クロノトリガー/クロノクロス エロパロスレッド
――――――――――――
さらに時間が飛んで中世
――――――――――――
カエルがグランドリオンを大地に突き刺す。
そして疾走。
大地を切り裂きながら巨岩を目の前にして飛翔。
陽の光を浴びグランドリオンが光り輝く。
風と雷の力を爆発させた剣を持ってカエルは巨岩を両断した。
戦いの序幕に相応しい轟音であった。
俺たちの前に開かれた道は太古の巨竜ティラノが通れるほどに巨大な洞窟の入り口であった。
カエルが感慨深く、マール、ルッカたちが嘆息を漏らす中で俺はやはり微笑していた。
「すまない、俺の出来ることはここまでだ。じゃあな、がんばれよ。」
「そうか、お前とは一対一でやりあいたかったな」
勇者としてカエルは俺を真に認めたようだ。
「ふふ、俺の圧勝になりそうだな」
「どうだか、グランドリオンを取り戻した俺は負けはしない」
軽く腕をぶつけ合い、再会を約束した。
短い間の仲間たちの残念そうな声を尻目に俺はその場を後にし、薄く笑んだ。
「次ぎあう時は敵として、かな」
「おっと、人払いはいいのかい?これは相当に危険な話だと思うんだが」
魔王は額に皺を寄せたが側近たちを眼力だけで立ち退かせた。
「そうだな、これで信じてもらえるかな」
俺はポイっと何かを魔王の近くに捨てた。
軽い音。
何の変哲も無い黒い石。
だがそれはこの時代には存在しないロストテクノロジーの塊。
そしてこれが確かに存在した時代の産物。
とある賢者がお遊びで作り上げた、だが使い方さえ分かれば至高の一品。
―――未完
何これ?
ゴミ
ゴミ以下
リサイクルも出来ない(キリッ
思うんだがカエルって、五本指手袋してるってことは
手の形は人間と同じなのか?w
規制つらすぎるお
DSで久々にトリガープレイしたら面白すぎてはまっちまった
職人さんが続々登場してくれることを祈願して、カエル(グレン)×ルッカ投下します。
419 :
カエルッカ1:2010/08/05(木) 06:36:56 ID:aFjlLNaA
ラヴォスを倒し、平和な未来が保証された。
勝利の余韻を分かち合う暇も無く、仲間たちはそれぞれの時代へと帰っていった。
(これで、よかったのよ)
閉ざされていくゲートを見守りながら、ルッカは心の中で自分に言い聞かせた。
所詮、彼は過去を生きる人だから。
思いを伝えたとしても、結ばれるはずが無い。
よかったじゃない、ルッカ。
下手に恋うつつになって研究に身が入らなくなるくらいなら、
きっぱり諦められる方が、サイエンスに身を捧げた自分のためにはありがたい。
そうとでも思い込まなきゃやっていられない。
かくして、ルッカは研究に打ち込む日々を送っていた。
そして、歳月は流れた。
420 :
カエルッカ2:2010/08/05(木) 06:40:13 ID:aFjlLNaA
「ルッカ…ちゃんと睡眠とってるの?」
とある昼下がり、マールとクロノがルッカの研究所に遊びに来た。
開口一番、眉をひそめて発したマールの一言が、これ。
あの後、マールの熱烈なラブコールを受けたクロノは、彼女の思いに応え、
めでたくガルディア王家に婿入りすることに決まったのである。
そんな次期国王様候補のクロノは相変わらず爆睡している。
ほんとによく寝るわね、このバカは。
後々には王族としての立ち居振る舞いや知識を身につけなければならない。
その勉強で疲れているのだろうか。
ラヴォスを巡る旅が終わった後、
この研究所は旅を通じて新しく友となった三人のたまり場と化していた。
しかし、月日が経つのは早いものだ。
最近ではマールとクロノの結婚が決まり、二人とも忙しいのだろう、
三人で集まってだべる、などということは希薄になっていた。
マールがコーヒーを入れて、
ルッカは機械の調整をしながらマールの話に耳を傾ける。
その横でクロノはいびきをかいている。
そんな日々を送っていたのが今では遠い過去のようにルッカには感じられた。
クロノもマールも、今までのように遊びまわっているわけには行かない。
二人一緒に生きていくという覚悟の末に、今の二人があるのだ。
―――私も変わった。
ずっと一緒にいられるはずは無い、旅の間でも頭の片隅で理解してはいたけれど。
自分より頭一つ分は小さな身体に背中を預けては守られた、
心地よかったあの日々は戻ってこない。
最終的には自分の思いを殺して、諦めた。
421 :
カエルッカ3:2010/08/05(木) 06:43:30 ID:aFjlLNaA
「いやねえ、マール。ちゃんと寝てるわよ」
「嘘。隈、ひどいわよ。あと、だいぶ痩せた」
「………」
ぐいっと目の下を指さされ、詰め寄られる。
そんなに私ひどい顔してるのかな…そう思って少したじろぐと、
それまでクロノの裁判のときの大臣ばりに強く糾弾するようだったマールの表情が、
とたんにへなっと力を無くした。
「あのね…ルッカ」
マールはちら、と惰眠を貪るクロノのほうを一瞥してから、視線をルッカに戻した。
いつもハキハキと歯切れのいい口調のマールがめずらしく口ごもる。
「もしかして…私たちに、気を遣ってない?」
「……え?」
「もしかして、あなたクロノのことが好きだったんじゃないの…?そうだとしたら、私…」
「………はい?」
何て?この才色兼備のルッカ様が?この熱血剣術バカを?
ありえない。
…なんて言ったらクロノにベタ惚れなマールに氷付けにされるかしら。
ふう、と一つため息をついて、ルッカは口を開いた。
「…マール、確かにクロノのこと、私好きよ。
でもね、あいつは幼馴染で、ずっと一緒にいて、
弟みたいにして大事にしてきた奴なのよ。
むしろあいつがあなたとこうなって、驚いてるくらいよ。
…そりゃ少し寂しいって思う気持ちもあるけど、
マールが相手で私は嬉しいと思ってる」
「ルッカ…」
「…幸せになってね」
マールが輝くような笑顔を浮かべる。
慣れないセリフを、本心とはいえくそ真面目に口に出してしまったルッカは赤面してしまい、しばらくの間マールの顔をまともに見ることができなかった。
422 :
カエルッカ4:2010/08/05(木) 06:50:08 ID:aFjlLNaA
「…あ、じゃあさ、」
「…何よ」
「ルッカは好きな人とかいないの?」
「!」
一瞬、全身を深緑に包まれた異形の騎士の姿が脳裏を掠めた。ルッカの体が強張る。
「あー、その様子ならいるんだー!
