サクラ大戦のエロ小説・その7

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890名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 08:42:21 ID:q8L1bABT
規制大変だったな
891花の都に雨が降る ◆6TjG7fAi0k :2009/03/31(火) 20:55:52 ID:ao+3jojQ
(大神)
「無理しすぎだよ、まったく…」
メルくんが風邪をひいた。看病役は俺。店の中で唯一…消えても問題ないから、だってさ。
ちょっと、いや…かなり引っかかる物言いだが、まぁいいだろ…。ありがたいし。
ちなみにここは俺のアパート。店だとお客様、メルくんの家だとシーくんにうつるから、だそうな。
「は…っくしゅん!けほ!寒い…うぅ…頭が…」
セキ、熱、鼻づまり、頭痛。このまま風邪薬のパッケージになれそうだ。本人に言ったら怒られるだろうけど。
原因は…まぁ、あれだ。着替えるの忘れたからだ。ちなみに俺はどうってことなかった。頑丈。
体を濡らした雨はまだ止まず、しとしと降り続いている。今は…結構落ち着くけどな。
「ん?」
氷嚢の氷が解けてきちゃったな。そろそろ換えないと。それと食べ物も持ってこようかな。
病んでる時には滋養をつけないと。なんだかんだでそれが一番効く気がする。
「氷を換えてくるよ。食べたいものがあるなら一緒に持って来るけど、何かある?」
「あ、いえ…特には…」
まだ食欲は戻らないのか…あ、そうだ。日本から送られてきた荷物にあったかりん酒。持ってくるか。
日本に伝わる薬酒。姉さんからの気遣いだ。まさか帰る直前になって封を切るとは思わなかった。
「それじゃ、適当に持ってくる」
さーて、それじゃ行ってくるか。日本からの荷物を解いて、と…。あった、ビン入り木箱。
双葉姉さん…意外な形で役立ちました。自分は一口たりとも飲んでいませんが、許して下さい。
よし。謝罪も済んだし、用意するか。あの味が巴里の人にとってどうなのかは知らんが…。
「よ…っと。重いな」
木箱から取り出したガラス瓶。結構大柄。
ぎっちり詰められていて、8キロぐらいはありそうだ。とりあえず一杯くんで…。
あ、でも待てよ。焼酎に漬けられてるんだから、そのままじゃきついかな…。お湯割りにするか。
氷嚢の氷も取り替えて、と。大荷物になったな。
「頭ごめんね。それと、これ。実家から送られたかりん酒。ちょっときついかも知れないけど…」
「かりんしゅ…?」
「かりんの実を漬け込んだリキュール。体…特に喉にいいんだよ」
一つ弱点があるけど、それは黙っておくか。言ってもどうしようもないしな。
差し出したグラスの匂いをちょっとかいで、意を決したように飲む。すぐに笑顔。
「おいしい!」
「でしょ?氷砂糖と一緒に漬けてあるから、苦味が少なくて飲みやすいんだよ。
かりんの匂いが大丈夫なら、子供でも飲める」
「お酒ってあんまり好きじゃないんですけど、これは美味しい!おかわり下さい!」
すぐに飲み干して、空のグラスを…やっぱりね。弱点出るね。
かりん酒の弱点、それは…。
「くー、くぅ…」
飲みやすさの割りにすごく強い。うちで漬けるのはかなり強い酒だし。
ぐいぐい飲めるけど瞬く間に潰れる。まあ、後に残らないからいいけどな。焼酎はそこがいい。
「うーん…」
それにしても、いい寝顔だな…。夢見心地で微笑。幸せそうというか、なんというか…。
平和な寝顔も、グラス手にしてベッドに突っ伏してなければ、もっと…いいんだけどね。
それはともかく、看病の手間が見事に倍増したな。酔い潰れた病人なんて聞いたことないよ。
…今夜は徹夜かな。まあ、しょうがあるまい…原因俺だし…。
「おやすみ。いい夢を見られますように」
そっと額に手を当てた。酒精を差し引けば、熱は少し下がったみたいだ。呼吸の荒れも減ってる。
明日には元気になってるといいな。外に降る雨足も弱くなってる。きっと明日は晴れだ。
892花の都に雨が降る ◆6TjG7fAi0k :2009/03/31(火) 20:57:44 ID:ao+3jojQ
(メル)
「うーん…?」
眩しさで目が覚めた。ちょうど顔にかかるぐらい、カーテンから光が洩れてる。時計の短針は10。
寝すぎたかな…体が重い。でも、気分の悪さは綺麗になくなってる。
あのお酒、本当によく効いた。おいしかったし。後で貰っちゃおうかな。
あ、そうだ。大神さんは…。
「…くぅ」
ベッドに上半身だけ倒して、椅子でまどろんでる。もしかして、私のことをずっと看病してくれてたのかな。
起こそうかな。でも、ちょっとかわいそうかな。それに…。
「すぅ…うん…」
寝顔、とっても可愛いんだもん。凛々しさなんてかけらもなくて、幸せそうに眠ってる。
多分、巴里に住む人は誰も見たことないんじゃないかな。
「くす…」
ちょっとだけ、ちょっとだけ笑いがこぼれた。今ここにいるのが、たまらなく嬉しい。
笑い声は殺せなくて、くすくすと笑い続けた。
「ん…?」
あ、起きちゃったみたい。失敗しちゃった。もっと眺めてたかったのに…。
「…あ、メルくん?もう体は大丈夫なの?」
目を覚ました第一声が私への心配。自分のことより他人のこと。そんな人だから、好きになった。
「ええ、大丈夫ですよ」
まだいくらか体が重いけど、すぐに治ると思う。昨日の辛さと比べればなんでもないし。
元気さをアピールするために、大げさなガッツポーズをしてみせた。それで納得したみたい。
「ちょっと待ってて。何か作ってくるから」
そう言って、すたすたとキッチンへ。起きてからまだ5分も経ってないのに、足取りや言葉にふらつきなんてない。
猫のような感じがする。いつでも気を張っていて、すぐに行動に移せるし、警戒も怠らない。
やっぱり、住む世界が違うのかな。私も戦っていたけど、裸の命をぶつけていたわけじゃない。
(でも、いいよね)
住む世界が違っても、大神さんも私のこと…好きって言ってくれたから。
今は違う世界だけど、きっといつか同じ世界に住めるはず。遠く離れていても、いつか必ず一緒の世界に。
そう信じている。疑っていないけど、ちょっとだけ不安になる。同じ世界に住めるのか。
でも、信じているから…いつか…。
「入るよ?」
あ、いけない。考え込んでたみたい。
音を立てないように、静かに入ってきた大神さん。私が寝ちゃったと思っていたみたい。
両手に持った二つの小さな鍋からは、いい匂いがしている。
「カーシャっていうロシアのおかゆ。それからボルシチ。食べられると思うよ。多分…」
へぇ…意外。お料理できるんだ。結構難しそうなのに。
「いただきます」
「あ、ちょっと待った」
お皿が逃げていった。なんなんだろう…?
