760 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 22:29:46 ID:a6CaY1yQ
大佐乙
サクセスオールスターズがまたあるとしたらポケから誰が秘書で出るのか予想してみる。
浅上綾華
秋本彩
霧島さん
白瀬ふきこ
いおりん
パっとしない。。。
保守小ネタ投下します
角を曲がると、道のど真ん中に人が倒れていた。
行き倒れ、殺人事件、ただ道の真ん中で寝るのが趣味な人。
どれも可能性としてはありうる。
彼女は至極真面目にそう考えて、気を落ち着けるために深呼吸した。
個人的には、三番目であってほしい。話のネタになるし、何の事件性もない。
(……ありえないよね)
声をかける、悲鳴をあげる、警察を呼ぶ。
そのどれかの行動を選ぶべきだと頭が叫ぶ――いや。
(関わらない、ってのが一番いいのかも)
その考えを、頭を振って否定する。
もしかしたら一刻も早く助けが必要なのかもしれないし、
やはり放ってはおけない。
(血が出てたりは、してないみたいだけど)
少しづつ近寄って、観察する。ぱっと見た感じでは外傷はない。
それは幸いといえることなのかもしれないが、
倒れている人間を見つけたという時点で、彼女にとって幸いとは言えなかった。
「……えっと」
助けを求めるように周りを見回すが、夜の街の裏通りに人影はない。
そもそも現在時刻は午前四時……まっとうな人間は夢の中だろうし、
まっとうじゃない人間も、こんな場所をわざわざ通ろうとはしないだろう。
小さくため息。もう一度、勇気を振り絞って倒れている身体を見つめる。
金髪なのは髪を染めているだけかもしれないが、
肩の露出した肌の色からしてどこかの外国の人のように思えた。
加えて髪の長さ、体型、服装から判断するに女性のように見える。
……もちろん、ニューハーフの人の可能性も捨てきれない。
彼――いや、彼女らには時々、
女としての自信がなくなりそうなほどきれいな人がいるのだ。
ともあれここまで来たらとる手段は二つに一つ。
声をかけるか、否か。
「うーん……」
人が倒れているというのはそれなりに異常事態ではある、
だが、珍しいというほどのことでもないのだろう。
きっと毎日誰かがどこかで倒れているのだから。
それに出くわすと言うのも、長い人生の中で一度や二度はあるはずだ。
「ん……」
唸り声が聞こえて、思考が妙な方向にそれていたことに気づく。
現実から目を逸らしたかったのかな。
そんなことを思いながら、倒れている女性にさらに近づいた。
少なくとも死体ではない、
それだけで話しかけようと思えるに到ったのは少々軽率だったかもしれない。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「ン……」
しゃがみこんで、肩に手を置くと同時に語りかける。
柔らかな肌、熱いとさえ感じる体温。
肌の色は違っても同じ人間だということを今更ながらに実感する。
「ウ…………お」
「?」
ゆっくりと女性は顔をあげて、こちらを見つめてきた。
綺麗な瞳だった、けれどそれはガラス細工のような危うい煌きではなく。
「オナカ空いた……」
「………………え?」
何となく真面目なことを考えていた彼女の耳に、ぐぅ、と間の抜けた音が聞こえた。
(ガツガツガツガツ……)
「……………………」
二十四時間営業しているファミレス、
都会ならどこにでもある、庶民の心強い味方。
手元には税込二百十円のホットコーヒー。
ぐるぐると回る白い円をかき消すようにスプーンで混ぜる。
たっぷりと入れた砂糖は体重を増やすことにつながるのかもしれないが、
甘い砂糖で疲れを癒すことのほうが、今の彼女には重要だった。
「ガツガツガツガツ……ごくごく」
さらにその前には六百八十円(+大盛りで二百円)の焼肉定食。
価格の割にはボリューム満点、らしい。
彼女にとっては量が多すぎて、見るだけで胸焼けしそうなものなのだが。
「あむ……ごくごく……ガツガツ……」
……その皿はすでにほとんど空になっていた。
先ほど拾った外国の女性がものすごい勢いで貪っているのだ。
「ごくごく……ふー! オチついたネ、アリがと!」
食べ終えて、女性は満面の笑みで礼を言ってきた。
朗らかなその笑顔に彼女もつられて小さく笑う。
天真爛漫とはこのような人のことを言うのだろうか。そんなことを思う。
「そ、そう……よかったね」
「ホント、ヨカったネー!」
ややアクセントがおかしい、あまり流暢とは言えない日本語。
けれど伝わる分だけましだと言えた、
彼女の同僚には日常会話ができない人もいたことがある。
「えっと、それで……なんで倒れてたの? ……込み入った話なら聞かないけど」
何となく放ってはおけずにファミレスへと連れ込んだのだが、
彼女に深く関わろうという気はなかった。
そもそも自分のことで精いっぱいなのに、他人の面倒を見ることができるはずもない。
――もっとも友人に言わせれば、一人の男の面倒を見ているということだったが。
「ムー? コミイッタ? マあ、倒れテタ理由はあれダ、オナカ減ったからダヨ」
「……そ、そうなんだ」
「明日モ知れぬクガクセーだからナー、トリあえず……ウン? 今何時ダ?」
クガクセー、学生。少し驚いたが、良く考えれば不思議ではない。
そんな言葉を耳にしてすぐに。
女性は慌てたようにあたりを見回し、質問してきた。
問われた言葉を少し遅れて理解し、腕時計を見る。
