らき☆すたの女の子でエロパロ48

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1名無しさん@ピンキー
アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、OVA化も決定した「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。


☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
 『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください

・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
 これにより『人大杉』のエラーが回避できます

・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
 投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます


マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ47
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212038014/
246-372:2008/06/10(火) 19:20:42 ID:xbRn+RJX
乙で感謝です!!
3名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 21:34:14 ID:5i05Yqc0
しかしぬるぽ
4名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 21:41:29 ID:41ArcNXn
>>3
ノーザンライトボムガッ!!
5ふた☆自重:2008/06/10(火) 21:50:33 ID:t77Z33JL
向こうに上げたやつですが、元絵はこちらで描いたやつなので。
ttp://konakaga.me.land.to/cgi-bin/imgboard/img-box/img20080610212052.jpg

48スレ目も張り切っていきましょ〜。
6ふた☆自重:2008/06/10(火) 21:56:48 ID:t77Z33JL
忘れてた。
>>1乙です!
7名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 22:06:54 ID:s5Cg3Kg/
>>5
なるほど、これがかがみをサーチするツンデレーダーですね、わかります。
8名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 00:48:18 ID:0gDrxhqn
こなた、こなフェチに社会問題を持ち出す の巻

かがみ「こなたぁ〜」
つかさ「こなちゃ〜ん」
みゆき「いずみさぁ〜ん」


こなた「3人とももうやめて!これじゃあモンスターペアレントだよ!」
かがみ「私達は母親じゃないわよ」
つかさ「しいて言うなら、恋愛対象?」
みゆき「私達はこなたさんを純粋に愛してます・・・クレームなんてこれっぽっちも言ってません」

こなた「やっぱり駄目か・・・ネットニュースじゃ情報不足だよ」
9名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 01:15:27 ID:QSxda0bv
>>1乙〜

みゆき
「『>>1乙』と言うのは、新しくスレッドを立てた>>1さんに感謝の気持ちを示す言葉なんですよ」
こなた
「…………それだけ?」
みゆき
「はい♪」
こなた
「……………………」



みゆき
「……じ、次回・『雷鳴とどろく帝都にウイングかなたさんの雄姿を見た!』 お楽しみに!」
かがみ
「こらそこ、煙に巻こうとしない」
10名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 06:35:04 ID:2kxvp+lt
さあ>>1乙ざますよ
11名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 08:06:38 ID:fI79kz3q
>>1乙でガンス
12名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 08:21:57 ID:7JdQcUTZ
ふんがー

>>1
13名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 12:31:30 ID:+A2W8kdf
>>1姉貴オッスオッス
14名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 12:44:31 ID:LrHHKp34
こなたとFigmaのこなたを絡めて、なんか書きたいなぁ。
あの出来栄えを見てたらそう思った。

倉庫から抜け出してぞろぞろ泉家に帰ってきて、部屋の中にアルプススタンド作って深夜アニメ観戦とかw
15名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 13:03:44 ID:CV1E9p+W
>>14
ちょっと待って、それなんて帰巣本能w


あ、そうか。ねんどろいどの発売が延びたのももしかして……。

===========================

「工場長ー!」
「どうした、呉!」
「居ました! かがみ3、こなた2!」
「でかした! 顔を付け替えて大人しくさせるぞ!」
「は、はいっ! こら、じたばたするな!」
「よーしよし、いい子だ……馬鹿野郎、何つけてやがる!」
「え、だってこの顔つけると捕まえるのが楽で」
「公式サイト用とキャラアニ用を混ぜるんじゃねえ! 手ぇ見ろ手!」
「す、すみません! ええと、この子はかがみで、両腕が外曲げだから……あっ、工場長!」
「今度はなんだ!」
「こなたが逃げました!!」
「なぁにぃぃぃぃ!?」
「お、追いかけましょう! 待ってくれぇぇぇ!」(ダッシュ)
「馬鹿! 手前ぇは捕まえた連中を工場へ連れてけ! 聞こえてんのか! 呉ー!!」(同じくダッシュ)

===========================

……なんてことだったりするのでしょうか。 お粗末。
16名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 20:09:43 ID:syUrqCC9
>>15

どたばたワロスwww
実際、工場でも混乱してそうだな、パーツの組み合わせとかで。

バージョン違いのハルヒの胸像を各雑誌の付録?につけて、そのパーツがフロイライン版ハルヒの
オプションパーツとして使える、という企画をやるらしいが、こなたでもやってくれないものか……

Figmaのオプション顔、肝心の(=ω=.)顔じゃないみたいだしなあ。
(なけりゃないで自作するけど)
17名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:11:12 ID:fI79kz3q
>>16
「作る」と言ってのけるほどのおまいさんの製作能力に嫉妬

これは、作ったら公開の義務を与えざるを得ない。
18妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/12(木) 01:34:02 ID:0CL0Q0GL
>>14にして>>16、その正体は俺ですw

今日は静かなようですので、即席で恐縮ですが6レスいきます。
『枯れ木も山の賑わい』、ってことで。

非エロ非日常系、CPなし。



うにょ〜ん化した俺、妄想に任せて投下する。


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19『千のコナタ』(1/6):2008/06/12(木) 01:35:41 ID:0CL0Q0GL
 うっとうしい梅雨も明けて、ようやく夏本番といった感じの糟日部市某所。
 期末試験も終わり、夏休みが近づくうわついた雰囲気の中、いつもの四人がいつものように登校中。

「むっふっふー♪」
「何よこなた、気持ち悪い笑い方して」
 相変わらず辛辣なかがみさん。しかし、上機嫌のこなたにはノーダメージ。

「まあこれを見たまへよ、かがみん」
 こなたが差し出したコンプには、『Figma泉こなた・制服バージョン発売間近!』の文字が踊っている。
「そっかぁ、そろそろ発売なんだね、こなちゃんのフィギャー」
 相変わらず、ぽやぽーやでまったりとつかさが笑う。『フィギュア』が発音できてないのはご愛嬌。
「あんただけ先行発売ってのが、どうにも納得いかないけどね」
「むふ、主人公の特権なのだヨ」
「まあ、私たちも発売予定みたいだし、別にいいけどね……どうしたの、みゆき?」

「……わ、私のフィギュアも、ちゃんと発売してもらえるんでしょうか……?」
 みゆきさん、ガクブル状態。カワイソスすぐる。

「大丈夫だよ、ゆきちゃん。ちゃんと『わんへす』で参考出品はされてたんだよね? こなちゃん」
「そ、そうでしょうか……信じていいですよね、つかささん?」
 頼むから、『ワンフェス』ぐらいまともに発音してくれ、つかさ。
「出てたよ〜。私の読みじゃ、ストップモーションアニメでOP再現するツワモノが絶対出るよコレ」
 交換用の表情が(=ω=.)じゃなくて(>ヮ<.)であるあたり、メーカーも狙ってるネ、とこなたは言った。

「一分三十秒のストップモーションアニメですか。相当大変そうですね……ところで」
「何よ、みゆき?」

「……私、確か今年、大学に合格した覚えがあるのですが……」
「……考えたら負けかなと思ってる」



――――――――――――――――――――――
 『千のコナタ 〜A Thousand Konatas〜』 
――――――――――――――――――――――


20『千のコナタ』(2/6):2008/06/12(木) 01:37:18 ID:0CL0Q0GL
 ここは干葉県松弩市、通称マッドシティ。グッド○マイルカンパニー、略して『ぐっ○ま』の本社商品倉庫。
 終業時間はとうに過ぎて、事務所には納期間近の原型師ぐらいしか残っていない。

 暗い倉庫の一角に、整然と積み上げられた段ボール。その腹には、「Figma」と「泉こなた」の文字。

 そう、みなさんお待ちかねの、あの品物である。


 ……がらん……と静まり返った、薄暗い倉庫の中で、
 ……その段ボールが、

 ……ゴトゴト……ゴトゴトと蠢いている。

 ちょ、な、宵の口からホラーですか!? じょじょ、冗談はやめてくださいよ、ハハハ。
 ビビり入っちゃってるナレーターを尻目に、その蓋が突然、バリッ、と開いた。

「やふー」
「おはよん」
「うぃーっす」
「どもどもー」

 箱の中からぞろぞろと這い出してきたのは……泉こなた。
 曖昧十三センチ、それ十分の一ってことかい? ちょ。

 所狭しと倉庫に積まれた段ボールという段ボールから。出てくる出てくる小さいこなた。
 制服バージョンとコスプレバージョン取り混ぜて、その数なんと九百と九十八体。
 あたりはあっという間に、青と白、そしてピンクが蠢く大海原と化したのであった。


 ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― 

21『千のコナタ』(3/6):2008/06/12(木) 01:38:50 ID:0CL0Q0GL
「むー、出口あった〜?」
 遥か下から、コスプレこなたが呼びかける。
「ダメだね、鍵かかってるよ〜」
 遥か頭上の天窓から、制服こなたの声が返ってくる。

 入口のドアのところでは、ドアノブにぶら下がって別のこなた軍団が奮闘している。
 足の掛けどころもなく、つるつる滑るドアノブは、いくら踏ん張ってもいっこうに回る気配がない。

「む〜、マズいねこれは」
「だね〜……これじゃあのアニメに間に合わないよ〜」
 事の仔細を見守っていたその他大勢のこなたから、不満や焦りの声が挙がりはじめた、その時。

「アンタ達っ! 黙ってこっちを注目っ!」
 気の強そうな鋭い声が、広くはない倉庫に響き渡った。

 腕に輝く団長腕章。きりりと結んだ灰色のリボン。
 サフェーサーグレー一色のコスプレこなたが、段ボールの上からこなた軍団を見下ろしている。

「なんか、ずいぶんエラそうな私だね〜」
「そだね〜」
「う、うるっさいわね! 私は原型(マスターピース)、その資格があるのよっ!」

『原型』と名乗った、そのコスプレこなた。仮に『原ちゃん』としようか。
 原型なので、当然色はついていない。サフェーサーグレーの腕を組み、なにやらふんぞり返っている。

「やー、高飛車だねぇ」
 その後ろには、のーほほんとした表情で生暖かく見守る、同じくサフェーサーグレーの制服こなた。
「これが仕様なの♪」
 一瞬、原ちゃんの顔がいつもの緩い表情に戻り、

「……アンタ達! 私にいい考えがあるわ、協力しなさい!」
 また、きりりと引き締まった。


 ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― 

22『千のコナタ』(4/6):2008/06/12(木) 01:40:25 ID:0CL0Q0GL
『……混み合いましてご迷惑おかけいたします。この電車は準急南栗端行です。次の停車駅は……』

 ラッシュアワーを捌ききり、いくらかゆとりができたとはいえ、まだまだ混み合った夜の糖武伊勢崎線。
 このクソ暑い中、どう見ても場違いなひとりの人影があった。

 黒いコートにスラックス、帽子を目深にかぶり、顔にはマスクとサングラス。
 身長百四十センチ強の小柄な身体。……しかし、不釣合いに大きい胸とお尻が、その中身が女の子であることを主張している。

 気のないそぶりで吊革に掴まっている、隣の中年親父。……断じて、筆者ではない。
 その手がそろそろと伸びて、少女の腰、コートとスラックスの隙間へと差し入れられ……

「……ぅぁ痛っ!!」

 大声を挙げて飛び退る。
 周囲の目が自分に集まり、親父はそそくさとその場を逃げるように――実際逃げてるわけだが――離れていった。

「……ぺっ、ぺっ! うぁー、汗くさい……」
「むー、つねればいいのに噛みつくかねぇ。チャレンジャーだねぇ」
 少女の腰の辺りから、ひそひそとささやく声が聞こえてくる。
「まったく……なんでみんな、そんなナイスバディ演出してんのさ?」
「だって、髪の毛の分だけ人数余るんだもーん」

 腰のあたりから、制服こなたが上を見上げる。
 無数のこなたが『組み体操』の要領で、人のシルエットを形作っている。

 十掛ける十掛ける十、イコール一千。
 ……その人物の正体は、なんと一千体のFigmaこなただったのである。

 事情を知らない別の痴漢さんが、コートの奥のふくよかそうな胸に手を伸ばす。
 だから、筆者じゃないっつーに。

 しかし、その袷の奥からじろりと覗く無数の視線に気づくと、ぎくしゃくとした足取りで逃げていき、隣の車両で腰を抜かしてへたり込んだ。
 そしてそこは、こともあろうに女性専用車両であった。合掌。


 ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― ―×― 

23『千のコナタ』(5/6):2008/06/12(木) 01:41:59 ID:0CL0Q0GL
「ふぃー、ごちそうさま〜」
「ごちそうさまでした、おじさん」
「はい、お粗末さま」

 早めの夕食も終わり、時間は五分前。
 後片付けも後回しにして、リビングのテレビの前に一堂集合。

『よく動く、キレイ。』
 テレビからは、FigmaこなたのCMが流れてくる。
「お〜、CM打ってるんだ」
「気合入ってるな〜」

 いやが応にも盛り上がる一堂。……その時、チャイムが鳴った。
「? 誰だろ、こんな時間に」
「ゆいちゃんかな?」
「私、出てきますね」
 あのアニメを待ちわびる二人に気をきかせて、ゆたかが玄関へと向かった。


「はい、どちらさまで……はうっ!?」

 玄関の三和土(たたき)には、全身黒ずくめの怪しい人物。ゆたかの目が点になる。
「ふー、やっと着いたよ……ただいま〜」
 その人物の声は、たしかにゆたかのよく知っている声。
「? ……お姉ちゃん?」
 だが、その人物はテレビの前にかじりついているはず。

「あの……どちらさまで……」

もう一度ゆたかが話しかけた、その瞬間。
目の前の人物が、まるで真夏の雪だるまのように崩れ落ちた。

「ひぃやぁぁぁぁぁぁああああああっ!!!!!」
絶叫、そして失神。

「ど、どしたの、ゆーちゃんっ!?」
 あわてて飛び出してきた、こなたの見たものは。

24『千のコナタ』(6/6):2008/06/12(木) 01:43:32 ID:0CL0Q0GL
「やふー」
「ただいまー」
「うぃーっす」
「どもどもー」
「ヤバ、始まっちゃうよ! 急ご」

 コートの下からぞろぞろと這い出してきたのは……小さな自分(たち)。
 曖昧十三センチ、それ十分の一ってことかい? ちょ。

「んに゛ゃっ!?」
 思わず固まってしまったこなたの横を、無数のこなたがぞろぞろと上がっていく。
 身の丈ほどはある玄関の段差を、脱ぎ捨てられた靴を足がかりにして這い上がり、隊列を組んで進む一千体のミニこなた。

「あ……あの?」
「ほら、こなたもゆーちゃんも、ボーっとしてないでさっさと戻んなさい! ったく、団員にあるまじき遅さね!」
 ハルヒになりきった原ちゃんが、メガホン片手に激を飛ばす。
「は、はぁ……」


「……おー、始まった始まった♪」
「最近のアニメって、アバンタイトル多いから油断ならないよね〜」
「この曲、CDいつ出るのかなぁ」
「うわー、MAD作ってくださいって言わんばかりのポーズだねコレ」

 食卓の上、ソファーの肘掛け、椅子の背のてっぺん。
ありとあらゆる場所を埋め尽くし、無数のこなたが目の前の新作アニメに釘付けになっていた。

「おとーさん、肩借りるね〜」
 そうじろうの作務衣にしがみつき、わらわらとこなたんズが這い上がる。

「ちょ、おとーさん? ヒゲ痛いってば!」

 目が点になったまま、それでも無意識にチビこなたに頬擦りをしている。
 泉そうじろうは、そんな業の深い男なのだった。



― なんだかよくわからないがおわる ―

25妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/12(木) 01:45:08 ID:0CL0Q0GL
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以上です。
タイトル(と前書きのキャッチコピー)は、ご存知坂本龍一の名曲『千のナイフ』より。


てか、俺にも一体よこせとw

26名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:48:59 ID:AQ+WzI7X
>>25
MASAKA!と思ってググってみたらグッドスマ○ルカンパニーってマジで松戸にあったんだなw
松戸市は狂・・・・ってるね・・・うん
俺の地元でしかも家の近くでそんな事が起こっていたとはwwww

GJ!松戸市ネタ書けるかな?
27名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:58:17 ID:0CL0Q0GL
>>26

あう
特定の都市を誹謗するような意図は一切ございませんので……orz
松戸じゃなくて松弩ですし。

ぐっすまの場所は、さっき届いたFigmaこなた(コスプレバージョン)の箱を見て知りました。


関係ないけど、JR松戸駅のホームで買った「鮭茶漬けドリンク」の味が忘れられない俺。
いや、マジで旨かったんで。
28名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 02:01:23 ID:AQ+WzI7X
>>27
失礼w松弩ですねw
つい似たような場所があったのでwww
29名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 02:03:57 ID:49B2FqRh
>>25
なんというこな☆天国
かがみが興奮しすぎてアッチ(の世)イきそうです




みゆき「私は別の意味で逝きますだばだばドドドドドドド」
つかさ「鼻血ジェットでアッチ逝くってどんだけー」
30名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 03:23:44 ID:YEo5BR3E
一発ネタ「こなフェチ専用車両」

休日
こなた「いやぁ、今日の秋葉原はオタクを侮蔑するマスコミが多いから早めに退散しちゃったよ」
秋葉原から京浜東北線に乗る。
こなた「さて、早く帰って中古で買ったギャルゲでも楽しみますか」

プシュー
出発進行
こなた「おかしいな・・・私しか乗ってない・・・なんで?」
イヤな予感がする・・・
こなた「何かスピードが以上に速いんだけど?」
まずい、非常にマズイ。
その時!前後の車両間ドアがガタガタと音を立て始めた。
こなた「・・・!まさか・・・!」



1時間後―
こなた「・・・」
そこには、ぼろぼろになった衣服―
汗と尿の匂い―
そして涙を流すこなたの姿があった―
こなた「どうして・・・みんな・・・?」

こなフェチも
行き過ぎれば
ただの暴力

ごめん、救いのない鬱物にしちゃった・・・
31名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 07:03:00 ID:YZse/wDT
>>25
ちょw もしかしてと思ったらあなただったか!
小さいものの群体はやや苦手な俺だが、こんなテラーバイトなら喜んで埋まりたい所存。
フリーズしながら溺愛を忘れないそうじろうに腹抱えつつ、ぐっじょぶ。
32名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 07:50:14 ID:VjfLveh2
>>30

こなた
「わかってないなぁー。
こな☆フェチ(少なくとも本家)には、"直接手を出している"描写はないのだヨ」
33かがみ:2008/06/12(木) 08:12:57 ID:THwkS9VO
>>32
そうよ。
手をくんかくんか出してるのはすりすり私だけよもみもみくちゅくちゅあほげあほげほくろほくろ
34鬼畜スキー:2008/06/12(木) 10:09:57 ID:+AwOlt5h
隙を見て15分に投下。
前回と同じ系統です
35鬼畜スキー:2008/06/12(木) 10:18:38 ID:+AwOlt5h
「むーっふーっ。今日も楽しくニヤ動画〜」
 いつものようにランキングを覗くとそこにはへけ☆すたの動画が沢山あがっている。
 そんな中でこなたが好きなのは森の妖精シリーズだ。
『あぁん? 最近だらしねぇな?』
「ぶっ! エグゾダスワロス…っと。それにしてもこのケツドラム、秀逸である」
 こなたはこのシリーズを見るときには必ず能内変換をしている。今日はかがみ対みゆきに能内変換しているらしい。
かがみ『っと、最強! トンガリコーン!』
みゆき『ファッキュー』
かがみ『あぁん? あんかけ炒飯!? 自分で作りなさいよ!』
みゆき『ファッ…キュー』
あやの『出て行け!』
 今日は今日で凄まじいカオスっぷりである。
 特にかがみ(妄想)の尻が奏でるケツドラムは今日も素敵だ。
みゆき『ファッキュー』
 しかし、かがみにこの尻まる見えパンツをはかせてみたい。
 尻の割れ目を気にするかがみ。当然上には何も着せない。
みゆき『ファッキュー』

こなた「かがみんの可愛いおちりがまる見えだよ」
かがみ「い、嫌っ! 見るなこの変態!」
みゆき『ファッキュー』
こなた「許さないよ! ケツドラムでお猿なおちりになるまでスパンキング!」
かがみ「いやー虫キングー!」
こなた「そしてかがみんのおちりは痛みから快楽を産みだし、やがて――」

「やふーっ! こなたーっ! あーそびに…」
「ハアッ! ハアッ! かがみんのケツ最高ォォォォ!」
 ……
 …ぱたん…
「…ゆいねーさん。戻っておいで」
 …がちゃっ
「ワタシナニモミテナイヨ」
「だめ。罰としてゆいねーさんにはガチムチレズの刑ね」
「…はい」
「じゃあこれを穿いて」

「おっしーりーをたったーくーとーローターがっひっとっつっ」
 縛られ、あの穴開きパンツをはかされたゆいの尻は真っ赤だった。
 度重なるスパンキングに暑さをも宿した尻のすぼまりからは何本かのコード。
 こなたがそれを引っ張るたびに、ゆいの口から甘い声が零れる。
「あー、そういえば旦那さん相当変態だって言ってたよね?」
「はぁぁぁ…あ、アナルの奥びりびりするぅぅぅ…」
「返事するっ」
 ぴしぃっと靴べらでゆいの尻を叩くと大きな目から涙が零れた。
「はひぃっ! ダンナはド変態れすぅっ! 新婚初夜にはアナルズボズボされましたあっ!」
 最近は痴漢プレイやら野外プレイにはまっているらしい。
 日本の警察はもうだめだ。
「じゃ、お尻叩いた事だし…五個目行ってみよっか」
「むっ、無理だよっ! もう一杯…」
「小腸まで使えば大丈夫ッ!」
36鬼畜スキー:2008/06/12(木) 10:19:29 ID:+AwOlt5h
 一時停止
みwiki「はい、ここでなぜなにみwikiさんのコーナーです」
みさおん「なあなあ、お尻の穴からローター入れるぢゃん? 小腸までってちみっこは言ってるけど、入るのか?」
みwiki「いいえ。それでは人体の構造上出来ません」
みさおん「みゅ?」
みwiki「直腸から小腸に行こうとすると弁に行き当たります。ここから先に行かないようになっているんですね」
みさおん「そーなのかー」
みwiki「(記憶あやふやだけどな)では皆様続きをお楽しみください♪ふあっ☆きゅー」

「むーっ、入らないなー」
「むっ…りだよ…!」
 額に脂汗を浮かべながらゆいが歯を食いしばる。
 その様はさながら出産婦のそれだ。
「無理をなんとか通すんだゆいねーさんっ」
 ぐいっとローターを押し込む。
 その時、奇跡が起こった。
「もっ…もう…だめぇぇぇ!」
「アッ――!?」

 しばらく『新日暮里!』でお待ちください

「…ふう…エライ目にあったヨ…」
 掃除を終えてようやくこなたは一息。
「…ごめんねこなた…」
 ベッドの上で下半身剥き出しのままぐったりするゆいに曖昧な笑顔でこなたは応える。
 まさかこのタイミングでFUJIYAMAヴォルケイノされるとは思わなかった。
 まあ、絨毯の上でなかっただけ被害は抑えられたのだが。
 しかし心踊る調教だ。流石は元そうじろうの雌奴
 がちゃっ
「こなたお姉ちゃん、借りてたCD返しに――」
 ぱたん
「…ワタシナニモミテナイヨ」
「はーいゆーちゃんちょっとおいで」
 ループ

 そのころかがみは…
みさお1「み゛ゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛ん!」
みさお2「み゛ゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛ん!」
あやの「ブレーンバスター!」
かがみ「シャイニングウィザード!」
 盟友、あやのとともにみさおりあんの群と戦っていた。
37鬼畜スキー:2008/06/12(木) 10:20:34 ID:+AwOlt5h
おはりです。
いつも改行で引っ掛かる…
38名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 16:28:26 ID:9sIe9q8p
>>31
あなたとはいいスコアがだせそうだ・・・
>>37
ん〜と・・・なんていうか、カオs(ry
39名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 20:36:32 ID:jA/TdN/u
>>37
バタンッ!
「…だ、だめっ!そんな激しいことしたら、ゆたかが、壊れちゃう!」
「あれ?みなみちゃん。来てたんだ」
「え、あの…、おじゃましてます。…とにかく!! ゆたか!大丈夫だった?」
 もう少し遅ければ、ゆたかのお尻の初めてはこなたに奪われていたに違いない。
そんな状況で現れたみなみに、ゆたかは涙を流しながら抱きついた。

「ゆーちゃん。素敵な『彼氏』ができてよかったねー」
「うんうん。みなみちゃんが相手なら、お姉ちゃんも安心だよー」
 こなたとゆいの言葉に、みなみとゆたかは同時に顔を赤くする。
「ち、違います!私たち、そんな関係じゃ…」
「まー、ゆーちゃんにあれは確かに辛すぎるかもね。でもね?みなみちゃん」
 みなみの発言を華麗にスルーしつつ、こなたはみなみの方を見て続ける。
「ゆーちゃんを助けたらそれでハッピーエンド、っていうほど、世の中うまくできてるとは
限らないんだよー?ふっふっふっふ……」
 みなみは危険を察知して、ゆたかを部屋の外に逃がした。しかしみなみ自身は部屋の中に
留まった。自分も一緒に出てしまうと、ゆたかが再び危険になる、と判断したからだ。
「ゆーちゃんを逃がした以上、覚悟出来てるよね?みなみちゃん?」
 そんなことはなかった。しかしこなたとゆいは迫ってくる。
(二人の目が、邪悪っ!! ―――誰か、助けて…!)

※この話は、元々鬼畜スキー氏のSSに対するみなみ名義での意見、として書いていたもので、
なのになんか妙に膨らんでしまい、消すのももったいないので投下したものです。
ネタ振りという意図はほとんどございません。
40鬼畜スキー:2008/06/12(木) 21:16:46 ID:+AwOlt5h
>>38
カオス…ああ、カオスこそ我が本質…正直みゆきのファッキューをやりたかった勢いだったんだと思う…

>>39
はっはっはっ。
…続かせてもらってもOK?お願いします続かせてくださくぁwsde.pa0tmagp(音声が乱れています)
41名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:00:11 ID:anV8u4hq
前スレ埋め立て乙です

>>590
8・7・10中古車センター♪

関東だと、
東雲(しののめ)、弘明寺(ぐみょうじ)、YRP野比(わいあーるぴーのび)、
九品仏(くほんぶつ)、下総松崎(しもうさまんざき)……こんなところですかね
42名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:06:30 ID:F2m+lZ+t
難解地名で北海道に挑むと申されたか
ttp://www.lifekernel.ne.jp/hokkaido/place/namelv4ans.html
※何しろアイヌ語の音が元になってる地名が多いからな(*´∀`)
43名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:06:54 ID:F2m+lZ+t
sage忘れたんだZE☆ orz
44名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:11:57 ID:49B2FqRh
そんなこと言い出したら、

謎地名に事欠かぬ愛知はどうなるんだ。









それにしても、占冠のなんと当て字なことよ。
45名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:21:54 ID:HjqQoFev
>>44
「お父さんよく晩酌するよねー」
「それはワンカップだよ」
「こなちゃんが集めてそう」
「それピンナップ?」
「てか今時そんなのあるのか」
「つかさとみゆきさんとで天然…」
「ツートップ、とでも言いたいのか」
「(がーん)な・なにー?」
「サッカーの祭典のことですね?」
「みゆき…わざとか?それワールドカップ」
「ブドウの種類にあったよね」
「ハスカップね」
「いつまでこんなネタ続けるんだ?もういい加減」
「「「アップアップだね!!(ですね!)」」」
「もういいわ!」

…すまん。
46名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:40:01 ID:0CL0Q0GL
>>42

「バフンウニって名前つけられたほうは、ヤリキレナイ川だよね〜」
「……こなちゃん?」
4739:2008/06/12(木) 23:41:55 ID:H5EL14Oa
>>42
 地名の読みなら、独自の法則がある九州もカオスだわな。原を「はる」と読むのは
宮崎県知事のおかげで有名になったが。
 そしてその九州にある「福北ゆたか線(JR・博多〜桂川(けいせん)〜直方(のおがた)〜
黒崎間の愛称)」と、JR横浜線の「八王子みなみ野(←なぜか「みなみ」は平仮名)」は
共に何を狙っているのかと(ry(違

>>40
それは、お好きなように。「39は、元とは関係なく勝手に書いただけ」でもあり、しかし
また「(ネタ振りの意図が)ほとんどない≠ない」でもありますので
4842-519:2008/06/12(木) 23:58:20 ID:h2TYMGiZ
誰も準備していらっしゃらなければ、五分後に投稿しますね。
二輪の花 第9話
 ・NGワードものの激欝注意。多少えっちあり。
 ・苦手な人はスルーお願いします。
 ・かがみ視点
 ・9レス使用
49二輪の花(1/9):2008/06/13(金) 00:03:17 ID:nKfKtM/t
【第9話:cry】

 三連休の後の一週間というものはとても長く感じる。
 火曜日に学校が始まるので、一週間がいつもより短いとはいえそう思ってしまうのは倦怠感のせいか。
 そんな日も、一日が24時間であることは変わりないわけで、学校の教室に立てかけられている時計の通りに、一日は過ぎていく。
 次の日、あさって、明々後日、と
 あっという間に一週間がたち、9月20日土曜日だった。

 久喜駅に下りる。それから10分ほど歩く。
 
 今日も、私はゆたかの家にでかけた。何でも成美さんは警察の仕事が忙しく(成美さんが忙しくしている姿はあまり想像できないが)今日は帰ってこれないらしい。
 終電に間に合わないとかで、カプセルホテルかネット喫茶で今日はつぶさなきゃいけないんだよ〜、とかこなたに嘆いていた、と聞いた。
 それで、私はゆたかに呼び出された。
50二輪の花(2/9):2008/06/13(金) 00:05:12 ID:nKfKtM/t
 私がチャイムを鳴らすと、がちゃりとオートロックを外す音がし、ゆたかが笑顔で迎えてくる。
 私は憮然と顔を背ける。ゆたかが手招きをする。私は居間に通される。
 紅茶が出された。独特のにおいを発するアールグレイ。
 つかさが入れたアールグレイはおいしくて、大好きな紅茶だったのに、入れたあいてがゆたかだと思うだけで、出がらしの緑茶のようにまずいと思った。
 たわいのない世間話をゆたかが振ってくる。私は頬杖をついて、そっぽをむきながら「ふん」とか、「あっそ」とかろくに返事をしない。
 それでも、辛抱強く会話を成立しようと、ゆたかは話しかけてくる。

「ライトノベルを買ってみました」
「あっそ」
「涼宮ハルヒの憂鬱――という本です。かがみ先輩もしっていますか?」
「そりゃあ」
「おもしろかったです」
「まあ、有名なラノベだからね。私も既刊されれば発売日にかいにいくし」
「……こんど私にも貸してください」
「冗談でしょ」
 ラノベの話が出たときだけ、私は反応した。実際、こうしたことを話す相手はほとんどいない。ほんの好奇心だ。すぐに心変わりして、辛辣な言葉を返して強制的に会話を終了させた。

 どうせこの後は、ベッドに呼ばれて、いつものようにゆたかと体を重ね合わせるだけだ。
 そのために来たわけだし、今更それを拒む気はない。だからさっさとやって、さっさとこの嫌な生活臭のする部屋から抜け出したい、と私は思う。
 案の定、そろそろやります?とかなんとか白々しい言葉をなげかける。
 私はやっぱり鼻息を荒くするだけ。それを首肯の意と受け取ったゆたかは自分の寝室に案内した。
 見慣れた部屋。そう思ってしまえる私に抵抗感はあるけれど。
51二輪の花(3/9):2008/06/13(金) 00:07:48 ID:nKfKtM/t
――いくら私を好きにさせようと躍起になっても、私の気持ちが変わるわけなんてない。
 ゆたかの手さばきは、悔しいけれどうまい。もう、5、6回は体を重ね合わせている成果、私の弱いところは熟知していて、正確にそこを攻めてくる。
 実際、私はゆたかとえっちをするたびにイってしまっている。
「……気持ちいいですか?」
 ちびっこい、こなたよりも小さいゆたかは無邪気のように聞いてくる。
「そんなわけ、ないでしょ」
 嘘だ。
 嘘でも、本当のことなんていう気はない。
 
「私、先輩のことが好きなんです。好きで好きでたまりません」
「だからなに?」
「どうして、先輩は、そんなに冷たいんですか?」
「これだけのことをしていてよく言えるわね」

 私は軽蔑する、それが精一杯の抵抗。
――逃げるわけにはいかないから、私はそれでつまらない自尊心を満たす。

「これ、きれいです」
 鞄から取り出したのは、私があげたカーネーションの花だった。鮮やかな黄色の花。
「……そうね」
 私は嬉しそうに笑うゆたかを横目に冷笑する。私がどうしてゆたかに送ったかなんて、まるでわかってないみたいだから。
 結局それだってプライドを保つためのつまらないものなのはわかっている。
 こなたに白いカーネーションを、ゆたかに黄色のカーネーションを贈ったところで何も変わるわけではない。
 自己満足とかすかな希望に体をうずめる、くだらないものだ。
52二輪の花(4/9):2008/06/13(金) 00:10:25 ID:nKfKtM/t

***
 
 私は馬鹿だ。
 あの日。こなたの家で、我慢しなきゃいけないことはわかっていたのに、体がうずいて、自分を抑え切れなかった。
 デスクトップパソコンが一角をでかでかとしめている。
 学生の本分を全うする場所である勉強机は、まるで新品のようにきれいだ。あくまでも鉛筆の傷跡や赤ペンの痕跡がないという意味で。
 普通は教科書が置かれているはずなのに、こなたは置き勉をしている。
 「今日宿題がたっぷりとでたよ……」とつかさが嘆いていたのに、こいつはどうするつもりなのだろう。
 そう言いながら、微笑む。
 よくもまあ、と閉口したくなるほど周りをみるとギャルゲーのポスターが節操もなく張られている。
「パッケージは正義だよね」とか意味不明のことをいって、買いだめたあれげー系のゲームのパッケージや、フィギュアが所狭しとならんでいる。
 いくつかは私の知っているものもある。
 そんなこなた生活感が漂っている部屋は、あのときの私にはとても魅力的だった。
 
 自室ではないのに。他人の部屋なのに。
 ふと、こなたはここで寝ているのかな、と思いながらシーツに顔をうずめてみた。鼻から広がってくる、こなたの匂い。
 自分の感覚器が麻痺していることに否定はしないけど、すごくいい匂いだと思った。
「な、なにやってるんだ私は! 変態じゃないか!」
 なんて自己否定して、やめようと思うのに、やっぱりやめられなかった。

 だから、まさか、誰かに聞き耳を立てられているなんて思いもよらなかった。
 がちゃっ。
 私ははっとする。

 何度かこなたの家に泊まったことはある。たいていはつかさと一緒だし、もちろん友達通しがする戯れのお泊り会だ。
 こなたはたっぷり一時間はお風呂に入り、汗を流す。少なくても今は安全時間のはず。そうじろうのおじさんは出かけていていないはず。
 もしかして……
「こんばんは、かがみ先輩」
 きっかけは電車で助けたことだろう。そして、そもそもの始まりはここにあった。
53二輪の花(5/9):2008/06/13(金) 00:12:03 ID:nKfKtM/t

***

「――先輩」
「なによ」
「ここ、かがみ先輩の好きなところ……ですよね!」
 そういって、私のあそこを手で撫で回す。あん、ああ、んっ!! 私は喘ぐ。
 慣れた指さばきに、濃厚なディープキス。
「イって、いいですよ」
「うるさい」
「……かがみ先輩は相変わらずですね」

 そう、ゆたかの言葉を借りるならば、あいかわらずの光景だ。ゆたかがセックスの主導権を握り、私はそれにひれ伏す。たとえイッテも、決して私は認めない。
 それが私の抵抗であり、拒絶あり、私を私たらしめているぎりぎりの限界ラインなのだ。ここで折れれば、私はもう昔の私に戻れない。
 こなたのことを愛している自信、その抽象的で、曖昧で、不確かさに、一縷の望みを与えてくれる形のない、けれども信じ続けている、そのすべてを私はその拒絶、抵抗をもって確かめていた。
 いくら私を愛していたとしても、ゆたかのそれは、虚像に過ぎないのだと。
 だから今日もこうして時間が来て、私はいつものようにゆたかに辛らつな言葉を投げかけて、この忌まわしいアパートを成実さんに悪いと思いながら一瞥するのだと思った。
 そう、今。この瞬間までは。
 
「先輩」
「……なによ」
「――いいもの、見せてあげますよ」
 ぱちっ、と合図をする。
 これから何が始まるというのだ。否、何が始まろうと知ったことではない。ゆたかの親友といっていたみなみちゃんが来るのかもしれない。
 それはそれで耐えようのない羞恥心が襲ってくるわけだけど、なにを今さら、と自重気味に笑い飛ばせる。
54二輪の花(6/9):2008/06/13(金) 00:14:37 ID:nKfKtM/t
 がちゃり。
 
 そう、みなみちゃん、田村さんとか、いっそのことつかさなら良かったと思う。
 それなら私はまだずたずたに引き裂いた心を、なんとか直してあげられる。我慢できるし、事実そうしてきた。
 ぼろぼろの雑巾のように汚くて、醜くて、価値のないものだとしても、私は私を愛してあげられる。

 こなたと一緒にまた遊べる。幸せな思い出は永遠に残り、私を癒してくれるものだし、どんな辛いものでは、時間はすべてを解決してくれる。
 人は強い生き物だと思う。どんな辛い出来事や経験も月日がなにものも癒してくれる。災害や人災の後、そうした癒しの効果が得られないとき、PTSDなどを発症することがある。
 けれども多くの人は、苦い経験となって心のわだかまりとして留まり続けていても、それをバネにしたり、時には古傷がうずく時もあっても、いつだって乗り越えていくものだ。

 過去ばかり案じていても成長できないし、前に進めない。
 例えば私だって一年前の、今の私から見れば「なんて能天気」と笑ってしまう私だったら、今の惨状をある種の諦念とともに受け入れられたかといったら、ノーだろう。
 こなたやつかさ、みゆき達とともに変わらない平凡、当たり前の毎日と言うぬるま湯に浸かっていた私が、今の私を見て耐えられたはずがない。
 最悪の手段――自殺だって考えていたかもしれない。

 それでも私は、こうした現実をも受け入れているし、現に今も生きている。
 確かにそうしたことが幾度となく頭に浮かんだことがあるとはいえ、やっぱり怖いし、それに私は今だって、わずかな幸福を見出そうともがいている。
 過去の幸せな憧憬を時々は思い出しながらも、私はこうして生きている。
 こなたと一緒に、連敗続きとはいえ格闘ゲームで熱中した、懐かしい感覚に私は酔いしれる。

 仮にこれからさらに辛いことがあったとしても、受け入られるのだと思う。
 今の私がそうであるんだから、これからの私もそうに違いない。それでも私は生きているのだから。
 私は一緒に泣いてあげられる。大丈夫だから頑張ろう、と悲しみにくれる私を慰めてあげられる。

 だから、私は、何にだって、どんなものにだって、耐えてみせる。そう思っていた。

「や、やほ、かがみ」

 一番会いたくない相手。一番知られたくない相手。
 そして、一番大好きな人。
 泉こなたが、いた。

 こなたは相変わらずのあほ毛をきれいに立たせて、無頓着なこなたが良く手入れできるなと思うほどの綺麗な長髪をなびかせている。
 私はぼうっと、贔屓目に見ても中学生、ともすれば小学生にもみえる、けれども好きでたまらない少女を眺めていた。
 たぶんこの瞬間、私は私という存在を認められなかった。だから他人事のように、一種の離人感覚を持ってこなたを眺めていた。
55二輪の花(7/9):2008/06/13(金) 00:17:44 ID:nKfKtM/t
「…こ、こなた!? ど、どうして」
 事情が飲み込めない。どうしてこなたが? いや、そんなことよりも、こなたに知られた。私とゆたかの関係。それが辛い。悲しい。狂しい。
 私は全裸であることも忘れて固まった。時間はこの時、確かに止まった。少なくても私の周りを流れている私的な時間は凍結した。
 こなたは無表情で私を見つめている。その視線が痛い。

「うーん、ゆーちゃんに呼び出されたっていうか。な、なんていうか、お楽しみなんだね、二人とも」
 曖昧にこなたは答える。
「私が、呼んだんだよ。私の『恋人』の紹介のつもりで」
「な。ちが――」

「私、邪魔?」
 こなたは哀れむような、蔑んでいるようだった。とても悲しくて、泣きたくなった。
 ゆたかが、私のあそこを執拗に責める。私はやっぱし喘いでしまう。こなたに聞かれたと思うと、余計に羞恥心が沸いてきた。恥ずかしくて、泣きたくなる。
「ねえ、こなたお姉ちゃん、かがみ先輩、きれいだと思わない?」
「正直、どう返せばいいか困るんだけど……」
「そっか、そうだよね」

 強く胸をもむ。
 私はひたすらに、責められる。言葉と体の二重の責め。
 なによりもこなたにまで無言の責め。どんな言葉よりも、どんな刺激よりも、なによりも、私の心をずたずたの使い物にならないものにさせる。
「かがみん……」
 何かを言うのかと思い、私は体を強張らせる。緊張と恐怖、ただそれだけだ。ゆたかが私の唇を塞ぐ。
 くちゅくちゅと、舌と舌が絡み合う。
 開放されたときには、どくんどくんとゆたかやこなたにもわかるんじゃないと、思うほど心臓を鳴らしながら、酸素不足のためにぜいぜいと、激しく喘ぐ。

 喘いだ後、辛く辛くて咽た。同時に瞳から、涙が流れた。
 流れて伝う頬に、鋭利の刃物のような痛みに私はただひれ伏した。
56二輪の花(8/9):2008/06/13(金) 00:19:18 ID:nKfKtM/t
 こなたは、結局何も言わずに黙った。そのまま俯いた。
 ゆたかが私の首筋にふうっと、生暖かい息を吹きつける。悪寒を感じて震えた。

「……こなた、もしかして、知ってたの」
 何度も何度も。この関係が続いていた時、私はこなたのことを想うことをもって希望をつないでいた。
「――さあ、どうなんだろ、かな…」
 曖昧にこなたは答える。私と視線を合わせないように、俯きながら。
 ひとつひとつ、私をつなぎとめていた希望が絶望にかわっていく。

 こなたが顔をあげ、私のほうへ向けられる。
 その視線が私の髪、胸、最後に下半身にと移動する。
 じゅっと、あそこがうずく。
 こなたは、落ち込んだような、辛いような目をみせた後、ゆたかに「言われたもの、パソコンにいれるから、パソコン開いていい?」と聞いていた。ゆたかの肯定。
「じゃあ、その、なんていえばいいかな」
 こなたは言葉に迷いしどろもどろになって、結局何も告げずに出て行った。
 ちらり。
 白い白いカーネーションの造花が、見えた気がした。
 後には私と、ゆたかが残った。
57二輪の花(9/9):2008/06/13(金) 00:21:05 ID:nKfKtM/t
「先輩、わかりましたか? お姉ちゃんは、私との関係を認めてくれています。
「うそ、でしょ」
「こなたお姉ちゃんが嘘だと思うんですか?」
「違う。でも、そんなこと、ありえない。こなたが、私のこと、見捨てるなんて」
「あれは、本物のこなたおねえちゃんです」

 ……。
 閉口する私に、ゆたかはふっと、唇を重ね合わせる。
 またディープキスをされるのかと思い、目いっぱい、いや口いっぱい閉じてそれを拒もうとした。
 しかし数秒触れただけで、私とゆたかは離れた。
「――私は、かがみ先輩のことが好きです。大好きです」
 そういって、私の胸を、優しく愛撫する。

 信じている。こなたが私のこと――。
 確信なんてもてない。私の心の奥底に、深い深い陰を落とした。
 悲しくって、涙がとりとめもなく流れる。ゆたかのか細い指が、目じりに寄って涙をふいた。

「先輩――私は、先輩の味方です」
 左指で拭いた私の大して価値のない一滴の雫を、そのまま口に運ぶ。しょっぱいですね、なんてはにかみながら私に笑いかける。
 初めて、ゆたかとのセックスが気持ちいいかな、と思った。
――死にたくなった。
5842-519:2008/06/13(金) 00:24:54 ID:nKfKtM/t
以上でした。視点がころころ変わるのはよくないことなのは自覚していますが、ここはどうしてもかがみ視点で書こうと思っていました。
実はここが一番最初に書こうと思っており、そこから話を続けたのがこのSSです。
59名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:33:30 ID:YRkxBDlI
ごめん、俺が死にたくなった・・・
正直ゆたかが憎いw
60名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:46:05 ID:E1sBrGZ3
>58
GJ!
今、一番続きが気になっているお話です。
ゆたかが完全にダークサイドに堕ちていますね。
こなたが、半ば諦めながら去りゆくシーンが印象的でした。
61名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:51:36 ID:N+CAGsIx
ますます気になる白いカーネーション…
こなたは「気付く」のか?それとも…続きが気になる…
62名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:59:08 ID:6OnYGAfQ
これからの話の展開にもよるけれど、かがみが動画によって脅迫されていることをこなたに何故伝えないかの描写に期待

ここまでこなたを思うならゆたかに陵辱され続けるよりも、こなたを想って自慰をしていたことを知られるほうがましと(自分がかがみなら)思う

かがみを手に入れるための手段の動画ならその時点でゆたかにとっては切り札じゃなくなる?

もっともこなたがPCに入れようとしているのが動画を公開するためのソフトならかがみにとっては別の意味で致命的だろうけれど

それとこなたは意外と純で潔癖症的な部分があるので、ゆたかに穢されたかがみに対して(理不尽と思いつつも)憎悪をもってしまっているのをかがみが既に感じ取ってしまったとか

とにかく続きワクワク期待
63名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:19:09 ID:AKWbLOsC
>>58
GJ…なんだけど、俺が死んでしまうorz
まさかまさかとは思ってたけど、
ゆーちゃん…なんてことしてくれてんのよ…!!
そこまで、そこまでしてかがみが欲しいのか…
ダメだ…このままじゃ絶対ダメだ…
早く、早くカーネーションの意味に気付かなきゃ…!
64名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 09:33:35 ID:ELZWmYU+
>>58
うわあ、何この王大人が1ダースほど必要な絶体絶命。
「言われたもの」は多分例のアレなんだろうけど……。
間に合ってくれ、いろんな意味で! GJ!
65名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 10:37:56 ID:w5UTwEmo
つながらない・・
例の事件のせいなのか?
66名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:12:18 ID:sizjqfB8
てs
67名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:16:34 ID:sizjqfB8
こんにちは、26-468です
話がようやくできあがったのですが
規制でずっと書き込めずにいてどうにかして欲しいです、ホント(コミュ○ァのせい)

投下される方いなかったら5分後に投下します
68名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:27:28 ID:sizjqfB8
それでは投下します
奇跡のかけら〜
人様に迷惑と〜
の続きです

こなた視点
途中でオリキャラ出てきますので注意を(本筋には絡みませんが)
10レス程度です
69名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:28:46 ID:lR81/F21
うんこ
70甘い経験1/10:2008/06/13(金) 16:32:13 ID:sizjqfB8
好きなひと、初めて好きになったひと、初恋。
どうしよう。私、好きなひとができちゃった。
落ち着け、落ち着いて素数を数えるんだ。
いや、落ち着いても変わらない。どうしようもない。もう好きになったから。
後戻りは、できない。

甘い経験


山が紅く色めく季節、ツンデレな太陽。
長袖のTシャツ1枚でも暑い日もあれば、タンスからパーカーを引っ張り出さなきゃならない日もある。
もうそんな季節になってしまった。
私たち4人も誰一人欠けることなく、相変わらずの日々を過ごしていた。
前と少し変わったことと言えばつかさと2人で出かけることが増えたくらい。
かがみとよく行ったゲマズに今はつかさの方から誘われるようになった。
「いや、だからね。弾丸を刀で切る、なんてことできないと思うのだよ」
「あんたはまた訳分らんネタを」
「それと同じでね、私が宿題をやってくるってことも無理なのだよ」
「変な言い訳するな」
「でもこなちゃん、日本刀なら切れるんじゃないの?」
私が長いことかけて色んな漫画やアニメを貸してきた成果かな?
最近じゃつかさがつっこみを入れることもある。
自分の世界に誰かが入ってきてくれる。それも親友が、と来ればこんなに嬉しいことはない。
「あれはレヴィが刀に当ててあげているのだよ、つかさ」
「え、そうなの?」
「何がなんだかさっぱり分からん」
そう、相変わらずの時間だ。私の大好きなひと達との、大好きな時間だ。
「だーかーらー、宿題見せて。私のかがみん」
「アホなこと言うな!!こっちが恥ずかしいだろ」
「うふふ。泉さんとかがみさんは本当に仲が良いですね、羨ましい限りです」
「ちょっとみゆき、やめてよ」
とにかくかがみに宿題を写させてもらえた。
このところ中々厳しくなってきたが、今日は機嫌よく見せてくれた。ツンデレ的な意味で。
「あんたのためにならないでしょ?」
かがみはよくこう言う。テスト前や、3年になってから特に言われるようになった。
そう言われると私はなぜだかちゃんと宿題をしてる。
「まぁまぁ、お礼はちゃんとするからさ」
「あんたがそんなこと言うとなんだか気味悪いわね」
「何を失礼な。いいとこに連れて行ってあげるからさ」
「こなちゃん、どこに行くの?」
「つかさ、それは秘密だよ。ふふふ・・」
「その笑い方が不気味だっての」
71名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:34:10 ID:sizjqfB8
「やほー、かがみん」
「おーっす、こなた。今何してた?」
「漫画読んでた。それよりかがみんや、君は学園祭というものを知っているかい?」
「そりゃ知ってるわよ、ウチの学校でもあったじゃない」
「お前は本物の学園祭を知った方がいい。そうすればもっといい女になれる」
「はぁ?」
「んとね、来週の土曜日に○○大学で学園祭があるんだ」
「大学の学園祭かぁ。ちょっと興味あるわね・・」
「でしょでしょ?じゃあ来週、12時に駅でね」
「ちょ、まだ返事はしてな―」
「えー。どうせ暇なんでしょ?それとも誰かとデートとか?」
「そんなわけないでしょ。でも一応確認くらいさせなさいよね」
「分かった分かった。海の時みたいに誰かにナンパされるかも、とか期待しちゃだめだよ。じゃあねー」
「うるさいっ」
よし、準備完了。こうでもしないと聖地巡礼する機会なんて滅多にない。
私たちの行く大学はアニメの舞台のモデルになった場所で、一度行ってみたかった。
そのアニメは大学生の気ままな生活を描いたもので、こんな風なら大学に行くのもありかな?
と思わせるような素敵な作品だった。
行く前にもう一度見ておこうとDVDを探している最中、かがみからメールが届いた。

来週の土曜、みゆきは行けないみたい。つかさは大丈夫みたいだけど。寝坊すんなよ。

「なんで?」
そんな言葉が出た。その音は壁にはね返って私の所に戻ってきて、そしてどこかへ消えた。
ふたりきりだった。主人公が歩いた並木道、学校の入り口へ続く道。そこをふたりで歩くつもりだった。
そこで笑っている私の姿はもう消えた。
「なんで?」
もう一度、今度は自分の意志で呟いた。
その言葉を何に対しての言ったのか分からないまま3人で学園祭へ行く日が来た。
72名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:34:11 ID:lR81/F21
ちんこ
73甘い経験3/10:2008/06/13(金) 16:38:15 ID:sizjqfB8
優しい陽だまりと柔らかい風、こんな日は何て言うんだっけ?私の気持ちとは別にとてもいい天気。
そう、神様は私の機嫌なんて気にしてないんだ。神様の事情なんて気にしても仕方ない。
行くなら全力で楽しまなければ損だ。「切り替えていく」という名監督の言葉を思い出し気合いを入れ、
案の定遅刻しそうになって駅まで全力疾走したせいか、私のドキドキは集合前に高まっていた。
「ふう。何とか間に合ったよ」
「あんたにしてはちゃんと来れたわね」
「この大事なイベントに遅れるわけにはいかないのだよ、オタクとして」
「オタク?今日行くのは学園祭でしょ?」
「あ、いやその。人として遅れてはいけないのだよ。そうでしょ、かがみん?」
「なんでそう必死なのよ。まあとにかく揃ったんだし、早く行きましょ」
待ち合わせの駅のホーム。時間ギリギリに着いた私をかがみとつかさは笑顔で出迎えてくれた。
電車に乗り込み少しオシャレしたふたりと並んで座る。ふたりは誕生日にみゆきさんがあげたイヤリングをつけていた。
「こなちゃん今日髪違うね」
「うん。前ポニーテールにした時、我ながらいいなぁと思ってね。いわゆるひとつの萌え要素ってやつだよ」
「そっか。やっぱり似合ってるよ。ねぇ、お姉ちゃん?」
「似合ってると思うわよ」
「え、かがみがすでにデレモードに?ど、どしたのかがみん」
「なんだそれ。ただ似合ってるって思ったからそう言っただけじゃない。だいたい私はツンデレとかじゃないからな」
そう言って自分の髪をくるくるするかがみはやっぱりツンデレなんだろうな。
電車の窓から映る新鮮な景色が流れていく。見たことない建物や川や空がどんどん遠ざかっていく。
知らないものを見るのは何故こんなにも不思議な気持ちがするのだろう、怖いような気もするし嬉しいような気もする。
隣のつかさが船を漕ぎだしたころ、電車はちょうど目的地についた。特に変わったことは無し。
あ、危うくつかさが乗り過ごすところでしたとさ。
74名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:40:06 ID:lR81/F21
おっと、ごめんよ☆
75甘い経験4/10:2008/06/13(金) 16:40:25 ID:sizjqfB8
私たちが向かう大学は駅から歩いて10分、一度も来たことはないが何度もアニメを見返しているせいで道は頭に入っている。
とりあえず改札を写真におさめておく。隣でかがみが何やら言っているが聞こえない。何も聞かせてくれない。
駅の入口にはけっこうな数のベンチが設置されていて、横には大きな駐輪場。その先に大きなロータリー。
目の前に広がる光景は正にアニメのひとコマを切り取ったもので、目を瞑ると大好きなキャラクターたちが笑っている。
そしてそんな感動は
「大きいだけで何もないところね」
というかがみのかがみによるかがみのためのかがみかがみしたセリフのせいで消えた。
「何してるのこなちゃん、早く行こうよ」
「ちょ、待ってつかさ。今行くから」
大学の正門のへと続く緩やかな上り坂。両脇には控えめな茶色の樹が並び、初めてここに来た私たちを歓迎するような
そんな優しい街並みと隣で笑う双子のツンデレとドジっ子。私はとんでもなく幸せな人間じゃあないのかと思えてくる。
今3人でここにいることがどんなに愛しいことなのか。その大切さが分かるのは大人になって今が「あのころ」になった時分かるんだ。
主人公の男の子が仲間と別れる駅の改札、いつもの街並み。そんなラストシーンをふと思い出したせい。私は泣きそうな顔だったんだと思う。
「こなちゃん大丈夫?顔色悪いよ」
「ん?あ、ダイジョブダイジョブ。さ、あとちょっとだよ。頑張ろ」
大丈夫?と聞かれて無理に明るく振る舞うのは反則かな。私ってけっこうズルいのかも。
「大丈夫そうじゃないわよ。でも確かにあとちょっとだから着いてから休みましょ」
「こなちゃん。無理そうだったら言ってね?」
しきりに私を見つめながら歩いているかがみとつかさ。
「恥ずかしいからやめてよ」が3、「お姫様状態も悪くないな」が5、「かがみ淡い桜色の口紅してるんだ」というのが2。
そんなことが頭の中でぐるぐる巡っているうちに周りが賑やかになってきた。
正門にかかる手作り感漂うアーチや元気いっぱいにチラシを配るお姉さんたち。
体調が悪かったわけではないので私はすっかり元気になっていたけど、かがみの提案で保健室を探すことにした。
保健室にはアニメみたいな美人な保健医さんはいなかった。ある意味期待を裏切らない。
感じのいい保健医のおばさんと挨拶をしたあと、改めて正門に立って校舎を見渡す。
「うわあ、やっぱ大学って大きいんだね」
「そうだよ。ここは全部で3000人くらい学生がいるからね」
「ウチの高校も大きいけど、規模が違うわね」
「ささ、ぼーっとしてても始まらないよ。まずは食堂行ってみよう」
「急に元気になったな、さっきのはなんだったんだ」
呆れるかがみを尻目にずんずん進んで行く私。聖地巡礼の使命の元、留まることは許されていない。
76甘い経験5/10:2008/06/13(金) 16:42:31 ID:sizjqfB8

食堂のメイド喫茶、その出来は大学生だけあって中々に素晴らしく、確実に上級者の仕業だった。
私の求めていたいつもの大学の風景とは異なる「いかにも」な雰囲気は抵抗の少ないふたりには少々厳しかったようで
10分しないうちに食堂を出ることになった。
かがみは視線をどこに向けていいか分からず、つかさに至ってはメイドさんに舌足らずな敬語でおどおどする始末。
「おバルサミコ酢頂いてもよろしいでしょうか?」という意味不明な飲み物を注文しかけたため私がふたりを連れだした。
「ったく、最近はどこもかしこもコスプレ喫茶ね」
「それだけオタク文化が浸透しているってワケだよ」
「あんたは毎日あんな格好してるからいいけど馴れてない人間にとっては全然くつろげないわよ」
「つかさにはちょっと早かったみたいだね」
「ま、あれだけ緊張するってのも稀でしょうけど」
つかさはまだモジモジしている。
「だってあのお姉さんすっごい丁寧な言葉使いなんだもん、次はもっと普通の所行こうよ、お姉ちゃん」
「そうね・・。じゃあこなた、次はどこ行く?」
「次は図書館だよ」
「もっと色んなお店が出てる所にしましょうよ」
「ダメだよ、先ずは図書館。それから中庭に行って、体育館だよ。それからお店を回るのだよ、それが通ってもんだよ」
「いやに準備がいいわね、まぁちゃんと考えてあるなら行きましょ。時間もあるし」
「何言ってんのかがみん。時間は待ってくれないよ。ぶっちぎりの青春だあ」
「はいはい」
だんだんエンジンがかかってきた私とかがみの白いシャツと薄い桃色のネクタイ。
よく響くかき氷の売り子のお姉さんの声と学校主催の野球大会の音。
かがみがシャツの袖を肘まで巻くり、つかさがパーカーを脱いで大分たったころ、回りたい所はほとんど回って自由時間がやってきた。
「さて、そろそろ巡礼も終わりだね。じゃ、つかさどこ行きたい?」
「う〜ん、とりあえず休みたいかな。ちょっと疲れちゃった」
「私も疲れちゃったな。そこの教室で休憩にしない?」
77甘い経験6/10:2008/06/13(金) 16:43:55 ID:sizjqfB8
空き教室には誰もいないようで、たまに入る風が心地よかった。
「はいお姉ちゃん、イチゴ味だよ」
「おお、サンキュウつかさ。気が利くじゃない」
いつの間に買ったのか、つかさの両手にはかき氷が握られていた。
「でも2つしかなかったらこなたが食べれないわよね」
「そーだよつかさ、私の分は?」
「まぁでも散々引きずり回してくれたワケだし、あんたの思惑がやっと分かったわ。珍しくカメラなんか持ってるし」
「お、思惑ってなにかな〜、私知らないなぁ」
「アンタ前行ってみたいけどちょっと遠い大学があるって言ってたでしょ。アニメのモデルだって」
「うお・・いつの間に」
「いつの間に。じゃないわよ。大学祭にかこつけて」
「まぁいいじゃん。どーせ暇だったんだし」
「ったく。あんたの趣味で何もない所ばっか引きずり回されたんでしょ?かき氷抜きよ」
かがみが一気に言い終えると、すっきりした顔で水滴のついたカップをつつき始めた。
本気で怒ってないことは分かってる。だから軽く舌を出して反省したフリをしておいた。
「こ、こなちゃん」
「なーに、つかさ」
一人カップを握っていたつかさが申し訳なさそうに話しかけてきた。
「よかったら一緒に食べない?私食べ終わる前に溶けちゃいそうだし」
「おお、心の友よ」
「もう、つかさ。あんたは人が良すぎるわよ」
「でもこなちゃんも暑そうだし、それに溶けちゃうし」
なんだかんだ言ってかがみの説教が終わるまで手をつけずにいた氷は確かに溶けそうだった。
「でもストロー1本しかないでしょ?」
「ううん大丈夫。2本貰っておいたから」
つかさ、あんたって子はなんて優しくていい子なんだろうね。健気な瞳でこちらを見つめるつかさに私は思わず
「グッジョブ」
「ひゃ、ちょっとこなちゃん」
「何してるのよ。危ないでしょ」
「あれえかがみ、やきもちかな?」
「いや、急に飛びかかったら危ないってば」
「えへへ」
「えへへって。まぁいいわ。とにかく気をつけなさいよ、つかさも」
「それよりかき氷溶けちゃうよ、ほらかがみのも」
「うわっ、これは確かにやばいかもね」
ふたりでひとつのかき氷を食べる。これで相手が女の子じゃなきゃ完璧フラグ立ってんだけどね。
ひとのいない教室で隣同士で交互にかき氷を頬張る。シャンプーの匂いが分かるほどの距離。汗ばんだあの子の首筋。
ってけっこうありがたいシチュなんだけど、実際は溶けそうな氷に必死でいつもの慌ただしい空気なわけで。
「ほらつかさ、ブルーハワイ垂れてきてるわよ」
「どうしよう、お姉ちゃん」
「ああもうカップ離して、余計に垂れる」
あぁもう、私たちはどこに行っても変わらないなぁ。
髪についた青くて甘い原料不明な液体に手こずっているふたりを見て、妙に嬉しい気分になった。
来る前に感じていた何かは、つかさの髪についたブルーハワイみたいに探しても見つからないくらいどこか遠くへ消えていった。
78甘い経験7/10:2008/06/13(金) 16:45:55 ID:sizjqfB8
教室で休憩した私たちはもうひと回りしようと出店の多いサークル棟へと向かった。
意外と涼しくなったのでかがみはシャツの袖を戻し、つかさは腰に巻いていたパーカーを着なおしていた。
あれほど頑張っていた太陽が今はオレンジ色になって、夕焼けが空を包んでいる。
どれほど切ない秋の夕暮れだろうと大学祭の活気が衰えることはなく、むしろどんどん賑やかになっていた。
フラフラと歩きながらかがみを中心にうどん、たこ焼き、たい焼きなどを食べては進み食べては進んでいく。
私がたい焼きを、つかさがわたあめを片手に休憩できそうな階段を見つけ座っていると
遅れて来たかがみは両手にイカ焼きとチュロスを持ち、頭にはなぜか風船を巻いていた。
「あの、さっき持っていたうどんはどこに行ったのですか?かがみ様」
「お姉ちゃんチョコバナナも持ってたよね?あれ、チュロスだったっけ?」
「てかなんで風船あたまに巻きつけてんのさ」
かがみの説明はこうだった。
半日大学を歩き回ったあげくかき氷しか食べてないかがみ姫は、うどんや焼きそばやたこ焼きを売っている妖精さんに出会いました。
お腹がすいていたかがみ姫は喜んで妖精さんから食べ物を買いました。
また歩いていると今度はたい焼きやわたあめを売る妖精さんに出会いました。
「買って下さい」と言われたかがみ姫はとても優しいので、さっきと同じように食べ物を買ってあげました。
すると優しい妖精さんはかがみ姫に魔法のティアラをくれました。めでたし、めでたし。
「ふーん。じゃあベルセルクのパックとクロノクロスのラズリーのコスプレした売り子のお姉さんに連れ回されて
色々食べてたらクジ引きできるくらいにスタンプ押してもらってその変な風船の帽子が当たったってことなんだ」
「ま、まぁ端的に言うとそういうことになるわね」
「妖精のチョイスがなんとも言えないね」
入り口でもらった大学祭のしおりの出店一覧のページにはお店毎にスタンプを押してもらう場所があって
それがビンゴ形式で一列揃うと1回クジが引けるようになっている。それにしてもかがみさん、あなた2列もビンゴしてるんですが。
「全部食べたわけじゃないのよ。パックの売り子のひとの知り合いのサークルにスタンプ押してもらったりしたし。
すごいいい人だったのよ。ラズリーの人はチョコバナナを落としちゃったら新しいのくれたし」
そんなからくりがあったんだ。用心深いかがみが連れ回された訳はクジ引きの景品目当てだったと。
にしても放課後先生に呼び出された小学生みたいな目で言い訳するのはなぜですか?
「かがみん・・」
「お姉ちゃん・・」
「分かってる、分かってるの。皆まで言うな。つかさ、チュロス食べる?」
「じゃ、じゃあもらおうかな」
「かがみってさ、けっこう流されやすいよね。それともクジの景品にダイエット器具でもあったの?」
「うるさいっ。いいから中庭の方行くわよ」
「え〜、もうちょっと休憩しようよ」
「6時からダーツバーやるらしいのよ。せっかくクジ引きで券当たったし行ってみましょうよ」
「お姉ちゃん、私ダーツなんてしたことないよ」
「大丈夫よつかさ。ただ矢を投げるだけだから」
79甘い経験8/10:2008/06/13(金) 16:49:33 ID:sizjqfB8
オレンジ色の夕日がほとんど沈んでしまい、手が届かないほど伸びる影。
ダーツバー、と言うか適当にダーツボードが置いてあって好き勝手お酒を飲むためのテーブルが置いてある中庭には
楽しそうに準備する数人とテーブルで座ってピンク色のカクテルを飲むカップルと私たち3人以外には誰もいないようだった。
どう見ても準備が遅れているいも関わらず、ビールを飲んで笑いながら作業する彼らの気楽さは
大学祭の雰囲気そのもので、律儀に開始5分前に来た私たちもその光景をただ見守っていた。
「何かいいね、あういうのって」
つかさがそう呟いて、かがみと私は微笑みで返した。今日で一番ゆっくりと流れる時間。
少しして準備していた人がテーブルに腰かける私たちに気づいた。手招きでダーツボードのある教室側のベランダに迎えられた。
「やっとお客さん1号か。よく来てくれたね、誰も来ねーんじゃないかと思ったよ」
陽気なお兄さんがビールか何かの瓶を片手に接客してくれた。かがみと同じ変な風船の帽子を頭に巻いている。
「あの、これクジ引きで当たったんですけど」
「あぁ、ハズレ引いちゃったね。まぁせっかくだしやってってよ。お姉さんたち可愛いからこの券で好きなだけやっていいよ」
ったく。男ってやつは。誰にでも可愛いって言うタイプだな、この人は。
「でもこの小さい子は大丈夫か?ボードまで届かねーだろ、小学生用の距離でやらしてやれよ」
変な帽子のお兄さんの隣で準備していた人が言った。影はすっかり伸びていて、私は拳を振りおろしてその人の影を叩いた。
別にイジワルじゃないんだろうけどぶしつけにチビと言われてムっとした。
「私酔っ払いになんか負けませんから」
「ごめん、ごめん。こいつも悪気があるわけじゃないんだって。ただ妹ちゃんが小さいから気を使っただけ、ごめんね」
「私妹でもないですから」
「え、この子の妹じゃなかったんだ」
そう言ってかがみの肩に手を置くバカ風船男。
「勝負だっ」
気づいた時には叫んでいた。
「ちょっとアンタやめときなさいよ、このひと達ちょっと酔ってるけどいい人じゃないの」
分かってる。単純にダーツバーを楽しんでるってことも。エッチな気持ちでかがみの肩に手を置いたわけでもないことも。
頭ではなく心が納得してないんだよ、かがみの兄貴。
「いいから勝負だっ。エロ風船」
「エロ風船って。これバルーンアートだって」
「ごめんなさい、この子背が小さいって言われたの気にして。勝負なんて真に受けないでください」
とっさに止めにかかるかがみ。
「いいって、いいって。でも参ったな、この子完全に勝負する気だよ」
「そうだ、勝負だ」
80名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:51:01 ID:lR81/F21
こなたってキモい;
81甘い経験9/10:2008/06/13(金) 16:51:27 ID:sizjqfB8
かがみが近づいてくる。
「ほら、悪気はないんだし引きなさいよ」
「イヤだもん」
「まぁまぁ、元々オレらとダーツで勝負して勝ったらお酒をあげるって段取りだからさ」
「ハッハ、頑張れよ姉ちゃん」
こいつは自分が焚きつけたことが分かっているのか。
「こなちゃーん、がーんばってねー。こーなー、がん、こーなー、がん」
隣でつかさが意味不明な応援歌を歌ってる、今は無視。とにかくここまで来たら勝たなきゃ。
「つかさ、あんたどうしたの?」
「えー、なんでもないよー。ほらーお姉ちゃんも、こーなー、がん。こーなー、がん」
「ありゃ、この子オレの酒飲んでんじゃん」
「ええ、つかさ。しっかりなさい」
「こーなー、がん。こーなーがん」
「ダメだわ。完全に酔っぱらってるわ」
「そりゃ40度のラムだからね。オレらでも割って飲んでんのに」
これで益々勝たなきゃいけなくなった。酒代は払いたくない。
「ご、ごめんなさい」
「まぁ仕方ないか。この子が勝ったらチャラってことにしよう。」
「ダーツなんてしたことないんです。勝負になりませんって」
「分かってるって、ちゃんとハンデもあるからさ」
ごめんねかがみん。でもそいつには全力で勝たなきゃいけないのだよ。なぜか分からないけど、そういう時があるのだよ。
「ハンデはいらない」
「え?」
「ハンデはいりません。その代わり本気で相手してください」
「何言ってるのよこなた、あんたダーツしたことないんでしょ」
「じゃあ本気でいくかな。この風船彼女につけてもらったんだ。エロ風船じゃないってこと、証明しなきゃな」
「お兄さんも変な所でスイッチ入れないでくださいよ」
「じゃあね、クリケットでどう?オレこのゲームが一番得意なんだよね」
「分かりました」
もうツッコミが追い付かないのだろう、かがみは諦めた様子でつかさと笑っていた。
私にチビだといった男から「人生楽しまなきゃ損だぜ」と言われてふっきれたみたいだ。
この男はドラクエの酒場に出てくる漁師みたいなことばっかり言うので
私の中で「荒くれ者」というあだ名がついていることは知らずに一生を過ごすのだろう。

