1 :
名無しさん@ピンキー:
あらためておつ
しかし6スレ目とはw
誰も予想してなかっただろうな
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 01:07:11 ID:RmTvJvyj
ぬるぽ
乙です。
前スレもう落ちたのか!?
即死回避ー
水色メイドと黒メイド、どっちの夏世っぺが兄弟的に好みだろう
修は水色かなー。
航は黒だね。
>>1 乙でした。
前スレ落ちるの早かったね。ゆっくり夏世っぺの穴埋めしたかったのに……
>>8 智は紺色黒タイツ、ミニスカは認めない派と見た。
>夏世っぺの穴埋め
ちょw
智はピンクかなと思ったけどそうか正統派か
修兄は女給さんとか
陽は…想像つかない
喘ぎ声解析の夏世っぺの結果が案外積極的で噴いた
悩内メーカー恋愛バージョンの『片岡航』の悩内が……ちょw兄ちゃんww
『悩』じゃないよ『脳』だよ、自分orz
チャーミー編集長に罵倒されに逝ってきます……
ファイトォーーーーーーーー!ゴホッゴホッ
夏世っぺと航兄がほのぼのと一緒にお風呂に入ってたらいいなぁ…
夏世っペのおうちのお風呂には黄色のあひるちゃんがいると思う
元ファッション雑誌編集なのにしかしあひるちゃん似合うから困る
夏世っぺの黄色いアヒルちゃんvs修兄の潜水艦
あひるちゃんのセコンドはレイチェルですね
戦わせるなら一緒に入らなきゃいけないよな
夏世っぺのいろんなものが見えて修兄は戦いに集中できなさそうw
夏世のイメージはキャンドルなんだけどなー
入浴剤もイギリスのなんとか(名前失念)で、入れると入浴剤の中から
しゅわしゅわっとおみくじが出てくるやつ。
航さんと一緒に入っていて、大吉とでて、(結婚間近とか書いてあって・・)
二人で赤面。とか・・
25 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 15:00:40 ID:uSyVrnyy
26 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 15:01:51 ID:uSyVrnyy
LUSHか、スマン
>>25,
>>26 おお、それです・・ありがとうございます。
なんかそのイメージあって。
で、航さんとかに、「この入浴剤、匂いきつくありませんか?」
とか言われて、「ええ?そうですか〜」とか言ってそうで。
緑色の海草が入っているやつで、これいいんですよ〜とか言って
航さんの体をゴシゴシしてそうです。
修兄に「にいちゃん夏世っぺと同じ匂いがする」とか言われて
二人で真っ赤になってそう
一緒にお風呂の段階になっても結婚を意識して赤面する二人…
良いな
航と夏世のデートってどんなだろうとか考えてみて
川端で「いいお天気ですねー」「そーですねー」しか思いつかなかった
普通にデートしてるところが想像できない
公園の木の下で
「いい天気ですね」
「そうですね〜」
場所変わっただけじゃんw
3話のデートがもし智以外だったらどうなっていたか考えた時があるけど、
修や陽より航の方がサムい雰囲気になりそうだ。
何を話しても「あ、そう」で、会話が成立しそうにない……
当時は夏世と距離をおきまくりだったからね。
ずいぶんと変わったものだ。
ほしゅ
今日は七夕かぁ。
天気が良けりゃ片岡家テラスで、きゃっきゃうふふ、と
いちゃつきながら航と夏世が星見たりするのかな。
今日は雨かな?
「残念だなぁ」っていいながら部屋の中できゃっきゃするんですね
あと二週間で航兄の誕生日か
夏世っぺが航兄に「今年は何が欲しいですか?」って聞いて
「今年もあなたが欲しいです」と言われて二人で真っ赤になればいい
航兄吹っ切れすぎw
亮子さんの中の人のプロポーズされた時の反応が夏世っぺもやりそうだと思った(メニュー見てて聞いてないとか)
「サイズ違いの指輪」もありそうw
中の人の話題で申し訳ないが…会見幸せそうだったな〜
「僕の誕生日プレゼントにあなたをください」
でプロポーズか
そして指輪のサイズが違う、とw
夏世は夏世でなにかやってくれそうな気がする。
航→夏世←智 です。読みたくない人はスルーでお願いします。
徹夜明けに付き合った夏世が帰ろうとすると
「後片付け、手伝ってくんない」と言って引き止め
一緒にキッチンに二人でいて
その間に他の兄弟は寝室に仮眠取りに行ってしまって二人きり。
後片付けのはずなのに、智は何か新しく作ってる。
「あの、それ?」
「ああ、あんたのブランチ」
「え、でも私、会社に・・」
「目が覚めてから原稿ちょこっと直すって修が言ってよ」
「え!」慌てて、原稿をチェックしように行こうとする夏世の手を引き止め
「嘘だよ。あんたに少しでも長くココにいて欲しいから、なぁあんてね」
またからかわれたと知って、ムッとする夏世を見て笑う智。
「徹夜明けですから、疲れてるんです。智さんも早く休まないと」
安心したように智をキッチンから出し、自室へ向かえようとする夏世。
夏世の前を歩いていた智は振り向かないまま立ち止まり
「じゃあ、俺と一緒に眠ってよ」と告げる。
夏世は驚くが、何か決意した表情で
すこし間を置いてから「リビングのソファでなら」と答える夏世。
智はびっくりして振り向き、真意を測りかねて夏世を凝視するが
「俺が先に眠ってたらその隙に逃げる?」
「そんなことしません」
夏世はクッションを持ってきて、カウチに置いて
智に早く休むよう促す。智はごろりと横になって
「眠っちまったら、離していいからさ」そう言って夏世の手を取り
自分の手に重ねる。やがて、寝息を立てた智。
まぎれもない男なのに、陽よりも幼く見える智の額をそっと撫で
出て行こうとするが、夏世にも睡魔が襲い、そのまま眠ってしまう。
珈琲でも飲もうと自室から出てきた航は
カウチで眠る智の側で、上半身を智の胸にもたれかけさせ寝入ってる夏世を見る。
二人の間に「何もない」状態なのは一目でわかった。
だが、それが問題だ、航は珈琲を入れながら思った。
智ぴょんの額を撫でる夏世っぺに和んだ
45 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 22:21:20 ID:xWS7UvuB
私も昔の下手な書きかけを発掘した。
もう少ししたら手直しして投下させて頂きたい。
また前のようにパロいっぱい読みたいな〜神様!
自分航誕生日にむけて1ヶ月以上前からぽちぽち書いてたら、パソコンぶっ壊れた…。
過去に色々書きためてたやつ、昔投下したやつ全部消えちゃった…。
不慣れだけど間に合ったら携帯で投下するつもり。
ぜひ待ってますのでお願いします!!
おねがいします!
陽君の中の人が今ドラマに出てるけど
背伸びたね〜。
今なら夏世っペのつむじが見えるだろうなw
ほんと陽くんは大人っぽくなった。というか自分的には大人っぽくなってしまった(残念)って感じ
ドラマの中ではあの幼さがたまらなく愛しかったなー
「僕のこと好き?」「来ちゃった」「ここに泊まる」って普通小学生ぐらいの子供が言うセリフだよねw
夏世っぺと3人のお兄ちゃんで末っ子を見守ってる図式に和んだ
「僕のこと好き?」「来ちゃった」「ここに泊まる」
台詞だけで萌えるw
「ここに泊まる」はホントにそのへんに対して子供だから言える言葉だよなぁ
上三人が言ったら危ないw
四男「ここに泊まる」
三男「泊まってくつもりで来たんだけど…」
次男「もう遅いから泊まっちゃっていーよね?」
長男「泊めてください。……駄目ですか?」
もう5人で暮らせwww
9話の後
夏世っペのアパートで四人が眠る図が図解で説明されてたSSあったよねw
流れ豚切りで会話のみの小ネタを投下します。
*
「航さん、誕生日に何が欲しいですか?」
「あなたが欲しいです」
「……できればそれ以外でお願いします」
「えっ、どうして!?」
「去年の誕生日も、バレンタインもクリスマスも『私』でしたし……
それに絶対変なことさせられるし……」
「変なこと?」
「スケスケのランジェリー着せたり、メイドさんとかナースのコスプレさせたりしたじゃないですか!」
「どれも可愛いかったけど、高校時代の制服を着た時の月山さんが一番良かったなー。
そういえば中学時代はセーラー服だったんですよね? 今度持って来て――」
「やりません! 余計なこと思い出さないで下さい!
あとお風呂で胸で体を洗わせたり、体にチョコレートやクリーム塗って舐めたり、
リビングとかキッチンとかベランダでエッチしたりとか、下着だけ脱がせて散歩に連れ出したりとか!」
「あー、あの時の月山さんはすごくいやらしかった。
いつの間にか乳首勃ってて、顔真っ赤にして涙目で僕の手をギュッと握りしめて擦り寄ってくるから、
マンションまで我慢するの大変でしたよ。
玄関でスカートの中覗いたら太腿まで濡れていて、部屋まで我慢できなくてそのまま――」
「だから思い出さないで下さいってば!
とにかく、今回は普通のプレゼントをお願いします!」
「普通ねえ――どういう物なら良いんですか?」
「どういう?」
「んー、例えば陽達にはどういうプレゼントをしたことがありますか?」
「えっと、陽君には航さん達の写真を送ったし、智さんにはワイングラスをプレゼントしました。
修さんはなんだかよく分かんないオモチャをリクエストされたんですけど、これがもう見つけるまでが大変で」
「オモチャ――僕もオモチャがいいですね」
「え? 航さんがオモチャですか?」
「ええ、子供の頃は買えなかったオモチャがあって」
「そういうのってありますよね。そのオモチャ、どこで売っているんですか?」
「ちょっと分かりづらいところで売っているから、僕が買っておきます。
ちょっと恥ずかしいんですけど、一緒に遊んでくれませんか?」
「いいですよ。楽しみにしていますね」
「オモチャはオモチャでも『大人のオモチャ』のことだったんだけど、本当に良かったのかな?
でも確認しなかったのはあっちだし、俺は嘘は言ってないし……ま、いっか。
一緒に遊ぼうね、夏世――」
終
航兄、今度は言葉攻めですか。
どこから見ても立派な変態です。どうもありがとうございまし(ry
それもこれも夏世が可愛すぎるのが悪いのだよねw
兄ちゃんwww
下着なしの散歩が激しく気になる
航兄誕生日おめでとう!
航兄誕生日おめでとう。
今日は夏世を堪能しまくりなんだろうな。
航兄お誕生日おめでとうございます。
兄ちゃんおめでとー
遅くなったけど航兄誕生日おめでとう
昨日はきっと立てなくなった夏世っぺに怒られたに違いない
>>61 さらっと凄い事言ったねw
思わず妄想w
「おはよう、月山さん。
ちょうどコーヒーが入ったところです。いかがですか?」
「おはよう、ございます…いただきます。…きゃっ」
「どうしました?そんなとこにしゃがみ込んで。
…もしかして寝ぼけてる?」
「い、いえ…だいじょ、んっ…!」
「ほら、立てないじゃないすか。肩かしますよ、
そんなんじゃコーヒーが冷めてしまう」
「…っ結構ですっ!」
「しょうがないなぁ、よっ…と」
「きゃっ、やっ止めてください、歩けますっ!」
「遠慮しないで。こうなったのは僕の責任ですから。
…膝ガクガクしてたよ?」
「……航さんっ!」
以上です。
航兄、お姫様だっこ出来るかな?w
立てなくさせるまで頑張って、お姫様だっこ出来るかな
いや、逆に鍛えられてるのかw
最終回での土手走りであんなに足腰弱そうに見えたのに・・・
毎日鍛えてるのかなw
航兄、夏世の前では頑張っていても、家に帰ってから腰くだけになっていたりしてw
亮子さんと田中ちゃんだったら、亮子さんが田中ちゃんをお姫様抱っこできそうだ。
「ちょっと病院にいってくる」
「どしたの?兄ちゃんがめずらしい。風邪でも引いた?」
「いや、ちょっと腰が」
「・・・何か腰を痛めるようなことした?」
>>65 亮子さんならできそうだw
無理して亮子さんをお姫様だっこする田中ちゃんを想像して噴いてしまった
ドコモに規制がかかってるみたいだけど
>>46は大丈夫だろうか…
先日やったどらまの夏世っぺの人の「はやくっ…!」がやたらエロくていろいろ脳内で考えてしまった
やっぱり夏世っぺと航兄ちゃん好きだ
お祭りにて
航「月山さん、何か食べませんか?たまには奢らせて下さい」
夏「え、いいんですか?うわぁ、何にしようかなぁ。
たこ焼き?綿あめ?迷っちゃうなぁ」
修「チョコバナナにしなさい!」
智「りんご飴とかいいんじゃねえ?」
陽「あんまり食べると太っちゃうよ。サイダー(太いストローがついてる奴)とかにしといたら?」
可愛い。ほのぼのするなあ。
わたあめをつまんで食べて指をべとべとにしてちゅぱちゅぱしゃぶればいい
周りに多大なダメージが出てることも知らずに無邪気に食べ続ける夏世っぺ
↑上を見て
「月山さん、僕の前以外で綿あめは食べないでください」という航に対して「何でですかー、航さんも食べます?」とあーんしてあげる夏世を妄想した…
>>71 「あ、月山さん、指がべとべとですよ」とぱくっと舐めてしまう天然な航兄。
真っ赤なゆでだこ状態の夏世っぺ。
また始まったよ…な3兄弟。
てな感じの変則電波を受信。
「また始まったよ・・・」ワロスw
夏「あっ、わたあめが髪についちゃった・・」
陽「あなたさっきもチョコバナナのチョコこぼしてたじゃん。
注意力が散漫なんだね」夏「もう!陽くん!・・・でもどうしよう、ベタベタになっちゃう」
航「見せて下さい、取ってあげましょう」
と言って、夏世っぺの髪にそっと口づけるホストのような航兄を受信。
夏世っぺはもうわたあめにかぶりついて口の周りをべとべとにしてしまえばいい
航兄に口の周りをなめられた挙句そのまま頂かれてしまえばいい
だめだ自分が妄想するとどうしても夏世っぺが子供っぽくなってしまう
航兄は夏世っぺを片岡父の墓参りに連れてくのかな
墓前で結婚報告ですか。
陽は二十歳になったし、夏世は来年三十路迎えるし、ちょうど良い頃合いだね。
夏世っぺ来年三十路か
航兄は35になったのか…
この二人はいくつになっても「いいお天気ですねー」でナチュラルにいちゃついてるんだろうな
皆で行ったらさぞ騒がしい墓参りになるだろうなぁ
なんかヒミツがばれる前は毎年航兄が一人でこっそり行ってそう
陽父の墓参りは航兄ひとりで行ってただろうね
「わたしばっかり色んなコスプレみたいなことさせられてずるいです!」
とか言って皆に色んな服を着せようと企む(そして失敗する)夏世っぺを妄想
>>82を見て妄想してしまいました。(会話のみの小ネタ)
「はい、皆さんこれ着てみて下さい」
「何これ?」
「……白衣?」
「白衣だな」
「何故に白衣?」
「この間、私にナースのコスプレさせてみんなしてからかって遊んだじゃないですか!
忘れたとは言わせませんよ!」
「……そういえば」
「けっこうノリノリだったくせにー」
「あーんなポーズやこーんなポーズの写真、そりゃもうたーんまり撮ったよなー」
「あの時のスケッチをもとにして絵を描いたんです。
後で部屋に見に来て下さい」
「けっこうです!」
「それで、なんでこれ?」
「私ばっかりやらされて不公平じゃないですか! 皆さんもやって下さい!」
「どうして白衣なの?」
「え、この間私がナースだったので、何となくドクターのイメージで……」
「ドクター萌えかー」
「まあ、それで月山さんの気がすむんだったら着ますけど」
「それじゃあ、早く着てみて下さい。マイデジカメでしっかり写真に撮りますからね♪」
――30分後――
「おーい小娘ー、着たぞー」
「…………」
「……どうしたの?」
「皆さんけっこう似合いますね……チェッ」
「チェッってなんだ、チェッって!」
「でもこういうの着ると、お医者さんになった気分になるよね」
「なんか診察とかしてみたくなってきたかも」
「それじゃ、お医者さんごっこじゃないか……」
「…………」
「…………」
「…………」
「……え? 皆さーん、なんで私の方を見てるんですかー?」
「先生、急患です!」
「これは……すぐにオペの準備だ!」
「はい!」
「大丈夫、僕らが治してあげるから」
「何がですか! いやっ、離して! やんっ!
やっ……そこは駄目っ……ああっ!」
こうして月山さんはお医者さん達にじっくり手術されてしまいましたとさ。
めでたしめでたし。
ナイス妄想!
しょっぱなの
「あの時のスケッチをもとにして絵を描いたんです。
後で部屋に見に来て下さい」
にワロタ。
航、見に来させて何をする気だw
画材を買いにいつもの店に行くと臨時休業。
仕方ない。
もうひとつ大きな画材屋があったはず。
そういえばあの店は蛍潮出版の近くだ。
もしかしたら会えるかも…!
画材を買い終え、蛍潮出版の前まで行ってみる。
もうすぐお昼休みだし出てこないかな?
出てきたらどう声をかけよう…。
「やぁ、月山さん。奇遇ですね。お昼ですか?なら一緒に食べませんか?」
うーん。こんな感じで大丈夫かな?
そんな会話を頭の中でシュミレーションしてみる。
ふと顔を上げる。
ぅあ!!
俺の立つ道の少し先に彼女がいた。
彼女を見ただけで高鳴る心臓。
心臓がドクンっと音を立てる。
彼女の隣には知らない男。
親しげな二人。
くるくる変わる彼女の愛らしい表情。
心臓が締め付けられる。
苦しい。
その男は誰…?
だんだんと近づいてくる。
慌てて二人の死角に逃れる。
男は女性服のショップの袋を何個も下げていた。
ブランドには詳しくない。
けどあのブランドだけは知っている。
彼女がいつの日か好きだと言っていたブランド。
買ってもらったのだろうか。
さらに近付いてくる二人の会話が聞こえ始めた。
「ですからねー、ほんっっと大変なんですって!!先生方ほんと自由で!
この前なんか修さんにレアのガンプラ買いに行かされて散々で…。智さんには相変わらずからかわれるしっ!
陽くんはかわいいんだけどたまに生意気で!」
「あはは。花園先生すごいね。て、もう一人はどうなの?」
どきりとする。
彼女はなんと答えるのだろうか。
「航さん…ですか…。 航さんはですねー。冷たかったり優しかったり。なんなんだか全く読めません。。でも!最近は冷たいことも少なくなって嬉しかったり…。」
そうはにかみながら答える彼女。
「月山さんって航さんのこと好きなんですねぇ。」
「はい…って、ちょっ!!三浦さん何言ってるんですか!!」
「図星かーw 編集者と漫画家の恋か…。やらしッッ!!」
「ちょっ!!!!三浦さんっ!!」
「あ。今日は買い物ありがとうございました!うちの先生もこういう買い物頼んだり結構わがままなんですけど、花園先生に比べれば全然ですねw」
会社に入っていく二人。
同僚だったのか。
そんなことより!!!
…彼女が俺を…!?
す、すすすすすすすすす好き(゜Д゜)!?
突き放した日、そうかなーとは思っていたが。。
やばい顔がにやける!
とととりあえずこの場所からでないと完璧に変質者だ!!
隠れていた茂みからそっと抜け出し家路につく。
彼女が俺を…。
嬉しさのあまりスキップしてみた。
「…航兄?」
ハッと我に返り振り向くと苦笑している陽がいた。
「ひひひ陽!ちょ!あの!」
「…早く帰ろう?今日はお鍋だって。あの人もくるよ。それと、頭、葉っぱ付いてる」
「そ、そうか」
あー彼女を見たら顔がまたにやけるだろうな…。
早く伝えたい、俺の気持ちも。
今日、押し倒しちゃうかもな。。
駄文ごめんなさい!!!
スキップ再びw
かわいいよ航かわいいよ
>>83 妄想良いね〜!
>>85ー86
GJ!ヤキモキ焼く&アタフタ航兄に萌え〜
関係ないけど、茂みから覗くシチュエーションが多いドラマだよね。
>>85-86 すばらすぃ〜(゚∀゚)GJですた。
なにげに三浦さんスキーだから嬉しいや。
私も脳内で色々創作中。うまく出来上がったらそのうちうpします。
>>83 白衣GJ
夏世っぺは航兄自身の注射に射されてしまうのかなとかしょうもない下ネタが頭をよぎった
>>85-86 シュミレーションしてるのに「ぅあ!」とか反応してる航兄かわいいw
夏世っぺって足きれいだよなぁ
ヒミツは冬だったからあんまり見れなかったけど
「まさか修兄が兄弟で最初に結婚するなんてなぁ・・・」
壁に寄りかかって遠い目をした智さんが呟く。
花園百合子解散から半年、兄弟バラバラの活動を行ってきた片岡兄弟。
航さんは大学に復学してまた絵を描き始めた。
智さんは大手のマネージメント会社でバリバリ働いている。
陽君はイギリス留学中に小説を書いてあっちで賞を取った。
友達も沢山出来て今までの分を取り戻すかのように楽しんでるみたい。
そして今日の主役の修さん。
念願だった少年漫画を書きながらNYKでの活動も忙しい人気作家に成長した。
数ヶ月前からやたらジャージ以外で外出するなーと疑問に思っていたけど
まさか「彼女」が出来ていたなんて私達は気付かなかった・・・。
「修兄に彼女出来たなら浮かれてベラベラ話しそうなもんだけどなかったの?」
今でも不思議そうに陽君が私達に問いかける。
(それがなかったから私もびっくりしてる訳で・・・)
航さんの話だと修さんと彼女との出会いはまさにNYKで、可憐で儚げな彼女に
一目惚れしたらしい。結婚まで誰にも相談しなかったのは自分で何とかしたかったからだとか。
確かに修さんの隣で微笑んでる彼女は美人で繊細で儚げな感じ。
女の私でもじっと見つめられたらヤバイ雰囲気をもつ女性だ。
だからこそ「なんであんな美女が修さんなんだろう・・・」と皆疑問になってるのである。
そしてもう1つ疑問は「何で私が片岡の親族席に座っているのか?」
こればっかりは航さんに聞いても、智さんに聞いてもわからないだろうし・・・
ブツブツ独り言を言いながら困っているところで新郎新婦がこちらに気付き笑顔で挨拶しに来てくれた。
「今日は僕たちの式に来てくれてありがとう!」
嬉しそうに修さんが話してる側でドレス姿の彼女は微笑む。
(美人過ぎて見とれちゃうよ・・・私にもあれくらいの美貌があったらなぁ)
夏世がぽーっとしてるといつもの口調で修さんがマシンガンの様に言葉をぶつけてくる。
「どうだコムスメ!うちの奥さん可愛いだろう!!」(はい そうですね)
「コムスメにもうちの奥さんの美貌の1000分の1でもあったらよかったのに」(色気も美貌もなくて悪うございました)
「まあ悔しいだろうけど今宵は宴じゃ!楽しんで参れ ワハハハ じゃまたな」
「相変わらずだなぁ・・・奥さん苦労しそう」
そう呟きながら私は新郎新婦の後ろ姿を見送った。
その時ふと修さんが振り返り私に向かって再度口を開く。
「あ!あんたの席なんだけど、どうせ今後片岡の人間になるんだし親族席に入れておいたから」
(へーそんな理由だったのかー。って納得してる場合じゃないよ!!)
「ちょ・・・修さん!!!」
顔を赤らめながら修さんを追いかけようとする私の肩を暖かい手がつかんだ。
「まぁいいじゃないですか。それとも片岡の席じゃ何か不満ですか?」
いつもの優しい微笑みの航さんがそう口を開く。
「い・・・いえ、そんな訳じゃないですけど・・・でも・・・」「でも何ですか?」
「僕は桜が満開の頃に式をあげたいな。」
「桜の花びら中を純白ドレスを着たあなたと一緒に歩きたいから・・・駄目ですか?」
いつの間にか暖かい航さんの腕に包まれつつ「・・・はい。」と返答した私。
来年の春までに航さんに見合う女性に成長しなけりゃな!と決意した月山夏世 28歳の晩夏でした。
***********
超駄文で申し訳ないです('A`)
>>94ー96
ぐっじょぶ!!
修兄の驚きの結婚式→航夏世のやり取り良かったです!
修兄は奥さん大切にしそうだなぁ…。
GJ!!
GJ!
ほんわかイイ!
航兄がロマンチストなのは余裕が出てきたからでしょうかねぇ。
夏世のドレスもうすーいピンクにしたりしてね。
陽君が原作になるまで少女漫画のストーリィを担当していただけある。
夏世っと修兄、航兄それぞれのやりとりに和んだ
しかし夏世っぺと航兄は人の式なのにいちゃつきすぎだw
そのお相手は妖怪だったりしてとか思ってしまったよごめん修兄
航兄が元々ストーリー考えてたんだよなぁ…後半のうぶっぷりを見ると信じられないw
皆様GJありがdです。
慌てていて題名入れ忘れましたorz
題名は「結婚式にて」ってベタなタイトルです。
あと智サイドの話(エロなし)も作ってみたので投下します。
102 :
智のぼやき:2008/09/02(火) 01:10:51 ID:6wPf4qfW
「修兄が結婚かぁ・・・」
なんとも納得がいかない様な表情を浮かべてるであろう俺、片岡智。
いつもケンカばかりしてた兄が結婚…嬉しいような少し淋しいような気持ちは何なんだろう。
そういえば航兄の側には大切な人がいる。
イギリス留学中で今回のために帰国してきた陽にも大切な人が出来たようだ。
で、一生独身だと思っていたヲタ・・・じゃなかった自称クリエイターの修兄は美女と電撃結婚。
よく考えたら俺だけ一人じゃん orz
別にモテナイ訳じゃない、ガールフレンドは自慢じゃないが沢山いたりする。
でもなんか恋に本気になれない。多分、前の恋にいまいち踏ん切りがついてないせいなのかもしれない。
もう奪ってやろうなんて気はないけど進展もないあの2人を見てるともどかしくなる。
「航兄達もさっさと結婚してくれちゃえば俺の心も楽になるんだけどな」
そんな思いが頭の中をグルグル回って、ソファに深く沈みこんだ俺にあの人の声が聞こえる。
「修さぁーん、新郎新婦と親族写真撮るみたいですよ!早く早く!!」
こちらに向かって笑顔で手招きしてくる彼女。
「あーはいはい。」 面倒くさそうに返事してみる。
彼女以上に俺の心の中を掻き乱してくれる女性が今後現れるのか不安になった俺。
今日の淋しさは少し酔ってるからってことにしておこう。
訂正
【×】 「修さぁーん、新郎新婦と親族写真撮るみたいですよ!早く早く!!」
↓
【○】 「智さぁーん、新郎新婦と親族写真撮るみたいですよ!早く早く!!」
うっかり間違いスマソ。酔っ払いの田中ちゃんに絡まれながらに逝ってくる。
智ぴょん…幸せになれるといいね
集合写真はドラマの最後のコミックの宣伝の集合みたいな感じなんだろうなー
105 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:46:29 ID:zlda3dhm
GJ せつないねぇ(´・ω・`)
智ぴょんにはいつか幸せになってもらいたい…。
106 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:52:24 ID:kooDwB73
夏世っぺが処女、航兄が童貞だったら大変だろうな…いろいろと
それなんてふたりエッチ?
>>107 緊張して濡れなかったり、勃たなかったり、暴発しちゃったりと大変そうw
でも初めてが夏世っぺのナイスボディっていうのは航兄裏山。
なんか一度覚えたら深みにはまりそうだ。
航は年上の女性に奪われてる(喰われてる)だろうと思う。
あ、表現が逆だw・・・でもそんなイメージ。
夏世っぺって箱入り娘っぽいんだよなー
胸が大きいのは身長を伸ばしたくて飲んだ牛乳が原因とかだったりしてw
久しぶりに見たらもう最終回の航と夏世が可愛くて可愛くてしょうがない(*´∀`)
航が夏世のウェディングドレスにあたふたするシーンが好きすぎるw
>>111 同じこと思ってた
ヒミツの花園の続編してくれないかなー
>>112 そのシーンだけで夏世っぺの手作りカレー三杯はイケる
たまに八話ラストと十話冒頭を見ては悶えてる
夏世っぺと航兄の身長差って微妙というか絶妙だなと本スレ見て思った
ヒール高い靴履いたらより縮まるし
夏世っぺが背伸びしてキスしやすそうだ…
背伸びキスハアハア
もじもじしながら「ちょ、ちょっと動かないで下さいね…」とかいいながら何回も深呼吸して
背伸びしてキスして顔真っ赤にするんだろうなー
その後、そのキスを思い出して一人部屋でニヤニヤする航。
やっと書き終わった・・・今夜中に投下します。
航×夏世←智の
一応キス話です
コメディにしようと思ったらシリアスっぽくなった・・
放送中に途中まで書いてた話なので時間系列が?ですが。
122 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:29:59 ID:XMHc80KD
釈さん美人だねぇ〜
wktk
いい忘れてましたが、エロ無しです・・。
しかも下手です。
時系列不明。
ご自由にご想像ください!
航×夏世←智(←陽?)
何かの祝賀会、なんの祝賀会かは私にもわかりません。
酔っ払い夏世。
「いつの間にこんなに飲んでたんだ、この人は」
小料理屋「美那絵」では今、酔っ払いの夏世が斉唱する「めだかの学校」が店内に能天気に響き渡っていた。
今夜、智を除いた航達三兄弟と夏世は祝賀会として、
毎度おなじみの小料理屋に飲みに来ている。
一体なんの祝賀会であったのだろうか、すでに皆の頭にはないようだ。
普段は一緒についてきても酒を口にしない夏世も
今夜くらいはとアルコールを解禁させたのが間違いだったようだ。
酔っ払い修の加熱するオタク話を治めるのに気を取られ、
ちょっと目を離した隙に修より手に負えない酔っ払いが隣に出来ていた。
今も隣ではキャッキャと笑いながらめだかの学校を歌っている。
めだかの学校の一体なにがそんなに面白いのだろうか。
「知らないよ。お酒弱いんじゃないのこの人、焼酎二杯もおかわりしてないよ」
未成年でノンアルコールの陽がうんざりした顔で夏世からオレンジジュースに目を逸らした。
「智兄はまだ来ないの?」
「打ち合わせ終わって、さっき駅に着いたって言ってたから、もう来るんじゃないか」
「さっとぴょ〜ん!!カムバ〜〜ックッ!!!」
「修兄もうるさいよ」
航も顔には表れないがほろ酔い加減だし、修は、普段からあれが自分たちのBGMみたいなものだ。
しかしそれにしてもどうやったら焼酎2杯でこんなにぐでんぐでんになれるのだろうか、彼女は。
そっと横目で彼女を窺う。
今日はまだ智も来ていないし、酔っ払いが二人もいるせいですでに席順はいつものとおりではない。
彼女は自分のすぐ隣にいた。
管の巻いた歌を歌うのも飽きたのだろうか、
すでに酒を取り上げられた彼女は美那絵さんに上機嫌でからんでいる。
アルコールで上気した頬、桃色の肌、少し乱れたワンピースの裾と肩紐。赤い唇とトロンとした目。
いやいや、いけない。
自分も確かに酔っているのだ。こんな風に怪しい思考に陥ってしまうのは。
それでも。
もう一度ちらと彼女に視線を向ける。
やはり今の彼女は特段妖しい色気が付き纏っている。
それは自分以外の男が見てもそうなのだろうと思う。
例えば、夏世の向こうの陽や、修や、
今ここにはいない、智だって。
秘密の花園の中で咲きほこる可愛い花の、
甘く妖しい蜜の香りに、
惹かれてしまう。
ほとんど無意識に席を立って、そう言っていた。
「ええっ!?まだ宴ははじまったばかりじゃないですかあ、わ・た・るっさんっ?」
何かあるとすぐに真っ赤になる可愛い頬が、今はこれ以上ないほど紅く染まり、
潤んだ瞳がこちらを見上げていた。
心の奥がまたちりちりと音を立てる。
なんで僕がこれ以上、この人のこんな姿を人前に晒し続けなければいけないのか。
本当に、この人は・・・。
「もうそれだけ楽しんでれば十分でしょう?」
「駄目ですっ!まだですまぁ〜〜だぁ〜〜!!!お酒下さい美那絵さぁんっ。
それにまだサ・ト・シ(智)しゃんも着いてないれすっ!!!」
だからもう帰るんじゃないですか、という本音を心の奥底で握り潰した。
「智ももうきっとどこかで食べてきてますよ。ほら月山さん、立って・・」
「そろそろ、お開きにしましょうか」
ほとんど無意識に席を立って、そう言っていた。
「ええっ!?まだ宴ははじまったばかりじゃないですかあ、わ・た・るっさんっ?」
何かあるとすぐに真っ赤になる可愛い頬が、今はこれ以上ないほど紅く染まり、
潤んだ瞳がこちらを見上げていた。
心の奥がまたちりちりと音を立てる。
なんで僕がこれ以上、この人のこんな姿を人前に晒し続けなければいけないのか。
本当に、この人は・・・。
「もうそれだけ楽しんでれば十分でしょう?」
「駄目ですっ!まだですまぁ〜〜だぁ〜〜!!!お酒下さい美那絵さぁんっ。
それにまだサ・ト・シ(智)しゃんも着いてないれすっ!!!」
だからもう帰るんじゃないですか、という本音を心の奥底で握り潰した。
「智ももうきっとどこかで食べてきてますよ。ほら月山さん、立って・・」
((すいません、一行抜かしてました・・・))
彼女を半ば強制的に立たせようとして両肩を掴んだ。彼女の素肌に触れて少し動機が上がる。
別に他意はない。ただ自分は彼女を支えようとしているだけだ。別にただそれだけで・・。
やわらかい、白い肌、華奢な肩。
い、いや、自分はやましいことなんて
「航しゃんっっ!!!」
「はいっっ!!」
思わず掴んでいた両手を反射で離し、自分の無実を証明するかのように万歳の格好で返事をした。
彼女の目が据わっている。
訝しげに何かを探るように、彼女の顔が狭まる。
吐息から焼酎の匂いがする。
「あの、月山さん?すいません、僕は別にその、なんというか・・」
しかし彼女は全くそんなしどろもどろな自分のいい訳など聞こえていないようだった。
ギリギリまで近づいた顔に思わずドクリと動悸が上がる。
酒臭いはずなのに、それが何故か酷く甘い香りに感じてしまう。
トロンとした目元。夢うつつな表情。
耳に、だんだんと自分の心臓の音が響き始めた。
意識的には、この人はもう半分夢の世界に入ってしまっているのだろうか。
普段のこの人は、間違っても自分にこんなことはしないから。
紅さを増したその誘うような唇に無意識に視線が吸い寄せられていた。
と、その果実のような紅が、蕩けるようにゆっくりと開かれ甘い声を発する。
「・・航さんって・・・カッコイイでつね・・・」
「はい?」
全く脈絡のない言葉に彼女の唇から目に視線を上げる。
しかしすぐに自分の視界が歪んだ。
目の焦点が合わないほど近くにある彼女の顔。
唇に触れる柔らかいもの。
それがまごうことなき、彼女の唇の感触だと何故かすぐにわかってしまった。
頭が痺れたように瞬時に真っ白になる。
二、三秒程だっただろうか、一気に酔いも醒めた頭の中で、
ゆっくりと彼女の唇が離れて行くのを感じた。
馬鹿みたいに彼女の顔を見詰めてはぱちくりと瞬きをする。
場が一瞬にして静まりかえった。
恐ろしいくらいの沈黙に場が浸る。
状況も場所も、停止した頭の中ではパニック状態で処理できない。
今、この人は何をした?
「・・・なに、してるの、この人。」
陽の冷静な一言が皆の耳に届くと、
それを合図にしたようにまた店内には悲鳴のような修の声が響き渡った。
「きゃああああああああああ小娘えええええええええええ!!」
美那絵さんはいつもと変わらぬ微笑で呟いた。
「あらあら」
溜息まじりの陽の声
「まったく」
彼女はまるで酔っ払ってしまった天使みたいな顔でにっこりと笑った。
「えっへへ〜航ひゃん、かわいいい〜〜っ」
自分はただただその顔を馬鹿みたいに見詰め続ける。
・・一体なにが起こったのだ?
「そういう事は自分の部屋でしてよね」
夏世はその言葉を聞きとがめるように勢いよくくるっと陽の方に向き直った。
「な、なに・・・?」
じっと顔を覗き込む夏世に、陽が怯えたように上半身を後ろに退けた。
夏世が酔っ払い特有の無粋な視線で穴が開くほど陽を見詰める。
「陽きゅんって・・・」
そして、紅い頬でにっぱりと微笑んだ。
「かわいい・・!」
宙を睨んだまままだ時折瞬きを繰り返し、
呆然と自問自答を繰り返す航がその言葉に弾かれたように反応する。
まさかこの人は・・・!!
「あ あのっ月山さっっ・・!!」
阻止しようと思ったときはもう遅かった。
『今度は陽だ』
とっさに頭の中をよぎった嫌な予感は止める間もなく目と鼻の先で実現する。
《チュッ》
なんとも言えぬ甘い音がした。
数秒置いて、ゆっくりと陽が両手で左頬を覆う。
まるで先ほどの航のように、呆然と夏世の顔を見詰めながら。
かと思うとまた数秒置いて、
普段余程の事では表情を変えないポーカーフェイスな陽の顔が意外にもみるみる真っ赤になる。
頬を歪めながら、声ならぬ声をあげた。
「え、・・う、・・あ・・・」
見ている航は気が気でない。
それを寸前で止めることの出来なかった航は、
ただ、陽が真っ赤な顔をして俯くのを、苦々しい思いで見ているしかなかった。
不幸中の幸いはそれが唇ではなく頬であったこと。
「ちょっとぉぉおおおおっ!!アンタなにやってんのおっうちの可愛い陽くんにぃぃいい!!!
・・・・・俺にもしてっ夏世っぺ!!!!」
「修っっっ!!!!!!」
自分が怒鳴った声は思いがけず、ずっと乱暴に苛立たしく響いた。
「!!ハッはい、すっすいませんオニイタマ!!!」
修が瞬時に万歳の格好をして壁にはりつく。
「帰りましょう、月山さん」
素肌に触れているとかいないとかそんな事を気にしている場合ではなくなった。
・・もう、時間だってない。
彼女の左腕を持って押し上げるように立ち上がらせる。
「お、お兄様?」
「この人を送ってくから、払っといてくれ修」
帰らなくては。
不本意ながら、自分はどうしても今の彼女をここに置いておきたくはない。
なぜなら
智「何やってんの?」
ガッチャーン ガタガタンッ
航は後方からかけられた声に夏世の腕を持ったまま前方に激しくけつまづいた。
はずみで派手にイスを蹴って慌てて立て直す。
派手な音に、皆一斉に航のほうを見ると、なんでもない、なんでもないと小さく掌を振った。
「智さんっ遅いいっ!」
緩んだ自分の手をすり抜けて夏世があっという間に赤ら顔で智に突進していく。
航は何か後ろめたい気分から視線をそらした。
今丁度入ってきたばかりの智が、引き戸を後ろ手で閉めながら眉を顰め、目を見開く。
「えっ、なにこの人酔っ払ってんの?」
航は何かをごまかす様にカウンターで頭を抱えている。
「・・・智・・・」
「何?」
「気をつけた方がいいよ智兄」
「何によ?」
「智しゃあんっ!!」
「だから何よ!?」
眉間にしわを寄せて、怪訝に夏世を見下ろした智が少し顎をひく。
いつの間にか夏世は智のすぐ下にいた。
「・・智つぁんって・・・」
智を見上げるその頬は桃色に染まっていた。
少し赤みがかった瞳は上目遣いに潤み、声は甘く擦れている。
ワンピースから覗く肌はしっとりと、淡く染まっていた。
智の見たことのない、彼女の姿だった。
知れず、智の瞳が揺れる。
酔っているからだろう、上がっていくつま先が少したよりない。
智の少しかがんだ胸元のシャツを夏世が掴む。
少しづつ彼女との距離が縮まっていく。
目が離せない。
夏世のバラのように赤い唇がそっと蕾のように開いていく。
胸が焦がれる
「 い 」
「 け 」
「
突如彼女の前を音もなく何かが遮った。
息が掛かるまで近づいた2人の間の距離を、見覚えのある大きな掌が引き裂いていた。
背後から伸びたその掌は夏世の唇や頬や小さな顎がまるごと覆う。
それが、航の掌だと気づいた時、
智の胸には瞬間、響くような後悔がよぎった。
なぜ自分は、動かなかった。
動け、なかった。
「・・二度も上手くいくとは思わないで下さい」
冷たい声音が夏世の頭のすぐ後ろで響く。
夏世を後ろから見下ろす、うす暗い視線が、ゆっくりと宙を辿って上がる。
刹那、すぐ上で見下ろす智と視線が搗(か)ち合った。
航は横に視線をはずすと、
その掌は夏世の口元を覆ったまま、ゆっくりと主の方向へ手繰り寄せられた。
「ん〜〜ん〜〜」
掌の中に収まっている口はまだ何事かをもぐもぐと懸命に喋ろうとしている。
「修。バッグ。」
「ハ、ハイお兄たま・・・」
修がイスの上に置いてあった夏世の小さなバッグを取ると航に両手で差し出した。
航は受け取ると、そのままもぐもぐじたばたと動いている夏世を押さえこんだまま
「送っていく」
と一言残し、静かに「美那絵」を出て行った。
航が振り返らずにしめた引き戸のガラガラという音だけがやけに店内に響いた。
航たちに取り残された直後の小料理屋「美那絵」は静まり返っていた。
「イケ・・・?」
修がぼそっと囁いた
「なに、修兄」
すっかりいつも通りの表情を取り戻した陽が相槌をうつ。
「さっき小娘、なに言おうとしてたの?イケ・・?」
「さあ」
「イケ・・・・鉄・・・?ああ!そうだ!!智さんってイケ鉄・・・?だっ」
ギャッハハハハハと叫ぶ修の笑い声を聞きながら智はコートを脱ぎ、カウンターに腰掛けた。
「イケメンだよバカ修」
「ナッなんだと貴様、兄ちゃんはバカじゃない!!呼び捨てにするなあ〜〜!!!」
「っていうか、僕は、二度、っていうのの方が気になるけどな・・・」
カウンターに掛けなおした陽が呟いた声は修の声にほとんど掻き消された。
「あら、ほんと、三度目の正直、ならぬ三度目の失敗ね?ふふ、自分の分は抜いたんじゃない?」
美那絵はそっと袖をあげ、智の前にお通しの小鉢を置いた。
「二度も上手くいくとは思わないで下さい」
守るように塞いでいた彼女の唇。
その一瞬、自分に向けられた視線は、いつもの兄のものではなかったと智は思った。
何かを耐えているような、警告するような、男の視線。
あれは本当に彼女への言葉だったのか。
いや、違う、あれは恐らく・・
『二度上手くいくと思うな』
ただの暇つぶしだと思って始めた遊び。
目を閉じる彼女に何故かどうしても引き返せなくなった自分。
「もしかして、航にい、あの時のこと気にしてるのかな・・」
あの時、中庭の向こうで近づいていく自分達を見つめ、暗闇に佇んでいた兄。
その目の前で、彼女を奪い去ろうとしていたあの時の自分。
「まだ、忘れられなかったのかな・・・・」
陽のつぶやきがかすかに耳にふれる。
智はカウンターにのっているお通しを眺め、そっと背中でため息をはいた。
「美那絵さん、お酒ちょーだい。」
航は美那絵を出ると、夏世の口を覆っていた掌をそっと開放した。
コホコホと夏世が軽くむせた。
「すみません」
「んーー」
相手を優しく気づかうその言葉はいつもと寸分違わず優しく夜の道に響いたように思えた。
夏世は相変わらず紅い顔で少し不思議そうに航を見つめている。
「修!!!」
さっき、自分は殆ど無意識な衝動に押され修を怒鳴り飛ばした。
これが酔っ払いの強みだろうか、
その時も彼女は今と同じように自分が怒鳴った声にも怯む様子も無く、
ただ不思議そうに自分を見上げ、無邪気に首を傾げて見せていた。
お酒なんか飲んで酔っ払っているくせに、
こんなにも人を惑わす甘い妖しい香りを放ち続けているくせに、
ありえないことに、この人は時に恐ろしいくらいに子供のように無邪気で、
それが最近たまらなく嫌になるのだ。
それがなぜそんなに嫌なのか、見ないようにしていたその理由も、
心の中ではほとんど暴かれようとしている。
「行きましょう、月山さん」
街灯のした、見下ろした自分の掌の上には
淡い紅がいろづいていた。
以上です。
予想より長かったですね、すいません。
いろいろわかりにくいと思いますが、
最後のあのときっていうのは、
例のポッケで胸きゅん、航の前でキス未遂事件のことです。
あの時のことお兄ちゃんまだ実はちょっと怒ってるよ☆みたいな。
設定は、
自分の中の夏世への想いを必死に否定してる8話以前か、
もしくは単純にもう両想いだけど、時々三角関係時代のトラウマで
嫉妬や不安に駆られるダーク兄か
どっちかはさだかじゃありません。
読んでいただいた方ありがとうございました!!
ヒミツの花園大好き(゚∀゚)!!
GJ!
あーもう久々に萌えました。
やっぱり好きだわ。
夏世と片岡四兄弟。
そしてイケ鉄ワロタwww
>>137 GJGJ!
酔っ払い夏世っぺに振り回される兄弟達!特に航兄!良かったでつ。目に浮かぶような光景でした。
ドラマは終わってだいぶ経つのに、ここに来ると萌えさせていただけるなんて…。
職人様達に感謝感謝です!
GJ!
へろへろ夏世っぺかわいいよ夏世っぺ
夏世っぺは振り回されてばかりだから振り回してるのは新鮮だ
ていうかイケ鉄ww
141 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 00:46:42 ID:Q7yOnjBl
夏世、さんざん振り回した挙句、次の日全部忘れてそうww
っていうか、酔ってても、ちゃんと航には口で、陽にはほっぺなのが萌えるw
航が口で、陽がほっぺで、智にはどこにしようとしたのかね。
額とか?
>>141 唇は愛情で頬は厚意…っていう詩を思い出した
修兄は額かな。智は…瞼?
まぶたは慈悲って感じ?
なんかその詩知ってるなぁ、と思い返してみた。
まさにその詩題材でヒミツ小説書かれたサイト、昔どっかで見たことあるわ。
>>144 瞼は憧れだそうです
慈愛いいな。でも詩には含まれてないみたいだ…
>>145 自分も多分同じとこだ
手の上なら尊敬のキス。
額の上なら友情のキス。
頬の上なら満足感のキス。
唇の上なら愛情のキス。
閉じた目の上なら憧憬のキス。
掌の上なら懇願のキス。
腕と首なら欲望のキス。
さてそのほかは、みな狂気の沙汰。
(フランツ・グリルパルツァー 「接吻」)
だって。
なんか萌えるなw
だれかパロ書いて!!
>>145 見たい・・・
あんまりヒミツの花園のパロ書いてるところみあたらないんだね・・
検索とかしてるんだけど
あ、
頬の上は好意で正しいらしい。
>>125-136 遅ればせながらGJ!!!
バンザイの格好して手を離す航兄もキス魔夏世っぺも可愛すぎる
自分もヒミツ大好きだ!
そろそろ修兄の誕生日か…一年早いな
プレゼントは何を貰うんだろうな
少なくとも知的なアイテムではなさそう
ルービックキューブとか知的なおもちゃなら得意そう
誕生日位、修兄にオッパイ触らせてあげて下さい……夏世っペ先生……
その後のお兄様のことを思うととてもそんなことはwww
後ろから抱き着いてもらうあたりで我慢したほうがいいかもね
それでもお兄様は思惑に気付きそうだけどw
いつの間にかリビングにいた腕組み航
「お、お兄様!」
「なんだ修。そんなに抱きつかれたかったのか。
よし、兄ちゃんも抱きしめてやる」
「え、いや・・、えと」
後ろから抱きつく航。
「ん?遠慮することないぞ、どうだ修。」
ぎゅううううううう
「お兄様、あれっ、ちょっとお力がっ・・」
「んっ?なんだ修。 家庭のぬくもりとやらは伝わったか?」
ぎゅうううぎしっミシミシミシッ
「お兄・・やめっ・・いやあっあああ ひでぶっ」
「修さん・・あんなに喜んでる。よかったですね・・!!(ホロリ 」
陽・智「((危なかった・・あやうく自分も頼むところだった・・))」
修は夏世に抱きついてもらうための理由づけに、
家庭(お母さん的な)のぬくもりを味わってみたいうんぬんを使ったらしい。
>>156 ちょww
航兄、普段はポーンコロコロ…な体力なのにww
さすが夏世っぺの事となると火事場のクソ力ですねww
(・∀・)..。..。..。
稚拙だけども、よろしければどぞ。
ちなみに、修×夏世萌えです。しかもエロじゃないし。
「なん、で私がこんな目にっ…お…ととっ!」
夏世の肩には、修の腕が右腕がだらりと乗っかっていた。
「うぃーっと。夏世っぺ〜なーによたよたしちゃってんのーふふふっ」
「もう!誰のせいだと思ってるんですか!ここに置いて帰っちゃいますよ!」
必死で肩を貸すが、修の足に力が入っている様子はない。
いくら夏世の背が高くとも、修よりうんと小柄な事に変わりはないのだ。
それでも右手で手首をつかみ、左手で腰を支えながらやはりよたよたと歩く。
「はぁ……」
いつもの帰路が果てしなく遠く感じた。
美那絵さんにあっさり玉砕した修は、しばらくの間「小料理屋みなえ」に
足を運ぶことはしなかった。
航と智、そして夏世の3人で出かけることはあっても、修だけはマンションに
残り、夏世の作った料理をまずい、まずいと平らげていた。
当然、その頃は家で晩酌がもっぱらだったのだが…
恋の痛手も癒えた頃、一人でふらりと「みなえ」に立ち寄った修は、
久しぶりの「おいしい和食」にご機嫌で…酒も進み…すっかり出来上がってし
まったのだ。
夏世にとってタイミングが悪かったのは、この日、航と智が共に出かけていて
留守だったこと。
のんびり自分のマンションで、お風呂に浸かっていたら…。
修の携帯からの着信で。慌ててバスタオルを巻いた姿のまま出てみたら、
やたらとご機嫌な修の歌声をバックに、美那絵さんが助けを求めてきた。
これを陽にでも話せば、
「あなたの料理が美味しくないのがいけないんじゃないの」とか冷たく
あしらわれながらも、何とかしてくれそうなのだが…。
困ったことに、当然陽は依然留学中。
龍二さんは、と尋ねても。
刑事がそうそう暇な訳でもなく。
誰も頼れなくなってしまった以上、担当編集として修を送り届ける羽目になった。
「やっぱり…タクシー頼めば良かったっ」
美那絵の好意を遠慮して、店を出て自らタクシーを呼ぼうとして。
財布に小銭しかないのに気づいた。
酔っ払いの修から、カードを借りるわけにも行かず、仕方なくそのまま歩く
ことにしたのだが、やはり、コンビニでお金を下ろしてでもタクシーを呼ぶ
べきだった。
「あと半分でマンションだし、よし。頑張ろう!」
よいしょ、と抱え直すと、再びバランスを崩しながら歩く。
すると、さっきまでへらへら笑っていた修が、突然呻きだした。
「ううう、かよっぺ〜、うっ。き、き、」
「き?…あ!ちょちょちょ、ちょーっと待ってくださいよ、えーっと…あ!
公園。公園行きましょう、ね!」
「ううう」
修は左手で口元を押さえると、青ざめた顔でコクコクと頷いた。
外灯に照らされたベンチに腰掛けて待っていると、ようやく修が公衆トイレから
出てきた。
暗がりで解りづらいが、さっきより顔色は良い。
ふらつきながらも、自分の足で歩いている。
出すもの出して、酔いも落ち着いたようだ。
「あー…気持ち悪かった久しぶりに吐いちゃったよー」
「大丈夫ですか?修さん」
「…うん、もう平気」
「じゃあ…ここから一人で帰れます?ちゃんと歩けてるみたいだし」
「うん、一人で帰る」
夏世は小さく頷くと、脱がせていたニット帽を修に渡した。
「じゃ、私も帰りますから。ちゃんと鍵、かけて寝てくださいね」
「うん」
やーっと開放された。と、歩き出そうとしたら、
「……あのさー、かよっぺ」
と、呼び止められた。
「…何ですか?」
「もう少し、一緒に居てくんない?」
「え?」
「いや、ほら。別にあんたをどうこうしようとか、そういうんじゃなくて。
なんか…久しぶりに美那絵さんと会ったから……ちょっと、ね」
珍しくしおらしい修に、夏世は再び踵を返すことは出来なかった。
二人っきりで、夜の公園のベンチに。
こうやって修と並んで座ることになるとは。
「…修さん?」
黙ったままの横顔を覗き込む。少しまだ、お酒のにおいがする。
「なんかさ、彼女は独り身だって言うのに、諦めなきゃいけないって言うのが
なんつーか…気持ちの整理が付かない、って言うかさ」
「……はあ…、そうですよね」
もしかしたら、という気持ちをいつまでも持ち続けてしまうのも、解らないわけ
ではない。
(それにしても、本当に美那絵さんを好きだったんだなあ)
修の失恋話を、面白おかしく智から聞かされていたが、大抵どれもが憧れのまま
終わり、数日で次の「天使」に夢中になる。それが修の恋愛パターンだった。
「田中さんも言ってたじゃないですか。きっと、まだ運命の人に出会えてない
だけなんですよ」
「……美那絵さんが、運命の人だと思ったんだ。だから、だから俺…頑張って
告白したのにっ」
ぼろぼろと大粒の涙をこぼし始める修に、夏世は思わず身を引いた。
「う、ううっ…」
堪えているのだろうか、それにしては随分と派手に泣いている。
ハンカチなど持ち合わせてないだろう、ジャージの袖で何度も目を擦りながら
それでも涙が止まらない様子だった。
「あの、修さん。……そんなに泣かないでください、ね?」
陽の号泣は、慰められたが、修の豪快な泣きっぷりにはどうすれば良いのか
解らない。
「うん、うん。ぐすっ…う」
わーん、とまた泣き始める。まるで赤ん坊の夜泣きのようだ。
「うー…はぁ……」
夏世は、小さくため息をつくと、もしゃもしゃの髪を優しく撫でた。
「泣かないでくださいっ、修さん」
「…か、かよっぺー!」
大声と共に、どしん、と衝撃があって、一瞬夏世は何が起こったのか解らなかった。
「な、な…」
そこには、夏世の膝に突っ伏して、大泣きしている大人の姿。
心底ジーパンを履いてきて良かったと安堵し、
しばらく呆然とその様子を見守っていたが、やがて泣き声がだんだんと小さく
なり、そしてやんだ。
「……修、さん?」
ゆっくりと顔を横に向けさせると、修は小さく寝息を付いていた。
「げ……っ!寝てる……」
眉根に悲しみの皺を残したまま、しかしどこか安堵したような表情。
その横顔に、思わず夏世は微笑んだ。
まるで、まるで子供のよう。
陽よりも、うんと子供っぽいその顔。
夏世は、鞄からハンカチを取り出すと、目頭に溜まった涙をそっと拭った。
――30分だけ。膝を貸してあげます……だから、早く元気になって下さいね。
end
なんか設定に不安がありますが。
このスレがもっと盛り上がれば良いなー。
ドラマ系の二次創作とかって検索避けとか面倒だし。
自分も、二次創作のサイトを2個ほど知ってますがどちらも休止状態なので
ここ見つけて嬉しかった
GJ!
ドラマの空気感が出ていて素敵でした。
そして公園の植え込みの影には航が・・・
ほのぼのから一気にホラーにw
164 :
158:2008/09/29(月) 22:07:06 ID:hBYqqoqR
タイトル忘れてましたorz
「夜の公園にて」でお願いします。
>162、163様。GJありがとうございます♪
こんな修×夏な話でよければ、また投下させて下さいw
>>158-161 イイヨ-イイヨ-(゚∀゚)!!
修兄の少年のような仕草がグッとくるわ。
昨日犬HKのコントにでてたけど白Tシャツにデニム姿でズブ濡れになってて
お腹ぽっこりしてたのにはワロタ。ヒミツ時代より明らかに太ったなw
>>158ー161
GJ!修兄は夏世っペの太腿に顔を埋めたんだろうか……
そして修兄、遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます!