味のあると言えば聞こえはいいが、ずいぶん古いものだ。
これをもらった時は、もう少し彼も――
「……?」
「!」
不思議そうな顔をする女性に愛想笑い。
「えっと、五時ちょっと前……」
「アー……」
がくりと女性が机に突っ伏す。
もそもそと携帯を取り出し、ぴこぴこと操作……
画面に映し出された履歴を見たのだろう、落胆した表情になり顔をあげた。
「うーん、困ったナ、テンチョー激怒してルヨ」
「え……?」
「ツギ遅刻したらクビだー! ってマエいってたカラなー」
「そう、なんだ」
「ムー、このママだと飢エ死にスるネー」
「……」
放っておくのが一番いい、それは十分に承知しているつもりだった。
二十も半ばを過ぎれば、騙されて痛い目にあった回数も多い。
けれど――
「その、もしよかったら」
「うン?」
「仕事、紹介しようか?」
女性の力になりたい。そんな単純な気持ちが、迷いを吹き飛ばした。
「ンー……アヤシイ仕事は勘弁ネ」
けれど女性は困ったように眉をひそめて、そんなことを言ってくる。
普通に考えれば、この反応は正しいのだろうが。
「アヤシイ……のかなぁ?」
「?」
彼女の仕事は――あまり人に誇れるものではなかった。
怪しい仕事、世間一般的にはそう思われているものだ。
もっとも、彼女自身は自らの仕事を、決して嫌ってはいないのだが。
「えっと、ホステス、ってわかる?」
「ほるひす?」
「ほるひすじゃなくて……うーん」
どうやらわからないらしい。困りながらもなんとか、説明しようとする。
「えっとね。お客さんにお酒をついで、そのあと……」
「アブラギッシュなオッサンの股グラにクチを突っ込むのカー?」
彼女が言い淀んだわずかな隙に、女性はずいぶんと過激なことを口走ってきた。
驚きに眼を見開く。言葉の過激さにも驚いたが、それよりも。
(アブラギッシュなんて表現、知ってるんだ……)
そっちの方が気になった。
実は日本語がすごくうまいんじゃないだろうか。
生じる疑念を押さえこんで、口を開く。
「うーん……そういうののの、三歩手前……ぐらいかな?」
「サンポテマエ? ……自己紹介グらいカ?」
「うーん、自己紹介よりかは二歩ぐらい進んでるかも」
「二歩……キスぐらいか?」
「それよりは少し手前……なんだか、話がずれてるような」
「そうカー?? で、結局何スルンダ?」
遠まわしに言おうとして、結局うまく伝えられずに、
直接的に説明することにした。
「えっと、お酒をついで、話を盛り上げて、少しセクハラされるところまで……かな?」
建前上は、お触り厳禁なのだが。建前は建前でしかない。
「オオ、つまり酒デ酔わして、いい気にサセて、男をダマスってことダナ?」
「……なんだか、悪意が混じってるような」
「キノセイねー。ウン……オッケーダヨ。ミズショーバイはモウカルってキクシナ」
「……水商売は知ってるんだ。じ、じゃあ、連絡先を……」
いろいろと言いたいことはあったものの、追及はせずに、
彼女はポケットに手を入れて、携帯電話を取り出す。
「……わわっ!?」
その途端、大きく震える携帯電話。
――がしゃん。手が滑って、女性の方へと転がって行ってしまった。
「オマエ、ドジだナー」
机から滑り落ちそうになった携帯電話を、女性は華麗に手に取って、
彼女の方に差しのべてきた。
「あ、ありがとう……」
礼を言って、画面を開く。心臓が高鳴る――もしかしたら、彼かもしれない。そう思ったからだ。
そして目に映った件名は――『お手軽ダイエット方法!』。
「…………はぁ」
「?」
彼からのメールでないことに気づいて、溜息をつく。
馬鹿だ。これは仕事用の携帯なのに。
「ドうしたんダー?」
「え? ……ううん、なんでもないから」
「?」
最近、彼からのメールが減っていた。
デートしても淡白に終わることが多く、お店でも楽しそうにしてくれない。
別れてしまえばいい、そう友達は言うけれど――
「……ゲンキダセヨー!」
「ひゃぁっ!?!?」
少し痛いくらいに肩を叩かれて、彼女は驚きに身をすくませた。
いつの間にか机から身を乗り出していた女性が、にっこりと笑う。
「ワラうカドにはフク来たる――だからナ!」
「……そ、そうだね。……ふふっ」
やっぱり、すごく日本語が上手じゃないんだろうか。
そう思ったが口にせず、彼女も女性につられて、微笑んだ。
少しだけ、気が楽になった。
「じゃあ、携帯の番号を――」
「コウカンシマショー」
通信機能を使って、番号を交換する。携帯に表示された名前は、やはり外国の人名だった。
「……ン? 何て読むンダ? コレ」
「あ、その名前は源氏名だから……」
仕事用の携帯電話は、ひいきのお客さん、あるいは同僚に教えるためのものだった
プライベート用は別に持っているが、今はそれを言う必要はないだろう。
「ゲンジメー? ヘイケメーもアルのカ?」
「……その源氏じゃないと思うんだけど」
「ムー、ニッポンノ言葉むヅカしイネー」
「……そうだね」
やっぱり、ものすごく日本語が上手じゃないんだろうか。
そう思ったが、やはり口には出さず。説明する。
「えっと、仮の名前みたいなもので……」
「カリ? あレのサキッちょカ?」
「そ、そうじゃなくて……嘘の……」
「顔赤いゾー」
「うぅ……」
顔が熱くなる。
これぐらい、いい加減なれた方がいいとは常に思っているのだが。
「嘘、カー。本当ノ名前は何ナンダ?」
「え? ……えっと」
迷う。いくらなんでも本名を教える必要はないんじゃないだろうか?