大神さんはスプーンを自分で持って…
「はい、あーん」
少し冷ました後に、私の口元へスプーンを。
えっと、これ、どうすればいいんでしょう?
「えーっと…」
893花の都に雨が降る ◆6TjG7fAi0k :2009/03/31(火) 20:58:45 ID:ao+3jojQ
(大神)
(うーん…)
なんかメルくん戸惑ってるな。本人は強がってたけど、体のだるさまでは抜けてない。
無理させたくないから、寝かせたままで食べさせようとしてたんだけどな。こういうの慣れてないのかな?
「ちょっと恥ずかしいんですけど…」
「誰も見てないぞ。病みあがりなんだ。強がってもいいことないよ」
強がりを見抜かれたせいか、それとも単に嫌がってるだけか、少しもじもじして、ようやく口を開いた。
冷めたボルシチを口の中へ。…美味しいといいんだけど。
自分の料理って、レシピを微妙に変えて自分好みで作っちゃうもんだからな。
「美味しい!」
あぁ…よかった。無性に食べたくなった昨日の俺に感謝。いい感じにこなれてくれたみたいだ。
温めればいいだけだもんな。煮込み料理を30分かそこらじゃ作れない。
「それじゃ、もう一口どうぞ。それから、カーシャも」
「あむ…うん、美味しいです!」
さっきとは違って、食べさせてもらうことに抵抗感はなくなったらしい。
それにしても、本当に美味しそうに食べてくれる。いや、嬉しいね。感謝、感謝。
食べるペースはそのまま落ちないで、すぐに食べ終わった。結構お腹減ってたみたいだ。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末さまでした。片付けてくる」
食器を片付けて…と。洗うのは後でいいや。看病が終わってからいくらでもできる。
ついでに食後のお茶も持っていくか。ミルクは…あ、切らしてる。
わざわざ買いにいくのもあれだし、砂糖だけでいいか…。
「お茶持ってきたよ。砂糖はあるんだけど、ミルクは切らしちゃってる。ごめん」
「あ、いえ。気にしないでください」
さーて、すみれくんに鍛えられた腕を見せてやるぞ。
まずはカップにお湯を注いで温めて…最後の一滴まで…と。
「へー。手馴れてますね」
「帝国華激団の隊員、神崎すみれくんって知ってるよね?彼女に教えてもらったんだ」
…よし。淹れ終わった。メルくんはなんだかちょっとむすっとしてる。
俺、何かしたか…?いや、何もしていないはずだ。俺の気のせいだ。
「おいしい…」
なんかちょっとさびしそうだな…。いや、きっと気のせいだ。
「今更ですけど、ずいぶんお料理上手なんですね。ロシア料理なんて、どこで覚えたんですか?」
場の雰囲気が多少暗くなってきたのを察したのか、明るく話しかけてきた。
「ああ、帝激のマリアに教えてもらったんだよ。以前一緒に料理を作ったことがあってさ、その時に覚えたんだ」
懐かしいな。元気にしてるかな。マリアならうまくまとめているだろうけど、今帝都はどうなっているんだろう?
俺を呼び戻すぐらいだから、やっぱり何かあったんだろうな。早く帰らないと。
なんか半年しか経ってないのに、ずいぶん長く会っていない気がするな。
「おおがみさ〜ん?聞いてますか?」
ん、いけない。考え込んでた。考えてもしょうがないのにな。
どうやらさっきから話しかけてくれてたみたいだ。顔は笑顔だけど、やっぱりふてくされてる…。
「ごめん。どうしたの?」
「私のことを見ていないみたいで、ちょっとつまらないなー、って」
めずらしく棘っぽい…こりゃ相当だな。そりゃ無視されれば怒るか…。
なんとかしてとりつくろわないと…。
894花の都に雨が降る ◆6TjG7fAi0k :2009/03/31(火) 20:59:46 ID:ao+3jojQ
(メル)
「で、その時はもう…」
「へー」
「………」
そのままの格好で固まる大神さん。機嫌が悪いのは確かだけど、ちょっと可哀想かも。
少し咳払いをして…。
「もう怒っていないですから、気になさらないでください」
明らかにほっとした表情。私が想像するより気にしていたみたい。
「メルくん」
「…?」
いきなり真面目な顔になった。いったい、何なんだろう?
