ストライクウィッチーズでエロパロ

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30名無しさん@ピンキー
投下します。
ゲルト×ミーナで百合です。
百合スレにするか迷ったのですが、せっかく作品スレがあるのでこちらにしました。
百合が苦手な方はスルーお願いします。

あと口調とか呼び名とか性格とか、あとから齟齬が出ても勘弁してください。
…ちょっと長いかも。
31よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:26:23 ID:AF7mQyZg
 ネウロイの侵攻を防ぎ、私たちは一人も欠けることなく無事に基地へと帰還することができた。
 日付が変わる間際の急襲に、私たちは眠い目をこすりながらも暗闇に目を凝らし、全力を賭して戦った。
 結果、損害らしい損害もなかったが、隊員たちの表情には疲弊の色が濃く浮かんでいた。
「みんな疲れてると思うからここで解散にするけど、報告書は忘れないようにね。一両日中には提出するように。はい、解散」
 隊長こと、ヴィルケ中佐の声が響くと隊員たちはそれぞれに返事をし、疲れた足取りで各々のねぐらへと帰っていった。
 一人、坂本少佐が残り、中佐に歩み寄ると何事かを進言する。
 私の位置からでは聞き取れなかったが先ほどの出撃に関する分析について中佐に意見を求めているように見えた。
 笑顔で応じる中佐ではあったが、その仮面の裏には誰よりも重い疲労が横たわっているに違いない。
 私は椅子から立ち上がると二人に近づきながら口を開いた。
32よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:28:16 ID:AF7mQyZg
「お話中申し訳ありませんが、中佐、司令部のほうへ出向しませんと……」
「え、あ、そうだったっけ……?」
「む、そうか。いや足止めしてすまなかった」
「いえ、坂本少佐のご賢察には私も興味があります。
 後日機会を改めまして、僭越ながら私にもお聞かせ願えると嬉しいのですが」
「もちろん構わないとも」
「少佐もお疲れでしょうし、今宵は充分にお体をお休めください」
「心遣い痛み入る。では、失礼する」
 軽く頭を下げると疲れなど微塵も感じさせない、きびきびとした動きでブリーフィングルームから出ていった。
 彼女の体力と芯の通った生真面目さは私も見習いたいものだ。
 二人だけとなった室内に小さく吐息すると、隣からもっと大きな溜め息が聞こえてきた。
「ふぅ、なにも夜中に攻めてこなくてもいいのにね」
「敵も夜闇に紛れて襲うことを覚えたのでしょう。ですが、それに屈する我々ではありません」
 中佐は苦笑しながら大きく伸びをすると、書類をまとめる私に向かって言った。
「ありがとね、ゲルダ」
 嘘を吐かせてしまってごめんね、と中佐は私の目をまっすぐに見つめてきた。
 私は咄嗟に目を逸らした。
 頬が微かに熱くなる。
33よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:29:06 ID:AF7mQyZg
 私はただ自身の持つ力に相応の責務をこなしているだけのこと。
 その責任感が隊長である中佐の補佐という形で私を突き動かしているに過ぎないのだ。
 本来、感謝される謂れはない。
 私がもごもごと口ごもっていると、中佐の柔らかい手が私の手に触れた。
「このあと、なにか用事ある?」
 眠気はあるが我慢できないほどではない。
 それに中佐の優しさに満ちた笑顔を前にして、一体いかなる理由を口にできるだろうか。
 私は指先から伝わる温もりに戸惑いを隠すので精一杯だった。


 中佐の私室は部隊長として特別にあてがわれたものだ。
 私たち魔女は他の兵と比べても破格の待遇を図ってもらえるが隊長は別格。
 足の長い絨毯が敷き詰められた広い寝室。
 キングスサイズのベッドにウォルナット材を用いた高級家具の数々。
