1 :
名無しさん@ピンキー:
4 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 06:02:26 ID:8dMMU48r
結婚&新婚ぬるぽ
初夜ガッ!!
昼下がりの保守。
職人さん来ないかな。
保守!
10 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 00:49:33 ID:43Ffy93F
保守
もうこのスレ終わったな
誰も投下しないじゃないか
まだ梅もすんでないんだ‥‥‥前スレ‥‥。
今更だがいちおつ。
次スレ立てるタイミングが、若干早かったかもわからんね。
でもまあ、元々そんな投下の多いスレでもないしマターリ待ちましょうや
14 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:57:55 ID:OhO17Klg
前スレ梅が萌え
>>1おつ
梅ネタを書いてるので今週中に投下したい
前スレ梅ネタGJすぎるよ。
職人さん達ありがとう。
圧縮来そうだな…
保守
以前、大樹×穂波を書いた者です。
裸エプロン本番編を書いたので投下します。
連投規制が怖いので3回に分けさせて下さい。
14レスお借りします。
魔のエイプリルフールから早二ヶ月。
六月最初の日曜日の今日はすごくいい天気になった。
そして、俺の心も大変にいい天気だ。
なぜならば。
ふっふっふっ。
もうすぐマイ・ディア・ワイフ・穂波が、ついに、ついにっ!
裸エプロン姿で現れてくれるからだ!
ドアの向こうからはまだシャワーの音が聞こえてくる。
一応椅子には座っているけど、どうも落ち着いて座っていられなくて、
俺はさっきから新聞を広げてみたり、テーブルの上のティッシュの箱の位置を微妙に変えてみたりしてる。
シャワーの音が止まったら、正座して穂波が出てくるのを待ちそうなくらい、今の俺は舞い上がってる。
けど、姿勢を正すにはまだちょっと早そうだから、俺はこの期待が嘘じゃない、ってことを再確認するために、
今日のことを反芻することにした。
朝起きたら、すごくいい天気だった。
絶好の洗濯日和、掃除日和とは今日みたいな日を言うんだろう。
穂波は洗濯、俺は掃除。
ついでに今日は衣替えもした。
この時期は雨になると気温が下がるから、多少は厚手の上着も残しておくことにしたけど、
クリーニングから帰ってきてたセーターとか冬物のジャケットは全部奥にしまい込んで、夏物の服を引っ張り出した。
押し入れの中身総取っ換え、ってなところだ。
さすがにこれだけやると結構な労働になるし、時間もかかる。
昼飯は手を抜いて買い置きのカップめんで済ませて、俺たちは昼の二時くらいまでかかって衣替えを終わらせた。
ようやく一息ついて麦茶を飲んでたら、穂波が言った。
「衣替え、できちゃって良かったね」
「晴れて良かったよな」
とかなんとか返した気がする。
「うん。でも、今日は暑くなったね。
汗と埃でべたべただよ」
「だな。今日はもう風呂入っちゃおうぜ」
と言ったところで、俺は素晴らしい案を思いついた。
思いついた途端に顔が緩んだらしく、穂波がすかさず、
「大樹……。一緒に入ろうとか言いそうな顔してる」
とツッコんできた。
もっとも、最近は穂波も慣れてきたから、これくらいじゃ嫌そうな顔も恥ずかしそうな顔もしない。
大樹の考えてることなんて分かってるんだから、と言わんばかりの笑みが浮かんでた。
照れた顔の出現率が減ったのはちょっと残念だけど、ああいう穂波らしい顔が俺は好きだ。
けど、今日の思いつきは違うから、俺は得意になって胸を反らした。
「ふっふっふっ。もっといいことだ」
「え……、てことは、やっぱりそっち系なことなの?」
不安そうな表情の穂波。
「どっち系かは知らないけど、……今日は暑いよな」
「うん……」
「てことは、多少薄着でも風邪なんか引かないよな」
「まあ……そうかもしれないね……」
嫌な予感がしてるとばかりに、穂波は俺から目を逸らした。
「俺さ、今日って絶好の裸エプロン日和だと思うんだけど」
こっちを向いた穂波の表情が何とも言えないものになった。
呆れの上に嫌悪に近いまなざしが上乗せされてた気がする。
若干照れが混じって見えたのが唯一の救いだ。
「大樹……諦めてなかったんだ……」
穂波はため息をついた。
ため息をつきはしたけれど、仕方ないなあ、と穂波は了承してくれた。
シャワーを浴びてる間、ずっと顔がにやけてたのは言うまでもないだろう。
ただ、一つ気になるのは穂波が風呂に入る時に持って行ったもの。
赤い色が見えなかった。
青いエプロンはさっき洗濯してたから、他にエプロンはない筈なんだけど……。
とかなんとか、あれこれ思いを巡らせていると、ブーンとドライヤーが唸る音が聞こえてきた。
いつの間にか風呂から上がっていたらしい。
おうおうおうおう、いよいよですよ!
いよいよですよ!!
っていうか、落ち着け俺。
……なんて、無理だけどな。
……ふっ。
やべえ、顔が勝手ににやける。
うう……、穂波のヤツ呆れるだろうなあ。
んがっ!仕方がない。
許せ穂波。
長年の俺の夢が愛する妻によって実現するんだ。
にやけるくらいは許してくれ。
おお!ドライヤーの音が止まった。
くうっ!やばい、勃つ!
ムスコよ、落ち着け!
せっかくの裸エプロンなんだから、堪能するんだ!
あの格好のまま料理作ってもらうんだろ?
そんな穂波を後ろから眺めちゃうんだろ?
かちゃり、と遠慮がちにノブの回る音がして、俺は思わず生唾を飲み込んでドアを食い入るように見つめた。
「オー。穂波サーン。
ソレハ何デスカ?」
「……ハーイ、大樹サーン。
コレハえぷろんデース」
「ノー。私ハソレヲえぷろんダト思ッテイマセン」
「りありー?私ハコレヲえぷろんダト思ッテイマス」
「……なるほど分かった。
冷静に話をしよう」
俺はそう言って両手を広げて、ヒートしそうになる自分自身を落ち着かせるために、その手でぐっと宙を押えた。
「私ハ冷静デース」
目を逸らして大げさに肩をすくめる穂波。
だが俺は騙されん!
「あのな、穂波……。
百歩譲ってそれがエプロンだとしよう」
「エプロンだよ」
「分かった。少なくともお前がそれをエプロンだと思っていることはよく分かった。
だがな、穂波……。
それはエプロンはエプロンでもジャパニーズ・エプロン、……割烹着じゃねぇかーッ!!」
椅子から立ち上がり、テーブルを挟んで真向かいに居る穂波にびしっと指を突きつけて指摘すると、
穂波はえへ、とわざとらしく笑って、
「かわいいでしょ」
と両手を広げて見せた。
穂波が着てる割烹着は確かにかわいいと思う。
丈は膝よりちょっと上までで、形はばーちゃんたちが着てそうな昔ながらの形だけど、色は全体的に明るい黄緑、
襟のところとポケットは濃い緑が基調のちっさな水玉模様のでアクセントに……
って、そういう問題じゃねー!
そして、もしや、見えないのをいいことに……。
更なる不安がよぎる俺。
「穂波……回れ右」
「え?」
「後ろ向いて」
「え……このままでよくない?」
「よくない」
穂波がちょっと赤くなって唇を尖らせた。
お?ということは、俺の不安は取り越し苦労?
ちょっと安心すると、すぐに調子に乗るのが俺の悪いところだ。
自覚はあるんだけど治せない。
が、まあ、今はいいか。
「なんだよ。見られたら都合悪いのか?
もしかして、パンツはいてるとか」
ちょっと意地悪く、見下ろすような感じで穂波の下っ腹あたりに視線を向けると、穂波は、
「は、はいてないよ」
と一歩下がって、約束だし、と小さな声で付け加えた。
「んじゃ、見せて」
「見せなきゃダメ?」
「うん。ダメ」
「ね、あのね、絶対変だと思うんだけど」
「変じゃない、変じゃない、変な筈がない。
だから見せて」
「もー……。いつも見てるのに……」
穂波は口を尖らせはしたけど、ゆっくりと後ろを向いてくれた。
後ろは八センチくらいの隙間が空いてて、首のところと腰のところで紐を結ぶようになっていた。
五月までは背中まであった髪を肩のところまで切ったせいで、背中のラインがきれいに見える。
肩甲骨のせいでできる滑らかな凹凸、そんで白くてぽっちゃりとしたお尻。
これは……予想以上だ。
俺は立ったまま、しばらくの間見惚れてしまった。
たかが割烹着と侮っていたけど、いやいやとんでもない。
腕とかが見えないせいで、見える肌の部分がやけに際立ってる。
「はあぁ……」
俺が思わず感嘆のため息を漏らすと、穂波はそれを悪い方に解釈したらしい。
くるりとこちらに向き直ると、腕を組んでほっぺたを膨らませて少し怒ったような口調で言った。
「ほらあ。だから、変だって言ったのに。
溜息つくくらいならやらせないでよ」
「だあっ、ごめん!
別に変でがっかりしたから溜息ついたんじゃないんだ。
あまりの素晴らしさに、こう、つい」
「はいはい。ありがとうございます。
もう満足したよね」
俺もかなり単純な方だと思うけど、穂波も相当単純だ。
ほんの十秒前までは怒っていたのに、素晴らしいと言っただけで今はもう機嫌を直してる。
だがしかし、それはさておき、
「待て、穂波。
確かにお前は胸だけじゃなく、尻も素晴らしい。
今日は改めてそれを実感させてもらった」
先を読んだのか、穂波の笑顔が引きつった笑いに変わった。
けど、そのくらいじゃ俺はめげない。
この三ヶ月半、俺の要求をことごとく回避しようとする穂波を、褒めて口説いて時には宥めて、
色々やったり、やってもらったりするようになってきた。
まあ、まだ色々やれてないことはあるけどさ。
今回だってここにこぎ着けるまでに多くの苦難を乗り越えてきたんだ。
ここで普段着に戻られてしまったら、俺は今週一週間悶々とした日々を過ごすことになる。
という訳で、俺は今日も頑張って穂波を説得することにした。
「でもな、まだ満足はしていないぞ」
「え〜。だって、ちゃんと約束守ったじゃん」
「穂波。遠足は帰るまでが遠足だろ。
まだ、学校に集合した後、駅に向かって出発したくらいの段階だぞ」
「またおバカな喩えを……」
穂波にバカ呼ばわりされるのにはもう慣れた。
俺はそんなコメントは軽く聞き流して、
「とにかく、だ」
と続けてから、はっとした。
この後、どうしてもらうべきなんだろうか。
いや、いわゆる普通のエプロンに着替え直してもらいたいというのが本音だけど、
実は予想外に割烹着の後ろ姿も悪くないと思ってしまった。
このままの格好で料理をしてもらうのもありかもしれない。
ありだと思うし、このチラリズムは捨てがたい。
だけど、俺の理想とする裸エプロンはやはり穂波の乳が見えてこそじゃないか!
しかも、この機会を逃したら、穂波は二度と裸エプロン姿を見せてくれないような気がする。
「大樹さーん、どうかしましたかー?」
言いかけたまま、割烹着のチラリズムと露出度の高い普通のエプロンの間で葛藤を続けていた俺に、
穂波はテーブルに片手をついて身体を乗り出し、俺と自分の顔の間で手を振った。
「ホント、どうしたの?」
呼びかけられても答えずに穂波の顔をじっと見つめて悩む俺の顔を見て、穂波は眉を下げた。
穂波にこの現在の心境を伝えても、きっと共感は得られない。
ここは一人で乗り切らなくてはならない難関だ。
俺はさらに数秒悩み、長年の夢を優先することにした。
もしかしたら、近い将来、穂波が再び裸割烹着をやってくれるかもしれないという淡い期待を抱きつつ。
「穂波」
俺は穂波の肩をがっしりつかんで、可能な限り真摯な気持ちで口を開いた。
「エプロンに着替えてくれ」
「だから、これ」
穂波もなかなか往生際が悪い。
「ジャパニーズ・エプロンじゃなくて、普段お前が使ってるやつに着替えてくれ」
「だって、さっきほら、洗濯しちゃったし」
穂波は俺の腕に手をかけて、引き離そうとしながら目を逸らした。
だが、そのくらいじゃ俺はめげない。
「確かに青いやつは洗濯したけど、赤いのがあるだろ?」
「あ、赤いのは良くないよ……」
「なんで?」
「えーっと……、えー、あれはですねえ、肌触りが」
「タオル地じゃんか」
「う……」
もうひと押し。
傍から見たらきっと気持ちが悪いんだろうけど、穂波にやると効果抜群な一手だ。
距離的に届かないのは承知の上で、俺は軽く唇を突き出してキスするそぶりを見せてから、
「お願い」
ちょっと声を潜めてこう言った。
顔を赤くした穂波は、
「もう、大樹ばっかりいつもずるい」
と口を尖らせた。
成功ーッ!
でも、ここで調子に乗って穂波のご機嫌を損ねる訳にはいかない。
「何がずるい?」
片手をテーブルについて身を乗り出して、膨れるほっぺたをつつくと、穂波はその指先に視線を向けた。
「だって、私は大樹のお願い聞いてあげてるけど、大樹は私のお願い聞いてくれないじゃん」
「そうか?」
ぷくっと突き出てる唇を指で押すと、唇が物欲しそうに開いてから、
「そうだよ」
と不満気に言葉を告げた。
「例えば?」
答えられないって分かっててワザと聞く俺。
うーん。
Sっ気はないつもりなんだけど、穂波の反応見てると楽しくてついつい意地悪言いたくなるんだよな……。
穂波はちょっと考えてから答えがないことに気がついて、案の定、しまった、という顔をした。
そう。
穂波はこれまで俺にお願いなんてしたことない。
お願いと言ったところで、帰りが遅くなりそうな時に晩飯を作っといてくれ、とかそんな程度だ。
笑いたくてしょうがないけど、笑ったらダメだ。
キスしたくてうずうずしてる目の前の唇をくすぐりながら、
「穂波も俺にワガママ言えばいいじゃん」
と言ってみた。
「……だって、私、大樹みたいに知識豊富じゃないもん」
待て、笑わせる気か。
笑うっていうか、にやける。
「何で笑うの?」
「いやいや、笑ってなんていませんよ」
「いえいえ、顔がとてもにやけていますよ」
ほっぺたをつねられたけど、痛くない。
「らって、おまえ……エッチなことだっていう前提で言ってるだろ」
「……あ!」
さすがに限界。
俺はふっ、と吹いてしまった。
「もういいよ。大樹のバカ。
大樹がいつもエッチなことばっかり言うから、うつっちゃったんじゃない」
なんだ、その理屈は。
声出して笑いたい。
けど、それをしたら、エプロンが遠ざかってしまう。
俺は椅子に座ると、落ち着いたふりをして穂波を見上げた。
「いいぞ。エッチなワガママでも、エッチじゃないワガママでも」
「別にしてほしいことなんて」
と言いかけた穂波の顔が赤くなった。
「ん?なんか思いついた?」
この顔は絶対こっち系な思いつきだ!と確信したけど、必死にこらえる。
全ては裸エプロンのために。
「なんにも、思いついてないよっ」
明らかに声が上ずってる。
穂波が思いつくエッチなお願いってなんだろう?
クンニだってやってるし、フェラだって地道に挑戦中だし、体位だって無理がない程度にじわじわとお試し中だ。
だいたい、この辺は全部俺のお願いでやってるもんだしなあ……。
穂波が自分からシックスナインやりたい、なんて言うとは思えないし……。
「なあ、穂波。穂波のお願いって何?」
「なんでもないって。
あ、私、着替えてくるね!」
穂波は顔の前でぱたぱたと手を振ると、隣の部屋に早足で入って行ってしまった。
かわいいお尻の残像を俺の目に残しつつ。
ぱしん、とふすまを閉められてから、はっとした。
慌ててふすまの前に行く。
「穂波。普通の服に着替えないでね!
マジ、ホント、すごくお願いします!!」
ふすまの前で手を合わせる俺。
我ながら必死すぎる。
でも、仕方がない。
かわいい妻がだな、念願の裸エプロンをやってくれるかどうかの瀬戸際で必死にならない男がいるだろうか。
いや、絶対にいない筈だ。
「えー……」
「えーじゃなくて!さっきの穂波のお願い聞くから!」
「別にそれは聞かなくていいけど……」
「いや、聞く!だから、エプロンを!」
ふすまに貼りつきそうになりながら懇願していると、目の前のふすまが少しだけ開いて、
五センチくらいの隙間から、穂波が顔半分だけ覗かせた。
「あのね、ホントに変なの」
「変じゃないって」
「いや、これは変だよ」
ちょっと泣きそうな目がこっちを見上げてくる。
うお……ざ、罪悪感が……。
「どこら辺が変?」
「……胸の辺」
何イイィイッッ!?
胸ですと!?
変?
なに?
もしや、期待通りはみ乳しすぎてんのか?
ティクビが出ちゃってるのか!?
いや、むしろ歓迎、ばっちこーい!
巨乳、万歳!
「穂波、それは変じゃないよ」
優しく紳士的な態度で両腕を広げる俺。
「大樹、目が怖い」
「怖くない。俺は冷静だ」
「……意味分かんないよ」
「穂波。俺はどんなおまえでも受け止め、受け入れ、抱擁し、生がぃ」
「もー……分かったよ。
変でどん引きしたら、今日の晩ご飯、大樹が作ってよね。
ふて寝するから」
からりとふすまが開いた。
怒ったような顔を赤くしながら、片腕で胸元を隠した穂波がこっちを見上げてる。
「隠しちゃいやーだ」
「隠させてくれなきゃいやーだ」
まあ、穂波が胸を隠すのはいつものことだ。
それに、腕をどけてなくても胸の谷間がばっちり見えてる。
見慣れてるのに、肩から肘にかけてのラインがやけに艶めかしい。
俺はドキドキしながら、いつもやるように穂波の手首をそっと掴んで引っ張ろうとした。
「あ、た、たんまっ!」
「ダメ」
「い、いや、ちょっと待って、ホントに」
「えー」
「お願い!」
さっきのとは違うニュアンスだけど、まあ、お願いと言われたら仕方がない。
俺がぶうぶう言いながら穂波の腕を離すと、穂波は慌てて後ろを向いた。
ぐはっ!
なんという会心の一撃!
さっきとは打って変わって大きく開いた背中。
腰のところで紐が結んであるのは割烹着と同じだけど、それ以外は肩から腰にかけての紐が
背中の真ん中でバツ印を作ってるだけだ。
お尻も両脇がちょっとエプロンで隠れてるけど、またそれがいい感じにぷりんと……おおう、ワイドビュー。
「あ、えっと、ご、ごめんね」
穂波の声に俺ははっと我に返った。
穂波の後姿だけで満足しそうになっていたらしい。
ぬうう、これほどとは……。
恐るべし破壊力。
「あ、んや、いいけど、どうかした?」
「う、うん、あのね、ちょっと、えっと、はみ出しそうに……」
穂波はしきりに胸元を気にしてるけど、おま……、はみ出しそうって、
「モウ、シッカリハミ出シテマスヨ。穂波サーン」
俺がひょいと横からのぞくと、穂波は、
「待ってってば!」
と声を大きくした。
いつもだったらオクラホマ出身設定の穂波サーンが返答をくれるのに、そんな余裕はないらしい。
そりゃそうか。
だって、こんな無防備な背中を向けちゃうくらいだもんな。
「えー」
俺は一応不満そうに言ってはみたけれど、穂波がこっちを向く気になるまで後ろ姿を堪能し、
いつでも思い出せるようにするため、目に焼き付けることにした。
うーん、随分エロくなったなあ……。
こう、内からにじみ出るエロさっていうのかな、これもひとえに俺が頑張って
日々穂波にエロいことを教えているからなんだろうな。
偉いぞ、俺。
にしても、裸もいいけど、なんでエプロンで少し隠しただけでこんなにエロくなりますかね。
裸エプロンに最初に挑戦して、布教した奴に感謝せねば。
(続)
待ってたんだ…
GJ!
そして続きをwktkしながらお待ちしております!
私女ですがwktkして待ってます
リロードリロードリロード
GJ! 続き期待してます。
そういえばどこかで「はだかっぽーぎ」という言葉を見たことがある
GJ!可愛すぎる
続き待ってます
続き投下します。
残りは少ないですが、夜投下します。
17レスお借りします。
「だいきぃ……」
アホなことを考えていたら、穂波が顔だけこっちに向けた。
また泣きそうな顔になってる。
「どした?」
「あのね、やっぱりどうしても……はみ出しちゃうの」
「……乳首が?」
想像しただけで勃ちそうになってきた。
「あの、それはどうにか隠れるんだけど……」
……あれ?
だって、乳がはみ出すのなんて、分かり切ってるじゃん。
「穂波、別に変じゃないから」
「でもー」
「穂波。俺がそのくらいで愛を失うと」
「あーもう、分かったよぅ……」
俺のしつこさに軍配が上がったらしい。
穂波は腹の前あたりに手を下ろしてから、ゆっくりこっちを向いた。
こ、これはヤバい。
当初の予定ではこのスタイルで晩飯を作ってもらう予定だったけど、それは、ちょっと、無理。
飯が出来上がるのを待つなんて、もはや拷問。
だって、なんていうか、ええ、はみ出してますとも。
乳輪が。
しかも、ホントにエプロンの両サイドぎりぎりで乳首を隠してる。
ちょっとでも動いたら、簡単に乳首が、ね、ええ、出ますよ。
出ていいんだけど。
つうか、穂波、なんでなんもしてないのに乳首、立たせてんだよ。
もしかして、見られただけで立ってる?
そりゃさ、確かに俺はエロエロな視線で、お前の後姿見てたけどさ、
後姿視姦されて乳首立たせちゃうなんて、お前も相当スケベじゃんか。
いや、いいけど。
だって、お互いスケベな方が楽しいもんな。
「……大樹?」
名前を呼ばれてはっとした。
あまりの光景に、ちょっとどこかに旅立ってたらしい。
落ち着け、俺。
中坊じゃあるまいし。
けど、あれだな、これは高校くらいの時の俺が見てたら鼻血もんだな。
……いや、二十歳過ぎたばっかりくらいでも、ちょっとヤバかったかも。
これはあれだ、二十一禁。
「やっぱり、変だった?」
しまった、またちょっとトリップしてた。
俺は慌てて顔の前で手を振って、
「あ、いや、違う違う違う」
と否定した。
「だって、なんていうか、絶句してたし……」
「うん。確かに、ちょっと言葉に詰まってはいた。
だが!変で引いたからでは決してないぞ!」
「……ホントに?」
「ホント。……そんな疑いの視線を俺に向けるな」
「でも……」
穂波が恥ずかしいと思うのは仕方がない。
仕方がないと分かってはいるけど、すまん、穂波。
俺、今日はもう自分の欲望に忠実になるよ……。
「穂波のエロさが想像のはるか上を行ってたからさ、動揺して言葉失くしてた」
「エロく、なっ……」
エプロンからはみ出ないように、人差し指の先でちょんと乳首をつついてやると、穂波はぴくんと肩をすくめた。
「エロいだろ。
だって乳輪はみ出してんじゃん」
言葉に合わせて、そこをつつっとなぞる。
小さな息が穂波の口から落ちる。
「穂波、何で乳首立ってんの?」
「だって、大樹が触ったから……」
「触る前から立ってただろ」
ひょいと身体を傾けて脇の方から観察する。
想像していた通り、乳のせいでエプロンと腹の間に隙間が出来てる。
腰のところで紐を結んでるから、へそは見えなかったけど、腹どころか向こうが見えてる。
「あっ!覗くな!」
「隙間はあったら覗くもんだ!」
顔を近づけると、穂波はくるりと背中を向けた。
「ふっ……。前に気を取られ過ぎているぞ、穂波。
後ろはガラ空きだッ!」
「あッ!っちょ…っ」
俺は後ろから両腕をエプロンの隙間に突っ込んで穂波を抱え込んだ。
「ふっふっふー」
穂波の頭にほっぺたを擦りつけて上から谷間を見下ろす。
俺が手を突っ込んだせいで、エプロンの脇からち、乳首がっ……。
「ん〜。絶景、絶景〜」
「もー。変なこと言わないでよー」
「穂波の乳が素敵過ぎるんだから仕方がない」
遠慮なく下の方からふにふにと揉み始めると、穂波の肩がぴくりと竦められた。
手のひらに乗せて上下に揺らしてみる。
いつ持ってもずっしりと重量感のある乳。
巨乳の人は肩が凝るっていうけど、こんだけ重けりゃそれも仕方がないかもしれない。
「ん……」
ほっぺたを唇で撫でて顔を覗き込むと、穂波はもどかしげに俺のせいで上下する胸元を見つめていた。
「どした?」
眼だけがこっちを向いた。
「……どうもしない」
そんなことないだろ?
「乳首触ってほしい?」
穂波は小さく頷いたけど、
「あのね、でも、……キスもしてほしい……」
って、教えてくれた。
一度エプロンから腕を抜いて、穂波にこっちを向いてもらった。
火照った胸元はピンク色に染まって、エプロンの上半分は谷間に挟まってる。
俺がその光景に思わず魅入ってると、穂波は慌てて挟まってるエプロンを引っ張った。
「あっ、もう、大樹が変なことするから……」
「いつも通りおっぱい触ってただけじゃん」
おっぱいの輪郭を手のひらでなぞると、穂波は身体をよじって俺の手をすり抜け、エプロンを元に戻した。
「でっ、でもさ、いつもは服の上か、直にでしょ……」
どうせ乳首弄ったらまた出ちゃうのに……、とは思うけど、隠すところがまたかわいい。
触ってほしいとか思ってるくせに。
けど、エプロンの上から擦るのもまた一興かもしれない。
「せっかく穂波がエプロン着てくれたんだから、エプロンならではの楽しみをしないともったいないじゃん」
腕を組んで裸エプロンの新妻を上から下まで眺めると、穂波はわざとらしくため息混じりに、
「ならでは、って……」
とぼやいた。
でも、顔は全然嫌そうじゃない。
「はいはい。いいからこっちこっち。
ちゅーするんだろ?」
穂波の肩を掴んで身体を少しかがめて顎を突き出すと、穂波は小さく、うん、と言って顎を上げ、
俺のTシャツの袖をきゅっとつかんだ。
やっぱりキスをねだる時の穂波は特にかわいい。
顔がぎりぎりに近づくまでは少しそっぽ向いてるくせに、触りそうになると一瞬だけこっちを向いて目をつぶる。
そんで、いざ唇がくっつくと積極的に舌なんか出してきちゃうわけだな。
うう……唇がくすぐったい。
もうちょっと穂波におねだりさせたいと思うんだけどなー。
結局は俺も我慢しきれなくて舌をだな、出してしまう訳だ。
「んっ」
舌先同士でしばらく舐め合ってから舌をぱくんと捕まえてちゅうちゅう吸ってやると、
穂波の身体がぴくっと震えた。
そうそう、乳首も弄ってほしいんだよなー。
エプロンの肩ひもをゆっくりとたどって下りていくと、指がすぐに柔らかいところにたどり着いた。
やっぱりこの感触は何度味わっても飽きない。
脇の方にちょっと寄り道する。
うーん、すべすべ。
「は……」
甘いため息が耳と唇に届いた。
ほんのちょっとだけ顔を引いて穂波の顔を見ると、切なそうに眉を寄せてる。
焦れてきてんのかな。
くうぅ〜、もっと焦らしたいっ!
穂波に、先っぽ弄って、とか言わせたいっ!
とか思ってたら、穂波が目を開けてこっちを見てきた。
「……大樹」
それだけしか言われてないのに、潤んだ目を見て、掠れた声を聞いたら、
焦らしたいとか思ってたことなんかどっかにすっ飛んだ。
穂波の唇を捕まえて舌を突っ込み、強めに胸を掴んで希望どおりに胸の先っぽを摘まんでやる。
エプロンの布越しに、きゅってつまんで真ん中をくいくい押してやる。
「ひぅんっ!んっ!ぅうっ…んっ!」
口の中から身体の芯に穂波の声が響いてくる。
めちゃくちゃ興奮する。
俺が力を入れるたんびに声が出るのが面白くてたまらない。
ムスコも興奮してきた。
まあ、落ち着け、俺がもう少し楽しんでからだ。
とは思ったんだけど、ムスコの勝ち。
右手では相変わらず穂波の胸を鷲掴みにしてたけど、あれこれ楽しむ前に左手では俺より一回り小さい身体を抱き寄せてた。
遠慮なく下半身をくっつけたまま、ちょっと乱暴なキスを続けてると、穂波がぐぐっと顔を引いた。
「だ、だいき……く、苦しい」
「あ、ごめ……つい」
「ん、平気だよ」
濡れた唇を指で拭うと、穂波はのぼせた顔で指に付いた唾液をちゅ、と吸った。
ぐおおおっ!
おまえ、いつからそんなエロい子になったんですか!
くっそう。
今の見たら口でやってもらいたくなるじゃんか。
けど、もう早く穂波に入れたいような……。
穂波は指で自分の唇を弄ったまま、上目遣いでこっちを見上げてきた。
「ね、お布団、敷こ……?」
穂波からのおねだりッ!?
だが断る。
「回れ右」
俺はそう言いながら、穂波の肩を掴んで後ろを向くように促した。
理由が分からないから、素直に従う穂波。
ごめんな。
穂波のおねだりは聞いてやりたいんだけどさ、今日はお布団でやる日じゃないんだ。
穂波の肩を押すと、穂波が顔をこっちに向けた。
「大樹?あのっ、寝る部屋こっちだよ?」
「布団敷くのめんどくさいだろ?」
「え、でも……」
「穂波。エプロンはな、台所で使うもんだ」
「え、嘘!キッチンでするの!?」
「うん」
理解の早い穂波に俺は笑顔で頷いた。
「ね、大樹。
あのっ、でも、エッチはね、お布団でするものだと思うんだけど……」
「穂波……。
セックスはな、愛し合う男と女が揃えば、どこでだって出来るもんだ。
風呂場でだってしてるじゃん」
「でも、お台所の床、硬いし」
「寝っ転がらなければいいから」
何とか反論しようと言葉を探す穂波をよそに俺が肩を押すと、穂波は抗議を申し立てていたわりには素直にそれに従った。
小またで十歩ほど歩いてテーブル前に到着。
「穂波、手、ついて」
と耳元に囁くと、穂波はわりとあっさり、
「もー……今日だけだからね?」
と手をついた。
なんだかんだ言ってはいたけど、嫌ではなかったらしい。
「さんきゅ」
ほっぺたにキスしてから、両手を脇に添えてゆっくりと身体のラインをたどりながら手を下ろしていく。
「ふ……」
前みたいにくすぐったがらないのはいい感じに開発が進んでる証拠だ。
きっとくすぐったさの代わりに快感を感じるようになってきてる……はず。
手がお尻に到着したところで、俺はその場に膝をついた。
ちょっとお尻に力が入ってこわばってる。
そろそろ慣れてほしいんだけどなー。
とは思うけど、立ちバックは初めてだから仕方ないかな。
脚の付け根あたりにちゅうっとしてやると、うひゃ、っと声が上がった。
「穂波、力抜いて」
「ね、今日、それ、しなくていいよ……」
「なんで?」
首をひねって、きっちり閉じられた脚の間に無理やり舌をねじ込んでみると、そこはもうしっかり濡れてた。
穂波の下半身がさらに緊張する。
「だってっ……、今日まだ、っ…明るいし……」
確かに明るい所でやるのは初めてだけど、
「だからこそ見たいなー」
いったん顔を離して、今度は指でワレメの周りの柔らかいところを揉んでやると、
穂波は身体を震わせながらこっちを見た。
「でも、あのね、この格好でしてもらうと、……お尻の……あなが…………」
見えちゃうし、のところは声が小さくてやっと聞こえるかどうかくらいだった。
バっカだなあ。
いつも見えてるっつうの!
とはさすがに言えない。
まあ、こんだけ濡れてるからさ、指だけでも十分だとは思うけど、せっかく明るいんだからちゃんと見たい。
いつも部屋暗くしてて色合いとか分かんないからなー。
「せっかく裸エプロン姿を見せてくれたから、そのお礼で穂波のこと気持ち良くしたいんだけど……ダメ?」
まだ肝心のところまで指が到達してないのに、ぬるぬるになってきてるそのあたりをぐりぐり弄りながら見上げると、
穂波は真っ赤になって、
「あのね、もう、すごく気持ちいいから……」
と言った。
ちょっと落ち着いてきてた俺の心の興奮メーターがいきなり上昇した。
「もっと気持ち良くなろ?」
周りを弄ってただけの指をワレメに滑り込ませると、穂波の身体がびくっと反れた。
今日は異常に感度がいい。
なんだか俺までぞくぞくして、テンションが上がってきた。
「な、穂波。腰、こっちに出せよ」
俺が膝を掴んでこっちに引っ張ると、諦めたのか、穂波は何も言わずに肘をテーブルについて
お尻をこっちに突き出してきた。
「知ってた?おまえ、もう、すっげえ濡れてんの」
両方の親指をワレメに添えて、ぬるぬるとその辺を滑らせながらワザと聞く。
「だからさっき、もう気持ちいい、って言ったじゃん」
ちょっと怒ったような口調だけど、息が乱れてるせいでむしろ俺の興奮を煽るだけだ。
「うん。だから、俺ももっと気持ち良くなろう、って言ったじゃん」
ぐいっと親指でそこを開くと、ばっちり充血したまんこが顔を覗かせた。
またお尻がこわばったけど無視。
やっぱり薄暗いところで見るのとは全然違う。
充血して赤に近くなったピンク色のひだひだがぬらぬらっと光ってる。
ちょっと上には穂波が気にしてた穴。
これで興奮するなって方が無理だろ。
早く入れたいと思う反面、もっとぐちゃぐちゃにしたいとか思ってしまう。
俺は断ることもなく、舌を出してべろんと入口を舐めた。
「あうっ!」
周りのひだひだに溜まった液を舐め取ってみたけど、そうすればするほど余計に粘液が滲んでくる。
ま、分かっててやってるんだけどさ。
押し付けるみたいにして舐めたり、クリをつついてみたり、俺は穂波の反応を楽しみながら、色々やった。
まんこの穴に舌をねじ込むと、ひときわ高い声が上がってお尻がこっちに突き出てきた。
顔が穂波の尻に埋もれる。
それでも構わずに指でクリを弄ったりしながら中で舌を動かしてると、掠れた声で名前を呼ばれた。
「だいきぃ……」
顔を離して穂波の方を見ると、穂波はテーブルに突っ伏して真っ赤な顔で涙目になりながらこっちを見てた。
その顔を見たら、とっくに速くなってた心拍数がさらに速くなった。
「も、立ってらんない……」
しがみつくみたいにしてテーブルに突っ伏してるおかげで、乳がいい感じに潰れてて、これがまた俺を煽る。
「分かった。ちょっと待ってな」
ジャージとトランクスを一緒に脱ぎながら立ちあがる。
めんどくさいとは思ったけど、ポケットにスタンバっといたゴムを手早く装着して、
穂波の背中にのしかかると穂波は、準備良すぎ、と笑った。
「男の身だしなみだ」
これ以上は我慢できないぐらいに膨張したムスコを穂波にくっつける。
「うちの中なのに?」
「やりたいと思ったときにすぐ出来るように」
「スケベ……」
穂波は笑ったけど、俺が入って行くと甘い声を上げて眉をひそめた。
ただ入れてるだけなのにじゅぶ、とかエロい音が聞こえてくる。
「穂波、聞こえた?
おまえ、今日すっげえ濡れてたから、先っぽ入れただけで」
「言わないでよ……」
「けど、そのせいですっごい気持ちいい。
ゴム付けてんのに、ぬるぬるしてんのすっげえ分かる」
「だって、大樹がいっぱいしてくれたから……」
ぐううう、かわいいこと言うんじゃねえ!
ヤバい、マジでこれ以上我慢できなくなってきた……。
「穂波。もっと奥、入れるぞ……」
「ん、うん……」
穂波はぎゅっと目を瞑るとおでこを自分の腕に擦り付けて少しだけお尻をこっちに出してくれた。
身体を起こして、穂波の腰に手を添える。
出だしは優しく……って思うけど、思うけど……。
すまん!我慢できん!
俺は一気に最後まで突き入れた。
「ぃ、うんっ!」
めちゃくちゃ熱い。
穂波が熱いのか俺が熱いのかよく分かんないけど、熱くて溶けそう。
この熱さと俺をぎゅうぎゅう締め付けてくる肉の感じが気持ち良すぎて、勢いが止められない。
ここまでこらえにこらえてた興奮を一気に吐き出すみたいに、俺は出し入れを繰り返し始めた。
「あっ!や、だいっ……だいきっ!ま……ってぇ」
穂波が言ってることは分かるんだけど、止まらない。
「やうっ!……だ、ダメっ……って」
「何がダメ?……おま、声、めっちゃエロっ……。
まんこも、すげ……きゅうきゅうしててっ……何が、ダメだよ」
ホントに止まんない。
俺が突くたんびに揺れるエプロンの紐とか、ぐにぐに歪む乳とか、穂波の声とか、
穂波の中から出たり入ったりする俺のちんことか、それに合わせて聞こえる聞こえるぐちゅぐちゅいう音とか、
突き入れるたんびにぱんぱんいう肌とか、身体に直接くる快感以外のものも、全部が俺を煽る。
「だ…ぃきっ、ヘン!……んあッ!だっ……ダメっ、あッ!」
そう言ってるけど、穂波の方からも身体を押し付けてきてる。
あ……?てか、もしかして……。
俺はどうにか残っていた理性でもう一度穂波の背中に乗っかると、
「穂波……イきそう?」
と聞いてみた。
下半身は相変わらず動かしてるけど。
「わかんなっ……あっ!」
姿勢的にさっきほど強い動きは出来てないつもりだけど、ちょっとこすっただけでこれってことは、
やっぱりイきそうなのかもしれない。
「いいよ、イっちゃえよ」
「やあ、こわいぃ……」
自分で自分の手首を握りしめて頭を振ってるけど、掠れた喘ぎ声はその間も止まらない。
俺も結構やばくなってきてるけど、ここでイかせないのは男がすたる!
「怖くないからっ……」
「だいきぃ……ぎゅ、ってしててぇ……」
そりゃもう、しちゃいますよ!
ぎゅーって。
片手を穂波の腹の下に廻してぎゅ、っと抱きしめた。
で、片手は乳へ。
テーブルと乳の間に手をねじ入れて、乳首を見つけると、それをぎゅっとつまんでみた。
「あっ!バカぁ!そこっ……いじっちゃ……んうッ!」
きゅ、っと締め付けられて危うく俺が先に昇天しそうになる。
耐えろ!耐えるんだ!俺ッ!
「穂波、俺ももう、……ヤバい。
だから我慢すんな。ちゃんとこうしててっ、やるから」
穂波はふうふうと荒く息をしながらどうにか頷いたみたいだった。
それを見て、俺はまた動きを強めた。
ホントに溶けてるみたいな感じで、自分と穂波の境が良く分からなくなってきた。
「く、ふッ!……んっ、ぅうっ!や、あっ!」
穂波の声が大きくなってきた。
いつもなら聞こえる押し殺した声が聞こえない。
こんな高い声初めて聞いた。
やべえ、俺もマジもう限界。
早くイっちゃえよ。
一緒にイこうよ。
「穂波っ!俺……っも……」
「んッ!だ、いきっ!……だいきっ!」
俺が穂波を抱きしめながら思いっきり射精したのと、穂波が俺の身体の下でびくびくって痙攣したのは、
多分、ほとんど同時だったと思う。
穂波の上からどかなくっちゃなーとか思うのに、しばらく身体が動かなかった。
やっと身体を動かす気になってきたから、テーブルの上のティッシュに手を伸ばしてから身体を起こすと、
穂波の身体がずるっと下に落ちそうになった。
慌ててもう一回抱きしめ直して、その姿勢のまま事後処理。
「ほなみー」
小さな声で読んでみたけど、反応がない。
「穂波」
今度は声を大きくして見ると、ん……、と反応があった。
「立てるか?」
「……むりー……力、入んない……」
マジでイかせたー!という満足感はあるものの、穂波をテーブルの上で抱えたままというのはちょっと苦しい。
俺は片手で穂波を抱えたまま、なんとか椅子を引き寄せて、穂波を抱え直して、そこに座った。
「大樹……」
膝の上に乗せると穂波は鼻の頭を俺の首にすり寄せてきた。
終わった後の穂波はいつもすごく甘えてくる。
かわいくてたまらない。
今日は身体がぐったりしてるせいか、俺への寄りかかり具合が半端ない。
俺はダルいんだけど、穂波が喜ぶから髪を撫でたり、おでこにキスをしてやる。
そうすると穂波はまた嬉しそうに甘えてくる。
ただここで問題が一つ。
今日もそうやって穂波にねだられてキスをしてたら、またムスコが元気になってきてしまった……。
膝に乗せてたせいで穂波がそれに気がついた。
「大樹……またしたいの?」
「いいか?」
いつもだったら、スケベーとかいいつつも、すぐにオッケーしてくれるのに、今日は違った。
十秒くらい考えてから、
「あのね、でも、今すると私……また変になっちゃうかな、って」
と、とても恥ずかしそうに言った。
しないとか、無理。
手とか口じゃ絶対物足りない。
また穂波の中に入っていっぱいかき回して、イっていただきたい!
「いいじゃん。またイったって」
俺は努めて普通に言ってみた。
「でも……怖いんだもん」
「なんで?俺がぎゅってしててもダメか?」
俺はぎゅーっと抱き締めて、頬ずりしながら言ってみた。
穂波はくすぐったいー、とくすくす笑ってから、俺のTシャツの胸元を弄りながら俯いて、
「あのね、大樹がぎゅってしてくれてると、飛んで行っちゃいそうなのは怖くなくなるんだけど」
とそこまで言ってから言葉を切った。
「うん。……で、他に怖いことある?」
「……き、気持ち良すぎて…………」
うおおおおお!
そんなことで怖いとか言うな!
俺を悶え死にさせる気か!
俺が心中ひそかに興奮していると、穂波はさらに付け加えた。
「それで……え、エッチが好きになったらどうしようって……」
穂波は細い声でそう言うと、
「もー!大樹のせいなんだからー!」
と、俺に抱きついてきた。
シャンプーの匂いのする髪が汗で首筋に張り付いてる。
例のでかい乳が俺の身体に押し付けられてる。
ちんこには太ももが押し付けられてて、穂波の格好は相変わらずの裸エプロン。
ちょっと、穂波さん。
それは、ええと、二回目オッケーっていうことでいいんですね?
で、俺は頑張って次もイかせて、穂波をエッチ好きにさせろ、とそう解釈していいと。
しかしここは冷静に対応せねば。
「エッチ好きじゃダメなのか?」
二回戦の前戯を兼ねて背中に廻していた手で肩を撫でる。
「……いいのかな」
「当たり前だろ?
これから何百回、何千回ってするんだからさ、好きじゃなかったらやってらんないじゃん」
俺と穂波の間でつぶれてるふくよかなおっぱいを撫でながらそう言うと、穂波はぷっと吹き出して、
「それもそうだね」
と納得してくれた。
(続)
えっとね? 感想は全部が終わってからにしようと思ってたんだけど……
ごめんなさい、もう我慢できない
GJ!!ラブラブすぎて頭がくらくらしそう
読んで下さる方、レス下さる方、いつも本当にありがとうございます。
残り投下します。
8レスお借りします。
今度は穂波の方からキスしてくれた。
俺が前に教えたみたいに、ちんこの先を指で弄ってくれる。
まだ動きがたどたどしいせいで、気持ちいいっていうよりちょっとくすぐったい感じだけど、
何にも言わないのに穂波からやってくれてるってことが嬉しい。
俺も乳やら太ももを撫でてキスに応えてるうちに、穂波がもじもじと身体を脚を動かし始めた。
がっついてるのがバレないようにゆっくり唇を離して鼻を擦り付けたまんま、
「したくなってきた?」
と聞いてみた。
「うん……」
こくんと頷く穂波。
俺は穂波を立たせると、足首のところに落としたまんまだったジャージから足を抜いてそれを拾い上げた。
ポケットからまたゴムを出す。
「大樹……何個入れてたの?」
「左右一個ずつしかいれてない」
「それって、しか、なの?」
「風呂場にゴム持って入ってきたおまえが言うなよ」
二ヶ月くらい前のことを持ち出すと、穂波はエプロンの胸元を弄りながらぷうと膨れた。
「だって、最初にお風呂入った時にしちゃったから、大樹と入る時はエッチしなきゃいけないのかと思ったんだもん」
この時は俺が穂波をからかい過ぎて怒らせ、その後一週間くらいさせてもらえなかった。
またそうなると困るから、この話は打ち切ろう。
立ち上がって、
「な、穂波、今度やる時は穂波が付けて」
と言うと、膨れてるほっぺたにキスをした。
「えっ、私が付けるの?」
「そう。手でいいから」
エプロンの肩ひもを摘まんでる穂波の手をつつく。
「手以外にどうやって付けるの」
「口で」
今度は口に軽くキス。
「んっ……なんか、それ、ま、マニア向けじゃない?」
「普通、ふつう。俺もしてもらったことないけど……だから穂波にしてほしいなー」
両手で穂波のお尻を揉みながら、軽いキスを繰り返すと、穂波はあっさり折れた。
「……手で上手く出来るようになったらね?
まだ、口でするのだって、へ、下手だし……」
「ん〜ありがと。
そうだ。穂波、さっきのお願いってなんだよ。
お礼にその願いをかなえてしんぜよう」
キスする直前、ふと思い出して聞いてみると、穂波は一瞬、何の事だろうという顔をした。
それから思い出したらしく、
「別に大したことじゃないからいいよ」
と言った。
「遠慮すんなよー。なんなら今これからやったっていい訳だし」
手を脚の間に進めていきながら身体を押し付けると、穂波はびくんと身体を跳ねさせた。
「今はっ無理だから……っ」
さっきイった余韻が冷めてないらしい。
たったこれだけで息が上がってる。
「あれ?今は無理?」
じゃあなんだ?
俺はマジでなんだろうと思い始めた。
でも、手はしっかり動かしてるんだけど。
「なあ、穂波のお願いってなに?」
ワレメに指を滑り込ませると、さっきちゃんと拭いたのに、そこはもうすっかり濡れていた。
「そんなの、ないからっ」
この程度で声ももううわずってる。
今日の穂波は感度が良すぎだ。
「えー。気になってエッチに集中できないんだけどなー」
入り口の周りをぐいぐい弄ってやると、まだ中に入れてないのに膝がかくんと折れた。
慌てて背中を支えてやると、穂波は潤んだ目で、
「嘘吐き」
と睨んできた。
「嘘じゃないって。
穂波だって、俺がセックスの最中に考え事してたら嫌だろ?」
そう聞きながら穂波を促してテーブルに座らせると、穂波はちょっと落ち着かない感じでテーブルの上から
台所を見まわして、それはそうなんだけど、とぶっきらぼうに言った。
「言えないくらいマニアックなこと?」
エプロンの裾から手を入れて太ももの感触を堪能しながら、手を登らせていく。
「そんなん、じゃ……ないもん」
穂波の息がまた荒くなってくる。
「じゃあ、なに?」
目的地にたどり着いた指で身体の真ん中を撫で上げると、穂波は嬌声を上げて俺の腕にしがみついた。
指を中に入れてかき回す。
膣の壁がひくつきながら俺の指に絡みついて来て、白い足がぴくぴく跳ねる。
Gスポのあたりに遠慮なく指を押し付けると、穂波の喘ぎ声がまた大きくなってきた。
「教えてー」
クリも弄ってやる。
女って一度イった後は、また簡単にイくっていうけどホントにそうだ。
穂波が、俺の動きに合わせて面白いようにびくびく震える。
「ひぅっ!……んっ!あ……ああっ!」
「あれ?もうイきそうなの?」
こくこくと頷くだけの返事。
う〜。
指だけでイかせるとか、してみたいっ!
してみたいけど、ここはちょっと意地悪をさせてもらおう。
俺は指を抜いた。
穂波が肩で息をしながら、顔を上げた。
「大樹……?」
「イけると思った?」
ためらいがちに頷く穂波。
「でもさ、イっちゃうと、穂波しばらく起きてくれないから、話聞けなくなるだろ?」
困った顔になる穂波。
これはなかなか……。
俺は今、人生で初のSっぷりを発揮している。
ちょっと新鮮でいいかもしれない。
「教えてくれたらイかせてあげる」
もう聞きたくて意地悪言ってんのか、穂波の困った顔が見たくて言ってんのか分からなくなってきた。
けど、楽しいからまあいいや。
俺は手のひらや甲の方までまで垂れてきてた滴をワザとらしく舐めてみた。
「穂波、エロいなー。
俺、指しか入れてなかったのに、手の方までベタベタ」
「ふうぅ……大樹の意地悪……」
良心がズキっと痛んだ。
このくらいで胸が痛むんだから、やっぱり俺は根っからのSではないらしい。
「な、教えて」
これでダメだったら諦めよう、と思って涙目になってる穂波の目尻にキスすると、
それが良かったのか、身体の疼きが限界まで来てるのか、穂波は、
「笑わないでね」
と俺のTシャツを引っ張った。
「うん、笑わない」
「あ、あのね、ら……ラブ、ホテルに行ってみたいなって思ったの」
一瞬、ラブホテルってなんだろう、と思った。
けど、すぐに穂波の言ってることが分かって、俺は笑いはしないけどにやけそうになった。
穂波は俺と結婚するまで処女だった。
で、結婚してからはうちでしかしたことがない。
つまりラブホなんか行ったことがない訳だ。
それで、行ってみたいと思った訳だな。
でも、いまさらそれを言うのははばかられていた、と。
こいつは何度俺を悶え死にさせたら気が済むんだろう。
「分かった。んじゃ、今度行こう」
「いいの?」
「行きたいんだろ?」
「社会勉強に……」
社会勉強って……。
さすがに吹き出すと、
「笑わない、って言ったのに」
と怒られた。
けど、仕方がない。
「バカ。社会勉強の相手が俺だから嬉しくて笑っちゃうの」
俺は腰に手を廻してエプロンの紐を解きながらキスをした。
穂波は抗議したそうだったけど、唇をしっかり塞いでそのままゆっくりテーブルの上に押し倒した。
ラブホ行ったことないってだけでも十分嬉しいのに、行きたいとか言われたら嬉しいに決まってんだろ。
いつ行く?明日?それとも今日、この後か?
ラブホの方に思考が行きかけてたところで、穂波にTシャツを引っ張られて俺は顔を引いた。
知らないうちに穂波の唇を舐めまくってたらしい。
穂波は唇どころか口の周りまでべたべただった。
「あ、悪い。平気か」
指でヨダレを拭ってやると、穂波は大きく深呼吸してから頷いて、
「大樹……バンザーイ」
と、またTシャツを引っ張った。
「大樹とね、もっとちゃんとくっつきたいの……」
俺がうっかり着たまんましようとしたりすると、いつも言われるセリフだけど、
毎回このセリフにクリティカルな一撃を貰う。
今日だって例外じゃない。
俺は襲いかかりたい衝動を必死に堪えながら、言われた通りに両腕を前に出した。
穂波がTシャツを引っ張って脱がせてくれる。
俺がTシャツから頭と腕を抜くと、穂波が笑った。
「ふふっ……大樹、はだかんぼ」
台所で真っ裸になるのはなんだか照れくさい。
まあ、穂波に裸エプロンしてもらったんだから、このくらいは我慢せねば。
それでも、俺だけが笑われてるのは不本意だ。
「笑うやつにはこうだ―ッ!」
笑う穂波のエプロンの胸元をつかんで、俺はぐい、っとそれをひっぱった。
「わあっ!」
両方の乳がたぷんと顔を出す。
「ちゃんとくっつくなら穂波もこうしないとな」
乳首を弄りながら乳を揉んでやると、穂波はあっさり折れて、Tシャツを下に落とすと俺に両手を差し出してきた。
「うん……。大樹、来て……」
穂波にしては珍しく、自分から脚を開いてる。
もっとも、俺の身体を入れるには不十分だったから、片足を持ち上げて俺は身体の真ん中を合わせた。
先っぽがちょっと入っただけできゅうきゅう締め付けてくる。
穂波が差し出した腕の間に顔を入れると、穂波が抱きしめてくれた。
「あッ!ン……くふうッ!」
ちょっと力を入れて奥まで行っただけなのに、穂波がびくびくっと痙攣した。
腕から力が抜ける。
やべ、さっき焦らし過ぎたか?
「穂波、穂波」
ちょっと焦ったけど、穂波はすぐに目を開けた。
「あ……ご、ごめん……。
あの、ちょっと……イっちゃった……?」
どう答えていいか分からなくて固まってると、穂波がまた俺に抱きついてきた。
「我慢するから、一緒にイってね……」
少しは余裕があったはずなのに、理性崩壊の音とともにそんな余裕はどこかに埋もれてしまった。
イく直前で止めてみて、イかせて、とか言わせる計画だったのに、その計画は実行に移されることはなく、
俺は俺を身体全体で抱きしめる穂波をヤバいくらいにがんがん突きまくった。
穂波はその間、何度も身体をひくつかせてたけど、俺はお構いなしにやってた気がする。
終わった後の穂波は完全に意識が飛んでて、布団に移したのも気がつかないくらいだった。
穂波が回復した後、二人でシャワーを浴びた。
穂波は一人でいいって言ったんだけど、なんだか足元がおぼつかない気がして、
俺は初めて下心なしで穂波と風呂に入った。
いつも通り、俺が穂波をだっこして湯船につかってると、穂波が俺の手をおもちゃにしながら、
「大樹ー……。今日は晩ご飯、出前でいいかなぁ」
とダルそうに聞いてきた。
そりゃ、仕方がない。
午前中、掃除と洗濯やって、衣替えして、その後二回とは言え、結構激しいセックス。
これから晩飯を作れというのは酷な話だ。
「うん、いいんじゃね?何にする?」
「宝寿司の花散らしか、中田屋さんの親子丼がいい」
「じゃあ、穂波の初イき祝いってことで寿司」
とか言ったら、鼻をつままれた。
「いひゃい!」
「はい、もう親子丼ね。
大樹はまたカツ丼?」
「えー……寿司〜」
「不純な動機での選択は認めません」
きっぱりとそう言ってるわりには横顔がちょっと照れてる。
俺はそんな穂波にべったりと抱きつくと、
「ちぇー。ま、腹減ってるからカツ丼でいいや。大盛りな」
と今日の晩飯のメニューを決めた。
(了)
67 :
36:2008/07/22(火) 23:27:05 ID:sAXXUY8P
リアルタイム遭遇だ〜
これからじっくり読みますがチラ見しただけでもわかります
GJということがw
今回もごちそうさまでした
相変わらずいいラブラブっぷりですね。穂波は潜在的にMっ気があるかとw
次はラブホテル編でしょうか?期待してます!
グッジョブグッジョブ!
やばい、これはやばすぎるぞ。
キュンキュンくるわー。
これは何というラブラブな新婚さん…心からGJ!
ずっと待ってた大樹×穂波の続きktkr
この二人のラブラブっぷりは良いですね。
穂波が可愛すぎる。GJ!
大樹羨まし過ぎる
よって氏刑
作者さんの体験談なんですよね、わかります
前スレ埋め立て完了しました。
改行を削って無理やり突っ込んだんで、読みづらくてすみません。
新スレの繁栄を祈って。
前スレの鉄仮面と子猫の人GJ
いつもすばらしいSSありがとう
いやぁ雪子もかわいいけどやっぱ鉄仮面の方がかわいいわw
>「ほうほう…いや〜、なんだか小学生男子のような旦那様ですねぇ!
なんというギャップwwww
あと
>>58 GJ過ぎて血糖値が上がりました。
次回も楽しみにしてます!
おお!鉄仮面と子猫来てたGJ!
新スレでも楽しみにしてます
前スレの埋めネタ読んでるうちにニヤニヤ笑いが止まらなくなって悶えてGJ!
地元ローカルのケーブル局なんて、制作費少ないから再放送ばっかりじゃね?
つまり初回の放送だけ妨害しても、いつかそのうち…www
鉄仮面はあんまTVとか見ないだろうから気付いてないのか?
>>80 職場で再放送を見た鉄仮面を想像するだけで
ご飯何杯でもいけるな
大樹&穂波GJ!!!
待ってた! ずっと待ってた!!
ありがとう。すごいにやけてくるよ。
くそぅ!この新婚さんめっ!大好きだ!!
>>81 職場で恥ずかしい思いをした腹いせに、
その夜、妻を責める(性的に)鉄仮面を想像した!
保守
あの人が単身赴任から帰ってきた。
この半年がとても長く感じた。
ガラリと引き戸が開く、沖縄の地で焼けた肌が逞しく輝く。
あなたの顔が、緩む。外では組織の歯車で精悍な顔。
今晩は帰宅祝いに一晩使うわ。
あなたと居る時間がとても幸せ。
単身赴任から帰って来た夫で詩を作ってみた。
知り合いの自衛官と一般人の夫婦がモデル。
保守
圧縮回避保守
88 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 17:46:38 ID:0OMBNi2K
前スレ落ちたか…
89 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 22:58:39 ID:2uLXp7cb
保守
90 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 01:21:20 ID:JXSnm8n9
保守
91 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 13:50:16 ID:/nwJgvhg
保管庫に夫婦スレのSSが収蔵されてるな。
新婚の初々しさもいいけど、何も言わなくても分かり合える関係ってのもいいね。
鉄仮面や大樹もそんな所まで続いて欲しいな。
93 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 00:56:29 ID:EW9pPpN+
保守
94 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:42:37 ID:zSFK3/YJ
保守
95 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 01:24:34 ID:MAB3hDDA
保守
97 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 21:34:16 ID:DEB1imAW
そういや鏡子さんの裸エプロン編ってまだないのか?
98 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 01:22:00 ID:IzENaqgT
保守
少し前に、俺は結婚した。
相手は幼馴染のお姉さん。おっとりとした、優しい人だ。
顔も綺麗だし、胸も大きい。おまけに料理も上手い。
年上ということ以外はお嫁さんとして文句のつけようが無い人だ。
俺も結婚する前からお互いの事は分かっているし、
Hも何回かはした。
そんなある日、俺は急に姉さんにスカートめくりを試したくなった。
ほんのささいな悪戯心だし、昔はけっこうやっていた。
それに今の俺と姉さんは夫婦だ。たいした問題もないだろう。
嫌がったらやめればいい。
これはそんな俺の悪戯の日誌である。
一日目
俺は姉さんが油断している隙に、スカートをめくり上げた。
「!!」
反射的にパンツを手で隠そうとする姉さん。さすがに驚いただろう。
それでも、もう遅い。俺はきっちり姉さんの下着を見た。
姉さんのパンツは、スタンダートなピンクだった。
無難なチョイスだ。だが、それがいい。
姉さんは俺に何も言ってこなかったので、
次の日もスカートめくりを試してみることにする。
二日目
俺は一日目と同じように姉さんのスカートを掴んで上にたくし上げた。
露になる姉さんのショーツ。
驚いたことに今回、姉さんは下着を隠そうとしなかった。
見えたのは、黒の紐パンである。が、やけに布面積が小さい。
ギリギリで肝心なところが見えるか見えないかのスレスレの下着。
どうやら、姉さんの勝負下着のようである。
めくったのは俺なんだが、はっきり言って目のやり場に困る。
俺は姉さんのショーツから目を背けた。
普段はおっとりとしている姉さんだが、実はかなりのナイスバディーであり
黒い下着をつけると、急に色っぽくなる。
「弟君…?それともあなた?欲求不満ならそうと言ってくれないと、
私、分かりませんよ?」
と、スカートをめくった後で言ってきた。
どうやら、もともと見せるつもりだったらしい。
俺はなし崩し的に姉さんとHをすることになった。
姉さんの紐パンの紐を引っ張るのが面白かった。
紐を引っ張ると、スルスルっと解けてヒップの辺りが露になるのだ。
それをバッと剥ぎ取るのは爽快感があった。
姉さん、グッジョブ。
ついでに、ブラも色っぽさの漂う黒だった。
これも布面積が小さかったので剥ぎ取るのをやめて、
ずらすだけにした。姉さんの下乳だけを隠すブラは
なかなかにいやらしかったと付け加えておく。
三日目
今日もまた実験だ。今日は両手でめくってみることにする。
姉さんは一昨日、昨日と嫌がらなかったので黙認しているのだろう。
まぁ、新婚夫婦だしな。と思いつつ、
俺は両手でスカートを掴んで一気に引っ張り上げた。
「あらあら…。」
スカートをめくられた割にはおっとりとした姉さんの声。
しかし、俺は絶句した。
姉さんの着けていた下着は、可愛いうさぎさんだったのだ。
多分、姉さんも俺のスカートめくりを楽しむことにしたんだろう。
これは、これで趣がある。
さすがにその日はHをする気にはなれなかったが、
一緒にお風呂に入って体の洗いっこをした。
明日はどんな下着を着けてくるのだろうか?
俺はそれを楽しみにすることにした…。
投下終了です。
優しい奥さんと、意地悪な夫のほのぼのとした、悪戯話です。
実は、まだ続いたりします。お楽しみに。
かわいい新婚夫婦だ
これはかわいい……GJ
103 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 11:55:50 ID:BIx/gFX9
age
「あらあら…。」が某管理人さんの声で再生されたw
GJ!
105 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 07:42:31 ID:Musy1wbE
あげ
arara
うふふ
某管理人って、誰?
路線、大幅に変更。
悪戯好きな夫と、悪乗りが激しい奥さんの話になりました。
だんだんと過激になってきますが、ベッドシーンはなしの方針で。
四日目
三日続けば、もう習慣だ。さてと、ターゲットは補足した。
俺は、スカートめくりの犠牲になる姉さんのスカートを見据えた。
今日は、少しいつもより長めだ。姉さんには、清楚な恰好がよく似合う。
さて、今日は何色かな?と期待する俺。
それっ!!
俺はいつものように、姉さんのスカートをめくり上げる。
「!!」
俺は、見てはいけないものを見てしまった。
思わず、目を背けてしまう。
かかったという顔をする姉さんと、放心状態の俺。
今日の姉さんの下着は…
つけてないだった。
丸見えのヒップは、さすがにインパクトが違った。
俺も、いつの日かは来るだろうなとは予測していたが、
まさか四日目で出してくるとは思わなかった。
その日の夜、俺と姉さんは服を着たまま、同じベッドで寝た。
だぼだぼの寝巻きが、可愛かった。
姉さんの方は、Hしないの?と言ってきたが俺は無視した。
俺のほうも少し悪戯が過ぎたなとは思うが、姉さんのあれはやりすぎだ。
おかげで清楚な姉さんのイメージがガタ崩れだ。
でも、姉さんの抱き枕にされるのはなかなか悪くなかったと言っておこう。
五日目
姉さんは、昨日のことがなかったかのように話しかけてきた。
さすがにお互いにあのことは無かったことにしようという算段だ。
俺もそれがいいと思った。あれは事故だ。忘れよう。
そう思いながらも懲りない俺は、俺は姉さんのスカートをめくる。
今日の下着は、スパッツだった。
少しがっかりする俺。まぁ、昨日の今日だしなと思ってあきらめる。
姉さんも、少し残念そうな顔をしていた…。
六日目
今日こそは。俺はそう思って片手で、姉さんのスカートを摘まみ上げる。
また、同じようなスパッツだった。
もしかして俺、姉さんにスカートめくりを嫌がられてる?
俺は一瞬思ったが、その考えを打ち消す。
スカートめくりを嫌がる人が、ノーパンで意表を突くわけがない。
そこから至った考えは一つである。
つまり、これも脱がせということである。
その考えに至った俺はそれを実行した。
もし、間違っても姉さんのことだから少し叱られるだけで許してくれるだろう。
他の女の人だったら、DV認定間違いなしだ。姉さんと結婚して本当によかった。
姉さんの懐の広さに感謝をしつつ、
俺は姉さんのスパッツを勢いよく両手でずり下ろす。
スルン
中から出てきたのは、季節はずれの毛糸のパンツだった…。
「残念でした〜。」
楽しそうな姉さんの声。
なんかがっかりした。後で覚えてろよ…。
またしても、姉さんにしてやられたのだ。
その日の夜は、ベッドで盛り上がった。
あの厚手の毛糸の下着も、ずり下ろす時は、所詮はただのパンツだった。
投下終了です。
奥さんの方の悪ノリはさらにひどくなっていきます。
お楽しみに。
ああ、楽しみにしておこう
すげえ楽しそうだなww姉さんかわいい
おちゃめだな、姉さんw
違うんだろうけど、金で力スレの2人の後日談みたいだな・・・gj
>>114 一応、この小説は姉買いますっ!!の後日談という設定ではありますが、
弟の方が姉に少し順応したためにかなり積極的になりました。
でもまだ姉の方が立場は上です。
弟が上になる日はいつの日やら…。 (A.永遠に来ない)
七日目
今日は意外なことに、姉さんがスカートではなくズボンだった。
ゆったりとした長ズボンは、姉さんによく似合っていた。
だが、これではスカートめくりができない。
俺はそう思った。普段ならそこで思考は終了するが、
問題は姉さんは真ん中のボタンをはめてないということだ。
見えそうで見えない下着が実にいやらしい。
だが、もしチャックを降ろしたら簡単にずりおろせる。
もしかしたら、姉さんはズボンをずり下ろせと誘っているのではないのだろうか?