私の手を取って、軽いキス。少しだけ、少しだけだけど、嫌な予感がする。
「知っているとは思うけど、俺は…」
鼓動が跳ね上がった。嫌な予感は、段々と確信に近づいてきている。
わかっているの。わかっているのだけど、聞きたくない。
「聞きたくありません」
「俺だって言いたくない。でも、言わなきゃならないんだよ。
…心残りを抱えていくのは嫌なんだ」
息が続かない。喘ぐように、細かい呼吸を繰り返す。
大神さんもそう。静かな声が震えていて、浅い呼吸が焦りを呼ぶ。
「俺は巴里を去る。今までずっと、ありがとう。それから…さよなら」
最後の声は消え入りそうで、それでも耳に届いた。
わがままを言いたい。あなたとずっと一緒にいたい。そう言って、しがみつきたい。
でも、できない。私にはどうしてもできない。性格がどうとか、理性がどうとか、そういう事じゃない。
心のどこかが、止めてはならないって叫んでる。重荷になるな。ここで引くのが賢明だって。
言いたい言葉は口の中で苦く残って、体の震えも、涙も止まらない。
やだな。もっと静かにいたいのに。大神さんを困らせたくないのに。
「ごめん」
全身で、ぬくもりを感じる。抱きしめられているのがわかる。
私も大きな背中に手を回した。今だけは、このぬくもりに甘えていたい。
それぐらいなら、いいよね。そのぐらいなら…。

抱き合っていた時間は、どれくらいだったんだろう。
夕方と言うには早いけど、外の光は少しずつ弱まっていた。
「ん…」
優しいキス。冷え切った体の芯に、少しだけ暖かさが生まれた。
普段なら顔を赤くして離れようとするのだけど、今日はなんだか、そんな感じはしない。
流れなのか、なんだかわからないけど、このままでいたい。
「ちゅっ、くちゅ…」
甘い水音が、小さく聞こえる。なんだか、すごく落ち着く。小鳥のグルーミングみたいに、もっとずっとこのままでいたい。
「………」
抱きしめられる腕から、力が抜けていった。ぬくもりも離れていく。
離れた唇には銀色の橋。
「これ以上は、もうできない。俺には…」
「…そう、ですか」
自然と涙がこぼれてくる。ぬくもりが欲しい。痛くても構わない。待っているのが辛さだけでもいい。
それでも、ぬくもりはもう戻ってこない。もう…たぶん、ずっと。
「メルくん」
「…?」
痛々しい沈黙。大神さんがそれを破った。
「俺は日本に帰るけど、いつかきっと、ここに来るよ。
もしその時までメルくんが待っていてくれるんなら…その時は、君をさらいに戻ってくる。
だから、窓を開けて待っていてくれないか?俺がいつでも、君をさらえるように」
涙がまたこぼれた。今度はさっきまでの涙じゃない。未来に希望が見える、暖かい涙。
「ええ。ずっと、待っていますから」
泣き笑いだけど、精一杯の笑顔。大神さんも笑ってくれた。
外は夜。巴里の街に、少しずつ明かりが灯る。心に灯った明かりも、大きくなりますように。
明日も、晴れでありますように。笑顔でいられますように。
895水瓶 ◆6TjG7fAi0k :2009/03/31(火) 21:00:18 ID:ao+3jojQ
続く…と思います
896名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 12:07:56 ID:AprI/24/
続きがどういうふうに始まるのかが気になりますね…
GJ!
897名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 22:08:00 ID:XKorOrRp
やっぱ無理だ…
僕にWikiはできない
898名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 02:29:05 ID:PsLBkIFn
899名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 07:47:10 ID:3Vvs4o84
圧縮近し
900名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 11:18:44 ID:5pK6IyBr
901名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 18:03:48 ID:oIAcyEEP
902名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 22:11:28 ID:FlRi4bFu
しゅ
903名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 00:11:46 ID:T3sABjMn
904名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 19:19:11 ID:jMTTosgP
あげ
905少女病インスパイア1:2009/05/09(土) 18:55:18 ID:/GUZQcr2
 帝鉄の銀座四丁目停車場は銀ブラに来た人々でいっぱいであった。土曜の午後とも
あればそれも当然で、帝都が順調に復興している証であるといえる。帝鉄のモダンな
車両の中で押しくら饅頭になるのも慣れっこでなければ帝都で暮らしていけない。気
を付けなければならないのは掏摸で、私も過去に一度五円ほどスられたことがある。
その月は新聞社に原稿料の前借りをしなければならず、大変厳しい思いをした。以来
、私は掏摸にはとにかく用心し、蝦蟇口を取られないように二重三重に紐に括り付け
て首から下げており、車内では常時懐に手を入れて握り続けるといった策を講じるよ
うにしている。
 だが、今日はそんな些事にかまけている余裕など無いのが実情であった。何しろ私
の隣には、今をときめく帝劇のスタア真宮寺さくらさんがいるのである。それも偶然
隣り合ったのではなく、これからさくらさんと一緒に帝鉄を乗り継いで新宿の某所に
まで案内するのであるから、それはもう大変なことである。
 なぜ私のようなしがない物書きが帝都に冠たるスタアとランデヴーじみたことに及
ぶかというと、姪が帝劇の食堂で女給として働いているつてから、私の書いた小説が
米田支配人の目に留まり、次の出張公演の題材として採用され、主演を演じることに
なったさくらさんがその小説の舞台となった新宿の裏町を見てみたいと言われ、場所
を告げるだけのつもりで私が大帝国劇場にお邪魔したところ、さくらさんがかつて一
度しか会っていない私の顔を覚えていてくれて、大変話が弾んだあげく、それならば
ご一緒しましょうということになったという、振り返ってみるとわらしべ長者よりあ
り得なさそうな経緯による。
 とはいえ、帝劇のスタアがこんなところに立っているともちろん本来なら大騒ぎで