>>162 航兄はタイミングだけは恐ろしい位いいからな……ある意味呪いのようだ
>>165 スポーツの秋ということで、夏世っぺとシェイプアップに励む修兄が浮かびました。
連投スマソ。
性懲りもなく、修×夏です。
―ここで、キスして―
仕事にひと段落つけた修がリビングへ行くと、そこには、ぼんやりしてる夏世の姿が
あった。
「アンタまだいたの? もう10時だよ?」
「あ…修さん。航さんに画集を借りる約束してて…帰ってこられるのを待っている
んです」
「ふーん、あ。暇だったらお茶いれてくんない?」
「あ…はい」
夏世は、小走りでキッチンへ向かった。その後姿を急かすように、修の声が飛ぶ。
「あったかいヤツねー」
「はい」
「これから寝るんだから、緑茶はダメよ、煎茶だからねー」
「…はいはいっ」
つっけんどんな返事に、修は思わず笑みを零す。ちょっと落ち込んでいるように見え
たが、どうやら思い違いだったらしい。
安心したら、ぐぅ、と腹が自己主張。そう言えば夕飯どころじゃなかったんだっけ。
修は、本能のままに冷蔵庫へ足を向けた。
「バナナ、バナナ〜…」
ガチャ、と冷蔵庫を開ける。あ、ラス1。最近じゃバナナダイエットが流行ってる
とかで、修のお気に入りのそこそこ高級バナナですら、品薄だと智がぼやいてた。
…全く。全国のバナナ愛好家にとって、まさか高カロリーだと敬遠されていたコレが
ダイエッターの標的になろうとは思いもよらなかっただろう。
ともかく、一本だけ残った、よく冷えたバナナを手にしてリビングに戻ろうとした
修は、ようやくその惨事に気づいた。
カウンターでお茶を入れていたはずの夏世は、魂でも抜けたようなぼんやりとした
顔で、まさに今、盛大にお湯を注いでいるところだった。
視線は茶碗を見ているはずなのに、視界には入っていないようだ。
「ちょ!あんたっ、おい!小娘っ!!」
「え…?あ!……きゃっ!」
やっと気づいた夏世は、慌てて後ずさった。
湯気を立てながら、ほとんどは急須を溢れてキッチンの床まで水浸しだ。
幸い、熱湯は掛からなかったらしい。夏世はただ目を伏せて呆然と立ち尽くしている。
修は、ダスターを手に急いで後始末に取り掛かる。
夏世も、弾かれたように慌ててそれを手伝った。
「…もー、何やってんの」
「すいません」
「……」
床を拭きながら、すこし涙ぐんだその顔に、修は大いにたじろいだ。
夏世は、一人掛けのソファに腰を下ろして、修の淹れた(とっても貴重な)コーヒー
の水面ばかり見つめている。
修は、三人掛けの大きいソファの肘掛に肘をついて、その様子をだらりと眺めていた
が、ついに沈黙に耐え切れなくなった。
「あのさぁ、あんま聞きたくないんだけど。……何かあった?」
夏世は、相変わらず黙ったままだったが、ついに意を決したように口を開いた。
「…あの!私って、魅力ないんでしょうか?」
「はい?」
「航さん……あの日以来、あの…えっと……そのぉ…」
「なに!?とっとと言っちゃいなさいよっ!」
「……な、何もしてこないんですっ!!」
「ぶふっ!!…ごほっ、げほ、げほっっ!!」
「きゃっ。大丈夫ですか!?」
夏世は立ち上がって、修の背を叩いた。
「ふー…死ぬかと思った」
「…すいません」
「大体、何てこと聞くのアンタは!そんなの良子さんにでも相談すりゃ良いでしょ!」
「だって、修さんが聞いてくれるって言うから…」
「俺のせいだって言うわけ!?」
「いや、まあ、あの…」
「――まあ良いや、で。俺に何を聞きたいワケ?」
いっそ話し相手になってやったほうが、早く解放されるのかも知れない。
そう思った修は、ラグに正座している夏世の前に、ふんぞり返った。
至ってまじめな顔で、彼女は問う。
「男の人って、どうしたらあと一歩踏み出してくれるんでしょう…」
「そりゃアンタ、裸にエプロン?……きゃあ、小娘ったらダイタン!」
「修さんっ!真面目に聞いてくださいっ」
「…だぁって、俺に聞いても、ねえ?」
「じゃあ、修さんならどうですか?」
「俺?」
「はい……まあ、一応」
「一応ってっ!」
「男だし、航さんの弟じゃないですか」
「凄いこじ付けだな、それ……そうだなあ…。素直に『キスして』とか?」
「え?」
「兄ちゃんもオクテだからねぇ、そんぐらい言わないと手も出さないんじゃない?」
「…そう、ですよね」
「そうそう」
夏世は、修の隣に腰掛けると、ソファに両手を付いて身を乗り出した。
「修さん」
「……え、うん?」
「……キス。してください」
思いつめた瞳。さっき涙ぐんだせいなのか、少し潤んでいる。
真剣そのもので、かつこんなに色香ある表情など、修は見た事がない。
「……」
薄っすらと淡い桜色のように色づいた唇から目が離せず、
それが、自分を誘っているわけではないと、知っていても抗えない。
「……」
「…修さん?」
気が付けば、その細い肩を強く掴んでいた。
夏世の身体が強張って、拒むように身を引く。
それが尚更、修の雄の本能に火をつけて、さらに掴む指に力が篭った。
(――ダメだ、ダメだっ!)
ギリギリのところで、理性を引き止めて、それでも抱きめる衝動までは抑えきれずに
夏世の華奢な身体は、修の腕の中にすっかり閉じ込められてしまった。
「……お、さむ、さん」
そう言ったきり、夏世も黙り込んで、リビングは恐ろしいほどの静寂に包まれた。
鼓動の音も。
聞かれてしまいそうになるくらいの。
「……ふぅー……あ、あははははっっっ」
「え?」
「いやー、はっはっはっはっは!」
大きな手のひらが、遠慮もなくバシバシと背を叩き、夏世はようやく我に返った。
「いったっ!何するんですか、もうっ」
抱きしめる手が緩み、慌てて身体を離す。
「ま、頑張りたまえっ。この俺のアドバイスを生かせなかったら、それこそ小娘、
女のは、じ、だ!」
修は何事もなかったように立ち上がると、顎が外れそうなくらいの大あくびをした。
「はー、バカらしい。バナナ食べそびれちゃった」
と、ぶつぶつ文句を良いながら、自室へと去って行った。
「何なのよ、もうっ!」
後ろ手に、扉を閉めた修は、そのままずるずると床に座り込んでいた。
「やばかった、もう少しでキスするところだった……」
記念すべき50回目の失恋は、恋と気づいた瞬間に訪れた。
end
次男の中の人の言葉を借りてみました。
「キスして」と「抱いて」これで落ちない男は居ない。んだとか(笑)
そりゃまあ、究極の落とし文句です。
GJ!
ドラマ的な絵が浮かびました。
だが突っ込むw
煎茶=緑茶。眠りたいならノンカフェインの麦茶ですよ修さん。
>>172、173さま GJありがとうございます。
航兄の反応、誰か書いてくれると嬉しいんですがw
煎茶→ほうじ茶か玄米茶に脳内変換お願いしますw
誤字も多くて恥ずかしい限りです。
ブラックでエロエロな航と同じ位ヘタレな航が好きな自分としては
仮に夏世っぺに言われたとして
キスどころじゃとめられなくなる・・・いきなりで夏世に嫌われたらどうしよう
と自分を抑えてしまい、しばらくは目を合わせては二人で頬を染めるどまりかとw
その進まない間に智や陽にも相談したりして
周囲は「何やってんだよ航兄」と思いつつ
なにかと二人きりになれるようお膳立て。
編集長には「こうなったら月山!あなたが押し倒すのよ!」とアドバイスを受ける。
そして、半泣きで潤んだ目の夏世っペからキス、とか。
文才無いんで書けませんがorz妄想は尽きない。
なんかキス魔の可能性とかもある気がする
あーでもやっぱり二人でもじもじし続けて欲しいかもしれないw
チラ裏
夏世っぺの中の人がわんこに「ママですよー」って言ってて
なんだかいろいろ脳内に展開してしまった
BSで航の中の人のお仕事見てた・・・w
子供できたらママ・パパで呼び合うのもいいけど
夏世っぺと航兄はやっぱり名前で呼び合っててほしい
智ぴょんとならママ・パパって感じ
修兄はお母さん・お父さん?
修兄はむしろあなた・おまえなイメージw
航兄と夏世っペは子沢山なイメージがする
まだこのスレあったんだね!
嬉しいよ〜!
>181
おかえり〜
>>180 ひとりっこだと夏世っぺが自分をいろいろと重ねて寂しがっちゃいけないからもう一人…と思いそう
そのうえ航兄は四兄弟だしね
きっとたくさんたくさん子作りの行為はしてくれるだろうしw
修×夏世が面白かったので続き書いてみました。
お目汚しすみません。
「もう…修さんたら。バカにして!」
まだ動悸の続く胸を押さえながら、ソファーに身を投げる夏世。
ふと目を上げると、少し顔を強張らせた航が立っていた。
「航さん!…いつから?」
「…キスしてください…あたりから…」
「ち、違うんです!これは…深い訳があって…」
「あ…そう…。と、とにかく僕は部屋に戻ります」
「航さん!待って!」
そんな声も耳に入らないのか、航はスタスタと廊下を歩き、バタン!とドアが閉めてしまった。
「もう…最悪…」思わず座り込んでしまう夏世。
それから数日間、航は夏世と会ってもを目を合わそうとしない。
会話も、仕事の用件のみ。
夏世は日に日に落ち込んでいく。見かねた修が航の部屋のドアを叩いた。
ガチャ。ドアが開けられた途端、すっと中に入り込む修。
「…なんの用だ」
「もうっ!航お兄様ったら…怖い!なになに、どうしちゃったの最近」
「…なんでもないよ。」
「またまた〜。最近夏世っぺが元気ないよ?兄ちゃんのせいじゃないの?」
「……。」
「いや、実はさ、こないだ航兄が自分に興味ないんじゃないかって相談されてさ。
素直にキスしてって言えばいいんじゃないの?って俺様がアドバイスしてやったのよ。
だけど兄ちゃんがそんなんだから、取り付くしまも無いみたいじゃん。
最近あの小生意気でうるさい小娘が、いつも泣きそうな顔してて…可哀想でさ…。」
「…あ、そう…そうだったのか…」
「もしかして、兄ちゃん、性欲ないの?」
「バカ!言いたいことはわかったから、もう行け!」
「はーい!」
修が出て行ったあと、思わず頬がほころぶ航。なんだ、そうだったのか…良かった。
それにしても…修のヤツ、なんであんなに夏世のことを抱きしめたりしたんだろ?
トントン。
そのとき、小さく遠慮がちにドアを叩く音がした。夏世だ。
「あの…航さん?ちょっといいですか?」
ドアを開けると、涙目でこちらを見上げる夏世の愛らしい顔があった。
「こないだのこと…ちゃんと説明したくて…あの」
夏世が言葉を言い終わるのを待たず、航は夏世の腕をつかみ自分の方へ抱き寄せた。
「航さん?あの…」
「ごめん。心配させてごめん。いつも弟たちのことが気になってしまって。
修とのこと見たこの数日間、嫉妬に悩まされ続けていた。こんなに嫉妬は苦しいものだったのかと思い知ったよ。
さっき修が教えてくれたんだ。女の子の気持ち、わからなくて…。悪かった。僕だってずっと…ずっとキスしたかった」
「…航さん」
「…いいかな?」
夏世の返事を待たずに、唇を奪う航。
夏世は、航の意外に強い力とキスに、体の力が抜けていくのを感じた。
長いキスのあと「今度、君の部屋に行っていい?弟たちのいないときにしかできないことをしよう」
と囁く航。
頬を染めながらコクンとうなずく夏世。
そんな夏世を見て、愛しさのあまりもう一度強く抱きしめる航だった。
そして…
廊下で聞き耳を立てている3兄弟。なにやら揉めている。
「陽くんにはまだ早すぎるざんす!」
「なんで!自分だってオタクのくせに!」
「なんだと〜!クリエイターだっつうの!」
「ったくうるせえなあ!気づかれるだろ!静かにしろ!」
しかし、ドアの外のそんな雑音も耳に入らず、キスを止められずにいる航と夏世でありました。
GJ!!
嫉妬する航兄がかわいい!
GJ!
やはり航はムッツリ・・・w
>>187 >>188 ありがとうございます!
タイトル付けなくちゃいけなかったんですね。
「修、ナイスアシストの巻」で。
>>184-186 GJ!!続きが読みたかったので嬉しかったです!
その後の夏世っぺの部屋で…。は、また想像を駆り立てられますね〜。
>>184-186 GJ(゚∀゚)!! 航兄の葛藤が凄く想像できた。
3人の聞き耳は最終回の覗き見みたいな感じなんだろうなぁw
夏世っぺは男の子の双子or3つ子を産みそうなイメージだわ。
その後ママそっくりな女の子を産んで兄や叔父さん達に可愛いお姫様状態にされると予想してみる。
「初めてのデート」
ひとつの連載が終わり、久しぶりの休日だった。
航はスケッチブックを抱え、でかけようとしていた。
そこへ夏世が駆け寄る。
「絵、書きに行くんですか?私も今日はお休みなんです。ついていっちゃ駄目ですか?」
少し甘えるような表情で見上げる夏世。
「あ…もちろん、僕はかまいません。でもつまらないかもしれませんよ?」
「大丈夫です!今すぐ準備しますね!」
エプロンを外しながらいそいそと帰り準備をする夏世を見ながら、航は先日のキスのことを思い出して笑みを漏らした。
「なにニヤニヤしてるの?」
「え…!あ、陽か。…何でもないよ」
「ふーん。今日さ、八景島行かない?白イルカ見るって約束でしょ?」
「あ、ああ…そうだな…」
「お待たせしました!あ、陽くん!今日は何して過ごすの?」
ウキウキした表情の夏世と、少し困ったような航の顔を見て陽は全てを悟った。
「ふ〜ん♪そういうこと。じゃ、行ってらっしゃい。お土産は鯛焼きでいいからね」
「…悪いな、陽。じゃあ、月山さん、行きましょうか」
「え?なに?どうしたの?」といぶかしがる夏世を航がせきたてるようにして出て行った。
「僕よりも優先する人ができたんだ…。航兄、幸せになるといいな」
若干の寂しさを感じながら、爆音で音楽を聴いている修兄の部屋に遊びに行く陽。
「いつもここで絵を書くことが多いんです。そうだ、あの木陰に座ってください。あなたを書いてみます。」
「え!私でいいんですか?ずっとおんなじポーズでなきゃいけないんですよね?」
「簡単にスケッチして、家で完成させますからそんなに時間かかりませんよ。木にもたれかかって、楽な姿勢で」
絵を描き始めながら、航は幸せだった。こんなに夏世を見つめることはいままで出来なかったが、今日は存分に夏世を見つめることができる。航は夏世の全てを写し取ってしまいたかった。
30分後。
「ありがとう、だいたい終わりました。完成したら見せてあげます」
「え〜!今見せてくれないんですか?残念!でも完成楽しみにしてます。」
「さて…これからどうしましょうか?お茶でもしますか?」
「私の家の近くに、美味しいケーキ屋さんがあるんです。部屋に買ったばかりの紅茶もあるし…どうですか?」
なんとか自然に自分の部屋に誘おうとする夏世の勇気がいじらしかった。航はこんなに夏世に頑張らせてしまっているのを申し訳なく思いながらも、少しからかってみたくもなった。
「こないだ、僕が言ったこと、覚えてる?」
「…航さん!わかってるくせに…ひどい!」
「ふふふ。じゃ、これからあなたの部屋に行きましょう。そういえば、陽を迎えにいった日以来ですね」
航はそっと夏世の手を取った。天気がいいとはいえ、季節は秋。ずっと木陰にいたせいか夏世の手は冷たくなっていた。
「可哀想に」
航はつないだ手を、そっと自分のジャケットのポケットに入れた。
部屋に入ると、お互いに意識しすぎるせいか、緊張し会話も弾まない。
しかし夏世が紅茶をこぼしたり、食器棚に足をぶつけたり、それを航が笑ったりしているうちに段々とリラックスしてきた二人。
「月山さん。口元に生クリームが付いてますよ。…いやそっちじゃなくて。こっちですよ」
航が手を伸ばし、夏世の口元をぬぐう。ふと視線が絡み合う。
頬にかかった夏世の髪の毛を、航が耳にかけながら夏世の顔を包むと、磁石のように二人の顔が重なった。
「…ん…ふ…」という吐息だけが静かな部屋で聞こえる。
航はそのまま夏世の頭を支えながら床に押し倒し、キスを続けた。
「…航さん…んん…。あ、痛」
夏世の腰のところにリモコンが当たったようで、夏世が少し顔を歪める。
「航さん、あっちで…」
ベッドに移った二人は、更に激しくキスをした。今までいつも周りに弟がいたせいで、知らず知らずに抑圧されていた気持ちが、一気に弾けた感じだった。
キスをしながら、航が夏世のブラウスのボタンをひとつ外したとき…
夏世の携帯が鳴った。無視しようとしても何回も何回も鳴り響く。
「…取ったら?」航に促され、夏世が出ると…
「月山〜!いまどこ〜!」…亮子だった。
「いまは…部屋ですけど。でも今取り込み中で…」
「良かった〜!美味しいケーキ買ったから、いま行くね〜!!」
「あ!困ります!ちょっと待ってください!!…ってもう切れちゃった」
「もしかして亮子さん?」
「はい。今から来るって…もう!」
「ふふふ。そっか、でも楽しみは先に取っておけってことかもしれないな。なにしろまだ今日は初デートなんだから。」
「でも……あ〜あ!(ため息)」
「え?そんなにしたかった?」
「もう!航さん!」
「また今度ね。でも、キスだけもう一度…」
名残惜しむようにキスをする二人。するとチャイムの音が鳴り響いた。
…ピンポーン!
目を丸くしながら顔を見合わせる航と夏世。
「げ!!もう??」
キスの続き書いてみました〜。どうもエロはうまくかけません…。
>>195 GJです!
ほんのり・・・がいいですね。
ヒミ花はなぜか、ほんのりでもいけるのが(・∀・)イイ!!
GJ!
いい感じです。
夏世っペかわいいよ夏世っペ
GJ
オチの亮子さんが特にヒミツらしくて和んだ
クリームがついてるのを逆にとろうとする夏世っぺとか目に浮かぶ
199 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:04:00 ID:zQRKjNdZ
皆さん、GJサンキュウです。
最近DVDを見返したばかりで、妄想が止まらない…。
連続ですみませんが、もう一個投下させてください。
これでしばらく打ち止めです(^^;)
初心に返って、片思いの航×夏世×智です。
「皆さ〜ん!おはようございま〜す!!」
「あ〜っもううるさいっ!朝っぱらからデカい声出すんじゃない!この鬼娘!」
「…すみません」
「で、何の用。あんたにはもう原稿渡してるはずだよ」
「ええ、今日は仕事ではなくて…。実は今日から1週間、お休みをいただくんです」
「ええ!それは忙しい我々に対する嫌味!?なによ、彼氏と旅行でも?」
この修の言葉を聞き、コーヒーを飲もうとしていた航の動きが止まった。
智もスケジュール帳をめくるのを止めて夏世を見つめる。
「まさか〜!違いますよ〜!彼氏なんていませんっ」
この言葉を聞いた航は、ニッコリして再びコーヒーをすする。
「じゃあ、なんで1週間も?」と智。
「それが、父親の具合が悪いから帰って来いって母が。
でも去年もこの手で呼び寄せて、実はお見合いの話だったってこともあったんですよ」
「お見合い??」
「ブハッ!!…ゴホッゴホホ」
「大丈夫?どしたの兄ちゃん」
「い…いや、なんでもない。ちょっとコーヒーでむせた」
「だからといって行かないわけにもいかないし…。でも大丈夫です!
もしお見合いだったとしても絶対断ってきますから!やっと、仕事にやりがいを感じてきたところだし…。あ、もう時間なので行きますね。明日からは別の担当が代わりに来ますから、よろしくおねがいします!」
玄関でブーツを履く夏世に、コーヒーをお代わりするという口実で部屋を出てきた航が声をかけた。
「…本当に大丈夫なんですか?」
「あ、航さん。大丈夫ですよ〜!きっと帰ってきます。ここは…やっと見つけた居場所ですもん」
「…そうですか。わかりました。ご両親によろしくお伝えください」
「はい!行って来ます!」
夏世を見送った後、もうあの屈託のない笑顔を二度と見ることが出来ないような、妙な胸騒ぎを覚える航であったが、
そんな気持ちを振り払うように首を振ると台所へ向かった。
200 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:07:42 ID:zQRKjNdZ
片岡4兄弟にとって長い一週間だった。それぞれの中で夏世の存在が大きくなっていたということである。
航はぼんやりとする時間が増え、智もなんだか不機嫌だ。陽もなんとなくつまらなそうだし、
修は皆の自分のギャグへの反応が悪いので落ち込んでいた。
いよいよ夏世が帰ってくる日。なんとなく皆ウキウキした様子。
「今日は小娘が戻ってくる日だな!あいつ、ちゃんとお土産買ってくるでしょうね!」
「おい、お父様がご病気なんだぞ。そんなこと期待するな」
「あら、航お兄様。やけにお優しいじゃありませんか?」
「…そんなことはない。普通だよ」
「ふ〜ん」
ピンポーン!チャイムの音が鳴った。
「来た!」
全員で少しじゃれあいながら玄関に向かう。
「おかえり〜!小娘!!……ってあれ?小娘は?」
「小娘?…ああ、月山のことですか?今朝、会社に月山のお母さんから連絡あって、
もうしばらく休ませて欲しいって。全く、困っちゃうんですがね〜。で、原稿は?仕上がってますか?」
「…………」
その日の夜、ソファーでお茶を飲む4兄弟。
「そんなにお父様の具合が悪いんだろうか」
「もしかして、お見合い作戦にひっかちゃったんじゃないの?」
「そうだな…。でも絶対断るってあんなに強く言ってたのに」
「見合い写真みたら、結構いい男だったんでその気になっちゃったんでしょ!生意気に!
…ねえ…兄ちゃん…僕もお見合いしたい…」
そのとき電話が鳴り、陽が出た。
「はい」
「あ、陽君?月山です」
「どうしたの?今日は来るって言ってたよね」
「それが…やっぱりお見合いの話だったの。何度も断ったんだけど、
親が知らない間に私のお財布を取り上げちゃって、帰ろうにも身動きできなくって!!」
「……え〜〜!」
「それで…あの、わ、航さんに代わってもらえる?」
「わかった。航兄、あのかくかくしかじか…という理由らしいよ」
「…そうか。…代わりました、航です」
「航さん。そういうわけで帰れなくて。迷惑かけてすみません。それで…
お見合いを断る口実に、恋人がいるって両親に言ってしまったんです。
そしたら、その恋人に迎えに来させろって。
それならお見合いしなくてもいいって言うんです。それで…」
「…僕に臨時の恋人になって欲しいということですね?」
「…はい。本当にわがままなお願いで申し訳ないんですけど…」
「わかりました。明日うかがいますよ。場所は…はい、わかりました。ではまた」
「…というわけだ。明日行ってくる」
「航兄はダメだよ、俺が行く」と智。
「原稿締め切りもうすぐだろ。航兄がいないと終わらないよ。それにこういうの俺、得意なんだよね〜。
女の子の両親に好かれるタイプだし♪」
「…しかし…」
「決まりね!俺が夏世っぺの臨時の恋人ってことで。二人きりになれるから、
ついでに本気で口説いてこようかな〜」
「智〜!お前、俺たちの気持ちも知らないで〜!お前ばっかりズルいぞ!」
ギャーギャーやっている修と智のそばで、寂しそうな表情を浮かべる航に気づいているのは
陽だけだった。
201 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:10:46 ID:zQRKjNdZ
翌日。
「おーい!」
「…!あれ?智さん?!航さんじゃなかったんですか?」
「兄貴たちは原稿書かなくちゃいけなかったからさ、俺が来たわけ。何、不満?」
「…いえ。そんな!ありがとうございます。ご迷惑かけてすみません」
「いいの、いいの。せっかくだから恋人気分で楽しもうぜ。
あんたの生まれた町、案内してよ」
「はい」
案の定、智は夏世の両親に大いに気に入られ、これなら安心、と夏世はやっと実家から開放された。
そしてその日の夜、片岡家へと帰宅。
「ただいま〜!」
「おう!小娘!相変わらず元気そうじゃないか!智、よくやったぞ!
今日は鍋にしたから、あんたも食べていきなよ!」
智と修と陽が、わいわいと台所へ行くと、玄関には夏世と航の二人だけになった。
「航さん、ご迷惑おかけしました。」
「いえ、いいんです。とにかく帰ってこられて良かった」
「…ええ」
「さ、中へ入って一緒に食べましょう」
夏世の目に浮かぶ、若干の失望の色にわざと気付かないフリをして、
航は夏世をテーブルへ誘った。
久しぶりの楽しい食事だった。しかし、夏世は敢えて航の顔を見ないようにしていると、航は感じた。
そして、並んで座っている智と夏世はとてもお似合いに見え、航は胸が苦しくなるのだった。
202 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:14:28 ID:zQRKjNdZ
10時過ぎ。
「あ、もうこんな時間。私、そろそろ帰りますね」
「そう?じゃ、俺が送っていくよ」と智が立ち上がる。
そのとき、夏世の視線がゆらりと航の方へ動き、航と夏世の視線が絡まった。
それを見た陽が、
「智兄は今日は疲れてるでしょ。航兄がこの人を送ればいいんじゃない?」と言った。
「…そ、そうだな。智は早く風呂に入ってゆっくりしろ。俺が送るよ」
「いや、別に疲れてなんか…」と言いかけた智は、嬉しそうに輝く夏世の顔を見てしまった。
「…そっか」とつぶやく智。「じゃ、兄貴、頼むよ」
航と夏世が出て行ったあと、智は陽に「わざとだろ」と聞いた。
「何が?」
「何がって…」
「僕、智兄には体を休めて欲しかったし、航兄には寂しい顔して欲しくなかっただけ」
「…お前…本当に18歳か?」
203 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:15:23 ID:zQRKjNdZ
10時過ぎ。
「あ、もうこんな時間。私、そろそろ帰りますね」
「そう?じゃ、俺が送っていくよ」と智が立ち上がる。
そのとき、夏世の視線がゆらりと航の方へ動き、航と夏世の視線が絡まった。
それを見た陽が、
「智兄は今日は疲れてるでしょ。航兄がこの人を送ればいいんじゃない?」と言った。
「…そ、そうだな。智は早く風呂に入ってゆっくりしろ。俺が送るよ」
「いや、別に疲れてなんか…」と言いかけた智は、嬉しそうに輝く夏世の顔を見てしまった。
「…そっか」とつぶやく智。「じゃ、兄貴、頼むよ」
航と夏世が出て行ったあと、智は陽に「わざとだろ」と聞いた。
「何が?」
「何がって…」
「僕、智兄には体を休めて欲しかったし、航兄には寂しい顔して欲しくなかっただけ」
「…お前…本当に18歳か?」
204 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:18:01 ID:zQRKjNdZ
家を出た航と夏世。お互いに黙りこくって歩いている。口火を切ったのは夏世だった。
「航さんが…来てくれるのかと思ってました」
「…え、ええ。初めはそのつもりだったんですが…仕事のこととかあって。
それに、智の方がそういうことは上手いし。あなたの恋人役としてふさわしいのは智じゃないか、って」
心にもないことばかりをなぜか口にしてしまう航。
「…そうですか。実はあらかじめ両親に、航さんの雰囲気を伝えてたんです。
そしたら智さんがその印象と違ってたみたいで、両親、ちょっと驚いてました。ふふふ」
寂しそうに笑う夏世。そんな風に寂しく笑う彼女を見るのは辛かった。
どうすれば、いつもの彼女の輝くような笑顔を引き出せるだろうか。
智なら、彼女をもっと笑わせることができるだろう。
智なら、彼女を幸せにできるのだろう…。智なら…。
言葉少なな二人の足取りは重く、ゆっくり歩いたのだが、とうとう夏世のアパートの下についてしまった。
「じゃあ、今日はご迷惑おかけしました。明日からまた、よろしくおねがいします」
「……」
「それじゃ」
「……待って」アパートへ歩き出そうとした夏世の腕を、航は反射的につかんでいた。
「…?」
「あ…いや…。電話をもらったとき、本当に僕が行くつもりだったんです。今でも少し後悔してる。
あなたの育った町を見たかった。あなたと電車に揺られてゆっくりお話をしたかった。あなたと…」
「…航さん」
夏世が笑顔になった。航がこの1週間、恋焦がれていた笑顔だった。
一瞬、夏世が航の肩に頭をもたれかけた。夏世の甘い匂いに航は息を飲んだ。
「ありがとうございます。今の言葉聞けて嬉しかったです。…じゃ、お休みなさい」
カン、カン、カンと階段を駆け上がり、ドアの前に立つと航の方を振り向いて手を振る夏世。
航は片手を上げて応える。夏世が部屋に入ってからも、航はしばらくその場を動けずにいた。
航はその夜、今まで無理やり心の奥底に沈めていた夏世への恋心を、はっきりと自覚したのだった。
205 :
航の恋心:2008/10/13(月) 10:20:00 ID:zQRKjNdZ
すみません。間違えて2回書き込んじゃいました。お許しを〜
GJ!
なんというか、あと一歩が踏み出せないこのじれったさがイイ!
浮かんだらまた投下をお願いします。
GJ!
かわいすぎます二人とも。
何でこんなに時間がたっても、萌えるんでしょう
>>199-205 GJ!!ヒミツはこのもどかしさが良いよな〜。
またまた萌えさせていただきました!!
またの投下お待ちしてますね。
皆さん、GJありがとうございました!
今度はどんな状況が面白いかな〜少し考えてみます。
べろんべろんに酔った航兄が兄弟の前で夏世っぺにディープなキスをして
夏世っぺがくたくたになったくらいで航兄が意識を失って次の日覚えてない
なんて妄想が頭をよぎった
211 :
長兄の思惑:2008/10/17(金) 01:12:26 ID:ZUAcpWXQ
>>210 その妄想、いただきました〜。
修夏の私が、手探りで航夏を書いてみました。
なんか、やっつけ仕事で荒削りですがorz
陽くん留学中設定です。
リビングのソファに腰掛けると、修は航が入れたお茶を飲み干し言った。
「遅いねー」
「うん?」
「小娘。明日校了でしょ?そろそろ原稿取りに来ないとまずいんじゃないかな」
「ああ、そうだな」
航は新聞を広げたまま、曖昧に相槌を打った。
――鮮明に覚えている。夏世を抱きしめていた修の表情を。
躓いて倒れ込んだんだ。そうに違いない、と何度思い込もうとしても、嫌な
予感が消える事はついぞなかった。
「なあ、修」
「ん?」
「……いや、良い」
「ふーん…」
あの場面を航が見ていたと言う事実に、幸い修は気づいていないようだった。
いつも通りの、のんきな顔で手袋のほつれなんかを気にしている。
「ところで修、原稿は仕上がってるのか?」
「……」
修の唇が不自然な笑顔を作った。完全に目が泳いでいる。
「お前なあ、彼女が来るのをのんきに待ってる場合じゃないだろう」
「兄ちゃんも手伝ってよ、あと少し!一時間もあれば出来るからさあ」
航の元に駆け寄った修は、座り込んで手を合わせた。
「まったく、少年漫画は誰の手も借りないって言ったの誰だよ」
「今回だけ、今回だけだから!!ね、ね?にいちゃーん頼むよ〜」
「はぁ……」
「……ね?」
「今回だけだからな」
修は顔中を笑顔にして、テラスから仕事部屋に駆け込んだ。
結局、弟の頼みは断れないのだ。
「おーーーわったあああ!」
両手を突き上げて、雄たけびを上げる修を横目に、航も伸びをして席を立つ。
一時間の仕事は、二人で取り掛かってその半分で終わった。
「やれやれ」
212 :
長兄の思惑:2008/10/17(金) 01:13:07 ID:ZUAcpWXQ
航が仕事部屋を出ると同時に、玄関の鍵が開いた。
ふと、見やると智が帰ってきていた。
「おう、おかえり」
「たっだいま、外寒かったー」
「おじゃましまーす」
智の声を追いかけるように、夏世の声が聞こえた。
「月山さん?」
「あ、航さん。こんばんは」
「こん…ばんは」
「さっきそこでバッタリ会っちゃってさー」
「…あ、そう」
航の視線は、夏世の首元でぴたりと止まった。
モノトーンでストライプのマフラー。アルカパの毛で作った高級品なんだと、
聞いた事がある。
それは、智のマフラーだ。
「あの、航さん?」
夏世は小首を傾げた。
「あ、うん。月山さん早く入って」
航は夏世の手首を掴み、引き寄せようとした。
「ちょ、ちょっと待ってください、まだブーツが……きゃっ!!」
よろけた身体を、とっさに抱きとめる。
目の前にはマフラー、そして、夏世のではない香水の匂いが航の鼻を突く。
航は、夏世を立たせると、穏やかに微笑んだ。
「部屋の中は暖かいですから」
そう言うと、彼女の首に絡まるマフラーを外して、床へと投げた。
――胸がむかむかする。
告白して、それを受けて。彼女は自分の側に居ると言ってくれた。
弟たちも歓迎してくれたはずだ。
それなのに、どうしてこんなにも余裕がない?
テラスに出ていた航は、仕事部屋の修と夏世に視線を移した。
夏世は、航の椅子に座り、原稿に目を通しているところだった。
時折、修と話し合いながら、頷いたり笑ったりしている。
こんな事にさえ、心を乱されている自分が航は信じられなかった。
あの目で、自分だけを見てほしい。
自分だけに微笑んでほしい。
そんな独占欲とは無縁だと思っていたから。
213 :
長兄の思惑:2008/10/17(金) 01:13:56 ID:ZUAcpWXQ
物語が、盛り上がり部分に入ったからなのか、夏世は真剣な表情で見入っている。
そして……。
その横顔を、修は見守るように見つめている。
ほんの少しだけ、微笑を浮かべて。
悪い予感は、たいてい当たるものだ。
航は、眉間に皺を寄せて小さくため息を付くと、勢い良くテラスを出た。
「あれ?航兄ぃ、出かけんの?」
「ああ……ちょっとな。これ、借りるぞ」
航はマフラーを巻きつけると、智に尋ねた。
「何か買って来ようか?」
「あー、俺は良い。ここ来る途中、あの人と美那絵さんとこで軽く済ませてきたから」
「………そうか」
夏世は、原稿を揃えて書類ケースに収めた。
「お疲れ様でした」
「うん……てあれ?智、航兄ちゃんは?」
「え、まだ帰ってないの?…もう、一時間は過ぎたよなあ」
「何、散歩?」
「さあ、買い物……にしても遅いか」
「航さん、どうかしたんですか?」
不安げな表情の夏世に、智が小さく手を振る。
「もうすぐ戻ってくるでしょ。子供じゃないんだからさ」
「でも……」
すでに、夏世は泣きそうだ。
「あ、ほら。帰ってきた」
修の声に、夏世は玄関に駆け寄る。
ガタガタと、大きな音を立てて、ようやく航が帰宅したようだった。
やれやれ、と修と智がリビングに戻ろうとした瞬間、夏世の動揺した声が
響いた。
「わ、航さん!!」
見ると、玄関にしゃがみこむ夏世の膝に、上半身を預けたまま航は崩れ
落ちるようにして倒れていた。
「うわ!酒くさっっ、航兄ぃ、酔ってんの!?」
「んー……?」
顔を上げた航はいつもと同じ、ニコニコと笑みを浮かべている。
そして、視界に夏世を捉えると、スイッと両腕を伸ばした。
夏世の首に両腕を絡ませ、ゆったりと身体を起こす。
「きゃ…っちょ、ちょっと!わ、わたるさんっっ!!」
ただでさえ、反り返るような姿勢を後ろ手に支えていた夏世は、潰れるように
して背中を打ちつけた。
「ったーぁ…」
214 :
長兄の思惑:2008/10/17(金) 01:14:57 ID:ZUAcpWXQ
痛みに顔を歪めていた夏世が、ふと我に返ると。
目の前には、航の顔。
どさりと重なりあった身体、その重みで暖かく拘束されて、夏世は身動きが
取れない。
思わず高鳴る胸の鼓動……航の目は、酔っているはずなのに真っ直ぐ夏世を
捉えて離さない。
「月山さん」
「は、はい……」
アルコールのせいで、熱を持った手のひらが、夏世の頬に触れる。
こめかみの辺りから、指先で輪郭をなぞるようにして。
夏世は、恥ずかしくてたまらないほどのドキドキに、息をするのも忘れそう
だった。
それほど、航の手は優しく、繊細で。執拗に頬を撫でる。
「わたるさん……」
うっとりと、呟く。
わずかに赤みを差したような、艶やかな唇。
航は、引き寄せられるように、そこへ自分の唇を重ねた。
「………んっ!!!」
「………!」
「………!」
一度味わってしまうと、もう止まらなかった。
夏世とキスをするのは決してこれが初めてではなかったが、側に立ち尽くして
いる修と智の視線に、航の中で何かが弾け飛んでいた。
驚いてもがく夏世を、全身で押さえ付け、
角度を変えながら、必死にむさぼる。
やがて、夏世の身体は徐々に抵抗をやめ、航もいったん唇を離した。
「……好きです、あなたの事が」
「私も……あ!」
夏世の言葉を待つまでもなく、再び唇を重ねる。今度は舌先で緩く歯をこじ開けた。
おどおどしながらも、抱きしめる腕に応えるようにして航の背を抱く。
柔らかい侵入者は、激しく絡まり甘い唾液が夏世の唇からあふれ出した。
「あっ、うんっ………はぁ、ん!!」
夏世の声で、航のキスはより一層、深く激しくなっていく。
お互いをすする水音と、荒い呼吸だけが響き渡り、
すっかり夢中になってしまっている二人に、
修も、智も。声すら掛けられないまま立ち尽くしていた。
215 :
長兄の思惑:2008/10/17(金) 01:15:28 ID:ZUAcpWXQ
どれぐらい、そうしていただろうか。
もしかしたらこのまま、行くとこまで行きそうな甘く淫靡な空気漂う中、
ようやく航が夏世から離れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
夏世の瞳は、虚ろに潤み、
視線が合おうものなら間違いなく惑わされてしまいそうな、色香を帯びている。
「と、ととと、とりあえず!兄ちゃんを運ぼう」
「あ、ああ!」
修と智は、おたおたと航に駆け寄り、二人で両脇から抱えた。
「ん?……おさむぅ、さとしぃ〜」
「航兄ぃ、一体何杯飲んだんだよ!」
「……んー、何杯だったかなーぁ。……なあ、おさむぅさとしぃ〜」
抱えられていたはずの、航の両腕に、ググッと力がこもる。
修と智は、首を絞められる形で引き寄せられた。
「な、なに?」
「ぐぐぐ、お兄様。ぐるじぃっ」
「……あの人には、手を出すな……」
静かな声は、酔っ払いのそれとは思えないほどハッキリと二人の耳の底まで
響いていた。
「あー…頭が痛い」
「お、お兄様、お水でもいかがです?ほら!智!早く水っっ」
「もー修兄ぃが取りに行けよー。キッチンに近いくせに」
ぶつくさと文句を言いつつも、智は水を汲んで戻ってきた。
「昨日は良く眠れましたでしょうか?」
「ん?なんだ、バカ丁寧にしゃべったりして」
修は、智から水を受け取ると、二日酔いの薬と共に航に手渡した。
「いや、別に……」
「そういえば…」
「え?」
「なんか、唇が妙に荒れてるんだ。冬も近いし乾燥でもしたかな」
「……航兄ぃ、覚えて、ないの?」
「うん?……何が?」
パチパチと、不思議そうに瞬きを繰り返す兄を見て、
修と智は思わず顔を見合わせた。
end
>>211-215 GJ!超GJ!
自分210だけどまさか妄想を文にしてもらえるなんて…!
しかも修夏なのに航夏を…ありがとうほんとありがとう
酔っ払いの動機が嫉妬なことに悶えた
GJ!
萌えまくりました。
静かに高まるジェラシーwの炎に読みながら身もだえしました。
飲んだのはみなえさんのところかなー。
あとは翌日の夏世の反応が気になります。
大変な彼氏を持っちゃったねw
>>211-215 GJ!GJ!
超萌えさせていただきました!
覚えてない航兄はまだしも、夏世っぺは次にどんな顔して会うんだろうな…。
220 :
211:2008/10/17(金) 12:24:54 ID:znIVMuhW
GJ、ありがとうございます〜
航夏も大好きなんですが、なにぶん修兄ぃへの愛情が偏りすぎて…
航の性格、話し方等々がどんなだったかなーと復習してました。
そして、夏世放置(笑)普通ならいくら好きな人にでもこんな事されたら
激怒すると思うのですが、きっと航兄ぃなら、うまくなだめてくれると
思ってますv
GJ!萌えまくりましたw
その後の夏世っぺも書いて下さい!
修と智は何も覚えてない兄に真実を伝えるんだろうか…
それとも(面白いから)黙っとくのかなw
最近スレが賑わってて楽しいな〜
黙っとくに一票w
実は全部覚えてるに一票ww
ちょ…前!!ww
そのサイトのオープンショーツのページにこのスレにピッタリの商品がww
>>226 ちょっまじだww
226の探究心にGJ
しかもまた夏世に似合いそうだな・・
誰かはかして!!
ちょwお茶噴出したw
色は何色かな〜
公式サイトとかポスターの服が白だったから白のイメージがある
>>211-215 次の日に今度は夏世っぺが酔って「ホントに覚えてないか身体にきいてみましょう!」とか
ないかw
航兄が夏世っぺに言うならありそうな言葉なんだけどなー
・亮子と飲んでた夏世っぺ泥酔
↓
航兄がお迎え+家まで送る
↓
自宅に着いた途端、泥酔夏世っぺのエロスイッチON!
↓
航兄に馬乗りになって自ら服を脱ぎ捨て下着姿で誘惑しまくりーのおねだりキス
↓
最初は(゚д゚)ポカーンな航兄だったものの夏世っぺの今までにないエロテクの波に飲み込まれて朝までイチャイチャ…
と風邪気味ながらこんな妄想してみた。
きっと亮子さんが田中ちゃんとの激しいプレイ話を夏世っぺに聞かせたんだな
で、ムラムラしちゃった夏世っぺがなんとか静めようとして酒をあおって泥酔…
智ぴょんはお酒で失敗するのかなと考えてみたけど思い付かなかった
なんかスマートに飲みこなしてそうで
そのスマートさ、器用さゆえに本気の恋愛に不器用なんだよね。
でもなんだかんだ兄弟だから、隠してるだけで智ぴょんも似たような感じなんじゃないかなぁ
智と陽は隠すのがうまい気がする。航と修は苦手そう
某番組で夏世っぺの中のひとが「恥ずかしいから見ないで!」と言ってて
反射的にスレに投下された作品のいくつかを思い出してしまった
見てたよ今日
胸大きいっ!!
でかいでかい何度もいわれてたね
たまらんスタイルだ・・・ハアハア
Eカプだっけ?
ここ半年で、C→Eカプらしいぞ。
加圧トレーニングの賜物とか言ってるけど・・・どうなんだろう
中の人、Eカップでもアンダーが65だからトップは85くらいなんだよね。
細いのにたわわなお胸・・・ええのう。
たわわなお胸を活用したご奉仕の投下ってあんまりないよね
初代リレーの修兄の妄想中くらい?
奉仕「させる」ってタイプじゃないしね。
「させてください」って言われてためらいながらも受けるタイプ。
夏世っぺも受け身だしなー
積極的にご奉仕したらそれはもう興奮するだろうな
いくのを堪えるのが大変そうだw
夏世っぺは酒の勢いがあったらやれそうだw
二人とも押すのも押されるのも弱そうだもんなぁ
夏世っぺと航兄、酔った勢いでチョメチョメwってのは実際なさそうだな
逆に夏世っぺは潰れかけたところを断る間もなく智兄あたりにヤラれちゃった…orz って展開になりそうだ。
ふと、消える前に保存してた公式サイトみてたんだけど
夏世っぺの部屋ってベッドのすぐそばに鏡あるのね
鏡プレイしやすそう…
公式…はまった時には既に消滅してたなぁ…orz
それって、片岡家の見取り図とかもあったのかな
見取り図とかは夏世っぺ宅も片岡宅もなかったな
どっちも水回りが何処にあるのか謎…
激亀ごめんなさい。
>>43の続きです
コーヒーのいい香りが室内を満たし、その香りに誘われたかのように
夏世は目覚めた。彼女の目がまず捕らえたのは、すぐ側にある智の整った顔で
瞬間彼女は跳ね起きて、本能的に自分の衣服を改めた。
(よかった、でもそうよね、だってここリビングだもの。)
「・・・コーヒー、どうですか?」遠慮勝ちに背後から聞こえた声に
彼女は驚いて振り向くと、口元にはあのいつもの穏やかな微笑みを浮かべた航がいた。
いつから、そこに?そんな彼女の声にならない疑問に答えるより先に航は立ち上がると
夏世のためにコーヒーを入れにキッチンに行った。
気まずさで一杯になった夏世はすぐにも片岡家から退散したかったのだが
これでは、帰るに帰れない。智に目をやると、彼はまだ目覚める気配もなく眠っている。
自分が跳ね起きたために、智のブランケットが落ちてしまっていたのに気づいた夏世は
床からそれを拾い上げ、そうっと智の体をブランケットで覆った。
花園ゆり子の原稿が落ちてしまうのではと不安で一杯でパニくった夏世の替わりに
彼は原稿のペン入れから、夜食の手配、編集部と印刷所の連絡までこなしてくれたのだ。
夏世のために新しく入れたコーヒーを持ってきた航は、眠る智を優しく見つめて労わる夏世を見た。
「あの、これ・・・」夏世にマグカップを私、自室へと退去しようとした航だが
夏世は唇の手を当て、キッチンの方角を指差した。
(しぃっ、静に。智さんが起きてしまいますよ。キッチンに行きましょう)
今度は航が、退散する機会を失って、夏世に促されるようにキッチンに入った。
「航さん、わざわざ入れてくださったんですね。いい香りがしてます」
夏世は湯気の立つカップの向こうから航に遠慮がちに微笑みかけたが
彼女の頬についた智のシャツのボタン跡が、航の心を騒がせた。
「いえ、僕ももう一杯飲みたかったからそれで」そっけなく答えた航のマグを
「じゃあ、2杯目は私が」すっと手を伸ばした夏世は取り上げてしまいコーヒーを入れた。
二人はテーブルに向かいあってつくねんと座った。
「あの」「あの」何が言いたいのかも自分でわからないまま
会話のキッカケがつかめず、二人は顔を見合わせ、二人同時に目を逸らした。
重苦しい沈黙をもてあまし、航はやっと思いついたことを言った。
「朝ご飯まだでしょう、よかったら」
「そうだ、いけない、忘れてました。智さんがブランチ作ってくれて冷蔵庫に」
現状打破しようとした航のせい一杯のプランはあっさりと天然夏世に一蹴されて
夏世はそうとは知らずに、航との重苦しい雰囲気から逃げられるのを喜ぶように
いそいそと冷蔵庫へ向かおうとした夏世の手を航は捕らえて聞いた。
「リビングで眠るくらいなら、なぜ僕の部屋へ来てくれなかったんです?」
「で、でもご兄弟がいらしゃるのに航さんの部屋へ行くなんてできません。」
航に手をつかまれながら
彼の腕の中に包み込まれるのを避けようと、航の胸を押す夏世に航は焦れた。
「だからって僕がいるのにリビングで智の横で眠るの?朝には頬に智の跡をつけて」
「航さん、それなんのことです?」
「俺が頼んだんだよ、兄貴。眠るまで側にいて欲しいって」
キッチンの入り口に智が立っていた。
<続く>
キター
wktkで続きをお待ちしています
>>249さんの続きじゃなくてスマソorz ついでに挟まっちゃったら申し訳ない。
―四兄弟からのメール― ←そんで捻りもないタイトル(笑)
漫画で泣いたりなんか出来ない。そう思っていた夏世が久しぶりに箱ティッシュを抱えて夢中で読み
進めた作品。
だから、田丸がそれを突き付けてきたとき、一瞬何事かと小首を傾げたのだ。
「なんですか?」
「な・ん・で・す・か、…だと?」
苦笑に引きつる唇の端から、タバコの煙が漏れる。
ノンスモーカーの夏世にとって迷惑極まりないが、少女漫画編集部とは名ばかりの男所帯なのだか
ら仕方がない。
田丸に気づかれぬよう、突き返された原稿を鼻先にかぶせて、煙害に眉をひそめた。
修辺りが知ったら、激昂するかもしれない。
一方の田丸は、夏世の些細なしぐさなど気にも留めず、苛立たしそうに中指でトントンとデスクを叩いた。
「リアリティがないんだよ、リアリティが!」
「リアル……具体的には、どの辺が…?」
「そんな事、お前が考えろ!! ともかく、手直しして貰って来い!!」
豪快に立ち上がった田丸に、その様子を伺っていた三浦と畑中は、慌てて視線を逸らした。
「トキメキの次は、リアリティかぁ……花園先生になんて言おう」
担当編集になってまだ数ヶ月の夏世に、またもやダメ出しされたら。
田丸の怒声には慣れてきたものの、修の抗議や、航の冷ややかな視線。そして陽の機嫌を損ねてしま
う事を想像するだけで、片岡家への足取りも自然と重くなった。
いやいや歩くのもつまらないので、夏世は何度も繰り返し読んだストーリーを頭の中で反芻してみる事
にした。このまま原稿と田丸の言葉だけ伝えても、きっと「どこが?」と突き返されるのは既に学習済み。
3回くらい反芻して、やっぱり解らなくて、途中立ち止まって原稿を眺めたりもした。
「うーーーーん……どこがいけないんだろ」
原稿用紙の束を左手にしたまま、髪をくしゃくしゃとかき乱した瞬間、一陣の風が吹いた。
一番手前の一枚が、親指からすり抜けて、ふわりと宙を舞う。
慌てて見上げて手を伸ばすと、それより先に別の手が伸びて、無事原稿は地上へと戻ってきた。
「何やってんの」
「あ、智さん……」
「こんなとこで、原稿広げてさ。本っ当に迂闊な事するよね」
「すみません」
「で、何?」
「それが……」
夏世は道すがら智に事情を説明する羽目になった。
もちろん、智がいい顔をするわけもなく、なんで?だの、どこが?だの、アンタんとこの編集長って、センス
ないんじゃない?だの散々愚痴られた。
「だからさあ……」
まだ言い足りないらしい智が、再び口を開いた時、それを制止するように夏世の携帯が鳴った。
一瞬、バッグに手を伸ばした夏世は、思い出したようにそれを辞めた。
「電話、出なくていいの?」
「あの着信音はメールですから……あぁ!!」
「な、なに?」
「メールですよ、メール! 花園先生の作品にメールって出てこないですよね?」
「そりゃあまあ、今までが時代物だったし。それに、俺たちメールなんかしないから」
智の声を遠くに聞きながら、夏世は何かをつかんだように、小さくガッツポーズを取った。
「メール、ですか」
「はい! 現代物の恋愛話に、メールは不可欠な時代なんですよ。ここはひとつ、苦手意識を克服するのも
良いんじゃないかなーっと思いまして!」
一同は、夏世の配ったメモ書きを億劫そうに眺めていた。
「なんで、メモなの? こんなの赤外線とかで送ってくれれば良いのに」
陽は一言つぶやくと、メモを傍らに追いやってモニターに向き直った。
「大体さあ、忙しい俺たちにこれ以上、なにやらせようって言うわけ? 俺は送んないからねっ」
修も興味なさげに、さっそくメモで紙飛行機を折り始める始末。
「まあ……月山さんの言う事にも、一理あるとは思います。でも、僕らがアナタとメール交換する事が、作品
のリアリティに繋がるのかな」
航の当然の問いかけに、夏世も思わずたじろいだ。
「それは……なんとも」
「俺なら少しは女性ともメールするし、俺が陽にアドバイスすれば良いんじゃないの?」
ソファに座って伸びをした智が発言すると、陽はうんうん、と頷いて同意した。
「確かにそうですけど……」
「女性とメールだとおおおおっ! またお前ばっかり良い目見やがってぇ!!」
勢い良く駆け寄ってきた修を、夏世は慌てて交わす。
障害物がなくなって、そのまま智へと突進すると、いつものように掴みかかった。
「いちいち反応すんなよ!! つーか、兄貴のメールとか見てみたいもんだね!どーせオタク趣味全開で、
無駄に長文なんだろうな」
「撤回しろ! 俺はオタクじゃないっ!」
元気いっぱい争う二人を見て、航は肩で息をついた。
「やってあげてもいいんじゃないのか? 修は特に、社交性が身に付くかもしれないぞ」
「あ!兄ちゃんまで俺をそういう目で見てるわけ!?」
「ほかに、どう見えるっていうんだよ」
修に組み敷かれた形の智が悪態を付く。
「なんだとーーーーっ」
「なんだよ、本当の事言っただけだろ!」
「お前は、お前って奴は〜〜少しは兄貴を敬わんかい!!」
再び掴み合う二人をただ見ていることしか出来ない夏世は、また余計な事を言ってしまったのではないかと、
すでに後悔し始めていた。
で。今、兄弟からのメールを考え中なのですが、
他の方に自由に繋げてってもらえたら嬉しいなあとも、思ったりしてw
超GJ!
最近職人さま増えてきてうれしすぐるww
>>249も
>>251-252も続き楽しみにしてる
ところでハロウィンですね
猫耳をつけた夏世っぺと航兄のディープキス妄想が頭から離れません
関西再放送とさとぴょんの誕生日が近づいてきましたね
ポッキーゲームにかこつけてキスしようとしてお兄様にチョップで割られないかなw
笑顔なのに目がマジなお兄様w
257 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 09:39:07 ID:i7RWHw6b
株価がさがるのは麻生自民が権力にしがみついているから。いい加減にしろ!
早期政権交代を求める国民の意思を無視するな!!!
株価がさがるのは麻生自民が権力にしがみついているから。いい加減にしろ!
早期政権交代を求める国民の意思を無視するな!!!
小沢一郎氏、解散先送りを牽制
経済状況が厳しくなればなるほど国民の支持を背景にして強力な政策を実行する政権が望ましい。
(衆院選こそが)政治の空白を避けるベストの道だ。
衆院選によって政治空白になるというのは、ためにする議論だ」と述べ、改めて早期解散を求めた。
頑張れ小沢次期首相! 権力の亡者麻生に正義の鉄槌を!!
すみません
>>211-215 さんではありませんが、この話がとても好きだったので続きを少し書いてみました。
思ったより長めになったので、続きはしばらく後になるかもしれませんが
まずは投下させていただきます。
一人残された夏世サイドからの話です。
「はぁ・・・」
また一つ目覚めたばかりの夏世の口からため息が出る。
昨夜から何度繰り返しただろう。
航が修たちに抱えられて部屋に戻った後、二人が戻ってくる前に夏世は急い
でうちに帰った。
航とのキスによる気分の高揚の名残とそれを修たちに見られたことに対する
羞恥心から、夏世の心臓はもう張り裂けそうだった。
徐々に落ちついてくると、明日からどんな顔をしてあの家に行けばいいのか
わからず、ため息が漏れるばかり。
(付き合いだしてからも、みなの前では今までの様に接していてくれた航さん
だったのに・・あんなことをするなんて。どうしちゃったんだろう。
修さんたちはどう思ったんだろうっていうか何を言われるのかなぁ)
そんなこんなで眠れないまま朝を迎えてしまった。
そこへ聞きなれた三三七拍子の着信音が・・・
「智さんから・・」
智からメールが一通
「タイトル:忘れ物
本文:原稿を忘れてるよ。
それから、昨日の件は航にいは何も覚えてないから、俺達も忘れた
ことにする。
以上。
追伸 このメールは見たらすぐに削除すること 」
「あーっ!」思わず飛び起きる夏世!
確かに辺りを見回しても、原稿の入った書類ケースがない。
あの時あわててそのまま飛び出してきてしまったので、書類ケースだけ置いて
きてしまったらしい。なんていうことだ、原稿さえ持って帰ってきていれば少しは
気持ちの整理する時間が稼げたかもしれないのに
「はぁーあぁー」今日一番のため息とともにそのまままたベッドにまた寝てしまう。
(なんて馬鹿なんだろう・・・
そのうえ航さんが何にも覚えていないなんて・・・・信じられない。
智さんたちも忘れたことにするって・・・忘れられるものなのだろうか。
何もなかったように振舞ってくれるのだろうか・・・
ああいう場面に慣れてそうな智さんはともかく、修さんが黙ってそうな気は
しないけど。)
しばらくベッドの上でじたばたしていたが、ぐずぐず悩んでいても遅刻するだけだし、編集者としては大事な原稿を落とし
ちゃいけないので、ベッドから抜け出し出社した。
「おっはよぉー!」と朝からハイテンションで出社した夏世に声をかけてきたのは亮子だった。
「おはようございます。」とかなり低めなテンションで答える夏世。
「あらどうしたの?元気ないわねぇ。そんなんじゃ何もうまくいかないわよぉ。
私と一郎君なんてもうらぶらぶよぉ・・・・。昨日もデートだったし。うふふ。」
「そうですかぁ。」
「ほんとどうしちゃったの?航さんとけんかでもしたの?」
「けんかというわけではないんですけど・・・実は・・・」
昨日のいきさつを簡単に話すと。
「なーんだぁ、そんなことぉ。かわいいじゃない航さん。月山愛されてるわねぇ。」
と軽く笑い飛ばされる。
「かわいいで済まされるんですかぁ?私はどうしたらいいんですか?」
「かわいいと思うわよ。まぁ恋愛偏差値の低い月山には刺激強すぎたかもしれないけどね。
とりあえず智さんの言うとおり忘れたフリをしておけば?」
「何もなかったことにしておくんですか?」不服そうな夏世。
「そう。それが無理なら・・・」亮子が不意に真剣な夏世を見つめる。
「無理なら?」夏世も真剣に亮子を見つめると・・・
「そのときは自分のしたいようにすればいいんじゃない」とにっこり笑われてしまった。
「??? えぇーっ?」
「答えなんて無いわよ。それよりあなた早くく原稿取りに行かなきゃ、まずは仕事よ仕事。」
「あっ!急がなきゃ。それでは失礼します。」
亮子と別れ急いでデスクに戻り、原稿を取りにいく準備をして片岡家を目指す・・・
262 :
夏世の憂鬱:2008/11/03(月) 00:38:22 ID:mueSxyRp
すみません今日はここまで・・・また近いうちに書きたいと思います。
乙ですた(`・ω・´)
続きもニラニラ正座しながら待ってますw
関西再放送裏山…関東もやってくれないかなぁ
GJ!
続きを全裸でお待ちしています
GJ!
続き楽しみにしてます!!
関西再放送が羨ましくて久しぶりに本編見たけどやっぱりみんな可愛すぎる
そしてここの作品のネタをいろいろと思い出してしまうw
とりあえず今日中に必要な原稿を取りに向かった夏世だったが、足取りはやっぱり重い。
しかし気持ちとは関係なく通いなれた道のりに、迷うことなくマンションの前まで到着してしまった。
意を決してチャイムを鳴らしてみる。修が何かしらいやみを言いながらも出るかと思いながらも
全然応答なし。
もう一度「ピンポーン」と鳴らしてみるが・・・やっぱり誰も出ず。
・・・誰もいないのかな?
ラッキー!今のうちなら誰とも顔合わせないかもと思いながら、留学している
陽から譲り受けた鍵を取り出し、中に入ることにした。
誰もいないけどついつい「おはようございまーす」といいながら、玄関の戸を開け
仕事部屋に向かうと、智の机の上に見慣れた夏世の書類ケースが。
中の原稿を確認し、今度こそ忘れないようしっかりとケースを持って仕事部屋を後にする。
ついついいつもの癖でリビングをのぞくと・・・・一人がけのソファーに見慣れた彼の頭が
・・・
「航さん?」と後ろから声をかけるが反応はない。
静かにソファーの前に廻ってみると・・・うたた寝をしている航がいた。
気持ち良さそう・・・そう思いながらもあまりにも幸せそうに眠る姿を見ると
思わずいたずらしてみたくなる。
頬をなぜ、昨夜夏世の唇を傍若無人に吸い付いた唇にそっと指を沿わせると、航が怪訝
そうに顔をしかめ・・・
「うーん?かよ?夏世っ?」眠い目をこすりながら、徐々に現実の世界に戻ってきた。
「おはようございます。起こしちゃってごめんなさい。」
「おはよう・・・。あれっ?こんな朝早くからどうしたの?今日は校了のはずじゃ・・?昨日原稿取りに来てたよねぇ?」
寝ぼけながらも的確な航の突っ込みに、かよはややひきつりながら・・
「え、えぇ・・・昨日原稿忘れちゃって。ちょっと今朝取りに来ました。」
「あっそうなんだ。でもそれにしては修、珍しく何も言ってなかったけど?」
(ほんとに何にも覚えてないんだなぁ)とぼんやり思いながらてきとーな言い訳を考える。
「航さんがかなり酔っ払って帰ってきたのに、ビックリしてみな驚いてたんですよ。修さんと智さんでお部屋に
連れて行ってくれたんですけどねぇ」
「あーそうだったんだぁ。ごめんなさい。あまり僕覚えてないんですよね。
迷惑かけちゃいましたね。」航はホントにすまなそうに頭を下げる。
「えっ、いやっ迷惑なんてことは・・・(なくはないけど)」夏世は多少後ろめたさを
隠しながら答えながら、疑問に思っていたことを聞いてみる。
「でもどうしてあんなになるまで飲んだんですか?何か悩み事でも?」
「いいやぁっ、そのぅ・・なんでもないんですけど、ミナエさんの店に行ったら
おいしい酒のつまみが合ったのでつい。」と今度は航がなんだか奥歯に挟まったような言い方で答える。
しかし恋愛偏差値の低い夏世はそんな航の感じにきづかづに・・・
「そうだったんですか、安心しました。それでは会議があるので失礼します。」
と挨拶し立ち去ろうとする・・・・と。
>>267 おおっ!続きが投下されている!