 隣室にはバス・トイレも揃っていて、防音にもなっているようだ。
 私は大きなベッドの端にぽつんと置物のように座らされていた。
34よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:31:24 ID:AF7mQyZg
「黒ビールもあるけど、普通のにする?」
 小さな冷蔵庫は中佐の私物のようで、中にはたくさんのビールが並べられていた。
 普段アルコールを嗜まない私としては種類の違いも、その味についてもこだわりはないので適当に頷いておく。
「普通のものでお願いします」
「かしこまりましたー」
 中佐はすでに酔っ払っているような軽快な口調でおどけてみせた。
 さり気なくウインクを投げかけられても反応に困る。
 中佐が私の隣に腰掛けてビールをジョッキに注ぐと、発酵した麦の匂いが鼻先をくすぐった。
 頭が薄っすらとぼやけるのは眠気のせいか、ビールのせいか。
「はい、ゲルダ」
「……ありがとうございます」
 手にしたジョッキで乾杯。
 申し訳程度に音を鳴らすと、しゅわしゅわと泡立つアルコールに口をつけた。
 口内に広がった黄金色の液体が弾け、舌の上で味覚を刺激する。
 とうに就寝時間を過ぎた深夜、中佐の私室で味わうビールは不思議とおいしかった。
 私はアルコールが飲めないわけではないが、カールスラント出身にしては弱い。
 特別おいしいと感じるわけでもないので祝いの席以外ではほとんど口にしないのだが、このビールは例外だった。
 ぱちぱちと弾ける感触が渇いた喉に心地よく、アルコールが疲れた体に浸透していく。
 顔がほんのりと上気していくのが自分でもよく分かった。
35よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:32:58 ID:AF7mQyZg
「ぷはーっ! 仕事が終わったあとに飲むビールは最高ねっ!」
 ひと息に飲み干した中佐はまるで年配の男性のように拳を握った。
 サイドテーブルに置いたビール瓶を掴んで二杯目を注ごうとして、
「あ、中佐……」
 思わず手を伸ばし、中佐の手を止める。
 やんわりと瓶を手に取り、空になった中佐のジョッキへ静かにビールを注いでいく。
「ん? ゲルダ?」
「坂本少佐に教わった扶桑式の作法です。飲み物を注ぐ際、特に目上の者に対して他者が注いで差し上げるのが礼儀なのだとか」
「なるほど。ちょっと堅苦しいけど、少佐を見ていると納得してしまうわね」
「ごもっともです」
 私と中佐は眼帯をした生真面目な同僚を思い浮かべて、くすりと小さく笑い合った。


 それからは酒の勢いもあって色々な話をした。
 出身地が同じカールスラントであったので、昼食にビュルスト(ソーセージ)とビールは欠かせないとか、初めてUバーン(地下鉄)に乗ったときは迷子になったとか、ベートホーフェンよりヴァグナーのほうがいい等々、懐かしい話に花が咲いた。
 本当ならカールスラント人であるハルトマン中尉も交えて、とも思ったが、とっくに就寝しているであろう相手を無理に起こすのは気が引けた。
 また機会があれば彼女も輪に加えて故郷の思い出話をするのも悪くない。
 私は何杯目かのビールを口に含んだ。
36よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:34:36 ID:AF7mQyZg
「れね、おさららじみのくらうでぃあがね、しょのこにふられらって……」
「中佐、少々飲みすぎかと思いますが……」
「しょんらころないろー……」
 基本的に聞き手に回っていた私はまだしも、饒舌に喋る中佐は話が進むにつれて酒の勢いも増し、ブレーキが壊れたストライカーユニットのように高揚した様子で次々にビールを煽っていた。
 私よりは格段に酒に強いと思われる中佐でも、何本も瓶を空けては呂律が回らなくなって当然だ。
 すでに飲み過ぎの感はあるがこれ以上は毒にしかならないと判断し、私は中佐の手からジョッキを取り上げた。
「にゃ、にゃにをするらー……」
