アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、OVA化も決定した「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。
☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること
※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。
■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます
マターリはぁはぁしましょうか。
☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html ☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html ☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ49
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214654057/
こなた
「
>>1乙! さあ、始まるザマスよ! (=ω=.)」
かがみ
「脱ぐなよ! いきなりヤる気満々か!」
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 21:19:35 ID:LsJzMj6U
1乙じゅしたー
ageちゃた(´・ω・`)
>6
激しくGJ!
とても面白かったです。
どちらかというと、女装というよりふたなりのノリに近かった感じですね。
かがみんのココロは女の子そのものだったしw
>>1乙☆すた
>>6 大変面白かったです。次回にも期待してます!
あ、そういえば今日は日下部みさおの誕生日だった。
という訳でみさおを祝福するSSを投下いたします。2レス使用(あとがき含まず)。
何かがおかしい。日下部みさおは、動物的勘でそのような事を感じ取っていた。
いつもと同じ学園生活。しかし、雰囲気が違う。
「どうしたの、みさちゃん」
「あー、あやの?……なんかさ、今日は何だか空気が違うって言うかそんな感じがすんだけど……」
「気のせいじゃないの?だって……」
椅子に座っていた私にあやのが寄りかかり、みさおの耳元で囁く。
「ただ、みさちゃんがおいしそうなだけだもの」
「ひゅあわぁっ!?」
突然の耳への責めに、みさおが飛び跳ねて椅子を跳ね飛ばしながら立ち上がり、あやのから離れようとあとずさった。
しかし……
「もう、みさちゃんったらどこ行くの?」
「にゃひぃっ!?」
突然、『後ろからあやのの声がした』のでさらに驚いた。
「逃げるなんて酷いよ、それでも私達は友達なの?」
「とっ、とととと友達とか関係ないって!っていうかどうやって私の後ろに!?」
「みさちゃんへの『愛』があるからだよ」
答えになっていない答えを呟き、『ウフフフミサチャンハ私ノ物』と壊れきった声であやのがみさおの体に手を這わせる。
「……あやの、ごめんっ!」
後ろにいたあやののわき腹に肘を打ち込み、気絶させた後。みさおは急いでクラスから抜け出した。
「一体どうなってんだ!?」
クラスの外に出ようとした瞬間、男子数人がみさおの行く手を阻み、それをミ○コ直伝のハイキックで蹴り飛ばし、
『あら、日下部さん?ちょっとお話していきませんか?』と怪しい注射器を持ったみゆきから全速力で逃げ、
『クッキー焼いたから食べて。いいから食べて。ほら早ク食ベテ』と狂ったようにみさおの口に変な色のクッキーを押し込もうとするつかさを張り倒し、
『ふおぉぉぉぉ!!おバカな元気っ娘萌えぇぇぇっ!』と全力でタックルをしてきたこなたをマタドールのように華麗にかわし、
『クスクス、いっぱい遊びましょうね、先輩』と怪しい笑みと手つきでバックに鬼を背負ったゆたかをみなみに押し付け、
『……みさお先輩総受け!これね!!』とどこかのWinXP Homeが乗り移ったかのように原稿を(学校で)書き始めたひよりの顔にインクをぶっかけ、
『俺は、俺はぁぁぁぁ!』と絶叫しながらルパンダイブをする白石に小神あきらの生着替え写真をお札代わりに貼り付け。
みさおは全力で逃げる。陸上部の俊足は伊達ではない。……とはいえ、閉鎖された学校内での追いかけっこだ。いずれは捕まってしまう。
「ううっ、くそぉ……どうすればいいんだ!?」
考えながら走っていると、気づけば隣を走るものがいた。その気配に気づき、相手には悪いと思いながら肘で顔面を叩こうとした瞬間。
「こっちよ、日下部!」
聞きなれた声と共に、肘鉄を放つ直前の体制の腕をつかまれた。そのまま引っ張られ、トイレの中に連れ込まれる。
「……大丈夫、なんかみんな変になっちゃって……」
トイレに連れ込んだ相手……かがみは息を整えるみさおに話し掛けた。
「よ、よくわかんねーんだよな。でも助かったぜ、柊」
「とりあえずここで息を潜めましょう。あきらめて帰るまでは」
トイレの個室の中、二人はじっと身を潜めていた。……そして、みさおを呼ぶ声が近づいてくる。
「ひ、ひいらぎぃ……」
みさおは体を震わせ、かがみに体を寄せる。……その体を包む手にこもる力が強くなり。
「あんた達!日下部を捕まえたわよ!」
かがみの言葉に、みさおは自分の耳を疑った。……ツカマエタ?ダレヲ?
「いやー、味方面したら簡単に捕まっちゃった。こういう時って親友って関係が役に立つわよねー」
その言葉でみさおはようやく理解した。……かがみも、私の敵だ!腕を振り解こうとするが、なかなか外れない。
「もう、そんなに暴れなくても大丈夫よ。誰も痛くする訳がないじゃない」
うふ、うふふ、うふふふふふ、と、どこかの白黒魔女の黒歴史のような笑いを浮かべるかがみ。それに構わずみさおはかがみの腕を何とか振り解き、個室から出――
『つーかーまーえーたっ♪』
られなかった。みさおは一瞬にして囲まれてしまった。
「うふふふふふ。さあ、日下部さん。体を楽にして。大丈夫ですよ。ちょっとチクッとするだけで後は何もわからなくなりますから」
みゆきが。
「クッキースキデショイッパイタベテネココロヲコメテツクッタカラノコスナンテゼッタイニユルサナイヨ」
つかさが。
「むふ、むふふふふ……普段は元気だけど追い詰められて怯えた表情でこちらを見る……そのギャップがソソルネェ!?」
こなたが。
「日下部先輩は、そうですね……男の子っぽいから全裸で野生児プレイをしましょうか。野外羞恥って意外にはまっちゃうんですよ?」
「ごめんなさい、止められませんでした……(ビクンビクン)」
ゆたかが、みなみが。
「さあさあ今から世紀の瞬間!一語一句、一挙一動を逃さずに書き記して見せます!」
ひよりが。
「なあ、日下部……いや、みさお。頼むから俺の気持ちに気づいてくれ。お前のことを考えるだけでキガクルイソウナンダッ!!」
白石が。
「あ、あ、ああああ……や、やめ……」
「ダメだよ?逃げちゃあ。……いっぱい気持チヨくしテあゲルネ、ミサチャン」
後ろから聞こえるあやのの声。……もう、逃げられない。
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
陵桜の学び舎に、哀れな少女の悲鳴が響いた。
注:この後みさおはみんなでおいしくいただきました。
「うううっ、もうお嫁にいけないぜ……」
……あれ?祝福されてない?
おっかしいなぁ。ちゃんとみんなに愛されるSSだったんだが。
って、よく考えたら(性的な意味で)みんなに愛されるSSになってるね、コレ。いやー、失敗失敗。
>>14 新スレ早々あんたはなんてものを!!
抱腹絶倒!
みさお!よかったじゃないか!
かがみにかまってもらえたんだぞwwwwww
夜更かししてスレ張り付いててよかった!!GJ!!
ソレはさておき・・・
パティ「(´・ω・`)」
くろい「(´・ω・`)」
ごめ、パティは素で忘れてた!
黒井先生はネタが思いつかなくて……
こう「(´・ω:;.:...」
>>6 おもしろかった……というよりもこなたに萌えた……萌え尽きました……
ちなみに、俺は逆のやつを書いてました。『こなたが男のふりして生活』っていう男装女子の話を。
感想のところで叩かれたからちょっと筆が進まなかったんだけど、続き書いてみよっかな……
>>13 やっぱりかがみもか、と言わざるを得ないww
みさお、安らかにお眠りください……。食べられて疲れてるでしょうから。
ああ、あと嫁の件は大丈夫です。俺がもらいます。
まずは今更ながら
>>1乙。
>>6 かがみん! かがみん! 男の娘かがみん!
えっちシーンのクライマックスでとろけ、エピローグで噴きました。ぐっじょぶ。
>>14 野生児プレイ! 野生児プレイ!
……もとい。一応止めようとして返り討ちにあってるみなみちゃんは素敵だと思います。
ていうかみさお、ここまでもみくちゃになってるんだったら観念してみんなの嫁になった方が
良いんじゃなかろうか。合掌しつつぐっじょぶ。
20 :
こう:2008/07/20(日) 11:06:28 ID:O2Sg8maR
>>17 なあに、アニメにすらなってなくて、ここじゃ準レギュラー扱いだろ。
もともとフェチネタにはあまり参加してない立ち位置だからさ。
だからそれほど悔しくはないさ。そう、くやしくは('A`)
みさお誕生日おめでとー
準備されている方がおられなければ、投下をさせていただきます。
「朝焼けの女神」
こなた&ゆたか
・一話完結もの(Elope関連)
・4レス使用
・シリアス
午前7時、私は目が覚めた。
外は既に明るく、窓からは眩しい光が幾筋か差し込んでいる。
小鳥のさえずりとともに、通学路を歩く小学生の歓声が微かに耳朶を叩く。
「うーん」
私は、大きく伸びをして半身を起こした。
脇におかれた鏡を取りだして覗き込むと、目もとが赤く腫れている。
指先で瞼の下を掬って舐めてみると、やはり塩辛い味がした。
すぐ隣には、こなたお姉ちゃんが、規則的な寝息を立てて眠っている。
お姉ちゃんは私よりも2歳年上なのだけれど、寝顔はとてもあどけなくて、
吸い込まれてしまいそうになってしまう程、魅力的だ。
「こなた…… お姉ちゃん」
抗いがたい誘惑にかられて、半ば無意識に耳元に近づきながら、ひとりごちる。
無意識にのばした人さし指の先端で、お姉ちゃんの形の良い耳たぶに触れてみる。
とても柔らかくて、すべすべしていて心地よい。
「お姉ちゃん…… 朝だよ」
こなたお姉ちゃんは、とても朝が弱いから、声をかけたくらいでは起きてくれない。
「こなたお姉ちゃん、起きてよう」
私よりは僅かに大きいけれど、高校生としては華奢な身体を何度も揺すってみる。
「ん…… むにゃ」
こなたお姉ちゃんのちいさな唇が微かに動いたけれど…… やがて寝息に変わってしまう。
(やっぱり、起きないなあ )
私は、小さくため息をつきながら、こなたお姉ちゃんのふっくらした頬をつついた。
「こなた…… お姉ちゃん」
お姉ちゃんの安らかな寝顔を眺めながら、私は過去を振り返ることにした。
私は昔から引っ込み思案な性格だったし、身体がとても弱かった。
特に体調を崩すことが多かった中学時代までは、自分のことで精一杯で、
恋心を抱く余裕はどこにもなかった。
しかし、陵桜に入って暫くすると、体調はだいぶ安定してきて、仲の良い友達もできた。
同時に、恋をするために必要な余裕もようやく生まれてきた。
私が恋心を抱いたひとはクラスメイトの男の子ではなくて、学校の先生でもなくて、
とても身近な人だった。
ところが、彼女は同じ性別だったから、最初は、私の性癖が間違っていると思ってしまい、
人に相談することもできずに、ひとりで悩むことになった。
しかし、後から振り返ってみると、こなたお姉ちゃんに対して恋慕の情を抱くのは、
ごく自然なことだったように思える。
私を本当の妹のように、こなたお姉ちゃんは見守ってくれた。
こなたお姉ちゃんの家と、私の実家はかなり離れているのに、こなたお姉ちゃんは、
嫌な顔一つせずに見舞いに来てくれた。
私の家族全員が仕事や買い物でおらず、薄暗い天井を眺めながら寂しさに耐えきれなくなって
一人で泣いている時は、どうして分かってしまうのか、必ずと言って良い程、見舞いにきてくれた。
不思議に思ってこなたお姉ちゃんに尋ねたら、ゆーちゃん向けのセンサーがついているからね、
と笑いながら答えていたけれど。
寝汗をかいていた私の身体を濡れタオルでふいてくれたり、クレーンゲームで取ってきた
ぬいぐるみを貰ったり、学校の楽しい話をしたり……
こなたお姉ちゃんは、孤独と不安ですっかりと乾いていた私の心を澄んだ水で潤して、
私が生きることに対して絶望を抱かせないようにしてくれた。
しかし当時は、こなたお姉ちゃんに対しては感謝の気持ちと、申し訳ないという思いを抱くことはあっても、
明確な恋心は芽生えていなかったように思う。
想いが募り始めたのは、高校に入って、こなたお姉ちゃんと一緒に住むようになってからだ。
こなたお姉ちゃんは、いつもとても優しくて、温かくて、かっこよくて……
私は、日増しにお姉ちゃんのことが好きになっていった。
もっとも、こなたお姉ちゃんに想いを打ち明けるまでには、
恋心がどうしても抑えきれなくなるまでに育つ、たっぷりとした時間が必要で、
勇気を振り絞って告白をした時は、長袖が必要な季節になっていた。
「こなたお姉ちゃんが大好き。妹としか見てくれないかもしれないけれど……
私は、こなたお姉ちゃんの恋人になりたい」
昨年の秋。私はこなたお姉ちゃんに自分の気持ちを打ち明けた。
「ゆーちゃん…… 」
こなたお姉ちゃんはとても優しくて、しかし、どこか寂しそうな表情を浮かべて、
それでも私の想いに応えてくれた。
幸せの絶頂から9か月が経った――
私とこなたお姉ちゃんは、まるで嵐に遭遇した小舟のように激しく揺られ続けて、
今は故郷とは遠く離れた場所でひっそりと暮らしている。
こなたお姉ちゃんに、ゆっくりと顔を近づけていく。
「ごめんね…… こなた、お姉ちゃん」
私は謝罪の言葉を口にしながら、こなたお姉ちゃんの唇を塞いだ。
「ん…… 」
こなたお姉ちゃんの唇が動き、微かに艶めいた声が漏れる。
現在、私はお姉ちゃんの一番傍にいる。
この場所は…… だれにも渡さない。
「ゆ、ゆーちゃん!? 」
秘かな決意をあらためて胸に抱いた時、こなたお姉ちゃんの大きな瞼が何度か瞬いた。
「おはよう。お姉ちゃん」
ようやく目覚めた恋人に向けて、満面の笑みを浮かべてみせる。
「ゆーちゃん…… 目覚めのキスは反則だよ」
こなたお姉ちゃんは、肩を微かにすくめながら、溜息まじりに言った。
「でも、目が覚めたでしょ? 」
いたずらっぽい表情を浮かべてみせたけれど、こなたお姉ちゃんは不安げな顔つきになっている。
「ゆーちゃん…… 」
「なあに? お姉ちゃん? 」
鼓動がひどく速まるのを感じながらも、努めて笑顔を浮かべる。
「本当に大丈夫なの? 」
「うん。もう平気だよ」
私は、おなかに力をこめて元気よく頷いた。
昨日は泣きじゃくって、こなたお姉ちゃんを心配させるようなことを言ってしまったけれど、
私は既に立ち直っている。もう大丈夫だ。
「本当に? 」
こなたお姉ちゃんは疑わしげな顔つきのまま、私をじっと見つめている。
一晩でがらりと変わった私の様子に、不審を覚えているのだろう。
ぐっすりと寝て、単に疲労が回復したという、生理的な要因は否定できないけれど、
こなたお姉ちゃんがずっと隣にいてくれたことによって、昨日まで私を酷く苛んでいた不安は
拭い去られていた。
「ゆーちゃんが、昨日、ここからも逃げたいって言ったからね」
お姉ちゃんを心配させてしまった昨日の自分に後悔しながらも、動揺を表には出すことはしない。
「大丈夫だよ。もうそんなこと思ったりしないから。だから心配しないで」
こなたお姉ちゃんを安心させる為に、腕に力こぶを作る仕草をしてみせる。
「私は、こなたお姉ちゃんさえ傍にいれば、誰にも負けないから」
「ゆーちゃん…… 」
「私、どんなに辛いことがあっても、傍にこなたお姉ちゃんがいれば、耐えることができる。
お姉ちゃんが私の味方でいてくれるなら、世界中が私の敵でも生きていける」
しばらく、黙って私を見ていたお姉ちゃんが、ふいに私に抱きついた。
「お、おねえちゃん? 」
「ゆーちゃん。ごめんね」
瞼から涙を溢れ出して、私に抱きつくお姉ちゃんは、とても弱くてすぐにでも折れてしまいそうだ。
「お姉ちゃん…… 大丈夫だよ。私が守ってあげるから」
思ってもいなかった言葉が、ごく自然に口から飛び出す。
今までは、お姉ちゃんに頼ってばかりだったけれど、こなたお姉ちゃんが弱気になった時は、
たとえ微力でも励ましてあげなくてはと思う。
「ゆーちゃん」
しばらくは、私の小さな胸の中で、こなたお姉ちゃんは嗚咽を漏らしていたけれど、
お姉ちゃんはやがて、瞼に零れ落ちた雫を手ですくって苦笑を浮かべた。
「みっともないところを、みせちゃったね」
泣き笑いの表情で、小さく舌を出したこなたお姉ちゃんはとても綺麗だ。
「ううん。そんなことないよ」
私はかぶりを振った。
私は、こなたお姉ちゃんの意外な一面を知って、もっと好きになってしまう。
「こなたお姉ちゃん、大好きだよ」
私ははっきりと想いを口にしてから、こなたお姉ちゃんの首の後ろに手をまわして、
少し乾いた唇を重ね合わせた。
以上です。
読んでくれた方、ありがとうございました。
激しく感情が動く日もあれば、穏やかな一日もある。
むしろ、淡々としていえるようにみえる日々がほどんどなのでしょう。
では。
ほっとする後日談ですGJ
一読者としての希望ですが
三年生組みや一年生組みなどと和解するような話は無理にせよ
せめてこの二人には当面ふたりだけの問題と対峙していける時間を与えてあげてほしいです
>>27 一夜明けて落ち着いたゆーちゃんに、まずはほっとしました。
コンプエースでのお守りのくだりと重なって、どんな環境でもゆーちゃんはゆーちゃんだと嬉しくなります。
ぐっじょぶでございました。
というか、つかさの魔の手が伸びてくるんじゃなかろうなと気になるのですが……(ガクブル
あの作品のつかさは自分がきっかけにはならんと思うよ、
あくまで、誰かが行動を起こしたときに、さりげなく、そして確実に・・・
そして気づいたときには
かがみ「だから!遅すぎたといってるんだッ!!」
という事態となっている・・・
あなおそるべきかなultima ratioつかさ・・・
>>27ぐっじょっす〜
今はただ、しあわせな時間(とき)を二人に。
……ところで、麦畑の「遠まわりして帰ろ」を読んだんだけどさ、
妙に「そうじろう×かがみ」がツボにはまってしまったw
しっとりした感じでさ……
さて、よろしいでしょうか。
33 :
42−115:2008/07/21(月) 00:46:45 ID:+BtAtGuc
「メインディッシュ」
・4レス
・エロなし
・つかさフェチども
・みゆき、死亡寸前
異様な光景だった。
「ど、どう?」
エプロンに頭巾というお料理スタイルで、配膳のためのお盆を手にしたつかさが、恐る恐る尋ねる。何
故恐る恐るなのかというと、彼女の料理を食べた三人が揃って泣いていたためである。
「おいしいよー」
こなたがとろけるような声で答える。その喜びを表すかのように、アホ毛がウマウマを踊っていた。
「さすが私の嫁……もとい妹」
かがみがとろけていた。その漲りを表すかのように、ツインテールの片翼が深谷ネギを掴んで離さない。
「はふんはふんはふん……」
みゆきはとろとろである。その熱き滾りを表すかのように、豊かな胸をトランポリンのして跳ねていた。
三人はつかさの作った料理を食していた。そしておかしくなっていた。
「はあ〜、つかさの匂いがするわ」
かがみはスープの入っていた皿を舐めながら言う。
「お料理の匂いがわたしにしみつたんじゃないかな」
お盆を盾のように体の前に出しながら、つかさが一つの仮説を提示した。。
「つかさの味がする……」
ステーキの肉片をしゃぶりながら、こなたが言った。
「わたしは入ってないよ」
つかさは念のため、手の指を切り落としてないことを示す。お盆で顔を隠し、こなたと目が合わないよ
うにしながら。
「いや、ほら……毛」
「毛?」
「つかさの腕に生えていた……」
「ああ、お守りにしようと思ったら、こなちゃんに抜かれちゃったあの毛?」
「そう、あの毛」
「……」
「……」
「……」
「ね?」
「え?」
「だから、私がつかさの味を知っててもおかしくないでしょ?」
「??」
「おいしかったよ、つかさのお守り」
「え……ええ〜!?」
「次は是非とも下の―」
かがみのツッコミより早く、みゆきが割って入った。
「乳製品!!」
「ゆきちゃん、平気……?」
跳ねるのをやめてテーブルに突っ伏して苦しげにしているみゆきを、つかさは心配そうに見遣る。
「つかささん……乳製品」
半分溶けたアイスクリームのような目が、つかさを見つめた。
「にゅー製品??」
「お願いです、つかささん。私を乳製品にしてください」
「ふえ??」
言っている意味が分からない。
「もしくは、つかささんの乳製品を私に……いえ、加工は私が受け持ちます。ですから、すぐに原料の
供給を」
そういうと立ち上がり、つかさの上衣をめくろうとした。エプロンはしたままでいいらしい。―だが、
脱水症状なのか何なのか、力尽きてまた跳ね始める。よく見ると、胸の辺りにすごい汗をかいている。甘
い匂いのする汗だ……?
「あかわりあるよ。食材、ゆきちゃんがたくさん持ってきてくれたから」
つかさが引き攣った笑顔で、おかわりを勧める。
何故このような事になってしまったかというと、つかさの声を聞かないと一日が始まらない、いやそれ
どころかこの世の終わりだというみゆきが朝食後に電話掛けてきて、その電話口でつかさは、昨晩のアニ
メで見たテリーヌ・ド・フォアグラ、スープ・アロー・ニョングラチネ、ステーキ・ア・ラ・プロヴァンサール
をいつか作ってみたいなあと言ってしまったのである。
電話を切ると同時に、それを作るための食材を二十人分持ったみゆきが柊家に着いていた。つかさの足
元に最敬礼していた。
それを嗅ぎつけたこなたが、自宅から一っ「跳び」で柊家にやってきた。助走なしの跳躍だったのだが、
柊家の庭に小クレーターを穿ちつつも見事に着地を決めた。池にいたぎょぴちゃんと、庭に出ていたただ
おは死ぬほどびっくりしたらしい。そりゃそーだ。
一つ屋根の下にいたかがみはというと、つかさとみゆきの脇を通り過ぎて外に飛び出し、深谷までネギ
を収穫に行き、ジョン・ケージに倣い4分33秒で戻ってきた。すでにテリーヌ・ド・フォアグラとスープ・ア
ロー・ニョングラチネとステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールを作り始めていたつかさは、テリーヌ・ド・フォ
アグラにもスープ・アロー・ニョングラチネにもステーキ・ア・ラ・プロヴァンサールにもネギは使わないと
いう指摘をしたのだが、かがみはうろたえもせずにこう言った。
「これはつかさを楽しませる為にとってきたの」
そして今、ツインテールの片翼でそれを掴みつつ、使用する時を今や遅しと待っているというわけだ。
「もらうよ、つかさ分多めで」
こなたの要望を受け、つかさはキッチンに向かう。
「ちゃっかりしてるわねー。私なんて一つ屋根の下にいるだけで、つかさ分を吸収できるのに」
「はふんはふん」
「いやー、家から一っ跳びするのに、つかさ分を使い果たしちゃってねー」
「私は深谷との往復に相当使ったけど、もう充填完了よ」
「はふん……はふん……」
みゆきが弱ってきてるようだ。跳び上がる高度が段々低くなってきている。
「みゆきさんは辛そうだね」
ならば飛び上がるのをやめればいいのに、と思いつつかがみが応じる。
「つかさ分が切れかけているのね」
「そりゃ一大事。このままじゃ死んじゃう」
欲しくもないであろうみゆきの生殺与奪権を握らされてしまったつかさが、手ぶらで戻ってきて申し訳
なさそうに言う。
「ごめーん。お料理なくなっちゃった」
「「「ええ〜!!」」」
三人が絶望の叫びを上げる。
「泥棒でも入ったの?
そろそろツインテールの片翼がネギ臭くなってきたかがみが尋ねる。いまさらだが、ツインテールでネ
ギを掴むとは、一体どういう原理なのだろうか?
「ううん、盗まれたっていうか……」
つかさが背後をチラ見すると……。
「どもッスー」
ひよりが現れた。そしてつかさの右腕に絡みついた。
「Hi♪」
パティが飛び出た。そしてつかさの首に絡みついた。
「おじゃましてます……」
みなみが浮き出た。そしてつかさの肩に手を置いた。
「こ、こんにちは……」
ゆたかが転がり出た。そしてつかさの腰を抱き寄せた。
「あんたたちが食べちゃったのね」
呆れたかがみが首を振りながら言う。ネギも揺れる。
「いやー、いい匂いがしたんで匍匐前進でやってきたら、先輩の家だったッス。他のみんなともばった
り」
「それで、忍び込んで食べたと……」
かがみは聞こえるように舌打ちした。これだから対人地雷の全廃には反対だったのだ。まあ、こいつら
には効かないだろうけど。
「おいしくいただいちゃったッス。今のところ、非性的な意味で」
「コロラドやテキサスのビーフより美味でしたネ」
「老い・C……」
「スープも全部吸っちゃいました」
飲んだのではないらしい。
「見りゃ分かるわよ」
かがみの言うとおり、一年生たちは不自然にツヤツヤ、テカテカしていた。つかさ分を吸収した証拠で
ある。外見的な変化が特に顕著なのはゆたかで、虚弱体質が劇的に改善され急成長を始めた身長はすでに
ひよりより大きく、見ている間にも伸び続け、今まさにつかさを越えようとしていた。
「気持ちは分かるけど、どーすんのよ。つかさ分が足りなくて、みゆきが死にかけてるじゃない」
「……はふん……はふん」
もはやみゆきは跳ねる事も出来ず、甘くて白い汗を柊家の居間の畳に染みこませていた。
「Oh……ミユキのライ……つかさ分はもう0ネ」
「どうしよう、私たちのせいで高良先輩が死んじゃう」
悲しげな顔になったゆたかは、視線の高さが同じになったみなみを見る。
「ゆきちゃん、しっかりして〜」
つかさが駆け寄って抱き起こす。
「はふん……乳製品……」
「こうなったら最後の手段よ。直接つかさ分を摂取するしかないわ。みんなで」
見かねたかがみが決断する。
「つかさのベッドでやるのが一番効果的ね。誰かみゆきを運んであげて」
みゆきと同じ身長になっていたゆたかが運ぶ事になったのだが、つかさのベッドにみゆきを横たえた時
にはパティと同じになっていた。
「ゆきちゃん……」
ぐったりしてはふんはふん出来なくなってしまったみゆきを、覆い被さるようにつかさは覗き込む。す
るとみゆきの両腕は、食虫直物のようにつかさを捕獲した。他の面々はというと、無防備になったつかさ
の背後から、物理的にかなり困難な「エプロンをしたまま全裸にする」してしまった。一瞬で。
「え……え……?」
ようやく異変と身の危険を悟ったつかさだが、もう襲い……遅い。他の面々は、すでに脱いでいた。怯
えるつかさの表情から更なるつかさ分を摂取し、3−Bの担任並みに大きくなっていたゆたかも脱いでいた。
「エプロンをしたまま全裸にする」以上に困難な事ながら、みゆきもなぜか脱いでいた。
「つかさの料理、もうなくなったったから……」
首魁たるかがみが、真理を発見した哲学者のように断言する。
「かくなる上は、つかさを直接食べるわよ!」
おおっ
裸たちが気勢を上げる。
そして、
「「「「「「いっただきまーす」」」」」」
六人が……、
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
殺到した……!
「「ただいま」」
帰宅を告げる声二人分。
「おかえり」
リビングで新聞を読んでいたそうじろうは顔を上げ、廊下を見遣る。
そこにいたのは愛娘のこなたと……壁? いや、つかさ分の摂取により、そうじろうを見下ろすまでに
大きくなったゆたかだ。
「ゆーちゃん、つかさちゃんのところに行ってたのかい?」
「はい、おいしかったです」
「そうか……。まあ、頭とかぶつけないように気をつけてな」
「はーい」
ま、心配ないけど。
ずしんずしん……。
ゆたかの立てる地響きを聞きながら、そうじろうはそう思った。
つかさ分を消費すれば、その内また元に戻るだろう。
それもまあ、アレだ……。
「いつものことだし……」
そうじろうはゆたかの将来と日常に悩むふりをしながら、肩をすくめるよりないのだった。
おわり
38 :
42-115:2008/07/21(月) 00:51:33 ID:+BtAtGuc
はい、どうもありがとうございました。
つかさをフェチればメインの四人はコンプだという、不純な動機に相応しい内容となってしまいましたね……。
この馬鹿野郎!GJ!!!!
ひよりんは書くだけなのか?wwww
それが運命っすから!!!!!!
>>38 ぐははははははははははwww
さすがは不死身のキャシャー……いや、42-115氏だ!
ところで白い汗って、おちt(ギャーーーーース
>>38 物理的に変化してるよあんたら! 恐るべしつかさ分、恐るべしつか☆フェチ。
ていうか「4分33秒」(楽譜に休符しか書いてないピアノ(?)曲……)で噴きました。ぐっじょぶ。
>>38 GJ!!相変わらず無茶しますね。
ところで柊家は無法地帯と思っていましたが、対人地雷撤廃条約に加盟してたのですね。
あと、急成長したゆーちゃんの服はどうなっていr…俺もつかさ分が切れt…
>>43 まあ、対人地雷仕掛けたところで、どこぞのヒヨークが匍匐前進で回収しそうではありますな。w
ちょっとある漫画を読んで、ネタの神様が降臨してしまいました。
2レス使用。つかさとみゆきが壊れて、というかやさぐれてます。
朝、いつもの通学路にて。かがみ達はこなたと挨拶を交わす。
「おはよー、こなちゃん」
「おっす、こなた」
「あ、かっちゃん、つかちゃん!おはよー☆」
こなたの口から上の台詞が出た瞬間、かがみとつかさの体だけ白くなり、世界が停止してしまった。
「もー、どうしたのかっちゃん?早く学校に行こうよー」
その停止した世界を容赦なく回し始めたのはこなたの台詞だった。あまりの出来事に停止どころか存在する事すら拒否しかけた脳を何とか起動させ、かがみが尋ねる。
「こ……こな、た?」
「なーに?」
「どうしたのよ、一体……」
「……いやー、ちょっとある漫画にハマってしまいまして」
やっぱり、そういう事か。かがみは安堵し、そして『あいかわらず影響されやす過ぎだな』と精一杯の嫌味を込めて言ってやった。
『こな☆こな』
「で?今度はどんなのにハマったってのよ」
時は流れて昼休み。いつものメンバーで昼ごはんの後、かがみが質問を投げかけた。
「うん、コレなんだけどね」
「持ってきてるのかよ?というか持ってくるなよ」
かがみの突っ込みを聞き流しつつ、こなたが取り出したのは大判のコミックス。大きな銃と少女、そして青年のイラストと共にタイトルが書かれている。
「……『すぱすぱ』?」
「どういうお話なの?」
つかさの質問に、こなたがかいつまんで説明をする。
「要は、悪霊に狙われやすい男の子の元に一人の少女がやってくるという、ぶっちゃけた話王道を行く作品ですな。しかもその子が主人公の許婚とか、ちょっちベタな部分も入ってるけど。
ついでに言うとね。コレにハマっちゃった理由は面白いからってだけじゃないんだよね。……ある意味、私たちと共通点が多くてね」
「例えば、どのような点ですか?」
ようやく喋れる、といった面持ちでみゆきがこなたに聞いた。
「まず、鈴ちゃんが私と同じ『見た目は子供、心は大人』!」
「……あんたの場合は『心も子供』でしょうが」
「話の腰を折らないでよ、かがみんのいけずー」
突っ込みつつもちゃっかり『すぱすぱ』を読んでいるかがみだが。
「そうそう。かがみといえば。主人公の樹君は神社の子でかがみと同じなんだよね」
「……ああ、だから私を『かっちゃん』って呼んだのか。場合によっては私は○俣か、と全力で突っ込むところだったわ」
こなたの話に加えて、作中で主人公がそういう風に呼ばれるシーンがあったため、ようやくかがみは理解した。
「そして、この巻には登場してないけど、樹君には妹がいるんだよね。かがみもそうでしょ」
「双子のだけどね」
二人の会話を聞きつつ、『やっぱり私たちの出番は少ないですね』と嘆くみゆきと『仕方ないよ、この話はこなかが前提だもん』とある意味で禁句を呟くつかさ。
「でも、この樹って子の家庭はあんたんちの方がそっくりじゃないの?母親がいないし父親はそうじろうおじさんそっくりだし」
「うぐ、それを言われると痛い……で、でもホラ。私は鈴ちゃんの枠だからさ。自動的にかがみが樹君の枠に……」
「だからなんで私が樹の枠になるのよ。……どっちかって言うと私は千早の枠じゃないの?」
「……ソレは自分が女好きだと言ってるようなものだよかがみん。ていうかカミングアウトですか?」
「いや、別にそんなんじゃ……」
そんな二人の横で、『優等生を続けるのも疲れますね……あ、一本どうぞ』と煙草を取り出し勧めるみゆきと『あ、私禁煙中なんで』と適当に断るつかさ。
昼休み中の教室に、無言と煙草の煙が漂う。……って、堂々と煙草を吸ってる場合じゃないでしょう?
「こなた……こなたは鈴みたく、私の事をすごく好きなの?」
「えっ……?」
「だってコレを読んでると、鈴は樹に全力で好きだって伝えてるじゃない。さっきの何とか私を樹に当てはめようとしてたこなたの事を考えると、そう思えてね」
「あ、あうぅぅぅ……」
今度はこなたが黙る番になった。……もう一度、沈黙が漂う。
そんな二人をよそに、『帰りにカラオケ寄っていきませんか?こうもアツアツだと、どうもすっきりしたくなってしまいまして』というみゆきの誘いに、『私もそうだよ。じゃあ行こうか』と承諾するつかさ。
結局、この沈黙は昼休み終了の予鈴がなるまで続いたという。
そして、放課後。かがみとこなたは寄り添うように帰り、こなたの家にて熱い夜を過ごしたとか。
つかさとみゆきはカラオケボックスに向かい、『最終鬼畜一部声』を喉が枯れるまで歌い続けたとか。
……ごめん。ほんとにごめん二人とも(挨拶
本当はこなたの家で『影響されてこんなの買っちゃった』とかいいながらSPAS12を見せるこなたとか、
それを見て『……いいかも』と本気で思ってしまうかがみだとかも書いてみたかったんですが。
面倒くさ……もとい。一発ネタなので凝る必要はないと思い、やめました。
この妄想を絵に出来ないのがすごく……くやしいっ……!(ビクッビクッ
おいらてっきり「タッチ」かと(´・ω・`)
司会「続きまして、昨日仮面たいがー☆あやのんでエロエロ漫画新人大賞に選ばれました…タムリン先生よりスピーチを賜りたいと思います。タムリン先生、どうぞ」
ひより「えーっ…ただいまご紹介にあがりました。タムリンこと田村ひよ」
「タムリン!」「タムリン!」「タムリン!」
ひより「…田村ひよりっス。今回この仮面たいがー☆あやのんは少年漫画の三要素」
「愛!」「友情!」「ほのかに香る熟女のエロス!」
ひより「…愛と友情と努力をふんだんに盛り込んだ傑作になったと思うっス。そもそもこの仮面たいがー☆あやのんは」
「タムリン!」「タムリン!」「そして沸き立つ熟女のエロス!」
ひより「あーっ! もーっ! 今日はヲタイベントじゃないんすよ!? 一々合いの手入れられたらやりづらいっス!」
「タムリンー」「タムリンー」「タムリンー」(怒り気味に)
ひより「…とにかく。私が仮面たいがー☆あやのんを書くに至ったのは、粕壁の」
「ラブホテル!」「高麗屋!」「熟女の住まう高層マンション!」
ひより「…違うっス。あんた達もっと頭を使うっスよ!」
「…鷲宮?」「鷲宮?」「鷲宮神社!」
ひより「おっ!? 鷲宮の神社で…誰に会うっスか!?」
「恥女!」「ょうじょ!」「臭い立つ熟女!」
ひより「他にないっスか?」
「金大小!」ひより「キムッ…何言ってるっスか!」
「スッパ!」ひより「スッパ…スッパコナータっス」
「脇毛の処理を怠った熟女!」ひより「五月蝿いっスよそこ! もー! 神社っスよ!? 神社!」
「巫女さん!」
ひより「来たっ! さ、それを繋げて言ってみるっス!」
「「「鷲宮〜」」」ひより「うんうん」
「「「神社の〜」」」ひより「うんうんうん」
「「「ツンデレ巫女!」」」ひより「正解っ!」
「「「たーむりんっ!」」」
ひより「…とにもかくにも、鷲宮神社で出会ったツンデレ巫女さんに多大な影響をうけたのは「あのー、田村さん、熟女の出るドスケベDVDを一つー」誰かその熟女スキーを連れて行くっスよ!」
くーろーいなーなこー
これから投下いたします。
・非エロ
・4レス
夏の風物詩。
スイカ、花火、セミの鳴き声、人によっては黒くて気持ち悪い虫だったりもするだろう。
そんな数多の風物詩がある中で、いわゆる甲子園――全国高等学校野球選手権大会を
挙げる者も多い。
「あ〜つ〜い〜」
そんなわけで、こなたもその夏の風物詩を味わっていた。満喫していた、ではない。
埼玉県内のとある野球場にて甲子園の地区大会が行われており、真夏の太陽が照りつける
中、文字通りの熱戦が繰り広げられていた。
「こら泉、しっかりせんか!」
「でも〜」
しかしこなたはそれを楽しんではおらず、ななこに叱責されていた。
いくら野球が国民的な人気を誇るスポーツだからと言って誰もが好きなわけではないし、
ましてや強制的に球場に連れて来られたところで応援する気など起きるはずもない。
この年も例年と同じように、自身が大会に出る身分でもない限りは野球の地区大会の
応援に駆り出されるよう強制されていた。このことはよく問題視され取り沙汰されているが
その議論はひとまず置いておくとして、とにかくこなたは完全に不貞腐れていた。
野球が好きではないのに応援させられるだけならまだしも、七月の日差しに晒され続け
なければならないというこの理不尽さだけはどうしても我慢できなかった。球場には日除け
が一切なく、冷房はもちろん扇風機さえない。甲子園球場と違ってやたらと風が吹いてくれる
わけでもなく、太陽に熱された空気は逃げ場所もなくその場に留まっている。いくらお盆に
なる度にビッグサイト前の炎天下で長蛇の列を並ぶこなたとはいえ、その状況に好き好んで
飛び込んでいるわけではない。あれはあくまで同人誌のためである。
一言で言えば地獄のような暑さだった。選手のためにもドーム球場の一つくらい貸して
やればいいだろうになどと考え――もちろん本音は自分自身が暑いのが嫌いだからである。
「みんな頑張ってんねやぞ! 応援ぐらいしてもええやろ」
「勝手に頑張ってればいいじゃないですか〜。テレビ越しなら私だって応援しますよ」
野球好きのななことそうでないこなたのテンションは対照的だった。
「あいつらと同い年のお前がそんなにダレてて恥ずかしい思わんのか!?」
「思わないですよ〜」
ななこが思わず手を上げそうになったところで球場がざわついた。二人がグラウンドの
方を見ると、陵桜が先制点をあげたところだった。
「やったで!」
「ちっ」
前者はななこ、後者はこなたの声である。
「泉、今の舌打ちはなんや?」
「な、なんでもないですよ?」
ななこの迫力に押されて思わず首を振るこなた。
ここで陵桜が勝ってしまったら次の試合も応援させられることになるので、できれば
勝って欲しくなかった。それを態度に出すとななこが怖いのでこれ以上はやめておいたが。
「頑張れ〜」
「お、やっとやる気になったか」
本音は『相手選手が』『頑張れ』なのだが、それは口に出さない。
「行けー! やったれー! そのまま追加点や!」
「あ、これファミスタの音楽だ」
心から燃え上がっているななことテンションの上がらないこなた。もちろん誰もがこの
二人のように極端なわけではなく――
「暑いね、ゆきちゃん」
「そうですね、つかささん」
学校側から支給されたパックのジュースを一口啜り、のんびりと呟いた。周囲の盛り
上がりなど全く意に介さず、席に座りながら穏やかな表情で観戦している。
「先に点を取ったから、このまま勝てるかな」
「どうでしょう。野球はいつ何が起こるかわかりませんから。野球は後攻の方が有利と
言われていますし」
「そうなの?」
この試合では陵桜が先攻となっている。みゆきはそのことを言っているのだ。
「もちろん回数はどちらも平等なのですが、心理的な問題で後に攻める機会が残っている
方が楽になれるんです。実際、後攻の方が勝利数が多いという統計がありまして……完全に
信頼できるデータとは言えませんが」
勝敗には様々な要因が絡んでくるため、攻めの後先がその理由になることを示す信頼できる
データはどこにもないのが実情である。後攻が有利というのは今のところ迷信にすぎない。
「まだ、どっちが勝つかはわからないんだね」
「陵桜と相手校の公式での戦歴は2勝1敗ですが今回勝てるという保証にはなりません」
「よく調べたね。3回しか試合したことないんだ?」
「埼玉は大阪、神奈川、愛知、千葉、兵庫に次いで参加校が多いですからね。特定の相手と
当たる前にどちらかが負けてしまうことが多いんです」
「激戦区なんだねぇ」
「ただ、埼玉県の代表校が全国大会で優勝したことはありません。陵桜の準優勝が最高です」
「うちってそんなすごいところだったんだ。今年はどうなんだろう」
「わかりません。甲子園は強いところが順当に勝つわけではありませんから」
「甲子園には魔物がいる、だっけ? よく言うよね」
「浜風と土が原因ですね。浜風のせいで打球が上空で予期しない動きをして守備を乱れさせ
たりしますし、甲子園の土は日本国内のいくつかの黒土と中国福建省の白砂をブレンドして
独自に作ったもので、ボールの跳ね方が独特なので不慣れな選手がよくエラーを起こしたり
するそうです」
「そういえば甲子園で負けた人が土を持って帰ったりするよね。あれって何でだろう?」
「1937年に川上哲治さん――今では打撃の神様と呼ばれている人なんですが、その人が決勝
戦で敗れた後、土を持ち帰って母校のグラウンドに撒いたのが最初だと言われています。
1958年に当時はアメリカの占領下にあった沖縄代表の首里高等学校が検疫のために土を
持ち帰ることができず、それが沖縄返還運動を加速させたとも言われて――」
――肝心の試合を、二人は全く見ていなかった。
「よしっ! このまま追加点いけるゼ!」
「よくそのテンションが続くわね」
1点差のまま迎えた9回表、陵桜の攻撃。先頭バッターが出塁して今まさに追加点の
チャンスだった。なぜか9イニング目は一人は走者が出て、点が入るかどうかの瀬戸際に
なることがよくある。
そんなものだからみさおが盛り上がるのも当たり前なのだが、みさおに限っては1回表
からずっとこのテンションであった。かがみはそんなみさおを呆れ顔で見ているのだが、
当のみさおは全く気にしていない。
「日下部、ちょっとは落ち着、こら、暴れるな」
みさおとしては気合の入りどころらしく身振り手振りを交えて全身で興奮を表現している
が、かがみにはこれがそこまでの場面とは思えなかった。
「どうせ次のバッターはバントなんだし」
かがみの予言通り、次の打者はバントでランナーを進める。一死二塁。
「柊は冷静だなぁ。そんなんじゃつまんねーじゃん」
「私あんまりスポーツ観戦しないんだからしょうがないじゃない」
たまにプロ野球にチャンネルを合わせるとか、甲子園シーズンはたまにNHKにチャンネル
を合わせるとか、そんな人並み程度にしか野球を見ていなかった。
「でもどっちかを応援するときって普段より見入っちゃうよねー」
あやのが指摘したように、どちらかに肩入れすることは、観戦を面白くする一つの方法で
ある。陵桜の生徒は自分たちなりに自分のチームを応援していた。
「あー、私もワールドカップのときだけはサッカー見てたなー」
「よくいるわよね、そういうミーハーなファンって」
「あやのー、柊が、柊がぁ」
みさおがあやのに泣きついている間に、四番バッターが三振に倒れた。次に出てくる五番
バッターは陵桜のエースピッチャーでもある選手だった。
9回表二死二塁、得点圏にランナーがいるこの局面で、観客席は弥が上にも沸き返る。緊迫
したムードの球場にバットの快音が響いて観客たちは歓声をあげ、みさおもすぐに立ち直って
打球の行方を見守った。
「いけ、いけ、もっと、伸び、あー!」
上空を高く舞った打球は僅かにスタンドに届かず、フェンスの最上部にぶつかった。ツー
アウトだったこの状況が幸いし、選手たちは躊躇いもなく全力で走る。
「やった、点入ったぜ!」
二塁走者が生還、打者もバックホームの取り遅れに乗じて、三塁まで進塁した。この局面
での追加点と、さらなる得点のチャンスに、陵桜サイドの観客席の興奮は最高潮に達した。
「ちょっとまずいわね……」
そんな中で初めからやる気のないこなたを除いて、かがみだけが冷静だった。
「なんで?」
「もし次のバッターがすぐにアウトになっちゃうとまずいのよ」
6番打者もこの流れに続こうとしたものの、芯をわずかに外した打撃は、ライトフライに
討ち取られた。そこでスリーアウトチェンジとなり、陵桜メンバーがそれぞれの守備位置に
走って向かっていった。高校野球の精神ゆえか、歩いて時間を稼ぐようなことは許されない。
「ついさっき三塁まで全力疾走したのよ。もう9回だしこのまますぐに登板するのは体力的
にもきついわよ。何もなければいいんだけど……」
身を乗り出して深刻な顔つきになるかがみ。それはまるで……
「柊って、なんだかんだで一番熱心に見てんじゃね?」
「そ、そんなことないわよ!」
――否定したみせたものの、全くその通りだった。
「ゆたか、もういいから休もう」
「だめだよ……もうすぐ終わるから最後まで見ないと」
真夏の日光と熱気は容赦なく体力を奪う。9回裏になるまで約二時間半の激闘、ゆたかの
限界はもうすぐそこだった。
「あの人たちの方が何倍も辛いのに頑張ってるんだよ」
「でも……」
ゆたかからは遠すぎて投球がストライクかボールかはわからなかったが、この回の最初の
打者がバットを振ってないのに一塁に歩いて行ったことは確認できた。
もちろん観客席の全員がその様子を見ている。次の打者も四球で歩かせてしまい、球場
全体がざわめいてきた。まさかこのまま逆転されてしまうのではないか。陵桜の生徒たちに
そんな思いがよぎる。皆が皆手に汗握り固唾を呑んで試合を見守っていた。
次に敵の四番打者を迎える。ここでホームランを打たれれば、逆転サヨナラ負けである。
この試合のクライマックスに、両校の応援席はこれまで以上に気合が入っていた。
「大変だよ。ちゃんと応援しないと……」
周りが総立ちになって声援を送っている中、ゆたかもそれに合わせて立ち上がる。その
様子は今にも倒れてしまいそうなほど弱々しく、健気であり悲壮でもあった。
見守るしかできないというのはある意味辛いものだ。あまりに現実離れして馬鹿げた考え
だけれども、もし魔法か何かでゆたかの疲労を肩代わりしてやれる方法があるなら今すぐ
それをしてやりたい。みなみは本気でそう考えていた。
「まだ立たなくていい。タイムをとってる」
キャッチャーがマウンドまで歩き、ピッチャーに顔を寄せて何かを囁いている。その声
はもちろん観客席の誰にも届きはしない。
生徒たちはそんな二人を見守るしかないのだが……
「な、何を言ってるんスか!? もしかして愛の囁きを……ハァハァ」
完全に場違いな妄想をしながら見守る腐女子が一人いた。
「いけ、いくっス! そのままキスするっス!」
全国中継されていた選抜高等学校野球大会、通称春のセンバツにて、ピンチの場面で投球
が乱れていたピッチャーにキャッチャーが駆け寄ってキスをして、それをきっかけに投球が
調子を取り戻し、ピンチを脱したという出来事が実際にあった。ひよりの脳内ではその場面
が何度もリピートされていた。
「よし……これで……こうして……」
ひよりはこの数十秒でBL同人誌のネタを作り上げていた。今から頑張ればコミケまでに
コピー本の一冊くらい作れるかもしれないと、スケジュールを組み立てる。
当たり前のことだがここではひよりの期待通りのことは何も起きずに、キャッチャーは
所定の位置まで戻る。
相手は四番打者の実力を信頼しているのか、二点差という状況が幸いしたのか、バントを
せずに真っ向勝負に来た。マウンドで何があったか、調子を取り戻したピッチャーが鋭い球
を投げ、相手を空振りさせる。
「頑張ってー!」
小さい頃から身体が弱く、全力を出すことさえ許されないゆたかにとって、それができる
人は憧れだった。自分ができないなら、できる人には頑張って欲しかった。自分がここで
全力を出して応援したなら、彼らに少しだけ近づけるような気がしていた。ほんの少しで
いいから、闘っている人たちのために何かをしてあげたかった。
「ゆたか!」
その無理がたたって、ゆたかはついに力尽きてしまう。不意によろめいたその身体を、
みなみが咄嗟に支えた。
「今すぐ救護室に行こう。お願いだから無理はしないで」
「お願い、もう少し……あと一人だから」
二人が自分の『お願い』を聞いてもらおうと見詰め合う。少したって、折れたのはみなみ
の方だった。
「私が支えるから……終わったらすぐに行こう」
試合が進んで状況は9回裏二死、走者は二、三塁、点差は二点。ただし次が最後の打者に
なるという保証はどこにもない。
もし延長戦になったら……それだけはあってほしくなかった。
勝ってください。ゆたかの真剣な眼差しを目の当たりにして、心の底からそう祈った。
「うおおお……BLと百合……コミケまでに二冊は間に合わないっス」
もう一つの夏の風物詩に思いを馳せながら、苦悩する腐女子。最後の打者を三振に討ち
取ったチームと応援席の歓喜の叫びは、ひよりの耳には入っていなかった。
そんなこんなの、夏の風物詩の十人十色。
56 :
3-283:2008/07/21(月) 19:37:34 ID:saBONi+W
トラブルにつき携帯より失礼
たまには趣味に走ったSSも書いてみようかと。
ひよりはオチに使いやすいなあw
57 :
3-283:2008/07/21(月) 19:50:33 ID:dP89twco
トラブル(キーの入力がおかしくなる)が解決したので
改めてSS発表終了のお知らせをさせていただきます
>>48 話の持って行きかたとかを見ると多分面白いSSだと思うんだけど、
すまん、元ネタ知らなくてよくわからなかった
>>57 GJ,これは正に十人十色…って、パティ?
ひよりんは絶対キスネタもってくると思ったw
っていうか文章力高いなぁ
>>58 う、うぐぅ……ネタがマイナーすぎたかな……
今更ですが注釈。
>>46ー47のネタになった漫画は三宅大志氏の『すぱすぱ』という漫画です。
いかにもこなたの好きそうな漫画なんですが……一般から見ればマイナー気味かな?
61 :
bw:2008/07/21(月) 23:41:14 ID:tRLLZHfS
元ネタの中村屋が忘れ去られている現実に絶望した。
最近、エロが少ない!というわけで挑戦してみた。
パティ×ひより
ガ チ エ ロ。
なぜこのカプなのかというと、この二人が好きだからだっ。
…いや、こな×かが・ガチエロをずっと前から執筆中なのに進まなくてさw
衝動的に2日前から書き始めたこっちが先にできちゃったわけよwww
64 :
1:2008/07/22(火) 00:07:26 ID:dEn9tMaX
「サァ、ひよりん、上がってクダサイ」
「おじゃましまっス」
ひよりは今日、パティの下宿している部屋に遊びに来ていた。
来週開かれるコミケについての打ち合わせをするために。
パティの住む部屋は、ごく普通のアパートの一室だった。
そこかしこにアニメのDVDやら漫画やら同人やらコスプレグッズがところせましと並んでいる以外は。
もともと、趣味が合う二人なので、話すことはいくらでも沸いてくる。
会話だけで日が沈むのは、あっという間のことだった。
「あ…」
ひよりが窓の外の夕日を見て言った。
「そろそろ帰らないといけないっすかね…」
「Umm…もっとひよりと話がしたいデス」
「私もそうっすけど…」
「Oh、そうデス。今日はワタシのウチに泊まって行ってクダサイ!」
「う〜む、どうしようかなあ…」
「お願いです、ひよりん…ディナーもゴチソウしますカラ…」
パティが訴えかけるような切ない目でひよりを見つめる。
「い、いやあ…そこまで言われると…じゃあ…いいっすか?」
「勿論デス☆大歓迎ですヨ!」
パティの表情がぱあっと明るくなって喜んだ。
それからも共通の趣味、とりわけアニメや同人の話をしながら、夕食を食べる。
夕食の後、ひよりが同人誌を読んでいると、パティがドアからひょっこり顔を出した。
「お風呂が沸きましたヨ」
「あ、ありがとパティ。先に入っていいよ」
「んー…」
「?」
「ひよりん…」
「なに?」
「一緒にお風呂に入りませんか?」
「ええっ!?」
「何も驚くことなんてアリマセンヨ。これはフレンドシップのスキンシップですヨ♪」
「…」
「オナゴ同士のドキドキバスタイムですヨ☆」
「なんか、気になるんすけど…まあいいッスよ」
そして、二人は風呂場へ向かう。
65 :
2:2008/07/22(火) 00:08:19 ID:dEn9tMaX
服を脱ぎ始める。
ひよりは少しずつ服を脱いでいく。しかし、女同士とはいえ人前で裸になることが恥ずかしいのか、下着の状態で手が止まってしまった。
パティは、欧米気質の大らかさからなのか、ひよりの目を気にすることなく、下着まで全て脱いで全裸になった。
パティの体は、日本人の女子高生ではそうそういないであろう、巨乳。
歩くだけでぷるんと揺れてしまうお尻。
それに伴い、くびれもばっちりだ。
むちむちなナイスバディと言える。
「うわあ…パティ…すごい体っスね…はっきり言ってかなりエロいっす…!」
「ヒヨリも、白い柔肌が綺麗デスヨ☆」
「いや、私は胸もお尻も小さいし、パティに比べたら全然ダメっすよ」
「コナタが言ってマシタヨ。貧乳でも需要は有るト」
そう言ってパティは、ひよりの背中に手を回し、付けているブラをはずしてしまった。
「サァ、早く下も脱ぐネ」
「う…うん…」
ひよりは、下半身の白い下着に手をかけ、するするとパンツを下ろしていく。
胸だけでなく、アソコまで自分の体を人前でさらけ出してしまうことに、すごく恥じらいを覚える。
「オゥ、人が脱ぐシーンというのもなかなか興奮するものですネ」
「ちょっ、そ…そういうことは恥ずかしいから言わないでよ…」
「ソーリーね☆」
そう言って、風呂場の扉を開けて、中のお湯の温度を確かめるために、座って湯槽に手を入れて確かめるパティ。
後ろ姿からでも見える胸の大きさに、大きくてまあるいお尻にひよりの目が釘付けになってしまった。
「OKデス。ちょうどイイ湯加減ですヨ」
「…」
「ドウシマシタ?」
「あっ…いやいや…なんでもないっす…!」
向かい合って浴槽につかる
「ドウシマシタ?」
ひよりは裸同士の付き合いというものに慣れていないのか、妙に緊張してしまう。
「いや、パティ…胸、おっきいなあと思って…」
話すことがなかなか思い付かないので、自分の今思っていることを口にしてしまう。
パティはくすっと笑って言う。
「…ふふっ、ヒヨリン、体の洗いっこしませんカ?」
「ええっ!それはさすがに恥ずかしいっすよ…!」
「ヨイではナイデスカ!裸同士の絡み!これぞ萌えの境地!百合の境地デス!!」
「それなんか違う方向に行こうとしてるよパティ!!」
パティは自分の体の前の部分をボディソープで洗っている。
パティが自分の胸を洗うと、丸いおっぱいが形を変えながら、洗われていく。
それを、パティの背中を洗いながら後ろから見るひより。
66 :
3:2008/07/22(火) 00:09:31 ID:dEn9tMaX
「あ、あのパティ…」
「ドーシマシタ?」
「その…パティは恥ずかしくないんすか…いくら女同士でも、裸を見られるっていうのは…」
「もちろん、恥じらいはアリマスヨ」
「へっ?」
「でも、いちいちそんなこと気にしてはイケマセン。むしろこの状況を楽しむのデスヨ☆
ひよりんにワタシの裸を見られていると思うと、なんだか興奮してキマス☆この背徳感がタマラナイのです!
この興奮こそ萌えの一つなのかと思うと、楽しくなってきませんカ?」
「はあ…」
パティはひよりの背中をお湯で流す。
そのあとも、パティの萌え談義を聞きながら、今度はひよりが自分の体を洗う。
「ひよりん、チョットいいですか?」
「ん?なに?」
ひよりの背中に二つの柔らかい感触が当たる。
「ちょ、…ちょっと…!!??」
パティの巨乳がつぶされるように、胸を押し付けられる。
「ヒ〜ヨ〜リン☆」
甘えるような猫なで声でパティを呼び掛ける。
「コーフン、してきませんか?」
ひよりの顔の横にパティの顔が現れ、頬をぺたっと付ける。
体中が密着している状態に、ひよりの心臓が高鳴り、呼吸が乱れる。
「こっち向いて下サイ…」
ひよりがおそるおそる首を向けると…
頬に優しく手をかけられ、そのままパティの顔が、近づいてくる。
くちゅ…
パティは優しく、優しくキスをした。
「ワタシ、前から百合の世界を体験してみたいと思っていたのデス…こんなこと頼めるのは、ヒヨリだけです…」
パティの切なさを込めた微笑にひよりの心が疼いた。
ひよりはぽーっとしたままパティの目を見つめる。
「これ以上、ワタシとKissするのが、ノーだったら言って下サイ…」
ひよりの頬がパティの手に包まれ、そのまま顔を近づけていく。
ちゅ。
再び唇が合わさる。
67 :
4:2008/07/22(火) 00:10:31 ID:dEn9tMaX
(ふわあ…すごい…私、今、パティとキスしちゃってる…いいのかな…こんなの……でも、なんだか心地よくて、ドキドキして…)
唇を離す。
「どうでしたか?」
「う、うん…気持ち良かった…」
ひよりは真っ赤になりながら答えた。
パティも頬を赤く染めながら、尋ねた。
「モット…激しいの…いいデスカ…?」
一度キスをしたひよりにはもう拒否する思いなどなく、
パティの可愛らしい表情にひよりは断ることができず、
そっと頷く。
パティがひよりの唇を割り、舌を入れ、ひよりの口内のあらゆる場所をなめまわす。
「ちゅ、ちゅ。ちゅっ…くちゅ…ちゅぱ、ちゅぱ。」
「んっ…ちゅぷっ…、ふ…くふっ…ふ…」
(うわ…これがディープキスってやつなんだ…す、すごいエッチで……恥ずかしくて……………気持ちいい……)
初めての経験に、ひよりはきゅっと目をつぶり、ただパティのなすがままになる。
声が漏れる。
「ん…ふ………んちゅ。く……ふ……………」
やがて、口を離すとパティが悩ましげな声で尋ねてきた。
「ヒヨリ…舌を出して下サイ…」
ひよりは、目をぎゅっとつぶったまま、そっと口の中から舌を出していく。
すると、パティはひよりの舌を口の中に吸い込み、頭を反復運動させながら、フェラするように、舌をねぶる。
このかつて味わったことのない経験に、ひよりの体は震えつつも、確かにお腹の底の辺りで快感を味わっていた。
そして、唇を合わせ、パティとひよりの舌を、お互いなめ合う。
ひよりも舌を積極的に動かすようになっていた。
よだれがいくらこぼれ落ちても、もう気にしない。
ひよりは気付いた。恥ずかしいことをする程、自分の体を興奮させることになると。
やがて、唇を離すと、パティが言った。
「ワタシ、もっと…ひよりとイケナイことしたいデス…」
パティは乙女の顔になっていた。
「いいよ…もう少し…してみよっか」
68 :
5:2008/07/22(火) 00:11:44 ID:dEn9tMaX
ひよりは、さっきからずっと気になっていた部分を見て言った。
「胸…さわっていい?」
「どうぞ☆」
パティは胸を出し、ひよりの方に突き出す。
お湯に濡れて艶やかな胸がきらめく。
とても柔らかそうな乳。ピンク色で少し大きめの乳房。
ひよりは、パティ巨乳の下の部分を手で軽く叩いてみた。
パティのおっぱいがぷるぷると揺れる。
「すごい…じゃ、じゃあ…さわるよ…」
ひよりは、高鳴る鼓動を押さえながら、パティの胸をつかんだ。
むにゅっ、という音が聞こえてきそうな程やわらかな乳が、ひよりの手に感触を与える。
揉む度に、ひよりの指がその巨乳に食い込み、胸の形を変えていく。
ひよりは、そのあまりの心地よい感触に、夢中になってパティの胸をもんだ。
むにゅ、むにゅっ、むにゅ、むにゅ。
「あァ…ハァ、ハァ…オゥ……んあぅ…………とっても…気持ちイイです…」
「パティのおっぱい…すごく、やわらかいね…」
「ハア、ハア…ああっ、あぁあ……」
ひよりがしばらくパティのおっぱいを触っていると、真ん中の乳房がぴんと勃っていることに気が付いた。
その先っぽをくりくりといじると、パティがよりいやらしい声でなき、ひよりは一層興奮した。
ひよりに乳首をいじられながら、荒く呼吸しながらパティが言った。
「ひよりん………吸って…下サイ…」
「…うん」
勃起したパティの乳房を、口に含んで、ちゅう、と吸った。
「はァアアあああああん!!!!」
パティは甲高い声をあげた。
ひよりは、もはや遠慮することはせず、夢中で乳房をなめたり、吸ったり、口に含んでくちゅくちゅと音を立ててしゃぶった。
「んあァ…気持ち…イ…イ…んハァアアアッ!!…あんっ!!…あう!あぅっ!!!」
声を荒げて、ひよりの頭を抱きながら、ただよがるパティだった。
「ヒヨリ…とってもエッチです…」
パティは、ひよりの控えめな大きさの胸をなでてみる。
興奮しているひよりの乳首はすぐにそそり立った。
二人はタイルの上に敷かれたマットの上で、裸のまま絡み合う。
ひよりが下で、パティが上になり、お互いの胸や濡れそぼった秘部を手で刺激しながら、熱いキスを交わしていく。
69 :
6:2008/07/22(火) 00:12:55 ID:dEn9tMaX
ひよりの手が、パティのお尻の方へ向かう。
ひよりは、さっきからパティの大きなお尻のことが気になっていた。
ぐにぃ。
ひよりの手がパティのお尻を鷲掴みにする。
パティが切なさも込めたような悲鳴をあげる。
「やわらかい…すっごくやわらかい…」
指がおしりの肉にくいこんでいく。
ひよりは、そのおしりもくり返し揉む。
「それなら…顔全体で感じてみますか?」
そう言ったパティは一度立ち上がって後ろ向きになり、ひよりの方におしりを向けて、四つん這いになった。
「うっわ…おしり、大っきい……」
ひよりは、おしりを両手で掴み、左右に広げてみた。
すると、呼吸をするようにパクパクと穴を開閉させる菊門が見えた。
そこから少し下をたどっていくと、とろとろの液が滴る“ワレめ”が見えた。
そこから、性欲をそそられるいやらしい匂いがした。
パティのそのアソコは大きく膨らんだような形で、指で大きくつまむ事が出来る程の大きさだった。
「アソコ、なめて下サイ」
「…うん」
ひよりは、パティのぷりんとしたおしりに顔を埋め、ぺろぺろと股間のスジをなぞるように、舌を這わせる。
(パティのおしりが…私の顔に…)
こんなみっともなくて、恥ずかしいことをするのが、余計興奮させる。
やがて、パティもひよりの股に顔を寄せ、膣内に舌を入れ、中で動かす。
パティのなぜか手慣れたテクニックに、ひよりにとって始めての刺激に、とてつもない快感を得た。
ひよりは、もはやパティのアソコをなめることすら忘れ、ただ喘ぐ以外のことはできなかった。
「…ひい!はあ!あああ!!!」
「んっ、んっ、ちゅ…くちゅ、にゅぱ、ちゅぷちゅぷ…」
「んあ、ひゃあっ!あっ、ああ〜〜〜っっ…あっ、あっ」
(やばい…もうイきそう…私、初めて人にイかされるんだ……!!)