この続きをwktkしながら待ってま〜す。
智ぴょん誕生日おめでとう!
o◇◎。o☆。
。☆゚∧∧☆。◎
/o○(*゚ー゚)◇☆
/ | ̄ ̄∪∪ ̄ ̄|
/ ゚|誕生日オメデト!|
▲ ゚◇o☆____|
□▼――-☆∂☆◎
あげ
・・・サンキュ。
270が夏世っぺにしか思えない自分は病気
猫の着ぐるみを着た夏世っぺが、ファスナー噛ませて脱げなくなって、航に助けてもらうんですね。
そして助けてもらった恩返しを一生懸命するんですね。
ええ話や……
>>275 末期ですねw
お薬だしときますねー。つ「ヒミツDVD」
>>275 ええ話しだ…
助けてくれた航兄のために色々とご奉仕するんですね
そしていつの間にか航兄に食べられちゃうんですね
再放送の影響でヒミツ熱再燃
全職人様方、本当に感謝です!有難うございます。
拝見しているとやはり王道が人気なんですね。
航夏も勿論大好物ですが意外と智夏が少ないのに驚きました。
自分は四兄弟が夏世っぺを取り合ってくれてるだけで
お腹イパーイ満足です!!
251の続きです。次はエロも頑張りたいと思いますorz
出社しようと玄関で靴を履いている最中に、携帯が鳴った。
「誰だろ……あ、そっかメールだっけ」
見覚えのないメールアドレスに、顔を寄せる。
何せ、あれから1週間。提案した夏世ですら忘れかけていた。
『帰りに、バナナ買ってきて(´ゝω・)ノ』
「……」
無言で携帯を閉じる。
最初のメールがコレってどうなの? と、思いはしたが、あれほど乗り気ではなかった
修から、一番最初にメールが来るとは。しかも、妙に可愛い顔文字入り。
とりあえず、アドレスを「次男」に登録して、携帯を鞄に入れようとする、と。再び着信音が鳴った。
慌てた夏世は、取り落とし、コンクリートに無残にも叩きつけられてしまった。
「あ、っちゃあ〜。これ、お気に入りだったのになあ」
細かい傷がひとつ付くたびに、凹んでいた夏世は銀色の傷を指でなぞって、深いため息をついた。
自分のせいとは言え、タイミングの悪い着信に、不機嫌顔で向かい合う。
『おはよう。
俺は、今日用事があるから。
兄貴たちや陽の昼食は冷蔵庫に入っているので、
あたためて出してやって。
あと、週末に鍋パーティやるから。
明日にでも買い物、付き合っ』
文章は、そこで唐突に途切れていた。
しかし、メールの最後に「satoshi.k」とあったので、智からなのは間違いないようだ。
仕事でもしょっちゅう女性とメールしている口ぶりだったし、署名設定をしているのかもしれない。
「急いで送った、のかな?」
鞄に携帯をしまおうとしたら、またまたメール着信を知らせる音が鳴る。
出掛けに、こうも続くと、兄弟が示し合わせて、夏世をからかっているのではないかと疑ってしまう。
あの、コートのポッケ事件以降、夏世の四兄弟に対する信用度は極めて低い。
「今度は誰よ、もうっ」
『件名:おはようございます
いつも朝一番に御呼び立てしてすみません。
原稿は仕上げておきますので、よろしくお願いします。
片岡航』
律義なその文面に、夏世の頬も緩んだ。そして出社時間に間に合わなくなるのも構わず、うきうきと
まとめて返信メールを打つ。
『花園先生のためなら、何だってさせてくださいm(__)m』
『買い物、お供します! 一緒に選びましょう(^0^)/』
『了解ですo(^-^)o』
これも一応、ビジネスメール、そう思うともう少しフォーマルな返信にしようかとも思って、何度か打ち
直したりもしたが、元々、漫画の参考になればと始めたこと。夏世は、あえて顔文字を交えて「友達に」
送るような気持ちで返信をした。
足どりも軽く、アパートの階段を降り切ったところで、再びメールが着信した。
「あ、これって…」そのアドレスは、夏世がすでに登録済みのものだった。
『From:四男パソコン』
『今日の降水確率は、午後から80%ちゃんと傘持ってきたほうが良いよ』
慌てて階段を駆け登る。遅刻は免れそうにもなかった。
朝、起床した修兄ぃは、冷蔵庫を開けて、何やら文句を言いながら、自分のデスクのくず入れをひっくり
返していた。
何してるんだろう、と見に行ったら、放射線状の折目をたくさんつけたメモ用事片手に、携帯電話と格闘
していた。
智兄ぃは、テラスでメールを売っている最中に、航兄ぃと遭遇。
慌てて後ろ手に携帯を隠してたけど……ちゃんと送れたのかな。
航兄ぃは、狼狽する智兄ぃの側で、平然とメール送信してたっけ。
で、今。
「陽くーん、見て見てー」
猫のように擦り寄ってきた修兄ぃは、誇らしげに携帯電話を掲げた。
「どうかしたの?」
「小娘ってさー、もしかして俺さまに気があったりするのかなあ」
『花園先生のためなら、何だってさせてくださいm(__)m』
「修兄ぃ、何て送ったの?」
「うん? バナナ買ってきてって」
携帯を今一度、覗き込む。アドレスに0109、あの人からなのは間違いない。
思い至って、慌てて航兄ぃと智兄ぃを振り返った。
智兄ぃは出かけたのか、姿が見えない。
「航兄ぃ! 携帯見せてもらって良い?」
既に見てしまったのだろう、笑顔が凍りついてる。手にした携帯を急いで奪い取った。
『From:月山さん
了解ですo(^-^)o』
僕は二つの携帯を手に、脱力した。
さて、このミスをあの人に伝えるべきか、伝えないべきか……。
fin
なんだか意味不明でごめんなさい;うまくオチつけられなかったなー…
GJ!
メールの文面も兄弟のイメージにぴったりだし
航からのメールにほほが緩む夏世っぺが可愛い。
ドラマの場面を見ているようでした。
再放送効果で住人が増えることを祈ります。
>>280 GJです!
夏世っぺのうっかりドジっ子ぶりが目に浮かぶわー。
修兄は毎日写メ付のウザメールを送ってきそうだよねw
ヒミツ熱に侵されて来週、修兄の中の人の舞台チケ取ってしまった自分がいる。
>>282 舞台いいですねー
私はイケテツTシャツバラバージョン(赤)がひそかに欲しいw
>>282 自分もヒミツきっかけで舞台行きます!
12月公演分ですけどねー
赤いTシャツをノーブラで着てる夏世っぺが頭をよぎってしまったじゃないか!w
ある日の片岡家の玄関。
ジャケットを脱がずにもじもじしている夏世
「どうしたんですか?」怪訝そうな顔をする航。
「あの・・・コレ」
ボタンをはずし、前を空けて見せる夏世と、目を丸くする航。
「・・・なんですか?この・・・Tシャツ」
航の目に飛び込んできたのは
いつも夏世が着ている可愛らしい感じの服装とは明らかに違うものだった。
真っ赤なTシャツ。
そして、真ん中に大きくプリントされているのは・・・修の似顔絵だ。
「修さんが仕事場を借りた記念にアシスタントさんたちとスタッフTシャツを作ったとかで」
「で、なんであなたがそれを着てるんですか?」
「それが・・・うちの社の少年誌の担当から
修さんから『次回うちに来る時には着用を命ずる!』の言葉と一緒に渡されまして・・・そのぅ」
夏世の豊かな胸元にあるのは修の顔。なんだろう。無性にいらだたしい。
「恥ずかしかったでしょう。まったく修のやつは・・・
迷惑をかけてすみませんでした」
「いえ、あの、航さんが謝ることじゃ」
赤面する夏世。
そこに自室からパタパタとスリッパの音を響かせて修がやってきた。
「夏世っペ来たの〜?
・・・わはははは!ホントに着てきた!」
「修さんが絶対って言うから恥をしのんで着てきたんじゃないですかっ!」
「恥とはなんだ。俺様自らがデザインした格調高いプリントTを。
うむ。なかなか似合うじゃないのよ。これで夏世っペもチーム修の一員だ」
「うれしくないですっ!ちっともっ!」
そこに、二人の会話を黙って聞いていた航が口を開いた。
「修」
顔は修のほうだけを向いて。
一見するといつもの笑顔だ。
ただし、いつもと違うのは目が笑っていないことだ。
そして、視線をそらすのも許されない。
一気に背筋に寒風が吹き付けるのを感じる修。
直感でしまった、これはやってしまったと思ったが、もう遅い。
「おおおおにいさま・・・なな何か?」
「ちょっと悪ふざけが過ぎるんじゃないかな?」
笑顔のままの航。
「ももも、もうしわけございませんでしたぁぁぁあ!」
床にひれ伏し土下座をする修。
いきなりのことに夏世は驚いた。
「謝る相手は俺じゃないだろう」
「かかか夏世っペさま、お許しくださいぃぃぃ!」
修の豹変振りに驚く夏世。
「修さん、いいですから気にしないで下さい。顔を上げてください」
「はいっ!ありがとうございますっ!」
助かった、そんな表情で夏世を見上げる修。
「そういうことで修、俺はこれから代わりの洋服を買いにいってくるから」
「はいっ!ではこちらをお使いくださいませっ」
修はポケットから財布を取り出し、そのまま航に両手で差し出した。
「え、そんな、いいですよ。」
「いえいえ、これは修の気持ちですから。行きましょう」
「え、でもあの」
パタン。
そして二人が出て行ったあとの玄関で
「うう、助かったぁぁ」と座り込む修。
川べりの道を歩く二人。
「航さんって、ひょっとして怒るとすごく怖いんですか?」
「・・・そんなつもりは無いんですけどね。
多分長兄だから恐れてくれるんだろうと思いますよ」
そして、その後は体の隅々までしっかりマーキングされて
航の独占欲を思い知らされた夏世なのでした。
文を書いたことがほとんど無いので変なところがたくさんですみません。
GJです!
文章にされて、改めて次男顔Tシャツの萌え性を思い知りましたw
兄ちゃんが夏世っぺをどうコーディネートするのか気になるw
>>286ー288
GJ!
後から兄ちゃんにオッパイを執拗に攻められる夏世っぺを想像しました。
>>290 よく分からないため、夏世っぺが手に取った物を全部買う(修兄のお金で)
いつものように片岡家を訪れた夏世が仕事部屋に立ち寄ると、智はソファに座った
まま、本棚から引き出した資料と思われる書物の山を整理していた。
「あぁ、おはよう」
「おはよう、ございます」
「おあおーぅ」
修は自分のデスクに座っていた。鼻と唇の間にペンを挟んで頬杖を付いている。
また、ネームに行き詰っているようだ。
「……いらっしゃい」
そして陽は、視線を一瞬だけ夏世に向けると、またすぐパソコンの液晶と向き合う。
滑らかに叩くキーの音が淀みない。シナリオだけは順調に進んでいるようだった。
しかし、航の机だけは空席だ。
「あ……航さんは、お出かけですか?」
「ううん、いーちゃんは、えてる」
「はい……?」
修の声に応じて、ゆらゆらとペンが揺れる。アヒルのように尖らせた唇で器用に
バランスを取っている。笑えば良いのか、怒れば良いのか、とりあえず夏世は愛想
笑いで頬を引きつらせた。
「…それじゃわかんねぇっつーの」
資料に没頭したままの、智の鋭いツッコミが冴える。
「航兄ぃは、風邪引いて寝込んでるの」
見兼ねた陽が、ため息交じりに答えた。
「ほーゆーこと」
「そうですか……?…て! 誰も付いてなくて良いんですか?」
「……見て解んない?」
陽が顎で示した先には予定表。智の字でビッシリ今月末まで書き込まれていた。
いわゆる、修羅場に突入しているらしい。
いつもと変わらずのんびりした様子からは、とても切羽詰ったように見えないが、
アヒル口で遊んでる修ですら、伸びかけた髭と、鉛筆で汚れた手袋で格闘の後が伺えた。
「僕らだって、心配してないわけじゃないから」
陽は、不機嫌そうに顔を逸らした。
「あんたさあ、そんなに心配だったら俺たちの代わりに兄ちゃんの看病して来てよ」
「私がですか? いや、だって……私が風邪引いたら今度はみなさんに迷惑かけちゃう
じゃないですかぁ」
ニッコリと微笑む夏世を待ち受けていたのは、三人の無言の突っ込み。
陽が、小首をかしげる。
「別に……困らないと思うけど」
「ねー」
すかさず、カワイ子ぷった修が同意すると、智はこらえ切れないように笑い出す。
「解りましたよ! 看てくれば良いんでしょ。どうせ私が体調崩しても代わりなんか
いくらでも居ますから」
相変わらず、人をからかっては喜ぶ子供のような兄弟たちに、夏世は背を向けた。
「あ、ちょっと待って」
「なんですかっ」
「これ。一応、持ってって」
智に手渡されたのは、使い捨てのマスクだった。
「あんたに休まれたら、色々と困るから」
切れ長の目が、優しく緩む。
長身が繰り出す、キラキラオーラに恋愛偏差値の低い夏世はいとも簡単に騙されてしまう。
「え……そんな」
嬉しさを隠し切れない様子に、再び智は笑いをかみ殺した。
「からかう相手がいなくなったら困るものね」
「もう!」
にやり、と笑う声の主をキッとひと睨みして、夏世は笑い声を閉じ込めるように急いで
部屋を後にした。
航の部屋は、左の奥で修の部屋の隣。そう教わって扉の前に立つ。大きく深呼吸を一つ。
ここに足を踏み入れるのなど、初めての事。
どこか閉鎖的な航のプライベートに踏み込むようで、しょうが湯を乗せたお盆を持つ
手にも力が篭る。
「あ……航さん、月山です。入りますよ?」
返事がない事に、少しだけ怯みながらも、夏世はゆっくりノブを回した。
カーテンを閉め切った部屋は、日中だと言うのに薄暗く、絵の具だろうか油の匂いが鼻をついた。
ものめずらしげに、つい部屋を見回していたら、奥の方で影が起きた。
「……誰?」
「つ、月山ですっ」
かすれ声の緊迫した物言いに、夏世は慌てて返事を返した。
「あぁ、月山さん……」
兄弟ではない事に、安堵したのか、影は再びベッドに沈む。
「あの、空気の入れ替えをした方が良いんじゃないですか? 窓、少し開けましょう」
薄暗さにも目が慣れた夏世は、センターテーブルにお盆を置くと、足元に気をつけながら
窓へ向かう。
ベッドから遠い方の窓とカーテンを開けると、ほどよく柔らかな日差しが枕元にそそいだ。
それでも、ずいぶん暗さに馴染んでいたのか、航は眩しそうに目を細める。
浮かび上がった表情は虚ろで、顔色も明らかに悪い。瞳は少し充血しているようにも見えた。
「大丈夫なんですか? 病院には?」
「……」
唇の上までブランケットを引き上げた航が、小さく咳をした。
そこで初めて夏世は、マスクをキッチンに忘れてきた事に気づいた。
お盆の上やエプロンのポケットを探し、慌てふためく夏世の姿に、航の目が笑みを見せる。
「すみません。こんな時まで気を使わせてしまって……」
今度は、かぶりを振る。喉が痛いのか、航はあまり声を出そうとはしない。
そんな儚い姿に、夏世は胸がキュウッと痛くなる。
「何か、私に出来る事はありませんか?」
「……」
航は視線を逸らせて、思案する。
そして窓とベッドとソファに囲まれるようにして置かれていた椅子に、座るよう勧めた。
「あ、そうだ。しょうが湯作ったんです、飲みます?」
腰を下ろしかけて、再び立ち上がろうとすると、その手を急いで航が掴む。
「……ここに」
「……」
囁くような声だったが、抗えず腰を下ろす。
平静を保ちたいのに、繋がれたままの手に緊張して夏世は、黙り込んだ。
伝わる体温は、計らずとも発熱していると理解できるくらいに熱い。
手のひらからでも、航の鼓動が流れてくる。
「こんな風に、誰かに看病してもらうなんて何年ぶりだろう……」
天井を見据える視線のまま、掠れ声の航がひとりごちた。
「僕は、いつもタイミング悪く風邪を引くんです」
「そんなの、航さんのせいじゃないじゃないですか」
慰める夏世を、航は振り返る。
「それでも、僕が迷惑をかけている事に、違いはないんです」
「みなさん、心配されてましたよ? 誰も迷惑だなんて思ってませんよ」
「現に、僕が休んだ分、修の仕事量が増えてしまう。それにほら、こうして月山さんを
……独り占めしてしまう」
「え……」
「あ、いや……」
航は何の気なしに言った言葉をごまかすように、右腕を額に乗せて表情を隠した。
しかし、発熱で火照る左手は、夏世の華奢で滑らかな手に重ねられたまま、少し握り締めるよう
に力がこもる。
「迷惑ですか」
僅かな静寂の後、呟いたのは航の声だった。
「そんな……私なんか、修さんたちの手伝いもロクに出来ないんです」
自嘲気味に笑みを浮かべた。
ベタ塗りさえまともに出来ない、と。智に笑われたのは、つい先日のことだった。
あんたは良いから、そこに座ってて――そう言って微笑んだ智に、嬉しい反面、自分が情けなく
もあった。
「だから……嬉しいんです。こうして先生のお役に立てるのが」
「先生……か」
航は向かい合う形に向き直ると、両手でその手を握った。
さっと、夏世の頬に赤みが差す。黙り込んだまま俯く姿を、覗き込むようにして航が言う。
「じゃあ、僕のために。今日は原稿が上がるまで、ここに居てくれますか」
「ずっと、ですか?」
驚いた夏世が、思わず顔を上げると、航は笑顔で繰り返した。
「ええ、ずっと」
花園ゆり子の修羅場は、当分終わりそうにもなかった。
end
エロ展開にしたかったけど(自分の中での)時期が、両思い前なので……。
若干、航兄ぃが智化してますけど…病人なんで許してやってください(笑)
>>292-295 GJ!
朦朧として夏世っぺに甘える航兄がとてもいい
航兄はホントにタイミング悪く風邪ひいたと自分を責めそうだ…
エロ展開も読んでみたかったw
GJ!
投下があるとなんだカ妄想が広がります。
なんだかんだいってもやっぱり兄弟、似てるw
航さん胸大きいのキライかな…とか夏世っぺが悩んでたらかわいいと思った
遅くなりましたが続きです。
「ちょっとまって」
と航に腕をとられた。
「駅まで送りますよ」とにっこり微笑まれた。
「あっでも、二日酔いで体調悪いのですから休んでください。」
「もう大丈夫ですよ。それに外の空気を吸ったほうが気分もよくなりそうだし」
「ほんとですかぁ?」
「ホントです。それとも僕とは歩きたくないとか?」と意地悪げに聞かれると
「いやっそんなことはないですよ!!」と必死で首を横に振る夏世。
「じゃぁ行きましょう。早くしないと会議に間にあわなくなりますよ。」
と嬉しそうに夏世を引っ張りながら航は玄関に向かう。
送ると言われて、一度は遠慮したものの夏世としてもとっても嬉しい提案だった。
こうして二人で歩くのも久しぶりの事、できることならこのまま歩いていたいなぁと考えながら
航のほうを観ると、航の夏世を振り返りふと目が合ってしまう。すると微笑みながら
つないでいた手をぎゅっと優しく握り締めてくれる。
・・・うれしいなぁ。でもほんとに調子は大丈夫かしら。
「気分はどうですか?」
「うーん、朝よりはすっきりしてきたみたい。ただ・・・」
「ただ?」
「うーんただ、朝からなんだか唇が乾燥しているんだよねぇ。」
と困ったような、不思議そうな表情を浮かべている。
「くちびる・・・ですか?」夏世は思わず昨日の出来事を思い浮かべてどきどきする。
「うん。飲みすぎたせいなのかなぁ、それとももう年かな」と情けなさそうに笑う航。
今がチャンスなのかな?でも・・・いったところでどうなるんだろう・・・
と夏世が考え込んでいると、航が不思議そうに顔を覗き込む。
「あのっ航さん、実はですね・・・」と顔をあげて話し出したそのとき
「おはようございます」と後ろから聞きなれた声がした。
振り返るとうウォーキングの途中だろうか、ジャージ姿の見慣れない髪の長い
スタイルのいい女性の姿が。
「おはようございます?」と二人ともとりあえず挨拶を返す。
「航さん昨日は大丈夫でしたか?」と女性から言われ、改めてじっくり顔を見てみると
その女性は・・・みなえさんだった。
「えぇ、何とか無事に家までは帰れたみたいです。」と航が答えると
「そうですかぁ、よかったぁ。いつもと違ってかなりハイペースで飲んでいたし、
隣に座っていたリュウジさんにも話しかけていて、いつもみた事もない感じだったので
心配していたんですよ。」と心から安心した様子で微笑みながら、航の横にいた夏世にむかって
「そうそう月山さん、ちょっとお耳貸してください」と声をかけ航から少し離れたとこに引っ張った。
「なんですか?」と不意にふられて驚いた夏世がたずねると。
ナイショ話をするかのように夏世の耳に手を当てながら
「あんまり航さんに心配かけちゃダメですよ。月山さんかわいいから、他の男の人と仲良く
していると心配みたいですよ。」
「えっ?そんなぁ。」思わず顔をみなえのほうに向ける。
「昨日リュウジさんに熱く語っていたから・・・耳に入っちゃって。
そんな風に思われるって、ほんとに羨ましいわぁ」
美人のみなえににっこり笑って言われると、かえって照れてしまう。それにしてもそんなこと考えていたのかぁ
と思いながら航のほうを見ると、航は何を話しているのかとこちらを見ている。
みなえと別れてから、どうしても笑みがこぼれてしまう夏世に
わたるが不思議そうに尋ねる
「何を話していたんですか?」
「いえっなんでもないですよ。ヒミツです。」笑いをかみ締めながら、唇に人差し指を当てながら答える夏世。
「ヒミツですかぁ・・・僕が言うのもなんだけど、ちょっとさびしいなぁ。」とぼやく航に。
「航さんを困らせるような秘密は持たないから大丈夫ですよ。」ときっぱりと、でも愛情をこめて断言した。
キスのことも、みなえさんから聞いたことも航さんが知らない航さんの意外な姿だから・・・
私だけの秘密にしよう。大切な大切な秘密に。
残念ながらとうとう駅についてしまった。
だいぶ通勤ラッシュも落ち着いたのか人もまばらになっている。
「ありがとうございました。」「いえいえいどういたしまして」
「あのっ、今日もしも早く帰れたらうちでご飯でもどうですか?」と夏世が提案すると
「ほんとですか?楽しみにしてますよ。」と嬉しそうな航の顔。
見てるこちらまで嬉しくなっいぇしまう。その顔を見てふといたずら心がわいた夏世は・・・
「唇を治すおまじないです。」とつぶやくと「えっ?」と聞き返しす航の肩に手を置き、
ちょっと背伸びして航の唇をふさぎすぐに離れた。
驚いて固まってしまった航に
「それじゃ、いって来ます」
といって真っ赤になった夏世は改札のなかにかけていった・・・・。。
長々と失礼しました。
もうちょっと短く終わらす予定だったんですけど。
最近また書き込みが多いのが嬉しいですねぇ。
ほんとうにそうですねぇ。
GJJ!!
航お兄様ってダークな部分とほんわかした天然な部分と、
両方持ち合わせているのが果てしなく魅力だと思う
GJ
おまじない可愛すぎる
兄ちゃん帰る間ニヤニヤしっぱなしだろうなー
「バイク便で〜す。蛍潮出版の月山様からの依頼で書類お預かりに来ました。」
また片岡兄弟が夏世をイジメて家に来づらくした訳では決してない。
おっちょこちょいなので階段から足を滑らせて骨折、数日間の入院に
なったので仕方なく大事な大事な原稿をバイク便に預けているのだ。
「夏世っぺ元気かしら〜」バナナを食べながら修が呟く。
「あの人のことだからここぞとばかりにガーっと寝てるんじゃないの。
っていうかそろそろ退院じゃなかったっけ?」
「そうなの!?(おめめキラーン) 陽くん、このあと暇?」
「別に・・・修兄、何か企んでるでしょ?また航兄に怒られるよ」プリンを片手に陽が呆れた目を向ける。
「た、企んでるなんて酷い!酷いわ!!・・・まぁそれはここに置いといて、
暇なら夏世っぺのお見舞いにでもいこうよ〜」
「・・・」
「ねぇ〜ひなたきゅーん!!」
「あーわかったから。修兄、顔が近い」
暖かい日差しの中、ジャージにチャンチャンコ姿のおっさんと
クールな美少年が連れ立って歩いているのはちょっと異様な雰囲気であるw
「そういえば航兄ちゃん慌てて出かけてったけどどうしたんだろう」
「画材買いに行くとかなんとか言ってたよ。取り寄せた物が届いたんだってさ」
「ふーん。智ピョンは田中ちゃんとこと打ち合わせだし、うちって何気に働き過ぎだよね」
「いいんじゃない、僕はこの状況嫌いじゃないしさ。
あの人に鯛焼きでも買っていく?」
「お!陽くん気が利くねー」
なんて会話をしているうちに夏世が入院中の病院に着いた。
2人はおっちょこちょいな担当に会うのが嬉しいらしく自然と口元が緩んでいた。
「えーっと132号室、132号室っと。 あ、ここだ!」
トントン・・・ ノックをしたが返事がない。
「やっぱり寝てるんだよ」
「寝てるんだった起こせばいいじゃない♪お邪魔しまーす」
といいながら勢いよくドアを開けようとするとスヤスヤ眠る夏世の顔が飛び込んでくる。
・・・がその手元にはよく見慣れた兄の寝顔。
「やっぱり航兄が来てる気がしたんだよね。あんなに焦って画材買いにいくことなんてなかったしw」
優しい笑顔で陽が呟く。
「陽くんは相変わらず鋭い!お兄ちゃん感動したざます」
「シーっ!!修兄声デカイ。2人が起きちゃうでしょ。
航兄だって〆切り明けで全然寝てないんだし。邪魔しないうちに帰るよ」
「まだ顔に落書きしてないのに!?」
「いいから帰るよ!!!」
テーブルにお土産の鯛焼きとちっちゃな花束を置いて陽は修を無理やり
引っ張って病室を出た。
「せっかくだから起こせばよかったのに・・・」
「修兄・・・あの2人のああいう時間は壊しちゃ駄目なんだよ。特にあの2人はね。
滅多に2人きりの時間がないんだからさ」
「陽くん・・・大人やねぇ。よーし!今日は兄ちゃんとミナエさんのとこで
ご飯食べて帰ったら一緒にWiiやろう!」
「あーわかった。わかったからくっつかないでよー!!」
思いやりのある兄弟の気持ちに包まれ、日差しの降り注ぐ暖かい病室で
仲良くお昼寝している航&夏世だった。
>>306 GJ!!
病室のドア開けたら航が夏世にちょっとむふふなことをしようとしてる最中、
でふたりと目が合う
とかそういう展開を予想してしまったww
>>306-308 みんなかわいらしくてよかった
智ぴょんもナチュラルにいちゃついてるのを見たんだろうか…
>>309 自分も同じ方向で考えてしまってたw
>>306ー308
GJ!
先に寝た夏世っぺor航を、もう一人が嬉しそうに寝顔見ながら髪撫でたりしている光景が浮かびました。
かわいいなー!チクショー!
>>309ー310
お風呂に入れない夏世っぺの体を拭いてやったりとか?
「航さん!背中だけでいいです!そこは自分で……やんっ!」
あと、なぜかイケメンの医者が多くて微妙な気持ちの航兄というのを妄想しました。
退院直後、上手く歩けない夏世を航が抱き支えたりお姫様だっこしたり
おんぶしたり、致す時ギプスに脱がしかけた下着が引っかかって絡まるとか・・・
想像したら堪らんな。
兄ちゃん鍛えないとw
お風呂の手伝いはエロくていいな
頭を洗ってもらってる夏世っぺはきっとかわいい
兄弟とか夏世っぺはどんな下着だろう
田中ちゃんはブリーフな気がしてならない
長男・次男がトランクス
三男・四男はボクサーブリーフ希望w
修兄は日本男児らしくふんどし希望wwww
夏世っぺはパステルカラーで亮子さんはゴージャスな高級下着を着けてそうだわ。
亮子さんは気合いの入った勝負下着を持ってそうだw
夏世っぺは肝心な時に3枚980円のベージュのパンツを履いていたりして、
泣く泣くお断りしたりとかしそうw
流れ切ってごめんなさい!クリスマスの街を歩いてたら浮かびましたんで投下します。
画材を買いに出た航は、街がクリスマス一色になっていることに気が付いた。
「そうか、もうすぐクリスマスか…」
ここ数年、陽にしかクリスマスプレゼントを買っていない。今年は夏世に何かプレゼントを買おうか…
そう思った航は、ちょっとウキウキした気分になって、デパートへと足を向けた。
アクセサリー売り場など、足を踏み入れたのは何年ぶりだろうか?
「何をお探しですか?」「プレゼントですか?」
「…あ、いや…ちょっと」
居心地が悪く、ちょっと店員に微笑みかけられただけで気遅れしてしまいその場を離れてしまう。
これでは選ぶどころではない。こういうことは智に聞いたら、女の子が喜びそうなものを教えてくれるのだろう…
と電話をしかけてすぐにやめた。智が選んだものを夏世が身に付けるなどもってのほかだ。
よし、自分で探そう、と気合を入れてはみたものの、デパートをグルグルまわるだけで、
結局何も買えずに出てきてしまった。残ったのは疲労のみ…。
「リサーチしてから買おう、まだ時間はあるし」
足に疲れを感じながら家へたどり着く。
出てきたときは明るかった空は夕暮れになっていた。
「ただいま〜」リビングのソファーにどさっと腰を下ろす。
するとキッチンから夏世が顔をのぞかせ「航さん、お帰りなさい!」と声をかけた。
「あれ?月山さん、いたんですか?修は?」
「はい、ちょっと前に原稿仕上げられて、パチンコに行かれました。
私はちょっと洗い物してから、原稿もって会社に戻ろうと思ってたんです。
でも…帰る前に航さんと会えてよかったです」
そういって少し顔を赤くした夏世だったが、それを隠すように
「お茶、入れますね?」とすぐにキッチンに引っ込んだ。
陽は留学中だし、智も今日は仕事でいないはず。修も出かけたとなると二人きりか…。
そう思った航はお茶をテーブルに置いてキッチンに戻ろうとする夏世の手を引いた。
夏世は航の膝の上に倒れこむ。
「…きゃ!航さん!どうしたんですか?」
「…いや、二人きりだからたまにはくっつくのもいいかな〜と思って」
「へ〜航さんもこんなことするんですね」
「いけませんか?」
「いえ…ふふふ。嬉しいです」
「そうだ、もうすぐクリスマスですよね?何か欲しいものはありませんか?」
「え〜そういうのはサプライズのほうが嬉しいものなのに!自分で考えてください!」
「う〜ん…女の子にプレゼント買うなんて、久しぶりだからなあ…」
「…え?初めてじゃないんですか?」
「そりゃあ、まあ、僕にだっていろいろありましたから」
「ま!そのときと同じものなんてやめてくださいね!」
ちょっとふくれっ面になった夏世が愛しく、航は夏世の髪をかき上げた。夏世の形の良い耳が目に入る。そうだ、ピアスにしようかな…そう考えながら航は思わず夏世の耳たぶに口をつけた。
「…あっ…航さん…!くすぐったい…」
「ごめん、可愛い耳だったんで、つい…」夏世の反応を面白がって、航は更に耳たぶを舐めた。
「…ああ…!んっ…あ…もう航さん!」夏世はその唇から逃れるように航の首にしがみついた。
「ごめん、ごめん」子どもをあやすように航は夏世の背中を撫でる。
夏世は航にしがみついたまま、航の耳元で囁いた。
「クリスマスは…二人きりで過ごせますよね?」
片岡家では毎年、クリスマスは家で祝っていた。
家族でクリスマスパーティーをやるんだっ、と修がうるさいのだ。でも今年は…
「…そうですね。一緒に過ごしましょう」
「嬉しい…それが一番のプレゼントです」
夏世は少し体を起こすと、どちらからともなく唇を重ねた。
「ただいま〜!」ガタガタっと玄関から音がする。修が帰ってきたのだ。慌てて離れる二人。
「お、おう修、お帰り。パチンコ勝ったのか?」
「うん!いっぱい景品もらってきちゃった〜♪どれどれ、そこの物欲しそうな小娘にもチョコレートをやろう。感謝しなさい。
えっと兄ちゃんには…。ん?兄ちゃん?口、どしたの?兄ちゃんってそういう趣味あったっけ?」
「きゃっ!」夏世は航の顔を見て思わず口をふさいだ。
航の唇に、夏世の口紅が付いていたのだ。航はすぐに気が付いて
「…いや、これは…いや、なんでもない、なんでもない」と
口を拭いながら慌てて部屋に行ってしまった。
「…ったく、兄ちゃんも、もっと堂々としてればいいのに。俺様もいい大人よ?」
「兄弟だからこそ恥しいんじゃないんですかね?それでもなくても航さんはシャイだから…。
そこが航さんのいいところなんですけど」
「そこっ!さりげなくノロけるなっつうの!いつもあんたが帰ったあと、少しして航兄ちゃんが画材買ってくるって行って出かけるけど、
俺たちみんな知ってるよ?兄ちゃんがあんたを送ってること。もうっ!航お兄様ったらウブなんだから!」
「…修さんに…言われたくないんじゃないですかね?」
「なんだと!この小娘!」
「じゃ、私原稿持って社に戻りま〜す。お疲れ様でした〜!」
こんなやりとりがリビングで行われているのも知らず、部屋に戻った航は、クリスマスの日、怪しまれずに家を出る方法をあれやこれやと悩んでいた。
「…画材買いに行くっていって一晩帰ってこなかったら変だよな〜…うーんうーん」
航の中で、弟たちはいつまでたっても守らねばならない可愛い弟たちなのです。
おしまい
ごちそうさまでした。
航の部屋、使い切れない絵の具とかが山になってる予感。
むしろ、夏世っぺとの二人きりの時間に上機嫌→画材屋に寄り忘れて、
「あれ? 手ぶら?」と兄弟に問われ、
「うん?……ああ、欲しい色が切れてて」とかって濁して、
毎回、タイヤキやらケーキやらプリンやら、バナナやら…
ちまちまお土産持って帰ってそう。
……寿司折持って帰る酔っ払いお父さんのように。
航兄可愛いなぁ(*´∀`)弟好きな航兄が一番航兄らしい
販売員から笑顔ひきつらせながら逃げたり、きょろきょろしてる航兄が頭にうかんでニヤニヤしたw
>>317 三枚980円ワロタw
脱がされたくなくてもぞもぞしてるのを見て「じゃあ自分で脱いでごらん」とか言うわけですね
>>319-322 GJ!口紅うつってるのが萌える
当たり前っちゃ当たり前だけど一晩泊まる気満々なんですねww
来月は夏世っぺの誕生日+放送開始二周年なんだよな…
あれ、夏世っぺ三十路?w
>>327 まだ「良い天気ですね」「そうですね」とかやってたらどうしようw
未だ良いお天気ですねー状態でもいいからせめてインク等の理由をつけずに夏世っぺを送れるくらいにはなってるといいなぁ航兄
未だに呼び方が「航さん」「月山さん」な気がするw
で、エッチの時だけ夏世っぺが「ワタル」って呼んじゃったりしたら萌える。
「わたる・・・(恥じらいの間)さん」も萌えないか?
>>330>>331 どっちも禿しく萌えです
そして「月山さん」が「片岡さん」になるのはいつなんでしょうか?
あれくらいうぶカップルだと名前で呼ぶのが第一関門だったりするけど
夏世っぺは四兄弟相手だからあっさり乗り越えちゃったよなー
惜しいw
航兄は夏世っぺのことを「夏世」って呼ぶのに時間がかかりそうだけどね。
1人緊張しながら「か、か、かよ・・・うびは何か予定あったっけなぁ」って言ったりしてw
夏世っぺは夏世っぺで「航さんが私のこと名前で呼んでくれないんです・・・」
ってウジウジしながら亮子さんに相談してそうだなぁー(д`*)
なにその萌えるシチュ
個人的には、さらりと下の名前呼んじゃった修兄萌え。
良く覚えてたな。つーか、よく「なつよ」と呼ばなかったな、と突っ込んだ。
アンタ、小娘、間飛ばして夏世っぺ先生・・・ww
陽あたりは「ガッサンさん」が一応の進歩?最初はアナタだっけ。
>>334 そのごまかし方がすごく航兄らしいw
>>336 それまでみんなあんたとかあなただったのに夏世っぺだもんなぁ
智にいたっては最後の最後まであんただったし…(一回がっさんって言ってるけど)
亮子さんを亮子さんて呼んでるし通りすがりの元カノ(?)をさっちゃんとか呼んでるからやっぱ照れ隠しだったのかね…
で、航兄は十話で月山さんって言ったのが初?
ある日いきなり兄弟が、例えば陽あたりが「夏世」とかナチュラルに呼び捨て。
え?え?え?ってなる航兄を妄想 。(航はまだ月山さん呼び)
理由を聞くに聞けず、
と二人の間になにかあったのか?と悶々とする航。
対抗しようと
「あっ、お、お茶どうですか、か、夏・・かか・・っ」
ってなると萌え。
すいません下らない妄想です
>>338 > 「あっ、お、お茶どうですか、か、夏・・かか・・っ」
・・・人に勧める前にまず自分でのみなよ、航兄。>陽
>338
兄ちゃんに「夏世」と呼ばせようキャンペーンとかで、
他の兄弟達がイタズラとかでやりそうw
もちろん、夏世っぺにも内緒で。
男性免疫の無さ過ぎる感がある夏世っぺの事だから、
名前で呼ばれるだけで無駄にときめいたりして、より一層航をうろたえさせる
といいw
中の人の話題が混ざって申し訳ないのだが、陽くんの中の人の
映画のHPみたら、横顔が航兄に見える写真があってびびった。
かよっぺ「陽くん、(実際は血がつながってないのに)最近似てきた・・・。
もしかして、航さんの10代って陽くんみたいのだったのかしら!?」と
陽をじっくり観察&それを怪訝に思う航兄(若干やきもち)っていう構図をみたい。
>>340 頬染めながら「もうっ!からかわないでくださいよぅ!」とか言うわけですね
>>341 陽が視線に気付いて無言で微笑み合う二人をだんだん無表情になりながら見つめる航兄…
なんだかホラーw
343 :
春の使者:2008/12/08(月) 16:27:54 ID:f0Xqgd+x
>>341見てちょっと思いついたので投下します。
が、すまんが341のような航夏な内容ではなく、陽視点ほのぼの。エロなし。花園百合子解散決定後。
************
とある女と男がふと
「春の足音がちょっと聞こえてきそうないいお天気ですね」
「そうですね」
という会話をしたら、それを聞いた三人の男が
「空耳ざます」
「空耳だな」
「二人の頭だけ春なんでしょ」
と一蹴するようなまだ寒さの残る空の下、四人は陽の留学にむけて『花園百合子』としての残りの仕事を着々と片付けていっていた。
そんな仕事の合間の休憩中、仕事の進み具合を見にきた夏世と四人は、彼女が土産にもってきたそれぞれの好物をリビングでゆっくりと食べていた。
その最中、ふと強い視線を感じて陽はスプーンの手を止める。視線だけ移してそちらを見れば、斜め前のソファに座る夏世が紅茶カップを両手で包むように持ちながら、その丸い瞳で陽を凝視していた。
「……何?」
若干引き気味にたずねながら、顔をそちらにむけようとすると夏世は「そのままストップ!!」と叫んだ。それに驚いて陽は思わずその体制で固まる。
しかし叫んだ本人は途端に嬉しそうに頬をゆるませた。そしてはしゃいだように言葉をはずませる。
「その角度!やっぱり航さんに似てる!」
「は?」
「うん?」
「え?」
「なんですってッ?!」
夏世の言葉に、四者四様の反応が返ってくる。修はすぐにバナナをもったまま夏世の背後へとまわって陽を見た。そして歓喜の叫びを上げる。
「まぁぁぁ!!小娘、ナイスッ」
そういって修は夏世の前に親指を立てた拳を突き出す。
その次男の反応に、航と智も「どれどれ?」と夏世の後ろへと移動した。
「うわ!本当に航兄そっくり!!」
「うーん、たしかに似てるかもしれないなぁ」
「……そんなに?」
兄たちと夏世の反応に、陽は疑問を投げかける。
(だって、僕だけ血がつながってないのに)
血が繋がっていないのに似るだなんてそんなことあるはずない。
そんな心の声が聞こえたのか否か、夏世は明るい声で陽に話しかける。
344 :
春の使者2:2008/12/08(月) 16:34:27 ID:f0Xqgd+x
「夫婦も一緒に過ごすうちに似てくるっていうけど、やっぱり家族って自然と似てくるんだね。航さんが一番陽くんを可愛がったから航さんに似たのかな?」
『家族』。その言葉に心にふわりと温もりが宿る。
「……そんなに似てる?」
「うん。修さんとか悲しいくらいみんなと顔の系統がちがうのに」
「ちょっと夏世っぺ!それどういう意味っ!」
ため息まじりだった夏世の言葉に、すかさず修が噛みつく。しかし智はそんな修の肩にぽんと手を置いた。
「まあまあ修兄、本当のことだし」
「さとぴょんまで! ねぇ航お兄様、俺もお兄様に似てるよねっ!ねっ!?」
「うーん……似てるんじゃない……かな?」
詰め寄って同意を懇願する修に、航が曖昧な返事をする。
そんな賑やかな兄と夏世のやりとりに思わず、口元にこらえきれない笑みがうかんだ。同じように航も、修に詰め寄られながらもなんだか嬉しそうに笑っている。
ずっと兄であり母親と父親の代わりでもあったあった航に似ている。それが彼らの反応で気をつかって言ったことではなく、本当だということがわかるから、嬉しい。
もう、血がつながっていないことを悲観することはないけれど、やっぱり少し心の底のほうにある寂しい気持ちもすぐには消えるわけではないから。
これから時間をかけて少しずつ少しずつ、解けていくものなのだろう。そう、雪のように。
これまで花園の上に知らず降り積もっていた雪は、突然訪れた春によってあわただしくも溶かされ、隠されていた新しい四つの芽はもうすぐそれぞれの花を咲かすために自分たちの早さで成長していく。
それでも確かに同じ地と雪で眠っていた芽だから、自分の知らない小さなところが似通っているのだろう。
それは、花園にとっての春が教えてくれたこと。
彼女が、教えてくれたこと。
「……夫婦とか家族って、似るものなんだ?」
ふと、いい仕返しを思いついて夏世に話しかける。
すると夏世は思い切り頷いた。
「うん」
「だったらさ、アナタと僕もきっと似てくるんだろうね」
「え?」
案の定意味が伝わらなかったらしく、夏世は小さく首を傾げる。
そんな彼女に、陽は口元に小さく笑みを浮かべて言葉を続けた。
「だって、航兄とアナタが結婚すれば、アナタも航兄に似るでしょ。夏世姉」
夫婦になるんだから。
その言葉に、夏世と航は同じように固まってしまった。そして見る見る顔が朱に染まっていく。
そんな二人をみて、陽は心の中で「なんだ、もう似てたね」と笑ったのだった。
**********
お粗末さまでした。
初投稿のため、改行等不備があったらすみませんorz
GJ!
今は冬なのに春の空気が漂ってくる素敵なSSでした。
>>343-344 GJ!
すごくヒミツらしいほのぼのでニヤニヤがとまらなかった
あと空耳噴いたw
>>343-344 GJ!!!ドラマの雰囲気っぽくてすごく素敵&にやにやでした。
そして最終回前思い出してじーんとした・・・。
自分
>>341なんで、自分ののつぶやきがこんな素敵なSSになるなんて。
とても嬉しかった、ありがとうございました!!!
GJ!
航兄と、陽くんの類似点を見つけるのが、夏世っぺ。ってとこに
にやにや。
惚れてると微妙な表情や仕草も細かく覚えてるもんだもんね!
GJ!やっぱり皆でほのぼのしてるといいいな
夏世っぺの誕生日まで一ヶ月
航兄はプレゼントが決まってなくてあせってそう
修兄は自分の趣味の買い物中にテキトーなもの買いそうw
航兄と夏世っぺなら今の時代にクリスマスに待ち合わせとかで見事なすれ違いをして
見事にツリーの前で会ってくれると思うんだ
それなんてトレンディドラマw
でもイイ!
夏世っペは赤いコート希望。
そして駆け寄ろうとしたガッサンのヒールが折れて蹴つまずき、
それを受け止めよううとした航もろとも噴水に落ちる訳ですね。
それを木の陰で覗いていた弟達ガックシorz
濡れて寒くて、、どっかのホテルでお互い暖めあいつつ・・ry
>>349 修兄には普段迷惑かけてる2人の為にそっくりなフィギュアを特別発注してプレゼントしてあげて欲しい。
もちろん夏世っぺは無駄に乳がデカいエロverね。
>>352-353 その展開はオイシすぎるw
服等を乾かすだけのつもりが、やっぱり雰囲気にのまれてしまうんだろな
>>354 むしろ自作でw
プレゼント用は普通の服。自分用に全裸Ver.
そして兄ちゃんに没収されるw
クリスマスイブに「お初」というのも良い気がするのですが、いかが?
3月告白→12月で9ヶ月エチなしw
そのあいだにそれぞれもんもんとした日々を送っているということになりますが。
あのふたりなら九ヶ月どころか今年の十二月までなにもなしも可能性アリだ
しててもキスまでとかなw
陽が成人してから……絵描きとして稼げるようになってから……結婚してから……でのびのびに
そんなに焦らしたら夏世っぺが思い余って航兄を押し倒してしまいそうw
むしろそっちの展開希望w
押し倒したと同時に夏世っペのけしからんお胸がむぎゅーっとね
夏世っぺが押し倒して本音を言い合ったら航兄が形勢逆転ですね
ベタすぎてたまらん
ていうか航兄は自分の中に理由があればけしからんおっぱいを普通に我慢しそうだから恐ろしい
362 :
航の理性:2008/12/20(土) 19:07:48 ID:v1nW7X8h
クリスマスツリーの前で、噴水に落ちた後の二人を書いてみました。皆さんの妄想を台無しにしないと良いのですが…。
*****
「もう…どうしてこんなにドジなんだろ。ごめんなさい!」
半べそをかきながら謝る夏世の赤いコートを取りながら、航は微笑んだ。
「そんなに気にしないで。明日新しい靴を買いに行きましょう。あれじゃ帰れないでしょ」
「せっかくお洒落してきたのに…!本当にごめんなさい」
「もう謝らなくていいから。早く熱いシャワー浴びてきなさい。風邪引いてしまいますよ」
「…はい」
「…ふう。また航さんに迷惑かけちゃった…」
シャワーを浴びながら夏世はため息をついた。噴水に尻餅をついたときのことを思い出し思わず目をつむる。でもその後の航の対応は素敵だった。夏世が冷えることを心配してすぐに近くのホテルの部屋を取ってくれ、靴まで買ってくれると言った…
「なんて優しい人なんだろ…。航さん…!」ぎゅと自分の肩を抱きしめる。
そこでふと気が付いた。ホテル、シャワー、帰る服がない、二人きり、クリスマス…?
「これって…そういう展開?」
夏世は慌てて念入りに体を洗い始めた。
363 :
航の理性:2008/12/20(土) 19:08:35 ID:v1nW7X8h
恋愛偏差値の低い夏世が今頃気付いたことを、航はフロントで鍵を預かったときから気付いていた。
「これって…そういう展開?」
そうつぶやいて軽く頭を振ると、予約していたレストランのキャンセルの電話をし、続いてルームサービスの電話をかけて軽食とケーキとシャンパンを頼んだ。
「航さん」という声に振り返ると、バスローブに身を包んだ夏世が恥ずかしそうに立っていた。冷え切っていた顔に赤みが差し、濡れた髪が妙になまめかしい。航はすぐに声を出せなかった。
「航さんもからだ、冷えたでしょ?すぐお風呂入って下さい。」
「…え、あ、ええ、はい」
ルームサービスが届き、小さなケーキとシャンパン、サンドイッチでクリスマスを祝った。
夏世はさっきまでの半べそはどこへやら、ケーキとサンドイッチを美味しそうに頬張っている。そんな夏世を見ながら、航はにっこりしてシャンパンを味わった。
アルコールの手伝いもあってか、二人はいつになく饒舌に話し込んだ。子どもの頃の話、仕事のこと、これからのこと…あっというまに時間がたっていく。
364 :
航の理性:2008/12/20(土) 19:10:01 ID:v1nW7X8h
「あ〜楽しい!でも少しだけ眠くなってきましたね」シャンパンで頬を染めた夏世がベッドに体を倒すと、バスローブの胸元がはだけ、谷間がのぞいた。
それを見た航はすっと視線を逸らし、「そろそろ寝ますか?」と言うと部屋の電気を消し、夏世のそばにきた。そして身構える夏世に軽くキスをする。そのままベッドサイドだけの明かりにすると、反対側の自分のベッドに身を横たえた。
夏世は少し拍子抜けしたような表情を浮かべながら、布団を自分の体にかける。気まずい沈黙。
航がうつらうつらし始めたとき、隣からすすり泣く声が聞こえて航は目を開けた。
「…月山さん?」
「…」
「どうしたんです?具合でも悪いの?」
「…違います」
「じゃあ、どうして?」
「……。航さん」
「はい?」
「航さんは私のことどう思ってるんですか」
「…どうって…」
「妹みたいに思ってるんですか?」
「そんな…」
「じゃあ、どうして何もしてくれないんですか?私に女の魅力がないってことですか?」
「そんな…。魅力がありすぎて困るくらいです」
「そんなこと言っても信じません。信じられません」
航はベッドから身を起こすと、こちらに背を向けて寝ている夏世のベッドサイドへ行き、腰をかけた。夏世の背中は小刻みに震え、その震えから真剣な怒りが感じられた。
365 :
航の理性:2008/12/20(土) 19:11:27 ID:v1nW7X8h
航は夏世の肩を撫でた。
「…キスだけじゃダメですか?」
「…寂しいです」
「僕はあなたを大事にしたいんです。絵が売れるようになったら、結婚したいと思ってます。それまであなたを守りたいんです」
「…何もしないことが守ることなんですか?」
「ええ。僕の中では。それに…」
「…それに?」
「もしあなたといったんそういうことになったら、自分の理性に自信が持てないんです。
あなたが仕事で家に来るたびに、あなたを部屋に引きずり込んでしまうかもしれない。」
「…航さん」
「僕だって一生懸命我慢してるんですよ」
夏世が顔を航の方に向けた。航は優しく頬の涙を拭う。そして軽いキスを交わしていくうちに少しずつ激しくお互いを求め合うキスへと変わって行った。
いつの間にか夏世のバスローブがはだけ、形の良い胸が露になる。キスの合間、体を起こしてその胸を見てしまった航の目が泳ぎ、息が荒くなる。
「…航さん。私、どうなってもいいです」
夏世のその言葉を聞くと、航の理性が弾け飛んだ。
**********
「な〜智〜。最近兄ちゃんが変なんだよね」
「あ?昔からじゃん」
「いや、最近妙にそわそわしてるっつうか、落ち着きがないというか」
「そうか?」
「夏世っぺが仕事で今度いつ来るかしょっちゅう確認するし」
「ふ〜ん。付き合ってるんだから、会いたきゃ会いにいきゃあいいのにな」
「夏世っぺもさあ、仕事終わると嬉しそうに航兄の絵を描いてるところを見るって部屋に入っちゃうんだよね」
「ふ〜ん。絵のモデルでもやってるんじゃねえのか?」
「そっかな〜」
夏世の部屋に会いに行くことが思いつかず、夏世が家に来ることをひたすら待ち焦がれる航兄と、片岡家に仕事があるときは、必ず勝負下着を身に付けてくる夏世と、意外に鈍感な弟たちでありました。
おしまい。
GJ!
クリスマスプレゼントごちそうさまでした。
GJです!
全く違和感なく、二人のイメージぴったりでしかもラブラブでいい〜!
萌えました、ありがとうございました
超GJです!!
GJー
じれったいだがそこがいい
兄弟居るのに片岡家でいたす…燃えるだろうw
GJ!!!!!!
智ぴょんはうすうす気づいているのに、100バナナ
そういえば、航兄はみかん・修兄はバナナ・陽はプリンだけど智は食べ物は何が好きなんだろう
夏世っぺが覚えてた中にはあったけどインタビューには乗ってなかったいちご?
いちごはだれだっけ?
智は、ワインじゃない?
夏世っぺの部屋にも、ワインが置いてあって妄想wktk
航 やきそばパン、甘い玉子焼き、コーヒー、柿の種
修 おでん、しらす、日本茶
智 食事の好みはあまりなく生のトマトが嫌い
陽 グレープフルーツジュース、プリン
以上、週間少女チャーミーより。
いちごは夏世っぺかもね。
・・・おでんが食べたくなったw
>374
おお、トンです!
自分は、まだセル買ってないから兄弟の誕生日も知らないんだw
>>375 航 1973年7月23日しし座
修 1976年9月30日てんびん座
智 1979年11月11日さそり座
陽 1988年5月20日ふたご座
今日ヒマなんでw
夏世っぺは初回放送日に28になったんだから1979年生まれでいいんだよね?
>>347 そうか夏世っぺに合わせていちごなのか
378 :
377:2008/12/26(金) 07:30:31 ID:ThV7edSr
今アンカ間違えてるの気付いた…orz
>>347じゃなくて
>>374でした
夏世っぺと兄弟と亮子さん田中ちゃんのクリスマスパーティーはすごく賑やかで楽しいだろうなー
379 :
375:2008/12/27(土) 08:40:08 ID:y6ZQ2n3M
>>376 ありがとー!!
ここで誕生日話出るたびに、聞こうかどうしようか悩んでますた
手帳にメモしたらさすがに痛いかw
夏世っぺは一月生まれで、誕生日が解ってる人はみんな奇数月なのは何か意味があったりするのかな
三月がいないけど
ふたつきずつ、増えてるよねw
5→7→9→11
亮子さんとか田中ちゃん三月っぽい
年末だねぇ
大掃除で手と手が触れ合う度に赤くなる夏世っぺと航兄を見てうんざりする三兄弟
来月は夏世っぺの誕生日+放送三周年wktk
航兄は夏世っぺが忘年会とか新年会とか地元で同窓会とか行くたびにやきもきしてればいい
修「小娘、実家で何してんのかなー」
智「そう言えば、同窓会があるから楽しみなんです〜とか言ってたな」
陽「……ポケットの中で手を繋いだ彼も来るのかな?」
智「その可能性もなきにしもあらずだな」
修「え、昔の男?焼けぼっくいにホニャララってやつ?」
陽「ガッサンさんには航兄がいるんだから、そんなことないと思うんだけど……」
修「いやいや陽君、年月を経て再会した男女には二人にしか分からない気持ちがあるんだよ。
『綺麗になったな、月山』
『そんな、××君こそ大人の男の人になってて、びっくりしちゃった』
『月山、俺、あの時のことずっと後悔していたんだ』
『そんな……』
『月山……』
『駄目っ、私、今付き合っている人が……あっ』」
航「何をやっているのかね?」
智「航兄、おかえり〜」
修「…………航お兄様、いつからお帰りで?」
航「『そう言えば、同窓会があるから楽しみなんです〜』あたりからかな?」
智「陽、兄ちゃん特製プリンがあるぞ。食べるか?」
陽「うん」
修「え、さとぴょんに陽君、お兄ちゃんをおいていずこに?」
航「修、ちょっと」
修「イヤアァァァァァーー!」
智「相変わらず修は馬鹿だな」
陽「航兄もそんなに気になるんだったら結婚す?
新年早々ニヤニヤしちゃったジャマイカ!
でもありそうな展開だよね。逆に航兄が大学のクラスメイトの話しただけで
夏世ッペはネガティブ想像(やっぱり若い子がいいよね…イジイジ)しちゃうんだろうなぁ…。
散々悩んだけどD・V・D購入しますた。元旦着予定でwktkが止まらんwww
386 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 14:40:53 ID:bZiORhby
月山がモテて、航にぃがやきもきするのもいいけど
航にぃが大学で女子と話してるのを見た月山もみてみたいw
夏世っペはきっと尾行しててもモロバレw
あーもう、↑に出てきたの全部ドラマ化して欲しいw
>>387 尾行しててふとしたときに見失って「あれ!?」って言って電信柱の陰からでた瞬間に
後ろから「何してるんですか月山さん」って航兄に抱きしめられるわけですねw
トレンチコートとサングラス装備であんパンと牛乳持って尾行する
ガッサンと田中ちゃんと亮子さんが浮かんでくる
391 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 18:16:01 ID:uK1p+pAu
わかるわかる!
そういうベタな所もおもしろいんだなw
妄想が止まらない・・・
「姫はじめ」の意味が分からず、兄弟に聞いてまわる夏世っぺというのもベタだと思った
航兄に聞いたら体に教えられてしまうww
据え膳知らなかった陽が聞くのもアリかな
>>390 田中ちゃんはやたら似合うだろうww
亮子さんはスタイリッシュに着こなして、夏世っぺはだぼだぼな袖から愛らしく手を少し出してほしい
まとめ人様、保管庫の更新ありがとうございます(・ω・)ノ
管理人様、保管庫更新乙です!
改めて作品の数々を読み、萌えまくりでした。
ここがまだまだ、繁栄する事を願います。
保管庫更新、お疲れ様です〜
もうじき夏世っぺの誕生日ですねー
保管庫氏超乙です!
398 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 20:14:40 ID:KVOwL7TB
保管庫入ってどうみればいいんですか?;
すっごく見たいんで教えて下さい!
半年ROMってろ。
>>398 とりあえずスレをはじめから読むといいと思うよ
まあまあ、まったり行こうよ
ここ、住人少ないんだし。新参者大歓迎。
むしろ、職人に育ってくれたりしたら万々歳w
まあ多分未成年だろうがな・・・
HAPPY BIRTHDAY!夏世っぺ!
