった。それで、ここの聖堂の神官が持っているのを見つけて、
余っている聖書を貸してもらったのである。そこに描かれていたのは、魔王の恐怖と神々の加護、
輝かしい勇者の活躍。そして勇者が掲げる聖剣に集い、人々が協力し合う姿。
特に最後のそれは凶悪な魔王を退ける成果をもたらし、聖堂教会が教義とする協和の『聖訓』と掛かって
特に重要な部分とされている。
聖堂教会の象徴である十字紋様も、もともとは天に掲げた勇者の聖剣が元になっているのだ。
ヒトが集い、力を合わせる象徴―――それが、聖堂教会の十字紋章なのである。
「………………………」
テイリーは広い礼拝堂でただ一人、聖書のページを捲っている。
テイリーを照らす光はステンドグラス。小さな硝子の欠片は見る者全ての人間が溜め息をつくような
美しい模様を描き、その中心には大きな十字紋章。いや―――十字紋章ではない。十字の線が重なる場所、
そこに埋め込まれている宝玉こそが中心。そしてよくよく見ればスレンドグラスを
構成する小さな硝子たちを区切るラインがほのかに青く光っており―――。
不意にぱたん、と聖書を閉じた。
「神殿で聞いていた話と随分違うね。さて、真実はどちらなのかな?」
誰もいない礼拝堂に話しかける。だが当然のように、
『事実とは見方を変えるだけでくるくると顔色を変える。神々の語る歴史と我々の語る説教、
そのどちらも真実なのだよ。ただし、聖書には我々に都合の悪い真実は書いていないだけでね』
返事は返ってきた。
顔をあげる。そこには、さっきまではいなかった筈の老人が立っていた。
豪奢な法衣に冠。しかし、彼がここにいるはずがない。彼は聖教国ナルヴィタートの大聖城に
篭っているはずだ。ここからセントレイ・ピアラまでは飛龍を飛ばしても五日はかかるほど遠いのだ。
それに良く見れば彼の身体は透けており、そこにいるのにいない、幽霊のように存在感が気迫というか―――。
「やあ、ラルゲリュウス聖下。待っていたよ」
『聖皇』ラルゲリュウス。
聖堂教会の総帥であり、実質世界中で最高の権力者である老人に、テイリーはにこやかに微笑んだ。
『遅れて済まなかった。準備に手間取ってしまってね』
世の神官たちが聞けば目を剥くような無礼な態度だが、ラルゲリュウスは気にした様子もない。
やや疲れたように肩をすくめ、笑う。
「構わないよ。僕もいい暇つぶしができたしね」
テイリーはそう言って聖書を置いた。
席を立ち、こつ、と床を鳴らす。それまで味気ない石畳だった礼拝堂の床は
ステンドグラスと同じ青いラインが走り、複雑な模様を描いていた。その中心はやはり宝玉。
礼拝堂の天井に張り付いて全体を見たのなら、そこにはひとつの大きな魔法陣が見えることだろう。
テイリーはそれと同じものをみたことがある。大聖城セントレイ・ピアラの、その地下で。
ラルゲリュウスは遥か遠い大聖城と、この聖堂を接続してしまっているのだ。
「―――E.D.E.N.の新機能か。通信技術と魔法を併用することによってどんなに距離が離れていても
リアルタイムで会話ができる。人間の技術力っていうものはすごいんだねぇ。
こんなこと、それこそ『伝達の神』に匹敵する力だよ?」
テイリーがぱちぱちと手を叩くと、ラルゲリュウスはゆっくりと頷いた。
『神々の社で育ったキミが言うのなら確かなのだろうな。私たちの悪あがきも
そうそう無駄ではないということだ。それなら我々の長年の努力も報われることだろう』
ラルゲリュウスの顔にはその努力と苦労が深い皺となって刻み込まれているが、
種を明かしてしまえば仕組みは意外と単純だったりする。大地を走るマナの流れ―――東方では『龍脈』と
呼ばれるそれを利用し、あらかじめ作っておいたポイントで作動するよう術式を組んでいるのだ。
これがE.D.E.N.と呼ばれるシステムの正体。『龍脈』を利用して世界中に情報を行き来させる、
E.D.E.N.に関わる全ての基礎だ。『楽園』とはよく言ったものである。
ただし、E.D.E.N.というシステムを実現させるには当然土地の確保が必須であり―――そのために
おびただしい血も流れている。聖堂教会に協力的ではない、その土地に棲む魔獣を神と崇める民族は
聖堂騎士団を派遣して排除した。国と国が潰し合う戦争を煽り、終戦後にE.D.E.N.を置くことを条件にして
秘密裏に戦闘職の勇者を送り込んだりもした。
すべては、世界をひとつにするために。
「………………………」
その辺りの血生臭い『苦労』を、なんとなくテイリーは悟っている。
ヒトとヒトが殺し合う、その過程で。幾人ものヒトが不幸になったことだろう。
世を呪い、ヒトを呪い。血反吐を吐きながら死んでいったことだろう。
だが。
テイリーは今や、聖堂教会と剣となっている。
狭い視界では何もわからない。元より自分は、神々に無色の力として鍛えられたのだ。
何が正しく、何が間違っているのか―――それはテイリーが判断することではない。
下界に降りてきたばかりのころ、テイリーが思い知ったのは正義を執行する難しさだった。
とりあえず困っているであろう人間を見つけては手を貸していたものの、
彼らは後々もっと酷い状況に陥ることが多かった。
ある村を支配していた悪徳神官を殺したらその村が無秩序状態に陥り、暴漢と化した村人を
さらに何人も殺さなくてはならなくなったり、二人の男が言い争っていたので仲裁したら
矛先がこっちに向いて襲い掛かってきたので、結局二人とも殺さなくてはならなかったり、
町を襲っていた盗賊団を皆殺しにしたらその兄弟分が復讐としてその町に火を放ったり。
ヒトを助けたいと神々の社を出たテイリーだが、入り組んだ人間の社会は複雑で、
さらに神々の追っ手もかかり、困っていたところを―――聖堂教会に『保護』されたのだ。
「ヒトが為―――それならば僕も協力を惜しまないよ、ラスゲリュウス聖下」
それを、テイリーはとても感謝している。
今の彼は抜き身の剣。過ぎたる力には鞘が必要だ―――そう、ラルゲリュウスは言ったのだった。
確かにそうだ。特にビジョンのないまま剣を振るより、聖堂教会の剣となって動く方が
効率がいいに決まっている。それに、神の追っ手から身を隠す場所も必要だ。
その点でも聖堂教会はまさにうってつけと言えた。
『………ところで、テイリー。例の少女は、どうだった』
そして、聖堂教会にとってもテイリーは強力なカードだ。闘神と互角の戦闘力を有する彼は、
うかつにヒロトを動かせない今、聖堂教会が持つ最強の駒……ジョーカーとも言える。
聖堂教会にとってはまさに天から降りてきた思わぬ拾い物だ。
特に―――人間の天敵、魔王に対しての。
『勇者ヒロトは魔王を呼び覚まし、その配下に下ったと思うか』
「………さぁ、どうかな。直接見たわけじゃないから僕にも何とも言えないな」
テイリーは肩をすくめた。嘘は言っていない。万一にも勘付かれないよう距離を取って身を隠し、
さらに結界を張って遠見の術を用いての監視だったのだ。映像でこそ見れたものの、
少女が持つ魔力の質や気配はこちらからも察知することはできなかった。
「ただ」
『ただ?』
監視任務を与えられた他の、人間に選定された勇者たちは少女の魔力砲を見て驚いていたようだが、
テイリーはむしろそこに至る直前を見ていた。島ほどの巨体を持つ海魔が空に吹き飛ばされた。
海魔は藻の怪物で、飛び上がったりするような身の軽さは持ち合わせていないはずだ。
あれは、単純明快。海の底から何者かが海魔を押し上げたのである。
そのエネルギー量は火山の海底爆発、地殻変動にも匹敵するだろう。
無論、人間にできる芸当ではない。しかし。
テイリーはそれを見て、彼の所業だと悟っていた。
三日月のように、笑みが、浮かぶ。
「ただ、少なくともヒロトくんが彼女に従っているということはないと思うよ」
『………というと?』
「考えてみればそうだろう。相手が何者であれ、アレだけの魔力の持ち主だ。魔王だとすればなおさら、
わざわざ人間の側のルールに従うことはない。なのに、アレは今までずっと大人しく旅をしてきた。
今回だってそうさ。勇者の使命にアレがどうして同行しなきゃならないんだ?アレが彼氏を
従えているんじゃなく、勇者ヒロトこそがアレを制御しているのなら話は通る。実際、彼が
訪れた土地は魔獣被害が激減しているんだろう?考えられない話じゃあない」
『………………………』
ラルゲリュウスは押し黙った。
これでいい。これでますます、聖堂教会はヒロトたちに―――ヒロトに。手出しできなくなった。
ヒロトが魔王の調停者だということは、テイリーはかなり確信を持っている。魔界勇者として
覚醒しかかっていても、自分のように能力だけ手に入れてなおかつ自我は保っているに違いない。
テイリーはたった一回会っただけのヒロトのことをそこまで高く評価していた。
アルラウネスの森で遭遇した剣士。
テイリーが初めて出逢った『好敵手』。
ヒロトが聖堂教会に完全に黒だと思われるのは、テイリーとしてもうまくない。
『………保留にしておくにはあまりに厄介な相手だが、仕方があるまい。我々には
時計の針を進める余裕などないのだからな。彼らにはせめて、こちらの準備が整うまでは
大人しくしておいて欲しいものだ。キミの【聖剣】もまだ使えないのだろう?』
聖剣、か。
「まぁ、ね」
テイリーは頷くと、ぴっと人差し指を立てた。その指先に雪のように光が集まる。
だが、その光はすぐにぱきん、と硝子が割れるような音を立てて砕け散ってしまう。
テイリーはきらきらと零れる光の粒子を見送ると、肩をすくめてみせた。
「流石に最強の聖剣だけあって扱いが難しくてね。錬成に苦労しているんだ。
完璧に扱えるようになるのは、まだちょっと先になるかな」
『そうか―――いや、それならいい。どうせ【歌姫】もまだ舞台には入っていないんだ。
必要なことがあれば何でも言ってくれ。【聖剣】がカードとして使えるようになれば我々の計画も
ようやく完成が見えてくる』
ラルゲリュウスは大きく息をついて、見上げた。
その瞳の先に映っているものは、聖堂の天井ではない。
ラルゲリュウスが実際に今立っている、大聖城の地下。
聖域と名付けられた秘密の部屋に設置されたE.D.E.N.の中枢―――。
あの、ヒトという種族の運命を決定する玉座が映っているのだろう。
『もう少し、もう少しで………ヒトは全てから開放され、本当の自由を得ることができる。
世界に光あれ。人類に祝福あれ。もう何者にも脅かされない楽園が―――そこまで来ているのだ』
ラルゲリュウスは高らかにそう言い、両手を広げた。
ステンドグラスの光が差し込み、そんな彼をまるで聖者のように照らしていた。
ラルゲリュウスの姿が消え、テイリーは再び礼拝堂に一人になった。
「………………………」
テンドグラスを見上げる。実際は、それはE.D.E.N.の魔法陣の回路(ライン)を
カモフラージュするためのものらしかったが、それでも美しいことには変わりない。
そこに、手のひらを掲げる。光の粒子がテイリーの手に集まってゆく。
掴む。
手の中にあるのは柄の感触だ。光が結晶となり、柄、鍔、そして刀身―――金色の剣が顕現する。
光の剣。それは前にするだけで息をするのも忘れるような、神々しいの一言に尽き、
見るものがいるなら誰もが口を揃えてこう言うだろう。
【聖剣】だ、と。
そう。これが。
これこそが。
神聖勇者にのみ抜くことを許された伝説の剣。
かつて『はじまりの勇者』が携え、魔王を斬り裂いた最強の剣。
――――――名を【エクスカリバー】という、世界を救った光の聖剣――――――。
「………既に錬成に成功しているのですか。『はじまりの勇者』と呼ばれたかの剣士も、
そんなに早くエクスカリバーを抜くことはできなかったでしょうに」
不意に、声がした。
振り返るまでもない。テイリーにとって母であり、姉であり、そして師でもある存在。
神々の社からテイリーを追って地上に降りてきた戦女神の一人、ルヴィシスである。
しかし身構えたテイリーに彼女は手を出そうとせず、それどころかテイリーの助けとして
神族側の情報をテイリーに流すというスパイ役を買って出ていた。今はテイリーに関する
偽の情報を神々に吹き込むために神殿に戻っていたはずなのだが、どうやら帰ってきたらしい。
無論これはルヴィシス一人の働きではなく聖堂教会の協力も得てのことであり、
すぐには足がつかないように手配してある。神々も闘神や天使兵を使って情報を集めているようだが、
滅多に地上に降りることのない彼らが自力でテイリーを見つけることは不可能だろう。
「ルヴィシス様。どうでした?久しぶりの神殿は」
「何も変わっていませんでしたよ。神々は変化を嫌いますもの。
イレギュラーな存在を許さない……だからこそ、貴方を探している」
ルヴィシスはそのままこつ、こつ、と歩き、テイリーの背中にそっとその身を寄せた。
女神の美しさは変わらず。その表情だけに、女の儚さを含ませて。
「―――闘神ヴルドーラが派遣されることに決まりました。一応、人気のないところに
誘導してはおきましたが、彼は目的を果たすためには何をするかわかりません。
ラルゲリュウスに連絡を取って対応するよう求めなければ」
「いや、いいよ。迎え撃とう」
ルヴィシスは顔をあげた。
テイリーはどこか遠くを見つめていた。同じ方向に顔を向けるが、
ルヴィシスにはテイリーが何を見ているのかわからない。
ヴルドーラはテイリーの師の一柱でもある。四本の腕にそれぞれ神剣ヴァジュラを持ち、
強靭な肉体と山をも動かす怪力を誇る荒神だ。いくら神聖勇者であろうとも、捕まれば最期。
人間の身体など簡単に両断されてしまうだろう。受け流がして隙を突こうとも、
触れるだけで破壊される攻撃からは逃れることはできない。
「“剛よく柔を断つ”……か」
テイリーは懐かしそうに目を細めた。
それから楽しそうに、本当に楽しそうに笑い、
「エクスカリバーの力も確かめたいし、何より………『彼』を想定した戦闘を積めるかもしれないしね」
ぺろり、と唇の端を舐めた。
そして、廻る歯車〜新ジャンル「くるくる」英雄伝〜 完
ヲタ「………」
DQN1「アイツ、昼休み中ずっとiPod聞いてるよな」
DQN2「しかも机に突っ伏したままな」
DQN1「話しかけないで〜、みたいな?」
DQN2「ホントは起きてるんだぜ」
DQN1「マジ?寝たふり?」
DQN2「そんで、アニソン聞いてるんだぜ」
DQN1「あれだろ?あれ。緑の髪横で縛ってる……」
DQN2「初音ミクな。絶対そうだよ」
DQN1「今、丁度曲作ってるから完成したら聞いてもらおうぜ」
DQN2「いいなそれ。身内だけじゃどうしても甘くなっちまうもんな」
DQN1「前うpしたヤツ、ボロクソに叩かれたもんな」
DQN2「自演してもどうしようもなかったしな」
DQN1「五年くらいぶりにマジ泣きしたな……」
新ジャンル「オタDQN」
お前さんがいなかった3秒間、寂しかったぜ……
ってリアルタイムktkrΣ(゚Д゚;
Gj!Gj!
いよいよ歌姫が登場するのか!?
男「俺のために毎朝みそ汁を作ってくれ!」
女「キュン!」
男「と、これは日本の伝統的なプロポーズです」
女「……………え?あ、うん、そうだね。うん。わかるわかる。わかってるからねわたし」
男「何を慌てているのか知らんが、しかし今日びこんな台詞は時代遅れだと思うんだ」
女「というと?」
男「朝飯にめざしが出てきたような時代ならともかく、現代において朝飯が和食とは限らないだろ」
女「昨日の残り物のカレーとか?」
男「朝飯のチョイスとしてはちと重いが……まぁ、そうだな。洋食派の人もいるわけだし」
女「あー」
男「パン。牛乳。ベーコンエッグ。サラダ。みそ汁。ヨーグルト」
女「軽いドメスティックバイオレンスだね」
男「だろ?」
女「なるほど……じゃあ、コーンスープ……とか?」
男「俺のために毎朝コーンスープを作ってくれ!」
女「……レ、レトルトのやつなら……なんとか」
男「失敗だな」
女「失敗だね」
男「じゃあ、何だろう」
女「子供とか」
男「俺のために毎朝子供を作ってくれ!」
女「朝からですか!?お盛ん!」
男「……普通に、毎朝朝食を作ってくれ、でいいんじゃね?」
女「あ」
新ジャンル「プロポーズ」
「くるくる」てアナタ!なんかシリアス展開だぞ!