「んああ……イクっ…………………!!!!!」
ひよりの快感が限界に達した時、股間に何かが込みあげてきて、イッた。
ビクッ!ビク!ビクン!
「…っは!!…はぁ!!…ぅあ!!!」
ひよりの体が何度も跳ね上がる。
「…はあ、はあ、はあ」
「ひよりん、トテモ気持ち良さそうデシタ…」
「ご、ゴメン…パティより先にイっちゃって…しかも私、途中でやめちゃったよね?」
70 :
7:2008/07/22(火) 00:13:54 ID:dEn9tMaX
「だから…パティに…続き、していいかな?」
「勿論デス☆ワタシのオマンコに指、入れて下さい」
パティは足をがばっと広げて、自分の手で足を持ち、股間のスジを広げる。
パティのビラビラがぱくぱくとうごめく。
(人のおマンコなんて始めて見るなあ……パティのアソコってこうなってるんだ…)
「…入れる、よ」
ひよりの指がゆっくりと、パティの膣へ入れられていく。
パティの膣の中は、ザラザラしていて、なんだか気持ちよい。
「ああ、あああ………指、増やしてください…一本じゃ弱いです…」
「う、うん…じゃあ、2本…」
「No…3本入れて下さい…」
「ええっ…」
驚きながらも、ひよりは3本の指を入れる。
既に濡れそぼっているパティのアソコの中には、割とすんなり入った。
中でぐにぐにと、それぞれの指をめちゃくちゃに動かす。
「あああ…あーっ、あーっ!…はあ、はぁぁ……んあうっ!!!はあ、ああ、ああああああああ」
愛汁があふれだしてくる。ひよりの手をつたって、とろとろの汁が流れてくる。
その汁をなめとるように、ひよりはパティの股に顔を埋めて、クリといっしょになめまくる。
そして、膣内を3本の指でえぐられるような快感に、パティは体をねじって喘ぐ。
「もっと……モット、気持ち良くして下サイ………!!!」
ひよりは、夢中でアソコの中で指を泳がせる。
「………腕……ぜんぶ、…入れてクダサイ……!」
「…えええっっ!」
「お願いデス……ひより……」
パティは目に涙を浮かべながら懇願する。そのあまりにもいじらしい顔に、ひよりの心がきゅんと締め付けられる。
「…う…わ、わかった」
ひよりは五本の指を揃えて、パティのアソコへと、手を入れる。
ゆっくり、ゆっくりと指がにゅぷにゅぷと飲み込まれていく。
「うわ、すごいっす…キツイけど、ちゃんと入っていくっす…!!」
やが、ひよりは手を止める。
「ヒヨリ…モット、モット奥まで…」
「い、いや、でも…これ以上入れたらやぶけちゃうよ…」
「イイのです…ヒヨリの手に…ワタシのバージンあげちゃいマス…
エンリョせずに、思いっきり奥の方までつっこんで下さい…
ワタシがどんなにわめいても…絶対に止めちゃダメです………イイデスネ?」
「…わかった」
ひよりは、弾力のあるものにぶつかった手に、ぐっと力をこめて、前へ進めた。
71 :
8:2008/07/22(火) 00:16:55 ID:pUjDrbKU
その時、パティのアソコから、「めち」という音がした。
「ああああああっああああっっっっ!!!!!」
パティが泣いて叫ぶ。いくらパティでも、これは痛いようだ。
頭を振り回し、あまりの痛さに泣き叫ぶパティ。
したたる血をシャワーで流しながら、ひよりはさっきのパティの忠告を守り、どんどん腕を中へ進める。
「アッ!アッ!!あああぁああああぁぁぁあああ!!!!!!」
パティは必死で痛みに耐えながらただ、叫ぶ。
「パティ…奥まで……入ったっす……」
パティの腰がぷるぷると痙攣している。
「はあっ!はあっ!はあっ!…サンキューです…ヒヨリ…う、動かして…下サイ……」
パティは涙をぬぐいながら言った。
「だ、大丈夫なの?ほんとに……」
「…はい……動かして……っ!………クダ…サイ………」
「う…うん…」
ぬぬぷ、ぬぷ、ぬぷっ、…ぐっちゅぐっちゅ
「ふあああああっっっ!!あーっ、あーっ、あーっ!!!」
パティの中の痛みは、やがて気持ちよさに移り変わっていく。
「パティの中…すごく温かいよ…」
「ヒヨリ……ヒヨリ……ッッ!!!!」
パティはひよりの手首をつかんで、自らその腕を上下に動かす。
ずちゅっ、ぬちゅぅ、ぐちゅうっ、ぐちゅう…
「んあああああーーーーーーーっっ……ハアハアハアッ!!くあっ、はっ、はっ、はっ!」
ひよりの腕がぎゅうぎゅうに締め付けられる。
「はっ、はっ、はあ、ハアっ、ハアッ!!イクっ!イク!イクッ!!イクッ!!イクぅッ!!!
イきそう……です………!!!」
パティはもう限界に近いようだ。
パティの腰がぶるぶるっ、と震えた。
ビクビクビクッ……!!!!
ひよりの手がぎゅぅうと締め付ける。
ひよりの手首をつかんだパティの手が、ずるっ…と床に崩れ落ちる。
ひよりは、腕をゆっくりと、引き抜いた。
その手はべっとりと愛液にまみれていた。
ぱしゃぱしゃぱしゃ…
膣と肛門の間の、小さな穴から透明の液体が漏れ出す。
パティは少しの間、気絶してしまい、自分が漏らしてしまったことも気付かないようだった。
72 :
9:2008/07/22(火) 00:18:42 ID:pUjDrbKU
その後。
風呂場をきれいにした後、部屋の中でくっつき、二人はさっきの余韻を味わっていた。
「アイラブユー…ひよりん」
「わ、私もパティのことは…好き…だけどね」
「ひよりーん♪」
ぎゅーっと抱きしめてくるパティ。
「ちょ、恥ずかしいっすよパティ〜…」
「ひ〜よ〜りん♪」
とても嬉しそうな顔でひよりにすがりつくパティ。
「もう…しょうがないっすね…」
その様子に、ちょっと困ったような笑顔を浮かべるひよりだった。
以上。
勢いで書いてみた。
全ては勢いなんだと思う。
パティはあんな可愛いのに、ムチムチのえろい体してるんだぞっ!(妄想含)
あ、タイトル忘れてた;
えーと、「腐女子たちのえちぃ時間」でいいや。即決。
…
膣と肛門の間の、小さな穴から透明の液体が漏れ出す。?????
毛穴だな
あー、なんかもういいや。8の下3行ないことにしてくれ。
駄文すみませんでしたorz
ドンマイ
でもそれ以外は組み合わせ含めてよかったよ
本命の力作はしっかりしてくれw
いや、勢いだけでここまで纏まった文章書けるのはすごいっスよ!?
私なんて勢いだけの妄想だとぜんぜん纏まんないんスから……支離滅裂というか、欲望全開文才ゼロというか……
普通に書いててもついつい欲望のままに脱線したりとかもしますし。
今書いてるのだっていつのまにか『ケツマンコ開発』(by黄泉比良坂)に……
書かなければよかった…orz
やらずに後悔するよりもやって後悔した方が(・∀・)イイ!!
求むSS職人。至難のネタ探し。無報酬。極寒のダジャレ。暗黒のネタ切れの日々。絶えざる妄想。満足の保証なし。投稿の暁には乙とGJを得るのよ、みさちゃん。
― アヤノスト・シャックルトン
>>74 「勢いで書いた」と自ら評する荒削りな作品でこのクオリティとなると…
本腰入れて書いている本命の作品のクオリティは一体どんなものかと
非常にwktkしております、本命のこな×かがガチエロSS楽しみにしてますよ?
前スレ埋めGJ!
かなたさんが降臨すると心があったまるんだぜ!
85 :
7-896:2008/07/22(火) 12:07:56 ID:zf2h9Y8t
どうもこんにち〜は、7-896です。
久しぶりのこなフェチネタ投下します。
時間の都合上、先に保管所の方に入れておきました。
※注意点※
・キャラ崩壊注意
・世界観崩壊注意
・こなた総受け注意
・こなた・かがみ・みゆき・みなみ以外蔑ろ注意
今回は個人的に一番壊してるキャラを、メインに持ってきてみました。
なので他のキャラクター達がかませ犬状態です。
上記4人以外のキャラのファンの方はお気をつけください。
それではいきます。
『裸と裸で』
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2218.html
>>85 相変わらず……強烈すぐる!wwww
こなちゃんが案外まんざらでもないのがまたいいよネ。
>>85 GJ!!
やはり本家は違いますなぁ…腹筋が鍛えられそうですよ。
なんだかんだでみんな仲がいいのが素晴らしい。
レスが少ないと思ったら、wikiのほうにいきなりリアルタイムでコメントついてるんで驚いたw
まとめwikiだけ見てる人も、けっこういるのかも。
下手したら、「このスレのまとめ保管庫」だということも知らない(というより意識してない)人すらいそうだ。
>>85 みゆきさんの叩かれるタイミングが絶妙すぎるwww
GJ !
90 :
42-519:2008/07/22(火) 21:00:11 ID:vo/MhpOq
とくに準備されているかたがいらっしゃらなければ、投稿しますね。
二輪の花 第14話(とエピローグ)
・シリアス、微エロ、憂欝注意。
。・おそらく15レス使用。
91 :
二輪の花(1/15):2008/07/22(火) 21:06:15 ID:vo/MhpOq
その日は一日中雨が降りしきっていた。朝かがみが目覚めて、カーテンを開ける前から雨音は勢いを増している。
午前中はずっとその調子だったが、午後になってやっと弱まった。しかし天気予報の通り、この雨は明日の明朝まで続くだろう。
朝、ゆたかからのメールに、かがみは放心気味に本文を読んでいた。いつものことか、と自嘲気味に笑い、疲れるだろうからと、昼食をとった後またベッドに入った。
少なくても眠っている間は何にも考えずにいられる。
ここ最近の目まぐるしい状況が、こなたが関わることによってさらに複雑に混ざった、こなたとゆたかの関係に、起床中をほとんど平時にいたって精神を磨耗してしまっている。
このままでは壊れてしまう、そんな無意識の命令をかがみが敏感に感じたのかもしれない。
床にに入ってから深い睡眠に陥るまでの間、寝てばっかりでまるでつかさみたいだと、かがみはほとんど自嘲に近い、乾いたような笑いが自然におこしていた。
正直のところ、もうどうでもよかった。これからもこれまでも。
☆
「先輩、こんばんは」
「……」
「つかさ先輩は、どうしたんですか?」
「お母さんとお父さんと一緒にでかけてる」
「そうですか、都合の良いですね」
「私にとっては最低だけどね。あんたと一緒なんて」
「……そういわれると、少しは傷つきます」
「それは光栄だわ」
「――紅茶、いれますよ」
「いい。私で入れるから」
「私の分もお願いできますか?」
「……まあいいわ」
居間から台所に向かい、下の収納棚から薬缶を持ってくる。じゃばじゃばと水を入れ、ガスコンロの電源を入れた。
しばらくとすると薬缶がけただましい音を立てるので、スイッチを切り、棚からTパックを取り出した。
そういえば、あの時もアールグレイだったか、とかがみはラベルを見ながら思った。
ドンっとおくと、振動で紅茶がもれた。
「かがみ先輩の家は、古風ですね」
「別に初めてでもあるまいし」
「隣の部屋は?」
「姉さんの部屋」
「かがみ先輩の部屋は?」
「二階」
「玄関にあった電話、いまどき珍しいですね」
「悪い?」
受け答えをするだけでもかがみは神経を尖らせる。
なんだか何もかも、あの時と同じみたいだ。
それならば、その後はどうなるんだろうと、かすかな恐怖と、いまさら何がどうなろうとという諦観がかがみの中で渦巻いて、ぐちゃぐちゃ混ざっていた。
「かがみ先輩の部屋にいって、いいですか?」
「好き勝手すれば」
ゆっくりと歩くゆたかをかがみは横目で見た。
居間を抜けるとき「階段を登ってすぐが私の部屋」と告げた。つかさの部屋で待っていられても困る。
アールグレイの特徴的な香りが、Tカップから漏れて、鼻腔をくすぐる。
楽しかった日々、こなたやつかさと遊んでいたあの日は、いつの間にか霞んでしまって、情景となって、ぼんやりと靄につつまれた欠けた思い出だった。
ずずずと音を立てて飲んだとき、ため息も一緒に飲み干した。
☆
シンシンと雨が降り注ぎ、湿気の高いかがみの部屋に卑猥な音が鳴り響く。
ゆたかは意識して反応を見せないようにしているかがみに対し、ほほにキスした後、今度は唇と唇を重ね合わせる。
「ん…」とかがみのもれた音を聞きながらゆたかは下を入れて、嘗め回した。
身長差は20センチあり、ゆたかが爪先立ちをしてもまだかがみの方が高い。
ゆたかはかがみに「座ってくださいね」といい、抱きしめながらキスをした。
「……満足?」
かがみはぶっきらぼうに、ゆたかに問いかけた。
ゆたかは、曖昧に笑いながら、
「できれば、もう少し優しくしてほしいですけれど」
「……ごめんだわ」
予想通りの言葉にゆたかは苦笑しながら、よく発育された胸を揉み解し、そのまま押し倒す。
その際かがみの長い髪がゆたかの顔に当たり、くすぐったかった。
かがみは、体を成すがままに任せながら、ぎゅっと唇を噛み、何も言わまいと決めた。
でも……という言葉がかがみに脳裏によぎる。
――それでどうなるのだろうか、と。
だって……と振って沸いた疑問に答えようと必死になるが、答えなんてでてこなかった。
――もう意味がないんじゃないの? こなたに知られた。こなたは、私とゆたかが付き合ってると思っている。
じゃあ私は、何のために、こうして我慢しているの?
もし私がゆたかに気を許せば、こうした関係も改善するし、つまらない自尊心を捨てて快楽と厭世に身を任せれば、こんな壊れた世界で結んだ壊れた関係だって、楽しめる。
どう転んでもゆたかを好きになることはない、とかがみは思う。それでも、こなたがかがみになびくことも、もうないんじゃないかとかがみは思う。
「あはは、あははは……っ」
「かがみ先輩――?」
たまらなくかがみは自棄して笑った。
「別に……なんでもないわよ」
次に訪れた鬱屈とした感情とともに、かがみは搾り出すように言った。
「これ、きれいです」
ポケットから造花を取り出した。かがみがゆたかにあげた、カーネーションの花弁と茎。黄色のカーネーション。
「そうね」
かがみは嬉しそうに見せるゆたかの顔を一瞥しながら、一人高笑いした。もう一ヶ月くらいはたったと思うのに、未だに気づいていないのか。
かがみはこなたにあげた、もう一輪のカーネーションを思った。真っ白なカーネーション。かがみの気持ちをこめた、白いカーネーションを――。
そう思うと、厭世思考がかがみを支配する。ゆたかが気づいていたないのと同じように、こなたが気づいていないのだから、ゆたかと私なんて同じようなものか、と。
もともとかがみも期待なんてしていなかったから、叶わぬ願いだということはわかりきっていたのに、どうして改めて事実に直面すると、こうも辛くなるのだろう。
「……私は、かがみ先輩のことが好きです」
「みなみちゃんは、どうするのよ」
「みなみちゃんは私の親友です。でも、それだけです。大事な友達だけど、好きな人じゃない。いい人、ですけど」
「利用しているんでしょ?」
「……そういうつもりはありません。ただみなみちゃんは私に協力してくれています。だからそれに頼っているだけです」
「ものはいいようね。そりゃあ私とあんたの関係を『付き合っている』と解釈できるんだからあんたの都合の良い解釈は尊敬に値するわ」
思い切り皮肉を言ってやった。
「尊敬をいただけるなんて、嬉しいです」
皮肉には皮肉で返された。かがみはそっぽを向きながら、だまった。エアコンの機械音と酸素不足にぜいぜいとせわしくあえぐ音が不自然に耳朶に響く。
ん……あ、ああんっ……
むき出しになった乳房がゆたかの舌が撫で回す。呼吸が乱れて、顔を手で覆い、感情を隠そうとした。
「先輩は相変わらずきれいです」
嬉しくなんてない。胸に感じる刺激と、心に引っかかるつっかえ。
目を閉じた時、目の前にいるのがこなたのような気がした。
――たわいもない幻想。
体重も身長もゆたかとこなたはそれほど変わらない。しかしゆたかの声を聞くと現実に戻された。
思えばあの時もつまらない自責を考えてたか、とかがみは思った。先々週だっただろうか。
まさかこなたに知られた。
あるいは知られていたなんてかがみは思わなかったから、そのときのことは自分はなんて滑稽なピエロだったんだろうと思わずにいられない。
必死に隠して、必死に我慢してきて、結果があんなんだ。
せめて平素の時くらいは、こなたと馬鹿なことをやって、それを心の糧としようと思っていたのに、それすらもかなわなくなった。
当たり前だ。当然だ。求めるほうが間違っている。それでもと思ってしまう。弱いと自覚していてもすがってしまう。
なんて馬鹿なんだろう。
――あの時も、こんな風にゆたかから受ける辱めに耐えながら。あの後。
あの後か。
「そろそろ、ですか」
「……相変わらず回りくどいわね」
「先輩の意思を尊重したいんです」
「あっそ……」
かがみの股の舌あたりに顔をうずめるゆたかがいる。シャンプーの匂い――あるいは香水だろうか? 不快でしかない匂いがツンと鼻をさす。
そう。
あのときだってそうだった。
ならば今日は?
なんてくだらない御伽話にかがみが思いはせた時、そんな時に扉の外から聞こえる明朗な声。
幾度なく聞いた。忘れてしまいたかったけど、忘れられなかった――。
☆
「残念だけど、そこまでだよ」
かがみが聞いたその声。愛しくて、懐かしい声。忘れることなんてできなかった、あの調子。抑揚のつけ方。声色。
「……誰?」
不快な声をはらませてゆたかが扉の外に問いかける。その際にかがみは乱れていた衣服を整えた。
何がおきているかはわからなかったし、その後の展開が以前よりひどくなるとしても、今はいい。
一万から二万になることなんて、ゼロから一になった時を考えれば、まったくをもって取るに足らないことだ。
ゆたかの顔をかがみが盗み見すると、苛立っているように見えた。
ゆたかとて、付き合いは長いから、その声の主はわかっているはずだ。だからゆたかの言葉も反語に過ぎない。
扉がぎいぎいと古めかしい音を響かせ、開く。
泉こなたが、いた。
今一番会いたかった人。一番かがみの気持ちを知ってほしかった人。
そして、一番大好きな人。
こなたは厳しい目をしながら、一歩一歩歩いてくる。ベッドに座る二人の目の前に立つ。
誰も声を発しないかがみの部屋に鳴り響く、エアコンの起動音がさらに大きくなった気がした。
こなたは二人を交互に見た後、辛そうに目をそらした。
拳が硬く握られていた。
「……こなたお姉ちゃん? 何の用」
その場を取り巻く無言を破ったのは、やはりゆたかだった。表情に驚嘆をなじませながらもゆたかは、余裕そうに、惚けてたずねた。
「ゆーちゃん」
こなたは言葉を切り、それから、
「やりすぎだよ。わかってるの? これ犯罪だよ」
「……なんのこと?」
「こうしてかがみと――なんていえばいいかはわからないけど――一緒にいることだよ」
「なんで? 好きな人と一緒にいることは、いいことだと思うよ」
「好きな人? 笑わせないで」
「どうしてそんなことがこなたお姉ちゃんにいえるの? ねえ、かがみ先輩?」
文末の抑揚をあげながら、ゆたかはかがみの法に向き、賛成を促す。
嘘――本当のことをいって。言わないと、写真、ばらまくよ? その目がそう告げていて、かがみはブルッと身震いする。
「私は」
私は。
なんていえばいいのだろうか?
こなたの目をみると、訴えるようにかがみを見つめ返してきた。本当のことをいって、と。ゆたかの顔を見ると、勝算があるのか、勝ち誇っているように見えた。
こなたに嘘をつきたくない。それはかがみの心の底からの気持ちだった。
でも、と何度も頭の中でイメージした最悪の展開がかがみを渋らせる。
かがみは弱みを握られている。こなたの部屋で自慰をした写真をとられている。その後のこともだ。
それをこなたに話されるのは辛いし、それ以上に写真をインターネットに流出されるのは、怖い。
想像するだけで気が狂いそうになる。死のうとも思う……。
こなたと一緒にすごしていたせいで、インターネットという環境の恐ろしさをかがみは重々承知していた。一度流れたものは二度と消せない。
いつまでも、大人になっても、消えることのない。
「私は……」
かがみは語尾を尻すぼみになりながら、結局黙った。
「ねえかがみ」
かがみにこなたが問いかける。心をなんとか保ちながら、こなたの顔を見た。
普段のやる気のない表情からは程遠い、真剣な顔に、一抹の不安をにじませている。かがみは不謹慎だとは思ったけれど、やっぱり愛しくて、可愛くて、大好きだと思った。
「本当のことをいってよ。かがみ。かがみは、この関係、間違っていると思っているんだよね?」
「そんなことないよ。私とかがみ先輩は両思い。だからお姉ちゃん、邪魔しないで。邪魔だから」
「……うるさいよ。ゆーちゃんは黙ってて」
「相変わらずだね。こなたお姉ちゃんは不利なことがあるとすぐに、大声をだして、言葉を濁す。前にも言わなかった?――喫茶店のときだっけ。それって自覚している証拠だって」
「口の減らないねゆーちゃんも。黙ってて言ったのがわからなかった? まさか意味がわからないような年でもないでしょ。見た目はともかく」
「あっそ……最後の、自嘲のつもり?」
ゆたかはこなたを憎しみの目でみたあと、それから一人ふふっと自信の満ちた笑みをこなたにみせたまま黙った。
エアコンの作動音が耳障りざった。
☆
どうすればいいのだろう。かがみはこなたの真摯の顔を正視しながら、ひたすらに考えをめぐらす。
答えは明白だった。
それまでもこうしてきたのは、写真があったから。それは本当の終わりだ。
こなたに嫌われたとしても、かがみにとっては痛手しかない。
いつまでも引きずるような、悔恨が残るだけの犠牲だとしても、それでもこなたに真実を話したときの、かがみの身に起こることと天秤にかけたとき、均衡を保つようなことはない。
だから……胸を引き裂かれるような激痛があったとしても、
「私は……うん、間違ってないと思う」
かがみは、あはは、と必死に笑顔を作って、顔を赤らめて、こなたに笑いかける。涙が頬を伝って口に入ってしょっぱかった。
「嘘でしょ!? かがみ! 本当のことを言ってよ! 私知っているよ! かがみが今まで辛い目にあってきたこと。私、かがみのためならなんでもするからさ。ねえかがみ。本当のこといって。お願いだから。お願いだから――っ!」
涙をにじませたこなたの訴えが刃となってかがみの心をずたぼろに引き裂く。お願いだから、そんな目を見せないで。
辛い。泣きたい。死にたいんだから。
だけれども首を横にふった。
「本当に、なんでもないから」
「嘘、だよ」
ゆたかが嫌らしい笑顔をみせて、
「わかった? これが真実なの」
「……」
こなたは押し黙った。それもつかの間だ。
「ねえかがみ。もしかして―ー写真のこと? それがかがみの足かせになっているの?」
「………」
ゆたかとかがみの表情が俄かに固くなった。
「そんなこと」
かがみが否定しようとしたのをこなたはさえぎり―――
「――それなら、心配はいらないよ」
え?
こなたのウインクがかがみに触れる。こなたはゆたかを敵視して、
「かがみを縛っているのは、写真だよね」
「なんのこと、かな」
「とぼけても無駄だよ。全部わかっているから」
「それが本当だったとしたらどうするの? かがみ先輩は私と付き合っている。その事実は変わらないでしょ。ね、かがみ先輩?」
「……」
「変わるよ。だってそれはかがみがゆーちゃんのことを好きじゃないってことだから」
「そっか、ぜんぶわかってたか」
ゆたかはこなたを馬鹿にするようにあざ笑う。こなたは激情して、床を強く踏んだ。
「ふざけないで! 笑っていられる時だと思うの?」
「――なおさら、こなたお姉ちゃんはかがみ先輩の気持ちを踏みにじることになるよ?
わかっているんでしょ? 私が写真を弱みに握って、かがみ先輩と『付き合っている』こと。もしその関係が崩れたら、どうなるかも」
「残念だけど――」
こなたは瞳に浮かべた涙を指でぬぐった。
「どうにもならないよ」
「どうして?」
「ゆーちゃんのパソコン、悪いけど壊しちゃった」
「はあ?―――あはは、こなたお姉ちゃんも思い切ったことするね。あれいくらすると思っているの?
お姉ちゃんは仕事用にパソコンをもっているから、私用とはいえ十万はくだらないよ?
それこそ私がこなたおねえちゃんを告訴できるよ? 以前にかがみ先輩と裁判所にいきましたよね」
「弁償するよ。たかだか二十万やそこら」
現実的にはこなたのお財布事情は現状芳しくなく、お金のことはみゆき頼りだった。きわめて良心的にみゆきは万単位のお金を、無利子でこなたに貸してくれた。
こなたはそれに心から感謝しながら、いくつかのオタクグッズを売り払い、また15日に入るバイト代も全額返還にあてようと決めていた。
「それとこなたお姉ちゃん、嘘をつくんだね。かがみ先輩のことを諦めるかわりに、超プレミア物のグッズをあげたのに」
「あんなの貰った次の日には捨てた。それに諦めるなんていってないし」
「あれ、いくらすると思っているの?」
「どーせみなみちゃんがかかわってるんでしょ? それもほしいならいくらでも弁償するわ」
「そっか。まあどうでもいいんだけどね。そんなことよりこなたお姉ちゃん。それだけ? それがこなたおねえちゃんの作戦?」」
「だとしたら?」
ゆたかは堪えきれず大笑いした。
「あははは、あははっ!」
エアコンの設定温度を間違えたのか、寒いぐりあに冷えたかがみの部屋に、不快な笑い声が響き渡る。
「残念。私を甘くみてるよ。私だって少しは対策しているんだよ。例えばインターネット上に作ってある自作ホームページに保存、とか」
「な!?」
かがみの驚愕する声にゆたかは「ああ」とだるそうに、
「大丈夫だよきちんとパスワードはかけてあるし、企業が使うような強力なやつだから。少なくてもアクセス解析するかぎり、アクセスもゼロだし。
そりゃあ私が作ったようなそもそも誰も知らないところにおいてあるだけだから、当たり前だけどね」
かがみは安堵のため息と、不安の波を同時に押し寄せてきて、こなたの顔をすがるように見る。
やはり無理ではないかとかがみは思う。
ゆたかは驚くほど狡猾だ。多少のことでは周章狼狽などしない。いつも二手三手を考えたてある。
今ならまだ間に合う。ねじれにねじれた一本の糸はまだ切れていない。
すがるように見たかがみは、こなたはまだ自信を持っていたことに驚いた。
「――ゆーちゃんこそ、私のことを甘く見てるよ。オタク暦18年の私がそんなこと予測しなかったと思っているの?」
それは自慢することか、と得意の突っ込みを場にそぐわずかがみは思ったが、言葉をつぐんだ。
「だったらどうするつもり? こなたお姉ちゃんは言ったよね。壊したって。もう私しかURLは知らないよ」
「…yutaka-minami-ryouou.ne.jpだって。センスがないね」
「………当たり」
「ゆーちゃん、前に私にパソコンのファイルを入れるように頼んだよね。あの時リモートコントロールできるソフト――これ自体はウイルスでもなんでもないけど――を紛れ込ませてこませていたんだよ。それで操作しただけ」
「……さすがはこなたお姉ちゃん。用意周到だね」
それでもゆたかは余裕を捨てない。
こなたも負けじと強気になる。
「ftpにアクセスして削除したから、ゆーちゃんのいっているものはもうパソコン上にはないよ。
ついでにゆーちゃんの部屋を探してみたけど、CD−Rもなかったから」
「――そっかあ。よかったね、かがみ先輩」
「……」
ねっとりとした嫌な笑いをかがみにゆたかは見せた。悪寒が全身を覆う。
こなたはそれを無視して、
「――だからさ、かがみ。本当のことを言って。かがみがいえないなら、私が先に言うよ? 私は、かがみんのこと大好きだよ」
……本当に?
かがみは目の前で恥ずかしのをこらえて、思いを告白したこなたをぼうっしながら見つめた。
こなたが、私のこと?
私は、ゆたかと一緒にいたけど……。
「――あはは」
そんな幸せなエピローグも、ゆたかのによってさえぎられる。
「惜しいけどね…」
ゆたかは笑いすぎて瞳にたまった液体をぬぐい、
「…保険が生きるとは、ね」
「保険?」
「田村さんと、パトリシアさん。それにみなみちゃんにも同一のファイルを保存してあるんだよ。
まさかこなたお姉ちゃんも、親戚である私はともかく、その三人のパソコンを壊すわけにはいかないよね?」
「……」
こなたが黙ると、忘れていた体温の感覚をかがみは覚えた。
部屋にゆたかをつれたとき、使用したエアコンのリモコンがかがみの手の届くとところに放り出されていた。
こなたとゆたかがお互いににらみ合っていて、かがみはそれに釘付けになっていたが、あまりにも寒かったのでエアコンをディスプレイを除いてみると、設定温度が23度になっていた。
普段は25―28度に設定しているのに、操作をあやまったのだろうか。
冷たい部屋に、切り裂くような冷たい張り詰めた空気が流れている。息をするのも憚れるほどだった。
こなたは真一文に結んだ唇を、ふっと割り――
「ゆーちゃん。やっぱり私のことをなめてるね」
「な!?」
今度こそ、ゆたかの顔が驚きを帯びた。
こなたはそれに勝算を感じ、
「メイドウイルスって知ってる?」
「なによ、それ……」
そう突っ込んだのはかがみ。
こなたは関西弁で思わず突っ込んだが、この張り詰めた空気にもかかわらず、やはりかがみも突っ込まずにはいられなかった。
「ないす突っ込み――ってそれはどうでもいいよ。ゆーちゃんは知ってる?」
「知らないよ」
「そっか。実はね、みなみちゃんの家にはみゆきさんが、ひよりんとパティの家にはつかさが、この二週間のうちに訪れていたこと、知ってた?」
「二人が?――みなみちゃんは、言ってたと思う。二人って、近所だし、別段不思議でもないと思った」
「そう。そのときね、メイドウィルスを二人にスパイウェアとして侵入させたわけ」
「メイドウイルスって何」
「ファイル除去ソフト――かな。それもとびきり強力で、対策ソフトでも対策が追いついていないもの。
それってね、たとえば『メイド』と入力すれば、それに関連するファイル『だけ』を的確に選び出して削除――ハードディスク、ftp、その他諸々から完全に消去する機能。
復元はもちろん不可能。これを『かがみ』とか先に調べたネットであったファイル名を入力すれば――どうなると思う?」
ゆたかの顔が暗くなったのを、こなたは見逃さなかった。
「悪いとは思っているけど、ゆーちゃんのパソコンにも忍び込ませてもらったよ。
携帯電話との接続ケーブルがあったから、携帯電話のフォルダにもアクセスして、以前に見せてくれたような写真は全部消去されているだろうね」
ゆたかは慌てて携帯電話を見て、愕然とする。
「でもかがみ先輩は、私のこと―ー好きじゃないことは、わかってるけど――カーネーションの花を贈ってくれた。その気持ちは、嘘じゃないはず」
ゆたかはカーネーションの花を見つめた。黄色のカーネーションの造花を。
「ゆーちゃん、私もカーネーションの花、貰ったの知っているよね」
「知ってるよ」
「私がかがみが、間違っているって信じられたのはカーネーションだよ」
「でも、カーネーションは私にも送られていた!」
こなたは哀れみながら、
「花言葉にはね、花の色によっても花言葉が変わることあるんだよ。例えば白には『純愛』 そして黄色は『侮蔑』――」
「そんな……私、かがみ先輩から貰っていたとき舞い上がって喜んでたのに」
打ちのめされようにゆたかは肩を落とした。
嫌われていたことはわかっていたけれど、貰った日は興奮であまり眠れなかったそのカーネーションをもって拒絶されていたと思うと、こみ上げてくる思いが爆発する。
「かがみが言葉にできないSOS、気持ちをカーネーションで伝えてくれたことを知ったから、私は行動を起こした。ヒロインというよりギャルゲーの主人公みたいだけど、それならかがみを助けたいから」
呆然と、時折涙を交えているゆたか、怒気を孕みながら、落ちこうとしているこなた、無表情のかがみ。
三者三様の空気を取りまとめて、つなぎとめているのは、轟々となるエアコンだけだった。
☆
「――そっか。全部お見通しか」
涙が収まったゆたかは諦観気味に、ゆたかは呟いた。
「――さすがはこなたお姉ちゃん。私の負け。私の方策は全部こなたおねえちゃんに見破られていたみたい」
「ふざけないで。
ゆーちゃん、さっきもいったけど、これ、犯罪だよ? わかってる?」
「わかってるよ、そんなこと!」
急に、逆に癇癪を起こされて、こなたは一瞬たじろいだが、すぐにきっと睨み返した。
「わかってた。でも、私はかがみ先輩のこと、好きだから。好きだから、仕方ないじゃない」
「仕方ないじゃないよ。かがみがどれだけ、どれだけ辛い思いしていたと思ってるの?
自分の欲望のためだけに、かがみを慰みものにして。いくら従妹でも、私は許せないよ」
「……好きにしていいよ」
ゆたかは自嘲しながら、黙った。
こなたは怒り収まらず、といった風だったが、それでもゆたかから視線をずらし、かがみの顔を向き、一歩歩いた。
☆
「かがみん」
愛しいと素直に思った。
何年も聞けなかった気がする、こなたの声を聞いた。
理由もなく立ち上がった。こなたを立たせたままにするのに気が引けた。
「かがみ――私は、かがみんのこと大好きだよ。友達という意味じゃなくて、恋人として」
「馬鹿…」
夢で繰り返した、こなたがかがみのことを好いてくれているという幻想。それが現実で起こっていることに、かがみはどう返せばいいか悩んだ。
「馬鹿――私の気持ちなんて、決まっているじゃない」
「できれば、口でいってほしいよ」
「恥ずかしいよ」
「それがいいんだよ」
「もう、わかったわよ。こなた、大好き。大好きだよ」
その言葉とともに、かがみは体を傾ける。こなたと唇と唇が触れた。
ファーストキスでもなければ、恋人通しがする甘いキスでもない、汚れたキスだ。
それなのに、かがみは涙で周りが良く見えなくなるくらい、世界で一番愛しいキスの味だと思った。
「もう我慢しなくていいよ、かがみ。かがみはがんばったから、かがみが悩んで苦しんで、涙したこと、これからは一緒に泣いてあげるから」
「う、うん……っ」
その優しい言葉が引き金となって、かがみは際限なく泣き出した。
「こなた……こなたあ……っ」とうめきながら、自分よりもふた周りくらい小さいこなたの胸に伏す。
どんなものよりも、何よりも暖かった。
「さてと」
しばらくそうして、かがみの悲しみを受け止めたこなたは、かがみが落ち着くのを待ち、部屋の隅っこでさめざめと泣くゆたかのほうに顔を向けた。
「わかってるよね、ゆーちゃん」
「……」
「何度もいったけど、これ犯罪だよ。警察に訴えれば、ゆーちゃんは未成年だから刑法にのっとって処罰されることはないだろうけど、犯罪にはかわりないから」
「……うん、わかってる」
ゆたかは子供のように素直に、従い、押し黙った。
再び沈黙。
その沈黙は、意外な音で破られた。
扉がまた開いたのだった。
突然の来訪者に、一同が顔を向けると、岩崎みなみが立っていた。
肩で息をしていて、衣服はずぶぬれだった。
「みなみちゃん……?」
かがみは一瞬「不法侵入のような」と思ったけれど、空気を読んで、大好きなこなたの腕をぎゅっとつかんだ。
「――ごめんなさい、泉先輩、柊先輩」
乱れた息を整えるまもなく、みなみは頭を目一杯下げた。
「……みなみちゃんが謝ることはないよ。実行したのは全部私だし」
「ううん、ゆたかをとめなかった私が悪い。私がゆたかに嫌われることを恐れなければ――私は、このこと、ずっと前から知っていたのに」
「……かがみ先輩」
不意にかがみの方に向き、問いかける。その声は昔、そうゆたかを痴漢から助けたときのような、純粋な訴えだった。
「なに?」
「みなみちゃんのことは、許してください。悪いのは全部私ですから」
「違う! 私も悪い! ゆたかのやったことはどうしようもないことだけど、私も一緒に罪を受ける。そうしないと、私が耐えられない。だって」
だって、といいながらみなみは駆けていき、そのままゆたかを抱きしめた。
「ごめん、ゆたか。あの時――ゆたかが痴漢にあっているとき、助けられなかった。それが私の罪となって陰を落としてた。
もしあの時、ゆたかと一緒にいられたら、ゆたかを助けられたら、何も狂わなかったのに」
「みなみちゃんは関係ないよ。あの電車に帰路にみなみちゃんがいないのは、関係なかったし。
――当然だから」
「それでも、ゆたか、ごめんね……」
抱き合う二人を、こなたとかがみは呆然しながら見つめていた。どうにも話の腰を折られてしまったが、こなたはこほんとわざとらしく咳をして、
「……盛り上がっているところで悪いけど。話を進めるよ。ねえかがみ。かがみんはどうしたい?」
「私……?」
急に言葉を振られ、かがみは狼狽する。こなたの意図を計ろうとするが、つかみきれない。
「結局はかがみの問題だから。かがみをゆーちゃんをどうするか、決めて。その決断に私も従うから」
「私は――」
かがみは今までのこと、ぜんぶ回想する。初めてゆたかに自慰を見られたときの羞恥、絶望。
それから始まった鬱屈した毎日。情報が流出したと仮定した耐えられない恐怖。
誰にも内緒でコンビニで購入したカッターナイフ。手首に残るわずかな傷跡。こなたに知られたこと。
そして、こうしてこなたと結ばれたこと。
「――私は、うん、いいよ。ぜんぶ、なかったことにする」
「本当に、本当にそれでいいの? かがみ? あれだけ辛い目にあってきたんだよ? それを許せるの?」
こなたが念を押すように、問いかける。
だって、とかがみは自分を納得させ、こなたに微笑む。
「だって、こなたの従妹でしょ? 大好きな人の身内を犯罪者にはしたくないから。
それに、あんたがしたことは、確かにひどいことだけど、私を好きになってくれた、その気持ちだけは真実だと思うから。
だから、ぜんぶ、終わりにしたい。壊れてしまった世界だとしても、私は、できるところから修復していきたい。だからね、私はいいよ、それで」
「かがみん……その、こういう言葉はいいのかわからないけれど、ありがとう。あれでも、私の大事な妹みたいな存在だから――」
「わかってる。私はこなたが嬉しいと思うことがしたい、それだけ。
やっぱり私はまだあんたを許していない、許せない。
あんたを憎しみを持ってしか見られない――今だってあんたを見るのは吐き気をするけど……でも、ゆたかちゃん。いつかは仲直り、しようね」
そういってかがみは、ゆたかに笑いかけた。あの時以来、初めて見せるかがみの優しい笑顔。
「うう…ごめんなさい! かがみせんぱい……」
みなみに体を抑えられながら、鼻声で、涙まじりにゆたかは謝った。
かがみは「うん」と、顔を赤らめ、もう一度微笑んだ。
☆
「ねえ、かがみ」
二人を玄関まで送り、それから二人で熱いキスを交わして、体まで交えた後、こなたは私に話しかけてきた。
私はベッドから体を起こし、こなたのほうに向ける。今日もあほ毛は元気に立っていた。
「何?」
「なんかしてほしいことない? 私がしてあげるよ」
こなたは無邪気に笑う。
してほしい、ことか。少し考えた後私は、
「――大宮にでもいかない? 最近は忙しくて行ってないしさ」
「……」
なんだその沈黙は。てゆーかその不満そうな顔はなんだ。
「だめだなかがみんは」
「いきなりそれかよ」
「普通、こういうときは『――海にいきたいな。浜辺のきれいなところ』と相場が決まっているのに」
「そりゃあ、あんたのゲームの話だろ。てゆーか埼玉に海ないし」
「……そこなんだよねー。つくづく私は海がないことに疑問を呈するわけだよ」
「まあ、寂しいといっちゃ寂しいわよね」
そんなたわいのない会話が、いまは嬉しくてたまらない。
だから私は、自然と笑ってしまう。
「よしわかった。じゃあ今度の日曜日にでかけよ。二人っきりでいいよね?」
「うん、それがいい」
「よーし! それじゃあアニメイトメロンブックスゲーマーズはデフォだね!」
「……まあ、いいわ」
「そのあとはソフマップの地下のゲームセンターでもいこうか。FATEの格ゲーも稼動しているし、虫姫さまとか大復活とかあるしね」
「――うん」
なんでもいいから。
こうしているだけで、今の私は幸せだと思った。
「あ、そうそう」
「なによ」
「私からも、お願いなんだけど?」
「まわりくどいわよ。聞いてあげるから、さっさと言いなさいよ」
「その返しはツンデレと見て言いのかい?」
「……知らないわよ」
こなたのニヤニヤとした笑顔に毒されて、私は真っ赤になりながら、そっぽを向く。
正直のところ、そんな顔をされたらなんだって言うことを聞きたくなるじゃないか、って私はマゾか。
まあ実際、こなたのためなら簡単に篭絡されるんだろうなー……と私はめまぐるしく何のお願いとか、それに応える方法とかを想像しながら赤くなる。
「白のカーネーション。造花でいいから、もうひとつほしいんだ」
「なんで? プレゼントならもっといいものを贈ってあげるわよ」
こなたはううんと首を横にふり、あのね、と言葉を濁しながら、
「かがみは、ひとつの花に異なる意味をこめて、カーネーションをゆーちゃんと私に贈ったんでしょ? 黄色の花は『軽蔑』白の花は『純愛』って」
「まあ、あんたが気づいてくれるかどうかは、正直期待していなかったけど」
「もうかがみんはツンデレだなー。私はかがみのことならなんでも知っているんだぞ」
「……それはそれで、嫌だが」
「それはともかくだよ」
こなたは私のほっぺにキスをする。私はわわわと顔を赤めながら、何するんだ、と抵抗する。
「カーネーションの白って、どんな意味があると思う?」
「別に、私は小説で二つの意味をしったから、それを使っただけだけど」
「カーネーションといえば、母の日だよね」
「まあ、普通は」
私も母の日には赤いカーネーションをお母さんにあげた。毎年恒例だけれど、毎年喜んでくれるのだから、あげる価値がある、と私は思う。
こなたはどうなんだろ、と思って、すぐに口をつぐんだ。
「白の花には『亡き母を偲ぶ』という意味があるんだよ。お母さんを亡くしている人が、亡き母にむけて手向けるという」
「そっか……ごめん、こなた。別にそういう意味じゃ」
「ううん、別に間違ってないし。かがみんには話したっけ。私、お母さんいないし」
私はどういえばいいか、わからず黙ったままだ。四人姉妹の一人に生まれた私は、いつだって家族がいた。
食卓を囲めば居間に笑いが途絶えることはないし、ありしの思い出はいつだってお母さんがいて、お父さんがいた。
こなたは寂しそうな素振りはほとんどみせないけれど、私だったら、やっぱし辛いと思わずにはいられないと思う。
「かがみの気持ちに気づいたとき――私、お母さんを思い出したんだよ。そうだ、昔お父さんと一緒に白いカーネーションをお母さんに贈ったなあって。そう思ったとき、お母さんが笑った気がした」
「そっか」
「もちろん、気のせいだと思うし、かがみは『気が狂った』と思うかもしれないけど」
私は首を大げさにまで横に振る。
「――お母さんが、見守ってくれていた気がするんだ。どこか、遠くのかなた――そう、どこかかなたで。
だから、私の大好きな人から貰ったカーネーションを、お母さんにあげたいなって。お母さんのお墓参りがしたいなって。
でもやっぱり、かがみからの贈りものもほしいから。だから、もう一輪買ってくれないかな?」
「うん、わかった」
「ほんと? ありがと」
こなたは嬉しそうに顔をほころばす。馬鹿。そんなこと、拒むわけないじゃない。
「二輪の花を、私は買うわ」
「一本でいいんだよ?」
あたまにどでかいクエスチョンマークを浮かべる、こなたを私はいつくしみながら、微笑んで――。
「だって、こなたの大切な人だもん。私も一緒にお墓参りしたいよ。私も一緒にこなたのお母さんにあげたいから。ねえこなた、いいよね?」
こなたが返事の代わりに抱きついてくる。私は、ともすれば爆発するんじゃないかと思うくらい頬を高潮させながら、こなたを受け入れて――。
「かがみん、大好きだよ」
「うん、私も」
唇いっぱいに広がるこなたの味を、私は精一杯かみ締めた。
107 :
42-519:2008/07/22(火) 21:43:45 ID:vo/MhpOq
……番号ずれ、番号飛ばし、sage忘れとボケが進行してきたようです。ごめんなさい。
一応これにて、この話は終わりと思います。
個人的に遺漏を多く残してしまいましたが、ちょっと暇がないので、とりあえずはこのままとします。
どうしてもこの話を書くにいたって、だれかを黒いキャラにするしか方法がありませんでした。
ただ、ゆたかはゆたかで、どこまでも(間違った方向で)盲目的にかがみを好きにしようと思っていました。
今まで感想をいただいたかた、お読みいただいたかた、本当にありがとうございました。
>>107 殺して解して並べて揃えて「許しに」行った――――――っ!
リアルタイムで拝読しました。
もしかしてゆーちゃん逮捕で終わりか、と思っていましたが、どうにか決着してほっとしています。
というか、ゆーちゃんとしては「許される」って死ぬより辛い罰なんだろうな、と思います。
まさか何も知らないゆい姉さん相手に「自首します」とも言えないでしょうし。
寄り添いあえるみなみちゃんを彼女の元に残したのが、こなたに出来る最後の慈悲だったのでしょうか。
ともあれ連載お疲れ様でした、ぐっじょぶ!
追記。あえて許したかがみも、とても強い子だったと思います。連レス失礼。
今こそ……離れ気味のゆたかを……再び手中に……
>>107に……盛大なる……GJを……
あやの! 熱く蘇れ あやの ちょいエロエナジー あやの 強くあるために――!
No Fear!! No P a n !! 愛の前に立つ限り
No Fear!! No P a n !! 恐れるものは何も無い
完全独走! 私、いい感じ!?
超変身! 仮面たいがー☆あやのーーーーーん!
辛くもマエバリデス・コナータを退けたあやの達一行は日下部みさおの待つアジトへとやって来た。
「みさちゃん、ただいま」
「おーぅ、あやのー、おつか……れ」
「……日下部が白衣とか、凄い違和感ね」
そこには少々薄汚れた白衣と、大きなゴーグルをつけたみさおが居た。
あまりにも強烈な違和感。強いて言うならば高倉健が女子高生を演じるような違和感だ。
「ひぃらぎぃーーーーん!!」
飛び掛るみさおの姿は百獣の王。涎を流し、血走った目でかがみの柔肌を狙う。
「あ、10円見つけたー」
刹那、交錯するかがみとつかさ。
双子の運命が交わり、そして残酷な歯車が音を立てて回り始める。
音も無い世界で――
「みゅふぅーーーん!!」「やっさいもっさい……?」
舞い降りた混沌。
「ひぃらぎ、ひぃらぎ、ひぃらぎぃぃ!!」
「わ、わたし柊だけど柊つかさで――あっ、キモチイイかもー……」
つかさを押し倒すと光よりも早く服をひん剥いてマウンティングの体制になると――
「……止めちゃだめよ。止めれば今度は貴女が襲われるわ。さ、こっちよ」
「……害は無さそうだし、ほっとくわね」
『我が本体ながらこの体たらく……恥ずかしいかぎりだZE……』
「ちょ、あんた喋れんの!?」
あやのの腰のベルトが何の気なしに喋るのに衝撃を受けたかがみだったが、あやのに笑顔で奥へと誘われる。
色々言いたい事もあったかがみだが、そこは少し大人になると二人はステキな笑顔でアジトの奥へと歩を進めた。
「ここはこの世界のオトメ科学の粋を結集して作った様々なオトメ兵器が存在するわ」
アジトの奥、オペレーションルームに様々な物が常備されているのにかがみは驚いた。
「……凄い。なんかよく知らないけど、凄いのはわかるわ!」
「全部みさちゃんが作ったのよ。工作は得意だーって」
明らかに工作の範疇を超えている。確実にこれは玄人の技であるのだが、かがみは深く考えるのをやめた。
そこでふと、かがみはある事を思いつく。
「ねぇ、峰岸。私もあの……変身とか、できるの?」
「……難しいところね。変身するためのパワーには1000オトメ使うわ。今の柊ちゃんにそれだけのオトメ力があるか……」
「……オトメ力ってまずなによ?」
かがみの問は最もだ。そもそもオトメ力など聴いたことが無い。
「オトメ力。それは思春期の少女のみが持つ超パワー。その条件は恋をする乙女であること。恋する乙女の力は時空を越え、世界を変えると言われているわ」
あきれた顔のかがみに、あやのは真面目な顔で続ける。
「信じれないかもしれないけど、本当の事よ。綺麗なあの子はトイレに行かないのもオトメ力の一種よ」
「嘘! さすがにそれはありえな」
「柊ちゃん。思い出して? 私、貴女の前でトイレに行った事、あった?」
――無い。いや、まさか。そんな事あるはずが無い。
必死に自分の中に生まれた言い表せないものを振り払おうとかがみは考える。
「無理に理解しようとしちゃ駄目なのよ。それじゃあオトメ力は生まれない」
「で、でも! どうやってあやのはその力を知ったのよ!? 一体、どうやって!」
その力を発見したのは他でもない、かつてあやのの恋人であった一人の男性。
「……ダーリンが、私に力を教えてくれた。命と……引き換えに」
あやのの表情が曇る。
踏み込んではいけない領域。誰にでもあるそれに踏み込んでしまった事を、かがみは心のソコから悔やんだ。
―― C M ――
あっつい夏がやってきた
やっちまったOTL 行数チェックしてたらこのざまだよ!!
あ、すいませんどなたか、僕をヤっちゃってください
(みゆきさんの声で)……とりあえず、速めのご投下をお願いいたします。続きが気になってしまいますので。
本音を言ってしまいますと、『ここまで出しておいてまさか未投下なんて事はないよなぁ?あぁん?』という感じなのですが……
ちょw 本音自重w
まあ、焦らずゆっくりいいものを書いてくれればそれでおk。
些細なミスは気にするな。
>>107 完結乙!乙!乙!!!
どうしようもなく救いのない話でありながら、最後の最後に誰にも救いの残る〆、ぐっじょぶでした!
やはり情報戦となると、こなたは一枚上手ですな。伊達に「しかるべきとこへつっこんで」ないってことか。
>>
>>112 ドンマイ!ドンマイ!どドンマイ!!!
……関係ないけど、昔TVのドキュメンタリー見てたのな。
ラストがジョン=レノンの『イマジン』でさ。
最後にブラックアウトして、歌詞の一節が浮かび上がって、しんみりと終わったのさ。
その直後、同じ真っ暗闇の真ん中にコミカルなゴキブリが出てくる殺虫剤のCMがつながってさ。
思わず大爆笑しちまったわけよ。
そんな感じを思い出した、とw
>107
お疲れ様でした。
ずっとハラハラさせられました。
最後は、こなたがカッコよかったです。
ゆーちゃんは純粋な悪役でしたが、存在感はすごかったです。
かがみんは…… どちらかというとお姫様的な役回りでしたね。
よろしければ、また、素晴らしいお話を読ませていただければ…… と思います。
118 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 02:26:29 ID:eKoyzKro
>>107 完結お疲れ様でした!
…内心ドキドキしっぱなしの連載でしたよ、ホント…
よかったぁ…二人とも救われて本当に…
いつかきっと、ゆーちゃんとかがみも、笑いあえる日が戻ってくると信じています。
こなたは勇者様ですな、ホント…かっこいい。
>>107 完結、お疲れ様でした!
読んでる間中、心臓がバクバクでしたよ。どうやって物語を纏めるのかハラハラしていましたが、
最後は全員に救いのあるお話でホッとしました。
それにしても、原作とはイメージのかけ離れた悪役のゆたかをここまで違和感なく描くとは、
お見事としか言いようがないです。
次回作も楽しみにしています!
>>112 仮面ライダーは良く知らないけど、テンションの高さがステキ過ぎますw
早く続きを投げるのDA!
ダレも投下予定さんが居なければ投下!
2レス
つづきもの
回るボインに見るボイン
オールバカ
2008年夏。
スレ住人達の愛はすれ違い、やがて悲しい行き違いが生まれる。
そして2008年秋――スレに悪夢がやってきた。
秘密結社ないしょのふくらみ。彼女達の手によってスレは大粛清の憂き目に遭う。
そんな混迷したスレに鋼の救世主が舞い降りる!
これは、殺伐としたスレを救う為に戦った虎のマスクの少女の物語――
からっぽの☆ 時代をゼロから始めよう。伝説は塗り替えられるもの、今、純情を解き放て!!
あやの! 熱く蘇れ あやの ちょいエロエナジー あやの 強くあるために――!
No Fear!! No P a n !! 愛の前に立つ限り
No Fear!! No P a n !! 恐れるものは何も無い
完全独走! 私、いい感じ!?
超変身! 仮面たいがー☆あやのーーーーーん!
辛くもマエバリデス・コナータを退けたあやの達一行は日下部みさおの待つアジトへとやって来た。
「みさちゃん、ただいま」
「おーぅ、あやのー、おつか……れ」
「……日下部が白衣とか、凄い違和感ね」
そこには少々薄汚れた白衣と、大きなゴーグルをつけたみさおが居た。
あまりにも強烈な違和感。強いて言うならば高倉健が女子高生を演じるような違和感だ。
「ひぃらぎぃーーーーん!!」
飛び掛るみさおの姿は百獣の王。涎を流し、血走った目でかがみの柔肌を狙う。
「あ、10円見つけたー」
刹那、交錯するかがみとつかさ。
双子の運命が交わり、そして残酷な歯車が音を立てて回り始める。
音も無い世界で――
「みゅふぅーーーん!!」「やっさいもっさい……?」
舞い降りた混沌。
「ひぃらぎ、ひぃらぎ、ひぃらぎぃぃ!!」 「わ、わたし柊だけど柊つかさで――あっ、キモチイイかもー……」
つかさを押し倒すと光よりも早く服をひん剥いてマウンティングの体制になると――
「……止めちゃだめよ。止めれば今度は貴女が襲われるわ。さ、こっちよ」
「……害は無さそうだし、ほっとくわね」
『我が本体ながらこの体たらく……恥ずかしいかぎりだZE……』
「ちょ、あんた喋れんの!?」
あやのの腰のベルトが何の気なしに喋るのに衝撃を受けたかがみだったが、あやのに笑顔で奥へと誘われる。
色々言いたい事もあったかがみだが、そこは少し大人になると二人はステキな笑顔でアジトの奥へと歩を進めた。
「ここはこの世界のオトメ科学の粋を結集して作った様々なオトメ兵器が存在するわ」
アジトの奥、オペレーションルームに様々な物が常備されているのにかがみは驚いた。
「……凄い。なんかよく知らないけど、凄いのはわかるわ!」
「全部みさちゃんが作ったのよ。工作は得意だーって」
明らかに工作の範疇を超えている。確実にこれは玄人の技であるのだが、かがみは深く考えるのをやめた。
そこでふと、かがみはある事を思いつく。
「ねぇ、峰岸。私もあの……変身とか、できるの?」
「……難しいところね。変身するためのパワーには1000オトメ使うわ。今の柊ちゃんにそれだけのオトメ力があるか……」
「……オトメ力ってまずなによ?」
かがみの問は最もだ。そもそもオトメ力など聴いたことが無い。
「オトメ力。それは思春期の少女のみが持つ超パワー。その条件は恋をする乙女であること。恋する乙女の力は時空を越え、世界を変えると言われているわ」
あきれた顔のかがみに、あやのは真面目な顔で続ける。
「信じれないかもしれないけど、本当の事よ。綺麗なあの子はトイレに行かないのもオトメ力の一種よ」
「嘘! さすがにそれはありえな」
「柊ちゃん。思い出して? 私、貴女の前でトイレに行った事、あった?」
――無い。いや、まさか。そんな事あるはずが無い。
必死に自分の中に生まれた言い表せないものを振り払おうとかがみは考える。
「無理に理解しようとしちゃ駄目なのよ。それじゃあオトメ力は生まれない」
「で、でも! どうやってあやのはその力を知ったのよ!? 一体、どうやって!」
その力を発見したのは他でもない、かつてあやのの恋人であった一人の男性。
「……ダーリンが、私に力を教えてくれた。命と……引き換えに」
あやのの表情が曇る。
踏み込んではいけない領域。誰にでもあるそれに踏み込んでしまった事を、かがみは心のソコから悔やんだ。
―― C M ――
あっつい夏がやってきた!
「お帰りなさいませ〜ご主人様〜」
今年の夏はメイド喫茶、らき☆めどにて、可愛いメイドさんがご奉仕しちゃうにゃん♪
『アニキは死ぬちょっと前に、アタシと、アタシの妹の原型を作っていったんだってヴァ』
「妹って……他にも変身ベルトっぽいのがあるわけ?」
「……それを聞いて、貴女はどうするつもりなの?」
かがみは真っ直ぐにあやのを見つめて、きっぱりと言い放つ。
それはあまりにも彼女らしい涼やかな、しかし、ハッキリとしたその言葉。
「――私も戦う。戦って、こなたを奪り返す」
そんな、彼女の言葉を、決意を――
「……その程度の覚悟なら、やめておいたほうがいいわ」
あやのは、頭から否定する。
そんなあやのにかがみは噛み付いた。
「なんでよ!? 峰岸、あんただって一人で戦うよりも二人で戦ったほうが――」
そんな時不意にみさおヴェルトがそれの接近を察知した。
「戦うという事は、簡単な事じゃない。覚えておいて」
あやのは身を翻すと、駆け出した。
『あやの! 急ぐってヴァ! ツルペティアンの反応が本体と妹に迫ってるってヴァ!!』
あやのの脳裏に腹上死した彼の顔が浮かぶ。
そうだ。私はこれ以上誰かが死ぬのを見たくない。
戦うのは――自分ひとりで十分だ。
「みさちゃん! 妹ちゃん!!」
「はっ、はっ……ちゅかしゃあ……ちゅかしゃっ、んあぁぁーーーっ!」 「ひゃいっ、もっといっぱいっ……ぬもんちゅがぁーーーっ!!」
もうなんだか濡れあって揺れあって抱き合って乱れあってお互いの肉体の境が無くなりつつある二人。
あやのは前宙をしながらあやのの鼻の下を狙って突くと、ようやくみさおが我を取り戻した。
「みさちゃん、妹ちゃんを連れて司令室へ! ツルペティアンが来るわ!」
その言葉とほぼ同時に、アジトの入り口をぶち破って戦闘員達がなだれ込んでくる。
そしてそこには――
「ふっふっふ。私の名はヒトヅマデス・ユイサンダー!」 「ふっふっふ。ウチはドクシンデス・ナナコールド!!」
ツルペティアンと化したゆいとななこの姿があった。
しかし、この二人の姿は――あまりにも
「……なんて、なんて無理をっ……!」
あまりにも無理な格好。言うなればリツコさんが「リーチよ」しか言っていない状態で青いやつに行ってしまったぐらいの無理感。
スクール水着に無理やり熟しつつある体を押し込めているため、いろいろな所がムチムチだ。
「やっちまえ、お前ら! イケ、イケ、ごー、ごー、がんばーれっ♪」
ななこのその言葉と動きがあやのの心に突き刺さる。
隣に立っていたユイサンダーも泣いていた。そして何よりも戦闘員達の目から完全にやる気が無くなっているのが切なかった。
「ほら、お前ら! がんばれ! 勝ったらウチがご褒美にチューしてやるでぇ♪」
「イィー」「イィー」「イィー」(テンション低)
主よ、どうか彼女を貰ってやる男性が現れますよう……
あやのは心でそう呟くと、マントを翻す。
「行くわよ……変身!」
『んま、んま……よっし! 行けるってヴァ!!』
淡い光があやのを包み、マントが急速に顔を覆いそこに現れたのは太陽の王女。
「仮面たいがー☆あやのん! 参上!」
ブルマにM字開脚というステキコンビネーションに戦闘員達は股間を爆発させて消えた。
「な、なんちゅうこっちゃ……ドテか!? ドテがむっちりしてたからえがったんか!? ウチは熟女やない! まだオトメなんや!!」
おもわずななこの胸が水着からこぼれ出る。
本当の地獄はこれからだ。
―― 次 回 ――
二人のツルペティアンの猛攻に苦しむあやの。そんなあやのの前に現れたのは、柊かがみだった。
「――やぁってやるわよ! 変身!」
ベルトもないままに、変身と叫ぶかがみ。すると、彼女に異変が――!?