HappyBirthday♪夏世
@@o@
@o@@@o@
@@@@@@
ΛΛ@o@@o
(^ー^i /
/ っっ
〜(__ノ from 航
真っ赤なバラの花束とかだったら
普段のキャラじゃないだけに萌える気がします。
頑張って買ってくるんだろうなあ。
お花屋さんとの会話を想像するだけでごはん3杯いけますw
夏世が片岡家に関わるようになって、一年目の誕生日設定です。
陽、留学中。
「明日の夜は、空けておいてください」
帰り際、玄関先で航にそう言われるまで、誕生日だという事をすっかり失念していた。
毎日、怒ったり笑ったりしている間に、いつの間にか一年もたっていたらしい。
今日、1月9日は誕生日であると共に、騒がしいけど愛しい兄弟達との大切な記念日で
もあった。
「予告されてお祝いしてもらえるなんて、去年の今頃は考えてもなかったなあ……」
夏世は鞄を胸に抱き、しばし幸せを噛み締めた。
そもそもこの時期は、正月の浮かれた気分から一転、普段の生活へと切り替わる頃であ
り、うっかり両親にすら忘れられて遅れて祝ってもらった事も少なくはない。実際、今年
は自分自身さえも日々の忙しさに見過ごしそうになっていた。
いまや、あのビックリ箱でからかわれた事さえも懐かしく思える、ん? ビックリ箱?
「もしかして。あの兄弟、今年も何か企んでいるんじゃ……」
部屋の前まで来て、ようやくそこに思い至った夏世は、気合を入れてチャイムを鳴らし
た。
「いらっしゃい」
出迎えてくれたのは、智だった。
優しい微笑みに、たじろぎそうになるが、そこはどうにか作り笑顔でカバー。何しろ三
男の笑顔には今まで散々、騙されて来たのだから。
「中入って、寒かったでしょ。外」
「ええ、まあ」
東京は今年一番の寒波に見舞われ、夏世が家を出た頃には既に初雪がちらついていた。
完全防寒をしていたものの、通された室内のぬくもりに、身体中のこわばりが溶けてい
くようだった。
リビングには、ジャージ姿にどてらを羽織った修と、新聞を広げてくつろいでいる航の
姿がある。
「さ、座って」
智に勧められるまま、ソファに腰掛けると、それを合図にでもしたかのように航と修は
おもむろに立ち上がりリビングを去っていった。
突然、一人取り残された夏世は、
(今年はどんな手で来ても驚かないんだから)
と、静かに事の経緯を見守っていた。
「はい、どうぞ」
しばらくして、キッチンから戻って来た智が、淹れたてのコーヒーを夏世の前に置くと、
丁寧に包装された長細い箱を手渡した。
「え?」
「ちょっと詰めて」
と、言うか言わないかのうちに、夏世の隣に座った智は、箱を指差した。
「1979年のシャトーポンテカネ。ワイン、好きでしょ?」
「でも、私ワインが好きだなんて一度も……」
「陽が、月山さんの部屋に行った時にワイン置いてあるのを見たって言うから」
「……なるほど」
妙に納得してしまった夏世に、智が続けた。
「心配しなくても、今日は何も飛び出してこないから」
「べ、別にそんな!」
「顔に書いてあるよ、『騙されるもんか』って」
鼻先を指で突かれて、夏世は思わず頬が熱くなった。
ヴィンテージワイン、それも自分の生まれ年をプレゼントされるなんてそれこそ、少女
漫画が好きな智らしい演出だと解っていながらも。盗み見るように見やった横顔が悔しい
事にカッコ良い。
「智はいつも、女性の誕生日にはワインを贈るんですよ」
少々トゲのある言葉で、今度は夏世の右側に航が腰を下ろす。
夏世は慌てて、居住まいを正した。
「僕からは、これを」
智のプレゼントを押しのけるように置かれたのは、セロファンで可愛くラッピングされ
た小さな鉢植えだった。
うす紫の花のようにも見えるが、ぷっくりとした葉は多肉植物のようでもある。
「可愛いでしょ? リラシナって言う多肉植物なんです。これは、初心者でも世話がしや
すくて……」
「誕生日プレゼントにサボテンて」
ふん、と鼻を鳴らした智には目もくれず、航はもう一つのプレゼントを差し出した。
深い青色の小さな小箱に、パールホワイトのリボンが掛けられている。
「開けてみて」
「……ここで、ですか?」
「できれば、ここで」
両サイドから不穏な視線を感じつつも、リボンを解く。
まだ少し、騙されるんじゃないかと構えつつ蓋を開けると、小さな指輪が入っていた。
ピンクゴールドのそれは、クロスするようなデザインで、中央には赤い小さな石が鎮座
していた。ブリッジの装飾が個性的で美しい。
「まさか航兄ぃ!!」
勢い良く立ち上がった智をさらに無視するかのように、航が続けた。
「ピンキーリングなんです、この間、指輪を借りたでしょう?」
言われて思い出した。
一ヶ月ほど前に、ピンキーリングを持っていたら貸して欲しい、と頼まれてお気に入り
のシルバーリングを一週間ほど航に預けていたのだった。
「大学時代の知り合いで、ジュエリーデザイナーになってる奴がいて、特別に作ってもら
ったんです」
余裕の微笑みを見せると、航は夏世の小指に、そっと指輪をはめた。
やがて遅れて修が戻ってくると、リビングの明かりが消された。
ろうそくの明かりに下から照らされた修の顔は相変わらず不敵な笑みを浮かべている。
「はっぴばーすでぃ、ディーア、かよっぺー♪」
修が低音で妙にコブシをきかせながら歌い終わると、夏世は勢い良くろうそくを吹き消
した。
「おめでとう」
三人が、拍手で祝ってくれるのを、夏世は嬉しい反面不思議な気持ちで見つめていた。
今年は、このまま平穏に終わるのだろうか?
いや、この人たちに限ってそんなはずはない。
小さく頷いた夏世は、キッと顔を上げた。
「そう言えば、修さんは。くれないんですか? プレゼント」
「ん? ああ……って。図々しい小娘だなー。兄貴とさとぴょんに貰ったんだからそれで
満足でしょ」
「別に、催促してるわけじゃ……」
「ないわけでもないんだけどね、これが」
ぐふふ、と笑った修は、後ろ手に隠した茶封筒を取り出した。
いつも原稿を受け取る時に入れている大きさの封筒に、夏世は思わず瞬きをした。
「原稿、ですか?」
「ただの原稿じゃないんだなあ、なんと! この天才漫画家・片岡修がしがない編集の為
にわざわざ描き下ろした、特別な作品なのだよ!」
茶封筒を、高々を掲げると満足したのか、あっさりとそれは夏世の手に渡された。
「本当は、あんたになんかあげたくないんだけどね、結構うまく描けたんだから、ら……
て。ちょっと! 何してんの!!」
「え?」
修がそう言った時には、もはや手遅れだった。
遠慮なく取り出された原稿に、両サイドの男たちの視線が集まる。
「うわっ! 何これ」
「……人気漫画家と、未亡人ですか」
「完全に、修とみなえさんだな」
航の呆れた言葉で一同が深く頷いた。
和服の美女と、眉毛の太い男が、ふしだらに睦み合う。そんなストーリーの漫画は夏世
が慌てて封筒に戻すほどの、淫らさだった。
「もうっ! こんなの貰っても困りますっっ」
顔を真っ赤にした夏世が原稿を付き返すと、修は理解出来ないと言った表情で眉をひそ
めた。
「この、変態アニキが!」
「なにぃ、変態って言う意味じゃ今回は……」
修の言葉をさえぎるように、智が「黙ってろ」のジェスチャーを取る。
「今回は、何なんだ?」
しかし、長兄の耳にはしっかりと届いたようで。腕を組んで仁王立ちの兄に、修と智は
完敗のため息を付いた。
「今朝、陽から届いてたんだよ。月山さんの誕生日プレゼントが」
「ったく、最後のおたのしみにとって置いたのに。これじゃサプライズになんないじゃな
いの! ねえ、さとぴょん」
智がキャビネットに隠していた小包を出すと、有無を言わせず航が奪い取った。
「またなんか、いたずらを考えてるんだろう」
「ちょ! それは、夏世っぺに直接渡さないと!」
修が狼狽するのを横目に、航は黙々と荷を解く。
「お前たちは、本当にもう。いつまでも子供の…………」
「あーあ」
「固まっちゃったよ、航兄ぃ」
「なんなんですか? プレゼント」
夏世が立ち上がって覗き込もうとすると、航は慌てて両腕で隠した。
「え? 航さん?」
「や、あの。これは! 何かの間違いです、間違い! きっと間違って配達されたんです
よ!」
一層うろたえる、航の姿にますます中身の気になる夏世が身を乗り出すと「ソレ」は、
派手な音を立ててラグの上に落ちた。
「……なんですか、これ。……きゃぁ!!!」
スカーフか、ハンカチだろうと手にとった夏世は、それが下着だと気づいて頬を赤らめ
た。
股間部分に、スリットの入った透け感艶かしいセクシーショーツ。
それが、四男・陽のバースデイプレゼントであり、今年のサプライズだった。
「せっかくだから、貰ってやってよ」
完全にフリーズしている航を視線を寄せたままで、智が楽しげに笑った。
「セクシーランジェリーで、今年こそは据え膳卒業って事だよなー」
箱に残ったままの、レースがたっぷり施された真っ赤なブラジャーを手に取った修は、
それを放心してソファに身を預けていた夏世の頭に乗せた。
「きゃ! もう、何するんですかぁ!!」
修と智の、笑い声に、夏世は今年もしてやられた! と、地団駄を踏むのであった。
end
この続きを個人的な好みの修夏で、ちょこっと書いてる最中ですw
あせりすぎますたorz
タイトルは「ハッピーバースデイを彼女に」です…一文字抜けた。
そして無駄にだらだら長くてすんません。
GJGJGJ!
やっぱり片岡兄弟と夏世っペの会話はいいな〜
陽君もGJ!w
412 :
記念日:2009/01/09(金) 14:21:07 ID:sXdfNo0d
-♪-♪-♪-
聞きなれた指定着信音が部屋に響く。
ディスプレイには『長男』の文字。
大好きな彼との電話は未だに緊張する。
声を整えて、一呼吸置いてから通話ボタンを押す。
「…もしもし。航さん?」
「夏世、遅くなってゴメン。誕生日おめでとう!!」
「覚えててくれたんだ…凄く嬉しい。」
「忘れるわけないじゃない。だって君と出逢った記念日でもあるんだし・・・」
「もうあれから1年かぁ・・・早いですねぇ」
「そういえば今日仕事何時くらいに終わる? 一緒にお祝いしたいと思うんだけど。」
「・・・・・・・・えーっと今日は仕事が立て込んでて・・・航さんだって忙しいでしょ?
お祝いだったらいつでもいいから気を使わないで下さい」
無理して明るく振舞って、渋る彼を納得させ電話を切った。
会いたいけど・・・大好きなあなたと誕生日を一緒に過ごしたいけど・・・
月山夏世、誕生日早々『インフルエンザ』という魔物に蝕まれています。
413 :
記念日:2009/01/09(金) 14:40:18 ID:sXdfNo0d
どうしてこうなんだろう・・・自己嫌悪の波にのみこまれ溺れてしまいそう。
誕生日を含めて久しぶりに連休がもらえたのに、このままじゃ家で寝て終わりそうだなぁ・・・。
そんなことを思いながらまた眠りにつく。
『ピンポーン♪ピンポーーン♪』
静かな部屋にドアホンの音が響き渡る。
あれから何時間寝てしまったんだろうか・・・少し軽くなった体を起こし玄関へ向かう。
「月山さん、宅配便でーす!!」
ドアを開けると午後の光が差し込み、会いたかったあの人がそっとたたずむ。
「・・・どうして?」
「電話の様子がいつもと違ったから。あの後何度電話しても出ないし。」
「あと偶然だけど亮子さんから『がっさんは今日から休暇取ってる』って聞いたから
なんかあったんじゃないかと思って課題早めに切り上げて来たんだ」
ちょっと怒っている航さんの顔を嬉しさと申し訳なさで直視できない。
「・・・・」
「で、そのパジャマ姿は何かな?」
「え・・・っと実は、インフルエンザに罹ってしまって・・・ゴメンなさい」
「やっぱりそんなことだと思った。とりあえずお邪魔しますよ。」
そういって航さんは私の部屋へと上がりこんだ。
「ダ・・・ダメですってば!!近くにいたら病気がうつっちゃう!!」
「ハァ・・・僕は予防接種受けたから大丈夫です。それより病人は寝てる!!」
ちょっと意地悪な顔で航さんは私を見つめる。
「呆れてますよね・・・ホント情けないなァ私・・・」
414 :
記念日:2009/01/09(金) 14:49:01 ID:sXdfNo0d
ベッドに入りションボリした私を見て航さんはクスッと笑う。
「そんなオッチョコチョイなところが夏世の良い所なんだけどね。」
「それはそうと、熱は?薬はあるの?」
「あーやっぱり航さんってお父さんみたいですねw」
「お父さんって失敬だなァ・・・」
「だって、いつでもみんなの心配してくれて優しいじゃないですか」
「・・・夏世だけには誰よりも特別に優しいけどね」
恥ずかしそうな顔で航さんが小さくつぶやく。そしておでこに小さくkissをくれた。
415 :
記念日:2009/01/09(金) 15:09:24 ID:sXdfNo0d
「熱はもう下がったっぽいね」
(いえ、あなたのkissでまた熱が上がりそうです・・・)
「何か食べたい物は?せっかくの誕生日なんだから好きなもの作ってあげる。
智みたいに上手には出来ないけどねw」
ベッドサイドに腰掛けた航さんは優しい口調で話しかけてくる。
少しの間をおいて私は思っていたことを小さく口にする。
「・・・・・・・わ・・・航さんが欲しい・・・」
また熱が上がったんじゃないかと思うくらい体中が熱くなった。
(「ついに言っちゃた・・・」恥ずかしすぎる・・・)
恥ずかしさのあまり布団を被ってしまった私を覗き込むように航さんはそっと触れてくる。
「そんなことでいいの?」
「それが1番欲しいの。ずっとずーっと航さんの隣にいる権利。」
「それは逆に僕が欲しいものだったんだけどなw」
二人で思わず笑ってしまった。
「あ、でも本当にもう帰ってくださいね。私は今日航さんに会えただけで充分だから」
「いいよ夏世の病気ならうつっても。むしろ大歓迎かなw」
そう言って航さんは私の耳元で「誕生日おめでとう」と囁き
数え切れないほど沢山のkissや甘い言葉のプレゼントをくれた。
そして翌日目覚めた私の隣には大好きな彼と、左の指に光る指輪。
あなたと出逢った2回目の誕生日。
最悪な日と思えてたけど一瞬で幸せになれるあなたと過ごせて良かった。
また来年・・・これからもずーっと記憶に残る記念日にしていってね。
航さん、大好きです。
書いているうちになんだかわからない展開になってしまいますた・・・。
駄文申し訳ないです。
それより何より夏世っぺ誕生日おめでトン♪
誕生日に東京で初雪だなんてロマンチックだよね。
航兄にポケットの手袋してもらってそうなのが目に浮かぶわ。
GJです!
夏世っぺって、航兄よりタイミング悪く風邪引きそうですよねー♪
良いなあ、可愛いなあ夏世っぺ。
406-409です。
その続きって事で、修夏なので、苦手な人は読み飛ばしてくださいorz
智の手料理と、ケーキ。それにプレゼントのとは別に用意されていたワインも開けてす
っかり満腹になった夏世は、兄弟達から貰ったプレゼントを紙袋にまとめて(修のエロ漫
画と、陽のセクシーランジェリーも無理やり入れられて)マンションを出た。
航と智は、どういういきさつがあったのか、二人で競うようにお酒を飲み続け、どちら
ともなく潰れてしまった。今は二人仲良くソファで眠っている。
そんな訳で、駅まで見送りに付いてきたのは唯一しらふの修だ。
「タクシーでも呼ぶ? 幹線道路沿いまで行けば拾えると思うけど」
「いえ、駅までそんな距離でもないし。大丈夫です」
珍しい気遣いに、遠慮する。ふうっと吐いた息が外灯に照らされて白い。まだ、雪はや
んでいなかった。
押し黙ったまま、別々の傘を差し並んで歩く。
(修さんが静かなんて……調子狂うなあ)
俯いたまま、こっそり伺う。
修は寒さに鼻を真っ赤にしながらも、口を開くつもりはないのか、真っ直ぐに前だけを
見据えて黙々と歩いている。
「あの……やっぱり寒いし、ここで良いです。ほら、もう道も明るいですし」
「うん」
立ち止まるも、修は夏世の荷物を持ったままだ。
「修さん、どうかしたんですか?」
「うん……ん? いや、別に。じゃあ、はいコレ」
ようやく荷物を受け取ると、夏世はペコリと頭を下げた。
「今日はとても楽しかったです、送っていただいてありがとうございます」
「……」
顔を上げても、修はこちらを見ていない。考え込むような表情で、どてらのポケットを
気にしているだけだった。
不思議に思った夏世は、さすがにそのまま帰るわけにも行かず、もう一度尋ねた。
「どうしたんですか? なんか変ですよ、修さん」
すると、意を決したように、修が目の前に右手を突き出した。
ありえないが、殴られるのかと思った夏世は、思わず一歩後ろに逃げる。
しかし伸ばされた手は、そのまま宙に止まったままだ。
「ほら、手を出して!」
「え、あ。はい……」
言われるままに、手のひらを上に差し出すと、シャラリ、と金属音がした。
思わず目を疑った。
雪と一緒に手のひらに残されたのは、シルバーのハートと、パールが交互に繋げられた
ネックレスだった。
ファッション編集部に居た夏世には、それが高級ブランドのものであり、決して安価で
はない事も良く知っていた。
「これを、私に?」
渡せた事に安堵したのか、見上げた修はいつもと変わらぬ様子で満面の笑みを浮かべる。
「兄ちゃんには内緒、意外でしょ。俺がそんなもん買うなんて……あれ? 小娘ったら、
俺様に惚れちゃったりした?」
突然のプレゼントに、呆然としていた夏世を、修は茶化したつもりだったが、
「……大事にします」
夏世は、ペンダント握り締めて、ぎゅっと自分の胸に引き寄せた。
自由になった傘が、雪の積もり始めたアスファルトに落ちた事に気づくと、修は慌てて
自分の傘を差し出した。
思いがけず、相合傘になってしまった事に、動揺を隠せずにいた修だったが、それ以上
に『高価すぎて受け取れない』だの『恋人でもないのにアクセサリーなんて貰えない』だ
のと付き返されるだろうと覚悟していただけに。
この状況は、正直予想外だった。
混乱する頭を整理しようと、傘の模様なんぞを見つめていたら、急に胸辺りに重みを感
じた。
「……、か、かかかか…夏世っぺ!?」
もたれかかる様にして、夏世はおでこを修の胸に預けていた。修からはツムジしか見え
ないような状況だったが、ときおりしゃくり上げる声に、泣いているのだと気づいた。
抱きしめる事も、突き放す事も出来ず困惑していると、すぐに身体を離した夏世は、泣
き顔を見られたくないのか急いで背を向けた。
「夏世っぺ?」
「……修さんて、不意に優しいんですよね。そういうのって、ずるい。……好きになっち
ゃったらどうするんですかっ」
そう言い放つと、落ちていた傘を拾い、夏世は大股でザクザクと雪を踏み鳴らし、修の
元を去っていった。
あっと言う間に小さくなっていく彼女の姿を見つめながら、頬を真っ赤にした修は小さ
く呟くのだった。
「鬼娘め……ほれてまうやろが……」
end
・航×夏好きの方は、読み飛ばしてやってくださいorz
・元々、修とちょっと良い感じになってたという設定です。
・ところで、冬生まれなのになんで夏世なんですかね。←兄弟の誰かに尋ねさせるつもりだった。
夏世っぺバースデイで、どんどん投下して行くぞー。
って事で、次は航兄ぃのその後について。
今日中にアップ出来るかな?
智と夏世です。苦手な人はスルーでお願い。
「航さんにだけは内緒で」
「兄貴にはいつ言おう」
「それは…ダメ」
二人はこうやって始まって、終わる。
「…今度はいつ?」
「仕事が忙しいから」
「嘘が下手だな。花園ゆり子のスケジュールを管理してるのは俺だよ」
そうやって、智が再び夏世を抱き寄せる
抱き寄せられた夏世は智の胸に体を預けるようにして
「イジワルだわ」
「俺が?」
「今日は花園先生のところへ原稿チェックに行く日だとわかってるくせに。
だから、こんなこと…」
はだけられた胸には、智のつけた痕がいくつも飛び散る。
皆様誕生日投下乙でした!
やっぱりヒミツ好きだなー…
>>420さんのが途中で、間に挟まっちゃってたらごめんなさいorz
誕生日の翌日以降のお話
「航さん、コーヒーここに置いておきますね」
「ああ、すみません」
いつもの様に軽く会釈をして、いつもの様にコーヒーカップを傾けた航の視線に。
いつもとは違う景色が突然飛び込んできた。
「ぶっっ! ……ごほっごほっっ」
「きゃ……航さん、大丈夫ですか!?」
夏世は、勢いよくテーブルに広がったコーヒーを拭くためなのか、キッチンへと向かっ
ていった。
航は、何度となく咳き込み、どうにか呼吸を整えると急いで夏世の後を追う。
キッチンで鉢合わせる形になった彼女の手から、ダスターを取り上げると、航は無言で
彼女の手首を掴んだ。
「え、ちょっと……航さん?」
航は戸惑いを隠せない夏世の声になど、応えるつもりはなかった。
押し黙ったまま、その手を引き、リビングからテラスへと出るとようやく夏世を振り返
る。
「あの、私また何かやっちゃいました?」
「何かじゃないでしょう! それは僕のセリフだっ」
「な、何怒ってるんですか……?」
困り果てた表情で問い返す夏世に、つい航の苛立ちも勢いを増してしまう。
彼女を怯えさせたくて怒っているわけじゃない。航は、自分にそう言い聞かせると小さ
くため息を付いた。
「……それですよ、それ」
「それ?」
航の視線を辿って、ようやく思い至ったのか、夏世はみるみる頬を紅潮させ慌てた様子
で胸元を隠した。
「なんだってそんなもの、付けてきたりしたんですか!」
ニットの胸元からチラリと見えた、見覚えのある赤いレース。
あの例え様もなく艶かしい姿を、航以外の誰かが見たりしたら、と思うと今にも泣き出
しそうな彼女を前にしても、腹を立てずにはいられなかった。
腕を組んで、不機嫌さを隠し切れない声で、航の説教はさらに続く。
「ここにくる途中だって、誰かに見られるかもしれないんですよ?」
「あ、それは大丈夫です! 言われたとおり、コートのボタンは一番上までしっかり止め
て来ましたから……あっ」
少しは航の怒りを静められると思ったのか、勢いあまって余計な事まで言った事に気づ
いたらしい夏世は、悲壮感漂う表情で、ため息をついた。
「……『誰』に、言われたんです?」
「それは〜…うう、言わなくちゃいけませんか?」
「僕を納得させられるような、他の言い訳でも考えますか」
「そんなんじゃないです! ただ……」
航のニッコリ笑顔の奥にただならぬ怒りを感じたのか、夏世は降参した。
「修さんに、言われたんです」
「えっ? お……おさむ?」
思わず声が裏返る。想像していた名前ではなかったからだ。
「誰だと思ったんですか?」
「いや……まあ、いいじゃないですか」
まさか智との仲を疑っていたとは、こちらから怒りをぶつけた手前、言えるはずもない。
自らの感情に素直な智と違い、義理堅い修が自分を裏切るとは思えない。と言う事は理
由はただ一つ。
からかわれたのだ、自分も。夏世も。
「どうせまた、原稿をエサに釣ったんでしょう」
「エサって……魚みたいに言わないで下さい! ……その通りなんですけど」
安堵したと同時に、ふくれっつらで所在無さげな夏世を見ていると、腹を立てていた事
も忘れ、胸の奥が熱くなる。
――もっと虐めてやりたい。
そんな可虐心にも近い感情が心とは別のどこからか沸々と湧き上がる。
「じゃあ、月山さんは。修が原稿を仕上げると言えば何でもするんですか」
再び冷たい声をぶつけられ、夏世は身をこわばらせた。
「そんな事、あるわけないじゃないですか……どうしたんです? 航さん……怖い」
必死に真意を窺おうとするような丸い目が、ますます航を突き動かす。
「その下着に……」
航はスイッと間を詰めると、夏世の柔らかなふくらみに、そっと右手を乗せた。
「触れさせろと言えば、こうして触らせるんですか」
「や……やめて下さいっ。こんな所で」
「こんな所で? あなたはこんな所で、こんな淫らな下着を付けて仕事に来ているのに?」
左手で引き寄せると、そのまま腰を抱くようにして手のひらを滑らせていく。
布を通して僅かに触れるラインが、予想通り頼りない。
「下、も?」
耳元で囁くと、夏世は小さく頷いた。
「そう、本当にあなたって人は……」
「下着には……」
「うん?」
「下着には、航さんしか触れて欲しくないです」
表情は窺えないが、耳たぶが赤く熱を持っていた。
夏世の分身のようなそこに、航は思わず唇を寄せた。
「あっ……!」
カーテン越しに、僅かだが修の影が見える。机に向かってああしている間は、安心だろ
う。少しだけ漏れてくる音楽も、きっと仕事部屋の中ではいつものように大音量のはずだ。
そう確信した航は、さらに舌先で耳の中を愛撫した。
「ん、んんっっ……」
羞恥心に耐えるように、夏世は航の腕の中で声を押し殺していた。
「下着より先も、僕しか触れさせないで下さいね」
「……はい、あの。だから……もう」
「うん」
航は、あっさりと夏世を解放した。
突然支えを無くした身体は、よたよたとベンチに崩れる。
満足げに微笑む航の表情には、さっきまでの淫靡な色は少しも残っていなかった。
そして、オープンショーツの居心地の悪さに、その夜、航がホテルに連れ出してくれるま
で夏世は当分、我慢させられる事になるのだった。
end
航兄ぃは、紳士的なS。そんなイメージなのです。
初めてエロらしいエロ、書いたかなあ。連投&スレ消費スマソでしたw
GJ〜紳士S、いい。
つ・づ・き!つ・づ・き!
エロが読みたいんだ!w
>>418 なんだかんだいって一番男らしいのは修かもしれない。
よんでるこっちがほれてまうやろwです
>>422 紳士なS、いいですね。
続きで苛めちゃってください。
ヒミツはジャンル自体がマイナーなのか、
個人サイトが幸出来なくて困る
今知ってるので三つ
それ以上開拓出来ないorz
のでココで補充するわけだが・・・
自分なんてひとつも見つけられない…?
429 :
428:2009/01/13(火) 23:42:00 ID:YWox4Gw7
何故か最後に、?が付いてしまった
ここはノーマルカップルオンリーだけど、
携帯とかでは腐寄りもあるよ
腐に抵抗はないが、ヒミツはノマの方が好きだw
数字も夢もノマも放映時のサイトはほぼ更新停止してるわけで…orz
このスレと保管庫が命綱
夏世っぺかわいいよ夏世っぺ
八話と九話の間くらいの状態で、航兄を想って自慰をする夏世っぺという電波を受信。。。
自分は、自慰最中の顔を描きたい、と航にねだられて
自らスカートの中に手を突っ込む夏世っぺな妄想を練り練り
なにその変態お兄様w
やっぱり修の兄なのだな
全裸で待ってますノシ
兄ちゃん変態すぎるw
夏世っぺ受け身な上に航兄に従順だから躊躇いながらも頑張ってするんだろうな…
第一話であんな格好で街中歩いた人だからなーw
。・ ゚・(ノД`)・゚ ・。
| |)
ノ ωつ・゚ ・。
く > ・
>>436みたいに原稿のためならなんでもやってる夏世だから、
お兄様も心配になって、
>>432みたいなことを言ってみる。
そして恥ずかしさで真っ赤になりながらもやろうとする夏世に対して、
「あなたはやれと言われたら誰にでも、なんでもするんですか!?」
と小声で叫びながら夏世を抱きしめるお兄様。
そして夏世に
「航さんだから・・・です」
とかいわれる航兄を妄想。
申し訳ない。
なぜか手が滑って文の途中で二度も送信してしまった。
萌えす!!!
嫌って言えない子だからなぁ
航兄がやれって言ってたと言われて誰かに騙されかねないよな…
ふと、夏世っぺに犬しっぽが生えたら航兄にしっぽおもいっきりぱたぱたするんだろうなーと思った
忠犬夏世っぺ…イイ
話しを考えるのに詰まってる陽を夏世が外に連れ出して雪合戦
してるうちにだんだんみんな集まってきたりしそう
あの川ぞいの場所か〜
楽しそう!
ばれんたいンデーkiss!
スカトロとかないの?
「夏世、この洗面器いっぱいにウンコ出して見せて?」
「い、いやです、航さん・・・見ないで下さい・・・見ないで・・・!」
「そんなこと言って・・・こんな太いのブリブリ出して・・・」
「はあん、いやあ・・・っ・・・ぅん、、んはあっ!」
「洗面器いっぱいにするまで許さないよ」
スカトロは人を選ぶからなぁ
ご勘弁願います
オイラもだめだ、、別スレを立ててくれ。orz
特殊な嗜好はたいていスレがちゃんとあるからそれの総合行った方がいい
最近あちこちで沸いてる人でしょ
スルーしとけw
ベタにアリスパロとか赤ずきんパロとか読んでみたい
学パロとかもベタだけど、女教師になっちゃうか?
かよっぺ先生ハアハアw
眼鏡と若干胸はだけ気味の白いシャツと黒いスカートですね!
エロス
陽はあのまま高校生
航・智・修は先生?
用務員さん 保護者 校長 保健室の先生 なんてレパートリーもあるねw
智ぴょんには是非、保健室の先生をッ!!
絶対、お昼休みとか女子生徒でごった返しそう…w
んでもって、航兄は美術の先生希望!
修さんは過保護な保護者になりそう…w
航兄は美術室によくいる校長とか理事長とか
美術の先生だと思って接してたら…みたいな
修兄は用務員のおじさんだと思ったら美術教師だったとかw
挨拶しに行ったら「あんたが新任の先生だったのか」とか言われちゃう夏世っぺ
いや、ナースと医師も捨てがたい。
ナースと患者って聞いて、
骨折で入院中の航兄の病院に夏世っぺの友達がナースで居て
夏世っぺが顔真っ赤で「か、彼氏が…入院してて…」とか言って友達の悪戯心刺激しちゃって
友達にナース服に着せられて病室に押し込まれて
「友達に着せられちゃって…」「じゃあ脱がないといけませんね」
で、そのまま騎乗位とか考えてしまった
長々とすまんorz
「じゃあ脱がないといけませんね」
当然のようにwお兄様ったらwww
節分の豆を数えながら「今年は婚約くらいは…!」と決心する航兄
かわいいw
夏世っぺの血液型ってどれなんだろ
兄弟はチャーミーに書いてあるけど
>>466 出来れば兄弟の血液型教えて欲しいなあ・・なんて
このスレになかったっけ?
とりあえず1から読んでみて。
亀レスなんだけど、
>>420さんの続きが気になる〜。 ワルい感じの智、久々に魅力的だな〜と。
智ぴょんの部屋のイスとベッドは視姦には絶好すぎるとおもうんだ
航兄のソファは逆向きなのが惜しい
夏世っペはソファに
そして航はイーゼル前の椅子でけしからんボディをじっくりとだな・・・
誰が書いてくれ〜
エロが足りない〜!!
くれくれですまない…
今日の三角の冒頭?のシーン
航兄の中の人がなんかエロかったなあ
474 :
甘い泉 1:2009/02/11(水) 20:44:24 ID:4jR0dSO9
バレンタインデー小ネタ、4兄弟と夏世、下品です。
他の方が来るまでの穴埋めになれば幸いです。
※
ある2月の片岡家のリビングでは、今日も4人の兄弟と夏世がゆったりとした時間を過ごしていた。
「ときに小娘よ。
今年のウ゛ァレンタインデイは男子から女子にチョコレートと愛を送る日になったそうだな」
「突然何ですか?」
「ああ、逆チョコって奴ね。修兄はくだらないことはすぐ覚えるんだから」
「最近はそうなのか、陽?」
「今年の製菓業界の戦略だよ、航兄」
「という訳で買っちゃいました、ジャーン!」
修は隠し置いていた箱をテーブルの上にドンッと置いた。
「また何無駄なお金使ったの?」
「……チョコレート…ファウンテン?」
「チョコレートファウンテン!?
これチョコレートファウンテンができるんですか?」
「チョコレートファウンテンって何だ、智」
「この機械の真ん中から滝みたいにチョコレートが流れ落ちてきて、果物とか絡めて食べるの。
航兄がボーッとしてる間に、世の中いろんな物が流行って消えているの」
「どうよ、小娘」
「すごいです、修さん!たまには気の利いたこともできるんですね!」
「たまにはって何だ、たまにはって!」
「これやってみたいです、航さん!」
子供のようにキラキラとした目でおねだりする夏世に航が逆らえる訳がない。
「頼んだぞ、智」
「って、用意するの俺かよ!」
「……航兄、デレデレ」
「買ったのは俺だぞ!俺に感謝しろよ!」
「はい、できたぞー」
「あれ、なんか白い?」
テーブルの上に用意された物を見て、夏世が疑問の声をあげる。
確かに果物やお菓子等と共に用意されたのは白いチョコレートファウンテンだった。
「ホワイトチョコしかなかったの。文句ある?」
「いや、何だかホワイトデーっぽいなーと……」
「この寒いのにわざわざ買いに行ってられるか!」
「いいから早くやろうよ。ほら、陽君も航お兄様も座って!」
修に促され、航と陽も席につく。
「それでは、いただきまーす!」
「うわあ、美味しそー」
修と夏世が嬉しそうにチョコを絡め始めたのを見て、他の3人もやり始めた。
475 :
甘い泉 2:2009/02/11(水) 21:14:41 ID:4jR0dSO9
「マシュマロ美味しい!」
「ポテチにホワイトチョコもいけるな」
「柿の種ってうまいのか?」
「意外と美味しいですよ。私は好きです」
「本当ですか、月山さん?
食べてみせてくださいよ」
航は柿の種をつまむと、チョコをつけて夏世に差し出した。
「え、あれって『はい、あ〜ん♪』ってやつ?」
「ナチュラルにいちゃつくなっつーの」
「いいんじゃない?幸せそうだし」
弟達が何やら言っているが、二人っきりの甘い世界の住人の耳には届かない。
夏世は艶めくぽってりとした唇を少し開くと、粘性の白い液体が絡んだ柿の種と航の指を一緒に口にいれた。
舌で丹念に指の白い液体を舐めとると、チュッと音をたてて離れる。
「美味しいです」
夏世はニッコリと微笑む。
その光景をごく近距離で凝視してしまった航と、ほんの少し離れた距離で見てしまった弟達。
「……月山さん、もう一ついかがですか?」
「やっぱりここはチョコバナナだよな、修兄」
「切るな!そのまま舐めろ、夏世っぺ」
「え、それは無理――ンーッ!ンンッ、ンッ、フウッ……」
「がんばれ、夏世っぺ!」
「しっかり味わえよ」
「こぼしたらお仕置きですよ」
(こぼしてもこぼさなくてもどうせお仕置きするんでしょ、航兄?)
異様な盛り上がりをみせる兄達を陽は冷めた目で見ながら、バナナを無理矢理口に突っ込まれて
顔を苦しそうに歪めながらも、白い液をこぼさないように必死で舐める夏世の姿を楽しんだのであった。
こうして夏世はお腹いっぱい白い液を堪能させられましたとさ。
めでたしめでたし?
※
こんなネタで申し訳ありませんでした。
それでは失礼します。
GJ!
ナチュラルバカップルと白い液ワロスww
夏世っぺでナチュラルに遊ぶ兄弟!!
楽しそうでいいな。
そしてナチュラルに航がでれでれww
なんて破廉恥な!
・・・GJ!
がっさん!なんてはしたない・・・
いいぞ、もっとやれ
>>474-475 GJ!
航兄ったら夏世っぺに甘すぎるww
見事に胸元にこぼしてお仕置きされてほしい
そこで合鍵で入ってきた田中ちゃん
「先生方・・・なにやってるんすか」
食べさせすぎて夜チョコプレイを拒否されちゃったんですね
航が帰宅するとそこには裸エプロンの夏世が
「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも、わ、私…?」
なーんてベタな展開の投下まだー?
航×夏世のバレンタインネタです。導入部のみです。
***
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした。あの、航さん、これ……」
「え? あ……ありがとうございます」
2月14日、乙女の決戦の日バレンタインデー。
5年以上トキメキに縁がなかった月山夏世も、今年は久々に参戦した。
航を自宅に誘い、なんとか夕飯を振る舞い、チョコレートも渡することができた。
自分にしてはよく頑張ったと、ホッと胸を撫で下ろす夏世。
(ホッとしている場合じゃない! 本当の勝負はこれからよ!)
「あの、ここで食べてもらってもいいですか?
編集長と一緒に作ったから大丈夫だとは思うんですけど……」
「これも月山さんが作ったんですか? それは楽しみですね、いろんな意味で」
「いろんなって……もう、航さん!」
包みを開ける航を固唾を飲んで見つめる夏世。
「それでは、いただきます」
航は箱の中のトリュフを一粒摘むと、口に運んだ。
(食べたっ!)
トリュフを味わっている航を見ながら、夏世は2週間前のことを思い出していた。
「はい、月山、これ」
「編集長、なんですか、これ?」
呼び出された小料理屋美那絵で、亮子から小さな瓶を手渡された夏世は、不思議そうにその瓶を覗き込んだ。
「うーん、何て言ったらいいのかしら? 恋愛のステップを一歩進める魔法の薬?」
「訳が分からないんですけど」
「大きな声じゃ言えないんだけどね、男の人をその気にさせる薬よ」
「その気って?」
「んもうっ、相変わらず鈍い子ね! 早い話が媚薬よ! び・や・く!」
「へ、編集長、声が大きい! いりませんよ、こんな物!」
大きな声でとんでもないことを言い出す亮子の口をおさえて、夏世は周りに他の客がいないことを確認した。
二人の会話が聞こえたであろう美那絵は、何も言わずにそっと小鉢を二人の前に置く。
「何を言っているの! この間、二人で鍋パーティーをした時に
『航さんと付き合い始めて一年経ったのに、まだキスまでの関係なんです〜。私って魅力ないんでしょうか〜』
って泣いたのを忘れたの?」
「私、そんなこと白状したんですか!?」
「白状しちゃったわよ!」
「白状しちゃったんですか……」
美那絵にまでさりげなくツッコまれ、夏世は顔を真っ赤にしてうなだれてしまった。
「とにかく、これを使えば航さんの鉄の理性の壁を壊すことが可能なのよ!
ちょうどいい具合にもうすぐバレンタインデーだから、チョコレートにでも入れて食べさせちゃいなさい!」
「い、いや、こういう事は自然の流れに任せた方がいいんじゃないかと……」
亮子の迫力に押されながらも、そこまでしていいのか、夏世には迷う気持ちが残っていた。
「自然に任せていたら陽君が成人するまでこのまんまズルズルズルズルいっちゃうわよ!」
「え! いや、でもそんな……」
「陽君が成人したら修さんが漫画家として一人でやっていけるまで。
修さんが何とか一人でやっていけるようになったら智さんが結婚するまで。
智さんが結婚できら、今度は修さんが結婚するまで……」
「そんなの永久に無理じゃないですか!」
「航さんの場合、有り得ないと言い切れないところが怖いですね」
ニコニコと笑いながら恐ろしいことをサラッと言う美那絵に、なぜか夏世は反論することができなかった。
「待っているだけじゃ女が廃りますよ、月山さん」
美那絵のこの一言が決定打だった。
その媚薬を使って作ったのが、今、航が食べているチョコレートトリュフだった。
チョコを食べる航の様子を、夏世はジッと見つめる。
「美味しいですよ……って、うわっ!」
顔を上げるとすぐ側に夏世の顔が接近していて、思わず航は驚きの声をあげた。
「あ、いえ、なんでもないです。本当に美味しいですか?」
「はい、本当に美味しいですよ。でも、なんだか変わった香りがしますね」
チョコレートを味わいながら航が少し不思議そうな顔をする。
ギクリ!
「そ、そうですか? お酒入れすぎちゃったかしら〜?」
(やっぱり『ほんの2〜3滴でいいからね』と言われたのに、もののはずみでジョボッと入っちゃったのがまずかったかしら?)
「あ、でも味はちゃんと美味しいですよ」
ニッコリと笑ってみせる航からは疑っているような様子は感じられない。
夏世はホッと胸を撫で下ろした。
こっそり媚薬を入れたことに後ろめたさはあったが、ここまできたらやり抜くしかない。
(味は微妙みたいだけど、とにかく航さんが媚薬入りチョコを食べたからオッケー!
後は薬が効いてくるのを待ちつつ、さりげなく誘惑するのよね。
下着は新しい物だし、お風呂も入ったし、香水もいつもより少し甘めの香りにしたし……)
「あ、あの、月山さん? チョコレート、本当に美味しかったですよ。変な臭いがするとかそういう意味ではなくて
――聞いてます?」
(あんまりベタベタするんじゃなくてあくまでさりげなく肩に触れたり、腿に手を置いたりして距離を詰めるのよね。
えーと、それからそれから――)
俯いた夏世を見た航は、自分の言い方が夏世を傷つけたのかと思い、慌てて弁明する。
しかし夏世は亮子と美那絵から教わった誘惑方法を思い出すのにいっぱいいっぱいで、航の言っていることなど
耳に入っていなかった。
「月山さん」
「はい?」
航に呼ばれて我に返った夏世が顔を上げると、突然口の中に入って来た何かが舌の上で溶けた。
――ゴックン――
思わず飲み込んでしまってから、口の中が甘いことに気がつく。
(――この味は、もしかして――!)
「ほら、ちゃんと美味しいでしょう? 月山さんが作ったチョコレート」
航はそう言うと、ニッコリと笑った。
***
ここまでです。エロまでたどりつけなくて本当に申し訳ありませんでした。
うわって航ならいいそうw
かわいいな二人とも
続き希望〜
女子三人の会話もよかったです。
自分もぜひ続き読みたいです!
出来ればぜひぜひお願いします。
智×夏世×航です。
−♪−♪−♪−
2009/2/20
FROM:航さん
今週末も会うのは難しそうです。
ごめんね。この埋め合わせは後日必ずします。
この内容のメール貰うのは何度目だろう・・・。
航さんが復学してからなかなかお互いの都合がつかなくてすれ違いばっかり。
「今週末も無理か・・・編集長は田中さんと旅行行くって言ってたし、
ちょっと淋しいけど一人で飲みにでも行っちゃおうかなァ」
【美那江にて】
「人が淋しいのも知らないで毎日課題課題・・・航ひゃんのバカヤロー」
「月山さんちょっと飲みすぎじゃないですか?大丈夫かしら」
心配そうな顔で夏世を見つめる美那江が声を掛ける。
そんな中、暖簾をくぐって入ってきた智が夏世を見てギョッとする
「こんばんわー」
「あら智さん!いらっしゃい。いいところに来てくれたわ」
「あんた何してんの!?もしかして航兄にでも振られた?」
いつものおちょくるような口調で夏世に話し掛けるがキッとした眼つきで睨まれ苦笑いした。
「っていうかあんた飲みすぎじゃない?」
「まだまだ〜☆じぇんじぇん(全然)ですよ。今夜はいっぱい飲むぞ〜!」
「全然大丈夫じゃないだろ・・・美那江さん、俺こいつ送ってくわ。」
「そう。智さんが来てくれてよかったわ。月山さんのことよろしくね」
ホッとした表情の美那江にそう話、夏世を抱えて智は店を出て行った。
【夏世宅にて】
「ほら起きろ!!家着いたぞ。」
「あーほんとだぁー。夏世ちゃん家とうちゃくぅ〜♪」
「うるさい酔っ払いだな。それだけの元気あれば後は大丈夫だろ。俺帰るからな。」
「え〜帰っちゃうの?今夜は一緒にいてくれないの?」
淋しそうな目でそう言い放つ夏世にドキっとする智。
酔っている夏世の瞳は潤み、普段からは見せない色気が漂っている。
「は?あんた酔っ払いすぎ」 動揺しながらもいつもの口調で言い放つ。
「酔ってないもん・・・智さんお願い・・・」
「・・・あんたには航兄がいるだろ・・・」
「航さんは関係ない・・・航さんには内緒で・・・今夜だけ一緒にいて。淋しすぎて何かに押し潰されちゃいそう・・・」
夏世の言葉を最後まで聞く前に、気付けば智は夏世の柔らかい唇を奪っていた。
最初は啄むような、そして2人とも互いの何かを求め合うように深く口づけていった。
2人が唇を離すと銀色の糸が艶かしく光っていた。
その後ももう本能が理性を支配したかのように互いの体を求め合ってやがて朝を迎えた。
【翌日】
「ん〜頭痛い・・・完全に二日酔いだ・・・」
そういえば私・・・智さんとしちゃったんだった・・・。
昨夜、夏世とヒミツの関係を結んだ智はベッドサイドに小さなメモを残して家を後にしていた。
『おはよう。昨夜のことは誰にも話さない。お互いのヒミツ・・・というか忘れろ
台所に朝食用意しておいたから食えよ。 智』
メモを手にしながら「なんか智さんらしいや」と笑ってしまった。
冷蔵庫にあったミネラルウォーターを口にしながらなんとなく昨夜の情事を
思い出していた夏世の部屋に『ピンポーン♪』とインターフォンが響く。
「どちらさまですか?」
ドアを開けると航が立っていた。
「わ・・・航さん!?」内心少し焦ってきちんと目を合わせられない。
「最近会えなくてごめんな?」
「・・・う、うん・・・大丈夫ですよ」
「なんか・・・いつもと違う感じするけど何かあった?」
「・・・な、何にもないですよ!ちょっと昨日飲み過ぎちゃったからかなぁーなーんて」
「そっか。じゃあ今日は帰った方が良さそうだね」
「せっかく来てくれたのに・・・ゴメンなさい」
申し訳なさそうに謝る夏世を不意に抱きしめる。
「・・・ん!?・・・もしかして昨日、智と一緒だった・・・?」
「え・・・どうして?」
「夏世から智と同じ香水の匂いがする」
「あ!そういえば昨日、美那江で偶然会ったんですよ!!」
「偶然会っただけで何で智の香水の匂いがするんだろうな・・・?しかもキスマークまで付いちゃうんだ?」
「それは・・・」
氷のように冷たい航からの眼差しで夏世は何も言い返せなかった。
「智と寝たのか・・・?」
「・・・」
「なんとか言ってよ。」
「・・・だ、だって航さんがいなくて淋しかったんだもん・・・」
「・・・黙れ!!」
航は冷たい眼差しのまま無言で夏世の手を引っ張って寝室のベッドに押し倒した。
「航さん・・やめて」
「うるさい」
航は自分のネクタイで夏世の両手を括り、ベッドの柵へ縛り付けた。
「やだ・・・航さん・・・怖い」
「悪い子にはオシオキが必要だろ。俺なしじゃいられない体にしてやる」
瞳の奥は凍ったままの笑顔で夏世を見つめながら、航は夏世の着ている服を引き裂いた。
「やだ・・・わ、航さん・・・やめて・・・!!!!」
「少し黙っててもらえるかな。」
「ん・・・ぃや・・・」
「嫌?じゃあなんでココ立ってるんだろうね?」
「っ・・・航さん・・・」
「泣いたって許さないよ。二度と浮気できないようにしてあげるからね」
航は夏世の下着まで乱暴に剥ぎ取った。
「怖がってる割にはしっかり濡れてるね」
航は夏世の秘部を触りだす。
「はぁ・・・わ、わたるさん・・・」
「気持ちいいんだ?」そう言って指の出し入れを激しくさせる。
「んあっ・・・ねぇ・・・もう頂戴・・・」
「嫌だね。・・・代わりにイイモノあげるよ」
ズズッ・・・・
「あああッ・・・何・・・コレ・・・」
「何だろうね・・・?・・・正解は大人のオモチャ」悪戯な微笑みを浮かべる航。
「い・・・やぁ・・・オモチャより航さんのがいい・・・」
「その割には夏世のココ、オモチャを咥え込んで離さないよ?」
「お・・・お願い・・・航さんのチョウダイ」
「もう二度と浮気しないって誓う?」
「うん・・・もう二度としません・・・ごめんなさい」
「じゃあ仕方ないな」
ズズズッ・・・航は夏世の秘部からオモチャを抜いて自分のモノを挿入した。
「ああっ・・・わたるぅ・・・」
「っ・・・夏世・・・そんなに絞めつけるな・・・」
いつもとは違う激しさで航は夏世を攻め始める。
「あ・・・ソコ・・・ダメ」
「夏世はココが弱点なんだ?」
夏世のクリトリスを片手で摘んだり、乳首を甘噛みしながら攻め続ける。
「わ・・・わたる・・・イクッ・・・」
更に膣内を締め付けた夏世の刺激で航も大量の精液を中に注いだ。
「航さん・・・本当にごめんなさい」
「分かればいいよ。そのかわり次にあんなことしたらこんなオシオキじゃ済まないからね。」
「はい・・・もう二度としません。当分お酒も飲みません。」
なんとかいつもの2人に戻れたものの、『たまにはあんな乱暴な航さんもイイかも』と思ってしまう夏世なのでした。
ちなみに自宅に帰った航は智にもキツーイお仕置を下したそうな・・・。
※駄文で申し訳ないですが久しぶりに投稿してみました。
皆さんに喜んでいただけたら幸いです。
>>489-493 GJ!!
久々のエロ堪能させていただきました。
Sな航兄、そしていけない夏世っぺに萌えました〜。
GJ!
久々にエチな話で楽しめました!!
Sな航兄好きぃ
オモチャもS兄様も萌えだったけど、さとぴょんと夏世っぺの切ないプレイも読みたかったぜ
シンデレラ:夏世っぺ
姉1:修兄
姉2:智ぴょん
継母:亮子さん
魔女:陽くん
王子:航兄
頭によぎったから書いてみたけど我ながらなんだこれwwww
田中ちゃんが余った…
ガラスの靴を持って国中走り回る部下(大臣?)がいるじゃまいか
亮子さん魔女もよさそう
きっと魔女にしろ継母にしろ亮子さんはノリノリw
500 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:17:11 ID:UJb6zbYm
500ゲト
智ぴょんはお金が自由にできるようになりはじめた頃に
資料だと他の兄弟を説き伏せてひな人形を購入している気がしてならない
こう春が近づいてくると
「いいお天気ですね」
「そーですねぇ」
を思い出してニヤニヤしてしまう
夏世っぺと航兄が美術館でデートして内緒話しみたいにこそこそしゃべってクスクス笑ってる二人が見たい
一昨年の今頃はいいお天気にニヤニヤしっぱなしだったな
以前に話題になった学園物パラレルネタを書いてみました。
※
「航先生、いらっしゃいますか?」
次の職員会議のプリントを持って美術準備室を訪ねた夏世だったが、目的の人物は
見当たらなかった。
数カ月前に英語教師として花園学園に赴任した月山夏世。
最初は少し変わった校風に戸惑い、自信を失うようなこともしばしばあった。
しかし、そんな時にいつでもさりげなくフォローしてくれたのが美術教師の片岡航。
いつしか夏世は航にほのかな恋心を抱くようになっていた。
航は職員室よりもこの美術準備室にいることが多かったので、プリントにかこつけて
二人きりでお話ができるかもと期待していた夏世はがっかりした。
しかたなく、中に置いてある航の机にプリントを置いて帰ろうとした夏世は、机の上の、
一冊のスケッチブックに気付いた。
「航先生の……?」
勝手に人の物を見てはいけないと思ったが、航の絵を見てみたい気持ちが抑えきれなかった
夏世はそっとスケッチブックを開いた。
スケッチブックの中は風景画と静物画がばかりで、その優しいタッチが航の人柄を現していた。
昔から絵を描くことが下手で、そのせいか興味を持つこともなかった夏世だったが、
航の絵はなんだか好きだった。
「すごいなあ。私もこんな風に描いてみたい――って無理か」
「僕で良ければお教えしますが」
「キャアァーー!!」
バサッ!
急に背後から声をかけられた夏世は悲鳴をあげた拍子に持っていたスケッチブックも
落としてしまった。
「すみません、驚かせてしまいましたか?月山先生」
「わ、航先生……」
振り向くといつの間にか航が立っていた。
「あ、こちらこそすみません!勝手に中に入って、勝手にスケッチブック見ちゃって」
夏世は慌てて頭を下げる。
「構いませんよ」
「あ、スケッチブックまで落としちゃって本当すみません!」
「いいですよ、僕が拾いますから」
「いいえ、私が落としたんですから私が――」
夏世は落としたスケッチブックを屈んで拾おうとした。
しかし、開いたスケッチブックに描かれたスレンダーな女性の裸の絵に気がつくと、
その手が止まってしまった。
「どうしましたか?
す、すみません!やっぱり僕が拾います!」
夏世が裸婦の絵に驚いて固まっていることに気がつくと、今度は航が慌てた。
「…………」
「…………」
「すみません、本当に。セクハラするつもりはなかったんですが……」
「そ、そんな、セクハラだなんて思ってません!すごく上手でした!」
「それは……どうも……」
「航先生、そういうスレンダーな女性がお好きなんですか?」
「は?」
(やだ!私ったら何言ってんの!)
気まずい空気を何とかしようとした夏世から出てきた言葉はかなり珍妙なものになってしまった。
案の定、航は目を丸くしてポカンとしている。
羞恥でみるみるうちに真っ赤な顔になり、涙目になっていく夏世。
「あの、これは友人が主催した講習会の時に来たモデルさんで、別に僕の好みとかそういう訳では……」
「そ、そうなんですか?」
「それに僕は月山先生のような――」
思わずブラウスの胸元から覗く深い谷間へ航の視線は移動する。
「私のような?」
「い、いいいいや、月山先生のような美しい方にモデルになって欲しいなあっ!」
慌てて視線を外した航は、ごまかそうとして思わず本心を漏らしてしまった。
(何を言っているんだ、俺は!?)
今度は航が焦る。
「すみません、迷惑、ですよね――」
「いいですよ」
「え!?」
「私なんかで良ければモデルになりますよ」
予想外の言葉に夏世の方に振り向くと、少し恥ずかしそうに頬を染めている。
「いいんですか?」
「はい。私、好きだから。航先生の――」
「僕の?」
思わず唾を飲み込む航。
「航先生の絵が!」
「え、ええ、絵ですか?」
「はい、航先生の絵が好きなんです。だから、私のこと描いてもらえるなんてうれしいです」
「そう……ですか……」
(一瞬期待してしまった……)
落胆する航だったが、夏世をモデルに絵を描くという願いは叶えられそうだ。
気を取り直して、航はスケッチブックを拾う。
「それじゃあ、少し描かせてもらえますか」
「え!? 今、ここでですか?」
「あ、簡単に描くだけですから、そんなに緊張しないで楽にして下さい」
航はイーゼルにスケッチブックを置くと、鉛筆を探して辺りを見回した。
いきなりこうなるとは思っていなかった夏世は戸惑ったが、なぜか楽しそうな航を見ると、
いまさら辞めますとは言えない。
(ええい!月山夏世、女は度胸よ!)
夏世は覚悟を決めた。
「鉛筆鉛筆……あったあった。
月山先生、お待たせしま」
振り向いた航が目にしたのは、ブラウスのボタンを外している夏世の姿。
カランッ――コロコロコロ――
せっかく見つけた鉛筆は手から滑り落ちた。
夏世の白い指がボタンをゆっくりと外していく。
――一つ――二つ――三つ目のボタンが外れたところで、ようやく航は我に返った。
「つ、つつ月山先生!服はそのままでいいんです!」
「え?」
夏世が顔を上げた時、ピンク色の下着が航の目に飛び込んできた。
航は慌てて駆け寄るとブラウスの前を合わせてやる。
「月山先生、服は着たままでいいんです!」
「え!?やだ、私ったら……すみません!変な物見せちゃって」
「いや、大変結構な物を見せていただきまして、ありがとうございます」
「へっ?」
「いや、あの……」夏世が顔を上げると航と視線がぶつかった。
はからずも接近してしまったことに気付いてお互い動揺するが、だからといって目を逸らすこともできない。
言葉も無く見つめ合う二人――
ガラッ
「兄ちゃん〜、ちょっと聞いて……」
国語の教師である航の弟、修はノックもせずに美術準備室のドアを開けた。
しかし、そこで修が目にしたのはいつもの兄の笑顔ではなかった。
上気した頬と潤んだ目をしたノーテンキおっぱいボケ鬼娘英語教師月山夏世と
夏世のはだけたブラウスの胸元に手をかける兄。
何も知らない修には、据え膳女とそれを美味しくいただく直前の男にしか見えなかった。
「アアッ!?アアアッ!!」
素っ頓狂な叫び声をあげる修。
「あの…これは…その…違うんだ、修」
「す、すすすすすすみません、おおにーさま!
いい今すぐ退散いたしますので!」
「ちょっと落ち着け、修。俺の話を」
「このことは拙者、誰にも言いませぬ故、どうかご容赦を!
それではごゆっくりしっぽりなさって下さいませ〜!」
ピシャンッ!
「修ー!ちょっと待てー!」
兄の言うことなど全く聞かずに、修は一目散に逃げて行ってしまった。
航が呆然としている間に、夏世は慌ててブラウスの前を閉じると航の脇をすり抜けた。
「月山先生!」
航が声をかけると、夏世はドアの前で止まって振り返る。
「明日の会議のプリント、机の上に置いたので見ておいて下さい!
本当、重ね重ね失礼いたしました!」
夏世は本来の用件を大声で伝え、ペコリとお辞儀をすると、ギクシャクとした速歩で逃げて行ってしまった。
結果、一人残された航。
「……厄日だ」
航はそのままヘナヘナと座り込んで暫く立ち直ることができなかった。
航が夏世をモデルに絵を描けるのは、当分先の話のようです。
※
以上です
学園物で先生同士でエロって意外と難しいような……
いっそガッサンを生徒にしてしまえば良かったかもw
おお学パロGJ!
夏世っぺが素直すぎてかわいすぎる
そしてやっぱ英語教師ですよねww
GJ!!!!
学園になっても天然なふたりがかわいすぎるw
あとノーテンキおっぱいボケ鬼娘ワロタwww
大変結構なものを…って航が正直すぎてワロタw
焦ると本心が出る航と、焦ると本心をいえない夏世かぁ
GJ!
シリーズ化きぼんw
今の航の中の人の映画。ジェネラルルージュがとても色っぽい
航兄のキャラも好きだけどあちらもすごくいい!