昨日のスパッツの件もある。俺は思考を巡らせた…。
えぇい、考えるより行動だ。えいっ!!
俺はそこで考えるのをやめた。
「あん♪」
俺は片手で無防備な姉さんのズボンのジッパーを勢いよく下げた。
なかなかいい音がした。そこまではよかったのだ。
次はズボンを脱がしてやろう。俺はズボンの端に手をかけて勢いよくずり下げた。
「!!!!」
いままで、聞いたことのないような悲鳴を上げる姉さん。
俺も一瞬、何が起こったか分からなかかったが一瞬にして事態を把握した。
俺は勢い余って、姉さんの下着も一緒にずり下ろしていたらしかったのだ。
さすがの姉さんも下着を見るためのスカートめくりで、
パンツを脱がされるとは思ってなかったらしい。
俺の方も驚いて、目をそむけてしまった。
その隙に乱れた着衣を整える姉さん。
なんかものすごい不機嫌そうだった。
「弟君?女の人のズボンとパンツは一緒にずり下ろしちゃいけません。
楽しみがなくなっちゃうでしょ。わかった?」
ものすごい理不尽な説教を受ける羽目になる俺。
ノーパンはいいのかよ?とか言いかけたが、止めておくことにした。
俺は、ときどき姉さんの判断基準がわからなくなる時がある。
その後、今日は何を話しかけてもからっきしで
姉さんと同じベッドで寝るのだが、今日は背中合わせだった。
それに、話しかけても
「つーん」
という声しか返ってこなかった。まぁ、明日までの辛抱だ。
それにしても…、そっけない姉さんも可愛いものだ。
八日目
俺と姉さんの決めごとの一つにこんなものがある。
「よほどのことがない限り、ケンカや恨みは次の日まで持ち越さない」
この約束があるから、俺は姉さんを相手に好き勝手な悪戯ができるのである。
察しがついていると思うが、姉さんのよほどのことは、かなり範囲が広い。
以前、怒った姉さんを見たくて
寝ている姉さんのパジャマのズボンとパンツをずり下ろし、ブラを捲くし上げて、
体に悪戯をした時も、次の日にはなにも言わなかったのは記憶に新しい。
他の人なら、まず離婚は確定で俺は性犯罪者だろう。
話しかけてみるが、
案の定、姉さんはまったく気にしていなかった。
また、同じズボンをはいている姉さん。
今度はちゃんとズボンだけを脱がせということなのだろうか?
スパッツの時は少なくともそうだった。
俺は恐る恐る、姉さんのジッパーに手をかける。
するするするっ
そして、俺は慎重に姉さんのズボンだけをずり下ろした。
結果は、残念としか言いようがなかった。
「くま…さん?」
色気もなにもあったもんじゃない、くまさんパンツ。
「可愛いでしょ?」
俺は、無言で姉さんのパンツをずり下ろした。
「えっち……。」
その後、俺は姉さんとベッドで続きを楽しんだ。
姉さんの器は、並大抵の物じゃ測れないのをあらためて知らされたような気がする…。
九日目
さすがに、二日間ズボンの後はスカートだろう。
姉さんは白いワンピースを着ていた。
黙っていれば清楚で通じる姉さんによく似合っていると思う。
スカートの部分はやけに長く、地面に着くか着かないかのギリギリのラインだった。
これをめくるのは至難の業だろう。
そして、技能を求めるスカートをはいている時は、
たいてい、中身は残念なものが多い。
今度はしましまだろうか?水玉の線も捨て切れない。
俺は両手で、思いっきりスカートを持ち上げることにした。
露わになった姉さんの下着は…
黒だった…。しかも網タイツまではいている。
体への密着具合がとてもいやらしい。これには一本取られた。
「今夜は楽しみにしてて下さいね?」
と言ってくる姉さん。なにをする気なんだろうか?
楽しみ半分、不安半分に待っている俺の所にやってきた姉さんの格好は…。
うさぎさんだった。
確かにうさぎさんではあるのだが、
うさぎさんパンツなどといった可愛らしいものではなく
アダルトな、バニースーツだったのだ。
と言うことは、姉さんの下着はバニースーツを予告していたものになる。
くそっ、気付かなかったぜ。
それにしても、よく似合っている。
胸の方は今にも零れ落ちそうだし、お尻もかなり食い込みがきつい。
片手でお盆を持って、もう片方の手は腰にやっているポーズもそそられるものがある。
「お触りも大丈夫ですよ?」
笑顔で言ってのける姉さんの言葉に俺は甘えることにする。
まずは、お尻からだ。
レオタードから、ぷるんとこぼれ出るのが魅力的だった。
次は胸だ。
バニースーツと言えば、一度やってみたかった事がある。
俺は姉さんの胸の谷間のあたりの布を掴んでみた。
そして、それを一気に下に降ろす。
「いや〜ん!!」
色っぽい声を出す姉さん。でも、多分この行動は姉さんの予想範囲内だと思う。
だが、姉さんの圧倒的なバストで止められていただけの布は簡単にずり落ち、
簡単にバニースーツは、姉さんの体を潜り抜けて行った。
一瞬で、すっぽんぽんを披露する姉さん。
楽しかったので、また別の日にもう一回やらせてくれるように頼んでみよう。
素早く裸を手で隠すが、別に慌てている様子はなかった。
手で裸を隠す姉さんもなかなかに素敵だったので、じっと見つめてみた。
見えそうで、見えない不思議な魔力がそこにはあった。
なんだかんだで、今日は本番をする気にはなれなかったことも付け加えておこう…。
後日談だったのか!なんかラブラブ度が上がりまくってますなw
姉さんかわいいよ姉さん
でも一番かわいいのは弟君
待ってましたGJ!!
>「つーん」
ときめきすぎて死ぬかと思った!!
謝罪と続きを要求す(ry
姉、買いますっ!!の続きだったのか!
あっちで好きだったのでうれしいです
>>120 >姉、買いますっ!!
リンクしたSSが他スレにあるんですか?
教えて
124 :
121:2008/08/25(月) 01:00:08 ID:Hf8HElaW
>>122 レスありがとう。読んだけどいいね。
そのスレ自体、
>>123の言うようにほんわかしてて良い
>>117 GJです。
バニーさんのコスプレとは。なんかお店みたいですね。
ダンナが酒飲んでたら嫁がキャバ嬢みたいな会話しながらお酌して
キャバクラごっこ(プレイ)…という電波を受信した。
小ネタとして書いてみようかな
保守AGE
保守
129 :
精霊流し:2008/09/01(月) 02:54:33 ID:k9QKsorF
あれから一年が経ったのか…
「お義母さん、大丈夫ですか…」私の前を歩くお義母さんは一気に老け込んでしまった。
精霊流しの為に私達は河原に下りた。川の水面には無数の灯が見える。
私は、古いCDを舟に乗せた。友人達は、果物類の間に黒ずんだペンダントを置いた。
浅黄色の着物姿のお義母さんが手作りの餡餅を乗せた。
舟は私の手を離れて流れて行く、涙を見せないように上を向いていた。
家に帰ったら、十二歳違いの弟と義姉が遊んでいた。兄貴が庭にバケツを置く。
みんなで夕食を食べた後、花火をする事になった。
義姉さん達と弟は吹き出し花火を消費している。私は蒼い浴衣を着て線香花火に火をつける。
あなたは空の上から見ているだろうか…
皆が帰った後、昨年までの想い出の詰まった動画を開く。
出会いはあの階段だった…
130 :
精霊流し:2008/09/01(月) 03:08:30 ID:k9QKsorF
精霊流し と言う曲の歌詞の二次創作とでも思って下さい。
プロローグ編 馴れ初め編・新婚〜別れ編・エピローグ編の四部を予定してます。
死別が苦手な人はNG登録宜しくお願いします
132 :
精霊流し:2008/09/01(月) 23:59:37 ID:k9QKsorF
津田隆は高校二年生だ。遅刻ギリギリに教室に突っ込むのが彼の登校スタイルだ。
彼はいつもの様に階段を駆け上がり、教室に入ろうとした。
階段に手袋が落ちていたので拾い、名前を見た。
2-2高崎早紀と書いていた。隆は教室に入ると、真っ直ぐに窓側三列目の席に向かった。
高岡早紀は黒髪の長髪で、「歩く校則」の異名を貰っていて、学校でも有数の美人だった。
「高岡さん!落とし物っ!」隆は女の子と上手く喋れなかった。だからこんな口調になった。
「津田君、ありがとう。あっ、津田君頭。」早紀も照れながら返した。
「ん?」隆は頭を触ってみた。隆の頭は寝癖全開だった。
この事がきっかけでお互い関わる様になった二人は高校三年になり、やっと交際し始めた。
「ただいまお母さん!隆君連れて来たよ!」早紀は玄関から母親、紀子を呼ぶ。
「おかえり、いらっしゃい。話は聞いてるわ。」
紀子は玄関の男女に声を掛けると台所に入っていった。
133 :
精霊流し:2008/09/02(火) 00:06:06 ID:IwRE+tEG
機械トラブルによるフリーズやらかしました!済みません。
とりあえず、馴れ初め編1だけ投下して調子みます。
最悪、機種変更も視野に入れようかと…
投下中断します。
おおGJ!
これから悲しい展開になるなんて切ない…
けど続き待ってる!
136 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:54:49 ID:F3JXXdpF
hosyu
137 :
保守ー:2008/09/07(日) 17:41:51 ID:yv6Pa1dA
休日の朝、小鳥のさえずりとやわらかい日のひかりに包まれての目を覚ます。
隣で眠る人は朝が弱いのでまだ起きそうにない。
いつも家事を手伝われてしまうので
この隙に朝ごはんを作ってしまおうとベッドを抜け出る。
初めて会った頃はあまり表情のない人で少しこわいな。なんて思ったりもしたけど、
本当はとても優しい人で困っている人を放っておけない人だと知ってからは自分でも驚くぐらいいに惹かれていった。
周りからもお似合いの二人だと言われていたのを思い出し、すこしニヤニヤする。
軽めでトーストとサラダでいいかな。・・・
メニューを考えながら身支度を整えてキッチンへ向かう。
テレビとつけると小さな子供たちが元気よく踊っている番組だった。
ちっちゃいなぁ。かわいいなぁ。いいなぁ・・・。
子供はたくさん欲しいと思う。あ、でもまだ二人の時間も楽しみたいし・・・
つい昨晩のことを思い出してしまって顔が熱くなる。
朝からこんなこと考えるなんて!と頭に浮かんだ光景をけそうとしていると、
「包丁を振り回すと危ないですよ。」
とキッチンに入ってきた声にドキリとする。
お互いにおはようございます。と挨拶するけどちょっと声が裏返ってしまったかもしれない。
「起こしてくれれば一緒に作ったのに。なにか手伝うことは?」
「もう出来ましたから、コーヒーはブラックでいいですか?」
「ありがとう。・・・昼は私が作ります。」
少し悔しそうなあなたに一緒に作りましょうね。と微笑んでテーブルに着く。
二人で並んで食器を洗いながら、そういえば覚えてくれているかな?
と最近悩んでいたことをさりげなく聞いてみる。
「あの、ところで来月・・・」
「私たちの結婚記念日ですね。
何か欲しいものはありますか?
いろいろ考えたんですが決まらなくて・・・」
情けない話です。と落ち込む最愛の人。
そんなに考えてくれていたんだ。悩んでいた自分はなんて愚かなんだろう!
「あの、あなたが選んでくれたものならなんでも!
というか・・・二人で過ごせれば・・・それで・・・」
「それじゃぁいつもと変わらないじゃないですか。
こうなったら今日の買い物で欲しいもの教えてください!」
とムキになる様子がとても愛しくて思わずキスをした。
あぁなんて幸せなんだろう。
ずっと一緒にいましょうね!僕の奥さん!
138 :
保守ー:2008/09/07(日) 17:42:33 ID:yv6Pa1dA
キショイ話すんませんでした・・・
ぜひシリーズ化!
旦那目線かよw でもいいなぁ
>つい昨晩のことを思い出してしまって顔が熱くなる。
旦那wwwしかしGJ!
ほ
の
か
146 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 06:37:19 ID:W3ShFmD5
に
香
水
の
に
お
い
が
た
き
の
方
か
ら
す
る
お前らwww
ここは女の子と二人きりスレじゃないんだぞw
書いてみたので投下します。
エロ無しです。すみません。
『香りの意味は』
ほのかに香水の匂いが滝の方からする。
山を登る途中のことで、俺は少々面食らった。
特別鼻が利くわけではないが、そのときはなぜかその香りを鋭敏に感じとった。澄んだ
空気に混じる花のような香りに、強い違和感を感じたせいかもしれない。
匂いの方へ向かうと、滝の音が強くなった。
人気の少ない山の中。ここに来るまで誰にも会っていない。しかし香水の匂いがすると
いうことは人がいるということだ。
川が流れている。その川に沿って荒い岩肌の上を歩いていく。
やがて進んだ先に滝が見えた。
ガラスのように滑らかに水が滝壺に落ちていく。その光景に俺は思わずため息をついた。
水しぶきが霧雨となってこちらまで届く。冷たい霧吹がなかなか心地よく感じられ、
俺は滝壺から広がる池に近付いた。
直後、水面から何かが飛び出てきた。
「うわっ!」
一瞬魚か何かかと思ったが、長い黒髪と艶のある白い肌を見て、人間の、しかも女性で
あることに気付いた。
女性は、裸だった。
「ぷはっ」
息を宙に吐き出して、彼女は岩の淵へと手を伸ばす。
「……」
目が合った。
互いに固まった。
「……え?」
女性は大きな瞳を丸くして──それから悲鳴を上げた。
「本当にごめん!」
俺は彼女に背を向けながら、必死に謝っていた。
後ろから衣擦れの音がする。渡したタオルで体を拭き終えたのだろう。服を着る音に
俺はつい気まずくなる。
「いえ、私の方こそごめんなさいっ! まさか他に人がいるとは思わなかったものですから」
彼女はひたすら恐縮した様子だった。
「あの、もう大丈夫です」
彼女の言葉に緊張気味に振り返る。
そして俺は、彼女と相対した。
結構な美人だった。歳は俺より一つ二つ下だろう。整った顔の中で大きな瞳と形のよい
唇が目を引く。後ろにまとめた黒髪はしっとりと濡れていたが、光沢を失わない健康的な
艶を保っていた。
つい見とれてしまったが、彼女の怪訝な表情に慌てて口を開く。
「あの、さっきは」
「……見ました?」
不安げに問いかけてくる彼女。
すいません、ばっちり見てしまいました。
「あ、その、」
「す、すみません! 今のなしで!」
顔を真っ赤に染めて、彼女はうつ向いてしまった。
「あの、ここに来るまで誰にも会わなかったので、てっきり誰もいないと思ってたんです。
ごめんなさい本当に」
「いや、俺的にはラッキーだったっていうか……」
「ひゃうっ!?」
何、今の声。
「へ、変なこと言わないで下さいよ」
「わ、悪い。……ところで」
「ひゃ、はい」
噛んだ。
「なんで水の中に?」
尋ねると、彼女は顔を曇らせた。
「……指輪を落としてしまったんです」
「指輪?」
「はい。大切な物だからどうしても見つけないといけなくて、それで」
大切な指輪。彼氏から貰ったものとかか。少し残念に思う。まあこれだけの美人なら
彼氏くらいいて当然か。
滝壺から広がる池は結構広い。勢いよく落ちる滝のせいで水面には白い泡と波紋ばかりが
広がる。
「見つけるのが無理とは言わないが、見つけようとするのは無茶だと思うぞ」
俺は素直な感想を口にした。水温も低そうだし、この中から小さな指輪を探すのは骨が
折れるだろう。
「やっぱりそうでしょうか……」
しゅん、とうなだれる彼女。しかしちらちらと池に目をやる辺り、諦め切れないようだ。
「水の中にどんな細菌がいるかもわからないし、やめた方がいい。風邪程度で済めばマシな
方だ」
「……」
彼女の視線は池から外れない。
「また飛び込む気じゃないよな」
「……」
「そんなに大事な物なのか?」
頷く彼女。
俺はそれを見てため息をついた。
水の透明度は高い。泡と波紋が邪魔をしているだけで、水中でも一応物は見えるだろう。
指輪を落としたと言っても奥の方ではなく、岩淵に近いところに落ちているはずだ。問題は
深さと水温だが、それさえ気を付ければまあ──
「わかった。俺が潜って探すよ」
「え?」
彼女が目を丸くした。
「結構運動には自信あるんだ。見つけられるかどうかはわからないけど、やるだけやってみる」
「そんな、見ず知らずの方にそこまで迷惑かけられません」
「俺がやりたいってだけだから。別に迷惑とかそういうんじゃない」
水面を見つめる彼女の目はとても深刻で、苦痛にも近い色をしていた。それを無視する
ことなんて俺にはできなかった。美人の困り事ならなおさらだ。
「わ、私も」
「一回潜った後だときついと思うぞ。それよりどの辺りに落としたかわかるかな?」
「あ、はい。この……」彼女は正面右の岩下辺りを指差す。「……辺りに落としたんです
けど、滝のせいで水の流れがちょっと複雑で」
広めに探さなければならないということか。俺はシャツを脱ぎ、上半身裸になった。
「んじゃちょっと潜ってみる」
「……すみません」
「いいからいいから。それより俺の荷物見ていてほしい」
「は、はい」
彼女の頷きを確認して、俺は水の中に身を投じた。
「はあ……はっ……」
予想以上の水の冷たさに、俺は悪戦苦闘した。
体があまりに冷えるので途中で三度岸に上がった。その甲斐あって指輪は見つけたが、
体はすっかり冷えきってしまった。
体を拭いて服を着て、それでも寒くてガタガタ震える俺に、彼女がそっと寄り添う。
「ごめんなさい、私のために……」
申し訳なさそうに彼女が謝ってくる。
寒くて痛くてそれどころじゃなかったが、俺は彼女に一言言いたくて顔を上げた。
「俺が、やりたくてやったことだ……。そんなに謝らなくて、いい」
「でも」
「じゃあ、こうしよう。今からじゃ、もう登山は無理だ。一緒に山を下りて、どこか暖かい
所に入ろう。ファミレスでも喫茶店でもいい。そのときに何かおごってくれ」
彼女は呆気にとられたように口をぽかんと開けた。
「えっ、と……」
「駄目かな?」
彼女はしばらく固まっていた。
俺はそれを見て後悔する。彼氏持ちをこんな露骨に誘うのはさすがに調子に乗りすぎたか。
しかし彼女は目を何度かしばたいた後、やがて嬉しそうに微笑んだ。
「いいえ、喜んで!」
そのあと下山したはいいが、俺は体調を悪くして入院した。
体に入った菌が原因で白血球値が通常の二倍に増加したらしい。内臓が弱ってしばらく
点滴のみの生活を強いられた。
正直かなり苦しんだが、同じように水の中に潜った彼女は体調を崩さなかったので、
そのことは幸いだった。
それにいいこともあった。
彼女が俺を心配して、度々見舞いに来てくれたのだ。責任を感じたのかもしれないが、
入院費まで払ってくれたので、俺は逆に恐縮した。
ただ彼女が、あのときの指輪を着けているのを見て、やっぱり見つけてよかったと俺は
思った。
それは彼女の指には少し大きいようだったが、とても綺麗だった。
退院したら改めてお礼をさせて下さいと言ったので、俺はしばらく考えてから答えた。
「じゃああのときの約束を果たしてもらおうかな」
「約束?」
「喫茶店。温かいものでも飲んで、ゆっくり君と話したい」
彼女はきょとんとなったがすぐに華やいだ笑顔を見せてくれた。
あのときの不思議な香りを感じさせる、花のように綺麗な笑顔だった。
◇ ◇ ◇
「じゃああなたはずっと、私に彼氏がいると勘違いをされてたんですか?」
彼女が呆れた調子で尋ねてくる。
「いや、だって大切な指輪とか言われると、そりゃ彼氏からのものだと思うだろ」
俺は自分の指にはまっている指輪を見やる。左手薬指にはめられているそれは、二年前の
あのとき、俺が見つけた彼女の指輪だった。
「お祖父様の形見ですもの。大切なものです」
「いや、確かにサイズ合ってなかったし変だとは思ったけど、普通は勘違いするぞ」
「男の人とお付き合いしたのはあなたが初めてです」
「で、唯一の相手になるわけだ」
彼女は照れたように肩をすくめた。
「でも、本当に俺がもらってよかったのか? 大事な形見なんだろ」
「お祖父様は『お前の大事な相手にでも贈ってやれ』って言ってました。私はあなたに
つけていてほしいんです」
「形見が結婚指輪になるとは、お祖父さんも思ってなかったんじゃないか」
そうかもしれませんね、と彼女は笑う。彼女の左手薬指には俺が贈ったダイヤの指輪が
ある。
俺と彼女は険しい山道を歩いている。結婚後、初めてのデートは、二年前にできなかった
山登りだった。場所もあのときと同じ山だ。
「もうそろそろかな」
俺たちは川に沿って進む。水で滑りやすい岩肌を慎重に歩いていく。
しばらく進むと、ようやく見えてきた。
あのときと同じガラスのように滑らかな滝が、変わらずそこにあった。
「こうして落ち着いて見ると、綺麗だな」
「そうですね」
彼女が寄り添ってきた。甘い花のような香りが鼻孔をくすぐった。
「あのときと同じ香水だな」
「え?」
彼女が不思議そうに俺の顔を見上げた。
「この匂いが滝の方からしたから、俺はあのときここまで来たんだ」
俺の言葉に彼女が驚く。
「確かにフローラルにしては強い香りですけど……そんなに匂いました?」
「いや、なんか違和感みたいなのがあって、それで香りに気付いた」
「そ、そんなにたくさんつけた覚えはないんですけど……」
恥ずかしそうにする彼女を見て、俺は小さく笑んだ。
「ひょっとしたらこの滝が俺たちを引き合わせてくれたのかもしれない」
くさい台詞だが、彼女は結構こういう言い回しに弱いのだ。だから俺はわざとそういう
言い方を選ぶ。
「……」
彼女は顔を赤くして黙った。
が、しばらくして何かを思い出したのか明るい表情になった。
「確かに──私たちが一緒になったのは運命だったのかもしれませんね」
「? なんだよ急に」
「この香水、アマリージュって言うんですけど、どういう意味だと思います?」
アマリージュ。聞いたことのない単語だったので、俺は首を振った。
「さあ……なんて意味なんだ?」
彼女はとても嬉しそうな顔で、答えた。
「『愛と結婚』、ですよ」
以上で投下終了です。
短い話でちょっとキングクリムゾンまでしてますが
変化球な新婚さんということで。
感心しきり、、、としかいいようがないw
かおるさとー氏…………
GJ!!!
さすがとしか言い様がない…
まさかこんなネタになるとはwwwww
>>171 GJ!
「こんな話の展開もアリか」と思わせる良い展開でした
しかしあの書き込みがこうなるとはwww
続きを期待するのは、我がままですよね・・・
大樹と穂波を書いてる者です。
イエスノー枕編というのを書いたので投下させて下さい。
エロはなしです。
9スレお借りします。
昨日から気になってるものがある。
それは大樹が友達の結婚式の二次会のビンゴゲームで当ててきた景品。
酔っ払って帰ってきた大樹はすごく上機嫌で、結婚式が楽しかったという事を何度も繰り返して、
満足するとぱたっと寝てしまった。
昨日は久しぶりにかなり飲んだみたいで、せっかくの日曜日なのに今日は朝ご飯も食べないでうんうん唸ってる。
二日酔いになった時の大樹は、自業自得だっていうのに大抵機嫌が悪くなるから、
景品は何?って聞けないでいる。
一度包装を取ったらしくて、袋を覗いたらクッションみたいなものが二つ見えたんだけど、
人の貰ってきたものを勝手に漁るのは趣味じゃないから、中身はちゃんと見ていない。
だから余計に気になるんだけど。
結婚式の景品にクッションてあんまり聞かないよね。
二つっていう事は新郎新婦さんが持って行くようにペアのクッションだったのかな。
でもクッションにしたらやけに小さい。
という事は……枕?
でもあんまり寝心地は良くなさそうだったなあ。
朝ご飯の片づけも洗濯も終わっちゃったから、テレビを見ながらあれこれ考えてみたけど、
いまいちすっきりした答えが思いつかない。
リモコンでチャンネルをあちこち回してみるけど、たいして面白くもないし、
大樹は寝てるし、袋の中身は気になるし、
「あー、もうっ!つまんないー!」
テーブルの上に手を伸ばして、今の心境を思い切り口にしたところで後ろから大樹に声をかけられた。
「なに?どした?」
身体を起こしてそっちをみると、まだ眠そうで頭痛の取れてなさそうな大樹が頭をかきながら立っていた。
「あ、大樹、おはよう」
話し相手が起きてきて、気分がぱっと明るくなる私。
うーん、我ながら単純だな……。
「おはよ。……あ〜……水ちょうだい」
「自分で取ればいいのに」
どうせ立ってるんだし。
「けちー」
「はいはい、けちで結構です」
「穂波の入れた水だから美味しいのに」
料理ならともかく、ペットボトルに入ってる水をコップに移すだけで味が変わる訳ないじゃない。
「代わりにお薬取ってあげるから、文句言わないの」
コポコポとコップに水を注ぐ音を聞きながら、椅子から立ち上がって私は食器棚の方へ。
薬を置いてある棚から、二日酔いに効く粉薬を取る。
「それ、苦いから嫌いなんだよなあ」
大樹がコップに口をつけて、しかめっ面を作る。
苦い薬が嫌だなんて、なんだか子供みたいでちょっと可愛い。
でも、代わりに私はちょっとお母さんみたいな口調になってしまう。
「良薬口に苦し、って言うでしょう?
飲まないと、いつまでたっても頭痛いの治らないよ」
「はーい」
お母さんに返事をする小学生みたいに素直に返答する大樹。
まだ子供がいないのにお母さん化してきてるのかな。
それは嫌だな……。
大樹は薬を口に含むと、ものすごく苦そうな顔をした。
薬を飲んでない私まで、あの苦い粉が口に広がって喉の奥に張り付いてきてるような気になってしまう。
水を大量に流し込んでどうにか飲み込むと、大樹は、
「うえ〜」
と更に顔をゆがめた。
「にがっ」
私が思わず呟くと、
「お前は飲んでないじゃん」
と笑われた。
でも、笑ってくれたということは二日酔いはだいぶ軽減してきてるんだよね。
いつもは頭痛が取れるまでずーっと機嫌悪いもんねぇ……。
「大樹、ゆうべは楽しかったみたいだねぇ」
「うん。途中から記憶が微妙だけど、楽しかったということは覚えてる。
けど、三次会はほとんど合コンノリでさ。新郎新婦そっちのけで、みんな女の子捕まえてしゃべってた」
「ふーん……」
それはなんだかとても面白くない話だ。
女の子と話すなとは言わないけど、合コンノリってどうなの?
ちょっとエッチな話題とかで女の子をきゃー!とか言わせて楽しんでたわけ?
私が一人でお笑い番組とサスペンスを行ったり来たりしてた時に?
浮気するとか思ってる訳じゃないけど、でもねえ……?
「穂波ぃ〜」
テーブルに手をついて、大樹の話を適当に聞き流してテレビの方を見てたら、
大樹がにやにやしながら私の肩をつついてきた。
「なに?」
「やきもち?」
「は!?なんでっ?やきもちなんてっ、妬く訳ないじゃん!」
と言ってはみたけど、明らかに動揺してる。
大樹にも完全にばればれだった。
「ほっぺが膨らんでたぞー」
そう言いながら、ほっぺたをつついてくる。
「もー……」
その手をぺしっと払ってどうにか誤魔化そうと無駄な努力をする。
「大樹は合コン好きだから、病気うつされてきたら困るな、ってちょっと心配しただけ。
やきもちじゃありませんー」
でも、今度は言ってる自分に腹が立ってきた。
この言い方じゃ、病気がうつらなければエッチしてきてもオーケーみたいじゃない。
大樹と自分の両方にぷりぷりしてると、大樹は横からぎゅっと抱きついてきた。
「俺はずっと田口としゃべってたから、安心して。な?」
「はいはい。田口さんに確認取ったりしないから、そんな言い訳しなくても結構です」
ほっぺたに寄ってきた唇を回避しようと顔をそむけたら、耳をぱくっとやられた。
「ひゃ!」
「ほーなーみー。俺はね、二次会でイエスノー枕をゲットしてしまってから、
ずっと穂波のことしか考えてなかったんだぞ?」
「イエスノー枕?」
急に出てきた単語に、腹立たしさがどこかに身をひそめた。
「うん。イエスノー枕……あれ?俺、昨日、あれ見せなかった?」
私の不思議そうな顔を見て、今度は大樹が不思議そうな顔をした。
「あれ、って?」
「二次会の景品」
「見てないよ。大樹、ゆうべはさんざん結婚式と田口さんの話して、その後寝ちゃったもん」
「あれ、そうだったんだ」
「覚えてないの?」
「帰ってきて穂波としゃべったのは覚えてるけど、何しゃべったかはあんまり」
あれだけ酔っ払ってたらそうかもね。
ちょっと呆れて軽くため息を吐いたけど、大樹はそんな私に構うことなく、
「なら、お部屋へゴー!」
と、私に抱きついたまま、四畳半を指差した。
「はいはい」
離れる必要もないから、二人でくっついたまま短い芋虫みたいによちよち歩いて寝室へ。
部屋に入ると、大樹はやっと私から離れて紙袋を手に取った。
「見なかったの?」
「だって大樹のもらったものだもん。勝手に開けたりしないよ。
でも、何かな、って気にはなってた」
「引き出物は開けてあったのに?」
「あれは大樹が自分で開けたの」
「……そう言えばそんな気もする」
大樹は昨日のことを思い浮かべるみたいに天井に視線を向けて、袋に手を突っ込んだ。
それから、急に嬉しそうな顔になって、
「ちゃららっちゃらーん!イエスノーまくら〜」
と、某ネコ型ロボットのまねをして、ちょっと小さな枕を二つ取り出した。
確かに枕にはそれぞれ、赤文字で”YES”、青文字で”NO”って書かれてる。
でも、
「それって何?」
「オオオオオ〜。穂波サーン!アナタ、いえすのー枕ヲ知ラナイノデスカ〜?」
片手に袋、片手にイエスノー枕を持ったカンザス出身の大樹サーンが肩をすくめた。
「……イエース。ワタシハソレガ何ナノダカ分カリマセーン」
大樹の乗りに合わせて肩をすくめて首を横に振ると、大樹は枕を敷きっぱなしのお布団にぽいと放り投げた。
ついでに袋は足元に落とす。
それから例のやらしー眼差しで私を見ながら、両肩にぽん、と手を乗せて、
「穂波。あれはな、夫婦生活を円満にするアイテムだ」
と教えてくれた。
「……今のところ十分に円満じゃない?」
「更に、だ」
なんとなく何に使うか想像がついてきた。
「あー……そう。じゃあ大樹が使ってみて?」
「俺が使ったら毎日イエスだもん。
まあ、現実的には一日おきくらいになるだろうけど」
やっぱり……。
そう言えば、新婚さんを招いて根掘り葉掘りあれやこれや聞き出す番組の景品にこんなのがあった気がする。
どう返したら使用しなくて済むかを考えてたら、
「たまにでいいから、これで誘ってほしいなー」
とおねだりされてしまった。
まずい、大樹のペースだ。
でも、私はうまく返せない。
「さ、誘うって……」
「エッチしたいなーって思ったら、これ布団に置いといてくれればいいから」
「じゃあ、したくない時はノーを」
「ノーは捨てよう!」
「それじゃあ、二つある意味が……」
「じゃ、体調悪い時はノー使っていいから」
「で、でも、私、基本的に大樹がしたい時はオーケーしてるでしょ?」
「じゃなくて、穂波がしたい時にアピって欲しいんだって」
ううっ……。
そういう気持ちになることがない訳じゃないけど、そういう雰囲気じゃない時に自分から誘うなんて、
エッチが好きみたいじゃん!
「な、穂波。たまーにでいいからさ。
お遊び程度にさ。な?」
顔を近づけてきて、ちょっと優しい顔と甘えた声でおねだりする大樹。
こうされると私が断れないって分かっててやってるんだから、
「大樹ずるい」
「ずるくない。穂波に誘ってほしいだけ」
軽くちゅって唇を吸われた。
「私、エッチするの、嫌って思ったことないよ?」
「うん。けど、穂波からしたい、って言ってくれたのって一回だけだし、あん時はそういうノリだったし」
あん時っていうのは、初めて一緒にお風呂に入った時のことだよね。
その時のことを思い出したら、すごく恥ずかしくなってきた。
「あの一回だけじゃダメ?」
「ダメじゃないけど、普通の何でもない時に」
「浮気しない?」
うわっ!こんなこと聞く気なんて無かったのに!
恥ずかしくて思わず大樹に抱きつくと、大樹は頭を撫でてくれた。
「しーなーい。する訳ないだろ。
もう、この先お前だけだって」
「うん……」
口で言ってもらっただけなのに、すごく安心して頷くと、ぎゅっと抱きしめられた。
「わっ!」
「あー!もーっ!かわいいな!こんちくしょうっ!」
「え、えええ??」
大樹の腕の中でじたばたしてみたけど、離してもらえない。
諦めて大人しくすると、大樹は頭に頬ずりしてきて、
「やっぱり、うちの嫁が一番だよなー」
と言ってくれた。
言ってくれたのは嬉しいけど、ちょっと苦しい。
それに、こんなに抱きしめられてそんなこと言われたらなんて言うか……ちゅーはしたいなーとか、思っちゃうじゃん。
「だ、大樹……」
「あ、ごめん。つい」
やっと離してくれた大樹を見上げると、少しだけ赤い顔をしてるように見えた。
枕、使ってもいいよ、って言ったら、きっとバカみたいに喜ぶんだろうな、って思うけど、
でもそうやって喜んでくれる大樹の顔が見たかったから、私は思い切って口を開いた。
「あのね、枕、……つっ、使う?」
「マジでっ!?」
予想通りの反応。
大樹はいつも私に色々お願いするくせに、私がオーケーするとこうやって感動してくれちゃう。
嬉しいのとおかしいので笑うと、
「何で笑うんだよ」
って今度は膨れっ面になった。
「内緒」
大樹の横をするっと抜けて、私はお布団に落ちてた枕を拾った。
エッチしたい気分というのとはちょっと違うけど、大樹とくっつきたいな、っていう気持ちになってたから、
拾ったのは赤い字で”YES”って書いてある方。
綿しか入ってないらしくて、ふわふわしててすごく軽い。
ホントに旦那さんにオーケーを出すためだけに存在してる枕なんだ、と思ったらちょっとおかしくなった。
まだお昼だけど、大樹は起きたばっかりだけど、いいよね。
「ね、大樹……。
あのね、今使うのって……あり?」
振り返って枕の文字を大樹に見せる。
一瞬静止した大樹だったけど、次の瞬間ぎゅうって抱きしめてくれた。
しかも無言で。
「……そんなに嬉しいの?」
「うん。すっげえ嬉しい。
俺もこんなに嬉しくなるって思ってなかったけど」
笑いながら大樹はほっぺたにキスをくれたから、お礼に同じようなキスを返す。
「じゃあ……、また使うようにするね?」
大樹からのお返事は唇への優しくて甘いキスだった。
(了)
すみません。
>>176、9スレじゃなくて、9レスでしたorz
いつもありがとうしっかり読ませてもらいました
リクエストいいですか?
ラブホ編お願いします
GJ!!
大樹も穂波もかわいいよー
リクエストなんかしなくたって書いてくれるさ……
GJ!!
ちょっと結婚相手探して婚姻届出してくるわw
なんてハピネスな雰囲気なんだ
いいなぁ
ほし
がき
のつかい
大樹&穂波シリーズ新作ありがとう!!
何ですかもうこの二人は!!
いいなーこの幸せモノめ!
こんな夫婦ならいい。理想だ。
195 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:54:51 ID:rKsA3afD
196 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:55:43 ID:qo5UBjhd
大樹と穂波きてたー!!!
こういうエロ無しの日常のやり取りも大好きだ。読んでて幸せになるよ。GJ!!
サ○ダマ○ト
200 :
元ヤンデレ:2008/09/23(火) 23:34:41 ID:b9mATXr4
夜勤明けは妙な高揚感がある。
明け方の寒さに若干気持ちが萎えながらも、スキップでもしそうな勢いだ。
おっぱっぴーなんて言葉はこういう気分の時に思いつくんだろう。
帰宅してドアを開ける。
電気は点いてないが、窓から差し込む日差しでどこに何があるかはわかった。
仕事仲間と飯も食った。風呂は後でいい。今は寝るだけだ。
とにかく眠い。瞼がヘドロ化している。
だが寝るべく寝室へ侵入すると、そこにはわざわざ俺の掛け布団に抱きついて眠る女がいた。
えーいどけ。邪魔だ邪魔だ。
「ん〜……」
俺にゴロンゴロンされても一向に目覚めない。ただ仰向けになっただけだ。
俺は仕方なく視姦をはじめる。
寝ている女性のどこを見るか。寝顔?いいえ、胸です。
寝顔は間違いなく可愛い。赤ん坊のようで、小さく開いた口なんてちゅっちゅしたい。
でもそれ以上に気になるのが爆乳。
あれは高校時代だっただろうか。女子の体育を眺めて、このパツンパツンになった胸を見て初めて
でかいなあと実感したものだ。他にも大きい女子はいたが迫力までは感じなかった。
そのでかい胸がパジャマに皺を作っている。というかボタンが思いっきり引っ張られてる。
俺は嫁の前をはだけた。饅頭がこぼれ出る。
お椀型の肉が胸に溶け込んでて、真ん中に花みたいな朱色の粒。紅白饅頭だ。
見事な胸としか表現できない。さらに凄いのは、彼女は巨乳だがぽっちゃりではないという事だ。
俺は巨乳の子は皆どこかしらふくよかなもんだと思ってた。
でも彼女は違う。まず脚が細い。細くてすっと長くて、でも適度に曲線を持ってる。
踏みつけられたい足だ。高校の頃からそう思って、毎日ずーっと見ていた。
友人によくそれを咎められたりした。
その頃、この女――紗江(さえ)は地元でも名高いレディースだったから。
201 :
元ヤンデレ:2008/09/23(火) 23:35:58 ID:b9mATXr4
ダルンダルンという騒々しいエンジン音が紗江が来た合図だった。
俺の学校に面した公園がレディースの溜まり場で、彼女もよくそこでメットを脱ぎ一服していた。
胸元の開いたライダースーツは刺激的なんてもんじゃない。
他の連中のように髪を染めることはせず、長い黒のストレートで、遠目にも艶があった。
ちょうどアジエンスのCMみたいに。
髪を大事にしているのは明白で、俺の「彼女は実は真面目」説の根拠でもあった。
俺は彼女が来るたびに窓から凝視してた。
「女眺めてる暇があったら勉強しろ!」
他にも見ている奴はいたろうに、俺だけ教師に茶化されたりした。それだけ必死だったんだろう。
紗江も俺の視線には気付いているらしく、たまーに俺に向けて挨拶らしき仕草をしてきた。
鼻で笑ったり、手を小さく上げたり。
彼女は毎日噂されていた。いっこ上らしいとか、昨日どこそこで喧嘩してたのを見たとか。
わりと真面目な生徒が多かったから、そういう事が珍しかったのもあるんだろう。
女子はどうだか知らないが、男子には結構ファンがいた。
黒髪で巨乳で美脚、顔はしっかりしていそうなお姉さん系。そりゃ人気もでる。
その地域での喧嘩はいくつかある公園と相場が決まってたから、喧嘩の噂を聞くたびに
俺みたいな奴が群がってた。
単に紗江の喧嘩が凄いってのもあるんだろう。
女の喧嘩っていえば髪を掴んだりビンタしたりぐらいが殆どだが、紗江のは本当に格闘技だ。
相手の腹へミドルキックをかましたり、時にはハイキックだってやった。あれは股を鍛えてないとできない。
紗江は結局、一度も負けることはなかった。
相手は素人だから、紗江が数発蹴りを入れたらただの女の子になる。
紗江はその辺の思春期男子ほとんどの性欲の捌け口だった。もちろん脳内に限ってだ。
ただ一人、俺だけは露骨に興奮を表していたけれども。
202 :
元ヤンデレ:2008/09/23(火) 23:36:41 ID:b9mATXr4
昔を思い出しながら、俺は紗江の身体を揉む。
今やただの専業主婦だが、やはり身体を動かさなければ落ち着かないらしく、週に何度かジムで鍛えているようだ。
そんな紗江の身体はやっぱり凄い。
腹筋は固く締まっていて無駄な肉がほとんど無く、足は寝ていても肉が余らない。
こんな身体を見たら、いわゆるグラドルがどれほどゆるい体に見えることか。
でも鍛えられていても柔らかい所は柔らかい。
乳房はやっぱり脂肪の塊で、掌の中でいいように形を変えた。
俺はそんな乳房を口に含み、干し葡萄のような先っぽを舌で転がす。
ミルクもでないし、甘い声もしない。でも飽きずにしゃぶるうち、明らかに固さを増していくのが面白い。
乳首を転がしながら右手を伸ばす。
つーっと腹と臍を撫でていく。その瞬間、ぴくっと紗江の腰が反応した。
ははぁん、こいつ起きてるな。
ほぼ確信しながらパジャマのズボンを下ろしに掛かる。粉が掛かったような感触の薄いパンツをずらし、
やっぱり薄めの若草を掻き分けてなかに指を沈ませる。
中はよく濡れていた。ちょっと激しく指を抜けば迸りそうなほどに。
ちらっと嫁をみると、先ほどより少し顎を浮かせて目を閉じている。
寝たふりをしているつもりだろうか。
ええい強情な奴め。俺はなけなしのサドっ気で乳首を吸いながら中を弄繰り回す。
ここがええのんか。ここがええのんか。そんな事を考えながら。
胸からかあそこからか、物凄く甘酸っぱいエロい匂いが漂ってきて勃起してしまう。
眠気はもう全くない。
汗を掻いて微妙に息苦しくなってきて、でもまだまだと責め立てる俺は実はSかもしれない。
嫁も嫁で、たまに腿が動いたり足先を握ったりしてるのに気付かれないと思うんだろうか。
俺は無抵抗をいいことにたっぷりかき回してやる。たぶんGスポットと言われる辺りを撫で回すように。
あんまり痛くすると後で怖いのでソフトに押し込む感じ。
そのまま何分がたったろうか。
「んあああううっっ!!!」
嫁が叫んだ。
特に激しくもしていない。半ば作業のようになってた時に、いきなり。驚くのは俺だ。
「おやお目覚めでふk…」
俺の朝の挨拶は頬をつねられて遮られた。ここからはお待ちかね服従のターンだ。
203 :
元ヤンデレ:2008/09/23(火) 23:37:34 ID:b9mATXr4
「い・つ・ま・で!やってんのよッ!!」
紗江はさらにもう片方の頬までつねってくる。あっち向いてホイかよ。もっとやれ。
「何だよー、イキそうになったからって怒んなよぉ」
俺はニヤけながらかますと嫁の表情が固まる。
この感覚がたまらない。地雷原にジャンプで飛び込むようなこの空気。
「―――!!」
眉間に皺を寄せてつねってくる嫁。怪力強力、腕相撲では両手でもたぶん勝ち目がない。
いいい痛いですマジでちょっと怒らせすぎtかぁええ
※
ティッシュを取って下を拭う嫁を、後ろからじーっと見てやる。
「見るな!」
紗江はくるっとこっちを向いて丸めたティッシュを投げつける。いい肩だ。
だが美女の愛液まみれの紙なぞ嫌がらせにもならない。思わず一部分にバットを拵えてしまった。
「うう…ごめんよごめんよ」
俺は怒ったらしい紗江に背後から抱きつく。
「ああ、もう馬鹿重い!んで堅いモン擦り付けんな!!」
紗江は俺を布団の上に投げ捨てて言った。やっぱり強い。そしていいツッコミだ。
にやける俺に嫁は腰に手を当てて溜息をつく。
「夜勤明けだよね、何か食べたの?」
俺をじとっと見下ろしながら言う。ここからは嫁モードか。
こういうやや真面目な時にキミを食べ損ねたとかふざけると叩かれるから難しい。
俺は真面目ーに答える。
「そ。じゃあもう寝たら」
紗江は壁に寄りかかった。変に優しい笑みを浮かべている。
「え、なにその笑」
「寝・た・ら?」
紗江は満面の笑みで俺を転ばす。筋肉さえあればこんなスレンダーに。くやしいっ
204 :
元ヤンデレ:2008/09/23(火) 23:38:07 ID:b9mATXr4
哀れな俺は一瞬でパンティを取り去られ、八分勃起の逸物を空気に晒す。
紗江がそこにのしかかって一気に皮を剥いた。
「ふふ、きったなー」
紗江は俺の先端に溜まった糸くずのような恥垢を指で摘む。えらく恥ずかしい。
ひとしきり掃除が終わると、俺の敏感な粘膜は彼女の口に咥えこまれた。
結構溜まってるから亀頭に舌が触れるだけでやばい。
「ほらぁ、早く寝なよぉー」
嫁は舌先と指で逸物を責めながらこっちを見上げる。その目つきが一番クる。
何しろ彼女はずーっと俺の理想だったから。
おまけに実態を知った今、もっとずっと理想になったからだ。
「うあ、うああ」
俺はそんな情けない声を断続的に上げる。
唾液で全体をじゅるじゅるにして指でカリを擦られ、玉は結構な力で握り込まれる。
耐えられるわけがない。
腿が跳ねて足先を無意識に曲げてしまう。
美人の嫁に逸物を食われる。そのイメージが俺のマゾッ気を焦がした。
でも俺は知っているんだ。コレで逝かされることはない。
唾液を垂らしまくっているのは、それを指に絡めて後ろの穴に差し込むためだ。
「う!」
指を差し込まれた瞬間、いつも叫んでしまう。そんなに太いわけではないのに女性の指は格別だ。
「うわ、締め付けてくる。まだまだ初々しいねぇ」
紗江はそんなことを呟きながら長い指を奥へ奥へと送り込んでくる。汚辱感がハンパじゃない。
「あああ、あああああ!!」
ナニを摘み上げられ、排泄の穴をくじりまわされて俺はのた打ち回る。
どの快感も名状しがたい。でも一番快楽を押し上げるのは、そんな俺を心から愛しそうに見つめてくる嫁自身の瞳だ。
冴えない俺が彼女を射止めた唯一の資質、それは俺が誰より彼女を好きだった事だ。
レディースの取り巻きに詰め寄られても彼女を見に行く事をやめなかった。とにかく絡みに行った。
彼女は、それがとても嬉しかった、と初夜の夜に泣いた。
俺ほど甘えたがる男も少ないだろうが、彼女ほど甘えられたい女性もきっとそういない。
そんなことをふと思った、三年目の夜だった。
終
元ヤン(キー)が今はデレ
ってことでないかい。
GJ
元ヤンキーでデレかw
208 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 11:17:41 ID:ymr1nGMp
アッーーーーー!
ほ
ん
211 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 01:54:02 ID:qsnyaT8N
ほ
゜
はつこうかい
結婚からはじまる恋もある。
何気なく寄ってみたがいいスレだな
巡回スレに加えとこう
大樹×穂波シリーズ、楽しみです。
大樹の携帯に会社の女の子から電話がかかってきて、穂波が嫉妬しちゃうー
ってのはどうでしょう?あんまり嫉妬深いのはやだけど。
片っぽ目線じゃなくって、二人それぞれの目線で書かれているのがうれしいです。
恐妻家になるまでの軌跡とかって面白そうだよな…
もしくは、鬼嫁をベットの上ではデレさせるとか…
218 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 16:27:34 ID:/wxUMvoE
保守
お互い敬語の夫婦とか好き 保守
政略結婚でお互いに面識の無いまま結婚されられ、
ギクシャクした夫婦生活を送ってた二人が徐々に惹かれあい…
ってのが大好きです
頑張ってくれたまえ
投下します。
―こんなはずじゃなかった。
湧き上がる後悔と自責の念を抑えつけながら車を飛ばす。
学生時代から女性関係には事欠かなかった。
学業でも運動でも人の遥かに上に立ち、加えて雑誌に載るようなモデル並みの容姿を持っていることも自覚している。
同時に複数の女と関係を持っていたことも何度かある。
それは社会人となっても変わらない。一流企業の肩書きを使い、様々な女と一夜限りの関係を楽しんだ。
その大企業の会長から直々に、孫娘との縁談の話が持ち上がったのがつい2ヵ月ほど前。
正直願ってもない話だった。相手は大企業の令嬢、結婚が決まれば将来は安泰、金も地位も思いのまま。―いわゆる逆玉というやつだ。
何でも偶々会社に来た時に見た自分に一目惚れし、祖父である会長に強引に頼み込み今回の縁談を実現させたらしい。
縁談はあっという間に纏まった。相手への感情などは二の次だった。
彼女の名は福永皐月(ふくながさつき)。年は自分の5歳下。決してスタイルが良い訳ではなかったが、艶やかな黒髪と白い肌が印象に残った。
そして、祖父が彼女に贈ったという屋敷―その偉容さからいってこう呼ぶのが相応しいだろう―での彼女との生活が始まった。
程なくして、その生活は破綻する。
彼女はれっきとしたお嬢様ではあるが、甘やかされて育った、ということは全く無い。炊事でも洗濯でもおおよそ良妻賢母の務めは全てこなした。
しかし、何度言っても敬語で話すことを止めず、家の中では常に和服を着る。それが、家の伝統。そう言われた。
元々金目当てだったのもあるが、奔放に生きてきた自分にとってはそういった伝統や形式といったものは何よりも我慢ならなかった。
何かにつけいちいち敬語を使われると、その度不快感を覚えた。
元々金目当てだったのもあるが、やがて会話するのも煩わしくなり、家にいる時間は確実に減ってゆく。
性交渉は新婚初夜の1度だけ。処女であったので最上級に優しく抱いたが、それから彼女の方から求めてくるようなことも無い。
そんなことは別にどうでもよかった。
これは金の為、自分の為だけの結婚。彼女がどうなろうと関係ない。
そのはずだった。
そのはずだったのに。
1週間近く家を空けて帰って来た時、激しい罪悪感の様なものが胸をえぐった。
食卓に置かれたまま冷たくなった夕食をみて、心が苦しくなった。
他の女を抱く時にも、彼女の顔がちらついて行為に集中出来ない。あれほど派手だった女性関係は狭くなり、付き合いがあるのは1人だけになった。
最近ではもう、ふと気付くと彼女のことを考えてしまっている。何人もの女と付き合ったが、こんな感情は初めてだった。
直接会ってこの感情を話すことが憚られた。なぜか申し訳なくて、顔を合わせることができない。
会社が終わると、家には帰らず適当なホテルに泊り、特に何もせず無為に朝を迎え、そこから出勤する。
そんな、傍から見ればおよそ馬鹿げたことを毎日のように続けた。
そして今日、事は起こった。
久々に家に帰って来た夕方、彼女はいつになく深刻な顔で出迎えた。
『信哉さん』
『...何だ?』
会話するのは5日ぶりだ。
『昼間あなたの部屋を掃除してたら、こんな物を見つけました』
差し出されたのは1枚の写真。写っているのは、俺と・・・いわゆる浮気相手の女。
『どういうことなんですか。ちゃんと説明して下さい』
『どうってことはない。皐月には関係無いことだ』
『ふざけないで下さい!』
突然、激しい怒りを露わにする。彼女がこんな風に感情を表に出すのは初めてで、少し面食らった。
『おかしいです。毎日毎日帰っても来ず、連絡もせず。
挙句の果てに、他の女の写真が出てきても関係無いなんて...こんなの絶対おかしいです!
夫婦なんです...私もっと信哉さんのこと知りたい、分かり合いたいのに...
こんなの...ひっく...まるでもう他人じゃないですか...
こんなの...夫婦じゃ...ないです...おかしいです...絶対...っく...』
言葉にならず、嗚咽を漏らし続ける。
寄り添ってやりたかった。髪を撫でてやりたかった。だが、口から出たのは拒絶の言葉だった。
『...そうかよ。
じゃあ、本当に出て行ってやるよ。お前の言う伝統とやらにも嫌気が差してたんでな。丁度いい機会だ』
『!待って、待って下さい!お願いです!』
『放せよ!』
縋りつく腕を乱暴に振り払う。
『待って下さい!待って...お願いです...おね...がい...で、す...から...』
泣き続ける彼女を無視し、荒々しく扉を開ける。ガレージに行き、全速で車を発進させる。
胸の奥では罪悪感が燃え続けていた。
なぜ、こんな事になったのだろう?ぼんやりと考える。
変に拒絶するような態度を取らなければ良かったのか。いくら考えても答えは出ない。
伊達に大勢の女と遊んでいた訳ではない。女が取り乱すのは見慣れている。この程度の修羅場は何回も経験しているのに。
去り際の泣き声が頭から離れない。どうしようもなく苛々する。
・・・くそっ!
やがて、ある高級マンションの前に付く。慣れた足つきで階段を上り、目的の部屋のインターフォンを鳴らす。
「はい〜?」
「俺だ」
「あ、信哉?待ってね今行くから」
ノブがガチャガチャと回され、こざっぱりとした印象のやや長身の女性が顔を出した。
名前は岡部香央里(おかべかおり)。大学時代からの腐れ縁で、今では唯一の浮気相手、そしてあの写真の女。
「どしたの?連絡もなしにいきなり」
「...せろ」
「え?」
「やらせろ。今、イライラしてんだよ」
「へ?あ、ちょっと、ちょっと待って!」
抵抗を抑え込み、玄関の床に無理やり押し倒す。服の上から、乱暴に胸を揉む。
皐月のは、こんなに大きくはなかったな。
そこまで思いついてはっと気付いた。俺は何故こんな時でも、あいつのことを考えている?
しかし一度脳裏をよぎると、思いは濁流のように押し寄せる。
一度だけ抱いた夜の記憶が鮮明に蘇る。上気した、雪のように白い肌。不安げな黒い瞳。
不安で押し潰されそうだから、ずっと手を握っていてほしいと言った時のこと。
皐月。皐月。皐月。・・・
「皐月っ」
しまった、と思った時にはもう遅かった。・・・思わず名前を口にしてしまった。
「あ...」
躊躇した隙に香央里は俺の体から逃げ出し、口を開く。
「はぁ、はぁ...ねぇその皐月ってさ、アンタの奥さんの名前でしょ...一体何があったの?ちゃんと話してよ」
洗いざらい、全て話した。言い争いをして家を飛び出してきた事。
会話が煩わしくて、家に寄り付かなくなった事。それなのに、彼女を忘れられない事。
2つ年上のせいもあるんだろうか、この人には何もかも話してしまって良い気がした。
「...おかしいんだよ。さっきだって、最中なのに、あいつの...顔が思い浮かんで、思わず声に出しちまった。
正直こういう気持ちは初めてなんだよ、どうしたらいいか分かんねえんだよ...」
そこまで話すと、彼女はしばらく呆けたようにしていたが、やがて大きな溜息をつき、
「アンタねぇ、バカでしょ」
「...何だと?」
「バカって言ったのよ、バカって」
「何の理由があって―」
「好きなんでしょ、彼女のこと」
予想は付いていた。自分の感情がそう呼ばれる類の物であることは、なんとなく。
「好きっていうか、もう完全に恋しちゃってるわね。
大体ねえ、他の女としてる最中にその子の名前を呼んじゃうってねぇ...。どう考えてもその子のこと好きなんじゃない。
そんで、好きで好きでたまらないからわざとつれない態度をとっちゃうーって感じ?中学生並ね」
好き勝手に言われて、流石に怒りが湧いて来た。
「そりゃなんとなく気づいてたよ、そういう気持ちだってことは」
「じゃーもう素直に言っちゃえばいいじゃない、あなたが好きですだから仲直りしましょう―って」
「...今更言えるかよ!今までずっと拒んできたのに...」
「アンタねぇ、今まで散々女と遊んで来たんじゃないの?それともそういう話は全部嘘だったわけ?」
「嘘じゃない」
「だったら!女の扱いには慣れてるって、偉そうに言ってたじゃない。ちゃちゃっと素直に謝って、仲直りしてきなさいよ。
私なんか捨てちゃって構わないわよ。
それに...アンタら、夫婦なんでしょ。だったらなおさら早い方がいいわ、こういう亀裂を修復するのはね。
こちとら、その辺に関しては割とマジに辛い経験してんだからね?これは忠告よ」
彼女の言葉に、俺は思わず黙り込んでしまった。彼女は離婚経験者だ。・・・確か4年ほど前だと言っていた。
・・・俺は、皐月が好きだ。愛している。それは間違いない。今やっと、はっきりと気付いた。
だが、不安が残る。
もし、許してもらえなかったら。拒絶されたら?
「...今からでも、遅くはないのか?」
「大丈夫。まだ修復可能よ。でも、あと一歩遅かったら多分まずかったわね。手遅れになる前にこういう機会があって良かったわねぇ」
自分の気持ちを伝えよう。例え許してもらえなくてもいい。
・・・それが、こんな自分でも。夫として、妻にすべきことだろう。
「香央里」
俺は彼女に向き直った。
「はいはい」
「別れてくれ」
「えー、どうしよっかな〜」
「…………」
「そだ、手切れ金とか要求しちゃおっかな〜♪ 家、すごいお金持ちなんでしょ?」
「...おい」
「冗談よ。でもね、1つ条件があるわ。...幸せになりなさいよ?
もし、またノコノコ私の前に現れたりしたらその場で殴り殺すからね?分かった?」
「分かってるよ」
立ち上がり、玄関へ向かい、脱ぎ散らかした靴を履く。
「くどいけど、幸せになりなさいよ。...私の分までね」
「分かってるって。じゃあな」
少しだけ寄り添い、最後の抱擁を交わす。
「さよならだ。楽しかったからな」
そして俺は扉を閉め、妻の元へ向かう。
信哉が去った後、香央里は玄関でしばらく立ち尽くしていた。
(あ〜あ、行っちゃったか。またいい男見つけなきゃな)
靴を揃え、飾ってある花を少しいじる。
(それにしても奥さん、あんなに惚れられちゃうなんてちょっと妬けるわね。バカだったけど、割といい男だったのかもな...)
不意に、涙がこみ上げた。遊び、だと思ってたのに。
「バカ...」
しばらくの間、少し泣いた。
屋敷に向かい、全速で車を飛ばしながら考える。俺はいつから彼女が好きになったのだろう。
体を重ねた時からか。帰りが遅くなっても、きちんと夕食を作って待っていてくれた時からか。あるいは、初めて出会った時からか。
しかし、そんなことはどうでもいい。今の俺に出来ることは、ただこの思いを伝える。それだけだ。
スピードを上げつづける車とは対照的に、心はどこか晴れやかだった。
いちいちガレージに入れる時間が惜しい。車を屋敷の前に止め、中に入る。鍵は掛かっていなかった。
入ると、料理のいい臭いが空腹を突いた。こんな時でも、こんな俺なんかを、食事を作って待っていてくれたのか。
改めて、激しい罪悪感が胸を焦がす。
彼女はそのテーブルの上に、突っ伏すように眠っていた。
恐らく泣き疲れてしまったのだろう、顔には幾筋もの涙の跡が見える。
「皐月」
声をかけ、そっと揺り起す。
「ん...しんや...さん?」
「...皐月」
「...出て行ったんじゃ、なかったんですか。あの、写真の人の所に、行ってれば、いいじゃ、ないですか...」
「違うんだ。あの人とはたった今別れて来た」
「...え?」
「許してくれ。俺はバカだった。
素直になれなくて、今までずっとひどい態度ばかり取ってきてしまった。
でも、お前に言われて、頭を冷やして、やっと気付いたんだ。俺はお前を心から愛している。
言葉も、服装も、お前のありのままでいい。
これからの人生を、お前と共に生きていきたい。
名前だけの関係じゃなくて、もっと心から分かり合えるようになりたいんだ。
だから...お願いします。俺と、夫婦になってくれ!」
あまりにも遅すぎるプロポーズの言葉と共に、頭を下げた。
これまでの人生で恐らく最も長かった沈黙が続いた後、やがて言葉が掛けられる。
「...信哉さん、顔を上げて下さい」
何を―と思い顔を上げた瞬間。乾いた音が響き、頬に鋭い痛みが走った。
平手打ち、された。気付くには数秒を要した。
「許してあげます!」
そう言い放った顔には笑顔が浮かんでいた。そういえば、彼女のこんな表情は久しく見ていない気がする。
「それと、その、私も謝ります。
ずっと信哉さんと分かり合いたかったのに、臆病で...自分から話しかけること、しませんでした。
ごめんなさい。それと、その、私もちゃんと夫婦になりたいです...信哉さんと」
「ああ、一生、一緒だ」
俺たちはどちらからともなく抱き合った。彼女の温もりが、何よりも愛しい。
「そうだ信哉さん、ご飯食べましょう?お腹、空いてるでしょう」
タイミング良く、俺の腹が鳴った。
それがあんまりおかしくて、2人で笑い合った。
夕食は旨かった。こんな料理を食べす、毎日のようにコンビニ弁当で3食を済ませていたことを後悔する。
食べている最中、思わず涙が流れた。皐月はそれを母親のように服の袖で拭いてくれて、それがまた幸せだった。それに―
「ほら、信哉さん。あーん」
テーブルから身を乗り出し、煮付けを載せた箸を俺の眼前に持ってくる。
「...それを食べるのか」
「い、いやあのっ!私、ずっと信哉さんにこうしてみたくて!
...ダメ、なんですか?」
主人に叱られた子犬のように、しゅんとなってしまう。―反則だ。そんな仕草をされて、断れる男などいない。
「頂きます」
ぱくっ、と食いつく。やはり最高に旨い。
「美味しいよ。...ほら、今度は俺がやるよ。あーん」
今までの俺からは想像もつかない台詞だったと思う。だが夫婦になったんだ、これ位はいいだろう。
「へっ!?あ、ありがとうございます!あむ、ふふ、嬉しいです...」
結局、2人が食べ終わるまで、ずっと食べさせ合ってしまった。
何よりも穏やかで満ち足りた時間。今まで生きていて、最高に幸せだった。
皐月が沸かしてくれた風呂から上がり、喜びと幸せを噛み締めながら寝室に向かう。
部屋に入ろうとすると、突然腕を掴まれる。
「皐月?どうした?」
「そ、そのっ、そのですねっ!な、仲直りのしるしに、その...」
俯いた顔は、見たことも無いほど真っ赤に染まっている。
「その、お願い、します。...抱いてください...」
最後は消え入るような声で懇願する。
俺はそんな彼女を抱き寄せると、唇を重ねた。
「もちろん...喜んで」
あらかじめ敷いてくれていた布団の上で彼女を待つ。何故か、初めての時の様にひどく胸が高鳴った。
やがて姿を現した彼女の濡れた髪が、色気を持って揺れる。
「...し...信哉っ...さ...」
「おいで」
おずおずと、伸ばした手の中に収まろうとする。が、ふと動きを止め何か少し考えるような顔をすると、布団の傍に正座した。
「あの...改めて。...ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
そして頬を染め、深くお辞儀をした。俺はそんな彼女が、愛しくて愛しくてたまらなくなって―
「きゃあ!」
思いきり抱きつき、布団に引き込んだ。
体を強張らせる彼女を安心させるように、濡れた髪を撫で、小さな唇についばむようなキスを重ねる。
同時に、体全体をやわらかく、いつくしむように愛撫していく。
力が抜け、吐息が熱くなるのを見計らい、ゆっくりと寝間着を脱がした。
一糸纏わぬ姿の彼女は美しい。月並みな表現だが、新雪のような。本当に、白く美しかった。
すらりとした足。細いながら、わずかに女性らしい丸みを帯びた腰のライン。
大きくはないが形が良く、少し血管の青が浮き出た乳房。
初めての時は単に綺麗だとしか思わなかったが、彼女への愛情をはっきりと自覚すると、これほどまでに美しく見えるのかと思った。
「...そんなに見ないでください...恥ずかしいです...」
可愛らしい抗議の声を無視して胸に手を伸ばし、そっと揉みしだく。彼女の口から小さな悲鳴が漏れた。
「や、や、ん...はぁ...」
柔らかで、それでいて確かな弾力を持った感触。その感触が、少しずつ理性を壊していく。
ぴんと張りつめた先端を口に含むと、彼女の体が震えた。
「だ、だめです...っだめ...」
「どうして?」
少し意地悪に聞く。
「だ、だって...なんか変な声が...」
「構わないぞ...もっと出して欲しいくらいだ」
「え?あ、あん、あ、はぁ.........っ!」
先端への力を強め、同時に秘部への愛撫もゆっくりと始める。
始め微妙な湿り気しか帯びていなかったそこは、やがて粘りを帯びた雫を溢れさせ、その雫をつっと布団に垂らしてゆく。
「や...ぁ...あん、あう........はぁ...うう...ん...信哉、さん...」
彼女は押し殺すように嬌声を上げつつけていたが、ふっと糸が切れたように胸に倒れこんできた。
「本当は...」
「?」
「本当はもっと、いっぱいこういうこと、したかったんです...
