むしろ一部を除いてメインキャラは大体それなりにエロあるよな
スバルのエロSSを最後に読んだのは何時の事・・・
確かマリーに化けたドゥーエ姉にぬめりけのあるメンテナンス受ける話だったな
>>303 スバルがメインにくるSSって、例えばの話どんなのが良い?
非エロでもスバルメインの話は少ないんだよなぁ。ここに限らず二次創作全体で
そういう意味で「嘆きの中で」には期待してる
スバルは大好きなんだが今一エロを想像しにくい
>>304 聞かれて咄嗟に普段のネタを口走りそうになった
うーん、どんな話がいいんだろ。この時点から難易度高いのう
エロもそうだが、相手もこれと言ったのがなぁ……
非エロだけど、某サイトで読んだヴァイスバは良かったが
たとえばティアナならヴァイスがいる
エリオならルーとキャロ、なのはならユーノ、フェイトならクロノ、はやてならゲンヤとヴェロッサ
じゃあスバルは、と言うと……いないんだよなぁ
>>304 スバルとアルピーノ親子の絡みを見てみたいな
スバルがメガさんからママジマさんの事を聞く話とか
娘同士でコンビ組んで活躍する話とか
自分ではいまいち上手く話が作れない
>>309 夫婦になった訳でなし、その辺柔軟でも許されるんじゃないカナ?
むしろもっと、嫁が居るのに好き放題ヤリすぎな某提督を見習うんだ!
スバルなら相手はティアナやなのはさん辺りが妥当だろ
ちょっとノマカプは想像しにくい感じかな
まぁその百合でも滅多にスバルは見なかったりするんだけども
スバルのノーマルだとエリオくらいしか選択肢が。
風呂場でのからかいエスカレートな感じで一つ。
>>309 たとえばティアナならスバルがいる
なのはならクロノ、フェイトならなのは、はやてならヴィータ
それが俺のジャスティス
「絶対無理」と言われない限り、やりようによってはどんなカプでも成立しうる
「Aのカップリング相手はBしかない」という思考は妄想力の貧困と思ってる俺がいる
>>308 某所のキリ番SSですな
フラグ全く無しの組み合わせにしては違和感なく読めたな
>>315 そりゃ絶対無理なカプなんてこのスレにはないさ
某提督を見てれば大抵のものが許容されることがわかるw
>>317 しかし提督もなんだかんだでフォワード陣にはエリオ以外手を出していない。
やっぱ接点皆無ってのはきついか。
鬼畜ロノ×ティアナで「執務官に推薦してほしければ言うことをきいてもらおうか」的な話読みたい。
提督の“らしさ”をなるだけ残そうとするとどうしても
接点皆無な人に手を出すのはむずいのよ、すずか以外。
この辺が司書長より汎用性が低い理由。
>>319 友達の友達は友達という理屈で接点の有るもの同士で
接点を繋いでいけば接点を"作る"ことは出来る
提督のフォワード陣の相手がエリオだけっていかがなものかと……w
キャロもいけるはずだが
>>318 待て。それだったら、
「僕が一言言えば、君の親友である彼女の執務官への道は閉じるんだよ」と言わせて、
鬼畜ロノ×スバル希望!!
ここのスレにおけるスバルを思い出すと…
たくさんの子供の母親だったり
腕もがれたり
ヴェロッサの妻だったり
誤解で殺されかけた挙句発狂したり
辺りがぱっと思い浮かぶな
あと、イチモツが生えて、なのはさんをモノにしてるスバルもいたな
まあそれは敵の策略なんだが、ここのスレのスバルには珍しく攻め側で美味しい役だったな
>>325 自分で探した方が感動もひとしお
スバルっつったら100式だろ
>>325 >>324はとりあえず15スレの魔法少女の啼く頃にだと思うぜ
>>323は246氏の作品が入ってるってことしか俺にはワカラン
しかしあの頃のエロパロスレは実に良かったよな……
今だって悪くないんだぜ
はじめて初代スレ読んであまりの空気の違いにワロタ
>>323 >腕もがれたり
そのSSって、お腹にデカい穴開けられてませんでしたっけ?>スバル
たしかノーヴェも出ていたような気が
なのはさんに脚ちぎられて犯された話ならあった気がする
今は今でアルカディア氏がいるから楽しみ
ゼッスンの槍早く読みてぇ中編混ぜて一話でも多く読みてぇ
>>331 「なのはさんの教導!」だな
あれは続きが物凄く楽しみだぜ
246氏の次作にも期待してる
>>333 同志よ…共に待とう!
ゼストの槍もキャロエリルーの恋の行方も早く見たいな…
いつまでも待ってますぞおおおお!
スバルだったらエリオとの風呂場のラブラブスキンシップとなのはさんの行き過ぎ教導逆襲編あたりが…
336 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 22:05:16 ID:DmsjbNkF
VIPからきますた
はやてに復讐心を抱いている黒クロノの続きを楽しみにしている。
クロノとはやてのSSは少ないからな
と思ったら自己解決。スマソ
そもそも2ch(この板は厳密には違うが)でよそのサイトを紹介したり、話題にしたり、
ヒントであっても個人サイト教えてって頼んだりすんのは個人的には、どうかと思うんだが
最近のここをみてると、あんまその辺、気にしない人多くなったのかね
そういうのは全部宣伝だと思うことにしてる
>>337 俺も凄い気になってる。
話の流れもそうだけど、クロノとはやてが絡む前で寸止めだから無性に気になる。
>>340 そうだなぁ…気にしない人が増えてるのかも。
かくいう俺も、『○○よかったよ(○○の中には自分の好きなシチュorCPが入る)』なんてレスがあったらすぐさま『詳細キボン』って書き込んじゃうからなぁ。
なんていうのかな…「目の前にヒントがあるんだから、別に聞けばいいじゃない」みたいな軽い気持ちなんだよね。
不特定多数にURLが晒されるのは、確かにちょっと嫌だと思う管理人さんも居るかもしれん…うぅむ。
>>342 夏だから全裸で待機中です。
詞ツツリ氏の復帰を祈願中!