そこまで私たちのこと祝福してくれてるんだもん、
私、全力で協力しちゃうよ!」
「…サイエンスの前に恋愛なんて不要よ」
「あなただからこそそういう人が必要なのよ。
毎日研究研究、じゃ頭も身体もボロボロになっちゃうわよ」
コトリ、とマグカップを置く。マールの入れたコーヒーがさっと波を立てた。
「…そろそろ暗くなる頃よ。お城にもどったほうがいいんじゃないの?
また大臣にお説教食らうわよ」
「…ルッカ…」
「ほら、バカクロノ!いつまで寝てんのよ!恋人を待たせんじゃないわよ!」
「…んぁー…?」
寝ぼけ眼の暢気なクロノと、それとは対照的な何か言いたげな表情のマールを背にして、研究所の玄関の扉を閉める。
―――あいつのことは思い出さないようにしてたのに…。
否、彼のことを思わない日などなかった。
研究に打ち込まなきゃ、余計なことは考えては駄目、
そう思えば思うほど、思い出さずにいられない。
423 :
カエルッカ5:2010/08/05(木) 06:54:06 ID:aFjlLNaA
最初、出会ったときは見かけのこともあって少し苦手だった。
それなのに、一緒に行動するうちに、彼の生き様を少しずつ垣間見ていくうちに、
恐ろしいほどの勢いで心惹かれていった。
「大嫌いなカエルだから」と、
出会ったとき嫌悪感を顕わにしてしまった自分に激しく後悔した。
―――まあ、こんなナリじゃ、信用しろといっても無理か…。
あのときの自虐的な彼の反応は未だに忘れられない。
これほどまでに彼に惹かれる自分が、かえって不思議に思えるくらいだ。
それでも、仲間との別れのとき、
思いを伝えるという選択肢はルッカの中には無かった。
生きる時代が違う人。最初から叶うわけがない。
もしそうしていたら、カエルにも迷惑をかけることになっただろう。無理を言って、困らせて。
後悔はしていない。これでよかった、何度もそう納得したはずだ。
ララのときとは違う。「あの時、こうしていれば」なんて、思う余地がないのである。
誰にも迷惑をかけない、ルッカ自身のためでもある。
自分は最善の行動をしたはずだ。
「…はず、なんだけどなあ…」
ぼふっ、と靴も履いたままルッカは仰向けにベッドに倒れこんだ。
―――今頃何してるかしら。
そう想像しかけて、そこではっと気づく。
カエルとルッカの間には、共有できる「今」は存在しないのだ。
400年近く前にとっくに死んでいる人。
本来ならば現代人のルッカにとっては、
ガルディア王国のために貢献した単なる歴史上の人物の一人、というところか。
そこまで考えて、虚しくてどうしようもなくなる。
これがいつもの思考回路のパターン。
もう何も考えたくない。
なんだか猛烈に疲れた。まぶたが重くて耐えられない。
解決策も見出せないまま、
ルッカは果ての無い闇に吸い込まれるように深い眠りにいざなわれて行った。
424 :
カエルッカ6:2010/08/05(木) 07:00:03 ID:aFjlLNaA
そしてまた無為に日々を送っていたある日、またマールがやってきた。
今日はクロノはいない。
「久しぶりじゃない。クロノは一緒じゃないの?」
「…ルッカ……」
いつも底抜けに明るい表情のマールが、今日は重苦しい雰囲気をまとっている。
「あのね、ルッカに大事な話があるの。一緒に城まで来てくれないかしら」
「?…いいわよ」
マールの態度に不信感を抱きながらも、
ルッカは彼女の雰囲気に圧倒されて止むを得ずついていくことにした。
そうして、ガルディア城のマールの部屋に通された。
この部屋には片手で数える程度しか入ったことが無い。
メイドが紅茶を淹れ、ルッカに差し出した。
自分のような庶民には手が出せないだろう高級な茶葉の香りが部屋の中に広がった。
改めて彼女が王家の一族であるという事実を思い知らされる。
パタン、と扉が閉まる音が聞こえた。先ほどのメイドが部屋を出て行ったのだろう。
扉が閉まる音を確認して、マールは一息つき、そして口を開いた。
「――さて、さっそく本題に入らせてもらうわね」
「うん」
一瞬躊躇したのかマールは少し目を泳がせたが、
すぐに一国の王女にふさわしい貫禄を取り戻して言った。
「突然だけど、あなたには婚約していただくわ」
……………
「………は…?」
「相手はガルディアの兵士よ。腕も立つし忠実で、今一番の出世株よ。
それにハンサムでいい男だし。すぐにあなたも気に入るんじゃないかしら」
「ちょ、ちょっと、待って!」
ルッカは慌てて割り入った。
婚約…あまりにもこれまでの生活とそぐわない単語に、ルッカは自分の聞き違いであることを切望した。
そんなルッカの態度とは対照的に、
マールは全く表情を乱さずルッカの方を見据える。
425 :
カエルッカ7:2010/08/05(木) 07:02:07 ID:aFjlLNaA
「い、今、マール、何て…」
「いい男だからあなたも気に入るんじゃないかと」
「そこじゃないわよ!今、こ、こ、婚約って…言わな」
「言ったわ」
「………」
とりつくしまがない。一瞬今日がエイプリルフールなんじゃないかとも考える。
だが、最もルッカの調子を乱させるのは、マールの態度だった。
いつもは懐っこい感じで気の効く冗談を言ってくるはずの彼女が、
今日は真面目な顔して一つも表情を変えずに恐ろしい宣告をしてくるのだ。
「マール…この間のこと、気にしてるの?