初めての時、すごく優しく...その、してくれて...私、忘れられなくて...
でも、私、勇気、ないから...したいって、ずっと、いえなくてっ!
信哉さん、話かけてくれなくてっ、私、怖くてっ、ずっと勇気なくてっ!
ひとりで、慰めても、満たされなくてっ!
だから今、こうしてること...すごく嬉しい...嬉しいです...えっく...うれしいよぉ...」
最後は言葉にならず、涙を流し続ける。
「ごめんな、今までずっと...もうそんな思いはさせない。この場で誓うよ」
「信哉さん、信哉さん...っ...うわああああああんっ」
俺はただ泣き続ける彼女を、じっと抱きしめ続けた。
彼女が泣きやむのを見計らい、そっと声をかける。
「...そろそろ、いいか?」
「...っ...はっ...ご、ごめんなさいごめんなさい!私ったら、何て...」
「いいんだ。気にするな。...それよりいいか、そろそろ」
彼女の顔が股間に向けられ、すぐにさっと朱に染まる。
「優しく...して下さいね?...慣れてないので...」
「大丈夫だ...任せておけ」
少し躊躇ったが、すぐに思い直した。そして、高ぶった分身を彼女の秘部にゆっくりと押し当てる。
「.........つっ...う........」
「...平気か?」
初めてではないといえ、長い間男を受け入れることのなかった体。苦痛は避けることができないはずだ。
「...へいき、です...来て、ください...」
「すまない」
「謝らないで下さい...私が、望んだんです...だから、おねがい、します」
布をきゅっと握り、痛みを堪える彼女。・・・その気持ちには、答えなければならない。
ゆっくりと深く挿入していく。苦しみを和らげるため、最中はずっと髪を撫で続けた。
皐月の秘部が分身をきつく締めあげ、思わずこみ上げた射精感をこらえた。
「ん...はぁ...っく...ひとつに、なったんですね...」
「そうだな...」
互いに結合部を見つめ合う。初めてではないのに、不思議な感慨が湧いた。
「...いくぞ」
「...はい。きて、ください」
始めはゆっくりと、徐々に激しく、自らの分身を打ちつける。
その間にも、乳首や首筋、背中を思うままに愛撫し、深いキスを重ねた。
「ああっ...つうっ...信哉さん、しんやさんっ...」
「.........皐月っ!」
「っあああああああっ!!!しんやさんしんやさん...きもち、いいよおっ.........」
思うより遥かに早く絶頂がやってくるのを感じ、少し慌てて彼女から体を引き離そうとする。
が、彼女は息も絶え絶えながら、きつく抱きついて離してはくれなかった。
「...皐月?」
「...いいんです...私、信哉さんの、こども、欲しいの...だから...」
・・・この言葉で、理性は完全に飛んだ。強く抱き返し、互いに激しく体を打ちつけ合う。
「ああっ!信哉さん、...っあああああああっ!!!もっと、もっとぉ!きてぇっ!」
「つうっ...っ!」
我慢が利かなくなってしまった。
俺は熱い迸りを彼女に注ぎこみ、強く抱きしめる。
「信哉さん、す、き...っ...だいすき...」
「俺も...愛してるよ...」
彼女は疲れからか、そのあとすぐに眠ってしまう。俺も、髪を撫で続けながら、深い眠りに落ちた。
朝の光が差し込んでいる。そして隣には、温かい感触。
「ん...」
「あ...おはようございます」
「ああ...おはよう。...何してたんだ?」
「ふふ...信哉さんの寝顔、見入っちゃいました。可愛いんですもん」
「...やめてくれ...恥ずかしいだろ」
起き上がり、軽く目覚めのキスをしてやる。
ふと、ある事を思いつく。
「なあ、今日は2人でどこか行こうか。どこでも連れてくぞ」
「ええっ?いいん、ですか...?」
「仲直りの記念だ。仕事は1日くらい休んでも罰は当たらんだろ...それで、どこへ行きたい?」
「えーと、ううん...」
ちょっと、けれども真剣に考え込んだ後。
「やっぱり、信哉さんと一緒なら...どこでもいいです」
「.........」
「あ、今のなしですっ!忘れて、忘れて下さいっ!...そうですね、海の方がいいです」
「海か...ちょっと季節外れだが、江の島あたり行くか?」
「行きます!行きましょう!」
子供のようにはしゃぐ彼女。そんな姿は、心を躍らせた。
「夜はどっかのいいホテルでも行こう...欲しいんだろ、子供」
その言葉で、顔にさっと朱が射す。
「やだ...もう、信哉さんったら」
「冗談だ」
「嫌いです、信哉さんなんて」
手を握り、髪を撫で、なだめすかせる。下らないやりとりだが、なんとも言えない幸福感を感じた。
愛する妻に向き直る。
「...なあ」
「どうしたんですか?」
「幸せになろうな」
始めきょとんとしていたが、満面の笑顔で頷いてくれた。
「はい。...もう浮気しちゃダメですよ?」
「...最大限努力するよ」
「その、子供も、いっぱい欲しいです...2人じゃ広すぎます、この家」
「そうだな、幸せになろう」
幸せになろう。・・・その言葉を何度も何度も反芻する。
この先、何があっても大丈夫。根拠はないが、確かにそう感じた。
俺たちには絆がある。
夫婦という、永遠の・・・八千代の絆で結ばれているのだから。
以上です。
かなり前から考えてた話なんですが、モロに
>>220のシチュですねこれ。
ってか、浮気相手に説教される主人公って一体・・・(汗)
>>232 GJ!夫婦共に未熟な感じがいいですね。信哉ヘタレすぎだけどw
香央里さんがかっこよすぎる……
皐月とはタイプが違いすぎるけど、こういう女性は憧れる
GJ!皐月健気でかわいいな。
香央里さんのその後も気になる。良い女だし、幸せになって欲しいよ。
237 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 09:05:03 ID:ixsPRk78
GJ
ほぁ
香央里さんに良い再婚相手見つけてやって下さい
投下します
13ほどお借りします
「はい、これ忘れ物」
「ああ、うん、ありがと……」
届けた書類を受け取るなり周りをキョロキョロ気にしながら、
「あ、もういいから、うん。悪かったな。気を付けて帰れよ」
と彼は目の前の彼女に告げると、足早にエレベーターへ向かった。
「……行ってらっしゃい」
その背中を見送りながら、半ば追い立てられるような気持ちで広いロビーを後にする。
外に出るとさっきまでの緊張感が嘘みたいに引いていき、ほうっと息を付いた。それと同時に
少しだけ胸の奥から複雑な寂しさとも悲しさとも言い切れないような気持ちがじわじわと
こみ上げてきて、ちょっとだけ泣きたくなった。
用件を告げたときの受付の女性とのやり取りや、周りの視線。それらは皆思い過ごしかも
しれない。でも自分を見つけた時の肝心の彼の態度――。
「私、何かまずい事言ったりしたのかな?」
数分前とは違い重く沈んでゆく気持ちに、どうしようもなく瞳を伏せる。
一方彼はこっそりと出て行く彼女をエレベーター前の柱の陰から見ていた。
「俺って何でこうなのかなぁ……」
心配そうに、申し訳なさそうに。
立ち去ってゆく彼の妻の姿を。
彼らが結婚するにはちょっと普通でない道程があった。
歳は10歳違う。互いに両親や兄弟は亡く2人きり、結婚する前から一緒に暮らしたりもしていた。
その期間は約7年間、その後彼の転職により1年間の遠距離恋愛を経て先月結婚したばかり。
……とまあここまでならそれ程変わった経緯ではないと思える。が、この2人の場合夫の
八神伊知朗(やがみいちろう)が28歳、妻の香子(かこ)は高校を卒業したばかりの18歳。
……つまり10歳から同居していた事になる。
それには少し複雑な事情があるのだ。
香子の母親が事故死し、身よりの居ない彼女を伊知朗が引き取った。しばらくは彼の母親と
3人で暮らしていたが、香子が14歳の時にその母も病死してしまい、それからは2人はまるで
兄妹のように暮らし、彼は彼女の保護者のつもりで育ててきたのだ。邪な気持ちは無かった。
だが、いつの間にか気が付けば惹かれ合い、様々な葛藤の末2人は結ばれる道を選んだのだった。
* * *
時計は今8時半を回った。
『今日は会社の人と飲んで帰るから、ご飯はいらない』
そう聞いてはいたものの、お酒はあまり飲めない彼の事だ。食事も飲み屋ではまともに
取れないだろうと思い、夜食を用意しようとキッチンに立った時だった。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴ると同時に相手が1人ではない気配を感じ、そっと恐る恐るドアスコープ
を覗いた。普段は気にしてないが、こういう時はせめてインターホン位ある様なもう少し新しい
マンションに住みたかったと思う。
覗いてみて慌ててドアを開けた。
「あ、あの。こちら八神さんのお宅です……よね?」
「はい、あの?」
「すみません。何だか無理に飲ませてしまったみたいで、危ないのでお連れしました。私方向が
同じだったので……」
「そうなんですか?すみません!」
見ると女性に腕を支えられるようにして顔を赤くしている伊知朗がいた。慌てて腕を掴み
玄関へと引っ張り込むと、当人はへらへら笑いながら
「島田さん〜ありがと〜」
などと座り込んでいる。
「じゃあ私これで」
「あ、せめてお茶でも……」
「いえタクシー待たせてますから。……あの、奥様ですよね?」
「はい。あ、えっといつもしゅ、主人がお世話になってます」
「いえこちらこそ。それじゃ失礼します」
そう言うと彼女は頭を下げて背を向けた。エレベーターまで向かうのを見送りながら、香子の
気持ちがまた沈んでゆく。
背を向ける際、彼女が少しだけ、ほんの少しだけたが――
クスッと笑ったような気がしたのだ。
ドアを閉めると玄関先には彼の姿はなく、脱ぎ散らかした靴が左右に離れて転がっており、
当の本人はダイニングテーブルの椅子に腰掛けてグッタリとしていた。
「もう。弱いくせに何でそんななるまで飲むのよ!」
「えー、だってさぁ、俺が肴なんだから仕方なくてさー、ってか飲まなきゃ居らんないって
いうかさー」
「わけわかんないし」
足元に落ちている上着を拾いながら香子は呆れて溜め息をつく。酔うと子供みたいだと
いつも思う。口を尖らせたりして……本当にこれが29歳になろうという大人の男か?
「あんまり食べずに飲むと悪酔いするんでしょ。何か食べたの?今から軽く何かつく……きゃっ!!」
側に寄って話しかけるといきなり腕を掴まれ抱きつかれた。手にしていた上着が足下に落ちる。
「なに?……ちょっと汚れちゃうよ。掛けないと」
「んー。いいから、おいで」
背中に回していた手と胸元に押し付けていた顔を離すと、彼は香子を背中から抱き締める
ようにして膝に座らせた。
「香子ぉー、俺の事好きか?」
「いきなり何よ。……す、好きだよ」
「そっか、嬉しいな。俺もだ」
「どうし……んっ!? 」
振り向こうとしてぐい、と顔を寄せられキスされ言葉を失った。
「やっ、お酒臭……んんんっ」
驚いて離した唇を彼によってまた塞がれ、今度は強引に開かされ舌を押し込まれ抗議の声は
かき消された。
じたばたともがく香子の膝を強引に自らの脚を間に入れて閉じさせないようにすると、彼は
今度はブラウスを引き上げ裾から手を差し込み胸元を弄った。
ようやく解放された唇から息をつくと、
「だめだよ、もうっ」
と服の上からごそごそと動く彼の手を抑えて止めた。
「なんで?」
「酔ってる」
「そんなのいいじゃん別に」
「それに私もお風呂まだだし」
「そんなの構わないってばー」
捩ろうとする躯を力を込めて抱き締めると、香子の腕を掴んで首筋に吸い付く。
「あ、ちょっとダメ!」
すーっと舌を這わせると肩をすくめて腕の力がふと緩んだ。それを見計らってボタンを2つ、
3つ外すと覗かせるブラのカップに指を忍ばせた。
左手で抱き締めながら右手で左胸の先を弄ぶと、堅くなった先端に触れる動きに伴って躰を
ぴくりと震わせる。その漏らす声にたまらずに耳朶に口づけながら
「お前やっぱり可愛いな……」
とクス、と小さく笑った。
その瞬間、香子の脳裏にさっきの島田という女性の帰り際の姿が思い出された。
「……いや」
「え?」
途端に昇り始めた熱がすうっと引き始めてゆくのを感じ、香子は彼の手に自分の手を重ねた。
「やめて。やっぱり今はヤだ」
「何でだよ?俺今日1日香子の顔見たくて帰るのが楽しみだったんだぞ。本当は飲みになんか
行く気無かったのに」
「……でも嫌なの」
それでも動きを止めようとしない指を抑えようとする香子の手の力に、彼の表情が固まった。
「……俺が嫌なのか?」
俯き瞳を逸らしたまま黙り込む首筋にきつく吸い付くと、右手でいきなりスカートを捲り上げ
下着に手をねじ込んだ。
「やっ!?……いやっ!!」
またもや閉じようとする脚を自らの膝で抑え、やや強引に指を動かし探る。
「香子……っ」
「嫌!いた、痛いっ。やめてってば……イチ君!!」
――本当に嫌なのか。
伊知朗はその反応通り潤いを示さない躰からゆっくり力無く手を引いた。
「どうしたんだよー。飲んで帰ったりしたから怒ってんのか?……それともやっぱり俺が
嫌なのかよ」
「そんなんじゃない!」
「じゃあ何だよ。……香」
無言でボタンを留めスカートを直す彼女から脚を動かして体勢を整え、膝を閉じたのを見て
再び背中から抱え込むように抱き締める。
「俺お前の事好きなんだぞー。マジだぞー」
ふにゃふにゃとまだ酔いの残る口調で体を軽く揺すりながら言う伊知朗に、香子は静かに切り返す。
「本当に?」
「当たり前だろーが」
「……ほんっとは、後悔してたりして。責任取るしかなかったとか、さ」
「何だよそれ」
ゆらゆらと揺れていた体がぴたっと止まり、彼の声が静かに堅く強張った。
「何言い出すんだよ。お前俺の事信じらんないの?」
「だって」
「だってじゃな」
「だって!じゃあ何で今日あんなに冷たかったの?私の事見られんのそんなに恥ずかしい!?」
コソコソと周りを気にしながらの彼の態度――それと先程のあの女性の仕草が彼女を傷つけたのだ。
「それともイチ君に恥かかせるような真似したの?……だったらビルの外にしたら良かったね」
「いや、そんな事ない」
「その割に人目凄く気にしてたじゃん」
「あれは、同じ部署の人間に見られたらさ……」
言いかけてはっと言葉を飲み込んだ。香子の顔は同時にどんどん曇っていく。
「違うんだって香……」
「嫌!」
振り向かせようとした腕を払って強引に立ち上がろうとして床に尻餅を着いた。それを抱き
起こそうとした伊知朗の手をまた振り払うと泣きながら自分で立ち上がった。
「何よ、結局私の事恥ずかしいんでしょ?子供に手を出して責任取らされたみたいで、みっとも
ないって思ってるんでしょ!?……本当なら違うもんね。やっぱり後悔してるんでしょ?
本来ならこうはならなかった筈だもんね、私達」
まくし立てるとそのまま涙をぼろぼろと零しながら子供のように泣きじゃくる彼女に、伊知朗は
また手をはねのけられ立ち尽くすしかできなかった。
「私何のために我慢して1年間離れて暮らしたの?何のためにここまで来たの?ここでも
人の目を気にしなきゃいけないの?私達何も悪い事してないじゃない!」
「いや、そうじゃないんだよ」
「じゃあ何!?」
「えっと、な……あーやっぱり話したくないなぁ」
「ほら、言えないんだ?私の事やっぱり恥ずかしいんだ」
「だから違うって」
「もういい!」
香子はテーブルの上にあったバッグを引ったくるように取ると玄関に向かった。
「どこ行くんだ、おいっ!?」
「離してよ、お酒臭い!酔っ払いは嫌いっ!!」
「待てって。俺香子と結婚したの恥ずかしいなんて思うわけないだろーが」
「でもね、笑ったんだよさっきの人。私を見て、クスッて笑った」
涙を一杯溜めた瞳でじっと睨むと
「……こんなじゃ結局幸せになんてなれない。イチ君と本当の家族になんかなれないよ、私」
そう言い捨てて飛び出していってしまった。
「香子……」
酔って回らない頭を抱えながら、玄関に残された彼は小さく呻きながらその場に呆然としゃがみ込んだ。
1年前の香子が高2の冬に、2人は一線を超えた。互いに家族以上の愛情を持っていたにも
関わらず、伊知朗は彼女の未来や世間体に悩んで離れる決意をし、大学時代からの友人の早川が
地元への転勤を機に結婚し帰郷するのに従って彼の会社へうまい具合に引き抜かれ、一緒に
移り住んできたのだ。香子を幼なじみの家に預けて。
しかし彼女はそれでも伊知朗を諦めはしなかったのだ。それは彼も同じで、結局香子の卒業を
待って呼び寄せ入籍し、正式に家庭を持ったのだ。
伊知朗はリビングの隅にある自分と香子の母親の写真の前に座り、彼女の亡き母に語り掛けた。
「きょう子さ……いや、お義母さん。僕はやっぱり香子を傷つけてばかりいます」
20歳で出逢った時、大学生の自分が何故香子を育てようと思ったのか。それは元々香子の
母親である15歳上のきょう子と結婚するつもりでいたからだった。香子もきょう子と同様に
大事にすると約束したからなのだ。
自分はいつの間にか香子を愛してしまった事を後悔した事は1度だってない。だが、香子は
どうだろうか?本当は娘になる筈だった女の子が妹のような存在になり、やがて気付けば
掛け替えの無い相手になっていた。
「幸せにするって約束したのに……。ごめんなさい。僕はまた香子を泣かせました」
どうして自分はこうも気が小さいんだろうか。香子の言うとおり、恥ずかしい事なんて何も
あるわけではないというのに。
――幸せになるためにこの道を選んだのに。
* * *
香子は行く宛もなく、適当に歩いてコンビニに入るととりあえず飲み物を買って椅子に座った。
「どうしよう……」
まだ地理に詳しくない上に暗いと全く周りが解らない。携帯も忘れて来てしまっていた。
知り合いもろくに居らず、どうしたものかと途方に暮れていた。
下手をすればついこの前まで高校生だった自分は補導されるのではとも思ったが、会社へ行く為
普段より大人っぽくきちんとしたつもりの服装でいたのでその心配も無さそうだ。
現にさっきから大学生位の男が2人、側に寄ってきていた。
「ねえ、大学生?俺らもなんだけど、良かったら飲みに行かない?」
「え……あ、あの私忙しいんで。ごめんなさい」
「え〜、さっきからずっと1人じゃない、行こうよ。ね?」
1人が肩に手を掛けてくる。
「やめてってば」
「何だよいいじゃん」
逃げようにも反対側にはもう1人いるため立ち上がる事さえ躊躇われた。――怖い。
「ぐだぐだ言わないで来いよ。暇なんだろ?」
手を握られて引っ張られる。
「嫌です。私、し、主人が来ますからっ!」
「は?何言って……」
その時だった。
「こんな所で何してる?」
男共の後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
* * *
「こんな事してる場合じゃないよ……」
何をしてるんだ俺は。一刻も早く香子を探さないと!
伊知朗はすっかり酔いの醒めてしまった頭で考えた。
彼女の行きそうな場所が思い当たらないのだ。無理もない。住み慣れた土地からここへ移り
住んできたばかりで、まだ友達だっていない。地元人の早川のお陰で何とか知り合いのいる
自分とは違うのだ。
自分達の事情を良く知らない者からしたら、兄が妹に手を付けたように思われる。そう考えて
自分は香子を諦めようと気持ちを押し殺して来たのだ。たが、新しい場所なら誰にもあれこれ
言われないで暮らせるかもと、彼女は決意して一緒になってくれると言ったのだ。
そんな彼女が頼れるのは今の所自分だけだという事に何故早く気が付いてあげられなかったのか。
伊知朗は自分を責めた。
とにかく辺りを探そうと部屋を出ようとしてチャイムが鳴った。急いでドアを開けると友人の
早川が後ろに香子を連れて立っていた。
「……あ」
「あ、じゃねえよ!うちの近所のコンビニに行ったらタチの悪そうなのにナンパされてたぞ。
……間に合って良かったよ」
「送ってくれたのか?すまん、早川」
ああ、と無愛想に背後の彼女を示す。
「……怖かった」
半泣きで小さく呟く香子を見て、伊知朗は胸が痛んだ。
「お前な、何のためにこんな所転職してまで来たんだ?小せえ事、考えねえでもっと堂々としろ」
「……ああ、すまん」
「後は、こいつから聞いとけ。俺から話したって意味ねえし。……じゃこれで帰るから」
早川は香子にそう告げると「もしもし、マナ……今から帰る」と妻への電話を掛け始めた。
「ありがとな、早川」
伊知朗のその声に香子も一緒に頭を下げる。軽く振り向きながら手を上げて無言で彼は
帰って行った。
「相変わらず無愛想だなぁ……あの人」
でも良い人だ、と見送りながら香子は思った。
部屋に入ると暖かいコーヒーを入れて香子に飲ませ、落ち着いた所で伊知朗は彼女をそっと
抱き締めた。
「ごめんな、香子……」
離さないから、だから本当に家族になろう。そう言って一緒になって貰ったのに。絶対に
守る、幸せになろうって決心したのに――。
「俺、本当に香子を嫁さんにした事、後悔したり恥ずかしく思った事ないからな」
じっと何か言いたげな瞳をする香子を見て、思い切って息を吸い込み、ふうーと深く吐くと
「絶対、笑うなよ。……話すからさ」
と耳元に唇を寄せた。
「……あのさ、俺お前の事10歳から7年間育ててきただろ?まあ、途中までは俺の母さんも
一緒だったけどな。で、結婚したわけじゃん。つまり俺は元々はそんなつもりは無かったとは
いえ嫁さんを育て上げたわけだよ」
「うん、まあ、そうなるのかな?」
理屈ではそうなる。
「それが今日のイチ君とどう結びつくわけ?」
香子の言葉に彼はぐっと喉を詰まらせ、見る見るうちに顔を朱くしてゆく。まるでもう一度
酔っ払ってしまったのかのようだ。
「絶対笑うなよ」
「うん」
「……だから女子社員の間では俺のあだ名が‘光源氏’なんだそうだ。マジで」
笑わないと言う約束は、あっさりと破られる事となってしまった。
* * *
入浴して2人はやっと布団にくるまった。伊知郎が気合いを入れて選んで買ってきたWサイズ
の布団にくっついて寝転がると、背の高い伊知朗に抱き締められた香子はすっぽりと体を
覆われてしまう。
「風邪引くから早く寝なさい。明日は休みなんだから、寝坊したっていいから」
頭と背中をぽんぽんと軽く叩くと、お休みと言って目を閉じる。その顔に自らの顔を近づけると、
香子は彼のおでこに自分のおでこをゴツンとぶつけた。
「あ痛っ!!何だよ、頭突きっておま」
「ねえ、イチ君は私の何?」
「え?旦那」
「そうだよね。でも何か未だに私の事子供扱いしてない?もう保護者じゃないんだからね」
「え、そうか?ごめん」
そんなつもりじゃないんだけどな、と再度香子を抱き締める。
「苦しいよ」
「愛情表現だ。我慢しろ」
そう言いつつも、柔らかい感触と甘いシャンプーの香りに少しずつ理性が侵されていく。
文字通り目と鼻の先にある唇に本能的に引き寄せられ、軽く触れる。が、一度味わった甘美な
柔らかさと愛おしさは簡単に自分を解放してはくれない。いつの間にか狂った様に舌がその口内を
探り、蹂躙し弄び味わい尽くそうとする。
「……んはあっ」
散々絡み合ってようやく離れた唇から滴る糸もそのままに、首筋に舌を這わせながらパジャマ
のボタンを外しに掛かる。
――が、その指はいきなりピタッと動きを止めた。
「……イチ君?」
突然の停止に戸惑って香子が閉じていた瞳をゆっくり開けると、迷いを浮かべて俯く彼がいた。
「調子に乗りすぎたなーと思って、さっき」
酔った勢いとは言え普段ならあんなやり方は多分要求出来なかっただろうな。しかもその時の
彼女の気持ちが揺らいでいたからとはいえ拒絶されてしまったのだから、ここでまたさっさと
事を進めてしまうのにはかなりの勇気を要する。
「(また嫌だって言われたら……)」
伊知朗はそういう男なのだ。
もたもたと悩んでいるうちに、ボタンを摘んだままの手を握ると香子自ら彼の手を胸元にそっと
導いた。
「私が欲しかったんでしょ?イチ君」
「え……」
「さっきのは何かお酒のせいでちょっと怖かったけど、今度は嫌がったりしないよ?」
押し当てられた胸の温もりにそっと力を込めてみると、恥ずかしそうに顔を赤らめ瞳を逸らす。
こういう時素面じゃ強引に事を運べない自分はやはりヘタレ男なのだろうか?自分から誘う
なんて香子にはかなりの勇気がいる行動だと思う。伊知朗はやっと思い切って香子の手を解くと、
ボタンを外す続きにかかった。
「寝らんないぞ?」
「明日は寝坊したっていいんでしょ?」
顔を見合わせて笑うと軽く長いキスをして、互いのものを全部脱がせぎゅっと抱き締め合う。
「香子。俺の事好きか?」
「イチ君が好きだよ。……ヘタレだけどね」
「何を!くそっ、そんな口黙らせてやる」
きゃあと顔を背けて笑いながらあげる声は、いつの間にか首筋や胸元に浴びせられるキスに
甘く漏れる吐息に変わっていく。
香子の胸はあまり大きい方ではない。仰向けになると余計にぺたんとなる膨らみを両方の掌で
寄せ上げると、そこに顔を埋めてしばらくすべすべとした感触を味わってから、ゆっくりと
左右それぞれの先端を口に含み、片方を指で弄びながら反応を楽しむ。
「んっ……あ」
舌と指の動きに合わせて体を震わせながら我慢しきれず押さえた口元から零す声の艶やかさに、
伊知朗の体にも時折電気が走るような錯覚を覚える。現に声だけでイけるんではと思える程
自身は既に高ぶっていた。
「ちょっと、そこやだってば」
香子が抗議の声を上げる。彼女のお腹を撫でながら時々むにっと摘んだりキスしたりするのが
好きなのだ。だがお腹が出てる、とちょっと幼な目の体型を気にしている様なので伊知朗は
よく怒られる。
「いいじゃん。俺お前のカラダ好きなんだよー」
「へんたいっ」
ひでぇ、とお腹に顔を埋めながら
「傷つくなあ〜」
と呟いた。
しばらく香子は放っておいたが一向に顔を上げないので、不安になって声を掛けた。
「イチ君」
「……」
「イチ君てば」
「……」
「怒ったの?」
返事をしない彼に急に不安を覚えた。
「ごめん、そんな本気で言ったんじゃないよ」
「……」
「ごめんってば……どうしたら許してくれるの……?」
反応の無さに段々泣きたくなって小声で許しを請うと、ようやく伊知朗が顔を上げて香子を
見た。自分の胸越しに見下ろす形になって、なんだか恥ずかしいと思いながらも少し安心する。
「じゃあさ、俺の言うこと聞いてくれる?」
「え、うん」
さっきとは違う意味で不安を覚えたものの、これで空気が変わるなら、と承知する。
「だったら……香子のここでして」
「えっ!?」
指で香子の唇をなぞるともう片方の手で自らのモノへ彼女の手をあてがう。
「無理にとは言わないけど……して欲しいな」
「……わかった」
初めてするのだ、そんなこと。
彼が仰向けになるのを待って脚の間に体を屈めると、恐る恐る唇を近づける。
とりあえずそっと舌を這わせてみると、石鹸の香りと一緒に独特の匂いがする。嫌ではないけど
男の秘密を1つ知ったようで何だかドキドキする。
「あんまり見られると恥ずかしいんだけど」
「だって見なきゃ出来ない……ていうかそっちこそ見ないで!」
はいはい、と目をつぶる。それを確認すると更に先を舐め始めてみる、と少しずつ何かが
滲み出てきて口の中に流れ込んできた。
「(あ、何か変な味。でもこれって……男の人も濡れるんだ)」
先程から小さく呻く声が聞こえてくるのは、多分感じてくれてるのかも。そう思うとちょっと
うれしくなって、香子は思い切ってそれをくわえてみた。
「……あっ!」
長い脚がぴくんと跳ねた。それに何故かたまらなく感じてきて夢中で口を動かす。
こそっと彼が薄目で覗き見するのにも気付かないくらいに。
「ありがとう、もういいよ。最後はお前でイキたい……」
手を伸ばして髪をそっと撫でると、嬉しそうに目を細めた。
伊知朗は枕元の引き出しからゴムを取り出し、香子の躰を横たえた。親友の早川が子供がいる
ので日頃羨ましいと思う時もあるが、まだ自分達には早いと考え今の所はお預けにしている。
汗で張り付いた髪の毛にもかまわず首筋に口づけると、ゆっくり胸を弄びつつ脚の付け根に
指を這わせていく。
「今度は、お前の番な」
再び始めた愛撫であの時ほど比べ物にならない位濡れそぼった指を感じて
「(やっぱりあんな風にしたら駄目だよな……)」
女の子というのは自分が思っているより繊細なのかもしれない、と愛おしい存在に申し訳無く思う。
「あっ……ああ、んっ……」
気持ちいい?なんてつい野暮な事を聞きそうになるのを堪えながら
「もっと声出していいよ」
とわざと音を立てるようにくちゅくちゅと指をかき回すと、
「あんっ……やだぁっ」
と目一杯力を込めた腕で彼にしがみついて震えだす。
「もうそろそろ我慢の限界。挿れていい?」
「……ん、いいよ……来て」
一息ついて準備を済ませてそれをあてがうと、待ちわびたようにすんなりと彼女は受け入れた。
「あ……だめ、だめぇ。いや、あ……イイ、イイよぉ」
「香子、俺もだよ。お前だけだから」
「ん、うん、私……もっ」
ゆっくりと出し入れするも堪えられなくなり、早くそこまで行き着きたいと勝手に動きが
激しくなっていく。
突く度にのけぞり喘ぐ彼女の躰をしっかり抱えると抱き起こし、膝に乗せて向かい合った体勢で
下からまた強く突き上げる。
「あああっ!!イチ……君、やっ、すご……」
「可愛いよ、香子。好きだよ、やっぱり……」
――お前は俺の一番大事なものだよ……。
最後にぽつりと呟いて、強く抱き締めた彼女の躰を感じながら想いの総てを押し出した。
「幸せだよ、俺」
「私もだよ」
互いの汗ばんだ躰を撫でながら、そっと優しいキスを交わした。
* * *
月曜日の夕方、また香子は会社のロビーにいた。
「本当に変じゃないかな?」
昨日伊知朗と一緒に買ったオフホワイトのワンピ。珍しく普段あまりしない外食をしようと
メールが来たのだ。会社の近くにいい店があるから、と。ここに呼んだのも彼なりに開き直ったのだろう。が、やはり
周りの視線は意識してしまう。とそこへ
「八神さんの奥さん?あーやっぱり。先日はどうも」
「あ……いえ、こちらこそ」
やってきたのはあの島田という女性だった。
彼女はまた香子を見るとクスッと笑ったのだ。それに気付いて沈んだ顔をしてしまったのか、
「あ、ごめんなさい。気を悪くさせて……だってあんまり可愛いからー」
と言い出した。
「この前もごめんなさい。ああやって新婚の男性社員を肴にする飲み会ってよくやるんですよ。
八神さんの奥さんて若いって聞いてたからみんな羨ましがってついからかっちゃって、
そしたら――」
いきなり彼女は思い出し笑いを始めてしまった。
「俺が育てて惚れたんだから理想の嫁で当たり前です!って言ってのけたんで、みんな呆気に
とられちゃって。会社に来た奥さんをみんなが見たがってたのも慌てて『あいつは見せ物
じゃないです』って、普段物静かな八神さんが豹変するんで驚きました。凄く大事にしてる
んだなって、お会いした時『あー箱入りの奥さんだ』と思ったらあんまり初々しくて可愛かった
んでつい……ごめんなさいね」
彼女の薬指にもよく見ると指輪があった。
「私も新婚で、八神さんと同い年なんです」
どうぞよろしく、と頭を下げて去っていった。
「お待たせ、悪い、帰り際に電話が……ん?どうした」
伊知朗が息を切らせて駆けていくと、真っ赤な顔で瞳に涙を溜めた香子が待っていた。
「何でもないの」
ちょっと遠慮気味に彼の袖口を摘む。
「行こ。……幸せだよ、私」
「……ん」
照れたように2、3咳払いをすると香子の手を取ってビルを出る。
途中冷やかす同僚の姿に出会ったが、堂々と胸を張って夜の街へ歩き出していった。
* *終わり* *
素晴らしい
そのカップリング、某スレの『montage真夏の雪解け』の二人じゃありませんか!
大好きな話だったから二人のその後が読めて嬉しいです。(マナの彼も)
GJでした! またあちらにも書いて下さいね
胸が温かくなった。GJ!
256 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:30:18 ID:8hcydwfd
コージとマナの新婚も読みたくなってきた……(´・ω・`)
GJ
過去の話があるのか!
ググッてくる!
鉄仮面と子猫の出産話とか読んでみたい
産婦人科の廊下でオロオロする貴巳とか・・・想像するだけで3杯はいける
>>239-252 すごく良かった!過去の話も読んだけど、
読んでてすごく切なくてどきどきした
つい毎日読んでしまってますw
ぜひまた投稿して下さい!
政略結婚とまではいきませんが、
>>220のイメージで書きました。
エロないです。
14レスお借りします。
262 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:31:35 ID:lM76hrsX
三柳志郎は自宅のドアを前にして大きなため息をついた。
きっといつも通り、風呂はいい具合に沸いていて、食事の準備も完璧だろう。
そして、玄関を開けると言われるのだ。
『お帰りなさい。今日もお仕事お疲れ様でした。
お風呂とお食事、どちらを先になさいます?』
と。
絵に描いたようないい奥さんじゃないか。
少しお嬢様気質だけど性格に問題はないし、少しぽっちゃり系だけど顔だって十分にかわいい。
志郎は自分に言い聞かせた。
湯加減は完璧。
嫁入り修行をしたというだけあって、料理だって完璧だ。
母親の味と違うのは、まあ仕方がない。
きっとお互いの妥協点を見つけるうちに、我が家の味が出来上がっていくのだ。
「……っはああぁぁ」
いつも通り、インターフォンを押す前にいい方向に思考を持って行こうとしたけれど、
志郎はそれが素敵な生活だとは思えず、またため息をついてしまった。
志郎が三柳家に婿に入ったのは一月前。
盛大な式を挙げ、新婚旅行はオーストラリア。
新居は都内の高級マンションで一部屋一部屋が異常に広い4LDK。
二人しか人間がいないというのに、無駄に広いおかげで新婚早々、家庭内別居状態となっている。
妻である琴音が食事を作ってくれるから、食事だけは一緒にするけれど、
違う部屋で違うテレビ番組を見て、違う音楽を聴き、違うベッドを使う。
見合い結婚だから、友人たちの惚気話で聞くような新婚生活になるとは思っていなかったけれど、
ここまで極端なことになるとも思っていなかった。
もっとも、現在の状況になる原因は志郎にあるのだが、自覚があるだけに日が経てば経つほど
志郎は琴音の顔をまともに見られなくなってきていた。
しかし、この寒い夜風が吹く中、いつまでも玄関のドアとにらめっこをしている訳にもいかない。
志郎は重い右手を持ち上げて、のろのろとインターフォンを押した。
263 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:32:14 ID:lM76hrsX
ピーンポーンというありきたりな音がして、しばらく待ったが琴音が出てこない。
いつもはインターフォン越しに志郎が帰ってきたことを確認してから玄関のチェーンを外しに来る。
もう一度押してみたが返事がない。
この一ヶ月こんなことはなかった。
もしかしたら、買い物に行ったのかもしれない。
携帯で一言断りの連絡が欲しいと思ったけれど、そんなメールをするほど仲の良い夫婦ではないなと、
志郎はすぐに苦笑した。
念の為、もう一度インターフォンを押してみたがやはり返事はない。
どこに行ったのかと考える前に、琴音と顔を合わせずに家の中でくつろげると思ってしまった自分の
薄情さに呆れながら二か所ある鍵穴に鍵を差し込んだ。
ポケットに鍵を戻してドアノブを廻し、手前に引いた瞬間、ガッ、と扉が引っかかった。
何事かと思ってドアを見ると、ドアの向こうにはチェーンが見えている。
ということは琴音は家に居るということになる。
だったらなぜ出てこないのだ。
志郎は一旦ドアを閉めて、インターフォンを押した。
しかし、中からは何の返答も返ってこない。
さすがにむっとして、インターフォンを連打するとプッと中で応答した音が聞こえた。
それでも琴音は何も言わない。
志郎は苛立ちを極力抑えて、
「琴音さん。志郎です。帰りました。
チェーンを外していただけませんか?」
と言った。
が、返答はない。
さらにしばらく待ってみたが、玄関に琴音が寄ってくる足音もしない。
264 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:32:48 ID:lM76hrsX
まさか強盗でも入ったのか?
そう思った瞬間、志郎の背中に冷たい汗が浮いた。
ドアを開けて、出来る限り手前に引っ張る。
「おい!誰か居るんだろ!?
誰だおまえ!警察呼ぶぞ!」
ドアの隙間に口を当てて怒鳴ると、中でどこかの部屋のドアが開く音が聞こえた。
万が一犯人が刃物でも持っていたらと警戒して、ノブを握ったままドアに身体をくっつけて顔だけで
中を覗き込むと、見覚えのある洋服が視界に入ってきた。
「……琴音さん?」
ここまで来ても返事はない。
が、確実に相手は琴音だ。
ほっとしたと同時に身体に体温が戻ってきたのが分かる。
強盗が入ったかもと警戒したのはほんの一、二分間だったというのに、身体中が冷や汗でベタベタだ。
「琴音さん……開けていただけませんか?」
「嫌です」
ようやく聞いた妻の声はやけにはっきりした拒絶の言葉だった。
「……は?」
「申し訳ありませんが、貴方にうちに上がっていただく気はありません。
御実家にお帰り下さい。
荷物は後日こちらから送らせていただきます。
私の印鑑を押した離婚届も一緒に送付しますから、役所には志郎さんが提出して下さい。
もちろん、そのせいで志郎さんが仕事上不利益を被るようなことにはならないよう、
万全を期しますので、ご心配なさらないで下さい。
もちろん、お義父さまの会社にご迷惑がかかるようなこともいたしませんから」
265 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:33:19 ID:lM76hrsX
いきなりこんなことを言われても、どう返したらいいのか分からない。
自分に落ち度だらけなことは認めるけれど、家から閉め出された挙句、
実家に帰れだの、離婚届だの言われて、はいそうですか、と言える人間がいる方がおかしい。
納得云々以前に琴音がなぜ急にそんなことを言い出したのかも全く理解できない。
仮に不仲が原因で離婚するとわめいているにしても、話し合いというものは必要だろう。
「琴音さ」
わずかに腹立たしさを覚えながらも、まずは家に入れてもらおうと声をかけた瞬間にバタン!と思い切り
ドアを閉められてしまった。
かちゃりかちゃりと中から鍵をかける音が聞こえる。
「ちょっと酷くないですかー?」
誰に言う訳でもなくドアに向かってつぶやいてから、再びポケットから鍵を取り出す。
かちゃりと上を外して下の鍵穴に鍵を差し込むと、かちゃりと上の鍵をかけられた。
「……」
眉間にしわが寄る。
構わず下の鍵を外して上の鍵穴に鍵を差し込むと、また下を閉められた。
「……このっ!」
上を回すと素早く下に鍵を差し込んで回したが、三度鍵をかけられた。
「っ、ざけんなっ!」
構わずに開け続けるが、むこうはむこうで鍵をかける。
鍵穴から鍵を抜いて、違う穴にさすという手間がある分、こちらの方が不利だ。
かと言ってこんな頑丈なドアに体当たりしたところで、刑事ドラマの踏み込みシーンのように
ドアが外れる訳もない。
どこぞのヒーローでもないから外壁を伝ってベランダに降り立つ訳にもいかない。
開けては閉められ、閉められては開けてを二十回以上も繰り返し、こんなことを考えているうちに、
苛立ちを通り越して笑いが込み上げて来てしまった。
266 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:33:51 ID:lM76hrsX
鍵を開けることは諦めて、志郎はドアをこぶしでドンドンと二回叩いた。
返答はもちろんない。
志郎は構わずにドアに向かって口を開いた。
「琴音さん!参りました!
琴音さんが俺の顔を見たくないくらい怒っていることも分かりました!
分かりましたけど!いい加減、中に入れて下さい!」
返答なし。
この我がままお嬢め。
「ホテルに泊まってもいいけど、俺が今日とおんなじ服で仕事に行ったら絶対変な噂が立ちますよ!」
効果なし。
敵は予想以上に手ごわい。
しかし、ここで諦めてホテルに泊まるなりファミレスで夜を過ごすなりしたところで、問題が解決する訳ではない。
いい手はないかと考えてみるが、空腹で血糖値の下がった頭ではいい案は思い浮かばない。
「琴音さん!俺、もう限界です!腹が減ってるんです!
とりあえず、中に入れて下さい!パンだけでもいいから食わせて下さい!
そしたらちゃんと話をしましょう!」
半ばやけくそで言った言葉が意外な効果を示した。
二つの鍵が開く音が聞こえたのだ。
成功したかと思ってノブを引いてみたが、チェーンは相変わらずかかったままだった。
「パンはありません」
気のせいか鼻が詰まったような声だ。
「いや、あるでしょう。
今朝の残り。あれでいいですから」
「昼に私が食べました」
そう言うと琴音は鼻をすすった。
267 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:34:22 ID:lM76hrsX
どうやら琴音は泣いているらしい。
その様子に困惑しながらも、志郎は、
「何もないんですか?」
と聞いてみた。
「ありますけど……」
琴音はそう言うと、ドアの向こうで泣き出してしまった。
勘弁してくれ、と志郎は思った。
泣きたいのはこっちの方だ。
そこでようやく、人間の生理に訴えてみるのが一番手っ取り早いと気づいて、
下品は承知の上で、志郎は最後の手段に出た。
「すみません、めちゃくちゃ申し訳ないんですけど、トイレに行かせてもらえませんか?」
ドアは一度閉まったけれど、ようやく中でチェーンを外す音が聞こえた。
ほっとしてドアを開けると、目の前にはぼろぼろと涙をこぼして立ちすくむ琴音がいた。
志郎は後ろ手にドアを閉めると足元に鞄を置いて、琴音の肩に手をかけて、
「どうしたんですか、急に」
と尋ねた。
「……お手、洗いっ……は……」
琴音はそれだけ言うと、手で口元を覆って、これまで以上にぼろぼろと泣き出してしまった。
「ああでも言わないと、入れてくれなかったでしょう?」
琴音は何も答えなかったけれど、志郎は琴音を抱き寄せて肩を撫でた。
肩の震えが一層大きくなった。
彼女を見下ろすと、脚は靴下のままだ。
「琴音さん。とりあえず、奥に行きましょう?ね?
それじゃ足も冷たいでしょう?」
ようやく琴音が頷いた。
268 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:34:53 ID:lM76hrsX
肩を抱いたままキッチンに入って行くと、テーブルには茶碗と皿と箸が並べてあった。
シチューのいい匂いもしている。
今さら腹が空いていたことを思い出したが、ひとまず琴音をリビングのソファに座らせて、
彼女の横にティッシュを置いた。
「コーヒー……でいいですか?」
「紅茶がいいです」
このヤロウ、と思ったが、ぐっと堪える。
スーツの上着をもう一つのソファの背に掛け、ネクタイもその上に放ってから、キッチンへ行く。
キッチンの棚を探してみたが、ティーバックが見当たらない。
そう言えば、このお嬢さんは毎度毎度、茶葉から紅茶を入れていた。
そんな面倒なことする気にはなれないし、そもそもお気に召すように入れられるとも思えない。
志郎は自分用に買ってあるドリップ式のインスタントコーヒーを出すと、
二つのマグカップにそれをセットして、ポットから湯を注いだ。
「申し訳ないんですけど、俺、紅茶の入れ方なんて知らないんでコーヒーで我慢して下さい」
声を大きくしてキッチンから断ったけれど、予想通り返事はなかった。
嫌なら自分で淹れればいいのだ。
そう思って、二つのマグカップをリビングに運んで行くと、琴音の横にはティッシュの山が出来ていた。
「……琴音さん、ゴミ箱ぐらい自分で取って下さい」
マグカップをテーブルに置いてから、部屋の隅のゴミ箱を取りに行く。
琴音は返事をしなかったけれど、ゴミ箱を足元に置くと、山積みのティッシュをその中に捨てた。
「ブラック……平気ですか。ダメだったら自分で牛乳入れて下さいね」
今度は小さく顔が縦に動いた。
269 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:35:24 ID:lM76hrsX
志郎は自分のスーツを置いたソファに座ると、口を開いた。
「ええとですね、琴音さんが俺に対して何やら怒っているのはよく分かりました。
でも、なんで怒っているのか分からない。
理由も言われず、実家に帰れだの離婚するだの言われても、さすがの俺もはいそうですか、とは言えない。
これは分かってもらえますか?」
無反応。
さすがにため息をつかざるを得ない。
コーヒーを一口飲むと、琴音もカップに手を伸ばした。
俯いているせいで表情が良く分からないが、ティッシュを握りしめているところを見ると、
まだ涙が止まっていないのだろう。
「琴音さんが何も言わないなら勝手に話しますけどね、いいですか?」
琴音が小さく頷く。
「俺はね、確かにいい夫じゃないですよ。
プレゼントだってしたことないし、ここだって琴音さんのお父さんが買ってくれたうちだ。
光熱費も払ってもらってる。
でもね、女遊びしてる訳でもないし、飲み歩いて帰ってくる訳でもない。
ギャンブルだってパチンコに行くのがせいぜいだし、金がなくなるまでやる訳でもない。
借金なんてもちろんしてないし、仕事だって真面目にしてるつもりだ。
なのにいきなり離婚だとか言われて、納得は出来ません。
今朝まではいつも通りだったじゃないですか。
なんで急にあんなことを言い出したのかちゃんと教えて下さい。
俺に直すべき所があるなら直すし、誤解があるようなら訂正したい」
志郎はそこまでほとんど一気にしゃべってから、コーヒーを飲みほした。
空腹は際立ったけれど、頭はすっきりした。
「さあ、どうぞ。なんでも聞きますよ」
270 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:35:58 ID:lM76hrsX
琴音はしばらく涙を拭いたり鼻をかんだり、コーヒーに口をつけたりを繰り返していたが、
無言で待つ志郎に根負けしたのか、話す気になったのか、掠れた声を出した。
「志郎さんは……どうして私と結婚したんですか?」
予想外の質問に志郎は一瞬戸惑ったが、まずは無難な答えを出すことにした。
「そりゃ、琴音さんならいい奥さんになってくれそうだと思ったからですよ」
「本当に?三柳と結婚したんじゃないんですか?」
「……そりゃね、そういう部分もあるとは思いますよ。
見合いですし、三柳との繋がりが出来るのはうちにとって悪い話じゃない。
けどね、それだけで結婚相手決めるほど俺も親父の会社もダメじゃないですよ」
琴音が少しだけこちらを見た。
目の周りがかなり腫れている。
「だいたい、見合い話持ち込んできたのは三柳ですよ?」
そっちこそ味方になる会社を増やしたかっただけじゃないのか、と言いたくなるのを堪えて
志郎は空になっていることを忘れてカップを口に運んだ。
「はい。分かっています。
だからこそ、断れなかったのかと」
「確かに親父の会社は三柳から見たら小さいですけどね、別に倒産の危機にある訳でもない。
本気で嫌なら断ります。
琴音さんこそなんで俺と結婚したんです?
ふっ……」
「……?」
危うく口に出そうになった言葉を飲み込むと、琴音が怪訝そうな顔でこちらを見た。
ふった男への腹いせですか?
さすがにそんなことは聞けない。
言えない。
けれど、見合いを持ちかけられた時、琴音の父親からはそう告げられたのだった。
271 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:36:29 ID:lM76hrsX
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『野々宮くん。君、うちの末の娘と見合いしてくれるかね?』
課長から、そういう話があるから社長に会って来い、と言われた時から緊張はしていたけれど、
自分の勤める会社の社長に面と向かってそう言われると、その緊張感はなかなかのものだった。
志郎がはあ、とあやふやな返事をすると、社長は尋ねてきた。
『うちの娘を知っているかい?』
『はい、昨年の創立八十周年記念式典の時にお見かけしました』
『そうかそうか。まあ、少々太ってはいるが、悪くはあるまい?』
確かに丸顔ではあるけれど、太っているというほどではない。
『かわいらしい方だと思いました』
志郎は素直な感想を述べた。
『そうか』
社長は、娘がかわいくて仕方がない、というのがよく分かる笑顔で頷いた。
『会ってみて性格が合いそうもないというなら、断ってくれて構わない』
そう言われても、社長の娘と見合いをしてこちらから断るなんて、よほどのことがなければできない。
志郎はまた、はあ、と言うしかなかった。
『……社長、失礼ですが、なんで僕なんですか?』
『君のお父上、会社やってるだろう』
『小さいですが』
『いやいや、小さくてもこのご時世を潜り抜けている堅実さはわが社も見習うべきだと思っている』
『……ありがとうございます』
『正直、君のお父上の会社とのつながりを作りたいというのも理由の一つではある』
志郎は黙って頭を下げた。
『もう一つは、まあなんというかな、娘が結婚したいと言い出してね。
どうもふられたらしいんだが……』
社長はそう言ってから誤魔化すように咳払いをして、
『とにかく形だけでもいいから会ってやってくれ』
と言った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
272 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:37:00 ID:lM76hrsX
実際に会って話してみると、おっとりとはしているものの、世間知らずと言うほどの女性でもなかったし、
何より挨拶をした瞬間に、この人なら、と感じるところがあった。
だから結婚することにしたのに、いざ結婚してみたら新婚早々、家庭内別居になった上、
今現在離婚の危機に直面している。
「で、琴音さんはなんで俺と結婚しようと思ってくれたんですか?」
気を取り直して出来るだけ穏やかな声でもう一度聞いてみると、琴音は視線を手元に落として、
握っていたティッシュを指先でもぞもぞと弄りながら小さな声で、
「この人だな、って思ったんです」
と言った。
意味がよく分からず、はあ、とだけ返すと、
琴音はまた泣き出してしまった。
けれど、泣きながら、
「初めて……ひっ、ひろうさんにお会いした時っ、この人が……
私の、旦那様にっ…なる人だ、なって、ほとんど直感で、思ったんです」
と言った。
それを聞いて、志郎は急に顔が熱くなってきた。
嬉しいやら恥ずかしいやらで顔を覆ってしまいたい。
ほんの少し前まで琴音の不可解な行動に怒りを覚え、それでも努めて冷静さを保っていたというのに、
今はもう冷静に話せる自信がない。
たいそうなことを言われた訳ではない。
一目惚れだったとか、実は以前見かけた時からとか、そんな分かりやすい言葉ではないのに、
琴音の気持ちを初めて見つけられた気がした。
志郎は自分の身体を包むくすぐったさに堪えきれずゆるむ口元を隠すために、
空になったマグカップにまた口をつけた。
だが、そんな志郎の高揚感には全く気付かなかったらしい。
琴音はティッシュを二、三枚取ると、それに顔をうずめてしまった。
273 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:37:34 ID:lM76hrsX
「うわっ!琴音さん、泣かないで下さい!」
身体を乗り出して肩を掴むと、琴音は首を横に振って、
「だ、てっ……、わたし……も、分からなくて……」
と鼻をすすった。
「えっ?……分かんないって、何が、ですか?」
「どうしたら、志郎さんに、奥さんて認めてもらえるか」
「何でですか!めちゃくちゃいい奥さんじゃないですか!
俺にはもったいないぐらい出来すぎちゃってるじゃないですか!」
顔を上げ、琴音はようやく正面から志郎を見た。
「本当でふか?」
志郎が帰る前から泣いていたのだろう。
顔がむくんでしまっている。
なんだか、居たたまれない気分になる反面、そんな泣き顔がかわいいと志郎は思ってしまった。
「こんな時に嘘吐いてどうするんですか」
本当だということを示すように、志郎が肩に置いていた手に力を入れると、琴音はキッチンの方をちらりと見て、
「ご飯……美味しいですか?」
と尋ねた。
「美味いですよ」
「お風呂……気持ちいいですか?」
「うん、いつもすごくちょうどいい温度で、風呂場もきれいだし」
志郎ははっとした。
こんなこと、琴音に今まで言った記憶がない。
美味しいご飯をありがとう、とか、お風呂を沸かしておいてくれてありがとう、とか、言った記憶がない。
「……あの、お、おっ……お布団……ベッドはも、持ってきたベッドの方が好きですか?」
琴音にここまで言わせるとは、夫の前に男失格だ。
「好きじゃありません。
最近、寝心地が悪くてしょうがないんです」
274 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:38:05 ID:lM76hrsX
志郎はこのマンションに引っ越してきた時、以前から使っていたベッドをどうしても捨てられず、
部屋数が多く、広いのをいいことに、ここに持ち込んでしまった。
寝室にはシングルベッドが既に二つあったけれど、高級すぎたのか慣れないせいか寝心地が悪かったため、
持ち込んだベッドで寝たい、と琴音に告げた。
この時、寝室に自前のベッドを移せばよかったのだが、面倒だったので自分がベッドの部屋へ移動してしまった。
琴音は文句も言わずにそれを承諾してくれたので、そこで寝るようになってしまったのだが、
これがきっかけで家庭内別居になってしまった。
始めは別々の部屋で寝ても支障はないと思っていたのだが、当然夜の営みもなく、
会話時間も極端に短くなり、食事の時しか顔を合わせなくなってしまった。
その挙句、家事をしてくれている琴音に例の一つも言わなければ、実家に帰れ、離婚しろ、と言われても
何も言い返せないではないか。
志郎は両膝に手を乗せると深く頭を下げた。
「ごめんなさい。俺が悪かったです」
「えっ!あ、あのっ、志郎さん、やだ、やめて下さい」
顔を上げると、琴音はうろたえていた。
「いや、だって、どう考えたって俺が悪いじゃないですか。
朝も夜も美味い飯作ってくれてて、風呂だって俺が返る時間に合わせて用意してくれてるのに、
礼の一つも言わないし」
「あのっ、お、お礼を言ってほしかった訳じゃなくて」
「でも、美味いって言ったこともなかった」
「……はい。あっ!でも、さっき言って下さいましたし」
「……琴音さん。今日から一緒に寝たいって言ったら、怒りますか?」
琴音の顔が赤くなった。
その顔を見た瞬間、このままソファに押し倒したい衝動に駆られたが、ここは我慢だ。
志郎は自分に言い聞かせて、
「俺のベッドで一緒に寝ませんか?ダメですか?」
と彼女の顔を覗き込むようにして聞いた。
275 :
志郎と琴音:2008/10/26(日) 14:38:38 ID:lM76hrsX
琴音は小さく首を横に振ると、
「私も一緒に寝たいです」
と消えそうな声で答えた。
じゃあ、さっそく。
勝手に動きそうになる口を閉じ込めて、志郎は琴音の隣に座ってもう一度頭を下げた。
「琴音さん、今まですみませんでした」
「あの、私も言い過ぎました。
ごめんなさい」
「その……俺、いい旦那になれるように頑張るんで、どうしたらいいか教えて下さい」
琴音は相変わらずティッシュで鼻を拭きながら志郎を見上げてきた。
それから少し目を逸らして、
「……少しでいいので、抱きしめていただけますか?」
と志郎の手に手を重ねてきた。
こんなに可愛らしい人を泣かせてしまったと胸が痛むのに、彼女のしぐさが愛しくて、
志郎はその手を握り返すと、もう片方の手を琴音の肩に廻した。
「少しでいいんですか?」
「……じゃあ、その、少し強めに……」
思わずぎゅっと抱き締めると、腕の中の肩が一瞬こわばった。
それでも構わずに抱きしめて髪に鼻を擦り付けると、甘い香りがした。
腕の中の柔らかい感触と甘い匂いが志郎の本能を刺激する。
新婚旅行以来、琴音に触れるのがほぼ一月ぶりになるせいか、一度首をもたげたそれはなかなか治まってくれない。
だが、ここで押し倒してしまうのはあまりにも自分勝手な気がして、志郎はゆっくり身体を離した。
そして、不思議そうな顔で見上げてくる琴音の額にキスをして、
「俺、安心したら腹が減っちゃいました」
と笑って見せた。
琴音もようやく笑ってくれた。
「はい。すぐに温め直しますね」
そう言って、立ちあがった彼女の手を志郎は無意識に捕まえていた。
「志郎さん……?」
琴音が不思議そうにこちらを振り返った。
「あー、えっと、飯、食い終わったら、今の続きさせてもらえますか?」
不思議そうな顔が驚いたような顔になり、それから恥ずかしそうな顔で小さく頷いた。
(了)
GJ!
で、メシ食った後の続きはまだかね?
GJ!
で、メシ食ってお風呂入った後の続きはまだかね?
GJ!
で、ご飯を食べてお風呂に入ってやることやった後の続きはまだかね?
GJ!
で、メシ食って風呂に入ってやる事やって家族が一人増えた後の続きはまだかね?
想像力豊かすぐるww
ほ
『montage〜真夏の雪解け〜』をググって見つけたが
あっちの保管庫は少々雰囲気が違うなぁ
さすがというか、らしいというか
>>282 作中に登場する友人夫婦の馴れ初め話『週末のパズル』も良いよ!
何も思いつかないのでしばらく放置してました。
ふと思いついたネタを書きます。
十日目
さて、俺はどうやら物事に影響されやすい性格らしい。
きっかけはテレビで見た下着泥棒だった。
で今、姉さんこと我が妻はお風呂だ。
うん。姉さんの裏をかくにはこれしかない。
で、俺は風呂の2段扉の1つ目をこっそり空ける。
多分、姉さんは気づかないだろ。そう思った矢先である。
「まぁ。一緒に入る?」
そこにいたのは一糸纏わぬ姿で湯船につかる姉さんだった。
「!!」
ちょっと考えれば分かることである。
姉さんが扉を二つとも閉めてない可能性があったことを。
「そういえば、いつも思うのですが、
どうして裸を見られたのは私なのに驚くのは弟君なんでしょうか?」
ごもっともで。
「明日からは閉めような。」
「は〜い。」
いくら夫婦だからといってもこの反応は異常だ。
「入る?」
いつ見ても姉さんの笑顔は眩しい。
たとえ、下着泥棒に失敗したときでも…だ。
「入ろう。」
もうこうなったらやけだ。
結局、今日は姉さんと流しっこをしただけだった。
洗うのも、洗われるのも、どっちも気持ちよかった。
姉さんの体を洗うを名目に姉さんの胸の谷間まで
しっかりと石鹸を塗りこんだ。
姉さんには手コキまがいのこともしてもらった。
姉さんの体についた泡をお湯で洗い流したりもした。
「きゃ〜」
瞬く間に、俺の前に全てを曝け出す姉さん。
あぁ。今日も平和だなぁ。
当初の目的を忘れ、今日は膝枕で耳かきをしてもらった後に
その膝枕で眠りに落ちた…。
投下終了です。
果たしてどうやって終わらせようか…。
>>285 え?
日記なんだからノンビリ永く続けることが大事なんだよ
そうだよ。
終わらせようなんてこと考えないで、時々でいいから投下してくれないと。
どうもです。
もう下着だけで続けていくのは限界だと感じ、
今回で俺の嫁の下着事情は、俺の嫁の事情にタイトル変更しようと思います。
登場するキャラクターに変更はありません。
それではお楽しみください。
さてと。今日は昨日のリベンジだ。
また、性懲りも無く姉さんはお風呂だ。
しかも今回はかならず2段目の扉を閉めている。
なぜかって?
昨日注意したからだ。
姉さんはそういったお願いはちゃんと聞いてくれる人である。
さてと、一段目の扉を開くと今回はちゃんと閉まっているようである。
姉さんの方は、呑気に鼻歌を歌っていた。
たぶん、気づいていない。
このまま、服を脱いで乱入する選択肢もなくはない。
だが、それは昨日の二の舞である。
まぁそれも悪くないのだが、
姉さんはその程度では驚いたりはしない。
いかんいかん。そうこうしている間にも時間は過ぎているのだ。
さてと。俺は迫り来るタイムリミットを感じつつ、
姉さんの脱衣籠の中からブラを取り出した。
白いハーフカップのやつである。
しかも生暖かい。さっきまで姉さんがつけていたのだろうか?
あの豊満な乳房がなかに収められていたのだろうか?
姉さんの胸の大きさからして乳首が隠れるのはギリギリである。
つけてるところを是非、見たかった。
くんくん
匂いを条件反射でかいでみた。
姉さんの香りがする…。
この温もりも姉さんのものだ。
あぁ…。間違いなく、今の俺を見たら姉さんは幻滅する。
でも、俺は悪戯をやめられなかった。ごめん、姉さん。
次は純白のショーツである。
これも姉さんのヒップから考えるに、際どいものがある。
今度は下着一枚のまま脱がさないでいよう、
下着の中に手を回すなんてのもいいかもしれない。
そうやって、匂いをかごうとショーツを顔に近づけたときである。
「弟…君?」
風呂から一糸纏わぬ姉さんが出てきた。
当然、俺相手に体を隠す気は無く、バスタオルは右手に握っている。
「……」
まずい。いくらあの姉さん相手とはいえ、下着泥棒はまずい。
あれはどう見ても変態だ。しかも言い訳の仕様が無い。
もう詰みだ。
きっと1週間は口を聞いてくれない。
いや、それで済めばいいが…。
そう思っていた。だが、やはり姉さんは姉さんだった。
「昔を思い出すね、弟君。」
「!?」
さすがの俺もこればっかりは許してもらえるとは思ってなかった。
「憶えてないの?」
何があったというのだ?
とりあえず、謝れば許してもらえそうな雰囲気ではあるが…。
「そっか。昔だから憶えてないか…。
弟君はね、昔。」
「昔?」
「お姉さんとお風呂に入ったときは毎日パンツを盗んで逃げ回ってたんだよ?」
「…。」
「今でもされるとは思わなかったな…。
お姉さんの匂いがかぎたいなら、言えばいくらでもかがせてあげるのに…。
それでも弟君は下着とか好きだよね?」
(直接、嗅いだらありがたみが薄いだろうが。)
と思いつつも、とりあえず謝っておく。効果は別の意味でないだろうが。
「ごめん。俺が悪かった。もうしない。本当にごめん。」
「別に気にしてませんよ?お姉さんのに限るんだったら
私、別に平気ですし。そうだ。弟君。」
「何だ?」
「昔みたいに追いかけっこしよっか?
弟君、パンツもって。私、裸で。」
この展開は予想外だ。
普通に怒られた方がまだましだった。
でも、面白そうだ。
「…。悪くないな。」
「それじゃぁ、よ〜いドン!!」
一糸纏わぬ姉さんが走る!!胸が揺れる!!
俺逃げる。手には姉さんの脱ぎたての下着!!
恥ずかしいところを全く隠そうとしない姉さん早い!!
それが気になる俺、遅い!!
俺、行き止まりに追い詰められる!!
「弟君?我慢ができなくなったらお姉さんに言うこと。
そしたら、弟君の捌け口になってあげるから。わかった?」
全裸の姉に盗んだ下着を奪われた俺は明らかに奇妙な説教を聞いている。
「はい…。」
ものすごく納得いかないが、悪い事をしたのは俺だ。
「Hしよっか?私、もう一度お風呂入ってくるから。」
「あぁ。頼む。」
もう一回、姉さんは風呂に行った。
そして…今夜はベッドの上で盛り上がった。
お互いにいろいろなことをやって、二人で果てた。
最後はキスで締めくくったことも付け加えておこう。
やっぱり姉さんが着けてるから、俺は下着に興味が沸くんだと思う。
姉さんが着けてないとあんなのはただの布切れだ。
中身あってこその下着だ。うん。
俺はこの悪戯でどうでもいいことを学んだ。
そして、姉さんと俺の絆の深さと姉さんの器の巨大さも十二分に思い知らされた。
さてと。次はどんな悪戯をしようか?