ある。そこでさくらさんはトレエドマアクの赤いリボンを外し、普段は馬の毛のよう
に跳ねさせている黒髪をさらりと後ろに流し、さらにはいつもの桜色の袴姿から深い
藍色の和服に着替えて変装することにした。私用でこっそりと出かけるときにはこの
ような変装をするのだそうである。なるほど普段の姿の印象が余りに強いため、ここ
まで変わるとまるで別人に見えてしまう。女性とはかくも不可解なものだというべき
か、さすがは女優というべきか、良人の無い私には測りかねるところであった。もち
ろんそんな変装をしても、強い意志を秘めた瞳や柔らかい口元などは変わらないので
、美しい少女と同行しているという事実は変わらない。ただ、いつもの姿のさくらさ
んではないというのはいささか残念と言わざるを得ない。
「ああ、この車両に乗りますよ」
 新宿は帝都の外れであり、銀座から二度乗り換えなければならない。しかし、ひと
まず乗ることになる車両は他の例に漏れず大変盛況であった。それでも銀座に来た人
が幾人も降りて、なんとか乗る場所ができたので、私はさくらさんを促すようにして
車両に乗り込んだ。さすがに手を取ってエスコオトするなどという洒落た真似はでき
そうにない。舞台でマリアさんがさくらさんの手を取る凛々しい様を見ており、方や
冴えない我が身を振り返ればなおさらである。
 しかしこれはひどい混雑である。降りた者もいたが乗った者も多い。もちろん私も
その一人なのだから人のことを言えた筋合いではないが、こちらにおわすは帝劇のス
タアなのである。モガはまだよいとして、むくつけき一高生らしき青年が後ろにいて
押しくら饅頭にされるのは出来ればやめて欲しいものであったが、かといって正体を
ばらしてしまうわけにもいかない。仕方がないのでさくらさんもあまり後ろに寄りか
かりたくないのか、反対側、つまり私の方へと心持ち身体を傾けてきた。
「先生、済みません。すごく混んでいるので……」
「いえ、仕方がありません。時間が悪かったですね」
906少女病インスパイア2:2009/05/09(土) 18:56:40 ID:/GUZQcr2
 済みませんなどと言われるとかえって恐縮してしまう。取り繕うように返事をした
ものの、私は内心大いに冷や汗をかいていた。他意はないとわかってはいても、あの
さくらさんが私に身体を預けてきているのである。先の見えない物書き暮らしで女性
と知り合う機会もほとんど無い私がここまで間近に女性に触れることなど上京してか
ら一度も無かった。いやいや、そういえば一度だけあったのである。雨宿りの単なる
偶然であったが、その相手こそさくらさんであったことを思い出して私は我知らず胸
が熱くなった。あのときは単なる通りすがりの他人であった少女が、今は何の因果か
私を先生と呼んでくれてささやかな旅程ながら同行してくれるようになっているので
ある。そろそろ青年と主張するには無理が出てきた寂しい独身男には身に余る光栄に
過ぎた。それだけでも十分に満足しなければならないというのに、私の邪な目はさく
らさんを間近から見下ろすことができるこの機会を逃そうとはしなかった。
 誠に残念なことに、いやいや幸いなことに、さくらさんが髪を下ろしているため、
いつもの袴姿であれば襟足から覗くであろううなじをお見ることは叶わなかった。そ
れでもさらりと流れる黒髪と藍色の着物の間に覗く白い首の線はギリシアの彫刻のよ
うに美しく、常日頃であれば客席から見上げることしか出来ない秘奥である。朗々と
劇場を振るわせる声を紡ぐ喉は、すらりとした顎の線に隠されて見ることが出来なか
ったが、あろうことかその下で合わせられた着物の合わせ目がこの混雑で縒れて、喉
の下でかすかに浮き上がる鎖骨を拝見することができたのである。細身のさくらさん
ではあっても年頃の少女らしく肩の線は丸みを帯びており、その中で浮かび上がる鎖
骨は、さくらさんが彫刻の存在ではなく生身の女性であることを無言のうちに主張し
ているように見えて仕方がなかった。
 舞台ではマリアさんやカンナさんに比べて小柄で愛らしく見えるさくらさんではあ
るが、必要以上に痩せぎすであるということはなく、着物の下に包まれている身体は
生き生きと肥っていることを伺わせた。そういえばさくらさんは剣術を嗜んでいると
聞いた。その若々しい身体を時には激しく動かすこともあるであろうし、そもそも舞
台女優というものは体力が無ければ到底ままならぬ職業であるはずであった。客席を
舞台に近づけるために、一つ一つの動きは日々の暮らしよりも遙かに大きく見せるこ
とを要求されるのであり、劇団に入ろうと志す少女は容姿よりもまず声量と体力を磨
かねばならぬのである。さくらさんは花組のスタアとして、客席全てを惹きつけるよ
うに立ち回るために、その身体をいっぱいに伸ばして演ずるのである。それを支える
身体は美しいだけでなく、意外に肉付きもしっかりしているのであった。その事実は
私を幻滅させるものではなく、むしろ健康的で好ましく思えるものであった。合わせ
目の奥に押さえつけられた乳もスレンダアではなく、我が国の女人としては豊かと讃
えられてよいものであることが伺われた。
 ふと、姪に乳をやっていた姉の姿が思い出され、そのとき私は不意に、さくらさん
たちが結婚適齢期の女性であることに今頃思い至ったのである。それは花組の舞台に
通う私たちが常日頃はけして意識すまいと心がけていることでもあった。花組のスタ
アたちはファンすべてのものであり、誰か一人の男の手に収まるものではないと信じ
続けたいのである。だがもちろんそんなことは戯言に過ぎない。これほどに見目麗し
い少女たちが恋と無縁で居られるはずもなく、男女同権を謳うこの太正時代にあって
は婚前の激しい恋愛もまた大いに励めとされるのである。私たちがどんなに箱の中に
収めておきたいと願っても、それは儚く叶わぬ願いであることを、私たち自身が一番
よくわかっているのである。大勢のファンの一人でしかない私たちではない誰か別の
男の手に抱かれ、帯を解かれて、闇夜の中でその白い肌を曝すときが必ずや来るので
あり、あるいは既にその時は訪れているのかもしれないのである。そしていつかはそ
の乳をたった一人の子に含ませるようになり、いやその前に、誰か一人の男の手によ
って美しい形を歪まされ、舐らせるときがくるのであろう。そのときにその喉から漏
れるであろう美しい声を私たちが聞くことはけしてなく、たった一人のための劇場で
、夜通しのデュエットが紡がれるのである。
907少女病インスパイア3:2009/05/09(土) 18:58:39 ID:/GUZQcr2
 とても余人に話すことのできない白昼夢から私を呼び戻したのは、どこぞの停車場