チラ裏ゴメン
ここはエロパロ板のヒミツスレです
中の人の熱心な話題はついていけない人もいますので中の人スレに書いてください
ガッサンが看護婦、航兄が患者で
「さ、剃毛しますんで脱いで下さい(大マジ)」
「エエエエェェェ!?」
というネタを考えたことがあります
そのネタを書き起こす作業に(ry
大マジなあたりが夏世っぺらしくてかわいいw
ほしゅ
帰り道(という名のデートで)ひらひら舞う桜の花びらをなんとかしてキャッチしようとする夏世っぺと
揺れる胸をなんとかして見ないようにする(でも見ちゃう)航兄
そのあと、がっさんの髪の毛についた桜の花びらを取ろうかとらまいか?とチョット悩んで、
思い切って取ろうとして、手を伸ばしたら、
ちょうど振り向いたがっさんに「どうしました?」って聞かれて、
ヤッパリ・・と手を引っ込めて、あーあと諦める航お兄様となるんですね。
なんだそれかわいいな…!
航兄のタイミングは神。色んな意味でw
エイプリルフールなんだな
夏世っぺが「嫌いです」とか言っても嘘にしか聞こえないけど
兄弟たちだとなんだかシャレに聞こえない…
>>521から妄想
陽「嫌い」
月山「え!?ひ、陽君?」
陽「嘘。そうやってすぐ信じる。本当に単純だね」
月山「もう、陽君!」
智「嫌いなんだよね、あんたのこと」
月山「智さん……」
智「なーんて、うっそー♪」
月山「もう!智さんなんて知らない!」
智「ごーめーん!エイプリルフールだからさー、許してよ」
月山「知りません!」
修「夏世っぺなんてキライッ!」
月山「私も嫌いです」
修「……え?か、夏世っぺ?」
月山「嘘です」
修「夏世っぺの馬鹿ぁ……グスッ」
月山「ごめんなさい。あー、もう泣かないで下さいってば」
航「嫌いです」
月山「航さん……」
航「嘘で」
月山「…………」(目から一筋の涙が零れる)
航「つ、月山さん?じょ、冗談ですから」
月山「冗談でそんなことが言えるんですか?」
航「月山さん……」
月山「失礼します」
航「あ、あの!」
数日後
航(月山さん……)
修「あーあ、慣れないことするから」
智「意外と怒らすと恐いからねー」
陽「そろそろ助けてあげたほうがいいんじゃない?」
智「しょーがねーなー」
修「もう、しょうがない二人だこと!」
>>522 ちょっ不覚にも萌えたw
航が言うとこれまでのあれこれのせいでしゃれにならないな確かに
航兄、さんざん動揺するといいよ!
ドラマではだいぶ夏世が振り回されたからなあ。
ところで、オフとかでヒミツやってる人とかいるのかな?
芸能系はオンよりオフが多いと聞くけど・・・
>>522 修兄かわいいww
航兄は悩んでないではやく心も体も慰めに行かな
>>524 オフ事情はよくわからないけどドラマって一過性がすさまじいからどうなんだろうねぇ…
ハ○ンは放映した年の冬にはあったようだけど
やっとこ規制解除。
>>522 智とのやり取りをリビング向かいの仕事部屋から見ていたりして
ちょっとジェラシーを覚える航兄を妄想した。
なるほど、それでつい航も
「嫌いです」
なんて嘘をついてみてしまったわけですね
「夏世っぺに対してそれぞれ最大の嘘をつこう」みたいな提案が
>>522前にあったら…と妄想して萌えた
夏世っぺの嘘はなんだったんだろうね。
夏世っぺがつく最大の嘘は、やっぱり担当をはずれます?
または結婚します・・じゃないの??
結婚話に限っては航以外の三人には
「嘘つくならもっと上手い嘘つきなさいよ」と逆に突っ込まれる予感w
>>531 確かに航は案外なんでも真に受けそうな。
ひとつのこと思い込むと他になにも見えなくなる部分あるし。
兄弟の秘密しかり。
しかし、結婚しますとかそんな嘘ついたら、航の奥底に潜むダークな部分が
一気に‥‥暴発してしまいそうだ‥‥
エイプリルフールは激しく過ぎたけど、そんな話読みたすぎる!
誰か書いてくれ〜!
詳細も聞かないで「あ、そう…お幸せに…」とか本気で言いそうなんだよな航兄
エイプリルフールだと知ったらどれだけ脱力するんだろうw
いっそ赤ちゃん出来ちゃった、発言はどうだろう。
一瞬、誰の?ってなりそうw
エロくれコール以降、投下が減った希ガス
エロなしでもOKなのにショボン。
>533
で、自分が嘘ついたくせに、航の「お幸せに」発言に凹む夏世っぺですね、わかりますw
目に浮かぶようですw
きっとみんな年度始めで忙しいのさ
妊娠はなんかみんなですっごい喜びまくって後に引けなくなりそうですw
なんか良いなあ、夏世っぺと赤ちゃんと四兄弟。
次男の中の人が書いてるドラマじゃないけど、それぞれがどう赤ちゃんに接するのか
大体想像できるのが楽しい
智は夏世っぺよりテキパキ赤ちゃんのお世話をしそうだ
航も、陽の世話してただろうから手馴れたもんだ
>>537 確かにw
そして、器用貧乏という言葉が浮かんだ・・・涙
放映終了後もこんなにほのぼの萌えトークが出来るスレは初めて。
住人が何人いるかはわからないけどみんなありがとう。
赤ちゃんの世話
何故か一番張り切る田中ちゃんが浮かびますたw
>>541 おお、自分もだ。
で、一番子守唄で寝かしつけるのがウマイって思っている。
子守唄を声高らかに歌い上げる亮子さんを想像したw
>>543 うん、高らかに歌い上げて、煩い、却って
子守唄じゃないと、と田中ちゃんから怒られるのを想像している。
その間、オロオロするがっさんと、それをたしなめる次男以下の兄弟。
長男だけ何もせずにニコニコ(・∀・)。
陽と赤ちゃんをおいて留守番させたい
最初は二人きりなことに戸惑いを覚えるけどだんだんぎこちないながらもあやしたりしたらいい
イギリスに戻りたくなくなりそう
久しぶりに新しいサイト発見したのにパスがとけない・°・(ノД`)・°・
―とある夜の片岡家。
修「あ゛ぁ゛〜 やっと終わったーーーー」
夏世お疲れ様ですっっ!原稿確認しますね♪」
締切ギリギリでやっと原稿を仕上げ、片岡4兄弟は疲れ切っていた。
修「原稿書き終わったし、お酒でも飲んじゃお」
冷蔵庫を開けると背後から陽が声をかけた。
陽「修兄、僕牛乳飲みたい」
修「おっけー。ちょっと待っててねー」
まず自分の酒をグラスに入れ、テーブルおいた。
牛乳をグラスにいれ振り返る。
修「はい。陽く・・・あ゛ぁああああああああああああああ」
時すでに遅し。
グラスは空っぽ。
航「修、どうした!?」
智「ったく、何事だよ?」
夏世「ど、どうしたんですか!?」
修の叫びに驚いて、航、智、夏世がリビングに駆け込む。
修「ひ、陽君がぁああああああああ!!! お酒飲んじゃったぁああ」
航・智・夏「「「えぇ!?何で!?」」」
見ると、そこにはほんのり頬を紅潮させ、今までにないくらいにっこにこした陽が立っている。
修「俺がマッコリのもうとして、陽君が牛乳と間違えて・・・・ごごごごごごごめんなさいいいいいいい!!!」
陽がふらりと歩く。
にっこにこしながら。
そして夏世の両手をグッと握りしめた。
夏世「ひ、陽く〜ん??大丈夫?」
戸惑う夏世をよそに陽は以前にこにこしたまま。
航「陽、月山さんを離しなさい。お前はもう寝た方が・・・っ!!!」
そこまで言いかけた時、
3兄弟は固まった。
なぜなら振り返った陽の眼が恐ろしかったからだ。
邪魔をするな。
あの眼からはそれが読み取れる。
いまここで止めに入れば確実に殺られる。
3兄弟はそう確信し、全く動けなかった。
修は気絶した。
夏世「ひ、陽君?もう寝た方がいいんじゃないかなっ?ほらっ、疲れてるだろうし、ね?」
陽「ね、ガッサンさん?」
夏世「ん?」
陽「僕のこと好き?」
夏・航・智「「「!!!」」」
夏世「も、もちろん!! 陽くんのこと、弟ができたみたいですっごくかわいいし、好きだよ」
陽「・・・弟。」
にこにこしてた陽の顔がしょぼんとなった。今にも泣きそうな顔で夏世は驚いた。
夏世「え!? あの、陽く〜ん?」
陽「弟じゃダメ。ダァァメっ!!」
夏世「? う、うん」
陽「ねぇ〜。僕のこと好き?航兄より、他のみんなより、一番?」
夏世「ぇえっ!?(えーと、航さんより!? 航さんが一番だけど、でも。。。 この場は陽くんって言わなきゃ治まらなさそうだしっ。。 いやでも。。。うーーーーーん。)」
そう考えていると
陽「一番じゃないの?」
うるんだ瞳で夏世を見つめる。
夏世「(うっ…。 だ、大丈夫よね。ここで陽君が一番って言っても、この状況だし、航さんはきっとわかってくれるよね!) うん!陽君が一番好きだよ。」
そういうと陽の顔がパァッっと明るくなった。
陽「僕もガッサンさん大好きぃ」
そう言って夏世を抱きつき頬にちゅっとキスをした。
驚いて口をパクパクさせる夏世。
えへへーと笑う陽。次の瞬間陽はパタッと夏世の胸の中で深い眠りに落ちた。
航、智は唖然としていた。
あんなにクルクル表情が変わる陽を見たのも、
あの寡黙な弟が自分たちの想い人にあんな大胆なことをするのも初めて見たからだ。
特に航の表情は曇っていた。
―次の日。
智がドアを開けると泣きそうな陽が立っていた。
陽「ねぇ、智兄…。僕、航兄に何かした? 昨日牛乳飲んでから全く覚えてなくて、今日ずっと航兄が冷たくて・・・。あの人にもなんか避けられてるきがするし。 修兄はなんか妙に優しいし、航兄に怯えてるし」
智「(航兄、まだ根に持ってんのかよ・・・。)昨日?何もなかったぜ。陽の思いすごしじゃない?だーいじょうぶだって!気にすんな!みんなお前のこと嫌ったりしてないし、大好きだからよ」
陽「…そうだといいんだけど。ありがと、智兄。」
陽は少しほほえんで、自室に戻って行った。
智「はぁー。航兄も大人気ねぇなー。みんなの機嫌直すために今日はごちそうでも作ってやるかー」
終わり。
思いつきで書いたため、ぐちゃぐちゃ。。。(´;ω;`)
お目汚しすみません。。。
文才が欲しい(´・ω・`)
GJです!
航兄と陽、修と智は性質が似ているのかもしれないなー
GJ!!
航兄、夏世とふたりきりになった途端、
「あれはどういうことですか?(ニコニコ)」
みたいな感じでネチネチと問い詰め→お仕置きしそうw
こうゆう小ネタみたいなのがすごく楽しい!
ヒミツの花園ってそういうドラマだな・・。
>修は気絶した。
ここがナチュラルすぎて爆笑したw
航は気になっていた
まさか陽があんな告白をするとは
そして同時に、自分が少なからずショックを受けているという事も、尚一層航を苛立せた。
月山さんに確かめたい
航は翌日月山を部屋に呼んだ
そして後ろ手でさりげなくドアの鍵をかけた。
鍵をかけた事に気づいた夏代が振り向くと、航が間近に立っていた。
航の切迫した様子に夏代は思わず後ずさりする、航は怪しい笑みを浮かべたまま夏代をどんどん追い詰める
とうとう夏代は壁と航の間に挟まれてしまった
夏代は航の身体を間近に感じ、もう逃げられない事にクラクラした。
大好きな航の香り、体温を感じて胸が疼き、切ない
航は大きな手で夏代の髪を撫で優しく長いキスをした。
それはどこか一方的なキスだった
息をつこうと夏代が身をよじっても、航はキスを続け段々と激しさを増した
快感に溺れながらも夏代はいつもと違う航に戸惑い逃れようとしたが、航はそれを許さ無かった
『や、めて航さん、いつも、と違う人みたい』
息を乱しながら、身をくねらす夏代は航を見つめた
航はいつもの笑顔は無く真っすぐ夏代を見すえながら、
『君が誰を本当に好きなのかを、今日は身体で僕に教えてくれないか』
そういいながら、再び夏代にキスをしながら、胸を優しく愛撫し始め、素早くブラウスを脱がせてしまった
初めて書いてみました、
拙い文ですみません
いいよいいよー!
続きを!
改めて以前の作品を読み直したら素晴らしくて、逆に自分の文章が余りに下手すぎて恥ずかしくなりました
スレ汚しすみませんちょっと自重します
気が向いたらまた書いてほしい
>>558さん、
これじゃ、生殺し〜状態です。
気が向いたら続きを・・
下手ですが
続きを書いてみます
いつもと違う航の真剣な目、その目に宿る欲望を感じて夏代は身体の奥が疼くのを感じた
航さんは嫉妬している
いつも優しく冷静な航がこんなになるなんて、夏代はひそかに喜びと興奮を押さえきれなかった。
航はブラの上から、大きな手で優しくもみしだきながら、夏代を真っすぐに見つめた。
航の手は夏代の弱点を知り尽くしていた。胸を愛撫されながら、耳元から首すじに唇をすべらせ、夏代の身体を味わっていた
夏代は航と壁の間でなすがままに快感に翻弄されながら息を弾ませ、このまま時が止まってほしいと思った。
いつの間にか、ブラもパンティも巧みに脱がされて
芯が熱く疼き身体が震え始めた時、航の動きがふと、止まった。
『航、さん』
夏代は息も絶え絶えに航に呼びかけた
航は黙って熱い眼差しのまま、夏代を上から見下ろした。
無言でシャツを脱ぎ捨て、夏代を壁に身体で押し付けた
『きゃ・・何、あっやめて下さい』 夏代を壁に押し付けたまま航は、夏代に囁いた
『あなたには、お仕置きしなければ、僕の気持ちは知ってるはずだよ』
そういうと、身体を密着したまま、自身のいきり立ったものを夏代を挑発するように、服のまま下腹部をつきあげた
同時に、大きな手と唇が残酷な優しさで容赦ない愛撫を始め、夏代は航の腕と壁の間で悶えながら乱れに乱れた。
『お、 願い、もう あっ くうっ
赦して』
『ダメだ』航は優しく言ったが目は欲望に煙っていた
『航さ、ん す、きです、お、願い、これ以上』
『何?どうしたい?』
『ベッド、に 行きま、しょ』言いかけた夏代の唇を航は不意にふさぎ、優しく焦らすように長いキスをした、
夏代は気が遠くなるような快感に襲われ航の肩に崩れた。 その耳元に航がすかさず囁く、『君が愛してるのは僕だけだね、他の男の事は考えてほしくないよ、今夜は君に、それを教えておきたい』
そういうと、航は乱暴に残りの衣服を脱ぎ捨てた。
夏代は快感の余韻で震えていると、優しく抱き上げられベッドに下ろされた
航の厳しい眼差し、
それとはうらはらな執拗な優しい愛撫、
夏代は航のいつもと違う表情に戸惑いを覚えていたが、返って快感を募らせた。
航は夏代の華奢な肩から、豊かな胸を唇でなぞると、薄く色づいた頂を優しく転がした、夏代はその度ビクっと身体が跳ねるのを抑える事ができない
身体の奥にせつなく熱がこもっていく。航は優しいが容赦ない愛撫を続け、ついに航の指が夏代の繁みを捕らえた。
長い指は優しく周りをなぞりながら、入口を優しく刺激する。
既にそこは熱く、しっとりと濡れそぼっていて、夏代は喘ぎつづけた。
その間も航は夏代の顔から目を離さず
唇と片手で夏代を攻め続けた
『お、ねがい
見な、いで 恥ずかし』
その言葉を待たずに夏代を見据えながら
航は繁みに顔を埋めた、
両手は胸を優しく愛撫しながら先端を弾く、
航の舌が巧みに転がし吸い上げ、夏代は全身を貫く快感に痺れ、
激しく喘ぎながら航への愛しさが募り思わずすすり泣いた
『航さ、す、き、あうっ、 だい、好きで、す』
航の舌と手は、自由に夏代を攻め続けていた。
夏代は悶えながら、やっと言葉を発したもうどれくらいこうやっているのだろう静かな部屋
航の広いベッドの上で夏代の喘ぎ声と、ベッドの軋む音、気が遠くなりそうな快感に浸っている
ふと愛撫を中断した航は『誰よりも?』と夏代を下から見上げた
その眼差しの鋭さに夏代は震えた
『は、い航さんだ、けです』
航は身体をずらし、キスをしながら、夏代を自分の腕の中に抱き寄せうなじに囁いた
『僕だけの夏代』 そう言いながら、ピッタリと寄り添った。さらに航の手は自由自在に夏代を責めた
感じやすい豊かな胸、潤いすぎた繁み、夏代は余りの快感に『お、ね、がい 』もう、だめ、航さ ん きて』
やっと喘ぎながら、それだけ言うと後は言葉にならない
航は自分の足で夏代を固定し、自由に夏代の胸と一番敏感な部分を愛撫し続けた
『わ、たるさ、あ、あん、いじ、わる
いやっっ』 焦らされ、快感の渦に巻き込まれたまま、夏代は切なく悶え続けた
航をどんなに刺激してるかわかっていなかった
夏代じゃなく、夏世。
続き待ってます!!
GJ!
続き待ってまーす!
>>484-485です。
ホワイトデーもオレンジデーもブラックデーも終わったのに申し訳ありませんが、
バレンタインネタ続きです。
***
航と夏世がチョコレートを食べて30分が経過した。
「月山さん?」
「えっ? あっ、なんですか?」
「なんだか顔が赤いですよ? 熱があるんじゃないですか?」
「だ、大丈夫ですっ!」
大丈夫と答えてはみたものの、夏世は自分の身体の変調を感じていた。
熱っぽく、喉が渇き、頭もボーッとして思考が纏まらない。
その上、身体の芯にくすぐったいような熱いような不思議な感覚を覚える。
胸は少し動いて先端が布に擦れただけで感じてしまい、声をあげないように必死だ。
いつもは気にしない航の手や喉仏の動きに目が奪われ、声を聞く度に背中がゾクゾクする。
確実に夏世の体には媚薬の効果が出てきていた。
一方航の方はというと、
「ん、どうかしましたか?」
特に変化無し。
(なんで航さんは何ともないの〜?)
夏世は心の中で泣きながら、脚をすりあわせてじれったい疼きに堪える。
そんな夏世の様子を心配そうに見つめていた航は、突然夏世を引き寄せると、
自分の額を夏世の額にくっつけた。
「ひゃっ!」
額に触れられただけで、体に電流が流れたような感覚に襲われる夏世。
至近距離から航に見つめられて、鼓動が速くなるのが分かる。
「ん〜、やっぱり熱っぽいな。呼吸も荒いし、風邪かもしれないな。
今日は早く休んだほうがいい」
航は夏世の肩に手を回して立ち上がらせた。
触れられた肩の熱が全身を駆け巡り、だんだん下腹部に集まってくる。
体に力が入らない夏世は航の胸に体を預けながら、ヨロヨロと歩を進めた。
「大丈夫?」
ベッドまで来ると、航は夏世をベッドに座らせた。
「今、水持って来るから、横になって休んでて」
そう言って振り返った航の腰に、ふいに夏世の腕が回された。
「月山さん?」
航の呼びかけに夏世は答えず、腕に力を入れて体を密着させた。
背中に柔らかな温もりを感じて、航の心拍数が少し上がる。
熱に浮かされた夏世が航の首筋に口付けると、ビクッと体が動いた。
そのまま夏世は耳たぶにも口付け、
「……航さん……」
と、熱い吐息が混ざった声で囁いた。
(月山さん?え、何?何が起こっている?)
恋愛には受け身で奥手。夏世はそういう性格だと航は思っていた。
その夏世が急にこんな大胆なことをしてきている。
あまりに突然のことに、航は欲情するよりも困惑する気持ちの方が大きかった。
(もしかして高熱のせいで正常な思考ができないんじゃ!?
そうだ、救急車!救急車を呼ばなければ!)
そんなことで救急車を呼ぶなとかなんて説明する気なんだとかツッコんでくれる人は
残念ながらそこにはいなかった。
「月山さん、今、救急車――って、オワッ!」
気がつくと夏世の手は航のベルトを外しにかかっていた。
「月山さん!それは駄目です!」
慌てた航は夏世の手をベルトから離そうと手を握った。
しかし、夏世の力はよりいっそう強くなる。
「駄目っ!」
夏世を振りほどこうと航は体を捻った。
バタンッ
夏世の体が畳の上に倒れこんだのを見て、思った以上に力が入ってしまったことに航自身が驚いた。
「す、すみません!大丈夫ですか?」
慌てて跪ずいて夏世の顔を覗き込んだ航は、夏世の瞳に涙が浮かんでいるのに気付いた。
「月山さん、どこか打ったんですか?」
航が夏世の肩に手を置くと、夏世が航のセーターの胸元をそっと握った。
「…………して」
「え?」
「どうして航さんは私を抱いてくれないんですか?」
「えっ!?」
夏世の手にグッと力が入り、セーターの皺が深くなる。
「私ってそんなに女の魅力ないですか?」
「そんな……」
「大学に復学したら若くてかわいい子がいっぱいいて、そっちの方が良くなったとか……」
「そんな馬鹿なこと、ある訳がない。どうしてそんなことを言うんですか」
「どうしてって言いたいのは私です!」
顔を上げた夏世に鋭い目つきで見据えられ、航は少し怯んだ。
セーターの皺がまた深くなる。
「それは…陽のことや僕の将来のこととか…それに――」
「……もういいです」
「え?」
ゴッッ!
「ぁがっ――――!」
鈍い音が響いた瞬間、目の前に星が散り、激しい頭の痛みに襲われた航は、
思わず額を押さえて後ろに倒れこんだ。
「いった〜。航さん、意外と石頭……」
その言葉から、航は原因が夏世の頭突きであることを知った。
当たり所が悪かったのか、航はなかなか立ち直ることができない。
「よいしょっと……」
航が痛みに悶絶している間に、夏世は航の胸の辺りに跨がって航を見下ろす。
「月…山さん?」
いつのまにかマウントポジションをとられた航。
航は、いつぞや修が見ていた総合格闘技の試合で、上になったチャンピオンに一方的に
殴られ続ける挑戦者の姿を思い出した。背中に冷たい汗が流れる。
「航さんがしてくれないなら――」
「して…くれないなら?」
目が据わった夏世に上から睨まれ、航は思わずゴクリと唾を飲む。
「私が航さんを襲います!」
「エエエエエ〜ッ!
お、おそ、襲うって……暴力は良くないです!落ち着いて話しあい……んんっ!」
なんとか夏世を落ち着かせようと口を開いた航だったが、その無防備な唇に夏世の唇が重なり、
舌の侵入を簡単に許してしまった。
歯茎をなぞり、逃げようとする舌を絡め取り優しく吸い上げる。
夏世は顔の角度を変えて、航の口中のより深いところまで侵略していった。
「ん…んん……ふぅ…はぁ……」
航の体から力が抜け、吐息に微かに喘ぎが混じる。
それに気付いた夏世はそっと唇を離すと、
「覚悟してくださいね、航さん」
そう言って微笑んだ。
いつもの夏世からは想像もできない妖艶な笑みに、航は背中がゾクリとするのを感じた。
その感覚が不安から来る物ではないことも、自分が『何か』を期待していることも、
航は自覚していた。
「うまくいく、うまくいかない。うまくいく、うまくいかな〜い」
「あら、花占いですか?」
いつのまにか店に飾っていた花の花びらを毟りながらブツブツ言っている亮子に、
美那絵は声をかけた。
「もう、月山が上手く航さんを落とせるか気が気じゃなくって!
ほら、あの子って変な所で抜けているって言うか、はっきり言えば間抜けと言うか?
もう心配だわ〜。うまくいく〜、うまくいかな〜い」
「月山さん、可愛いらしいから大丈夫ですよ。案ずるより生むが易しって言うじゃないですか」
「そうかしら〜?うまくい〜く〜、うまくいかな――」
言葉が途切れた亮子の手の中の花は、花びら一枚だけになっていた。
「…………」
「…………」
「……まあ、占いは占いですから」
「そ、そうよね〜」
そうは言いながらも何故か嫌な予感がする二人だった。
***
エロ編に続く予定……です
572 :
sage:2009/05/05(火) 22:48:59 ID:iOH1BW4v
GJ!
丁度前回を読んでいたところでした。
続きを楽しみにしてます。
GJ!
頭突きwww夏世っぺかっこいいww
もうすぐ陽君の誕生日
夏世っぺ先生、大人のプレゼントをあげて下さい
>>575 それをヒナタがカヨにおねだりしているところを
航がみてしまい、、またブラック化するんですね、ワカリマス
陽の誕生日祝いに、夏世の体で女性の抱き方をレクチャーする航or智という妄想をしました。
陽くんおめでとう!
陽君お誕生日おめでとう!
陽くん誕生日おめー!
久しぶりに投下。
夏×智なので苦手な方はヌルーしてくださいまし。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨今のリバイバルブームの中、活動休止中の花園ゆりこの作品も「愛蔵版」として
出版されることが決まり久しぶりに智と夏世は打ち合わせで顔を合わせた。
「−では今回はこれで。また次回の打ち合わせ宜しくお願いします。」
他の関係者が会議室から立ち去っていき、智と夏世2人だけが残る。
「久しぶりに会わないうちにまともに仕事できるようになってんじゃんw」
「もー相変わらず智さんはイジワルですね。
私だってもうしっかり1人前の漫画編集者なんですよ!!(ブツブツ・・・)」
そういってホッペを膨らませながらお茶を片付ける夏世を見て智は
「そういうところは相変わらずだねー」とからかうように笑った。
「智さんはお仕事順調そうですね。航さんから色々聞いてますよーw」
「まあね。俺優秀だから、なんでも出来ちゃうのよw」
「はいはい(呆)」
「そういえば、あんたこの後暇だろ。飯食いに行こうぜ。」
「いいですねー♪あ、でも今日はみなえ定休日ですよ?」
「んじゃあ俺の行きつけのイタリアンとかどう?」
「オッケーです!茶碗片付けて荷物持ってくるんでロビーで待っててください。」
「了解!」
智の車で夕飯を食べに行き、帰りがてらドライブに行く。
(航は絵を描きにヨーロッパ旅行中。陽宅に1ヶ月居候)
山道の途中で車がトラブル。運悪く携帯の電波も通じない。
車中にいてもラチが明かないので仕方なく近くに民家がないか探しに出る。
途中雨が降ってくる
林の奥に明かりが燈る場所をようやく見つけるとそこはラブホだった。
外は雨が強く降り、今から車を修理してもどうせ朝になってしまうので
話し合った結果宿泊することとなる
(ここで「絶対なんにもしないですよね?」「あんた相手に欲情するほど飢えてねーよ」という台詞挿入)
「ラブホって言っても中はシティホテルと変わんない感じなんですね」
室内をキョロキョロ見回す夏世。
「ウロウロしてないで風邪ひいたら困るから先にシャワー浴びて来い」
そういってバスタオルを頭を拭きながら智は夏世をバスルームへ押し込んだ。
「あーさっぱりしたー。お湯入れ替えたんで智さんも早く暖まってきてください」
そういって夏世は鼻歌を歌いながらソファに沈み込んだ。
風呂から出る智。
ソファに沈み込んでさっきと少し様子がおかしい夏世に気付く。
「おーい、どうした。顔真っ赤だぞ。まさか熱でも出たのか?」
「わ・・・わかんないんです。ハァハァ・・・なんか急にポーっとしてきちゃって」
ソファに横たわる夏世。バスローブの隙間から足が露になっている状態。
「雨にやられたか・・・ん?・・・おい、お前、風呂上がりになんか飲んだだろ」
「えーっと・・・冷蔵庫にジュース入ってたんでそれ飲んだだけです」
「(おいおい・・・)ちゃんとどんなものか確認して飲んだのかよ?」
呆れるように夏世を見る智の手にはさっきまで床に落ちてたジュースの缶。
ラベルには果物の可愛いイラストとともに「これで感度200倍☆媚薬エキス入り」と
ご丁寧に印字されていたのを見て思わず深いため息を吐いてしまった。
(なんかマズかったのかな・・・)そう思っているうちに夏世は自分の秘部が潤い始めていることに気づいた。
(あれ・・・なんで!?どうして!!)
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫・・・んっ」
「全然大丈夫そうには見えないけどね・・・」
ぺロッ
「さ、智さん・・・何してるんですか・・・(今、耳舐めたよね・・・)」
「多分、シないとあんたの体、治まらないよ?」
「じ・・・冗談やめてください」
「これが冗談言う顔に見える?んじゃあ俺もあんたと同じ条件になったら信じる?」
そういい終えると同じジュースを一気に飲み干してしまった。
「なんでー・・・」「夏世・・・」
名前で呼ばれたことに動揺している夏世を智は色っぽい目線で見つめたかと思うとベッドに押し倒して深いキスを繰り返した。
しばらくそれを堪能すると智は勢いよく夏世のバスローブを肌蹴させ、既にプックリと立った乳首を吸い上げた。
「うあぁぁんっ・・・だ、だめ!!」「たまんねぇ・・・」
そう呟くと少しだけ胸を愛撫した後、夏世の足を広げさせて秘部をあらわにした。
「だめとか言いながらもう準備万端だな。・・・入れるぞ?」
「だ、だめ・・・わ、私は航さんの・・・お兄さんの彼女なんですよ!?」
「でもこんなにトロトロにしたままでいいわけ?心配スンナ、誰にも言わねーよ」
夏世の太腿にはものすごく大きくなっていた智自身が何度も触れていた。
「(もう我慢できないかも・・・)絶対に言わない約束で・・・あぁぁぁん!!!」
智は夏世の言葉を全部聞かずに自身を潤み溢れている秘部に挿入した。
「入れただけで夏世の中、ヒクヒクしてる。ちょ・・・そんなに締め付けんな。」
「(やだ・・・そんなこと言わないで)」
智は軽くキスをするといきなり強く突き上げた。
快感が強く、逃げ腰になった夏世の腰を捕まえる。
「逃げちゃダメだろ・・・」「ご・・・ごめんなさい」
夏世が再度逃げないように腰を強く掴み更に強く突き上げ、同時に胸に顔を埋め愛撫を施す。
智のテクニックなのか、媚薬の効果なのか、夏世はもう絶頂が近づいていた。
「うっ・・・い、いやぁ、い、イッちゃう」
「そ、そんなに締め付けんな・・・っく」
2人同時に絶頂に達し、智は夏世の火照った胸に白濁液を飛び散らした。
・・・しかし媚薬作用が強かったのか2人は1度だけでは物足りず、朝までお互いの体を求め合った。
何度目かの絶頂に達し気を失いかけた時、「俺はお前のことやっぱり好きだ・・・」と智が切なげに呟いたのを夏世は知らない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
駄文なうえにページ配分間違えました…orz
お恥ずかしいです。
あぁぁぁぁぁ
>>582の編集ミスったのに今気づきますた。ウツダシノウ
大変申し訳ございません(´;ω;`))
久しぶりに来たら、智×夏世が投下されててうれしい!
智×夏世はどこか切なくて、そこがまたたまらない気持ちになります。
気がむいたらまた投下して下さい。
智×夏世だ〜。自分もうれしい!
決して、ハッピーエンドにはならないんだろうけど、
切なくっていいよ〜>智×夏世
エロじゃないときの智×夏世の口喧嘩友だちみたいなのも面白いしね。
投下ありがとう〜。
久々に投下します。
夏世×航←智目線+修で、初エチ後の次の朝の出来事です。
エロなしです。
ホントは、陽くんがイギリス出発+初エチ→今回の作品→その後
と投下したかったのですが、こちらが完成してしまったので先に投下します。
**************
「おはようございます!皆さん」
夏世が、相変わらず朝からノー天気に入ってきた。
陽が行ってしまい、日常は変わってしまったが、この日課だけは変わらないようだ。
「も〜う、朝からうるさい!っていうか、合鍵渡してあんだから、勝手に入ってくれば?」
修兄は面倒臭そうに対応している。
昨日の飲み過ぎで、二日酔いなのか機嫌が悪そうだ。
航兄はというと、相変わらず新聞を広げながら寛いでいる様子だ。
全く、自分の彼女が来たんだから、出迎えてやれよ。
俺だったら…。なんて思うのは、まだ少し未練がある証拠かな?
「皆さん、お疲れのようなので、コーヒーでもいれますね。」
彼女はというと、相変わらずの天然なのか、そんな事も気にならないのか、そそくさとキッチンに入って行った。
そして直ぐに、
「きゃ!」
―ガチャ―ン!!!―
という音が…。
「小娘ったら、ま〜たやっちゃったよ。」
「大丈夫ですか!?月山さん!」
航兄は、直ぐ様彼女の様子を見に、キッチンへ行った。
よしよし、そんでい〜んだよ。
と思いながらも、片付けを手伝おうと思い直し、2人の所へ向かった。
そして、見てしまった…。
「す、すいません…。」
「いえ、こちらこそ…。」
相変わらずの2人のやり取りだが、なにかが違う。
「ま〜ったく、陽くんがイギリスに行っても、相変わらず純情中学生みたいだこと。見てるこっちが恥ずかしくなるっつ〜の!ね〜智ぴょん。」
修兄は全く気付いてないようだ。
「あぁ…。」
俺は生返事をしながらさりげなく観察し続ける。
彼女を立たせる時の腰に手を廻す位置や、2人の距離感。そして決定的なものは、視線の絡み具合だ。
一瞬の事だったが、あれは一線を越えた恋人達だけのシグナルが感じとられた。
だてに少女漫画好きを20年以上もやってないって〜の!ま、自分の経験からってのもあるけど…。
「あ〜あ、決定的……。」
そう言って俺は天を仰いだ。
彼女を諦めたというものの、奥手天然カップルに対して、そういう事はまだ先で、まだつけ込めるんじゃないか…。と淡い期待をしていた自分が甘かったようだ。
「草食系じゃなかったのかよ…。」
俺の横を、全く事情のわからない修兄が、能天気な顔で聞いてくる。
「ん?何のこと?」
「俺が甘かったって事!」
「なになに?何なの?教えて?智ぴょ〜ん!」
「あの2人に聞いてみたら?」
修兄がうざくなってきたのと、2人を少し困らせてみたくなった俺は、話をふってみた。
「そうなの?兄ちゃん、草食系ってなに?甘かったって?」
「な、何のことかな?」
航兄はあきらかに動揺しているようで、新聞を開いてみたものの、全く逆になっている。
「小娘!甘かったってなんなの?」
「い、いったい何のことでしょうか?よく分かりませんが…。」
夏世は、目線を反らしながら、修兄をかわそうとする。
「分かんないから、こっちが聞いてんでしょ!」
「え、え〜と、よく分かんないので、とりあえず印刷所、行ってきます!」
夏世は、修兄を素早くかわして玄関に向かい、挨拶もそこそこに、出て行ってしまった。
声をかけそびれた航兄は、ぼんやりと立っている。
そんな航兄にも、その航兄を選んだ夏世にも、苛立ちを感じたが、結局航兄を促す事にした。
「航兄、ぼんやりつっ立ってんじゃなくて、送ってったら?」
「…ああ。そうだな。」
急いで玄関に向かった航兄は、まだ不可解な顔をした修兄に、適当な事を言って出て行った。
どうせ航兄の事だから、2人の初めての後ってのが、女性には大事だって分かってなさそうだし…。
彼女にきっとフォローなんてしてないだろうしな…。
あ〜あ、結局2人の手助けをする俺ってホントいいヤツ…。
そんな風に、苦い思いを噛み潰していると、嬉々として修兄が戻ってきた。
「智ぴょん!分かったぞ!草食動物をみくびると大変な目にあうという事だな!
この前TV番組で、絶対絶命のヌーが、ライオンにこう、立ち向かってだな…」
修兄は、鼻息荒く、興奮しながら頭を下にし、ヌーを再現している。
「…そして、体当たりし、ライオンに重症をおわせるのだ!!わはははは…!」
修兄は、俺の気持ちなどおかまいなしに、自分で勝手に解釈した答えが気に入ったのか、大喜びだ。
「…ああ、ホント重症だよ…。」
こうして、自分の勘の良さを呪いながらも、結果的には2人を応援してしまう智ぴょんだった。
おしまい。
****************
また、後日にでもこの話の前後を投下したいと思います。
お付き合いありがとうございました!
おおお!GJGJ!
バカップルも兄弟も可愛すぎる!
続き楽しみにしてます
智ぴょんのおせっかい萌え
お人好し智ぴょんカコヨス!
動揺すると読み物逆さまになる兄弟w
智ぴょん×夏世 いきます。得ろなしなのでそれでもいい、という方のみどぞ。
「智が帰ってきません」
困った顔でそう言う航の真意は夏世には理解不能だった。
そう言って彼が渡したのは智の泊まるホテルの名前だったから。
憤然として航を見た夏世を、不思議な笑みで見つめ返して
「あいつはあれで寂しがりやなんです。こうやって僕らの誰かが迎えに行くのをずっと待ってる」
そう言った航に、精一杯の冷たい声で「そうですか」と返した夏世。
けれど結局、そのメモを持ち、こうして智とホテルのロビーで向かい合っている。
二人の間にあるのはコーヒーと、ミルクティ。智らしく気をつかって
夏世のためにオーダーされたケーキはかわいらしいまま、手もつけられていない。
「・・・で?」
「だから・・・!」
沈黙はこれまでと、二人は同じタイミングで口火をきった。
あの夜の出来事が二人に重くのしかかる。
航がいなかったあの夜、酷い雨で傘をさしてもずぶ濡れだった夏世と
車で帰ってきたのに髪まで濡れていた智は、どこをどう歩いたのかなぜそうなったのか
二人にもまったく理解できないまま、雨に誘われたようにこのホテルの部屋で抱き合ったのだった。
床に落ちたままだったまだ生乾きの服を身に着け出て行こうとした夏世に焦れた智が
乱暴に夏世を抱きかかえ、裸の智に抱きかかえれたまま夏世は服のまま冷たいシャワーを浴びた。
「肺炎になっちまぇ!」自身も冷たいシャワーを浴びながら、叫んだ智の頬には水ではないものが確かに流れていた。
あれから・・・夏世の肩につけられた、歯の跡を確かに航は気づいていたはずだった。
けれど彼はいつものように微笑んだまま何も言わない。
「航さんを傷つけたくないの」
「俺は?あんたは?」
「共犯じゃないわ」
「いや、共犯だね。」
裸の智は、いつもよりいっそう天衣無縫で怖いもの知らずで
そして陽よりもずっと繊細だった。
「いや・・・!だめ!」夏世は彼の肩を押し戻すが、二人はつながったまま。
智の香水が夏世の肌から香っても、航は何も言わず微笑む。
そして智が「俺は兄貴のように強くない」そう言って出て行ってしまった。
3人のこれからを握る鍵、それは夏世が持っていた。
もう知らん顔はできない。
「あなたが帰ってきてから、この絵を仕上げます」微笑んだ航。
「帰るなら、あんたを殺す」そう呟いた智。
夏世は目隠しをして測りを持って、二人の魂の行方を見る。
>>590-592の続きを投下します。エロなしで、航目線です。
***************
「月山さん!待って下さい…月山さん!」
彼女は聞こえないふりをしているのか、本当に聞こえないのか、どんどん先を進む。
少し走って、彼女の横に並ぶ。
「やっと追い付いた」
「わ、航さん…。」
彼女は驚いたように見上げるも、直ぐに視線を反らした。
「駅まで送って行きますよ。」
「…ありがとうございます…。」
暫く、並んで歩いていたが、お互い、どう話を切り出して良いのかわからずに黙って歩いていた。
こ、こういう場合、どう話を切り出したら良いものか…。
色々と考えていると、沈黙に耐えれなくなったのか、彼女の方が先に口を開いた。
「良いお天気ですね。」
「…そうですね。」
相変わらず、彼女は俺を見てくれないようだ。
彼女と一線を越え、お互いに思いが通じ合ったと思った。
だが、そう思ったのは自分だけで、実は性急過ぎたのだろうか…。
彼女が後悔していたら…。
そんな不安も出てきた。
ダメだ!悪い事ばかり考えてしまう…。ちゃんと彼女と話をしなくては…。
そこで思い切って、核心をつくことにした。
「あの…からだは…大丈夫ですか?」
突然言われ、彼女は大きな目を見開き、視線を上げた
「わ、航さんこそ…大丈夫ですか?」
彼女らしい返答になんだか可笑しくなって、くすくす笑ってしまった。
「僕は男なので…。」
「そ、そうですよね。変な事言ってしまってすいません…。あの、大丈夫です…。」
「月山さんが僕を避けているので、昨夜の事、後悔しているのかな?とか考えてしまって…。」
「そんな!違います!…凄く恥ずかしくて…。…航さんの顔がまともに見れないんです。」
そう言って、俯いてしまう彼女は、本当に恥ずかしそうで…。
「じゃあ、昨夜の事…後悔してませんか?」
「そんな!絶対してません。あの…、ホントに…凄く…幸せでした。」
彼女は僕を見つめ、きっぱりと言ったものの、やはり恥ずかしいようで、最後は顔を覆ってしまった。
ようやく、彼女が俺を見てくれた。
人一倍恥ずかしがりやの彼女だから…。
俺は、ようやく心配していた事から解放され、ホッとした。
にっこりと笑い、彼女の手を取る。
「僕もです。」
驚いたようにしていた彼女だが、徐々に緊張を解き、素直に手を預けてきた。
川沿いの土手を、2人で手を繋ぎゆっくりと歩く。
「なんだか、恋人同士みたいですね。」
彼女が嬉しそうに微笑むと、本当に嬉しい。
「恋人同士じゃないんですか?」
「そうですよね…。だけどこんな事するのって…。」
彼女が言い終わらないうちに、周りに人がいないのを確認すると、彼女の唇に素早くくちづけを落とした。
「…航さん、なんだか急に大胆になったみたい…。」
「そうですか?今までは、押さえてたんですよ。」
そして、耳元で小さく囁く。
「だから…次はちゃんと朝までいて下さい。…僕もその方が良いです。」
「…はい。」
やはり、まだ慣れないのか、目線を落として真っ赤になる彼女。
「あ!でも…それだと修さん達に分かってしまうんじゃないでしょうか?」
「大丈夫です。…というか、もうばれていると思いますよ。今朝も分かっていたみたいだし…。」
「え?そんな…。」
彼女は困惑した顔をしたが、そんな思いを、かき消すように
「僕達は、恋人同士なんです。だから、いいんですよ。」
ときっぱりと言った。
2人がバカップルになって歩いている時、片岡家では…。
ようやく意味が分かった修が、夏世っぺを、どうからかおうか模索中で、失恋を認めた智は、2人のような恋愛を目指そうと決心したところだった。
おしまい
***************
また後日に、最初のものを投下します。
なかなかエロが難しいので、筆の進み具合が遅いのですいません…。
GJ!です。
続き楽しみにしていました。
その前の話もお待ちしていますので、頑張ってください。
自分も昔投下してたけど、エロは難しいですよね。
GJ!
こっちが恥ずかしくなるくらいのバカップルぶりがたまらないです
やっぱヒミツ好きだわー
602 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 22:48:34 ID:H+QUnfkH
梅雨だし、相合い傘する夏世と四兄弟もいいな〜
>>590-592の前が、やっと書きあがったので投下します。
航×夏世のエロありです。
***************
「あ〜あ、いっちゃったね…。」
快晴の青空の中、陽くんを乗せた飛行機は、白い点となり、最後には見えなくなってしまった。
田中さんと修さんは抱き合って号泣しあい、智さんも寂しそうだ。
航さんは一番長く、空を見上げていた。
未来に向かう、陽くんの新しい門出とはいえ、彼のいないこの場はぽかんと穴が空いたようだった。
そんな空虚間が漂う中、その空気を変えようと智が口を開いた。
「俺らは帰るけど、あんたはどうすんの?」
「あ、私は一旦会社に戻らないといけないので、ここから向かいます。また終わりしだい片付けをお手伝いしにいきますね。」
そう言って会釈して、皆と別れた。
夜に片岡家を訪ねると、普段と違い、しんとして静かだ。3人は仕事部屋にいるらしく、ベランダの窓から覗いてみると、皆ぼんやりして仕事が手に付かないようだ。
「無理もないよね…。陽くんがいないんだもん…。」
イギリスに旅立つ直前まで、3人が陽くんの前で明るく振る舞っていたのを間近で見ていたので、兄弟の寂しさや、今の脱力感が痛いほど夏世は分かった。
―今日は彼らをそっとしておこう―
そう思い、彼女は窓から静かに離れた。
「さて…と。帰ろかな。」
リビングやキッチンがある程度片付いたので、エプロンをたたんで、帰りの身支度をする。
―一応、挨拶だけしとこうかな―そう思い、
「失礼しま〜す。」
と仕事部屋のドアを開けるものの、誰もいない。
廊下に出ると、航の部屋のドアが少し空いて灯りが洩れており、そっと覗いてみると、彼がソファーに座り、一人佇んでいた。
―航さん、寂しいんだろうな…。―
彼の気持ちを思って、そっと帰ろうとしたのだが、
「きゃ!」
何もないのに、蹴つまづいて転んでしまった。
―うぅ、私のドジ…。―
「月山さんですか?」
「あ、すいません、うるさくして…。もう片付けが終わったので失礼しようと思って…。」
「そうですか…。よかったら、少し付き合ってくれませんか?」
航はそう言って、ドアを開け、中に入るように促す。
「…え?あ、はい。では失礼します」
夏世は驚いた。
付き合っているとはいえ、航の部屋の中には今まで入った事がなかったのだ。
航の顔は薄い照明の陰りを帯び、憂いを感じさせ、夏世はドキドキした。
「…失礼します。あ、あの修さんと智さんは?」
「あいつらは、2人で飲みに行きましたよ。…僕は、外に飲みに行く気分じゃなくて…」
「でも、結局部屋で飲んでしまったんですけどね」
そう言い、智の所から拝借したであろう、ワインのボトルを掲げた。
―ど、どうしよう、2人きりなんだ…。―
急に、この家に2人きりだという事がわかり、航を意識せざるを得ない。
夏世は、動揺を隠す為、航から視線を外した。
その時、机の上にあるものに気付いた。
「あ、これ、あの時の写真」
航が今まで見ていたであろうそれは、4人で写してもらった写真だった。
「陽が、一人で決めた、新しい門出なのに。祝福すべき事なのに…いざいなくなると、悲しいものですね…。」
そう寂しく笑う航さんは、とても小さく見え、夏世は思わずそっと航の頭を抱き寄せた
「つ、月山さん!?」
「…航さんが、一番寂しいのは分かります。」
「…だから、我慢しないで私くらいには甘えて下さい。」
夏世は、航の寂しさや、悲しみを取りのぞいてあげたい一心で、どうして良いのかわからず必死だった。
どれくらいそうしていたであろうか、航を慰める為の行為をした夏世だったが、徐々に正気に戻り、恥ずかしくなってきた。
「…あ、すいません」
「い、いえ、こちらこそ…」
お互いに抱き合う形となっているのに気付いて、視線を上げると、目が合った。
離れようと思うのに、なかなか離れられない。瞳を見つめ合いながら、呼吸が速くなるのを感じる。
緊張が高まる中、航がふっと笑った。
「じゃあ、甘えさせてもらっていいですか?…。」
「…え?」
航は、夏世を抱き寄せ、そっと唇を重ねた。
最初は、おずおずと触れるようなキスが、何度も重なる度に深くなっていく。
「…ん」
航が、やさしく舌先で夏世の口内に侵入すると、甘い舌が迎え入れる。
2人はゆったりと甘いキスを味わう事に、だんだん夢中になっていった。
その間、航の両手は、夏世のブラウスの上から、体のラインを確かめるように、やさしくなぞりながら往復する。
「う…ん」
夏世は、それだけで気持ちが良くなり、ソファーの背にしなだれかかり、うっとりとする。航のキスは、夏世の沿った白い首筋や顎をついばみながらも、甘い蜜を求めて、再び唇に戻った。
それを何度も繰り返した後、航は、息も絶え絶えながら、夏世の耳に囁いた。
「…月山さん、…今ならまだ間に合います。…嫌なら言って下さい…。」
航は、見ないようにする為か、目を閉じ、手は、夏世の答えを待つため、ブラウスのボタンの上で止まっている。
夏世は、ぼんやりしながらも、前から決めていた答えを即答した。
「…航さんになら、何されても良いです…。」
「…分かりました。」
航はそう言い、すっと目を開け細めると、一つ一つボタンを外し始めた。
徐々に、ブラに包まれた、大きく上下する二つの双丘が露になる。
胸の谷間の、女らしい香りを吸い込み、フロントホックを外すと、胸が零れ落ちた。
それを両手で掬いあげると、夏世は顔をそむけ、身体を固くした。
「…恐がらないで…」
「…はい…」
「…大丈夫です、実は僕の方が緊張してますから…」
そう言って、航は自分のシャツのボタンを外し、夏世の手を取り、激しく鼓動している位置に誘導した。
―すごく、ドキドキしてる…。航さんも同じなんだ…―
夏世は、航も同じ気持ちでいるのを感じとる事ができ、徐々に力を抜いていった
航は、男性にはない柔らかさを持つ2つの膨らみを、両手で覆う。親指で、そっとその上にあるピンク色の蕾を擦ると夏世から甘い声がもれた。
「あ…ん」
それによって、航の自制心がプツリと切れた。
「…月山さん、やさしくなかったら…すみません…」
航は、片方の蕾に吸い付いた。
「ああっ…ん」
舐め、甘く噛む度に夏世の口から甘い吐息が漏れる。
蕾はどんどん赤く、固く立ち上がり、夏世がどれだけ感じているのかが分かる。
片方の手が内腿にのび、スカートを捲り、少し強引にパンティを下ろすと、すうっと蜜が糸を引いた。
「やあっ…!恥ずかしぃ…見ないで…」
夏世は、濡れている事が航に分かると、目を潤ませ、顔を覆った。
「すごく、可愛いです…月山さん…。だから…力抜いて下さい」
耳たぶを甘噛みしながら囁くと、夏世の内股から力が抜けたので、花弁を開きながら、中指を挿入する。
「…あぁっ!」
夏世は恥ずかしながらも受け入れた。中は熱く、とろとろにとけ、航の指を難なく迎え入れた。
花芽を親指でそっと擦ると、夏世の腰は跳ね上がる。
「あ、そこは!ダメ…」
夏世は、秘密の部分を航に知られ、恥ずかしさで死にそうだった。
航は、夏世を味わいたかったが、今回は最初なので、やめる事にした。
―楽しみは次に取っておこう…。―
その代わり、指で夏世の中を十分に探索する事にした。
かき混ぜる度に、夏世の蜜壺は留まる事無く溢れ、航自身の挿入を待ち構えているようだった。
航の愛撫で、夏世は何もかも考える事ができなくなり、快感に漂う。
―航さんと早く結ばれたい―
後は懇願するだけだった
「航さん…もうダメぇ…」
ソファーにぐったりとしなだれた夏世は欲情的だ。
ブラウスがはだけ、スカートが捲れ上がった状態で、顔を紅潮させ、とろんとした表情を浮かべる姿は、普段の彼女とは程遠い姿だ。
お互い、十分に服を脱ぎきっていない事が、かえって性急さを物語り、興奮を増す事となった。
「月山さん…ベッドに…」
航は夏世を立たせ、すぐ隣にあるベッドに促すと、2人は縺れ合うように倒れ込み、愛撫を再開する。
それから直ぐに航は、夏世の入り口に避妊具をはめた自身をあてがった
「…月山さん…いいですね…?」
夏世に聞いたものの、切迫した航は、返事を待たずに腰を掴み、ゆっくりながらも確実に突き進んで自身を埋め込んでいく。
「あぁぁぁ…!」
夏世の中は、航でいっぱいになった。
「やっとひとつになれた…」
「…はい…」
「痛くない?」
「だ…大丈夫です。」
夏世は、ぼんやりとそう答えるものの、少し辛そうだ。
―5年もトキメキがない…―
そう言っていた彼女を思い出し、久しぶりの行為で慣れない事を気遣い、航は夏世の中から出ようとした。
「いや!やめないで下さい!」
「でも…。」
「ここで、航さんと最後まで結ばれない方が私には辛いです…。」
夏世は泣きながら懇願した。
しかし航は、動かずに迷っていた。
そんな航の苦悩を感じ、夏世は自ら愛撫をする事にした。
航の首筋にキスをし、耳を舐めあげる。
夏世の優しさが痛い程に染み、航は思わず強く抱きしめた。
「…さっきも言いましたけど、優しくできないかもしれませんよ」
「それでも良いです…」
「…わかりました」
航は限界だった。
直ぐに注挿を開始する。
浅く突いたかと思うと、次に深く。夏世の反応を見ながら繰り返す。
「あ…ん。あ……ん…」
航が、細いながらもしなやかな身体で腰を打ち続けると、その度に夏世は恍惚の表情をしながら、うわごとのような甘い悲鳴をあげる。
夏世の、キスで腫れた唇に舌を伸ばすと、舌が絡みついてきた。
唾液が交ざり合い、お互い夢中で啜り合う。
花芽を摘むと、夏世が啼きながらしがみつき、中が柔らかく絡みつく。
夏世の痛みはなくなり、だんだんと快感の方が強くなっていった。
薄明かりの中、2人の息使いと、水音だけが航の部屋に響く。
言葉はないが、2人は一つに溶け合い、どちらの身体なのかもう分からなくなっていた。
限界が近い。
その時、夏世の中が急にきつく、うねるように絡みついてきた。
「…やあっ!航さん、わたし…私…!」
「いくんだね…?かよ…夏世!」「航さん!一緒に…あぁぁ!」
「…くっ!」
航は夏世の中の子宮に届くくらい、奥深くへと強く突くと、精を放った。
しばらく、2人は放心状態で抱き合っていたが、いつの間にかうとうとしていた。
航がシーツを引っ張り、夏世にそっとかける。
「ん…?航さん?」
「月山さん…、あの…」
「航さん…少し、寝ませんか…?」
夏世は、けだるいのか、半分夢の中のようだ。
航が手を伸ばすと、夏世が擦り寄ってくる。
2人は抱き合いながら、深い眠りに落ちていった。
「…ん、月山さん…?」
明け方、航が目を覚ますと、隣に夏世はいなかった。
ふと携帯を見ると、新着メッセージを知らせるランプが点滅している。
(よく寝ていたので、声を掛けずに帰りました。また、朝伺います。 夏世)
「…ああ、しまった…」
思い返すと、自分が甘い言葉の一つも言っていない事に気付いた。
―愛しているとも…好きだとすら言っていないなんて…―
航は膝を抱え、夏世の優しさに付け込んでしまったような自分の行為を反省した。
―でも、どうすれば…?―
結局、メールも電話もする事が出来ずに、朝まで悶々とする航だった。
***************
お粗末さまでした。
なんとなく、航兄と夏世っぺは、恋愛慣れしてなさそうなので、
その後のフォローが下手そうだと妄想してみました。
そして、それを周りが盛りたてるのがヒミ花の良いところですよね?
GJGJ!
やっぱりこの二人はかわいらしいな
若干ダメな航兄がたまらないですw
GJ!
二人の互いへの思いが伝わってきました。
ほんとかわいい二人ですよね。
GJ!
エロでもなんというか、、ほっこり出来る二人です。
ありがとうです。
六月といえばジューンブライド・・・
航と夏世って
途中送信スマソ
六月といえばジューンブライド・・・
航と夏世ってほっといたら結婚までキス以上すすまなそうなのが困るw
そして新婚初夜・・・(;´Д`)ハァハァ
>>603-609と
>>590-592の間を作ったので、投下します。
夏世×亮子が主です。
少しですが、夏世の大学時代の回想があるので、嫌な方はスルーして下さい。
エロなしです。
**************
「…はぁ…」
航へのメールを送り、携帯をパタンと閉じる。
脱力感からか、夏世はそのままペタンと座り込んでしまった。
「…航さんと…しちゃったんだよね…?」
昨夜の行為を思い出すと、全身が熱く火照ってきた。
思い出すのは、航の愛撫と吐息、優しいながらも強引な行為だ。
「と、とりあえず、シャワー浴びなくちゃ」
そんな思いを打ち消すように、しわくちゃになった服を洗濯機に放り込み、バスルームに直交する。
熱くなった身体を落ちつかせる為、少しぬるめのシャワーにするが、身体の甘い痛みはなかなか取れないようだ。
「もう!私ったらどうしちゃったの?…初めてでもないのに…。…やっぱり久しぶりだから…?」
―違う。航さんだからだ…。―
夏世は確信していた。
初めての相手は大学時代の同級生だった。
そういう関係になったけど、結局社会に出る頃に自然消滅してしまった…。
今思えば、半ば強引に向こうから押し切られ、付き合った彼に対して、自分の意志があまりなかったのかもしれない。
「本当に好きな人と結ばれる。っていうのはこういう事だったのかな…?」
過去に引き戻された夏世だったが、シャワーを終える頃には、ようやく落ち着いた。
「…でも、航さんにどんな顔して会えばいいんだろ…?いつもみたいに振る舞えばいいのかな…?」
夏世は鏡に写る自分に自問自答を繰り返した。
「おはよー、つっきやま―!今日は早いのね?」
「へ、編集長!?」
結局、部屋で悶々としている事が嫌で、早めに出社した夏世だったが、思いがけず亮子にあってしまった。
「陽くん、無事出発して良かったわね。一郎くんから聞いたわ。」「はい。良かったです」
「会議が終わらなくて、駆けつける事できなくて残念だったわ〜」
「大丈夫ですよ。陽くんもわかってます」
「んもう!でもね…って、あら月山、エステにでも行った?お肌ツルツルじゃな〜い!」
夏世は、急に亮子に指摘され、目を反らした。
「い、いえ特には…。」
「そんな事ないわよ〜。なんか今日の月山ってば、なんだかいつもと違ってノーテンキ感が少ないというか、何というか…あっ!」
亮子は、急に叫ぶと、夏世を非常階段のある隅へと引っ張って行った。
「ちょっと、月山…、もしかして航さんと…男と女の仲になったとか?」
「!!」
「へ、編集長!どうして?」
「んもう!ホント分かりやすい子ねぇ」
「そ、そんなに顔に出てます?」夏世は動揺して、赤くなる顔を覆った。
「大丈夫よ〜!皆が全員分かるものじゃあないわよ」
「私もね…、一郎くんと初めての時、そんな顔してたな〜って…。あら、やだ。今もそうよ!っていうか、もっと幸せを感じるというか…」
「ちょっと!月山ったら、ちゃんと聞いてる?」
「も、もちろんです、編集長!」相変わらず、亮子の一人舞台になりそうな話を、夏世は聞くはめになった。
「幸せ…。そうですよね…。」
夏世がふと呟くと、亮子が顔を覗き込んできた。
「あら、なに、困った事でもあるの?」
「あ、はい。この後、どういう顔をして航さんと会えばいいのかなぁとか考えてしまって…。」
夏世はそう言って目線を落とした。
「あら、あなた達、ちゃんと会話をしてないの?ピロートークって大事よ〜」
「ピロートーク…?ですか?」
「あらやだ!してないのね?デリケートな問題だから、気まずくなる事もあるんだから。」
「え?そうなんですか?」
夏世は、亮子に言われ、だんだんと不安になってきた。
「好きとか、愛してるとか…。体だけじゃなく言葉でも伝えあったんでしょ?」
「いえ…。特には…。」
「んもう!あなた達なにやってるの?ホントしょうがないわね〜…今すぐ、会いに行ってらっしゃい!」
「で、でも恥ずかしくて…。会いづらいんですよ…。」
弱気になって、ウジウジする夏世に、亮子は喝を入れた。
「手遅れになる前に行くの!ちゃんと向き合って話しをしてらっしゃい!」
そう言って叱咤する亮子だったが、その後、
「…気持ちが通じあってても、口に出さなきゃ伝わらない事もあるんだから。逃げてちゃダメよ。」と微笑んだ。
「…はい。編集長、月山夏世、頑張ってきます!」
こうして、夏世は気合いを入れて、亮子の激励を背に会社を後にするのだった。
…が、片岡家に行くと、やっぱりいつも通りにしか振る舞う事のできない夏世だった。
おしまい。
***************
3作投下した者ですが、した後の夏世っぺを妄想してしまったので…。
以上、お付き合いありがとうございました。
GJ!