楽しみになってきた。さて、今日は姉さんの胸の中で寝るとしよう。
おやすみ…。
291 :
俺の嫁の下着事情:2008/11/02(日) 22:30:55 ID:KNDDhtb8
どうもです。
せっかく向こうでカッコいいところを見せたのに
こっちはヘタレで悪戯好きのカッコわるい弟君です。
甘えられるお姉さんが相手だからつい気が緩むのでしょう。
それでは。また次回作でお会いいたしましょう。
GJ!!!!!!!!激しくワロタww
いいキャラしてるわこの夫婦ww
ホント、弟君はむこうではカッコ良かったのにwww
…しかし時間軸がどうなってるのか、少し気になった。
やっぱりコッチだな
>>240-252の1年前の早川夫妻の話になります
出来婚かつエロ少な目…
そういうのが苦手な方はスルーして下さい
「早川君、新婚なんだろ?早く帰らなくていいのか」
「いや、別に……」
「そうか?じゃ行くとしよう。なあに、あれだ、女房なんか最初が肝心だからな」
嬉々として飲みに誘ってきた上司の後について席を立つと、こっそり溜め息と共に舌打ちをする。
わかってんなら誘うなよ、と自分より二周りは年上の一言多い人間に心で悪態をつきながらも、
表面上は嫌な顔など見せるわけにもいかず、面倒だと煩わしく思う。
自分の故郷とは言えこの春本社から転勤してきたばかりで、社に馴染むためにもこうした誘いには
出来るだけ乗るようにしていた。
彼の名前は早川浩史(はやかわこうじ)27歳、先程上司の言うように新婚の身。3歳年下の妻と
結婚したばかり。それを機に自ら願い出て異動してきたばかりなのだが、そうでもなければ元来
人付き合いの得意でない自分はさっさと家に帰りたいのが本音なのだ。
「今、帰った……」
灯りの消えたリビングに入ると、それを素通りして寝室へのドアをこっそり開けて中を覗く。
ベッドの膨らみを確認するとまた静かにドアを閉めて風呂場へ向かい、服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びた。
新婚だからと言って妻が起きて待ってくれているわけではなく、それが不満だというわけでもない。
だが何となく、どこか物足りないような気持ちが彼の中に生じてきているのを認めないわけにはいかなかった。
「お帰り……」
湯船に浸かってぼうっとしていると、扉が開いて彼女がそっと覗き込んでいる。
「ああ。……悪い、起こしたか?」
「ううん……何か食べる?」
「いや、いい。お前は寝てろよ」
「……うん」
お休み、とまたそっと去っていく。扉越の影を眺めながら彼は1人考える。
「……俺じゃ、駄目なのか……?」
笑顔を忘れてしまったあいつ。
ずっと守ろうと決めた儚げな温もりは、もしや自分など必要としてはいないのではないか――。
ゆらゆら揺れる水面を眺めながら、胸のどこかがきゅっと痛むような気がして、思い切り湯を浴びた。
* * *
「あ……おはよ」
眠そうに目を擦りながら彼女がコーヒーを入れている。いくら眠っても何となく寝足りないのだという。
そんなものなのだろうか、と思うのだが、日頃からずぼらな方でもない筈なので、男の自分には解らない
だけなのだろうと考える。
「ああ」
と返して新聞を読みながら食事を摂り、出勤の支度を済ませるとまだ眠気の抜けきっていない彼女に
「行ってくる。今日は、早く帰るからな」
と声を掛けた。
「ん。わかった。行ってらっしゃい」
その言葉に少しほっと和むと、彼女の髪に触れる。一瞬ぴく、と震えた体を感じて浩史は思わず
手を引っ込めてしまった。
「……あ、ごめん、ちょっと」
びっくりして、と呟く彼女に小さく
「ああ、悪い」
と返すとそのまま玄関に向かい、靴を履いている時ふと俯き加減についてきた彼女に気付いて振り返る。
「なあ、お前」
「なに?」
「……いや、何でもない」
途中で言葉を呑み込み、行ってくる、と告げて玄関を出た。
浩史は会社へ車を走らせながら、数ヶ月前の出来事を思い出していた。
愛永(まなえ)に何度も結婚しようと言ったがその都度断られ、喧嘩の回数も増えていった。
あの日もそうだった。付き合って7年、最初にプロポーズしてから2年待った。彼女は別れる気は
無いというものの、なかなか彼の胸に飛び込んではくれなかった。そんな状態に痺れを切らした彼は
もう待てないと言い、多少強引なやり方でだが彼女を抱いてしまった。
初めて避妊をせずに気持ちのまま衝動的に事を運んだその日――彼らは一つの命を授かった。
そして、それを機に愛永はやっと浩史からのプロポーズを受け入れる事を決めた。
だが、結婚して地元へ連れて来たはいいが、ここの所ずっと彼女の表情は沈んでいくばかりなのだ。
「マナ……」
――お前、幸せか……?
聞きそびれた言葉を頭の中で問い掛けながら、浩史はハンドルを握る手に力を込めた。
* * *
昼休み、浩史は友人と一緒に食事をしていた。
「マナちゃんも慣れなくて大変なんじゃないか?色々とさ」
「……ああ、そうかもしれんな」
大学時代からの仲である八神。彼は浩史が転勤して来る際に別会社から引き抜かれ、一緒にこの地へ移り住んで来た。
「俺だって、やっぱり本当は寂しいもんな……」
八神は携帯のメールを眺めながら、残してきた愛おしい存在に想いを馳せている。
「だったら連れて来りゃ良かったんだよ、お前も」
「いや、俺は無理だよ。あいつの事を幸せにしてやれる保証なんかどこにもない」
まだ10代の女の子の未来を摘み取ってしまう事を恐れ、身を切るような思いで離れることを選んだ
友を浩史はただ黙って眺めていた。
「後悔しないように手に入れるっていってたじゃん、お前。だから不安にさせないように守ってやれ。
……側にいてやれるだけいいじゃないか」
「八神」
「羨ましいよ、お前が」
「…………」
「……っと、悪い、もう行くわ。今日中に仕上げなきゃいけない図面があってな」
テーブルに千円札を置くと八神は携帯を手に立ち上がった。
「お前には、幸せになって欲しいんだよ」
そう言ってまた職場へ戻る友の寂しさを覗かせた笑顔を思いながら、冷めてしまったコーヒーに口を付ける。
愛永が大学を卒業する直前、彼女の両親が離婚する事となった。元々昔から別居状態にあり、家には
常に家政婦と2人きりという生活をしてきたとは言え、さすがに彼女にもその2文字は堪えていた。
それが後押しをしたのも事実だが、既に5年も付き合っていたのもあり、浩史は愛永に一緒にならないかと言った。
だが長年の家庭によるトラウマから結婚に踏み切る勇気が持てなかったのか、愛永はそれを受け入れる
事がなかなかできず、半同棲の生活が続けられてきた。
「保証なんか、俺だってねえよ……」
半ば強引とも言えるやり方で手に入れた。それ程欲しかった物――。
自分がそう思う程、愛永の方は必要としてくれてはいないのではないか……。
溜め息を吐きながら薬指を眺めた。
* * *
今朝言った通り、浩史は仕事が終わると上司や同僚に捕まる前にさっさと家に帰った。だが部屋は
薄暗く灯りは点いていない。声を掛けるも返事が無く、急いで靴を脱ぐとリビングへ向かった。
「マナ……?」
ソファーにもたれ掛かるようにして眠っている愛永を見つけると、心底ほっとして息をつき、寝室から
毛布を持ってきて掛けてやった。
考えてみれば、彼女が他に行く宛なんかあるはずは無いのだが、それでもこうして不安を感じて
しまうのは、やはりどこか噛み合わない夫婦としての自分たちの今の姿があるからなのだろうか。
ふとテーブルに目をやると、針仕事の途中らしく裁縫箱が開けたまま置いてある。その側に広げられた
布地を手に取り眺めながら、もう一方の手で眠っている彼女の髪をそっと撫でた。
「……ん」
カチャカチャと食器の並ぶ音がして目を開けると、キッチンから漏れる明かりにはっと気付いて、
愛永は慌てて飛び起きた。
「お、起きたのか?飯出来たから」
ネクタイこそ絞めてないものの、Yシャツのまま食事を並べる浩史の姿に申し訳なさを感じ、愛永は
入口で立ち竦んだ。
「……ごめん」
「いや、別にいい。それより食えるか?」
「……」
浩史はさっさと席に着くと、お前も座れ、と愛永にも促した。だが、彼女は押し黙ったままでその場から
動こうとしない。
「どうした。具合、悪いのか?」
黙って首を振る。
「食欲ないなら、無理しなくていい。……また、横になるか?」
また首を振る。
「マナ」
立ち上がって側に寄ると俯いて黙り込む。
「どうした?」
「…………」
頬に浩史の細い指が触れ、一瞬だけぴくっ、と震えた肌に今朝の光景を思い出すが、そのまま動こうと
しないのを見てそっと両手で愛永の顔を包み込んだ。
「……?」
指先にふと冷たく濡れた感触を覚えて、くい、と顔を上げさせる。
「マナ」
「……ごめん」
見下ろしたその両の瞳には大粒の涙が溢れていた。
「何で、謝るんだ」
「だって……」
また俯くとぎゅっと握り締めていた手をお腹にやり、涙声で呟く。
「だってあたし、寝てばっかだし、家事もろくに出来ないし、コージの足引っ張ってるみたいで」
「なんだ」
そんな事かよ、と再び顔を上げさせて、宥めるように話し掛ける。
「仕方ねえだろ?お前、今普通の体じゃねえんだから。それに別に飯炊きさせるために結婚したわけじゃねえし」
元々2年前までは家政婦付きだったため家事なんて一切縁の無い、言わばお嬢様だった愛永だ。
大学を出て一応1人で部屋を借りたものの、ほとんど何も出来なかった為大体を浩史のアパートで過ごしていた。
それでも一緒に暮らすまで到らなかったのは、彼女がその申し出を受けなかったからだったのだが……。
「だって役立たずだもん、あたし」
「そんな事言うな」
何かまだ言いたそうに見えた唇を、聞きたくないという風に黙って彼は自らのそれで塞いだ。
軽く優しいキスが終わると愛永はまたぽろぽろと涙を零し、俯きながら浩史の胸におでこを寄せた。
そんな彼女の頭に黙って手を乗せ、撫でながら抱き寄せ言葉を待った。
何がそんなに哀しいのか――そう思いながら。
「……コージ」
「ん」
「どうしてあたしとなんか結婚したの?」
愛永は目を合わさずにそっと体を離すと、またお腹に当てた手を眺めじっと立ち尽くした。
「聞かなきゃわかんねえのかよ……?」
何度も伝えた筈だ。愛している、と。それだけでは駄目なのか。愛しているから側にいて欲しい、
側にいたい。それでは足りないのか……?
「俺じゃ、足りないのか?お前を幸せにしてやれないのか?」
「違う。それはあたしよりコージの方でしょ?」
「…………え?」
自分では彼女の寂しさを埋めてやる事が出来ないのか、と絶望しそうな気持ちになりかけた浩史に
届いた声は意外なものだった。
「駄目なのはコージの方でしょ?」
思ってもみない事を言われて、浩史は何と答えればいいのかしばし言葉を失ってしまっていた。が、
混乱しかけた頭を元通りに落ち着かせ彼女に問い掛けた。
「何だよ。何がだよ。なんでそう思うんだ?……俺、何かしたのか?」
「何もしないから……」
「あ?」
「コージ何もしないし、言わないから」
その瞳はとても不安そうにさまよい、震えているように見えた。
それを見て浩史は自らを落ち着かせ、とにかくここは愛永の気持ちが知りたいと思い、ゆっくりで
いいから話してくれと諭した。
「……あたし、赤ちゃんが出来てから悪阻とか辛くて寝てばっかりで、終わったら今度は眠くてたまらなくて
結局寝てばかりで、ただでさえろくに出来ない家事が益々手に付かなくて、コージに迷惑ばっかり
掛けてる。これじゃ奥さん失格じゃん、あたし」
「そんな事気にしてたのかよ……。んなのそのうちでいいっつってんだろーが」
「そうだけどさ……」
そんなもの承知の上だ。元々嫌いではないし、3兄弟の真ん中で育った浩史は、不器用な兄と病弱だった
弟に挟まれた上に、両親が共働きだった為自分の事は自分での精神でやってきたので、別に女性にそういう
期待を持った事はない。
でなければ、愛永のような彼女と7年も付き合ってるうちに幻滅しないわけがないだろう。
「そんな事かよ」
「それだけじゃない。あたしに触れようとしなくなった」
確かに妊娠がわかってからというもの、特にここへ越してきてからは彼女にあまり触れていない。
「それは、お前の体を考えて……」
「そうかな?」
何が言いたいのかと浩史は口を開くのを控えて耳を傾けた。
「……あたしの髪、好きだって言ってたのに、全く触れなくなった。切っちゃったからつまんなくなった?
お腹が膨らんできたから?それとも他には何も取り柄がないから、その価値さえなくなっちゃったの?あたし」
まさかの言葉に浩史はただ驚くしなかった。
「お前……そんな事考えてたのか?」
確かに愛永の黒く長い髪が好きだと言った。そのためにずっと胸元までの長さをキープしていたのは
知っている。それをシャンプーするのが辛くなったから、と短くしたのには多少残念だとは思ったが、
さほど気にはしていなかった。
少しずつ膨らんできたお腹を不思議に思ったり、体を気遣って触れるのを躊躇ったりはしたが、嫌悪感を
催した事などあるはずもない。それを望んだのは元々自分なのだから。
「その上あたし何も役に立てないし、コージにとって価値の無い人間なんだって。そう思ったら……」
「馬鹿かよ、お前は」
顎の下で切りそろえられた髪を掬い、唇をなぞった指先で涙を拭うと震える体を抱き寄せた。
「……馬鹿。俺はお前と付き合う時言ったろ?会えないほうが辛いんだ、って」
愛永は一時自暴自棄になりかけた事があり、声を掛けた相手とその日の内に関係を持った。
――それがコージだったのだ。最初は割り切った関係を続けるつもりでいたはずなのに、本気になって
しまっていた。
「いや、馬鹿は俺もか」
初めてセックス抜きで会った日、愛永は言ったのだ。
『やれなかったら意味ないじゃん。あんたにとって、あたしは会う事の意味が……』
愛情の薄い両親からは、常に期待だけを背負わされていた。そのため学校での成績だけは良かった。
それしか親に認めて貰える価値は無いのだと愛永は頑張ってきたのだ。それを知っていながら自分は
まるで腫れ物に触るかのように彼女を扱い、自ら踏み込もうとしなかったのだという事に浩史は気が付いた。
「……もっと俺を頼ってくれよ。マナ。それともあんなやり方でお前を手に入れた俺じゃ、やっぱり
駄目なのか……?」
抱き締められて愛永はゆっくりと首を振った。
「……少し、強引だったとは思うけど。でも本気で嫌ならもっと抵抗してた。あたしもどこかで望んで
たから……」
奪って欲しかったのかもしれない。何も迷い考える間もない位に。
「お前がいない暮らしこそが、価値なんてねえんだよ」
その言葉に、愛永は子供みたいにただ泣きじゃくるしかなかった。
* * *
「本当に大丈夫か?」
「うん、少しなら平気だと思う。一応安定期だし」
浩史はベッドに横向に寝転がると、久しぶりに愛永の肌に自分の肌を合わせるよう抱き寄せる。
「腹ちょっと出てきたなー」
恐々と背中にまわしていた手を愛永のお腹に触れる。
「その内つっかえてこういう事も出来なくなるかも」
愛永が顔を寄せてキスをせがむと、浩史がゆっくりそれに唇を合わせながら胸へと掌を滑らせる。
敏感さを増した躰はほんの少しの愛撫でも反応してしまう。
「……んあっ……や、優しく……」
「ああ」
両の重みをすくい上げるようにそうっと揉むと、首筋から耳朶にかけて吸いつきながら唇を這わせる。
「あっ、や……」
「相変わらず弱いな」
ぶるっと震えた肩にキスをして意地悪く耳元で囁くと
「ばか」
と赤い頬を膨れさせて枕に顔を埋めてしまう。
「拗ねんなよ」
愛永のそういう時折自分にだけ見せる子供っぽい部分が浩史は好きだと思う。
わざと開き気味に唇を塞ぐと、待ちわびた愛永の舌が侵入して彼の中で蠢くのをたまらない気持ちで味わった。
湿ったキスの音だけがしんとした部屋に響くのを聞きながら、ただ2人は抱き合っていた。
だがそれだけで一向に事は進まない。
「コージ……?」
「ん……悪い」
愛永がそっと下着の上から触れてみるが、浩史のそれは気持ちに反して通常の状態に近いままだった。
「……やっぱり今のあたしじゃだめなの?愛せない?」
「いや、違うって」
今度は悲しそうに枕に顔を付ける愛永の肩を抱き寄せ、
「何か、何つうかさ、無茶しちゃヤバいなとか、緊張すんだよ!……見られてるみたいで」
「はあ!?」
お腹に目線を落としながら大真面目な顔で頭を掻いている浩史の様子に思わず吹いた。
「ばっ……バッカだぁ〜。んなわけないじゃん!」
「うるせえっ!」
頭を掻くのは困ったときの彼の癖なのだ。真っ赤な顔が可笑しくて、愛おしいと愛永は思う。
「大丈夫だよ……無理だったら我慢しないから」
その言葉に浩史が彼女の躰に手を伸ばす。
おへそからそっと滑らせた指が奥まった秘部へと到達すると、既に滑りを帯びてそれをくわえ込んだ。
「もう、凄い事になってるぞ」
「だって、ひさ、しぶりだか、ら……やあっ、あっ」
きゅうと締め付けてくるその感触を、指ではなく自身が味わいたいと刹那に思う気持ちが通じたのか、愛永の
それを握る手に力がこもった。
「……う」
「コージ、なんか元気になった?」
潤んだ瞳で見つめてくる愛永の顔を見て、浩史のそれがどんどん硬さを増してゆく。
「……お前は?」
「あのさ、あんまり……感じすぎたりすると良くないんだって。だからそっと……。コージは?」
浩史の方は答えるまでもないだろう。
「辛かったら、言うんだぞ?」
「ん……あっ」
横向きのまま向かい合った躰を抱き寄せると、愛永の片足を持ち上げ中へ圧し進む。
「あ……」
開かされた脚を浩史の躰に絡ませるようにしがみつき、愛永は思わず背を反らす。
彼女を気遣って浅くゆっくり動いてはみるものの、一度振り切ってしまった理性は抑えがきかない。
「……悪い、マナ。良すぎる……」
「ん……ふ、ふうっ、あっ!?」
何とか欲望が暴走しそうなのを抑えようと、気を逸らすために舌を絡ませるように少々強引にキスをするが、
狂い始めた彼女の泣き声を聞き逃すまいとしてまた耳元に舌を這わせ、逆に昇り詰めていってしまう。
「あ、コージ、や……」
「ん……っ」
ぎしぎしと確実にリズムを刻み始めたベッドのスプリングの音が更に2人を狂わせた。
「……も、もう、イッていいか?」
「ん……っ」
しがみつく腕に更に愛永は力をこめる。
「お願い、中には、出すの良くない、から……」
「……ああ、わかっ……」
思い切り弾けさせてしまいたい気持ちを抑えながらすんでのところで躰から引き抜くと、自らの熱情を
愛永の肢体に散らせて、静かに倒れ込んだ。
「疲れたか?」
「ちょっとね。でも嫌な疲れじゃないよね」
浩史も心地良い疲労感を感じながら、汚れたお腹を拭いた愛永の汗ばんだ躰を腕枕して抱き締める。
彼がそっとそのお腹の膨らみに手を当てていると、愛永がぽつりと呟いた。
「ねぇ」
「ん?」
「……あたし、ちゃんとママになれるのかな?」
「マナ?」
浩史が覗き込んだ顔には、また不安を浮かべた瞳が彼の姿を捉えて震えていた。
「あたし、ちゃんとコージの子ども、愛してあげる事出来るのかなあ?」
浩史が覗き込んだ顔には、また不安を浮かべた瞳が彼の姿を捉えて震えていた。
「あたし、ちゃんとコージの子ども、愛してあげる事出来るのかなあ?」
浩史は息を付くと、愛永のお腹をゆっくりさすり、それからまた抱き寄せた。
「お前が思ってるよりいい母ちゃんになるんじゃね?」
「え?」
「何かちっちぇえの、見たんだけど。あれ、自分で作ってんだろ?こいつのやつ」
「……見たんだ?」
縫いかけのまま眠ってしまった、赤ちゃん用の肌着。
「下手くそだよね?笑っちゃった?」
「笑わねえよ」
真剣な目をして愛おしそうにお腹を撫でる。
「笑ったりしねえ」
「……」
「お前さっきから、やってる最中何言ってたか覚えてるか?」
「え?」
「口にしてたのは、ずっと腹ン事ばっかりだった。俺なんか理性吹っ飛びかけてたってのに。針仕事だって
嫌いだっただろうが。愛情のない奴がそんな真似できっかよ」
「……うん」
「俺だって、産まれてみなきゃ正直わかんねえなって時もある。けど、マナがそうやって大事に守って
くれんなら、俺は俺に出来るだけの事やるから。……俺は、ただお前を好きでいる事だけしか
出来ねえけどな」
「……充分だよ。だって、あたしが欲しかったのはずっとそれだけだったんだもん」
ただ好きになって――愛して欲しい、それだけがずっと本当に望んだものだった。それを教えて
くれたのは浩史だ。
「あたしもずっと……コージの事、好きでいるから。頑張っていい奥さんになるから」
愛永はこれまでとは違う涙を浮かべながら、浩史の頬に自分の頬を寄せた。
暫く横になった後、シーツを取り替えようと浩史がベッドから立ち上がった時だった。
「あ……れっ!?」
「どうした?」
小さく呻いて身を屈めた愛永に駆け寄ると、一瞬驚いていた表情が徐々に弛んでいく。
「……た」
「え?」
「あのね、今動いたよ。絶対動いた!」
ほら、と浩史の手を掴んでお腹に押し当て、一方の手で『しっ』と声を立てさせないよう促す。
じっと神経を集中させていると、そのうちに小さく中からポコポコと微かな感触が伝わってきた。
「……ね?」
「ああ」
照れ臭いのかほんの少しだけ緩めた彼の頬に彼女の手が触れる。
「2人きりも今の内だけだね」
「ああ……けど、いずれこいつも誰かと一緒になるんだ。……それからでも遅くねえさ」
空いた方の頬を指でポリポリと掻きながら
「飯食うか」
とキッチンへ向かった。
それから新婚生活をやり直すのもいいかもしれない――。
彼の最上級の照れ隠しを真似して頬を軽く掻きながら、愛永はシーツをかき集めてキッチンへ向かった。
* * *
翌朝浩史が起きると、愛永がキッチンでまじまじと皿を眺めている。
「どうした?」
「あ、おはよ。ねえ、これ見て」
覗いた皿には黄身が2つの目玉焼きが乗っていた。
「何だ?実は裏が黒いのか?」
「違う!そりゃこの間やったけど……そうじゃなくて。これ1つの卵から出てきたの、黄身2つ。
あたし初めて見たんだよねー」
興奮して嬉しそうにまくし立てる愛永が子供みたいに見えて、知り合った頃の醒めた彼女が別人の
ようだ、と思いながら、浩史は一緒にそれを眺めて微笑んだ。
「……いいね、こういうの」
「あ?」
「こういう事が分け合えるのって、幸せなんだよね?」
「……そうだな」
些細な喜びを伝えて分かち合える相手に恵まれるという事は、本当は稀で幸せな事なのかもしれない
と側で微笑む愛永を見て浩史は思う。
もっと早くからそれを伝えてあげられていたらとも。
――そういう意味では『最初が肝心』なのかもしれない、と煩い上司の一言多さに、この時ばかりは感謝する事にした。
* *終わり* *
リアルタイムGJ
ウルトラGJ
『週末のパズル』のマナとコージ新婚話 キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
ハイパーGJ!
照れ屋ゆえのぶっきらぼうで口下手なコージがマナに注ぐ
不器用だけど真摯で一途な愛情がイイ!
マナの頑なな心を受け止め、忍耐強く解きほぐしていく姿に
男の器量…というか7年間での成長を感じました。
絆を深めた2人と生まれてくる赤ちゃんに幸あれ!
GJ!!
やっぱりいいな夫婦の安心感は。
コウジ大人になったのね
ほ
ら
き
す
し
よ
! ?
ほ
っ
ち
322 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:20:30 ID:hdYfKVNV
ほっちゃん好きには悪いが、ところがぎっちょん!!
新作の投下でい。
さて、今作から日付はなくなりましたが内容にさしたる変化はありません。
それではお楽しみ下さい
今日、いままで必死に努力した末に出来た物がついに完成した。
どんなものなのか?まぁ聞いて驚け。
俺の部屋は2階にあるのだが、なんと風呂の真上にある。
つまり、そこに穴を開ければ風呂の様子が丸見えなのである。
だが、その穴を開けるまでが長かった。姉さんに悟られないような位置をみつけ、
さらに覗くときにはくっきり見える。この兼ね合いはかなり難しかった。
しかも姉さんに悟られないように穴を開けないといけないから、
毎日の作業は少しづつやった。そして今日、完成した覗き穴。
さっそく今日、姉さんが風呂に入ったら使ってみよう。
そう思った矢先である。
姉さんがタオルと着替えを持って、風呂に入ろうとする。
おぉ。神の導きという奴か。さっそく使ってみようと思ったところ…。
「弟君も一緒にどうですか?」
「……」
なんでこう努力を無に返すようなこと言うかな?
「弟君、大人になっちゃったね」
「おい」
俺はどうやら姉さんの認識では子供らしい。
なんか納得いかない。
「お姉さん、寂しいな……」
かなり寂しそう顔をする姉さん。だが、俺にもプライドがあるのだが…。
「入るか」
「は〜い」
でも姉さんに甘えられるなら子供でもいいや。そう思うことにした。
そして、姉さんに擦り寄ってみる。
よしよしと、胸で抱きかかえられ頭を撫でてもらう。
何回やっても柔らかくて気持ちいい。
しかも温かい。
「よしよし、弟君は甘えんぼさんだね」
「そうだな」
甘えられる女性がいることはいいことだと思う。
それが奥さんなら尚更だ。
最近は、家より職場のほうがマシとの事を聞くが
俺の審美眼は確かだったといえよう。
323 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:23:41 ID:hdYfKVNV
さて、姉さんは脱衣所に来るなりなんの恥ずかしげもなく服を脱ぎだした。
その一部始終をじっと見ている俺。
シャツのボタンを外し、ブラを外し、スカートを脱いで、
最後の一枚を洗濯機に放り込む。次々と露になる姉さんの裸。
それを呆然と見つめる俺に対して
「すけべ」
「……」
すみません。なにも言い返せません。
「でも、興味あるなら好きなだけ見ていいよ?」
「……」
俺は姉さんの艶姿を3分は見つめていた。
さて、二人で同じ浴槽に入る。
実は俺は姉さんのために浴槽を改装して大きくしておいたのである。
「気持ちいいね、弟君」
「あぁ」
湯船に漬かるとお互いの裸は見えなくなる。
だが、姉さんの胸はぷかぷかとお湯に浮いていた。
さすがは大きい脂肪の塊である。
「触ってみたい?」
「少しは……」
「どうぞ?」
ムニュ
姉さんが許可を出したので思いっきり揉んで見る。
手の形に従って形を簡単に変える胸は、もうこれで揉む回数が
3桁を超えただろうに、揉んでいて飽きが来なかった。
324 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:25:05 ID:hdYfKVNV
「弟君。一つ、頼んでもいいですか?」
「なんだい、姉さん?」
「その…陰毛を剃ってくれませんか?」
「!!」
いくら夫婦とはいえ、さすがにそれはまずいだろ。
そもそもそんな大切なところのお手入れを俺なんかが……。
だが、姉さんの繊細な蕾に纏わりつく毛を一つ残らず剃り上げる。
そんな面白そうなことに俺が抵抗できるわけがなかった。
ついでに言っておくが、俺はツルツル派である。
「まずは、これ塗ってください」
俺は浴槽から出た一糸纏わぬ姉さんにジェルを渡される。
これを秘所にくまなく塗りたくれと言う事なのだろう。
俺は覚悟した。
そして、姉さんの繊細な秘所に手を回して塗りたくった。
「ひゃっ、はぁん♪」
俺の手が姉さんの性感帯に触れるごとに喘ぎ声をあげる姉さん。
いつもやられてる分、思いっきり塗りたくってやろう。
こうしているうちに、姉さんの秘所はジェルだらけになった。
次は姉さんのデリケートな部分に剃刀を当てる作業だ。
「なんだか…、怖いです…」
「任せてくれ。えいっ」
ジェルを押しのけ、剃刀が姉さんの秘所を露にする。
邪魔な毛を掻き分けながらだ。
「なんだか…恥ずかしいです」
「男冥利に尽きるな。それっ」
「あっ」
ふたたび姉さんの秘所を走る俺の剃刀。
残ったジェルはあとわずかである。
「いぢわる」
「お互い様だろ?」
「む〜」
「最後の、剥いちゃうよ?」
「はい。お願いします」
ぞりっ
最後の一太刀の元に姉さんの秘所を隠すジェルは一掃された。
露になったのは姉さんの綺麗な割れ目である。
手で隠そうとする姉さんの腕を無理に押さえつけてみる。
こうして見つめてみること30秒
「満足ですか?」
325 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:25:46 ID:hdYfKVNV
「あぁ、次は体の洗いっこだな」
「もうっ……」
その後は姉さんの体中に石鹸を塗りたくった。
姉さんの乳は俺の手に合わせて、簡単に形を変えた。
これで姉さんの乳を揉んだ回数がまた増えたといったところか。
隠すものが何も無い姉さんの秘所も俺の手の餌食になった。
姉さんが小刻みに体を震わすのを押さえつけるのがなんとも言えなかった。
次は姉さんが俺の体に石鹸を塗りたくる番である。
洗うのも洗われるのも、どっちも幸せである。
と、思ったら姉さんは自分の胸に石鹸を塗りたくりはじめた。
「弟君。こういうのはどう?」
と姉さんが言うと、姉さんは自分の胸をスポンジ代わりに俺の体を洗い始めた。
スポンジより柔らかくて、すべすべして、弾力があった。
「ねっ、姉さん!!」
さすがの俺もこれは予想しなかった。
まずは背中に胸を押し付けられる。見えない分、想像の余地がある。
次は谷間に俺の腕を挟み込んですりすり。
足もすりすり。
ついでに、アソコもすりすりしてもらった。
「喜んでもらえたでしょうか?」
「……」
さすがに嬉しかったとは素直に言えなかった。
でも次、風呂に入ったときはやってほしかったりする。
なんだかずるい。
そこで話題をそらすことにする。
326 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:26:39 ID:hdYfKVNV
俺は隠れて買っておいた100円の水鉄砲を掴むと姉さんに風呂のお湯をかけた。
「きゃっ!!」
右乳を露出する姉さん。それみたことか。
そう思っていると、その隙に姉さんは桶を掴み取った。
そして反撃にでる。
「おっと」
お湯をもろにかけられる。
姉さんの視線が少し、恥ずかしい。
次の狙いは左乳である。
的はとても大きくて狙いやすかった。
「ひゃん!!」
俺の射撃で姉さんの胸を隠す石鹸はあっというまに流された。
姉さんの乳首が露出する。
「姉さん、撃たれたくなかったら手を上げるんだ!!」
「あのっ、おっぱい……」
さっきまでお互いに裸だったのに、もはや今更感がする。
というより、間違いなく演技である。
「いやん」
「早く上げろ。」
俺は姉さんの乳首にお湯を撃ち出した。
すると姉さんはビクビクと手を上げた。
両手が無防備で胸を露出している状態だ。
これは、もう撃つしかないだろう。
「弟君…、撃たないで…、そこだけは…お願い…」
だが、俺は容赦なく姉さんの秘所に銃口を向ける。
「いやっ、お願い、やめてっ!!」
「だめだっ、えいっ!!」
ピチョン
俺の水鉄砲は見事に姉さんの急所を射抜いた。
泡が取れて姉さんの恥部は露出する。
姉さんの方はあまり慌てる気配ではなく落ち着いて手で隠した。
「む〜。あれほど撃たないでって言ったのに〜」
「悪い、悪い。つい撃ちたくなった」
「えっち」
「悪かったって」
「仕方がありませんね。許してあげます。入ろっか?」
「あぁ。そうだな」
俺と姉さんはもう一度湯船にに入った。
後はしょうもない雑談をしただけだった。
「俺、先出るよ。」
「分かりました。お風呂、洗っておきますね。」
「頼む。」
俺は風呂から出た。中々、充実した時間だった。
あの姉さんが演技であっても必死に撃たないでという姿には、心を撃たれた。
つい、引き金を引いてしまったじゃないか。
こうして、俺の計画は頓挫した。
いや、頓挫したわけじゃない。これはまだ始まりなのだ…と。
mission imcompleted
327 :
俺の嫁の事情:2008/11/18(火) 21:30:00 ID:hdYfKVNV
どうもです。
いろいろ忙しくてすみませんでした。
一応、あっちの方では秘書という新キャラが出ましたがこのスレでは
ほとんど出てくることはありません。
出たとしても背景が関の山です。
まだ弟君のミッションは終わってません。
次回にご期待ください。
それでは。
ホントこの二人ラブラブだなww
エロ和むわ。GJ!
保守
たまにはage
あがってなかったorz
ほ
し
い
の
あ
な
た
の
こ
とある週末。
久々にまとまった休みを取ることができた俺は、その一時を妻のために費やすことにした。
本当はどこかへ遠出したかったが、皐月の発案で家の大掃除をすることになった。
結婚に際し彼女の祖父から贈られたこの家はとにかく広い。
今までは皐月が一人で何とか手入れをしてきたのだが、自分のことは自分で、という彼女の強い希望でお手伝いがいないこともあり、さすがに行き届かない箇所も多いのだ。
こんなに広いのだがら業者を呼べばいいだろう、と言ったが、
「信哉さんと一緒にやりたいんです…」
などと言われて断るわけにはいかない。
というわけで、バケツと雑巾を片手に奮闘している。
こんな風にまともに掃除をするのはいつ以来だろうか? 学生の頃は正直に言って怠けていたことの方が多かった気がする。
『信哉さ〜〜〜ん!!』
柄にもなく鼻歌などを歌いながら埃を拭いていると、皐月の声が響き渡った。
何か少し泣きそうな感じだったが、とりあえず行ってみる。
「どうした?」
「あ、あうぅ…助けてください…」
見ると着物の腕を捲って、雑巾を持ち戸棚の前に立ち尽くしていた。
どうやら腕が上に届かなかったようだ。少し涙目になっているのがなんともいじらしい。
「私がんばったんですけど…その、どうしても届かなくて…」
不意に棚の前で必死にぴょんぴょん飛び跳ねる図が思い浮かび、思わず吹き出しそうになるのを堪える。
「あの、ごめんなさい。わざわざ呼んじゃって」
「ん、別に構わないぞ…それより、今助けてやる」
「え?…きゃっ!」
彼女の体を抱き上げ、顔が棚の前に行く程の高さまで持ち上げた。
「これで届くか?」
「あ、…はい、ありがとうございます…」
そうして、俺たちはその後も2人で掃除を続けた。
子供みたいだなと言いつつ、雑巾がけで競争したり。
互いに協力して、笑い合いながら。
そうやって家中を奇麗にすることはとても充足感があった。
掃除をすることがこんなに楽しい事だと初めて知った。
これもきっと、彼女と分かり合えたおかげなのだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
時計は午後3時を回っている。
掃除は一段落ついたので、とりあえず2人でお茶にすることにした。
彼女は座布団の上に正座して眠そうな顔をしている。
時折うつらうつらとなりながら、はっと顔を上げている。
そんな様子がとても愛らしく、つい見入ってしまう。
…ふと、以前から彼女にやって欲しかったあることを思い出した。
今なら時間もあるし、この際だからちょっと頼んでみるか。
「なあ、皐月」
「ふにゃ…は、はいっ!?」
「頼みがあるんだが」
「な、なんなりとっ!!」
「洋服を着てみてくれないか」
一瞬きょとんとした顔を見せる。
「え、洋服、ですか?」
「そうだ」
彼女は普段から常に着物を着ている。
日本の着物というのは、布の量の調節で季節を問わずに普段着として着ることができ、
さらに礼服としてもそのまま用いることが可能な機能的な服である―これは彼女の受け売りだ。
とはいえ毎日同じ格好を見ていると、やはりいつもと違った服装の彼女を見てみたくなる。
「あー、…えっと、持ってないです、多分…」
「一着もか?」
「はい、小さい頃からずっとこんな格好だったので…」
はあ、と思わず軽い溜息をついてしまった。
最近は慣れてきたが、やはりお嬢様なだけあって世間とは離れているらしい。
「あの…すみません」
「別に構わないよ、謝ることじゃないさ」
そう言ってテーブルの上の新聞に手を伸ばし、適当な欄を広げる。
特に刺激的なニュースもない。紙面は連日世界経済の不況について似たような内容を伝えている。
―まあ、持ってないならないでいいか。今度2人でどこかに行った時に一着買ってやるのもいいかもしれない。
そんなことを考えていると、今度は彼女の方から声をかけられた。
「あの、信哉さん、一応あります。一着だけ…」
新聞を閉じ、彼女に目を向ける。
「どんなのだ、それは」
「えっと…洋服、というか…制服、なんですけど…高校の時の…」
思わず体が反応する。
彼女の通っていた高校というのは、確か都内でも有数のいわゆるお嬢様学校である。
そういう学校の制服というのががどんなものかは全く分からないが、見ることができるなら妻の制服姿というものは是非見てみたい。
「それ、着てみてくれ」
「ええっー? そんな、だめ、恥ずかしいです…」
「ダメか? ぜひ見てみたいんだがな、お前の制服姿」
「だ、だって…その、サイズとか合わないかも…」
「少し見せるだけでいいから」
彼女は割と、というかかなり押しに弱い。もう少しだ。
手を握って目を見据え、はっきりと願いを伝える。
「頼むよ。ほんの少し、見せるだけでいいから」
しばらく迷っていたようだが、やがて観念したように口を開いた。
「じゃ、じゃあ…ほんとに、少しだけですよ」
ふすま越しには先ほどから彼女が着替えている証の衣ずれの音がわずかに聞こえてくる。
普段とは違う妻を見るのだと思うと妙に緊張してくる。
『あの、信哉さん』
彼女の呼び声。
「終わったか? …早く見せてくれよ」
『は、はい。あの、それで、着てみたんですけど…やっぱりきついです、その、胸、とか…
多分その、され、た…か…ら、…しんや、さんに…』
言っている途中で恥ずかしくなったのか、最後は消え入るような声になってしまった。
『…………』
「…………」
…自分の妻にそんな色っぽいことを言われて、黙っていられる夫がこの世にいるだろうか?
俺は立ち上がると勢いよくふすまを開けた。
…しばし、絶句してしまった。
可愛い。
いや、可愛いなんてもんじゃない。
可愛すぎる。
小柄な体型に映える紺色のブレザーは、肩に届く長い黒髪と相まってはっとさせられるような美しさを醸し出している。
そんな中、胸もとで蝶々結びされたリボンが少女らしさを演出していて。
そして、プリーツスカートから伸びる雪のように白い足。
可憐、という言葉はこういう時に使うのだろう。
そう言っていいほど、目の前の彼女は可愛らしさに満ち溢れていた。
「あの、信哉さん、そんなに見ないで下さい…恥ずかしいです…」
彼女の声がして我に帰った。どうも大分長い間見とれてしまっていたらしい。
「可愛い」
「へっ?」
「可愛い。最高に可愛いよ、皐月」
「あ…ありがとうございます…嬉しいです…」
褒められたことはまんざらでもないらしく、少しはにかんだ笑顔を浮かべた。
「えっと、じゃあ、そろそろ脱いでもいいですか?」
…ここで着替えさせてしまうのは、何というかかなりもったいない気がする。
「だめ、しばらくそのままでいて」
「え、あ、はい…」
最初は嬉しそうにしていたのだが、いい加減見つめられ続けて羞恥心の方が勝ってきたらしく少し落ち着かずにもじもじし始める。
「あの、私、何をすれば…?」
ほのかに紅潮したな顔で尋ねられて、不意に悪戯心が湧きあがった。
彼女のそばに近寄ると、隙を突いて一気にスカートをバッと捲りあげた。
水色の下着が一瞬露わになる。
「きゃ――――――――――――っ!?」
彼女は思いきり絶叫を上げると、ぺたんと膝を付く。
「い、いきなり何するんですかぁ…」
「ごめんな、あまりに可愛かったから、つい、な」
「もお…」
後ろから彼女を抱きしめる。
この姿勢は一番彼女が安心するらしい。
「許してくれ、な」
触り心地の良い髪を、その一本一本をなぞるようにそっと撫でる。
その動作を何度も繰り返し、喉元をくすぐってやると、くうん、とまるで子犬のような声を漏らす。
そのまま心地よさそうに体を俺に預けていたが、やがて身をよじって腕から逃れようとした。
「…皐月? どうした?」
少しの間を置くと、やがて頬を赤く染めそっと告げた。
「あのっ、…あたってます…さっきから」
言われて股間を見やると、ジーンズの上からでもはっきりと分かるほどに張りつめてしまっていた。
ここ最近仕事が忙しかったので、彼女の体温、息づかい、甘い匂い、柔らかい感触、それらを感じるのはほぼ一週間ぶりになる。
そして何より、新鮮な制服姿。
…どうやら、平たく言えば俺は欲情してしまったらしい。
「信哉さん…?」
無言で抱きしめる手に力を込める。
「え、ええと…着替えていいですか? は、恥ずかしいですし、掃除の続きしないと…」
「…したい」
「え?」
「今からしたい」
一瞬の沈黙。
「えっ… ……ええええええええええっっ!?」
そして、素っ頓狂な声が上がる。
「駄目か?」
「えっ、えとっ、それって、まさか、このまま、ですか…?」
「そうだ。お前のそんな格好を見てたら、欲情した」
「よ、欲情って、そんな」
「なあ、駄目か」
「い、いや、そんなの絶対無理です、恥ずかしいですよお…んむっ」
言葉の中途で顔をこちらに向けさせ、唇を重ねた。
少し強引に舌で唇をこじ開け、唾液を流し込む。
両手で頭を抑え込み、先程食べていた茶菓子のせいか、ほのかに甘い味のする口内を荒く蹂躙する。
「―はぁっ、信哉さ、待ってっ、わたしっ―んんっ!」
唇を離した直後、息をつく暇も与えず再び唇を奪う。
先程より激しく。唇に、前歯に、舌に、臼歯に、歯茎に、喉奥に、次々に舌を絡めて舐め上げる。
ぴちゃぴちゃという水音と、彼女の苦しげな息づかいが本能を煽ってゆく。
互いの唾液が混ざり合い、唇から溢れて制服のブレザーの上に垂れ染みを作った。
「―はぁっ…!」
長い接吻から解放されると、彼女は深いため息をつく。
「まだ駄目か?」
「はぁ、はぁ、お…ねがい、まってぇ…」
「待てないよ」
「っひゃう!、ん、うぅん…」
今度は耳に軽く息を吹きかけ、そのまま輪郭を舌先でなぞり、耳たぶを口に軽く含んで愛撫してやる。
その間にも指先は背筋から尻にかけての線を往復させ、その度に体が面白いように反応を返す。
「参ったか?」
「くふっ、あう…そんなこと、な、ひゃあ…」
汗ばんだ首筋に、その汗を舐めとるようにつぅっと舌を這わす。
「素直になれ」
「っくうん!、…わ、わかりましたから、あぁ…おねがいだから、もういじめないでぇ…」
―――思わず小さくガッツポーズしそうになるところを、何とか堪えた。
あれ以来皐月とは何度か体を合わせたが、こんな風に昼間から明るい場所でするのは初めてだ。
自分の妻と、服を着たまま、しかも高校時代の制服を着てセックスをする。
その倒錯した状況に、思わず目眩がするほどの興奮を覚えた。
ひとまず、彼女の息が落ち着くのを見計らう。
膝立ちで抱き合った状態のまま、胸に手を伸ばす。
「あ…」
「どうした?」
「あ、あのっ」
「大きくなったんだろ?」
「そ、それは…」
「確かめてやるよ」
そっと2つのふくらみを掌で包み込み、、やわやわと優しく揉みしだく。
言われてみると、確かにブレザーの胸部は少し張り詰めており窮屈そうに見える。
「なるほど、ちゃんと大きくなってるな…感心感心」
「気のせいですよおっ…そんな、変なこと、言わないで下さい…」
しかし、ブレザーのボタンを外した時、はふ、と小さく解放されたような溜息を漏らしたのは見逃さなかった。
「気のせいじゃないだろ、今まで苦しそうだったじゃないか」
「それはっ!、ええと、あの、その……
…うう、信哉さんのせいです…」
「安心しろ…責任はとるよ」
「せ、責任って…? あんっ!」
ワイシャツのボタンも2、3個素早く外し、そこから手を滑り込ませ、下着の上から乳房に触れる。
「もっと大きくしてやる」
円を描くように、撫で回す。
膨らんだ突起を下着越しに軽く弾くと、同時にぴくんと体が震える。
さらに鎖骨をなぞり、脇腹や臍にもにも手を伸ばして愛撫する。
もっと彼女に触れたくなり、背中をまさぐって拘束を解く。
直接さわる乳房の感触は、布越しよりもはっきりとその成長を伝えてくる。
こう言うのも少し失礼かもしれないが、彼女は自分に抱かれる度に女らしさを増してゆくような気がする。
「あ…うっ、あう、くうぅん、―っはあああぅっ…」
と、こんなことを冷静に考えてはいるのだが。
腕の中で身を悶えさせ、甘い声で喘ぐ彼女を前に、自分自身の本能を抑えていられなくなってきた。
その時。ふと下を見やると、スカートと畳の隙間に僅かに見える太腿に、一筋の粘液が伝っているのが見えた。
「濡れてるな」
スカートの中に手を入れ、内股を伝う愛液を人差し指ですくう。
「やあ…」
そのままそれを顔に近づけると、目をきゅっと閉じて顔を反らす。
「そんなに嫌がることないだろ」
「だ、だって…はずか、しっ…くううんっ!」
唐突に、一際高い嬌声を上げる。俺の指がが下着越しに秘部に触れたからだ。
既にそこは洪水状態で、下着の許容量を超えた愛液が溢れ出していた。
「こんなに濡れて、今更恥ずかしいも何もないだろ」
「そんなことっ、んんっ、いわれ、て、もおっ」
そう言う間に、ゆっくりと秘所への愛撫を始める。
中心を微妙にずらし、小さく円を描くように撫でる度に細い腰がぴくんと震える。
「っんあぁ…、や、あう、あああ…」
激しい喘ぎが本能を揺さぶった。
下着をずらし、溶けそうなほど濡れそぼった秘部に直接触れる。
「あああっ!…っやあっ、し、しんやさっ、だ、めっ、ああっ…!」
軽く触っただけで、体が小さく震え、頂点が近いことを知らせる。
「我慢するな」
軽く指がめり込む程度に押す。
「ひゃっ!?」
そのまま、軽く秘所を掻き混ぜるようにくすぐり、同時に空いた手で左胸の乳首の先をぴんと弾く。
「だ、だめぇっ、う、ああっ、…――――――――――っぅっ………!!!」
大きく息を飲み込み、全身を強張らせ、最初の絶頂に達した。
「はぁ、はぁ…」
彼女は後ろから抱かれた姿勢のまま、昂った体を少し静めている。
「何だか…」
顔を赤く染め、こちらを振り向く。
「な、何だか、いつもより、すごい、です…」
「この格好のせいだろ」
彼女のブレザーの裾を指でつつく。
「そ、そう、なんですか…?
わ、わたし、何だかすごくいけないことをしてるような気がして…」
「だけど、興奮する?」
慌てたように目を逸らす。
が、少しの間を置き、こくん、と頷いた。
「そういうのを、まあ、背徳感、って呼ぶな」
「分かんないですよお、そんなの…」
「…じゃあ、もっといけない事をしてやる」
「え…きゃ、きゃあっ!?」
先程やったようにスカートを捲り上げる。
そして、素早くその中にもぐり込んだ。
「ちょ、ちょっと、何してるんですかぁっ!」
抗議の声を無視し、太腿に顔を寄せる。
「だめ、ですってばぁ…出、て、ください…」
膝立ちの態勢を崩して懸命に逃れようとするが、腰を掴んでそれを許さない。
愛液の痕がに残る内股に唇を寄せ、ちゅうっと強く吸った。
「!?っ、やああっ! だ、だめっやああああああっ!」
ほとんど悲鳴に近い嬌声が脳髄を刺激し、脆い理性は完全に打ち壊された。
再びとめどなく流れ出した愛液で顔が濡れるのも構わず、夢中で彼女の柔肌を蹂躙していく。
雪のような白い肌は、何度も吸い上げられる度に赤い痕跡を残す。
「やう、あああん…だめ、だめぇ…」
懸命に上げる抗議の声も、もはや蕩けるような甘い音に変わり、余計に感情を煽るだけだ。
太腿から唇を離し、そして間髪を入れず熱い粘液を湛えた恥部に顔を寄せ、激しく吸い上げた。
「やっ、やぅぅぅぅん!、あう、ん、ああああああああああああぁっ!」
不慣れな強い快感に押し上げられ、恥じらいを捨てて絶叫する。
真っ赤に充血した芽に舌を這わせ、軽く歯を立ててやる。
全身がびくっと痙攣する。
「ああああっ!、きもち、い、いい、いっちゃ、いっちゃ、―――――っ!」
最後の仕上げに、再び思いきり秘所を吸い上げる。
「あああああ、ああああああああああああんっ!!!」
びくびくと体を震えさせながら、彼女は再び絶頂へと押し上げられた。
「おねがい、信哉さん、もう…」
彼女は荒い息を付きながら、2度の絶頂に達した体を休めていたが、それが収まると自分から求めてきた。
返事は言葉では返さず、頷いてそれに答える。
普段なら、頃合いを見計らって柔らかく布団に押し倒してやるのだが。
…こんな格好をしているのだ。せっかくだから、今日はいつもと違う事をしてみたい。
「ほら、立って」
四つん這いになって息を付いていた彼女の手を持ち上がらせる。
「え、あ、あの…」
「そこの壁に手付いて」
いつもと違う流れに多少戸惑ったようだが、それでも素直に言葉に従う。
「そう、そしたらお尻を出して」
「えっと、こうですか…?」
―――思わず目眩を感じてしまった。
それほどまでに今の皐月は色っぽい。
付き出された丸く小ぶりな尻。ほんのりと朱が差した白い足は、先ほど付けた唇の痕が見え隠れして恐ろしく煽情的だ。
こんな姿を自分のものに出来る。そう思うと、途方もない衝動が湧き上がるのを感じた。
「だ、だ、だめですっ、だめですこんなの! 恥ずかしすぎますっ!」
自分がどういう格好をしているのかに気付いたらしく、慌てて姿勢を崩す。
「じっとしてろ…後ろから入れるからな」
「う、うう後ろって! そんなの、死んじゃいますよぉっ!!!」
ばたばたと手足を振り回す彼女を後ろから抑え込む。
「暴れるな! …嫌なら、ここで止めるか?」
少し意地悪く聞くと、手足をぴたっと止めた。
「そ、それは…嫌です、…けどぉっ…!」
「なら、さっきの姿勢になれ」
「うう…」
少し考えるそぶりをしていたものの、やがて決心したらしい。
元のように壁に手を付くと、おずおずと尻を突き出した。
顔が見えないのが心細いのか、きょろきょろと何度も不安げな瞳をこちらに向けてくる。
思わず卒倒しそうな程の可愛さに、言葉に出来ないほどの愛しさがこみ上げる。
「信哉さん、こわい…」
「大丈夫だ」
安心させるように髪をくしゃくしゃと撫でまわす。
「行くよ」
そう告げると、目をきゅっと閉じ、体を固く緊張させる。
そんな彼女を見たら、またもや悪戯心が湧いてきてしまった。
―今日は、もっともっと彼女をいじめてみたい。
「…?」
いつまでたっても挿入されないのを不審に思ったのか、視線をこちらに向けてくる。
「あの、信哉さん…?」
「欲しいか?」
屹立した股間を指差して聞く。
「そ、それは、その…」
「欲しいなら、言ってごらん。何をしてほしいか」
途端に、かあっと顔が耳まで赤く染まった。
「…むり、です、そんなの…」
「じゃあ、ここで終わるか? 」
「やぁっ…、やだぁ…」
ふるふると首を振る。
「言わなきゃ、入れてあげないよ」
「だって、そんなのはずかしい…――――――っぅ!!!」
唐突に、スカートの上から秘所を指で刺激した。
「ほら、早く」
「あうっ…! い、いじわる…」
「何と言われようと、気を変えるつもりは無いんだがな」
スカートの中に手を入れて、直接刺激を送り込む。
「ああぁっ…! わ、わかり、ましたっ…いう、いうからぁっ…」
その言葉に、手を離してやる。
2、3度大きく深呼吸をし、「…信哉さんのばか」と呟くと、ゆっくりと顔をこちらに向けた。
「しっ…、しんやさん、…のが、ほしいの…… わたしの、ここに、いれて、くだ、さい……」
「よく言えたな」
髪を優しく撫でてやる。
本当はもっと具体的に言わせてみたかったが、それは高望みというものだろう。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ……!!」
声にならない抗議の声を上げる。
「そう怒るな…じゃあ行くぞ、力抜けよ」
「!?…あ、待ってっ、ひゃううっ!」
スカートをずらすと、一気に張り詰めた分身を付き入れた。
熱くぬめった柔肉が分身を迎え入れ、さらにきつく締め上げる。
「凄いな…気持ちいいよ、皐月」
「ひゃっ、ああ、あん、ああああああっ…」
「動くぞ」
彼女の腰を掴み、ゆっくりと前後に腰を動かす。
「ああ、あうっ、あんっ…」
序々にその動きを激しくしていく。
膣内を強く、時に弱く付きあげる度に、彼女の甘い声が部屋に響き渡る。
愛液が飛び散り、畳にその小さな染みがいくつも形作られる。
「しんや、さ、ああっ…っあああ――っっ!!!」
殊更に力をこめて子宮口まで付いてやると、一際高い嬌声が上がる。
「いっちゃぁっ、しんや、さっ…、おねがいっ、いっしょに、おねがい…」
消え入りそうな理性の中から紡ぎだされたであろう、その言葉に頷く。
何より自分自身ももう限界だった。
「行くよ、しっかり受け止めろよ」
本当に子宮に達するほどの勢いを込めて、膣内を付き上げた。
「あああっ……!!! い、いくっ、うあっ、ああああああああああっ――――――――――!!!」
「…くっ…」
最後にきゅうっと剛直が締めあげられ、彼女の最奥へと精を放った。
全てを出し終えると、彼女の姿勢が崩れ落ちそうになる。
体を支えてやり、そのまま2人で畳の上に倒れこんだ。
しばらく畳の上で彼女を後ろから抱いたまま過ごす。
そうして息も落ち着いたころ、彼女が口を開いた。
「本当に、このままするなんて…」
自分のブレザーを指差す。
「おまけに、あ、あんな事を…」
「でも、興奮しただろ」
「それはっ! …その、しましたけどぉ…っ」
「次はどうする…メイド服でも着てみるか」
「着ません〜〜〜〜〜っっっ!!!」
体の上でくるりと俺に向き直き、ぽかぽかと胸を叩かれる。
「もう、信哉さんのばか、えっち」
「…否定はしないよ」
「…へんたい」
「………」
…自分の妻に制服を着せ、そのままやってしまったのだから変態と言われても文句は言えないだろう。
「でも、大好きです、大好きっ!」
ちゅっと音を立て、頬にキスをされた。
…まずい。
今ので、消えていた欲望に再び火が付いてしまった。
「えへへ…」
はにかむ彼女を一旦床に下ろす。
「…え?」
すっと立ち上がると、がばっと横に体を抱き上げ、そのまま寝室へ向かう。
「え、待って、きゃあああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
気が付けば辺りはすでに暗くなり始めている。
あの後、結局お互いに火が付いてしまい3回も交わってしまった。
限界を超えた後も、手や口で何度も彼女を絶頂に導いた。
流石に少し調子に乗りすぎた。強い快感にまだ不慣れな皐月にとっては辛かっただろう。
「掃除、明日に延期だな…おい立てるか?」
裸でぐったりとしている彼女に声をかける。
「あ―――、むりです、すみません…」
「水持ってくるな、待ってろ」
足早に台所へ行き、冷蔵庫からミネラルウォーターを注いで持ってくる。
「ありがとうございます…」
んくんくと飲み干すと、糸が切れたように布団に倒れこもうとする。
あわてて抱き止めると、すうすうと寝息を立て始めていた。
ほっと息をつき、ゆっくりと体を横たえ、タオルで汗を拭き布団をかぶせてやる。
部屋の隅に脱ぎ散らかされた制服に目をやる。
…お互いの汗やら体液やらで大分汚してしまったので、明日にでもクリーニングに出さなくてはならないだろう。
大の男が女子高生の制服を持って店にいくのはかなり恥ずかしい、むしろ変態に思われるだろう。
だが、間違いなく自分に責任があるので我慢しなくてはいけない。
そんなことを考えて、再び愛らしい寝息を立てて眠る皐月に目をやる。
恐らく、今日のところはまともに立つのも難しいだろう。
たまには夕食を自分で作るのも悪くない。彼女の分も作って、後で驚かせてやろうか。
その場面を想像してくすりと笑う。立ち上がり、再び服を着る。
ふと、1ヶ月ほど前の自分たちを思い出す。
あの頃なら、共に家事をしたり、ましてこうして溶けるまで愛し合うなど考えられなかったことだ。
改めて、強い後悔が胸を焦がす。
だが、あの頃があったから、今の自分たちがある。少なくともそう思いたい。
その証拠に。俺は今、これ以上ないほど幸せなのだから。
眠り続ける彼女の頬に軽く口付けると、足取りも軽く台所へ向かった。
<了>
GJ
皐月が可愛いの〜
GJGJ!
GJ!まさか続編が読めるとは
皐月かわいいw間違いなく彼女はM属性
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 14:07:56 ID:wZQMXIEh
あ\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\
d(GJ∀GJ)b
ほぁ
361 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 23:55:09 ID:JrCttibF
穂波まち
そろそろ鉄仮面と子猫も気になるな
自分も鉄化面と子猫の続編待ち組
乙女な夫の短編の続きを待ってる俺は異端か?
どなたでも大好物です
異端、ありがとうございます。
保守がてらー
367 :
ほしゅー:2008/12/08(月) 18:46:46 ID:iGI08O3G
もう日も落ちて空にはうっすらと星が浮かぶ週末の夜。
花屋の前で買い物袋を抱えながら真剣に花束を見つめる人物が一人。
そのすらりとした体躯と涼しげな顔立ちで道行く女性たちの視線を集めている。
「何かお探しですか?」
頬を染めた若い女性店員が声をかける。
「えぇ、花でも買って帰ろうかと思いまして」
色っぽい人だなーとチラリと左手を見ると薬指にはしっかりと指輪。
既婚者か…と少し落胆しながらも店員は話を続ける。
「プレゼントですか?」
「はい、主人に。でもどれにしようか迷ってしまって……」
それでしたら──と白を基調にした花束を勧めながら店員は、ん?しゅじんに?としばらく経ってから疑問に思うのだった。
いつも先に家に着いている夫は待っているだろうか。
帰り道商店街に寄ってみたところ、知らない主婦の方やお店の女性にやたら物を頂いてしまった。
袋を覗くと野菜や肉のほかに高そうなお菓子や果物が詰まっている。
引っ越してきて間もないのだが緑も多いし人も温かい。
またちゃんとお礼しよう。
微笑えば商店街の女性たちが少女のようにきゃぁきゃぁと喜ぶ。
すれ違った若い女の子に会釈をしただけでその女の子は胸をときめかせる。
自分がそんな存在だとは気づかないまま彼女は先ほど買った花の優しい香りを感じ、上機嫌で家路に着く。
「遅くなりました、凛太郎さん」
「すみれさーん!おかえりなさーい!」
エプロン姿で子犬のように駆け寄ってくる彼女の夫。
白い肌は愛する妻が帰ってきた喜びでうっすらと上気している。
色素の薄い柔らかそうな髪。
大きな瞳、長いまつげ。
整ったかわいらしい顔立ちに桜色の唇。
そんな彼は立派な成人男性。
女の子だと勘違いされてナンパされたりするのはしょっちゅうだが、彼は立派な成人男性だ。
人懐っこい笑顔と美少女のような容姿で男性の胸をときめかせる夫としっとりと色気の漂う美形で女性にモテる妻。
凛太郎とすみれ。二人は愛し合う、正真正銘の夫婦なのだ。
368 :
ほしゅー:2008/12/08(月) 18:47:40 ID:iGI08O3G
夕食後、凛太郎さんとリビングでゆっくりと過ごす。
「えへへーすみれさんにお花貰っちゃったー」
「そんなに喜んでいただけるとは、買ってきた甲斐がありますね」
花瓶に移した花束を嬉しそうにつつく彼を見ていると胸に温かい気持ちが広がる。
この人と結婚して良かった。
改めてそう思っていると目が合った。
「すみれさん、大好きですよ」
んーと唇を近づけてくる彼。
読んでいた本を置き、目を閉じる。
唇が触れる。
少し照れくさいけど、彼と触れ合うのは好きだ。
手を繋いで散歩したりするのも好きだ。
あ、そうだ。近くに広い公園があったはず。
芝生も綺麗だし、花もたくさんあったな。
明日一緒に──って長くないか?
キス、長くないだろうか?
「あの…」
そろそろ離して、と口を開くと彼の舌が入ってきた。
軽く歯をなぞられ、それから舌を捕まえられる。
「…んっ…」
舌の裏側、側面、奥のほうまでじっくりと絡められて涙が滲む。
もう何がなんだか……
どれくらいの時間が経ったのかはわからない。
口内の隅々まで彼の愛撫を受け、最後に唇を軽く吸われ解放される。
「う…ふぁ……」
「ふふ、すみれさん可愛い」
もう腕に力が入らない。
唾液で濡れた口の周りを丁寧に舐めてから、彼は頬に軽く口付けて体を離す。
「すみれさん、僕はお風呂に入ってきますから……」
優しい色の彼の瞳に妖しい光が走る。
「いいこで待っていてくださいね?」
鼻歌を歌いながら風呂場に向かう夫の背中を眺める。
やっと息を整えて、そして気づく。
ちょっと待って。
この流れだと私はお風呂に入ることも許されないまま彼に朝まで……
「凛太郎さん!待ってください!お風呂はっ」
「一緒に入りますかー?やったー!」
「違いますってば!ちょっそんな格好で出てこないでください!」
結局その夜も奥様は旦那様に朝まで情熱的に、腰が抜けるほど愛されるのだった。
エロくなくてすみません。
尽くして尽くしてドSって設定だけが頭をめぐるぜ・・・
GJ!これはいい美男美女夫婦w
旦那はSという新たな設定が判明ww
甘甘イーヨーGJ!!!!もっと来い来い!
372 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 22:26:13 ID:VYVYyrwr
やっぱりどんな女よりも嫁さんが一番可愛い!
373 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 21:58:12 ID:rw+lmuGk
372がいいこと言った
やっぱ嫁は最高だよ!!!!
と言う訳で、投下を期待しつつ保守
ほ
新婚さんももちろんいいけど、結婚後3年とか5年とか経って、
いい感じに関係がこなれてきた夫婦っていうのも萌えるな。
ここが新婚限定スレじゃなくって実に幸せだ。
某コピペスレより
『結婚は人生の墓場』
『夜は墓場で運動会』
大樹と穂波を書いてる者です。
仲直り編を書いたので投下させて下さい。
13レスお借りします
ううううう……。
かーなーり、最悪だ。
今日でもう……にぃ、しぃ、ろく、なな……、その前に出来ない週があったからー……、二ヶ月か。
まずい……、完全にタイミングが分からなくなった。
や、そりゃあさ、俺が悪いよ?
発端は俺だよ?
けどなあ……、ちゃんと謝ったじゃん。
……謝り方が悪かったのか?