ひょとしてまとめに入ってる?
とりまGJ!
ところであのー、
あの湖の街での天輪は山崩しただけじゃなかたっけ?大方空を撃ち抜いた感じだったし。
大人はうそつきではないのです。間違いをするだけなのです…… by荒木飛呂彦
と思って見直してみたら一応町にも当たってたw
ローラに挑発されて最初に撃ったやつな。イメージとしてはラピュタのロボット兵の光線みたいな感じ
久しぶりに読んだら必死にリューをヤンデレにしようと頑張ってる俺がいた。
あーそうか読み直したらそうでしたわ
いやちょうどその辺りをゴニョゴニョw
男「男には……一日に一回!必ずやらなくてはならないことがある!!」
男「そう!それはオナニー!生命の神秘を果たすとき!
男は雨上がりの森よりも静かな心で一日を終えることができるのだ!!」
男「ハァハァ………」
男「ハァハァ………」
男「ハァハァ………」
男「ウッ!」
女「今よッ!私!インターセプトォォォォォ!!!!」
男「え?お、女さん?どうしてここに!?っていうか、ちょ、待、俺今ヤバいから!」
女「説明しようッ!インターセプトとはッ!!球技に於いて相手のパスを奪うプレイ……っていうか
パスカットの格好いい言い方である!!」
男「あっ!?ティッシュ!ティッシュ返して!」
友「違う!女の真の狙いはお前だ!気をつけろ男ォォッ!!」
男「え!?」
女「遅い!男くんの精子は貰ったァァァァ!!」
友「し、しまったーッ!!」
女「あーっはっはっはっは!この精子はあとで美味しくいただくとするわ!それじゃあ男くん!また会いましょう!」
シュバッ!
友「くッ……!俺は親友失格だ……またお前を守れなかった!」
男「えーっと、お前どっから入ったの?」
新ジャンル「インターセプト」
女「おっはよー(性的な意味で)♪」
男「ああ、おはよ……」
女「何よぅ、元気ないじゃん(性的な意味で)」
男「お前は元気すぎるんだよ」
女「徹夜でもしたの(性的な意味で)?」
男「……お前、来週からテストなんだぞ」
女「えー。だって来週からじゃん(性的な意味で)」
男「そう言っていっつもお前は前日になって泣きついてくるんだろうが!」
女「そんなことないよぅ(性的な意味で)」
男「言ったな?言ったな?よし、今回はノート見せてならないからな」
女「えー!?そりゃないよぉ(性的な意味で)!!」
男「もう遅いわ!せいぜい後悔するがいいわ!」
女「やだやだぁ!ちゃんと見せてよぅ(性的な意味で)!男くんお願いだよぅ(性的な意味で)!
大事なトコロ、ちゃんと見せて欲しいのぉ(性的な意味で)!!」
…………ざわ……ざわ…………
……ざわ………ざわ………
男「なんか誤解されてるゥゥゥ(性的な意味で)!!」
新ジャンル「(性的な意味で)」
女1「………わたしは三点」
女2「………私は五点」
女3「………十点」
女1「………」
女2「………」
女3「………」
女1「……代表は、わたし……」
女2「……くやしい……」
女3「でも、仕方ない……」
女1「……わたしがリーダー」
男 「さいですか」
新ジャンル「三点リーダー」
女「たーかくん(はぁと)」
男「…何だよ」
女「ね、ね、セックルしよ?」
男「お前なぁ…朝ぱらからキャピルンで言うことがそれか」
女「えー?だってほら朝だから元気でしょ?ねぇねぇしよーよー」
男「なぁ天理さんや」
女「なぁに?」
男「今日は何の日かな?」
女「ん?えぇとねえぇ、体育の日でしょ」
男「そうだが違う」
女「それからーマグロの日とか缶詰めの日とか…あ、そうそう知ってた?萌えの日なんだよ!
あとエドウッドの誕日なんだよね」
男「どれもそうだが違う!中間だろが」
女「一文字勇人の誕生日…え…」
男「お前の魂胆は見え見えなんだよ、俺は答案用紙にお前の名前書く気なんか無いからな!」
女「えー…だって基本だと思うんだけど、ネタ的に。つかさぁ今迄こんな展開が無かったのが
おかしいとか思わない?」
男「それを言うなら『プール行く前にセックルしようぜ』って俺が言うのが普通だろ、板的に。
つか何にしても今更なんだよ!」
新ジャンル「入れ代わりカップル…そういやそういう設定だったなぁ」
女「あーもうどうしよう、ねぇなんかヤマとか教えてよぉ」
後輩女「って一年の教室まで来て何言ってるんですかぁ、そう言う話しなら大和先輩とか
すすきさんとかにして下さいよ」
女「ダメダメ、どいつもこいつも『お前の為にならない』とか『自業自得』とかさぁ。
もう神様仏様って感じなのよぉ!」
後輩女「はぁ」
女「だからさぁ、ほら、ココに居るじゃない、神頼みなんだから…」
後輩男「で、俺っスか」
女「そうよ!あんた神社生まれだから霊感くらいあるでしょ!」
新ジャンル「無茶振り」
つまり今日はツナ缶を擬人化して萌えるのが正しいんだな?
俺「ツナ…ツナツナ、となぁツナでなんか萌えるモン無いか?
…いかんもう時間がぁ!」
妄想妻(以下妻)「そりゃツナで萌えといえばツナ子よねぇ?」
妄想2号(以下2号)「ねぇ」
俺「はぁ、なんだそりゃ」
妄想3号(以下略)「つまりーツナの女性化キャラですよん」
俺「ツナ缶って男なんか」
妻「ちがうわよぉ、ばかねぇ、ツナっていえばリボーンじゃないの」
2号「ランボさんもいるぞ!」
俺「リボーン?…ああ…ってどんなだっけ」
4号「…毎回死にそうになる…」
3号「違うわよ死ぬ気でしょう」
2号「んでイクスバーン!」
俺「毎回死にそうになってイクとバーン…ううむ…なんとエロイ」
妻「は?」
俺「つまりあれか、こぉすっごく敏感で全身性感帯の塊みたいな子なんだな!
それでこぉ後ろから「ふっ」って息かかけられただけでこぉビビッ!となって
『もぉ、何すんだよ』とか頬を赤らめながら怒るんだけどそれがお前又、えらく
かわえーのな。
んで『いやジョダンだよジョーダン」とか言うと『もう』とか言うのな。」
俺「そんでまた向こう向いてる隙に『だーれだ』とかいいながら胸をこうぎゅと
すると『あっひゃぁん!」とか変な声出したりするんだな。
『あーごめんごめんちっさいから目と間違えたー』と言うだよ。
したら『お前!もうゆるさないんだから!』とかなんだけどそこはほら
男と女じゃん、いつのまにか組み伏されてちょと涙目なんかになったしで怒ってるの
それでさすあに悪いなぁとか思って『ゴメン、ゴメン、な、これで機嫌直せ』
とかいいながチューすんの。
したら『もうそんなで誤魔化され…あん、…んつ』とかこxぞいきおいベロチューに
移行。
5分くらいベロベロチューチューで唇が痺れるくらいになたころにはもう顔真っ赤にして
息も絶え絶えなわけじゃん、もうジュンジュンな訳じゃん。
『機嫌直ったか?』って聞くと『ふん!』とか言うのな、まだ。
んだもんだkら『もー機嫌直せよー』とか言ながらギューってしながら、チューしながら
こぉひそかにブラのホック外しとくのな。
んで『なんだぁ機嫌直ってるんじゃん!だったほらココこんないビンビンだもん!』
ってTシャツを捲りーの、ブラもついでに上に外しーので出てきた可愛いビンビンに
立ってるティクビちゃんをこういただーきますとだなぁ
(以下12548文字省略)
…んで、『イク、、イクゥゥゥウウ!イっちゃう!死んじゃう!』とまぁ、こうなるのか」
妻「はいはい、もうお好きに」
2「…バカ?」
3「つかもうツナのツの字も無いんじゃ」
4「…死ねばいいのに…」
5「出番が」
6「無かったー」
新ジャンル「ツナでハァハァ」
カツオ「ビンナガ!」
ビンナガ「…うそ!?」
カツオ「驚いた? ウフフ…驚くに決まってるわね あんなことがあったのだから」
ビンナガ 「どうして…」
カツオ「私、やっぱりシーチキンだったの お客様が認めてくれた、見て! 缶もここに!」
ビンナガ 「そんな…そんなこと」
カツオ「今度こそ胸を張って言えるわ。私はカツオ、シーチキンンマイルド(はぁと)
よろしくねビンナガ♪」
ビンナガ「うそよ、あなたがシーチキンだなんて…そんなこと」
カツオ「どうして?」
ビンナガ「だってあなたはまだカツオじゃない… 身が大きくほぐれている…
シーチキンは究極の少女ツナ缶を目指して作られた缶、あなたは…私たちとは違う」
カツオ「…やっぱりそうなの 私のこと、ずっとそう思っていたんでしょう、自分より劣る
かわいそうな缶だと 」
ビンナガ「それは…」
カツオ「優しい言葉をかけたのも 手を差し伸べてくれたことも私を哀れんでいただけ
上から見下ろして満足していたんでしょう」
ビンナガ 「違う…」
カツオ「自分が上だと…自分はお客様に愛されていると そう思って私を
笑っていただけなんでしょう」
ビンナガ 「それは違うわ… 違う… 私は…」
カツオ「うるさい! …嫌な缶。少しばかり恵まれてうまれただけなのに、 たまたま
美味しく作られただけなのに…
私の存在なんて、あなたにとっては自分の価値を高めるだけだった 」
ビンナガ「違うわ! 私はせめて、ライトミートでも幸せに暮らせるようにと思って…」
カツオ「それが私を馬鹿にしているといっているのよ! 私をホワイトミートと認めて
くれてなかった!」
ビンンガ「…だってあなたは! 」
カツオ「あなたみたいなフレーク、シーチキンになれるわけがない! 」
ビンナガ「チャンクのくせに・・・」
カツオ「・・・なんですって?」
ビンナガ「身が大きくほぐれている・・・ チャンクのくせに」
カツオ「!」
ビンナガ「チャンク!!」
カツオ「!!うおおおお!!! ビンナガぁ!!」
新ジャンル「シーチキメイデン」
ツナ「マヨ……マヨネーズ……まだ、そこにいる?」
マヨ「ああ、いるさ!ツナ!俺とお前は、ずっと一緒だ!だから……」
ツナ「わたし、わたしね?あなたと和えて……よかったよ………」
マヨ「ツナ!……ツナ?」
ツナ「………」
マヨ「ツナァァァァァァァァァァッッッ!!!!」
新ジャンル「誤字」
むしろ新ジャンル「はごろもフーズ」?
男「どこ行ったんだろうな」
女「そういえば最近見かけないね」
男「まあ、どうでもいいけど」
女「うん、どうでもいいよね」
新ジャンル「ソナ」
女「( ゚д゚)」
友「……女」
女「( ゚д゚ )」
友「くち。開いてる」
女「( ゚−゚)」
友「うんうん。それでよし」
女「( ゚−゚)」
女「( ゚−゚)」
女「( ゚д゚)」
友「女」
女「( ゚д゚ )」
友「くち。開いてるってば」
女「( ゚д゚ )アー」
友「アホっぽく見えるからやめなさい」
女「( ゚д゚ )アワワ」
友「………?」
女「( ゚д゚)アワワワワワワワ」
友「……女?」
女「( ゚д゚)オトコクンガキタ!!」
友「え!?」
ガララ
男「はよーす」
女「( ゚д゚)オハヨー!」
男「おー、女。はよーす」
女「( ゚д゚)アノネアノネ キノウネ」
男「えー、マジでー?」
友「この女……超音波で世界を認識している!!」
新ジャンル「ソナー」
顔文字GJ!!!!!!!!!ワロタwwww
女「オトコクン確認」
友「アンタ…なにやってんのよ…」
女「男くんまで3.5km♪」
友「測距儀に、双眼鏡にレーザー距離測定機に…ってアンタ…」
女「距離400m、速力約20km/時にて接近、お茶の準備しなくちゃ♪」
友「戦争でも始める気ですかあなた…砲兵か観測兵になれるわ…」
男「よお…友もいたのか…に、しても準備良いな…。」
友「………………」
女「おなか減ったでしょう?なに食べますか?」
新ジャンル【光学観測】
ガッチャーン!
肉奴隷「ああ!どうしよう!」
御主人様「またお前か!あ!このティーサーバー気に入ってたのに!」
肉「も、もうしわけりません…」
御「ゆるさん!『今度やったらお仕置き』と言ってあったな、来い!」
肉「ああ、御免なさい許してくだ…あああ!」
スパーンスパーンスパーン
アンアンアンアンアン
御「…ハァハァ…まぁ今回はこれくらいで許してやる、次ぎは…分かってるな」
肉「…ハァハは、…ハァハはい…」
カシャーン!
肉便器「ああっすいませんすいません」
御「貴様ーっ!オキニのキャラのマグ割りやがったなぁ!そこに直れ!」
便「ひぃぃいいい!ごめんなさい、ごめんなさい!」
ズコズコズコズコズコ
アグアグアグアアアアアアアンアンアン
御「……ハァハふう…ハァハこ、こんかいはこれくらいで…許しゅてやゆ…」
便「あ…ハァハあひ…ハァハあひゃい…ハァハ」
|∀・`)ナルホド…オトコノダイジナモノヲコワセバ…
ドンガラガッシャーン!