エロ風船にもらったルールブックでクリケットのルールを確認した。たくさん点を取れば勝ち、それだけ分かれば充分だ。
今の私に必要なのは技術じゃなくて勇気だ。隣でルールブックを読むかがみの横顔を見つめ、気持ちを落ち着かせる。
「かがみ、その風船私にちょうだい」
「え、別にいいけど邪魔にならない?」
「いいから」
「分かったわよ、はい」
「待って」
「ん?」
「その風船に、キスして」
「おお姉ちゃん、おまじないかあ?」
うるさいよ荒くれ者。おまじないじゃない。かがみとふたりで戦うため、それだけ。
「今日は何言っても無駄ね」
困ったような顔で風船に軽く口づけするかがみ。これでつかさの変な歌が加われば負けるはずがない。
つかさが中々放さないラムを一口だけもらって、エロ風船との勝負が始まった。
82甘い経験10/10:2008/06/13(金) 16:53:13 ID:sizjqfB8
「7ラウンドで終わらす」と自信満々だったエロ風船の宣言通り、そう時間はかからずに決着はついた。
初心者の私はボードに当てるのがやっとで、エロ風船は調子良かったらしい。荒くれ者が
「いきなりハットリックかよ」
とか訳のわからないこと言ってたし。2、3回投げる順番が回ってきて、負けるかもって思い始めた矢先だった。
「え、え?」
急にうろたえ始めるエロ風船。なんか汗が尋常じゃない。
「どうしたんですか?」
その様子を見かねてかがみが尋ねると
「嘘だろ、ひとみちゃん。嘘だろ・・」
どうやら会話が成立してないようで。
「ちょっとお兄さん、次お兄さんの番でしょ。早く投げてよ」
「いや、だってあれ。ひとみ。オレの彼女・・なぁ?」
エロ風船がうろたえて2階の渡り廊下でいちゃつくカップルを指さす。
「さあな。オレが言えるは女ってな分からん生き物だってことだけさ」
荒くれ者が切なそうにタバコの煙を吐き出す。
「いいから投げてっ」
「はい」
それからエロ風船もとい綺麗な女の人にふられた可哀そうなお兄さんのダーツは明後日の方向にしか飛ばず
「姉ちゃん、あんたの勝ちだ」
そう言って荒くれ者がゲームを終わらせるまでの間、つかさの奇妙な応援歌だけが中庭に響いていた。
一応ルールブック片手に得点をカウントしていたかがみによればお兄さんが勝っていたらしい。
後で聞いた話だけどふたりは同じサークルで知り合って今日もダーツバーの手伝いをしてくれる予定だったという。
そんなふたりの思い出がつまったダーツを投げることは流石に無理だったのだろう。
私との勝負なんて忘れたのだろうか。隅っこでひとりダーツを組み立てては分解し、また組み立てて下を向いていた。
新しい酒瓶を持ったつかさがトコトコとお兄さんに近づいて、ふたりでお酒を飲み交わしていた。
私はかがみの肩に手を置いたことやチビ呼ばわりされたことはどうでも良くなって、「つかさってお酒強いな」とか考えていた。
「一体なんだったのよ」
かがみが夕陽の沈んだ空に向かってつぶやく。私が知りたいよ、もう。
「まぁうだうだ言ったって仕方ねーや、姉ちゃんたちも飲みな」
荒くれ者はシェーカーと可愛らしい字で「MENU」と描かれた小さな看板を取り出した。
「あの、私たちまだみせいね―」
「かがみん、ここまで飲んどいて未成年だってバラすのはマズいんじゃないかな?」
かがみの口をふさいで耳打ちする。そう、ここは適当にあしらっておいた方が何かと問題が起きないだろう。
かがみに目で合図を送りとりあえずメニューを見たが、どれを頼んでいいかなんて見当つかない。かがみも困っていた。
「あの、あんまり詳しくないんですけど飲みやすいのください」
「そうだな、じゃあ適当に作っとくよ。それよりあんたの連れが飲んでるやつは強いから止めた方がいいぜ」
あははと笑いながら酒瓶に口をつけるつかさを見つめるかがみの口は虫が入ってきても閉じなさそうだった。
とにかくつかさからお酒を遠ざけないと。
83甘い経験11/10:2008/06/13(金) 16:55:58 ID:sizjqfB8
「後でまた来ます」
バーテンと化した元荒くれ者にそう告げて、つかさを保健室まで運んだ。
ふられたお兄さんが手伝ってくれたけど、おんぶするお兄さんから離れようと必死でもがくし
酔ってるとは言え自分で歩けて意識もしっかりしてるので説得するのに時間がかかった。
結局眠気が遊びたい気持に勝ったのか、保健室のベッドでおばさんに見てもらっている。
「この子は元々お酒に強いみたいだけど飲むスピードが速すぎるから置いてきなさい」
と言われ、私たちはつかさを保健室に任せておくことにした。
時計を見ると7時を過ぎていた。隣のかがみが家に電話をかけ、今夜は私の家で泊まることを伝えている。
電車でつかさを連れて帰るのは不可能だと思われ、お父さんに迎えにきてもらってそのまま家に泊まる方がいいだろう。
お父さんが来るのは8時半。つまりそれまでの1時間ちょっと、かがみと自由時間だ。
外でキャンプファイヤーがあるみたいだけど「ナンパされっから気をつけなよ」って言われたし色々あってさすがに疲れた。
中庭なら人も少ないしカクテルを作ってくれてるみたいだから戻ることにした。
しかし大学祭って野球大会やったりキャンプファイヤーやったりなんでもありなんだ。キャンプでもなんでもないのに。
というか妖精のコスプレでラズリーってどうなんだろう、この大学アニメ見て思い描いてたのと全然違う。
違うのは当たり前なんだけど、こういう違い方は予想外だっていうか。建物は同じなのにな。
ぽつぽつと人が集まりだしていた中庭でバーテンのお兄さんは自分で作ったお酒を自分で飲みながら、楽しそうにシェーカを振っている。
「あの、一応戻ってきたんですけど」
「おう、ダーツの姉ちゃんたち。今作ってるからちょっと待ってな」
「ねぇこなた。あの人大丈夫かしら?」
「誰のこと?」
「あんたとダーツやった人よ。つかさ運んでくれたし」
「あいつなら心配いらねーって。さっきナンパしてくるってキャンプファイヤーんとこ行っちまったからな」
「はは、そりゃあけっこうな事で」
「立ち直るの早いねぇ。あたる君みたいだ」
「あいつにゃあラムちゃんがあるからな、酒のほうだけどよ」
「何上手いこと言ってんの、おっさん」
「ちょっとこなた。おっさんは失礼でしょ」
「いいって、いいって。おっさんからお二人にプレゼントだ」
バーテンもといおっさんがグラスに入ったカクテルを目の前に置いてくれた。この人とは仲良くなれそうだ。
「あの、これなんてカクテルなんですか?」
「おっさんスペシャルでしょ?」
「ハッハ。残念ながら違うよ。これはバラライカってカクテル。飲みやすいと思うぜ」
かがみがグラスを持ったり置いたりしている。迷ってるようだ。
「ねぇ、ふたり同時に飲もうよ」
「そうね、そっちのがいい気がするわ」
「じゃあ」
「うん」
「大人の世界に迷い込んだツンデレな妖精に乾杯」
何それ?というツッコミを入れる前にグラスに口をつけるかがみ。淡い桜色の口紅がガラスに触れる。
「おいしい」
「確かに。おっさんグッジョブ」
「なんか思ってたより飲みやすいのね、カクテルって」
「そうだろ。今のは大分ウォッカを薄めにしてあるからね」
得意げなおっさんは本当にカクテルを作るのが好きなんだろう。このひとがやるお店だったら行ってもいいかも。
「おっさん、あれ作ってあれ。シティーハンターで出てきたやつ」
「XYZ?」
「そうそれだよ、かがみんも知ってたんだ」
「有名だからね。私もちょっと飲んでみたいかも」
「分かった、作ってやろう。でもな、XYZのZはゼットじゃなくズィーって読むんだぜ」
「そうなんだ。じゃあその、XYZ(ズィー)お願い」
「はいよ」
84甘い経験12/10:2008/06/13(金) 17:02:22 ID:sizjqfB8
おっさんに作ってもらったXYZを持って中庭からすぐの、2階のベランダのイスに腰かけた。
「あんたよくこんな場所知ってるわね」
「ここはアニメの主人公がよくザボってる場所なのだよ。本当にあるとはね」
「その記憶力をもっと大事なことに使いなさいよ」
「見てかがみん、月が出てる」
「ごまかすな。大体毎回々々宿題見せてやってんのは誰だと思ってるのよ」
「いやあ本当にかがみがいなきゃ生きていけないよ」
「そんなことじゃないの。いい、こなた?」
「う、うん」
どうしよう。これってカラミ酒ってやつ?かがみんや、薄めのバラライカを1杯ですよー。ちょっと早くない?
つかさは強くてもかがみはお酒が全然ダメみたい、もう目が虚ろになってるし。
「だーからね。あんたが宿題やんなきゃためになんないでしょ。そこは分かる?」
あ、でも口調はちょっとつかさに似てるな。さすが双子。
「ねー、きーてんのー?」
とりあえず頷いてればいい、そう習った気がする。
「うん、聞いてるよかがみん」
「だーからねー、私はあんたのためにねー、宿題やれって言ってるのよ」
「そうだね」
「そうだねってねー、あんたほんとーに分かってんの?」
「あーはいはい、分かりますよ。かがみさん」
「あんた本当に分かってるの?」
急に真剣な表情。まっすぐに私の瞳を、その奥の方を見つめる。
「いや、分かってるって」
「分かってないわよ」
だから、その目をやめて。その目で見られたらだめ。怖いよ、分からないけど凄く怖いよ。
「だめ。ちゃんと見て、言って。分かってるって」
あなたエスパーですか。でも、向き合わなきゃいけない。じゃないとこの場が収まりそうもない。
「分かってる」
「なにが?」
「かがみが私のために言ってくれてること。私のこと考えてくれてること」
「なーによ。分かってるんじゃーないの」
多分そう言ったのだろう、多分てのは私の耳がかがみの胸にくっついてよく聞こえなかったからだ。
「もーちゃんと分かってるならさー、はやくいーなさいよー」
あの、さっきからずっと言ってたんですが。てのもかがみには聞こえないな。私の口もかがみのお腹にくっついてる。
85甘い経験13/10:2008/06/13(金) 17:09:10 ID:sizjqfB8
「ほらー何か言いなさいよ」
うん、言ってるんだけどね。そんなにきつく抱きしめられたら声が届かない。
「まーいいわ、分かってるっーって言葉はー、信じよーじゃない」
体を少しだけ離して私の顔を見つめる。さっきより優しい目。
「なーによー、またツンデレー、もえーとか言うつもりー?」
「いや、なに、その。そんなにギュってされるとグラスからこぼれちゃうよ、かがみ。カクテルが」
「じゃあ今から飲みなさいよー」
残りのグラスを一気に飲みほした。大分残ってたせいで少し口からこぼれた。
「もっーたいないでしょー。こーなた」
「うぷっ」
「ふふっ」
う。ちょ、ちょっと待って。口ふさがないで。
「うん」
「ハッ、ハッ。かが、み。カクテ、ルもうのこってないってば・・。あ、あ・・ぷはっ」
「まーだあるでしょ。隠しちゃーだーめ」
「ほん、とにないってば。は・・舌だめだよう。か、かがみい」
「あるじゃないのーもう」
「それ・・唾だ、って。もうやめ・・あ・・」
かがみの舌が私の舌や口や歯を舐める。そんなとこに隠せるわけないって。唾を飲み込んで、それを私にまた垂らして。
またそれを舐めて、そして私の唇を噛んだ。
「ひゃあ。ん、やめて。かが、もう・・出ないよう」
桜色の口紅と唾とカクテルと色んなものが混ざったのを最後に私の口に流し込んでかがみは私の膝に突っ伏してしまった。
とりあえず周りに誰もいないか確認する。人気のないベランダだ、やっぱり誰もいない。
どうしていいのか分からない。酔っぱらったかがみに抱きつかれて、キスされて。舌まで吸われてしまった。
今の私はどうしようもないくらい女の子の顔をしてるんだと思う。息が上がって、どっちを向いて座っていればいいのかすら分からない。
濡れてる。触らなくても分かる。
本当にエッチな子なんだ。もっとして欲しい。何回「だめ」って言ったの?だめなんかじゃないのに。
こんなの嫌。かがみとキスして、エッチな気持ちになるなんて。やっぱりそんなのダメだよ。
そう言い聞かせる、そうしなきゃ今のままでいられない。失うものが多すぎる、誰も許してくれない。
でも、して欲しい。もっとキスをして欲しい。かがみのキスが欲しい。かがみの唇が、欲しい。
新しいものは怖い。遠くへ行ってしまうから。今が消えてしまうから。私の大好きな今が。
大好き、かがみもつかさもみゆきさんも。そのひとたちが、自分の居場所。それが手が届かなくなるくらい遠くへ行ってしまう。
かがみに「本当に分かってるの?」って聞かれた時感じた怖さは、自分の中にある気持ちだったのかもしれない。
無意識にブレーキをかけて、大好きな「今」を失くさないように閉じ込めていた。
かがみを見ると嬉しくなる。かがみが家に来るとドキドキする。今日来る前に感じていた嫌な気持ちの正体、いまやっと分かったよ。
私はかがみが好き。好きだから好き。私の膝で眠るこのひとが好き。ポニーテールもメイド服もほめてくれるこのひとが好き。
淡い桜色の唇を指でなぞって舐めてみた。カクテルなのか唾なのか口紅なのかすこし甘かった。多分恋の味なんだと思う。
未だ突っ伏しているかがみの耳にはきれいなイヤリングが輝く。それを照らす月だけが私たちのことを見ていた。
8626-468:2008/06/13(金) 17:34:15 ID:sizjqfB8
以上です。
10レスと言っておきながら13レスも使ってしました、すみません。
何度も行数えたんですが、もっと勉強します。

投下途中色々あって皆さん言いたいことあると思いますが、
できたら作品についての感想のみレスしてほしいです。
実は量的には完成の半分くらいのつもりでしたが書いてる内に楽しくなってしまって
また、らき☆すたらしさを出したいなと思っていたら長くなってしました。
ダーツやらカクテルやらの下りは完全にその影響ですね。
2ちゃんネタや漫画ネタも多いですがこなた視点ということで多めに入れてみました。(こなたが野球ch覗いてるハズないですけど)

元々「かがみんにお酒を飲ませたい」という衝動から書いた話です。
かがみは絡み酒でつかさは笑い上戸ってイメージですね、僕の中では。
こなたは酔っても変わらない感じです。どーでもいい話ですが。
書きたいことが決まっても中々筆が進まなくて、このお話ももうすぐ佳境に入っていく予定で最後まで構成はできてるんですが
みなさんの投下速度がうらやましいです。
たぶん次はちゅかさ視点で書きます。
「もっとこうしたらいいのに」と思うとこあったら(褒め気味で)じゃんじゃんお願いします。
87名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 17:37:24 ID:4lkXnMYH
>>86

GJ! かっこええなぁ。

ちょっと脱線スマ。
原作(コンプ版)はそろそろ卒業しそうな雰囲気が漂ってきてるけど、
こういうのを読むと「大学編に突入してほしいなあ」という気がする。
ご都合主義なのはわかってるが、全員で同じ大学に進んでさ。
8826-468:2008/06/13(金) 18:10:40 ID:sizjqfB8
このひとがやるお店だったら行ってもいいかも
↑「やるお」にしか見えなくて、AA思い出して吹きました。

残りのグラスを一気に飲みほした。
↑グラスは飲めないですね。「グラスの残り」ですね、すみません。

>>87
美水先生が「ループさせない」って言ってますからね。
続きも気になりますが、やっぱこなた達にはセーラー服を着ててほしいです
全員浪人ってのはどーでしょうか?
同じ予備校通っちゃうとか
89名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 18:18:02 ID:ELZWmYU+
>>86
その大学はどこですか。今から飲みに行きます(待て

まあそれはさておき、大人になって行くこなたたちが眩しかったです。
あと最終レスの乙女こなたに前かがみ。ぐっじょぶでした。

>>87 >>88
全員浪人とか締まらなさすぎるw
某同人誌でも似たようなオチはありましたけど、個人的にはやっぱりみんなで進学が良いなあ。
90名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 18:20:00 ID:N+CAGsIx
みゆきさんが浪人ってのはなさそうだしご都合主義なら全員同じ大学へ、が一番ありえそうだけどねぇ。
91名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 18:33:43 ID:E2VXpeKn
医学部と法学部と調理師(?)の学部と、
あとこなたが行きそうな学部がひとつになっている大学というと……どこでしょね
92名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 18:59:01 ID:Yqjug8DL
>>90

より上の大学を目指して浪人、ならばありえない話ではないかと。
93名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:00:17 ID:Yqjug8DL
>>91

共栄大学(春日部共栄高校の姉妹校)を総合大学に仕立て上げるとか?

近場に大学&短大も揃ってるんだよな。やるな共栄学園。
94名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:13:46 ID:/DjEKFPg
調理師の免許を取得できる大学はないはず。
95名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:42:29 ID:KlNNgp4x
確かにつかさはコック系の仕事を目指すのなら専門学校の線だろうな。
栄養士とかなら大学もあるっぽいけど
96名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:11:29 ID:cDBBG9zD
っ[辻調理師専門学校]
97名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:14:12 ID:oXBshIZd
このスレではつかさは調理師専門学校に進学することが運命づけられてる感じだけど
なんとなく気が変わって大学行く事もありえなくはないよねw

「あんた調理師の専門学校に行くんじゃなかったの?」
「えへへ〜 お姉ちゃん達と同じ大学に行ってからゆっくり考えよっかなーって思って」
「つかさらしいねぇ(=ω=.)」
「ていうか、一番大学と縁が無さそうだったのはこなたでしょ!」
「失敬な!私の嫁が大学行くなら付いていくに決まってるじゃん♪」
「///////(ぽふん!)」
「また楽しい生活が始まりますね」

…てな感じで
98名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:40:51 ID:kIVAJ4v1
>>86
文章が読みづらい箇所がいくつかありますが話としてはとても面白かったです
大学祭のふいんき(←なzry)が伝わってくると共にそれぞれのキャラの立ち回りが浮かぶようでした

ラストのシリアスなシーンはそれまでのユルく砕けた感じとのギャップがあって良かったです
こなたらしく突き進んでくれることを祈ってGJです
99名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:48:05 ID:cDBBG9zD
>>97
こなたはかがみのためなら、マジでかがみと同じ大学にいくほどがんばりそうだ








まあ、がんばらなかった場合かがみんとこに居候家政婦しそうだがw
100名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:41:23 ID:ZxVLiQEd
>>99
それはこなたという兎を飢えた虎の檻に放り込む事と同じでは?
101名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:58:58 ID:cDBBG9zD
>>100
不正解
だってウサギはかがみだから。








うさぎなめんなよ。なんたって性欲旺盛だからな。
102名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 23:06:37 ID:vHquE9zC
確かにウサギって結構強暴だ。
性欲凄まじいし噛みつかれると痛いし。
103名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:11:11 ID:iLpbmpZv
× かがこな

○ こなかが

ということですね。

かがみ「私も…たまには攻めにまわりたいのに…」
104名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:16:49 ID:WwpnrK3y
こなた「なにいってんのかがみ……最近かがみがめっきり攻めじゃん……」
105名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 01:15:29 ID:QoOn7wxL
長くなったからろだに投下
■エロなし
■つかさ×こなた つかさ視点
■ぐだぐだ
■所々オリジナル設定

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0099.txt
106名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 01:46:04 ID:Fh/ie80w
>>105
GJ!
ヘタレわんこで一生懸命なつかさかわいいよつかさ。
こなたの優しさや周りのあたたかさもいい。
107名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 03:31:46 ID:po94f9O/
>>86
GJ!!
こなた可愛いよこなた
なんか抱きしめたくなりました
108名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 04:48:05 ID:zclisvKm

>>539
ひよりは背景にすら

>>553
どちらかといえばそういうのは好きでないつもりだが
凄く甘くておいしかったです
でもどこへ行くのだろう?


>>25
りびんぐどーる?

>>32
こなたどうしはしてなかったっけ

>>37
みさおを2タイプ確認

>>58
かがみの手札は二輪の花だけですか
むしろかがみが切れてこなたを強姦したほうが

ゆたかがこなたと取引をしてかがみに近づかないようにしたんでしょうね
こなたはかがみに嫌われてるといわれてるので……

そしてこなたが遠ざかっていく隙間をゆたかが埋める気でしょう……その隙間をみさおファイト
そしてまだゆたかはみなみに何かを頼んだみたいですし

>>86
つかさ だ め じ ゃ ん
さらにこなたのこころが大きくかがみに傾いちゃって
寝てる場合じゃないのに

>>105
つかさかわいい
109名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 07:08:09 ID:L4w3HYKq
>>105
ぐだぐだとはご謙遜を。
どたばたから透けて見えるつかさの愛らしさ、たっぷり堪能させていただきました。ぐっじょぶ。
110名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:59:28 ID:po94f9O/
>>105
つかさ可愛いね
GJす
111名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 12:38:21 ID:J/+RpxsL
被りがなければ5分後くらいに投下します
11216-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/14(土) 12:43:28 ID:J/+RpxsL
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。

■かがみ→こなた
■男×こなた要素があります
■暴力・流血描写があります
■エロなし

11レスになります。
113冬/きれいな感情(第五話)1/11:2008/06/14(土) 12:43:58 ID:J/+RpxsL
§8

 鎮守の森には、今年もツグミがやってきた。

 二階にある私の部屋の窓からは、鬱蒼と茂る鎮守の森を見渡すことができる。その森には
毎年冬になるとツグミが渡ってきて、そうして春になってまた北国に戻るまでの一時を過ごすのだ。
 今も、バサリと木の葉を散らして、ツグミの群れが飛び立った。
 だんだん小さくなっていく鳥影は、やがて薄雲のたれ込めた灰色の空に吸い込まれて消えていく。
 そんな空を眺めながら、私はこのところ晴れ間をみていないな、なんてことを思う。
 少なくともあの日、太宮駅前でこなたが男の子の名前を呟いてからは、埼玉の天気はずっと
薄曇りだ。冬将軍は猛威を振るっていて、今年は記録的な厳冬になるかもしれないと誰かが
云っていた。
 私もとうとう暖房をつけることを自分に解禁して、やっと水も漏らさぬ完全武装から解放される
ことになった。冷暖房に頼るのはなんだか正しくない気がして厭だったのだけれど、風邪を引いて
しまったら元も子もないだろう。それに、いくら家の中とは云っても、ぶくぶくに着ぶくれただらしない
格好をしていると気が滅入ってくるというものだ。
 モヘアのセーター、バルーンスカートにレギンスという、近所に買い物に行くくらいには耐えられる
格好になると、少しでも勉強を進めようとして私は机に向かった。
 学期末試験が終わったばかりと云っても、気なんて抜けるはずもない。本番はそろそろお尻に
火がつき出すほどには近く、そうしてまだまだ先が見えないほどには遠いのだ。
 そう思って、私は机に向かう。
 けれどふと気がつけば、思考はいつでもあの日の夕暮れ時に舞い戻っていて、そうして私は
大きなため息をついている。
 オレンジ色の夕陽に照らされて、驚きに目を見張ったこなたの顔は群青色に陰っていた。
 目の前にいた男の子も、その隣の女の子も、スローモーションのように通り過ぎていく雑踏の
人並みも、すぐに視線を逸らしたサンタクロースも。全てがオレンジと群青の二色に染まっていて、
だからあの街の光景は、モノクロ写真のような階調で私の心の中に焼きついている。

 あのとき二人の間に流れていた空気を、見誤るはずもない。
 あのときの二人の声音に満ちていた感情を、聞き違えるはずもない。

 あの日あのときあの場所には、私がみたこともないこなたが立っていた。

 それを思い出すと、喉から何かがせり上がってくるような不快感を感じる。舌の奥の方、
何か苦い物を噛みつぶしたような味がする。
 わかってる、これは嫉妬の味だ。他人のことを羨んで、どうして私がそれを持っていない
のかと妬む。そんな思いが私の心をざらつかせるのだ。
 あの男の子はきっと私が見たことがないこなたを知っていて、私には引き出せすことが
できない、こなたの可愛いところも知っている。それを、私は妬んだのだ。
 こんな風にあの男の子のことを羨んでいる私は、私が望むきれいな私からはほど遠い。
そんな醜い私が厭で厭でどうしようもなくて、そうして私はまたため息を吐いている。
 暖房は暖かい空気と引き替えに窓の結露をもたらしていて、曇った窓には物憂い表情で
頬杖をつく私が映し出されていた。
 たわむれに窓を拭って外を見渡せば、何羽かのツグミが森に舞い戻ってきていて、やがて
梢の奥に消えていく。ここで窓ガラスにこなたの名前でも書けば、絵に描いたような傷心の
乙女ができあがるのだろう。けれどそんなことをするまでもなく、私の心にこなたの名前は
くっきりと刻まれているのだった。

 ――中学のときの同級生なんだ。
114冬/きれいな感情(第五話)2/11:2008/06/14(土) 12:44:22 ID:J/+RpxsL
 帰りの電車で、こなたはぽつりとそう云った。
 長く気詰まりな沈黙のあと、まるで云い訳するような口調でそう云った。
「――つき合ってたの?」
 できる限り柔らかく、できる限り優しく、できる限り気にしていない風に、私はこなたに
問いかけた。
 少なくともそのときの私には、そうすることができていた。
 これが例えば春や夏の出来事だったならば、私は到底そんなことは訊けなかったに違いない。
自分の感情を制御するのが精一杯で、こなたの様子まで気を回す余力などなかったに違いない。
けれどこの八ヶ月間が、私を少しだけ強くした。この八ヶ月間があったから、私はその質問を
発することができたのだ。
 けれど返ってきた返事は肯定でも否定でもなかった。
 それは、言葉ですらなかったのだ。

 返事の代わりに、こなたはぎゅっと私の手を握ってきた。
 うつむいたまま、無言で私の手を握ってきた。
 私が握れなかった手を、こなたの方から握ってきてくれたのだ。

 そうしてこなたは、電車から降りるまで、ずっと私の手を握ったまま離さなかった。

 はあ、ともう一度ため息。さっき拭った窓は、気がつけばもう曇ってしまっていた。すぐに
曇ってしまうんだな。そんなことを私は考える。
「お姉ちゃん」
 コンコンとノックの音をさせて、つかさが部屋に入ってきた。
「ゆきちゃん、きたよ?」
「お邪魔いたします、かがみさん」
 その後ろで、みゆきが柔らかな笑顔を浮かべて立っていた。
「あ、え? あれ? いつの間に?」
「……さっきチャイムの音したのに。聞こえなかったの?」
 まるで聞こえていなかった。
 どうやら、チャイムの音にも気がつかないほど深く物思いに耽っていたらしい。そんな自分が
なんだか酷く乙女チックに思えて、少しだけ自分が恥ずかしくなった。慌てて机の上に拡げていた
ノートや参考書を閉じると、私は座布団を取り出して座卓の周りに置いた。
「悪いわね、わざわざ家まで来てもらっちゃって」
「いえいえ、とんでもありません。落ち着いたところで一度お話したいと思っていましたし」
 そう云って、みゆきはにっこりと笑いながらコートを脱ぎだした。その下は当たり前だけれど
制服のままで、それがまた私の罪悪感を少しだけ刺激する。わざわざ電車を一本遅らせてまで
家にきてもらったのだ。こなたに気づかれないように。
 みゆきが着ていた服をハンガーに掛け、桟に吊したところでつかさが戻ってきた。お盆の上、
ティーコージーに包まれたポットの中はオレンジペコー。それと最近つかさが凝っている手作り
ラング・ド・シャ――それは、私がこなたにお腹をつままれることになった原因の一つだ。
「まあ、これは……評判のお店で買ってきた物と遜色ないくらいですね。本当に美味しいです」
「えへへ、ありがと」
「本当にね、少しくらいは手を抜いてくれないと、私のお腹が心配だわよ」
「あら、またダイエットをされていたのですか? 太ったようには見えませんが……」
「そりゃ、冬服で見た目に出てたらもう末期症状じゃないの」
「でもお風呂上がりとか見てても前と変わんないよ? 相変わらず羨ましいくらいスレンダー
だと思うけどなぁ」
「ありがとうつかさ……。でもね、こういうのは勉強と同じで日々の積み重ねが大事なのよ。
いつかボタンが吹き飛んでからじゃ遅いんだからね」
「うう、お姉ちゃん、ダイエットでも真面目だよぅ……」
 つかさがそんな風に云うとみゆきもくすくすと笑って、場の空気はいつもの教室のようになる。
 けれどそこには、いつもいるはずのこなたがいない。
 いつも私たちの中心にいて、私たちを動かす原動力となる泉こなたが、ここにはいないのだ。
 なぜならこれは、こなたのことを話し合う会合なのだから。

 ――こなたが少しおかしい。
115冬/きれいな感情(第五話)3/11:2008/06/14(土) 12:44:58 ID:J/+RpxsL
 それは、あの太宮での出来事があってから開けて月曜日のこと。いつものように糟日部駅で
待ち合わせて、いつものようにバスの一番後ろに座って、いつものように教室に入って。そのころ
にはすでに、つかさとみゆきは気がついていたという。
 一見普段通りで、いつものやる気なさそうな顔でふにゃふにゃしているけれど、時折ふと
スイッチを切り替えるような一瞬に、能面のような無表情がかいま見えるのだ。それは普段から
こなたのことを見ていなければ気がつかないほど微妙な変化だ。けれど、これまでずっと一緒に
過ごしてきた私たちにとっては、自明な変化なのだった。
 つかさもみゆきも、それとなく何かあったのかとこなたに訊いたようだった。けれど返ってきた
返事は『何もないよ』という言葉と、どこか痛々しく見える微笑だけだった。そうみゆきは云った。
 あの日のできごとを、私はまだつかさにもみゆきにも話していない。こなたのプライベートに
関わるだろうことを、私が勝手に推測して他人に話すことをためらったということもある。月曜日
から始まった期末試験で、一息吐く間もなかったということもある。
 けれどやはり一番の理由は、私があの日の出来事をまだ十分に咀嚼しきれていなかった
せいだろう。
 あの夕焼け、あの茜色。
 こなたの声音に宿った、あの切なさ。
 それを思い出す度、私は今でも胸をかきむしられるような気持ちになるのだった。
「――お話、していただけますね?」
 真剣な顔でみつめてくるみゆきに、私は小さくうなずいて口を開いた。こうなってしまえば
否も応もない。なんといっても、この二人にとってもこなたは大の親友なのだから。

 ※     ※     ※

「――なるほど、そんなことがあったのですか」
 私の声は、少し震えていたと思う。
 けれどみゆきはそれに気がつかないふりをした。つかさは気がついて、ぎゅっと私の手を
握ってくれていた。
「出会った後、会話はあまりなかったのですね?」
「……そうよ。たっぷり硬直したあと近づいていって、かすれた声で『久しぶり』とか
『元気だった?』とか……二言三言話しただけ」
「そうですか……。それでかがみさんは、お二人の関係をどう見たのですか?」
「……私にそれを云わせる気?」
 むっとした声でそう云う私に、みゆきは顔色一つ変えず滑らかに反駁する。
「かがみさん以外に訊ける人はいません。その場にいたのはかがみさんとこなたさんだけ
なのですから」
「ゆきちゃんっ」
 優しいつかさは、私たちが険悪な雰囲気になっていると思ったのだろう、慌てた様子で
みゆきの名前を呼び、その腕を手にとった。
「大丈夫よつかさ。みゆきが云ったことは正しいもん」
 つかさに微笑みかけてから、私は薄く目を閉じる。
 眼裏にあのときの光景を蘇らせて、その印象がぶれていないかを確認する。そうして眼を
開けて、できるだけはっきりとした口調でこう云った。
「――どうみても昔の恋人同士っていう感じだったわね。それも、手ひどい別れ方をしたような」
「……そう、ですか」
 みゆきが小さな声でそう云って、そうして部屋を沈黙が支配する。話し合うとは云っても、
この中の誰一人として男の子とつき合った経験がないのだ。三人とも兄弟はいないし、
身近に男の子がいたことすらあまりない。ましてや男の子とつき合ったときにどういう問題が
立ち上がるのかなんて、ドラマや小説の中でしか知り得ないのだった。
『なんでわたしたちにはロマンスってないのかねぇ』
 つまらなそうにそう云った、こなたの顔が思い浮かぶ。
 けれどそう、ことこなたに至ってはきっとロマンスはあったのだ。過去の話ではあるけれど。
それが果たしてロマンスと呼べるほど素敵な記憶であったかはわからないけれど。
 そう、私たちが今話しているのは、そういう話なのだった。
「……こなちゃんが男の子とつき合ってたなんて、聞いたことないよ……」
「そうね。でも、思い出したくないくらいの喧嘩別れだったのかもしれないし。あれでやたらと
気を遣う奴だから、云い出せなかったとしてもおかしくないわよ」
 私がそう云うと、なにやら考え込んでいる風だったみゆきがふと顔を上げた。
116冬/きれいな感情(第五話)4/11:2008/06/14(土) 12:45:31 ID:J/+RpxsL
「お二人とも覚えていらっしゃいますか? いつだか昔のお友達のことをかがみさんが訊かれて、
こなたさんがお答えになったときのこと」
「ああ、魔法使いさんか。そりゃ覚えてるわよ、こなたのことだもん。でもそっか……あのときの
こなたも、ちょっと変だったわね。なんだか寂しそうな顔してて、あんまり云いたくなさそうだった」
 思い出す。あれは確か二年の春頃のことだったか。なんだか随分昔のように感じるけれど、
たった一年と八ヶ月ほど前のことだ。
 あの頃私は、いつだってこなたのことが気になっていた気がする。窓からグラウンドを
見下ろしてE組の体育の授業を眺めているときも、こなたの青い髪を真っ先に探してしまって
いて、それがどうしてなのだろうと不思議に思っていた。
 そのとき私たち四人はすでに親友と云っていい仲だったけれど、今から考えると随分
お互いのことを知ってはいなかったのだなと思う。
 あの当時、私たちは学校で見せる部分以外、こなたのことをほとんど何も知らなかった。
私はそんな秘密主義なこなたのことをもっと知りたくて、あれこれと折に触れて訊ねていた
気がする。家族構成や昔の話や家のこと。けれどその度、なんだかよくわからないオタクネタで
交わされては口惜しい思いをしていたのだった。
 そんな中ふと漏らしてくれたのが、中学校のときの友人で、卒業文集に“夢は魔法使い
になること”と書いた奇妙な人のことなのだ。
「その男の子が、魔法使いさんだったってこと? こなちゃんが友達って云ってたから、
女の子だと思ってたけど……」
「私もそう思ってたわよ。いくらこなたがオヤジ臭いっていっても、男の子と普通に“凄く
仲がよい友達”になれるのかしら? あれで意外なほどちゃんとした女の子なのに」
 それは確かにテレビでみた男性アイドルの話をしたり、格好いい男の子のうわさ話をしたり
なんてしないけれど。
 それでも一緒にでかけるときにはちゃんと可愛い格好をしてくるし、甘い物も大好きだし、
細々としたこともよく喋る。
 それに何より、私たち四人は典型的な女の子同士の仲良しグループなのだと思うのだ。
 見た限りでは、男の子同士ではこんな風に四六時中一緒にいるような関係を築いていない
ように思う。元々男の子はドライな性格を持っているのか、育った環境によってそんなことは
恥ずかしいと思ってしまうのか、それはわからないけれど。
 こなたが男の子と話しているところを見たこともあるけれど、いつも通りにあっけらかんと
しているようで、どこか無理しているような堅さを感じたものだった。
 そんなこなたは、やはりどこまでも女の子だ。
 丁寧な言葉遣いだとか、恥じらいの気持ちだとか、奥ゆかしい仕草だとか。そんな誰かに
押しつけられたような“女の子らしさ”とは別の次元で、こなたは可愛い女の子なのだ。
 ――だから、私は好きになった。
「ええ、その男の方が魔法使いさんだと云う訳ではないのです。ただ、あのこなたさんが、
仲が良かったという友達と今は全然連絡を取っていないと仰っていたのが私は不思議で……」
「あ、それわたしもおかしいなって思ってたよ。凄く仲が良かったなら電話なりメールなりすれば
いいのに、なんですっぱり切れちゃったんだろうって。こなちゃん、そんな冷たい子じゃないのに」
「そうね……そうか。改めて考えたら不思議よね」
「中学生のとき仲が良かったと仰るなら、まず間違いなく同級生でしょう。その太宮駅の男の方も――」
「同級生だったって、云ってたわね。……もしかして、何かあったのかしら」
「な、何かって……?」
「喋りたくなくなる何か。親友と連絡を取りたくなくなる何か。そして、三年が過ぎても会うなりに
固まってしまう何か、よ」
 私がそう云うと、部屋がしんと静まりかえった。云った私がその台詞から厭なことばかり
想像してしまい、胃の辺りがずしりと重くなっていく。
 なんだか酷く息苦しい。
 息を継ぐようにしてカップに残った紅茶を飲み干せば、まだ少しだけ暖かい。例え凍えそうな
部屋であっても、そこに残る暖かさもあるはずだ。そんなことを私は考える。
「それだけでは、ありませんよね」
 ゆっくりと、噛みしめるようにみゆきは云う。
「……なによ」
「その出来事は、思い出してしまうとかがみさんの手を握って離したくなくなるような、そんな
出来事のはずです」
 そんなみゆきの言葉に、私は思わずカップから離したばかりの右手を眺めやる。
117冬/きれいな感情(第五話)5/11:2008/06/14(土) 12:46:07 ID:J/+RpxsL
 そこにまだ、温もりが残っている気がした。

 あの日繋いで離さなかった、こなたの手の温もりが。
 ならば、もしかしたら大丈夫なのかもしれない。こなたは私の手に温もりを残してくれたの
だから、きっと全部大丈夫なのかもしれない。私は不思議とそんな風に思っていた。
「気づいていらっしゃるのでしょう、かがみさん」
 みゆきが重ねて云う。
「そりゃ、ね」
 ――あれ以降、こなたはどこかおかしい。
 それは私たちが心配している、どこか無理に作ったように見える笑い声や、演技している
ような表情のことだけではない。
 こなたは、なぜだか妙に私たちに甘えるようになっていた。いや、それは云い方としては
正しくない。甘えるというより、スキンシップが多くなったと云った方が正確で、その対象は
私たちというより、主に私なのだった。
 気がついたらいつも私の隣にいて、何かを云う度に手や腕に触れてきて、冗談めかしては
胸やお腹を揉んでくる。
 そんなこなたの態度は、あのはしゃぎ回っていたお墓参りの頃の印象と重なって、そうして
私はあの日こなたがしたアマガエルの話を思い出している。
『アマガエルってさ、あんなにコロコロ身体の色変えて、元の自分が誰だかわかんなくなったり
しないのかな?』
 そう云ったこなたはなんだか酷く寂しそうだった。そう、それは中学時代の親友“魔法使いさん”
の話をしていたときと同じように寂しそうだった。
「――こなたのやつ、何を一人で背負ってるんだろう。私たちにも少しくらい分けてくれてもいいのに」
「きっとこなたさんなりに色々と思うところがあるのでしょう。これは根拠のない印象でしか
ないのですけれど、もしかしたらかがみさんには云えないようなことなのかもしれません」
「え? 私にだけ云えないってこと?」
「かがみさんに伝わる恐れがなければ、ぽろっと云ってしまえるような、そんなことなのかも、と……
すみません、やはり上手く云えないのですが」
 困ったようにうつむいて、頬に手を添えながらみゆきは云う。私はみゆきが何を云おうと
しているのかわからなくて、一人で首をひねっていた。そんなところに、つかさが口を開いて
みゆきに助け船を出したのだ。
「ゆきちゃんが云いたいこと、わかる気がするよ。こなちゃんにとって、お姉ちゃんって凄く
特別なんだよね……それがどういう特別なのかはわからないけど。だから、お姉ちゃんに
だけは云えないってこと、なんだか納得できるかな?」
「それって……」
 私が云いかけたところでみゆきが慌てて口を出してくる。
「すみません、まだよくわかりません、全然違うかもしれません。だから……そういう期待は
しないでください」
 泣きそうな顔でみゆきがそう云って、部屋に沈黙が訪れる。
 期待――期待、か。わかっていたはずだ、そんなことは。こなたは私のことを好きでいて
くれているはずだけど、それは私の好きとは違う意味だということは。
 けれどみゆきに釘を刺してもらってよかったと思う。こなたにとって特別だと云われたことで、
そのとき私は勘違いしてしまってもおかしくはなかった。
「――うん。わかってるわよ、そんなこと」
「――はい」
 泣きそうな声でみゆきが呟いて。
 時計を見上げるともう予定時間は過ぎていた。元々今日一日で何か明確な結論が出るなんて
思ってはいない。他人のことなんて、いくら憶測を連ねたところでわかりようはずもないのだ。
だから今日は現状の認識と問題を共有するための集まりで、そうしてその目的はすでに達して
いたのだった。
 駅まで送ると云った私とつかさを丁重に断って、みゆきは一人で帰っていった。
 冬の曇天は地に覆い被さるように垂れていて、そんな寒空の下で一人の女子高生の姿は
とても小さなものだった。遠ざかっていくみゆきの後ろ姿を見送りながら、私はつかさと二人、
なんとなくぼんやりとしながら玄関の前に佇んでいた。
「……ゆきちゃんはああ云ったけど」
 ぽつりと、つかさが呟いた。
「わたしは、ひょっとしたらって思うんだ」

 そんなつかさの言葉を、私は聞こえなかったふりをした。
118冬/きれいな感情(第五話)6/11:2008/06/14(土) 12:47:09 ID:J/+RpxsL
 

§9

 朝、境内の掃除を手伝っていたら、ツグミが一羽死んでいた。

 それは短い試験休みも明けた二十三日。終業式の朝だった。その日一日登校すれば冬休みに
入り、そうして年があければセンター試験まで一直線。
 そんな日の朝だった。

 参道の石畳の上に墜ちていたツグミは、何か他の生き物に襲われたのだろうか、それとも
天を目指そうと飛ぶうちに力尽きたのだろうか、死因なんてわかるはずもないけれど、とにかく
ツグミは死んでいた。
 私は、なぜだかそれが酷く悲しかった。
 なんでそんなに悲しかったのか、それは自分でもよくわからない。私はぽろぽろと涙を流し
ながら、ツグミの亡骸を森の中に葬った。そんな行為は偽善以外の何物でもないのだけれど、
それをわかっていながら、私はどうしてもそのツグミの亡骸を無視することができなかったのだ。

 家に戻り、穢れを祓うためにシャワーを浴びながら、私はこの一週間のことを思い出していた。

 こなたのことはずっと気になっていたけれど、積極的に何かをしたわけではなかった。
本人が悟られないようにしている以上、周りがあれこれと世話を焼くのは、こなたの意志を
無碍にするようで厭だった。
 こなたからはことあるごとにメールや電話が掛かってきた。別に異常な頻度というわけでは
ない。ただ以前より少しだけこまめになったくらいで、話す内容もいつも通りのんべんだらりと
したものだ。私も素直にそれを楽しんで、そうして最後に“気を抜くなよ”だとか“ちゃんと暖かく
しなさいよ”だとかツンデレ口調で云って、こなたが喜ぶ声を聞きながら電話を切るものだった。

 秋頃から編んでいた編み物は、ようやく完成した。
 三つのミトンと、一つの手袋。
 初心者にしては、我ながらよくできていると思う。つかさもにこにこと笑いながら凄くいいと
太鼓判を押してくれた。けれど最後に『こなちゃん用の手袋だけ随分凝ってるよね』なんて
意地悪を云うので、私は思わず赤くなって拳を振り上げてしまったのだった。
『ツンデレ萌え〜』なんて云いながら部屋を飛びだしていったつかさは、なんだかしっかり
してきたと同時にこなたに似てきた気もする。

 受験勉強の方には、多少手応えを感じていた。こればかりは蓋を開けてみなければわからない
けれど、以前みゆきに指摘された欠点も、最近は改善されてきたと思う。
 まだまだ気は抜けないけれど、例え明日試験だと急に云われたとしても、慌てずに対処できると
思えるくらいの自信はあった。

 ――ふと、なんだか妙な脱力感に襲われて、私はシャワーを浴びながら動きを止めた。
急に腕を上げるのもコックを捻るのも億劫になった。私は悄然と立ちつくしながら、上を
向いて水流が落ちてくるのを眺めていた。
 ――なんだろう、何かが酷く間違っている気がする。
 けれど、一体何が間違っているのかは、いくら考えてもわからないのだった。
 きっと気のせいだ。受験が近づいてナーバスになっているだけなんだ。
 自分にそう云い聞かせながら、なけなしの意志を総動員させて錆びついた腕を動かすと、
私はシャワーを止めてお風呂場を出た。
 洗面所でドライヤーを当てていると、ぶるると携帯が震え、こなたからのメールの着信を
知らせた。『今日は久しぶりに会えるね』そんな内容のメールだった。そんな文面を見る
だけで、私の心は喜びに震えてほっこりと暖かくなるのだった。
 ――大丈夫、何も間違ってなんかない。
 私はそう自分に云い聞かせる。今私は、こなたからのこういうメールを自然に受け取る
ことができる。こなたはこういうメールを自然に送ることができる。今がそんな今である
ためには、私が選んだ以外の選択肢なんてありえなかったのだ。
 こなたからのメールに、一体なんて返そうか。
 それを考えるだけで、私の口元はどうしようもなくほころんでいってしまうのだった。
 今の私は、きっと幸せなはずだった。
119冬/きれいな感情(第五話)7/11:2008/06/14(土) 12:50:39 ID:J/+RpxsL
 
 ――けれど、ツグミは死んだのだ。

 久しぶりに会ったこなたは、普段とまるで変わりないように見えた。試験休みの数日の
間に、こなたの中でも何かをふっきることができたのだろうか。待ち合わせ場所に現れた
こなたは、いつも通りの自然な細目で微笑んでいた。
「いやー、やっぱり幾つになっても終業式は楽しみなもんだよね」
「楽しみってお前なー。学校がない分余計自己管理大変だろ」
 そんないつも通りのやりとりをしながらみんなでバスを待つ。あやのとみさおはメジャー
リーグのなんたらいうバッターの話で盛り上がっていて、つかさはみゆきと二人でクリスマスに
作るケーキのことを話していた。
「あ、明日の五時からだったよね、クリスマスパーティ」
 列の前にいたあやのが、こちらを振り返ってつかさに問いかけた。
「うん、そうだよ。でもあやちゃんたち本当にいいの? その、わたしは嬉しいけど……」
「ううん、いいのよ。せっかくお呼ばれしたんだもの、高校生活最後のクリスマスくらい、
みんなでわいわいしたいわ」
「ってか、なんだかんだであやのと兄貴、あんま二人きりで会ったりしないよなぁ」
「ふふ、子供の頃からずっと一緒だったんだし、今更って感じがしちゃうのね。でも、来年からは
二人きりで会うことが多くなると思うな」
「そっか、あやちゃんはカレシさんと同じ大学なんだもんね」
「まあ、受かったらの話だけどな」
 みさおがのほほんとそう云って、その場にいた全員が固まった。
 昔からそうだったけれど、本当にこいつは空気が読めない奴だと思う。天真爛漫な陽気さは
みさおの素敵な魅力だけれど、それをそのまま裏返すと、相手の心情をおもんぱかることが
できない性格だとも云える。
 果たしてみさおは、あやのの複雑な気持ちにどれだけ気がついているのだろうか。そう思うと、
この二人の先行きが少しだけ心配になった。
 けれどそんな心配は、まず自分のことを解決してからするものなのだろう。
 そう思って、私は隣で頭を抱えて身もだえしているこなたのことを盗み見る。けれどちらりと
やったそんな視線も、すぐにこなたに捕らえられてしまうのだ。私がみていたことに気がつくと、
こなたはつつと私の傍に近寄ってきて云った。
「かがみは一人で余裕だねー。ってかなんでそんなどっしりしてんのさ」
 そう云って脇腹に伸ばしてきたこなたの腕を捕まえて、私の身体から引きはがす。どうせまた、
体重が増えたからどうのと繋げるつもりだったに決まっているのだ。
「別にー? 今更落ちるだのなんだの云われてもね。受験なんて、結局の所三年間どう過ごして
きたかの結果がでるだけじゃないの」
「うわっ、ここにオニがいるっ!」
「わかってんなら、せめてこれからはちゃんとしときなさいよ」
「今からちゃんとしても間に合うわけないじゃんかっ」
「受験の後の話だ!」
「へ? なんで受かった後もちゃんとしないといけないの?」
 心底不思議そうにこなたはそう云って。
 他の皆は力ない笑い声を漏らすのだった。

 私は呆れ顔を作りながらも、心の底では安堵感を覚えていた。
 よかった、こなたはいつも通りだ、と。
 昔何があったかは知らないけれど、それはもう克服できたことなのだと。
 そう思っていた。

 ――このときまでは。
120冬/きれいな感情(第五話)8/11:2008/06/14(土) 12:51:33 ID:J/+RpxsL
 ※     ※     ※

「おーい、かがみさまー!」
「断る」
 チャイムが鳴るやいなや、スパンと教室の扉を開け放って矢のように飛び込んできた
こなたに、私は云った。
「ぬわっ、なんという即断っ! さすがかがみん、繰りかえしはギャグの基本だよね〜」
「ギャグのつもりで云ったわけじゃないんだけどな」
「ほうほう、では一体どういうおつもりで?」
「なんていうか、素であんたの存在を断ってみた」
「あう〜ん」
 変な鳴き声を発しながら目をぎゅっと閉じ、その場でよろめいて机にもたれかかるこなた
なのだった。
 終業式もつつがなく終わり、あとはもう帰るだけになっていた。桜庭先生は、受験生たちに
対する激励を慣れた口調で滔々と述べたててから退室していった。きっと毎回同じ言葉を
繰りかえしているのだろう。
 けれど教室の誰からも、休みに入ったことへの安堵感は微塵も感じられない。むしろ学校に
見放されたように感じてしまうのか、妙な諦観に満ちたため息がそこかしこから聞こえてくる
のだった。
「ちょっとトイレいってくんなー」
 そんな中、みさおが近づいてきて云った。笑顔を浮かべながら私たちに手を振ると、あやのと
連れだって出口に向かっていく。
「おう、だしてらー」
 その背中にこなたが大声でそんな事を云って、私は余りの恥ずかしさに、赤らんだ顔を
手で覆って隠すのだ。
 教室にはまだ十二、三人の生徒が残っていて、こなたの発言を聞いた近くの生徒たちも、
同じように顔を赤らめていた。

 ――ふと。

 妙な視線を感じて振り向くと、近くの席の男の子がこちらをみつめていた。
 その視線が何だか妙に物云いたげで、私は少しだけ身構えた。
 その子は百八十cmを越える長身で、バスケ部で活躍していた子だ。見た目も割と良くて、
進学校の陵桜に入っただけあって頭も悪くはない。普通ならば女の子にもててしかるべき
だったけれど、あまりいい評判を聞かない男の子だった。他人の感情に無頓着で、踏み越えて
きて欲しくない領域までずかずかと簡単に乗り込んでくる、そう云って嫌う子が多かった。
 きっと本人には悪気がなくて、ただ他人との距離感を取るのが不得手なのだろう。そうは
思う物の、私もやはりどうしても彼のことは好きになれなかったのだ。
 こなたはそんな視線などまるで気がつかない様子で、ニマニマと笑いながら、楽しそうに
明日のクリスマスプレゼントのことを話している。
 何か云いたいことでもあるのだろうか。こなたの言葉に返事をしながら、ちらとその子の
方を眺めると、一瞬私と目があった。
 それで、声を掛けてみる気になったのだろうか。小さくうなずくと、彼はおもむろに口を開いた。
その唇の動きを、私はなんとなく眺めていた。
「――なあ」
 声をかけられたことに驚いて、こなたが急に振り向いた。その瞬間こなたの顔に浮かんだ
能面のような無表情に、私は思わずはっとする。
「おまえらってさぁ、なんか凄ぇ仲いいよな」
 ニヤリと笑って、彼は云う。
 どうしてそんな風に笑うのだろう。何がおかしいのだろう。これから面白いことでも云うつもり
なのだろうか。そんなことを考えながら、とりあえず返事をしようと口を開く。
「べ、別に――」
 けれどその言葉を云い終わることはできなかった。続けて彼が云った言葉が私の発言に
被さって、私はそれを最後まで云い終わることはできなかった。なぜなら私は彼の言葉を
聞いた瞬間絶句したからだ。

「おまえら、実はレズなんじゃねぇの?」
121冬/きれいな感情(第五話)9/11:2008/06/14(土) 12:52:08 ID:J/+RpxsL
 ――その時、私の世界が凍りついた。

 何を訊かれているのだろう。
 何を答えればいいのだろう。
 レズ? レズってなんだ? レズビアンのことか? 女性同性愛者のことか? 混乱した
頭でそう思う。
 でも、だったら。それだけなのだったら。どうしてその単語はそんなに厭らしく響くのだ。
彼の口から出たその単語は、どうして吐き捨てるような下卑た色彩を帯びるのだ。
 わかってる。わかってる。本当は全部わかってる。
 白熱したような視界の隅に赤黒い斑点がちらついて。
 私は返事をしようと口を開く。
 けれど喉がカラカラに干上がっていて、どうしても言葉が出てこない。
 おかしいな。声の出し方を忘れてしまった。
 口を開いて、それからどうすればいいのかわからない。
 こんなときにどうやってかわせばいいのか、どうやって誤魔化せばいいのか、幾つか考えては
いたはずなのに。頭が麻痺したように痺れていて、何も言葉がでてこない。
 ぐらぐらと水平線が揺れていき、世界を満たすのは狂ったようなパースペクティブ。揺れている
のは自分なのだと気がついた。

「女同士ってあれだろ、貝合わせとかするんだろ? へへ、ネコとかタチとかあるんだよな」

 ドカン、と殴られたような衝撃を感じて、私は思わずぎゅっと目を瞑る。
 なぜか暴行から身を守るように、自然と腕が頭をかばって動きだしていた。
 けれどその言葉に篭められた暴力は、そんな防御などおかまいなしに私に襲いかかってくる。
 そうしてあらゆる抵抗を吹き飛ばして、私の心を丸裸にしていった。
 ずっと。
 ずっと心の奥に秘めてきた真珠のようなその思いを。
 恋こがれて、切なくて、悲しくて。胸をぎゅっと押さえながらうめき声を上げる眠れぬ夜の月明かりを。
 大事に大事に守ってきた、私の心の一番柔らかい部分を。
 こいつはニヤニヤ笑いながら白日の下へと引きずり出したのだ。
 裸だった。
 教室の中で、私は裸だった。
 身を守るものもなにもなく、一生誰にも見せるつもりはなかった秘密のその場所を、無遠慮な
視線で眺め回されている。
 視線が痛い。
 教室中の視線が痛い。
 周りのことなんて目に入っていなかった。誰がこちらを見ているのかなんて、目には入って
いなかった。
 けれど視線は痛かった。自分を眺める内なる視線が、反転して私を見つめる他人の視線になる。
 私は世界中の視線に晒されて、その中心で裸だった。
 そうしてじろじろと、私は眺め回されていた。

 そのとき私はツグミだった。
 参道の石畳の上、はらわたをはみ出させながら死んでいた、墜死した一羽のツグミだった。
122冬/きれいな感情(第五話)10/11:2008/06/14(土) 12:52:35 ID:J/+RpxsL
 ――どうして。
 何かが軋んで壊れていって、その奥からどろりとそんな思いが吹き出していく。
 どうして、誰も守ってくれないのだ。
 どうして、誰も隠してくれなかったのだ。
 どうして、誰もそれを葬ってくれなかったのだ。
 みゆきも。
 つかさも。
 あやのも。
 みさおも。
 そばにいるだけで私が安心できて、そうして絶対私のことを守ってくれるはずの親友たちが、
どうして今この場には誰もいないのだ。
 ――こなた。
 こなただけはいる。こなただけは聞いている。
 私が絶対にこなたにだけは聞かれたくなかった言葉を、こなただけが聞いている。
 その思いは私の心に残っていた最後の理性を打ち砕き、そうして私はどこまでも傾いでいく。
 ぐらり。
 真っ白だった視界が反転して真っ黒く染まっていく。
 目がちかちかして、赤い光が跳ね回る。
 ぐらり。
 けれどそうして倒れていった私の身体が、ふと柔らかいものに当たって支えられた。
 この感触、この匂い、この暖かさ。
 なんだろう。これはなんだろう。なんだか凄く大事な物だった気がする。宝物のように
大事な存在だった気がする。
 そうだ、こなただ。これはこなただ。
 こなたが私を受け止めてくれているのだ。
 けれどこなたは、力の入らない私の身体を椅子の上に置くと、すぐにその傍から離れていった。
 ――行かないで、ずっとここに居て。
 そんな願いが心の中であふれかえっていて、けれどその気持ちは届かない。
 ぼんやりとした視界の中、こなたがその男に近づいていくのをただひたすらに眺めていた。
 男は未だにやにや笑いを浮かべていたが、その顔はどこか引きつって見えていた。きっと
私がこんな反応を見せるとは思っていなかったのだろう。では一体どんな反応を期待して
いたのか。心のどこかで乾いた風が吹きすさぶ。
 ――こなたは。
 何をしているんだろう、こなたは。
 そっと伸ばした両手でその男の手を取った。
 何を勘違いしたのか、男はだらしない笑みをその顔に浮かべていて、私は何か見てはいけない
ものを見たような気持ちになっていた。
 そうしてこなたが男の手を取りながら上体を捻るように身をかがめた瞬間、それが起きた。

 ――まるで、何かの冗談のようだった。

 その男の百八十cmを越える長身が、くるりとその場で一回転する。
 どすん、と遅れて響く地響きのような音。
 何が起きたのか、まるでわからなかった。
 けれど私の視界に映っているのは、地面に転がって呆然と口を開けている男と、その上に
馬乗りになっているこなたの姿だった。
 パシン、と乾いた音が響く。
 パシン。
 パシン。
 何の音だろう。どうしてこなたは男の顔にむけて腕を突き出しているのだろう。
 赤い、何か赤い色が飛んでいる。
 パシン。
 パシン。
 パシン。
 そのころになって、ようやく私は正気づいていた。ようやく目に映るものを外界として認識し、
それに対する思考を結べるようになっていた。
 そうしてそれを理解した瞬間、私の背筋がぞわりと総毛立つ。
123冬/きれいな感情(第五話)11/11:2008/06/14(土) 12:53:11 ID:J/+RpxsL
 こなたが、男の胸の上に馬乗りになって、掌底で黙々と顔を叩いているのだ。男の鼻から
流れ出した赤い血が、乾いた音が響く度にぱたぱたと床に飛び散っていく。下になっている
男は呻き声を上げながら身をよじるけれど、何故か体重三十五Kgに満たないこなたの身体を
払いのけることができない。

 ――そんなこなたは。
 無表情のまま他人を傷つけるこなたは。

 どこか、あの日見たこなたの姿と重なっていた。

 それはあの春の日に、高校生になった春の日に、権現道の桜堤で見た青い髪の幻影だ。
 怖いくらいに美しい桜に覆われた空の下、たった一人で悄然と立ちつくし、今にも桜の海の中に
消えていってしまいそうだった、小さな小さな女の子の姿だ。

 ――そうだ、今のこなたはあのときのこなたそのものだ。

「こなたっ!」
 私は引き留めるようにその名前を呼びながら、こなたの元へと駆け寄った。ともすれば
もつれそうになる足を無理矢理動かして、こなたを抱きしめようと駆けだした。
 こなたがどこかにいってしまう。
 このままだと、こなたがどこにもいなくなってしまう。
 そんな理屈に合わない奇妙な思いにとらわれて、私は全身全霊を篭めてこなたの身体に
とりすがる。
 けれど折しも振り上げたこなたの腕の勢いに、私も一緒に振り回されて手を離してしまった。
こんな小さな身体のどこにこれだけのエネルギーが隠されていたのか。そんなことを思いながら、
再び私はこなたの身体に抱きついた。
「――かがみ?」
 ふと我に返った様子でこなたは振り向いて。そうして不思議そうに小首を傾げる。
 その瞳の深い緑色に、思わず背筋が粟立った。
 一歩足を踏み外してしまったら、その瞳の底まで真っ逆さまに転げ落ちていきそうな。
そんな深い深い、虚無に満ちた色。
「――どうして止めるの?」
 ぼそりと、こなたが呟いて。

「こなちゃん! お姉ちゃん! ど、どうしたのこれ!」

 そんな金切り声が降ってくる。
 その声に、そんなつかさの声に、私は心の底から安堵した。まるで非日常的な、悪夢の
ような光景の中で、その声はどこまでも現実的な色彩を帯びていて。
 そんなつかさの声に安堵して、私ははらはらと落涙する。
 ――ああ、よかった。やっときてくれた。
 つかさがきてくれたなら、きっともう大丈夫だ。
 そんな安堵感が、張り詰めていた私の心をほぐしていって。

 ――私の意識は、闇の底に落ちていった。

(つづく)
12416-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/14(土) 12:54:21 ID:J/+RpxsL
以上です。

森田童子のアルバムをエンドレスでかけながら書いていたら、
普通に死にたくなりました。
というか、気がついたらツグミが死んでいました。

これから先、こういう陰惨な展開はもうないと思います。

それではありがとうございました。
125名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 13:05:58 ID:3seh0P1/
>>124

あううあうあうあうあ


かがみ、こなたを立ち直らせてくれ……頼む
126名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 13:10:09 ID:ghjJFLtC
>>124
今、一番続きを切望しているモノが読めて嬉しいです!
しかしこの状況は……こなたの内面が静かに、でも激しく
壊れていっているように感じてしまって、胸が痛い(つД`)
読んでいて思わず、リアルに涙が出てきてしまった……。

もう既にこの次が気になって気になって仕方ないんで、
今から全裸待機しておきますw
127名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 13:11:27 ID:ig/y1X8M
>>124
GJ!
…あぅあ…こなたがキレた…とは何か違う気がするけど…
きっとコイツは、こなたの中の触れてはいけない部分に触れたんだろうな
本当に怒ったりすると表情が消える、って聞いたことがあるけど、
この時のこなたは正にそれなんじゃないか。

かがみ…かがみだけだよ。こなたの笑顔を取り戻せるのはさ…。
だから、がんばれ。
128名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 14:09:00 ID:WwpnrK3y
>>124
毎度お待ちしておりました。
今回一層、かがみが暗く深く沈みこんでおります。
そして、あの一言でそれが決定的になった瞬間……
大変なことに……

それにしても、こなたの過去か。
一体どんなことがあったのか。

相変わらず先が読めず、そして先を求めずにはいられない展開だ。
全裸待機にて先を待つ。




こなた「というわけで、私を怒らせるとセガールになっちゃうよ(≡ω≡.)b」
かがみ「……ツッコミづらい雰囲気の時に余計な事いうなっ!」
129名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 15:03:37 ID:n11gaWEV
>>124
毎回楽しみにしてます。
しかし夏のかがみとケンカした時のこなたの服の頑張り具合とか
秋のこなたが言いかけた台詞、そうじろうの意味深な発言
そして今回…
既にこなたのフラグが立ちまくってるんじゃなかろうかと
期待する自分の胸に「全然違うかもしれん」と釘を刺しつつ
次回お待ちしてます。
13019-04:2008/06/14(土) 15:39:08 ID:wMEiH7dR
悪霊こなたシリーズ最終章投下します。今回はエロ有りのグロなし(ある意味あり?)です。
9スレほど使います。
131悪霊こなたの消滅:2008/06/14(土) 15:40:33 ID:wMEiH7dR
さて、最後はかがみだ。
みゆきさんのことも、つかさのこともあったし、これ以上はさすがにかわいそうだから、二人のところに送ってあげる。
前回は不覚にも狂っちゃったからなぁ……。狂わないように頑張らなくちゃ。
……でも、ヤる時が来たら、狂っちゃうんだろうな。

さてと、早速柊家に侵入。かがみの部屋は……ここだね。

「はう……は、ぁあ……あふぅ……」

この声は……またオナニー? 今度はつかさ、もしくはみゆきさんを思ってのオナニーかな。
そう思って部屋に入ってみると……
衝撃的な光景が広がっていた。

「かはっ……はあ……もう、すぐ……みんなの……ところ……に……」

かがみのお腹には、銀色に輝く包丁が深々と突き刺さっていた。
それに服も着てないし、おまんこがトロトロになってる。やっぱりさっきまでオナニーしてたんだ。
いや、それよりも何よりも……
かがみ、自殺する道を選んだんだ……

「え……あ、れ……?」

自殺なんてさせないよ。
かがみのお腹に突き刺さってる包丁を抜き、私の魔法で傷を治してあげる。

「ど、どうして……?」
「私だよ」

実体化して、私の身体をかがみに見せる。
するとものっすごく動揺したのか、かがみは本当に数cmほど飛び上がった。

「ここここ、こなた!?」
「あは、あの世から帰ってきちゃった」

まああの世なんか行ってないわけで。
これはただのでまかせ。かがみを油断させるためだ。

「で、かがみのところに寄ったら、自殺なんかしちゃって……そんなことさせないよ。かがみは私達の中で唯一の生き残りなんだから」

後半は完全な嘘。でも前半は間違ってないよ。
だって、自殺じゃなくて『ワタシガコロス』んだから……
132悪霊こなたの消滅(2/9):2008/06/14(土) 15:41:43 ID:wMEiH7dR
「こなた……なんで、自殺なんかしちゃったの……?」

おや、とぼけてるのかな?
それとも、ただ無自覚なだけかな? かな?
これは試してみる価値ありだネ。

「自殺じゃないよ。フェンス乗り越えてギリギリに腰掛けてたら、強風に煽られて、ね……」
「え……? じゃあ……」
「そ、事故だったんだ」
「そう……てっきり、私達がなにかしたせいで自殺しちゃったのかと……」

かがみの顔が、ちょっとだけ明るくなった。
やっぱり、かがみはとぼけてたみたいだ。
『私達の本心がこなたに知られてなくてよかった』とか思ってるに決まってるよ。
だって、私聞いたんだもん。かがみ達が私をどう思ってたか。



私が自殺する直前。帰る時に、忘れ物をしたことに気が付いて、教室に戻った。
そしたら、中からかがみ達の話し声が聞こえてきた。
私がいない間はどんな話をしてるのか気になって、私は耳を扉につけた。

「ねえ、お姉ちゃん。なんで先にこなちゃんを帰らせたの?」
「だってあいつといると疲れるじゃない。すぐオタク話に持っていくし」
「少しは私達にもわかる話をして欲しいですよね」
「ああ、わかるかも」

これまでも相当ショックだったけど、次からは気を付けるようにしようと思った。
そう、この時までは。

「それにしても『アレ』ってこの学校に必要あるのかな?」
「『アレ』……少なくとも、この学校にはなくても大丈夫だよね」
「ええ。『アレ』は逆にない方がいいような気がしますね」

何のことを言ってるのか……話の流れで、わかってしまった。
『アレ』とは間違いなく……私を指している。
これは堪えた。ショックなんてものじゃなかったよ。必要ないとまで言われるなんて……
知ってしまったから……もう、元通りの生活には戻れない。
私は、かがみ達と友達の縁を切ることにした。私と一緒にいることで、かがみ達が嫌な思いをしてるんだから。
だけど、つかさとみゆきさんとは、どーしても毎日顔を合わせることになってしまう。
そうなると、私ができることはただ一つ。そう、それが死ぬことだった。
論理が飛躍しすぎかもだけど、もともと人生に疲れてたからね。そう考えたら、行動は早かった。
涙を流しながら、私はその足で屋上に上る。
そして私は、フェンスを乗り越えて、飛び降りた。



だから私は、かがみ達に復讐をしているのだ。
私を死に追いやった……この三人を。
……って、あれ? 私はかがみ達のために死んだのに、逆に私がかがみ達を殺してる……? なんか矛盾してるような……
……まあいっか。悪霊として生まれてきたんだから、別におかしくもなんともないよね。
133悪霊こなたの消滅(3/9):2008/06/14(土) 15:42:52 ID:wMEiH7dR
「ところでかがみ、オナニーしてたんでしょ?」

言った瞬間、かがみの顔が真っ赤になった。
そしておまんこを両手で隠して、プイッと横を向く。

「だ、だって……淋しかったんだもん……」

ふむぅ、淋しさを紛らわすためのオナニーか。案外かわいいじゃん。

「じゃあ私も淋しさを紛らわせたげる。腕どかして」
「い、嫌よ! こ、こんな恥ずかしい姿見せたうえに他人にいじられるなんて……」

うーむ、これがつかさやみゆきさんだったら、絶対に反応が違ってただろうね。
よし、決めた。安心してるかがみを、今からドン底まで叩き落とす。

「じゃあ、無理やりにでもやらせてもらうよ」
「へ……」

魔法で私の腕力を強化。
かがみの肘の辺りを掴んで、腕をねじ切ってやった。

「うあぁぁぁあぁああぁああぁあぁあぁぁあ!!」

うん、いい悲鳴だ。
かがみの二の腕から先は私の手のなか。邪魔するものがなくなって、かがみのおまんこが露になる。
とりあえず今死なれても困るから、傷口は塞いでおいてあげよう。

「はぁ……! はぁ……!」
「そんじゃ足開いてー」

かがみの腕を放り投げ、おまんこに手を近付ける。
すると今度は足を交差させておまんこを隠して、私の方を睨み付けてきた。


「どういうことよ……!!」
「じゃあ本当のことを教えてあげる。あれ、本当は事故じゃなくて自殺だよ。ここに帰ってきたのも、かがみを殺すため。
 ちなみにみゆきさんもつかさもみんな私が殺ってあげたんだよ」
「!!」

かがみの顔が、みるみるうちに恐怖のものへと変わっていく。
そうだネ、化け物を見てるヒロインって感じ。ってそのまんまか。

「さてかがみ、足をどけてくれないかな。でないと両足もねじ切るよ?」
「……イヤぁぁああ!!」

あ、逃げた。
脱兎のごとく飛び出して扉の方へと走っていく。
でもね、かがみ。腕がないから扉が開けられるわけがないんだよ?