いや、そんなことはない!……ハズ。
穂波がクラス会に行ってしまったため、俺は一人寂しく晩飯を食いながら、
六週間くらい前からずっと続けている一人反省会を今日もスタートした。
七週間前、もう穂波の生理が終わる頃だろうって事で、俺はお誘いをかけた。
穂波が皿を食器棚にしまい終わったところを見計らって、後ろからぎゅうっと抱きついたんだよな。
で、いつもみたいにほっぺとか首にちゅうとかして、もにゅもにゅーんと乳を揉んだりなんかしてたら、
電話がかかってきたんだ。
うう……あの乳に二ヶ月触ってないとか。
マジありえん。
俺は穂波の乳の感触を思い出しながら、指先を動かしてみた。
さすがに手に残った感触も消えてきてる。
で、だ。
電話がかかってきたんだよ。
「ちょっと待ってね」
って、俺の腕からするっと抜けて、穂波は電話を取った。
そしたら、友達からの電話だったせいで、クラス会のお知らせっていう用件が済んだのに、話し始めちゃったんだよな。
まあ、分からなくはないけどさ、出たとたんに、
「わあ、なんとかちゃん!?久しぶりー!」
とか言ってたし。
けど、そのおかげで俺は放置されてしまった訳だ。
その気になってただけにこのおあずけは結構効く。
十五分……いや、十分だったかな。
まあ、とにかくそのくらいは待ったけど、一向に終わりそうにない話しっぷりに俺は悶々としてきて、
電話で話してる穂波の後ろから改めて抱きついた。
抱きついて髪とかにキスしてるうちは穂波も放っておいてくれたんだけど、
乳を触ろうとしたら手をぺしっと叩かれた。
ムッとする俺。
先に穂波といちゃいちゃしてたのは俺なのに、そこに割り込んできた知らないヤツにちょっとムカつきながら、
俺は穂波の首筋とか耳にキスしてやった。
穂波が首をすくめてから、振り向いて睨んできた。
俺はごめん、ごめんと口だけ動かして両手を上げて穂波から離れてみた。
ここで諦めとけばよかったんだよなあ……。
俺はため息をついて、その時の自分の気持ちを思い出そうとした。
一週間しないことなんて、珍しい訳じゃない。
けど、忙しかったりしてやらないでいて、気がついたら一週間経っちゃってた、っていうのと、
したいと思うけど身体的事情で一週間出来ないでいるっていうのとは違うんだよな。
まあ、出来ないと思うから余計したくなるんだけど。
だから、あの時の俺はしたくてしかたなかった。
いつもだったらそういう時でも手とか口とかで一回くらいは抜いてもらうのに、
あの週に限って、そういうことをしてもらってなかったっていうのもネックかもしれない。
俺は穂波にばれないように気をつけながら、そうっとエプロンの紐をほどいた。
話に夢中らしく全然気がつかない穂波。
俺はこっそり真後ろに立つと、Tシャツの裾から一気に手を突っ込んで、乳を鷲づかみにした。
「そうそう、それで先生があっ!?」
穂波の声がそっくり返った。
「……っと、あ、ごめん、だいじょぶだいじょぶ、ちょっとボールペン落としちゃって」
苦しい言い訳をしながら、Tシャツの上から穂波が俺の手首をつかんで離させようとしたけど、
俺はブラのホックを外して、お構いなしに乳を揉み始めた。
「え?……いやっ、なんていうんだっけ、ほら、あれ、鉛筆回し?してたら飛んでっちゃったんで、
自分でも、びっくりしたっていうか……っ」
顔をこっちに向けたけど、睨まれる前に反対側に避難。
肩口のところをちうってすってやると、穂波はふ、と息を呑んだ。
「……っ、え?だいじょぶだよ?
あ、ちょっと待ってね……、旦那が、なんか……」
穂波は受話器の送話口を手で覆うと身体を左右にひねって俺を振り払おうとした。
だが、俺はそんなことではめげない。
乳首をきゅっと摘まんでやると、さすがに、
「大樹!」
と怒られた。
「ちょっとやめてよ。電話してるんだから」
「だって、なげーんだもん、穂波の電話。
ほっといたら、一、二時間余裕でしゃべるだろ?」
「いいでしょー、久しぶりの友達なんだから」
「いいよ。しゃべってろよ。俺、勝手にやってるから」
「ホントにやめてってば」
「だって一週間ぶりじゃん。俺溜めて待ってたのにー」
さすがに呆れた、といふうなため息が聞こえた。
この辺で俺はいちゃつきたいとかやりたいとかを通り越して、意地でもやめたくなくなってきてた。
「……じゃあ、触っててもいいけど、変な触り方しないでね」
穂波は穂波で口調が怒ってる。
ホントに、なんでこのあたりで引かなかったんだろう……。
「あ、ごめん、ごめん。
うん、大丈夫。大した用じゃなかったよ」
俺は穂波に言われた通り、始めは乳の柔らかさだけを堪能していた。
でも、それだけでももう”変な触り方”になっちゃうんだよな。
今の穂波には。
だんだん息が上がってきて、肩の上下動が大きくなって、ほっぺたも赤くなってきてた。
体重をかける足がしょっちゅう左右入れ替わるのは、むずむずしてきてるからだ。
俺が気をよくしてると、穂波がまた俺の手首を掴んだ。
一生懸命引っ張ってるらしいんだけど、この時点でもう力が入ってなかった。
さっさと電話止めりゃあいいのに。
聞いてる俺からすると、そんなのクラス会で話せばいいじゃん、みたいな内容だ。
他に話し相手が居ないならともかく、俺がこうして待ってるのに、って思ってたら、踵ですねを蹴られた。
まあ、痛いっていうよな力じゃないけど、そんなに嫌か。
そう思ったら、またムカついてきて、俺は言いつけを破って乳首をきゅっと摘まんでしまった。
「ッッ!」
穂波がかなりマジで怒った顔で見上げてきた。
でも、ムカついてるから自重出来ない。
「……へえ、そうだったんだー。
え?もう三人目がお腹に居るの?早っ」
女ってすげえ。
そして怖え。
電話の相手にしゃべる時は笑ってるのに、自分が喋り終わった瞬間に眉間にしわが寄る。
俺は俺で相変わらず。
むしろその顔に煽られて、逃げられないように穂波を片腕で抱え込んで、もう片方の手で本格的に
乳首攻めを開始した。
「あっ!……ああ、それじゃ、今度のクラス会は来られないかなー。
連れてっ、きちゃえばいいのに」
穂波もなかなか手ごわい。
電話で相手がしゃべってる時は俺の手から逃げようともがく。
もちろんさせなかったけど。
「うん、まあそうだね……は……」
時々息をこぼすけど、声は必死にこらえてしゃべってる。
それが逆に俺を興奮させた。
どこまで耐えられるか試してみたくて、俺は首筋にキスを繰り返しながら、手を腹の方へと下ろしていった。
今度はさすがにかなりの力で手を押さえられて、今度は足を踏まれた。
「私?まだかなー。
もうちょっと仕事したいし」
会話が子作りの方に言ってるらしいと判断した俺は耳元に囁いた。
「ちょうどいいじゃん、作っちゃおうぜ」
穂波に手の甲を思いっきり抓られた。
「いてッ!」
さすがに手を離すと、穂波は、
「ああ、なんか言ってるねー。
でもちょっとおこちゃまだから、パパになるのはまだ早いかもー。
ね?」
と笑いながら言い放った。
もちろん、俺に向けられたのは怒りの笑顔。
ここでようやく俺は降参して穂波から離れたんだけど、穂波の怒りは収まらず、
さらに二時間の電話の後、一時間以上の説教をくらい、途中で逆ギレした俺との喧嘩に発展した。
二日くらいは布団を部屋の隅っこに敷かれて、一メートルくらいの距離を開けさせられたけど、
布団の位置はすぐに元に戻ったし、穂波の機嫌も元に戻った。
と思ったんだけど、これが甘かった。
機嫌が元に戻ったと思った俺はそれからちょうど一週間後、またおんなじようにお誘いをかけた時に、うっかり、
「なー、こないだの続きしようぜー」
と言ってしまった。
返ってきたのは穂波の笑顔。
でも、目が笑ってない。
「こないだの続き?
また、私が電話で話してる最中に何かするの?
そのために電話しろって?」
うおおおお……。
今思い出しても怖い。
「そういう訳じゃ……」
「大樹、ちっとも反省してないでしょ。
ちょっと甘えれば私がなんでもオーケーしちゃうとか思ってるんでしょ。
それでもやっていいことと、ダメなことがあるんだからね?
いくら私がっ、初心者だったからって、大樹から教えてもらったことしか知らないからって、
大樹の言うこと、なんでも聞くと思ったら大間違いなんだからね?」
最後の方はなんだか知らないけど、赤くなりながら怒ってたから、
ここでちゃんと謝って謝って、持ち込めばやれたのかもしれないけど、俺は、
「……うん、そうだよな、ごめんな」
と口だけはそう言いながらも、腹の中では、穂波のケチ、とか思って仕事部屋にしてある隣の部屋に
引っ込んでしまった。
これが一番マズかったんだろうなあ。
その後、運の悪いことに平日は仕事で遅くなる日が二人交互に続いた。
週末は週末で冬物とか加湿器を買いに行ったり、冬物への衣替えをしたりして、
そんなことをしてるうちに、あっという間に一ヶ月が経った。
で、本格的に穂波の肌を恋しくなってきたんだけど、再び自重しなきゃいけない一週間が訪れ……。
それが終わったと思って、今度こそ土下座してでもさせてもらおうって意気込んでたら、
……インフルエンザって、おい!
どこでもらってきたんだ、俺!
未だにあのダルさが悔しくてならない。
まあ、穂波がすごく甲斐甲斐しく看病して、うまいお粥作ってくれたり、
熱がある時に風呂はダメだ、って身体拭いてくれたりしたからいいんだけどさ。
けど、よりによってこんな時に熱出さなくてもいいだろ。
んで、案の定、そのインフルエンザは穂波に伝染り、約十日の間、
穂波と俺はインフルエンザと三人で過ごした。
にしても、インフルエンザの薬って、熱出した日に貰わなきゃ意味がねーのな。
病院に行ったら、インフルエンザかどうか確かめる検査するから、って鼻に棒突っ込んだくせに、
「やっぱりインフルエンザですねー。でも、薬飲んでももう大した効果ありませんよ。
水分取ってあったかくして寝てて下さい。
奥さんはマスクして予防して下さいね。あ、でももううつっちゃってるかな。
ははは、若いもんねー」
って診察代返せ、あのヤブ医者!
腹の出たエロそうな中年おやじの白衣姿を思い出したら、俺は当初の反省会を忘れて腹が立ってきた。
「はあ、ビール飲も……」
一人で飲むビールはつまらない。
穂波と結婚してからそう思うようになった。
テレビ見ながらつまみ咥えてビールを飲む、なんて結婚するまでは一人でやってたことなのに、
今は一人でそれをやるとビールが美味いと思えない。
それでも今は少し気を紛らわせたくて、頭を冷やしたくて俺は食器を片づけるとビールを片手にテーブルに戻った。
テレビのチャンネルをあっちこっち変えてると、不倫もの映画の再放送をやってた。
おいおい、まだガキが起きてそうな時間なのに、こんなのやっちゃっていいの?
つうか、この女優、乳ちっさ。
夢の欠片も詰まってなさそうな乳だな、おい。
その点やっぱり穂波の乳は違う。
男の夢とロマンが詰まってる。
素晴らしい。
ふへへへへ。
と、そこまで思ったところで、酔いが引いた。
今日ってクラス会、って言ってたよな。
……まさかとは思うが、まさか穂波に限ってそんなことはないと思うが!
ふっ、ふ、不倫とかしないよな?
こう……初恋のヤツとかとしゃべってたりして、
『俺、あの頃高橋が好きだったんだ』
『ホントに?私もほにゃららくんが好きだったよ』
『マジで?そっかあ、でももう結婚しちゃったんだろ?』
『うん、でも、ちょっとバカな旦那でね……』
『なんかあったのか?俺でよければ相談に乗r
ないッ!ない!ないないないないないッ!
穂波はそんなことするヤツじゃないっ!
けど、俺のスケベっぷりには呆れてるところ、あるしなあ……。
いくら穂波が淡白とは言え、俺がそれなりに仕込みつつあるし、なのに二ヶ月やってないし、
生理前だし……やりたくなってる所に、そんな展開が転がってきたら、しかも酒入りだもの。
いくら生真面目が取り柄で、この年まで貞操を守り抜いてきた酒に強い穂波でも、コロッと……。
ダメだ!穂波!
そっちに行っちゃダメだ―ッ!
いや、落ち着け、落ち着くんだ。
穂波に限って、それは、絶対に、ない。
根拠はないが、ない……ハズ。
うおおおお!
俺のバカ!
俺が穂波を信じなくて誰が穂波を信じるんだ!
ええい、酒が足りん!
俺はビールじゃ物足りず、ウイスキーをソーダで割って、改めて飲み始めた。
不倫チャンネルには変えないように気をつけながらテレビを見る。
「つまんねー」
穂波、早く帰ってこないかな。
もう我がまま言わない……ようにするから、セックスとか嫌だったら無理にしなくてもいいから、
一緒にビール飲もうぜ。
「コロッケ食いたい……」
食べ歩き番組のヒレカツ定食を見てたら、穂波の作ったコロッケが食いたくなってきた。
まだ結婚して一年経ってないのに、俺はもう穂波なしじゃいられない身体になってしまったらしい。
きっと穂波が作った飯を三日間食べられなかったら死ぬんだ。
ということは、もし穂波が先に死んだら、すぐに後を終えるな……。
それ、いいかもしんない。
それで、最期まで仲のいいご夫婦でしたねって……、って言われる前にちゃんともっと仲直りしなきゃダメじゃん!
「うおー。穂波、遅え〜」
と、俺がテーブルに突っ伏したところで、笑い声がした。
「ただいま。遅かったかな?」
びっくりして顔を上げると、穂波が時計をちらりと見た。
顔を上げて穂波の顔を確認してから、一緒になって時計を見る。
まだ十時回ったばっかりだ。
「ちょっと早くね?」
「今、遅いって言ったの、大樹でしょー?」
「まあそうだけど」
「半分は子持ち、その残り半分は旦那持ちで解散になっちゃった。
もうちょっとおしゃべりしてきたかったんだけどねー」
穂波はいいもの見ーつけた、と俺のハイボウルを一口飲んだ。
「ふーん……」
俺はくだらな過ぎる妄想を穂波に悟られないようにしつつ、穂波から返されたグラスに口をつけた。
なんだかちょっと嬉しい。
穂波はコートを脱ぐと、
「シャワー浴びて来ちゃうね。
上がったら、もうちょっと飲むのにつきあって」
と、部屋に引っ込んだ。
まあ、この時間に帰ってきたんじゃ、穂波は確実に飲み足りないよな。
「何飲む?」
手にタオルと部屋着を持って淡い緑のワンピース姿で戻ってきた穂波に聞くと、
「とりあえず、ビールでいいや」
と返ってきた。
「つまみは?」
「うーん……あ、こないだ大樹のおばあちゃんが送ってくれた銀杏、あれ炒っといてくれると嬉しいかも」
「りょうかい」
「じゃ、よろしくー」
解散はそうとう早かったけど、楽しかったんだろう。
穂波はご機嫌だ。
楽しそうに風呂場に行く穂波を見てたら、俺もちょっと気持ちが浮上してきた。
まあ、でも、明日は二日酔いになる覚悟はしないとな。
俺は気合を入れて晩酌の準備を始めた。
グラスを二つと銀杏の殻を入れる皿をテーブルに置く。
穂波は銀杏、て言ってたけど、一応クッキーの入った缶も隣に並べとく。
もう一枚皿を取るついでに飲む前に飲む粉薬を取ることも忘れない。
穂波の前じゃ絶対に出来ない裏技だ。
皿をガス台の横に置いてから、俺はにがーい粉薬を飲んだ。
ウワバミの嫁を貰うとなかなか苦労する。
知ってはいたけど、ホントに底なし。
寝ないし、吐かない。
つまり、潰れない。
もちろん、二日酔いにもならないし、記憶を無くしたこともないらしい。
でも、本人曰く、ちゃんと酔ってるもん。
俺も弱くはないつもりだけど、酒だけは穂波に勝てる自信がない。
でも、穂波と飲むのは楽しいから好きだ。
だからその準備はしっかりやる。
俺は口の中の苦さを水で押し流してから、冷蔵庫から銀杏を出した。
毎年ばあちゃんが近所の公園で拾ってきてくれる銀杏は天然モノだけあって、皮をむいた後でもしっかり臭い。
塩をフライパンに敷いて時計を見ると、ちょうどいい時間だ。
これを炒り終わった頃に穂波が風呂から上がってきて、ちょうど食えるくらいに冷めたところで
ドライヤーをかけ終わるだろう。
ビールを冷蔵庫から出すのはその時で十分だ。
我ながらなんて完璧な時間配分。
フライパンに銀杏を十個くらい入れて、蓋をして、俺は火をつけた。
予定より少し早く、銀杏をフライパンから皿に移し替えてる所で穂波が風呂場から出てきた。
「あー、いい匂いー。
こう、秋だな、っていう感じだよね。
もう冬だけど」
すっぴんになってさっぱりした顔をした穂波は自分でツッコミを入れながら、
冷蔵庫から缶ビールを二本出して椅子に座った。
「まだ熱いぞ」
餌を与えられた犬みたいにキラキラした目で皿を見る穂波にそう言うと、
分かってるもーん、と返事が返ってきた。
「さあ、飲もう」
やっぱり今夜はそうとう飲む気だ。
缶の蓋を開けてお互いのグラスに注ぐ。
一回目は相手のグラスに注ぐけど、二杯目からは手酌がいつの頃からか出来た俺たちのルールだ。
「週末にカンパーイ」
グラスをかちんとぶつけると、穂波は大きく一口ごくんと飲んでふう、と息をついた。
「オヤジくせえ」
俺も同じように飲むけど、そう言って笑うと、穂波が膨れた。
「だってー。なんだかお洒落なお店でね、美味しかったんだけど、あんまりパカパカ飲めなくってさ。
しかも飲まない子が多いテーブルに居たから余計に……」
なるほど、そりゃあ確かに飲み足りないよな。
「でも楽しかったんだろ?」
「うん。すごく楽しかった。
高校の時にぽっちゃりしてかわいかった子が、すらっとしたバリバリのキャリアウーマンになってたり、
高校の時、ミス華女的存在だった子が二人のママになってて、しっかり母ちゃんになっちゃってたり、
先生がメタボってたり……昔はカッコよかったのにー。
大樹はああならないでね」
穂波は銀杏を剥きながら、俺の知らない誰がどうしたとか、結婚式に来たやつがこうしただとか、
色々教えてくれた。
俺もそうだけど、飲み会の報告をするのはなかなか楽しい。
相手がそいつを知ってるかどうかとかはあんまり問題じゃない。
だから俺も銀杏とビールを交互に口に入れながら相槌を打つ。
聞いてる方も、知らないやつの話題でも楽しいものだから。
ビールが切れたところで、穂波がグラスをゆすいで氷を入れて帰ってきた。
「焼酎?ウイスキー?」
「大樹と同じのー」
テーブルに置きっぱなしだったウイスキーとソーダ水を穂波に渡そうとすると、珍しく、
大樹が作ってー、と甘えた声を出してきた。
「俺と同じ量でいい?」
「うん。……ねえ、大樹」
穂波のグラスにウイスキーを注いでると、穂波がちょっと真面目な声になった。
なんだかちょっと不安になる。
「んー?」
「あのね、こないだの……ばれてた」
「何が?」
ソーダ水を入れる手を止めて穂波を見ると、作ってーと急かされた。
何がばれたんだ、って気になりながら、ソーダ水を入れてると、穂波は銀杏の殻を弄りながら、
「こないだのー……電話の時のー……ね、夕菜ちゃんにばれてた」
思わずぶっと噴き出すと、穂波は、
「あうー、恥ずかしいよー」
とテーブルに突っ伏した。
「あー……ええと、その節は……申し訳ありませんでした」
俺は本気でそう言いながら、穂波にグラスを差し出した。
(続)
すみません。
始めに描き忘れました。
2回に分けて投下します。
GJ!!!!良い嫁さんじゃないか…
おおおお!!
待ってたよ、GJ!!!!!
穂波可愛過ぎる(*´д`)
素晴らしい!
穂波カワイイ
携帯から失礼します。
大樹×穂波を書いている者です。
規制に引っかかってしまったので、後半は規制が解除されてから投下します。
間が空いてしまってすみません。
規制このヤロウ!
397 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:42:35 ID:6Z5uWRoS
穂波待ってた!!
GJです!!
穂波かわいいよ(*´д`*)ハアハア
ちくしょおおおおおおおおおお
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
>>378-
>>390の続きを投下します。
13レスお借りします。
「ホントにそう思ってる?」
顔を上げた穂波が責めるような眼でこっちを見てくる。
そりゃあ、睨みたくもなるよな。
ホントにごめんて思うし、謝罪以外は何も思いつかない。
「うん、思ってる。
つうか、ずっと思ってて、今の聞いて、マジごめんて思った」
穂波は俺から視線を外すと、グラスに口をつけた。
沈黙が怖い。
やっぱり怒ってるよな。
ここはもう謝るしかない、って俺は腹を決めたのに、穂波は予想外なことを言ってきた。
「あのね、うらやましいって言われたの」
「なんで?」
「夕菜ちゃん、結婚して三年目なんだけど、旦那さんが結構年上なのね。
最近はそういうこと、全然なくて、たまにエッチしても子作り目的で義務っぽいんだって」
「あー……まあ、よく聞くよな、そういう話」
「だからね、電話の最中にまで触ってくる旦那さんなんてうらやましい、って言われた」
「そっか……」
だからと言って、だろだろー?とか調子こく気にはなれない。
と思ってたら、穂波にも釘を刺された。
「でもね、でも、電話の最中はもう絶対、嫌だからね?ダメだからね?」
「もちろんっす、もう絶対しない」
「約束する?」
「する」
「じゃあ、指きり」
それまでちょっと厳しくしていた顔を急に和らげると、ふふーと笑って穂波は小指を差し出した。
この年になって指きりげんまんをするとは思わなかった。
子供が生まれたらするかもしんないけど、穂波とするなんて想像もしてなかった。
というか、指きりげんまんの存在すら忘れてた俺にはちょっと恥ずかしい行動だった。
なぜなら、
「大樹も一緒に歌うのー」
と、歌うことを強要されたからだ。
指きりをすると穂波は満足したらしく、最後の一個の銀杏を剥いて俺にくれた。
ちょっと幼児化してる気がするけどかわいいし、穂波が納得してくれたから俺もかなり安心した。
ホントはこの流れで仲直りのエッチーとか言いたいところだけど、まあ無理かな。
二杯目のハイボウルを自分で作ってる穂波を見ながらそんなことを思っていたら、穂波が立ちあがった。
トイレに行くのかと思って、テレビの方に顔を向けると、その顔をがしっと両手で掴まれた。
「だーいーき。こっち向いて?」
そう言ってくれれば、顔なんて掴まなくてもちゃんと向くのに、穂波は俺の首を引っ張って自分の方に向かせた。
「なに?」
「身体もー」
「はい」
言われた通り身体ごと穂波の方を向くと、膝を占拠された。
「おお?」
久しぶりに感じる重さと酒混じりの穂波の匂いに急に動悸がしてきた。
間近にある顔がちょっと怒ったような顔になる。
でも、確実に照れてる。
久しぶりに見る表情に俺まで顔が熱くなってきた。
穂波はリモコンでテレビを消すと、首に手を廻して抱きついてきた。
俺の大好きな穂波のおっぱいが俺の胸板に押し付けられてる。
「あのね……えっ……えと、エッチ……しませんか?」
穂波の控えめな声が俺の耳をくすぐった。
抱きついて離してくれない穂波の身体をゆっくりと離して穂波の顔を見る。
真っ赤な顔で口を尖らせて下を向いてる穂波から目が離せない。
答えなんて、はい、の一言に決まってるのに口が動いてくれない。
「……大樹?」
何も言わない俺の顔を窺うように穂波が顔を上げた。
目が合った。
その瞬間、俺は返事をすっ飛ばして穂波の唇にむしゃぶりついてた。
「ふぁうっ!」
二ヶ月ぶりの唇、二ヶ月振りの身体。
穂波がこないだのことをちゃんと許してくれて、穂波の方から誘ってくれた。
冷静でいろっていうのが無理な話だ。
頭の中は穂波でいっぱいだ。
キスしてんだか食ってんだか分からないぐらいに唇を貪る。
もうムードとか、前戯とか、ごめん、そんなことしてる余裕がない。
けど、穂波も俺に応えて口ん中かき回してくれる。
俺にとっての刺激はそれだけで十分で、ムスコも久しぶりに触れる穂波の太ももにぐいぐい顔を押し付けてる。
穂波がしっかり抱きついてくれてるから、遠慮なく両手を使って乳を揉める。
最初はフリースの上から揉んでたけど、やっぱりそれじゃ全然満足できなくて、
俺は裾から手を入れると、ブラを外して穂波の乳を掴んだ。
「いぅっ!」
穂波の声が聞こえたけど、力を抜いてやれない。
乳首を見つけると、俺は必要以上にそれを捏ね始めた。
「やっ!ま、って」
穂波が唇を離したけど、逃がさない。
また唇に食いついて、俺は次の行動に移りたくなる限界まで穂波の唇と乳を堪能した。
ムスコからの要求が高くなってきたところで、俺はやっと穂波から顔を離した。
それでも手は休めない。
涎まみれになった穂波の唇をちゅうちゅうすって、涎をとってやると穂波も俺の唇の周りを舐めてくれた。
「いきなりでびっくりしちゃった」
「ん、ごめん……ずっと穂波に触りたくって、やりたくって、けど、どうしていいか分かんなくなってて、
したら穂波がしようって言ってくれて、なんか、全部吹っ飛んだ」
顔中にキスを繰り返しながら、穂波を脱がす。
「ここでいいか?」
穂波に服を引っ張られながら聞く。
聞くっていうよりは懇願。
余裕がないからここでやらせて、っていうお願い。
「……うん」
穂波は優しい顔で頷いてくれた。
「さんきゅ……」
Tシャツから頭が抜けたところで穂波の唇にキスすると、
「私もね、ここでしたい」
って返ってきた。
「……溜まってた?」
身体が離れるのをちょっと名残惜しく思いながら穂波を立たせると、彼女にしては珍しく、
そういう言葉に素直に頷いた。
「あのね、私もずっと大樹に触りたくてね、触ってほしくてね、したかったの」
「一人でしなかった?」
穂波のジャージを下ろして、下着の中に手を突っ込みながら、この質問。
我ながらなかなか最低だ。
でも、今日の穂波はやけに素直だ。
「えっとね、……た、試してみたんだけど……全然……気持ち良く、なかったの」
そこが男と女の違うとこだな。
でも、俺も抜いてても楽しくなかった。
やってる時はそれなりに気持ちいいし、終わればとりあえずすっきりするけど、満足感ゼロ。
「俺も、一人じゃつまんなかったよ」
「へへ……嬉しい」
「なあ、これ、どう?」
いつもだったら周りから攻めていくけど、感じさせるような触り方じゃなかった割に穂波も結構濡れてたから、
俺は一気に指を中に潜らせた。
「んうっ!」
穂波が添えてた俺の肩に爪が食い込んだ。
すげえ反応。
中の濡れっぷりもすごい。
「穂波すげえ。そんなに欲しかった?」
涙目で頷く穂波。
「随分、スケベになったよな」
中で指を動かすたんびに反応が返ってきて、俺の興奮はどんどん高まっていく。
「大樹のっ……せい、でしょ?……ふ…あんッ!!」
「うん。俺のせい」
「ちゃんと、最後まで責任、……ッッ!」
「もちろん」
俺が調子に乗ってると、穂波は両手で俺の腕を掴んで身体から離させた。
そんな長時間弄ってた訳でもないのに、手の甲までべたべただ。
「もう、二ヶ月もほっといたら、嫌だからね?」
そう言って俺の手を引っ張るから、俺はされるまま立ち上がった。
「もう二度とそんなことしない。
ていうか、俺が死にそうだった」
「……」
穂波は何か言いたそうに口を開いたけど、言わないままその場に膝をついて俺のトレパンを脱がせてくれた。
「大樹の……お久しぶり」
くすくす笑ってトランクスの上から指でつつく。
ぐふっ。
たったこれだけなのにすごい刺激だ。
「穂波、もしかして口でしようとしてくれてる?」
「う、うん……」
すげえ嬉しい。
嬉しいが、今そんなことされたら口に入れた瞬間、射精しそうだ。
「後でして。とりあえず、穂波ん中行きたい」
俺が頭を撫でると、そう?と小さく首をかしげてから、穂波は俺のトランクスを下ろしてくれた。
穂波の顔の前に凶悪になったムスコが顔を出した。
なんだか知らないけど、やけに恥ずかしい。
これも久しぶりという名の魔術かもしれん。
「わっ……ひ、久しぶりに見るとなんか、へ、へん……」
穂波は感想を言ってからその先っぽに一回だけちゅっとしてくれた。
「くふっ……」
すごい痺れが脳天まで走り抜ける。
二ヶ月のおあずけで過敏になってるのは穂波だけじゃないらしい。
入れたら速攻行きそうだ。
「穂波、立てよ」
「ん……うん」
穂波の手を引っ張って立たせると、俺たちは手をつないだままさっきより大人しいキスをした。
また乱暴なキスになる前に顔を離すと、穂波が、
「んと、どうしたらいいかな?」
と聞いてきた。
未だにこういうことには不慣れな様子を見ると、にやついてしまう。
「テーブルに手ぇついて……うん、で、俺にそっちでつかまってて」
俺が身体をくっつけて腰をかがめると、穂波は右手で俺の首に抱きついてきた。
久しぶりなせいか、ちゃんと仲直りした後のせいか緊張する。
そこで思い出した。
「あ……ゴム、付けなくていいか?」
「あれ。今日は持ってないの?」
穂波は笑ったけど、なんだか俺にやる気がなくなってたことの表れみたいで、俺はあんまり笑えなかった。
そんな俺に気がついたのか、穂波はキスしてから、
「いいよ。多分、今日は平気だし、それにね……もしできちゃっても、夫婦なんだもん。
いいじゃない」
と言ってくれた。
「まだ早いと思ってるなら、ええと、外出し?でもいいし、持ってくるの待っててもいいよ」
穂波は俺に頬ずりしながらそう言ってくれたけど、こんな近くに穂波の身体があるのに、
そんなまどろっこしいことしたくない。
ていうか、する余裕がない。
それに、俺も思った。
出来たら出来たで、まあいいか、って。
「まあ、どうせそのうち増やす予定だしな」
「増やすとか……まあ、うん、家族、増やそうね」
またキスをすると、俺は穂波の足を持ち上げて、身体を合わせた。
「やべ……入れた瞬間にいきそう」
「そんなに?」
「だって、先っぽくっつけてるだけなのに、穂波のまんこがきゅうきゅう吸いついて」
「もー!そういうこと言わなくていいの!」
やっと前みたいに頭の悪い会話を出来るようになってきたところで、俺は穂波の中にぐっと押し入った。
「んあっ!」
「ん、……くぅ〜〜」
穂波の中はめちゃくちゃ熱くて、ぎゅうぎゅう俺を締め付けて来て、俺はくらくらした。
「大樹……」
俺が動かないでいると、穂波が両腕で抱きついてきた。
ぎゅうっと抱きしめてくれる。
でも、ちょっと苦しい体制だから、俺はそのまま離れないようにしながら穂波を抱えてゆっくりと椅子に座った。
「んっ……」
身体がぴったり繋がる。
いつも感じることだけど、穂波の熱は俺を溶かすんじゃないかっていうくらい熱い。
「穂波ん中熱いな」
「大樹のだって熱いもん。いつもね、やけどしそうって思うの」
「俺、溶けそうって思う」
「溶けちゃうの?」
穂波がふふって笑って、俺のほっぺたに鼻を擦り付けてきた。
「うん。穂波と俺の間が分からなくなる。
ゴム付けててもそうなるけど、今日はないから余計にヤバい」
「今も?」
「今も」
「……ねえ。……じゃあ、もっと溶けちゃおうよ」
顔の輪郭に沿って唇が滑ってきたから、穂波の表情は分からなかったけど、
俺の唇をかすめながら動く唇とその声はやけにエロくて、体中がぞくぞくした。
唇が触れあうと、俺たちはまたさっきみたいに唇を貪り合った。
今度はそれに身体がつく。
椅子の上だからそんなに激しくは動けないけど、二人で身体を押し付け合う。
ホントに溶けてるみたいで、下半身と唇も含めて触れ合ってる全部の感覚があいまいになってきた。
あいまいなのに繋がってる所から頭まで駆け上ってくる快感は異常なまでにはっきりしてて、
その快感にのせいで高まってくる射精感に逆らえないまま、俺は穂波の中に射精した。
キスをしてくる穂波に応えてキスを返してると、しばらくして満足したのか穂波が唇を離した。
「やっとできたね」
って、少し恥ずかしそうに笑う。
「もう、出来なかったらどうしよう、って思ってたの」
「うん……ごめんな」
けだるい頭じゃうまい言葉を見つけられなくてただ謝ると、穂波はいいの、と言ってから続けた。
「結構前からね、私が誘えばいいんだ、って思ってたんだけど、タイミングが分からなかったのとね、
エッチがきっかけで喧嘩した後だったから……誘う勇気出すまでに時間がかかっちゃった」
穂波はごめんね、と笑った。
ああ、どうしよう。
嬉し過ぎてどうしていいか分からない。
俺、すごくいいものを手に入れたっぽい。
どうしてもエロいことに頭が行きがちなこんな俺と一緒にいてくれるやつなんて、こいつくらいしかいない気がする。
ちょっと優柔不断で、意外にルーズで、ウワバミだけど、俺には穂波しかいない。
なのに俺はさっき、ちょっとだけど、ほんのちょっとだけど、穂波を疑った。
何を言っていいか分からなくて、ただぎゅうっと抱きしめると穂波はどうしたの?と聞いてきた。
「……俺、さっき、アホなこと考えてた」
「いつもじゃないの?」
「いつもと違うアホなこと」
「どんなこと?」
「怒らないって約束したら言う」
「……大樹の妄想でしょ?」
「うん」
「じゃあ怒らないよ」
穂波は子供をあやすみたいに頭を撫でるついでに、耳とか瞼にキスしてくれてる。
ばーか、そんなことしたら、またすぐにやりたくなるだろ。
頭ん中でそうツッコミながら、でも俺は口ではさっきの頭の悪すぎる上に穂波に失礼な妄想を口にした。
「穂波が……浮気したらどうしよう、って思ってた」
「私が?……大樹が、じゃなくて?」
穂波の身体がちょっと離れた。
汗ばんだ肌に空気が触れてちょっとだけ身体が冷めた。
「バカ、俺はしねーよ。
けど、今日クラス会だったから、昔の男とかに会って、なんかそういう流れになっちゃったらって……」
俺は結構必死にそう話したのに、穂波は俺がしゃべってる途中で笑いだした。
「ないないないー」
「だから、そうなんだけど、もしそうだったらー、って」
「違うよ、大樹」
「何が」
「大樹……今日のクラス会ってね、高校の時のクラス会なんだけど」
「知ってる」
「ねえ、大樹、忘れてるでしょ」
「何を」
真剣な俺をよそにいつまでも笑ってる穂波にちょっとムッとして眉間にしわを寄せると、穂波は、
「大樹ー、いいこと教えてあげるー」
と心底嬉しそうにほっぺたにちゅうっとしてきた。
「なんだよ」
「あのね、私の行ってた高校って、女子校。
女の子しかいないの」
俺ははっとした。
そうだ、こいつ、高校は私立の女子校だ。
しかも学校名にちゃんと”女学院”て付くのを思い出して、俺は顔が熱くなった。
「ね?思い出した?」
人生で最大のおバカ発言かもしれない。
俺は言い訳すら思いつかずに、ただ、あーとか、ううとか唸ってみた。
「やきもち妬いてくれてありがとう」
穂波はそう言うと、居たたまれなくなってる俺にキスをしてくれた。
「うっせぇ」
「ね、大樹。私ね、大樹だけだよ。
ていうか、大樹しかいらない。
自分の指でも気持ち良くなれなかったんだもん。
大樹以外の人とのエッチなんて考えられない。
考えるのも気持ち悪くて嫌」
天然なんだろうけど、穂波は俺を喜ばせる言葉をよく知っている。
嫁にこんなこと言われて喜ばない男がいたら、そいつはきっと頭がおかしい。
「おう……」
「その上ね、大樹のせいでエッチしたいなーって思いやすい身体になっちゃったの。
前はそんなことほとんど思ったことなかったのに」
そりゃあ、そうなるように努力したし。
「うん」
「だからね、私、大樹しかいないから、大樹としかエッチ出来ないから、いっぱいしてね。
私、えっと、もっと色々出来るように、頑張るから……教えてね?」
「バーカ。そんなこと言わなくてもやだっつっても教えてやるっつうの。
俺ももうお前としかしないって決めたから、その分、俺がしたいこともしてもらいたいことも、
全部お前でやるからな」
穂波の顔をがっしりつかんでそう言うと、穂波はへへっと笑って、
「うん、頑張る」
と言ってくれた。
「とりあえず、二ヶ月分だな。
それ、回収しないと次のステップに進めん!」
ふざけてないと涙腺が緩みそうで、俺は穂波のほっぺたをぱくっと捕らえた。
「回収って……。ゴミじゃないんだから」
穂波がくすくす笑いながら、俺が繰り返すキスを受けてくれる。
「な、まだいいだろ?」
「うん、平気」
「じゃ、早いとこ布団敷こうぜ」
「はだかんぼで?」
その言葉に俺たちは顔を見合せた。
「……じゃあ、着るか。寒いし」
「誰かさんのせいでパンツ濡れたー」
ワザとらしく落ちてる下着を見る穂波。
ぬう……俺に布団係を押し付ける気か。
けど今日は穂波から誘ってくれたしな。
「……分かったよ。んじゃ、上だけ着て待ってろ」
「やったー!」
穂波は俺から降りると、フリースを上からすぽっとかぶった。
ギリギリ、見えそうで見えない丈の長さに俺がそっちを見てると、エッチ!と裾を伸ばされてしまった。
どうせやる時には見るのに。
俺は下だけ穿くと、ケチーと言い残して寝室に入った。
急いで布団を敷く。
急がなくても穂波は逃げないんだけど、気が早ってしょうがない。
いい加減に布団を敷き終えて、台所に戻ると、穂波はさっき作ったハイボウルの残りを飲んでるところだった。
「うわ。旦那に働かせて、嫁は酒か」
「だってもったいないもーん。ちょっと薄まっちゃってたけど」
「ほら、敷き終わったから来いよ」
「大樹、せっかち。私は逃げないのにー」
「ばーか、一秒でも長くお前に触ってたいの」
俺がそう言って手を引くと、穂波の顔が真っ赤になった。
「ずるい……」
「何が」
「いつもバカなことしか言わないのに、時々すごく嬉しくなること言うんだもん」
嬉しいんだか、怒ってるんだか、拗ねてるんだか測りかねる穂波の表情はすごくかわいくて、
俺はおでこにちゅうっとしてから、穂波を抱き上げた。
「えっ!?なに?なに??」
「お前が歩かないから運んでやる」
「え、だいじょぶだよ、歩くよ」
「ダメー。もう遅いですー」
大した距離でもないけど、俺は照れる穂波を堪能しながら寝室に戻った。
ベッドじゃないからうまいこと寝かせてやれないけど、まあそこは臨機応変に。
穂波は布団に座ると、まだ立ったままだった俺に手を差し出してきた。
その手を握って穂波の正面に座ったとたん、抱きつかれた。
「もー、一秒でも長く……なんでしょ?
今日はずっと抱っこしててくれないと明日の朝ごはん作らないからね」
「んー。作らない、じゃなくて作れない、だろうな」
「なんで?私ちゃんと」
「今夜は寝かさないから」
穂波が抗議の声を上げる前に、俺は穂波の唇を塞いで布団に押し倒した。
(了)
414 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 15:15:11 ID:oOmXQGmh
乙!やっぱりこの2人はかわいい!
きたよきたよー!! 続きキタヨー!!
超GJ!! この二人がどんどんバカになってくれるといいと思う。
かわいくてラブラブですごくいい!
なんだろう……この二人のやり取り読んでるだけで幸せな気持ちになるww
相も変わらぬラブラブっぷり、GJです!
なんだこれ、かわいすぎんだろ
可愛すぎんだろ!!!!!!!
俺は甘えん坊スレの住人なんだが
これはいい
いいよ!いいよ〜!
>>418 自分もそうだったが本当に求めてたのは
こっちだったんだと気付かされたよw
超GJ!
エロ全開も良いが今回は温かくなれたよ
結婚っていいな
萌えすぎて死んだ。GJすぎる。心からGJ!!
甘えんぼう、年の差、幼馴染、おんなのこでも感じる…などなど
甘系のスレはだいたいみているが穂波が一番かもな
穂波の可愛さにハァハァしてたらクリスマスイブが終わっていました。
投下間隔が空いてなくて申し訳ないのですが、鉄仮面と子猫の第五弾投下させて頂きます。
もっと早めに投下するつもりだったので、作中の時間が微妙に現在とズレています。
悪しからずご了承下さい。
注意事項は以下の通り。
・長いです
・今回、夫の過去の女性関係に関する話になります。
苦手な方はスルーして下さい。
本日投下分は前半のみ。26日未明ごろまでに後半投下します。
本日投下分で、エロは冒頭のみです。
身体じゅうが、熱い。
大きな骨ばった手が、裸の皮膚をなぞるたびに、甘い痺れが背筋を走る。
愛しい人の唇や舌が、耳たぶやうなじ、鎖骨をなぞり、焦らすような動きで胸の先をくすぐる。
欲しい。欲しい。もっと、ほしい。
もう、バカみたいに一つのことしか考えられない。
「……雪子」
耳元で、よく響く低い声が囁く。こんな時でさえ、夫の口数は極端に少ない。
けれど、いつもの素っ気無い声色とは少しだけ違って、僅かに掠れ、熱を帯びた響きが、
耳から頭の中まで染み渡り、ますます身体を熱くさせていく。
「あ……あっ……やあっ」
それが入ってくる瞬間だけは、結婚してもう2年以上になるのに、まだ慣れない。
硬くて熱い塊が入り口に触れ、ひだを掻き分け、押し入ってくるときの圧迫感。
息苦しいような、それでいて身体の力が抜けていくような不思議な感触。
だけどそのちょっとした違和感は、すぐにとろけて熱の塊になり、私の身体を内側からくすぐりはじめる。
自分の口から漏れているなんて信じられないような、甘く鼻にかかった声が響く。
「……あ……やぁっ、んぅ……」
耳を塞ぎたくなるほど恥ずかしい、あまったるい、声。
長く伸ばしている髪が乱れて、汗ばんだ顔に張り付いているのがわかる。
今の私はきっと、ひどくいやらしくて、だらしのない表情を浮かべているんだろう。
時に深く、時に焦らすように私の内部を抉っていた塊が、ふと動きを止めた。
もどかしくて、たまらなくって、私は思わず、きつく瞑っていた瞼を開けてしまった。
身体にのしかかる黒い影だったものが、目が暗さに慣れるにつれて像を結ぶ。
最愛のひとが、いつものような無表情で、私の顔をまるで観察でもするかのようにじっと見つめていた。
「いやぁ、っ!!」
少しの間忘れていた恥ずかしさが、瞬間、津波のように襲ってきた。
ずっと、この眼で見られていたんだろうか?さっきまでのはしたなく緩んだ顔を。
いやらしく求める動作を……そして、まるで動物みたいな喘ぎ声を、聞かれていた……
今更だけれど、自分の腕を顔の前で交差して、容赦のない視線から逃れようとする。
無駄な努力だとわかってはいても、そうせずにはいられない。
「……顔を見せてくれないか」
何でもないことのようにそう言われて、益々恥ずかしさが募る。
「……や、やなの……」
必死で首を振って拒絶すると、いきなり、
身体の中心を貫いていたものが、ごりっという音を立てて、最奥に突き入れられた。
「あ、ああああ!!きゃ、ああっんっ」
僅かな痛みと、それの何十倍、何百倍もの快感。
弛緩しかけていた感覚が再び燃え上がり、強引に高みへと押し上げられる。
自分の声さえ、もう聞こえない。繋がった部分から湧き上がる感触だけが私の全部を支配する。
朦朧とする意識のなかで、はやく頂点に登りつめたい、もうそれだけしか考えられない。
もう少し、あと少し、はやく、はやく楽にして……!!
ふいに、夫の動きが止まった。
「や、やだっ……貴巳さん、何でっ」
思わず責めるような口調になって、愛しい人の顔を見つめると、いつもの無表情の中に、ほんの少し楽しそうな色を浮かべて、私のことをじっと見つめている。
意地悪、意地悪、意地悪!!!!
こういう時の貴巳さんは、ほんとに意地が悪い。
どうしよう。身体があつい。せっかくあと少しというところまで登りつめたのに。
このまま冷めるのなんて、絶対にいや。
咄嗟にそこまで考えたかどうかは自分でもわからない。けど、気がつくと、私の身体は私の意志に反して、勝手に動きはじめていた。
物欲しそうな動きで、腰が跳ねる。いやらしい動きかたで夫のそれを飲み込み、気持ちよくなろうとしている。
肌が密着するたびに、びちゅ、ぴちゅ、と派手な水音が起こる。
そんなに溢れさせていたことが、自分でも信じられない。
こんなこと、恥ずかしすぎるのに、やめたいのに、どうしても止まらない。
前は、こんなふうじゃなかった。恥ずかしいと思えばやめたし、自分の身体が言うことをきかない、なんてことなかった。
私の身体が、今までとは全く違うものになっていく。
声が漏れる。甘いような、気の遠くなるような、獣じみた声。
腰が跳ねるのが止められない。身体の一番奥のところが、貴巳さんのそれを抱きしめて離さないようにしているみたいに、勝手にぎゅうっと収縮する。
貴巳さんの視線が容赦なく、私の身体を貫いている。
見ないで……そんな眼で見ないで、お願い……!!
どうしよう……どうしよう。とまらないよ。欲しい。貴巳さんが、ほしい。
私が丸ごと変わってしまう。身体がまるごと、作り変えられてしまう。
食い締めていた熱い塊が、一層大きく、硬くなる。待ちわびていたものが、爆発するように身体の奥ではぜる。
ゆっくり白くなる視界に、楽しそうに口の端をゆがめる夫の顔が霞む。
知らない……こんな私、しらないよ……
1
「……ちゃん、雪子ちゃん、おーい!?」
呼ばれて、ぼんやりと窓の外を眺めていた雪子は、はっと物思いから引き戻された。
目の前には、飲み物を乗せたトレイを持った橋本あやが、呆れ顔で雪子を見つめている。
「あ……ごめんねあやさん」
慌てて、あやが飲み物を置けるように、テーブルの上に乗っていた紙袋を床に下ろした。
「どうしたの?もう疲れちゃった?」
「ううん、ちょっとボーっとしてただけ」
「なんか顔赤いよ?どうせ、やらしいことでも考えてたんでしょ」
「な、ななななんで?そんなことない!ないってば!」
「……そんなに力いっぱい否定しなくてもいいけどさ。はいこれ、雪子ちゃんのキャラメルマキアート」
「あ、ありがとう」
雪子は赤い顔を少しでも隠そうと、両手でマグカップを持ってすすった。
そんな雪子の様子には頓着せず、あやはカフェの窓の外を眺めながら、自分の注文したエスプレッソを口に運ぶ。
「しかし、どんどん人が増えてくね。早めに来て正解だったわ」
窓の外は、連れ立って歩くカップルや家族連れでごった返している。
二人がいるカフェも、席が空くのに15分も待たなければならなかったほどだ。
二人は今、住んでいる街から少し離れた、郊外の大型ショッピングモールに来ているのだ。年末商戦の真っ只中とはいえ、ここまでの混雑は雪子もあやも予想していなかった。
「あとは、あやさんの水着だけでいいんだっけ?」
「うん、この調子だとコインロッカーも空いてないだろうし、この大荷物抱えて、
あんまりうろうろしたくないしね。さっさと済ませちゃおう」
雪子は、テーブルの足元に所狭しと置かれた紙袋を見て苦笑した。
雪子が買ったものといえば、夫の手袋と、夫婦二人用の室内履きだけ。あとは全てあやの買い物だ。ちなみに彼女の夫であり、橋本あやの上司である「鉄仮面」中嶋貴巳氏は、現在、金曜土曜にかけ、一泊二日の出張中である。
わざわざ車で一時間もかけてこのショッピングモールまで買い物に来たのは、そもそも、正月休みにハワイに行くというあやが、水着を買うので付き合って欲しいと言い出したからだ。
普段来客に良い顔をしない、というよりあからさまに来客嫌いの鉄仮面が留守なのをいいことに、あやは金曜に仕事が終わってから中嶋宅に泊まりこみ、雪子の手料理をさんざん飲み食いし、そして今朝、開店時間に合わせて、あやの運転する車でここまでやってきたのだ。
そもそもの目当ては水着だけだったはずなのに、ずらりと並んだ年末バーゲン中の服や靴、化粧品のショップにあれこれと立ち寄りながら、あやは見ていて気持ちがいいほどに買いまくり、
お目当ての水着売り場へ到着するまでに、二人ではとても持ちきれないほどの荷物を抱えて、年末土曜のこの人込みを歩き回る羽目になってしまったのだった。
「でも、いいなぁハワイ。……ね、あやさん、誰と一緒に行くの?もしかして彼氏?」
「……雪子ちゃんは喧嘩売ってるのかな?」
口の端をゆがめながら、あやが両手の拳で、雪子の頭をぐりぐりと挟む。
「いたっ痛い痛い……ご、ごめんなさい……」
「こちとら彼氏いない暦もうすぐ5年だぁぁ!!ええ悪いか若奥様!!」
「ご、ごめんってばあやさんっっ」
ようやく開放された雪子が、涙目で頭をさすりながら言う。
「でも、あやさん、綺麗だしスタイルいいし、作ろうと思えば彼氏なんてすぐできそうだけど……」
「全くよね?何してんの男ども?って感じよね?ホントわかんないわ男心って」
そこまで言い切るのもどうかと思うが、男心がわからないのは同感なので雪子は黙っていた。
「もう日本人はアテになんないし、ハワイでちょっくらいい男拾ってこよっかな!さ、悩殺水着買いにいくよっっ!!」
本気なのか冗談なのか、妙なテンションのあやにひきずられるように、雪子は慌てて紙袋を抱えてカフェを後にした。
「んじゃ試着してみるから、ちょっと待っててね?」
試着室のカーテンが引かれ、手持ち無沙汰になった雪子は周りを見回した。
色とりどりの水着がで溢れる一角は、若い女性やカップルでかなり混雑している。
真冬に水着を買おうという人がこんなにいるなんて、雪子は想像もしなかった。
(そういえば、水着売り場なんてもう何年も来てないなぁ……)
吊るしてある水着を眺めて、雪子はあることに気づいた。ワンピースタイプの水着が、ほとんどないのである。あやが試着室に持って入った数着の水着も、漏れなくビキニタイプであった。
(今は、水着っていえばビキニなのかなぁ。お腹隠れたほうが、恥ずかしくなくていいと思うけど……)
取りとめもない物思いにふけっていると、「着れたよー、ちょっと見てくれる?」という声が聞こえた。
雪子は試着室のカーテンの隙間から首だけ入れて覗きこみ、息を呑んだ。
「……わぁ」
「……何?なんか変?」腰に手を当てて仁王立ちになっているあやが、身をよじって自分の背中を見る。
「……ううん、変じゃないよ、すごく似合う!」
「そう?ちょっと地味じゃない?」オレンジと水色と黄緑のストライプ模様は決して地味ではありえないが、雪子はその問いに答えるのも忘れて、あやの水着姿に見とれていた。
「……雪子ちゃん?おーい、どしたの?」
「……あやさんは、いいなぁ……」
溜息とともに吐き出された雪子の台詞に、あやは意味がわからず首をかしげた。
雪子の視線は、同性でも見とれるような大きな胸から、きゅっとくびれた腰、そしてたっぷりとした量感のあるお尻から、色気溢れる脚のラインに注がれている。
「なんか、大人の女性っていう感じでうらやましい。あやさんって着やせするんだねぇ……」
「どうせ細くはありませんよーだ」
「いや、そうじゃなくって!なんか……不二子ちゃーん、って感じ?私もそういうふうになりたいなぁ、と思って」
お世辞ではなく、雪子が本気で羨ましがっているのを感じて、あやは不思議な顔をした。
「無いものねだりってやつじゃない?私は雪子ちゃんみたく細いのがいいと思うけどな」
「でも、なんていうか、その……ないじゃない?」
「え?何が?」
「……い……色気?」
赤面しながらおずおずと言う雪子に、あやは思わず噴き出した。
「わ、笑わないでよあやさん!真剣なんだから」
「ごめんごめん、いやぁ雪子ちゃんも、ようやく色気づいたか〜と思うと面白くて」
「面白い?」雪子がやや傷ついた表情をしたので、あやは慌てて両手を振った。
「いや、その、何ていうか。……色気欲しいんだ?」
「そ、そりゃ、私ももう24だし、見た目も子供っぽいし……」
うつむいてしまった雪子を眺めやり、あやはふむ、と頷いた。
「雪子ちゃんは、水着とか着ないの?」
「え?持ってないけど……なんで?」
「いや、人前で肌を露出すんのも、修行になるかな〜と思ってさ」
「修行って……えーと、何の?」
「色気を出す修行?」
首をかしげながら言うあやに、適当に言ってるんじゃないだろうかと疑問に思いながらも、雪子は別のことを口にした。
「だって、水着買っても、着る機会がないもん。貴巳さん、人込み大嫌いだし、今年の夏も海に行きたいって言ったら、ものすごい勢いで拒否されたし……」
「課長が?」
雪子の12歳年上の夫であり、市役所職員である中嶋貴巳氏は、その徹底した無表情・無愛想・無口なたたずまいから、『鉄仮面』の異名も轟きわたる、若き企画課課長である。
「うん、夏休みに海かプールに行きたいって言ったら、絶対駄目だって言われたもん。日焼けするし溺れると危ないって」
「……ふーん……あのエロ親父」
「え?何?」
小声の呟きを雪子に聞き返されて、あやは慌てた。
「あ、いやいや何でもない……じゃあさ、年が明けたら私と一緒に行こうよ。H駅の近くに温水プールあるの知ってる?結構大規模で楽しいみたいよ?ウォータースライダーとかあって。
溺れないように見張ってあげるから大丈夫」
「ほんと?嬉しい!」雪子の顔がぱっと輝くのを見て、あやもにっこり笑う。
「じゃ、着替えるからちょっと待ってて。雪子ちゃんも水着選ばなきゃね。お姉さんが買ってあげよう」
「え?いいよ、そんな、自分で買うってば」
「いいのいいの。いつも色々ご馳走になっちゃって、何かお礼したいなと思ってたし」
雪子は更に激しく遠慮したのだが、あやは聞く耳も持たずにさっさと服に着替え、自分の水着選びもそっちのけに、熱心に雪子の水着を選びはじめた。
「雪子ちゃん色白だからなぁ。淡い色も映えていいかもね……これとかこれは?」
「えっと……ちょっと派手じゃない?」
「全然。ここで見ると派手に見えても、いざ海とかプールに行くと皆結構すごいの着てるから、頑張らないと目立たないよ?」
「いや、目立たなくていいんだけど……っていうかあやさん、上下つながったやつじゃダメ?」
「へ?ワンピースってこと?何で?」
「何でって……その、恥ずかしくない?」
「またそんなこと言って!修行はどうした修行は?百歩譲って、柄は地味なのでいいからさ……あ、これアリかも。これ着てみて」
問答無用で試着室に押し込まれて、雪子は渋々と手渡された水着に着替えた。
ブラの背中と、ショーツのわきの部分が紐で結ぶタイプになっていて、普通の下着よりも更に、着ていて頼りないような感じがする。
「……あやさーん……」
「着れた?どれ見せてごらん」
あやが試着室を覗き込むと、恥ずかしそうにしゃがみ込んだ雪子が顔を赤らめていた。
「やっぱり、これ、布が少なすぎるよ……腰のとことか、ただの紐だし」
「何言ってるの、みんなそんなもんだって。ちゃんと立ってみてよ」
おずおずとこちらを向いた雪子の、白いビキニ姿を見て、あやは内心、感嘆の溜息をついた。
純白の水着に負けないほどに真っ白で、絹のようにきめ細かい肌。すんなりと伸びた手足。身体のラインは、どこもかしこもやわらかな曲線を描いている。
痩せてはいてもごつごつと貧相な感じがしないのは、骨格から華奢なせいだろうか。それなりにボリュームがある柔らかそうな胸と、長いストレートの黒髪が奇妙にアンバランスで。
小柄なせいでもあるだろうが、まるで少女のヌードを見ているような、見てはいけないものを覗き見ているような罪悪感さえ感じさせる。
化粧っ気がない、赤ん坊のような頬に、長い睫毛が影をおとして、恥ずかしそうにうつむいている表情は、どうにも人の嗜虐心を煽るというのか
……手っ取り早く言えば、苛めたくなる。いたずらして泣かせてみたくなる。同性のあやでさえ、だ。
(……確かに、これは犯罪呼ぶかも。……恨むなよ、鉄仮面)
「……ね?やっぱり、変だよね?」
あやが黙っている理由を取り違えた雪子が言うが、あやはきっぱりと言い放った。
「いや、いいよソレ。決定!」
「えええ?だって、まだ一着目だよ?」
「いいから、お会計するから脱いで脱いで!」「だってあやさんのは?」
「もうさっきのでいいよ。さぁ早く!」「えええ?!」
こうして、雪子の人生初のビキニは、彼女のものとなったのであった。
2
時間は少し前後して、数日前の夜。
仕事を終えて帰宅した鉄仮面こと中嶋貴巳氏が、自宅の玄関を開けたときのことである。
「……雪子?」
いつもなら、帰宅する彼を出迎えるはずの雪子が、その日に限って玄関に出てこない。
理由はすぐに知れた。リビングから、雪子の話し声が微かに響いている。どうやら電話がかかってきたらしい。
コートをハンガーにかけながら、談笑している雪子の声を聞くともなく聞いていた貴巳は、そこはかとなく嫌な予感を感じてリビングの扉を開けた。
「……ええ?じゃあ是非うちに遊びに来て下さいよ!週末だからいっそ泊まって、ゆっくりしてもらっても……あ、貴巳さんお帰りなさい!……ええ、今帰ってきたので代わりますね」
怪訝な顔で見つめる貴巳に、保留にした受話器を差し出して雪子が笑う。
「誰だと思う?珍しい人……ふふ、武内さんから」
武内浩(たけうちひろし)は、ほとんど唯一と言ってよい、貴巳の友人である。
東京の某国立大学の同級生として出会った二人は、武内が東京で就職し、貴巳は公務員として地元に帰ってからも、細く長く付き合いを続けている。
貴巳曰く「腐れ縁」ということだが、雪子たちの、身内とごく親しい人しか招待しなかった結婚式に、貴巳の友人としてただ1人だけ呼ばれた人物でもある。
現在は、病院食や学校給食など、給食センターの運営を請け負う中堅どころの会社に勤めている。中嶋宅にも何度か遊びに来たことがあり、雪子とも打ち解けた仲である。
雪子から差し出された受話器を睨みつけるようにしながら、貴巳は渋々受け取った。
「……武内か。何の用だ」
「貴巳、相変わらずみたいで安心したよ」
数ヶ月ぶりに会話する友人に対して、随分な応対のしかたであるが、武内は気にする様子もなく、持ち前の飄々とした調子で受け答えする。
「雪子ちゃんも元気そうだね。相変わらず可愛いんだろうね」
「……だから何の用だと聞いている」
「久しぶりに電話した親友に対して、それはないんじゃないの?」
「親友?何語だそれは」
「……まぁ、いいけどさ。あのね、今雪子ちゃんにも話したんだけど、今度貴巳のとこで、市立病院の改築があるでしょ?」
O市、つまり貴巳たちが現在住んでいる地方都市で、老朽化した市立病院の改築計画があることは、市役所勤務である貴巳は当然了解している。
「でね、うちの会社が、病院食と食堂の運営、任されることになったんだよね」
「そうか、入札に参加するとか言っていたな。それで?」
「いや、おめでとうの一言くらいさ……いいんだけど、それでさ、年末にそっちにちょっと出張することになっちゃってさ。水曜から金曜。
で、雪子ちゃんにそう言ったら、是非週末にウチに遊びに来て下さいよ〜、なんて言われちゃってさ」
「断る」
「……いや、誘われたのこっちなんだけど……」
「どうせ誘われなくても来るつもりだったんだろう」
「あ、その言い方嫌だなあ」
武内が雪子の料理目当てにやって来るのはわかりきっているが、貴巳としては、夫婦水入らずの静かな生活に乱入されるのは我慢ならない。
「とにかく断る。大体、年も押し迫って色々忙しいんだ」
「どうせ、大掃除なんてしなくても家中ピッカピカなくせに……いいけどね、別に。耳寄り情報があるんだけどな〜。いらないんだ?」
聞きとがめて、貴巳の声が更に険しくなる。
「何だ、それは」
「絶対知っておいて損はないと思うんだけどな〜」
「だから何だと聞いているんだ」
「泊めてくれるって約束しなきゃ教えない」
こいつは小学生か、と貴巳はうんざりして溜息をついた。
「……本当に、俺が知らない、かつ有用な情報なんだろうな?」
「しつこいなぁ。損はしない、って言ってるじゃん」
「……わかった。一泊だけだぞ」
「サンキュー。雪子ちゃんに、どうかなーんにもお構いなくって言っといて?」
「お前の言伝てはわざとらしいな……で、情報っていうのは何だ」
受話器の向こうで、武内が息をつく気配がする。
「……操ちゃんが、日本に帰ってきてるよ」
「……何だって?」
「知らなかったでしょ?」不意を付かれた様子の貴巳の反応に気をよくして、武内が得意げに言う。
「……こっちの住所までは知らないはずだ」
「いやーわかんないよ?」
「武内、まさかお前」
瞬間、殺気を帯びた鉄仮面の声色。怯えた武内は慌てて言葉を継ぐ。
「いやいや、俺はまさか、そんなことしないって。ただ、操ちゃんのことだからね……」
ひどく意味深な沈黙が二人を包んだ。
「……ま、どうか夫婦円満にね。少なくとも俺がお邪魔するまではね?じゃ、よろしく」
一瞬、武内が黒い三角の尻尾を生やしてほくそえんでいる幻影を見た気がして、貴巳は眉間の皺を深く、深く刻んだのだった。
「武内さん、どうしたの?なんか途中から違う話になってたみたいだったけど……泊まりに来られるんだよね?」
「……ああ」
何だか深刻な様子の夫を気遣って、雪子が貴巳の顔を覗き込む。
「どうしたの?何か悪いニュースでもあった?」
「いや、何でもない」
「ふーん……武内さんが来るなら、お料理頑張って作らないとね、ふふ」
「何もおかまいなく、と言っていたぞ。冷や飯でも食わせておけばいいんだ」
「またそんな事言って。ちゃんと沢山用意しておくから大丈夫。何がいいかな」
雪子は早くも、武内が来る日の夕食のメニューを考えはじめていた。
何せ、武内は並外れた大食漢なのである。結婚披露宴の準備をしている時、貴巳が、武内の分の料理は三人前用意するように手配しているのを聞いて、
まだ本人に会ったことの無かった雪子は、何かの冗談かと思ったものだ。それが当日武内は、用意された大量の料理を残さず平らげ、しかも二次会で余ったオードブルやつまみまでも、各テーブルからかき集めて食べつくしたのである。
背は高いものの、痩せてひょろりとした体型からは想像もつかない食欲である。貴巳が「お前が来ると家中の食料が底をつくから来るな」というのも、満更誇張した表現ではないのだ。
それでも雪子は、武内が遊びにやってくるのを面倒に思ったことは一度もない。
雪子の知る限り、貴巳の祖父以外に、彼のことを名前で呼び捨てにするのは武内1人だけである。
どれだけ冷たくあしらわれても気にもせず、貴巳の前で軽口をたたく武内と、苦虫を噛み潰したような顔で応対する貴巳を見ているだけで、何となく嬉しくなってくるのだ。
「冷めちゃうからご飯にしよっか。今日は太刀魚の塩焼きだよ」
にこにこと笑う妻のあどけない顔に何も言えず、貴巳は無言で食卓についた。
いつものように静かな二人の食卓だが、今日に限ってはどうにも沈黙が重苦しくて、貴巳は無意識のうちにテレビのリモコンに手を伸ばす。
ニュース番組では、ここ数日というもの騒がれている、宅配便の配達員になりすました殺人犯の特集が組まれていた。
「あれ、テレビつけるんだ?珍しいね」
「ああ、いや……ちょっと気になっていたんだ」
言い訳めいた言い方になっていないかと気になったが、雪子はそんな貴巳の様子には無頓着で、画面を見つめている。
「怖いね……宅配業者さんたちも、やたら不審がられて迷惑だよね。かわいそう」
「……雪子、最近家のまわりを、怪しげな人間がうろついてたりしないか?」
「なに?急に」
妙に真剣な様子でそう訊かれ、怪訝な顔で雪子が答える。
「いや……最近物騒だからな」
「そうだね。このへんではあんまり、変な人を見かけたりはしないけど……」
「もし俺が留守にしている時に、俺の知り合いだとか言って妙な奴が尋ねてきても、絶対家に上げたりするなよ。何されるかわからないからな」
「そんなに心配しなくても、もう子供じゃないんだから大丈夫だよ。誰が来ても、ちゃんとドア開ける前に確認してるし、チェーンだってかけてるし。……でも貴巳さん、そんなに心配性だっけ?」
「……いや、気をつけてるならいいんだ」
いつもと違う夫の様子に違和感を覚えながらも、夫婦はとりあえず夕食を終え、何事も無かったかのように床についた。
雪子が、貴巳が一体何を心配していたか、ということに思い当たるのは、あやとの買い物を済ませ、更に次の週末、武内が尋ねてくる日を迎えてからのことであった。
3
あっという間に師走も押し迫り、約束の日の午後がやってきた。
貴巳が最寄の駅まで、車で武内を迎えに行ったので、雪子は玄関先に散らばった落ち葉を掃き集め、来客を迎える準備を整えていた。
(……おでんは、あと練り物を入れるだけだし、ちらし寿司とサラダとおつまみ……それに飲み物も準備オッケー。揚げ物は下ごしらえ済んでるし、
貴巳さんがお刺身を受け取ってきてくれるし……よし、大丈夫)
庭ほうきをもった手を休め、胸のうちで今夜のメニューと段取りを再確認していた雪子は、ふと、
表通りから家の玄関まで続く細い道を、1人の女性がまっすぐに歩いてくるのに気付いた。
(誰だろう?セールスの人……にしては、ちょっと感じが違う気が……)
いかにもキャリアウーマン風の、上等なスーツを自然に着こなしたその女性は、背筋がすっと伸びていて、歩く姿がきびきびと美しい。
カールした黒い髪を思い切ってショートカットにしていて、それがまた活動的な雰囲気の顔立ちによく似合っている。
真っ直ぐに中嶋宅の玄関に向かって歩いてきた女性は、突っ立っている雪子の顔をじっと見つめ、得心したように二、三度頷いた。
「……あの、何かうちに御用でしょうか?」
戸惑いながらそう雪子が聞くと、女性はにっこり、と極上の笑顔を浮かべた。
「ここ、中嶋君のお宅で良かったかしら?」
(……なかじまくん?)不審に思いながらも、雪子が頷くと、
「やっぱり!……じゃあ、もしかして貴方、中嶋君の奥様?」
と、畳み掛けるような勢いで、更に詰め寄ってくる。
さすがにちょっと不信感を抱いて、雪子が曖昧に頷くと、
謎の女性は眼をきらきら輝かせて雪子の手を取り、うっとりした目で見つめてきた。
「……可愛いわ……」
「……え?あ、あの?」
展開についていけない雪子が、思わず後ずさる。
「あら、急にごめんなさい。ずっとお会いしたかったの……私、中嶋君の大学時代の同級生の鈴木といいます」
「大学の同級生…ですか」
咄嗟に、数日前に貴巳に注意されたことを思い出し、雪子は警戒心を強めて、鈴木と名乗る女性の顔を見つめた。
不審がる視線に気付いているはずなのに、女性は慌てた様子もなく、悠々とカードケースから名刺を取り出して雪子に手渡した。
「突然でびっくりされたでしょうけど、怪しい人じゃないのよ。こういうものです」
渡された名刺には、化粧をまったくしない雪子でさえよく知っている、大手の化粧品メーカーの社名が刻まれていた。
(海外マーケティング事業部、ヨーロッパ担当室……鈴木操……)
名刺と女性の顔を交互に眺めながら、それでもまだ半信半疑でいる雪子の様子に、操は苦笑した。
「ごめんなさい。このご時世に、名刺一枚で信用しろって言っても無理よね……
中嶋君が家を建てて、結婚したとは聞いてたから、近くまで来たついでに寄ってみただけなの。中嶋君、今日はお留守なのね?」
すぐにも帰ってしまいそうなそぶりを見せる操を見て、雪子は本当に貴巳の知り合いだったら……と慌てた。
「あの……今ちょっといないんですが、すぐに戻りますから。偶然なんですけど、
今日これから、やっぱり大学の時のお友達がいらっしゃるんで、迎えに出てるんです」
「お友達って、もしかして武内くん?」
「そうです!ご存知なんですか?」
「家にまで遊びにくるような友達なんて、他に思いつかないもの。あの人、相変わらずよく食べるの?」
この受け答えで、雪子の操に対する疑いはすっかり晴れた。武内の名前に加え、彼が大食漢であることまで知っているなんて、知人でなくてはあり得ない。
「そうですね、結婚披露宴にご招待したんですけど、お料理を1人で三人前平らげてました」
ようやく打ち解けた調子で雪子が逸話を披露すると、操はなにやら感慨深げに頷いた。
「そうなの……私、仕事の都合でずっとヨーロッパ辺りを転々としてたものだから、結婚のお祝いもできなくってごめんなさいね」
「いえ、そんな……あの、立ち話じゃなんですし、良かったら家へどうぞ」
雪子が促すと、操は少々大げさすぎるほど遠慮するそぶりを見せた。
「いいえ、そんなつもりじゃなかったのよ本当に……これからお客様が来るんだし」
「いえ、武内さんともお知り合いなんですよね?だったら二人とも、きっと喜びますから。お時間があったら、是非どうぞ」
「でも……急にお客が1人増えるなんて、本当にご迷惑だわ」
「いいえ、こんなこと言っちゃいけないですけど、お客さんが武内さんですから。夕食も、多すぎるくらいに沢山用意してあるんです。
鈴木さんが1人増えたからって、全然困ることありませんからご遠慮なく。二人ともきっとびっくりしますよ」
「そう……でも、本当に大丈夫?中嶋くんが怒るんじゃないかな」
それについては正直、雪子も不安を感じないではなかった。何せ、只でさえ来客嫌いの貴巳である。
武内に加え、更にもうひとり客が増えるとなると、恐らく嫌な顔をするに違いない。
ただ、操が貴巳の大学時代からの知り合いならば、彼の無愛想なことはよく知っているだろうし、それほど気にすることもないだろう。
何よりもこの成り行き上、操を誘わないほうがよっぽど不自然だし失礼な気がする。そう自分に言い聞かせて、雪子は操に笑いかけた。
「中嶋はご存知の通りの人ですけど……きっと本音では嬉しいと思います。さ、どうぞ」
「そう……そうかな。じゃあ、お言葉に甘えて、お邪魔しますね」
そうして、雪子はそれと知らぬままに、平和なマイホームへ、核爆弾級の破壊兵器を導きいれたのであった。
「中嶋くんと武内くんとは、ゼミで一緒だったのよね。二人とも当時からあんな調子で、腐れ縁ていうのかしら……
中嶋くん、優秀だし、それでいて可愛げが全然無いしで、あの無表情が廊下から歩いてくると、
教授まで顔を引きつらせて思わず道を譲るんだから、見てて面白かったわよ」
貴巳たちが帰ってくるまでの間、リビングでお茶を飲みながら、二人の女性はすっかり打ち解けてしまった。
貴巳は自分の過去のことなどほとんど話したことがないので、操の学生時代の話は雪子にとって実に興味深い。
「へぇ〜。それで、就職してからは、全然会ってなかったんですか?」
「そう、3人とも、全然別のとこに就職したしね。武内くんだけはそのまま東京だったけど、
私はまず仙台で、それからフランスでしょう。でも中嶋くんがこっちに戻って市役所の職員やるって聞いたときはびっくりしたわよ」
「え?どうしてですか?」
「だって彼、優秀だったもの……公務員試験受けるって聞いて、てっきり国家一種だと思ってたのよ。ああ官僚ね、お似合いかもねって。
それがまさかの地方公務員だっていうでしょう。もう、彼を知ってる人は皆愕然としたもの」
雪子は、自分もかつて貴巳の同僚で地方公務員であったことは伏せて、曖昧に苦笑した。
貴巳たちの卒業した大学は、その名を聞けば10人中9人は感心し驚くほどの、偏差値高めの国立大学である。
操は貴巳と同い年だと言っていたから、それはつまり貴巳同様に、難関大学を浪人も留年もせず最短距離で卒業したということで、
そんな優秀な彼女からすれば、市役所の職員など「まさかの地方公務員」と言われてしまうのも仕方のないことなのかもしれない。
操の言葉の端々から、彼女が自分とは違う世界に住んでいるのだな、ということを実感しながらも、雪子は不思議と、操に対する反感を感じることはなかった。
それは操の話ぶりがごく砕けた調子で気取ったところがなく、また、人を惹きつける生き生きとした表情のせいかもしれなかった。
雪子は、ソファに座る操の様子を、こっそりと観察した。
(……きれいなひとだなぁ)
スーツ姿がよく似合っていて、いかにも仕事ができそうな印象は橋本あやにも通じるところがあるが、
操の印象を深くしているのは、何よりもその大きな黒い瞳だ。くるくるとよく動き、ときに熱っぽく光るその目は、彼女の尋常でない魂の表れだろう。
すらっと伸びた長い足に姿勢のよい背中から腰は、スポーツでもしているのかよく引き締まって、
きびきびとした動作とあいまって、とても活発な印象を与える。最近の流行ではないのかもしれないが、ベリーショートにした癖のある黒髪も、
まるで往時のオードリーヘップバーンのようで、強い意思ある顔立ちを引き立てている。
ぼんやりと見つめていると、操もまた、雪子の顔をにこにこと見かえしてきた。
「……結婚したとは聞いてたけど、まさかこんなに若くて可愛いお嫁さんだとは思わなかった。中嶋くんは幸せ者ね」
「え?いや、そんな、私なんか子供っぽいし、鈴木さんみたいに綺麗じゃないですし」
雪子が慌ててそう言うと、操は両手で雪子の手を握りしめ、熱っぽい口調で言った。
「ね、鈴木さん、なんて他人行儀な呼び方やめて、操って呼んでくれない?私も、雪子ちゃん、って呼んでいい?」
「え、ええどうぞ、皆そう呼びますし……あの、み、操さん?」
不自然なほど近づいてくる操の顔に戸惑った雪子が身を引こうとした瞬間、玄関のドアが開いた音がした。
「あ、二人が帰ってきましたね」
何となくほっとした雪子が、慌てて玄関に向かおうとしたが、操がその手を取って引き止める。
「……操さん?」何をするのか、と雪子が目顔で聞くと、操はいたずらっぽく笑って、人差し指を唇に当てた。
リビングのドアが、開いた。
本日投下分は以上です。
後半は26日未明までには投下します。
早く続きが読みたい!!('Д`)ハァハァ
鉄仮面待ってた!!!