次回・仮面たいがー☆あやのん!!
宿命の元に! グロンギ!!
以上です。何よりも昨日誤爆ったのが非常に痛かったOTL
一緒にレスでごめん。
たくさん感想貰えて嬉しいよ! ここのスレのルールをマダ良く知らないから一人一人にレスしていいのかわからないんだけど……
心のソコから読んでくれた皆に感謝してるよ!
……う、うん。これは笑いすぎたせいで出てきた涙なんだ。
決して黒井先生の周りで引いてるみんなを思い浮かべて流した涙じゃないんだ。
だ、大丈夫ですよ黒井先生!俺から見ればまだ小さい(黒井先生の身長は170ちょいだっけ?)んだし、まだ高校生でも……(tbs
あと、
>主よ、どうか彼女を貰ってやる男性が現れますよう……
ここでなんとなく某『主よ、種も仕掛けもない事をお許しください』な怪盗を思い出した俺ってオッサン?
>>124 みさお兄腹上死かよww関係ねぇwwww
「オトメ力」(おとめぢから)を「オトメカ」(おとめか)と読んで、オトメ兵器と合わせて
「こなつーとかきみどりとかのことか?」
と思ってしまった俺にどうかお慈悲を。
「おとめちから」と読んでる俺トミノスキー
>>124 ユイサンダーといいナナコールドといい毎回ネーミングが天才すぐるwwww
あと
>あやのは前宙をしながらあやのの鼻の下を狙って突くと、ようやくみさおが我を取り戻した。
は
みさおの鼻の下を
の間違いでは?
>あやのの脳裏に腹上死した彼の顔が浮かぶ。
吹いたよw
被りがなければ5分後に小ネタ投下
投下開始
■非エロ
■主要キャラ:かがみ・つかさ
■かがみ視点
■わかる人にしかわからないネタ
■3レス予定
131 :
星見:2008/07/23(水) 15:56:56 ID:EKJfkE8z
星が見たくなった。
脈絡もなく、そう思った。
肌に気だるさがまとわりつく梅雨の気候を抜け、ついに夏はその本領を発揮していた。
梅雨明けを今か今かと待ちわびていた蝉たちは、その雄叫びを高らかに夏の夜空へ張り上げていた。
私達といえば、私達も同じく。
一般的な学生らしい夏休みを迎えようとしていた。
といっても、受験を控える私達には決して優しい夏休みではないのだが。
ノートや参考書が乱雑と散らばった机から身を離し、椅子をひょいと避けベッドに寝転がる。
その枕元からは窓の向こうが覗いて見えた。
低気圧のない、カラッとした夏の香りが絶え間なく部屋に流れ込み、
それに煽られた風鈴が時折その小柄な身体を震わせていた。
星が見えた。
小さな窓の向こうに、それと同じ分の星空が写っていた。
顔を動かすと、それに従って星空の角度も変わった。
まるで望遠鏡だ。
右に動かせば、星空は左へ。
私は玩具を転がす子供のように、小さなスクリーンの角度をあれこれ変えてみては、
自分が見知る星はないか、など。
小規模な天体観測を楽しんだ。
途中でもう一人の自分が、何を馬鹿な事をしているんだ、とつっこみを入れたが、
どうやら頭が疲れている今の私には、この遊びは心地が良く、辞められそうにない。
星が見たかった。
私と星には、特にこれといった思い入れも思い出も、関心も興味もない。
ただ遠くの国の宇宙局が、新しい流星群や星雲を見つけたら、興味半分で調べようと思うくらいだ。
星座の成り立ちや、神話や、その歴史といった、星座好きらしい楽しみ方はした事がない。
私が星を見る理由は、きっと昨日やったゲームだ。
星のゲーム、というのは少しズレているが、大体はそんな感じだろう。
それは何を伝えたかったのか、それは何を感じて欲しかったのか。
それを手探りで求めるように、私は星空を眺めた。
悪い癖だ。
ライトノベルやサウンドノベルゲームを読み終えた私は、
ほぼ決まってその世界を、登場人物を追い求めるように、その影響を受けてしまっていた。
馬鹿馬鹿しいとは思ったが、こうした遊び心も、作品への正当な感謝の気持ちの現れなのだろうと。
それが現状での私の結論だった。
そして、それを自分で認めてしまえば、この悪い癖が次に起こす事もほぼ決まっていて。
コンコン
その矛先も当然の如く決まっていて。
「はぁ〜い今開けま〜す。あ、お姉ちゃんだ、どうしたの?」
妹へ向けられるのであった。
132 :
星見:2008/07/23(水) 15:57:57 ID:EKJfkE8z
頭上には360度の星空が広がっていた。
近辺には高いビルも、明るい街並みもなく、関東としては思いの外綺麗な星空になっていると思う。
私達は屋根の上にいる。
さっきも言った通り、私に星の趣味はない。
しかし、あの世界へ近付こうとする悪い癖は、つかさという巻き添えを増やして、
夏の自宅天体観測会を開いていた。
「あ、お姉ちゃん、天の川だよー」
隣でつかさが南の空を指さしていた。
指さすその先にはぼんやりと光の線が空を漂っていた。
「じゃーあれが夏の大三角形ね」
私も同じように空を指さす。
「え? どれー?」
「ああ、えっと……」
しまった。指でさしただけで説明出来るようなものではなかったな。
「えーっと、東の方で天の川が横になってるでしょ? その辺にあるのよ」
私は目線と指が示す方向が一致するように、出来るだけつかさに近付いてもう一度東の空を指さした。
「わかったー、ほんとだー三角だね!」
この大三角形は天の川が目印になっている事もあって、誰でも探しやすいものだ。
普通の見つけにくい星座が相手だと、こうは上手くいかない。
星座の説明をするには、何か目印になる星から、星づたいに説明するのがベターだ。
天体観測をするなら、もう少し勉強してくれば良かったと思った。
ああそうか、その為に彼女はいたのだった。
「お姉ちゃん、大三角形って、織姫と彦星がいるんだよね」
「そうよ、今てっぺんに来てるのが織姫星のベガ、その天の川を挟んだ右下のが彦星のアルタイルね」
そう言って二つの星を指さす。
「わぁ〜、今年の七夕は会えたのかな、きっと雲の向こうで会ってたんだね〜」
屈託のない笑顔でつかさはその星達を見上げた。
彼女は何を伝えたかったのか。
星の意味? 星の歴史? きっとどれも違う。
私は作中の文章を真新しい記憶から掘り起こし、
ほんの数シーンしか見せなかった”本心”を汲み取ろうとする。
突然横からガタンと音がした。
振り向くと、そこにはつかさが立ち上がっていた。
「ちょ、危ないわよ」
「だいじょぶ〜ここ平たいもん」
身体を支えようと伸ばした私の手を制したつかさは、コホンと咳払いをすると東の空を指さし、
「あれが夏の夜空を飾る夏の大三角形です。上がこと座のベガ、右下がわし座のアルタイル、そして左下が、えーと……」
たどたどしい口調で星座の解説を始めた。
そのつかさに、少しだけ既視感を覚え、胸の奥がキリリと痛むのを感じる。
「左のははくちょう座のデネブよ、距離ははっきりしてなくて1500から3200光年ってなってるわ」
「わぁぁ、お姉ちゃんすご〜い、ゆきちゃんみたいだよー」
「いやみゆきには敵わないわよ」
元の姿勢に戻って、えへへとこちらに笑顔を向けるつかさの頭を、ぽんぽんと撫でてやる。
宇宙には未だに謎が多い。
というより、明らかになった部分が全体の1%にも満たないといった方が正しいだろうか。
だからこそ宇宙には到底推測すら及ばないロマンがあるのだろう。
それを、伝えたかったのだろうか。
いや、きっとこれも間違いだ。
133 :
星見:2008/07/23(水) 15:58:53 ID:EKJfkE8z
「えへへ、今日はたくさん星が出てるね♪」
横でつかさがまた笑った。
つかさはさっきから言葉の度にえへへ、あはは、と笑顔を作っていた。
この子は星が好きだっただろうか。
いや、私の知る限りではつかさは星に強い興味を持っていない。
「お姉ちゃん、教えてくれてありがと〜」
そう言うと、つかさはまた笑顔になった。
その笑顔を見て、私ははっとする。
ああ、やはり、そういう事だ。
伝えたいとか、そういう事じゃないんだ。
どんな形でも良い、ほんの少しでも幸せだったり、嬉しかったりしてもらえれば。
人々の役に立つ事が、それが幸せだったわね……。
作中で何度も本人がそう言っていた事を、今更になって思い出す。
それは作られた幸せなのか、本人が見つけた幸せなのかはわからない。
でも、それを求めて何年もずっと、あそこにいたのが、彼女だった。
私はあの話が好きで、もっと近付きたいと思った。
世界にも、登場人物にも、近付きたいと思った。
だからこうやって、普段は気にもとめない星空を眺めて、彼女の事を考えて。
これじゃまるで、こなたじゃないか。
あいつの言葉が頭をよぎる。
『かがみもこっち側だからねー』
あの時は否定したが、今はすんなり理解出来そうだ。
私も、人のことは言えない、という事だ。
「あ! 流れ星ー!」
つかさの声と同時に、その指が空へと向けられた。
その先にはゆっくりと大地に降り注ぐ流星があった。
私は目を瞑り、心の中でそっと、三度唱えた。
『ここではない地球が、いつまでも平和でありますように』
「いやぁ、かがみから誘われるなんて初めてだったから何かと思ったらさぁ、まさかこことはねぇ!」
「うっさい、何か不満か?」
「いえいえ、随分乙女チックだにゃ〜と」
「えへへ、お姉ちゃんは星の事詳しいんだよ〜」
「いや詳しくないって、みゆきの方が詳しいわよ」
「あ、いえ、天体に関しましては、お恥ずかしいのですがあまり自信が……」
「えー、プラネタリウムはいかがでしょう、どんなときも」
「うるせえ! 人前でネタを披露すな!」
「お、かがみが反応した。……意外だ」
fin
投下完了。失礼しました。
>>134 みゆきさんがあの衣装でやってきそうだw GJ!
ところで……残念なことだが、都会じゃ天の川はまず見えないよorz
光害のばかやろー
>>134 planetarian?
学生のころ槍ケ岳の肩で見たペルセ群は壮観だったなぁ。
就職してから山にも行ってないし星も見てないや……
ポタ赤担いで遠征行きて〜
>>136 planetarianですな。
planetarianネタで山ほどSSやCGを描いた、あの頃が懐かしい……
「おとめか」って読んで「ビックリドッキリメカ」(※ツインテ、ツインテ、ツインテ、)みたいなの想像したおいらはいっぺん氏んだほうがいい
orz
長時間リロードし忘れの上に、すでに同じネタが書き込まれてるおいらは樹海に3泊4日の旅に出ます。
>>139 あきら「みのるに会ったら、帰ってこなくていいって伝えといて」
>>124 オトメ力とか兵器と聞いて、アーケードの某『こなたとかがみ(みなみでも可)を足して2で
割ったような名前の』会社の萌え系シューティングゲームを連想した俺がきましたよ
かなた「デストロイ・ゼム・オール」
こなた「どったの?」
それはともかくとして、みさお兄とななこ先生が哀れすぎる…www
>>134 とりあえず俺にはネタはわからないけど、きれいな文章でいいな。
それにしても、街に住んでいるうえに目が悪くてあんまり星が見えない俺残念w
>>139 じゃあお土産は水でいいや
>>141 つまりかなたさんがオペレーターを務めるんですね わかります!>オ○メディウス
>>136-137 初回版の小説付き買ったのにまだ積んでる俺が通りますよw
そーいや星を見る人という名前の無人制御式宇宙探査用MSがあったな・・・・・・
144 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:16:39 ID:R8it5QI1
>>142 そうそう。
そういえば、あまりこの話題で引っ張るのもなんだが、そのゲームのキャラのうちの一人が、
いろんな意味でみゆきさん(の色違い)のように思えて仕方ないのは俺だけでいい。
>>143 読め。読んで泣け。いあマジで。
>>146 ラフがあったな、そーいえば……
というわけで(?)前スレの埋めネタ絵が完成しました。非エロ1レスSSのおまけつき。投下ないようでしたらいきます。
-------------------------------------------------------
「へー、ずいぶんおめかししてきたじゃないの、こなた」
「そりゃ、一世一代の晴れ舞台だからねー」
「……で、なんだその胸は」
「パットですが何か?」
「開き直りやがった!」
「貧乳はステータスだけど、ギャップ萌えって世界もあるんだよネ。こう、背は低いのにボンキュッボン♪とか」
「はー、まあいいわ。……ところでみゆき、ずいぶん大胆な服ね、それ」(くっそぅ、こいつはこいつで胸の谷間強調しおってぇ!)
「ふわ〜、ゆきちゃんすっごぉい……」(ボインだぁ)
「いえ、あの、その、母が着ていけと……せっかくの卒業記念だから、って」
「さすが、よくわかってるねー。萌えキャラがあえてアダルトなカッコするってのは、また萌えだからネ」
「はいはい。アンタはそろそろ、その萌え思考から卒業しろ」
「さぁさぁ、時間もったいないし、それじゃ一曲目、私からいくよ〜!」
……♪ブーカブッカ、ブーカッブッカッ♪……
「? なんだか、かわいらしいイントロですね」
つ【
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0139.jpg】
「♪おっぱいがぁ〜ぁドッキングぅ〜っ♪」
「え、えぇぇぇぇっ!?」
「♪おっぱいがぁ〜ぁドッキングぅ〜っ♪」
「やらかしやがった!!」
「♪若いヤングがナウな服ぅ〜♪」
「こなちゃん、かっこいー」
「♪若いヤングが ナ・ウな・ふ・くぅ〜♪」
「さぁ、皆さんもご一緒に! いち、にの、さん、ハイっ!」
『♪おっぱいがぁ〜ぁドッキングぅ〜っ♪』(ぐいぐい)
「ちょ、あの、つかささんっ!?」
『♪おっぱいがぁ〜ぁドッキングぅ〜っ♪』(ぐいぐい)
「えぇっ、か、かがみさんまでっ!?」
『♪若いヤングがナウな服ぅ〜♪』
「は、はわわわわわわ……(///)」
『♪若いヤングが ナ・ウな・ふ・くっ♪』
………………
「いやー、ごめんごめん。選曲間違っちゃった」
「それでも歌いきるんだね、こなちゃん」
「私としたことが……いきなり乗せられてしまったわorz」
「……(//////)」
「……よしっ、つかみはオッケー。んじゃ、今度こそマジで行くよー。
『みゆき』といえば、やっぱこれだよネ。……H2Oで『想い出がいっぱい』!」
>>107 ハッピーエンドでよかったです ! 鬱になるんじゃないかとハラハラしてました・・
完結乙&GJ !
>>124 アホすぐるwwww
GJ ! もうね笑いが止まらんよw
>>134 ロマンティックな話と思いきや、最後で吹いたw
>>136 なんと ! 山好きな人がこのスレにいるとは !
学生やってた数年前までバイトして貯めた金で北も南も日本アルプス登りまくってたけど、今じゃヒマがねえ・・・
以上です。お粗末さまでした。
元ネタはBUMP OF CHICKENのアルバム「FLAME VEIN」の隠しトラックから。
バンチキはたまにこゆことやるから怖いw
-------------------------------------
あと、一点忘れてました。
planetarian読むなら、『星の人/系譜』も忘れずに。涼元氏のBlogにあります。
ドラマCDには、ちゃんと入ってるけど。
いくら自由度の高いパロディでも、元々のキャラ設定ってものがあると思うんだけどなぁ
せめて注意書きの一つあれば読みたくない人はNGにできるんだが……
え、俺のことですか?
……すいません、そういえば注意書き入れてなかったですね。
でも、なんて入れるべきだったのかな……そんな外れてるとは思わなかったんだけどorz
>>150 みゆきさんかわいいよみゆきさん
……個人的にはまったく問題のないと思うけどなあ。
>>146 あのおねーさんですね、わかります。
>>150 バンプの隠しトラックは、毎回遊びが詰まってますよねえ。
あの精神があるからこそ(脱線しそうなので略
最近の妄想屋さんの作品はぶっ壊れているのが多いから、二次ではなく一.五(もしくは三)次創作の枠で見ている自分がいたり。
しかし、今回のは微妙に壊れてはいるものの、キャラは外れていないと思いますけどねえ。
むしろ妄想屋氏には、このまま壊れ続けていて欲しいと思う俺w
なぜって、
>>155の言うとおり壊れてもキャラ王道をはずさないから。
どっちかってーと、原作とかドラマCDのノリだよな
アニメ目線で見ると、かがみの扱いとかハズしてる感じだが、
ドラマCDのノリなら、このぐらいはハメ外しそうだ
ついインスパイアされて、俺も隠しトラックを披露します。歌は引き続きこなたさん。
歌詞改変?キャラが微妙に壊れてる?デモソンナノカンケーネー
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おれとー、かがみはー、ゆーめーのなーかー
かがみはー、おれーのー、よめなのさー(誰が嫁だ誰が!)
それを、みさきちがー、じゃまをしたー(邪魔したのはちびっこのほーだ!)
かがみとー、おーれはー、はなーれーばなーれー(元から違うクラスですけどね・・・)
かがみのはーとにつきさされー、つ・き・さ・さーれ!
おれとー、かがみはー、ゆーめーのなーかー
いっしょにー、ぐるぐるー、ぱーんーこーじょー(それはいうなっ!)
それをー、みさきちがー、じゃまをしたー(だからちびっこがよこどりしたんだつーの!)
いまはー、ひとりでー、まーなーかなーもー(まなかな?)
(まなかなというのは双子のタレントで・・・)
かがみのはーとはおれのものー お・れ・の・もーの!!
〜しばらくこなたのエアギターをお楽しみください〜
俺と、かがみは〜、夢の中〜 Say! (だから何だその変な妄想!)
(おねえちゃんと一緒の夢なんてうらやましー)
いつも、一緒に、かーがーみさーま! (だあっ!くっつくな鬱陶しい!)
(みゅううううううひぃらぎからはなれろー)
こなたです、かがみさまー、つかさっ、みゆきさーん
(な、何突然!)(ほぇ!?)(は、はいっ!)
四人で、らき☆すた!組んだのさ!(そっか〜、うん!そだよね!)
(何か感慨深いわね、改めて言うと)
(光栄です、こなたさん)
(みゅうううう、スタメンじゃないからってこの扱い・・・)
かがみの気持ちを知りたいな、し・り・た・いーな!(えっ・・・!?)
・・・・
ブチッ・・・
・・・・
わーかがみぐるぐるだー
ひーかがみつるつるだー
うおおおかがみぬるぬるだー
アッーーーーーーチュドンチュドン
↑2人でどんなやり取りがあったのかはご想像にお任せします。
(お、おねえちゃん・・・)(ルパンダイブというものを、私初めて拝見しました・・・)
(う〜〜〜ひぃらぎ〜〜)(みさちゃんには私がついてるでしょ・・・)
159 :
7-896:2008/07/24(木) 03:11:50 ID:1fcxAoLe
キャラが外れてるというのは俺みたいなのを言うんですね分かります過度に。
人がいなさそうな時間帯に嘘予告を投下します。
***
それは、唐突に起こった。
「な……」
厳選の末、ついに選ばれた一人の教職者は……
「な、ななななななな」
花の女子高生へと変身していたのだ!
「なんじゃこりゃあああぁぁぁっっ!?」
『ななこ17 〜女子高生教師現るっ!〜』
黒井ななこ、現在17歳。陵桜高校の生徒にして、世界史教諭。
「とほー。何で今更ウチも勉強せなあかんねん……」
元々親しみやすい性格の上、現在の年齢もあってか割と近づく生徒も多い。
「黒井先、じゃなかった。黒井さーん!」
「なんやー?……ていうか、頼むから先生って呼んでな……」
……そして、彼女に恋心を抱く者も……
「黒井さん、ちょっとお話が。……いえ、軽く屋上でスキンシップでもと」
「ダメダメ!ななこんは私の体を張った萌え談義に付き合ってもらうんだから!」
「えー?……せっかくななちゃんのためにお弁当作ったのにー……」
「あんたら……ななこが怖がってるじゃないの!さあななこ、私と一緒に来てハァハァ」
「黒井ー、頼むから世界史の単位くれよー。……体で返してやるからさ」
「もう、みさちゃんたら……ごめんね、黒井さん。お詫びに気持ちよくしてあげる」
……け、結構たくさん……いたりします。
「……自分ら、ウチを物扱いするなーっ!
嗚呼、ななこが逝く……
***
あくまでも嘘予告です。
161 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 07:58:25 ID:MOdGwpTj
こなた×かがみ←みさおの片思い話が読みたい
普通じゃん
ななこSOSかと思った
ま、まあ確かにSOSのほうがよかったかも(作品の雰囲気的に
ていうかナースエンジェルとか、どんだけぇ〜。
正直みさおとこなたが本気でかがみを取り合うのが想像できない
つーかみさおとこなたが仲良くじゃれあったりしてる方がいいな
こなた「かがみはわたしの嫁だーーー」
みさお「ひぃらぎはわたしんだ!!」
かがみ「ちょっと二人ともやめなさいよ・・・もう・・・(まんざらでもない)」
一週間後
こな×みさ
かがみ「あ・・・あれ??えええええええ!?」
そしてあや×かがという急展開になるわけですね、分かります
あやの「ごめんね柊ちゃん、私の心は依然ダーリンのものなの」
かがみ「あ、いやその、別にそんなこと全然(少し期待していた)」
ちぇ・・・やっぱり私にはつかさなのね、
私を頼ってくれる唯一無二の妹
まっててつかさ、今私が・・・
つか×ゆた
かがみ「ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwww」
し・・・しかし・・・これでみゆきがあぶれるはず・・・
あの胸にはちょっとだけ憧れてたのよね・・・
みゆ×みな
かがみ「orz」
〜新ジャンル「かが☆逆フェチ」
こうしてめぐりめくって・・・
かがみ「シューティングで勝負よ!勝っても負けても(ry」
こう「また私かよ!?」
そこまで改行開けられるとちょっと読みにくい
って、こなたのアレかw
対戦型のSTGってTSS以外に何かあったっけ?
おまけの小ネタ
「も、もうダメだよ……ねえ、お願いだからもうやめようよぉ……」
「何言ってんのよ!やって欲しいって言ったのはあんたでしょうが!」
「……かがみが酷い事するんだもん、私……怖くなっちゃったよ……」
「うっ、それは……ごめん。私が悪かったわ。でも、ここまで来て今更やめろだなんて……」
「じゃあ……もう、酷い事しない?」
「わ、わかってるわよ。もうこなたに酷い事しないから……」
「……じゃあ、お願い」
「って、ごめん!言ってるそばから回復弾と徹甲榴弾間違えた!」
「どういう間違いして、あーっ!」
「……えーっと、ごめん、こなた。三乙させちゃった……」
「さっきからの連続ミスといい……わざと?ねえわざとなのかなかがみんや?」
「……か、顔が怖いよ、本当に悪かったって……」
MHP2G中の二人でした。
172 :
LD:2008/07/25(金) 09:57:31 ID:S6ixxU1+
おはようであります、LDです。
夏真っ盛りですが、皆様体調など如何でしょうか?
ようやく卒業SSが書き上がりました……どれだけ時間が掛かってるんだか><
他の方との重なりがなく、5分ほど経ったら投下開始です。
・こなた&ゆたか+てぃーちゃ〜ず、そうじろう、ゆい
・3レス+後書き1レス使用予定
・エロ無し
・自作『2人の誓い』の続き
※作業の間隔が10分以上空くようなら、規制などに引っかかったと思ってスルーして下さい……
保管作業をした後、書き込めるようになったら挨拶しに来ます。
昨日一昨日はいつもの4人に加えてみさきちと峰岸さんを加えた6人で卒業を記念して我が家でパジャマパーティーを開いた。
結局みさきち達とは3年の2学期からの付き合いだったけど、やっぱり一緒に大きな事をやり遂げると繋がりは強くなるんだね。
桜藤祭をきっかけにして今ではもうすっかり仲良くなり、皆で集まってはおしゃべりをしたり勉強の息抜きに遊んだりもしたっけ。
進路は皆バラバラだけど、別れる時にまた機会があれば皆で集まろうって約束もした。
そして卒業式から2日後のお昼休み。
最後の役目を果たしたはずのセーラー服を着て、紙袋を片手に稜桜学園の廊下をてくてく歩く。
行き交う何人かの生徒が私を見て振り向くけどまぁ仕方ないかな……って、私ってそんなに有名だったっけ?
まぁ細かいことは気にせずに第2の目的地である保健室に到着すると、ノックと共に挨拶してドアを開ける。
「あら? 泉さん?」「む? なぜお前が今ここに来てるんだ?」
と予想通りの2人、天原先生と桜庭先生の当然とも言える質問の後、もう1人の聞き慣れた声が同じように問いかけてきた。
「なんや、泉? 忘れ物でもしたんか?」
「いやいや、そんなんじゃないですよ。黒井先生が寂しがってないかな〜、なんて思って会いに来たんですよ」
「何ゆうてんねん。手の掛かる生徒が無事卒業してくれてせいせいしとるわ」
「まぁまぁ2人とも。立ち話もなんですから中にどうぞ、泉さん」
「じゃあお言葉に甘えますね、天原先生」
教師3人に卒業した元生徒1人という不思議な顔触れの昼食会……と言っても、私は天原先生の淹れてくれたお茶だけど。
「で、泉。卒業したお前が何のようだ? 忘れ物の回収などと言う殊勝な話ではあるまい?」
さらりときつい事を言う桜庭先生。
「うぉ、桜庭先生。それはいくらなんでもひどい言い方ですよ? まぁ実際そんな訳ないですけど」
「だったらなんやねん? いくら寂しい言うても、こんなすぐに来るのも考え物やで?」
今度は呆れたような顔で黒井先生が溜め息を1つ。
「いやまぁ。そこまで寂しがりじゃないですけど、顔を見たいってのもありますよ。少しは」
「少しかい! 全く可愛げのないやっちゃな。そこは嘘でも寂しかった言うのが人情ってもんやないかい」
「じゃあ寂しくて寂しくて夜も眠れませんでした〜……よよよ」
目元を押さえながら黒井先生に抱きつくと、
「取ってつけたようにゆうな! 抱きつくな!」
顔を赤くして私の頭を押さえつけてくる。そんな様子を見て天原先生がこんな事を言う。
「ふふふ、お2人は本当に仲がいいですね。黒井先生、頬が緩んでますよ?」
「んなっ! いや、これは、なんちゅうか……」
「おやおや〜? 実際寂しかったのはそっちじゃないんですか〜、黒井せんせー?」
「やれやれ、ここまで仲のいい教師と生徒も珍しいな」
「さ、桜庭先生まで?! こら、泉! いい加減に離れんかい!」
まぁ先生をからかうのはこのくらいにしておこう。卒業したのにゲンコツをもらうのはいただけないしね。
「ったく。で、本当に何の用や? いくら卒業生やからって軽々しく遊びに来ていいもんでもないんやで?」
「用ならちゃんとありますよ。黒井先生と天原先生に。最初に職員室に行ったらこっちだって聞いたものですから」
「黒井先生と私に? 何でしょう?」
不思議そうな天原先生の問いかけに紙袋から取り出した2つの包みで答える。
「はい。お世話になった黒井先生と、いつもゆーちゃんがお世話になってる天原先生にお礼です」
「へ?」「あら?」「ほほぅ」
呆気に取られたような黒井先生と天原先生、感心したような桜庭先生の声が重なる。
「ありゃ? こういうのってまずかったですか?」
「いや、そうやあらへんけど……まさか泉からこんな風にされるとは思わんかったからな」
「私は改めてお礼をされるような事をしてる訳じゃないですから……」
「まぁいいじゃないか、2人とも。黒井先生は素直に教え子が成長した事を喜べばいい。ふゆきにしてもお前がそうは思わなくても、世話される方にとってはお礼をするに値するという事だろう。なぁ、泉?」
桜庭先生のフォローにむずがゆく感じるけど、
「あ、いや……そう言われるとちょっと照れるんですけど。まぁそういう事です」
すると2人とも納得したのか、顔を見合わせると笑顔で
「おおきにな、泉」「ありがとう、泉さん」
と優しくお礼の言葉をくれた。
「や、その……どういたしまして」
2人の笑顔に見惚れてしまい、頬を掻きながらそう答えるのがやっとだった。
その後は私の持ってきた包み、お菓子の詰め合わせだけど、をお茶請けに4人でのんびりとおしゃべりをした。
黒井先生も桜庭先生も受け持ちの授業はなく、怪我人や病人も来なかったので天原先生の仕事もなかったのは運が良かったと言うべきか。
気づけば放課後になっていて、時間が経つのは早いなぁとか思いながらお茶会をお開きにすることになった。
「それじゃ先生、今までありがとうございました!」
「おぅ、こっちこそな。なんやかんや言っても3年間楽しかったで」
「ふっ、こうして話をしたのも何かの縁だ。気が向いたらうちの部に遊びに来い。確かお前は田村と仲が良かったはずだしな」
「ええ、そうですね。ひよりんは可愛い後輩ですよ」
「その前に桜庭先生。ちゃんと部の方も指導して下さいね?」
「やれやれ。相変わらず一言多いな、ふゆきは。それにこんな時くらい『桜庭先生』は止めたらどうだ?」
「それはそれ、これはこれです。そもそもまだ勤務中ですよ」
「ほほぅ、自分から進んでお茶を淹れていたのは誰だったかな?」
「そ……それはそれ、これはこれです」
「なんや、痴話喧嘩かいな? うちらの仲がいいゆうてたけど、自分らだって人の事言えんやないですか。なぁ泉?」
「ええ、全くです。説得力ないですよ、ふゆき先生」
「ふ、2人とも、からかわないで下さい!」
「いいぞ。もっと言ってやれ、2人とも」
そんな風に4人で笑い合い、最後にもう1度頭を下げて保健室を後にする。
用事は済んだものの何故か真っ直ぐ帰る気になれずに、あちこちで生徒の話し声がする中を当てもなく歩く事にした。
気の向くまま歩くと着いた所は3−Bの教室だった。
誰もいない教室に1人でいると、何とも言えない不思議な感覚に囚われる。
世界で今いるのは自分1人なんじゃないか、とか、振り返ればクラスの皆がいるんじゃないか、とか。
「そんな事ある訳ないじゃん」
1人呟いて窓に近寄れば校庭で部活に励む生徒の姿が見えるし、窓を開ければ掛け声や歓声だって聞こえる。
さっきまでの楽しさと今1人でいる状況が生み出したギャップでそう感じただけなのか、やっぱりこの学校を離れる事が寂しいのか。
きっと両方だと思う。
この学校で過ごした時間が、それだけ大切でかけがえのないものだったんだろう。
「さて。感傷に浸るなんて私らしくないぞ、泉こなた!」
そう自分に声を掛けて教室から出ると、
「そんな事ないよ、お姉ちゃん」
静かな、だけど力強く声が掛けられた。
「え? ゆ、ゆーちゃん? なんでここに?」
「クラスの人から聞いたんだよ。お姉ちゃんがこっちに向かったって、ね」
「そ、そうなんだ……って、そんなに目立ってたかな?」
「うん。お姉ちゃんは気づいてないかも知れないけど、結構人気あったんだよ?」
「へ? う、うそっ?!」
「ほら、桜藤祭でチアダンスやったでしょ? あれでお姉ちゃん達のファンになった人とか私のクラスにもいたしね」
「そっかー……全然知らなかったよ」
「でも……正直言うと、嬉しさ半分心配半分だったんだけどね」
「え? なんで? あれがきっかけって事は、私だけじゃなくてゆーちゃんにもファンとか……」
そこまで言い掛けて気づく。
確かに好きな人に人気が出るのは嬉しいと言うか誇らしいけど、これでもしゆーちゃんに変な虫がついたらと思うと……
ゆーちゃんも同じように思っていたんだろう、ぎゅっと抱きついてきたので、苦笑しながら頭を優しく撫でて上げて、
「心配性だね、ゆーちゃんは。私が浮気でもすると思った?」
「そんな事はないけど……でも、やっぱりお姉ちゃんがそういう人達に愛想良くするのは見たくないな」
「大丈夫だよ。私はゆーちゃんの事が世界で1番好きなんだから」
「ん……じゃあ証拠見せてくれる?」
そう言って目を閉じるゆーちゃんに、今私に出来る最高の愛情表現をしてあげた……
「いやー、すっかり遅くなっちゃったねぇ」
夕日に照らされながら、2人手を繋いで家路を歩く。
「おじさんとゆいお姉ちゃん、待ちくたびれちゃってるかな?」
「んー、さっきの電話の様子ならまだ大丈夫でしょ」
寂しがり屋のゆーちゃんにキスをして、そのまま……といった所でお父さんとゆい姉さんからの着信が来た時には本当にビックリしたよ。
「お祝いだからお寿司を取るんだーって言ってたけど、あの調子だと特上とか平気で頼みそうだね……」
「うん……ゆいお姉ちゃんもすごく元気だったよ? お土産楽しみにしててね、だって」
「……ゆきおばさん達とか、かがみ達とか呼んだ方がいいかな?」
「ちょっとお母さんに電話してみるね?」
「私もかがみにメールしてみるよ……多分こっちは無理っぽいけどね」
結局かがみ達は自分の家でお祝いしてもらうから無理、ゆきおばさん達も来れそうにないとの事だった。
駅に着いてから家に電話して、帰宅した私達を待っていたのは……
「ちょっと、ゆい姉さんにお父さん。いいからそこに座る」
「いやいや、1人娘のお祝いだぞ? 奮発しなくてどーする!」
「そーだよ、こなた! 可愛い妹の新たな門出を祝うんだからパーっとやらないと!」
「だからって! どう見ても頼み過ぎでしょ、これ?!」
4人分を遥かに超える、お寿司を始めとしたパーティーメニューの数々だった……
「ま、まぁゆいちゃんもここまで頑張ってくれるとは思わなくてな? だが後悔はしない!」
「そのとーり! おじさんが責任持って食べてくれるから!」
「ゆ、ゆいちゃん?! 裏切ったな?!」
「お姉ちゃんもちゃんと責任持って食べるの!」
「ゆ、ゆーちゃん? 『も』って事はおじさん、許してもらえないのかな?」
「安心していいよ、お父さん。ゆーちゃんが許しても私が許さないから」
「そ、そんな……こんなに食べたらお父さんお相撲さんになっちゃうぞ?」
涙目になって懇願する2人を見て、横にいるゆーちゃんと一緒に苦笑する。
「まぁお祝いしてくれるのは素直に嬉しいからさ。ほら、冷めないうちに食べちゃお?」
「そうですよ。私達もがんばりますから。ね、こなたお姉ちゃん?」
「だね。余ったらゆい姉さんのお土産にすればいいしね」
「ありがとー2人とも! じゃあ早く着替えておいで。テーブルの準備をしておくからな!」
「じゃあ私は飲み物の用意しちゃいますね」
一転して羽根でも生えたように軽やかに動き出すお父さん達に呆れながら、ゆーちゃんと部屋に向かう。
「やれやれ、あの2人は本当にしょーがないね」
「さすがに今日のはやり過ぎだけど、これからもずっと、こんな風に楽しく過ごせればいいね、お姉ちゃん!」
「ん、そうだね。これからもよろしく、ゆーちゃん」
そう言って優しく抱き寄せて、微笑んだまま瞳を閉じるゆーちゃんに唇を重ねた……
176 :
LD:2008/07/25(金) 10:04:31 ID:S6ixxU1+
以上です。
やっと区切りがつけられましたー……とか言いつつ、この後の話が書かれているのは気にしない方向で1つ。
このシリーズは「これにて完結」とかはないので、気の向くまま筆(?)の向くままに書いていこうと思っています。
ようやく溜め込んだ……と言っても2つ3つほどですが……ネタで気兼ねなく話が書けそうです。
では、またの機会にお会い致しましょう。
>>176 貴方のこなゆたシリーズが無事にワンピリオド付きました事に、
ひとまずのお疲れ様の言葉とGJの言葉をかけさせて頂きます。
これからも、どんなカップリングでもほのぼのとした幸せな話を
紡ぎ出せるその筆が生み出す物語を楽しみに待たせて頂きます。
178 :
戸別響:2008/07/25(金) 14:46:26 ID:eqHtHpd2
どうもです。小説が完成しましたので投下します。
タイトル シスター・ラブ
・ ひより&かがみ
・ 非エロ
・ 5レス使用
5分後に投下を始めます。
「何かないっすかねー」
ある秋の休日、私、田村ひよりは、大宮の本屋に来ていた。
いつもなら同人誌とかを買いにここへは来るんッスけど、今日は普通の漫画やラノベを
買いに来たッス。
ぶらぶらと本屋の中を歩いて、ラノベの棚のところへ行ってみると…
「……あれっ?」
そこには学校でよく見る先輩の姿があった。
珍しいな、と思って見ていると、他の棚を見ようとしたのか、横を向いた先輩と
目が合った。私が誰かすぐにわかったのか、先輩は「あっ」と言って驚いた後、
私の方へ歩いてきた。
「こんにちは、ひよりちゃん」
「こ、こんにちはッス、柊先輩」
挨拶をした柊先輩――柊かがみ先輩――に、私は慌てて返事をした。
「意外ッスね、先輩がこういう所に来るなんて」
私はさっき思ったことを先輩に問いかけた。
「ああ、今日は私の好きなラノベの発売日なんだけど、家の近くの本屋では
取り扱ってなくてね。 だからここまで来たってわけ」
「そうなんスか」
そういえば、泉先輩が「かがみはラノベが好き」とか言う事を言ってたような……
「ひよりちゃんは、どうして?」
「へ? あ、私は、いつもここで漫画とか買ってるんスよ」
「へぇ、そうなんだ」
「はい。後、ネタになるものはないかと探してるんスよ」
「ああ、そういえば同人誌とか書いてるのよね」
「はいッス。最近なかなかネタが見つからなくって……」
とまで言って、私はある事を思い出し、首をギュンと動かして、辺りを見渡してみた。
「ど、どうしたの? 突然」
「い、いえ……き、今日はどなたと一緒に来たんッスか?」
「えっ? 一人だけど……」
「そ、そうッスか…」
それを聞いて、私はホッと息をついた。
私の行動を見て、柊先輩は不思議そうにしていたけど、
すぐにああ、なるほど、と言って、ポン、と手を打った。
「つかさなら来てないわよ。ったく、どんだけつまらないネタを渡してんだ、
あいつは……」
「ハハハ……」
少し乾いた笑いをする私。
「ひよりちゃんも大変よね。つかさに会うたびにそういう心配しなくちゃ
いけないなんて。はっきり断ればいいじゃない」
「いや、どうもあの笑顔で頼まれると、断るにも断れなくて…」
苦笑いで言った私の言葉に、柊先輩は「ああ、なんとなくわかる気がするわ……」
と言って、また納得したような顔になった。
「私もつかさには……」
「あのー、立ち話もなんですから、どこかに座って話をしません?」
「ああ、そうね。長くなりそうだし」
私の提案を柊先輩は了承してくれて、私達は一旦本屋を出て、近くの日陰にあった
ベンチに座って話をすることにした。
「……それで、柊先輩が柊せんぱ……じゃなかった。えっと……」
「下の名前でいいわよ。聞いてるこっちもややこしくなってくるから」
「そ、そうッスか…」
「さっきの話の続きね。私もつかさには結構甘くしちゃうんだよねー。
ダメだってわかってても、あんな笑顔をされたり、涙目になられたりすると、
どうしてもねー……」
と、かがみ先輩も苦笑いをしながら話してくれた。
「そうなんですか。意外ッスねー、かがみ先輩って、誰にでも容赦ない、って
イメージがあったんですが……」
「……どんなイメージだ」
「い、いえ、あ、あくまで、えっと、い、泉先輩から聞いた話を基にしてッスから……」
かがみ先輩にジト目で睨まれ、私は怖くなって、思わずかがみ先輩の友達で
私と同じオタク仲間の先輩の名前を出した。そうすると、かがみ先輩は
「あいつ、また変なことを……」と呆れたように呟いた。
勝手に名前出してごめんなさい、泉先輩。今度、何か奢ってあげますから。
「まあいいわ。とにかく、私はつかさには弱いのよ。さっきも言ったように、
つかさったら、まるで愛玩動物みたいで……」
「そ、それは言い過ぎじゃないッスか?」
つかさ先輩がかわいそうッスよ、と私が突っ込んだら、かがみ先輩はフフッと
微笑みながら、「そうね、言い過ぎだったかもしれないわね」と言った。
「まあ、あいつに甘い理由は、他にもあるんだけどね」
「えっ、そうなんッスか?」
その微笑みのままかがみ先輩が言った言葉に、私は首をかしげた。
「うん。つかさって、いっつもぽわぽわしてて、なんだか危なっかしいじゃない?
料理しか威張れるものないし、ねぼすけだし、天然だし、ドジだし。
そのくせあんまり運もよくないし」
「……悪口にしか聞こえないんスけど……」
「ハハハ……でもね……」
かがみ先輩は一度言葉を切ると、さっきまでの微笑みから、とても柔らかで優しい笑顔に
表情を変え、天井を見上げて、また言葉を紡ぎ始めた。
「でもね、あの子はそういう自分の弱点をちゃんと自覚して――まあ天然は
自覚してないけど――、それをプラスにしていこうと努力してるのよ。
つかさはつかさなりに一生懸命なの。それがたとえうまくいかなくてもね。
だからついつい甘くしちゃうというか……」
ここで言葉を切ると、かがみ先輩はこっちに顔を向きなおして、人差し指で頬を
掻きながら苦笑いをして。
「――あの子を守りたくなっちゃうのよね」
かがみ先輩は苦笑いの顔をほのかに赤く染めて、恥ずかしそうに言葉を続けた。
しばらく沈黙が続く。私の方は、意外すぎるかがみ先輩の表情に驚いて
何も言えなくなってしまったからだけど。
――さて、どうやって話を続けよう。
このまましんみりとした空気で話すのか、それとも空気を軽くすべきなのか。
ちょっと考えた末、私は。
「……かがみ先輩って、妹さん思いなんですね」
「そ、そうかな……」
「はい。でも、言い方を変えれば、シスコンとか、妹Loveとも取れますよね?」
「なっ!?」
場の空気を軽くすることにした。
「バ、バカ言わないでよ! だいたい、今の話のどこにそんな要素があったのよ!」
顔を真っ赤にして反論するかがみ先輩。なんか、可愛いッス。
「え、全部ッスよ全部。つかさ先輩に甘い、とか、つかさ先輩を守る、とか」
「あ、姉なんだから当たり前でしょう! そ、それにシスコンって、妹が姉にべったり、とか、兄が妹に、とかじゃないの!?」
「いえいえ、昔は姉が妹に、の方が主流だったんスよ?」
「だからって……ダァー! もう、まるでこなたと話してるみたいだわ!」
私に向かって怒鳴り散らすかがみ先輩。でも、そんな風に顔を真っ赤にして
照れくさそうにしてると、怒鳴られてもぜんぜん怖くないッスよ? 先輩。
「た、確かにかまい過ぎな気もするけど……」
ほら、本音が聞こえてますよ?
「……やっぱりかがみ先輩はツンデレッスねー」
「だからそんなんじゃ……もういい、帰る!」
そう言って、かがみ先輩は顔を真っ赤にしながらガタン、と音を立ててベンチから
立ち上がり、スタスタとどこかに行ってしまった。
「……さすがに言い過ぎだったッスかねー」
多少は反省しながら、私はある事が頭に浮かんだ。
「……そうッス。これッスよ! 次の話は、妹思いの姉に、姉にべったりの妹。
王道といえば王道ッスけど、今やれば逆にとてつもなく萌える話に
なるかもしれないッス! さらに双子の姉妹なら、さらに萌える事間違いないッス!
ううぅー、やるッス、やってやるッス!」
そう叫んで、私はダッシュで店の外へ出た。このネタを忘れないうちに
書き始めるために――
あ、あの店で買う予定だった本、買ってくるの忘れたッス。
まあいいッス。今は自分の事の方が大事ッス!
184 :
戸別響:2008/07/25(金) 14:59:29 ID:eqHtHpd2
以上です。珍しい組み合わせだけど、どこかうまくいきそうだなと思って書き始めましたが、
最後のほうは勢いだけで書きました。
感想、批評、よろしくお願いします。
お二人ともGJです!
大作の結末、お疲れさまでした。
また、ひより&かがみという異色の取り合わせ、なかなかおもしろい展開になりましたね。
シスコンツンデレツインテール萌え
ぐっじょぶです
187 :
kt:2008/07/25(金) 20:06:30 ID:G/MT0aY4
どうも、
何か発言するたびに自爆してる気がするktです
それでは
『ふたつか☆〜発情編〜☆』
・9レス
・ふたなり注意
・『ふたみゆ☆〜合体編〜☆』の続きです
・キャラ崩壊著しいです(特にみゆきさんが色んな意味で)
・つかさ×みゆき、みゆき×つかさ
・視点切り替えあり
です、5分後に投下を開始します
188 :
kt:2008/07/25(金) 20:12:18 ID:G/MT0aY4
「ん〜…今日も疲れが溜まってますね……」
そう言いながら布団を出る私
寝ぼけながら布団をたたみ、服を着替えていた時…
「みゆき〜!ちょっと話があるんだけどいい?」
…お母さまが……部屋に入ってきました
ふたつか☆〜発情編〜☆
「お母さま何でしょうか?、これから学校で…」
お母さまはニヤニヤしながら私に話しかけてきました
「あの薬、昨日も使ったでしょ〜?」
「え?、、あ、いや、、、その…」
「薬瓶を見ると、、、そうねぇ…4〜5回は使っているみたいね?」
「…………」
私は恥ずかしながらうなずいた
…あの薬を最初に使ってからもう1週間になろうとしています
その1週間のほとんどを私がつかささんにツッコンだり
つかささんが私にツッコンだりしている
…自分でもよくそんなに体力があるなと思いますが……
「この薬は自分の眠っている内なる面を引き出し・女子ならふたなりにする効果がある
ってことはもう知ってるわよね?」
「ええ、はい」
「ふふふ、、、それじゃ、副作用に気をつけてねぇ〜」
「なっ!?」
「そりゃぁ薬なんだから副作用くらいあるわよぉ?」
お母さまは「そんなの当然じゃない?みゆきは何を言ってるの?」と言いたげだ
…それは…まぁ、、そうですけど…
「は、初耳です!お母さま!!」
「ごめんごめん、言いそびれちゃったの…あ、そうそう、、みゆき
今日あたりバイブでも持っていく方がいいかもよ?……お母さんも
大変だったから…」
お母さまはそう私に言って部屋をあとにした
…何が大変だったのでしょうか?
「バイブですか、、、なんでそんなものを…」
そんなモノよりも、、つかささんのペニスの方が―…
ドクンっ!!
ふぇ?
今…なん、、だか……
「っ、、はぁ…ぁ…」
急に身体がやけに熱い…苦しい…下半身が、、、疼き出す…
快感が―…精液が欲しくて欲しくてたまらなくなってくるっ…
あぁ…欲しい、、、ペニ…おちんちんが欲しい、欲しい!欲しい!欲しい!欲しい!欲しい!欲
しい!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!
!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!欲しい!!!
ぁあっ!今日1日チンチン漬けの生活に―…
「っはぁ…はぁ?…はぁ…」
……今、、私…何を考えて…まさか…これが…副作用っ!?
―
「はぁ、、なんでこんなことに…」
今私は、バス停にいます
…結局我慢できなかったのもあって部屋でオナニーしたのはいいのですが…
「もう全然…」
そう、また身体が疼き出すのだ
だからお母さまに言われた通りにバイブを装着して…今、ここにいる
「やふー!みゆきさ〜ん」
「おはよー、ゆきちゃん」
「おっす、みゆき…どうかしたの?」
皆さんがやって来ました
…バイブは今、、「弱」ですが…もしバレたら…
そう考えるとまた疼きだして…うぅ…私ってそんなに変態だったんでしょうか…
……あぁ…またパンツを変えないと…
「それがくさくってさ〜」
かがみさん達は楽しく談笑されています…でも私はそれに加われませんでした
…もう動くだけでイッちゃいそうで―……
「みゆきさん、、、どったの?」
「う…何でも、ありませんよ?」
……あ、あの男の人のちんぽ…おいしそうですねェ…あぁ、、しゃぶりたいなァ…
…………あれ?、、私今見ず知らずの目の前にいる男の人のことを…!?
「それは駄目ですっ!」
「…みゆきさん?」
へ?、あ、口に出して言ってしまって…あぅ、、周りの方の視線が痛いです…
「な、なんでもないですよ?…すいませんでした」
ふぅ、、でも同じちんぽならつかささんの方が―…でも今は…
…そうだ、今日もふたなり薬持ってきてるんでした♪
これをつかささんに飲ませて―…
―
そんなことをあれこれ考えている内に学園に着きました
しかしどうやって薬を飲ませましょうか?、、つかささんなら言えば飲んでくれそうですけど…
かがみさんと泉さんがいますし…
そうです、確か今日つかささんは水筒を持ってきているはずです、、そのコップに薬を入れて―
「うぅ〜、、のどがカラカラだよ〜」
…そうだ、今です、、この隙に…
ぽちゃんっ!
「ねぇ、みゆきさん」
「は、はいっ!何でしょう!」
「え、いや…具合悪そうだなって思ってサ」
びっくりしました…てっきりバレたのかと…
「だ、大丈夫ですよ?」
「ふ〜、、ふぇ?…あれぇ?」
む?、、、聞いてきましたか?、、よし
「つかささん、私具合が悪くなりまして…一緒に保健室に行ってくださいますか?」
「ふぇ?、うんいいよぉ〜」
そう言って私はつかささんを連れ教室を出て行きました
「…ねぇ、かがみん、、、さっきみゆきさん大丈夫って言わなかったっけ?」
「…まぁ、みゆきにも色々あるんでしょ」
「どうしたのぉ? ゆきちゃんこっちはトイレに行く道だよぉ〜」
「すいません!保健室は嘘です!手伝っていただきたい事がありまして…!」
もうすぐです…もうすぐっ……つかささんのモノを…っ
3階奥のトイレ…ここなら人目に付きにくいですっ!
私はつかささんを引き連れ一番奥のトイレのドアを開ける
バンっっ!
「ゆきちゃん…そんなに急いでどうしたのぉ?」
「…はい…ええ、実は―」
☆
「な〜んだぁ! そんなことならさっき言えば良かったのに」
「はい、、でもお2方に聞こえたらと思いまして…」
「あのお薬も大変だねぇ〜で、それで…どう…するの?」
ぁ…もう…だ、駄目で…す……
もう抑えきれない!、、、欲しい・欲しいっっっ!!!!
私はつかささんの下にしゃがみこむ
「…ゆきちゃん?」
そしてスカートに顔を埋めパンツ越しに彼女に生えたペニスを舐める
「ゆき、、ちゃ…いきな…りっ」
「はーっ…はーっ…はーっ…はーっ」
ちゅぱ…ずずっ…ずぴっ…
彼女のパンツはすっかり私の唾液でぬれぬれだ
「パンツを脱がしてもいいですよね?」
「…う、ん」
私は彼女のパンツを強引に下ろし、そのまま食物を食べるかの如く
肉棒にしゃぶりつき…−バイブを「強」に設定する
ヴィ〜〜〜〜…
「…この音…なあに?」
「っあはっ…あぁ…バイブです、ほらさっき話しましたよね…朝我慢できなくて…」
私はしゃぶりながら質問に答える
「…あぁ……そうだったね…朝のゆきちゃん…色っぽかったもん、、ね…っぁあ」
どびぴゅっっう!!!
彼女の肉棒からミルクが噴出した
―ぁ、あ…おいしい
芳醇で、苦くて、濃厚で…朝からずっと、ずっと望んでいたモノが今、私の口の中にある
でも……まだです、まだ、まだ足りない
「つかささん、まだ出ますか?」
「もちろんっ!いつも2〜3回は出してるもん、まだまだ元気だよぉ、、ほら」
言われた通り、彼女のちんぽはまだビンビンだ
「…ごくっ」
そして私はまたしゃぶり始める
口の中に残っている精液と唾液を彼女の肉棒に絡ませ舐め
先端をぢるぢるぢるっと吸い上げる
「くぅ…う…い…つもよっ…早っ…も…でぇっ!!」
…ふぅむ、、、少し早いですね、まぁ2回目ですし良しとしましょう
「で、でちゃ、ふ、お、、っっっっ」
さっきから不思議に思っていたのですがどうやら彼女は必死で声を抑えているようです
…それがバレたとしたら?
……それはそれで充実した展開になりそうですが、ね
そう思いながら私はくわえている肉棒と口の間にわざと隙間を開けた
ばびゅっうううううううっっ!!
…1回目よりも…濃厚っ…です…これはこれで
口からは結構な量の精液がこぼれ落ち、制服に流れつき…そして床に落ちる
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ゆきちゃん…制服…」
「ご心配しなくても大丈夫ですよ、ちゃんと換えの制服は持ってきてますから…それに」
「…それに?」
「精液まみれの制服ってそそりませんか?」
…ナニをしてるんでしょう私は
もうすぐ1限目が始まろうとしているのに?
副作用のせいで?
自分を抑えられずこうしてつかささんと性行為をしている?
―やっぱり…この薬…
「う…ん……」
「つかささん?」
「……………」
「どう…したんですか?」
あきらかにつかささんの様子が…何が起こって―
キーンコーンカーンコーン…
「ぉ…あー…ゆきちゃん?…1限目のチャイム…だねェ…どう…シヨっ…かァ?」
「どう…って」
どう、、、しよう?
つかささんを連れ込んだのは私ですし…まだ…挿れて…ないですし…でも授業が…
「シたいんだよね?、、最後まで」
「っと…まぁ…」
つかささん…目が…とろーんとして…まさか今頃になって人格の方へ影響が!?
「何をシたいのぉ?…ゆきちゃんは、コレで?」
つかささんはよりいっそう元気になったちんぽを見せびらかせながら言う
「これで、どうされたいのかなぁ?、ゆきちゃんは?」
…な…分かっているくせに
「あ…その…ください…」
「ナニを?」
「…つかささんの…ぺ…ちんぽを……です」
「どこに?」
「…私の…お………お○んこ……にです」
「ダぁぁ〜〜〜〜メ!って言ったら?」
つかささんは悪戯っ子のような表情で言う
「…そんな!…ここまでしたのにっ!!途中で終わりだなんてっ!」
予想もしていなかった彼女の言葉に驚き私は立ち上がる
その拍子にバイブが落ちましたがそんなのどうでもいい
生の方が…直接の方がイイに決まってる
「くすくすっ…淫乱さんだねぇゆきちゃんは♪…でね?
…聞こえなかったからもう1回言ってくれないかな、ゆきちゃん?」
「なっ…」
「早く言わないと…コレ、無くなっちゃうかもよ?…もう2回は出してるもん」
「…そ………そ、その…太くてグロい卑猥なちんぽを!早く私のお○んこに下さいっっ!
あなたのせーえきが欲しいんですっ!」
彼女は…つかささんは私の叫びをニヤニヤしながら聞いている
「…これで…い…いいですか?…だ、だから…早く…」
「うん、うん、、、そーするよっ…と!」
ずちゅう!
「はぐぅっ?!?」
私はいきなりつかささんに突かれた
「ゆきちゃぁん?…声を出してもいいんだよ?、、今1限目だから人もいないよ?」
「で、で、でも、ぉ」
「いいじゃない、聞かれてても、むしろ聞いてもらおうよ?…ゆきちゃんのイヤらしい声をね?」
ぱんっぱんっぱんっぱんっ
という音がトイレに響く
その音以外にはくちゅ…やぐちゅっ…
という音とそしてにおいも混ざっていて―
ぱんっぱんっぱんっぱんっ
「…っは、は、はっ、お○んぽぉ!、つかささんのが私のおま○こにぃっ!」
―私は……吹っ切れてしまった
「もっとぉっ!奥ま、で…せーえきぃっ!…っ中にぃ!!」
「は、くぅ…イクよっ!ゆきちゃんっっ」
「ひぃ、ひゃ?」
その言葉の直後、体に電撃が走った
どばびぴゅっうぅぅうううぅぅううう!!!!
「か、はぁああああああああぁぁぁあぁ!」
「…ゆきちゃん…好きだよ」
「はぁ、はぁ…せー…えき……なかに……つかさ…さんの…」
………
……
…
―
――
ゆきちゃんはぐっすりと眠っているみたいだ、そういう私もさっきまで眠っていたんだけど…
…あぁ、そうだ、、ここトイレだったっけ……ちょっと汚かったかも
ゆきちゃんの寝顔はかなりかわいい…でも
…洋式トイレに座ったまま寝るのってどうなんだろう?
「もう2時間目の終わりのほうかぁ…けっこう寝てたんだなぁ」
「…ん、あ…?」
あ、ゆきちゃんが起きた
「ここは…?」
「トイレだよ〜」
「ト…イレ?」
ゆきちゃんは寝ぼけているみたいだ、、、確かに目覚めたらトイレってそうそうないもんね
「…………」
あ、ゆきちゃんの顔が赤くなってきた
「…なんというか…色々とすいませんでした」
「あ、うん…こちらこそ」
謝りあう私達
「今、、何時くらいでしょうか?」
「ん〜とぉ、2時間目が終わったくらいだから、、10時すぎぐらいかなぁ」
「…そうですか…………やっぱり…この薬は使わない方がいいですね」
「…………どうして?」
「どうしてって…毎日の様にこんなことをしていたら体が持ちませんよ
…それに、、、いつも罪悪感ばかりが残って…」
「……そうだね」
…シてる最中のゆきちゃんの様子からこんなことを言い出すのはなんとなく分かっていた
よかったぁ、瓶から5〜6粒取っておいて
「この薬、捨てましょう」
そうだ、間を空けてゆきちゃんに飲ませよっと♪
心が繋がっているだけじゃ嫌だもん…やっぱり体も繋がってないと、ね
「うん、そうだね」
と私は笑顔で話す
「だからと言って水に流せば大惨事が起きそうですし…どうしましょうか…」
「トイレに放置するだけでいいんじゃないかなぁ?…きっとお掃除の人が捨ててくれるよ」
「そうか、そうですね…もう正直触りたくないです…この薬」
ゆきちゃんは怯えているようだ…そんなゆきちゃんもかわいい
「…じゃあ、私が捨てていいかな?」
「はい、よろしくお願いします、つかささん」
「あ、そういえばさっき隣に日下部さんが入っていったみたいだよ」
「そうですか、、それなら時間を空けて出て行きましょうか」
「じゃ、ゆきちゃん…あとでね〜」
「はい…また後ほど―」
まず私が先に出る事になった、そして…
「あやの、ごめん! …待った?」
「ううん、大丈夫よみさちゃん」
ちょうど日下部さんもトイレから出てきた
「それでさー」
「なあに?」
2人は話し込んでるみたいだ…この隙に―
手洗い場の棚の上に薬を置く私
…自分でも何でこんなことしてるのか分からないけど、まぁいいや
こんなところに変なものが放ってあったら誰も手をつけないよね?
後はお掃除の人が片付けるのを待つだけだね―
そう思いながらトイレを後にした
―
――
「…んでさー」
「ちょっと前を失礼しますね」
あれ?…どでかちちがトイレから出て来た
さっきのひぃらぎ妹といい、、いつトイレに行ったんだろ?
…ま、どーでもいっか
「…それはそうとみさちゃん」
「んぁ?」
「手、洗った?」
「…あ、いっけね…まだだった」
私は手洗い場に戻る
「やっべぇ…忘れるところだったんだってヴぁ……ん?」
手を洗ったあとふと見上げると棚に何かが置いてあるのに気付いた
「…何だこりゃ?」
お菓子か?
それは瓶に入っていて裏のラベルにはただ『♀』と書いてあるだけだった
見た目はきれーだけど…
パクっ!
…うん、、、うまいっ!
ってこれやっべー!!!なんだこれ!すっげーーーー!!!
なんてお菓子なんだこれはっ!!!…もう1口ぐらい…いいよな?
ったく!こんなうまいモンを捨てるなんて何考えてんだ捨てたやつ
「みさちゃん?…そういうことはしない方が…」
「どぅわあああ!?!」
「そんなに驚かなくても…」
「ばっ、びっくりさせるなってヴぁ!……それにいーじゃんお腹壊すの私なんだし」
「それはそうだけど…あ、そろそろ休み時間が終わるわ、戻らないと」
「おー…」
これ、どうっすっかなー…うまいよなー…う〜ん…
「みさちゃ〜ん!先に行くわよ〜」
「ちょ、待ってってヴぁ〜!」
あわてた私は勢いでそのお菓子を持っていってしまった
ふたつか 終
next → ふたみさ
197 :
kt:2008/07/25(金) 20:25:41 ID:G/MT0aY4
ありがとうございました
…ふたつかとか言いながらみゆきさん押しになっていたのは何でだw
さて、次回のふたシリーズ・『ふたつか』もとい『ふたみさ』は
「ふたなりみさお×あやの…!」の巻
皆さんが忘れたころに投下するかもです
前スレの自作『鼻血)ry会4.8★:コアクマ』を自分で保管してみようとしたところ
……もうどうすればいいのか…
保管作業するのにはwikiに登録しないとならないのでしょうか?
>>197 ……ぷはぁ(堪能のため息)、ご馳走様でした。
暴走、というか淫乱みゆきさんの野外羞恥……イイネェ!そしてつかさもナイス悪魔!
>>197 すばらしいwww GJ !
ふたみさも期待 !
・・・ふたなりこなたとかがみも見てみたいんですけど・・・ダメかい?
200 :
kt:2008/07/25(金) 23:13:53 ID:G/MT0aY4
感想ありがとうございます
・・・ふたなりこなたとかがみ>
…すいません、考えていません…このシリーズを作るきっかけというのも
ふた☆自重氏の作品を見てつられて自分もホイホイ書いてしまったと言うモノで…ハイ
ふたなりこなた×かがみはふた☆自重氏の作品でぜひっ!
氏の方が色々上手いでしょうしw
最近はかがみに加えてみさおまで男に見えてきた。いや、みさおを男性化させるのはベタ過ぎるかな?
某ジョースター卿のごとく逆に考えてあやのを男性化させるか?……いや、それだと……むう、それもありか?
誰か、あやの男性化前提で、あやのの恋人(≒みさお兄)は女装少年スキーとかいう結論をたたき出す俺の脳みそを焼いてくれ。
>あやの男性化前提で、あやのの恋人(≒みさお兄)は女装少年スキー
勃った
203 :
42-519:2008/07/26(土) 00:19:47 ID:DNSxLcm1
二輪の花に、感想、お読みいただいた、ありがとうございました。
>>116 その話で使った、メイドネタなんて誰もおぼえてはいないとも思いつつ……。
>>197 あくまで個人的な方法ですが
wikiのトップから「新規ページ作成用リンク」クリック→新規ページ名に
作品名入力、あとは画面の指示に従えばよいと思います。
他(作者別、作者一覧など)を更新、更新報告所にて報告――という感じです。
性転換ネタはキモイって言ってるんだよ!