「……」
けれど迷ったのは一瞬だった、相手の名前を知っておいて、
自分だけ隠すのは良くない、そう思ったから。
「私の名前は――」
これが二人の出会いだった。
終わりです、萌えスレに投下でもよかったかも
いつの間にか過疎ってるみたいなんで、11までにエロいのを3つ投下すると宣言しておきます
たぶん順番は恵理、芙喜子、真央
おおお!GJです!恵理の話はいいなあ
3つも・・・すげえ
楽しみに待ってますね!
サブキャラなのにすごくキャラ濃い人キター
サブキャラなのに恵理よりキャラが濃い気がする不思議
寝る前に良きモノを見れた。
乙乙
乙すぎるいい話ダナー
ほるひす吹いたwwww
乙です。
恵理もソムシーも好きな自分にはたまらん
エロの方も期待してます
ところで恵理とソムシーって同居してたのかな?
貧乏そうだしありそうな気が。
唐突に恵理が布団で悶々としてる横で、のんびり爪切ってるソムシーの映像が浮かんだんだが。
同じ店のソムシーって自己紹介するあたり同居はしてないような。
そもそも二人が貧乏って表現あったっけ?
恵理がロスに行く時は金よりも逃げたいって願望っぽいし。
まいったわーよりにもよって瑠璃花にはまってしまった・・・
寝ても覚めても頭から離れない
「何だよこのツンデレ氏ね」て第一印象だったのにどこで何間違えたかなー
ロリコン、か・・・
何を言うか、瑠璃花はいいじゃないか。
あのツンデレで小学生とは思えない
むしろ小学生らしい感じだったような
実はまだるりかがカンに障る俺
あぁ、やってしまった・・・瑠璃花で・・・
もうダメだ俺はもうダメだるりか、るりかああああ・・・・・・
おもしろすぎるw
>>783 安心しろ、俺も瑠璃花で何十回もやったことあるぞ
あ、リアルでは紳士です^^
786 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 00:16:31 ID:tebN7eeA
エロ紳士が何を言っている
ひいいあげちまった
1日ROMるわ
>>787 瑠璃花「しかたありませんね……でも、何回もあげちゃダメなんですから!!」
ふぅ…
ロリコンは犯罪だろ
ゆかりたんと子作りする3主を妄想したのであった
ぅぁっ・・・・・・ハァ・・ハァ・・
いたいけな小学生に欲情するとかマジあり得ねーよ死ねよ・・・俺・・・
変態と言う名の紳士なんだよ
だいじょうぶ、みんな仲間さ
ちょっと聞いてみるんだけどさ、ダッ主×青空を投下してもいいだろうか?
根本的にダッシュてロリばっかだから気が引けるんだよな…
相手も年相応だからいいような気はするんだがなんとも
No、という奴が居たら俺がミンチにするから気にせず投下したまえ
さあはやく投下する作業に戻るんだ
それじゃ落とさせていただきますわ。ろくなもんじゃないですが。
ある晴れた夏の日。戸並は家で一人貴重な休日を満喫していた。
世間一般には夏休みと言うが野球部にとっては休みではない。夏特訓である。
鳴呼美しき哉白球に懸ける青春、青春を遠く懐かしむ監督はこう言って毎度厳しい練習を課すが、
当事者にとってはたまったものではない。青春なんてそんなにいいもんじゃない、
いくら野球が楽しくても辛いもんは辛い、それが嘘偽らざる気持ちだ。
とにもかくにもこうして休める事に感謝しつつ家でごろごろとしていた。
「あぁ、青空に会いたいなぁ」
ふと口をついて出た言葉。照れてしまう。
連絡こそとってはいるが、もうそらとは半年以上会ってない。いわゆる遠距離恋愛。
話す事はお互い野球(ソフトボール)の事ばかり。でもそれだけでも幸せだった。
「会いに、行こうかなぁ…」
一瞬考えがよぎる。貯金は、ある。泊まるところ、監督泊めてくれるかな?もしくは無田君を頼るか。
休みは無いけど1日ぐらいサボったってバチは当たらないよな。普段あれだけ頑張ってるし。
きっと青空は驚くだろうな。喜んでくれるだろうか?いや、サボった事を怒るかな。
そんな他愛の無い事をほわほわと考えていると、突然玄関のチャイムが鳴った。
気持ちのいい空想を邪魔された戸並は舌打ちを一つ打つと、
「はーい」とあからさまに不機嫌な声を発しながら階下へと降りていく。
どうせつまらないセールスマンか宅急便だろう。前者だったらバットでぶん殴ってやろうか、そんな事を考えながら。
しかしその予想は鮮やかに裏切られた。
「はいどなた…って、青空!?何でここに!?」
扉を開けると目の前には誰あろう愛しの青空が立っていた。
一瞬の驚きの後にこみあげてくる歓喜。やっぱり自分達は赤い糸で繋がってるのだろうか、
うわすごくうれしい、でもあんまり喜んだらみっともないかな?うん、ここはクールに決めようそうしよう。
「戸並、その、ちょっといいかな?」
「え?」
しかし青空の予想外の声色にそんな浮ついた気持ちは一瞬で吹き飛んだ。