夏世っぺかわいいよ夏世っぺ
亮子さんカッコイイよ亮子さん
GJ!
女子高生のような夏世っぺが好きだ
当日に航がギックリ腰をやらかし、座薬の挿入が夜の共同作業に……
>>614を読んでそんなことが浮かんだ自分はもういろいろと駄目かもしれない
確かになんか初夜はギックリ腰しかり彼ららしいわりとしょうもない理由でダメになりそうww
航兄誕生日は今月か…
「月山さん、今年の誕生日は何をしてくれるんですか?」
「……放置プレイなんかどうでしょう?」
「えええええぇぇぇー!?」
夏世っぺは放置されるプレイを自ら提案しているのか…と思った自分は(ry
たしかに放置される方が似合うw
放置してるつもりがまんまと放置されてしまいそうww
困惑する夏世っぺをにやにやしながら眺める航兄…
裸で緊縛と目隠しをされ、媚薬を盛られて悶える夏世を見て楽しむ航と、
デートで航をまいてちょっと困らせるつもりが、見失ってしまって半泣きになる夏世っぺと、
それを見てニヤニヤする航――どっちもドSです。どうもあ(ry
そういえば一話ですでに4人から放置プレイ受けてるな
コスプレに放置プレイにぶっかけ(水)か……なんてエロいドラマなんだ……
ぶっかけwwそういえばwww
>>626 陰からニヤニヤ覗いてるうちに夏世っぺがナンパされちゃって慌てればいいよ
ダメダメ初夜や、放置後のナンパ夏世っぺ等、色々妄想してしまう〜。
そして、航兄誕生日おめでとう!
兄ちゃんおめでとう!
三度目がスレで祝えた事にも感謝感謝
片岡航さんお誕生日おめでとうございます
今日は夏世っぺを堪能しまくりでしょうか?
当日堪能したら夏世っぺ次の日仕事行けないよなーw
……次の日有給休暇にすればいいのか
7月24日は毎年有給休暇――遠回しな羞恥プレイだなw
夏世っぺって羞恥プレイ似合うよな…
頬染めてもじもじしてほしいっていうか
大胆なビキニを着た夏世っぺに
「自分じゃ背中に日焼け止め塗れないんです。
塗って下さい」
と言われた時、片岡兄弟はどんな反応をするだろう?
智は
「あんたって本当に不器用だねー」
とか言ってサラっと塗ってしまいそうだが。
さらっと塗りつつ内心パニック状態だったらいいなぁ…w
航兄は言われてから数秒固まりそう
陽は思春期だし、一番さらっと塗るのは修兄だと思う
>>637 「塗ってくれる男性がいないのー?!この鬼娘!ムフフフ」とか
言いつつ塗りそうだね。>>次男。
>>638 航「・・・・・にこ」
陽「修兄、うしろうしろ・・!」
「航さんに身体触られると、へ…変な声出ちゃいそうでっ…!」
とか。そんな理由はどうだろう
4兄弟とがっさんさん、海水浴へ。
がっさんさんのけしからん水着姿に4兄弟硬直が浮かんだ。
夏世っぺ先生、オッパイをプルプル揺らしながらビーチバレーをしたり、無邪気にバナナボートに跨がったり……
実にけしからん!お仕置きですな!
夏世っぺには是非服の下に水着着てきて下着忘れてほしいですね
水着の下の方が流されたりとか…
夢が膨らむな…
長男・四男はパラソルの下でぼんやりしてそう
次男は一人で競泳みたいな泳ぎをしてて三男はナンパ
がっさんは浜辺でお城作り(ド下手)
そんな海水浴が浮かんだ
「……できた!陽君、見て見て!」
「…………?」
「何これ?死体?」
「オオサンショウオでしょ」
「……海亀……かな?
いや、うまく出来ていると思いますよ、それなりに」
「……お城です」
「「「「建築物!?」」」」
>>645-646 とても簡単に頭の中で再生されたww
本編の中にあったエピソードだって騙されても信じられる。
それほど無理ないw
648 :
黒航とうっかり夏世っぺの海水浴 1/2:2009/08/18(火) 00:39:12 ID:UImASwlx
「と…届かない」
「どうしたんですか?」
ビキニ姿で背中に手を伸ばして何やらもがいている夏世に、航は声をかけた。
「あ、航さん。日焼け止め塗っていたんですけど、背中がうまく塗れなくて……」
「あ、そう。
……よかったら僕が塗りましょうか?」
「え?そんな、大丈夫ですから」
「背中だけ焼けてもいいんですか?」
「……お願いします……」
「じゃあ、背中こっちに向けて」
「キャッ!」
航はいきなり夏世の肩を掴まえて向きを変えた。
夏世は思わず声をあげる。
「大きな声を出さないで」
「す、すみません」
夏世が悪い訳ではないが、少し強い口調で注意され、思わず謝ってしまう。
「髪、避けますよ」
「ヒャッ!」
髪を肩にかける時に航の指が首筋を掠め、夏世は思わず声が出てしまった。
「……月山さん」
「すみません!昔っから首筋敏感で、美容院とかでもビクッてなっちゃって」
「ふぅん――この紐、邪魔ですね」
「え?キャアッ!」
航は夏世のビキニの背中と首のの結び目をスルリと解いてしまった。
突然のことに慌てた夏世は、腕で前を押さえた。
「じゃあ、塗りますよ」
そう言うと、航は腰の辺りからゆっくりと背中を撫であげながら日焼け止めを塗り始めた。
(や……背中、ゾクゾクして……日焼け止め塗ってもらっているだけなのに……)
背中をはい上がってくる奇妙な感覚に、声が出そうになるのを夏世は唇を噛んで堪える。
必死で堪える夏世の様子を見て、航はほくそ笑んむ。
航は腰からうなじまでゆっくり撫で上げると、肩から腕へと手を撫で下ろした。
その動きを数回繰り返した後、航は夏世の腰の脇に手をあて、ゆっくり脇腹を撫で上げていった。
「キャッ!わ、航さん!そこはしなくても――ヒャンッ!」
「満遍なく塗らないと」
わざと耳元に囁きかけながら、細い腕で隠しきれなかった乳房の下のラインを指先でなぞると、夏世の体はビクンッと震えた。
「や、止めて下さ……わたる、さ、アンッ!」
柔らかなラインを指先で何度も往復しているうちに、夏世の腕の力が徐々に緩んできた。
その隙間に手を滑り込ませると、夏世は慌てて腕に力を入れ直す。
しかし、それは航の侵入を阻止するどころか、逆に自ら航の手を胸に押し付けることになってしまった。
「随分と積極的ですね。欲求不満ですか?」
「ちがっ……アアンッ!やっ、あっ、アアッ、アンッ!」
否定の言葉を発しようとした口は、乳首を摘まれた途端、いやらしい喘ぎ声をあげた。
後ろから乳房を優しく揉まれ、乳首を摘まれ、擦りあげられる度に、甘い声をあげてしまう夏世。
羞恥に頬を赤く染め、いやいやと頭を振って逃れようとするものの、航の巧みな指の動きと首筋に落とされるキスに阻まれてしまう。
「腰が動いてますね」
「いやっ、やあっ、あっ、やあっ」
「そんなにお尻を押し付けてくるから、ほら」
航は股間の硬くなったものをグッと押し付けた。
「あっ、やっ、やだっ!」
「やだって、あなたのせいでこうなったんですよ」
「あっ、あたしっ、のせい?」
「あなたのせいです。責任をとっていただかないと」
「あっ、たしの、せい……せき、にんっ、あっ、ああっ……ハアアンッ!」
すっかり硬くなった乳首をキュウッと摘まみあげると、夏世は体をビクビクッと震わせ、次の瞬間グッタリと航の胸の中に倒れこんだ。
「さ、ホテルに戻りましょう。責任を取っていただかないと。
――いいね、夏世」
夏世の髪を優しく撫でながら耳元に囁く航。
夏世はトロンとした瞳で航を見上げる。
「はい、航さん。責任、取ります」
終
>>648-649 GJ
せっかく日焼け止めを万遍なく塗れたのに、ホテルに戻っちゃうんじゃ意味無くなっちゃったね
>>646 建築物!?に盛大に噴いたww
海の生き物に見える城ってどんなだろうな…
>>648-649 GJ!
二人のエロス加減がたまらなかった
逆に夏世っぺに日焼け止め塗られると航兄はどうなるだろう…
手が滑ってうっかりあらぬところにタッチして以下略?w
>>652のシチュエーションで、とりあえず
1.夢中で日焼け止めを塗るあまりおっぱいが背中に当たる
2.前に回り込んで日焼け止めを塗る。航の目の前でユサユサ揺れるビキニおっぱい
3.少なくなった日焼け止めを出そうと、容器を激しく振ったり押したりしているうちに中身が噴き出してしまい、白い液が顔やら胸元やらにかかる
4.塗り終わって後ろを向いたらTバック
位は夏世っぺにはお約束でやってもらわないとw
いい!GJ!!
4の後の二人のリアクションを想像してニヤニヤっすよww
誰かエロい人書いて〜
3が典型的エロドジでたまりませんな
是非航兄だけではなく他兄弟にも目撃されて欲しいところw
日焼け止めは顔についたのを嘗めとれないのが残念だよね
うん
嫌がる夏世っぺの顔や体に白い液塗りたくるしかないね……
読者の秋、運動の秋、食欲の秋、性欲の秋は夏世っぺをどうしてくれようか――
おっぱいふにふにして冗談で「…太った?」とか言ってマジギレさせる航兄うっかりの秋
二人で運動したらいいじゃない
おっぱいはさらに増えるかもしれないけど!
「シェイプアップだったら二人でできる運動をすればいいじゃないですか」
「……それでは腹筋50回×10セットから始めましょう」
「500回!?」
夏世っぺダイエット道場開設
夏世っぺかっこいいwww
航兄の部屋で二人で腹筋してるのを修兄が聞き耳たてていろいろ誤解してほしい
「航さん!まだ1セットもできてませんよ!」
(セット!?夏世っぺ激しすぎるザマス!)
って感じか
なんか航兄腹筋10回くらいが限界な気がしてw
アウトドア用品が部屋にあったし山の絵好きみたいだし山登りとかしてそこそこ体力あるんじゃね?
修兄の誕生日が近付いてきましたね
夏世っぺ先生、プレゼントにオッパイを一揉み……一撫ででもいいです!
「揉むだけで…いいんですか?」
こんな夏世っぺは夢オチだ
修兄おめでとー!
修兄お誕生日おめでとうございます!
バナナ沢山食べて頑張って下さい!
修兄と夏世っぺのコンビが好きだ
長男の中の人が触れていたけど、
夏世はそれぞれの兄弟に合せて、演技を変えていたように思う。
だからそれぞれ違いが出ていて、面白かったな。
カレーが食べたくなったわ。
>>671 それってDVDボックスの特典ディスクで言ってたの?
>>671じゃないけど、
特典で(4兄弟のインタブ)
個性的な4兄弟をがっさん役のシャクさんが一人で受け止めていた、すごい、って言っていたから、
それじゃないの?
一人ひとり、めちゃ個性的だったし、ある意味面倒
(キャラ立ちしていたし)な4兄弟だったから、
それに合せては結構大変だったのかな?とオモ。
あ、エロイ話じゃなくて、ゴメン。 (´・ω・`)ショボーン
675 :
672:2009/10/09(金) 20:49:38 ID:Q6OKvV6O
体育の日…
ブルマ…パン食い競争でゆさゆさ揺れるおっぱい…
どうしたら夏世っぺに対してこれらを実行出来るだろうか
>>676 そういう取材が必要な雑誌に配属になればいいのだ
>>676 次のマンガのネタのために、モデルになったらいいYO!
ブルマって言われると体育用具室に連れ込みたくなるな
そういえば今月はハロウィンとかいうエロ祭があったな……
夏世っぺは裸にネコミミで許してあげよう……
ノー下着にぴっちりタイツとネコミミも捨て難いです
>>679 いいねー
体育用具室のごとき乱雑さの誰かさんの部屋に連れ込めばおkだね
本編では航の部屋に夏世は入ったことがないんだっけ?
夏世っぺだったら、航の部屋に入って何かに蹴つまずき、支えようとした航ごとソファに倒れこんでくれるに違いない!
間違いなく三日はおっぱいの感触を忘れられないな
>>684 あのソファに深刻な顔で座りながら、頭の中夏世っぺのオッパイでイッパイの航を想像したw
八話のあの真剣な表情でオッパイでイッパイwwww
だんだん顔が赤くなって頭を横にふるふる振ったら良いよ
687 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 00:36:45 ID:4rli58F7
智ぴょん誕生日おめでとうございます!
さとぴょんおめでとう!
智ぴょん!はぴば!
智ぴょんへのプレゼントって難しいよね〜。
目が肥えてるだろうし。
プレゼントなんて次男と四男に手首をリボンで拘束された夏世っぺでいいじゃないか
陽くん原作航兄監修の修兄による夏世っペをモチーフにしたエロ漫画
少女漫画好きならエロくない方がいいんじゃね?
プチエロイのがいいんじゃない?
最近の少女マンガは過激らしいからなあ
少女マンガっぽいエロを思いだそうとしたら、
「頭がフットーしそうだよおっ」
が浮かんでしまっていろいろごめんなさいorz
それはそれとして、エロ少女マンガの担当を月山夏世にやらせるのはいかがでしょうか?田丸編集長!
エロ少女漫画家はオッサンかイケメンかどちらがいいだろうか
個人的には22、3の若造か、夏世っぺより上航兄より下の30歳のどちらか希望
夏世っぺより若造だと、役に立つならと夏世っぺが体験談を話しそうで色々楽し…心配ですな
「一般論ですけど」とか「友達が言っていたんですけど」とか言いながら、
どこが感じるかとかどんな体位が好きか言っちゃう訳ですね。
それは愉か――大変ですねぇ……
航「・・今度の少女漫画家さんも男性らしいですが、普段どんな話をしてるんですか?」
夏世「えっ!?あ、えっと・・あのっ・・」
航「・・・・」(この動揺はなんなんだ)
夏世「騎乗っ・・じゃなくって あっ、気丈な方だねって話を!」
航「誰がですか?」
夏世「だっ誰でしょう・・?あっあはははは」
航「ははははは」(言えない様な話・・?)
夏世(どうしよう、なんか航さんの笑い方が怖い・・)
航兄は夏世の他の担当が男性だったりしたら心の中であたふたしそう。
夏世っぺの誕生日まであと一ヶ月ですな
>>699 夏世のことであたふたする航はいいな。
それに10話ラストのごとくストーカー化……
>>700 「月山さん、クリスマスと誕生日のプレゼントの希望はありますか?」
「……もう貰っちゃったかもしれないです」
「え?」
「…………アレが遅れているんです」
「あれって?」
「――生理がこないんです!」
「エエエエエエエーーッ!」
大変失礼いたしました
航兄と夏世っぺだと子供が出来たら二人の名前から一文字づつ取ってーとかやりそう(取りづらいけど)
智ぴょんは女の子だったら昔からいくつかストックがありそう
今年も夏世っぺが頑張って生クリームを泡立てて頑張りすぎて顔中にクリームを飛ばしてしまい
兄弟に不埒な想像をさせてしまう季節がやってきましたね
ノーブラでミニスカサンタのコスプレをさせて買い物に行かせ、ケーキ作りの最中に顔についたクリームは舐めとらせ、
最終的には裸にデコレーションしてクリームプレイをする訳ですね!
メリークリスマス!
ノーブラで外出とか航は許さないだろw
普段の格好でノーブラノーパンも捨て難いです
心配なら航兄も一緒に出ればそのまま外でも出来るよ!
二年参りはエロいことし辛そうだよなぁ
修兄はチャーミー写真撮影時の袴着用でおまいりして欲しい
夏世っぺ先生お誕生日おめでとうございます。
今年は連休があるからいっぱいイチャコラできますね!
夏世っぺおめでとう!
ずっと大好きだ!
夏世誕生日おめでとー!!
そうか、この日にドラマが始まったんだ。
航兄とそろそろ結婚してるかな。
1.結婚して子供が居る
2.未だに苗字で呼ぶ
さあどっち!
もちろん、2 だな。
「航さん、あの……」
「どうかしましたか、月山さん」
うん、きっと。
それでも夏世っぺが好きだ
715 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 23:22:45 ID:8CltY/mj
獣医に突っ込まれてるだろワンワンスタイルで
連休でひさびさにヒミツのDVDれんたるしてきて
懐かしくていろいろ検索してみたよ
まだこんなすれあったんだね
夏世っぺが航兄のサボテン落としてダメにしちゃったら、夏世っぺはどうなるんだろう
お仕置きです
夏世っぺにはお仕置きという言葉がよく似合うなあw
あのサボテンの名前が全部女性の名前だったら、夏世っぺ少し複雑だろうな
さすがに過疎ってきたね
前に書いた誕生日ばなしあるけど、
ホントいまさらかな?
規制でタイミングはずしたよ
>>719 夏世っぺがされるのも似合うし航兄がするのも似合うんだよなー
>>720 問題無しです!
チラ裏
なつどらいたのスレ埋められた…
荒らしくさいし立てるとしたら間空けたほうがいいよね…
チラ裏
724 :
名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 13:46:14 ID:dgUm5jGp
まだあったんだこのスレ。
なんだかうれしい〜
結構人居るんだなぁ
冬だから本編見直してみたけどやっぱ夏世っぺとか兄弟とかみんなすごく萌えてしまう
10話前半の仲良しっぷりたまらん
今年もチョコプレイの日が近付いてますね。
航と夏世は結婚してたらほんわか夫婦になってそう。
修が陽君を喜ばせようとチョコレートファウンテンをレンタルしてる気がするw
今年も夏世っぺがケーキ作りに悪戦苦闘する時期ですね
ちょっとは上手くなったのかなあ
今年はバレンタイン日曜なのか
前日からチョコプレイ生クリームプレイし放題で義理分まで使って夏世っぺのチョコ独り占めか
航兄と夏世っぺは痴漢プレイはできそうだけど車中プレイはあんまり想像つかない
痴漢プレイは言葉とお触りでふらふらになって会社に着いて編集長にものすごく怒られそうだ
航は車に酔ったふりをして、夏世のオッパイに寄り掛かれるよね!
同じことを修がやろうとすると、痴漢扱いされるんだろうな……
陽くんがやってもまだ甘えてる感じで解釈してもらえそうだ
修兄と智ぴょんは…www
紅茶を断るシーン見て、
同じシチュエーションになって航兄と夏世っぺでそういえばあんなことあったなーとか話して
夏世っぺが寂しそうな顔で「今は思い出にできてよかったけどあの時はやっぱり少し悲しかったです」
思わず抱きしめて濃厚なキスが始まったあたりで夏世っぺが慌てて「紅茶渋くなっちゃいます!」と抵抗するけど
航兄が「あなたが甘いから大丈夫」とか言ってその場でもつれこんじゃう
そんな長文妄想スマン
>>733 あの時の航兄の表情と「コーヒー飲みたいんで」ってセリフはたまりませんな!!
好きって気付きかけてるけど、近付けない、近付かないって感じで。
甘あまな航夏世いいですね〜。
>>733 ナイス妄想。
ぜひ文章にしてください。
>>734 ノシ!
だが、タガの外れた航兄は誰にも止められないw
DVD見ます。
736 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 02:31:48 ID:9zJRXpnR
「航さん」
夏世は航の腕の中でささやく。
「…どうしました?」
航のやさしい目を見て夏世は幸せを感じた。
「もうすぐ桜が咲きますね…」
「あぁ、そうですね。最近はだいぶ暖かくなりましたし、もうすぐでしょう。」
夏世のアパートに航が泊まりに来たのはこれで何回目だろうか。
部屋にある狭いシングルのベッドに2人は体をぴったり寄せ合っていた。
「…桜が咲いたらみんなで、お花見に行きませんか?」
夏世は寝言のように呟いた。
「いいですね。久しぶりにみんなで集まりたいな。」
「航さん。5月になったらピクニックに行きましょう。
6月は雨が降るから…紫陽花が綺麗ですよ。見に行きましょう。
7月は思い切ってどこか旅行へ行きませんか?遠くへ。」
「もちろんいいけど…どうしたんですか?急に。」
「いえ・・・なんだか…航さんがこれから先も私と一緒にいてくれるのか不安で…」
737 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 02:32:29 ID:9zJRXpnR
なぜそんなことを言い出すのか…
航にはわからなかった。
複雑な乙女心なのか?
駄目だ。
きっと、こんなとき咄嗟に言葉が出てくるか出てこないかが
モテる男とモテない男の分かれ目なのだ。
「航さん…?」
不安げに見上げる愛しい人にかける言葉を航は必死に探していた。
全く俺はボキャブラリーが貧困だ、まで考えたところで笑みがこぼれる。
出会ったころから、今までが航の頭の中を通り過ぎる。
うん。結論は出た。
「夏世。
世界で一番…その…愛している。
できれば僕のほうこそ、ずっと一緒にいてほしいんだ。」
夏世は航の胸に顔をうずめると小さな声で
「うん…」
と言った気がした。
航には少なくともそう聞こえた。
航は夏世を抱きしめるともう一度、愛してる、と言った。
>>736-737 GJGJ!
文から二人らしさがすごく伝わるし夏世っぺも航兄も可愛すぎる
GJ!
春っぽくていい。和みました。
GJ!
ほのぼのしててイイ!
二人が裸なのかどうなのかとても気になります…w
741 :
736:2010/03/09(火) 03:14:09 ID:rqShfh7p
>>738-740 下手くそな文章晒してすみませんでした!!
久々に保管庫見て妄想沸き立って書いてしまいました…
ではまた、失礼します。
GJ
久しぶりに来てみたら投下があって嬉しかったぜ。
やっぱりいいな、この二人は
743 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 03:47:33 ID:ol3z7ZAb
午前五時。
夏世はハッと目を覚ました。
目の前に広がるのはいつもと変わらない風景。
天井、照明、そして隣には愛しい人。
寝ぼけながら枕元の時計で時間を確認。うん。あと1時間は寝れる。
ばふっ、と枕に頭をうずめる。
顔を横に向け航の顔を見つめた。
航さん…今日も素敵。
もう好きっ
好き好き好き好き好き!大好きです航さん!!
寝顔も素敵だけど…あの優しい目で見つめられると幸せで幸せで…
起きてくれないかなー?
でも寝顔も見ときたいな。
ふふ、航さん寝癖がついてる。
可愛いなぁ…………。
744 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 03:48:06 ID:ol3z7ZAb
午前六時。
航は窓から差し込む朝日の中で目を覚ました。
気持ちのいい朝。今日はスケッチ日和だな。
そんなことを考えながら
隣で幸せを絵に描いたような表情で眠る夏世の髪をなでた。
長いまつげ。
白い肌、鎖骨の辺りまで伸びた髪、細い肩。
夏世と出逢ってずいぶん経つが、今日も今日とて非常に魅力的だ。
笑ったり泣いたり、くるくると表情が変わる夏世も
寝ているときはしとやかな女性に見える。
航は夏世を起こさないように、そっと抱き寄せた。
>>743-744 GJ!時間差ででれでれしあってるバカップル最高です
メールの所に半角でsageっていれるといいかも
GJ!
で、二人そろって朝寝坊、と。
未だに一番好きなドラマのスレがあったとは・・!
749 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 12:04:48 ID:T0nUNF6L
>>748 タダイマ(´∀`) ここのまったり感最高だ。今日みたいに天気のいい日は、航兄と夏代のデートを兄弟達で尾行ごっこするに違いない。
少女漫画板の花園ゆりこスレって、なくなったんだね・・・
751 :
750:2010/03/22(月) 22:47:22 ID:ZRqduyne
ごめん、あったよーんw
夏世っぺはお花見の為に卵焼きの練習をしているころだろうか
>>750 あそこまだあったのか…!
夏世っぺが美味しい玉子焼きが作れたとしたら、
雨が降ってお花見中止になりそうな気がしますw
「今年は皆さんで、お花見に行きませんか」
と夏世が提案をした。
数日後に、陽が一時帰国をするので、何か、パーティをしようと皆で相談をしていた時だった。
「家で、のんびりした方がいいんじゃないの?陽も、あんまし長く、こっちにいられないんだしさ」
智がぶっきらぼうに言う。
確かに、と夏世は思えて、しょんぼり、してしまう。
それを見兼ねた航は
「僕は、そうとは限らないと思うな。久し振りに、日本らしい行事をするのも良いんでないかな?」
ですよね、月山さん、と優しく航が言うと、それだけで夏世は、ぱぁ、と表情を明るくする。
「お兄様は、相変わらず夏世っぺに甘いざますよ」
まぁ、賛成だけど、と舌を出しながら修が言った。
「3対1じゃ、行くとするか。とりあえず、弁当を作るための材料を買いに俺とガッサン…」
と言いかけて、航の視線を感じたので、急いで
「航兄とガッサンで買ってきてよ」
と言った。
「陽射があったかーい!航さんの言った通りですね」
コートを羽織るかどうかを夏世は迷ったのだけれども、航に、必要ないですよ、と言われたから羽織るのを止めたのだった。
「あんまり、はしゃいだら、転びますよ」
と航は笑いながら言った。
でも、仕方ない事だ、と夏世は思った。
やっと春が訪れたのだもの。
航さんと2人きりになれたのだもの。
「…危ないから、手をつなぎましょうか」
航が、そんな事を言ったから、夏世は頬を思い切り紅く染めた。
何気なく、言うようにしたのだけれども、やはり、はずかしくなって、夏世は気付かなかったのだけれども、航も頬を、かすかに紅く染めていた。
そんな2人であったから、手をつないだまま、黙ってしまった。
もうすぐでスーパーに着くという所で、航は、こんな事を言った。
「月山さんは、独りで桜の木の下を歩けますか?」
夏世は、航を見上げて首を小さく傾げた。
「現代だったら、歩けない方が珍しいだろうね」
と航は微笑みながら言い、
「学生時代に読んだ本の主人公は、そうだったみたいなんだ」
「変な人ですね。私なら、夢見心地で歩けますよ」
「桜の精に魅入られそうになるのが怖いからみたいですよ」
その後、本当に桜の精に魅入られてしまうんですけどね、と話す航を夏世は見つめていた。
「どうしたんですか」
視線に気付いた航は、そう言った。
「航さんが話すと、どんな本も面白く聞こえてしまうな、て思いまして」
へへ、と夏世は声を立てて笑う。
「今、どうして、この本の話をしたと言いますと」
とだけ言って、航は、どもった後に
「さきほど、はしゃぐ月山さんを見て、桜の精みたいだ、と思ったからなんですよ」
そう言われて、夏世は、さきほど以上に頬を紅くした。
そして、
「そうですよ、私は桜の精なのだから、航さんを魅入らまくりますよ」
と言い、背伸びをして、航の唇に音を立ててキスをした。思えば、初めて自分からキスをしたのかもしれない。
「こんな可愛らしい桜の精なら、大歓迎ですよ」
そう言い、航は夏世を、ぎゅ、と抱き締めた。
「早く帰らないと智さんたちが待ってますよね」
「そうですね」
そう言い合いながらも、2人は、しばらく抱き合ったままだった。
桜の舞う春の出来事。
***
お花見、関係なくなっちゃいました(汗)
そして拙文でゴメンナサイでした
妖精とかサラっと言っちゃうのがイイ
なんか兄弟みんなそういう表現に抵抗とかなくサラっと言って夏世を赤面させそう
規制解除きた!
GJ!
春だねえ。
航兄と夏世っぺは、昼はほのぼのなのに夜は激エロそうなのがたまりません
>>760 全面同意
二人ともほのぼのしてるのにどこかエロい気がする
航おにいさまがムッツリだからだと思うw
かよっぺのおスタイルがいやらしすぎるからだと思う
陽くんには是非あのおっぱいにむぎゅーっとされて真っ赤になってほしい
なんて可愛いw
あのおっぱいを見て瞬時に詳細なサイズが解るのが智ぴょん
ムダとか小娘にはもったいないとかからかうのが修兄
揉んで吸って大きくさせるのが航兄
>>766 サボテンに毎日水をやっていた航のことだから、毎日のように
吸ったり揉んだりつまんだりして立派なお胸に育てるんだろうなw
一日でも触ってもらわないと夏世っぺが落ち着かない体にしちゃうわけですね
ソファーでうたた寝する夏世っぺの頭をなでなでする航兄
目が覚めた夏世っぺが寝ぼけながら「(手が)おっきい…ですね…」とか言っちやって、航兄には不埒な想像をしてほしい
>>769 何考えながら夏世っぺに触れていたんだ航兄w
いつのまにか陽君の誕生日が明日に迫っていたんだな。
夏世っぺは何をプレゼントに用意したんだろう
何故かファンシーなエプロンとかプレゼントしてきそうな勝手なイメージがある
陽が微妙にとまどうくらいのかわいい物を思いっきり笑顔でプレゼントするか、
ちょっと顔色見ながらおずおずと差し出すか、
返答は
初期だったら「あなたばかじゃないの?」
後期〜その後だったら「あ・・えと・・ありがと、う・・?」
元ファッション誌編集として、お洒落な帽子とか
陽くん誕生日おめでとう!
>>771 後期〜その後 可愛すぎる
誰かSSを!
ヤンキー君とメガネちゃんに陽君の中の人が出てる。身長がすごく伸びたね。
で、相変わらず細い。
帰国するたびにちゃんと食べてるか心配してあれこれ作って食べさせようとする
夏世っペが浮かびました。
「何してるんですか?」
「あっ航さん!!びっくりした〜あの、お弁当作ってみたんですっ」
「あっそ、そう、ちょうど僕、あの、」
「陽君見るたびに細くなっちゃうから心配で〜」
「 ・・・・・ああ、そう・・・」
「あれ、航さん、スケッチブック持ってどこか出かけるとこだったんですか?」
「いえ・・・これは置いてきます・・・」
もぐもぐ
「ねえ、夏世ねえ、航兄がさっき公園でスクワットしてたんだけど何で?」
「えっ?航さんが運動!?」
航さん華奢なはずなのにふっくらした印象があるのはなぜだろう。
>>773の夏世が可愛かったのでつい意味のわからないミニネタを作ってしまった
>>774 翌日以降に筋肉痛がきてビックリするぞ、航兄w
陽君、田中ちゃんと智としゃぶしゃぶに食べさせられまくりそう。
それでも太らなくて夏世っぺ嫉妬w
>>775 きっと出尻だからだ
陽君はお肉駄目なんだっけ?
夏世っぺは太ると胸もさらに大きくなりそう
航兄が夏世のお椀にこっそり肉を入れたりして
ここでの航兄はすっかりおっぱい星人がデフォにw
夏世っぺがあのおっぱいだから仕方ないw
亮子さんと田中ちゃんの始まりは確実に亮子さんの暴走だろうな。
田中ちゃんが告白出来ずに、ぐずぐずしてる間に亮子さんは付き合ってると思ってるような。
なにそれ二人ともかわいい
愛の軌跡すごろくだとある出版社のパーティーで出会ってるけど
この二人がどう恋に落ちたかホントに気になるわww
一郎くんの家行きたい!
付き合ってもない男の家に上がったりしたらだめ!
え?付き合ってないの?!
え?付き合ってるの?!
みたいな感じですか?
亮子さんかわいすぎるw
>>782 ナイス妄想すぎるww
たしなめる田中ちゃんもかわいい
なんやかんやで
じゃあ家に行っていい?
(特になにも考えていない)
いや、そういうのは段階を踏んでね
(意識しまくり)
やだっ一郎くん!なにもしないから安心して!
おまえが言うな!逆だろ普通!!警戒しなさい!!
本人たちにしてみれば真剣な痴話喧嘩が続く・・
やだっ一郎くん!なにもしないから安心して!
亮子さん攻めw
自分の妄想の亮子さんは研究熱心でやる気はあるけど
いざとなると田中ちゃんのペースに勝てなくなる人。
こんなかわいい40代2人の恋愛他にない
見た目はあんなに強そうなのに。
かわいすぎるよ。
久しぶりにDVD全巻観た。
田中ちゃんと亮子さんは結婚できたんだろーか。
できてるといいねえ。
ウェディングドレスと白無垢、他にもあれこれ追加してお色直し凄そうだ
ガッサンは衣装選びに付き合わされてドレス何着も持たされてそうだ
田中ちゃんは「男はこーいうのわかんねーからよぉ」とか言って
外で待たされてたり。なぜか4兄弟もいたり
791 :
喜びの歌:2010/06/14(月) 18:48:55 ID:IXUshLW9
航が陽は血のつながった兄弟でないことを告げた日から一夜明けた片岡家。
4兄弟は一昨日と変わりない様子で食卓で朝食を食べていた。
真実を知らされた陽は知る前よりも屈託のない表情をしていて、あんなに頑なに守ってきた秘密は何だったのだろうと航は思っていた。
「今日は蛍潮出版の〆切だからな。修兄、ちゃんと進んでる?」茶碗を片手に智が尋ねた。
「え〜今日ぐらい休もうよぅ」
「何言ってんだ。明日は明日の仕事があるんだから、今日のことは今日中にやらねえと、雪だるま式にとんでもねえことになるよ」
「それはいーやーだー」両耳をふさいで首を振った。
「蛍潮出版といえば、担当を月山さんに戻してもらったから」航が言った。
「……そう」月山夏世の涙を見ていた智が返事をしたあとに「そういう対外的なこと、相談なく勝手に決めるの止めてくれる?」と続けた。
これは喧嘩勃発か!?と修が息をのんだが、航は「ああ、そうだな」と答えただけだった。
「じゃあ、今日ガッサンさん来るんだね」陽が嬉しそうに、はにかんだ。
「飯食ったら仕事だ仕事!!」智が茶碗を重ねながら手を叩いた。
仕事場に移った4人はそれぞれの机でそれぞれの仕事をしている。
「ふんふんふん♪ふふん♪」
「修兄、鼻歌止めろよ、うるせえな」
「俺じゃねえよ!」
智が机の上でスケジュール帳を開いたまま、顔を上げた。
修が「陽くん?」と陽を見て、陽は修を見て首を振った。
修、智、陽が無言で航を見た。
「ふふんふん♪」
3人の弟たちの視線に気づいて、航が仕事の手を止めて顔を上げた。鼻歌も止んだ。
「どうした?」
「『どうした?』って……」
兄ちゃんこそどうしたんだよ。
「陽くん、お兄ちゃんはちょっと精神集中してくるね」
「う、うん」
修が席を立った。
「早く戻ってこいよ」
部屋を出て行く修を引き留めず、智が言った。
修が自分の部屋にむかいながらブツブツ呟いた。
「親しい、親しげ、親しさ、親しく、親しき、
親しき仲にも礼儀あり!?」
月山夏世が原稿を取りに来るまであと1時間。
>>791 ありがとう
陽くんが鼻歌かぁ
意外性があるね
793 :
791:2010/06/14(月) 22:27:50 ID:IXUshLW9
>>792 書き方が曖昧ですみません
鼻歌を歌ったのは航兄です。
ツーステップ踏むくらいだから、鼻歌ぐらい歌っちゃうだろうと妄想しました
>>791 航兄ぃってば……
うんうん。鼻歌ぐらい歌っちゃうよな
投下ありがとう
GJ!でした
花園ゆり子解散後、陽の留学準備は着々と進んでいた。
もともと陽は物をあまり持たない主義だったので、片付けも荷造りも人手は不要なのに、手伝いと称して月山夏世が度々訪れていた。
「僕を口実にしないでよ。堂々と航兄に会いに来ればいいのに」
「だって、しつこい女とかウザイ女とか思われたくないもん」
「思うわけないじゃん。バカじゃないの」
月山夏世が来る日の兄の浮かれっぷりを見せてやれないのが残念だ。
「あら、これ暑中見舞い?」
紙類の中からハガキや手紙の束を見つけた。
「捨てるものだよ、散らかさないで」
手伝いにきたのかジャマしに来たのか判らないじゃないか。
「女の子からばっかり。陽くん、モテるもんねえ」
「そうでもないよ」
否定しないところが小憎らしい。
「航さんもモテただろうなあ」
「まあね。修兄や智兄に聞けば詳しく教えてくれるんじゃない?」
航が高校生くらいの頃には、陽はまだ物心がつく前だった。
「僕が知ってる限りでは、特定の女の人はいなかったと思うけど」
「ってことは不特定多数!?」
あの余裕の微笑みはものすごい経験の積み重ねの賜物!?あらぬ想像をしてしまう。
「なんでそうなるの?違うよ。
航兄は今まで自分のことは全部二の次にしてきたんだ。
油絵も諦めて、恋愛だって。僕はそう思ってた」
そしてそれは兄弟みんなの重荷になってしまっていた。
「そっか」
月山夏世は手紙の束を元の場所に戻した。
陽は正面を向いたまま話を続けた「でも、今はそうじゃなかったと思ってる。恋愛については」
「だって、航兄はあなたに惹かれていたから」
「航兄は僕たちには優しかったけど、僕たち以外には冷たかったよ。
僕たちの絆を壊しそうなものは容赦なく切り捨ててた。
航兄が僕たち以外の人をかばったのは、あなたが初めてだった。
原稿が水浸しになったときも。
僕と智兄がイタズラしたときも。
あなたがキッチンを破壊したときも。
サイン会も。
他にもたくさんあると思う」
「航兄は秘密を明かす前から、気持ちが動いていたよ。あなたが動かしたんだ。」
「だから、もっと自信持ちなよ」
「陽くん」
「泣かないでよ」
部屋の扉が外からノックされた「陽、月山さん、いるのか?」
「どうぞ」
航が扉を開けて部屋に入った。
「月山さん!?どうしました?陽がなにか失礼なことを?」
「そうやって頭ごなしに決めつけて。僕グレるよ」
「なに子どもみたいなことを言ってるんだ」
「散々子ども扱いしてきたくせに」
「陽、待ちなさい!」
航の呼びかけを無視して、陽は部屋を出た。
リビングには修と智がいた。
「あら、どうしたの陽くん」
「全然捗らないから、今日はもう止める」
「おいおい、陽の部屋なのに陽が追い出されてどうするよ?」
「仕方ないよ。5年間枯れてた女に、15年間時間が止まってた男なんだから」
「陽くん」「陽」
「「大人だねえ」」
修と智が声を揃えた。
GJ!
陽くん、オトナダナー。
「5年枯れてた女に、15年間時間が止まってた男」w
GJ!
陽君いや格好良い!
15年時間が止ってた男w確かに
航もがっさんもお互いに会えて良かったのー
GJありがとうございました。
もう1つだけ投下させて下さい。
------
片岡家のリビング。月山夏世が修から花園ゆり子の原稿を受け取り、中身を一枚一枚確認した。
「はい、確かに頂きました。お疲れ様でした」
原稿を手提げカバンにしまい「失礼します」とお辞儀をした。
そのすぐ後に「あれ?」と月山夏世がキョロキョロしている。
「おい小娘、今さら原稿足りませんとか言っても遅いざますよ」
「違います。携帯電話が無いんです」
変だなあと言いながら、カバンを開けたり、ポケットを探ったりしている。
「電話を鳴らしましょうか?」
「お願いします」
航が月山夏世の携帯電話に発信した。
チャチャチャ♪チャチャチャ♪チャチャチャチャチャチャチャ♪
三三七拍子の着信音が鳴った。
「こんなところにありました」
航は自分が座っていたソファの隙間に挟まっていた携帯電話を拾って、何の気無しにサブディスプレイの発信者名を見た。
「『長男』……」
「あ、航さんです」
「そんなこたぁわかってんだよ!」修がツッコミをいれた。
「最初は『花園先生』と登録したのですが、誰が誰だか判らなくなっちゃって」
航は「そうでしたか」と苦笑したあとに、「どうぞ」と携帯電話を月山夏世に返した。
「夏世っぺはホントにアホな子だねえ」
「なんでですか!?」
「人には名前があるのにさ」陽が言った。
「だって……」
4人もいるから、最初は名前と顔が一致しなかったんだもん、とは言えなかった。
一致してからも、何となく登録名を変えようとは思えず、そのままにしていた。
それから月日が流れ、航と月山夏世は2人だけで過ごす時間が増えた。
帰り際、月山夏世がキョロキョロ周囲を探している。
「航さん、携帯電話を鳴らしてもらっていいですか?」
航は微笑んで月山夏世の携帯電話を鳴らした。
航の足元で三三七拍子を鳴らす携帯電話を拾って、サブディスプレイを見た。
「『長男』……」
「あ!すみません!」
「いいですよ。なんだか嬉しいです」
月山夏世が小首を傾げた。
「離れていても兄弟であることを実感できて、貴方がそういう僕を受け入れてくれてる気がして」
「当たり前じゃないですか!」
月山夏世は満面の笑みで答えた。
「ところで、私の登録名は……?」
航の携帯電話を鳴らしてから、航の手から素早く取り上げた。
そのサブディスプレイに表示された名前は
「『月山さん』」月山夏世が読み上げ、
「……はい」航がバツが悪そうな表情で返事をした。
「いい加減に名前で呼んでください!」
>>799 おー、ありそうだw
夏世さん
夏世……
どっちで呼ぶんだろ? やっぱ『さん』づけか
800ゲト!
すげー6スレ目の800レス……
このスレがこんなに続くとは!
おお、沢山投下が…!どれもGJ!!
みんなホントかわいい
夏世、夏世さん…
夏世っぺって呼ぶのが一番無理そうw
呼べなさそうにみえながら、あっさり夏世と呼びそうな気もする。
最終回の告白時には躊躇いなく手を握ったり抱きしめたりしてるし
航兄がわからない
投下したいのにずっと規制中で出来ません。もどかしい
マターリ待ってます。
同じく。
待ってるよん
規制解除しそうもないので携帯で投下します。エロ無しです
―――
月山夏世は某駅前で途方に暮れていた。時刻は深夜1時前。終電を終えた駅は始発までシャッターを下ろしたままのはずだ。
夏世は4月から新人漫画家を担当していた。新人漫画家は、花園ゆり子(主に修)ほどの変人ではなく人使いが荒いわけでもない。しかし修羅場は本当の修羅場だった。
今にして思えば、花園ゆり子は複数連載を抱え、多忙を極め、アシスタントもいないにも関わらず、夜はきちんと寝ていた。漫画編集とは無関係の雑用で夏世が片岡家に泊まり込んだ日も、あの4兄弟は悠々と夕食を食べ、風呂に入り、パジャマに着替えて寝ていた。
「航さんのパジャマ姿……」
ついでに思い返して頬が緩むが、そんな場合じゃないと首を振った。
ところが今は、〆切間際の完全徹夜は当たり前。
今日は幸いにも深夜前に原稿があがり、すんでのところで終電に滑り込めた。電車内で幸いにもイスに座れた。そして連日の不規則な生活で睡魔に襲われ、降りるべき駅を通り過ぎ、終電の辿り着いた先が夏世の現在地であった。
こんなことになるなら、ケチらないでタクシーを使えば良かった。
いまタクシーに乗りたくても、タクシーは影も形もない。
原稿を入れた鞄を抱えて、その場に座り込んだ。
航さんに会いたいよー。
今日も電話できなかった。せめて声だけでも聞きたい。
でもなー、絶対迷惑かかるもんなー。
「よし、メール打っちゃお」
”こんばんは。やっと仕事が終わりました”
今すぐに読んでもらえなくても、航の電話に連絡できただけで満足だった。
すぐに夏世の携帯電話の着信音が鳴った。
「航さん!?起きてらしたんですか?」
『はい』
携帯電話ののスピーカーから聞こえる声だけで、夏世のテンションが上がった。
「もしかして、私起こしちゃいました?」
『いいえ。ところで、今どちらに?』
「○×駅前です」
『終電は終わってますよね?』
「……はい」
『タクシーも無いんですね?』
さすが。航さんは何でもお見通しだ。
「あ、でもファミレスとかで始発まで時間をつぶすので全然大丈夫です!」
そう言ってから周囲を見渡したが、寂れた駅前に店の灯りは無かった。
『本当ですか?』
「ごめんなさい。嘘です」
『30分くらいで行きます。近くに自販機があるなら、温かい飲み物を買って待っていてください』
「はい」
夏世は通話を切ってからクシャミをした。梅雨入り間近。昼間は暖かかくても夜は冷える。駅前の自販機で温かいコーヒーを買った。花壇のふちに腰を下ろし、
足元に鞄を置いた。両手でコーヒー缶を包み込むように持つ。
30分を少し過ぎた頃に夏世が待つ駅前にタクシーが着いて、航が降りた。鞄を持つ夏世の手を引いて2人で後部座席に乗った。
夏世が航に促されて、自分のアパートの住所を運転手に告げると、タクシーは走り出した。
「あの、すみませんでした」夏世がうつむいたまま謝った。
「いえ」航は返事をしてから窓の外を見て、言葉を続けた「本当は」
「え?」夏世が聞き返した。
「貴方にタクシーを呼ぶように勧めれば良かったのだけど」
「……」携帯電話があれば最寄りのタクシー会社を調べることも呼ぶことも出来たと、夏世は今さら気づいた。
「その方が貴方も早くタクシーに乗れたでしょうから」
航がタクシーに乗って迎えに来るよりは、夏世が自分でタクシーを呼べば幾分早く駅前を出発できたはずだ。
航はそれっきり言葉を続けず、夏世もまた口を閉じたまま、無言の2人を乗せてタクシーは走った。
夏世のアパートの前でタクシーが止まり、夏世はタクシーを降りた。
タクシーに残った航が「それじゃ、おやすみなさい」と言い終わらないうちに、夏世が運転手に紙幣を渡し、航の手を掴んでタクシーから引きずり下ろした。
「おつりはいいです。行っちゃってください」
自動でドアが閉まり、タクシーは走り去った。
「え?あの?」タクシーが走り去った方角を見て、夏世を見て、キョロキョロする航。
「ご迷惑なのはわかってます。でも」
「わかりました。おじゃまします」
夏世が自分の部屋の鍵を開け、2人は夏世の部屋に入った。
「コーヒーでいいですか?」
「いえ、お構いなく」
――すぐに、おいとましますから。
航に言外に言われているように、夏世は思えた。
小さなテーブルの差し向かいに座った2人。
「怒ってます?」
「はい」
夜中に迎えに来させた挙げ句に引き留めてしまった。きっと相当怒っているはずだ。
「貴方は勝手な人だ」
「すみません」
花園ゆり子時代から、この人には何度謝ったことだろう。
「僕たちにはあれだけお節介をやいておいて、貴方自身は全く頼ってこない」
「はい?」予想外の言葉に、夏世は頭を上げた。
「僕が迎えに行かなかったら、どうするつもりだったのですか?
夜中に人気の無いあんな場所で夜明かしなんて無茶にもほどがある。
どうして僕に電話をしなかった?」
「もう、おやすみ中かと思いまして」
「眠れるわけないでしょう!?」
航の剣幕に夏世は身を縮めた。
航が夏世の様子に気づいて「すみません」と言って咳払いした。
「僕から電話をかければ良かったのですね。ただ最近お忙しそうにしていたので、その、束縛するようなことは避けようと思ってました」
誰かを束縛する、航とは最も縁遠い言葉だったはず。
「僕がタクシーを呼ぶように勧めなかった理由もわからないでしょう?」
「……」
夏世からの返事はなかった。
航が口を開いて息を吸った。
「僕が貴方に会いたかったからです。
駅に向かうまでの間、夜中に1人で待つ貴方が心配だった。
心配ならばタクシーを呼ばせれば良かった。でもできなかった。
タクシーの運転手が邪な考えを持つような人間だったらどうする?と不安になったからです。
そんなこと滅多にあることじゃないのに、あるわけないのに、心配でどうしようもなくて、僕が迎えに行くしかないと思ったのです。
だけど迎えに行ったのは、心配だったからだけではありません。
駅からここまでの短い時間でも貴方に会って顔が見たかった」
そこまで言い切ってから夏世を見た。
夏世はテーブルに突っ伏していた。
「月山さん?」
「夏世って呼んで〜」顔を伏せたまま答えた。
「え!?」誰もいない周囲をキョロキョロ見回した。
「か、か、よ?」
夏世はそれっきり返事をせず航は再び「月山さん?」と呼びかけた。
身を乗り出して耳をそばだてた。夏世の寝息が聞こえた。
「……勝手な人だ」
目を覚ましたら「どこまで聞いていたんですか?」と尋ねてみよう。
航の眠れぬ夜は始まったばかりだった。
―――
終わりです。
改行が見づらくてすみません。
規制解除してくれー
GJ!!
規制中なのに、難儀して落としてくれてありがとう!
顔がニヤけちまった。
いいなあ、この雰囲気、航とかよっぺらしくてー。
GJGJ!
携帯からdです。
GJーー!!
最近パロが投下されてきて嬉しい!
ドラマの視聴率が低迷してきている今、続編作ってくれないかな〜
こんなに長く愛されてるんだから・・・・
投下乙そしてGJ!
二人ともかわいすぎる
ホントにベタなシチュエーションが心の底から似合う二人だなー
このスレ見つけられて幸せ!
1から読んだけど幸せだw
話落としてくれた方々ほんとありがとう!
今日から再放送スタートだ。懐かしくてびっくり
規制解除されたかな
エロ無しで長文で恐縮ですが投下します。
苦手な方はスルーお願いします。
「航兄、あの人とちゃんとデートとかしてんの?」
4兄弟が揃ったリビングで智がおもむろに尋ねた。
「デート?」キョトンとした表情で聞き返す航に、
「言っとくけど、駅まで送るとか、川沿いをぶらぶら歩くとか、
そういうのはナシだかんな?」智がダメ押しをした。
航の代わりに陽が
「待ち合わせして、映画館とか遊園地とかに行くってこと?」
と聞き返した。
「そうそう。ちゃんとエスコートして気分を盛り上げてさ」
「いやー、俺そういうのよくわからないし」
「兄ちゃん!!」それまで黙っていた修が立ち上がった。
「な、なんだよ修」航は驚いてソファに座ったまま膝を曲げた。
修は航の前にきて正座した。
「それじゃあ、夏世っぺがあまりにも不憫ではございませんか」
「智兄、修兄がまともなことを言ってる」「おう」
航が弁解じみた口調で「特に文句も言われてないけど」と言った。
「文句を言うときは別れるときだったりして」陽が冷めた表情で言う。
「でも彼女、忙しそうだし……」
「だったら、航兄が都合を合わせりゃいいだろ。もう〆切なんか無いんだから」
智の言葉に航はぐうの音も出なかった。
航の返答をきかずに、智は話を進める。
「日にち決まったら教えてくれよ。航兄の服コーディネートしてやるからさ。
まさか普段着で行くつもりじゃないよな?」
「そのつもりだったけど」
「あの人の前の職場知ってる?ファッション誌だよ?
そんな爺むさい格好で来たら引くよ」
「爺むさい!?」
「普段は良いよ、普段はね。落ち着いた格好だし。落ち着き過ぎてるけど。
でもデートじゃありえないでしょ」
「行き先はっ!!」
「な、なんだよ修」
修はリビングを小走りで飛び出して、すぐに戻ってきた。
手にはかつて自分が美那江とのデートプランを立てるために参考にした雑誌を数冊抱えていた。
「これを差し上げます。どうぞご参考に!!俺のお薦めはっ!」
「どうも……」
放っておくと演説が始まりそうだったので、
早々に雑誌を受け取って礼を言って中断させたつもりだったが、修は構わず話を続ける。
「第2位映画!暗闇の中で2人きり、手なんか握っちゃったりして、
どうするどうする!?ねえどうする!?」
「ウザイぞ、修」航が笑顔で言った。
「僕、胸キュンなシナリオ書こうか?」
「それもいい」陽の申し出も即却下した。
夜になって、夏世から電話があった。
夏世は編集者という仕事柄、終業時刻などあってないようなものなので、
仕事が一段落したタイミングで夏世から電話をかける事が多い。
「月山さんの次のお休みの日はいつですか?」
『一週間後の水曜日にやっと1日とれました』
「ご都合よければ、一緒に……」
『すみません。今度の休みは実家に帰ります。
お正月も帰れなかったものですから、両親がうるさくて。
日帰りでちょっと顔だけ見せてきます』
航は少しだけ考えた。
『航さん?』会話に間が開いたので夏世が心配そうな声を出した。
「僕も一緒に行っていいですか?」
『航さんが!?』
「きちんとご挨拶しなければと思っていたので」
『それって、どういう……』
「忙しさにかまけて、遅いくらいなのですが。告白してからすぐに行くべきでしたね」
『告白って』
「承諾して下さいましたよね?」
『そりゃもう』
「あれ、プロポーズですよ?」
電話の向こうで何かが割れる音がした。
「大丈夫ですか?」
すぐ近くにいれば、割れる前に受け止めてやれただろうに。
『だ、大丈夫です!ちょっと驚いて』
「そういうつもりじゃなかった……?」
『……そうなれたら良いなあと夢みていました。
夢がいきなり現実になって驚いてます』
戸惑ったような嬉しさを噛みしめているような夏世の声に航も安堵の笑みを浮かべた。
翌朝、デートの日にちは決まったのかと弟たちは尋ねた。
「デート無くなったから」ソファで新聞を読みながら航が答えた。
「何やってんだよ、兄ちゃん!」
「修兄だってデートの約束くらいできたのに。振られたけど」
「智、てめーは一言多いんだよ!」
「まあまあ、2人とも。今はそれどころじゃないでしょ」
陽が修と智を仲裁した。
こういう日常もあとわずかだと思い、航が目を細めた。
「話は最後まで聞けよ。月山さんの実家に、ご挨拶に行くことにした」
「マジか!?」と智。
「ああ」
「まともにデートしたこともないのに!?」と修。
「デートをしたら上手くいくってもんでもないだろ」
デートをしたが振られた修が「お兄様ヒドイッ!」と陽に泣きついた。
「俺も、なにげにグサッときたんですけど」
女性との交遊関係が派手な智も苦笑いする。
「挨拶って兄ちゃん、結婚すんの?いつ!?」
陽のシャツを掴んだまま修が振り向いた。
「今すぐってわけじゃないけど。まずはご挨拶ぐらいは」
立ち直った修が拳をあげて高らかに宣言した。
「そういうことなら、われわれ弟たちも一緒に行くべきではないのかね!?」
「えっ!?」智よりも陽よりも先に航が驚きの声を出した。
修が無茶な提案をしたときは、いつも智が茶々を入れるはず、
と智を見たが智も「そうだなー。今なら都合もつけやすいし」肯定の返事。
ならば陽は?
「僕も賛成。航兄いつなの?」
それぞれが次のステップに進もうとする準備段階の現在。
突然の予定にも難なく対応できるだろう。つまり、3人の弟がついてくる、と。
「ま、いいか」
航は夏世の呆れる様子が目に浮かんだが、弟たちの提案を受け入れることにした。
一方その日の夜、夏世のアパートでは、夏世と元上司の川村亮子が手土産のケーキを食べていた。
「月山、プロポーズされたの!?」亮子が大口を開けて驚いた。
「されたというか、されているのに気づかなかったと言いますか」
「花園ゆり子に告白した月山もどうかしてるけど、
いきなりプロポーズした航さんもぶっ飛んでるわねえ」
フォークでケーキを一口サイズに切り分けて口に入れる。
「今すぐ、ってわけではないのですが」
「今すぐじゃないの!?」
亮子がずいっと身を乗り出してきた。その分後ろに下がる夏世。
「ダメよそれはー。
そうやってね、きちんと日取りも決めないと、
だらだらだらだら今の関係が続いて、永すぎた春になっちゃうの。
そうすると、いざ結婚しようと思っても、キッカケがなくなっちゃってね、
できちゃった結婚を狙うしかなくなるわけよ。
でもそんな計画性が無いことできないでしょ!?
仕事もってるんだし、年はどんどん取っていくし」
「あの、何故かすごく真実味を感じるんですが」
「そう!?気のせいじゃない!?」
夏世の脳裏には田中一郎と亮子が浮かぶ。
自分たちのことより、この2人こそ、どうなっているのだろう。
「わかったわ月山、私も行くわよ!」
「え!?」
「大丈夫!絶対ガツンと言ってやるから!!」
「ガツンって」
「来週の水曜日ね!有給とるわよー!」
張り切る亮子をよそに、夏世は航にどう言い訳しようか考えていた。
そして水曜日。
自家用車を持っていない夏世と航は駅で待ち合わせて電車で移動する予定だった。
「おはようございます」
かしこまって挨拶する夏世の背後から「やほー!」亮子が顔を出した。
「しゃぶしゃぶさんだ!」航の背後にいた陽が驚く。その横には修と智。
「あのー」夏世が遠慮がちに航に話しかけた。
「なんでしょう」
「田中さんも呼んだ方がいいような気がしてきました」
「そうですね。田中ちゃんも呼んでみますか」
夏世は田中一郎の携帯電話に発信した。
『がっさん、おめーなー、
いきなり今から来いなんて何様のつもりよ。無茶にも程があるだろうよ』
夏世は携帯電話を肩と頬の間に挟んだまま、両手の人差し指で小さく×とジェスチャーした。
航が手のひらを差し出してきたので、スピーカーから田中の怒声が聞こえる携帯電話を渡した。
「おはようございます。航です。朝からすみません」
途端にスピーカーからの怒声が止んだ。
「うちの弟たちや、川村さんもいらしているので、念のために御報告をと」
『亮子も来てんですか!?』電話の向こうで『あのバカ』と小さく毒づく声が聞こえた。
『ご迷惑おかけして申し訳ございません。
こっち片づけ次第駆けつけますんで、住所、教えて貰えませんか?』
ひとしきり話を終えて航は携帯電話を閉じた。
「田中ちゃんも遅れて来るそうです」
夏世と航と弟たちと亮子は予定通りの時刻に電車に乗った。
4兄弟は向かい合った4人掛けのボックス席、夏世と亮子はその前席に並んで座った。
夏世の背後で冷凍ミカンを持った修がはしゃぐ声が聞こえる。
「はい、月山」
「これ何ですか?」
「見てわからない?ゆで卵よ。
駅で売ってるものって何故か美味しいのよねえ」
「はあ」
亮子は、ゆで卵を頬張ってむせた。夏世が即座にペットボトルのお茶を渡した。
お茶を飲み下している亮子を見たあと、夏世は再び背後の席の様子に気をやった。
相変わらず修がはしゃいでいて、智がいさめ、陽はときおり笑っている。
航が適度にツッコミを入れながら、窓の外の風景を眺めていた。
夏世の実家は電車で2時間、徒歩15分のところにあった。
近からず、遠すぎずといった距離である。
玄関先で夏世の母が「あらまあ、大勢さんで」と出迎えた。
「突然押しかけてしまって申し訳ございません」
航が持参した手土産を渡して頭を下げた。
「片岡航さん」夏世が名前を紹介した。
「こちらが弟の修さん、智さん、陽くん」
「みなさん、ご兄弟?」
「私は違います」亮子が顔の前で手を振った。
「上司の川村亮子さん」
夏世の母は不思議そうな表情で頷いた。
「どうぞ上がってください。狭い家ですが」
「お父さんは?」
「フラッと出かけちゃったわ。照れくさいのかしらね」
母は居間の兄弟4人と上司1人にお茶をふるまい「食事の準備をしますね」と言った。
智が「お手伝いします」と母のあとを追った。
廊下から「店屋物を頼むので大丈夫」という母の声と、
「もったいないですよ。なんか適当に作りましょう。俺いつも4人分の飯作ってたんで」
という智の声が聞こえた。
「さとぴょん、なにイイコぶってんの?」修が首をかしげた。
「ひょっとして」陽が声をひそめて、修にだけ聞こえるように呟いた。
「まだ好きなのかな」
「なになに陽くん、それどういう意味!?」
「修兄、声が大きい。まさか気づいてなかった?」
陽は顔を動さずに目だけで航の様子をうかがった。
航は修と陽の会話に気づかずに夏世と談笑している。
修と陽は目を合わさず廊下の方を見たまま会話を続けた。
「智兄も、あの人のこと……」
修は大声を出す変わりに、口をパクパクさせた。
「兄ちゃんは……」
「たぶん、知ってると思う」
「なんで陽くん、そんな事情通なのよ?
