ときメモGSシリーズでエロパロ 5

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1名無しさん@ピンキー
素敵なエロ話でスカーッとしましょう♪
エロエロハッピーエロハッピー!!
○SSの神のご光臨お待ちしております。
○sage進行でおねがいします
○雑談OK!
SS貼り付け前や感想を言う前の“気配り”を忘れずに。
過去ログ及びローカルルールや
ローカルルールにするまでもない注意書きは>>2-10辺り
2名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 03:00:00 ID:6S0sSGOM
●気配り例(ローカルルール)●
1.鏝半は連作以外は避ける
2.エロナシはスレ違いなので避難所なり各サイトへ投稿
直接行為がなくてもエロい雰囲気のものは投稿可
3.特殊な設定が出てくる場合は最初に宣言をして嫌な人がスルー出来るようにする
※特殊設定の例:
 鬼畜・3P・強姦(じつは好き同士のオチでも)・百合・当て馬・ライバル
その他主人公×男キャラ以外で波紋を呼びそうな場合や
設定上名前だけの登場の場合も各々考えて随時宣言して下さい
4.「こんなの@@(キャラ名)じゃない」等の意見は避ける
5.470KB辺りorレス数970で新スレを立てる
※新スレ即死防止に、職人さんがSSを準備してある状態で立てるのが望ましい

●ローカルルールにするまでもない注意書き●
1.名前欄は 「タイトル」 にしていただくと、倉庫管理の人が助かるかもしれません。
2.1話完結の場合は 何分の何 と名前欄に書いていただくと、割り込みが防げます。
3.続きものの場合は、「今日はここまでです」と言っていただけたら、
続きがあるのかどうか分からなくて書き込みタイミングを迷っている
私達が書きこみしやすいです。
4.長い文章を連投するときは、携帯でもPCでも、いったん書き上げたものを
コピペで貼るのを推奨。書きながらゆっくり投稿されるとその間スレを独占することになり
他の人が困ります。
5.リクキボン・進行状況報告・需要ある?等の誘い受は嫌われます。
3名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 03:02:01 ID:6S0sSGOM
前スレ
ときメモGSシリーズでエロパロ 4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179494734/
ときメモGSシリーズでエロパロ 3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160382106/
ときメモGSシリーズでエロパロ 2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157538411/
【葉月】ときメモGSシリーズでエロパロ【佐伯】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1154153236/
ガールズサイドでエロ萌え 8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118170251/
ガールズサイドでエロ萌え 7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082134029/
ガールズサイドでエロ萌え 6
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1059833496/
ガールズサイドでエロ萌え 5.5
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1045920058
ガールズサイドでエロ萌え 5
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1045/10456/1045617301.html
ガールズサイドでエロ萌え 4
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1035647717
ガールズサイドでエロ萌え 3
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1026/10269/1026922511.html
ガールズサイドでエロ萌え 2
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1026/10261/1026148760.html
ガールズサイドでエロ萌え
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1025/10254/1025465341.html
【有志ページ】
●SS保管庫●
http://gs-ss.s7.x-beat.com/
4名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 03:12:10 ID:/WSpX8g6
>>1乙!
ちょうど立てようとしてたからリロードして良かった

前スレ>>857さん
470KB越えたら、次スレが立つまで投下は見合わせてみてください >>2
5名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 03:13:03 ID:6S0sSGOM
勝手に立ててしまったけど良かっただろうか?
テンプレも特に何も変えなかったが

前スレから誘導も不可なほど容量オーバーしてる
全く書き込めない状態だ
6名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 03:36:24 ID:/WSpX8g6
連レスでスマンが、特にテンプレを変えるというような話は出てなかったような
7名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 05:42:15 ID:XeaHJOwA
いちおつ!
前スレ最後のSS、途中で切れてるし今日中には落ちちゃうだろうから
こっちに再投下した方がいいかもな
8名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 09:15:43 ID:94D+QZoI
470KB越えってどこ見たらわかるもんなの?
9名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 21:18:21 ID:gG8W5aLF
即死防止に
10名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 22:43:17 ID:08IUBLs6
前スレ857です。
この度は皆様に大変ご迷惑をかけてしまい本当に申し訳ありません。
スレ立ての1さんをはじめ、助言をくださった方々、ありがとうございました。

また、こちらでもう一度投下し直したいと思いますので、よろしくお願いします。
11名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 09:29:54 ID:4G9tRLNJ
>>10
できればまた初めから投下して下さい
即死回避のためにも是非

誘導がないこともあってかどうも回転が悪い
住人も減ってるのかな
12名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:29:14 ID:0H4k5lS8
どっちの理由もだろうね<誘導&住人減
DS発売からしばらく経ってだいぶ落ち着いた感じだし
13氷上×はるひ:2008/06/03(火) 17:47:46 ID:UXXwj6HB
本当にすみません。

それでは投下させていただきます。
氷上×はるひ
無理矢理表現有りですのでダメな方はスルーお願いします。
その他デイジー・ハリー・千代美・若が出ます。
初めて書いたので長くなってしまいましたが、よろしかったらお付き合い下さい。
14氷上×はるひ@:2008/06/03(火) 17:50:24 ID:UXXwj6HB
「はぁ〜」
もう何度目の溜息だろうか。こんなつもりじゃなかったのにと、態度が語っている。
申し訳ないとは思うが、僕を誘った君が招いた事態なのに、あからさまにそうされるとこっちも不快だ。
文句のひとつも言ってやりたい所だが、1日僕と一緒という外れクジを引いた彼女の心情を察して我慢しよう。
角度を変える景色に集中して時間が経つのを待つ。


羽ヶ崎学園に入学し、夏休みを終えた頃の事だった。
「なぁ氷上、遊園地行かへん?」
チケットを4枚扇子のように振りながら西本君が近付いて来た。
風紀委員として服装の乱れを注意するくらいしか話した事がない西本君になぜ誘われるのか理解に苦しんでいると
「…あの子も来るんやで」
と耳打ちしてきた。

誘いに乗ったのは「あの子」のせいではなかった。正直にいうと女子と遊ぶということに興味を惹かれたのだ。
女子に、と言うか同級生に遊びに誘われたのは実は初めてだった。
真面目すぎて皆から距離を置かれているのには自分でも気付いている。
そんな僕を誘ってくれて、嬉しかった。

性格上、僕は服装や立ち居振る舞いが軟派な人が苦手で、もう1人の男子が針谷君だと聞いた時は困ってしまった。
しかし、彼は見掛けによらず古風なところがあり綺麗好きでもあった。
そして遊園地から見える改装中のはばたき城の話題で僕達は打ち解けた。
時折古い格言を持ち出したりして面白い事を言う彼はなるほど、魅力的な人間だ。女子に好かれて当然だと思ったのだった。

「そらモテるわなぁ…あの子美人やし、頭はええし、何でも出来るし、優しくて…あたしと違ごて太股も細いし!」
ずっと窓の外を見たまま、短い白いスカートから伸びている太股をペチペチと叩きながら自虐的に笑った。
思わず西本君のコンプレックスであるところの太股に目がいく。
15氷上×はるひA:2008/06/03(火) 17:57:11 ID:UXXwj6HB
「!?」目を見開いた。
西本君のむっちりとした太股の奥に濃いピンク色の、その…下着が見えていたのである。
もちろん、覗いたのではない。断じて。
上っていく密室を見上げたまま膝を揃える事も忘れている西本くんに過失があったのだ。
見てはいけないと思いながらヒラヒラが付いた柔らかそうなカーブから目が離せない。
西本君が外を見たままなのをいいことに、横目でチラチラと見てしまう。

そして気付いてしまった。
どういう仕組みでそうなっているのか知る由もないが、白いタンクトップの下から首の後ろに伸びて結ばれているヒラヒラした紐の色は、派手なそれと同じじゃないか!
と、言う事は…ずっと見えているそれは下着の一部…
カーッと血が昇り目の前が霞む
。何事かと思ったら興奮で眼鏡が曇ったようだ。
慌てて眼鏡をハンカチで拭いていると
「ん?どしたん」
挙動不審な僕に気付いて西本君がこちらを向いた。
「い、いや何でもない。その西本君」
「なんや」
「針谷君じゃなくて残念だったね」
下着を凝視してしまった後ろめたさから言わなくてもいい事を口走ってしまう。

「…こっちこそ、ごめんやで。あんたがあの子と仲良うにしとん知っとるもん」
また窓の外に向き直り言う。
「…せっかく来てくれたのに隣におるんがあたしで、ほんまにごめんな」
「そんなことない!僕は…」
てっきり「せや!なんで氷上と乗らなあかんねん」と罵られると思っていたから面食らってしまう。
今日は凄く楽しめたし君が謝る必要は無いといった内容を長々と逆上気味に捲し立てた。
ひとしきり演説を終えたところで彼女を見ると窓側を向いたまま俯いて、消えそうな声で言った。

「…ありがとう」


ギュッと胸が締め付けられるような感覚がして僕は言葉に詰まり、そのまま密室が地上に戻るまで、もう何も言えなかった。
16氷上×はるひB:2008/06/03(火) 18:01:24 ID:UXXwj6HB
好きで休んだんやないのに、補習でマラソンやなんてほんまについてないわ。
夏休み直前のプールの授業を私は女の子の理由で休んでしもた。
そのまま夏休みに入ってしまったんで新学期早々、補習として放課後1人外庭を10周も走らされるはめになって
…9月とはいえまだまだ暑いんやから、水泳させてくれてもええのに。最悪や。
それに、面倒なことがもう一つ。


抜き打ちで行なわれた持ち物検査で入学した頃買ったお気に入りのリップグロスが没収されてしもた。
今まで何回も没収される度にどうにか返してもらっていたんや。
限定品でもう入手不可能やし…それに…あれはどうしても、返してもらわなあかん。

千代美がおれば上手い事言うてさっさと返してもらお。
炎天下を走らされたせいで頭はクラクラするしお腹もペコペコやし、帰ったらもう業務用のアイスをカレースプーンで好きなだけ食べるんや。
独り言を言いながら人気のない廊下を汗だくの体操服のまま生徒会室に向った。
途中、廊下の窓から校門の方目を向けると赤い髪が歩いているのが見える。
何メートルも離れとるのに火がついたみたいに身体がカッと熱くなる。
「ハリー…」
知らずに呟いていた声が届いたかの様にハリーが振り返ったから心臓までおかしな速さに脈打ちはじめる。
「あっ」
ハリーに向かって駆け寄る『あの子』
遠くても分かるくらいに顔を緩ませたハリーはその子と並んで歩き出した。



あの子もハリーを好きやってわかったあの日から、あたしの楽しかった高校生活は一変した。
学校におると進展していく2人の様子が嫌でも目に入ってくる。

「もう、ええわ」
減るのが嫌でほとんど使わへんのに、ずっと持ち歩いとったんはあの子とお揃いやったからやけど…

同じもん使ってもあたしはあの子には敵わへんのや…。
17氷上×はるひC:2008/06/03(火) 18:05:07 ID:UXXwj6HB
ないけど、このまま取りに行かんかったら保管期限切れで生徒会が処分してくれるやろ。

仲良く帰る2人を見てすっかり投げやりな気分になってしもた私は数メートル先の生徒会室に入るのを止め、来た道を戻ることにした。

「西本君」

大きく『風紀』と書かれた腕章が呼び止めてきた。
「なんや?」
「没収されたものを取りに来たんじゃないのかい?」
キラリと眼鏡を光らせて言う。
「……」
「いつも取りに来るだろう?お揃いだとかお守りだとか限定品だとか言って。ついて来たまえ、返却しよう」

言ったかも知れん。あの子とこんななるとは思てなかったし。
あたしらの喧嘩は皆が知っとる。
…誰とお揃いなんかもわかっててあんな事言うんやから、氷上もたいがい性格悪いで。


「ノートにクラスと名前を記入して」
「はーい」
「…西本君。…なぜ体操服なんだい」
顔を上げると氷上が『没収品』と書かれた段ボール箱を持って近付いて来ていた。
心なしか頬が赤い様な気がする、なんでやねん。
ピンクのリップグロスを差し出して顔赤らめとる姿は
(き、気色悪い…)
と思わずにはおれんかった。まぁ、言わへんけど。

「体育の補習で走らされててん。10周もやで…」
ぼやく様に言ってグロスを受けとろうと手を出すといつもの機械みたいな涼しい顔で言った。
「君は常習犯だからわかってると思うが明日までに校則の書き取り三回を提出すること、いいね」
…面倒や。明日までて、言っとくけど今日はすぐ寝るで。
ふと、初めてあの子に声掛けた時を思い出してしまう。
半分強引にあの子のぶんも買っていったのにえらい喜んでくれて…
戻れないその頃を思って目頭が熱くなった。
18氷上×はるひD:2008/06/03(火) 18:07:30 ID:UXXwj6HB
「…返してや」
早く帰ろ。泣きそうなん、ばれたないし…
「提出する気がないなら返せないな。…これは化粧品だろう?僕たちはまだ学生で…」
お説教が始まってしもた。なんかもう、苛々してくる。
「…今も唇に何か塗っているだろう、のけたまえ」
ポケットティッシュを取り出し渡してくる。
嫌やで!氷上の太腿で温まったティッシュなんか!
「…嫌」
目を合わせんように反抗する。
「学校では必要ない。どうしてもしたいなら校外で使えばいい」
鼻先にティッシュを突き付けられ顔を背けた。
「学校でしか会えへんのに、他でやっても意味ないもん!」
苛々が頂点を極め思わず怒鳴ってしまった。でも…ここまで言わせたらさすがに退いてくれるやろ。

不意に腕が捕まれた…
「痛っ」
思いもよらぬ強さで押され、気がついたら私の視界には氷上と天井しかなかった。
19氷上×はるひE:2008/06/03(火) 18:10:40 ID:UXXwj6HB
生徒会室は辺ぴなところにある
。一階の端の、資料室や面談室など殆ど人気のない教室よりも奥まった所にあって
…夕方は西日でブラインドを閉めていても部屋の中の全てを蒸す様に暑くする。
もっとも、生徒に尽くすのが任務の生徒会だから、校舎内の条件の良くない部屋を使うのは当然の事だと思っている。
そして、それらの条件は今の状況にとても都合が良いのだった。


思ったよりも細い手首に、力の加減がわからず思い切り掴みすぎてしまったようだ。
作業台に押し倒した足の間に入り、被さるようにして両手を掴んで西本君を押さえ付けた。
「なんやねん!!」
顔を真っ赤にして怒っている。
僕の手を押し退けようとしているけれどこっちが驚いてしまうくらい力が弱い。
自分が肉体的な力で優位に立った事など初めてのことだし
…散らばった髪や体操着の膨らみを見下ろすと、身体の内側が総毛立つような妙な高揚感を覚えた。
「…離してや!」
左手だけで頭の上に両手を留め直す。
怒りを噴き出す唇をティッシュで拭った。
「んむー!」
何回か拭ったがぬめりがなくなっただけで色が変わった感じはしない。
「もうええやろ!いつまでやってんねん」
「キラキラしたものが取れない」
「ラメは拭いてもなかなか取れへんのや」
そう言って子供みたいに舌で唇を一周ペロリと舐めた。赤い舌が生々しく動く様を間近で見て、崖っ淵で持ち堪えていた僕の中の何かが崩れた。
20氷上×はるひF:2008/06/03(火) 18:12:45 ID:UXXwj6HB
「ふぁっ!んー、うぁ…」
気がついたら下唇に付いていた『ラメ』を舌で舐め取っていた。
「やっ、や…」
首を背けるので顎を持ってまた舐める。
力ずくで上下の唇を執拗に蹂躙し、洩れてくる抗議の言葉さえも舐め尽くした。
やっと唇を開放し彼女を見た。
唾液で口の周りが妖しく光る。ハッ、ハッと浅い息を繰り返しながら怯えきった目で僕を見る。
「な、なんで…あんたはイジ●ー岡田か!…はは、は…」
イジ●ー岡田とは誰なのか、わからなかったが何か面白い事を言おうとしたのは理解できた。
そして、僕がここで止めれば冗談で済ませてくれる…そういう合図に思えた。


止められるのなら、始めからやっていない。僕は決して誰でも構わず乱暴を働いているのではない。

君だからだ。

君が体操服であんな事を言うからだ。

一年間でピンクのレースが欲望に形を変えた。妄想が暴走するのに十分すぎるほどの時間だったのだ。
21氷上×はるひG:2008/06/03(火) 18:15:57 ID:UXXwj6HB
「知らないな」
せやから勉強のし過ぎはよぉないんや!
すぐキレてまうし、イジ●ー岡田も知らんて!知っとったら大爆笑のはずやのに。
押し退けたいのに暑くて朦朧とする…マラソンしたせいやろか、なんや力が入らへん。
足を使って暴れようにも氷上が足の間に思いっきり入ってきてるもんやから…
あたしはカエルみたいな無様なポーズになってしもてて。
当たってるとこにおかしな違和感もあるから怖くて下手に動けへん…
そや、ほんまはめっちゃ怖い。…なんでこんなことになってしもたんやろ。
反抗的やったから…?
眼鏡が光ってどんな顔しとんかも見えんし、いつも腹から声出すくせに今日はずっと囁くみたいに喋ってくる。
「…君は、香水も付けているのか?」
「えっ!つけてへんよ、これは…」
制汗剤やけど、そんなん言えん!言うたらこいつ絶対ワキ舐めてくるで!
「アレや、シャンプーの。きっとシャンプーの匂いや、ははは」
恐怖で顔が引きつっとるのが自分でもわかる。
「シャンプー…」
あたしの髪を指で梳いて耳元に顔を寄せてきた。眼鏡が顔に当たって身体が強張る。
「なんや?!」
耳の軟骨に沿って舌が這う。息遣いと水音で鳥肌が立つ。
なんでこんなことするん?!
くすぐったくて堪らへん。声が出そうになるんを必死で我慢した…
「…ん?西本君、ピアスは違反だ。外したまえ」
不意に手が開放された。
22氷上×はるひH:2008/06/03(火) 18:28:21 ID:UXXwj6HB
よっしゃ!!反撃や!
「こんなんする奴に違反とか言われたないわ!」
眼鏡もぶっ飛ぶパンチをかましたった!!…つもりが、押さえられてたせいで手に力が入らんなってしもてて、ほっぺを小突いた位にしかならんかった。
「あっ…」
ずれた眼鏡を直しながら色素の薄い、高貴な猫みたいな…いや、冷たい爬虫類のような目を細めて見下ろしてくる。
目が合うと、思わず体か硬直してしまう。まさに蛇に睨まれたカエルや。
…上手い事言うてる場合やあらへん。
蛇の眉毛がピクリと歪み、声も出せんくらい固まってしもてるあたしの、下腹にグイッと腰を押しつけて更にのしかかってきた。
「早く外したまえ」
「…わ、わかった」
従うしかない…氷上が身体を退いてくれな、作業台から下りられへんのや…
左の耳に両手を持っていく。氷上の目は見んようにした。
緊張してキャッチを上手い事掴めへん…もたついてたら思いもよらん事が起った。

「やっ!」

氷上があたしの胸を掴んだ!しかも両方。

「阿呆ぉ!やめてっ!」
グルグルと揉んでくる手を剥がそうとする、けど、全然力が入らん。
やめて、やめて言うても全然聞いてくれへん。
体操服と下着越しに、敏感な部分を親指で擦ってくる。身体をよじっても逃げられる訳もない。
「…もぅ…堪忍してぇ…」
氷上を見上げるとまるで自分がそうされてるみたいに、
頬を染め目を潤ませて、恥ずかしそうな顔をしていた。
23氷上×はるひI:2008/06/03(火) 18:33:00 ID:UXXwj6HB
制止しようと絡めてくる手も、やめてと訴える声も、逃げようと身体を揺らす行為も全てが僕を煽っている。
詰まった声で「堪忍して」などと言われても逆効果だ、もっとそういう声を聞きたくなる。
「ピアスを外すんだ、聞こえないのかい」
ゆっくりと手のひらで潰すように揉みながら命令した。
…弾力がある。そのくせ崩れないのが不思議なくらい柔らかい…
白い湿った体操服におよそ学生らしくない柄の下着が透ける。
下着の違反は注意し辛いのをいいことに、女子達は堂々と着けて来る。
そうやって、隙を突いて風紀は乱れるのだ。
西本君が震えながらピアスを外そうと再び耳元に手をやった。
「こういう下着も違反だ」
次の瞬間に僕は彼女の体操服の上から下着を押し上げた。
「あっ…」
汗ばんだ白い体操服に突起が浮かぶ。
「嫌!」
西本君が隠すより早く僕の手が胸を掴んだ。
「あんっ…」
胸を掻き乱すような甘い声で鳴いて、身体が反る。手の平にはっきりと硬い粒が当たっているのがわかった。
欲望のままに弄ぶ。円を描いて揉みながら、突起を摘んだり引っ張ったり。乱暴に挟んだり、優しく擦ってみたり…
その度に返って来る反応で僕の芯が疼いた。

「ひとつも外せてないじゃないか」
ピアスの付いたままの耳に囁く。
「…もう、して来んから…書き取りも、ちゃんと…やる、ごめ…なさい…許して…」
息も絶え絶えに言う彼女にきょとんとしてしまった。
今、どんな状況で何をされているのか理解できないのだろう。
書き取りを提出すれば、ピアスを外せば止めてもらえると思っているらしい。
そんなのは口実なのに。
大体この状態で許すも何も…止められる筈がない。
始めたからには最後までやり通す所存だ。
24氷上×はるひJ:2008/06/03(火) 18:34:54 ID:UXXwj6HB
体操服の上から突起を吸う
「やぁ…ん…っ」
唇で甘噛みをし、舌でつついた。
邪魔をしようとしる彼女の腕を片手でまとめて抑える。
見下ろすと体操服の色が一部変わり、色までも透けている。
そこを爪で引っ掻いたら、声を我慢して全身を震わせる。
ほったらかしの反対側に突然吸い付くと高い呻き声が洩れる。
その声が嬉しくて暫くそれを続けた。


胸の先だけがツンと透けて、全部見えてるより卑猥に思える。
(誰かに見られたら何されたかすぐわかるだろう。更衣室まで戻らないといけないのに)
悪いが、今の僕に後の事を考える余裕なんてない。
「…んっ、ん…あんた、最悪や…」
心を見透かした様に、おでこに深く皺を刻んで目尻に涙を溜めて抗議する。
(最悪、か)
衝動だけでこんな事が出来るほど僕は器用じゃない。日々繰り返してきた妄想を実践しているのだ。
僕の中で君はもっともっと最悪な目に遭っている、もう何度も。

プルンと体操服をめくる。現われた白い房と紅く腫れた頂に息を飲んだ。
南国の果物のように張りを持ち、上を向いて誘ってくる。
改めて彼女を見た。
…乱れた髪は汗で水を被ったように湿り、膜が張ったように潤んだ目の周りも赤く色付いている。
唇は渇いてしまっていて、汗で水分が足りなくなっているのかもしれないと思った。
自分の唇を湿らせてから彼女の口に重ねる。
うわ言みたいに呟いた声を舌で絡めて飲み込んだ。

(ハリー…)

目尻から涙が垂れ落ちた。
25氷上×はるひK:2008/06/03(火) 18:40:55 ID:UXXwj6HB
(ここにおったら助けてくれたやろか?)
…いや、世界中の誰に見られても、ハリーにだけには見られたない。


「はぁ…んっんん…」
露になった突起の周りをゆっくりと舐めてまわる。
時折赤ちゃんみたいに音をたてて吸い付いてくるから、電気が走ったみたいに下腹部が疼く。
メガネをのけて、髪も乱れたコイツは知らん人に見える。

物心ついてから男の人に胸を見られた事なんかなかった。
ついでに言うと、キスかてしたことなかったんや。

いつか大好きな人に夕日の海辺とかでギュッてされながらしてもらえるもんやと、思ってた…。
せやから、さっきのは違う。
そういう行為も…
可愛らしい白いベッドでシーツにくるまりながら好きや好きや囁かれてするんやて、それが夢やったのに…

「…嫌っ…あっ…」
触れるか触れないかの力で突起を触りクリクリと回してくる。
嫌やのに…甘い波が腰に沸いてきて、声が出てまう。

こんなん違う。汗だくの体操服で硬い机にカエルみたいに転げて、
ガリ勉君に舐め回されるやなんて…まるで男子の読んでるエロ漫画やんか。
なにが風紀委員や…。
いくら頭良くても、こいつはサル以下や。力づくであたしを襲ったりして…
(…あの子を好きなくせに…)
はっきりしない意識の中で胸が苦く痛んだ。

こんな悪夢は早く終わればええ。
26氷上×はるひL:2008/06/03(火) 18:43:44 ID:UXXwj6HB
突然、ハーフパンツに手がかけられた。なにが起ってるんか理解する前に引き下ろされる。
「氷上?」
急に下半身が涼しく感じ、夢から醒めたみたいになる。
氷上の手がうちの下着の上から割れ目を擦った。
「あかん!」
新しい刺激に腰が勝手に揺れる。
ここまでされるなんて!いくらなんでもやり過ぎや!腰を左右に振って暴れる。
汗で巻きながら下げられたハーフパンツが両足を膝で固定してて上手くいかん。
氷上はその左側から覆い被さって、右手を下着に入れてきた。
「嫌!嫌やて!」
ゆっくり下がってくる。
「お願いやから……んっ…」
あっと言う間に茂みに入り指はそこに到達した。
27氷上×はるひM:2008/06/03(火) 20:00:40 ID:UXXwj6HB
中指で、熱く湿ったそこを遠慮がちに探索する。
(蕩けそうだ)
正直どこが何なのか見当もつかない。
何度も往復しながら反応を見る。涙声で抗議しながら首を激しく横に振っている。
こんなに濡れるなんて…自身がここに触れることを想像して生唾を飲んだ。

江戸時代の風俗か何かの本で読んだが、女性のは町内3周歩かせると、いい頃合になるのだそうだ。
そんな文献を残すなんて男はいつの時代も浅はかだ。

しかし…マラソンの補習を受け、これだけ汗だくの彼女ももういい塩梅かもしれない。
そんなことを考えると、居ても立ってもいられなくなり、
下着もハーフパンツも力任せに引き抜いた。
抵抗を力で抑え膝を曲げさせ足を割り、体を間に滑り込ませた。
目の前に広がる光景に言葉を失う。
真っ白い豊満な太股に挟まれた彼女のそこは、薄い茂みで飾られていて、医学書で見たより少し幼いように思えた。
そのくせ圧倒的な存在感で僕を魅了する。
…何にせよ眼鏡を外すんじゃなかった。

すすり泣くような制止の声は黙殺し、よく見ようとそこに顔を近付けると気が触れそうになる。
芯が疼き急かす。見当をつけて思い切って指を沈めてみた。
くちゅっ、と音を立てて指が滑る。
「あ、ああっ」
白い身体を捩らせて逃げようとする。
程よく肉の付いた彼女が動く度に揺れる乳房や呼吸で上下するお腹をみると、どうしようもない衝動に駆られる。
熱の堪りきった半身が他も支配していく感じだ。

潜り込ませる様に進めると想像より下の方に指は埋まった。
28氷上×はるひN:2008/06/03(火) 20:03:29 ID:UXXwj6HB
中は温くて狭い。指を動かしてみると、部屋中に水音が響いた。
本丸を攻めているのに西本君は劇的な反応を見せない。

(僕が下手なのか…)
親指で上の方の芽を擦ってみた。
「んっ、ん、ん…」
腰が跳ね、指の動きにあわせてうわずった声が洩れてくる。

「ん、ん、ふっ…」
激しくすると頂きを尖らせた胸も揺れる。

「やっ、や…めて…ひ…氷、上ぃ…」
僕の名を呼ぶ。
あまりの可愛いさに耐え切れず脚の間に顔を埋めそこに口付けた。
「やぁ…っ」
僕に纏められた手で頭を除けようと押してくるのだけれど、力が入っていない。
おねだりされていると錯覚を起こしてしまうほど彼女は指まで甘い。
音を立てて舌を動かし這わせ挿して、彼女の嬌声を引き出す。刺激に応えて脚が跳ねる。

もっとしつこく続けたかったが、僕が限界だった。
立ちこめる彼女の匂いで、いよいよ気が遠くなる。
最後の理性でそこにあった没収品の段ボールを引き寄せ、中から箱を取り出した。
もどかしい手つきで中の連なった個袋を取り出し、端を破った。

そしてベルトに手をかけた時だった。

「…あの子には、こんなことせぇへんくせに…」
嗚咽をあげながら西本君が言った。
29氷上×はるひO:2008/06/03(火) 20:07:42 ID:UXXwj6HB
ぴたりと動きの止まった氷上を睨み付ける。
あたしは氷上に嫌われてるんやと思った。せやからこんな酷い事するんや。
あの子みたいに素直で勉強もしてスタイルもよかったら
…好かれとったら、こんな事されへんはずや。
嫌われたくない子には嫌われる様なことせんやろ?

悲しくて、悔しくて涙がとまらん。

「あたし…そんなに悪い事した…?ピアスも除けるし、書き取りもやるって…あやまったやんか…っ…」

あの子を好きなハリーもこいつもあたしにはやさしくしてくれへん。

「あたしは何やねん!」
立ち尽くす氷上を両足で蹴り飛ばし、台から飛び降りた。
「西本君…」
床に尻餅を着いた氷上の顔面に近くにあった段ボールを引っ張り寄せて投げ付ける。
「!」
没収されてた漫画や雑誌や色々が音を立てて散らばる。
ふらふらしながらも急いでハーフパンツを穿いて、
湿って丸まった下着をポケットに入れた。
後ろからなんか言ってきてたけど、最後の力をふりしぼって掴まらん様に全力で逃げた。


廊下はもう薄暗く、蝉の声が耳鳴りの様にワンワンと響いているだけだった。
30氷上×はるひP:2008/06/03(火) 20:12:37 ID:UXXwj6HB
「なんで立候補しなかったんでしょうか…」
「うん、あんなにはりきっていたのにね」
千代美とあの子が話している。
(当然や。あんな奴が生徒会長になった日には、こんな学校辞めてやるわ)

あれから視界にあいつが入らん様に過ごしてきた。ハリー達も見んようにしてるから、コソコソなってしまう。
ほんまは嫌や、こんなん。あたしらしくない…。
楽しみやった修学旅行はハリーとあの子が仲良く清水寺行ってるのを見てしまって最悪やったし。


つまらん学校にうんざりしながらも通えてるんは…おかしな話やけど『あの子』のおかげやった。
あたしはどうしても態度を悪くしてしまうから、きっとあの子かて一緒に居るんしんどいはずやねん。
やのに、いっつも遊ぼうて誘ってくれる。
なんでやねん…なんでそんなええ子やねん。
…惨めになるやん。


今日もバイトを終えて家に帰る。寒なったからもう日落ちるん早いしな…。
近道しようと左に曲がって公園に入った。


チリンチリン
「西本君!」
振り返って目を見開いた。氷上が自転車でしかもヘルメットを被って右手をなぜかL字に曲げて角から現われたんや!
「!!」
ほんまに怖い時は声も出ぇへん。必死で逃げ出した。
31氷上×はるひQ:2008/06/03(火) 20:15:10 ID:UXXwj6HB
「待ってくれ、西本君!」
公園の入口でもたもた自転車を降りている隙に猛ダッシュで逃げる!

振り返ったらヘルメットを揺らして奴が追いかけて来よる!
掴まったら…
あの日の恐怖が甦って背筋が凍り付き…脚が縺れて派手に転んだ。
大袈裟なフォームの割に進みの遅い氷上の走りを地面にお尻を着いて後退りながら見上げる。
「来んといて…」

ゴンッ ザリザリッ

視界から消えた思ったら氷上はあたしの手前でヘルメットを土にめり込ませて土下座をしていた。


「すまなかった…」
肩で息をしながら絞り出すような声で言う。
許せるわけないやんか!
立ち上がろうとすると右手の袖口を掴み縋ってきた
「やめて!触らんといて」
すぐさまはねのけた
「…すまない。お願いだ、少しだけ聞いてくれないか」
「嫌や!あんたに触られるんも声聞くんも…顔も見たない!どっか行ってや
……あたしがお願い、言うた時はきかんかったくせに調子ええ事言うな!」
怒りで声が震える。
「その通りだ…僕はいやらしい奴だ。欲望も抑えられない最低の人間だ。
その…ひとつだけ、誤解を解かせてくれないか。
終わったら僕は、もう君の目に写らない様にするから…」
立ち上がって帰ろうとした時だった

「君を好きなんだ、僕は」
見下ろしたヘルメットが小刻みに震えていた。
32氷上×はるひR:2008/06/03(火) 20:18:30 ID:UXXwj6HB
「あの時君の言った通りだ。僕は彼女だったら襲わなかった。君だから我慢出来なかった」

「覚えてないかもしれないが、遊園地で一緒に観覧車に乗った事があっただろう?
あの日から君を見ていた、君を見ると胸が苦しかった」

「はじめは、君が針谷君を見て切ないのが伝わって苦しいのかと思っていたよ。
でもすぐにそうじゃないと気付いた…君に惹かれていると」

「…好きな人が居るのにって頭では理解していても、止められなかった。
君に焦がれて苦しくて……君もこんな風に針谷君を想っているんだと思ったら…
どうしようもなく君を好きになった」

「だのに僕ときたら…化粧が彼のためだと聞いた途端、逆上してしまったんだ。
知ってたのに、そんな事は。そういう君を好きになったのに、全く支離滅裂だ。
最低な真似をしてしまった…」

こんな形で想いを告げるとは思っていなかった。むしろ気持ちを伝える事なく終わるのだと思っていたから。

…恐る恐る頭を上げる。

西本君の表情はよく見えなかったけど、ちゃんと聞いてくれたみたいだ。


「…もう、ええやろ。帰る」
沈黙を破って西本君が歩きはじめた。
「待って、これを…」
ハンカチに証拠品の様に大切に包んで持ち歩いていたそれを渡す。
「君は知らないかも知れないが、彼女も持ち物検査の度に…同じ物を没収されていたんだよ。
今、彼女のは彼女の手元にある。だから…」
彼女は少しためらってから受け取り、公園の道の暗闇に溶けていった。
33氷上×はるひS:2008/06/03(火) 20:21:03 ID:UXXwj6HB
きっかけはあたしの誕生日やった。
こんなあたしに変わらず優しく接してくれるあの子。
今年もニコニコ笑いながらプレゼントを渡してくれた。
…あたしはあげてへんのにやで。

情けなくて泣いて泣いて泣いて…決めた。謝ろうって。

嫌いになれるわけなかったんや。あんないい子。


もと通り、言うわけやない。でも前以上に仲良くなったあたし達に皆が喜んでくれた。
なんや、周りの方があたしら以上に嬉しそうに見えて。
意地張ってたせいで皆に心配掛けてたんやと思った。
気持ちひとつで学校生活は楽しいもんに戻った。

「はるひちゃ〜ん!一緒に帰ろう」
「そんなあたしとばっかり帰ってて、ええん?」
意地悪に聞いてみる
「だって…ハリーとはバイトで会えるし、はるひちゃんともっと遊びたいんだもん」
ハリーの名前を聞くと胸が痛まないではない。でも…。
この子ならええって思うんや。
この子みたいに、人を許す広い心があたしには足らんかったんや。

ふと、校舎の一階あの部屋のある辺りの廊下からこちらを見る人影が見える。
あいつや。
…見んな、変態。
使えへんなったやん、あんたの太股で温まったグロスなんか気持ち悪い。
…まぁ、お守りやから持ち歩くけど。
目の前に来んようにしてるのは気付いてる。
そのくせそうやって、こっそりあたしを見てるのも。


…そして仲直りしたんを、誰より嬉しく思ってるんはあいつやっていうんも…あたしは知っとる。
34氷上×はるひ・ラスト:2008/06/03(火) 20:39:26 ID:UXXwj6HB
あたしとあの子が二人三脚に出場したんを見て皆が「どんだけ仲良いんや」って笑った。
最後の体育祭に大好きなあの子と走れてめっちゃ嬉しかった。
学校替わりたい思った時もあったけど、羽ヶ崎におってほんまによかったて思た。


フォークダンスが始まる。背の高い若ちゃんの次が見えてへんかって、パートナーが替わった途端びびってしまう。
「…」
「…」
あたしらだけ、時が止まったみたいになる。
俯いたままの氷上がまた小さく謝った。
「すまない」


動かへんあたしらに周りの視線が集まる。
「どうしました?氷上君?西本さん?」
若ちゃんも踊りながら心配してくる。
(あー、もうっ!しゃーない)
氷上の手をサッと掴み上げた。
うわっ!有り得んくらい手汗びっしょりやん。
「周りに迷惑や、さっさとしー」
みるみる氷上の目が潤んでくるんがわかった。
足を3回も踏まれ、あいつまで回ろうとしてぶつかったり、もう目も当てられへん十数秒やった。
泣いてしもとったらどうしよ、と思って最後に氷上の顔を見た。



「ぶっ、なんやねんそれ」

メガネが曇って真っ白や!
我慢出来んなって笑った。

もーこっちが恥ずかしいし…見てられんなって俯いてまう。

…ハリーの前であたしもこんな必死やったんかと思った。
そういうあたしを好きになったって…?
あんたやっぱり頭おかしいんちゃう?
アイツはあたしに会釈してメガネを曇らせたまま、妙な余韻を残して体育祭の運営本部のあるテントへ歩いて行った。

許せる日が、いつか…来るんかもしれん。

そう思ってみた。

顔を上げると、校舎も校庭もさっきより明るく見えた。
35氷上×はるひ:2008/06/03(火) 20:43:18 ID:UXXwj6HB
以上です。
読んで下さった方、ありがとうございました。
36名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 20:54:52 ID:vVZ2uuxM
GJ!!続きがすごく気になった。読後感も良くてよかったです。
37名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 21:07:21 ID:Y2vBfeTF
>>13
GJ!!
2スレにわたってお疲れ様!

異色の組み合わせはいろんな見解があるけど
この話は、はるひも氷上もキャラらしさが引き立ってて面白かった!
氷上とはるひならアリかも…なんて思っちまった
38名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:19:42 ID:7NA/eDMU
GJGJ!
はるひ好きだから読めて嬉しかったよ!
はるひとメッティの愛らしさにハァハァした(*´Д`)VS解消後のデイジーとの仲良しぶりもたまらなかった
この二人が卒業式の日にどうなるか見てみたい
39名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:52:13 ID:samu+BLd
GJ!!
はるひとメッティの組み合わせって意外と合いそうだと思ってたから
書いてくれて嬉しかった。
>>36も書いてるけど、読後感の良さが好きだ。
40名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:53:37 ID:6pa3m/dS
>>1
スレ立て乙!

>>13-35
GJ!
恥じらい顔のメッティに萌えた後に手信号で笑わせてもらったww
自分の中であまり想像つかない組み合わせだったけど
違和感無くてすごく面白かったです!
41名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 01:38:28 ID:g15rakp8
超GJ!! 
本当に良いものを読ませて頂いた、感謝する!
では、失敬
42名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 19:53:36 ID:XvhTW0/Z
ヘルメット被って手信号しながら追っかけるメッティに萌えたwwさすがメッwwwティwwww
43名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:53:37 ID:w9OcR+LN
13です。
たくさんGJ言って下さってありがとうございます。
初投下でドキドキしてたのでとても嬉しかったです(`・ω・´)

Cの始めが抜けてました
>自分で捨てるのは忍びないけど、
44名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:31:51 ID:dVZ/s46A
保守
45名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 20:31:40 ID:rWFGKWXe
すごく面白かったー
また頼みます
46名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 10:39:45 ID:Jg1kEr/P
保守
47名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 10:40:11 ID:IR0qkL2y
13日の金曜日
48名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:11:02 ID:fNEYU0q/
過疎ってる
49名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 18:51:53 ID:qbfT6Yui
保守
50名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:13:11 ID:b1o+1lpi
隠し×デイジー投下します

かなりのぬるエロ
少し強引描写を含みます。

コンサート終了後の話です。
それではよろしくお願いします。
51隠し×デイジー if. 1/12:2008/06/19(木) 02:13:58 ID:b1o+1lpi
「随分、酷いことするんだな」

彼女の言葉を遮って、僕は言った。

「来たくなければそう言えばいいんだ。
こんな回りくどいことしなくたって。
じゃあ……」

こんなはずじゃなかったのに。
彼女が好きだっていうアーティストのコンサートを一緒に見て、
興奮して、手なんか触れちゃったりして。
終わった後、ご飯でも食べながら、
さっきのコンサートについて熱く語り合ったりなんかして。
……なんて、一人で舞い上がって、本当にバカみたいだ。
昨日までの胸の高鳴りは、一体なんだったんだろう。
……いや、彼女を責めるのは間違ってるんだ、きっと。
僕が強引に誘ったから、断れなかったんだ。

――だからって。
こんなやり方。

彼女に背を向けて歩き出した。
一刻も早く、立ち去ってしまいたかった。

「あ、ユキー、ご飯行こうよ!」
「……いい。疲れたから、僕はもう帰るよ」
「えー、なんでよぉ! 行こうってばあ」
「いいから、ほっといてくれ!」

いつになく強い口調になった僕に、クラスメートは驚いた顔を見せたけど、
僕は振り向かずに再び歩き出した。後からなんと言われても構うものか。
「……待って!」
なのに僕が振り向いたのは、それが彼女の声だったから。
52隠し×デイジー if. 2/12:2008/06/19(木) 02:14:44 ID:b1o+1lpi
「赤城くん……」

胸が、一瞬にして締め付けられた。
彼女のパッチリした両の瞳からは、大粒の涙が零れていた。

どうして。
「……泣きたいのはこっちだってのに……」
思わず小さく呟きが漏れた。

「……君はまだ僕を傷つけるつもり?」
「違うの、話を聞いてよ……!」
「何の話をだよ。もう話すことなんて……」
「お願いだから、最後まで聞いて……」

後から後から、涙はあふれて頬を伝い落ちる。
いつもの強気な彼女はどこにもいない。
落ちていく陽が、少しずつ体温を奪っていく。

何を言われる?
何を言ったらいい?

立ち尽くす二人の間に、滴が落ちる。
それはたちまち辺りに広がって、
歩いていた人たちが、慌てて屋根の下に避難する。
「ねえユキ、誰よこの子」
「……本当にゴメン。一人で帰って」

彼女の手を掴んで、僕は走り出した。
その手は、空気より冷たかった。
53隠し×デイジー if. 3/12:2008/06/19(木) 02:15:28 ID:b1o+1lpi
取り合えず目に付いた喫茶店に飛び込む。
同じコンサート帰りと思われる人たちで溢れていたが、幸い空席はあるようだ。
なるべく奥まった席を選んで、向かい合って座った。

――無理矢理、こんなところへ連れてきてしまったけど。
彼女のうつむく弱々しい姿を見ていたら、
彼女が待ち合わせ場所に来なかった時よりも心が痛くて。

「……赤城く……」
「ご注文はお決まりですか?」
「あ……、君、何か食べる?」
首を振ってまたうつむいてしまったので、コーヒーを2つ頼んだ。

沈黙が続く。
彼女はうつむいたまま。
湯気を立てて運ばれてきたコーヒーをすするのを見届けて、僕は切り出した。
「聞くよ。話」
「……ごめん、なさい……」
小さな声で、彼女が呟く。

―あの時気づくべきだったんだ。
断るつもりなら、何故コンサートが終わる時間まで彼女はあそこに居たのか。
そして、あの手の冷たさを思い出した。
寒い中、じっと待っていた彼女の手は真っ赤になっていた。

ぽつりぽつりと、彼女は話した。
僕はただ、黙ってそれを聞いた。
その話が嘘や言い訳じゃないことくらい、彼女の手を見れば一目瞭然だった。
だからこそ。
自分に猛烈に腹が立って仕方なかった。

僕が時間に遅れなければ。
チケットを僕が持っていれば。
会場に入る前に、諦めずに探していれば。

――連絡先を聞いておけば。

すっかり冷めたコーヒーを一口すする。
54隠し×デイジー if. 4/12:2008/06/19(木) 02:16:09 ID:b1o+1lpi
「……ゴメン、理由も聞かずに怒鳴ったりして」
「ううん、私こそ、ごめん……」
「君が謝ることないよ。僕が悪かったんだ」
「違うの、私がチケット無くさなかったら」
「それだって僕が遅れたからだろ」
「でも、やっぱり私が悪いよ……」
「…………フッ。……あ、ゴメン」
思わず噴き出した僕を、少し赤い目の彼女が怪訝そうに見る。
「いや、謝る時でさえ君は意地っぱりなんだな、と思って」
いつものように言い返さずに、彼女も少し笑った。
「お互い様だよ」
「……だね。ねえ、何か食べない?君もお腹すいてるだろ?」
「うん、じゃあ……」

食事をしながら、コンサートの話を彼女にせがまれた。
でも正直、全く頭に入っていない。
「なかなかチケット取れないんだから、ちゃんと見なきゃもったいないよ!」なんて言われたけど
そんなことは良くわかってる。
君のために苦労して取ったんだから。


すっかり話し込んで、気づいたら店の中は閉店準備が始まっていて、
人が次々と追い出されていく。
「……えっ、もうこんな時間か!?」
「あっ、ホントだ。終電、間に合うかな?」
「間に合わなきゃ困るだろ、行こう!」
まとめて会計をすませ、彼女の手を掴んで、来たときのように走り出した。
冷たい雨が降る中、彼女の手は温かさを取り戻していた。
55隠し×デイジー if. 5/12:2008/06/19(木) 02:16:52 ID:b1o+1lpi
「あ……、終電、行っちゃった……」
なんてこった。
「まいったな……」
タクシーしかないか。お金、足りるかな。
「タクシーは、と……」
週末のタクシー乗り場は物凄い行列だ。見ていても、なかなか列は進まない。
「傘あれば並んで待てるんだけどね。流石にちょっと寒いよね」
「……ああ」
夏ならまだしも、冬も間近なこの時期に外で一晩過ごすなんてありえない。
見渡す限り、漫画喫茶やファミレスなんてものも無さそうだ。

目に留まったのは、安っぽいビジネスホテル。
ああいうところなら、そんなに高くもつかないだろう。

しかし、駅近くのビジネスホテルはどこも満室だった。
今度こそ困り果てた僕に、彼女が問う。
「ねえ、あれもホテルじゃない?空室ありって出てるよ」
「……!」
確かに、今居るこことそんなに汚さは変わらないかもしれないけど、
どう見たってそれは、いわゆるラブホテルというやつで。
「あそこ、行ってみようよ」
「……いいの? 僕と、あんなところに入ったりして」
「えっ? ホテルでしょ? あ、ほら、人入ってくよ。満室になっちゃうかも」
カップルと思われる二人がくっつきながら入っていくのが見える。
空室ありの表示が変わらないのを見て、僕は決心した。
「わかった。じゃあ、行こう」

休日で私服の僕らは、高校生であることを見咎められることもなかった。
少し古そうな感じだけど、仕方が無い。
僕がボタンを押すと、選んだ部屋のパネルの明かりが消え、全ての部屋が埋まったことを告げる。
「危なかったー。野宿になるところだったね」
のんきに呟く彼女を急かして、エレベーターに乗り込む。
誰も見ているはず無いのに、やたらときまりが悪くて、
まるで隠れるように部屋に滑り込んだ。
56隠し×デイジー if. 6/12:2008/06/19(木) 02:17:34 ID:b1o+1lpi
「……体、冷えただろ。風呂入ってきなよ」
ここはビジネスホテルで、僕は彼女をどうこうするつもりはない。
そんなことを必死に頭に縫い付けて、彼女を風呂へと追いやる。
「ま、待って赤城くん、まだお湯入れてないよ?」
「あ……そうか、そうだよな。ゴメン」
なんだか間が持たなくて、僕はうろうろと狭い部屋を歩き回る。
彼女が風呂に行ってやっと、腰を落ち着けた。

いくら彼女がここをそういう目的の場所と認識していなくたって、
僕は十分すぎるくらいその空気を感じていた。
満室の部屋。一体今、何組のカップルが行為に及んでいるのだろう。
考えてはいけない、と思いつつも、頭の中はそのことで埋め尽くされていく。

なんで僕たちはこんなところに居るんだろう。
今さら考えてもどうしようもない“もしも”がいくつも駆け巡る。
終電に乗れていれば。
もっと時間に気をつけていれば。

けれども、その思考すら中断させるようにシャワーの音が響く。
まるで悪魔の囁きだ。
邪な妄想で頭がはちきれる前に、数学の公式をいくつもいくつも思い浮かべる。

「……ぎくん? 赤城くん?」
気が付けば、いつの間にか出てきた彼女が僕を不思議そうに見ていた。
「お先。赤城くんも、よくあったまってね?」
「あ、ああ。待ってなくていいから、先寝てて」

よく温まったのだろう、うっすら赤みを帯びた顔と少し濡れた首元がやけに艶かしく見えて、
彼女の方を見ないようにして僕は浴室へと急いだ。
57隠し×デイジー if. 7/12:2008/06/19(木) 02:18:16 ID:b1o+1lpi
風呂から上がると、彼女はベッドの端の方で寝ていた。
横目で見ながら、椅子に座る。
もちろん、ベッドになど入る気は無かった。
ソファで、それが無理ならいっそ一晩中起きているつもりだった。

「……赤城くん?」
振り返ると、彼女はうっすら目を開けてこちらを見ていた。
「ああ、まだ起きてたんだ」
「うん、なんだか眠れなくて……」
「子守唄でも歌おうか? それともおとぎ話でもする?」
子ども扱いしないでよ、そんな返しを予想していたんだけど、
彼女から返ってきたのは「じゃあお話がいいな。私の知らないお話」という言葉だった。
冗談で言ったのに。

彼女の寝ている横に腰掛けて、僕は話し出した。
「……昔々あるところに、一人の若者がいました」
――それはある滑稽な男の物語。
「若者が山に出かけたとき、一人の少女に出会いました。
若者はその少女を一目見て気に入りました。
しばらくして、その若者は再び少女を見かけました。
若者は大層喜びました。しかし、その少女は次いつ現れるかわかりません―」

静かに目を閉じている彼女を見て、少し声を落として僕は続けた。
「若者はその少女がすぐに気づいてくれるように、あの日と同じ格好をして出歩き続けました。
その甲斐あってか、三たび出会うことができたのです」

「けれど、若者は会えたことに舞い上がってしまい、次どうすれば会えるのかを聞けませんでした。
それでも、きっとまた会えると信じていました。
そして、とうとう若者は、少女の居場所を突き止めました」
58隠し×デイジー if. 8/12:2008/06/19(木) 02:18:57 ID:b1o+1lpi
静まり返った部屋に小さな寝息が響いて、
布団が規則正しく上下する。

「若者は、……僕は、すごく舞い上がってたんだ。
君に会えたことにも、君が僕に笑いかけてくれたことにも。
次会ったときこそ連絡先を聞こうって、毎回考えてたのにいつも聞けなかった。
あのチケットを取ったのも、一種の賭けだった。
君がオッケーしてくれた時、叫びだしたいくらい嬉しかったんだ。
だから、君が来なかった時は、本当にショックだった。
やっぱり、僕の勘違いだったんだ。
……運命なんかじゃ、なかったんだって。
誤解が解けた時は、思わず泣きたくなった。
本当に嬉しかったから。
でも、君を喜ばせたかったのに、泣かせるなんて……
最低だ、僕は。君は何にも悪くないんだ。
僕はただ、君のことが…………」

言えない言葉がしんとした空気に溶けていく。
彼女の閉じられた目から、涙が一滴零れていた。
どうしようもない思いが溢れるようにこみ上げる。
僕はそれを指でそっと拭って、小さな唇に、そっと口付けた。

さっき何もしないって自分に誓ったはずなのにこれだ。
やっぱり、こんなところにいるのは良くない。
……また、会えるといいんだけど。

身支度をして、テーブルにお金とメモを残してそっと部屋を出ようとした時、
衣擦れの音がして、空気が動くのがわかった。
59隠し×デイジー if. 9/12:2008/06/19(木) 02:19:38 ID:b1o+1lpi
「赤城くん……、どこ、行くの……?」
「……! 君、寝てたんじゃ……」
「眠れないって、さっき言ったじゃない…」
上半身を起こした彼女が、目を伏せて言う。
「……ってことは、今のも全部聞いてたんだろ。そういうことだよ」
「そういうこと……って、どういうこと?」
「だから、僕はこれ以上君を傷つけたくないんだ」
「わかんないよ、赤城くん……だったら、どうして黙って出て行こうとしたの?」
「……君、それわざと言ってる?」
「わざとじゃないよ!」
「じゃあさっき自分が何されたかわかるだろ!」

自分が勝手にしたくせに、彼女に怒るとはどういう状況なんだろう。
でも、無性に腹が立った。

「君、危機感無さすぎるんじゃない?」
「赤城くん?」
「ここ、何する場所か知ってる?」
「痛……っ」

細い手首を掴んで、そのままベッドに押し倒した。
ああ、僕はまた泣かせるんだ。彼女を。

「あ、赤城くん……っ」

見上げる瞳に、見る見るうちに涙が溜まっていく。
「わからないなら、教えてやるよ」
両手をベッドに押さえつけたまま、強引に唇を押し付けた。
潤んだ両の目が見開かれ、その後固く閉じられて、再び涙が零れ落ちた。

唇を離すと、彼女は少し息苦しそうに呼吸して、僕の顔を見た。
「……わかるよ。私にだって、狭い部屋に二人っきりでいたらどうなるかなんて、わかってるよ」
「ならどうして抵抗しないんだよ!」
「好きだからに決まってるじゃない!!」

彼女のあまりにまっすぐな言葉に、頭が真っ白になった。
60隠し×デイジー if. 10/12:2008/06/19(木) 02:20:25 ID:b1o+1lpi
「……こんなことされて? ああそうか、君、いつもみたいに意地はってるだけなんだろ?」
「なんでこんな時まで意地はらなきゃいけないの? ……私は、……」
ポロポロと涙を零しながら彼女は言葉を続ける。
「つまらない意地はってケンカするくらいなら、素直になろうって思ったの。
その結果、もしこうなるんだったら、それでもいいと思った。
でも、私には、赤城くんが何考えてるのかわからないよ……」
「…………つまり」
何が何だかわからないけど、彼女が言うように意地をはってる場合じゃないことだけはわかる。
「このままここにいたら、寝ている君を襲っちゃいそうだったから、
……だから帰ろうと思ったんだ、僕は」
そこまで言って、今の自分の体勢に気が付いた。
「あ、ご、ゴメン……」
圧し掛かっていた体を退けようとすると、急に手をグッと引っ張られて、
「わっ!」
そのまま彼女に覆い被さるように倒れこんでしまった。
「帰らないで……!」
「わ、わかったよ。でも、ちょっと、あの、……近い」
顔を背けても、数センチ先に彼女の顔があると思うと、その事実だけで心臓がバクバクする。
「……赤城くん」
「……なに?」
「こっち、向いてよ」
「いや、無理」
「2回も勝手にキスしたくせに」
「…………ゴメン」

恐る恐る顔を彼女の方に向けると、彼女は真っ直ぐにこっちを見ていた。
そのまま、数センチの距離が更に縮まって。
やがて僕と彼女の唇が重なった。
それは触れるだけでも押し付けるだけでもなくて、
交わす、って感じのキスだった。
61隠し×デイジー if. 11/12:2008/06/19(木) 02:21:10 ID:b1o+1lpi
彼女の柔らかい唇の感触を味わいながら、微かに目尻に残る涙をそっと拭う。
一旦唇を離して、再び、少し強めに口付けた。
息苦しかったのか、少し開いたままの口にそっと舌を差し込んで、
彼女の口内をなぞっていく。
「…………っ、はぁっ、はぁっ……」
「……続けていい?」
「……今さら聞かないでよ」
「素直になるんじゃなかったの?」
上目遣いで少し睨む、その表情がかわいくて、僕の心拍数はまた少し上がる。

首筋にいくつもキスを落とすと、時折小さく声が上がった。
「あ……、や、やだ……」
「嫌だった?」
「だって、なんか、勝手にヘンな声出ちゃう……」
「我慢しなくていいのに」
「恥ずかしいよ……んっ……」
「そう? 可愛いと思うけど」
意地悪でもなんでもなく本心から言ったんだけど。
手で押さえてまでして声抑えなくてもいいのに。
反対側にも口付けたり、強めに吸ったりしながら、そっとゆるやかに盛り上がった丘に手を伸ばした。
「あ……! や……っ」
抑えきれない声が手の間から零れて、僕の耳をくすぐる。
下着越しでも感じられる柔らかさに、目眩がしそうだ。
手のひらを当てて、少し押すようにゆっくり手を動かすと、
またくぐもった声が微かに聞こえた。
少し硬度を増した箇所に触れ、そのまま手を滑らせるように中心部分へと移動させる。
「ぁ……、気持ちい……ぃっ」
突然の囁くような吐息交じりの声に、体中の血液が沸騰しそうになった。
口に手を当てて目を閉じる、その顔は赤く染まって、これ以上無いくらいに僕を駆り立てる。

好きな子相手にするのって、こんなにも我慢がきかなくなるものなのか。
取り合えず、ここが一応ラブホテルであることに少し感謝。
ビジネスホテルには流石に避妊具は置いてないだろうし。

そんなことを考えながらも手は止まらない。我ながら器用かもしれない、と思う。
せっかくの可愛い声もまた我慢してるみたいだし。
衣服の下に手を侵入させて、今度は下着越しに胸を掴む。
「……ねえ、声我慢しなくても」
そこまで言って、僕は彼女の凄さを思い知る。
「嘘だろ……」
そこには、口に手を当てて、目を閉じて、
――安らかに眠る彼女がいた。
彼女の胸に手を置いたまま、僕はしばらく言葉を失った。

62隠し×デイジー if. 12/12:2008/06/19(木) 02:21:53 ID:b1o+1lpi
力の抜けた僕の手を乗せたまま上下する胸からそっと手を退け、
苦笑しながらベッドから降りる。
しばし彼女を見下ろしたあと、乱れた服を整えて布団をかけ直してから、
前髪を上げておでこに一つキスをした。
口が固くガードされてるんじゃしょうがない。

……意地はって、緊張してるとか怖いとか言えなくて、
安心したとたん眠くなったとか、そんなところだろう。
でも、今日はこれで良かったのかもしれない。
僕も思ったより緊張してたみたいだし。
少し残念だと思う気持ちの裏に、安堵している自分がいることを感じる。

連絡先を聞くより先にこんなことになるなんて、
思ってもみなかったけど。
もし、連絡先を聞いていたら、確実に今とは違う未来があった。

だけど、いくつもの“もしも”を抱えて後悔を重ねても、それを選んだのは僕自身で、
その結果がここにいる僕ならば。
今日こうなることも彼女と出逢ったあの雨の日も、
きっと偶然じゃなくて必然だったのだろう。


ベッドに潜りこみ、彼女の隣に体を寄せた。
このまま寝顔を見ているのも悪くないと思うけど、
起きたら睨まれるんだろうな、とも思う。
その顔を見るのも悪くはないけど。
「……さて、と」
僕も寝るとしようかな。
起きたらまず一番に、彼女に伝えよう。
言えなかった「好き」という言葉を、今度こそ素直に。
63隠し×デイジー:2008/06/19(木) 02:23:05 ID:b1o+1lpi
以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。
64名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 06:05:02 ID:88y4JilZ
>>50-63
GJ!
「こっち向いて」「いや無理」のやり取りがいい。
赤城スキーなので嬉しいです。
続き期待。
65名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 08:09:55 ID:IUzJeRW+
すごーーーくよかったです
萌えた〜
66名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 20:09:54 ID:s6IZd+Ve
GJ!
紳士な赤城に惚れた。
67名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:30:33 ID:1Rxr+958
氷上×はるひも隠し×デイジーも超GJ!
萌えさせていただきました。
68名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:41:08 ID:9htrOd6i
>>50-63
GJ!二人のやり取りが自然できゅんとした!
昔話のくだりがよかったです。

ちょっくら赤城落としてくる!
69名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 21:39:49 ID:luwII9os
ハリー×デイジー投下させて下さい。
キテルがデイジーに横恋慕してます。
長くてエロ薄いです。
携帯&初SSなので、不手際があるかと思いますが、お許し下さい。
70ハリー×デイジー1:2008/06/20(金) 21:48:07 ID:luwII9os
 夕暮れ、バイトが終わり、待ち合わせの駅前に急ぐ。
「あの子、超かわいくね?」
「ほんとだ、声かけてみっか」
耳に入った声に辺りを見回す。声の主は俺の横を歩く野郎2人連れだ。視線の先には人待ち顔のあいつがいた。
見るんじゃねぇよ減るんだよっ!と心の中で呟き、あいつに近付く。
「わりぃ、待たせたな」
「ううん、さっき着いたとこ」
ぱっと花が咲いたような笑顔が零れる。ナンパ野郎共はそそくさと横を通り過ぎた。
わはは、ざまみろ。俺様相手じゃかなうまい。
高校を卒業後初めての夏。
あの灯台で告ってから早4ヶ月が経っていた。ラブラブな俺たちはお互いのバイト後、今日もこうしてデートなのだった。
あいつは一流大生、俺はフリーターと世間的には格差カップルだが、俺らには些細な問題だ。
「腹減ってね?何か食いに行こーぜ」
「うん!」
子供のように手を繋いでくるあいつが可愛くて、自然と俺の頬が緩む。
「今日ね、バイトでね…」
「うんうん」
話に相槌を打ちつつ、幸せを噛みしめ……いつもの難題にズーン、とぶち当たる。

そう。俺たち、まだなんです。

71ハリー×デイジー2:2008/06/20(金) 22:03:17 ID:luwII9os
普通、どうなんだ?4ヶ月キスだけってアリなのか?そのキスさえも、チュッ程度って…。
まさか天下のハリー様が誰かに聞くことも出来ないし、雑誌やらで読む初エッチ話は有り得ないだろっ!てのが多いし。正直、俺は悶々としていた。
そんな俺が、実は今日、素晴らしい作戦を練ってきたのだ!称して『今日、うち誰もいないんだ』作戦!いや、普通か…。
まぁとにかく、飯の後あいつを誘うつもりでいた。
昼間はカフェ、夜はダイニングバーになる店をチェックしてあった。
大学生になってからコンパや何やらあり、酒を飲んだことのないあいつは、何故かやたらと勧めてくる先輩たちにほとほと困惑しているらしい。
 危険だ、危険過ぎる!とヒートアップする俺は、『一緒に飲む練習して?』と可愛くねだるあいつにメロメロ状態、飲んだ後の展開を妄想しつつ今日となったのだ。
「…いらっしゃいませ」
 店に入ると、いきなり見知った顔と遭遇した。
「……佐伯」
「あーっ、瑛くん、ここでバイトしてたんだぁ」
「いつもはディナータイム前に上がるんだけど、今日はヘルプで」
能天気な声を上げるあいつを尻目に、佐伯は露骨に嫌そうな表情でテーブルに案内した。
72ハリー×デイジー3:2008/06/20(金) 22:04:21 ID:luwII9os
佐伯とは水面下であいつを巡りバトった仲だが、何となくウマが合って時々連絡したり飯を食ったりしている。が、今日のこのタイミングは実に戴けない。
案の定、佐伯は水の入ったグラスを置きながら、
「…まさか酒飲ませないだろうな?」
と牽制してきた。うるさいっつーの。いくら同じ大学で友達だからってあいつの彼氏は俺だぞ。
「瑛くん、お勧めはありますか?」
とか何とか、あいつは嬉しそうだ。
「金目鯛のカルパッチョ、4種のチーズのグラタンスープがお勧めとなっております」
って、佐伯も結構のるな…。
しかし、それもあいつがお勧めメニューとカルアミルクを注文した時までだった。眼つきが鋭くなる。
「…おまえ酒飲むの?」
「うん、ちょっと練習しようかなぁって。コンパの時、いつも瑛くんが私の分まで飲んでくれてるでしょ?悪くて…」
なにぃ!?初耳だぞ、なんだよそれ!?
「いいんだよ、俺は。おまえは酒なんか飲まなくていい」
…ちょっと待て。何かすげーショックなんだけど。
話の内容も台詞も、俺はまるっきり蚊帳の外。しかも酒飲ませようとしてる俺が悪者っぽい。てか全然彼氏っぽくない。
73ハリー×デイジー4:2008/06/20(金) 22:05:15 ID:luwII9os
無性に腹が立って、メニューをテーブルにバンッと置くと、佐伯に言った。
「いーからオーダー取ってくんね?そーゆー話は学校でどうぞ」
佐伯はむっとしてオーダーを打ち込み、去っていった。
「コウ、何で怒ってるの?」
俺が不機嫌なのに気付いたあいつはオロオロしていた。
「あぁ?別に」
「嘘。怒ってる」
「…怒ってねーってば」
上目遣いにガツンとやられる。…反則だろ、それ。
その後は和やかなムードで食事が進んだ。料理を持ってきたのも次のオーダーを取りにきたのも佐伯じゃなかったのが幸いし、俺らは見つめ合ったりテーブルの上で手を繋いだり、いちゃいちゃして過ごした。
あいつの頬はほんのりと赤く染まり、瞳が潤んで色っぽい。…いい感じだ。お互い2杯目のグラスで大人な気分を味わいつつ、俺はこの後の予定を告げた。
 あいつはあっさりうん、と頷く。
 …分かってるんだろうか?
「ちょっと、ごめんね」
と、あいつがトイレに行った隙に会計を済ませる。途中グダグダになりかけたが、できるだけスマートに済ませたい。そわそわしながらあいつを待つ。
…遅い。
10分を過ぎた頃、俺は不安になって席を立った。
74ハリー×デイジー5:2008/06/20(金) 22:06:03 ID:luwII9os
佐伯は目を反らし、ぼそっと呟いた。大袈裟に溜め息をつき、続ける。
「この後の針谷の魂胆が、サムい程透けて見える。アホだ、ほんっとにアホだぞおまえ」
「…うっせーよ」
あいつの細い腰を思い切り抱き締める。肩の辺りでぎゃっと色気のない声がするが気にしない。
「アホ上等、こいつは俺のモンだっつーの!」
佐伯に二の句を継げる間を与えず、あいつを連れて店を出た。