彼女の声に喜びは無く、明らかに沈んだものだった。驚く戸並にかまわず青空は続ける。
「その、お願いだ、ちょっと私に付き合ってくれないか?」
彼女の眼は真剣そのものだ。まっすぐに、切実に、戸並の事を見つめてくる。
ただ自分に会いに来たわけじゃない、これはきっと何かあった、
野球漬けでちょっとおつむが怪しい彼でも容易に想像出来る、それほどの勢いがあった。
「う、うん、分かった」
「ありがとう、頼れるのは戸並だけなんだ…」
ほっとしたようにつぶやく。これはなおさらただ事ではなさそうだ。
「ちょっと待ってて」と急いでよそ行きの服に着替えると、
出かける旨を伝える書置きを残し戸並は青空と共に家を出た。
数時間後、2人は小さな砂浜にいた。
青空が流れついた、そして父親と感動の再会を果たしたあの砂浜だ。
そこで2人は体育座りで静かに夕陽を見つめている。
誰もいない砂浜には、潮騒だけが響き渡っていた。
「綺麗だな、夕陽」
「うん」
青空は遠い目で夕陽を眺めていた。どこか憂いた様子の横顔が夕陽に照らされる。
それはたまらなく美しかった。しかしそんな感傷にひたってもいられない。
戸並は彼女が話し出すのをひたすらに、我慢強く待っていたが、ついに意を決して尋ねた。
「どうしたんだ?そろそろ何があったのか教えてくれよ」
道中青空が口を開く事はほとんど無かった。どこへ行くのかを聞いてもただ一言、
「私に、付き合って欲しいんだ」と言うばかり。
そして鈍行を乗り継ぎ、途中で手持ちが底をついた戸並の電車賃を立て替えつつ着いた先がここだった。
戸並も途中でどこに行くのかの見当はついた。しかし何をしに行くのかだけはさっぱり分からない。
ひょっとしてふられるのだろうか? そんな一抹の不安さえ抱きつつ大人しくついてきた次第である。
「………」
しかし青空は相変わらず押し黙ったままだった。
いくらお人よしの戸並とは言えそろそろ限界だ。ついに不平を口にしようとしたその時、
「お父様が、な…」
「えっ?」
「お父様がな、その……再婚、するって」
感情を押し殺したような声で、ただ二言そう言うと彼女はまた黙り込んだ。
いざ怒ろうとした戸並はびっくりして感情の行き場を失ってしまう。冷や水をぶっかけられた気分だ。
しかもそこにもってきて重大な告白だ。きっと彼女はこの事で悩んでいるんだろう、
その程度の事は彼にもすぐに想像はついたが、たて続けに襲い掛かるサプライズを受けて思わず
「そ、その…おめでとう…」
と口走ってしまう。言ってから激しく後悔した。
(おめでたいと思ってたらこんなに落ち込んでるわけないじゃないか!俺のバカ!うわぁどうしよう…)
激しい自己嫌悪に陥ると同時に、謝る言葉を探し始める。しかし容易には思いつかない。
戸並は一人忙しく考えをめぐらしていたが、そんな彼にかえってきたのはいささか予想外の言葉だった。
「そうなんだ、おめでたい事なんだ。お父様に幸せになってもらいたい、
いや、お父様は幸せにならなきゃいけないんだ。ずっと私の側で貝として苦しんできた
お父様が幸せになって初めて、私達は失った時間を取り戻したって言える、
頭の中では分かっているんだ。でも、せっかく戻ってきたお父様が他の人にとられてしまう、
私から離れていってしまう、って考えたらすごく悲しくて、
そして何で私を放って他の人に愛情を注ぐんだ、ってすごく腹が立ってしまって、
でも自分が間違ってるのは分かってて、そんな自分がたまらなく嫌で、嫌で……」
淡々と、しかしはっきりとした口調で語る彼女。だが言い終わる頃には声が震えていた。
内容も感情的で、普段の冷静でキリッとした口調はうかがえない。
「青空…」
「私は強くなったつもりだった、でもダメなんだ、お父様が私の事を気にかけなくなったら、
他の人の事ばかり考えるようになったら、て思うと辛くて悲しくて胸が張り裂けそうなんだ……
そんな自分が嫌いだ、でも頼らないと辛い、でもお父様にも嫌われたくない、幸せになって欲しい、
どうすればいいんだろう、私はどうすればいいんだろう……」
声はさらに震え、その目からは涙があふれ始める。
そうなるともう止まらない。今まで我慢していたものが一気に崩れ去り、激しい嗚咽へと変わった。
彼女は激しい自己嫌悪と葛藤に陥っていた。
父親の幸せを祈る気持ちと自分のエゴ、その板ばさみで完全に心がまいっていた。
そして衝動的にすがるように戸並を頼ってはるばる家までやって来た、というのが事の顛末だ。
戸並は半ば唖然としつつ彼女を見つめていた。
突然の重い告白、そして号泣。どうすれば慰められるのか自分には見当もつかない。
慰める言葉ぐらいは思いつく。お父さんはきっと青空の事を見捨てたりしない、
ちゃんと前のように愛してくれる、しかしそんな言葉で慰めになるのだろうか?