私はまだ結婚なんてするつもりもないし、全然大丈夫だから、
そんな気を遣わなくても」
「ルッカ」
強い口調で言い据える。
「これはガルディア王女としての命令です。
逆らうことは許しません。従ってもらいます」
426 :
カエルッカ8:2010/08/05(木) 07:07:06 ID:aFjlLNaA
あーそっか、こりゃ夢だ…。
ルッカは自分にそう言い聞かせながら、とぼとぼと帰路に着く。
自分には全く縁がないだろうと思っていた婚約という単語。マールの強硬な態度。
今日あった出来事は、あまりに現実味を帯びないことばかりで頭がおかしくなってくる。
マールをしてあんな強硬手段を取らさしめたのは、
おそらく数ヶ月前の煮え切らない自分の態度が原因なのだろう。
こんなことになるのであれば、あの時もっと真面目に応対していればよかった。
結婚なんて…。
マール曰く、相手は「腕も立つ、忠実でハンサムないい男」。
マールのことだからその辺の大したこと無い輩を選ぶなんてことはないだろうが、
自他共に認めるミーハーである自分でも、ハンサムと聞いても全く興味がわいてこない。
それは、ルッカ自身の人生を左右する存在となりうる男だからなのか。
それとも、緑に身を包んだ異形の剣士の存在がまだ心の中で燻っているからなのか。
―――もう、何もわからないわ。
はああ、と長いため息をついて、自宅の研究所の扉を開けた。
ガルディア城からトルース村への道のりはそれなりに長い。
すっかり夜も更け、家の中は暗闇に包まれている。
ララもタバンももう床に着いているだろう。
今日はいろいろありすぎた。電気をつけるのもおっくうだ。もう寝てしまおう。
靴を脱ぎ、ベッドにダイブしようとしたそのとき。
「ずいぶんお疲れだな」
聞き覚えのあるような、笑いを含んだからかうような口調。
……………
あんまり疲れているせいで、幻聴が聞こえるみたい。
自嘲しつつ声のするほうをぼんやり振り向くと、
暗くてよくは見えないが長身の人影が確かにあった。
ララやタバンのものではない。
427 :
カエルッカ9:2010/08/05(木) 07:16:47 ID:aFjlLNaA
(不審者!!?)
腰につけたままの自作のエアガンに手をかける。
そんなルッカの行動を見ても、相手は全く動じない。
その様子を確認して、ルッカは恐る恐る電灯をつけた。
そこには全く見覚えの無い青年が椅子にもたれていた。
緑色の髪が印象的だ。ガルディア兵の服装に身を包んでいる。
男は手を軽く組んでテーブルの上に置き、じっとルッカを見つめている。
その視線に何か熱っぽいものを感じた気がして、ルッカは慌てて目をそらした。
(何よ、なんでこんなじろじろ見られなきゃいけないのよ!)
「…あんた、誰よ」
「…わからないか?」
「記憶の限りだと初対面だと思うんだけど」
そうか、と言って男は口角を緩く上げ静かに笑みを浮かべた。
その自嘲的な様は、以前も見たことがあるような気がする。
――あいつに似ている。
ルッカは、ふと脳裏に思い浮かんだカエル姿の剣士の姿を必死に打ち払った。
何を見ても、誰を見ても彼を連想してしまう。重症だ。
「そもそも何で勝手に人んちに入って来てるのよ!
あんた、ガルディアの兵士でしょ。
いくら庶民の家だからって礼儀くらいわきまえなさいよ」
「勝手に、じゃねえよ。
快く親父さんが家に入れてくれたぜ。あんたの知り合いだって言ったら」
タバンめ…。明日から口聞いてやらないわ。
「大体電気くらいつけなさいよ。
暗い中ずっとここで座ってたわけ?気持ち悪いわよあんた」
「こうした方があんたの驚く顔が見られるだろうと思って」
「………」
もうまともに相手にするのも面倒だ。
きっとこれも、今日一日の信じられない出来事の連続のうちの一環なのだ。
そう割り切って、半ばやけくそ気味にルッカは青年の向かいの席にどっかと腰を下ろした。
そうして、初めて男をまじまじと観察する。
短く切られた若葉色の髪。
その容貌は美しく整っているが、
それなりに経験を積んで来たというような壮烈な雰囲気を感じられる。
年は三十歳前後くらいだろうか。
それにしては、笑みを含んだ表情からはどことなく子供めいた無邪気さが感じられた。
(…いい男じゃないの…)
「何だ?惚れたか?」
「!?」
ついいつもの癖で見とれていたルッカははっと我に返った。
男の方を見ると、いたずらに成功した子供のような笑いを浮かべてルッカの方を見ている。
確かにいい男は好きだが、無礼な男は別だ。
ルッカは、ミーハーな自分をこのときばかりは呪った。
少し落ち着かなければ、これではいつまで経っても男のペースのままである。
それにしても、どうにもこの男を相手にすると調子が狂う。
その理由が、ルッカにはなんとなくわかっていた。
この男がどことなく、中世を生きるカエル姿の剣士に似ているのだ。
若葉を連想させるエメラルド色の髪。時々自虐的だけど子供っぽい笑い方。
時折おどけたように抑揚をつける話し方。
それら全てが、いちいち彼を強く思い出させる。
その事実が、今のルッカをかえって苛立たせるのであった。
「…で?あなたは何しにうちに来たわけ?」
男はふっ、と口元に嫌味な笑みを浮かべた。
「今日、王女様から話を聞いたんだろう?」
「…それがどうしたっていうのよ」
「まだわからないのか?いつも勘の鋭いお前が、珍しいな」
初対面だっていうのにどうしてそんなことが。
そう言うつもりでルッカが口を開いた瞬間、
ふと脳内で今日一日の展開がようやく一本の線で繋がった。
婚約。ガルディアの兵士。ハンサムないい男。
「…まさか、あんた」
向かいの青年が、相変わらず嫌味な笑顔のままゆっくり立ち上がった。
ルッカは本能的に恐怖を感じ、さっと身体を強張らせる。
コツ、コツと静かに靴音を立てながらルッカのほうに近づいてくる。
ルッカは反射的に立ち上がり、逃げようとした。
しかし、先ほど以上に情熱めいた視線を以って凝視してくる男の瞳に、
ルッカは目をそらすことができなかった。
まるでメドゥーサの視線を浴びたかのごとく身体が動かせない。
緑髪の男との距離が、これまで誰とも経験したことが無いくらいまで近づく。
ふいに顎をつかまれた。
ルッカは我に返って身じろいだが、
鋼のような腕が背中にすでに回っていて動くこともままならない。
「――んむっ……!」
唇を塞がれた。
ルッカは初めての経験に思わず目をぎゅっとつぶった。
かぶりを振って抵抗しようとするが、凄まじい力で顎を押さえつけられてかなわない。
すぐに舌が入ってくる。
あまりの展開に驚いて、ぎょっと目を見開く。
相変わらずルッカを凝視する男の瞳と視線がぶつかった。
そこには先程感じた情熱めいたものの他に、何かを切望する意志があるのを感じた。
――嫌だ。
男が何を求めているのか、考えたくも無い。
必死で抵抗しようとするが、
腕の立つ兵士だという男の力強い腕に完全にからめとられたルッカには、
身じろぎすることすら許されなかった。
「………っ…ん…」
さんざん口腔を弄ばれ、唾液が溢れる。
顎をつ、と熱い液体が一筋、二筋と流れて行くのを感じた。
男は奥で縮こまったルッカの小さな舌を無理やり引き出して引き寄せ、絡ませる。
くちゅ、と水音が頭の中で響いた。
そのまま強く舌を吸われ、一瞬頭が痺れた感じがする。
「………」
必死でこらえていたが、我慢できずに涙が一筋流れる。
どうして、こんなことに。
(カエル…)
こんなことになるのなら、ゲートが閉じる前に意地でも好きだって言ってキスしておけばよかった。
なんとなく彼に似てるからって油断して、
好きでも無いしかも初対面の男にまさか無理やりキスされるなんて。
しかも、無理やり結婚させられるなんて。
情けなくて涙が出る。
そう考えると、なおさら涙が止まらなくなった。嗚咽まで出てきた。何て情けない。
ルッカが泣いているのに気づき、緑髪の青年は驚いた様子で慌てて唇を離した。
おろおろと慌てふためいたような表情でルッカの顔を覗き込む。
こういう不器用なところまであいつに似ている。
痺れた頭の中でも冷静にそう思える自分をルッカは不思議に思った。
今日の所はここまでです。
エロ成分がなくてごめんなさい。次回頑張ります
それではお邪魔しました。
GJ!