タクシーを停め俺様宅に向かう。あいつは俺の肩に凭れうとうとしていた。
…はー…ついにこの時がきた。…のか?これでいいのか?ほんとに今日そんなことになるのか?今更だが酔っ払ってるオンナに手を出すとかアリなのか?てか、あいつ的にアリなのか?
ウダウダ考えてるうちに、タクシーは家に着いた。誰もいない。まぁ狙ってたんだから当然か。
「大丈夫か?」
「うん、何か醒めたみたい。あ〜瑛くんにも迷惑かけちゃったなぁ。今度謝らなきゃ」
何度か来ているからか、あいつは何の警戒心もなくウチに上がった。お邪魔します、と靴を揃える仕草が凄くイイ。
「そこ座ってろよ。何飲む?」
「ん〜お茶、煎れてほしいな」
基本うちは純和風なため、緑茶やらほうじ茶やらには事欠かない。
75ハリー×デイジー6:2008/06/20(金) 22:08:33 ID:luwII9os
台所(キッチンじゃねーな)で急須を温めていると、あいつがチョロチョロと入ってきた。
「っ、待ってろって言ったろ!」
「言ってない、座ってろって言った」
あいつは何か手伝えないかとうろうろする。ジャマだっつーの!
 湯呑みも温め、急須に茶っ葉とお湯を入れて暫し待つ。
結局うろうろしただけで終わったあいつは、不満そうに居間まで茶を運んだ。が、向かい合って茶を啜るとにっこり笑う。
「はぁ〜コウのお茶は美味しいね」
「まぁな。煎れ方にコツがあるんだよ」 って、俺らはジジババか。
しかしこれからどんな風に事を運んだものか見当もつかない。
「今日は、ほんとごめんね」
あいつが言う。
首振りにした扇風機のヌルい風があいつの髪をそよそよ揺らしている。
「我が儘聞いてくれたのに、やな思いさせちゃったよね」
しゅんとしているあいつを見て、『愛しい』という気持ちで胸がいっぱいになる。…あー…エッチとか、出来なくてもいいや。今は。
「もういいって」
「私ね、…今日コウんち誰もいないって聞いて、ちょっとドキドキだった。」
湯呑みを両手で包んで言う。
そ、それはフラグなのか?もしかして今から巻き返しOKなのか?
76ハリー×デイジー7:2008/06/20(金) 22:09:27 ID:luwII9os
「……今からでも遅くないぞ」
「えっ?」
「だっ、誰もいないし」
何言ってんだ、俺は。さっきエッチはいいやとか考えてたくせに、しょーもない。
長い間の後、あいつは顔を赤くして言った。
「…シャワー、貸してくれる?」
「おっ、」
思わず立ち上がった拍子に、卓袱台の縁にガンッとすねをぶつけ痛みにまたしゃがみ込む。
「大丈夫!?」
「…いってぇ。くっそ、俺かっこ悪ィな…」
「ううん、コウはいつでもかっこいいよ」
あいつと目が合う。真剣な顔、茶化してるわけじゃない。そういう真っ直ぐなとこも、本当に好きで。
「来いよ」
あいつを立ち上がらせ、風呂場に連れて行った。


シャワーの説明やらタオルとTシャツとハーパンの用意やらして浴室を出ると、俺は落ち着きなく居間をウロウロしたり2階の自分の部屋のエアコンを入れたりゴムをどこに置こうか考えたりしていた。
「お先でしたぁ」
そうこうするうちに、あいつが俺のTシャツを着て、てかTシャツだけで出てくる。ハーパンと着ていた服を抱えている。
「うっ」
「う?」
「何でもないっ、俺も浴びてくっから部屋行ってろよ」
逃げるように風呂場に入る。
なんだ、あの色っぽさは。
77ハリー×デイジー8:2008/06/20(金) 22:10:05 ID:luwII9os
今日のキャミの方が露出度高いのに、洗い髪とTシャツのコンボはスゴい破壊力だ。
下の方に血が集まってくるのが分かる。落ち着け、いくらなんでも早過ぎるだろ、俺!
シャワーを浴びて部屋に上がる。
あいつはベッドにちょこんと座ってドライヤーで髪を乾かしていた。
「借りちゃった」
とドライヤーを振る。
「おう」
俺はどこに座るべきなんだ?隣り、はがっついてそうに思われないか?とか考えてると、あいつは自分の横をぽんぽん叩いて言った。
「コウも髪乾かさないと。私やってあげる」
俺が座ると、あいつはよいしょっと膝立ちになりドライヤーを掛け始めた。
「セットしてないとこ見るの、久し振りだなぁ」
嬉しそうに言う。あいつの指が俺の髪を梳きながら温風を当てる。
「あ、あの時以来か…」
去年の冬、風邪をひいた俺を突然あいつが見舞いに来たことを思い出す。俺はめちゃめちゃ焦って、でも嬉しくて仕方なかったっけ…。
「こうやって一緒にいるのが夢みたい。すごく、幸せ」
恥ずかしそうに言うあいつが可愛くて、小さな体を引き寄せる。危ないよーとか言いながらも、あいつはドライヤーを切ると俺の背中に腕を回してきた。
78ハリー×デイジー9:2008/06/20(金) 22:10:36 ID:luwII9os
あいつが膝立ちしてる為、ちょうど胸の辺りに顔を埋める形になる。
あったかくて、柔らかくて、いい匂いがする。
「…おい、俺ホントにするぞ」
「…うん」
鼓動が速くなる。顔を上げると、頬を紅潮させたあいつが潤んだ瞳で見つめ返してきた。
も、無理。マジ限界。
ベッドに押し倒す。耳元に口づけるとくすぐったそうに肩をすくめる。Tシャツの首から…は無理か、裾から手を入れて、ブラの上から胸に触れる。
あいつがびくっと震えたが、俺も電気が流れたようにびくっとした。
―ー柔らけぇ…。
初めて知るその衝撃的な柔らかさにカッと頭に血が昇る。Tシャツを捲り上げ、自分の触ったものを確認するように見下ろした。
想像してたより大きな胸が、肩紐の付いてない淡いブルーのブラに包まれていた。力を入れて抱き締めたら折れてしまいそうな華奢な体、ブラと同じ色の、レースがついたショーツ。
 クラクラする。
「取るぞ」
一応断って背中に手を回す。
…ない。何だ、これ。どうやって外すんだ。
テンパる俺に、あいつが申し訳なさそうに言う。
「これね、フロントホックなの」
「そっ、そうか」
くそ、知らねぇよそんなの。てかダセぇな俺。
79ハリー×デイジー10:2008/06/20(金) 22:12:20 ID:luwII9os
やたら複雑な構造に思えるフロントホックとやらを何とか外すと、柔らかな膨らみが現れた。透けるように白くて、綺麗だ。
触れると指先からとろけそうになる。ゆっくりと揉みしだき、ピンク色の乳首を口に含む。
「…やっ」
あいつが俺の肩に手をつき、押し戻そうとするが構わず続ける。
舐めたり軽く咬んだりしていると、それは立ち上がって自己主張し始めた。
「気持ちいい?」
「わ…っかんない、ヘンな感じ」
真っ赤な顔を背ける。
胸への愛撫を続けながら、ショーツの上からその部分をなぞる。そこは温かくて、しっとりと濡れていた。
「あっ、…や」
 あいつは俺の手を挟んだまま足を閉じるが、肘を使って強引に開き、幾度も指を往復させる。
「…ん、いやぁ」
 ショーツに染みが広がっていくのを見て、興奮が高まる。くちゅっといやらしい音が響き、その度にあいつの体がびくんと跳ねた。
細い腰を上げさせ、ショーツを取り去る。そこはとろとろになっていた。
「おまえ…すげ…濡れてる」
「やだ…っ…恥ずかしい」
 感じてくれてるのが嬉しい。
中心を擦るように触ると、息を呑んで首を振る。開いた足がガクガク震えている。
もう大丈夫だろうか?
80ハリー×デイジー11:2008/06/20(金) 22:12:56 ID:luwII9os
俺のものは痛いほど勃ち上がり、脈打っていた。そろそろヤバい。
ぐっしょりになったあいつの中に、そっと指を入れる。
「いた…っ」
最初の関節が入ったぐらいで、あいつが声を上げた。
………これで痛いのか?指でこんなに痛そうじゃ、俺のなんか入るんか?
俺の迷いが通じたのか、あいつが俺の手を握ってくる。
「…大丈夫、多分。…して?」
あまりの健気さにじーんときてしまう。マジで、好きだ…。
「ごめんな、すごい痛い思いさせると思うけど。…おまえのこと、ぜってぇ大切にする」
あの灯台で誓ったみたいに、キスをする。あいつはこくんと頷いた。
ハーパンとボクサーを脱ぎ捨て、ゴムをつける。
あいつの中央に先をあてがい、出来るだけ優しく割り入る。あいつは息を止めて、ぎゅっと目を閉じた。
「っ、力抜け…俺見てろよ」
荒く息をついてあいつが目を開く。視線が交差する。目尻から零れる涙を唇で拭う。
ゆっくり、全てを収めると、俺はそのままはーっと息を吐いた。
「…う、あ、キツ…」
あいつの中は温かく、自分の右手じゃ考えられないくらい絡みついてきた。
スゴい。スゴすぎる。
 イキそうになるが何とか耐える。
「動くぞ」
81ハリー×デイジー12:2008/06/20(金) 22:13:30 ID:luwII9os
それだけ言うと、あいつに体重をかけないように腕で体を支え、腰を突き出した。
「っ!!」
あいつが痛みに声を上げるが、今は止められない。
何度か腰を動かし、最後に深く叩きつけるように穿つと、俺はあいつの中で達した。


…ヤバい、抜かないと。
と思ったのは少ししてからだ。凄い快感が弾けた後の脱力感は、何とも言えなかった。
 あいつから抜く瞬間、内襞が惜しむようにまとわりつき、その感覚にまた反応しそうになる。
「…お、終わったの?」
キョドりながらあいつが尋ねてくる。「…おまえ、すっげえ可愛かった。それに、超気持ち良かった…」
「そそそそうなの?良かった…」
訳が分からない様子のあいつをぎゅっと抱きしめる。嬉しいやら幸せやらで、あいつを抱いたままじたばたする。
「くっ、苦しいよ!コウ!」
「あ〜、何か俺だけいい思いした気がする。ごめんなぁ」
「…コウ、にやけてるよ…」
うひひ、今の俺様は上機嫌だから怒らないんだぜ。
あいつの滑らかなほっぺに頬ずりする。汗だくになった俺らの体は、エアコンで火照りを醒まされひんやりしている。裸で抱き合っているのが心地よくて、タオルケットの下でじゃれあう。
82ハリー×デイジー13:2008/06/20(金) 22:14:00 ID:luwII9os
「な、おまえどんな感じだった?」
「えっ、フツウに痛かった…」
「違うだろっ!ホラ、ひとつになれて幸せ〜とかさ」
あいつは困ったような顔で、あさっての方を向いた。
「…ん〜、何か恥ずかしい格好になっちゃうし、ヘンな声出るし。あんまり好きじゃないかも…」
っんだよ、それ!がくっと肩を落としかけ、ふと思いついて、あいつの手を導く。
「まぁ、何回かしてるうちに、おまえもコレに夢中になるって!」
さっきからのじゃれあいで半勃ちの俺に触れさせると、あいつは顔を真っ赤にして飛び起き、怒り出した。
「もっ、馬鹿ぁ!!最低!」
「いいだろっ、つーか何だその反応は。俺のムスコはゴキブリか」
「ほんとにコウは…」
あいつはタオルケットを奪い取り、体を隠すと呆れたように呟く。
「お互い触ったし、もう恥ずかしくないだろ?」
「そーゆー問題なの?」
「そうだ!」
自信満々に言い切る。あいつは吹き出し、俺に抱きついてきた。
「…大好き。早く夢中になれるように、私も頑張るね」
あいつの柔らかな胸が、俺の胸に押しつけられる。滑らかな肌触りと先端が当たる感触に、俺自身が更に頭をもたげはじめる。
83ハリー×デイジー14:2008/06/20(金) 22:14:35 ID:luwII9os
「…早速頑張ってみるか?」
「…ダメ」
「好きこそものの…って言うだろ!」
「だーめ!!」
やっぱり。
まぁいいや、幸せだし。今日の俺は寛大だった。



それからまたじゃれあってるうちに、あいつは俺の腕の中で船を漕ぎ始めた。 長い睫が頬に影を落とし、さらさらの髪がシーツに波のように広がる。
陶器みたいな頬を撫で、髪を梳いていると、同じようにあいつに触れていた佐伯のことを思い出した。
奴もこんな気持ちでいたんだろうか。こんな、痛いような、溢れそうな愛しさと全てを浸食してしまいたい独占欲との入り混じった気持ちで。
申し訳ないような、自分のものだと宣言したいような、複雑な感情が沸いてくる。
すけすけの俺の魂胆が実現したこと、佐伯はいつ知るんだろうか。

あいつという幸運の星のもと、穏やかな眠りのうねりに包まれる。
瞼に口づけ、もっと深く抱きしめて、俺は目を閉じた。
84ハリー×デイジー:2008/06/20(金) 22:16:19 ID:luwII9os
以上です。
乱文失礼しました。
85名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:20:00 ID:DhAFl5v0
超GJ!!
86ハリー×デイジー:2008/06/20(金) 22:22:58 ID:luwII9os
すいません、4と5の間が抜けていました。


そうは見えなかったが、酔って潰れたのかもとか、ナンパに絡まれてフリーズしてるのかもとか、悪い予感でいっぱいになる。だが、予感より悪い事態がこの先に待っていた。
トイレの前の通路の突き当たり、あいつがいた。
佐伯と。肩を…というより、殆ど抱き締められて。
佐伯の胸に凭れかかったあいつは、目を閉じて眠っているようにも見えた。
「大丈夫か?」
「ん…まだぐるぐるする」
「このバカ。だから言ったろ。飲むなって」
言葉はキツいが、口調がひどく優しい。あいつを抱き締めているのとは逆の手で頬に触れ、髪を梳いている。
「佐伯、てめえ何してんだよ!」
かっとなって、乱暴にあいつの体を奪い返す。
「おまえこそ何してんだ、こんなに飲ませるなんて」
「う…」
くっそぉ、やっぱ俺が悪モンだよ。
あいつのおねだりを聞いて、二人でいい感じの雰囲気になりたかっただけなのに…。
「…コウ、酔っぱらっちゃった…ごめんね」
睨み合いの元凶となったあいつは、甘えた声で俺の首に手を回し、すり寄ってきた。
「怒らないで?怒っちゃヤダ」
ヤバい、にやけてしまう。…俺めちゃめちゃかっこ悪いんですけど。
「…アホくさ」
87名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 08:07:34 ID:SFIP/BIU
>>69
乙でした!
ハリー好きなんで、楽しく読ませて頂きました。
デイジーはもちろん、ハリーがかわいかったですw
描写もとても上手だし、GJです!
あと、事後wのいちゃいちゃした感じとか、よかったです。
(H後の様子が描かれている作品をあまり見ないので、新鮮でした)

しかし、
>「…おい、俺ホントにするぞ」
このセリフ、読んでてマジどきっとしてしまいましたw
88名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 14:15:42 ID:JU/gY4G1
ときめきをありがとう!ハリー最萌えなのでGJJJJJJ!
89名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 21:16:11 ID:beWn5+gR
超GJ!!
ちょっとキテル親友にしてハリー落としてくるww
90名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 21:03:56 ID:lT4DFYUG
 キテル×デイジー←志波 投下します。というか、ほぼ志波話で視点も彼です。レイプ表現ありなのでご注意ください。更に誰も幸せではありません。
91キテル×デイジー ←志波1:2008/06/22(日) 21:05:04 ID:lT4DFYUG
 細い両手首は、片手で難なく掴み取れた。
 頭上で押さえると固定されたように腕全体が動かせず、彼女の顔に焦りの色が浮かぶ。
 今ならまだ。
 悪い冗談と謝ることが出来る。
 優しい彼女は、ちょっと膨れて、それからすぐに許してくれるだろう。
『もう、志波くんは。びっくりしたんだからね』
 そんな声が、実際に聞こえた気がした。
 だが今のこの嵐のような感情、胃の奥底からせり上がり、ギリギリと苛む痛みに似た感情を止めることは、到底不可能に思えた。
 ブラウスの襟部分を掴み、力任せに引っ張ると、甲高い音を立てて布が裂ける。
「いやっ!」
 彼女が体を捩り晒された肌を隠そうとするが、何の役にも立たなかった。
 あまりの力の差に哀れさえ感じるが、彼女を離すことは出来ない。
「…お願い…やめて」
 彼女の瞳に涙が滲む。こんな時だというのに、震える彼女は綺麗だった。
 白い素肌に手を伸ばす。
 熱く、滑らかで、柔らかな膨らみの下に激しい拍動を感じる。
 甘い香りのする首筋を唇で探り、歯を立てる。
 捕食。
 そんな言葉が脳裏に浮かぶ。
 彼女がいなければ、自分はきっと飢えて死ぬだろう。
 
92キテル×デイジー ←志波2:2008/06/22(日) 21:05:37 ID:lT4DFYUG
 ならばこれは、生きる為の正当な行為か。
 悲鳴をあげようと開かれた唇に口づける。舌を絡めると噛みつかれ、血の味を残した。
 怒りに近い思いが湧き上がる。
 もう躊躇いはなかった。



「あのね、…瑛くんと、つきあうことになった…」
 頬を染め、嬉しそうに報告する彼女は、今までで一番綺麗だった。
 桜の季節、大学進学を控えて慌ただしい中、いつものように二人きりだというのに、彼女が酷く遠い。
「いっぱい心配かけちゃって、ごめんね。志波くんのおかげだよ…」
 可愛らしい仕草で頭を下げる。
「そうか。良かったな」
「これからも、ずっと友達でいてね?あっ、今度は志波くんの相談に乗るから、私!」
 他意のない、無邪気な彼女に胸の奥がちりちりと灼ける。幸せそうな彼女を心から祝福できないことが後ろめたい。
 でも、精一杯笑う。良かったな、と親友らしく。
 ずっと、こんな風に対するのか。
 報われないまま、友達のように振る舞って。


 彼女が欲しかった。自分だけを見てほしかった。
 だが、まだ耐えられた。
 この時はまだ。
93キテル×デイジー ←志波3:2008/06/22(日) 21:06:02 ID:lT4DFYUG
「なぁ、昨日一緒にいたの彼女?すっげえ可愛いな」
 夏を目前にしたある週明け、野球部の奴に尋ねられる。
「…いや、友達」
「マジで?なな、あの子彼氏いる?」
「いる」
「だよなぁ、あんだけ可愛かったらいるよな。くっそー」
 それ程親しくない奴の口から、彼女のことを聞くのは不思議な感じだった。
 一緒にいて恋人だと思われたことに、屈折した喜びを感じる。
 俺たちは、違う大学に進学してからも当たり前のように会っていた。
 彼女の新しいバイト先のカフェに行くこともあったが、大抵は駅周辺や公園で落ち合い、時間を潰す。
 佐伯に何も言われないのかと尋ねたら、逆に不思議そうに『何で?』と聞かれた。
 佐伯のことはよく知らない。
 整った顔の優等生で、彼女の想い人。それだけだった。
 だが彼女の話を聞くうちに、俺は激しい嫉妬を奴に抱くようになった。
 彼女の全てを掌中にする男。
 それが佐伯に対する俺の印象だった。


 いつものように、駅前で彼女を待つ。 改札から出てきた彼女は、佐伯と一緒だった。
「久し振り」
 屈託なく笑い、佐伯が続ける。
「野球、活躍してるみたいで凄いな。こいつから聞いてるよ」
 視線が合う。 
94キテル×デイジー ←志波4:2008/06/22(日) 21:06:35 ID:lT4DFYUG
 彼女には言わないのだろうが、俺と会うことを快くは思っていないらしい。
「…どうも」
「…いつもこいつに付き合わせて、悪いな。迷惑かけてるんじゃないか?」
 保護者然として言う、その態度に腹が立つ。
「いや、そんなことはない」
「もう、瑛くんは!親父くさいよ?」
 彼女が膨れて言う。ごく自然で、甘えを含んだ声。
「ハイハイ。じゃ、お父さんはバイト行ってくるから。終わったら連絡する」
「うん」
 俺にじゃあまた、と声をかけると、佐伯は立ち去った。
 その後ろ姿を見送ってから、彼女が俺を振り向く。
「ね、すぐそこにケーキ屋さん出来たんだよ。行ってみない?」
「ああ」
 二人で並んで菓子屋に向かう。
 俺の肩ぐらいまでしかない彼女は、懸命に上を向いて話す。足元が留守になって躓きそうになったり、人や物にぶつかりそうになるのを何度もフォローする。三年間、ずっとそうしてきたように。
 最初は、なんて落ち着きのない女だと思っていた。だが徐々に、彼女が人の目を見ながらじゃないと話せないタイプなのだと気づいた。
 真っ直ぐでてらいのない、綺麗な瞳が眩しくて、普段より更に無愛想になる俺を、それでも変わらずに見上げていた彼女。
95キテル×デイジー ←志波5:2008/06/22(日) 21:07:06 ID:lT4DFYUG
 彼女は何も変わっていない。変わったのは俺なのだと気付かされる。
 ケーキ屋に着き、菓子を選んで、途中のコンビニでお茶を買い、公園に行く。 ベンチに座って嬉しそうに包みを広げる彼女が可愛くて、ついからかってしまう。
「全部食う気か?太るぞ」
「いいもん、部分的に太るから」
「そんなうまくいくか?」
 彼女は華奢な見掛けによらず大食いで、何でも美味しそうに食べる。
「もおっ!すっごく美味しいけど、志波くんにはあげない!ほんと、ここ最近ではイチバンの美味しさだよ?」
 シュークリームを持ったまま力説する姿に思わず笑ってしまう。彼女の口の端に付いたクリームを指の背で拭い、舐める。
「ほんとだ、うまいな」
「えっ、付いてた?もう取れた?」
 気にするところが違うだろ。意地悪をしてやりたくなり、彼女の小さな顔に手を伸ばした。
「まだ付いてる、取ってやる」
 細い顎を掬い上げ、唇のすぐ横を舐める。甘い。
 全身がかっと熱くなる。
 驚いて体を強ばらせる彼女の肩を掴み、強引に引き寄せ…
 気づいた時には、抱きすくめて口づけていた。


「…悪い。帰る」
 茫然とする彼女をベンチに押し戻し、俺は走って公園を出た。
96キテル×デイジー ←志波6:2008/06/22(日) 21:07:32 ID:lT4DFYUG
 彼女から電話がきたのは、翌日の夜だった。メールもあったのだが、開く気になれず消してしまっていた。
 着信音が続き、根負けした俺は携帯を取った。
『志波くん?良かった、出てくれた』
 ほっとしたような声がする。
『今、話せる?』
「ああ。…この前は…悪かった」
『あ、うん…あのね、良かったら志波くんち行ってもいいかなぁ?』
 思いがけない言葉に何も言えずにいると、彼女はすぐに行くね、と電話を切った。
 どういうつもりなのか。あんなことをした男の部屋に来るなんて、何を考えてる?
 大学に入ってから一人暮らしを始めた俺の部屋に、彼女が来るのは初めてではなかった。昼間、普通の友達の家に遊びに来るような感覚だったのだろう。
 だが今までとは状況が違う。
 彼女を待つ間に、何とか気持ちを整理しようと、落ち着きなく歩き回った。
 チャイムが鳴り、彼女の来訪を告げる。ドアを開けると、心配そうな顔の彼女がいた。
「突然ごめんね」
 靴を揃えて上がった彼女を明るい電気の下で見て、俺は愕然とした。
 華奢な顎にくっきりと指の跡が残っている。目が少し赤い。…泣いていたのだろうか。
 罪悪感が込み上げてくる。
97キテル×デイジー ←志波7:2008/06/22(日) 21:07:57 ID:lT4DFYUG
「それ…俺、だよな。…すまん。悪かった、本当に」
 彼女は首を振り、答えた。
「ううん、平気」
 平気な筈なかった。あの後、佐伯と会っただろう彼女は痣のことを聞かれ、喧嘩になったのかもしれない。
「…佐伯に言ったか?」
「…言ってない」
「何で?」
 彼女は考え込み、やがて顔を上げて俺を見つめた。
「私、志波くんを怒らせるようなこと、した?それなら言ってほしいの。迷惑いっぱいかけてきたから、嫌になっちゃった?それなら私、直す。甘えないようにする。き…嫌われちゃったなら、また友達になれるように頑張る。だから…」
 彼女が考え抜いて導き出した答えに、言葉をなくす。
 どんなに恋い焦がれたところで、彼女の中で『友達』以上の発想はないのだと思い知らされる。
 泣き出しそうな彼女。親友と思っている男を失いたくなくて真剣に訴える、純粋な彼女。
 キスされたと佐伯に言わなかった彼女に、ある種の期待のような気持ちを抱いた自分が滑稽で、笑いが漏れる。
「志波くん?」
「…嫌ってなんか、ない」
 彼女の顔が明るくなる。
「ほんと?私、」
「でも、友達でもない」
 俺を責めることさえ思い付かなかった彼女の、純粋さが腹立たしい。
98キテル×デイジー ←志波8:2008/06/22(日) 21:08:25 ID:lT4DFYUG
 ほっそりした腕に手を伸ばす。両手首を戒めるように片手で握る。そのまま胸元に引き寄せる。
「…志波くん」
「友達と思ったことなんか、ない。…ずっと」
 意味を掴みかねて、彼女が訝しげに眉を寄せる。
「それって…」
「…おまえが好きだ。友達なんかじゃない」
 彼女が目を見開き、俺の胸から逃れようとする。
 抵抗を容易く封じ、抱き上げてベッドに運ぶ。軽く、あまりにも弱々しい。
 押さえつけ、脅える彼女の服を強引に裂き、肌を露わにさせる。
「いやっ!」
 本能のまま、彼女に覆い被さる。
 逃げ場をなくした彼女は、最後にどんな眼で、俺を見るのだろうか。



「…痛い…お願い、やめて…」
 泣きながら、途切れ途切れに言う。
 開かせた脚の間、舐めて潤おわせたそこは、俺の指さえも侵入を拒んだ。
「佐伯と、してないんだな…」
 その名前に、彼女の体が跳ねる。
 彼女が未だ少女だという事実に、暗い喜びと支配欲が込み上げる。
 彼女の体を拓く初めての男が自分だと知って、俺のものは烈しく怒張した。
 唾液を塗り、彼女の中に俺自身を埋め込む。悲鳴を掌で押さえつけ、狭すぎるそこに、強引に割り入る。
99キテル×デイジー ←志波9:2008/06/22(日) 21:11:31 ID:lT4DFYUG
「…きついな」
 ゴムはしていなかった。
 生のまま感じる彼女の内側は熱く絡みつき、痛いくらい締め付けてきた。
 腰を動かすと、再び悲鳴が掌に伝わる。綺麗な顔は涙で汚れ、両目は固く閉じられていた。
 深く、彼女の腰が浮き上がるほど強く、抽送を繰り返す。彼女の抵抗はもう感じられない。
 彼女を貪るように抱き締め、一際強く腰を押し付け、
 彼女の最奥で、精を放った。



 彼女の携帯が鳴っていた。
 慈悲深い眠りにつく彼女は気づかない。頬には涙の跡が残っている。
 鞄から取り出し、液晶を確認する。
 思った通り、そこには佐伯の名が表示されていた。
 彼女の寝顔を見ながら、通話ボタンを押す。
『おまえ、こんな時間まで何してたんだよ!』
 安堵と苛立ちの混じった、素の声が聞こえる。
 時計を見ると既に夜半に近い時刻だった。
 行為に没頭し気付かなかったが、おそらく何度も着信があったのだろう。
「あいつなら、ここにいる」
 一瞬の沈黙、すぐに険を含んだ冷たい声がする。
『…志波?何でおまえが』
「あいつは俺の横で寝てる。…知ってるか?あいつは、どこも全部、綺麗なんだな」
 佐伯の返答を待たずに電源をオフにする。
100キテル×デイジー ←志波10:2008/06/22(日) 21:12:24 ID:lT4DFYUG
 佐伯の慌てふためく姿が想像出来て、俺は笑った。
 そのうち奴は共通の知り合いに片っ端から電話し、俺の部屋を探し出すだろう。そう遠くはない場所だ、時間はあまりない。
 傷つき、疲れ果てて眠る彼女の髪を撫でる。
 行為の途中、彼女が何度も助けを求めた男が、やがてやってくるはずだ。
 薄く開いた唇に、口づける。
 三年前、あの事故のようなキスと同じ、触れるだけの。

 運命のように思っていた。
 隣で微笑む彼女が、ずっとそばにいてくれるものと信じていた。
 そうではないと気付いた時には、もう手が届かなかった。


 彼女の細い体を抱き締める。
 抱き返してくれる腕は存在しない。
 眠る彼女の、苦悩に彩られた顔を飽かずに見つめ続ける。
 部屋の鍵は、掛かっていない。
  
101キテル×デイジー ←志波:2008/06/22(日) 21:13:37 ID:lT4DFYUG
 以上です。
 お目汚し、失礼致しました。
102名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 22:38:19 ID:rpIG/HhG
乙です!
デイジー罪深いけどカワイソス
描写力があり文章が読みやすかったです

103名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:01:54 ID:65tpcVPw
イイヨイイヨー!
続き気になります。
手を出していなかったキテルが哀れでなりません。
104名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:58:34 ID:ZOtOzzs4
乙でした!!
親友愛情の志波か
親友プレイはどれもこれも切ないよ
どのキャラもこのくらい心に悶々とした感情がありそうで怖い
105名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 18:03:43 ID:XAGS+dNb
GJGJ!!
よかったです!乙でした!
106名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:19:06 ID:nr3MzHJ5
すごくよかったです
乙でした
107名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 20:47:05 ID:a6TxmnK6
乙です。
描写がウマいっすねぇ〜。レイプモノなのに切なくなった。
108名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:00:26 ID:xqRxHLqF
GJ!
無理矢理なのに切ない…志波の心情描写すごく気持ちが伝わってきて良かった
親友として信頼を裏切りたくない気持ちと自分の本音の狭間で長い間苦しんだんだなぁ
キテルも可哀想でデイジも可哀想で確かに誰も幸せでないのに、読んでて感動した
109名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:48:48 ID:uCFWKPH9
グッジョブ!
レイプもの好きじゃないはずなのに感動してしまったw
110名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:09:07 ID:Kf47sBlt
GJ!
レイプもの苦手だし普段はキテル萌えなのに志波の心情が伝わってきて
ついつい作品に引き込まれて最後まで読めたよ
111名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 01:40:49 ID:jfAwRH3H
とっても素敵.
「お目汚し」というのが嫌味に見えず、作者の謙虚さに見えて
それも爽やかだった。
112名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:44:31 ID:QxC4dXhS
ぐっはぁ
寝取られイイヨーgj!
シバカツ親友はまだ未開拓だが萌えた
113名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 08:46:21 ID:+j41nM4R
タイムリーに志波親友中だったから切なさ倍増でした。
文章に無駄が無く引き込まれたー!

野獣な志波が読めて嬉しかったです、ありがとう。
114名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:24:02 ID:xytFyRD4
まじでせつねえっすよ・・・
レイプは苦手だったけど、本当に引き込まれてしまった。
続きがどうなったか妄想掻き立てられましたわ。
まじGJ!
115名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:25:48 ID:ZPst8yxA
短いですが若のオナヌーを投下します。

大接近で爆発寸前で帰宅後です。
116若オナヌー1:2008/06/25(水) 21:32:41 ID:ZPst8yxA
「……」

もうどれくらいこうしているだろう。
あと発信ボタンをひとつ押すだけでおそらくすぐに楽になれるというのに。
きっと電話を掛ければ10分ほどであの女はやって来る。玄関に入るなり

「シャワー浴びてまいりましょうか?ドクター」

といつものように言うだろう。
僕が首を振ると、「かしこまりました」と微笑んで僕をベッドへ座らせ、
すぐにでもその妖艶な唇で僕の憤りを鎮めるだろう。
すでに完全に立ち上がってズボンの中が窮屈になっている今の状態では、
その状況は想像するだけであまりにも甘美だ。

ー―でも押せない。
携帯の通話ボタンに乗せられた指がどうしても動かない。
さっきまで一緒にいたあの子の顔がどうしてもチラつくのだ。
正直、今まで自分は淡白なほうだと思っていた。
それが、彼女に触れられるとまるで身体が全部性感帯になったかのように反応してしまう。

今日は特にひどかった。
デートの帰り、無邪気に触れてくる彼女から逃げるように
帰ってきて玄関に入りドアを閉めた。
震える手で携帯を出しておそらくすぐにでもこの状況を楽にしてくれるであろう女の番号を
表示したままもうどれくらい経っただろうか。
もしかしたらほんの1、2分くらいなのかもしれない。
いずれにしろ、僕は限界状態のまま玄関で突っ立って拷問のような長い時間を感じている。

彼女の笑顔と僕に触れる彼女の動き、つないだ手の感触…
すべてがループになってフラッシュバックを続け、
僕の憤りはもはや吐き出す以外にその鎮め方が見つからない。




117若オナヌー2:2008/06/25(水) 21:33:02 ID:ZPst8yxA

携帯を手に持ちながら素早くベルトをはずして取り出す。
大きくそそり立って窮屈だったものが、ひんやりとした空気に触れて解放された。
指先で軽くふれる。

「……っ」

携帯がガシャンと音を立てて床に落ちるのもかまわず、
僕はそれを握って欲望のままに手を動かした。

「ん…か…はぁ…っ」

まだ持ったままだったカバンも無造作に床に落とすと、
左手を壁について右手の動きに集中する。

「は…あ………っ」

まだ… もうちょっと…

「ン…く… はぁっ!あぁ…っ」


勢いよく放たれたものが床を汚していく。
ハタハタとこぼれた白濁液をぼんやりと眺めながら僕は荒くなった息を整えた。

ドン、と扉にもたれて足元からくずれて座り込む。
見慣れた玄関に放たれた見慣れた自分のモノ。
普段はありえないその光景が余裕のなさを体現していた。自分で自分が怖くて泣けてくる。

あと一年…。
彼女が卒業するまで僕はちゃんと僕を保っていられるだろうか?
118名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:33:59 ID:ZPst8yxA
以上です。
ありがとうございました!

>>115が変な日本語になっててすみません。
119名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:10:10 ID:wr5Mjby2
GJ!
もう我慢できなくて襲ってしまえばいい!
120キテル×デイジー ←志波:2008/06/26(木) 04:23:12 ID:HhZa2aIv
>>91-100 のキテル話を投下します。
 キスのみ、暗くて短いです。
 いささか蛇足的ですのでご注意下さい。
121キテル×デイジー ←志波1:2008/06/26(木) 04:23:47 ID:HhZa2aIv
 俺の部屋、彼女が好きだというこの部屋で、小さな体を抱き締める。
 膝の間に収まり、俺の胸に凭れてくる彼女は、強く抱いたら壊れてしまいそうで怖い。
 体の前で交差させた腕に、柔らかな胸の感触が伝わる。
 彼女はいつもいい匂いがして、黒目がちな双眸に見つめられると理性が飛びそうになる。
 俺たちは何度もキスをする。
 子供の頃から今日まで、空いた時間を埋めるように、何度も。愛しくて、大切で、時に神聖な気持ちになる。
 それでも、彼女のすべてが欲しくてたまらなくなる。
 意識せず強くなった抱擁に、彼女が小さく声を上げる。
「…ごめん」
 思わず詫びると、彼女が申し訳なさそうに苦笑する。
「私も、ごめんね。…嫌なわけじゃなくて…少し怖いの」
 ことんと頭を俺に預ける。
 台形に開いたブラウスの胸元に、絹のような髪が一房、掛かる。その下の膨らみが、呼吸に合わせて上下する。
「…好きだ」
 万感の想いを込めて、祈るように耳元で囁く。
 彼女の吐息に、僅かに上がった体温に、彼女も俺を求めているのだと知る。
 細い顎を掬い、後ろから抱き締めたまま唇を重ねる。
 甘い感触に夢中になり、深くなる口づけに彼女の体が震える。
122キテル×デイジー ←志波2:2008/06/26(木) 04:24:19 ID:HhZa2aIv
 何とか身を離し、出窓の縁に腰を降ろす。
 暗い夜の海を眺める。濡れて赤らんだ彼女の唇を見ないように、潤んだ瞳を見ないように。


 あの日。
 あの夜のことがなかったなら、俺たちはどうなっていたのだろうか。


 どうしようもなく手が震え、何度も携帯を取り落とした。 アドレス帳のスクロールさえもままならず、思うように動かない自分の指に苛立った。
 元より、登録は多くない。けれど誰に当たっていいものか分からず逡巡し、結局は思いつくまま電話した。
 悪い予感に、胃が捻切られるようにむかついた。暑い夜なのに、冷たい汗が背筋を流れた。



「…でね、私がそう言ったら志波くん笑うんだよ?ヒドいよねぇ」
 膨れた口調で言うが、顔は笑っている。志波の話をする彼女は、いつも笑っている気がした。
 彼女の親友だという男、俺の同級生でもある男のことを、俺はよく知らなかった。
 大学の有望な野球選手だということだったが、俺は頑なに奴の試合を観るのを避けていた。
「なぁ、こっち来いよ」
 嫉妬心に胸が騒ぎ立てる前に、彼女を呼ぶ。
 出窓に腰掛けていた彼女は、素直に俺の前に来た。
 ほっそりした腰を抱き寄せる。
 綺麗な笑顔。
123キテル×デイジー ←志波3:2008/06/26(木) 04:24:45 ID:HhZa2aIv
 彼女の手が、俺の髪を撫でる。
「…瑛くん、いい匂い」
「おまえの方が、いい匂いだよ。いつも何か甘い香りがする…」
 胸元に顔を埋める。彼女は恥ずかしそうにするが、抱き締めたまま離さない。心臓の音が少しだけ速くなる。
 顔を上げ、彼女の手を引き、脚の間に座らせる。
 静かにキスする。波音が心地良く、彼女の華奢な体が温かい。
 俺たちのキスは特別なのだと、唇を合わせる度に思う。
「瑛くん、もうすぐ誕生日だね」
 優しいキスの合間、彼女が言う。
「何か欲しいもの、ある?」
「…おまえ」
 言ってから後悔する。彼女のすべてを欲する気持ちに偽りはなかったが、大切にしなければならない子だった。
「…お泊まり、したいな。誕生日。瑛くんの部屋に」
 顔を真っ赤にして彼女が呟く。俺の視線を避けて俯く彼女の顔を覗き込む。
「…本気で言ってる?それ」
「うん」
「無理してるなら…」
「してない。そうしたいの」
 熱を冷まそうと両手で頬を押さえる。子供のような彼女の、精一杯だったのだろう。まだ俺を見られずに顔を伏せている。
「分かった」
 彼女の頭をぽんぽんと叩く。
「…すっげー楽しみ」
124キテル×デイジー ←志波4:2008/06/26(木) 04:25:12 ID:HhZa2aIv
 笑って言うと、彼女の肩から力が抜け、笑顔になる。
「がっかりしても知らないよ?」
「するか、バカ」
 彼女の気持ちが嬉しいのと照れくさいのとで、今度は俺が顔を背ける。
 少しずつで構わなかった。彼女を不安にさせないように。焦らず、二人に合ったペースで、背伸びせずに。

 彼女を送る、いつもの道。手を繋いでゆっくり歩く。
 高校の頃は、誰かにひやかされたくなくて、一生懸命俺の後をついてくる彼女が可愛くて、わざと早足で歩いた。
 今はそんな必要もなく、彼女の歩幅で、彼女を見守りながら歩く。
 こんな風に、ずっと温かな気持ちで歩いていけるものと思っていた。


 生まれて初めて、無抵抗の相手を殴った。怒りに目の前が赤黒くちらつき、目覚めた彼女が俺の名を呼ぶまで、殴り続けた。


 あの日から、無邪気に触れ合っていた日々は終わった。
 無力感と憤怒、愛情と苦痛、その間で、俺は声にならない悲鳴を上げる。
 いつか癒えるのだろうか。
 愛する人をただ抱き締め、幸せだと思える日が、くるのだろうか。
 窓の外に明かりは見えない。
 海は闇に姿を消し、波音だけが夜の静寂に聴こえる。
 …彼女が震える吐息をひとつ、吐く。
125キテル×デイジー ←志波:2008/06/26(木) 04:26:55 ID:HhZa2aIv
以上です。
失礼しました。
126名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 11:54:52 ID:bQ4IeJbS
すっごくよかったです。なきそうです。
いいもの読ませてくれてありがとう
127名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 18:37:53 ID:r3B51sT+
やばい、切ないコレ・・・
GJデス!!
128名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:03:20 ID:XFqLiePu
何事もなく幸せだった頃の二人とレイプ後の二人の構図が対照的で、本気で切なすぎる!
レイプ後、キテルが強引に持ってかない所が更にいいよ〜
本当だったらキテルの誕生日に初Hするはずだったんだね…泣けた
129名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:16:18 ID:4bUGW88u
キーボードのGとJの文字がすり消えるまで、あなたにGJを送りたい
何かもうね、どうしてこんなことになっちゃったんだろうと切なくてたまらない
三人とも幸せでいたかった(なりたかった)だけなのにね…
130名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 23:31:10 ID:RnceoYKq
激しくGJです
なんだか3人がこの事件を乗り越えるまでの長編も出来そうだね
期待しちゃっても良いかな
131名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 01:06:07 ID:dJKZ/gpV
シバカツも切なかったけどキテルも切ないよ
蛇足だなんてとんでもない!
GJでした!!

ホント目から汁が出そうになった
132名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 01:06:53 ID:7tVnDb5I
おおお切ない切ないな…!
誰か今すぐこの3人が幸せでたまらないSSを書いてくれ…!

>>120
まとめてGJ
133名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 01:09:56 ID:mdUSgn/k
シバカツのやったことは絶対許されないんだけど
でもなんかこう胸にくる
いいお話でした
134キテル×デイジー 1:2008/06/29(日) 01:37:08 ID:yNI09/v9
キテル×デイジーです。密もちょっとだけ出てきます。
思いっきり季節外れのバレンタインものですが…
最後まではしてないです。それでも良い方はどうぞ。




あいつ、どこにいったんだ?
昼休み、お昼を一緒に食べようと代わる代わる誘ってくる女子たちを何とかかわして、俺はあいつを探している。
だって後で一緒に、あいつから貰ったこのチョコレートを食べようと約束したから。
あいつの仲の良いクラスメイトから、「水島さんに連れられて、保健室に行ったみたい」だと聞いた。保健室って…あいつ具合悪いのか!?午前中は別にいつも通りだったのに。それともどこか怪我したか――
保健室のドアをあける前に2・3回ノックする。
「誰かいる?入るよ。」
ドアを開けたそこには、教えて貰った通りにあいつと水島がいた。
「あら…佐伯くん。保健室に何かご用?」
にっこり花の様な笑顔で水島が俺の方を見る。やっぱ男どもが羽学No.1って騒ぐだけあって、美人だな。いや、俺はどっちかっつーと美人系より親しみやすい可愛い系が好きだけどな。…ってまぁそんなことはどーでもいい。
「いや、ちょっと頭痛くてさ。薬貰いに来たんだけど。先生いないみたいだね。」
「そうなの。先生用事で出ていかれたみたい。」
「そっか。じゃあこの辺にある薬もらっておいて大丈夫かな。
…二人はどうしてここに?」
135キテル×デイジー 2:2008/06/29(日) 01:44:00 ID:yNI09/v9
すみませんsage忘れてしまいました…


〈続き〉

棚に並べられた薬の中から頭痛薬を探しつつ、さりげなく訊ねる。
「私はいたって健康体なんだけど、彼女が…ちょっとふらつくみたいで。」
「うん、大したことないんだけど、ひーちゃんが心配して連れてきてくれたの。」
面目なさそうに肩をすくめるあいつ。
「じゃあ、私そろそろ行くわね。」
そう言うと水島はあいつに近より、耳元で何か囁いた。
「あ、ありがと…ひーちゃん…。」
一瞬あいつの表情が固くなったような気がしたのは俺の気のせいか?


「なぁ、水島何話してたんだ?さっき」
水島が保健室を去ってから訊いてみた。
「え…っ、さっきって…べ、別に何でもないよ!」
そんなに焦るような話題なのか?
「ふーん…別に良いけど。
…お前、顔、赤くないか?」
「え…そぉかな。」
「赤いよ!息もなんか荒いし。」
額に手をあてる。ちょっと熱っぽいな。
「お前体調に気をつけろよ。期末テスト前だし。」
「だいじょうぶ…だよ。」
そう言いながら、力が抜けたように床に座り込む。
136キテル×デイジー 3:2008/06/29(日) 01:51:48 ID:yNI09/v9
「ああ、もう!大丈夫じゃないんだ!
このまま保健室で休んでろ。帰りは送ってやるから。」
「えっ、そんな悪いよ!」
「いいから!絶対安静にしとけよ。わかったな。」


ホームルームが終わるとすぐ、あいつを迎えに保健室まで飛んで行った。
「若王子先生には俺からちゃんと保健室からそのまま帰らせてくれって言っておいたから。」
「ありがとう。鞄も取ってきてくれたんだね。」
俺の手から自分の鞄を受け取ろうとする。
「いいよ。持ってやる。」
「でも、今日は荷物多いでしょ?」
…う。この貰ったチョコを溢れるほど詰めこんだ紙袋×2のことか。
「なめんな。こんなの全然重たくなんかないね。」
「優しいね、今日の佐伯くん。」
良かった。少し寝たおかげか、顔色もちょっと落ち着いたみたいだ。
「俺だってたまには優しいんだよ。ほら、いいから歩け。」
こいつの家とうちが近所で良かった。遠くだったら送る口実に困るところだった。
若王子先生もクラスメイトも別に特別怪しんだりはしないだろうけど。
もう珊瑚礁が見えてきた。今日は店、定休日で助かったな。いつもならこんなゆっくり帰るなんてできなかったし。
ま、仕込みとか、なんだかんだ後でやらなきゃいけないことはあるんだけどさ。
あ、良いこと思いついた。
137キテル×デイジー 4:2008/06/29(日) 02:00:10 ID:yNI09/v9
「お前、ちょっとうち寄ってけよ。しょうが湯つくってやるからさ。」
「しょうが湯?」
「ああ、お前に貰ったチョコも一緒に食べたかったし…って、チョコレートとしょうが湯じゃ、食べ合わせ悪いか?」
「ふふ、じゃあ、ちょっとだけ。」
「うん。飲んだらまた家まで送ってやるからさ、そうしろよ。」
今日は店は休みなものの、発注の為にいるはずのじいさんは…あれ、どこかに出かけてるみたいだな。
玄関に入り、靴を脱ぎかけた瞬間足がもつれたらしく、彼女がよろめいた。
(危ない!)
とっさに腕を掴む。目があったこいつの瞳、熱のせいかかなり潤んでて驚く。
ヤバい。なんだか、色っぽくないか?こいつのくせに、生意気な…
「やっぱふらついてるな。しょうが湯作ってる間、ちょっと俺のベッドで横になっとけ。」
え、という目で俺を見る。
「べ、別に!変な意味で言ってるんじゃないからな!」
「う、ん。わかった。
じゃあ、お言葉に甘えて、先に佐伯くんの部屋に行ってるね。」
何回か俺の家には来たことがあるから勝手は分かっているらしく、素直に俺の部屋へ向かった。


「俺、いっつも風邪引いたらコレ飲むんだ。」
ベッドに腰かけた状態の彼女にしょうが湯を渡す。
「ん…私、しょうが湯って初めて。ありがとう。」
138キテル×デイジー 5:2008/06/29(日) 02:06:57 ID:yNI09/v9
「そっか?しょうがは身体を温める効果があるんだよ。」
お前がチョコ作るのに夜なべして体調崩したんなら、俺だって責任感じるし。
「さて、お前お手製のチョコ、戴くとするか」
お、美味い。なかなかやるな。
「お前も食えよ。」
「ん…今はいい…」なんだ、こいつもイッパシにダイエット?
「じゃ、そろそろ家まで送るか?」
そう言いながら彼女の鞄を持とうと手を伸ばしたら、ぎゅっと掴まれた。
今まで何度か手を繋いだことがあるとはいえ、急に触れられると、やっぱりちょっとドキドキする。「あの、ね。」
「ん?なんだよ?」平気なふりしてるけど、今俺の顔、きっと赤い。
ん?なんかこいつ、膝のあたりモジモジしだしたな。
「さっきね…保健室で、ひーちゃんに言われたことだけど。」
「うん。」
「いや、あの。えっと。」
「何だよ、ハッキリ言えって。」
「あの…
いつも私が佐伯くんにしてること…しても良いよ。」
「は?何だよそれ。」
俺と目を合わせないようにして、彼女が続ける言葉に俺は仰天した。
「だから…いつもデートの時に私が佐伯くんに…してる、スキンシップっていうか。」
なんだって??
「おま…っ、意味わかってて言ってんのかよ!?」
139キテル×デイジー 6:2008/06/29(日) 02:22:44 ID:yNI09/v9
そりゃあ、何かっちゃあベタベタ触ったりつついたり撫で回したりするこいつに、「お返しするぞ」とか「俺も触るからな」って言ったことはあるよ。
でもだからって、そん時はあんまりにも無防備に触ってくるこいつへの牽制の意味で言ったんであって。
「ほら、馬鹿言ってないで帰るんだ。」
掴まれた手をそのまま引っ張って、立たせようとする。
お、体重かけて立つまいとしてるな、こいつ。小癪な…。
「佐伯くんなら…」
ボソリと呟く。
俺ならなんだってんだよ。
「佐伯くんなら、良いよ。触れられても。」
一瞬心臓止まりそうになった。
いや、油断するな。こいつのことだ。今回もぜったいボケボケだ。
「お前、絶対意味分かってないね。男が女にベタベタさわるってのは――」
「さわるって言うのは?」
上目遣いでじっと俺をみる。やめろよ。弱いんだよ、その目は。ああ、畜生!
「こういうことなんだ!」
そう言うなり、ベッドに押し倒してキスをした。
「…な?」
ヤバい位動機が上がってくるのを感じながら、必死の思いで身体を離そうとする。
いくらこいつでも、これで理解しただろ――
「ってコラ。背中に手を回すなよ!」
140キテル×デイジー 7:2008/06/29(日) 02:33:42 ID:yNI09/v9
「…分かってる、もん。」
俺の肩に顔を伏せ、可愛く抗議する。
こいつ…俺の決死の思いで守ってきたストッパーを、外してしまいやがったな。
それでもまだ安心はできない。最後の念を押すために彼女の顔をこちらに向かせ、探るように見つめる。
熱っぽい瞳、紅潮した頬、汗ばんだ肌、甘い息…全てが俺を誘ってるような、そんな気がしてきた。
駄目だ、もう耐えられないよ。
「途中で止めたいって言ったって、知らないからな。」
吐き捨てるように言って、彼女の身体を強く抱き締めた。
両腕のなかで初めて感じる異性の身体が、こんなに柔らかいなんて。このまま力をもう少し入れちまえば、簡単に壊れてしまいそうだ。
羽交い締めにするような形で、キスをする。舌を無理矢理捻り込む。
「ふ……っ」
頭に血が上っちまって、動作一つ一つが荒くなってしまう。
141キテル×デイジー 8:2008/06/29(日) 02:46:12 ID:yNI09/v9
(あ、ヤベ…)
制服を脱がそうとするけど、ワンピースの構造がわからない。
あんま手荒にすると破っちまいそうだし…あー!!誰だよこんなデザインにしやがったのは!!
イライラ手をこまねいていると、彼女もそれに気が付いたのか、
「まって、脱ぐ、から」
恥ずかしそうにそう言うと、上半身を起こそうとする。
「あ、悪い。」
なんだかがっついてるみたいで恥ずかしくなる。いや、実際がっついてますけど!でも初めてだし、余裕なくったって仕方ないよな?
あ、俺も今のうちに服脱いどくべきか?
とりあえず上だけ脱いで目を離している隙に、彼女は続けて下着も外そうとしていた。
「ちょっと待て!それは俺がする。」
「…佐伯くんのスケベ。」
何と言われようが、それは俺の役目だろ。
あ、俺の好きな水色だ。レースが清楚な感じで、コイツらしくて良いな。
抱き締める形で、背中に手をまわしてホックを外す。パラリと肩紐が落ちる。
あらわれたものをじっくり見て、息を飲む。コイツ、おっぱい結構デカいんだな…
普段衣服に隠され日の当たらないそこは真っ白で、ほんのり汗ばんでピンク色に上気している。
ずっと側でこいつのこと見てたつもりだったけど、知らなかったことがもっと出てきそうだ。
142キテル×デイジー 9:2008/06/29(日) 02:56:57 ID:yNI09/v9
もう一度彼女をベッドに寝かせると、両手で包み込むようにして胸を触る。
うわ…すっげえ。今まで触ったどんなものよりも柔らかくて、すべすべして気持ち良い。
肉が流れないように掴んだまま、むしゃぶりつく。
「んん…っ、さえ、きく…っ」
うわ、こんな可愛い声だすんだこいつ。もっと聞きたい。
胸を思うさま吸った後は、わき腹に舌を這わせる。
「…っふ、んあ…」
ビクっと身体を震わせる。
コイツ、わき腹が弱いのか。新しい情報、またゲットだな。
そして舌を更に下へ移動する。
ショーツを脱がそうと手をかけると、お尻を浮かせてくれたから案外スルスルと脱がすことが出来た。
なんか、服脱がすの手間どったけど、その後は順調に進んでないか?さすが俺。
さっきまで心臓バクバクだったけど、ちょっと余裕取り戻してきたかもな。
よし、じゃあ次はいよいよ…
ゴクリ、と息を飲む。
両足の裏ももを手で押さえると、当然あそこは丸見えという結果が待っている…筈だった。
「おや?瑛、帰って来ているのかい?」
143キテル×デイジー 10:2008/06/29(日) 03:03:14 ID:yNI09/v9
じいさん…!!なんで今帰ってくるんだよ…
「靴があるから、お嬢さんも一緒だな?ケーキを買ってきたから取りにきなさい。」
「わかった、今いくー…」
断腸の思いで彼女から離れて、その辺に散らばった服を急いで拾い集める。
「じゃ、お前も服着とけよ。」
自分でも驚く位情けない声で言うと、俺は部屋を出た。
とりあえずじいさんのとこ行くまえに、鎮まってくれ、俺。

とりあえず以上です。駄文にお付き合い下さりありがとうございました。
携帯からなんで改行等おかしなところがあればゴメンなさい。
144名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:07:59 ID:czYsiN48
総一郎さんwww
キテルのリベンジはあるのだろうか?
デイジーがかわいすぎてくらくらした。GJ!
145名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 14:41:16 ID:yfWre9+I
キテルじいちゃんにGJ!
…じゃないけど
キテル!耐えろ!

146佐伯瑛:2008/06/30(月) 15:00:14 ID:6SlM5DQz
もう、耐えられないんだ!!!!!!!!