「飲み過ぎはお体に障ります。明日、手痛いしっぺ返しを食うことになりますよ」
「うぅ、げるらがいじめるぅ……」
 上機嫌だった中佐が途端に沈んだ表情を見せるのに胸が痛まなくもなかったが、ここは憎まれてでも制止すべき場面だ。
 私はそのためにこの立場にいるのだから、それが賢明な判断。
 管制からの報告で数日はネウロイによる襲撃がないとの予測も耳にしているが、油断はしないに越したことはない。
 いざというときに隊長が二日酔いでは話にならない。
 そういった理由もあり、私はふらふら揺れる中佐をベッドに寝かしつけて自室に戻ることにした。
 宴も竹縄、楽しい時間にも終わりがある。
 普段なら考えられないような時間を過ごせたのだから、それだけでも僥倖なのだと自分に言い聞かせた。
37よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:35:43 ID:AF7mQyZg
「あうぅ……」
「中佐、もう横になられたほうがいいと思います。私も帰りますので、どうか疲れを癒してください」
「いやらぁ……、もっろびーる、げるらぁ……」
 まるで子どものように駄々をこねる中佐が新鮮でどこか愛らしくて、私は心が折れそうになるのを必死に堪えた。
 シーツの上に寝かせ、潤んだ瞳で見上げてくる中佐に言った。
「……今夜は、とても楽しかったです。こんな私でお相手が務まったか分かりませんが、またの機会がありましたら何なりと、んっ――――」
 突然、中佐の手が私の首に回されて二人の距離がゼロになった。
 私の言葉は唇ごと奪われてしまった。
「ん、んっ……!」
 いきなりのことに理解が追いつかず、ただ中佐の唇が私のそれと繋がっている事実に頭の中を掻き乱される。
 なぜ、なんで、どうして、何を理由に。
 いくつもの疑問符を浮かべても中佐は答えてくれない。
 目を閉じた中佐の舌が、私の口内に押し入ってくる。
 アルコールの匂いに満ちた生温かい肉塊が、唇の隙間からぬめっとした感触と共に滑り込む。
 私はベッドに腕を衝立のようにして距離を取ろうと試みるが、首元に張り付いた中佐は親に捨てられまいとする赤子のようにしがみついて離れない。
 中佐の重みに負け、否応なしに引き倒される。
 頭をがっしりとホールドされて荒々しい口付けが私を侵していく。
38よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:37:20 ID:AF7mQyZg
 震える私の舌に絡みつき、根元の神経が集まった部分を執拗に舐められる感触。
 先端と先端でまるでキスするように互いを確認する。
 口蓋を走る中佐の舌を、しかし私は止める術を持ち合わせていなかった。
 力で振りほどくことはできる。
 だが強引に押しのければ中佐の舌を傷つけかねない。
 いくら破廉恥な行為に腹を立てようと、敬愛する上官に牙を剥くような真似はできなかった。
 それに、どこか頭に霞が掛かったような、とても不思議な熱のようなものがあった。
 それは私の中の理性と論理を溶解し、全身から徐々に力を奪っていった。
 たとえ上官であり、見上げていた中佐であったとしても許される範疇を超えた行為であり、抵抗すべきであることは考える以前の事実であるはずなのに。
 私は動くことができなかった。


 悪い夢を見るのは決まって高熱にうなされるときだった。
 閉ざされた空間で巨大な鉄球に押し潰されたり、陸の見えない大海に放り出されて巨大な鮫に追われたり。
 目覚めれば全身から汗が噴き出すような嫌な夢ばかり見るのだ。
 だが、いま私の全身を神経毒のように駆け巡る熱は、まるで淫魔のような夢を押し付けてくるのだった。
39よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:40:23 ID:AF7mQyZg
「うぅん……、げるらぁ……」
 いつものはつらつとした声とは打って変わって鼻に掛かった、甘く悩ましげな声色で私の名が呼ばれる。