相変わらず子猫可愛い(*´д`)
続きが気になる(*´д`*)
楽しみにしている!!
いやっほおおおおおおおおおおお!!
待ち望んでいた鉄仮面が投下されてる!嬉しい!!!
続きは全裸で待ってる。
鉄仮面と子猫第五弾、後半投下します。
注意事項等は
>>424 参照してください。
操の姿を認めた時の、男性二人の表情は、ちょっと形容しがたいものであった。
まず先に部屋に入ってきた貴巳が、凍りついたように固まった。
「何?どうしたの?」と、貴巳の背後から室内の様子を覗いた武内は、「げっ……」と目をむいて、
操と貴巳、雪子の三人を恐る恐る交互に見つめている。
凍った空気の中に、操の「あっお邪魔してまーす。二人ともお久しぶり」というあっけらかんとした声が、やけに響いた。
雪子だけは、場の空気が何故こんなに緊迫しているのか、全く理解できない。
「えっと……あの、皆さん、お知り合いなんですよね……?」
おずおずと口を開くが、男性二人は固まったまま、操はただニコニコと笑っているだけで、一向に答えが返ってこない。
「あの、貴巳さん?さっきね、偶然操さんがこっちにいらして、それで武内さんともお友達だって聞いたから、
良かったら夕食ご一緒にってお誘いしたんだけど……」
そう説明すると、貴巳の片眉が、僅かにひくり、と痙攣した。
常に無表情の夫だが、今はどうやら必死で内心の動揺を押し隠しているようである。
いくら来客嫌いとはいえ、この反応は少し異常ではないだろうか……
雪子がそこはかとない不安を感じたとき、貴巳がようやく口を開いた。
「……鈴木、何のつもりだ?」
問われた操は、向けられた冷たい口調と視線を気にする様子もなく、けろりとして言う。
「やあね、そんな怖い顔しないでよ。雪子ちゃんが言った通り、たまたま近くまで来たから寄ってみただけだってば」
「そうか。じゃあ帰れ」
「相変わらずねぇ……でもせっかく雪子ちゃんと仲良くなれたんだし、悪いけど今日は帰らない」
語尾にハートマークでもついているかのような調子で、にっこり笑った操が言い放つ。
「……雪子。怪しい人間を家に上げるなと言っただろう」
苦虫を噛み潰したような表情の夫から、突然会話の矛先を向けられ、雪子は焦った。
「え?で、でも、知り合いなのは間違いないんだよね?」
答えずにむっつりと押し黙った貴巳を見て、操が大げさに溜息をついた。
「まったく、冷たいわよね〜中嶋くんは。私は君が帰ってくるまでは、フェアじゃないと思って、
雪子ちゃんにちゃんとした名乗りもあげないでいたっていうのにさ」
「え?名乗りって……」名刺ならさっき貰ったのに、と雪子が言いかけたが、操の口が開くほうが一瞬早かった。
「どうも、改めまして。鈴木操、AB型の獅子座。中嶋くんの昔の女です。よろしくね、今の奥さん」
「……へ?」
(むかしの……おんな?)
晴れ晴れとした笑顔で、面と向かってそう言いきられて、雪子の思考回路は完全にストップした。
口をぱくぱくさせながら、先程からだんまりを続けている夫の顔を見やるが、貴巳は決して雪子と視線を合せようとしない。
ほんの数瞬の沈黙が、永遠のように長く感じられた時、武内が恐る恐る口を開いた。
「えーと……俺、帰ったほうがいいかな……?」
「何言ってるのよ武内くん、久しぶりに会えたのに!相変わらずでっかいわね」
「……君も相変わらずだね、って挨拶はともかく、この凍った空気の責任取ってよ操ちゃん」
向かい合って彫刻のように固まっている中嶋夫妻を見やり、操は首をかしげた。
「下手に隠してて、後でバレるほうがまずいと思ったんだけど」
「いや、どう考えてもこれ以上まずくはならないと思うんだけど」
「そう?そうかな……んじゃ、ねぇねぇ雪子ちゃん、びっくりさせてごめんね?」
二人の間に割り込んできた操が、ごく軽い調子で両手を合わせる。
「……はぁ、あの……何ていうか」
「でも安心してね?中嶋くんとは身体だけの関係だったし、大学卒業してからは一度もヤッてないから」
「……え?え??身体だけ、ってあのその、えええええ?」
雪子の混乱は極地に達し、男性二人は揃って頭を抱えた。
操一人が、雪子に向かって熱の入った口調でまくしたてる。
「だからね、別に恋人同士だったってわけじゃないの。何ていうかな、お互いの利害が一致したっていうか……
性欲処理するのに丁度いい相手だったのよ。懐かしいなぁ……だって、あの冷血動物みたいな中嶋くんがどんなセックスするのかって、
ものすごく気になってしょうがなかったんだもん。そうなると私我慢できなくって。
で、契約したの。二人のどちらかに好きな人ができるか、飽きたら関係は終了。後腐れなく楽しみましょうって。
元々私、一人の人に縛られずに、できるだけ色んな人と試してみたいほうだし。
あ、でも不倫とか彼女持ちの男性には手出ししないことにしてるし、当然、避妊と病気の予防は完璧にしてたし、
それに何より、今の中嶋くんには全く興味ないから安心してね?」
「……鈴木、頼むからちょっと黙れ」
いよいよ操の話を受け入れられずに、今や完全に石像と化している雪子をソファに座らせ、貴巳がうんざりした調子で操を遮る。
「いいじゃないの、昔の話なんだし。それとも中嶋くん、もしかしてまだ私のこと……」
「無い。絶対に無い」0.01秒の間も空けずに断言する貴巳。
「でしょ?じゃあ何もやましいことなんてないじゃない?雪子ちゃんごめんね、びっくりしただろうけど、
本当に今はただの友達同士なのよ」
「は、はぁ……」
「友達になった覚えはない。大体、どうしてわざわざうちに来たんだ?偶然近くまで、とか言っていたが、どうせ嘘だろう」
お見通しか、とばかりにぺろりと舌を出し、いたずらっぽい表情で操が言う。
「だって気になるじゃない?あの中嶋貴巳が、なんと結婚したっていうんだもの!!
相手はどんな人なのかなーって色々想像したけど、どうしたって想像つかないわけ。
で、実物見たくてしょうがなくって、つい」
「……雪子ちゃんは見世物じゃないんだからさ……確かに貴巳と結婚するなんて珍種だとは思うけど」
「何か言ったか、武内」
「いや……えーと、とりあえずちょっと皆、落ち着こうよ。
雪子ちゃん、操ちゃんて非常識でインモラルで聞いての通りの性豪だけど、
悪気だけはないから何とか許してあげてくれない?大丈夫?」
「ちょっと武内くん、それはあんまりなんじゃない?」
大丈夫なわけはないのだが、雪子はようやく少しずつ、自分を取り戻しつつあった。
過去の二人の関係は、ショックといえば確かにそうなのだが、不思議と納得できる話ではあった。
少なくとも、貴巳が過去に大恋愛していた、とかいう話よりは、よっぽど貴巳らしいと思う。
それに、操がわざわざここまでやってきた理由というのが、雪子にも納得できるような気がする。
受け入れられるかどうかはともかくとして、とりあえず今はこの場を何とかしなくてはならない。
「えーと…とりあえず、今は二人とも、そういう関係じゃない、ってことだよね?」
「当たり前だ」「当たり前よ」
同時に即答した貴巳と操を見やり、雪子はぶるぶると頭を振って立ち上がった。
「……じゃ、とりあえず、ご飯食べましょうか……あ、武内さんお久しぶりです、こんにちは」
ひどく間の抜けたタイミングで、雪子から頭を下げられて、武内が苦笑した。
「雪子ちゃんも、貴巳なんかのお嫁さんになったばっかりに、理不尽な苦労するね」
貴巳はちょっと顔をしかめたが、特に反論しようとはしなかったのだった。
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「っはー!!美味しかった!最高!……あれ?皆全然食べてなくない?」
「……お前に比べたら、何も食べてないに等しいだろうな」
「だ、大丈夫、みんなちゃんと食べてますよ」
「……武内くん、その細い体のどこにそんなに入るのよ……見てて気持ち悪くなりそう」
凍った空気が解けきらないうちに、とりあえずと食べ始めた夕食だったが、
テーブルの上に所狭しと並べられた大量の料理がきれいになくなるのに、
一時間ほどしかかからなかったのは驚くべきことだった。
大鍋二つに一杯にあったはずのおでんに、大皿に山盛りにされていたサラダとチーズなどのオードブル、
それに作った当人の雪子が(……これ、鶏何羽分あるんだろう)とあきれ返ったボリュームの、若鶏の唐揚げ。
更に、中嶋宅の炊飯器の容量一杯、五合半のご飯で作ったちらし寿司と、魚屋に仕出しを頼んだ、これまた大量の刺身。
それらが、まるで掃除機か何かに吸い込まれるように武内の腹の中へ消えていくのを、
他の三人は半ば呆れ、半ば感動しながら眺めていたのだった。
「はー。雪子ちゃんてホント料理上手だよね。唐揚げはすっごくジューシーだし、ちらし寿司のすし飯とか、
具の煮加減とか絶妙だしさ。何で貴巳にはこんなにいい奥さんがいて、俺には一向に嫁さんの来手が無いんだろう……」
「日ごろの行いの差だろうな」貴巳が呟く。
「……俺ほど謹厳実直な男もいないと思うんだけどなぁ」
「武内くんて結婚願望あったんだ?そういうの無縁かと思ってたけど」
操が、何故か目をらんらんと光らせながら言う。
「そりゃあるよ。雪子ちゃんのお友達で、まだ独身の可愛い子とかいない?」
「ちょっと武内くん、自分が幾つだと思ってるの?厚かましいにも程があるわよ」
「えー、だって貴巳だって同い年だけど雪子ちゃんと結婚してるじゃない?」
ニコニコしながらやり取りを聞いていた雪子が、ちょっと首をかしげて考え込んだ。
「……ね、貴巳さん、あやさんとかは?歳もちょうど釣り合うし」
「武内にか?」貴巳はちょっと考え、顔をしかめた。
「え、何なに?誰か心当たりあるの?」勢い込んで聞く武内に、雪子はうなずいた。
「貴巳さんの部下で、私のお友達なんですけど、面倒見がよくって、美人で、スタイルもよくって、仕事ができて……」
うんうんうん、と期待に満ちた目で頷く武内を、渋い顔で見やって貴巳が続ける。
「……仕事ができて、豪快な酒豪だ」
「え……なんか、最後の二つがすごく気になるから……やめとく」
「ねぇねぇ、じゃあさ、私なんかどう?」
操が、勢い込んで武内に迫った。
「……は?」
「いや、だから武内くん、そろそろ私と結婚しない?」
「……おー、わたしにほんごわからないねー」
「いや、本気だってば」
「何でいきなりそういう話になるの?大体、操ちゃんだって結婚願望ないでしょ?
色んな人と乳繰り合って好きなように生きてくんだって言ってたじゃない?」
操の目が本気なのを見て、武内の額に冷や汗が浮かぶ。
「んー、でも親がいい加減うるさいしね。もう孫なんて諦めろって言ってるのに、
ジャガー横田を見習えとか、訳わかんない事言って泣かれるしさぁ、一回くらい結婚しとくのも悪くないかなぁと思って」
「そんな適当な理由で……っていうか何で相手が俺なの?」
今や武内は完全に操に怯えている。じりじりと後ずさろうとするが、いつの間にか操に両手を握られていて離れることができない。
「だって、武内くんって、昔っから私が誘っても絶対してくれなかったじゃない?そこまで拒まれると、逆に燃えるのよね」
「ちょっ……いや!ええと……二人も黙ってないで操ちゃん止めてよ!」
涙目で懇願され、貴巳と雪子が目を見合わせる。
「……鈴木の実家は、確か千葉の大きな寺だろう?頭を丸めて婿入りするのも悪くないんじゃないか」
「……貴巳、何か俺に恨みでもある?」
これに懲りて武内がしばらく家に来なければいい、という本音はおくびにも出さず、
貴巳は恨めしそうな視線を送る武内を黙殺した。
「……大体、学生の頃からさ、操ちゃんに関わると色々怖いんだよ……情報網が広くて」
「人聞き悪いわね……私はちょっと聞いただけなのに、相手が勝手に色々喋ってくれるだけよ」
会話の意味がわからずに、雪子が首をかしげると、武内が説明してくれた。
「いや、だからね……操ちゃんて、学生のころからものすごい数の人と、その、関係があるんだよね。
で、操ちゃんと別れた後に結婚したり、彼女ができた人も多いわけでしょ?つまりさ、その人の弱みを握ってることになるってこと」
「はぁ……なるほど」
「でも雪子ちゃん、勘違いしないでね?私、彼女や奥さんがいる男に手を出したことって一度もないし、
万が一でも取り返しの付かないことにならないように、絶対に避妊はしたし、
それに定期的に検査も受けて、病気にも気をつけてたのよ?人に迷惑かけちゃいけない、っていうのが私のモットーだもの」
「……は、はぁ……」
操の話は、時々外国語のように理解するのに苦労するのだが、雪子は不思議と、この異常な状況に慣れはじめていた。
「……それはいいんだけどさ、操ちゃん、手、離してくれない……?」
「い・や♪」操は艶やかな笑みを浮かべ、より一層、武内の手を握る指に力を込める。
「あのさ……もしかして、とは思うけど、操ちゃん……今日、俺が貴巳の家に来ること、知ってたわけじゃないよね?」
「やーねぇ、偶然よぉ。……あ、忘れてた、お土産持ってきたんだった……はい、これ雪子ちゃんと、これは中嶋くん。
あとこれ武内くんね」
「……いや、俺のお土産まで用意してる時点でおかしいじゃないか!!」
「いらないの?本場北欧美女のえげつなーい無修正DVDなんだけど」
「……鈴木、妙なものをうちに持ち込むな」
「あ、中嶋くんのは四十八手の指南DVDで、雪子ちゃんのは革製の手錠ね」
「て、てじょう?」
「さっさと持って帰れ」貴巳の声はもはや、凄みどころか殺気を帯びている。
「えー、日本に持ち込むの結構大変だったのに。じゃあ武内くんにみんなあげるね。お楽しみにね♪」
「……ええええ?お楽しみって何のだよ!?」
「……と、とりあえず、食卓片付けて、日本酒でも出しますね?」
何時の間にかこの異常な状況に慣れてきた雪子は、何とか武内に助け舟を出そうと、そそくさと食卓を片付けはじめた。
操は相変わらず、妙に色気溢れる目線を武内に投げかける。
操の標的はてっきり雪子と貴巳だと思っていた武内は、ここにきてようやく、
自分の身の安全が脅かされていることを実感し、滝のような冷や汗をかいたのだった。
5
お酒っていうのは、不思議なものだなぁ……
酒が飲めない雪子がつくづくそう思うのは、飲み会で、いい加減酔っ払った人たちが、
それまでのよそよそしかった態度をがらりと変えて、急に数十年来の親友のように振る舞いだす様子を見たときだ。
今や中嶋宅のリビングは、床にだらしなく寝そべった武内と、ほんのり頬を染めて徳利を傾ける操が奇妙に意気投合し、
不機嫌の絶頂の貴巳と、何となく状況に適応してしまった雪子を挟んで、昔話に花を咲かせているのだった。
「そういえば、もうすぐクリスマスだね〜。中嶋くんたちは、クリスマスは家で過ごすの?」
操にそう聞かれ、雪子は苦笑いする。
「毎年、特別なことはしないんですよ。普通に、普段どおりのご飯食べるだけで」
「え?クリスマスディナーとか作らないの?雪子ちゃんなら、気合入れて豪華なの作るのかと思ってたのに」
武内が驚いた声で言う。
「私も、クリスマスっぽいもの作りたいんですけどね……貴巳さんが、そういうの嫌いなんですよ」
「……キリスト教徒でもないのに、クリスマスを祝う理由がないだろう」
無表情でそう言い放つ貴巳に、操と武内は非難の目線を向けた。
「うわー、最悪、堅物!お祭りなんだから、深く考えることないじゃん」
「女心がわかってないわねぇ……雪子ちゃんも、旦那を甘やかすと良い事ないわよ?」
「えっ?いや、そんな、甘やかしてるわけじゃ……」
ぽりぽりと頭をかく雪子に、操がたたみかける。
「そーやってはいはい言うこと聞いてたら、この男付け上がる一方よ?
今年のクリスマスは、問答無用でローストチキンとかケンタッキーチキンバーレルとか買ってくりゃいいのよ」
「あはは……一回くらいそういうのもいいかもですね」
「いい加減にしろ鈴木。うちがクリスマスに何を食べようと自由だろう」
「やあねー中嶋くんは。どうせクリスマスプレゼントも無しなんでしょ?面白みのない夫だなぁ」
「あ、あの、クリスマスじゃないけど、プレゼントはちゃんと貰ってますよ。毎年年末になると」
雪子は慌てて貴巳をフォローしたのだが、操と武内は首をかしげている。
「……それは、クリスマスプレゼントじゃないの?」
「いえ、絶対クリスマス当日にはくれないんですけど……」
「「ただの意地っぱりじゃん!!」」
二人の声が完全にユニゾンし、貴巳はじろり、と氷のような目線で友人達を睨んだ。
「でも気になるな。貴巳ってどんなプレゼントくれるの?」
「あー気になるわね。下着とか?コスプレ衣装とかマニアックな感じ?
中嶋くんムッツリスケベだから、意外とそういうの好きよね?」
背中に注がれる、貴巳の氷のような視線を痛いほど感じながら、雪子は冷や汗をかいて、何とか話題を逸らそうとする。
「いや、下着はもらったことないですよ?水着なら今年もらいましたけど。あ、貴巳さんにじゃなくって、お友達にですけど」
「……水着?誰にだ?」貴巳が、初耳だと不機嫌そうに眉をひそめた。
「あれ?言ってなかったっけ?この間買い物に行ったとき、あやさんが買ってくれたの」
「え?どんなの?見せて見せて〜」
はしゃぐ操に、雪子は隣の部屋に置いてあった紙袋を持ってきて、中身を見せた。
「わぁ可愛いじゃない!雪子ちゃんに似合いそう。ちょっと着て見せてよ」
「あ、俺も見たい見たい!!」
「……ダメだ」
はしゃぐ武内をものすごい眼力で震え上がらせ、貴巳がドスの効いた声で言う。
「何よ、いいじゃないのちょっとくらい。ヤキモチ焼きな男っていやね〜?
冬に水着なんてちょっとお洒落なプレゼントじゃないの。どうせ自分はろくなプレゼントも選べないくせに」
あからさまな嫌味に、貴巳は眉をひくつかせた。
「……自分の妻の欲しがるものくらい、ちゃんとわかっている」
「そんな事言って、どうせまだ準備もしてないんでしょ?」
ぎろり、と音がしそうな視線を操に送り、貴巳は無言で席を立ってリビングから出て行き、
隣の部屋から、何やら包装紙に包まれた菓子箱ほどの大きさの箱を、あっけにとられている雪子に手渡した。
「え……貴巳さん、えっと……これ、貰っていいの?」
「いやいや貴巳……挑発に乗るなって。このタイミングで貰うほうの身にもなれ」
「だから、とっといてクリスマスにあげたらいいじゃないのよ」
うるさい外野を完全に無視し、貴巳は雪子に、包みを開けるように促す。
(な、なんか思いがけないタイミングだけど……とにかく用意しててくれたんだよね。何だろう……結構重たいなぁ)
戸惑いつつも、滅多にない夫のプレゼントだけに、結構単純に喜んでしまう雪子であった。
包み紙をそっと開いて、箱の蓋を開けると、中身は更に白い柔紙に包まれている。
背後から好奇心に満ちた二人の目線を注がれながら、雪子はそっと、今年のプレゼントを取り出した。
「……え?」
「……え?」
「……貴巳さん、これ……」
中身が取り出された瞬間、武内と操は絶句した。
夫から若くて可愛い妻へのクリスマスプレゼント(本人は認めないが)の中身は、
ずっしりとした重量の、将棋の駒のような形をした、銀色に鈍く光る。
古式ゆかしき形の、堂々たる「おろし金」であった。
(……無いだろ!これは無いだろ!!)
(……雪子ちゃん、可哀想に……)
気まずさのあまり沈黙する二人の耳に届いたのは、思いがけない雪子の言葉だった。
「……貴巳さん!どうして私の欲しいもの知ってたの!?」
それはまぎれもなく、感動すら滲んだ、驚きと喜びの声であった。
貴巳は答えないが、その横顔にはそこはかとなく、勝利の悦びが滲んでいる気配がする。
「いやいや!!雪子ちゃん、ホントにそれでいいの?」
「何でクリスマスプレゼントにおろし金なのよ?普段買いなさいよそんなもん!」
二人の非難が思いがけなかったらしく、きょとんとして雪子が言う。
「だって、これ銅製でいいお値段しますし……ずっとプラスチックのを使ってたので、
こういう本格的なのに憧れてたんですよ。すっごく嬉しい!貴巳さん、ありがとう」
ほのかに頬を染めて、本気で嬉しがっている様子の雪子を見て、武内ががっくりとうなだれた。
「……ねぇ、何で俺にはこういうお嫁さんがいないのかなぁ?」
「元気出して武内くん。雪子ちゃんがいなくても私がいるじゃない?」
「……何、その『パンが無ければ野獣を狩って食べればいいのに』みたいな発言」
「わかりづらい例えだけど、何か馬鹿にされた気がするわ……雪子ちゃん、そんなに嬉しい?」
「はい!去年のも嬉しかったですけど、今年もすごく気に入りました」
「……聞きたくないような気もするけど、去年は何貰ったの?」
恐る恐る、武内が聞く。
「はい、去年はホームスモーカーをもらいました」
「……何それ」
「肉とか魚とかソーセージとかを、自宅で燻製にできる器具です」
にこにこと、誇らしげなまでに嬉しそうに話す雪子の顔を眺めて、武内は再び床に突っ伏した。
「……ダメだよ操ちゃん、俺もう再起不能だよ……今まで俺が女の子に買った、
コーチのバッグだのプラダの財布だの何だったんだよ……マニュアルじゃ人生勝てねぇよ……」
「武内くん、気を落とさないで。私が慰めてあ・げ・る♪」
「……胸押し付けるのやめてくんない?」
「そろそろお風呂に入らないと、遅くなっちゃいますね……あ、お部屋なんですけど、
武内さんは前に泊まって頂いたお部屋で、操さんはその隣の和室でも大丈夫ですか?」
時計を見た雪子が、客用の布団を敷こうと立ち上がる。
「私はどこでも大丈夫だけど、お布団足りる?何なら武内くんと一緒でもいいんだけど」
「えええ!雪子ちゃん、俺ソファでもいいよ?」
雪子が苦笑して答える。
「大丈夫です、お客様用のお布団が二組ありますから。じゃ、用意してきますから、
お風呂沸いてるので順番に入っちゃって下さいね」
雪子が用意に立つと、武内が貴巳にすがるような目線を向けた。
「……貴巳、俺の寝る部屋って、鍵かかる?」
野獣に魅入られたような哀れな友人を、冷たい目で見下ろすと、鉄仮面は冷酷にも言い放った。
「残念だが、うちには鍵の掛かる部屋はない。トイレででも寝るんだな」
「……貴巳、俺達友達だと思ってたんだけど……」
無駄な抵抗を続ける友人をさっさと見限って、貴巳もまた客間の用意をするために立ったのだった。
和室に客用の布団を運び、シーツと布団カバーをかけている間、貴巳は、今日一日の出来事を反芻し、
つくづくと溜息をついた。
余りにも非常識な操に対する怒りはもちろんあるものの、それ以上に納得いかないのは、
(……何故、この状況でこんなに和やかに過ごしているんだ?)
ということである。雪子も当然ショックは受けているようだが、いつの間にかすっかり操と武内のペースにはまり、
和やかに談笑していさえする。
少しは嫉妬したり、操に対して敵意を表したり、そういうそぶりがあるのが当たり前ではないだろうか。
それが雪子ときたら、操と二人できゃっきゃとはしゃいだりさえしているのだ。
本来なら、夫である自分を泣きながら非難しつつ、実家に帰られても仕方ない事態であるはずだ。
いや、もちろんそういう事態になれば更に困ったことになるのは解っているのだが、しかし。
我が妻ながら、お人よしにも程があるだろう、と貴巳は思うのだ。
本日幾度目になるのかもわからない溜息をつきつつ、貴巳は学生時代の自分と操に思いを馳せた。
今となっては疫病神にしか思えない操だが、少なくとも当時は、操のことをそんな風に思ったことはなかったのだ。
「中嶋くん、私とセックスフレンドになろうよ。お互いに絶対迷惑かけないって条件で」
そう切り出してきた操の、生意気そうに光る瞳を、まだはっきりと覚えている。
性欲は人並みにあるものの、同年代の女性と付き合うことなど馬鹿らしくて全く考えられなかった当時の貴巳にとって、
あまりにも割り切ってさっぱりとした考え方の操の存在は実に新鮮で、そして見も蓋も無い言い方をするならば、
大変都合が良かったのである。最もそう思っていたのは操も同様だろうから、後ろめたさなど微塵も感じたことはない。
操のおかげで、女性の身体やその感覚の複雑さ、そしてそれまでは想像もしなかった多種多様な性愛の形があることを知り、
持ち前の探求心も手伝って、一時は馬鹿みたいにその身体にのめり込んだ。が、それだけだ。
大学卒業と同時に、当たり前のように連絡を取らなくなり、そして忘れた。
未練に思ったこともない代わり、一度たりとも、操との関係を後悔したこともなかった。
雪子に出会うまでは。
(……妙なものだな、今になって後悔するなんて)
非現実的な仮定は嫌いだが、もしタイムマシーンがあるなら学生時代に戻って、操との関係を意地でも止めさせたいものだ。
だが、もし雪子に出会っていなかったら、自分は今でも後悔なんてしなかっただろう。
そうして操に再会することがあれば、再び関係を持つことだって充分にありうるだろう。
自分は本来そういう無機質で非人情的な人間だったし、将来もずっとそうだろうと思っていたのだ。
当時の自分が、今の自分を見たら、何と言う体たらくかと絶望するかもしれない。
雪子の白い頬や、長い睫毛や、くすぐるような声音。達する瞬間にしがみついてくる時の指の力。
笑う目元、泣いた唇。思い出すと、身のうちが震えるような感覚に襲われた。
どうやら、自分は変わった。そして操は変わらない。多分それだけのことなのだろう。
らちもない物思いを断ち切って、貴巳は三人のいるリビングへと向かった。
6
「……ふぅ」
ドライヤーのスイッチを切り、乾いた髪をブラシでとかしながら、雪子はほっと一息をついた。
先に風呂に入った三人は、もう寝る準備をしてそれぞれの部屋にいるはずだ。
操のことについて色々と考えこんでいるうちに、すっかり長湯になってしまった。
(もう、皆寝ちゃってるかもしれないな)
のぼせ気味の頭を一振りすると、雪子はそっと洗面所のドアを開け、廊下に出た。
冷え込んできた空気にぶるりと震えたとき、雪子の耳に、妙な物音がかすかに響いた。
(……何の音?っていうか……誰の声?)
リビングへと続く扉の向こうから、微かに響いてくる声に耳をすませ、その正体を悟った雪子は、
瞬間、耳まで真っ赤になった。
「……っあん……あう……あっあっあっ」
漏れ聞こえてくる声は、紛れもなく、女性の艶かしいその時の声だったのだ。
(……ま、まさか……操さん?えええ!た、武内さんと……?)
物音を立てないように細心の注意を払いながら、雪子は逃げるように、二階の寝室へと向かった。
寝室のドアをそっと開け、中に滑り込む。常夜灯の僅かな灯りの中で、
貴巳はどうやら既にぐっすりと寝入っているようだ。
起こさないように注意しながらベッドに入り、ゆっくりと身体を横たえる。
安堵の溜息をつくと、激しい心臓の動悸が、改めて意識された。
(……冗談かなと思ってたのに……操さん、本気だったんだ……なんか、本当に、自由な人だなぁ)
自分の家を情事の場所にされて、腹を立てても良いはずの状況なのだが、
操の態度が余りにもあっさりしているからか、不思議なほど怒りは沸いてこない。
風呂に入っているときからずっと考えていたことだが、今日の出来事はどれもこれも非常識かつショッキングで、
普通に考えれば、貴巳を交えて阿鼻叫喚の修羅場が展開されてもおかしくはないはずだったのだ。
それが何故か、知らず知らずのうちに操の存在を受け入れ、その上に会話を楽しんでさえいる自分に気づいて、
雪子は自分のことながら不思議な気持ちになるのだった。
きっと、操が悪びれることなく、あっさりと自分の道を突っ走っている様が、爽快ですらあるからだろう。
普通ならば今頃、雪子は嫉妬の鬼と化していてもいいはずだ。
ただ。
操に対する悪感情はないものの、一つの事のみが、雪子の心にひっかかっている。
(……貴巳さんと操さんって、どんなふうに……してたんだろう)
そのことを考えると、胸の片隅がちくちくと痛むのを止められない。
昨日までは、全く想像がつかない故に嫉妬のしようもなかったが、
今日、操という、いろいろな意味で自分とは正反対な、美しい女性が現れたことで、
貴巳の過去のことが具体的なイメージを持って想像できるようになってしまったのだ。
(私にするみたいに……貴巳さん、操さんに触ってたのかな)
考えないようにしようとすればするほど、日ごろの貴巳の指や舌の動きが、肌の上に蘇ってくるようで。
そしてまた、先程漏れ聞こえてきた操の嬌声が、耳の奥で鳴り響く。
いつしか雪子の指は、貴巳の動きをなぞるように、パジャマの胸のボタンを外し、
柔らかな胸の辺りを這い回りはじめた。
(……ダメ、何やってるの私……やめなきゃ)
理性は必死で止めるのに、雪子の身体に灯りはじめた熱は、ますます温度を上げ、
震える手指は自分の意思では止められなくなっていく。
(やだ……嫉妬しながら、自分でしちゃうなんて……変だよ。私、どんどんヘンになっちゃうよ……)
両手の指が、自らの二つの頂点をきゅっと摘んだ瞬間、思わず声が漏れそうになり、
雪子は慌てて口を押さえた。そっと隣の夫の様子を伺うが、幸いぐっすり眠っているらしく、微動だにしない。
指は段々と大胆さを増し、雪子はまるで、夫に悪戯をされているような気分になってきた。
隣に眠る貴巳に背をむけて、横を向いて寝そべりながら、雪子のひそやかな悪戯は歯止めをなくしていく。
くすぐるような動きだった指も、今ははっきりと意志を持って、快感を与えるために動いている。
(貴巳さん……たかみ、さん)
目をきつく閉じ、頭の中で夫の名を呼びながら、雪子は我を忘れて没頭しはじめた。
胸だけでは飽き足らなくなった指が、そっとパジャマのウエストから、身体の中心を目指す。
下着の上からそっとなぞると、熱い湿り気が中指にまつわりついた。
(……うそ……もう、こんなに……)
夢中でまさぐると、いつも夫が執拗に攻める、敏感な肉芽に、爪の先がひっかかった。
(……っっ!!)
瞬間、まるで電流のような快感が背筋を走りぬけ、漏れそうな声を、唇を噛み締めて耐える。
そのまま、爪の先でこりこりと塊を刺激すると、いつもとは違う悦びがどんどん湧き上がってきた。
直にされると痛いのだろうが、下着の上からだと丁度よい強さの刺激となり、そのすぐ下の入り口が
快感の余りきゅうっと収縮するのが、自分でもよくわかる。
(あ……やっ、いっちゃう、かも……あ、ダメ……もう……!!いくぅっ!!)
雪子が、今まさに、最初の絶頂に上り詰めようとした、その時だった。
「…………っっっ!?」
背後から、がばっと人が起き上がる気配がしたかと思うと、雪子は後ろから羽交い絞めにされていた。
咄嗟に大きな手のひらで口をふさがれていなかったら、きっと叫び声を上げていたに違いない。
「た、貴巳さんっっ!起きて…?」
驚きと恥ずかしさの余り、雪子の身体が震える。
「……声が大きい」ぼそりとそう指摘されたが、雪子は耳どころか胸元まで真っ赤になりながら、
両手で顔を隠し、いやいやと首を振った。
「……一人で何をしていたんだ?」
穏やかな、それでいて妙に迫力のある声音でそう問われても、雪子には返事をする余裕はない。
「……い、い、いつから起きてたの……?」
夫の顔を直視することができずに、顔を隠したまま雪子が、辛うじて小声でそう訊く。
「そうだな……雪子が風呂から上がってベッドに入ってきた時からだ」
「い、嫌ぁぁぁっっ!」
はしたない行為にふけっていたことを、最初から気づかれていたなんて…と、雪子は気も狂わんばかりに悶えた。
うずくまるように固まってしまった雪子を後ろから抱きしめたまま、貴巳が耳元で囁く。
「どうした?続きをしないのか?」
「し、しないってば!馬鹿っ!」既に涙声になっている雪子が、ぶんぶんと首を振る。
「そうか……じゃあ代わりに俺がしてもいいな?」
そう囁くが早いか、貴巳の手が素肌を求め、パジャマの裾から潜り込んでくる。
柔らかな乳房をそっと手のひらで包まれた瞬間、雪子は、先程までの物思いのことを思い出した。
「やだ!……やだやだ!離して!!」
必死で貴巳の手から逃れようともがく雪子を、貴巳は力ずくで押さえつけ、更に手を伸ばそうとする。
しかしその手は雪子の渾身の力で振り払われた。
いつものように、どこか媚を帯びた形ばかりの拒否ではなく、雪子が本気で拒絶したがっているのを感じ取り、
貴巳ははっとして手を止めた。
「……雪子?どうした?」
声をかけても、雪子は暫くの間、そっぽを向いたまま自分の身体を抱きしめるようにして固まっている。
途方に暮れた貴巳が、更に声をかけようかと迷っていると、暫しの間が空いて、ようやく雪子が口を開いた。
「……操さんとも、おんなじように、したの……?」
震える唇から発せられた言葉。
貴巳は自分のうかつさに、舌打ちをしたい気分になった。
いくら打ち解けたといっても、雪子にとって操との出会いは、ひどくショックなものだったのだろう。
「……雪子、今日は本当に悪かった」
背後からそう謝ると、雪子がゆっくりと貴巳に向き直った。
その瞳は、不安定な色を映して揺れている。
「……貴巳さんが悪いわけじゃないの。ただちょっと、気持ちの整理がつかないだけっていうか」
「いや、雪子がショックなのは当たり前だし、過去の俺がうかつだったのも事実だ」
珍しく気落ちしているらしい貴巳の声音に、雪子はふと表情を和らげ、首を振った。
「済んだことはしょうがないし、それに私、操さん嫌いじゃないよ?むしろ好きだし、
それにね、ちょっとだけ、憧れるかなぁって……」
雪子の言葉に、貴巳は自分の耳を疑った。
「……あのな雪子、鈴木のどこに憧れる要素があるっていうんだ?」
雪子はきょとんとして言い返す。
「だって、綺麗だし、色っぽいし、お仕事できそうな自立した感じで……あやさんもそうだけど。
私、あやさんとか操さんみたいな、大人の女の人になりたいなーと思ってるの」
理解の範疇を超えた雪子の答えに、貴巳は内心、頭を抱えた。
(……どうしてよりによって、あの二人に憧れるという発想が出るんだ?性欲の権化の鈴木に、
ガサツが服を着て歩いてるような橋本だ?確かに自立はしてるかもしれないが……)
「雪子、その必要はない。鈴木や橋本を見習うことはないし、雪子は今のままで充分だ。
変わる必要は全く無いから、恐ろしい考えは捨てなさい」
怖いほど真剣な面持ちでそう言われても、雪子は納得のいかない様子で首を振る。
「だって……せっかく、修行しようって言ってたのに……」
「……修行?何のだ?」
「あのね、あやさんに、私も大人の女の人になりたいな、って相談したの。
そしたら、色気を出す修行のために、年が明けたら、一緒に水着を着て室内プールに行こうって。
それで水着選んで、買ってもらっちゃったの」
雪子の説明はまるで要領を得ないし、どうして水着を着ることが修行になるのかまるで不明だが、
貴巳は脊髄反射的に、険しい表情で答えていた。
「……駄目だ」
「え?どうして?室内だから陽にも焼けないし、溺れないようにあやさんが見張ってくれるから大丈夫だよ?」
無邪気にそういい募る雪子に、貴巳は理不尽と知りながら、僅かに苛立ちを感じていた。
雪子は、どうしてこう鈍いのだ?
「とにかく駄目だ。色気なぞ出す必要はないし、雪子は今のままでいい」
冷たく言い放つと、雪子の表情が、にわかに曇った。
唇を噛み締めてうつむき、ぽつり、ぽつりと言葉をつむぐ。
「……やっぱり、貴巳さんは、私が変わるのが嫌なんだ……ずっと、今のままで、何にも知らないで、
子供っぽいままの私のほうがいいんだ……」
今にも泣き出しそうな雪子の声音に、貴巳は慌てた。
「そういう訳じゃないが……わざわざプールで水着姿になる必要もないだろう。
たちの悪い男に目をつけられでもしたらどうするんだ」
貴巳の言葉に、雪子はきょとんとして、次の瞬間、可笑しそうに笑った。
「やだなぁ貴巳さん、心配しすぎだよ。あやさんならともかく、私の子供っぽい水着姿なんて誰も見ないよぅ」
余りにも無邪気な雪子の笑顔に、貴巳の理不尽な苛立ちは、瞬間、頂点に達した。
「……自分が男からどんな目で見られてるか、考えたこともないだろう」
怒りの篭った声でそう言われて、雪子の笑顔が凍る。
貴巳はおもむろにベッドから立ち上がり、寝室の隅の壁に立てかけてあった大きな姿見を持ち上げ、
ベッドのすぐ横の壁にもたせかけた。
何をするのか全く理解できていない様子の妻に頓着せず、貴巳は、いきなり雪子のパジャマを捲り上げた。
「きゃ、や、貴巳さんっ何するのっ?!」
驚いて抵抗する雪子に、「……静かにしないと下の二人が気づくぞ」と囁いて黙らせ、
貴巳は無表情に雪子のパジャマと下着を全て剥ぎ取った。
白い裸体が震えている。寒さと、これから何をされるのかという不安に。
エアコンのスイッチを入れると、貴巳は自らもパジャマを脱ぎ捨て、雪子の身体を軽々と抱き上げた。
「……た、貴巳さん……?何?こわい……」
貴巳は、雪子を抱えたままベッドサイドに腰掛け、自分の膝の上に雪子を座らせる。
前を向いて、鏡に自分の姿がよく映って見える位置に。
「……自分でよく見てみろ。この身体を、他の男に見せるのか?」
貴巳の意図にようやく気づいた雪子は、身をよじって逃れようとするが、
がっちりと腰を抑えられてそれも叶わない。
鏡の中では、大きく脚を広げ、あられもない姿の自分の身体が大写しにされていて、
余りの恥ずかしさに顔を背けようとしても、夫の手が顎をつかみ、前を向くことを強制される。
「やだ……貴巳さんっ……は、恥ずかしい……よ」
「よく目を開けて見てみろよ……本当に、人前で、この身体を見せ付けるつもりか?」
「だって……水着、着るんだもん……裸とはちがうもんっ……」
恥ずかしさに全身真っ赤にしながら、それでも涙目で抗議する雪子に、
もう不毛な会話は無用だとばかりに、貴巳の指と舌が襲い掛かった。
柔らかな乳房が、指の間からはみ出しそうなほど強く握られる。
乳首を指の間に挟まれて、こりこりと刺激されると、雪子の身体が跳ねる。
あくまで拒絶しようと力を込めると、不意に首筋に歯を立てられ、次の瞬間にはなだめるように舐め上げられる。
突っ張っていた雪子の身体から、徐々に力が抜けてきた。執拗に乳首をこねくり回し、耳たぶや首筋を舐めしゃぶられるうちに、
雪子はもうすっかり貴巳に身体をもたせかけ、頭はのけぞるように貴巳の肩にあずける体勢になっていた。
半開きになった唇から、熱い吐息が漏れる。それでもまだ理性は残っていて、大声をあげるのだけは必死に耐えているようだ。
与えられる快感を何とかやり過ごそうと、目をかたく閉じる雪子に、貴巳の容赦のない言葉が浴びせられる。
「……目を開けて、自分が今どんなふうになっているか、見てみろよ」
最初のうちは首を横に振って拒絶していた雪子だったが、ふと、尻に当たる、熱い貴巳自身の感触に気づいた。
(……貴巳さんも、興奮、してるの……?)
思わず目を開けて、鏡越しに夫の表情を覗きみようとした。が、そこに写っていたのは、
頬を上気させて、だらしなく口を半開きにした、かつて見たことのないほどいやらしい自分の表情だった。
「……や!あああ!いや!こんなのやだぁぁ!!見ないでっっもうやめてぇぇ」
涙声でかぶりを振るが、貴巳の指は容赦なく、露になっている茂みの奥へ這わされる。
雪子のそこは、先程自分で、下着の上から触っていただけにもかかわらず、滴り落ちそうなほど潤っていた。
貴巳が触れた瞬間、ぬるり、と指が滑り、雫がぽたぽたと、糸を引いて貴巳の膝の上へ落ちる。
尋常ではない濡れ方に、雪子の羞恥心はいよいよ頂点に達した。
「だめ、や、みないで、だめえぇ!」
「……静かに」
耳元で囁かれ、雪子は慌てて、半ば手放した理性を引き戻す。
派手に声を漏らさないように、ときつく唇を結んだ瞬間、腰が軽々と持ち上げられ、
猛る貴巳自身の上に照準を合わせて、雪子の腰がずぶり、と沈められた。
「………………っっっ!!!」
咄嗟に、貴巳の手が雪子の口を塞ぐ。
いきなり奥まで、しかも全体重をかけて貫かれた雪子は、半ば気絶したように痙攣し、
狭い膣は貴巳が痛みを感じるほどに締め付けてくる。
「………あ……あ……お……んっ……」
言葉にならないうめき声をあげ、それでも無意識に、のけぞった雪子が貴巳の首にしがみつく。
しばらくそのままで落ち着くのを待って、貴巳が雪子に囁いた。
「……目を開けるんだ」
快感に蕩かされ、最奥を貫かれた雪子には、もう抗う気力もない。
物憂げにゆっくりと瞼を開き、何一つ隠すもののない、露な自分の裸体を見つめた。
全身が真っ赤に染まっている。太股がふるふると震え、時折腹筋がびくん、と痙攣する。
荒い息に合わせて上下する肋骨に、揺れる白い胸。つんと尖った乳首。
そして、今にも蕩けてしまいそうに緩んだ、いやらしい表情。
淡い茂みのすぐ下に、猛り狂う貴巳のものが埋め込まれているのが、はっきりと写っている。
強すぎる快感に霞んだ頭に、それは一枚の絵のように、奇妙に非現実的に映った。
(すごい……もっと、みたい……)
無意識のうちに、雪子は自分で腰を持ち上げる。
自分の内部からずるり、と現れる、そそり立つ肉棒。真っ白い本気汁がまつわりついて、
妖しい香りを漂わせている。先端の段差のところまで抜けかけたが、雪子の締め付けが余りにきつく、
先端だけがなかなか抜けない。喰い締められ、引きずられるような感触に、貴巳も思わず吐息を漏らした。
いよいよ抜ける瞬間、雪子が再び達した。局部から、ぐぽっ、と音がしたのは錯覚だったろうか。
「…………っっ」
もう、声も出ない。
口の端から涎さえ垂らして、雪子の腰が自ら、ゆっくりと落とされる。
内部のひだを一枚一枚とかきわけていく感触さえ、今の二人には数えられるほどにはっきりと感じられた。
どちらのものかわからない愛液が、怒張し血管の浮き出た肉棒を伝って滴り落ちる。
二人は、何か神聖なものでも見るように、目の前に映る自分達の痴態に見とれていた。
貴巳の先端に、鈍い痛みを伴って、硬い塊の感触がある。
雪子の子宮が、貪欲に精液を飲み込もうと降りてきているのだろう。
無我夢中で貴巳の首にしがみつき、仰け反って腰を振りたてている雪子の喉が白い。
激しい水音が、繋がった部分から静かな部屋に響き渡る。
もう我慢の限界を迎えているはずなのに、不思議と声は漏れず、雪子は只一心に、
貴巳の怒張を子宮の中まで飲み込もうとしているかのように身体をくねらせている。
鏡に映った雪子の顔が、幾度目かの絶頂に歪む。半開きの口から紅い舌がのぞき、
わななき、声にならずに唇が動く……それが自分の名前を呼ぶ動きだと悟った瞬間、
貴巳もまた、睾丸が収縮し、せり上がる感触に襲われ、耐える間もなく雪子の中で弾けていた。
暫くの間、雪子は、荒い息を整えるので精一杯な様子だった。
ぐったりと目を閉じて、貴巳に背中を預けている。
貴巳が気遣わしげに、汗で張り付いた前髪を掻き分けてやると、雪子はゆっくりと目を開き、
貴巳の顔を見上げて、掠れる声で囁いた。
「……きらいに、ならない……?」
意味がわからずに、貴巳が目顔で聞き返すと、雪子の声が切実な不安で震えた。
「……わたし、こんな、いやらしくなっちゃって……どんどん、変わっていって……
それでも、貴巳さん、きらいにならないでくれる……?」
思いがけない雪子の言葉に、貴巳は咄嗟には言葉が出てこず、代わりにきつく雪子を抱きしめた。
「当たり前だ。なる訳がない」
「……ほんとに?」
まだ半信半疑の様子の雪子に、貴巳は思わず苦笑した。
「……俺のほうこそ、操のこと知られて、嫌われるかと」
「……貴巳さんの笑った顔、半年ぶりくらいに見たかも」
おかしそうに笑う白い頬を指でなぞると、雪子は満腹した赤ん坊のような顔で目を閉じた。
「嫌ったりしないよ……でも、ほんとはね、ちょっとだけ悔しかったの」
「悔しい?何がだ?」
「当たり前なんだけど、操さんに聞いた話って、私が知らないことばっかりで……。
ほんとはね、私が、貴巳さんの、はじめての人になりたかったなぁ、って……」
照れながら言う雪子が余りに愛しくて、貴巳にはどうしていいのかわからない。
結局いつものように、そっけない言葉を返すことにする。
「……過去に遡って嫉妬しても仕方ないだろう。例えば、雪子の初めての相手に嫉妬したって仕方ない」
「え?私、貴巳さんがはじめてだよ?」
「……セックスに関してはそうだろうが、例えばファーストキスだとか、初恋だとか、言い出したらきりがない」
もっともらしい言葉でごまかしたつもりだったが、貴巳の予想に反して、
雪子はおかしそうに笑い声をあげた。
「……何がおかしい」
「……あのね、はじめてだよ、貴巳さんが」
言葉の意味がわからず、貴巳は眉をひそめた。
「あのね、ディズニーランド行ったときに、キスされたでしょ?……あれ、私のファーストキスだったんだよ」
「……何だって?」
「あ、びっくりした顔も半年振りくらいに見た」
おかしそうに笑われたのは不本意な貴巳だが、今はなりふり構ってはいられない。
「そんなことは初耳だ」
「……だって、貴巳さんが聞かなかったじゃない」
(そうだっただろうか……確かに、まさかキスまで初めてとは考えてもみなかった)
嬉しいような、勿体無いことをしたような複雑な気持ちでいる貴巳のほうに、
もたれかかっていた雪子がよいしょ、と上半身をねじった。
「……何だ?」
じっと貴巳を見つめる雪子の目線が何か訴えている。
「あのね……今日、まだ、キスしてないよ?」
かなり苦しい姿勢で、それでも深く深く、二人は唇を重ねて吸った。
舌をからめあっていると、雪子がぴくり、と震えた。
「……あ、うそ、また…」
雪子の内部に納められたままだった塊が、再び熱を帯び、硬さを取り戻しつつあった。
「……や、だめ、今日はもう無理だってばっ……」
涙目でかぶりを振る雪子に、貴巳はいつもの無表情で、
「……雪子が悪い」と言うが早いか律動を開始した。
「あんっ、ほんとに、駄目だってば!明日、早く起きて、武内さんの朝ご飯作らなきゃ、
って……もうっ、貴巳さんの馬鹿ーーーっっ!!!」
7
次の日の朝。
雪子が朝早く起きて朝食を作れたのは、奇跡と言っていいかもしれない。
来客が無ければ、間違いなく昼近くまでベッドの中で起き上がれずにいたはずだ。
あちこちきしむ身体をかばいながら、それでも大量の朝食を、ほとんど武内のために用意した。
朝から全開の食べっぷりを見せる武内を三人で呆れつつ眺めながら、
雪子は何ともいえない気まずさを感じていた。
(……昨日の、聞いちゃったの、まさか気づかれてないよね……?)
「ごちそうさま。あー、ご飯食べてやっと目が覚めたわ」
あくび交じりに操が言うと、武内も眠そうに目をこする。
「参ったよなぁ……操ちゃん宵っ張りなんだから」
(……え?そんなこと言っちゃっていいんですかっっ???)
雪子が目を丸くして赤面したが、操の口から出たのは予想外な言葉だった。
「そもそもDVD見たいって言ったのは武内くんじゃない?」
「俺が見たかったのは一本だけだって。四十八手裏表のやつまで見ることなかったじゃん」
「研究よ研究」
「えええ!DVDだったんですか?」
思わず大声を上げた雪子に、二人は不思議そうな顔をする。
「……え?何?どうしたの雪子ちゃん」
「い、いえ、何でもないですっっ!」
慌ててごまかしたが、赤面した顔を見て操が何やらニヤニヤ笑っているのが気になる。
「あ、そういえばね、新幹線の時間がわかるものって、何かないかな?」
武内にそう聞かれ、食器を片付ける手を止めて、雪子はちょっと考えた。
「……あ、二階の本棚に時刻表があったかも」
「俺が取ってこよう」
雪子が動くより早く、貴巳が二階に向かう。その背中を見送って、操がつくづくと溜息をついた。
「……しかし、中嶋くん、変わったね」
「だよねぇ。別人だよね」
武内も同意するのを聞いて、雪子は目を見開いた。
「……え?貴巳さん、学生のころから、そんなに変わったんですか?」
問われた二人は目を見合わせて、うんうんと頷いた。
「なんか、絡みやすくなったよね?」
「そうね、人間らしくなったしね」
「……あれで?」
思わず敬語も忘れて聞き返した雪子に、二人は爆笑しつつ答えた。
「だって、中嶋くん怖かったもん。下手に軽口たたいたら殺されそうな感じでさぁ」
「そうそう、あの冷たい目線向けられると、マジで心臓発作起こしそうになったよね」
「うん、まるっきり機械仕掛けみたいな男だったもんね。
それを冷血動物とはいえ、生き物らしくした雪子ちゃんは偉い」
「うんうん」
自分の功績かどうかはともかく、貴巳が変わったことだけは間違いないらしい。
「……じゃあ、どうしてお二人は当時、貴巳さんと付き合ってたんですか?」
「「便利だったから」」
あっさりきっぱり、完全なユニゾンで返された答えに、雪子は一瞬言葉を失った。
「……便利?」
「そうそう。貴巳さえいれば、授業のノートとか取らなくてもテストは楽勝だったし」
「うん。あと面倒な課題とか、バイト代わりに引き受けてもらえたし」
二人が余りにも悪びれていないので、雪子も釣り込まれてつい、笑う。
「何の話だ?」
いつの間にか戻ってきた貴巳に、背後から声をかけられ、二人の表情が凍った。
「……いやー、あはは。貴巳、時刻表ありがとね?」
「午前中のうちに出発するつもりなら、すぐに出ないと間に合わないぞ」
言われて、慌てて武内と操が出発の準備をはじめる。
(たぶん、貴巳さんは、この二人のよくも悪くも正直なところが、嫌いじゃないんだろうな)
ばたばたする二人を微笑ましく眺めながら、
「また、遊びに来て下さいね」と、雪子は心から言ったのだった。
投下終了です。
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。
クリスマス直前ネタだったのに、微妙にタイミングずれててすいません。
おまけ
数日後、クリスマスの夜の中嶋家。
「ただいま……雪子?」
「貴巳さん、メリークリスマース(ぱーん)」
「……何だそれは」
「え?クラッカーだよ?大丈夫、ちゃんとゴミが散らからないタイプだから」
「そうじゃなくてその格好のことだが」
「あっ、これ?操さんが、私達へのクリスマスプレゼントにって、
宅配便で送ってくれたの。クリスマスの日に、これ着けて、水着着て貴巳さんを出迎えたら
喜ぶよって。でも私達二人へって言ってるのに、サンタの帽子も手袋も靴下も一人分だけだよ?
あと、このすごくおっきいリボン、何に使うんだろうね?」
「……鈴木……あの馬鹿」
「ね、早くご飯食べよ?冷めちゃうよ?」
「……今日のメニューは何だ」
「……」
「まさか」
「……えーっとね、ローストチキンとー、シャンパンと、ケーキと……って、きゃぁぁ!!
貴巳さんっ、何するの?何でお姫様抱っこなの?そんで、なんで二階に向かってるのぉぉ?」
「そんなにクリスマスらしいことがしたいなら、期待に応えようと思ってな」
「いやーっっ!!ローストチキンが冷めるー!!!」
メリークリスマス。
うおおおおおおおおおおおおおおおGJ!
雪子ちゃんはいつまでたってもかわいい奥さんですね
プレゼントのチョイスはさすがたかみーw
パンが無ければ……に吹いたww
鉄仮面と子猫待ってたよ!!
GJすぎて朝からニヤニヤが止まらないよ
操と武内のその後も気になる
以前貴巳の過去に嫉妬する雪子が読みたいと呟いた者だがリクエスト叶えてくれてありがとう
ええなぁ
嫉妬してないようで心の奥底ではやっぱり嫉妬してた雪子萌え。
機械っぽかったのが生物になった、とまで言われる鉄仮面にも萌え。
こんな嫁いたら、そりゃデレるわ。
GJ!!
温水プールには行けなかったんだろうなあwww
あああん!グッジョぉブ!!!
操さんがくれたプレゼントの内訳は
サンタ一式衣装→子猫
大きなリボン→たかみーのナニ飾り
『はい、お互いにプレゼントー(ハアト』って意味で合ってる?www
>>460 いや、そのリボンは子猫サンタさんの首につけて
『私がプレゼント♪』だろう妥当に考えて。
いや〜しかし子猫カワユス。プレゼントのツボが、平均的な20代女性の好む所から外れているところもまた良し。
鉄仮面も今回は笑ったり焦ったり、表情があって面白かったよ作者さんGJ!
全編投下完了するまで米自重してたんだけど
うわあああああん!GJ〜〜〜〜!!!
雪子もさることながら今回は貴巳さんの可愛げを堪能しました。
いろんな意味で突き抜けた操さんと武内さんのキャラも良かった。
時間的には結婚から2年経っているけど、この夫婦にはまだまだ
子供作らずに二人でラブラブしてて欲しいなぁ…
ともあれ作者さん、お疲れさま&ありがとうございました!
うひょー!!投下お疲れ様でした。
鉄仮面と子猫は投下される度に雪子以上に貴巳に萌え(ry
やっぱり嫁は可愛い。歳の離れた嫁は超可愛い。
作者GoodJob!!!…いやGodJobだな。
GJ!