「っ!」

あは、気付くのおそっ♪ 案外天然だねぇ。
私は音もなくかがみに忍び寄る。というかちょっと浮いてるし。
腰が抜けて床に座り込んだかがみの顔は、涙でぐしゃぐしゃになってる。恐怖をたっぷりと味わってるみたい。
ああ、ぞくぞくしてきた♪ Sっ気全開♪
134悪霊こなたの消滅(4/9):2008/06/14(土) 15:44:01 ID:wMEiH7dR
「イヤ……イヤぁ……」
「イヤだと言ってやめるほど私はバカじゃないんでね。とりあえず、私の忠告を無視したんだから……」
「……わかったわよ!! あんたに身体を捧げりゃいいんでしょ!?」

おろ、開き直った。
むーん……一気に冷めちゃったけど、まあいいか……

「そーゆーこと。物分かりが早くていいネ」
「もう逃げないから、腕返してよ。つーか初めて使ったわこんな日本語」

ま、そうだよね。ふつーは使わないよね。
その顔は諦め半分、羞恥心半分って感じだった。確かにもう逃げないだろうね。
私はかがみの腕を持ってきて魔法を発動。傷口がぴったり合わさって、次の瞬間には元通りの状態になった。

「はい、終了。でもなんで急に諦め?」
「あんたが死んだの、私達のせいなんでしょ? 罪滅ぼし……とはいかないだろうけど、欲求不満くらい解消してやるわ」

欲求不満とは違うんだけどね、つかさやみゆきさんを犯してきたのは。
……あ、いや、ある意味欲求不満か。実験したのも犯したのも。
てゆーかかがみ、やっぱり無自覚だったのかな。間接的にでも私を殺したっていうの。
……う〜ん……なーんか違和感を感じるんだよなぁ……
そんなことを考えてると、かがみがベッドの方まで這っていく。腰が抜けたままなんだろーな。
ベッドによじ登ると、かがみは仰向けに横たわる。

「どうせ殺すんでしょ? なら好きにして構わないわ。痛くないならね」

潔いなあ。さすがかがみ。
人生を諦めてるみたいだし、反省もしてるみたいだし、今なら私のお願いも聞いてくれるかな。

「じゃさ、お願いがあるんだ」
「なに?」

そのまま制服を脱ぎ捨て(死んだ時と同じ服装になるんだよね〜)、素っ裸になる。
そのままかがみのベッドにダイブ。

「処女のまま死んじゃったことに未練があったんだよね。私の力でかがみに生やすから、初めての人になってくれない?」
「……なんっつーか……あんたらしい未練だな……」

あれあれー? さりげにひどいこと言われてるよー?
っと、あっぶな! 勢いで首締めあげちゃうとこだった!!
こりゃヤバイな……早めに済ませなきゃ、理性を保ってられなくなっちゃうや……
135悪霊こなたの消滅(5/9):2008/06/14(土) 15:45:03 ID:wMEiH7dR
「別にいいわよ。私も男の子の快感に興味あったし」
「決まりだね。えいっ」

にゅるっという効果音がマッチしそうだと思った。
かがみのおまんこの穴からおちんちんが伸びてきた。
しかも、もうおっきくなってるし……

「じゃあ入れるわよ」
「いきなり? 別にいいけどさ……」

うう、結構な大きさだな……こんなの濡れてもないのに入るのかな……
私は仰向けに寝て、かがみが入れてくるのを待つ。
……あ……当たってる……私のおまんこに……

「んっ」
「んあぁぁ!」

かがみのおちんちんが、多分先っぽだけ入った。
ちょ、ちょっと痛いけど、まだそこまででもないかな……

「こなた。一気に入れちゃう?」
「う、ううん……ゆっくり……んっ……」

ズブズブと音を立てながら、かがみのおちんちんがゆっくり私の中に入ってくる。
あ、あ、痛いっ、痛いっ、けど……

「奥まで入ったわよ」
「あ、はぁ……い、痛いけど気持ち良い……」
「こなたの中も、締め付けてきてすごく気持ち良いわ」

今度はゆっくりと腰を引くかがみ。限界ギリギリまで引き抜いて……


ずんっ!!


「んはああぁ!!」

い、一気に突いてきた……
こ、腰が砕けそうだよぉ……

「んあ……か、かがみ……」
「な、なに?」
「もっと……スピード、あげて……」

かがみは無言のまま、スピードを早めていく。

「あ、あ、あ、か、かが、かがみぃ」
「こなた……き、気持ち良いわぁ……」

だ、ダメ……気ぃ失っちゃいそうなくらい気持ち良いよ……
136悪霊こなたの消滅(6/9):2008/06/14(土) 15:45:52 ID:wMEiH7dR
「ごめん……もう、我慢できないわ……!」
「え……んあ゛!!」

あふっ! かっ、かがみの突きがっ! は、早すぎるよぉ!

「ひ……! っ!! くあぁああ……!!」
「こなたぁ……!!」
「い、イク! イッちゃ……ふあぁああぁぁぁあぁあああ!!」



はぁ……はぁ……気持ち良い……
身体が……ちょっと、痙攣してるよ……そんなに……気持ち良かったんだ……

「こなた……」

あれ……かがみ、なんでそんな辛そうに……
……あ……そっか……かがみが……まだ……

「かがみ……い、いいよ……で、出るまで……」
「でも、こなた……!」
「が……頑張る……から……」

……ああ、思い出した。
私、かがみのことが……好きだったんだ。
もう少ししたら、かがみに告白するつもりだったのに。
……私、無理だ。かがみを殺すなんて。
嫌われてるってわかってるのに、私を裏切ったっていうのに、私はまだ、かがみが好きなんだ……

「じゃあ……また動くわね」

あふ、あふ、ち、違う。
あ、あ、う、裏切っ、た、のは、私だっ。
んっ、勝手にっ、かがみをっ、好きになって、勝手に死んで、勝手に殺してっ。
私っ、私っ、かがみが、かがみが好きぃ!!

「かがみ、かがみぃ!!」
「こなた! 私もう……んんん!!」
「んあああぁああぁぁあぁあああ!! あ、熱、熱ぅ!!」

はあ……はあ……か、かがみのせーしが……私の、中に……
い、生きてたら……かがみとの赤ちゃん……産めたんだろーな……

「んっ」

かがみがおちんちんを引き抜くと同時に、私のおまんこからかがみのせーしが溢れだしてきた。
意外と量が多かったみたい、まだ溢れてる……
137悪霊こなたの消滅(7/9):2008/06/14(土) 15:47:11 ID:wMEiH7dR
「やっちゃった、わね」
「そうだね……」

言わなくちゃ……かがみに……

「かがみ……」
「なに? こなた」
「……私、かがみを殺せない……! 例えかがみが私を嫌っていようと、私はかがみを嫌いになるなんてできないよ!!」
「……え……?」

かがみは絶対に私を拒絶する。
だから私は、かがみのおちんちんを消してから、次の言葉を待たないうちに消えた。

「あ、ちょ、こなた!?」







なんで、こんなことになっちゃったのかな……
かがみが好きだった。ただ、それだけだったのに。

“えぐ……かがみ……かがみぃ……”

どれだけ泣いても、もうあの頃には、なにも知らなかった頃には戻れな――

“こなた”

……い……?
私の目の前に、私そっくりな女の人が現れた。
間違いない、写真でしか見たことないけど……

“……お母……さん……”
“まったく、あなたって人は……自分がみんなに嫌われてるってだけで、あんなに凶悪な悪霊になるなんて……”

うぐ、反論できない……
今はもう悪霊じゃないみたいだけど……

“……それで、どうしてお母さんがここに……? 私……捕まったりする……?”

向こうにだって犯罪みたいなのあるだろうし。
例えそういうのがなくても……私がもう犯罪者だからさ。この世の留まって殺人なんか、本当はダメに決まってる。

“いいえ。私はあなたを救うためにやってきたの”
“救うって……わわ!!”







「……なんか……とんでもない夢見てたような……」

小鳥のさえずりが遠くから聞こえてくる。けど、私の頭はまだ覚めない。
う〜ん……私、かがみ達にものすごくひどいことしてたような……
しかも、夢の中だけで一ヵ月近く経ってたような……
138悪霊こなたの消滅(8/8):2008/06/14(土) 15:48:18 ID:wMEiH7dR
「ん……○月△日……」

やっぱり夢だったみたい。昨日は○月×日だから。
さて、面倒だけど起きるか……。今日で今週も終わりだしね……





“時を戻して、記憶を封印……。今回かぎりだから、もう道を踏み外さないで”





「だよねー、授業もないんだから『アレ』は必要ないよねー」
「まあ、夏休みにこっそり泳いでる人間にとっては別にいいんだろうけどネ」
「げ、そんなやつがいるの?」
「そういえば、クラスの男子何人かがそのような話をしていたような……」





“……そう……後悔だけは……絶対にしないで……”





「私、かがみが好き。友達としてじゃなくて、人間として……」
13919-04:2008/06/14(土) 15:49:24 ID:wMEiH7dR
終わりです。いろいろツッコみたいかもしれませんが、終了です。
140名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 16:14:22 ID:WwpnrK3y
>>139

色々言いたいことはあるが、ただ一言








母  は  す  ご  い
141名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 16:30:58 ID:3seh0P1/
>>139

ゴッドかなたさん(まともな意味で)発動!

なんにしてもよかった……本当によかった……
142名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 16:34:50 ID:ig/y1X8M
>>139
こうなりましたか…
うん、母親って最強だよね。いろんな意味で。
何はともあれ、丸く収まってよかったです
143名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 19:31:52 ID:L4w3HYKq
>>124
ああ、本当に。この子はこんな顔で怒るのか。


かがみ、こなたを頼む。GJでした。
144名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 19:43:08 ID:sqnGmQkz
>>124
超GJ ! 毎回続きが楽しみだわ〜
こなたはかがみの騎士であってほしいとは思っているけれど、騎士というより狂戦士といった感じ
ですね
最後が近づいてきたせいか、話に緊迫感が増してきて目が離せません
てか、纏めて本として出版したほうがいい出来だと思う

>>139
グロくて途中までとばした
でも最後は何とか救われて良かった
145ふた☆自重:2008/06/14(土) 20:43:44 ID:DRGt9iAD
お久しぶりのふた☆自重です。職人の皆様、GJでございます。
こなたイラストをお持ちしましたー。

カンフーハッスル!
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0100.jpg

愛するかがみを救うため、拳士こなたは単身、悪人どものアジトに向かうのであった!
周星馳監督あたりがメガホンを取ってくれないかしら。
146名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:10:18 ID:QoOn7wxL
全くここには野生の職人が多いな
お姉ちゃんびっくりだ
147名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:42:59 ID:WwpnrK3y
>>145
すばらしい!少林こなた!!
金剛脚でセンターからロングシュートを放つのですね!!







でもこなたは合気道系だから、
同じサブミッション系としてトムヤンクンこなたをリクエストしてみる(≡ω≡.)
こなた「かがみに手を出す不貞の輩は、骨砕き靭帯を斬りまくっちゃうよっ!」
148名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:55:04 ID:ob0pFQOi
>>139
絶望を希望へと逆転させた貴方に、GJの言葉を。
149名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 22:45:52 ID:teahUd77
>>139
シュールシリアスな中に「腕を返して」に妙に笑ってしまった。なんにせよはっぴーえんどはいいですね。
>>145
 暴漢の放つ無粋な、まるで型というものがない蹴りを最小の動きでかわし、脚力に物を言わせていっきに懐にもぐりこむ。遠心力を利用しながらまわし蹴り!――男の体が三メートルほど吹っ飛び、こなたの足にはじんわりとした痛みがある。
「……またつまらぬものをけってしまった――」
 起き上がってくる気配がないところを見ると、おそらく気絶しているのだろう。こなたはほっとため息をついた。
 みだれた拳法着をいそいそと絞めなおし、ぎゅっと拳を握る。かがみの待つ場所まではまだまだ遠い。こ
 下っ端は問題ないとはいえ、幹部相手にどこまでやれるか――正直自信がない。特に拳を交えたことがある白石――互角か、あるいは。
 ぶんぶんと大きく首を振り、鬱屈した考えを払拭しようと躍起になる。照りつける日差しに目を覆いながら、こなたは思うのだった。
「まっててねかがみ!」
 私の嫁は誰にもやらないんだからね――っ!

――なんて格闘SSを書いていただけるんですねわかります。
150名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 23:00:29 ID:BBWTk25S
小説だと書けばどうにでもなるけど
実際はこなたの体格じゃ快勝するのは無理がありそうだけどな・・
151名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:33:36 ID:cCBYVjy3
体格をフォローするのに、合気道はある。
技に逆らえば直ちに腕の骨が折れ、関節が外れる。
まあ、たしかにハンパな合気道では生兵法でしかないけどな。
ここはあれよ、合気道師範代クラス+
漫画であみだした空手と「勁」の使い手とでもすれば
話が作りやすいwwwww
152名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:38:34 ID:1zNCI/ht
>>150

物語補正でパワーを補いつつ、小回りと手数で勝負かねぇ。
153名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:41:19 ID:WwMpzTcP
ぶっちゃけ相手が崩れたら型にこだわらず、
でかい得物持ってボカスカ殴ったほうがいい。
合気道でも刀や杖を教えるところもあるし。
154名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:45:43 ID:3yjRhYtn
「真のツンデレを富士の頂とするならば…この私にしてようやく麓を踏んだばかり。
かがみはん…貴女ほどの資質を持って生涯をツンデレに費やしたとして…8合目を踏めるかどうか…」
「いや私ツンデレじゃないしってかそれ何のネタだ」
「そもそも触れられたらこう捌く、弄られたらこう返す、そのような瑣末な技に囚われてるようではまだまだ下の下」
「いや技じゃねーし」
「真のツンデレを極めたならば…かがみはん。男などにはなびかぬ。己がそれを自覚するまでもなく…そこにたどり着けぬのじゃ」
「人の話を聞けよ」
「つまりかがみは私の嫁ってことだね!」
「全然訳わかんない!!」

…すまん。
155名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:53:50 ID:T91q9M+6
門の幻影を突き破って、半裸のこなたと対決するわけですね
で、クスリでラリラリしてるこなたに手玉にとられてしまうと
156名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:02:54 ID:3yjRhYtn
裂けた道路が、水が、あらゆる幻影がかがみを襲う…
しかし、行かねばならない。
全てを乗り越えてたどり着いた先には武友との長年の決着…のはずが。

そこにいたのは…

「何て事…たどり着けないわけね…」

あとは丸投げ。
157名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:55:40 ID:xnSa5sJ0
>>156

そう、いるべきはずの武友は……そこにはいなかったのである。



こなた
「武友出ん、武友出ん、武友出ん出ん出出ん出ん、れつごー♪」

かがみ
「 黙  れ 」
158名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 02:00:07 ID:OKbX9gxk
こなた「待っていた、ずっと」
かがみ「こなた…どうして!」
こなた「私はお前を育てた」
こなた「お前を愛し、武器を与え
     技術を教え、知恵を授けた」
こなた「もう私から与えるものは
     なにもない」
こなた「後は私の命をお前が奪え」
こなた「自分の手で」
こなた「どちらかが死に どちらかが生きる」
かがみ「てい」
こなた「ぐぅはあ!!」

そう君「スネーク!未来が変わってしまった!タイムパラドックスだ!」
159ふた☆自重:2008/06/15(日) 07:54:26 ID:aSgULuo/
今日はキバ休みかよ… と、うな垂れていたけど…

ネタの発展ぶりにコーヒー牛乳フイタw お陰様でふた☆自重の萌力は全回復した!
盛り上がったようで何よりです。



二人の世界は踊る
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0101.jpg

某こなかがスレに投下したのとは、別バージョンのやつです。
まあ、これは流石に向こうさんには投下できないので、こちらに…w
160名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 07:55:27 ID:NGs/icO5
>>124
ゆたかに聞くという選択肢がない……
こなたかがみ

件の男の子と会ってからこなたのこころを締める鎖が緩んで普段なら大丈夫なことが耐え切れずこころが
バラバラに


>>139
人の心は複雑といってもなんとなく違和感が残ります
こなたが悪霊になったのはこなただけがが原因でしょうか
外部からの干渉がありそうな気が
161名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 08:11:07 ID:grnlHcHa
ビクトリーロボとビクトリーマーズで土砂の除去出来ないかな・・・・

グランドライナーはサイズと自重と稼働時間の問題で却下の方向で。
162名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 08:11:35 ID:grnlHcHa
あ、スマソ誤爆した
163名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 10:32:25 ID:f2dkymVA
土砂の除去ならゴーゴーショベルとゴーゴードーザー、あとゴーゴークレーン辺りを使った方がいいんじゃないか?
と、誤爆に乗ってみる。
164名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 10:44:58 ID:xnSa5sJ0
>>159

ふひゃー!ふた☆自重の人ペースはやーい!
165名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 11:45:49 ID:bTQ9Kyo5
SS投下したいと思います
他に準備されている方がいらっしゃらなければ
5分ほど後から投下します
16628-538:2008/06/15(日) 11:50:14 ID:bTQ9Kyo5
それでは投下開始します
昨日から徹夜中で、なんかテンション上がっちゃってます
いつものごとく、勢いだけで書いてます


かがみ×こなた
エロあり
4レス
※かがみが軽く?暴走します

タイトルは「お気に入り?」
167お気に入り?(1/4):2008/06/15(日) 11:51:11 ID:bTQ9Kyo5
 梅雨のはずなのに、ここ何日かは晴れ続けている。
 初夏を思わせる日差しが、体に熱を持たせ汗をかく。
 肌を滑り落ちる汗の不快な感覚が全身に広がっている。
 しかし、同じく太陽に照らされ熱を持ったアスファルトの上を歩く、私の足取りは軽やかだ。
 もうすぐこなたに会える。
 そのことだけで、暑さや不快感を克服できる程に、私はこなたのことを好きだ。
 そして、今日は何をしようかと考えながら歩を進めれば、あっという間にこなたの家に着く。

 途中で買ったアイスとお菓子の入った袋を提げて、呼び鈴を鳴らすと、すぐにこなたの声が聞こえた。
「はーい。いまでますよー」
 家の中から、たったっと軽やかな足音が聞こえる。
 待ちきれずに玄関を開けると、すぐ前にこなたが立っていた。
「ちょっ、な、なんて格好してるのよっ」
 下着姿で……
「えー、だってすっごく暑かったしさ。今日うちに来る予定はかがみだけだったし」
「そうだとしても、配達の人とか近所の人とか――」
「ね、かがみ。玄関開けっ放しだと、さすがにすこし恥ずかしいんだけど」
 こなたは恥ずかしそうなそぶりを一切見せずに、猫口でにまにまと私を見ながら、そう言った。
 万が一でも、好きな人の下着姿を他の人の目に晒すのが嫌で、私は慌てて玄関を閉め鍵を掛ける。
 今日、この家にはこなたしか居ないことを、前もって聞いていたからだ。
「大体さ、私のこと見て普通の人は欲情したりしないでしょ」
 こなた、はさっきと変わらない表情で、楽しそうに私を見つめている。
 普段は、ステータスだとか需要はあるとか言ってるくせに。
 それに、明らかに私にけんかを売っている。
 これは買わないといけないわね。
「それは私が変態だと言ってるのよね」
「やー、そん――」
 私は一歩前に出て、こなたを引き寄せると、こなたの唇を塞ぐ。
 もちろん私の唇で。
 そして、舌を差し入れ口腔を蹂躙する。
 静かな家の玄関に、唾液の絡み合う音と、お互いの吐息が響く。
 どちらからともなく離れると、二人の混ざり合った唾液が、床に溜まっていた。
「もう、かがみってばいきなりなんだから」
 顔を赤くして、瞳を潤ませるこなた。
 私は荷物を置き、靴を脱ぎながらこなたに応えた。
「あんたが、そんな格好でいるのが悪いのよ」
「むー」
 ぷくっと頬を膨らませて、横を向くこなた。
 私が家に上がったのを見て、背を向け部屋へと歩き出すこなたを後ろから抱きしめた。
168お気に入り?(2/4):2008/06/15(日) 11:52:20 ID:bTQ9Kyo5
 手をそのまま胸へと持っていき、下着の上から刺激する。
「ちょっと、かがみ。ここじゃなくて、あんっ……」
 もう片方の手で、やはり下着の上から秘裂を刺激すると、こなたは甘い声を出して話すのをやめた。
 耳を甘噛みし、首筋に舌を這わせる。
 その間も両手は、下着の上からの刺激を続ける。
「も、ほんとに、ここじゃ……」
「もし、私じゃなくても、こういう風にされてたかもしれないのよ」
 秘裂を刺激していた指を、下着の脇から中に差し込むと、そこはしっかりと濡れていた。
「ちょっと触っただけで、こんなにしちゃって、もしかして期待してた?」
「や、そ…… ぅん、そんなことっ、ぁぁ、ない、もん」
 指先をわずかに差し込むと、とめどなく愛液があふれてくる。
 指を動かすと、それがかき混ぜられる音がはっきりと聞こえる。
「ま、いいわ」
 こなたの体を私のほうに向けて、そのまま覆いかぶさるようにして、廊下に寝かせる。
「かがみ。本当にここでするの?」
 ちょっと怯えたような表情で、上目遣いで私を見つめるこなた。
 この表情に弱い私は、こなたの言うとおりに場所を変えてあげようかと思ったが、何とかそれを押さえ込む。
 二度とこんなことが無いように、お仕置きするんだから。
 返事をする代わりに、私はこなたの下着を脱がせることで、この場で続きをすることを分からせる。
 私も服を脱ぎ裸になると、こなたにキスをする。
 唇を触れ合わせるだけのキス。
 こなたが舌を伸ばしてきたが、それを拒否するように唇を離した。
 どこか寂しげな表情を浮かべるこなたを、できるだけ見ないようにする。
 でないと、どうしてもこなたの言うことを聞いてしまうから。
 視線を外したまま、こなたに話しかける。
「ね、こなた。暑いわね」
「だったら、私の部屋に――」
「だから、アイス買ってきたのよ」
 傍らに放置されていた袋に手を伸ばし、中からアイスを取り出すと既に溶け始めていた。
 カップの蓋を開けアイスを指先ですくい取り、こなたの胸に塗りつける。
「きゃぅっ」
 冷たさにこなたが嬌声を上げ、体が一瞬びくっと跳ねる。
「どう? 冷たくて気持ちいいでしょう」
「う、なんか、変な感じ。熱いのと冷たいのが混ざり合ってるみたい」
 私は胸へと顔を持っていき、アイスを丁寧に舐め取る。
「か、かがみ。あっぅ、うんっ」
「こなたの汗と混ざり合って、しょっぱくて甘い。美味しいよ、こなた」
169お気に入り?(3/4):2008/06/15(日) 11:53:14 ID:bTQ9Kyo5
 再びアイスをすくい取ると、今度は秘裂の方へと落とす。
 既に、ぷっくりと膨らんでいる陰核を刺激しながら、溶けていくアイスと、愛液を舌ですくい取る。
 舌の動きに合わせてこなたの腰が踊る。
 十分に舌を這わせてから、今度はこなたの口にアイスを含ませる。
 唇を合わせると、こなたが口を開いた。
 そこに、口に含んでいたこなたの愛液を流し込む。
 アイスと愛液を舌でかき混ぜ、吸い上げて飲み込む。
 そのまま、体への刺激を一切なくす。
 ほんの少しの時間この空間が、お互いの呼吸音だけに支配される。
「かがみ」
 せつなそうな声で、私の名前を呼ぶこなた。
 理由は分かってるけど、あえてこなたに聞き返す。
「どうしたの、こなた」
 太ももをもじもじとすり合わせながら、潤んだ瞳で見上げてくる。
「あの、その……」
 こういうときのこなたは、本当に女の子らしい仕草を見せる。
 それを見たくて、つい焦らしてしまう。
「一緒に、ね?」
 その言葉を聞いて、私の我慢も限界に達しこなたと体を重ねる。
 お互い、弱い部分を刺激し合い、感じるままに身を任せる。
 愛液と空気が混ざり合ういやらしい音。
 お互いの発する喘ぎ声。
 そして、体を動き回るこなたの手。
 それを聞き、感じて、さらに体が熱くなる。
「ね、かがみっ。もうそろそろっ」
「うんっ。私も、もうっ」
 直後、二人の愛液が辺りに飛び散った。
170お気に入り?(4/4):2008/06/15(日) 11:54:29 ID:bTQ9Kyo5
 二人とも息を荒げ、しばらく動けずにいた。
 ようやく動き出したとき、玄関に私とこなたの匂いが、むせ返るほど充満しているのに気付いた。
「ちょっと、こなた。急いで空気入れ替えないと」
 しかし、こなたはまだ意識が朦朧としているのか、焦点の合わない目で余韻に浸っている。
 私の言葉にわずかに反応したようだが、動き出す気配は全く無い。
 仕方なく、こなたをお姫様抱っこで風呂場に連れて行き、シャワーを浴びさせる。
 ようやく意識がはっきりしたのか、こなたが顔を赤らめる。
「もう、かがみ。すっごく恥ずかしかったよ」
 確かに玄関でなんて、いくら鍵を掛けているとはいえ、冷静に考えれば恥ずかしいなんてもんじゃない。
 だけど、今はそんなことを言ってる暇は無い。
「それより、玄関を何とかしないと」
「ちょっ、かがみ。今何時?」
「分かんないわよ。でも、結構時間が経ってると思う」
 こなたが慌てて風呂場からでていくと、時間を確認したのか大声が響いた。
「げっ、もうこんな時間。ゆーちゃんが帰ってきちゃうよっ」
 私も慌ててシャワーを済ませて、玄関の後始末に向かう。
 こなたと一緒に廊下を丁寧に拭き、玄関を開けっ放しにし扇風機で強制的に空気を外に出す。
 お菓子の入った袋を、こなたの部屋に持っていき、何とか証拠隠滅が完了はず。
 そして、玄関を閉めこなたの部屋に移動したとき、玄関が開く音がした。
 二人して部屋から顔を出すと、汗をいっぱいかいたゆたかちゃんだった。
 その顔は暑さの為に、真っ赤になっていた。
「ゆーちゃん、すごい汗だよ。それに顔が真っ赤だよ。しゃわーでも浴びれば?」
「う、うん。そうするね」
 ゆたかちゃんは、そう言うと自分の部屋に向かう。
 その途中、私たちの前で立ち止まると、もじもじしながらこう言った。
「あの、その…… お楽しみでしたね?」
 そして駆け足で去っていった――
17128-538:2008/06/15(日) 11:56:20 ID:bTQ9Kyo5
以上です

バレンタインの時と内容が被ってるのは、多分気のせいじゃない
投下直前になって気が付いたから、どうするか迷ったんですが
せっかく書いたからと思い、投下させていただきました

き、きっと、かがみがあの時に気に入っちゃたんだよ……orz
ソレデタイトルガキマッタナンテ,イエナイ(つД`)

それでは、見回りの時間が来たので失礼します(´・ω・)ノシ
172名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 12:01:52 ID:xnSa5sJ0
>>171

みぃーーーたぁーーーなぁーーー!!!!

次回、ゆーちゃん参戦?w
こなたとかがみでゆーちゃん開発→みなみ陥落(歓楽?)とかw
173名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 12:16:12 ID:3yjRhYtn
>>171
どう見てもゆーちゃんに見られてました。本当に(ry
GJ!ゆーちゃんはあの後どうするんだろうってかどうなるんだろう。
174名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 12:18:38 ID:2wnXF3aN
>>159,171
こなかがエロキターーーーーーーーーーー!!!!!!!


ハアハア、エロすぎるぞおまえら…
175名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 12:22:17 ID:OTrrqm4p
>>171
GJ!
ゆーちゃん見てたーーーーーwwww

部屋で真っ赤になってもぢもぢしてるゆーちゃんが想像できる
176名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 13:14:08 ID:HTj1u2xp
>>171
変態! 変態! 変態! GJ!
177妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/15(日) 13:25:25 ID:xnSa5sJ0
>>145

周星馳監督といえば

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0102.jpg



阿星が実力の片鱗を見せ始める、このシーン好きだ。

あと、みさきちかわいいよみさきちごめんよみさきち
178名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 14:01:15 ID:cCBYVjy3
>>177
少林サッカーキタ━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
みさきちカワイソスwwwww

では、太極拳の阿梅は、やっぱりかがみかな〜(・∀・)
179名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 16:21:44 ID:k9e9vJiB
>>159
なんで全裸だとおっきするんだろう。
シチュエーションがもそもそ沸いてきますよ? GJ。

>>171
玄関プレイ! しかもギャラリーつき!
変態! 作者もかがみも変態! もっとやれ!

>>177
少林サッカーってこんなシーンがあるのか。
ていうか「キックみさーげっと」という謎フレーズが湧いたのでぐっじょぶ。
180妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/15(日) 17:04:47 ID:xnSa5sJ0
>>179
いや、さすがに人を的にしたりはしませんのでなw



>>178
おk把握。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0103.jpg

というわけで、『幸星サッカー』のクライマックスw。
かがみんを火星人wにするのは忍びなかったので、ショートにしてみた。

あのシーンの阿星の安堵に満ちた表情がよかったので、なんとか頑張ってみたけどどうやらこうやら。



……んで、ラストシーンではバナナの皮を踏んで滑ったみゆきさんがバク転で立ち直ったり、
ゆい姉さんが発頸で駐車違反車を吹っ飛ばしたりするわけですよw
181名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 17:24:34 ID:AuVmeGzB
>>179
ttp://jp.youtube.com/watch?v=P_3Udj4wTCM
7'50"あたりから。正確に8'11"のカットだが再現度は素晴らしいw
182178:2008/06/15(日) 18:01:57 ID:cCBYVjy3
>>180
最高だ!
かがみ「あとはまかせたよ」
こなた「……うん!」
ボール「≡ω≡.」
ネタ師としては、こういうことをされるとまことにうれしくもくすぐったい

さあ、かがみのカウンターボール+こなたの金剛オーバーヘッド=
最強必殺ボールの洗礼をくらって丸裸になる奴は誰だろうwwwww
183妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/15(日) 20:42:42 ID:xnSa5sJ0
>>182

「かがみん、正解は? (=ω=.)」


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0104.jpg

「ああ、……って、Σ( Д)゚ ゚ えぇぇええええええええ!!!?」




……さて、彼氏に頃されないうちに逃げっと・ぐぇぼどばぁ!

184名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:01:39 ID:cCBYVjy3
>>183
すげえ!すごいよあんた!!思わず抜いt(ry

そうか、すなわち、
少林チーム(3B&途中から参加のかがみ)VS魔鬼チーム(3C)
というわけか
こうなったら設定を作らざるを得ない。

少林チーム
こなた(鋼鉄の足:FW)
つかさ(空渡り:FW)  ……あれです、トリップで飛びますwww
みゆき(鎧の肌:DF)  ……ていうか、鎧の胸wwwww
かがみ(太極拳:途中参加GK)
ななこ(監督)

魔鬼チーム
みさお(FW)
あやの(GK)
ひかる(監督)

試合前
みさお「ふっふっふ、うちらのチームは最強なんだZE!あれ?所でひぃらぎは?」
あやの「プロレスで鍛えたこの体で、どんなボールでも受けるあげる!」

みゆき「ふふふふふ、どっからでもかかっていらっしゃい
     この胸で全て吸収してさしあげます」
つかさ「ばーるーさーみーこーすー」
こなた「みゆきさん、なんか黒いよ……、つかさ!試合前から飛ばないのっ!」

そして、草葉の陰からこっそり覗いている、かがみの姿が……
185名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:45:01 ID:k9e9vJiB
>>183
今夜の「お夜食」にさせていただきます。


ご馳走様でした(ぽっ
186名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:47:59 ID:tBNyRsqz
>>171
個人的にはやっぱりゆーちゃんは、こんな感じが好きかもw
さすがウサギかがみん。玄関で押し倒すとは、性欲旺盛だw

>>159 >>177
あんた達って奴らは・・・w

>>183
みさきちwww
187名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 22:00:19 ID:ayjV+Ab1
>>183
これはみさお兄がすっ飛んで来そうな絵ですねw (彼女的、妹的に)
光速で保存しましたw
188妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/15(日) 23:27:17 ID:xnSa5sJ0
昨日岩盤浴行って、今日はノリのいい作業用BGMかけてたら、なんか変なスイッチ入りますたw
ここに載せられないような絵も含めて(何)何枚描いたやら。
というわけで連投スマソ。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0105.jpg


公式サイトにある予告編にも入ってる、インタビューのシーンらしいですw
本当はこのシーン、かがみん(阿梅)はいないんだけどね。
18923-49:2008/06/16(月) 00:12:11 ID:xJbLj901
どうもです
毎度々々流れぶった切って申しわけありませんが短編一本投下させてください
被りがないようでしたら五分後ぐらいから行きます

・そうじろう&こなた
・エロ無し
・2レス使用
1901/2:2008/06/16(月) 00:17:40 ID:xJbLj901
 
 日曜日。
 午後も遅い時間になってようやく布団から這い出し、そうじろうがリビングに顔を出すと、
「ん? おはよーおとーさん」
 こなたが一人でテレビゲームをやっていた。
「おはよう、こなた」
「もうすぐ夕方だけどねー」
「こなたが先に言ったんじゃないか……」
 テレビ画面から目を離そうともしないのにニマニマと笑う娘に、そうじろうは頬をかく。
「あー、ところでゆーちゃんは?」
「実家に行ってるよー。晩御飯もあっちで食べてくるってさ」
「ふぅん……」
 微妙に珍しい。
 相槌を打ちつつもそんなふうに感じたそうじろうだったが、ふとテーブルに目をやって、得心した。
 食事時意外はティッシュの箱ぐらいしかふだん乗っていないそこに、小さな一輪挿しが置かれていた。
 飾られているのは、優雅に波打つ花弁を広げた、一枝の白いバラ。
「そうか。なるほど」
 うむうむと頷き、定位置に腰を下ろすそうじろう。
「うん」
 こなたも頷き返しながらも、しかし顔はテレビの画面に向いたまま。
「いやぁ、お父さんうっかりしてたよ。そうか。今日はアレだったな」
「そうだねぇ」
「締め切りが近くててなぁ。原稿のことで頭がいっぱいで……俺としたことが。――お父さんとしたことが」
「そうなんだ」
「そうそう」
「どーせゲームしてたんでしょ」
「な、何を言うんだ。それならそうと俺――お父さんなら正直に言うって、こなたも知ってるだろ?」
「ふむ。それもそうだね」
「だろ? それがお前のお父さんだ」
「自慢げに言うことじゃないけどね」
「は、ははははは……」
「ふふふふふ」
 どこかぎこちない会話。
「……」
「……」
 が、止まり、気まずい沈黙が降りる。
 もっとも正確には、ぎこちないのも気まずいのもそうじろうの側だけで、こなたはニマニマと笑っている。
 どちらかと言えばこの空気を楽しんでいる様子だ。というか確実に楽しんでいる。
「……な、なぁ、こなた?」
「なぁに? おとーさん?」
「ええっと…………お茶、飲むか?」
「そうだね」
「よし――」
 と、そうじろうが逃げるように立ち上がちかけたところに、
「ああ、私がやるよ」
 ゲームにポーズをかけてこなたも立ち上がる。
「そ、そうか?」
「うん。おとーさんは座ってて?」
 振り返った顔は、やはりニマニマと笑っていた。
「……おう」
 気圧されるように腰を下ろし、情けないような嬉しいような微妙な気持ちでそうじろうは娘の背中を見送った。
1912/2:2008/06/16(月) 00:18:22 ID:xJbLj901
 
「おまたせー」
 程なくして戻ってきたこなたは、二つの湯飲みを両手に直接持っていた。
 つまり他に何も持ってない。
 顔はニマニマと笑ったまま。
「はい」
「……おう。すまんな」
「いやいや」
 一つをそうじろうの前に置き、そのままゲーム機の前へ――は戻らず、テーブルを回り込んで
 自分の椅子を引く。
「おとーさん?」
 そして声をかけられて、そうじろうは湯飲みに伸ばしかけた手を慌てて引っ込めた。
「な、なんだ、こなた?」
 問い返すも、こなたはすぐには答えない。椅子を引いたのに、腰掛けもしない。
 ただ相変わらずニマニマと笑い続けている。
「おとーさんもさ、こーゆー気分なのかな?」
「な、なにがだ?」
「例えば、お正月のときとか」
「……」
 ……そういうことか。
「……ああ。たぶんな」
 疲れたように苦笑いを浮かべ、そうじろうは軽く両手を上げた。
 降参の合図だ。
「そっか」
 こなたはさらにニマリと笑って、椅子の座面に手を伸ばす。
 リビングに入ってきたときからずっとそうじろうの死角になっていた場所の一つである。
 そんな場所からこなたが取り出したのは、青を基調とした包装紙を掛けられた平らな箱。
「――はい。いつもありがとう、お父さん」
 差し出されたそれを、
「いや……こちらこそ、ありがとう」
 娘からの父の日の贈り物を、そうじろうはありがたく受け取った。


「あ、開けていいか?」
「どーぞ〜」
「うわぁー、なんだろぉなぁー♪」
「ん? 甚平だよ」
「んなっ!? ば、バラすなよぉ!」
「A-HA☆」
「くぅ〜〜っ……ま、いいや。ありがとな、こなた」
「いえいえ。――それじゃ、そろそろ夕飯の準備しよーかな」
「もうか? まだ早いだろ」
「ん〜、ちょぉっと凝ったモノ作ってみよーかなーって。たまには」
「そうか。じゃ、俺も手伝うよ」
「ええ? おとーさんは座ってていいよ」
「いいじゃないか。たまには娘と並んで料理ってのもさせてくれ」
「……ふふ。しょーがないなぁ、わかったよ」


 遠ざかる、仲睦まじい父娘の会話を、白いバラだけが聞いていた。




19223-49:2008/06/16(月) 00:19:07 ID:xJbLj901
以上です
ありがとうございました


微妙に間に合いませんでした
タイトルどうしよ・・・・・
193名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:46:06 ID:tTT966yn
>>192
GJ。なるほどねぇ……

タイトルは「一輪挿し」とかでどうでしょ?
194名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:47:15 ID:tTT966yn
うわ、ageてしまった
ご寛恕のほどをorz
195名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 02:55:34 ID:D2BwLMNI
>>192
いい親子愛っした。
そうじろうは自分の誕生日とかにはこの日以上にそわそわするんだろうかw

>>105
遅レスですが、素晴らしかったです。つかさの周りみんなが温かくて…感動しました。
196名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 02:56:49 ID:yz4lvkmD
>>192
GJ。これはいい親子。
やっぱりタイトルとかは悩むんですねー…
自分も自作SSでタイトルがどうしても決まらないときとかあるし。
作家さん方はどうやって決めてたりするんですかね?
1977-896:2008/06/16(月) 03:32:53 ID:Aw1J+5y2
どうもこんばんは。
最近Pixivに現を抜かしてばかりの7-896です。
絵を描くのが楽しくて仕方ないんですすみません。
最早存在自体が記憶の片隅に追いやられてるかもしれませんが
久しぶりの壊れネタ行かせていただきます。

今までとは違って、ちょっとこなたが皆に襲われてる描写があります。
声だけですが。
こなふぇちはそういうのがないからいいんだよ!!
っていう人は気をつけてください。
注意点
※キャラ壊れ注意もう本当に。
※極微小エッチ分注意
※ななこてんてー蔑ろ注意
ではいきます。

……そして規制されてるという。
投下しようとするといつもそうですね。
きっとこんなのばっかり書いてるからです。
困っちゃったね☆
そんなわけで保管所から失礼><
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2156.html
198名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 07:13:34 ID:L6otVoUo
久しぶりの本家節キタ!!!!!!!
相変わらずの変態っぷりに大爆笑させてもらったんだぜGJwwwwwww
199名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 07:50:57 ID:fdSkWtkg
>>197

7-896センセのガチエロキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
200名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 08:07:39 ID:aFj7scWY
もう、こな☆フェチの老舗なんだからして、抱腹絶倒なのはもう言うまでもないとしてw



ついにみゆきさんは分身の術を覚えたのか。

あ、でも分身したら鼻血も分身とかするのかな。

所で、踏まれたい奴が誰だったか、気になるっちゃ気になるな。
201名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 09:00:26 ID:yZsqh8k8
>>197
こっちではおひさです。

ていうか。
ていうか、もう、ね。
896さんったら。


ほんっとに、怒HENTAI大往生ブラックレーベルなんだから♪


21世紀の必須栄養素に変態を加えるべきだと思いました。ぐっじょぶ。
202名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 10:37:42 ID:QkkFdGGi
>>201

エレメンタルドールこなつーと申したか

機動性とオタ性能が強化されるが、ダレるとショットが極端に弱体化したり、
逆にノッてくると常時ハイパーモード化するなどムラが大きい。
203名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 13:59:42 ID:yz4lvkmD
>>201
本家きたー!!
なんつーかもう、みんな当たり前のようにwwww

みゆきさんブレすぎですwwww
うん、やっぱりおもしれーw
20442-519:2008/06/16(月) 20:11:17 ID:Q1g9bIP0
誰も準備していませんでしたら、5分後に投稿しますね。
 ・二輪の花 第10話
 ・6レス使用

>>62
知られたくないのは、ゆたかとの関係のほうだと思います。教えられないのは、また別かもしれませんが。
>>183
なんてかわいいかがみさん。独占かがみインタビューをぜh……ごめんなさい。
205二輪の花(1/6):2008/06/16(月) 20:17:41 ID:Q1g9bIP0
 9月21日、日曜日。
 泉こなたは、布団に被ってうなだれていた。
「あー……なんていうかー、誠氏ねじゃないけど、バッドエンド一直線というか」
 昨日のことをこなたは思う。
 ゆたかに、パソコンにこのファイルを入れて、とメールがあったので、ゆたかの家にでかけた。合図があったら来てねと言ったまま30分ほどこなたは待たされた。
 やっとのことでパチンと音がして、ゆたかの部屋に入った。
 そしてあの光景。

「やっぱしかがみんはゆーちゃんなのかなあ…」
 実際この目で見るまでは信じられなかった。いくらゆたかがそうといっても、それはゆたかの虚言とも取れる。
 百聞は一見にしかず、こなた自身の目で見た以上、否定できるだけの論理展開を頭の中で構築することなどこなたにはできなかった。
 先週にゆたかに言われたこと、それがこれであり、こなたはある程度予測はできていた。
 言われたファイルのセキュリティは甘く、こなたはその中身を調べた後、何の変哲もない学校の体育祭で使うファイルだったので、興味もすぐに失せて侵入した痕跡を残さないように注意を払ってパスワード保護をかけた。
 ちょっとしたいたずらも仕込みながら――あの光景を目の当たりにするまでは、こなたは必死に否定していた。それも今はできる自信がなかった。

 そんなことを思いながら、脳内にまざまざと焼き付けられた、生のかがみの裸体を想像する。想像すると、体がうずく。
「いや、自重しないと……」
 そういって、火照ったからだを諫めようとしたが、手は自分の意識とは関係なしにあそこに向かう。自分が一番気持ちいいところを正確に刺激する。
 あう、ああん、あう………
 布団を頭にかぶせたまま、指で愛撫。すぐにとまらなくなり、素っ裸になって続きを楽しむ。
 かがみ……かがみい!
 呟いた言葉、かがみならなんていうのかな、と思うと、一層、こなたの体は刺激を求める。

 びくん、びくんっ!
 ほとんどない胸をまさぐりながら、左手をいじる。
 あ、いく……っ!
 何度も何度もあそこをいじると、体が小刻みに激しく揺れる。そして最高のオーガズム。
「……はあはあ」
 指にまとまりついたものを見つめると鬱になる。目に見える位置にスタンバイしてあるティッシュペーパーで拭き取る。
「……欝だ」
 何もやる気が出ないし、体を動かしたくない。
 もういいや。寝ようと思い、枕をベッドにセットし、横になる。ごろんと体を反転させた。
206二輪の花(2/6):2008/06/16(月) 20:19:34 ID:Q1g9bIP0
 ばさっ。
 
 落下音に驚いて顔をあげると、通学用鞄から中身が床にばら撒かれていた。
 体の向きを変えた拍子に、ぶつかってしまったらしい。ベッドに鞄を置きっぱなしだった。あーあと、閉口する。
 眠いからもうこのままでいいかなと思ったが、このままでいるのも気持ち悪いと思い、面倒ながらもこなたは立ち上がり片付け始める。
 ゆたかから渡された超限定フィギュア――以前に熱心にその造形美をかがみに説こうとした――が転がる。
 こなたはそれを片手でつまんで、ぎゅっ拳を握り締め、ごめんと言いながらゴミ箱に捨てた。
 オタクのこなたとしては胸が張り裂けるくらい、大変な決断だったが、こなたはゴミ箱を一瞥し、拝した。
 また片付け始めた。

「あれ、これ」

 一輪の花があった。
 白いカーネーションの造花。
 
 手に取る。きちんとそれを見るのは初めてだった。
 幾重にも重なった花弁。純白の白。造花であるから、花瓶に飾っていなくても、変わらない煌々さを保ち続けている。
 カーネーションなどこなたは買ったことがない。かがみ達はあげているのかな、そう思ったときはやっぱり寂しかった。
 かなたがいなくても、こなた自身は今を生きようと努めている。それでも母の日、母を連想するときは悲しくなる。

「お母さん? 私、どうすればいいのかなあ?」

 漫画では耐え切れなくなったヒロインが、優しい言葉をかけたヒーローもしくは母に泣きつくなんてことも多い。ベッドの上に広がっている白い波状の天井、電球をこなたは見つめる。
 誰も返事なんてしてくれないけれど、こなたはしばしの間ちかちかと光る白熱灯に見入っていた。カーネーションの花を頼りに、かなたがすぐ近くまで来ているような気がした。
「やっぱり、意味があるのかな」
 みゆきの説明でもいまいちピンときなかったこなたは、物は試しとカーネーションについて調べてみることに決めた。
 ふとゆたかが嬉しそうにこなたに、カーネーションを見せていたことをこなたは記憶の片隅から拾い出す。色違いのカーネーションの花。
 お互いが同じカーネーションを渦中のかがみから贈られたことに疑問がわいたから。
207二輪の花(3/6):2008/06/16(月) 20:22:08 ID:Q1g9bIP0
***
 
 作家だけあり、そうじろうの部屋には参考になる資料がたくさん揃っている。
 今日のインターネットの情報量はすさまじいものがあるが、だからといって本の価値が薄れるわけで、そうじろうも多くの参考図書や小説を集めていた。
 そうじろうに了承を得、花の辞典を借りる。仏間にかざられている、かなたの写真が、ちらりとこなたの目に入った。変わらない笑顔をこなたに向けている。

「そういえばな、こなた」
「なに?」
「先週か? あの桶川市の事件をこなたに話したの」
「あー」
 書斎で執筆作業を行いながら――というわけではなく、こなたがいるのも気にせずパソコンを開いて某パソコンゲーを自動スクロール機能に設定したまま、振り向いてこなたに話しかけた。
 こなたがドア付近で立ちどまり、振り返る。

「嘘だ!」
 画面の少女が叫ぶ。そうじろうがあわててヘッドフォンをつけて、音を人為的に小さくする。
 今更ひぐらしですか……とかこなたが思いつつも、続きを聞こうと素直に立ち止まっていた。
「あの事件、解決したそうだぞ」
「捕まったの?」
「有力な証拠がでてきたらしくてな、本日中にも逮捕状をだして逮捕する見込みらしい」
「よかったね」
「それにしてもひどい事件だったよなあ。ありがちといっちゃありがちだけど、被害者の少女を写真を取って、それをネタにゆするなんて。
 口で言うのは簡単だが、想像するだけで、その犯人に公憤を感じるよ」」
「それを考えると単純所持を犯罪にするのも、頷けるよね」
「まあ二次元規制には断固反対だけどな!」
「そこは同意しとくよ」
「あと、こなた。前に話した、メイドウィルスなんだけど、間違って持っていかなかったか?」
「うん? そんなことは、ない、けど」
「そうか?――どうもパソコンを誰かが使った後がある気がしたんだけど――まあ、こなたじゃなければいいや。
 サンプルはちゃんとあるし、そもそももう使う必要もないし、お互いパソコンには不干渉、が泉家の遵守すべき不文律だしな」
「そうだね。じゃあ、借りてくね」
 こなたはそういって、書斎から降りて自分の部屋に戻った。
 部屋をでるとき、ヘッドフォンを装着してパソコンゲームに興じているそうじろうの背中を眺めながら、こなたは口元に指を立て、「ごめんね」とかすかな声で言った。

 別にインターネットで調べてもよかったわけだが、どういうわけかこなたはパソコンを点ける気にはなれなかった。
 起動音の「いらっしゃいませご主人様☆」とか「メールあけたからって、嬉しくともなんともないんだから、勘違いしないでよ!」とか、平時癒されているwindows起動音が、今に限っては耳障りだからだ。
「どれどれ……」
 資料として活用しているのか、ところどころに手垢が付いた図鑑は、とても分厚い。
 ぺらぺらとめくり続けた。
208二輪の花(4/6):2008/06/16(月) 20:23:17 ID:Q1g9bIP0
 ***
 
 
 大宮の喫茶店。ベデストリアンデッキを通り、スターバックスにゆたかと、みなみ。パティとひよりが集まっていた。呼び出し主はゆたかとみなみ。
 正確に言えばゆたかが提案し、みなみが二人に知らせた。
 時刻は日曜日の午後3時。みなみがメールで2人に知らせたのが、午前10時程。二人から返答があったのが午後1時。
 ひよりのほうは原稿の締め切りがどうとかで、徹夜で朝になってやっと就寝し、午後に目が覚めたという。
「できればここは嫌だったっスけどね」
「店員サンの視線がコワイデスヨ」
 二人が人騒動起こした喫茶店である。もう1週間はたっているが、トラウマとして残っている。
 別段ひよりとパティに視線が集まるということはないが、あの時と同じ店員がいればまず間違いなく、あの二人だということがわかるだろう。
 その奇異の目に耐えながら堂々と利用できるほど図太い神経をしていない。

「……なにかやったの?」
 みなみの顔が少しだけ疑問の表情をしてきいた。
「うーん、ちょっと、ね、パティ」
「まあ、イツモノワタシタチデス」
「そ、そっか」
 わかったよぅな、よくわからないような。みなみはとりあえず頷いておいた。
 先を聞くのは、ちょっと怖いかもしれない。

「それはそうと、何の用っスか?」
「イキナリ呼び出すからには理由がアルハズデス」
「うん」
 ゆたかは答える。
 もったいぶるように、間を区切る。
「協力、してもらいたいんだ」
「協力?」
「私と、かがみ先輩の仲を取り合うのに、二人にも協力してもらいたいの」
「よくわからないっスけど……」
 ひよりは横目でみなみの表情を盗み見た。無表情にかわりない。
「ちょっと手伝って」
 ゆたかは経緯を説明する。
 ゆたかがかがみと付き合っていること。
 それをこなたはまだ認めきれていないということ。
「それで、こなたお姉ちゃんが諦めるように手伝ってほしいんだ」
209二輪の花(5/6):2008/06/16(月) 20:24:12 ID:Q1g9bIP0
 あくまでゆたかによって歪曲された一部始終を聞いたひよりは渋る。
 パティにどうする? と聞くと、
「……ワカリマセン。ヒヨリにマカセマスヨ」
 それ、一番ずるいよ……とひよりはため息をつく。
「つまり、泉先輩を裏切れってこと?」
 オタク仲間として、頼れる先輩であり、同人誌の愛読者でもある。
 こなたにはよくからかわれてはいるが、ひよりは慕っていたし、普通の意味で好きだった。
 ゆたかは婉曲気味に離していたけど、要約すればそういうことだった。
「……そう、なるかな」
「ごめん、小早川さん。いくら私でも、それはできないっス」
 ゆたかとかがみのアバンチュールの妄想は楽しい。ゆたかのことが事実ならば、それはそれでひよりに害があるわけではない。
 漫画のねたにも使えるし。
 しかし、やっぱり間違っていると思った。
「そう?」
 不思議だ。その言葉に落胆するどころか、悪魔じみた笑みをゆたかは見せた。
210二輪の花(6/6):2008/06/16(月) 20:26:27 ID:Q1g9bIP0
「ねえ、田村さん」
――誰の声だろう。ひよりは思った。
 声優が別キャラクターを演じるかのように、その口調に違和感があった。
 明らかに違うイントネーション、抑揚。

「これ、何?」
 まるで棒読み。それからがさがさとバックから一冊の本を取り出す。
 見覚えのある題名。絵柄――
「それは……その、ごめんなさい!」
 口にでてきたのは謝罪の言葉だった。
 ひよりが書いた同人誌だった。クールなキャラクターと、ロリーな女の子の濃厚えっち。
 書いているひより本人がアンダー18じゃないかという質問は今のところでていない。
 そう、二人をモデルにしたものだ。ひよりが内緒のまま、夏コミ新刊としてだしたもの。
 もちろん名前は変えてあるし、細かいところで現実のみなみとゆたかとは異なっている。
 しかし見る人が見ればモデルがわかるのも事実だった。少なくても本人が見れば、一目瞭然だった。

「田村さんって、そういうことするんだ」
「う……」
 短く言葉を切り、詰問する。ひよりには返す言葉もでない。
「そういうのって、いけないことだよね?」
「……はい」
「なんていうか、最低……だよね」
「……」
 何もいえない。
 恐れていた事態が起きてしまい、ぐっとい息を呑む。だから嫌だといったのにと、責任転嫁をしようにもする相手がいない。
 ゆたかの視線がひよりの目を捉えては話さない。そこから目をそむける勇気など、ひよりにはなかった。
 ゆたかは笑顔だ。それなのに鋭い眼光を放っている。

「ヒヨリ……?」
 パティの心配そうな声にも、振り向けない。
 ふと、みなみはどんな表情をしているのだろうと思ったが、あい狂しいゆたかにひよりは貼り付けられたままだった。
「本当に、ごめんなさい」
 ひたすらに謝りたおそうとする。
「ううん、いいんだよ」
 まるで天使のような微笑に、悪魔のようなしたたかさをたたえて、ゆたかは囁いた。
「……協力、してくれるよね」
 ひよりはただ、うなづくだけだった。
「別に特別なことをしなくてもいいよ。ただこなたお姉ちゃんに与さないで、それと後からネットで渡すファイルを保存しておいてくれればいいの――保健用に、あ、見ちゃ嫌だよ」
 もちろんパスワードはかけているじけど、とゆたかはひよりに笑い駆ける。ひよりは力なく頷いた。
21142-519:2008/06/16(月) 20:29:31 ID:Q1g9bIP0
以上でした。そろそろ解決に向かうと思います。

>>204で妄想屋さんへのアンカが間違ってました。>>184です。
212名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 21:05:46 ID:eWk+X6Ka
ゆーちゃん…黒過ぎるだろ、JK…

だけど続きが気になってしまう俺であった(;´・ω・`)
213名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 21:13:49 ID:xMNr0x9L
>>197
お久しぶりです ! そして相変わらず面白いwww
pixivですか・・・そういや絵も描けるんでしたよね
後で見に行って見ます

>>211
終わりが見えてきましたねGJ !
こなたとかがみには、なんとか幸せになって欲しい
ゆーちゃんには・・・ちょっとお灸が必要かな?
とにかくこなたがカーネーションの意味に気づいたようでほっとした
214名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 21:13:52 ID:SZd4y8Mt
>211
お疲れ様です。
視点の切り替わりがうまく生かされており、最後まで緊張感が途切れませんでした。
ひとりえっちにいそしむこなたのやるせなさと、悪に徹するゆたかの魅力がよく出ていたように思えます。

少し気になった点は誤字及び、誤記入の多さでした。
誤字を出さないことは非常に困難ですが、あまりに多いと、お話に入り込みにくくなってしまうので、
読み直し等で少なくされる事をお勧めします。

続きを楽しみに待っております。

215名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 21:46:36 ID:BMKFVZ2j
>>213
ピクシブってぶーわ氏もいなかったっけ?
ピクシブやミクシィやってる人多いのかな?
216名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:08:07 ID:R4QCjMhf
ミクシィは知らんけど、ピクのほうはココとか、あとこなかがスレの絵師さんとか投下してるようだよ
217名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:09:17 ID:yfOu3x0M
ミクシィもまぁまぁ居るよ。
218名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:17:44 ID:Q6oAPDIb
カガミィもいるよ
219名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:30:03 ID:aFj7scWY
なにそのツンデレコミュニティ
220名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:44:33 ID:BMKFVZ2j
>>216
おk、ぶーわ氏他数名確認した


とりあえず久々に見たら和服を着たこなたんに鼻血がでそうだった
と思ったらみゆきさんが鼻血出してた

東方?は分からんがもろここネタなんだがwwww
221名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:35:31 ID:Q6oAPDIb
夜食に小ネタ投下 他投下がなければ5分後とかその辺に
222名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:42:37 ID:Q6oAPDIb
■かがみとこなた
■こなた視点
■会話主体
■わかる人にしかわからないネタ多数
■6〜7レス
223ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:43:30 ID:Q6oAPDIb
いやぁ、祝日っていいよねぇ。
普段学校で先生の目を盗みながら昼寝しなきゃいけない日に、
堂々と家でゲーム出来るとか贅沢の極み。
そんなわけで、私泉こなたは今日も家でのんびり時間の浪費をしているわけだ。

ラノベ風に言うなら、
さてさて折角の祝日で時間が余りに余っているのだが、これといってやる事も見つからず、
とはいっても私の頭の中に住むHIMA=JINという名の司令官は無意味な休息を許してはくれず。
結局私はそいつの言いなりになって、過去に何度も遊び尽くしたゲームをプレイして暇を潰しているのである。

わかりにくいから要約すると、やりたい新作もないからとりあえず何かゲームやってるってわけだ。
だって何もしないってのも損してるっぽいしねぇ。

ま、そんなわけで、予想通りゲームも退屈でね。
横にあらかじめ呼んでおいたそれはそれは退屈そうにしてるかがみ様がいるわけだよ。

「あー…おい、私は何故ここにいる」
「さあ…呼ばれたからじゃない?」
「誰に」
「お父さん」
「……私にどんな反応を期待しているんだ」

いやまぁ特に意味はないんですけどねかがみ様。

「んで私はいつも通りに横にいりゃいいのかー?」
「んーだって一人でゲームしてもつまんないもん」
「いやだったらゲームすんな、勉強しろ」
「やーそれは祝日に失礼な気が」
「ああ?今なんつった?」

はい、ごめんなさい、かがみ様怖いです。はい。
224ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:44:02 ID:Q6oAPDIb
「んー…これメトロイドよね」
「そ、SFCのスーパーメトロイドね」
「うちにあるわよ、クリアしてないけど」
「ふーん、じゃ別のにする?ネタバレなるし」
「別になんでもいいわよ」

いやなんでもいいってのが一番対応に困るんですけど。
まーでもいっか、このままぐだぐだでー。

「お、ここ覚えてる。確かこいつ襲ってくんのよね」
「そうそう、なんか知らないけど襲われる」
「そうそうなんかわからないけど襲われるのよ」
「なんかわからないけどイベントカット」
「え、ちょっ!それ飛ばせるの!?」
「気合いで」

うーむやっぱりかがみはゲームだと話が続くねぇ。
てかかがみって普段どんなゲームしてるんだろ。

「そいやさ、かがみってどんなゲームするの?」
「んー?(もぐもぐ)んー…STGとかRPGとか、あと(もぐもぐ)大作は一応買ってるわね」
「ふむ、まーそんなもんだよね」
「(もぐもぐ)(もぐもぐ)そんなもんよ」
「ところでそのポテト太るよ」
「ごふっ!!」

ふーむ…わかりやすいライト層だ…。
んーでもかがみんはなぁ、ライトって感じでもないし、にわかでもないし、本質的にヲタクなんだよねぇ。
ま、本人に言うと怒られるから言わないけどー。

「……しかし人間離れした操作してんな」
「いやー随分と無駄多いよー」
「こういうスーパープレイとかってさ」
「うん」
「プレイした事ないと凄さがわからないわよね」
「あー」
225ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:44:30 ID:Q6oAPDIb
あぁ…かがみんはやっぱり私の嫁だにゃぁぁ…。
これがつかさだと
『わー、今のどかーんっていうのなにー?』
とか
『へえ〜結構簡単なんだね〜 え?むずかしいの?わーこなちゃん上手なんだぁ〜』
とか…いかにも一般人な反応しかないからなァ…。
いやいやつかさが嫌いってわけじゃないよ、むしろ好きだよ。誰に言ってるわけじゃないけど。

「ちょ!順番違うだろ!」
「いやーそれが行けてしまうのだよー」
「いや届かないっての!」
「いやいやーそれがこの目にもとまらぬ壁蹴りでだね、あ…」
「……落ちたわね」
「そだね」
「……」
「いーや、適当プレイ〜」
「……プレイ内容でその人の性格がよくわかるわ」

むぐぐぐ…。
ま、まぁいいさ、私は潔いのさ、認めよう、ああ認めよう、適当だよああ適当さ。
でもあそこ昇るのは難しいんだよ!?
普通にやったんじゃまず成功しないんだよ!?
だから私は下手じゃないんだよ当然なんだよ!?
エミュで低速にしてやっても難しいんだよ!?
あーはい、わかってます、言い訳ですね、はい、はい。
…見てろよかがみ。


ま、そんな適当プレイでほんと適当にクリアして、遂にやる事がなくなったわけだ。
別のゲームやろうとしたらかがみ怒り出すし、てか勉強見てやるとか言われてもあまり嬉しくないんですけど。

んで、まーとうとう本格的に暇になったわけで、それでも帰るとか言わないところはかがみ優しいよねぇ。
二人分の麦茶と大量のお菓子やら何やらが無造作に置かれてるテーブルを囲んで、
私とかがみ様はぼーっとしてるわけだ。
226ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:45:07 ID:Q6oAPDIb
「そんなに暇なら本でも読みなさいよ、ラノベとか」
「んー…あー、かがみはラノベは読むんだっけ」
「そーよ」
「ふぅん…ラノベ面白い?」
「面白いわよ、作品によるけど」

ふむ、暇だったけどその暇は今この瞬間に消え去った!
こんな時はかがみんを弄って遊ぶに限る。
丁度いいからヲタクである自覚でも持たせてやらう。先輩としてッ!