 普段の中佐にはない、妙齢の女性が持つ独特の色香を匂い立たせていた。
 抵抗を忘れた私を下にして、中佐が馬乗りになって上着を脱ぎ始める。
 下着に包まれた大きな乳房がこぼれ落ちた。
 私よりも二回りは大きい胸が目に飛び込んできて、このままでいいのかと、脳裏に警鐘が鳴り響いた。
 これ以上は取り返しがつかなくなる。
 酔いと熱に浮かされた頭でもそれくらいの予想はついた。
 止めるなら今のうち。
 そう頭では理解しているのに――――
「げるら……、わらし、げるらのころ、しゅきよ……」
 その言葉が私の中の何か決定的なものを打ち砕いた。
 倫理や矜持といったものではなく、もっと別のもの。
「めららないけろ、しゅごくかわいいっれ、しっれるもの……」
 私の衣服に手を掛け、ボタンを外していく手を止められない。
 常に傍らで補助となり、支えとなればそれが本懐と思ってきたはずなのに、私の心のどこかで彼女に対する特別な感情が芽生えていたというのだろうか。
 使命感を超える気持ちが生じていたというのか。
 それともただ状況に感情が流されているだけなのか。
「しゅきなひろろね、こういうころするの、ゆめらったんら……」
 中佐には敬愛と憧憬と、あらゆる点で見上げていた。
 上官であるからという理由のみによらず、もっと能動的な気持ちから彼女のために尽くしたいと思ってきた。
 その気持ちを、私は否定することができなかった。
40よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:42:08 ID:AF7mQyZg
「すきよ、げるだ……」
 無防備になった私に、同じく肌着を脱ぎ捨てた中佐が体を降ろしてくる。
 胸の先端が私のものとぶつかり、電気のような痺れが走る。
 知識としては知っていた、快楽という未知の感覚。
 怖いわけではない。
 ただ中佐の酔いに任せた行いを止めなくて本当によいのか、それだけが不安だった。
「げるだは、わたしのこと、すき?」
 少しずつアルコールが抜けてきたのか、言葉が砕けずに発音されていた。
 それでも中佐は止まらない。
 私が止めなければアルコールに当てられた中佐は止まらない。
 事務的な理由しかないのであれば彼女を止めるべきなのだ。
 それでも、私の心は――――
「好き、です……」
「きこえなぁい」
「私は中佐のこと、好き……かもしれません」
「うぅん、もっとはっきりぃ……」
 わざとだ、絶対わざとだと思った。
 おそらく中佐の目は覚めている。
 わざと酔っ払ったふりをして、私にこんなことを言わせているのだ。
「好きです。まだ、はっきりとは分かりませんが、たぶん私は、中佐のことが好きです……」
 好き、という言葉が意味を持った瞬間、私の心に光が灯った。
 解放された心、気持ちを伝えることのなんと安らかなことか。
 そもそも嫌いであるはずがないのだ。
 意味や程度は違えど、私は中佐が好きに違いなかった。
 この言葉に嘘はない。
「うれしいなぁ、うふふふ」
 赤ら顔をさらに赤く染めて身をくねらせる中佐は凛々しくも格好よくもなくて、ただただ恋に胸を躍らせる娘に過ぎず、可愛らしくていじらしかった。
41よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:43:21 ID:AF7mQyZg
「中佐……」
「だぁめ、いまは名前で呼んでほしいな」
「…………みー、な」
 初めて呼んだファーストネーム。
 思えば私と中佐は同じカールスラント出身で、さらに同い年でもあり、極め付けに誕生日も十日以内というところまで一緒だ。
 もしもネウロイが存在せず、互いに学生として平凡に暮らしていたのなら、どこかで出会っていたかもしれない。
 そして今みたいに気軽にファーストネームで呼び合っていたかもしれない。
 限りなく幻想に近い仮定だが、そんな現実もあながち悪いものではなかっただろう。
 私が不思議な感慨に耽っていると、目と鼻の先の中佐は瞳を輝かせて唇をつっと突き出してきた。