雪子を見るたびにこんな子いねーよ!と思いつつも、
もしもどっかにいたら是非嫁になってくれ思う自分がいるw
>>462 そういや、保管庫を見ても出産ネタって意外と1つも無いんだよなあ
465 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 11:53:50 ID:zLwClfDE
☆
穂波の年越しH待ち。
志乃さんの続きが見たいぜ。
469 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 10:38:50 ID:ON4Ymm26
☆
☆
保守がてら子ネタ投下。1レス消費。
NGワードは「◆POBrm2R/G2」
「ねぇ、こーちゃん」
「ん?なんだ?」
「あのね?その・・・夜なんだけど・・・」
「・・・はいな、分かりましたよ」
俺と紗菜は結婚して3年目の新婚ではないが、今だ恋人だった頃と変わらずラブラブな生活を続けている。
ただ一点、性生活を除けば・・・
「相変わらず柔らかいね、紗菜のおっぱい」
「やぁん♪くすぐったいよぉ♪」
「じゃあコレは?」
「んんっ!そこは気持ちいいよぉ・・・」
いつもの前戯。紗菜は相変わらずいい感じで感じてくれる。
胸をじっくり堪能した後は軽めの愛撫を挟んで本丸に攻め込む。
「ねぇ、紗菜。もうピチャピチャいってるよ?」
「やぁ・・・こーちゃん恥ずかしいよぉ・・・」
「相変わらず紗菜はエッチだね」
「こーちゃんがこんなエッチな体にしたんだからねぇ・・・責任とってよぉ・・・」
「はいはい」
苦笑しながら頷く俺。その答え方がぞんざいに感じたのか、非難の視線を俺に向けてくる。
「で、今日はどうする?」
「えっと・・・あの、その・・・」
突然フィニッシュの仕方を尋ねられたからか、顔を赤くして俺から視線を逸らす。
「きょ、今日は、その・・・な、舐めてもらいたいなぁって・・・」
「はいな。じゃ、脱がすからね?」
「は、はい・・・はうー・・・」
結婚して既に3年経つと言うのに未だにこの照れ様。本当に可愛くって可愛くってたまらない。
秘密の花園の上にある小さな芽。紗菜はソコを責められるのが大好きなので、重点的に責めてやる。芽鱗の上から指で撫でたり、舌で舐めたり。
徐々に紗菜が『もっと強くしていいから、気持ちよくして』なんてお願いされたら、俄然ヤル気が出てしまう悲しい男の性。芽鱗をめくり挙げ、芽を舌でしつこく舐めあげてやる。上上下下右左右左。
絶え間ない紗菜の甘い声が俺の脳を刺激する。俺の茎が硬く、熱くなっていく。
ねちっこく責め続けていると最初小さかった芽がぷっくりと膨らんできたので、一気に吸い上げてやる。
「じゅるるるるっ!」
「ふあああああっ!」
腰を、脚をわななかせ、とてつもなく甘くて切ない叫び声を上げる。
「も、イカせて!もっと舐めて!指でぐちゅぐちゅしてぇ!」
紗菜の望み通り芽を吸い上げ、花びらの奥まで指を突き入れて蜜をかきだすと、食虫花のように指を離すまいと締め付けてくる。
「ああああっ!ダメダメ!こーちゃんにイカされちゃう!イクイクイク!あああああっ!」
紗菜は絶頂に達したのか、体を大きく震わせてぐったりとなってしまった。何度も何度も波が来ているのか、感覚を開けてビクンビクンと震える紗菜の体。
指を締め付けていた花びらからも力がなくなり、ただただ卑猥な蜜を垂れ流している。
軽く蜜をふき取り、紗菜を優しく抱きしめてあげる。
「紗菜、気持ちよかった?」
「うん・・・はぁ・・・はぁ・・・よかったよぉ・・・」
「よかったよかった」
「はぁ・・・ね、こーちゃん・・・こーちゃんは、いいの・・・?」
「ん?・・・多分イケないから、いいよ」
「そっか・・・ごめんね、いつも私ばっかり・・・」
「いいって。気にしないで。悪いのは俺だから・・・」
「うん・・・ありがと、こーちゃん・・・だいすきだよ・・・♪」
「俺も紗菜の事、愛してるよ」
「うん・・・♪」
情事の後の会話はいつもこんな感じ。俺は紗菜では今までイった事がない。
所謂『遅漏』。小学5年の頃にオナニーを覚えてから毎日毎日サルのようにヤリ続けた結果、紗菜を抱いてイケたためしが無い。オナニーならイケるんだが。
俺の胸に頭をくっつけ、まどろんでいる妻を見ていると『これでもいいのかな』なんて思ってしまうが、これじゃ多分いけないんだろうなぁ・・・
以上で終了。お粗末さまでした。
GJ!
ちょっと涙出たじゃないかw
定年退職だと流石にあれなんで、十年目の結婚記念日辺りに改変して誰か書いて欲しいな。
十年後いいねぇ。それだと抜ける。
479 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 20:46:14 ID:B1RkU+K5
保守
偽装結婚ってスレ的にどう?
ある目的のために一定期間の約束で結婚したけど、次第に…とか
>>480 おお、ハーレークイーンで割とよく見る展開だべな。
しかし本場ものの、日本人からすればストレートすぎるとも言える表現は苦手なので、
比喩や隠喩を程良く利用した馴染みのある日本語文で、
>>480に是非書いていただきたい。
以前死期が近い父親のために婚約者の振りしてくれと言われたが本当に結婚したって話もあったね。
とてもよろしいと思う。
見ず知らずの二人が子供役込みで若夫婦を演じる、というパターンもある。
(これ新婚とはちょっと違う気もするけど、結婚ネタの範疇ということで一つ)
一般小説の「方舟は冬の国へ」とか、ストーリーはなんというか電波だけど、
偽装夫婦のラブ&エロはとても甘い味わいで、大変おいしゅうございました。
鉄仮面と子猫の作者様、倉庫に行って始めから全部読んできたんですが
あやさんがすごく気に入りました。
「ディズニーランドは楽しかったですか?」
特にこの言葉と場面、格好良すぎる。
差し支えなければあやさんの話を書きたいんですが構いませんか?
評判のいい作品だけに、それはちょっと、止めた方が…
ある作者さんの作品は、脇役も含めてその人独自の世界観を形作っているわけで、
それに他の人が手を加えるのは、よほどうまくやらない限り失敗する可能性が高い。
なので、一人の読み手として勝手な意見を言えば、やめていただきたいと強く思う。
感銘を受けたなら、それは自分オリジナルの作品中で表現すればいいじゃないか。
>>484 486に同意。
最後の一行は書き手さんに対してあまりにも思慮に欠ける発言。
それさえわからないなら一生ROMってろ。
>>487 そんなこと言ったら、二次創作は全部否定されるw
ご本人の返答待てばいいんじゃね?
ただ、人の二次書きたいと思うなら、ヘタなもんは書いちゃいかんが。
例え作者さんから許可出て書くにしてもハードル高すぎるし
上手く書いてそれなりに受け入れられても絶対荒れる気がする…
俺もあのシリーズが大好きだから、出来ればやめてほしいな
連投すまん
やめてほしいと書いたが、それは読み手側の勝手な意見なので
やっぱり作者さんの返答待つしかないよな
二次創作って基本的には一次作者とは離れたところでやるもんじゃないか
一書き手としては自分の産んだ子を気に入って妄想してもらうのは嬉しくあるんだけど
でも同じ場所で発表されるのは娘のハメ撮りを見せられるみたいで抵抗ある
例え非エロでもジャンプにクリムゾンが連載できるかっていったら有り得んだろ
出来や作者の同意に関わらず、少なくともこのスレには投下すべきでないと思う
書き手もキャラ使わせてくださいとか言われたら断り難い面もあるだろうしな
自分のキャラを気に入ってくれてるんだから無碍にするのも気がとがめると思うし
と書き手になった事のない読み手が言って見る
鉄仮面と子猫の作者です。
>>484 そこまでこのシリーズとキャラクターを気に入ってもらえてとても嬉しいです。
ありがとうございます。
>>485-
>>492 作者個人としては、ここに投下した時点で作品は自分の手を離れており、
匿名掲示板に投下した以上、二次創作の是非について作者がとやかく言う権利はないと思っております。
また、拙作の二次創作をこのスレで発表することの是非についても、
作者に判断する権利は当然ありません。
ただ、もし
>>484氏がどこかで拙作の二次創作を発表される際には、
原作とは別の作者が、全く別の展開で書いている点を明確にして頂ければと思います。
我儘とは思いますが、出版物のように作者が明確になっていない都合上、
読んで下さる方の混乱を避けるため、どうぞよろしくお願い致します。
色々と作者の心情までお気遣い頂いたようで、本当に有難いです。
いつも読んで下さる方、気に入らないけどスルーして下さってるかた、ありがとうございます。
このスレは自分の常駐スレの中でも郡を抜いて平和な、
住人の皆様のスルースキルが高い、安住の地だと思っております。
今後もどうか穏やかに、色んな書き手さんの甘々新婚SSが読めることを切に願っております。
投下もせずに長文レスでしゃしゃり出てしまい、申し訳ありません。
以後、潜行しますので、どうか平和な流れでお願いします。
作者さん大人だな
自分は一読者に過ぎないけど、このスレに投下された作品にはどれも愛着があるよ
>>484 >>485-
>>492がなぜこう言ってるのか、物書きならきちんと考えるべきだと思うよ
自分もこのスレが好きだから、今後もマターリとSS楽しみにしてるよ
495 :
484:2009/01/13(火) 02:09:48 ID:5arLcsNn
>>485〜
>>494 自分の立場を弁えない発言で不快にさせて大変、申し訳ありません。
皆の作品なのに自分の事しか考えてなくて作者さんにも迷惑掛けて本当にすいませんでした。
本来なら書く資格などはないのですが、二次創作の許可を頂いた手前、何も書かずに撤収するのは書き手として最低な行為だと思い、書き上げた後、別スレにて投下させていただきたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
大樹穂波のラブホ編、待ってます。
あと、前回の逆パターンで、大樹の会社の女の子から電話があって
穂波が嫉妬しちゃうパターンとか…色々期待。
大樹穂波、最初の時、素股でやろうかって案を大樹が出しててwktkしたんだけど
普通にやってもうOKだしなあ
>>495 追い出されたSSを投下するスレがあるからそこに行けば良かろうなのだ。
まあ多少なり読者側の要求が高くなるのは覚悟しておいた方が良い。
叩くのが目的で向こうまで行く野暮天はいないと思うけどね。
以下空気を変えるために小ネタ。
バカップル注意
「……っくちゅん!」
さすがにこの時期に裸エプロンはちょっと寒い。
まあそろそろ旦那様が帰ってくるし、そしたら暖かくなるから別に良いけど。
とかなんとか考えてニヤついているとチャイムが鳴る。
覗き穴から見える凛々しい人影はもちろん三日前に結婚したばかりの愛しの旦那様。
格好良い、真面目そう、男らしいと評判の自慢の旦那様だ。
「たっだいま〜」
帰ってくるなり外では絶対に見せないでれでれ顔でキスをしてくる。
二人っきりの時はいつもこう。そのギャップが可愛いのだけれど。
冷たい唇の間から熱い舌が伸びて来て私の舌を絡めとる。
背筋がぞくぞく震えるのは、抱き締めてくれる手が夜気で冷えているからだけでは、多分ない。
美味しい……。
甘い唾液、冬の空気で乾いて少し荒れた唇、舌のぬめり、熱い吐息、口中の全てで愛しいひとを感じる。
舌を吸われ、唇を噛まれ、歯茎を撫でられ、歯をくすぐられる。
旦那様が責め方を変える度に、意識が甘く白濁していく。
されるがままになっているといつの間にか膝が笑い、お腹の底の方がきゅうっと切なくなる。
無意識的に旦那様のはち切れそうになったオチンチンに下腹部を押し付ける。
エプロンとズボン越しの刺激がもどかしい。
白濁を通り越して意識がちかちかと瞬き始めた途端、無理矢理体を引き離される。
「おかえりは?」
イケそうだったのになんでとか、もっと欲しいよとか、色んな思考が曖昧な意識を駆け巡る。
「えー、と……」
段々と意識が覚醒して、どう答えるべきか思い出す。早く答えないと、今日はおあずけになっちゃう。
「今日も一日お疲れ様でした。お風呂でシますか?御飯にしながらシますか?それとも……ここでシますか?」
そんなエッチなことを言いながら(どうせなら全部が良いなあ)と、もっとエッチなことを考えてみたり。
でも旦那様はもっとも〜っとエッチだった。
「じゃあここでシて、御飯にしながらシて、お風呂でシて、朝までベッドでシよう」
「もう……えっち♪」
うん、最後の5行が書きたかっただけなんだ。
済まないとも思っていないし、文句も受け付けない。
それじゃあ、wktkする作業に戻ろうか。
>>498 なんというバカップルw
ぜひとも続きを!
>>498 熱々過ぎるぜGj
恋愛結婚でないとこうはならないのかな。
お見合いとかでラブラブ甘々というのは現実的ではないのだろうか?
>>500 高校生のころ友達の親がお見合い結婚だったんだけどすごく仲良しだった。
長身で口数は少ないけど穏やかな表情と物腰の旦那さんと
ちっちゃくていつもにこにこしてる明るい奥さん。どこに行くにもいつでも一緒。
友達もそんな両親のことが大好きだと言ってた。
こんなラブラブ夫婦になれる可能性あるならお見合いも悪くないな…と思ったものだ。
といった実例もあることだし、妄想はいくらでもおkなのでは??
誰かよろしくーノシ
>>500 恋愛での結婚は二人のゴールだけど、
見合いでの結婚は二人のスタート
お互いのいいところも悪いところも知り尽くした恋愛結婚より、
関係の新鮮さにおいては、見合い結婚の方が上だと思う
ソースは俺の妄想です
503 :
484:2009/01/15(木) 17:43:37 ID:umzuOJNH
>>501 萌えるな…書いてみる。その両親の名前知ってたらそれ使った方がいいかね?
>>484 見てくる
505 :
501:2009/01/16(金) 17:27:00 ID:RfhpTfoX
萌えてくれてありがとう。wktkして待ってるよ。
名前はなんとなく憶えてるけど、ご当人たちがちらつきすぎるのも何なのでw使わない方向で。
希望を言えば、アニメキャラのような当て字名じゃなくて
昭和的なオーソドックスな名前がいいな。女性の方は「〜子」とか。
でも書いてくれるだけで幸せなので
>>504の好みで。何でもおいしくいただきます。
506 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 17:45:43 ID:Sh0Q0kLt
鉄仮面と子猫に期待アゲ
ほとんど運だけの勝負なのだから悔しがったって仕方ないのはわかっているのだが、
7連敗というのは流石になけなしのプライドが傷つけられたような心持ちがする。
じゃあこれからじゃんけんで負けた方が受け持つことにしようぜ、などと軽く言ったのが間違いだった。
もともと乾燥がちの俺の手はここ一週間の食器洗いによってさらに荒れ、
まったく大根でもすり下ろせそうだ――というのは言い過ぎだが、少なくとも
あかぎれが出来ていないのが不思議に思える程度にはガサガサだ。
今夜はハンドクリームでも塗って寝るかな。本当は美容を気にするようなタチじゃないんだが。
七夜連続の食器洗いでだんだん自分の手つきが慣れてきたことに若干の悲しさを感じながら、
明日こそは絶対に勝ってやるぜ見てろよちくしょう、と声には出さずに心の中で彼女に告げた。
「なんだかごめんなさいね、ずっとやらせちゃってるみたいで」
ご贔屓の俳優が出ているドラマがコマーシャルに入ったらしい。
彼女はキッチンに来て冷蔵庫から麦茶を出しコップに注ぎながら、黙々と皿を洗っている俺に声をかけた。
「もともと俺が言い出したんだ、やるといった以上はやるさ」
ありがと、と短く言って麦茶を飲みながら微笑む彼女は、化粧を落としている所為もあって
普段よりも幾分柔らかい雰囲気だ。
「本当は最初に食器洗いは私がやるって決めたんだから、私がやらなきゃって思うんだけど。
あなたって毎回すごく丁寧にやってくれるから、嬉しくて」
(――ああ、化粧と一緒に計算高さも落としてくれりゃあもっと有り難いんだが)
彼女は強制するより褒める方が人を動かすのに都合が好いことを知っている。
「そりゃあ翻訳すると自分じゃ面倒だからこのまま皿洗いの役を俺に回しちまおうってことだろ」
「あら可愛くないわね。知恵がついちゃって」
飲み終わったコップを俺に手渡しながら笑う。
彼女はそりゃあ楽したいってのも本音だけど、と言いながら、昨日切りすぎた俺の髪に触れた。
「自分でやったり他の誰かにやってもらうよりあなたに洗ってもらった方が
嬉しいっていうのも、嘘じゃないわ」
緩く首を傾げた彼女の笑顔はどこまでが打算なんだろう。
抱きしめたい衝動に駆られたが、生憎今の俺の手は泡まみれだ。
代わりに唇を突き出すと、彼女はあらいけないCMが終わっちゃったわ、と
しらじらしく言って居間に消えた。
追いかけることも出来ずに黙って彼女の背中を見送りながら、
皿を洗うぐらいであんな風に笑ってくれるなら悪くないと思っている自分に気がついた。
完全に術中に嵌っている。相手の魂胆を重々解っていながら従いたいと思ってしまうなんて、
全く惚れた弱みというのは厄介なものだ。
最後のコップをすすぎながら、俺は自嘲と幸福のないまぜになった気持で笑った。
******
拙い上に何にもえろくなくてすいませんorz
枯れ木も山の賑わいということで、暇つぶしに適当に読んでいただけたら幸いです。
サラリとしていて、こういうのも好きだ。
いい夫婦だなあ。ぐっじょぶ!
夕刻の17:00……その時間は主婦の戦場になります。
その戦場の名前は『スーパー万戸(まんと)』
敵勢力は付近の団地に住むおばさん集団。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、そして妹よ、
私、野上 明子(のがみ あきこ)24歳は、頑張ります。
『大きい旦那様と小さな奥様』
「だああ…つ、疲れた……」
私はスーパーマン…(あ、これはスーパー万戸の略です)で買った野菜に
お肉、その他今夜のおかずをマイバックから出しながらため息をついた。
「…あんなに引っ張らなくても…」
最近知ったのですが、あそこのスーパーは
夕方5時になると割引シールを貼ってくれるんです。
それを狙って近くの主婦達が映画で見たゾンビの如く群がり、壮絶な争奪戦が
繰り広げられます。店のお兄さんに商品を突き出し半額シールを貼るように迫るおばさん
最後に残ったお刺身を走って取りに行くおばさん、昨日は元気なお婆ちゃんが
籠を乗せたカートに足をかけ、お刺身をすり抜けながらかっさらっていったんですが、
勢い余ってペットボトルの山に突っ込んでいました。
私も負けじと高校の頃、剣道部で鍛えた筋力を総動員してお目当ての商品を
奪取してきたのですが……
「この身長じゃ…間違われるのも当然か……」
そうなんです。私の悩みはこの身長です。147センチしかなく、高校生…悪ければ
中学生に間違われるんです。
争奪戦では『何で中学生にお酒が必要なの!未成年でしょ!』とか『離しなさい!学生にこの肉を取られてたまるか!』とか言われ、挙げ句の果てに『君、何故こんな夜遅くにお酒を?』
と帰り道で出くわしたお巡りさんに補導されかけました。
「はぁ……毎日、牛乳飲んでもなんで身長は伸びないの…」
学生の頃から毎日のように牛乳を飲み続けていましたが身長は伸びません。
今でも飲み続けていますがやはり伸びません。
そのかわり……お、おっぱい…とかお尻…とかは…そこそこ…育ちましたよ?
でも身長だけはどうしても伸びませんでした。
「悩んでもしょうがない、笑顔、笑顔♪」
といつもの調子に戻し、野上家夕餉ノ膳を愛しの旦那様の為に用意することにしました。
私は結婚して、まだ3ヶ月の新婚です。若妻です。何か萌えます。
旦那様の名前は野上 龍一(のがみ りゅういち)29歳。
私が23歳の時、全く男っ気がない事を心配したのか、お母さんがお見合いの話を
もってきました。お母さんのお習字の先生から紹介だったそうです。
私は男の人と付き合った事のないし、まだ結婚は……と始めは拒否しましたが、
そのお習字の先生はその業界ではかなり有名な人で、無下に断るワケにもいきません。
とりあえず会ってみるだけでも…と言われ、それでお見合いをしました。
始めは何だか怖かったんですが、話すととっても可愛い人で
何となく気に入ってしまいました。
ええ、そうです一目惚れとは少し違いますけど、惚れちゃったんです。
でもダメだろうなぁ…と思いました。その理由は身長。身長。身長です。
私がたった147センチなのに対して龍一さんは何と179センチもあります。
その差、32センチ。とても、とても、とてもじゃないけど釣り合いません。
ですが、その差も何のその。なんと向こう側から
『お付き合いしてくれませんか?で……できれば…結婚を前提に』
との御返事を頂きました。私は電話を受け取った時、呆然として
『よ、よよ喜んで受けさせて頂きますじょ』
と思いっきりかみかみで答えてしまいました。
そしてお付き合いすること1年。とある日にプロポーズを受け結婚しました。
そんなこんなで今に至ります。
ピンポーン
「ん?」
現在の時刻は18:30、お味噌汁が丁度できた頃にチャイムを鳴らす人は
一人しかいません。ガチャと鍵を開け、ぬっと入ってきたのは長身の男の人。
「お帰りなさい、龍一さん」
「ああ、ただいま明子。」
「どう、龍一さん、美味しい?」
「ん、この海老フライは美味い」
「ホント?よかったぁ〜あんまり揚げ物ってまだ自信なかったんだよ」
「そうか?美味いぞ。」
ンフフ……。私は満足しました。今夜のオカズのサラダや味噌汁は自信があったんですが、
メインデイッシュの海老フライはちょっと微妙でした。
ですが、旦那様は美味しいと言って召されています。お世辞でも嬉しいです。
「はい、お茶をどうぞ。」
「ああ、ごちそうさま。」
龍一さんのお仕事は港に出入する船舶の管理をする何だか難しい名前のお仕事です。
初めて会う人は口数が少なくて、寡黙な人かな?っと思うでしょうけど、ちょっと違います。
「龍一さん、最中あるけど食べる?」
「ああ、最中は好きなんだ。」
「じゃーん、この最中はどちらかが粒あんでどちらかが腰あんです。」
「え………」
龍一さんが何か悲報を受け取ったような顔になります。
「どちらでしょう?選択権は龍一さんにあります。龍一さんが好きなのは腰あんでしたよね」
「あ…ああ…え〜と……こっち、いや…こっち……」
私の左右の手にのせた最中を選ぶ龍一さんの手がふらふらと右に行ったり、
左に行ったりします。何か…とても可愛いです。
「わからん……賽子で決めよう!鉛筆と黒マジックを用意するからちょっと待ってくれ。」
「はいはーい、そこまで。そこまで。実はどちらとも腰あんでしたー!」
「……………」
「はい、どうぞ龍一さん。今日、一日ご苦労さまでした。」
と、私は笑顔で最中を差し出しました。
「…あ、明子……あ、ああ…ありがと……」
フフフ、赤くなってる。赤くなってる。ホントに可愛い旦那様なんだから。
>>501さん、冒頭部だけ書いてみた。よければエロまで書いてみる。
か、かわいい!GJ!!
揚げ足を取ると、腰アンwwwwww
515 :
501:2009/01/20(火) 20:03:10 ID:QlOFnsqJ
どうしよう。かわいいよ。女だけど嫁に欲しいよ明子w
>>511さん、こんな微笑ましいキャラにしてくれてありがとう。
実は上で名前の話になった時、頭の中に直感的に浮かんだ名前が
「あきこ」だったんで、読んだ瞬間ふいたよw
もう下書き程度は続き書いてるだろうから、こんな後付け迷惑なだけかもしれないけど
明子の容姿について…
肌は真っ白でほよほよ、どっかのAAのようにほっぺた突っつきたくなる程のもち肌。
決して太ってる訳じゃないが、その肌質と、すでに冒頭部で書いてくれてるように
栄養が身長以外のパーツに行ってしまったせいで、無自覚にエロい身体の持ち主。
でも極端なダイナマイトバディはリアルさに欠けるので…
当人が言ってるようにそこそこ…っていうのが個人的には萌えポイントなんだけど。
で何が言いたいかというと、GJですからぜひ続きをお願いします(平伏
>>514 アンを片仮名にするんじゃあない!
腰掴んでギシアンな画を連想してオギオギしてきたじゃないか!
ちんこ握って待ってるから続きプリーズ
これは、なんか微笑ましくて良いです。
もゆるー
投下します。
一部、龍一視点
明子自慰
「嘘をつくのは…よくない」
「ふ、ふぇぇ…ひょへんひゃひゃい〜ひゅーひちひゃん」
最中を食べ終わった後、僕は明子の頬を左右にぐいっと引っ張った。
妙な声を上げながら謝罪する妻はかなり可愛い。
たぶん訳すると『ふ、ふぇぇ…ごめんなさい〜龍一さん』
思わず抱きしめたくなる衝動をどうにか抑え、ぐいぐいと頬を引っ張る。
「ひゃいひゃすひひゃいひぇす!」
訳は『痛いです痛いです』
続けて僕はぐいぐいぐーいと引っ張った
「ひひゃいひひゃいひひゃぁぁぁひ」
諄いようだけど訳は『痛い、痛い、痛ぁぁぁい』
餅のように柔らかい肌は何度、触っても飽きることはない。
まだ24歳という若さもあるが、どことなく幼く愛くるしい顔立ちと背丈。
控えめな、けれど決して貧相ではない胸部に加え、腰のくびれから
お尻へと続く官能的な曲線は魅力的であり、刺激的だ。
肉が多すぎず少なすぎず、キュッと締まったそれでいて女性特有の
丸みを帯びた柔尻は思わず揉みし抱きたくなる。
いつまでもこうしていたいけど、さすがに可哀想なので
僕は粒アンに感謝しながら、明子を解放してあげた。
僕の名前は野上 龍一。
職業は運輸局管轄の検査官、通称PSC(ポートステートコントロール)。
結婚して、はや3ヶ月。月日が流れるのは早いものだ。
28歳の時、伯母さんの『龍一さん、縁談のお話があるのだけれども、いかがかしら?』
という発言からあれよ、あれよという間にお見合いになってしまった。
写真は手渡されたが、まだ結婚は…という思いと、仕事に忙殺される時期が重なって
ついに相手の顔も見ずにお見合いの日を迎えてしまった。
席に通され、座っていたのは二人。一人は着物をきた女性、もう一人は連れ子だろうか?
連れ子の女性とお見合いとは一体…などと考えていると、驚くべき事実を明かしたのは、
先方の母親だった。
「初めまして、野上さん。こちらは次女の神谷 明子です。
明子、野上さんに御挨拶なさい。」
「か…か、かかみやあ…きこでしゅ!ゴン」
ゴンというのは、明子が頭を下げすぎて、机に頭突きをかました音だ。
「あ…え…の、野上…りゅ…いえっくしょん…龍一です」
頭突きをかました明子に続いて、僕はくしゃみ。これはかなり痛い。
しかし、もっと痛かったのは明子の次の言葉だった。
「野上さんは日系の方なんですか?」
「は?」
「え…えーと…御名前が野上・リュイエクション・龍一なんですよね?」
実に衝撃的な出会いであったが、誤解を解き、話を進めていく内に
一番に惹かれたのはその明るい性格と笑顔であった。
自覚しているのだが…あまり変化しない表情と口数の少なさから、寡黙で怖い人という
イメージが定着してしまった僕にとって、眩しすぎるくらいの笑顔はとても新鮮で愛おしかった。
お見合いが終わった後も、片時も忘れる事がなかった明子の笑顔。
お見合いから二週間後の夜、僕は意を決して交際を申し込んだ。もちろん結婚を前提に。
そして、一年…思い出すのも恥ずかしい台詞で結婚を申し込んだのだ。
そして3ヶ月…挙式をして、今に至る。初夜は終えたが、引っ越しやら何やらで
あまり覚えていない。ようやく落ち着き始めたのが最近だ。
しかし性急すぎるのもよくない。正直、子供はまだ……と思うし。
このスケベ、エロ、性欲大魔神なんて思われたくない……
が、もし明子に「龍一さん、明子に種付けして下さい、滅茶苦茶に破壊して欲しいの。」
などと言われたら、それこそザ・ビーストの如く明子を犯してしまいそうだ。
内容など頭に入るはずもない新聞を読みながらついつい眼で
後かたづけをする明子のお尻を追ってしまう。
「龍一さん、お風呂沸いてるから先に入ってくれる?」
『いや、明子と一緒に入るよ。洗いっこしよう、身体の隅々まで念入りにね。
今夜はパジャマパーティーだ』
……などと口が裂けても言えない僕はいつものように
「ああ、ありがとう」という短い台詞を残して風呂へと向かった。
『大きな旦那様と小さな若奥様』
……後片づけをしていて、お尻に視線を感じたんですが、
私が振り返ると龍一さんは新聞を広げて難しい顔で読んでいます。
龍一さん、それは昨日の新聞ですよ…というツッコミは無粋なのでしょうか?
結婚してから3ヶ月、初めての夜は恥ずかしすぎて、まともに顔が見れなかったし、
よく覚えていません。あんまり痛くなかったのだけは覚えていますけど…ん〜…
龍一さんは私に魅力を感じてくれているのでしょうか?ちょっと疑問です。
だってあれから一度もその…セックス…というか性交をしていません。
確かに忙しかったのが一番の原因で、夜になると疲れ果てて
二人ともバタンキューです。
でも、いざ「しようぜ」となったら身長が低い私ですから…
や、やっぱり…その……エッチする時は上に乗らないといかないのかな?
え…いや、特に深い意味はないんですケド。で、でも龍一さんにあの顔で、静かな口調で
「乗れ」とか言われたら、つい「お邪魔します」と言って乗ってしまいそうです。
夫婦のエッチは…いけないことではないんですけど…やっぱり、自分から言うのは恥ずかしくて
貪欲だ、痴女だ、雌豚だって思われたくはないし…
ちょっと怖いけど龍一さん、『がおーっ』て求めてきてくれないかな?
龍一さん、明子はもっとハグして欲しいよ、ハグ、ハグ、ハーグ………
……!……明日の夕食はハンバーグにしよう。
閃いたのはよかったのですが、お皿にハグしていた私は空しくなりましたので止めました。
どうして「お風呂一緒に入ろ、ちゃんと洗って、あなたぁ…今夜は寝かせませんよ」
って言えないんだろう…せっかく、お姉ちゃんに教えてもらったのに。
ちゃんと勝負下着履いて、ブラも可愛いのつけてるのに…。
そう言えば、結婚してまだ一度も『あなた』とは呼んでいません。
『龍一さん』でずーっと通しています。だってあなたって…何か夫婦みたいで…
いや、夫婦なんですけど……あははは、やっぱり恥ずかしくって。
そうして片づけを終えて、ソファでテレビを見ていたら龍一さんの身体を流す音が
聞こえてきました。しかも間の悪いことにテレビでは熱い男の人達の格闘技戦が
中継されています。私はつい龍一さんの逞しい身体を想像してしまいました。
適度に鍛えられた胸の筋肉と腹筋、太く筋肉質ではないけれど、やはり男の人のソレ。
女性と比べると堅く、逞しい身体付き。
ああ、だめだ、だめだ。何だか悶々としてきてしまいます。
私はテレビのチャンネルを教育テレビに変えました。これなら大丈夫。安心です、悶々しません。
と思っていたら、動物の交尾場面が解説と共に流れています。犬や猫に狐に狸。
さらに馬に熊に鮭の産卵までパンパンパンって……いや、鮭の産卵とかでは興奮しませんよ。
あ…ん……や、やだ…ちょっと濡れてきたかも…もう限界です。今ココで……
「ああ、いい湯だった。明子、上がったぞ」
「ひゃあ!?」
スカートに手を入れて、パンティの両端に手を掛けていた私は飛び上がりました。
「……どうした?」
「なななな、何でもありませんいいいい湯でしたか!?」
「……?…あ、ああ」
「それはよかったよかった!あはははっじゃ、お風呂入りますからー!!」
「……どうしたんだ、アイツ?」
「ふぅ……あ〜あ…」
私は湯船に浸かり、大きく息を吐きます。
「……どうして、あんなにタイミング悪いんだろう…」
ふにふにと自分の頬を引っ張りながら、そんな事を呟きます。
動くたびに波を発生させる自分のおっぱい……身長が低いだけに、
そこそこサイズのクセに目立ってなんか恥ずかしいです。
これって…女として誇っていい事なんでしょうか?
龍一さんは大きい方が好きかな…それとも小さいのが好きなのかな…
お姉ちゃん曰く「おっぱいは大きければ大きいほどいい、使い用途がたくさんある」
と言っていましたが、妹は「時代は貧乳だよ!微乳だよ!今の時代劇だって『微』って
書いてある旗を掲げてるじゃん!イケメン俳優がさぁ、あははは」
妹よ、それは時代劇には違いないけど、字が違うと思います。
そんな旗を掲げる大名はたぶんいません。あと、よだれ、よだれ。
「……ん…はぁ……だめだ、やっぱり一回は……しとかないと。
お風呂でなんて…エッチだな…もう」
お風呂の湯気にあてられたからか、ほわぁっとしてお腹がうずうずしてきました。
右手を股間に伸ばすと、指先がもっとも敏感な部分、突起の部分を触れます
「はっ……ん…」
思わず声が漏れましたが心配はいりません。
股間のアソコから熱いものが溢れ出しているのが何となくわかります
「ん…く……ぁ」
私の…いや、龍一さんの手が私の股間を這い回っています。
そんな光景を想像しながら中指を股間の中心に押し込むように力を込めると
くちゅ……という感触とともに指が熱い壁に包まれました。
「あ…ふっ……龍一さ……」
小さい声でぼそっと呟きながら、中指を引いたり、押したりします。
「んっ…はぁっ…あっ…ふっ…」
龍一さんとのエッチを思い描き激しく抜き差しを繰り返します。
『そう、吸って…くださ…あ…もっと…強く…んんッ』
私のおっぱいをチュウウと音が出るほど激しく吸い、舐め回す龍一さんの唇。
『僕…あっ…そ、そこ…いい…は……』
アレをしごき、舌で鈴口を開け、しゃぶり尽す私の口
………実際には、まだできませんけど。
『ああっ、いいの!龍一さん!いいの!もっとパンパンして!』
飛び散る汗、ぶつかり合うお尻と下腹部。冗談のように跳ね回るおっぱい。
さっき見たテレビでの甘い雄と雌の喘ぎ声。
『明子!明子!だ、出すぞ!』
眉間に皺をよせ、両手でおっぱいを握りつぶし、
限界まで腰を密着させ、膣内射精の快感に顔をしかめる龍一さん。
「あはっ…ん…あ、あ、あ…んく…龍一さん…龍一さん…龍一!」
下腹部を中心に高ぶる快感が背筋をゾクゾクッと駆け上ってきます。
「あっ…龍一…んっんん!い、いや、…だ、だめっイ―――イクッ」
ピクンッと身体が引きつり、身体の芯を稲妻が突き抜けていきます。
「ん…く……はぁ…はぁ…はぁ…ん、んん…」
どっとくる脱力感……お風呂で一人エッチなんて…はあぁぁ…最低です。
>>514 〜
>>517さん
皆さん、ありがとうございます。
次回には本番エロの予定です。
>>501さん
明子の名前は本当は由美子でした。
ですが、夫に「アキ」と呼ばせてみたかったので明子に。
変更していてよかったです。
明子の乳、ぎりぎりパイズリできるくらいかなぁ…検討中。
今、気付いた
タイトルが間違ってました。すいません。
大きな旦那様と小さな奥様が正規。
若奥様は間違いです
お互い好き同士なのに、なかなか近づけない出来ない心の葛藤、かわいいなぁ。
これは見合い結婚が故の…いやいや恋愛結婚でもあるかなw
でも登場人物の名前、シティーハンター絡みかと思ったよw
お見合い可愛すぎる(*´д`)
本番も楽しみにしてます
>>524 一瞬なんのことかわからなかったw
「野上」と「神谷」かw
職人さん待ち保守
続きを読みたいのが多すぎる
明子さんとこの身長差に萌え…
結婚からはじまる恋愛という事で(一応恋愛結婚なんですがね)書いてみたかった
>>240の続きになるので苦手な方はスルーしてください
「どう、もう馴れたのか?」
「うん。みんないい人だし、仕事もだいぶ覚えたんだから」
「そうか。家の事は無理しなくていいんだぞ?お前だって好きな事する時間も必要だからな」
「大丈夫!学生の時よりは自由な時間あると思うし。それより早く食べないと」
朝の一時。慌ただしくも2人で過ごせる至福の時間でもある。
というのも、最近になって私、八神香子(やがみ かこ)は週に3日程だがパートに出るようになったからだ。
「あのねイチ君、今日遅くなるんだよね?私もちょっと……」
「ん?ああ、何、どっか行くの」
「あのねイチ君、今日遅くなるんだよね?私もちょっと……」
「ん?ああ、何、どっか行くの」
「あのね、実は買い物したくて……だからね、お金なんだけど」
「いいよ。香子の好きにしたらいいさ」
「本当!?……ありがとう」
実は今日給料日なのだ。
私は春に高校を出てすぐ結婚した。学生時代もバイトをする機会を逸してしまったため働いた事がない。
だから生まれて初めての給料日なのだ。
自分で働いたお金が貰えるのだから、それはとても新鮮で嬉しい。
「香子が一生懸命働いて手に入れるお金なんだから。ただ大事に使えよ」
「わかってる。ちゃんと貯金しとくつもりだから心配しないで」
そうこうしているうちに、短い朝のくつろぎタイムはあっという間に過ぎてしまう。
「お、もうこんな時間!」
残りのコーヒーを飲み干してジャケットを羽織ると玄関へ向かう。
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
靴を履いた所で鞄を渡すが、なかなか彼はドアを開けようとしない。
「忘れ物……」
「え、うそ。ハンカチも車のキーも……えっ今日お弁当いったの!?」
すると背をかがめてじーっと黙ったまま、顔を私の目の前まで持ってくる。
「ほれ、んっ」
「……」
えっと、これって???
忘れ物を受け取ると嬉々として出掛けていった。
「ほんとにもう……段々子供っぽくなる気がするんだけど!」
私より10も年上の旦那さんは伊知朗(いちろう)、私は彼をイチ君と呼ぶ。
仕事帰りに銀行へ行き、ATMでお金を下ろした。生まれて初めてのお給料は、いつもイチ君が稼いで
きてくれる額とは比べものにならないけれど、私には重くて貴重なものだ。
封筒にいくらか入れて財布に使う分を移して建物を出た所で、誰かに肩を叩かれた。
「ひゃあっ!?」
「わあっ!!」
思わず悲鳴に近い声をあげて振り向くと、相手も驚いて仰け反っている。
「ああ、伊吹さん!……びっくりしたぁー」
「いや、こっちもびびったって!!って、俺のせいか、いやごめんごめん」
そこにいたのは私より2つ上の大学生。
「こんな所じゃひったくりかなんかだと思いますよ!って、伊吹さん店どうしたんですか?」
「あー、明日竹田さんと替わってあげたんだ。だから今日は休み」
「ああ、そうなんですか」
私は近所のレンタルDVD店で昼から夕方まで月水金働く事にした。学生のバイトも多く、夕方から
入れ替わりで入ってくる彼、伊吹さんとはその時顔を合わせている位だが軽い雑談位は出来るようになった。
「これから帰ってご飯作んの?主婦は大変だなあ〜」
「そんな事ないですよ。今日はイチ君……あ、彼遅いから。ちょっと買い物して適当にやろうと思って」
「へー。何買うの?」
実は、と返そうとしてはたと気がついた。
「どうしたの?」
「いえ、あの伊吹さん、私良く考えたらまだお店とか知らない所多いんですよね。どこかおすすめの
とこ知りませんか?」
「おすすめね……何が欲しいの?」
欲しいものを告げると、彼は少し考えてわかった、と頷いた。
「じゃあそこまで連れてってあげるよ。俺暇だし」
「えっ?でもそんな……いいんですか?」
いいのいいの、という彼に甘えてそこまで連れて行って貰う事にした。
「それにしても八神さんて旦那さんの事クン付けで呼ぶんだ〜。ラブラブなんだ?イイナー」
「いや、そんな……」
慌てて首をぶんぶん振ってしまった。何ていうか、凄く恥ずかしい。
「照れないの!ますます妬けてくるじゃん」
調子狂うなあ。良い人なんだけど、ねえ……。
そんな私の困惑をよそに伊吹さんはずんずん前を歩いていく。
家に帰ると8時を回っていた。
「やっぱりまだ帰ってなかったんだ……」
何度か携帯に掛けてはみたけど通じなかった。まだ仕事中だったのかもしれない。
とりあえずお風呂に入ろうとお湯を入れて、その間に荷物を片付けた。
雑誌とちょっとした雑貨類を整理し、それから1つ包みを取り出す。少し考えてダイニングテーブルの
上に置いた所でお湯が溜まったアラームが鳴ったので、そのままお風呂場に向かった。
体を洗って湯船に浸かって寛ぎながら今日の事を思い出す。
伊吹さんに付き合って貰ったおかげで何とか目的のものは買うことができた。
その後どうせ今日は1人だから、とご飯を食べて少し話をした。
同年代の人とじっくり話をするのは久しぶりで、異性という事で多少緊張はしたものの、越してきて
できた友達という事はやはり嬉しかったのだ。
「くふふっ」
交わした会話を思い出して笑いをかみ殺していた時だった。ばん!と音を立てていきなりドアが開いた。
「ひゃあ!?」
思わず張り上げてしまった悲鳴に近い声がお風呂場に響く。見ればイチ君がいた。
「びっくりしたー……お、お帰り」
「ああ」
玄関から直行してきたのだろう。鞄を持ったままの姿で突っ立っている。
たがその顔は少し不機嫌で、湯船にしゃがんだままの私の事をじっと凝視したまま何も言葉を発しない。
何となく居心地が悪くなってきたのとこんな格好で見られているのが恥ずかしくなって、曲げた膝を
縮めて両腕でぎゅっとし、隠すように体を丸めた。
「どうかしたの?」
「……いや。俺も入りたいんだけど」
「ん、どうぞ」
磨り硝子の向こう側に動くシルエットを見てタイミングをはかり洗い場へ出る。
「出るの?」
「えっ?だって入るんでしょ。それに狭いし」
「いいだろ別に」
「でも……」
入れない事はないが、背の高い彼にすぐ目の前に立たれているこの状態では1人の時よりも圧迫感が
すごい気がする。
なのにずんずんと入り込んでくる体に圧されて出るに出られず、洗い場に一緒に立ち尽くす事となってしまった。
どうしたもんかと見上げた顔はむすっとしていて、ずっと無言のまま私を見下ろしている。
「ねえ、イチ君……何か怒ってる?」
「いや」
違うのか。でもなんかが感じられる。
「じゃあ何?黙ってちゃわかんないよ」
すると私の頬を挟んで撫でた両手が首筋を滑り、左右それぞれの肩を強く掴んで止まった。
「……買い物は楽しかったか?」
「うん、まあね」
と、目線を何気に落としてぎょっとした。うそっ……いきなりその気になってる!?
「あの、イチく……んっ!!」
慌てて顔をあげるといきなりキスされた。それはとても強く、その勢いで下がった
背中が壁にぶつかった。タイルの冷たさに悲鳴があがりそうになったが、塞がれた唇からはかろうじて
短い呻きが漏れただけだった。
逃げ場がなくなった私の躰は腰に回された手でしっかり捕まえられていて、身動きが
とれなくなっている。そんな状態で胸を弄られ舌を押し込まれると、目の前にある彼の大きな躰にしがみつく
ことでやっと立っていられるといっ具合だった。
「ん……はうっ!んっ」
胸を弄んでいた手が両脚の間に落ちて、多分お湯とは違う湿りを確かめるとざわざわと蠢き始める。
それに舌を引き抜かれかけた一瞬声で反応してしまい、狭い風呂場に響いた音が思いのほか大きくて
必死でもう一度唇を押し当ててしがみつき耐えた。
「んっ、痛ッ!!」
唇を離した彼の顔が目の前で歪んでいる。
私が回していた手につい力が入ってしまったようで、背中をしきりに気にしていた。
「ごめん……」
「いや、いいよ」
「けど」
「大丈夫」
気にするな、とでもいうように軽くキスをする。そしてそのまままたじっと私を見下ろしている。
と、いきなり私の足下に跪いて両の太ももを撫で、掴んだかと思うと
「ちょっと脚開いて」
なんて言い出した。
「へっ?やだ、何でぇ!?」
「いいから」
静かな瞳で見上げてきながらおへその辺りに唇を当ててくる。
「お願い」
ずるい。そんなふうに言われたらいうこと聞くしかないじゃないか。
ゆっくりと少しずつ脚を広げてみる。
「これ位?」
「もっと」
「ええっ!?……こ、これでっ」
壁にもたれて脚を広げて立っている。 裸だというだけでもの凄く心細いというのに、向かいの壁に掛かる鏡に私の膝から上の全てが映し
出されていて目のやり場に困り、かといって俯けば彼と目が合ってしまう。
仕方なくふうと息を吐くと目を瞑って天井を仰いだ。
程なくしてまた、ぬるんとした感触と共に馴れた指の動きが膝をふるふると震えさせてくる。
少しの間その指の悪戯に耐え声を殺していると、それは熱い息づかいと柔らかい舌の動きに替わった。
「ひぅ!……や、いやぁっ」
また不意をつかれてあげてしまった声が響きわたり、慌てて手の甲を押し当てる。
「んっ……んんーっ……んん」
小窓は閉じているものの、こんな声は意外と響くような気がする。それを必死で我慢しようとしている
私にはお構いなしにがっちりと脚の付け根を押さえ込んで愛撫を続けている。
「いや、ねえ、やめて……イチ君……あ、ああっ」
ジンジンと熱を持って理性に襲いかかってくる快感から逃れようと彼の動きを止めようとするが、
闇雲にその癖のついた髪を掻き乱しただけに過ぎず、執拗にその一点を攻めてくる。
「ねえってば……ここじゃ、だ……め。お願い……んっ」
何度もこのような哀願を繰り返し、やっと冷たいタイルから解放された。
シャワーを捻る彼をドアを閉めようと振り返って見た時、背中には先程私がつけた朱い爪痕があった。
多分今夜はするんだろうな、と引き出しからコンドームを出しておき、ドキドキと布団の上で座って
待ちながら考える。
いきなりどうしたというんだろう?なんか変だ。ふざけて『風呂入ろう』なんて言うことは時々あったけど、
私がヤダって言ったら無理に押し入ってくるような真似はしなかった。(誘えば確実に来るに違いない)
なのに今夜は……。その上あんな事!
やっぱり怒ってるんだろうか?今頃まで出歩いていた事をわかっていて、それが面白くないのかもしれない。
縛られているわけじゃないけど、だとしたらちょっとこっちだってどうかと思う。
高校生の頃は家事もあったし、友達と出掛けてもちゃんと時間を決めて早めに帰宅していた。イチ君は
心配性だったから。保護者としてはそれで良かったのかもしれない。でも今は違う。私はただ守られる
だけの存在ではない筈だ。
にぎにぎと軽く手のひらで袋を弄んでいると、襖が開いてタオルを腰に巻いただけのイチ君が立っていた。
灯りもつけたままの部屋でタオルを外すと、丸見えのそれはすっかりその気になってしまっているのがわかった。
「あ……の」
電気を消そうと立ち上がった私の腕を掴んで袋を取り上げるとぽんと放り投げ、さっさとパジャマの
ボタンを外していく。
「イチ君、ちょっ、電気!!」
「いいから」
完全に無視。煌々と照らされる灯りの下、布団の上に押し倒された私はあっという間に下着まで取られて
力強い躰に組み敷かれてしまう。
「どうしたの?恥ずかしいよこんなの」
「何で?いいだろ」
「だって!ぜ、全部丸見えだし……。それにイチ君なんか怒ってない?怖いよ」
「……怒られるような事、したのか?」
「してないよ。そりゃちょっとゆっくりし過ぎたかもしれないけど……さ」
「だったらいいじゃん」
少し雫の残る唇で私の唇を塞ぎながらゆっくりと胸を揉んでくる。
「俺の事好き?」
あ、出た。してる時必ずと言っていい位こうやって聞いてくる。もちろん
「うん」
と答える。そうすると少し嬉しそうにはにかむ顔が私にとっても嬉しいからだ。
「本当に俺だけ?」
「当たり前でしょ」
あれ?今日はちょっと勝手が違う。いつもなら『俺も好きだよ』って言ってくれるのに。
「イチ君は?」
「……好きだよ」
それからニコッと笑ってキスしてくれるのに。
「ね、キスして」
優しく落とされるキスを待っていたのに、私からねだってやっとしてくれたキスは
やっぱりいつものものと違っていた。
「んっ……あ、ちょっ、んんん」
のしかかった躰の重さをそのまま押し付けて来るような、乱暴なキス。差し込んできた舌は私の中で
暴れもがいているようで、息をする事すらままならない。――苦しい。
「はぁ……。イチ君、どうしたの?なんかやっぱり怒ってない?変だよ!」
「……怒ってないって言ってるだろ!!」
そう言うと首筋にきつく吸い付いて、その勢いで胸の膨らみやお腹のあちこちに痛い位のキスの雨を降らせる。
「ちょっと痛っ……痛いってば!!離してっ」
「だめだ」
散々啄まれた跡を見れば、所々うっすら朱くなってしまっている。これじゃまるでマーキングだ。
「何よ何なの?やっぱり変!私が何したっていうの!?」
「何もしてないよ」
自分がつけた跡をなぞりなが静かに呟く。
「何もしてないんだろ?」
――やっぱり変。何か言いたい事隠してる。拗ねたような口振りとあんまりな行動にだんだん腹が立ってきた。
「はっきり言えば!?何が気に入らないの。何を疑ってるの!私の気持ちまで信じらんないの?ねえ!!」
ぴく、と彼の肩が震え、体を起こして見下ろしてくる。
「信じてないからすぐ『好きか』って聞くんでしょ?言わせるんでしょ!?もう知らない」
精一杯の力で被さる体を押しのけ起き上がりパジャマを取る。
「今日はもう嫌。私リビングで寝るから。……イチ君なんか嫌い!」
パジャマに袖を通しかけて気配にはっと振り返ると、引きちぎられんばかりの勢いで剥ぎ取られ、前のめりに押し倒されてしまった。
肩越しに振り向いて目に入った彼の痛々しい瞳に、それこそ勢いで吐き出してしまった言葉に思い切り後悔した。
「あ……ごめん言い過ぎた、ごめんね?」
慌てて謝るけど返事は無い。そればかりか肩を押さえられ、髪を乱暴にかき上げられうなじに唇を
押し当てられ身動きがとれなくなってしまった。
そこへ更に、背中いっぱいのキスと撫で回される手のひらからの刺激。ぞくぞくと走る快感に躰中が震え、
仰け反りながら声をあげてしまう。
一通り背中に触れていた手が一旦離れると、脇腹からお尻の膨らみを撫で回し、そのまま後ろから
脚の間に指を回し込んで触れてくる。
「んふっ……あぁっ!?」
何度か繰り返されてきた愛撫のせいか、その滑らかな動きに十分濡れているのが自分でもわかる。
「嫌いなのか?これでも。いやらしい娘なんだな、香子は」
「いやぁ!違う……」
「何が違うの」
首筋から耳元に熱い吐息を吹きかけられながらあそこを弄られ、躰が跳ねる。
「もっと、もっとって言ってる。ほらお尻が浮いてるぞ?……欲しいのか?」
「やだっ」
まるで強請るように膝を立て、彼の言うとおりに下半身が意思とは関係なく動いているのがわかり、
恥ずかしいのと悔しいのとでシーツを思い切り掴んだ。
「欲しいか?」
熱く堅いモノが背後から脚の付け根に押し当てられ、少しずつ両脚の間に入り込んでくる。
「どうした?」
後ろから動いていた手は前に回り、お尻の側から擦り付けられるモノとお腹の側からぐちゅぐちゅと
肉芽を苛めてくる指に意識が朦朧としてくる。
入り口付近で焦らされるようにつるつると滑るそんな彼の動きに、とうとう耐えきれなくなってしまった。
「イチ君……れて」
「ん?聞こえないなぁ」
「い、れて」
「あれ着けてないんだけど。どうする?」
「……あ……いや、……着けてえっ」
2人の愛液が絡み合って熱く求め合っている。――正直、もう何も考える事などできそうにない。
「だめ!まだだめだってば……!?いやあぁぁぁっ!!」
抵抗虚しく背後から羽交い締めにされたまま、私の中は彼に満たされてしまった。
いわゆる生のままで後ろから突き動かされ、四つん這いの格好で頭を振り乱しながら、ただ私は嬌声を
あげるしかなかった。
* * *
まるで犯しているようだ。
逃げられないように背後から組み敷いた躰を抱え込み、猛り狂った自分自身を押し込んで暴れさせている。
「いやあ、イチ君……っ!?」
爪を立て皺の寄るシーツと仰け反りかえる背中だけが視界に入り、香子の悲鳴に近い喘ぎだけが耳に届く。
どんな顔をしているのだろう。泣いているのだろうか?それとも。
明らかに普段より感覚を増しているはずの繋がりに狂いつつある姿を見たい、と少々名残惜しく思いながら
彼女の中から自分自身を引き抜く。
その途端、えっ?といった表情で不安げに振り向いた香子の潤んだ瞳や紅潮した頬にまた欲望は高まる。
躰を仰向けに直すと力の抜けてふにゃふにゃになった両脚をぐいと広げ、再びその中に自分を押し込んだ。
「あ……ああ……」
切なく甘い声を振りまきながら震えている。
「気持ちいいか?……俺もだよ。そんな声して、香子はえっちだなぁ」
2人を隔てる物は何もない。
その感覚を味わおうと再び腰を動かし始める。
薄いゴム1枚無くなるだけでこんなにも違うものなのかと、動く度に聞こえてくる水音や香子の声に
自分の僅かな理性が吹っ飛んでしまいそうになる。
このまま昇り詰めたらどんなに――。
出してしまいたい、思いっ切り。小振りだが動く度に揺れる乳房を眺めながらそんな衝動に駆られている。
「う……」
余りの気持ちよさに喉の奥から呻き声が漏れてしまう。もう、限界だ。
「香子……イキそうだ」
「えっ!?あ、ちょっとだめ!だめっ!!」
「なんで」
俺達は夫婦なんだろう?なのにどうして。
「だってまだ早いよ。イチ君だってそう言ったじゃ……ああ!?」
最後までしゃべらせずに思いっ切り揺さぶりながら腰をくねらせる。
「いやあぁぁっ!!いきなりこんな……嫌だ!このままじゃ怖い……」
くそっ。
泣いてる顔を見てしまったら、それ以上無理強いは出来なくなってしまった。
「――いっちゃう……っ!!」
細く甲高い声をぼんやりと耳にしながらギリギリで引き抜いたモノは、びくびくと跳ねながら見下ろす躰に
歪んだ欲望をまき散らしていた。
「どうして今日はそんなに意地悪するの ……?」
シャワーで流したあとの肌には、俺が噛みつかんばかりに付けてしまったキスマークが痛々しく残ってしまっていた。
「私まだ今の生活始まったばかりだし、赤ちゃんなんか早いって決めたのに、そのまま……。何が気に入らないの?
やっぱり何か変だよ。今日のイチ君」
「ごめん」
本当に変だ。どうかしてると自分でも思う。
「何を苛々してるの?私が何かしたなら言ってよ」
苛々、か。確かに今の俺は心がざわざわして自分でもどうしようもない気持ちを持て余してしまっている。
原因はわかってるんだ。
「誰なんだ?あの男」
「えっ?」
「食事は楽しかったか?俺以外との」
――言ってしまった。
出先から社に戻る途中でこの近所に立ち寄った。その時、ファミレスの窓際の席に着いて談笑している
香子を見たのだ。それも、知らない他の男と。
それを目にした瞬間自分が嫉妬の塊になったのを感じた。
「見たの?なら、電話鳴らすなり声掛けてくれても良かったのに」
「邪魔じゃなかったのか?かなり盛り上がってたみたいだったけどなー」
我ながら子供のような受け答えだと言ってしまった後で気付いた。香子は呆れたように溜め息をついて
俺を睨みつけてくる。
「何それ!?ただ一緒にバイト仲間とご飯食べただけじゃない。ばかみたい」
大人気ないと自分でもわかっているだけに余計に腹が立った。
「へー。飯食うくらい仲いいのか。まだ始めたばかりだってのに、よっぽど気が合うんだな」
「うわーやな言い方。確かに伊吹さんは結構話す方だけど……。買いたい物があってお店教えて貰ったの。
そのお礼にご飯奢ったんだよ。イチ君だって外で社の人と食べてくる事あるじゃない。何が違うの?」
一字一句どこを突いても彼女の言ってる事には間違いはない。
香子はムスッとしたまま押入から毛布を出すとソファーで寝るつもりなのだろう、リビングに消えていった。
俺も黙って布団を被ってそのまま不貞寝してしまった。
「で、奥さんと喧嘩しちゃったと」
昼の休憩時間に社食で同席した島田女史に『可愛い奥様はお元気ですか?』とからかい半分に聞かれ、
適当にごにょごにょ誤魔化していたら何か察する物があったらしく、昨夜の夫婦生活を除く一部始終を
暴露する羽目になった。
「それは八神さんがちょっと我が儘なんじゃないの?いいじゃないの、お友達とご飯位食べたって」
「別にだめだとは言ってないさ。ただまあ、何て言うかその……」
「私と今お茶飲んで話してるのだって言わば同じようなもんでしょ?こんなんで不倫だ!なんていちいち
旦那に咎められたら私だってやってられないわよ」
やっぱりどの女の人も言うことは同じだなあ、と腕組みしてまくし立てる同い年の同僚を見て思う。
「八神さんて結構焼き餅焼きなんだー?……まあ、新婚さんだし若くて可愛いお嫁さん貰ったら心配なのも
わかるけどね」
「焼きも……!?何だよ、島田さんだって新婚じゃないか。旦那さん同い年だっけ?」
「まあね。でも私達は友達期間も長かったし、結構落ち着いちゃってるからなぁ。今更焼き餅もないもんだわ」
高校のクラスメートと再会したのが大学を出たての頃で、元々気心が知れた仲は結婚までの経緯も
緩やかに進んでいったようだ。
「八神さんとこはずっと一緒に暮らしてきたわけだから、私達よりももっと落ち着いてても不思議はない
のにねぇ?」
「いや、けどそんなつもりはこれっぽっちも無かったから。俺はあくまで彼女の親代わりだったわけだし」
10歳で母親を亡くした香子を引き取って17歳まで育ててきた。
そのバランスが壊れ、彼女を手離すつもりで高校最後の1年間を俺達は離れて暮らした。
けれども思った以上に別れるのは辛くて、一緒になる事を決めて卒業までを遠距離恋愛という形で過ごした。
再び家族となって暮らし始めたものの、どうもこの頃感情的に争ってしまう事が増えたような気がする。
以前の自分達にあった距離感が変わってからやたらと生活の中に波風が立つように感じるのは俺だけだろうか?
「思うんだよ。俺みたいなおっさんで本当に良かったのかなぁとか、ね」
「ちょ……まだ29でしょ!?八神さんがおっさんなら私だっておばさんじゃない!失礼ね」
「はは、ごめん」
俺の知らない香子を見た。保護者として暮らしていた頃も、家の外ではきっとああいう風に笑って
いたんだろう。もしかしたらそれこそ恋の1つや2つしていたのではないか?
俺が香子を諦め離れると決めた時、そういった覚悟はしていたはずだった。だが実際に違う誰かと
いる姿を見ると、喉元を締め付けられているかのように苦しくなって目を背けた。
はっきり言って同年代の男友達位いたっていいんだ。わかってる。だが、本人同士はともかく知らない
人間にはそういう風に見えるだろう、と思える位絵になっていた。
――嫉妬したのだ、俺は。中途半端に離れた年齢がバカみたいに悔しくて。
「なんか八神さんて中高生の男の子見てるような気になるわ」
「は?」
「だってまさに彼女が出来たての恋愛真っ最中って感じするんだもの。」
――恋をしている?結婚までした俺達なのに。今更、嫁さんにした女に?
「だって八神さん夫婦って恋愛結婚にしてはちょっと特殊でしょ?だから恋愛と結婚生活が同時進行
してるのよ、きっと。でも……そういうのも素敵かもね、うん」
一緒にまた暮らすためには、正式に籍を入れて周りにちゃんと認めて貰おうと思った。それが一番先に
きていたために、男女として向かい合った時間は本当にまだ僅かなものでしかないのだ。
「追っかけて来てくれるような奥さんなんだからもっと自信持てばいいのに。いくら大事だからって
箱入りすぎるのも、ね。ま、独り占めしたい気持ちはわかるけど」
返す言葉がない。格好悪いなあと頭を掻いてうなだれる俺を見ながら彼女はクスクスと笑った。
翌朝ソファーの上で目を覚ました。
昨夜は友人の早川に飲みに行くのを付き合って貰い(ついでに説教され)、帰った時には香子は眠って
しまっていたので、起こすのもしのびなく思いリビングで寝た。
喧嘩した翌朝は、気まずさからさっさと食事もとらずろくに目も合わさず出てしまったので、全く
言葉を交わさないまま1日が過ぎてしまったと寂しく思う。
今朝は普段通りに起きたので、香子がキッチンで味噌汁を作る匂いが鼻先をくすぐるのが嬉しい。
服を着替えリビングから出ると、後ろ姿の香子に恐々と声をかけてみた。
「香子」
ピタッとお玉を持つ手が止まりちらりとこっちを見たが、また黙って鍋の様子を見ている。
「香子」
めげずに再度声をかけ、振り向いてくれるのを待った。
「……なに?」
「欲しい物はちゃんと買えたのか?」
「……うん」
「あのさ。何買ったのか教えてくれないか?いや、別に無理にとは言わないけどさ。初めての給料だし
何が欲しかったのかなと思って」
香子はちょっと黙って考えていたが、火を止めると寝室へ行き、何やらごそごそと探し物をする気配がした。
「はい……」
戻ってきた香子が手渡してきた細長い包みを見て、ああ、と頭の中で一昨日の夜のテーブルの上に
あったあれと同じ物と気づく。
あの時はそれを一瞥しただけで触れもせず、頭の中は香子に対する我が儘な独占欲で一杯だった。
その翌朝は慌ただしく逃げるように出勤し、やはり置きっぱなしだった包みは視界に入っていたものの
手を触れる気さえ持てずにいたのだ。
「……開けてみてもいいの?」
頷く香子の眼差しがそれに注がれているのを感じながら封を解き、中身を取り出してみる。
「……俺?」
予想外の贈り物に目をぱちくりさせ(てるに違いない)、手元の新しいネクタイと香子の顔を何度も
見比べた。
「お前が欲しかったのって……」
香子は小さく頷いた。
「私、今までイチ君にお小遣いからプレゼントしたりした事あるけど、それって結局は元々イチ君の
お金なんだよね。だからちゃんと自分で稼いだ初めてのお金はそれに使いたいって思い付いて……」
「香子が選んだの?」
「よくわかんないから伊吹さんにも手伝って貰った。向こうも悩んでたみたいだけどね」
「そっか」
綺麗な明るい水色のネクタイを広げて首に引っかけてみる。
「あの人ね、大学のためによそから出てきて1人暮らししてるんだって。だから私みたいなよそ者と
気が合うみたい。私の事見てると妹みたいで、田舎の幼なじみの女の子思い出すんだって」
「……そっか」
俺を見上げながら喋る香子の頭を撫でながら、馬鹿げた嫉妬心が薄れてゆくのを密かに感じて穏やかな
気持ちになった。
「結んでくれる?」
お願いすると、ちょっとはにかみながら慣れない手つきで一生懸命ネクタイを結んでくれた。
「自分でした方が早くない?……あ、やっぱり難しいなあ。あんまりうまくないけど」
「そんな事ない、大丈夫!……似合う?」
「うん、良く似合う。……だから、仕事中も時々でいいから私の事も思い出してね」
「そんなの言うまでもないさ」
少しでも側にいたいと思ってくれる香子の気持ちが痛いほど伝わってきて、それを受け止めようと
目の前の小さな体を抱き締める。
「ありがとう。大事にするからな。このネクタイも――香子も」
「……うん」
「お前が好きなんだ。だからって、俺だけ見てろ、なんてガキみたいな事考えたりして……ごめんな」
「……私イチ君以外考えた事ないよ?そんなの誰かさんが一番よく知ってると思うけど」
その言葉に胸の奥がきゅっとなる。切なく、甘く、愛おしく。
ああ、俺本当に恋の真っ只中にいるのかもしれない。どうしてくれようか。
「イチ君、今日は残業ありそう?」
「いや、多分大丈夫。何で?」
「ん……あのね」
今絞めたばかりのネクタイを弄びながら、赤い顔して俯いている。
「き、今日は、頭洗ってあげたりしてもいいかなー、って」
「へ?」
「だから今日は優しくしてね?」
何が何でも定時に帰ってやる、とネクタイに触れている手を握りしめて微笑んだ。
「終」
今気づいた…
一部コピペミスorz
ごめんなさいごめんなさい
一言ぐっじょっぶ。。。
イチくんと香子の続編キテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
年の差カップルには避けて通れない誤解嫉妬疑心暗鬼エピ、イイ!
香子が妻として成長して行く一方でイチ君のヘタレっぷりが可愛い。
(またもやコージに諭されてるし)エロも美味しゅうございました。
幸せな作品をありがとうございました、GJ!
イチ君と香子のすれ違いとは年齢や過去の事情から生じるものなのかもしれないな。
それにもめげずにハッピーエンドはGJだぜ
GJ!