に着いたことを告げる車掌の無粋かつ親切な声であった。降りる者が幾人かあり、ほ
んの少し空きが出来たと思ったのもつかの間、郊外へ向かうこの路線ではここでも乗
ってくる者は降りる者より多く、私とさくらさんはさらなる混雑によって前後からさ
らに強く押されることになった。
「あっ……」
 さくらさんが可愛らしい悲鳴を上げたときには、私はさくらさんとほとんど抱き合
うような近さで密着していたのである。これは白昼夢の続きであろうか。想像逞しく
して思い描いていたその身体を、私は幻ではなく僅か数枚の布越しに堪能することが
できたのである。想像していた以上にさくらさんの身体はしっかりとした芯が通って
この混雑の中でも揺らぐことが無く、そしてまた想像していた以上に、柔らかいもの
であった。私が平衡を崩して折れかかった足は満員車両の悪戯でさくらさんの足と複
雑に絡み合い、太股や脹ら脛の望外なる柔らかさを、私は足のそこかしこで味わうこ
とができた。そして何よりも、決して自らそうしたのではないが、私が財布を握りし
めるために懐に入れていた右手の甲は、さくらさんの胸元に押し当てられることにな
っていたのである。その感触を何に喩えてよいのか、物書きの端くれでありながら何
にも思いつかなかった。ただ一つ間違いなく言えることは、とてもこの世のものとは
思えぬ天上のそれであった。私に懐へ手を入れる習慣を作ってくれた件の掏摸には深
く感謝せざるを得ない。しかし、妙齢の女性の乳に布越しとは言え触れるとはお天道
様をも畏れぬ大罪である。
「済みません、今なんとか手をどけますから」
 後ろから押された痛みではなく、この極上の感触を手放す心痛から私の顔は歪んで
いたに違いない。それでもこのままでは他のファン一同に誅殺されてもやむなしとさ
れよう。実に耐え難きことではあるが、懐から右手を抜き取ることをなんとか己の身
体に命じたのである。しかし幸いなことに、いやいや困ったことに、手を動かそうに
もまず二の腕が隣の二人の男の間に挟まれていて、肘から先しか動かせないという事
態に陥っていたのである。それでもなんとか手首を捻ってさくらさんの清らかな胸か
らどけようとするのであるが、さくらさんと私との間で圧迫されていて、それすらも
ままならない。かすかに前後左右させるのがやっとであり、とても抜けそうに無かっ
たのである。それでもこのままの有様を続けていては、帝鉄から降りた瞬間にさくら
さんの刀の錆にされても文句は言えまい。無駄と解っていても私は望まぬ脱出のため
の努力を何度と無く続けるしかないのであった。
「せ、先生、この有様では仕方がありませんから、その、手を動かさないで頂けます
か」
 蚊の鳴くような声が、天啓のように私の動きを押しとどめた。そこでようやく私は
、自分のやっていることが、若く瑞々しいさくらさんの乳を揉みしだくに等しい行為
であることに思い至ったのである。きっと私の手の甲によって着物が擦れ、さくらさ
んの乳の頂きにあるはずの蕾を嬲っていたはずである。乳の頂きを弄べば女体が花開
くという、ものの本に書かれていた記載は戯言ではなかったらしい。さくらさんは微
かに息を荒くして、白い頬を薄紅に染めているではないか。それにしても嗚呼、何と
いう色香であろう。私は今まさに蕾が開こうとする様を目の当たりにしているのであ
る。それも、帝都に住まう多くの男が自らの手で開かせたいと思うであろう高嶺の花
をだ。むろん、それを手折ることができればこれに勝る喜びはあるまいが、自らの手
で花開かせる様を拝めただけでも僥倖に過ぎるといわねばなるまい。本来ならばそれ
だけでも誅殺されてもやむなしの蛮行なのである。
908少女病インスパイア4:2009/05/09(土) 18:59:58 ID:/GUZQcr2
 しかしなんという慈悲であろう。さくらさんは仕方がないと言ってくれたのである
。その許しはさくらさんがかつて演じていたクレモンティーヌを思い起こさせた。花
売り娘とはすなわち春を売る娘に他ならない。歴史上にいたであろうクレモンティー
ヌに当たる少女もその実は国王軍と革命軍との間でその身を弄ばれたに違いない。に
も関わらずクレモンティーヌは兄の敵である男を許したのであった。そのとき、少女
は少女でありながら慈悲深き聖母でもあった。今のさくらさんはまさにその役を体現
しているのではなかろうか。聖母である。男に許しと愛と乳を与える聖母である。そ
れが純真無垢ではなく、紛れもない女という性を内包することこそ奇跡であった。
 私はその若き聖母の乳に甘えることにした。手を乳の間から退けようとする無駄な
努力を諦め、その柔らかさと豊かさに満たされることにしたのである。邪で淫らな気
持ちに満たされていながら、私は清らかささえ覚えていた。女体に甘えるなど、幼き
日に姉に甘えて以来幾年ぶりのことであろう。財をなした成金が若き愛人を囲みその
乳を貪るのも仕方あるまい。男とは幾つまでも子供であることを自嘲気味に悟ったの
である。
 無駄な動きを諦めて至福に身体を委ねていると、ふと鼻をくすぐる匂いに気が付い
た。そういえばさくらさんは香水ではなく匂い袋を持ち歩いているのであったが、そ
の懐かしい匂いを今頃になって嗅ぎ取ることができたのである。しかし私が味わった
匂いはそれだけではなかった。一つは鼻元に近いさくらさんの髪から立ち上るのは清
潔な石鹸の香りであったが、もう一つ、満員車両の手品がかすかに開かせたさくらさ
んの襟元から、うっすらと芳しく立ち上る匂いに私は辛うじて気づくことができたの
である。それはさくらさんの若々しい身体が立ち上らせる、若木のように生き生きと
した匂いであった。萌え立つような甘い匂いであった。
 その匂いを嗅いだ私自身の男性が、母なる子宮へと回帰しようとして私とさくらさ
んの身体の間で固さを増していた。その正直すぎる私自身の身体の反応により、私は
その匂いが、雄蜂を惹きつけようとする女王蜂が持つという蠱惑の匂いであることに
気づかされた。私の手によって弄ばれたさくらさんの身体は、我知らずに男の精を呼
び寄せようと秘密の花園から萌えいずる匂いを立ち上らせていたのである。精をめし
べに受ければ少女は孕み母へと化身するのである。今のさくらさんが少女にして聖母
であると見た私の考えはまさに正しかったのである。
 だがしかし、今の私に許されたのは甘えることまでであり、そのめしべにおしべを
差し入れ、精を注いでさくらさんを母へと化身させることは到底許されるものではな
い。そのことが許されぬ満員の環境が今は有り難かったと言える。ただ私はそのとき
を頭の中で夢想するに留め、褌の中で致してしまうことをなんとか我慢することがで
きた。
「押さないようにしてお降り下さい」
 気が付けば次の停車場にたどり着き、多くの人が降りて、ようやくにして私たちは