147名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 05:09:51 ID:+QMxUFtC
保守
148ハリー×デイジー←キテル:2008/07/02(水) 10:44:37 ID:HqLhMhVt
ハリー×デイジー←キテルです。
キテルを当て馬にしてハリーのED3を見た場合の話です。
キテルがかなり病んでいるので苦手な方はスルーでお願いします。
レイプものなので苦手な方はご注意下さい。
あと、キテルを完全にヤンデレにしてしまっているのでキテルが好きな方もご注意下さい。
キテル視点になります。
149ハリー×デイジー←キテル 1:2008/07/02(水) 10:47:19 ID:HqLhMhVt
「…ごめんね…わたし、佐伯くんの気持ちには答えられない…」

その言葉を聞いた時、俺の頭の中は真っ白になった。
あの後、俺はあいつに何て言ったのか覚えていない…
ただ灯台から出て行くあいつの後姿だけが俺の頭の中に残っていた。
ああ…人魚と若者は出会うべきじゃなかったんだ。
そう思っていた、あの光景を見るまでは…


あいつの「ごめんね」がやけに耳に残る中、俺はぼーっと灯台の上から海を眺めていた。
そろそろ水温も上がってくる頃だしサーフィンをするのには持って来いかな、なんてこの現実から逃れるような事を考えながら。
そんな事を考えていてもしょうがない、そう思い俺も灯台から降りようとした時、海岸にいる二つの見覚えのある影に気が付いた。
……あいつと針谷だ…
二人は何やら話し込んでいるようだった。
二人は仲の良い友達みたいだったし卒業式後だから話くらいするよな…
当たり前のようにそう思いながら二人を眺めていると、思いがけない光景が俺の目に映った。

重なる二つの影…
俺の見間違えじゃなければ二人はキスをしている。
信じられなかった。
いつから二人はそういう関係だったんだ?
校内で三人で会話した時もあいつも針谷もそんな様子は全く見せなかった。
俺が針谷にギターを教えてもらっていて、その時にあいつが話しに割り込んできて…
何気ない日常の一部だった。
好きな奴と友達…と思っていいだろう、別に力を入れなくていい素で話せる奴、
その三人でのほんと何気ない日常会話。
そう思っていた…
まさかあいつらがそういう関係だったとは思いもしなかった。
あいつから針谷の話を聞く時は、出かけ先でいきなりビラ配りを手伝わされたとかそういう色気のない話で、
針谷の口からあいつの話を聞く時も、立たされている時にいきなり話しかけられた所為で先生に更に叱られたとか愚痴に近いものだった。
二人がお互い惹かれあってるなんて、そんな事を全く感じさせない普通の会話で…
そういう色々な事が一気に思い出されて頭の中がグチャグチャになりそうだった。
…とりあえず二人に話を聞かないと。
150ハリー×デイジー←キテル 2:2008/07/02(水) 10:49:01 ID:HqLhMhVt
「びっくりしちゃった、まさかハリーが告白してくれるなんて思わなかった…」
「いや、オマエと話したいって思って追いかけて来たらオマエがとぼとぼと砂浜を歩いてんだからオレの方だってびっくりしたっつーの」
「えっと…あの、色々あって…でもハリーに会いたいって思ってたところだったの」
「そっか………あ、わりぃ電話だ、出ていいか?」
「うん」

「悪い!!店長からでさ、今日急にバイトに出ろって…」
「あ、いいよ別に、行って来て…?ね?」
「ごめんな、送ってやれなくて…」
「気にしなくていいよ、いってらっしゃい。お仕事頑張って来てね」
「おう、行って来る」
151ハリー×デイジー←キテル 3:2008/07/02(水) 10:51:15 ID:HqLhMhVt
ちゃんと話合わなきゃ、三人で…
あいつからしっかり話を聞かないと俺、諦められないよ…
針谷が好きならどうして今まで俺を誘って一緒に出かけていたんだ?どうして俺に何度も触れていたんだ?
話し合わなきゃ…

「…あれ?」
灯台を出てあいつの姿を確認した時、あいつの周りに針谷はいなかった。
さっきのは俺の見間違い?…いや、違う、俺はしっかりと見た。
あの光景は実際に起こった事だ。
「……なあ…」
「あっ…佐伯くん…」
「…針谷は?」
「うそ…見てたの…?」
驚いたような表情で口元を手で押さえたかと思うと、かあっと顔を赤らめた。
…やっぱり…
「あの…ごめんなさい」
「…どうして謝るんだ?」
「だって…」
謝るって事はやっぱりこいつは針谷の事が好きだったのか…
ふと現実逃避をするかのようにこの海岸での思い出がよみがえって来た。
よく二人で出かけた帰りにここに寄って色々話したな…将来の事とか、恋愛についてとか…
もしかしてその時、こいつは針谷の事を言いたかったのか?
いや、その時は全くそんな感じはしなかった…俺がそう思ってるだけかもしれないけど。
思えば、キスは大事な事じゃないか、とか何か思わせぶりな事を言ってたな。
今はそんな事を思い出して色々と考えている場合じゃないな、でも…

俺は気が付くとこいつの手を引き歩き出していた。

「えっ…佐伯くん!?ちょっと、痛いよ…」
「………」
こいつの手をぎゅっと握ったままある場所へと向かう。
少し手に力が入りすぎてるかもしれない、でも今はそんな事を考えていられない…
無言のまま、半ば無理やり手を引いたまま俺たちは珊瑚礁の前までとやって来た。
まさかこいつに預けるはずだった珊瑚礁の鍵をこんな形で使うとはな…
152ハリー×デイジー←キテル 4:2008/07/02(水) 10:54:40 ID:HqLhMhVt
珊瑚礁の中へ入ると少し前までじいちゃんが片付けをしていた所為か埃っぽさは感じない。
椅子が片付けられてるだけでその他は珊瑚礁を閉店したあの時と変わりはなかった。
…そういえば珊瑚礁閉店のあの日、こいつは俺のところへ来てくれたっけな…
そんな事を思い出しながら俺はこいつの手を強く握ったまま二階へと向かった。

俺の部屋へと辿り着くと、握っていた手を強く引き寄せその反動でふらついたところを見計らいベッドへと思い切り押し倒した。
ベッドがギシりと軋む。
俺は繋いでいたその手でこいつの両腕を掴むとそのまま頭の上まで持って行き、身動きが取れないように力強く押さえ付ける。
「や…佐伯くん…やだ…」
「………そうだ…」
「えっ…」
そうだ、あの時こうすればよかったんだ。
あの時、クリスマスの日、こいつを俺のものにしておけばこんな事にはならなかったに違いない。
今になってそんな事を思っても遅いか…いや、今からでも遅くない。
今ここでこいつを俺だけのものにすれば…
「ねぇ、佐伯くん…ねぇ…んっ…」
今にも泣き出しそうなこいつを無視して俺は力強くキスをした。
嫌がり首を左右に振ろうとする顔を空いている方の手で動かないように押さえる。
「んっ…」
そのまま軽く顎を上へ向けると苦しくなったのか微かに口を開けた。
その一瞬を見逃さず俺は舌を入れた。
逃げる舌を追いかけ自分の舌を絡み付ける。
「…っ…ん…」
「ぃや…は…ぁ…んんっ…」
声にならない声が俺の耳に入って来た。
いや…?
だったら最初から俺の気持ちを弄ぶなよ…!!
舌を絡み付けたまま顎に置いてあった手を離すとそのまま自分のネクタイへとやる。
使えるのが片手だけだと色々と不便だからな。
ネクタイを解くのと同時に絡めていた舌を引き抜く。
思い切り絡んでいた証拠に舌を抜くとお互いの舌が糸を引いて繋がっていた。
「…っ、佐伯くん…どうして……」
「………」
無言のまま押さえつけている両手へと目をやる。
そしてネクタイを使い、動かせないように両手を縛り付けた。
「ねぇ、佐伯くん、いやだよ…やめようよ…」
ネクタイで手が思うように動かせないのを確認すると、首筋へと口を押し当てる。
力強く、痕が残るように思い切り吸い付く。
「…やめて……」
首筋へとキスをしながら手を胸へと伸ばす。
軽く胸を揉んだ後、そのまま更に下の方へと持っていく。
「や…だぁ…ふっ…ぁ…」
153ハリー×デイジー←キテル 5:2008/07/02(水) 10:56:52 ID:HqLhMhVt
スカートの中へと手を伸ばしたけれど、タイツがある所為でそこに触れられない事に気が付く。
…邪魔だな。
首筋から口を離すとそこには赤くしっかりと痕が付いていた。
その事を確認した後、スカートの中へと目をやる。
嫌がりながら見えないように思い切り足を閉じるようにしていたけれど、構わずに手を割り込む。
そしてそのままタイツを引き裂いた。
ビリッと音を立て簡単にタイツは裂け、下着が見えるようになった。
「やっ…見ないで……」
そんな言葉は聞かず下着へと手を伸ばす。
下着を横にずらすと直にその部分へと触れる。
割れ目へ指をやるとグッと中指を中へ挿入した。
「やめて……いたっ…」
「中、キツイな…」
中はキツくて指を締め付けるようだった。
「やだっ、抜いて…やっ…」
指を出し入れしていると中から蜜が溢れ出て来た。
やらしい音が静かな部屋の中へ響き渡る。
「…っ」
「気持ち良いか…?」
「きもち…よくな…い…」
「こんなに濡れてるのに?」
「ちがっ…」
ぽろぽろと涙を流しながら俺を見つめてくる。
…いや、睨みつけているのか?
涙を拭いてやっても次から次へとぽろぽろと涙が溢れ出て来る。
「…そんなに嫌か?」
「………」
静かにこくんと頷く。
「…やめて欲しい?」
もう一度こくんと頷く。
「…こんなになってるのにか?」
わざと音を出すよう大げさに指を出し入れした。
その度にくちゅくちゅといやらしい音がする。
「やだ……ハリー…」
154ハリー×デイジー←キテル 6:2008/07/02(水) 10:59:14 ID:HqLhMhVt
「…っ!そんなに針谷の方が良いのかよ…」
「あっ…」
「…だったら!!だったら、どうして俺を誘うんだ!?」
「だって…佐伯くんと買い物に行こうと思って…」
「そんなの針谷とだって出来るだろ!?」
「でも佐伯くん、お店の事で疲れてるみたいだったし…!!」
「っ…!」
思いがけない台詞に驚き、思考が停止する。
俺…そんなに疲れているように見えていたのか?
「あ…ごめんなさい……あの、佐伯くんの気分転換になればいいなって思って、その…」
「…そんな風に気を遣われると、かえって迷惑だ…」
「えっ…」
「だって、おまえが好きなのは針谷なんだろ?」
俺は泣かないようにするので必死だった。
少しでも気を緩めると涙が出て来そうで…。
こいつがいつも俺を構っていたのは俺を思っての事だったのか?
何かあると俺を誘って出掛けたり、学校でよく話しかけて来たりするのも、
…クリスマスの日に俺のところへやって来た事も。
こいつの優しさ…いや、同情かもしれないな、これは。
…その気持ちが嫌ってほど嬉しかった。
でも嫌ってほどその気持ちが迷惑だ…
どんなに俺がこいつの事を思ってもこいつは俺の事を見てはくれない。
「…俺じゃ…駄目…なのか…」
「…………」
情けない…俺、めちゃくちゃ震えた声出してる…
どうして俺はこんな情けないところをこいつに見せてばかりなんだろう。
本当に涙が溢れ出てきそうだ…
「…ごめんなさい…」
二度目のごめんなさい。
それを聞いて俺の中の何かがはじけた。
「そっか…」
「うん…ごめんね…」
「でもさ、俺が針谷の事を忘れさせてやったらおまえは俺の事を見てくれるだろ?」
「えっ…?」
不思議とさっきまでの涙が出てくる気配は完全に消えていた。
155ハリー×デイジー←キテル 7:2008/07/02(水) 11:02:34 ID:HqLhMhVt
「やだ、佐伯くんやめてっ…」
「…俺の事しか考えられないようにしてやるから」
俺はベルトに手をかけズボンを下ろすと自分のモノを彼女のそこへと当てた。
「やだ…いや…やめて…」
入れようとするものの、話している間にすっかり乾いてしまったそこは無理やり押し進めないと入らなかった。
「やっ…いたっ…痛い……っ」
彼女の言葉は全く耳に入って来ず、俺は本能のままに動いた。


しばらく経つと抵抗するのを止め、諦めたのか目を閉じ俺の思うままになっていた。
時々、目尻から涙が零れていくのが分かる。
「っ…、もうイきそうだ…」
「あっ……待って…いやっ…お願い…抜いて…」
「…っ!」
嫌がり腰を上へとやって拒もうとするところを押さえつけ、そのまま自分の腰を押し付けると俺は彼女の中で果てた。
全てを出し切った後、中からモノを抜くとシーツが血で染まっている事に気が付く。
そして引き抜いてから数秒経つと、中から血の混ざった白濁の液体がドロリと出てきた…


「ぅ……っ…」
「なあ、頼むよ、もう泣き止んでくれ…そうじゃないと俺、困るよ…」
全てが終わった後、俺は彼女を抱き締めていた。
彼女はもう涙は出し切ったのか、今はもう涙を流す事はなく嗚咽だけで泣いていた。
泣き止む様子はない。
好きな人が泣いているのになぜか俺は嬉しい気持ちでいた。
好きな人が自分のものになったような…そんな不思議な感情…
「…俺、ちゃんと責任取るから」
「……え…?」
「赤ちゃん。出来てたらちゃんと責任取るから…」
「…………」
ぎゅっと抱き締める力を強める。
今度こそ人魚の手は離さない、そう思いながら…

「………コウ…」

…腕の中で彼女が何かをつぶやいた気がした…
156ハリー×デイジー←キテル:2008/07/02(水) 11:04:19 ID:HqLhMhVt
以上です。
読んで下さった方ありがとうございました。
暗い上に幸せにならない話ですみません…
157名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 12:30:50 ID:OAvpKXrz
ヤンデル…

話はGJ
確かにあのシチュだと、こんな結末にもなりそうだ

158名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 18:17:41 ID:3HzhpYJf
GJ! ヤンデルテル好きだー
159名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 19:03:13 ID:Oqwe3U6Y
うんうん、ヤンデルテルに同情した
160名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 19:51:18 ID:7kqzZ5TC
ヤンデレのキテルいいよいいよー
ED3はこれくらいあってもおかしくないと思うし、流れも自然で面白かったです
特にキテルは家のまん前だし精神的にヤヴァイだろと常々思ってたw
161名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 02:47:09 ID:x/pXoP2I
ヤンでるテル
略してヤンテル
162名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 06:44:06 ID:opCa7T5T
最近レイーポもの多いね
キャラの影響で病んでしまったか
163名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 11:22:05 ID:gBIdCwiH
この流れに乗り逆レイーポ物をwktkしてみる。
164名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 00:44:39 ID:GAzdFYP1
ほしゅ
165名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:58:32 ID:VlO0kPlP
>>163
天然デイジーにはハードル高い設定だな
だがそれがいい
166名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:02:01 ID:KYd64VrA
短編投下。
前後の展開は軽くしか考えてないから各自補完ヨロ。

主×01
頑張ってる主人公っていうのをやってみた。
デイジーじゃなくてごめん。
167名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:02:55 ID:KYd64VrA
「ん、はむ、んむ」
先生の足元に跪いて、わたしはブリーフの上から先生自身を唇で挟むようにした。
「…っ…」
両手でベルトをかちゃかちゃと外しにかかる。視界の外での作業だから、思うように進まない。
その間に先生はどんどん大きくなっていく。
ジッパーをおろしただけの隙間から、ブリーフをみずから脱ぎ捨てるように先生のペニスは外に出てきた。
おそるおそる、それに触れてみた。熱い。
「…男性用の下着って、こんな穴が空いてるんですね、氷室先生」
「知らなかった…のか…っ…ウっ…」
わたしは返事をせずに、ペニスに口付けた。本で読んだだけの知識しかない行為だけど、先生はまた喘いだ。
(根元を締め付けて擦りながら、)
先生が長い指で、ペニスに吸い付くわたしの髪の毛を撫ぜた。下腹部が我慢できない気持ちと疼きで満たされる。
ううん、まだ。まだだめ。
行為に没頭していると、廊下からきゃあきゃあとかしましい学生たちの声が聞こえた。
わたしの姿は、机に隠れて見えないはずだけど…
ばれやしないか、ドキドキする。それが余計にわたしを昂ぶらせる。

(口を涎で満たして、思い切り吸い上げながら舐める…)
言葉で説明があっても、やってみるとこれでいいのかわからない。
だけど先生はわたしの髪の毛を梳く手に力を込めたようだった。
刹那、頭をぐっと掴まれる。
「?!」
先生のペニスが意思に反して喉の奥まで突き入れられて、わたしはむせそうになってしまった。
だけどそんな暇はなかった。
すぐに、熱くてぬるついた液体が口の中に放出されたからだ。
――先生の精液だ。
わたしはそれをこぼさないようにごくり、ごくりと飲み干した。ペニスにからまった液体も舐めとって、綺麗にする。
先生がぶるっ、と震えた。

「はあ、はあ…」
先生は脱力したように息を吐いている。…涙が出そうだ。
「…氷室、先生。…わたしのこと、子供扱いしないでください」
おねがいですから。
そう言うと、先生は初めてわたしの顔を引き寄せてキスをくれたのだった。
168名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:06:38 ID:KYd64VrA
短いけど以上。

2ndも好きだけど1が大好きだ
既出だけど大接近モードの0123があったら触り倒す
それくらい好き

169名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 08:12:02 ID:iGPq2eZ6
ひさしぶりの先生に萌え
急に1やりたくなったw
GJでした
170名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 08:50:11 ID:UrFL58Z7
GJ
てんてーはブリーフ派か
171名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 12:38:05 ID:Wrp0P0Cy
GJ、すごく萌えた
そして萌えたからこそ気になった部分があるんだ


主人公跨いでないよ
パンツにベルトはついてないよ
172名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:02:52 ID:iGPq2eZ6
>>171
ひざまずくじゃないかな
そしてファスナーだけおろした状態から(ベルトはまだ外せてない)
ハムハムしたんじゃないかな
173名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:29:36 ID:YtYimCpF
んーと、口に出した後でキスは嫌がる男が多い
台無しになったらゴメン
174名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:22:26 ID:B9q6qP8b
>>173
縺昴s縺ェ諢帙?ョ辟。縺?逕キ縺ー縺九j縺ァ縺ッ縺ェ縺?縺ィ諤昴≧繧医?
175174:2008/07/07(月) 20:27:24 ID:B9q6qP8b
ごめん。専ブラから書いたら何故か文字化けした。


>>173
そんな愛の無い男ばかりではないと思うよ。
と、書きたかった。
176171:2008/07/07(月) 20:38:49 ID:CkumVU05
>>172
なるほどひざまずくか
もっと漢字勉強してくる

妄想力ももっとつけなきゃな
177名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:19:35 ID:CZs2ip/0
全然関係ないけど,
GS2で誰がハマリキャラでした?
個人的にテル。
178名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:04:54 ID:J1Wbc9nq
ここはエロパロスレなんだが
179名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:07:37 ID:X0/Q2cUw
相手すんなww
180名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:12:55 ID:nifGXKd5
>>173
そういう意見もあるだろう。
確かに衛生的な観点や心理的な問題から考慮すれば口淫の後の接吻は避けるべきかもしれない。
しかし愛する女性が懸命に私に尽くし、決して美味しいとは評価出来ない液体を私への愛情ゆえに飲み込む。
その姿は私を精神的に昂ぶらせ、それらの問題点を補ってあまりあるのだ。
よってこのケースの接吻行為に関して問題は発生しない。次。

(数学教師R・Hさん)
181名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:32:29 ID:3HKHo8Kn
そういや高学歴だか知能指数が高い人だったか忘れたが、頭イイ人ほど
オーラルセックスを好むと欧米の研究者が言っていたな

182名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:41:28 ID:QBKmbkaE
会社で重要な役職にいたり、立場が高い人間ほど
プレイスタイルではMになりやすいっていうのと同じ原理か。

理事長はそんなことないと思ってるけどさ。
どちらかというとソフトS希望。
183名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:16:41 ID:zbGipC2+
言われてみればメッティもなんだか舐め専でドMのイメージだ。
馬乗りになって苛めたいなぁ。
184名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:59:01 ID:B8Ujqiml
>>183
そういうのお願いします
185名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:59:14 ID:h6nqfZxZ
舐め専ワロスw

でも確かにメッティはいじめたいタイプだ
186名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:43:54 ID:IFkDRox9
てんてーはドSのイメージだけどな。
1と2が同一主人公だったら
てんてーに指導されながら
メッティを調教する主ってのも有りなのにな。
187名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 13:08:30 ID:0p3LAux9
>>186
4Pでいいんじゃね?
188名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 13:30:46 ID:cuiscELb
自分はてんてーは好きな子には口調はSでも内心いっぱいいっぱいで、
はからずも翻弄されるMになってしまうイメージだなぁw
189名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 15:24:56 ID:CPsNjkvQ
てんてーは接吻すらも未経験で主人公との初体験はみこすり半とみた
190名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 07:51:33 ID:ilYFE3P4
ケープを結ぶ赤いリボンで格の望遠鏡とコンペイトウを縛って辱める
191名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 10:01:16 ID:vvOgefMP
金平糖でけえw
192名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:36:04 ID:Myaq1UHz
>>189
私のてんてー像もそっち派
193名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:47:13 ID:8jRWt7gl
そういえばタイピングネタだけどドラマCDで王子とてんてーとキテルと若って会ってたよな
デイジー総受けで5Pとか…ちょっと書きたいかもしれない
194名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:51:35 ID:Myaq1UHz
5、5P!!!!
195名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 00:52:54 ID:9HE/7+nj
無印主人公も投入して6Pにしようぜ
196名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 06:46:02 ID:LBc8mY7w
hosyu
197名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:38:09 ID:uiBAez11
ほしゅ
198名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 12:20:20 ID:wu4ON7Gt
キテル×デイジー投下します。つきあっているのはハリーです。
 DV表現あり、ハリーが不幸です。
 長くてエロは希薄です。
199キテル×デイジー1:2008/07/12(土) 12:21:11 ID:wu4ON7Gt
 彼女の震える肩に触れる。
 声もなく涙する彼女は、抱き締めたら崩れてしまいそうに儚い。頬を濡らす涙に胸が痛む。
 かける言葉もなく、華奢な躰をただ抱き寄せる。
 強い庇護欲をも圧倒する烈しい恋情に戸惑い、そして思い知る。
 空と海の境は濃厚な乳白色に染まろうとしている。
 やがて夜は明け、世界はコバルトブルーへと変わるだろう。
 その時までに、彼女の涙が乾いたならば。
 伝えたい言葉があった。




 夏。
 ひたすら暑い。
 エアコンの効きの悪い学食で、彼女と向かい合ってランチを食べる。
 彼女のAランチは一向に減らず、無意識なのか左手の薬指に光るシルバーリングを親指で廻している。
 ここ暫くの間に痩せたように見え、俺は詰問口調で彼女に言う。
「おまえ、痩せた?ちゃんとメシ食ってんの?」
「うーん…夏バテみたい」
 なるほど少し顔色が悪く、この陽気だというのに長袖のシャツを羽織っている。
「軟弱モノめ、少しは鍛えろよ」
 心配だと素直に言えずにいる俺に、彼女が笑いかける。
「お互い様ですよー、だ」
「何言ってんだ、俺はバイトにサーフィンに日々…」
 言葉を切る。自分で顔が赤くなるのが分かる。
 
200キテル×デイジー2:2008/07/12(土) 12:21:45 ID:wu4ON7Gt
 彼女の襟元、シャツとキャミソールの間に覗く白い肌に、紅い刻印を見つけてしまう。
「…おまえな、ここ。見えてる」
 自分の鎖骨あたりをとんとんと叩き、言う。彼女は首を傾げ、だがすぐに理解して、赤くなって胸元を押さえる。
 気まずいのと、もやもやした不快な感情とが湧き上がり、わざと呆れたように言う。
「お盛んなのはいいけど、見えるトコはやめとけって針谷に言えよ」
 彼女が弾かれたように立ち上がる。
 さすがに怒らせたかと見上げると、驚くほど蒼白な顔が目に入る。
「私、…行かなきゃ。ごめんね、またね」
「おい、待てよ!」
細い左腕を掴んだ瞬間、彼女が掠れた声をあげ、うずくまる。腕を押さえ、息を詰める。
 何が起こったのか考える間もなく、彼女を抱えるようにして学食を出た。

 空き教室を見つけ、彼女を押し込む。夏期休暇も間近な時期で、キャンパス内は比較的静かだ。
 彼女の額には冷や汗が浮かび、目は固く閉じている。押し殺した声と表情が相まって、知らず胸が騒いだ。
「…シャツ、脱げよ」
「えっ?」
 苦痛の色も露わに、彼女が荒い息の合間に問い返す。
「いいから脱げって!怪我してるんだろ!?」
 
201キテル×デイジー3:2008/07/12(土) 12:22:15 ID:wu4ON7Gt
「やだ、瑛くん何言ってるの」
 彼女が身を起こすのにも構わず、白いシャツの襟を割り、袖を降ろす。散らばる朱印が心をざわめかせ、苦く苛む。
 しかしそれも、彼女の左腕に広がる内出血の痕を見るまでだった。
「…何だよ、それ」
 暴力によるものとしか思えなかった。折れているのかと危ぶむほど色濃い痣は、肘から二の腕にかけて浮かび上がっている。
 彼女が顔を背け、隠すように腕を抱える。愛撫の痕と醜い痣が結び付かず、頭が混乱する。
「まさか、針谷に…?」
「違うのっ、そんな…」
 早過ぎる否定が、嘘だと物語る。
 急激に体感温度が下がる。
 あんなに仲が良く見えたのに。
 彼女を見つめる針谷は穏やかで幸せそうに見えたのに。
 何より、一番近くで彼女を見てきた筈の俺が気付かなかったなんて。
「こんな…なんでこんなことさせとくんだよ!」
 理不尽と思いながらも、怒りの矛先を彼女に向ける。
「瑛くん」
「おまえが言えないなら俺が言う!」
「瑛くんっ!」
 彼女が俺の腕に触れる。
「いいの」
「いいわけないだろ!」
 彼女が微笑み、首を振る。
「いいの。私とコウの問題だから」
 だからごめんね、と続ける。
202キテル×デイジー4:2008/07/12(土) 12:22:51 ID:wu4ON7Gt
 そうだ、俺は関係ない。ただの友達で、口を出す権利なんかないのだろう。
 それでも許せなかった。
 彼女に手を上げた針谷も、そうさせた彼女も。
 彼女の怪我してない方の手を握り、教室を出る。
「瑛くん、どこ行くの?」
「俺んち。手当てぐらいさせろ」


 手当てといっても大したことは出来ず、湿布を貼って包帯を巻くぐらいだ。
 彼女は神妙な顔で包帯を巻き終えるのを待っていた。
「…ありがとう」
 微笑む。
 なぜ笑えるのだろう。
 考えてみれば、彼女はいつも笑っていた。
 春の陽溜まりのような、優しい笑顔が好きだった。
 相変わらず顔色は良くない。
 くっきり浮き出た鎖骨や以前より尖った顎が痛々しく、手をこまねく自分に苛立つ。
「…泣かないで、瑛くん」
 彼女の声に、俺は自分が泣いていることに気付く。
 細い指が俺の頬を拭う。そっと髪を梳き、まるで母親のように抱き寄せる。
「ごめんね、心配かけて」
「…っ」
 立場が逆だと思うのに、涙が止められない。
 自分の無力さが情けなかった。
 言いようのない気持ちを抱えたまま、俺は優しい腕の中で泣く。
西日が射し込むまで、彼女は俺の髪を撫で続けた。
203キテル×デイジー5:2008/07/12(土) 12:23:35 ID:wu4ON7Gt
 夏期休暇、バイトと課題に明け暮れる。朝と休みの日は海に行き、疲れて眠りにつく。そんな中、考えるのは彼女のことばかりだった。
 会いたい。
 会いたい。
居ても立ってもいられず、花火大会の夜、彼女に電話して海に誘う。
 珊瑚礁の前の海岸は人気がなく静かだ。少し遠いが花火が綺麗に見える。
「急にごめんな。約束、あったんじゃないのか?」
「ううん。…コウはバンドの練習なの。花火、綺麗だね」
 夜空を見上げる彼女の横顔を見る。
 月明かりで睫が長く濃い影を頬に落としている。
 夜空に散る火花が、彼女の瞳の中で輝く。
 僅かに触れた肩がその部分だけ緊張をはらみ、彼女の呼吸を感じる。
「な、ちょっと水際に行こうぜ」
 焼けた石塊を飲んだように胃の奥が熱くなり、それを誤魔化すように彼女を誘う。
 靴を脱ぎ捨てる。彼女はえぇーっと言いながらも、同じようにミュールを脱ぎ、俺の後についてくる。
「わぁ、気持ちいいね!今年初めての海だぁ」
「まじかよ、こんな近いのにもったいない!」
 水面を蹴り、水しぶきを上げる。
 もろに海水をかぶった彼女は、楽しそうな悲鳴をあげて逃げる。振り向きざま両手で水を掬い、俺目掛けて投げつける。
204キテル×デイジー6:2008/07/12(土) 12:24:14 ID:wu4ON7Gt
「うわっ、おまえやりすぎ!」
 そんなじゃれあいが楽しく、懐かしくて、俺たちはずぶ濡れになるまで水を掛け合った。
「もう降参!」
 砂に足を取られふらつく彼女を抱き止める。淡い色のワンピースが、海水を含んで彼女の体にまとわりつく。
 少し冷えた体は小さくて、片手で容易く支えられる。濡れて貼り付く髪を、白い頬や額からかきあげてやる。
 まだ笑いの余韻の残る瞳がすぐ近くから俺を見上げる。
 波の音、遠く聴こえる花火、彼女の黒い瞳が俺の世界のすべてになる。
 伏せようとする顔を両手で包む。その手に、彼女の指が添えられる。
 唇を寄せる。触れたら消えてしまいそうで、口づけることを躊躇う。彼女が震える、けれど逃げない。
 一瞬、彼女の指に力が入り―――
 俺たちは唇を重ねた。
 何の約束も出来ないキス。
 誓う言葉さえも俺は持てないのに。
 胸が締めつけられる。愛しい、その想いだけが溢れる。
 唇が離れ、彼女を見つめる。名前を呼び、その言葉を口にしようとした瞬間、一際大きな花火が、轟音と共に夜空を彩った。
 彼女が俺の胸を押し、体を離す。
「…私たち、もう会わない方がいい、ね?」
 泣き笑いの顔。
205キテル×デイジー7:2008/07/12(土) 12:24:59 ID:wu4ON7Gt
 こんな時まで笑おうとする彼女に伸ばした手は届かず、虚しく空を掴む。
 背を向けて立ち去る彼女を成す術もなく見送った。



 カフェでのバイト後、従業員通用口に針谷が現れたのは夏の終わりだった。
 長い日が落ち、夜の帷が訪れる時刻、針谷の眼が剣呑に光る。
「あいつにさ、近付くなよ」
 前置きもなく言う針谷に、憎悪に近い感情が湧く。
「今更だろ?三年間あれだけ一緒にいて友達面して、他の男のモンになったら惜しくなったか?っざけんなよ!」
積まれた一斗缶を蹴り上げ、針谷が言う。
「…女に手を上げるような奴に言われたくねぇよ」
 怒りのあまりこめかみがどくどくと脈打つのを感じる。彼女のあの腕。泣き出しそうな微笑み。
「おまえがっ!」
 睨み合ったまま、針谷の胸倉を掴み、壁に押し付ける。
「おまえがあいつにあんな顔させなきゃ、俺は…っ!」
 言葉にならない。会えないままの彼女の顔ばかりが浮かぶ。
「……泣かせないでくれよ。あいつ泣きたいくせに、笑うんだ。そんな顔、させるなよ…頼む」
 こんな体勢だというのに、奴に懇願する。
「そうしろって言うなら、二度と会わない。だから…」
 
206キテル×デイジー8:2008/07/12(土) 12:25:38 ID:wu4ON7Gt
「…こんなのって、ないよな」
 俺の知っている針谷の顔で、奴は続ける。
「ズリぃよな、佐伯は。俺の欲しいもの、全部持ってっちまう…」
 襟を掴む俺の手を意外なほど静かな動作で外す。
「…俺のもんだって思ってた、あの灯台で初めてキスした時から」
 俯き加減で話す針谷の表情は読めない。泣いているような気がした。
「ムカついて、無理矢理でもやっちまおうかって思ったこともあったけど。あんな風に泣かれたら…な」
 苦々しく言葉を切り、俺を見る。
「これ、返す」
 ポケットから何か取り出し、手渡す。それが何か、すぐに分かった。
 二年前、彼女の誕生日にプレゼントしたチョーカー。
「佐伯が適当なこと言ったら、絶対折れないって思ってた。…あいつとおまえ、似てるよな」
 深く息をつき、針谷が苦笑する。
「だから、おまえに返してやるよ。それも…あいつも」



 真夜中、誰より会いたい人の家に向かう決意をする。
 分からないこと、知らないことはたくさんあった。けれど今、ただ彼女に会いたい。
 彼女の部屋の下、携帯を鳴らす。
 淡い色のカーテンの向こう、彼女の影と通話する。
「俺。窓、開けろよ」
『えっ?なに?』
207キテル×デイジー9:2008/07/12(土) 12:26:18 ID:wu4ON7Gt
 慌てた声の彼女がカーテンを開き、窓を開ける。
 もう直に話せるというのに、携帯を耳に当てたまま、相手の姿を確認するように話す。
「こんな時間にどうしたの…?」
「ちょっと降りてきて」
「えっ…お母さん、起きちゃうよ」
 冗談にしようと笑う彼女を見上げ、携帯を切り、手を伸ばす。
「おいで」
 彼女の笑顔が消える。
「受け止めるから。おいで」
 例えようのない表情が浮かび、彼女は窓を乗り越え、俺の腕の中に飛び込んできた。
 重さを感じない温かな体と速い脈拍、驚き、すべて抱き止める。
「こんなの、信じらんない…」
「ちゃんと受け止めただろ?これ履けよ」
 靴を脱ぎ、素足の彼女に履かせる。
 手を握って歩き出すと、大きすぎる靴の踵をパカパカ鳴らしながら彼女が早足でついてくる。
「瑛くん、どこ行くの?」
「おまえが一番好きなとこ」
 立ち止まり、彼女を見る。
「俺たちの一番最初と、始まりのところだよ」



 灯台の見える海は束の間照らされ、また闇に飲まれる。珊瑚礁も時折姿を現し、また移ろう。
 幼かったあの頃、世界は単純だった。好きな子と自分、再会の約束とキス。
 単純でも心から信じていた。
208キテル×デイジー10:2008/07/12(土) 12:27:07 ID:wu4ON7Gt
 世の中に変わらないものなんてないと嘯くことはしたくない。
大人になり、躊躇ったり、慎重になったり、時に自分をごまかすこともあるだろうけど、複雑になった分、深くなる気持ちもあるのかもしれない。
 少し風があり、彼女は剥き出しの腕をさする。
 部屋着の薄いワンピース姿の彼女は無防備で弱々しい。
 腕に残る痣は黄色味を帯び、あと半月もすれば正確な位置も分からなくなるだろう。
「手、出せよ」
 彼女の掌に、チョーカーを置く。
「…これ」
 彼女が俺を見上げる。
「針谷が返してくれた」
「コウが?どうして?」
「返してやるって言われた、これとおまえ」
 理解できないというように、緩く首を振る。
「私、コウを支えたくて…好きなんだって思ってた」
 声が震えている。「でも、どうしても……できなくて。瑛くんの顔が浮かんで、泣いてばかりいて。私の方が酷いことしてきたのに…」
 彼女の両目に涙の膜が盛り上がり、頬へと零れ落ちる。
こんな風に、静かに泣くのか。
 俺の前ではいつも笑っていた彼女の涙が、硝子の破片のように鋭く胸に突き刺さる。
「全部俺が悪い、おまえは悪くない」
 彼女は顔を上げるが、曇った瞳は俺を見ない。
209キテル×デイジー11:2008/07/12(土) 12:27:38 ID:wu4ON7Gt
「俺は臆病で、おまえに振られるのが怖くて、ずっと友達のふりしてきた。おまえを迎えに行けなかった俺が悪い」
彼女の髪に手を差し入れ、身を屈めて額を合わせる。
「だから、そんな顔して泣くなよ…」
 泣く時も笑う時も、すべて俺のせいであってほしいと身勝手なことを考える自分がいる。
 呆れるほど強い独占欲が針谷のために泣く彼女を拒む。
 細い肩を抱く。
 砂浜に座り、ただ抱きしめ、彼女が泣き止むのを待つ。
 水平線の向こうが白み始め、真珠のような輝きを見せる。空と海はひとつに溶け合い、波が砕けた時だけ別の存在なのだと知らせる。
 彼女の頬に触れると、ようやく乾いた瞳と視線が合う。
悲しみに縁取られた顔。いつも笑っているくせに、泣き虫だと思い込んでたのは、出会った時に泣いていたからだと気付く。
「愛してる」
 もっと早くに言うべきだった言葉を口にする。
「遠回りして、ごめんな」



 いつかの夏、彼女を連れてきた岩場で抱き合う。
 まだ昇り始めの光はあえかだが眩しく、今日一日の暑さを予感させる。
 けれどいまこの時間、潮風は秋の香りを微かに含んで、俺たちの熱を冷まそうとする。
 でも、足りない。 
210キテル×デイジー12:2008/07/12(土) 12:28:53 ID:wu4ON7Gt
 目の前の彼女だけが俺を急き立て、胸を焦がす。
 脱いだシャツを広げ、抱き合ったまま彼女を横たえる。
何度も見た夢の続きのようにも思えて、繰り返し口づけ、存在を確かめる。
 釦を外し、彼女の胸を覆う下着を取り去る。
 そっと触れると、柔らかな膨らみの下に速い鼓動を感じる。俺の手も震えているのに気付く。
 首筋に唇を這わせ、胸の先端を擦ると彼女の体がびくりと跳ねる。口に含み、舌で愛撫する。
 息を詰める彼女の足の間に手を差し入れ、潤いはじめたそこに、形をなぞるように幾度も指を這わせる。
「…あ、っや…」
 彼女の声に艶めいたものが混じり、俺の体を熱くする。
下着を脱がせ、細い脚を開かせる。
 膝を合わせようとするのを制して、彼女の足の間に顔を埋める。
「あ…っ、瑛く、んっ」
舌が触れると彼女の腰が跳ねる。中心を吸い上げ、透明な蜜が溢れる部分も舐めて刺激する。
 口元を両手で覆い、声を殺す彼女が愛しい。
 大切にしたい。
 俺のことだけでいっぱいにしたい。
 いろんな感情が交錯する。
「…いい?」
 限界に近い俺自身を取り出し、頷く彼女の入り口に当てる。彼女を見つめたまま、ゆっくり挿入する。
211キテル×デイジー13:2008/07/12(土) 12:29:26 ID:wu4ON7Gt
 狭いそこに分け入り、何とか俺自身をすべて納める。
 彼女の苦痛の表情、涙の滲んだ瞳が俺を見上げる。
波が時折爪先を濡らし、潮騒と互いの荒い息、繋がった熱だけを感じる。
「…瑛くん」
「うん」
「瑛くん」
「あぁ」
 彼女の細い腕が伸び、俺の首を引き寄せる。
「…愛してる」
 何より聞きたかった言葉を彼女が囁く。
 やっと探し当てた俺の人魚を強く抱きしめ、もっと深く繋がりたくて、弾けそうな快感のうねりに飲み込まれ、満ち引き、何もかもが海と彼女に帰結していき――。
 彼女のすべてをこの腕に抱く。



 不完全で未熟な俺たちは、これから先も誰かを、あるいは互いを傷つけることがあるだろう。
後日談的なことを話すなら、どうしても一発殴りたいという針谷の拳を甘んじて受け、思いのほか強い力に口の中が切れ、暫くまともに飯が食えなかった。それが治るまで彼女は落ち込み、食事を作りにきたり俺を甘やかした。
 時々彼女は悲しそうな顔で考え込み、今はないシルバーリングを回そうとしてはっとする。俺は黙ってそれを見守る。
 変わらないものはないと嘯きたくない、と思っていたおれだが、悪い変化を遂げるだけとは限らないことに気付いた。 
212キテル×デイジー14:2008/07/12(土) 12:30:39 ID:wu4ON7Gt
灯台の伝説を少し逸脱しながらも再び結ばれた俺と彼女は、出来る限り良い方向へ変遷しようと努力する。
 互いが隣りにいることへの奇跡と驚異を感じながら共に歩いていく。
 この気持ちは不変であることを、今は信じてやまない。






 以上です。
 お付き合いくださった方、ありがとうございました。
213名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 13:21:55 ID:fEohxylE
うめえ
すげえうめえ
GJでした
214名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 15:50:16 ID:1ygE8mKE
GJ!!!
キテルのDVかと思えばハリーかよ!
いやしかし確かにハリーも可哀想なヤツだ
ED迎えてもこうなっちゃうってのが新鮮だったです
でもキテル相手ならこんなのもアリかも
215名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 16:38:19 ID:fEohxylE
こないだのシバレイプの人かなぁ
キテルがとりあえず可哀想なのが似合うわ
216名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 21:07:00 ID:J3D5Jwsr
GJ!!
DVはいかんよDVは
と思いつつも萌えた!
217名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 23:55:40 ID:XM02tb+w
GJです
ハリーの扱いについてはちょっと微妙な気持ちになるけど
でも文章が上手いのであまり気にせず読めたよ
218名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 08:35:42 ID:PwJdf8rs
デイジー×キテル投下します
誕生日前記念です
219デイジー×キテル@:2008/07/13(日) 08:36:45 ID:PwJdf8rs
美奈子とそういう事になってから数回目、ある事を口にした。
物凄くやって欲しかったわけじゃない。
ただ、その。
男なら誰でも興味あることで・・・・。
やっぱりオレも健全な青少年であるから。
好きな子にそういう事をして欲しい気持ちが無いって言ったら嘘になる訳で。

でも、本当に物凄くして欲しかった訳じゃない。

その時は美奈子は恥ずかしそうに首を振るだけだった。
恥ずかしくてできないよ・・・と。

オレも無理強いするほどして欲しかった訳じゃないから
『あ、そっか。そうだよな』と言ってその場は何時もの様にキスして
何時ものオレ主導のやり方で終わった。

それが今日は美奈子が「この間、瑛君がして欲しいって言った事して
みるね。」と恥ずかしそうに言った。
220デイジー×キテルA:2008/07/13(日) 08:37:43 ID:PwJdf8rs
え?と面食らったオレに「上手く出来ないかもしれないけど頑張るね。」と
真っ赤にしながら美奈子はそっとオレのそれをトランクス越しに触った。

「お、おい。無理しなくていいん・・・。」
「無理じゃないよ。好きな人には喜んで欲しいし。その、も、もうすぐ誕生日だし・・・。・・・あ・・・。おっきくなってきたね・・・・。」
「ウ・・・。そ、そう言うこと言うなよっ。」
「瑛君、いっつも私にそういうじゃない・・・。ん・・・。」

ちゅっと美奈子がオレのそれにキスしたのが解った。
その感触だけでなんかもうもっていかれそうだった。
美奈子はオレのそれを擦りながら、ちゅ、ちゅ、とキスを繰り返す。


「ウア・・・・。」

思わず声が出る。
口をおさえたけど遅かった。
221デイジー×キテルB:2008/07/13(日) 08:38:39 ID:PwJdf8rs
可愛くて清潔感のある美奈子が下着姿でオレの股の間に顔を埋めてる
シチュエーション自体、それだけでもうどうにかなりそうなのに。
初めて美奈子から与えられる刺激は凄かった。
決して激しいものではなくどちらかというと拙い、優しい愛撫なのに。

そう思っていたらぱくっと美奈子の口がオレを飲み込んだ。
舌で刺激を与えつつ、唇を上下に動かしてオレのそれに快楽を与えていく。

「あ、あっ。美奈子、やばいって。」
「・・・・瑛君、女の子みたいで可愛い・・・。」
「・・・ふ、ふざけんな!」

とろんとした目で美奈子がオレを見る。
口には涎の糸を引いて。
非常に扇情的。
ねえ、とのその口が動く。
222デイジー×キテルC:2008/07/13(日) 08:39:25 ID:PwJdf8rs
「ねえ、瑛君・・・。いかせてくださいって言って・・・。」
「は、はあっ?!やだよ、言わないよ。なんで。」
「お願い・・・。じゃないとやめちゃうよ・・・?」
「い、いいよ。別に。」
「もうこんなになってるのに?言ってくれたらもっと凄い事してあげる・・・。」


ごくっと、自分がつばを飲み込んだのは解った。

モットスゴイコト・・・?

美奈子のブラジャーの肩紐が半分ずり落ちて形のいい、お椀型の胸が
なんだかその先の事を予感させた。


「『い、いかせてください・・・・。』」


その言葉は口にすると美奈子はぱっと顔を輝かせた。

よく言えました、と。
それからその約束通りにモットスゴイコトをしてくれた。


ああ、オレはマゾなんかじゃないんだけど。

これはクセになりそうだ・・・・。



<終>
223デイジー×キテル:2008/07/13(日) 08:40:48 ID:PwJdf8rs
以上です
瑛の誕生日用に書いてたんですけど自サイトで晒すのは恥ずかしかったので
こちらにうPさせていただきました

他の方の作品も楽しみにしています!
224名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 10:01:50 ID:f6Wg0ziM
デイジーの攻めかわいかった
GJでした!
225名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 10:28:30 ID:uJk5geB9
もっと凄いことは何だろうな
パイズリか前立腺か
後者は素人のワザではないか?
226名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 19:26:24 ID:mu81/Ff9
若×デイジー投下します。
臨海公園で登場した黒服の男が出ます。エロは極少です。
227若×デイジー1:2008/07/13(日) 19:26:52 ID:mu81/Ff9
「…It's unrelated for her」
『Doctor…』
「Wich I ask is the happiness I have got finaly,Please,leave us alone」
 携帯の電源を切る。そのまま二つに折ってしまいたい衝動に駆られる。
 両手で顔を覆い、深く息をつく。
 もし、彼女の身に何かあったら。
 僕は、一生自分を許さないだろう。


 彼女の柔らかな笑顔が、僕の胸を焦がす。
「桜もいいけど、こんな風に緑で噎せ返るようなのも私は好きです」
 森林公園、彼女の好きな場所のひとつ。僕らの散歩コースだった。
 緑はいよいよ濃く、空気は暑い。
 うっすらと汗ばむ陽気の中、彼女が振り返る。
 綺麗だった。
 君が愛する風景なら僕も好きです。
 そう言うと、彼女は少し怒ったような顔で答える。
「…もう、そうじゃなくて…先生は、好きですか?」
 けれど、僕にはそれがすべて。
 君が愛するもの、気にかけるもの全てが愛しい。
 でも、彼女が笑うのが見たくて僕は言う。
「好きですよ、木も、お日様も」
 彼女が微笑む。
 好き。大切。
 こんな感情は、誰にも教わらなかった。好きすぎて胸が痛い。幸せ。
 高校を卒業した彼女と、今もこうして一緒に過ごせる事実に、僕は驚嘆する。 
228若×デイジー2:2008/07/13(日) 19:27:13 ID:mu81/Ff9
 彼女の手を引く。抱き寄せる。
「先生…!」
 彼女の頬が朱に染まる。
「大丈夫。誰も気にしません」
 風が僕らの髪を優しく揺らす。
 濃い緑と、彼女の爽やかな香りを吸い込む。
「今日、僕のうちに来ませんか?一緒にいてほしい…朝まで、ずっと」
 彼女の華奢な体が緊張を孕む。
 断られるかもしれない、そう思いかけた時、彼女が小さな声で答える。
「…はい、先生。私も…一緒にいたい」


手を繋ぎ、スーパーに寄って、のんびり話しながら僕のアパートに向かう。
 いつもの日常のようでいながら、そうではないことを僕らは知っている。
 夕食を作りたいと言う彼女と狭いキッチンに立つ。
 じゃがいもの皮剥きも出来ない僕を、彼女がからかう。
「ツナ缶ばっかり食べてるからです」
「最近は、商店街のお惣菜屋さんにも行くんですよ。色々あって便利です。なかなか美味しいし」
「…じゃ、私、出る幕ないですね?」
 少し拗ねた口調が可愛くて、包丁をそっと奪い、抱きしめる。
「…先生」
「はい」
「先生」
「はい、聞いてます」
 彼女は僕を引き離すのを諦め、背中に手を回す。
「先生、子供みたいです」
 ぽん、ぽん、と僕の背を叩く。
229若×デイジー3:2008/07/13(日) 19:27:44 ID:mu81/Ff9
「すいません、余裕がなくて」
「ふふっ、そんな先生も可愛くて好きです」
 長い抱擁、触れるだけのキス。身を屈めて額を合わせ、彼女を見つめる。
「君、お家の方には何て言ったんですか?」
 彼女の白い頬に朱が浮かぶ。
「好きな人の家に泊まるって、言いました」
「お母さんに、そう言ったの?」
 驚いて尋ねる僕に、彼女の顔が不安そうに曇る。
「はい。…いけなかったですか?」
「いえ、いけなくなんか…ただびっくりして…いや、それより僕は親御さんにご挨拶もしてないのに」
 顔が熱くなる。大切に、愛されて育っただろう彼女。こんな風に連れてきてはいけなかった。
 いったい、僕はどこをもって大人だなどと言っていたのだろう。
「…君、今日はここにいちゃいけません。送るから帰りなさい」
「えっ?でも」
「いいから。先生が馬鹿でした」
 彼女は戸惑い、泣き出しそうになる。そんな顔を見るのは嫌だったけれど。
「先生、怒ってるんですね?」
「違います、先生は…」
「私が変なこと言ったから?ごめんなさい、私…っ」
「違う、聞くんだ!」
 思わず大きくなる声に、彼女がびくりと身を縮める。
「怒鳴ったりして、ごめんなさい。でも聞いてください」
230若×デイジー4:2008/07/13(日) 19:28:12 ID:mu81/Ff9
「君は僕にとって、誰より大切な女の子なんだ。なのに、軽率な真似をしてしまった。本当にごめんなさい」
 彼女の艶やかな髪を撫でる。まだ不安そうな顔をする彼女の、ほっそりした手を握る。
「今度の日曜日、君のお家に伺ってもいいですか?」
「えっ?」
「君のご両親にご挨拶したいんです。駄目ですか?」
 彼女の小さな顔が驚きに彩られる。
「駄目だなんて、そんな…」
「祝福されたいんだ、僕らのこと。ご両親にも、周りの人たちにも」
「先生…」
 綺麗な瞳に涙が盛り上がる。
 その顔を見て、僕はずっと心に秘めていた言葉を彼女に告げる決意をする。
「ねぇ、君」
 頬に手を添える。愛しい。
「君が大学を卒業したら……『若王子』に、なってくれませんか?指輪もないし、全然ロマンチックじゃないけど…君を愛してる」
 彼女の涙が、ついに頬へと伝い、添えた僕の手を濡らす。わななく唇が一度、引き結ばれ…、僕が何より欲していた言葉を囁く。
「はい…。はい、先生」
 彼女を、将来の花嫁を抱きしめる。
 他には何もいらない。
 君こそが、僕のすべて。
231若×デイジー5:2008/07/13(日) 19:28:42 ID:mu81/Ff9
 彼女を家まで送り届ける。
 門の前、愛する人の手をとる。
 離れがたい。
「日曜日、私…待ってます」
 はにかんだ笑顔に胸を打たれる。
 誓うように、そっと口づける。


 だが、約束した日曜日がくることはなかった。



 週半ば、古いアパートに思いがけない来訪者が現れた。
「It's after a long time,Docter」
「…せっかく覚えた日本語を使ったらどうだ?」
 サングラスで読み取れない視線が、僕に注がれる。
 男は米政府の関連する、あの研究所からの追っ手だった。汚い仕事もすると、以前から聞いていた。なぜ、今この男が?
 訝しむ僕に、男が言う。
「時代は、変わりました。我々も。あなたの力が必要なのです、博士」
「もう戻らないと言った筈だ」
 話を聞くつもりはなかった。
 男が、黒いサングラスを取り、その目を見るまでは。
「博士。非政府組織のA―をご存知ですか?」
 それは、カンボジアの対人地雷を除去する活動で有名な非利益団体だった。
 男の真意が解らずにいる僕に対峙し、男はサングラスを外した。
 そこには、無惨な傷跡があった。抉られた左眼、こめかみに向かって走る醜い傷。
232若×デイジー6:2008/07/13(日) 19:29:17 ID:mu81/Ff9
 男の話はこうだった。
 A―に協力し、地雷撤去作業システムを開発した研究所は、思いがけない壁にぶつかった。
 僻地であること、地場の特殊な地域であることなどの条件が重なり、システムの誤作動が生じているというのだ。
 しかし、正確な撤去の為にはコンピュータの介入は欠かせない。…もしくは、コンピュータ同様の演算能力のある人間が。
 言葉をなくし立ち尽くす僕に、男が言う。
「この目は、地雷でやられました。本当なら死んでいたでしょうが…地元の子供に命を救われた」
 残った眼が、僕を射抜く。
「子供は死にました。その子供だけではない、毎日のように死んでいくのですよ、博士」
「…何故そんな話をする?もう関係ない、ほっといてくれ!」
 男がサングラスをかけ直す。
「あなたの恋人は、とても美しい少女ですね。もし、彼女に何かあったなら…悲しむ人はさぞかし多いでしょうね」
「…!脅しているのか?」
「ええ、脅しているのです。そして必要ならば、それを実行するでしょうね」
 絶句する僕に、更に言い募る。
「手段は選びません。あなたの力が必要なのです」
立ち尽くす僕を残し、男が去る。
 途方にくれる僕の前で、古びたドアが閉じる。 
233若×デイジー7:2008/07/13(日) 19:29:40 ID:mu81/Ff9
 どうしたらいいのか分からず、いたずらに曜日を重ねる。 彼女からのメールや着信を避け、学校に行き、授業をし…その日曜、僕は彼女を裏切った。




 夏の盛りが過ぎ、新学期を迎える。
 二ヶ月が過ぎていた。
 僕の心の空洞は日に日に広がり、ただ惰性のように毎日を送る。
 男からの連絡に時間を割く気にもなれず、ただ彼女と距離をおけば何とか凌げるのではないかと考える。
 いつか彼女は不実な恋人のことを忘れ、新しい恋をするかもしれない。
 日本にいれば、彼女が少女から大人の女性へと変わる歳月を見守ることも可能だろう。
 年度が変わったら退職し、この街を出るつもりでいた。
 9月4日、僕の誕生日に彼女と会うまでは。



 黄昏刻、アパートの外階段に、逆光を浴びて座る人影。
 見間いようのない彼女。
「先生」
 彼女が立ち上がり、微笑む。少し寂しそうな、優しい綺麗な笑顔。
「何で、こんなところに」
 彼女に会えた喜びで僕の胸は高鳴るが、強いて素っ気なく振る舞う。
「迷惑だ、帰りなさい」
「先生、私、お話したくて」
「話すことなんてない。分からない子だね、もう先生飽きたんです。恋人ごっこはおしまいだよ」
234若×デイジー8:2008/07/13(日) 19:30:05 ID:mu81/Ff9
 心にもないことを口にする。
 彼女の傷ついた顔を見たくなくて、目を逸らす。
 立ち去る足音を覚悟するが、僕の腕に優しく触れる手に驚かされる。
「私は子供だけど、嘘か本当かくらい分かります。先生の目を見なくても」
 触れられた部分から、温かな彼女の気持ちが流れ込む。愛しい人、僕には過ぎるほどの。
「…誕生日、おめでとうございます」
 小さな箱を差し出す。
「ケーキ作ったんです。一緒に食べてもらえませんか?」
 離れるつもりでいたのに、彼女を巻き込みたくないのに、ただ彼女が笑うだけで、僕の意志は簡単に砕ける。
 話そう。
 けれど、何を?
 何も決められないまま、僕は彼女を部屋に上げる。
 無言のままコーヒーを入れ、彼女が切り分けたケーキを皿に移す。
 向かいあって座ると、彼女は頂きます、と手を合わせて食べ始める。
 いつも行儀良くて、きちんと躾られた子なのだと感じる。真っ当な世界の真っ当な女の子を、苦しめるようなことはあってはならない。
 暫く黙々とケーキを食べ、気付けば彼女が僕を見つめている。
「連絡が取れない間、私ずっと考えてました。嫌われちゃったのかな?とか、何かあったのかな、とか」
 
235若×デイジー9:2008/07/13(日) 19:30:38 ID:mu81/Ff9
 何も塗っていないのに桜色をした爪を持つ綺麗な指が、コーヒーカップに触れる。彼女と目を合わせられない僕は、その指先を見る。
「…先生、どうして待ってろって言ってくれないんですか?」
 彼女の言葉に弾かれたように顔を上げる。大きな目が僕に注がれている。…今までもずっとそうだったように。
 訳が分からず呆然とする僕に、彼女は続ける。
「カンボジアって、思ってたより日本と関わりがあるんですね。私、遺跡のことくらいしか知らなかった」
「…君」
「電話でも、メールでも、手紙でだって連絡は出来るでしょう?」
「君、どうして」
 彼女が微笑む。
「あの人、本当は先生のこととても心配してるんですね」
「彼と、話したのか…」
「はい。偶然、先生のお家の前で」
 あまりのことに何と言っていいものか分からず、彼女を見る。
「あの人と話さなかったとしても、私の気持ちは同じです。…あのね、先生」
 深い色の瞳、純粋な彼女の優しさが伝わる。
「行っていいんですよ?私は大丈夫」
 彼女に言われ、僕は漸く気付く。
 そう。僕は行きたかった。
 長い間探していた、僕の力を活かせる場所。私利私欲ではなく、本当に必要とされることを出来る場所。
 
236若×デイジー10:2008/07/13(日) 19:31:05 ID:mu81/Ff9
 特殊な能力を持って生まれてきた意味を知りたかった。
 彼女の細い指が僕の髪に触れ、静かに梳く。優しく、何度も。
「私は大丈夫、待ちます。でも、その後は先生を追い掛けます」
 彼女がバッグから一枚の紙を取り出す。転部願いと書かれたそれには彼女の名前。
「世界中の地雷撤去には、とても長い年月がかかるだろうって。同時に、被害者の救済に当たる医師が不足しているってネットで知りました。私が出来ることと、先生と一緒に生きていける方法、考えて決めました」
 彼女が事も無げに笑う。
 初めて知る彼女の勁さに僕は圧倒される。小さな体に秘められた輝きが僕を捕らえ、惹きつける。
「君はそれでいいんですか?」
「そうしたいんです。だって私、先生の奥さんになるんでしょう?」


 お互いを抱きしめ、見つめ合い、繰り返しキスをする。
 生まれたままの姿で脚を絡め、滑らかな肌の奥の熱を感じ、そよぐ風のような吐息と甘い声を耳にし、浮かされたように彼女を求める。
 撓めた華奢な体のもっと奥、深く繋がれるその核に、僕の熱と想いを穿つ。
 余裕なんてない、考えられるのは彼女の存在だけ。
 愛してると耳元で囁き、強く抱き締め、涙の粒を唇で拭う。
237若×デイジー11:2008/07/13(日) 19:31:32 ID:mu81/Ff9
 彼女の恒星のような輝き、繋がっただけでは足りなくて掻き抱き、彼女の中で僕は想いの丈を解き放つ。



 彼女を無断外泊させてしまった僕は、赤くなり、ついで青くなってあたふたする。彼女は大丈夫大丈夫、と僕を慰め、『…多分』と付け加える。
 思わず顔を上げて彼女を見ると笑っている。
「嘘。お返しです。私もすごく心配したから」
「……」 
「あ、お父さんはちょっとだけコワいかも」
「…もう、君って子は!」
 彼女を抱きしめる。苦しがってバタバタするのをそのままに、やり直しの挨拶やら何やらを考える。だけど決して嫌な苦労ではないだろう。



 年度明けを待たず、僕は単身彼の地に飛ぶ。
 一人だけど、そうじゃない。
 研究所の男、今となっては片腕となりつつある彼は、すぐに忙しく働く僕と違い、度々日本に戻り『他の優秀な人材』探しをしている。
 ついでと言って彼女に会い、こちらの様子を話しているらしい。
 彼女のことを語る彼の口調は殆ど崇拝に近く、僕をやきもきさせはするが、大丈夫。
 彼女のあの輝きに魅せられる男たちは後を立たないだろうが、手に入れたのは僕だけ。
 人生の目的を与えてくれた彼女。
 君こそが、僕のすべて。
238若×デイジー:2008/07/13(日) 19:32:18 ID:mu81/Ff9
以上です。
失礼しました。
239名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 14:31:05 ID:scmFHLUr
GJデース!
へぇ〜若と地雷撤去なんて想像もしなかった!
こんな展開もアリですね
乙でした!
240名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 14:55:53 ID:yv/gmbpD
GJでした!
デイジーええ子や〜。
241名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 23:05:45 ID:0iNnGzOS
gj&保守
242名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 18:42:07 ID:5LUSzrB4
GJ
保守
瑛誕かー
何か書けるかな
243名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 00:16:11 ID:2akGvQjp
保守
244名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:12:27 ID:mjBvm9nA
キテルおめ!ほしゅ
245名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:38:56 ID:wux/7z7O
デイジー×メッティ投下します

キテル本命メッティ親友EDで大学進学後の設定です

ちょっとだけメッティがダークキャラになっています

246デイジー×メッティ・1:2008/07/19(土) 16:42:01 ID:wux/7z7O
彼女は卒業式の日、浜辺で泣いていた
彼女の想い人はついに灯台には現れなかったから

ずっと自分の気持ちを押し殺し懊悩しながらも『親友』として彼女の相談に乗っていた僕は怒りを隠せなかった
それは彼が彼女の想いを踏みにじったことへの怒りと…
『こんなことなら僕が奪うべきだった』という、意気地なしだった自分自身への憤り

彼女を慰めながら僕は自分に誓った
傷ついた彼女を、いつか自分が必ず幸せにしよう、と

一流大学入学後、僕は彼女を頻繁にデートに誘い、なるべく淋しい想いをさせないようにした
彼女を励まし、彼女と語り合ううちに、最初は抜け殻のようになっていた彼女に笑顔が戻ってきた

今では佐伯くんのことを口にすることもなくなったが、時折デート帰りに寄る浜辺で灯台の方向を眺めて目を伏せる横顔に、彼女の悲しみと彼への想いを痛感する

そんな彼女を見て、僕は新たに決意を固めた
『今年の夏こそ、どんな手を使っても、彼女の愛を奪い、彼のかけらを徹底的に払拭しよう』と…



夏休み前の一流大学のカフェテラス
いつものように待ち合わせをしていた彼女に話を切り出した

「君、夏休みの予定はどうなっているんだい?」
「ん〜、ひーちゃんとはるひちゃんとお買い物行こうって約束しているくらいだよ」
「そうか…じゃあ、気分転換に僕と星を見に行かないか?従兄弟の紹介で、日本で唯一南十字星を見られる島の別荘を借りることができたんだ」
「素敵!でも…」
「あ、心配はいらないよ。部屋数はたくさんあるから、好きな部屋を一人で使ってくれてかまわない。…生徒会の合宿の豪華版だとでも思ってくれればいいよ」
「…じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
「あぁ、早速手配しておくよ」
「南十字星かぁ…楽しみだな。晴れるといいね」


…これで舞台はととのった
あとは当日を待つのみ…

僕は今までにない、邪な気持ちになっていた
…恋の力は美しいだけじゃないんだな…
自分の醜さに、僕は軽く身震いする

そして「その日」はやってきた…
247名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:45:34 ID:wux/7z7O
島に着くとすぐ別荘に向い、彼女に1番景観が良く、広い部屋をあてがう

「滞在中はこの部屋を好きに使ってくれ」
「わぁ…ステキ!部屋から海が見える!」
「気に入ってくれて嬉しいよ」
「…格くん…ありがとう」

嬉しそうに僕を見つめる彼女を見て、思いきり抱きしめたい衝動にかられるが、必死でこらえて冷静を装う

「い、いや、君が喜んでくれて何よりだよ…僕は下の階の部屋を使うから、困ったことがあれば部屋をノックしてくれたまえ」
「うん、じゃあ私は着替えて夕食の支度するね」
「あぁ、僕も手伝うよ」

僕は自室に戻りシャワーを浴びて着替え、トランクを開ける
そして小さな薬局の紙袋の封を開けて、取り出した箱から個別包装された小袋をジーンズのポケットにねじこんだ
…この日のために僕はあらゆる『勉強』をしてきたんだ…落ち着け…格…
心臓の鼓動が早くなってくる自分に言い聞かせ、ポケットの上に手を置き、小袋の感触を確かめた

程なく彼女がやってきて、僕は何食わぬ顔で彼女と夕食の支度をし、二人で夕食を楽しむ

片付けが終わる頃には、辺りはすっかり暗くなり、星が天を覆い尽くしていた
「そろそろ天体観察の時間だな…二階のベランダに望遠鏡をセットするから手伝ってくれないか?」
「うん!」

彼女の部屋を通りベランダへ向かう
ベランダは彼女の部屋と続きになっており、かなりの広さがあるため観察にはもってこいだ

交代で望遠鏡を覗き、溢れるような星達を眺めながら、星の説明をしていく

「ほら…あれが南十字星。本来は南半球の星だが、こうして北半球の日本でも見ることができるのは、ひとえに日本が南北に長い地形をしているからだ」
「よく日本は小さいっていうけれど…日本だって充分広いよね。なんだか不思議な感じ…」
彼女はそう言って海の方角に目をやる
まるで、海を好きな佐伯くんの面影を追いかけているような視線に、僕はたまらず彼女に問い掛ける

「ねぇ…まだ佐伯くんの事を考えているのかい?」
「えっ…?…」
「…僕は君が佐伯くんを忘れるまで待とうとおもっていた、だけど…もう待てそうもない…。僕は君がずっと好きだった、僕はもう君の友達ではいられないんだ…!」
248デイジー×メッティ・2:2008/07/19(土) 16:46:00 ID:wux/7z7O
島に着くとすぐ別荘に向い、彼女に1番景観が良く、広い部屋をあてがう

「滞在中はこの部屋を好きに使ってくれ」
「わぁ…ステキ!部屋から海が見える!」
「気に入ってくれて嬉しいよ」
「…格くん…ありがとう」

嬉しそうに僕を見つめる彼女を見て、思いきり抱きしめたい衝動にかられるが、必死でこらえて冷静を装う

「い、いや、君が喜んでくれて何よりだよ…僕は下の階の部屋を使うから、困ったことがあれば部屋をノックしてくれたまえ」
「うん、じゃあ私は着替えて夕食の支度するね」
「あぁ、僕も手伝うよ」

僕は自室に戻りシャワーを浴びて着替え、トランクを開ける
そして小さな薬局の紙袋の封を開けて、取り出した箱から個別包装された小袋をジーンズのポケットにねじこんだ
…この日のために僕はあらゆる『勉強』をしてきたんだ…落ち着け…格…
心臓の鼓動が早くなってくる自分に言い聞かせ、ポケットの上に手を置き、小袋の感触を確かめた

程なく彼女がやってきて、僕は何食わぬ顔で彼女と夕食の支度をし、二人で夕食を楽しむ

片付けが終わる頃には、辺りはすっかり暗くなり、星が天を覆い尽くしていた
「そろそろ天体観察の時間だな…二階のベランダに望遠鏡をセットするから手伝ってくれないか?」
「うん!」

彼女の部屋を通りベランダへ向かう
ベランダは彼女の部屋と続きになっており、かなりの広さがあるため観察にはもってこいだ

交代で望遠鏡を覗き、溢れるような星達を眺めながら、星の説明をしていく

「ほら…あれが南十字星。本来は南半球の星だが、こうして北半球の日本でも見ることができるのは、ひとえに日本が南北に長い地形をしているからだ」
「よく日本は小さいっていうけれど…日本だって充分広いよね。なんだか不思議な感じ…」
彼女はそう言って海の方角に目をやる
まるで、海を好きな佐伯くんの面影を追いかけているような視線に、僕はたまらず彼女に問い掛ける

「ねぇ…まだ佐伯くんの事を考えているのかい?」
「えっ…?…」
「…僕は君が佐伯くんを忘れるまで待とうとおもっていた、だけど…もう待てそうもない…。僕は君がずっと好きだった、僕はもう君の友達ではいられないんだ…!」
249デイジー×メッティ・3:2008/07/19(土) 16:47:10 ID:wux/7z7O
驚いたような彼女を抱きしめ、顎に手をやり、彼女に口づける
彼女の柔らかな唇に触れた瞬間、僕の理性は完全に崩壊した
夢中で舌を絡ませ、酸欠になりそうなキスを何度も続ける

唇を離すと、彼女は喘ぐような息をしながら抗議をした
「格くん…こんな……違うよ…私は…私は…」
「…軽蔑しても構わないよ。僕はもう君に優しいだけの男ではいられそうにないから…」

彼女の耳にそう囁いて、また口づける。そのまま首筋にキスを落としながら、彼女のワンピースの裾に手を入れた
つややかな脚を撫で、ヒップの丸みに手をやると、彼女の身体がぴくっと跳ね上がった

「…敏感なんだね…かわいい…」
「やぁ…んっ」

しばらく彼女の身体をまさぐり下着に手をやると、そこはすでに潤っていた
下着の上から秘部をなぞり、もう片方の手でワンピースのファスナーを下ろし胸元をはだけさせると、白磁のような乳房が現れる
乳房に触れると彼女が僕にもたれ掛かり、甘い吐息を響かせた
中心を彩る桜色を口に含み、片手は桜色を弄ぶ
下着を脱がし、指でゆっくり中心を掻き回すと、彼女はさらに妖艶な声で喘ぎ続けた

「は…ぁ…んぅっ…格く…」
「…どうしたの?」
「…ねぇ…もう……」
「…もっと触って欲しいの?」
「や…ちが……もう私…あぁはっ!」
「…行くよ…」

僕はズボンからゴムを取り出し素早く装着し、彼女を海のほうへ向かせベランダの手摺りに手をつかせて後ろから覆いかぶさるように彼女をゆっくり貫いていった

「くっ…あぁ…っ痛っ」

堪えるような表情に少しだけ罪悪感を覚えるが、それ以上の劣情が僕を高める

「…もう少し我慢して」
ゆっくり抜き差しして、僕自身を彼女に馴染ませていく
片手で胸を愛撫し、片手は彼女の花芽を刺激する
やがて彼女の声に甘い吐息が混じり、表情も苦痛の表情から熱にうかされたような蕩ろけるような表情へと変わってきた
それに伴うように彼女の花芯が僕に絡み、卑猥な水音が響く

僕が海を見ながら彼女を犯すことで、彼女が海を見ながら快楽に飲み込まれることで、僕はいるはずのない佐伯くんへ復讐したような感覚に囚われた

「…僕のものだ…君は僕のものだ…誰にも渡さない…」
耳に、頬に口づけながら僕は呻くように繰り返した
自分が与えうる限りの技巧を彼女に施す
彼女は今までにない、たまらなく艶めいた姿と声でいっそう乱れていく
そして僕はさらに彼女に耽溺していく…

「あんっ、あ…い、たるく………す……っ!……あぁっ!」
彼女は一際高い声を上げて意識を手放した
僕も彼女の声に招かれるように昂りを抑えられなくなる
「くっ……うあっ!」
今までに体験したことのない快感が脳に突き刺さるようだった…
僕は快楽にうちひしがれたまま彼女の背に身体を委ねた…
250デイジー×メッティ・4:2008/07/19(土) 16:47:45 ID:wux/7z7O
乱れた息の切れ間から、彼女が小さい声で告げる
「…格くん…」
彼女の顔を見ると、涙が一筋零れていた
猛烈な後悔の念が僕を襲う
奪うと決めたはずなのに…
…彼女の涙が自分の愚かさ醜さを映し出すようだ

「…済まない…僕はやっぱり汚い、いやらしい奴だ…君を騙すような形でこんなことをして…
もう二度と君には触れないし、嫌っても軽蔑しても訴えてもかまわな…」
「違うの…!…私は……格くんが好きなの…!」

意外な彼女の言葉に頭が混乱する
「えっ…」
「瑛くんがいなくなって…ずっと落ち込んでいた私に、格くんはずっと優しくしてくれていて…気付いたら、格くんを好きになっていたの…でも格くんは私のこと親友だから大切にしてくれるんだと思ってたから…
だから、瑛くんの事まだ忘れられないフリして…そうすれば格くんが心配して、いつまでもそばにいてくれる気がして…」
「君…」
「……きちんと好きって言えなかった上に…真面目な格くんにあんなこと言わせちゃうなんて……私、汚い…」
「…それは僕も同じだ。君の僕に対する信頼を利用してここへ招いて…君を奪って僕のものにしようって考えて…」
「私たち…似た者同士だったんだね…」

泣き笑いのような表情をしている彼女の涙を指で拭い、僕は今まで彼女に言えなかった言葉を告げた
「今こそ君に言うよ…君を愛してる…僕と、一緒にいよう」
「私も一緒にいたい…愛してる…!」

きつくきつく抱き合い、唇を重ね合った

もう過去の幻影に怯えなくてもいい、これからは彼女だけを見て、愛していこう

「…ねぇ、これからは君の部屋で一緒に過ごしていいかい?」
彼女が恥ずかしそうに頷く
「うん…」
「…ゆっくり寝かせてはあげられないかも知れないけどね」
「…格くんのえっち…」


僕を嫉妬に駆り立てた海の音は、今は穏やかに響くばかり
彼女を抱き上げ、僕は彼女の部屋に続く扉を開けて、海に背を向けた

251デイジー×メッティ:2008/07/19(土) 16:50:04 ID:wux/7z7O
以上です

初めてなので至らない部分が多々あるかと思いますが、どうかお許し下さい

252名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 19:41:45 ID:zGxGT3Uy
>>251
GJ!