まだわかんねえのか!
てめえら腐女子か?それともホモなのか?
臭いんだよボケが。
ふたなりもいい加減にしろ。
キモイ。
夏休みだねえ・・・ NG指定大活躍w
他の方がスルーしているのにいちいち反応するあなたの方が厨だと気づいてください
49スレ目の未保管SSを保管致しました。
今回の更新で新たに保管されたSSの作者様方、
念のためご自分でお書きになられたSSのチェックをお願い致します。
何かありましたら再編集、または報告フォームにてご連絡下さい。
>>kt氏
更新ガイドラインを改訂しましたので、次に保管していただける場合は
そちらをご覧になって作業にあたられるとよろしいかもしれません。
真面目な話、性転換はキモイから見たくないっつーか。そういうのを賛美しているやつがウザイ。
見たくない作品ならスルーすればいいが、そういう気持ち悪いネタで会話すんな。腐女子臭い。ホモ臭い。
もっとスレの空気を読んでおとなしくしていろや。ガタガタしゃしゃり出てくるんじゃねぇ。
蚊になったこなたが他のキャラの血を吸いまくって、吸われた人は所構わず発情する
というエロティカル如何わしいSSを書いてくれる勇者王はいませんか?
いませんか?
そこで吸血鬼こなたんですよ
戯れにかがみんの首筋に噛みついて恍惚の表情を浮かべるかがみ萌え
>>210 かがみんのツンに反応して血が増えてしまったこなたが増えすぎた血をかがみんに注入してデレにするんですね、わかります
こなた達で怪談物のSSもいいですねぇ〜(稲〇淳〇風)
こんな時間ですが一応確認。
他に準備している方がいなければ投下です。
214 :
42-115:2008/07/26(土) 07:17:01 ID:aRJHVORZ
では。
「庭木の妖精 夏に舞う」
・3レス
・エロなし
・みなみ&ゆたか
ゆたか、少し日焼けしたかな……。
一心不乱に夏休みの数学の宿題を解く横顔に感じた、微妙な違和感。それは例えば、オーケストラの第
二ヴァイオリンの中の一台が、うっかり半音ズレた音符を奏でてしまったとでも言うべき、専門家でもな
ければ気付かないような小さな相違。でもみなみの心のフィルターは、それが素知らぬ顔で通り抜けるこ
とを許さなかった。あるいはひよりなら、これを以てみなみを「ゆたか専門家」にでも認定するだろうか。
「みなみちゃん?」
視線に気付き、ゆたかがみなみの顔を見る。
「もう終わった?」
「ううん、まだ……」
かすかに顔を赤らめ、みなみはノートに目を落とす。
「わたしはまだまだ」
それさえも守ってあげたくなる愛らしい苦笑。みなみは一瞬だけ顔を上げ、すぐにノートに戻した。顔
の赤さだけ増して。そのことを誤魔化すように、みなみは問う。
「ゆたか、少し日に焼けたね……」
時は夏休み。会うのは二週間ぶり。だが時の隔たりも変化の小ささも、みなみには意味を成さなかった。
「みなみちゃんには分かっちゃった?」
ゆたかは、気付いてもらえたことがとても嬉しそうだ。
「おじさんやこなたおねえちゃんには、何とも言われてないんだよ」
「夏はそれが自然だから……」
なんて近親者の鈍さをフォローしてみるが、みなみの心は別のところにあった。
日に焼けたということは、外出したということだ。
「日差しに、気をつけて……」
埼玉といえば、日本一暑い土地ということが科学的―あるいは統計的―に認められてしまった土地であ
る。ただでさえ人一倍……いや、人三倍くらい体の弱いゆたかである。気にかけるなという方が無理な相
談だ。
「大丈夫、ちょっとお庭に出るだけだから」
「そう……」
殊ゆたかに関して心配性なみなみは、だからこそと思う。そうじろうやこなたが不在の時だってあるだ
ろう。
「水分だけじゃなくて、体温もちゃんと落とすように……ね」
みゆきが言っていた。
砂漠がある国では、砂漠での遭難者が救助された場合、まず体温を落とす治療を行うのだという。
また、苦笑しながらこうも言っていた。
「埼玉の昼間は確かに暑いですが、熱帯夜になることはあまりないそうです。昼間が辛い分、夜は過ご
しやすいのですが、昼間を埼玉の学校で過ごし、夜を熱帯夜の東京で迎える私たちは、ちょっとした苦行
か我慢大会に挑んでいるとも言えるかもしれませんね」
それに対して、みなみはこういう感想を持った。
昼暑く夜冷えるというのは、砂漠と同じではないか。
そして、思考が行き着く先は結局ゆたかである。この埼玉砂漠で遭難したら、一体誰が助けるのか?
「うん、気をつけるよ」
ゆたかが笑う。それはみなみだけに向ける、みなみの優しさを噛み締めた時の顔。
「……」
冷房の効いた室内だというのに、みなみの体温は否応なしに上昇する。倒れたらゆたかが介抱してくれ
るかな……。
「それにしてもすごいね、みなみちゃん」
ゆたかは、純粋な感嘆の表情を向けてくる。
「うん?」
「お姉ちゃんやおじさんも気付かない事、よく分かったね」
「……」
体温がまた上がる。まだ上がる。
「鵜の目鷹の目って言うけど、みなみちゃん本当に鷹みたいだね」
みなみを動物に例えると鷹になるのだという。
「そこまですごくないよ……」
たじろぐ様に答えて、無理矢理数学の宿題を再開する。
言えるはずがない。
ゆたかに見とれていたから気付いたなどとは……。
宿題を完膚なきにまで片付けたのは、大まかな予定よりも少し後だった。
夏休みの学生ならではの苦行から解放されると、二人はみなみが土産に持ってきたアイスを冷凍庫から
持ってきて食べた。少しずつ交換したりもしながら。
「さてと」
ゆたかが不意に立ち上がる。……そうか。
「庭に行くの?」
「みなみちゃんも一緒にいこ」
「うん」
つばの広い帽子を手に、みなみの手を引いて外に出る。
思わずゆたかの前に立ちはだかってしまいたくなるような暑さと湿気が、たちまち二人を出迎える。目
に痛いほどの日差し。いや、日差しだけでなく夏は色彩の全てが鮮やか過ぎる。まるで昼間に打ち上げた
花火のように。
ところで、みなみにはゆたかが庭で何をするか、大体想像がついていた。というより、「庭ででも出来
る事」はたくさんあるが、庭でしか出来ないことはあまりない。
「みなみちゃーん、出してー」
みなみが蛇口を捻ると、ゆたかの手にあるホースから、水が飛び出て舞い踊る。庭木に水をやる……そ
れだけのことなのだが、夏の日差しのせいかもしれない。みなみは一瞬、水や植物と戯れる妖精を幻視し
た。
「ゆたかが係なの?」
水やりが終わり蛇口を逆の方向に捻ってから、みなみが聞く。
「うーん、そうなんだけど……これ」
ゆたかは、自慢げに一本の小さな木を指差した。
「これ……?」
まだ苗木と言ってもいいくらい小さなそれ。色は濃い茶色とも、深い緑とも。細さも相俟って熟しすぎ
たアスパラガスを連想させたが、葉の形に見覚えがなかった。
「??」
みなみはそれの正体以上に、ゆたかが自慢げなのが解せなくて首を傾げる。
「これ、アボガドなの」
「アボ……?」
みなみがきょとんとすると、ゆたかはさらに自慢げになって説明する。
「先月……あ、もっと前だったかな。サラダにアボガド使ったんだけど、お姉ちゃんが種をきれいに取
り出したの。で、庭に埋めてみたらこうやって生えてきたんだ」
「へえ……」
みなみは、好きな果物の種を植えて育てたら……的なことをゆたかが言っていたのを思い出した(4巻
045ページ)。
「ゆたか、好きなの? アボ……」
「う〜ん、特に好きってわけじゃないんだけど……。でもみなみちゃん、知ってる? アボガドの種っ
て、すごく大きいんだよ」
「うん……」
「桃の種よりも大きくって、種というよりは球根て感じで……」
ゆたかはひとしきり、種について夢中で語った。
みなみはといえば、例によってゆたかに見とれていて、あまり聞いていなかった。いや、それよりも最
初に気になった点について指摘しようとしたのだが……。
「ゆたか……」
「なぁに、みなみちゃん?」
「……………………いつか」
「うん」
「もっと大きくなるといいね」
顔を見て、見据えて、言おうとして、やめて……結局出てきた言葉はもう一つの解釈が可能であったが、
この場合はもちろんゆたか自身のことではない。
「そうだね」
ゆたかがいつになく楽しそうで、溌剌としていたのだから、全てはそれでいい。
言えるはずがない。
ゆたか、「アボガド」じゃなくて「アボカド」だよ……。
おわり
218 :
42-115:2008/07/26(土) 07:20:41 ID:aRJHVORZ
はい、ありがとうございました。
いやもう、あれですよ。
「アボガド」の種を庭に埋めたら生えてきちゃって……。
ゆたかの勘違いと指摘できず固まるみなみ萌え
もうね、アボカドバナナと(←悪意なし)
べりーGJ!!
さりげなくみなみの萌えポインツをおさえていく描写。
某メガネフジョシも、興奮して鼻を押さえて悶絶するほどのGJ!
新スレになってウザイぶーわが出てこなくて何よりだ。
あいつの文章はキモ過ぎるからな。
秋葉原かどっかで刺されて氏んでてくれればいいんだが。
W触区でぐぐれ
>>218 間違えて覚えていた男、スパイダーマッ!
可愛いみなみちゃんをどうもご馳走様でした。ぐっじょぶ。
>>218 ゆたみなのラブラブさでニヤニヤしてきて、最後のオチでさらにニヤリとなりました。
非常にGJ!
それにしてもひよりんがこの場所にいたら萌え死にしてたと思う。
投下する人居なさそうなら10分から投下。
オールバカ。
ひたすらバカ。
プロレス大好き!
2008年夏。
スレ住人達の愛はすれ違い、やがて悲しい行き違いが生まれる。
そして2008年秋――スレに悪夢がやってきた。
秘密結社ないしょのふくらみ。彼女達の手によってスレは大粛清の憂き目に遭う。
そんな混迷したスレに鋼の救世主が舞い降りる!
これは、殺伐としたスレを救う為に戦った虎のマスクの少女の物語――
からっぽの☆ 時代をゼロから始めよう。伝説は塗り替えられるもの、今、純情を解き放て!!
あやの! 熱く蘇れ あやの ちょいエロエナジー あやの 強くあるために――!
No Fear!! No P a n !! 愛の前に立つ限り
No Fear!! No P a n !! 恐れるものは何も無い
完全独走! 私、いい感じ!?
超変身! 仮面たいがー☆あやのーーーーーん!
「きゃっ!? いやぁーん、ウチのおっぱいみんといてぇ〜ん☆」
痛い。体ではなく心が痛みを訴える。
何故、何故そこまで彼女は身を削るのか。
「……く、くらぇ〜い! さんだーぶれーく!」
ユイサンダーの胸の谷間から放たれた電撃があやのを襲う。
「きゃあああああっ!?」
あやのの体を強烈な電撃が襲った。
(油断したっ! まさか電撃攻撃を使うなんてっ……!)
膝を付きながらもあやのは残ったナナコールドを見る。
ユイサンダーは電撃。なら、ナナコールドは?
今までのツルペティアンとは訳が違う。特殊能力を持ったツルペティアン――
「ふっふっふ。どうだい? ゆいねーさんのおっぱいサンダーの威力は?」
安直すぎるネーミングとは裏腹、その威力は凄まじい。
「ふっふっふ。ウチもそろそろ本気で行くか……」
ゆっくりとスクール水着を脱ぐナナコールド。その下に控えていたのは――
「絆創膏……チジョ力を使うって言うの!?」
チジョ力それはオトメ力の対極に位置する負のエネルギー。
あらゆる物をピンクに染める悪魔の力。
局所を絆創膏で隠すナナコールドの姿は痴女そのものだ。
「食らいやっ! セクシー☆アイスコフィン!」
「おっぱいサンダー!」
激しい雷撃と胸を象った巨大な氷塊があやのを襲う。
悪魔のごとき同時攻撃を回避しながらあやのは必死に反撃の機会を伺っていた。
(……まずいっ……これじゃあ、ジリ貧になる……!)
反撃をしようにも、猛攻の前に少しずつ交替を余儀なくされるあやの。
「ヒャッハハハハ! ホラホラ! 早くなんとかせぇへんとスッポンポンになってまうでぇ!!」
あやのの体操服はゆっくりと切り裂かれ、素肌が露出されていく。
「……このままじゃっ……!」
圧倒的な不利。
一対一ならイーブンに持ち込めるのだろうが、如何せん相手は二人。
敗北の香りが濃厚になりつつある。
「峰岸ッ!! 危ない!!」
「なっ――!? 柊ちゃん!?」
あやのを突き飛ばしたのは柊かがみだった。
―― C M ――
恐怖の使者、現る!!
「ガラスの割れる音と共にウチは目覚める……ドクシンデス・ナナコールド参上や!!」「ヒトヅマデス・ユイサンダーさんじょぉ〜」
DXドクシンデス・ナナコールド! DXヒトヅマデス・ユイサンダー! 8月12日、発売!!
遊びはエロス。ミミズ
「あたしはね……ただ見てるだけなんて、絶対嫌!」
そう叫んで立ち上がるかがみの腰には鈍く光を放つベルト。
「駄目よ! 柊ちゃん!!」
両手を胸の前で交差させ、力を溜めるとかがみの咆哮が天を貫く。
「変身!!」
『駄目だ! あれじゃあオトメ力が足りないってヴァ!!』
緑色の輝きがかがみの体を包み込み、激しく服が破れ散る。
(……ッ!! 体、が……バラバラになりそうっ……!)
オトメ力が足りないままでの変身。それはまさに想定外の事。
かがみの体に膨大な力の奔流と、様々な思念が流入してくる。
(……何よこれっ……!? 頭が、頭が……)
頭を抱えてその場に膝を付くかがみ。
駆け寄ろうとするあやのだが、体を動かす事が出来ない。
裸になり、膝を付いたかがみの体を緑色の模様のような装甲が覆い始める。
「あ……ぐ……う、うぅぅ……!! う、あァ……ああああああああああああ!!」
咆哮と共に立ち上がるかがみの体は禍々しくも美しい。
しかし、その瞳には狂気が光る。
「――なんや? 柊。そのカッコは……まさか……ハン! 読めた! 読めたでェ! そのローレグと布面積のなさそうなブラで男に媚びるつもりやな!?」
かがみは答えずに身を低くする。
その姿は獰猛な肉食獣の構え。
「……オカス……! オマエヲ、オカス!!」
そのまま弾かれたように飛び掛るかがみは稲妻のような機動でナナコールドに接近する。
その速さはまさに雷。
開かれた口から覗く犬歯がナナコールドに襲い掛かる。
『暴走してるってヴァ!!』
ナナコールドの乳房にかがみがむしゃぶりついた。
「はひぃぃぃん!?」
左手が開いた乳房を、そして右手はその尻に食い込む。
じゅるじゅると乳房を吸いながらかがみを押し倒すと、かがみのツインテールがユイサンダーを捕らえた。
「ヒトリモ……ニガサナイ!」
かがみの赤い瞳がユイサンダーを睨みつける。
その瞬間、捕食するものとされるものの構図が完全に成り立ってしまった。
「お、おねーさんもびっくりだ……ひゃあ!? ツ、ツインテールがヘンな所にもぐりこんできたぁ!」
ツインテールを操る能力、それが変身したかがみの能力のようだ。
「ひぁぁ! あ、あかんん! そんなにやられたらウチ、ウチ……ミ、ミドリマキバオオオーーー!」
強制的に絶頂させられたナナコールドの体が硬直する。
ちゅぽんっと乳房から口を離すと捕獲していたユイサンダーの方に顔を向ける。
爛々と輝くその目に、ユイサンダーは思わずびっくりだと言えなかった。
「……オマエモ、オカス!」
れろっと舌なめずりをしながらかがみは新たな獲物へとゆっくりと歩み寄る。
「柊ちゃん。目を覚ますのよ」
そんなかがみの前に立ちふさがったのは満身創痍のあやの。
かがみの暴走を止めるためにあやのはあえて危険を犯す決意をする。
『ま、まさか……あやの! 駄目だ! 2段階目には行っちゃ駄目だってヴァ!』
「やるわ。かがみちゃんは……大切な友達だもの」
あやのが両手をベルトの脇において精神を集中させる。
(変身するんじゃない。進化するっ!!)
―― O T O M E E v o l u t i o n ――
「一人語り、しても……いいですか……?」
あやのの中のオトメ力がオトメ回路を疾走する。
「女一途な真心乗せて……北の海風凍てついた……!!」
マスクが光り輝き、ブルマフォームが霧となる。
幻想的なその光景とは裏腹、あやのの体をオトメ力が蝕んでいく!
「はぐれ……恋、散る……恨みィィ! 節さぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
空気が、爆ぜた。
爆煙の中央に立つは暗きスレに咲く真っ赤な花。
その目に宿るのは悲壮なる決意。その四肢に滾るのはオトメの力。
真紅のチャイナドレスに身を包み、大胆なスリットから惜しげもなく晒したその脚を包むのはガーターベルト。
彼女こそ純愛という名の炎に身を焦がされながら、それでもなお愛する男の為に淫らに咲く徒花。
「……仮面たいがー☆あやのん……エロティックフォーム!!」 ガァーーータァーーーーベルトォォォーーーーー!!
シャッチョサンアソンデッテネーのポーズでかがみを見据えるあやの。
マスクの下は脂汗が浮かんでいる。
これほど消耗したのは初めてだった。
この一撃で、勝負をつけなければもう、かがみを止める術など無い。
それほどのポテンシャルをかがみは秘めている。
「――みさちゃん!」
ヴェルトの口に予備の下着を突っ込む。
『んむぐぅっ!? ん、んぐ、ふべぇぇ!』
青くなったり、茶色くなったり、様々なカラーリングになった後、ヴェルトが吐き出したのはパイプを折り曲げ、折りたためるようにした物。
そう、パイプ椅子と言われる物だった。
しかし、それはパイプ椅子ではない。何故なら座面が無いのだ。
「ハイッ、ハイッ! ……ほぁぁ……うぁちょっ!」
それをヌンチャクのように振り回した後、あやのが大上段にそれを振りかぶる。
すると、無いはずの座面部が光り輝きはじめたではないか!
『ソードヴぇント! エクスカリヴぁーだってヴぁ!』
エクスカリヴぁー。
無いはずの座面部分にオトメ力を注ぎ込む事でビームパイプ椅子になる最強の凶器。
ベビーを常とする仮面たいがー☆あやのんがエロティックフォームになった際にだけ使う3つの凶器の一つ。
「ソンナ、ソンナモノデ……ワタシヲトメラレルカァ!」
かがみが地を這うように迫る。三人に分身したかがみは、縦、横、奥と三方向から一斉に襲い掛かった。
『ファイナルヴぇんと!!』
オトメ力がヴェルトを介し、全身を焼き付けるほどに駆け巡る!
(あやの……凶器は激情や悪意で振るうんじゃない……心で、愛で振るうんだ!!)
あやのの精神世界でミック・フォーリーが彼女にそう告げる。
「必殺……BANGBANGパイプ・ラヴ!」
愛で振るったエクスカリヴぁーのビーム部分がかがみを頭から吸い込んでいく――
バチバチと激しい光の中、えくすかりヴぁーを通ったかがみはいつの間にか生まれたままの姿になり、意識を失っていた。
「……柊ちゃん……良かっ、た……」
そして、あやのも。
己の持てる全ての力を使いきり、その場に倒れこんでしまった。
ヴェルトは着用者の意識が無ければ動けない。
一瞬の静寂が辺りを包む。
「……ふふふ」
そんな時、何者かの影が忍び寄っている事に、気づいたものはいなかった。
――次回予告――
マエバリデス・コナータは失敗の責を問われ、大幹部の一人の配下にされてしまう一歩手前まで来ていた。
死ぬ気で仮面たいがー☆あやのんを追い詰めようとするコナータ。
それとほぼ時を同じくして、ヴェルトはある事を考えていた。
完全ステルス性のこのアジトを、何故敵は見つけられたのか……?
それは、最悪の結果を意味していた。
次回! 仮面たいがー☆あやのん! 恐怖! 妖艶なる微笑!!
見ないと君に、デコ☆ビーム!!
以上です。
オールオブ・イキオイなのは許してOTL
>>231 GJ
二号たいがーになるかも知れない?かがみんに期待。
>>226 ちょい欝にはおちがあるといいなー、ぐっじょぶでした
234 :
>>226:2008/07/27(日) 02:32:31 ID:2GZKnjww
いいなあいいなあ、こういうの
こなたから逃れられないかがみん、ぞくぞくする(≡ω≡.)
超GJだよ!
あれ、かがみさん、こんな時間になんですkアッーーーーー!!
>>231 そうかっ、かがみはギ○スか! そうなれば「あれ」も期待できるのですが。
相手があの方ということは、もしや……。ぐっじょぶでした。
特に被りがなければ5分後くらいに投下をします
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。
■かがみ→こなた
■エロなし
■シリアス、というか陰鬱です
■こなた×男要素あります
12レスになります。
§18
――風邪、引いちゃうね。
――引いちゃうよね。
私とこなた、二人でおでこをくっつけて。
雪の中、そんなことを呟いた。
全然面白いところなんてないのに、真面目な顔をしたこなたがなぜだか私はおかしくて、
一人くすくすと笑った。
風邪なんて、もう引いてしまってもいいかなと思っていた。そんなことよりここでこなたと
じゃれ合っていたかった。雪に埋もれながら、どうでもいいことで笑い合っていたかった。
「ほらかがみ、しっかりしてよ」
けれどこなたは苦笑しながらそう云って、すっくと立ち上がると私に片手を差し出した。
私はと云えば、突然こなたの身体が離れてしまったのが悲しくて、呆然としながらその顔を
見上げていた。途端に襲いくる急激な寒さに、どれだけこなたの身体が温かかったのかを
思い知っていた。
私が動けないでいると、こなたは私の腕を掴んで強引に立たせてくれた。そうして私の
肩を取って、私と一緒に歩きだす。返ってきた、こなたの身体の暖かい感触。それに安心
しながら、一歩一歩私は歩いていく。
足を踏み出すと、降り積もった疲労に足ががくがくと笑い出す。溶けた雪がブーツの中まで
染みていて、地面に足を衝く度ぶじゅぶじゅと音を立てていた。その感触が酷く気持ちが
悪かった。その感触が気持ち悪いと思うほど、私は冷静になっていた。
――こなた。
こんなときすぐに冷静になれるのは、やはりこなたの方なんだなと思う。いつも漫画とか
アニメのことばかりで、萌えだとかフラグだとか夢みたいなことばかり云っているけれど。
それとは違う次元で、こなたはどこかこの現実をシビアに、冷静に、客観的に眺めて
いるように思う。
こなたは、自分自身すらまるでアニメの登場人物みたいに扱っている。そんな気がした。
だから根っこの部分ではどこかいつも冷静で、そうして悲しくなるほどに自己実現しようと
いう欲求が低いのかもしれない。
私も含め、ほとんどの人間にとって一番大事な存在は自分自身であるはずだ。いくら周りの
人を大事に思っても、そのように周りの人を大事に思う自分がいつだって世界の中心に
あるはずだ。
けれどこなたは違う。
こなたの中の優先順位では、いつだってこなた自身は最下位だ。賑やかで明るくて私たちを
いつも振り回しているように見えるけど、こなた自身の眼差しはいつだって自分自身には
向けられていなかった。“誰々が萌え”だとか“誰々のこんなところが見たい”とかそのような
話題ばかりで。
こなたはいつでも周りのことばかり見つめていて、アニメや漫画の世界に逃げ込んで、
自分自身のことはまるで物語の端役のように無視し続けていた。
家事は得意なはずなのに、自分のことになるとぐうたらになる。
料理も得意なはずなのに、自分が食べるのはいつも栄養なんて無視したチョココロネばかり。
運動も得意で頭もいいはずなのに、自分の可能性にはまるで興味が湧かないように無頓着だ。
他人のことは萌えだとか可愛いとか云ってすぐ褒める癖に、自分のことは少しも磨こうと
しなかった。少なくとも、今年の夏頃までは。
――こなた。
なんでだろう。そう考えると、こなたのこの小さい身体が、高校生にしては余りにも幼い
その身体が、こなたが自分自身に与えた罰のように思えてきてしまうのだ。
「――痛いよかがみ」
「あ、ごめん」
いつの間にか、肩に回していた腕で、こなたのことをぎゅっと抱きしめてしまっていた。
こなたはそんな私を見て、困ったような顔をしている。あの夏の日に、寝ぼけて私が
抱きしめてしまったときのように。
「――ごめんね」
そうしてもう一度謝ると、そんなこなたの困り顔が、泣き出す寸前の子供のようにくしゃりと
崩れていった。
そんな顔をして、こなたは呟いた。
「謝らないといけないのは、わたしだよ」
冬の夜、白い吐息とともにこなたが吐きだした言葉は、雪の中に消えていく。
――角を曲がると、泉家はもうすぐそこだった。
§19
もくもくと湯気が立ち上り、天上付近にうがたれた換気扇に吸い込まれていく。
湯船の中、腕を動かすとピリピリとお湯が肌を刺す。痺れるような痒いような、そんな変な
感覚。よほど身体が冷えていたのだろう、あのままあそこにずっと座っていたら、風邪だけでは
すまなかったかもしれない。そんなことを考えた。
雲のように立ち上る湯気の向こうで、こなたが身体を洗っていた。青い長髪をタオルで
まとめて、珍しくうなじが剥き出しになっている。
その細い首筋。薄い背中。風呂椅子に潰れた小さなお尻。うっすらと見えるあばら骨。
胸の膨らみは記憶にあるものよりも随分と女らしく膨らんでいて、私はそれがちらりと
見える度に安堵感を覚えるのだった。ただ少し成長が遅いだけで、こなたもいつかちゃんと
大きくなれるのかもしれない。そんなことを期待して。
夢にまで見た、本当に夢にまで見たこなたの裸だったけれど、不思議と動揺することは
なかった。それは勿論凄くどきどきしたし、抑えがたいような疼きを感じたりもしたけれど。
けれどそんな気持ちは心の薄皮の下にうごめくだけで、私の表面まで吹き出してくることは
なかった。
ただ愛おしかった。
こなたの身体がこうして動いていることが、私はただ愛おしかったのだ。
勿論、望んでこういう状況になったわけじゃない。
私がこうしてこなたと一緒にお風呂に入ることになったのは、半ば不可抗力によるものだ。
ぐしゃぐしゃになりながらなんとか泉家に戻った私たちは、そうじろうさんにバスタオルを
出して貰って、てんやわんやになりながら浴室まで辿り着いた。できる限り水気はしぼった
けれど、それでも廊下にぺたぺたと自分の足跡がついてしまい、それがなんだか凄く
恥ずかしかった。
私もこなたも酷く冷え切っていたから、どちらが先に入るかで少しもめた。けれどこなたは
実力行使も辞さないという様子だったし、実際に抵抗むなしくジャケットをはぎ取られて
しまったので、仕方なく自分で脱いだのだ。そんなつもりがないこなたに脱がされるなんて、
なによりも厭だった。
そうして私が流し湯を掛けて湯船に浸かったところで、こなたも一緒に入ってきたという
わけだ。
お互いに身体が冷えていたところを先に入らせてもらった手前、こなたのことを追い出す
なんてできるはずもない。だから私たちは湯船の中、ずっと背中合わせで暖まっていた。
冷え切ってこわばっていた身体が、少しずつほぐれて溶けていく。それは勿論お湯の暖かさの
おかげだったけれど、私にとっては、こなたの背中が伝えてくる温もりの方がよほど暖かいと
感じていた。触れあった箇所が、熱を帯びたように熱かった。
私もこなたも、あまり喋らなかった。けれどそれは気まずい沈黙が続いていたわけではない。
夏にすれ違ったときのように、それ以前に私がこなたに対して示していたように、あるいはあの日
太宮で男の子と会ったあとのこなたのように、云いたいことはあるけれど口にはだせないというような、
そんな沈黙ではなかった。
お互いに何をどう伝えようか、いつ伝えようかと考えながら、今はそのときじゃないと思って
タイミングを計っている。いつか云うことがわかってるから今はまだ喋らない。そんな穏やかで
饒舌な沈黙が、私たちの間に流れていた。
「――ねえ」
しばらくぶりに、こなたが口を開く。
「んー?」
「わたしの裸、見ててそんな面白い?」
髪の毛をわしゃわしゃと洗いながら、こなたは困ったような顔をして私に云った。最近
よく見るようになったこの顔が、実のところ私にはよくわからない。こなたが何に困っていて、
どうしてそんな顔をするのか。私にはそれがよくわからない。
「面白いわよ。他人が身体洗ってる所なんて普通あんまり見られないじゃない。ふふ、
こなたって、身体洗うとき右足から洗うのね」
私がそう云うと、こなたの困り顔がみるみるうちに赤くなっていく。もう、困ったような
顔にはまるで見えない。その顔に浮かんでいるのは、ただひたすらに含羞だ。
それもまた、私にはよくわからない。裸を見られるより、普段どこから身体を洗うかを
知られる方が恥ずかしいのだろうか。こなたが恥じらいを感じるポイントが、私にはよく
わからない。
そう思って首を捻る私の前で、こなたは照れを振り払うように頭からザーっとお湯を被った。
よくはわからないまでも、そんなこなたがなんだか可愛くて、私はくすくすと笑った。
こなたも自分が笑われているのに気がついて、照れくさそうにしたままくすくすと笑った。
――そうして私たちの間の沈黙は、それ以降、また少し饒舌なものになったのだ。
「クリスマスプディング余ってたけど、食べる?」
「おー、食べる食べる。丁度ちょっと小腹空いてたところよ」
「むふー。これ以上太っても知らないけどね」
「な、なんだと! そ、そそそそれはどういう意味だ!」
「そりゃ勿論、そういう意味だよ?」
「え、ほ、ほんとに? そんなに私太ってた? ね、ねぇ、ちょっと」
さっきの仕返しだったのかもしれない。追いすがる私をひらりとかわし、こなたは口元に
手を当てながら二階に上がっていった。
こなたの部屋は、今となっては少しだけもの悲しい部屋だった。
つい四十分ほど前の楽しかったクリスマス会の名残がまだ残っていて、お菓子の空き箱や
広げられた漫画本やケーキに立っていたロウソクなどを見る度に、みんなの笑い声が頭の中に
蘇ってくる。机とベッドの間に置かれたクリスマスツリーは、電飾こそ光っていないものの、
未だにオーナメントやモールが賑やかに飾られていた。いかにも祭りの後という有様に、
私の胸が少しだけ切ない音を立てて鳴きだした。
せっかくだからと辺りを少し片づけているうちに、こなたがドアを開けて戻ってくる。
お盆に乗せられているのは、夕食のときに出たクリスマスプディングと、湯気を立てている
ココアだった。
十分暖まっていたつもりだったけれど、甘くて暖かいココアは疲れきっていた身体に染み渡る
ように美味しくて、私は生き返った気持ちになっていた。
「くくく、やっぱりかがみんがそんな格好してると、なんか笑っちゃう」
「うっさいなっ、元はと云えばあんたの服だろっ」
さすがに恥ずかしくて、私も顔が熱くなっていくのを感じていた。こなたから借りたスウェット
パンツはふくらはぎまでしかなくてレギンスみたいになっているし、トレーナーはTシャツみたいに
ぴっちりと身体に合っている。ブラなんて勿論つけられるものは何もなくて、寝るときもブラを
する派の私としてはなんだか妙に落ち着かなかった。
落ち着かないと云えば一番落ち着かないのがショーツだ。こなたは一度も穿いていないと
云っていたし、実際に値札がついていた以上その通りなのだろうけれど、フリルレースに
薔薇飾りのリボンがついた純白の横ひもショーツなんてものが、どうしてでてくるのだろうと
思った。どうしてこなたがそんなものを買っているのだろう、一体いつ穿くつもりだったのだろう。
そんなことを考えるとなんだか胸がどきどきしてしまって、私は酷く落ち着かない気分になって
しまうのだ。
――けれどそんな全ても表面的なものにすぎない
私もこなたも、きたるべくそのときにむけて、心のどこかを緊張させたままそんな話を
続けていた。
――ほら、今だって、カップを持ったこなたの手が少しだけ震えている。
そうしてこなたはココアを飲み干すと、そっとカップをソーサーの上に置いた。その表情は
さきほどまでとはうって変わって、なんだかとても悲しそうな顔だった。
それはあの春の日に、桜の下で見かけた少女のように。
「――どこから、話したらいいのかな?」
「話しやすいところからでいいんじゃないの?」
――そだね。
そう云って、こなたは大きく息を吸って。
語り出した。
§告白
――わたしは、昔からどこか他人と違う子供だったんだ。
ううん、かがみに云わせれば、『確かに普通の子は、あんたみたいにオタクなグッズ買い
あさったりしないわよね』とか思うかもしんないけど、そういうんじゃなくて。
最初にそれに気がついたのは、多分小学校五年生くらいのときだったと思う。あれ、でも
そう考えるとそんなに昔でもないね? じゃあちょっと前から? あ、でもそう云うと
今度はつい最近みたいだね。
うーん、ごめん、あんまり上手く話せないや。かがみみたいに理路整然と話せたらいいんだけど。
うん、かがみの話って凄くわかりやすいよ。すぱっと結論から云ってくれるし。メールでもさ、
いつも文章構造がしっかりしてて、“てにをは”も間違わないし――って、またずれてるや。
あ、うん、あんがと。わたしなりになんとか説明してみるね。わかりづらかったらごめん。
――小学校五年生のときだった。
クラスの女の子で集まって、好きな人の話をしてたんだ。わたしはそのグループともの凄い
仲がいいってわけじゃなかったけど、なんとなくいつも周りに顔を出してた。そういう関係作る
のが得意だったんだよね。空気っていうほど軽くないけど真っ先に声が掛かるほど近くない、
そんな感じで色んなグループにいるのが得意だったんだよ。
ん、だよね。今と正反対。まさか高校生になってから親友なんてものが一遍に三人も出来る
なんて思わなかったよ。三年になってからはあやのんやみさきちとも仲良くなれたし。
――好きな人の話をしてた。
わたしはまた最後から二番目くらいの一番目立たないところで発言しようと思ってたけど、
なんかちょっと仲良い子が二番目にわたしに振っちゃって。みんなの話聞いてからそれに
合わせようとしてたわたしはどんな話をしたらいいのかわからなくて、慌てて変なこと云っちゃった。
わたし、女の子の名前を挙げちゃった。
一番仲が良かった、隣のクラスの女の子の名前を挙げちゃったんだ。
そのときのしらけた空気、今でも思い出すと時々膝が震えるよ。
幸いだれかが冗談めかして突っ込んで、ギャグになったからよかったけど、内心ずっと
冷や汗ものだった。
あ、違う。そういう意味じゃないから! ああもう、なんでよりによってこんな云い方しちゃうんだろ
わたし……。別にわたしは女の子が好きだってことを云いたいんじゃないんだよ。そうじゃなくて、
なんていうか。
わたしには、人を好きになるっていうことがよくわかんなかった。
まあでも、五年生だとそんなもんかなって気もするよね。他の子だって、そんなよくわかって
云ってるって感じでもなかった。どっかの少女漫画とか雑誌の受け売りみたいな話ばっかりしてて、
本当の恋なんて話じゃなかったと思う。
――それでも、わたしみたいに性別を間違えた子なんて、一人もいなかった。
そんなことが何度かあって、わたしは、より一層注意深く演技するようになったんだ。
――どったのかがみ? なんか凄い怖い顔。
ん、わかってる、あんがと。
そうだよね。みんなそんな感じだとは思うんだよ。きっと完璧に世界に溶け込めてる人なんて
どこにもいないんだよね。みんな少しずつ演技して、場の空気を壊さないように心にもないことでも
云ってるんだ。
でもわたしが特にそんな風になったのは、片親だったからっていうのがあるのかな。やっぱり
ちょっと普通と違うから、特別扱いされたりすることも多くって。だから、自然と目立たないように
目立たないようにって。子供なんて残酷だもん、ちょっと間違えたらいじめの対象になりかねないよ。
――また、怖い顔。
――あ。
ん。淋しくなっちゃったのかな? ぷくく、暖かいなぁ、かがみは。
そなの? 子供の方が体温高いんだ?
ってあれ? なんかわたしまた子供扱いされてる!
んー、なんでそうなるんだろね、代謝とかそういう関係? 今度みゆきに訊いてみようかなー。
――そんな感じで中学生になって。
でもわたしは相変わらず人を好きになるって気持ちがよくわからなかった。
ううん、好きだっていうのは思うんだよ。あの子は可愛いとか、あの子は格好いいとか、
優しくて好きだとか、ツンデレで好きだとか、そういうのはわかるよ。
でもつき合うっていうのがよくわかんない。
保健体育で習ったようなこと、知識としては知ってたけど、どっか遠い世界の話だって
感じてた。アニメとか漫画でいつか主人公が立ち向かうような試練。そんな風に、今はまるで
想像がつかないけど、いつか大人になったらそういうことがあるのかなぁって漠然と考えて。
あ、ちなみにかがみは可愛くて格好良くて優しくてツンデレだから好きだよ。
――おー、真っ赤だ。ぷくく、最近かがみ、弄ってもあんま照れてくれないからつまんないん
だよね。
え? 卑怯?
何を云うのさ、油断してたかがみが悪いんじゃん。わたしはいつだってクライマックス
なのだよ!
――それでね。
周りの子はそりゃもう、エロエロだよね。中学生なんてさ。キスとかエッチとか、どこの
クラスの誰はもう経験したとか、高校生とつき合ってるとか、そんな話ばっか。
わたしも、頑張ってそれに話を合わせてた。気持ちはわかんないなりに、漫画とかじゃ
普通にベッドインしたりするのもあるから、そういうのをまんま真似してね。小コミとか、
もう頭がフットーしそうだったよ。
お? その反応見ると、かがみも読んでたなー。
そうだよね、そういう反応だよね。
でも、わたしはよくわからなかった。
あの行為の意味が。あの子がフットーするほど興奮している意味が、本当はよくわかって
なかったんだよね。
でもわからないなりにわかってるふりをして口裏合わせてた。あの子が格好いいとか、
どんな初体験にしたいだとか、キスってどんな味なんだろうだとか。
むー。当時はわたしだって、今ほど世間一般から外れてなかったんだよ。背だってちっちゃい方
だったけど、もの凄くちっちゃいってほどでもなかったし。
そうそう、エロゲもね、だからよくやったよ。あれってやっぱり男視線だから色々真に受けちゃ
危険だなっては思ってたけど、やってたら普通に萌えて。
――違うって。もう、わかってないなかがみんはー。
かがみは随分エロゲに偏見あるみたいだけど、そんな“エロエロよー!”なやつばっか
じゃないんだよ。そりゃ中にはそういうのもあるけど、わたしがよくやってるのは泣きゲーとか
云われてるやつで、普通に最後までやっちゃうだけのキャラゲーみたいな感じだもん。
結構女の子でも普通にプレイしてたりするんだよ?
――それでも、やっぱりよくわかんなかった。行為の意味は実感できなかったけど、でも
なんか深い絆で結ばれたらしいカップルのことは見てて嬉しくって。だからエロゲってやってて
楽しかったんだ。
そそ。それがよくわかんないから、みんなの前でも別に抵抗なく話しちゃうんだよね。
かがみとかみゆきが慌てるのがおかしくってさ。なんか恥ずかしがってる二人が可愛くってさ。
つかさは……本当にわかってないのかな?
ん、勿論そうだよ。そんな話するの、みんなの前でだけ。他の子に溶け込むためのリサーチ
だったんだもん。そんなこと口に出して退かれてたら元も子もないじゃん。
そんな感じでわたしは“そのこと”を隠しながら、なんとかクラスに溶け込んでた。今になって
思うと“そのこと”の意味がわかったりするんだけど、当時は別に“そのこと”が特に変なことだって
思ってなかったんだ。
だって、溶け込むために演技するっていう意味じゃ、他のことと変わんなかったから。
クラスのみんなが笑ってたら、わたしもおかしくもないのに一緒に笑って。グループのみんなが
見てるテレビ番組をわたしも見て。友達が嫌ってる子のことを、わたしも一緒に嫌いだって
云ったりした。
――そんなもんだよね。かがみとかつかさとかみゆきみたいな子なんて、そうそう滅多に
いないんだよね。
それでも、仲がいい子はできたんだ。五年生のときに“好きな子”ってわたしが云っちゃった
女の子。覚えてる? いつかわたしが中学のとき仲がいい友達がいたって云ったこと。
そそ、その魔法使いちゃん。その子もオタクでね、よく話が合ったんだ。優しくて、でも
行動力があって、考え方もしっかりしてて、わたしは好きだった。オタクな趣味なんて
やっぱりクラスじゃ表にだせないから、よく帰り道に権現道堤を歩きながらCCさくらの話
なんかしてた。わたしは断然知世ちゃん派だったんだけどその子は小狼が可愛いって
云ってて、カップリングでよく揉めたなぁ。
――それともう一人。
男の子と、仲良くなっちゃった。
わたしはやっぱりそんなことがよくわからなくて、みんなが“男の子”と“女の子”の間で
すっぱり線を引いてるのがよくわからなくて、だから普通に仲良くなっちゃった。
うん、そう。太宮で会ったあの男の子。
――初めから、わたしのことが好きだったみたい。
子供だったんだわたし。
わからないならわからないなりに、ちゃんと考えてればよかったのに。いつか自分の身にも
ふりかかるかもしれないことだって、ちゃんとわかっていないといけなかったのに。わたしは
そんなこと、友達同士の話題の中にしか存在しない出来事なんだと思いこんでて、一度も
真剣に考えたことがなかった。
可愛い人だったよ。寡黙で、照れ屋で、でも誠実で。かがみも見たとおり、結構顔はよかった
から人気もそれなりにあった。でもオタクだったんだよね。
彼はわたしや魔法使いちゃんと違って、それをあんまり隠してなかった。そういうところ、
ちょっと格好いいなぁって思ってた。その子は知世ちゃん派でも小狼派でもなく、なぜか
断然桃矢派だって云ってて。わたしと魔法使いちゃんで「あり得ない」って突っ込んで
よく笑ったよ。
無邪気だったなって思う。
だから、三年の夏に彼から『つき合ってくれ』って云われたときも、深く考えずに、『いいよ』って
云っちゃった。一緒にいて楽しかったから、つき合ってもいいのかなって思ってた。つき合うって
そんなことだと思ってた。
でもつき合って具体的にどうすればいいかよくわかんなかったから、ずっとそれまでと
同じように過ごしてたんだよね。だって、彼とそれ以外の関係になるなんて、まるで想像
つかなかったし。
一緒にアニメショップいったり、部屋でごろごろしながら漫画読んだり、ゲーセンいって
格ゲーやったり。そんな普通のことしかしなかった。
恋人同士がどういうことするか、知識としてはわかってたつもりだよ。そのためにエロゲとか
やってたんだし。でもなんていうんだろう、なんかやっぱり他人事だと思ってたんだよね。
なんか大げさに云ってるだけで、別にそんなことみんながみんなやるようなことじゃないん
じゃん? みたいな。
漫画とかアニメのキャラみたいな人なんて、実際にはいるわけないし、魔法とか選ばれた
力なんて、みんな本当は持ってない。それと同じような感じで、実際はそんなことしないん
じゃないかなぁなんて。
無邪気だったなって思う。
わたしはそれで楽しかったけど、彼はやっぱりそれじゃ駄目だったみたい。
――クリスマスイブの夜だった。
丁度三年前の今日だよね。
卒業が近づいてて、ちょっと焦ってたのかな。ううん、それじゃなくてもクリスマスイブ
だもん、期待したりもするよね。
わたしは、そんな男の子の気持ちなんてまるでわかってなかったんだ。わたしのこんな
やせっぽちで凹凸がなくて子供みたいな身体を見て、男の子がどうしたいと思うかなんて、
考えたこともなかった。
ただいつも通りこの部屋でだらだらすごしてて。ただお父さんが買ってきてくれたクリスマス
ケーキなんかを二人で食べて、適当にギルティ・ギアなんてやってた。わたしはメイ使いなんだけど、
カカッとバックステッポで回避したところをいつも通りハイスラでボコられて――って、かがみには
わかんないかこのネタ。
負けたところで、コントローラーを放り出してプレイヤーを攻撃して遊んでた。
かがみにひっついて遊ぶようなこと、わたしはよくやってたんだ。照れる彼が面白くて、
脇腹つついたり、肩に顎乗せたりして。当時ジャンプで読み切り載ってた『タカヤ』の真似して
「当ててんのよ」とか云ってみたりした。
バカだよねわたし。そんなの、誘ってると思われるに決まってるじゃん。
でも、わたしにはそんなつもり全然なかったんだ。「当たるほどないだろ」とか、そんな返しを
期待してたんだ。
勿論、返ってきたのはそんな面白い反応じゃなかったよ。
――抱きしめられた。
押し倒されて。キスされて。胸を揉まれた。
わたし、呆然としてて咄嗟に反応できなかった。自分が何されてるかすぐには理解できなかった。
でもそんな風にぼーっとしてる間にも、気がつけば彼の手がわたしの下半身に伸びてきて――。
すごく、気持ちが悪かった。
吐息とか、体温とか、ごつごつした身体とか。彼のこと、普段は触ってると安心できるのに。
そのときは凄く厭だった。不快だった。背筋がぞっとした。
その後のこと、頭が真っ白になってて、実はあんまりよく覚えてない。
気がついたら、テレビ台の脇で彼が頭を押さえてうずくまってた。指と指の間から、ぽたぽたと
赤い雫が流れ落ちてきて、どうしたんだろうなんて頭の片隅で思ってた。
台にぶつかったとき、よっぽど大きい音がしたのかな。お父さんが慌てた様子でわたしの
名前を呼びながら、どんどんとドアを叩いてた。
覚えてるのは音だけ。
お父さんの怒鳴り声、彼が上げる呻き声、どこからか聞こえてくるジングル・ベルのメロディ。
わたしたちに無視されたテレビから流れるギルティ・ギアのオープニング音楽。
――救急車の、サイレンの音。
その後も色々あって。でもそれを全部云ってたら夜が明けちゃうから、もういいよね。
わたしが説明した話で、お父さんは思い当たることがあったみたいで、遠くにあるおっきな
病院にいって受診した。アスペルガー症候群の可能性もあるからって、お父さんは云ってた。
でも違った。
もしかしたらただわたしが子供ってだけなのかもしんない。見た目通り頭の中も子供ってだけで、
まだ思春期がきてないってだけなのかもしんない。
でもわたしはなんとなくわかってる。昔から、わたしはなんかちょっと違うんだなって
思ってたから。
――わたし、性欲が一切無いんだよ。
そういう欲望自体が全然ないし、ましてや他人に対してそれを感じたことなんて一度もない。
そういう気持ちが、わたしはわかんない。
『アセクシュアル』って云うんだって。
かがみは知ってた?
§20
そう云って、こなたは喋るのを止めたのだ。そのときこなたの口から漏れ出た吐息は、
ため息なのか嗚咽なのかよくわからない物だった。よくわからないなりに、それは明確に
話を止めるピリオドなのだった。
今は何時くらいなのだろうかと思う。もう日付は変わっているだろうか。クリスマスの
当日になっているだろうか。
けれどクリスマスになっても、きっとこの部屋に奇跡はやってこない。聖霊の導きも父の
許しも三博士の祝福も、夜の底に沈むこの部屋にはやってこない。
だって、もしクリスマスの夜に私たちの元に奇跡がやってくるのなら、一体どうして三年前の
今日、こなたの身にそんなできごとが起きなければいけなかったのか。
こなたは、ずっと泣いていた。男の子の話になってから、ずっと泣いていた。
ぽろぽろと涙をこぼしながら、過去の失敗を口にして。友達との別れを口にして。その度に
こなたの中で何かがわななくのだろう、小刻みに身体を震わせた。
そんなこなたを抱きしめながら、私も流れていく涙を拭うこともできずにただ聞いていた。
最初のうちは合いの手を入れていたけれど。そうしてなるべくいつもみたいな会話になるよう、
からかったりもしたけれど。こなたが泣き出してから私は何も云うことができなくなっていた。
――どうして。
そんな単語だけが頭の中をぐるぐると駆けめぐっていた。どうして私の大切な人がこんな目に
遭わないといけないのか。どうして私が大好きな人が泣かないといけないのか。どうしてこなたが
苦しまないといけないのか。
こなたは、どうしようもなく彼のことを傷つけたと思う。あの茜差す太宮で見た、彼の横顔を
思い出す。こなたを見つめる彼と、彼を見つめるこなたのことを思い出す。二人ともぐっと唇を
引き結んで、何かに耐えるように見つめ合っていた。気を抜けば濁流に流されそうになりながら、
全身全霊を篭めて踏みとどまっている。そんなぎりぎりの瀬戸際で、二人とも懸命に前を向いていた。
彼のプライドはずたずたになっただろう。つき合っていたはずの、ずっと好きだった女の子。
思いを決してその子を抱きしめたときに、返ってきたのがこれ以上ないほどの明確な拒絶
だったなら。中学三年の多感な時期、それは怖ろしいほどのショックになっただろう。
それでもあのとき彼の顔に浮かんでいたのはただ悲しみだけで、恨みや憎しみなんて欠片も
見あたらなかった。きっと素敵な男の子だったのだろう。こなたが“誠実だ”と云った意味が
わかる気がした。
そうしてそんな彼を傷つけないといけなかったこなたが、今はただ悲しい。
――うぐ、と腕の中でこなたが嗚咽を漏らして、私はより一層強くこなたのことを抱きしめた。
こんなに触れてしまって大丈夫だろうか。こんなに強く抱きしめてしまって平気だろうか。
それが少しだけ心配になった。
自分が両性愛者だと気がついたときに調べた本に、アセクシュアルのことも載っていた。
アセクシュアルの人は性的なものに限らず、スキンシップそのものを嫌がる場合もあるよう
だった。
けれどこなたの場合は違うだろう。自分からあれこれと触れてくるし、抱きしめたときも
『暖かい』と顔をほころばせていた。こなたが嫌がるのは性的な物だけで、こなたが理解
できないのは性欲それ自体なのだろう。
――そうして、私は気がついた。
あの、困ったような顔。
最近見せるようになったあの顔は、恐らくは抱きしめられたときにその意図がわからなくて
浮かべる戸惑いだ。その抱擁が性的な意味を含むのか、それともただ親愛の念からくる
スキンシップなのか。それを判断できなくて混乱したこなたの心が、きっとあの顔を浮かべ
させるのだ。
――それが、アセクシュアルとして生きるということなのだろう。
アセクシュアルは、疾患でも障害でもなく、ただのセクシュアリティだ。それは私が
両性愛者であったり、つかさが異性愛者であることと同じように、ただそうであるという
だけだ。そこにはトラウマも遺伝子も育て方も関係がない。ただ、こなたはそうだった。
その青い髪がさらさらと綺麗なのと同じように、そのエメラルドグリーンの瞳が深い色を
して煌めくのと同じように、ただこなたはアセクシュアルだった。そんな単純で身も蓋もない
事実、それだけだ。
――他者に対して性欲を持たない。
アセクシュアルの一番狭義の定義はそのようなものだったけれど、他にも様々な要素が
あるようだ。セクシュアリティとしては未だ明確な定義がなくて、精神科医や心理学者に
よっても定義が異なるし、それを自称する人も千差万別だ。
他者に対しては向かわないけれど、性欲それ自体は持つ人もいる。手を握ったり肩を
抱いたりすることも嫌がる人もいる。多少の性的接触なら受け入れることができる人もいる。
それを生理的に嫌悪する人もいる。
けれどこなたがアセクシュアルだと云ったとき、私は驚くと同時に、少しだけ腑に落ちた
気がした。
『だってそういうのよくわかんないんだもん』
スカートの中が見えるのも気にせず、足を広げて椅子にまたがっていたこなたのことを
思い出す。
『もういっそ男子みたいに濡れるの気にしないでそのまま帰ろっかなー』
梅雨の時期、傘を忘れたこなたはそんなことを云っていた。ブラや身体の線が透けても
いいやと云っていたこなたに、私は『恥じらいを持て』と云ったのだ。
『ふー、暑い暑い。こんな日は制服がスカートで良かったって思うよねー』
真夏の電車の中、男の人が見ているのもまるで気にせず、こなたは平気でスカートの中を
下敷きで扇いでいた。
性的な関心というものが理解できなければ、自分の身体に対して向けられるそれにも
無頓着になるのだろう。一見恥じらいがないように見えるこなたのそんな態度も、そういう
視線が理解できないがゆえの行動だと思うと、なんだか納得できる気がした。
自分の幼い身体を逆手にとってスクール水着を着てみたり、男の人の前でコスプレ姿を
晒したり、18禁の同人誌を作者の目の前で買ってみせたり、べたべたとどこまでも無邪気
にひっついてきたり。性的な衝動を持つ私なら恥ずかしくてできないそんな行動も、こなたは
まるで顔を赤らめることもなく平気で行っていた。
ときに呆れるほど男の子みたいに。
ときに目を見張るほど女の子らしく。
こなたから受けるそんなイメージは、こなたがアセクシュアルであることと関係があるの
かもしれないと私は思う。
こなたは、いつだって周りの人の本質を見通した。見た目に惑わされず、その人の性格の
いいところだけを見つめて、そうして素直にそれを賞賛してくれた。
つかさが天然だけど優しくて、実は芯がしっかりしていることだとか。みゆきが博識だけど
ドジなところもあって、上手く周りに溶け込めないと気にしていることだとか。私が――実は
寂しがり屋だったりすることだとか。
こなたはよくそれをネタにして遊んでいたけれど、そうやって弄られることを不愉快に
感じる人は誰もいなかった。それはこなたがそのことを認めてくれているのがわかるから。
こなたが自分のことを理解してくれているんだとわかって、嬉しくなるからだ。
こなたは、ただ真っ直ぐにそれを見つめて、そうしてそれを褒めることで周りの人を幸せに
してしまう。本人が気にしていたり、気づいてすらいなかったりする特徴を、全部“萌え要素”に
変換することで、その人を救ってしまう。
そんな風にこなたが他人の心の形を見通せるのは、もしかしたら肉体に惑わされることが
ないからかもしれないと私は思う。性欲を感じないこなたにとって、そういう衝動がまるでない
こなたにとって、他人とはあくまでもその人の心そのもので、肉体はただの付属物にすぎないの
かもしれない。
だから、照れもせずに他人のことを褒められる。
であるならば、それはこなたが持っている素敵な個性以外の何物でもないと私は思う。
決して“異常”だとか“ハンディキャップ”だとか“障碍”だとかではありえない。
――だって、そんなこなただから私は好きになったのだ。
「――かがみ、わたしのこと好きなんだよね?」
沈黙の中、泡のようにぷかりと、こなたの口から言葉が浮かび上がってくる。
それに気づいていなかったら、こなたがあんなことを話すはずがない。そんなことは
最初からわかっていたことだった。だから私は隠すことなくうなずいた。こなたに対して、
初めてその想いを口にした。
「――そうよ。ずっと好きだった。ずっとずっと、あんたのことが好きだったのよ」
「――ん。あんがと」
「……いつから、気づいてたのよ」
「そんなに前からじゃないよ。お墓参り行ったあとくらいかな」
「隠してたつもりだったんだけどな」
「そだね、隠してた。でもあの日、かがみはわたしのこと好きだって云ってくれたじゃん」
「あ、あれはでも……。そういう意味で云ったんじゃないわよ」
「そうなんだけどね。それまでのこととかそれからのこととか、色々考えてみたんだよ。
そしたらなんかわかっちゃった」
こなたは、宙を見つめながら夢見るようにそう云った。一体どういう光景を思い浮かべて
いるのだろう。その光景を、一つ一つ覗いてみたいと思った。一つ一つ覗いて、そうしてその
全てを打ち壊してしまいたい。そのとき私は、本気でそう思っていた。
「……ごめんね、こなた。本当にごめん」
「なんで……なんで謝るの?」
「だって、怖かったでしょ?」
私がそう云うと、腕の中のこなたはうつむいた。うつむいて、視線を逸らして、そうして
抱きしめた私の腕を外して逃れようとする。けれど私はその度にこなたの身体を抱え直して、
これ以上逃げられないように抱きしめる。やがて観念したようにその動きを止めて、
こなたはうつむいたままぽつりと云った。
「――少し、怖かった。またあんな風になっちゃうんじゃないかって」
顔に当てた袖をぐしぐしと動かしている。拭っても拭っても、こぼれ落ちる涙は止まらない
ようだった。
――それに気がついたとき。
私がこなたに寄せている感情がただの友情ではないと気がついたとき、こなたは一体何を
思ったことだろう。私は暗澹とした気持ちでそれを想像する。
高校生になって、心から信頼できる親友たちができて、きっとそれまで表に出せなかった
本当の自分を、こなたはさらけだすことができたのだろう。『ありがとう』とそうじろうさんは
云っていた。こなたは明るくなったと、そう云っていたのだ。
――なのに。
よりによって、一番の親友となった私がこなたに性的な関心を寄せていたのだ。
それを思うと恥ずかしくて、情けなくて、いたたまれなくなる。こなたのことを裏切った。
そんな気がした。
こなたはアセクシュアルである自分が異性を傷つけてしまうのを怖がって、この三年間
意図的に男の子を遠ざけてきたのだろう。口ではロマンスがどうのと云いながら、まるで
彼氏を作ろうとしていなかったことからも、それはよくわかる。そうして異性を遠ざけて、
同性の友達の中でこなたは心から安らぐことが出来ていたはずだった。
――なのに。
まさか、同性の私に恋心を寄せられるだなんて、思いもしなかったことだろう。
――死んでしまいたいと、産まれて初めて思った。
こなたへの恋心を自覚して、色々なことを考えた。受け入れがたいと思ったこともあった。
どうして自分がと悩んだこともあった。それでも私はそのようである自分のことを恥じたことは
なかった。こなたへの想いそのものを否定しようとしたことはなかった。
けれど、このとき初めて、私は自分の恋心を恥じたのだ。
「――でも!」
弾かれたようにこなたは顔を上げて、じっと私の目を見つめ出す。目尻に溜まっていく
涙が表面張力の限界を試すように膨らんで、そうして次々に流れ落ちていく。
「嬉しかったよ。わたし、凄く凄く嬉しかったよ。だからそんな顔しないでよ」
「――こなた」
どうしてなのだろう。どうしてこなたはこんな風に、私のことをいつでも救ってくれるの
だろう。
溢れそうな想いを一体どう伝えればいいのかわからなくて、私はただこなたのことを
抱きしめた。それ以外のことは何もできなかった。それ以上のことは、私には初めから
許されていなかった。
そうして思う。
――もし。
今までの一年間。こなたへの想いを隠しながら過ごしたこの一年間、もし一度でもその
想いを溢れさせてしまっていたなら。理性の手綱を放棄して、もし一度でも欲望のまま
こなたに対して性的な行為に及んでいたなら。
一体何が起きたことだろう。
こなたの心にどんな傷を与えたことだろう。
それを考えると、背筋が粟立つ思いがするのだった。
「かがみだったらって思った。本当にわたし、かがみだったら大丈夫かもしれないって
思ったんだよ。――わたしにも、ちゃんと恋ができるかもしれないって」
私の頬に手を当てて、こなたが云う。流れる涙をせき止めるように手を当てて、こなたが云う。
「でも、駄目だった。可愛い服着て、メイクなんかもやってみて、気持ちを盛り上げてキス
してみたけど――駄目だった。ねぇかがみ、わたしとキスしてて、どんな気持ちだった?
恋していると、キスってどんな感じなの?」
「――頭の中が真っ白になって、何も考えられなかったわ。心臓が爆発しそうで……
た、倒れそうになるくらい体中が痺れてて。嬉しくて、でも切なくて、叫び出しそうだった……」
「――そう……わたしは、そんな気持ちになれなかったよ。ただ唇だって思っただけだった。
唇が唇に触れてるんだって。それがかがみの唇なんだって思ったら嬉しくなったけど、
それって、ほっぺでもおでこでもあんまり変わんないなって思った」
そう云って、こなたは私の頬にキスをした。いや、それはキスではなかったかもしれない。
ただ涙を口に含もうとしたのかもしれない。それでもこなたの唇が触れた箇所が、じんと
熱を帯びるように痺れていく。なんて浅ましいのだろうと私は思った。
「――苦いね」
「――そうね……凄く苦い」
口に含まなくてもよくわかる。
それが、私の初めての恋の味。
「ごめんね。かがみの気持ちには答えらんない」
――わかっていた。それは云われなくてもわかっていた。
けれど改めてこなたの口から云われると、それはやっぱり苦しくて。心臓が錐で刺された
ように痛んだ。
「……でもお願い。それでもお願いかがみ。これからも、わたしの一番の友達でいてくれる?
わがままだって、わかってるけど……」
「――あ、あたりまえじゃないの! あんたから目を離したら何しでかすかわかんないじゃない。
た、頼まれたって放ってなんておけないわよ」
いつもみたいに強い口調で云おうとしたけれど、まるで駄目だった。声は掠れていて弱々しく、
ろれつも回らないでつっかえた。私のセリフは、そんなみっともないものだった。
「――ありがとう」
けれどこなたはくしゃりと笑って。
そうして私の胸に飛び込んでくる。
ふわりとした柔らかな感触。ひるがえった青い髪。
私の背中にぎゅっと腕を回して、すがりつくように胸に顔を埋めていた。
あの秋の海岸で、そうしてきたように。
みゆきみたいに大きかったらよかったのにと私は思った。みゆきみたいに女らしい胸だったら、
もっともっとこなたのことを包み込めるのにと、私は思った。
けれどこんな私の中途半端な胸でも、もしかしたらこなたが産まれて初めてすがりつくことが
できた胸なのかもしれない。そう思うと、なんだか自分の身体が誇らしかった。
「――魔法使いちゃんは、彼のことが好きだったみたい」
――唐突にこなたが呟いて。
私はその意味が飲み込めたと同時に、ぐっと天を振り仰ぐ。
先ほどを倍して膨れあがった涙の川が、こなたの頭にこぼれ落ちていかないようにと、
そう思って上を向く。
――そんなのは。
――そんなのは、余りにも悲しすぎる。
まなじりから溢れた涙が、耳の裏を伝って首筋へと流れ込んでいく。
涙に滲んだ視界の向こう、ぼんやりと壁掛け時計の文字盤が見えていた。
――十二時。
物なべて祝福されるべき聖夜に、神の奇跡などどこにもない。
雪に閉ざされたこの部屋に、聖霊の気配などまるでない。
ちらばったクラッカーの紙テープ。
飾りつけられたクリスマスツリー。
壁にかけられたガーランド。
そんなクリスマスムードに溢れたこの部屋に、神への祈りに満ちたこの部屋に、ただ私と
こなたの啜り泣きだけが響いていて。
私は初めて、クリスマスを憎んだ。
(つづく)
以上です。
ごらんになった通り、次回に続きます。
それではありがとうございました。
切なすぎて…何を書けばいいのやら。
GJとかそういう言葉を超越した気持ちに包まれています。
この2人に救いが来る事を願いたいです。
>>226 GJ ! そういうオチかw
でも無理にオチつけなくてもこれはこのままで面白かったかもw
>>231 笑いが止まらんGJ ! あんた奇才だなwww
>>250 リアルタイムで読んでましたGJ !