続き気になる…
GJ
続きが見たい…!
つ、つづきを!
ぜひお願いします!
435 :
418:2010/08/06(金) 03:02:44 ID:JtQw/8gC
>>418です。
続き行きます。
まだエロ部分入ってませんorzごめんなさい
「見るんじゃ…っ、ないわよ、」
ルッカは嗚咽をこらえながら必死で言い放った。
うつむいたままなので男の表情は見えないが、
彼の身体に一瞬緊張が走ったように感じられた。
「………」
沈黙が研究室の中を支配する。ルッカの嗚咽が妙に大きく部屋に響いた。
やがて、いたたまれなくなったのだろうか、
緑の髪の男が崩れ落ちたルッカの肩にそっと手を伸ばそうとする。
「触らないで」
びくりと青年の身体が強張った。ぱたりとその腕が力なく床に落ちる。
――なんなのよ、こいつは。
いちいち人のペースを乱して、突然強引に迫ってきて、
かと思えば一変して弱気になって。
そう思うと、悔しさ、情けなさを通り越して、
ふつふつとした怒りがルッカの脳内を支配した。
何か言ってやらないと気がすまない。
涙を右腕でぐいっと力強く拭った。
「――大っ嫌いよ、あんたなんて」
きっ、と男を見据えてルッカは言い放った。
男の目に、一瞬傷ついた子供のような悲しげな色が浮かんだが、
すぐにその状況に甘んじたかのように静かにルッカの目を見つめた。
それを見て、ルッカは少し慌てた。
が、なぜか同時になおさら怒りを煽り立てられた。
「最低よ、勝手に決められた許嫁なんて立場を利用して好き勝手するなんて、最低」
「……」
「何なの、ちょっとかっこいいからって調子に乗って。
あんたと結婚なんて、絶対にごめんだわ。死んでもよ」
べらべらと相手への罵倒が勝手に口をついて出てくる。
だんだんそれが八つ当たりになっていくのに、ルッカ自身も気づいていた。
しかし、旅が終わってからというもの悩み続けてたまりにたまったストレスが、
この機会にすごい勢いで放出されていくのは、
心身ともに弱りきっていた彼女にとってはもはや不可抗力であった。
「大体気に入らないのよ、そのしゃべり方も、その髪の色も。
全部、あいつに―――」
そこまで言ってルッカははっと我に返った。
それまで達観したようだった青年の瞳が、何か興味を示したように色が灯る。
その様子を察してルッカは一瞬慌てた。
―――何を言おうとしたんだろう、私は。
よりによってこの男に。
ぼっと顔が紅潮するのを感じた。
しかし、これまで誰にも打ち明けたことのなかった心の内を、
なぜかこの若葉色の髪の男になら話してもいい、ともルッカは思っていた。
全く気に食わない奴。それは本心だ。
しかし、あんなことをされたのにも関らずなぜか憎めない。
それは、やはり彼の醸しだす雰囲気が自分の思い人に似通っているせいなのだろうか。
ルッカは心を決めたように青年を見つめた。
男の静かな色をたたえた双眸と視線が交わる。
「……カエルに似てるの、あなた」
一瞬、男の目が点になった。
そりゃ、普通カエルに似ているなどと言われてショックを受けない男はいないだろう。
「ただのカエルじゃないわ。バカみたいにでかいお化けカエルよ」
「……」
追い討ちをかけてやる。
男は完全に口を閉ざした。ショックは最高潮に達したらしい。
男の眉尻が情けなく垂れ下がるのが見えた。いい気味だ。
彼のひたすら落ち込んだ姿をひとしきり堪能してから、ルッカは静かに話を続けた。
「…でもね、そのカエルはもともと人間だったのよ。
恐ろしい魔王に呪いを掛けられて、カエルの姿にされてしまったの」
男は黙ってルッカの話に耳を傾けている。
その表情からは、逆光になってよく見えないせいというのもあるが、
彼が何を考えているのかは読み取れなかった。
「…カエルの生き方は、誰よりも誇り高くて、そして鮮やかだった。
私、思うの。カエルの姿に変えられたからこそ、彼という存在があったんだって」
「…惚れてたのか?」
ぐりん、と音がしそうな勢いで首を動かしてルッカは男の方を向いた。
彼は子供のように心底楽しそうな目でルッカを見つめている。
頬が発光しそうなくらい熱い。
ふっ、と男は静かに笑みを浮かべて立ち上がった。
先程まで座っていた椅子に再び腰掛ける。
また、件の両生類を思い出させる自虐的な表情を取り戻して言った。
「奇遇だな」
「何が」
「俺もカエルになったこと、あるぜ。まあざっと、400年前くらいにな」
…………
「……え?」
思考が停止する。
何を言っているんだろうこいつ。
カエルになる呪いが世間では流行っているのだろうか。
いや、そんなはずはない。落ち着いて、頭の中を整理して。
床の上にへたりこんで呆然としたままルッカはつぶやいた。
「……カエル…?」
「…会いたかったよ、ルッカ」
信じられないといわんばかりの表情で、
ルッカは男をぼんやり見つめることしかできなかった。
ここに彼がいるはずは無い。
タイムゲートは完全に閉ざされた。シルバードも壊れたままである。
過去と現在を行き来できる方法は皆無といっていいはずだ。
「…嘘、でしょう?」
「まだ信じられないか?…まあ、そりゃそうだろうな」
青年は困ったように笑い、
再度立ち上がって壁に立てかけてあった騎士剣を手に取った。
新調したのだろうか、まだ真新しい拵えの宝飾が美しく光っている。
鞘の部分を右手で握り、左手で静かに剣を抜く。
瞬間、男の顔つきが真剣なものになるのを見てルッカは思わず息を呑んだ。
シャッ、と鋼が擦れる小気味良い音がすると同時に、
見覚えのある刀身が強い輝きを伴って現れた。