だがしかし、キテル誕生日にキテルをふっきるカプ誕生話とは
つくづく不憫なキテルw
253名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 22:01:37 ID:a9HhsvGh
>>251
GJ!
未攻略の氷上君を攻略したくなった。

>>252
そんな不憫なキテルが好き(はぁと)
254名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 23:45:43 ID:HtiFtCZ9
若×デイジー、投下します
若視点、エロのみ
初めて投稿しますのでミス等あったらすみません
255若×デイジー1:2008/07/19(土) 23:46:36 ID:HtiFtCZ9
「あ、ああぁ……」
 ゆっくりと腰を沈め、最奥まで繋がると、君はため息ともあえぎともつかない声をもらした。
 上になってみて、と誘った時は恥ずかしがるばかりだったけれど、数回繰り返すうちに慣れてきたみたいだ。
「あの…やっぱり、これ恥ずかしい、です…」
 顔をそむけたまま君が言う。
「そう?僕には最高の眺めです。とてもいやらしくて、それにきれいだ」
 正直に思ったままを言うと君は暗がりでもわかるほどに顔を真っ赤にした。
「貴文さんのいじわる」
 イジワル?これが?だとしても、それは君が悪いんです。君があんまりかわいいから。僕の些細な一言で
表情をくるくると変えるから。僕はもっともっといろんな君を見たくなる。
 さあ動いて。つないでいた両手をほどき、君の胸にやさしく触れると、それが合図になる。君はゆっくりと腰を
動かし始めた。
 この体位の時、僕はあまり動かずに優しい愛撫にとどめることにしている。君が自分のペースで快楽を得られるように。
動きはまだつたないけれど、下から眺める君の姿は驚くほど刺激的だ。見ているだけでこちらが危うくなってしまいそうなほど。
 トップクラスの成績に、性格もいい優等生の君が、自分から腰を振って乱れているなんて、学校にいる時は想像もつきませんね。
「手、を…」
 君が望むように両手をつなぐ。手に力をこめ、体を後にそらせると、一番感じる部分に当たるらしい。
「イキたいの?」
「んっ…あ……はい…」
 わかってて聞かないで、と言う余裕さえ君にはないらしい。
 いっそう弓なりに背をそらせ、高く声をあげた瞬間に、君の中は収縮した。

256若×デイジー2:2008/07/19(土) 23:48:06 ID:HtiFtCZ9
 繋がったまま、君は僕の胸に頭をあずけてくる。絶頂の余韻が残ってるんだろう。できれば少しひたらせてあげれば
いいんだろうけど―――ごめんなさい僕が限界です。
 まだぼうっとしてる君を今度は組み敷き、口づけながら挿入しなおす。
「あっ…ああっ…は…だめ、だめですっ」
 いやいやをするように頭を左右に振る君。その様子が僕の嗜虐心を刺激するんです。気付いてた?
 それに「だめ」なんて言うわりに君の足は僕の腰にからみついて、更に奥に誘ってるんですよ。
「あんっ…ああっ…あっ…先生っ、先生っ…」
 親しくなるとすぐに呼び名を変えたくせに、感極まると理性が跳んで以前のように「先生」と呼ぶ。君自身気付いていないクセ。
僕はいつでもそれを教えてあげられるけど、あえてしません。
 こんな行為の最中に先生と呼ばれるとインモラルでぞくぞくしちゃいます。
「あっ、あっ、あんっ…」
 嬌声に誘われるように激しく奥へつきたてると、再び君が達したのがわかり、次の瞬間僕もすべてを放出した。


 君が好きです。君のすべてが好きです。世界は美しいものだと気付かせてくれた。
 僕の知らない世界があることも。
 僕はもっともっと、いろんな君がみたいんです。君といろんなことがシテみたいんです。
 

「今度は別の格好も試してみましょう」
 耳元でささやくと君は顔をまた真っ赤にした。
「知らなかった?僕は研究熱心なんですよ?」


257名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 23:48:26 ID:HtiFtCZ9
以上です。お目汚し失礼しました
258名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 01:31:18 ID:9f79GwAw
2作品ともGJ!!
259名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 23:08:16 ID:SmijubpJ
2作ともよかったです、GJ!!!

>>253
未攻略なんてもったいなさ杉
260名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 10:01:01 ID:1c/gOHD1
氷上を親友にしてプレイしてみようかなー
エロい妄想しながらwww
本命って誰がお勧め?
261名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:56:47 ID:+RCj9hLX
ネタが降ってきたので投下します。
キバヤシ×デイジー
自慰強要ネタ
はるひちょっとだけ登場
262キバヤシ×デイジー1:2008/07/23(水) 22:57:31 ID:+RCj9hLX
「つきあってるって言うん、それぇ?」
 はるひちゃんの言葉が蘇る。気持ちがあふれてどうにもならず、つい相談してしまったのは昨日の放課後。
はるひちゃんはいつになく真剣に話を聞いてくれて、私はそれだけで少し心が軽くなったのだけれど。
「都合のいい時に呼び出されて、エッチだけしてはいサヨナラって、ひどすぎやん?あ、ごめん、あんたを責める気ぃは
ないねんけど」
 そうだね。私もそう思うよ。
 まったく、冷静になって考えたらとんでもない話だと思う。相手の方はどう思っているのか全然わからないのに、
嫌いになることもできなくて、少しでも近くにいるためにバイトして、他の女の子と仲良くしてるとこもいっぱい見せられて。
気まぐれに呼び出される時はいつも体だけ重ねて終わる。そんなのどう考えても高校生の男女交際とは言えないよね。

なのに。

「太郎くん、来たよ」
 呼び出されたのは終夜営業の喫茶店。真夜中に家を抜け出すのも慣れてしまった。返事がないのでそのまま向かいの席に座る。
こういうつきあいでも続けているうちにわかってきたことがあって、今日の太郎くんは最高に機嫌が悪いっぽい。
 目を合わせようともしないし、まとっている雰囲気がとにかく剣呑。
(なにかあったのかな…)
 尋ねたらますます機嫌が悪くなるだけだということも経験上わかってたので、何も言えない。
 たくさんの女の子に囲まれててそれでも満たされてない部分。きっと私がひきつけられるのはその部分なんだろう。
 実は太郎くんに会うのは二週間ぶりだった。電話はおろか喫茶店にも来なかったから、自分から連絡できない私は落ち込みまくって
いた。もう本当に嫌われてしまったのかな、とか、もしかしたら病気や怪我でもしたのかも、とか考えまくって、うっかりはるひちゃんに
相談してしまったのだ。
 だから今夜何事もなかったかのように電話がかかってきた時は、驚きと嬉しさで声がうわずってたと思う。
 なのに少しそわそわしてやって来た結果がこれ。太郎くんの機嫌は超悪い。
ウェイターさんがオーダーをとりに来たので、太郎くんと同じコーヒーを頼もうとしたら、腕をつかまれた。
「この娘はいいんだ。もう出るから」
 そう言ってウェイターさんに伝票を渡し、会計にむかってしまう。
 コーヒーも飲ませてもらえないなんて。
 慣れていたはずなのにほんのちょっぴり胸に苦いものが広がった。
263キバヤシ×デイジー2:2008/07/23(水) 22:58:56 ID:+RCj9hLX

 喫茶店を出てすぐ裏の道には、いわゆるラブホテルが林立している。一年前には想像もできなかったけど、今の私は入る手順も
中の様子もすっかりなじんでしまっていた。外見はいろいろあるけど、結局中は似たりよったり。まあすることはひとつなんだし。
 太郎くんは「心置きなく楽しめる」とか言って、こういう場所が好きだ。初めての時からいつも、行為は太郎くんが一方的に満足して終わる。
私には「好きな人と繋がっている幸せ」なんて感じられない、ただのセックス。それでも太郎くんからの呼び出しがあると必ず来てしまう。
(ゆがんでるね)
 自嘲気味についたため息も太郎くんは気付かなかったみたいだ。
 部屋に入ってすぐシャワーを済ませ、所在なくてベッドに腰かけた。いつもなら太郎くんは性急に押し倒してくるのに、今日はなぜかそう
しなかった。
 多少手荒にされるのかも…と身構えていた私は肩透かしをくらった感じだ。隣に座ったまま、太郎くんは私の肩に腕をまわしてくる。
 まるで恋人同士の語らいのように。
「久しぶりだね」
「そうだね…忙しかったの?」
「ゼミ旅行があってね、レポートの提出も重なってたし」
 旅行、なんてものがあることさえ私は知らなかったな。久しぶりに会えて嬉しい反面、太郎くんとの心の距離をひしひしと感じてしまう。
「僕に会えなくてさみしかったんだ?」
「う、うん…」
 機嫌が悪かったはずなのに、尋ねる太郎くんの声は優しく響く。見ると、うっすら微笑みらしきものを浮かべている。女の子達に見せてる
あの笑顔…。
「さみしくて、どうしてた?」
「どうって?」
「こうやって僕に会えない期間があったら、ひとりでどうしてたのか、ってことだよ」
 質問の意味がよくわからない。考えていると太郎くんは唇を私の耳元によせてささやいた。
「自分でなぐさめたり、した?」
 なに…それ…。
「ちょっとさ、ここでやってみせてよ」
「…やだよ」
264キバヤシ×デイジー3:2008/07/23(水) 22:59:52 ID:+RCj9hLX
 冗談でしょ?と言外ににじませても、太郎くんの手はゆるまない。思わず身をよじろうとしたら、更に力がこもった。やだ…ウソ。
「やらないなら帰るよ」
「いやっ…」
 太郎くんをこのまま帰らせてしまったら、きっともう連絡はこなくなる。私と太郎くんの唯一のつながりはこれしかない。どれだけゆがんで
いても、私はこの細いつながりを手放すことができないのだ。
「したことないから、わからないよ」
「へぇ?女の子でもけっこう多いって聞くけど」
「その…ホントのこと言うと、胸はね?触ったことあるの。でもそれ以上は怖くなって…」
 正直に話すと顔が熱くなる。経験ある、って言う方がマシな気がする…。
「じゃあ、その時どうやって胸触ったのか見せて」
 太郎くんの言うことはじゃれあいでも言葉だけの遊びでもなくて、本気なんだとその時ようやく悟った。もう私には逃げる術がない。
 おそるおそる、バスローブの上から胸を触ると、すぐに太郎くんからダメ出しがきた。
「もっと強くだよ」
 わかっているけど恥ずかしくてできない。目を閉じたまま、それでも少しずつ力を加えていく。両手を使うと次第に物足りなくなってきた。
 合わせ目からそっと指をすべらせる。全体を手で包み、形が変わるほど強く揉む。手の平で刺激された先端が固くなるのがわかる。
 太郎くんがゆっくりとローブをはだけさせた。抵抗したかったけど、すでに私は両手で胸を愛撫していて、止めることができない。
 先端を指で刺激すると、吐息がもれそうになる。
「我慢しないで声出していいよ」
 見透かすように太郎くんが言う。
「これからもっとしてもらうから」
「…これ以上…できない…」
「右手、ゆっくりおろしてみて」
「いや…」
 太郎くんは私の右手に手を重ねた。火照った体はそれだけで敏感に反応してしまう。
本当はこのまま太郎くんに触ってほしい…。言いたくて、でも言えない。自分の手が内腿に誘われるのを、抗えずに受け入れるだけ。
 私のそこはすでに湿っている。太郎くんはショーツをずらして直接私の指をソコに触れさせた。
265キバヤシ×デイジー4:2008/07/23(水) 23:00:54 ID:+RCj9hLX
「…あ…あ」
 どういう形なのかよくわからない。そっと周辺をなぞってみると、背筋を快感が走った。
 わずかに残っていた理性の箍は、淫らな水音が響いた瞬間にはじけ飛んだ。
 太郎くんの手はとっくに離れている。だからやめようと思えば、やめられる。でも私の手はもう止まらない。
 とろとろになった部分をかき回すだけで、信じられないくらい気持ちいい。息が荒くなる。
「挿れてみて」
 場所がよくわからない、と思ったけれど、おそるおそる指を奥へ進ませると、入り口にのみこまれた。
「やっ…あん」
 自分の指にひだがからみついてくる感触に翻弄される。
 それまでなんとか閉じていた足が、自然と開いてしまうのがわかった。
 太郎くんの視線を感じたけれど、それは私をますます駆り立てるだけ。
「指を動かして。そうだな、ほんの少し上の方に曲げてごらんよ。君のイイところに当たるから」
「あっ…はあっ…ん、んっ」
 イイところがどこなのかもうわからない。頭の中は真っ白で、何も考えられない。本能が知ってるような、指の動きが止められない。
「太郎くんっ…太郎くんっ…」
「そろそろ指じゃ足りない?」
 一方的にとはいえ経験の分だけ私の体は男性を知っている。太郎くんが欲しくて、満たして欲しくてたまらない。
「お願い…」
 きっと私は今とんでもなく卑猥な表情をしてるはず。自分からこんなことを口にするなんて、考えたこともなかった。
 薄く目を開けると太郎くんが素早く準備をしているのが見えた。
「まあ、いいか。十分いいもの見させてもらったしね」
 そう言うと一息に私の中へ挿入する。
「……!!」
 十分に潤っていたとは言え、太郎くんの動きはあまりに強い。逃げそうになる私の腰をぐいと引き寄せ、更に奥へ
押し入ろうとする。
「いやっ…痛っ…」
 もっとゆっくりにして、という願いは、覆いかぶさってきた太郎くんの唇でふさがれた。
 息ができない。
 それに…私が覚えている限り、太郎くんがキスをしてくれたのはこれが初めてなのだ。こんな状況で驚いている自分にも
びっくりするけど。
266キバヤシ×デイジー5:2008/07/23(水) 23:02:01 ID:+RCj9hLX
「太郎、くんっ…?」
「いいんだ、黙って」
 深く口づけられたまま、太郎くんは動き始める。
 声にならない声を、私は上げ続けた。


「なんなんだろう、君は」
 行為の後、脱力しきっていると太郎くんは小さくつぶやいた。
「僕は君を振り回してるつもりだった。いつでも捨てられるおもちゃみたいに玩んでるつもりだった。なのに会えない間、君の
顔ばかり思い出してたんだ」
 それが不機嫌の理由?
 聞いてみたかったけど、やっぱり少し怖いからやめる。
「この気持ちに…名前はあるんだろうか」
 半分独り言のようだったので、私は聞こえないふりをしていた。太郎くんもそれを望んでいるような気がしたから。
 私たちの関係はどこかで大きくゆがんでしまったけれど、いつかやり直せる時がくるのかな。
 太郎くんが、その気持ちの名前を見つけた時に?
 薄い蒲団の中で彼の手をさぐり、そっと握ってみる。
 ふりほどかれるかな、と思ったけれど、太郎くんはかすかに力をこめてくれた。
 
 それはまるで、好きという言葉に似ていた。 
267名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 23:04:02 ID:+RCj9hLX
以上です。
sageミスってしまいました。すみません。

キバヤシ攻略してみたら、デイジーのあまりのMっぷりに
なにか目覚めてしまいました
268名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 23:43:35 ID:fFR4PHn0
GJ!!
キバヤシに飢えていたのでうれしいです
269名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 23:49:03 ID:IZAf7K3n
キバヤシ好きだーーーーー!!!

ありがとう、>>262
270名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 00:02:35 ID:zZ8YddfW
うん。すごくいい>>262
271名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 20:56:10 ID:bXeyj2Dq
いいキバヤシに出会えて嬉しいよGJ!
272名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 07:28:47 ID:5dlm7p8w
>>262
GJです!!

二人の会話のテンポがよく、デイジーがかわいかった。
キバヤシの台詞もエロくてよかったですw
この作品をキバヤシ視点で読んでも面白そうだな。
273パーフェクト・ブルー 若×デイジー 0/13:2008/07/28(月) 05:40:33 ID:8f2BHXJO
朝っぱらから失礼します。
同じキャラが続いて申し訳ないのですが、若×デイジー投下します。
甘さとは程遠い、×と言うより若→←デイジーといった方が正しいかもしれない内容です。
苦手な方はIDか「パーフェクト・ブルー」でNG登録お願いします。
また、携帯からの投下のため変なところに改行が入ってしまった場合、笑って許してくだされば幸いです。

在学中、若視点、デイジー高3の夏の話です。
274パーフェクト・ブルー 若×デイジー 1/13:2008/07/28(月) 05:46:00 ID:8f2BHXJO
「う…く…っ」
「君は本当にここが弱い」
 首筋に顔を埋めた僕が小さく笑いをこぼすと、彼女は如実に反応した。
しどけなく開かされた脚を閉じようともがくも、間に僕の右膝が置かれていて全部は叶わない。
もうそろそろ夕方のニュースが始まろうというのに、夏休みの太陽は子供の味方だとでも
言いたげに、まだ明るく空にとどまっている。おかげで、電気をつけなくても彼女の様子
がありありと見て取れた。
 僕は鎖骨から耳裏までじらすようにゆっくりと舐めあげた。彼女が肩を竦めて逃げよう
としても、ちょっと耳に息を吹き込んでやるだけで、簡単に大人しくなる。
 彼女には、抵抗する気なんか初めから無いのだ。
「こっち向いて」
 緩慢な動きでこちらを向いた彼女の半端に開いた唇に、柔らかくキスを落とす。
近すぎて焦点がぼやける視界で彼女が目を閉じたのを確認すると、僕はより深く彼女を探った。
 敷きっぱなしの薄い布団の上、お互い全裸で睦みあう僕たちは、端からみれば恋人同士
のように見えるのだろう。
けれどそんな関係じゃない。僕と彼女は、あくまでも教師と生徒の間柄だ。
たとえ学校の外で逢い引きをしようとも、肉体関係を持とうとも――僕たちは恋人ではない。
275パーフェクト・ブルー 若×デイジー 2/13:2008/07/28(月) 05:51:41 ID:8f2BHXJO
「先生、セックスしませんか」
 大抵のことには動じない僕も、普段は清純そうに見えていた彼女の口から飛び出た
言葉には、さすがに驚いた。
「どうしたんですか、藪から棒に。先生の家にはテレビが無いので、
 残念ですがドラマのセリフを言われても分かりません」
「レトロなトレンディドラマを想像してるなら、それは違いますよ」
「や、レトロとトレンディは矛盾しませんかね」
「論点はそこじゃないです、先生」
 彼女の言わんとするところをはぐらかそうと思えば、それは別に難しいことではなかった。
後から思えば、そうするのが最良だったはずだ。けれどそうしなかったのは、ひとえに
彼女に対する好奇心と興味に深く考えずに従ってしまったからだった。
僕に負けず劣らず突拍子ないことを言い出したその理由が、どうしても気になった。
そしてその内容と、彼女が僕を選んだという事実への奇妙な優越感がそれに拍車をかけた。
 カビくさい冷房と薬品のにおいばかりが気になる化学室に、この雰囲気はひどく不釣り合いだ。
僕が困ったように首を傾げても、彼女は決して視線を落とさない。
「やれやれ、僕の立場なら、もっと自分を大切にしなさいとか、
 女の子がそんなこと言っちゃいけないとか、本当は言わなくちゃいけないんでしょうね?」
「言わないんですか?」
276パーフェクト・ブルー 若×デイジー 3/13:2008/07/28(月) 05:54:49 ID:8f2BHXJO
「言いません。だってそれじゃ、君は納得しないでしょう」
 話を聞く姿勢をしめすと、張りつめていた彼女の表情がかすかに和らいだ。
「ただ、どうしてそんなことを言い出したのかは気になります」
「どうして」
「そう。どうして?」
 緊張を解いてしまったのが災いしてか、彼女はしばらく何も言えずに、眼をあちこちに
走らせて必死に言葉を探していた。あれだけ切れ味よくとんでもないことを言っての
けた割に、その様子は随分と余裕がなくて子供じみてみえる。
 いや、むしろ今の方が僕が見てきた本来の彼女なのだろう。センシティブで、
アンバランスな、ある種無神経なまでに天真爛漫な、思春期真っ只中の女の子。
「……してみたいと思ったからです」
「なるほど、でもそれは別に先生が相手じゃなくても良かったんじゃありませんか?」
 彼女の眉が寄せられる。意地悪な質問だと自分でも思う。はっきりと言葉にされた訳では
ないけれど、彼女が僕のことをどう思っているのか、知らないはずがなかった。
 彼女は、僕に恋しているのだ。
277パーフェクト・ブルー 若×デイジー 4/13:2008/07/28(月) 05:58:52 ID:8f2BHXJO
「先にちゃんと言っておくけれど、君の誘いは受けられません」
「どうして!」
「どうしてもこうしても、そういうのは恋人同士がすることです」
 この一言に、彼女は大きく眼を見開いた。何を感じてそんな表情をしているのか、
僕には分からない――という顔をつくる。
「僕たちは、ただの教師と生徒だ」
「……せんせいは」
 掠れた声を直そうと、彼女はひとつ咳払いをした。エアコンの難点は空気が乾燥しがち
なところだ。合宿前に倒れたら困るな、と僕は場違いに考えた。
「先生はもっと、生徒思いの方だと思ってました」
「やや、君の場合化学は10だったから、褒めてもらっても成績はこれ以上は上げてあげられません」
「褒めてませんし、上げてもらおうとも思ってません。
 というか、そんなことで成績つけたら先生クビになっちゃいますよ」
「うん、その通り。それは、今はちょっと困ります」
 大人はずるいと言われても仕方ないなと思う。こう言えば、聡明な彼女なら引き下がら
ざるをえないことを分かっていて言うのだ。もしバレてしまったら。そんな風に、言外に拒絶をにじませて。
 本当は僕の胸の内を彼女も察しているからこその行動だったんだろう。僕がいつまでも
煮え切らないから、彼女の方が勇気を出した。傷つけたくない、なんていうのが詭弁だと
いうことを、お互い薄々分かっていた。
278パーフェクト・ブルー 若×デイジー 5/13:2008/07/28(月) 06:02:13 ID:8f2BHXJO
 彼女は見開いた眼をそのままに、器用に眉間に皺を刻んでみせた。
怒りたいのと泣きたいのと、おそらくはわずかな安堵もあるのだろうけれど、
最終的にどの感情に己を委ねるべきか決めかねている表情だ。
 悩んで迷って、立ち止まって喚いて泣いて、若者はそれでいい。彼女の年頃で、
こんなときに達観した表情をされては、逆に心配になる。
 僕ら大人は、先人の通った道をさらに踏み固めて歩むしか出来ない。結局、彼女より一回りも
長く生きていたって、出来ることはそう違わないのだ。どんな幻想を抱かれていたとして、
けれどそれは厳然たる事実だった。
 ただひとつ、僕らが彼女たちにしてやれることがあるとすれば、それは選択を迫ることだけだ。
時にはグレーとしか答えられそうにない場面で無理矢やり白黒どちらか選ばせるのも、
年長者の理不尽な特権で、かつ宿命なのだろう。
 噛み締めた唇が、握りしめた小さな拳が、言葉より確実に僕を追い詰める。
(本当は……)
 今すぐ抱きしめたい、心の奥まで繋がるような深いキスをしたい、好きだと伝えたい、
愛していると囁きたい、そう思うのに、僕はそのどれをも実行に移せない。
「だから僕には、資格がない」
 優先されるべきは、刹那的な感情より前途洋々とした未来の方だなのだ。僕なんかのように
諦めることを知った大人の行く末ではなくて、彼女のように真摯な熱を持った瞳の見る世界。
279パーフェクト・ブルー 若×デイジー 6/13:2008/07/28(月) 06:05:43 ID:8f2BHXJO
(感情なんてものは、揺らいで不確かで曖昧で)
 自分でつけた理由に、僕は思わずふっと笑ってしまった。
(ごまかしにすらなってない)
 そんな中途半端な想いなら、どうしてこんなに胸が痛いと感じるというのだろう。
たかだか生徒の無理難題を退けるという、それだけのことなのに。
(大の大人が、情けない)
 そのとき、僕は彼女の様子が変わっていたことにようやく気がついた。合わない視線に
息を飲む。震える肩に言葉を失う。
「……先生、もうがまんできないんです、わたし」
「――っ」
 気付けば腕が勝手に動いてた。衝動的に彼女を抱きしめる。強引に胸に引き寄せた
その身体は、ほんの一瞬遅れて緊張し、僕の腕の中でことさら小さくなる。
「怖い? 誘ったのは君なのに?」
 彼女は僕の行動に心底驚いたようで、何か言おうとしては失敗するということを
2度繰り返してやめた。驚くのも無理はない。何せ僕自身が自分の行動に一番驚いたから。
こんなことをするような部分が自分にあったことに、なぜだか不思議と安心した。
安心の理由は、けれど本当は、彼女を抱きしめているということの方にあるのかもしれない。
彼女が僕にもたらした温もりは、それだけで離しがたい愛しさそのもので、自分が何を求めていたのか、
はっきり鮮明に思い知らされる気分だった。
280パーフェクト・ブルー 若×デイジー 7/13:2008/07/28(月) 06:08:37 ID:8f2BHXJO
「だって、先生」
 やっと言葉になった声は、それでもか細く小さくて頼りない。現状を把握して、望んでいたはず
なのに起こり得ないと思っていた展開に、彼女は戸惑っているらしい。本能的に逃れようとして
身じろぎするのを、腕の力だけで封じ込める。
 造作もない。僕は大人で、彼女は子供だ。
 そして僕は男で――彼女は女だ。
「恋人同士じゃなきゃ、しちゃいけないって、さっき」
「君が持ちかけてきたのは、交渉です。だから、契約をしましせんか」
「契約……?」
「君の望む通り、僕は君を抱きましょう。けどそのかわり、君は我慢してください」
「何をですか?」
「それはお任せします」
「そんなのわたしばっかり有利じゃないですか」
「さあどうでしょう。でも、僕にはそれで十分です」
 そして僕たちは、ある意味初めてのキスをした。かたく結ばれた彼女の唇がほどけたとき、
なぜだか無性に泣きたくなったのを、僕は一年経った今も忘れられずにいる。
281パーフェクト・ブルー 若×デイジー 8/13:2008/07/28(月) 06:12:25 ID:8f2BHXJO
 唇が離れたあと、いつも彼女はひどく痛そうな顔になる。
 そんな表情をさせたくなくて、僕はいつも出来る限り優しく彼女に触れる。けれど、
僕が優しく大切に接すれば接するほど、彼女のそれはより切実になっていくような気がした。
「んぁっ!」
「いいですね、その声」
 首筋から鎖骨にかけてを唇で撫でながら、彼女の胸の先を摘む。ただそれだけで彼女は
悩ましげに吐息を漏らす。
 そのまま、すべすべした肌の柔らかな感触を楽しむ。乳房を揉まれることより先を
いじられる方が好きだと知っていて、あえて指をそこからずらした。一度だけ与えた刺激が
彼女の情欲を呼び覚ましているはずだ。胸の裾野にねっとりと舌を這わせる。
「ふ…ぁ、せんせ、せん…せい」
 僕は聞こえないふりで、今度は脇腹に左手を滑らせた。軽く上下に動かすと、びくりと
彼女の身体がしなる。
「どうして欲しい?」
 顔を合わせ、彼女の瞳を覗き込む。赤くなった目尻や半開きの口の淫猥さに僕は生唾を飲み込んだ。
けれど、余裕の無い彼女はまったくそれに気付かない。こちらとしては好都合だ。
一枚上手な大人の演出。実際は、僕の方が彼女の一挙手一投足にどぎまぎしているのに。
「……あ、の」
 彼女は逡巡して、こくりと喉を鳴らした。その小さな仕草がいかにも扇情的で、
僕の背筋を欲が駆け抜けていく。
 言わせたい。
 彼女の口から、僕を求める言葉を。
282パーフェクト・ブルー 若×デイジー 9/13:2008/07/28(月) 06:16:08 ID:8f2BHXJO
「うん?」
「…………」
 ぱくぱくと半端に口を動かして、彼女は眉根を寄せてぎゅっと眼を閉じた。そのままふいっと
右頬を枕に押し付け、僕の視界から逃れようと試みる。
 いじらしいささやかな抵抗が僕の嗜虐心に火をつけることを、きっと彼女は無意識のうちに
知っているに違いない。そのくらいピンポイントに、彼女の表情は僕を煽り立てた。
 右手を下肢に延ばす。くちゅりという水音に彼女の高い泣き声がかぶさった。
「まだちゃんと胸もいじってないのにね?」
 ふ、と鼻から抜ける甘い声。僕はぬめる割れ目に指を押しつけたままじっと待つ。
勝手に動かさないように、左手で彼女の腰を押さえる。
「いって」
 うっすらと眼を開けた彼女は苦しそうに唇を噛んだ。
 どんな意味に受け取ったのか、しばらく僕の部屋の薄汚れた壁紙を見つめていた黒目がちの瞳が、
観念したように、泣きそうに揺れた。
「さわって、せんせい」
「うーん、もう一声」
 間延びした僕の台詞は、非現実的なこの行為の中に現実を引き寄せる。
この行為の最中に僕らの口数が極端に少なくなるのはいつものことだ。
お喋りをすればするほど、僕らの間にある形のない壁が邪魔をすることを、
逢瀬
283パーフェクト・ブルー 若×デイジー 10/13:2008/07/28(月) 06:19:55 ID:8f2BHXJO
「あっ、ゃあ……っ!」
 ちゅく、とわざと音が立つように緩く彼女の入口を一度かき回す。彼女が覚悟していた
はずのように、それ以上の進展はさせない。
 ほころびを作ってやれば、どんなものでもあっという間に形をなくす。
たとえば安物のセーターの袖口ように。たとえば、僕の教師としての倫理観のように。
 汗で湿った両の手が、突然僕の頬に触れた。どうするのか様子をうかがっていると、
彼女は軽く上半身を浮かせて、僕の薄い唇にちゅっとキスをする。かすかに驚いた僕に
すがりつくように、そのまま首に抱きつかれる。
「……先生、もうがまんできないんです、わたし」
 はっとして彼女の顔を見つめても、何か言いたげに見つめ返しこそすれ、荒い息で
辛そうにするだけでそれ以上は声にならない。
(それはルール違反です)
 声にならないのはこちらも同じことだった。
 彼女がしたように両手を彼女の頬に当て、彼女の唇を僕のそれで包み込むように
キスをする。彼女の快感を引き出すように、ちろりと唇を舐め、舌を絡めてやる。
素直に従ってくるのに気を良くして、僕は執拗に彼女を愛撫した。
 そろりと再び胸と下肢に手を置くと、面白いほど従順な反応を返してくる。割れ目を
なぞる指は、教科書の模範解答より分かりやすく彼女の快感を僕に伝えた。
導かれるままに彼女の中に指を入れ、浅く深く抜き差しする。熱くぬかるんだそこは僕の指を
きゅうきゅうと待ち焦がれていたように歓迎した。
284パーフェクト・ブルー 若×デイジー 11/13:2008/07/28(月) 06:24:39 ID:8f2BHXJO
「ふぁ! ああっ、んん……! く、やっ」
 本当は、もっと直接的な言葉を言ってもらうつもりだった。なのに、いつかの化学室と同じように、
こともなげに彼女は殺し文句を言う。まったく同じ言い回しだったのが、確信を持ってか、
それともそうではないのか、こと彼女の思考回路に関しては、僕の頭でも――いや、
僕の頭では、まったく答えが出せなかった。
 今まで避けてきた敏感な芽に触れる。びくんと華奢な背がはねる。こねるように弄ってやると、
すぐに彼女はいっそう身を硬くし、やがてくたりと脱力した。
 はあ、はあと等間隔に漏れる息は虚脱感に重く湿っている。僕は彼女に背を向けて、
呼吸の感覚がやや落ち着いた頃に再び覆いかぶさった。
「ごめんなさい、でも僕ももう、限界です」
 口だけの抵抗すらさせずに、僕は彼女に押し入る。なじませるように二度彼女を強く突いて、
ゆっくりと腰を動かし始める。
「うぁっ! あ、先生……」
 僕の首にしがみつく彼女の小さな手。片方だけ外して、きゅっと指を合わせた。
彼女のいいところを突いてやるたびに握り返す手に力が篭る。
「ん、ん、うぅ、ふ、う」
 早まる律動に彼女が鳴く。僕を締め上げる力が強くなる。
「くっ!」
 あえて限界を超えてやろうなどという気概は僕にはなくて、己の欲求に素直に従った。
285パーフェクト・ブルー 若×デイジー 12/13:2008/07/28(月) 06:28:18 ID:8f2BHXJO
 事務的な手つきで避妊具を処理すると、僕は彼女の隣に無遠慮に倒れこんだ。
現実に戻ってきたらしい彼女が、安らかな動きで僕の髪を梳く。それが心地よくて
僕はされるがままになる。
 いつもと同じ天井の染み。立て付けの悪い押入れのふすま。壁に立てかけられたコタツ兼テーブル。
 そんなセピア色になりかかった世界に、ビタミンカラーの彼女の抜け殻が、あちら
こちらに落ちている。
 僕が投げた。意図的に、色んなところに落ちるように。
 彼女に何度怒られても、懲りずについやってしまうクセのようなものだ。
 そんなことをしたって僕のいる世界に花なんか咲くわけもないのに、そうせずにはいられない。
 カーテンレールにハンガーで吊るされた大量生産型のスーツ。その下に投げ出された黒い鞄。
僕は目を逸らし、彼女を引き寄せた。
「きゃ!」
 前触れの無い動きに小さく驚いた声を出したけれど、彼女は大人しく僕の腕の中に納まった。
 何枚服を脱いでも、僕は教師で、彼女は生徒だ。肩書きは他人に着せられるもので、
自分の意思ではそう簡単に脱げはしない。ただ彼女のために肩書きを脱ぎ捨てるには、
他の受け持ちの生徒が、生徒としての彼女と同じように可愛すぎた。
 昔はまるで意味の無いものと思っていたのに、皮肉なものだ。
286パーフェクト・ブルー 若×デイジー 13/13:2008/07/28(月) 06:32:11 ID:8f2BHXJO
「先生……」
「はい」
「『いって』って、あれ」
「はい」
「あとどれくらい、我慢すればいいですか」
「…………」
 とっさに答えられなかった。答えられなかったその理由さえ、簡単には答えられそうに
なかった。僕は彼女の額にキスを落として、静かに彼女の頭を撫でる。
 彼女が落胆したのが分かった。けれど、彼女はもう『がまんできない』と言ったりしなかった。

 彼女と出会って三回目の夏。
 空調の無い部屋は抱き合うには不向きだろう。
 それでも僕らは、きっとこの部屋で今日と、あの日と同じことをする。
 暑さを、痛みを、胸に秘めた思いを、彼女は『我慢』する。
 彼女は自分の方が有利だといったけれど、有利なのは絶対的に僕の方だった。
 こんなことに使われるIQ200の頭が、ゆるゆると眠気を主張し始めた。
 同じようにまどろみ始めた彼女の向こう側に、何かのおまけでもらったカレンダーが眼に入る。
薄青く影が落ち、今日の日付につけられた赤い丸が黒く見えた。
 彼女が卒業するまでに、出すべき答えを、とっくに僕はもうこの手に握っている。
(あと5180時間)
 残された執行猶予は、数字で見るよりずっと少ないのだろう。
287パーフェクト・ブルー:2008/07/28(月) 06:36:48 ID:8f2BHXJO
以上です。

拙い作品ではありますが楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
ちなみにタイトルは某K監督のアニメ映画とは全く関係ありません。
アニメは面白いのでオススメです。


では名無しに戻ります。
288名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 16:04:32 ID:+pSrjUKX
ものすごいネ申降臨
GJ過ぎる作品ありがとうございました!!
若視点で少しせつなくて良かったです。
289パーフェクト・ブルー訂正 9/13:2008/07/28(月) 17:21:45 ID:8f2BHXJO
投下に失敗していたことに今気づきました…!
大変失礼しました。
9レス目最終行「逢瀬」に続く文章を追加します。

------------------------------------
逢瀬を重ねるうちに察したからだ。だから時折こうして普段の口調に戻ったとき、
スイッチが切り替わって恥ずかしがる彼女が本当に可愛くて、僕は知らず微笑んでいた。

------------------------------------

今度こそ以上です。
>>288さんGJありがとうございました!
290名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 08:39:12 ID:S0h3TEJB
>>289
GJ!!
切ないの苦手だったのに普通に文章読んじゃったよ!
卒業後のふたりが気になるな〜
291名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 11:04:38 ID:5SeoI0VU
GJ!
本当、設定苦手だったのにうまい文章にぐいぐい引き込まれた!
すごいなあ
292名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 12:58:03 ID:WepmER3u
保守
293名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 17:02:27 ID:FYnTOzeQ
すっごいよかったーーーー!!
ありがとう!
294名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 23:14:48 ID:vw+EWmso
若視点、肩透かし感のある会話の仕方とか
すげーリアルで、正に若って感じでめちゃめちゃウマい。
読み応えも抜群でした。

重ねて言おう、ネ申GJ!! 
295名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 12:49:05 ID:bAHx6xf4
保守
296名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 01:29:57 ID:Kx2ASQcr
保守
297名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 18:03:24 ID:oDZ4ey94
保守
298名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 17:12:12 ID:rmqDTsAs
保守

そろそろ小説が完成する
299名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 17:23:52 ID:a+eAyoRB
楽しみにしてます
300名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 22:46:35 ID:rmqDTsAs
298です。
ピュアくんの話がないなーと思ったので
一週間ぐらいで書き上げました。
途中、性格が崩れたりするかもしれませんが、一応ノーマルラブです。
それから初書きなのでちょっと文章もアレかもしれませんが、
温かい目で見てくださると嬉しいです。
301鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 1/19:2008/08/11(月) 22:54:22 ID:rmqDTsAs
静かとか 性欲がないとか そう思われてるかもしれねけど
そりゃあ僕ばて一人でだんずやくこともある。

きっかけは彼女の言葉だった。
「古森くん、寂しいときどうしてるの?」
深い意味もないような言葉だったが、
僕も聞き返すとこう答えた。
「私は普通に我慢しないでー一人で"する"けど」
僕の中に妄想は巡ったが、わんつかで取り消した。

今日は日曜日。卒業して初めての春。
図書館に二人で行った帰り道に、
ひょんな事を彼女は口にしていた。

「もしよかったら…私が・・・抜いてあげよっか?」

その時僕の一部分が腫れたみたいに
どくどくいって、堪らなく家に逃げ帰ってきた。
302鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 2/19:2008/08/11(月) 22:54:53 ID:rmqDTsAs
僕の思い違いじゃない事に改めて気付く。
あれは…その・・・そういうことを語っていたんだ…。

彼女の口から漏れ出た言葉はまるで淫語のようだった。
そしてその言葉が繰り返し頭の中をまわるだけで
膨張したモノを触りたくなる。

気付いたら、彼女の体が浮かび、
妄想の中の彼女が僕を縛る。
「はぁ…あぁっ・・・」
僕は浸って握った手を上下に擦り
ぎゅっきゅ、と不規則なリズムをたてた。
「んぁっ…うっ…くっ・・・」
息があがって、苦しいくらいの快感が走る。
「あ、あぅは!うう・・・っ」
だめだ、だめだ、と理性を働かせた刹那、
「ぁああっ・・・ううっ、ぁっ・・・!はぁあああっ!!」
どっと溢れるように先から白濁液が飛び散った。
303鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 3/19:2008/08/11(月) 22:55:58 ID:rmqDTsAs
がくがくと腰をへたらせながら
自慰の快感に溺れ
穢した気分になった罪悪感。
本当にその瞬間だった。

その「床にとんだ液」の処理も済んでいないのに
チャイムが 鳴った。

コンコン、と扉を叩く音がする。
「古森くん、いる?さっきはごめんね・・・」
はっ、と息をとめた。

彼女だ。

とにかく出なきゃ―
と、床に目を留めると
さっきまでの熱い液が散らばっている。
それに、まだ僕の部分の主張は収まらない。
304鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 4/19:2008/08/11(月) 22:56:21 ID:rmqDTsAs
今出て行くのは気が引ける、

でも処理してからだと
彼女は帰ってしまうかもしれないと思った。

「でも電気点いてるし…古森くん?入るよ・・・」

鍵は?と考える前に扉が開く音がした。

「え?」
本能のままティッシュで精液を隠し、
本能のままズボンを上げた。

そしてそれを秒速でした後
本能のまま彼女を求めていた。
「ごめんね勝手に入っちゃっ」
きつくきつく抱きしめる。
「我慢でぎね」
体が支配された。自分の理性と反対に。
305鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 5/19:2008/08/11(月) 22:56:43 ID:rmqDTsAs
彼女の胸が体に当たって
益々我慢できなくなった自分の性欲と欲望が
彼女をベッドに連れ込んで押し倒した。

これが本当の「自分の本能」なのだろうか…

「んっふぅっはぁ」
くちゅ、と音を立ててキスをする。
伝説の灯台で恥ずかしくしたキスとは違う。
もっと深く、彼女の舌を味わうように。
「はぅ…っん・・・」
彼女の息があがっているだけで、興奮する。
「もっと、聞ぎたい…」
彼女は抵抗しない。
流石にどうすればいいのか迷った。
306鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 6/19:2008/08/11(月) 22:57:07 ID:rmqDTsAs
と、その時
自分の唇が、強引に引き寄せられ―
「んぅ」
「だって…私と・・・したくないんでしょ?」
さっきまでの激しいキスがとまる。
「だ・・・オラは…あ、さっきは無理矢理に…ごめん」
「私だって・・・我慢できないし…っ」
僕に押し倒されていて、身動きも取れないはずなのに
彼女の手が動き、僕のシャツのボタンを外す。

「ねえ、しようよ...」
光った唇を見て、
僕は彼女にもう一度キスをした。

それでも、やっぱりこれからどうすればいいのか
分からなかった。
とりあえず彼女の上からずれて僕のボタンをはずしはじめる。
すると彼女が寝たままこう言った。
307鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 7/19:2008/08/11(月) 22:57:30 ID:rmqDTsAs
「下、いい?」
返事をする間もなく彼女を見つめていると
器用な手つきで僕のズボンを脱がし始めた。
「ズボンの上でも分かるよ―…」
すっかり自由に放たれた自分のモノが
下着越しに大きくなっているのが分かった。
そしてそれは彼女によって弄ばれる。
彼女の顔が赤く染まり息をたてている。

巧みに動く手が僕を快感に溺れさせる。
痛いくらいに気持ちいい。

十分に楽しんだように思える彼女の手が
するりと古森の下着を下ろす。
308鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 8/19:2008/08/11(月) 22:57:54 ID:rmqDTsAs
「な…して・・・う…っ」
言葉が震える。
初めての感覚にドキドキしてる僕がいる。
フェラチオ、というのだろうか。
「汚いから無理しねぇでいいよ…ふっぁ」
「喘いじゃって可愛い古森くん…んっ、んっ」
モノを挟んだ口が上下に動いて、
もどかしいように先端は触れずに
弱く幹の方をなぞり上げていく。

下が這い、横銜えでずるずると擦っている。
「はぁっ!」
さっきまでの手と口でとうとう絶頂を迎えてしまう。
彼女の口の中を汚すだろうけど…
「ごめん…イく・・・ああっ」
309鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 9/19:2008/08/11(月) 22:58:20 ID:rmqDTsAs
彼女の頭を無理矢理ぐっと抑えて爆ぜた。
「んんんんっ」
口の中に爆ぜた液体の処理に追いつけない彼女。
「ほんとごめん、ティッシュ持ってくるか…ら?」

彼女は上を向き、一気に口内の液を飲み干した。

「え?」
「ちょっとしょっぱいけど意外と美味しいよ…」
てらてらと唇が光る。その姿はやっぱり厭(いや)らしい。
お世辞を言ってくれたんだろうけど、何か嬉しかった。
「わいーめわぐだのー(ありがとう)、飲んでくれて」

先に果ててしまった僕が恥ずかしくて
今度は彼女に触れたいと思った。
310鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 10/19:2008/08/11(月) 22:58:46 ID:rmqDTsAs
けど―

どこを触るとどういう反応をするのか全く分からない。
どうしよう。
その前に彼女は服着てるけどそのままでいいのだろうか。

どこかの小説で読んだようにすれば
彼女と繋がる事ができるのだろうか。

その前に避妊具はどうしよう。

説明書はどこにもない。とりあえず
彼女の首筋をさすり甘噛み。
彼女の汗がくすぐる、僕の欲望を
反発させるように、
彼女の胸に触れながらもう一度押し倒した。
311鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 11/19:2008/08/11(月) 22:59:05 ID:rmqDTsAs
一度狂ってしまえば、もう大丈夫かもしれない…
彼女の着ている服を下着ごと捲り上げて、
手で触れて、口をつけて。
彼女の全てを壊したい。

いつの間にか自分が求めるままに
彼女に触れている。

彼女の太ももをさすり、足の間に手をつけると
パンツ越しの割れ目は潤んでいた。
「濡れてる…」
「や・・・だぁ・・・」
さっきまでとは明らかに立場が逆転している。
その声に欲情した僕は
彼女の汁を巻きつけながら強く擦る。

「やぁあっ、はぁはぁあっ、ああんっ・・あっ…あっ、」
312鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 12/19:2008/08/11(月) 22:59:20 ID:rmqDTsAs
ここも、感じるんだ…
「そんなっに強く擦らないで・・・・っぁあああっ」
愛撫を続ければ続けるほどに彼女の声が高くなり
艶かしい声が誘う、僕を。
「もっとぉっ…だめになっちゃう・・・!」

いつから僕は彼女を焦らして、こんな声をあげさせていたんだ?
「もう我慢できないよっ・・・いれて・・・・」

「まいね(まだ)・・・だめ」
(もっと彼女の声が聞きたいから・・・)
「はぁっ・・・じゃないともう・・・イくから・・・」
確かに彼女の顔は歪んで快楽を待っているようだった。
「・・・いいの?」

手を止めて挿入しようと思った。
・・・でも。
どこに入れるんだろう?
313鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 13/19:2008/08/11(月) 22:59:36 ID:rmqDTsAs
あれ?三つ穴がある・・・
え?どこに入れればいんだ?
「ここだよ・・っ」
息があがった声で彼女が言う。
「痛いの気にしないから…一気に挿れていいよ・・・!」
と、場所を確認して挿入しようと思った時、
「あ、ゴム、スカートのポケットに入ってる!」
彼女が叫んだ。

その気になってすっかり忘れていた。
第一、避妊具が彼女持ちだなんてかなり恥をかいた。
それでも無責任にするわけにはいかない。

ここまで辿りつけるとは思わなかった。
でもラストスパートか・・。
314鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 14/19:2008/08/11(月) 23:00:08 ID:rmqDTsAs
言ったとおり彼女のポケットを探り
"それ"を口であけた。
(これも・・・どう使うんだろう…)
確かにゴム状で、
指より少し長いぐらいのものが出てきた。

まあいい…
ぐいっと引き込み、それで自分のモノを包んだ。

「じゃあ…痛かったら言ってくれるとありがて・・・」

彼女の背中に手を回して
懸命に彼女の顔に口付けながら押し込んだ。
「―っ!」
彼女は痛みを堪えてくれていた。
彼女の汗が滲んで、キスをするたびに吸い付く。
「いたぁっ!!」
「かに、かにな(ごめん)・・」
奥を探るのを止めても彼女の苦い表情は固まったままだ。
315鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 15/19:2008/08/11(月) 23:00:23 ID:rmqDTsAs
ほんとうに、ごめん、
そう言いたかった。

だって僕は君と繋がれる事が嬉しくて、
彼女が締め付ける膣が気持ちよくて、
息が抜けて、これだけで果てそうだから。

ごめん、ごめんね。

「うぅっ・・どこまで入った・・・・っ?」
既に彼女の声は呻き声だったが
安定しながらもちゃんと彼女の膣内(なか)は
僕のモノを受け止めていた。

「はぁ・・・・・あぁっ!」

そしてどくどく波打つ、彼女の奥までたどり着いた。
「ほんだ、ずーずーするよね?(鋭く痛いよね)・・・かにな…。」
316鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 16/19:2008/08/11(月) 23:00:48 ID:rmqDTsAs
彼女は耐えたけれど
僕は急に鼻の奥がツーンとして
目から痛いくらいの涙が出ていた。

「痛かった けど、嬉しいよ…古森くん・・・」
「オラも・・・あでねかった(頼りなかった)けど、よかったべ…」
「泣かないでよ…大丈夫だから、うご、いて、」

ああ、僕は彼女が好きだ。

好きだ、好きだ、好きだ、
「はぁっ…ぁあん!あっ、あっ、あっ、あっ…ああああっ!はぁ・・!」
くちゅ、ぐちゅと安定したリズムを保っていた。
聞こえるのは自分の心臓の音と
二人の水音と
彼女の 声だけ。
317鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 17/19:2008/08/11(月) 23:01:08 ID:rmqDTsAs
「うぁあん、っ、っ、っふっ、んんんっ、はぁはっ・・・」

こんなときだけど、彼女を守りたいと思った。
君の全てを知りたい

君の声がききたい。

目を瞑って彼女を突いた。
ぼんやりとした頭の中には彼女の姿しかない。

彼女でいっぱいになりたい、
彼女が全てになってもいい。
「あひっ・・はげっ、しい、よぉっ、こ、もりくん…!」
「んんんっ、」
「あんあんあっ、ふぁああ、っ…、はぁっ、もう、」

―どうしよう。また泣いてしまいそう。

「だ、はぁあああっ、ひぁあ、あ!奥に、あるよお!――がぁ!」
平気に淫語を口にする彼女。
318鼓動と、汗と、君と ピュア×デイジー 18/19:2008/08/11(月) 23:01:29 ID:rmqDTsAs
想いが

「オラだけを見…っ!ぁあっ!」

溢れて、

「はっ、はっ、はぁああ!アアッ・・・、イク・・!イく・・・!イっちゃうからぁあ!」

しまいそうだ

「もう、だ、めっ・・・っ っ」
彼女の体が硬直した。
そしてそれと同時に僕の体から何か流れる音がした。
「ぁっ、ぁ…っ、ぁ、あぁ、あああああああああああぁあああ!!!」
彼女の声に反応するように勢いよく放つ。爆(は)ぜる。
「っ・・・君が・・・君が・・・好きなん、だ・・・・・っ、はぁっ、」
最後の一滴まで彼女の中で注いで一息吐き、
すっかり放ったモノを抜いた。
・・・

「なんか、体の中が痙攣してる感じ」
私はさっき経験したセックスの事を率直に言った。
「オラも、慣れてなかったけど、本当に、嬉しかった。
君の事をもっと知れて・・・・」
「だって古森くん最後の方リズム崩して突くんだもん、私も崩れ落ちそうだった。」
痛みが気持ちよさに変わって、結局イっちゃったんだよね。

「あ!」
古森くんはぱっと目を開けて声をあげた。
「もうずっと眠れないべ」
「ど、どうして?」

そして彼はシーツを指差して言った。

「君の処女卒業のしるしが、ここに残ってる…から・・」

そういった古森くんは、初めて会った時と同じように赤い顔をしていた。
320鼓動と、汗と、君と :2008/08/11(月) 23:04:36 ID:rmqDTsAs
ということで完結ですー。
やっぱり読み返すと文章が足りなかったりしますが、
最後まで書ききれて満足です。
どうもスレ流しすみませんでした。
321名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 23:38:26 ID:kpv55NSi
うおー これは良いものをGJ
ピュアの口調難しいのに、頑張ってるね
322名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 23:44:24 ID:Bzp+PsIL
ピュアの言葉遣い難しいのにGJ!!
デイジーがエロくてよかったー
323名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 03:44:46 ID:mj8sUBi5
GJ!!
ピュアエロ萌えた
初めてなのにうまい職人さんにも初めてなのに頑張ったデイジーにも茶を差し入れたい
324名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 18:57:18 ID:Y6iRdIrM
エロ絵うpきぼん
325名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 14:10:19 ID:DUBjL1zD
ピュアエロGJ!!
性欲薄そうなピュアにあえてエロ
ええもん読ませていただきました!!
326300:2008/08/14(木) 18:39:27 ID://sDHf4c
>321-325
d!読んでくれて嬉しいです。
文章に自信ないけど書いてよかった!

もう一つ作品書いたんだけど、
他の方の投稿見てから投稿しようと思います。
327名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 11:28:27 ID:NCQ/ZGCQ
ピュアは難しいよな
かくほうもよむほうもわからない津軽弁の壁があって
誰も手をだせなかったというのにGJですた!
328名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 22:10:22 ID:d3wqdp/+
倉庫に入ってないけど前スレぐらいにひとつピュア×デイジー投下されたよね
それも良かったけどこれも良かった
329名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 23:35:49 ID:sqFFwk/0
倉庫のBBSみたけど何も出来ないや…
330名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:14:55 ID:VDD2/Q11
保守
331名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 15:05:42 ID:ge3eR7Q5
エロってホントに難しいな・・・
SS何本か書いてるけどエチに持ち込むまでは書けるのに
エチシーンそのものを書き始めると筆が止まる・・・むぅ。
ボキャブラリーが足りないー・・・
332名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 18:58:51 ID:HqNy7a2A
まず三点リーダを覚えなくては
333名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 10:50:12 ID:31ZKAb5k
>>332
ごめんね、自分の携帯からだと…を打つのが非常に面倒なもので。
どうしても・・・とか・・・って打ってしまうんだよね。
334名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 12:36:49 ID:jdDqQYwZ
携帯にも三点リーダーはあるよ
335名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 21:15:55 ID:yz4Ns+Hg
>>334は誰に対して言ってるの?>>333は三点リーダ、…も打ってるじゃん。
打つのが面倒だから・・・とかで代用してるって意味じゃないの?
336名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 20:24:36 ID:BX1KMoei
保守
337名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 01:35:48 ID:BObrOkKr
ほしゅ
338名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 00:58:31 ID:wh2xNyMw
339名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 01:07:12 ID:5diwCWM0
っしゅ
340名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 19:18:10 ID:caaS7N5R
デイジーと同じ一流大学に通うことになった、キテルED2のあとです。
デイジーの名前は小波奈美子です。
天地が名前のみ出てきます。
かなり俺設定になっているような気がします。ごめんなさい。苦手な方はどうかスルーしてください。

すいません量多いです。
「そして、いつかその日が来たら、その鍵で一緒に店を開けよう」
 美奈子にそう告げてから一週間も経たないうちに、俺はここに戻ってきてしまった。
 荷物の整理のために。
 しょうがない。1月にここを出てからは荷物を取りにも戻らなかったんだから。
 あの時の俺は遠ざかることしか知らなかった。小学生のころ夕暮れの浜辺でただ一人じっと海を見つめていた頃とかわりない。珊瑚礁からも、彼女からも、俺は逃げた。
 でも向き合うと決めたから……俺はここに戻ってこれた。たぶん俺は成長したんだろう。
 ぎゅっと彼女の手を握って。
 俺たちは珊瑚礁の鍵を開けた。

 美奈子を部屋に残し、珊瑚礁ブレンドを淹れるために店に出る。椅子がみんなテーブルに上げられてがらんとした店内だが、道具はまだ使えた。水も出るし、ガスも電気も通っていた。爺さんが管理しているのだろう。
 こぽこぽと湯をそそぎながら埃っぽい店内に目をやる。
 俺の眼はまだ、お客がテーブルに着いてコーヒーを飲みながら談笑する、そんな珊瑚礁の光景を忘れていない。だからだろう、ガラガラの店内には異様な違和感があった。
 いつか、珊瑚礁を元に戻そう。ここにお客を入れる。二人で……彼女と二人で。そのために大学に行って勉強すると決めたんだ。
 だが、勉強をしただけでは店を再開できない。先立つものというのは必ずいる。
 今日、彼女と一緒にここに来たのはそれを相談するためでもあった。
 俺の思い上がりじゃなければ彼女にとっても悪い話ではないと思う。
 だけど、まあ……俺のお願いを聞いてもらうのだから、せめて心を込めてコーヒーを淹れてゴマをすろう。

「お待たせいたしました」
 ここで働いていたころみたいな口調で部屋のドアを開けると、そこには。
「ふぐっ」
「河豚(ふぐ)?」
 俺の妖しい反応に小首をかしげた彼女が。
 今まで避けていたのが嘘みたいに懐かしい俺の部屋で。
 羽ヶ崎学園の男子制服、つまり俺が着ていた制服を着て、立っていた……!
「いや、えええええ? なっ何やってんのおまえ!?」
「えへへ〜似合う?」
 灰色の袖をぴっ、と伸ばして俺に笑顔を見せる彼女。俺の制服だからもちろん彼女には大きすぎるのだが、そこがまた……なんというか。
「なんか懐かしくって」
 彼女がぶかぶかの黒いスラックスの折り目をつまむ。
「わたし、ずっとこれを着たサエキを見てたんだよ。……不思議な感じ。サエキに包まれてるみたい」
 ほんとに、こいつは。たまにこういうことをさらっと言うんだから。
 しかも自覚ないし!
 こういう時はチョップだ、チョップに限る。
 トレイを机に置き、美奈子にチョップをしようと彼女に向き直って……。
「……あ。髪、切った?」
 俺のチョップに耐えようとぎゅっと目をつぶる美奈子の、その寄せられた肩に髪が付いていなかった。この前、灯台で会った時には確か付いていたのに……ああ髪伸びたんだな、と思ったのを覚えている。
「え、うん」
 おそるおそる、彼女は目を開けた。チョップを出すはずだった手が下がっているのを見て、彼女は安心したようににっこり笑う。
「最近忙しくて美容院行けなかったから、昨日行ってきたの。せっかくだから、少し短めにしてもらっちゃった。ちょっと天地くんみたいでしょ、似合うかな」
「……ああ、似合うよ」
 忙しいってのは、俺を気遣って言ってくれた嘘だ。それくらい分かる。
 一ヶ月間、彼女の前から姿を消して……俺はなんとか彼女を忘れようとして……。彼女はその間、じっと俺を待っていてくれていたんだ。美容院に行く余裕すら持てないくらい、辛くても、寂しくても。
「ごめん」
 俺は美奈子の髪に手をやった。栗色の髪がさらさらと心地よく俺の手を撫でる。
「俺……。ごめんな」
「えっ、ううん。いいよ」
 身を引いて俺から離れようとする美奈子の背に、俺は知らず手を回していた。

 その行為にいちばん驚いたのは、たぶん自分自身だろう。
 今までは……彼女を傷つけるのが怖くてできなかった行為。
「あ、あの、サエキ……?」
 たくさん妄想して、たまらなく胸がいっぱいになった夜はオカズになっていただいたこともあった。汚したような罪悪感だけが残ったのだが。
 その柔らかい髪の毛も、綺麗な光をたたえる海みたいな瞳も、もう俺のもの……俺が手を出してもいいもの。
「……逃がさない」
 俺は囁く。
「逃がすかよ。もうどこにも行かせない」
「で、でも、あの」
 嫌われるのは怖い。嫌われるくらいなら離れてしまいたい。
 でも……、でも。
 こいつのおかげで、俺はここに戻ってこれた。
 こいつのおかげで、俺は夢を諦めずにすんだ。
 嫌われるかもしれない。
 でも、向き合うと決めた。
「美奈子。……好きだ」
 いつもなら照れ隠しでチョップの一つでも入れているところだ。
 だがこの超至近距離ではチョップより頭突きの方が早い。そしてその頭突きより早いこともある。
「ん……」
 美奈子の甘い吐息が鼻をくすぐる。
 唇と唇をくっつけただけの、キス。
 小さい頃、再会のおまじないとして彼女の唇に自分の唇を押しつけた、キス。
 灯台でしたときも、そんな子供みたいなキスだった。
 柔らかい肉と肉がくっつく、それだけでなんでこんなに、心臓が破裂しそうなほどドキドキするんだろう。
 今までの俺ではこれが限界だった。
 だが。
 これからは違う。……嫌われるかもしれない。でも……。
 ほとんど膝が笑いそうに緊張しながら、俺は自分の唇をそっと広げた。
 舌先で、彼女の唇に触れる。
 彼女の体がびくっと震える。
 それでも俺は、唇を離さなかった。
 舌先に力を入れて、彼女の唇の割れ目に差し入れていく。
 柔らかく、唇が開いて俺を迎え入れる。
 普段は絶対に味わうことなんてない、彼女の口内。
 彼女の唾液が甘くて、脳みそが痺れてくる。
 あふれた唾液が唇から垂れて顎に伝う。そんなだらしなさも、痺れた頭が心地よさにかえてしまう。
 もっと、もっと、もっと。
 彼女を味わいたい……。
 どうしよう。このまま行けば、本当にとめられなくなる。彼女が欲しくて、欲しくて、欲しくて……それだけになってしまう。
 俺は口を離した。すすりきれなかった唾液がつぅっと顎に伝う。
「……美奈子、俺」
 顎を手で拭きながら、俺は美奈子を見つめる。
「我慢できない、かも」
「うん……」
 美奈子が自分の顎を手で擦りながら頷く。
 ……頷いた?
「いいのか?」
「うん」
「ほんとに? 傷つける……んだぞ。……それでも、いいのか?」
「いいよ。私、サエキが好きだから。覚悟、する」
 覚悟。傷つく覚悟……。
 美奈子はそんなことを平気で言うが。
 俺は、たぶん美奈子が思う以上に美奈子のことが好きで、彼女を必要としていて……。
 だから、俺の方こそ、彼女を傷つける覚悟をしなくちゃならないのかもしれない。
 逃げないで、離れないで、彼女とずっと一緒にいるために。

 羽ヶ崎学園の男子制服を脱ぎ捨てベッドに膝を折って座った彼女は、ほんとうに……馬鹿みたいに綺麗だった。毛布で胸から下を隠していて白い肩が露出していて、午後の光に照らされるその白さに触っていいのか迷うほど。
「あ、あのさ」
 素っ裸になった俺はおずおずと彼女の前に正座した。
「痛かったら言えよ。やっぱその、痛くするの、嫌だから」
「もうサエキったら。覚悟するって言ったじゃない」
「うん……」
 彼女の笑顔がまぶしくて、俺は思わず俯いてしまった。こういう時の度胸は、やっぱり女の方が据わっているらしい。
「じゃぁあの」
 上目遣いで美奈子を見ながら、俺はぼそりと呟いた。できるだけ、気のないようなそぶりで。
「始めるな」
「……はい」
 そっと、彼女の肩を押し倒した。
 すべらかな肌を、俺の日焼けした手が下っていく。
 ほんとに……なんで女の子っていうのはこんなに柔らかくてすべすべなんだ。
 自分にはない質感に陶酔が募っていく。
 俺の胸に、なにか熱い空気が詰まっていくような気がする。
 ああ、やばい。俺が俺じゃなくなる。
 きっとすごく、格好悪い。
 でも……。格好悪くても。傷つけても。……俺が傷ついても。
 彼女なら、大丈夫。不思議なことだがそう信じられた。
「んっ」
 だから、彼女の乳首に俺の指先が触れた時に、彼女が吐息を漏らしても。
 俺は、止まらなかった。
 手のひら全体で柔らかさを堪能しながら、指と指でつまんでみる。
 こりっ、としていた。俺なんかで……感じてくれている。

 柔らかくて暖かくて、胸が詰まってくる。
 そっと、彼女の胸の先端に舌を伸ばした。
「ゃ……」
 甘い声が彼女から漏れる。
 手でふくらみをさすりながら、口では乳房を吸う。
 赤ん坊に戻ったような、変な安心感がある行為だった。
 ずっと、彼女とこうしていたい。彼女の優しさのなかにいたい。……彼女と一つになりたい。
 反対側の乳房も同じようにしてから、俺は顔を上げた。
 はぁはぁと息を荒げる彼女。
 ……やっぱり、まずは指からだよな。
「美奈子……、あのさ」
 そっと、彼女の白い腰に手をすべらせる。
「こっち……いいか?」
「……うん」
 手を、そのまま彼女の股間へとすべらせていく。
 反射的に閉じた股を、俺はできるだけ優しく開いてやる。
 こんな時にもかかわらず、俺は感動してしまった。
 ぼかしやらモザイクやらで隠されていた女性の部分が、目の前にあるのだから。それも、大好きな女のものが。俺を迎え入れようと、すごく、その、濡れて。
「は、恥ずかしいから、そんなに見ちゃダメ」
「どうして? 綺麗だぜ、美奈子」
 そっと、彼女のそこに指を置いた。
「ひゃっ」
 びくん、と跳ねる彼女の腰。
 俺の心臓が、うるさいくらいに鼓動をかき鳴らしている。
「こんなに、ほら」
 ぬるぬるした液を指にからめ、小さな突起にそうっと触れる。
「ぅっ」
「綺麗、だ」
 俺が彼女をこんなにしたんだ。俺を迎え入れさせるために。
 ……この粘液は、少しでも自分の体が傷つかないようにと彼女の体が出したもの、だ。
 俺が傷つけようとしているのに。彼女は俺を……認めている。それがすごく、嬉しかった。
 指を、下になぞっていく。……あった。
 指先に力を入れ、そこに侵入していく。
 熱い……。
「ふ、ぁ」
 彼女の手が俺の腕にかけられるが、俺の指は構わずにそこを進んだ。
 熱いし、きつい。ぬるぬるしてる、けど。こんなところに本当にあれなんて入るのか?
 やっぱりこれは、相当無理があることなんだな。
 でも……彼女と一つになりたい……。
 何度か指を出し入れしてから、俺は指を抜いた。
 彼女の液が付いた指を舐めてみる。彼女の匂い。……酸っぱい、気がする。
 俺はベッドから降りると、机の引き出しからゴムを取りだした。
 ベッドに腰掛け、痛いくらいに張りつめているそれにくるくるとゴムを下ろしていく。
「なに……してるの?」
 後ろから、息の上がった声。
「……ゴム付けてる。一応、ほら。できたらまずいし」
 装着完了。
 俺はベッドの上をのそのそと移動して、彼女の伸ばした足の横に膝立ちになる。
 彼女は……潤んだ瞳と上気した頬で俺を見ていた。
 そして同時に、そこに不安があるのも俺は見てしまった。
「やめるか?」
「ううん」
 彼女は潤んだ瞳のまま首を振ってみせた。
「しよ、サエキ」
「……ああ」
 今の彼女、すごく色っぽかった。でもそれ以上に、嬉しかった。
 俺なんかを求めてくれている。俺を……、彼女を傷つけようとしている、本当の俺を。
 彼女の足の間に入り込み、片手でものの位置をキープしながら腰を迫り出していく。
 俺の先端が、彼女のぴったり閉じた合わせめに触れる。
 ぬるぬるした液に助けられ、そのまま、奥へ。
「っ……ぐっ」
 彼女の口から痛みが漏れる。
 俺は腰を止めた。
「美奈子?」
「ご、ごめん。続けてっ」
「……ああ」
 俺はさらに、深く深く、彼女のなかへと入っていく。
 通り道のない熱い肉のなかに、杭を刺し込んでいくような、感覚。
「ったぁっ……く……」
 彼女は本気で痛がって、うめいている。
 やっぱり彼女が痛いのは嫌だ。俺は彼女を傷つけたくなんかない。
「ごめん、やっぱり」
「こ、このまま続けてっ」
「でも……」
「いいからっ、少しずつ、ゆっくりなら、なんとか耐えられるからっ」
 傷つけてるのに。
 美奈子は、俺を受け入れてくれる。
 情けない、本当に。
 俺は彼女を傷つけているのに。
 なのに。
 すごく、気持ちいいなんて。
「ごめん、美奈子……」
「い、いいからっ」
 ゆっくりゆっくり、彼女のきつい肉のなかに自分自身を入れていく。
 どうして……。
 傷つけなければ、一つになれないんだろう。一番傷つけたくない相手なのに。嫌われたくないのに……。どうして俺だけこんなに気持ちいいんだろう。理不尽だ。ごめん、本当にごめん。
 ゆっくりゆっくり。
 俺の背中にまわされた彼女の手が、くっと俺の背を掴んだ。爪が、俺の背に食い込む。
 ……こんな痛さ。彼女が感じている痛みに比べたら。
「う……ぁ、ぅぅ」
 彼女の痛みに耐える声を聞きながら、俺は。
「……入ったよ、全部」
 ようやく、全部を入れきった。
「そ、そう。よかった」
「ごめんな。愛してる。動いていいか?」
「ゆっくり……お願いっ……」
「ああ」
 痛みに耐える彼女の頬に、俺は自分の頬を付けた。
 ゆっくり、ゆっくり。
 くちゅ……くちゅ……。
 繋がった場所から粘液がはじける音がする。
 ゆっくり。
 熱い刺激。熱いのに、心が安まる。
 もっと欲しい、もっと動きたい。だけど美奈子のことを考えると、これ以上は……。
 ああでも、美奈子のなかは本当に気持ちいい。搾られてるみたいだ。
「ぅ、った、ぅく」
 痛みをこらえようとする彼女の声に、情けないことに俺の欲情が鎌首をもたげてふらふらしている。
 痛がっているのに……これ以上、俺が気持ちよくなったらいけないのに……!
「美奈子……!」
 我慢できず、俺は彼女の頭を胸にかき抱いた。
「美奈子、俺っ、おまえのこと好きだ、好きだからっ。だから……」
「うんっ」
「ごめん好きだ!」
 ずん、と。大きく腰を突き出した。
「いっ……」
 段違いの快感が俺のものを締め上げる。
「美奈子……!」
「い、いた、痛いって、サエキ、ちょっ、ああああああっ!」
 だめだって分かっているのに。彼女は痛がっているのに。でも気持ちよくて気持ちよくて、もう……!
「行くな美奈子。どこにも……っ! ああっ、好きだぁっ!」
 感情のままに口走りながら、俺は、彼女の一番奥で自分自身を解き放った……。

「ごめん……」
 全身に染み渡る倦怠を意識しながら、俺は美奈子に謝った。
「え? ……なにが」
 胸に顔をぴったりとくっつけたまま応える美奈子。少しくすぐったいが、このくすぐったさも愛しいと素直に思えた。
「俺……おまえが嫌がるのに、強引に……」
「覚悟したっていったでしょ。それにもう、済んだことだし」
「そうか……ありがとう……」
 情けない。本当に情けない。俺は、美奈子が許してくれると予想しながら美奈子に謝ったんだ。
 どこまでいっても、俺は彼女には情けない部分しか見せられないのかもしれない。
 格好いいところだけを見せて、もっともっと好きになってもらいたいのに。
 もっともっと、一緒にいて、もっともっと好きになってもらいたい、好きになりたい……。
 本当の俺、全部を見て欲しい。
「なあ、美奈子。一緒に暮らそうぜ」
 俺は自然と、そう言っていた。
「えっ?」
「一緒の大学に行くんだし。その……ほら、二人別々に部屋を借りるのも、金の無駄だし」
「え……」
「俺、この店の再開資金、銀行に借りるつもりだけど……手持ちの金は多い方がいいだろ。大学で4年間、お互いに別れて一つ一つ部屋をかりるとなると結構な額取られるぜ。その金がもったいないし……えっ、おい」
 彼女は……俺の胸に頬をくっつけたまま、静かに涙を流していた。
「ご、ごめん。俺、そんなつもりじゃ……あの、かっ、金だけじゃなくてさ。俺、ほんとはずっとおまえと一緒にいたくて、その」
「違うの。違うのサエキ。私、嬉しくて」
「え……?」
「サエキ、私のことも含めて自分の将来のこと考えてるんだね。そう思ったら急に、なんだか、胸がいっぱいになっちゃって」
「そっか」
 一瞬だけ出た冷や汗が、すぐに引いていく。
「よろしく、サエキ。これから……これからも。迷惑とか、掛けちゃうことあるかもしれないけど」
「いいよ。おまえの掛ける迷惑なんて、チョップで退治してやる」
「ふふ、お手柔らかにね」
「あのさ、あと。ちょっと気になってることがあるんだけど」
「なに?」
「……サエキって呼ぶの。そろそろ、やめないか?」
「え? いや?」
「いやっていうか、もう恋人なんだしさ? そういうよそよそしい呼び方はどうも……」
「じゃあ瑛りんで」
 即答か。
「……ま、いいけど。おまえって、やっぱちょっと変わってるよなぁ……」





以上です。
読んでいただいてありがとうございました。
長くてすみません。
PINK規制中でマンガ喫茶から書き込んでみました。
353名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 19:46:33 ID:/6qNeUdx
ちょ、なにコレ!?超GJ!!
文章もウマイし何よりキテルの心情が細やかでキュンしました。
ネ申が来たぞ!!!