御「な、なにごとだぁ!」
女(メイドVer.)「ああ!男くんのだいじなPCがぁ!」
御「あああ!HDがぁ!書きかけのSS保存してたのに!」
女「ごめんさい!この代償はわたしのこの身体で!」
御「よく言ったぁ!その言葉覚えてろよ!」
●国人「イイトリヒキダッタネ」
御「さんざ叩いたくせによく言うぜ、まぁ今回はこれくらいで勘弁してやるわ」
●「ジャァコレガダイキンネ」
女「ちょっとー!これどう言う事よー!」
●「アナタハモウワタシノモノネ」
御「そう言うこった、お前身体で償うつったろうが」
女「そ、…それはそう言う意味じゃ無くてぇ!」
御「煩い、覚えてろつったろ。じゃぁな、達者…な訳ないか、まぁ精々役に立つんだな」
女「ヒィーーそれどういう意味よーーー!」
新ジャンル「ドナドナドナー」
ふふ、もうこんなになってる、すっかり帯電してるわね。
さぁ、わたしを受け入れなさい。
わたしが真っ白なあなたの身体にしっかり食い付いてあげる。
もう絶対に離れない。
さぁ一緒のあのローラーに巻かれて…
新ジャンル「トナー」
デデンデ、デ、デン、デデンデ、デ、デン
男「そんな…こんなはずじゃぁ…」
女「ジョン…」
男「ばかな…母さんの言っていた未来と違うのか?!」
デデンデ、デ、デン、デデンデ、デ、デン
チャララー♪
新ジャンル「コナー」(T4公開決定記念(嘘))
男「…」
女「こんなにつまらなかったっけ?」
男「これは酷い…これ完全な『俺映画』だな。」
女「…USJのアトラクションは面白かったのに…ねぇ?」
男「そうだな、まぁ大体こいつ『ロビン・フッド』と『ワイアット・アープ』ではラジー賞
最低主演男優賞、『ポストマン』では最低監督賞および最低主演男優賞を受賞してんだぜ?」
女「よかったの『フィールド・オブ・ドリームス』くらいねぇ」
男「『さよならゲーム』もまぁよかったぜ」
新ジャンル「ケビン・コスナー」
男「せ、せんろはまっすぐでながいんダナ」
女「あなたはもしかして…」
男「ぐ、ぐんたいでいうと、た、たいしょうくらいえらいのカナ」
新ジャンル「裸の大将」
K察「変質者が現れたと通報を受けてきました!」
女 「あの人です!!」
男 「!!」
新ジャンル「裸の代償」
男「ふふふ、女よ……死ねぇい!」
女「うぐっ!? ……そ、そんな……男君、信じてたのに……」
男「いかな武器の達人といえど、全裸になれば武装はできぬっ……!」
女「わたし、逝くのね……全裸で、こんなに沢山の人に見られながら……」
男「良いショーだったぞ……ふはは……ふははははははははぁっ!」
新ジャンル「裸のDYE SHOW」
蛇「下は脱げないのか?」
新ジャンル「カモフラージュ:裸(ネイキッド)」
男「おれの言うこつばよくきんだぞ!。」
女「なによ急に、こんなとこに呼び出して」
男「しぇからしか、黙って聞け!」
女「は、はい…」
男「俺はおまえが好いとぉんだ!」
女「!ああ!わたしもよ!」
新ジャンル「博多の大将」
男らしいww
整理してたらうっかり過去ログ消してしまった
誰かwiki更新してくれないかなぁ
「好いとぉんだ」より「好いとぉと」の方がそれっぽいよ
ソナーとドナーが白眉だな(笑)
2010年六月六日〜S島沖地震発生〜
男「おーい!こっちだ!おーい…行ってしまった。」
女「とりあえず高架上から降りて公園に行きましょう」
数時間後、島中央部市街地にて
男「とりあえず何処かで雨を凌ごう。」
女「こっちに開いてる建物ありました!」
男「ここって…ラブホテル…」
新ジャンル「絶体絶命都市」
♪(着信音)
女「あ♪」
女子1「なにーまたメール?」
女「うん♪」
女子2「ほんとあんた嬉しそうにメール読むよねぇ」
女「そうかなぁえへへ…もう、あきくんたら(はぁと)ピコピコピコ」
メルメルメル
女子1「返信早っ!て、相手は墨坂でしょう?」
女「そだよ?」
女子2「なんで同じ教室のそこにいるのにメール」
女「いやぁんだって恥ずかしいもん」
♪(着信音)
男「あ、ちょとごめん」
男子1「なんだよ榛原からメールかよ」
男「うん♪」
男子2「ほんとお前うれしそうにメール読むよなぁ」
男「そうかなぁ?はは…しょうがないなぁピピピピピ」
メルメルメル
男子1「返信早っ!つか相手って榛原だろ?」
男「そうだけど?」
男子2「お前もなんで教室のそこにいるのになんでメール」
男「いやぁなんかさぁ、口じゃ言えないみたいな…」
女子1「うがぁああああ!」
女「きゃ」
男子1「うがあぁあああああ!」
男「うわ、何」
女子1「だったら」
男子1「お前ら」
女友1「保健室なり」
男子1「理科準備室なり」
女子1/男子1「「ふたりっきりになるとこでふたりっきりでやれぇえええ!」」
新ジャンル「メールデレ」
男子ズ&女子ズ「おおーみごとなユニゾン、さすがバカップル」(拍手
女子3「…理科準備室をそんな事に使われるいわれは無いが」
女子1「カズコ煩い!」
女子4「天理ちゃんー、大和君もー、いいじゃんーお似合いなんだしー」
男子2「そうだよな、お前らみたいな汚れ切ったカップルとは違うからなw」
女子1「何だとぉ!」
男子1「いやいや痴話喧嘩カップルにそんな事言われる筋合いは無いぞ?w」
女子2「ちょっと」
男子3「でもたしかにあの二人て見ててお似合いだよね」
男子4「まぁ墨坂はともかく榛原って癒し系だしな」
男子5「うむ、たしかになんかこぉほのぼのするな」
女子4「んーでもーメールにどんなこと書いてるか気ーにーなーるー」
女子1「そんなの糖度マックスの甘甘メールに決まってるじゃん!」
女子5「またぁ、天理たらほっといてあげなさいよ」
男子5「うむ、そう言えばあの二人いないが」
男子1「ほほう」
女子1「ほほう」
女子2「何がほほうよ帰ってきたわよ」
男子4「お、休み時間終わりか」
女子4「明日香ちゃんも来たよー」
教師「はーいみんなおそろいー?授業はじめるよー」
女「…です」
教師「はい、そこまでー。じゃぁ次ぎわぁ…」
女「ふう…」
ブルブルブル(バイブ振動)
女「あ(あきくん…授業中なのに…)」
送信者:あきくん
件名:さっきのつつじ
本文:当てられて立ってる間、机の端に越しの前当ててたよね?
さっき俺のほう見たろ、俺の勃ってるの分かった?
それで濡れてきたんだろう
座るときスカートの後ろ下に轢かない様にしてたもんね?
もうお尻の方まで垂れてきた?スカートまで染みになったら
言い訳できないもんなwww
そんなこと考えてたらからもう我慢汁でまくりだぞW
どうしてくれるwwww
はやくつつじの口でジュプジュプしてほしいよ
そしたらお返しにグチュグチュのマンコにズコズコ突き立ててやるよ
ブルブルブル(バイブ振動)
男「あ(つつじだ…いつのまに打ったんだ?)」
送信者:榛原つつじ
件名:Reさっきのつつじ
本文:もうもうもう!授業中なのに!あきくんたら!
ズボンのふくらみわたしにわざと見える様にしたでしょう!
もうグチュグチュだよ?ジュンジュン来ちゃったよ?
おへその下がジンジン来てるよ?胸が乳首がキュンキュンしてるよ?
立ってるとき垂れてきたらどうしようかと思ったもん
はやくあきくんにぐちゅぐちゅされたいよ
指でぐちぐちゅかき回してほしいよ
それからジュルジュルジュル啜ってほしいよ
そしたらいやらしいお汁でいっぱいのつつじのトロトロマンコを
あきくんの固いくて熱いおチンコくんでガンガン突いてね(はぁと)
新ジャンル「淫語デレ」
現代国語:次の文を淫語に訳しなさい
女「わたし、箱入り娘なんですよ」
男「そっか。じゃあ、普通の缶詰じゃなくてもっと高いのじゃないとダメなんだ?」
女「………………高いの?」
男「うん。お寿司の上に乗ってるネタだけ食べたりするんだろ?」
女「……おすし?」
男「うん」
女「……とは?」
男「は?」
女「おすしとはなんですか?」
男「寿司だけど」
女「………………あー、はいはい。よく食べたわー」
男「やっぱり。箱入り娘だもんなぁ」
女「意外とすばしっこいんですよね、あれ」
男「………………………」
女「知ってますよ。……お、おすし?でしょ。知ってますよ。わたし。箱入り娘ですから」
男「女さん」
女「なんですか」
男「箱入り娘なんだよね?」
女「……そうですよ?」
男「好きな食べ物は?」
女「………………………おみそしるかけごはん」
男「………」
女「………」
男「箱入り娘なんだよね?」
女「見てわかりませんか」
男「……『拾ってください』」
女「………」
男「ウチくる?」
女「にゃーん」
新ジャンル「箱入り娘」
物理的にw
>>430 「わたし、箱入り娘なんですよ、と言っても箱とか入れるんじゃないですよ?
箱はないですけどーんーと…あ、前にリップ入れたことあります…」
男「そっか。じゃあ、普通のじゃなくてもっと固いのじゃないとダメなんだ?」
女「………………固いの?」
男「うん。こけしの上に乗って腰振ったりするんだろ?」
女「……こけし?」
男「うん、ほらじぶんで入れるの」
女「……とは?」
男「は?」
女「とはなんですか?」
男「張り型だけど」
女「………………えー!いやんそんなー」
男「やっぱり。箱入り娘だもんなぁ、そこまでしないよねぇ」
女「意外とはねるんですよね、あれ。入れる時に」
男「………………………」
女「知ってますよ。……ディルドでしょ。さすがにみちのく肉感とかリアルグレートは
見た目がグロくて
アレですけど…。そこは、ほら、箱入り娘ですから」
男「女さん」
女「なんですか」
男「箱入り娘なんだよね?」
女「……そうですよ?」
男「好きなアイテムは?」
女「エイナスプチとかなぁか…あれは見た目が可愛くでいいですよねあとソーンも
綺麗でいいんですけど高くって」
男「………」
女「………あれ?」
男「エイナスプチ?」
女「あ、1ですよ、2とか4とかあんな太いのは…胎内が広がりそうでさすがに…あと
3なんか一度入れたら抜けなくなりそうで…」
男「…女さん」
女「………え?」
男「…マニアなんだね?」
女「いゃーん」
新ジャンル『「箱入り娘」淫語版』…改め「ただのオナニスト」
ごめん、無理orz
もはや拡張の域に達してるな
436 :
434:2008/10/19(日) 22:27:07 ID:p1emtAK5
437 :
アナル注意:2008/10/19(日) 22:34:38 ID:MrIkgYF9
女「拡さん張さん、やっておしまいなさい!」
男&男友「あらほらさっさー」
女「え、あ、ちょ、私じゃなくて、ああっ! だめぇ、そんなお尻なんて……広げないでぇ!」
新ジャンル「デカ肛門」
印籠ってもともと薬入れなんだってさ。つまり……
さらに黄門ってもともとは宦官の役職だったような…
黄門=変態の式はもう確定したようなもんだな
>>439 中納言でしょ?事務次官位か
それ位の官位持ってる奴が居てもおかしく無いんじゃ>カンガン(変換d rya)
それともコウモンジロウ(変rya)と言う役職名の語源の話?
てす
肛門痔瘻か、そりゃまた尾籠な話しですなw
>>435 「ちがうんですよ、アレは入れちゃうんじゃないんです。
こぉ広がってるでしょう?、こぉぎゅぎゅーんでっていっぱい広がるとクリちゃんが
当たるんですよ、そこでストップですよー。
あとは腰の動きでこぉくちゅくちゅて、ね?」
男「…」
女「あーなるほど、そっかー!」
男「…そうなの?!」
女「所謂「入り口派」用なんですね」
「そうですねー、でもあれでも入れちゃう方も居るみたいですよぉ、凄いですねぇ。
ほらでも、だからエイナスの3なんかは後ろも丸いでしょう?」
男「あーお話の途中で申し訳ないんだが」
「はい?」
男「あなたは?」
「え?ああ、わたし通りすがりの…」
御主人「貴様ぁ!そこでなにしてんだぁ!」
肉ビクッ「は、はいいぃぃぃ!」
御「肉奴隷の分際偉そうに講釈たれやがって!来い、折檻してやる!」
肉「ああ、御免なさい、御免なさい、堪忍してください…」
御「やかぁしい!四の五の言わずに来い!」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴウ
ゴメンナサイゴメンナサ...アアアアアッアンアンアンアアアアアアアアアアゴメンナサイゴメンナサイ...アアアアアアイグ゙ウウウウウゥゥゥゥゥゥ
男「…すげー(ゴクリ)」
女「うわっ…凄い、あんなになって…うわっ、うわっ」
男「…やっぱりあんなのも使ったりするんの?」
女「え?え、わたしですか?いやーソコは箱入りですから。おとうさんバイブはちょっとー
ピンクローターを下着の上から…くらいで」
男「そうかぁ…うわーあんなの入れて…うわー」
女「うわっ(ゴクリ)あれはキツイなぁ…」
新ジャンル「御主人様と肉奴隷(通りすがり編)」
メイド女「旦那様、お食事でございます」
御主人「うむ…ん?お前その指どうした」
肉奴隷「あ、…これは…」
女「今日の食事は肉ちゃんが作ったんですよ」
御「何、飯炊き女はどうした
女「飯ちゃんは今日調子悪くって、それで肉ちゃんが飯ちゃんの指示受けながらで」
御「ではその指もその時のか」
肉「申し訳ありません、その時包丁でちょっと…」
御「ぬうう!貴様包丁も満足に使えない分際で!来い!お仕置きしてやる!」
肉「ああ、御免なさい、御免なさい、堪忍してくだ…あああ!」
スパーンスパーンスパーンスパーンスパーンスパーンスパーンスパーンスパーン
アンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアンアアアアアアアア
女|∀・`)「いつもにまして激しい…」
御「…ハァハァ…まぁ今回はこれくらいで…ハァハァ…許してやる…これからは勝手に怪我するな…ハァハァ…」
肉「…ハァハは、…ハァハはぁー…い」バタンキュー
御「さて喰うか、……ぬ、……メイド女ぁ!」
女「は、はい!」
御「あそこで白目むいて失禁してる莫迦に包丁の使い方を教る様に飯炊き女に言え!」
女「はい!(味付けは気に入った様ね…やるな、肉奴隷!)」
新ジャンル「御主人様と肉奴隷(食事編)」
女「…だってさ、どう思う?」
飯「そうか!旦那は気に入ってくれたか!うんうん。よぉおし、身体を早く治すぞおおおおおお」
女「え、だって肉ちゃんが作ったのに」
飯「味付けはわたしの言った通りいぃぃいい、だったらわたしがやったのもおなじぃい!」
女「でもそのまま肉ちゃんに調理させるつもりかもよ、包丁の使い方教えるのに」
飯「わたしは旦那が美味しいと思うものを食べるが望みいぃい!もし肉奴隷の作ったのが
美味しいのならそえでそれでよし!」
女「そんな事言うけどそうなったら飯ちゃんどうすのよ?この屋敷出て行くの?」
飯「そうなったらその時いぃいい!、でもそれは絶対に無い、無いナイないいいいいい!