そんな彼女を見つめる内に、半ば確信めいたものが芽生え始めていた。そして
「俺が…」
「え?」
「俺が守ってやる!俺がお前を支えてやる!お前を全部受け止めてやる!だから泣くな!!」
とっさに口をついて出た言葉。しかし嘘偽りは無いつもりだ。
誰にも言えなかった胸の苦しみを、こうして自分にだけ打ち明けてくれた、
そして自分の前でだけ心をむき出しにして泣きじゃくる、
そんな彼女がたまらなくいとおしくて、いとおしくて、ただ守りたくて、自然とそう叫んでいた。
しかし、返事は、無い。青空はぽかん、とした表情で戸並を見つめるばかりだった。
(ヤバイ、かっこつけすぎたかな…?)
その通り、いくらなんでもクサい、クサすぎる。青春ってレベルじゃない。
これはきっと自分があまりにも滑稽で泣くのも忘れてびっくりしてるんだろう、
そう思い至って先ほどのあまりにもクサイ発言を笑ってごまかそうとしたその時、無言で青空が抱きついてきた。
押し倒されるようにして砂浜に倒れこむ戸並。
戸並の引き締まった体に、青空の引き締まりつつも、しかし女性らしくほどよく肉付いた体がのしかかる。
胸に何か女性特有の柔らかい塊が押し付けられてくる。初めて味わう感触だった。
匂いが、息遣いが、脈打つ音が、本来通すべき五感では無く肌で伝わってくる。
戸並は突然の事に目を白黒させ、ただ青空の熱い抱擁になすすべなく身をまかせる事しか出来なかった。
「ありがとう、本当にありがとう、私、嬉しい…」
そう言うと頭を抱き寄せる。
青空の薄く柔らかい唇が戸並のそれと重なる。頭に電流が走ったような、それでいて心地いい感覚。
青空は戸並を離そうとはしなかった。押し返す気力も沸かぬまま、とりあえず成り行きに身を任せる事にした。
そして戸並は、持て余した自分の手を青空の背中に回し、そしておっかなびっくりと初めての抱擁を満喫した。
数分後、二人はばつが悪そうに元のように座り直していた。お互いに顔は真っ赤である。
「そ、その、さっきは、すまなかった」
「う、うん…」
全然すまなくないよ、むしろ嬉しい、て言いたかったけどさすがにそれは憚られる。
いくら戸並でもそこまで図太くは無い。
「でも、嬉しかった、すごく嬉しかった。お父様が私だけのものじゃなくなっても
私の事支えてくれる人がいるんだ、ってすごく嬉しくって…今ならきっとお父様を素直に祝福出来ると思う」
さっきとは違う柔らかい声で語る青空。その声にさっきまでの切実さは無かった。
その事に一安心する。少しは彼女の役に立てたようだ。
「それと、こんなに遅くまで私に付き合ってくれてありがとう」
「うん…あ、帰れるかな……」
もうすぐ夕陽が沈みきろうとしていた。歩み寄る夜の闇と混じって紫に染まる雲が美しい。
しかし戸並の頭にあるのは
(お金は借りるとして、でも結構乗り継いだよな、あれ?どこで乗り継いだっけ?
それに電車ちゃんとあるのかな?ヤバイなぁ、これ帰れなかったら野宿か?駅のホームで寝るのかなぁ?うへぇ…)
などという、そんな情景とは無縁な現実的な悩みだけだった。
「あぁ、今日は私の家に泊まっていってくれないか?」
そんな戸並の脳内を知ってか知らずか、青空は言う。
「え?いいの?」
「お父様も恩人である戸並に会いたがっていた。きっと喜んでくれるだろう」
「で、でも…」
(本当にいいのかな?泊まれるのは嬉しいけど女の子の家に外泊、って言うのは…)
そんな悩みも次の一言で吹き飛んだ。いや、正確には立派な大義名分をもらって安心した、といったところだが。
「それに、黙って家を飛び出してきたから、お父様と顔を合わせるのが少し怖いんだ…
だから一緒にいてくれると心強い」
「う、うん、分かった、それじゃそうさせてもらうよ、ありがとう」
「いや、元々私が無理なお願いをしたのが悪いんだ。それぐらいはさせてくれ。
……無理ついでにもう一つ無理なお願いをしたいんだが…」
そう言うと青空は黙り込んでしまった。そして恥ずかしそうに目をそらす。
「どうした?」
さっきとはまた様子が違う青空を気遣って声をかけるが返事は無い。
「戸並」
「なに?」
「私を、女にしてくれ」
「は?」
何を言ってるのか分からずに思わず聞き返す。そんな彼におかまいなしに
「え、ちょっと、何してんの!?」
青空はおもむろに服を脱ぎ始めるとあっと言う間に下着だけになって、
「分からないか?私を抱いてくれって言ってるんだ!」
「……はぁ!!?」
夕陽はついに沈み切ろうとしていた。代わって、月明かりが辺りを照らし始める。
そんな光景をバックに、青空の肢体が露わになった。
どこか幼さの残る、それでいて艶かしい肢体。熟れかけの果実とでも評そうか。
世に言うロリコンはその妖しさにあてられてしまうのだろうか。
「私は戸並の事が好きだ。お前にならこの体を捧げられる。