ある槍騎士シリーズだったと思うけど、ロストロギアの影響で
別時間軸のエリオに愛(調教)された六課女性陣が一同に集結した、あれをずっと待ってる
ドMのシグナムさんが
>>337 >>342 >>344 どうも詞ツツリです。
なにやらお待たせしている模様ですみません(汗)
一応話の方は書いていたのですが、どうしてもダークな点やとてつもなく長くなりそうな展開とかで
色々と執筆で悩んでいましたが、読みたいという人がいらっしゃるようなので明日続きを投下させていただきます。
お待たせしてすみませんでした(土下座)
某所で続けていた話も終わりましたので、これからはたまに顔を出せると思います。
>>346 続きは望んでますが、できに納得してないのなら無理に投下しないでもう少し時間を掛けて納得のいく状態で投下してください
>>345 あれか。
何ていうか、シグナムだけ思考回路がぶっ飛んでたよな。
調教済みというか、もう手遅れというか、順番にエリオの前に出てきて、シグナムだけ直球勝負なのは吹いたな。
>>346 急がせてしまい申し訳ありません。
ダークな作品で主役はクロノ、目的は復讐と個人的に大好きな設定ばかりなので
この作品は楽しみにしています。
暑くなってきましたので無理はしないでください。
>>346 某所というのが異常に気になる、と言ってみる
>>345 あの話はヴィータだけやたら初心で周りに後れを取ってるのが可愛かった印象が
だからエリオはもうお腹いっぱいだよ……
レジアスだね? よく分かるよ。
レジアスが六課もナンバーズもハーレムにするんだ。
>>353 G
アッー
キシャー
先週の彼岸島で思いついた
顔だけスカのG集団にたかられるフェイトサンとか色々浮かびませんか
>>354 超見てぇ
ところで、レジなのはまだかな
>>353 ヴァイスとゼストあとはクロノかね
ただゼストはチンク以外のネタ希望で
注意:上の面子のウホッなネタが見たいわけじゃないからな
グリフィスとかアースラの二人組み(名前忘れた)もいるけどほとんど覚えてない
かろうじてグリフィスがレティの子供で眼鏡ってことのみ
たすけてスカえもん!
ってな感じで次々とアレな道具を出すすかりえっちーとか
「烈火の将は〜」以外のシグナム・ヴァイスが読みたい
難しいのは分かるが…
レジなのを毎日楽しみにしている俺だが
レジフェイも見てみたいと思っている
>>357 チン○以外のゼスト……
クイント+メガーヌで3Pですね、わかりすぎます
ぼ、ぼくはルーテシア+メガーヌさんがいいと、お、思うんだな
レティさんやらウーノ姉さまやら紫髪のエロさは異常でありレティさんエロまだ?
246氏待ってます
いや、おとなしく忠実に待ってるだけだから気にしないで
>>357だがさらに言うと
ゼストはルーテシア+メガーヌ、アギト+ルーテシアとか
ヴァイスはアルト、シグナム+アギト
クロノはなのは、初代リインフォース、フェイト+アルフ+リニス……あとアニメの正妻なのにここでの扱いが不憫なエイミィ
忘れられがちなロッサと上で飢餓民(俺含む)発生してるスバルなどはどうざんしょ?
あと桃子さんも欲しいかね
ロッサか。本編での描写が少ないから特に思い入れができない
スバルは……そいえばスバルってエリオとヴァイスとゲンヤぐらいしか接点ないし、この三人も薄いからなぁ……
でも同じような状況のギンガはそこそこあるような?
俺はもっとこのスレに百合物増えて欲しいかな
まぁ他で探せば山ほどあるといえばあるんだけども
百合スレってダイレクトなものがあるからな。
どうしてもそっちに行っちまう
>>1にリンクはってもいいと思うけどな。
>>366 その中からなら、エリオは競合率高いしゲンヤさんは流石にアレなんでヴァイスかなぁ
設定は…そうだな、実はティアナとアルトからこそこそ情報収集してた純情陸曹24才とかそんな感じで
>>357です
しつこくなるが忘れてたので、これを主張しないで寝れない
クロノ×リーゼ姉妹!!
ではおやすみなさい
>>333 >>335 いつの間にか三週間も経過していて、申し訳も御座いません。
来週の頭ぐらいに間に合えば、と思っていますが保障は出来ませんので、のんびりお待ち頂ければ幸いです。
ただ言い訳でコテつけて発言するのは寂しいので、思いついた小ネタを投下していきます。
30分くらいで勢いに任せてみました。
こんなもの書くなら早く続き書け、って突っ込みはどうか勘弁。
「―――それにしても大変な事になっちゃったね」
僕は、ガタガタと吹雪に揺られる窓を見つめながら嘆息した。
キャロは、初めて見る大吹雪が恐ろしいのだろうか、不安げに僕に体を寄せながら、それでも健気に微笑んだ。
「そんなことないよ。わたしは、エリオくんと一緒なら何処に居ても楽しいよ」
それは、キャロの精一杯の強がりなのだろう。
それでも、彼女の笑顔で胸が温かくなるのを感じる。
……それにしても、本当についていない。旅先で、大吹雪に巻き込まれて山荘から一歩も出られないなんて―――
「やってられないよな、まったく」
ヴァイスさんが机の上に足を投げ出し、もう飽きたとばかりにトランプを投げ捨てた。
ハートのエースが暖炉に舞い込み、パチリと音を立てて馳せた。
「この館、もっと遊び道具は無いのかよ?
テレビも映らねぇなんてどうかしてやがるぜ!」
「も、申し訳ございません、現在外部からの送電は全て断線しており、館の中だけは辛うじて自家発電で賄っているのですが……」
メイドのリーゼアリアさんがぺこぺこと頭を下げている。
「ふふ、いいじゃない。こういうのも何だかロマンチックよ―――」
クアットロさんはクスクスと笑みを漏らしながらワイングラスを傾ける。
―――あの人は一体何杯飲んでいるのだろう?