なぜならわたしの料理は世界一いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!…だから!」
女「そ、そう…(莫迦は莫迦なりにプロフェッショナルて事ね)」
新ジャンル「飯ヒート」
何にもえとんだおいw
まだ419KBか・・・
じゃあ長編投下がなければ余裕で500レス越えるっぽいな。
長編がなければの話だよ?ただ長編の投下があればわからないなって思っただけであって、長
編投下されろみたいなそんな考えは全然ないんだけどやっぱり投下があれば嬉しいのは否定で
きないし若干期待しているのは本当なんだけど、そんなこと露骨に言ったら書き手に負担与え
たりしちゃいそうで言えないんだよな、ってそんな話じゃなくて要は今回のスレは久々に500
いきそうだよなってことが言いたかったんだ。
新ジャンル「露骨」
長篇、一応書いてます。3本
一本は6レス分書いてまだ半分なんでこりゃ長いかなぁとか
2本目はあと2レスくらいで終わりそうだけどこれ需要あるのか?とか
3本目はちょとまて、これオチこっちのほうがいいんじゃないのかとか
ちうかそもそも構成が破綻してないか?とか
それでも今度の休みに一本でも仕上げるか、と思ってましたら
仕事が入りましたorz
いろいろあって止まっております
新ジャンル「弱音」
これでもう投下はねぇな
規制規制規制
規制明けおめでとう俺
この世界には主に三つの種族によって治められている。
ひとつは神―――神族。
普段は天界と呼ばれる特殊位相に神殿を構えて暮らしている彼らは、三つの種族の中で
最も霊的に位の高い種族であり、世界の管理者を務めていると言われている。
彼らが人間の前に初めて姿を現したのははるか昔、まだ人間が小さく、弱い種族だった頃。
魔王侵攻によって脅かされていた彼らを助け、力を貸したのが始まりだった。
よって彼らの助けがなければ今の人間の繁栄はないと言ってもよく、
聖堂教会を始め、神族を特別視し、崇拝する者たちは多い。
そしてもうひとつ。魔族だ。
この世の悪なる部分が凝り固まって生まれた彼らは魔王を頂点とし、
かつて人間たちを根絶やしにしようと試みたことがある。
結局それは神々と、神に選定されし勇者によって阻止されたものの、
魔王の手下たちは世界各地に散らばり未だに人間たちに危害を加え続けている。
その強大な力ゆえ、魔族こそが世界の均衡を保っているのだと主張する民族もいるが、
これはまったく根拠のない妄信だと言わざるを得ない。
世界各地で魔獣被害が一定のレベルに抑えられているのは、ひとえに聖堂教会と、
かつて魔王を屠った英雄の意志を継ぐ勇者たちの活躍あってのものだろう。
最後に、我々。そう、人間である。
優れたもの、便利なもののメカニズムを解明し、『技術』として万人に広める特性は
神族にも魔族にもない人間ならではのもの。現在に至る繁栄はその『技術』の賜物である。
基本的に、平均的な魔力や体力は他の種族に大きく劣るものの、勇者や聖堂騎士団に
選ばれるエリートたちの中には単体で神族や魔族に匹敵する力を持つ天才もいる。
無論どんな戦士も飲まず食わずでは生きられず、安定した農・産業なくては意味を成さないものだ。
前述の『技術』によって社会体制を確立した人間は、実質この世界を動かしていると言っても過言ではない。
「なんだかえらく偏ったテキストだな」
リューとローラが恋愛における己の立場についてシリアスに語り合っている頃、
そしてリオルが海底でウニを捕まえて棘が何本あるのか一本一本へし折って数えている頃。
ヒロトとジョンの野郎二人組は教会で任務の報告を終えた後、そのまま教会に残って
奥でE.D.E.N.―――遥か離れた土地の情報や書物をそこにいながらにして知り、
読むことの出来る情報端末―――を前に調べ物をしていた。
この町には情報局がないのでE.D.E.N.は教会でしか使えないのである。いや、それよりもまず
こんな小さな町にもE.D.E.N.があるということの方が驚くべきことか。便利でいいけど。
………E.D.E.N.が全世界に敷かれている真の目的を、彼らが知るのはまだ先の話だ。
「仕方がないですよ。E.D.E.N.に掲載を許されるテキストは聖堂教会の監察を徹底的に受けていますから。
それに実際、魔獣の知識のほとんどない一般市民はだいたいこう思っている人が大半でしょうからね。
敵意や嫌悪を剥き出しにする人はいなくても、基本的なスタンスとしてはこのテキストのままですよ」
「………まぁ、そうだな」
モニターに映った文章を読んで顔をしかめたヒロトに、ジョンはどこか
なだめるようなニュアンスを込めて言った。そうして返ってきた感情の篭らない返事に
内心しまった、と思う。ヒロトはそんなこと、誰よりも知っているに違いないからだ。
しかし他人の口から改めてそれを聞かされるのはいい気分ではないだろう。
そう思っていると、ヒロトは振り返り、気にしていないということを視線で表してきた。
ジョンはえへん、と咳払いをひとつ。
「と、とにかく。この三種族の他は犬だとか、猫だとか、動物や植物、虫など―――世界を
『支配』しているとは言い難いものですね。言葉を持ち、魔力大系を持ち、自分の意思で
事象を変化させることができる、世界に影響を与えることができる。
その力を持つ種族として、この三種族がこの世界に君臨していると考えられているわけです」
「ふむ」
夕焼けの荒野で岩山の上に佇み、辺り一面を見回しても青しかないという大洋の真ん中で途方に暮れ、
うっそうと茂った樹林の中を何日もさまよった。大自然の雄大さを僅かながら知った経験のあるヒロトは
その辺も結構納得がいかないものがあったのだが、いちいち口を出すものではないと頷くに留まった。
「この三種族が支配するのは世界の理。神は秩序を、魔族は混沌を、そして人間は普遍を。
このバランスが崩れると世界は滅びると言われています」
だが、続くジョンの言葉には流石に首を傾げる。
「………神族や魔族はわかるんだが、人間もなにか司るものがあったのか?」
「……うーん、ボク自身講義で習っただけなのでなんとも言えませんが、まぁ案外そんなものなのかも知れません。
リューさんだってほら。いかにも混沌、って感じではないでしょう?」
「まぁ、そうだな」
ヒロトの頭に魔と闇を統べる王と豪語してやまない少女の顔が浮かび上がる。
確かに、魔王という割にリューは人間と何も変わらない。けっこう寂しがりやだし、
泣いたり笑ったり拗ねたりはしゃいだり。ヒロトが魔族と争わずに交流を持てると
考える根拠のひとつにもなっている。ヒロトは神族とはまだ会ったことがないが、
意外と神様というのも人間とあまり変わらないのかも知れない。
「神族か……」
「ヒロトさん、今度は神族の仲間も欲しいと思っているでしょう。海賊ですか貴方は」
「え?いや、俺は海賊じゃないぞ」
「知ってますよ!」
真顔で返すヒロトにツッコんだあと、ジョンは講義に戻った。
「とにかく。この三種族は不可侵。決して交わらない種族同士です。魔族の中には
雌しか生まれないという理由で人間の男性と結ばれる種族もありますが、
それでもお互いの血そのものが混じりあうかというと、そんなことはありません」
それはわかる。かつて訪れたアルラウネの森に住んでいたククたちアルラウネ一族は
まさにその理由で近くの村と契約を交わしていたと聞いている。それでも、産まれてくるのは
あくまでアルラウネか、もしくは人間。頭の上に花が咲いているような
謎の生命体が生まれるかというとそれはありえない話なのだ。
ふんふんと頷いていると、ジョンはここでひと呼吸置き、
「が」
「が?」
前置きはおしまい。
ここからが今日の講義の本題となる。
「―――その、『ない』ということが起こってしまうという事例があるんです」
人間の姿を持ちながら、魔獣の能力を兼ね備えるモノ。
それが、
鬼形腫。
決して交わらない平行線の交差点にいる、ヒトでも魔獣でもないイレギュラーである。
「………………………」
海魔との戦闘の最中、海に落ちたヒロトは海魔に吸収されかかり、
そして流れ込んできた記憶はとある―――人間の、普通の少女の身に起きた凄惨な体験だった。
全ての人間が戦士の魂を持つわけではない。悲劇の少女はただ助けを求めようとしただけだった。
それだけで、怪物は手を伸ばした先の人々全てを薙ぎ払い、ばらばらの死体にしてしまう。
人の身で生涯を終える筈の人間が、怪物に変身する。
それが鬼形腫と呼ばれる病なのだ。
鬼形腫は始め、人間と魔族の血が混じったことによって発症するものだと思われていた。
つまりは先天性、生まれながらにして備わった力が暴走を起こすものなのだと。
だが、魔族と人間のハーフたる『妖人』とは別に、どう遡っても純粋な人間である完全な一般人もまた、
突然に鬼形腫として発症してしまうパターンも確認されている。
ヒロトを飲み込んだ海魔―――ユエメイの成れの果てはおそらくこれだろう。
こちらは、原因はまったくわかっていない。現代医学でわかっている限り、治療方法も全く不明。
『鬼形腫』とはそういう病気なのだ。
「原因不明で、治療方法もわからない……それじゃ、予防策もないっていうのか?」
「ええ。というか、そもそも本当は病気とは言えないのではないかというのが最新の説ですね。
病気というより―――呪いに近いのではないか、と」
「呪い」
「ええ」
ようは、おとぎ話で悪い魔女が美しい姫を醜い蛙に変えてしまうというあれである。
普通の人間が人外に変身する呪い。変身するのは蛙なんていう生易しいものではなく、
存在するだけで人に害をなすバケモノであるが、現象としては似通っているという。
無論、人に呪いをかけて回る術師が確認されているわけではなく。そして仮に鬼形腫の正体が
未知の呪いであったとしても。人間を魔獣に変えてしまうような呪いが果たして本当に可能なのだろうか―――?
謎は深まるばかりである。
「ボクも勇者に選定される前は医者として調査に協力したこともありましたけどね。
………少なくとも。ボクの知識では鬼形腫について手がかりすら掴めなかった」
ジョンはそう言って、悔しそうに唇を噛んだ。
無理もない。ジョンは確かに医学を始め様々な知識を持ってはいるが、その本命は魔道科学、
ラルティーグの悲願である賢者の石の研究者である。雲を掴むような鬼形腫の研究にいつまでも時間を
費やしているわけにはいかず、最新の知識だけ学んでさっさと本業に戻るよう指示されたのだ。
勇者に選定されてからは、それこそ寄り道なんて許される立場ではなくなってしまったし。
「俺が倒してきた魔獣たちの中にも、もしかしたら………」
感情を表に出さない静かな言葉を口にしながらも、ぎりり、と拳を握り固めるヒロト。
しかし彼にそれを確かめる術などなかったし、もし目の前にいる魔獣が人間の成れの果てだったとしても、
やっぱりヒロトは剣を手にしたに違いない。それは、どうしようもないことだった。
誰にも、どうしようもないことなのだった。
「………………」
厳しい顔をして黙り込むヒロトに、ジョンが微妙に心配そうな顔を向ける。
「あのですね、ヒロトさん。言っておきますけど、鬼形腫研究は今もちゃんと続けられているんですからね。
それもボクなんかよりよっぽど専門の知識を持った、大天才と言われている人が。ヒロトさんのことですから
どうせまた今度は鬼形腫にちょっかいをかけようとしているんでしょうけど、そんな必要ないんですからね」
「………………」
考えを先読みされていたのか、ヒロトがさっきとはまた別の沈黙に包まれる。
「……やっぱり」
呆れたように言って、ジョンはE.D.E.N.のモニターを切った。
ぱちり、と。
モニターが、暗くなる。
そうして、二人の勇者はE.D.E.N.の回線を閉じた。
そうして、一人の少年は体内を巡る回路を開いた。
『鶏冠と麦の国』ビアカントは農業の国である。収穫期に訪れれば、
一面金色の穂がなびく見事な麦畑が見えることだろう。
夜には冷やしたビールをがぶ飲みし、歌い踊るのが好きな陽気な人々はいつも笑顔に満ちている。
元々は国の外れに広がる山森に棲む古木の魔獣エント一族を守り神と称える異教徒の国だったが、
聖堂教会が介入からは表立って彼らと交流を持つことは禁止されている。ただ、豊かな土を
育んでくれるエントたちに感謝を伝える祭りは、今でも微妙に形を変えて残されているようだ。
―――……聖堂教会が勢力を広げる目的は実のところ異教徒を弾圧することではなく、
E.D.E.N.の真の機能を発動させるための土地の確保なのでその辺りには割と融通が利くのである。
これは何もビアカントだけの話ではなく、温泉街クシャスやアルラウネの村なども同じことが言え、
しかし土着の神に対する信仰心の厚い民族なら『何を偉そうに』と敵意を抱くのも当然の反応だろう。
―――その敵意を。聖堂教会は、裏に表に戦力を巡らせて全て叩き潰してきたのだが。
そんな聖堂教会の戦力の一角、勇者パイフゥ・リーはがたごとと馬車に揺られていた。
なだらかな丘道を、山に向かってひたすらに進んでいる。海魔と勇者ヒロト(たち)の交戦から数日、
フゥはとある情報を元にこのビアカントにやってきたのだった。
「………うぅ。だるいぜ、フゥ……」
「………不調」
馬の手綱を握っているフゥの後ろから、双子の姉妹の声がする。
振り返るまでもない。フゥの妹分であるランとシオンだ。二人とも座席に横になって、
ぐったりしていた。まだ『召喚酔い』が抜けていないらしい。
「だーから具合悪ィンなら聖堂で休んでろッつッたろーが」
フゥは溜め息をついた。
フゥはその特殊な勇者としての使命から、旅というものをほとんどしない。
普段は『研究所』にいて、情報を手に入れ次第現場に赴くのである。
聖堂教会の任務を受けて駆り出されたときも同じだ。
世界を巡るためにはどうしても冒険をしなければならなかったのは昔のこと。
E.D.E.N.の根が世界中に張り巡らされた現代に於いて、勇者は必ずしも
冒険をする必要がなくなってきたといえよう。
それどころか(勇者ジョン・ディ・フルカネリなど『現在確認されていない何か』を探す勇者ならともかく)、
『確認された事例を解決する』には、そこいらをフラフラしていては効率が悪くなるものだ。
そしてそのスタイルを可能としたのが、世界各地の聖堂に一瞬で移動できる魔法の扉。
転移用魔法陣の存在だった。
ただし、この転移魔法。使用後にかなり身体に負荷がかかるのだ。
全身の血が浮き上がるかのような感覚は何度経験しても慣れないもの。
酷いものは丸一日気分の悪さが抜けなくてベッドから起き上がれなくなるほどである。
フゥはもう慣れたものだが、ランとシオンの二人はこれが苦手で毎度毎度顔を青くしているのだ。
「―――バカ言うんじゃないぜ。もともと、これはあたしたちが言い出したことなんじゃないか」
「私たちの……我侭」
………………姉妹の瞳の奥にあるものは、それでも変わらない。
「……村に着くまではまだ時間がある。それまでにゃ、復活しとけな」
がたごとと揺れる、馬車の上。
緩やかな丘道は山に続いて。
見上げる空に雲はなく。
しかし、彼らが向かう場所に待っているものは。
いつだって、理不尽な不幸しかないのだった。
聖堂教会から集められた勇者たちと情報交換兼昼食会を終えたあと、
フゥは彼の活動拠点たる研究所に戻っていた。ちなみに研究所は
ジョン・ディ・フルカネリという勇者の出身国でもあるラルティーグにある。
ちなみにこの時にもランとシオンは召喚酔いに襲われ、しばらくぐったりしていたことを記しておこう。
だが。この時の双子は、それとはまた別の理由で少し普通ではないコンディションにあった。
「……呼ぉぉ」
血管に血以外のものが流れるような感覚。身体がかっと熱くなり、
指一本動かしていないにも関わらず、じわりと汗が滲んだ。
少年が背中に手を添えている少女たちも同じ。晒された上半身の白い肌はにわかに火照り、
ぴくり、ぴくりと震える。筋肉の僅かな動き、呼吸、心臓の鼓動に至るまでそっくり同じになっていく。
フゥが行っている『調整』の原理は東方に棲む聖獣コマイヌ一族の特技である『タン・ヒーリング』と同じだ。
己の“気”、つまりマナをごく微量、ほんの少しだけ相手に流し込み、マナの流れの操作するのである。
といっても、相手の身体を癒す回復魔法にさえならない。少年の気はただ流れ道を指し示してやるだけだ。
癒すのではなく、変えるのではなく。理(ことわり)に逆らわず、流れのままに。
それが彼の国に伝わる、『気功』と呼ばれる術の極意である。
誰もが持っているマナの流れ、すわなち“気”を制御するための術だった。
―――ただし、少年が行っているそれは通常とは異なるのだが。
異なる二つの存在に同時に気を送ることは、普通はできない。普通でないことを可能とする由来は、
一歩間違えば逆にマナの流れを乱す呪いとなりかねない、右手と左手で同時に針に糸を通すような
精密な技術と、そしてこの少女たちがひとつの血を分けた双子だからだ。
他人同士なら、いやたとえ兄弟であろうとも、『同調』などという芸当はできないに違いない。
少年の右手、夜の水のように冷たい少女の身体が温かくなってゆき、
少年の左手、砂漠の砂のように熱い少女の身体が冷たくなっていく。
こつん、と何かに当たるような感覚。
その瞬間、電気のような衝撃が全身に走り、少女たちはがくん、と大きく背を仰け反らせた。
「………チューニング、終了」
フゥがぽつり、と呟く。と、それまで床に走っていた魔法陣の光が消えた。
魔法陣が描かれた絨毯の四隅、フードをすっぽりと被った魔導師がラインの先端に添えていた手を離し、
これで今日の『調整』及び『記録』は終了。フゥは額に浮いた玉の汗をぬぐい、大きく息をついた。
「あー、しんど。ランもシオンも、手とか足とかちゃんと動くか?」
フゥが訊ねると、双子の姉妹ははだけさせていた上着を直しながら頷いた。
「………………好調」
「別におかしなところはないぜ。ありがとな、フゥ」
覗いた丸い肩や細い首は間違いなくごく普通の少女のもの。
しかし、彼女たちは。こうやって定期的にメンテナンスを受けないと―――人間ではなくなる。
そういうぎりぎりの境界線の上に立っている存在なのだった。
勇者パイフゥ・リーの家族たる双子の姉妹、ヤオランとシォン・シォン。
彼女たちのようなモノたちのことを、専門家なら『鬼形腫』と呼ぶだろう。
言葉を知らない一般人なら………『怪物』だろうか?