354名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 04:36:40 ID:GtVXJBu7
保守
355名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 01:22:45 ID:udAzr1uy
GJです!最後の暎りんで吹き出しましたw



ついでにちょっと皆さんに質問。
大接近のスキンシップって具体的に何してるんでしょうか?
あんなチンコギンギンになってそうなセリフ言うくらいすごいことをデイジーは…??
356名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 01:48:09 ID:qiUtfgRa
GJ!!
サエキ呼びに個人的な違和感はあったもののそれを凌駕する萌えがありました
キテルスキーじゃないけど萌えた
キテル視点の細かい描写から温度が伝わってきて、特別なことはしていないのにエロくてGJ
ぶかぶかの男子制服を着ちゃうデイジーも天然扇情的でイイヨイイヨー
357名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 13:26:59 ID:Zxu0aPNi
340です。

読んで頂いただけでも嬉しいのに、
GJ頂いて嬉しい限りです。
ありがとうございます。
358名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 19:30:45 ID:V9Hxdavv
規制かかっててGJいえなかったよー
でもすごくよかった!!
359名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:21:32 ID:+QZLaggy
ひびやん&若おめ間に合わなかったorz
360名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:29:22 ID:3Tr8llPu
保守
361名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 05:53:50 ID:qMN4wOJx
保守がてら、10回クイズの会話集。
エロくなくてゴメーヌ。


天地編

「ねぇ先輩?『大好き』って10回言ってみてください」

(10回クイズかな?)
「うん10回だね、大好き大好き大好き………言ったよ?」

「大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き」

「???」

「僕の方が先輩より大好きが多いから、僕の勝ち。ご褒美もらうからね」

(ええっ!?チュッて……!)


ハリー編

「『ハリー』って10回言えよ」

(10回クイズかな?)
「ハリーハリーハリー………言ったよ?」

「よし、オマエが好きなやつは?」

「えーと、アナスタシアのケーキかな」

「なんですぐに俺様の名前がでてこねーんだよ!!ちきしょーー!」

「ま、待ってハリー!」

(行っちゃった…どうしたのかな?)
362名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 12:32:49 ID:re5/h3dO
ハリーバカスwwww
デイジー絶対わかってるだろうww
363名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:16:36 ID:exdDIxl+
保守
364名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 22:28:09 ID:2509jJel
>>361
ふたりとも可愛い
未攻略なので攻略したくなった
365花屋×デイジー:2008/09/14(日) 00:44:56 ID:DTZ1b6jr
花屋×デイジー(美奈子)を投下させていただきます。
ED2後の二人で、花屋視点になってます。
花屋がヘタレなうえに、マヌケになる場面があります。
花屋最萌えのかたは、ご注意ください。
366花屋×デイジー1/11:2008/09/14(日) 00:45:44 ID:DTZ1b6jr
 デート後のささやかなドライブも、そろそろ終わりか。
 この先の大通りが、最後の分岐点だな。時間も押してんし、これ以上回り道できねーし。
 当然、そこは左に曲がんなきゃいけねーんだけど。わかってんだけど。
 まだ別れたくないんだよなぁ――て言うか、帰したくない。
 美奈子、静かだな。……やっぱり寝てたか。おいおい、口開いてんぞ。
 まったく無邪気なもんだ。人の気も知らねーで。

 美奈子のこういうところは、少しも変わらないな。
 天然にも程があるほどボケまくるし、無駄に触りまくってくるし……まぁ、それは嬉しいけど。
 何度言っても敬語はやめないし、『先輩』呼びも改めちゃくれない。
 抱き合うようにもなったのに、未だに妹みたいに思っちまうときもある。
 妹扱いすると、すぐ拗ねるくせに。だったらもう少し――。
「先輩! 信号、青に変わりましたよ」
「えっ? あ、ああ」
 ……いつの間に起きたんだよ。
367花屋×デイジー2/11:2008/09/14(日) 00:46:19 ID:DTZ1b6jr
 すっかり眠気がなくなったのか、美奈子は今日見た映画のことを話し出す。ホラーはやっぱり慣れないとか、
まぁ、半分は愚痴だ。無理につき合わせるのも悪い気はすっけど、一緒に行きたい。
 一緒にいる時間を、もっと増やしたい。
「あ、そうだ。……あのね、先輩」
 こっちをちらちら見ながら、話題を変えてきた。
「今日は、ずっと一緒にいられますよ。両親が旅行に行ったんです。帰らなくても、怒られません」
 照れくさそうにしながら、無自覚な爆弾発言をする。
 即行でウィンカーを右に点ける。なんつータイミングだ。今まさに、分かれ道となる大通りへ差し掛かる
ところだった。急いで右折ラインへ入り、碌にスピードを緩めもせず右折しきる。
 隣で小さな悲鳴が上がった。もっと早く言えば、ゆっくり曲がれたんだよ。遅いんだよ、言うのが。
「あの、先輩、聞こえてました?」
「聞こえた。ばっちり聞こえてた。いまさら冗談です、じゃ済まさねーからな」
 びびった顔をされたときは、担がれたのかと冷や冷やしたが、そうじゃないらしい。
 さっきとは打って変わって静かになる。自分の言ったことがどういうことに繋がるか、気づいたみたいだ。
 泊まるイコールやる、って訳じゃないが、楽しいお泊り会で済むとは、いい加減思わねーだろ。
 つーか、思わせてたまるか。

 車中、美奈子はほとんど喋らなかった。
 たまにオレを見たかと思うと、すぐ目を逸らす。ぼけっとしてるかと思えば、そわそわしだす。
 なんでそんな緊張してんだよ……。やめてくれ、こっちまで緊張すんだろ。
 あー……、初めてしたときのこと思い出した。コイツ、ガチガチになってたなぁ。
 あれから何回かしてんけど、まだ慣れなくて満足にできな――いやいや、何考えてんだ、オレは。
368花屋×デイジー3/11:2008/09/14(日) 00:46:48 ID:DTZ1b6jr
 アパートに着くと、美奈子はいつもより控えめに「お邪魔します」と言って部屋にあがる。
 初めて来る場所でもないのに、きょろきょろと辺りを見回しては、落ち着きなく定位置に座る。
 何だよこの雰囲気……。こんな余所余所しいの、らしくないだろ。何とかしねーと。
 コーヒーを淹れ、いつもの癖で真隣に座ろうとしたが、場所をずらした。
 当たり障りのないことやバカ話をして、少しでもいつもの美奈子に戻るように努める。
 その甲斐あってか、大分くつろいできたみたいだ。笑顔も冗談も増えてきた。

 美奈子の緊張が解けた頃、お姫様へのご機嫌伺いのように、丁重に風呂を勧めた。
 言ってて恥ずかしくなったが、また変に意識されんのも嫌だから、わざとおどけて見せる。
 そんな心配を他所に、美奈子は笑いながら立ち上がり「着替え、貸してください」とクローゼットを
指差す。
「おう。ちょっと待ってろ」
「先輩、あのTシャツ貸してくださいね」
「あれか? なんか、ずいぶん気に入ったみたいだな」
 泊まりに来ると、これを着たがるな。なんでだ? オレが前から着てて、よれてきてるやつなのに。
 美奈子が持ってきておいたハーフパンツと一緒に手渡す。シャツに頬ずりしながら風呂場に向かう
美奈子に、ちゃんと洗えよ、なんてからかうと、振り向きざまに舌を出しやがった。
 ふぅ……。すっかりいつもの調子に戻ったみたいだ。
369花屋×デイジー4/11:2008/09/14(日) 00:47:40 ID:DTZ1b6jr
 暫く経って「お先にいただきました」と戻ってきた。それと入れ替えに、オレも風呂場に向かう。
 擦れ違いざま、微かに火照った頬やうなじに、目を奪われた。
 思いきり強く抱きしめて、そこに吸い付きたい衝動に駆られる。
「ドライヤー借りますね〜」
 その声で我に返る。伸ばしかけた手を見て、情けなさに溜息を吐く。
 ……やばい、今度はオレのほうが舞い上がってきた。
 美奈子が泊まりに来たとき、風呂に入るときはいつだって、精神統一のための時間になっちまう。
 無理強いしないようにとか、優しくしなきゃとか、どこの童貞だよっていうくらい、テンパる気持ちを
抑えるための時間だ。しっかりしろ、男としての威厳が危うくなっちまう。

 風呂から上がると、美奈子はいつもの場所に座ったまま、うたた寝をしていた。
 起こさないように、静かに隣に座る。
 ……ダメだ。どーしても、唇に目がいっちまう。触りてぇ。
「あ……、先輩。いつ戻ったんですか?」
 オレのくどい視線に気づいたのか、美奈子が起きた。眠さの残る笑みを浮かべて、寄りかかってくる。
 触れ合う部分が熱くなっていく。甘い匂いに、欲が急激に膨れ上がる。
 ちょっと待て。ついさっき、長いこと風呂場で気持ちを静めたろ。なんだったんだよ、あれは。
 落ち着けって。ここでがっついたら、かっこわりぃだろ。
 ――なんて思いながらも、美奈子の頬を撫でる。手の動きに合わせて、顎が素直に上を向いた。
 抑えきれるわけねーんだよな……。抱きたくてしょうがないんだから。
370花屋×デイジー5/11:2008/09/14(日) 00:48:18 ID:DTZ1b6jr
 美奈子はなんで、こんなに柔らかいんだろう。どこに触れても柔らかくて、温かくて、すげー
気持ちいい。
 触れるだけのキスって、柔らかさを特に感じられる。シャツ越しに触れる肩さえ、ふわふわだ。
「先輩、くすぐったい……」
 肩をすくめながら、オレの頭にキスを落とす。お、頭でも唇の柔らかさってわかるんだな。って、
当たり前か。そういや、頭にキスされんのって初めてだ。
「なぁ、今のもう一回やって」
「いまの?」
「頭にキス。なんか、良かった」
 美奈子はにこっと笑うと、頭のあちこちにキスをしてくれる。うん、思ったよりいいぞ。
「髪、ちゃんと乾かしたほうがいいですよ。……キス、どうですか?」
「すげーいいわ。ちょっとくすぐったいけどそれが……って、忘れてた」
 目の前にある美奈子の肩に、また吸い付く。肩から首元。首筋から耳へ。少しづつ移動していくと、
美奈子がくすくす笑いながら、オレの頭を撫でてきた。
 なんだよ、余裕あるじゃねーか……。よし、いじめてやるか。いつまで笑ってられるか、見物だ。

 先ずは耳へ集中攻撃。付け根を舌先でくすぐってみる。頭を撫でていた美奈子の手が一瞬止まり、
何事もなかったように、また動き出す。あちこちくすぐって、耳の縁を舐め上げる。耳朶を甘噛みする。
 美奈子から吐息が漏れた。逃げられないようにしっかり抱え、しつこいと思うほど耳を攻める。
 オレの頭に添えただけになった手の震えと、こめかみから響く脈拍が、何だか心地いい。
371花屋×デイジー6/11:2008/09/14(日) 00:48:48 ID:DTZ1b6jr
「先輩って、耳フェチでしたっけ……」
「そうじゃねーけど。なんだぁ、不満か。どっかリクエストあるか?」
「ありません」
「……あっそ。じゃあ、次はこっちにするかなー」
 体重をかけて美奈子を押し倒す。悲鳴が上がったけど、気のせいだ。文句も何も聞こえねーぞ。
 滑らかな胸元はシャツで半分隠れちまってるけど、お構いなしに口付けて、強く吸い上げる。
 美奈子と、普段は気づかないオレの匂いが、鼻をくすぐる。
 自前のシャツ、持ってきてくんねーかなぁ。いくらオレのとはいえ、男臭いのはちょっとな。
 素肌の部分にやんわりと唇を這わす。鎖骨を舌でなぞると、体をぴくっと震わせる。オレの腕を
掴んでいる小さな手に、力が籠もる。
 こうやって美奈子を高めていくのが、すげー楽しい。どんどん乱れていくのを見ると、気持ちよくて
堪らなくなる。
 いじめるのはやめるから、もっと感じてくれ。オレしか見れないおまえを、見せてくれよ。

 シャツを脱がせ、露になった胸に手を当て、ゆっくり円を描くように撫でる。掌に、だんだん硬くなる
モノを感じる。
 撫でて、揉んで、舌で弄って……余すとこなく美奈子の感触を楽しむ。ほんっと気持ちいい。
 これだけでも、張り詰めそうだ。オレの中に熱が籠もっていく。一人でこの熱を抱えたままじゃ、
おまえを壊しかねない。
「なぁ、もっと気持ちよくなれ。な?」
 胸で遊んでいた手を、肌から離さずに下へ滑らせる。腹を越えたその先へ。
372花屋×デイジー7/11:2008/09/14(日) 00:49:19 ID:DTZ1b6jr
 指先がそこへ触れた途端、美奈子の腰が跳ねる。ある一点を突くと、堪えきれなかった声が高く響く。
 ハーフパンツを脱がせて下着越しになぞると、面白いくらい体中を震わせる。
 閉じようとする脚をなだめながら、布越しの刺激を与え続ける。美奈子の体がどんどん熱くなっていく。
 下着に手をかけて促すと、顔を真っ赤にしながらも腰を浮かす。うんうん、素直でよろしい。
 曝け出されたそこは、たっぷりと濡れていた。眩暈がするほど扇情的だ。
 溢れ出るものを指に絡め、ぬめりを利用して攻め立てる。切羽詰った美奈子の嬌声が、耳を飛ばして
脳を直に揺さぶる。込み上げてくる欲望に逆らわず、顔を埋め、思うさま舐りつく。
 伸びてきた美奈子の手が、オレの髪をめちゃくちゃにする。
「はぁっ、はあっ……やっ、いやぁっ、いっちゃ……っ、だめっいっちゃうぅっ」
「だめじゃない、いいんだよ。我慢すんな、いけって」
 美奈子の中に指を埋め、擦り付けながらかき回す。嬌声が絶え間なく上がる。この声がオレを駆り
立てていく。もっと、もっとと、際限がなくなっちまう。
 もうそろそろかと、一番感じるところを数回ひっかいてやると、美奈子の中がきゅっと締まりだす。
一際大きな声を上げると、荒い息を吐きながらぐったりとなった。

 取りあえずベッドに寝かせて……って、床でやってたんだ。しまった。背中、痛めてないか。
 それにしても、すごい勢いで呼吸してんなぁ。ずいぶん、感じてたんだな。
「おい、大丈夫か? 水持ってくるか?」
 ……今のは、首を振ったんだよな。うーん、ちょっと飛ばしすぎたか?
373花屋×デイジー8/11:2008/09/14(日) 00:49:55 ID:DTZ1b6jr
 ゴムを取ってきて、服を脱ぎ捨ててベッドに腰掛ける。やっと開放されたオレの様子を見て、
盛大に溜息が出た。ずいぶんとまぁ、大きくなって……。涙が出そうだ。
 オマエ、なんにもされてないだろ。そんなに張り切んなよ、みっともねえなぁ……。
「せんぱい……」
 うおっ。美奈子のこと、忘れかけてた。遊んでる場合じゃねーだろ。
「ど、どうだ? もうちっと休んどくか?」
 美奈子はゆっくり起き上がって、オレの背中へ張り付く。「へいきです」という声が掠れている。
「ごめんなさい、いつも私ばっかり……。私、先輩に何もしてあげてない」
 かかる息が甘い痺れになって、波紋みたいに体中に広がる。
「謝ることかよ。気にすんなって。オレもすげー気持ちよかったぞ。……ほら」
 オレが指差したほうへ、美奈子が何事かと首を伸ばす。なんか変な声がしたと思ったら、いきなり
背中を叩かれた。いい音したなぁ、いてぇのなんの。
「先輩のすけべ! えっち!」
「言ったなぁ、らんぼーものが。つかなんだよ、今の呻き声は。失礼なやつめ」
 力任せに押し倒して、ふざけあいながら冷めかけた熱を高めあう。
 初めて美奈子が尽くしてくれた。戸惑いながら、一生懸命オレに触れていく。その快感と、それよりも
大きな愛しさで、満たされる。
「……そろそろ、いいか?」
 小さく頷くと、キスを求めてきた。心を込めてそれに答えながら、美奈子の中へ深く深く沈んでいく。
374花屋×デイジー9/11:2008/09/14(日) 00:51:31 ID:DTZ1b6jr
 ベッドのきしむ音、すっげー耳ざわり……。美奈子のこえが聞きにくいだろ。
「みなこ、っとこぇだ……」
 うまくしゃべれねぇ、気もちよすぎて舌まわんね……。みなこもちゃんときもちよく……。
 うでの中が熱くて、オレもあつくて、すげーへん。あーなんかへんだ、おれ。
「せん、ぱ……もぅやだっ、やめ、あっ、いやっ……いやぁああぁあっ! はぁっ、はっ……ぁ……」
 みなこがなんか言ってる。ちゃんと聞……、て、そんなしめんな、まてまてまてっ。
 あぁ……だめだ、やべぇ、すげーきもちいい……。
 オレやりすぎ。なげーって。あ、こし痛くなって、きた。かも。
 ちょっと、やめるか……。ちょっ……とまれって……ぁあ、いきそ……。


 前半飛ばしすぎたせいか、美奈子は思いのほか早くいった。
 無理はさせたくないから、正直残念だけど、そこでやめようと思った。
 お疲れさん、なんて軽くキスして離れようとしたとき、美奈子が引きとめた。オレがまだなのを気にして、
続けていいといじらしいことを言う。だからって、はいそうですかとやれるもんじゃない。
 でも、美奈子は引かなかった。オレを抱き寄せ何度もキスをしてくる。
 締め付けながら舌を絡め取られたとき、オレの理性はあっけなく崩壊した。
 我を忘れて美奈子に溺れた。気遣いもしないで、がつがつ突き上げて。多分二回……かそこら、立て続けに
いかせちまった気がする。
「あああああ、最悪だオレ! ほんっとバカだ!」
 気がつけば、美奈子に覆い被さって、まだ繋がったまんまだった。腕の中の美奈子は、だらしなく
横たわっている。
375花屋×デイジー10/11:2008/09/14(日) 00:52:31 ID:DTZ1b6jr
 慌てて離れて、ベッドからも降りる。
「み、美奈子?」
 顔を隠していた髪を払って、じっと見る。ピクリともしない。
 おい、マジかよ……気ぃ失ってる……。
 こんな目にあわせるなんて、何やってんだよオレは。
「なぁ、平気か、返事できるか?」
 起きない。どうしよう。
 なんでもっと優しくしてやれないんだよ。相手はオレよか全然小さな女だぞ。まだ片手で数えるくらい
しか抱いてないのに。無理強いしないって言っといて、このザマかよ。
 怒られんのは仕方ない。絶対反省するし、改心もする。でも、怖がられたり、嫌われたりしたら
どーすんだよ……。
「ん……っ」
 瞼が震えて、やっと美奈子の目がゆっくり開く。虚ろな目が、じーっとオレを見てる。
「美奈子、大丈夫か? ごめん、オレ、むちゃくちゃしちまって」
 ゆるゆると伸びてきた手が、オレの頬に触れる。指先が荒れてる。バイト頑張ってるもんな。
 握り返してやらなきゃ。強く握るなよ、そっとだぞ、そっと。
「ごめんな、きつかったろ。体平気か? 辛くないか?」
 ぐだぐだ言い訳したって仕方ない。誠心誠意を持って、美奈子を労わるしかない。
 片方の手で、美奈子の頭を撫でる。ゆっくり何度も撫でると、やっと表情が和らいできた。
「せんぱい激しすぎ……。もうちょっと、優しくしてほしいなぁ」
「うっ……、すいません。ほんと、気をつけます……」
 しょぼくれたオレを見て、美奈子はおかしそうに笑った。
376花屋×デイジー11/11:2008/09/14(日) 00:53:27 ID:DTZ1b6jr
 美奈子の横に寝転んで、そっと抱きしめる。美奈子もオレを抱きしめてくれた。温かさが眠気を誘う。
 すぐに寝息が聞こえてきた。相当疲れたんだろうなぁ。ほんと、ごめんな。
 ゆっくり寝ろよ。明日は、一日中のんびりさせてやるから。

 幸せは三年遅れてやってくる、って聞いたことがある。確かにその通りだ。
 美奈子と出会って、三年が経った。オレ、今すげー幸せだ。
 この幸せを潰さないようにしっかり心掛けてから、目を閉じた。


 目覚めた美奈子の第一声は、可愛くはにかんだ「おはようございます」だった。
 気だるい甘いひと時ってのを楽しみたかったのに、美奈子が盛大に腹を鳴らした。まったく、コイツは。
 先にシャワー浴びといて正解だった。メシの支度も終わらせておいたオレは偉い。
 「おなかすいたー」なんて暢気なことを言いながらベッドから出た美奈子が、その場にへたり込んだ。
 そして、絶叫。
 悲鳴なんてもんじゃない。ホラー映画のヒロインを、遥かに凌ぐ叫びだ。
 腰が抜けたことと、体中についたキスマークを見て、大騒ぎしてる。あーあ、泣きそうだよ……。

 延々と続く説教を、床の上で正座して聞かされる。
 嵐が去るまで大人しくしてるか。にやけた顔を見られでもしたら、本当に嫌われちまう。
377花屋×デイジー:2008/09/14(日) 00:54:06 ID:DTZ1b6jr
以上です。長々と失礼いたしました。
お付き合いくださったかた、ありがとうございます。
378名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 01:21:02 ID:KbYhywkr
萌えすぎて膝を叩きすぎて皿が割れそうです
超超超乙
379名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 01:39:24 ID:lsFH8SHi
GJ!!
花屋最萌えなので本当にうれしい。
もうここでは花屋SS書いてくれる人いないのかなと
諦めかけてたので本当に良かった。
また、そのうち書いてほしいです。
ありがとう。

380名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 22:35:09 ID:59wKv/7P
GJ!!!です
花屋はなんでこんなにヘタレが似合うんだろう
でもこんな花屋だから大好きなんだ
381名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 09:10:15 ID:hIAv/SaD
息子に語りかける花屋にフイタw
ヘタレ優しい花屋萌えました。GJ!
382名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 11:27:57 ID:Um8Y6+El
すごいGJGJGJGJです!!
花屋最萌だから超嬉しい。読んでてニヤついてしまいました。ありがとう!!
383名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:50:41 ID:8X//STri
保守
384名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 18:40:11 ID:DQqbj6SI
超GJです!!
花屋未攻略だった
ちょっと今からプレイしてくるわ!!!1

385名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 19:11:23 ID:RWscHtBa
超GJでしたー!
DSでは大接近モード追加でみんなエロ、いや甘々度が増したけど
PS2では大学生・ドライブ・一人暮らし、しかも
「どうせ寝るならオレの部屋で」とか「一晩中道に迷ってやろうか」とか
言っちゃう花屋にすごくドキドキしたな〜今でも一番好きだ!
386名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 21:13:42 ID:AkKtg720
花屋は性欲を持て余しすぎてて萌える
387名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:17:03 ID:mLwrtO8s
よし、花屋を攻略してみよう
388名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 01:35:06 ID:4lGL2UEj
365です。
大変遅くなりましたが、GJくださったみなさま、ありがとうございます!
まさかこれほど言ってもらえるとは思わず、どきどきです。

今更出張って失礼しました。
本当に、ありがとうございます。
389保管人 ◆Wge85.BvtE :2008/09/23(火) 15:23:06 ID:pQxGwxMx
お久しぶりです。
保管庫の方にも書きましたが、私生活の都合により
今後保管作業への時間がますます取れなくなりそうなので
大変申し訳ありませんが、しばらく保管をお休みさせてください。
どなたか保管庫管理人業務を引き継いでくださる方がいらっしゃったら
是非お声をかけていただけると有難いです。
390保管人 ◆Wge85.BvtE :2008/09/23(火) 15:23:39 ID:pQxGwxMx
あれ、sageが切れてた…申し訳ありません
391名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 16:57:38 ID:LwHwenF3
>>389
今までありがとう!お疲れ様です。
保管人さんにも、このスレにも一閲覧者としてすごくお世話になってるので
よければ保管庫引き継ぎたいです。
少し日数かかると思いますが、
新しい保管庫が完成したらここに貼りに来ればおkでしょうか?
392名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 22:58:43 ID:yYyQUx5K
>>389 保管人様。
保管庫の管理、お疲れ様でした。
いつでも作品が読めて、とてもありがたかったです。
お忙しくなるようですが、どうぞ、良い毎日を送ってください。
ありがとうございました!

>>391
引継ぎに名乗り上げてくれて、ありがとうございます!
何かと大変かもしれませんが、よろしくお願いします。
393名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:26:21 ID:6C/ngR27
みんな乙…!
394名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:43:37 ID:x3wnyB5d
元保管庫管理人さんも新管理人さんもありがとう
395名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 18:31:19 ID:WdQ8PDNr
本当にありがとう!
396名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 18:42:59 ID:PFw0s8zz
有難うございます!
397名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 19:09:43 ID:RWhjT2Zi
お二方、ありがとうございます!
398保管人 ◆Wge85.BvtE :2008/09/26(金) 23:14:13 ID:E41U4Hhe
>>391
引継ぎに名乗りを挙げてくださってありがとうございます!
今の保管庫はそのままにしておいて、続きから>>391さんが新たな保管庫で
保管をしていくという形式にいたしますか?
それとも全てまとめたサイトを一から作ることになりますでしょうか。
後者の場合は私が持っている今までのファイル等がお役に立つことがあるかもしれませんので
ご入用のときはいつでもお声かけてくださいませ。
素人の浅薄な知識で作ったものなので、お恥ずかしい限りですが…

>>392->>397
まとめて失礼します、こちらこそ今までどうもありがとうございました!
保管作業楽しかったです。これからは一読者として皆様の作品を楽しみにしております!
399391 ◆iS/fhAsqnE :2008/09/27(土) 12:33:13 ID:pH13pV7m
新保管庫の管理人です。
まだ完成途中なのですが…新保管庫はこちらになります。
ttp://www.s-ht.com/~gss/
王子のSSしか保管が完了していないので、
SSメニューがデッドリンクだらけで大変見苦しいのですが
もし変な箇所があったら、教えていただけると有り難いです。

>保管人様
全てまとめたサイトを一から作ろうかと思っています。
と言っても、保管人様が今まで纏めてくださったファイルを
図々しくもコピペさせてもらっているので本当に助かっています。
お気遣いくださって有り難うございます!
自分で管理してみて初めて、管理人様が膨大な量のSSを
管理されていた事が分かって…本当に頭が下がる思いでいっぱいです。
有り難うございました!
400新保管庫”管理”人 ◆iS/fhAsqnE :2008/09/28(日) 10:37:14 ID:jw1rH5lz
旧保管庫のログ全て保管完了しました。
更新状況等、これからは新保管庫のほうで
お知らせしていきますのでよろしくお願いしますー
401名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 20:15:20 ID:h43wFARP
>>400
お疲れさまです!これからもよろしくお願いしますね
402旧保管人 ◆Wge85.BvtE :2008/09/28(日) 21:46:00 ID:Btq1ojAJ
>>400
お疲れさまでした!後ほど旧保管庫の方にもリンクを貼らせていただきますね
旧保管庫の方は更新停止、新スレ移行の際に削除する予定です
どうぞこれからよろしくお願いいたします!
403名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 22:15:17 ID:vCLJLPSN
>>400
感謝です!
404名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 01:50:53 ID:ygt1HskX
ほんと有りがとう
今日久々に王子SS読み返して幸せですた
405名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 21:22:00 ID:/Pq6+AX4
すぐ次の管理人さんが名乗りを挙げてくれて有り難いよな
それまできちんと保管されてた事が大きいんだろうし
GSスレは恵まれてるな 新旧管理人さんありがとう
406名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:19:46 ID:dVnwb+8x
もう保管庫管理人さん作業終えられたんですね
乙です!!

ついつい読み返してしまったけどやっぱりGSシリーズっていいなぁ
407名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:32:28 ID:oqxUEAUF
保管庫管理人様、ありがとうございます。
 早速ですが、ハリー×デイジー ←井上を投下します。
 井上は妄想な上、暗くて後味が悪いです。ハリーが可哀想です。
408名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:33:30 ID:TzLBIL3s
井上!!楽しみ!!!
409ハリー×デイジー ←井上 1:2008/09/30(火) 23:34:06 ID:oqxUEAUF
 ライブが終わって渦巻く熱気の中、人波を掻き分けて楽屋に向かう。
 楽屋前には既に親衛隊の子が集まっていて、私は躊躇してしまう。
 警備員さんは私のことを知っているから、すぐに中に入れてもらえるだろうけど…。
 親衛隊の女の子の一人が私に気付く。年は変わらないだろうけど、派手で怖い感じ。
「何してんの?」
 急に声を掛けられて、驚いて身を竦める。
 ハリーが好きそうな派手でセクシーなギャルっぽい女の子。金髪を盛って、胸元が深く切れ込んだキャミソールを着ている。
 あ、私が買うの止めたやつだ。
 細身で胸も大きくない私には似合わないフィットしたキャミは、試着前から諦めたものだった。ギャルっぽい女の子は、キャミの布が窮屈そうに見えるくらい胸が大きくて、凄く可愛い。
 そんな子が、怖い顔で私を睨む。
「ウザいんだよね、何でこんなとこにいるの?」
 周りの女の子も不審そうに私を見る。@…のオンナ?うゎ、初めて見た…割りとジミじゃね?
 そんな言葉に怯えて、翻弄されていると、突然楽屋のドアが開いて親衛隊の女の子たちが黄色い声を上げる。
「仲良くできないなら今日はお開き」
 井上くんが私の肩を抱き、楽屋に引っ張り込む。
410ハリー×デイジー ←井上2:2008/09/30(火) 23:37:14 ID:oqxUEAUF
 女の子たちの悲鳴を残して、私は楽屋の中に連れ込まれ…ハリーと鏡越しに顔をあわせる。
「よぉっ!今日最高だったろ!?」
 ハリーは屈託なく笑いながら言う。
 太陽みたいな笑顔が胸に痛い。
「?…どした?」
「何もないよ〜。すっごく良かった!超盛り上がってたね〜」
 無理矢理笑顔を作る。ハリーの収まり切らない熱気が、私を侵食する。
 イヤな思いしたって、正直に言えない。言ったらウザいとか、つまらないとか思われそうで。
 井上くんが後ろから私の肩を抱く。
 きれいな顔が間近にあって、慌ててしまう。
「きゃ…」
「今、絡まれてたぞ。いつものオンナに」
 頬が紅くなるのが分かる。
 ハリーと付き合うようになってから、度々楽屋に出入りさせてもらっている私を、井上くんは何かと気にかけてくれる。でも…。
「ハァっ!?またかよ、あいつ…」
 ハリーが苛立ったように椅子を蹴る。思わず身を竦める私を、井上くんの腕が強く抱く。
 ハリーの眉が上がる。
「イノ、あんまりくっつくなよ!」
 私の腕を引き、ハリーが井上くんを押し戻す。コワッ、と呟き、井上くんはバネの悪いソファーに座る。切れ長の目が、私たちを見上げる。
411ハリー×デイジー ←井上 3:2008/09/30(火) 23:38:31 ID:oqxUEAUF
「おまえさ、ちゃんとしてやれよ」
「何だよ?コイツが俺の女だって、みんな知ってるだろ」
 ハリーが私の首筋に顔を埋める。
 恥ずかしくて、私はぎゅっと目を閉じる。
「……」
 井上くんが不機嫌そうな表情で立ち上がる。
「…いいけどな。打ち上げ、いつものとこな」
「何なんだよ…」
 鍵をテーブルに置いて楽屋を出て行った井上くんに、ハリーは不満そうな様子を見せる。でもすぐに、私の腰を引き寄せて鎖骨の辺りに唇を触れてくる。
「打ち上げ、途中で抜けよーぜ」
 ハリーが視線だけを上げて、囁く。
 それだけで私はドキドキしてしまう。それがどういう意味か考えるまでもなくて…私たちは、まだしたことがない。
 ハリーが焦れったく思っているのも分かるし、今日みたいにファンの子に絡まれた時、自信がないのもきっとそのせいなんだろう。
「…うん」
 怖いけど、私は頷く。嫌われたくなくて。もっともっと、好きになってほしくて。



 打ち上げの居酒屋は駅から近い多国籍のお店で、ライブに限らず@…のメンバーはよく利用している。
 私は、あまりお酒が飲めない。グラス1杯のカクテルで酔ってしまう。我ながら、つまらない子だな、と思う。
 
412ハリー×デイジー ←井上 4:2008/09/30(火) 23:40:44 ID:oqxUEAUF
 グレープフルーツ味のカクテルをちびちび飲みながら、盛り上がってる@…のメンバーの話に耳を傾ける。
 音楽の話、今日のライブの話、女の子の話、他のバンドの話、色々目まぐるしく変わるけど、凄く楽しい。
 マネージャーなんておこがましいけど、PCで売り上げの計算やチケット販売などを手伝ってるから、みんなが頑張ってると嬉しくて、分からない話でも笑顔になってしまう。
 ふと気づくと、ハリーの手が腿の上、スカートの裾ぎりぎりの辺りで動いている。
 内側の柔らかい部分を、骨ばった長い指が行き来する。
 ぞわぞわする感覚、でも恥ずかしい。思わず脚に力が入り、ハリーの手を挟んでしまう。
 ハリーと目が合う。
 笑いを含んでるけど、熱っぽい。
 お酒のせい?
 どぎまぎしながら、ハリーの手をそっと押しやる。
 ハリーはムッとした表情で、私の両膝の裏に手を差し入れてぐっと引っ張り、自分の腿の上に揃えた私の足を乗せる。 弾みでもたれかかったようになり、メンバーが野次る。
「…ちゃん、酔っちゃったぁ?」
「ラブラブ見せつけんなよ〜」
 恥ずかしい…。ハリーは笑ってる。
 場の雰囲気を壊したくなくて、私も笑う。
413ハリー×デイジー ←井上 5:2008/09/30(火) 23:41:54 ID:oqxUEAUF
 ハリーの手が、更に大胆になる。
 テーブルの下、腿に触れた指がもっと深くへ這う。
 こんなの、イヤだな…。
「あ、予算言うの忘れてた。ちょっと付き合って」
 井上くんが思いついたように立ち上がり、私に声をかける。
 思わずほっとして、ハリーの膝から足を下ろし、井上くんの後を追う。
 マスターのいるカウンターに向かうと思っていたら、井上くんはキッチンの向こう、トイレに続く通路へ歩いていく。
「イヤなら言わなきゃ」
 振り向き、井上くんが言う。
「何でもそうだけど、あいつは言わなきゃ分かんないよ」
 井上くんの綺麗な目が私を見つめる。ようやく、助け舟を出してくれたんだと気付く。
「あの、ありがとう。ごめんね」
「お礼言われるようなことじゃないし」
 整いすぎて冷たそうに見える井上くんだけど、考えてみれば、親衛隊の女の子に絡まれた時も助けてくれた…深くは知らないけれど、優しい人なのだろうと思う。
「うん、でもありがとう」
「…あんたさ、ちょっと無防備すぎるよ。そんな顔男に見せちゃ危ない」
 意味を考える間もなく、井上くんが壁を背にした私の肩の上に右腕をつく。
「あの、…井上くん。手…」 
414ハリー×デイジー ←井上 6:2008/09/30(火) 23:42:54 ID:oqxUEAUF
 身動きできない私は、焦って彼の腕から逃れようとする。けれど、井上くんは怖いくらい真剣な顔で私を見つめる。
「綺麗なのに、顔上げなきゃもったいない」
 井上くんの左手が、私の顎を掬う。
 見つめられ、視線を外せなくなる。
 頬が熱い。
「…俺なら…」
 掠れた声、寄せられた眉に意味も分からず思わず目を閉じる。
 唇のすぐ横、柔らかな感触と温かい吐息を感じる。
 心臓が有り得ないくらい速く脈を刻み、貧血みたいに足から力が抜ける。
 背中に井上くんの腕が廻されて、抱きすくめられる。
 熱くて、苦しい。
何が起こってるのか分からない。
 めまいにも似た感覚に、助けを求めるように井上くんに縋りつく。
 私を抱く腕に力がこめられる。
「…っ」
 何か言おうと口を開いた時、凍り付くように冷たいハリーの声が、私たちの間に落ちる。
「何してんだよ?」
 井上くんの腕が、ゆっくりと離れる。でも、長い指が私の指を絡めとり、ぎゅっと握ってくる。
「…おまえ」
 ハリーが井上くんの襟元を掴み、壁に叩きつける。
「ハリー、やめてっ!」
 殴ろうと振り上げられた腕を、とっさに引き止める。
「おまえら、どーゆーことだよっ!?」
415ハリー×デイジー ←井上 7:2008/09/30(火) 23:43:56 ID:oqxUEAUF
 ハリーは険しい表情で、私たちを問い詰める。
 言うべき言葉が見つからない。
 井上くんがハリーの腕を振り払い、狼狽える私を背中に庇う。
「もっと考えてやれって言ったろ」
「はぁっ!?意味分かんねーよ。ヒトの女に手ぇ出しといて、何言ってるんだよっ!?」
 怒鳴り声が怖くて、ハリーの腕にしがみつく。体が震えて、うまく立っていられない私をハリーが抱く。
 突き飛ばされた井上くんが床に座り込む。
 声をかけることもできず、ハリーに手首を強く掴まれて、店の外に連れ出される。ヒールで転びそうになる私を乱暴に立たせ、ハリーはライブがはけた後の楽屋に連れ込む。
ソファーに体を投げ出され、言うべき言葉が見つからない私は、身を竦めてハリーの言葉を待つ。
「……どういうことか、説明しろよ」
 ハリーが私の前に立ち、押し殺した声で言う。
 鋭い目つきが怖くて、ハリーの顔を見られない。
「いつから?」
「…えっ?」
「いつから…あーなってたんだよ!?」
 ハリーが小さなテーブルを蹴る。
 ガンッとロッカーにぶつかり、テーブルが横倒しになる。
「そんなんじゃないからっ!井上くんは何度も庇ってくれてただけだからっ」
「…へぇ…庇って、か」 
416ハリー×デイジー ←井上 8:2008/09/30(火) 23:44:36 ID:oqxUEAUF
 ハリーが私に近づき、ソファーに膝をつく。
 狭くてスプリングの悪いソファーが軋む。
「俺から庇ってた?」
「え…っ、ちが」
 唇を塞がれる。噛みつくようなキス。避けようと身を捩る私の両腕をひとまとめに押さえ、空いた手でハリーがキャミソールの胸元に触れる。
「…!いやっ!」
 スカートとパニエの間に、ハリーの膝が入る。
 黒いシフォンスカートと白のパニエが、奇妙な花のように捲れて、私の足を剥き出しにする。
 キャミを捲り上げられ、ブラの上から痛いくらい胸を揉みしだかれる。
「やめて、ハリー…いやぁっ!」
 怖くて体が動かない。
 下着を下げられ、金属の音がして、足の間、閉じようとする膝を割られ、熱くて固いものが私の中心に触れる。
 抉られるような痛みに体を強ばらせた私に、ハリーが舌打ちする。
 すぐ横のメイク台から誰かの忘れ物のローションの瓶を取り、私の脚の付け根で逆さにする。
 滑りが良くなって、ハリーが強く腰を押し付ける。信じられないくらい深いところに、ハリーの熱を感じる。
「痛い…ハリー…お願い…」
 泣きながらハリーに言う。
 ハリーは荒い息をつき、私の上で動き始める。その動きが更に痛みを増長する。
417ハリー×デイジー ←井上 9:2008/09/30(火) 23:46:18 ID:oqxUEAUF
 痛みと恐怖で涙が溢れる。
 荒い息をつくハリーの動きになす術もなく、ただ泣きながら時間が過ぎるのを待つ。
「っ、…」
 ハリーが苦しそうに呻き、私の中で果てる。
 俯いた顔は表情が見えない。未だ戒められた手首と、それよりもっと痛いあの部分とが、ハリーとの繋がりを告げている。
 こんな風に、彼との初めてを迎えるなんて。
 茫然と涙を流す私から、ハリーが離れる。
「……」
 謝罪だったのだろうか。
 顔を覆い、低く呟くハリーの声は聴こえない。乱れた衣服を整え、震える膝を叱咤し立ち上がる。
「…帰る、ね」
 返事を待たず、楽屋を出る。
 通りを歩きながら、居酒屋にバックを置いてきてしまったことに気付く。道を引き返そうとは思えず、よろめくように夜の街を早足で過ぎる。
 二の腕を引き戻したのは、今一番会いたくない人。
過剰に驚いて振り返った私を、井上くんが見つめる。
「バックを…いや、こんなの口実で…」 
 絡んだ視線に何かを感じたのか、井上くんは崩れた巻き髪を見、細い眉を寄せられる。
「…そんな、」
 やめて。
 見られたくなくて彼の腕を振り払う。
 走り出そうとする私を井上くんが引き止め、抱き寄せる。
418ハリー×デイジー ←井上 10:2008/09/30(火) 23:47:32 ID:oqxUEAUF
 街中、人通りの多い場所だというのに、抱き締める腕は強く堅い。
 内股を濡らす違和感と息が継げない程の抱擁に脅えながら、私は恐る恐る腕を上げ温かな背中を抱き返す。
 どうしたらいいのか分からない。
 BVLGARI BLACKの香りが私を包む。
 通路での続きにも聴こえる言葉が、耳元で囁かれる。
 混乱と痛み、絶望的な愛情とが渦のように押し寄せる。
 けれどそれは、目の前の人に対するもこではないと、私の心の奥底で囁く声がする。
 なのに、痩せた背中に回した腕を離すことが出来ない。
 新たに溢れた涙が井上くんの肩を濡らす。
 彼の腕は優しくて、心地よさに目を閉じる。
 先のことなど考えられず、今このまま慰められ、守られたい。
 街の喧騒が、遥か遠く聴こえる。 
419ハリー×デイジー ←井上:2008/09/30(火) 23:48:52 ID:oqxUEAUF
以上です。
失礼致しました。
420名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:51:50 ID:TzLBIL3s
よかったですー
続きが読みたいと思わずにはいられませんでした
GJ!!!
421名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 03:05:00 ID:yXoolez2
GJでした

でも忘れ物が化粧水のローションなら滑りにはならないかと…
エロ用具のローションは化粧水とはちがうものですよ
そっちを忘れていっていたらある意味すごいw
お話とは関係ないけど気になったのでゴメソ。
422名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 03:35:55 ID:0DAX3GdU
GJ!!
遣る瀬無さがほんと切なかった
心が絡み合えないって辛いね
三人にはどうにか幸せになって欲しいな
423名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 07:55:14 ID:D0RSBc4j
>>421
なんか乳液っぽいもので脳内変換したw
424名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 09:04:02 ID:nvzOR0hM
>>421
きっととろみが強いタイプの化粧水なんだよ
ヒアルロン酸配合とかw
425名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 23:55:42 ID:txjHpbeX
GJです!!
タイムリーにネトラジでハリーと井上との会話聞いたもんだから
井上いいキャラだよな
続きが読みたいです
426名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 04:11:27 ID:Kdo6S4Sb
GJです!
井上イイヨイイヨー!
続きが気になります
427名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 19:46:17 ID:MVFEhq5s
続編きぼn
428名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 04:04:13 ID:agKFHAvj
普段使わない化粧水つけて突っ込まれたら
かぶれるかもね……デイジーカワイソス(´・ω・`)
429名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 07:32:49 ID:MPImYxnr
激しくGJです!
続きを期待せざるをえない
井上ってめっちゃいい匂いしてそうだね
430名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 14:47:09 ID:rUh1GG/X
てかローションも知らないお子様がこんなの書いてるってすげーw
行く末が楽しみで仕方ないよ。
431名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 15:24:27 ID:0VNqNyCi
>>430の行く末が楽しみで仕方ないよ。
432名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 15:49:45 ID:rUh1GG/X
>>431
悪いけど意味腐
433名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 22:52:41 ID:5+YSPeY8
普通にペペローションが置いてあるのかと思ってた。
化粧水って事か…。
434名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 00:22:35 ID:Dhb0pK/8
>>433
メイク台にぺぺが置いてあるバンドの楽屋って嫌だw
435名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 01:21:10 ID:CC9RoRyh
なるほどバンドメンはバンギャを食うらしいから……
と納得してたよ
436名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 01:49:34 ID:Fz+LC4s7
なんて生々しいwww
437名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 14:07:58 ID:iWLdnplD
ある意味リアルすぎるなwww
あれだろwwwファミレスのペーパーおしぼりとかいっぱい置いてるんだろwww
438名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 19:53:29 ID:y89wq17p
置き忘れたのがレッドクローツのメンバーなのか他のバンドなのか気になる
439名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 22:19:54 ID:i6q24Kh2
ペペわからなくてググった
すぐに固有名詞挙がるような有名な品なのかw
440名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 22:37:31 ID:iWLdnplD
ぺぺは薬局にも置いてあるお
他のバンメンも使ってるとか、病気になりそうだ…
441名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:59:15 ID:Fz+LC4s7
そもそもお湯で薄めて使うものなのにね
442名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:10:08 ID:8xeX9lFc
詳しいw

楽屋にあったのはきっとベビーオイルかなにかだったんだよきっと

井上に続きあったらいいな
443名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:22:12 ID:6nHAW05n
>>442
ナイス!
ローションてベビーオイルのことだったんだな!
てかそういうことにしましょう!
姉妹品でベビーローションてのもあるしな!
よかったね落ちがついてw
444名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:47:01 ID:e86n6s7n
>>441
洗面器でニチャニチャするデイジー萌える
445メッティ×デイジー:2008/10/06(月) 23:51:10 ID:fWp8hoIk
メッティ×デイジーを投下いたします。
お誕生日ぎりぎりだ。
エロ少ないです。ごめんなさい。
446メッティ×デイジー 1/6:2008/10/06(月) 23:51:46 ID:fWp8hoIk

 ここまで、順調に事は進んでいる――はずだ。だが、これからが本番だ。
 落ち着け……落ち着くんだ。あれ程予習をしてきたじゃないか。
 君を不安になんてさせない。僕がちゃんとリードしていくよ。
 僕だって男だ。やるときはやる。今こそ、その時なんだ!

「そ、そろッふぉ……ごほんっ! ……そろそろ、いいいだろ、うか?」
「……。あっ、うん」
「よし。うん。あー、その。もし、痛かったら、遠慮なく言ってくれたまえ」
「ありがと。でも、私は大丈夫だから。格くんこそ、遠慮しないでね」

 ……君の微笑みは、なんて綺麗なんだろう。
 染まりあがった肌も、濡れて光る唇も、眩しいくらい綺麗だ。
 きっと、この上なく難解な問題を解いた後よりも、僕は満ち足りた気分になれるはずだ。
 君を解き明かし、その答えの素晴らしさを知り、君の全てを僕のものにできるのだから。

「そんなに見ないで、恥ずかしいよ……。ねぇ、格くん? ……格くんってば!」
「へァっッ!? え、あぁっ、すまない、今なんて……」
「……やっぱり、いや? 私じゃダメなの?」
「え……?」
447メッティ×デイジー 2/6:2008/10/06(月) 23:52:31 ID:fWp8hoIk
 君は、いきなり何を言ってるんだ?
 ぼーっとしてしまったのは僕が悪い。それで君を不愉快にさせたのなら、きちんと謝るよ。
 でも、嫌って何がだい? なんで君がダメなんだ?
 ああ……君は本当に難しい。突拍子も無くて、ちっとも掴めやしない。

「格くん、したくないの? 私のこと、面倒に思ってる?」
「いや、その、面倒とかどうとか、もう少し――め、面倒って!?」
「……私、今日こそ格くんと一つになりたい。そういうの、本当は嫌だったの?」
「いいっいいいいやなわけっなななあいじゃっないっか!」

 本当に、本当に僕はダメなやつだ。言ったそばから、もう君を不安にさせてしまった。
 僕の迷いや不安を、うつしてしまったんだな。
 君が僕に対して敏感に察してくれることを、忘れていたなんて。
 どんな時だって僕を受け入れ、思ってくれているのに。

「僕は、君が好きだ。君をだっ、だ……抱きた、いと、ずっと思っていたよ」
「本当? 無理してない? 私のために無理してるなら、そんなこと――」
「無理なんかしてない! ……ごめんよ、不安にさせてしまって。もう、やめやしないから」
「格く、ん……っ」
448メッティ×デイジー 3/6:2008/10/06(月) 23:53:04 ID:fWp8hoIk
 君が苦しむとわかっているのに、抱きしめる力を加減出来ない。
 それに負けじと抱きしめ返してくれる君が、愛しくて堪らないよ。
 今日という日に覚悟を決めてくれた君に、僕なりに精一杯応えるよ。
 情けないところは、もう沢山見られているしね。今更格好つけるなんて、出来るはずもない。

「いっ、いた……っ!」
「す、すまない! その、大丈夫……かい?」
「ん……平気。やめないで続けて。最後までちゃんと……んぅ! やめ、ないで……」
「ああ、やめないよ。手を……そう、僕にしがみつくといい。もっと強く。もっとだ」

 君に辛い思いをさせて、申し訳がない。
 それなのに、僕だけが君を感じている。
 どうすれば、君も良くなるんだろう。あんなに調べたのに、何も浮かばない。
 考えが纏まらない……君でいっぱいになって……君が……。

「ぅ、……っくぅ、い、いたるく、んんっ! うっ、はぅっ……」
「はぁっ、あっ……好き、だ、君がっ……好きだ、きみのこと」
「私もすきっ……あっ、あぁ! いっ……、すき、好き……」
「君は、気持ちいい、な……。すごく、すごく気持ちがい、い」
449メッティ×デイジー 4/6:2008/10/06(月) 23:53:35 ID:fWp8hoIk
 気持ちがいい。もう、それしかなかった。
 体温も感触も匂いもすべてが消えて、残ったのは気持ちよさだけ。
 きっと、君だからこんなにも気持ちがいいんだ。いつも感じていたのと同じだ。
 君とだから、僕はなんだってやってこれた。自分を変えることだって、できたんだ。

「く、うっ……あ、あっ、もう、いくっ……ぁ、あああっ! ……はぁ、はぁ、あぁ……」
「いたるくん、どうし――きゃっ! ちょっ、重いよっ。あ、やだっ息くすぐったいっ」
「はぁ……。あぁ、ごめん。でも、このまま……少しでいいから、このままで」
「んっ……うん、いいけど……。あの、もうちょっとずれてくれると、助かるんだけど」

 ずれる? そうか、君を押し潰したままじゃ、流石に悪いな。
 あ、あれ、体が上手く動かせないぞ……。よっ……と。ふぅ。
 こんなひどい虚脱感、初めてだ。独りでやった後より、だるいじゃないか……。
 あぁ、だるい……。自分だけいい思いをした罰なのか、これは。

「格くん、大丈夫? もしかして、良くなかっ……た?」
「そんなこと、ないよ。良すぎて、もう、何がなんだか……」
「気持ち良かったんだぁ。……ふふっ。なーんかずるいなぁ、格くんばっかり」
「ああ。すごく良か――ィひあッ! い! いや、すまない、その」
450メッティ×デイジー 5/6:2008/10/06(月) 23:54:05 ID:fWp8hoIk
 何を言ってるんだ! しゃきっとしろ、呆れられてるじゃないか!
 ……ぅ……。ああ、ダメだ……。君の温もりに支配されてしまった。力が入らないよ。
 すごくだるいのに、なんて心地いいんだろう。このまま、眠ってしまいたいくらいだ。
 これが、この温もりが、君の答えなんだろうか。

「良かったぁ……。すっごく嬉しい」
「うれしい? 君、あんなに辛そうだったのに。嬉しいと感じられるのかい?」
「うんっ。あれ、変かな? でも、嬉しいし、幸せだよ、私」
「しあわせ……」

 ああ、そうか。
 気だるさも、君の温もりも、幸せだから心地いいのか。
 それが、君の答えなんだ。
 君が僕にくれた答えなんだ。

「格くん、なんかテンション低いねぇ」
「……すまない。その、燃え尽きた、と言うか、なんと言うか」
「あはは、変なの。そこまでダラダラした格くん見るの、初めて。あの時の寝起きよりひどいね」
「僕だって、驚いているよ……」
451メッティ×デイジー 6/6:2008/10/06(月) 23:54:45 ID:fWp8hoIk
 君を解き明かして手に入れた答えで、僕はこんなにも満たされている。
 無言のまま抱き合っていると、意識が途切れてしまいそうだ。
 君が僕の髪をいじったり、鼻を突いたりしているのがわかっても、反応すらできない。
 微かに聞こえる吐息や忍び笑いすら、子守唄のようで、心が安らいでいく。

「格くん。お誕生日おめでとう。生まれてくれて、ありがとう」
「……僕のほうこそ、ありがとう」
「あっ、寝たふりしてたんだ! もう、恥ずかしいなぁ。言わなきゃ良かった」
「そ、そんなこと、言わないでくれよ……」

 君がいてくれて、本当に良かった。
 もっと幸せを感じてもらえるように、精進するよ。
 君にも、誕生日に関係なく何度も言いたい。生まれてくれて、そばにいてくれてありがとう、って。
 でも、明日でもいいだろうか? 今はこのまま、君に浸っていたいんだ。
452メッティ×デイジー:2008/10/06(月) 23:55:16 ID:fWp8hoIk
以上です。読んでくださった方、ありがとうございました。

メッティ、お誕生日おめでとう! 生まれてくれて、ありがとう。
本スレの勢いにびびって言い損ねたので、ここで。
453名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:16:51 ID:o1LS6mMP
やーん(*´∀`)メッティ最萌えなんで嬉しかったです
いちいち裏返るのがカワユスw
ありがとうございました!
454名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 13:27:34 ID:tZ91J54M
GJです!
メッティ攻略してみよう
455名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:20:57 ID:S/qhh+Nx
保守
456名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:28:37 ID:InmSfVXH
>>452
GJ!2人とも初々しくて可愛すぎる!
こっちまで幸せな気持ちになれたよ、ありがとう
457名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 02:29:34 ID:nxXALQK3
かわええな
458名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 02:17:54 ID:dUCkUX9j
GJ!
いっぱいいっぱいなメッティかわいいww
459バイト←主:2008/10/12(日) 11:36:50 ID:S9cel8if
初めてSS書きました。…が!
全然幸せなお話じゃないです。
しかもエロ少ない…(´・ω・`)ショボーン
ちなみに、主はまどかの浮気相手って設定です。
最近GS1のSSが少ないので投下しますが、
苦手な方はスルーしてやってくださいorz
460バイト←主:2008/10/12(日) 11:38:12 ID:S9cel8if
 # 哀 れ 恋 す る 僕 等 模 様


「まどかと別れたのって、いつだっけ。」
「んー…忘れた。半年くらい前?」
「…あたしたち、何でまだこんなことしてるんだろうね。」
「好きやから、とちゃう?」
「じゃあ何で別れたんだろう…」

乱れたベッドの中にふたり、小さなあたしは大きなまどかの腕の中にすっぽり収まっていた。


「俺が、浮気したから。」
「…今じゃあたしが浮気相手?」
「………」


まどかは、静かにあたしを抱きしめてた腕をほどき、枕元に置いてあったたばこに手を伸ばした。


「まだ、吸ってんの?」
「うまいから。」
「あたしは、くさいからいや。…もし、吸ったあとキスしたら、怒るから!」
「へーへー。」


ふん、と顔を背ける。
まどかはそんなあたしの顔を自分の方に無理矢理向けて、たばこを吸った直後にキスしてきた。
461バイト←主:2008/10/12(日) 11:39:20 ID:S9cel8if
「ちょっ…いやって!うわっ、ギャア!」


嫌いなたばこを吸われようとも、知らない女と浮気されようとも、
…好きな気持ちは抑えられなくて。あたしはほとんど無意識に、まどかの首に腕をまわしていた。


ゆっくりとあたしの体を辿るまどかの手。
あたしの弱いところばっかり執拗に攻める手に翻弄されてしまう。


「やだ、まど…かっ。ん…そこダメ…ぁ」
「体は全然嫌がってないで?ほんま、お前は素直やないなー…。
 やめてもいいん?」
「…意地悪。…ほんと、どS。」
「そのドSにいじめられて悦んでるお前はドMやな。」
「うるさい…。っ、やばっ…い、まどかイきそう…っ。」

薄く開いた目に映るのは、ニヤニヤと笑う意地悪なまどか。
窓から差し込む月の光だけが、唯一の灯の中で
あたしは大きな背中にしがみついて、何度もまどかの名前を呼びながら限界に達した。



好きなんだ。別れたあとも、いくら忘れようとしたって無理だった。
ほかの男の人とは、比べものにならないよ。
まどかは、そんなあたしの気持ちを知ってか、すごく調子に乗ってくる。
でも、これが惚れた弱みね、あたしはまどかがどんなことをしたって、なぜか許せてしまう。
462バイト←主:2008/10/12(日) 11:41:24 ID:S9cel8if
ねえ知ってる?男の人って、浮気されたらその人自身を恨むけど、
女の人って、浮気されたらその浮気相手を恨むんだって。
女の方が、こわいよねえ。執念だよねえ。


ガチャ


ベッドでじゃれあうあたしたち。玄関のドアが開いたことにも気付かない。
まどかを呼ぶ声で、はじめてその人に気付いた。


「姫条くん…」


まどかがびくっと震えて体を即座に起こした。


「えり…」

そうか、今付き合ってる彼女さんはエリさんって言うんだ。
ふんふん、とチェックしながら、あたしはエリさんを凝視した。
セミロングのきれいな女の子が、顔を青くして立っている。


「その人、誰?」
「………え?」
「その人、誰なの?」
「…ええと、………姉貴?」

“姉貴?”じゃねえよ。あたしはいつからまどかのお姉ちゃんになったんだっつの。
あとひとつ言っとくけど、普通の家庭ではお姉ちゃんとベッドで、
はだかでじゃれあったりしませんのよ。

「エリさん、あたし、まどかの姉だから、安心してね。」

まどかの態度で分かってた。「エリさん>あたし」なんだよね。
今、それを再確認した。いいよ、それでもいい。それでもいいって思える。
あたしは、まどかが好きなだけなんだもの。
まどかの一番になろうとか、思ってないから。
これからも、ときどき会ってくれるだけでいい。