さっきのを聞いてなおさらそう思った。だから抱いて欲しい」
「いや、そんな……その、家に帰ってからじゃダメなの?」
「それじゃお父様にバレそうで怖い。ここならもう誰も来ないし思い出深い場所だから」
「ええ、っと…」
戸並は激しく困惑していた。そりゃあ年頃の男の子だ。そういう事に興味が無いはずは無い。
これまでに青空の事を思いながら一人慰めた事だって何度もある。
しかしいざ彼女の下着姿を目の前にすると、よこしまな気持ちは微塵も沸いてこなかった。
もちろんいきなりの展開に驚いているから、というのが一番大きいが。
「その、すごく、きれい、だね」
とりあえずそう言うのがやっとだった。
「やめてくれ、照れる」
勢いで脱いでしまって勢いで「抱いてくれ」とまで言った青空、
が、その一言でふと我に返る。そしてひどく恥ずかしそうに胸を両手で隠した。
そんな生々しい様に戸並は一気に興奮し、先ほどの驚きも一瞬にして吹き飛んだようだ。
「その……本当に、いいの?」
どうやら相手は本気なようだ。なら願ってもない。据え膳食わぬは男の恥だ。
「あ、あぁ、たのむ」
戸並の声色が少し変わった事に少し怖くなりながらも、
荷物に入れていたバスタオルを砂浜に敷きその上に横たわった。
下着姿の彼女を見下ろす戸並。
その姿は、これまでに自分が想像したものよりもはるかに美しく、はるかに艶かしく、
そして煽情的だった。戸並の息遣いが一気に荒くなる。
「脱がすよ?」
戸並には既に先ほどまでの腰が引けた様子は無い。返事も待たずに一気に下着に手をかける。
「待って、優しくして…」
逆効果だった。普段強気な彼女が見せる恥ずかしげな様はわずかに残った戸並の理性を完全に吹き飛ばす。
「いやっ!」
荒々しく手をかけると不器用にブラジャーを剥ぎ取った。
目の前に小さくも形の整った膨らみが露わになる。
(怖い、怖いよ…)
豹変した戸並に怯える青空。男に抱かれると言うのはこんなにも怖い事だったのか、
いくら相手が愛する戸並とは言え、彼女は自分の安易な提案に激しく後悔し始めていた。
「すごい…」
戸並はそうつぶやくと続いて股間の布にも手をのばす。
「ま、待って!」
「え?」
「そ、それは自分で脱ぐから、ちょっと待って」
戸並の手つきが怖かった。だから脱ぐのぐらいは自分でしたい。さすがに口には出せないが。
「う、うん、分かった」
意外にも素直に応じる。さすがに脱がすのはちょっと気が引けるようだ。
そうして青空は生まれたままの姿を愛する人の前に晒した。
最近女として熟れたばかりの彼女のそれには満足に毛は生え揃っていない。
しかし、戸並を興奮させるには十分だった。
息を荒げながら荒っぽく服を脱ぎ始めると、あっと言う間に全裸になる。
「ひっ…」
初めて目にする怒張した男の象徴。決して大きなものではない。
しかし、初めての青空を萎縮させるには十分なサイズだ。こんなに太くて大きいものが入るのか、
考えただけで背筋が凍る。初めては痛いって言うけどそりゃこんなものを挿れられたら…
そんな青空にはおかまいなしに戸並は彼女の上に四つんばいになろうとする。
「ちょ、ちょっと待って!!お願い、そんなの入れられたら!」
必死になって制そうとする青空。その手が図らずも戸並の股間をわしづかみにする。
「!!!う゛、う゛あっ!う゛ああぁぁ……っ!」
戸並の股間は既に爆発寸前だった。先ほど抱きつかれた時に生殺しになった分も含めて、
戸並の理性を完全に吹っ飛ばしてしまうまでに。
それが青空のひんやりと柔らかい手に鷲づかみにされた。
えも言われぬ感触に彼は一瞬で果てると、絞り上げるような声をあげながら辺りに白濁液をぶち撒けた。
青空の体中に熱い体液が飛散する。
「いやぁ!!!」
思わず悲鳴があがる。勢いよく精を放った戸並はそのまま彼女の体に倒れこんだ。
図らずも全裸で抱き合う形となる。しかし、戸並にそれを感じる余裕は無い。
自分を慰めてる時には体験した事も無いほどの快感に彼は失神していた。
しばらくして我に返る戸並。どうやら自分は抱きついているようだ。
しかも自分の下では青空が涙目で見上げている。抱き心地を感じる間も無く慌てて体を離す。
「あ、ご、ごめん!!えっと、どうなったの?」
「あ、あなたが、私を襲おうとして、そしたら何か出て、それで、それで…」
青空はさめざめと泣き始めた。理性が飛んで無理矢理犯そうとする戸並、初めて見る屹立した男根、
そして体中にぶち撒けられた体液、全てが初めての青空には刺激が強すぎた。
「ご、ごめん、本当にごめん!今度は優しくするから!」
必死に謝る戸並。
「本当に、優しく、してくれる…?」
「う、うん、約束する」
「うわぁ、すごい、こんな風になってるんだ…」
改めて青空の秘所を眺めながら戸並はつぶやいた。そこは既にしっとりと濡れそぼっている。