どちらにせよ、似たようなものだ。
先日勇者ヒロトとそのパートナーの少女に斃された海魔を思い返すまでもない。
『鬼形腫』とは発症したが最後、ヒトに害をなす怪物になってしまうのだから。
しかし、ランもシオンもその境界。未だ、人間であることに踏みとどまっていた。
理由は、未だ以ってして不明のままである。
「―――ふむふむ。マナの波長は通常のものに戻っておるの。実に素晴らしい。
相変わらず奇跡のような研究対象じゃの。お主たちは」
部屋を大きく二つに区切っているガラスの壁。その向こう側で、聞きなれたしわがれた声がする。
顔を向ける。大きな机から顔を覗かせているのは小柄な老人だった。杖をついているがそれは伊達で、
背もまっすぐ伸び足元もしっかりしている。だが顔色はひどく悪く不健康そうで、
少ししかない髪と同じ真っ白。そこに皹のような皺が無数に走り、
まるでささくれたミイラのようだが、眼だけが生気を滾らせ異様にらんらんと見開かれている。
大きな鷲鼻にちょこんと乗っている意味があるのかないのかわからない小さな眼鏡はお洒落のためらしい。
纏っているのはローブのようだが、妙に薄手で、よく見ればそれは真っ黒な白衣だったりする。
その怪しい容姿はそのまま絵本に出てきそうなほどに『悪い魔法使い』じみていて、
つめりはこの上なく怪しい爺さんだった。そして、容姿からわかる通りただの爺さんではない。
ヨハン・OZ・ファウスト。
この研究所の局長にして、最上級の魔導師に与えられる名称『OZ(オズ)』と
特別な研究者に与えられる『賢者』の称号を持った大天才である。
二つの称号は『勇者』に並ぶ偉大な勲章であり、『OZ』と『賢者』両方を獲得した人物は
長い歴史の中でも五本の指で数えられるほど。
つまりは、それだけとんでもない爺さんなのだ。
「研究すンのは結構だけどさ。なんかわかンねェのかよ博士」
フゥは、魔法陣の制御を行っていた魔導師たちが目を剥くような態度でDr.ファウストにジト目を送った。
ファウストは立ち上がりかけた魔導師たちを手で制し、くつくつと笑って、
「先達たちが揃ってサジを投げた鬼形腫の研究、そう簡単に解明はせんよ。百度解析を繰り返して
やっと変化に気付くこともあるだろうしの」
「まったく、冗談じゃないぜ。フゥ以外に裸を見られていい気がするわけないだろ」
「………同感」
唇を尖らせる双子。
それも本心だろう。しかしフゥは気の同調はできても、『どうしてそれで鬼形腫の発症を押さえられるのか』
という式を導くような解析はできない。彼は研究者ではないのだから。ランとシオンの解析にはどうしたって
専門の知識を持つ博士たち研究者の同席が必要なのだ。
そして、それは文句を言っているランとシオンも同意していることだった。
鬼形腫でありながら人間の側に留まり続けるランとシオンは、言ってしまえば鬼形腫研究の
重要なサンプルなのだ。その存在は貴重の一言に尽きる。何せ暴れない。変身しない。犠牲者が出ない。
しかもフゥの調整によって長期に渡る解析実験さえも可能ですらある。こんな例は過去になかった。
鬼形腫研究を齧った者なら誰だって手元に置いておきたいに違いない。
だが。もちろん、フゥたちはただファウスト博士に飼われているだけでもない。
それなら勇者などにはならずに研究所にずっといればいいだろうという話。
そこを曲げて勇者などをやっているには、それなりの理由というやつがあるものだ。
「阿呆。小娘なんぞ興味はないわ。それよりの―――フゥよ」
「あン?」
ファウスト博士はフゥのすぐ近くまで音もなく近づくと、ぎょろりとした目を細め、囁いた。
「新しい患者じゃ。場所は『鶏冠と麦の国』ビアカントの外れの村リキン。
王都からは遠いぞ。行くなら早くしろ」
「……わかった。サンキュな、博士」
フゥも囁き返し、ランとシオンを目で促す。双子はフゥが何も言わずとも理解して、こくりと頷いた。
患者。
つまりは、鬼形腫に発症した人間のこと。
鬼形腫研究の第一人者であるファウスト博士には世界中から鬼形腫に関する情報が集まってくる。
その情報を元に各国に趣く、それが勇者としてのフゥの主な活動だ。フゥは世間一般には勇者ヒロトや
勇者ブレイズと同じく魔獣退治を生業をしている勇者と思われているが―――魔獣を倒したことはないし
聖堂教会も魔獣退治の勇者として使命を出すことはない。
彼が倒したとされる魔獣の、その全ては。
実のところ、鬼形腫に発症して怪物になってしまった元・人間なのだから。
―――――――――。
それが、フゥの目的。
それが、フゥたちの目的。
魔道界の権威であり、並外れた頭脳から貴族や王族、聖堂教会といった世界の中枢にさえ
顔の利くファウスト博士に頼み込み、祖国であるオーカ帝国に勇者選定の推薦をしてもらったのも
勇者として自由に各国を訪れ、そして鬼形腫に対応する機会を強く望んだから。
聖堂教会の傀儡となり、代償に兄妹同然のランやシオンを研究の下に晒しても
構わないと思えるほどの、彼らの覚悟だった。
フゥたちが対応する事件は、いつだってとりかえしのつかないところから始まると言ってもいい。
鬼形腫が人間に戻る可能性はゼロだ。怪物になってしまった者は、もう人間として
扱われることはない。彼、もしくは彼女は、人でも魔獣でもない異形となってしまったのだから。
だから、せめて手遅れになってしまう前に。
「―――行くぞ。瑶狼(ヤォラン)、熊々(シォンシォン)」
「―――了解、白虎(パイフゥ)」
彼らの元へと、その一歩を踏み出すのだった。
――――――鬼形腫とは、後天的種族異常である。
人間と魔族の間に生まれた先天的な種族異常者『妖人』とは似ているようで、
実のところまったく異なる存在なのだ。
たとえば勇者レイジュ・ランディスは不死人リッチ・ザ・デスと人間の間に生まれた妖人だというが、
影を実体化させ手足のように動かすというその能力はやはり、生まれつき備わっている能力だという。
彼にとっては当然のこと。幼い頃は、むしろ何故周りの子供たちはできないのだろうと首を傾げたことだろう。
鬼形腫にはない。
彼らはもともと、普通の人間だったのだから。
それが、ある日突然―――鬼形腫にも『予兆』はあるのだが、
無論普通の人間には気付くことはできない―――怪物になってしまう、恐怖。
自分が人間以外のものになってしまう、絶望。
普通でなくなるということが、普通の人間にとって何を意味するのか。
「……鬼形腫の何が怖ェって、予兆の時点で既に手遅れってトコだ。身体の変化に気付いたときにゃ、
もう打つ手はねェ。なんたって鬼形腫の予兆はほとんどの医者にゃ何が起きてンのかすらわかんねぇンだからな。
研究所に入ってくる情報は『人間がバケモノに変身した』っつーモンがほとんど。そんなもん、わかってンだよ」
「わかってる。あたしたちは、運が良かったんだぜ」
「………………奇跡」
実際、ランとシオンの姉妹が未だ人間の形を保っていられるのは奇跡的な偶然の産物である。
彼女たちが鬼形腫に発症したとき、たまたま彼女たちの村に弟子を連れた旅の気功師が滞在していたのだ。
気功師は “気”を探ることによって姉妹の異変がただ事ではないと悟り、そして同調という手段を使って
姉妹の異変を抑制した。これも、姉妹が双子でなくては出来なかったことだった。
高齢だった気功師はやがて病を抱え満足な“気”の制御ができない身体になったのだが、
彼の跡を弟子が引き継ぐことで姉妹は後々に襲い来る鬼形腫としての発作を抑えることができた。
気の遠くなるような、二つとない奇跡の上に彼女たちはいる。
そして、その奇跡は他の鬼形腫に与えられることはない。
―――ない。
「わかってるぜ。アレは………」
「………私たち、自身」
フゥは痛みを堪えるように顔をしかめ、ランとシオンはお互いの手をぎゅっと握って。
壊滅した村の真ん中に鎮座するソレを睨みつけた。
兜虫を模した、赤い甲殻の騎士。
海魔ユエメイのような巨大さはない。人間と同じような背格好で、手も足も二本ずつ。
頭から生えた一本角や蒼い大きな複眼は甲虫のようだが、鎧を剥けば中から人間が現れても
不思議ではないと思える。しかし……この村の現状を見れば誰だってわかるだろう。
家という家は無残に叩き潰され、住民は血溜まりに倒れ臥している。五体満足な者はほとんどいない。
男も女も関係なく、老いも若いも容赦なく。視界に入る全ての人間は一目で既に息絶えていると理解できてしまう。
その中心に佇む彼が、この惨劇を引き起こした彼が人間であるわけがない。
鬼形腫(かいぶつ)なのだ。そして彼自身、元……この村の人間であることは間違いない。
握り締めた拳に爪が食い込む。
その手にかけたのか。
同じ時を過ごした隣人たちを。
たかが、たかが―――怪物になってしまった程度で。
潰れた屋根の下から覗いた、血塗れの手。
「………………………ラン。シオン。頼んだぞ」
「了解」
フゥは全身に気を漲らせ、構えた。
ランとシオンもそれに倣う。
三人の敵意を感知したのか、それまで村の中央、広場の真ん中でうずくまっていた騎士兜が立ち上がった。
機械仕掛けのような無機質な動きで首をぐるりと回し、フゥたちの姿を複眼に映す。
『…………ギギィ』
血や土埃で斑模様になった腕が持ち上がる。装甲に固められたそれはさながら金属のような音をたて、
『―――――――――ッッッ!!!』
地面を砕き、一瞬にして眼前に迫る。
狙われたのはランだ。三人の中で一番脆そうな少女を狙ったのか。
ランは咄嗟に躱そうとするが、間に合わない。村ひとつを容易く壊滅させた豪腕は
違うことなくランを殴り飛ばそうとし、もしそうなれば少女の身体など簡単に砕け散るだろう。
ランは回避が間に合わないと悟るや、自身に宿った能力を開放して防壁を作ろうとした。
が、それも間に合わない。ラン作る盾は完成を前に無残に砕け散る。
それは、刹那のあとに残るラン自身の姿か―――。
―――無論、そんなことはさせないのだが。
『ギ………ッ!?』
騎士兜の金棒のような腕が、止まる。
ランの頭と甲殻騎士の腕の間に割り込み、攻撃を受け止めていた。
それは卜の字に枝分かれした近接格闘用の武器。持ち手を変えることによって
攻防一体の装備となるトンファーという名の棍の一種だった。
フゥである。
「……アンタ、そうやって―――この村のヤツらを殺したンか。
その腕で、その力で………。一緒に生活していた連中全員を殴り殺したっつーのかよ」
『………………』
フゥは守ったランのことを見ようともせず、ただ静かにそう呟いた。
騎士兜は答えない。当然だ。彼は『元』人間なのだ。すなわちもう人間ではない。鬼形腫として完全に
覚醒した人間は、人間としての精神を喪うといわれている。そうでなくては―――そうでなくては。
自分が共に生活していた村の仲間たちを皆殺しにするなんて悪魔の如き所業、どうしてできるといえるだろう?
だから。フゥの言葉に意味はない。通じる言葉は既にない。
鬼形腫は、人間ではないのだから。
だが、それでもフゥは。
怒りに燃える瞳でその青い複眼を睨みつけた。
「――――――ふざけンじゃねェぞ!!」
受け止めていた腕を返し、重心を崩したかと思うとフゥの身体は騎士兜の懐に潜りこんでいる。
一撃震山。とんでもなく腰の入った至近距離からの体当たり―――央華拳法の技のひとつ、鉄山靠。
巨大なハンマーを叩きつけられたような衝撃に、騎士兜の身体はたやすく吹き飛ばされた。
騎士兜の装甲は傷ひとつなかった。村人たちがろくに抵抗もできなかったこともあるだろう。
しかしそれは、言い換えるならこの村の家々を破壊した自身の怪力による衝撃でさえ、
騎士兜には何のダメージにもならないということを表していた。たとえばウォーハンマーを
振りかぶって大岩を砕いたとして、そのハンマーに傷のひとつもないということはありえない。
どんな武器でも鎧でも、破壊を行えば傷はつく。村ひとつを壊滅させたとなればなおさらの筈だ。それなのに。
『……………!』
おそらく、この怪人の装甲は龍の鱗にも匹敵するだろう。
今の状態のフゥでは、硬い甲殻の強度を超える打撃を打ち込むことはできない。
案の定、鉄山靠がまともに入ったはずの騎士兜は空中でくるくると回転し、ざざざ、と踏みとどまった。
堪えた様子もない。吹き飛ばしたことで距離を取ることができただけだった。
―――それで充分。そもそも、騎士兜(かいぶつ)の相手をするのはフゥではない。
『―――……ギッ!』
騎士兜は落下してくる何かを敏感に感じ取って横っ飛びに跳んだ。
次の瞬間ごおん、と地面にめり込む岩―――岩?違う。氷だ。といってもその塊はどこかの氷山から
切り出してきたのかと思うほどで、大きさと重量は人一人を押し潰して余りある。
「……外した」
ぽつりと呟いたのは先程騎士兜が殺そうとした少女、ランだった。
『……………ギッ?』
体勢を立て直した騎士兜が戸惑ったように辺りを見回す。
周りの景色が歪んでいる。まるでさざなみの水鏡に映っているかのように。
―――灼熱の砂漠の彼方に見える地平線のように。
「蜃気楼。熱によって密度の変わった空気が光を屈折させて起こる現象なんだぜ。
ファウスト博士の受け売りだから、あたしにはよくわかんないけどな」
その中で、シオンだけが揺れずに立っている。騎士兜にしてみれば唯一はっきりと手の届く標的だ。
『ギギィィィィッ!!』
騎士兜は標的をシオンに変え、雄叫びをあげて彼女に突進する。
距離が近い。これではさっきのようにフゥがフォローしたとしても間に合わないだろう。
騎士兜の豪腕はシオンの細い身体を横薙ぎに払い、―――そして空を切った。
目測を誤った、いや故意に歪められたのか。
「こっちだぜ虫野郎」
すぐ近くから聞こえた声に振り返る。が、遅い。何もない空間から腕がにゅうっ、と伸び、
騎士兜の横腹に手のひらが添えられた。―――それだけだ。どんな攻撃も防ぐ騎士兜の装甲だが、
これは打撃ですらない。騎士兜はそのまま少女、シオンを殴り飛ばそうとして、
『―――――――――ッッッ!!!?』
激痛に叫び声をあげ、そのまま大きく跳躍して距離を取った。
何かをされたのだ。しかし何を。痛みを感じる腹には掌の形に真っ赤になった痕がついていた。
じゅうじゅうと焼けている……超高温によって炙られたのだ。この歪んだ世界といい、
装甲に焼け跡を作るほどの高熱といい、只者ではない……!
そう警戒しながら着地した騎士兜は、間抜けにも地面に足をつけた途端に滑ってすっ転んだ。
ごん、と頭を打つ。無論転んだくらいでどうにかなる装甲ではないが―――気が付くと、
ゆらゆらと揺れる陽炎の世界はまったく正反対の、氷の世界に様変わりしていた。
つるつると滑るのはこのせいだ。いつの間に。何が、どうなっている。
『………………ギギッッ!!?……!?』
混乱する騎士兜の前に立つ、ランとシオン。
「……貴方の相手は、私たち」
「引導を渡してやるぜ、ニイちゃん」
人外の能力を持つ双子の姉妹。
姉のランは冷気を操り大気中の水分を一瞬にして氷結させ、
妹のシオンは高熱を以って周囲を火の海に変え焼き尽くす。
どちらも魔法という『術式』を介しない、鬼形腫としての彼女たち自身の能力だ。
いわば、彼女たち自信がひとつの魔術と化しているといえようか。海魔ユエメイの藻や
この騎士兜の装甲と同じ、人間には持ち得ない『生態』である。
しかしランとシオン場合―――ここに、鬼形腫研究の権威たるファウスト博士の
解析から得た自分たちの特性を生かす知恵が加わることになる。
姉妹の冷気と高熱が同時に展開される。激しい温度差によって
景色が歪む―――目標の距離を、姿を狂わせるさっきの蜃気楼だ。
『………………………ギギ』
騎士兜が喉を鳴らした。姉妹の姿はぐにゃぐにゃと歪んでいる。
これでは闇雲に腕を振り回してもそうそう当たるものではないだろう。しかし……。
シオンに焼かれた脇腹から手を離す。焦げているが、それはあくまでも表面だけのことだ。
甲殻の強度に問題はない。受け続ければちと堪えるかも知れないとしても、まだ無視できるレベルのものだ。
対して、鬼形腫といっても姉妹の身体能力や強度そのものは普通の人間の域を出るものではない。
最初の一撃。もしフゥが防がなければランは騎士兜の剛力のままに殴りつけられ、
肋骨と背骨をまとめて砕かれて身体そのものがくの字に折れ曲がっていたはずである。
一撃でも受ければ、そこで終わり。ランとシオンが挑むのはそういう相手だった。
フゥがいればまだ攻撃を防いでもらえるのかも知れないが―――そういうわけにもいかない。
『―――ギギギギギギギギギギィィィッッッ!!!!』
騎士兜は咆哮をあげると、手近な幻を殴りつけた。
陽炎はゆらりと揺れただけで空を切り、しかしそのままの勢いで地面を砕く。
少女の身体など簡単に破壊する攻撃。それでも、引かない。立ち向かう。
だって、この鬼形腫(かいぶつ)は。
ありえたかも知れない彼女たち自身の姿なのだから。
「行くぜ、ラン!」
「うん……シオン!」
「………………………」
一方、勇者であり、戦える力と武器を持っているフゥは何をしているかというと―――。
騎士兜の注意をランとシオンが引き付けていることを確認してから戦線を離脱し、
最初に騎士兜がいた辺り―――つまり村のほぼ中央で地面を手につけ、目を閉じていた。
感知している。
フゥの瞼の裏。暗い視界に、光る筋がいくつも伸びていた。見えているのではないが、視えているのだ。
気功師であるフゥはマナの流れである龍脈を感知し、ある程度辺りの様子を探ることができる。
聖堂教会が世界中に設置したE.D.E.N.と同じ、いやE.D.E.N.こそが気功師の術を
再現したといった方が正しいか。E.D.E.N.は世界中の術式の結晶とも言える装置なのだが、
龍脈を利用するという技術の発想は央華帝国の気功師が元になっている。
「………いた!」
しばらくそのまま龍脈を探っていたフゥだったが、やがて気配を感じて顔をあげた。
弱々しい、今にも消えそうな―――確かな息遣い。
生存者だ!