それでいいから。お願い、“あたし”をやめないで。

部屋の外にまどかとエリさんが出て行った。エリさんにあたしのことを話しているんだろうな。

ベッドをきしませながら、服を着る。
部屋の隅に貼ってあるまどかとエリさんの写真。
半年前までは、あそこにあたしの写真があった。
もう、だめなのかなあ。まどかが、好きなだけなのになあ。
目頭が熱くなって、うつむく。ベッドカバーにぽつぽつと染みがついた。

一番になろうとか思ってない、だなんて、そんなはずないじゃないか。
好きな人の一番になりたいっていうのは、自然の摂理だと、思う。
あたしの目から流れ落ちるものは、なかなか止まってはくれなかった。
463名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 11:44:35 ID:S9cel8if
うpしてから気付いたけど、このスレ見てる方の中に
えりさんがいたらゴメソ(´;Д;`)

お目汚し失礼しますたノシ
464名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 21:07:29 ID:NFtXFfr4
切ねぇええええええええええええ
465名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 02:44:05 ID:hRa1JgGZ
バイトイイヨイイヨー
GS1も2も投下お待ちしてます
466名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 08:49:32 ID:1A0mcwFs
保管庫見まくったけど、隠しと若がすごく……変態です
ワカメは変態という名の電波
467名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 15:47:56 ID:PbzUjGeZ
携帯なんだけど、新保管庫がトップページとインデックス(トップの次)しか見られない。
携帯じゃ無理とかauからじゃダメとかあるのかな?
最近このスレ知ったばかりで以前のも出来たら読んでみたいのに悲しい。
どなたか見られる方法をご存じの方がいたら教えて下さい。
468新保管庫”管理”人 ◆iS/fhAsqnE :2008/10/13(月) 18:22:11 ID:tlVSdW2m
>>467
トップページに携帯変換用のリンクを追加してみました。
これで見られるようになっていると良いのですが…
469467:2008/10/13(月) 19:43:53 ID:PbzUjGeZ
>>468 新保管庫管理人様

見られました!
素早い対応本当にありがとうございます。
今夜は思い切り萌え尽きようと思います。
楽しみだ〜!
470バイト×主:2008/10/15(水) 20:42:10 ID:ocderPeV
バイト×主投下。
エロ少ないです、すいません。。
471月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:42:55 ID:ocderPeV
どこで星が歌う声が聞こえた気がした。月が笑う声が聞こえた気がした。


だけどそれはあくまで「気がした」だけであって。
実際に聞こえてきたのは姫条くんの優しくて、でもとても熱を帯びた甘い声だった。


「今日はえらい冷えるなー…。」
「うん。早く帰らなきゃ。遅くなるともっと寒くなるよ。」


ふと目をやった時計の針は午後の6時を少しまわったところを指していた。
時間を確認して、姫条くんの机に広がったノートや教科書を片付ける。
今日は二人で残って勉強をしていた。…正しくは勉強を教えていた。


数学の時間に居眠りをしてしったのを氷室先生に見つかった彼は、
罰としていつもの倍ほどの量の宿題を出されていた。
嫌がらせなのか、その中にはまだ授業でやっていない範囲も含まれていたのだ。
掃除の時間に申し訳無さそうな顔をして近づいてきた姫条くんは、
「良かったら…教えてくれへんか?」と妙にしおらしい態度で話し掛けてきた。
捨て犬みたいな目で見詰められて、断ることなんで出来る筈もない。
いいよ、とあっさり返事をしたわたしを見て、いつもの顔で彼は笑った。
472月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:44:45 ID:ocderPeV
「なんや、遅うまでごめんな?」
「いいよ。どうせこれぐらいの時間になるだろうと思ってたもん。」
「…酷いわー、ジブン。」

小さく笑ったわたしを見て姫条くんも笑った。
机の上を綺麗に片付けて、筆箱を鞄の中に詰め込む。
そろそろ帰ろうと、椅子から立ち上がったわたしを見て姫条くんも鞄を手にした。

「…何か夜の学校って怖いね。早く帰ろう。」

先に席を立って扉に向かったわたしの後を姫条くんがついて来る。
パチン、静かな教室の中に電気のスイッチを消す音が響いた。
真っ暗な教室、真っ暗な廊下。扉に手をかけて開けようとした瞬間、
わたしの手に姫条くんの手が重なった。

「…え?」

いきなりのことに驚いて思わず振り向くと、触れてしまいそうなほど近くに姫条くんの顔。
反射的に目を閉じると、頬に手が触れた。
教室の中は寒いのに、触れる手は熱い。きっと、姫条くんが触ったわたしの頬も熱い。
全身の熱がそこに集まってしまったみたいに。
姫条くんの息で前髪が揺れた。何だかくすぐったくて、身をよじる。
頬に触れた手が離れたかと思うと、そのまま抱き寄せられた。

音をたてて姫条くんとわたしの鞄が、足元に転がった。
473月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:45:43 ID:ocderPeV
わたしより幾分か背丈の高い彼に抱きしめられると、目に入るのは制服の胸元に刺繍された校章だけ。
ずっと触れてほしかった人に抱きしめられているのに、頭の奥の方はやけに冷静で
どうしてこんなことをしているんだろうとか、誰か来てしまったらどうしようと考える。
それなのに、彼の息が触れる場所は、相変わらず、あつい。


「…もう…、我慢できんわ。」


小さく呟いた声をわたしの耳は聞き逃さなかった。
顔を上げると姫条くんはもう一度わたしの頬に片手を添えた。
もう片方の手はしっかりと腰を押さえつけていて、逃れることなどできそうもない。
心臓がドクンと跳ねる。姫条くんに聞こえてしまうんじゃないかと思うほどに。

電気を消した教室の中は窓から差し込むグラウンドの照明だけが唯一の光で、
こんなに近くにいるのに彼の表情をうかがうことはできない。
それなのに、彼の瞳だけはいやに光を含んでいてわたしの意識はそこに集中させられる。
だんたん近づく姫条くんの顔。
男の人とこんな事をするのは初めてなのに、まるでその術を知っているかのように瞳を閉じた。

小さく音を立てて、姫条くんの唇はわたしの瞼に触れた。
頬からこめかみを通って、わたしの髪を大きな掌が梳く。
唇にされるかと思ったのに、そう思って目を開くと姫条くんが耳元でわたしの名前を呼んだ。
小さく、低く、やさしく。とても心地良い姫条くんの声。
何度も、何度もわたしの名前を呼ぶ。
姫条くんに名前を呼ばれるたびに、なんだか自分が世界にひとつしかない宝物にでもなったような気がして
思わず口元に笑みがこぼれてしまう。腰に回された腕に力が入る。

顎をつかまれて、そのまま姫条くんの唇が、わたしの唇に、触れた。
474月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:46:30 ID:ocderPeV
啄ばむような優しい口付け。チュ、と触れ合った唇から音が鳴る。
キスをする時はこんな音がするんだ、だんだん息が上がる中そんなことを考えていた。
そっと離れた唇。ふぅ、と姫条くんから熱い息が漏れた。
そのまま腕を強く引かれて教卓の上に押し倒される。
見下ろされる状態になってから、なんて恥ずかしいことをしているんだろうと思った。

わたしも、姫条くんも、何も言わない。何も聞かない。
それは多分時間にしてほんの数秒だったけど、わたしには永遠に感じられるぐらい長い沈黙だった。

「遊びとかやないねん。ほんまに初めて、本気で好きになったんや…。」

沈黙を破ったのは姫条くんだった。
相変わらずその表情は暗さのせいで見えなくて、
そこから姫条くんの思考を読み取ることはできそうもない。
何か言わなきゃと一生懸命頭を回転させても、わたしの口はなかなか言葉を紡ぎ出せないでいる。
言葉にならない息が肺から喉元にこみ上げる。
行き場をなくした息は、深く深く、肺の奥の方に押し戻されていった。

「この腕も、髪も、ほっぺたも、唇も、ぜーんぶ。
 ずっとずっと触りたかった。ずっと、俺だけのモンにしたかった。」
「…姫条くん。」

大きな手が、わたしの体をなぞる。髪に、頬に、唇に、手に、首に。
器用に動く掌に急にそうしてみたくなって、わたしは自分の手を重ねた。
少し驚いたように彼はわたしの顔を見つめる。
絡みあった視線の先にある、吸い込まれてしまいそうな程深いブラウンの目を見て言った。

「わたしも、一緒だよ?ずっと触りたいって思ってた。ずっと、触ってほしいって。」
475月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:47:18 ID:ocderPeV
それから姫条くんは、わたしの大好きな顔でにこりと笑って強く腕を回した。
潰れてしまうんじゃないかと思うほどの力に、思わず声を上げる。

「そんなに強くすると、潰れちゃうよ。」
「あぁ、スマンスマン!なんや、嬉しゅうなって…。
 思わず力入ってもーたわ。」

なんだか子供みたいな彼を見て、思わず頬が緩んでしまう。
優しい手、
優しい声、
優しい笑顔。
どんな月の光よりきっと優しいその温もりに、わたしはひとつのお願いをする。
もう一度キスがほしい。

「ねぇ、姫条くん?頬でいいからキスして。」
「ほっぺた?それより唇にしたいねんけどなー。」
「だめ。ドキドキしちゃう。」
「ははっ、ドキドキするん?」

教卓と背中の間に太い腕が回されて距離が縮まって、わたし達は見つめあった。
ふと目をやった窓の外にある星が今日はやけに眩しい。気のせいだろうか。

「次は、ジブンからしてほしいなぁ。」
「やだ。恥ずかしいもん。」
「俺はジブンからのチューが欲しいねんけどなぁ。」

耳元で甘く名前を囁いて、姫条くんはわたしの首もとに顔をうずめる。
教卓の上は酷く不安定で、彼の腕に支えてもらわなければいつ落ちても不思議じゃない。
何だか今のわたしたちみたいだ。
細い糸一本で繋がれたわたしと姫条くん。

きっとその糸を紡いでいるのは、お互いの好きだという気持ちだけだろう。
476月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:49:26 ID:ocderPeV
大きな手が背中に回る。
少し浮かせて隙間を作ると、するりと手が伸びてきて下着ホックを外した。
胸に伸びてきた手はゆっくりと膨らみを揉みしだく。
その先の芽は気持ちよさのせいか、寒さのせいか、硬く尖っていた。
わたしの反応を楽しむように、ゆっくりと手が動く。
大きく円を描くように揉んでいたかと思うと、ふいに先を摘まれる。
気持ちいいんだけど、もっとしてほしいと思うもどかしい気持ちが入り混じって、何だか不思議な感じ。
こんな声を自分は持っていたのか、と思うほど甘い声が唇からもれていく。

ゆっくりと姫条くんの手が下へと下りていって、太ももの内側をなぞった。
彼が胸に唇を落とすたびに長い髪の毛が首元をくすぐっていく。
片方の手は相変わらず胸を弄んでいて、刺激を与えられるたびに背筋がゾクゾクしてしまう。
急に彼の頭が持ち上がったかと思うと、両手で膝の裏を持ち上げられた。
音を立てて、唇が太ももに触れる。
優しく触れるその唇に、どうしようもないぐらいの愛しさがこみ上げてくる。


「ほんま、可愛い…。この体全部、俺のモンやんな?」
「っ、やぁ…。息、くすぐったいよ…っ。」

ゆっくりと、姫条くんの手が動く。
下着の上からなぞられたソコは自分で分かるぐらいに湿っていて。
肌に張り付く布の感覚がなんだか気持ち悪い。

「あっ…、や、なんか、っ変な感じ…。」
「ここ触られるの初めてなん?」

いつの間にか、足の間にあった姫条くんの顔はわたしの顔の真上にあった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、思わず顔をぷいと横に向けてしまう。

「っ、当たり前でしょ?こんなことするの、姫条くんが初めてだもん…。」

余裕のある彼に追いつきたくて必死の強がり。
平気なふりして言ってみたけど、今にも口から心臓が飛び出しそうなほどドキドキして、
…今すぐ逃げ出してしまいそうなほど、怖かった。
477月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:50:02 ID:ocderPeV
割れ目をなぞるようにして長い指が動く。
姫条くんの指が這うたびに、私のソコはおもしろいぐらいに溢れてきて、時々、ヌチャリと音をたてる。
下着越しの指の動きにたまらなくなって自分から腰を動かしてしまう。

「ちゃんと、っ触って…?」
「…やっぱり、すけべぇ、やな。」

ニヤリと笑った顔が月の光に輝いた。
下着の脇から指が入ってくる。一体何本の指で愛撫しているんだろう、と思うぐらい器用に動く手。
溢れた蜜を指に絡めて、上から下へとこすりつけてくる。
何かを見つけたように指が一瞬止まると、少し力を込めて芯を引っかかれた。
わたしのソコから溢れた蜜を塗りたくって、爪を立てないように優しく指先で弾かれると、
思わずその感覚に背中が仰け反ってしまう。

「き、じょうくん、っ」
「いやらしーなぁ、ここ…。いっぱい濡れて指に絡んでくるで?」
「だめっ…。あ…、い、じめない、で…よ、っ。」

確かめるように、姫条くんの指がわたしの入り口に指をあてがった。
ゆっくりと沈められていく指の異物感に腰が引けてしまう。
上へずり上がって逃げようとしても、姫条くんの腕がそれを許してくれない。
がっちりと掴まれた足は薄くと汗をかいていた。
わたしの中に埋められた指が中で動き始める。
顔を覗き込みながら、わたしの一番イイところを探す指。
不意に触れた部分に、体が反応する。

「あんっ、そこ…だめ…。」
「ここ?弱いとこ見つけた…。」

声を上げたのを見て、指はそこばかりを攻め立てる。
初めて味わう甘い快感に、わたしの体は抗うことができない。
つぅと頬を伝う冷たい感覚で、初めて自分の目から涙が流れていることに気付いた。
478月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:51:20 ID:ocderPeV
姫条くんの指は相変わらず、彼が言う私の弱いところを攻める。
だんだん体に力が入ってこなくなって、涙のせいで視界が歪む。


「姫条くん…、姫条くん。」

名前を呼ぶと彼は顔をあげた。
目じりに溜まった涙を見て、優しく唇で雫をすくう。
そのまま顔中に優しいキスの雨が降る。
瞼に、頬に、額に、鼻の頭に。
胸に溢れた愛しさは行き場を無くして、わたしを劣情に駆り立てる。
姫条くんの顎を無理やり掴んで、その器用な唇にキスを落とした。


「やっと、ジブンからしてくれたなぁ。」


甘い囁きが耳に届く。
それから、彼はわたしの目をきつく見据える。
眉の間に少し皺がよったかと思うと、今にも泣き出しそうな顔をして言う。


「そんな、泣かんといてや…。
 そんな顔されたら、なんや、こっちまで悲しゅうなるわ…。」


「違うよ…。悲しいんじゃなくて、嬉しいの。
 ずっと好きだった人にこうやって触れられるのが。
 自分以外の誰かの体が、こんなにもあついなんて知らなかったから。」


きつく抱きしめた彼の体は火傷してしまいそうなほど、あつい。
姫条くんの体をこんなにしているのは、他の誰でもない自分なんだ。
そう思うと、どうしようもなく幸せになる。


―彼にとって、自分もそうだといいのにと思いながら。
479月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:52:00 ID:ocderPeV
唇にキスを落として、姫条くんの体がわたしから離れた。
ズボンのポケットをごそごそと探って財布を取り出す。
札入れの部分から小さな小袋を取り出すと、ベルトに手をかけた。
制服を着ていても分かる前の部分のその膨らみに、目がいってしまう。
照れたように声を上げて笑う彼は、グシャリと髪を掻いて背を向けた。


「そんな見んといてや。見られたら緊張してまうわ。」


ピリッ、と乾いた音がいやに耳につく。
これから彼と結ばれるんだ。
経験がないといえど、そういう知識は十分にある自分になんだか恥ずかしくなってくる。
慣れた手つきでするすると手を動かした姫条くんはこっちを向く。
それからもう一度優しいキスが落ちてきた。
何度もわたしの名前を呼んで、抱きしめられる。
まるでそこにある存在を確かめるように、何度も、何度も。


姫条くんの下半身がわたしのソコにあてがわれた。
ほぐすように擦りつけられる姫条くんのモノ。
怖さを紛らわせるように強く抱きしめた背中は、とても大きくて
わたしは何度も姫条くんの名前を呼んだ。
グっと腰が動くと、言葉にできないような痛みが全身を包む。
背中に回した手に力が入って、姫条くんの背中に爪をたてた。
480月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:53:25 ID:ocderPeV
「っ、もっと、ちから抜いて。」
「ムリッ…んっ…い、いたいよ、き じょうくん、」
「…、ごめ、俺もそんな余裕ないねん…。」



あまりの痛さに逃げようとする腰。
体が縮こまって、どうにかしようと逃げ場を探すけれど
彼の腕はそれを許してくれない。
肩に回された手には力が込められていて、どんなに身を引いても逃れることはできない。
ごめんな、
そう小さく呟いたかと思うと、瞬間、脳天にまで響く、痛み。


「あんっ…、やぁっ!いた、い…。」
「すまん、もう止まらんわ…。」
「やだ…、おねがっ、い…。」



目の前に広がる姫条くんの胸板は汗をかいていて、窓の外の光が反射するたびにきらりと光る。
ガタガタと大きな音を立てて揺れる教卓が、痛い。

それなのに、わたしの口から漏れる息はやけに熱を帯びていて、欲情するってこういうことなんだと思った。
今この瞬間、彼に支配されていることがとても幸せで、
押し寄せる甘い痛みにわたしは抗うことができない。
481月が囁く(バイト×主):2008/10/15(水) 20:54:19 ID:ocderPeV

彼の動きが激しくなったかと思うと、腰の動きが止まった。
小さくもれたうめき声で彼が達したんだと知る。
熱くなった鼓動に、頭の中がだんだん靄がかかったみたいに白む。
このまま寝たらすごく気持ちいいかも、なんて考えながらわたしは目を閉じた。



耳元でまた、やさしく名前を呼ぶ声。
霞む世界の中で彼の言葉に意識を引き戻される。目を開いて、何、と尋ねれば姫条くんはは笑って、


「…呼んでみただけや。」


悪魔の顔をして笑う。
唇を落とされて、もう何も考えられない。
そして心の中でそれもそれで悪くないと考えた。
嗚呼、あなたに夢中。
482バイト×主:2008/10/15(水) 20:55:33 ID:ocderPeV
下手くそですいません…!
ここにいる神みたいにうまく書けるようになりたいもんです…。
483名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 20:56:55 ID:Sj3rpezI
バイトがかっこいい。
GJでした!!
484メッティ×デイジー:2008/10/16(木) 00:14:47 ID:+fRyEM4g
GJです!!
下手ですみませんとか言わない 良かったですよ!
最後の、バイトのセリフがいいわ〜
485名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 23:18:48 ID:TQoriEfl
誕生日記念に王子×主投下します。

最初から全裸でヤッてるだけの話です…。
486王子×主(1/11):2008/10/16(木) 23:20:24 ID:TQoriEfl
背中についっと走る冷たい感触にびくりと背筋が浮いた。
もう何度目だろうか。
甘い痺れが臀部から腰、背中にかけて広がる。
彼は私のその反応を楽しむかのように執拗に何度もそれをくりかえした。
私が珪くんとこうして肌を合わせるようになってもうどれくらいだろう。
告白を受けた春を過ぎて幾ばくかしか過ぎていない間にももう何度もこうして
身体を重ねた気がしているのは彼が私を扱う手付きに何の迷いもなく、
私と同じ回数だけしか経験がないと思えないほどの技量でもって私を翻弄するからだ。
彼はうつぶせた私の背中の背骨の線に沿い舌を這わせた。
その単調なはずの行為は時折脇腹、肩、腰、肩甲骨の先とキスを落としながら繰り返されて
私はもはや甘い痺れにもたらされる吐息交じりの高い声を洩らさずには居られなくなっていた。
背筋を舐める舌がうなじまで上がってくるとまた私は声を洩らしてぴくりと震えた。
487王子×主(2/11):2008/10/16(木) 23:21:45 ID:TQoriEfl
珪くんはいつも、私をこうして幾度も甘い痺れに酔わせ耐えられなくなるまで執拗に愛撫する。
おもわず声を高く反応してしまったうなじを今は執拗に攻めもっと声を出せと言わんばかりに舐められた。
高校時代よりも少し伸びた私の髪。
首筋を隠すように覆っていたそれを掻き分けるように梳いて背中から続くラインを耳朶までめがけて吸い付いた。
唾液が肌を覆いすぐに乾いていく。
その冷たいような感覚がさらに快感を誘った。
「ね、……珪くん」
「何?」
「お願い……」
私は耐え切れなくなって乞うように言った。
「キスしたいよ……」
彼はちゅと音を立てて一つ、私の唇にキスを落とすとまた背中への愛撫を再開した。
私はその彼のそっけない態度に寂しくなる。
もっとちゃんとキスして欲しい。
でも今の私は縫いとめられるようにうつ伏せで自由が利かないのだ。
もどかしいこの状況がさらに私を切なくさせた。
もっといろんなところに触れて欲しい。
キスして抱きしめて欲しい。
うずくこの感覚を鎮めて欲しい。
絶え間なく続く痺れにもう耐えられそうもなかった。
「んふぅ……」
洩らした声に呼応するように彼がきつく背中に痕を残した。
彼はいつも背中の愛撫のおしまいに痕を残す。
それが私には始まりのように思える。
488王子×主(3/11):2008/10/16(木) 23:22:23 ID:TQoriEfl
私の期待通り彼はうつぶせの私を起こすと仰向けに返した。
さんざん愛された背中は敏感でベッドに横たわっただけでぴくりと反応してしまう。
私のその反応に彼は満足したように口の端に笑みを浮かべて
耐えたご褒美のように甘く深いキスを私にくれた。
差し入れられた舌を迎え入れた。
絡めると甘いような気がしてくる。
その甘さを確認しようと自分の舌を伸ばすと彼の舌が私のをいざなうように自身の口内へ導いた。
気付けばそうして追いすがるように彼の舌を求めていた。
彼はいつもそうだ。
追いかけているのは求めているのは自分だと珪くんはいうけれど、いつも私が最後には彼を求めて追いすがるのだ。
悔しくても私は抗えない。
だってこんなに彼を求めて止まないから。
それを象徴するように唾液の糸が離れた私と珪くんの唇を追いすがるように繋いだ。
489王子×主(4/11):2008/10/16(木) 23:22:59 ID:TQoriEfl
珪くんはふっと乳房の先に息を吹きかけてから芯を持ち始めようとしている突起の周囲をくるくると撫でた。
「なあ?」
問われて私は彼のグリーンの瞳を覗き込んだ。
「なあに?」
「右と左、どっちが感じる?」
彼は右と左の突起の周囲を交互に撫でて聞いた。
「……え?そんなのわかんないよ」
刺激を受ける感覚を思い出してみても左右の差は思い出せない。
その瞬間は常に夢中で受け止めるだけで一杯一杯なのだ。
「どっち?」
言って彼は指で撫でた左右の突起の周囲を今度は舌先でなぞり始めた。
ちらりとこちらを見上げて目で聞いてくる。
じんと甘い痺れがまた腰から背中に上がってきた。
私はその感覚の違いを確かめようとその部分に神経を集中させる。
右、左、右、左……。
舌先でなぞるだけの行為から突起を吸う行為に、口内に閉じ込め舌先で叩く行為に
歯で甘く噛む行為にだんだんと変わっていく。
左右交互に胸を愛撫してそのたびに彼は上目で聞いてくる。
490王子×主(5/11):2008/10/16(木) 23:23:30 ID:TQoriEfl
私は荒い呼吸するだけで答えを口にすることは出来なかった。
そもそもどちらがいいなんて分からない。
絶え間なく与えられる刺激にじんじんと沸き起こる下半身の疼きが止まらない。
早く、早く触れて欲しい。
そんな淫らな思いでいっぱいになる。
荒い呼吸と共に無意識に反った背中に出来た隙間に彼は手を差し入れ
先ほどまで愛撫しつくしたそこをさらになで上げた。
思わず声が漏れる。
「わからない?」
その問に答えられない。
「お前は右の方が感じてる」
そう彼は自分で答えを出すと、右側の突起を口に含んだ。
弾くように舌先で叩いた。
口内の音が漏れたけれど私が上げる声で掻き消えた。
背中をさする刺激と胸への刺激があいまってぞくぞくと快感が駆け上がった。
思わずシーツを掴んだ。
彼はその刺激にもう一つ刺激を加えた。
491王子×主(6/11):2008/10/16(木) 23:24:10 ID:TQoriEfl
手のひらで包むように私の秘部に触れる。
その割れ目は自分で分かるほどしっかりと潤んでいて彼が割れ目に沿って触れさせた指を
その愛液の潤みによって吸い寄せた。
添えただけの彼の指先は私の身体の反応によってするりと割れ目の間に収まった。
「すごいな」
彼はそう感想を述べた。
事実、収まりきれない潤みが滴りシーツを汚していた。
彼を待ちわびて涙を流すそこを彼の指先が摺った。
割れ目に納めた指先を上下に擦る。
その刺激が背中、胸のそれと繋がった。
その瞬間、私は自分でも驚くほどの声を上げた。
しかし上げずには居られない。
止めるすべはなく、嬌声は漏れるばかりだった。
492王子×主(7/11):2008/10/16(木) 23:25:06 ID:TQoriEfl
摺り上げる上下の動きは一定なのにまるでリズムを刻んでいるようで
その動きひとつとっても私は珪くんにしっかりと私を把握されているのだと思う。
彼はいつでも愛撫に時間をかけたセックスをする。
それは挿入時に私に痛みをなるべく与えないようにしようという彼の気遣いだけでなく、
純粋に彼はこの行為が好きだからなのだと思う。
私は愛撫に没頭する珪くんが好きだった。
その最中に交わされる言葉は少ない。
それよりも注がれる視線のほうが雄弁に彼の気持ちを表してくれる。
このときほど彼に愛されていると思わないときはない。
グリーンの瞳が私が喘ぐ声と仕草でだんだんと熱っぽく艶を増していく。
その瞬間、私のわずかな自尊心が満たされるのだ。
私を追い詰めるその行為がめぐりめぐって彼を追い立てる。
彼が洩らす呼吸が大きく速くなる。
肌が熱を増していく。
493王子×主(8/11):2008/10/16(木) 23:25:40 ID:TQoriEfl
少し触れるだけの指先から与えられる刺激は私自身の潤みに助けられて
一番敏感な蕾を蹂躙してゆく。
両の手と唇によってもたらされる刺激に私は限界寸前だった。
珪くんはふとその手を止めてぎゅっと私に覆いかぶさると耳元に口を寄せて言った。
「なあ?」
「……ん?」
「どうして欲しい?」
上擦った余裕のない声が低く耳元でささやかれる。
彼もまた限界のようだった。
それでも彼は自分の欲望を押し付けない。
そして言わせるのだ、私に。
羞恥と刺激の余韻からなかなか言葉を発しない私に焦れて彼は私の脚を割り開いた。
膝裏に手を添えて開かせるとその間に身体を挟み込む。
「?」
戸惑う私を他所に彼は溢れる蜜壷に先ほどまで肉芽を摺った手を添えた。
つぷりと音がするように指先を埋め込む。
しかし埋め込んだのはほんの少し、第一間接ほどまででそこでノックするように小刻みに入り口を叩いた。
「言えよ」
「え?」
「どうして欲しいか」
言って彼は伸ばした舌先を指先で触れていた肉芽に当てた。
494王子×主(9/11):2008/10/16(木) 23:26:15 ID:TQoriEfl
指先よりも温かでやわらかい、でもしっかりとそこに触れる。
じんじんと疼くそこに舌先で円を描く。
その動きだけで蜜壷が蜜を吐き出しきゅっと収縮した。
ほぐすように指先が動き入り口を叩く。
もう限界だった。
理性はとうに擦り切れていて、上げる声は自分でも分かるほどの高い声だ。
とうとう彼が肉芽を唇で覆い舌先で弾くように攻めてきた。
私が一番弱いその刺激に身体が跳ねた。
それを逃がすまいと彼は空いている手で私の腰を掴む。
迫り来る波にぎゅっとシーツを掴んだところでふっと刺激が止んだ。
「?」
どうしたのだろうと潤む目を押さえて焦点を彼に合わせた。
グリーンの瞳があの熱を帯びた視線でこちらに問う。
「言えよ」
「……え……ちょ、ぁあっ!」
そしてまた芽を舌先で叩いた。
『どうして欲しい?』彼の言葉を頭の中で反芻する。
上手い言葉は見つからず私はただ欲望に忠実に言葉をつむいだ。
吐き出すような言葉は彼の耳に届いたのか、
ぎゅっと舌を肉芽に押し付けたまま彼は添えていた指先を蜜壷に沈めた。
すぐに一度引き抜くと今度は本数を増やし埋めていく。
中で掻く様に動かされて私はあられもない声をあげて達した。
495王子×主(10/11):2008/10/16(木) 23:27:10 ID:TQoriEfl
一度目の絶頂の余韻に身体を伏せた私の耳にスキンの封を切る音が届いた。
彼が準備を終えて覆いかぶさってくる。
私が大好きな艶を湛えた瞳が続きを促した。
「うん」
頷いて、私は彼を迎え入れる。
ここから先はいつも私はあまり記憶がない。
夢中だからだと思う。
事後に彼にこういうことを言っていたと言われても私はまったく覚えていなくて
ただ、満たされたという思いだけが残る。
今日もやっぱりそうで、彼の動きに翻弄されただ受け入れた。
中が収縮して彼自身を抱きしめるように奥へ奥へと導く。
白い世界が見え初めて私は絶頂の波を意識した。
その刹那、荒い息遣いの珪くんが私の名を呼んだ。
「?」
堅く閉じていた瞼を起こすとそこには深いグリーンアイズ。
私を見下ろすように抱く彼の視線とぶつかった。
告白の春をほんの一瞬思い起こすその切ない瞳に私はまた恋をする。
私たちは視線を交わしたまま共に果てた。
496王子×主(11/11):2008/10/16(木) 23:27:41 ID:TQoriEfl
ピロートークも会話は少なくて、
ゆっくりと事後の余韻に身をゆだねる。
珪くんは私を胸元に抱きしめたままゆるくあくびをして
するすると肌を撫で、時折額や瞼にキスを落とす。
私は珪くんの肩に頭を乗せて鎖骨や脇を少しくすぐったり
彼から落とされるキスを受けたりして彼がすぐに眠りのふちに落ちてしまわないように
邪魔をする。
でも結局二人とも睡魔には勝てなくて
そのままふわふわと眠りに引き込まれていった。
497王子×主:2008/10/16(木) 23:29:09 ID:TQoriEfl
以上です。
行間少なくて読みにくくてすみません…。

お目汚し失礼しました。
498名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 01:43:10 ID:c3efL9VC
>>482
文章センス好きだー
次の作品も楽しみにしてます

>>497
超GJ!
大変美味しくいただきました
499名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 02:01:23 ID:ZKR7ItOg
GJです!!!
久々に王子SS新作読めて幸せだ〜!主人公裏山www
>>492は「この時ほど〜思う時はない」?蛇足ゴメンヌ
投下ありがとう
500名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 06:35:58 ID:ohZ7iank
GJです
本当、主人公が裏山
501名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 08:11:30 ID:/RiIcsio
GJ!
王子の新作嬉しい!

502名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 14:09:20 ID:VirZgxuF
482です。
GJありがとうございます。

>>499
ご指摘のとおりの下記間違いです…。
すみません。脳内補完お願いします。
誕生日に間に合わせようと慌てて書いたので推敲足りませんでした。
503名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 00:14:57 ID:PZEG5YNV
バイト×主投下した者です。
皆さん優しい言葉をありがとう
てんてー最萌えなのになぜかバイトばっかり書きたくなってしまう…

もっとエロの修行をつんでいつかまたSS投下しにきます!
504名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:12:20 ID:1YmFalux
正座して待ってます!o(^ヮ^)o
505名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 19:18:40 ID:pKfK5uIC
ほすほーす
506名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 12:44:25 ID:NgN/HfO7
親友キテル×主投下します
・エロ殆どなし、というか本当に匂わす程度
・キテルが親友で、本命は特に指定なし
・主の名前は美奈子、バイトは珊瑚礁
・中途半端な終わり方だけど続かない
携帯から初投下なので見苦しいところあったらすみません
それではよろしくお願いします
507親友キテル×デイジー(1/4):2008/10/27(月) 12:46:33 ID:NgN/HfO7
珊瑚礁の夜は遅い。
最後の客が出て行ったのを見届け、ドアにかけられたプレートを裏返す。その時既に午後10時半。
それからやっと、俺と美奈子は片づけに取りかかる。じいさんは今夜は同業者との会合だとかで不在。
こんな遅くに男女2人っきり、なのにロマンチックな展開が全く期待できないその理由は、俺がこいつの親友だからだ。

「でね、そしたら彼がね…聞いてる?佐伯君」
「聞いてるよ、聞いてるからさっさと片付けろ」
俺が床を掃いている後ろで、美奈子が棚にグラスを並べている。
さほど高価でない量産品だがセンスのいいそれは、俺と美奈子で選んだものだ。
以前一緒に行った買い出しで、店頭で美奈子が何気なくそれを頭上にかざしたとき、一瞬で目を奪われた。
上品に施された細工が、店内の照明を受けて多彩に光を放つ姿はとても美しく、半ば衝動的に購入してしまった。
もちろんこの珊瑚礁においても、無機質に並べられているだけで充分に見栄えがする。
だが俺には、美奈子の手の中で光を反射しているときが一番美しく見えた。
だから、こいつがグラスを並べる姿を見つめるのが好きだった。
だが今は違う。俺は、極力美奈子から目を背けるようにして箒を動かした。
508親友キテル×デイジー(2/4):2008/10/27(月) 12:49:41 ID:NgN/HfO7
「…あーぁ。佐伯君の意地悪」
美奈子は少し拗ねてみせ、すぐにまた作業に戻った。
…全く、毎回毎回大して親しくもない男の話を聞かされるこっちの身にもなれっての。
そう心の中で呟き、作業を続けようとした俺の手は、次の瞬間に放たれた美奈子の一言により完全に動きを止めた。
「…やっぱり経験ないのがいけないのかな…」
思わず振り向き、美奈子の後ろ姿を凝視してしまう。
…は?経験?
経験っていうとあれか?キス…は事故とはいえ俺としてるし、まぁ本当は昔事故じゃないのもしてるんだけど、
だとしたらやっぱりキスの先のその先にあるアレなわけで、その経験の話だよなってかこいつ経験ないのか、
まぁそうだよなこんなガキっぽい奴…って俺は何喜んでるんだ落ち着け!こいつの真意を質すんだ!
コンマ1秒で逡巡を終えた俺は、声が上擦らないように注意しながら美奈子に問う。
「…はぁ?何言ってるんだお前」
「今日西本さんと一緒に雑誌見てたら書いてあったの。
その…初めてを重く感じる男性も結構いるんだって」
今更その露骨さに気づいたのか、少し躊躇いながら美奈子は話す。
本気で照れているのか、白いうなじが上気している。それを彩るかのように、短い髪が動きに合わせて揺れる。
ーこいつが「経験」する時、その肌はどのように色を変えるのだろう。その髪はどんな香りを放つのだろう。
「だ、だからね、そういう経験がないことが、彼とうまくいかない原因だったりして、なんて…」
尻すぼみになっていく美奈子の声が頭の中に響く。それを聞きながら、俺は何故かあの日の浜辺を思い出していた。
509親友キテル×デイジー(3/4):2008/10/27(月) 12:53:38 ID:NgN/HfO7
あの日、好きな奴がいるのだと、そして友達の俺に協力してほしいのだと美奈子は言った。
皮肉にも自分の想いに気づかされたその時から、俺はこいつを真っ直ぐ見ていない。
他の男にもたらされた笑顔を見るのが癪なのだ、そう思っていた。
でも本当は、恋を語り、愛を語り、そのことで一喜一憂するこいつを見て、
例えそれが自分に向けられたものでなくとも、美しい、手に入れたいと感じてしまうほどに強い、
自分の渇望から目をそらしたかっただけなんじゃないか。
それを証明するかのように、久しぶりに見つめる美奈子の後ろ姿はとても綺麗で、俺の情欲を激しく突き動かした。
グラスを優しく包み込む小さな手が目に入る。
昔一度戯れに握った時の、華奢で柔らかな感触が蘇る。
俺は自分でも半ば無意識に、ふらふらと美奈子に近づいていていった。
「ごめんね、突然変なこと言っちゃって!もうすぐこっちは終わるから…わっ!」
美奈子は早口で取り繕いながら振り向き、小さく声を上げた。
音もなく近づいた俺が、不自然な程近くにいたからだ。
「さ、佐伯君?どうしたの?」
戸惑いながらも真っ直ぐ俺を見上げる瞳。小さく開かれた桜色の唇。
―あぁ、俺はどうしてこいつと、自分の気持ちと向き合わずに平気でいられたんだろう。
あんな一言で崩れてしまうほど、脆く儚い砦だったのに。
510親友キテル×デイジー(4/4):2008/10/27(月) 12:57:35 ID:NgN/HfO7
問いには答えず、代わりに細く柔らかい髪に手を伸ばし、その一房を掌に取る。
「…なら、してみれば?」
「…え?」
その髪に口づけるようにしてゆっくりと距離を詰める。自然と美奈子を後ろの棚に追い詰めるような体勢になった。
仄かに漂うシャンプーの香りに、口の中が急速に乾いていくのがわかる。
―いや、もしかしたら俺は、あの日からずっとこんなチャンスを待っていたのかもしれない。
「経験、してみればいいだろ、俺と」
かすれた声でそう囁く。美奈子が再度息を飲む音が聞こえた。
―これでもう、親友という生温くも安全な場所には二度と戻れない。
だがそれでも構わない。俺が本当に求めているのは安全でもなく、
相思相愛なんていう理想論でもなく、お前そのものなんだから。
自分の心音が耳にうるさいほどに響く。目の前の瞳は、様々な感情を映し出すかのように揺れている。
しかし、そこから美奈子の意図を読み取ることはできず、俺はひたすら答えを待ち続ける。
その永遠とも感じられる時間の中、俺はグラスの放つ輝きを思い出していた。
511名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 12:59:12 ID:NgN/HfO7
以上です、ありがとうございました!
って最後に入れようとして忘れました…すみません
512名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 14:02:09 ID:2PkaLM8A
親友キテル大好きです!
ありがとうございました、出来れば続きが知りたい〜!!
513名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 17:57:39 ID:MDfHN0+W
GJ!切なさがいいね
続かないのが残念だ
514名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 18:22:24 ID:GQ+JNWRJ
GJ、だがここはエロパロ板だし頼むから続いて欲しい
耐えられないんだ
515名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 21:14:41 ID:q5Lg3b3b
なんという中途半端w
516名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 11:27:15 ID:mBNlph71
age
517名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 02:11:58 ID:CDywXZs3
キテル、ヤッちゃいなよ
518名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:50:28 ID:MpSgQFIq
>>517
ジャニー乙
519名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 00:22:32 ID:6wRHUC07
保守
520名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 21:22:10 ID:69dKISWu
明日はてんてーの誕生日。
ネ申降臨なるか
521名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:21:16 ID:I9hrxGUf
先生、お誕生日おめでとうございます。
522名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 19:57:13 ID:I9hrxGUf
佐伯→デイジー(美奈子)→誰か

初SSです。3年目1月30日。
エロなし。すみません。
523佐伯→デイジー(美奈子)→誰か  1/3:2008/11/06(木) 19:59:59 ID:I9hrxGUf
突然に電話が鳴った。
着信画面に表示されているのは、佐伯の名前。

「もしもし?俺。
 今、ちょっと話せるか?
 すぐ済むから」

明るさを装っているのに、闇の底から絞り出したような、深く暗い声。
美奈子もそれに気付きつつ、普通に答える。
佐伯はきっと、隠しておきたいだろうから。それが二人の距離感だから。

「うん。どうしたの?」

「いろいろ考えたんだけどさ、
 俺、実家に戻ることにした。」

「えっ!?
 そんな、突然・・・・・・。」

思わぬ言葉に、美奈子は絶句する。

「珊瑚礁も閉店したし、
 もう、こっちにいる理由
 つけられなくてさ。」

「そうだったんだ・・・・・・
 引越し、いつ?」

ようやく絞り出した声は、どんなふうに佐伯に聞こえただろうか。

「ああ、今度の・・・・・・やめとく。
 おまえ、教えると
 見送りに来そうだし、
 顔見るのキツいし。

 準備あるから、そろそろ切る。
 元気でな。
 それと・・・・・・。

 奴とうまくいくといいな。
 俺、応援してるから。
 ・・・・・・それじゃ。」

(佐伯くん、
 遠くに行っちゃうんだ・・・・・・)

そう思ったら、矢も楯もたまらなくなった。

「待って! 切らないで!!
 お願い、佐伯くん、お願い。

 このまま、お別れなんて嫌だよ!
 顔見て話したいよ。
 今どこ?」

しばしの沈黙の後、受話器の向こう側からため息が聞こえた。

「・・・珊瑚礁。」

「珊瑚礁だね。すぐ行くから。待ってて」
524佐伯→デイジー(美奈子)→誰か  2/3:2008/11/06(木) 20:06:16 ID:I9hrxGUf
息を切らせて駆け込む美奈子のために、
佐伯は無言で扉を開けた。

「マスターは?」
「・・・病院。腰の具合がよくなくてさ。
 そのあと、仕入れ先に挨拶まわりしてくるって言ってた。」

「そう・・・」

それだけ聞いてしまうと、あとは会話がなくなってしまった。

珊瑚礁の佐伯の部屋。

いつものように、美奈子が佐伯のベッドに座り
いつものように、机の椅子の背もたれの部分に腕を乗せて 佐伯が座る。

いつもと違うのは、この部屋の雰囲気。

閉店以来初めて入る佐伯の部屋は、以前とずいぶん様変わりしてた。
空っぽの本棚。
ベッド。机。
ダンボールに詰め込まれたこまごまとしたもの。

一番上に、貝殻モチーフの写真立てがあった。
知り合ってから最初にあげた佐伯の誕生日のプレゼント。
ずいぶん前に・・・こんなことになる前に、
空中庭園で撮ってもらった写真が入ってる。

「・・・コーヒー、飲むか? 厨房閉めちゃったから、インスタントだけど」
「・・・ありがとう」

珊瑚礁のバリスタが、インスタントのコーヒーを出すなんて・・・
佐伯の心情を思うと、思わず言葉が出た。

「佐伯くん、ひどい顔色だよ。
 私、何かしてあげることができないかな。
 ずっと、佐伯くんに支えてもらってたから
 何でもしてあげたいよ・・・」
525佐伯→デイジー(美奈子)→誰か  3/3:2008/11/06(木) 20:11:53 ID:I9hrxGUf
普段なら 『お前にできることは、俺にもできるから、いらない』
軽口が返ってくる。
そんな二人の距離感だったはずなのに、今の佐伯は何も言わない。

重い沈黙。

美奈子は思わず、右腕を上げて空気をかきまぜた。

「・・・何やってるんだよ?」
呆れた佐伯の声。

「空気、かきまぜてみた。」
「・・・ばか」

それで充分だった。
佐伯はようやく笑みを見せる。少し疲れたような、泣き出しそうな。

佐伯が美奈子の隣に座る。
肩が触れそうで、触れない距離を介して、互いの熱が意識される。

そして、何度目かの佐伯の溜息。

「おまえ・・・何でもするって言ったよな?」
「・・・うん?」

佐伯の真摯な瞳が、美奈子を捕える。
そらすことを許さない、まっすぐな瞳。

「じゃあさ、・・・キスして。
 あの時みたいじゃなく、ちゃんとしたキス。」

1年生の5月に起こった事故のことを思い出して、美奈子は顔を赤らめた。
帰り道、佐伯の背中を追って、ふとした拍子にぶつかってしまった唇と唇。
事故だった、と佐伯は言った。たいしたことじゃないんだ、忘れろよ、とも。
しかし、あの事故が二人の距離を確実に縮め、そして今の二人の距離を作ったのだ。

何も言わない美奈子の態度を肯定ととったのか、
佐伯の指が、ベッドの上に置かれていた美奈子の指を捕える。

佐伯の整った顔が近付いてきて、美奈子は思わず目を閉じる。
唇がかすかに触れて、数秒後にそのまま離れていった。

「なぁ、俺、お前のこと好きだよ。」

つるっと、佐伯の口から言葉が漏れた。
久々に聞く、素直な言葉だった。

「応援してる、なんて言っといて、こんなこと言ってごめんな。」

佐伯は美奈子の頬に自分の頬を押し当てた。
顔は見えなかったけれども、その感触で、佐伯が泣いていることを美奈子は知った。

けれども、なぜか、その瞬間
(佐伯くんの髪の毛、やわらかいな)
などと、場違いなことを考えていたのだった。

END
526名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 23:09:07 ID:mD+4ZTWQ
保守
527名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 23:30:43 ID:fD0Z+dKD
エロなしはスレチよ

親友キテルの電話でサヨナラはやっぱ破壊力あるわ
DSスゲ
528名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 23:47:46 ID:ISmqFKBt
続きを書け!エロで!
せっかくいい雰囲気なんだから押し倒せ!
529名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 11:59:04 ID:U2Sfqt+t
もう耐えられないんだ!
誰か続きを書いてくれw
530名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 12:48:17 ID:rNaRBKBA
せめて最後にエロ匂わせてくれないとスレチになっちゃうなー、勿体無い。
531名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 12:58:19 ID:RcOBiutc
ちゅーだけでエロスを感じろという逆にハイレベルな小説ということで
532名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 16:24:40 ID:BgaqAOMU
すごくいいもんね
誰か続きをエロでwwwww
533名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 20:36:32 ID:qvvIGM0i
スレチでしたか。うちの佐伯はヘタレですみません。
そしたら、続き書かせていただきます。
しばしお待ちくださいませ。
534名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 22:25:56 ID:WRdK1fJQ
スレチコールはアレだ
続きでエロ書けばスレチじゃなくなる→続き書け
っていう遠回しな催促なんだぜ
535名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 11:18:21 ID:oAKgrSwX
そこで瑛押し倒さないと男じゃないもんな
536名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 04:31:52 ID:gHFi2Pok
今きたんだがすごくイイ!!!
続きが読めるならめちゃめちゃ楽しみw

537名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 07:47:33 ID:3Np31jjz
>>535
キテルを押し倒す男を受信してしまったorz

逝ってくる…
538名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 21:14:52 ID:NPDny7jN
>>523-525 です。

コメントありがとうございました。
エロなしでごめんなさい。
続きを書かせていただきました。
他の作家さま方に比べると微エロかも知れません。

佐伯→デイジー(美奈子)→誰か
続・3年目1月30日。
539続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 1/7:2008/11/09(日) 21:16:50 ID:NPDny7jN
>>523-525

美奈子はその柔らかさを確かめるように
掴まれていないほうの手で佐伯の髪に触れた。

「佐伯くんの髪の毛、やわらかいね」

佐伯は何も言わない。だまって髪をなでられている。
あんなに気を使っていた髪なのに、今日は無造作なままだ。

片側の肩に佐伯の体重がかかった不安定なバランスで
美奈子は髪をなで続ける。

「・・・おまえ、本当にボンヤリさんだな。
 状況、わかってるのか?」

怒ったように佐伯がいい、身体の向きを変えて美奈子と向かい合った。

「おまえ、何でもするって言ったんだぞ。
 俺が抱かせろって言ったら、抱かせるのかよ」

想定外の言葉に、美奈子の体が、表情が、何もかもが固くなっていくのが分かった。
佐伯は今日何度目かのため息をつく。

「ほら、できもしないこと−−−」
「できるよ!」

佐伯の言葉をさえぎる強い声に、美奈子は自分でもびっくりした。
すっと立ち上がり、佐伯に背をむけて 一枚ずつ服を脱いでいく。

「・・・恥ずかしいから、見ないで。」

下着姿になると、美奈子はベッドの中にもぐりこんだ。
佐伯は、呆然として美奈子の様子をみていたが、
毛布が細かく震えてるのを見て、ようやく事態を把握した。

「ばか。そんなガチガチの顔してるおまえなんか襲わないよ。
 俺、おまえが笑っているのが好きなんだ。

 悪かった・・・ かえれよ。」

毛布のふくらみに向かって話しかける。

「わたしだって」

毛布をかぶったまま美奈子は答える。

「笑ってる佐伯くんが好きだよ。」

こんなことになるまで、
佐伯が遠くに離れてしまうなんて想像もしたことがなかった。

そうして、改めて気がついた。
かけがえのない存在なのだと。

どうしたらそれを、佐伯に伝えられるだろうか。
540続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 2/7:2008/11/09(日) 21:18:30 ID:NPDny7jN
佐伯はしばらく動くことができなかった。
いったい何が起こっているのか。まったく理解できなかった。

けれども、自分が腰かけているベッドの中には
なぜか下着姿の美奈子がいて・・・

そっと毛布のふくらみに指を添わせる。
たった一枚毛布を隔てているだけなのに、
永遠に指先さえ届かないように思えた。

「なぁ、俺・・・」
「何も言わないで」

毛布から顔だけ出して、美奈子が笑う。

「寒いからこっちおいでよ。」

毛布を持ち上げて、佐伯を誘った。

佐伯はそっとその隙間に身体を滑り込ませて、そのぬくもりを感じた。
目を閉じる。
なんだか懐かしいような、温かい気持ちになった。
ずっとこうしていたかった。

美奈子の手が佐伯の髪に触れる。
佐伯が目を閉じたままでいると、
美奈子の唇が、佐伯の唇に押し当てられた。
美奈子らしい、不器用なキスだった。

「佐伯くん、好きだよ」
541続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 3/7:2008/11/09(日) 21:19:40 ID:NPDny7jN
そこから先は、無我夢中だった。
ずっと触れたいと思っていた唇に触れ
ずっと触れたいと思っていた指に触れ
ずっと触れたいと思っていた身体の曲線に触れた。

最初は唇。
それから、首筋、鎖骨・・・
少しずつ佐伯の唇が美奈子のラインを辿っていく。

ブラの肩紐が滑り下ろされたときに、小さく美奈子は声を上げたが
それは抗議のものではなかった。

佐伯は美奈子の背中に腕を回す。
美奈子は佐伯が作業をしやすいように身体を浮かすが、
ホックがなかなか外れなくて、二人で笑ってしまった。

「ごめん、緊張してる。」
「わたしも」

ようやく、二人の間の氷が溶けた気がした。

美奈子の胸の頂に佐伯の唇が触れたとき
美奈子は初めて歓びの声をあげた。

「あっ」

反対側の胸は、佐伯の掌にすっぽりと納まり
親指がその頂を愛おしそうに弄んでいる。

「んん・・・」

初めての行為に快感を覚える自分に戸惑いを隠せないまま
美奈子は身をよじる。
佐伯の吐く息があたることすら気持ちいい。

佐伯の方も、愛おしさを告げる代わりに、
ひたすらに ただひたすらに 美奈子の体にキスをふらせていた。
542続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 4/7:2008/11/09(日) 21:20:37 ID:NPDny7jN
佐伯の唇は徐々に身体の下の方、下の方へとさがっていき
ついに、脚の付け根に達した。
無言のまま、美奈子のショーツに手をかけ、躊躇いなく脱がしてしまう。

佐伯の唇が、舌が、ついに秘められた場所に触れた。
初めて人に触れられるそこへ与えられる刺激は
おなかの奥にズンと響くような疼きへ変わり
快感が波のように広がる。

「・・・あ。や・・・」

誰にも見られたことのないところに触れられる恥ずかしさ。
美奈子はそれでも佐伯を拒否することができず
身体を少し上にずり上げることで逃げようとした。

逃がすまいとする佐伯に追いつかれ
美奈子はさらに身体を上に逃がそうとする。

ゴツン

この追いかけっこは
美奈子がベッドのヘッドボードに頭をぶつけるまで続いた。

「いたたた・・・」
「・・・ばか。」

佐伯は美奈子を引きずり下ろし、
二人はもう一度微笑みあって、キスを交わした。
543続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 5/7:2008/11/09(日) 21:21:39 ID:NPDny7jN
今度は躊躇いがちに、佐伯の指が美奈子の秘部に触れた。
やさしくやさしく。
そこにあることを確認するだけのように。

「・・・んっ はぁっ・・・」

やがてそこは、温かに潤みを帯び
美奈子は恥ずかしいと思うよりも
もっと触ってほしいと感じるようになっていった。

「あっ・・・」

佐伯の指が美奈子のなかに滑り込む。
美奈子は、こぼれおちる声を止めることができなかった。

佐伯は、内部を確かめるように、ゆっくりと指が動かす。
ねっとりと温かい蜜をたたえたそこは、指一本をどうにか受け止めた。
時間をかけて抜き差しを繰り返し、ほぐしていく。

「美奈子・・・」

佐伯のそれはもう美奈子の中に入りたくてたまらなくなっていたが
引越しを考えていた佐伯の部屋にスキンなどあるはずもなく。

それでも、
佐伯は猛りきった自分の欲望をどうコントロールすればいいのかわからなかった。

一気に服を脱ぎ、
美奈子の脚を押し広げ、
自分の欲望を押し込もうとするが なかなか入らない。

「・・・そこ、違うよ」

「じゃあ、どこ・・・」
「ここ・・・」

美奈子の細い指が佐伯のそれに絡まり、誘導した。

二人の体液でつるつると滑ってしまい
3度目でようやく、佐伯は探り当てた場所にもぐりこむことができた。
544続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 6/7:2008/11/09(日) 21:23:23 ID:NPDny7jN
「・・・入った、の?」
「ああ。」

「もっと痛いんだと思ってた。」
「ばか。まだ先っぽしか入ってない」

「あっ」

佐伯が腰を進めると、美奈子は痛みに顔をしかめた。
少しでも美奈子の苦痛を和らげたいけれど
佐伯にそんな余裕があろうはずもなく。

美奈子も美奈子で、
押し込まれたものの異物感に対応するのが精いっぱいで
佐伯を気遣う余裕はなかった。

その気持ちよさに 佐伯が夢中で抽送を繰り返すうち、
徐々に美奈子の様子が変わってきた。

「んっ ふっ・・・」

漏らす声が切なげに甘い。

美奈子も感じているんだ、と思うと、より一層抑えが利かなくなった。
息が上がる。
もう少し。もう少しで向こう側へ行ける。
光が見える。

佐伯の欲望が解放される瞬間
最後の理性でそれを引き抜いた。
545続・佐伯→デイジー(美奈子)→誰か 7/7:2008/11/09(日) 21:30:43 ID:NPDny7jN
佐伯は 美奈子の身体の上に身を投げ出した。
息が荒い。
そうして、二人 生まれたままで
お互いの体温を感じていた。

佐伯は、呼吸を整えながら、美奈子の乱れた髪を撫でる。
美奈子はじっと目をつぶったまま
何を考えているのか、その表情からは読み取ることができない。

美奈子の髪に口づける。

諦めなければならないと思って、手を伸ばすのをやめていた。
欲しいものを手に入れた。
守らなければならないものができた。

「俺・・・」

両親を説得して、こっちに戻ってこられるように・・・

いいかけた瞬間、携帯電話が鳴った。
着信音で誰からかわかったのだろう。

美奈子の閉じられた瞳から 涙が一筋流れ落ちた。


END

以上です。ありがとうございました。
546名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 21:46:52 ID:gLFmhVZE
きゃー。待ってました。乙です。ごちそうさまでした!
547名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 21:47:50 ID:Sa1kVoAx
GJ!!!!!
可愛いやら初々しいやら最後に切ないやらで
GJとしか言えない
続き書いてくれてありがとう!
548名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 22:02:48 ID:+/UcVhOg
うああああ切ねえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
GJ!!!!!!!
549名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 01:16:58 ID:krvxVcrj
続きありがとう、待ってたよ!
ご馳走様でした
550名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 01:30:56 ID:H/SCteKQ
ホント切ない…
キテルスキーじゃないけど再攻略して幸せな二人を見届けたくなったよ
それとすっっごく文章が好きだー!
キテルに限らずまた書いて欲しいです
続きありがとうございました
551名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 09:11:31 ID:iwZjwIFu
これは良作
デイジーの「好き」がラブなのかそうでないのか
どちらとも取れるように書いてるのが上手い
GJです
552名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 11:36:49 ID:jKNVtS1u
文章にめちゃめちゃ引き込まれた…。
話の展開がいいわー。GJ!!
553名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:03:45 ID:TEYNxvY7
すばらしい良作ありがとー!
切ない・・・
554名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:15:19 ID:+69VjV4W
しかし若い盛りに最後までイケずにいる瑛たん、後から何度も一人でHしただろうなぁ
555名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:40:43 ID:EgI2CJAA
中田氏しなかっただけでしょ。たとえ枯れかけ40代だったとしてもあそこで止めるとか無理ぽ。
556名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 22:00:49 ID:+69VjV4W
そうかw
まぁなんにせよ外だしは避妊にはならんから気をつけてくれ。>瑛w
557名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 22:47:52 ID:ZjYgxmHY
コメントありがとうございます。
エロ度が足りないのではないかと不安でしたが
GJいただけてうれしいです。

エンジンかかってきたので、
リクエストがあれば、また書かせていただきたいと思います。

本当にありがとうございました。
558名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 22:56:39 ID:EgI2CJAA
続編でもいいし、他のキャラでもいいのでまた読みたいです!
楽しみに待ってる〜
559名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 01:42:38 ID:TfkDRkBo
>>556
つかIDが69だった
やらし〜

>>557
今度は本命瑛でお願いします。
暇なときで結構です。
お疲れ様でした。
560名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 21:56:11 ID:WjX5qO4A
>>557
ファンですw是非ともまた書いてください
気長にお待ちしてます
個人的には赤城かキバヤシか若キボンですが、誰でも嬉しい!
561名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 17:37:50 ID:6XcQcELC
>>557
新作をwktkしながらまってます
自分はクリス最萌なのですが作品が少ないので寂しいです
いつかクリスを書いてくださると嬉しいな
562名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 23:35:28 ID:DXj9B73h
少なくて寂しいときは自分で書く!
それが良い子のお約束。
563名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 16:29:22 ID:nLkmWe/5
仕事が忙しくてなかなか来られなかったです。スミマセン。
これからキテル本命のラブいやつ書きます。
仕事中の息抜きにプロット考えてたよ〜。

そのあと先生か赤城くんかキバヤシで。
クリス未攻略なんで、これは時間かかってもいいですか?
ごめんなさい。
564名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 17:02:29 ID:k1Jb63MX
やった!!
瑛本命キターww

楽しみだなぁ。
ワクテカ
565名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 18:53:54 ID:780palzM
だれか天地書いて
566名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 13:36:26 ID:5szCiJU8
自分の好きキャラも少ないから自分で書こうとトライするんだが、
エロまでの経緯や文全体を簡潔にキャラらしく書くのってホント難しい><
職人さんってすごい
567名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:08:14 ID:WSkUhHEp
久々に来てみたらキテル良作に心躍らされました。
しかも次はラブいやつですって?!
ちょ、日参するしかないじゃん!!(゜д゜)
568名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 18:16:02 ID:naFU13xV
ROM専も多いから
569名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 00:01:34 ID:QFhJoaeA
定期保守
570名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 04:43:09 ID:yeki5x7U
ほしゅ
571名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 01:46:28 ID:qNlxpR4J
sageようぜ?(´・ω・`)
保守
572名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 09:54:06 ID:K/Hxr3y1
ほっすほっす
573名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 17:23:09 ID:Bd3cwVUC
一応保守
574名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 14:32:41 ID:D50KFW5g
あ、573取られたw
575名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 14:58:27 ID:tbw20Nep
メッティ×デイジー投下します

卒業後設定で甘々、メッティもデイジーも少しエロ度強めです

拙い文章ですが、読んでいただければ幸いです
576メッティ×デイジー『フェロモン』:2008/12/15(月) 15:02:16 ID:tbw20Nep
飾り気の全くない無機質だった僕の部屋は、今、君という花で彩られ、甘い香りに溢れている

君の香りは僕を狂わせた

君の香りは何度でも僕を誘い、甘美な世界へと導いてくれる


「あっ…格くん…も…壊れちゃうよぉ…」
「…だめだ…もっと…君が欲しい…」

僕は今まで自分を周りの人間より理性的だと思っていたし、恋愛に関しても不器用で、所謂『おカタイ奴』だった事は否めない
でも、君に出会い、恋し、卒業式の日に灯台で僕の告白を君が受け入れてくれて、初めて僕の中に抑え切ることができない衝動や欲望があることに気付いたんだ

そして、僕の理性のリミッターを外したのは無邪気に僕に触れてきた君から漂う甘い香り
香水の香りのように硬質なものではなく、君自身が知らぬ間に放つ、誘うような香り…


「あ、あぁっ!や…そこ見ないでぇ…あぁんっ」

僕は舌で、彼女の秘められた花をなぞっていく
花は蜜をとめどなく溢れさせ、花弁は快楽にうち震えている
蜜を吸い上げながら、その上にある小さな蕾を指で柔らかに触れる

「や…も…イっちゃうっ…!あぁっ!あぁ…ッ」

身をよじりながら彼女は快楽に飲み込まれていった

「…僕ももう我慢できない…入れるよ……」
「…あ…っ…格くんの…すごい…おおき…」
「…どう…?気持ちいいかい?」
「うん…すごくいい…格くん大好き…」
「僕も愛してるよ…」

577メッティ×デイジー『フェロモン』・2:2008/12/15(月) 15:04:35 ID:tbw20Nep
唇、耳、瞼、鼻先、頬、うなじ、首筋、小さな肩先、ふくらはぎ…
彼女を貫きながらあらゆる場所にキスをしていく
その度に彼女は淫らに乱れて、悲鳴をあげる

僕も彼女も限界が近い
僕は彼女を上にして、胸を揉みしだく
彼女は躍るように腰をくねらせて快楽だけを追い求める

「はぁ…あん…あっ…あっ!格く…格くん…きもちいい…すごいよぉ…」
「…僕もだよ…君は…最高だ…」
乳首を少し強めに捏ると、彼女はドッと蜜を溢れさせ締め付けてきた
彼女から甘い香りが濃厚に発せられ、僕は自分の限界を悟る
「あぁっ!もうダメ!あああぁぁっ…っ!」
「くぅっ!……出る…!」
二人は寸分の誤差なく絶頂に達した…


情事の後、彼女の髪の毛を撫でてまどろんでいると、彼女は腕の中でささやいた
「…私ね…高校生の頃から、格くんに気持ちを気付いてほしくてあなたにたくさん触れてた…でも触れれば触れるほど、もっと格くんが欲しくてたまらなくなって…。だから今こうしているのがすごく幸せ…」

僕は彼女の告白にハッとする

僕が感じていた甘い香りは、彼女が僕を好きでいてくれて、僕を欲してくれた『想い』だったのか…

「…こんないやらしい私で、軽蔑した?」
彼女が不安げに問いかける
「…僕はむしろ嬉しい。君のそんな姿を見られるのは僕だけなんだから」

彼女は顔を赤らめてシーツの中に潜り込む
僕はそんな君を抱きしめて安らかな眠りについた


君の香りは君の想い
捕われた僕は、君に全てを捧げると誓おう
578名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 15:08:58 ID:tbw20Nep
以上です
拙い文章を読んでいただきありがとうございました
579名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 17:58:02 ID:MY7+jgaP
久しぶりにみたらなんというエロメッティww
リードしてる感じがよかったです
超GJ!
580名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 01:21:17 ID:K9bIBEQZ
みだらなメッティいいね!GJです
581名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 21:28:14 ID:o2SxXa1f
GJ!
めっさエロいけどロマンチックな感じでメッティっぽい!
582名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 10:20:55 ID:QWNQ+7+n
メッティ好きだから嬉しいなぁ。
583名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 20:53:04 ID:Bha+M0ET
GJ!!なんつーか、いいなぁデイジーばっかりモテて〜。
584名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 12:59:07 ID:B77pkydl
よし、じゃあ つぎの作品では583を主人公に!
573+10で28歳のデイジーな。
585名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 13:27:14 ID:+6au2SZ2
がんばって。
586名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 22:47:05 ID:YxZSmTF8
GJ!
久々にタイピングでメッティ構ってこようw

>>579
「エロメッティ」に吹いたw

587名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 11:58:48 ID:tzol6Mip
ほしゅ。
588名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 06:44:06 ID:818AfEDS
クリスマスボイス忘れてた〜
589名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 21:09:31 ID:B+YYdJTl
ほす
590名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 03:26:24 ID:6HW/k+zw
アンチニコ厨にこそぜひとも見てほしい逸品wwww

http://www.nicovideo.jp/watch/sm5466706
591これは恋ではない(序):2009/01/04(日) 14:22:57 ID:9lk0LD//
初投稿です。若×デイジー。捏造系若親友ルート。ハリー当て馬。
エロ慣れしていないので、習作です。
ハリーは少ししか登場しませんが、俺様すぎるので、苦手な方はお気をつけ下さい。