っていうか俺だけヒミツにされてたわけ!?」
陽は大げさにため息をついた。
「修兄、少女漫画、向いてないね」
「うん。それ、今の俺には褒め言葉だね」
「陽ー、修兄ー!」
タイミングよく台所から智がと2人を呼ぶ声が聞こえて、修と陽はビクッとした。
2人は顔を見合わせたあとに、おずおずと台所に行った。
台所では智が野菜を切っている最中だった。
夏世の母は足りない材料を買いだしに行ったらしい。
「ボケーッとしてないで、手伝えよ」
「お、おう」
修が手近にあったオレンジを手のひらにのせてぐるぐる回した。
全く無意味な修の動作に智はため息をつき、
「2人とも、航兄に協力しろよ」
器用な包丁使いをしながら口をとがらせる。
「航兄の?」陽は探るような目で智の表情をうかがった。
「大事に育てた一人娘がよー、
いきなりヤロー4人兄弟の長男と結婚するなんて言い出したら、
俺が母親だったら全力で止めるね。見るからに苦労しそうじゃん」
実際、さんざん苦労かけたしなー、と3人はそれぞれ身に覚えのあることを思い返す。
「だから、俺らのことは大丈夫って、印象づけなきゃさ。
修兄だって、そのつもりでついてきたんだろ」
「え!?そ、そりゃもちろん!!」
修はただの野次馬根性だったとは言えなくなった。
「智兄」
「なに?」
「なんか、ごめん」陽は自分の邪推を心から詫びた。
「なにが?……って修兄、食ってんじゃねえよ」
こっそりつまみ食いをする修を叱った。
「ところで、あの人は何しにきたの?」
「さあ?」修と陽が一緒に首をかしげた。
あの人――川村亮子は夏世と航の真ん中に座っていた。
夏世と航は亮子越しに会話をしている。
会話の内容は他愛のないもので、ずっと目を閉じたままだった亮子がカッと目を見開いた。
「ちょっと航さん!」
「はっはい!?」
「さっきからウダウダウダウダ天気の話ばっかりして!
一体ここに何しにきたの!?」
「父は留守してますし」夏世が口を挟んだ。
「だったら、サッサと探しに行ってくればいいでしょ!?月山!」
亮子は目を閉じて人差し指を眉間にあてた。
「私が心配しているのはね」
目を開けて人差し指をビシッと航に向けた。
「この人が、一郎くんと私に遠慮してるんじゃないかってこと!!」
航は目を丸くして「いや、それは……」
「確かにね、7年前に私たちは1度ダメになったわよ。
でもね、それを根に持って自分達の幸せを掴みそこねるのは違うと思うの!」
「『根に持って』って……それは編集長では」
「『負い目を感じて』ですね」航が訂正した。
「そんな細かいことは、どうでもいいのよ!
とにかくね、変な義理立てするのは止めなさい!」
「そういうことはないです」航がキッパリと言った。
夏世と目線を合わせて2人で頷いた。
「田中ちゃんと川村さんが結婚するまで結婚しない、とかではないです」
「それにですね、編集長、今すぐじゃないっていうのは……」
夏世が航の言葉を引き継ごうとしたが、亮子がそれを遮った。
亮子は腕組みをして怒鳴った。
「な、なによ、だったら、サッサと探して来なさいよ!」
月山家を追い出された夏世と航が並んで歩いている。
「父は家出したわけじゃないんですけどねえ」
「まー、いいんじゃないですか。散歩しましょう。心当たりはありますか?」
夏世は頷いた。
「そういえば、初めてですね」
「え?」
「航さんと一緒に誰かを探すって」
「そうですねー」
しかも、こんなにも穏やかな気持ちで、と2人は思った。
夏世と航が辿り着いた先は家から10分ほど歩いた距離にある神社だった。
わりと大きな神社で毎年お祭りの日には、離れた町からも人が訪れるほどだという。
初詣や七五三の時期には賑わっているが、年中行事がない今の時期は広い境内が閑散としていた。
「父がよく散歩に連れてきてくれました」
境内の中でもひときわ大きな木のかげに夏世の父はいた。
父は木にもたれかかるように立ち、手にした紙のようなものを見つめていた。
「お父さん」
夏世が航より一歩進み出て呼びかけると、驚いた表情で振り向いた。
「迎えにきたよ」
父の視線は夏世を捉えたあと、航に向けて動いた。
夏世と航は父のすぐそばまで近づいた。
「お父さん、こちらは」
「片岡航です」夏世が紹介する前に、自ら名乗り頭を下げた。
「話は夏世から聞いています。あなたのことも、あなたのご家族のことも」
父は持っていた紙のようなものを航に手渡した。
それは夏世と夏世の父と母が一緒に写っている写真だった。
「この神社で撮した写真です。懐かしくなってしまってね」
航は写真を両手で持って見つめている。
「ご覧の通りの3人家族で、この子には寂しい想いをさせたかもしれません。
あなた方が4人兄弟だとうかがい、少し複雑な気分にもなりました」
夏世は父の言葉にハラハラしながら航の表情をみたが、
航がいま何を思っているのか読み取ることができなかった。
「私自身は2人兄弟の弟でしたが、4人兄弟の長男のあなたは苦労されたでしょう。
若くして両親を失い、弟たちを守り続け、自分のことをないがしろにされていたのでは?
そういうあなたの妻になろうとする娘を心配するのは、親の傲慢でしょうか」
「ちょっとお父さん、何言ってんの!?」
航は夏世を軽く手でいさめて、口を開いた。「僕は……」
「僕は今まで弟たちを守ることを口実に自分を犠牲にしてきました。
責任も重荷も何もかも1人で抱え込んでいました。
そのことが却って弟たちの負担になっているとも気づきませんでした」
航は夏世を見てから再び父を見た。
「これからは自分のことに一生懸命になろうと思います。夏世さんと一緒に。
夏世さんだけに苦労はさせません。
僕が1人で背負いもしません。
ふたりで分け合っていくつもりです」
航は父の手に写真を返した。
父は写真に目を落として、口元をほころばせた。
そして航に頭を下げた。
「夏世をお願いします」
航と夏世と夏世の父が月山家に帰宅した。
既に母は帰宅しており、腹を空かせた3人の弟たちが兄をなじった。
母は上機嫌で
「弟さんに家事習いなさいよ!今でもろくすっぽ料理もできないんでしょ!」
と夏世をせめた。
「そうなんですよ、ホントにこの小娘は……」
調子に乗る修の後ろ頭を、智がスコーンと叩いた。
「いてっ!なにすんだよ!」「なんだよ!」「やめなよ」
夏世の父と母は3人の弟たちのやり取りを見て、笑い出した。
「にぎやかで楽しそうね」母の言葉に夏世は笑顔で頷いた。
月山家で食事が終わる頃、家の外で車のクラクションが鳴った。
車から降りた田中一郎が表札を見て「ガッサン……」と呟いた。
家の中がざわざわする気配がして、扉が開いた。
夏世の父と母に見送られて、夏世と航、修、智、陽、亮子が家を出てきた。
「ちーっす」
田中一郎は頭を下げた。
「やだ、一郎くん、ホントに来たの!?」亮子が驚いた。
「ホントに来たのってバカヤロ、おめーがのこのこ」
「まあまあ、田中ちゃん」航が田中の両肩をポンポンと軽く叩いた。
突然の田中一郎の登場に戸惑う夏世の両親に、夏世が田中を紹介した。
「私の、師匠……みたいな方です」
田中が感動した表情で「ガッ……」と言いかけ、亮子が「つきやま!」と訂正した。
さすがに月山一家の前でガッサン呼ばわりはさせられない。
田中の到着と同時に月山家での滞在もお開きになったので、
田中は目的地に着くなりトンボ返りする羽目になった。
田中が運転してきた車にみんなを乗せようと人数を数えた。
「ひぃふぅみぃ、1人乗れねえな。ガッサン、おまえ電車で帰れや」
「なんで私1人だけ!?」
田中の一瞬の迷い無い判断に夏世が抗議した。
「むしろ……」航が拳を顎の下にあてて提案する。
「田中ちゃんと川村さんのお2人で帰られてはいかがですか?
僕らは電車で帰りますから」
「あ、それいいんじゃない?つもるハナシもあるでしょー」
智も賛同した。
田中は少しだけうろたえたあと、
「じゃ、じゃあ、な、ほら!」亮子を小突いて車に乗せた。
夏世と航と、修、智、陽は2人が乗った車のあとを見送った。
「ホント、あの人は何しにきたんだろうね?」修が呟いた。
「航さんにガツンと言いにきたらしいですよ?」夏世が答えた。
「ええ、ガツンと言われました」航がクスッと笑った。
夏世と航と弟たちは電車に乗った。
夏世が4人掛けのボックス席の前の席に座った。
「隣、いいですか?」
夏世が見上げた先には航の笑顔があった。
「え!?あ、でも、あれ?」
夏世が自席に膝をついて後ろのボックス席を見ると、
陽の隣に智が座り、陽の向かいに修が座っていた。
智が「俺、足長くてさー」と思いっきり足を伸ばし、
それを修が憎々しげに睨んでいる。
「ど、どうぞ」夏世が遠慮がちに答えた。
「では、失礼」航が隣に座った。
「無事に終わって良かったです」夏世がホッとため息をついた。
「そうですね」
背後から「でもさー」修の声が聞こえた。
「兄ちゃん、なんで今すぐ結婚しないの?」
「それ、俺も気になってた」
「あんまり待たせるのは良くないと思う」
「陽くんの言うとおりざますよ」
航が「それは……」と言いかけ、夏世が「違うんです!」と叫んだ。
「私が、お願いしたんです」
「あんたが!?」「夏世っぺのくせに?」「なんか意外」
3人が口々に言う。
「だって……ゴミの分別くらい出来ないと困るし」
「あ?あんだって?」修が聞き返した。
「ですから、私も働き続けるつもりなんで、結婚するからには、
ペットボトルが資源ゴミだってことぐらい知っててもらわないと!!」
3人の脳裏に智が家出したときの片岡家の惨状がよみがえる。
つまり、結婚するには航の家事能力に不安があるということらしい。
修が「この小娘、調子に乗ってない?」と囁き、
智が「うん、乗ってるな」と答えた。
「自分だって人のこと言えた義理じゃないのに」陽も2人の兄に同調した。
夏世は「ハハハ……」と身を縮めながら空笑いし、控えめに航を見た。
航は笑っていた。何もかも受け入れているような表情だった。
夏世と航と弟たちを乗せた電車が走ってゆく。
修が息を殺して、前席の2人の様子を覗いた。
「俺、もう1度、美那江さんにアタックしようかな」
「いいんじゃないの?何度アタックして何度振られたってさ」
「振られる前提で言うんじゃねーよ!」
「修兄、がんばって、……智兄も」
「陽もな」智が長い足を組み替えた。
今度は3人で席の背もたれから身を乗り出して、前席の2人の様子を眺めた。
航と夏世はお互いが身を寄せ合うように眠っていた。
おわり
以上です。
ありがとうございました。
とても面白かったよ
ありがとう
このシナリオで、特別編をやって欲しいなぁ
GJ!
なんか幸せそうで泣けたよ…。ありがとう。
GJ!GJ!
情景が目に浮かんだ〜!
GJ!
ほのぼのしたよ
GJありがとうございました。
大変申し訳ありません。みなえさんの漢字を間違えていました。美那絵さんでした。
GJ!!
ほっこりした!!
GJ!
何となくJR中央本線のイメージが浮かんだけど
夏世の出身地って公式設定あったっけ?
1話で陽くんが「北関東出身」と推測してましたね。
群馬か栃木?
夏世っぺが否定も肯定もしないから謎なんだよねー…>北関東
自分はなんとなく群馬あたりだと思い込んでたww
航兄の誕生日まであと一週間…
今年は金曜日か…夜はお祝いし放d(ry
確かにそうだねw
金曜日だから翌日のことを気にせず2人で…w
>>834 出身地も謎だけど、冬の生まれなのに何故に夏世なんだろう?
>>837 冬彦さんのドラマが放送されたのは夏だったね
夏世っぺが生まれた時月山一家が南半球に居たとか
航兄誕生日おめでとう!
おお!
航兄ぃ、おめでとさん!
航兄お誕生日おめでとう!
4兄弟で一番好きだ!
航兄お誕生日おめでとうございます!
今夜は夏世っぺとお楽しみでしょうか?
夏世っペ飲みすぎで一番につぶれる
↓
長男気質で寝かしつける航
↓
あの二人、なにやってんだよ・・・orzな3兄弟
もベタでいいかもと思った
胸のあたりをぽんぽんたたいて寝かしつけてふと胸に意識がとんで真っ赤になったらいい
「じゃ、そういうことで」と航兄が言って部屋を出て行こうとしたら
「ちょっと待って」と夏世っぺが止めればいい
べろべろの夏世っぺが皆の前で脱ぎだしたらどうなるんだろう…色んな意味で
「全員回れ右!前へ進め!」
航兄の掛け声で3兄弟はリビング強制退場させられると思いました
>>848-849 そのあと航兄が食べるのか…
でも夏世がひたすら航兄を襲って航兄がずっと受け身でタジタジって感じがいいなぁ
いつもと立場が真逆w
>>837-840 夏世っぺの両親は、似た者母娘のような気がする。
妊娠5ヶ月頃、産まれてくる我が子の名前を考えてたら、暑い夏の日で「夏世」を思い付いた。
でも、すぐさま旦那に「おいぉぃ、この子が産まれてくるのは1月の予定だから夏じゃなくて冬…」
とかの会話があったけど、結局最初に思い付いた名前で決めてしまった、とか。
しっくり来すぎてワロタ
>>851 父母の名前が判らないから書き難いだろうが、どうにか話を仕立てられないかな。
航と二人で帰郷した時に、母から自分の命名秘話を聞く設定とかで。
その後、二人が将来出会うであろう我が子の名前を考えつつ、子作りなれば…
夏世「(航さんの兄弟は、航さん、修さん、智さん、陽くん。やっぱり男の子なら一文字よね。何がいいかしら)」
航 「(冬生まれなのに、なぜ夏世さんなんだろう。それにしても可愛い名前だ。女の子なら季節を入れようか)」
子供ができるような事をする前から
その先を想像して夢見てそうな二人
もちろん、お互い口には出せない
自分はなんとなく夏世も航もネーミングセンスなさそうなイメージw
それで兄弟にそれはねーよって言われてみんなで会議
>>856 夢見がちな二人かわいいw
>>857 なんとなくわかるw
特に航兄はサボテンにレイチェルな人だからな…
>>856 せめて子供ができるようなことをしてから、そういうことは考えてほしいw
女の子の名前は智ぴょんが真剣に考えそう。
>>859 その上、当人らに断りもないまま、修が勝手に『命名○○』と毛筆で…
航兄と夏世っぺならやっぱ女の子かなー
女の子なら智ぴょんが、男の子だと修兄が構いまくりそう
航と夏世の赤ちゃんは女の子
二人が悩む間もなく、修が勝手に「命名 百合子」と墨で書いてしまった
感情が薄い二人のこと、
結局、「まあ、いいか」とそのまま決まってしまったのだった
ある日のこと
修「おーい、小娘。百合子ちゃんが泣いてるぞー!」
夏「きっとおむつが濡れてるんだと思いますけど、今手が離せないんです〜」
智「しょうがねえなあ、俺が替えてやるよ」
修「さとぴょん、いくら航お兄様の子供だからって、女の子のおむつを替えるなんてダメざます」
智「いいんだよ、そんなもん、俺は見慣れてるから」
修「何ですって?!お兄様をさしおいて!」
智「しょうがねえじゃん、俺は修兄と違ってもてるんだからさ」
泣いている百合子ちゃんを忘れ、とっくみあいを始める修と智。
ふと気づくと、百合子は泣きやんでいる。
陽「何やってるんだよ、二人とも。僕、替えといたから」
864 :
860:2010/08/20(金) 01:34:51 ID:OTAqy9EJ
>>863 名前が思い付かなくて『命名○○』で誤魔化しちゃったけど
女の子だったら『ゆり子』がやっぱり妥当なのかな〜!
兎にも角にも Good Job !
命名秘話の妄想を文章にしてしまいました。初めてで、本放送以来DVDも見返しておらず、
人物設定が間違っていたりしたらご容赦下さい。その上、稚拙・エロ無しで恐縮ですが…
投下します。 この類がお嫌いな人はスルーでお願いします。
夏世の生家に行くのは何度目だったろうか、今までは電車・バスを乗り継いで向かっていたが、
服の上からでもお腹が目立ち始める時期にさし掛かり、今回はレンタカーで行く事にした。
何度か来ているとは言え、地方都市の30年程前の新興住宅地、同じような家ばかりで迷わずに
運転出来る自信はなかったが「大丈夫ですよ。ちゃんと道案内しますから」という言葉を信じて
いたのだが…
助手席から聞こえてくるのは案内の声ではなく、気持ち良さそうな寝息だった。
妊娠が判った時点で仕事を辞めて家庭に収まる事も奨めてみたのだが、本人の希望が出産後も仕事を
続けたいとの事だったので、8ヶ月になる10月の末頃から産前・産後休暇をとり、それまでは仕事を
続ける事になった。
休暇に入る日取りまで残り2ヶ月余り、本来だったら仕事の引き継ぎも終盤戦となる筈だったらしい
のだが、引き継ぐ相手が突然に寿退社をしてしまったらしく、新人を一から教育しているとの事。
今はあまり無理をするべき時期じゃない筈なのに、まったくこの人は…
「ここを右だったかな?」
答えてくれるべき人は夢の中なのに、無意識に言葉が出ていたようだ。
「もう一つ先の鈴木さん家の角を右ですよ」
「あっゴメン、起こしてしまいました?」
「ごめんなさい、私の方こそ」
「頑張り過ぎるのも程々にして下さいね」
「えっ、…」
「ただいま〜!」
夏世の声が聞こえ、グリルの火を消し玄関に向かうと、車を駐め直していた航さんも丁度玄関に
入ってきたところでした。
「お邪魔します」
「相変わらず堅苦しいわね。さっ、上がって、上がって。今食事の支度してるから」
二人に背を向け台所に引き返しながら少しだけ様子を窺ってみると、航さんったら夏世に相当
気をつかっているみたい。
食事の支度を再開して暫くすると、夏世が台所にやって来た。
「ねぇ、お父さんは?」
「さっきまで居たのに、急に姿が見えなくなっちゃったのよね」
「もうっ、いっつもそうだよね!」
「そのうち帰ってくるでしょ。それより手伝って」
「あのぅ、僕は何をすれば宜しいでしょうか?」
「「航さんは座ってれば良いから」」
二人の声が不意に重なって、思わず笑ってしまった。
料理の方は、あとは盛り付ければ出来上がりだけど、お父さんが何時戻ってくるのか判らないので、
取り敢えず居間でお茶にする事にした。
「お義父さん、僕の事が気に食わないんですかね…?」
「そんな事はないわよ、照れ屋なだけ。まったくいい歳して…」
そんな他愛もない会話がどれくらい続いただろうか、夏世のお腹に目をやり、ふと思い付いた事を口走った。
「そう言えば、子供の名前はもう考えたの?」
「まだ5ヶ月もあるのよ。これからじっくり考えるわよ。」
「あらそう、私があなたの名前を考えたのは、丁度今ぐらいの時期だったんだけどね…」
「私が産まれた頃って、5ヶ月ぐらいでお腹の子が男か女か判るもんだったの?」
「別に先生に確認した訳じゃないけど、何となく女の子だって思ってた」
「ふ〜ん」
「あなたがお腹にいた年の夏は暑くってね〜!、それで夏世って思い付いたの」
「ふ〜ん、てっ、何だか凄くいい加減じゃないの」
「お父さんにも最初そう言われたけど、結局気に入ってくれたし、良かったんじゃない?」
「「………」」
夏世と航くんが家に着く時刻が迫っていたが、ふと思い立って書店に向かった。
姓名判断やら何やら書籍を物色していたが、名前を決めるのは親の仕事だし、あまり口を挟むのも
どうかと思い直し、取り敢えず手ぶらで家に帰る事にした。
玄関前に着くと、見慣れぬ「わナンバー」の車が駐まってるので、二人はもう着いているようだ。
「また航くんに変な気を遣わせてしまったかな…」
考えていても仕方がないので、玄関を上がらず庭先から居間の方に回っていく事にした。
「それで、男の子なの?、女の子なの?」
居間からお母さんの声が聞こえてきた。別に盗み聴きをするつもりはなかったが、少し足を止めて
3人の会話を聞いてみる事にした。
「お医者さんに聞けば教えてくれるんだけど、敢えて聞かないようにしているの」
「あら、そうなの?、じゃぁ、名前を考えるのも二通り考えておかなきゃじゃない」
「お母さんの勘じゃないけど、何となく女の子のような気がするの」
「もしかして、実は名前も既に決めてとか?」
「まだ決めてないって。でも、考えてはあるけど秘密。ヒントは『ヒミツ』」
「なにそれ、航さんはそれで良いの?」
「僕は月山さんが良いと思う名前なら、それで良いと思いますよ」
「おぃおぃ、一体いつまで夏世の事を月山さんって呼んでるんだい」
3人の会話をもう暫く聞いていようかと思っていたが、思わず声を出してしまった。
「あらっ、帰ってきてたんなら直ぐにこっちに来れば良いのに…」
「お父さん、ただいま!」
「お義父さん、お邪魔しております」
3人の視線が一斉にこちらを向いて、思わずたじろいでしまった。
「でも航さんも航さんよねぇ。まぁ、お父さんだって、夏世が生まれる前は…」
「そんな事より、飯にしようや。航くんも夏世もお腹が空いてるだろ」
「誰の為に食事の支度を中断していたと思ってるんでしょうねー」
「……」
二人が視界の端で苦笑いしているのが、何だか懐かしく思えた。
行きも帰りも運転させては申し訳ないので「少しぐらい運転代わりましょうか?」と言ったら、
逆に怒られてしまった。結婚・妊娠まで来ても航さんの扱い方が掴みきれません。
お父さんとお母さんはどんな感じだったんだろう?
そんな事を考えていたら、航さんが不意に話しかけてきた。
「さっき子供の名前は未だ決めてないけど、考えてはあるって言ってましたよね…」
「あっ、ごめんなさい。大事な話なのに航さんにちゃんと相談してませんでしたよね」
「別に構わないんですけど、どんな名前なんですか?」
「さっきも言ったけど『ヒミツ』です。ヒントは『ヒミツ』『ヒミツの花園』」
「もしかして女の子の名前って…?」
「ふふっ、多分それで合ってますよ」
「良いんじゃないですか。僕も賛成です」
「そう言ってくれると嬉しいです。あと予定日が1月3日だから、少しずれると母娘で同じ誕生日に…」
「それはどうなるでしょうね。僕は無事に産んでさえくれれば…」
都内に入り、先に私をマンション前で降ろしてからレンタカーを返しに行くと航さんは言っていた
けど、二人の時間が少しでも欲しくて一緒にレンタカー屋さんから歩いて帰宅する事にした。
二人の時間も残り少しで、これからは親子3人での暮らしになるのかな?
その前に新居を探さないと、親子3人にはならないんだけど…
陽くんが留学から戻ってくるまでは、航さんの事だからあの部屋はそのままにしそうな気もするし…
私自身、修さんや智さんが嫌いな訳じゃないから別に構わないんだけど…
等々と考えていたら、もう玄関の前に着いてしまった。
玄関の鍵を開け、リビングでソファに腰掛けると奥の部屋からドタドタと誰かが走ってくる音、
誰かと思えば修さん、筆で何かをしたためた半紙を握りしめ、私の前に仁王立ちになった。
「おいっ小娘、喜べ。生まれ来る新しい生命に素晴らしい名前を考えてやったぞ!」
そこに書かれていた文字は…
『命名 ゆり子』
修さんの背後にいる航さんの目が怖いです。
やっぱり子供の名前はもうちょっとキチンと考えるべきなのでしょうか?
(終)
申し遅れましたが、他の方々のアイディアを一部借用した事、
事後承諾になってしまいますが、どうかお許し下さい。
ところで、5ヶ月後の出産パートを智&修視点でプロットまでは
書いたんですが、私の夏休みは今日までで終わってしまうので、
気が向いたら正月に続編として投稿しよっかなと思ってます。
それでは、また会う日まで。ごきげんよう。
869様とってもほのぼのしてて世界観があっててにやにやしちゃいましたよん!
正月までがんばって保守しますw
GJ!
座ってればいいからに噴いたw
GJ!
お正月が楽しみだ
>>869 GJ!
父親と母親、そしてこれから父親と母親になる人の視点で書かれているのがおもしろかった。
修の命は無事だったんだろうか……
暦は秋なのにこう暑いと、夏バテした夏世っぺの食欲が落ちて痩せてしまい、
航兄の大事なオッパイが減ってしまうのではないかと心配です……
航兄なら夏世っぺのおっp…体調管理に全力を尽くしてくれると信じている
触診の頻度はどのくらいだろう
毎年9月になると、なんとか修兄に夏世っぺのおっぱいをモミモミさせてあげられないか試行錯誤しては挫折する……orz
航兄ばっかりモミモミしてズルい!
気を落とすなおっぱいには十話で修兄が先に触ったじゃないか!と思ったけど
良く考えたら九話で寄り掛かってぱふぱふされた陽君が先か…
陽君にしか許されない行為だね、あれは
エロなしの単文ですが投下させて頂きます
人生初めての作品なんでいろいろ支離滅裂かもしれませんがお許し下さい
9話の航と田中ちゃんのみなえでのシーンから妄想してみました
「彼女が頑張れば頑張るほど、隠し事してるのがつらくなっちゃうんです」
(それが恋だと…この人は気づいているのだろうか)
(出逢った頃の彼はまだほんの青年だった
その頼りない肩に、3人の弟達と父親の罪をずっしりと背負い、出口の見えない迷路で立ち尽くし瞳には深い絶望を宿した青年だった)
「じゃあ、しょうがないですよね」
田中は強面のルックスに似合わぬ人懐っこい笑みを浮かべながら、航にそう応えた
航の深い絶望を知っている田中には、軽々しく航の背を押すことはできないからだ
若くして重い荷を背負わねばならなかった航の気持ちを田中はよく理解していた
田中とて花園ゆり子を守る為に婚約破棄までしたのだ
弟達を守る為に自分の夢を犠牲にした航、花園ゆり子を守る為に愛する女を犠牲にした田中
2人は戦友のような絆で結ばれているのかもしれない
その証拠に田中と航は時々こうして2人酒を酌み交わし、航は田中にだけ本音をポツリとこぼすのだ
「あのことは…いつまで隠しておくつもりなんですか?」
「あと2年、陽が二十歳になるまではこのままでいるつもりです」
「あと2年かぁ」
田中は宙を見るともなしに見ながらしみじみと呟いた
(あと2年、この人は彼女への気持ちを押し殺すことができるのだろうか…)
彼女、月山夏世は美しい
陽が二十歳になる2年の間に彼女を見初める男が現れないはずはない
すでに航の近くにもいるのだ
夏世が花園ゆり子の担当になってから、彼らを取り巻く環境は大きく変わった
田中は酒をあおりながらこの数ヶ月に起こった様々な出来事を思い返した
「ごめんなさいね、エシャロットきらしてて」
「すいませんね、わざわざ買いに行かしちゃって」
ほんの数ヶ月前まで檻に閉じこもっていた彼が恋をしたのだ
人を愛しく想ったとき、その瞬間に発生する大きな力
それはとても強く激しくすべてをさらう
(その力は彼の檻を壊すことができるのだろうか…)
そんなことを頭の隅でぼんやりと考えながら、田中はまた人懐っこい笑みを浮かべ女将に応えるのだった
了
以上です
名前の漢字とか間違ってたらすみません
あと本当に文章が下手ですいませんorz
暇つぶしにでもなれば幸いですm(_ _)m
いいよいいよGJだよ
田中ちゃんカッコヨス
良いね良いね〜ドラマがしっかり思い浮かんだ
>>879です
ありがとうごさいます
また浮かんだら投下しますね!
GJです!すごく良かった
修兄おめでとー!
修兄おめでとうざます。
多分ゲゲゲを毎朝見てたと思います。
修兄ぃ、おめでとサン!!
つか、修兄ぃの「おめでとう」が聞きたいよな…
あの 無駄に美声 で
ぎりぎり間に合った…
修兄おめでとう!
修兄誕生日の小ネタです。会話のみのエロ無しです。
修「今日は何の日か知っているか!?」
航「月末」
陽「……秋の交通安全週間」
智「クレーンの日」
修「え?いや、あの、やだなあ、みんな。今日はボクの誕生日――」
智「いつも『俺は永遠の少年だー!』って言っているのはだあれ?」
航「永遠に年をとらないのに誕生日だけはあるなんておかしいよな」
修「ひ、ひどい!みんなひど過ぎる!」
夏世「こんにちは」
修「夏世っぺー!」
夏世「……か、顔が近い」
修「夏世っぺは今日が何の日か知っているよね!」
夏世「当然です!」
修「――夏世、愛してるよ。
美那絵さんと陽君と智ぴょんと航お兄様と田中ちゃんの次位に!」
夏世「だから顔が近い!
今日は月刊チャーミーの〆切りです!原稿ください!」
修「もう嫌だもう嫌だもう嫌だもう嫌だ――」
夏世「あの〜、私、何か変なこと言いましたか?」
航「……ほっといていいですよ。あとは僕が仕上げますから」
陽「ねえ、航兄怒ってる?」
智「かなりな。自分の目の前で『愛してる』なんて言われちゃったからな」
陽「自分でもっと言えばいいのにね」
智「そうだぞ、陽。愛の言葉はまめに言わないとな」
陽「智兄はいろんな人に言い過ぎ」
修兄、誕生日当日に間に合わなくてごめんなさい。
エロいネタ書けなくてごめんなさい。
愛してるがあの美声で再生されたw
GJ
一日遅れたけど修兄おめ!
修兄大人気(?)で、自分が涙目。
こんなに愛されてるじゃないか・・・!!
修兄オメ〜!
乗り遅れたけど修兄おめでとう!
ついでにage
>>889 ワロタGJ
修兄おめでと!
遅くなって申し訳ないざます。
しかしプレゼントがまったく思いつかない。
半紙と筆と墨とか?
895 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 16:36:07 ID:jLjVcnSS
このスレッドは終わりました。
もう書けないので、早く潰れてくださいです。。。
897 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 02:21:45 ID:YQfaVNBj
ほしゅage
娘が生まれたら航兄は嫁に出すのにものすごく反対したりするんだろうか
一人娘とかになったら航兄より智とか修兄の方が大反対しそうww
900 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 20:55:08 ID:+kEzVYjY
2010年にしてドツボに嵌ってしまいました。勢い余って書いてしまったので、投稿させて下さいませ。
・航×夏世です。エロなし、長めで申し訳ない…。
・その上初チッスという驚きのシャイなあんちくしょうですが、それでもよろしい方はどうぞです。
「ですからね、それがこいつの小学生時代の象徴とも言うべき出来事でして、だからこんなうつけ者に気を使うことなんてこれっぽっちも、そう全く必要無いんです!」
「あら、そんな昔から仲が良かったんですね」
美那絵は修と智を見比べ、微笑んで言った。
美那絵が経営するここ「みなえ」の店内は、実質上五人の客の貸し切りとなっていた。
たった今美那絵の目の前で熱弁を振るっていた片岡修と、曰くうつけ者である弟の智、その兄弟である航、陽、そして月山夏世である。彼らはテーブル席に背を向けて、カウンターに連なり自宅よろしく寛いでいた。
片岡兄弟の家は近所で、「みなえ」は彼らの行きつけの店だ。この日も例によって兄弟全員で店へ足を踏み入れたのだが、紅一点である彼らの担当編集者、夏世も含めた五人で訪れるのは少々久しぶりのことだった。
彼ら兄弟が漫画家花園ゆり子の解散を宣言する少し前からだろうか、五人が揃っている姿を美那絵は見た記憶がない。
美那絵さんには、という前置きのもとで修から解散の知らせを聞き、余計なお世話かと思いつついささか心配していたのだが、そんな懸念もこの日の健やかな彼らを見るとまったくの杞憂だと知った。
彼らが始めて夏世を伴って来た時から、度々五人で食事をしては、子供のようにふざけ合っている姿を見て、美那絵自身も楽しい時間を過ごしたものだった。
仲の良い彼らが見られなくなるのは寂しいものだ。花園ゆり子が解散するとあってはまるきり元通りとはいかないだろうが、揃って足を運んでくれたということはこれからも付き合いを続けてゆくということだろう。
なんにせよ、彼らの陽気な会話を引き続き楽しめるというのは、美那絵にとっても嬉しいことだった。
ところで、久しぶりといってもそう長い期間が空いたわけではない。だから様子が違えばすぐにわかる。
この日も彼女、月山夏世が暖簾をくぐってきた時から、なんとなく気もそぞろというのだろうか、落ち着かなげにしているのに気が付いた。
どうしたのだろうか、と訝しく思うのもつかの間で、兄弟達に押し流されるようにして彼女の行き着いた先がいつもの席ではないと知ると、ある程度の合点がいった。
彼女の様子の原因はある人物なのだろうということ。
詳細はわからない、でも、
(これは…つまりそういうこと、なんでしょうね)
なんて可愛らしいのかしら。一人笑みを濃くした美那絵は、目の前でいわくありげにニヤついている修へと酒を勧めた。
903 :
航×夏世ー2:2010/10/21(木) 00:12:04 ID:LCpYIGyB
こうして五人集まるに至ったことの起こりは数時間前に遡る。夕暮れの橙も鮮やかな、片岡家のリビングでのことだ。
玄関先ではがちゃり、と控え目な音を立てて扉が閉まり、次いでスリッパの床を擦る音が響く。カサカサという音はゆったりとリビングに近づき、やがて入り口付近で止まった。
「ただいまー」
「おう、お帰り兄ちゃん」
「お帰り」
ひょっこりと顔を覗かせた航に、修と陽が応じる。
「あれ、智は?」
「さあ、なんか出掛けてったよ」
夕飯はこっちで食べるって、と陽が続けた。
仕事か、引越しの関係だろうか、と航は考える。
智は近ごろ前にも増して外出する時間が増えていた。逐一報告する義務はないものの、以前智自身が呟いていたことによると、どうやら一人暮らしのための準備を着実に進めているらしい。
まめでそつのない智のことだから彼への心配は無用だろう。それよりもこっちの生活が問題だ、と物思いに耽りそうになったところを修の声が遮った。
「ねえねえ、それよりあの人はどうだったの」
「あの人?って誰のことだよ」
「またまたとぼけちゃってー。まあね、あんなボケ娘と一緒にいたなんて恥ずかしくて言えない気持ちはよくわかる、うん、よくわかる」
「おい修…?」
「いや!まあまて、わかるけとコソコソすることないだろ、まーったくイケズなんだから!」
「いや、だから…」
「兄弟の間に隠し事も遠慮も必要ございませんのよ、なー陽くーん」
「だから何を言ってるんだよ。ボケ娘って月山さんのことか?」
「え」
修はぴたりと動きを止めた。
航は弟の様子など知らぬげな顔をしてもくもくと上着を脱いでいる。
「え、だって兄ちゃんしばらく外に出てくるって…」
「だからスケッチしに行くって言ったろ?」
「でもそれにしてはいつもより随分帰ってくんの遅いし…」
「ああ、今日はちょっと足延ばしてたんだよ」
久しぶりに気持ちよく晴れたからなぁ、とソファの背に両手を掛け、青空を思い出すように航は天井を仰いだ。
「え、なに、ちょっとまって。ちょっと待ってお兄様」
「なんだよ?」
「じゃあお兄様は、この恰好の…デ…日和に小娘とは会わなかったって、え、そゆこと言っちゃう?」
「だからそうだって言ってるじゃないか。だいたい月山さんは今日も仕事だろ。邪魔するわけにはいかないだろう」
もういいか、部屋戻るからな、とため息混じりに修に言うと、やれやれとばかりに航は踵を返した。
ところを修が手を掴んで制す。
「航兄、あの人とはまめに会ってるんだよね?」
まだ何かあるのかと振り返ると、次に問いかけたのは陽からだった。お前までどうしたんだ、という顔をして航が答える。
「いや、そういうわけにもいかないだろう、あの人にも仕事があるんだから。編集者がいかに大変かは俺達も良く知ってるじゃないか」
「…修兄」
「よっし陽くん任せとけ!…………あ、もしもし小娘?緊急集結命…何仕事?もうすぐ?しょーがない終わってからでいいから美那絵さんとこに集合だからな!いいかすぐ来いよすぐ!」
904 :
航×夏世ー3:2010/10/21(木) 00:15:13 ID:LCpYIGyB
「でね、その時のこいつの顔といったらもう傑!作!ですよ!いやぁ美那絵さんにもお見せしたかったなぁ」
「お前の今の面の方が傑作だけどな」
「なんだとう、お前お兄ちゃんに向かってまたそんな口を」
「あ、美那絵さん、最近ここら辺も変質者っていうの?増えてきたみたいだから。気を付けて下さいね」
「おま、俺を変質者呼ばわりする気?おい、聞き捨てならねえなおい」
「あぁ悪い、お前は既に人外だったな」
カウンター席の片側だけが先ほどから賑わい続けていた。修と智の他愛ないやり取りが、喧騒とも言える騒がしさを店内に提供している。
一方その反対側、五人の真ん中へ着席した陽とその隣の夏世、一番奥の航は修達の会話を眺めながらもしめやかに食事を口にしていた。
修が立ち上がって智に食ってかかるのを横目に、夏世はビールの入った目の前のグラスに手を付ける。きりりとした苦味と、炭酸の弾ける感触が喉に広がる。
先ほどからこうしてちまちまと口を湿らせているので、飲み始めの爽快感はもうない。
グラスを手元に置く振りをして、夏世は隣の航をちらりと盗み見た。
航は煮物に箸を付けており、顔は少々俯き気味だ。一見無表情のように見えるので心境のほどはさっぱり分からない。
最近になってようやく落ち着いてきたものの、花園ゆり子の解散が決定してからこれまで、夏世は目の廻るような忙しさの中をひたすら走っていた。
花園ゆり子の休載についての事務処理や、新しく迎える作家への対応などに追われていたのだ。
そんな最中で、ついこの間、夏世は航と想いを通わせた。
夏世にとっては青天の霹靂とも言える出来事だった。
修に最終話の原稿が描けないと泣きつかれ、参考にするからといってウェディングドレスを着せられ、告白しろとせがまれ、たにも関わらず最終的には自分が告白を受けた。
目頭が熱くなるほど嬉しくも驚くべき大事件であり、未だ夢ではないかと半信半疑になることがあるくらいだ。
ただ、その後に劇的な変化が訪れたかというとそうでもない。
今日までの間、彼とは花園ゆり子の最後の庶務のための打ち合わせで数回顔を合わせていた。いわゆる仕事上のお付き合いでは何度か会って、話もした。
夏世としては大変喜ばしいことに、その中で以前とは違う関係になったと実感することも度々あった。
会話の途中、ふと目が合った時の柔らかな表情や、たまに駅まで送ってくれる時に接する彼の態度にこれまでにない暖かみを感じた。
そしてそれらは疲れた体に鞭を打つ生活の中で、かけがえのない活力の源となった。
しかし、それだけだ。
多忙な日々を送る中でも、航に会う機会が欲しいと思わないわけではなかった。思わないはずがなかった。無性に顔が見たいと感じることもしばしばあった。
それは仕事を終えて帰宅した夜であったり、少し空いた昼の時間であったりしたのだが、その度にこの深夜では迷惑だろうとか、
こんな真っ昼間では忙しくしているだろうという理由で躊躇して、携帯の画面に表示された「航さん」という文字とにらめっこしているうちに結局諦めてしまうのだった。
(もしかして、あれからオフで会うのって今日が初めて…?)
夏世がそのことに気付いたのは、美那絵の店の前で彼ら兄弟に挨拶した時だ。
それはつまり、航と「恋人」として過ごしたことがない、というほろ苦い現実への直面だった。
905 :
航×夏世ー4:2010/10/21(木) 00:17:30 ID:LCpYIGyB
(あれ、私と航さんって恋人同士ってことでいいんだよね?うん…うん、そうよね)
夏世は、もし亮子に聞かれたら滔々と長口舌を振るわれるであろう独り言を胸の内で呟いた。
これで何度目になるのだろうか。席へ着いてから幾星霜、夏世は似たような内容の問答を繰り返している。
(で、今は仕事とか気にしなくて良くって?席も、一応、隣だし?…いやでも、兄弟がいるところでどうこうってそんな、ねぇ)
コップを握りしめながら眉を寄せる。
(あぁもう、どうしよう。どんな顔すればいいんだろ、っていつも通りでいいんだろうけど…そもそもいつもって)
「月山さん?」
「は、はい!」
びくりと背筋を伸ばし、強張った顔で航に向き直った。いくらか心配そうな彼と目が合う。
彼の片手にあったビール瓶がひょい、と持ち上げられて傾けられ、夏世は慌てて会釈し、グラス を差し出した。
「あの…すみませんね、付き合わせちゃって。毎回毎回」
「い、いえいえそんなこと!私も楽しんでますから」
「でもお仕事、忙しいんじゃないですか?こんな時間に…」
「あ、いえ、明日休みなんで…」
「あぁ。あ、そうですか。それなら良かった」
うん、うんと頷いて瓶を上げた航は再び正面に向き直った。
夏世は八分目まで丁寧に注がれたグラスを手に、ちびりと一口舐める。一呼吸置き、意を決して自分からも話しかけた。
「あの、今日はどういう集まりなんでしょう?」
「ああ、陽の門出を祝う会、とかなんとか」
夏世の緊張は一瞬、衝撃によって吹き飛ばされた。
「え!?陽くんもう行っちゃうんですか!?」
「あ、いえ、まだ先です」
「え?」
「似たようなこと、何度もやってるんです」
「はあ…」
「この前は留学先での健康を願う会、だっけ?」
陽が眉をひそめながらぼやいた。
「そうそう」
結局飲む口実が欲しいだけなんだからなぁあいつらは、と航が笑う。穏やかに目を細めた彼はいかにも包み込むような温もりに満ちていて、つられて夏世も笑みを浮かべた。
父となり母となって見守ってきたであろう彼の、弟を見詰める眼差しはどこまでも優しい。好きだなあと感じる瞬間である。
ほんの少しの羨ましさと、それを大きく上回る温もりを胸に今度は陽へ問いかけた。
「陽くん、留学の準備は進んでるの?」
「ん、まあそこそこ?」
「そっか。陽くんがいなくなっちゃうと寂しくなるな」
「そう?」
「そうだよ、当たり前じゃない」
「でもあんたには航兄がいるじゃん」
がしゃん、という皿と皿のぶつかる音が店内に響いた。
そのからしばらくは陽のイギリス留学の話題で盛り上がり、陽の前途を祝ってしみじみしたところで酔った修に一本締めを迫られ、笑ったり呆れたりしながらも全員でぽんと締めくくった。
そしてあれよあれよと言う間に帰宅する運びとなった。
すっかり身支度も済ませた夏世は、美那絵への挨拶もそこそこに外へ出た。引き扉を閉め、夜風に上着の裾を合わせる。既に路地で待っている兄弟へと向かい合い、頭を下げた。
「今日はどうもありがとうございました。ご馳走になっちゃって」
「ああ、気にしないで下さい。こちらが無理言ってお呼びしたんですから」
航が手を振る。頭を上げた夏世は航の柔和な笑みに少しだけ胸を疼かせながら、照れくさそうに笑い返した。
「ありがとうございます。それじゃ、私はここで失礼します」
「ええ、じゃ、お気をつけて」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
軽く会釈してその場を去る夏世を、会釈を返しながら航が目で追う。
彼女にはまた我が侭を通す形になってしまったが、なんにせよ今日顔が見れて良かった、と航は思う。
名残惜しい気もするけれど、時間も時間なのであまり引き留めるわけにもいかない。それに、激務に追われて疲れていないはずがないのだ。ゆっくり休んで欲しい。
遠ざかってゆく背中を見送りながら、次に会えるのはいつになるのだろうかと、航はぼんやり考える。また仕事で会うことになるのだろうか。
それも仕方ないか、と息を吐き、更に小さくなった背をじっと見詰める。
尚も見詰める。
906 :
航×夏世ー5:2010/10/21(木) 00:22:43 ID:LCpYIGyB
「って何やってんの」
智がのけ反った。
「んー?」
「んーじゃないよ、何ぼーっと突っ立ってんだよ」
「ぼーっとって…」
「さっきの俺たちの話聞いてたでしょ?」
「え?」
「変質者だよ。この辺ホントに多いの。溢れてるの」
「あ、ああ」
「そんなとこ女一人で帰すわけにいかないでしょ、ほら」
智が航の腕をぐいと引っ張る。
「ほれほれお兄様、とっととお行き遊ばせ!」
智と修に文字通りどんと背中を押されて、航は僅かによろめいた。
「わかった、わかったから」
後ろを振り向いてそう言い放ち、航はぱたぱたと上着をはたく。戸惑いの入り雑じった表情で弟達をちらりと見やると、さっと翻って夏世を追いかけ始めた。小走りに夏世の背に向かう。
「ようやく行ったな」
「うん」
智の言葉に陽が答える。
たたっと軽やかな足取りで遠ざかる航を、修と智、陽が見守る。
「…あれ、どう思うよ」
ややあって智が呟いた。
「んんー、相変わらず常春だねぇ」
「…まあ、一方は少女漫画描いてるし。もう一方は編集だし」
いんじゃない、と呆れたようなため息と共に陽がこぼす。
「少女、どころじゃねぇだろ。あれじゃ幼女だ幼女」
ったくデートの一つでも取り付けてこいよー、と智は遠くに呼びかけて笑った。
「月山さん!」
「え?」
振り返ると航の姿が目に入り、夏世は体がふわ、と浮くような感覚を覚えた。彼は少し息を乱しながらこちらへと走り寄ってくる。
なんとなくテジャヴを感じつつ、夏世は歩みを止めて航を待った。今度は何だろうか。コートは今着ているし、また何か忘れ物でもしたのだろうか。
「航さん?どうしたんですか?」
到着した航の手には何もない。夏世はあれ、と怪訝そうに航を見る。
「あ、えと…ここのところ本当に変質者が多いらしくて」
「あ、さっき智さんが言ってた」
「ええ、そうです、それ」
頷いて、だから、と航が続ける。
「…送らせてください」
航はくすぐったそうに夏世に告げた。
夏世は一瞬の間ぽかんと航を見詰める。やがて内容を理解すると、みるみる頬が綻んで、満面の笑みになってゆくのが自分でもわかった。
やった。もう少し一緒にいられる。
夏世は大きく頷いて、降って涌いたような幸福を噛み締めた。
「はい、よろしくお願いします」
907 :
航×夏世ー6:2010/10/21(木) 00:24:08 ID:LCpYIGyB
それじゃ行きますか、という航の声を合図に二人はしんと静まり返った住宅街の夜道を歩き始めた。
深夜とまではいかないものの人通りはない。耳に入る音といえばコツ、コツと響く夏世のハイヒールと、時折リンと鳴く虫の声くらいだ。
定間隔に置かれた街灯に二人はぼんやりと照らし出され、墨を溢したような影を足元に落としている。
影を追うようにして足元へ目線を落としていた航が、そのまま口を開いた。
「だいぶ暖かくなってきましたね」
「そうですね」
「もう桜の時期、ですね」
「そうですねぇ」
鞄を持つ両手に目を落としていた夏世も、その目線のまま答えた。
体がふわふわと浮いているような感覚が未だに夏世の全身を包んでいる。思考が奪われるようで、少し戸惑うほどだ。
前に送って貰った時もこんなだったっけ、と夏世は思わず考える。確かにすこぶる嬉しかったのは覚えているが、過去の気持ちを秤に掛けることはできない。
夜という空間の成せる技なのだろうか。そうかもしれない。
(あと、そうよ、さっき恋人だからどうの、なんて考えちゃったから)
夏世はふと瞬きする。
…そう、恋人。夏世は心の内で呟いた。
隣を歩く男性は自分の好きな人であり、しかも相思相愛らしい。向こうも自分を好きでいてくれているというのだ。
そのことを改めて思い浮かべると体がカッと熱を帯び、ふわふわと宙を浮いているような感覚に拍車がかかる。
嬉しい。夏世はもう何度繰り返したかわからないその言葉を胸の内で思う。
隣をちらりと盗み見ても、やはり俯き気味の彼の表情は伺い知れない。微笑んでいるようにも見えるし、そうでないようにも見えるが、夏世にはもはやどちらでも良かった。
顔を上げて目の前を向くと、そろそろ川沿いの道へ差し掛かろうというところだった。
このままあっさり帰りたくない。まだ電車もあるのだし。
夏世は考え込み、ほんのちょっとした計画を企てる。そして、実行することに決めた。
隣を歩く彼女がいつになく静かだ、と航は思う。
騒々しいほどの多弁というわけではないけれど、今まで会話と言えばほとんどが彼女の先導で成り立っている。そして今自分達は無言で歩いている。
訝しく思った航はこっそり彼女の様子を窺ってみたのだが、顔をしかめていたり、かと思えば微笑みに似た表情を浮かべてみたり……何を考えているのかはまるで分からないが、ともかく何事かを思案している様子だったので、尋ねるのはやめることにした。
こうして二人でこの道を歩くのはいつぶりだろうか。彼女や、自分も花園ゆり子の活動休止の煽りを受けて忙しない日々を送る中で、時たま駅までの道のりを並んで歩く時間を航も大切にしていた。
彼女の声が聞こえ、その表情、姿を側で見ることが出来る貴重なひとときだ。
会話も無いなら無いで構わなかった。彼女がそこに、体温も感じられるほど近くにいるということが重要だった。
とはいえ、ささやかな散歩の時間を過ごすだけで全てが満足するかといえば、そうではない。できることなら会う時間を増やしたいし、触れたいとも思う。
ただ、この気ぜわしい日々を作り出したのは自分達兄弟であり、更には自分の下した決断が原因だということが航の心に纏い付いていた。
今や常に仕事に追われている印象の夏世に、この上自分の我が侭を聞いてもらうのはいかがなものか。
仕事であれ成り行きであれ彼女と接する事は出来るのだから、今は偶然できた機会を大事にすればいい。
そう結論した航は、自ら望むことはせず、ほとぼりが冷めるのを待とうと決めて、今に至る。
908 :
航×夏世ー7:2010/10/21(木) 00:25:16 ID:LCpYIGyB
とりとめもなく考え事をしていた航はふと顔を上げた。彼は自分が歩いているのが川辺の歩道だと知る。
隣に聞こえていたはずの足音が遠くなっているのも気が付いて、ぐるりと頭を巡らせる。いた。
夏世は三歩分ほど後ろを歩き、こちらを見ていた。
いつからそうしていたのだろうか。目が合うと、あ、と何か見つかってしまったというような顔をして夏世は立ち止まった。つられて、航も立ち止まる。
首を傾げ、どうしました、と聞こうとしたところへ、夏世が口を切った。
「…あの!」
彼女が二歩分の距離を詰める。
「ちょっとだけ、その…時間潰すのに付き合ってもらってもいいですか?」
「え。時間を潰すって…?」
「あー、あの!この時間帯って私の乗る電車、来る間隔がすごい空くんです。乗り換えの時間合わせても次乗れるまで、えぇっと三、四十分はしちゃうかな。軽く見積もって」
時計を見ながら言う夏世に合わせて、航も腕時計を引き出す。
「…そうだったかなぁ」
「そうなんです」
「…いやでも」
「毎日乗ってる私にはわかるんです!」
「そ、そうですか」
「はい、そうです」
どこか懸命でなぜか泣き出しそうでもある夏世を前に、航は物理的にも一歩退いた。これ以上は何も言えない。
「じゃあ、そこら辺でちょっと待ちますか?」
「はい!」
先を歩いて行っても確か何もない。川沿いの、いつか航が一人もたれていた手摺へ彼が向かうと、夏世は嬉しそうに付いて来た。
ざあざあという川の流れは、近付くとそれなりに大きく聞こえる。鈍い光を反射するばかりのほとんど真っ黒な川面とは対照的に、対岸の街明かりは未だ煌々と輝いていた。
その赤い光にのんびり向かって手摺に手をついた航は、隣に夏世が辿り着き、身動きするのを目の端に捉えた。
夏世は躊躇いがちに鞄を足元に置き、うん、と伸びをした。自由になった両腕を手摺に乗せる。身を乗り出すようにして体を預け、顔を上げた。
「あ」
「ん?」
「月。綺麗に出てますね」
夏世が指差す方向を航も見上げる。
「あぁ。今日は天気良かったから」
「そうでしたねぇ。星、は…あんまり見えませんね」
「まぁ、いつも通りかな」
ふふ、と笑みを交わす。夏世は対岸の方へ目線を移し、航も手摺に肘をかけ、体重を預けた。
ぽつり、ぽつりと呟くような会話が続く。
取るに足らない日常の話だ。身の回りで起きたこと、見たもの、些細な話題が浮かんでは消えていく。
そのうちに返事と返事の間が長くなり、元より水滴を垂らすようだった会話は途切れがちになった。
やがてぷつりと途絶えた。
航も夏世も川や向こう岸へと体を向けて、見るともなしにそれらを眺めている。
航はただそうやって佇んでいることが手足までじん、とした温もりを通わせるのを感じた。そしてその事にある種の感動を覚えていた。
同じ時と場所を共有しているだけでこれほど胸が暖かくなる人と出会うなんて、少し前には考えられなかったのだ。数ヶ月前の自分へ告げてもきっと、信じられないの一点張りだろう。そのくらい大きな変化だ。
こうして胸に抱くのは家族である弟達へのものとは違う。もっと切迫詰まった、下手をすると襲い掛かってくるような熱だった。
自分のどこからこんなものが炙り出されてきたのだろうか。全ては夏世のせいなのだ。それは間違いなかった。
しかし、悪い気はしない。
思わず綻んでくる頬を隠すように、航は頭を垂れる。
909 :
航×夏世ー8:2010/10/21(木) 00:26:24 ID:LCpYIGyB
と、沈黙していた夏世が口を開いた。
「なんか、ちょっと変な感じです」
「…変?」
航は面を上げ、夏世に向き直る。彼女は少し微笑みながら、視線を川面へと注いでいた。
「皆さんと初めて会った時。あの時は絶対うまく行きっこないと思ってたのに。すっごい変な人達だと思ったし」
「そうですか」
航がくすりと笑う。
「あ、今は違いますよ。今は…ま、確かに変だけど、ちゃんといい人達だって知ってます」
夏世が慌ててかぶりを振った。航はまた笑みを漏らして頷く。
「でもあの頃はこんなに楽しく皆さんと仕事出来るなんて思ってなかった」
「うん」
「それに、その…。航さんのことも、会ったばっかりの頃は、ホントに何も分からなかったし…」
航ははたと動きを止めた。
「それがちょっとずつ知り合ううちに、ほんのちょこっとは分かるようになったかな、と思ったら」
夏世は笑みをこぼしながら右手を上へ伸ばす。
「今度はたかーい壁が見えました。ああ、この人は家族以外には心を開いたりしないのかな、なんて」
あ、あと田中さん?と夏世は手を下ろし、空を仰いで言う。
「もう、ものすごい断崖絶壁に見えたりして。私には無理なんだろうなぁってずっと思ってました。それなのに、こうして航さんとお話してる」
夏世はゆっくりと航に向き合った。じっと夏世を見ていた航と目線が交わる。
「なんか、やっぱり不思議です。ちょっと信じられないくらい」
つまりは航と一緒にいることが夢のようだ、と言っているようにも聞こえる夏世の言葉を、彼はどこか他人事のように聞いていた。
ぼんやりと、なんだ、そっか、と航は思う。
彼女も自分と同じような思いでいたのだ。側にいたいと彼女も思ってくれている。つまらない遠慮なんて、しなくてもよかったのかもしれない。
だって、そう。彼は改めて夏世の目を見た。目元にはほんのりと赤みが差し、潤んでいるようにも見える。彼の目にも明らかだった。
夏世は、恋をしている。自分、片岡航に。瞳を向けられた当人でさえそうと知れるぐらい。
ちらちらと揺れる瞳で、はにかんだ笑みを浮かべる夏世を目にして、航はどっ、という突き上げるような音と衝撃を胸に受けた。
表情を変えずじっとこちらを眺めていた航が手摺りから離れた。
と、夏世が認識した時にはすでに航は視界から消え去り、代わりに航の髪の毛らしいものの感触を頬に感じた。
航の肩が目の前にある。押さえ付けるような圧迫感を肩や腰の辺りに感じる。
抱きしめられている。
思考が一旦停止していた夏世は状況を理解すると、再び硬直した。驚きと共に、どくどくという心臓を揺らす音が体内に響き渡る。
さっきまで彼は静かに自分の話を聞いていたはず。その彼は今、頬擦りするように夏世に頭を寄せている。彼の吐息が耳をかすめ、ざわざわと這い回るような熱が夏世の呼吸を一瞬止める。
「月山さん」
航が身動ぎした。密着している体からも声の響きが届く。彼は躊躇うように腕を緩め、身を離す。「前、言ってくれましたよね。…僕のことが知りたいって」
はい、と返事がしたいけれど声が喉に詰まって出ない。夏世は一つ頷いて肯定する。
「あの頃僕も、同じことを願っていました。……あなたをもっと知りたかった」
航の腕がゆっくりと移動する。小さな衣擦れの音は、夏世の耳には遠いもののように聞こえた。
「今もそうです。あなたのことをもっと、よく知りたい。たぶん、これからもずっとそう」
まっすぐに見詰めた航の瞳の中に、上気した自分の顔を見付ける。いかにも熱に浮かされたような自分の表情を見るのは恥ずかしくて嫌だったが、彼から目を逸らすことは出来なかった。
航は持ち上げていた手を夏世の両肩に置く。僅かずつ身を屈め、聞き漏らしてしまいそうな掠れた声でささやいた。
「覚えていて下さい」
910 :
航×夏世ー9:2010/10/21(木) 00:29:00 ID:LCpYIGyB
彼はやわらかく唇を押しつけ、一度離れると今度は夏世の下唇を食むようにして重ねた。
彼の唇が自分のそれを辿るのを、そして湿り気を帯びた弾力や熱を薄い皮膚の下から感じ取る。その温かさと生々しい感触に、夏世の体はうねるような熱さに覆われた。手足の指先がピリピリと痺れる。
航はもう一度離れたが、名残を惜しむように再び屈み込み、夏世の下唇をちゅ、と吸った。そのまま上唇も挟み込む。
何度も何度もそうして繰り返した。
彼が唇を辿る度に、夏世の心臓はどくんと大きく跳ね、叩きつけるような音を奏でる。やがて夏世の頭から航以外の何もかもが真っ白に取り除かれた頃、彼はようやく頭を上げた。
気が付けば、夏世の両手は航の背をしっかりと掴んでいた。
「月山さん」
まだ少し息使いの荒いまま、航が呼びかける。夏世は戸惑いがちに彼を見上げた。
「確か明日って、休み、でしたよね」
彼の言葉に、どこか照れくさそうな響きが混じっている。触れた体から彼の鼓動の速さを今更ながら知り、夏世は自分だけではないことに少し安心する。
はい、と夏世は声に出したつもりでいたが、うまく音にはならなかった。
それでも十分伝わったのか、航が続ける。
「そしたら……どこかに出かけませんか。…二人で」
夏世は今日何度目か、パァ、と自分の顔が輝くのを感じた。込み上げる幸福感をそのまま表現したくて、航の背に回された腕の力を強めて、彼の肩へ顔を埋めた。
帰ったら、てるてる坊主最低十個。夏世はそう胸に誓いつつ、顔を押しつけたまま、何度も何度も頷いた。
以上でございます。長々失礼しました。花園の登場人物に幸あれ!