なんという切なくて残酷な恋・・・胸が張り裂けそうです
それでも不完全な二人が支えあって、この先一緒に歩んで行けたらな・・・と思ってます
>>250 分かるよ、こなた。俺も同じだから。
恋の仕方なんて、とうに忘れちゃったから。
願わくばそれでも二人の絆が途切れませんように。ぐっじょぶ。
>>253 連レス失礼、感傷も吹っ飛ぶほどリアルで笑い転げました。
痴情最強の美少女、バイオニック・かがみん乙。
>250
こなたが、アセクシュアル―― 性的欲求が無いという解釈は興味深かったです。
これによって、ふたりのやり取りは、一見、とても温かく優しいように見えて、
超えることができない断絶がある、ひどく酷なものになったように思えます。
>「――そうよ。ずっと好きだった。ずっとずっと、あんたのことが好きだったのよ」
>「――ん。あんがと」
特にこの2行の台詞が、2人の相手に対する感情の差が如実にでていました。
かがみは全ての想いをこめて、「好き」をぶつけているのに対して、
こなたは、「好き」を、単なる言葉の一つとして受け止めたに過ぎなかった。
こなたにとっては、かがみが自分に向ける愛情を理解しえないもの、想像すらしがたいものであったようです。
とても綺麗な文章であったにも関わらず、(むしろそれがゆえに)話の展開としては、
救いがないものに感じました。
どんな結末に向けて物語が動いていくのか…… 続きをとても楽しみにして待っております。
>>250 読んでて目が潤みそうになった。
皆が言うように切なく、残酷で。
でも「秋/静かの海」のそうじろうさんが言ってた「ただ在ればいい」の意味が分かってきた気がする。
恋とか愛とかそんなのじゃなくて、世界のどこかでお互いが繋がっていれば存在していけるという
ある意味悟りに近いものがあるのかもしれない。
かがみとこなたもそういう感じになっていくのだろうか、それともまた別の絆になるのだろうか。
もうね、GJ連発しても足りないわw
この結末が何にせよ、2人には幸せになって欲しいやね(幸せと言う言葉も陳腐なのかもしれんが)
>>253 着ければバストが2倍になるコナタ社のブラ…とか言ってみるw
投下を準備される方がおられなければ、投下をさせていただきます。
>>250 おお、なんと酷な……
かがみはもはや人間的な欲望を捨てて、ある種宗教的な神の
愛のようなものに生きるしかないのでしょうか。
かがみは人間的な欲望を超えた、聖女のようにならなければならないのでしょうか。
悲しい、誰も悪くないこの世界が余りに悲しい……
「黄昏の巫女」
つかさ×みゆき
※注意事項
・ダーク(苦手な方は、回避願います)
・一話完結もの
・エロ描写あり
・Elope関連
・4レス使用
家に戻ってから2日後の夕方。
地面に激しく叩きつけるような強い雨が、やや弱くなった頃、私の携帯が震えた。
ゆきちゃんからだ。
「つかささん。少し、お話したいことがあるんです。お時間をいただけませんか? 」
「明日ならいつでも空いているよ? 」
しかし、ゆきちゃんはどこか切羽詰まった口調でかぶりを振った。
「いいえ。実は、つかささんのご自宅の近くの駅まで来ているのです」
私は驚いた。ゆきちゃんの家はかなり離れているから、今まで、
お互いにアポなしで会いに行くという事はなかった。
「雨の中、大変心苦しいのですが、駅前の喫茶店まで来ていただけますでしょうか? 」
幸いにも私の今日のスケジュールは空白だ。
私は笑顔をつくって、電話口にいる同窓生に向けて答えた。
「ゆきちゃん。私の家に来てくれないかな? 」
「いえ。あの。しかし…… ご迷惑かと思いますし」
妙に口調がしどろもどろになっている。少し考えた後、私は答えを見出した。
「家に今、誰もいないよ」
「よかった…… 」
あきらかにほっとしているようで、彼女は、自分の独り言が相手に
聞こえてしまっていることに気がつかない。
明日までお父さんとお母さんは旅行に出かけている。
お姉ちゃん達も、皆外出していて、帰宅は夜遅くなると聞いている。
「お言葉に甘えてよろしいでしょうか? 」
「もちろんだよ。ゆきちゃん」
私の返事に、ゆきちゃんは嬉しそうにお礼を言ってから電話を切った。
急な来客を迎えるために、準備を始めてから20分後、玄関先に備え付けてあるチャイムがなった。
「いらっしゃい。ゆきちゃん」
「急に伺ってしまい、申し訳ありません」
なおも恐縮しているゆきちゃんを部屋に通して、シュークリームと紅茶を運ぶ。
しばらく静かな時間が過ぎた後、香気を漂わせている赤い液体で唇を湿らせたゆきちゃんが口を開いた。
「今日は、つかささんにお願いしたいことがあって参りました」
妙に改まった口調と表情だ。
「なあに? 」
ゆきちゃんは、大人びた顔立ちに物憂げな表情を一瞬、ひらめかせてから話を切り出した。
「もう…… 泉さん達を追いかけるのはやめにしませんか? 」
しばらく経ってから、私はゆっくりと口を開いた。
「どういうことかな? 」
ゆきちゃんは、ひどく緊張した面持ちで話を続ける。
「泉さんと小早川さんをそっとしておいてあげませんか? 」
「…… 」
「今回の追跡によって、お二人を精神的に追い詰めてしまったのではないのでしょうか? 」
ゆきちゃんは、無言を続ける私に向って説得を続ける。
「それに、いくら追いかけても、お二人の絆は引き剥がすことは叶わないと思います。
つかささんにとっても、蜃気楼を追い求めるような行為は、労ばかり多くて益が無いのではないでしょうか」
ゆきちゃんは、かなり思い悩んでいるらしく、表情に疲労と苦悩の色がはっきりと表れている。
もともと凄い美人だから、憂色に包まれた表情は妖艶とも表現できるのだけど。
「ふうん」
私は、小さく相槌を打って続きを促す。
「私があまり言えることではありませんが、つかささんのなさりようは、
やや常軌を逸しているように思えます。お互いに離れ離れでも、
平穏な生活を楽しむ訳にはいかないのでしょうか? 」
「そうだね。『ゆきちゃん』が言えることではないよね」
私は卑劣と十分に分かった上で、ゆきちゃんの自省の言葉に付け込んだ。
延々と繰り出される戯言を聞いているのにも飽きたことだしね。
「ゆきちゃんは、去年の12月に、こなちゃん達に酷い事をしたよね」
「お願いですから、言わないでください! 」
あからさまに狼狽している姿を見ていると、もう少しだけいじめたくなってしまう。
「ゆきちゃんは、あの時、こなちゃんとゆたかちゃんを別れさせたくて、いろいろたくらんだよね」
「やめてくださいっ」
ゆきちゃんが私に縋りついて哀願する。でも、だめだよ。
「ゆたかちゃんとこなちゃんの二人が付き合っている話を、ゴシップネタみたいにして
面白おかしく生徒の間にひろめたり、学校の先生や、ゆたかちゃんのお母さんに伝えたりして、
仲を引き裂こうとしたよね」
「嫌ぁ、やめてください! 」
ゆきちゃんは、幼い子供のように耳を塞ぎながら、首を左右に振って泣き叫ぶ。
「でも、本当はゆきちゃんこそが、こなちゃんの事が好きだったんだよね」
「お願いですから、それ以上、苛めないでください! 」
「自分が利己主義の塊なのに、どうして他人に正義を押し付けるかなあ」
「ごめんなさい。許してください! もう言いませんから」
そろそろ可哀そうになってきたかな。
私は、小さく苦笑すると、泣きじゃくるゆきちゃんの傍まで近づいて、
首の後ろに手をまわしつつ、もう一方の手で顎をつまむ。
「つ、つかささん!? 」
みゆきさんの戸惑った声は鈴のように澄んでいて、とても心地良い。
「ゆきちゃん。そんなに自分の過去を責めなくてもいいよ」
私は一転して、耳元で甘すぎる言葉を囁いた。
「ごめんなさい。でも、わたし、泉さんと小早川さんに酷い事を…… 」
「ううん。違うよ。ゆきちゃんは自分の愛を貫いただけ。
誰かを愛するということは、別の誰かを必然的に傷つけることになるの」
私は、小さな声で本音を言った。
私だって、こなちゃんのことが、ゆたかちゃんに負けないくらい大好きだ。
大学に行くまでは少なくとも、こなちゃんと一緒にいられると思っていたのに、
私の小さな幸せである『お昼ごはんをこなちゃんと一緒に食べること』を無残に奪ったのは、
幸せ一杯のゆたかちゃんだった。
でも、その時の私はとても非力だった。
愛する人を自分の手に奪おうとして頑張ったのは、私ではなくて、お姉ちゃんやゆきちゃんだった。
「だから、ゆきちゃんは自分を誇っていいよ」
「そう…… でしょうか」
「うん。だから、もう泣かないで」
ゆきちゃんが、首を縦に振ってくれたことを確認してから、私は、
既に近づけていた唇をゆっくりと重ねていく。
ゆたかちゃんよりは少しだけ硬いような気がした。
ゆきちゃんの秘所を弄んでいくと、彼女の喘ぎ声は少しずつ大きくなっていく。
とても豊かな胸を揺らして喘ぎまくる、高校時代のクラスメイトの裸身を鑑賞しながら、
私はぼんやりと考えこんだ。
こなちゃんとゆたかちゃんをいきなり、引き離すという試みはやっぱり無謀だ。
いきなり満点を求めてはいけない。中途半端に見える結末だけど、こなちゃんと
ゆたかちゃんが籠る殻に、小さな亀裂を入れただけで満足しなくてはいけない。
今後、私がすべきことは何だろう?
嬉しそうに腰を振っているゆきちゃんのアソコをいじくり、愛液の感触を指に感じながらも、
努めて冷静になって思考を進める。
決して焦ってはいけない。
こなちゃんもゆたかちゃんも、私が黒幕であることに気づかないほど愚かではない。
この期に及んで、お姉ちゃんのような性急な行動は、相手の感情を逆なでするだけだ。
もちろん、時には不意を突く必要はあるけれども、今はその時期ではない。
「つかささん! ダメです…… いくっ、いくっ! 」
長い髪を振り乱して、快楽の沼地に嵌りながら、悦楽に身を委ねるゆきちゃんが、
ひどく遠い存在に感じる。
私は、ゆきちゃんが絶頂に至る手助けをする為に、愛液で濡れた指で秘裂をかき回し、
心の中だけで溜息をつきながら、異郷の地にある想い人の姿を思い浮かべた。
こなちゃんは、どんな声で鳴いてくれるのだろう。
ゆたかちゃんとエッチしている時みたいに、感じてくれるといいのだけれど。
ゆきちゃんとの性行為が終わると既に雨はやんでおり、周囲は黄昏から夜の領域に入っている。
雨に濡れた紫陽花の香りを包んだ濃厚な空気が、網戸をくぐり抜けて
微かに鼻腔をくすぐるのを感じながら、私はこなちゃんを、ゆたかちゃんの手から取り戻す計画を練り始めた。
(了)
以上です。
ありがとうございました。
遠い目標ですが、『4seasons』の作者様のような、綺麗な文章をいつか書いてみたいですね。
>>265 リアルタイム投下乙。
ますます輪をかけて黒化していくつかさにgkbr。
>>265 動き出してしまったか、つかさ……。引き続きはらはらしたいと思います。
でも、つかさって「自分の視界外」には無防備に見えるのですが。
かがみと姉さんズの動き、気づいているのかいないのか? ぐっじょぶでした。
268 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:14:55 ID:MxeRXpIy
はじめまして初投稿言ってみたいと思います。
2レス
かがみとつかさ男性化
何か馬鹿らしい作品
20分に投下開始
269 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:20:51 ID:MxeRXpIy
放課後の教室でみんなと話している。
このグループの中の唯一の女である私、泉こなた
と残りの男二人の鏡、宰。
「ねえ…二人の好きな人って誰?」
女が男に聞くような質問ではない…
「なっ…なんてことを聞くのよあんたは!!」
「んっふっふ…その反応という事はいるんだね…
隣のクラスのみさきち?峰岸さん?」
こういうおちょくりが面白かったりする。
「馬鹿!!そんな事を聞くな!!」
「んっとね…私はこなちゃん…」
えっ…宰さん、いま何か変な事を言いませんでしたか?
私の事を好きって?いやいやいやいや…そんな事は有り得ない!!
…あ〜そう言えば隣のクラスにこなみ、という可愛い女の子が居たような。
私は、宰のフラグは全く立てていないはずである。
私を好きになるなんて馬鹿なことがあるもんか。
こんな貧乳で需要なしの人間に恋する何て事が
「宰!抜け駆けは許さないわよ!」
さっきまで、意地でも言わないと言いたげな顔をしていた。
兄の方がムッとした顔をして一言。
「えっ?お兄ちゃんも」
何だかよくわからないけどここは逃げるべきなのかな?
「二人とも誰の話をしているの?」
「えっ?こなちゃんの事だよ」
270 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:21:19 ID:MxeRXpIy
「一応聞くけど、隣のクラスの子の事だよね?こなみちゃんの事だよね」
「それって誰?」
「何言っているのよ、あんたよ、私はあんたのことを言っているのよ」
二人同時にすぐに返答が来た。いや待てあんたらは好きな女子の前に
特にフラグを建てていない状態で私に告白するのか!?
正直そう思った。
「ねえ…こなたはどっちが好き?」
二人は同時に私に迫ってくる。
いや…そんな突然に迫られても返答に困るんだけど
って何で服に手を触れているんですか。
逃げられない状況となってしまった。いやいやいやいや…
逃げられるのは逃げられるのだけど暴力をふるうのはもうやめたんだよ。
「…こなた」
「…こなちゃん」
何このどこのギャルゲーにも存在しないようなこのシチュエーションは、
こんなシチュエーションがあったらクソゲーだよ!?
「待って待って二人ともこんなのおかしいよ!!」
しかし…二人は聞く耳を持たない、まさに媚薬にやられたという感じである。
んっ…?そう言えば確か…あっ!!そう言えばみゆきさん
何か変な薬を作っていたような記憶が
それでかがみとつかさに試してみたから…やってみようと…
何でそんな事をしたかというとひよりんに801のヒントをあげるためとかなんとか
だから、放課後は二人に近付くなという感じでうわーなんてことを思い出すんだよ!!
今頃!!
アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!
完
希望が多ければ続きも書いてみる。(18禁の部分は書いたことがない)
ちなみにこなみの名字はこまんど(どうでもいい)
>>270 い、違和感が……具体的に言うなら「固焼き煎餅だと思って食べたら、異様にもちもちぷにぷにした食感」くらいの違和感が。
話自体は面白いかも知れないけど、ちょっと。
・男性化作品なのに口調が元のまま(かがみは特に違和感
この点が。……元々女でみゆきさんの薬で変化した、とかならまだ納得は出来るけど。
>>270 きめえええええええ!!!!!
気持ち悪い文章読ませるんじゃねえ!
きめえんだよボケが!
二度と来るな!糞が!!!
274 :
9-727:2008/07/28(月) 03:54:06 ID:AUZSXNEN
お久しぶりです。
ふとみなゆたの甘いのが書きたくなったので時間も気にせず本能の赴くまま書いてしまいました。
一レスと短いですが、二人のバカップルぶりが伝わればと思います。非エロです。
「ゆたか」
二人きりの部屋の中、みなみはふと、
自分に抱きつかれるようにして座っている目の前の友人の名を呼びたくなった。
「どうしたの、みなみちゃん」
くるりと顔をみなみのほうに向けてゆたかは言ったが、
不意に出た言葉であったから、みなみの口から続く言葉は出てこなかった。
「ううん、なんでもなかった」
適当な話題を作っても良かったのだが、みなみはそうしなかった。
ただ、ゆたかの顔が見たかっただけかもしれない。
ゆたかを後ろから抱いている今の状態では、後頭部しか見えないから。
だから、こっちを向いてくれたゆたかの顔が見られただけでみなみは重々満足して、
それ以上のことをゆたかに求めはしなかった。
みなみは、ゆたかとのおしゃべりが好きだが、何も話さないでいる時も好きだった。
こうしてゆたかと触れ合っているだけで、みなみはゆたかの全てを感じられる気がした。
また、自分自身のこともゆたかに全て伝わっていると感じていた。
「そっか」
だから、ゆたかがそれ以上の言葉を言わなかったのも、
きっとみなみの心を知っていたからだと思った。
再びみなみに後頭部を見せると、ゆたかは少しだけみなみにもたれかかった。
「静かだね」
みなみの自宅は通りに面しているが、ほとんど車の通行はなかった。
ときおり風に揺られた木々が葉を奏でるだけで、
後はごく稀に小鳥のさえずりが聞こえるだけだった。
目を閉じると、ゆたかの小さい呼吸の音さえも耳に入った。
ふう、ふう、と一定の間隔で聞こえるそれは、
ゆたかが確かにそこにいることを知らせてくれる。
「ひょっとして、ゆたかも目を閉じている?」
なんだかそんな気がして、聞いてみた。
「うん。目を閉じると、みなみちゃんが呼吸しているのが分かるんだ。
それだけなんだけど、不思議だね。みなみちゃんをもっと近くに感じられる気がする」
「私も」
みなみは今この瞬間、自分達は世界中で一番近くにいる二人だと思った。
単純な体の距離だけでなく、心の距離も。
おそらく、後者は限りなく一つに近いと感じていた。
いつしか呼吸の音も一つに重なると、今度は体だって一つに近づいている気がした。
この心臓の音は自分のだろうか、果たしてゆたかのだろうか、分からなかった。
心地よい温かさはみなみの体温のせいか、ゆたかの体温のせいか、分からなかった。
すると一瞬、みなみはゆたかが消えてしまったのではないかという錯覚に陥った。
そのとき感じた不安は本当に一瞬のものだったが、
思わず閉じていた目を開けさせるくらいにみなみの心を大きく揺さぶった。
もちろん、ゆたかはそこにいた。
しかし、目を閉じる前に見たゆたかの後頭部は見えず、
その代わりに、まるで大切なものを無くしかけたかのようなゆたかの顔が目の前にあった。
「……ふふっ」
「ふふふ、あはははっ」
しばらく見つめあったあと、封を切ったようにみなみ達は笑った。
まるで、「消えるわけないじゃない」とでも言い合うかのように。
後ろからの抱きつき、というのはシチュ的に大好きです。
どういうわけか、普通に抱き合うよりも甘い気がします。それでは失礼。
>>276 鼻から砂糖水出た。この子らはもう……っ!
私信ですいませんが、昨日(か一昨日)のジェバンニ以来、背後に誰かの気配を感じるんです。
振り向いても誰もいなくて、たまに薄い紫、というかそんな感じの髪がチラリと見えて……
誰か助けてください。このままでは……
>>250 …そういうことでしたか。
なんだろう、凄いとしかいえないです…
この先がまるでわからなくなってしまった。
どうなっちゃうんだ二人とも…
そういえば、今日二十歳になった(俺が)。これで堂々とスレを読める!
・・・数ヶ月前からこっそり見ていたのは秘密。
その抑え切れなかったリビドーをSSへと昇華する作業に早速入るんだ
それと成人おめでとう
>>279 おめでとう、だけどこの板のルールは
>【PINKちゃんねるは18歳未満立ち入り禁止】
なので19歳なら問題ないはず…
まてまて。今の小学生は「未満」と「以下」の違いを教わってないかもしれないじゃないか。
もしそうなら無限ループになっちゃうぞ(´・ω・`)
285 :
ふた☆自重:2008/07/28(月) 18:52:09 ID:wexZUDIH
細かいこと気にしてたら禿げちゃうよ
未満だから18歳からおk
未満と以下の違いを理解してない馬鹿と
嬉々として突っ込み入れて笑い者にする奴がいたってこと
ああ、続けて読めばおかしいとこないな
俺も馬鹿の側だったか
>>285 これはまた強力なものを…
っていうかあなたは本当に絵上手いなぁ
愛の力で当社比50%アップですな!(なにが?
ここ数日のラッシュは一体何でしょうか?
ほのぼのからシリアス、笑いからダーク、エロまで……
まとめてて申し訳ないですが、皆様GJです!
問題なければ5分くらい後にSS1発投下したいと思います
>>270 男性化してるなら言葉遣いくらいは変えたほうがいいと思う
へこたれずにまたSSに挑戦してみてくれ
にしてもTSものに過剰反応する奴らが増えたなあ
昔はジャンルのひとつとして認められてたのに
ただでさえネタ枯渇してるのに、職人さんの自由度奪ってどうすんの
男性化と注意書きあるし問題ないと思うが
>>276 甘々Gj ! なんという安定度を誇るカップルなんだろうw
>>285 いいぞもっとやれw
295 :
LD:2008/07/28(月) 21:58:31 ID:Krk59VxE
夏休みになりましたが、そんなものに関係なくお仕事なLDです。
暑い日が続いてますが、クーラーの効かせ過ぎなど気をつけていきましょう。
「こなた&ゆたか」シリーズ番外編その3書いてみました。
『2人の誓い』のすぐ後の話になります。
注意書き
・「こなた&ゆたか」シリーズ『2人の誓い』の続き
・そうじろう&かなた
・ゆったりまったり
・エロ無し
・3レス+後書1レス使用予定
では参ります。
「ふぅ……とりあえず今夜はこのくらいにしておくかな」
執筆中の小説も一区切りついて伸びをしつつ時計を見れば、既に2時を回っていた。
こなたとゆーちゃんも部屋で寝てる頃だろうな、と思いながら冷蔵庫からビールとつまみになりそうな物を取り出して居間へ行く。
1人でビールを飲みながら仏壇に目をやれば、いつも通りかなたが優しい笑顔でこちらを見ていてくれる。
軽く酔いを感じながら仏壇の前に座り、微かに線香の香りが残る中、リンを静かに鳴らしてかなたへ語りかける。
「時間が経つのは早いものだなぁ。この前高校生になったと思ったら今日は卒業式だよ」
『子供が成長するのはあっという間ね、そう君』
「全くだよ。そんなに急いで大きくならなくてもいいのになぁ。まぁ体は小さいままだけどな」
『本当にね。私が望んだのとは全く逆に育っちゃったわね』
「背はお前に似ず、性格は俺に似ず、だったかな」
『ええ。背はしょうがないかも知れないけど、趣味は全面的にそう君の英才教育のおかげね』
うぐ……苦笑交じりの響きが痛いところを突く。
「し、仕方ないだろ! 俺にはこんな育て方しか出来なかったんだから!」
『ふふ、そうかも知れないわね……でも、趣味はともかく真っ直ぐないい子に育ってくれたわ』
「ああ、本当にな。俺の事を反面教師にでもしたのかな?」
『何言ってるの。そう君がいい事とダメな事をちゃんと教えたからでしょ』
「え? そ、そうか? いやぁそんな事したっけかなぁ、ははは」
『誤魔化さなくてもいいのよ、そう君? ずっと見てきたんだもの。ちゃんとわかってるわ』
労わるような声音に優しげな笑顔がすぐに思い出されて、思わずこっちも頬が緩んでしまう。
「そっか。俺達の事、見ててくれたんだ」
『そうよ。私が死んで挫けそうだったそう君がちゃんと立ち直るところも、ゆきちゃん達に支えられながらこなたの面倒を見てくれた事も。そう君とこなたが仲良く遊ぶところも、全部見てたのよ』
「ありがとうな、かなた」
『ううん、お礼を言うのは私の方。私はただ見てる事しか出来なかったのに、そう君は1人でも頑張ってこなたを育ててくれた。本当にありがとう』
「かなたの方こそ何言ってるんだ。俺1人じゃ何も出来なかったよ。ゆきやゆいちゃん達がいてくれたから頑張れたんだぞ。何より、お前が空のどこかで見てると思ったらいつでも頑張る気力が湧いてきたんだからな」
『そう、かな?』
「ああ、そうだとも。だから見てるしか、なんて言うなよ。これからもずっと見守っててくれよ?」
『うんっ!』
かなたの心の底からの笑顔を思い浮かべながら、ふと気づいた事を聞いてみる。
「そういや、ずっと見てたって事はだ。こなたとゆーちゃんが付き合ってるのも知ってる、よな?」
『ええ。女の子同士で恋するなんてビックリしたけど、そう君が言ってたように2人が幸せなら私も心から祝福するわ。そう君が信じた、私達の子供ですもの。親が祝わなくてどうするの?』
「そう言ってくれて嬉しいよ」
最後の、いかにも心外だ、と言う口調は拗ねたような表情と共に紡がれるんだろうな。
何にしても、かなたの言葉にほっと一安心する。
「それにしても、夢とは言えお前と話せてよかったよ。小説家ってのはこういう時には得だな。豊富な想像力の賜物だ」
『え? 夢じゃないわよ』
「……は?」
『だから、夢じゃなくて実際にお話してるんだってば』
その言葉に振り向けば、そこには純白のワンピースを着て、大きな翼を静かにはためかせるかなたが微笑んでいた……
「かなた、なのか?」
『ええ。久し振りね、そう君』
「本当に、夢じゃないんだな?」
『疑り深いのね。これでどう?』
かなたは拗ねたような顔をすると、俺のほっぺを摘んで
『それっ。ほっぺうにょ〜〜ん♪』
割と強く引っ張ってきた。
「いたいいたい! いたいってば、かなた!」
『ふふふ。どう? 信じる気になった?』
「ああ、信じるよ。何より、かなたが俺をこんな風に騙す訳ないもんな」
そう言って悪戯っぽく笑うかなたを抱き締めると、確かな感触と温もりが腕に、体に感じられる。
突然の事にかなたはビックリしたようだが、すぐに微笑むと抱き締め返してくれた。
「それにしても、どうしてこんな事になったんだ?」
『神様のご褒美、かな? そう君達が頑張ったから、こうして会わせてくれたのかも知れないわね』
「そっか……なかなか粋な事をする神様もいるんだな」
正直言って神様なんて大して信じていなかったが、こうしてかなたに会わせてくれるならこれからは毎日でもお祈りしてみるか、そう言えばかがみちゃん達の実家が鷹宮神社だったから巫女さんにも会えるな、なんて我ながら不謹慎なことを考えていると
『そう君? 巫女さんに会えるからお参りしようとか考えてないかしら?』
と、ほっぺを膨らませたかなたが腕の中から俺を睨みつけていたので
「いやいやいや! そんな事は、ないぞ、うん!」
慌てて今の考えの後半部分を頭から削除する。
まだ疑わしそうなかなただったが、呆れたような溜め息をつくと
『そう君らしいわ、全く。 でも無理にそんな事をしなくても、今まで通りに毎日楽しく過ごしてくれれば、前向きに過ごしてくれればまたいつか会えるわ』
「そんなものなのか?」
『ええ。特別な事は必要ないの。そう君達がそう君達らしく精一杯生きてくれれば、神様もそれをちゃんと見ていてくれるのよ』
「ん、わかった」
かなたの言葉を胸に刻みつけて力強く頷く。
『それじゃ、そろそろ行かないと』
そう言うかなたの姿は徐々に透き通っていって、体越しに俺の腕が見えるようになっていく。
「え? もう行っちまうのか? せめてこなた達に会ってやれないのか?」
『今回は挨拶するだけだったから……でも、夢で会うくらいなら出来るかも』
「そっか。じゃあ次はいつ会えるかな?」
『そうね……お盆の頃には会えるようにお願いしてみるわ。それならそう君やこなただけじゃなくて、ゆーちゃんにもゆっくり会えそうだしね』
「よし。じゃあ今度は2、3日はいられるように俺も頑張るぞ!」
『でも頑張り過ぎて体を壊しちゃダメよ?』
「わかってるよ。そんな事をしたらこなた達まで迷惑掛けちまうからな」
『じゃあ、もう行くね』
「あ。ちょっと待った!」
『なぁに、そう君?』
翼をゆっくりと広げるかなたをもう一度抱き寄せて、その唇をちょっと強引に奪う。
『んっ! んん……んぅ』
さすがに驚いたようだが、すぐに力を抜いて俺を受け入れてくれると、優しく抱き締めてくれた。
『んっ……ぷはっ、もう! そう君ってば!』
「はは、悪い悪い。でもせっかく会えたんだから、な?」
『む〜〜……えいっ。お返しよ!』
かなたはそう言いながら首に腕を絡めてくると、唇が軽く触れ合わせるだけだが、確かな温もりの伝わるキスをくれた。
『それじゃまたね。そう君』
「ああ。またな、かなた」
微笑み合いながら再会の約束を交わすと、かなたの姿はゆっくりと消えていった……
朝食の準備を済ませてこなた達を呼びに行くと、2人して抱き合いながらこなたのベットで安らかな寝息を立てていた。
「2人とも朝だぞー!」
「ん……おはよー、お父さん……って、何勝手にドア開けてるのさ?!」
「ちゃんとノックしたし、声も掛けたぞ。起きなかったのは2人じゃないか」
「え? そうなの? ゴメン、全然気づかなかったよ」
「それにしてもアレだ。朝からいい物を見せてもらったよ」
そう言ってニヤニヤと抱き合ったままの2人を眺めると、こなたの顔が一気に赤くなる。
「今更恥ずかしがる事もないだろう? 夕べや夏休みの告白に比べたら大した事ないじゃないか」
「いいからとっとと出てけ〜〜!」
「ん〜……どうしたの、お姉ちゃん? だめだよ、かなたさんにそんな事言ったら……」
「いや、ゆーちゃん。おかーさんに言ったんじゃないから……って、そうだ。お父さん」
「ん? どうした?」
「夕べお母さんに会ったよ。多分夢だったと思うけど、間違いなくあれはお母さんだった」
「そうか」
「私も見ましたよ、おじさん。私達の事をちゃんと認めてくれて、励ましてくれました」
「今度はもっといっぱいお話しようね、って約束もしたんだよ」
「そいつぁよかったじゃないか。じゃあ今度会う時に恥ずかしくないよう頑張らないとな」
「もちろんだよ! って、あれ? 驚かないの? 信じてくれるの?」
「2人がそう言うなら本当の事なんだろう。父親の俺が、娘のお前達を信じなくてどうするんだ?」
「う、えと、あー……ありがと」
「それより2人とも。朝ご飯が冷めちまうぞ。先に行ってるからな」
「あ、はい。あっ! おじさん、おはようございます」
「ん。おはよう、ゆーちゃん」
そんな風に話を切り上げてこなたの部屋を出る。
窓の外はいい天気で。
朝日が照らす中、1枚の白い羽根がひらひらと空に舞っていった。
299 :
LD:2008/07/28(月) 22:03:09 ID:Krk59VxE
以上です。
恐れ多くもかなたさんを登場させてしまった……何と言うか緊張しました^^;
「そう&かな」は一度は扱ってみたい話でしたが如何でしたでしょうか?
ところで数スレ前で妄想屋先生が描いたイラストを元に1本SSを書いているんですが、書き上がったら投下していいんでしょうかね?
>>294 証拠が無いのであまり言いたくないが、
過剰反応しているのは一名のような気がする。
>>299 もしも二人が実際に会話できたら、
こんな感じだろうと思わせる表現力にGJ!
>>299 オヤジ、さりげなく格好良いですな。GJ!
>>294 このスレでは割と寛容な方だが、元来TSは賛同者以上にアンチを抱えているものかと。
作家も、この程度の叩きなら耐えるべきだろ。
>>302 >>1に書いてあるが、気に入らない作品は黙ってスルーすればいいだけ。
事前に注意書きもあるんだからね。
第一、エロパロを楽しんでいる側の人間が、創作物の規制を推進する政治家みたいに
特定ジャンルの完全否定を展開してどうするんだよ。
百合というマイナーが、TSという別のマイナーを叩いてどうする。
スレ住人が異なる価値観の存在を許容しなければ、このスレはまともに進行しない。
そういうつもりで言ったんじゃなかったんだけどな。
何処のスレでも厨房が何人かは居る訳だから、この程度の叩きや煽りを気にするべきじゃないと言いたかったのだが。
ましてや、TS見たいな、嫌われるネタを使うなら叩かれる覚悟くらいしないと。
うん同意。そもそも気に入らないから叩いて追い出そうとしてるやつに
「気に入らないならスルーしろ」とか云っても解決になるわけない
百合化と男性化じゃキャラ改変の大きさが全然違うでしょ
その分反発の大きさも考慮しておいてしかるべきかと
…念のためいっとくけど、「俺が」「TSが気にくわない」っていってるんじゃないからね?
っていうか叩いてるのはまず確実に同じ人だから、気にしなければいいんじゃないの
改変に大も小もない
らきすたでは百合がメジャーでTSやオリキャラはマイナー
違いがあるとすればそれだけだ
厨がいるのは当然だから無視しろ、気にするなってのは正しい
でも耐えろ、覚悟しろ、と要求するのは叩きを容認するのと変わらない
幼稚な荒らしへの最大の特効薬は「反応しないこと」です
荒らしに反応したらあなたも荒らしです
「それじゃスレッドがまともに運営できない」というレベルまで達したら、
PINK規制議論板に報告してアク禁にしてもらうまでです
スルーしていればすぐにどこかへいなくなります
>>307 いやー、大小あるだろう
らきすた見て「かがみってこなたのこと好きなんじゃ」って思うやつはいても
「かがみって実は男なんじゃ」って思うやつはいないだろ
その「違い」がわからないのはちょっとやばいと思うぞ
>>309 そうだね、普通じゃないね……orz(←アニメを見て「かがみって実は男なんじゃ」って思った(妄想した)奴)
そもそもTS自体が叩かれているので、受け入れられないのはわかっている。
TS物書いてる本人としては、ちゃんとマイノリティだって自覚はあるし、場の空気も読んでいる。(俺個人はだが)
完全に個人的な意見としては『ここはあくまでもエロパロ(つまり主に成年向け二次創作全般)なんだから、TSとかが出るのも仕方がない』といった感じだが。
百合のどこがメジャーなんだ?
そういう傲慢な考えがスレを衰退させてると思うんだが
>>311 百合主義者の肩を持つわけでもないが、
「スレが衰退している」という事実はないし、
ましてそれが
「百合主義者の傲慢な考え」に起因している、
という証拠も何もないわけだが。
作品の9割以上が百合で占められているこのスレで紛糾すべき内容ではないな。帰れ。
>311
一般論ではなくて、「このスレでは」主流だと思う。保管庫見ても明らかかと。
ほとんど女しか出てこない作品なんだし。
つか、テンプレの
>☆基本的に百合マンセー
って誰の基本なんだ?
☆カップリングは自由
とか書いてるくせに『基本的に』百合マンセー
っておかしくないか?
さらに言うなら、801は禁止ってのは801板でやれってことだよな?
だったら百合もレズ・百合萌え板でやるべきだと思うんだが。
なんかもう十何スレ目からずっと気になってたんだが
さて単発IDがそろそろ目立ってきた件について
>>310 うーんと、百合がメジャーかTSがマイナーかじゃなくてさ、「かがみが男」と
「かがみがこなたを好き」で本当にらきすたファンに対する受け入れられやすさが
イーブンだと思うのか、といっているわけで。
というか百合に限らず「オレのSSはメジャーだから文句いわれるはずない」って思って
SS書いてる人はいないと思うぞ?
>>310氏に限らず、原作から離れれば離れるほど怒られる可能性があるのは、
書いてる人が一番わかってるだろう
わかって覚悟して書いてる人がほとんどだと思うけど、なんか以前から
TSファンが無理に擁護しようとして変なことになりがちな気がする
318 :
317:2008/07/29(火) 13:07:36 ID:9/TJYLAN
つ
>>1 つ「※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで」
おいおい何で荒れているか分からないんだが…
TSが来るたびに罵詈雑言並べるのは一部のバカだろ?
ちゃんと告知があれば苦手な奴は回避するし誰も追い出そうとはしていない。
もう一回、一連のレス読み返して落ち着け
>>317 確かに、今のこの流れも、TSを普通のSSと同じレベルにしようとしている作為みたいなのは凄く感じるな。百合叩きみたいなのはそれに近いかも。
多数派を叩く俺カッコイイみたいな。
馬鹿の肩を持つつもりは毛頭無いが、何度も俺が書いたように、嫌われるネタを扱っている自覚が足りないんじゃないか。
スルーすればいいはその通りなんだが、こういう作為的な議論を持ち出したりするあたり。
>>321 んー、それを言うなら逆もしかりで、
「TSが嫌いなら、叩かないでスルーしてろ」
とも言えるんだけどな。
二次創作系スレは、双方の歩み寄りで成り立ってる。
読者は叩かない、作者さんは意識する、それだけのことだろう。
……で、作者さんはやるべきことをやってくれてるよ。前書きでの注意書きな。
あとは、読者である俺たちがするべきことをする番だろ
嫌いな話でも叩くな、スルーしろと。
>>321 他意がないなら申し訳ないが、TS作品を書いている人を貶しているように思えるのは気のせいだと信じたい。
TS物が叩かれるのはキャラの性格改変が伴うからじゃない?
元のキャラのままじゃTSの意味ないし、
かと言って変えたら変えたでオリキャラと絡ませるのと同じだもの。
このスレで言うTSはどちらかというとキャラの性別設定改変な気がする
元々の意味でのTSは例えばら○ま1/2みたいなのじゃないの?
なんだこの流れは。
誰かこの流れを産業で頼む。
目糞
鼻糞を
笑う
たまにこのスレは、議論が白熱してしまうことがあるね。以前にも何回かあった
とりあえず読む側は絶対嫌ならスルーすりゃ良い話じゃ?
話に少し違和感があるなら注意する。
それなら書く側は成長できる。
それともスルーできないくらいに、住人の質は落ちたのかね。
TS書いたことのある人にとっては、なかなか厳しい流れだったわーはっはっは。
今回、いろいろな意見が出てきたけれども、誰もが持論の押し付けをしてないところが
さすが「このスレ」だなあと思う。
せっかくの機会だから、みんな思うところを話した……という感じだけど、
普段はスルーなりなんなり、しかるべき対応をしてくれてるんだろうな。
いかにもこのスレらしい、熱いけれども真摯な議論だったと思う。
「スルーできずに騒ぐ"お子様"が一人いた」ということだけが問題であって、
今日もエロパロスレは正常運転だZE。
とりあえず全裸待機だぜ
とりあえず、どんな作品であれ、
>>1ルールに則ってさえいれば
原則文句を言われる筋合いはないはずだからして、
心無く頭も悪い罵倒のみを容赦なくかましてくるのは、
スレにとって百害あって一理も無いはずなんで、
以後荒らしと断定してスルールールを徹底してもらう以外に手はありませんな。
スルー推奨なのになんでこんなに伸びてるんだぜ
気にしたら負けだZE
話は変わるが、最近チョココロネを見かけないのは自分だけ?
コンビニにもベーカリーショップにも置いてない…。
最後に喰ったのはいつだったっけなぁ。
>>334 カロリーを気にして我慢してたら、パン屋の親父が入院確定してた俺が通りますよ。
8月いっぱい、食パン以外作れないんだってさ(血涙
チョココロネが切れて禁断症状に悶えるこなたと、
そんなこなたに手製のチョココロネを食べさせようと悪戦苦闘するかがみんが見たいと申したか
うちの近所も、チョコクロワッサンなるニアピン商品しかないなあ。
最後に食ったのは……タイのスクムビッド通りにある日本人向けデパート、ってどんだけー。
>>336 神●屋のあれかー
近所にあるパン屋ではコロネ(クリーム)120円は残ってるのにコロネ(チョコ)110円は売り切ればっかり
10円の差か……?
パン屋でバイトしてる私が通りますよ
ウチの店ではコロネの中身がチョコ、クリーム、ホイップクリームの三種を扱ってる
さらにカラフルな砂糖菓子のチップでデコレーションしてる
その分ちょっと根が張るけどねw
パン生地自体自前で焼いてるからおいしいよ〜
>>336 こういう事ですね?
「……チョココロネー、チョココロネー、剥いてー剥いてーすぐしまうー……」
「こ、こなた?ほら、チョココロネよー?」
「……たべないよー、たべないよー……」
「ダメだわ、市販の物じゃ反応しない……って、何でみゆきが落ち込むのよ。
え?財力で市販のチョココロネを買い占めてきた?……無駄な苦労だったわね。ひひひ」
「そういえば、ジョジョ5部のジョルノって、何で頭にコロネ乗っけてるんだろう……」
「ああ、ついに別の物までもがコロネに見えてきたか……ちょっと待ってなさい!」
数十分後
「ほら、コロネよ!私の手作りなんだから味わって食べなさい!」
「……こ、コロネぇ……」
「虎眼師匠の物真似はいいから。……何、つかさ。何でコロネが股間から生えてるのかって?
簡単よ。中身はある物で出来てるんだから。……こなたの口でちゃんと味あわないと中のチョコが出てこないのよ?
チョコ違う?それは白ジャムだ?……そんな某サイコメトラーのストーカーじゃないんだから。
さあ。ちゃんと味わって食べてね。そして口とか顔にびゅるっとチョコを……だから白ジャム言うな。みゆきは黙ってろ」
「いただきまー……すぅ……」
「……ああ、ついにこなたの口に私のチ……チョココロネが。嬉しくて嬉しくて、それだけでもうチョコを出してしまいそう……」
がぶりっ
教訓:エロ漫画と同じようには行かない。
「うぅぅぅ……ちょっと歯形がついた……でもこなたのなら……ハァハァ」
コミケ1日目タ55-b rough note
てけてけかなたさん
なん…だと……?
>>340 >>341 wktkしている所、非常に申し訳ありませんが…「rough note」で
ググった結果、◆cj23Vc.0u.氏ご本人のHPを発見し日記に
以下のように書かれていました事を書き込ませて頂きます。
・「諸般の事情により」夏コミ参加を断念
・「らき☆すた小説本」の計画を一時凍結
・今年の冬コミ及び来年以降の参加も現在は未定
………or2
orz
ヤンデレについて調べていて、『嘘つきみなみんと壊れたゆーちゃん』
というフレーズが浮かんだが恐ろしすぎて文章にならないとも思った。
>>342 ・・・ orz
なんで参加やめちゃったのかなぁ。しかも小説のほうも凍結・・・
やっぱ、らき☆すた熱冷めちゃった?
責めてるわけじゃないけど残念だ。
>>347 別に凍結されたのはらき☆すた本だけじゃない訳で。
前回の地震や大雨での土砂崩れなどで被災なさってなければよいのですが……
今の時期だと災害しか浮かばないな・・・
書き込んだ後にサイトを覗いてみて思ったのですが、
もしかしたら欠席の原因は災害ではなく明大騒動が関係しているのかも?
「諸般の事情により」ってのは「書かれている以上のことは突っ込まないでください」って
意味を言外に含んでるものだし、このスレでこれ以上追求するのもスレ違いだと思う。
>>352 同意。
参加できなくて、本が出せなくて一番悔しいのは本人だろうに。
冷めちゃった?なんて失礼にもほどがある。
何にせよ、これ以上理由についてあれこれこのスレで言うのはよくないと思う。
避難所のほうに本人からの事情説明が書き込まれてるね
空気を読まずに小ネタ投下
まことに突然ですまないが、かがみがおとなしくなってしまった。
「……あ、おはよう。こなたちゃん」
「ぶほうっ!?」
登校時の挨拶にてこなたが思い切り噴出し、『か、かかっ、かがみが壊れたぁ〜!』と絶叫。
しかしかがみはそれに突っ込まず、『ど、どうしたのこなたちゃん。耳から緑色の粘つく液体が出てるよ?』とおろおろするばかり。
「……ごめんね、こなちゃん。お姉ちゃんってば朝起きたらこんな風になっちゃって……」
「い、いや……これはこれでありだけどネ。一見気が強そうに見えてじつはおっとりさんというのもなかなか……」
「キャラが被るのは私が嫌なの」
「つ、つかさ?なんか言った?」
「ううん。多分気のせいだよ」
「おはよう、みさおちゃん、あやのちゃん」
教室にて、次なる被害者の名前が呼ばれた。
「おーっす、ひいら……はぇ?」
「今日はどうしたの、柊ちゃん?」
「な、なんか悪い物でも食ったのか!?」
いつもとは違うかがみの様子に慌てる二人をよそに、かがみは……
「もう、二人までそんな事言って……酷いよぅ……」
涙目、上目遣いで二人を睨んだ。
「……WAWAWA、わかったから泣くなって!私達が悪かったからさ!」
「ん?呼んだか、日下部」
お前の事は呼んでないぞセバスチャン。
「白石君っ、みさおちゃんとあやのちゃんが酷いんだよぉっ!?」
そんなセ(ryに抱きついて、かがみは涙した。……畜生(ry、俺と代われ。
「のわっ!?……わ、わかったから落ち着けよ、かがみ」
『か、が、み……?』
「ほっほう、私の嫁を名前呼びとは、なかなかやるね?セバスチャン」
「お姉ちゃんは渡せないよ、セバス(ry」
「少々聞き捨てなりませんね、s(ry」
「あ、あの……え?俺?何で俺?」
突然出てきた主人公メンバーに圧倒され、(ryは恐怖に体を震わせる。
「ねえ、白石お兄さん?」
さらに、今は聞けないはずの声まで聞こえ、(ryの顔色は蒼白になった。
「あうぅぅ……みんな、怖いよぅ……」
三人(+α)の威圧に怯え、かがみがさらに抱きつく力を強める。
「あ、いや、かがみ!?当たってる!色々と当たって……」
それが、(ryの遺言となった。
白石も本望ですね、わかります
かわいそうなマイク……
WARNING!!あきら様がものすごいオーラでそちらに向かっています!!
今SS書いてるんだけど、かがみんって白石のこと何て呼んでる?普通に白石?
谷口
谷口くん、とか
もとい! 「白石くん」やがなorz
>>360に釣られてしもたやないかーw
かがみはセバスチャンじゃないの?
ラジオでは白石さんだったけど。
あきら「谷口〜」
みのる「白石です!」
あきら「………むっ」
みのる「なぜ怒る!」
あきら「国木田〜」
みのる「それもっと違う!」
あきら「みのる〜」
みのる「みっ……えっ?」
364 :
戸別響:2008/07/31(木) 13:04:15 ID:xehu4AXq
どうもです。SS投下したいと思います。
タイトル Sunny day
・ つかさ&こなた&ゆたか
・ 非エロ ほのぼの 三人称
・ 6レス使用
5分後に投下開始します。
「……いい天気だねー」
「……そうだね〜」
ある秋の日の昼下がりの柊家。その居間で、泉こなたと柊つかさは、テレビの
天気予報を見ていた。
「明日の埼玉県東部の天気は、曇り。昼過ぎから雨が降るでしょう。
予想最高気温は……」
「明日が雨なんて、信じられないよねー」
「そうだね〜」
窓から燦々と降り注ぐ太陽の光を浴びながら、二人はのほほんとした声を出した。
ちなみに、いつもならもう一人、つかさの双子の姉、柊かがみも一緒にいるのだが、
今日は同クラスの日下部みさおの家に行っている。
今この家にいるのは、先述の二人と――
「お待たせー、お姉ちゃん、つかさ先輩!」
「あ、ゆーちゃん。お疲れー……おおっ、おいしそうなクッキーだねー」
「あ、ホントだ〜」
キッチンからいろいろな種類のクッキーを持ってきたのは、こなたの従妹の小早川ゆたか。
最近、ゆたかはつかさにお菓子作りを教えてもらっていて、メキメキと腕を上げている。
「そ、そうですか?」
そんな中で、今日ゆたかはつかさのアドバイスなしで、初めて一人でのクッキー作りに
挑戦したのである。
「じゃあ早速食べてみますか」
「うん、そうだね」
「ど、どうぞ、お手柔らかに……」
ゆたかは少し緊張しているようだ。
「あはは、ゆたかちゃん、そこまで緊張しなくてもいいよ」
「で、でも、おいしくなかったら……」
「大丈夫だよ」
そう言うと、つかさはその手作りクッキーを一つ摘んで、口の中に放り込んだ。
「はむはむ……うん、とってもおいしいよ!」
「ほ、本当ですか?」
「うん。ほら、こなちゃんもゆたかちゃんも食べてみて」
そう言って、つかさはもう一つクッキーを摘んだ。
「はら、早くしないと、私が全部食べちゃうよ!」
「じゃあ早速……うおっ、めちゃくちゃおいしい!」
「はむ……うん、おいしいです!」
こなたとゆたかもそれぞれクッキーを口に運び、思い思いの感想を述べた。
「これは…もうつかさを超えたんじゃないか!?」
「えっ……」
「そ、そんなことないよぅ!」
こなたの予想外の言葉に、つかさは絶句、ゆたかは反論をした。
「冗談じょーだん」
「もう、お姉ちゃんったら……」
「……でも、確かにゆたかちゃんのクッキー、とてもおいしかったよ」
「……つかさ先輩に褒められると、とても嬉しいです」
率直な感想を述べるつかさに、少し顔を赤らめるゆたか。
「何? ゆーちゃん。私が褒めても嬉しくないの?」
そこに挙げ足取りをするこなた。
「そ、そういう訳じゃ……」
「嘘うそ。それにしてもゆーちゃん、ホントにつかさと仲良くなったよねー」
「そ、そうかな……」
「うんうん、仲良し姉妹って感じで」
自分の言った言葉を聞いて顔を赤らめる二人に、「いやー、萌えるねー」と呟くこなた。
そんなゆったりとした空気の中、三人はクッキーを食べ終わった。
「これから何する?」
「うーん……」
「そうだ! せっかく天気がいいんだから、縁側でゆったりしない?」
「あー、それはいいかもね」
「縁側、ですか?」
つかさの提案にこなたは同意し、ゆたかは頭にはてなマークを乗っけた。
「うん。こういう暖かい日に縁側に出ると、とっても気持ちがいいんだ〜」
「特に寝っ転がるとねー。どうする? ゆーちゃん」
「…………」
ゆたかはしばらく考えた後、
「はい! ご一緒させてください!」
と答えた。
「じゃあ移動しよっか」
こなたが立って、それにつかさとゆたかが続く。
三人は縁側に出て、そのままこなた、つかさ、ゆたかの順に並び、
一斉に仰向けになって寝転んだ。
「……あー、やっぱりここは気持ちいいねー」
「……そうだね〜」
「……はい。本当に、気持ちがいいです」
思い思いの感想を述べる三人。縁側にはぽかぽかと、初秋の陽気が漂っていた。
「……こう気持ちがいいと、お昼寝したくなるよねー」
ふと、こなたが静寂を破ってこう呟いた。
「「…………」」
しかし、返事は返ってこない。
「……つかさ? ゆーちゃん?」
こなたは不思議に思って、起き上がって二人を見てみると、
「……ムニャ……」
「……すぅ……」
二人ともしっかり目を瞑って、夢の中に入っている事がわかった。
「ありゃりゃ。……先を越されちゃったか」
そう呟いたこなたは、もう一度仰向けになって寝転がり、目を瞑った。そしてこの
ぽかぽか陽気に意識を乗せて、自らも夢の世界へ、深く深く沈んでいった――
「……こなちゃん」
「…むにゃ…後五分…」
「こなちゃん、起きて」
「…うーん…」
「――こなちゃん!」
「うおっ!?」
がんっ
「ぐおっ!?」「きゃあ!」
ごつっ
「はうっ!?」「ひゃう!」
傾いて赤みの増した太陽の下、二つの鈍い音が空に響いた。
「な、なんだなんだ?」
とこなたが側頭部を擦りながら辺りを見渡すと、
「ううっ……」
「はうぅ……」
目の前でおでこと後頭部を押さえるという奇妙なポーズをとっているつかさと、
その後ろでおでこだけを押さえているゆたかが目に入った。
こなたはこの光景を見て、すぐに何があったのかを理解した。
つまり、横寝になったこなたが起き上がった時に、こなたの側頭部とつかさのおでこが
ぶつかり、それにびっくりして後ろにのけぞったつかさの後頭部と、つかさの後ろで
様子を見ていたゆたかのおでことがぶつかり、今に至る、という訳である。
「……いろいろとツッコみたいけど、ひとついいかな?」
少しげんなりした顔で、こなたはつかさに尋ねた。
「ううっ……何? こなちゃん」
つかさはまだ痛むのか、いまだに変な格好で頭を擦りながら、こなたに返事をした。
「何で私の耳元で叫んだの?」
「え? だ、だって、こなちゃん、呼んでもなかなか起きてくれなかったから……」
「だったらゆすって起こせばいいじゃん!」
「やったけど、起きてくれなかったよ? 反応はしてくれたけど、仰向けから
横寝になるだけだったし……」
「むぅ、つかさのくせに、生意気だぞ!」
「えぇー! そ、そんな事言われても……」
こなたがネタを挟みながら文句を言い、つかさがおどおどしながらも弁解をする。
見た目は喧嘩している様にも見えそうだけど、二人とも笑みをこぼしながら
このやり取りを続けている。
「……いいなあ」
そんな二人を見て、ゆたかは羨ましそうに呟いた。
「ん、どうしたの? ゆたかちゃん」
「いえ、ただ、いいなあ、って思って」
「え、な、何が?」
「何と言うか……お姉ちゃんとつかさ先輩の、何だかほのぼのとした感じが
とても、その、お友達なんだなぁ、って感じがして、いいなあって……」
ゆたかはそう言って、羨ましそうな表情で二人を見つめた。
「そっか。じゃあ……」
「……えっ?」
すると突然、つかさは左手をゆたかの前に差し出した。
「えっと……どういう事ですか?」
「握手、しよう! お友達のしるし!」
「ええっ!?」
つかさの言葉に、羨ましそうだったゆたかの表情が、驚きに変わった。
「だって、ゆたかちゃんも私達と一緒でほのぼのとしてるし、それに、お菓子を
一緒に作ったり、一緒にお喋りをしたり、もう十分仲良しだと私は思うよ?
だから、私とゆたかちゃんは友達! ねっ?」
つかさが笑顔でそう話すと、ゆたかは少し顔を赤らめて
「……ありがとう、ございます」
と言って、自らの左手を差し出した。それを見たつかさはゆたかの手を握り、
「これで友達だね」
と、本当に嬉しそうな顔で言った。
「これからよろしくお願いします…つかささん!」
「うん。よろしくね、ゆたかちゃん!」
「誰かが見てる中でお互いの友情を確かめ合う純粋な女の子二人……
うーん、萌えるシチュだねー」
「あっ……」
「はうぅ……」
と、さっきから黙りこくっていたこなたの言葉に、今度はつかさとゆたかが
顔を真っ赤にして沈黙してしまった。そして二人は向き合って、
ふふっ、と、恥ずかしそうに、そして楽しそうに、お互いの赤くなった顔を見て
笑い合った。
「……はあ……どうしたのかと思ったら……」
夕方、みさおの家から帰ってきたかがみが見たものは、縁側で仲良く並んで
すやすやと眠る、つかさ達三人の姿だった。
「……道理で誰も玄関に来ない訳だわ」
三人は、両手をお腹の上に乗せて仰向けになって寝ているつかさを中心に、
左側にこなた、右側にゆたかが横向きに丸まっていた。そして、三人とも
気持ちよさそうに眠り続けている。
「ゆたかちゃんまで……これがこなたの言ってた「小」の字ってやつか?」
少し呆れた様にかがみは呟いた。
「……テレビもつけっ放しだし……」
そう言って、かがみはテレビの方に目を移した。そのチャンネルでは、ちょうど
天気予報が始まったところだった。
「……確か明日って、あまり天気よくないのよね」
そう言うと、かがみは再び眠っているつかさ達の方に目を向け、それから視線を
空の方へと移した。
「……こいつらを見てると、そんなこと信じられなくなってくるわね」
だんだんオレンジ色に染まっていく空を見つめながら、かがみは外の空気と
眠っている三人を比べ、そう呟いた。
――明日の埼玉県東部の天気は、晴れ。
今日と同じ様に、一日中、過ごしやすいいい天気になるでしょう――
371 :
戸別響:2008/07/31(木) 13:19:06 ID:xehu4AXq
以上です。この大好きなほのぼの3人組でほのぼのとした作品を書きたかったんです。
感想、批評、気づいたことがありましたら、よろしくお願いします。
>>371 GJっした! 浮世の毒気が抜けていくようですな。
みゆきさんも加えて、「ひーちゃん・ゆーちゃん・みーちゃん」の癒し系トリオもよさそう。
>>371 癒されたぜ。GJ!
そしてその直後に黒いのを投下する俺がいる。大体二、三分間の間に投下を始めます。
ちょい濃厚気味の鬱注意。かが→こなです。4レス使用。
休日。カラオケボックスにて、こなた達四人はいつもどおりの会話をしながらカラオケを楽しんでいた。
「んー、やっぱり『創聖』は名曲だぁねー」
「しょっぱなからそれってのもどうかと思うぞ?それにあんた、ア行しか歌ってないじゃないの」
「だって、『創聖の』じゃなくて『僧侶のアクエリオン』だもん。知らない?ディレイ・ラマ」
「泉さん、それを言うならダライ・ラマでは……?」
みゆきの言葉に、こなたは指を振り「チッチッチッ」と答えた。
「ディレイ・ラマっていうのは読経ソフトなんだよ。多分ダライ・ラマをもじって付けられたんだろうけどね。それを使って某動画サイトで歌を歌わせててね。ヒ・ダリの覚醒が面白いし鳥肌物だよ?」
「……まあ、なんだ。結局私たちには馴染のないシロモノって事で」
「むー、ノリが悪いなかがみんは」
こなたが膨れている横で、つかさが必死にカタログのページをめくっている。
「……で、次は誰が歌うの?」
「ああ、私よ」
ちょうどかがみが手をあげると同時に曲のタイトルが画面に出て、イントロが流れ始めた。
「うわっ、かがみってこんなの歌うんだ……」
「うっさいわね」
タイトルでこの曲がどんな物かすぐにわかったのか、こなたがものすごく嫌な顔をした。
「人ーは皆ー、生ーきーなーがーらーにー、曖昧ーの中でー、歩きー続ーけーてーいーくー、自動ーのー、命♪」
当時のビジュアル系バンドの曲を髣髴とさせる歌詞。しかし、こなたが嫌な顔をしたのはそれが理由だからではない。……この歌詞は、先に行くにつれてヤンデレ化するのだ。
「うわぁ、意外にうまいね、お姉ちゃん」
「そうですね。感情がこもっている、といいますか」
カタログをめくる手を止め、つかさがかがみの歌声に耳を傾ける。そして、曲はサビに突入した。
「こなた、こーの手ー、崩れ落ちた星、夜のー空にー高く輝いて、暗いー森でー見上げた笑顔に、やり場ーのーなーいー指にー♪
こなた、せーめてー、ここに振り向いて、声をー顔をー全てを映して、たったー一人ー私を満たして全てー奪ーわーせーてー♪」
「ぶっほうっ!!?」
突然自分の名を呼ばれ、こなたは飲んでいたウーロン茶を噴き出した。……お願いだからその先は歌わないで!と念じるも、かがみが止まる気配はない。
リモコンで強制停止しようにも、つかさとみゆきが仲良く使っているため、無理やり奪い取る事は出来なかった。
そして、ついにかがみの歌う曲は後半部分……最もアレな歌詞の部分に突入してしまった。
***
――煤けた窓の外が 憐れに霞む 決してここは暖かくは無い部屋――
寝ても覚めても、こなたの事ばかり考えてしまう。あの小さな体、青く長い髪、決して完全に開く事のない眼。
「はあ……」
でも、手に入れることは出来ない。私も、彼女も、女だから。もし、私が男に生まれればこんなに悩まなかっただろうか。
「無い物強請りをしても、しょうがない……か」
座っていたベッドに体を預け、倒れるように寝転がった。……でも、諦められないよね。
――だけどこの指に 触れた 髪の 柔らかさが――
こなたの感触を思い出す。……頬の、頭の、髪の毛の……それを思い出すたびに私の胸は苦しくなり、どうしようもなくなってしまう。
「こなたぁ……私、こなたの事が欲しいんだよぉ……」
ああ、涙まで流れてきた。……こんなにも思っているのに、こなたには届かない。……どうすればいいの?