この騎士剣に一体何度助けられたことだろう。
ルッカ自身も散々苦労して復元に携わったのだから、見間違えるはずは無い。
刀身の輝きは、装備した者の意志の強さを表すもの。
いつかこの伝説の騎士剣に宿る子供姿の妖精が言っていたのを思い出す。
これほどまでの高貴な輝きは、持ち主の心が精錬極まりないことを示している。
「…グランドリオン…」
もう目にすることは無いだろうと思っていた伝説の剣と、その所有者。
剣を握る緑髪の青年と、かつてカエルと呼ばれた男の面影が完全に重なった。
パチンと剣が鞘に納まる音が響き、夢心地だったルッカの意識を引き戻した。
ルッカは胸をいっぱいにして男―グレンの方を見た。
相変わらず笑みをたたえた表情のグレンと視線が交わる。
どうしてここに?
いつから?
どうやって?
何から話せばいいのか、頭の中に浮かんでは消える。
と、今のルッカにとっては最も追求しなければならない重大事項があるのを思い出した。
たちまち羞恥と怒りでルッカの顔が赤くなっていく。
「こ、こ、婚約ってどういうことなのよ!しかもあんたとの!」
グレンの襟首を掴んでぶるんぶるんと揺さぶる。
グレンはルッカの勢いに全く動じず、
むしろ楽しそうににやにやと笑いながらただルッカを見ているだけである。
そんな彼の様子を見て、はっと思い至る。
――マール、あの子も一枚噛んでたのね!
グレンがマールに何を吹き込んだのか知ったところではないが、
そう考えれば彼女の不可解な態度にも納得がいく。
つまり、自分はグレンとマールにからかわれたのだ。
「…ったく、しんじらんない…」
ぼりぼりと頭を掻いた。くったりと脱力する。
そんなルッカの様子を見て、グレンはぽつりとつぶやいた。
「…こうでもしないとお前は応えてくれないと思ったんだ」
「え?」
グレンの表情が一変して真剣なものになる。
「…どうして俺が今ここにいるのか、知りたいだろう?」
「…そりゃあ」
「ゲートが開いたんだ」
「…え…」
どうして。
ラヴォスが死んで、全てのゲートは閉ざされたはずなのに。
狐につままれたような顔をしているルッカを見て、グレンは笑った。
「前、フィオナのところで400年間働いたロボを迎えにいった時のこと、
覚えてるか?」
「え?…うん」
「あの日の夜中、お前が小さい頃、
お前の母さんが足を失くした日のゲートができただろ」
「!…気づいてたの…」
「結果的に、お前はお前にとっての『最もやり直したい時』を実現したんだ。
今、お前の母さんは何事もなかったかのように元気に過ごしている。
お前が一番強く望んでいたことだ。
あのゲートはお前のためのゲートだったんだよ」
「……」
「…つまり、俺が通ってきたゲートは、
同じように考えれば俺にとっての『最もやり直したい時』に繋がってるんだ。
…そして、その『時』ってのが、お前のことなんだ」
「…どういう…こと…?」
ドクン、と心臓がうるさく鳴った。
答えを促すと、躊躇するようにグレンは目を泳がせる。
しかし、観念したように一息ついて、ルッカの目をまっすぐ見据えて言った。
「…お前に、何も伝えないで自分の時代に帰っちまったことを、俺はひどく後悔した。
初めはさ、サイラスの意志を継いで王と王妃様をお守りするのに命を捧げるのが
俺の余生の過ごし方だと思ってたんだ。
俺自身も、それが最高の幸せだと思ってた。
…でも、そうやって日々をすごしてるうちに、だんだん虚しくなってきてな。
もちろん王と王妃様への忠誠心は変わらないし、この生活に生きがいを感じてる。
でも…俺もこのまま一人でこの時代で年をとっていって、
お前らと旅をしたことも次第に忘れていって、
…お前のことも忘れていくのかと思うと、なんだか堪らなくなったんだ」
「グレン…」
「そう思ってたら、このゲートがあったってわけさ。…女々しいな、俺も」
そういって自嘲的な笑みを漏らす。
「でも、あなたはよかったの?万が一帰れなくなる、なんてことになったら…」
「それは大丈夫だ。何があっても絶対戻る、王様と王妃様にはそう言って出てきた」
ルッカはなんだか泣きたい衝動に駆られた。
彼はそうは言っているが、
ゲートホルダーも持たない彼が必ず自分の時代に帰れるという保証は無いのだ。
ゲートが開いた時点で奇跡と言うほか無い。
グレン自身もわかっているはずだ。
亡き親友の思いを継いで、
命尽きるまでガルディア王家に仕えることが彼の一生の願いであるはずなのに。
彼自身も、あれほどまでリーネに執着していたのに、
二度と彼女の元に戻れなくなるかもしれないというリスクを冒してまで、
思いを遂げるために自分のもとに来てくれた。
私なんかのために…。
そう考えると、胸が張り裂けそうに苦しい。
「…あんたはバカよ。大バカよ」
「…そうだな」
グレンが苦笑する。
ふと、抱き寄せられた。
驚いて、昔とは逆に頭一つ分高い位置にあるグレンの顔を見上げる。
さっきの自嘲の色はいつの間にか消え失せ、熱を含んだ「男」の顔がそこにはあった。
「好きだ」
――ああ、やっと。
ルッカは感慨深く目を閉じた。
その拍子につ、と熱い液体が流れる。
その感触で初めて、自分が涙を流していることを知った。
ルッカを胸に抱え込んだまま、照れた様子でふと思い出したようにグレンは言った。
「…今話したこと、マールに洗いざらい話したんだ。
じゃないと、何しろ姿が変わってるし、
この時代に俺がいるなんて絶対信じてもらえないだろうしな。
そしたらあっさり、『わかった。協力してあげる。』だと。