なお、書き癖により、改行ペースが長かったりします。
読みづらかったら申し訳ありません。
592これは恋ではない 若×主 (1/4):2009/01/04(日) 14:24:53 ID:9lk0LD//
「せんせい、あのね」
「はいはい」
「ハリーがね、いうの」
「なんて?」
「わたしね、上手なんだって」
「そう」
「そう……って、せんせい、それだけ?」
「ほかになにかある? だって僕が教えてるのに」
 若王子先生は、そう言いながら、またわたしのからだのうえに、ゆっくりと覆いかぶさってきた。

 化学準備室にある、黒いソファのうえに先生の白衣を敷き、わたしたちは、お互いの衣服をへんな風にまくりあげて、刺激に必要な部分だけを露出させあってくっついていた。
「せんせ、また、するの?」
「うん。だって僕は久しぶりだから。君は僕をほったらかして、針谷くんと思う存分、してたんでしょう?」
 少し拗ねたような口調でささやきながら、先生の指が、わたしの中心にさし入れられる。
「……んっ、せん、せ」
 二回目のせいか、わたしの中心はすでに潤んでいて、先生の指は、スムースにうごく。
 こうしてむつみはじめて、どのくらい時間が経ったのだろう? 1時間? 2時間……?
 おしゃべりをして、触れ合って、コーヒーを飲んで少しだけ休憩をしたら、またキスして、重なって。
 なんども、先生にさわられて、舐められて、多少の刺激には慣れきったつもりでいても、それでもやっぱり、その都度、きもちがいい。
「はぁ。もうこんなに、とろとろです。まったく、君は……」
 あきれたように、でも嬉しそうにつぶやきながら、先生はわたしに快感をほどこしてゆく。
593これは恋ではない 若×主 (2/4):2009/01/04(日) 14:26:42 ID:9lk0LD//
+++++++++++++

「あー、悪ぃ。他、当たってくんねぇ?」
 1年2月。思いのたけを込めた手作りチョコを拒否された。
「ハリー、どうして?」
「ん。俺、処女くせぇの、苦手なんだわ。なんかよ、面倒じゃん」
 付き合ってほしいなんて、そんなこと、思ってなかった。ただ、思いだけを伝えたくかった。それなのに。こんな拒否のしかたはあんまりじゃあ、ないだろうか。
「じゃあ、わたしが」
「あ?」
「わたしが処女じゃなきゃ、いいの? つきあって、くれるの?」
 売り言葉に、買い言葉だった。
 ハリーはわたしのあたまのてっぺんから、つま先まで、まるでスーパーの野菜を品定めするかのように、ながめ渡した。そして、笑った。
「ははっ。ははは。お前みたいないい子ちゃんが、そこまでできるって言うんならな。そしたら一回くらい、デートしてやるよ」
 傷つけられたわたしは、そのまま、化学準備室に向かった。
 ――わかおうじ、せんせい。
 わたしの恋を、応援してくれる、親友のもとへ。

「先生……。これは……?」
 わたしは、なぜか裸に剥かれて、化学準備室のなかにある、先生愛用のソファの上に寝かされていた。
「先生、どうして?」
「……僕は君の、親友だから」
「え?」
「処女じゃなくなると、君は針谷くんとデートできるんでしょう?」
「……」
「僕に、任せて。やさしくします」
 先生はそう言いながら、わたしを覆っていた白衣をそっとはがした。
「……や。……」
「ん。だいじょうぶ。怖がらないで」
 そういいながら、先生はチョコレートの味の、キスをしてきた。
 わたしが、ハリーにあげようと思って作った手作りチョコは、わたしの失恋話を聞きながら、先生がぜんぶ食べてしまった。先生の口びるは、その味、だ。毒々しいほどの、甘い残り香に、わたしの脳が、くらくら揺れた。
「ほんとうに嫌なら、言って。やめるから」
 先生が、自分のシャツの胸をはだけさせて、わたしのからだにくっつけてきた。
 わたしは、人間同士の素肌と素肌が重なるきもちよさを、はじめて知った。
「せんせい、不思議」
「ん? なにが?」
「あのね」
 ――わたしね、これ、いやじゃない、みたい。
 わたしがそう言うと、先生はきれいな顔で、ほほえんだ。
 ――うん。じゃあ、目を、閉じて。僕を、針谷くんだと思っていいから。
 先生にささやかれながら、組み敷かれ、そのままわたしは、その日、そこで、恋にまつわる行動の、すべてを教えてもらった。
 痛いのも、甘いのも。苦しいのも、きもちいいのも。
 ヤケになっていた、といえば、そうなのかもしれない。好きなひとに、処女であることを、バカにされたことが、悔しかったのかもしれない。だけど、ほんとうにそうだったのだろうか。
『経験したら、ハリーがデートしてくれるって言うんです』
 そんなふうに、言ったのは。
 こうなることを、わたし自身が望んだからでは、なかっただろうか。 

+++++++++++++
594これは恋ではない 若×主 (3/4):2009/01/04(日) 14:28:09 ID:9lk0LD//
 先生は、絶妙な指さばきで、わたしの足の中心を、こりこりとなぜる。それに合わせて、わたしの腰も、ふるふる、揺れる。
「君、これ、本当に好きですね? そんなにお尻をふって。君は、発情期の猫ですか?」
 先生が頬に薄笑いをうかべて、からかうように、わたしをなじる。興奮を極限までおさえて、わたしをいじめる甘い声。
 わたしが、それを好きだと知っていて、先生は、低く、隠微にささやくのだ。
「君は、ほんとにいやらしい」
 耳のなかを舐められながら、そんな風に揶揄されると、わたしの蜜は、恥ずかしいほどあふれだす。
「いやだ、せんせい。そんなこと、いわないで」
 涙声で懇願しても、先生はおもしろがって、ますますわたしを言葉でいじめる。
「こんなに漏らして。すけべな子猫ですねぇ。ほら、鳴いて」
 先生が、わたしの足の間の粒を、きゅっと中指で押し潰す。その刺激に、ひときわ高く、わたしは泣く。
「やっ、やあぁん……」
「ほら。鳴いた。僕の、子猫。かわいい声です」
 甘くて重い、先生の声が、わたしのなかに沈んでゆく。皮膚のなかに、溶けてゆく。
 目の前に、星が走る。苦しいほどのきもちよさに声もでない。
 わたしは、先生のワイシャツの肩先を必死でつかんで、どこか、暗い穴の底につづくような、重たい快感に、からだを落としておぼれてゆく。
「いって、いいよ」
 そうささやく先生が、わたしの胸の先を、きゅっとしぼってつまみあげる。
「ああぁっ……んっ、や、やっ……っ!」
 この声は、ほんとにわたしの声、なのだろうか。
「いやじゃないでしょ。きもちいい、でしょ?」
 耳のなかに、吐息のような声を吹き込まれ、濡れきってふくらみあがったピンクの粒を、先生の指がすこしだけ強く、縦に、横に、こすりあげた。
「せんせ……。あ、いく……。も、わたし……。いき、ます」
 わたしは奈落の底にむかって、まっさかさまに落ちてゆく。

 肩で息をしながら、下半身にどんよりと残る快感をたどっていると、先生がゆっくり、ゆっくり入ってきた。
「んっ……。きつい……」
 先生が、あえぐように声をもらす。先生の声は、いつだって、甘いけれど。このときばかりは、格別に、甘い。
「ね、せんせい」
「…はぁ…なあに?」
 先生が、わたしの額に口びるをおしつけながら、痛みに耐えかねているような声をだす。
「きもち、い?」
 わたしが聞くと、先生は震えた。
「……マジ、ヤバすぎ」
「やだ、先生、なに、それ」
 わたしがわらうと、先生は、眉をしかめてわたしを強く、突きあげた。
「あっ、やぁ……」
「大人をからかうと、どうなるか、わかってる?」
 そう言いながら、いよいよ先生は、本格的な、抜き挿しをはじめた。
 両手でわたしの腰をおさえこんで、自分だけの快感を探すように、わたしの中で、勝手にうごく。
「んっ、は……。せんせい……。もっと、やさし、く」
「ごめん。セーブできない」
 短くあやまった先生が、わたしをなんどもなんどもつらぬきながら、激しく揺さぶる。
 そのうちわたしは、先生の動きのなかに、快感の波の端を、見つける。
 先生の、あの、先端が。わたしの、いちばん好きなところを、なんどもなんども、往復して、こする、から。
 今度は、さっきとは、違う快感がおとずれる。おなかの中心から、とろとろと、黄金のハチミツがふきこぼれるような、イメージ。
「ああぁ、せんせい……。また、くる……。きちゃう……」
 泣きながら、甘えながら、からだを丸めて、わたしは先生にすがりつく。
「あぁ、僕も……。先生も、です」
 背骨がきしむほどに抱きしめられて、わたしのからだがわずかほど、宙に浮いた。
 先生がうっ、とか、あっ、とか、声にすらならないような小さな声をあげながら、みじかい感覚でわたしのなかに『先生』を、押し込む。
 快楽の果てにある体液を、わたしのなかに注ぎ込んでいるのだ。
595これは恋ではない 若×主 終 (4/4):2009/01/04(日) 14:29:58 ID:9lk0LD//
「つかれました……」
 わたしの上に体重をあずけたままで、先生はぐったりとしている。
「せんせ、制服、しわになっちゃう」
 制服はわたしのウエストあたりに、だらしなくたまっている。上半身はむき出しで、下半身は捲り上げられている状態だ。
「……うん。ごめん。でも、あと、もうすこし」
 先生は、あまえるようにそう言って、わたしの頬に口びるを、つけた。
 わたしが黙ると、この部屋に、しばしの沈黙が、訪れた。
 わたしの足の間からは、先生の体液とわたしの体液が混じった液体が、床に敷かれた白衣のうえに、こぼれている。音もなく。

 ――せんせい、わたしね、ハリーとは、もうわかれたよ。
 言いたいけれど、言ってはいけない。言うが最後、この関係が、終わってしまう。
 先生の指が、わたしの髪を、ゆっくり、ゆっくり梳きはじめた。
(きもち、いい)
 ――セックス、よりも?
(そう、セックスよりも)
 そんな自問自答に、胸がざわつく。

 そこで、先生が、不意に言う。
「僕たちは、このままで、いいのかな――」

596これは恋ではない (礼):2009/01/04(日) 15:06:29 ID:9lk0LD//
終わりです。お目汚し、失礼いたしました。
ふたたび一読者に戻り、皆様の作品を楽しみにしております。
ありがとうございました。
597名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 18:17:34 ID:6HW/k+zw
わあ!
新年早々素敵な小説ありがとう!
文章好きです。ぜひまた書いてください。
その後も気になるう。
598名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 21:55:21 ID:31Y1CXEY
GJGJ!
新年から良いもの読ませていただきました
599名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 22:28:28 ID:461I+dN7
GJ!!
若の淫行教師っぷりに不覚にもキュン☆っとしてしまいました!
600名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 23:31:09 ID:WBffPD4S
GJ!!
雰囲気あってすごく良かった
601名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 04:22:11 ID:CnIPT+Rv
GJ!もっと読みたい〜
602名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 03:18:52 ID:DT8a0s+U
きゃは若様えろすー
603名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 23:25:24 ID:xcFZI+Ii
氷上×デイジー投下します。
卒業後恋人設定で、主人公の名字は小波です。
最初は若干デイジー×氷上気味かも?
苦手な方はスルーでお願いします。
604「おねだり。」 氷上×デイジー 1:2009/01/07(水) 23:26:34 ID:xcFZI+Ii
 氷上の部屋に入ったのは、これが一度や二度のことではなかった。
 高校時代、まだ互いの気持ちを打ち明けていなかった頃から、小波は氷上に呼ばれて何度も部屋に上がらせてもらっていた。
 氷上の部屋は彼そのもの、と表現するのがしっくりくる部屋であった。デスクや本棚の配置から何から、すっきりとしていて無駄がない。
 本棚に収められている大小の本も、背の高い順に並べられていて、その配列には美しささえ感じる。
 この部屋に来るたび、小波は姿勢を正されるような気分になるのだった。
 後ろ手でドアを閉めた後、氷上は小波を座布団の上に座らせた。
 小波は片手で鞄の中に手を突っ込み、持ってきた大学のレポートの資料を探した。だが、同じ資料を出すのは、氷上の方が早かった。
「ええと、確かこれだったね」
「あ、うん」
 その直後に同じ資料を見つけ、小波も慌てて出す。
 氷上はぺらぺらと資料をめくった後、小波に尋ねた。
「とりあえず、僕は一通り読んだけれど……君は?」
「あ、わたし、実はあまり読めてなくて……」
 申し訳なさそうに小波が言うと、氷上は怒ることもなくそうか、と言った。
「僕もよく理解できない部分があったから、もう一度読み直すつもりだ。じゃあ今から、二人でとりあえず黙読するとしようか?
 その後で、意見を交換し合おう」
「うん」
 小波が頷いた後、氷上はデスクに向かい、二人は一斉に資料に目を通し始めた。


 部屋の中に静寂が訪れる。
 資料に目を通しながら、自分がいなければ、きっと彼の部屋はこんなふうに静寂に包まれているのだろう、と思った。
 響くとすれば、彼の動かす、かりかりというシャーペンの音くらいのものだろう。
 資料の間から、ちら、と氷上に視線をやる。
 資料に目を通している氷上の横顔は、きりと引き締められていて、小波は思わずどきりとした。
 二人きりというシチュエーションも相まって、小波の胸が高鳴りだす。
 恋人同士となった今でも、氷上の真摯な瞳、真一文字に結ばれた唇に、小波は強く惹かれていた。
 そんな表情に直面するたび、顔が熱くなる。身体の芯が、どうしようもなくうずき出す。
 彼と行為に及んだことが、一度だけある。恥ずかしさばかりが勝って、強く彼を求めることができなかった。
 彼も何度も何度も小波を気遣いながらで、表情を見れば、そこには快感よりも申し訳なさばかりが浮き出ていた。
 多少の満たされなさを抱えながら、それでも繋がりあえたことに、二人はこの上ない喜びを感じていた。
 小波はその時のことを思い出して、はぁ、と熱い息を吐いた。マグマのような熱い液体が、じわじわと小波の心から溢れだす。
 顔が火照り、氷上を見つめる目が潤う。
 ――氷上くんと、もう一回……したい。
 小波は強い思いに揺り動かされるようにそうっと立ち上がると、氷上の真後ろに立った。
605「おねだり。」 氷上×デイジー 2:2009/01/07(水) 23:27:04 ID:xcFZI+Ii
「ね、氷上くん……」
 小波はデスクチェアに座っている氷上に向かって手を伸ばし、後ろから抱きついた。
「わっ! な、なんだい、小波君!?」
 氷上は小波の突然の行動にうろたえていた。後ろからがっちりと小波が抑えているせいで、氷上は身動きがとれない状態だ。
 必死で顔だけ後ろを向こうとするが、それにも限界がある。
 小波は下半身の疼きを感じながら、吐息混じりに言った。
「なんか、ヘンな気分になってきちゃった……」
「ヘ、ヘンな気分って……」
 小波の吐息のせいか、それとも言葉のせいか、氷上の耳が真っ赤に染まる。
「部屋に二人きりって思ったら、どきどきしてきちゃって……」
 小波はそう言いながら、後ろから回した手をそっと氷上の下半身へ移動させていた。向かう場所は、ただ一つ。
 その部分に触れると、彼の大きくなったそれが、ズボンの下から存在を誇張しているのが感じられた。
 氷上の息が、次第に荒くなっていくのが分かった。
「こ、小波君、やめたまえ……」
「氷上くんの、大きくなってるね」
 小波が囁くようにそう言うと、氷上の肩が震えた。
 もう一度、その部分を人差し指でつつく。するとより大きく、氷上の体が波立った。小波は意地悪な気分になって、くすくすと笑った。
「氷上くんも、もしかして、興奮してた……とか?」
「こ、小波君、これ以上は……」
「だめ?」
 小波は耳元で囁くように言いながら、手探りで氷上のズボンのチャックを下ろした。
 氷上の右肩から顔を出し、そのそそり立った一物を眺める。
 あの真面目で、俗なイメージと全く繋がらない彼が、こんなにも興奮している。小波の心臓はますます高鳴った。
 小波はそれを手で包み込み、付け根から先端に向かって滑らせた。それに応じて、ビクンと氷上の体が揺れる。氷上の苦しそうな吐息に混じって、声が小さく洩れた。
「くっ……小波、君……」
「気持ちいい?」
 小波は囁きながら、手を往復させた。今度は、先端から付け根へ。先端からぬるぬるとした液が漏れ出し、小波の手を濡らした。
「はあ……っ、はぁっ……」
 氷上の熱い吐息が、小波の伸ばした腕にかかる。海野の吐息も徐々に熱を帯びて、氷上の耳元へ流れる。
 身体中から、水分が蒸発するような感覚に襲われた。
「はぁっ、こ、これ以上は、やめ――」
「やだ」
 苦しい氷上の抵抗も、小波は一言で切り捨てる。そうして、動かす手を、ますます速める。
「う……っ、小波、君……ッ」
 蒸気のような息とともに、氷上が苦しい声を吐き出す。熱い空気が二人から放出されて、その周りを漂う。
 互いの息もますます荒くなり、動き続ける汽車のように、絶え間なくその熱い空気を作り出した。
「っ、はあ、はぁ……」
 氷上の体の震えが、腕越しに小波に伝わる。
 今この瞬間、彼がどんな表情をしているのか、見たいと思った。
 頬も、耳までも真っ赤に染め、熱い息を洩らしている彼が、今どんな顔をしているのか――それを想像するだけで、小波の頭がかあっと熱くなった。
 想像しながら、身体の芯から零れ落ちるものを堰き止めるように、小波は思わずきゅっと足を閉じていた。
 そのうち、氷上が先端から出す液のせいで、小波の手はぬるぬるとしてきた。何度も往復させる途中、小波の手は氷上の上をつるりと滑った。
 その途端、小波は驚いてきゅうと氷上のそれを握ってしまった。
「きゃっ!」
「く、っ……あぁっ……!」
606「おねだり。」 氷上×デイジー 3:2009/01/07(水) 23:27:58 ID:xcFZI+Ii
 その瞬間、氷上は果てた。
 小波の手の中にあったそれがどくどくと脈打ち、熱の塊のような白濁液を放出した。
 氷上の先端から飛び出した白濁液は、デスクを、そして書きかけのレポートをも汚してしまった。
 小波はその溢れだす温かな液を手ですくい取った後、氷上に謝った。
「ごめん……痛かった?」
「いや……」
 氷上は首を横に振りながら、放心しているようだった。それ以上、何も言わない。
 小波の心に、罪悪感がわき出した。俯いて、もう一度氷上に謝罪した。
「ごめん、なさい。勝手に、こんなことしちゃって」
 その声が、余程悲痛なものに聞こえたのだろう。氷上ははっとしたように顔を上げて、激しい勢いで首を横に振った。
「いや、違う! 君が謝ることはないんだ」
「でも……」
「その、僕が……快感を覚えていたのは、事実だから」
 氷上の耳が、再び朱色に染まる。小波は驚いて、目を見開いていた。
「ほんとう? 気持ち良かったの?」
「ああ、本当だ」
 吐き出すような彼の真実の言葉を聞いて、小波の心に温かい水が溢れ出す。
 嬉しい、と呟いて、小波は笑った。氷上も少し間を置いた後、ふふ、と笑みをこぼした。
 小波は一呼吸置いた後、あることを決意して、再び口を開いた。
「ね、もし、氷上くんが怒ってないなら――」
「ああ、僕は怒ってなんかいない。なんだい?」
「氷上くんが、欲しいの……」
 囁くような小波のおねだりに、え、という声が洩れ、氷上の肩が再び揺れる。小波はきゅっと肩をすぼめ、氷上にきつく抱きついた。
「だめ、かな……」
「駄目な訳、ないじゃないか」
 氷上は呟くように言った後、突然、その場から立ち上がった。
「きゃっ!」
 予想外の行動に対応しきれず、小波の腕が氷上の肩を滑り、尻餅をついてしまった。
 氷上はズボンのチャックを再び閉めた後、デスクチェアをどけて、座り込んでしまった小波を抱き上げた。
 氷上の行動があまりに予想外だったので、小波は驚いて、目を開けたまま、氷上にきゅっとしがみついていた。
「ひ、氷上くん、重くないの?」
「ああ。君も抱き上げられないようでは、僕は男失格だ」
 小波の耳元で囁いて、氷上は海野を自分のベッドに座らせた。
607「おねだり。」 氷上×デイジー 4:2009/01/07(水) 23:29:04 ID:xcFZI+Ii
 小波が服を脱いで下着だけになると、氷上も同じようにそうした。その後、氷上は小波の背に腕を回し、唇へ優しく口付けした。
 とろけそうな感覚。
 氷上の吐息が腕ではなく、顔に直接感じられ、小波は心臓の鼓動が速まるのを感じた。
 再び、口付け。今度は氷上の舌が小波の中へ侵入し、小波もそれを受け入れた。互いの舌が口内で絡み合い、唾液の糸を垂らす。
 甘く、優しく。氷上はいつもそうしてくれる。小波を傷つけまい、傷つけまいとして、まるで何かの美術品のように、慎重に丁寧に扱うのだ。
 それが小波にはこの上なく嬉しいのだが、それが物足りないと感じた時、小波は自分から動く。
 小波が動けば、氷上も加減を知って、同じように動いてくれる。
 小波がちゅう、と氷上の唇を貪るように吸いつくと、氷上も同じように、小波の唇に強く吸いついてきた。
 互いの唇の上で、唾液がチーズのように滴り、落ちた。
 同時に、氷上の手が小波の背を探るように動き、小波の胸を覆っていた下着は、はらりと太股の上に落ちて行った。
 唇が離れた時、氷上の目が眼鏡の奥で揺れているのを感じた。小波も同じように、切なく睫毛を震えさせた。
 氷上はそっと、小波をベッドの上に寝かせた。
 自分を見下ろしている氷上の表情はこの上なく冷静で、小波は思わず、彼の名字にもある“氷”という漢字を思い浮かべていた。
 だが、ただ冷たいだけではない。彼の瞳を見れば、その氷など一瞬で溶かしてしまいそうな炎が、ゆらゆらと揺らめいているのを感じる。

「ねえ、氷上くん……」
「なんだい?」
 ゆっくりと顔を近づけてきた氷上に、小波は問う。
「わたしのこと、はしたないって思った?」
「何故?」
「だって、いきなり、氷上くんにあんなことしちゃったから……」
 言葉を紡いでいた小波の唇が、再び塞がれた。口付けの後、氷上は眼鏡を指の腹で押し上げて、首を横に振った。
「そんなわけ、ないじゃないか。確かに驚きはしたけれど、そんなことを小波君にしてもらえるのは、僕だけなんだから」
「良かった……」
 小波は安心して、氷上の方へ腕を伸ばす。氷上の体にそれを絡め、体温を直に感じると、ますます安心が心を満たす。
 氷上は体をずらして、小波の頬に口づけた。次は耳。その次は首許。そうして、徐々に身体を引きながら口付けを繰り返す。
 やがてそれが胸の突起に到達した時、小波は思わず声を上げて身をよじった。
「んっ……」
 みるみるうちに自分の胸の突起が硬くなっていくのを感じ、小波の顔が上気した。そのことに、氷上も気付いたらしい。顔を少し上げて、口を開く。
「不思議だなと、いつも思うんだ」
「え……?」
「僕が口づけただけで、君のここは、どうしてこんなに硬くなるのだろうって」
「や……っ、氷上くんのエッチ!」
 恥ずかしさに堪えられなくなって思わずそう言うと、氷上が幾分か傷ついた表情をした。
「嫌、かい?」
「い、嫌じゃ……ないけど……」
 小波は火が出るように熱い顔を、氷上から逸らした。
 ややあって、今度はためらうような氷上の口付け。しかし徐々に強く吸いつかれて、小波の体に赤い印を刻む。
「はぁっ、ん……」
 ぞくぞくとした快感が背から首へせり上がり、小波の口から声が洩れた。
 氷上は体を起こすと、ゆるやかに閉じられた小波の足を手で撫でる。
 その手が、やがて小波の太股に達した時、小波の背がまた震えた。下着の上から禁断の場所に触れられ、小波はたまらず声を上げる。
608「おねだり。」 氷上×デイジー 5:2009/01/07(水) 23:31:55 ID:xcFZI+Ii
「やっ、あんっ……」
 氷上の一物に触れる前から、自分のそこが濡れているのは自覚していた。それでもそれを氷上に気付かれるのは、いつまで経っても恥ずかしいと思ってしまう。
「君も……興奮していたのかい?」
「っ……」
 言葉を出せなくなって、小波は唇を噛みしめる。
「この間僕は、君を気遣いすぎていたように思うけれど……」
 ちゅぷん、と氷上の指が小波の中へ沈み込む。
「僕も、感情のまま、突っ走ってしまってもいいだろうか。――先程の君のように」
「あぁんっ、ひ、氷上く――」
 氷上の指が、小波の中をかき混ぜる。小波は身を精一杯伸ばして、その快感を放出しようとした。
「だめ……!」
 それでも快感の波は次から次へと襲って来て、処理しきれず、声となって出てしまう。
 その後、突然、彼の指の動きが止まった。
 小波が不思議に思って氷上を見ると、氷上は小波と同じ、上気した顔のまま、自分の身に纏っているものを全て脱ぎ棄てていた。
 小波はぼんやりとした気分のまま、それを見つめていた。
 一糸纏わぬ姿になったところで、氷上は避妊具を取り出し、それを装着した。
 間を開けず、氷上の一物が、小波の溢るる泉へとあてがわれる。
「いいかい、小波君……!」
「あぁぁぁっ、ひ、氷上くん……!」
 小波の答えも聞かず、氷上のそれが小波を強く貫く。
「やっ、あぁんっ、ダメ、ああぁっ……!」
 途切れ途切れの意識の中で、小波が見たのは、鋭い眼光を放つ氷上の姿だった。
 討論をしている時の彼のような、冷たい瞳。でも、その時とは違う。
 今の彼は、決して冷静ではない。小波を激しく求めて、求めて、求めるように、腰を動かしている。
「……ッ、小波君……!」
 時折、荒い息の間から、切ない声が漏れ出る。それほどまでに彼が自分を求めているという事実が、たまらなく心地よかった。
「あぁっ、氷上くんっ、気持ちいっ……!」
「はあっ、こ、小波君、僕もだ……!」
 足りない。もっと、もっと。彼の心の声が、聞こえてくるかのようだった。
 氷上が今までセーブしてきたものが一気に溢れだし、小波の心を満たしてゆく。
「あぁんっ、あぁ、だ、だめ――!」
「くっ、小波君ッ――!」
 氷上はぐっと腰を落とし、最奥で熱いものを放った。
 心も体も氷上でいっぱいに満たされているのを感じながら、小波は意識を失っていた。


「小波君?」
 心配するような氷上の声で、小波はゆっくりと目を開けた。
「ん……氷上、くん?」
「良かった。君の目がこのまま覚めなかったら、僕はどうしようかと――」
 氷上がうろたえている。そんな彼の姿が愛しくて、小波はゆっくりと起き上がり、氷上に体に手を回した。
 そのまま、頬に口付ける。小波の冷たい唇が、氷上の熱い頬の体温を奪った。
「氷上くん、好きだよ」
「ああ……僕もだ」
 氷上は小波の手と自分の手を絡め、小波の唇を塞いだ。
 吸いつく甘い響きに酔いながら、二人はしばらく口付けを交わし合う。
 床には、二人の乱れた衣服と、当初の目的だったはずのレポートの資料が散らばっていた。
609「おねだり。」 氷上×デイジー:2009/01/07(水) 23:32:36 ID:xcFZI+Ii
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。失礼しました。
610名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:05:14 ID:vKpSjpS5
投下乙ですデイジー攻いいね
しかし海野なんだか小波なんだか…気になったw
611603:2009/01/08(木) 00:23:57 ID:FFUJzlFz
>>610
今気付きました…
デイジーの名前がごっちゃになっていて申し訳ありません。
投下前にチェックしたつもりだったのですが…
小波に変換していただけるとありがたいです。本当に申し訳ありません。
612名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 01:53:33 ID:X0FASeZB
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
もえたよー。
613名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 04:05:40 ID:mmDi+0zp
どっちも萌えたー!
親友若はゲームでも黒いのキボンだったな
614名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 12:04:09 ID:sSGXmpXE
GJ!!!
男むき出しなエロッティいいわー
濃いのに短く纏まってるのもすごい
ご馳走様でした!
615名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 15:26:36 ID:xK4raiDq
GJ!よかったよ〜
しかし眼鏡はつけたままなのかw

>>614
エロッティにふいたwwwwwww
616名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 22:25:39 ID:flqhfOJm
その後顔を赤くしてレポートに飛び散ったモノを拭いてるメッティ想像して禿萌えた!
617名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 22:42:07 ID:PQlYo7fw
保管庫に行けないんだけど・・・
618新保管庫”管理”人 ◆iS/fhAsqnE :2009/01/11(日) 22:57:01 ID:l4x+0mOh
どうやらサーバー側のトラブルでファイルがすべて消えてしまった模様orz
現在、予備のサーバーを用意してくださっているようなので
サーバーが復旧しましたら、なるべく早く保管庫を作り直します。
ご迷惑をおかけして申し訳ないです。
619名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:47:26 ID:0YXPiG2F
とんでもございません。
お疲れ様でございます。いつもありがとうございます。
620名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 20:42:02 ID:ldEkfNHa
保管庫なくなったかと思ってた。
乙であります。
621名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:12:45 ID:Wp6s8aZ3
管理人さま

いつもありがとうございます
622名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 21:52:14 ID:m+2n9cUT
うおおおおーこのスレ発見して一気に読んだよおおお
ものすっごく良くて感動した
623名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 13:28:50 ID:cmvjHnQw
ずっと疑問なんだけど、ハリー関係で出てくる井上って
スチルに出てくる大勢の中の誰か?
624名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:07:59 ID:+CRhX1sa
DSの新スチルじゃなかったっけ?オカッパのお兄ちゃんだお。
625名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 15:45:44 ID:GD3T96Te
>>624
外出イベントの時のスチルのかとずっと思ってた。
やっと誰か把握できたよ。
ありがとう。
626新保管庫”管理”人 ◆iS/fhAsqnE :2009/01/17(土) 22:49:18 ID:sM9m4Too
保管庫復活しました!
長い間ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
>>619-621 有り難うございます
627名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 23:02:33 ID:bbjvKHWm
>>626
管理人様、お疲れ様です。
いつも有難うございます!!
628名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:31:28 ID:65O86V6k
若王子×デイジー投下します
少しだけ瑛当て馬表現を含みますので苦手な方はスルーで
主人公は海野あかりです
629名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:33:06 ID:sCteiRqu
wktk
630名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:33:36 ID:65O86V6k
「ああ、ズルいですね…佐伯くんは。」

とある土曜日。午前中しか授業のない日。
この日は決まって参考書とお弁当を持って科学室を訪れる。
勿論私は、受験生の身分。
勉強はするけれども、その実は、内緒の恋人である若王子先生とこうして食後のビーカーコーヒーを飲んで過ごす時間が目的だったりして。

しかし、今日のその短い逢瀬は先生の溜息で始まったのだ。

「…なんで急に瑛がでてくるんですか?」
「君と楽しそうに文化祭の劇でワルツを踊っていました。先生大人だから配役決める時も、練習の時も、本番も黙って見ていましたが、やはり目の当たりにするとジェラシーを感じてしまって仕方なかったです。ダンスは先生の只一の専売特許であり、得意分野なのに!」
「もう。そんなにいいもんじゃなかったですよ?瑛、人の足踏みまくるし…。」
「むむむ…、君のそれにも、先生あんまりいい気分がしないです。」
「それ?」
「佐伯くんの事を下の名前で呼ぶことです。」
「だって…、向こうから私のこと下の名前で呼んできたので…。」

つられるように私も瑛、と彼を下の名前で呼ぶようになっただけで大した意味はないのだが…。
この時は大した危機感も感じることなく、机の上に頭を突っ伏して何やら悶える先生を尻目に、私は呑気にコーヒーを啜った。

「…貴文。」
「?」
「呼んでください。僕も下の名前で。」
「ぷっ」

ようやく先生は顔をあげたかと思うと、拗ねたような目を向けてきた。
そしてあまりにもあまりにもな要求に私はコーヒーを噴いた。

「せ、先生をそんな風にだなんて呼べません!」
「…じゃあ『貴文くん』でお願いします。」
631名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:34:19 ID:65O86V6k
「より失礼です!できません!」
「デフォルトで呼べるんですよこのゲームは!では、『貴文さん』これ以上は譲りません。」
「ゆ、ゆずりませんって…。」

傍から見たらかなりどうでもいい事で私たちが問答していることは明らかなのだけれども…!
両手に握ったビーカーがじんわりと熱を持っていく。

「……た、………うぅ、…やっぱり…無理です。」

ずっと片思いで、つい最近…こうして”お付き合い”を始めた私にとってそれはレベルが高すぎる。
どうしても恥ずかしくて、言葉にすることができない。だって、一文字を口にしただけでも、こんなにも体が熱い。

「…顔、真っ赤ですね?」
「!」

拗ねたようにしていた目が、一瞬にして悪戯する前の子供みたいな目つきになった。
指摘されると、余計に体の熱が上がっていく気がする。居た堪れなくて立ち上がろうとすると、腕をぐいっ、と引っ張られて、先生の胸に背中があたった。ジェットコースターの安全バーのように先生の片腕が私の体を固めた。

「名前の件は一先ず保留にしましょう。」
「…よかった。れ、練習します…ね。」
「ええ、近い将来未来 ぜ っ た い に、呼んでもらいます。それに…。」
「(絶対て言われた…。)…それに?」
「君がそんな風に可愛い顔を見せるから…、何だかムラムラしてきちゃいました。」
「そ、そんな報告は要りません!!」

ぎゅう、と片腕で体を拘束させられて、抵抗しようにも腕が動かせない。
じたばたと動き回っていると、スカートの裾が少しずつ乱れていく。
慌ててそれを直そうと思ったけれど、この通り腕が使えないのでどうしようもできない。
抵抗とは裏腹に、私の体を抱く腕は丁度胸の下あたりで固定された。
…そんなに質量があるわけではないけれど、胸を強調するようなポーズを取らされて、余計に恥ずかしさが募る。
ケープの下で先生の手が私の胸に触れた。
632名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:35:02 ID:65O86V6k
「…うん、成長期万歳です。触れる度に君のココは大きくなっている気がします。」
「そん…!!」

なことないです!と続けようとしたら、胸に触れていた手で私の顎を掴んで上を向かせた。
そのまま唇を吸われて、反射的に目を閉じる。
ぬっとりした質感、熱い体温。ちろちろと舌先が咥内を這い回る度に体の奥がじんじんと痺れて行くような気がする。
…何度も何度も、甘やかされるように口付けを繰り返されると、私もスイッチが入ってきてしまう。
舌が這い回る度に溢れる唾液を喉を鳴らしてごくん、と飲み込む。
”いやらしいことをしてる”ってこの瞬間に感じる。
そんな私の事も、先生はよく知っているのだろう。唇を離すような仕草をされる。私は慌ててそれを追いかけて、縋りつく。
もっと飲みたい、もっと欲しいの。

私がすでに抵抗しないのを良しとしたのか、先生は私を抱えながら、制服のファスナーを下ろした。
開いたファスナーからワンピースの中に手を伸ばし、片手でブラウスのボタンを外していく。
…なんでこういう所で器用さを発揮するのだろう。この前のお祭りではヨーヨーの一つも釣れなかったのに。
ブラのホックも易々外されてしまい、今度は直接胸に触られた。
はじめはゆっくり、形と感触を確かめるように柔らかく揉みしだかれる。
それでも心地よくて、気が抜けたような吐息が自分の口から漏れてくる。
キスも相変わらず続いていて、上顎の裏を丹念に舐められて、弱々しい快感が体を這い回っていく。

「…っぁ!」

きゅう、と先端を捏ねられて思わず声が漏れた。口を離して、今度は両手で胸を弄られる。
キスの残骸が口の端から零れ落ちていったけれども、そんなの気にしていられなかった。
ワンピースの下で先生の手が浮き上がって、いやらしい動きで私の胸を揉んでいる。

「ひゃ!やぁら…っ!だめっ、それ、だめ!」
「どうして?ほら、好きでしょう。二つ同時に弄るの。」
「うぅ…、好き、なんか…じゃあ…!」

それだけで軽くイッてしまいそうになって身を捩っていると、足の間の生暖かい感触に背筋が跳ねた。
633名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:35:50 ID:65O86V6k
思わず足をぎゅうっ、と閉じると先生は流石にそれを目敏く見つけて私の太ももに手をかける。

「好きじゃない?本当?…確かめてもいい?」
「…せ、せんせぇ…質問だらけです…。」
「ええ、もっと君の気持ち良い所を探してみたいですから、先生。目指せセックスマスターです。」
「なんですかそれ!」
「持久力では流石に高校生に勝てませんからテクニックであれそれ…、あ、高校生で思い出しました。」

よいしょ、と掛け声をかけてから先生は私を抱え上げ、教卓の上に乗せた。
そして白衣のポケットに手を伸ばし…

「じゃじゃーん。」

…見ない振りができればよかったのだけれども、その手に握られたのは、ぴ、ぴんくろーたー…。

「そういえば今日は佐伯くんを名前で呼んだ腹いせにお仕置きプレイをする予定だったんだ。」
「ええ!?」
「でも、君の反応が予想外に可愛かったんで忘れてました。」
「…わ、忘れたままじゃだめですか…?」
「だめです。…それに、少し興味があるんじゃないですか?」
「…な…!」

あるんですか、ないんですか、と聞かれてしまうと…100%でないとは言い難い。
確かにその…プレイとはいえ、そんな名目で使われそうになったら怖くて首を振ったかもしれない。
…けれど今なら…。

「わっ!ちょっと先生!」
「判別し難いのなら、使ってみてから判断すればいいんです。」

ぐるぐると思い悩んでいる隙に、先生は私の足を広げて、間に自分の体を割りいれた。
今日はいつものストッキングじゃなくて、ニーソックスを穿いてきたから下着のすぐ上に先生の指を感じた。
くにくに、と少し弄られただけで小さな水音がこっちまで響いてくる。恥ずかしくて顔を下に向けた。
634名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:38:53 ID:65O86V6k
「…ちゃんと感じてくれてますね。よかったです。」
「わたしはよくないです…。」
「よくないですか?…ああ、早くこっちを試してみたい、ピンポンですね?」
「…? ぴ、ピンポンじゃありません!!!111!」

スイッチを入れたピンクローターの禍々しい振動音と共ににっこりと笑顔を浮かべないでくださいお願いしますぅうう!!逃げたいけど教卓の上で暴れて落ちたら、とか考えていると下手な動きはできないし…!そんな事思っている内に振動する先端は下着の上をなぞり上げた。

「ひっ…!!…ひ、ひきゃっ…、あっ、ああっ!!!」

瞬間に電流のような刺激が全身を這い回って、悲鳴のような声が漏れた。
びくびくっ、と足が痙攣して、意識が持っていかれそうだった。
強すぎる快感で…、あ、あたまが、おかしくなりそう・・・!

「やだっ、やっ、!ぁああっ!!」
「ああ…、いい反応ですね…。」

教卓の上で身を捩って耐えるけれども、肝心の足は先生がぎゅう、っと固定しているので閉じる事ができない。
私は両腕で自分を掻き抱くようにしながら、刺激に耐えるしかない。
すでに先ほどの先生の愛撫とキスで甘やかされたその部分は、もう、ぐずぐすの状態になっている事だろう。
ローターの先端が押し当てられる度に、布地がぐっしょりと湿って、声を漏らす度に粘液が零れ落ちている気がする。
…も、やだぁ…!

「気持ちよさそうだね…、下着が濡れてうっすら透けてきてる。」

中はどうかな?なんて楽しそうな声が聞こえてくる。
私は先ほどから断続的に訪れる小さな絶頂に打ち震えて、教卓に頬を押し当てて気をやっていた。
だらしなく口の端から零れた唾液が教卓に垂れる。
先生は指先で下着をずらし、どろどろになった中を指で掻き混ぜた。

「あっ、あんっ…ん!」
「ふんふん、どこもかしもドロドロのぐしゃぐしゃ。クリトリスもしっかり勃ちあがっていますね。」
「や…!いわ、な……でぇ!」

くちゅくちゅと音を立ててそこが掻き混ぜられる度に、上がる声の感覚が短くなっていく。
ここ学校なのになぁ、とか、私今何ていう恥ずかしい格好しているんだろう、とか…、
色々な事が頭の中を飛んでいくんだけど、今は体の奥から競りあがってくる大きな波にひたすら耐えるしかできる事がない。
635名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:40:18 ID:65O86V6k
(あっ!…やだ…、そろそろ…!)

大きな絶頂の波を感じて、ぎゅう、と、教卓の端にしがみついていると、科学室のドアをノックする音がした。
なっ!なななななんでこんな時に!

「すいません、若王子先生?」

しっかも瑛の声が!?

「…ああ、そういえばお仕置きプレイの延長で最中の僕らを佐伯くんに見せ付けてこてんぱんにしてやろうと思って、呼び出していたんでした。」
「きゃあああああああああああ!!!!」

先生は暫く思案顔をした後、ああ、と思い出したかのように(っていうか思い出したのだろう)告げた。
私は驚きやら羞恥心やらで、そのまま教卓からずれ落ちて、床に尻餅をついた。

「困りましたね、これを隠し…、おや、大丈夫ですか海野さん?」
「大丈夫じゃありません!!」
「先生ちょっくら佐伯くんを追い返してくるので、その間これを…しまっておいてくれませんか?」
「え?……ええ!?」

教卓の上を転がっていたピンクローターを私の下着の中に仕舞い込んだ。
…し、仕舞うにしてももっと色々場所はあると思うんですけどね!?
食って掛かりたかったが、生憎腰が砕けたままで体が思うように動かない。
反論もできずに居る私を置いて、先生は名残惜しそうに濡れた指先を舐めとってから、ドアの方へ向かった。

「お待たせしました佐伯くん。これが集めるように頼んだ科学のレポートですね、ありがとうございます。では…。」
「ちょ、ちょっと待ってください、若王子先生!…い、今アイツ…、いや、海野さんの声しませんでしたか?」
「(き、気づかれてる!!!!!!)」
636名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:42:05 ID:65O86V6k
とりあえず今の瑛の位置からなら、私の姿は教卓の影になって見えないだろう。
ぎゅう、と身を縮こませて瑛が出ていくのを待つ。
…だけならいいのだが、私の中にはもう一つ問題がある。
未だにピンクローターが振動を続けている事だ。

「(どうやって止めるのよ、これ〜〜!?)」

今だって弱い所ギリギリに先端が押し付けられて、瑛さえ居なければ(と、いうかココが学校でなければ)思いっきり声をだして、
悶えてしまいそうなほどの快感が全身を襲う。口元に手をあてて、なんとか声がでないように気を引き締める。

「そうでしたか?」
「あ、あと何か物が転げ落ちるような妙な…。」
「ああ、それでしたらきっと…。」

けれども、イク寸前でお預けを食らっているようなこの体では、そんな自制も長い事は聞かない。
どんどん下着の中は濡れて行って、何もしていなくても、ローターの先端は滑って動き回る。
音を立てないように、その先端から逃れて足を動かすけれども、
余計にローターは動き回り、絶頂への波が大きくうねる。

「…ひ、ぁっ・・・!!」

ぞくぞくっ、とした快感にすべて持っていかれてしまう。
頭が真っ白になって、体が蕩けてしまいそう。
絶頂に達した私は、もう座っている事すらできずに、その場に体を横たえて、甘い虚脱感に目を閉じた。

『ちょっと今、科学室で子猫が一匹脱走しているんです。きっとその声でしょう。』

…と、いう色々とツッコミ所の多い、若王子先生の言い訳を聞きながら私は気を失った。
637名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:44:34 ID:65O86V6k
目が覚めると、瑛を追い返したらしい先生が目の前でにこにこ笑っていた。
私の中から取り出したローターのスイッチを切った。

「残念、海野さんのイク所見たかったんですが…。」
「だ、誰のせいですか。」
「ローターのせいですね。」
「ちがうで…ッ・・・!」

しょう!と言いだしたかった唇は、先生にキスをされて塞がれる。
キスをしながらも、下肢からは下着が引き抜かれ、ワンピースもずるずると下がってくる。
すでにボタンの外れていたブラウスと、ブラを取られてしまうと、私は全裸に剥かれてしまった。
あ、ニーソックスは履いているか。

「海野さん、教卓に手をかけて……、そう、そのまま足を開いて……、うん、いい子だね。」
「ひゃっ…!ぁん」
「もう誰も来ないから…、沢山声を聞かせて、ね?」
「…は、はぃ…。」

首筋を甘く噛まれながら、胸を揉まれる。
もう、それだけで私の体は蜜をとろとろと零して、喜ぶ。
開いた足の間に先生のモノの感触を感じただけで、背筋がぞくぞくと震える。

「あっ、んん……!…はぁ…!」

ぐちょぐちょに濡れた入口は易々と先端を飲み込む、少しずつ中をこじ開けるように推し進められる感触が堪らない。
お尻を左右に開かれて、ぐい、と腰を押し付けられる。
思わず、甲高い声と共に熱い吐息が漏れた。
先生の全てを飲み込んだ所がじりじりとした痛みを持っている。

「…くっ…、動き…ます、よ?」
「は…い…。」

一気に入口付近まで引き抜かれる感触に、また軽く達してしまう。
ずちゅ、ずちゅ、と濡れた音が響くほどに、体が小刻みに震えてくる。
ずっと首筋を噛まれているので、その隙間から感じる先生の吐息がたまらない。
気持ち良さそうな声を聞くと、なんだか嬉しくなる。
抜き差しの間隔が少しずつ短くなると、私の顎をとり、口づけた。
舌を絡め合いながら、先生は最奥に叩きつけるような動きを数度繰り返す。
その激しさに私は思いっきり体を震わせて、達してしまった。そのすぐ後に、先生も力を抜いた。
背後から覆いかぶさる先生の体温が心地いい。
少しずつ幸福感と虚脱感とに満たされていく感触に、目を閉じた。
638名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:45:07 ID:65O86V6k
事の終わった後に、私は先生を正座させてお説教をした。何が悲しくて教師であり、私よりもずっと大人の男の人に向かって説教をしているのか。でも、

「もう!絶対にこんな事しないでくださいね!?」
「はい、すいません…。」

そう言って項垂れる先生はまさしく怒られて萎む子供そのもので。私も子供を叱るお母さんみたいな気分になる。なった事ないけど。お母さん。

「わ、わかっていただけたら、それでいいです。」
「…よかった。」

妙なシチュエーションが居たたまれなくてそっぽ向いていると、膝の上で重ねていた手が先生の両手に包まれる。ぐい、と体を引き寄せられて軽く唇を重ねた。

「仲直りのキス…、で、いい?」
「いいですよ。」

私の機嫌を伺うようにしながら重ねられた唇に、小さく笑う。私は相当にこの大人げない大人の恋人に甘いよなあ。けれども、仕方がないと思う。

「ありがとう。」

私はこの人が大好きで、こうして柔らかく笑ってくれるのならば、なんでも許してしまうの。

「…あー、でもどうするんですか?子猫が脱走だなんて佐伯くんに、変な言い訳しちゃって。」
「明日家から一匹連れてきてアリバイを…、って、海野さん…?」
「そもそも猫を学校に連れてきちゃいけないのになぁ…。」
「う、海野さん!」
「はい?」
「…佐伯くんの事、名前で呼ばないんですか?」
「もう呼びませんよ。考えて見れば、私だって先生が他の女の子の事を下の名前で呼んでいたらイイ気分しないですもの。」

帰り支度を始めながら、きっぱりと言い切ると、私の体は突然浮遊感に包まれた。浮いたつま先。先生の腕に包まれて、そのまま体が一回転、二回転。

「ちょ、ちょっおっと、先生ぃ!?」
「先生久々に勝利宣言です。海野さんゲットだぜ!」
「意味がわかりません!!」

夕焼け色に染まる科学室。ぐるんぐるん周る私と先生のシルエットが少しずつ色を濃くさせていった。
639名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:46:11 ID:65O86V6k
以上です。お目汚し失礼しました。
640名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:47:19 ID:sCteiRqu
初リアルタイムで読めたw
えろいし笑えるし最高でした!
641名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 19:56:04 ID:AAIRHErC

うはあーロータープレイ萌える!!!!!
おもちゃ使う描写とかめっちゃイイ!!!
最高です!!!!
642名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 21:33:17 ID:XMpMSESJ
GJ!!!!!
先生面白すぎwww
話もエロくて面白かったです!!
643名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 23:10:45 ID:UsbVJFSa
GJ!!!!!
おもちゃってエロくていいよね!
笑いのセンスがすごく好きですー
ぜひまたの投下をお待ちしてますw
644名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 20:37:04 ID:JgXluvqU
GJGJ!
この先生好きすぐる〜 ぜひまたおながいします
645名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 22:36:18 ID:7HjpoSwU
自分の誕生日にステキなものありがとうございます。若サマ最萌だな
646名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:45:53 ID:N4oZXoLd
GSDSフルボイスで発売予定と聞いて
大接近モード追加かと思ったのは自分だけではないと思いたい
…追加されねえのかよ!
647名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 02:32:43 ID:to44RY9r
大接近はあってもなくてもいいけどデート会話バリエ追加して欲しかった
まあ文句いいつつ買うけどw

プラス発売でまたGS1キャラSS投下があったらいいな
648名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 22:46:48 ID:oiGxYUEH
花屋の誕生日過ぎちゃった。
誰か書いてくれないかな?
自分、文章能力ないから。
649名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:06:48 ID:CtS2IK/O
言い出しっぺの法則
650名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 19:46:11 ID:rwbyTzMq
誕生日に間に合わなかったのですが
花屋×デイジーを投下させていただきます。

デイジーには、美奈子と名前がついてます。
全体的に非常に淡々としてるので、濃いエロがお好みの方、
お望みの方には物足りないかもしれません。
651花屋×デイジー 1/10:2009/02/01(日) 19:47:22 ID:rwbyTzMq
 気付かれないように深呼吸しつつ、部屋の電気を消す。
 フロアライトの灯りの中、何かに耐えるように座ってる美奈子に、胸が少し痛む。
「えぇと、大丈夫か?」
 美奈子はちょっとだけオレを見て頷くと、そのまま俯いて動かなくなった。
 大丈夫なわけねーよな……。何わかりきったこと聞いてんだ、オレは。
 初めてコトに及ぼうとしてんだ、緊張しまくって当たり前だろ。さっきからコイツ、全然笑ってねーんだぞ。
もっと気が紛れるようなこと言ってやれよ。
 ――とは言え。優しくする、なんて言うのは恥ずかしいし。怖がるな、ってのも違う気がする。
 なんかねーかなぁ、いい言葉……うーん……。

 だああっ、もういい。考えたってわかんねーなら、行動あるのみだ。
「なあ、来いよ」
 ベッドに乗って、接した壁に寄り掛かって座る。戸惑いながらオレを見る美奈子に、広げた脚の間を叩いて
みせた。
「ここ座れって。いつものやつ、しようぜ」
「あ……はいっ」
 あからさまに胸を撫で下ろすと、脚の間に入って背を向けて座り込む。
 後ろから抱き締めるようにしてくっついて座るの、おまえ好きだよな。
 オレも好きだ。こうしてると、おまえを独占してるって実感できる。
「……ずっとこのままでも、いいかもなぁ」
652花屋×デイジー 2/10:2009/02/01(日) 19:47:48 ID:rwbyTzMq
「何もしないで?」
「そ。朝までダベるのも、楽しそうだ」
 無理させてまで、抱こうとは思ってない。
 おまえを手に入れたくて、ずっと耐えに耐えてきたんだ。それが叶った今、もう少しくらい待ってやれる。
 ……と、思う。多分。
「こうしてるとあったかくて気持ちいいから、すぐ寝ちゃうかもしれませんよ?」
「いいぞ、別に。寝てる隙に……イタズラしてやるっ!」
 脇腹をくすぐってやると、きゃあきゃあ喚いて暴れだす。
 文句言ったり、笑い崩れたり。それでもオレから離れようとしないのが、嬉しかった。
「もう! 先輩はそうやってすぐ茶化すんだから!」
「わかったわかった、もうしねーから」
 頭を撫でながら引き寄せると、不貞腐れつつ胸に収まる。
 包むように回した腕に、細い指が触れてきた。
 指を絡めて繋ぎ合う。こんなちょっとしたことで、美奈子は嬉しそうに笑った。

 体温を分け合いながら、他愛のない話をする。
 大学のこと、バイトのこと、今度はどこに行くか、なんてこと。でも、公開を心待ちにしてるホラー映画に
誘うのはやめた。レンタルされたら、一緒に見ればいい。周りを気にせず、思う存分叫ばせてやろう。
 会話が続くにつれ、美奈子の緊張が消えていく。すっかりオレに寄り掛かって、口数も減ってきた。
 ほんとに眠くなったのか……? 見習いてーなぁ、その図太さ。
653花屋×デイジー 3/10:2009/02/01(日) 19:48:14 ID:rwbyTzMq
「ねえ、先輩」
「ん? 眠いんなら寝ていいぞ。風邪引かねーように、ちゃんと見ててやっから」
 イタズラもしねーから、って冗談はさらっと無視して、美奈子は繋いだ手を強く握り締めてきた。
「何もしなくて、いいんですか?」
「えっ? あー……うん。いや、えっと……」
「私、本当に寝ちゃいますよ」
 振り返ってオレを見つめるその目に、迷いや不安は浮かんでなかった。


 首を捻ったままの美奈子に、触れるだけのキスを何度かする。
「……そんな体勢だと、首がつっちまうぞ。ほら、こっち向け」
 肩と膝裏を抱えて、一旦横抱きにする。さらに向かい合わそうとしたら、思いっきり拒否された。
「なんだよ、いいだろ〜。この前見たバカップルみたいに、べーったりくっつこうぜ」
「横向きで十分です! あんまり恥ずかしいのは嫌ですっ」
 宥めすかそうにも、腕を震わすほど突っ張られちゃ諦めるしかない。
 その代わり、安堵の溜息を少しだけ吐かせてやってから、すぐさま唇を塞ぐ。むぐむぐ言いながらバタついて
いた足が動かなくなるのに、時間は掛からなかった。
 抱き支えた腕の中で身じろぎもせず、差し入れた舌を受け止めてくれる。
 小さい舌が拙くオレを追う。かと思えば、ふらふらと逃げ惑うのをオレが追いかける。
 息を継ぐ暇をろくに与えもしないで、夢中で美奈子を貪った。
654花屋×デイジー 4/10:2009/02/01(日) 19:48:39 ID:rwbyTzMq
「はぁっ、せん、んっ……ま、まって」
「無理。もう待てない」
 喘ぐ美奈子の髪に、頬に、口付けていく。
「……ごめんな、堪え性のない兄ちゃんで」
 耳に唇を寄せて呟くと、可笑しいのかくすぐったいのか、美奈子は笑い出した。
 頬をなぞって、また唇を重ねる。今度はゆっくりと、お互いをちゃんと感じながら。

 空いてるほうの手で首筋に触れ、そっと撫でていく。
 いつだったか冗談で撫でたとき、あまりのなめらかさにマジでびっくりしたっけ。他もこんななのか、って
考えたら止まらなくなって――大変だったなぁ、あの日の夜は。
 恥ずかしい過去を追い払って、滑るに任せて落としていった手が、胸の膨らみで止まった。
 ちょっとつつくだけで、何の抵抗もなく指先が沈む。
 その柔らかさを何度も確認して、掬い上げるように包むと、掌に温かさが伝わってきた。握り潰さないように
そっと揉んでいくと、美奈子は微かに震えたり、吐息を漏らしたりする。
 気持ちいいってわけじゃねーんだろうけど、ちょっとは感じてんのかな。
「シャツ、脱いでくれるか?」
 裾を持って胸の辺りまで上げると、のろのろと腕が動く。脱がせたシャツを放って、いざご対面とばかりに
目を向けると、腕がしっかりとガードしていた。
「おいおい、隠さないで見せてくれよ。すっげー楽しみにしてたんだぜ」
「……やらしぃ」
655花屋×デイジー 5/10:2009/02/01(日) 19:49:04 ID:rwbyTzMq
「ふん、なんとでも言え。男なんてな、そんなもんなの」
 オレの胸に顔を隠すように押し付けて、美奈子は腕を下ろしていく。
 ライトの弱い灯りすら反射して淡く光る胸を、数秒見つめてから触れてみる。布越しとは違う感触に、崩れて
なくならないか心配になった。
 それほど柔らかくて頼りないと思ってた胸の先が、硬くなってきている。
 指先を掠めると、美奈子はぴくっと震えて声を漏らした。
「今の、気持ちよかった?」
「……わかんない、です。……ぴりっとして、その、なんて言うか……」
 言いよどむ美奈子のそこを弾いてやる。
 痛がらないように潰したり、捏ねてみたりすると、上擦る吐息がオレをくすぐっていく。
「こっちも、脱がしていい?」
 腰のくびれに手を回すと、がしっと腕を掴まれ、押さえ込まれた。
「だめ」
「全部じゃなくていい。これだけでいいから」
 腰紐をぎっちり絞り上げてもぶかぶかなスウェットを引っ張る。
 これじゃ履いてても意味ねーだろうに。腰押さえて、動き難そうだったもんなぁ。いっそ、シャツに生足って
ロマン溢れる姿だったら……オレの理性は、ボロボロの粉々になってたな。
 美奈子の指から力が抜けて、ただ腕を掴んでるだけになる。腰紐を引っ張って弛めると、縋るようにオレの
首に両腕を回してきた。スウェットを下ろしていくと、タイミングよく腰を浮かせてくれる。
 脱がせた後も首に掛かる腕と、胸に当たる柔らかい感触がなくならない。
656花屋×デイジー 6/10:2009/02/01(日) 19:49:29 ID:rwbyTzMq
 自分だけパンツ一丁じゃ恥ずかしいって言う美奈子のために、オレも服を脱ぐ。男らしく全裸になろう、と
宣言しつつトランクスにも手を掛けたら、即座に止められた。

 美奈子を抱き留め、ゆっくり倒す。
 石鹸の匂いと、それにも負けない美奈子の匂いにくらくらしながら、火照った肌に唇と舌を滑らせる。強く
吸い付かないと止まれないくらい、どこもかしこも想像以上になめらかだ。
 散々触れても飽きない胸にガキみたいに吸い付きながら、手を少しづつ下げていく。
 下着の上を形に沿わせてなぞると、美奈子の腰が大きく揺れた。
「あっ……だめ、やっ……ああっ!」
 反応の強かったとこを擦ると、体を仰け反らせて善がる。
 いつもボケボケしてるコイツが、息を荒げ、声を上げて喘ぐ。その姿をもっと見たい一心で、小突いたり、
摘んだり、とにかく弄り回していく。
 全体を撫で上げたとき、濡れてるのに気付いた。指に触れたぬるっとした感触に背筋が痺れ、オレも熱を持ち
始める。
 下着を引っ張って脱がせ、それを塗りつけて直に刺激しながら、美奈子の中に粘液にまみれた指をそっと差し
入れた。
「いたっ……せんぱい、やだ……やだぁ」
「ちょっと我慢な。慣らしとかねーと、後がキツイから」
 あっちこっち弄りながら、慎重に、丁寧に中を解していく。
 指の動きに合わせて響く音に耳を侵されて、何してんだか、だんだんわからなくなってきた。
657花屋×デイジー 7/10:2009/02/01(日) 19:49:54 ID:rwbyTzMq
「はぁ、はぁっ……だめ……へんな、かんじっ……いやぁ……っ」
「いけそうか? 試しに、いってみっか」
「いくって……んっ、あぁ……どこ、に……」
「ど、どこって、そうきたか……。まあ、言ってみりゃ天国?」
 ――って、何を言ってんだオレは。こんなんだから、親父くさいとか言われんだよ……。やばい、恥ずかしく
なってきた。
 ツッコミが入る前に、いかせてやれと弄り倒す。初めての感覚に戸惑い、何度も怖いと泣きじゃくる美奈子に、
さらに追い討ちをかけていく。
「せんぱっ……やだぁっ、やっ……しに、うぁっ、あっ……しにたく、ないですぅっ」
「……は?」
 予想すらしてなかったことを言われて、思わず動きが止まる。それでも美奈子は死にたくない〜、なんて喘ぎ
ながらボケ続けていた。
 がっくりと肩を落とすオレに、美奈子は蕩けかけた目を向ける。せっかくの色っぽい顔だってのに、欲情する
どころじゃない。
「せんぱい……? あの、どうしたんですか?」
「おまえなぁ、ここでボケることねーだろ……。今のは、オレの振りも悪かったけどさ……」
 溜息を吐きながら愚痴ると、美奈子はいつものぽけっとした顔で見つめてきた。何がなんだかわからないって
目が小動物みたいで、それを見て吹き出したオレを訝しがる。
 笑いながら離れようとしたオレを、呆れたのかと勘違いした美奈子は慌てて引き止めた。その必死な姿に、
また笑いが込み上げてくるのを堪えながら、頭をぐしゃぐしゃに撫でてやる。
658花屋×デイジー 8/10:2009/02/01(日) 19:50:20 ID:rwbyTzMq
「死なれちゃ困るから、天国はお預けだな。ちょっと待ってろ、すぐ準備してくる」

 いくときの顔も見てみたかった、なんて思いながら、我慢できなくなったものにゴムを被せる。
 オレを呼ぶ声に振り返ると、美奈子が手を伸ばしていた。その手をしっかり握って、小さな体に圧し掛かる。
 うっすらと汗の浮かんだ肌を、もう一度なぞっていく。その熱さに、囁かれる声に、あっという間に頭も体も
溶かされた。朦朧とする頭を一振りして、少し抵抗する脚を開かせ体を寄せる。
「キツかったら、ちゃんと言うんだぞ」
 頷く美奈子に、宛がったものを埋めていく。
 強張る体を宥め、痛みに声を上げるたび腰を止める。たっぷり時間をかけて、優しく、静かに。
 まどろっこしいなんて思わない。その分、柔らかくて温かいコイツの中にいられる。
 痛みが治まるのを待ってる間、触れられるところに口付けていく。美奈子を労わるためと、入れただけでいき
そうになるのを、堪えるために。
 これだけで終わるなんて、そんな勿体無いことしてたまるか。
「……もう大丈夫ですよ、先輩」
 荒かった呼吸は和らいだものの、まだ少し、辛そうな顔をしている。それでも美奈子は、じっとしたままの
オレに先を促してくれた。
「無理すんな、急ぐことねーんだから。なんなら、ずっとこのままでもいいぞ?」
「えっ!? ほ、ほんとに大丈夫ですからっ。あの、早く……続きを……」
 広げた脚をもぞもぞ動かして恥らう様子に笑いながら、目尻に残っていた涙を拭いてやる。
「冗談だって。……いくぞ」
659花屋×デイジー 9/10:2009/02/01(日) 19:51:46 ID:rwbyTzMq
 動いたそばから美奈子は眉をしかめ、唇を噛み締める。
 狭すぎる中にもげるんじゃないかと思ったり、もっと慣らしてやればよかったと後悔しても、腰は勝手に
動いて止まりそうもない。
「んぅっ……あ、あぁっ……」
 きつく手を握られ、苦しげに喘ぐ声に気付く。自制心を総動員してたつもりが、胸が揺れるほど突いていた。
「わりぃ、ゆっくりな。ゆっ、くり……ゆ……っ」
 言い聞かせても、体中が痺れきって、上手く自分をコントロールできない。
 美奈子の息遣いに、掠れるオレの声が合わさる。みっともない低音が不協和音になって、すごく耳障りだ。
「せんぱい……きもちいい、ですか……?」
「すっげぇさいこー……って、ごめんな、オレばっかで」
「いいの、もっともっと気持ちよくなって……もう、がまんしないで……」
 その言葉に、堪えていたものをあっさり捨てた。ほんとに堪え性がねーな、オレは。
 せめて、少しでも早く苦痛から解放しようと、必死に快楽を掻き集める。

 無尽蔵に湧き上がる快感を処理しきれなくなった脳が、火花を散らしだす。
 その後すぐ、オレの熱も飛散した。


 軽く後始末して、美奈子にひっついて布団を被る。
「シャワー浴びたいな……。体がべたべたしてる」
660花屋×デイジー 10/10:2009/02/01(日) 19:54:22 ID:rwbyTzMq
「おう、行って来い。ついでに、タオル持ってきてくれ。オレ、もう動けない」
 濡らしてきたら二重マル、拭いてくれたら花マルやる、なんて付け加えたら、きっぱり断られた。
「だらしないなぁ、先輩。やっぱり、歳のせいですか?」
「うるせぇ。そんだけ気持ちよかったの。おまえ、サキュバスだろ。オレの精気、全部吸いやがって」
「あ、バレちゃいました? でも、今頃気付いても遅いですよ〜」
 枕代わりにしてたオレの腕に、美奈子は笑いながら吸い付いた。唇が触れた部分が、じんわりと熱を持つ。
 これは完全に取り憑かれちまったな……。まあ、願ったり叶ったりだけど。