――だけどこの手には――
『簡単ダヨ』
私の中の誰かが、私に話し掛けた。
『泉コナタヲ奪ッチャエ。無理矢理自分ノ物ニスレバイインダヨ』
――アナタ 手繰る 糸が見えない――
……ああ、そうか。そうだよね。
その方法があったね。待ってて、こなた。
***
――こなた 見せて 星屑の夜空 夜の 空に 道を 照らして 暗い 森で 伸ばす この手を 溺れた私を――
「どうしたの、かがみ。こんな時間に呼び出して」
「……うん、こなたの顔が見たくてね」
「ふっふっふ。さびしんぼさんなんだから、かがみんは」
「そうかもね……」
――こなた 此処へ 辿り着いたなら 横へ 傍へ 私の距離まで 触れて 見せて 全てを晒して アナタの内側――
「……どうしたの、かがみ?なんか元気がないヨ?」
「大丈夫。私は元気だよ」
「そうかなぁ……ちょっと疲れたような顔をしてるけど」
「……ねえ、こなた」
「なーに?」
「……こなたを、私に頂戴?」
***
――こなた 逃げて 慌ててみせてよ 怯え 恐れ 人の 素顔で――
「やっ、やめてよかがみ!そんな、そんなことするなんて……一体どうしちゃったの!?」
「どうもこうもしないわ。私はね……こなたが欲しいの。だから、頂戴」
「今のかがみは、もう……いつものかがみじゃないよぉ!」
「大丈夫よ。痛いのは最初だけ。……後は何もわからなくなるから」
――震え 泣いて 朽ち果てて見せて 夢を終わらせて――
「かっ……は……」
「大丈夫。大丈夫だからね」
「か、が……み……」
「こなたは私の物になるの。ずっと、ずぅっと一緒だよ……」
「…………っ……」
「……これで、ずっと一緒だね」
***
『現在、行方不明になっている埼玉県の泉こなたさんについてですが、今だ消息はつかめず……』
相変わらずのニュースが流れるテレビを消した。……どうせ、見つかるわけがないんだから。
「行方不明って、酷いわよね。……こなたはずっとここにいるのに、ねぇ」
そう言って私が向いた先には、こなたがいた。……何も喋らない、ただの人形となったこなたが。
――こなた 誰も 知らない世界に 腕も 指も 柔らかな髪も 時を 止めた 人の 形で ずっと飾らせて――
「もう、誰も見つけることは出来ないよ。こなたは永遠に私の物なんだから……」
外側を防腐処理し、剥製となったこなたの手を頬に当て、私は恍惚に浸る。……私の愛する人は何も言わない人形になった。でも、幸せ。
「大好きだよ、こなた」
――こなた あぁ こなた――
こなたと抱き合う。それだけで私は満たされる。こなたに腕を回される。長年の夢だったポーズだ。
私は、こなたと一緒に一日を過ごすようになっていた。……たまに、乱暴な事をしてしまう時もあった。
それでも、こなたは何も言わない。人形だから。
――こなた この手 絡めた糸に抱かれて こなた この手 決して 放しはしない――
……何も言わない、人形。そう。私に冗談を言ったり、そんな事もしない人形に、こなたはなってしまった。
「……バカだな、私……」
何故、こんな事をしてしまったのだろうか。いくら悔やんでもこなたはもう私に言葉を発する事も、笑いかけてもくれない。
――こなた だけど 一度だけ笑いかけて 一人きりの 抜けた ガラの私を――
「ねえ、私、バカだよね。……こなたも、そう思う、よね……」
ふと、こなたが『本当にバカだね、かがみんは』と笑ってくれた気がした。……ナイフを手に取り、自分の喉に向ける。
「ごめんね。本当に、ごめんね……」
――『こなた、夢を砕いて』――
私は、喉にナイフを突き刺した。
***
「……って、あれ?」
かがみが歌い終わり、周りを見回すと……場の空気は黒く変色していた。
「か、かがみってそんな趣味があったんだ……」
かがみから一番離れた場所で、こなたは小さく震えながら呟いた。
「……かがみさん。申し訳ありませんが、今後はお付き合いの仕方を考えさせていただけませんか……?」
と、こなたをかばうように座りながらみゆきが真剣な表情で言う。
「お、お姉ちゃん……怖いよ……」
完全に血の気の引いた表情でつかさが言う。……全員、ドン引きである。
「や、やだなあ。冗談よ冗談。ほら、名前が同じ三文字でかぶせやすかったからさ。そんな引かなくても……」
「……思いっきり感情こもってたよね」
「ええ。特に『アナタ手繰る糸が見えない』の後が……」
「うん、鬼気迫る感じで歌ってた……」
全員からの総攻撃に、かがみはついに涙目になってしまった。
「な、何よ何よぅ……みんなして……」
「いや、これはかがみ自身が悪いと思うんだけど……」
「そりゃこんな替え歌して悪かったわよ!でも、そんなに引く事ないじゃない!」
かがみの言葉に、他の三人は口をそろえて……
『いや、選曲の時点で引く(きます)から』
と突っ込み返した。
「……ごめん、みんな……」
さすがに耐え切れなかったのか、かがみは自分のやった事を反省し、謝った。
「……まあ、でも。かがみの新しい属性も発見したし。ね、ヤンデレかがみん」
「悪かったってば……」
さすがに『誰がヤンデレだ!』と突っ込む訳にも行かず、あえて謝る事にした。
「……とりあえず、次いきますか。ちょっとリモコン貸して」
重い空気を変えるため、こなたが次の曲を入れた。……マイクを持ち、早速歌い始める。
「おーしーたーいー、もーおーしーあーげーますわー♪」
……実はこなたの入れた曲もヤンデレ率の高い歌詞だったりするのだが、それは気にしないでおこう。
「って、あんたもヤンデレ曲歌ってるじゃないの!」
「名前を変えて歌ったかがみよりはマシだよ」
「うぐぅ……」
あとがき
ごめんかがみ。ヤンデレシーン書いてて素で楽しかった(死
このSSは、石鹸屋さんの曲『魔理沙 -shanghai mix-』を元ネタにしております。歌詞改変は名前以外ほぼしていません。
この曲を聴いていて、魔理沙をこなたに変えてしまったのがかがみの運の尽き……もとい、妄想の始まりでした。で、歌詞を元にしたSSが最初に浮かび、それに肉付けを。
とりあえずBGMとして一度聞いてみてください。ついでに聞いた後にHPのアナザーストーリー(曲のネタバレ部分)も見てみてください。オチで吹きます。
>>378 こ、怖ーっ!
めっちゃくちゃ怖いですよ ((( ゚д゚)))ガクガクブルブル
描写がきれいな分、特に。
思わず引き込まれてしまいましたけど、今夜眠れるかなぁ……
>>371 GJであります。個人的にゆーちゃんとつかさが仲良くしている部分が
圧倒的なまでの癒しの空気を醸し出しており物凄く癒されましたよ。
>>378 ヤンデレかがみんにgkbrしつつ、その後のオチで笑わせてもらいました
一粒で二度おいしい作品に仕上がっておりましたよ…これまたGJであります。
ああ、見える…この後しばらくこなたがヤンデレ物のアニメやらゲームやら
マンガやらラノベやらをネタに話しながら、かがみをからかう姿が…
まあとりあえずあれだ。(;´Д`)niceboat
nice boat.!!!
かがみにはヤンデレが良く似合う
383 :
kt:2008/08/01(金) 11:16:26 ID:Zl3GZuD+
前回は色々とすみませんでした
どうもです、ktです
それでは
「鼻血)ry会6?☆あわせかがみ」
5分後に投下します
・8レス
・オリキャラ、オリ設定注意
・時間軸は4.5〜5.8のあたりです
・かがみ視点
・妄想屋(仮)氏に感謝です
それでは、どうぞ
こんにちは、柊かがみです。
この場所は、、、スーパーの精肉売り場なんだけど…
今、「私」の目の前に『私』がいます
…うん、自分でも何を言ってるのか分からない
こなただったら、ほら…ジョジョだっけ? の「あ…ありのまま〜」
とか言いそうな感じの状況ということは確か、ね
事の始まりはこうだ―
鼻血)ry会6?☆あわせかがみ
私がみゆきの家に行くのを断ったのには訳がある、田村さんからパトリシアさんが
あんなことになった理由を聞いたのだけじゃなく―
父さんにすき焼きの材料を買ってきてくれと頼まれたからだ
柊家でのすき焼きという食べ物は、毎年12/31は決まってすき焼きだし、
月の初めはほぼすき焼きと言っていいくらいとても大切な食べ物なのだ…
え?、年越しそば?、、、、夜12時くらいに食べるのよ……太るから嫌なんだけど…
そんなすき焼きだからこそ父さんは情熱を持っているみたいで…すき焼きの時には修羅と化す
だから母さんも
「いい?、かがみ、、タイムセールが狙い目なのよ!…タイムセールが狙い目なんだから、ね」
と目の色を変えて私に言うのだ
…それで、、私は少しだけみゆきの家に行けばよかったかな?
と思いながら近所のスーパーに向かったのだった
「え〜と、、卵は買った、ネギも買った、、、うどんは―…」
私はメモを見る
たしかしいたけとかは家にあるのよね、、あとは―
「肉、肉っと」
「本日のタイムセールは5時までで〜す、お買い上げの方はお早めにレジの方へ〜」(くじらの声で)
「やばっ…」
私は急ぎ足で精肉売場を目指す
…う〜ん、、、何の肉にしよう…
牛、豚、等々…高いのにするか安いのにするか、、それが問題よね…
時刻は4時36分、、決めた! ちょっと奮発しちゃおう!
最後の国産牛肉パックを取ろうと手を伸ばす私
そしてそれを取った、が横から私が持っているパックをつかんでいる人がいる
「ちょっと…私が先にとっ―」
私はびっくりした、、、横にいる人は私にそっくりだったのだ
…え、、と、こういうの瓜二つって言うんだっけ?
確かみゆきが「瓜二つという言葉は瓜を2つに〜」て言ってたのを聞いた事があるような…
この人…服はそれこそアキバや漫画でしか見ないようなメイド服だけど…顔はほぼ私にそっくり
ね、、、髪型はポニーテールだけど…
でも私はひるまないわよっっ!
「ちょっとっ!私が先に取ったんだけど?」
『いえ、わたしの方が少し早かったですよ?』
相手の人も譲らない
「今日のすき焼き…家族が、妹が楽しみにしてるんだけどなぁっ!」
私はパックに力を加える
『わたしも今日は妹の記念日なんですっ!』
相手の人も力を加える
「うちは毎月1日はすき焼きなのよっ!これは譲れないのよっ!!」
私は更に力を加える
『わたしはお姉さまの命令を守らなければなりませんっ!譲れないのっ!!』
相手の人も更に力を加える
くっ、、、なんてバカ力…でも負けないんだからっ!
―それで、、今に至るというわけ
…誰よ、大人気ないとか言うのは?、、、まぁ、うん、そう思うけど
「……っ!」
『……ッ!』
私達は互いに一歩も譲らない
…でもさすがに疲れてきた
「さっさと…手を放してくれないっ?」
『放す…のは……そっちでしょうッ?』
…それにしても何でこの人汗をかいてないんだろう
ふぅ、、らちがあかない、もう諦めて別のお肉にしようかな…でも父さんも母さんも
根っからの牛党だしなぁ…う〜ん…
「もうすぐタイムセール終了で〜すっ!」(くじらの声で)
その声と同時に電子音の鐘が鳴り始める
「『なっ!!』」
時刻は4時50分になったばかり…まだぎりぎり間に合…う?、、けど
あ、そうだ
「…ちょっと、話があるんだけど…」
『…何ですか?』
―
結局私達は2人でお金を出しあい、肉を半分に分けたのだった
さすがにそれだけじゃ少なかったから他に豚肉も買った
「送信っと」
早速父さんに材料を買ったことを送った
「ふぅ…」
私は公園のベンチに腰掛ける、、あまりにも体力を使ってしまったからだ
何か思うところがあるのかメイド服の人も一緒だ
ヴィー!ヴィー!
あ、メールが返ってきた、、なになに…
[ありがあとうっ!かがみっ!!これで今月もバッチシだよ!(*^−')ノ
ありがあとう!気を付けてなるべく早く帰って来るんだぞっ!鮮度が大事だからな!(屮゜Д゜)屮]
…いつも思うんだけどすき焼きの時の父さんは朝からハイテンションすぎて
ついていけないな…ありがあとうになってるし
『あ、あの』
「へ?、、何?」
『もしかして…柊かがみさんですか?』
突然メイド服の人に名前を当てられ私はびっくりした
「え、ええ…そうだけど…」
『あぁ!やっぱり!…あ、失礼しました、申し送れました、わたしはかがみさんを模して
造られたメイドヒューマノイド<TRMS-02 かがー=みん>という者です、高良家では
メイド長兼料理長をしています』
「はぁ…そうなんですか…」
え、と…どう反応すればいいんだろう…
『ええ!、かがみさんが聞いていた通りの人で良かったです』
と笑うか、かが…が…どう発音するんだ?
『え、あ、発音ですか?…「=」は無視してください』
「はぁ…」
『もう少しちゃんと名を決めて欲しかったです…みゆきお姉さま…』
あぁ……みゆきならしかたないな…
しかし、、、今までの私の行動の何が良かったんだろう…
かがー=みんさんが口を開いた
『その…さっきはすいませんでした』
申し訳なさそうな顔をするかがー=みんさん
「いや、、私の方こそ大人気なかったなって思ってて…ほら、、、その…水に流しましょ!」
と言って笑う私
「…妹って、、うぃきつー…じゃなかった名前変わったのよね、ゆうきさんだっけ?」
『ええ、そうです…まぁ家ではうぃきつーでも通じるんですけど』
そしてかがー=みんさんは笑顔で話を続ける
『ゆうきは私の料理をいつも笑顔で食べるんです、あの笑顔を見たら料理をやっててよかった
って思えるんです』
…そうなのか…って私を模して造られたのなら…
「もしかして……あなたって料理ヘタなの?」
『あ、いや…自分で言うのもなんですけど上手いですよ?料理や家事関係の
OSが組み込まれてますし、それに毎日鍛えてますから!』
と笑顔全開のかが…呼びにくいな…
「あのさ、みんさんって呼んでいいかな?」
『あ、はい、別にいいですよ』
ふとケータイを見るとメールが返ってきてからだいぶたっていることに気付いた
「やばっ!…じゃあ、みんさんそろそろ帰るね」
私はベンチを立つ
『…あ、あの!』
「どうしたの?」
『わたし9日後が休日なんですっ…そ、その時に一緒に遊びませんか!?』
―
遊ぶ、かぁ…
ヒューマノイドにも休日ってあるんだなぁとかどんな服で行こう?
とか私は翌日の昼休みにこなたとつかさの高良家の感想を聞きながら考えていた
そして珍しくみゆきは休みだった
「…〜でね、犬が喋ったんだよかがみん!それで―」
「いくら何でもあんぶれらはちょっと・・・って感じだったよ〜でね〜―」
どうやらこなた達の話を聞く限りじゃみんさんには会っていないようだ
2人でいる時にバッタリ!なんて事になったら説明するのが面倒そうだなー…
遊ぶ日のこなた達の予定を聞いてみるか…
「ん、あー、その日はみさきちと約束があるんだ」
とこなた、なんか……目が死んでる気がするのは気のせいか?
つかさ…はまぁ大丈夫だろう、峰岸は…ってなんだこの近寄りがたいそわそわオーラは?
休みだと思っていたみゆきは3限目から来た、なんでも
「急に仕事が来たので」と言う事らしい……一応ツッコまないと駄目なのか?
昼休みになると岩崎さんが真剣な表情でみゆきと話しているのが気にかかった
それにしても新型だの萌えだのヒューマノイドだの厨二病だのなんの話をしているんだろう…
と思っていたのだが話終えたみゆきが私の胸に飛び込んできてそのまま寝てしまった
ので話の内容はすっ飛んで異常にむさ苦しかった事しか覚えていないのだった
―そして9日後
みんさんの休日が偶然にも学園の記念日と一緒だったのが幸運だった
「…せっかちだからなー…私……」
私はため息をついていた
約束の時間より4分早く着いてしまったのだ
…しかし私が着いた1分後みんさんは来た
『あ…すみません、、待ってました?』
「ううん、今来たばかりよ」
……それにしても
「私たちって似たもの同士、よね…まぁそれはそうなんだけど、さ」
『…そうですね』
そう言って私たちは笑いあう
「まさか約束した後にみゆきの家に行くことになるとは思わなかったわよ〜」
『ええ、わたしもびっくりしましたよ〜、、、何しろみゆき様が突然言い出したもので…』
とみんさんの服に目がいく私
まぁ、、失礼とか思うんだけど…しかし…みんさんの服はいつものメイド服だったのだ
「えっと…言いにくいんだけどさ……その服しかないの?」
『ふぇ?』
みんさんはキョトンとしている
「なんというか…その…恥ずかしいんだけど…」
『いえ、この服は何十着も持っていますよ、メイドですから!』
と太陽のような笑顔のみんさん
「まぁ、確かに色が違うけどさ…」
うん、そうね…
「今から服を買いに行かない?、みんさんの服を」
『服…ですか?』
「さ! 行きましょ!」
みんさんの腕を引っ張り前を歩く私
『かがみさっ…わわっ』
「え〜と…そうね…ここでいいか」
私はみんさんを引き連れ近くにあった洋服屋へと乗り込んだ
「こういうのはどう?」
『ズボン系はちょっと…あ、このスカート…いいかも』
「いいわね!似合ってるわよ」
『そ、そうですか?』
〜
店に入ってから数十分、みんさんと私は大量の服を買って出てきた
みんさんはいつもの服を紙袋に入れて持っている
「ふー……買いすぎちゃったわね…」
『ですね……』
「そのスカート結構いいわね、、、似合ってるわよ?」
『そ、そうですか……ありがとうございます…』
「で、これからどうする?」
『…むう……』
みんさんは難しい顔をしている
「そんなに悩まなk―」
『その間、わずか2秒!!』
と叫ぶみんさん、これ…ゆうきさんの専売特許じゃないのか……
そうねぇ…
「クレープって、、食べた事ある?」
『くれーぷ…ですか?』
んん…この反応、、、食べた事ないな?
「よし、決まり!食べに行こっ!」
『これが…くれーぷ…』
数分後、私たちは巷で有名な移動クレープ屋の前にいた
私はチョコバナナのクレープ
みんさんは苺のクレープだ
『…これ、、カロリー凄そうですね…』
「…それは言わないでくれ」
みんさんはあむっ!と美味しそうにクレープを頬張る
「そういえばみんさんの好物って何なの?」
『…はむはむ…ミルフィラム・ストゥルーデルとシャーウルマです…はむはむ』
…それはどこの料理だ
『これ、家でも作れるかな…』
みんさんは店の料理人の作業風景を真似している
……どうしよう
『はむはむ…むほっ…』
……聞いて…みようか……
「…あの、さ」
『はむ…え、と…何ですか?』
「料理…教えてくれないかなって…思って、さ」
『料理、、ですか?』
「まぁ、その…私、料理下手なのよ…つかさは作るの上手いんだけどさ
、、、余計なこと言ったらあの子喋りそうで…さ」
『誰かに食べさせたい、とか?』
「…その…うん、、、そいつの為に料理上手くなりたいなー…なんて、、、いつも
バカにされてるから…ね…それで…こ、告白…とか?…その…」
何で―…何で私は友達になって月日も立ってない人に…あ、人じゃないのか、
にこんなこと言ってんだろ…
顔が赤くなっていくのが感じ取れた
体中から汗が噴出しているのが分かる
『料理ですか…』
「何かいけなかった…かな」
『あ、いえ、いいですよ! 私、かがみさんの力になりたいです!』
屈託のない笑顔をみせるみんさん
『でも、料理を教える何て事に慣れてないから下手かもしれないですけど…』
「あ、うん…ありがと…お互い初心者ってことよね」
『ふふっ…そうですね、、そうですね…いつしますか?』
「…い、今からは無しだからね、準備とかあるじゃない」
私たちはそんな話をしながらみんさんの家
―…つまりは高良家にみんさんを送って行っている
途中、こなたと日下部が一緒に歩いているのを見かけたけどあいつら何してたんだ?
とりあえずこっちに気付いていないみたいだから気付いていないフリをした
「それにしても私たちって似てる…のかな?、どうなんだろ?」
『んー、、今度入れ替わって生活してみますか?、、、なんて―』
「それいいわね!、今度してみない?」
『い、今からは無しですよ?、準備とかあるじゃないですか』
そうして―…早くも次の遊ぶ予定が決まった
ありがとうございました
シャーウルマはアラビア料理らしいです
かがみは高良家に行っていない・あやのやみさお、みゆきと行動していないため
独立してこんなことになりました
それにしてもヒューマノイドと力比べをして互角なかがみって…
さて、次からは
★4.8の続き『コワレルセカイ★』シリーズ
を投下します
>>392 えーと、「次からは」=「次回投下分からは」で良いのかな?
とりあえずお疲れさん。
テンションのアップダウンが激しい作品群だなぁ
や、どれもGJな作品ばかりで羨ましい限りですが^^;
特に問題がなければ、5分くらい後にSSを一発投下しようかと思います
395 :
LD:2008/08/01(金) 18:11:56 ID:JW32oRnN
どうも、LDです。
予告通りにSSが書き上がったので投下しますね。
・妄想屋先生のイラスト『永久機関w』を元に書いてみました
・自作SS『デザートは貴女と』の続き
・3レス&後書1レス使用予定
・エロ無し
では投下開始です。
12月のある日の放課後、みゆきはこなたと2人で廊下を歩いていた。
みゆきが手にした学級日誌を職員室へ持って行く為に。
「すみません、わざわざお付き合いいただいてしまって」
「いいってば、そんな気にしなくても。謝ったりお礼を言うべきは私の方なんだしね」
「そんな。お礼なんて……それこそ気にしないで下さい」
2人はこの後図書室で勉強会をする予定である。
こなたがギリギリまで課題を放置していた為、翌日の提出日にノートを写すだけでは間に合わなくなってしまったのだ。
普段ならかがみに助けを求めるところなのだが柊姉妹は実家である神社の手伝いがあり、今日は既に下校した後である。
そこで最後の頼みに綱であるみゆきに頼ることになったのだ。
ちなみにつかさは手伝いがある事がわかっていたので、かがみの助けにより昨日の夜で終わらせてあるらしい。ただ些か頑張り過ぎた為か、今日は1日中眠そうにしていたが。
これらの事情から2人きりの勉強会なのだが、その前に日誌を出してしまおうと言う訳だ。
職員室に行く最後の下り階段があと数段で終わろうとした時、不意に2人の背後から声が掛けられた。
「Hi! ミユキにコナタ〜」
独特のイントネーションの元気のいい声、その主がパティだとすぐに分かり、2人は振り返って挨拶を返す。
「やふー、パティ」「こんにちわ、パティ。今帰りですか?」
何気ない挨拶、のはずである。
ただ1点、みゆきが他人を敬称無しに呼んだ事を除けば。
その事実に気づいたこなたが先に下りていたみゆきを振り返り見る。
悲劇……否、喜劇の始まりはここからだった。
「みゆきさん? 今何と? って、うわっ!」
「い、泉さん?!」「コナタッ!」
驚きのあまり勢いよく振り向いたせいで、こなたが階段を踏み外してしまったのだ。
下にいたみゆきは当然受け止めようとしたがみゆきの両手は塞がっており、手で受け止めることが出来ないものの体で受け止める事には何とか成功した。
「ふぎゅっ」
くぐもった呻きが、みゆきのふくよかな胸に顔を埋めたこなたから発せられる。
「だ、大丈夫ですか? 泉さん」「コナタ、ケガはないデスカ?!」
「ぷはっ……ご、ごめんね、みゆきさん」
柔らかな胸から顔を勢いよく離す。
と、その後方にはパティが慌てて駆け寄って来て、止まり切れずにこなたを後ろから押してしまった……みゆきにやや劣るものの、豊かに成長した胸で。
「Ouch!」「んぷっ?!」「きゃっ?!」
三者三様の声が上がる。
こなたは再び顔からみゆきの胸に顔を埋め、
驚いたみゆきが体を強張らせた拍子にこなたを押し返し、
弾かれたようにみゆきから離れたこなたが後頭部からパティの胸に飛び込み、
みゆき同様パティもこなたを押し返してしまい……
気がつけば、みゆきとパティの胸の間でボールのように弾むこなた、という構図が完成していた。
こなたはされるがまま言ったり来たりを繰り返し。
みゆきは驚きのあまり荷物を落として受け止めるという事に気づかず。
真っ先に気づいたパティだが、面白がってわざと勢いよくこなたを弾ませている。
「パ、パティ、みゆきさっ。はぷっ、とめっ! くるし、んぎゅ」
そんなこなたの声で我に返ったみゆきがパティに向かって
「パティ! 泉さんで遊んではダメですよ! 止めて下さい!」
と声を掛けると、一瞬の後ニヤリと笑って一言言った。
「デハ止めまショウ♪」
ちょうどみゆきの胸にこなたが収まった時に、その後ろからこなたを挟むようにみゆきに抱きついたのだ。
「きゃっ?! ちょ、ちょっと、パティ?」
「言われた通りにちゃんと止めたヨ? ん? どーしました、コナタ?」
2人分4つのふくよかな胸に押さえ込まれたこなたが弱々しくパティの腕を叩く……いわゆるタップと言うものだ。
が、その腕は力なくだらんを垂れ下がり、体がゆっくりと崩れ落ちていった。
「え? い、泉さん?!」
「Oh! コナタ?!」
目を覚ましたこなたの目に映ったのはどこかの天井だった。
「知らない天井だ……って、ここどこ?」
「あ、泉さん。気がつかれましたか?」
「Sorryネ、コナタ。チョットからかい過ぎたのデス」
辺りを見回すと保健室のベットで横になっていた事にすぐに気づいた。
みゆきに支えられ、ゆっくりと体を起こすこなたは心配そうに見つめるパティを見て、
「えっと……パティに呼ばれて振り返って、今度はみゆきさんの方に振り向いたら階段から落ちそうになったんだっけ?」
「Yes. その後は、ワタシがちょっとイタズラしてしまいマシタ」
「あー、女の人のおっぱいってあんなに弾むんだ……知らなかったよ。しかも凶器になるなんてね?」
みゆきの持ってきた水をゆっくりと飲み干して人心地ついたこなたにジト目で睨まれ、パティは深く頭を下げる。
「まぁいーよ。あれはあれで貴重な体験だったしね。ところでみゆきさん?」
「あ、はい。どうしました?」
「いつからパティを呼び捨てにするようになったのかな?」
「あ、えっと……ごく、最近です、ね」
頬を染めて視線を泳がせながら答えるみゆき、対照的にどこか楽しそうに笑うパティを見比べて、
「ふーむ、2人に一体何があったのやら? よければ教えてくれる?」
「実はワタシ達は恋人なのデスヨ、コナタ。ね、ミユキ♪」
「お恥ずかしながら、その通りです」
嬉しそうに告げるパティと顔をりんごの様に真っ赤にするみゆきに、こなたはただ唖然とするしかなかった。
「あー、そーですか。大方パティがそう呼ぶように迫ったのかな?」
「Yes! なかなか呼んでくれなくて大変デシタヨ。デモ、この前やっと……可愛く啼か……Non. ナ、ナンでもないのデス」
嬉々として語り始めようとしたパティだったが、不意に口を噤んでしまう。
「? どったの、パティ。顔色悪いよ?」
「何でもありませんよ、泉さん。ね、パティ?」
「そ、その通りデスヨ。ア、アハハ、ハハハ……」
2人の様子に首を傾げるこなただったが、みゆきの浮かべる微笑……の裏に潜む何者かの気配に、質問を続けられなくなってしまった。
「そ、そっかー。何でもないならそれでいいや、うん」
「ところで泉さん。申し上げにくいのですが……」
「ん? 何が?」
「その……勉強する時間が、もう……」
言われて壁に掛かった時計を見ると、既に5時になろうとしていた。
「うそっ?! 一体どんだけ意識飛んでたのさ!」
「何度か声を掛けたのですが……」
「スヤスヤと安らかに眠ってマシタヨ? なかなかCuteな寝顔デシタ!」
すまなさそうなみゆきと笑顔でサムズアップするパティを見比べながら、
「ここまで対照的な2人が付き合ってるってのも不思議な話だねぇ……」
などと勉強の事を忘れて呟くこなたであった……
399 :
LD:2008/08/01(金) 18:18:14 ID:JW32oRnN
以上です。
私ではこれが限界です……orz
もうちょっと上手く書けたかな、と書き終えた後にいつも思いますよ^^;
保管に関しては妄想屋先生の許可が出たら自分でやりますので、保管作業はしばらく放置の方向でお願いします
400 :
LD:2008/08/01(金) 18:23:02 ID:JW32oRnN
大事な事を書き忘れてました。
>妄想屋先生
先生の絵を勝手に使わせて頂きました。
事後報告になってしまい、申し訳ありませんでした。
キタアアアアアアア!!
まさか、あの絵から「みゆ×パテ」になるとは思わなかったw
保管大歓迎ですよー。
め、珍しく長い事書き込みが無いな
みんなお疲れ?
夏バテならぬ夏パティ…
なんちて。
>>399 自らの作品と素晴らしい絵を選んでの見事なコンボ、堪能させて頂きました。
今回はほのぼのしつつ笑えるお話で相変わらずのGJっぷりでしたよ。
>>403 パティに夏バテなんぞ無縁だろう…と思ってましたが、
「そういや
>>399のSSの前の話でパティが勉強疲れで机に突っ伏してるって
場面があったからなぁ…100%ありえないとは言えないか」などと思ったり。
>>404 いや、「夏バテ」が夏にバテることだから、「夏パティ」は夏にパティになることじゃないか……?
夏にパティになる・・・
パティみたいな性格になるのかパティに変身でもしてしまうのか
BL大好き系として腐るんですね
うーむ、日米巨乳対決とは。こなたウラヤマシスw
「hi、ヒヨリ!今日は静かデスネ」
「あー、パトリシアさん……うん、ちょっとね」
「ドーゾドーゾ、私に話してくだサイ。口にすれば気も紛れるでショウ?」
「うん……今書いてるネタでさ、柊先輩怒らせちゃって……」
「oh、センジツのアレ(
>>226)ですネ。……ヒヨリ、ものすごい勢いで襲われてまシタネ」
「それでさ……今度は柊先輩が『私の書いた奴で漫画描いてよ』と仰って来まして……(ガクガクブルブル」
「……別に怖がる必要の無い所ですガ、どうかしたんデスカ?」
「柊先輩の書いてきた原作が……」
「……ワォ……これはまさにnice boat.デスネー」
「これの前にはすごくネチネチした野外羞恥とか鬼畜調教とかがあって……」
「……Dr.レクターもビックリですネ……」
これは、一時期ブームを巻き起こした、ひよ☆フェチの再来か!
こなた「フフフやっぱこのカワユサでバリ腐っていう勿体無さが萌えなのだよ」
かがみ「あの純日本風のストレートヘアも素敵よね・・・」
みゆき「なにげにメガネであることもポイント高めですね」
つかさ「あのおでこぺたぺたしたいな、うにょ〜ん」
ひより「ちょwwwwwwwこのパターン久々アッーーーーー!」
とりあえずひよ☆フェチでウィキ検索したらこじか(後藤ver)ネタに吹いた。
『時間』持ってるし、「ちょ、おまwww」と内心びっくりダターヨ
こなたが『時間』のヒロインだったらどうなった事やら……
というか……
>>410 「いや、これナイボられてるの私じゃなくて泉先輩っスから」
「どうしまシタ、ヒヨリ?」
「……うん、何か、私が柊先輩に某後○晶ばりの野外羞恥プレイだの鬼畜調教だのをされているのかと思った人がいるっぽいので……」
「まあ、確かにヒヨリにはそういうオニチクは似合わないデスネ。やるのナラ……甘くとろけるような濃厚なplayでなけレバ」
「……はぇ?」
「ちょっとオイシク頂いちゃいマスネ☆」
「あ、いや、ちょ……あひぃーっ!?」
すいません、フライトシミュレータにハマってましたorz
……いや、飛ぶほうはさっぱりなんだけど、開発キットで旅客機にペイントするのがなかなかオモロイw
一号機は普通のJAL機。次はらき☆すたネタの予定。
というわけで、いつかは描きたいと思ってたネタ絵一枚。
倖手に立派な家を建てるぐらいの作家さんなんだから、こういうことだってあっていいよね。
つ【
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0143.jpg】
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♪ついこの間の休日 かがみんの家に行ったら
とっても すごいものを見たんだ
ここの住人さんはみんな エエエエェェェェ(´Д`;)ェェェェエエエエ って言うけど
私 絶対に絶対に 嘘なんか言ってない♪
……何話してんだか、さっぱりわかんなかったよ〜……
あ、また忘れてたorz
タイトルは
『いつも読ませてもらってますよ』
ってとこでひとつ。
みんな楽しそうだなw…って、こなたがダウンしてるw
ちょっとへこんだのかな?
>>413 なぜにつかさがいない?
「ね、つかさはどうしたの?」
「つかさなら、買い物に行くって逃げたわよ」
「そっか。じゃあさ、お父さんたちが話してる間、かがみの部屋で遊ぼうよ。聞いてても訳わかんないよ……」
「いや、私は楽しいし」
「みゆ……」
「いえ、桐箪笥は――」
「みwikiさんになってるよ……」
むぅ。訳分かんない言葉が飛び交って、頭がスポンジになっちゃうよ……
こんな状況かな?
・ある日曜日の朝、宿題を写しに柊家を訪れるこなた。なぜかお父さんがいるのにビックリ。
・実は、ただおさんとみゆきさんは、そうじろうの小説のファン。
例の運動会の時に、その「正体」を知って以来、ネタ出しにつきあったり小説談義に花を咲かせたりしている。
・盛り上がる三人、話題についていけないこなた。
かがみも何冊か読んでいたので、それなりに話題についていって楽しんでいる。
・ちなみに、つかさはいまだ就寝中w
……というようなシチュを考えてたけど、それを絵として表現しきれないのはまだまだだと思った次第でorz
これはもう、是非小説化をしていただかざるをえない!
そうじろう「ほんとうは、跡を次いでもらうと一番うれしいんだけどなあ(´・ω・`)」
こなた「(活字は)つつしんで、えんりょ」
419 :
416:2008/08/03(日) 11:39:00 ID:lHIHqPpB
>>417 >ついこの間の休日 かがみんの家に行ったら
ここをちゃんと読んでなかったことに、今気付きました……orz
駄目じゃん俺
最初に浮かんだのは
ただおさんがそうじろうのファンで
かがみとみゆきはそうじろうの小説を読んだことがある
つかさは就寝中でしたか
どっちかな?と思ったんですが
ネタとして逃げ出すつかさのほうが、面白いかなぁなんて思ったもので
で、尋ねるきっかけが上記の理由でまったく違ってました
だからあんなことにスンマセン
>>419 謝ることではないですよー。
てか、ウンチクSS仕込んでないで、きちんとこの絵のSS起こすべきだったとやや後悔。
後悔ついでに、どなたかよろしくおねがいします(ぉぃ
421 :
42-519:2008/08/03(日) 15:37:33 ID:P0XA3pWN
特に被りがありませんでしたら、5分後に投稿してみますね。
・微妙なゆたかフェチ?、一応ゆたかが。
・おそらく6レス使用
・壊れ気味
・
「……それで、私のところへ?」
「――はい……すみません、かがみ先輩」
「あー、気にしないでいいよ。悪いのはあいつだし」
「ありがとうございます」
☆
午後10時ごろ、こなたお姉ちゃんの部屋にて。8月7日。
「……えっとお、こ、こなたお姉ちゃん?」
「なーにゆーちゃん」
「できれば、その手に持っているものを説明して欲しいなあ……」
こなたお姉ちゃんがニヤニヤしながら持っているあれを、私は引きつって笑いながら尋ねる。もしかすると、
もしかしなくても……。
「バイブレーション、もといバイブレーター」
「それを、どうして持っているのかな」
「そりゃあ――」
ゆーちゃんをやっちゃうため♪ ひゃっほーい、と笑顔でとんでもないことを言いながらこなたお姉ちゃんが
飛び込んでくる。私は「わあああ」と驚きながら、間一髪のところで転がり、それを避ける。手足を縛られてい
ないのが幸いだった。こなたお姉ちゃんは舌打ちをしながら、
「ちぇ、やっぱりロープを買えばよかったなあ」
「そ、そういう問題じゃ」
「いやね、おじさん、エロゲーで」
いきなりおじさん口調でふけ気味に話すこなたお姉ちゃんは、えっちなゲームで発情した云々、ちょうどその
とき私が通りかかって腹いせの意味も込めてやっちゃうと思ったしだい云々。てゆーかゆーちゃん萌えるし、こ
れはもう私のものにするっきゃない、とか。いつからこなたお姉ちゃんの所有物に?
確かに私の前方2メートル先には、立ち上がりっぱなしのパソコンがうぃんうぃん言っている。バイブレー
ターもうぃんぅうぃんうにょんうにょんしている。目を背けたくなるような淫猥なそれは、前後にまるで毛虫の
ように蠢いている。よくわからないけど――ほんとによくわからないんだよ? 私えっちじゃないもん――男の
子ってああいうものなのかな、なんて思う。私だってそこまで純ではないから、少しは意味はわかるけど――だ
から私、えっちじゃないもん!
先ほどまでは卑猥な女の子のあられもない姿が映し出されていて、私は真っ赤にになりながら目をそむけた。
こなたお姉ちゃんがマウスをクリックすると、画面上の女の子の甘い声がこなたおねえちゃんの部屋中に響く。
わ、私もあんな声、でるのかな――とまったく凸凹のないぺったんこの胸を左手で撫でる。それも数分した後、
スクリーンセイバーが表示されて事なきを得る。そのスクリーンセイバーも女の子姿だったけれど、これは普通
に着物を着ていてかわいらしい女の子だった。
「と、いうわけで」
「と、いうわけで?」
「ゆーちゃんのバージンをゲットだぜ! たとえスカートの中でもね!」
「キャーっ!―――いやゲットじゃないよ!」
ふーじこちゃーん、と言いながらダイブするこなたお姉ちゃんを、すんでのところで交わす。運動神経のいい
こなたおねえちゃんの魔手から二度も逃れたなんて、ノーベル賞受賞物じゃないか、ってそんな与太話を考えて
いる暇なんてない。そもそもどんな賞だろう。私は腰が引ける、私のガラスの心臓をなんとか励まして、立ち上
がり、あわてて扉を開いた。自分の部屋に鍵をかけて閉じこもっても、頼りない備え付けの鍵じゃ五円玉ひとつ
で突破されてしまう。私は自室という選択肢を切り捨て、素早く玄関に向かい、靴を履き外にでた。
そのまま自転車を持ち出し、駅までひたすら漕いだ。家を出た時点でこなたお姉ちゃんが追いかけてくること
はないとわかっていたけれど、行く当てがない私はとりあえず幸手の駅に向かった。八月の初旬、夏真っ盛りと
はいえ午後10時ともなるとあたりは深淵の闇に覆われている。油蝉もなき止み、物音ひとつしない。静寂の空
間から漏れているのは私の激しい息継ぎと、ペダルを漕ぐことによって生じるチェーンの擦れる音だけだ。少し
進むごとに現れる電線柱の燐光と、ダイヤモンドが散りばめられている夜空との陰影がとても印象的だった。私
は自転車を操りながら、時折空を見上げ、妖美に輝く三日月の壮麗さに目を奪われていた。神秘的な光景を目の
当たりにしておきながら、そのまま駆け抜けるには、この情緒にとんだ夜景は充分すぎるものだったから、結局
私は自転車から降りて、しばし神秘的な天空を眺めることにした。
道の端っこに自転車を立てかけ、スタンドを立てる。サドルの上に座り、倒れないようにバランスをとった。
急ブレーキをかけてあたり一面にタイヤの擦れる音を響かせるのは周りに迷惑だし、人工的な音をこの切り取ら
れた空間に持ち込みたくなかった。だからゆっくりとブレーキを踏んで停めた。
はあはあと過呼吸気味にあえぎながら、息を潜めて空を切り裂くように手をかざした。
天体観測もまた風流だ。一人でやっても楽しいけれど、みなみちゃんと一緒だったらもっと楽しかったのかな
と一人この状況を独占している私はもったいないと思う。
天文学の知識に乏しい私は名前だけ覚えているわし座のアルタイルはあれかな? と根拠もなくひときわ輝く
一等星にその名前を冠した。彦星様が年に一度の逢瀬を願う織姫様――こと座のベガを、私はこりもせず煌々と
明るい一等星にその名前を当てる。
「それじゃあ、あれが天の川」
やっぱり私は恣意的に決定していったけど、なんだか幸せな気分だった。学者になった気分を味わえたし、宇
宙はすべての知悉が詰まっている気がして、私はその中のほんの一握りでも触れた気がしたからだ。
ちょうど一ヶ月前は七夕だ。こなたお姉ちゃんとそうじろう叔父さんと一緒に短冊に願い事を飾ったから、そ
の日のことははっきりと覚えていた。願い事? 秘密。
その日はたしか一日中雨。
私が残念そうに、庭に立てかけられた短冊を窓から眺めていると、隣に座っていたそうじろう叔父さんが教え
てくれた。
「七夕の日に振る雨のことを洒涙雨って言うんだ」
「さいるいう……ですか?」
「織姫と彦星が再び離ればなれになる織姫の愛別離苦、惜別の悲しみとしてそそいだ涙だそうだ」
「素敵な言葉ですね」
そうじろう叔父さんは作家だけあって物知りだ。私は日本語の素敵で、美しい言葉に触れられて、そうじろう
叔父さんに感謝しながら胸に刻んだ。来年はもし雨が降ったら織姫の悲哀を思いながら、私も一緒に織姫と彦星
の再び訪れるであろう逢瀬の日々も七夕の願いにこめようと思う。
「それとな」
そうじろう叔父さんはこうも教えてくれた。
「七夕の前日に降る雨は洗車雨って言うらしいぞ」
「どんな意味なんですか?」
「前日、つまり7月6日に彦星が織姫に会いにいくために、牛車を洗う水が雨になるそうだ」
「そうなんですか――そうじろう叔父さんは物知りですね」
すごく勉強になりましたと、私がえへへと笑いかけると、そうじろう叔父さんはなんだか不遜な表情をしてい
たけれど、この際だから忘れよう。雨とか空には思わず心が疼いてしまうような素敵な言葉が多い。私はその後、
図書館に行ってそうした日本語を調べてみた。
にわか雨のことを言う「村雨」、小さい頃は友達と「お天気雨だね〜」なんて言っていた日が照っている雨の
ことを「きつねの嫁入り」、篠竹を束にして地面に突きおろすように、はげしく降る大雨、豪雨のことを「篠突
く雨」という。
なんだか高良先輩の気持ちがわかった気がする。知ることって素敵だ。図書館で声を漏らさないように注意し
ながら私は「へー」とか「きれいだなあ」と感嘆するのだった。
ノースリーブ姿でも寒気を感じることがないくらい、夏の夜は暖かいが、われに返るとこの状況はとても危険
だ。この辺りは治安がいい、というかこの時間帯になると出歩くような人はほとんどいないとはいえ、女の子ひ
とりで夜道を歩く(漕ぐ)というのはあまりほめられたものではないと思う。自転車に乗っているうちは安全だと
思い、慌てて自転車に乗りなおした。そのまま幸手駅まで向かう。
駅について、どうしようか逡巡し、ぱっと思いついたのがかがみ先輩だった。幸運だったのは、こなたお姉ち
ゃんの部屋に訪れたとき、財布と定期券をきちんとぽけっとの中に入れておいたことだと思う。駅の時刻表を眺
めた後、携帯電話で現在の時刻を確認すると、幸手駅の到着時刻は五分後。私は安堵のあまりほっとため息をつ
いた後、かがみ先輩の携帯電話をアドレス帳から選び、プッシュする。怒られるか、呆れられるかと私はびくび
くしながら携帯の読み出し音に耳を傾けていた。
かがみ先輩は私にではなく、こなたお姉ちゃんに軽口を叩いた後、すぐに了承してくれる。迷ったら大変だか
らということで、かがみ先輩が鷹宮駅のプラットフォームで待っているとまで言ってくれた。耳から受話器を離
し、電源ボタンを押した頃には駅内に電車が到着する旨の放送が流れ、数十秒のタイムラグの後、私は乗車した。
この時間帯ともなると乗車客もまばらで、赤い座席シートが寂しげにしている。私は歩きながら端っこの座席
に座り、出発するのを腰をかけて待っていた。
ガタンゴトンと、時折びっくりするくらい振動しながら、電車は運行していた。
☆
「なんていうか、こなたの奴、最低ね」
「――いえ、私が邪魔したのがいけなかったです」
「いやゆたかちゃんは悪くないわ。安心してね、明日こなたをいたーい目に遭わせてあげるから」
「えっと、お手柔らかに」
「なにしようかなー。あれとか、これとか? あれはこなたのじゃ入らないかな? うーんでもお仕置きだから
いいわよね♪」
ど、どんなことを考えているんだろう。こなたお姉ちゃん以上に邪悪に顔をゆがませながら、先ほども耳にし
たバイブレーションとかローターとか、とんでもない言葉が次々にかがみ先輩から飛び出している。
もしかしたら、逃げていくところを間違えたのかもしれない。
「あ、そういえばゆたかちゃんは泊まっていくんでしょ? もう終電逃しているし」
駅でかがみ先輩を見つけ、家まで送ってもらった後、かがみ先輩は私をコーヒーとチーズケーキでもてなした。
私は「気を使わないでください」と謙遜したけれど、結局私はそのご好意に甘えることになった。一息ついた後
は、かがみ先輩に事情を話した後、とりとめのない四方山話に花を咲かしていて、かがみ先輩の壁にある掛け時
計に目を向けるといつの間にやら次の日になっていた。あわてて自分の携帯で時刻を再度確認すると、やっぱり
十二時を軽く回っていた。
かがみ先輩はポテトチップスと冷蔵庫から麦茶を取り出した後、私をかがみ先輩の部屋に案内してくれる。通
るときに見かけた固定電話が、昔懐かしい黒電話で、私はちょっと驚きにみちた目でかがみ先輩を振り向いてし
まった。かがみ先輩は少し顔を赤らめ右手でぽりぽりと頬を掻きながら「あはは、うちって、古風だから」と弁
明するのを私は、少しでもかがみ先輩の気に障るまねをしたことにひたすら謝り倒す。
多少微妙な空気が流れたが、かがみ先輩はすぐに気を取り直して、私を案内してくれた。かがみ先輩の部屋は
二階らしく、階段を上る。上りきったとき、かがみ先輩は奥はつかさの部屋といいながら、目の前にある部屋の
扉を開け、私を招待した。
「えっと、ご迷惑じゃなければお願いします」
願ってもない提案に私は甘えさせてもらう。携帯電話は持ってきたので、あとでそうじろう叔父さんに連絡し
ようと思う。結局のところ私はタイミングが悪くこなたお姉ちゃんの……その、なんて説明すればいいのかわか
らないけれど、情事を邪魔してしまったからこうなったわけで。私がそういうことをしたことがあるかというと
――ううん、なんでもない。なんでもないよ? 明日になればそうしたもじもじした感情も消えうせている頃だ
から、私も安心してまたこなたお姉ちゃんの家に居候できると思う。こんどは気をつけないと。
「あ、じゃあ」
…………先ほど見せたような、邪悪な笑みのまま私に笑いかける。えっと、かがみ先輩?
かがみ先輩は何も言わず、てくてくと扉に向かい、鍵をかける。鍵をかけただけじゃなく、机からガムテープ
を取り出し、背伸びして扉の四方に正確に張って行った。
「な、何をしているんですか?」
一連のかがみ先輩の行為の理由を悟り、私は顔を青くしながら恐る恐るその意図を尋ねてみる。どうか杞憂で
ありますように。どうか冗談でありますように。どうか――どうか無事家に帰れますように。
「先にゆたかちゃんで練習してみようかなって。それにこうして一緒にいるとゆたかちゃん、かわいいし。性的な意味で性的な意味で性的な意味で」
「え、えっとお――ー」
「なんていうか、ゆたかちゃんって庇護欲と可虐欲が同時に沸いてくるって言うか」
「………」
どうしよう。とりあえず逃げよう。
「えいっ!」
逃れのようない密室で距離を詰められ、私は羽交い絞めに――。
「なんていうか、こなたの気持ちもわかるわ。妹に欲しいくらいだもん。いっそのこと柊ゆたかになってみな
い?」
「だ、誰か〜」
「今日は私しかいないわよ♪」
――もしかしなくても、逃げていくところを間違えた。
☆
ところで、こなたお姉ちゃんをお仕置きするのがかがみ先輩なら、かがみ先輩にお仕置きするのは誰なんだろ
う?
みなみちゃんかな。みなみちゃんはなんだか怒っていたようだけど、しばらくするといそいそとみなみちゃん
は自分の部屋をでていった。暫くすると戻ってくる。その理由を尋ねてみると、
「家中の鍵を閉めてきた」
「えっとお、それって?」
「ごめん、ゆたか」
――あれ、なんだかループしてる。じゃあみなみちゃんのお仕置きは――田村さん? でも田村さんの家に行く
のは冗談でなく本気で怖い。この流れからいっても。
…………誰かお願いします。こんな人たちにお仕置きをしてください。
織姫さん、彦星さん、私のためにも泣いてください。
できればその対価が私というのも、やめてくれると嬉しいです。
428 :
42-519:2008/08/03(日) 16:03:51 ID:P0XA3pWN
以上です。非エロって書き忘れていました。
相変わらずの季節外れネタ。少々衒学的ですが、「洒涙雨」であって「酒涙雨」でないことを付け加えておきます。
ええ、間違えていましたともorz
>>428 お仕置きの方法
↓
っ[被フェチ属性を譲る]
これを読んだあなた、どうかどなたかに被フェチ属性を移動してください。
それだけが私の望みです。
そしてGJ。
>>428 GJ! ゆたかがこなたから2度も逃れられるとは……余程怖かったんだろうなw
>>427 >>かがみ先輩にお仕置きするのは誰なんだろう?
「お姉ちゃん、また女の子に手を出したんだねっ しかも今度はよりによってゆたかちゃんにっ。
お尻ペンペンするよっ」
「い、いやっ つかさ止めてっ 感じちゃう!」
「ダァ〜メ、ゆたかちゃんは私のなんだから」
……吊ってきます
>>428 ぱたぱたと知り合い連中の間を逃げ回っては、もれなくフェチられるゆーちゃんに萌えました。
目幅の涙と長谷川ボイスが脳内で再生されてさあ大変。
というかゆたフェチの原因って、もしかして七夕のお願いが変な方向に作用したからでしょうか?
ぐっじょぶ。
準備されている方がいなければ、投下いたします。
「Summer Vacation」
・こなた&ゆたか
※注意事項
・微エロあり
・一話完結もの
・Elope関連
・3レス使用
寄せては返す波の音を間近で聞きながら、私とゆーちゃんはレンタルしたパラソルの下で横になっている。
真夏の海は何処までも蒼く、強烈な光を浴びていたる所で煌めいている。
波打ち際ではしゃいでいるカップルや家族連れの歓声と、海上を走る水上バイクの乾いたモーター音が、
私の鼓膜を心地良くくすぐっている。
私のすぐ横では、リボンを結わえた小さな女の子が、軽い寝息をたてている。
「ゆーちゃん」
髪を撫でながら、愛する従姉妹の名前を囁いてみる。
しかし彼女は「うーん」と軽く呟いただけで、眠りの園からは出てこない。
私達を危機に陥れた一連の騒動から既に2か月近くが経っていた。
先週には梅雨が明けて本格的な夏に訪れており、最高気温は連日のように今年の記録を更新している。
あの時、ゆーちゃんは、つかさ達の来訪を拒まないという協定を結んだけれど、
今日まで彼女達とは会うどころか、電話やメールすらも来ていない。
こちらからコンタクトを取る気はおきなかったけれど、私とゆーちゃんの身柄を得るために、
あれ程までに執着を見せつけられた後だけに、少々拍子抜けをした感じがする。
最近では、ほんの少しだけではあるが、寂しいという気持ちも心の何処かに生まれ始めていた。
今日、私とゆーちゃんはバイトの休みを利用して、県内の海水浴場に遊びに行っている。
実は二人揃ってお休みというのは少ない。
バイトのシフトが薄くなるという問題もあるが、ゆーちゃんの人気が更に高まって、
店長が離したがらないからだ。
あどけない顔と仕草に、無垢な笑顔と、萌え要素たっぷりのゆーちゃんに、
どことなく影を感じさせるミステリアスな雰囲気が加わって、今では最強クラスの萌えキャラに成長している。
マスコミの取材の影響もあって、わざわざ遠方からゆーちゃんの給仕を受けようとやってくる客も後をたたない。
それでも、ゆーちゃんは、時給がかなり上がったから家計が助かるなんて涙ぐましいことを
言ってくれたけれど、やはり、二人きりでのんびりと過ごす時間は欲しくて、
私達は今日の休暇を心待ちにしていた。
私は、眠れる森の少女の柔らかいほっぺたを軽く撫でたり、つまんだりしていていると、
ゆーちゃんは何度と瞼を瞬かせてから半身をおこした。
「うーん。おはよう。お姉ちゃん」
「おはよ。ゆーちゃん」
ゆーちゃんは眠そうに瞼をこすった後に軽く謝った。
「ごめんね。私、寝ちゃったみたい」
「ううん。いいよ。ゆーちゃんの可愛い寝顔を見ることができたし」
からかうような口調で言うと、ゆーちゃんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「こなたお姉ちゃんのばか」
あどけない顔をした少女の唇から生まれた『ばか』があまりにも可愛らしくて、
思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。
「ゆーちゃんにばかって言われると、なんだか嬉しくなるね」
真夏の暑さとゆーちゃんの危険な魅力にやられて、私の脳みそはミルク粥になっているらしい。
「おねえちゃんのばか…… 」
ゆーちゃんが頬を膨らましがら、もう一度だけ小さく呟くと、幼い顔を無防備に近づけてくる。
「キス…… しよ」
「ひとが、見ているよ」
私が、困惑しながら囁き返すと、ゆーちゃんは少しだけ皮肉めいた表情を浮かべながら口を開いた。
「みんな、自分のことしか見ていないから大丈夫だよ」
そうかな…… 私が反論する前に、あっさりと唇は塞がれてしまう。
「ん、んくぅ」
ゆーちゃんの柔らかくて弾力性のある唇が、もともと乏しい私の理性を吹き飛ばしてしまう。
「あっ…… ん、んんっ」
ごくシンプルな水着を纏っただけの、ゆーちゃんの手を伸びて抱きついてくる。
幼くて壊れそうな程に華奢な身体の感触がダイレクトに伝わり、私の鼓動は速まっていく。
「こなた、おねえちゃん…… 」
私は、一旦、唇を離して間近に迫った従姉妹を覗きみると、
黒い水着の下から伸びた透き通るような白い太腿が、私の両足の間に絡んでいた。
「ゆ、ゆーちゃん!? 」
私は戸惑いながらも手を伸ばして、ゆーちゃんの背中をなぞる。
「きゃうっ」
可愛らしい悲鳴が耳に届く。
今度は、私からゆーちゃんの唇に吸いつく。そして、水着に伸ばしていた手を使って、
膨らみかけの胸をゆっくりとまさぐる。
「ん…… くぅ」
塞いだ唇の端から、ゆーちゃんの小さな悲鳴が漏れだした。
私は、鈴の鳴るようなもっと矯声を聞きたくて、ゆーちゃんの胸のふくらみの頂上にある突起をつまみ、
二つの指の腹を使って丹念に揉みしだく。
「はぅ…… んああっ」
ゆーちゃんが大きく背中を反らしながら、華奢な身体をねじった。
私は、ゆーちゃんが逃げないように覆い被さり、口腔内をゆっくりと舐め取っていく。
「んあ、んああっ、くうん」
リズミカルな喘ぎ声を聞きながら、ゆーちゃんの乳首を執拗に弄んでいくと、
少女の顔が、羞恥と興奮で赤く染まっていく。
私は、萌える従姉妹の乳首と舌を堪能した後で、ゆっくりと唇を離した。
「ぷはっ」
ようやく解放されたゆーちゃんが大きく息を吐き出した。
「ゆーちゃんがわるいよ」
私は呟くと、膨らむばかりの欲情を抑えきれずに、彼女の下腹部に手を伸ばしていく。
しかし――
「こなたお姉ちゃん! ダメ! 」
真顔ではっきりと拒絶されて、私は我に返った。
ここは人が多い海水浴場で、私達はパラソルの下で休んでいるだけ。
いくらなんでも、これ以上はやりすぎだ。
「ごめん。ゆーちゃん」
手を合わせて謝ると、ゆーちゃんはいつもの笑顔に戻った。
「ううん。気にしないで。こなたお姉ちゃん」
ゆーちゃんはとてもいい子で、純粋な好意を向けてくれるから、つい甘えてしまうのかもしれない。
心の中で反省していると、身体を起こしていたゆーちゃんが再び寝ころんだ。
「お姉ちゃん。もう少し休んでもいいかな? 」
どうやら眠気が抜けきっていないらしい。
「うん。いいよ」
「ごめんね。こなたお姉ちゃん」
ゆーちゃんは、小さな声で言うと、バッグを枕にして瞼を閉じた。
ゆーちゃんの愛らしい寝顔を眺めながら、私は小さく欠伸をする。
海水浴場に備え付けられたスピーカーから流されるメロディをBGMにしながら、
私はゆっくりとまどろんでいった。
(了)
以上です。読んでくれた方、ありがとうございました。
ここのところ酷暑が続きますね。海辺でのんびりしたいものです。
>428
激しくGJ!です。
みんなを惑わすゆーちゃんは、とても危険な魅力にあふれていますね。
とても楽しく拝読させていただきました。
のんびりなのもいいな。ゆーちゃんかわいいよ。
439 :
LD:2008/08/04(月) 10:12:24 ID:ROJSYagI
>妄想屋先生
許可ありがとうです♪
早速保管させてもらいますね。
>42-519氏&23-251氏
お二方GJです!
ゆーちゃんの魅力は色々と危険を呼び寄せる魔性のものなんですね……
440 :
LD:2008/08/04(月) 10:14:41 ID:ROJSYagI
また書き忘れた……
保管の際、タイトルを『禁断の果実は天上の味?』と変更しますね
連投すみませんでしたm(_ _)m
>>437 夏にふさわしいいちゃいちゃ、ぐっじょぶです。
願わくば、このまま二人の平穏が続いてくれればいいのですが……。
差し支えなければ投下させていただきます。
443 :
42-115:2008/08/04(月) 20:08:09 ID:yg0FrleI
では。
「三角トレード 序章」
・4レス
・エロなし
英国・リヴァプール産のカブトムシたちは、在りし日、「誰か助けて、誰でもいいってわけじゃないけ
ど」と歌ったものだが、埼玉県が全国で5番目に人口の多い自治体であるにも拘らず、陵桜高校3−B、3−
C、1−Dの名物たちを取り巻く状況はというとは、目下「人手不足」であった。
まず、泉家。
作家・泉そうじろうが、多分に実益を兼ねた取材旅行へ出かけてしまった。よって長女のこなたと、従
妹のゆたかが二人で過ごす事になってしまった。
次に岩崎家。あるいは高良家。
岩崎氏は夫人を伴い、海外出張へと出かけた。なんでも、出張期間中に結婚記念日を迎える上、出張先
が新婚旅行先と一致するため、公用が済み次第現地で休暇に入るのだという。両親の不在の間、みなみと
チェリーは高良家に身を寄せると事になった。
おまけに柊家。
両親のただお・みき夫妻は国内旅行へと出かけてしまった。高名な神社の宮司として、神教・他宗教問
わず、あらゆる宗教施設に関心を寄せていて、それらを視察するのが目的である。会社員の長女は出張に
出かけている。岩崎家の場合と違い、国内であるが。大学生の次女はというと、授業の休講と休日がうま
く繋がったとかで、友達と一緒に旅行に行っている。岩崎家と違い国内旅行で、しかも一緒に行く友達の
実家に泊めてもらうという安普請ぶりであるが。
というわけで、泉家、岩崎家、高良家、柊家合わせても、昼間家にいる大人がみゆきの母のゆかりだけ
という状況にあった。
とはいえ、こなたは作家の父を持つ以上、そのような状況は慣れっこだったし、みなみは高良家にお泊
りするくらいのことは初めてではないし、高良家としても岩崎家との浅からぬ近所付き合いは今に始まっ
たことでもないので、日常に大きな変化はなく、かがみはといえば、いつになく静かな我が家で過ごすこ
とを楽しんでいるようですらあったし、家事はつかさに任せておけばまず大過はない。というわけで人手
不足、とりわけ大人不足はさして問題となるようなことでもなかったのである。
金曜、こなたとみなみが風邪を患うまでは。
「あの、泉さんは?」
「あの、みなみちゃんは?」
金曜の朝、スクールバスを待つ糟日部駅で顔を合わせる事になったみゆきとゆたかは、挨拶抜きで相手
が一人であることを不審に思う言葉を、まるで稽古を重ねたベテラン俳優のように完璧にハモった。みゆ
きが先に答える。
「みなみさんは風邪を引かれてしまいまして、今日は休む事にしました」
「え、みなみちゃん大丈夫なんですか?」
あまり晴れやかではなかったゆたかの表情が、さらに曇る。
「熱が38度台でして、症状は軽いとはいえませんが、母が付きっ切りで看病してます」
「ならば安心ですね」
疑うことを知らない二人に、柊姉妹は顔を見合わせたのだが、つかさの反応も至って鈍かった。
「それで、泉さんは?」
「こなたお姉ちゃんも風邪なんです。熱は37度台なんですが……」
「でも今、こなた家で一人なんでしょ」
かがみが聞く。
「はい、昼間はゆいお姉ちゃんがパトロールついでに見に来てくれる事になってます」
「でも夜は?」
「それが……今お義兄ちゃんが戻ってきてて」
各家庭で大人が枯渇している折、成実家では逆に、単身赴任中のきよたかが本社に出張という形で埼玉
に戻ってきていたのである。
「お姉ちゃんは、お義兄ちゃんと一緒に看病しに来る言ってくれたんですが、こなたお姉ちゃんは頑固
に断って……」
「気持ちは分かるけど……」
新婚早々、単身赴任に引き裂かれてしまった夫婦である。例え夫婦の愛の巣ではなくても、水入らずに
水を差して、居心地がいいはずがない。
「でも、ゆたかちゃんに何かあったら……」
というつかさの懸念も無理はない。人並みの相手であればこんな心配はしないが、ゆたかは身長も健康
も、よろしくない方に人並みはずれていた。こういう場合ばかりは、需要があればいいというものではな
い。
昼休みになり、みゆきは話があるとして、ゆたかを3−Bの教室に呼んだ。いつもはこなたがいる場所に、
今日はゆたかが座る。身長は大差がないとはいえ、何せ一年生。違和感は否めないのだが、みゆきが教室
の後ろを半分を、かがみが前半分を威圧してZOC形成していたため、何ら問題はなかった。
その席で、みゆきは提案する。
「もしもの事態に備えて、私が泉さんのお宅に泊まりこむというのはいかがでしょう?」
どの道こなたにノートのコピーを渡したり、宿題の内容を伝えたりしなければならないと思っていたの
で、そのついでにというわけである。
「いいんですか?」
「ええ、ご迷惑でなければ」
「そんな……こっちこそ、高良先輩にご迷惑じゃないかと」
ゆたかは赤面し、小さい体をさらに縮めて恐縮する。こなたの風邪は元々軽いものであるから、いうな
ればゆたかのためにそう提案しているようなものなのである。
「どうかお気になさらずに」
慈愛に満ちた笑顔を向けると、ゆたかは深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
だが、この提案に反対する者がいた。
「わたしが行くわ」
かがみである。
かがみが言うには、2年の初めごろ、自分が風邪を引いた際にこなたに寝込みを襲われた(非性的な意
味で)ので、今回はその仕返しをしたいのだという。
「あ、あのときの事ですか……」
みゆきはつかさのパジャマ姿とともに、見舞いに行った時のことを思い出した。
「お気持ちは分かりますが、そうするとつかささんがお一人になってしまいますね」
「うぅ……」
一人の夜を想像したつかさが、唇を歪ませて震える。
そこでみゆきが画期的な提案をした。
「「「三角トレード?」」」
三人は目をぱちくりさせてみゆきを見る。
「綿製品とお茶とアヘンを使うわけではありませんよ」
「そもそも、アヘンがあったら捕まるし……」
この場合、トレードは貿易ではなく選手の交換である。
「メジャーリーグなどではたまに成立することがあるのですが、要するに3つの球団が関わる選手の交
換のことです」
チームAはBに選手を放出してCから選手を受け取る。
チームBはCに選手を放出してAから選手を受け取る。
チームCはAに選手を放出してBから選手を受け取る。
かがみはピンと来たようだ。
「泉家、高良家、柊家がそれぞれのチームに相当するってことね」
「そうです。つまり……」
まず、かがみが泉家に移動し、こなたの世話を引き継ぐ。
それを受けて、ゆたかが高良家に移動する。
最後に、みゆきが柊家に移動する。
「私が高良先輩のお宅に、ですか?」
ゆたかが目を見張る。
「はい。その方が、みなみさんの回復も早いかと思うのですが」
「はい、頑張ります!」
三角トレードによって各々の要求が丸く収まり、誰にも異論はなかった。
そこで四人は、各方面への調整に入った。
まず、ゆたかがこなたに電話した。かがみ登場の奇襲効果を上げるため、表向きはみゆきが行く事にし
た。
みゆきもゆかりに電話した。
「ゆたかちゃんてどんな子? 男の子?」
「女の子ですよ。みなみさんの親友です」
「おっきい子? ちっちゃい子?」
「小さくて可愛らしい方ですが、その事を気になさってるようなので―」
「きゃー、楽しみ♪」
「……」
みゆきが連絡を終えると、つかさは夕食の希望を聞いた。
「ゆきちゃん、夕飯は何がいい?」
「ご馳走になれるのですか?」
「うん、何でも作るよ」
「そうですね……つかささんの作られるものなら何でも」
「何でもかあ……何でもって言われると、却って迷うよね」
「そうですね」
「味噌煮込みうどんにする?」
「味噌煮込みうどんですか、おいしそうですね」
「肉じゃがにしようか?」
「肉じゃがですか、おいしそうですね」
「ハンバーグ焼こうかな」
「ハンバーグですか、おいしそうですね」
何あの会話、とでも言いたそうに、かがみとゆたかは苦笑していた。
「そうだ、カレーにしよ」
「カレーにしましょう。……おいしそうですね」
柊家の献立が決まったようである。
そしてつかさはみゆきの手を取り、小指に小指を絡めた。
「おいしいカレー作って待ってるね」
予期せぬ行動に、みゆきは頬を染める。それを見てつかさも赤くなったが、指を離そうとはしない。
「はい……楽しみにしてます」
はにかむようにみゆきは笑った。
こうして泉家、高良家、柊家、それぞれの場所で、普段と違った顔ぶれによる、普段と違った日常が動
き始めた。
つづく
448 :
42-115:2008/08/04(月) 20:13:29 ID:yg0FrleI
べ、別にマニー・ラミレスのトレードを見て思いついたんじゃないんだからね。
もっと前から考えてはいましたが、難題だった泉家編がまとまってきたので書き始めてみたり。
以後、
柊家編「指切り! カレー食いに行く」
泉家編「小さなメロドラマ」
高良家編「みなみ争奪 ゆたかvsゆかり看病合戦」
と続くはずです。
それでは、ありがとうございました。
>>448 なんと、お泊りの三連鎖とは。
みゆつか・こなかが・ゆたみな、一粒三度の美味しさに期待してます。
というかゆかりさん、ゆーちゃんで遊ぶ気満々だしw ぐっじょぶでした。
最後は全員移動して大所帯、というのも期待したい。
てか、その手があったかーーーー!!