あいつ、俺の話聞いてめちゃくちゃ楽しそうな顔してたぜ」
ばつの悪そうな顔で言う。
「それで婚約なんて突拍子の無いモンが出てきたのね…」
ルッカに思いを告げることができたグレンは、
また自分の時代に帰らなければならない。
生きる時代の違う二人は、一生の伴侶となることは適わないのだ。
そんな彼らにとっては、
「婚約」という単語はもはや口約束だけの儚い言葉でしかない。
今日という日の逢瀬のための言い訳として機能するだけ。
しかし、今のルッカにとってはそれでよかった。
もう、これまでのように迷う必要はなくなった。
今までは散々遠慮して気を遣いまくって、
返ってギスギスしてしまい結局誰のためにもなっていなかった。
そして、グレンも同じ気持ちだったことが分かった。
悩みぬいた末に自分のもとに来てくれた。もうそれだけで十分だ。
グレンの胸に顔をうずめる。
日なたの匂いと汗の匂いが混じった健康的な男の体臭が鼻腔いっぱいに入ってきた。
頬ずりをすると、細身に見える割には鍛えられた厚い胸板の感触が頬に当たった。
五感を使ってグレンという男の存在を確かめる。
改めて、彼が呪いから解き放たれたと言う事実を確認する。
全身で男の感触を楽しんでいると、グレンがじれったがるようにして身じろぎをし、
ルッカを抱きしめる腕の力を徐々に強めていった。
(…あ…)
腰のあたりに何か熱くて硬いものが当たっているのを感じる。
最初の内はそれがなんなのか、疎いルッカにはよくわからなかったが、
それがグレンの熱情であるという考えに至ったその途端、
顔が見る見るうちに熱を帯びていく。
開いた窓から入ってくる夜気がひんやりと感じられ、
余計に自分の身体の熱さを理解する。
――グレンが自分を欲している。
熱気と羞恥をどう発散していいかわからず、
ぎゅうぎゅうとひたすらグレンの背中にしがみつくばかりだ。
これでもかというくらい二人の身体が密着する。
「…ルッカ」
興奮を抑えきれない、といわんばかりに掠れた男の呼ぶ声が、
妙に大きく研究室の中に響いた。
彼と自分の二人分の熱に浮かされたように顔を上げる。
先程は穏やかだったグレンの目に、
鋭く熱っぽい光が灯っているのを確認するのもつかの間、
唇が塞がれる。
さっき無理やりされたときの激しさが嘘のように、優しく重ねるだけの口づけ。
ちゅ、ちゅと小さな音を立てて、小鳥がするように軽くついばむ。
時折そっと舌を伸ばす。
上唇に軽く舌を滑らした後、ちゅうっと吸い付く。それを何度も繰り返す。
真っ赤な顔で硬直してなすがままになっていたルッカも、
やがて決意したかのようにおずおずと舌を伸ばし、グレンに触れてくる。
その様子に、彼はひどく興奮した。
一瞬触れただけでも、怖いほどの痺れが彼の舌を、唇を走り抜ける。
耐えられず、激しくルッカの唇に吸い付いた。
ん、とくぐもった声で抗議されるが、
構わず彼女の小さな両肩を押さえつけて口内を蹂躙する。
思いっきり舌を伸ばしてルッカの上顎をざらり、と舐める。
ルッカの身体がビクリ、と大きく震えた。
そのままそこに舌を何度も往復させると、
感じる場所なのか、ん、んと甘い声を上げる。
口蓋を通じてグレンの頭の中に直接響くようで、彼の情熱はどんどん昂ぶってゆく。
「――キャアッ!?」
突然視界がぐるりと回転する。グレンがルッカを抱き上げたのだ。
抱きかかえたまま、ルッカの額に、頬に唇にと軽く口付けながら、
興奮を隠し切れない掠れた低音で、グレンはルッカに問うた。
「…いいか?」
恥ずかしさのあまり、思わず目をそらしてしまう。
しかし、耳まで赤くなるほどに上気したこの顔では、
真の答えは目に見えて明らかだろう。
グレンはふっと優しく笑って、熱を帯びた彼女の耳にちゅ、とキスをした。
446 :
418:2010/08/06(金) 03:50:58 ID:JtQw/8gC
ギョエーageてしまった…orz
今日はここまでです。
次こそは!エロなので!
あとコメント下さった方ありがとうございました。
励みになりました。
連投申し訳ないです。
グレン×ルッカを書いてる者です。
暑さでやられてよくわからん物ができあがったので、
先に投下します。
カエル×ルッカの異種姦です。
448 :
1:2010/08/08(日) 03:04:02 ID:8YBFmt+k
「カエルってさ、リーネ様のこと好きなの?」
ゲルン、と変な声が出る。
喉の近くにしまってある長い舌を思わず飲み込みそうになった。
質問者である少女―ルッカはひどく真剣な顔つきでカエルの方を見ている。
答えない限りここから離れることは許さない、と言わんばかりの勢いだ。
カエルは改めてリーネに対する自分の感情について考えてみた。
好きかどうか。
恋愛感情など複雑なもの抜きにしてそう聞かれれば、迷いなく「好きだ」と答える。
しかし目の前の少女が求める答えはそういう類のものではないだろう。
十年以上前から、ガルディア王家の騎士としてずっと傍に仕えてきた。
サイラスが死んでからは、彼の遺志を継ぐべくずっと陰で守ってきた。
リーネの方も、自分に絶大な信頼を寄せている。
おそらく今はもう自分の正体に気づいていることだろう。
醜いカエルの姿でありながらも差別することなく自分に接してくれる。
自分にとって、最も近しい女性のうちの一人であることは間違いない。
しかし、これが恋愛感情かどうかというのは、今まで考えたこともなかった。
それはやはり自分の主君であるガルディア王の奥方であるためであろう。
では、リーネが独り身であったら?