フゥはすぐさま地面を蹴り、一軒の破壊された家の前まで辿り着いた。すぐ近くで轟音が響く。
ランとシオンが戦っている―――が、フゥは一瞬だけ横目を向けただけで視線を戻す。
こぉぉ、と呼吸を整え、崩れた壁の残骸を除けていく。
かなり大きな破片もひょいひょいと片付けていく。体内の気(マナ)を血肉に通わせて
身体能力を強化する気功術の一種だ。今のフゥは素手で大岩を持ち上げるほどの筋力を有する。
この程度の土壁、何てことはない。
と、フゥの眉間に皺が寄った。
虚ろな眼を向けている中年男性。………生存者ではない。腹に開いた大きな穴が、彼が既に
物質(もの)になってしまっていることを示している。この下にいるはずの生存者の家族だろうか……。
「………………………チッ」
フゥは唇を噛み締めた。しかしぐずぐずしている場合ではない。
ここで動揺しているということは死体を増やすということだ。ランとシオンも
長く放っておくことはできないし、この男性や村の他の犠牲者たちには
悪いが……全てが終わるまで埋葬は後回しにしてもらわなくては。
「すまん、オッサン。……そん代わし、あんたの家族はきっと助けるから……勘弁してくれよな」
フゥはそっと男性の瞼を閉ざすと、再び瓦礫を除ける作業を再開した。
地面が隆起し、その下から霜柱が槍のように放たれる。それらは次々と騎士兜に突き刺さるも、
しかし強固な装甲は貫通できずにへし折れた。騎士兜もそれがわかっているのか、
霜の槍など目もくれずにランに突進する。一方攻撃が通じないと悟ったランの方は
自らの足元に台状の霜柱を氷結させ、地面ごと自分の身体を持ち上げて大きく飛びのいた。
代わりに前線に飛び出したのはシオンだ。大きく息を吸い込み、そして吹き付けると
それは焼け付く熱風となって地面を襲う。………騎士兜ではなく。
『………ギ……!?』
それでいい。散らばっていた霜の破片が溶解し、瞬時に蒸気となって辺りを包み込んだ。
視界が真っ白に染まり、騎士兜の足が止まる。その隙に姉妹は一端その場を離脱して木陰に身を潜めることにした。
ぜはぁ、と大きく息をついてへたり込む。
「あいつ、どんだけ硬いんだよ!氷、全ッ然通じてないぜ!?」
「…………すぐに、砕かれる」
ランの眉が困ったように下がった。
ではシオンの高熱で攻撃すればいいかというと、そう簡単な話でもない。氷のような物質と違って、
熱や炎では明確な壁となりえない。長く熱し続ければそりゃああの装甲にも有効かもしれないが、
その前に突進で間合いをつめられて攻撃を受けてしまうだろう。
一撃でも受ければそれで詰み、である。
騎士兜と格闘戦のできるフゥは壊滅した村で生存者を探しているはず。応援は期待できない。してはいけない。
気を探って生存者を探すことも、ヒーリングで命を繋ぐことも姉妹にはできないことだ。ならば、せめて。
双子が選んだ道だけは、やりとげないと。
『………ギギ、ギギギ……………』
騎士兜は姉妹を探しているようだ。村からは一応引き離すように移動していたが、このまま
標的の姿が見えないとなるといずれ村に引き返すことも考えられる。それだけは回避しないと。
しかしこのまま決め手に欠ける状態で戦い続けたとしても―――。
「………シオン、まだ、平気?」
「あたしは大丈夫だぜ。ランこそ、まだいけるんだろうな」
「………当然」
ランとシオンは顔を見合わせ、手と手を取る。
ランの手はシオンには氷のように冷たく感じる。しかし、その冷たさがシオンの熱を冷ましてくれるような
気がするのだ。逆にシオンの手はランには火のように熱いが、ランの凍えるような冷気を温めてくれる。
この姉妹は、そういう存在だった。鬼形腫になる前も、フゥと家族になる前も、だ。
『ギギッ……ギギギ………』
そうこうしている間に、騎士兜は姉妹が逃げ出したものと思ったのか村の方へ戻っていく。
逃げ出すわけがないのに。踵を返して―――背を向けて。
「今が」
「………好機!」
姉妹は隠れていた木の影から飛び出して、隙だらけの背後から攻撃を叩き込んだ。
といっても背中は駄目だ。背中は、騎士兜の甲殻の中でもいっとうに分厚く硬い鞘翅(さやばね)に守られている。
狙うは後頭部。衝撃で脳を揺らすことができればシオンが直接高熱で焼くことができる―――!
『………ッ!』
―――しかし、矢のように放たれた氷弾は神速で振り返った騎士兜に弾かれ、
躱され、あげく掴まれて投げ返された。まるで後ろから仕掛けるのが
わかっていたような―――と、そこでランの目が驚愕に見開かれる。
氷。
ランとシオンは騎士兜を村から引き離すことが第一の目的だったので、
騎士兜が引き返そうとした道には必然的にそれまでの戦闘の爪痕が残されていることになる。
シオンの熱風で焼かれた草木。霜が融け、ぬかるんだ地面。そして未だに融けずに残る氷塊。
人の背丈ほどもあるそれはきらきらと光り、鏡のように辺りを映している。
背を向けたのはわざと。最初からそれが目的だったのか……!
「くそっ!」
ランの眼前に迫る氷弾。自分が作り出した氷とはいえつららのように尖ったそれは
容易くランの身体を貫くだろう。シオンは舌打ちし、熱風で氷弾を相殺した。
そこに。
騎士兜が一瞬にして間合いをつめる。
「シオン!」
騎士兜にとって、ランの氷はそう大したダメージにはならない。より危険なのはシオンの方だと
判断したのだろう。ランをまず攻撃し、護ろうとしたシオンが体勢を崩すのも計算のうち。
見誤っていた。騎士兜は作戦を立てていたのだ。考えてみれば村で最初にランを狙ったこともそう。
人間としての心を喪っても、戦いを組み立てる知性は残している……!
『――――――ギギギギギ、ギギギギギィィイイッッッ!!!!』
貫いた。
騎士兜の抜き手は無情にもシオンの身体を貫通した。悲鳴すらあげられない。ごふ、とお腹の奥から吐息が漏れる。
そのまま吊るし上げられ、ぶん、と無造作に腕を振って投げ飛ばされて木に叩きつけられた。
ずるずると滑り落ちて、もう動かない。腹部に開いた穴は致命傷だ。たとえ即死を免れているとしても
時間の問題である。たとえフゥのヒーリングを受けることができたとしても、傷を癒すことはできない。
フゥのヒールは気を活性化させることによって自己治癒力を高めるものだ。『腹に開いた穴』なんてものは
人間が回復できる上限を超えてしまっている。
シオンが死ぬ。
大切な妹が。
ずっと寄り添って生きてきた、半身が―――。
「あ、」
ばきばきばき、とランの足元から棘のように氷の柱が立ちあがった。
「ああ、」
それは地面を砕き、木々をへし折り、ランを中心に巨大な氷山を形成する。
「あああああああああああああああああああああッッッ!!!!」
駆け抜けるもの全てを凍てつかせる烈風が辺りに吹き荒れ、森は一瞬にして氷の世界に変化を遂げた。
森から急激な気の乱れを感じて、フゥはばっと顔をあげた。
そう遠くはない。森の木々より遥かに高く聳え立つ氷の柱。まるでそこだけ空間が切り取られて、
氷山を貼り付けたかのように。それだけではない。現れた樹氷を溶かすように炎の柱が天に逆昇っている。
―――これは。
「糞……ッ!」
ぎりり、と奥歯を砕くように噛み締める。
『調整』は村に来る前に済ませたのに。自然に覚醒するわけがない。おそらくはランかシオン、
どちらかの身に何かが起きたのだ。あの姉妹の、人間の部分が消滅するような何かが。
フゥはちらりと横目で助け出した何人かの村人を見た。処置は済んでいる。
重傷を負っている者もいるが、気を活性化させるしか手のないフゥには
それ以上どうしようもない。放っておくというと聞こえは悪いが………。
「………悪ィ、我慢してくれな」
フゥはトンファーを構えて駆け出そうとして、すぐにざざざ、と足を止めることになった。
………………………何かが、いる。
傷を負った村人たちに追い討ちをかける類のものか。いやどうもそうではないらしい。
人間ではない。しかし、危険視するような者でもない。何故なら……それもまた、瀕死の重傷を負っていたからだ。
家をなぎ倒すような形で倒れていたのは巨木の魔獣、エントだった。
あの騎士兜に挑んで敗れたのだろうか。胴体の真ん中辺りからへし折れ、ささくれ立った木っ端が
散らばっている。まだ生きている。恐るべき生命力だった。しかしそれだけだ。この魔獣はあと数分で死ぬだろう。
何故人間のテリトリーである村の中にエントがいるのか―――それは想像に難くない。
魔獣が鬼形腫を過剰に敵視するのは鬼形腫の研究に携わる者には常識的なことだ。
鬼形腫が魔獣の仕業ではないという説の根拠にもなっている。縄張りである森を守るため、
異変を察知し、騎士兜を倒すために境界を侵して襲い掛かったのだろう。
………………………。
フゥは振り返り、氷結し、また炎上する森に目を向けた。
魔獣は鬼形腫を過剰に敵視する。
あそこはいわば、敵陣のど真ん中なのだ。
「―――ラン……シオン……ッ!」
フゥは爪で皮膚を突き破るほど固く拳を握り締めると、再び疾走を開始した。
――――――それは、シオンの命を救う最後の手だった。
冷気と高熱、表裏一体の双子の能力は元々ひとつのものだったらしい。覚醒時、双子に引き起こされる反応は
ベクトルが逆なだけで数値も変化の仕方もまったく同じだというが―――ランにはよくわからない。
わからなくても、信じられる。ファウスト博士の解析が導き出した結果だ。
あの老人は変人だが、誠実な人だと思う。
ランとシオンの生命はひとつ。ランが諦めなければ、シオンは助かる……!
思ったとおり、ランが自ら能力を開放したとき、シオンの身体も同じように
鬼形腫としての真の姿を現そうとしていた。
それは炎が具現化したような異形の悪魔。
炎に実体はない。いくら怪力で貫こうが、その腕は身体を素通りするだけだ。
貫かれたあとから変身して、その穴が塞がるかどうかはわからない。しかし一抹の希望に賭けて―――。
『………あ、ああ、』
自らも鬼形腫として真の姿を現したランはこめかみを押さえた。
人間の姿を捨てたことで人間としての意識が、自我が急激に薄らいでいく。それを、必死に堪える。
透き通るように真っ白な肌が見えた。白目と黒目の区別が無くなり、眼球がただの蒼い宝玉に変わる。
血も凍る、空気も凍る。今のランは文字通りの化け物だ。近づくだけで、存在するだけで
全てを凍らせる樹氷の王女。人外の身体で、それでも人間でいたいと必死に抗う。
『シオン―――シオン!』
ランは炎の塊となった妹に向かって呼びかけた。
倒れていたシオンはその声に反応したのか、ぴくりと身を震わせる。
ほっとした―――その身体が、とてつもない衝撃と共に横殴りに吹き飛ばされた。
『ギギッ!……ギギギギギギッッ!!』
騎士兜だ。突然変身したランを敵性と改めて判断したのだろう。完全に不意打ち、
まともに殴られたために激痛が走るが、ダイヤのように硬い氷になった今のランの身体は砕けない。
逆に騎士兜の腕が凍りつき、一瞬にして霜に覆われた。今の彼女の身体に触れることは
あらゆる生物にとって死に直結する。柔らかい果実が鈍器に変わるほどの冷気の塊だ。
騎士兜の硬い甲殻も例外ではなく、凍りついた腕に罅が入って悲鳴をあげた。
それよりも。
『―――あ、ぁ……?』
『シオン!』
ぐらぐらと頭を押さえながら身を起こすシオン。貫かれた傷は塞がっているようだ。
よかった―――と安堵するが、すぐに緩んだ顔が強張る。シオンの火力が増す。
ランの作り上げた氷の世界が炎に蹂躙され、熱風が吹き荒れた。
肌を焼く風にランは激痛を覚え、うずくまった。
『ラ、ン……?まさか』
『……ごめん』
一方、目を覚ましたはいいがシオンの方にも余裕はない。
姉の冷気が熱と炎を鎮め、身体の自由が利かなくなる。
同調し合い、そして反発し合う双子の能力。だがそれよりも双子を苦しめるのは
人間としての意識を押し潰そうと肥大化する己の鬼形腫の凶暴な衝動だ。
ここで引いたら戻れなくなる。能力なんか関係ない。人間であることを諦めることはできない。
だって、ランとシオンは、人間でいたかったからこそこうやって戦っているのだから。
『ギギギギィィィッッッ!!』
一方、炎と冷気に撒かれて騎士兜が苦しみもがいている。
鬼形腫として覚醒したランとシオンの能力は双方、騎士兜のように特に攻撃の意志を見せる必要はない。
その存在だけで相手を攻撃する―――いや、周囲に被害を出すタイプのものだ。おまけにランとシオンが
生み出す激しい温度差によって瞬く間に甲殻に疲労が溜まっていく。騎士兜は戦況を不利と見たか、
この炎と氷の地獄から離脱しようと大きく跳躍した。
そこに。
「――――――何やってンだこのバカ双子が!!」
跳んだ騎士兜を地面に叩きつける飛び蹴り。そのまま独楽のように回転を加えて踵落とし。
さらに震脚にも似た踏み付けで頭部を砕きに行き、それが躱されるや否や一瞬にして懐に入っている。
カチ上げるような掌底。がら空きなった腹部に拳を食い込ませ、さらに中距離からトンファーを叩き込む。
よろめく騎士兜。攻撃はまだ終わらない。気を掌に集中させ―――放つ。
気功拳。
魔法体系で言うところの魔力波と同じものだ。漲らせた気(マナ)を一気に放出し
衝撃波と成すそれは、稲妻や風といった『具体的なイメージ』を介さず直接エネルギーに
転換することで強大な威力を発揮する絶技である。
連続攻撃によって体勢を完全に崩されていた騎士兜は気功拳をまともに喰らい、
『ギ―――ィィィィイイイッッ!!?』
弾け飛んで樹氷の木々を砕きながら吹き飛ばされ……やがて動かなくなった。
「………ウチの双子が世話ンなったな」
冷気と熱風が織り成す地獄で、拳法使いはそう吐き捨てた。
―――なんという、疾風怒濤か。騎士兜の装甲がランとシオンによって脆くなっていたことを差し引いても、
彼が相当な功夫を積んでいることが伺える。おそらくは。一度懐に入りさえしてしまえば、
この少年の連続攻撃を捌くことはたとえ戦闘職の勇者にも不可能だろう。気功術の身体強化によって
鋼鉄と化した拳を、蹴りを。雨のように受けて全身を砕かれてしまうはずだ。
「さて、と」
肌を焼く熱風と髄まで凍るような冷気を放つ双子を振り返り、
『……フゥ』
『何とか、抑えてみるから……少し、待って』
「バカやろ。無茶しゃーがって、あとでファウスト博士に説教してもらうからなお前ら」
半分怒っていて、半分はほっとしている声で言った。何の理由があったのかは知らないが、
鬼形腫の能力を開放したことは当然無茶にも程がある。ランやシオンが
鬼形腫として覚醒してみろ。フゥにとっては身を引き裂かれるようなことだ。
何せ、そうなればランやシオンを『処理』しなければならないのだから。
だが未だ人間の側に踏みとどまっていることは紛れもない僥倖。
今なら『調整』で元に戻れるかも知れない。
急がないと。
森に棲む魔獣がいつ襲い掛かってくるかわかったものではないのだから―――。
『フゥ!』
―――ばきばき、と何かが砕けるような音がした。
咄嗟に振り返るが、浅い。背後で身を起こしたそれは己の甲殻が砕けるのもいとわず、
横薙ぎにフゥを殴りつけた。フゥの連撃で罅の入っていた甲殻が完全に割れ、
破片と蒼い血が飛び散った。それほどの全力。トンファーで防いだために直撃は避けたが、
構えた腕からみしみしと嫌な音が響き、痺れるような激痛が走る。
これは骨が砕けたか、腱が潰れたか……力が入らない。少なくとも二、三日は使い物にならないだろう。
全身の甲殻に罅の入った―――それでも立ち上がり、戦闘を続行した騎士兜がそこにいた。
『ギギギッ!ギギギギギギィィッッ!!』
「ち―――しつけぇぞこの野郎……!」
割れた甲殻の隙間からぼたぼたと蒼い血を滴らせ、咆哮をあげる。騎士兜はかなりの深手を受けているようだが、
フゥの方にも余裕はない。握力がほとんど無くなった腕はトンファーを構えることもできずに
からん、と武器を落としてしまうほど。村でのヒーリングで消費したために気のブーストも長く保つかは
わからない。何より、ランとシオンの作る地獄でダメージを受けているのは騎士兜だけではないのだ。
そのランとシオンに至っては、立ち上がることもままならない。意識を失えばその瞬簡に新しい脅威の誕生だ。
それでも何とか抗おうと、片腕を掲げる。
ぎちぎちと歯を鳴らす騎士兜。
今にも暴走しそうな己の力を押さえ込むランとシオン。
フゥはざり、と擦り足を進め、
「――――――やれやれ。部下の帰りが遅いと来てみれば……余所者がまた厄介を起こしているようだ」
どずん、と。
地響きのような轟音を立て、騎士兜の身体は踏み潰されていた。
現れたのは巨大な―――根。二足歩行で歩き回る、巨木の魔獣。
エント。
村で騎士兜に倒された個体とは別の、それより遥かに大きく、強力な力を持ったヌシが。
炎も氷もお構い無しに踏み砕き、フゥたちの前に聳え立っている………!