抱擁じみた関係から解き放たれた。接していた身体の表が熱くなり、ほどけることを
無念がっていたが仕方がない。さくらさんは少し前屈みになって、口元と胸元に手を
当て、はあはあと何度か息を整えていた。最初は甘かった息が、二度三度で落ち着い
たものに戻り、十を数えるまでに、舞台女優の腹式呼吸へと整えられた。一時母にな
りかけた女が、再び舞台女優にして少女剣士の姿を取り戻したのである。しかし、開
きかけた蕾を再び固く閉ざすその様すら美しくあった。
「すごい混雑でしたね。勝手を言って済みませんでした」
 そう答えるさくらさんの声も、いつもの凛々しさを取り戻していた。先ほど私が見
、聞き、嗅いだものは幻であったかのようである。だが私の手の甲に残る甘い感触の
名残が、それを確かに否と答えていた。
「いや、こちらこそ済まなかったね。もう少し早い時間に出るべきでした」
 しかし私も、何事もなかったかのように答えることにした。何事も秘すれば華であ
る。今私が見たさくらさんの姿は、衆目に曝してよいものではなく、いつか来るとき
まで秘しておくべきものなのだ。ただひとときそれを垣間見ることができた私の脳裏
に焼き付けておけばそれで幸甚である。
 その日案内すべき本来の用事は滞りなく終わり、帝都の中心へと戻る帰りの帝鉄で
は、再び白昼夢を見ることは無かった。
909少女病インスパイア5:2009/05/09(土) 19:01:59 ID:/GUZQcr2
 ただ、その日より私は夜ごとに夢想する。あるいはさくらさんが、あのときの自ら
を忘れられず、夜の闇の下、布団の中で手慰みに耽ってくれるのではないかと。そん
な妄想の中で、帝都広しといえど今は私だけが知るさくらさんの匂いを脳裏より呼び
起こして、私もまた手慰みに耽るのである。




田山花袋の「少女病」を読んで何か受信したのでインスパイアしてみた。
無理がありすぎだが後悔はしていない。
暇なら素晴らしき原著を読んでくれ↓
ttp://www.aozora.gr.jp/cards/000214/files/1098.html
910名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 20:53:14 ID:rp+1x8yM
アイリス「お兄ちゃ〜ん」

大神「黙れクソガキが!」

アイリス「この童貞野郎!」
911名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 23:17:33 ID:5I570WS/
うーん…
物書きとしてゆるせないんだが
何この幼稚な文章
912名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 23:40:11 ID:rp+1x8yM
>>911
お褒めのお言葉ありがとん
913名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 15:32:07 ID:yVm6wfdE
1&2がPSPになってたから今プレイしてるが…
カンナ可愛いよカンナ
914名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 13:45:12 ID:PHWroOYf
女性人気もあるカンナ
915名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 16:21:59 ID:8RneAHfO
カンナ以外で女性に人気っていうとマリア、カンナ、レニ?
グリシーヌとかロベリアも?
916名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 15:09:16 ID:1P8zBNvj
すごく不本意だけど昴だろうな。
性別がいまだにわからないけど。
917名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 17:09:53 ID:Ag3ncD+N
確かあかほりが欧州星組は全員女って言ってなかったっけ?うろ覚えだけど…。
918名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 21:18:29 ID:7kQ9tbIF
うむ
文章にされてる設定では旧星組は全員女性
919名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 23:37:12 ID:4Ey8BtiU
そういえばまとめサイト見ても昴のって少ないんだな
920名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 11:57:58 ID:V6U5gGn/
専用スレがあるレベル
921名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 12:37:58 ID:LxQHprTQ
そうなの?
922人造人間だみゃ〜ん ◆1aM01Oi/FM :2009/05/24(日) 22:49:47 ID:Us2fhkVn
しばらくSSから遠ざかっていたので、テストうp
923人造人間だみゃ〜ん ◆1aM01Oi/FM :2009/05/24(日) 22:50:08 ID:Us2fhkVn
おかしい。
いつもはすんなりと事が進むはずなのに、この日は何かが違った。
いつものように女性の中で発射された大神一郎の精子部隊。だが・・・・・・何かがおかしい。

目の前に、別の精子部隊がいる。
「お前たちは誰だっ!?」
部隊長が叫ぶと、その精子部隊は声高に叫んだ。
「我らは大河新次郎精子部隊だ!」
大河新次郎・・・それは、我らが大神一郎精子部隊の甥っ子である。つまりは大神家の血筋を残す、いわゆる味方である。
だが、この二つの部隊が今、同じ女性の膣内にいる。それは、大神一郎部隊にとっては、敵であることを意味していた。
しかし、大河新次郎の部隊は、大神一郎部隊に負けず劣らずの精鋭部隊。正面から戦って勝つことができても、大損害を食らうに違いない。
そして大損害を食らったら、女性の卵巣までたどり着く前に力尽きてしまうかもしれない。
できれば戦いたくない相手だ。だが、同じ膣内にいる以上は、倒さねばならない相手だ。
だが・・・・・・少しおかしい。
大神一郎と大河新次郎が一人の女性を相手にしたならば、先にいた方は30分以上前にこの膣内に発射されていたはずだ。
ということは、大神一族の進軍速度を考えれば、もうとっくに卵巣に到達していてもおかしくない。
しかし、先に発射されていたはずの大河部隊は今、ここにいる。なぜ、進軍しないのだろう?