もしかしたら自分は好きになっているのかもしれない。
漠然とカエルはそう思った。
「…そうだな。好きなのかもしれないな」
「…ふーん」
ルッカは少しの焦燥感を覚えた。
だが、これまでの王妃様本位のカエルの行動を見ていた限りでは分かりきったことだ、ともルッカは思っていた。
(何だか、悔しい)
カエルの中のリーネの存在の大きさを知らされる。
きっと、生半可なことではリーネに勝つことはできないだろう。
ふと、ルッカの中に悪戯心が芽生えた。
獲物を見つけた猫のようにじっとカエルを見つめ、じりじりと近づく。
おもむろに彼の股間を一撫でした。
「…っ!?」
驚きでびくりと身体が跳ね上がる。
同時にびりっとカエルの身体を強い快感が走り抜けた。
ルッカはそのまま優しく手を上下に動かし続ける。
突然の展開に完全に無防備な状態だったカエルは、
自らの身体の変化を自制することはできず、
彼の中心は熱を持ちたちまち形を作って立ち上がる。
その感覚にはっと我に返り、力を振り絞ってルッカの手首を掴んだ。
これ以上触られたら、自分がどうなるか、彼女になにをするかわからない。
ルッカの手首を押さえ込むのと同時に、自分の欲望を必死で抑えつける。
すると、ルッカはむっとした表情になり、
さらに身体を寄せてぬめった肌に唇を寄せてくる。
あまりの密着度にカエルはバランスを崩し、
少女に覆いかぶさられる形で二人は草むらに倒れ臥した。
ルッカの腕を押しとどめいていた自分の手が離れる。
ルッカはそれを確認して、なおもカエルの熱を撫で続けた。
449 :
2:2010/08/08(日) 03:09:36 ID:8YBFmt+k
(…何が起こっているんだ?)
かろうじて残っている理性で現在の状況を何とか把握しようとするが、
十年ぶりの刺激に頭が快感で支配されるのにそう時間はかからなかった。
カエルが抵抗する気を完全に失くしたと判断し、ルッカはほくそ笑む。
「あなたにはちゃんとついてるのね。
普通カエルって、交尾しないからペニスがないんじゃなかったかしら?
身体の全てがカエルになったってわけじゃないのね」
まるで生物学の講義をしているように、普段どおりの理性的な口調でそう言われる。
しかしその口調とは裏腹に、その手を止める気配は無い。
それどころか、先程よりもより熱のこもった手つきでぐにぐにと弄くられる。
喉の奥でくるる、といつもより心なしか高音の鳴き声が上がる。
もう我慢できない。
完全に理性が欲望に塗り替えられる。
衝動を抑えることができず、自分でも驚くほどの力でルッカの身体を返し、草むらの上に縫いとめた。
もどかしく彼女の首元を隠すスカーフを取り去り、腰布を解いた。
ぐいっと左右の袷を開き、長い舌でべろべろと首筋を舐める。
くすぐったそうにルッカが身を捩った。
彼の舌は非常に長く、一舐めするだけで大部分を湿らせる。
また、人間のものよりも粘着性があり吸い付かれるような感触がする。
ルッカの首筋から肩口にかけてが自分の唾液でてらてらといやらしく濡れ、
カエルの欲望をさらに刺激した。
シャツを捲くり上げると、意外と豊満な胸が露わになった。
ブラジャーのホックをはずし、上にずらす。
赤く色づいた二つの実が、期待にふるふると震えて硬く上を向いている。
これからこの長い舌で、どういう風に嬲られるのだろう。
そう考えただけで、ルッカはどうしようもなく興奮し、身体が熱くなった。
ふいに片方の乳首を一舐めされる。
「んぅ…っ!」
びりり、とルッカの身体中を電流が走り抜けた。頭の中が痺れるような感覚がする。
しかし乳首への愛撫は一瞬で終わり、
次いで長い舌がたわわなルッカの双丘の間を上へ下へと往復する。
その間、ぬめったカエルの指に両胸を掴まれ、ぐにぐにと揉まれた。
人間の指よりも柔らかく心もとない指がルッカの柔らかな白い胸に沈む。
「…ん…っは、ぁ」
ぬめぬめしたカエルの指が肌を滑る。
人間の男とはまた違った感覚。それがルッカの興奮をさらに掻き立てる。
だんだん自分の息が荒くなっていくのがルッカには分かった。
そろそろ確かな刺激が欲しい。
ルッカはカエルが胸の中心に愛撫を与えてくれないことに、
少々もどかしさを感じていた。
450 :
3:2010/08/08(日) 03:13:05 ID:8YBFmt+k
「カ…エル……」
はぁはぁと弾む呼吸が邪魔してうまく言葉にならない。
「…も…っと、…っ」
しかしカエルはそんなルッカの懇願を無視して、
今度は丸いルッカの胸の形を外側から円を描くようにして
ゆっくりと舌でなぞっていく。
柔らかく轟く舌の感触が気持ちいい。
また、その手の動きはルッカの柔らかな胸を揉みしだいたままだ。
徐々にその円の幅が狭くなり、長い時間をかけて赤い粒に迫っていく。
カエルの舌がルッカの小さな乳輪に沿ってぐるりと舐めまわす。
ルッカの身体がぴくり、と反応した。
あと少しで一番感じる部分に到達する。期待で震えがとまらない。
と、突然二股に分かれたカエルの舌が突起に巻きつき、
獲物を捕らえたときのように素早くカエルの口内に吸い込まれた。
「ふ、んああぁっ!」
予想外の愛撫に、たまらず高い声が出る。
びくびくと背中がのけぞった。
そのまま激しく舌を動かし、突起をちろちろと揺さぶる。
もう片方の乳首にも、カエルの独特の感触の指が触れ、ぴん、ぴんと何度も弾かれる。
「はぁ、ぁう、ああぁあ、んんっ!」
突然の激しい刺激の連続に、ルッカは快感以外に感じることができなくなっていた。
余すところなく襲ってくる快楽を必死で振り払うように、ぶんぶんとかぶりを振る。
その振動で眼鏡がずり下がった。
カエルはその様子を見てふっと笑い、愛撫を止めてそっと眼鏡をはずしてやった。
その拍子にカエルの指がこめかみのあたりに触れる。
その感触だけで、ぴくりと身体が反応する。
それほどまでに自分の身体が昂ぶっていることをルッカは思い知った。
「ずいぶん感じやすいんだな、お前。胸だけで達けるんじゃねえか」
「……」
はぁはぁと収まらない呼吸をなんとか押さえ込もうとする。