まだまだらき☆すたはネタが尽きないなぁ。
ゆうちゃん祭りだわっしょい!
>>428 夜空を見る場面だけ切り取ると感動ジャンルの小説のようで、
全体では壊れモノというある意味才能の無駄遣いにGJ!
>>437 うかつに触ると壊れそうな繊細さがGJ!
>>448 続きを楽しみにしてます、
特にゆかりママとゆーちゃんがどう絡んでいくのかワクワクしてまってます。
あとZOCで思いついたのですが、この状態でゆたかフェチが発動したらと怖い考えが。
「退却はできませんから、ステップロス(脱衣)しましょうね」
…シベリヤで頭を冷やしてくる
これは完全に設定勝ちですね このアイデアに乾杯
続き期待しときます!
>>448 こwれwはw 続編が激しく気になるGJ !
それぞれがそれぞれの家にお泊りに行くなんて斬新で面白い !
どんなハプニングが待ち構えているのか非常に楽しみ
しかも各タイトル名が意味深でwktkが止まらないwww
続編待ってるよ !
>>448 まさかこなたはゲームしてるんじゃ・・・
>>448 泉家と高良家の二家に集えばいい気が
泉家 こなた+柊姉妹
高良家 みなみ+みゆき+ゆたか
俺、今期のテストが終わったら書きかけのSS仕上げて、今までのSS読むんだ・・・
そこをあえて三角トレードにするから妄想げふんげふん話が広がるんじゃないっスか!
>>334 三角貿易か。
お互い、それぞれに阿片以上に破壊力がありそうだ。
こういう事か。
突然ですまないが、ゆたかが風邪を引いた。
「ゆーちゃぁん……お姉ちゃんが看病してあげるからねぇ……」
やたら手をワキワキさせる息の荒いこなたにいいように弄ばれ、
「まったく、病人なんだから優しくしてやれっての……ほら、体舐め、もとい。拭いてあげるから服脱いで」
「お姉ちゃんも落ち着いて……ゆたかちゃん、はい、おかゆ。隠し味入りだよ☆」
かがみには全身を舐め回され、つかさには媚薬入りのおかゆを食べさせられ、
「皆さんそろってどうしたのでしょうか……。はい、小早川さんにお見舞いですよ」
みゆきによって隠しカメラが仕掛けられ、
「……ごめん、ゆたか……」
唯一正気を保っていたみなみもゆたかのエロ光線に中てられたのか襲ってしまい、
「ぬおーっ!?ここはシャングリラか桃源郷かーっ!?」
あえて傍観者の立場でいたひよりはひたすらにペンを動かし、
「これぞマサに『ゆたか☆フェチ』デスネーッ!」
その横でパティが栄養ドリンクを飲んで本番を待ち望んでいた。
最近・・・黒くなったり・・・総受けになったりで・・・いそがしいです・・・
よく体調不良にならないものだと、みなみちゃんとおねえちゃん(ゆいのほう)が
日夜ひやひややきもきしてます・・・。
しばらくスレから遠ざかっていた俺だけど、
なんかたった今、ハードディスクを漁ってたら一年以上も前に書いた原稿をサルベージしてしまった……。
これはスレに投下しろというかなたさんの啓示なのだろうか。
>>463 EXACTLY(そのとおりでございます)
465 :
サンシャイン:2008/08/05(火) 02:49:08 ID:njPAMaQ6
おk。この名前も一年ぶりくらいかも。
タイトルは「美女と野獣」。かがみ×つかさで非エロ。
3レスを想定してるけど、もし入らなかったら4レスです。
つかさが真剣な顔で、ほうれん草のソテーからコーンをそっと箸で摘んだ。
ふるふる震える箸先のコーンを口元に運び急いで咀嚼すると、すぐに次のコーンを睨みつけ弁当箱上の悪戦苦闘を再開する。私の好きなつかさの仕草、その1。
中間試験と共に春の陽気は何処へか去り、天気予報の彼方から一年ぶりの汗ばむ季節が舞い戻ってきていた。
翻るベージュのカーテンの向こうでは羊そっくりの高積雲が地上約6000メートルの高みで群れをなしている。
私立陵桜学園3年B組の教室での12時37分、私、柊かがみはつかさ謹製の豆腐ハンバーグ――「好物は最後に食べる理論」の犠牲者の解体作業に勤しみながら、双子の妹の食事風景を眺めていた。
つかさはいつも一生懸命食べる。
気をつけて見てないとご飯を頬いっぱいにしてしまうし、かぼちゃのコロッケをもりもりと咀嚼する。ちょっと苦手なアスパラガスもベーコンに包んで「う〜」と唸りながら頭から齧る。
そんな愛しい妹の百面相を頬杖ついて眺めるのが、おいしいお弁当にも勝る私のささやかな日々の糧なのだ。
もっともつかさは、しっかり者の姉である私が「にへら」とだらしなく緩みがちな頬を、ありとあらゆる表情筋を駆使した必死の努力で引き締めているとは夢にも思わないだろうケド。
あ、ほら。
「つかさほっぺついてるわよ」
「あ……えへへ。お姉ちゃんありがとう」
頬についた米粒を指先で取ってあげるとつかさは照れくさそうに頭を掻いた。
私はといえば指先を擽ったつかさのショートヘアの感触に内心どぎまぎしながら「もう子どもじゃないんだから、もっと落ち着いて食べなさいよ。お昼休みはまだあるわよ」なんて言い繕うのだ。
ちらりと横目につかさの方を伺う。私の心中に気づいた様子……大丈夫全くなし。この何もわかってなさそうな笑顔で玉子焼きを突付いている鈍感な妹に、この密かな恋慕を悟られるわけにはいかないのだ。
ああ、私ってなんて幸せなんだろ。愛しい妹の横顔を存分に堪能しながら、胸にじんわりと染み込むこの気持ちを享受する。
短い昼休み、毎日他クラスから遠征し、隣の白石君の座席を強奪した甲斐があったと心底思う。
そのやりとりに、チョココロネの効率的な食事法を黙々と研究していたこなた(仲良し四人組が集るささやかな集会場、皆が囲むこの机の提供者)が面を上げて尋ねてきた。
「かがみとつかさってさ、本当に仲いいよね?」
「えへへ、そうかな」「でも双子なんだしこれくらい普通なんじゃない?」
「ん〜、でも兄弟姉妹だからこそ、普通学校みたいな場所では別々に人間関係を築いて互いに干渉しないものなのじゃないかナ?」
「まぁそういう姉妹もいるかもしれないけど、私達はそうじゃないってだけでしょ」
私はつかさなしの高校生活なんて想像できないし、したくもないけどね。
「それをわざわざ隣のクラスから一緒に昼ごはん食べに来て、しかもお揃いのお弁当。これはもうフラグ立ってるとしか思えないヨ!」
「結局それが言いたかっただけかい!」
照れなし、どもりなし――いつも通り、即座のツッコミが出来たと思う。
ちらりと横目につかさの方を伺う。よし大丈夫。この何もわかってなさそうな顔して玉子焼きを突付いている鈍感な妹に、私の密かな気持ちを悟られるわけにはいかないのだ。
それにしてもなんて危ない事を言い出してくれるのだろう。この厄介な友人を軽く睨みつけてやる。
「いやぁ昨日ゲーマーズで『百合姫S』の創刊号を買っちゃってさ〜♪ 椿あすの表紙とポイントに惹かれて思わず衝動買いしちゃったんだけどね。
本誌の方は前から読んでたんだけど、『マリみて』以来の百合ジャンルの興隆はめざましいものがあるよネ〜」
「ああ、はぃはい」
逆向きにした椅子の背もたれに抱きつきガタピシと前後に揺すりながら、オタク特有のオーバーアクションで捲くし立てる。
ところが、そこでこなたは一際大きい癖ッ毛を揺らすと「ぬふふ」と悪戯っぽい笑顔を私に向けて、とんでもない爆弾を落としたのである。
「ましてさっきの仕草なんてねぇ……ぬふふ」
「なによ?」
「かがみんとつかさ、まるで新婚さんみたいだったヨ♪」
ぽてっと箸の隙間からしゅうまいが弁当箱に落下した。落ち着いた動作でそれを拾いなおし、口元に運ぶ。
見れば、得意気になったこなたは頬からご飯粒をとってあげるジェスチャーを再演してみせ、赤面するつかさを困らせている。
アホらし。要するにこいつは面白半分に私を囃しているだけなのだ。
私は溜息をつくと、冷静沈着に購買のビニール袋から豆乳の200ミリリットルパックを取り出し、ストローを刺そうとするも手元を滑らせまくって己の右手にプスプスと突き立てた。視線を落とすと、緊張した両腕がカタカタと震えている。
あー……まずい。なんか面白いくらいに動揺してるよ、私!
高鳴る動悸を無理やり抑え、とにかく回答を捻り出す。
「なななななななにをおっしゃっているのかしらこなたさん新婚さんだなんてそんな。ね、ねぇみゆき?」
だ、大丈夫大丈夫。たぶんなんとか自然な言動の範疇!
「確かに凛々しいかがみさんと家庭的なつかささんが並ぶと鴛夫婦に見えるかもしれませんね。私は一人っ子ですからおふたりは仲が良くて羨ましいです」
「うんうん、つかさは本当にお嫁さんってカンジだよね。料理うまいし尽くすタイプっぽいし。対してかがみは野獣?」
「ううぅぅうっさいわねっ!」
……とりあえず落ち着こう。
おどけるこなたにヤケクソ気味の怒りを散々ぶつけ尽くした私は、東京砂漠と化した喉の渇きを退治すべく豆乳を吸い上げた。心中では明鏡止水と三度念じる。
一息ついた私に、それまで「あはは」と困ったような笑みでこなたとの掛け合いを眺めていたつかさが、無邪気に話しかけてくる。
「でも小さい頃のおままごとでもいつも私がお母さん役で、お姉ちゃんがお父さん役だったよね。私ね、よく幼稚園の友達に羨ましがられてたんだよ」
「そうなの? なんでよ」
「だって旦那さん役のお姉ちゃん、近所の男の子の誰よりもカッコよかったもん。みんな『まるでディズニーアニメに出てくる王子様みたい』って……えへへ。お姉ちゃん素敵だったなぁ」
「え……?」
瞬間、何を言われたのかわからなかった。
私、柊かがみは柊つかさの事が好き。でも私の“好き”はつかさの私に対するソレと違って、極め付き危険な代物なのだ。“女同士”で“姉妹”で片方だけでも親泣かせのトンデモない核爆弾なのである。
だから私は己の恋心と非核条約を締結し、厳重な処理を施して心の奥深くに封印しなければならないし、事実私はそれを17年間見事に隠し通してきた。その気持ちに正直になっちゃいけないんだって自分に言い聞かせてきたのだ。
なのに、それだっていうのに!
つかさの一言は冷徹なまでに正確な狙撃で私の恋心をズキューン! と貫いたのだ。
え、なに!? 王子様? 素敵って、つかさが私に言ったの!? ――し、死ぬ。ドキドキしすぎて死ぬ!
頭がグツグツと沸騰して、心臓がメルトダウンするんじゃないかってくらい反応してる。今、この火照った頬に触れれば絶対大火傷の上300年くらい放射能汚染されちゃうと思う。
――もちろんそれはは姉として私を尊敬しているがゆえの言葉だったのだろう。しかしつかさはわかっていなかったに違いない。その罪のない、剥き出しの好意が、どれほど残酷に私を勘違いさせ、翻弄する事になるのかが。
すっかり魂の抜け殻と化した私の隣で、みゆきはいかにも微笑ましげに頬に手をあて、最後のトドメとばかりにとびっきりの爆弾を投下した。
「つかささんは本当にかがみさんの事が好きなんですね」
「うん! えへへ、大好きだよ」
それはもう、太陽へ背伸びする向日葵のような天真爛漫な笑顔だった。
言われちゃった言われちゃった言われちゃった――っ!
当然の帰結として、その晩私は枕に顔を埋め自室のベッドの上で悶えまくっていた。
つかさの「素敵」「大好き」という唇の柔らかな動きが、脳内オーディオに延々とリピート再生される。
溢れるときめきの赴くままに転げまわった結果、密かに気に入っていた「I LOVE NY」のTシャツ(いのり姉さんの大学卒業旅行土産)と几帳面にベッドを覆っていたシーツがすっかりしわくちゃになってしまったがそんなのに構っていられる余裕はゼロ。
気を落ち着けて小説でも読もうと取り出した『フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ』も、集中力が三行と持たず、幾度ものチャレンジの末結局諦めて枕元に投げ出してしまっていた。
舞い上がるな舞い上がるな私。
そう、つかさは私を姉として尊敬しているだけなのだ。
例えばお風呂あがりバスタオル一枚で私の前で牛乳を飲んでみせたり(私の好きなつかさの仕草その2)、「全然胸大きくならないよー」などと淡い膨らみをふにふに揉みながら泣き言を言ってくるのも(同その3)、
「お姉ちゃん何読んでるの?」なんて胸元が際どい角度で覗き込んでくるのだって(同その4)、私を姉として信頼しているからでけっして私を誘っているからではこれっぽっちもない。
まして私がつかさのアレなところを見えそう見まいでも見たいちょっとくらいならっていうか姉妹だしこれくらいのスキンシップは当たり前よねいやダメだ誘惑するんじゃない私は純粋につかさを愛して、あ、今チラッと薄桃色の先っぽが♪
……」などと葛藤しながら「だらしないわよ早く服着なさいよね」と叱り付けているなど全然想像もしていないはずなのだ。
でも。私は枕に頭を埋めて考える。
これはあくまでも仮定の話。もしも、つかさの“好き”も私と同じ“好き”だったら?
例えばいつかのごっこ遊びのようにつかさが私のお嫁さんになってくれたとしたら。つかさが、私の、お嫁さん! その甘美な想像に私はじったんばったん七転八倒する。 子どもは男の子ひとりと女の子ふたりが理想かなぁ。ああ、絶対今夜は眠れん!
ああもう! もう!
「お姉ちゃんお風呂空いたよ〜」
「うひゃあ!」
背後の扉をちょこっとあけて、覗き込んだつかさの声に、私は悲鳴をあげた。
「お姉ちゃん?」
「ああ、うんなんでもない! すぐ行く」
用件を告げてトタトタと自室に戻って行くつかさの足音が、早鐘のように打つ自分の鼓動と重なる。
あーあ。私は身を捩って仰向けに天井を見上げた。顔の火照りが消えない。
無理だった。落ち着けとか、勘違いするなとか、冷静になれとか散々繰り返した自戒の言葉は、つかさの声ひとつで吹き飛んじゃった。瞼の裏につかさの笑顔を思い描く。
そりゃそうよね。だって想い人に「好き」って言われたんだから。
だからやっぱり、ドキドキするななんて無理!
――結局、私が眠る事が出来たのは翌朝も五時を回った頃だった。
視界の沸騰、グツグツと泡立つ脳髄。動悸に眩暈に神経衰弱。典型的な片思いシンドローム。
その症状はその後一週間に渡って私を苛み続ける事となったのである。
469 :
サンシャイン:2008/08/05(火) 03:03:32 ID:njPAMaQ6
以上です。ここまでで原稿の半分くらいなのですが、ラストが書きかけで放置してあったのでとりあえず今回はここまでという事で。
本当はタイトルに前編とつけるべきなのかもしれないですが、ここで放置してしまった場合に後々座りが悪いのでつけてませんw。
まだスレが一桁代の頃に書いていたもので、ほとんど当時の文章のままです。
当時の自分はどうもこのSSに凄く不満があって投げちゃった事は覚えているんですが……今見るとどこがそんなに気に入らなかったのか自分でもよくわからない……?
詳細なプロットが残っていたので続きを書こうと思ってはいるのですが、あまり余裕がないのでひょっとしたら十月以降になっちゃうかもしれないです。
GJ!
遅くなってもいいから確実に続きを書くのだw
>>469 お帰りなさいませー。
煩悩大爆発のかがみが可愛くてなりません。
続きも気長にお待ちしております。ぐっじょぶでした。
被りがなければ数分後に小ネタ投下します
473 :
48-105:2008/08/05(火) 20:25:41 ID:I0sePyKx
4レス予定
■非エロ
■つかさとかがみ(つかさ視点)
■ワンパターン
■オリジナル要素盛りだくさん
474 :
ふたり分の影:2008/08/05(火) 20:27:22 ID:I0sePyKx
世界は夏の夕暮れだった。
高く伸びた二つの影が並んで、時折一つに交わった。
吹く風はいつも暑い。
「ん? つかさ? どうしたの、体調悪いとか?」
「う、ううんっ! 平気だよ」
また二人の影が一つになる。
今日は朝から調子が悪かった。
何をしても、何を考えても、
浮かれてるのか落ち込んでるのか、懐かしんでるのか焦っているのか、
ふわふわして、いつだって浮いていて、凄く不安だった。
きっと昨日見つけた思い出達の所為だ。
物置になってる部屋の押入。
そのずぅっと奥にしまい込んだ、子供らしい二つの道具箱。
箱に汚い字で書かれた私達の名前。
中身はたくさんの思い出、私達が生きてきた証達。
それは幾多の二人を写した写真であり、
誕生日に互いに交換しあった宝物であり、
初めて二人でお洒落をした時の記念だった。
きっとあれらの所為で、やっと忘れられそうになっていた私の本心が、
今頃になって目を覚ましているのかも知れない。
その証拠に、ほら。
「えへ、ちょっと熱中症なの、かな……」
お姉ちゃんに声をかけられただけで、言葉が震えて、まっすぐ前を向けない。
「あーもー、辛かったらちゃんと言うのよー?」
記憶を遡る。
思い出せる限界まで遡ってみて、それまでのどの時間にも私の隣にはお姉ちゃんがいた。
私が一人でいても、気付けばお姉ちゃんが手を握っていてくれた。
お母さんが言っていた。
私達は双子だから、仲良くしなさいと。
だからこれは家族としての仕事なんだと、思っていた。
私はどちらかと言うと家で遊ぶ子で。
お姉ちゃんは外で遊ぶ子だった。
小学生になってからは、私はお姉ちゃんに連れられて、
普段は行かないような色んなところに遊びに行った。
知らない公園。隠れるように開かれた駄菓子屋さん。隣町の噴水公園。
かき氷が美味しいお店。男の子達が遊んでる土手。見たことのない大きな駅。
二人で歩いて、周りの街並みを全て自分たちのものにしようと、隅々を歩いて回った。
帰り道にはいつも、二つの高く伸びた影。
私はちょっと走るとすぐ疲れちゃうけど、お姉ちゃんは男の子みたいに丈夫で。
どれだけ遠くに行っても、家に帰るまで笑顔でいられる強さが羨ましくて。
私が男の子だったらなと、あの頃は毎日のように考えていた。
二人でいる時間は言葉に出来ないくらい楽しくて、暖かくて、嬉しくて。
気付けば私達は中学生になっていた。
私達は知らないうちに少しずつ大人になっていて、
子供のように振る舞う事も少なくなった。
その頃のお姉ちゃんは、同年代で比べれば大人っぽくて、喋り方もしっかりしてて、でもたまに可愛くて。
だから人気が出るのも当たり前で、私にとっては自慢のお姉ちゃんだった。
そんなお姉ちゃんを、男の子が放っておくわけもなくて。
3年生の夏に、お姉ちゃんは隣のクラスの人に告白された。
475 :
ふたり分の影:2008/08/05(火) 20:28:16 ID:I0sePyKx
その夜、私とお姉ちゃんは夜が更けるまで語り合った。
お姉ちゃんの相談を聞いているうちに、私はだんだんその男の子が羨ましくなって。
次の日、その人とぎこちなく向かい合うお姉ちゃんの間に割り込んで、
『あのねっ、お姉ちゃんは他に好きな人がいるの、だからその、ごめんねっ!』
と、これから始まるはずだった二人の仲を裂いてしまった。
酷い事してごめんね、と泣きじゃくる私に。
お姉ちゃんは怒ることなく、呆れたような、子供をあやすような笑顔で、
そっと頭を撫でてくれた。
しょうがないわね、つかさは、って。
その、お姉ちゃんの顔を見て、私は気付いた。
もう子供の頃みたいにはなれなくて、
私は負担になり始めてるんだって。
だから私は、その日から少しずつ、ほんの少しずつ、姉離れを始めていた。
高校生になってから、友達が出来て、お姉ちゃんといる時間が少しずつ減っていって。
たまに迷惑はかけるけど、それでも昔みたいに束縛する事はないって、
凄く順調だったのに。
もう、心配かけてないはずなのに……。
「ほら」
私の足から伸びた影が、もう一つの影と繋がっていた
「つかさ……?」
ダメ、心配かけてる……。
私は応えるように、その手を握り返す。
「平気だよ、一緒に帰ろ」
そう言って、二人で歩き出す。
あの頃のように、長く伸びた、一つになった二つの影を従えて。
家に帰ってからも、私は昔みたいにお姉ちゃんから離れないでいた。
離れたくなかった。
きっと昨日見つけた思い出達の所為?
違う、きっとこれが、私の本心なんだ。
ご飯を食べて、お風呂から出て、寝る時間になって。
私は結局、お姉ちゃんの部屋から出れない。
「つかさ、明日起きれなくなるわよ?」
友達と話す時と同じ声の出し方。
そんな些細な事実一つで、また胸が痛んで、涙腺が熱くなる。
「お姉ちゃん……私達、どうして双子なのかな……」
「は? つかさ何言って、ちょっ!」
言いかけたお姉ちゃんの言葉が揺れる。
私は自分の言葉を言い終わると、真っ直ぐにお姉ちゃんを抱きしめていた。
ぎゅぅっと、強く。
遠い夏、倒れた私を強く抱きしめてくれたあの時のお姉ちゃんのように。
二人の胸が押しつぶされて、鼓動が混じり合うくらい、強く。
「ちょっと……つかさ、痛い」
「私も……痛い……」
自分でも怖いくらい声が震えていた。
全身から伝わる体温が心地よかった。
酷く懐かしかった。
476 :
ふたり分の影:2008/08/05(火) 20:29:13 ID:I0sePyKx
「甘えんぼね」
髪を撫でられる。
私に応えるように、お姉ちゃんが抱き返して、頭を撫でてくれていた。
頬を重ねて、なんでも許された子供の頃のように。
「つかさ、どうしちゃったの?」
顔は見えないけど、耳にかかるその声は、友達に向けられるものじゃなくて。
あの頃と同じ、妹の私にだけ向けられる声だった。
「ごめんねっ……ごめ、ん……あれ、私、あれれ……」
もう限界だった。
数年ぶりに再会したあの頃のお姉ちゃんが、あまりにも懐かしくて、
私もあの頃のように、泣きじゃくっていた。
お姉ちゃんの身体が傾いて、ベッドに吸い込まれた。
私もつられて倒れる。
倒れた先にはお姉ちゃんの顔。
「はは、酷い顔」
優しく笑って、私の涙を指でそっとすくう。
その仕草に、また胸が痛んで、私はお姉ちゃんに抱きついていた。
こつん、と額同士がぶつかる。
視界いっぱいにお姉ちゃんが広がる。
また胸が痛い。
「もうここで寝ましょ。今のつかさ、部屋に帰せないわよ」
目の前のお姉ちゃんが、あの頃と同じように、頭を撫でる。
どんどん、胸が痛くなる。
わかってた。
お姉ちゃんが好きだって事は。
小さい頃からずっと憧れて、憧れなのにいつも傍にいてくれて。
中学生の時、お姉ちゃんが告白されて、その時にはっきりとわかったんだ。
私は、ずっとずっと、うんと前から、お姉ちゃんが好きだった。
でも私とお姉ちゃんは、当たり前のように双子で、姉妹で、女同士で。
好きになったって、幸せになれないのも当たり前のように決まっていて。
でも、私が好きって伝えれば、お姉ちゃんはそれに応えてくれそうで。
だから余計に伝えられなくて。
477 :
ふたり分の影:2008/08/05(火) 20:30:35 ID:I0sePyKx
伝えたい、今すぐ伝えたいって、胸がキリキリ痛む。
本当は姉離れだってしたくなかった。
いつまでもずっと、お姉ちゃんの妹でいて、私のお姉ちゃんでいてほしかった。
いつかの歌も言っていた。
神様は何にも禁止なんかしてないって。
きっと、私が愛していると言ってしまえば、お姉ちゃんは酷く困ってしまう。
優しくて、責任感が強くて、面倒見が良くて、
そんなお姉ちゃんだから、私の為にたくさん困ってくれる。
また、涙がこぼれた。
「何があったか知らないけど、甘えていいんだからね」
「私、つかさのお姉ちゃんなんだから」
ああ、そうだ。
やっと、わかった。
お姉ちゃんはあの頃から何も変わっていない。
いつでも私の傍にいて、私が困ってると手を貸してくれて、
私が甘えたい時はいつでも胸を貸してくれて。
本当は、あの頃から何も変わってないんだ。
変わってしまったのは、姉を姉として見れなくなった、私だ。
「それにしてもさ、つかさとかがみっていっつも一緒だよねー」
「いや、そんな事ないわよ。結構別々よね」
「うん、私ももうお姉ちゃんに迷惑かけちゃいけないかなって」
「そうそう、つかさもしっかりしてきたのよ。どっかのこなたとは大違いよね」
「うぐっ……今日のかがみんはツン要素が強いな」
私達は、今日も双子だ。
ふたり分の影 〜 Lucky Star
478 :
48-105:2008/08/05(火) 20:31:38 ID:I0sePyKx
投下完了、失礼しました
>>478 GJ !
最後のこなたの一言は、妬きもちですか? w
GJ
切なくて暖かいというか、つかさに「よかったね」って言ってあげたくなるような
そんなSSでした。
481 :
23-49:2008/08/06(水) 19:24:46 ID:skX4OLNX
どうもです
短編一本行かせてください
被りがないようでしたら五分後ぐらいから
・かがみ&こなた
・エロ無し
・7レス使用
・42スレ目204氏に捧ぐ
ツンデレ。
こなたに言わせると、私はソレであるらしい。よくそう言ってからかってくる。
しかし私としては、これには異を唱えざるをえない。
曰く、本心では好きであるはずなのに、照れくさいなどの理由からツンケンした態度を取ってしまう――
こなたの言動や、そっち系の本やウェブサイト、またたまたま耳にしたラジオなどから得た情報を統合
すると、そんな感じだろうか。
言葉自体は最近になってできたもののようだが、そういった感情は昔から――それこそヒトに自尊心や
羞恥心というものが発生した太古の昔から存在していたはずだ。
それをわざわざ新しい言葉でラベリングするのは、つまりそういったものに手っ取り早く『萌える』ための
一種の合言葉のようなものなのだろう。最大限に好意的に解釈すれば温故知新とも言えるか。
――話が逸れた。
ともかく、とりあえずそのように定義するとして……なるほど。
確かに私にもそういった一面はある。それは認めよう。
だが、だからといってこなたの言うように、ソレこそが私であり、私こそがソレである、などと決め付けて
しまうのは早計であり、短慮であり、明らかな誤りであると断言する。
何故なら、そんなのは私だけじゃないからだ。誰にだってそういう一面はあるからだ。
たまたま私の周りにいる人間が、例えばつかさやみゆきなどが素直すぎるから目立ってしまうだけで、
私だけがソレだなんてことは断じてない。
そう。
私だけじゃなく、例えば――そう。
こなたにも。
私のことを最も、というかほとんど唯一『ツンデレ』呼ばわりするアイツにだって、そういう一面はあるのだ。
ooo こなデレ ooo
「かがみさまー! ゲマズ寄ってこーっ!」
ある秋口の放課後。
帰り支度をしていた私の元に、例によって例のごとく、騒々しいアイツがやってきた。
「様って言うな。あと大声でゲマズとか言うな」
とりあえずぶった切ってやると、こなたはハタと足を止め、そして何を思ったのか、
「――しゅいんっ」
妙な掛け声とともにその場でターンした。
そうして改めて口を開く。
「お姉ちゃんっ、例の怪しいお店につれてって!」
「なんで悪化してんだよ!」
反射的に怒鳴る。
しまった、と思ったときには既に遅く。こなたの顔がニンマリしたものへと変わっていた。
ちくしょう。また乗せられてしまったじゃないか。
「お気に召さなかった?」
「召すか。ってかなんで一回転する必要があるんだ」
「切り替えを示す記号だよ。基本じゃん」
「どんな上級者向けの基本だよ」
ああもうわけわからん。
思わず額を手で押さえる私。
むふふふと怪しく笑うこなた。
つまりはいつものパターンだ。
「いやぁやっぱりいいねぇかがみのツッコミは。一日一回はもらっとかないとね」
「一回じゃないだろ。朝もさんざんからかってきたくせに」
いや。
それよりも、そんなことよりも、だ。
「とりあえず『お姉ちゃん』はマジでやめろ」
「そう呼んでいいのはつかさだけ?」
「……」
思ったことをそのまま言われて、また急に真顔になられて、わずかに戸惑う。
「そ、そうよ。分かってるなら最初から言うな」
「フム。――じゃぁさ、」
ぴ、っと人差し指が突きつけられる。
「将来つかさが結婚したとして、その相手にはなんて呼ばせるの?」
「なっ……!?」
絶句した。
自分でも意外なほどの動揺に襲われる。
しかし……だから、逆にそのおかげで気が付くことができた。こなたが、何気ないふうを装いながら、
その目に喜色をにじませていることに。
冷静になれ。
自分に言い聞かせる。ここで下手に反応したらコイツの思う壺だ。
「……知らないわよ、そんなの」
「そお? 考えといた方がいいんじゃない?」
「……うるさいわね。だったら適当に『さん』付けでもさせるわよ」
「なるほど……ということはつかさはみゆきさんのヨメになるわけか」
「……」
お前は何を言っているんだ?
「ん? だって今のところかがみを『さん』付けしてるのってみゆきさんだけじゃん」
「将来の話じゃなかったのかよ」
「ついでにかがみが私のヨメになって、四人でルームシェアなんてできれば完ぺきだね」
「聞けよ! ってか何の話だよ!」
しかもなんだ『ついで』って。
……いや、ついでじゃないなら良しとかそんなことはまったく全然ないんだけれども。
「何って。だから、ゲマズ行こって」
「繋がってねー……」
げんなりと項垂れる。
ああもう、本当にコイツは。
脈絡が無いこともそうだが、ここまで人をウンザリさせておいて、なお誘いに乗ってもらえると思っている、
その神経が理解できん。
「ねぇ、行こーよかがみぃ〜?」
当然お断りだと、言いたいところでは、あるのだが。
そう言ったところで素直に引き下がるとは思えない。昼に顔をあわさなかったことも関係しているのか、
まとっている気配がやたらと粘着質だ。恐らくはあの手この手で篭絡しようとしてくるに違いない。
ならば、これ以上クラスメイトたちの前で下手なことを喚かれるよりは、素直に乗ってやるのが得策か。
「ねぇねぇ〜? かがみってばぁ〜?」
「うるさいわね分かったわよ。――分かったから人の髪で遊ぶな!」
それに、そういえばあのラノベの新刊もまだ買ってなかったし。ちょうどいいといえばちょうどいいのよね。
「わーい! ありがとーかがみーん!」
「ちょっ――こら! 離れろ!」
あーもう。
毎度のことだってのに、どうしてこう嬉しそうな顔するかなコイツは。
そんなこんなで。
こなたと二人、大宮のアニメショップにやってきた。
「で? 今日は何を買うのよ」
「んー……とりあえずコンプでしょー? それとあのマンガと、あそことあそこの新刊が一冊ずつと、あの
アニメのサントラも買っとこうかな。あと余裕があればトレフィも買えるだけ……って感じだね」
「よくそんだけ買うお金あるわね……」
呆れる。
どれがどのぐらいの値段なのかがだいたい分かっておおよその合計金額が弾き出せてしまう私の方も
微妙にどうなんだって気がしないでもないけど。
「フフン、ダテにバイトしてるわけじゃないのだよ」
「いや、褒めてないから」
それにしても、本当に。
商品を次々と買い物カゴに放り込んで――いや、丁寧に収めていくこなたは、本当に嬉しそうで。
人生を楽しんでいるのだなぁなどと、心ならずも感心してしまう。
そして、羨ましくも思ってしまう。
きっと私にはできないのだろう。こんな、趣味に全てを注ぎ込むような生き方は。
「その情熱を少しでも勉強とか、学校行事に回せばね……」
思いながらも憎まれ口を叩いてしまうあたり、ツンデレ呼ばわりされる所以なんだろうか。
「いーじゃん別に。どうせ将来の役に立たないんだから」
「同人誌は将来の役に立つのか?」
「むぅ……でも、日々の活力にはなるもん」
「活力なんか発揮してないでしょうが。……っと、あった」
説教の途中だが、新刊発見。
足を止め、取り上げる。
「ん? あぁ、ソレ買うんだ」
興味薄げながらも手元を覗き込んでくるこなたに、一応表紙を見せてやる。
「うん。ちょうど買い逃してたから、ついでにね」
「かがみん好きだよねぇ、ラノベ」
「別にラノベが好きなわけじゃないわよ。この話が好きなだけ。――ってかアンタに言われたくないわ」
なんなんだその重たそうなカゴは。
さっき言ってたのの軽く倍はあるじゃないか。
「あっはっは。――ところで、そういえばソレ、マンガにもなってるよ? ソッチは買わないの?」
「ん? う〜ん……パス」
「お小遣い足りないの? だったら協力するよ? 付き合ってもらってるんだし」
「はあ? 何よ、いきなりそんなこと。気持ち悪いわね」
「ひどっ!? 人がせっかく」
「あ、ご、ごめん。……でも、珍しいじゃない。どういう風の吹き回しよ」
マンガやアニメの話は遠慮なくしまくるくせして、人に薦めてくることは滅多にないヤツなのに。
しかもお金まで出すなんて。
「どうって、読んで面白かったからだよ。評判もいいみたいだし」
「それだけ?」
「うん。ただ、ソレを買ってもらえると目標の景品に手が届くってのもある」
「やっぱりそれか! そういうことか!」
ああもう、まったく。
分かってたけどね、私を誘ったのがそもそもポイント目当てだったってことぐらい。
「だからそっちはついでだってば。かがみにも読んで欲しいだけだよ」
「はいはい。でもやっぱりパス。話は同じなんでしょ?」
「そうだけど……コミカライズには原作にはない魅力があるんだよ? 好きな話の新しい一面を見たくは
ないのかい?」
ずずい、を顔を寄せてくるこなた。思わず仰け反る。
「し、しつこいわね。いいって言ってんだしょ。ってゆーか、そういうことはアニメの原作読んでから言えっ」
「むぅ」
言ってやると、こなたは顔を離して肩を落とした。
「ちぇー……せっかくかがみと同じ本の話ができると思ったのになー……」
「え……」
ひどく淋しげな声。
胸の辺りがちくりと痛む。
「……でも、そーだよね。だったら私が小説の方読めばいいだけだよね」
「こなた……」
「……いいよ、かがみ。もう言わないよ……」
「いや、あの……」
待て。
落ちつけ私。騙されるな、これは罠だ。押してだめだったから泣き落としに切り替えただけだ。
ここで乗ったらこなたの思う壺……そうよ。今まで何度同じ手に引っ掛かったことか――
「……ごめんね?」
「っ……!」
ああ。
もう。
「んふふふふ〜♪」
「……恥ずかしいからやめろって」
店のロゴが入った紙袋に頬擦りしながら顔をとろけさせているこなたに、負け惜しみを投げかける。
ええ、そうよ。
まったく。なんで分かっていながら乗っちゃうのかしら。
「あいあい〜♪ っと。それじゃコレ。ありがとね、かがみ」
こなたは素直に袋を下ろし、中からさらに小さな紙袋を一つ、取り出してこちらに寄越してくる。
私の分の二冊だ。レジでわざわざ別梱包にしてもらっていた。
「……どうも」
別に剥き出しでもいいのに。すぐに鞄にしまうんだし。紙がもったいないじゃない。
自分はアニメ雑誌なんかを平気で教室で広げたりするくせに、人のことには無駄に気が回るんだから。
……だから、なのかな。
なんだかんだ言って、そういうヤツだから。それを知ってしまっているから、私は。
「いやいや〜、お礼を言うのはこっちだよ〜♪」
「……別に礼なんて言ってないけど」
「この景品、もうすぐ終わっちゃうところでさぁ〜。ほとんど諦めてたんだよ〜」
「あっそ。どーいたしまして」
ため息。
でも、まぁ。ここまで喜んでいるのを見ると、不覚にも報われたような気がしてしまうのよね。
やれやれだわ。
「それで? このあとはどうするの?」
「ん? ん〜……」
問いかけると、こなたは人差し指を立ててあごに添え、視線を宙に飛ばす。
「……別にないかな。資金もほとんど底をついたし」
「そ。じゃあさっさと帰りましょ」
「うん。――マンガ、読んだら感想聞かせてね?」
「はいはい」
そうして駅の近くまで戻ってきたところで、
「――あ」
行きには気付かなかった“それ”が目に入った。
「なに?」
「ああいや――アレよ」
道行く先に掲げられた真新しい看板を指で示す。
「タコ焼き屋さん? あったっけ?」
「新しくできたみたいね」
確か前に連れてこられたときは……自転車屋か何かだったっけ? まぁどうだっていいけど。
「買う?」
こなたが訊く。
どうしようか。
ダイエットはちょっと前に終わったばかりだけど、そのためここ数日は体重のチェックにも気を抜き気味だ。
つまり油断してしまっている真っ最中なわけで……
でもタコ焼きの一皿ぐらいなら……
「……いや、あの、かがみ? そんな真剣に悩まなくても」
「えっ!? べ、別にそんな……」
「やれやれ、まったくしょーがないなぁかがみんは」
ほくそ笑みのため息を吐きつつ、こなたはお店の方に歩き始めた。
「え、ちょ……」
慌てて隣に並ぶ。
「ちょっと小腹すいちゃった。でも一皿だと多いから、かがみも半分食べてよ」
「う……」
こいつは……
「わ、分かったわよ。でも割り勘だからね。――って、アンタお金あるの?」
「そのぐらいならまだ残ってるよ。――すみませーん、一つくださーい」
その辺にあったベンチに並んで座る。
「さてさて、それじゃあ冷めないうちに食べますか」
言って、こなたがパックの蓋を開けると、店先でも嗅いだ濃厚なソースの香りがもわんと立ち昇った。
きゅるり。
聞こえるかどうかといった程度で胃袋が鳴く。
とっさに口をつぐんでしまうが、こなたには聞こえなかったらしい。タコ焼きに集中しているようだ。
「んん〜、いいニオイ。――はい、かがみ。一人三個ね?」
「ありがと。――言われなくても分かってるわよ」
六個入りを半分こするのに四つ以上取ろうとするような馬鹿がどこにいる。私はそれほど飢えちゃいない。
まぁ、それはさておき。
「でわ」
「うん」
「「いただきまーす」」
ぱく。
「……」
「……」
もぐ、もぐ、もぐ。
「…………」
「…………」
……もぐ。
「……」
「……」
ごっくん。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……マズイ」
ぶっちゃけすぎだ。
が、まったくもって同意なので何も言えない。
「なに、コレ? ……生焼け? とも、ちょっと違う感じ?」
「なんか……ぶよぶよしてたわね」
「だね。でも表面はパサパサ。てかタコ入ってなかったよ」
「そう。こっちは入ってたわよ。鬼のように歯ごたえあるヤツが」
「そうなんだ。……それは、どっちがハズレなんだろう」
「両方じゃない?」
「……」
「……」
なんとも言えない気分でこなたの持つパックを見下ろす。こなたも、なんとも言えない顔で見下ろしている。
「かがみ」
「なに」
「四つ食べていいよ」
「遠慮するわ」
「……」
「……」
どうしたもんだか。
「……捨てちゃう?」
「それは駄目」
即答。
食べ物を粗末にするのは、毒でも盛られていない限り許されないし許さない。
だから私は普段料理をしないのだ。……というわけでは、別にないけど。
「じゃぁどーすんのさぁ!」
「食べるしかないじゃない!」
「そんなぁ〜!」
顔が駄々っ子だ。気持ちは凄くよく分かるが。
ともかく、こうしていても始まらない。放っておいたらきっと冷めてさらに不味くなる。そんな確信がある。
意を決して、二つ目につまようじを突き刺した。
「おおっ、かがみさん行きますかっ」
「行くわよ。アンタも行け」
「うぇえ〜〜……」
情けなく呻きながらも、こなたも二つ目を口元に運ぶ。
「……ソースは美味しそうなニオイしてるのに」
「そうね……」
だからこそ、香りに魅かれた人たちによって噂が広がり、きっとあっという間に潰れてしまうことだろう。
お店の人、いかにも脱サラしましたって感じのおじさんだったけど、大丈夫なんだろうか。
余計なお世話かも知れないが、思わずそんな心配をしてしまうほどの味なのだから仕方がない。
「ぺろり……これは、青酸カリ!」
「なんでだよ」
ああ、突っ込むのもダルい。
「――もとい。味もいいね。ソースだけなら」
「そうっすか」
「……」
「……」
「かがみ」
「な、なによ」
「ごめん……さすがにそれは、私でもフォローしきれないよ……」
「うっ、うるさいわねっ!!」
――ぱくりっ。
勢いに任せて口に放り込む……うう、やっぱり不味い。
「おおっ」
「……、……、……、……、………………、――っくん」
無理やりに咀嚼して一気に飲み干した。
よし、これであと一個。
……何の苦行だ。
「すごいね。よく食べられるよね」
「見てないでアンタも食えって」
つまようじを手にぼけっとしてるこなたを横目に睨む。
ってか、タコ焼きって刺して持ち上げた状態で何分も保持できるものじゃないわよね、普通。
どんな焼き方してんのよ、本当に。
「わかったよぉ〜……あむっ」
「おっ」
「ぷぅっ〜〜〜〜……まじゅい……」
涙目だ。
さすがに泣くほどのものではないとは思うけど……ちょっと気の毒に思えてくる。
いや、立場は私も同じといえば同じなんだけど。
コイツのこういう顔に、なぜだか私は弱いのだ。
「…………むぐっ――ああー……あと一個ぉー……」
「……ごめんね」
「ふえ? なに、いきなり?」
衝動に駆られて謝ると、こなたは半分むせながら目を丸くした。
「だって……元はといえば、私のせいだし……」
「買おうって言ったの私じゃん」
「それは……」
そう、だけど。
形だけ見たらその通りではあるけど、でも、それは「そう言ってくれた」ってだけじゃないか。
先に「食べたい」とアクションを起こしたのは間違いなく私の方だ。
「……」
「……」
こなたが手を下ろし、じっと私の顔を覗き込んでくる。
目を逸らした。
ため息が聞こえた。
「かがみってさ」
「……何よ」
「意外とすぐ謝るよね。ツンデレなのに」
「だから私はツンデレじゃないって」
「認めようとしないのも条件の一つなのだよ」
「……認めたらどうなるのよ」
「そりゃもちろん、自他共に認めるツンデレに」
「逃げ場なしかよ!」
ああもう。
なんですぐ茶化そうとするのかコイツは。人がせっかく――
「そうそう。それそれ」
「――え?」
「かがみは、そうでないとね」
にっこり。
いつものニヤニヤとは違う、優しい笑顔をこなたは浮かべていた。
「……」
「でも、こういうセリフはもうちょっと悲壮なシーンで言わせて欲しかったなー」
「……知るか」
まったく。
コイツは。
本当に。
「ふん、どうせ私はガミガミやかましい食いしん坊ですよ。――ほら、寄越しなさいよ。残り片付けてやるから」
「いいよ。私もちゃんと食べるって」
「いいから、貸しなさいって」
手を伸ばす。
同じ距離だけ、逃げられる。
「そんなに食べたいの? 実は気に入った?」
「そんなわけないでしょ!」
「そう? 私はちょっと気に入ってるけど」
「は?」
「コレはコレで美味しいよ、ネタ的な意味で。今度みさきちあたりに食べさせてみよう」
「やめとけよ。どんな嫌がらせだ」
体勢を戻す。
こなたも戻す。
そしてそのまま、残り二つのうち一つを頬張った。
「あっ」
「ふぁい。あふぉよろひふ」
「……食いながら喋るな」
差し出してきたのをパックごと受け取り、最後の一つを口へと運ぶ。
「……」
「……」
もぐ、もぐ、もぐ。
「……まじゅいね」
「……ん」
本当に。
外側はパサパサと粉っぽくて、中身はぐっちゃぐちゃのデレッデレ。
ひとことで言うなら――そう。
「んっく。――なに笑ってんの?」
「っん。――別に」
こなデレ。
って、感じかな。
☆
こなたに言わせると、私は『ツンデレ』であるらしい。
否定はするけど、認めざるをえない部分も確かにないとは言えない。
しかしそんなのは私だけじゃない。誰にだってそういう一面はある。
もちろん、こなたにも。
私のことを最も、というかほとんど唯一『ツンデレ』呼ばわりするアイツにだって、そういう一面はあるのだ。
だけど、まぁ。
それはまた、別のお話、だ。
489 :
23-49:2008/08/06(水) 19:39:25 ID:skX4OLNX
以上です
ありがとうございました
ええ、まあ、それだけです
なぜだらう
こんなにも正統派なこなかがをみるのは
ひさしぶりのやうなきがする
とにもかくにも、ぐじょー。
>>489 超GJ ! 右に同じくこんなにも清々しい正統派こなかがを読んだのは久しぶりだ !
こなたに強くお願いされると断りきれないかがみww
こなたもこなたで本心隠して実はデレデレだから、ある意味ツンデレだろうね
でもツンじゃなくて、おちゃらけた態度で本心ごまかしてるからツンデレ亜種といったところか
ところで「それはまた、別のお話」と最後にあるけど、続編期待してもいいのかね?
>>489 久々の直球に気持ちよくバッターアウト。
決め球は7レス目の笑顔と直後のやりとりでした。ぐっじょぶ。
>>489 うーん、相変わらず上手い。
「こなデレ」というからにはもうこれ以上ないほどこなたがデレるのだろうと
思いながら読んでいって、最後にそんなオチかよ!と思わせておきながらも、
最後の連を読んで改めて全体を眺め直してみると、こなたの行動は
これ以上ないほど「そういう一面」に満ちていると気づかされるというような。
別の話といいながらしれっと「その話」を語っているというこの構成の上手さ。
敵わないなぁとしみじみ思う。
>>489 これは相変わらずいいこなかが。
って事で夏混みカタログが発売されてもう1月近く経つわけだが
今回もらきサークルは2日目と3日目に分散してんのな。
果たして金と体力が続くかどうか・・・・・
で、冊子版カタログの日本SF大会の広告・・・・・・どっかで見た絵だよな・・・・・・?
まさかとは思いたくないが・・・・・・w
(金銭的な意味で)夏コミにいけない自分が通りますよ、と。
仕方がないから家でひよりんのごとく妄想を続けますか。あとひよりんは俺の嫁。
そしてこなたはかがみの嫁。それとみさおはあやのの嫁。
>>496 「こんな手のかかる嫁いらないわ」
「ヴァッ!!あやのおおおおおお;;;;」
「こんなに手のかかる子には、逆に嫁が必要よ。だから私が・・・」
「・・・あやの・・・(///」
「おーおー、全くバカップルときたら、みてらんないわね」
「始終私にぺったぺたしてるかがみが言える台詞じゃないよね。
あと『かがみが私の嫁』だから(≡ω≡.)」
>>489 GJ!こなもん(小麦粉を焼いたものの総称)の本場在住者より、篤くお礼申し上げます。
ところで、おいしいタコ焼きの秘訣として、
「外はカリッと、中はとろーり」
などと申しますな。
……なんとなく、この作品のかがみんっぽいですな。
外はカリカリ
中はトロトロ
かがみだと思ったら妙にえろい表現な気がしたごめんなさい
どこがとろとろなんだいとか考えてごめんなさい
>>499 「ほぉ〜……かがみん、強がってるけどもうすっかりできあがってんじゃん♪ ここなんてもうトロトロだよ?」
「う、ううう、うるさいっ!」
>>497 どっちかというとペタペタしてくるのはこなたのほうだけど、萌えたからもういいやw
>>499 >>500 なんでそんなにお前らは想像力豊かなんだ・・・w
誰も準備されている方がいらっしゃなければ、三分後に投下いたします。
503 :
36-273:2008/08/07(木) 21:28:18 ID:AySsEnJC
では、参ります。
注意事項
・あきら&白石
・非エロ
・10レスくらい
504 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:29:29 ID:AySsEnJC
「……ふう」
何の気なしに、溜息をつく。そういえば、最近、溜息が多いような気がするな。忙しさの現れかもしれない。
今、僕は、ラジオ局の楽屋前にいる。「らっきー☆ちゃんねる」の収録を終え、これから帰宅するところだ。
折りしも、今日は八月七日。つまりは旧暦の七夕だ。各地で七夕のお祭りが行われる。
今日の収録でも、あきら様にこの話を振ったが、「七夕なんて願いが叶うわけねーだろ! 大体、織姫星と牽牛星は何光年離れてるってんのよ! 一年どころで会えるわけねーっての!」と、ことごとく話を粉砕された。
……ここまで言われると、何も返す気がしない。結局、今回もグダグダの三十分を公共の電波で垂れ流すことになってしまう。
まあ、何はともあれ、今日も仕事は終わりだ。早く帰って、休もう……と思った矢先、僕の耳にあの人の大声が飛び込んできた。
「はぁ? もう一度、言いなさいよ! ……ふっざけんじゃないわよ! ああーん?…だったら、飛べ!」
一体、何があったのだろう。一ついえることは、間違いなく彼女にとって、悪いことが起きたということだ。そして、こういうときの彼女は、何を起こすか分からない。とばっちりがこちらにきたら、たまったものじゃない。
……というわけで、早く逃げ帰るのが吉だ。だから、楽屋に背を向けた、その時だった。
「白石っ!」
怒声が僕の背中に向けられた。怒鳴った人物が誰かなんて、今更言う必要もない。それでも、僕は確認の為に、恐る恐る振り向いた。
そこには、携帯電話を片手に、阿修羅の如く、恐ろしい形相をしているあきら様がいた。おまけに歯軋りまでしている。その怖さといったら、僕が初めて伐折羅大将(ばさらたいしょう)の切手を見たときと同じくらいだ。
ギリギリと廊下に響く歯軋りの音を不快に思いながらも、僕は仕方なく聞く。
「な、何でしょう」
「……あんた、傘持ってるでしょ?」
「はあ、持ってますけど」
今日は朝から雨が降っていた。僕は、このラジオ局にも地下鉄と徒歩で来ている。だから、傘を持っていた。まあ、当然のことだ。
「ならいいのよ」
「はい?」
全くわけが分からない。
自分だけ納得したように、彼女は頷き、僕の聞き返しにも応じず、代わりに携帯電話に向かって、
「あー、もしもし。もう、いいわ。……うん、そう。その代わり、あんたクビだからね」
そう言って電話を切った。随分と穏やかでないことを言うものだ。
どう対応していいものか分からず、僕は曖昧な表情をして立ち尽くす。そんな僕に、彼女は歩み寄ってくる。
「ねえ、白石さーん♪」
そして、僕の前まで来ると、態度を急変させた。営業モードというべきか、ぶりっこモードというべきか……。まあ、ともかく芸能人としての表の顔である。
往々にして、彼女が僕に接する態度は、本性、つまり裏の顔だ。仕事中ならともかく、カメラが回っていない時は、大抵裏の顔で接してくる。そして、何かを企んでいたり、怒ると、営業モードに戻るのだ。
まあ、ようはあれだ。怒ると逆に冷静になる人みたいな。いや、何というか、我ながら微妙な比喩だけれども。
ともかく、本格的に嫌な予感がする。冷や汗がたらりと頬を伝うのが分かった。それでも、逃げるわけにはいかない。逃げたら、なおさら状況は悪くなるのだ。次に会うときに、どんな仕打ちがあるか分からない。まさに茨の道だ。
……閑話休題。今は用件を聞くことにしよう。僕が持っている選択肢は、それしかないのだ。
「……はい、何でしょう」
「実はねー、傘を借りたいんですよー」
「え、でも、あきら様は車なのでは……?」
彼女はいつもタクシーを呼んで、それで帰宅していた。しかも、いつも同じ運転手を指名するらしく、事前にスケジュールを知らせてあるとか。
よくよく考えれば、14歳の彼女にとっては贅沢すぎるような気がするけど、まあ、そんなことを言ったら殺されるので言わない。
「それが、この雨で首都高が渋滞中だって、運転手がほざいてんのよ。今、竹橋の近くだって。見通しの甘さにもほどがあるわ。道路情報くらい見てから出発しろっての」
また本性に戻った。目つきは鷹のように鋭く、見るものを怯ませる。全く、黙ってればかわいい顔なのに。非常に勿体無い。
しかしまあ、なるほど。そうなれば、さっきの怒りようも納得だ。彼女は、自分の思い通りにいかないと、何でも怒るからな。
505 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:30:11 ID:AySsEnJC
「ここまで言えば……分かりますよね? 白石さん?」
彼女は破顔一笑しながら言った。途端に、僕の全神経が研ぎ澄まされる。緊急事態モードに突入だ。ここからは、彼女の逆鱗に触れないように、慎重に行動を起こさなければならない。
傍から見ればただ笑っているようにしか見えない。しかし、その頭の中では、答えられなきゃ殺すぞ、と思っているに違いない。僕には、この笑顔の後ろに黒いオーラが漂っているようにしか見えないのだ。
逆にそれだけ信頼されているんだよと、以前に彼女のことについて相談したときに、友人の一人に言われた。本当なのか。はなはだ疑問である。
彼女は、曲がりなりにも一流芸能人だ。それに対して、僕はフォローがちょっとうまいくらいの何の特徴もない男だ。彼女との接点は、この「らっきー☆ちゃんねる」だけ。というか、この番組でさえ、明日突然に終わっても不思議じゃない。
よくよく考えると、彼女との接点は物凄く少ないし、そもそも釣り合わないと言うか、相性は最悪だと思う。そこに、はたして信頼関係など生まれうるのか、僕は疑問を感じていた。
……また話がそれたか。どうも、僕は話をそらしてしまう癖があるようだ。今は、質問に答えなければ。
心なしか、さっきよりあきら様の笑顔がさっきより引きつっているように見えるし。さっさと答えないと、何か悪い事が起きるに違いない。それに、この質問に答えられないほど、僕は馬鹿じゃない。
「……勿論です。車で帰れないから、徒歩で帰ろう。でも、雨が降っているから傘が必要だ。……そういうわけですよね?」
「そのとーり。白石さん、だーいせいかーい」
無邪気な声で、彼女は言った。
それにしても、僕の傘は一本しかない。どうするつもりだろうか。……ま、この人のことだから、どうせ「お前は傘なしで帰れ」とでも言うのだろう。仕方ない。いつものことだ。もう慣れた。滅私奉公ならぬ、滅私奉神ってところか。
「じゃあ、僕の傘は傘置き場にありますから、それを使ってください。青い傘です。じゃ、僕は先に帰りますんで」
僕はそう言って、くるりと背を向け、さっさと帰ろうとした。傘が使えない以上、なるべく早く帰るに限る。
が、
「おい」
腕を掴まれた。
恐る恐る振り返ると、阿修羅の如く、恐ろしい形相をしているあきら様がいた。……さっきも同じようなことを言ったな。
「な、何ですか?」
緊張で喉が渇きながらも、どうにか声を出す。
しかし、彼女はあくまで無表情に話した。
「あんた、一人で帰る気?」
「は、はあ。だって、僕とあきら様が相合傘になったら問題になりますし、何よりあきら様はいやだと……あ、いででっ!」
言っている途中で、頬をつねられた。一体、何が気に入らないんだ。
すると、彼女は、腕を組み、壁を見つめながら、話す。
「ばーか。あんたとそうなったって、何の間違いも起こらないっての。何を期待してんの?」
「あ、はい、その、す、すいません。何かすいません」
僕としては、世間体が気になるんだけど。当人がどう思ってようと、世間は勝手に物事を想像する。でも、今は、何の反論も許されないような空気だった。
そして、彼女は溜息をつき、眼光鋭く僕を睨みつけて、心底疲れたように、愚痴をこぼす。
「大体、あんたに勝手に風邪引かれたら困るのよね。代役探すのは面倒だし、それで怒られるの私なんだから。たまったもんじゃないわよ。それ分かってんの?」
「あ、は、はあ」
「あんたの勝手な行動で、他に迷惑かかっちゃ困んのよ。だから……何すっか分かるだろうねえ?」
それは最後通牒だった。
そして、彼女は子供向け特撮番組に出てくる悪役よろしく、ニヤリと笑った。僕が冷や汗をかきまくっていることなどを知らずに。
―――
506 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:31:31 ID:AySsEnJC
運命とはあらかじめ結末が定められたもの、と誰かが言ったが、だとしたら、僕の運命を決めた神様を僕は恨む。
全く、何でこんなことになったんだろう。
しとしとと降る雨空の中、隣にいる彼女をちらりと見て、ふと考える。
今の状況を説明しようか。あきら様と相合傘をしている、以上。
……うーん、人生初の相合傘がよもや、年下の、しかもこの人とだとは、思いもしなかった。周りからどう見られているんだろう。兄妹か、それともロリコンの変態か?