「………………」
ルーちゃんは、何も喋らずずっと僕達の様子を見つめている。
「ね、ねえ、今度は別の遊びをしましょうよ、きっとトランプ以外にも何かあるでしょうから―――」
何とか場を盛り上げようとしているのはスバルさんだけだ。
「―――随分とスカリエッティ様が遅いようですわね。私、呼びに行って参りますわ」
場の雰囲気に耐えられなくなったのか、ウーノさんが席を立った。
「どうぞ、コーヒーです」
メイドのリーゼロッテさんが、音一つ立てずにコーヒーを差し出した。
前屈みになったロッテさんのメイド服の胸元からは谷間が覗き―――正直、目のやり場に困る。
「どうかされしたか? エリオ様?」
ロッテさんはにやにやと笑みを浮かべながら、殊更に胸を強調するポーズをとってくる。
……うわぁ、絶対わかってやってるよな、この人。
―――隣のキャロの視線が痛い。
そんな時、山荘のロビーに闖入者が飛び込んできた。
「出た、出たんだ〜〜〜っ!」
雪まみれで慌てふためいてロビーに飛び込んで来たのは、散歩に出かけたレジアスさんだった。
あの慌てよう、何かあったのだろうか?
「おいおい、レジアスのオッサン、出たって、何が出たんだよ?」
「出た、出たんだ、あの伝説の『管理局の白い悪魔』が現れたんだよ!」
瞬間、ロビーは笑いの渦に巻き込まれた。
「ははははっ、ボケるのはまだ早いんじゃねえのか、オッサン」
「ふふ、丁度退屈してましたのよ? 身を張って楽しい話題を提供して下さるなんて、殊勝な方ね」
「……嘘じゃない、信じてくれ! この目で見たんだ! 『管理局の白い悪魔』が出たんだよう……」
レジアスさんは必死に訴えかけるが、誰も相手にしようとしていなかった。
「……レジアスさん、なんだか可哀想だね」
キャロのその言葉に頷いた―――瞬間、
「キャアアアアアアアッ!」
ウーノさんの絹を裂くような悲鳴が響いた。
「どうした!?」
皆で、ウーノさんとスカリエッティさんの部屋に駆けつける。
「キャアア!」「うおおっ!」
部屋では、ウーノさんが蒼白の顔でガタガタと震えていた。
「……スカリエッティ様が、スカリエッティ様が……」
「―――――――――死んでる」
ベッドの上で、スカリエッティさんはもの言わぬ亡骸と化していた。
奇妙な事に、その胸の中央には、ぽっかりと大きな穴が開いていた。人間の腕が通るような大きなトンネル。
まるで、伝説の『管理局の白い悪魔』に撃ち抜かれたような死に方だった。
「あああああ、『管理局の白い悪魔』だ、『管理局の白い悪魔』の祟りなんだ―――」
「いやああ、一体どうすればいいのよ!」
「お静かに!」
ざわめく室内を沈めたのは、仮面の執事さんの鶴の一声だった。
「皆さん、お静かに。ロッテとアリアは現在主人グレアムの所に行っています。
これは―――祟りなどではなく、殺人事件です。警察が来るまでこの場は保存し、皆様にはロビーに集まって頂きたい。
そうですね、この中に犯人が居ないとも限りません、申し訳有りませんが、皆様には今夜はロビーで過ごして頂きたく存知ます」
ヴァイスさんが血相を変えて反論した。
「じょ、冗談じゃねえぞ! この中に殺人犯がいるかも知れないってのに、こんな場所に居られるか!
俺は自分の部屋に戻る! へへっ、部屋に鍵をかければ白い悪魔だろうが誰だろうが入ってこれないからな!
おい、お前らも死にたくなかったら自分の部屋に戻るのが賢明だぜ!」
そう言うと、ヴァイスさんは走って行ってしまった。
―――その後ろ姿を見送るクアットロさんは、何処か笑っているように見えた。スバルさんもルーちゃんも無言だ。
「ねえ、こんなことになっちゃって、どうしよう、エリオくん……?」
キャロが不安げに僕の袖を引っ張る。
僕は―――
A:『ヴァイスさんの言う通りだ! 皆で部屋に閉じこもろう!』と言った。
B:『犯人は外に逃げたに違いない、皆で追いかけよう!』と言った
C:『何か手がかりが有るかもしれない、もう一度レジアスさんの話を聞いてみよう』と言った
>>366 ギンガもスバルも変わらなくない?
スバルはどうしても他六課メンバーと比べられるから余計少なく感じるけど
で、クロノ×ギンガなる電波が降りてきたんだが。なぜだ。
なんかどれを選んでも次回の冒頭でレジアスさんが殺害されていそうな。。。(´;ω;`)ウッ…
とか何とか。
次はきちんと「ゼストの槍」後編を投下します。
では、おやすみなさい。
久々の投下乙です!
「ゼストの槍」待ってますよ〜、あと以前に話していたソープネタも。
ルーとクアはミスリードっぽいなぁ。
仮面とスカが入れ替わっているのが王道なんだが。
仮に続くとしたら、ヴァイスとレジアスは死ぬだろうな。
ヴァイステラ死亡フラグwww
GJです
そして割り込みスマソ
C:『何か手がかりが有るかもしれない、もう一度レジアスさんの話を聞いてみよう』で!
楽しみにしてますけども、どうかご自分のペースで!
『今夜12時に誰かにお話を聞かせてもらうの』
こんな手紙が頭に浮かんだ。
シチュエーション的にヴァイスとレジアスがおいしすぎるw
Aで、是非……
部屋に閉じこもろうとしたら何故か意中の人と一緒に、という展開になって
エリキャロとかクアイスなエロ展開に!11!!!
※クアイス=クアットロ×ヴァイス
ちょっと司書の方にお願いがあります。
>>172の真ん中あたりで
>>アギトとゼストが爆笑。
とあるんですが、
>>アギトとレジアスが爆笑。
と直しておいてもらえないでしょうか?