 先ほどまでの酔っ払いっぷりが嘘のように静かで、貞淑な花嫁のように私の唇を待ちわびている。
 もしかしたら、と私の勘が告げる。
 中佐は中佐で階級や命令などとは程遠い、普通の女の子として恋をして、普通の女の子としての幸せに包まれた日々を送りたかったのかもしれない。
 それがどの程度まで本気であるか、私と同じように限りなく夢物語として諦めているかは分からない。
 しかし眼前の表情は、ただ恋をして相手からも好意を持たれることを期待する年頃の少女の顔に他ならない。
 中佐として、隊長として、今の自分に満足はしているものの、ないものをねだる気持ちは私と変わらないのだろう。
 私は中佐を補佐する魔女としてではなく、可憐な少女に同じ好意を返す女として、その気持ちに答えた。
 たとえそれが一時の夢に過ぎないのだとしても、せめて今だけ、彼女から中佐という肩書きを忘れさせてあげたいと思った。
42よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:44:45 ID:AF7mQyZg
「ん、ゲルダ、ぁ……」
 上下を逆転させ、眼下に横たわる中佐――ミーナの首筋に舌を這わせる。
 白く綺麗な肌を舌先でくすぐるように舐めていく。
 耳たぶを齧れば甘い声が漏れる。
 初めての行為にも関わらず、相手の反応に興奮を覚えている自分に驚き、恥じ入る。
 それでも彼女が喜んでくれるのなら何にでも耐えられそうな気がした。
「ゲルダ、指を……」
 物欲しそうな訴えに応えて口許に指を近づけると、ミーナは上品に、けれど腹をすかせた狼のように咥え込んだ。
 舌が爪と皮膚の隙間を丁寧になぞり、ねっとりした唾液をまぶしては吸い付いてくる。
 指先から私の魂を吸い上げようとするような、真剣にして一途な奉仕だった。
 私は空いた手をミーナの胸に持っていき、やや乱暴にぎゅっと鷲掴みにした。
「んあっ……! ゲルダ……やさしく……」
「すみません……」
 今度は優しく包み込むように五指を沈ませる。
 ミーナの胸はやはり私よりも大きく、片手で掴みきれない部分がこぼれ落ちそうだった。
 深く埋もれる指から柔らかい感触が伝わる。
 とても気持ちいい。
 今までに触ったどんなものよりも柔らかく弾力に富んだ不思議な感触だった。
 揉めば力の入れ加減に応じて形を変え、受け入れてくれる。
 なるほど、世の男性が胸を母性の象徴とする気持ちが少しだけ分かった。
 これはクロステルマン中尉が四六時中胸の大きさを気に掛けていたのも理解できるような気がする。
43よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:47:30 ID:AF7mQyZg
 片方の胸を手で揉みながら、もう片方の膨らみに口付けした。
「ひゃっ……」
 小さな声を無視して張りのある肌に口をつけ、ポンプのように吸い付いては離し、吸い付いては離す。
 その度にふくよかな胸の表面に波が生まれ、ふよふよとジェリーのように揺れる。
 頼りなげな表面の登頂、そこだけ確かに形を定めた突端。
 白い肌に似合う綺麗なピンクに染まったその部分をゆっくり口に含み、味わう。
「んっ、ふぅ、ぅ……」
 ミーナの呼吸が乱れる。
 敏感な箇所に触れられた証拠だ。
 私はつんと澄ましたそこにたっぷり唾液をかけて吸い付いた。
 舌で何度も往復し、弾き、周囲の輪に沿って先端の根元を刺激する。
 その都度ミーナの体が小刻みに震えるのが感じられた。
 私の行為がちゃんと伝わっているが故の反応だった。
 もっと、もっと私を感じてほしい。
 彼女の意に沿うように、彼女の求めるがままに。
44よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:48:45 ID:AF7mQyZg
 胸をついばみ続けていると、いつしか指に舌が絡まる感触が消えていた。
 見ればミーナは口を半開きにして気持ち良さそうに唾液を垂らしていた。