……もし、後者のように見られていたら、それだけで一週間は不登校したくなるな。
まあ、でも、相合傘を許したということは、それなりに心を許してくれたという事実だ。その事実がわずかばかりだけど、僕の心をほっとさせた。少なくとも、死ぬほど憎んでいる奴と相合傘をしたい奴なんていないだろう。
とはいえ。彼女と行動を共にするということは、かなりのリスクを背負うということだ。僕は、この相合傘を終えるまで、神経を常に研ぎ澄ませなければならない。生きて帰るために。
「あきら様。あの、地下鉄の運賃は持ってます?」
「ああーん?」
こんな些細なことを訊くだけで、この始末だ。だから、もう、怖い顔で睨まないで下さいよ、もう……。
ずっと睨まれるのも気持ちがいいものではないので、一応、謝っておく。
「すいません……」
「あのさ」
「はい」
「その、すぐに謝る癖、もうやめない?」
「す、すいません。……あっ……」
言ってからまた謝っていることに気づいたので、慌てて口を押さえる。
どうにか、代わりの言葉がないものかと、少ない僕のボキャブラリーの中から必死で探していると、彼女は肩をすくめて、落胆したような声を出した。
「やれやれ。全く、あんたの間抜けさにも参ったもんだわ。よくもまあ、私の助手を務められたもんね」
「あ、す、す……あ、いや、は、はい」
また謝りそうになったので、慌てて返事を変える。
知らぬ間に、謝り癖でもついていたんだろうか……。確かに、僕はこの業界に入ってから、謝ってばっかりのような気がする。
そんな風に勝手に意気消沈している僕を尻目に、彼女は話を進めた。
「ま、それはともかく。地下鉄の運賃くらい持ってるわよ。子供じゃないんだから。それくらい持ってるっての」
「あ、そうですか。ですが、しかし……あきら様ほどの芸能人が地下鉄なんかで移動なさったら目立つのでは……?」
彼女を一瞥してから、僕は尋ねた。
一応、対策として常日頃から用意しているのか、彼女は今、変装をしている。でも、それは素人目に見ても、申し訳程度のもので、効果があるのか疑わしい。
ハンチング帽に、普通の丸いめがね。……それだけだった。服は真白学園の制服だし、おまけにサーモンピンクの髪の毛も少し帽子からはみ出ている。これじゃあ、バレバレなのではと思う。
しかし、彼女は手をひらひらと振り、余裕綽々な様子で僕の疑問に答える。
「いいのよ、これくらいの変装してりゃ、誰も気付かないわ。東京の人間はね、周りなんか全然気にしてないのよ。特に、私のような小っちゃい子供なんて、誰も気にしないわ」
「そんな卑下されなくても……」
名誉のために、一応反論しようとする僕だったが、彼女はそれを遮るように強い語調で、
「本当の話よ。実際、これまで誰にも話しかけられないじゃないの。世の中、そんなもんだわ」
と、断言した。
あまりの語調の強さに、僕はこれ以上反論する気も起きず、彼女に賛同することにした。
「そういえば、僕も変装していないのに、気付かれてませんね」
「あんたは、ただ影が薄いのと知名度がないだけでしょ」
「……そうですか」
返す言葉もない。
気付けば、もう地下鉄駅に着いていた。
傘をしまい、駅に入る。やはりというか、何というか、駅構内は人でごった返していた。さすがは東京の地下鉄、といったところか……。年間に二十八億人以上もの人を運ぶのだというのだから凄い。ニューヨークでも二十億人に満たないのに。
507 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:33:06 ID:AySsEnJC
僕は構内を見回しながら、彼女に聞く。
「どこまで行かれるんですか?」
「口出し無用。改札前で待ってなさい」
にべもなく言い捨て、彼女は自分ひとりで券売機まで向かい、僕を券売機の前まで一緒に行くことも許してくれなかった。……まあいいさ。想定の範囲内だ。
ちなみに僕はICカードがあるから、別に切符を買う必要はない。とはいえ、どこまで行くのだろう。場合によっては、チャージ額を超えちゃうかもしれないし。何となく不安だ。……いや、そこまで遠くはないはずだとは思うけど。
その後、彼女に先導されるような格好で、改札を抜けて、ホームに入る。入ったホームの発車標から察すると、どうも北の方に行くようだ。ついでに電車の到着まで、あと二分ほどある。
ちらりと気付かれないように彼女の横顔を見ると、うらさびしい顔をしていた。何か言おうかとも思ったけど、その寂寥感が滲み出ている顔を見ていると、何も言えない心持になった。
今、彼女は何を思っているのだろう。家族のことか、学校のことか、それとも別のことか。彼女のことは分からないことだらけだけど、基本的な情報くらいは知っている。
14歳にして芸歴11年という彼女が芸能界に入ったきっかけは、母親の半ば強引な薦めだったらしい。ところが、このことを巡って、父親と母親が対立。離婚こそしなかったものの、両親は別居し、彼女は母親方と同居する。
父親はロクに養育費も出してくれないし、母親もパートの仕事を少しやるくらい。だから、ほとんどの生活費を自分だけで稼ぎ、自分の手元にはさっぱりお金が残らないらしい。
どこか人生を達観しているようで、酸いも甘いもかみ分けている。それが、僕が逆らえない理由でもあった。はっきり言って、僕の人生など、平々凡々に過ぎない。それに対して、彼女は僕よりはるかに人生経験が豊富なのだ。
亀の甲より年の功とは言うが、年の功は僕より彼女の方が上なのだ。
でも、彼女は誰かに本気で愛されたことはあるのだろうか。14年も生きてきて、一回もないんじゃないかと僕は思う。父親には養育費も出してもらえず、母親は真に彼女のことを思って教育しているとは思えない。
それが、今の性格を形成するに至った大きな要因であると僕は考えている。
そんな彼女を僕は救いたかった。でも、赤の他人である僕にはどうすることもできない。さっきのように、傘を共にすることくらいしかできない。何か行動を起こしたくともそれができない、自分の存在の小ささを改めて不甲斐なく思った。
電車が到着して、電車に乗ってからも、だらりと首を垂れて、おとなしく席に座っていた。電車の中であまり騒ぐのもなんなので、移動中は一言も喋らなかった。でも、心の中では、ずっと彼女のことが気になってならなかった。
気になったなら、話しかければよかった。でも、できなかった。何たる意気地なしか。僕は、自分を呪った。
やがて、電車に乗ってから二十分くらい経ってから、降りろという命令があったので、彼女と一緒に降りる。
そこは、繁華街として栄えながらも、下町情緒がどこか残っている、東京北部の町だった。駅は結構大きく、五つの路線が乗り入れている。
雨はさっきよりは小降りになったものの、まだぽつぽつと降っている。灰色がかった雲が空全体を覆い、町はモノトーンの灰色に染まっているようだった。
「あの」
「何」
相変わらず不機嫌そうな声だった。一つ質問するだけで、おっかなびっくりでやるなんてやってられませんよ、あきら様……。
そんな愚痴が頭に浮かんだけど、胸の奥底にしまい、改めて質問する。
「……家まで向かわれるんですか?」
「そうよ」
即答? 本当にそれでいいんですか?
「送っていってもいいんですか?」
沈黙が流れた。重苦しい気まずい空気が、二人の間に流れる。
十分も続いたように思えた沈黙だったが、もしかしたら一分だけだったかもしれない。ともかく、暫くしてから沈黙を破ったのは彼女だった。
「……あんた、ここまで来て、帰るわけ?」
「……」
「さ、行くわよ。とりあえず、駅前に伸びる大通りを真っ直ぐ歩きなさい」
「あ、はい」
傘を差して、あきら様を招き入れる。あきら様は、無言で従順に従い、その身を傘の下に収めた。
それを確認し、僕は灰色の町へ踏み入れる。それから、何となく気になったので、右にいる彼女を少し眺めてみる。
改めて彼女を観察してみると、やはり、年のせいか、歩幅は僕の方が大きいらしく、歩幅を一生懸命合わせようと、何だか彼女は歩くのに慌しげだった。そして、その様子が何だか僕には微笑ましい光景に見えた。
508 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:34:06 ID:AySsEnJC
「何、ニヤニヤしてんのよ」
やばい、悟られた。いつの間にか、彼女が僕のことを見上げている。
「い、いえ、何でもないです」
「あ、そう」
そう言って、彼女はぷいっと顔を伏せた。
あれ、意外だな。いつもなら詰問するのに。……いや、いいか。平穏なのはいいことだ。こちらもあまり勘繰らないようにしよう。下手に勘繰って、「あんた、私に殴られたいわけ!?」とか言われたら嫌だし。触らぬ神に祟りなしだ。……小神だけに。
そういえば、家はどこなんだろう。とりあえず、駅から伸びる道路を真っ直ぐ歩いているけど、いつまでも真っ直ぐ、ってわけでもないだろうし。
「……あきら様。家はどこなんですか?」
「あれ」
間髪いれず、あきら様は北西の方向を指差した。指差した先は、地上20階くらいか……まあ、ともかく、そこそこに高いマンションだった。どうやら、あそこが家らしい。やっぱり高いんだろうな。
「では、あそこへ向かえばいいんですね」
「嫌」
「……え?」
何で、即答で嫌と答えるんだ。家に送れといったじゃないか。どうして、そんなうら寂しい顔で「嫌」と言うんだ。
不可解な答えに反論しようと口を開くと、それを遮るように、
「いいの、いいの。すぐ家に帰らなくったって。だから、私の指示に従って歩きなさい。いいでしょうね?」
有無を言わさぬような強い口ぶりで彼女が言った。
そうはいっても……と反論しようとしたけど、無駄だと判断した。こういうときの彼女の意思は、岩のように硬く、頑なに反論や対案を拒否する。自慢じゃないが、僕も彼女と付き合ってきて幾分か立つ。彼女の性格などは、手に取るように分かっているつもりだ。
だから、こういうときは、とりあえず肯定するべきだろう。今は、慎重に彼女の真意を量るべきだ。
「分かりました……。仰せの通りに」
「分かりゃいいのよ」
それから、彼女は細かく道を指示してきた。僕は疑問に思いながらも、逆らうことができないので、指示通り、大通りをそれて、裏路地へと入っていく。
裏路地は、賑やかな大通りとは違って、民家と小さな商店が入り交じっている、まさに下町というようなところだった。
そんなところをゆっくりと歩きながら、ふと、一軒の家を見てみると、鮮やかな朝顔が目に入った。降り止む気配のない雨に打たれて、蔓がしきりに揺れている。
僕は、雨にも負けずに健気に咲き誇っているその朝顔が、とても綺麗に見えた。そして、曇天とこの雨のせいで、全てがモノトーンで表現されたようなこの町の中で、一つだけ咲き誇っているこの朝顔の周りだけがまるで別世界にあるようだった。
例えればそう……ひたすら黒塗りにされたキャンバスに、誰かが鮮やかな朝顔を落書きした―――そんな感じだった。
「何、止まってんのよ」
彼女のいらいらとした声が耳に入り、我に返る。気付かない間に、朝顔に見とれていて、立ち止まっていたらしい。
「あ、すみません。朝顔が目に入りましてね……」
「朝顔? あんた、花が好きだったの?」
「いやあ、そういうわけじゃないんですけどね……」
頬をポリポリとかきながら、質問に答える。
すると、彼女も腰に手を当てながら、少し興味深げに朝顔を眺め、僕にこう質問した。
「朝顔って言えば、そうね、朝顔の花言葉は知ってる?」
見当もつかない。
しかし、即答したら、彼女相手にいささか気分が悪いので、少しばかり記憶の糸を探る。
でも、花言葉なんていつかのテレビドラマで見た、ミヤコワスレで「しばしのお別れ」くらいしか分からない。……マイナーか、これって?
精一杯思案したが、結局、答えは思いつかなかったので、諦めて、白旗を揚げることにする。
「……考えましたが、分かりません。あきら様はご存知なんですか?」
すると、彼女は一呼吸置いて、朝顔を見ながら口を開いた。
509 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:35:02 ID:AySsEnJC
「……まあね。儚い恋、よ」
思わず黙ってしまった。彼女もばつが悪いのか、頬を少し赤らめていた。そして、尚も朝顔を眺めている。
儚い恋、だって? 曇り空を見上げて、少し考える。
彼女も、やっぱり恋というものをしているんだろうか? こうして気丈に振舞っていても、本質は14歳の中学生だ。別にしていてもおかしくはない。思春期真っ只中だし。
かといって、あまり恋する彼女も想像できなかった。学校で男友達と喋る……なんてのも全く想像できない。僕は学校での彼女を知らない。交友関係も知らない。だから、想像できるか否かなんて、僕の勝手なんだし、彼女にとっては余計なお世話なんだろう。
でも、だからといって、わざわざそんなことを僕に言うのが釈然としなかった。それに、彼女の恋愛事情なんてのを考えていると、何故かはわからないけど、もやもやした気持ちになった。
何だか……心に何かつっかえているような、そんな言葉では言い表せないような奇妙な気持ち。
何なんだろう、今日の彼女の行動は要領を得ない。一体、何が真意なんだろう。相合傘することを命令したり、うら寂しい顔をしていたり、変にしおらしかったり、こんなことを言ったり……。考えれば考えるほど、わからなくなった。
しかも、儚い恋? 儚いってどういうことだ。手に届かないような恋か? じゃあ、もしかして、同業者との……
「……何、黙ってんのよ。全く、あんたの顔を見てると気が滅入るわ」
気付けば、いつの間にか彼女が僕のことを見上げていた。既に、頬の赤みはとれている。
まずい、少し怒っているようだ。急いで、出発しないと。
「あ……すいません」
「また、謝ってるし。……まあ、いいわ。行くわよ」
「はい」
再び歩き出す。朝顔をもう少し見ていたかったけど、まあ、いいか。これも一期一会、ってやつだ。
考えてみれば、こうして彼女と相合傘をしている今の時間だって、一期一会だろう。こんなこと二度とないはずだ。そう考えると、この時間を大切にしたほうがいいのだろうか。でも肝心の彼女が、どうもおかしい。一体、僕にどうしろというんだ。
そんな風に、歩き出してから三分間くらい考えあぐねていると、彼女が僕を呼んだ。
「白石ー」
「……何です? 何かありましたか?」
「背負ってー。疲れたー」
特に表情を動かすこともなく、彼女はそう言った。
ああ、背負えと。分かりましたよ……って、ちょっと待て。今、この人はなんと言った。
「せ、背負うんですか?」
「べっつにいいでしょ、それくらい。まさか、断るわけ?」
口を尖らせて彼女が言った。どうやら、拒否権はないようだ。
「……いや、滅相もありません。あきら様がそうしたいというのなら、どうぞ」
言われるがままに、僕はしゃがんで、背中に乗っかるよう促す。
「よいしょっと」
程なくして、彼女が僕の背中に乗っかったので、僕は立ち上がった。
ん……傘を持ちながら、背負うのは結構面倒だな。彼女自体は思ったより軽いけど。いや、こんなこと言ったら失礼だろうけど。
「あきら様、ちゃんとつかまってくださいよ。僕は、片手しか使えないので」
「わーった、わーった。いいから、早く進みなさい」
「はい」
再び歩き出す。さっきから止まってばっかりだな、なんてことをモノクロームの曇り空を見ながら思う。
度々歩くのをやめる僕たちと違い、雨はまだまだやむことを知らない。雨なんて早くやんでしまえばいいのに。雨は心を曇らせ、僕を憂鬱にさせる。
だから、僕は梅雨が一番嫌いだ。梅雨明けは発表されたけど、朝に見た天気予報によると、今日の東京は、雨が夜まで続くとかなんとか。
そういえば、七夕に降る雨を「洒涙雨(さいるいう)」というらしく、これは織姫と彦星が流す涙だと誰かが言っていた。とすれば、今頃、二人は感動の再会で、涙をたらふく流しているのだろうか。……いやいや、僕もまあ、ロマンチストだな。
ロマンチシズムな考えを取っ払い、僕は現実に帰還する。それから、世間話とばかりに、彼女に話しかけてみることにした。
510 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:36:07 ID:AySsEnJC
「雨はやみそうにないですね。それに少し肌寒いです。あきら様は大丈夫ですか?」
言いながら振り向くと、彼女の顔がすぐ目の前にあった。まあ、背負っているんだから、当然といえば当然だ。でも、改めてみてみると、何故かドキッとしてしまった。
何考えてんだ、全く。相手は中学生で、そして芸能界では先輩に当たるんだぞ……。僕は、頭を振って、邪な感情を頭から追い出す。どうも、今日は、僕も彼女も変なようだ。地球温暖化のせいかもしれない。
そして、当の彼女はというと、そっぽを向いて、
「別に大丈夫。……白石の背中、あったかいし」
と、か細い声で呟いた。ほんのり、頬が赤くなっているようにも見える。
一瞬、言葉に詰まる。……何が何だか分からなかった。
「……そうですか。なら、良かったです」
少し間をおいてから、やっとの思いで、僕はそんな言葉を紡ぎだしていた。本当はもっと違う言葉を言えるはずなのに。僕はこの瞬間、世界一の臆病者だった。
そんな暗澹たる気持ちになっている僕を知ってか知らずか、
「太った?」
彼女は無邪気な声でそんなことを聞いた。
「何でですかっ! 太ってりゃ、温かいって発想はおかしいでしょう!」
「冗談じゃない、冗談」
そう言って、彼女はけらけらと笑った。気にしていることを言わないでほしい……。
でも……まあ、良かった。久々に、彼女の笑った顔が見れた気がする。さっき、彼女は、僕の顔を見ると気が滅入るといっていたけど、僕自身、彼女の寂しげな顔を見ていると気が滅入るのだった。だから、久々に見れたその笑顔は、僕の心をほんのりと温かくさせた。
……まあ、こんなこと言ったらまた殴られるんだろうけどね。
そして、駅から歩いて十五分くらい経った頃だった。
「さ、着いたわ」
目的地に着いたらしい。着いた先は、古き良き日本の家だった。平屋建ての和風住宅で、それなりに広そうな庭もあるし、縁側も見える。ただ、庭はあまり整備していないようで雑草だらけだ。
例えるならそう……日曜夜六時半からやっている某アニメの主人公宅、といったところか。塀がなかったりと、ちょっと違うところはあるけど。
表札には「小神」とある。え、まさか、ここが家じゃないだろうな。
「あー、ここは私の家じゃないわよ。親戚が家を引き取るって言うから、ママが安く買ったのよ。まあ、地価が上がるのを見越して、持ってるみたいだけどね」
僕が疑問に思っていることが予測できたのか、彼女はそう言った。
ふむ、彼女の母親は、お金や財産についてのアンテナが鋭いらしい。ちょっと古い言葉だけど、財テクってやつか。しかし、そうだとしたら、当然出てくる疑問がある。
「不動産、ってことですか。じゃあ、その家に……何故、来たんですか?」
「家じゃ、自由にくつろぐこともできりゃしないのよ。だから、ここはまあ、隠れ家って奴? ちょくちょく、来てんのよ。ママは当分、手放さないつもりらしいしね」
ほう。すると、ここはさながら秘密基地ってとこか。懐かしい遊びだ。彼女も子供らしいところがあるんだな。まあ、彼女の母親は典型的なステージママらしいし、家ではちょっとうるさいんだろう。
そんなことを思いながら、敷地に入り、玄関の前まで歩き、僕は彼女を下ろした。
「では、僕はこれで」
そう言って、僕は足を浮かせて、帰ろうとした。僕はこれで御役御免だ。
しかし、
「……帰るの?」
彼女のか細い悲しみにくれた声と、僕の腕を掴む彼女の手が僕の足を止めた。
途端に、僕の全身に電撃が流れたような衝撃が走る。予想外だった。彼女が僕を止めるなど。それでも、いや、こんなときだからこそ、僕はつとめて冷静に答えた。
「……ええ。家まで送れ、と言われましたよね」
「……馬鹿」
ややもすれば、耳にも入らない消え入るような声で彼女は呟いた。そして、彼女が僕の腕を掴む指は震えていた。
異常事態だ。こんな彼女見たことないし、見たくなかった。でも、どうすればいいか、僕には分からなかった。
何もいえない僕に、彼女はやたら大きな声で話す。
「いいじゃない。どうせなら、雨がやむまで雨宿りしなさい」
「いえ、でも、ご迷惑になるのではないかと……って、痛っ!」
言い終わらないうちに、むこうずねを蹴られた。痛い。
511 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:37:09 ID:AySsEnJC
「人の厚意は甘んじて受ける! ……これが芸能界の常識」
彼女はそう言って、くるりと僕に背を向けた。もはや有無を言わさず、「ついてこい」といわんばかりだ。
僕はその背中が、いつもよりひどく小さいように思えて仕方なかった。加えて、僕はさっきの呟きを反芻する。あれは本当に、消え入るような声だった。でも、それにもかかわらず、あの言葉は、僕の心に深く突き刺さった。
そして、これらを総合すると、彼女の頼みを無下にすることなど到底できない相談だった。だから、導き出された答えはただ一つだった。
「……はい。謹んでお受けいたします」
「よろしい」
彼女は満足げに頷き、玄関を開けた。
中の様子を見て、ますます、僕は日曜六時半を思い出す。まるで、昭和にタイムスリップしたような、そんな日本家屋だった。こんな家、まだ東京都心に現存していたなんて。
そんな風に感嘆している僕のことを差し置いて、彼女は、黙って靴を脱いで上がり、一番近くにあった障子を開けて部屋に入ってしまった。
「ほら、白石ー。遅いわよー?」
障子の向こうから声がする。そうだ、僕は何で止まっているんだ。別に、故郷でもないのに、ノスタルジーに浸っているような気分になっていた自分が恥ずかしい。
ともかく、あまり待たせていたら、また彼女を怒らせてしまうので、家に上がることにする。
「失礼します……」
一応、人の家なので、挨拶だけはして、靴を脱ぎ、家に上がる。
彼女を追って部屋に入ると、そこは六畳ほどの和室だった。床の間があるくらいで、家具はほとんど皆無だ。恐らく、その引き取ったという親戚が、家財道具を全て片付けたのだろう。
そして、庭側――僕が入ったところから見たら左側――には、縁側があり、彼女は、そこに、僕に背を向ける格好で腰掛けていた。
縁側からは広い庭が見渡せる。といっても、雑草だらけなので、あまり見る価値はないけれど。
「……座んなさいよ」
僕に背を向けたまま、彼女が言った。
「あ、はい。では、失礼します」
促されるがままに、横に座ると、彼女はやにわに立ち上がり、
「……飲み物、持ってくる」
部屋を出て行ってしまった。
飲み物か。……冷蔵庫とかはあるのか?
それにしても、本当にどういう風の吹き回しか。僕は今、もてなされようとしている。彼女が秘密裏にプライベートタイムを楽しむ、この家で。
本当に、ラジオ局での一件から、今日のことは何だか夢のようだった。もしや、白昼夢かとも思い、頬をつねってみたが、案の定痛かった。まあ、当然だ。これが夢であるわけはない。僕は僕として今、この現実に存在している。
ということは、彼女だって現実の存在だ。最初の疑問に戻る。その彼女が、一体、どうして、僕をもてなすんだ?
……考えても分かるわけはなかった。仕方なく、僕は、縁側から空を見上げる。雨は、もう小雨程度で、もうすぐやむだろう。雨宿りする必要、なかったかな。
そんなことを考えている間に、彼女はお盆にジュースのボトルと二杯のコップを載せて、戻ってきた。彼女がとりにいってから、二分ほど経った頃だろうか。
そして、ジュースをコップに一杯ずつ注ぐと、片方の一杯を僕に渡した。
「ほら」
「恐縮です」
彼女も、それから自分の分のコップを手に持ち、
「かんぱーい」
「乾杯」
ちん、とコップがぶつかり合う音が静かに響く。彼女は、乾杯するとあっという間に飲み干した。それにしても、随分とぐびぐびと飲むなあ……。
その無邪気な様子にちょっと苦笑いしながら、僕もジュースを飲む。……うん、ただのぶどうジュースだ。それ以上でもそれ以下でもない。彼女のことだから、もしやお酒かなとも思ったが、杞憂だったらしい。
そういえば、と思い、彼女のことを見直す。彼女は未だ、ハンチング帽に丸いめがね、という申し訳程度の変装をしている。変装は解かないのか? 当の本人は、そんなことなど素知らぬ様子で、二杯目を飲んでいる。
僕は意を決し、訊くことにした。
「あの、ジュースをお楽しみ中、すみません、あきら様。変装は解かれないのですか?」
すると、彼女は何故か眉をピクリとわずかに動かし、そのまま動きが止まった。
何だろう、何か悪いこと言ったのかな、僕……。ただ、ずっと変装しているのが疑問なだけなんだけど。
何か続きの言葉を言おうものかと考えていると、彼女はコップを縁側に置き、僕を睨んだ。ちょっと待ってくれ、一体、何なんだ。
512 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:38:01 ID:AySsEnJC
「……あんたさ。これ見て、何か思わないの?」
「え……そうですね……」
回答を求められている。うーん、これはまた修羅場だ。何か言わないとまた殴られるに違いない……。
とはいえ、この変装、何か思うかといわれれば思うこともあんまりない。眼鏡にハンチング帽だろう……うーん、安い探偵?
散々迷った挙句、言葉をどうにか考え出し、口に出す。
「……何だか、ちぐはぐな感じがしますけど」
「了解、射殺します」
即答だった。
「ちょっ、あきら様っ! 何、物騒なこと言っているんですか! やめて、やめて! 僕はまだ死にたくないですから、その手に持っている危ないものを下ろして下さい!」
いつの間にか、彼女の手にはどこから手に入れたのか、銀玉鉄砲が握られていた。そりゃ、殺傷能力はないだろうけど、至近距離であてられたら痛いに違いない。
しかし、彼女は僕を無視して、弾を放った。
「うるさーいっ! 白石の馬鹿、馬鹿、馬鹿、ばか、ばか、ばかぁっ……バカーッ!」
「いででっ! いてっ! ちょっ、タンマ、タンマ! あきら様、やめてください!」
立て続けに撃たれた。子供用のおもちゃとはいえ、地味に痛い。
やがて、弾が撃ちつくされたことが分かると、彼女は銀玉鉄砲をたたみに投げつけ、そっぽを向く。撃たれたのは十数発ほどだった。
僕は、ともかく撃たれた頬をさすった。痛い。
そして、彼女はぼそぼそと呟いていた。
「白石のくせに、白石のくせに。バカでアホでタコのくせに。私がいなければ何もできないくせに……」
「……す、すみません、すみません……」
良く分からないけど、本気で怒っているようだ。とりあえず、何回も頭を下げて謝っておく。何でかは分からないけど……。
「うるさいっ! あんたのせいでしょっ!」
「あ、は、はい……」
……どうやら、謝りも無駄のようだ。
仕方ない。ここは、一旦退散しよう。謝っても無駄なら、その身を彼女の前から消えさせるのみだ。
「本当にすみません、あきら様……。僕は帰ります。また、今度会った時に、埋め合わせは致しますので……」
「……え?」
彼女の失望したような声は気のせいだろう。
「失礼します」
それだけ言って、鞄を持ち、慌てて立ち上がる。
しかし、それを妨害するように、彼女が言った。
「……馬鹿は死ななきゃ治らない、ってわけ?」
それと同時に、僕の右半身に軽い衝撃が伝わった。一瞬、頭が真っ白になり、気がつけば、僕の顔のすぐ横に、彼女の顔があった。
そして、伝わってくる彼女の体温。間違いない、僕は彼女に抱きつかれていた。
……って、えっ? 何で?
「あの、あきら、様……?」
「……馬鹿白石」
彼女はそれだけ言うと、僕の肩にぐりぐりと顔を押し付けた。
「あ、あきら様?」
僕の戸惑いの問いに、彼女は答えない。ただ、顔を僕に押し付け続けるだけだった。
513 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:38:37 ID:AySsEnJC
船場じゃないけど、情けないことに、僕は本当に頭が真っ白になっていた。目の前の事態に、何ら論理的なことを考えることができず、ただおろおろするだけだった。何とも情けない。本当に、いつまでも僕は情けなかった。
何か言葉をかけてあげないと。そうだ、男なんだ、何か力強いことを言ってやらないと。今の彼女は、何かを欲している。いや、それが何かなんて分かってる。彼女は寂しいんだ。
そうだ、そうなんだ、彼女はいつも素直になれない。だから、寂しくても、ついつい当たってしまう。そんな不器用な性格なのを僕は知っていたはずなのに。なのに、見抜けなかった。
全ては照れ隠しなんだ。そうだよ、それなのに、帰るなんて何て無粋なことをしちまったんだ、僕は。本当に、自分を呪う。この世界一の馬鹿が。
だから、僕は何かを言わなきゃいけないんだ。力強く、彼女を元気付けるように。
「そのっ、あの、僕が何かやったなら謝ります。でも、でも、その、あの、僕は、元気なあきら様が好きですから」
全然力強くない。
かっこいいことを言おうと思ったのに、グダグダなのにも程がある。肝心なところで決められないのは、僕の悪い癖だ。
でも、彼女にとっては、そんなことどうでもよかったらしい。
「白石の……ばか……」
弱々しげな彼女の声が、かすかに僕の耳に届く。もしかしたら、少し泣いていたのかもしれない。
僕は、せめてと思い、抱きしめる力を強くする。考えてみれば、僕だって不器用だった。でも、言葉でダメなら、行動で示せばよい。
彼女が元気になってくれるのなら、僕はなんだってしよう。それが、アシスタント、白石みのるの役割だから。
―――
「……私は七夕は好きじゃないわ」
あれから十分くらい経って、名残惜しそうに彼女はその身を離した。その後、抱きしめた僕を張り倒すこともせず、縁側に並んで座ることを要求した。
そして、さっきの言葉はそんな折に呟いた言葉だった。
「やっぱり、伝説なんて信じられないからですか?」
今日のラジオ収録を思い出しながら、答えた。
でも、彼女はゆっくり首を振った。
「だって、好きな人に一年で一日しか会えないなんて、私には耐えられないもの」
予想だにしなかった回答だった。
僕は黙って、彼女の右肩に手をやり、肩を抱く。殴ることもせず、返すように、あきら様も僕に寄り添ってきた。彼女の身体は、ちょっと力を入れれば折れてしまいそうで、とても儚いように思えた。
とても、彼女の顔を見ながらは言えなかったけど、僕は今度こそ力強く答える。
「僕は、ずっとあなたのそばにいますよ。僕はいつでも、小神あきらのアシスタントですからね」
「……バッカじゃないの?」
「すみませんね、馬鹿で」
そう言って、僕は彼女に微笑みかけた。
「……まあ、あんたらしいわ」
彼女はけらけらと笑った。
良かった。やっと笑ってくれた。僕にはその事実だけで満足だった。やっぱり、彼女は笑顔の方がいい。
「あ、天の川」
その声に釣られて、空を見上げれば、都内だというのに、空には、天の川が広がり、彦星と織姫星も瞬いていた。雨は完全に降り止み、満天の空を映し出している。
「……綺麗ですね」
空を見上げながらいった。本心からそう思ったのだ。
「……他に言うことはないの?」
「え?」
慌てて彼女の方を向くと、彼女は憮然とした面持ちをしていた。
急に、僕の心は不安で一杯になる。もしかして、また変なこと言ったか?
「肩を抱いて、天の川を見て、綺麗だといって、後は何よ。いってみなさいよ」
「え、えーと……ジュースで乾杯、とか?」
「ばかーっ!」
耳元で怒鳴られた。
514 :
縁結びの雨:2008/08/07(木) 21:39:10 ID:AySsEnJC
「す、すいません」
「謝ってんじゃないわよ、もう……。たく、誰もいないんだからキスくらいしなさいよ」
ああ、はい、キスですね、お安い御用です……って、え? ちょっと待て、何といった? き、キスをしろ、だって……?
心臓の鼓動が急に早くなる。そして、顔も熱を帯びはじめた。こんなに、動揺したのは初めてだった。
「い、いいん、ですか……?」
念のため、了承を得ようと、訊いてみた。
すると、彼女は顔を真っ赤にさせて、
「ダメなわけないでしょ! あんた、分かってんの! こういうときには、こうやる! ああいうときには、ああやる! そういうことを……」
僕に説教を始めた。
ああ、本当にダメな男だな、僕って。こんなときまで彼女を怒らせて。彼女に説教をさせるはずじゃなかったのに。彼女の怒った顔なんか見たくなかったのに。
こんなときに、彼女の怒りを鎮める方法は一つしかないだろう。彼女の期待に応える。最初からそうすればよかった話だった。
尚も彼女は喚いている。ああ、あきら様。僕はそんなあなたを見たくないんです。だから、少々、荒っぽいですけど……こうするしかないんです。いいですよね?
「だから、それを散々教えてきたってのに、お前って奴は……」
それ以上は言わせなかった。
何故なら、その唇は僕の唇でふさがれたから。
本当に唇と唇を合わせるだけの、子供みたいなキスだった。でも、それだけでも僕たち二人は、キスに酔いしれていた。
僕自身は、もう、頭が真っ白になって、何が何だか分からなかった。ただ、彼女の唇からほんのりぶどうの味がしたのだけは分かった。
そのままどれくらい経っただろうか。僕自身は永遠の時のようにも思えたけど、実際はわずかな時間だっただろう。
その甘美なぶどうの味をゆっくりと味わってから、そっと僕は唇を離した。
唇を離すと、彼女は上目遣いに僕を見据えていた。上気したように頬を赤く染めたその顔は、とても可愛く見えて、思わず、僕はドキリとした。
「やるじゃない、みのる」
そう言って笑った彼女の顔は、今日見た朝顔のように鮮やかだった。
515 :
36-273:2008/08/07(木) 21:39:52 ID:AySsEnJC
以上です。長くてすみません。
本当は、都内で天の川はなかなか見れないものですが、まあ、これも一興ということで。
本日は、国立天文台が定める「伝統的七夕」です。つまり、旧暦の七夕です。よって、七夕SSを書いてみました。まあ、本当は七月七日に完成したかったんですけども、無理でした。
ただ、住んでいる所によっては、月遅れの七夕は馴染みがないかもしれませんね……。ちょっと反省。
それと、本編中であきらが変装していた理由は、白石が眼鏡っ子萌えだと知っていたからです。結局、それが報われることはありませんでしたが。
それでは、また。
>>515 本当に素晴しい作品をありがとうございました。
素直になれないあきら様と考えすぎる白石のちぐはぐな会話がGJ
でも変装理由には思わず吹きました。
>>516 青春だ! 青春だ! 神棚に祀れ!
ああもう、グレープジュースが飲みたくなったじゃないですか。
織姫あきらと彦星みのるに幸あれ。ぐっじょぶ。
>>515 あきら様は素直じゃないし白石はにぶちんだし。
でもそれが二人のいいところ。
久々に正当なあきしらをみました、ほんわかGJ!!
…さて、こうしちゃいられない、
自分も仕上げなければ!邪道なあきしらを!
>>515 GJ
感想は……うまくいえないけどとにかくGJ
>>515 GJ ! この萌えの伝道師めw
あきら×白石って久々のような・・・
>>520 アンタと言う人は・・・ ! いいぞもっとやれ
しかしこれ自分で改造したの? よくやる・・・もとい、すごいな
>>520 それにしてもこのこなた、ノリノリであるwwwww
暇つぶしに今日の夢(というか白昼夢、もとい妄想)を。オリ男(と言うか俺)注意。
陵桜の廊下で友人とふざけて走ってたらななこ先生にぶつかって、そのまま階段から落ちそうになってしまった。
まずいと思い、身体を全力で回転させ、先生を上にして階段から落ちた。
……背中の痛みの後に「大丈夫か?」と先生が聞く。顔が物凄く近いのでどもりながら「あ、いや、すいません、ふざけてて……」と謝った。
「まったく、ガキやないんやから廊下走るのも大概にしぃや」と怒られるが、正直いろいろとそれ所ではなかった。
まず胸とかが当たるし、先生の顔を物凄く間近で見る機会なんてまったくないからどうすればいいんだ俺は!状態に。
とかやってたら階段の上のほうでさっきまで俺を追いかけていた友人が携帯のカメラで俺らを撮っている。
そいつに「おいコラ何やってんだよ!」と怒鳴った所で意識が戻った。
>>520 じゃあ今度は1秒間に10回特定の言葉をシャウトするわけですねw
>>520 うはwすげえ楽しそうでいいwwww
つか、ギターの違和感のなさとあんたの技量に噴いたw
>>524 「かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!かがみん!ヽ(=ω=.)ノ」
いや、えと、あの、リボルテックのクラウザー様のパーツを、Q−JOYのジョイントで無理矢理つないだだけですヨ?
腕は交換できなくなるから、一体つぶす覚悟がいるけど。
あとはポーズしだい、という感じっす。
>>525 「『かがみ』と『がみん』を同時に発音するのがコツなのだよ(=ω=.)b」
「ええええっ!『がみん』って!かがみさまは我眠様だったの!?wwwwww」
「どっちかつーと体の半分を髪で覆えるあんたのほうが我眠様じゃないの。
何ならけものの槍であんたのその減らず口と共に突いてやろうかwww」
>>527 こなた
「もう……食ったぜ。
腹ァ……いっぱいだ(性的な意味で)」
かぶっている方がいなければ
5分後に投下しますー
どうもみなさんこんばんみ、17-234です。
TS投下宣言してからどのくらい立ったかねw
あれからせっせせっせと書いていたのですが
無 理 !!
しかも何故か脱線して違う話も書いていたのですが
こっちが先に仕上がったのでこれを投下します。
17-234
あきら様+白石
非エロ 3レス使用
「虹色のキミ」
僕が夏休みをのんびり一人で過ごしていた、ある日のこと。
ただ、緑色の扇風機は僕を涼しくさせようと頑張っていたとき、
のんびり相手の出来ない予期せぬ訪問者に、僕は苦笑してしまった。
「ねー白石ぃ。」
「なんでしょう?」
「あつい。」
「知ってます、もう25回目です。」
「そんなこと数えてたの?馬鹿じゃないの?!」
…あながち間違ってはいませんけど、
思いっきり馬鹿扱いされるのは何故か腹がたちますね。
「…そんなこと言うなら、扇風機、消しますよ?」
「ダメ、それだけはダメ!」
学校の補習の帰りになんとなく立ち寄ったの、
と我が白石家にやってきたあきら様は、
すぐさまエアコンのリモコンを探した。
「ちょっと、エアコンの、ぴっ、ってやるやつは?」
「ありませんよ?というか、エアコンは家にありませんよ?」
「あぁぁぁ?!」
青筋たてて怒られた。
そんな贅沢なものは、一人暮らしのこの家には存在しませんよ。
「あんた…よくそんなんで生きて行けるわね…」
「風通し良いですからね、案外快適ですよ?」
黄色のハンカチで顔を拭うあきら様を見て、
僕は提案した。
「あきら様、これに着替えたらどうですか?」
「なんで、あんたのなんかに…」
「そんな制服着てたら暑いですよ?」
かぁっ、とあきら様の頬が赤く染まる。
表情の変化を楽しんでいたら、殴られた。
「いでっ」
「い…いつまで見てるのよっ…この変態!」
「す、すいませんすいません!」
僕はあきら様が着替えない理由をやっと把握して、
慌てて風呂場に駆け込む。
…そういえばこの紫色の入浴剤、中身はまだあったかな、と振ってみる。
あまり音はしない。買いだめしてあったかな。
「いいよー」
着替え終わったらしく、あきら様の明るい声が聞こえる。
僕の渡したぶかぶかのオレンジのTシャツは、裾をゴムで留められていて、
学校のスカートはそのままだった。
「やっぱりあきらは何色でも似合うねっ」
「そですね」
フツーな返事ですいません。
あ、睨まれた。
大きめのTシャツの下から、申し訳なさそうに灰色のスカートが覗く。
靴下は真っ白い三つ折りソックス。
…そのスカート暑くないですか?
「あつい…」
「26回mへぶっ!」
「だから、数えるな!」
「すいません!」
はー、とひとつため息。
ぱたぱたと、オレンジ色のTシャツをめくり、それで風をおくっている。
…な、なんだよ、僕が頼んだんじゃないし。
あきら様はぱたぱた、ぱたぱたと、おへそのところまでめくりあげて風をおこしている。
危ない、いろんな意味で、危ない。
「なによ。」
「い、いや、なんにもっ!」
「そっ」
あれ?怒らなかった。
ぷい、と僕から顔を背けて、僕のベッドにダイビングするあきら様。
軽いからか、ぽすん、と僕がダイビングしたときよりも軽い音がする。
「はー♪涼しくなったー」
くるり、と仰向けになる。
彼女の目が、窓の外に向けられる。
「もう、空がこんな色、してる…」
空を見上げる。
藍色の空が僕たちをみていた。
「涼しい…」
「でしょう?」
あきら様は僕のベッドでころり、と寝返りをうつ。
じっと僕を見ている。
布団の上をぽんぽん、とたたく。
ここに来い、ということらしかった。
おとなしくそこに座る。
もう一度、ぽんぽん、と布団をたたく。
ここに寝ろ、ということらしかった。
あきら様に目線を合わせてねっころがる。
だめだ、目をあわせられない。
何故だ、
あきら様の顔が、ほんのり赤くなっていく。
「みないでよっ…」
「すいません、あきら様が可愛くって…」
つい、本音が出てしまう。
この顔を見られて欲しくなくって、
その小さな体を抱き寄せる。
同じ、風が吹き抜けて行く。
同じ時間を、感じている。
それがなんとなく嬉しくて。
ついついにんまりしてしまう。
いつも表情が違って、
どれが本当のあきら様かわからなくなる。
いつもにこにこしている貴方も、
不機嫌で僕に当たり散らかす貴方も、
全部が大好きなんだ、ということを
僕は今知った。
彼女は虹の色みたいに、
いろんな彼女がいる。
僕は今、言える。
虹色の彼女が、好きなんだということを。
「ねぇ、白石?」
「なんでしょう?」
彼女の頭をそっと撫でる。
頬をぷにっとして、その感触を楽しむ。
とろん、とした眼は、すぐに閉じてしまいそうだった。
「おやすみなさい…」
「おやすみなさい、あきら様…」
つん。
彼女の鼻が、僕の鼻に当たる。
目が合ってしまうのが、恥ずかしくて。
ちょっと距離が近づく。
そっと、唇が触れる。
このままでいたい。そう思った。
あきら様もそう思ったのか、動く気配はなかった。
唇を触れ合わせたまま、僕らは眠りについた。
それが、僕たちの、
初めてのキスだった。
計算し間違えた!
本当にごめんなさい(´・ω・)
前の方が投下された「縁結びの雨」をみて
投下を決めてしまいました。
というか、「邪道なあきしら」を書いてみました。
まぁ書くもの全部邪道なあきしらなのですが。
(ツン分が少ないのと、くっつくことが前提とか邪道だなと)
長々とすみませんでした、
さて、違うSSを仕上げますかノシ
>>535 ツンの正道に続いてデレの王道が! 誰か! 誰か世界遺産に登録を!
いやあ、良い心の栄養でした。ぐっじょぶ。
>538
とても切なくて、哀しくて、それでいて、透き通るように綺麗で、荘厳ささえ漂わせるお話ですね。
かがみが慟哭し、みゆきが慈母のように慰める場面には、ひどく胸が締め付けられる思いでした。
また、雪合戦の場面ですが、かがみの千々に乱れた心が、一面の純白の雪によって
覆い隠してくれるような印象を受けました。
そして、ひとつの恋の終わりが、かがみを大人へと成長させるのでしょう。
物語を織りなしていく上で、とても丁寧な描写と、それを支える文章力にはいつもながらため息をつくばかりです。
次の季節のお話もとても楽しみにしております。
>>538 切なすぎて涙腺緩みそう。
みゆきさん超GJ、親友ってこんな感じなんだろうなー。
かがみの気持ちも痛い程分かる、好きな人との想いが叶わなかった時の翌日の描写とか
自分自身の実体験にそっくりだったから。
それでいていつもの親友に戻れるかがみとこなたは強い…というか大人になってるんだなぁ。
もちろん心の奥底では澱になってるんだろうけども。
次で最終話か…いったいどういう締めくくりになるんだろうか。
こなた側の心境の変化が訪れるのか、それともこのまま進んでいくのか…とても楽しみです。
>>538 ああ、なんて綺麗で幸せな片想い。
心から堪能させていただきました。
やはり貴方のこなかがは珠玉です。
最終章を心待ちにしつつ、心からのぐっじょぶを。
>>538 何だろう…胸が詰まるってこういうことなのかな。
もう、なんていっていいかもわからなくなっちゃった…
結末を待つことにします。
でも、最後にこれだけは。
GJです!
>>538 心が軋むような衝撃を受けましたGJ !
でも次で最終回ですか・・・ここまで来たらどんな結末でも受け入れる覚悟は出来ています !
次回最終回を楽しみにしています
>>538 SS書きとして軽く嫉妬すら覚える良作シリーズキテタ――――――――――!
こうなったらどんな結末でも受け入れるぜ俺は!!
「4seasons」のあとには「SEASONS」(日本航空国際線のエグゼクティブクラス)……というわけではないですがw
えーと、次レスも立ってないのに埋めっぽいのが難ですが、6レスお借りします。
非エロ、カップルなし、こな&かが漫才。
旅客機もの、ある意味ウンチク系。フライトシマー推奨(このスレにいるのかなぁ……)。
なお、飛行機だけに「オチ」はありませんw
-----------------------------------------------
♪ピーンポーンピーンパーーーン……
旅人たちが静かにざわめく広いホール。世界中どこの空港でも共通の、旅好きには聴き慣れたチャイムが響く。
ここは東京国際空港。空港コードRJTT。
巨大な翼を広げたような新旅客ターミナル。通称、ビッグバード。
『……陵桜航空、関西空港行き972便は、まもなく皆様をご搭乗機へご案内いたします……』
広いロビーに、搭乗案内のアナウンスが鳴り渡る。
『……なお当便は、普通のお客様はご搭乗になれません。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者のお客様は、99番搭乗口よりご搭乗ください……』
ボーディングブリッジから漏れ聞こえてくる、ネタ仕込みのアナウンス。
「……あのバカ……」
陵桜航空972便……ボーイング777−200のコパイシート(副操縦士席)で、柊かがみは頭を抱えた。
――――――――――――――――
『Lucky☆Fleet』
とんでけ!セーラーふく
――――――――――――――――
―×― ―×― ―×― ―×―
「おまたへー」
数分後。かがみの背後……キャビンの扉がガチャリと開き、のほほんとした声がした。
「やぁっと戻ってきたわね……ったく、遅いわよ、泉機長!」
チェックシートの束をパタパタやりながら、振り返りもせずにかがみが叱る。
「ごめんごめん、コパイのかがみん」
「……なんか嫌な含み感じるわね、その言い方」
R2キャビン(客室中央部)担当のCA(キャビンアテンダント)・高良みゆきの豊かな胸元を思い浮かべながら、釈然としない表情のかがみ。
夏場のパイロットは、ノージャケットである。泉機長……こなたの純白のシャツの肩で、四本の金筋が誇らしげに光っている。
とはいえ、コパイシートに座るかがみも、肩の金筋は四本。
二人ともキャプテン(機長)の資格は持っているが、レグ(乗務)が妙にかち合うこの二人。ジャンケンに負けたので、今日はかがみが女房役、というわけだ。
……割れ鍋に綴じ蓋。陵桜航空の配置担当は、なかなか人を見る目があるようだ。
「いやー、トーイング(牽引車)とマーシャラー(誘導係)の兄さんたちとモン○ン談義で盛り上がっちゃってさー」
機長のアホ毛がびよよん、と揺れる。
「あんたかっ! あっちこっちのグランドクルー(地上職員)をネトゲに引きずり込んでるのはっ!」
首のところでまとめた副操縦士の髪。その端がぴょこん、と跳ね上がった。
搭乗前のブリーフィング(打ち合わせ)を終えて機体へ向かったパイロットは、搭乗口のところで一度別れる。機長は外へ、副操縦士は操縦席へ。
機長は機体を隅々まで見回り、異常がないか目視で最終確認を行う。
副操縦士は、計器類のチェックやウェイポイント(飛行経路)の入力などをこなしていく。
プリフライトチェックのあとも、整備士から整備状況の報告を受け、CAとのブリーフィングを行い……
やるべきことは、山ほどある。それこそ、山のように。
……グランドとダベってる暇など、ないはずなのだが。
「よいせっ、と」
左側に位置するキャプテンシート(機長席)。その座面に座布団を三枚積み上げ、こなた機長がようやく着席。
足元のラダーペダルには、特注の高下駄が履かされている。
たしか、航空大学校には身長制限があったはずよね……と、かがみは思う。陵桜航空七不思議のひとつである。
「ほら、チェックリストいくわよ」
「ほいよー」
ひとつ間違えれば大惨事につながる旅客機の操縦は、膨大なチェックリストをもってその安全を確保されている。
タキシング(地上滑走)、テイクオフ(離陸)、クライム(上昇)、クルーズ(巡航)、ディセンド(降下)、ランディング(着陸)。
そしてスポットイン(駐機)後に至るまで、パイロットたちは何度も何度も、チェックリストを読み合わせるのだ。
「ふゅえるくおんてぃー」「67.4」、「ていくおふでーた」「Set and check」……
チェックリストを読み上げるこなたの声に、合いの手を入れるようにかがみが返す。こなたの発音がベッタベタなのはご愛嬌である。
……「あいえいえすせれくた」「Set」、「へでぃんぐせれくた」「Set」、「でぱーちゃーぶりーふぃん」「Accomplished……ああそうだ、機長」
「こなたでいいってばー」
「けじめよ、けじめ。……それはともかく」
「んー、何?」
「いいかげん、搭乗アナウンスにネタ仕込ませるのはやめないか?」
「ツカミのネタ、あこんぷりっしゅ」
「そんなもんチェックリストに入れんなっ!」
―×― ―×― ―×― ―×―
「とーきょーぐらんど、りょうおうえあー972。 りくえすとたくしーふぉーていくおふ」
こなたがグランドへ、タキシングを申請する。
ここで言うグランドとは、空港内での地上誘導・管制を行うセクションの事である。
前方以外にはまともな視界のない巨大な旅客機がひしめき、無数の作業用車両が走り回る空港内では、交通整理も重要な業務のひとつだ。
『Ryouoh Air 972, taxi to and hold short approve. Runway 34L, using taxiway India, Whisky 5, Oskar, Alpha 1. Contact tower on 124.35 when ready.』
グランドより指示。I→W5→O→A1誘導路を経由して、滑走路34Lへの誘導指示。離陸準備ができたら124.35メガヘルツで管制塔と交信せよ。
「たくしーとぅーあんどほーるどしょーと、らんうぇい・すりー・ふぉー・れふと……」
ベタベタながら、こなたは英語での復唱をこなす。
たとえ日本の国内線であっても、航空機の無線交信は英語が基本だ。
まず英語が話せなければ、パイロットの仕事など夢のまた夢である。……発音はともかく。
「……たくしうぇい、いんでぃあ、うぃすきー・ふぁいぶ、おすかー、あるふぁ・わん、りょうおうえあー972。……んじゃいこっか、かがみん」
「あんたさー、英語は苦手だったんじゃなかったっけ?」
「ん、ぼく管(ぼくは航空管制官)で覚えた」
「……ああ、そうでしたね。そういうお方でしたね」
トーイングカーが機体から離れる。タクシーアウト。
スロットルをじわりと開け、機体が動き出したのを確認して少し戻す。
巨大な鉄の鳥が駐機場を離れ、自力で誘導路へと進み始める。
操縦桿を握るのは、今日はかがみ。
旅客機の運行において、機長と副操縦士には固定された分担はない。一方が操縦を、もう一方が交信やモニタリングを行うのである。
純白をベースに、紺色と黄色、そして白い二本のラインがあしらわれた陵桜航空の777は、誘導路Oを抜けてA1へと向かう。
ちなみに陵桜航空には、紺と黄色の代わりに臙脂色とピンクが配された機体も存在する。
何がモチーフなのかは、もはや言を待つまでもないだろう。
『Ryouoh Air 972, hold short. Japan Air 1178 is landing.』
滑走路を目の前にして、グランドから待機指示が出た。
「ちぇー、待てってさ」
シートバックに背中を預け、こなたが口をとんがらせる。
ラッシュアワーの羽田は、まさに超過密スケジュールだ。
離着陸は五分に一機。われらが陵桜航空972便も、滑走路の手前で順番待ちを食らっていた。
方位16……160度、つまり南南東からファイナルアプローチ(最終着陸態勢)に入る、日本航空のB737−800。
その後ろで、ゴーアラウンド(着陸復行)を食らった全日空のエアバスA320が、再上昇に転じていく。
決められたルートに沿って旋回し、もう一度着陸のやりなおし、ということだ。
「はー……羽田は相変わらず混んでるわねぇ」
「その先にワクワクドキドキのない行列は嫌だなぁ」
「バカ言ってないで、パッセンジャー(乗客)にご挨拶でもしときなさいよ」
「そだネ」
受話器を取り上げ、コールすること数回。
「はい、R1柊、聞いてるよ〜」
R1(客室前方)担当のCA、柊つかさが受話器を取った。二、三言交わした後、マイクが客室内に繋がった。
『……えー皆様、本日は陵桜航空にご搭乗いただき、ありがとじゅーす。私は当便の機長を務めさせていただきます、泉こなたです』
「おぉおおおおおおおっ!!」
沸き起こる歓声。客室内のテンションが一気に高まる。
乗客総立ち……といいたいところだが、座席の背、肘掛け、テーブル、足置きを元の位置に戻し、シートベルトを腰の低い位置でしっかりとお締めいただいているのでそうもいかない。
「な、なんなのよこのテンション……」
「ま、ダテにコスプレ喫茶でバイトはしてなかったってことだヨ」
「意味がわからん」
ちなみにこの会話、まるっぽ客室に筒抜けである。
『まあいいわ。マイク貸して、私がやるから……
……あっ、失礼しました。……えー、副操縦士の柊かがみです。当機は定刻出発、到着予定時刻は現在のところ、定刻の予定です。到着地の気温は三十度、天候は晴れ……』
「ハレ、と申したか!!」
そのキーワードに、乗客たちがすばやく食いついた。
「ハーレハレ! ハーレハレ! ハーレハレ! ハーレハレ!」
客席から湧き上がる『ハレハレ』コール。
さもありなん。この便の乗客の大半は、オタクの祭典・コミックマーケット帰りのご一行様なのである。
「……うずうず……うずうず」
ふと横を見ると、そこには武者震いを抑えきれない泉機長の姿。
「? 何よ、こな……機長?」
「……ちょっと客室行って、ハレハレ踊ってくる!」
「まともに飛ばしなさいよっ!!」
―×― ―×― ―×― ―×―
……クリアード・フォー・テイクオフ、ようやくの離陸許可。972便は34L、北北西向きの滑走路へと進入する。
昔はここで一度停止し、離陸許可を申請したものだが、今は進入前に離陸許可を受け、そのまま止まらずに離陸滑走を始めるのが一般的である。
機体をセンターラインに合わせ、スロットルレバーを滑らせる。
主翼下のエンジン……二基のプラット&ホイットニー社製PW4077が、その低い唸りを甲高い咆哮へと変える。
「…………えいてぃーのっつ……」
速度、80ノット。鼓膜を震わせる轟音の中、速度を読み上げるこなたのゆるい声が混じる。
操縦桿を握る、かがみの手に力がこもる。
「………………ぶい・わん」
V1、離陸を中止できる最高速度に到達。もう何が何でも上がるしかない。……間髪をいれず、
「ぶいあーる」
Vr、ローテーション(機首上げ)速度に到達。操縦桿を静かに引き寄せる。
二人の操るボーイング777が、ゆっくりと機首を上げる。
主翼いっぱいに風を受け、フラップによって揚力を増した機体が、見えない何かに引かれるように地上を離れる。
ジュラルミン製の軽くしなやかな主翼をしならせて、972便は重力の束縛を振り払い、一番星が瞬く夕暮れの空へと駆け上っていく。
「ぶいとぅー。……ぽじてぃぶ」
V2、安全離陸上昇速度に到達。ポジティブ・クライム、機体の安定上昇を確認。
機首上げ10度弱を保ちながらスロットルを少し絞り、速度を抑える。
あとはこのままの速度と上昇率を保ち、ランディングギアアップ、フラップアップ……
「……ぶい・すりゃーっ!!」
やおら、宮内洋が乗り移ったかのようにこなたが叫んだ。
「そんなコールアウト(宣言)ないわよ。つーか、あんた一体いくつだ」
ツッコミに特化した副操縦士が、おとぼけ機長に暖かいジト目を送っていた。
―×― ―×― ―×― ―×―
「とーきょーでぱーちゃー、りょうおうえあー972、えあぼーん、なうりびんぐわんさうざん。くらいみんぐとぅーえいとさうざん」
東京デパーチャー(出発管制セクション)へ、陵桜航空972便より。航空輸送、現在高度1000フィート。8000フィートへ上昇中。
『Ryouoh Air 972, Left turn, heading270. Crimb and maintain FL120.』
デパーチャーの指示は、方位270度(真西)へ左旋回、上昇して高度12000フィートを維持。
ATC(航空交通管制)に従ったフライト。航空機は各管制区から指示を受け、決められた高度や方位を守って飛行する。
広大に見える空には、MDBやVORといった航空灯台によって形作られた、見えない交通路が存在する。どこでも勝手気ままに飛んでよいわけではないのだ。
「らじゃ。れふったーん、へでぃんぐつーせぶんぜろ。くらいむあんどめいんていん・ふらいとれべるわんつーぜろ、りょうおうえあー972」
オートパイロットとオートスロットルのマスタースイッチをオン。ダイヤルを回して高度、速度、飛行方位を設定し、各機能のスイッチを入れる。
スロットルがひとりでに動き、777は自動的に上昇・旋回を始めた。
オートパイロットとはいっても、旅客機のそれは完全なフルオートではない。設定した高度や速度、飛行方位を維持するように、スロットルや各動翼を自動制御する。
トラブルでも発生しない限り、パイロットはATCの指示に合わせ、それらを調整して巡航していく。
離着陸のわずかな時間を除けば、現代の旅客機は操縦桿やスロットルではなく、ダイヤルとボタンで飛んでいるのだ。
「ベルト着用サイン消すわよー」
「ふーい。……いや〜、やっぱ緊張するねえ、魔の十一分は」
「とてもそうは見えなかったけどね」
「ぶー。失礼だなー、かがみは」
離陸滑走から三分、着陸前八分、合わせて『魔の十一分間』。機体が不安定となり、もっとも事故が起こる確率が高い、緊張の時間である。
逆に言えば、ここさえ凌げば、旅客機の運行は比較的安定している。
まずは前半戦を終えた、陵桜航空972便。コクピットに安堵の空気が流れる。
「……さてと」
こなたがベルトを外し、席を立った。
「どこ行くのよ、機長?」
「……いや、今度こそハレハレ踊ってこようと思って」
「やらんでいいっ!!」
――そんなこんなで。
陵桜航空は、今日も定刻どおりの安全運航……
「はわわっ、なんじゃこりゃーー! からまっちゃったよ〜」
「つ、つかささんっ!! フライト中にドアをディスアームド・ポジション(ロック解除)にしちゃだめですっ!」
……客室のほうは、見なかったことにしよう。
― Good luck. ―
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以上です。……なんなんでしょうコレ。
数年前、JALに「STAR JET」というシリーズものの塗装機があったんですが、そこからの着想と「何か予想外の職業をやらせてみたい」という妄想から発展。
歌って踊れるパイロット。
参考文献:『Microsoft Flight Simurator X』、『JETでGO!2』の攻略本、リアルフライトドキュメント(動画)、WikiPediaほか。
いろいろと取材はしましたが、見る人が見たらツッコミどころ満載かと……orz
(おまけ)
副題の由来はコレ。
・夏服バージョン
http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0145.jpg ・冬服バージョン
http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0146.jpg Microsoft Flight Simurator(2004またはX)対応のテクスチャデータ(機体塗色)として作成しました。
シマーズスカイレーベル(Overland社)のボーイング777-200ER(「日本のエアライン」または「世界のエアライン」に収録)をお持ちであれば、実際にこの機体を飛ばすことができます。
お入り用であれば、テクスチャデータもうpします。
……とはいえ、あまりにもターゲットの狭いおまけな気がする……orz
GJです
では、ちょっくら次スレ立てチャレンジしてきます
>>552 はたらく少女! はたらく少女!
乗員から乗客に至るまで妙に親近感をそそる陵桜航空、機会があれば是非乗ってみたいものです。
セントレア発の便、就航しないかなあ。ぐっじょぶでした。
これはもう着陸編をねだるよりあるまい。
「……んなぁーっ!!?」
「どったのひよりん」
「しまったぁーっ!原稿が進んでないのにもう480kになっちゃったぁーっ!!」
「原稿って、スレ投下用の?」
「……って、泉先輩いたんスか。いや、ほら。スレの最初の方に投下したSSの続きみたいな物を書いてたんですが、なかなかオチがまとまらなくて……」
「別に新スレに投下したっていいじゃん」
「そうなんスけど……保管時の編集作業がめんどくさくって」
「怠け者だね、ひよりんは……。まあ、確かに続き物だったらまとめる事が出来た方がいいかもだけど……」
>>551 GJ!!
ただし、「らじゃ」は”テネリフェの悲劇“以降使用禁止の言葉ですよ。
>>544-551 一昨日に出先から東京へ戻ってきたときがANAの777-200(ERではない)だけどこれなら面白かったろうに
窓際取れなかったからずっと全日空寄席で落語聞いてた
チラシ裏のためsage
>>553乙
>>551@妄想屋氏
貴公・・・・・直ちに月刊エアラインとその関連本も買いに逝くべきでつ(w
個人的に気になるのは陵桜航空のカスタマーコードですな。
(日航グループは日航本体が46で旧エアシステムが89、全日空は81)
もしかしたら余剰機材のリースを受けてるのかも知れませんがw
ってその機体は日航旧塗装のリペイントか─────ッッ!!!(吐血)
(´-`).。oO(ってもう少しで新作上がりそうだからその時点で俺も酉コテ装備しようかな・・・・・)
>>561 処女作は「STAR JET」の架空機だったなー、とか言ってみる。
そしてあと10KB〜
>>559 お前は投稿ルールも守れない知障なのか?
TSならTSつって書けよ。
気持ち悪いもの見ちゃったじゃないか。
TS扱う奴らはルールも守れない餓鬼ばっかりなのか?だから嫌われるんだよボケ。
直接投下じゃないから許されるとでも思ってるのか?
テネリフェの悲劇
旅客機2機が管制ミスなどで衝突、航空事故史上最悪の死者を出した。
(日航ジャンボ墜落は単独での史上最悪の死者数である)
保守
いろいろと勉強になるなあ・・・
>>551 テラGJ!!
空飛ぶらきすた、とっても新鮮でした。
>まずは前半戦を終えた、陵桜航空972便。
続編、期待しちゃっていいんでしょうか?
>>553 スレ建て乙です。
>>563 失礼いたしました。
投稿を急ぐあまり注意書きを忘れてしまいました。
スレの最後で荒れる原因を作ってしまってすいません。
>>568 確かに注意書きは必要だったと思うけど
>>563はいつものTSアンチだろうからそこまで深く気にしないでいいと思うよ
作品や作品に対するレスになにかと理由つけてウザいウザい言ってくるかもしれなかったし
>>569 ああ?ここではルールを守れって言う方が荒らしなのか(藁)?
なぁ、俺は間違えた事を言ったか?
俺は、馬鹿な勘違い職人が注意書きを書かなかったがために、読みたくもないTSを読まされた人の為に警告してやっただけなのにな。
ルールを守れって言っただけの俺の何処が間違ってるのか言ってみろよこの知障!
これだからTS信者は自分勝手でウザイんだよな。あー、キモイキモイ。
失礼ながら、
「丸い卵も切りようで四角
ものも言いようで角が立つ」
という都々逸がありますね。
>>571 >>1 >※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
荒らしをスルーできないあなたも荒らしです
>>570 なんか勘違いされてるみたいだからひとつ言っとくと俺はTSが好きな訳じゃないから作者様には悪いがいつもスルーするか軽く読み流す程度
今回は注意書きが無かったという不備を注意することが正しいにしてももっと別な注意の仕方があったと思う
それにいつものあなたの行動は自分勝手でウザい物じゃないんですか
ルールを持ち出すならいつも「気に入らない人・作品はスルー」というルールを守れていないあなたはどうなのかと
まぁ俺も今まで極力あなたに構わないようにして守ってきたルールを今日は守れなかった訳だけど
まあ暑くてイライラするのはわかるけど、みんなもうチョイ落ち着いて行こうや
新スレには持ち込まないように頼むよ♪
_X:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X
テ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X
X::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X
イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽY
_}::::::/:::::/:::;::::::/::::::::::::::::::::、:::::::ヽ:::{`
}:::::::::::/イ/{ f´ Yf Yf `ヾ:f YY:::::::{`
ム:::::r' |! { ハ } } ハリ:::::f
{ハ、{ -==x、 _,r==‐ }:f「}
V{Y\,r‐tァーォ、 ,r‐tァーォ、/jf
{__|! L_  ̄`_ノ⌒廴_ ̄´_」 |∨
ハ  ̄ / ヽ ̄ j,ノ
i 人-、__,.-人 /
∧ (、____,ノ /
_,.イ | ヽ ヾニニ '´ , ′
_/ ̄ f | \ /ト、
_,. ´ __| ヘ ` ー一'´ | |i丶.
__,. -‐'´ :| ヽ.______ j 八 \
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| ら き ☆ す た |
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| ( 美 水 か が み の 描 く 4 コ マ 漫 画 ) |
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夏休み早くおーわれ
なんか、結局向こう側にこっちの荒れた状態を持ち込んでる気がしますが……
>>569 気にしちゃいませんよ。
本音を言うと、今回は『アーウゼ、でも注意書き忘れた俺も俺だし一応謝っとくか』といった感じで。
>>568はあきら様の「すんませんしたゴットゥーザ様」みたいな感じの音声で読んでください。