どうか、お願いします。
そんなこんなでもう一個を。
書いてて楽しいけど、読んで楽しいかは別なので1スレに一個ぐらいにしよう……と思ってたら書いてたのです。
注意事項
・スカリエッティさんたちが飲みに来る話
・もし読んでくれるならば、真面目に読むとメンチ切れられると思いますのでどうか我、空となりて煩悩を断ってください
・過激なエロシーンが音声のみで一行ぐらいあります
・いろいろなキャラを生存のために無茶した嘘っぱちストーリー
「宴は永遠に」 涙の居酒屋「中将」編
「おう、らっしゃい……なんだ、スカリエッティか」
「なんだとは、挨拶だねぇ」
「軌道拘置所に収容されてるんだろ? いいのか、こんな所に来て」
「あそこヒマ」
「当たり前だアホンダラ。飲んだらちゃんと帰るんだぞ」
「中将、久しぶり」
「おう、ドゥーエくんか。それにウーノくん、トーレくん、クアットロくん、セッテくんと……軌道拘置所の管理体制どうなっとるのかね?」
「そう看守の者を責めないでやってくれたまえ。脱獄の手筈を整えてくれたのはドゥーエだからね、これは彼ら程度ではどうにもならんさ」
「あーん、流石ドゥーエ姉様ですわ。完璧でいらっしゃる。よくぞ生き延びてくださいました」
「あればっかりは運が良かっただけよ。お腹の中にドクターがいなければどうなっていた事か…」
「ドゥーエ、君、ちょっと酷くないかね? 普通、お腹はかばわないかな? 騎士ゼストの一撃を私で防ぐと言うのは結構なショックだよ」
「コラコラ、中将がいらっしゃるのに、本人が死んだ時あたりの事を話するなんてデリカシーがないわよ」
「こちとらその程度の事で商売できんようになるほどヤワな精神しとらんわい、それで注文は?」
「チューハイ」
「セッテ、お前は飲むな」
「……なぜです、トーレ?」
「えーっと…その……」(「酔うと破廉恥な気分全開で私にいやらしく迫ってくるから」などと言えるはずがないだろう…)
「全員にこの店で一番強いお酒を」
「ドクタアアアアアアアアアア!」
居酒屋「中将」
そんな暖簾がクラナガンの片隅にあったそうな。
◇
まだ明るい時間である。客はいなかった。故、つまり現在居酒屋「中将」にいるのはスカリエッティ一行だけというわけである。
一通り酒と肴を用意して、レジアスも一緒になって飲み始めたのだった。ちょっとだけ。他のお客さんが来るまでのちょっとだけだから。
「良い店ですね、中将」
「わしのやりやすいように少しだけ変更したが、最新のモデルで建ててもらったからな」
飲んではお互いがお互いにコップに酒を注ぎながらの事である。クアットロ以外の全員が内装に興味持ったように眺めていた。
まず感想を言葉にしたのがウーノだ。
「ウーノが言ってるのはそう言う事じゃないよ、店主が作ってる雰囲気…かな」
「当たり前だ。わしの仕事だぞ?」
「その割に客入りは少ないね」
「時間が時間だ、お前らもお勤めをきっちり終わらせてからここに来んかい」
「ちょっとくらい息抜きしてもいいだろう? 飲んだら帰るよ」
「もう人様に迷惑かけるなよ」
「刑期を終えるまでは(勝手に外に出たりするけども)、迷惑かけずに大人しくしているよ」
「殊勝だな。いや、勝手に外に出てる時点で殊勝じゃないな。大人しくしてろバカタレ。そして大人しいウーノくんは自分の酒も飲みなさい」
「いただきます、中将」
やたら小まめにレジアスとスカリエッティ二人のコップにウーノが酒注いでくれるのだ。
流石の秘書っぷりに、これにはレジアスも酒を注ぎ返してあげるしかない。
他4名はドゥーエとクアットロ、トーレとセッテ、でペア作って楽しそうに飲んでるが約一名本気で舌入りキスしてこようとする7番を引き離そうとして必死こいてる。みんなが飲んでいるのは強い酒なのだ。
「何分、無限に欲望抱えてるものでね、無性に研究がしたくなったりするのだよ」
「ん、研究所は全部管理局が潰したとゼストづてで聞いたぞ?」
「そうなのだよ、さっき見回ってきたら全部潰されててねぇ。全部だよ、全部。我が家のように思っていた場所が無残に潰れてしまって傷心中さ」
「そんなもん見回ってくるぐらいなら他のナンバーズの顔を見て来い」
「いやぁ、拘置所から出てすぐに海上隔離施設に行こうとしたらフェイト嬢が追って来てね、煙に巻いて逃げてる最中だよ」
「何人かは更生し終えて施設から出てるだろう。一昨日もナカジマ一家で飲みに来てたぞ」
「ノーヴェか。元気にしているかい?」
「喧嘩であそこのテーブル壊すほどな。おい、お前が修理費出せ」
壁に立てかけてある割れたテーブルを指さしてレジアスがメンチを切りました。当の席は代わりを差し替えているが損害には違いない。
割れて壊れたテーブルをいっそ愛おしそうに見つめてスカリエッティが優しい表情で満足そうに頷いた。
「そうか…それは良かった」
「良くないわい。修理費出せ」
「それで、中将、他に知っている子はいるかね?」
「チンクくんだな。無事に子供を産めて幸せそうなものだ……きちんと子供が出来た事に、お前に強く感謝していたぞ」
「当たり前さ。私の仕事だよ?」
「そうだな」
酒を呷って一言、認める言葉が出た。酒も手伝って零れたか。