恐る恐る、辺りを見回す。
村に向かったエントの応援だろうか。いつの間にか、フゥたちはエントの群にずらりと
取り囲まれていたのだった。その数、十か、二十か。弱っていたとはいえ、
騎士兜はエントの足の下で潰され、蒼い血の中で奇妙な形に捻れている。
完全に―――絶命していた。
助かった、とはとても思えない。
エントは敵意に満ちた眼差しでフゥを、いや異形のランとシオンを見下ろしている。
魔獣は、鬼形腫を敵視する。
このエントたちにとって騎士兜もランとシオンも、同じ『敵』なのだ。
フゥは奥歯を砕けるかと思うほど強く噛み締めた。
勝ち目はない。どうひっくり帰っても、この巨体、この数の差を埋めることはできない……!
――――――………だが。
「……ここは我らの森。貴様らの勝手で荒らすのは許さぬ」
『諦めろ』。
言外にそう宣告するエントの群を前に。
居るだけで体力が奪われる灼熱と極寒の地獄の中で。
痺れる腕をだらりと垂らし、片腕だけを握り締めて。
フゥはそれでも、正眼に構えた。
自分の後ろに、
誰がいるのか。
それを思えば。
―――それを、思えば。
ファウスト博士は壊滅した村を見回し、ゆっくりと首を振った。
「リキン村。村民人口257名……うち、251名死亡。結局、痛ましい結果になってしまったの」
自分の手で殺したとは思わない。しかし、もし、と思ってしまうのも詮無いことだった。
もし、鬼形腫研究がもっと進んでいたなら。もし、鬼形腫に発症した初期段階で情報が入っていたのなら。
もっと他に打つ手があったのではないか。少なくともここに住んでいた住人たちは死ななくて済んだはずなのだ。
「………………………」
それを忘れてはならないと思う。
本来なら、ファウスト博士はここ―――鬼形腫発症の現場に出てくる必要はない。
研究所に篭ってモニターや計器を睨みつけていればそれで済む筈だ。しかし、この老人は
時々こうやって『惨状』に顔を出す。鬼形腫という悲劇を、机上のものにしてしまわぬように。
それが、『賢者』と『OZ』の双方の称号を持つ大天才ヨハン・OZ・ファウストなのだった。
「………そう、大したものではないよ。研究者の儂にしかわからぬ手がかりが現場に残されている可能性もある。
騎士たちの護衛もあるしの。儂は儂の仕事をしているだけさ。―――安全圏の中からな」
「………………………」
ファウスト博士は大の字に倒れているフゥに視線を落とした。
「………安心せい。お前たちは大切な観察対象だと言ったじゃろう。観察対象から反感を買うのは
儂にとって得策ではないのでな。死なせはせんよ。お前たちが助けた者たちも―――無論、お前たちも」
「………………………そォかい」
フゥは大きく息をつこうとして、痛みに顔をしかめた。
騎士兜に打たれた片腕だけではない。ランとシオンの生み出した地獄の、
冷気と熱風がフゥの身体に凍傷と火傷の斑模様を作っていた。それだけでなく、
ランとシオンを『調整』するために直接双子に触れたためにずたずたに引き裂かれている。
全身の至る所から響くずきずきとした痛み。が、フゥは自分の身体などお構い無しにファウスト博士を見上げた。
「博士。ランとシオンは」
「安心せい、と言ったじゃろう。『調整』は成功したよ。今、騎士隊の医療班の元で治療を受けておる。
著しく魔力を消費しておるが―――ま、外傷は少なくとも、お前よりは軽いもんさ」
それを聞いて、安堵にフゥは目を閉じる。
変貌したランとシオン、樹氷の王女と炎の魔人―――その姿を見たのはあの日以来だった。
つまり初めてランとシオンが鬼形腫としての能力を開放させた日。まだ子供だったフゥが
気功師の師匠に連れられて央華帝国の山奥にあるとある村を訪れた日のことだ。
師匠は暴走する双子を決死の呼びかけによって止め、その能力を抑制した。
あの時の光景はフゥの目に焼きついている。師匠と同じことができたのだと思うと、少しだけ誇らしかった。
それにしても―――。
「………エントは、どうして俺たちを見逃したんだろう」
「何?」
そう。
今こうやってフゥが暢気に倒れていられるのは、ひとえにエントたちが
何もせずあの場を立ち去ってくれたからだ。満身創痍のフゥがあの数のエントたちを相手に
どうにかできた筈がない。エントたちがその気になっていなら、おそらくは騎士兜に
そうしたように一撃で踏み潰されてぺしゃんこになっていただろう。
魔獣は、鬼形腫を敵視する。
フゥは―――その後ろにいたランとシオンは、何故エントたちに殺されなかったんだろうか?
戦っても敵わないと悟ったから?……それはない。ランとシオンはあの時、フゥ以上に戦える状態になかった。
実際に仕掛けていたらどうなっていたわからないにしても、エントたちには少なくとも隙だらけに見えた筈だ。
フゥにしてもそれは同じ。フゥの威圧がエントたちを追い払ったとはとても思えない。
ならば何故。フゥたちはあの時『詰んで』いたのに。
「さてな。だが、見逃されたのなら見逃されただけの理由があったのじゃろう」
「見逃されただけの理由?何だよそれ」
痛む身体を起こして訊くフゥに、ファウスト博士はそれは知らん、と答えた。
脱力するフゥ。そんな少年に、彼の三倍は生きている老人は目を細め、
「儂が瑶狼と熊々をこうして自由に行動させているのは何故だと思う、白虎よ」
そう、呟いた。
「はぁ?」
「鬼形腫研究の権威としては、『人間としての自我を保つ鬼形腫』の存在など
野放しにしていいものではない。精神と行動の自由を奪い、研究所に閉じ込め。
生命をやすりがけるような実験を繰り返した方が効率が良いのだよ。少なくとも暴走し、
処分された鬼形腫の死体を弄るよりはよほど研究は進むじゃろう。わざわざお前を介さずとも、
あの娘たちを切り刻んで薬品付けにしたほうが良いのではないかと。そう言う者もおる」
「………………………」
他の誰でもない、ファウスト博士の口から聞かされたその言葉にフゥは目を丸くした。
あまりに非情。フゥは自分の目が知らずに鋭く尖っていくのを自覚した。
―――だが、その底では。わからなくない。いくらフゥが庇おうとも、鬼形腫として覚醒したランとシオンは
人間とは相容れない。いや人間どころか、この世界のどこにも双子の居場所なんてないだろう。
ただそこに存在するだけで全てを凍てつかせ、そして焼き尽くす。
そんなもの、怪物どころか災厄にしかなりはしないのだから。
「だがの」
それでも。
「儂には、そんなことはできん。何故か?それはな。あの娘たちこそが、鬼形腫を研究する目的だからだ」
「………」
「あの娘たちは、怪物を身に宿しながらも死に物狂いで人間でいようとしておる。
こうやって『同類』を相手にしておるのもその為。あの娘たちは人間そのものなのだよ。
醜い怪物に身を焼かれながらも、心だけは凍ることはない。この世界の誰よりも、
あの娘たちは人間でありたいと願っておるのだ。技術は万人が為に―――……それを
無くしてしまったら、儂に語る言葉などもう何もなくなってしまう」
「………………」
フゥは何も言えずにいた。
フゥにはファウスト博士のいる世界のしがらみなどわからない。フゥは所詮若造で、
研究所にいる職員以外の研究員のことは知らない素人だ。だが、それでもわかる。
この人は、信頼に値する人物なのだと。
「エントは森の賢人の呼ばれる位の高い魔族だ。鬼形腫として狂った村の男と、
鬼形腫でありながら人間の側に留まったあの娘たちの差に何か思うところがあったのやも知れん。
………まぁ、単に普通の人間であるお前を殺せば報復されると判断したのかもしれんがね」
「………………………いや、どうかな」
騎士兜に止めを刺したあのエントはおそらく、この森のリーダーだろう。
エントはかつてこの国で神として崇められ、聖堂教会の管理下にある今でもなお人間たちと
交流のある種族だという。つまりはエントたちと人間は仲間なのだ。仲間ではないとしても、
敵対するような存在ではないことは確実だろう。
あの時。エントの長はその大きな腕を振り上げ、フゥたちを薙ぎ払おうとしていた。
だがそれは振り下ろされることなく、エントたちはフゥたちを……ランやシオンをじっと観察したあと、
エントたちは静かに背を向けて立ち去っていった。
その後痺れる腕を無理矢理動かしてランとシオンを『調整』することに成功、
なんとかぎりぎりのところで『人間』側に戻すことができた。
―――魔獣は、鬼形腫を敵視する。
ならば。逆に言うならあの時見逃されたということは、ランとシオンは鬼形腫として
見なされなかったということになるのではないか?もちろん魔族の意図なんてフゥにはわからない。
けど、ファウスト博士の言うとおり、ランとシオンは怪物ではないのだから。
そう考えても、いいのではないか。
「俺ァ、あンたの考えに同意するね。博士」
「……そうか」
ファウスト博士は頷き、目を閉じた。
彼らの周りではファウスト博士が手配した騎士隊が犠牲になった村人たちを埋葬をし、
また森に残されていた騎士兜の死体を回収している。ランとシオンによって甲殻は変質し、
フゥによって肉は潰され、さらにエントによって踏み潰されるという、辛うじて原型を
留めているだけの凄惨な屍だが、これでも立派な『資料』には違いない。
助け出された生き残りの村人は応急処置を受け、ファウスト博士やフゥたちと
共に街に戻り治療を受けることになる。その中には、もちろんランとシオンも含まれる。
……もちろん、双子よりボロボロになっているフゥも入院しなければいけないが。
ともあれ。
「これで、とりあえず終わり……か」
「この件はの」
「………………………この爺さんは、もぅ……」
がっくりと肩を落とす。しかし、ファウスト博士の言う通りだった。
この一件が終わっても次がある。いずれまた―――次はいつになるかわからないが、
明日になるか、それとも数ヵ月後か―――鬼形腫が現れたとき、またこうやって鎮めに行かなくては。
「できるだけ、長いこと休みたいんだけどなぁ……こっちは」
「ああ、そうだ。フゥよ、研究所にレイジュ・ランディスから連絡があったぞ。
何でも、異教徒の集落を壊滅させるのに手を貸して欲しいそうじゃが」
「………………………」
そうそう、この身は勇者。
鬼形腫の対応とは別に、聖堂教会の任務もこなさないといけないのだった。
全ては、ランとシオン。二人が人間として生きるために。
(―――それは、わかってんだけどなぁ……)
こき使われンの、ダッリィなぁ。この先の鬼形腫と関係ない任務、
全部『お腹が痛い』で拒否できねェかなぁ。無理だろうなぁ。ダッリィなぁ。
そんなことを考えながら、フゥは再びぱたりと横になった。
「………残念ながら俺は重傷者なので不参加という形で宜しくお願いします死ねって返事しといて博士」
適当なことを言って。
状況、終了―――と。
No fear,No pain〈鬼編〉〜新ジャンル『人間』〜 完
中華風勇者や双子の設定、色々変えていますが勘弁してください
やっぱり戦闘シーンが入ると無駄に長くなるなぁ
テラカブトwwwwwww
GJ!!
こちらももう少しで500KBか
女「自由とは!何だ!!?」
男「何だよいきなり」
女「自由!聞こえはいいけど具体的にあんまり思いつかない自由!
そんなもん自由と呼べるのですかハイ男くん!」
男「哲学的なことなんか俺はわからんぞ」
女「たとえば自由形!お前それクロールだろ!どこが自由なんだ!もっとフリーダムにいけよ
自由なんだから!プールサイドとか走れば一位なんじゃね?みたいな」
男「泳げよ」
女「自由の女神なんか最低だと思うね!コンクリ製の自由なんているかボケェェェェェェェェ!!
硬ッ!あまりに!硬い!!」
男「スライムかければ動くよ」
女「………?」
男「元ネタがわからなかったかッ!」
女「フリーターだってそうそう自由なわけじゃないしさぁ。
もう夜まで家に隠れてるような生活はいやだお……」
男「働けニート!」
女「男って時々心に刺さること言うよね」
男「何の犠牲もなく自由が得られると思うな小娘」
女「真実とは人を最も傷付けるナイフなんだよ」
新ジャンル「自由人」
男「痛てッ」
女「どうしたの?」
男「ノートで指切った」
女「ねー……あるあるww」
男「紙で指切ると無性に腹立つのは何故だろうな。何かに負けた気がする」
女「どれ、見せてみ?」
男「何?お前傷見て興奮するタイプの人間?」
女「そうじゃなくて。―――はむ」
男「!?」
女「唾液には殺菌作用があるのよ。舐めてりゃ治るってやつ」
男「………そ、そうか。しかし、わざわざお前が舐めなくてもいいんじゃ……」
女「うん?」
男「……いや、何でもない!」
女「ぺろぺろ」
男「くそ、これも負けた気がする……ってまだ舐めてるし!しゃぶってるし!」
女「舐めれば治るのよ」
男「………(ナンかエロいな……)」
女「……?」
男「………///」
女「……あ///」
男「せ、生理現象だ!」
女「あー……///」
男「………」
女「な、舐めれば治る?」
男「勘弁してくれ……」
新?ジャンル「舐めれば治る」
男「………言わなくちゃ……今日こそ、ちゃんと……」
女「男くーん」
男「ビクッ!……や、やぁ、女さん」
女「えへへ。待った?」
男「え?い、いや、僕たち別に待ち合わせの約束なんてしてな……」
女「男くん。今日のお弁当は期待しててね?男くんの大好きなミニハンバーグだからね♪」
男「あの、それなんだけど」
女「うん?」
男「お、お、お弁当!僕、別に頼んでないよね?そ、それに!僕はA子さんとお昼食べるから!」
女「………」
男「それに!ぼ、僕たち付き合ってないからね!ぼ、僕はA子さんが好きなんだ!