「お前たち、進む気がないのなら、我らが先に行くぞ!」
大神部隊は、大河部隊の真横をすり抜けて、卵巣への道を進むことにした。だが・・・・・・
その瞬間、猛烈な地響きとともに、地面が激しく波打つ。同時に凄まじい勢いの赤い津波が発生し、たちまちのうちに部隊の周囲を包み込んだ。
「これは・・・生理!?」
大神一郎精子部隊にとって、生理は意味を持たない。生理によって排出される卵子を卵巣に押し戻して孕ませることぐらい、彼らにはたやすいことだ。
だが、この女体は違う。今彼らを包んでいる液体は異常に重く、全く身動きが取れない。
「ど、どういうことだ!?まったく動けん!?」
大神一郎、そして後方の大河新次郎、二つの部隊が動けなくなるほどの流れ。
その時、卵巣の方から声が聞こえた。
「双葉卵子部隊!侵入者を殲滅せよっ!!!」
すると卵巣の方から巨大な火の玉のような卵子が一つ、やってきて流れの中に飛び込んだ。
その途端、流れが急に激しく泡立ち始めた。沸騰を始めているのだ。
「ぐわあああああっ!!!」
「ぎゃあああああっ!!!」
いかに二人の精子部隊が無敵といえども、煮えたぎる高温には耐えられない。
遂に二つの部隊は一匹残らず女体から排出された。
「ふっ、まだまだね。おとといいらっしゃい。」

おしまい
924名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 06:45:01 ID:uafRu+fY
相変わらずで何よりwww
925名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 12:46:03 ID:Q0WWcUmq
復帰作がこれかw
安心したぜ
926名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:02:27 ID:FwMK+048
突っ込むのも馬鹿馬鹿しいが双葉の口調が違う
927名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 21:54:26 ID:wtWMtL39
何か色々犯罪臭がw
928名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 05:47:16 ID:UMNg0mtj
容量が限界に近いよ
929名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 21:38:12 ID:89B7/60X
サクラ大戦のエロ小説・その8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1243514268/

勃てた
930名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 12:19:44 ID:JDsbhlSE
大神さん、大河さんお待ちしております。
931名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 23:25:56 ID:cxPJ0OKE
天海さんもお待ちしてます…?
932名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 22:51:30 ID:eiajUfaj
天海春香?
933名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 02:04:57 ID:DoDYvNj2
>>932

…誰それw
934名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 11:31:12 ID:mxQeXsDs
>>933
アイドルマスターというゲームに出てくるアイドル候補生のうちの一人。
935水瓶 ◆6TjG7fAi0k :2009/06/10(水) 14:28:00 ID:MGiJ8RKe
「…なんだってこんなことに?」
「君の運がないからさ」
昴さんに捕まった。それはいい。でも、済し崩し的に買い物に付き合うハメになった。
ついでに、舞台度胸をつけるためということでプチミントに着替える事に。
「はぁ…」
着慣れたくもない服に袖を通す。なんで、プチミントに変身しなけりゃならんのですか…。
逃げたいけど、更衣室の前には昴さん。防犯上窓はなし。つまり逃げられるわけもなし。
凹みながらも着替えが終わり、昴さんのところに行くと…。
「うん、いいね。それじゃ次は化粧かな」
「いいっ!?化粧までするんですか!」
腕を引かれて三面鏡の前まで連れていかれた。昴さんの手には化粧道具。
少し抵抗したけど、遠慮なく関節を決められて、結局言いなり。
「当たり前だろう。君がその姿でいる時は紛れもなく『女優』なんだから。
化粧はファンの夢を壊さないため…言ってみれば礼儀だよ」
納得したくないけど、言っている事は筋が通っているだけに文句を言えない…。
「化粧荒れしていないから楽でいい。はい、終わり」
てきぱきと化粧を終えて、鏡を見れば、完璧なまでのプチミント。泣きたいくらい完璧。
「それじゃ、行こうか」
凹んだ顔はそのままに、昴さんと一緒に五番街へと向かった。
(ねぇねぇ、あの二人、リトルリップシアターの…)
(えっ?あ、本当だ…。昴さんとプチミントさんだよ。いいなあ…絵になるよねー)
うう…視線が痛い…。さっさと買い物終わらせたいよ。
「昴さん、買い物を済ませましょうよ…」
「その前にお客さんだよ」
昴さんが見ていた方向に目を向けてみると、少年。遠目からでもどこかで見た事があるような…。
近づいてくる。んん?あの子は確か…。
「あ、あの。プチミントさん…」
(大河、わかっているだろうけど、今の君はプチミントだからね)
つんつんと突付かれて、軽く釘を刺された。もちろんわかってますって。
「確か、いつか楽屋に来てくれた人ですよね?お久しぶりです」
ぼくのファンだって言った人。印象深かったなー。サインと握手を求められたっけ。
嬉しそうな顔だけど…ぼくは男だけどね。知らぬが仏…。
「お、覚えていてくれたんですか!?くぅ…幸せ…」
感激しきりだね。ぼくはぼくで感慨深いものがある。色々と…。
丁度隣に昴さんがいるし、ほんとに色々と…。
(大河。ボロが出ないうちに切り上げたほうが良くないか?このままだと深くつっこんできそうだ)
それもそうですね…。それじゃ、切り上げますか。
「あの…申し訳ないんですけど、プライベートですから、買い物を続けたいのです…」
「あ、はい!またお会いできる日を楽しみにしています!!!」
半ば裏返った大音声。もとい絶叫。周囲の人々の目線がこっちを向く。こ、れ、は…。
(昴さんとプチミントさん…なんで一緒にいるんだろ…。あ、そういえば、昴さんって男性なんだっけ?)