「ねーかがみ、ヲタクってなんだと思う?」
「は?何わけわからん事言ってんのよ、あんたの事だろあんた」
「いやそーゆー意味ぢゃなくてさ
 ヲタクにもアニメとかゲームとか色々あるじゃん、広く言えば電車とか釣りとかアイドルとか数学とか」
「…まぁ元々はそういう意味合いだったしな」
「そ。どんな分野でもヲタクになるのだよ、それが世間に認められるかの違い。」
「あんたにしては随分と真面目な話だな」

むふふ。食いついてきよるぞ。
さぁてどう調理してやろうかねぇ。
かがみぃん?いい加減私と同類だって知ってもらわなきゃねぇ。んひひっ。

「数多いヲタクの中でも、一つだけ共通してる部分があるとしたら、なんだと思うー?」
「はぁ?……んー、熱意か何かか?」
「まそんな感じ。問題はそのモチベーションだよかがみ」
「ふむ」
「例えば電車好きがいるじゃん。電車の事調べて覚えたって開発とかに回らなきゃ人生的に意味はないわけじゃん。
 じゃどうして電車を調べるか、それは意味のない事に意味を持ってるからだよかがみ」
「あー…なんとなくわかる、わかりたくないけど」

んひゃひゃ。いいよかがみぃん?
そうだそうだよ。今まで散々馬鹿にしてきたダークサイドが、実は今自分が立っているところだったなんて。
夢にも思わないよねえ…?
227ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:45:35 ID:Q6oAPDIb
「娯楽の延長よね、そーゆーの」
「まぁまぁ結論を急がない。
 意味のない物に意味を持たせるのは人間にしか出来ない事だよ」
「いきなり話がそれたな…」
「それはつまり想像。話を考えたり未来を予測したり、それら全ての原点は皆ここなのさ」
「あー…メタ話されても」
「んーじゃ話戻そうね」

さあかがみん…その仮初めの一般人面を、この私の手で剥がしてあげよう…くすくすッ。

「つまり、想像力そのものがヲタクなんだよ。
 その想像力が現実よりも面白いって認識こそがヲタクの根元なのさかがみ」
「今日はやけに語るな…何かあったのか?」
「んふふ。かがみはラノベを読むよね」
「そ、そうよ?」
「いい?想像力こそがヲタクに共通する事ならば、小説やラノベを楽しめる心もまたヲタクなのだよ…かがみぃ」
「な…何が言いたい」
「つまり!かがみは生まれながらの潜在的ヲタクなのだッ!認めたまえッ!!」

「や、それわかってるし」

「……はへ?」

あい?

「つーかそれ当たり前だろ、人間として」
「そ、そう、なの、かな?」
「私が嫌がってるヲタクってのは、秋葉とかで騒いでるにわか共の事よ」
「あ、あー…はい」
「今更言ってもどうにもなんないけどね」
「そ、そだね…わ」
「はいストップそこメタ発言しない」
「くッ…私の発言を先読みしたと言うのか…ッ」
「うっさい」

…ま、この展開読めてたけどね。
ずーっとかがみと付き合ってれば、この人がどんだけヲタク寄りかは嫌ってくらいわかるからねぇ。
ホントにヲタク嫌な人は嫌って言わないんだよね。
そーゆー話振られた瞬間に逃げるから。うん。
228ラノベオモロイド:2008/06/16(月) 23:45:56 ID:Q6oAPDIb
てか気付いたらテーブルのお菓子が半分ほどなくなってるし。
まーいーや。
なんとかしてかがみをデレさせたかったんだけど、
やっぱ私一人じゃ無理っぽいねぇ〜、つかさがいると随分変わるんだけど。

「つーかあんたは何を言いたかったんだ」
「えー…やー、親睦を深めようかなぁと」
「親睦ねぇ…」
「そ、親睦」
「…じゃ、これ読め」

ん、かがみが鞄から出したのは文庫本だ。
えーと何々、お、死にバラじゃん。
いや待ってラノベじゃないッスかかがみ様…。
アニメ化されてるのに読めと申しますか…。

「これ読んだら仲良くしてあげる、ただし今出てる巻までな」
「えー!?」
「勿論ちゃんと読んだかテストするわよ、流し読みだったら好感度リセットね」
「はいー!?いや、ちょ!かがみ!私アニメの消化で忙し」
「うっさい!これくらい読め!活字に慣れろ!ついでに勉強しろ!」

うあああああああああああああ…。
ま…まぁ、いっか…。
これで仲良くしてもらえんだったらいっか…。
ラノベならまだ得意分野だし。うん。

そんなわけで、私泉こなたは当分の暇潰しに困る事はなくなったのだった。




「ところでかがみ、食べ過ぎじゃない?」
「うっ…うっさいわねっ!いちいち言うなっ!」
229名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:46:51 ID:Q6oAPDIb
おちまい
メトロイドオモロイド
230名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:12:25 ID:CUc0cRV+
>>229
メトロイドはちょびっとしかやったことないけど、それは置いといてw

あーほのぼのしてていいですねえ。
何気ない日常の何気ない会話。
頬が緩みっぱなしでクスクス笑いが止まりません。
GJ!
231名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:24:24 ID:X3Y8o2EM
>>211
もしかしてゆーちゃんが渡したものって…だけど何のために…それがわからんッ!
こなたは果たして「気付いた」のか、そうなったらどんな行動に出るのか。
それも含めて楽しみになってまいりました。

>>229
メトロイドは名前だけは知ってるって程度だけど懐かしいネタを持ってきたなぁ、とw
こんな日常会話もいいものですなぁ。

というわけでまとめてGJを送らせてもらおうか。
232名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:33:26 ID:kKsYj5iY
>>213
>ゆーちゃんには・・・ちょっとお灸が必要かな?

みなみ「ゆたか……最近暴走しすぎ……お灸をすえなければ……」
ゆたか「み、みなみちゃんどうしたの?顔怖いよ……」
みなみ「これも……ゆたかの……ため……」
ゆたか「みなみちゃん……(涙目)」
みなみ「……っ!!(だめ、やっぱり……)」


……きゅう……(抱きしめ)


ゆたか「え?え!?みなみちゃん!?……」
みなみ「……これ……お『きゅう』……」



ひより「みなみちゃん……ベタっす……でもそこがグーっす!b」
233名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:34:52 ID:X3Y8o2EM
やっぱりみなゆたじゃそうなるのがオチかw
ゆーちゃんにお灸をすえられるのはこなただけか?もしかして
234名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:39:56 ID:1s3v7aQp
>>171
かがみはうさぎ

>>192
お や こ

>>197
実はこなたが遅刻したのとらぶれたーとは無関係ですね
みゆきはどこの宇宙忍者?
とりあえずZt(ゼット+トン=ゼットン)

>>211
ひよりに渡したのは脅しようの画像か?
次回逆襲のみさきち?

>>229
同じツンデレでもひかげは隠れオタを否定してたけど
235名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:51:41 ID:mX9G1r8W
皆様ぐっじょぶなのです。

準備されている方がいなければ、投下させていただきたいと思います。
23623-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/06/17(火) 01:00:06 ID:mX9G1r8W
「Escape 第9話」

・こなた&ゆたか(かがみ、つかさ、みゆき、みなみ)

注意事項
・シリアス、ダーク(あわない方は回避願います)
・続き物
・非エロ
・7レス程度使用
237Escape 1/7:2008/06/17(火) 01:02:02 ID:mX9G1r8W
「こなた」
 私は列車から降りた少女に、恐れと期待の両方を抱きながら声をかけた。

「…… 」
 長い髪を伸ばした少女から注がれる視線は憎しみが籠った熱さではなく、軽蔑と憐みが混じった冷たいものだ。
 予め覚悟はしていてもやはり辛い。
「ゆーちゃんは何処? 」
 腕を伸ばせば届く位置まで近づいてから、こなたは暗い表情を浮かべて口を開いた。
「ゆたかちゃんは、電話で話した通りに逃げたわよ」
 プレッシャーで膝が小刻みに震えながらも、何とか言葉を口に出す。

「狭い島に逃げてもすぐに捕まえられると思った? 籠の鳥を、窓と扉が閉まった部屋に逃がして
追い詰めるのが楽しい? 」
 こなたが更に踏み込んできて睨みつける。私に対する敵意は以前より明らかに高まっている。

 身の毛がよだつような恐怖と、想い人の視線を独占できるという狂った快感によって、
身体の奥から熱いとろりとしたものが染み出し、下着がぬれる。

「こなた。アンタ、ゆたかちゃんを過小評価してるんじゃないかしら」
 こなたを誰よりも愛しているはずなのに、独占欲で周囲が見えない癖に、冷笑と皮肉を混ぜたような
言葉しか出すことができない。
 どうして、こんなにもひねくれてしまったのだろう?
238Escape 2/7:2008/06/17(火) 01:02:48 ID:mX9G1r8W
「過小評価って…… どういうことさ?」
 いぶかしげな表情を浮かべながら尋ねる少女に、既に救われない程に歪んでしまった私は、
愉しげな表情を作って教える。
「ゆたかちゃんは、ボートで島から脱出したのよ」
「えっ!? 」
 こなたは、瞼を大きく見開いた。
「そんな…… ゆーちゃんが? 」
 傍から見ても、明らかに動揺しているこなたを眺めていると、寵愛を一身に受けるゆたかちゃんに、
あらためて嫉妬と憎しみを覚えてしまう。

「私も、みなみちゃんから聞いた時はびっくりしたけどね」
 私は、荒れ狂う心を懸命に抑えながら、平静を装い続ける。
「今頃、隣の島に上陸しているはずよ。こなた、ゆたかちゃんから連絡はなかったの? 」
「あ…… 」
 呆けたような反応をみせた後、慌ててバッグの中から取り出した携帯の履歴を調べ出す。

「なかった…… 」
 こなたは明らかにほっとした様子で呟いた。
 私たちと会う前に、ゆたかちゃんから発信されたSOSに気づかなかったとしたら、
悔やんでも悔やみきれないはずだ。


「こなた。今から篠島にゆたかちゃんを迎えに行くわよ」
「え!? 」
 こなたらしくない鈍い反応にイライラしながらも、私はけしかける。
「ゆたかちゃんに会いたくないの? 」
「会いたくないとでも思っているの! 」
 見え見えの挑発に反応したこなたは、低い唸り声をあげた。
「どんな思いで! 私が! ゆーちゃんのことを! 」
 激昂して、胸倉を掴みかけて…… 静止する。

「どうしたのよ? 」
 こなたは、私の問いかけに反応することはなく、真っ青になりながら震え続ける携帯を見つめていた。
239Escape 3/7:2008/06/17(火) 01:03:32 ID:mX9G1r8W
 西の空を茜色に染め上げながら、太陽が水平線の下に隠れた頃――
 一旦は、篠島に逃れたゆたかちゃんを、あっさりと捕まえた私たちは、みなみちゃんの別荘に戻った。
 途中でこなたが暴れて、ゆたかちゃんと一緒に逃げだすことを心配していたけれど、
あきらめてしまったのか、抵抗を受けることはなかった。

「お久しぶり、こなちゃん。ゆたかちゃん」
 みなみちゃんの別荘に戻ると、至極上機嫌な表情で、エプロン姿のつかさが迎えてくれる。
 居間に入ると、大きなテーブルにところ狭しと料理が並べられており、幾つかは湯気を立てている。

「みんな。席についてね」
 食前酒をグラスに注ぎながら、つかさは満面の笑みを浮かべている。

 私は席につきながら周囲を見渡した。
 私とこなた、つかさ、みゆきの3年生組と、みなみちゃんとゆたかちゃんの6人が一堂に会するのは、
昨年秋のチアの練習以来だ。もっともその時には、日下部と峰岸、田村さんもいたのだけど。

「ようやく、みなさんとお会いすることができて嬉しく思います」
 みゆきが、場違いな所に迷い込んできた女神のような微笑みを浮かべながら、皆に向けて一礼する。
「いろいろ、お話したいことはありますが、まずは乾杯といきましょうか」
 アルコールが入ったグラスを掲げながら、みゆきは音頭をとる。
「乾杯! 」
 唱和の後に透明なグラスが触れ合い、鈴のような乾いた音が鳴り響く。
 当然のことながら、こなたとゆたかちゃんは、私たちとグラスを合わせることはしない。

 つかさが腕によりをかけて調理した、海鮮ものを主体とする料理の味は素晴らしく、
しばらくの間、全員が食べることに専念していた。
240Escape 4/7:2008/06/17(火) 01:04:15 ID:mX9G1r8W
 テーブル上の料理もあらかた片付き、一心地がついた頃。
「みなさんの、近況を教えていただけませんか? 」
 みゆきは、つかさの方を向いて尋ねた。
「私は、料理の専門学校に通っているよ。まだ基本的なメニューしか作らないけど」
 つかさは、のほほんと笑いながら答えている。

「私は志望大学の医学部に進学することができましたが、まだ座学がほとんどです」
 みゆきは穏やかな口調で、始まったばかりの大学生活を皆に伝える。

「入学して2か月も経過していないから、専門的な事を学んでいないのは私も同じよ」
 私もグラスを片手で持ち上げながら言った。
 法学部に入っても、初年度は、半分程度は法律と関係ない一般教養科目を選択せざるを得ない。
 法曹界に入るには、大学卒業後に法科大学院に行かねばならないが、
学費の高さと合格率の低さを考えると、躊躇せざるを得ない。

「みなみちゃんはどうなの? 」
 つかさは、興味深げな視線を寡黙な少女に向けた。
 彼女は暫く沈黙を保った後、ぽつりと呟くように話す。
「さほど変わった事はありません」
「2年でも、田村さんやパティちゃんとは同じクラスなの? 」
「はい…… 」
 みなみちゃんは、あまり関心がない様子で頷いた。
 あくまで想像に過ぎないが、みなみちゃんにとっては、ゆたかちゃんがいなくなった去年の12月から、
時間が止まっているのかもしれない。
241Escape 5/7:2008/06/17(火) 01:05:48 ID:mX9G1r8W
「泉さんは、どうなのですか? 」
 みゆきが何気ない調子で話を振る。
「フリーターだよ」
「そ、そうですか」
 あまりにもつっけんとんな返事に、みゆきは戸惑っている。

「もうこれ以上、追いかけまわさないで貰えると嬉しいんだけど」
 サーモンステーキにナイフを入れながら淡々と言って、周囲は重い沈黙を強いられる。
「今のバイト先、無断欠勤で首になったら、責任とってくれるのカナ。カナ」
 しかし、こなたは私をまっすぐと見つめながら、言葉の弾丸を容赦なく撃ち込んでいく。

「こ、こなた、私は…… 」
 息が詰まる。言葉が詰まる。舌を上手く回すことができない。
 こなたは、ずっと敵意しか向けてくれない。

「ねえ。かがみ…… 」
 もがき苦しむ私を冷然と眺めながら、こなたはナイフとフォークを置いて席から立ち上がる。
「な、なに? 」
 私は狼狽した。
 ゆっくりと近づいてくるこなたを思いっきり抱きしめたいという欲求と、一刻も早くこの場から
逃げ出したいという恐怖がぶつかり、一歩も動けない。

「どうして、私とゆーちゃんの平穏な生活を破壊するような事をするのかな? 」

「そ、それは…… 」
 私は、『言い訳』を紡ぎ出そうとあがくけれど、言葉にのせることができない。
「お、お姉ちゃん? 」
 ゆたかちゃんが、こなたの異常な様子に気づいて立ち上がる。
「ねえ。答えてよ。かがみ」
 こなたは私の胸倉を掴んで、容赦なく捩じり上げる。
「や…… くる…… 」
 強く締めあげられて、息がとても苦しい。
242Escape 6/7:2008/06/17(火) 01:06:38 ID:mX9G1r8W
「泉さん!」
「こなちゃん! 」
 みゆきとつかさが慌てて駆け寄り、こなたの後ろから抱きつき、引きはがしにかかる。
「HA☆NA☆SE」
 こなたは声をあげて抗うが、二人がかりで背後から掴みかかれては勝ち目はない。

「ごほっ、ごほっ」
 私はようやく、こなたから解放された。
 床にはいつくばり、空気を求めてぶざまに喘ぐ。
「こなちゃん。落ち着いて…… 」
「落ち着けるわけないよ! 」
 こなたの悲痛な叫びが部屋中に響き渡る。

「私がどんな思いで、遠く離れた場所に逃げたのか分からない癖に! 」
「わからないよ」
 しかし、つかさは首を横に振っている。
「えっ!? 」

「こなちゃん。分かるわけないよ」
「何をいってんのさ」
 こなたが振り返って、つかさを睨みつける。
 つかさは普段とは別人のように真剣な表情に変わっている。

「こなちゃんは、いつまで二人だけの世界に閉じこもっているの? 」
 小柄な少女は一歩、よろめくように下がる。
「そんなこと…… つかさには関係ないよ…… 」
 こなたが目線をそらす。
「こなちゃん。本当にそう思っているの? 」
 つかさが涙をためながらこなたに近づき、優しく抱きしめる。
「つかさ…… 」
 しかし、こなたの表情はすぐに冷たいものに変わる。
「もう遅いんだよ」
 小さなため息をついて、やるせなさそうな顔つきで言葉を続けた。

「みんながいくら私たちを追っても、私たちはもう別の生活をしているんだよ」
 つかさから離れたこなたは、ゆたかちゃんの傍まで歩いて、強く抱きしめて、激しく唇を吸う。
「お、お姉ちゃん! 」
 衆人環視の中でキスをされて、ゆたかちゃんの顔が真っ赤になる。

 こなたは、私をまっすぐに見据えて宣言する。
「私は、ゆーちゃんの傍から離れない。いくらかがみが私を追っても無駄だからね」
 真正面からの否定だ。
 しかし、これくらいでひるむようなら、わざわざ埼玉から追いかけてこない。
243Escape 7/7:2008/06/17(火) 01:07:25 ID:mX9G1r8W
「私はあきらめないわ」
 傍から見たら明らかに私は、間違っていると思う。
 しかし、こなたへの愛は、既に理性でどうにかなるものではなくなっている。
 少なくとも「あの」狡猾極まりないゆたかちゃんにむざむざと奪われることだけは、
絶対に我慢することができない。

「かがみ…… 」
 こなたが悲しそうな顔を浮かべる。
 胸をかきむしるような苦しさに襲われるが、自ら選んでしまった破局への道を引き返すことは
不可能になりつつある。

「もう、いいよ」
 こなたがとても辛そうにいうと背中をみせた。
「お、お姉ちゃん? 」
 ゆたかちゃんが心配そうな表情で、こなたを見つめている。
「ゆーちゃん。部屋に戻ろう」
 ゆたかちゃんの頬をそっと撫でてから、とても疲れた様子で歩きかけて―― 
ゆっくりと床に崩れ落ちる。

「お姉ちゃん! 」
 ゆたかちゃんの悲鳴があがる。
 みなみちゃんとみゆきは青ざめて、互いの顔を見あっている。

 私は、床に不本意な口づけを強いられている少女の傍に駆け寄って膝をつくが、
直後に背後から奇妙な気配を感じて振り返り、愕然とした。

 私とほとんど同じ時間に生まれた妹が、満足そうな微笑みを浮かべて佇んでいた。
24423-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/06/17(火) 01:13:38 ID:mX9G1r8W
読んでいただいた方、感想を頂けた方、ありがとうございました。

この話は、こなゆたというより、かがみが主役という気がしないでもないですね。
狂気と理性の狭間で揺れるかがみの心を表現できれば…… と思います。

次回で最終回の予定です。
よろしければ、最後までお付き合い願えればと思います。では。
245名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:16:33 ID:R1PtcxJ9
リアルタイムでGJ!一番怖いのはつかさだったか・・・
246名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:17:22 ID:bABAQPCH
>>244
うわああああああぁぁああああぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ

つかさ黒過ぎ!!

次回最終回って事で人死にが出ない事を祈るのみ、でつ・・・・・・・
247名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:19:32 ID:1S+6zDLB
さっきまでsecape読んでたからすごくうれしいお
次回でescapeとして終わってもまだ名古屋逃避行は続くよね・・・?(´・ω・`)



「こなたはどこだああああああああああ」
「こなちゃああああああああん」
「ダバダバ」
248名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:20:08 ID:kKsYj5iY
>>244
ここにきて再びつかさ!!
つかさ!!
つかさ!!
次号が最終回とはいえ、このまま終わりそうに無い泥沼劇、
どんな風に物語が運ばれるやら、目が離せません!






かがみ「(´・ω・`)…… (´;ω;`)ブワッ」
こなた「ほらほら〜うさちゃんよちよち、なぐさめてあげまちゅからね〜(≡ω≡.)」
かがみ「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!ヽ(`Д´)ノ」

みなみ「orz」
ゆたか「みなみちゃん、しっかりして……はぅ〜、最近私が保険委員だよ〜><」

つかさ「えへへへ〜わたしさくし〜うにょ〜ん」
みゆき「(ナンデスノナンデスノコノワタシヲサシオイテツカササンノクセニツカササンノクセニツカササンノクセニ)」
249名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:25:09 ID:X3Y8o2EM
>>244
とうとう直接対決キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
…と思ったら…まだまだ一山ありそうだ…本当に次回で終わるのか心配になるくらい壮大な罠が待っているに違いない!
そうだろう!な、洋子!!

「…洋子って誰?」
「チャラリー鼻から牛乳〜♪」
「ってネタか!!今時知ってる人あんまりいないと思うぞ!」

このEscape、やはり最後に鍵を握るのはつかさ…なのか?
最後まで謎に包まれていたつかさの真意がとうとう明らかに!なるのか?
250名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 11:36:32 ID:7zOeL7Gg
>>244
今はただ、思う事だけを。

貴方が自らも傷付けながらここまで書き上げた事と、
読んでは打ちひしがれながらもついつい次の話も読みたくなる程に
引き込まれてしまう類稀なる文章力は素直に賞賛に値する。

…だが、この話の結末によっては。
貴方を完全に、俺にとっての「敵」と認識し兼ねない…
という事だけは、今ここで告げておく。

作者のみならず、読者にとっても無礼千万である事は重々承知だが。
ここで吐き出さねば心が完全に潰れ兼ねない程の、凄まじい打撃を
喰らってしまったので。今回限り、どうか無礼をお許し頂きたい。
251名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 11:50:33 ID:R1PtcxJ9

何とも偉そうな物言いだな。お前のチンケな心が潰れようが知ったことかよ
テンプレも読めないバカは消え失せろ
252名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:14:02 ID:dgZi8Nr/
まぁまぁ、とりあえず座して期待してようぜ
長編の最終話ったら、一番スレも湧くしね
てけてけの最終話の時とか凄かったなぁ
253名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:40:09 ID:zWj9Bb7y
>>250
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1213365025/
もう手遅れではあるが、出来ればこの辺でひっそり吐き捨ててくれ。
254名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:48:14 ID:g+uFvStB
>>250

ここは、空間のはざまの世界。
ここからは、無数に分岐した並行世界を自由に覗き見ることができる。
その中には、自分にとって辛い展開の世界も無数に存在する。
けれども、その世界の営みを止めることはできないし、許されない。
ならば、どうすればいいか。


そう。その扉を静かに閉じて、違う世界を見に行けばいいのさ。
255名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:51:19 ID:4Ny6rR+p
漫画家のおかんが言ってた!
アンチが生まれたらその作品は誇っていいって!
256名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:07:38 ID:WcnttcTh
アンチが生まれる程知名度が高くなったら界隈は終わりだ
らきすたもそうやって食い潰された
我々に出来る事は、界隈深く潜りその終末を見届ける事
そして、後かたづけだけだよ、かがみ
257名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:12:55 ID:N4awiXKD
>>256

まだ終わってないものを、そうやってさも終わったかのように言われてもねぇ……
まあ、原作至上主義者にとっちゃ、終わったも同然なのかもしれないけどさ。
作品を読んだり二次創作を楽しんだりする人がいる限り、作品は終わらないんだよ。


そういえば、自分の気に入らない作品を終わったことにしたい若者が増えている点も、気になるところだネ。
258名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:16:57 ID:WcnttcTh
どうでもいいよ
259名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:18:39 ID:dgZi8Nr/
>>254
ああなんだっけそれ
なんかすげー長い漢字の名称があったよねそれ
確か誰かのSSでも出てたけど、度忘れしてしまった
誰か教えて
260名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:20:54 ID:WcnttcTh
いつまでこの流れ引きずるつもりだよ
折角生産者が多いんだから無意味な流れは切り捨てろ
261名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 13:28:38 ID:WLEj8EIK
>>244
ぐは、さすがラスボス。
この局面でつかさが一服盛って次回完結……って。


ま・さ・か。


すんごいアレな想像が湧いたんですけど。まさか、ねえ?
とにかくぐっじょぶ。
262名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 14:31:38 ID:GuTly7+S
>244
貴方の書くつかさはいつも白くて黒くて怖いっ
全てを見通しているのはやはりこの子なのか

後一話ですか……待ち遠しくてそれでいて寂しい

こなたが、ゆたかが、かがみとかつかさとかみゆきさんとかみなみとか、
果たしてどんな結末に辿り着くのか期待してお待ちしておりますぐっじょぶ
263名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 15:04:47 ID:N1pJebBl
「絶望しタ! ホッキニンなのにカガーミにわすれられていることにゼツボウしタっ」
「かがみんの愛が足りなかったんだね」
264名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 17:49:51 ID:c9me0jEb
>>211
ゆーちゃんは一体どこまで黒く…
もう、周りの人間全ては利用する対象にしか見えてないんだろうな…
あとはこなたが、それぞれもらった花の意味に、どれだけ早く気付けるかどうかかな。
手遅れになる前ならいいけど…もう手遅れな気がしなくもない。

>>244
GJ!
正直、こなたが素直に料理に手をつけてることに驚いた。
一服盛られてたりしたらどうするつもりだったんだろう。

しかし…つかさ、何を考えてる…?
わざとこなたを炊きつけようとしてるようにも見える。
そうだとしたら、それはどうして?
つかさがかがみを…なんて想像はしてみたけど、何か違う気がする。


こなかがスキーな自分には精神的に辛いけど、
それを補って余りある文章力のおかげで引き込まれてしまうなぁ。
どれも続きが楽しみです
265名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 19:33:06 ID:DMcx0XdR
>>259
枝状分岐宇端末点?
266名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 20:24:00 ID:8FRObfXI
差し支えなければ5分後くらいに投下したいと思います。
267名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 20:24:28 ID:dgZi8Nr/
>>265
そうそれだ、あり!
なんかのSSで見たんだよ、なんだっけ
26842-115:2008/06/17(火) 20:31:00 ID:8FRObfXI
 はいどうも、こんばんは。
 夕食時ですがいかせてもらいます。


 「かがみはそれをがまんできない 後編 日本一とは言わないが埼玉で二番目くらいに風変わりな松茸ご飯の食べ方」

 ・9レス+楽屋
 ・エロなし
 ・秋


 疑惑


 月曜日。
 朝からこなたは休日の終わりを嘆き、かがみがそれにつっこみ、つかさは眠そうにし、みゆきはのほほ
んと見守り……。この日も、いつもと同じように一週間が始まった。
 いつもと違う点といえば、こなたがかがみの忘れた本を、忘れずに持ってきて返した点、それを見たつ
かさとみゆきが、かがみから借りて読んだのだと思って驚いたという点だろうか。
 「こなちゃん、それ全部読んだの?」
 「ううん。見たけどね」
 「あんたにかかると、ラノベも画集ね」
 そんな具合で始まった一日も、三時限目を終え休み時間。2-Dの四限は体育であるため、かがみは2-Eに
はやって来ない。みさおに引っ張られてグラウンドへと出て行くかがみを、こなたは眺めるともなしに見
ていた。おーおー、みさきち必死だね。“ここぞとばかり感”がここまで伝わってくるよ。昼休みの、か
がみの2-E行きを阻止するための前哨戦のつもりなのだろう。それにつけても、空腹を感じ出す四限に体
育とはご苦労なこって。ダイエットの一環だと思って頑張ってくれたまえよ。私もここから、睡眠時間を
削って見守っててあげるから……。
 そうそう、空腹といえば……。
 「松茸ご飯はおいしかったかい、つかさ?」
 近くにいたつかさに尋ねてみる。
 「ほえ??」
 つかさの反応は至って鈍かった。蓄音機のスピーカーを覗き込む犬のように首を傾げ、クエスチョンマ
ークを出血大サービスで2つも射出する。ここは勘のいいこなた、すぐにある可能性に行き当たり、つか
さに二の句を告げさせずにさらに尋ねる。
 「土曜の夜は何食べた? ほら、私が電話したすぐ後かな」
 「カレーだよ」
 カレー! カレーライス! ライスカレー(カレーソースにご飯をかけるとそうなるらしい?)! 「カレ
ー」が敵性語だった頃の「辛味入り味噌かけ飯」! 松茸ご飯に合わない献立、この上を行くものはある
まい。
 「こなちゃん家は松茸ご飯だったの?」
 「ああ……うん。おいしかったよ……?」
 曖昧に、探る様に言ってみる。
 「いいねー。私も炊いてみたいなー」
 食べたいと言わないあたりが実につかさらしいが、今問題なのはその点ではない。
 ゴルゴだったかキートン(マスターの方)だったか、あるいはその両方だったかが言っていたことを思
い出す。
 戦闘のプロは奇襲を受けた場合、その場に踏みとどまらずに一旦撤退し、体勢を立て直してから逆襲に
転ずる。
 「松茸ご飯のたれまだあるから、機会があったらあげるよ。どうせシーズン中に使い切らないし」
 「わー、ありがとう」
 適当に話を切り上げ、こなたは廊下へと出て一人になる。
 そして考えた。


 推理


 もはや、かがみが一人で松茸ご飯を食べてしまった事に疑いはない。だが、こなたが直感的に導き出し
た結論は、それ以外にもかがみの「とんでもない行為」を示唆していた。
 捜査とは、「いつ・どこで・誰が・誰と一緒に・誰に対して・何故・どうやって・何をしたか」を調べ
る行為というが、とりわけ問題なのは「いつ?」であった。
 いや、これは考えるまでもなく明白だと思われる。かがみが空腹に耐え、家までたどり着いたとしよう。
こなたからのまどろっこしい電話も乗り越えて、カレーライスにありつく。そしてその後、松茸ご飯も独
り占めした? いや、あり得ないだろう。かがみなら別腹の可能性もあるが、カレーを食べた後に松茸ご
飯はいかがなものか?
 では翌日に食べたのだろうか? 他の家族が帰宅してるかどうかはさておき、つかさとまつりの二人よ
り早く起き出し、一人で食べた? あるいはまつりと結託してつかさの分を……? 可能だ。可能ではある。
 だがそもそも、一人(二人)占めという行為自体、かがみらしくないのだ。つかさの分を残しておくか、
起こしてでも食べさせてこそかがみではないだろうか。
 それに「何故?」の問題がある。土日の柊家の冷蔵庫の状態はこなたには分からないが、食糧が十分に
あったのなら、松茸ご飯を独り占めする動機がない。
 そう、動機。
 かがみのあの物欲しげな顔を思い出し、こなたは身震いする。イキたくて……じゃない、食べたくてし
ょうがない、あの顔。独り占めしてでも食べたいという動機を有していたのは、泉家を辞去してから柊家
に到着するまでを置いて他にない。
 電話口での挙動不審さも、それで納得がいく。耐え難いほどの空腹を抱えていたのならもっと苛立ちを
露にするだろうし、何と言ってもバッグの話題。「何かが足りないはず」と言われて、喋れなくなるほど
呆然としていた。こなたは本が足りないはずと言いたかったのだが、かがみは松茸ご飯がもうないという
ことを見透かされたと思ったというわけだろう。
 やっぱり、か……。
 論理と直感、ともにかがみが自宅に帰着する前に松茸ご飯を食べたと告げていた。そして同時に、独り
占めしたという事実以外にもう一つの「いじめどころ」があることを告げていた。土曜のそうじろうなら、
「弱点が二つある(性的な意味で)」とでも言うところだろうか。
 「むっふ〜」
 こなたは鼻息も荒く、露となったかがみの二つの恥部をどう弄んでやろうか、かがみはどんな可愛い反
応を見せてくれるか。そういったことで頭が一杯になり、四限はおろか、五限、六限の睡眠時間をも削っ
てしまったのだった。


 告発(ではなくて)


 「それで、話って?」
 放課後。
 こなたはかがみと連れ立って、空き教室の多い一角の廊下へとやってきた。
 「つかさやみゆきには聞かれたくないの?」
 「まあね。つかさとみゆきさんには先に帰ってもらったよ。かがみはクラスの用事だって言って、ね」
 「そうなんだ……」
 かがみは警戒態勢に入る。嘘までつくとはよっぽどのことだろう。普通に考えればそうだ。では、こな
たがどうしても二人きりになりたい動機とは?
 「いや、松茸ご飯の感想を聞こうと思ってね」
 「松茸ご飯!」
 ボロが出かける。普通に考えれば、当たり障りのない話題のはずだ。普通に食べてさえいれば。
 「おいしかった?」
 こなたの意図が掴めず、いや、掴んでいなくもないのだが、確信が持てず、加えてどのような経路で攻
めて来るか予想が出来なかったので、思わず対策もなしに正直に答える。
 「うん……いい味だったわ。ご飯にも味がついてて」
 「出版社のつてで、業務用の松茸ご飯のたれ貰えてね」
 「な、なるほどー」
 かがみは大きく手を打つ。内心の焦りが、不自然な言い方と大げさなジェスチャーに表れてしまう。
 「あ、あー……んーと、松茸の切り方も絶妙だったわ」
 指揮者のように手を振り回し、かがみがなおも言う。
 「切り方?」
 この点にはこなたは純粋に興味を持ったので、それを前面に押し出して反問すると、かがみは安心した
のか不要に饒舌になる。
 「そ、そうよ、切り方。あ、あ、厚すぎず薄すぎず、おおお、大きすぎず小さすぎず……あー……うー
……松茸からたれが染み出したし、ご飯からも松茸の香りがちゃんとした」
 「確かにおいしかったね」
 「そうね、そう、うん。あー、おじさんにお礼言っといてくれる? おいしかったですよー、って」
 「いいよ」
 早く切り上げたがっているように見える。さて、そろそろかね……。
 「話はそれだけ?」
 「まあね」
 「それじゃ帰りましょ」
 かがみが歩き出す。
 「いやー、よかったよ。感想が聞けて」
 隣に並んで言う。
 「そ、そう?」
 だいぶ涼しくなっているのに、かがみは大汗をかいている。性的なところなど何もないはずなのに、な
んかやらしいねー。
 「うん、つかさに聞いたら食べてないって言ってたから」
 「!!」
 かがみの凍りついたように固まる。床に置いた金魚鉢に、片足をつっこんでしまったかのような顔をし
ていた。
 「この分だとまつりさんに聞いても、答えは同じなんだろうねー」
 こなたはそう言いながら、かがみの前に回る。かがみを“愛でる”時のあの顔で。
 「そうよ……」
 かがみは荷を降ろすように、肩を落とした。
 「あんたん家からもらった松茸ご飯、全部私が食べちゃったわ。ダイエット中にも拘らず、一人で全部、
ね。笑いたければ笑うがいいわ」
 「むっふー」
 こなたは注文通りに笑った。笑われたかがみはしかし、安堵の表情を浮かべていた。
 「で、どうしたいわけ? つかさにでもチクる?」
 批判でも軽蔑でも罵倒でも、傲然と受けて立とうといわんばかりだ。
 「いやいや、そんな無粋なことしないよ」
 こなたはアホ毛を鞭のように振るって否定する。
 「無粋って何だよ?」
 「ここは記念日にするのが粋ってもんでしょ。食べちゃった 君が言ったから 松茸記念日
ってね」
 「そうやって一生揺する気か?」
 かがみ、思わず頭を抱える。
 「ただ可愛いかがみんが見たいだけだよ」
 「ああ、そういえば私、あんたのおもちゃだったけ……」
 「そういうつもりはないんだけど、志願するなら24時間受付中」
 「しないわよ!」
 「それじゃおもちゃついでに、かがみが隠し通したいもう一つの秘密を暴いちゃおうかなー」
 「え?」
 ずっと赤面し通しだったかがみの顔が、今度は一転し青ざめる。
 「な、何よ。もう隠してることなんてないわよ」
 「それにしては動揺してるね」
 「そんな言いがかりつけられれば、誰だって動揺するわよ」
 「言いがかり……それはどうかな?」
 こなたは謎解きをする名探偵のように、右に左にと神経質に歩き始めた。
 「つかさは食べてないって言ったけど、それは正確さを欠くよね」
 「そうかな」
 「厳密には、つかさは松茸ご飯の存在自体を知らなかったんだからね。食べなかったって言っても、存
在を知ってて食べなかったわけじゃないんだよね」
 「そうかもしれないけど、それが何か?」
 「重要なことだよ。というのも、かがみは松茸ご飯をいつ食べたんだろね? あ、言わなくていいよ」
 「……」
 かがみの顔に、再び焦りの表情が浮かぶ。白状するのとこなたに言われるの、どちらが恥ずかしくない
か秤にかけるているかのようだ。
 「もし家までもって帰ったのなら、つかさとまつりさんに見つからないように隠していた事になるよね。
でも土曜の夜はカレーだったから、さすがのかがみでもその日の内に食べようとは思わないでしょ。とい
って、日曜までとっておくと見つかっちゃうかもしれない。冷蔵庫に入れておかないと傷んじゃうし、食
べる時は電子レンジで暖めてからじゃないと、さすがに硬くて食べられないでしょ。いかにかがみのお腹
が特別でも」
 「どうでもいいが、私を怪物か何かと思ってないか?」
 「いやいや、かがみ様の優しさと慈悲深さは、よーく存じておりますよ。主に宿題的な意味で。だから
ね、かがみが松茸ご飯を独り占めすること自体、おかしいと思うんだよね。もし持って帰っていたら、二
人に分けないはずない。ということは、かがみが松茸ご飯を独り占めしてでも食べたかったのって、家に
着くまでの間ということになる。でも、それもそれでおかしいんだよね」
 「何がよ」
 「かがみが忘れていった本を見つけた時、私はすぐに時計を見て、そろそろ帰った頃かなと思って電話
したんだよ。電話に出たのはつかさだったけど、その後いくらもしない内に、かがみ帰ってきたよね」
 「それが何か?」
 「いやー、私もかがみの家に自転車で行った事あるから、どれくらい時間がかかるのか知っててね。だ
からこそ、そろそろ帰ったかなと思ったんだけど……おかしいよね?」
 「そう?」
 「おとーさんが言った事を覚えてる? 『中ぐらいのおにぎりが三つ分くらいにはなる』って」
 そして袋詰め下のはこなたである。だからこなたも、そのことは良く覚えている。
 「いくらかがみでも、それだけの量の松茸ご飯を食べて、全く時間のロスなく家に着く。そんなこと出
来るのかなー。かがみは大食いだけど、早食いじゃないからねー」
 「うぅ……」
 反論できなくて、ただ呻くよりない。
 「そうなると、こう考えるよりないんだ。かがみん……」
 こなたはニヨニヨと笑いながら、ぐいと顔を寄せる。
 「自転車に乗りながら松茸ご飯を食べちゃったね」


 (回想)


 人間の歴史上、餓死した人間は何人くらいいるのだろうか?
 ……なんて考えてみる。答えは出ない。
 人間は空腹になると、無駄に(または無駄な部分が)活性化されて、変に哲学的になるものだ(または
その結果、変な問いを発するものだ)。かがみは正にこの時がそうだった。
 ハンドルを握る両手と、ペダルを踏む両足が萎えそうになる。空腹で。それだけならまだしも、痺れて
力が入らなくなるというのは困りものだ。
 これもダイエットのせいだ。食欲の秋のせいだ。いや、松茸ご飯のせいだ。
 突然だが、かがみの内なる声が断言する。魔法は存在する。松茸ご飯は空腹の魔法を使う、と。
 だってそうだ。理不尽だ。不合理だ。あんまりだ。
 その姿を見て、匂いを嗅いだだけなのに、何故に手足が痺れるまでに空腹になるのか?
 「……」
 突然だが、かがみは空腹状態の解消と、忌々しくも愛らしい空腹の原因の抹殺、その両方を達成する一
挙両得的妙手を思いついた。将棋の某九段でなくても、「うひょー」と叫んでしまいそうなほどにいい手
だった。
 思いついたら即実行。これぞ合理主義のキワミ。
 開けたバッグの中では、教科書やらノートやらの書籍が壁を作っていた。目指すものは体に対して外側
だったか、内側だったか? これは同じく壁で隔てられていた頃のドイツ人が感じたもどかしさの、毛一
本には匹敵するだろう。
 みつけた。
 ようやく見つけた松茸ご飯を取り出す。食品用ポリ袋は口の部分の外側に反しがついていて、そこに巻
き込むように中身を包んでいた。
 家ではつかさとまつりが待っている。これ以上遅くなるわけにはいかない。転ばないように、止まらな
いように、落とさないように……。痺れた左手で返しの中から松茸ご飯を解放する。袋の底を持つが、上
部のひだが邪魔である。それを舌で払い、袋の中に口元を突っ込むと、松茸の香りが一足早く嗅覚にご入
来。なんという生殺し! だが、それも長続きしなかった。
 「んん〜〜〜!」
 冷えてはいたが水分を失っていない松茸ご飯を口に含むと、かがみは唸った。
 うまい、うますぎる! 道行く車のヘッドライトとテールランプ、それにすれ違いざまに奇妙な視線を
向ける人たちの姿が、感涙に滲むほどに。
 行儀が悪い? それがそうした? 今宵は土曜日。味覚の秋は人の業ほどに深く、絶好の松茸ご飯日和。
日本中で松茸ご飯が炊かれているだろう。
 だが分かる。日本一とまでは言わないが、今埼玉で一番おいしい松茸ご飯を食べているのはこの私だ。
いかなる異議・異論も認めない。
 赤信号で食う足止めが、至福の時間に変わる。両手を使える喜びは、味覚のさらなる喜びへ。
 醤油ベースに出汁を利かせたたれで味付けされたご飯は、重厚なハーモニーとなって全体を支える。そ
の中を、刻まれた松茸がソリストの音色のように舞う。上顎と舌で挟むと滲み出す甘苦くも深い味わいは、
年月を経てセピア色の煌きを纏った名匠の名器のよう。嗅覚から味覚から、そして消化器から、脳へと直
接響くそれは、アルコールよりも麻薬よりも気持ちの良い快楽となって心を溶かし、犯す。
 信号が青に変わって、家路を再開しようともそれは変わらない。
 果て知れぬ欲望。食欲の奈落。
 そして突然、かがみは気付いたのだった。左手が軽いことに。
 「し、しまった〜」
 左手が軽いのは、なかったからである。松茸ご飯が。
 正確を期すならば、この世から消滅したのではなく、かがみのお腹に大部分が取り込まれたということ
だった。だからあるにはあるのである。左手じゃない場所に。
 要するに、全部食べちゃったのである。
 かがみの左手に残っていたのは、その残滓ともいうべきご飯粒と、松茸の破片が若干であった。
 「……つかさと姉さんの分、食べちゃったわ」
 悔やんでも仕方ない。現実主義者で、かつB型のかがみは、万事につけて合理的だった。
 まず松茸ご飯の残滓を、まるで弔うように丁寧に舐めとる。そしてコンビニを見つけると、きれいにな
ったポリ袋をゴミ箱に入れ、そしてひたすら自転車を漕いだ。そうする事で物質的のみならず、記憶とし
ても葬ることが出来るとでもいうように。


 自白(ではなくて)


 「―で、どうするの?」
 かがみの顔から、“金魚蜂に片足を突っ込んじまった感”はすっかり消えていた。行儀が悪いことを軸
に、からかい倒してやろうと思っていたこなたの当ては、どうやら外れてしまったようだ。では、どうす
るべきか?
 「つかさにチクる? いいわよ。好きにすれば?」
 突き放すように言って、完全にツンモード。
 「あの……なんで開き直ってるのカナ?」
 思惑通り行かない……というより、無視されているような感じがこなたには気に入らないが、それ以上
に不安にさせる。つかさにチクったら、まるで姉妹仲に亀裂を入れようとしているみたいではないか。
 「衣食足りて礼節を知るって言うでしょ」
 「初耳だけど」
 「やっぱりね」
 「予想通りってわけかい」
 「とにかく言うのよ。だから土曜の夜に関して、恥じるところは何もないわ。それに」
 かがみは急に夢見る乙女の顔になって言う。
 「おいしかったんだから!」
 「はい?」
 「何が」ではなく、「何故熱弁するのか」という点に向けられた「?」である。だがかがみはおかまい
なしに熱弁をふるい続ける。
 「おいしかったの、松茸ご飯ー」
 言いながらこなたの小さな肩を掴んで、がたがた揺する。かがみん、いつお酒を飲んだのかな?
 「あのおいしさの前では、いかなる行儀も礼節も意味をなさないわ! ああ、松茸ご飯、松茸ご飯、松
茸ご飯! バッハが生きていたら、あのおいしさと喜びを余すところなく伝えて、『松茸カンタータ』を
作曲してもらうわ」
 「……」
 まことに音楽選択らしい言い回しではあるが、かがみの勢いは、このまま錬金術か何か研究して死者を
生き返らせる方法を編み出し、バッハを生き返らせた後「松茸カンタータ」を作曲させて、その初演で歌
手まで務めそうなものを感じたので、次の選択肢を誤ってはいけないという慎重さをこなたに強いること
となった。
 こなたは考えた。
 交渉の余地はまだあるようだ。わざわざつかさにチクるかどうかを聞くあたり、黙っていればなにがし
かの代償を差し出すということだろう。では何を要求するか?
 「ならば次の休みも遊ぼうか。おとーさんにねだって、朝から松茸ご飯にしてもらうよ」
 かがみの礼節と遠慮は、1.5秒で決壊した。
 「いいの!?」
 夢見る乙女かがみが、ツインテールが視界に入らないほどの距離に迫る。
 「う、うん。そしたら再現してもらおうかな……」


 再現


 馬でなくても肥えてしまいそうな空の下……。
 煌く川面に揺れる釣竿。吹き抜ける秋風に、羽ばたくアキアカネ。
 河川敷の秋が、自転車を漕ぐ速度で過ぎて行く。
 「かがみん、あーんして」
 「……」
 「あーんしなきゃ食べられないよ、松茸ご飯」
 殺し文句炸裂。
 「別に舌をねじ込もうっていうんじゃないんだからさ」
 「そんなことしたら、二人仲良く自転車の下敷きね」
 自転車を漕ぐかがみが仕方なく口を開くと、こなたの腕が肩越しに伸びてきて、松茸ご飯のおにぎりを
口元へと運ぶ。小さめなそれを半分くらいかがみが頬張ると、こなたは残りを自分の口に押し込んだ。
 「おいしいねー」
 「んー」
 二人は河川敷の堤防上に敷かれたサイクリングロードを走っていた。一台の自転車で。
 再現。
 それはかがみが前の土曜の夜にやった「自転車に乗りながら松茸ご飯を食べる」を、もう一度自分の見
ているところでやってくれということだったのだ。
 「かがみ様、お飲み物はいかがですか」
 二人乗りの「後席」から、こなたが問う。
 「いただくわ……って、水筒かよ」
 肩越しの今度はステンレス製の水筒とその蓋が伸びてきた。
 「ペットボトルにしなさいよ」
 蓋を受け取りながらも苦言する。
 「そう言わずに、ささ、一杯」
 「おーとっとっと、ってビール注ぎかよ!?」
 どうせなら松茸ご飯を食べるだけじゃなく、他にも色々やってみようというわけで、こなたは何やら肩
がけのバッグに色々入れてきたようだった。
 自転車に乗りながら松茸ご飯を食べたり、水筒でお茶を飲んだりする人間がそうそういようはずもなく、
サイクリングロードを行く他の人たちの容赦ない視線に晒されるわけだが、こなたは元々気にしなかった
し、かがみは先週の土曜ですっかり慣れていた。
 「再現というより、自転車に乗りながらどれだけ二人羽織が出来るかじゃない、これ。他に何しようっ
て言うんだ?」
 「んー、本読んだりゲームしたり?」
 「マジか?」
 言うが早いや、こなたはそうじろうの著作をバッグから取り出す。最初のページを開き、肩越しにかが
みの眼前へ。
 「読むの私かい!?」
 「字ばかりの本を私が読むわけないじゃん。前は見てるから、」
 「親子なら父親の作品くらい―」

 がたん

 石にでも乗り上げたのか、自転車は大きく揺れ、進路が急変更して堤防の斜面へ。
 「「ほわ〜〜!」」
 自転車上にいたはずの自分の体が、あらぬ方向に飛んでいくのを感じた。
 秋枯れの草の上で受身を取る。
 世界が回り、自分が回り、目を開けると空が見えた。
 二人並んで見上げると、笑いがこみ上げてくる。
 何やってんだか……。
 「毎週松茸ご飯がいいな……」
 笑いが収まると、こなたがぽつんと言った。
 それはいいわね、と言いかけて、かがみは寸でのところでその言葉を飲み込む。たかっている関係上、
安易に賛同できない。
 「そうすれば、毎週かがみと遊ぶ口実になるもんね」
 「……バカ言わないでよ。毎週これじゃ、体がもたないわ」
 「誤解を招きかねないこと言うかがみ萌え」
 「ばーか。第三者が聞いてないのに、誤解も何もないでしょ」
 本当にそうなったら、来週は自転車の上で何を試してみようかな。
 空がとっても青いから、口ぶりとは裏腹にそう考えてしまうかがみであった。


 不貞寝


 一方その頃、泉家ではそうじろうが不貞寝をしていた。
 今週もかがみちゃんが遊びに来るというから、原稿をさっさと書き上げ、朝から松茸ご飯を張り切って
炊いたのに……。
 「二人とも出かけちゃって、ツマンネ……」
だそうである。
 こうなったら、シーズン中は毎週松茸ご飯を炊くことにするか、なんて考えてしまう父であった。


 おわり


278かがみはそれをがまんできない 楽屋:2008/06/17(火) 20:44:02 ID:8FRObfXI
 楽屋

 かがみ「(台本を読み返しながら)待った」
 こなた「待ったはプロ棋士にあるまじき行為だよ、ひふみん」
 かがみ「誰が加藤だ!? 声がつくならともかく」
 こなた「かがみなら、バナナを房からもがずに食べたり、板チョコを数枚まとめてバリバリもやってそうだから」
 かがみ「やるか!」
 こなた「っつモぴゅゥーーぐッパ」
 かがみ「はいはい、1239段乙。そうじゃなくて、まだもう一つ謎が残ってるじゃない」
 こなた「タイトルのことだね?」
 かがみ「『埼玉で二番目』って、一番は?」
 こなた「松茸ご飯をもらった経緯と食べた動機は違うけど、自転車に乗りながらっていうのは、作者ちゃんの実体験なんだって」
 みゆき「同率首位だからどちらも二位ということですね」
 つかさ「ゆきちゃん、やっと喋れたね」
 こなた「でも二人乗りまではしなかったっていうから、晴れて私たちが一位だね」
 かがみ「うれしくないんだけど……」
27942-115:2008/06/17(火) 20:45:02 ID:8FRObfXI
 以上でした。
 実体験でした。
 仲間(?)ができました。
 ありがとうございました。
280名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 20:50:29 ID:WLEj8EIK
あーもう、気がつくとこなかがになっててにやけが止まらないじゃないですか!
このしょうもない感! これぞ青春! ぐっじょぶでございました!
281名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 21:04:13 ID:zWj9Bb7y
>>267
ぶーわ氏の「人として袖が触れている」じゃないかな。
282名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 21:16:10 ID:utgBKEuR
>>279
ぐっじょー!
健全な青春もいいなあ
そうじろう可哀相にw
283名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 23:48:14 ID:dgZi8Nr/
>>281
あーそっかそれだありっした
284妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/18(水) 00:08:52 ID:5QNJDOM3
>>279

食い物の恨み(?)はなんとやら、おいてけぼり食らったつかさの逆襲が始まる……

次回・そう君大歓喜! 松茸最強レシピを引っさげ、つかさ参戦!


……というのはないでつか (・∀・)?


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0106.jpg
285自重できないデコメガネ:2008/06/18(水) 01:12:43 ID:AOhqmf4Y
>>284
なんという青春さわやかにしてほのかに色気をはなつこなかが!
この2人は間違いなく……デキてる!!
GJ!やっぱりこなかがサイコーッス!!
286名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 08:15:57 ID:e6srVGH6
視点がコロコロ変わると読みにくいし安っぽく見られるよ、と友人に言われた・・・書いてるSSの大半がそうな俺はどうすればいいんだ

ここだとあんまり気にされないよね、やっぱ読みにくいとか思う人居る?
287名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 09:12:22 ID:H50jf7q6
そりゃまあ、わざわざ批判的な内容の批評したら荒れるから普通はいわないよね

質問に素直に答えれば、三人称であっても視点は固定して、変えるときにはそれなりに
気を配るというのは基本的な小説作法なので、当然読みにくい
まあ、読み手側も、SSなんで小説としてどうこうよりキャラの絡みをメインとして
読んでるわけだから、大多数はあんまり気にしてないと思うけど

あなた本人が「安っぽくみられたくない」「小説として優れたものを書きたい」と
思うなら色々気を配ってみれば、としかいえないなぁ
とりあえず手元の小説を読めばどういう風に書かれてるかはわかるだろうし、
小説の書き方講座みたいなのもウェブ探せばいっぱいあるでしょ
288名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 10:37:22 ID:d4patKBk
まったくSSとか書いたことない、いち完全読者としては
投下の一区切りの中が同一視点だったら、連作内で
ボンボンと変わっててもそんなに気にならないかな

あと視点の話で思い出したけど、メドレーリレーバースデーとかは
視点の切り替わりをうまく利用してて、好きな作品の一つだったり
289名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:06:29 ID:e6srVGH6
あり!参考になりました

読みにくいんだったら今度から視点統一か第三者視点で頑張ろうかと思ったけど、さして気にしてないみたいならいいや
290名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:27:18 ID:N4dYvJrM
メドレーリレーは正に気を配って書いてる感じだよね
タイトルからして切り替えて繋げて行きますよって明言してるし
群像劇的手法が明白で面白い

ところでこういう話になる度に気になるんだけど、「彼は〜した」
みたいな書き方を、最近は学校で「第三者視点」って教えてるの?
291名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:54:07 ID:e6srVGH6
三人称視点でした失礼


前もそういやカケラって作品が主観だ三人称だでもめてなかったっけ
あれも続きが気になるなぁ
292名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 14:04:58 ID:KHhkqn6i
>>284
嬉し困ってるかがみがたまらなく可愛いのですが。

ていうか妄想屋さん反応早いよ。ぐっじょぶ。
293名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 15:26:55 ID:TZZAQx8U
キュッ!キュッ!キュッ!
こなた「ニャー!」
キュッ!キュッ!キュッ!
かがみ「に、にゃぁーっ!」
キュッ!キュッ!キュッ!
つかさ「にゃぁーんっ」
キュッ!キュッ!キュッ!
みゆき「にゃぁ〜」
キュッ!キュッ!キュッ!
ななこ「にゃあっ!」


こなた「…先生ちょっとキツイね」
みゆき「年齢的にメラルーは少々…」
つかさ「フルフル?」
かがみ「落ち着け」
294名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 16:16:18 ID:qeGvniua
>>293
不覚にも吹いたwwww
こなた辺りはやってそうだよな
295名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 16:56:29 ID:+HxlK/TS
>>279
これはいいこなかが青春劇場。可愛くて面白かったです。
妄想屋氏の絵と合わせてGJ!
296294:2008/06/18(水) 17:29:28 ID:umQgCCLW
>>293
なんかツボッたからつくってみた。

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0107.jpg

こなるー「にゃーっ!」

(か、かわいすぎる…)
297名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 18:08:22 ID:TZZAQx8U
>>294
こなたはディープにやりこんでる!
さあ、キュッ!キュッ!キュッ!ニャー!する作業に戻るんだ

>>296
そして絵キターーー!これは喜びのキュッ!キュッ!キュッ!ニャー!せざるをえないな


キュッ!キュッ!キュッ!あやの「やぁん♪」
キュッ!キュッ!キュッ!あやの「やぁん♪」
キュッ!キュッ!キュッ!あやの「やぁん♪」

こなた「…何があったの?」
みさお「…あの指輪兄貴に貰ったんだってさ」
こなた「…磨きまくりんぐ」
2987-896:2008/06/18(水) 18:20:13 ID:XAL0gg43
>>293
妄想氏と同じく
これは持ってる身としては、やらなきゃ負けかなと思いました。
きゅっきゅっきゅっにゃー!!

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0108.png
2997-896:2008/06/18(水) 18:25:34 ID:XAL0gg43
しまった……妄想氏じゃありませんでしたorz
300名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 19:14:02 ID:umQgCCLW
7-8961氏の動きを参考にして(’’
http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0109.gif
301名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 19:18:30 ID:umQgCCLW
こらー!人の番号間違えるとはなんたる…!

7-896氏です、ごめんなさいorz
302名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 19:23:08 ID:KHhkqn6i
何このモンスターハンター祭り。やった事ないけどぐっじょぶ。


ところで、コナルーはどのハードなら出てきますか(血走った目で
303名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 19:30:52 ID:URwiTkAj
>>279
なんという青春バカップル物語w GJ !
「松茸ご飯あげる」を口実に、かがみといちゃいちゃしたがるこなたに激しく萌えた

>>284
GJ ! 鼻血が止まらないwww

>>296 >>298
なんぞこれwww

>>300
GJ ! あんたアホだw (もちろん褒め言葉)
304妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/18(水) 22:31:40 ID:5QNJDOM3
……モンハンを知らない妄想屋(仮名)が、「こなるー」と聞いて咄嗟に思いついたのはこっちだったという……


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0110.jpg



 ( ゚Д゚) <…………



 ( ゚Д゚ )
305名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:51:48 ID:/khtRfZS
ちなみに本名は"カガルド・ツンデレルド"
306名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:54:14 ID:/khtRfZS
I'm lovin' it.(=私の嫁)
307名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:17:43 ID:AOhqmf4Y
コナルドの、うわさ

コナルドって、かがみが好きなの?

もちろんさ(≡ω≡.)
コナルドはね、ツンデレがだーいすきなんだ。
自然にかがみをだきしめちゃうんだ。
ほらね、フッ!フッ!(耳に息を吹きかけている)

みんなもいっしょに……やらせません
私だけでヤるんだもんね

かが
かが
み〜
30842-115:2008/06/18(水) 23:38:33 ID:4lqxCT9L
感想ありがとうございます。


>>284
超GJ。
本当にこんな感じだったでしょう。
数分後にぶっ倒れるなんて夢にも思ってない感じがいいのです。←結論

次の週もかがみだけ食べて良かったのかは大いに迷うところでしたが、
両親も長女も帰ってきていることでしょうし、泉家の炊飯釜では炊き切れないという事になりました。
松茸って意外とかさばるので。


つかさ参戦も考えましたが、これといったものがすぐに思いつかなかったので見送りました。
カレーライスwやピラフは無理でしょうが、ドリアやリゾットならいけるのではないかと。
でも最強となると、うーん、松茸をそのまま四等分くらいにして、パン粉をぶっかけてオーブンにブチ込んでみるとかw
他のキノコ(エリンギとか)ならありでしょうけど、松茸だといかがなものか??


黒 つ か さ な ら や り か ね な い


自転車の二人乗りは、なんとも青春々々な道具立てですが、最初はもっとエロくなる事を想定してました。
手についたご飯粒を舐め取らせようか、とか……。




数分したらちょっとでかい小ネタを投下させてもらいます。
新聞を読みながらぼんやり考えたものが、50行を越えてしまうとは。

 「熱戦、すでに?」

 ・2レス
 ・柊姉妹とみゆきだけこな☆フェチ
 ・セリフだらけ
 ・高校野球 夏の甲子園
 ・エロなし
309熱戦、すでに? 1/2:2008/06/18(水) 23:44:08 ID:4lqxCT9L

 ある初夏の朝。
 登校したみゆきは、ある全国紙の朝刊を手にしていた。
 埼玉に入ってから購入したもので、地方面には埼玉の情報が載っている。


 みゆき「夏の甲子園、埼玉地方予選の組み合わせが決まりましたね」
 かがみ「今年は二校出場するのよね。この辺りは北埼玉か。草加、八潮、三郷、秩父も北埼玉って、すごく違和感があるわね……」
 つかさ「あれ、陵桜がないね」
 かがみ「いや……ないだろ。まあ、あるけど……」
 みゆき「東東京代表と埼玉代表、どちらを応援しようかここ何年かは毎年迷ってます」
 つかさ「おばさんは? ここのOGだよね」
 みゆき「母は試合を見ているうちに、どっちがどこの代表か分からなくなってしまうそうで……」
 かがみ「ああ……あり得る」
 みゆき「それに、昼のドラマの時間になるとチャンネル変えてしまうんです」
 かがみ「どうでもいいのね」
 こなた「む〜〜〜〜」
 かがみ「出た、どうでもいい人二号。呪いでもかけてんの?」
 こなた「いやー、巫女さんじゃないし」
 かがみ「代わりにかけてくれって顔で見るな」
 つかさ「地元の高校でも探してた?」
 こなた「いや、それ以上に気になるとこがあって。ほら、南埼玉予選に出るこの学校……」
 かがみ「あんたの苗字と同じじゃない。平仮名だけど」
 こなた「うん、まあアニメの邪魔にならない限りどうでもいいだけど、やっぱ気になるじゃん」
 かがみ「……」←急に応援したくなったらしい。というか、心の中でその高校名を連呼してたら、なぜかこなたが欲しくなってしまったらしい
 つかさ「……」←同じく
 みゆき「……」←以下同
 かがみ「決めた。今年はこなたと一緒に、そこを応援するわ」
 こなた「え……私は別に……」
 かがみ「ベッドの中でかっ飛ばすわよ!」
 つかさ「ベッドの中でダイビングキャッチ!」
 みゆき「ベッドの中で完全試合です!」
 こなた「え、ええ!? ベッドなんてないけど……」
 かがみ「じゃあ、私の腕の中で寝むるのね」
 つかさ「ダイビングキャッチ……」
 みゆき「私の腕の中で完全試合……」
 かがみ「こなたぁ〜〜」←ルパンダイブしたらしい
 つかさ「こなちゃ〜ん」←同じく
 みゆき「泉さぁ〜〜ん」←以下同
 こなた「高校名でフェチるなアッーーーーーーーーーーー!!」
310熱戦、すでに? 2/2:2008/06/18(水) 23:45:37 ID:4lqxCT9L


 一方その頃。1-Dの教室では、何故かゆたかも熱心に地方面を読んでいた。


 みなみ「ゆたか、甲子園に興味あるの?(観戦に行きたいなんて言い出したら止めないと。
止められなければ、なんとしてもついて行こう。炎天下の客席でもしもの事があったら……。でもその場合、同じ宿に泊まることに……? う……いや、女同士だし……。女同士だからこそ……? ど、どうしよう……)」
 ゆたか「うーん、興味っていうか、『南』ってつく高校がけっこうあるなーって思って」
 みなみ「南?」
 ゆたか「うん。上尾南、草加南、越谷南、八潮南、川越南、飯能南、大宮南って」
 みなみ「南稜、武南ていうのもある……」
 ゆたか「あ、本当だ。でも今年は、南埼玉ブロックは全部『南ちゃん』なのかな?」
 みなみ「そうかもしれない(でも、ゆたかにとっての『みなみちゃん』は私だけだ)」
 ゆたか「どの『南ちゃん』も、頑張ってほしいね〜」
 みなみ「そうだね……(ちょっとがっかり……)」


 ひより「ネタゲット……」
 パティ「()のナカは、ヒヨリの妄想デスネ」
 ひより「あ、普通にバレてるッスね」
 パティ「High Schoolスポーツでココまで盛り上ガルのは、ニホンならではデスネ」
 ひより「アメリカじゃ、大学のアメフトが一番だっけ?」
 パティ「ハイ♪ でも、ニホンに来てからは、コウコウヤキュウが一番ネ」
 ひより「BLネタになるッスからね……」
 パティ「普通にバレてしまいマシタ」

 おわり

31142-115:2008/06/18(水) 23:46:24 ID:4lqxCT9L
はい、いろいろすみません。
312名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 00:13:28 ID:+q8Y4QZE
「みなみちゃんといえばやっぱり明青高校だよ〜♪ねえねえみなみちゃん。「かっちゃん」って呼んでみて?」
「明青…そんな高校名ありましたか…?」
「みーなーみーちゃーん?(呼んで?と催促)」
「…カッちゃん」
「うおー!これだよこれ!リアルみなみちゃんに「カッちゃん」って呼ばれるの!いやー萌えだねぇ」
「こらこら…何みなみちゃん弄ってるのよ」
「いやあ昔の高校野球アニメであったんだよ。双子の弟が死んだ後、兄がその遺志をついで甲子園をめざすの」
「…私もわかりません…」
「でもみなみちゃんも運動神経いいし新体操部なら完璧だね!」
「じゃあ…先輩が私を甲子園に連れてってくれますか…?」
「ああ、約束す…ってあれ?」

…すまん。とにかく>>311GJ!
高校野球ネタが琴線に触れたのでこんなネタになっちまったがまぁこれはスルーで。
313名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 00:41:44 ID:gc6HU0S0
新体操は胸がない方が綺麗に見えるスポーツなので
みなみちゃんにはぴったr(最後に見たのは視界いっぱいに広がるドッジーボールだった
314名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:00:35 ID:8qMtd0BJ
高校野球か。学年全員での野球応援とか懐かしいな…
あと地元では、応援歌の中のひとつに「野球拳」が採用されてたりしたがw

「なんと!?」
「脱ぐんデスカ!?」
「そこの二人、もうちょっと落ち着け」
「勘違いされている方も多いのですが、本来野球拳というものは(中略)
負けると服を脱ぐ、というのは間違った認識であると言えます」
315名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:04:14 ID:xUmSQWGv
ラジオで白石があきら様にプロポーズしたことが話題になっていると思ったらそんなことはなかったぜ
316名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:50:16 ID:wnnLevSR
ひなたの誕生日のこと、完全に忘れてた。
317名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 07:53:12 ID:bDuFGKaz
>>315
一部のスレじゃ盛り上がったが、あとは静かなのさ…
あんな2828ネタなのに……!
318名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 11:37:57 ID:LZXP1jnK
>>313を見て、単行本3巻の「和服美人」を
ベースとしたこんな感じのやりとりが
頭に浮かんだのは俺だけでしょうか…?