失神した戸並をそのままにしていたからだ。とりあえず襲われる心配は無くなった、
そうなると彼の引き締まった体を味わう余裕も出てくる。
青空は恐怖を感じながらも男の体の感触を堪能していたのだ。
「あ、あんまり見ないでくれ、恥ずかしい…」
顔を真っ赤にしてお願いするが、戸並はそんな事おかまいなしだ。
手をのばし、うろ覚えな知識を頼りに触り始める。
初めて触る女性の秘部は、柔らかく、それでいて弾力があり、ぬるりとしていて、
とても不思議な感触だった。
(ここに入るのか…)
さぞ気持ちいいんだろうな、と思うとまた股間に血液が流れ始めるのを感じる。
間もなく何か小さな肉芽に手が当たった。
「あ…」
青空の口から先ほどまでとは違う艶かしい声が漏れる。どうやらこれがそうらしい。
指でこりこりっ、と弄び始める。
「ん、ぁ……やめ、ひっ……ふぁ…」
青空が感じている、自分が感じさせている、その事実に興奮した彼はがばっ、と顔を埋めた。
あふれ出す愛液が顔にかかる。青空の臭いで頭がくらくらする。
「や、やめっ…!汚いってぃっ…やぁ、あ…ぅぁ……あぁっ!」
頭を手で押しのけようとしてくる。しかし快感が強すぎるのか力は全く入っていない。
戸並は容易に払いのけるとなおも口で愛撫を続ける。
(すごい、こんなに興奮してる…)
青空の豹変に驚く戸並。もう先ほどまでの恐怖はどこかにいったようだ。
ただ、戸並の不器用な愛撫に感じまくっている。気がつくと自分の胸をもみしだいていた。
「ひ、ひぃい……ぎも……い゛…う゛ぁっ、あっ、ぁっ…」
嬌声がだんだんと切羽詰ってきた。しかし戸並は自分でも驚くほどに冷静だった。
さっき力いっぱい精を出し放ったからだろう。まだいくらも心に余裕がある。
「ぃ……ぅっ……!ぁあ!?ぅあっ!いああああっ!!!」
潮騒をも切り裂くほどの絶叫があがった。と同時に、顔に大量の体液が吹きかかる。
そのまま青空は動かなくなった。荒々しい息遣いが戸並のところにまで聞こえてくる。
もう大丈夫だろう、そう感じた彼は再び青空の上に四つんばいになった。
「いくよ?」
「あ、あぁ、ひ、一思いに、や、やって、くれ」
青空の声は明らかに恐怖で震えている。
「ほ、本当に、いいの?すごく怖そう…」
今度はさすがに理性の方が勝った。青空の様子が心配になる。
「い、いいんだ、気にしなくていいから」
「分かった……こ、ここ?」
怒張したそれを彼女の秘所にあてがう。何が当たったのかを理解したのか、体がビクリ、と震えた。
「た、たぶん」
「わかった、いくよ…」
何度か失敗した後、先端が少し穴に引っかかる。
それを把握して逃げ腰になる青空の体を両手で押さえつけると、そのまま勢いよく一気に奥まで貫いた。
「ん、んんん!うああああっ!!」
「!!!!!!!!!!!!!あっ………………ぁ…………」
温かく柔らかな彼女の秘肉が戸並の男をねっとりと、しかしぎゅっ、と力強く締め上げてくる。
これまで味わった事の無い感触だった。
「な、に……これ………すご…」
あまりの快感に声もあがらない、いや、あげられない。さっき襲っていたら挿れた瞬間に果てていただろう。
しかし、さっきかなりの量を出した彼にはまだ、まだ幾分かの余裕はあった。
激痛に震える青空をしっかりと抱き締める。初めて抱く青空の裸体は儚いほどに震えていた。
胸の膨らみが自分の胸を圧迫してくる。それがまた彼を興奮させる。
「い、いい?う、動くよ?」
貫かれた瞬間、信じられないほどの激痛が電撃のように全身を駆け抜けた。
声も上がらない。意識が飛びかける。
その時、戸並がしっかりと、しかし優しく抱き締めてきた。大丈夫だから、と言わんばかりに。
硬い胸板が自分の胸にのしかかってくる。それだけは何だか心地良かった。
「え、えぇ……」
戸並はゆっくりと、しかし大きく腰を動かし始めた。
「うっ、あっ…すごい……きもち………ぃ…」
出し入れする度に味わった事の無い快感が股間から全身へと駆け抜ける。
「あ…いっ……ぐぅ……」
その度に青空の顔は激痛にゆがみ、苦しげな声をあげた。
そんな様は戸並をさらに興奮させてしまう。
(青空をぐちゃぐちゃにしたい……!)
黒い欲望が芽生えた戸並は、苦しむ彼女にかまわず腰を動かす速度を上げていく。
一方の青空は既に意識が飛びかけていた。
声もあげられないほどの激痛はマシになるどころか全身へと衝撃が広がっていく。
(苦しい、苦しい……たすけ、て…)
しかしそれはほとんど声にならない。そしてそれは戸並を余計に興奮させてしまっていた。
激痛の走るストロークがどんどん短くなっていく。
(や、め……)
彼女は思わず戸並の顔を抱き寄せ濃厚なキスをかわしていた。
戸並は突如顔を抱き寄せられると、青空の唇を押し付けられ激しく舌を絡められた。
(!)