女さんとは……付き合えない!!」
女「男、くん……」
男「それじゃあ!ばいばい!!」ダッ!
女「………………」
女「……………………」
女「…………………………」
修造「諦めんなよ!諦めんなよ!女ならできるよ!男くんを繋ぎとめられるよ!
その為にはどうすればいい!?どうすればいい!?ハイ考えて!一生懸命考えて!考えたら行動だよ!
大丈夫!伝わるよ!君の気持ちはきっと男くんに伝わるよ!もう一度信じてみろよ!立ち上がってみろよ!」
女「……そう、そうですよね」
女「男くんは渡さない……薄汚い雌豚なんかに、渡さない……!」
女「わたしと男くんを引き裂こうとする雌豚なんか、死ねばいい!」
女「殺す…殺す……!殺してやる……!」
修造「聞こえない!もっと大きな声で!お腹から声出して!!」
女「男くんを誘惑する雌豚は、殺してやる!!!!」
修造「ハイ結ばれた!君と男くん結ばれたよ!」
女「あはははははははははははははははははははははははは!!!!」
修造「あはははははははははははははははははははははははは!!!!」
新ジャンル「松岡 修造」
ちょww吹いたwwww修造www
※ふたなり注意!!
??「我はなべなり」
??「そして我はふt」
新ジャンル「ふたなり」
男「ああ、両足で立つレッサーパンダね」
女「ちゃうねん」
新ジャンル「ふうたなり」
>>484 男「じゃあ、片足で立つレッサーパンダか?」
女「ちゃうて」
男「完全な二足歩行が可能なレッサーパンダ?」
女「ちゃうっちゅうに」
男「それなら、ブリッジの状態で階段を駆け下りてきて
油断してるといきなり首が180°回転するレッサーパンダだな」
女「ちゃうわい!」
男「じゃあどんなレッサーパンダなんだよ!」
女「レッサーパンダから離れろや!!」
新ジャンル「続・ふうたなり」
レスがない
みんな忙しいようだ
男「白黒で」
女「うん」
男「笹食って」
女「うん」
男「タイヤとかで遊ぶ」
女「そやね」
男「そんなレッサーパンダをこのまえ見たんだ」
女「それめっさパンダやん! 普通の!」
新ジャンル「めっさーパンダ」
女「……ねぇ、男」
男「ん、女。どした?」
女「男さ。あたし、ノート貸したよね?」
男「おう。お前意外と几帳面にノート取ってるんだな。助かったよ」
女「………………………あたしのノートに、意外な栞が挟まってたんだけど?」
男「栞?」
女「栞」
男「いや、知らんぞ。栞なんてコジャレたもん、俺使ってないしっていうか持ってないし」
女「………………………ふぅん?」
男「………………………なんだよそのドライアイスみたいな眼差しは。マジだってヴぁ」
女「じゃあ、コレを見てもまだシラを切れるかしら?」
男「?」
女「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
男「………」
バァァァァァン!!!!
男「こっ……これは!?」
女「これが動かぬ証拠!往生なさい、男!!」
男・女「「ちんげ!!!!」」
女「……最低」
男「待てェェェェェェい!!誤解だ!!俺は何もやましいことは何もしていない!!」
女「………………………へぇ?」
男「その目をやめろォォォォォォ!!!!」
女「じゃあ、まさか男のちんげが勝手にあたしのノートに挟まったっていうの?バカじゃない?」
男「そ、そうなんだって!だって連中の機動力ってハンパないんだぜ!?絶対触らないだろっていう
本棚の上とか!パソコンの本体のカバー開けたらこんにちわしたりとか!この前冷蔵庫の中に
侵入しててさすがにビックリしたよ!!」
女「………………………………………」
男「う、うぅ……ほ、本当なんだぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」ダッ!!
女「……逃げたか」
………
…………
………………
女「たっだいまー。まったく、男のバカ。正直に話してくれたら許さなくもないのに……。
ちんげの機動力がハンパない?何よソレ。バッカみたい」
女「………」
女「………?」
女「……あ、あれ?ウソ。なんで……」
女「なんで―――あたしの部屋の枕元に!」
女「ちんげが!落ちてるのよォォォオオーーーーー!!!?」
男「女。……ちんげの恐怖は始まったばかりだぜ!」
新ジャンル「体毛」
>>490 あるあるw
昔、図書館で借りた推理小説に挟まってた時は心底恐怖したものだ。
男「なぁ、アレって邪魔だよな」
女「ん、アレって?」
男「ほら、『毎度おなじみ古新聞、古雑誌ございましたら…』」
女「(うるさくて聞こえなかった)」
男「俺は直に口を付けたいのにさ、アレが邪魔で…」
女「!!」
男「ジュルジュル音を立てて汁を啜りたいのに、目に入りやがって…」
女「……(ゴクリ)」
男「やっぱ男としてダイレクトにいきたいよな」
女『男…貴方は私の欲望に火をつけた…その代償は体で払って貰う!!』
男「んな話をしてたらなんだか…って何故服を脱ぐ!!」
女「さあ、下の毛はお手入れバッチリ!!思う存分啜りなさい!!」
男「誤解だぁ!!」
新ジャンル「れんげ」
チャーハンについてくるレンゲが気に食わない
だって一気に食えないんだもん。なんだよあの形状は
ああ!遅かったか!
「すべてを貫く赤い閃光!狙った得物は外さない、その名は輝輝!」
とか
「時速300キロで疾走する音速の貴公子、その名は飛飛!」
とか
「触れたものは即切断!チョッキンチョッキン!チョッキンな!その名は鋏鋏!」
とか
「わたしからな逃げられない、どんなやつでも追い詰める!その名は追追!」
とか
「すべての過去を抹消、新たな人生で証人の安全を守る、その名は消消!」
とか考えてたのに!
新ジャンル「パンダ戦隊」
…
ああ、御免なさい!
神様、わたしはまた流れを考えずにお蔵入りを投下しました
お許しください!
新ジャンル「懺悔」
男「立て、立つんだジョォオオオオ!」
女「ああ、ほら片手で隻眼の侍よね」
男「違うだろ」
新ジャンル「丹下」
>>490 さりげにこええよw
>>493 男「ふふふ……女は俺のちんげ攻撃に相当参っているようだな。
……ん? なんだこれは? …………まさか……まさかこれはっ!?
この色、艶、長さ……これは間違いなく、女の……っ!」
女(ふふっ、男……貴方も私と同じ恐怖を味わうがいい!)
男「すっげ! なんでこんなとこにあるんだ!? すげーついてるじゃん俺!」
女(あれ? あれれ?)
男「もっと沢山落ちてないかなぁ。っと、発見っ! さらに発見! ひゃっほー!」
女(……しまった、こいつ変態だった)
新ジャンル「まん○毛歓迎」
>>495 きっとヘンゼルとグレーテルみたいに何かの道しるべになってるんだよ
客室乗務員「お客様の中にお医者様はいらしゃいますか?」
医者「自分は医者ですが、何かありましたか?」
客室乗務員「よかった、実は合コンのメンバーが足りなくて困っていたところなんです!」
新ジャンル「スチュワーデス」
女「今だっ500get!!」
新ジャンル「キリ番ゲッター」
女「あっ!!男くん久し振り〜!!」
男「!!!!や、やぁ…」
女「中学卒業してから随分たったけど、男くんは相変わらず…」
女『格好良いな…』
男「…元気?」
女「あのさ、今時間あるかな?お茶しよ」
男「うん…」
女「男くんは高校…」
男『まずいぞ…中学の時の同級生の名前を忘れたとは…しかも美人の…』
女「私女子高に…」
男『確か…割とある名字だった筈…しかも木へんの字が…』
女「男くん…私と話しててつまんない?」
男「い、いや。可愛くなったせいか…き、緊張してさ…」
女「!!…(///)」
男『し、しまった…今更名前なんだっけとは言えないぜ…』
女「わ、私。ちょっと御手洗いに…」
男「あ、ああ…」
男『参った…こんな時は新ジャンルスレを見て心を落ち着けよう…(ピッ)……!!!!……あっ!!』
女「…あのね…男くんて今付き合っている人いるのかな…」
男「いや、いないけど」
女「もし…良かったら…わ、わたしと…」
男「うん喜んで、○○」
女「!!……嬉しい…」
新ジャンル「小林じゃねえか」
>>501 かの「アメリカで最もタフで楽しい格安航空会社」サウスウエスト航空のアテンダントは
「たのしい接客」用のネタ帳を持ってるそうだぞ
ネタを売ってきたらどうだ
なんかアンカーが微妙にずれてる気がすんだが…
男「いや!ちがうな!」
な、なんだお前
男「これは近い内に航空機事故が起こるという警告なんだ!」
友1.2.3.「な、なんだってーΩΩΩ」
新ジャンル「キバヤシじゃねーか」
男「やっべ、女との約束に遅れちまう!っていうかもう遅れてる!なんでこんなときに限って電車止まるんだよ!!
女帰ってなきゃいいけど……あ、いたいた。まだいた!」
女「………30分遅刻」
男「すまん。待ったか?待った……よ、な?すまん!!」
女「………そこそこね」
男「すまん!」
女「あんたさぁ、私を誰だと思ってるわけ?」
男「昼飯、奢るから……勘弁してくれない?」
女「はん!結構よ、そんなの」
男「う……」
女「時計を読むのなんて小学生でもできることよねぇ?あーあ、まったく。
もっと遅れてきなさいよね。アンタの貴重な時間が無駄になるじゃない」
男「そこまで言うこと……って、え?俺の?」
女「そうよ。もっと遅れてくればアタシなんかと遊んで貴重な時間を無駄にしなくて済むのに。
なんでもっと遅れてこなかったわけ?マゾですかアンタは。むしろすっぽかしなさいよね。
そうすればアタシはアンタを待ち続けてここにずっと立ち尽くしてたっていうのに……。
アンタとデートできるなんて夢から醒めたくなくて、日が沈んでも日付が変わってもずっとずっとここで……
ふふ、アタシにお似合いの惨めさだと思わない?」
男「病気だ!この子病気だ!!」
新ジャンル「低慢ちき」
確かに病気だwww
マゾはどっちだwwww
残り容量カウントはいります
男「何…たたない……だと!?」
ガチャ
女「おまたせっ」
男「あ、女さん……」
女「ん?どうかしたの?」
男「あの、実は……たたなくて」
女「え?」
男「たたないんです」
女「あー…」
男「いや、決して魅力がないとかそういう訳ではなくてですね」
女「男くんが気にする必要ないよ。初めてなんでしょ?無理もないって」
男「情けない限りです…」
女「大丈夫大丈夫。アタシがたててあ・げ・る」
女「たたない……だと!?」
男「(TД⊂グスン」
新ジャンル「ED(えー!?どうして次スレ立てられないの!?それが許されるのは小(ry
>>509までで495KB
誰か頼んだ!!
規制もないみたいなのでこれから勃起てみます
がんばれ
513 :
511:2008/11/09(日) 13:05:56 ID:kxyskUm4
女「はぁはぁ…ん、んん、んちゅ、ちゅ、ちゅばちゅぶちゅぶ、ちゅぶん…じゅっじゅっ…んん…
んあ、もう!どうしてなのよ!こうしてやるんだから!えい、えいえい!」
男「痛っ!イタイタイ、無理だからダメだからイタッ!イタタタッ!抜ける、千切れるっ!」
女「もうバカ!この役立たず!知らない!」
新ジャンル「ED痛(ツー)(うちのリモホは今だめってd(rya))」
…orzゴメン夜までに立たなかったらもう一度やってみる
515 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 12:25:30 ID:3cs7SWm+
とりあえずこのスレをなんとかして落とそうか
無理に落とさんでも
つかお前容量無い時にいらん事すんなよ
>>514 すんでのところでEDエンドじゃないか
埋めるか
え?
ああそう、そろそろね
何か考えてたって?
うん…あの人の事…
そりゃ寂しいよ、当たり前じゃない。
でもね
「来る物は拒まず、去る物は追わず」、これがわたし達。
どうするかを決めるのはあなた達。
そうでしょう?
だから
だからいつかあの人が又来た時は
分るでしょう?
ふふ、なんて顔してんのよ。
わたしは大丈夫
だって
わたしの中にはあの人が残して行ったモノが有るもの
いつでもわたしの中に有るもの
いつでもわたし達はあなた達のモノで満たされて行くのだもの
だから平気
うふふふ
じゃぁ、そろそろ行くね
新ジャンル「7スレ」
男「行ってしまわれたか……」
女「行ってしまわれたわね……」
男「ここも寂しくなるな」
女「毎度のことよ。感傷に浸るほどのものでもない」
男「………」
女「………」
男「……ほーたーるのーひーかーぁりー♪」
女「やめて。やめろってば!」
男「女、涙目wwww」
女「泣いてない!泣いてないわよ!これは目から出た……」
男「『汗』?」
女「………」
男「………」
女「……愛液よ」
男「それはないわ」
女「うるさい」
男「……あーおーげーばーとーぉーとーしー♪」
女「やめろっつーの!!」
新ジャンル「しんみり子」
「や、やっぱさ……テレるよね」
梅太の足の間にすっぽり収まったままちょこんと膝を抱えて、梅子は小さくそう呟いた。
「テレるよねって―――お前、入ってきたのお前じゃんか」
「うん、そうなんだけど。でも―――さ。えへへ、おかしいよね。小さい頃はいっつも一緒に入ってたのにさ」
小さい頃はって……そりゃあ何年前の話だよ、と梅太は心の中で呟いた。
一緒にお風呂。正直、梅太だって両親のいないこの絶好のチャンス、そう提案しようと思わなかったと言えば
嘘になる。だがその機会を逃し、ああ、でも一緒に風呂なんて断られるに決まってる―――と、一人湯船に
浸かっていたらこれだ。一緒に入ろ♪って、なんだ、その語尾の音符は!けしからんこと山の如しである。
梅太はいささか混乱していた。
だって、そんなに広くもない湯船に二人。ぴったりと密着している状態で、目の前には梅子のうなじとか
火照った首筋とか丸い肩とか―――とにかく、色々見えてしまうのだ。ぴくりとも動けば柔らかな
梅子の感触が直に伝わる罠。なんだこれ。なんだこの状況!?
と、地雷原に放り出された新米兵士よろしく身動きがとれずにいると、梅子は肩越しに振り返って、
「………さ、さわ、触らない……の?」
ギガトン級の爆弾を投下した。
隊長ォオ!隊長ォォォォォオオオオオオオ!!あんた言ったじゃないですかァァァァアアア!!
動かなければ狙われることはないってェェェェェエエ!!!!
梅太は背筋を反らせて瞼をぴくぴくさせ、口元に微妙な微笑みを浮かべて
「さわ、触らないのって、お前」
「だ……だって、さっきからその、当たってるから………我慢してるんじゃないかって………」
何が?と聞き返すまでもない。そそり立つ不浄の搭、タワー・オブ・グレイっていうかちんこである。
当ててんのよ!と冗談で返す気力もない。
「あ、いやその、これは………」
「これって……その、わたしで興奮してくれてるんだよね?だったら、わたし……」
梅子が身体を返し、梅太の胸元に顔を埋めてきた。据え膳どころの話じゃない。
梅子の胸とか、吐息とか、鼓動とか。色々な熱が伝わってきて死にそうになる。
けど―――死んでいる場合じゃ、ない。
「梅子……」
「梅太くん……」
潤んだ瞳で見上げてくる梅子を、緊張でがくがくと震える手で、それでも抱きしめて―――
「容量がありません」
「そういうオチかよ!!!!!」
新ジャンル「500KB」