「みなみちゃんの新体操かぁ、カッコ良さそうだなぁ」
「そうですね、みなみさんの運動神経なら難しい技もこなせそうですし」

ほめてくれているのはわかるのだけど――――
何か素直に喜べない――――
(ないと言われているようで…)
319名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 13:28:02 ID:lION3h7r
呼吸を止めて一秒、あなた真剣なめをしたから
そこから何も言えなくなるのバルサミコンリネス
きっと愛することを大切にして知らずに臆病なのね
落ちた涙も、よっこいしょういち

こなた「かっちゃん。私をコミケに連れてってぇん♪」
かがみ「断る」
つかさ「どんだけー」
320名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 13:49:29 ID:5MniJQ4i
>>319
「みなみ」「新体操」で思いつくことは誰もが似たようなもんだなw
321た(高良)っちゃん:2008/06/19(木) 14:01:11 ID:r3hJY+tp
>>319
では、最終的に、泉さんは私のものになるわけですねだばだば
322名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 14:12:10 ID:x1mV+Zlm
>>321

♪お・ね・が・い タッチタッチここにタッチだばだば♪

かがみ「その曲にスキャットは似あわないわよ、みゆき」
こなた「あれはスキャットじゃないと思うな……」

つかさ「わーゆきちゃん、おっぱいおっきいね〜(ジュルル)」
323名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 14:27:18 ID:FZh6MRMd
「柊かがみは、世界中の誰よりも泉こなたを愛しています」
「何言ってるのお姉ちゃん。私のほうが愛してるよ」
「いえいえ、私なんて宇宙の誰よりも愛してますよだばだば」
324名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 14:30:10 ID:5MniJQ4i
こなふぇち風より>>319みたいなのがあうなw
325名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 16:27:14 ID:+q8Y4QZE
>>321
そういえばタッちゃんがいないと思ったらこうきたかw
326名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 18:37:27 ID:+znPLTvU
>>319
ただお「おや、では『たっちゃん』というのは私のことかな?」
みき「……」
327名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:12:52 ID:qePcR/ZE
助けて、ネココネコロガールが襲ってくる、うあああああああああ…
328ふた☆自重:2008/06/19(木) 21:29:00 ID:q1VnpGm2
「ああ〜リボンを振るみなみちゃん素敵… レオタード姿… 食い込み… ハアハア」
「ゆ、ゆたか? 鼻息が荒い…」
「さあ、みなみさん。次はこちらを着ていただけますか?」
「え? それって、今話題になってる水着ですよn」
「キツキツ! パツパツ!」
「ちょ、ゆたか、言語がおかしいよ」
「さあ、みなみさん私達もお手伝いしてあげますからねウフフフフ」
「アハハハハ、みなみちゃぁ〜ん」
「フヒヒヒヒ、みなみちゃんはクールでカコイイワー」
「み、みゆきさん怖いです。ゆたかもよだれを拭いて。というか、ゆかりさんいつの間にコチラにアーッ」



ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0111.jpg

「うう… 胸が締め付けられて苦しい…」


「「「(…無乳でも苦しいんだ…)」」」

「…何か 言 い ま し た ?」

「「「別にwww」」」


なんぞこれ… みなみちゃんサーセン orz
329名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:35:24 ID:+q8Y4QZE
>>328
私は常々あんたに言いたい事がある…

お 前 は 自 重 するなぁぁぁあぁぁぁ―――――――――――!!!!!

いいか!俺にとって自重というのはショートケーキに乗ってるイチゴなんだよ!イーチーゴー!!!!

以下略。


ようするにいつも素敵なGJをありがとうということだ。
330名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:58:29 ID:36JTWkn6
>>328
あなたは!!
ふたも!!
ちちも!!
ふとましボディも
ロリも!!
そして無乳も!!
何でも描けるスーパーフターGJ!!









TFEIもどき「ひさしぶりに……ゆたかが……私に欲情……してくれてる……(感涙)」
331名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:40:10 ID:aLoXAdr5
こなた「と、いうわけで皆でRRを着てみようヨ!!」
かがみ「お前は本当に突然だな」



こなた「オホゥゥゥ!! このキツキツ感とツヤツヤ感がタマンネーゼおい!」
かがみ「ああ、もう! 興奮するな!!」
つかさ「なんだかお尻に食い込むよ〜……」
みなみ「……ゆ、ゆたか」
ゆたか「はぅぅ〜。みなみちゃんのおしりスポーティエキゾチックじゃぱぁんだよぅ〜ふんかふんか」
ひより「う、うおおお! これはッ! これは新しい萌えのカタチっス!」
みさお「まー、タマにはこういうのもいいんぢゃねー? 男子の視線が痛――あ、あやの、落ち着けっ! そんなことしたら捕まるッてヴぁっ!!」
あやの「ダーリン、ナンデワタシジャナクテタカラサンノホウバッカリミテルノダーリンダーリンダーリンパイルドライバー!!」
みゆき「お、お恥ずかしいのですが…・・・その、胸が……(ゆさっ)」
パティ「オー! コレはジャパニーズエロミズギ!! 銀色のシール付けなきゃ売れないゲームデス!!」
ななこ「――ああ、わかっとった。若さに勝てない事ぐらい――」
ゆかり「みゆきぃ〜。おっぱいこぼれちゃった〜。戻すの手伝って〜」
ななこ「……なんでや……なんで、なんでウチばっかりオチにまわらにゃいかんのやッ!!」
332名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:55:09 ID:k5SrgzDn
途中がリンダリンダーに見えたのは俺だけでいい
333名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:59:05 ID:G/GcmFzU
>>312
を見て

「泉先輩……好きです」
「み、みなみちゃん? いくらそう見えなくてもさ、年上をからかうのはよくないよ」
「いえ、本気です」
「だ、だって、みなみちゃんにはゆーちゃんが……」
「妹の親友としてしか見てくれないんですか?」
「そうじゃなくて」
「……かがみ先輩が、いるからですか?」
「っ!?」

なんてのを想像してしまった自分の無節操さが憎い
334名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:04:21 ID:36JTWkn6
>>333
最近虐げられているみなみの逆襲ハジマタ?(゚∀゚)









ゆたか「ヘエ、ウワキスルンダ?ミナミチャンノクセニミナミチャンノクセニムニュウノクセニ」
335名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:12:17 ID:+cwuTu9z
>>333
ごめん。
けどここを見るにみなみとこなたはもっと寄り合うべきだと思ってしまうんだ…

年上に見えない先輩と年下に見えない後輩って萌えると思わ…うわちょっとまってゆーちゃん何をアッー
(そこで私の意識は途切れた)
336名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:47:30 ID:aDEK6YWY
後輩×先輩はいい。年下攻め萌え。
特にこなたはちっこいのに先輩、そして後輩全員と接点を持ってるから絡ませやすい。
つくづく美味しいキャラだなぁ。
337名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:01:17 ID:NiH1C09y
まあ、こなフェチの全受けがあるのが何より大きいなw
こなたは、かがみ以外は最近よく絡むゆたかとか総受けがあるけど、
かがみはほぼこなたがオンリーだよね。



とりあえず、最近報われないみなみに誰かゆたかをくっつけてやってorz
338ツインテ:2008/06/20(金) 01:01:25 ID:2t1VouaY
>>336
何言ってんのよこなたが美味しいのは当たり前じゃない(性的な意味で)
339名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:06:25 ID:AuzTDDAk
ここはひよりんの出番ですよ
ともすれば閉じられた関係に終始しかねないみなみちゃんを外の世界に連れ出すんだ
340妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/20(金) 01:14:48 ID:gZEXyrtu
341名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:42:36 ID:JN7FG/5+
>>340

みなみ「ゆたかが……ゆかたをきて……プッ!」
ゆたか「はぅ〜みなみちゃんのギャグセンスが
     セバスチャンレベルになってるよぉ〜>△<」

それはさておき、最近あなたの描く

こな☆ボール

がひそかにMY萌えポインツ
342妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/20(金) 02:01:04 ID:gZEXyrtu
>>341

そしてこっそり訂正
ゆーちゃんの位置があまりにも……orz

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0113.jpg
343名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:47:45 ID:rcWAEgkL
みなこなな流れにこんなのを思いついてしまいました。
試験的に投下してみます。みなみ視点2レス。
344名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:49:02 ID:rcWAEgkL
 私は気付いてしまった。

 この胸の奥に疼き私を苛ませる感情の正体に。
 そしてその原因が何であるか、誰のせいであるかまで。

 恋。

 この感情はおそらくそう名づけられるものだ。
 私は今まで恋なんてしたことがなかったから、
 初めは頭がどうかしてしまったのではないかと思った。
 何をしていてもその人が頭に浮かんできて、気付けばその人のことばかり考えている。
 恋愛感情というものは異性に抱くものだと思ってきていたから、
 それが恋なのだと気付くのには随分と時間がかかった。
 また、同姓に恋愛しているという自分を信じられなかったということもある。
 しかし、もう誤魔化しようがないのだ。

「みなみちゃん、おはようっ!」
「うん、おはよう、ゆたか」 

 こんな風にゆたかや、もちろん他の友達と言葉を交わしてもなんともないのに、

「やふーみなみちゃん、おはよっ」

 こんな風に、話しかけられただけで胸の鼓動が早くなって、
 目も見られないくらいに緊張してしまう。
 元々流暢でない喋りはさらに拙くなり、挨拶の言葉すら口ごもる。

「お、おはようございます……『泉先輩』」

 それでも、こうして会えたことだけでどうしようもなく気分が高揚してしまう。

 私は間違いなく、泉先輩に恋をしているのだ。



 授業中、私は先生の言葉も聞かず、今朝のことを思い出していた。
 いつもと変わらない、けれど相変わらず私の心をつかんで放さない泉先輩。
 その声や、表情を思い浮かべるだけで、とても幸せな気持ちになる。

 でも、どうして泉先輩なのだろう。少し前、そう考えてみたことがある。
 特別仲が良いわけでもないし、趣味だっておそらくほとんど合うところもない。
 自分で言うもの変かもしれないけれど、
 私が好きになるとしたら、ゆたかのほうがありえそうなのだ。
 ゆたかは初めて出来た心から安心できる友達で、一緒にいると楽しいし、
 私が好きになる要素だっていくらでもある。実際、私はゆたかのことが好きだ。
 でも、それは泉先輩に抱くような『好き』ではない。
 結局いくら考えても二人に抱く感情が何故違うのかは分からなかったから、
 それ以来そのことについては考えなかった。
345名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:49:46 ID:rcWAEgkL
「岩崎さん、最近ぼーっとしてること、増えたよね」

 昼休み、いつものように四人で昼食を囲んでいると、田村さんにそう言われた。

「さっきの時間もそうだったし、」

 何のことかというと、私は先ほどの授業で先生にあてられ、
 話を聞いていなかったため答えられなかったのだ。
 もちろん理由は泉先輩のことを考えていたから。そんな理由は、言えるわけないのだけれど。

「今も」

 ということは、私はこうしてみんなと一緒にいるときでも、
 同じように泉先輩のことを考えてしまっていたのだろう。
 私は心の中で小さく溜息を付いた。

「何か悩み事でもあるの?」

 ゆたかが心配そうに私に聞く。
 悩み事。
 そう言われればそうなのかもしれない。
 私はこの恋心を、一体どうすればいいか分からないのだ。
 誰にも知られたくはないこの胸の内、
 しかしいつかは泉先輩に知ってもらいたい。
 でも、きっと迷惑。私なんかに好きになられても、きっと迷惑だから、
 私は日増しに抑えられなくなるこの感情を、今日も自分の中でなんとか抑え込む。
 そんな堂々巡りが少しづつ自分を苦しめていることも知っている。
 何度も諦めようとした。
 でも、朝ゆたかと登校してくる泉先輩に話しかけられるだけで、
 諦めかけていた恋心はまた熱を帯びてしまう。
 笑顔で挨拶してくれる泉先輩に、つい「もしかしたら?」なんて思ってしまう。
 罪作りな先輩。いっそ何もかも吐き出せたらいいのに。
 けれど、やっぱりこの気持ちは誰にも言えないのだ。

「ううん……大丈夫。ありがとう、ゆたか」

 出来るだけいつも通りに、私は言った。

 きっと、このまま何事もなく過ぎていくのが一番いいのだろう。
 私は思いを打ち明けることなく、少し苦しいけれど、
 草葉の陰から泉先輩を偲んでいるほうが、ずっと良いんだ。


 けれど、何事もなく過ぎてはくれないのが人生というものらしかった。
 私は放課後、ゆたかに呼び出されて、
 頬を赤く染め、けれど不安気な表情のゆたかに真っ直ぐこう言われたのだ。

「あのね……変に思われるかもしれないけど、
 私……みなみちゃんのこと、好きになっちゃったみたい……」

 言の葉を伝えて尚苦しそうな顔をしているゆたかを前に、私はどうすればいいのか分からなかった。
346名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:55:19 ID:rcWAEgkL
書いた以上は最後まで書いてみたいと思います。甘くなくてすみませんが…。

>>342
こなボールカワユスw
347名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 07:08:26 ID:mFoocngP
>346
やや硬めで、とても丁寧で、落ち着いた感じの文章ですね。

新境地といっても良い組み合わせですが、今後どんな展開になっていくのか……
続きをとても楽しみにしております。
348名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 07:54:33 ID:aDEK6YWY
>>346
好きなのにあまり見たことなかった組み合わせだから嬉しい。
文体も好みです。GJ!
349名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 15:31:16 ID:P1Vn0yhV
>>346
この展開は先が気になる!!どうなるんだろう

あとなんだか言葉狩りみたいになってしまって申し訳ないんだけど、草葉の陰だとみなみが死んでることになっちゃう…
350名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 16:28:25 ID:rcWAEgkL
感想ありがとうございます。こういう話を書くのは初めてでして、
出来るだけ丁寧に書いていけたらと思っております。

>>349
それは大変なミスですね…ご指摘ありがとうございます。
「草葉の陰から」を無くしたほうがいいですね。すみませんでした。
351名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 16:39:02 ID:T4zbtAxf
シンプルに「陰から」でよいかと。


ほら、草葉の陰はかなたさんの指定席だから。
35242-519:2008/06/20(金) 18:55:02 ID:rh79WWRr
誰も準備していませんでしたら、5分後に投稿します。
二輪の花 第11話
・みゆつか気味
・9レス使用
353二輪の花(1/9):2008/06/20(金) 19:00:12 ID:rh79WWRr
【第11話:dear you】

 高良みゆきは悩んでいた。
 胸が大きいこととか、近頃の社会情勢に対し憂いを感じているわけではない。
 最近のこなた達はおかしい。
 そうみゆきも感じ取っていた。この一週間、いやもう何ヶ月も続いているのかもしれないが、こなたやかがみをめぐる環境が不協和音を奏でていることに気づいていた。
 きっと隠し事をしている。そうみゆきは思う。

――どうしてなのか、と悲しくなる。
 確かに天然で、抜けているところはあるかもしれない。
 それでもみゆきは、精一杯こなた達の親友であるよう努力しているつもりだった。
 いまいち概念がつかめない「萌え」も理解できるよう日々努めているし、皆の役に立てるよう、それでいて知識をひけらかすような真似はしない用に注意してきた。
「……何がどうなっているんでしょう」
――私は、そんなに頼りないのか。
――私は、単なる友達でしかないのだろうか。秘密を秘密のままにされるような関係で、何にも役立たない、最低の人間なのか。

 親友――ですよね、私たち?
 自信のもてないに言葉を、誰に聞けばいいのか。みゆきは天井にある電球の光に、手をかざし、それから俯いた。
 こみ上げてきた感情を抑えるように、ぶるぶると首を振る。授業中であることに気づき、変な顔をされていないかあたりを見渡してみたが、さいわいみゆきのほうを見ている生徒は居なかった。
 
 はあ。
 ため息をつく。
 眼鏡ごしに通した教室は、灰をかぶったように色素が失われ、乾いた世界だった。
354二輪の花(2/9):2008/06/20(金) 19:01:37 ID:rh79WWRr
 9月22日、月曜日。
 朝目覚め、学校に向かう。
 みゆきはこなたやつかさに会い、
「おはようございます」
「やっほみゆきさん」
「こなちゃんおはよ〜」
 いつものように挨拶。ホームルームが始まり、担任の黒井の入室を合図にみゆきが、
「きりつー、礼」
 今日一日が始まる。
 
 お昼休み、以前にも増して、こなたとかがみの関係がギクシャクしていることに気づいた。
 二人は会話こそするのに、目を合わせようとしない。まるでお互いに避けているかのように、言葉を交わすだけだった。
「お二人とも……なにかあったのですか?」
「ううん、なんにも。ね、こなた」
「うん。ちょっとゲームで」
 みゆきは何を言うべきが悩み、結局何もいえずじまいだった。ゆるいウエーブの髪を困ったように触り、微笑む。
 諦めて、みゆきは持ってきた弁当を消化することに集中しようと、弁当箱に目を向ける。

 くいっ。
 袖が引っ張られた。顔を動かさずに目線だけずらすと、その手の主はつかさだった。みゆきは小声で「どうかしたんですか?」と聞くと、
「……うん。ゆきちゃん、お手洗い、いかない?」
「――わかりました」
 べたな誘い方だ。みゆきは心細そうにするつかさに、ウインクする。
 つかさがほっとしたように笑う。それから「ちょっとつかささんと職員室にいってきますね」
「……どうしたの?」
 こなたが疑問に聞いてくる。あれでいてこなたは鋭いから、みゆきは事情を悟られないように平然を装い、
「黒井先生に頼まれごとをされましたので、ね、つかささん?」
「え?……う、うん」
「でも、私は聞いていないけどなあ」
「泉さん、ホームルーム、寝ていましたよね」
「あれ、ばれてた? いやー、最近徹夜続きで…」

 たはーと、こなたはごまかそうとする。
 もともとそのこと事態に言及するつもりがなかったみゆきは、お体を大切にと笑いかけながら、
「そのときですよ」
「そっか、まあ頑張っておいで」
「はい――ではつかささん、行きましょうか」
「うん」
355二輪の花(3/9):2008/06/20(金) 19:03:14 ID:rh79WWRr
 こなたがホームルームのときに居眠りにしていたことを思い出し、とっさに機転を利かせた。
 女二人でトイレに行くことは決して珍しいことではないが、それでは数十分も欠席すれば不振に思われるかもしれない。
 その点教師の頼みごととなれば別だ。5時間目は世界史であるから、最高で5時間目ぎりぎりまで引き伸ばすことができる。
 つかさはかがみに、目で訴えた後「いってくるね」と、寂しそうに言う。かがみは「うん」とだけ返した。
 廊下に出ると、つかさはすうすうと深呼吸をした。ドアをしめると日常の喧騒のボリュームが一気にトーンダウンする。
 こなた達の談話はもちろん、クラスメートが何を話しているかも雑音と化して聞き取れなかった。

 みゆきも緊張しきった顔をとき、落ち着かせるように呼吸を整え、それから真顔で、
「……それで、何の用でしょうか?」
 白々しい自分が嫌いだ。
 つかさが呼び出したのは話があることはわかっていたし、つかさの気持ちを斟酌すれば、何が言いたくてこうして二人っきりになったのかもわかっているのに。
 それなのに自分から言い出せないことに弱さが憎い。
「うん、ねえゆきちゃん、あのときのこと、覚えてる?」
「つかささんが風邪でお休みしたときの話ですか?」
「うん………」
「覚えています――とりあえず、場所を変えましょう。つかささん、頑張ってください。私が、ついていますから」

 瞳いっぱいに涙をうかべたつかさをなぐさめるように励ます。
 みゆき自身、ここ最近の変化にどうすればいいのか悩んでいたが、つかさと比べていくらか大人びているみゆきは、つかさの前ではとにかく気丈に振舞おうと思った。
 それにみゆきよりもつかさの方が辛いに決まっている。かがみはつかさのお姉ちゃんだから。

 廊下をでて、女子トイレを通りすぎる。
 途中でみさおとあやのの二人にあったが、みゆきはいたって冷静に受け答えして分かれた。
 階段を降りたところで空き教室を見つけた。みゆきが中を確認するが、真っ暗で、人がいる気配はない。
 引き戸を真横に引き、扉を開ける。
 長い間使われていなかったのだろうか、人気を感じさせない、寂れた空気が教室中に漂っている。
 外の穏やかさと対比していた。
 快活な男子生徒がスポーツをしている声が廊下にまで響いている。まるで現実と非現実の境目であるかのように、異質な空気を醸し出している。
 数年前は使っていたかもしれない。机はざっと数えただけで40個近くはあったし、みゆきが立っている場所から数メートル先の床には傷や赤いペンの後が残っている。
 黒板は綺麗に消されていて、痕跡はなかった。
356二輪の花(4/9):2008/06/20(金) 19:05:03 ID:rh79WWRr
 こなたがホームルームのときに居眠りにしていたことを思い出し、とっさに機転を利かせた。
 女二人でトイレに行くことは決して珍しいことではないが、それでは数十分も欠席すれば不振に思われるかもしれない。
 その点教師の頼みごととなれば別だ。5時間目は世界史であるから、最高で5時間目ぎりぎりまで引き伸ばすことができる。
 つかさはかがみに、目で訴えた後「いってくるね」と、寂しそうに言う。かがみは「うん」とだけ返した。
 廊下に出ると、つかさはすうすうと深呼吸をした。ドアをしめると日常の喧騒のボリュームが一気にトーンダウンする。
 こなた達の談話はもちろん、クラスメートが何を話しているかも雑音と化して聞き取れなかった。

 みゆきも緊張しきった顔をとき、落ち着かせるように呼吸を整え、それから真顔で、
「……それで、何の用でしょうか?」
 白々しい自分が嫌いだ。
 つかさが呼び出したのは話があることはわかっていたし、つかさの気持ちを斟酌すれば、何が言いたくてこうして二人っきりになったのかもわかっているのに。
 それなのに自分から言い出せないことに弱さが憎い。
「うん、ねえゆきちゃん、あのときのこと、覚えてる?」
「つかささんが風邪でお休みしたときの話ですか?」
「うん………」
「覚えています――とりあえず、場所を変えましょう。つかささん、頑張ってください。私が、ついていますから」

 瞳いっぱいに涙をうかべたつかさをなぐさめるように励ます。
 みゆき自身、ここ最近の変化にどうすればいいのか悩んでいたが、つかさと比べていくらか大人びているみゆきは、つかさの前ではとにかく気丈に振舞おうと思った。
 それにみゆきよりもつかさの方が辛いに決まっている。かがみはつかさのお姉ちゃんだから。

 廊下をでて、女子トイレを通りすぎる。
 途中でみさおとあやのの二人にあったが、みゆきはいたって冷静に受け答えして分かれた。
 階段を降りたところで空き教室を見つけた。みゆきが中を確認するが、真っ暗で、人がいる気配はない。
 引き戸を真横に引き、扉を開ける。
 長い間使われていなかったのだろうか、人気を感じさせない、寂れた空気が教室中に漂っている。
 外の穏やかさと対比していた。
 快活な男子生徒がスポーツをしている声が廊下にまで響いている。まるで現実と非現実の境目であるかのように、異質な空気を醸し出している。
 数年前は使っていたかもしれない。机はざっと数えただけで40個近くはあったし、みゆきが立っている場所から数メートル先の床には傷や赤いペンの後が残っている。
 黒板は綺麗に消されていて、痕跡はなかった。


「誰もいないようですよ」
 無人を確認してみゆきはつかさに振り向く。
 つかさは何も言わず、ぎゅっとみゆきの袖の端を握った。その指が震えている。入りますね、とつかさを促し、二人して入る。
 生徒が使用されていない教室に入ることはあまり好ましくない。みゆきはそっとドアを閉めた。
「暗いね…、怖いよ、ゆきちゃん」
 今日の天気は良好とはいえないにしろ、空の総雲量は全体を10として6から8程度――つまり天気予報では晴れと予報される。
 だからいくらカーテンが閉めてあったと言ってもまったくの暗室になるわけではないが、それでも学校という正のイメージに対して薄暗い教室は異彩を放っている。
 握る指がいっそう強くなる。3−B組のとは電気をつけるスイッチの配置が違うらしく、みゆきは普段押しなれた場所によってもスイッチを見つけることができなかった。

「……ちょっと、待っていてください」
 入り口付近につかさを残し、みゆきは壁伝いに歩いた。
 スイッチを見つけボタンを押すと、壊れかけた電灯のように白熱灯が断続的にオンオフを繰り返した後、3−Bと同じように電気が付いた。
 
 つかさが寄ってくるのをみゆきは待ち、それから黒板の左端まで歩き、そこで止まった。
 教室の机の配置は縦に6列、横に6列。生徒側から見て黒板の左端は横の机の5列あたりである。カーテンは閉めたままにすることにきめた。
「なんだか不思議だね、ゆきちゃん」
「ええ、どこか、神秘的というか――私たちの学校なのに、そうでないような、そんな気がします」
357二輪の花(5/9):2008/06/20(金) 19:07:00 ID:rh79WWRr
 時計も幸い付いていて、きちんと機能しているようである。お昼休みの終わりまで、まだ30分近くあった。
 みゆきがつかさの顔を見ると、何かを決心しているようだった。みゆきは何も言わず、その言葉の続きをまった。ただ微笑んで、励まそうとした。
「それで、ゆきちゃん」
「はい」
 すうっと、新呼吸。みゆきは息を呑んだ。
「お姉ちゃんのこと、どう思う? ううん、お姉ちゃんや、こなちゃんや……他にも――ごめん、なんだか何言っているかわからなくなってきた」
「大丈夫です。私も同じ気持ちです」
「うん、ありがとう」
「……、最近のかがみさんと泉さん、そしてその周り。私も変だと思います」

 つかさは相槌をうち、
「ゆきちゃんがお見舞いに来てくれたときにいったよね。『お姉ちゃん、帰ってから私にあってくれなかった』って。可笑しいよね、それ。
 お姉ちゃんがそんなことをするなんて。
 私は元気なだけがとりえだから――うん、ゆきちゃんありがとう、フォローしてくれて――めったに風邪はひかないんだけど、引いたときはいつだってお姉ちゃんはそばにいてくれたのに」
 遡る事一週間以上前のことだ。
 
「ねえ、ゆきちゃん。どうなっているのかな? 最近、私、どうしたらいいんだろう」
 えぐえぐと、こらえきれず涙をこぼすつかさを、みゆきは優しく肩を抱く。
 泣いちゃってごめんねと謝るつかさをみゆきはとにかく励まそうとした。
「私……嫌だよ。こなちゃんとお姉ちゃんの仲が悪くなることも、お姉ちゃんが辛そうなのも」
「わかっています」
 ならば、どうすればいいのか。
 それがみゆきにもわからず、ただ同調するしかなかった。
 だが確信めいた気持ちがある。今日一日中みゆきを悩ませていた疑問に対する答えが、目の前にあった。
「二人で考えませんか?」
 一人で悩んでいても仕方ない。だから今は口に出して、つかさの言葉を聞こう、そうみゆきは思う。
 不思議そうにするつかさが愛しい。
 だってという言葉を頭に思い浮かべながら、
「私はつかささんの――親友ですから。もちろん泉さんやかがみさんも」
「…うう、うん、ぐすっ、あ、ありがとう、ゆきちゃんっ!」
358二輪の花(6/9):2008/06/20(金) 19:08:16 ID:rh79WWRr
 うわああああん!! と子供のような泣き声をあげる、つかさをみゆきは抱きしめた。
 つかさの頭が胸辺りに落ちている。背中に腕を回し、優しく抱擁する。
「ごめんね、ごめんね……私、弱くて、泣いちゃって」
「いえ……気持ちは同じですから。だから今はつかささん、ご自分を大切にしてください。泣いてしまったっていいと思うんです。そうしたらすっきりしますから、その後二人で考えましょう。どうすればいいかを」
「う、うん」
 本題に入るのはそれからでいい。
 何度も何度もつかさの背中を擦って、みゆきは、どうすればいいか考え続けた。

「やはり、泉さんに聞いてみるしかないと思います」
 十分ほどたち、お互いに落ち着いてきた頃、みゆきは切り出した。昼休みは1時間程度だし、後15分もない。
「…こなちゃん、話してくれるかな」
「わかりません。わかりませんけど、努力するしかないと思うんです」
「そっか、そうだよね」
「なんとか聞きだせるように努力します。だからつかささん、安心してください」
 みゆきは精一杯の笑顔で微笑みかけた。
 つかさはぼーっと立った後、うん、と小さく息を漏らして。
 みゆきに抱きついた。
「え、ええ!?」
 驚くみゆきをよそにつかさは顔をあげて、みゆきの唇を奪う。
 身長さの関係上、つかさの体制は多少無理のあるものになる。みゆきは顔を赤らめながらも、屈んで、つかさの身長にあわせた。
 経験したことのない間隔が唇を通してみゆきに伝わる。水分不足と、気温で乾きがちだった唇が湿り気を帯びる。
 頭の中ではぐるぐるとえっと私たちっていやでもつかささんはかわいいですしと、混乱していたが、つかさの気持ちを拒むことも、そうする気を削ぐ効力にはなりえなかった。
「……ん」
 つかさの唇から甘い声が漏れる。
 どちらからかはわからない。甘い甘い余韻とともに二人は離れた。
 誰もいない教室に、シルエットが二人。
359二輪の花(7/9):2008/06/20(金) 19:09:29 ID:rh79WWRr
「ごめん、ゆきちゃん」
 あう…とつかさが謝る。
 出来心だったとつかさが弁明する。どうしてだか急にみゆきと重ね合わせたくなって体が言うことを聞かなかったと、あわてて説明。
「いえ……その、ちょっと驚いてしまって」
「そうだよね、私何やっているんだろ。いや、だよね……私なんかが、キスしちゃって」
「そ、そんなことはありませんよ」
「ほんとに?」
 罪悪感か、また泣きそうな顔をしているつかさをみゆきはあわててフォローする。
 実際、嬉しいという気持ちの方が強かった。
 親友として一緒にいただけなのに、改めてまじまじとつかさを見ると、とても可愛らしい。
 ぼーっとつかさを見つめていると、つかさがクエスチョンマークを浮かべて見つめ返してくるので、みゆきは眼鏡をかけなおすふりをしながらすっかり赤くなった顔を隠そうとした。
「ええ……なんていえばいいのかわかりませんが、ほわあっとした気持ちになりました」
「あはは、それわたしみたい」
「そうですね」
 みゆきは微笑んで、つかさの頬にキスをした。つかさが恥ずかしそうにもじもじする。
「よかった、ゆきちゃん怒ってなくて」
「どこにもそんな理由はありませんよ」
「うん、ありがとうゆきちゃん」
 天使が通ったかのように、会話が途切れる。

 みゆきはこの感覚がなんだかわからないけれど、つかさのことが可愛くて仕方ないと思った。
 物心ついてから、親であるゆかりを除けばファーストキスだったのだけれど。
 奪ったのがつかさで、本当に良かった、とみゆきは思った。

「…とにかく」
 閑話休題。沈黙をやぶり、話を元に戻そうと、大きく席をしてみゆきは切り出す。
「泉さんに聞いてみましょう。今私たちができる最善の方法はそれしかありません。しばらく私に時間をください。どうやって聞こうか、考えます。それで、いいですか?」
「わかった。ゆきちゃんがそういうなら、私も頑張る」
「ええ、頑張りましょう。
 私はつかささんの親友――ですから」
 うん、とつかさが顔を赤らめるのを、みゆきは幸せそうに見つめていた。
「私は、つかささんのことが好きですよ」
「わ、私も! ゆきちゃんのこと、好きなんだと思う」
 顔を見合わせる。
 二人して微笑んだ。
360二輪の花(8/9):2008/06/20(金) 19:11:04 ID:rh79WWRr
***

 みゆきとつかさが離れた後、二人は無言のままだった。
 単純な話で、お互いに話しかけようとしない二人に会話が生まれるはずはない。
 こなたは黙って弁当箱をつついていたし、かがみはつかさが残してきたメロンソーダを数分おきに一口ずつ飲んでいた。
 はたからみれば異様とも取れる光景だが、学校の教室では誰も気にとめない。
 時々は二人ともちらりと顔色を窺う。偶然の一致で目が合う。しかしすぐにお互い目をそらす。
 みゆきとつかさがいないので、こじれた関係を隠す必要がない。
 二人が教室を出た後、こなたとかがみはずっとこんな調子だった。
 
「…こなた」
 意を決したようにかがみが聞く。こなたは曖昧な視線をおくりながらも、何、と言葉を返した。
「この前のこと」
「……ゆーちゃん?」
「うん」
「二人は、そういう関係だったんだ。ごめんねかがみ、気づかなくて。てゆーか私空気読めなかったね。ごめん」
「だから、それは――」
 かがみが違うと言おうとしてこなたの机にどんと手をたたいた。
 そのとき腕がこなたの弁当にあたり、床に落ちた。
「あ……」
 言葉が尻すぼみに小さくなる。かすれるような声で、ごめん、とかがみが謝った。
「いいよ別に」
 もともと食欲もなかったし、とこなたは付け加えて、床に落ちた箸を拾って弁当箱にしまう。
 かがみが差し出したティッシュペーパーを受け取り、床にばらまかれた冷凍の唐揚げと、ほうれん草のおひたしを拾った。
 何枚かペーパーを取り出し、それを包んで丸め教室の端にあるゴミ箱に投げ捨てた。
「スラムダーンク」
 こなたは一人でぼけてみたが、正直寂しかった。
 その上、下投げで投げたのに外した。仕方なくゴミ箱にまで歩き、かがんで再度ゴミ箱に捨てた。
 こなたがごみを捨てていると、教室の扉ががらがらと開き、みゆきとつかさと鉢合わせた。
361二輪の花(9/9):2008/06/20(金) 19:11:56 ID:rh79WWRr
「用事、終わったんだ?」
「ええ」
「うん」
「大変だったね〜、ほとんど昼休み丸つぶれじゃん」
「そうですね、お昼も中途半端でしたし、ちょっと午後の授業が厳しいかもしれません」
「私おなかぺこぺこだよ〜」
「まあ次は黒井先生だし? 黒井先生のせいでこうなったんだからいっそのこと授業中に食べちゃえば?」
「そんなことするの、こなちゃんくらいだよ〜」
「む、失礼な。私だってたまにしかやってないよ」

「……たまにはやっているのな」
 こなたの背後から声がする。かがみだ。
「かがみさん、お出かけですか?」
「てゆーか昼休み終わるし。教室に戻らないといけないじゃない」
「あ、そうですね」
 二人が入り口を占拠していて、かがみが出られないことにきづき、つかさはあわててどいた。
 こなたとかがみはお互いに何か言いたげだったが、目と目があった後、辛そうに目線をずらした。
「じゃあね、つかさ、みゆき、こなた」
「…うん、またね」
 廊下に出ながらかがみは挨拶をする。こなたも答える。
「ただ、ひとつだけ覚えていて」
 窓までかがみは歩いた後、正面にいたこなたに振り返った。やや後ろにみゆきとつかさ。諦めがにじみ出た寂しい、かわいた微笑をたたえながら、
「―――に、私は黄色のカーネーションをあげたんだよ」
 すぐに後ろを向いて、小走りにかがみは教室に向かい走り出した。
 よく聞き取れず、後ろの二人は首をかしげていたが、こなたにはその声が、いやに鮮明に、主語が補われて耳朶に響いた。
36242-519:2008/06/20(金) 19:13:43 ID:rh79WWRr
以上です。>>355>>356で投稿ミスを犯してしまいました。ごめんなさい。
>>355を飛ばして読んでいただけるとありがたいです。
363名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 19:39:35 ID:T4zbtAxf
>>362
みゆつかでほんわりしながらも、対ゆーちゃん用の「最後の言葉」をこなたに預けたかがみに燃えたぎりました。


こなたが告げるべき解釈を誤らないように祈りながら、ぐっじょぶ。
364名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 20:14:32 ID:0gKd3S5A
>>328
胸無いから男の子みたいwww

>>346
新境地GJ

>>362
終わりが見えてきましたねGJ !
ここから4人の間でどんな駆け引きが展開していくのかとても気になります
こなたが黄色いカーネーションの意味に気づくのはいつ・・・?
365名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:34:20 ID:YeakbrnH
>362
息苦しさが限界に近いです!
こなたとかがみに幸せを!
そして何より、ゆたかちゃんに正しい道を!
GJ!
366まだry:2008/06/21(土) 01:27:30 ID:mY2gBGn5
誰も投下する人がいないようであれば投下したいと思います。
かなたxそうじろうxこなたです。
367続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:30:04 ID:mY2gBGn5
「ん〜1時間以上は経ってるかねぇ〜」
時間が気になりイマイチゲームに入り込めない。
「ふぅ〜……やっぱり居間で待ってるか?」
誰に言うでもなく自分に言ってみる。
「ん〜〜いやいや、お風呂から出てきたら声くらい掛けてくれるだろうし……別に居間にいる必要もないじゃん…」
自分に言い聞かせるようにつぶやき、再びゲームを再開する。
「……………んああああぁぁぁ〜〜!!だ〜〜めだぁぁ〜〜!!」
頭をわしゃわしゃとかきむしる。
「……はぁ〜もぅ!!…気分転換に何か冷たいものでも飲むか」
ただ、ジュース類を取りに行く、もしくは飲みに行くだけならばわざわざゲームを中断してPCを終了する必要も
ないのだが、なんとなくPCを終了して、自分の部屋を後にする。
「気にならないって言えばやっぱ嘘になるよね……好き合ってる…んにゃ、愛し合っているもの同士がお風呂だもんね、
しかもお母さんは当時のままだときてるし、何も起こらないと考える方が無理があるというもの。そしてこの経過時間、
いやーもう、間違いなく18禁な世界なんだろうけど…お父さんはともかくお母さんはちょーっと想像がし難いな…
まぁ、わたしが産まれてる訳だし、想像がし難いってだけで実際には…ん〜〜なんだけどさ」
ゲームやらネットやらで仕入れた知識画像動画を元にして何気にそうじろうとかなたのそんなシーンの脳内再生を
試みてみるのだが、アブノーマルな方向に暴走するそうじろう単体は簡単に再生されるのだが、かなたとセットで
となると、途端に想像がつかなくなるというか、モザイクがかかるというか、脳内再生を脳みそが拒否しだすというか。
自分に瓜二つな母親のそんな姿を想像したくもないといったところなのか、理由はよくは判らないが
脳内再生および脳内妄想が機能しなくなってしまった。
「だ、ダメだ。お母さんだけはどーにも…」
一度、脳内思考をリセットして違うことを考えてみる。
「…わたしもいつかは好きな人が出来て、そして、お母さんみたいにお母さんになるのかな…」
ちょっと想像してみる。
「んん〜……お母さんか…わたしが、お母さんになる……」
軽く妄想してみたが、すぐに脳内より妄想不可の答えが帰ってきた。
「…はぁ〜〜、ダメ、全然ダメ。そーれこそ想像もつかないよ」
はぁ〜っとため息をつく。
「こっそり覗きにでも…あぁ〜だめだめ、何考えてんだわたしは。それは、だめだってば。
ん〜やっぱり、やってるのかな?…だよね、そら、ま、当然か………ん?」
向うから腕組みしながら歩いてくるのが見えた。
そのまま、二人に吸い寄せられるように近づいていく。
368続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:30:32 ID:mY2gBGn5
「もう上がっていいの?まだまだ時間はあるよ?」
とりあえずは当たり障りの無いことを聞いてみる。
「いやーこれ以上入ってるとのぼせちまうよ」
そうじろうが団扇でパタパタ扇ぎながら答える。
確かに二人とも結構赤く、軽くゆでだ状態に見える。
「確かに二人とも結構赤いね」
ほんとに湯船に浸かり過ぎで赤くのぼせてるだけなのか、どうなのか…気になる所である。
「はははは、だろ?ちょ〜〜〜っとばかし、昔話に花が咲いちまってな。20年近く溜まってたから、話すこといっぱい
あってな。そしたら時間があっという間に過ぎちまってな、湯当たり寸前になっちまった」
そういえば、そうじろうが答えるばかりでかなたの声が聞こえない。
目線をそうじろうからかなたへと降ろして良く観察してみる。
なんとも言えない満ち足りた表情で、そうじろうを見上げながらその腕に抱きついている。
(う〜む、こりゃ、ま、あれですな。黒ですな。やってますな)
「ふぅ〜〜〜ん」
にや〜っと目を細めて疑いのまなこで二人を見つめる。
「あははは……ん?なんだ?どうした?」
ニマニマとしつつ
「ほんとは激しく運動しすぎて?」
ほぼ確信したこなたが、からかい気味に探りをいれる。
「いやいや〜そんなには激しく運動はして無…ってこら!こなた!」
思わず答えてしまい、苦笑いのそうじろう。
「へへへ、いやいや別にいいじゃん。夫婦なんだしさ」
なんとはなしに嬉しげなこなた。
苦笑いで誤摩化すそうじろう。
そして、恥ずかしげにうつむいてしまうかなた。
三者三様な反応を示す。
「ちょうどなんか飲みに行く所だったんだよ。居間で待っててよ、なんか冷たいもの持ってくから」
そのまま台所の方へと消えて行く。
投げっ放しのまま放置されてしまった二人。
「…はは…さて、いこうか」
369続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:31:00 ID:mY2gBGn5
「はい、おまち〜」
こなたがコップをテーブルの上に置いて麦茶を注いで行く。
「お父さんはビールの方が良かった?」
なんとはなしに聞いてみる。
「あ〜いやいや、麦茶で十分さ」
と言いつつ一気に飲み干す。
「くはぁ〜、おかわり!!」
トンッとコップを置く。
こなたが空になったコップに麦茶を再度注ぐ。
「あ〜はいはい。しかし速いね。1杯飲むのに1秒かかってないんじゃない?」
「んぐんぐ…………ふぅ〜〜……まぁ〜喉カラカラだったしな」
2杯目も速攻で飲み干し、コップを目の前に置く。
「どんだけ喉乾いてたんだか……あ〜はいはいっと」
コップに再び麦茶が注がれて行く。
「ふふふっ、親子って言うよりもまるで夫婦みたいね」
二人のやり取りを見ていたかなたが可笑しそうに言う。
「んむ〜〜そうかな?」
困惑した表情のこなた。
「ええ」
笑顔で答えるかなた。
「おぅぅ……そんなん言われたのは初めてだね…」
こなたにとってはあまりうれしくはないような感じである。
「いや〜お父さんは嬉しかったりするぞ?こなたも、もっと喜べ〜」
「ちょっっっお父さん。何を言うかな?わたしは娘だよ?」
「娘が嫁!いいじゃないか。愛しの娘が嫁だなんて…嗚呼想像しただけで…イイ!!最高じゃないか!!」
ちょっと違う世界にトリップしてしまったのか暴走しだす。
そんなそうじろうが可笑しくてたまらないかなたが、笑いを噛み殺しながらちょっと突っ込みをいれてみる。
「あらあら、そう君ってば。ちょっとこなたに嫉妬しちゃったりして」
かなたの声に、異世界から即座に現実世界へと引き戻される。
「あ!いや、ち、違うぞ?かなたは別格というか、当然、俺の嫁はかなた只一人な訳だが、
そうじゃなくて、そうじゃなくてだな、この……なんていうか、その、だな……あの、その、えと……」
しどろもどろにメロメロに溶けて行くそうじろう。
「まったくも〜〜、どんな想像をしていたんだか…おバカさんなんだから」
あたふたと焦っているそうじろうとは対照的に楽しそうに笑っているかなた。
(夫婦みたい…か。でも、二人の夫婦そのものに比べたら、全然だと思うんだけどねぇ〜
しかし、お母さん楽しそうだなぁ〜お父さんの弄り方が上手いというか扱い心得てるというか)
見てて飽きない二人のやり取りを微笑ましく見守っているうちに、
あぁ〜こういうのもいいなぁと、なんとはなしに思ってしまう。

370続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:31:22 ID:mY2gBGn5
「お母さん?」
「ん〜?なぁに?」
「んん〜〜なんて言うか…お母さん見てると、お母さんみたいになるのもいいかなぁ〜ってさ…
わたしも、いつか、お母さんみたいなお母さんになれるのかな?」
「ど、どうしたの?突然にそんなこと聞いてきたりして」
「あ〜ん〜…その、なんて言うかさ、お母さん達見ててさ、なんかね、いつか自分もそうなりたいなってね。
でも自分がお母さん達みたいにしてるとこ全然イメージ湧かなくて」
こまったこまった、とばかりに麦茶片手に額に手をあてる。
まるで、ビール片手に悩み事を吐き出す酔っぱらいかのように。
「んも〜どこのおやぢですか!!……て、まぁ、こなたなら大丈夫ね、家事も問題なく出来てるし、
オタクではあるけれど人としてダメなことはダメって教えて上げることが出来るちゃんとしたお母さんになれるわ。
お母さんが保証しちゃう」
笑顔で答える。
まるで天使のような笑顔で。
その笑顔から、理由はわからないが、ものすごい安心感を与えられる。
今は想像すらつかないけど、きっと……
そんな気にさせてくれる不思議な笑顔の力に、こなたの顔も自然と緩んで行く。
そうじろうが胸を張って
「はははは…そうだな、かなたの言う通りだな。お父さんも人としての道は踏み外さないようにしっかり育てて
来たつもりだし、実際、しっかり育ってるしな」
歯がキラーンと意味も無く光りそうな感じで、爽やかな笑顔でサムズアップをする。
「ん、んん〜、そ、そう?なんか照れるな…ま、お父さんは人として、なーにか間違えてる所があるような気が…
っていうか、思いっきり踏み外してるときがあるとは思うけど、それも良い反面教師だしね」
「そうね、身近にダメの典型がいるから、こういう風になってはいけませんって判り易いものね」
「そうそう」
ふたりが意気投合して、うむうむと頷き合う。
「あっ、ちょっ、まっ……ふたりして、きっついなぁ〜〜……。確かに否定はできんが
ちょっとはフォローもしてくれても良いんでないかい?」
予想通りというか、お約束の答えにわかっちゃいるが、やはり凹み気味になる。

371続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:31:44 ID:mY2gBGn5
「否定できないんだ」
追い討ちをかけるかのように突っ込みが入る。
「ま、まぁな。お父さんこんなんだけどそれは自覚してるさ、世間様からズレてることぐらいな」
ふぅ〜とため息一つ。微妙に切なげな表情にも見えなくもない。
「嘘ついちゃいけないとかさ、人様に迷惑かけちゃいけないとかさ、いいところもいっぱいあるんだけどね」
なんとはなしにフォローっぽいのがこなたより入る。
「ははは、最低限、人としてやってはイケナイこととかはさ、ちゃんと守らんとな」
「お父さんにそんな事言われてもなぁ〜…いまいち説得力がないというか…お父さんの場合、ほんと、微妙…
いや、なんていうかさ、古風というかお堅いというか妙にしっかりしてる部分もあるし、甘やかすだけじゃなくて
しっかり叱れる、そんな良いお父さんなんだけどさ……ねぇ、お母さん」
猫口のまま、やれやれという目でかなたに向き直す。
「あらあら、褒めてるのかけなしてるのか、それじゃわからないわね」
クスリと微笑む。
「そんなそう君でも…って語弊があるけれど、ちゃんといいお父さん出来てる…ううん、出来てるって言い方、
変よね。もともとそう君はちゃんと出来る人なのよ。ただ、普段があんなだから、ぼやけて見えないだけ。
誤解を受け易い人なのよね」
微笑みながらこなたに優しい目線を送る。
「ちょっと話がずれちゃったけど、今はイメージとかが見えなくても気にしなくていいと思うの。
こなたはこなたのまんまで…今のままで。難しいことなんて何も考えなくても大丈夫よ。
ちゃんとお母さんになれるから。お母さんだって、こなた位の時に自分がお母さんになるなんて想像できなかったわ。
……そう君のお嫁さんになるのかなぁ〜くらいで、そんなに深くなんて考えてもいなかったのよ?
家事だって、今のこなたほど出来なかったし。まぁ、なんていうのかしら、人間、なるようにしかならない訳だから、
なっちゃった時に考えればいいんじゃないかしら?なぁーんて言ったら、ちょっと無責任かしらね?
でも、さっきも言ったけど、こなたならきっと大丈夫。素敵なお母さんになれるわよ。
だって、わたしの娘なんですもの。わたしが出来ることはこなたにも出来るわ」
笑顔のまま、ペロッと舌を出してみせる。
「お母さんにそう言われるとなんか納得できちゃうから、お母さんは不思議だよね」
えへへへっと笑顔を返す。
372続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:32:08 ID:mY2gBGn5
なんてことは無い雑談をしつつ、時間が過ぎて行く。
だんだんと時計の針が24時に近づいてくる。
そうじろうがおもむろに立ち上がりる。
「ちょっと…二人ともこっちに来てくれないか?」
そうじろうが二人を呼ぶ。
「ん〜お父さん、どしたの?確かにもうすぐ時間だけどさ」
「なぁに?そう君?」
二人が、言われるがままにそうじろうの隣りへとやってくる。
かなたとこなたの後ろから二人の間に入り、二人の肩に腕を回し自分の方へ抱き寄せる。
「かなた……こんな俺と一緒になってくれてありがとうな…
そして、こなたもありがとな…こんなお父さんと居てくれて…」
大まじめな表情で語る。
「ちょっ、どうしたの?お父さん。らしくないよ?」
困惑したこなたがそうじろうを見つめる。
「まぁな。らしくないかもな。でも、こうやって親子3人揃うなんてこの先あるのかどうか…
いや…先ず無いって考えるのが妥当だろうしな…だから、今のうちに俺の素直な想いを伝えたかったんだ」
微妙に目が潤んでいるように見えた。
「お父さん……」
言葉に詰まるこなた。
いろいろと言いたいことがあるのだが、言葉として出てこない。
「……ありがとうだなんて……わたしこそありがとうだよ…お父さん…」
どうにかして紡いだ言葉。
もっと伝えたいことが、想いがあるのだが、どうにも言葉にならない。
この想いはいつかきっと伝えるからと、もどかしさを心にしまって。
「そう君…わたしも…わたしからもありがとう…わたしを選んでくれて。
わたしの良い所も悪い所も、全て認めてくれて包み込んでくれた…そう君と出会えてよかった…
いろいろあったけど、わたし、幸せだった…そして、今でも幸せ。
それに…今日は、こなたの思い出として残る事もできた…短いようで長い2日間だったけど…あっという間ね」
「ああ…あっと言う間だったな。時間がこんなにも短く感じるとはな」
そうじろうがかなたを見つめる。
「そだね…ホントにあっと言う間だったよね。でもね、今日のことは絶対に忘れないからさ。
だからさ、また、来てよね。別に幽霊状態で実体化出来なくても構わないからさ」
こなたもかなたを見つめる。
「二人の思い出の中で生き続けてきてたから、今回みたいな事が起きたのかな?ってわたしは思うの。
もうじき、もとの幽霊に戻って、そして意識も消えて行く…そして次に意識が戻るのはいつかさえわからない。
そもそも、意識が戻った所で実体化出来る保証もない…次に逢えるのは何時になることやら…
それでも、わたしは忘れない…静かに見守ってる。そして、待ち続ける…必ず巡り合う時を信じて。
…逢いたいって想い続けてれば、きっとまた逢えるから…」
二人を微笑みつつ見つめる。
「そろそろ時間…かしら…ね」
そうじろうとこなたから、かなたが一歩、二歩と前にでる。

373続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:32:36 ID:mY2gBGn5
バサッ!!
翼が羽ばたくような、そんな音が聞こえた。
かなたの背中から背丈ほどもある大きな白い翼が伸びていた。
静かに大きく広がっていく翼。
かなたが振り返る。
と同時に、かなたが徐々に浮き上がり、少しづつその身体が透けて行く。
「お母さん!!お別れは寂しいけど、でも、もう泣かないよ。昨日、今日とさんざん泣いたからね。
それに涙で別れると、なんか、もう逢えなくなるような感じがするしね。だから、笑顔でお別れ!!」
かなたに向け親指を立ててサムズアップする。
「……………」
かなたが何かを言っているのが、口元を見てて判るのだが
なにを言っているのか、こなたには声が届かなくなってしまったようだ。
それでも笑顔で手を振っているのだけははっきりと判る。
こなたも負けじとはち切れんばかりの笑顔でブンブンと手を振る。
バサバサバサバサッ!!
翼が大きく羽ばたく。
その大きな翼でかなた自身を覆い隠すように羽ばたき、白い羽が辺りに舞う。
「さ よ う な ら !! ま た ね !!」
声として聞こえた訳じゃなく、頭に、そう直接響いたような気がした。
「うん!!またね!!!!」
大きな声で返事をする。
かなたの姿が完全に視界から消えて無くなった。
上空をひらひらと舞いながら落ちてくる白い羽達を残して。
その内の一つがこなたの前にひらりひらりとやってきた。
ほぼ無意識に、はしっと掴む。
その他の羽も、ひらひら舞い落ちながらこなたの目の前を次々と通過して行く。
膝辺りまで落ちてきた羽がすーっと薄くなり消えて行く。
そして、大量に舞っていた白い羽は全て消えて無くなってしまった。
こなたが手にした羽を除いて。
じーっと羽を見つめる。
(お母さん………か………)
羽を持つ手に、不意に水滴が落ちてくる。
(ん?……あ…れ…?……いつの間に?)
すーーっといつの間にやら滲み出していた涙が静かに流れ落ちてきていた。
それ以上流れ落ちてこないように静かに上を見上げる。
見上げた先に見えるのは先程かなたが消えて行った天井付近。
(もう泣かないって決めたのに……なんで…どうして…そんなに悲しいとか寂しいか…思ってないのに…)
そのまま、ぼーーっと天井を見上げる。
(…違うな…悲しくない寂しくないって思い込んでるだけ、悲しいことを…寂しいことを認めたくなかった、
認めないようにしてた、認めたら何かが壊れそうで…昨日、お母さんにどうしようもないこと言っちゃった
ように、きっとお父さんを困らしちゃうから……だから…多分…無意識にそうやって…封じ込めてたんだろうな…)
「こなた…んん〜〜…その…どうした?」
ふいに後ろから声がかかる。
「ん〜〜〜いや…別に…」
振り向かずに上を向いたまま答える。
「…そか……」
「ねぇ、お父さん…」
「ん〜〜?」
「お別れって、悲しいね……こんなにも悲しくて、寂しくて、辛いことだったんだね…」
「…ああ…だな…」
「もう泣かないって決めてたのにお母さんがいなくなっちゃったら、やっぱり涙がでちゃったよ」
「……そか……」
374続 ここにある彼方:2008/06/21(土) 01:33:04 ID:mY2gBGn5
会話が途絶える。
数分程度なはずが随分長くにも感じられる。
「…なぁ…こなた…悲しい時には泣いてもイイと思うぞ?」
そうじろうがぽつりとつぶやく。
「……んん…大丈夫」
つぶやき返す。
「…………あのね…お父さん…お母さんに逢って気がついたんだけどね…お母さん居なくて寂しくないって
前に言ってたけど…やっぱ、寂しかったのかなぁ〜って…別にお父さんがどうとかって訳じゃないんだけどさ…」
相変わらず、振り返らずに上を見上げたまま答える。
「…ほんとは、お母さんに逢いたかった、居なくて寂しかった…でも、そんなことお父さんに言ったって
どうにもならないし、そんなこと言って困らせたくなかった…なんかそんなこと言うとお父さんに嫌われそうで
怖かったのかなって…だから、居なくても寂しくなんか無いって自分に言い聞かせて、そう思い込んでたんだと
思う。自分にうそ付いてて、それをいつの間にか本当のこととしてたんだなって」
見上げることをやめ、振り返る。
涙がこぼれているが吹っ切れたような笑顔をみせる。
「…やっぱり、片親で無理させてたんだな…すまなかったな…」
「ううん、お父さんが謝ることなんてないよ。むしろ、いままでありがと。お父さんのおかげで寂しさに
気がつかなかったっていうかまぎれてたというか…寂しくなかったってのはうそだけどホントでもあるんだよ?」
そうじろうがこなたの傍らへと行き頭をわしゃっとひと撫でする。
「ははは、そうか、ありがとな」
キリッとした普段は見せないまじめな笑顔を見せる。
初めて見たかもしれないその表情に、素直にカッコいいと思ってしまった。
(もしかして、お母さんにはこういうとこも見せてたのかな?確かにカッコいいかもね)
「ふふん…お父さん…普段はロリコンでスケベでオタクなダメ人間なくせに…カッコいい顔しちゃって」
あたまの後ろで腕を組み、まだ涙の乾いていない顔で照れ隠しに突っ込みを入れる。
「なにおぅ〜こいつぅ〜」
あっという間にいつもの間の抜けた顔に戻り、こなたの頭をぴんっと軽く指でつっつく。
「へへ♪」
涙を拭い、はなさきを指でぐしぐしとする。
「さて、来週にはゆーちゃんも戻ってくるし、後片付けでもしますか!!写真も整理しないとね」
いつもの元気な姿に戻ったのを見て一安心するそうじろう。

(来てくれてありがとな。そして、またねって言ってたよな……かなた…またな!!)
懐に忍ばせた白い羽を握りしめつつ、かなたが昇って行った天井付近を見つめる。
(ええ…また逢いましょう)
かなたの返事が聞こえた。
気のせいではなく、そうじろうの頭に直接響いたような、そんな感じであった。
天井付近を見つめながら目をつむる。
まぶたに、笑顔で手を振るかなたがいる。
単なる幻なのか、まだそこに居るのかは判らないが、手を振っている映像が流れている。
(ああ、また逢おうな。それまで待ってるぜ!!)
目を開け、現実世界に戻ってくる。
「さぁ〜てと、こなた、お父さんも手伝うぞ」
〜終〜
375まだry:2008/06/21(土) 01:34:18 ID:mY2gBGn5
以上です。
かなたさんのスレから始まったこのSSも、とうとう終わってしまいました。
そもそもは、このまま終わらすのは勿体ないな、ちょっと続きを書いちゃえという、
リレー小説の感覚で書き始めたのにこんなにも長くなってしまうとは(汗

今まで読んでいてくれていた人も、そうでない人も、
長い間ありがとうございました。
それでは。
376名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 02:06:53 ID:2g/cFKsc
>>375

お 待 ち し て お り ま し た

感動の親子物語、堂々の完結、まずは、お疲れ様。

笑いあり、Hあり、そして感動あり〜の大作。

ほほえましき泉家、ありがとう!
377名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 03:26:31 ID:uyO+qaAb
>>362
みゆつか来たよ。二人ともかわいいよ、最高にグッジョブ!!!
みゆつかはこなかがと同じくらい好きなカップルだから、嬉しいw

>>375
深夜までねばった甲斐があった!!!w
少し泣いてしまった…ほんとあったかいよ泉家…完結ご苦労様でしたっ!

まつたけご飯、二輪の花、そしてかなたさんと最近、俺好みのSSが畳み掛けるように出て来て感涙…
378名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 03:27:59 ID:uyO+qaAb
感動で…sage…忘れて…しまった…と思ってくれ………orz



とりあえず、こなかが・つかゆき大好き。
379名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 04:08:34 ID:PHsNTgLq
>>375
GJ!そうじろうカッコ良すぎですw そしてお疲れ様でした。
380名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 06:56:33 ID:gSudcz9T
ああ……俺内部でてけてけかなたさんと並ぶ、かなたさんSSの双璧が終わってしまわれた……。


もっともっと泉ファミリーのゆるゆるまったりな日々を見ていたかったのですが。
ここはこなたにならって、笑顔でお別れしたいと思います。
連載完結、お疲れ様でした。
381名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 07:25:36 ID:M9puGa6A
>>362
GJ!
ここでみゆつか分とわ。
少し暖かくなれた・・・けど。
かがみの一言、それが今のかがみにできる、最大の抵抗みたいなものなのかな…
こなた、早く…一刻も早く理解するんだ!