(え!?じゃあ…あの二人…そういう関係!?)
(絵になるからいいけど、堂々としたものよねえ)
ま…まずい!このままだと、要らぬスキャンダルになっちゃうよ!ぼくはどうでもいいけど、昴さんは…。
(どうします…うわ!!)
昴さんの方を向いた瞬間、昴さんに腕をつかまれた。全速力で走り出す。ぼくもなすがまま。
遮るように取り囲む周りの人を上手くかわして、そのまま走り続けた。
「はあ、はぁ…なんとか、かわせましたか」
「ふぅ…そうだな」
いつの間にやらセントラルパークの奥深くまで来ていた。どっと疲れが出て、近くのベンチにへたり込む。
買い物できなかったけど、また来ればいいか…。ああ、眠い…。
936水瓶 ◆6TjG7fAi0k :2009/06/10(水) 14:28:35 ID:MGiJ8RKe
帝劇。
「なんてことがありました」
「新次郎…お前、そんなに有名なのか」
「…なりたくなかったですが。それより、その後眠っちゃって、起きたらもう夜だったんですよ。
そしたら昴さんが『やっぱり寝顔は可愛いな』なんて言っていたんですよ。すぐ買い物に誘われたし…何なんです?」
「うーん…。お前相当童顔だからな…言いたくないけど、小動物的に可愛がっていたんじゃないか?」
「…なるほど。そのうち、もっといい男になってみせますよ!」
あははは、と笑いあう二人。
大神一郎から、大河新次郎。繋がる朴念仁の系譜。
937水瓶 ◆6TjG7fAi0k :2009/06/10(水) 14:29:31 ID:MGiJ8RKe
名前間違えました。新次郎の回想録ですorz

色々あって書く気力が無くなってしまいましたが、ゆっくり書いていこうかと思っています。
938名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 16:35:32 ID:pr4BGaOh
相変わらずGJだぜ

ふと「朴念仁の系譜を絶つべく新次郎を教育する花組隊員」なる電波が……
939新次郎の回想録 ◆6TjG7fAi0k
「大河さん、次はあの店ね!」
「お、もい、よ…」
杏里くんにつき合わされ…荷物もち。そりゃあ見事なくらいに。
右手、左手はもちろん、背中に荷を背負い、首に買い物袋をかけられて、荷物置きにさせられた気分だ。
ぼくはそんな状態なのに、杏里くんは全く荷物を持っていない。振り回されっぱなしだね、ぼく…。
「えーっと、それじゃ、これ下さい。ほら、大河さん、ちゃんと持ってよ!」
首にかけられた買い物袋が一つ増えた。杏里くん、ぼくを殺す気…?
「それじゃ、次行ってみましょう」
あっさりと言わないでくれ!ぼくは今にも前のめりに倒れそうだというのに!
「や、休ませて…?」
休憩させてくれ…ほんとに危ないって。ぼくが。
この首にかけられた新たな袋が半端じゃないほど重い。首が落っこちちゃいそう…。
「もう、軟弱なんだから…そこのベンチで休んでいきましょう」
よかった…。ぼくの首はまだなんとか繋がっている。本当に、よかった。
ん?杏里くんがいない。ぼくを置いてどこに行ったんだろ?
「はい、大河さん。ご褒美」
帰ってきた杏里くんの手にはアイス。わざわざ買ってきてくれたのか、気が利くね。
「はい、あーん」
なぜか杏里くんが食べさせてくれた。気を使ってくれているのかな。
うん、甘い。体が火照っているせいか、冷たいアイスがほんとうに美味しいよ。
「大河さん、アイスがついちゃってますよ。子供ですね」
すっとハンカチで拭ってくれた。普段からこのくらい慮ってくれると助かるんだけど…。
「おうおう、見せ付けてくれんじゃん?」
おや、チンピラが来た。真昼間から元気だね。
「高そうな荷物たっぷり持ってるじゃん?貧乏な俺にすこーし、恵んでくれねえかな?」
しっかし、人通りもそこそこあるのによくやるなあ。
後先見えないで行動するのも結構だけど、ここまで来ると単なる馬鹿だよね。杏里くんも不安がるわけだよ。
「杏里くん、先に帰っていてくれない?荷物は持っていくからさ」
「う、うん」
これで買い物から逃げられる。いや、いいなあ。また後で来ればいい。
立ち上がって、少し引いた。荷物からわずかに距離を取る。
「ほー。ナイト気取りの割りに素直じゃねえか。でも、ちょっと殴らせてくれや?」
歯を食いしばった。わざと一発殴らせて、正当防衛発動…と。
二発目をくれるために伸びて来た手を掴んで、そのまま一本背負い。あ、いけない…。
「ああ…ベンチに穴開けちゃった…」
投げ落とす場所考えて無かったよ。これはもう、荷物を抱えて逃げるっきゃない!

シアター。速攻で売店に行き、荷物を全部降ろした。
「た、大河さん…顔…」
顔?ああ、ちょっとアザが出来てるか。覚悟の上だったから、気にも留めてなかった。
「大したことないよ。気にしないで」
「でも…お薬塗ってあげますから、こっちに来てください」
大げさな…ま、いいか。え、でも、とりだしたその薬って…確か…。
「いったああ!すっごくしみる!大したことないんだから、やめてよ、痛いって、ほんとに!」
「男の子なんだから痛がらないの!ほら、じっとして!」

帝劇。
「なんてことがありました」
「新次郎…お前も中々胆力がついたな」
「まぁ…色々ありましたから。そういえば、その後、杏里くんに『私の為に怪我させちゃって…ごめん。だから、責任取る』
って言われたんですけど、責任ってなんなんでしょうね?」
「うーん…買い物で何か好きなものを買ってくれるってことじゃないか?荷物もちのお礼も込めて」
「あ、なるほど。それもそうですね」
あははは、と笑いあう二人。
大神一郎から、大河新次郎。繋がる朴念仁の系譜。