極々自然でたおやかなウーノの酌を受けていると、セッテがトロンとした瞳で話に入ってくる。
「子供……」
「チンクの赤ちゃんの事よ」
「赤ちゃん……欲しい」
「相手のアテはあるかい?」
「トーレ」
ブッと、含んでいたお酒噴き出してトーレがむせた。
そんな戦闘隊長の様子におでん頬張りながらクアットロとドゥーエが冷たい目で上品に笑う。
「じゃあ今度必要なモノをつけてあげよう。それともトーレにつけた方がいいかい?」
「私につけてください」
「オッケー」
「ドクタアアアアアア!」
「これこれトーレ、食事中にそんなに大声出すもんじゃないよ」
「そもそも食ってる最中にそんな話もするな」
「おや中将、将棋があるじゃないか、どうだい一局」
「話を聞け」
「トーレ…都合の良い事にこっちにはチェスが…・…私が負けたら、私はトーレの物。私が勝ったら、トーレが私の物」
「断る!」
「なら……実力で…」
「ちょ、お前、コラ、ぁん……こ、こぉら、そんな所…ァッ! いやぁ、止めて、ハァん…あぁ……アッ!」
「では、トーレ姉様とセッテちゃんは別の遊びと言う事でチェスは私たちでしましょうか、姉様」
「久しぶりねぇ、こんな事するの」
ちなみにレジアスvsスカリエッティは実力伯仲の好勝負を3度演じて、結果レジアス2勝1敗で終わるのだが、
二人ともウーノに何度やっても勝てませんでした。
レジアス&スカリエッティ連合で挑んでもウーノに勝てませんでした。
駒すり替えしても勝てませんでした。
すり替えした対局の後に「いくつになっても悪戯が好きなのですね…」と不敵に笑われました。
男2人歯ぎしり。
「王手」
「セッテちゃん、チェックメイト、って言うのよ」
「さっきとったナイトをここに」
「残念だけどチェスの騎士は裏切らないわ」
「裏返して馬に…」
「ビショップじゃなくてポーンを一番奥に持っていくのよ」
「キャスリング」
「あ、それは知ってるのね」
「ハドラー……」
「へ?」
あとキス魔を振りほどいてチェス3番勝負にもつれ込んだトーレだが、セッテがチェス初心者なのと酔っ払ってるのもあり彼女の勝利に終わる。
めでたくセッテがトーレの物になったわけだが、特に何かすると言う事はなかった。
放置プレイ、と呟いてピクンピクンしてるセッテを無視して唐揚げムシャムシャ。
その無視がまたセッテを狂おしくも甘く切ない悶絶の渦へと誘うとかなんとか。なんでこんなセッテになったんだろう。普通にセッテ好きなのに。
そうこうしているうちに、日も沈んで他の客もまばらに入店。
酒飲んで遊んでたレジアスだが、やおら忙しくなってきた。小さな店だが、レジアス一人なのだ。
「手伝おうか?」
「冷ややっこでも突いとれ」
「ほぉ、良い鶏使ってるね」
「……………爪を切ってきちんと手を洗えよ」
「分かってるさ」
「ドクター、私たちも」
「すまないね、中将、この一時間で客たちが君の料理を食べられなくなってしまうかもしれない」
「男手ひとつで娘を育て、第6回局内お料理コンテストに優勝した腕を侮られるとはな」
寒気するほど美しい円の軌道を描いては、白光閃かすウーノの包丁!
荒ぶる火炎を感じて操るドゥーエの鍋の舞踊たるや、もはや美の領域よ!
スカリエッティは塩胡椒!
レジアスの焼き鳥捌きを見よ、炭と言う静かな、しかし強く気高い熱を熟知せし男の業!
食べるトーレ、飲むセッテ、ストローでお酒をぷくぷくするクアットロは料理できない組である。
「リフレッシュサラダお待ちどうさまです」
「スタミナシチューできました」
「ハイパーまるやき一丁」
「へー、ベルカのお酒も仕入れてるんだ」
「お前が手伝うっつったんだろが天才科学者!」
「フッ、今までは調理場と材料食材調味料を見極めていただけさ、さて、本気を出そうか」
ウーノの下ごしらえをした材料を以て揚げ物を開始するスカリエッティの眼光は研究中のものと相違ない。
つまり楽しんでおり、そして何より真剣なのだ。
店のズンドウをフルドライブして高温の油でイグニッションするスカリエッティが次々に野菜や魚を引き上げれば、
食材が何と香ばしく仕上がっている事か。
引き上げる時に「ふはははははーーー!」とか言う笑い声がちょっと癪に障るけどキチンとした料理を提供しているので文句は出なかった。
「うぅむ、源塩だなこれは……それに負けない風味。鶏も悪くない……いや、良い鶏を扱っている!」
「とてつもないフィッシュ&チップスだ! これはバー「GG」の物に勝るとも劣らんぞ! 塩と酢の塩梅はまさに絶妙!」
「こ、この春巻き! 中の具を炒めた油と衣を揚げた油、両方の味がしっかり感じられる! こんなにも油が美味い物だとは知らなかった!」
「なんと居酒屋でドーナッツとな?! しかしこの油の甘味、小麦の甘味、砂糖の甘味の共演は…出来たて熱々が止まらん!」
イラっとするぐらい絶賛だった。
しかしながら、多種の油を使いこなしてスカリエッティが温度を上下させながら的確に引き上げる揚げ物は、レジアスも唸り上げる。
時間が経っても味も形もだらしなくならない、理想でしかないような揚げ物だ。これはお代りせざるを得ない。