382名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 07:38:58 ID:tkbso/Nd
>>375

リレーの一番手ですw


完走乙っした、そしてGJ!
まさか、あの戯作からここまでの良作になろうとは思いませんでした。
またお盆の時にでも降りてこないかなぁ……お母さん。
383名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 18:30:20 ID:yjK5Fl9/
てす
384名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 20:05:46 ID:th+MCpyC
そろそろゆたかがあはんなうっふんな萌えSSがみたいのですよ
385名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 20:59:29 ID:8QVAxhAY
そろそろコミケ三日目前夜サークルチェック中にうっかりうたた寝して始発乗り過ごしそうなところを
「変なとこは似なくていいのに…」
ってかなたに起こされるこなたのSSが俺以外の誰かの手によって作られる頃合いだと思うんだ
386名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 21:32:33 ID:yQxFaCRs
そういったSSではないのですけど、他に投下される方が
いなければ3分後くらいに投下します
38716-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/21(土) 21:35:26 ID:yQxFaCRs
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。

■かがみ→こなた
■エロなし

7レスになります。
388冬/きれいな感情(第六話)1/7:2008/06/21(土) 21:35:58 ID:yQxFaCRs
§10

 ――暗闇。
 ――暗闇。
 ――暗闇。

 暗闇の中、私はぽかりと浮かんでいる。水の中たゆたっているように、ふわふわと私は
揺れている。
 ここはどこだろう。今はいつだろう。わからない。何もわからない。その何もわからない
ことこそが、私に今夢を見ているのだとわからせた。

 ――寒い。

 ――暗い。

 ――苦しい。

 それも当たり前の話だ。なぜならここは何もない宇宙空間なのだから。そこに私は浮かんで
いるのだから。
 凍えそうに寒いのはそのせいだ。闇に閉ざされて何もみえないのはそのせいだ。苦しくて
苦しくて今にも胸がつぶれてしまいそうなのはそのせいだ。
 遠く、手の触れられないほど遠くに、星の光が見えている。
 明るく輝く四つの星は、その近くにいけば暖かいのだろう。けれど私がいるここまでその
熱量が届くことはない。今こうして見えている光であっても、その光子の波はもう何年も前に
星を飛びだしたもので、それを発した星々は、ほら、何光年もの彼方に佇んでいる。
 穏やかな光を投げかける赤色巨星は、全てを包み込んでしまいそうなほど大きくて、きっと
こんな星の惑星には緑豊かで知的な王国が築かれているだろうと思わせた。
 暖かな光を投げかける純白の恒星は、周囲に星間物質のベールを纏っていて貴婦人の
ように優雅な佇まいだ。きっとこんな星に近づけばどんな傷も治ってしまうだろう。けれどその
光に篭められた力も、私のところまでは届かない。
 キラキラと強い光を放つ元気な星と、控えめなオレンジ色に輝く星は、お互いがお互いの
周りを回っている連星だ。最初は元気な星がオレンジの星の周りを回っているように見えて
いたけれど、その一瞬後にはオレンジの星が元気な星の周りを回っているようにも見えた。
くるくるくるくるとワルツのように回っていて、けれど全体を覆うのはオレンジの光だった。
 ――ああ、いいな。あそこにいけたらいいな。
 そう思う私は、けれどただその場に漂うのみで、腕を振り回しても足を蹴立ててもどこに
いくこともできないのだった。
 当たり前だ、と私は苦笑する。作用反作用の法則があるのだから、その場でいくら動いても
加速度を得る事なんてできやしない。宇宙空間でどこかにいこうとしたら、何かを捨てて反作用を
受けないといけないのだ。
 夢の中のはずなのに、ニュートン力学は変なところでシビアなんだな。そんなことを考えて、
私はまた苦笑する。
 ――さて、何を捨てようか。
 そう思って自分が持っているものを見渡しても、どれもこれも大切なものばかりで、何一つ
捨て去ることなんてできないのだった。
 例えばそれは子供の頃の夢だとか。
 あの夏の夜の草いきれだとか。
 ずっと憧れていたきれいな自分だとか。
 女の子になった日に流した涙だとか。
 家族で山登りにでかけていって、山頂から見下ろした朝焼けの色だとか。
 それを捨て去ってしまえばもはや自分が自分ではなくなってしまう、私が持っているのは
そんなものばかりだ。そうして自分が自分ではなくなってしまったならば、あの星の元へと
辿り着いたところできっと意味がないのだ。
389冬/きれいな感情(第六話)2/7:2008/06/21(土) 21:36:35 ID:yQxFaCRs
 だから私は、ただ悄然としてふわふわと漂っている。
 けれど、そのときすぐ近くに、突如として光り輝く新星が現れた。
 そのあまりの光の強さに目がくらむ。暗黒の空間が白い光の洪水で満ち、閉じた眼蓋の
裏で赤い斑点がちらついた。
 その爆発はきっと超新星爆発なのだろう。ぎりぎりまで縮退していった物質が限界を超えて
爆発するスーパーノヴァ。
 その後に誕生するのは、全てを吸い込んで黒く黒く無限に縮退していくブラックホールか。
 それとも圧縮された物質がついに巨大な原子核になり、やがて中性子と陽子で構成された
超密度の強靱な星、中性子星を作り出すのか。
 けれどそれはそのどちらでもなかった。
 そこに忽然と現れたのは、やはりというかなんというか、泉こなたなのだった。青い長髪を
なびかせて、素っ裸のこなたがそこに浮かんでいる。なぜか無重量状態でもピンとアホ毛が
立っているのがおかしかった。
 まあ、夢だから仕方がない。いっそ早く醒めてくれないものかと考えていた私の前で、
こなたは口を開く。
『好きだよ、かがみ』
 ああ、夢だから。これは全部夢だから。
 その含羞に赤らんだ頬も。切なげに見上げた眼差しも。胸の前でぎゅっと組んだ腕も。
全部全部夢だから。
『なんていうか、まるであんたらしくないわね。こんな夢見てる自分が恥ずかしくなって
くるわよ……』
 こなたは素っ裸のまま私に抱きついてくる。猫みたいに身体を擦りつけてきて、感触を
楽しむように重ねた頬をすり寄せた。
『むふー、恋する乙女は皆こんなものなのだよ、かがみん』
 そう云って、猫口の端をきゅっとつり上げて、いつもみたいにニマニマと笑う。
『これが夢なら、私は何したって構わないのよね?』
『夢じゃなくても、何したって構わないよ』
 そういうこなたは夢の存在なのだから、その言葉に何の保証もあるわけがない。
 けれど今目の前にこなたがいることは間違いがないので、せめてその身体を思い切り
抱きしめた。ん、と小さく息を吐く音が聞こえてきて、私の胸の中でこなたはうっとりと目を
閉じる。
 けれど抱きしめた腕の感触は、どこか普段とは違っていた。
『なによこれっ』
 よくよく見直してみると、その腕は私の腕ではない。手の指はごつごつと節くれ立ち、関節と
関節の間に淡い毛が生えている。曲げた腕には筋肉の筋ができ、二の腕に力こぶが膨らんで
いる。慌ててこなたの身体を離して自分の身体を見下ろせば、肩幅は広く胸の膨らみも
腰のくびれもなく、股間には見たことがない器官がついている。
 ――男だ。
 私は男の身体になっていた。
『かがみ、素敵だよ』
 そう云って抱きついてこようとするこなたを必死の思いで押しとどめる。
『駄目っ、駄目だってば、こんなの私じゃないわよ!』
『でも、それなら私のことが抱けるじゃん?』
 その指摘に動きを止めた私に、こなたはしなだれかかってくる。柔らかい身体、甘い匂い、
すべらかな肌。その感触に一瞬陶酔しかけてしまって、けれど私はやっぱりそれが間違って
いると思う。
『やめて、違うよ! やっぱりこれは違うよ!』
 私はこんなものが欲しかったわけじゃない。こんな風にこなたを抱きたかったわけじゃない。
ただ私のままでいたかっただけだ。女としてこなたを好きな、私のままでいたかっただけなのだ。
 そう思って、泣きそうになりながらこなたのことを突き飛ばす。作用反作用の法則に従って、
二人の距離がどんどん開いていった。こなたは漂っていきながら、眼をまじまじと開いて
私のことを見つめていた。
『ごめんなさい』
『……謝んないでよ……』
 うつむく私に、こなたは再度謝罪の言葉を口にする。
『あんなことしちゃって、ごめんなさい』
『……こなた?』
390冬/きれいな感情(第六話)3/7:2008/06/21(土) 21:37:13 ID:yQxFaCRs
 あんなことって、どんなことだろう。
 二人の距離は、すでに互いの表情が見えないほど離れていて。
 そう思った私の意識は、半ば暗闇の中に溶け始めていた。

「本当に、ごめんなさい!」

 そう叫んだこなたの声が私の本物の耳に聞こえてきて。

 そうして私は、ぽっかりと夢から浮上する――。

 眼を開けると、天上が高い。
 眼に見える天上は白い化粧板に盤面のような溝が刻まれていて、ああ、ここは自分の
部屋ではないのだなと思う。薄暗いのは陽が落ちているからではなく、ベッドの周りを
覆ったカーテンが陽射しを遮っているからだと気がついた。
 お世話になったことはないけれど、この場所に見覚えはある。私は、保健室のベッドで
眠っていたのだ。
 ――さっきまで見ていた夢のことは、すっかり目覚めた今でも鮮明に覚えていた。
 酷い悪夢を見た。本当に、酷い悪夢を見た。冬だというのにぐっしょりと寝汗をかいていて、
それが気持ちが悪かった。心臓は様々に渦巻く感情にドクドクと音を立てて暴れていた。
私はそんな胸を押さえながら、そこに柔らかな膨らみがあることに心の底から安堵する。
 カーテンを透かして、何人かの人影が見えていた。背後の窓から差し込む陽射しを背負って、
話し合っている何人かの人たちがカーテンに影を落としていた。
「泉はこう云っているが、お前はどうだ」
 桜庭先生の声は、いつも通りに淡々としていたけれど。やる気のなさそうな口調は影を
潜めていて、代わりにほんの少しの緊張感を孕んでいた。
「いや、それはいいッスけど……。滅茶苦茶痛かったッスよ……」
 くぐもった声で不満そうに云うのは件の男の子だろうか。
 どうやら私が寝ている横であの出来事の後始末をしているらしい。私も話に参加しないと
いけないな。そう思って身を起こすと、衣擦れの音が聞こえたのか、「ちょっと待ってください」と
声がしてカーテンが開けられた。
「柊さん、起きましたか」
 そう云ったのは擁護教諭の天原先生だった。つややかな黒髪は背中を半ば覆っていて、
前髪は綺麗に切りそろえられている。日本人形のように清楚な印象を与える女性だ。
「はい、ご迷惑をおかけしました」
 その声は少しかすれていて、私は小さく咳払いをする。
「――かがみ?」
 問診をしたり脈を取られたりしているうちに、閉じられていたカーテンを開けてこなたが
顔を出した。その向こうに件の男の子の心配そうな顔が垣間見えていた。鼻にはガーゼが
詰められているようで、先ほどのくぐもった声はそのせいだろうと思った。けれど視線を
隠すようにこなたがカーテンを引いて、その顔もすぐに見えなくなる。
「こなた、あんた……」
「よかった、かがみ大丈夫?」
 そう云って私の額に手を当てるこなただった。
「大丈夫みたい、ってかおでこ触っても熱はないわよ」
「――そっか」
 笑いながらペロリと舌を出す。
 天原先生は、そんなこなたに先ほど私にしたのと同じような説明をした。緊張やストレスから
迷走神経が刺激されて、脳に酸素がいかなくなって気を失うのだそうだ。
「その後中々眼が醒めなかったのは、疲れや寝不足の影響だったのでしょうね」
「あー、つまり寝ちゃってたってことですか?」
「そうとも云いますね」
「なるほど、つまりかがみんにねぼすけ属性が追加された、と……」
「されてねぇよ。なにがつまりだ」
 突っ込まれて嬉しそうに笑っているこなたを見て、私は少しだけ安堵する。
 ――けれど。
391冬/きれいな感情(第六話)4/7:2008/06/21(土) 21:37:39 ID:yQxFaCRs
 ああ、こいつもいつも通りだ、なんてことは決して思わない。

 あんな出来事の後で、こいつがいつもと同じだなんて事はありえない。今朝は騙されて
しまったけれど、もう二度と騙されやしない。本気で仮面を被ったこなたは、どうやら私にも
簡単には見破れないほどの演技をするようだ。ほっとしたのは、こなたが仮面を被れるほどの
余裕を取り戻していたのは確かだと思ったからだ。
『周りの状況に合わせて的確に演技をしていくようなやつだった』
 ふと、いつだかそうじろうさんが云っていた言葉を思い出す。
 それは濡れたような月の下で、夜の海を見下ろしながら聞いた言葉だ。銀の糸のように
たなびく煙。風にゆれる木々の梢。無意識の底にたゆたう海。そんな光景を思い出す。
 そう、それは秋にお墓参りについていったとき、夜のラウンジでそうじろうさんが云った言葉だ。
 なるほど、と実感が沸く。当時はぴんとこなかった台詞だけれど、こんなこなたを見てしまえば、
その言葉も納得がいくというものだ。
 天原先生が出してくれた濡れタオルで顔を拭いて、身だしなみを整えてから起き上がる。
こなたが心配そうによってきたけれど、大丈夫だからと云って押しとどめ、私はカーテンを
引いて外に出た。
 そこにはおよそ予想通りの人たちがいた。
 窮屈そうにしている例の男の子。白衣に両手をつっこんでいる桜庭先生。こなたの担任の
黒井先生。それと、いるとは思っていなかったけれど、我がC組の学級委員長。
 思い起こせば彼女もあのとき教室にいたはずだったから、目撃者として呼ばれたのだろうか。
天原先生とこなたもすぐにカーテンの向こうからやってきて、それで話の出席者は全員だろう。
「……あー、なんつーか、悪かったよ、柊。あんなにショック受けるとは思わなかったんだ」
 私と眼が合った途端、ばつが悪そうに眼を伏せて男の子が云う。
 その態度を見る限り、本当にあの発言に他意はなかったのだろう。私を傷つけようとして
云った言葉ではなかったのだろう。
 無邪気に他人を傷つけ、しかもそれに気づいていない人間と、明確な悪意を持って誰かを
傷つける人間、より度し難いのはどちらなのだろう。そんな答えがでるはずもない疑問を
ちらりと考える。
「うん、もういいわよ、気にしてないから。私もちょっと過剰反応だったかもしれないしね」
「まあでも、あれは一、二発ぶん殴られても仕方ないと思うよ。私も正直むかついたもん」
 委員長がそう云うと、男の子はますます縮こまっていった。そんな彼を見て、私はなんだか
酷く悲しくなってしまった。これから先、私は彼にどんな種類の好意も抱くことはないだろう。
そう思ってしまう私が、そうさせてしまった彼が、なんだか酷く悲しいと思った。
「せやけどまあ、泉がしたんは明らかにやりすぎやなぁ」
「私が診た限りでは、投げられた打ち身は大したことはないです。鼻も骨は折れていませんし、
出血ももう止まっているようで、怪我の程度としては軽傷もいいところですね」
「まあ警察沙汰にするほどのことでもないだろう。上に報告はするが、学年内で収めるよ。
……で、残るは当事者間のことになるわけだが」
 ――どうだお前は、親御さんを呼ばれたいか?
 桜庭先生は、ずいと見上げるようにして、糸目を見開いて男の子の顔を凝視する。
「……あ、いや、オレは……できれば云わないで欲しいと……」
 ちらりとこなたの方を見て男の子は云った。それもそうなのだろうと思う。どう見ても小学生
みたいなこなたにぶん投げられ良いように殴られて、それをよくもやったなと糾弾すると云うのは、
男の子にとっては屈辱なのだろう。
「せやけど泉の方は――」
 黒井先生がそう云いかけた言葉を、こなたが叫ぶようにして遮った。
「そ、それだけはどうかご勘弁をっ! レバ剣でもなんでも差し上げますからっ」
「うぉいっ、いくらウチでもそこまで公私混同せんわ! そもそもウィズが片手剣もらっても
しょーもないやん」
「そ、それじゃ夜天の魔導書で手を打つというのは? あれドロップするネームドってプレイス
ホルダーが無駄に強い上にタイマーは二十四時間だしライバルは多いしで、わたしプルには
自信が――」
「ええから受験生は勉強せえっ!」
392冬/きれいな感情(第六話)5/7:2008/06/21(土) 21:38:09 ID:yQxFaCRs
 他のメンバーが眼を白黒させている前で、ついに雷が落ちてこなたの饒舌をせき止めた。
本当にこいつは仮面を被っているのだろうか。ちらりとそんなことを思う。
 きっと大部分は素のままなのだろう。賑やかで無邪気な仮面で傷口を覆って、さも本人も
それに気がついていないように振る舞っているのだ。その傷は、今もどくどくと血を流している
はずなのに。
 ――けれどきっと、それは私がしていることと同じことなのだ。
「まあ、泉もいいんじゃないですか。謝っていたことですし。……お前はどうだ?」
 桜庭先生が水を向けると、男の子もしぶしぶと云った感じでうなずいた。
「本当、ごめんね?」
 可愛く小首を傾げて、両手を顔の前で合わせてウィンクをするこなただった。その余りの
白々しさに、男の子以外の、普段からこなたのことをよく知っている全員が仰け反った。
「ま、まあ。お前は二度と他人に対してああいう発言はするな。泉は二度と他人に手をあげるな。
以上終わり」
 ――はい。と異口同音に答えたところで、桜庭先生がひらひらと手を振って解散をうながした。
やはり皆緊張していたのだろう。その瞬間、保健室にいた誰もがほっとしたようだった。
 こなたは黒井先生に頭を押さえられながら出口に向かっていき、委員長は私の背中をぽんと
叩いて笑いかけてくれた。
「――ありがとう」
 私がそう云ったとき、こなたががらりとドアを開けて。
 ――その瞬間、沢山の声が降ってきた。
「お姉ちゃん、こなちゃん、大丈夫?」
「こなたさん、かがみさん、どうなりましたか?」
「かがみちゃんに泉ちゃん、平気なの?」
「おお、ちびっ子っ! お前マジですごかったんだってなっ」
 全員一斉に喋りだして、何がなんだかわからない。
 案の定、そこにはつかさにみゆき、あやのとみさおが、心配そうな顔をして私たちが出て
くるのを待っていたのだった。一人だけずれた発言をしている奴がいるようだけれど、きっと
気のせいだろう。
 こなたが私の方を振り向いて苦笑とも取れる笑いを見せて、私もそれに笑い返した。けれど、
そうして保健室から出ようとしたときに、桜庭先生の声が聞こえてきたのだった。
「あー、柊姉。お前はちょっと残れ」
 振り返ると、桜庭先生と天原先生が真剣な眼差しで私のことをみつめている。
 ――ああ、そうか。
 二人がどんな話をしたいのか。なんとなくそれに気がついた。
「おや、まだなんや話が残ってたんかいな」
「いや、こっちの話ですよ」
「……ああ、なるほど。そっちの話やな」
 黒井先生は頬を掻きながら、つかさ達に一言二言声を掛けて去っていった。私は心配そうな
つかさ達にごめんと謝って、ドアを閉めて桜庭先生達に向き合った。
「――どっちの話、なんでしょう?」
「そりゃ勿論、三年C組の話だ」
 苦笑している桜庭先生に近づいて、私は小声でこう云った。
「お話は外に聞こえないようにお願いします。きっとみんな聞き耳立てていますから」
「ああ、わかってる」
 私たちは奥のスペースまで引っ込んで、並んでいるベッドに腰を掛けた。私に向き合うように
桜庭先生と天原先生が座っていて、なんだか面談みたいだなと私は思った。
「――柊は、同性を好きになれる人間だろう?」
「……はい。私はバイみたいですけれど。……やっぱりわかっちゃいますか?」
「まあ、同類はな。なんとなくわかるもんだ」
 そう云って、白衣のポケットから煙草を取り出して吸おうとする桜庭先生だった。けれど
口にくわえたところでそれを天原先生が取り上げて、プラスチックの禁煙パイポと取り替えた。
 文句も云わずにそれをくわえているところを見ると、きっと良くある儀式みたいなものなのだろう。
「そうですね」
 私はそれを、眩しい物を見るような思いで眺めていた。
393冬/きれいな感情(第六話)6/7:2008/06/21(土) 21:38:37 ID:yQxFaCRs
「泉か」
「……はい」
「泉のほうは――」
「こなたは、ヘテロでしょう。あんなですけど、本質は至ってストレートだと思います」
「そうか……あいつのことは良く読めないが。お前がそう云うならそうなのだろうな」
 私はうなずいて思う。
 そう、あいつは異性愛者だ。もし私に性的な関心があったなら、あんな風に無邪気に触れて
くるはずがない。べたべたと相手に甘えて気を惹こうとする女性もいるけれど、そんな媚態は
見ればそれとわかるものだ。それに、そんな目的だったならもっと意味ありげに触れようとする
だろう。
 こなたのあの触れ方は、あのいじり方は、ただ楽しい玩具を見つけた子供のそれだった。
その度に私が顔を赤らめたり憎まれ口を叩いたりするのを見て、それを楽しむための接触。
あるいは身体同士を触れあわせることで仲の良さを確認する、女の子同士の無邪気な
スキンシップ。
 実際に、私のセクシャリティは見破ったみゆきが『期待するな』と云っているのだ。その時点で、
こなたが私のことを好きになれる可能性はほとんどないと云っていいだろう。
「柊さんは、自分の性的指向についてどれくらい把握していますか? 今苦しい? 自分は
間違っていると感じている?」
「とりあえず、セクシャリティやジェンダーに関する本は色々と読みました。私は私を受け入れて
います。でも……」
「でも?」
 天原先生は優しく私の手を取って、穏やかな口調で問いかける。
「苦しいです。私は苦しいです……こなたのことが好きだから」
 そう云ったら涙が零れてしまいそうになって、私は慌てて顔を手で覆ってうつむいた。
「少しはわかるつもりですよ。本当に……親友を好きになってしまうと辛いものよね」
 うつむいたままの私の肩をふわりと抱きしめて、天原先生がそう云った。
「はい……」
 口を開いたら、こらえていた涙が零れ出してしまった。ぽろぽろと零れていく涙を止めようも
なくて、私は肩を振わせて泣き出した。本当に私は近頃泣いてばかりいる、そんなことを
心のどこかで考えた。
 ベッドがギイと軋み、衣擦れの音が聞こえてくる。桜庭先生が立ち上がったのだろう。
 そのまま窓際の方まで歩いていくと、桜庭先生はがらりと窓を開けた。カチカチと音が
しているところからすると、きっと煙草を吸おうとしているのだろう。天原先生も、今度は
それを止めなかった。
「泉さんって、どこかひかるちゃんに似ている気がするわ」
 そんなことを云うので、私は思わず笑ってしまった。泣きながら笑ってしまった。
「私も、私もそう思ってました」
「ふふ、私たちって、どこか似ているのかもしれませんね。お互いに似たような女の子を
好きになってしまって」
 ――よかったら、泉さんの素敵なところ聞かせてくれないかな?
 天原先生のそんな言葉に促されて、私はこなたのことを語り始めた。不思議なほど素直に、
私はそうすることができたのだ。
 こなたがどれだけ優しいか。
 こなたがどれだけ可愛いか。
 いつも周りに気を配っていて、けれど明るくて、一緒にいると楽しくて、私の厭な所も全部
長所に変えてくれて。
 実は私以上にツンデレなところがあるだとか。家庭の事情で本当は寂しがり屋だったり
するのだとか。家事とか料理が得意で女の子らしいところも沢山あるのだとか。
 閉口するようなオタク趣味もあるけれど、ときに呆れるほど自分自身に気を遣わない所も
あるけれど。そんなこなたの全てを私は好きなのだと。
 私は、語った。
 誰にも云えなかった気持ちを、赤裸々にありのままに解放していった。
 それはつかさにもみゆきにも云えなかった言葉だ。死ぬまで心の裡に秘めていようと思って
いた言葉だ。いくら理解してくれていても、異性愛者の二人には云えるはずもない、そんな恋心を
私はぽつりぽつりと天原先生に伝えていった。
394冬/きれいな感情(第六話)7/7:2008/06/21(土) 21:39:01 ID:yQxFaCRs
 天原先生は口を挟まず、たまに相づちを打ちながらただ聞いてくれていた。優しく肩に回された
手が、私に勇気を与えてくれていた。
 一言一言、口に出す度に気持ちが軽くなっていく。
 澱のように心の中に降り積もっていて、今にもその中で窒息しそうだった淀んだ思いが、
少しずつ透明になっていく。
 窓から冷たい風が吹きこんでくるけれど、不思議なほど寒くはなかった。微かに漂ってくる
煙草の匂いも、なぜだか嫌だとは思わなかった。遠くから聞こえてくる車のクラクション。
一、二年生だろうか、窓の外を通っていく生徒達の笑い声。カチカチと時を刻んで揺れる
壁掛け時計の音。
 そんな保健室で、私は、少しだけ立ち向かうための力を得ることができたのだ。

「なにか困ったことがあったらいつでも掛けてこい」
 そう云って桜庭先生は、二人分のケータイ番号をメモに書いて渡してくれた。
「ありがとうございます。どうしようもなくなったら、また泣きつくかもしれません」
「柊さんは頑張りすぎる傾向があるから気をつけてくださいね。それは一人で立ち向かうには
大きすぎるものですから」
「はい。でもきっと大丈夫です。……頼れる、友達がいますから」
「――そう」
 にっこりと笑った天原先生のことを、私はとてもきれいだと思う。
 そうしてもう一度お辞儀をして、私は保健室のドアを開けて外に出た。

 ――ドスン。

 その途端何かが床に落ちる音が聞こえてきて、思わず声を上げて飛びずさってしまった。
「どうした柊」
 その音に驚いたのか、桜庭先生もこちらに駆けてきた。
「……な、なにやってんのよあんたたち」
 頭痛い。
 そこに、床に転がりながら喜色満面の笑みを浮かべるみさおがいた。こなたはその袖を
掴んだまま、心底嫌そうな表情を浮かべているのだった。
 ――これはつまり。
「か、かがみ。これはその、みさきちがどうしてもって……」
「おー、かがみ、すっげーぜちびっ子のアイキドー。お前も投げられてみろよ!」
「場所と状況を考えろこのバカっ! 遊んでる場合か!!」

 本当に、こいつらは頼れる友達なんだろうか。
 思わず天原先生に云った言葉を撤回したくなる。

 ――あやのとつかさとみゆきは、少し離れたところで他人のふりをしているのだった。

(つづく)
39516-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/21(土) 21:39:36 ID:yQxFaCRs
以上です?

あれ、うーん。もう少し進むはずだったのですが、最近どうも
予定の分量で収まりません。筆が滑っているのか、書き方が
変わってきたのか……。変なところで切っちゃってごめんなさい。
っていうかどんな引きですかこれは。

それではありがとうございました。
396名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 21:46:13 ID:tkbso/Nd
ぐっじょ!

聞いてたなこれは……八割五分の確率で……
397妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/21(土) 21:53:13 ID:tkbso/Nd
>>384


了解しますた。投下します。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0114.jpg


……えっ、その「SS」じゃないって?
398名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:16:51 ID:gSudcz9T
>>395
まさかのときの友は真の友である、って誰の言葉でしたっけ。

状況も少しずつ進んで、ほっとしてます。ぐっじょぶ。
399名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:19:45 ID:2g/cFKsc
>>395
かがみの不安の晴れ方も、これはまたいい感じにもってくる。
そしてみさきちのおいしい立ち回りもまたいいなwww
(余談:合気道の投げられ役も、生半可ではできない)
不安の晴れたかがみのこの後、そしてこなたの過去。
引き続き次回をたのしみにしつつ、GJ!

>>397
その勘違いやよし!!
みなみ「ゆたか……罰として……調教する……」
こんな感じ?(・∀・)
400名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:23:33 ID:31GFMBfs
えと、誰も予定が無ければ5分ほどして投下を開始したいと思います
40128-538:2008/06/21(土) 22:28:59 ID:31GFMBfs
え〜、前回は思いっきり変態扱いされた28-538です
要望があった?ゆたかサイドをちょっと書いたので投下させていただきます

短くて申し訳ないです
多分、2レス
微エロ

タイトル:初めての…
402初めての…(1/2):2008/06/21(土) 22:30:09 ID:31GFMBfs
 駅から出て空を見上げると、今日もいい天気。
 梅雨のはずなのに、ここ何日かはずっと晴れ。
 晴れてくれるのは嬉しいけど、気温が30度近くまで上がるのはやめてほしいな。
 そんなことを考えながら駐輪場から自転車を出すと、覚悟を決めてペダルを踏み込んだ。
 容赦なく照りつける太陽を、ちょっとだけ恨めしく思いながら家へと向かう。
 自転車に乗っているおかげで、風を感じることができる。
 でも、冷房が効いた場所になれた体には、熱風を吹き付けられるようでちょっと不快。
 早く家に帰って、汗を流して冷房の効いた部屋でゆっくりしたい。
 そんな気持ちだったせいか、いつもよりちょっと自転車の速度が速かった。
 家に着いて自転車を降りたときには、汗をいっぱいかいちゃって服が肌に張り付いていた。
 自転車をいつもの場所において玄関に向かうと、中からこなたお姉ちゃんの声が聞こえてきた。
 そういえば、かがみ先輩が来るって言ってたっけ。
 でも、今声が聞こえてるのは、多分玄関の中だと思う。
 こなたお姉ちゃんの部屋で遊んでる声にしては、声が響きすぎてる気がする。
 なんとなく気になって、私はそっと玄関に近付いた。
 耳を近付けると、こなたお姉ちゃんとかがみ先輩の声を、何とか聞き取れた。
「どう? 冷たくて気持ちいいでしょう」
「う、なんか、変な感じ。熱いのと冷たいのが混ざり合ってるみたい」
 何やってるんだろう?
 でも、なんか玄関を開けるのは悪い気がする。
 そうだ。こなたお姉ちゃんお部屋の窓が開いてれば、見えるかもしれない。

 こなたお姉ちゃんの部屋のところに移動すると、窓にそっと手を掛けてみる。
 鍵は掛かっていなくて、簡単に開いた。
 中を覗くと、こなたお姉ちゃんの部屋の扉も開いていて、廊下にいる二人の姿を見ることができた。
 その瞬間、私は混乱して大きな声を出しそうになった。
 慌てて、手を口に強く当てることで、何とか声を出さずにすんだ。
 こなたお姉ちゃんに覆いかぶさっているかがみ先輩。
 二人とも裸だった。
 かがみ先輩が何かを手に取り、こなたお姉ちゃんの股の辺りにそれを落とした。
 そしてかがみ先輩は、お姉ちゃんのあそこを舐めだした。
 見てはいけないと分かっているのに、体は動かなかった。
 結局、二人がぐったりとしてしまうまで、私はその場所から動けなくて。
 ずっと、お腹の内が熱い感じで。
 それは体調を崩したとか、そういった感じじゃなく、不快でもなかった。
 ただ、なぜか下着が濡れてるようで、その場所が肌にぬるりとした感触をもたらし気持ち悪かった。
 早く体を洗って、さっぱりしたいと思ったけど、廊下には二人が重なり合ったまま。
 仕方なく、建物の影にしゃがみこみ、壁に背中を預けて目を閉じる。
 さっきまでの二人の行為を思い出し、体全体が熱くなる。
 一旦退いていた汗が、再び全身から流れ出した。
 別のことを考えようとしても、頭に浮かんでくるのは二人の痴態。
 それを追い払おうと頭を振るけど、当然効果はなかった。
 私を現実に引き戻したのは、玄関が開く音だった。
 家の中からは、二人の声が聞こえる。
 こなたお姉ちゃんが「ゆーちゃんが帰ってきちゃうよっ」といったのが聞こえて、思わず苦笑する。

 しばらくして玄関が閉じられると、二人がこなたお姉ちゃんの部屋に入ったみたい。
 私は立ち上がって、静かに玄関まで移動する。
 一つ深呼吸をして、玄関を開けた。
 すると、こなたお姉ちゃんだけじゃなくて、かがみ先輩も部屋から顔を覗かせた。
「ゆーちゃん、すごい汗だよ。それに顔が真っ赤だよ。しゃわーでも浴びれば?」
 少し動揺したような口調で、こなたお姉ちゃんが言ってきた。
「う、うん。そうするね」
 顔が赤いのも汗をかいてるのも、二人のせいなんだけどな。
 家に上がって部屋に行く途中、なぜかこなたお姉ちゃんの前で足が止まった。
「あの、その…… お楽しみでしたね?」
 気付いたときにはそう口走っていて、私は慌てて自分の部屋に駆け込んだ。
403初めての…(2/2):2008/06/21(土) 22:30:47 ID:31GFMBfs
 私は部屋に駆け込んだ後、扉を閉めると、そのまま扉に背中を預け考え込んでいた。
 なぜあんなことを言ってしまったんだろう。
 覗いていたことへの罪悪感?
 それもあるけど、きっと羨ましかったからだと思う。
 私はみなみちゃんが大好き。
 それは、友情じゃなくて愛情。
 でも、告白することでみなみちゃんが離れていくのが怖くて、口にできないでいた想い。
 だから、二人が恋人同士なんだと分かって、すごく羨ましかった。
 そして、ちょっとだけ妬ましかった。
 多分そんな感情が、私の口を動かしたんだと思う。
 結論がでたところで、そのまま床に座り込むと、大きく息を吐いた。
 すると、また二人の行為が頭に浮かぶ。
「どんな感じなんだろう」
 胸に手を持っていき触ってみる。
 なんとなく、すぐったい感じはするけど気持ちいいということは無かった。
 こなたお姉ちゃん、かがみ先輩にあそこ舐められてるとき、すごく気持ち良さそうだったな。
 そう思って、下着の上から割れ目に沿って触れてみた。
 よく分からないけど、お腹の奥の方が熱くなる感じがする。
 それがなんとなく心地よかった。
 繰り返してるうちに、割れ目から液体が流れ出てきたのに驚いた。
「これが、濡れるってことなのかな」
 再び刺激を与え始めるけど、それ以上の感覚は得られなかった。
 部屋の暑さも気にならないくらい、そのことに頭を支配されていた。
 だから、部屋の扉が開けられたのにもまったく気が付いていなかった。
「お楽しみですね? ゆーちゃん」
 背中越しに声を掛けられ、ゆっくりと振り向いた。
 そこには、猫口でニマニマしているこなたお姉ちゃんと、ばつが悪そうにしているかがみ先輩がいた。
「ひゃっ。あの、その……」
「暑いねー。取り敢えず、冷房入れるね」
 こなたお姉ちゃんは、部屋に入るとエアコンのスイッチを入れた。
 冷たい風が、熱を持った体を冷やしていくのと同時に、頭も冷静さを取り戻していく。
「あ…… あの、その…… こなたお姉ちゃん?」
 エアコンの前で、Tシャツの胸元をパタパタとしながら顔を私に向けるこなたお姉ちゃん。
 その表情はいつもと変わらない、優しい感じだった。
「なに? ゆーちゃん」
「えと、その…… ごめんなさい」
 本当はどこから見てたのか聞きたかったのに、紡がれた言葉は謝罪の言葉だった。
 私のしていたことを見られたことよりも、二人の行為を覗いていたことへの罪悪感のほうが強かったからだと思う。
「ゆたかちゃん、ごめんね。声は掛けたんだけど……」
 それに返事をしてきたのは、かがみ先輩だった。
 その言葉は少なくとも、私が自慰をしているところを見られたことを意味していた。
 それに気付いて、体温が一気に上昇する。
 そして、恥ずかしさとともに、不思議な感覚が体を襲う。
 その感覚は腹部に熱をもたらし、思考を停止させる。
 あそこに違和感を感じ、自然と太ももをすり合わせるような動きをとってしまう。
「ね、ゆーちゃん。みなみちゃんのことが好きなんでしょ?」
 いつの間にか、目の前にこなたお姉ちゃんの顔があった。
 その瞳は、私の心の中を見透かすようで怖かったけど、優しさで溢れていた。
 だから、引き込まれるように私の気持ちを答えた。
「うん。みなみちゃんのことが好き。お姉ちゃんたちみたいになりたい」
 その後のことは、はっきりとは覚えていない。
 気付いたときには、こなたお姉ちゃんとかがみ先輩と、三人でベッドに寝ていた。
 ただはっきりと覚えていたのは、ずっとみなみちゃんのことを考えていたこと。
 そして、そのことが初めての絶頂をもたらしたことだった。
40428-538:2008/06/21(土) 22:35:04 ID:31GFMBfs
以上です

あ〜、もうっ、なんだかなぁ
うん。取り敢えず謝っとこう

どうもすんませんっ(m´・ω・`)m
405名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:41:18 ID:2g/cFKsc
>>404
なにをおっしゃるうさぎさん(←かがみではなく)
2人の行為に、目覚めていくゆーちゃん
見させていただきましたぜ(・∀・)

ゆたか「みなみちゃ〜ん、今夜一杯楽しむから、最近の不届き狼藉、ゆるして〜;;」
406名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:46:00 ID:RxhYigfP
>>395
二人の距離が遠ざかっていく比喩に宇宙の物理法則を用いるとは、畏れ入った !
軽快なやり取りも上手いし、本当に読んでいて面白い
GJ !

>>404
ゆーちゃんw
次は久々感のある、ゆたみなラブラブSSでしょうか? GJ !

407名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:01:31 ID:lPmzRnp4
>>397
まさか本当に書いて(描いて)いただけるとはー、保存保存保存っ。
ゆたかかわいいよゆたかーっ!
「みなみちゃん……これ以上されると、私、私――」
「うん…だから、まかせて」
「ひゃっ あふんっ ああんっ はふ……」
「全部任せて、ゆたか……」
「みなみちゃん、みなみちゃん――」
「いいよ、ゆたかの可愛いところ、全部見てるから……」
ああもう、とにかくぐっじょぶでした。

>>404
愛のある3人かわいいよ3人。
こうしてみなゆたに続くんですね、わかります。ぐっじょぶです。
408名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:06:08 ID:IrVDFG+r
>>395
続き来た!
とりあえず、ほっとしたw続きがすごく気になってたから…
二人の先生の優しさに心打たれたよ。

ただ、こなたの心情も安定しているはずはないから、かがみが癒してくれていったらいいな。
409名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:38:33 ID:IrVDFG+r
>>404
うおっ!こちらもグジョーブ!!好きなSSのもう一つの視点いいね!
最近、悪女が板についてきたwゆーちゃんだけど、純情ゆたかがカムバックしたねw

こなかが編もすごく良かったけど、みなゆた編もぜひぜひ見たいですっ。
410名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 00:59:55 ID:RXRbn8cR
>>407

みなみ
「……違う(くちゅくちゅ)……それはSS(ショート・ストーリー)じゃなくて(ぺろぺろ)……SS(スクリーン・ショット)……(くにゅくにゅ)」
411名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 01:30:12 ID:/8cwKAWz
ゆたかですが最近みなみちゃんが変です。
412名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:15:05 ID:aVSZO5Yi
こなたですが、最近ゆーちゃんも変です。
413名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:25:11 ID:sEbl4Apw
かがみですが、いつも通りこなたが変です。
414名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:43:45 ID:aEWkaLVa
みゆきですが、いつも通り泉さんが愛です。

「いやそれ日本語おかしいから」
「そうですか?恋と表現するよりずっと相応しいと思ったのですがだばだば」
「いい加減それ自重しようよみゆきさん」
415名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:54:05 ID:+T3w8U1A
つかさですが、いつも通り寝坊しました。
416名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 11:04:52 ID:znCOY/mK
「そんな私達の為に、”高良富井”が作った新商品、泉合金魂!
 こな☆フェチの魂を持ったこな☆ふぇち達へ!」

「「「「「「「「おおお!」」」」」」」」
「……超合金魂はタカ●じゃなくてバン●イじゃなかっtt」

「一号機コナタジェットから五号機コナタクラフトまでが合体して泉さんに!」
「「「「「「「「おおお!」」」」」」」」

「手首を外して付属品手首と取り替える事によって、必殺技アホゲスピンを再現することも
 外した手首であんなことやそんなこともできます(くんかくんかすりすりもにゅもにゅ)」

「「「「「「「「買う!」」」」」」」」」

「ちなみに次期新製品は限定版の”ブラック・ユタカー”と、通常版の”ブラック・ナナコー”です」
417名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 11:42:58 ID:aEWkaLVa
付属品でこなつーも再現可能なこのスペック!どうですか?

…かがりんが買占めしそうだな
418名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 12:14:00 ID:RXRbn8cR
>>414
昔、中島みゆきのベストアルバム(カセット)を買ったんだ。たしかイルカとカップリングになってるやつ。

「時代」の歌詞カードで、
『今は倒れた恋人たちも/生まれ変わって歩き出すよ』
の部分が、

『今は倒れた変人たちも』

になっててなぁ……


今思えば、あれってこな☆フェチのことだったんだね。



みゆき
「……いぃ〜ずぅ〜みぃ〜さぁ〜〜〜ん、うふふふ(だばだば)」
こなた
「うわぁっ! 倒しても倒しても起き上がってくるぅぅ!!」
419名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 12:16:49 ID:RXRbn8cR
>>416

むしろS・I・Cシリーズで。
……やけにリアルというか、おどろおどろしい造型になりそうだがw


-----------------------------------
S・I・C=Super Imaginative Chogokin。
あれって実は、超合金の派生商品なんだよネ(=ω=.)b
420名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 12:20:23 ID:1Zffv9ay
”高良富井”ならデュアルモデルで内部フレームを再現してですね・・・
421名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:06:37 ID:RXRbn8cR
高良富井・デュアルモデルシリーズ


001・泉こなた
 「何さ、この『こなた袋』って…… 」 大o(=△=.;)

002・泉こなつー
 「これが貴様らのもっとも恐れた、ゲッターエネルギータンクだ!」 (.>ω<)o大

422名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:22:40 ID:LDV+wIHJ
高良富井と聞いてゾ○ドが思い浮かんだのは秘密
423名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:24:50 ID:BIpc83Eo
>>418
そりゃもはやゾンビだw
こなハザード。
424名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:29:21 ID:Hta0YWQS
>>422
スラゼロが好きだったw
425名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:56:15 ID:nXnwCfZL

>>244
黒い
ダークサイドから日々の世界に帰れるのか?な

こなかがの召還魔法だっけ?みたいのありそうだし

>>279
てっきり柊家も松茸かと思ったら自転車に乗りながらか

つかさ貰えたのか?


>>311
そんな高校名が

>>346
さらにみゆきもみなみ←みゆきとか
どの道修羅場化しかねませんね

>>362
途中のみさおたちは伏線か?

>>375
なけるでー

>>395
かがみは内部的に解決してる部分が見られますけどこなたは……
投げたタイミングごまかしのためか?

>>409
そしてつぎはみゆきがその次はかがみが
426名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:08:10 ID:CJZX8jIn
おもちうにょ〜ん
427名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:15:27 ID:gA/Zn7RJ
>>426
むしろつかさのほっぺをうにょ〜んしたい
428やっさいもss(ry:2008/06/23(月) 01:17:26 ID:4B7f/yvd
じゃあ私はゆきちゃんのおむねをうにょ〜んってしたいな。
429名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 03:25:34 ID:OJQnfqFF
>>395
GJ!
「同じ」人だからこそ言えること、わかってもらえること、っていうのはあるものですよね。
それはいくら親友と言える人たちでも「違う」から言えない、わからない。
でも、少しずつ進んでいってる感じ…。
いつかは、ちゃんと気持ちを伝えられるといいな。
あとはこなたの内面がどうなのか。仮面の下の本当のこなたは、どちらなのだろう…
430名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 07:53:09 ID:ZsuLaxAi
みゆき「つかささん突然で申し訳ありませんがヤリマセンカ」
つかさ「アナルうにょ〜ん」
By高良みゆき「痴女の星」
431名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 08:03:40 ID:TudjeQE4
>>421

ていうか、外部装甲は布製なわけですよ。

かがみ「クロスアウッ!(ハァハァ」
つかさ「キャストオフっ!(ハァハァ」
みゆき「だばだばだばだばだばだばだば(ガクッ」
432名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 12:09:44 ID:F2CWZbZB
>>431
なるほど、状況に応じて外部装甲を換装して楽しむわけですね。
水陸両用(スク水)とか新婚強襲用(裸エプロン)とかとか・・・(;´Д`)ハァハァ
433名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 15:33:03 ID:GtdZHuHs
投下いきます。
>>344-345の続きです。みなみ→こなたで4レスです。
あまり明るい話ではありませんのでご注意をば。
434色彩は混じることなく (1/4):2008/06/23(月) 15:34:47 ID:GtdZHuHs
 翌日。
 恋人同士となった私達は、手を繋いで登校していた。

『ありがとう……私も、ゆたかのこと、好きだよ』

 あのとき私は、そう言った。
 今にも泣き出しそうなゆたかを、ぎゅっと抱きしめた。
 その気持ちに嘘は無い。
 私はゆたかのことが好きなのだから、このような関係になることは自然なことだろう。

 ――でも、好きな人と恋人になるというのは、こんなにも切ないことなの……?

 本当は分かっている。
 私はゆたかと付き合うことで、泉先輩のことを忘れようとしているだけだ。
 思いを明かす勇気も、忘れる勇気もない私は、
 ゆたかに恋心が芽生え、やがて泉先輩への思いがひとりでに消え去ってくれるのを待つことにした。
 それはあまりにも身勝手な選択だ。だって、こうすれば少なくとも私は傷つかないから。

 だからせめて、私の横で嬉しそうに微笑っているゆたかだけは、傷つけないようにしたい。
 私はぎゅっとゆたかの手を握った。

 いつもより少し早めの通学バスの中は私達だけだった。
 これから毎日二人だけで登校しようとゆたかは提案してくれた。
 私は、ゆたかに本当に想われているんだなと嬉しくなった。
 けれど、泉先輩と会える時間は減ってしまうなと、
 心の奥底でちらっと考えてしまった自分が少し嫌になった。

 予鈴が鳴るまで、私達は自販機の横の木の下で二人っきりで過ごした。
 喧騒から少し隔離されたその場所は、恋人同士が語りあうにはうってつけの場所だった。
 ゆたかと過ごしたその時間は、とても楽しかった。

 授業中、私は泉先輩のことは考えなかった。
 良い傾向だ、と思った。
 それが本当の気持ちかどうかは、考えないようにした。
435色彩は混じることなく (2/4):2008/06/23(月) 15:35:39 ID:GtdZHuHs
「おじゃまします」
「いらっしゃい、みなみちゃん」
 
 私達の新しい関係が始まってから初めての日曜日、
 私はゆたかの部屋に遊びにいった。
 とは言っても前までと特に変わったことはないのだけれど、
 ゆたかがいつもよりも楽しそうに笑っているのは、すぐに分かった。

 幸せな時間はすぐに過ぎていった。
 これからゆたかとはずっと恋人同士でいるんだろうな、と思った。

 けれど、それは間違いだった。 

「やぁやぁみなみちゃん、お久しぶり〜」

 そう言ってゆたかの部屋のドアを開けて姿を覗かせたのは、忘れたはずの泉先輩だった。
 そのときカチリと鍵が外れ、
 今まで必死になって隠そうとしていた泉先輩への思いが、一気に爆発した。

 ああ、そう、この声だ。
 私が大好きだった、この笑顔だ。
 
 もうこの先、どうやっても泉先輩のことを忘れることが出来ないと確信させられた。
 酷かもしれないけれど、きっとゆたかがいくら私を愛してくれても、
 私がゆたかのことを泉先輩以上に好きになることはないのだと思った。

「み、みなみちゃん? どうしたの!?」

 ああ、やっぱり私はどうかしてしまったのかもしれない。
 でなければ、数日会えなかっただけの誰かを一目見ただけで、
 涙を流すなんてこと、あるはずないから――。

「いえ、目にゴミが入ってしまったみたいです……心配なさらないで下さい」

 人差し指で軽く目を拭き、不慣れな笑顔を向けた。

「そ、そっか。いやぁびっくりしちゃったよ、
 もしかして二人のお邪魔をしちゃったのがショックだったのかな、なんてネ」
「えっ……?」
「お二人さん仲いいからねぇ、まるで恋人みたいだから」

 違うんです。そう言いかけて慌てて止める。
 何も違わない。私とゆたかは、恋人同士なんだ。

「ラブラブで羨ましいよ。本当にお互いを好きっていうのが分かるもん」
「えへへ……何だか恥ずかしいよ、お姉ちゃん」
「はい、ゆたかは大切な……友達ですから」

 それでも何故か、『友達』の部分だけが少し強調されて口から出た。
 きっとこのとき、私とゆたかの関係は確定的なものになった。
 
 ゆたかは笑顔だった。
436色彩は混じることなく (3/4):2008/06/23(月) 15:36:37 ID:GtdZHuHs
「ねぇ、みなみちゃん」

 次の日、ゆたかは学校で体調を崩した。
 保健室のベッドに体を預け、私に水の染みたタオルを当てられながら、
 ゆたかは私のほうを見ずに聞いた。

「こなたお姉ちゃんのこと……好きなんだよね」

 私はゆたかにその質問をされることを分かっていたのか、あまり動揺はしなかった。
 ゆたかは私の返答を待たずに続けた。

「ホントは知ってたんだ……私が、みなみちゃんに告白する前から。
 でもみなみちゃんは優しいから、私が告白したら断わらないだろうなって思った。
 ひどいよね、私。けど、いっぱいみなみちゃんを愛してあげようって思った。
 みなみちゃんが、笑顔のままでいられるように。
 みなみちゃんがお姉ちゃんよりも私を好きになってくれるように。
 ……でも、敵わなかった。
 お姉ちゃんに会ったときのみなみちゃんは……
 私がどれだけ頑張っても見られなかった笑顔をしていたから」

 違う。ひどいのは、私のほうだ。
 ゆたかの言葉は、私がゆたかの気持ちを無下にしたことを改めて気付かせてくれるのに充分だった。
 人を傷つける優しさなんて、ないほうがよかった。
 必要なのは、思いに正直に向き合う勇気だった。

「……ごめん、ゆたか」
「あっ……あやまら、ないでよぅ……」

 ゆたかの瞳から大粒の涙が溢れた。

「みなみちゃんは……悪く、ないのにっ……」

 肩を震わせて泣くゆたかを抱きしめた。
 何を言ってもゆたかを傷つけてしまう気がして、そうすることしか出来なかった。
 でもきっと、それが私に出来る唯一のことなのだろうと思った。
437色彩は混じることなく (4/4):2008/06/23(月) 15:37:20 ID:GtdZHuHs
 ゆたかは泣き止んで、少し晴れたような表情になった。
 心なしか、顔色も良くなっていたみたいだった。
 私の制服にはゆたかの涙の跡が染みていた。
 ゆたかの思いが染みていた。

「ありがとう、みなみちゃん。もう、大丈夫だから。しばらく……ひとりになりたいな」

 ゆたかはまた、私のほうを見ずに言った。
 私は「わかった……またね」とだけ告げて、席を立った。

「これからも友達でいてね、みなみちゃん」

 去り際に振り返ると、ゆたかは不安そうにこちらを見ていた。
 目じりから涙が溢れそうだった。

「うん……もちろんだよ、ゆたか」

 そう言うとゆたかは笑顔に戻った。
 笑った拍子に、目じりから涙が零れ落ちた。

「……恋って、辛いな」

 保健室のドアを閉めるとき、ゆたかがそう呟いた気がした。
 気に留めないようにした。


 その日の放課後、私は、かがみ先輩とキスをしている泉先輩を見た。
 泉先輩は、見たこともないような笑顔だった。
438名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 15:38:17 ID:GtdZHuHs
次で終わりです。
完結次第自分でまとめて保管する予定ですので、
管理人様方、保管作業の際は飛ばしていただいて結構です。
439名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 16:18:55 ID:OJQnfqFF
>>438
GJ!
むむ・・・ここでまさかのかがみ。
これは切ないぞ…どうなっちゃうんだろう
440名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 20:51:11 ID:2tFgd5CJ
さて、誰もいらっしゃらなければ投下させていただきます。
44142-115:2008/06/23(月) 20:56:56 ID:2tFgd5CJ
さて、ではいきます。


 「お母さんごっこ」


 ・4レス
 ・エロなし
 ・みゆきフェチども
442お母さんごっこ1/4:2008/06/23(月) 20:58:11 ID:2tFgd5CJ
 さて、とある初夏の週末。
 こなたとみゆきは、柊家で開かれた勉強会へと足を運んでいた。
 勉強会といっても、こなたとつかさにとっては一方的に恩恵を預かるためのもので、分からないところ
があるとみゆきの手元へ首を伸ばし、あるいはこなたなどは図々しくも、絨毯をめくる要領でみゆきのノ
ートの前のページを覗き込んだりする始末だった。かがみは常識家と良識人の名に恥じず、そんな二人に
苦言を呈したりもしたのだが、みゆきはというと気を遣っているのか、眼中にないのか、はたまた持ち前
の集中力で脳が別世界旅立ってしまったのか、一向に気にも留めない様子でそれらの暴挙を看過したばか
りか、土産として全員分のケーキまで持参してきていた。単にみんなで、ケーキしてお茶したかっただけ
なのかもしれない。
 夕刻を迎えて程なく宿題も片付き、少し遅いおやつの時間と相成る。
 「持ってくるね」
 冷蔵庫に一時預かりとなっていたケーキを取ってくるべく、つかさが部屋を後にする。
 「あ、私も行きます」
 みゆきもそれに続く。
 「かがみは行かないの?」
 こなたが四人掛けの座卓の左から聞いてくる。かがみから見て右がつかさで、対面がみゆきである。こ
れはずばり、恩恵享受班の二人がみゆきの手元を見やすくするための配置である。この点でみゆきは、か
がみをも凌いで圧倒的な信用と信頼を勝ち得ていた。鬱陶しくなくていい、とかがみは思うのだが、自分
を客観的に(悪く言えば他人事のように)見る事に長けたB型の血で稼動する脳には、それが負け惜しみ
っぽく映ったため、口にはしなかった。
 「こういうことは、つかさに任せとけばいいのよ」
 「そだねー」
 こなたは、含むところあるように笑う。
 「かがみは、ケーキも爆発させるタイプ」
 「させるか! ていうか、しないだろ!」
 「飲み物とって来るね」
 つかさが再び部屋を出て行く。みゆきは皿を並べ、もって来たイチゴのショートケーキを乗せていく。
 「いただきます」
 かがみは早速フォークでケーキの一角を崩し、口に運ぶ。鼻まで抜けるほどのふんわりとした生クリー
ムの甘みが、口に広がる。冷蔵庫一時預かりだったためケーキらしからぬ冷んやり感があったが、初夏の
暑気ゆえかえって心地よい。それらを抜きしにしても旨いケーキだ。どこで買ったのか聞こうとみゆきを
見ると、かがみは変なものを目撃することになってしまった。
443お母さんごっこ2/4:2008/06/23(月) 20:58:56 ID:2tFgd5CJ
 「はい、みゆきさん、あ〜ん」
 つかさが戻るのを待ちケーキに手をつけないでいたみゆきの口元に、こなたがケーキを掬ったフォーク
を持っていく。
 「泉さん……?」
 「こなた……?」
 二人は、まるで異次元からの来訪者(まあ、たぶんに二次元世界の住人であるが)を見るような目をし
ていたが、しかしこなたは至って真剣だった。
 「あ、あ〜ん」
 みゆきはおっかなびっくり口を開き(他人が手にしたものを口に入れるのは、歯医者の治療台の上にい
る場合と同じなので、怖くて仕方がない)、ケーキを迎え入れる。
 「おいちい?」
 こなたが聞く。
 「は、はい」
 歯痛に襲われたような顔でみゆきが肯く。
 「それは良かったでちゅね〜」
 こなたは満足げに笑い、みゆきの頭をなでなでする。なぜこなたは赤ちゃん言葉なのか?
 「こなた……」
 つっこもう。非難しよう。やめさせよう。何とかしよう。
 かがみは、頭で考えるよりも早く、直感でそう思った。たぶん、みゆきが危険だ。
 だが唇が言葉をつむぐより早く、つかさが戻ってきた。新たな危機がやってきた!!
 「は〜い、ジューチュでちゅよ〜」
 つかさも赤ちゃん言葉である。それだけならまだましであるが、彼女が持ってきたのは、“愛媛の真面
目なジュース”のボトルと、グラスがなぜか三つ。そして哺乳瓶が一本、盆の上に乗っていた。
 かがみとみゆきが呆気に取られる眼前で、つかさは哺乳瓶に愛媛を入れていく。後で分かったことだが、
これはつかさのお古である
 「は〜い、ゆきちゃ〜ん。たくちゃん飲みまちょうね〜」
 つかさはみゆきの背後に回り、哺乳瓶を口元へ持っていく。呆然として動けなかったみゆきだが、うっ
かり口を開けていたため、哺乳瓶の吸い口を咥えさせられてしまった。仕方なしにというよりは否応なし
に、みゆきはチュッチュッと音を立てながら、愛媛を飲み干すこととなった。
 「おいちかったでちゅか?」
 「は、はい……」
 みゆきは、声も表情も怯えていた。
 「そうでちゅか〜、よかったでちゅね〜」
 つかさはみゆきをぎゅうぎゅうと抱き締め、頬ずりをする。
 「ちょ、ちょっと!」
 ようやく行動に出ることの出来たかがみが、座ったままのみゆきを引きずるようにして、二人から引き
離す。
444お母さんごっこ3/4:2008/06/23(月) 20:59:35 ID:2tFgd5CJ
 「何やってんのよ、あんたたち!」
 こなたとつかさは、叱られても悪びれずにこう言う。
 「何かみゆきさんから、甘い匂いしてね〜」
 「ウズウズしちゃったの。母性本能じゃないかな」
 「匂い?」
 よせばいいのに、かがみはへたり込んで目をθみたいにしているみゆきを嗅ぎまわる。
 「するわね、甘い匂い」
 かがみは納得し、そして暴挙に出る。
 「よいしょ」
 かがみはお姫様抱っこで、みゆきを持ち上げた。
 「か、かがみさん!?」
 びっくりしたみゆきは、かがみの首っ玉に抱きつく。
 「あ〜、ごめん。何か急にみゆきを乳母車に乗せたくなっちゃって」
 「乳母車って……ベビーカーって言おうよ、かがみん」
 「まだあったっけ、ベビーカー?」
 「そういえばなかったかもね」
 かがみは仕方なく、みゆきをベッドの上におろした。
 「ないのに乗せたくなったんですか〜?」
 どうやらみゆきの甘い匂いに中(あ)てられ、かがみも母性本能(?)が発動してしまったようである。
ではその原因は何か?
 「汗ばむ季節になりましたから」
 「「「うん」」」
 三人は、母というよりはむしろ子のようにみゆきに寄り添い、油断なく嗅ぎ回っていた。
 「それでですね……あせもが出来ないように使っているんですよ。シッカロール、いわゆるベビーパウ
ダーを……お恥ずかしながら」
 「それで赤ちゃんの匂いがしたんだね」
 哺乳瓶の、特に吸い口をいじりながらつかさが肯く。こなたとつかさが先に発動したのは、みゆきの手
元を覗き込むたびに嗅いでしまったからだ。
 「どこにあせもが出来ちゃうのカナ?」
 こなたが聞く。
 「か、体です」
 「体の?」
 みゆきが誤魔化し笑いを浮かべるが、なればこそ三人は、有無をいわさずに言わせようとする。
 「「「体のどこ?」」」
 「はわわわ……」
 みゆきは後じさりするが、ベッドの上なのですぐに壁に背中がついてしまう。三人はベッドに手を駆け
足をかけ、なぜか服を脱ぎながらみゆきに迫る。
445お母さんごっこ4/4:2008/06/23(月) 21:00:10 ID:2tFgd5CJ
 「「「体の?」」」
 「ここここ、ここ、ここです」
 ニワトリのように震えながら、みゆきは恐る恐るその手を、たわわに実った自身の胸の下張りへ持って
いく。
 「胴体と接する部分がこすれて、あせもになってしまうんです……よ?」
 上衣をほぼ脱ぎ終わりつつあった三人に訪れた変化は、苛烈かつ劇的だった。
 「「「あははははははは!!」」」
 バカ笑いしたのである。
 「笑っちゃうよね〜」
 「ね〜」
 「あせもか〜」
 そして三人三様に肩を落とし、どよーんとなる。このアップ・ダウンの差は、まるで中毒症患者のよう
だ。何の?
 「あの、みなさん?」
 「いやー、空しくなっちゃってね〜」
 代表してこなたが答える。
 「だってさ、私らみゆきさんに赤ちゃんを嗅ぎ取って、母性本能がフェチったわけじゃん」
 「はあ」
 「んで、授乳しようと思ったわけよ」
 そのために脱ぎ始めたのだ!
 「出ないと思いますよ」
 「それはみゆきさん次第でしょ。上手に吸ってくれれば、こう……」
 「全く自信がありません」
 「それなのにさ」
 三人は、みゆきの胸を恨めしそうに見る。
 「みゆきさんの方がよっぽど母乳出そうで、やる気なくなっちゃった」
 「やる気の問題なのでしょうか?」
 「「「やってらんないよね〜」」」
 そして三人は笑う。壊れたように。
 ていうかむしろもうすでに……。


 「出そうじゃない?」
 ふと、そう言ったのはつかさだった。
 「そうね、試してみましょう」
 かがみが肯き、つかさに合図すると、二人はみゆきの両腕を押さえてベッドへと押し倒した。こなたが
その上に馬乗りになる。
 「な、なにをするんですか!?」
 「ん〜、みゆきさんにやってもらおうかと思ってね。授乳する母親役」
 こなたはみゆきの上衣に手をかけた。
 「きっと出ませんよ……ご期待に添えなくて申し訳ないですが」
 「じゃあ試してみよう」
 「え……え……アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


 結果やいかに?


 おわり


44642-115:2008/06/23(月) 21:01:47 ID:2tFgd5CJ
さて、これにて終わります。
ありがとうございました。
残念ながら、哺乳瓶で愛媛が飲めるかどうかは検証してません。
しなくてよかったんでしょうけど。
447名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:17:35 ID:bWDPBxOx
>>438
これは・・・三角関係勃発ですねw

>>446
なんというみゆフェチ状態・・・搾乳され始めたみゆきさんの運命やいかに
448名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:52:00 ID:4B7f/yvd
>>446
テラワロスwwwwwwwwwww
ついに勃発!!みゆ☆フェチ!!!!!!!

そして……





みゆき「新しい滴りができましただばだば(白)」
こなた「あまあああああああああああああああああああい!!!」
449名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:01:25 ID:rxt43HHK
>>446
シッカロールGJ!

みゆきさんが赤ちゃん役とは、
良い意味で予想を裏切られました。
450ふた☆自重:2008/06/23(月) 22:06:50 ID:UNWijzDF
職人の皆様、GJでした。

総理! 柊総理!

かがこな内閣(官房長官=女房役的な意味で)
ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0115.jpg

泉官房長官は野党連中にガン飛ばし中ですが、何か。
451名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:18:16 ID:F2CWZbZB
GJ!でも官房長官はみゆきさんの方が・・・
こなたは文部科学大臣に (=ω=.)b
452名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:20:42 ID:gigj4Bqn
みゆきさんは農林水産大臣でしょう
胸のあたりが酪の(ry
453名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:27:46 ID:ksi9AW52
被りなければ次投下します @5分
454名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:32:55 ID:ksi9AW52
当スレ>>105の続きのようなもの
■エロなし
■かがみ視点
■所々オリジナル設定

5-6レス予定
455フタカタ 〜 Lucky Star:2008/06/23(月) 22:34:28 ID:ksi9AW52
「あ…」
手が触れた。
それは真新しい布の箱だった。
押入の深くに、光もホコリもかぶる事なく、そこにあった。
その模様が目に飛び込んだ矢先、頬は自然と緩み、次には目が熱くなる予兆を感じた。
私は一呼吸おいて、それに手をかけた。



フタカタ 〜 Lucky Star



休日の昼間。
折角の休日を有効活用する気はなく、学生時代のような付き合いもない私は、
24時間が退屈となったその日を、およそ3年ぶりの大掃除に費やす事にした。

家は途方もなく広い。
しかし、今となってはその半分が物置部屋みたいなものだ。
私が大学に進学してから、姉達は一年も経たずに家を離れた。
私の半身であるつかさも、大学進学と同時に家を出た。
今は私と両親しかここには住んでいない。
あれほど賑やかで、時折騒がしいと感じたこの家も、今では見違えるほどにおとなしくなった。


箱は、ずっしりとした重量感に満ちていた。
押入から出そうとすると、手が震えてしまうほどに、
それは私の心にもずっしりとのしかかっていた。

光の元に出すと、かぶっていたホコリが日光に照らし出されうっすらと宙を舞った。
蓋に手をかける。
それた指先から、胸に痛みが伝わり、それが全身にじわじわと広がっていくのがわかる。
また、泣きそうになる。
456フタカタ 〜 Lucky Star:2008/06/23(月) 22:35:09 ID:ksi9AW52
「ほおら、お姉ちゃん起きて」
「ん、え…」
「えへ、今日は私の方が早起きだね」
「ん……毎日そうだと私も楽なんだけどなぁ」
「それは無理だよぉ、明日はお姉ちゃんが起こしてね」

私達は何をするにも一緒だった。
特に小学校にあがってからは、私とつかさが別々に暮らした日は数える程しかない。
周りに性格は似てないと言われるけど、もっと本質的に、私達はちゃっかり双子なのだ。

一緒に遊んで、一緒に勉強して、一緒に寝て。
彩りのある小学校生活を終えて、思春期を抱えた中学校生活が過ぎて、
その中でも、私達は一度も離れようとはしなかった。
つかさが私を求めて、私もつかさの事を強く求めていて、
それに気付いたのは随分後の事だけど。
きっとこれから先も、私達はずっと双子で、ずっと同じ生活の中で暮らして行くのだと、そう信じていた。

「つかさー来たわよー」
「わーい、お姉ちゃんだ〜」
「お?噂のお姉さまのご登場ですね?」
「ん、友達出来たんだ、私姉のかがみ、ってもう知ってるみたいね」
「私泉こなた、こなたでいいよーかがみん」

高校生になってから、私達の生活は大きく変わった。
恐らく生涯忘れる事のないであろう私の親友達のおかげだ。
そいつらは二人だけだった生活に、私がどれだけ虚勢を張っても、躊躇無く土足で上がり込んできた。
でも、それは感謝すべき事だ。
私達の高校生活は人生の中で最高に輝いていて、きっとこれから先何があっても、
その時の事を思い出せば乗り切れてしまうような。
私にとってかけがえのない思い出だった。
かけがえのない親友達だった。

どこまでも破天荒な泉こなたを中心に、色々と厄介ごとに巻き込まれる私達は、
そんな中でもやっぱり双子をしていて。
それでも、つかさが少しずつ姉離れをして行こうと努力をしていたのを、私は知っている。
私はそれがとても嬉しくもあり、とても悲しくもあった。
つかさが目標にしているのは私だったから、姉として、一人の人間として、何よりも誇れる事だと思った。
でも、心のどこかでは、やはりいつまでもつかさに甘えて欲しいと、そう願っている自分がいた。
今思えば、甘えていたのは私の方だったのだろう。
457フタカタ 〜 Lucky Star:2008/06/23(月) 22:35:58 ID:ksi9AW52
「えへへ、明日こなちゃんとプール行くんだ〜」
「ふーん…怪我しないようにしなさいよ」
「うん〜えへ、今夜寝れるかなぁ〜えへへへ」

二人の会話には泉こなたの話題が増えていた。
つかさがこなたの事を気に入っているのは、誰から見てもすぐにわかるほどで、
姉の私は、それがただの友情でない事くらい、すぐにわかっていた。
つかさの部屋には、私ではなくこなたの思い出が飾られるようになった。
つかさの隣には、私ではなくこなたの居場所が用意されるようになった。
それでもやはり私達は双子で、もう片方の手には私の居場所があった。
それがとても嬉しくて、そして自分が情けなかった。

私は姉として、つかさの背を押してやろうと思った。
そしてそれを最後に、私も妹離れをしようと、そのケジメの為にも、そう誓った。

3年目の高校生活。
桜のつぼみはその桜前線の歩みを見せて、
吹き抜ける風にはほのかに春の香りが漂い始めた、そんな春の初めに。
つかさとこなたは交際を始めた。

あの時の事は今でも鮮明に思い出せる。
雪が降る夜、電車が止まった夜に、二人は何時間もかけて、やっと出会えたという。
どこまでも非現実で、漫画的な展開は、きっと二人に用意されたものなんだなと、そう思い。
そして私はもう、役目を終えたのだなと、どこまでも現実的な事実に、強く思い知らされた。

それからのつかさは見違える程に自立していった。
恋というものはここまで人を変えてしまうものなのか。
体験した事のない私には未知の領域だった。
つかさの生活から、私の居場所が消えていく。
とても自然な事なのに、喜ばしい事なのに、ただ悲しかった。
つかさが姉離れをする度に、私の生活は色彩を失ったように、
今までどこの高校生よりも充実した生活を送っていたと自信を持っていたそれが、
本当にありふれた、つまらない物に変わっていった。

せめてもの救いは、つかさの寝坊癖が治らなかった事だ。
朝、つかさを起こす時だけが、私の唯一の救いになっていた。
458フタカタ 〜 Lucky Star:2008/06/23(月) 22:36:52 ID:ksi9AW52
それからは、驚くくらいにあっという間で。
気付けば私達は大学生になっていた。
みゆきは東京の大学に、つかさとこなたもそれぞれ別の専門学校へ進学した。
私も無事大学生になれたけど、4人グループは見事にばらばらの学校で、
私達はたまに会う程度の付き合いになっていた。

つかさは、進学と共に家を出た。
一人暮らしではなく、こなたとの二人暮らしだ。
小さなアパートの一室で、アルバイトをしながら暮らすと言っていた。
物わかりの良すぎる両親は止める事もなく、むしろ二人なら安心だ、と。
あっさりと承諾し、つかさは晴れて愛する者の元へと巣立ったのだ。

つかさが家を出てから、私の生活に変化などなかった。
元々姉離れが進んでいて、双子らしい付き合いも減っていたから、今更という感想だった。


大学での勉学は充実していて、私はそこに何かを求めるように、意味を求めるように、
ひたすらに、がむしゃらに勉強をして。
資格を取る事に夢中になって。
そして目指していた職種の企業からの内定をもらう頃には、私は気の抜けた炭酸のように、
つまらない人間になっていた。

親友とのたまの交流も、忙しい日々の中で減っていき、
私はすっかり一人になっていた。


気付くのが、遅かったと思う。
私は、こんなにも、つかさを求めていたんだ。
真剣で、切実で、呆れるくらい女々しく。
私はつかさを求めていた。

聞き飽きた目覚まし時計。
たまに早起きした時のつかさが作った朝食。
通学路で後ろを付いてくる足音。
忘れ物をしたと教室に飛び込んでくる泣き顔。
お昼休みに私を迎えてくれる笑顔。
放課後に私を待っている時の仕草。
私を待たせまいと支度を急ぐ姿。
寄り道のコンビニでアイスを迷う真剣な顔。
勉強を教えて貰う時の申し訳なさそうな顔も。
459フタカタ 〜 Lucky Star:2008/06/23(月) 22:37:28 ID:ksi9AW52
全てが私には足りなくて、その全てを私は求めていて。
私の生活にはそれらが欠けていたと気付いた時には。
朝の家で。
通学路で。
バスから見える景色で。
車窓から見えるビルの窓で。
生活の至るところで、いるはずのないつかさの姿を探していた。



箱にかけた手を、そっと離す。
痛いくらい力を込めたら、こみ上げる涙は我慢出来そうな気がした。

今でもつかさの事は好きだ。姉として、家族として。
会いたくないなんて、嘘でも思いたくない。
それくらい私の想いは強い。

これは後かたづけなんだ。
そう言い返せる。
次は私が妹離れをする番。
あの高校生活で、つかさが何年も苦労してやっと出来た姉離れを。
今度は私が、妹離れをしなきゃいけないんだ。
それが、私達双子の最後の後かたづけ。
姉として、つかさにしてあげられる最後の愛情だ。



私は、その箱を、つかさが残していった思い出達を、押入深くにそっとしまった。





フタカタ 〜 Lucky Star

おわり
460名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:38:45 ID:ksi9AW52
終了。お目汚し失礼しました。
461名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:06:21 ID:4B7f/yvd
>>460
GJ。寂しくも儚くも美しき姉妹愛を、
ある種、詩歌的に綴る筆運び、色々参考になります。


>>450
内閣総理大臣:柊鑑

・慶応大学法学部卒、法曹資格取得、弁護士の道へ
・数年後 柊法律事務所設立。
・「美人弁護士と最愛の助手」という触れ込みでタイアップを受け、
 流行の最先端の弁護士となる。
・さらに数年後、鷲宮町長、その数年後には幸手市長に就任する。
・埼玉県知事選挙で異例の投票率を獲得し、埼玉県知事となる。
・国民的人気をバックに衆議院選挙に出馬、数回当選を果たす
・幸運星会を結成後、総裁選挙にて勝利。初の萌え首相が誕生する。


「という歴史はいかがかねかがみん(≡ω≡.)」
「恐ろしい捏造っぷりだわねこなた……
 ていうかあんたちゃっかり官房長官とか……
 お目付け役どころか、目の付けられ役のあんたが何言ってんだが……」
「かがみん……夢くらいみさせてくれてもいいじゃん(〒ω〒.)
462名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:12:49 ID:xcbxAmWC
>>460
やばい・・・
かがみとつかさの家族ネタが好きな自分は、読んでて普通に泣いてしまった・・・
いつも一緒だっただけに離れるとかがみもこうなる可能性あるな。
・・・それにしてもせつないorz
463名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:49:28 ID:WozkNxz+
>>460

みゆき
「かがみさん……
 そんな時代もあったねと いつか話せる日が来ます。
 あんな時代もあったねと いつか笑って話せます。
 ですから、今日はくよくよしないで、今日の風に吹かれましょう」

こなた
「? どっかで聞いたような台詞だなぁ……」


それはさておきGJ!
464名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:52:04 ID:7bk7iNpc
このスレに初めて来て、SS読んだんだが、
こなた、かがみ、つかさ、みゆきのイメージはそれほどでもないんだけど、
ゆたかのイメージが極端に悪くなっていくなwww
さすが、赤い悪魔wwww
465本編でもこういってることですし:2008/06/24(火) 00:08:47 ID:r3SvkSTs
>>464
「あのきれいな瞳が急に裏のある腹黒いものに思えてきたような(≡ω≡.)」
466名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:12:38 ID:hvUYK7wp
いや、ごく”最近”だからあまり気に病むなよ。
赤い悪魔ってどっかで聞いたネタだな…

それはそうと、今最も一番病んでるのはみなみだろうw
467名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:17:32 ID:r3SvkSTs
あやののイロモノ化っぷりも負けちゃいないけどな

あれ、あやのさん、そのおみ足で私の首を挟んでなにを(フランケンシュタイナー
468名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:25:47 ID:njNdaW+4
赤い悪魔って、↓のことだろ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1904636
469名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 01:03:08 ID:L6iyZ4cg
>>464
必死にキャラソンを聞くんだ
470妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/24(火) 01:43:15 ID:WTfua76V
>>446,>>448


ちょwそんなことゆーから……


つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0116.jpg



……みゆきさんの身体が壊れてしまったようです(性的な意味で)w
471448:2008/06/24(火) 01:49:34 ID:r3SvkSTs
キタ━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
キタ━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
キタ━━(゚Д(○=(≡ω≡.)=○)Д゚)━━!!!