 普段ならだらしないと一喝したかもしれない。
 でも今はそんな表情も私の心を燃え上がらせる燃料にしかならない。
 すべては聞きかじった知識でしかなかったが、行為の最後は下半身まで手を伸ばすことで終焉を迎えるらしい。
 時刻も時刻、さすがに日が昇る前には寝かせてあげたい気持ちもあって私はミーナの穿いている布きれに手を掛けた。
 脚から抜き取るとそれは細い糸を引いていて、彼女の両脚の付け根に繋がっていると分かると顔が熱くなった。
 息も絶え絶えの彼女は抵抗らしい抵抗もなく、私が脚を広げるままに応じてくれた。
 彼女の亀裂から漏れる透明な液体に、私の喉が鳴った。
 予想と現実は違う。
 想定通りであったとしても、彼女の中心を目にした胸の動悸はうるさいくらいに高鳴っていた。
 盛り上がりの上部にぽつんと赤く膨張した芽が覗いている。
 私は彼女の最も敏感なそこを、唇で甘噛みした。
45よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:50:10 ID:AF7mQyZg
「ふぁっ……!」
 びくん、と大きく腰が浮いた。
 危うく舌を噛みそうになったが、いかに敏感であるかが分かったからにはそこを攻めない手はない。
 兵法の基本は搦め手から攻めるにあり、とこれも坂本少佐の受け売りだ。
 ミーナの大腿部を両手でそれぞれ固定し、身動きを取れなくしてから再び芽を摘み取りにかかる。
 唾液を垂らして潤いを与え、舌先で弄ぶように弾いては周りをなぞり、亀裂の入り口を焦らすように舐めては膨張した豆を甘噛みする。
 私の一挙手一投足にすべて嬌声が返り、押さえ込まれた下半身より上部、背や喉を仰け反らせて両手はシーツを力いっぱい握り締めていた。
 見れば微かに涙まで流している。
「苦しいですか……?」
「はぁ、うう、ん……すごく、気持ち、いいから……」
 遠慮しないで、と瞳が告げていた。
 彼女自身の液体で濡れた脚の付け根も、大きくなった彼女の象徴も、そして何よりぐずぐずになっていた私の下半身もまた最後の快楽を欲していた。
46よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:53:13 ID:AF7mQyZg
 私は足からその一片の布を脱ぎ去ると、一糸まとわぬ姿になった。
 彼女と同じ、自分を隠すものが存在しない姿。
 肌と肌を重ね合わせて体温を同調させる。
 口付けを交わして互いの液体を混ぜ合わせ、嚥下する。
 一つになりたいという欲求が体の中で暴れている。
 それは男女を問わず込み上げてくる究極の独占欲なのかもしれない。
 一つになるには境界となる体が邪魔で、でも互いを感じるために体が必要である矛盾。
 せめてもの妥協点として、同じ快楽を味わいたい。
「ゲルダ、好きよ」
「私も好きです」
「名前を忘れないで……」
「ミーナ、好きです。私は常にあなたの隣に在りたい。あなたの助けとなりたい。あなたの支えとなりたい。私は――――あなたのことが好きなのですから」
 抱き締めあって口付けする。
 口付けを超え、口と口で溶け合うように、激しく、深く求め合う。
 脚と脚が交差するように互いの一番を擦りつけ、刺激を与え合う。
 同じ快楽を相手にも。
 同じ好きを相手にも。
 くちゅ、と卑猥な音を立てて、密着した肌をどちらのものとも分からない飛沫が伝い落ち、熱と本能が私たちを突き動かす。
47よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:54:48 ID:AF7mQyZg
 二人の出っ張りがぶつかって、ミーナは涙をこぼしながら叫び、私は声を殺して熱に浮かされる。
 腰から解放を求めるサインが頭に届く。
 限界を踏み越える瞬間が近い。
 ミーナの泣き崩れた喜びの表情にうねりが加わった。
 強く目を閉じたミーナはぶるぶると体を震わせると、何か透明な液体をまるで小水のように撒き散らした。
 寸分も遅れず、私の意識も白に染まった。