「芸達者な奴だ」
「食は生命の基本だよ、中将? 私にとってはこれも極めるべき道だね」
「……あとでレシピいろいろ教えろ」
「構わないが、もっと質の良い野菜をそろえたまえよ」
白衣で派手に料理し、しかも美人を従えてると言う事でスカリエッティ、その時居酒屋「中将」にいた客から大人気。
すっかり打ち解けて店にいる全員が輪になって酒を飲んでる錯覚に陥ってしまう。
無論、その中にレジアスも入っていた。
◆
夜も更けた頃合い。
お酒に強いドゥーエも顔赤くしてノリノリ。セッテは酔い潰れて丸まってねむねむし、トーレは客のおじいさんと碁を打ってるよ。
レジアスはカウンター越しの調理場でラストオーダー過ぎてるのに炭火と向き合い、スカリエッティはウーノの傍らで何枚もの紙面にペン走らせてる。
「ほれ」
ぶっきらぼうに、しかし丁寧にスカリエッティとウーノの座るカウンター席に一品出された。
焼き鳥である。
やはりこれだね、と塩振ってスカリエッティが噛みついた。続いてウーノも一本、拝借。
残りは包んだ。夜遅くまで労働に勤しむ真面目な者へのお土産である。
「さぁ、そろそろお開きだ。店を閉めるぞ!」
小気味よく手を叩く音。
レジアスの一声にもちろん、10数名の客は不満げだ。
「明日も仕事があるだろう! 帰ってしっかり休むんだ!」
キッチリとしたレジアスの物言いに、なんだかんだで素直に従って出ていく客は常連だろうか。
店を閉める時間まで居座って、レジアスから声掛けられて出ていく様が自然に見えてしまう。
美女ぞろいのナンバーズに名残惜しげに声かけながらしぶしぶと言った風に帰る客もいた。
「上手に仕切るものだねぇ」
コップに残っていた酒を飲み干し、スカリエッティが薄く笑った。
ウーノが酌するのを優しく制する。もう、お開きだ。
「来るのは気の良い連中ばっかりだからな」
「クックックッ、客にも恵まれて素敵な店じゃないか」
「羨ましいか?」
「ああ、羨ましい」
カウンターに空のコップを置いてフラリ、立ち上がる。
それを見て、きちんと片づけしてた超いい子なトーレがセッテを起こしてやる。すると抱きつかれて太ももまさぐられた。手刀を首筋に叩き込んでもう一回寝かせといた。おんぶしてやる。
「私もやってみたいかもしれないね、お店」
「いいから拘置所で大人しくしとれ」
「今日は、帰るよ。そこで店について考えておこう」
「わしの店近くに出すなよ」
「いいじゃないか。最近ここらへん新規の店いっぱい出てるし」
「やかましい」
「さ、勘定にしようか」
先ほどまでスカリエッティが何事か書き綴っていた紙の上に宝石がいくつか転がった。
白紙に記されたのはえらい可愛い文字の、とても分かりやすいレシピである。
「鑑定ができんから支払いは現金にしてくれ」
「困ったな、今手持ちがこれしかなくてね」
「……ならこのレシピだけで構わん。宝石は持って帰れ」
「疑われたものだねぇ。正真正銘、値打ち物だよ? テーブル修理費と遅れた開店祝いとして受け取ってくれたまえ」
「分かった、分った。もらうだけもらっておくから早く帰れ」
「クックックッ、また来るよ」
からからから。引き戸が開いて夜気が仕事終えた店に流れ込んでくる。
風。暖簾が揺れた。
◆
からからから。引き戸が開いて夜気が仕事終えた店に流れ込んでくる。
風。暖簾が揺れた。
「スカリエッティイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」
テーブル拭いてるとフェイトが来た。
「帰ったぞ」
「へ?」
「拘置所に帰った」
「……」
ピッ。
携帯端末を開いて同チームの局員と連絡。
『あ、フェイトさん! スカリエッティ、戻ってきてますよ!』
「……」
『お土産も貰いました。焼き鳥で凄く美味しいからフェイトさんの分も
プツン。
「うぅ……うぅ…ぐしゅぐしゅ」
「泣くな」
「ひっくひっく、えぐえぐ……」
「ほら、今夜は飲みな」
「ひんひん…あり、ありがとう…ございましゅ……うぇえん…」
フェイトが飲む酒は辛く、食べる焼き鳥はしょっぱかったけどあったかかったです。
終わりです。自分の書き方見ると、台本みたいな会話嫌いな人はダメかなぁと思った明け方。
そもそもキャラクターの動かし方にも問題あるけどね!
391 :
タピオカ:2008/07/25(金) 04:53:57 ID:o5NbHPLm
名前……orz
>>391GJ!
早くセッテ×トーレを書く作業に戻るんだ!
ナンバーズみんな可愛かったのに最後の泣き虫フェイトそんに
全部持って行かれた感がww
GJでした!
〉〉345
俺もその完結編ずっと見たいと思ってた!
最後、快楽地獄に陥る時に別次元のエリオから連絡あったところでちょうど止まっちゃってるんだよな…
本当に続きが気になる!
〉〉352
キャラの好き嫌いあるから仕方がないとは思うが、あんまそういう発言はして欲しくないな…
書き手のモチベーション下げかねないことはして欲しくない……
>>391 イイハナシダナー。・゚・(ノД`)・゚・。
おかげで蒸し暑さが和らいだw
してセッテ×トーレの妊娠SSマダー?