恐るべし妄想閣下!!!!!!!!
まさか、おもいつきで出しただばだば派生が
こんなことになるなんて!!!

これはもう、みゆきの新しいだばだば確定ですね!!

攻め(赤)も受け(白)もこなす、万能だばだば、それがみゆき!!(゚∀゚)9m
472名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 03:46:46 ID:v4hAlmax
ぼにゅーいいなー
473名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 08:54:19 ID:nVvBixDR
ぼにう! ぼにう! 嗚呼! ぼにう!!


というかマグカップに入るくらい出るんですか! 嗚呼――――――!!


えーと、赤いだばだばと別の意味で白いだばだばをほとばしらせながらぐっじょぶ。
474名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 10:06:01 ID:4PQQYgX7
「こなた……アンタ、なにやらかした?」
「いやその、ちょっと強く吸ったら、スポン!って栓の抜けるみたいな音がして……」
「……///」
475名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 11:14:36 ID:i2soJrLs
>>474

「だ、だって、みゆきさんがもっと強くって言うから〜〜」

「みゆき……染まってるわね」

「(////////)」

「……あの、お姉ちゃん? 反対側の栓抜いちゃったの私なんだぁ……えへへ、困っちゃったね」
「……つかささん、それはマジっすか……(くぅ〜〜っ、出遅れたぁ!)」
476ふた☆自重:2008/06/24(火) 19:11:43 ID:OUov1S/y
 萌え首相スバラシス
 という訳で色塗りました。

ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0117.jpg

 ゆたかは外務大臣になって世界中に萌えを振りまけばいいじゃない。
477名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 19:23:32 ID:hRF9sg7Y
>>476

おおおおおお

女大統領・パトリシア=マーティンにも期待w
478名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 19:42:10 ID:gmatN2a4
内閣ネタ良いね。
479名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 20:31:51 ID:wQVZLv7o
内閣総理大臣:柊かがみ
内閣官房長官:泉こなた
総務大臣:柊つかさ
法務大臣:成実ゆい
外務大臣:小早川ゆたか
財務大臣:八坂こう
文部科学大臣:高良みゆき
厚生労働大臣:天原ふゆき
農林水産大臣:岩崎みなみ
経済産業大臣:田村ひより
国土交通大臣:日下部みさお
環境大臣:峰岸あやの
防衛大臣:小神あきら
防衛事務次官:白石みのる

はっきり言ってしまうと、こんな内閣じゃ日本の行く先が(ry
480名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 20:34:18 ID:B6PcNfNX
防衛周りが危険だな・・・ 部署内で内乱が起きそうだ
481名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 20:36:39 ID:WDhBaVdD
法務省もヤバスwww
482名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 20:38:29 ID:r3SvkSTs
>>476
泉此方官房長官

・中央大学文学部卒 父の跡を継ぐ形で小説家となる
・執筆の傍ら、当時弁護士をしていた柊鑑に取材をかねて助手となる。
・助手経験が生かされた法曹界小説が大ヒットし、
 美人弁護士の助手ということで、セットでタイアップされる。
・当時から、ヲタ潰しな法案が連発されることを憂い、
 名が売れている事も手伝い、私財と仲間内を使い政治活動を始める。
・柊鑑が政治出馬したのをきっかけに自らも衆議院選挙に出馬。
 セットでのタイアップが効いてたためこれまた異例の投票率を獲得し当選。
・幸運星会を柊鏡と共に発足。
 柊鑑を擁し自らは女房役になるかのごとく官房長官に就任する。



「何度も言うけど、何このとって付けたような経歴……
 ていうか、世話かけられる立場のあんたが官房長官とかへそで茶をわかs(ry」
「泉こなたですがかがみんがいじめます(〒ω〒.)
483名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 21:20:27 ID:BW9Timvb
外務大臣と農林水産大臣がいつもくっついてて、経済産業大臣が監視してそうだな。
484名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:10:40 ID:A6Mnifro
防衛庁での話

「ねー白石ー、あたしこれ欲しい。」
「どれどれ…って高っ!ダメです、今経費削減してるの知ってるでしょ!」
「え〜、ここのこれが可愛いじゃ〜ん!」
「ダメですっ!あきら様のおもちゃじゃないんで…ってあきら様どこに電話してるんですか!」
「今買ったよ?あたしの可愛い戦艦さんっ♪」
「全くもう!!」

また違う日

「むぅ……」
「どうしましたかあきら様…大臣。」
「お休み欲しい。」
「……これ以上休んで激務を僕に押し付ける気ですか?」
「あきらだって働いてるよぉ〜、ほらこれに判子ぽんっ、と」
「……今判子捺したの辞職願!ちょっと!破って!!」
485名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:18:28 ID:p8QYK4D/
政界のドン・泉そうじろう

ななこじゃだめ、やっぱりそうじろうだね。
486妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/06/25(水) 03:03:47 ID:1KfyobY8
みゆきさん@だばだばをシコシコ塗ってたんですが、流れはかがこな内閣っぽいので便乗w。



つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0118.jpg



『日本を、やりたい放題。』

愛されて百年、コストパフォーマンス抜群。幸星党です。
487名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 03:47:56 ID:5xKAqmfH
>>486
GJ!国会中継の視聴率が上がりますねw
488名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 03:53:02 ID:XntchSH/
八坂大臣によりギャンブル解禁だなこれは
489名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 03:53:25 ID:btiDXjRX
官房長官による定例記者会見とかで
さりげなくギャグ織り交ぜて笑いを取る可能性あるか?w
490名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 04:01:36 ID:XntchSH/
外国ではちっさい子が(ry
外務はある意味最強
491勢いに任せてやった。反省はしてない:2008/06/25(水) 06:17:25 ID:SrDwrwW2
あきら防衛相「ねー白石ー。あれ買おうよあれ。あのかわいい名前のやつ」
白石防衛次官「またなんですか。戦艦なんて大和好きか長門好きくらいしか喜ばないもんはやめてくださいよ?」
あきら「あんたのマニアしか分からない例えもどうかと思うけど、今度のは最新鋭だからだいじょうぶよ」
白石「なんですか?」
あきら「ラプタン買おうラプタン。12個くらいぽーんと」
白石「らぷたん?なんですかそれ?」
あきら「防衛次官のくせに知らないの?戦闘機よ」
白石「あー、ラプターのことですか。ってあれ一機何百億すると思ってるんですか!」
あきら「いーじゃん。減るもんじゃなし」
白石「思いっきり減りますよ予算が!それに無理です。価格以前に買えません」
あきら「なんで?」

白石「説明しよう!
   ラプターとは某超大国が開発した最新鋭ステルス戦闘機F22の通称である!
   装備によっては対戦闘機から対地爆撃まで、高いレーダー機能と隠密性によって汎用性の高い機体であると言われている!
   そのため、高い機密固まりであるこの機体は、現在のところ輸出は某超大国の法律で禁じられている。
   また、黒いはんぺんが飛んでいるかのようなそのフォルムと、なんと言っても名称の語感から、
   某巨大掲示板の某板では『らぷたん』と呼ばれ愛でられているという!
   (とある場所のらぷたん好きの好きな理由アンケート)
   
   第三位:5%:少数精鋭で有象無象を滅したい。薙ぎ払え!By虫嫌いの女軍人

   第二位:7%:コストパフォーマンス的に疑問はある。だ が そ こ が い い

   第一位:83%:らぷたん可愛いよらぷたん(*´Д`)ハァハァ」


あきら「ふーん」
白石「とにかく無理なんで諦めてください」
あきら「まあいいけど」
白石「ほっ……」
あきら「もう頼んじゃったし」
白石「はい?」
あきら「今頃外務大臣があっちで話し合ってるころじゃないかな〜」
白石「いやだから無理なんですって」
あきら「やってみないとわかんないわよ」
白石「でも法律が…」
あきら「うちの外務大臣忘れたの?」
白石「いや、そうですけど…」
あきら「あっちの大統領もそうとうアレだしね〜」
白石「あえぅ……だんだん自信無くなってくるなあ」


492名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 06:19:03 ID:SrDwrwW2
そのころ某超大国では〜


パトリシア・プレジデント「ハ〜イゆたか!相変わらずニポンの外務ショーはカワイイですネー!」
ゆたか外務相「あはは、久し振りパティちゃ…パトリシア大統領」
パティ「ノ〜ウ。パティでいいデスよ!」

西洋らしい挨拶のハグ、どころではなく、パティはゆたかを抱きしめながら会話を始める。

パティ「ゆたかから愛にきてくれるなんて、感激のキワミでーす。ァアアッーーー!」
ゆたか「パティちゃん字が間違ってるよ」
パティ「誤字のようで誤字じゃない気がするのでおk」
ゆたか「あはは」
パティのとりまきA「大統領。フランクなのもよろしいですが、一国の代表どうし節度を守っていただかねば」
パティ「うるさいやつデスねー。恋路を邪魔すると馬に蹴られてDIEしてしまいますヨ」
とりまきB「……(恋路なのか!?)」

パティ「それで、ゆたかは今回ドンナ用事で来たんデースか?ワタシといちゃいちゃするためでもいいですけど(*´д`*)」
ゆたか「あはは。あのね、小神さんがね、らぷたんっていうのがほしいんだって」
パティ「おーうらぷたんデスか。ワタシもらぷたんに関しては軍板で一晩中萌えスペックを語り尽くしたことがありマス」
とりまきC「(大統領が2ちゃんすんなよ)」
ゆたか「12個売ってって言ってたんだけど、どう、かな?」
パティ「んーん、らぷたんデスかあ………」
とりまきD「お言葉ですが大統領。我が国では議会の法律を無視して他国に売ることはできませんぞ」
ゆたか「無理ならいいんだよ!全然いいよ!小神さんにダメって言うから」
パティ「うmmm………」

どうしたものかと唸るパティ。
それを見定めたゆたかは、下をうつむいてぼそりと呟いた。

ゆたか「……ボソッ(小神さんって怒ると怖いんだよなぁ)」
ぱてぃ「ワカリマシタ!売るのがだめなら、差し上げまショウ!」
とりまきA「そういうもんだいじゃありませんよ!」
ゆたか「やったーっ!」
とりまきB「ちょっ、小早川外相も焚きつけないでください!」
パティ「そうですね、そのままデハ我が国の度量が疑われようとイウもの。倍率ドンでさらに倍!24機もってけドロボウ!」
とりまきC「!!(そんなこと言ってねー)」
とりまきD「大統領、御再考を!」

必至に押しとどめようとするパティのとりまき達。(たぶん秘書官とか)
ゆたかは、まだ抱きしめられたままだったパティの腕を解き、取り囲む四人のとりまき達を順に見つめて口を開く。

ゆたか「どうしても」
とりまきA「…」
ゆたか「だめ」
とりまきB「……」
ゆたか「ですか?」
とりまきC「………」
ゆたか「にぱー」
とりまきD「(*゚∀゚)=3ムッハー!!!」

とどめに輝くゆたかの笑顔。
その輝きは、陰陽弾でも敵わない!




とりまきABCD「イエス!マム!!!」
493名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 06:20:06 ID:SrDwrwW2

その後、連絡を受けた防衛相の一室

あきら「らぷたんゲトしたって」
白石「マジっすか!いくらで?」
あきら「ただ」
白石「んなあほな!」
あきら「らぷたん24機ゲットだぜ!」
白石「ポケ○ンみたいに言わないでください!ってゆーか増えてるし!」
あきら「まーいーじゃない。ただより安いもんはないって言うし」
白石「それ逆ですよ……なんか、この世界これでだいじょうぶなんですかね」
あきら「だめでしょwwww」




マニアックなネタでごめんなさいorz

ただの小ネタのつもりが3レスも使ってしまったorz

ラプターとかわかる人どれくらいいるんだろうww
494名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 07:45:35 ID:1nNo+WTb
>>493
>ゆたか「にぱー」
>とりまきD「(*゚∀゚)=3ムッハー!!!」
ワロタww ゆーちゃんの無垢な笑顔は無敵だ!GJ!

ちなみにラプターの名前は知ってるがHDDのラプターが先に出てくる俺は自作er
495名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 08:55:12 ID:1KfyobY8
 
「まとまらなーい、遊びたーい、困った時の外圧(ひと)頼みー ヽ(=△=.)ノ」


※ある臨時国会、会期延長2回目終盤での泉官房長官の名言
496名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 12:04:04 ID:5xKAqmfH
でも泉官房長官は徹夜慣れしてるからw
497名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 13:37:38 ID:1KfyobY8
>>496

「その先にワクワクドキドキのない徹夜討議は嫌ー」
「そういう徹底議論を面倒がる国会議員が日本をダメにしていくんだなー」


「……でもかがみん総理、それでも私を罷免しないよネ」
「う、うっさいっ!(///)」
498名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 14:03:22 ID:5xKAqmfH
チョココロネもビックリのネジレ国会。問責決議必至ですねw
499名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 16:10:11 ID:Ml7koplw
エロだとかとは違う意味で、内容がR指定なスレはここですか?
50031-207:2008/06/25(水) 18:16:11 ID:IASaSAu/
国会ネタの流れを切るようですが、ひとつ投下させてもらいます。
・エロあり
・あやの×かがみ
・黒あやの
で、本編5レス+おまけ1レス使用させていただく予定です。
501人形とサキュバス 1/6:2008/06/25(水) 18:17:54 ID:IASaSAu/
 みなさんはサキュバスをご存知でしょうか。
 サキュバス(Succubus)は淫魔に属する魔物で、夜な夜な餌となる男性の寝ている元へ現れては
 その妖艶な肉体で誘惑し体を交じえることで精力を吸い尽くす悪魔だそうです。
 サキュバスに狙われると精力を吸い尽くされて朽ち果てるか、一生魔の快楽の虜となりサキュバスに
 永久に吸われ続ける餌となる運命となってしまうそうですよ。
                                 (みゆきの雑学豆知識より)

 ある日の放課後。
 この日は珍しく、かがみ一人があやのの家に遊びに来ている。
 いつもならあやのの幼馴染のみさおがいるのだが、今日は部活があるそうだ。
 このときかがみは気付いていなかった。
 自分が既に、あやのの罠に嵌っているのだということに。


 〜人形とサキュバス〜


「あがって、柊ちゃん」
「うん。おじゃましまーす」
 そう言ってかがみはあやのの家へあがらせてもらう。
 あやのの母親は出かけているようで、家にはあやのとかがみの二人だけである。
「とりあえず、私の部屋で待ってて。今お菓子を持ってくるから」
 というあやのの言葉に従い、かがみはあやのの部屋で待つことにする。
 あやのの部屋には可愛いもの好きな彼女らしく、いくつか人形が置かれていた。
 しばらくするとあやのはやってきた。そして
「どうぞ、食べて。柊ちゃん」
 と、お盆にのせたお菓子とジュースを差し出した。
 そして、しばらくはそれを食べながらおしゃべりを楽しんだ。
502人形とサキュバス 2/6:2008/06/25(水) 18:20:08 ID:IASaSAu/
「さて、と」
 おしゃべりの最中、急にあやのが立ち上がった。
「どうしたの? 峰岸」
「うん、ちょっとね。柊ちゃん、立ってみて」
 と言う。あやのの言葉の意図が分からず戸惑うも
「? いいけど……」
 と、言われる通りに立ち上がろうとする。
 しかし、体から力が抜けてなぜか立ち上がれない。
「あ、あれ? どうなってるの?」
「どうしたの?」
「いや、なんか力が入んなくって」
 そう言うかがみはかなり戸惑っているようである。
 そのかがみの状態に、あやのが答えを言う。
「……教えてあげる。柊ちゃんはね、もう自分の力で動けなくなっちゃったのよ」
「そ、そんなこと……!」
 あるはずがない。そう思い体を動かそうとするも、入れようとした力が抜けてしまう。
 かがみの体は本当に自分の意思では動かせなくなっていた。
「ね、分かった?」
「わ、分かったから早く解いてよ、これ!」
 と、かがみが言う。いきなり体の動きを封じられたのなら当然の反応だろう。
 しかし
「だーめ。これからが楽しいんだから」
 と言うあやのに、かがみの体を釈放する気はない。
 それと同時に、かがみはある種の恐怖を感じる。
「な、なにをする気……?」
「今に分かるわ。とりあえず、服を脱いで」
「そ、そんなの……!」
 それを聞き、かがみはあやのの言葉に必死で抵抗しようとする。
 しかし、
「抵抗しても無駄。柊ちゃんはもう、私のものなんだもの」
 というあやのの言葉通りその抵抗もむなしく、かがみの手は勝手にその服を一枚一枚はぎとっていく。
 そして服をすべて脱ぎ去ると、ベッドに腰かけたあやのが
「さあおいで、私の可愛いお人形さん」
 と言い手招きをする。
 すると、かがみはそれに逆らえずあやのの待つベッドへ向かった。
503人形とサキュバス 3/6:2008/06/25(水) 18:21:46 ID:IASaSAu/
「ふふっ、良い子ね」
 そう言ってあやのは指でかがみの胸の先端に軽く触れる。
 すると、それだけで全身に強い電流が流れたかのような快感がかがみを襲う。
 指で軽く触れた、ただそれだけなのに。
「ひゃぅ!」
「どうしたの? そんな声出して」
 かがみの声にクスクスと笑うあやの。
 その表情は普段と変わらない笑顔をしている。
「軽く触っただけじゃない……」
 今度はその胸に吸いつき、舌で先端を刺激した。
「やめ……ふあああぁぁっ! な、なんでこんなに、気持ち良いのっ!?」
「さあねぇ……」
 そうして今度は、かがみの秘所に指で触れてみせる。
「ひっ!」
「いつまで耐えられるかなぁ、これ」
 そう言いってあやのは、かがみの大事なところに舌を這わせる。
「ひぃぁああ、ああああ!」
 耳に入るかがみの喘ぎ声、舌から伝わるかがみの味。
 それらすべてがあやのの欲を満たす。
 当然、感度を上げられたかがみの身体がそれに耐えきることなどできるはずもない。
 そのまま一気に絶頂に達してしまう位の快感の波が押し寄せる。
 しかし、あやのが
「まだイっちゃだめよ。もっと柊ちゃんの声、聞いていたいんだもの」
 と言うと、かがみの中ので押し寄せる快感の波が無理やりにせき止められる。
 あやのは愛撫を止めたわけではない。強制的にかがみの身体が絶頂を迎えることができないようにしているだけ。

「な、なんで、イけないのっ!? ひ、ゃぅうう!」
「そんなにイキたいの? 柊ちゃん」
 かがみの喘ぎ声を楽しみながら、あやのが尋ねる。
 その手が愛撫を止めることはない。
「お願いだからっ、早く、イカせてよっ!」
「どうしよっかな……」
 と、あやのは少しの間、迷っているかのような表情をしてみる。
 そして
「それじゃ、約束してくれる? 柊ちゃんは私のものになるって」
 と言う。かがみの答えはすでに決まっている。
「するっ! するからっ! 早くっ!!」
「そう、そんなにイキたいのね。それじゃ、言ってくれるかな?『私は、あやののものになる』って」
「言うっ、言うからっ! わ、わたしは、あやののものになるからっ」
「本当に?」
「本当に、なるからぁっ!」
「そう――それじゃ、もうイってもいいよ」
 そうあやのが言うと同時に、かがみの呪縛が解ける。
 そして
「んあああぁぁあぁっ――!!!」
 と大きな声をあげ、かがみはついに果てた。
504人形とサキュバス 4/6:2008/06/25(水) 18:23:24 ID:IASaSAu/
 あやのはサキュバスのごとく相手の精力を吸う。
 普段ならその対象は幼馴染のみさおか、恋人であるその兄のどちらかである。
 しかし、本物のサキュバスのように相手の精力が尽き果てるまで吸いつくすわけにもいかない。
 そのために、間を開けては日下部兄妹と交互に体を交えていた。
 しかし、あやのの身に宿る欲望の炎は更に強く燃えさかる。
 そこであやのが次に目をつけたのが、親友の柊かがみだった。

「起きて、柊ちゃん」
 つい先ほど果てたかがみにあやのが呼びかける。
 すると、すでに疲れ切ったはずのかがみの身体が目を覚ます。
 見ると、あやのも服を脱いでいた。
「ん……あ、あやの」
「まだまだ終わらないわよ、柊ちゃん。私のことも気持良くしてくれなきゃだめじゃない。私のここも、舐めて」
「うん……」
 と、かがみはあやのの言葉に従いあやのの股に顔を埋める。
 かがみにはそれが、先ほどのような快楽を求める自分の意思によるものか、
 それともあやのに従わされているせいなのかすらも分からない。
 ただ、素直にあやのの言葉に従うだけ。
「んっ……気持ち良いわよ、柊ちゃん」
 かがみの行為にあやのは少し声を漏らした。
「そんなに激しくして……そんなに気持ち良かったのね、さっきの」
「うん……」
 そう言いながら、かがみはあやのを気持ち良くさせるために舌を這わせる。

 かがみは、あやのの与える摩の快楽を知ってしまった。
 そして、自分の口から言ってしまった。
 あやのの所有物になる、と。
 そうなってはもう遅い。
 その時からもう、かがみはあやのを楽しませるための従順な人形。
 あやのに吸われ続ける餌となる運命。
 逃げられはしない。

「わ、私、そろそろイキそうっ!」
 かがみの責めに、あやのが声をあげる。
 もっとも、かがみの方がより気持ちよさそうにしているのだが。
「み、峰岸、私、もうっ……!」
「分かってるでしょ? 柊ちゃんがイけるのは、私と同時にだけなの」
 それを聞き、かがみの舌遣いはより激しくなる。
 先ほどと同じく絶頂に達するのを禁止されているかがみにはもう、何も考えられない。
 自分が絶頂に達することができるよう、必死にあやのを気持ち良くさせようということ以外は。
「一緒にイこ、柊ちゃんっ」
「あ、ああああぁぁ……っ!」
 そうして、二人は共に達した。
 あやのにとっては一度目の、かがみにとっては二度目の絶頂に。
 ――まだまだ終わらせてくれそうにはなさそうだが。
505人形とサキュバス 5/6 (本編ラスト):2008/06/25(水) 18:25:00 ID:IASaSAu/
 翌日。かがみは朝起きると、妙に体がだるいのに気がついた。
 風邪などではなさそうで、疲れがとれていないという具合である。
 しかし、とりあえず気にしないことにして、この日はいつものようにつかさと一緒に家を出た。

「おーっす、ひいらぎーっ」
「おほよう、柊ちゃん」
「ん……おはよう」
 自分のクラスに着き、親友のあやのとみさおに挨拶をする。
 その声のトーンでみさおは、かがみがなんとなく元気がなさそうなのに気づいた。
「どーかしたか、柊? なんか元気ねーぞ?」
「うん……なんか、朝からだるくて。なんか、疲れが残ってる感じ」
 と、自分の身体の不調を訴える。
 昨日はそんなに疲れることをしたかどうか思い出そうとしても、記憶がはっきりせず良く思い出せない。
 あやのの家に遊びに行ったのは覚えているが、どんなことをして遊んだのかすら思い出せないのだ。
 ただ、何かとても愉しいことをした気だけがする。
「あるよなー、そーいうの。部活の次の日でもないのに、なんか疲れてたりするんだよなー」
 と、みさおも少し納得したように言う。
「とりあえず今日はあまり無理をしないでね、柊ちゃん」
「うん。ありがと」
 と、かがみは自分を気遣ってくれる二人に言う。
 しかし、かがみは気付かなかった。
 あやのが小さく、
「……妹ちゃんにも、手を出しちゃおっかな」
 と呟いたのには。
506人形とサキュバス 6/6 (おまけパート):2008/06/25(水) 18:26:37 ID:IASaSAu/
 ※おまけ

「や、やめ、つか……ん、ぅうう!」
 ある日の柊家でのこと。
 かがみの部屋では、妹のつかさがかがみの秘所へ必死に舌を這わせている。
 そして、それを見て笑う少女が一人。
 ――あやのだ。
「妹ちゃんにそうしてもらう気分はどう? 柊ちゃん」
「こ、こんなの……やめさせてよ、峰岸っ!」
「そんなこと言っても、身体はしっかり感じちゃってるのね。それもそっか。柊ちゃん、妹ちゃんのこと大好きだもの」
「だからって、こんなこと……んぁあああ!」
「ほら、こんなに気持ち良さそうな声出して。妹ちゃんも、大好きなお姉ちゃんとえっちできて嬉しいよね?」
「うん……」
 そう答えたつかさの目は虚ろで、焦点が合っていない。
 そして、あやのに言われる通りに姉の体に刺激を与えている。
 その姿はまさにあやのを楽しませるための人形、というようなものである。
「おねえちゃんのここ……おいしい……」
「そ、そんな……ひゃ、ぅう!」
 かがみの手足は先ほどから見えない枷をはめられたかのように動かず、かがみはつかさのされるがままとなっている。
 ところで、まだ外の明るい時間からこのような行為をしていても良いのだろうか。
 母親のみきや上の姉たちといった柊家の他のみんなは外出しているが、問題ないとは言い切れないようにも思える。
 しかし、あやのに言わせると『しばらくは帰ってこないようにしてるから大丈夫』らしい。
「妹ちゃん、もっと強くしてあげて。そろそろイキたいみたいだから」
「うん……」
 そう言って、つかさの舌はより激しくかがみの身体を刺激する。
 その快楽に、遂にかがみは耐えきれなくなった。
「あ、ああああぁぁ……っ!」
 そう大きな声を漏らし、身体を震わせてかがみは果てた。

「ね、妹ちゃん。今度は私としよっか」
「うん」
 あやのが尋ねると、つかさは嬉しそうな顔をしてそう答えた。
「それじゃ――」
 そう言って二人は、かがみがぐったりとしている隣にに倒れ込む。
 ――今度は、つかさの番。
50731-207:2008/06/25(水) 18:29:48 ID:IASaSAu/
以上です。
突然こんな妙なネタが浮かんだので。
あやののキャラが変わりすぎですが、気にせずに。
てか、なんでこんな黒いイメージができたんだろう……?
サキュバス云々はこじつけです。
では、失礼。
508名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:27:43 ID:2cYhgtP+
>>493
これでラプター買えたらいいなあ(泣き)。

ついでに
「白石、猫も飼っていい」
「グラマンのドラ猫なら却下ですよ」
「…チッ」

>>507
淫魔のあやのさんGJ!
俺も吸われたい。
509名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:14:12 ID:3gce5KLi
>>509
あきら「大統領の肝煎りで、ロボットに変身できるように改修したらしいよ。官房長官もほしがってるし」
白石「いや、そんなことできたら、らぷたんの方がいらなくなっちゃうでしょ。てか、なんで官房長官がしゃしゃり出るんですか?」
510名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:23:46 ID:C+/g2W+O
内閣ネタもいいけど、>>507みたいなサキュバスネタもいいよね〜(殴



思いついたんだが、互いが互いにフェチっているのは、ネタ的に駄目か?
例えば、こなたが「かがフェチ」で、かがみが「こなフェチ」とか。

しかも、原因があの眼鏡デコ同人作家によるもの(タコ殴り
511名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:04:46 ID:hiRW8tns
>>510
互いが互いにフェチを発病してたら、それは単なるバカップルのような気が。
512名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:11:07 ID:fl9Z/7KE
>>511
甘いな
フェチの威力はそんなもんじゃない
バカップルには間違いないが、バカップル程度に留まらない
バカップルの上位種、テラバカップルになるはずだ。

それこそ授業中にもかかわらずくんずほぐれつして
黒井先生の猛攻もものともしないようなwwww
513名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:32:46 ID:kBHtadw0
>>438
ゆか→みなみ→こなた×かがみ
ゆたかの言葉道理「……恋って、辛いな」って状態ですね
あとかがみのこころは不明ですね

>>446
みゆきが赤ちゃん役をするのってゆかりを除けばここだけじゃ

>>460
うん、寂しいけど   三女が家を継ぐのか?

>>507
女相手ならインキュバスが普通だと思いますけどね
たしかにあやののイメージにあってる気がします
ってかあやのなんて生物
514名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 02:48:48 ID:pINRqhgD
>>507
何という閃き…物凄く惹かれてしまいましたよ…
この後は「かがみとつかさを使ってこなたとみゆきを堕とす」→
「こなたとみゆきを使ってゆたかとみなみを堕とす」→
「ゆたかとみなみを使ってひよりとパティを堕とす」となるのでしょうか…?
515名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 08:41:25 ID:hf+BVC35
>>513
> 女相手ならインキュバスが普通だと思いますけどね

所謂“夢魔”は、女性に対しては男性の姿をしたインキュバス、男性に対しては女性の姿をしたサキュバスと言われるが、
あやのは女性だから……百合“でもある”サキュbあああああ丸腰無抵抗なのにいきなりプロレス技かけr(ここから表現不能な断末魔
516名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 09:48:43 ID:lFhjJIiR
517名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 12:15:39 ID:7nw7M9rY
>>516
間に入りたい
518名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 12:44:38 ID:83VLfo0g
じゃあ私はこなたの背中にまわってはさみたい
519名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 13:17:09 ID:tmi5Hs1M
かがみんに生えたというわけですね。
わかります。
520名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 13:54:03 ID:1huyJd/+
素直に百合を愛でれないのかお前らはw
521名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 15:30:18 ID:mgYjxoGy
そんなときこそディヴァイスですよ。


……ヴァージン・バスターーッ!!(撲殺)
522名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 19:26:45 ID:0xRqn+6I
いけるよね…レイジングハート!!
<<無理。サポシ。>>
523名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 19:41:42 ID:JN9XGdy2
んーと……。
デバイス→お道具→大人のおもちゃ、と連想したら別のネタに妄想が伸びてSM風味注意。
ダメなひとはIDで蹴ってください。


「武力によるこなた攻めの根絶!」(吸引器でクリ責め)
「ひぁっ!」
「それこそがコナスタルビーイング!」(お尻にアナルバイブ)
「ふぁぁ!」
「こな☆フェチがそれを成す!」(両乳首にローター)
「や、ひゃめっ」
「私と、ともに!」(ばんそうこうで固定して両方ともMAXに)
「ひうぅぅぅー!」
「そうよ……私がっ!」(ペニバン挿入)
「いぅぅぅぅ……っ!」
「私たちが、こな☆フェチよ!」(抱え上げて激しくピストン!)
「や、あぁ、あ、やぁはぁ――――――っ! ……はぁぁ♪」


……ついむらむらしてやった。今は反省している。多分。
524名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 19:44:09 ID:2j/sPXv4
>>523
IDがGN-X
525名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:03:14 ID:HnU+UGhB
>>523
そこへ真っ赤な鼻血をまき散らしながらあの人が登場

「み、みゆきさん!?」
「会いたかった・・・・会いたかったです泉さん!
やはり私とあなたは運命の赤い糸で結ばれていたようです
そうです、愛し合う運命にあったんです!だばだば
ようやく理解しました・・・泉さんの圧倒的な美しさに私は心を奪われました
この気持ち・・・・まさしく愛ですっ!!!だばだば」
「ぁ、愛ぃ!?」
526名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:10:04 ID:vA/eC8RH
>>525
「み、みゆきさんっ!?その運命の糸はたった今鼻血で赤く染まったように見えたよ!?」
527名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:26:06 ID:E0vqIwWu
>>516
ガチすぐるwww
528名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 22:08:52 ID:Gpo8jGDV
今月のコンプエースの原作……
なんか、ここの二次創作を見ているような気になったのはなぜだろう。

たぶん、急に内心を掘り下げるような展開になったからだな。
529名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 23:18:53 ID:NuYBIEYE
>>526
そして胸は白く染まるのですね、分かります。
530名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 00:13:39 ID:eWPvTOcg
>>525
み「愛を超越すればそれはフェチへと変わります」
こ「ち、違うよ!
みんな自分のフェチを押し通してるだk・・・ってアッー!!」
531名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 01:18:59 ID:MKu7pp7V
とにかく>>516に死ぬ程のGJを送りたい。
こなかがのガチエロは究極兵器だっ!!!


…てかどっちに「生えた」の?
532名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 01:22:22 ID:OyNQE8HB
特に被りがなければ5分後くらいに投下します
53316-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/27(金) 01:27:09 ID:OyNQE8HB
ごきげんよう。それではいきます。
『4seasons』の続きです。

■かがみ→こなた
■エロなし

7レスになります。
534冬/きれいな感情(第七話)1/7:2008/06/27(金) 01:27:41 ID:OyNQE8HB
§11

「ほんっとすげーんだぜちびっ子。ふわって身体が浮いたかと思うと、もう横になってんだっ」
「はいはい、よかったねみさちゃん」
「おうっ。ってかあれどーやんだ? 今度私にも教えろよー」
「いやいや、そんなすぐには無理だから。ってかあれ実は秘伝なのだよ」
「ひ、秘伝! それってあれか、髭のじいちゃんが持ってくる巻物に書いてあんだよな! 
すげー!」
「ぷぇっ、そんなわけないじゃん。みさきち、漫画とかアニメの見過ぎー」
「お前が云うなお前が!」
 思わず私は突っ込んで、そうしてこなたが嬉しそうな顔をする。
 いつも通りのやりとり、いつも通りの下校風景。
 バス亭へと向かいながら、私たちは表面上いつもとなにも変わらないやりとりを繰り広げていた。
 みさおが空気が読めないやつで助かった。心の底からそう思う。
 格闘技のことでやたらと絡んではすげーすげーと連発するみさおのことを、こなたも最初の
うちは鬱陶しがっていた。けれどなんだかんだ云って本人も満更でもないらしく、気がついたら
こなたも楽しそうに応じているのだった。
「――今日もかがみさんのお宅にお邪魔しましょうか?」
 小声でみゆきが囁いた。
 丁度よくみさおとあやのがこなたの相手をしてくれていて、私とつかさとみゆきで固まることが
できていた。その点もみさおに感謝したいところなのだった。
「……ううん、必要ないと思う。またすぐ明日会うでしょ?」
「それはそうなのですが……」
「お姉ちゃん、何か考えがあるの?」
「考えってほどのことでもないけど、帰ったらこなたの家に行ってみようかって思ってるのよ」
「そうですか、ではかがみさんにお任せします。……でも、後で必ず電話下さいね」
「うん、勿論」
 私はうなずいて、ちらりとこなたたちの方に視線を向ける。こちらにはまるで注目していない
様子で、なぜかこなたとみさおはプロレスみたいに手と手を組んで押し合っていた。
「――こんな時期で、ある意味よかったのかもしれませんね」
 そんな二人を眺めながら、みゆきがぽつりと呟いた。
「え?」
「受験目前ですし、休み明けには今日の出来事も風化してしまっているでしょうから」
「――そうね」
 進学校である陵桜の生徒たちのこと、自分の受験のことで精一杯で、同学年の誰かが誰かと
喧嘩したなんてことは皆すぐに忘れてしまうだろう。
「ねっ、せめてさ。明日は楽しいクリスマスにしようね。色んな事があっても、楽しく笑えたら
きっと大丈夫なはずだよ!」
 私たちの手を取って、つかさはにっこりと笑った。
 私もみゆきも、その瞬間虚を突かれたようにはっと息を飲んだ。
 そうしてつかさを見つめるみゆきの表情は、いつも通りのぽやんとした物に変わっていく。
そのときになって初めて、私はみゆきが近頃ずっと緊張していたことに気がついた。
「……そうですね。本当に、そうですね」
「ふふ、あんたのケーキ、すっごく期待してるからね」
「うん、がんばるよ〜」
 つかさが気合いを入れるように拳を握りしめたとき、後ろからこなたが叫ぶ声が聞こえてきた。
「あー、バス、バス! バスきちゃってるよ!」
 みると、いま正に曲がり角を曲がってバスがやってくるところだった。
「あ、やばっ、急ごう」
 そう云って、私たちは駆け出した。
 走り出すと、冷たい風が顔に当たって身を切られるような寒さを感じる。体操着や上履きで
膨らんだ荷物に難儀しながら、私たちは懸命に走った。
 びゅん。と後ろからつむじ風のような勢いで追い越していくのは、こなたとみさおの二人だった。
535冬/きれいな感情(第七話)2/7:2008/06/27(金) 01:28:15 ID:OyNQE8HB
「わ、わー、ふたりとも、はやーい」
 見る間に私たちを引き離して、二人はぐんぐんと加速していく。
 けれどさすがに本職とは比ぶべくもなくて、こなたもすぐにみさおから引き離されてしまった。
「ぬおー」なんて、こなたが叫ぶ声が聞こえてくる。何をむきになっているんだあいつは。ちらと
そんなことを思ったけれど、私はなんとなくその理由がわかる気がしていた。
 青い長髪が風にたなびいて、こなたの背中で踊っている。小さな身体を懸命に動かして、
前に前に進んでいく。
 目的がただのバス亭であることなんて、きっと関係がない。
 スポーツ推薦が決まっているみさおに勝てるわけがないことなんて、全然関係がない。
 そんなこなたを突き動かしている感情は。
 そんなこなたを見て私の胸にわき上がる感情は。
 きっと今の私たちだけが感じられる何かだろうと、私は思った。
 荒い息を吐きながら、みゆきに遅れてバスのステップに足をかける。みさおは胸を張って
勝ち誇り、こなたの頭を押さえつけながらニヤニヤと笑っていた。つかさとあやのが手を取り合い
ながら駆けてきて、やっと全員がバスに乗り込むことができた。

 そんな私たちを見て、初老の運転手さんが眩しそうに笑っているのだった。


§12

 窓の外で、ツグミが飛んでいた。
 群れをなす鳥たちは、あの日死んでいた一羽のツグミなど素知らぬ風でただ空を飛んでいる。
 そう、あのツグミは死んでしまったけれど。失われたものを取り返すことはもうできないけれど。
 鳥たちは、また春になれば故郷に帰り、巣作りをして新たな子を産んで、来年の冬には再び
ここに戻ってくる。
 きっとそういうものなのだろうと思う。そういうサイクルの中、私たちは生きているのだろうと思う。
 持ち物を確認して部屋を出ようとしたそのとき、ケータイが鳴って私に着信を知らせた。みると、
みさおからの電話がかかっていた。
「おーっす、どうしたのよ」
『うぃー。いや、どうしたじゃねーだろ』
「うん?」
『ちびっ子のことだよ。それこそどうしたんだよ。あいつ、いくら頭に血が昇っても他人に暴力
ふるうような奴じゃねぇだろ。このごろずっとおかしかったじゃんか、何があったんだ』
 その指摘に、思わずケータイを取り落としそうになる。
 ――こいつ、気づいていたのか。
 頭が真っ白になって、咄嗟には言葉がでてこなかった。
 そう考えると、私が“空気を読めない発言”だと思っていたあれこれも、まるで違った
意味を帯びてくる。
 投げ技にひたすら関心してみせたり、運動神経を褒め称えたり、駆けっこで完勝して
勝ち誇ったりしたことも、こなたが感じているはずの罪悪感を少しでも軽減しようとしての
ことだったのかもしれない。
 実際、始めのうちは沈みがちだったこなたも、みさおと話しているうちに段々といつもの
元気を取り戻していたのだ。
 みさおもみさおなりに、精一杯こなたのことを元気づけようとしていたのだろう。何にも
気づかないふりをして、さりげなく周りを気遣って、どこまでも明るく振る舞って。
 ――それを私は、ただ無邪気に『みさおは元気だな』なんて受け止めていた。
「すまんっ!」
 恥ずかしさに、顔が熱くなっていく。みさおの思いに気づかなかった自分が情けなくて、
頭を下げて謝った。こなたがみていたら、また電話でジェスチャーをしても伝わらないだの
なんだのと云ってくるだろうけれど、それが伝わるかどうかは問題ではない。ただ自分の
気持ちの表れなのだ。
536冬/きれいな感情(第七話)3/7:2008/06/27(金) 01:28:51 ID:OyNQE8HB
『おお? なんでかがみが謝ってんだ?』
「いや、あんたが気づいてるとは思ってなかったのよ。マジですまん。あんたのことちょっと
軽くみてたのかもしれない」
『おーおー、かがみもやっと気づいたか。な? 私ってば気遣いできるやつだろ? ニヘヘ、
でも私に惚れちゃだめだぜー』
「云ってろよ。ってか調子にのんな!」
『ちぇっ、デレは一瞬でやんの』
「あんたはこなたかよ。……ねぇ、事情、説明した方がいい?」
『うーん、もしかして込み入ってんのか? なんか理由があって私たちには云いづらいとか』
 ――みさおは、もう大人だ。
 私はいつまでも中学校時代のみさおのことを引きずっていて、いつまでたっても子供みたいな
やつだなんて思っていたけれど。私やつかさが少しずつ成長していったように、こいつだってもう
高校三年生なのだ、成長しているに決まっている。
 ――云った方が良いのだろうか。私の事情を。
 みさおとあやのに伝えていなかったのは、何も蚊帳の外に置こうとしていたわけじゃない。
みさおは他人に隠し事ができる人間じゃないと思っていたから、云わなかっただけなのだ。
あやのには伝えられるとしても、あやのだってみさおに隠し事をするのは辛いだろう。
「込み入ってはいるし、理由があって云いづらいのもその通りだけど。あんたが自分の胸に
しまっておけるなら説明するわよ」
『うへぇ。そんな重い話なん? うーん、性格的に私は隠し事できねっからなぁ……。いつか
云えるようになったら教えてくれ』
「――そっか、わかった」
『とにかくさ、私だって普段のだらだらしたあいつのこと、結構好きなんだぜ。だから、頼むかんな』
 そう云って、みさおは電話を切った。
 私は、沈黙したケータイを眺めながらため息をつく。改めて人という存在の凄さを思い知った
気がしていた。その人が普段見せている表情なんて氷山の一角のようなもので、一人一人が
その奥に深い思いを抱き、一人一人が別の人生を送っているのだ。
 その不思議さに、少しだけ眩暈がした。

 ※     ※     ※

 つかさが焼いてくれたクッキーを持って、自転車を漕ぐ。
 もう通い慣れた道だ。目を瞑ってでも辿り着ける道だ。
 けれど行き交う人々は、みなどこかそれまでと違って見えていた。一人一人が背景ではなく、
風景でもなく、皆私と同じように色々な思いを抱きながら生きている人間なのだと、そう思うように
なっていた。
 曲がり角を曲がれば、泉家はもうすぐそこ。それは曇天を背景に少しだけ懐かしい佇まいで
聳えている三階建ての建物だ。その中にこなたがいる。その中にこなたの十八年がつまっている。
 立ち並ぶ家並の中、こなたが住むその建物は私にとってどこまでも特別な物に感じられていた。
「――いらっしゃい」
「おーっすっ」
 なんだか不思議そうな顔をしているこなたに、私はいつも通りの挨拶をする。玄関に現れた
こなたは、珍しく普通の格好をしていた。ファーのポンポンがついた生成のセーターに、
フェミニンなギャザーフレアスカート。そこから覗く足をオフホワイトのカラータイツが覆っていて、
まるでお姫様みたいに可愛らしかった。
 いつもこなたはパジャマに丹前のずぼらモードですごしているのに、一体どういう風の
吹き回しなのだろう。
「どうしたのよそんな格好しちゃって。どこか出かけてたの?」
「別に。ただ着合わせてみただけだよ」
 なぜか不機嫌そうにそう云って、ぷいと先に部屋に戻ってしまうこなただった。
「あ、ちょっと待ってよ」
 慌ててブーツを脱いでいると、部屋の中から「勝手に上がってきてよー」と声がした。
 なんなんだ一体。そんなことを思いながら部屋に入ると、後ろを向いて椅子にまたがった
こなたが、くるくると回転椅子を回して遊んでいた。机の上には参考書やノートが広がっていて、
ちゃんとさっきまで勉強していたようだった。
537冬/きれいな感情(第七話)4/7:2008/06/27(金) 01:29:12 ID:OyNQE8HB
「――あのさ、こなた」
「んー?」
「頼むから、スカートで足広げないでくれ」
「えー。いいじゃん減るもんじゃないし」
「いや、減るだろ。せっかく可愛いコーデなのに、隙だらけじゃ魅力半減だわよ」
「んー、そういうもんかな」
 そう云ってこなたはまたがっていた足を上げ、正面座りになってくるりとこちらに向き直った。
「可愛い格好は好きだけど。見せちゃいけないとか、おしとやかじゃないといけないとか、
面倒くさいから嫌い」
「面倒くさいってなあ……。あんたは本当昔から恥じらいってものがないわよね」
 そんなことを云いながら、私はバッグから勉強道具を取り出して座卓に拡げていった。
「だってそういうのよくわかんないんだもん」
 こなたはそう答えて、私がすることを興味深そうに眺めていた。
「あ、つかさがクッキー焼いてくれたから一緒に食べよう」
「あ、うん。じゃお茶淹れるけど……かがみ?」
「ん?」
「いや、何しにきたの?」
「云わなかったっけ?」
「聞いたけど、よくわかんなかった」
「勉強会に来たんじゃないの」
「わたしとかがみ二人だけで?」
「……変かな?」
 こたなはしばらく宙を見上げながら何事か考えている風で、しばらくしてぼそりと口を開いた。
「や、別にそんな変でもない、のかな?」
「だろう?」
「うん。なんか釈然としないけど……」
 ――お茶淹れてくるね。
 そう云って、こなたは部屋を出て行った。タンタンと階段を昇る跫音が聞こえてくる。
この家のキッチンは二階にあるのだ。
 取り残された部屋で一人、私はなんとなく周囲を見渡した。壁紙の色、家具の配置、集められた
漫画やフィギュア。そういったものの全てにこなたの思いが詰まっている気がした。こなたが考えた
結果この部屋のあれこれはできあがっていて、ならばここはこなたの心の中そのものだ。
 ベッドの脇、机との間に前は見かけなかったカラーボックスが置かれていて、入りきらなかった
本やCDが周囲にまで溢れている。ああ、あそこが前に云っていた未読用本棚か、確かに
山のようになってるな。私はそう思って、一週間ほど前の楽しかったあの日を思い出していた。
「おまたせ」
 カチャリとドアを開けて、紅茶セットを載せたお盆を持ったこなたが戻ってくる。
 お礼を云って、がさごそとクッキーの袋を開けて小皿に取り分けて。さあ始めるかと云うときに
こなたが云った。
「わたし、こっちでもいい?」
 さっきまで勉強をしていたのだろう、机の方を指して云った。
「ああ、いいんじゃない。わざわざ動かすこともないだろうし」
 そんなこんなで、二人で別々に勉強を進めていく、奇妙な勉強会が始まった。

 さらさらと流れるシャーペンの音。ぎしと鳴る椅子の背もたれ。ぶつぶつと呟く声。頭を
抱えながら発するうなり声。
 古今東西受験生が勉強中立てる音なんてそのようなもので。私とこなたもそれぞれそんな
音を立てながら、穏やかな時間が流れていく。
 こなたもちゃんと身を入れているようで、小さな背中が手の動きに合わせて小刻みに揺れて
いる。なんだかそれが可愛くて、なんとなく顔を上げてその様子が眼に入ると、私はつい微笑を
浮かべてしまうのだ。
 何かつまらないミスでもしたのだろう。小声で「あー」と呟いてがしがしと頭を掻くこなたのことを、
頬杖を突きながら眺めていた。と、ちらりと振り返ったこなたと眼があった。私が見ていることに
気がつくと、こなたは面食らったように驚いて、そうして頬を紅く染め上げた。
538冬/きれいな感情(第七話)5/7:2008/06/27(金) 01:29:34 ID:OyNQE8HB
「な、なんで見てんのさ」
「別に。たまたま目に入っちゃっただけよ」
「じゃ、なんでそんなニヤニヤしてんの?」
「いやー、あんたって何か変な小動物みたいで面白いわよね」
「あれ? もしかしてわたし、かがみに弄られてる?」
「たまにはそういうのもいいでしょ」
「よくないよ。調子くるうなあ」
 そう云って、ふて腐れたみたいな態度で机の上の参考書を取り上げてこっちに来ると、
どすんと乱暴な動作で座りながら座卓の上にそれを拡げだした。
「ね、ここよくわかんないんだけど」
「マグナ・カルタ?」
「そそ、法の支配だか法治主義だかの礎になったみたいな話だけど、その二つの違いがよく
わかんない」
「んー。法治主義っていったらローマ法がもとになった大陸法のことで、法律の内容は問わずに
ただ法に触れたからという理由で捌いていく主義で、法の支配は英米法の理念にある“正しい”法を
追求していく考え方のことよ」
「……わかんない。ってか法治主義って悪いことなの?」
「や、良い悪いじゃないだろ。ただ形式的に適用されるから、不当に市民の自由を制限できる
可能性が出てくるわね」
「ええ? じゃ、法治主義の日本は駄目ってことじゃん」
「だから、駄目とか駄目じゃないの話じゃないのよ。そりゃ私はマイノリティを平気でスポイルできる
形式的法治主義は否定するけど、それが絶対的にいいことだなんて思わん。ってか日本国憲法は
法の支配を理念にしてるぞ?」
「うそー。日本って法治主義の法治国家なんじゃないの?」
「形式的法治主義と実質的法治主義は違う」
 私がそう云うと、こなたの中で何かが切れたようで、突然立ち上がって叫びだした。
「なんで違うのさ! 実質的法治主義ってもう法の支配と同じなんじゃん、なんで名前違うの!」
「私に切れんな! 成立過程が違っていれば呼び方も違うもんだろ。いいから座ってろ」
「もー。大体さ、このジョン欠地王ってのが悪いよね。もっと強気で出ればマグナ・カルタなんて
突きつけられなかったんじゃないの?」
「それはそれで、今の社会がもっと不自由だったかもしれないだろ。ってかあんたは覚えたくなくて
適当云ってるだけでしょうが」
「ばれたか」
 ぺろりと舌を出してから、こなたは言葉を継いでいく。
「まあ実際、ヘタレキャラの存在も重要なんだよねー。欠地王なんてかなりいいキャラ立ちしてるもん」
「あんたはまたそんな見方かよ。まあでも、そんなんでも覚えられるならいいかもしれないわね」
「うむう。エドワード黒太子とか、CVは絶対小野大輔だよね。ナルキャラ、ナルキャラ」
「しらんわ」
「獅子心王とか笑っちゃうくらい格好よすぎじゃん。あんたはどこのカシュー陛下だってーの。
っていうかさ、このあだ名つけたの絶対わたしたちの同類だよね。ライオン・ハーテッドとかありえない」
「……そうかもな」
「カップリングはリチャード×サラディンで決まりだよね。敵味方に分かれた禁断の恋。お互いの
信仰が二人を引き裂くのだー」
「はいはい」
「で、フィリップ二世オーギュストがリチャードに岡惚れしてんの。こいつは絶対ツンデレ」
「いいけど、頼むからそれは答案に書かないでくれ」
 ――実際、獅子心王と呼ばれたリチャード一世は同性愛者と噂され、フィリップ二世との関係も
疑われていたのだ。
 そんなこと、気軽に云ってしまってもよかったのかもしれないけれど、なぜだか私はそれを
云い出せずに飲み込んだ。気楽にネタにできるほど、私にとって同性愛は縁遠い物では
なかったのだ。
 そうしてふと、部屋に沈黙が訪れた。こなたはそのまま座卓の前に座って参考書に目を落として
いた。パラリとページをめくる音が聞こえてくる。しばらくして、思い出したようにこなたがぽつりと云った。
「――聞かないの?」
539冬/きれいな感情(第七話)6/7:2008/06/27(金) 01:30:03 ID:OyNQE8HB
「……何をよ」
「今日のこととか、こないだ太宮行った時のこととか、色々だよ」
 こなたは顔を伏せたままだった。だから、こなたがどういう表情をしているか、私にはわからない。
「聞いたら、教えてくれるの?」
 ゆっくりと穏やかに、できる限り優しく聞こえるように、私はこなたに問いかけた。参考書に
眼を落としたまま、こなたは動きを止めている。文章を読んでいるふりをしているけれど、
その実文字なんて目に入っていないことは明白だ。
 たっぷり十秒ほど沈黙してから、こなたも小さい声で返事をした。
「――云えないよ」
「それじゃ、私も聞かない。教えてくれないことには理由があるんでしょ」
 私も、つかさも、みゆきも。別にこなたが隠している事情を知りたいわけじゃない。ただ
こなたにいつも通り心からの笑顔を浮かべていて欲しいだけなのだ。
「そうだけど、それでいいの? それ聞きにきたんじゃないの?」
「違うわよ。久しぶりにあんたと二人で勉強するのもどうかなって。最初に云ったじゃないの」
 あるいはゆたかちゃんやそうじろうさんなど、こなたの家族や親戚ならなんらかの事情を
知っているかもしれない。けれどこなたが隠していることを他の人に教えてもらっても意味がない。
それでこなたの問題が解決するとは到底思えず、それどころか勝手に事情を詮索することで、
こなたを傷つけることになるかもしれない。私たちはそう思っていたのだった。
「――い、云ったけど……よくそんな恥ずかしいこと云えるね、かがみの癖に……」
「特に恥ずかしいとは思わんが。ってか私の癖にってどういう意味だ」
 ――別に。
 そう云って、ぷいっと横を向くこなただった。
 ふて腐れたような態度はしていたけれど。
 その後、こなたは私の正面に座ったまま、二度と自分の机に戻ることはなかった。

「ああ、もうこんな時間か」
 ふと時計を見上げれば、もう夕食も近い時間になっていた。
 なんだかんだでこなたはあれこれとわからないところを聞いてきた。なんでこんなところがと
思うところもあったけれど、答え辛い質問、私も完全には理解できていない部分の質問なんかも
あって、答える私にとってもいい勉強になったと思う。
「よかったらごはん食べてく?」
 座卓の上にぐでんと寝そべって、こなたは上目遣いで私を見る。
「いや、さすがに急には悪いわよ。家にも遅くなるって云ってないから用意してるだろうし」
「そっか、まあ、そうだよねー」
 ――その台詞がどこか淋しそうに聞こえたのは、私の思い上がりだろうか。こなたの後ろ姿を
眺めてそう思う。
 こなたはティーカップとお皿を纏めると、お盆に乗せて部屋を出て行った。
 渡そうかどうしようか迷っていたけれど、ここまで来たら渡してしまおう。そう思って鞄から
プレゼント用の紙袋に包まれたそれを取り出したところで、こなたが部屋に戻って来た。
「ん、どったのそれ?」
「いや……」
 恥ずかしくて、顔に血が昇っていくのを感じていた。これを編んでいる最中、私はこなたの
ことばかり考えていた。編み棒を動かす度にこなたの声を思い出し、編み目を作る度に
こなたの笑顔が思い浮かんだ。そんな私の想いが宿っているような気がして、つい差し出す
ことにためらいを感じてしまう。けれど、そう思うからこそみんなの前では渡しづらいなと思って、
今日これだけを持ってきたのだ。
「おおお、なになに? なに一人でデレてんの?」
「う、うっさい!」
 途端にあのニヤニヤ笑いを浮かべ出して、ここぞとばかりに近寄ってきて脇腹をつんつんと
つつき始めるこなただった。
「やめんか、もう……。はいこれ、ちょっと早いけど上げるわよ」
「おお? あ、クリスマスプレゼント? なんで?」
「なんでもないわよ。ってか恥ずかしいから後でこっそり開けてよね」
「それって、今開けろっていう意味?」
 いっそ憎たらしいほどに笑み崩れた顔で、こなたはとんでもないことを云い出した。
「ちょ、まっ、なんでよ!」
「いやー、押すな押すなは押せっていう意味でしょ、芸人的に」
「私は芸人じゃないわよ!」
540冬/きれいな感情(第七話)7/7:2008/06/27(金) 01:30:28 ID:OyNQE8HB
「じゃ、ツンデレ的に?」
「どこでそんなコンセンサスが定まってんのよ!」
 ――ビッグサイトかな? なんてことをのたまって、こなたは鼻歌交じりにシールをペリリと
はがし始めた。私はもう自分のこんな顔をみられたくなくて、さっきまで座っていたクッションを
頭に被って床にはいつくばる。けれど冷静に考えたらこんなものの下に隠れられるわけがない。
そんなこともわからないほど、私は慌てていたのだった。
「こ、こりは……」
 意外な物を見た、というような沈黙の後、一転穏やかな口調になってこなたは云った。
「これ、手編みだよね?」
「そうよ、悪かったわね既製品より荒くて!」
「んーん、一瞬わかんなかったよ。でもタグみたいなのが全然ついてなかったから手編みかなって」
「そ、そう?」
 思ったより弄ってこないな。そう思って顔を上げると、こなたはなんだか優しそうな表情をしている。
「ありがと、嬉しいよ」
 そう云ってふわりと笑ったその顔は、私が今までみたことがないような表情で。こんなときに
そんな顔をするこなたのことを、私は卑怯だと思った。
「べ、別にそんなに気合い入れてたわけじゃないんだからね。ただ勉強の合間の気晴らしに
少しずつやってたって云うか」
 だから私は、思わず憎まれ口を叩いてしまうのだ。けれどそんな私の言葉を聞いて、
こなたは肩をぷるぷると震わせ始めた。そうして我慢ができなくなったように突然ぷーと
吹き出すと、けたけたと笑い出したのだった。
「あ、あははははは! か、かがみそれ、それなんてツンデレ? テ、テンプレすぎる、
あははははは!」
 爆笑するこなたを前にして、私は恥ずかしさの余り何も云うことができなくなっていた。
ただ口をぱくぱくと開けては閉め、開けては閉めるのを繰りかえす。こなたは脱力して
立っていられなくなったようで、床に転がってひーひー云いながら足をぱたぱたさせている。
 頭に血が昇って、どんどん顔が熱くなっていくのを感じている。今の私の頬は、きっと
これ以上なく赤くなっていることだろう。口を開いても、出てくるのはあうあうという間抜けな
音ばかり。いたたまれなくなった私は、頭を沸騰させたまま荷物をひっつかんで云い放った。
「も、もう帰るっ!! また明日!」
「あ、あはははは、気をつけて、あはははは、お、お腹痛い」
 まだ笑い転げているこなたを部屋に残して泉家を出た。
 かっかと火照った身体に冬の風が寒くって、ぶるると身体が震え出す。空ではすでに夕陽が
宵闇に駆逐されかけていて、地平線にオレンジ色の残滓が残るだけになっていた。冬至が過ぎた
ばかりで、今は一番夜が長い時期なのだと思い出す。
 寒さに縮こまりながら裏手に回り、自転車を出してこぎ出した。
 まだ頬には火照りが残っている。
 けれどペダルを踏む度冷たい空気が身体に当たって、風はそんな火照りを冷ましながら
後方に吹き流れていく。
 やがて沸騰した頭が完全に冷めきると、その後に残った物はきらきらと光る宝石のような
何かだった。
 ――ふふ。
 思わず、口元に笑みが浮かぶ。
 あの時のこなたの表情、大口を開けてひたすらに笑い転げる様子、笑いすぎて目尻に
浮かんだ涙、ひるがえった青い長髪。
 思い出すと、また少し頬が熱くなる。冬の夜風であっても、こんな想いを冷ますことなんて
できやしない。
 なんだかペダルを踏む足が軽かった。
 羽根が生えたように、身体が軽かった。
 戻ったらつかさに話して、みゆきに電話して、そして――。
 明日の準備をしよう。クリスマス会の準備をしよう。
 ――楽しくなる。きっときっと楽しくなる。

 そのとき私は。

 両手を拡げたら、空も飛べそうな気がしていた。

(つづく)
54116-187 ◆Del8eQRZLk :2008/06/27(金) 01:30:51 ID:OyNQE8HB
以上です。ありがとうございました。
542名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 02:24:05 ID:d8q0h1xt
>>541
あぁもう!!この続きを見ることが一週間の動力源になってる気がしますw
こなたの態度を深読みしてしまう私はまちがいなくこなかが病罹患者
543名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 02:39:16 ID:WX4xxzCS
>>541
GJ!!!
なんだろう、こなたの行動の一つ一つが気にかかる…
いくらなんでも、出かけるわけでもないのにお洒落するような子じゃないし、
かがみと目が合ったからって、自分にその気がないのなら、とも…。

もしかしたら、かがみの気持ちに気付いてるから…?
544名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 02:43:03 ID:+gxaMkeX
>>541
相変わらずGJです
お洒落するこなた可愛いなぁ

も、もうこなたの気持ち勘違いしていいですよね…
かがみと一緒にここまでずっと我慢してたんですよ
自重しすぎて頭が割れそうだ!しかしこの痛みがたまらん!
545名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 02:46:08 ID:MKu7pp7V
>>541
おお、偶然徹夜してた甲斐があったww

いろいろ溜め込んでしまってるこなただけど、かがみにめちゃめちゃに甘えさせてあげたい…
546名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 03:22:27 ID:qTB4njRc
>>541
もうあなたのレス見ると反射的にガッツポーズ取ってしまうよ…!
みんなの気持ちが浮き上がって一安心、でもこの後まだありそうで目が離せません。

こなたは何を抱えているのかなあ。
547名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 06:09:29 ID:JBAtXUqH
>>541
こなた可愛いよこなた、でも自重してるからこなた心配だよこなた。
回復してはいるようですが、どうもこなた爆弾に破裂の危険を感じてはらはらしつつ、ぐっじょぶ。
548名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 15:37:09 ID:rZrTZzmA
こなた「らーきすたのっ、一月号には楽しい付録が一杯おっぱい!」
かがみ「…いきなり全壊か…」
こなた「まーずは袋詰めのみゆきさん母乳♪」
つかさ「あまーい」
あやの「ぼーんばいえー♪ぼんばいえ〜ぼーんばいえー♪」
こなた「つーぎーはかーがみんの使用済みっニーソ♪」
みさお「ヴぁー!」
あやの「ぼーんばいえー♪ぼんばいえ〜ぼーんばいえー♪」
こなた「さらにさらにっ今なら応募者全員サービスには特製バイブ(そうじろう型)!」
かがみ「うっはっうっはっうっはっうっはっ、らーきすたのー一月号はっしょーがっかん♪」
こなた「ハァ」
かがみ「…」
こなた「そこで乗っちゃ駄目だよ…JK」
かがみ「…納得いかねー!」
549名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 19:52:06 ID:PZHo7TNV
思いつき

ここの作者がコラボしたら面白い事にならないかな

・メインライター、16-187氏
・ギャグ、7-896氏
・シナリオ、◆cj23Vc.Ou氏
・設定 ぶーわ氏



いろんな意味で 凄い事になりそうだ!!
550名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 20:18:01 ID:f/er/yEw
投下される方がいないようでしたら、5分後に投下したいと思います。
55120-612 ◆xdkSnUtymI :2008/06/27(金) 20:23:33 ID:f/er/yEw
では、投下したいと思います。

・ナイトウィザードとのクロスSS「闇祓う光明」の第3話です。
・8レス使います。
3年生最初の中間テストが終わったとき、少女はやってきた。

「西田香津美(にしだ かつみ)です、よろしくお願いします」

3年C組担任の桜庭ひかるの脇で挨拶する姿は清楚と言ってよかった。
ただ、派手さがないためにクラスの中で目立たない存在になるであろうことは間違いなかったが。

だが、彼女の登場は学園内に大きな異変をもたらすこととなったのだった。

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闇祓う光明    − ナイトウィザード in らき☆すた −

第3話『邂逅 〜 近づく闇 〜』

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梅雨真っ盛りのある日のことである。
どんよりと曇った空の下ではあったが、陵桜学園はふだんどおり明るかった。
そんな学園の教室のひとつ3年B組ではひとつの机を囲むように、4人の女生徒が座っている。
4人は自他共に認める親友であり、休み時間ごとに机を囲んで話しこんでいる姿がいつも見られた。

そしてその4人の中で特に賑やかなのは、チョココロネを手にした一番背の低い女生徒、泉こなたである。

こなたは後ろの席を向くように座り、向かい合わせるようにクラスメートの柊つかさが座っている。
まるでカチューシャのような大き目のリボンがアクセントの、肩口でそろえられた髪がトレードマークのおっとりした少女である。
つかさは陵桜学園における、こなたの最初の友人である。

外国人にからまれていたつかさを助けたことが縁で知り合ったと、こなたは言う。
ただしそれは、こなたから見てのことである。

つかさ自身は外国人は道を聞いていただけかもしれないと、今でも思っていた。

そしてこなたはそのことを否定しなかった。
普段の生活態度からは想像もできないことではあったが、こなたは会話だけなら問題なく英語を駆使できる。
そのこなたの耳に入った外国人の言葉の内容は、はっきり言ってナンパ以外の何者でもなかったのだ。
いや、むしろストリートガールに対して言うような発言が山のようにあったのだ。

そのことをつかさに知られないようにするためあえて、つかさの誤解を解く気にならないこなたであった。

そのつかさの、こなたから見て右側には、クラスの学級委員を務める高良みゆきが座っている。
こなた同様背中まで髪が伸びているが、軽くかかったウェーブが重さを感じさせない。
4人の中ではもっとも女性らしい体つきをしてはいるが、本人の持つ品のよさがその姿を清楚に見せていた。
眼鏡をかけた上品そうな面持ちが、彼女に『お嬢様』を感じる。

事実彼女は東京の高級住宅街に住む、正真正銘のお嬢様なのであった。

みゆきとこなたの出会いは一年生の文化祭の準備をしているときである。
当時から学級委員であったみゆきが、こなたとつかさのフォローをしたことがきっかけであった。
みゆきのもつ雰囲気から自然と会話が弾み、いつの間にか3人でいることが多くなっていた。