今までに味わった事の無いキスだった。
青空の舌が戸並の口の中で暴れ回る。とても褒められたものではない乱暴なディープキス。
しかしそれはお互いを激しく興奮させた。
「ん、んんー、ん……んん!」
上からも下からも押し寄せる快感に一気に絶頂が近づいてくる。
一方の青空もやっと激痛のピークを越え、感触を味わうだけの余裕は出てきてはいた。
まだ快感とまではいかない、しかし不思議な感触。
それに加えて苦し紛れのディープキス。気持ちはゆっくりと、しかし確実に昂ぶっていった。
息苦しさに重なった唇を離す戸並。2人の舌を粘液が糸のように結び付けていた。
「青空、俺、もう、イキ、そう……」
息も絶え絶えに絶頂が近い事を伝える。既に頭は半分真っ白になっていた。
「い、いい、いい、から……おね、がい…キス、し、て……」
青空が残る痛みに耐えながら懇願する。もう中に出すだの出さないだのそれどころじゃない。
とにかく痛みを紛らわすのが先決だった。その為にはキスしかない、と。
もう抜けばいい、と言う当たり前の思考をする事すら出来なくなっていた。
「わ、分かった」
そう言うと2人はまた激しく舌を絡め始める。
片や快感に耐えながら、片や激痛に耐えながら、相反する2人を繋ぐのは最早不器用なディープキスだけだった。
そしてついに迎える絶頂、
「あ、ぁあ、うあああああ、ああああああああああああ!!!!!」
戸並は無理矢理顔を上げると絶叫をあげた。何もかもが真っ白になるほどの凄まじい快感。
と同時に、さっきと変わらないほどのおびただしい量の精が青空の傷だらけの生殖器の中にほとばしる。
「!!うわ、うわああぁぁ………」
さっきの挿入感にも勝るとも劣らない不可思議な感触。結局絶頂に達する事は出来なかったが、
いずれ快感になるであろうその感触は、青空の幼さを残す体に確実に刻み込まれた。
そこに、激しく射精して力尽きた戸並がぐったりとのしかかってくる。
激しく息を切らして戸並は何だか滑稽だった。青空はそんな戸並の顔を自分の方に向けると、
また激しいディープキスをするのだった。
全てが終わり、2人は砂浜を後にした。
「……あぁ、痛かった」
突然青空が不機嫌そうに口を開く(内心満更でもなかったのだが)。
「ご、ごめん」
いきなりの事に戸並はしゅん、とうなだれてしまった。
いくら誘われたとは言え自分ばっかりいい気分になるのはなぁ、などと考えていると、
「謝る事はないじゃないか、誘ったのは私の方なんだから」
「うん、そうなんだけど、俺はすごく気持ちよかったのに青空だけ痛いのは不公平かなぁ、って…」
ひどく申し訳ない気分でいっぱいだった。
(まったく、元々俺が青空に感謝される立場のはずなのに何でこんなに申し訳ない気分になるんだろう…)
「きっとすぐに慣れるさ、セックスて言うのはそういうものなんだろう?」
「俺に聞かれても知らないよぉ…」
まさかここでセックスなんてストレートな単語が出てくるとは思わなかった。思わず赤面してしまう。
全く、青空にかかるといつもこれだ。さっきまでのかっこいい俺はどこに行ったんだろう。
しかし、いつもの青空に戻った、って事はとりあえず元気は出たって事だよな、
そんな事を考えていると、楽しそうに笑う青空が急に真剣な面持ちになって話しかけてくる。
「でも、本当にありがとう。おかげで私はこれからも何とかやっていけそうだ」
やっぱり力にはなれたんだな、本当によかった。
と思うと同時に少しいたずら心が芽生えてきた。
「セックスのおかげで?」
「な、ちがっ!」
今度は青空が赤面する番だった。当然こっちは分かってて言っている。してやった、思わず顔がにやけてしまう。
「バカ!」
「いてっ!殴らなくてもいいだろ!?」
「いいじゃないかそれぐらい、私はもっと痛い思いしているんだから」
「青空がやってくれ、って言ったんだろ!俺は何も悪くない!」
「この、開き直るか!」
「やるか!?」
「やらいでか!」
怒ったように顔を見合わせる二人、しかしそれはすぐに笑いに変わった。
「よかった、いつも通りの青空だな。安心したよ」
「だから感謝しているじゃないか、それをお前は茶化してきて…まったく…」
青空はぶつぶつと不平を言っている。しかし心から不愉快に思っている様子は無い。
「罰として私が気持ちよくなるまでやってもらうからな」
「え、えっと…それは罰なの?」
「うるさい、お前は黙って付き合えばいいのだ!年下だろう!」
「年下って言うな!」
楽しげな会話が途切れる事は無かった。
終わり。改行考えずに作ったからところどころ長かったり短かったりするけど勘弁してくだせぇ。
反省はしていないが後悔しかしていない
GJ!GJ!
まさか俺の誕生日に朝早くからこんなスバラシイ作品が投下されようとは!
ありがとうありがとうGJ!