396 :
B・A:2008/07/25(金) 14:31:20 ID:dmeBQuc4
長編投下いきまーす。
えー、今回も切腹覚悟だったりします。
基本的に投下はいつも背水の陣。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ(なんだけど、今回は出番なし。ついでにエリオも出番なし)
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し。今回、一番のビクビクはここ
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・ガリューは大自然の使者
・ラ○ダーファンの方に頭を下げる覚悟はとっくに完了している
第20話 「傀儡乱舞 −尽きぬ闘志は主のために−」
巨神の咆哮が大地を震わせ、飛び交う魔力弾が為す術もなくその堅牢な装甲に弾かれて儚い火花を散らす。
鎧袖一触。
それを形容するのにそれ以上に的確な表現は見当たらない。
アルザスの守護竜の怪力も白銀の飛竜の火炎にも人造の神は一向に応える素振りをみせない。
ヴァイスによって飛行能力を奪われ、敏捷性こそ落ちているものの、カートリッジシステムによって引き出される戦艦クラスの出力とパワーは未だ健在であった。
スバルやナンバーズ達が果敢に攻めるも、驚異的な堅牢さを誇る複合装甲に僅かな傷をつけるのが精一杯であった。
更に、いつまで経ってもルーテシア達を排除できないことに業を煮やしたロデオは周辺にいた傀儡兵まで呼び集め、戦場はより混迷を極めていた。
「スバル、そっちいったぞ!」
「私が行く。IS・・・ツインブレイズ!」
一瞬で姿をかき消し、スバルの背後へと移動したディードが双剣を振るい、スバルの背後に迫っていた飛行型傀儡兵を両断する。
胴を二つに切断された傀儡兵は周りにいた仲間ともつれ合いながら墜落し、小規模な爆発を起こす。
「危な・・・・サンキュー、ディード」
「いえ・・・・それより、このまま無意味な攻撃を続けているだけでは埒が明きません」
長時間の戦闘でさすがに消耗しているのか、ディードは若干呼吸を乱していた。双剣を握る手も僅かに震えている。
「ナンバーズの司令塔としては、一旦撤退して態勢を立て直すことを進言するけれど」
上空で敵を焼き払っていたオットーがぼやく様に呟く。広域攻撃型である彼女は自身の能力で建造物を破壊しないよう細心の注意を払わねばならず、
それが負担となって彼女の消耗を早めている。無表情故に表情にこそ表われていないが、実際の疲労の度合いは誰よりも大きく、
後数回レイストームを放てば飛行を維持するのも困難になる。
「撤退だぁ!? どこに逃げるんだよ。このドームの中に入った時点であたしらに逃げ場なんてないんだろう!」
「いや、だから回復してから再度攻撃を・・・・・・」
「んなことしてたらその間に街が壊されるだろうが!」
「ノーヴェに同感。こいつを放っておいたら、きっとたくさんの人が傷つく」
「珍しく意見が合ったな、スバル」
「姉妹だからね」
「へっ、言ってろ!」
「二人とも、待って・・・」
オットーの制止を振り切り、二人は再びデウス・エクス・マキナに突撃する。それが無駄であることは百も承知している。
だが、自分達が奮闘することで一分でも時間を稼ぐことができれば、その間に優秀な指揮官が勝利の戦術を組み立ててくれる。
スバルもノーヴェもそれを確信しているからこそ、破壊の権化ともいえる巨体に立ち向かうことができるのだ。
「諦めろ、オットー。あの二人は『逃げる』とか『諦める』とか『挫ける』とか、そういうネガティブな感情とは無縁な存在だ」
「ついでに、『冷静さ』も欠けている気が・・・・・」
「その分は姉達が補えば良い。とはいえ、さすがにこちらも消耗は酷いが」
妹の前では常に強気で冷静なチンクが珍しく弱気な発言を漏らす。
実際、疲弊していない者は誰もいなかった。
オットーとディードは言うに及ばず、負傷者の援護に駆け回るセインも援護射撃を行っているディエチもISを連発し過ぎてエネルギーが残り少なく、
スバルとノーヴェも全身の至る所に傷を負っている。チンクにしても、既に愛用のスティンガーは使い切ってしまい、
今はその辺に転がっている金属片や建築物の廃材を拾って武器にしている。一矢報いたヴァイスの射撃も最早通用せず、
ウェンディのラインディングボードも所々が欠けていた。ヴォルテールも片手を失って酷く出血しており、そう長くは保ちそうになかった。
「ティアナ、まだなのか? このままではいずれ蹴散らされる!」
「わかっているわよ! こっちだって精一杯やっているんだから!」
チンクに怒鳴り返し、ティアナは精製した魔力弾を乱雑にばら撒いていく。
特に狙いをつけていたわけではないので、明後日の方向に飛び散った魔力弾はデウス・エクス・マキナのAMFを突破することなく弾かれ、火花を散らすだけだった。
傍目には意味のない行動に見えるが、ティアナは真剣そのものだった。魔力弾がAMFにぶつかり、消滅していく様をつぶさに観察し、また同じように魔力弾をばら撒く。
先程から、彼女はずっとそれを繰り返していた。
(AMFがあるのなら、わざわざ装甲に魔法を弾く加工を施す必要がない。きっと、あれのAMFは白天王に対抗するために後付けされたもののはず。
なら、きっとどこかに綻びがあるはずよ。それさえ見つければ・・・・・・・・・)
起死回生の一手が見つかることを念じ、再び魔力弾を放つ。ばら撒かれた魔力弾は緩い弧を描きながらデウス・エクス・マキナの背後に回り込み、
背面に降り注ぐが、やはりこれも無残にかき消されるだけだった。だが、執務官として鍛えられた彼女の観察眼は、その僅かな違和感を見逃さなかった。
「キャロ、ルーテシア! 私の合図で魔力弾をばら撒いて。できるだけ、万遍無く!」
「ば、ばら撒くんですか?」
「そう。私一人じゃ全面をカバーできない、だから三方から同時に撃つの!」
「わかった・・・・アスクレピオス」
「お願いね、ケリュケイオン」
一瞬の困惑もすぐに信頼によって押し流され、二人はティアナを頂点に丁度三角形を描く形に移動した。
そして、それぞれのデバイスに魔力を流し込み、できるだけたくさんの魔力弾を生成する。
「オットー、動き止めて!」
「・・無茶を言う!」
文句を言いつつも、オットーはヴォルテールがデウス・エクス・マキナの巨体を突き飛ばした瞬間を見計らってバインドを放った。
すかさず、ティアナはキャロとルーテシアに号令をかける。
「今よ!」
「アクセルシューター・・・・・・」
「トーデス・ドルヒ・・・・」
「クロスファイヤー・・・・・・・」
「「「シュートっ!!!」」」
三人の声が重なり、全く同じタイミングで放たれた誘導魔力弾の弾幕が鋼の巨体を包み込む。
そのほとんどはAMFによって無効化され、突破したものも魔法を弾く装甲に傷をつけることはできなかった。
だが、ティアナにとってはそれだけで十分だった。
(やっぱり、左肩の辺りが一番AMFの濃度が高い。多分、あそこにAMFの発生装置がある!)