>>902-910 おおおおGJGJ!
やっぱり夏世っぺと片岡兄弟の仲良しさとか夏世っぺと航兄ののほほんとした関係はたまりませんなぁ
てるてる坊主十個を心に誓う夏世っぺかわいいww
おお!GJ(*´∀`)b
やっぱりいいねぇ
ここと保管庫のおかげで
萌えがとまらないです
GJ!
最近ハマったっていうがまた嬉しいな
また再放送とかして欲しいな
GJ!!
航兄×夏世が一番大好きだ(*´∀`*)
GJ!!
航兄と夏世のほのぼの愛はたまらん。
来月はもう智の誕生日か
一年早いな
すみません902です。GJありがとうございました…!
このスレの皆さんは反応があったかくてすごくホッとします(´u`*)
今度(いつになるかわかりませんが)もう一本ばかり投下できたらな、と思っています。
またちょこちょこ書き始めてしまいまして、折角なので;
>920
ありがとー!(´▽`*)
出来、不出来は大目に見てもらえると嬉しいです。
その時は宜しくお願いしますm(_ _)m
922 :
名無し:2010/11/03(水) 12:48:09 ID:nWuMGzaE
>>902さん
GJ!!癒されました!!
次も楽しみです^^
智ぴょんおめでとう!
智ぴょん誕生日おめでとうございます!
くそっ遅れたけど
智兄おめでとう!
926 :
航の勇気:2010/11/13(土) 15:57:33 ID:zpNZMFZP
本編のラストも大好きなのですが、ちょっと別のも妄想してみました。
エロなしです。
しばらく彼女に会っていない。それもそうだ、もう花園ゆり子の担当者ではないのだから。智に聞いたところ、既に新しい作家の担当になって、毎日忙しくしているらしい。
…もう彼女とは関係がなくなってしまったのだ。
この事実をなかなか受け入れられない。自分が決めたことなのに。
インターホンが鳴ると、胸が高鳴る。
コーヒーを入れにキッチンに入ると、彼女がカップを洗っている姿を思い起こす。
彼女が渡してくれるミカンが食べたい。
街に出ると無意識に彼女を探している。
着信音が鳴ると、期待する。
これは恋だ。わかっている。
こちらからメールや電話をすればいいのだろうが…
勇気がない。
927 :
航の勇気:2010/11/13(土) 15:58:18 ID:zpNZMFZP
中学生かよ、とひとりごちて、航はスケッチブックを抱えた。
今日は天気もいいことだし、気分転換にいつもとは違うところで描いてこよう。
航は部屋を出ると、留学準備をしている陽に「ちょっと出てくる」と声をかけた。
「今日は外で食事してくるよ」
「へ〜。航兄が外食なんて珍しいね。あの人と?」
「…なんだよそれ。一人でだよ」
「違うのか。そろそろはっきりして欲しいんだけどなあ…」
陽の最後の言葉は聞こえなかったふりをして、航は外に出た。
しばらく歩いてから、携帯を忘れたことに気が付いた。引き返そうかと思ったが、やめる。
なんだか、悶々とする日々から今日だけは解放されたい。そう思ったのだ。
「それぞれ、新しい道を歩かなきゃな」
そう言って、少し早足で歩きだした。
久しぶりに遠出をし、少しだけ酒を飲んで10時過ぎに帰宅した。
玄関に入ると、あの人の香がした。
急いでリビングに入ると、どうやら鍋パーティーがあったようだ。
928 :
航の勇気:2010/11/13(土) 15:58:58 ID:zpNZMFZP
「あ、航兄。遅かったね。何度も電話したんだけど、出なかったからさ」
「ああ、それが携帯忘れてさ。何の用だったんだ?」
(月山さんが来てたのか?と聞きたいのに、なぜか声に出ない。)
「お兄さま!今日は久しぶりにあの小娘が挨拶に来たんですよ!
ったく、忙しいのかなんなのか知らないけど、もう少し顔出して我々のお世話もしろっと言ってやりました!」
「…修。酒臭いぞ。で、あの人はいつ帰ったの?」
「少し前。智兄が駅まで送って行ったよ。もうすぐ戻ると思うけど」
智が。そうか。
胸の中が苦いもので満たされる。嫉妬だ。
「あの人、最近相当忙しいんだって。今日も、久しぶりに一日お休みが取れたので来ましたって言ってた。航兄が帰ってくるの待ってたけど、明日朝早く仕事があるって言うから帰ったよ」
「そうか」
「うん。で、今の航兄とおんなじような寂しげな顔してた」
「…そうか」
929 :
航の勇気:2010/11/13(土) 16:00:03 ID:zpNZMFZP
まとわりつく修を適当にあしらい、陽の意味深な眼差しを避けながら自分の部屋に戻る。
がっくりと椅子に腰かけた。
携帯を置いていったことが、相当痛い。
ピカピカと光る携帯を開ける。陽が掛けたであろう自宅からの着信が6件。
陽からのメールが4件。
「航兄、どこにいるの?あの人が来たよ」
「航兄、連絡ください」
「航兄、何時頃帰る?あの人うちでご飯食べて帰るって」
「航兄、早く帰って!」
兄の気持ちを知っている弟からの必死の伝言だ。
「そろそろはっきりさせて欲しい」そう言った弟の言葉を思い出した。
…あの人に。彼女に電話しよう。
そう決意したとき、メールが届いた。
月山さんからだ。一瞬息がとまる。
急いで見てみると、件名もなく、本文も一言だけだった。
「会いたかったです」
930 :
航の勇気:2010/11/13(土) 16:01:18 ID:zpNZMFZP
すぐに返信をし、コートを片手に部屋を出ると、帰ってきた智とぶつかった。
「あ、航兄。今日はどこ行ってたの」
「いや、ちょっとな。月山さんは?」
「ああ、駅前まで送ったけど、全然、話が弾まなかったぜ。
他の男のことで頭がいっぱいな女を送るのも一苦労だ。
送り狼にもなれなかったよ(笑)今から会いに行くの?」
さすがは女の扱いに慣れた弟だ。全部お見通しか。
「そうするつもりだ」
「ふーん。携帯持った?」
「持った」
「女の部屋に行く時は、ちゃんと連絡してから言ったほうがいいぜ。
片づけとかいろいろあるからな。」
「ああ。携帯の重要性を今日は思い知ったよ」
「お兄様、もちろんキスくらいぶちかまして来るんでしょうね??」
振り返ると、酔っぱらっていたはずの修が、陽と一緒にリビングから顔をのぞかせてニヤニヤしている。
「うるさいぞ!」
嬉しそうな弟たちの顔を直視できずに、航は急いで扉を開けた。弟たちの冷やかす声が、扉を閉めると同時に消える。浮き立つ気持ちを自覚しながら、足を踏み出した。
一方そのころ、夏世の部屋では、片付けに大わらわな夏世の姿があった。
テーブルには、開いたままの携帯。ディスプレイに光る文字。
「僕も会いたい。
今からそちらに行きます」
Fin
わーーーーー兄ちゃん素敵!!!!
キスだけじゃなくてもいいのよ!!!
GJ!
航兄恋してるねー(*´∀`)
弟達も和む
ヒミツの花園の雰囲気出てて素晴らしかった!
そしてすみません、私も投下させて下さいませ。
・航×夏世で、902〜910の後日譚みたいな感じです。
・エロなしで長めかもです。本当に申し訳ないです。
こないだはタイトルについての注意書きをすっかり失念してたので、今度こそはという感じでひとつ…
(最近まずいんだよなぁ)
会うとどうしてもなぁ。航は黙考していた。自分の恋人についてだ。
彼女、月山夏世と交際するようになってから、どのくらいの期間が経っただろうか。
彼女とは今も円満に、仲むつまじく過ごしている。そこは全く問題ない。
この頃は、双方の予定が合う休日は往々にして彼女と共にいる。近場ではあるが、度々出かけもする。
そう数は重ねていないものの、例えば外出するとしたら美術館、博物館の類だろうか。
二人のうちどちらかでも行き先の希望がうまく出ればいいのだが、この間はお互い譲り合いに譲り合いを重ねた結果、ただ街を散策するだけの一日となった。
二人で見慣れた街を練り歩いたわけだが、知っているつもりでいた場所の違う顔を発見をしたりして、これはこれで乙な旅だった。
あとは公園などで、または室内で夏世をモデルにして航がスケッチをする事もある。
室内で航が彼女を描く時は十分な広さを誇る彼の家で行われるために、彼の兄弟がふらりと進捗状況を見にきたりもする。
人数が増えれば増えるほど賑やかになる彼らのことなので、結局はそのまま宴会のような体になることもしばしばだ。
そもそも、室内で過ごすとなると必ず片岡兄弟の家だった。航は未だに一人で彼女の部屋へ足を踏み入れたことがない。
こんな風だから、休日に二人で過ごすといっても実際には二人きりになる時間は僅かしかない。
しかしその僅かな時間が、航にとってはこの上ない喜びであり脅威でもあった。
航と夏世は自他共に認めるスローペースの恋人達だ。
デートといえば先に挙げたようなおよそ色事とはかけ離れた過ごし方ばかりだし、連絡もそれほど頻繁にするわけではない。
暢気なものだと自分でも思う。周りからも牛歩だのなんだのと小言めいたことを聞かされるが、暖簾に腕押しで聞き流している。
人と人との関係なんて急いで築きあげれば良いというものでもないのだから、のんびり構えていればいいと航は思っていた。
それが自分達に合った速度ならそれで構わない。
そう思っていた。はずだった。
ところが最近の航は、自分の中で穏やかに保たれていた均衡がぐらついているのを感じていた。
欲しくなるのだ。彼女といると、どうしても。
顔を合わせるとその柔らかそうな頬に、華奢な肩に触れたくなる衝動が込み上げてくる。
外出している時、同伴者が他にいる時はやり過ごせる。心ばかりに残った二人きりの時間が航にとっては命取りだった。
修が仕事をしている時に、視界に入ると集中できないからと言われてリビングを追い出され、航の部屋で過ごした事があった。
自分の理性が砂上の楼閣だということを、航はその時に知った。
彼女がイーゼルに立てかけてある絵を見るために屈み込んだ時の、少し反った腰のラインさえ艶めかしく見え、動揺した。
恐る恐るながら触れてしまうと、自分の腕にすっぽりと収まってしまう体、細くくびれた腰、控え目に回された両手、彼女の全てが航の脳髄を刺激した。
口付けると頬は真っ赤に染まり、息も荒く乱れる。にも拘わらずふっくらした彼女の唇が懸命にキスを返そうとするから、航はたまらなくなった。
たまらなくなって、より深く口付けて、その後自分がどう動いたのか、航は覚えていない。
ふと我に返った時には夏世はくったりと航に寄りかかっていた。
自分はといえば力一杯彼女を自分の体に押しつけ、腰や背を撫でていたらしい感触が手の平に残っている。
たった今の一瞬、自分の行動の記憶がない。そのことに航は戸惑った。
ほんの一瞬だったから良かったものの、もしこのまま継続していたらと思うと、背筋がひやりと凍った。
彼女の了承を得ないまま先に進みたくはない。それに、この家には今、修もいる。
人は意識が無くても動けるんだな、と妙に感心しながら、航は安堵と恐怖を同時に味わった。
以降は用心して夏世と向き合うよう心掛けているが、突き上げるような衝動がなくなったわけではない。
この日のように、抱きしめて、キスをして、その先へ進みたくなる気持ちはどうしても付きまとう。
しかし、進みたくても毎回決まって場所や環境がそれを許さないので、踏み留まらざるを得ないのが常である。
そんな欲望の鬱積した心境の中、キスの後に無邪気にはにかむ彼女を見ていると、自分が犯罪者にでもなったような気になる。
(参るよなぁ)
思春期の少年じゃあるまいし。いい年してどうしようもないなと航は溜息を吐く。
今、こうして夏世の事を考えているのだって、彼女が目の前にいるから、というわけではない。
ましてや彼女の絵を描いているからでもない。
航は現在、自分と修の夕飯のための買い出し中であり、近所のスーパーでカゴをぶら下げていた。
にも拘わらず彼女の事が突如頭に過ぎったのは、生鮮食品コーナーでしゃぶしゃぶ用の薄切り肉を見かけたからだ。本当にどうしようもない。
(まあ贅沢と言えば、贅沢かな)
しゃぶしゃぶのことではない。
こんな情けない想いも、彼女と恋人として過ごせるからこその悩みだとすれば、幸せなことなのかもしれない、と航は溜息混じりに思い直す。
(…ああ、もうこんな時間か)
早く買って帰らないと。悩みに耽る前に現実を見つめ直すことにした航は、とりあえず昨日は肉だったから今日は魚だな、と、精肉コーナーを後にした。
「ただいまー」
「おお、おかえり」
航が買い物袋を抱えて帰ってくると、リビングのソファで智と修が寛いでいた。廊下側の手前の椅子に修が、その斜め前に智が座っている。
「智、来てたのか」
「ん、ちょっとね」
智は今、近所の賃貸マンションで一人暮らしをしている。近場なので度々この家へ帰って来ては兄のために食事を作ったり、修の描く漫画を読んだりしている。
用事もないのにひょっこり顔を出しては世話を焼いてくれる智に、そんな事をする必要はもうないと口では言ってみるものの、航は内心嬉しく思っていた。
陽も無事渡英を済ませ、この家に住むのは航と修の二人だけである。
陽からも、彼にしては頻繁に連絡をくれるし、全員が納得した上で選んだ道とはいえ、毎日顔を合わせていた人間が一人、また一人と離れてゆくのはやはり寂しいものだ。
「今日はどうしたんだ」
「それがさ、聞いたー?」
智が修に向けて指を差す。
「こいつ。失恋五十回達成だって」
「知らない、そうなのか。いつの間に…」
智のまっすぐに伸びた指を、うるせえと毒づきながら修が叩き落とそうとしている。
「五十回か。もうそんなにいったのか」
美那絵に振られてからしばらくそんな話を聞かなかったが、もう一人に振られたのか、と航はしみじみ頷く。
「ということで明日はこいつの失恋五十回記念パーティーだから」
「明日!?急だなぁ」
「まあまあ。そんな大げさなもんじゃないから」
修と智は、双方でお互いの手を叩き落としにかかっている。
「それに明日週末でしょ、ついでにあの人も呼んどいてよ。あの脳天気な顔みたら失恋の痛みもばかばかしくなるだろ」
なー修兄、と智は拳で修の肩を小突く。
「でもなあ、今日の明日だろ」
「ダメだったらダメでいいじゃん。その時は俺たちだけでやればさ」
なー修兄、ともう一度小突こうとしたところを、修がバシリとはたいた。
「というわけなんです。明日の夜なんですが、大丈夫そうですか?」
電話越しに夏世に尋ねる。少し遅い時間になってしまったが、電話に出た時の夏世の声はしっかりしていた。
聞けば、つい先ほど家に着いたばかりだという。
「…はあ。大丈夫です。そうですか、修さんそんなに…」
「うち四十八回は告白もせずに勝手に失恋してるんですけどね」
「あれ、それって…?」
「ええ。被…なんとか妄想です」
「ですよねぇ。…ふふ、修さんらしいなぁ。わかりました!不肖このわたくし、精一杯励まさせて頂きます」
「よろしくお願いします」
受話器越しにくすりと笑い合う。ただ声が聞きたいから、といって電話をするにはまだ照れくさく、用事がない限りはあまり彼女と電話で会話したことがない。
その分こうした口実が出来るのは満更でもない。しんとした自分の部屋で一人彼女の声を聞くのも良いものだ、と思う。
「そしたら、田中さんも来ますよね?じゃあ編集長も…」
「あ、いえ、田中ちゃんは予定があってダメだったらしいです。川村さんは、ええと、今来られると惚気話が止まらないだろうから止めといた方がいい、とかなんとか」
そのような事を智が言っていた気がする。
「あぁなるほど、そうかも?うん、わかりました、じゃ今回は内緒にしておきますね」
「ええ、お願いします」
「はい」
「…」
この用件はこれで終わりだ。電話越しにしばしの沈黙が流れる。
別件で話すこともあるにはある。明後日のことだ。
もともと明後日は彼女と会う約束を取り付けていて、すでに行く場所も決まっている。
話題に取り上げたところで何の問題もないはずなのだが、なんとなく気恥ずかしさに負けて言い出せずにいる。
電話を切るのは名残惜しい。もう少し彼女の声を聞いていたいとも思う。
でも今日は夜も遅いし、明日会うことも決まったのだから、話したいことがあれば明日会ってからにすればいいだろう。
次々と脳裏に浮かんでくる、会話を続けるための文句を振り払い、数秒間の沈黙を破って、航がそれじゃ、と言う。
「あ、待って!」
夏世が慌てた様子で口を挟んだ。
「はい?何でしょう」
「あ…と……いえ、やっぱなんでもないです」
「…。そうですか」
夏世の歯切れが悪い。何でもないと言われると、気になるのが人の性だ。
…もしかしたら、向こうも電話を切り難く思ってくれているのかもしれない。
そう自惚れてもいいものだろうか。半信半疑ながら、航の心がくすぐったい嬉しさにじん、と暖まる。
「ええ、おやすみなさい。……また、明日」
「あ……はい!また、明日」
航がぽつんと加えた明日、という言葉をさも嬉しそうに繰り返す夏世に、航はいよいよ頬が緩んだ。
当日、智は随分速くに家に到着し、黙々と家事をこなし、パーティーに出すという代物を調理していた。
航が鍋を覗き込もうとしても見せてはくれない。本番までのお楽しみだという。
修は今日も仕事部屋で漫画を描いている。ジェスチャーや効果音を交えながらの作業なので、一人でも大変賑やかだ。
この日は彼が失恋したから、という理由で航も仕事を手伝った。修と二人、並んで仕事をしていると、花園ゆり子が生まれる前のことを思い出す。
そうこうしているうちに日も暮れて、智からお呼びがかかった。そろそろ時間らしい。
程よく肩も凝り、首筋に手を当てて解しながらリビングの方へ向かうと、玄関口に夏世が立っていた。手にはケーキの箱のようなものを持っている。
「あ…」
はたと目が合う。
「どうも」
「…どうも」
軽く会釈をして挨拶をする。
その間に智が夏世の持つケーキの箱を受け取り、上着を脱ぐのを促す。
「じゃあようやく揃った事だし、準備しますか。じゃ修兄、あれよろしくね」
「おし、まかせとけ。おいそこの小娘」
「はい?」
上着を掛け終えた夏世が振り向く。
「あんたどうせ手伝いもせずにぼーっと座ってるだけでしょ」
「て…手伝いますよ!」
「いや。むしろ手間が増えるから。智を困らせる気なの」
「く…!」
「それよりね、ちょっと倉庫行って、えーとフタが黄色で?こう、このぐらいの大きさで、中に、なんか青っぽい感じの人形が入ってる箱、持ってきてくれない」
「人形?なんですかそれ」
「いいからさっさと行く!」
修はしっし、と追い払う仕草をしながら、奥へ向かう夏世の背にモップの入ってるとこね、と呼びかける。
「あーあ。彼女、お客さんなのに」
腕を組んで成り行きを見守っていた航が口を開いた。
「立ってるものはゴミでも使えってね!」
「親、な」
「さ!これでばっちりだ。さーとしくーん」
修は両手を腰に当てて力強く頷くと、いそいそとリビングへ入っていった。
奥へと続く廊下をちらりと見て、航も後に続く。
「お、上手くいった?」
「当たり前だろ。もうバッチリ」
智と修のそんな会話を耳にしながらリビングへ足を踏み入れた航は、弟たちの姿を見て少しの間固まった。
「…お前達、は…その格好はどうしたんだ?」
「いやどうって、見りゃわかんだろ」
なー、と智と修が目配せし合う。リビングは先ほどから変わっていなかった。
何かしらの食事の支度がされた形跡もない。まして彼らは、それを始めようとする気もなさそうだ。
智はいかにも外出先で使いそうな上着を着用し、修もジャンパーに袖を通している。
「その鞄はいったいどこから出てきたんだよ。あ!おい!」
「じゃあ兄ちゃん、そういう事だから」
仕事道具や玩具でも入っているのだろうか、大振りの鞄を抱えた修は、綺麗に揃えた指先で敬礼さながらの挨拶をする。
すっかり身支度を調えた修と智は航の横を通り抜け、玄関へと向かった。
「そういう事ってどういう事だよ」
「こいつたぶん泊まりだから、俺ん家に」
「はぁ?」
「おう、じゃ行ってくるよ兄ちゃん」
「じゃ。あとよろしくー」
「え、おい!」
「あ、兄ちゃん明日昼飯いらねぇから!」
智の手料理食うんだー、という声は、玄関扉の向こうから聞こえた。重そうな荷物を抱えているとは思えない身軽さで颯爽と去って行く。
一人取り残された航はガチャンと扉の閉まる音を耳にしながら呆然と佇み、
「昼飯いらないって…もともと出かけるって言っておいただろ…」
もはやどうでもいいようなことを呟いた。
(まったく、どこにあるんだっての)
夏世はパタパタとスリッパを踏みならしながら廊下を歩いていた。
修のいう黄色い蓋の箱は、いくら探しても見当たらなかった。
探るうちに倉庫も入り乱れ始め、仕舞いにはモップの柄が倒れてくるわ、掃除機はハードルよろしく行く手を阻むわで散々な目に遭ったので、潔く諦めた。
これは十中八九からかわれたと、夏世の今までの経験が囁く。
一言文句でも言ってやろうと思い、肩を怒らせてリビングへと向かったが、角を曲がった所で航を見付けた。彼は玄関扉に体を向けて立ちつくしている。
「あれ?どうしたんですか」
夏世は小首を傾げて航に話しかけた。
誰か来訪者でもいたのだろうか。パーティーの支度とやらはどうしたのだろう。
「あ、ああ。それが……あいつらが出て行きました」
「…はい?」
「修と智。今日はもう、帰って来ないって」
「ええ!?」
どういうこと、と夏世は心の中で声を上げた。航は腕を組み、考え込むように下を向いている。
その顔に動揺の色が見え隠れしているから、航も知らされていなかったらしいと分かる。
「それじゃ、修さんの失恋慰安パーティーは?」
「たぶん、嘘だったんでしょうねぇ。失恋したなんて」
「嘘…」
「ええ。変だとは思ったんだよな、あいつずっと元気だったし」
「はあ…」
いつも通り奇声を発しながらペンを持つ修が容易に想像出来る。そして、こんな子供の悪戯のような話を楽しそうに計画する兄弟達も。
暇なのだろうか、と夏世は溜息をつきそうになる。
「美那絵さんの後に好きな人が出来た、なんて聞かなかったしなぁ」
「ですよねぇ」
俯き気味だった視線を航に戻すと、彼もちょうど顔を上げたところだった。彼の目と再び出会う。
あ、と声には出なかったものの、口がその形に開く。
航も同じような表情で、咄嗟に声を発するタイミングを失った二人は、彫像にでもなった有り様で立ち尽くし、そのまま数秒間の時が流れた。
ややあって、我に返った航がようやく居住まいを正した。
夏世に向き直り、奥歯にものが挟まったような物言いで言葉を紡ぐ。
「…あの、夕飯、は、智が作っていったので。とりあえず、食べていって下さい」
「…あ、は、はい!いただきます!」
じゃあちょっと、支度してくるので。そう言い残して足早にその場を去った航の背中を、夏世は未だ混乱気味な面持ちで見送った。
(…あれ?これは、そういうこと…なの?)
夏世は先ほど置き去りにした自分の鞄をぼんやりと見詰めながら考え込む。
翌日まで誰も帰って来ない家。二人きりの室内。そして今日は週末。
条件は徹底的と言っていいほど整っている。まんまと嵌められた。というより、お膳立てされた。
どうしよう。どうなるのだろうか。航も戸惑っている様子だった。
慌てたようにこの場を去った航は、この状況化で何を思い、どう行動するのだろう。
私は、と夏世は自らを振り返る。彼の心境の心配をする前に、はたして自分はどうしたいのだろうか。
答えはすぐに出た。そんなの決まっている、二人きりで嫌なはずがない。
彼が自分を想ってくれていると知った時、あまりに幸福感が強く襲ってきたので、もうこんなに舞い上がるようなことはないのではないか、ここを頂点に航とは落ち着いて向き合えるようになるのではないかと思ったことがあった。
実際に彼と恋人として過ごしてみれば、顔を合わせると心が躍るという現象は、引き続き備わったままなのだということがすぐにわかった。
自分のどこに仕舞い込んであったものか、忘れていたときめきとやらが相変わらず胸をくすぐる。
ひとまず平らかになると思われた自分の胸中は、恋にのぼせ上がったままだったのだ。
更に悪いことに、彼と会えば会うほど事態は深刻化するようだった。
彼の姿を見ればずっと眺めていたいと思い、彼の声を聞けば、もっと長い時間聞いていたいと思う。
またひとつ彼のことを知ったと感じるたび、より多くを知りたいと願う。
想いは募る一方で、気が付けば、彼女自身尋常ではないと困惑するほど、彼のことを想うと胸が苦しくなっていた。
身を焦がすとはこのことだと、彼女は掻きむしられるような痛みの中で知る。
彼の側にいると万力で捻られるようにぎゅっと胸が締め付けられ、鼓動は跳ね上がり、そうして彼と触れあえば涙が出そうになるほど心が喜びに打ち震えた。
キスを受ける瞬間やその最中などは、自分でもわかるほど陶然としているし、同時に、密かに渇望していた。
唇を重ねればもっと奥へと、首筋を撫でられればもっと別の場所をと、彼が触れた箇所から熱が広がり、喉の渇きにも似た飢えを感じる。
彼と比較的長く触れあった日などは、自宅に帰ってからも彼に触れて欲しくて体が震えを起こし、どうしたらいいのかわからなくなる時さえあった。
そう、夏世は航に触れて欲しくてたまらなかった。
彼の心も、彼の唇や手、体のどこもかしこも、全てが欲しかった。
ふいに、亮子の溌剌とした声と自分との会話が脳裏を過ぎる。
「何。あなた達まぁだそんな所で足踏みしてんの?」
先日自分と航の現況について話したら、呆れながら言われた言葉だ。
「そんなひたすらまったりしてるだけなんて、ねえ、お爺さんお婆さんかっていうのよ」
「いやそこまで言わなくても…」
「いーや。だってそうでしょ?会ってもキス止まりだなんて、何もしてないのと同じじゃない!」
「はあ」
「はぁって何、はぁって。あなた…ほんと、相変わらずねぇ」
亮子は額に手を当て、呆れたような溜息を吐く。
「いや、そんな月山でもよ?もっと先進みたい、とか進んで欲しい、とか思うでしょ?思わないわけないわよねぇ」
ね、と亮子が念を押す。夏世の返答を待たずに亮子は続ける。
「欲しいものを欲しいって言ってもバチ当たんないって、前にもあなたに言ったじゃない?航さんがダメなら月山、あなたが自分からどーんと行かなきゃ」
どーんと、と繰り返し、肘をぺし、とはたかれたのを夏世は覚えている。
この会話の後に、勇気を振り絞って携帯電話を手に取ったことも、あるにはある。
しかし奥手な夏世は自らを奮い立たせても、人に背を押されたって、今一歩のところで持てる闘志を切らしてしまうのだ。
そうして今まで悶々としていたのだけれど、まさかお膳立てされるとは思っていなかった。
確かに、この状況は嫌ではない。しかし、
(どーんと、と言われましても…)
夏世は途方に暮れた。こんな時、どうすればいいかなんて皆目見当が付かない。
二人きりになれて嬉しくもあり、気まずくもある。どんな顔をして彼と話せばいいのか分からないというのに、積極的に行動するなど到底不可能に思えた。
あとは、航だ。彼は今、何を考えているのだろう。
(…あ!)
夏世はハッと頭を上げた。航は今、自分達のために食事の支度をしているのだった。
ついぼうっと物思いに耽ってしまった。こんなことをしている場合ではない、彼の手伝いをしなければ。
台所の方を見れば、すでに皿をテーブルへ運んでいる。
夏世は急いで鞄をさらい、ぱたぱたと航の元へ駆け寄った。
「なんかすみません、手伝ってもらっちゃって」
航が、夏世のグラスにワインを注ぎながら言う。
「い、いえ!何のお役にも立てませんで」
夏世は会釈をした後すぐに首を振った。
二人はテーブル席に向かい合わせに座り、食卓についている。ともかくも食事に集中することに
したのだ。
彼らの目の前には智の手の込んだ料理がずらりと並べられた。緑に赤に、と野菜の色も鮮やかに皿に盛られている。
フォークやスプーンでそれらをつつきながら、他愛ない会話を交わす。
「ビーフシチュー、ですか」
夏世は深皿に盛られたそれをスプーンで掬い、口に運ぶ。美味しい。
「そうみたいですね」
航も深皿をちらりと見て頷く。
「あいつ鍋の中隠してるみたいだったんで、変なのが入ってたらどうしようかと思ったけど……まともでしたね」
この状況になるのを見越した智が、悪戯心に何かしてはいないかと心配したのだろう。
見たところ大丈夫そうだ。色もピンク色ではないし、人参がハート型にくり貫かれてもいない。
「やっぱり、食べる時までのお楽しみって事だったんですかね?」
「いや…」
航は渋い顔をして台所の方を見やる。夏世もつられて、同じ方向に目を向ける。
「全部、きっちり二人分の量で作られてました」
流しの中から鍋の頭とお玉が顔を覗かせていた。
なるほど、片付いている。大振りの、両手で抱え上げるような鍋にも関わらず、だ。
なんとなく、再び気まずい空気が垂れ込めてきそうに感じて、夏世は慌てて言葉を探した。
「お、食事は智さんが作られてるんですか?」
「い、いえ、今は僕が作ってます」
「ええ!?航さんがお料理作られるんですか!?」
夏世ががたりと椅子を揺らした。
驚いた。確かに、それでは智に負荷が掛かりすぎではないかとも思ったが、智以外の誰かが家事をするところも想像出来なかった。
智が失踪した時の惨状はまだ記憶に新しい。
「そんなに意外ですか」
航がくすりと笑う。
「すいません…」
航は微笑み、一つ瞬きすると、手元のサラダに目線を向けた。フォークで、一口大に切られたトマトをつつきながら言う。
「以前は、家事全般は僕の担当だったんです。本当に最低限、でしたけど。智に頼るようになってからは任せっきりになってしまって…」
ご存知の通り、と航は苦笑する。
「今は、あいつにいろいろ教えてもらいながら、なんとかやってます」
「…そっか」
夏世は部屋を目だけで見渡した。
いつも通り綺麗に片付いていて、目立った汚れも見当たらない。もちろんゴミの袋もない。
最後に台所を流し見て、手元に視線を落とす。
「ちょっと、悔しいな。これだけは航さんより出来ると思ってたのに」
「え?」
「家事、というか、お料理」
夏世は恨めしそうに航を見る。
「航さんきっと、すぐ上達しちゃうじゃないですか。私を差し置いて」
「そうかなぁ」
「そうですよ、絶対」
夏世は何度か大きく頷いた。航は怪訝そうに首を傾げる。
が、悪戯を思い付いた表情で頷いた。含み笑いをしている。
「そうですねぇ、月山さんはキッチンを破壊しますからね」
「い、いつもじゃないですよ!あの時はたまたまですね……もう!忘れて下さい!」
身振り手振りで夏世は航に訴えかける。
見ていた航はぷっと吹き出し、最後には声に出して笑っていた。
和やかに食事は進んだ。
会話も途切れることはなく、気付けば皿をすっかり空けていた。
智には申し訳ないことに、細かい味の違いを夏世は覚えていない。ただ、美味しかったという記憶だけは残っている。
心の中でごちそうさま、と手を合わせ、箸を置いた後もしばらく談笑は続いた。
ワインを片手に、とりとめのない話にも花が咲く。
しかし、時計が時報を鳴らした。ボーン、という低めの音が二人の耳に入る。
どちらともなく会話が止み、どちらともなく時計の示す現在の時刻を目にした。
やがて航が、そろそろ片付けましょうか、と皿を手に立ち上がる。
夏世の皿にも手を伸ばしていた航を慌てて制し、私も手伝います、と夏世も流しまで同行した。
かちゃかちゃと硬い音と、蛇口からの流水音がシンクに響く。
ひと足先に水に浸かっていた鍋類はすでに小綺麗になっていて、もといた場所に戻されている。
航が洗い物を担当していた。長袖を肘まで捲り上げてスポンジを持っている。
夏世はそこで、さっぱりと泡の落とされた食器を拭きにかかっていた。
航が置いた洗い終えた器を、丁寧に水気を拭って脇に積み上げていく。
サラダの入っていた器を拭き終えて、夏世はちらりと航を見た。黙々と皿を洗っている。
「なんか、手慣れてますね?」
航はきょとんとして振り向いた。夏世の目線の先を見て、ああ、と納得する。
「まぁ最近は毎日やるようになりましたからね。ようやく慣れてきたかな」
「前はゴミの分別も出来なかったのに」
夏世がからかうように言う。
「ほとんど未知の領域だったね」
ふふ、と笑みを交わす。
航が手元へ意識を向けたのを見届けて、夏世もこっそりと航の手元に目を向ける。
本当に手際が良い。航は器用だから、ある程度の諸事は苦もなくこなしてしまうのだろう。
長い指先が、しぶきを受けながらひらひらと踊っている。
自分のものより一回り大きくて筋張っているその手には、動く度に筋や血管が浮き出てくるのが見える。
突如として、夏世の鼓動がどくんと跳ねた。
この手の平で頬に触れてもらいたい。今すぐに。
彼の手で頬が覆われる感触、首筋を擽られ、髪を梳られる感触が出し抜けに蘇った。背筋がぞくりとする。
思わずつきそうになった溜息は押し殺したが、彼から目線を外すことはなかった。手首から腕へと視線が伝う。
やはり曲げ伸ばしする度に筋が浮き出て、綺麗な線を描いている。
肘。腰、少し見上げて肩。夏世は航より一歩下がった位置に立っているため、背中を仰ぐ形になる。
気候も暖かくなり、薄手のものを着ているから、肩胛骨が少し浮き上がっている。
そこに手を触れたい、という内からの声に狼狽え、目を泳がせる。目線が背中から肩先へとずれ、航の顎先が視界に入った。
「……っあ」
夏世は固まった。航と視線がぶつかった。
夏世は咄嗟に顔を背けた。血液が音を立てて頭へと上り、カッと頬が熱くなる。
恥ずかしい。恐らく自分は今、欲も露わな顔で航を眺め回していた。そしてそれを当の本人に見られたに違いなかった。
たまらず、踵を返してその場を離れようとする。しかし、体の向きが変わろうというところで、
「…待って!」
航が慌てて夏世の腕を掴んだ。
ぐい、と引っ張り、夏世の遠ざかりかけた体を元の位置へ戻す。夏世はよろめきながらも航の前へ躍り出た。
航はそれを支えながら、自分の両手を夏世の肘に添えて、彼女の体の向きを自分の正面へと向ける。
むき出しの夏世の腕に、湿り気を帯びた航の手のひやりとした感触が走る。
冷たさで指先のひとつひとつがわかる程だったが、次第に夏世の肌に溶け、手の平の温もりだけが残った。
隣の部屋から、秒針の規則的な音が届いてくる。針がいくらか時を刻んだ後、こん、とシンクに水滴の落ちる音が響いた。
その音に反応したのか、航の手の力がふいにきゅ、と強まった。
夏世もぴくりと身を震わせ、恐る恐る航を見上げる。
航は躊躇うように瞳を揺らして夏世を見詰めていた。何かを言葉にしようと口を開こうとするも、閉じてしまう。
彼は一度夏世から目線をずらし、長めの瞬きをした。それから改めて夏世へと視線を移すと、はっきり聞き取れる声で切り出す。
「…月山さん」
やっとのことで夏世が答える。
「……はい」
「こう言うと不謹慎かもしれませんが、僕は正直、今のこの状況を歓迎してます」
夏世が僅かに瞳を見開いた。再び、ざあ、と顔に熱が集まるのを感じる。
「あいつらの思惑通りになるのはちょっと、癪だけど。でも折角得た機会を逃すつもりもありません」
航はまっすぐに夏世を見ている。
彼は今、なんと言った。静止気味の脳を必死に働かせて夏世は考えようとしたが、空しい試みだった。
脳裏には航の言葉が繰り返し再生されるばかりで、言葉を交わそうにもそこまで思考が追い付かない。
航がまた、思い切った様子で言葉を繋げる。
「だから…月山さん。…その。今日、もらってもいいですか」
何を、とは聞かなくてもわかっていた。
恥ずかしさで彼の目を見ていられない。口元を引き結びながら少し俯く。頬が燃えるように熱い。
でも、嬉しい。浮き足立って、その場で手足をばたつかせたくなるほど嬉しかった。
夏世は俯いたまま航に一歩近付き、彼の脇腹辺りの布地をきゅ、と掴んだ。
目の前にある彼の肩口に額を当ててこくりと一度頷く。返事はそれが精一杯だった。
航がそっと夏世を抱き寄せた。背に彼の腕の感触が伝わる。
夏世は擦りつけるように、彼の首筋に頬を寄せた。襟足を僅かに唇が掠めた。瞼を閉じる。
彼の温もりがじんわりと肌に浸透し、包み込むような暖かさに安心感を覚えた。
幸せだな、と夏世は噛みしめるように思う。彼のことが大好きだ。
この人に抱かれるんだ、ということを意識したら、子宮の辺りがきゅう、と疼いた。
とたんに鼓動がどくりと大きく跳ね、高鳴りだす。どくどくと忙しない音が耳元で鳴り響く。目元がじんと熱い。
自分は今どんな顔をしているのだろう、と夏世は思う。
また物欲しげな表情をしているに違いない。そう思うとたまらなく恥ずかしいが、高鳴る一方の鼓動も、頬の火照りも隠しようがない。
なによりも、航に触れたい、触れて欲しいという欲求が込み上げてくるのを感じた。
沸々と、解放しようのない熱が体のあちこちに点り始めた時、航の腕の感触が消えた。
航は手を再び夏世の肩へと戻し、ゆっくりと身を離しす。改めて顔を見合わせる形になる。
夏世と目が合った航は、あ…、と呟いてどこか呆けたように夏世を見詰めた。
夏世はもはや、自分の顔を伏せようとはしなかった。熱を帯びた表情で航を見詰め返す。
物欲しそうな顔をしているならそれでもいい、それに航が気付いて、彼に近付けるのならいいとさえ思った。
(…これが私なりの”どーんと”なのかも)
遠い意識の片隅でぼんやりとそんなことを考えていたら、彼が身動いだ。夏世の肩に置かれた手を移動させている。
夏世は布地を掴んでいた自分の手に、知らず力が込められていたことにこの時初めて気付た。
「…すみません、月山さん」
彼の口から掠れた音が出る。彼の手は今、夏世の二の腕の辺りにある。
「俺、ちょっともう駄目みたいです」
夏世は咄嗟に顔を背けた。血液が音を立てて頭へと上り、カッと頬が熱くなる。
恥ずかしい。恐らく自分は今、欲も露わな顔で航を眺め回していた。そしてそれを当の本人に見られたに違いなかった。
たまらず、踵を返してその場を離れようとする。しかし、体の向きが変わろうというところで、
「…待って!」
航が慌てて夏世の腕を掴んだ。
ぐい、と引っ張り、夏世の遠ざかりかけた体を元の位置へ戻す。夏世はよろめきながらも航の前へ躍り出た。
航はそれを支えながら、自分の両手を夏世の肘に添えて、彼女の体の向きを自分の正面へと向ける。
むき出しの夏世の腕に、湿り気を帯びた航の手のひやりとした感触が走る。
冷たさで指先のひとつひとつがわかる程だったが、次第に夏世の肌に溶け、手の平の温もりだけが残った。
隣の部屋から、秒針の規則的な音が届いてくる。針がいくらか時を刻んだ後、こん、とシンクに水滴の落ちる音が響いた。
その音に反応したのか、航の手の力がふいにきゅ、と強まった。
夏世もぴくりと身を震わせ、恐る恐る航を見上げる。
航は躊躇うように瞳を揺らして夏世を見詰めていた。何かを言葉にしようと口を開こうとするも、閉じてしまう。
彼は一度夏世から目線をずらし、長めの瞬きをした。それから改めて夏世へと視線を移すと、はっきり聞き取れる声で切り出す。
「…月山さん」
やっとのことで夏世が答える。
「……はい」
「こう言うと不謹慎かもしれませんが、僕は正直、今のこの状況を歓迎してます」
夏世が僅かに瞳を見開いた。再び、ざあ、と顔に熱が集まるのを感じる。
「あいつらの思惑通りになるのはちょっと、癪だけど。でも折角得た機会を逃すつもりもありません」
航はまっすぐに夏世を見ている。
彼は今、なんと言った。静止気味の脳を必死に働かせて夏世は考えようとしたが、空しい試みだった。
脳裏には航の言葉が繰り返し再生されるばかりで、言葉を交わそうにもそこまで思考が追い付かない。
航がまた、思い切った様子で言葉を繋げる。
「だから…月山さん。…その。今日、もらってもいいですか」
何を、とは聞かなくてもわかっていた。
恥ずかしさで彼の目を見ていられない。口元を引き結びながら少し俯く。頬が燃えるように熱い。
でも、嬉しい。浮き足立って、その場で手足をばたつかせたくなるほど嬉しかった。
夏世は俯いたまま航に一歩近付き、彼の脇腹辺りの布地をきゅ、と掴んだ。
目の前にある彼の肩口に額を当ててこくりと一度頷く。返事はそれが精一杯だった。
航がそっと夏世を抱き寄せた。背に彼の腕の感触が伝わる。
夏世は擦りつけるように、彼の首筋に頬を寄せた。襟足を僅かに唇が掠めた。瞼を閉じる。
彼の温もりがじんわりと肌に浸透し、包み込むような暖かさに安心感を覚えた。
幸せだな、と夏世は噛みしめるように思う。彼のことが大好きだ。
この人に抱かれるんだ、ということを意識したら、子宮の辺りがきゅう、と疼いた。
とたんに鼓動がどくりと大きく跳ね、高鳴りだす。どくどくと忙しない音が耳元で鳴り響く。目元がじんと熱い。
自分は今どんな顔をしているのだろう、と夏世は思う。
また物欲しげな表情をしているに違いない。そう思うとたまらなく恥ずかしいが、高鳴る一方の鼓動も、頬の火照りも隠しようがない。
なによりも、航に触れたい、触れて欲しいという欲求が込み上げてくるのを感じた。
沸々と、解放しようのない熱が体のあちこちに点り始めた時、航の腕の感触が消えた。
航は手を再び夏世の肩へと戻し、ゆっくりと身を離しす。改めて顔を見合わせる形になる。
夏世と目が合った航は、あ…、と呟いてどこか呆けたように夏世を見詰めた。
夏世はもはや、自分の顔を伏せようとはしなかった。熱を帯びた表情で航を見詰め返す。
物欲しそうな顔をしているならそれでもいい、それに航が気付いて、彼に近付けるのならいいとさえ思った。
(…これが私なりの”どーんと”なのかも)
遠い意識の片隅でぼんやりとそんなことを考えていたら、彼が身動いだ。夏世の肩に置かれた手を移動させている。
夏世は布地を掴んでいた自分の手に、知らず力が込められていたことにこの時初めて気付た。
「…すみません、月山さん」
彼の口から掠れた音が出る。彼の手は今、夏世の二の腕の辺りにある。
「俺、ちょっともう駄目みたいです」
航は腕を、夏世の腰と首の裏へと回すと、素早く彼女を抱き寄せた。そのまま屈み込む。
夏世が瞼を閉じる暇はなかった。突然幕が下ろされたように目の前が陰る。す、とアルコールの香りが鼻腔をかすめ、熱を持った彼の唇が重ねられた。
軽く押しつけるようにして触れ、僅かに離れる。航は閉じていた口元を少し開き、夏世の唇を食べるように再び口付けた。
夏世の唇の全体を覆ったり、片方だけを挟み込むようにして味わう。夏世のぷっくりとした唇が航の唾液で濡れそぼり、真っ赤に熟れる。
瞳を閉じるきっかけを失った夏世は、その間も半ば呆然と航を見つめ続けた。
キスの感触へと神経が集中していたから、目を開いてはいてもほとんど何も見えていないのも同然だ。
それでもふと視界へ意識が向くと、航と至近距離で視線が通った。
いつもは感情の読みにくい航の瞳が艶めいている。唇が触れ合ったままだったけれど、夏世は金縛りにでも遭ったようにそこから動けず、目を逸らすことも出来なかった。
航は夏世を見詰めたまま、彼女の上唇を吸った。彼女の頭を支えている手を少し動かし、首筋を撫でる。これまでの唇への愛撫で、航を見上げる夏世の瞳はすっかり潤み、熱を帯びている。
航はそれを尚も見据えながら、舌先をつう、と夏世の唇に這わせ、うなじをくすぐるように指先で辿った。
「っ…は…」
背筋がぞくりと震えて瞼が閉ざされ、夏世は息を漏らす。
吐息を吐き出す拍子に薄く開かれた夏世の唇へ、航は素早く舌を差し入れた。ぬるりと暖かいものが歯列を割って入り、夏世が小さく身を震わせる。
航は下顎と歯の裏側の付け根に沿って舌先をちろちろと這わせた。
表へ回って歯茎を辿り、また裏側へ戻ると、夏世の舌の側面をかすめて今度は上顎の歯列をなぞる。
舌先を尖らせて何度か往復すると、歯列の付け根から上顎にかけてを擦り上げた。
触れるか、触れないかという位置で舌先を伝わせ、一度舌を引き抜く。
こくん、と夏世が唾液を嚥下する音を聞き届け、航は再び夏世の口腔へ押し入った。
航の舌が夏世のそれを小突く。舌先を遊ぶように触れ合わせてから横へと滑り、夏世の舌をなぞり上げる。
「…んぅ……ん…」
夏世がふと浮かせたところを絡め取られた。擦り付けるようにして両脇に、表面にと扱かれる。
時に強く吸われて、夏世は閉じた目の裏がチカチカと明滅しているように感じた。
航が動く度、手足に痺れが走った。全身が戦慄くような快感に、夏世の膣がきゅ、と窄まる。
鼓動は破裂しそうなほど高まっていたが、航の支えがあってようやく立っているような夏世に、それを意識する余裕はなかった。
「んっ…ふ…」
しんとした室内に、ぴちゃ、という水音がこだまする。
頬は上気し、苦悶ともとれる、恍惚とした表情で夏世は航の愛撫を受け入れ、時折息を漏らした。
吸い付いてくる航の舌に、夏世が控え目ながら反応を返すと、航は夏世の頭部をがっしりと固定し、貪るように口腔内を蹂躙する。
夏世がくず折れてしまいそうになるまで急くような愛撫は続いた。
名残を惜しむように夏世の唇をひとつ食んでから、航がゆっくり身を離した時には、二人とも息を荒げていた。
焦点の定まらない夏世の口元に伝う、どちらのものかわからない唾液を、航はそっと親指で拭う。
両腕を夏世の背と肩に回し、すり切れた理性で精一杯やわらかく抱き寄せた。
鼓動の響きを耳にしながら息を整え、僅かに身を屈めて夏世に頬を寄せた。掠れた声で呟く。
「愛してます」
ああ、それは反則だ。航の言葉に夏世は気が遠くなる心地がして、ふ、と力が抜ける。
それを支えながら、部屋、行きますよ、と耳元で告げる彼の言葉を、夏世は夢現つの境で聞いていた。
ヒエェ途中の二重投稿ホント失礼しました。
gdgdってますが細かい所は目を瞑ってもらえると嬉しいです。
ではでは。
ぐぐぐъ(゚Д゚)グッジョブ!!
GJ!
弟達のお節介さとか夏世っぺと航兄のうぶいいちゃいちゃがたまらないです
自分以外にもまだヒミツを好きな人が居ることを実感できてほんと嬉しい
GJ!続きが読みたいです!!
素晴らしすぎます!!!
GJありがとうございます…!
>>947 恐縮です!そう言ってもらえるのホントに嬉しいのですが…。
なんかえらい面白いことになりそうで、まだ本番書くのに挑戦したことないんです(´`;)
なのですみません、ご想像におまかせします。じゃなかったら誰か書いてくれたら嬉しいw
945、946、948もありがと、ホント嬉しいです。このスレこれからも長く続くといいな。
また再放送とかして新たなファンが増えたら良いな〜
遂にボックス買っちゃいました。
本当にいいドラマだよね。
キャストがみんなハマってて良かったよね
ファンになった人いっぱい
時々見返したくなるドラマだなぁ
また夏世っぺの誕生日がやってくるね
その前に姫始めですね
夏世っぺ誕生日おめでとう!
夏世っぺ誕生日おめでとう!
もう四年になるんだねぇ…
1日遅れたけどおめでとう!
もう4年か…
今年も航兄とかな(笑)
4年も経ったんだから、航兄と夏世っぺには結婚していてほしい。
でも、あのまんまのまったりカポーのままでもいいかな……
修兄はそろそろ魔法使いになれるかしら?
修兄は案外超かわいい女の子とくっつきそうな気がする。
妖怪マニアでちょっと妖怪に似てる修兄に一目惚れとか。
なんにせよ修兄には幸せになって欲しい。
いや、幸せになるべき。
航兄も何気に魔法使いだったんじゃ…w
もててただろうけど家族大事で相手にしてなかったイメージ
関西再放送してるらしい
新作待ってます!
まじですか!イヤッホーウ!
新たにファンが増えてくれると良いな
放送当日も好きで関西再放送見てまたいいなって思ったんだけど
なにこの良スレもっと早く出会いたかった
1から全部読んでしまった投下された全ての作品GJ
965 :
ウェディング・プランニング:2011/02/24(木) 03:55:10 ID:3ljkvjof
再放送で久々に見て興奮のあまりネタが浮かんでしまいました(w
初投下です。お目汚しお許し下さいませ。
*今年は放送から4年。と言う訳で、陽君は留学を終え帰国。航さんも大学を卒業を機に夏世と結婚準備中と言う設定です。
*白航×夏世です。
*エロ無しです。ごめんなさい。
夏世「う〜ん……食器?」
片岡家のリビングでギフトショップで貰ってきた分厚いカタログをめくりながら夏世がつぶやくと、背後から小気味よく叩かれた。
修「こら小娘っ!!!壊れる物は結婚にはご法度ザンショ!!!」
陽「最近は割れる=幸せを分かつって定番になってるみたいだケド……重いのヤダ。」
智「俺もパス。引き出物の食器って、好みじゃなくてまず使わないね。」
航さんとの結婚式の引き出物を選びなのに、何で3人にダメ出しされなきゃなんないのよっ!!!
と夏世が隣に座ってる航をカタログ越しに見やると、航は幸せそうに微笑んでいる。
夏世「タオル……とか?」
修「粗品?」
夏世「じゃぁ……選べるギフト?」
智「安直。」
夏世「あ、二 人のプロフィールが入った時計可愛い……」
陽「それは迷惑でしょ。」
3人に突っ込まれて小さくなる夏世の隣で、航の肩が小刻みに震える。
智「あんたさぁ。もっとセンスのいいアイデアは無いわけ?航兄ぃも何か言えよ!」
航「いや。月山さんが選んだ物ならいいと思ったんだが。」
修「在学中に数々の賞をとって画壇で大注目中の航お兄様の関係とか来る訳でしょ。ハイセンスでアグレッシブな物じゃないとお兄様が恥をかくでしょが!!」
夏世「……うっ…確かに。」
修、智の容赦無い突っ込みと、航の悪意の無いプレッシャーに言葉をつまらせる夏世。
そんな夏世に陽は上目遣いに尋ねる。
陽「ギフトって貰う人の事を考えて選ぶ物でしょ?夏世姉は無いわけ?自分が貰ったら嬉しい物 とか。」
貰って嬉しい物…………
航さん?……………って違う違う。
つい考えている事を漏らしながら思い巡らしてしまう夏世だった。
966 :
ウェディング・プランニング:2011/02/24(木) 04:01:40 ID:3ljkvjof
夏世「あっ……でもなぁ……」
航「ん?何?言ってみて下さい。」
何かを思い付き、口籠もる夏世を航は優しく促す。
夏世「花園ゆり子先生の新作……とか?………なぁ〜んて……ダメですよね?」
航・智・陽「!?」
修「新作だぁ!?俺を殺す気?このオ・ニ・ム・ス・メっ!!あんた担当でしょ!?今この俺様が何本抱えてるか知ってるよね!?…………って俺じゃなくて花園ゆり子!?」
航「………花園ゆり子は解散した。その理由もわかってくれてますよね?」
夏世「もちろんそれはわかってます………ただ……。」
航「ただ?」
夏世は少年誌に移って以来疎遠になっていたチャーミー編集部に結婚の報告に行った事、そこで思わぬ人と再会したことを話した。
「あの………」
夏世が振り向くと、はつらつとした笑顔の少女が立っていた。
「あ。覚えて無いですよね?」
心当たりがなく、きょとんとする夏世に少女は、4年前の花園町祭りで夏世からサイン貰ったのだと言った。
「まさかあの時、似顔絵を描いてくれた方が本物の花園先生だとは思いませんでしたケドね。あの後、猛勉強して、投稿して、もうすぐデビューなんです。」
キラキラした瞳の彼女の目標は今でも花園ゆり子であり、新作が読めなくなったのが残念だ。と語ったという。
夏世「彼女と話してたら、花園先生のファンはまだまだ沢山の作品 を読みたかったんだな?って思っちゃって………」
夏世の話を、腕を組み拳を顎にあてながら聞いていた航が言った。
航「いいんじゃないですか?1度だけなら……もちろん修達が良ければだけど。」
陽「僕も賛成。幻の作品って感じで面白いと思うよ。」
智「だな。修兄ぃも今や少年漫画大賞受賞作家だし、陽は英国で発表した小説が日本逆輸入でブレークしたしな。プレミア物だぜ。発行はウチの社でしてやるよ。」
陽「うん。智兄ぃのトコなら安心だし。」
智は漫画雑誌編集として独立し、大手ではないが、趣味のいい作品が多いと人気の出版社を経営している。
修「…幻の?……プレミア?……………いやっ無理ムリ無理ムリ無理っ。…まぁ、夏世っぺが、蛍潮出版の締切のばしてくれるって言うなら別だけど?」ジワリと夏世に擦り寄る修。
夏世「近っ……それはダメです。」
修「この鬼嫁っ!!」
陽「僕、いい事考えちゃった。修兄ぃ。ごにょごにょごにょ」
子供の様に駄々をこねる修に陽がそっと耳打ちすると、次男の顔が輝く。
修「すばらしいぃっ!!!」
陽は夏世にニッコリ笑いかけた。
陽「作品タイトルは『恋愛テスト〜ハッピーウェディング』なんてどう?胸キュンって結婚式っぽくない?」
夏世「ありがとうございます。」
そして花婿と花嫁はそれはそれは幸せそうに微笑むのであった。
かくして引き出物と内祝いとして部数限定で花園ゆり子の作品が発行のはこびとなった。
弟達の企みで、航と夏世の馴れ初めのあんな事やこんな事を胸キュンに描かれた漫画が同時掲載されていた事を2人が知るのはまだ先のお話。
もちろん表題作より頁数をたっぷりとったそのタイトルは『ヒミツの花園』だったり……するのかなぁ。
fin
967 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 04:19:21 ID:3ljkvjof
2人の馴れ初めコミックと言うのがあると聞いて、4兄弟ならとんでもない良作を作るに違いないと思い、描いてしまいました。
夏世っぺがあげた進物は、ネタとしてけなしましたが、新作につなげる為の物で悪意はありません。
裏設定でプチギフト(披露宴の最後に出口で新郎新婦が手渡すやつ)が航さんの書き下ろしポストカードを額装したものをって思ってたんですが出せませんでした。
文章もつい説明っぽくなってしまった事に反省しきりです。
お付き合い下さりありがとうございました。
再放送ではまりました
>>965 ダメもとでのぞいたら…新作キテター!!
夏代っぺのトボけっぷりも兄弟の息の合い方もすごくよかったよ〜
新作GJ!
ポストカードの件は、また次を期待してもいーでしょーか?
再放送ウラヤマシス
このドラマ、DVDで一気に見るより、再放送とかで、
一話一話区切って見る方がいいみたいだしねw