自分をからかうカエルの言葉にさすがに羞恥を覚え、きっと睨み付けた。
だが、おそらく自分の顔は紅潮して目が潤んで、
まったく説得力の無いいやらしい表情をしているのだろう。
自分でそれが分かっているから、なおさら羞恥心が積みあがっていく。
そんなルッカの様子を見て、カエルは愛しいと思った。
ルッカの唇にキスをしたい衝動に駆られる。
だが、カエルの姿である自分の大きな口では、
彼女の整った形をした小さな唇を味わうことはできない。
それが非常に残念だとカエルは思った。
451 :
4:2010/08/08(日) 03:21:49 ID:8YBFmt+k
ゆっくりと彼女の細い腰を撫でる。
びくりと敏感なルッカの身体が震えた。
そのまま上下に往復させる。
ルッカにとっては、カエルの柔らかくぬめった指が肌を這う感触が
どうにも堪らなかった。
五本の指がある。それは人間の手と同じだ。
しかし、濡れたように吸い付くその感触は、
さらさらと乾いた皮膚の人間の手では到底味わえないものである。
その得体の知れない感触の物体が、意志を持って自分の肌を滑る。
ルッカがピクリと反応を見せた部分は、決して見逃すことなく徹底的に責め立てる。
「……ぅ、くぅ、ん…」
頭がおかしくなりそうだ。
足の付け根の辺りが痺れて力が入らない。
息を荒げくったりしている少女を一瞥して、
カエルはルッカの腿にぴっちりとフィットしているスパッツに手を掛けた。
下着ごとゆっくりと脱がしていく。
ゆで卵の殻をむくように、伸縮性のある生地がつるりと剥がされる。
さすがにルッカも羞恥を覚えて、足を閉ざそうとする。
しかしカエルはそんなルッカの心の内を無視して、
ふくらはぎを強引に掴んでぐいと左右に引っ張った。
「…あ…」
恥ずかしさと心もとなさで、思わず顔を背ける。
カエルの目前にルッカの花弁が露わになった。
そこはすでに彼女自身の蜜でたっぷりと濡れて赤くいやらしく光っている。
顔を近づけると、女の熱い熱気が強く放たれていて、思っていた以上に誘われた。
カエルはその部分に躊躇なく舌を這わせた。
「はっ…あ、あっ!ああぁ…!」
熱く長いぬめったものがうねうねと蠢く。
「あ、あ、あぁ」
人外の生物の舌が自分の最も恥ずかしい部分を舐め回している。
その事実によって生まれる背徳感が、かえって快感をいっそう促進する。
(どうしてこんなに、気持ちいいの…)
涙が溢れ出す。
思わずルッカは真っ赤な顔を両手で覆った。
しかし、強い力でその腕を剥がされる。
「だめだ、ちゃんと見てろ」
咎めるような口調で言われる。
452 :
5:2010/08/08(日) 03:23:12 ID:8YBFmt+k
「あ…ぁ…」
快楽に支配された彼女は、カエルの言うことに素直に従うほか為す術がなかった。
恐る恐る足の間に目を向ける。
欲望でぎらついたカエルの視線とルッカの視線が交わった。
ルッカが自分の方を見たのを確認して、カエルは舌をルッカの秘部に伸ばした。
それと同時に、強い快感が体中を突き抜ける。
「っ!や、っ…!」
ルッカは思わず目を瞑ってそのいやらしい光景を無理やり遮断した。
しかし、カエルの充血した長い舌が自分の秘所を弄くる場面が
即座にまぶたの奥に蘇り、ルッカの羞恥心を刺激する。
自分が今彼に何をされているか、目を閉じていてもありありとわかってしまう。
「やっ、んぁああぁぁっ!」
カエルの舌が突然にゅるっとルッカの膣内に侵入した。
人間のものよりもずっと長くて粘着性のある舌が、
これでもかというほどにルッカの奥に入り込み轟いた。
その未知の感覚は、今までに無い刺激を以ってルッカを夢中にさせる。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅと、激しい水音を立てて抜き差しされる。
「ぁん、あ、あ、ああ、あ、ああぁ、」
カエルの舌の動きに合わせて高い声が上がる。
自分の嬌声が、どこか遠いところで響いているような錯覚を覚える。
もうだめ、達く。
ルッカの目蓋の裏を真っ赤な光が覆う。
ダメ押しされるように、指で花弁の奥の赤く色づいた突起を弾かれた。
「ぁう、んあっ!あ、ぃや、やぁああああああっ!!」
完全に光が弾けた。
453 :
6:2010/08/08(日) 03:24:47 ID:8YBFmt+k
きゅぽっ、と濡れた音を立てて舌が抜かれる。
無言のまま、カエルは唾液とルッカの愛液にまみれた口元をぐいっと拭い、
ルッカの身体から身体を離した。
はぁはぁと、全力疾走をした後のように激しく弾む息を整えて、
潤んだ瞳でルッカはカエルを見た。
ルッカの熱っぽい視線に気づいて、カエルは慌てて目をそらす。
彼の目に浮かんだ迷いの色を、ルッカは見逃さなかった。
ルッカは、カエルが自分の姿に強いコンプレックスを抱いていることを知っていた。
今は人外の姿の自分がルッカを抱いてしまったら、
取り返しのつかないことになるかもしれない。
おそらくルッカの身体を衝動に任せていいようにしてしまったことを、
カエルは激しく後悔しているだろう。
ルッカには彼の考えが手に取るように分かっていた。
(馬鹿ね。ここまでやっておいて、何をいまさら)
冷静を装っていても、はち切れんばかりに男の部分を熱で膨張させていることに
気づかないほど自分は鈍くない。
どうなっても構わない。
確かなものが欲しい。
今更逃げることなど絶対に許さない。
ルッカはカエルの首にしがみつき、そのぬめった口元にかぶりついた。
(了)
GJ!やはり異種姦はいいものだな。
あなたが神か。
カエルルッカもグレンルッカも読みたいと思っていた俺にとっては幸せすぎる
gggggggggggggggggjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjj!!!!
ありがとう、神たちよ
ふおおおお!!!!
GJGJGJ!
グレルカ、相変わらずたぎる…!!
GJ!!!
ありがとうございます神様達!!
ほしゅとか要るのかな
どお