確信がティアナの唇を吊り上がらせる。
最大で車と同程度の大きさでしかないガジェットならば、全身を包み込むAMFに濃度の差などなかっただろう。
だが、全長数十メートルもの巨体ともなれば話は別だ。如何に出力を上げようとも、発生装置から離れた場所にいくほどその濃度は薄くなる。
逆に言えば、最も濃度の高い場所に後付けされたAMFの発生装置があるのだ。恐らく、そこがこの巨神の弱点。
「スバル! 左肩の翼の付け根、そこにAMFの発生装置があるわ! そいつを思いっきりぶん殴って!」
「了解!」
相棒からの指示にスバルは元気良く答え、ウィングロードを疾走する。だが、敵もそう易々と接近を許す程馬鹿ではない。
すぐにバインドを引き千切り、無数の飛行型傀儡兵やガジェットを壁にしてビルの谷間を縫うように駆け抜ける。
「こんのぉっ、邪魔だぁっ!!」
立ち塞がる傀儡兵の群れを振動拳で粉砕し、スバルはマッハキャリバーをフルドライブ状態に移行させる。
作動した瞬間突撃システムによって加速のついたスバルは一気に鋼の群れを駆け抜け、デウス・エクス・マキナに追いすがる。
瞬間、唐突にデウス・エクス・マキナは振り返り、その巨大なカギ爪をスバルに叩きつけてきた。
慌てて身を捩って避けるが、圧倒的な質量が巻き起こす衝撃は人間一人を吹き飛ばすには十分であり、
スバルは独楽のように回転しながらビルの壁に叩きつけられた。
「痛・・・・・あんなの反則だ」
痛みを堪えて立ち上がり、再びウィングロードに飛び乗る。すると、それを待ち構えていたかのように傀儡兵達がスバルに殺到し、
あっという間に取り囲まれて身動きが取れなくなる。
無数の銃口が突き付けられ、スバルの背中に冷や汗が伝う。防御魔法には自信があるとはいえ、これだけの数の攻撃を浴びせられればさすがに耐えきるのは難しい。
かといって、目の前の敵を一度に殲滅する力は自分にはない。
その時、巨大な影がその翼を羽ばたかせ、咆哮で大気を振動させた。
「フリード、ブレストレイ!」
凛とした声が響き、吐き出された火炎放射が傀儡兵の群れを焼き払う。
機械にとって熱は天敵であり、配線を焼き切られた傀儡兵達はまるで糸の切れた人形のように地面に落下していく。
その瓦礫の雨を振り払い、スバルは包囲網を突破した。生き残りの傀儡兵達が追撃をかけようとするが、それはディエチとヴァイスの狙撃で悉く撃ち落とされていった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
雄叫びを上げながら、スバルは再びデウス・エクス・マキナに追いすがる。
群がる傀儡兵は全て仲間が撃ち落としてくれる。だから、自分は自分に課せられた役目に集中すれば良い。
主の意思を忠実に読み取ったマッハキャリバーは、過熱でオーバーヒート寸前までギアを駆動させ、最速の階段を駆け上がっていく。
「来るよ、マッハキャリバー!」
「スバル、飛べぇっ!!」
再びデウス・エクス・マキナのカウンターが繰り出された瞬間、スバルはノーヴェの叫びを聞いた。
いったい何を意図してのものなのか、それはわからない。だが、スバルの思考は何の躊躇もなく妹の言葉を受け入れ、
膝をしなやかなバネのように屈伸させてウィングロードを蹴り、空中へと躍り出た。
一瞬の浮遊感の後、重力に引かれて落下が始まる。その刹那の瞬間を見計らい、駆けつけたノーヴェは両足のジェットエッジの噴射装置を起動させた。
「飛んでけ、この馬鹿姉貴ぃぃっ!!」
回転の勢いをつけ、ノーヴェは暴れ狂うジェットエッジをマッハキャリバーに叩き込んだ。
一瞬、ノーヴェの暴言にスバルは顔をしかめたが、すぐにその怒りは意識の彼方に追いやられる。
凄まじい衝撃が背筋を駆け抜け、スバルの体は叩き込まれた運動エネルギーによって加速し、もの凄い勢いで空中に押し出される。
そして、その勢いのまま振り下ろされたカギ爪を飛び越え、デウス・エクス・マキナの背面に展開したウィングロードの上に着地した。
(見えた、あれだ!)
金色の眼が標的を捉える。
巧妙に偽装されているが、左肩の翼の付け根に不自然なでっぱりがあった。恐らく、あれがティアナの言っていたAMFの発生装置だ。
距離は僅か数メートル。遮るものは何もない。問題は、あれを自分がうまく破壊できるかどうかだ。
意識を集中する。
攻撃は最も破壊をイメージしやすい突きを選択する。
突きこそ拳法の基本であり、極意である。それはシューティングアーツとて変わらない。
魔法を用いるとはいえ、その本質は古今東西の武術と同じく、鍛えられた心身と数え切れない反復練習によって培われた心技体のハーモニー、
そしてそれが岩をも打ち抜く破壊力を生み出す。砕くのではない、貫くのだ。故に、“殴る”でなく“突く”と呼称される。
「うおおぉぉぉぉぉぉっ! 振動拳っ!」
スバルの繰り出した突きが、狙い違わず目標を捉える。瞬間、固い金属を殴りつけたかのような甲高い音が響き渡った。
それは振動エネルギーが正確に伝わった証。打ち込まれた破壊の渦は出口を求めて装甲の内部を駆け回り、物体の分子結合をズタズタに引き裂いていく。
砕けた装甲が弾け飛ぶ音は、まるでデウス・エクス・マキナの悲鳴のようであった。
「一撃、必倒ッ・・・・・」
弾けた装甲の破片をモロに浴びながらも、スバルは素早く右腕を引いて左腕を突き出す。
その先端には、既にチャージが完了したディバインスフィアが形成されていた。
「ディバイィィィィッン、バスタアァァァァァァァァァッ!!!!!!」
間髪入れずに打ち出した右拳がスフィアを破裂させ、耳をつんざく砲音が木霊する。
零距離で放たれたディバインバスターA.C.Sが剥き出しとなったAMF発生装置を飲み込み、部品一つ残すことなく消滅させる。
同時に、接敵した瞬間から感じていた体の重みがなくなり、デウス・エクス・マキナの纏うAMFが解除されたことを肌で実感する。