当時は学級委員であったつかさの姉とも顔見知りであったことから、4人が共に行動することが多くなったのも自然な成り行きであった。

そして、つかさの左側で、みゆきと向かい合わせに座っているのが、つかさの双子の姉、柊かがみであった。
髪をツーテールに結わえており、こなたから「ツンデレ」とからかわれることの多い少女である。
実のところ、優しすぎる面を厳しさで覆い隠そうとしているだけなのだが。
こなたに対して厳しくなりきれない面が、こなたにツンデレとからかわれる由縁であった。

かがみは隣のC組の生徒であるため、休み時間のたびにB組へとやってくる。
一年のころからずうっと続いているこの習慣、もはやだれも不自然に思うものはいなかった。
妹のつかさの様子を見にくるのが目的だと、一年のころにはよく言っていた。
だが今では、妹だけではなく妹とB組の友人、特に泉こなたに会いに来ているのではないかとだれもが思っていた。
それほどに、こなたとかがみの仲はいい。
それゆえ、C組にいる中学時代からの友人から薄情者扱いされているのだが。

そんな4人が、いつもどおりにお弁当を持ち寄って昼食を取っている。
楽しい会話を調味料にしながら。

話題は取り留めのない、日常的なことばかりである。
けれど、そんな会話ができることが4人の喜びでもあり、大事な宝物でもあった。
残り一年となった学園生活を惜しむかのように、4人は会話を続ける。



ふいにかがみが自分のクラスに転校生がきたと話し出す。

「こんな時期に? もっといい天気の時に来ればいいのにねえ」

「いや、転校するのに天気は関係ないだろ。親の都合なんだから」

だるそうな顔でコロネをくわえつつ発するこなたの言葉に、即座にツッコミを入れるかがみ。
そのタイミングのよさは、長年コンビを組んできたベテラン漫才コンビを思わせるほどである。
そしてそれは、二人が一緒にいるときによく見られる、なじみの光景でもあった。

「それで、どんな方なのですか? 転校なさってこられたのは」

みゆきが、ふと気づいたかのようにかがみに質問してくる。
おかげで話が脱線することは防げたが、別に意識してやったわけではないのが彼女のすごいところではある。

「ええっとね…… 名前は、西田香津美さんって言うんだけど、フンイキは峰岸に近いかな?」

転校生の名前を聞いた瞬間、一瞬こなたの動きが止まる。
だれにも気づかれることはなかったが、表情が硬いものになっていた。
だが、そのことをおくびにも出さずにかがみに話しかけた。

「じゃ、彼氏持ちなのかな? あやのんみたいに?」

ふたりが共に名をあげた、C組におけるかがみの友人、峰岸あやの。
上品なたたずまいの美少女であり、こなたやかがみの交友関係の中で唯一の彼氏持ちである。
ふだんは気にすることのない恋人の話題だが、さすがにこういうときには気になる4人であった。

その手の話題に超然としているようなこなたでさえ、他のだれにも浮いた話がないのが寂しいとボヤくことがある。
残りの3人の気持ちは言うまでもないことであろう。

「さあ、それはわからないわよ。まだロクに話もしてないんだから」

こなたを横目でにらみながらのかがみの言葉に、待ってましたとばかりに合いの手を入れるこなた。
その反応のよさは、まさに絶妙のタイミングと言ってよかった。

「そりゃ、休み時間のたびにこっちに来てたら話す機会もないよね? かがみ」

ニヤリと笑うこなたにかがみは顔を赤くして反論するが、意味をなしていなかった。
もっとも、そのことに気づいてないのはかがみ本人だけだったが。
つかさも、みゆきも、そんなかがみをにこやかに見つめるばかりだった。

だが、このときこなたの心の中をのぞくことができたら、だれもが驚いたことであろう。
なぜなら心の中でこなたは大きく動揺していたからだ。

(西田香津美……って、まさか香津美のことじゃないよね? いくらなんでもそんなことって…… )
こなたの内心の動揺に気づくことのないまま、おしゃべりは続いていく。
新たな話題の口火を切ったのは、みゆきだった。

「それにしてもここのところ続いてますね。
おとといからは校内警備ということで、臨時雇いの人がいらしてますし」

「ああ、蓮司兄さんね」

かがみが何気なくつぶやいた言葉に、こなたとみゆきの視線が集まる。
ふたりの視線に気がつくと、キョトンとするつかさをよそに、自分のうかつさに気づいて顔を赤らめるかがみ。

知り合いなのかとみゆきに問われ、バツが悪そうにかがみは答えた。

「そうなのよ。かなり遠縁の親戚なんだけど、昔っからフラフラしててねえ。
やっと決まったバイト先だからって頑張ってるみたいだけど、そろそろ定職についてもらわないと一族の名折れだわ」

やたらトゲのあるかがみの言葉に、急にうろたえ出すつかさ。
その様子はまるで、神様の怒りを静めようと必死になる村人のようであった。

「お、お姉ちゃん、蓮司お兄ちゃんは『日本コスモガード』って会社にちゃんと就職してるってば」

「なに言ってるの、あそこは人材派遣会社じゃない。
あんなの就職してるって言わないわよ」

必死に言葉をつむぐつかさを、かがみは一刀両断にする。

「あのう、かがみさん。『日本コスモガード連盟』は人材派遣会社ではないんですよ」

申し訳なさそうに話しかけるみゆきの言葉にかがみの動きが止まる、まるで一瞬にして彫像になったかのように。
事態を理解できないつかさは、姉とみゆきの顔を交互に見つめている。
ただひとり、こなただけがほくそ笑むようにかがみを横目で見ていた。

「え……そ、そうなの?」

きしむ音が聞こえてきそうなくらいぎこちない動きでみゆきを見、さっきの発言が本当か確かめようとするかがみ。
みゆきはその質問にうなずいて答えた。

「ええ、本当ですよ。
日本コスモガード連盟はコスモガード連盟の日本支部でして、主な業務は天体観測のデータを下に地上への危険度を測ることなんですよ。
地上に影響が出る虞があるときは関係各所へ連絡して対策を採るように連絡なさるとか。
地上に既にある、宇宙からの飛来物が及ぼす影響を調査するための部署も存在しているということですので、遠縁のお兄様もそちらに所属されているのではないかと」

「さすがみゆきさん。よく知ってるね」

「いえ、以前父の会社がお世話になったことがありまして。
業務の都合でうちにも何度かいらしたことがあって、そのときにお聞きしたんですよ」

こなたの質問に笑顔で答えるみゆき。

一方、内心でこなたはホッと胸をなでおろしていた。
みゆきが知っているのはあくまでも表向きの業務のみであったからだ。
日本コスモガード連盟の裏側の顔は、対エミュレイター用のウィザードの派遣業務。
こなたも、そして話題の主である柊蓮司も、この、裏の任務で長い間付き合いが続いていたのだった。

「そ、そうなんだ……ありがと、みゆき」

なんとかみゆきに返答したかがみではあったが、完全に硬直してしまって身動きが取れないようであった。
そんなこととは露知らず、みゆきの説明に素直に関心るつかさをよそに、かがみに話しかける人物がいた。
ほくそ笑みながらかがみをずっと見ていた、泉こなたであった。
「むふふ、かがみったらヒドイねえ、遠縁の親戚を容赦なく切り捨てるんだから。
やはりアレかな? つかさにひっつきそうな悪い虫って思ってるのかな、その人のこと?」

「なっ! だ、だって、仕方ないじゃないの、なんだでだか知らないけどムシが好かないんだから!」

自分の感情が理不尽なものであることを自覚してるせいか、真っ赤な顔で反論するかがみ。
それを見たこなたは、ますますかがみをからかうのであった。

「ほほう、やはりそう思ってたんだ。そんなにつかさのことが心配なんだ、おっかないお姉ちゃんとしては」

「だれが『おっかないお姉ちゃん』よ! つうか、そんなに心配してないわよ、だって蓮司兄さんにはくれはさんがいるんだし」

周囲に恋愛に関する話がないとはいえ、そこは年頃の女の子。
こういった話題には敏感である。
新たに名前の出たくれはとはどんな人なのか、蓮司とはどんな関係なのか、興味心身でかがみに注目する。

「ちょ、ちょっと! そんなに近づかないでよ!」

かがみが両手でこなたとみゆきを制止しようとする。
だがそのとき、かがみの腕時計の表示が目に入ったみゆきが、ふいに心配そうな声でかがみたちに話しだす。

「あの、盛り上がっているところ申し訳ありません。そろそろお弁当を片付けないとまずいのではないでしようか?」

みゆきの一言に自分たちの腕時計を確認し、あわてて弁当を食べ終える3人。

一方でこなたの心は完全に落ち着きを取り戻していた。
C組に来た転校生がかつての親友の名と同じであったことを、そんな偶然はありえないと結論づけて。

食事を終え、かがみは席を立つ。
手をふり教室を出ていくかがみを、こなたたちは手をふって見送った。



やがて、満腹になったこなたが居眠りをして黒井に頭を叩かれた以外は、たいしたこともなく放課後に。
こなたはつかさとみゆきを伴ってC組へ。
いつもはかがみがB組へやってくるのだが、きょうは違った。

とはいえ、C組のホームルームの終了が遅くなった時など、たまにあることではあるのだが。

「かがみぃ、帰ろうよ」

こなたが真っ先に声をかけると、かがみは手をふって3人に答える。
少し離れた場所ではC組におけるかがみの友人である日下部みさおが、同じくかがみの友人である峰岸あやのに抱きついていた。
かがみが薄情だと言いながら。

かがみはみさおの言葉に後ろ髪を引かれながらも、3人のそばへと向かう。

いつもの4人がそろって、あとはまっすぐ駅まで帰るだけ。
なのだが、きょうのこなたはいつもと違い、なぜかC組の教室をキョロキョロと見る。
その様子を見たかがみは、昼休みに話した転校生の話題を思い出す。
おそらくは、どんな子なのか興味津々で見にきたんだろう、そう思ってかがみは心の中でほくそ笑む。

転校生を探すこなたの顔が可愛いと思いながら。

かがみと目が合ったみゆきが、ニッコリほほえんで、うなずく。
どうやらみゆきも、かがみの視線の先にあるこなたの行動をに気づいたようだ。
だが、つかさはそこからさらにワンテンポ遅れてようやく気がついたようで、こなたに質問を投げかける。

「どうしたの、こなちゃん?」
「転校生を探してるなら残念ね。きょうは急ぎの用事があるって、もう帰ったわよ」

つかさの質問に答えるような形で、かがみはこなたに言う。
その表情は少し意地が悪そうに見えた。

「おおっ! 何も言ってないのに私のしてることがわかるとは、さすが私の嫁!」

「だれがあんたの嫁だって? とにかく、きょうも寄ってくんでしょ、お店に? 今月の新刊も気になるし、つきあったげるわよ」

目を輝かせながらのこなたの言葉に呆れながらも、こなたに話しかけるかがみ。
だがその顔は本気で呆れているものではなく、わずかながら笑みが浮かんでいた。

そして、それを気づかれていないと思っているのは、かがみ本人だけであった。

「おーよしよし、素直に私といっしょにゲーマーズに寄りたいって言えばいいのにねえ」

感激の言葉と共にかがみに抱きつき、撫でまわし始めるこなた。
その顔には満面の笑みが浮かんでいる。
一方のかがみはテレ臭さのあまり、耳まで赤くなっていた。

「こ、こらっ! 離れろ! ひっつくな!」

名残惜しそうにかがみから離れるこなた。
実はかがみも同じ気持ちではあった。

だが、いつまでもここでふざけていられないのも事実。
かがみは自分がしっかりしなくてはという思いと共にこなたに背を向け、席を立つ。
そうでもしないとこなたの術中に嵌ってしまうおそれがあったから。
それほどまでにこなたとのやり取りが楽しいかがみだった。

自分を飾ることなく付き合える友人として、こなたは最高の存在だった。
もちろん、みゆきやみさおやあやのとの間に距離があるわけではない。
だが、妹のつかさと同じくらい近くにいる存在がこなたであることに違いはなかった。

一部では友情以上の関係がウワサされてはいたが、ふたりにはそのような意識はなかった。
だが、生涯にわたっての付き合いになるかもしれないという予感だけは、ふたりとも持っていた。

そしてそれは、ふたりをよく知るだれもが認めていることでもあったのだ。

「じゃ、そろそろ行こっか」

「そだね」

「そうですね」

「うん!」



教室を出て玄関へとむかう道すがら、ひとりの青年が近づいてくることに気づく。
お昼休みの話題に出ていた校内の見回りの臨時職員、柊蓮司である。
4人が蓮司とすれ違おうとしたとき、つかさが笑顔で声をかけた。

「蓮司お兄ちゃん、バイバーイ」

「おお、もう帰りか。寄り道なんかしねえで、まっすぐ帰るんだぞ」

もう高校生なんだからというつかさの反論に笑う蓮司。
子ども扱いされていることにむくれるつかさ。
「ムダ口叩くヒマがあったらちゃんと仕事してよね、蓮司兄さん」

蓮司はイラだつようなかがみの言葉に、頭をかいて苦笑するしかなかった。

「やっと見つかった仕事先なんでしょ? くれはさんのためにもがんばってよね」

そのまま通り過ぎようとするかがみを追いかけながら、軽く会釈をするこなたとみゆき。
だが、蓮司とこなたがアイコンタクトを取ったことに、かがみたちは気づかない。
そしてそのまま何も起こらなかったかのように玄関へむかっていった。

少し間をおいて4人を追う蓮司。

実のところ先ほど4人とすれ違ったのは、こなたと状況の確認をするためであった。
表情その他に異常を示すものはなく、ここまで何事もなかったことにホッとする。

そしてそのまま、こなた以外には気取られないように護衛についたのだった。



玄関までついていった後は4人がバスに乗るまで、玄関ホールで待機。
停留所と周囲に気を配ることになっていた。

やがて4人が無事にバスで出発すると校内の見回りを再開する蓮司。
学校で何かあった場合、それが手かがりになるかもしれないからだ。
もちろん、4人のことが気にならないわけではない。
だが、今の4人には強力なウィザードが護衛に当たっているため、あまり心配はしていなかった。

(灯、頼んだぞ)

蓮司は自分たちと共に今回の任務についている顔なじみのウィザード、緋室灯(ひむろ・あかり)に心の中で願う。

緋室灯には、期間も読めない上に範囲も広いので、もう少し増援が欲しいということで来てもらっていた。
地元のウィザードの協力も得られるが、彼らの日常生活の舞台であるため行動に制限がついてしまう。
そのことが万一のタイミングに影響を及ぼさないとも限らない、とのアンゼロットの判断により派遣されてきたのだった。

バスを追う、2台の小型オートバイ。

離れて行動する2台のうちの1台に、灯は乗っていた。
空が明るいため、箒(ブルーム)による飛行が行えないためである。

なお、もう一台のオートバイに乗るのは『ナイトメア』の二つ名で知られたベテランウィザード、鈴木太郎である。
本名があまりに平凡すぎるため、他のウィザードからは二つ名でしか呼ばれないが、本人に気にする様子はなかった。
もっとも、任務中に「どりぃ〜む」と言うことがあるために、『ドリームマン』という呼び名があることは本人のあずかり知らぬところではあったが。

灯もナイトメアも、ジェットタイプのヘルメットとゴーグルにライダースーツといった、目立たない服装をしていた。
ナイトメアが着用している衣装一式は灯の要請によりアンゼロットが用意したものであった。
なにしろ、ナイトメアがふだんの任務で着用しているレザーのボンデージスーツは目立つことこの上ないため、今回の任務に支障が出るおそれがあったのだ。
月閘の外における常識を疑うものはあったが、ナイトメアと任務を共にしたもの全てが抱く懸念は当たっていなかった。

「灯くん、こちらは今のところ異常はないが、そちらはどうかね?」

「今のところ異常は存在しない」

ヘルメットにセットされたインカムごしに感情の起伏のない返答をする灯。

無表情で起伏のない話し方をする灯ではあったが、それには理由があった。
灯は、強化人間と呼ばれる対エミュレイター戦闘用の改造を施された人間兵器なのであった。
絶滅社という名の傭兵派遣会社に所属するため、灯の日常は常に戦場にあった。
そのため余分なものは不要ということで、改造手術により感情をカットされていたのだった。

灯とナイトメアが追うバスの中には、お互いの声が届く範囲にかたまって座ることのできた4人の姿があった。
運がよかったと言うつかさの笑顔を、姉のかがみはもちろんのこと、こなたもみゆきもほほえましそうに見つめていた。
バスの中でおしゃべりがはじまると、話題はいつの間にか先ほど会った柊蓮司のことから、お昼休みに話題に出たくれはのことに。

「『くれはさん』ってどんな方なんですか?」

「とっても優しくて素敵な人よ」



みゆきの言葉を受けて、かがみとつかさが、かわるがわるに思い出話をはじめた。

ふたりのことを叱る必要があったときでも、まるで母親のように優しく諭されたということ。
物腰は柔らかいけど、いざというときの芯はとても強い人であること。

驚いた時の口癖が「はわっ」であること。

蓮司とは同い年の幼なじみで、なにやら秘密を握っているらしいということ。
その秘密をネタにいろいろと、言うことを聞かせていたことがあったこと。
けれど、その秘密がなんだったのかは教えてもらえなかったということ。

尽きない思い出が次から次へと、ふたりの口から溢れ出てきていた。
そして、そんなふたりの思い出話を、みゆきは大切なものを受け取るかのように聞いていた。
笑みを絶やさずに。

ふたりもそんなみゆきの態度がうれしくて次から次へと大事な宝物を渡していった。
いつかは終わらせなければいけないことを残念に思いながら。



一方でこなたは、なにやら思い当たることがあるかのように、あごに手を当てながら聞いていた。
かがみはその様子を気にしながらも、聞きたがっていることには変わりないだろうと思い、こなたに言葉をかけることはしなかった。
こなたの首をかしげる様子を面白そうに横目で見ながら。

「それでね、くれはさん、おとといからウチの神社に手伝いに来てるんだよ」

笑顔で話すつかさ。
けれど、この言葉を聞いたみゆきは、目を、軽く見開いた。

「そうなんですか。蓮司さんのこともそうですけど、偶然ってあるものなんですね」

くれはと蓮司が、同じ日にかがみとつかさの周辺に現れることになったことに感心するみゆき。
その指摘にかがみとつかさは目を丸くし、言われればそうだと、指摘されるまであまり気に留めてなかったことを告白した。
ふたりはみゆきの指摘に素直に感心するばかりであった。

もっとも、こなたはいつもどおりのトボケた顔を通してはいたが、内心ではかなり苦笑していた。
それはもちろん、くれはと蓮司の本当の目的を知っていたからである。
だがそのことをイノセントである3人に話すことはできない。
けれど、親友に対して隠し事をしてもいいのだろうかという想いも、こなたの中にはあるのだ。

こなたの心に重いものがのしかかり、押しつぶされそうになっていた。

そんなこなたの気持ちに気づくことなく、かがみはこなたに話しかけた。
いつも見せる明るい笑顔で。
そしてこなたは、かがみの見せる笑顔が3人の中で一番好きだった。
「ほら、こなた、あんたも知ってるでしょ、秋葉原の赤羽神社。くれはさんってあそこの一人娘なのよね。
今、神職になるための大学に通っているんだけど、もうじき実習が始まるてことで、ウチの両親に神職につくための手ほどきを受けにきているのよ。
神社同志の集まりで顔見知りでもあるし、蓮司兄さんとのつながりもあって、まるっきりの他人でもないってことで」

「うん、知ってるよ、その人のこと。アキバの名物巫女さんなんだよねえ、くれはさんって」

あまりといえばあまりな発言ではあったが、3人ともこなたが知っていたことに驚くと共に納得もした。
赤羽神社の所在地は秋葉原、こなたのオタク活動の大きな拠点のひとつであったからだ。
しかも神社は、こなたのバイト先の目と鼻の先である、知らないほうが不自然とも言えるだろう。

「うんうん、やっぱり『はわ』は強烈だよね、『はわ』は」

かがみが「あんたねえ……」とツッコミかけたとき、車内アナウンスが終点間近であることを告げる。
そこで4人は仕方なしにではあるが、話を打ち切った。

だが、こなたたち4人のうち、みゆきを除いた3人は後で知ることになる。
この日が『普通の生活ができた最後の日』になることを。



数時間後、鷹宮の駅から出てきたかがみとつかさは、すっかり暗くなった道を急ぎ足で歩いていた。
自宅に近づくに去れて街灯も少なくなり、道はますます暗くなるばかりであった。

「すっかり遅くなっちゃったな」

少し遅れ気味のつかさを気にしながら鳥居をくぐる。
2人の背後から照らす満月の灯も、境内を包む森に遮られて届かない。
わずかに照らす街灯を頼りに、本殿へと向かう。

森の奥から照らす満月を目印に。

「えっ?」

ふいに立ち止まるかがみ。
そこへ息を切らし気味のつかさが追いつき、話しかけてくる。

「どうしたの、お姉ちゃん?」

だが、かがみは答えない。
とても恐ろしいものでも見たかのように、蒼白な顔で。

「つかさ……あれ」

ようやく動いたと思えば、かがみは、まるで手入れの悪いぜんまい仕掛けの人形のような動きで、何かを指差す。
見ると、かがみが指差す先には、東の空から昇る満月が。
どうしたのかと聞くつかさに、かがみは西の空を指し示すだけだった。

紅い満月の昇る西の空を。

「なんなの? なんでお月様が2つ出ているの?」

事態を理解できないつかさはただ、うろたえるばかりであった。

ズン……

ふいに重く、そして大きな音が2人の耳に聞こえてくる。
ひとつ、またひとつ、いくつもの音が聞こえくる先を、2人は見つめた。
そこにはマイクロバスよりもわずかに大きな影が数体、唸りを上げながらたたずんでいた。

ぎらぎら輝く紅い目を輝かせながら!
56020-612 ◆xdkSnUtymI :2008/06/27(金) 20:31:23 ID:f/er/yEw
以上です。

だいぶ間が空きましたけれど、結末まで投下するつもりではいますので、よろしくお願いします。
561名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:04:36 ID:iiLRl8N5
>>549
絵関係はともかく文関係はコラボすんの難しそうだなとマジレス。
俺はその人たちの名作SSを漫画化したアンソロを見てみたいw
562名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:24:38 ID:4rBx152p
昔、まほらばエロパロスレで漫画化してコミケに出品しようとした猛者がおってのう
563名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:26:50 ID:PZHo7TNV
>>561
ぶーわ氏のどれかが漫画になってたのを見た覚えがあるな
564名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:44:51 ID:xEW1q+//
>>541
GJ !
 毎回このシリーズ楽しみにしてる ! それにしても貴方は法学に詳しいな。法学部なのか?
法の支配だの法治主義だの、ニヤニヤしながら読ませてもらったw
そして締めの一節に、グッときた
続きも楽しみにしてる !

>>560
元ネタ分からないが、よくがんばったGJ
565名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 04:57:12 ID:/Hz8SMFq
>>563
氏と氏の周辺はいろいろやってたりする。ここじゃないが
566名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 11:22:56 ID:/bAib4m3
>>565
そこまで言うならmixiと言ってやればいいし、mixiに取り巻きを寄せ付けたくないのなら発言するべきじゃない
567名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 13:28:59 ID:8Kqd2YsI
友達居ないからmixiなんてやらねーもん(泣
568名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 14:32:12 ID:Cd9YW4S+
日本語には間をとるという言葉がある

二元論じゃ見えないこともあるさ
569名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:21:42 ID:bjVvffdj
てか、ぶーわさんがあちらでやってるのは東方とのクロスオーバーだから、
ここでやるにはちょっち微妙なんだよね。
570名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:57:28 ID:sddSiUD5
アニメ内でも、さりげなくクロスオーバーを入れてるシーンがw

「1!2!」
「ハッ!」
「ハッ!」

「ハッ!」「ハッ!」「ハッ!」
「アレ?」


「あとあと、暁の4戦士とか!」
「ルパインアタックでも受けるかこなた」
「うぐぅ……」
571かがみんの憂鬱:2008/06/28(土) 16:27:31 ID:AZataRA2
「お姉ちゃん、こなちゃんが来たよ」
「かがみん、Hしよう」
「するか!てゆーか人ん家来て第一声がそれか!
あんたが日曜日になる度にうちに来てアタシを襲ったりするから妊娠しちゃったじゃないの!」
「本当だ。かがみんのお腹大きくなってるね」
「そう思ってるんだったら少しは妊婦を労れ!」
そして今日もかがみを美味しくいただくこなたであった。
572名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 17:38:28 ID:0n0W7jYg
>>571
するんかいwww

…これはふたなりなのか、それとも女同士で妊娠出産出来る奇跡でも起きたのか…?
573名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 17:49:14 ID:a2e0tNws
かがみんのお腹が大きくなってるのはこなたに会えない時にお菓子を食べ過ぎたかrあれ誰か来たようだ
574名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:53:58 ID:975mFe3J
>>569
ちょwwww頼むから詳しくwwwwwww
57538-608:2008/06/28(土) 20:29:43 ID:UTxgyIwU
>>569
自分も気になりますw
どこでやってるとか全然分からないからな……

それはそうと以前短編投下した際に緊縛ネタ書きたいと言ってたんですが
問題がなければ5分後あたりから投下してみます。


●つかさ→かがみ 
●全編エロです
●12レスを予定
●以前VIPの突発スレに投下した物をベースにしてます
576つかさのお仕置き(1/12):2008/06/28(土) 20:35:05 ID:UTxgyIwU

「……っ……ひぅっ……つかさ……お願いだからそんなに焦らさないでっ……」
「ダメだよお姉ちゃん、これはお姉ちゃんへのお仕置きなんだから。そう簡単にはイカせないよ♪」

――とある休日前夜の、家族がそろそろ寝静まるであろう時間帯のかがみの部屋。
そこでかがみは妹のつかさに後ろ手に縛られた状態で体中を弄り回されていた。


切欠は昨晩のつかさとのエッチ。
その日はいつも弄られ役のつかさが攻め側になって、かがみをたっぷりと可愛がる約束だったのだが
上機嫌な様子で多少ぎこちなくも優しい愛撫をしてくるつかさが愛おしくなったかがみは
思わず約束を破ってつかさを押し倒すといつもの様に弄り回してしまったのだ。

そんな訳でかがみは現在、すっかりご機嫌斜めになったつかさに罰として
抵抗できないように縛られた状態で弄られ回されている。

「つかさ……あんたも服脱ぎなさいよ……」
「嫌だよ 今日は体を弄るのはお姉ちゃんだけだから私は脱ぐ必要ないんだもん」
「私だけがこんな格好なのが恥ずかしいのよっ  …あんっ!」
「それもお仕置きのうちだよ♪」

しかもかがみは一糸まとわぬ姿にされてるのに対してつかさは冬服をキッチリと着込んだままだ。
上半身は厚手のセーターの下にYシャツも着込んでおり
下半身はスカートを履いてるものの厚手のタイツとデニム地の短パンを一緒に履いてしっかりガードしているので
露出してる部分は手先と頭位しかなかった。

お互いそんな対照的な姿を見つめ合ってると、つかさの体は弄る必要が無いけどかがみの体にはあるんだという事実を
改めて実感してしまい、かがみは被虐心がより一層高まりつかさも同様に興奮するのであった。

「でも流石に縛るのはやりすぎよっ……あぅっ……んっ……」
「そんな事ないよ、お姉ちゃんにはこれ位でちょうどいいの。
 お姉ちゃんが暴走したら危険なのは自分でも分かってるでしょう?」

確かに。昨晩の事があるだけにそう言われると何も言い返せない。

縄の痕が残らない様にというつかさの気遣いで、縄の下にリストバンドを付けてくれてはいたものの
始めて自由が効かない体にされ弄られてるのには変わりなく、かがみはどうしても恐怖心を拭えないでいた。

「お姉ちゃん、乱暴な事は絶対にしないから怖がらなくて大丈夫だよ」
「こ、怖がってなんかいないわよっ」
それを察したつかさは、時々背中や頭を優しく撫でてあげたり、頬っぺたにそっとキスをしたりして
極力かがみの不安を取り除いてあげながら、あくまで優しく……なおかつ確実にかがみの体に奉仕していく。
577つかさのお仕置き(2/12):2008/06/28(土) 20:35:42 ID:UTxgyIwU
「えへへ、お姉ちゃんかわいい〜」
「ふぁ……ぁ……あぁっ!」
激しさは微塵もない、安心感はあるもののもどかしい攻めでじっくり時間をかけて
確実にかがみの体は絶頂へと近づけていく。
だが……

「はい一旦停止〜 休憩しま〜す♪」
いよいよ絶頂を迎えれそうになる直前、つかさはいきなり愛撫を止めてしまった。

代わりにベットに深く腰かけて太ももの間にかがみを座らせると、後ろから優しく抱きしめる。
「お姉ちゃんの体って、何だか抱き心地がいいんだよね〜」
そう言いながら子供みたいに無邪気な顔でギュ〜っとしながら顔をスリスリこすりつける。
「んっ……あ……」
「どうしたのお姉ちゃん? 休憩だから楽にしてていいのに。もっと私にもたれ掛っていいんだよ?」
当のかがみは絶頂寸前で止められてしまてるせいで、心地良いどころではないみたいだった。
「こ、こんな状態で休憩なんて出来るかっ」
そう言いながら自分の体を見下ろすと、イキたがって仕方がない様子の自身の性器が目の前に現れるものの
一切触る事が出来ず、自分の体なのに自由に出来ないのが凄く悔しい様子だった。

あまりのもどかしさから、太ももをスリスリと擦り合わせていると……
「お姉ちゃん、何スリスリしてるのかな〜? 折角だから私も一緒に手伝ってあげるね。ほら、スリスリィ〜♪」

つかさは柔らかい口調とは裏腹に悪戯っぽく微笑むと、優しく頭を撫でながら
自分の足でかがみの足を無邪気にスリスリと撫で回し始めた。
タイツ独特のナイロンの心地よい感触が、感度が高まっているかがみの足の素肌に容赦なく襲い掛かる。

「い、いや…はんっ……つ、つかさ止めてっ!」
「ダメ〜 もう休憩は終りだよお姉ちゃん」
つかさはそう言うと足を動かしたままにしにしながらも、かがみを抱き締めていた腕を
それぞれ胸とあそこにそっと持って行くと優しく弄りだし
若干疼きが収まっていたかがみの体が再び熱を帯び始める。

「や……ちょっと……あんっ」
もし激しく動かされれば恐らく20秒ももたずに絶頂を迎えるのだろうが、つかさの愛撫は
優しく気遣うと同時に焦らしている凄く穏やかな物で、数分経ってもイク事が出来なかった。

「……やっぱりお姉ちゃんの言うとおり止めようっと♪」
やがて絶頂までの長い道のりにやっと光が見え始めて来たのだが
そこで再び愛撫を止められ、元通りに両手で子猫を抱くように優しく抱きしめられる。

既にこれを何度も繰り返されているせいでかがみの頭の中はもう性欲で一杯になっていた。
578つかさのお仕置き(3/12):2008/06/28(土) 20:36:09 ID:UTxgyIwU
「つ、つかさっ……あ、あんたいい加減にしないさいよっ!」
「お、お姉ちゃんくすぐったいよぉ」
もどかしさから思わず自由な足を、つかさの心地よいナイロンの足に必死にスリスリと擦りつけて
少ない快感を得るものの、絶頂に至るには程遠い。

「それならお返し。フ〜」
「ひゃんっ!」
仕返しに首筋に優しく息を吹きかけられて、思わず可愛い声を上げてしまう。

「つかさっ これだけやればもう昨日の気が済んだでしょ!? いい加減これを解きなさいよっ」
「ダメだよお姉ちゃん 今お姉ちゃんの手を自由にしたら全く力加減しないであそこを乱暴に弄ってしまうでしょ?
 デリケートな所なのにそんなに力一杯するのは良くなさそうだから解いてあげな〜い」
「……あっ、あんただってさっきからずっと私のを弄ってるでしょう!?」
「私はちゃんと力加減考えて優しくしてるもん。」
「うぅ……」

正直つかさの言う通り、今手が自由になったら即座に本能の赴くまま弄くり続ける
つもりだっただけに図星を突かれて言葉に詰ってしまう。

「つかさぁっ お願いだから意地悪しないでよっ……宿題好きなだけ見せてあげるからっ」
「お姉ちゃん、そんなに甘やかさないでいいよ その代わり私もお姉ちゃんの甘やかさないから。
 はい休憩終り〜」
そうしてるうちにもう何度中断したか分からなくなった愛撫をまた始ようとされてしまう。

「それにしても、縛られてるお姉ちゃんって本当に何も出来なくて可愛いね♪」
「なんですってっ!? ……こうなったら……」
始め際のつかさのセリフに軽い屈辱感を感じたかがみは
体制的に縛られてる後ろ手がちょうどつかさの女の子の部分に位置してたので
こっちからも反撃に出てやろうとする。

「ふぇ!?」
いきなり服越しに自分の女の子の部分を触られ一瞬ビックリするつかさだったがすぐに余裕を取り戻した。

「えへへ、こんな時でもお返ししようとするなんてお姉ちゃんさすがだね。……でも……ちゃんと対策済みだよ」
「くっ……」

つかさがタイツとスカートの間に履いてるデニム地の短パンは相当厚手な上に太ももの隙間もなくて
その上からではとてもじゃないが感じさせる程の刺激は与えれそうになかった。
すかさず今度は膝を震わせながらも何とか立ち上がりつかさの胸に手を伸ばすものの
防具となってる厚手のYシャツとふかふかのセーターに阻まれて、縛られててぎこちない愛撫しか出来ない後ろ手では
下半身と同様、つかさを怯ませる事は出来なかった。
579つかさのお仕置き(4/12):2008/06/28(土) 20:36:30 ID:UTxgyIwU
「お姉ちゃんって、あんまり力が入らないはずなのに凄く頑張り屋さんなんだね。厚着していてよかったよ〜
 でも大人しくしないお姉ちゃんにはお仕置き♪」
「きゃっ」

つかさはそう言いながら立ち上がってたかがみを後ろから捕まえてベットに優しく寝かせると
何を思ったのかいきなり部屋の窓とドアを全開に開け放ってしまう。

「うわ〜 冷たい風が気持ちいい〜」
「な、何やってるのよっ! 寒いから速く閉めなさいよっ!」

ベット脇にある窓から真冬の冷たい空気が容赦なく入り込み、暖かい服をしっかりと身に着けているつかさは
少し火照っていた分気持ち良さそうにしてるものの、全裸になってるかがみは
つかさ以上に体が熱くなってる分を差し引いても寒さで震えずにはいられなかった。

「お姉ちゃん、寒いのなら私が抱きしめて洋服の代わりになってあげようか?」
笑顔でそう言いながらかがみに向かって両手を広げるつかさ。

「そ、それよりこれ外すか窓閉めるかしなさいよっ」
とりあえずすぐにでも寒さから逃れようと不自由な手で布団の中に潜り込もうとするものの
「あ、ズルはダメ〜」
っとあっさり剥ぎ取られてしまった。

「うぅ……寒っ……」
あっという間に体がみるみると冷えていき、皮肉にもそのおかげで体の疼きは軽くなってきたものの
鳥肌まで立ち始めてしまう。
いよいよ寒さが深刻な物になろうとしてると……

ガバッ

「お姉ちゃん……暖かい……?」
つかさは唐突に窓を閉めるとかがみに覆いかぶさってきた。
「うぅ……本当はお姉ちゃんが降参して『抱きしめて』って言うまで何もしないつもりだったけど……
 やっぱり寒そうにしてるお姉ちゃんを見てるだけでいるなんて私には出来ないよ……」
添い寝する様な体勢で足も絡ませて全身をかがみに密着させてしっかりと抱きしめるつかさ。

上半身にはふかふかのセーターの感触、下半身にはスベスベのタイツの感触を感じ、
それら越しにつかさの暖かい体温が伝わって来る。
「ねえ、暖かい?」
「うん……暖かいわよ……」
「えへへ、ぎゅ〜〜」
かがみは思わず正直な感想を述べるとそれに気を良くしたつかさは更に力を強めてくる。
その心地よい感覚についつい身をゆだねてしまいボーっとしていると……
580つかさのお仕置き(5/12):2008/06/28(土) 20:36:46 ID:UTxgyIwU
「それじゃあ続きを始めまーす 冷えてしまった分沢山暖めてあげるね」
つかさはその体勢のままいきなり膝をかがみの股へと持っていくと、疼きが軽くなっていたあそこを
優しくクリクリと刺激しだした。
「うっ うひゃっ」
いきなりの不意打ちに変な声を上げてしまい、思わず体をくの字に曲げてしまうかがみ。

「う〜ん、膝だと優しく出来る様に手加減するのが難しいな〜」
そう言いながら膝を動かしながらも両手も左右の胸にもっていかれると、手の平で優しく揉みほぐしつつ指先で先端を
クリクリと弄り回しだす。
「はっ、はぁんっ!」
再び変な声を上げて今度は間逆に海老ぞりに跳ね返ってしまう。
「お姉ちゃんの動き、面白〜い」

つかさはそれを見て大喜びし、更に首筋や脇周辺をそっと舐め回しながら
空いてる方の足で太ももをスリスリと擦り出した。
もちろんその間も、両手と膝を使った胸と秘部への攻めは続いている。
つかさは正に全身を使ってかがみの体中を弄くり回していた。

「つ、つかさっ ……す……少しは……手加減しなさいよっ ……ひゃうっ」
「言われなくても乱暴にならない様に優しくしているよ?」
「そ、そうじゃなくて……そんな…沢山の所を……ひぐっ……」
「お姉ちゃん、嫌がってもダメだからね〜」
必死に体をくねらせて離れようとするかがみだったが
縛られてる上に既にスッポリと抱きしめられてる体勢からは抜け出れそうにはなかった。

「……っ……ふあぁっ……ぁ……あぁっ!」
結局つかさにされるがまま体の疼きが次第に大きくなり、それに伴い喘ぎ声も大きくなっていくと……

「お姉ちゃん、そんなに大きい声を出したらお父さんや他のお姉ちゃん達に聞こえちゃうかもしれないよ? 困っちゃったね〜」
「あ、あぐっ!」
笑顔のつかさにそう指摘されて、まだドアが開きっぱなしになのに気づき慌てて口を紡ぐ。

だがつかさの容赦ない攻めは一向に収まる気配が見えず、自分の意思とは裏腹に
普段は絶対出すことの無い高い声が喉に込み上げてくる。
「……ぁ……ふぁ……」
妹にこんな事をされているのを、これからも毎日顔を合わせる家族に見られるのなんて想像もしたくない。

本能的に口を押さえようとするものの、後ろ手に縛られている状態ではそれも叶わなかった。

「さっきまで意地悪しすぎたお詫びに今度は最後までちゃんとしてあげるね」
嬉しくも今は拒否したくもある事を言ってくるつかさ。
「つかさ……お願いだから……」
「やめて欲しい?」
「うぅ……そ、そうじゃなくてドアを閉じて……」
「ダメ〜」
さっきまで散々焦らされてただけに体がつかさの行為を望んでいて、やめて欲しいとは言えない。
だけど実際に絶頂に達する時、声を荒げずにいる自信は全く無かった。

このまま恥ずかしい声を1階にまで響き渡らせてしまうのか……
そう思って快感と絶望の中を彷徨ってると……

581つかさのお仕置き(6/12):2008/06/28(土) 20:37:09 ID:UTxgyIwU

「お姉ちゃん、猿轡をしてあげようか? これなら声を出す心配ないよ?」
つかさがそばに用意してたハンカチとタオルを手に取って
目の前でチラつかせながらそう言ってきた。
「い、要らないわよ……ひぐっ……」
「でもこのままだとお姉ちゃん、絶対に大声上げてしまって、様子を見に来た誰かに
 裸で縛られてる所を見られちゃうよ?」

確かにそれは猿轡をはめられる以上に屈辱的だ。
せめて二人とも対等のエッチをしている事に出来ればまだ幾分かはマシなのだろうが
全裸で縛られているかがみと服をしっかりと着用したままのつかさとでは、かがみが一方的に
犯される立場なのは一目瞭然だった。

「つ、つかさ……それ……お願い…」
背に腹は変えられないと観念したかがみはしぶしぶとつかさにお願いする。
「良く言えました♪」
それを聞いたつかさは喜々としながら、素直に自分から口を開けて来てるかがみにハンカチを押し込むとその上から
タオルを巻いて言葉の自由を奪ってしまった。
「む、むぐぅ……」

体ばかりか言葉の自由も奪われてしまい、思わず不安そうな目でつかさを見つめてしまうかがみ。
その行為がつかさをより一層興奮させ、そしてそれ以上に母性本能を擽らせた。
「お姉ちゃん……優しくしてあげるから怖がらなくて大丈夫だよ……」
そう優しい言葉をかけながら頭と背中をそっと撫でて、かがみの目から不安の色がある程度消えたのを確認して
大詰めに入った愛撫を再開するつかさ。

「むぅ〜 膝でクリクリするとタイツが濡れてしまうの、やっぱり気になるよぉ〜」
先ほどと同じ攻めを始めたつかさだったが、かなりの蜜があふれ出てきてるあそこを直接グリグリしてるせいで
タイツが大分湿ってしまったので、しょうがなくかがみを抱き起こして元の膝抱っこするような体勢に戻る。

「やっぱり膝でやると少し乱暴になっちゃうし、手で丁寧にやってあげるね」
そう言いながら後ろから伸ばした両手をかがみの秘部にあてがうと、円を描くようにしてそっと撫で回し始めた。

「む、むぐ……むふぅ〜〜」
思わず声を上げてしまおうとするものの猿轡のせいでくぐもった声しか出ず
本能的なもどかしさと同時に家族に聞こえない安心感もあり、今度はあえて思いっきり喉を鳴らしてしまう。
「むぅ〜〜 お姉ちゃんの可愛い声が聞けなくなったのがちょっと残念………」

そう言いながら悪戯心からわざと猿轡を外すそうな動作をして来るつかさだたが、今外されたら
間違いなく家中に聞こえる喘ぎ声を上げてしまうと確信していたかがみは
必死に首をフルフルと振ってつかさの手から逃れようとした。
「冗談だよお姉ちゃん。……普通こういうのって外して欲しいって思うものなんだろうけど
 外して欲しくなくて抵抗する人とか珍しいよね♪」
「………うぅ…」
自身もそれに気づいて内心気にしていた事を、つかさに笑顔で指摘されて顔を真っ赤にするかがみ。
582つかさのお仕置き(7/12):2008/06/28(土) 20:37:41 ID:UTxgyIwU
「うわ、お姉ちゃん顔真っ赤だよ? ……そんな可愛いお姉ちゃんにもっといい事してあげるね」
つかさはそう言いながら、改めてすっかり濡れた指先をかがみの女の子の部分にそっと這わせると
「お姉ちゃん、ちょっと力抜いてね」
っと言いながら、中指を少しずつ……かつ慎重に膣内へと挿れ始めた。

「むぐっ!?」
始めて経験する、自分の体の中に感じる異物感に軽い恐怖を感じて目を見開くかがみ。
「お姉ちゃん、ちょっと怖いかもしれないけどもっと気持ちよくなろう?
 出来るだけ優しくしてあげるつもりだけど……それでももし怖かったり痛かったりしたら言ってね」
そんなかがみの心情を察したつかさは、挿れてない方の手の汚れを拭き取りかがみの体に回すと
精一杯力強く、尚且つ優しく抱きしめながら穏やかな声でそう語りかける。

「むぐぅ〜〜!」
「あ、そっか。お姉ちゃん喋れないんだった、ごめんね。それじゃあ何かあったら自分の足で私の足をトントンって叩いてね」
いきなりの挿入に最初は怖くなっていたが、つかさの優しい気遣いのおかげで大分恐怖心も薄まってくれて
素直にコクンと頷くかがみ。

「それじゃあ今まで焦らしちゃったお詫びに沢山気持ちよくしてあげるね」
かがみの心の準備が整ったのを確認すると、ついには根元まで入ってしまってた中指をゆっくりと動かしだすつかさ。

「むぅ!……むぁぁっ!、んくっ〜」
膣内で指をクリクリと回転させるたびに
第二関節をピクピクと動かされる度に
防ぎ様のない快楽で頭の中が真っ白にしていく。
「うわ……おねえちゃんの顔……凄くトロ〜ンってなってるよ」
たった一本の指を動かすだけで全身をビクビクと跳ね回らさせてしまってるかがみを
嬉しそうにしながらも少し不思議そうに見つめるつかさ。

つかさが気遣ってるせいかそんなに激しく動かされる事は無かったものの
膣内を弄られる快楽は相当な物で、大した時間もかからずに絶頂が近づく。

「お姉ちゃん大丈夫? 痛くない? もしダメそうだったら小指に代えようか?」
つかさが色々心配してくれてるものの、逆に今の動きでは弄られ足りない位で
つかさの提案にフルフルと首を横に振って拒否するかがみ。

それより今までが今までなだけに今度こそちゃんとイカせてくれるのかが心配で
つかさが顔を覗き込んだが、そんなかがみの心情を察したつかさは優しい目をして
大きくコクンと頷きかけてきた。
どうやら今度こそイカせてあげるという合図らしい。

それを理解してかがみもコクンと頷き返すと、それと同時につかさの指の動きが少し激しくなり
同時に頭の中が完全に真っ白になる。


そして――
「むうぅぅっ うぐっ! むぐぅううっ!!」

ついに絶頂を迎えたかがみは、今までに全く感じた事の無い強大な快楽の波に飲まれながら
大きくビクビクと跳ね回り大量の蜜を撒き散らすと、糸が切れたようにストンとつかさの体に崩れ落ちた。
つかさがそれをしっかりと抱き止めてくれたのに安心感を感じ、全体重を預けてゆっくりと余韻に浸るかがみ。
583つかさのお仕置き(8/12):2008/06/28(土) 20:37:58 ID:UTxgyIwU
しかし――
「むぐぅ!!?」
敏感になってる膣内に再び激しい衝撃が走った。
慌てて疲れた体に鞭打って起き上がると、つかさがかがみの膣に入れたままでいた指を再び動かし出していた。

「えっと、今まで何度も寸前で止めちゃったお詫びに沢山イカせてあげるね」
天使の様な笑顔でそう語りかけてくるつかさ。
思わず非難の言葉を浴びせようとするものの猿轡をされた口では伝えようが無い。

「むうぅうううっ」
イった直後なだけにその感度は凄まじく、僅か十数秒の間弄られただけで再び絶頂を迎えてしまう。
だがそれでもつかさは指の動きを全く止めようとはしなかった。

「お姉ちゃん、止めて欲しかったら言ってね」
そう言われて慌てて、先程言われた通りに自分の足でつかさの足をトントンと叩こうとするものの
つかさに足同士をしっかりと絡み合わされてて叩けそうにない。
そして猿轡を掛けられている状態では当然喋る事も出来なかった。

(この状態で伝えれる訳ないじゃないのよっ!)
僅かに思考力が残っている心の中でツッコミを入れていると、つかさは今度は
膣内を弄りながらももう片方の手をそっとクリに添えて優しく摘むと、
腫れ物を扱うように慎重に揉むほぐし出す。

「む、むふううううっっ!」

敏感な所を2箇所同時に攻められたかがみはあっという間に3度目の絶頂を迎えてしまい
もはやつかさにもたれ掛ってる状態から体を起こすことすら出来ずにいた。

だけど、それでもつかさは行為を止めようとせず、嬉しそうにかがみの頬っぺに
チュ〜っとキスをすると、その唇を首筋に舌を這わせながら少し伸びた爪で膣内の壁をコリコリと掻き出す。
「………っ………!!」

それがかがみのGスポットを直撃してしまい、更に強大な快楽の波に飲まれ意識が朦朧とするものの
それでもつかさは手を止める事がなかった。
「……は、はふ、はふうぅっ!……ぅぅぅ………」
「お姉ちゃん、もっとも〜っと満足させてあげるね♪」

結局その後も何度も繰り返しイカされてしまい、体を震わせる力も声を出す力も無くなくなり
ついには完全に気を失ってしまった所でやっとつかさの攻めは終ったのだった。
584つかさのお仕置き(9/12):2008/06/28(土) 20:38:25 ID:UTxgyIwU
「よっこいしょういちっと」
トサッ

「う……うぅ……ん……」
「あ、お姉ちゃん、起こしちゃった?」
「あれ? つかさ?」
軽い浮遊感の後どこかに降ろされる感覚でかがみは目が覚まし、慌てて自分の状況を確認してみると
縄と猿轡を解かれてパジャマを着せてもらった状態でつかさにベットに横たわらせてもらっていた。
時計を見ると力尽きてから4,50分位しか経ってない様で、全身に感じる軽いサッパリ感じから
どうやら湿らせたタオルか何かであそこも含めて丁寧に拭いてもらったらしい。

「お姉ちゃん……お姉ちゃんのベット、大分汚しちゃったから今晩はこっちで一緒に寝よう?
 お姉ちゃんの布団は取れそうなシミだけは拭き取ったけどシーツは明日改めて洗濯するね」
そう言いながらかがみに毛布と布団をかけてくるつかさ。
そう言われて初めてここは自分の部屋ではなくてつかさの部屋だという事に気づく。

「それはいいんだけど……ねえつかさ、あんた一人で私をこの部屋まで運んだの?」
「う、うん……ちょっと大変だったけど……」
どうやら気を失ってる間につかさにはかなりお世話になっていたみたいだ。
体を拭いたりパジャマを着せられるのはともかく、おぶってつかさの部屋まで運ばれてる所なんかは
降ろされてる時の感覚が残ってるとはいえ想像出来ない。

「そっか……それにしてもつかさ……さっきのはいくら何でもやりすぎよっ。
 力加減しててもあんなに連続で一方的にされたんじゃ意味ないわよっ」
実際、意識が戻ったとはいえつかさの過剰な攻めのせいで体力は消耗しきっていて、今日はもう何をする体力も無い。

「うん……さすがにちょっとやりすぎたかな……いくらお仕置きだからって酷い事しすぎたかも。 
 ……ごめんねお姉ちゃん……」
申し訳なさそうにそう言いながら素直にペコリと頭を下げてきているつかさを見ていると
これ以上攻める気が無くなってしまう。
「……もういいわよ。 もともと私が約束を破ったのがいけないんだし……運んでくれてありがとね」
「うん♪」
労いの言葉をかけるとつかさは嬉しそうに返事をしながら、今着てる服に手をかけてパジャマに着替えようとし出した。
585つかさのお仕置き(10/12):2008/06/28(土) 20:38:47 ID:UTxgyIwU
「こんな事した後なのにお風呂入らくていいの?」
「お姉ちゃんが疲れてて入れないのに私だけ入るのも悪いかな〜って。
 今日は運よく全然汗をかかなかったし、お姉ちゃんとエッチしてた時も私の方はほとんど汚れなかったから
 明日の朝シャワーを浴びれば多分大丈夫だよ。」

確かに、かがみが全裸のフラフラで愛液を大量に放出してる間も
つかさは終始服を着込んだままで自分の体は一切弄くっておらず
しっかりした様子で攻めていた。
部屋の匂いを何とかしてかがみが側に居さえしなければエッチをしているとは全く思えない状態だ。

「うわ……やっぱり私のもちょっと濡れちゃってるな……」

だが素振りは見せなかったもののしっかり興奮していたみたいで
スカートと短パンを脱いであらわになったつかさのタイツにはうっすらとシミが広がっていた。
タイツにまで染み出てるのならその下はもっと大変な事になってるに違いない。

「随分平然としてたと思ってたけど、やっぱり濡れる位には興奮してたんだ……。
 そんな状態で弄らないの辛くなかった? 私がそうだったし……」
「う、うん。途中何度か、つい興奮しちゃってあそこに手を持っていってしまったけど
 短パンが厚手過ぎて全然弄れなかったよ〜」
そう言いながら眉をハの字に曲げて罰の悪そうに濡れた部分をジッと見つめるつかさ。

「それなら脱いじゃえばよかったのに……」
「うん……でも洋服は絶対にズラしたりしないって最初に決めてたから……」
「な、なんでわざわざそんな事を? そんなに私の反撃が怖かった?」 
とりあえず先に上半身の服を一通り脱ぎながらそんな事を言って来るつかさの意図がかがみには理解できず
キョトンとした表情を浮べながら訳を聞いてみた。

「えっと、お姉ちゃんは縛られてて自分で触れない様にされてたでしょう? 
 それなのに私だけ好きな時に自由に触れるのはズルいって思って……
 確かにお姉ちゃんに攻められるのを防ぐっていうのもあったけど、一番の目的は
 私が自分の体を弄りにくくする為だったんだよ」

つかさはそこまで言うと脱ぎ捨てた服を感傷深そうに眺めた。

「つ、つかさ……」

実はつかさも私と一緒に必死に快楽に耐えて、もどかしさを共有してたんだと思うと何だかくすぐったい気分になってしまう。 


そうしてるうちにつかさは残ったタイツとパンツを一気に引き下ろすと
うっすらと濡れてるつかさの女の子の部分が、糸を引きながらあらわになった。

最もかがみが出した愛液の量に比べたら微々たるもので、ウエットティッシュで先に膝を綺麗にすると
そこも手早く拭き取ろうと撫でるつかさだったが………
「はうぅっ!」
拭うだけの行為でも感度が高まったままでいる性器には刺激的だったみたいでビクンッと体を震わせてしまう。
あんなに濡れてるのに全くイってない状態で放置してるせいでかなり辛いのだろう。
「つ、つかさ、大丈夫!?」
「へ、平気っ」
だがあくまでそれに耐えながら一通り拭き取り終わると
新しい下着を履いてパジャマ姿になってしまう。
586つかさのお仕置き(11/12):2008/06/28(土) 20:39:05 ID:UTxgyIwU
「よしっと……お姉ちゃん……おまたせ〜……」
頬を朱色に染めながらも何とか笑顔を作るつかさだったが、無理してるのが見え見えで
見ている方がもどかしい。
「あ、あんた寝る前に1回抜きなさいよっ 手伝ってあげようか?」
我ながら凄いセリフを言ってると思うが、見ていられなくてベットから身を起こそうとするかがみだが……
「ダメだよお姉ちゃんっ 疲れてるんでしょう?」
つかさはそれをキッパリと断ると、何故かどこからかともなく手錠を取り出すとベットに迫って来た。

「つ、つかさっ? それ何!? 私をどうする気!?」
もしかして今から第2ラウンドを始めるつもりなのかと怯えてしまうかがみ。
思わずベットから起き上がろうとするが先程の連続絶頂の影響で足腰が全く言う事を聞いてくれなかった。

「安心して、お姉ちゃんには何もしないよ」
「じ、じゃあそれは何なのよ!?」
「……えへへ〜」

そうしてるうちにつかさはモゾモゾと布団に潜り込んできてかがみに密着してくる。

そして……

ガチャンッ

ついにつかさは後ろ手に手錠を掛けてしまった。


……但しかがみの腕では無く、自分の腕に……


「掛けちゃった…… これの鍵はお姉ちゃんの部屋に置いて来たからすぐには外せないよ……」
体の自由の効かなくなってしまった不安を打ち消すように微笑むつかさ。
「つかさ…… あんた一体何やってるの? 鍵持ってくるからある場所教えなさいよっ」
その意図がまるで理解できないかがみだったが、とりあえず鍵を持ってくる為に起き上がろうとするものの
相変わらず体が言う事を聞いてくれず、自力では立ち上がる事も困難な様子だった。

「いいのっ これはお姉ちゃんにイジワルしすぎた私へのお仕置きなんだからっ。
 お姉ちゃんに自分では出来ないようにして我慢させすぎたから、その分今度は私も我慢するもんっ。
 だからお姉ちゃんも邪魔しちゃダメだよ」
「だからって何で手錠なのよ!?」
「だ、だって……手が自由だったら絶対に我慢出来なくなってあそこに手を伸ばしてしまうんだもん……」
そう言いながら早速あそこを触りたそうに、手錠の掛かった後ろ手をガチャガチャと言わせるつかさ。

「変に律儀というか……何と言うか……」
ついさっきまでつかさは絶対にSだと思い込んでいたかがみだったが
今のつかさを見ていると一体どっちよりなのか訳が分からなくなる。

「あ、手が後ろだと上向きでは寝れなくて横も一人じゃ辛いから、おねえちゃんにもたれ掛らせてね」
「あ、う、うん」
呆れてるかがみを横目に改めて擦り寄ると、体全体をかがみに密着させて来るつかさ。
女の子特有の甘い香りと感触が、かがみの嗅覚と触覚を刺激する。

「おやすみ、お姉ちゃん」
「う、うん、おやすみ……(つかさの抱き心地って凄くいいわよね……)」
不安定にもたれ掛った体勢なまま瞼を閉じようとしてるつかさを
しっかり抱きしめてあげるかがみだったが、抱き枕となってるつかさの心地よさと
先程の疲れから、ゆっくりと意識が夢の中へと引きずり込まれていった。
587つかさのお仕置き(11/12):2008/06/28(土) 20:39:22 ID:UTxgyIwU
……だがしばらくして……


「ハァ……ハァ……お姉ぇ……ちゃぁん……」
異様に色っぽいつかさの声で現実に引き戻されたかがみが見たものは、自分が抱きしめてる腕の中で
熱い眼差しをこちらへと向けながら吐息をもらし、もどかしそうに太ももをスリスリと擦り合わせてるつかさだった。
密着してるせいでつかさの様子が全て伝わってきて、それがかがみにも伝染していく。
「あ……あんた……そこまで無理して我慢するんじゃないわよっ……!」
「い、いいのっ!、こ、これはっ……や、やりすぎた私のお仕置きなんだからっ……ハァ……ハァ……」
そう言いながらももどかしそうに体中をモジモジと動かしてるつかさ。
口では気丈に振舞ってるものの完全に発情してしまってるみたいだ。
「……わ、私が辛いのよっ。もうさっきの事は怒ってないから意地をはるんじゃないわよっ!
 つかさは自分で弄れないから私が代わりに……」
「お、お姉ちゃんっ もし私に手を出したら明日またお仕置きするからねっ。 
 今度は足も縛ってさっきやった事を1日中するよっ」
「うぅ……」
思わずつかさのあそこに手を伸ばそうとしたものの、しっかりとクギを刺されてしまうかがみ。


(……今晩、仮につかさが我慢出来たとしてもが私が我慢出来るだろうか……?
 いやいや逆に寝てる間に我慢出来なくなったつかさに襲われたりしないだろうか……?
 後ろ手錠がかかってるといっても鍵を取りに行かれたらそれまでだし、
 そもそも手錠は後ろ跳びの要領で踵から潜らせれば簡単に前に持ってこれるはず……)

「はうぅっ……はぁんっ……」
「ひゃっ」
しまいには本能的に快楽を求めて、自分のあそこをかがみの体にこすり付けて来てしまうつかさ。
吐息が耳にかかってきて思わずかがみも声を上げてしまう。

「つ、つかさっ 私にも我慢して欲しいのならそんな事するんじゃないわよっ」
「ハァ…ハァ…ご…ごめんね……お姉ぇ…ちゃん……でもだからって……エッチな事したら……お仕置き……♪」

つかさは口ではそう言って強がってはいるものの、明らかに態度の方は間逆で
ウルウルさせた熱い眼差し物欲しそうにかがみを見つめている。
「う……うぅ……つ、つかさぁ……ダメなの……?」
「ハァ……ハァ……ダメだよぉ……」
隣で寝てるだけならまだしも、こんな状態のつかさを倒れないように抱きしめてたまま
一晩中過ごさなければならないかがみ。

縛られて強制的に我慢せざるおえなかったさっき行為と違い
あくまで自分の意思で自重しなければならない分、さっきより苦痛かもしれない。

(ど、どうやら……今夜は今までの人生で一番の長い夜になりそう……ね……)
自分の胸の中ですっかり愛くるしく、無防備になってしまってるつかさを
抱きしめながら覚悟を決めるかがみだった。



そして翌日の、他の家族はみんな用事で出かけている休日。
朝からつかさに笑顔で手足を厳重に縛られてお仕置きされているかがみがいた。

オワリ
58838-608:2008/06/28(土) 20:43:06 ID:UTxgyIwU
以上です。
最後の名前欄(11/12)と(12/12)間違えてしまいました。

それはそうとらき☆すたSSを書き始めて気づいたんだけど……

 自 分 っ て 着 衣 エ ッ チ & タ イ ツ に 萌 え な の か も w w

それ系のネタ多い気がするしw
589名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 20:53:34 ID:8MmU08Pc
すみません、現在493 KBなので次スレ立ていってきます
590名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 20:55:04 ID:8MmU08Pc
次スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ49
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214654057/
591名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 21:02:41 ID:Y3As8KC4
>>588
家庭内SM! 家庭内SMじゃないか!
つかさの言葉責めが福原ボイスで脳内再生されて、思わずおっきしました。
自重できなかったかがみに合掌しながら、ぐっじょぶ。

>>589
あら、本当だ。スレ立て乙〜。
592抜き打ちテストのパラドックス:2008/06/28(土) 21:10:48 ID:5oJMy4Gu
埋めネタです。


『来週の月曜日から金曜日のいずれの日に抜き打ちテストを行う。いつやってもええよう、勉強をやっておくように』
 金曜日の今日、黒井先生にそういわれた。
 だからって、毎日勉強をやるのは面倒。ならば、抜き打ちテストの日を推理してしまえばいいんだ! ふっふっふ、さすがは天才、泉こなた!
 ……というわけで、私はテストの日を推理することにした。
 まず、金曜日にテストがあると仮定しよう……。うん、そうすると……月曜日から木曜日までテストがないことになるから、木曜日の夜の時点で、金曜日がテストの日だと分かっちゃう。
 でも、そうなると抜き打ちテストじゃなくなる。だから、金曜日に抜き打ちテストを行うのは不可能だ。
 じゃあ、木曜日の場合は……月曜日から水曜日までテストがないから、木曜か金曜かどっちかということになる。でも、金曜に行うのは不可能。
 そうなると、木曜日にテストがあるとなるけど、これじゃあ、前日に木曜がテストの日だと分かっちゃう。だから、木曜にも行えない。
 水曜日の場合は……うん、同じだ。さっきまでと同じ理論で、行えない。火曜日、月曜日……これについても同じことが言える。
 そうか! 黒井先生はとんでもないヘマをしたね。これじゃあ、月曜日から金曜日まで全ての日で、「抜き打ちテスト」は行えない。ただのテストならできただろうけど。
 黒井先生のミスは「抜き打ちテスト」と言ってしまった事だね。
 ふふふ、ならば、勉強をする必要はなーい! さ、遊ぼーっと。ネトゲ、ネトゲー♪


―――

 金曜日。日本史の時間がやってきた。月曜日から今日に至るまで、テストは行われていない。当然だ。抜き打ちテストはできないんだもん。
 お、黒井先生が入ってきた。
「ういーっす! じゃあ、抜き打ちテストをやるでー!」
「先生、ストッープ!」
 私はすかさず手を挙げる。
「何や、泉」
「はい、先生……」
 そう切り出して、私は必死に考え出した推論を言った。ふふふ、これでテストはできなくなるね。
「……よって、抜き打ちテストは行えません! 先生、どうですかっ!」
「おー!」
「泉、すげー!」
 方々から、クラスメイトの賞賛の声が聞こえる。やったね、これでテストは……
 ……と思ったら、黒井先生は笑いだした。
「あーはっはっは! 傑作やな、泉ー」
「は……? な、何でですかっ! これで、テストは実施不可能じゃ……」
「じゃあ、反論したるわ。泉は今日、抜き打ちテストが行われないと思っとった。なら、抜き打ちテストは成立しているやないか!」
 私は唖然とするしかなかった。
593名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 22:55:16 ID:gEQ0m5yp
ごめん、水曜日の場合のくだりからが分からない
594名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:29:29 ID:ozFNbVQw
月曜火曜には行われないし、木曜金曜は既に否定されてる
よって水曜だと判明してしまい、「抜き打ちは」成立しない

以下、例の金属製のボールの振り子がカッチンコッチンの要領で
スライド式に否定されていく、と
595名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:42:48 ID:EGcHfuQg
>>592

そんだけ推理する頭と時間があるなら、まともに勉強しなさいよ……
でも、まあGJね。

- 泉こなたの参謀兼保護者より -
596名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:43:34 ID:ibLW15Sf
さっきの映画見て、
将来、世界を救うリーダーとなるこなたとその母・かがみを守るため、未来からやってきた高良みゆきサイボーグが、
無表情でいくら銃を撃っても効かないみなみサイボーグと戦うなんて話が浮かんできた。
597名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:44:38 ID:r0PppgHK
>>588
GJすぐる
598名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:46:26 ID:ibLW15Sf
sage忘れたのは週末のせい。
599ひよりん:2008/06/28(土) 23:57:33 ID:/bAib4m3
…と思ったけどこれじゃまるでどっかの州知事みたいな話ッス!
あの国は著作権うるさいッスから、元ネタが判らなくなるまで改変しないと…

何をやってもドジばかりな泉先輩の運命を変えるべく、未来からやってきた高良先輩サイボーグの話にするッス!
高良インダストリーが作った未来の便利な道具で泉先輩を助ける… イケる!イケるッスよ!

友達の柊先輩はガキ大将的立ち位置ッス。「こなたのナニは私のモノ、私のナニはこなたのモノだからすなわち私のモノ」的な!
600名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:00:02 ID:DtCKSiBy
>>588
久々にいいもの読ませて貰ったッス〜
GJッス〜
601名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:00:46 ID:sddSiUD5
>>599
なるほど、かがみはガキ大将と同時にマドンナの役割を果たすわけですね、わかります

某wiki「田村さん・・・金持ちだからといって私をあのお坊ちゃまの
     ような役割になさったら……どうなるかおわかりですね^^」
602601:2008/06/29(日) 00:03:44 ID:sddSiUD5
おっと、みゆきの立ち位置はアレだったか、では……

某ぺったん「ひよりさん……金持ちだからといって……私を……
       あの坊ちゃんキャラの立ち位置にしたら……
       情報連結を……解除……」
603名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:13:16 ID:Cj68s7DM
>>588
GJ〜
やっぱりエロパロはこうでないと
604名無しさん@ピンキー
GJついでに埋め

                            /¨`ヽ
                    ,r1   _,/ _{    \__,. '´ ̄}
                  , -‐'′「: ̄:辷'<,ノ   `Y了='    /
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         厂 ,{    y′: :/:.:,イ:.| Vx勺′: : __:/;イ|: :_: : ヽ.: : : :\
         \ 入 〃:.:.:.,斗ッ' |: j   'y':.:/:.:/´イ/ ||\:`ヽ.:|: : : : : :ヽ
            } Y' /:/: :イ: :j/ .|/   {∧{: :.:,汽、  リ_, _ヽ: : } : : : : : : i
          / / {:.: : :.:l: 仏=tミ     イ: :,彳,ハ     勹ミ,∨:.: : :.:| : : |
        {  ,{  |:..〈:.:.:|:;《 ト;.:ハ    {イ川じリ     |:.うハ 》 : j: .;': : :l:|
          了从/|/∧.:j′ ,心ソ}    、 ,.|j`7xr'^)/从辷ノ }':./:.ん: :,ハ|
           |: ハ: :从._〉{` :::'¨:::   tっ(. ):::: r-、  ::::: //: :./,ノ /
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   .::.: : :      :.:|\: :.:.`ぇ、 \《  | \!:リ'⌒ 〉 了 /´ |:.:/《ヽ、  . : : : : : .
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