旦那さんめげずに立ち直るのが良い
547 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 10:06:19 ID:dNeCZbE7
保守
hosyu
投下します。
『大きな旦那様と小さな奥様』
エロ本番
ふぅ…さっぱりした私はお風呂から上がりました。
龍一さんはソファでテレビを見ています。
お風呂上がりましたと声を掛けて、パジャマに着替えた私はソファに
座ります。ソファの前にあるテーブルの上では卓上酒燗器がセットされていて、
赤いランプが点っています。これが緑ランプになれば酒燗完成です。
寝る前に1杯ずつ、温めた日本酒を飲んで、今日一日の事や明日のこと、
夫婦の会話をするのです。
子供ができてからもこの習慣は続けたいなぁ…と思っています。
「今日…港に見たこともない蟹がいたんだ。」
「へぇ…どんな蟹だったの?」
龍一さんは少し思案するような顔をしてからふと言いました。
「あれは○ニメにとてつもなく似ていた。明子……
カ○ーバと○ゾラと○ニメが闘う怪獣映画……知っている?」
「ごめんなさい」
『大きな旦那様と小さな奥様』
いや、そんな怪獣映画なんて見たことないし…怪獣なんてゴリラとクジラを合成した
怪獣しか知らないし。しかもそれも見たことはないです。ごめんなさい龍一さん。
「…………」
龍一さんはそれきり黙ってしまいます。何かすごく気まずい。
もっと夫婦らしい会話をしなければいけません。夫婦らしい会話、夫婦らしい会話…
そうだ!互いの趣味を語り合って、もっと深く互いを共有するのです。
怪獣は知らないけれど、小中高と学校で必ず習う社会科!
それも歴史なら、龍一さんも知っているハズです。
恋人同士の時はなかなか趣味とか好きな事とか、読書とか音楽を聴くとか
そんなありきたりな事ばかり言ってたけど、私はとても歴史が好きです。
それも戦国時代…血で血を洗う骨肉の争いから、政治の道具として
しか見られていなかった諸国の姫君…ああ、何て儚く悲しいの…。
私は意を決して言いました。
「龍一さん、長宗我部 元親(ちょうそかべ もとちか)って知ってる?」
「いや、知らない。」
深く互いを共有できませんでした。
「歴史は疎くて」
さらにダメ押し。
「すまない」
「あ、ううん、気にしないで」
そ、そうですよね。戦国大名でも四国を統一した大名はあまりテストにも
出てこないから知らないのも当然です……歴史は得意だった私ですが
この時ばかりは悔いました。
落ち着くのよ、明子。今度はポピュラーな北条早雲を――――
「………結婚して3ヶ月だな…」
ふと龍一さんが言いました。お酒を入れたコップは半分くらい減っています。
龍一さんは普段はあまり喋らないんですが、お酒がはいると饒舌になるんです。
私はきょとんとしていましたが、お酒を一口飲み、微笑んで答えました。
「はい、でも引っ越しや荷物の整理で忙しかったから」
「ああ…明子と落ち着いて話す事ができるようになったのもここ数日だからな」
「そうですね。うふふ……ねぇ、龍一さん」
「うん?」
「ハグして」
「ハグ?」
「うん、思いっきり抱きしめて。」
私もお酒が入ると饒舌に…いえ、大胆になります。
あは、ぽかぽかしていい気持ち。グラスの中身は互いに空。
私は思いっきり両手を開いて、龍一さんを招きます。
「……明子」
龍一さんがギュッと抱きしめてくれました。
179センチと147センチ。
龍一さんは背が高いので私の顔は龍一さんの逞しい胸板にあたります。
「うん、龍一さん……」
……ああ、とっても幸せです。
愛しい旦那様の胸にこうして顔を埋めている事ができるなんて。
とってもとってもとーっても幸せです。
時間よ、止まれ、止まれ、止・ま・れ!………止まって下さい、お願いします。
そんな事を願っていると、龍一さんが私の両肩を持って、身体を離しました。
「龍一さん?」
「あ…明子……その…あの…い、いいかな?」
龍一さんが何かもじもじしています。
「え?」
「い、いや……あ、明子を抱きしめてたら…その…も、催してきて」
よくみると龍一さんのパジャマの……股間の…ア、アソコが…
「あ、ああ…えー…えっと」
「あ、明子を…抱きたい。今夜は明子を抱きたい。ダメかい?」
「う、うん…い、いいよ……私も龍一さんと―――」
セックスしたくてたまらないの!種付けして、明子に!はしたない
この明子に龍一さんの濃厚なミルクを注いで種付けしてほしいの!
ううん、そんな優しくしないで、もっと激しくパンパンして!
破壊して!デストロイして!足腰立たなくなるまで激しくしてガッツンガッツンして!
―――とお姉ちゃんと妹は『旦那が求めてきたら言え』『イチコロだよ』
と言ってましたけど無理です。
「―――したい。龍一さんと…エッチしたいです」
「明子……」
「龍一さん」
私はそっと眼を閉じて、唇を重ねました。
ん…何だかとっても甘い。実際は甘味なんてないんでしょうけど…んんっ、
舌が入って、ん、口の中すごい龍一さん…結構、テクニシャンなんだ。
この床上手♪予習復習は万全なんだね、さすがエリートさんです。
「ん……あ、明子」
「んはっ……」
すっごいディープなキスの後、唇を離しました
つつーと唾液が唇を結んですっごいエッチです。
そして龍一さんが言いました。
「あ、明子…たぶん、その…明子の身体に負担をかけると思う。
……そんなに慣れてないから、きっとキツイと思うけど…
明子の事…た、大切にする…だから―――」
龍一さんはすごい真剣です。顔を赤くして、あんなに一生懸命。
私はキュンと胸が高鳴ります。でもちょっと怖いな…でも大丈夫、予め言っておきましょう。
「龍一さんって、縛ったりとか拘束してするのが好きなんだね。
大丈夫だよ。あんまりきつくしないでいてくれれば私も―――――――」
「…????」
……チガウンデスカ?
龍一さんの頭の周囲をぐるぐるぐるぐる『?』マークが回ってますけど。
「あ、あの…明子?」
これ違うよ!絶対、違うよ!何て事を言ってしまったの、私のバカッ!
縛りなんて何のプレイよ!龍一さんは船乗りじゃなくて港湾管理者なのよ!
「あ、あ、ち、違うの!わ、私そんなつもりじゃ!ご、ごめんなさい!
ふ、普通に、パンパンして、そのた、種付け…ああ、は、破壊とか、し、し、して下さい!」
パニックになった私は混乱する頭で咄嗟に思った事を口走ってしまいました。
「…………」
「あ、あれ…龍一さん?」
龍一さんの眼が何かとてつもなく怖い動物……そ、そうあれはフサフサの
がおーです、キングです、ライオンです。おそろしい百獣の王です。
「明子、愛してる!」
「はっ…へって…ああ!?」
私の身体は両足から宙に持ち上げられ、すっぽり龍一さんの両腕の中へ。
こ、こ、こ、これは、俗にいう『お姫様抱っこ』!!
「今日こそ僕のモノにするぞ!」
とこれは龍一さんの台詞。
いや……龍一さん、もう明子はあなたの妻です。あなたのモノですよ。
そしてそのまま、二人の寝室へ。
寝室はベッドでなく和風に布団です。
「明子」
私は仰向けに寝かされ、その上から龍一さんが覆い被さります。
「あ…り、龍一さん…」
龍一さんの手がパジャマのボタンに掛かります。ひとつ、ふたつ、みっつ…
上から外され、前がはだけました。私はいつもブラを外して寝るので
ふるんとその…おっぱいが…こぼれ落ちてきます…ああ、恥ずかしいよ。
「あ…や、やだ」
咄嗟に胸を隠そうとしましたが、その手が押さえつけられました
「明子の髪…いい香りだ」
龍一さんは私の髪に鼻を埋め、囁きました。
そして私のうなじに…し、舌を……ううー龍一さん、ノリノリですよォ
「明子の胸…もっとよく見せて」
「え…で、でも…私って小柄で背が低いから…アンバランスで格好悪いよ?」
「そんなの関係ないよ。明子の胸だから…見たいんだ。」
「う…うん」
私はおずおずと前を開きました。電気はついたままなので丸見えで…とっても
恥ずかしいです。そっと手をどけるとふるんと揺れ動きました。
ああ…お母さん、お姉ちゃん、妹よ。ついでにお父さん。
明子は今、異性におっぱいを曝してます。
「綺麗だ…明子の胸…とっても綺麗だ」
「あ…そ、そう?あはは…は、恥ずかしいけど…嬉し―――」
笑っていると間髪入れずに龍一さんが私のおっぱいに、正確には乳首を口に含みました。
「あっ…は…んん」
電気が走ったみたいにピリピリが胸を突き抜けていきます。
き、緊張しすぎて…んっ…エッチな声が自然と漏れてきます。
「明子…ちゅ…んん…明子」
龍一さんは乳首にむしゃぶりついています。おっぱいを撫で回し、
時折…んはっ…鷲掴むようにして。
「はぁ…んち…ぷはぁちゅ…ん」
「……あ…くう……ふ」
夫におっぱいを吸われるというのは…ん…やっぱり子供が
はっ…で、できてからでも…あっ…吸われるのかな?
「…龍一さん、わ、私…ミルクで…ん…ないよ?そ、そんなに吸わな…はう」
ああ、何だかとってもぼんやりして抵抗できません。
もう…好きにして…あふん。
「ん、んう…は…あ、明子…も、もう我慢できない」
龍一さんは私のおっぱいを下から押し上げるようにして、揉みほぐします。
押し上げられて余計に大きく見えるおっぱいはとってもエッチです。
も、もしかして、いきなりおっぱいであ、あの龍一さんの…ア、アレを挟むのでしょうか?
そ、そんな高等テクニック、わ、私はあわわわ――――と、戸惑っていると
龍一さんは私うつ伏せにし、パジャマを下着ごと剥ぎました。
「―――あっ」
「明子…お尻…明子のお尻…」
龍一さんが私の腰を抱き上げると自然と尻が持ち上がり、
お尻を後ろに突き出す四つん這いの姿勢になりました。
え…ええ…私がの、乗るんじゃなくても、もしかして後ろから…?
これは緊急事態です。バックなんてさっき教育テレビで見たパンパンじゃないですか
ああ、何だかとっても興奮してきました。もう私の秘部は濡れ濡れです。
私の前世はきっと犬だな。私のお尻は少しちっちゃいんですけど…龍一さんから
すれば理想のお尻のようです。左右から寄った尻房というか肉付き
というか…腰からお尻にかけてのラインが好きらしく…しげしげと見ています。
冬になってタイツとか履いたら、もうウハウハだろうなぁ…キッチンで
そのままバックからとかされそうです。
龍一さんはお尻にすごい興奮するみたいです…お、お尻フェチなのかな?
「明子…アキ…のお尻」
龍一さんの呼び方が恋人同士の時の呼び方に変わりました。
ああ…ダメだよ、龍一さん…耳元で囁かないで…懐かしい。
1年以上おつき合いしたんですが婚前交渉はしたことのない私達。
そういう事には龍一さんがすごく厳しくて、戒めていたんです。
だから手を握って、腕を組んで、おっぱいが腕に当たった時はもう大変。
龍一さんの命を削るような自制が見ていて可哀想でした。
その反動かな?……かなり積極的です。
龍一さんの両手が私のお尻をむにゅむにゅと揉み始めました。
その度にピクン、ピクンと私は背を反らせてしまいます。
「アキ…アキ…」
龍一さんは私の尻たぶに頬を寄せ、舌でペロっと舐めました。
「ひゃんっ!」
「アキ……行くよ」
「あ…あ?りゅ…龍一さ―――」
私がとろけるような意識で振り向いた時には龍一さんは
アレを私の秘部にあてがい、一気に腰を突き出した。
―――つぷ…ぐにゅ…ずぷぷぷ―――
「ん…あん…ああ…はあああ…」
「あ…ん……は……くうう…」
私は喉を仰け反らせながら身を震わせました。
ああ…ま、まだ少し痛いけど……な、何か満たされてるような…んんんっ。
龍一さんが腰を掴み、よりいっそう深く挿入しました。
その反動でおっぱいがふるんふるんと左右に揺れます。
「き、きついい…ア、アキアキ…ん…おお…」
龍一さんはずぶりと根元まで押し込み、私の背中に折り重なりました。
お、重いよォ…り、龍一さん。私はちらりと懇願するような眼で龍一さんを見ました。
「アキアキアキアキアキッ!」
こ、これは…き…聞いて…もらえ…はァ…そう…にな…龍一さ…あ…んん
わ、私も何だか…ほわわ…として…んッ…き、気持ちいいです。
龍一さんが腰を突き出すたびに私のお尻は震え、おっぱいが揺れ踊ります。
そのおっぱいを龍一さんは揉みながら、私の髪に鼻をつけ、シャンプーの香りを
いっぱいに吸い込み、さらに激しく突き上げます。
ぬちゃぬちゅ…ちゅう…ぬりゅ…
と言ういやらしい音が寝室内に反響するように聞こえます。
ズン…ズブ…ズンと龍一さんは私の背とお尻に手を当て、
腰をゆっくりと引き抜き、一気に突き入れます。
ああ…すごく…すごく焦れったい…龍一さん、さっきみたいに…私は思わず言いました。
「りゅ…龍一さん…も、もっと…パンパン…って、お、お願い…じ、焦れったいのは…ん」
「ああ…いいよアキ、アキ…ぼ、僕も…んんんんっ!」
するとパンパンパンと龍一さんの腰がじれったいものから直線的な激しい動きに変わりました。
「あっ…あんあっあっあ、あっあっあっ!」
私の声もだんだんと高くなって泣き声のようになります。
りゅ、龍一さんの…あ…精子が…もうすぐ出るんだと…あふっあああ!
「あ、あっ…アキ…で、出…出そうだ…」
龍一さんは再び私の背中に折り重なると、おっぱいを両手で鷲掴みました。
にゅるぷるるんと歪むおっぱいが龍一さんの興奮を最大に高めるみたいです。
「あっ、はあん…龍一さん…龍一さん」
「で、出るよ…アキッ」
龍一さんは私のほっぺたに頬をよせ、眉間に皺をよせながら言いました
龍一さんの腰が最後に私のお尻に叩きつけられました。
「アキッ…アキッッ」
どぴゅ…びゅるるるっと私の中で龍一さんのアレが爆発したように精子を吐き出します。
「んうう…ああ、愛してる、愛してる愛してるよアキッ!」
「わ、私も…私も…龍一さん…私も愛してるうう!」
ああ…すごい……すごい気持ちよすぎ…はああ…
龍一さんの絶頂に、私も少し遅れて達しました。ああ…素敵です。
あ…愛してるなんて…すっごい恥ずかしいけど…素敵…………
何度でもイけそう…私は腰が抜けて、布団に突っ伏してしまいました。
「ん…んう…ん、ん…う、うう…うっ」
龍一さんは私のお尻に指を食い込ませ、グッグっと腰を押しつけ呻いています。
その度にお腹がキュキュってノックされてるみたいです…ああ…気持ちいい…
このまま寝ちゃえそ……と私の意識はそこで途絶えました。
以上です。エピローグめいたモノは後日にアップしますね。
>>501さん、こんなんでよかったでしょうか?
喜んでいただければ幸いです。
決戦! 南海の大怪獣
で支援。
>>555 GJ!かわいいしエロいしもう素晴らしいね!
でも「デストロイして!」は吹くww
明子さんと長宗我部元親や北条早雲について語り合いたいw
GJです!
かわいくて、笑えるところもあって、なんかほんわかしました。
惜しみないGJを。
エピローグも楽しみ
GJ!
明子さんは今流行りの「歴女」なんですね。
しかし姉さんは何者なんだ?w
自分が使おうと思ってたネタと被ってると結構ショックだね。
名前は一文字違いだし、会話のネタもほとんど同じ、挙句プレイまで同じかよwww
びっくりした。
まだ書いてないので少し方向性を変えてみよう・・・
すまん、誤爆したorz
本当にすまん。
誘い受けもやめなよ
『大きい旦那様と小さな奥様』
エピローグ
「……お母さん、お母さん、起きてよ」
誰かの声がします。
「こんな所で寝ちゃって……お父さーん」
ん、んん…誰の声だ?
私の小さい頃の…いや、妹の朋子(ともこ)の声によく似た声です。
妹は現在17歳、花のセブンティーンな女子高生。
ちなみにお姉ちゃんの名前は朝子(あさこ)
私より2つ上の26歳でこちらも専業主婦で2児の母です。
「……明子、明子、おい…」
これは龍一さんの声です。なんかいつもよりダンディに聞こえるぞ?
「明子」
うっすらと目蓋を開けました。
ぼやけていた龍一さんの輪郭が鮮明になります。
「ん……龍一さん?」
「な……え?」
「ええーお母さんがお父さんの事、名前で呼ぶの初めて聞いちゃったぁ!
んふふ、龍一さぁ〜ん…だって」
「ど、どうしたんだ、明子?」
「ん?…え…あ、あれ?龍一さん、いつの間にかダンディになって…」
目の前の龍一さんは、いまから10年後ぐらいしたらこんなカンジかな?
ってくらいにダンディです。シブイです。ナイスミドルです。
と思って、うっとりしていたら、その横に子供がいます。女の子です。
「あれ…龍一さん、この子は?」
「もぉ〜お母さん、何言ってんの……お父さん、
昨日の夜、激しく責めすぎたんじゃない?」
「な、何を…そういう事はまだ早い!」
むむむ、何だこの生意気な子はまるで朋子の生き写しです。
ここはビシッと言ってやりましょう。
「あのねー貴女はどこの子?ここは私と龍一さんの家よ。
勝手に上がり込んで何様のつもりなの?」
「ぷ…ぷぷ…あーはっはっは、冗談キツすぎーマジで笑えるよ」
あーひゃっひゃ…と笑い転げる子供。ますます生意気です。
何者なんでしょう。
これが戦国時代なら私は『であえ、であえであえ!曲者じゃ』
と声を張り上げています。お手打ち御免です。
「り、龍一さんも何か言って下さい!この子に――――」
「……んん、僕達の娘に…いつもの事じゃないか…どうしたんだ、明子」
「え…わ、私達の…む、娘?」
え、えええええええっ!?
「あ、あの…龍一さん、今、何歳ですか?」
「え…あ、ああ…40だけど?」
「って事はわ、私は…さ、さんじゅうご?じ、11年後!?」
な、何がどうなっているんでしょう?タイムスリップですか?140キロに達した時、
魔法の呪文を言うとタイムスリップするアレですか?未来の自分と接触すると
消滅しちゃうアレですか!?
「ま、待って、じゃ、じゃあこの子の名前は!?」
「えー私?あっはっは、お母さん、私の名前はねぇ――――――」
がばっ!!
私は眼が覚めると同時に起きあがりました。
こ、ここは……?
まだ薄暗いです……ん、布団?横に寝ているのは龍一さん?
あれ子供は!?名前は!?タイムスリップ!?
私は枕元にあるデジタル目覚まし時計を掴み、睨み付けました。
ええ、もうそれはガンつけです。穴が空くくらいのガン付けです。
そこに表示されていたのは
――2008:4:06(日)6:18――
ああ、よかった…現代だ…………なんだ、あれは夢ですか。
ホッと一安心しました。ああ〜日曜日だぁ…しかもまだ6時です。
「ん……んん?」
何か、少し肌寒いです……上半身裸…!?い、いや全部何も真っ裸です!?
トロ……
し、しかも…あ、ああ…あ、アソコから…し、白い…龍一さんのDNAとか
ミトコンドリアとか含まれてる液体が…ぎ、逆流して…エッチです、エッチすぎます!
はやく拭わないと!ティッシュに手を伸ばした時、その手が掴まれました。
「明子……」
「あ、ああ…龍一さん、おはようございます」
「まだおはようには早いよ…」
龍一さんが私のアソコを撫で回します。
あ…ゆ、指が…ん、んん…か、感じちゃう……
「ん、で、でももう朝ご飯の用意――」
布団から抜け出そうとする私を龍一さんは組み伏せて、耳元で囁きます。
「朝ご飯は目の前にあるからいいよ」
「へっ?」
「明子っていう朝ご飯がね」
「え、えええっ!?」
「いただきます」
「あ…ダ、ダメ…いただいちゃダメッ」
………とか何とか言いつつ、3回もいただかれちゃいました。
……正夢にならなければいいけれど。
この後、お姉ちゃんや妹の訪問とかあったんですが
それはまた別のお話です。
END
おめでとう!
なんてエロローグ、もといエピローグだ
けしからんGJ!ww
実にラブラブで最高の夫婦ですねw
GJGJ!ホントおもしろくエロかったです
この日から十月十日後に女の子が生まれるわけですね。GJ!
571 :
501:2009/01/31(土) 01:27:31 ID:tvlj48qB
遅くなりましたがただいま読了。
ありがとう。本当にありがとう。
同じこと二度繰り返すとか、明子の一人称の語り口がすごくツボでした。
歴史好きな女子という設定も親近感が。(一緒に長宗我部で盛り上がれそうw)
エピローグも良かったー。この夫婦にはませた一人娘が似合います。
惜しみないGJを私からも送らせていただきます。
あらゆる面において名言を残している姉と妹の訪問話も是非読みたいな…
投下します。
『大きい旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
三姉妹
エロトーク
こんにちは、野上 明子です。あれから毎晩とは言いませんが週に2回くらいの
ペースで龍一さんと…え、エッチするようになりました。
え…えっと龍一さんはバックからするのが好きみたいで…でも上に乗ったりとか
少し舐めたりとか…し、し、し、しゃっぶたり……できるようにはなりました。
む、向かい合っても…その…色々とできるようになりました。
俗にいうと…か、開発された…というんでしょうか?
とっても恥ずかしいです。
ピンポーン
あ、龍一さんです。
今日はお昼前には帰れるからと連絡がありました。
ここ数日は船舶の出入りが多かったそうで、港の事務所で寝泊まり
していた龍一さん。久々の帰宅です。
ぶっちゃけ――してもらえると思います。
う、嬉しいとか、期待してるとかそういうワケではありませんよ。
野上家の繁栄を願い、子孫を残す神聖な儀式なのです。
断じて不純なワケはありません。でもゴムは必着です。
「おかえりなさい、龍一さ―――」
「ちわー、アキ―――――」
バン。私はドアを閉めました。
ふぅ…間違いだったみたいです。何やら女性の声が
したような気がしましたが、気のせいです。
その声がお姉ちゃんの声に似ていましたが気のせいです。
きっと、きっと、いや、絶対に気のせいです。
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
「もぉ〜アキ、いるんだったら閉めないで中に入れてよ」
お姉ちゃんは給与した午後の紅茶を飲みながら悪態をつきます。
あ、今は旧姓の神谷から中村 朝子(あさこ)になっています。
「……あ、あのねぇ…お姉ちゃん、孝司(たかし)さんは?」
孝司さんはお姉ちゃんの旦那さんで一流企業のエリートさんです。
でもそういう事は全然自慢しなくて、とっても明るくてお話するとおもしろい人です。
龍一さんとは対照的な人かな。
「えー」
気怠そうな声をあげるお姉ちゃん。
「私を置いてどっかに蒸発されましたの」
「ふざけてないで、何で私の所に来たの?」
「ありゃ〜もう引っかからないか、アキだったらすぐに
『ええっ!本当!?』とか言って騒ぐと思ったのに〜」
「前置きはいいから、理由を言ってよ。」
「はぁ〜い。ちびっこ共が幼稚園のお泊まり教室で今日いないから
せっかく旦那と『セックスしまくろうぜ』って言って、約束したのに
出張入ってさぁ…衣食住をアキの所に求めにきたの。」
ここにいるだけで問題なのに、『衣』『食』『住』って何なんだ、姉よ。
「お姉ちゃん、とっても寂しいの。慰めて、アキ。」
「…………」
そのまま孤独死してね?……という思いで沈黙する私。
「そんな顔しないで?冗談よ、冗談♪」
あ、なんだ、冗談か…私はホッとしました。
「キツイ冗談言わないでよ、お姉ちゃん。龍一さんだって帰ってくるんだから」
「うん。だから材料買ってきたんだ。アキに食費出させるワケにはいかないもの」
どの辺から冗談なんですか、マイシスター?衣食住の『食』部分だけ冗談ですか?
「今日はカレー曜日だ。私が作るからアキは待ってて、で龍一さんは?」
「ええ、帰ってきますよ。もうすぐ、だから帰って下さい!」
私は思わず声を上げました。
「………アキ、生理中?」
……辞書はないかな……辞書は。
その辞書でお姉ちゃんに全ての女性が生理中に
情緒不安定になるワケではない事を知ってもらって、
ついでに姉ヘッドに落とすような超重量辞書。
ピンポーン
再び、チャイムが鳴りました。
きっと龍一さんです。私はダッシュで玄関に行きました。
あああ、マイダーリン…マイシスターに何とか言って下さい!
「おかえりなさい、龍一さ―――――」
「こんにちは、姉さ――――――」
バン。私は再びドアを閉めました。
また……間違いだったみたいです。
何やら女の子の声がしたような気がしましたが…幻聴です。
その声が妹の朋子の声に似ていましたが…幻聴です。
見たことのある容姿――――――幻覚です。
絶対、絶対、絶対に、お願します、神様。
「何だ、来てたんだ。」
「何だ。じゃないわよ、朋子(ともこ)。それにちゃんと『お姉ちゃん』って呼びなさい」
……二人の姉妹に挟まれた私。お姉ちゃんは身長166センチ、妹は160センチ。
某合衆国で捕獲された宇宙人の心境とはこんなカンジでしょうか?
「ご冗談を。妹の新居に集(たか)りに来た『雌豚』の間違いでしょ?」
……朋子の毒舌は、源 頼政が放った矢の如く鋭いです。
「あら、私が『雌豚』ならトモちゃんは『雌犬』ね。パパとママはどうちたのかなぁ?」
……お姉ちゃん、笑えてないよ。顔が般若になってるよ。とっても怖いよ。
「R指定ゲームでも最近は見ない『両親は海外旅行設定』で、昨日からいないわ。
でもさすがに3食カロリーメイトじゃ食傷になりそうなので姉さんの所にお邪魔
しようと思ったの。そしたら姉……紛らわしいから豚とアキでいい?」
「ううん、よく聞こえなかったんだけど、もう一度言ってもらえる?」
お姉ちゃんが鬼気迫る笑顔で立ち上がりました。
「トモ…私はいいから、せめて朝子姉さんにして。新居を廃墟にされたくないの。」
「わかったわ、最大限に譲歩して『朝子姉さん』と『アキ姉(ねぇ)』で」
一触即発から………意外に一件落着ですか?
「ずいぶんと素直になったじゃない。その調子で私の足を舐めなさい。」
ずいっと足を差し出すお姉ちゃん。
「やめて、ここからでも嗅覚が破壊されてしまうわ」
そのまま蹴りを繰り出しそうなお姉ちゃんを押しとどめて、私は言いました。
「もォ…二人ともやめて。トモの好きな呼び方でいいから。」
「ありがとうアキ姉。呼び方がエロゲーの設定みたいでとても萌えるの。」
お姉ちゃん、妹よ……姉妹共々、あそこの窓から飛び降りてくれないかな。
鍵は開いてるよ。
トゥルルルル、トゥルルルル
自宅の電話が鳴りました。も、もしかして龍一さん!
ああ、電話でもいいから声聞きたいです。
この状況を何とかして下さい。と、思って受話器を取ろうとしたら
『はぁーい、もしもし野上です』
お姉ちゃんが電話を取りやがりました。
『え…うん、龍一さん?あはっ…やだぁ明子よ、明子。あなたの妻の明子よ』
り、龍一さん!?
『ねぇ…あなた、明子とっても寂しくて…セックスしたくてたまらないの。
毎日、あなたの事思いながらオナニーばっかりじゃもう限界。
ついさっきもしてたの。今、時間ある?このままテレホンセックス…』
そしてその横から朋子が
『…したくてしたくてたまらないの。私のアワビに龍一さんのクジラをぶち込んで!
それではしたない雌豚アキの顔に振りかけて!龍一さんの種汁を、種汁を
いっーぱい飲みたいのォ―――――』
「あれ、切れちゃった?」
「………………………」
……辞書じゃなくてこの花瓶をそのヘッドに叩きつけて差し上げますわ。姉妹共。
私、とっても御腹が御起立しましたの。
「朝子姉さんはいつもそんな低俗な事を言ってるんだ、大人として恥ずかしくないの?」
いつの間にかくつろいでる朋子がコーヒーを飲んでいます。
「そうよ、旦那とラブラブだもの。犬にはわからないわよ。
それにアンタの方が卑猥だったし、『種汁』なんて……ゲームのやりすぎじゃないの?」
とっても恍惚とした顔のお姉様と妹様。花瓶じゃなくてこのポットを――――
ちゃらら〜ちゃらららんちゃらら〜♪
これはケータイの着信音!?
しかもプリントインストールの『Jupiter』は龍一さんです。
優しいこのメロディは龍一さんにぴったり…っとそれどころじゃありません!
私はポケットに入っているケータイを開きました。
『もしもし、龍一さん!?』
『あ…アキ、す、すまない。プライベートな話は事務所のではまずかったから』
『ううん、こっちこそごめんなさい。今の電話――――』
『わかってる…寂しい思いをさせてすまなかった。アキがそこまで思い詰めてた
なんて。でも大丈夫だ。僕もアキの事を思いながらトイレでしていたから。何回もしたよ。
アキの胸やお尻や唇を想像しながら―――――」
……龍一さん、私はもう魂が口から抜け出しそうです。
「今日は帰れるハズだったんだけれど、今度は事故が起きてしまってね。
中国国籍の船なんだが事情があって帰れない。すまない。明日には
何とか帰れると思うから、それじゃ。』
『え…あ、ち、違うの龍一さん!』
ご、誤解です。龍一さん、私はそんなはしたない女ではありませ――――
『アキ』
『は、はい?』
『帰ったら……一緒にお風呂に入って洗いっこして朝までパジャマパーティだ!』
『……………はい』
龍一さん、会心の一撃だ。絶対、電話の向こうでガッツポーズキメてる。
『それじゃ』
プープープー………
「アキ、龍ちゃんなんだってぇ?」
「アキ姉、今日は泊まる部屋なんだけどー」
この、この、この悪魔共め!
「お…お姉ちゃん」
「およ?」
「と…朋子…」
「どうしたの?」
「この…この…このぶわかあああああああっ!」
続
投下した後でなんですが…
この姉妹訪問編ってスレ違いのような気も
するんですが、別スレの方がよいでしょうか?
>>572-
>>576 奥様方がそれぞれの夫についてのエロラブトークなんていうのも、
目新しくて良いとおもいます。
つまりなんだ。その、
いいぞもっとやれ。
>>572-576 GJ!
個人的には、(このシリーズに限らず)エロなしのドタバタコメディも好きです
GJ!
夫がどんどんデストロイしていくな
明子はもちろん、龍一さんも俺の嫁
じゃあそんな
>>580には、私に嫁いでもらうとしよう。
うはw新作きてた
これはよいシリーズ
パジャマパーティーに超期待w
583 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 02:42:25 ID:NzdTfy7L
保守
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
エロトーク
妹妄想エロ
ぐす…ぐす……み、皆ざま…こ、こんばんは…か、かみや
じゃなくて野上 明子です…うう……り、龍一さんに誤解されぢゃいました。
しかも…一人でエッチしてた事を誤解されて、しかも龍一さんの一人エッチも告白されて
オカズは私だって…う、嬉しいけど…この…この…この悪魔達に知られるなんて。
お父さん、お母さん、孝司さんにちびっ子達…私、野上明子は………恨みます
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
「ん〜美味い!我ながら天晴れ!」
「………………お、美味しいです」
「………………」
結局、その後お姉ちゃんが晩ご飯を作る〜とはりきってカレーとポテトサラダ、
さらにデザートのフルーツケーキまで作ってくれました。
……さすが神谷の長女、申し分ない腕前です。美味しいです。
「んふふふ、旦那は味にうるさくてね。チビ達も好き嫌い多いし、主婦は大変なのよ。ねぇー明子」
「う、うん…そうだけど…私はまだ子供がいないから…」
………お姉ちゃんの眼が沈痛な面持ちでカレーを食べる妹の方へと向けられます。
「神谷 朋子さん…味はどうかしら?」
フルネームで問いかけるお姉ちゃんはさながら裁判官のようです。
「不味くはないわ」
「ふ〜ん、ちなみに朋子ちゃんって何かお料理、作れるのかしら?」
「愚問ね」
笑止!いう顔で朋子は言いました。
「頭文字に即席がつく料理なら和・洋・中すべて作れるわ」
「それ、料理じゃないから」
お姉ちゃんはスプーンでピッと朋子の言葉を一刀両断しました。
確かにインスタントラーメンや電子レンジでチンする食品は料理ではありません。
「料理の一つもできないんじゃ彼氏できないわよ、朋子ちゃん」
「彼氏いるから」
「一応、確認しておくけど、脳内設定の彼氏じゃないわよね?」
「いるから」
明日、人類が滅びる………それくらい衝撃的な発言です。
……朋子とつき合える男の子というのはどんな男の子なのでしょう?
末っ子の朋子は私やお姉ちゃんとは違い、やや冷めたものの見方をする女の子です。
ネガティヴでインドア派で趣味は『特にありません』と書くような女の子です。
そんな朋子とつき合える奇特な――――失礼、男の子には大変、興味がわきます。
昔からアウトドア派でオープンなお姉ちゃんとは相性がよくないのか、よく喧嘩をしていました。
そんな二人を仲介する私。今もその構図は変わっていません。ホント、疲れます。
「ほら、ケータイに撮ってあるし」
おお、私も龍一さんの写真は財布に入れて、ケータイに保存してあります。
姉妹だと思考も似るのでしょうか?
「ハメ撮り?」
……よく恥ずかしげもなく堂々と言えますね、お姉ちゃん。
「どこかの淫乱な雌豚とは違うから安心して。」
ケータイを誇らしげに見せる朋子。私とお姉ちゃんはその画面をまじまじと見つめました。
何か、髪が薄い茶髪で瞳が青いです。ハーフさんですか。
いいえ、違います。顔に生気がありません。宇宙服…というか、
それにしては簡素な作りの緑の宇宙服とヘルメットを持っています。
近くに眼と口のついた丸い球体がついています。
休日の夕方の時間帯に何度か見かけた事があります。
これはもしかして…………フィギュア?
「どう?私の彼氏よ。名前は―――」
私は無言で朋子から3メートルくらい離れました。
「お姉ちゃん、救急車を呼んで」
「どういう意味よ。私は彼と結婚したんだから」
「ををををを姉ちゃん、やっぱり救急車より、警察を――――」
こいつはいけません。危険すぎます、デンジャーです、賤姫(せんひめ)七変化です。
私はこの魔獣を家に上げた事を激しく後悔しました。
「アキ姉、私は法に違反するような事なんかしていないわ、何か問題があるのかしら?」
「法律以前に人間として何かがおかしいと思うの。」
かなり辛辣な言葉ですが、今の朋子には効きませんダメージゼロのようです。
「朋子、アンタそれ人形よ。アニメのキャラクターでしょ?そのまんま脳内設定じゃない」
お姉ちゃんがため息をつきながら言いました。正論です。
「アニメじゃない!お兄様を馬鹿にしないで!私とお兄様は魂でつながってるのよ?
私はお兄様を愛してる。何度も何度も肌を重ねたわ!!休みの日には一日中、
愛を確かめ合ったわ。私はお兄様なしじゃ生きられない身体になってしまったのよ」
かつてこれほど熱弁を振るう妹を見たことがありません………妄想もここまでくると感心します。
私は朋子が怖くなりました。是が非でもお引き取り願いたいです。
「愛を確かめ合った…ねぇ…ふ〜ん、具体的にどうやって愛し合ったのかしら?」
ふふん…とお姉ちゃんは余裕気に言い、ソファに腰を下ろしました。
やばいです。朋子の情事を聞く気です。妹は嬉々として語るでしょう。
「彼を私の膣にぶち込むの」
………出だしからこれかよ!?人形を挿入って何のプレイですか、朋子?
「……というのは冗談で、まずはDVDを見ながらゆっくりとアソコを触るの。」
朋子はかなり悦に入った瞳で語り出します。そのDVD鑑賞時点で十二分に
アニメじゃないかな?と思いましたが、口にすると
何をされるかわからないので私は黙っていました。
「彼の台詞を一言一句残さず堪能して……私に彼が…語りかけてくるの」
「救急車呼んでくる」
じたばたと暴れる私をお姉ちゃんが羽交い締めにして取り押さえやがりました。
力では適いません。身長も適いません。魔獣の妄想が有無を言わず耳に入ってきます
「…朋子、綺麗だよ」
「恥ずかしい……でもお兄様になら……」
私はゆっくりとノーマ○スーツの前を開けて、タンクトップに包まれた
控えめなオッパイをさらけ出した。
「他の人達みたいに大きくないから…がっかりしたでしょ?」
「そんな事は関係ないよ……俺は朋子の全てが愛おしいんだ」
「お兄様………」
私はお兄様に抱きつき、ベッドでランデブーを楽しんで、口づけを交わした。
お兄様の手がノーマ○スーツの胸元から、アソコへと入ってくる。
下着越しに感じる逞しい指に私のアソコは恥ずかしいぐらいに濡れていた。
「あ…は……お兄さまぁ…」
「感じやすいんだね…朋子は…胸も触っていい?」
「や、優しく…なら…」
そう言ってもお兄様はオッパイを吸ったり揉んだりしてる内に段々と、激しくなる。
お兄様の堅くそそり勃つ、アレをお尻に押しつけられる。
私はノーマ○スーツを太股まで下ろして、お尻を高々とあげて言うの。
「お…お兄様の……私のいやらしいアソコにぶち込んで欲しい。
私を滅茶苦茶に破壊して…ガッツンガッツン突き上げて、中にぶちまけて欲しいの!」
「朋子…俺なんかでいいのか?」
「ううん、お兄様だからいいの…お願い、私を犯して…破壊して、
デストロイ、デストロイして欲しいの!」
「それでね、それでね中にぶちまけられて私が『あああっすごいすごいの!イクウウッ!
朋子、あたまばかになちゃうううッ!!』っていいながら――――」
上気した顔で言う妹を見ながら、必死に笑いをかみ殺しているお姉ちゃん。
……血を分けた肉親が人形相手の自慰妄想を語り、それを聞く姉達って
全国広しと雖も私達だけだろうなぁと思いました。
「アキ姉、私の彼ってスゴイでしょ?感想はどう?興奮して、濡れてない?」
ここは、姉として優しくさとしてあげるべきですよね。私は優しく言いました。
「朋子、貴女の脳みそは腐っているのね」
続
次回は朝子と明子のエロ回想予定。
またデストロイwwwwwww
GJGJ!続き待ってますー
なんていうか、デストロイヤーな職人だなw
デストロイした後みたいな不思議な披露を感じるぜ、GJ
明子たんきゃわゆくて好きだ
589 :
501:2009/02/09(月) 17:42:28 ID:j1q+UX0T
何で朋子はフィギュア彼氏を「お兄様」と呼んでいるんだろう…(追求するのちょっと怖い)
着々とデストロイ進行中ですねw
でも結果的に周りが明子ちゃんの可愛さをより引き立ててるようにも見える。
魔人のような上と下に挟まれて彼女はよくここまで普通に育ったなと感心しますw
GJでした!
続きも待ってますー
明子さんが姉妹に似ないで良かったw
なんぞこれwwwww
この三姉妹、どこまで行くんだろうなあ。
次回、(個人的に姉に)すごく期待w
ああ、二女がまともな人間で良かった……
本当に本当に良かった
ARMSって実写映画化の話があった気がするけどどうなったんだろ?
594 :
593:2009/02/10(火) 00:50:38 ID:ateaPiUF
誤爆した。ごめん
嫁が欲しいか?
いやいや、明子&龍一の妄想力もなかなか凄いとおも
このスレ職人さんがたくさんいるから、もうじき500KB埋まるな。
598 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:41:45 ID:43aKe8YH
>>572-576 GJ!!
普通の惚気あいになるかと思ったら(笑)
>>589 龍一さんのことではなく、妹さんがいれあげてるのが
視聴者からも兄と慕われる凄腕スナイパーだからかと
保守
大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜
孝司×朝子
長女本番
おめでた
野上 明子です。恥ずかしい話です。
はぁ…何故、妹の妄想話なんて聞かなければいけないんでしょうか?
しかも相手はアニメのキャラ。人間としてどうかと思います。
さらに悪いことに、ノリにノッた姉がじゃあ今度は私のラブラブな
セックスを聞いてね、もちろん最後は明子もゲロするのよ?
と言い出しました………最悪です。
『大きな旦那様と小さな奥様〜姉妹訪問編〜』
「私の脳ミソは腐っていないわ。それとMじゃないから罵倒しても
感じないし、嬉しくもない。とても悲しいからやめて、アキ姉」
「……人間失格」
私はボソッと言ってあげました。何かもうホントに疲れました。
「あ…ちょっといいかも」
頬を染めるな、両手を頬にあてるな、意外な発見するな、たわけ者が!
と私は心の中で『がおっ』と吼えました。
「Y談中、失礼しまーす。次は私の番ね」
「ターン制にした覚えはありません。ご飯食べたからお姉ちゃんと朋子の
選択肢は『お風呂』『寝る』『帰る』しかありません。」
むしろ『帰る』だけでいいんですが、
さすがに暗くなってきたので女性が一人で歩いていては危険です。
約2名ほど存在してるだけでも充分、危険なんですが…
天孫降臨、神ような私の慈悲に感謝しやがれです。
「ぷぷ…レトロね。アキ姉、今の時代はネットよ。ファミコンじゃないのよ?」
「『帰れ』だけでもいいのよ、トモちゃん?」
「明子様は、本当に天使のようなお姉様ですね、古き良き物って大事です」
「あーアキ、私の隠しコマンド『旦那と薔薇色なセックスライフ』でよろしく♪」
無理矢理、路線を変更させようとする朝子お姉ちゃん。
「だから、そういう孝司さんとのバラ色な話は胸の中にしまって、鎖で縛って
鍵かけて、かんぬき掛けて絶対に出さないで。外に行ったら好きなだけ叫んでいいから」
「アキ姉、身内から犯罪者出したら…私、この先、結婚できない。」
魔獣よ、妖獣よ、汝は人形と結婚したはずですよね?
「私って汚れてますか?」
お姉ちゃんが問います。
「ちびっ子を二人も産めばもうガッバガバでしょ?120%汚れてるわ、さしずめ腐ったアワビね」
朋子の毒舌がここに極まりました。『敵は本能寺にあり!』にならぶ衝撃的な発言です
すると、お姉ちゃんは天使の笑みで言いました。
「ありがとう。お礼に朋子のフレッシュなアワビにこのタバスコ、瓶ごとぶち込んであげる。」
「申し訳ございませんでした」
床に頭をこすりつけて詫びを入れている朋子を見るのは久しぶりです。
鋭すぎる切り返し……剣道は私の専売特許ですよ、お姉ちゃん。
「私の場合は旦那が年下だから、初夜なんてもうやりまくり、
ゴムなしでいいからってはりきちゃって、私の処女膜ぶち抜いてさ。
すっげぇ痛いのにズコバコして中にぶちまけるし――」
「あ、私お風呂入って来る」
……ダメです。姉の濃厚な話には絶対に堪えられません。
「じゃ、上がるまでお話は一時停止で。ゆっくり浸かってらっしゃい」
笑顔で手を振るお姉ちゃん……三倍速で早送りできないかな…と私は本気で思いました。
結局、そのままソファにシットダウンせざるを得ません。
「それで、今から話すのは何と玄関先でしてしまった時のお話なの。」
どんだけ雌豚なんですか、お姉ちゃん……
「あ、孝司…今、帰りなの?」
「おお、朝子さん、奇遇だねぇ。俺も今帰り〜」
結婚したてのこの頃は、まだ私も働いていたから、たまにそんな事もあったわ。
エレベーターで一緒になる時もあったから、痴漢プレイとかもしたわ。
ヘイヘイヘイ、ちょっと待て、この痴女。
私の耳が聞き捨てならない単語をキャッチしました。
「ち、痴漢?」
「そ。痴漢プレイ。後ろからお尻とか胸とか触るヤツ。」
いや、知ってますから。
「私は痴漢以前にお姉ちゃんが社会人として、少し変だと思うの」
実際は『少し変な人』を通り越えて『完全異常者』ですけど。
「歩く公害よね。龍一義兄さんが聞いたらきっと
『朝子さんは公害怪獣へ○ラですね』って言うと思うわ」
私に続いて朋子が言います。汝も『デンジャー』ですけど今、加勢してくれて
いるようですので、黙っておきます。計略というか狡猾な私に竹中半兵衛も真っ青です。
でも怪獣ネタで龍一さんと話題を共有・共感できる朋子はちょっと羨ましいです。
「アキ、トモ…わ、わかってると思うけど冗談よ?」
「「ぐッ……」」
……ウソです、絶対、姉はそうゆー事やってるはずです。
ちびっ子が赤ちゃんの頃『あん、全自動搾乳プレイ最高』と言ってました。
私はその日から、姉を家に上げるのをやめました。
まぁ、それでその日は一緒に家に入ろうとしたの、そしたら孝司が
後ろからいきなり抱きついて来たの。
「きゃ…孝司、ちょっと危ないって」
「『きゃ』なんて可愛いよね。俺、OL姿の朝子さんと一回
してみたかったんだよね…ん〜香水のいい匂い、俺すっげぇ興奮してきた。」
「バ、バカッ!あッ…離れろっての!んッ!」
孝司は私の胸と腰に手を回し、うなじに鼻を埋めた。
ここのところ、忙しくてご無沙汰だったから、私の身体が『雄』を求めている。
そんなところを責められたら思わず声を上げてしまう。
「充分、感じてるね。明日は日曜だし、朝子さん。おお、ストッキングの生地
がこすれて堪んねぇ…ねぇお尻突き出してゆっくり揺らして」
「い、いやだって…こんな玄関でなんて」
かく言う私も結構、濡れていた。悲しい女の性。
「お願いです、朝子さまぁ〜ん」
「……わ、わかったわよ」
私は壁に手をついてお尻を突き出し、ゆっくりと弧を描いてみせた。
ったく…恥ずかしいったらありゃしない。
考えてもみて欲しい。いつも「行ってきます」「ただいま」してる玄関で
お尻をさらけ出しているなんて。最低だ。でも―――――
「最高、大好き。朝子さん」
というコイツの顔を見てしまうと許してしまう。惚れた女の弱みね。
孝司が私のお尻に手の平をあてがい、ぐにゅと捏ねた。尻肉がふるふると揺れ、
指がむにゅと食い込むたびにいやらしく形を変える。
孝司とは大学時代からの付き合いだ。
始めは気の合う友人という関係でカラオケやゲーセンに食べ歩き。
後輩だけど何でもそつなくこなし、容量がいい。おまけに遊んでるように見えて、
博学・優秀・学力は私なんかよりも高いときた。羨ましい半分、嫉妬半分。
いい友人でこれからも…と思っていたら――――
「俺と一生、つきあってもらえませんか?」だって。
当時、二人とも就職してたけど、私の方はうまくいかず、色々と行き詰まりかけてた。
毎日のようにイライラして、八つ当たりして、ツンツンしてた私。
そんな私を心配して、親身になって「俺にできることがあったら」とか
「相談に乗りますよ」とか、私が「構わないで!」「もう来ないで!」って言っても
毎日、毎日会いに来てくれた。
一流企業のエリートさんが無い時間を作って、毎日会いに来るってのは
どれだけ難しい事か…それでもいつもニコニコしてた孝司。
いつしか、『孝司』は私の中で友人から大切な人へと変わっていったのだ。
それで私は「いいよ」って言ってあげた……
そして結婚してわかったのは、コイツは本当に有能で優しくて元気で明るくて
―――――――――――――――夜の方も優秀だったって事だ。
ず〜っと『友人』でいたから、一度もエッチした事はない。今、思うと意外かも
しれんが、私は純情だったんだな。うん。でもこいつと結婚してからコイツ色に
染め上げられてしまった。実をいうと孝司は頻繁に私を視姦していたらしい。
大学生時代、おっぱいやお尻に視線を感じたりしていたのは全て孝司だったのかと思うぐらい
頻繁に。いつもヘラヘラしていたから気付かなかったけど、何回か風に捲れたスカートの
下から覗くパンティやお尻を見た時、鼻の下を伸ばしていたとのこと。
屈んだときにみえるおっぱいやブラに興奮してたこと。
「はぁ…俺、もう限界…朝子さん、ストッキング破いていい?」
「……どーせ最初からそのつもりでしょ…いいわよ。後でもっと良いヤツ買わせてやる」
「りょーかい。じゃ、そうゆうことで」
白い肌と黒いストッキングのギャップがまた雄をたかぶらせるのか孝司は
ビリリとストッキングを引き裂いた。
「あッ…ちょっと、いきな――――はあっ!」
続けてお尻を両手で鷲掴み、パンティーの両脇に指を引っかけ
一気に太股までずり下げた。その反動で尻肉がぷるんと揺れ踊り、
中心がきゅっと締まるのがわかった。
「やっぱり…濡れるの早いよね。朝子さん…この具合なら」
既に下腹部に当たるように反り返っているアレを私のアソコにあてがい、
孝司は一気に貫いた。
「あ…く…あはぁああ」
ズブブッとアソコがひろげられ、熱いアレが私に埋め込まれる。
久しぶりの異物感に私は満たされた。き、気持ちいい。
「ん…く…はは、いい感じ…ひっさしぶり〜すっげ気持ちよすぎ
やっぱ朝子さんとの相性はバッチリだね」
犬のような後背位での性交。しかも場所は玄関で。さらに半裸で。
どんだけエロゲーのシチュエーションだよ?
私の髪に顔を埋め、その腰をお尻に叩き付けるように必死に振りたくっている孝司。
く、悔しいけど…腰使いがうまい…孝司、48手研究しすぎだろ。
「はぁ…はああん…か、感じすぎ…もっと…ゆっくり、優しく…」
私はとろけたような表情で孝司のピストンを嬉々として受け入れていた。
スーツはぐしゃぐしゃ、スカートは腰までたくし上げられて、パンティは足首まで下げられてる。
「朝子さんの膣中…まとわりついて…締めすぎだよ…もう…うおおっ!」
眉を寄せ、眼を閉じながら孝司はグイグイと突き上げてくる。
「はあ…はああッ…こ、声が…隣に聞こえ…」
「…んん…でも、こ、こんな……止められ…ぐうう」
「うん…うふ…はあ…た、孝司…中で大っきくしな…んんんっ!」
孝司は後ろから私の胸元をせわしく開いた。そして
ブラのホックを引きちぎる勢いでおっぱいを露出させると、
荒々しく揉み始めた……い、痛いんですけど。
「あ、朝子さん…朝子さんのつきたての餅のような感触が…
熟した桃のような尻肉が!女神のお尻に俺の下腹部を
打ち付ける度、さざ波を打つこの尻肉が!
この官能的な光景が痛いほど俺の愚息を刺激します!」
……こんな時に詩的な情緒に満ちた解説しなくていいから!
優秀だからって披露しなくていいから!いや、マジで!
あっはぅン!んふっ…た、孝司!…顔…私に…ん…見せ…んふっ!」
「朝子さん、朝子さん、朝子!朝子!朝子っ!」
孝司はいったんアレを引き抜き、向き合うと、今度は両脚を抱えた。
いわゆる駅弁スタイルね。それから今度は下から抉るように突き入れたの。
「あ…ああ…ん…はあああ」
私のおっぱいに顔を埋めて、猛り狂ったように腰を下から突き上げた後、
腰が今までにない速さで動き出したわ。パンパンパンってほんと、凄すぎ。
「う…ダ、ダメだ……で、出る…朝子!」
何だかんだ言っても年下だから可愛くって…私はサービスして言ってあげたの。
「うっんんんっ…わ、私の…な、中に…中に孝司ぃ…
私に、朝子のマンコに孝司の、孝司の種を付けて…はっんんんう!」
「あっあっああっく…ううっ!」
もう完全にリミッター外れた孝司は指をぐにゅって私のお尻に食い込ませながら、
アレをを一番奥までたたき込んだ。そこを狙って私も思いっきり締めた。
それこそ、一滴も逃すまいとぎゅううとね。
「あ、朝子……膣内で…んんああああ!」
びゅるるると凄まじい勢いでお腹の中があつくなる。ビクン、ビクンてしてるのがヤケに
はっきりと感じた。
「あっ…んん…で、出てる…出てるよ…孝司の…熱いの広がってる…んん」
「うっ…うっ…うう…あ、あさ…こ」
孝司は眉間に皺をよせ、歯を食いしばって最奥で射精を続ける。
私のおっぱいをめちゃくちゃに吸いながら、ようやくその射精が終わった。
「はぁ…ああ……すごく濃いの…孝司の…種汁…いっぱい…いっぱい…」
孝司と私は獣じみた性交を終えると荒い息をつきながらお互い
倒れ込むようにうしろの壁を背に沈んだわ。でも最悪だったのは
捲り上げたスカートから覗く膣口からドロリとした白濁液が太股を伝ってゆっくりと
流れ落ちてきやがった事ね。濃すぎるのよ、孝司の精子。
しかもね、あんだけ出してもまだバッキバキに勃起させてんの。私は垂れ流し状態だから
気持ち悪くって…パンティとか破かれたストッキングとかも脱ごうとしたら、そのまま
壁に押しつけられて、孝司はパンティをお尻に食い込ませて、
さらにその脇から無理矢理ねじ込んでさ、2回も出しやがって……あーもーホント最悪だったわ。
あんまりしつこいから殴って、そのまま閉め出してやったわ。
「――――てゆー感じだけど、どう二人とも?」
「あ…あ…アキ姉、トイレにいっていいかな30分くらい。」
お姉ちゃんの濃すぎる話に完全にイッてる朋子。
コイツ、絶対、あのケータイの人形みながらする気だ。絶対、する気だ。
「………やめて、人のウチで一人エッチしないで。お願いだから」
……エッチすぎます。お姉ちゃん。確かにそんだけヤッてればちびっ子が二人もできるワケです。
それはそれで羨ましいなぁ……。
「あ、ちなみに今、そん時できたのが今の二人で。まだここに一人いるんだわ。忘れてた。」
そういってお姉ちゃんはお腹をぽんと叩いた。
おめでたですか、お姉ちゃん!
「おめでとう、お姉ちゃん」
「うん、ありがと」
そういうお姉ちゃんは何だか素敵でした。
続
すいません。朝子の話が長くなって明子の話は次回分に。
本当にすいません。
姉エロスww
妹発情するなwwww
しかし孝司さんマジ優秀だな
乙
続きは次スレかな?(現在480KB)
毎回ちょっとキモくてとても面白くて上手い
そして今回エロい!素晴らしい
夜中3時でよければ次スレ立てますよ
610 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 04:54:50 ID:EYosrwCF
GJ!エロいな朝子姉さん…
そして次スレ乙
スレ立て乙です!
埋めネタ書いたので投下させて下さい。
3レスお借りします。
614 :
翔とユキ:2009/02/20(金) 00:11:26 ID:Pb+bU7hZ
「しょっうっくーん」
うち――と言ってもオレの家は自営業なので、仕事場と自宅が一緒なんだけど、
一応オレたち夫婦プラスがきんちょが暮らしてる部屋――に戻るなり、ユキが抱きついてきた。
「おかーえり」
「ただーいま。どうしたの?」
「あのね、今さっき、ちょうどね、寝てくれたの」
ユキが声をひそめて、床の上に敷かれた小さな布団の方に顔を向けた。
釣られて俺もそっちを向く。
布団からちっさい頭とちっさい手が覗いてる。
「そっか。じゃあ、ただいまできないね」
オレがちょっとがっかりしてそう言うと、ユキは拗ねたように頭を胸に押し付けてきた。
「もう。いいじゃない。昼も休憩時間も戻ってきてるんだから。
そーれーよーりっ」
ユキが唇を突き出して背伸びしてきた。
「エッチしたいの?」
オレがちゅ、っとキスをしてあげながらそう聞くと、ユキはぷくっと膨れた。
「女の子に言わせるなんて翔くん最低。
せっかく良吾が生まれて一ヶ月過ぎて、エッチおっけーってお医者さんに言われたのに……。
翔くんがしたくないなら、別にしなくても構わないけどね」
オレから離れて行こうとしたユキの腕を捕まえて、今度はオレが後ろからユキに抱きつく。
「あーっ!ごめん、ごめん。
オレもしたいです!」
もうちょっと焦らしておねだりさせてみたいけど、ユキのこと焦らすなんてオレには一生無理だろうな。
「無理しなくていいんだよ」
あーっ!ユキの意地悪が始まった。
……でも、嫌いじゃないんだよな、困ったことに。
「無理なんてしてないって。
良吾が起きる前にやっちゃお」
615 :
翔とユキ:2009/02/20(金) 00:12:25 ID:Pb+bU7hZ
「なに、そのてっとり早く済ませよう的な」
そう言いながらユキはオレの股間に手を伸ばしてきた。
「そうは思ってないけどさ、おとといだってやってる最中に起きちゃったから……」
お礼にオレはユキの服の裾から手を入れて、おへその周りをなでてあげる。
ホントはおっぱいに触りたいんだけど、まだ母乳が出るから触るの禁止って……ううっ……。
「だから、さっき寝たばっかりだよって誘ってあげたのに」
「うん、ごめんね。
ちょっと意地悪言ってみたかっただけ」
パンツの中に手を入れていくと、こっちはファスナーを下された。
「そんなこと出来ないくせに」
「たまにはオレだってそういうこと……っ」
あう、じ、直に触られたら……おととい中途半端に終わった分、なんだかもう……。
「いいよ、意地悪しても」
「ゆ…ユキ……っ」
触り方うま過ぎだ。
何度もされてるのに、ユキの手にかかったら簡単に勃起して簡単に気持ち良くなる。
「出来るなら、だけど」
「ご、ごめん。しないからっ……」
「してもいいんだって」
「……むり、だよ」
オレも頑張ってユキにあれこれ触って見てるんだけど、上手くいかない。
結構濡れてんのになぁ……。
ユキはオレから手を離して、パンツの中から一度俺の手を抜くと、くるっとこっちを向いてまた抱きついてきた。
「ね、翔くん……。しよ……」
赤くほてったユキの顔にちょっと見惚れてたら、またちんちんを触られた。
「ごめんね、意地悪ばっかり言って。
ホントはね、こないだ途中で終わっちゃったからいっぱいエッチなことしてほしいって思ってたんだけど……。
翔くんの顔見たら、つい……私の方がしたくなっちゃって……」
うん、うん、オレもこないだの分取り返すくらいいっぱいしたい。
こないだの分とか以前にいっぱいしたい。
そもそもオレたちはたまたまやった一回がヒットしちゃってのでき婚だから、まだ大した回数やってない。
ユキが妊娠してる間もちょいちょいやってたけど、良吾に遠慮しながらだったから、
やっとまともなエッチが出来るようになったこの頃はオレもユキもちょっと暴走気味だ。
616 :
翔とユキ:2009/02/20(金) 00:12:59 ID:Pb+bU7hZ
赤くなった顔で俺を見上げてるくせにユキの手はすごくやらしくて……あっ、そこっ……。
「ユキ……」
「一回、出しちゃう?」
ユキはそう言って自分の唇を指した。
けど、そしたらオレはいいけど、もしまた途中で良吾が起きたらユキが中途半端になる。
オレは思い切ってユキの手をどけると、首を横に振って、
「一緒に気持ちよくなろ」
って、キスをした。
唇をくっつけて、ユキのお尻をもみながら、ベッドの方に二人して移動していく。
「んっ……んっ……」
ユキが甘えた声を出してくれてる。
ベッドに到着したところで一回唇を離すと、ユキは嬉しそうに笑ってベッドに腰を下ろした。
オレが急いでシャツを脱ぎ終えるとユキが両手を広げてくれたから、オレはそこに向かってダイブ!
さっきよりエロいキスをしながらユキのズボンと下着を脱がす。
「翔くん」
ちょっと唇を離しただけですぐに名前を呼んでくれるから、オレも、
「ユキ」
って名前を呼んであげる。
もうちょっと前戯し直そうと思って手を伸ばしたらユキが首を横に振った。
「ね、平気だから、入れて。
早く翔くんが欲しいな」
そんなこと言われたらもう入れるしかない。
でも、オレはユキとつながる直前にちょっとだけ、かわいい息子の方を見た。
良吾さま良吾さま、お願いだから今日はもうしばらく起きないで下さいね、って。
(了)
梅ネタに今気付いた、GJ
幸せそう
こういうほのぼのする話好きだー
GJ!
埋めネタGJ
うちのオヤジとオフクロも妹つくる時こんな感じだったんかな、とか思ってしまったw
>>613氏GJです!
自分も埋めネタ投下させていただきます。
「おかえりなさい、信哉さん。…おつかれさまです」
いつもの金曜日、玄関で夫を出迎える。
「ただいま。…ほら」
促されて、そっと目を閉じる。
「んっ…」
程なくして、右頬、左頬、そして唇の順に柔らかい感触が押し付けられる。
なんだか、すっかり習慣になってしまった見送りと出迎えのキス。
正直、まだ少し恥ずかしさもあるけど。
温かい唇を感じるたび、胸が温かくなって、どきどきするのも事実で…
「皐月? どうした?」
「い、いえっ! 何でもないですっ!」
…少し、意識が飛んでしまったらしい。
ちょっと笑いながらこっちを見ている。何を考えてたのか、分かっちゃったのかな?
うう、恥ずかしいな…
「あのっ!、ご飯とお風呂、どっちにしますか…?」
その場の空気を紛らすように、勢いよく尋ねる。
「そうだな…夕飯にしてもらうか」
「はい… すぐ出来ますから、待っててくださいね」
「わかったよ」
小走りで台所に向かう。その途中、信哉さんがスーツ姿のまま居間の畳に寝転がる。
「あっ、だめですよ… 汚れちゃいます」
「いいだろ…待ってる間だけだから」
「もう…」
寝たまま背伸びする姿は、まるで子供のようだ。
だけど、疲れてるんだろうな。
仕事のことはほとんど話さないけれど、私なんかには想像がつかないほど大変なのだということは分かる。
昨日などは、会社に泊まって帰ってこなかったのだ。
そんなことを考えながら、夕飯の仕上げに取りかかる。
仕上げといっても、もうすべて出来上がっているから盛り付けるだけだ。
2人分の皿に料理を盛り付けていく。
信哉さんの分は、鶏肉の炒め物には胡椒を少し多めに振って、分量も多めに。
これで完成だ。2日ぶりになるから、いつもより腕によりをかけたつもりだけど…喜んでくれるかな?
「信哉さーん、出来ましたよーっ!」
返事がない。もしかしてあのまま寝てしまったのだろうか?
居間まで行ってみると、さっきの格好のままで寝息を立てていた。
もう。これでは本当に子供だ。
「信哉さん、起きて下さい、ご飯ですよ」
そっと揺すってみても、起き上がる気配がない。
んー、どうしようかな…
ふと、ある考えが浮かぶ。
ちょうど頭の隣の位置に正座する。
「失礼しますね…、んしょ」
そして、頭を力を込めて持ち上げると、素早くその間に膝をすべり込ませた。
いわゆる、膝枕という格好。
その状態のまま、顔をのぞき込んでみる。
…やっぱり、かっこいいなあ。
良くは知らないけれど、テレビや雑誌なんかでもてはやされるのは、きっとこんな人なんだろう。
だけど、その人は今、すっかり緊張の緩みきった顔で私の膝の上にいるのだ。
そう考えると、信哉さんを独占している、という気持ちがわき上がる。
「えい」
ためらいがちに頬を突ついてみる。
反応がないので、調子に乗って強くつついたり、更に引っ張ったりもしてみる。
「ふふっ…あははっ」
それでも目を覚まさないのがおかしくなって、つい噴き出してしまった。
…幸せだなあ。
つい前までは、信哉さんとこんな事をしているなんて考えられなかった。
あんな稚拙なやり方ではあったけれど。あの時、一歩を踏み出せて本当に良かった。
夫婦であること、家庭であること。
その大事さを、今こうして実感することが出来る。
私は身をかがめると、耳元でそっと囁いた。
「大好きですよ…信哉さん」
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寝たふりをして、少し悪戯をしようとしたら、いつの間にか膝枕をされていた。
そして、頬を突かれたり、引っ張られたり。
おまけに、大好きです、などと言われてしまった。
…。
今起きたら、やはり驚くのだろう。
顔を真っ赤にしながら、ごめんなさいごめんなさいと謝る姿が目に浮かぶ。
それも見てみたいが、今の状態を解いてしまうのは惜しい。
何とも言えない柔らかで心地よさは、癖になりそうだ。
生まれた時から母を知らない自分だが、その温もりというのはきっとこんな物なのだろうか。
―今度は、自分から頼んで耳掃除でもしてもらうかな。
そんな事を思いながら。もう少しだけ、この感触を味わう事に決めた。
>>616 GJ!夫の方がなんか初々しいなw
でき婚だからあまり経験がない、ってそういうこともあるのね
>>622 あー、この夫婦やっぱり好きだわ。皐月なんでこんなかわいいの