 駆け上がる電撃に全身が強ばり、ミーナとの接合点からすべてが消滅していくような、不思議な浮遊感が身を包んだ。
 全身が震える。
 震えが収まると今度は腰から力が抜け落ち、ミーナも私も身動きが取れなかった。
 乱れた息を整える呼吸音だけが室内に響き、彼女と同じ空気を吸っていることに気づいてささやかな幸せを感じる。
 ようやく私が体を起こして見やると、ミーナはすでにすぅすぅと穏やかな寝息を立てていた。
 ネウロイを迎撃したあとでアルコールを摂取し、さらに激しい運動までしたのだから仕方がないだろう。
 私は彼女にブランケットを掛けてやり、こっそりと、私もその隣に潜り込んだ。
 すぐ近くから寝息と体温を感じられることに、言いようのない安堵を覚えた。
48よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:56:01 ID:AF7mQyZg
 眩しい日差しが目に沁みる。
 朝が来たことを反芻すると私は嫌々ながらも身を起こした。
 今日の予定は特にこれといって重要なものはなく、昨日のネウロイとの戦闘報告書を……と、ぼんやりとした頭で確認していて思い出した。
 昨晩の出来事、そして今自分がいる部屋の様相に。
 明らかに自分の部屋とは異なる装飾、家具……それに匂い。
 自分がしたことを思い出して頭の中が熱暴走を起こしそうになったところで、隣室から人影が現れた。
「あ、おはよう、ゲルダ」
 どうやらシャワーを浴びていたようで、濡れた髪の毛を拭きながら大きめのバスタオル一枚を巻きつけて近づいてきた。
「あ、あの、わわ、私は昨日……」
 いくら酒を飲んだからといって、その勢いのせいで片付けるには少々やりすぎた。
 あんなことを寄りにもよって上官相手に致したとあってはどんな厳罰が下ってもおかしくない。
 思考がまとまらず言葉も紡げない私の顎に、中佐の指が添えられる。
 軽い仕草でくいっと上を向かせられ、そのまま中佐の唇が重ねられた。
 すぐに離れると中佐は照れくさそうに笑って言った。
49よき隊長と副官と:2008/07/16(水) 01:59:02 ID:AF7mQyZg
「昨日のことは夢じゃないわ。ましてやウソでも遊びでもない。わたしはゲルダが好き」
 少しだけ気恥ずかしそうにそっぽを向いて、けれど言葉には迷いがなく、素直な気持ちを乗せて私にぶつけてきた。
「ずっと支えてくれていることに感謝してたの。でもそれ以上にあこがれていたわ」
「憧れ……私に?」
「そう。あなたのように一途に黙々と、ガマンを続けるなんてわたしには難しいことだもの。いつだったか、あこがれがもっと強い気持ちになっていくように感じてね。昨日はお酒の力も借りちゃったけど、最後はひとつになれた気がしたから大満足よ」
 それは心の底からの笑顔で、私には真似できない朗らかな表情だった。
 私はつまり、彼女のことを何も分かっていなかったのだ。
 彼女は何も恋する乙女になりたいがために即席の恋愛ごっこをしていたのではない。
 彼女は最初から恋をしていたのだ。
 それすら気づいてあげられなかった。
 こんなにも常日頃からそばについているというのに。
 ないものをねだるなどという、凡百に過ぎる推察に酔っていた昨日の自分に唾を吐きつけたい気分だった。
「あー、またなにか考え込んでる。ゲルダの悪い癖よ。ちゃんと隊長のわたしにも言いなさい。これは命令です」
 鼻先に指を突きつけ、冗談っぽく怒ってみせる。
 そう、こんな彼女だからこそ私は隣に立ちたいと思うのだ。
 彼女が真っ直ぐ立っていられるように。
 そう願うからこそ、
「私の全てを捧げたい」
「え?」
「何でもありません」
「えー、なんだかズルい」
「では一つだけお教えします」
 湯気を立ち昇らせる彼女の手を取り、
「私も、あなたが好きです」
「……ありがとう、ゲルダ」
 彼女は恥ずかしそうに少しだけ笑顔で。
 きっと私のほうが耳まで赤くなっていると思うけど。
 今の私にはこれが精一杯なのだった。



 おしまい