 バスタオル姿で風呂から戻ってきた美奈子は、濡れタオルで丁寧にオレの体を拭いてくれた。
 約束通り花マルをやって、誇らしげに笑う美奈子を思いっきり褒めて甘やかす。
 そして一転。アラレもない姿に説教する。
 ほんとにコイツは、どこまでオレを狂わす気でいるんだ……。

 大変よろしくないバスタオルを剥ぎ取って、ベッドに引きずり込む。
 なんだかんだと抗議するのを無視して抱き締め、小悪魔に魂を献上した。

 今夜は、いい夢が見られそうだ。
661名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 19:54:49 ID:rwbyTzMq
以上、だらだらと失礼いたしました。
読んでくださった方、ありがとうございました。

どなたか、エロエロな花屋をお願いできませんか?
自分、不器用ですから……。
662名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 01:20:51 ID:QtEKnyE7
いやいや充分器用だと思うぞw
萌えさせてもらいました
663名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 01:29:22 ID:s3s1zYcj
わあGJ!乙でした〜
萌えたよ〜ありがとうハナマル!!
664名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 05:08:46 ID:DheU6m4N
GJ!
キャラ掴んでるから、脳内で音声付きで再生されました
凄く良かったです
665名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:36:58 ID:jKuxkpHH

メッティ×デイジー投下させていただきます。(メッティ視点)
メッティ親友愛情状態、本命は若王子先生になってます。

メッティ策士でだいぶ暗い展開です。
レイプではないけど寝取りなので苦手な方はご注意お願いします。
無駄に長いですスイマセン
666氷上×デイジー1:2009/02/02(月) 23:38:48 ID:jKuxkpHH
テストの結果が表示されている掲示板の周囲は、生徒たちの歓喜、落胆、様々な声でにぎわっていた。
そんな喧騒の中、聞きなれた声がした。
「あー1点差か……惜しかったなぁ」
どんな騒がしい場所でもこの声だけはすぐに拾える自信がある。
僕が後ろを振り返るとその声の持ち主である彼女が人ごみを軽く掻き分けて僕の横へとやってきてふわりと微笑んだ。
「今回は氷上くんの勝ちだね。1位おめでとう」
「ありがとう。数学と芸術は君の方が上だ」
僕の言葉に髪を揺らして小さく笑った彼女の名前は掲示板で言うとちょうど僕の名前の真下、2位に記されている。
テストで気になった問題と回答のことに加えて少しの世間話を交わして彼女は教室へと戻っていった。
テスト前に勉強を教えたクラスメイトの男子生徒が予想以上の上位に入れたらしく、お礼を言われた。
彼との会話を済ませ僕も教室へ戻ろうとすると、見るつもりがなくても視界に入ってしまった。
廊下の片隅で、白衣を着た長身の教師と先ほどまで僕の隣にいた彼女が向き合って会話をする姿が。
「先生、結果見ましたか?惜しかったです」
「見ました。でも2位でも十分すごいです。よく頑張りました」
若王子先生を見上げて嬉しそうな表情をする彼女。
その頬は心なしか朱色に染まっている気がした。
僕は2人の姿を見ないようにその横を早足で通りすぎようとするがそうはいかなかった。
「や、氷上くんだ。学年トップですね。おめでとう」
教師に名前を呼ばれて立ち止まらないわけにはいかない。
足を止めると頭を下げてみせた。若王子先生の目には僕はきっと優等生に映っているのだろう。
「ありがとうございます」
若王子先生の横にいた彼女も改めて僕にお祝いの言葉を向けた。
彼女と、若王子先生。2人が一緒にいるところを見るのが日に日にどんどん辛くなっていく。
僕は余計な会話を一切せずにまた歩き出した。
廊下を思い切り走り出したい気持ちだったが校則違反になってしまうので、なんとか抑えて校則で許される範囲のスピードで早歩きをした。

僕は彼女に恋心を抱いていた。僕にとって初恋、そして本気の恋だった。
話もよく合うし、恋愛に奥手で今まであまり女性と接することが得意ではなかった僕でも彼女の前ではリラックスし自然体でいられた。
彼女に対する気持ちが恋と気づくのにしばらく時間がかかったが、それが恋とわかってから僕はさらに彼女に惹かれていった。
一緒にいるだけで幸せだった。彼女も僕を必要としてくれているのではないかと思っていた。
しかし、そんな初恋に終わりはやってきた。
休日、彼女が若王子先生と2人きりでいるところに鉢合わせしてしまったのだ。
「お願い、私が若王子先生と2人で遊びに行ってたこと、内緒にして!」
彼女は手を合わせて僕に頼み込んできた。
そして彼女は僕に打ち明けてきた。若王子先生に恋をしているということを。
僕は友達という形でも、彼女のそばにいたかった。彼女との友情まで失いたくなかったのだ。
精一杯の強がりを見せて彼女に優しい言葉をかけた僕は、彼女の親友というポジションを手に入れた。
最初はそれでもよかった。親友としてでも彼女と一緒に過ごせればいいと思ったがそれは間違いだった。
彼女にすっかり心を許され、無邪気そして無防備な笑顔や態度を見せられ、中途半端に彼女と一緒に過ごす時間もある現実は僕を苦しめた。
そしてたまにされる恋愛相談。これは拷問以外の何者でもない。
いっそ、親友なんてものではなくただの同じ学園に通う生徒の関係に戻ってしまったほうが楽だったことに後になって気づいたのだ。
667氷上×デイジー2:2009/02/02(月) 23:40:55 ID:jKuxkpHH
今回のテストも、僕は半ばムキになって1位を取りに行った。
僕と彼女の実力はほぼ互角だ。少しでも油断し、たった1問のミスをしようものなら1位の欄には彼女の名前が載るだろう。
当然、彼女が1位を取ること自体が嫌なわけではない。
彼女が1位で僕が2位ならば、そのテストにおいて彼女の方が優秀だった、というだけの話。
僕は彼女が1位を取ったあとに起こる「出来事」が苦痛なだけだ。
彼女が1位をとると、彼女以上に若王子先生が喜ぶのだ。1度だけ彼女が1位を取ったことがある。
若王子先生は嬉しそうに目を細めて彼女の頭をいい子いい子をするように撫でていた。
そのときの彼女の顔は、本当に幸せそうなものだった。それを見るのが嫌だったのだ。
若王子先生は、頭も非常によく、整った顔立ちに物腰柔らかい性格、そして時々見せるミステリアスな部分、男女問わず好かれる魅力的な人物だ。
僕も若王子先生のことはとても尊敬している。彼女に、お似合いの男性だろう。
そんな若王子先生も、少なからず彼女に対して好意を持っているようだ。
それが生徒としてのものなのか異性としてのものなのか。異性としてのものならばそれがどの程度の大きさなのか、僕にはわからない。
しかし、休日に個人的に彼女を誘って2人で外出をするという行為から考えるとその答えを導き出すのは容易だ。
教師と生徒という壁がなければすでに交際をしていてもおかしくないくらい親密な2人の仲を引き裂くのはあまりに簡単なこと。
教頭に若王子先生が休日に個人的に女生徒を誘い出し2人きりで遊びに行っていることを密告してしまえば大変な騒ぎになるだろう。
下手したら若王子先生がなんらかの処分を受ける、なんてこともありえなくもない。
しかし、僕にはどうしてもそれだけはできなかった。
それをすれば彼女も若王子先生も悲しむことになるのは間違いない。
若王子先生が彼女にふさわしくない悪い大人、悪い教師、悪い男性ならば僕は容赦なくその手段を利用しただろう。
しかし、彼女の想い人である若王子先生は教師としても人間としても非常に優れていて、それを僕も認めている。
きっと彼ならば彼女を確実に幸せにできる。
そうわかっていても、僕は彼女への想いをいまだに断ち切れないでいた。

彼女とはデートの練習や恋愛相談といった名目で2人で外出をすることがある。
先日も彼女から電話がかかってきた。
もうすぐ若王子先生の誕生日らしくプレゼントをあげたいが何がいいか迷っていて一緒にショッピングをして選んで欲しいという相談だった。
愚かな僕は若王子先生のための外出とわかりながら彼女と2人で過ごせる貴重な時間ということにつられてその誘いを了解してしてしまった。先生へのプレゼントを2人で決め、それを購入した後は新しい服を見たいという彼女の洋服選びに付き合った。
彼女とショッピングをしたことは何度かある。女性服の店に入るのは最初は恥ずかしかったが、今ではもうだいぶ慣れてしまった。
「あ、こないだ氷上くんが、私に似合いそうって言ってくれて買った服あるじゃない?」
「ああ、あれか」
「先生がその服かわいいですね、って褒めてくれたの」
「そうか。それはよかった」
このような会話をするのは初めてではない。
僕がなんとなく直感でいいと思って彼女に勧めた服を彼女が着ると、若王子先生もだいたいその服を気に入る。過去にもあった。
不思議なことに僕と若王子先生の好みは少し似通っているところがあるらしい。
だからといって同じ女性を好きになってしまうとはなんとも皮肉だ。
氷上くんに選んでもらって正解だったよ、そういい僕に笑顔を向ける彼女。
僕は、立派に彼女の親友を演じ切れているようだ。
彼女は新作らしいスカートを1着購入しショッピングを終わらせた。
用事は済んだけれどもせっかく彼女と過ごせる時間、帰宅するのが名残惜しくて僕は公園で散歩をしないかと彼女を誘った。
もう少したてば木々が赤や黄色に染まり始めるであろう森林公園は、多くの家族やカップルでにぎわっていた。
僕と彼女も何も知らない人から見たらカップルに見えているかもしれない。
彼女はそんなことはちっとも考えていないのか、景色を眺めながら表情をくるくると変え、僕の隣を歩いていた。
しばらく歩いた後、自動販売機で暖かいお茶を購入し、ベンチに腰掛けて彼女と2人で飲んでいると彼女が僕を見上げた。
彼女と目が合う。最近、目が合うだけでそのまま彼女を抱きしめてしまいたい衝動にかられることが多い。
その行動は決して親友としてふさわしくないとはわかっている。臆病な僕は思わず彼女から目をそらしてしまった。
668氷上×デイジー3:2009/02/02(月) 23:43:28 ID:jKuxkpHH
「あ、氷上くん」
「なんだい?」
彼女が僕に向けて手を伸ばす。突然の出来事に体がこわばってしまう。
彼女の白くて細い指が僕の髪に触れた。
それはほんの一瞬である上にあまり感覚を持たない髪という部位なのに触れられたところから全身が熱くなっていく気がした。
「葉っぱ。髪の毛についてたよ」
くすくすと笑ってその葉を僕の目の前に掲げてきた彼女。
僕も理由があれば彼女に触れることができるのに。そう思わずにいられない。
彼女は僕の髪の毛から取り除いた葉を手先でいじりながら口を開いた。
「こないだもね、先生の服に猫の毛がついてたからとってあげたの。あちこちついてたから取ってあげてたら
すいません、これ以上は触らないで下さい、って言われちゃった……私、嫌われてるのかな?」
そう言って彼女はふう、と小さなため息をついた。
僕にはわかる。若王子先生の気持ちが。
当然嫌いだから言ったのではないことも。
僕にとって親友としてふさわしくない行動、それは若王子先生にとっては教師としてふさわしくない行動にあたるのだろう。
「それは、嫌われてるわけじゃない」
「なんでわかるの?」
「なんとなく、だよ」
「うん……?」
彼女は不思議そうな顔をして缶に入ったお茶を飲み込んだ。
僕もちょうど最後の一口を飲み込んだところで、強めの風が吹いて木から数枚の葉がはらりと落ちた。
その葉の行方を目で追っていたら、風の音を掻き消すように彼女の声が聞こえた。
「ねえ、氷上くんは、今恋してる?好きな人、いるの?」
「えっ?」
「なんか、最近お風呂とかで1人きりになるといろいろ考えごととかしちゃって。頭の中ぐるぐるだよ。
男の人も好きな人ができるとそうなるのかな、って思っただけなんだけどね」
彼女にとっては世間話として切り出した話題に過ぎないだろう。
しかしその質問は僕にとってはあまりに酷である。
お茶を飲んだばかりなのに喉がからからに渇いていく気がした。
僕の回答を待っている彼女に、なんとか言葉を搾り出した。
「……ノーコメント、かな」
「ふふっ、気になるなー。氷上くんに好かれる女の子は幸せだね」
そう言って彼女は無邪気な笑顔を向けた。
そんな顔に、そんな言葉を向けられたら、全て壊してしまいたくなる。
親友という立場も、今まで彼女と築き上げた信頼関係も。
最近はだいぶ涼しくなってきた。彼女に風邪をひかせぬよう、そろそろ家まで送り届けた方がよさそうだ。
彼女の手は冷えていないか。触れて確かめることは許されるのだろうか。
手に触れるくらいならば許されるかもしれない。しかし僕にはその勇気はなかった。
669氷上×デイジー4:2009/02/02(月) 23:44:43 ID:jKuxkpHH
彼女に若王子先生に対する想いを打ち明けられ、僕と彼女が親友になって何ヶ月がたっただろうか。
もうそろそろ、僕は限界を迎えようとしていた。
彼女に返す言葉が見つからなく、しばらくの沈黙が流れた。
少し考えたあと、僕は彼女を少し試してみることにした。
「来週の日曜日、空いてるかい?」
「来週?空いてるよ」
「一緒に勉強しないか?一流大学の傾向と対策の参考書でオススメなのがあるんだ。君とならはかどりそうだ」
「うん、するする。どこでやる?」
彼女は僕同様、勉学に対して非常に貪欲だ。
用事がなければおそらくOKするだろうという予想通り、首を縦に振った彼女に、ちょっとした罠を仕掛ける。
「……僕の部屋、でどうかな」
彼女にはこれを拒否してどこか別の場所を指定して欲しかった。
そうすればまだ彼女が僕のことを男として見ている可能性があるかもしれないと思ったのだ。
しかし、彼女は僕の期待を裏切った。
「えっ?大丈夫なの?お邪魔して」
「……ああ、君がよければ」
彼女は僕の部屋に来ることを承諾した。
男の部屋で2人きりになる意味がわかっていないわけではないだろう。
気を許しているからだ。僕のことを「親友」として。
自分は女性で僕が男性であることを、彼女はすっかり忘れてしまっているのだ。

そして次の日曜日、彼女は待ち合わせ場所にやってきた。
彼女の手には教科書や参考書やプリントが入った四角い透明のケースと小さな箱が提げられていた。
小さな箱にはケーキ屋の名前が入っている。確か、彼女の親友でもある西本君がアルバイトをしている店だ。
どうやら彼女が僕の家を訪れるのに、気を遣って用意してくれたものらしい。
「氷上くんち、3人家族だったよね?ケーキの数あってると思うけど足りるかな」
「ああ、今日……家族、外出してていないんだ」
このことは先週からわかっていたが、先週の時点ではあえてそれは言わなかった。
僕と彼女以外家にいないという状況を知り、彼女がどんな反応をするかが気になったが彼女はたいして気にする様子もなく僕を見上げた。
「じゃあ、冷蔵庫に入れといてよかったらあとで食べて?」
「うん、そうさせてもらうよ。わざわざありがとう」
やはり彼女にとって僕は同性の親友である西本君と同じ立場なようだ。
今日、僕が部屋で彼女にしようとしていることを、彼女は当然知る由もないだろう。
670氷上×デイジー5:2009/02/02(月) 23:46:25 ID:jKuxkpHH
普段から整理整頓を心がけている部屋は、彼女を招くからといって特別慌てて掃除をする必要はなかった。
僕のお気に入りでもある自室を、彼女は素敵な部屋だと褒めてくれた。
折りたたみテーブルを広げ、参考書の問題を彼女と一緒に解いていく。
やはり彼女との勉強はとてもはかどり充実していて時間はあっという間に過ぎていった。
勉強を一段落させ、彼女が持参してくれたお土産のケーキを頂くことにした。
温かい紅茶と冷蔵庫から取り出したケーキをトレーに乗せて部屋へと戻る。
「いただきます」
ケーキをフォークでつつき幸せそうに口に運ぶ彼女を見ながら僕は最後の葛藤をする。
まだ引き返せる。今ならまだ僕は彼女にとってよき理解者であり頼れる親友でいられるだろう。
この1週間考えた。親友という立場を利用して彼女に触れることができるのではないかと。
決して無理やりの行為ではなく、合理的に彼女に触れる方法を思いついたのだ。
心は無理でも、体だけは手に入れることができるのではないかと思った。
あわよくば、触れ合うことによって心までこちらに向いてくれないか、そんな淡い期待まで抱いた。
僕は、悪魔に魂を売り渡したのだ。
数分考えた後、彼女の目もろくに見ずに1週間練った台詞を吐き出した。もう後戻りはできない。
「そういえば、この間君がしてきた質問の「好きな人はいるか」の答えだけど」
「えっ?教えてくれるの?」
「ああ。答えはYESだ」
「わあ、本当?学校の人?」
「それは秘密だ」
「あ、同じ塾の人、とかもあるよね。うまくいきそう?」
「彼女とたまに2人で出かけたりはするよ」
「そうなんだ!それって、いいかんじじゃない?思ったんだけど、私ばっかり氷上くんにいろいろ相談してるでしょ。
氷上くんも話聞かせてくれたらなー、と思ったから聞いたんだけどね。
せっかく、私たちは親友なんだから。私でよかったらさ、いろいろ話聞かせて?」
また彼女から飛び出した親友という単語。その言葉に一瞬決意が揺らぐが、咳払いをして冷静を取り戻す。
やはり彼女は基本的に、僕の期待に応えるような反応をする女性だ。
僕に好きな女性がいると聞いたら彼女はきっとそう言うと思っていた。
その女性が自分であることに全く気づかずに、彼女は親身になって僕の相談に乗ってくれる。
そんな彼女の優しい心を、僕は利用しようとしている。
「では、君を信頼できる親友、かつ女性と見込んで、相談がある」
「うん、いいよ。氷上くんから相談されるなんて、なんか嬉しいなぁ」
「……君は、男性経験はあるのかい?」
「……え!?ええっ!?それって、あの、ア、アレ、ですか?」
僕からの突然の質問に彼女は当然慌てふためいて見せた。
フォークが手から滑り落ちてテーブルにぶつかる音がした。
彼女と僕は少し似ているところがある。
きっと僕が突然同類の質問をされたら僕も今の彼女と同じリアクションを取ってしまうだろう。
なんとか場を保つように、僕は少し乱暴にケーキにフォークを突き刺し、そのひとかけらを口の中に放った。
僕もここのケーキは美味しいと思っているが、さすがに味がよくわからなかった。
「……そう、ソレだ」
「そんなの!!あ、あるわけないよ!!」
彼女は慌てて首を思い切り横に振ってみせた。
その慌てようと表情、反応から嘘をついていないことはよくわかった。
僕は安心した。これは彼女が経験者では全く意味をなさない作戦なのだ。
堅物で淡白に見えるであろう僕の口からそのような話題が出たことは相当驚きだったらしく、彼女は顔を真っ赤にしながら下を向いている。
「そこで提案がある。僕も当然、女性経験はゼロだ」
「わ、私だってそうだよ……ゼロだよ、ゼロ!」
「お互い、練習をしたほうがいいと思ったんだ」
「え……」
「若王子先生は立派な大人の男性だ。ゼロの状態で臨むより少しでも経験値があった方がいい。
そのために、君は僕を練習に使って構わない」
「それって?」
「僕も、このままでは万が一彼女とそういう機会に恵まれてもこのまま経験値ゼロのままでは何もできそうにない。
つまり、僕にも練習が必要ということだ」
671氷上×デイジー6:2009/02/02(月) 23:47:47 ID:jKuxkpHH
僕は、嘘が大嫌いだし、嘘をつくのが苦手だと思っていた。
しかし、人間やろうと思えばなんでもできるらしい。
もう何も怖くはなかった。次から次へと虚言があふれ出して来る。
「僕と君の利害関係は一致している。いわば、僕と君の立場は平等だ。
こんなことを相談できる異性の親友は君以外にいない。
安心したまえ。最後までするつもりは全くない。要するに、スキンシップの練習だ」
好きな女性に触れる僕と、好きではない親友の男性に触れられる彼女。
平等なわけがない。
彼女は紅茶の入ったカップを手に取ると、口に運んだ。緊張しているのかもしれない。
「そういうことには興味はないか、やはり」
「あ、あのね。もちろん、興味はあるけど……でもね、私、本当に何の知識も経験もないの」
「それは僕も同じだ。だからこそお互い気を遣わなくていい。もちろん君がよければの話だが。
僕を練習相手にするのは悪いと思っているならばその心配はいらない。僕も、練習させてもらうから」
「私を、好きな子だと思って?」
「…………ああ。だから君は僕のことを若王子先生だと思ってもらって構わない。僕じゃ彼の代わりには役不足だと思うけど」
とんでもないことを言っていることは僕が一番わかっている。
心から愛している女性に向けて言う言葉ではない。
壁に掛けられた時計の針が時を刻む音がやけに耳につく。
彼女が僕のこの一見論理的で筋道が通っているように見えるがかなり無謀な提案を拒絶すれば。
悪魔になってしまった僕は人間に戻れるかもしれない。全ては彼女次第。
しばらくの沈黙の後、彼女がぽつりと口を開いた。
「……スキンシップの練習?」
「ああ、お互いのためのね」
「あのね、最近、友達同士でもそういう話題が多くて。私一人、奥手みたいで……何も知らなくて。
興味はあるけど……怖いし……」
「そうか……」
「……氷上くんとなら、怖くないかも」
彼女は目を伏せた。
672氷上×デイジー7:2009/02/02(月) 23:49:19 ID:jKuxkpHH
彼女の手を取り、整えられたベッドの上へとエスコートする。
僕は今まで彼女に触れたくて仕方がないのを我慢していた欲求を開放するように、彼女を強く抱きしめた。
彼女の柔らかい髪に顔を寄せると、ふわりと甘い匂いがした。
手を伸ばし、彼女がテストで1位を取ったとき若王子先生がしたように、そっと撫でる。
体を少し離し、彼女と向き合った。いつも人の目を見て話す彼女にしては珍しく、視線は僕の目ではなく胸あたりを向いている。
目を見る余裕がないほど緊張しているのだろう。
きめ細かい肌をしている頬に指を滑らせると、彼女は一瞬ぴくりと反応したが無抵抗だった。
そのまま指を動かし、人差し指で艶やかな桃色の唇をなぞった。
「……君は覚えてる?これ」
「……覚えてる」
「もう一度、してみてもいいかい?」
返事はなかったが、彼女はその返事の代わりに瞳を閉じた。
入学してすぐ、廊下で彼女と衝突し、偶然してしまったキス。
あの時は、生まれて初めてしてしまった女性とのキス、女性の唇の感触の柔らかさにドキドキした。
それからなんとなく彼女を意識するようになり、彼女の魅力に引き込まれた僕は彼女に恋をした。
事故とはいえ、初めてキスをした相手が彼女で本当に幸せだと思った。彼女はそうは思っていないだろうけれども。
今度は、偶然ではなく必然的に行う。
眼鏡が当たらないように、最初はそう気を遣っていたが唇が近づくにつれてそのようなことはどうでもよくなってしまった。
ほんの数秒、そっと触れ合うだけのキスをする。彼女の唇は、あの頃と変わらず柔らかかった。
「嫌、じゃない?」
ここまでしておいて、まだ残された理性が彼女を気遣う言葉をかけてしまう。
しかし、まだ理性が残っていたのは助かった。
もし残っていなかったら、すぐにでも本能のままに彼女をめちゃくちゃにしてしまうかもしれない。
彼女はこくりとうなづいた。
「これ以上のこと……全然想像できないよ。今のだけでも……こんなにドキドキするのに」
「……してみようか。今以上のこと」
今、彼女は僕のことを確実に男として見てくれている。
それが嬉しくて、自分でも驚くほど大胆なことを言ってしまった。
彼女は驚いた顔をして何か言おうとしたが僕は彼女をもう一度抱き寄せると今度は少し強引に口付ける。

673氷上×デイジー8:2009/02/02(月) 23:50:25 ID:jKuxkpHH
「んっ」
彼女の柔らかな唇から声が漏れた。
テクニックなども何も知らない僕だけれども、無意識のうちに舌を彼女の口内に押し込んでいた。
2人でケーキを食べていたからか、それはすごく甘い味がした。
彼女の濡れた舌が遠慮がちに絡んでくる。お互いの吐息と、舌が重なりあう水音だけがそんなに広くはない室内に響き渡っていた。
僕も彼女も体験したことのない深い、大人のキス。
唇が離れるまでどれくらいの時間がたったかわからない。数秒のような気もするし数十分のような気もした。
「氷上くん……」
「ん?」
「ど、どうしよう……頭がぼーっとするの」
「力、抜いて。大丈夫、これは練習だから」
そんな余裕がありそうな台詞を吐いてみるが、もちろん僕もありえないほど緊張している。
彼女を抱きしめたまま、耳に唇を当てる。
彼女の体は力を入れたら壊れてしまいそうなほど繊細に思えた。
男にしては華奢だと言われている僕でさえそう感じるのだから、僕より長身で大柄な若王子先生が彼女を抱きしめたら
もっと顕著にそれを感じられるだろう。
しかし、彼女が若王子先生に抱きしめられている場面を想像はしたくはない。
実際、今彼女は僕の腕の中にいるのだから。今、少しの間だけでも彼女の体温を感じていたい。
「……ん」
「耳、くすぐったい?」
「うん……」
ふうっと息を吹きかけると彼女は身をしならせる。
彼女を抱きしめたのも、彼女にキスをしたのも、彼女の体に触れたのも、男では僕が一番最初だ。
その事実は少なくとも僕を震えたたせた。
自分にこんな男っぽい部分があるとわからせてくれたのは彼女だ。
「嫌だったら言って」
秋らしい薄手のブラウスの上から、胸の膨らみにそっと触れた。
女性の乳房の事情はよくわからないが、平均的な大きさだろうか。
大きさにこだわりはない。彼女の胸に触れているという事実だけで体が熱くなる。
そのあまりに柔らかい感触に、僕は何度も手を動かした。
ブラウスのボタンに手をかけたところで彼女と目があった。
恥ずかしい、彼女は目で必死にそう訴えるが、僕は手を止めなかった。
少し震える手でボタンを全てはずすし左右に開くと、彼女らしい純白の下着が覗いた。
やはり彼女には白がよく似合う。彼女の狭い背中に手を回してホックを探る。
いくら知識がない僕でもこのかわいらしい胸を包んでいる下着を外すための場所が背中の部分にある場合が多いことくらいは知っている。
女性下着に触れるなどもちろん生まれて初めてでもっと苦労するかと思ったが、つなぎ目を軽くひねるとそれは意外とあっけなく外れてしまった。下着を押し上げると、はじけるように露わになった透き通るように白く丸い膨らみ。
「氷上くん、眼鏡とって……!」
「取ると何も見えないよ」
「見えると困るから……」
「心配いらない。すごく綺麗だ」
674氷上×デイジー9:2009/02/02(月) 23:52:11 ID:jKuxkpHH
吸い寄せられるように彼女の乳房を手で包み、ゆっくりと揉み解していった。
程よい大きさの彼女の乳房が、僕の意思によって手のひらの中で柔らかに形を変える。
中心に咲く桃色の突起が時々手のひらにぶつかってくる。その部分は、最初に見たときより勃ちあがっている気がした。
彼女は、僕に胸を触られて多少なりとも感じているということだろうか。
その突起を指で弾き、左右同時に摘むと明らかに彼女が大きく反応した。
「気持ちいい?ここ」
「ん……そこは、女の子ならみんな、だいたい、気持ちいいと、思う」
きっと恥ずかしいだろうに、親友想いな彼女は真っ赤な顔をしながら僕がいずれ「好きな人」を抱くために役に立つであろうことを教えてくれた。その「好きな人」が架空の人物とも知らずに。
……いや、僕は好きな人がいる、2人で出かけたりする、そう言ったことに関しては全く嘘はついていない。
鈍感な彼女が勘違いしているだけの話だ。本当ならば僕は今目の前にいる女性だけ抱ければいい。
今目の前にいる女性の感じるところだけわかっていればいい。それは叶わぬ願いとわかっているが。
向き合っていた体勢から、彼女をそっとベッドに横たえた。
ブラウスと下着は取り払ってしまった。
彼女が先ほど気持ちいいと自己申告してくれた突起へと、舌を伸ばす。
そこは先ほどよりさらに硬く充血して膨れ上がっていた。
「やっ……」
「怖いなら目、閉じて。僕を先生だと思って」
「怖く、ないよ……氷上くん、優しいもん」
「スキンシップの練習が必要になったら、君は次は僕以外の男に頼む?」
「ま、まさか!!こんなこと、誰とでもできることじゃ……氷上くんだから、できる……んだよ」
そうやって彼女はまた隙を見せる。
彼女にとっては無意識の発言かもしれないけど、僕に期待を持たせるのは彼女の悪い癖だ。
柔らかい膨らみを揉みながら、先端を舌で転がすと、彼女の頬は紅潮し、唇からは吐息が漏れ始めた。
僕のしていることで彼女が感じるのが嬉しくて、夢中で2つの膨らみを愛撫していると彼女が足をもじもじと動かし始めた。
彼女の体が本能的に下半身への愛撫も求めているのかもしれないが、正直ここから先のことに関しては自信がない。
しかし欲望の方が勝った。僕は彼女のスカートをまくりあげその中に手を入れると程よい肉付きの白い太ももをなで上げた。
「んんっ……」
「痛かったら、すぐ言って欲しい」
胸を包んでいた下着と同じ色の下着を取り払った。ここまで来て手が震えるとは情けない。
ためらいつつも彼女の秘所に指で触れると、そこはぬるぬるとした液体であふれかえっていた。
さすがの僕でもそれが何を意味しているのかはわかる。
つまり女性のここが潤うのは、すでに硬く勃ちあがってしまっている今の僕の下半身と同じ意味あいだ、ということだ。
幸いなことに彼女は僕の下半身の変化にはまだ気づいていないようだが。
「すごいな……こんなになるのか」
「い、言わないで……恥ずかしい」
彼女の大事な場所を傷つけないように、指先で撫でるように探る。
爪は先日切ったばかりだ。爪で傷つける心配はないだろう。
関節が、おそらく結合に使用するであろう部分を捉えた。その中にゆっくり指を進めていくと彼女は大きく体をのけぞらせた。
「あ、ぁっ……!」
「す、すまない……痛かったか」
「変なかんじがする……」
痛さに関しては訴えてこなかった。よく濡れているからだろうか。
ゆっくりゆっくりと指を埋めていくと、ようやく1本が収まった。
きつくて狭くて粘液であふれているそこは温かい。
彼女の目は半分涙目になり、頬は桃色に染まっている。華奢な体、小さい肩がわずかに震えている気がする。
ふと、我にかえった。このまま続けたら取り返しのつかないことになるのではないか。
すでに練習と呼ぶにはギリギリ、セーフかアウトか微妙なところまで来てしまっている。
僕は彼女に架空の好きな女性の存在をでっちあげ、練習と偽り彼女を抱きしめ、キスをして、彼女の柔らかい体に触れた。
もう、切り上げるべきだ。
「君、すごく辛そうだ。ここで終わりにしよう」
675氷上×デイジー10:2009/02/02(月) 23:54:05 ID:jKuxkpHH
最初に彼女に言ったとおり、最後までするつもりは本当にない。
彼女を抱きしめキスをしたこと。それも、本来ならば親友である僕には絶対許されない行為なのだ。
これ以上望んだら罰が当たる。
それに、ほんのわずかにでも理性が残っているうちにやめないと、痛がる彼女の中に無理やりにでも昂ぶりを押し込んでしまいそうだ。
「あ、あの……」
「無理しなくていい。あくまでお互い異性との触れ合いに慣れるためのスキンシップの練習だ。
君がスキンシップに対して恐怖心を持ってしまっては逆効果じゃないか」
「私は辛いんじゃなくて緊張してるだけ。それに……氷上くんの方が辛そうで」
「え?」
彼女の視線が僕の下半身に向く。いつの間にか気づかれてしまったらしい。
そこは、ズボンの上からでもわかるほどに大きく膨れ上がってしまっている。
「僕は大丈夫だから」
僕は勤めて紳士的な態度をとることにした。
これだけ勃起させておいていまさら紳士的も何もあったものではないのかもしれないが。
確かに彼女の指摘通り、辛い。しかし、トイレで始末すればいいことだ。
今まで何度もした、彼女を想ってする自慰が現物を見たことにより妄想だった部分がだいぶリアルになるだけの話。
「平等って言ったのに……私だけこんなにされて」
言われてみれば、彼女に残された衣服はスカート1枚のみ。
それに比べて僕は衣服どころか、靴下すら脱いでいない。
彼女は、僕のベッドの布団を持ち上げサッと体を隠し、僕を小さく見上げた。
「……氷上くんが練習しただけじゃない。私は全然何もしてない」
「そ、そう言われれば確かに、そうだが……」
もし今彼女に体を触れられたら、それこそもう僕は絶対止められない。
頭を冷やすためにベッドから立ち去ろうとした僕のシャツの裾を、彼女の細い指が掴んだ。
僕の、わずかに残された理性はそこで崩壊した。


「氷上くん、痛くない?」
「ん…………大丈夫だ」
僕より一回りくらい小さそうな彼女の手のひらが、僕の勃ちあがった男性器を包み込み、一生懸命上下に扱いている。
丁寧に切りそろえられた彼女の爪先は非常に好感が持てる。
以前、マニキュアの類は校則違反になるし休日も基本的にあまり使用しないと言っていたのに爪先がやや光って見えるのは、爪磨きか何かで綺麗に磨いているからだろうか。
彼女が震える手つきで僕のベルトを外し下着から性器を取り出した時の彼女の驚きようと言ったらなかった。
確かに、自分でも恥ずかしくなるくらい下腹につきそうなほどに反り返っていたそれを目の当たりにするのは処女の彼女からしたらだいぶ酷だったかもしれない。本当に経験が全くないということを確認できたけれども。
「どこを、どうされると気持ちいいの……?教えて」
「……っ」
そう言い潤んだ瞳で上目遣いで僕を見上げる彼女。その目は反則だ。
きっと、いつか、若王子先生を悦ばせるために学習しているんだろう。それはわかっている。
僕を練習に使っていいといったのは他でもない、僕自身だ。
他の男性を悦ばせるために彼女は僕に触れているというのに、恐ろしいほどの快感を感じている僕はなんて愚かなんだろう。
先端からはすでに透明な雫が大量に滴り、卑猥な音をたてている。
彼女は指先でその雫を救い上げ性器全体に塗すと、引き続き手指を動かし滑らせていく。
「気持ちいい?」
「…………ああ、すごく」
「こうすると、どう?」
「……んっ」
「みんな、こんなの、挿れるの?……信じられない」
こんなの、という言い方はなんとも微妙な気持ちだが、彼女の気持ちもわからなくない。
華奢で細い彼女に、果たして入るのだろうか。
彼女は先ほどから手を動かすことをやめない。
そろそろ手が疲れるのではないだろうか。
「……僕のは、平均的な大きさだと思うが。おそらく」
「これで平均的なんだ……」
「……っ……すまないが、もう手を止めてくれないか」
「あ、ごめんなさい。痛い?」
「いや……そろそろ、まずい……んだ」
「その、出そうってこと?」
「……そうだよ」
「出しても、いいよ」
676氷上×デイジー11:2009/02/02(月) 23:56:02 ID:jKuxkpHH
彼女のその一言を聞いた次の瞬間、気づいたら僕は彼女の体をベッドへと強く押し付けていた。
無意識だった。彼女は目を見開いて僕を見上げている。
親友だと思っていた僕に強引に押し倒されてさぞかし驚いていることだろう。
彼女は僕を見くびっている。僕は、彼女が思っているほど紳士ではないのだ。
「どうして……君はなぜそこまで頑張れる?初めてで、何もわからないのに」
彼女に触れられて嬉しい半面、悔しくもあった。
練習に使っていいと言ったのは僕なのに、僕の体で若王子先生を悦ばせる研究を必死になってする彼女に少し腹が立った。
自分で撒いた種に、自分で腹を立ててるとは、全く滑稽な話だ。
彼女は僕の言うとおり、練習しただけでちっとも悪くないのに。これは、完全に僕の八つ当たりだ。
「ご、ごめんね。氷上くんの顔とか声があまりに色っぽいから、つい……もっと見たくて、調子に乗って」
「え……」
「私にあんまりしつこくされたら嫌だよね」
「……練習で触ってたのでは」
「あ、そうだったね、練習だったよね。すっかり忘れてた」
彼女はそう言って僕の下で笑い、ごめんね、とつけたした。
つまり彼女は、純粋に僕が感じるところを見たくて、僕を感じさせたくて頑張っていたと、そういうことなのだろうか。
好きな人のためではなく、僕のために。
彼女の台詞を頭の中で整頓し、そういう事実とわかったとき、僕の全身がカアッと熱くなりずっとこらえていた本心が言葉として出ていた。
本当なら口にしてはならない言葉とわかりつつ。
「僕は、君を抱きたい」
「えっ……」
「……独り言だ」
彼女から見たら僕は他に好きな女性がいるのに、親友の女性に欲情し抱きたがっているいやらしい男だろう。
それで構わない。
願わくば、彼女も他に好きな男性がいるのに、親友の男性に欲情するいやらしい女性でいてくれないものか。
彼女は困った顔をする。当然だろう。
しかし、彼女から返ってきた答えはあまりに意外なものだった。
「あのね……なんていっていいかわからないんだけど。
体が熱いの。氷上くんに触ってたら、すっごいドキドキして、体がむずむずして……
もっと触ってもらいたい……って思ってる……私、最低。
でも、これ以上は、氷上くんの好きな女の子に悪いからダメだよ。うまくいってるって言ってたし……」
彼女は本当に正直者だ。体は疼いているが理性が邪魔をし、いろいろな葛藤があるのだろう。
僕は、そんな彼女を誘惑するために、最後の嘘をついた。
抱き合う理由を正当化するための、嘘。
「お互い本命の相手に備えて練習ということにしよう。今日のことは2人だけの秘密だ」

677氷上×デイジー12:2009/02/02(月) 23:57:08 ID:jKuxkpHH
お互い、着ているものは全て脱ぎ去った。僕は再び彼女の秘所に手を伸ばす。
彼女のここに触れてから時間がたっているというのに、そこは驚くほど蜜であふれかえっていた。
僕のものを触って、そんなに興奮したのだろうか。その事実だけでまた一段と下半身の硬度が増した。
胸を同時に愛撫しながら、もう一度、指を挿入し丁寧にほぐしていく。
やはり慣れないからか最初は力が入って時々顔をしかめたりしていたが、次第に彼女の声の質が変わり、表情に快感が浮かんできた。
僕はデスクの一番上の引き出しに手を伸ばす。
先日、テスト勉強を教えた男子生徒からお礼に、と小さい包みをもらったのだ。
家に帰って開封して言葉を失った。そして学校で開けなくてよかったと思った。
中身は避妊具だったのだ。恩を仇で返すとはまさにこのこと、その時はそう思い呆れたが今はひとまず彼に感謝しておこう。
そして、勢いで捨てずに保管しておいた僕にも。
慣れない手つきでなんとか装着し、ベッドにもぐりこむ。抱き寄せた彼女の体はすごく熱かった。
「力、抜いて」
「んん……」
「大丈夫、僕も初めてだ」
猛ったものを秘唇にあてがい、押し込もうとするが、やはりうまくいかない。
彼女は悲痛の声をあげ、眉間に皺を寄せる。
「やはり、痛いか」
「だ、大丈夫……」
ゆっくり時間をかけてなんとか全てを収めた。
彼女が痛がらないようにしばらく動かずに挿入しただけの状態を維持するが、僕はそれだけでも信じられないほど気持ちがよかった。
彼女の想い人が僕ではないとわかっているのに。
ただ、彼女が気まぐれで僕に触れて欲情してくれただけなのに。
そんな彼女を僕は誘惑した。そして抱いた。
ふと彼女と目があった。パーツだけ見ると、少し幼い印象がする黒めがちの瞳。
すっかり潤んでしまっている。僕は気が付いたら彼女に口付けをしていた。
「……好きだ」
「氷上くん……?」
「……好きなんだ。ずっと。ずっと前から」
「氷上くん。よく見て。私だよ」
678氷上×デイジー13:2009/02/02(月) 23:59:06 ID:jKuxkpHH
彼女は僕の顔に手を伸ばし、ずれかけていた眼鏡を乗せなおしてくれた。
レンズ越しに見えたのは、僕が愛する彼女だった。
今、僕は何を言った?
もっとも言ってはいけない言葉。
親友として、間違っている言葉。
彼女は目を細めて微笑むと、今度は手のひらを頭に運び、そっと僕の頭を撫でた。
そっと、ゆっくり、子供をあやす様に。
「私が好きな子に見えた?うん、いいよ」
「……すまない」
「もうだいぶ、痛くなくなったよ……」
その言葉を聞いて、慣れないながらも少しずつ動きをつけてみる。
味わったことのない快感。
不本意ながら、すぐにでも出てしまいそうだ。
ふと、彼女を見下ろして驚愕した。彼女の大きな瞳から涙が零れ落ちていたから。
「き、君……どうした……すまない、辛いか」
「わからない……。わからないけど、氷上くんが、すごく優しくて温かいから。
なのに、なんだか急に氷上くんが、遠い人になっちゃったみたいな気がして……こんなに近くにいるのに」
僕は指で涙を拭うとそっと彼女を抱きしめた。
「どうして?僕は君のそばにいる。これからもずっと、僕は君の親友だ」
「うん……私も氷上くんの親友だよ」
ゆっくりと突いていくうちに、彼女から漏れる声がだんだん甲高くなってきた。
痛みから、少しずつ快感に変わってきたのかもしれない。
しかし、お互い初めての男女が2人とも頂点にたどり着くことなどはできるわけもなく。
せっかく彼女が少し慣れてきた、というところで結局僕が達して終わってしまった。
それでも彼女は終わったあと、僕の手を優しく握ってくれた。


慣れないことをした疲れのせいか、彼女は僕のベッドでそのまま眠りについてしまった。
たくさん嘘をついた僕に優しい言葉をたくさんくれた彼女。
嘘と知ったら、どんな顔をするだろうか。
好きなのは君だと言ったら、どんな言葉を口にするだろうか。


安らかに眠る彼女の滑らかな頬にそっと触れた。

その肌の温かさに、思わず涙がこぼれた。


679名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:00:20 ID:jKuxkpHH
以上で終わりです。
長くなってしまってすいません。
失礼致しました。
680名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:15:18 ID:h165vdOV
よかった〜続きも気になる
氷上君も先生もちょっとかわいそうだけど
GJです〜どうもありがとう!
681名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:31:11 ID:a1YPtKZs
花屋の作者様
花屋大好きなので嬉しかったです。
「ごめんな、堪え性のない兄ちゃんで」っていう台詞が激萌えです。
本当に素敵な創作をありがとう。

メッティ作者様
せつなくて良かったです。
メッティがちょっとズルさがあって素敵でした。
素敵な創作ありがとう。
682名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 00:57:36 ID:7z/cceNg
ウオオオー神作品が二連続投稿とか嬉し過ぎる!!両作者さんGJ!!!!
花屋の兄ちゃんっぽい感じと、全体的にらぶらぶな雰囲気がすごく良かったです
スムーズにCVうえだで再生されました!
親友メッティの切なさには涙ぐみました…
メッティもデイジーも安易には咎められなくさせる、細やかな感情表現が素晴らしかったです!
683名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 14:23:12 ID:Uip6zqVZ
GJ!
すごくドキドキした〜
このあとメッティとうまくくっつくのか、若と付き合いだして
いずれはピュアっ子なのに非処女なデイジーにショックを受けるのか…キニナル><
もしよかったら続きとか読みたいです
684名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 21:25:18 ID:E04mjskV
切なくていいメッティだ!GJ!
685名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:47:32 ID:5DroGpD1
親友モードでメッティ最萌になった自分にとってはたまらん話でしたGJ!
「女性の乳房の事情」って言いまわしに爆笑。
686名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 02:00:26 ID:zH5WZ2Px
あぁ…GJすぎます。
職人様方、文才すごいなぁ。。
メッティ話のつづき、色んな展開妄想できて…むふ
デイジが架空のメッティの「好きな子」に無意識に妬いたりしたら、萌え。

すてきな潤いありがとうございました!
687名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:37:18 ID:6+hNe4st
季節はずれのキテル×デイジー(美奈子)投下させていただきます。
微エロ注意。
卒業式の日、伝説の灯台でお互いの想いを通じさせてから4か月。
会えるだけで
みつめあうだけで
手をつなぐだけで
軽いキスを交わすだけで
満足できていた春を越えて
元はね学プリンス 佐伯瑛は深刻な悩みを抱えていた。

ーーー夏が来た。

寒いのが苦手な佐伯にとって、夏は愛すべき最高の季節だ。
・・・たった一つの試練を除けば。

3年間耐え続けた試練。
そう。夏と言えば薄着の季節。

大切に、大切に育ててきた恋だから
そう簡単に一線を越える気はないつもりだけれど。
お互いの気持ちが通じ合った今、その試練に耐える意味があるのか疑問が残る。

待ち合わせの駅前。
キャミソールに、フリルのついたデニムのミニスカート という服装で
健康的な手足をむき出しにしている美奈子に
佐伯はやっぱり自分の中に息づく熱を自覚せざるを得ない。

おまけに。
「お待たせ」なんていいながら、するりと佐伯の腕にぶら下がってきたりするから
胸の、感触がーーー。

キャミソールの胸元から、ちらりと白い胸が見える。
こいつ、なかなか日焼けしないよな、と佐伯は頭のスミで考える。
そういえば、大学で会うときはこんなに露出度の高い服は着てないよな、なんて
思い出したりして。
「遅い!」

照れ隠しのために、チョップを繰り出す。
ほんの少し、軽く、美奈子の頭に触れるように。

「お前、なんていう格好してるんだよ。
 それじゃ、ボーリングもダーツも無理じゃないか?」

「だって暑いんだもん。」

ふくれっつらをする美奈子

「いいとこ、映画かプラネタリウムだな」
「じゃあ、映画かなぁ。今 サイレントヒル3 やってるし」

サイレントヒル?

「大人2枚」

聞いたことのあるようなタイトルだなと思ったものの
佐伯はろくに確認もせず、入口でチケットを購入する。
美奈子がこっそり笑ったような気がした。

夏休みに入ったばかりの所為か、映画館はひどく混んでいて
一番後ろの端の席しか空いてない。
薄着の美奈子のために、佐伯は入口でブランケットを借りてきた。

並んで座ると、むき出しの肩がぴったりくっつく。
こんな些細なことで幸せを感じてしまうオレって
なんて安上がりなんだろう、と佐伯はこみあげてくる笑いを隠せない。

予告編に続いて、映画が始まる。

「え・・・」

これ、ホラーじゃないか。
そういえば、きちんとタイトルを確認しなかった。
美奈子は、と言えば、ポップコーンを口に運びながら映画に夢中になっている。

そういえば、美奈子は最初から映画に行きたがっていたのを
ホラーがかかってるから、とボーリング場に行き先を変えたのは佐伯だったのに。

怒りと同時に、悪戯心に火がついた。
無言で、美奈子のブランケットの下に手を潜り込ませる。

(ちょ、瑛くん!)

美奈子は、あわてた様子でブランケットの上から佐伯の手を抑えつけようとする。

(おまえ、ホラーってわかってて映画にしただろ。責任とれよ)
(大きな声だすと、他の人に聞こえちまうぞ)

周囲を見回すけれども、
他の観客は映画に集中していて、美奈子のことを気にしている様子はない。

美奈子は膝を閉じて佐伯の指を拒否しようとするが、時すでに遅く
佐伯の指はミニスカートの中に侵入した。

下着のレースをなぞる感触に、思わず大きく息を吐いたが、
美奈子の吐息も効果音にかき消される。

(・・・ヒモパンだ。やーらしぃ)

紐を探り当てた佐伯が、言いながら紐を引く。
あっという間に両方とも解いてしまい、するするとその小さな布きれを
外してしまった。

(やめて)

美奈子は大きな目に涙を浮かべて佐伯を睨みつけるが
佐伯は目線を合わせずに、悪戯を続ける。
割れ目をなぞっていた佐伯の指先は、とうとう花芯をとらえた。

恥ずかしさで火が出るほど顔は火照っているのに
佐伯の指に触れられているそこは、溢れるほどに潤っている。

(濡れてる。やらしぃ)

耳元でささやく佐伯の息も、熱を帯びている。
佐伯の指はゆっくりと動き続け
美奈子は脚の付け根に広がる快感に身を任せていた。

どれくらいそうしていたのだろうか。

銀幕には、いつの間にかエンドロールが流れていた。

(なぁ、このあと、・・・しよう?)

佐伯の言葉に、美奈子は赤い顔をさらに赤くして

(その前に、パンツ返して!)





END ご拝読ありがとうございました。
691名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:23:04 ID:kaR1MR/2
続きの本番お待ちしてます
パンツ返してで不覚にも笑った
692名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 01:07:03 ID:nNJBYOUd
GJ!おもしろかったよ

ちょっとだけわがまま言わせて貰っていいでしょうか?
主人公名前ありで投下の場合は注意書きの箇所に
書いてもらえるとありがたいです
693名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 14:19:48 ID:o/3ITeoP
なんという投下ラッシュ

>>650-661
GJ!
この二人の雰囲気いいなあ
ちょっと花屋落としてくる


>>665-679
GJ!
メッティの親友たまらん……
>「……君は覚えてる?これ」
がツボにきた


>>687-690
GJ!
そこでやめてしまうなんて勿体無い
694名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 23:06:44 ID:Yrd0vX41
>>692
よく読め。ちゃんと書いてあるぞ。
>>687
GJ!
695名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 00:10:59 ID:rMMC+2Wm
>>694
でも最近書いてないのもたまにあるぞ?
696名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 01:25:55 ID:/1RRL5n/
>>688
GJ!
上映中ずっと手○○してたのかキテルww
4ヶ月も待った反動か。やらし〜
是非本番を読みたいですw
697名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 02:49:53 ID:MOk5kX7A
>>665さんメッティ最萌えだから嬉しい!!GJ。続きが気になる…
698名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 10:21:14 ID:TNoyXad+
投下してくれた皆さんありがとー!
両思い後の話にきゅーん。
親友のふりにきゅーーーーーーーーーーーーん!ですよ。

「長くて失礼しました」って書く人多いけど、皆さん素敵な話を長く書いてくれてるのだから
それは「読み応え」って言うんだぜ!長いの歓迎!!(・∀・)

あとそれをいつでも読み返せるようにしてくれてる保管庫の管理人さんもホントにGJ!
いつもありがとうございます!
699名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:25:46 ID:FrUjTpT4
>>650
花屋最萌えだからステキなお話うれしいです。GJ〜〜!
ありがとう。あんまり花屋の話は書く人がいないのかな〜って思って、
誕生日にあわせて書こうとして途中で間に合わなくなって諦めたんで(苦笑)
久々来たら素敵な話読めてうれしかったよ〜。

>>665
すごい切なくていいお話でしたー。
エロだけどなんか切なくなった。続きとか…期待したい!!
ありがとうございました!

>>687
ホラー映画を見ながらいたずら、的な話を実は花屋で書こうとしてたんだけど
まさかキテルで、しかもこんな素敵なエロを読めるなんて〜〜www
すごい嬉しい〜!GJです!ありがとう!


関係ないけど、今お気に入りからこのスレ間違って消しちゃって、
スレッド一覧から検索してきたらちょうど一覧で573番目のスレだったw
700名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 21:50:43 ID:MOk5kX7A
>>695
いやなら見なきゃいいよ
701名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 16:12:46 ID:cddP0JKf
自分も名前アリはちょっと…なので、表記ナシの本編名前アリの場合
途中まで読んで名前の存在確認した時点で、申し訳ないけどスルーさせてもらってる…
702名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 16:27:29 ID:0aBpOlkH
>>701
そんなこといちいち書くことないんじゃない?
せっかく書いてくれてる人に対して失礼だよ。
こっそりスルーしてればいいのに最低。
703名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 03:09:37 ID:/KcfBDQd
>>699
諦めないで。
いつでも待ってるので、ぜひ花屋書いて下さい。
704名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 17:13:30 ID:JY4z1G9Y
>>702

同意。心の中で言ってくれと思う。
705名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 10:49:25 ID:bBgz3Xxq
書く気失せた
706名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 14:58:36 ID:12IIqaHL
>>705
待ってる
707名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 16:13:35 ID:b68/9AYI
>>701
こいつ書いたけどコメントもらえなかったから僻んでるだけじゃね?w
どっちみちろくな人間じゃないよ。

よほど性格悪くない限りこんなこと誰も思いもしないから
>>705さん気にせず書いてください。待ってます。
708名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 17:06:34 ID:mS1qzaNN
せっかく投下がいくつかあって盛り上がってきたところなんだから
仲良くいこうぜー

来月1のフルボイス版発売だしいろいろ投下されると嬉しいです
709名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 01:44:23 ID:LsI2rS72
わがまま書いたのも迂闊だなとは思ったけど、
705と707のほうがよっぽど痛々しいわ。
読むのいやなら読むなだし、書くのいやなら書くなだし。
どちらも公言や邪推はいらんですよ。
710名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:07:30 ID:FhV759se
プラス発売でまた王子や天童やちーたん…それ以外でもSSが投下されたらいいなぁ〜
711名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:36:15 ID:LsI2rS72
文句を言うだけなのも何だかなと思いSS投下してみました
なんだかんだとネタだしから一時間半かかったww

キバヤシ×デイジーです
・割と無理やり描写です
・本番ありません
・外
・エロは本番ないなり程度の薄さ
712名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:38:09 ID:LsI2rS72
 弄んだ他の女達と、彼女はどこか違っていた。
 後腐れなく遊ぶなら、遊びなれた女がいい。
 たまには毛色の違った真面目な子も悪くない。『本当の貴方はそんな人じゃない。私は信じてる』だなんて
陳腐な台詞も可愛いものだ。
 それでも、切り捨てる時に一番彼女にとって残酷な言葉を投げかければ、ゲームも終わる。そのことに罪
悪感を覚えないわけではないけれども、数をこなしていくうちに感覚は少しづつ鈍磨していった。

 人気のない公園。
 死角の位置に立ち、彼女を追い詰める。近くに灯りはなく、月の光だけが今の二人を照らしていた。
 これから起こることの意味をわかっているだろうに、こちらを見つめる彼女の双眸には拒否の色は見られ
なかった。
 顎に手をかけ、少し顔を上向きにしてその唇をぺろりと舐める。それから彼女の咥内をまさぐりその舌に甘
く噛み付かせると、恥じらうように彼女は身を引こうとした。
 それを引き止めるように腰をもう片手で引き寄せる。そのことで彼女と二人、よりぬくもりを共有させていた。
「……んっ、ふぅ……」
 しびれるほど耳を刺激するような吐息を彼女は漏らす。そのことで、遊びと割り切って固く止めた歯止めが
カチリカチリと外れていく自分を知った。
「逃げないで。……いつも僕を追いかけてきたのは君だろう?」
 ひどく傷つければ、彼女が追いかけることをやめてくれるだろうと思っていた。
 この行為はそのための衝動だ。それ以外の何者でもない。
 ほら、こうやって彼女が傷つくような言葉を口にすることに何の躊躇いもない。


 なのに。
 この体は甘くやさしく心が震え、まるで恋人に接するかのように彼女を求めていた。

 その日はいつものように気まぐれに誘われたまま、アナスタシアへの顔をのぞかせていた。
 一緒にいた連れ合いが彼女のことを揶揄し、客としての立場を利用した苛めを行っていたので店を出た後
に捨ててきた。
 それだけのこと。だったはずなのに。
713キバヤシ×デイジー2:2009/02/11(水) 03:41:08 ID:LsI2rS72
 バイトが終わった彼女を待ち伏せて送ろうとしたのは、先ほどの気まぐれが偶然続いた結果に他ならない。
 ああ、そうだ。そこに必然は何もない。
「あんな客に対しても笑顔でいないといけないなら、バイトやめれば? 卑屈に見えて不快だよ、はっきり言って」
 そう諭したにも関わらず返ってきた言葉は、「別に止めるつもりはないよ。楽しいこともあるし」それだけだった。
 『僕が言うなら止めようかな』でも『僕のためにやめたくない』でもなく。僕のために他のバイトを止めてまで入
ったのに。
 僕のための場所で、僕の知らない世界を作っていることが許されるわけがない。そんな強気の台詞は、
僕のゲームに似合わない。

 だから、思い知らせてやろうと思った。
 彼女が本来見ていないといけないのは、誰なのかということに。
 この関係に幕を引くのはこちらだ。決して彼女ではない。

 だから、もっと傷つけて二人の力関係を見せ付けてやる必要があると思ったんだ。

 軽く口付けた後に思い切り唇を押し付けると、しばらくして酸素を求めるかのように彼女は口元を緩めた。
 そのタイミングを図り、深く彼女に侵入する。
 甘噛みを繰り返し軽く巻き上げるように舌を絡めると、たどたどしい動きながら懸命に彼女は追いかけてきた。
それから逃げるように、更に舌をすり合わせて表面をざらりと舐める。
 こうやって体は素直に追いかけてきてくれるのに。
 そっとスカートをたくし上げ、下着の中心部に触れる。
「へぇ、感じてる? 少し濡れてる。こういうのでも感じるんだ、君」
「……っ」
 その言葉にびくりと肩を震わせ、少し泣きそうな顔でこちらを見上げる。
 本当を言うと、口ほどでもないけれど。それでも、男を知らない少女が淫乱扱いされて蔑まれることに我慢が
ならなかったのだろう。
 ようやく、彼女の顔に否定の色が浮かんだ。
 ──そうだ。それでいい。
 否定をするのも肯定をするのも、僕のためだけであればそれでいい。
「処女なのに淫乱って、貴重な存在だよね」
 ねっとりと内腿をなで上げると、更に力が失われたようで僕の腕にしがみついてくる。その体は、少し震えてい
たように見えた。
 タイミングを見逃さず、下着の中にゆるりと指を差し込む。
「……」
「いい反応するね。そういうのじゃ嫌いじゃないよ」
 最初、スリットをなぞるように中指で擦るとじんわりと熱を帯び始めてきた。なぞる指を二本に増やす。少しづ
つ摩擦を早めていくと、肩にかかる息がしだいに荒くなっていた。
 次の瞬間、指に軽いひっかかりを覚える。「ん……っ。ぁっ」とひときわ大きな吐息をつき、彼女はその身を大
きくふるりとさせた。それと同時に熱く絡むものがより濃密になる。
714キバヤシ×デイジー3:2009/02/11(水) 03:44:42 ID:LsI2rS72
「ひょっとして、軽くイッた?」
「……わからない。知らないそんなの」
「へぇ、わからないんだ。ほら。さっき君が凄く喘いでたの、ここだよ」
 問いかけに対して首を左右に振る彼女の陰茎を軽く摘み、指で弾く。
「…………っっ」
「ほら、気持ちいいんだろう? 首を振ってもだめだよ。体は正直なんだから」
 そうだ。言葉も心も簡単に裏切ることができるけど、求める体は裏切れない。
 それは、彼女も僕も。
 僕によりかかり俯きながらも声を抑えようと必死な彼女に対し、更に深く激しく彼女を指で追いかける。
 時折身を捩じらせ快楽から逃げ出そうとする様が何とも可笑しく、愛しい。
 ちゅくちゅくと軽くかき回すたびに響く音に酔いながら蕾を親指でぐりぐりと押さえつける。それと同時に、
人差し指と中指で内壁をまさぐる。そのうち、指一番敏感な場所を捉えたその瞬間。
 彼女は僕の服に噛み付き歯を食いしばり、声を抑えていた。そして、それまで滞ることなく彼女の弱点を
探していた手首は、彼女自身が漏らした熱い迸りによって全体を濡らしていく。
 それに付随するかのように、内腿に透明なしずくが一筋落ちいくのが見えた。

 それが、きっと気丈な彼女の限界だったのかもしれない。
 彼女の眼にも一筋の雫が伝っていた。
 口元を固く閉ざし柳眉を寄せて俯き、僕の肩を濡らす。
 その様子があまりに哀しくて、強く抱きしめた。

 これはゲームなんだ。あくまで恋愛ゲーム。
 どんな過程があったからといって、こうやって人格を壊すのはルール違反だ。
 ──ひどく傷つければ、彼女が追いかけることをやめてくれるだろうと思っていた。
 ずっと心で呟いていた言葉が胸を軋ませる。

 抱きしめた腕に力を込める。そこに先ほどまでの欲情はどこにも残っていない。
「すまな……」と口にしかけるけれど、口元を引き締める。
 謝ってはいけない。仕掛けたのは自分なのだから。
 この罪に対する謝罪すら自分に許されるわけがない。

 だったら、この罪に対する罰はどうやったら受けられる?
 どうやったら贖罪であがなえる?

 今の自分に答えなんてあるわけもなく。
 二人を照らしていた月は、いつの間にか幾層もの叢雲にその姿も光も隠していた。 
715名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:49:13 ID:LsI2rS72
以上です。拙作にしか過ぎませんが、ご拝読ありがとうございました。
後、キバヤシ×デイジー1を名前欄に入れ忘れてしまいました。

それではあらためて引き続き、神の光臨をお待ちしています。
716名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 11:27:27 ID:g/E0QYwP
うっわああぁキバヤシきたこれGJです。「すまな…」に萌えた。
想いが通じ合った後の2人の本番を期待していいですか
717名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 20:11:05 ID:Q+X4bfI+
なんでケーキ屋でバイトしてるんだろう。
718名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:10:20 ID:LsI2rS72
ごめん間違えたorz
アルカードだったね。訂正よろしくお願いします。
719名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:42:21 ID:q+sW/6Q+
以前ロータープレイ若主を投下した者です 沢山の暖かい感想をありがとうございました
スレに針谷分が足りない気がしたので針主を投下にまいりました

注意事項
*主人公名前あり 「あかり」
*本番はない
*佐伯さんが不憫な感じ

それでもよろしければ、しばしお付き合いください
720名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:43:47 ID:q+sW/6Q+
少し前に俺が風邪を引きかけ、約束していたデートを寸前でドタキャンをして、
それを心配したあかりが見舞いにやってきた日があった。

『あの時のハリーの家のこたつが気持ちよくってね、バイト代奮発して自分の部屋にこたつ、買っちゃった。』

バイト代つぎ込んでこたつ買う女子高生だなんて聞いた事ねえよ!とツッこんだのだが、
冬場のこたつの魔力といえば恐ろしい物があるわけで、今では学校帰りに喫茶店でジュース飲んでいた時間が、
あかりの自室でゴロゴロする事に代わっている。

「わ、みかんの筋とりに夢中になってたら剥いたみかんが大量に…、ハリー、あーんして?」
「ばっ、ばば…!は、恥ずかしい事させんな!」
「そっか、いらないか。」
「いいいいいらないとはっ、言ってねえだろ!!」
「じゃあ口開けて?」
「う、うう…。」

出来たばかりの恋人と、むず痒くも甘い時間だなんてものを…、こうして過ごしていたり、する。
俺はモゴモゴと彼女の放り込んだみかんを咀嚼しながら、胡坐かいていた足を伸ばした。

「あ、ちょっとハリー、そんなに足伸ばさないでよ。こたつ、小さいんだから。」
「しょうがねえだろ…、長いからな、足が。」
「もう!我儘なんだから………ん?」
「ひっ!」

ぐいぐいと足伸ばして、あかりの足を軽く蹴りあげたりしていると、ぐに…、って感じの感触と共に、あかりの足が俺の足の真ん中に当たった。
突拍子ない刺激に変な声が漏れた。
慌てて口に手を当てて、足を組みかえようとするが、今自分が踏みつけたものが何だか判っていないらしいあかりは、そのままぐいぐいと足を伸ばしてくるので、その刺激から逃れる事ができない。

「…何コレ…、ハリー、ポケットに何かいれてるでしょ?」
「い、いれっ…、ひっ、ちょ…!!おまっ…!!!」
「…?なんか形変わってきたような……?」
「だ、から、それ……、ぁっ…、くっ…!」
721針主2:2009/02/11(水) 22:45:16 ID:q+sW/6Q+
眉を訝しげに寄せて、ぐにぐにと俺のモノを刺激してくる。…AVとかで見る、足コキって奴なんかなぁ…これ…!そういうのってドMの変態とかしか喜ばないようなイメージがあったんだけど、あかりの足さばき?っていうのか?それはかなり…、気持ちイイ。
形を探るように触れてくるのに、的確に弱い所を攻め、焦らす所は焦らす。何より本気で自分が何をしているのか分かっていないらしい表情と、水面下の惨状とのギャップがまた、快感を増幅させる。

「こ、この…、マジで小悪魔だなっ…!お前…!!」
「え?」
「分かってねえんなら…、今ココで思い知らせてやるっての!!!」
「…あ、やだ、電話鳴ってる!ちょっと待ってて。」
「…。」

いい加減にイライラとムラムラが沸点に達した俺は、こたつ布団を引ん剥いてあかりに襲い掛ろうとしたのだが、
何故このタイミングで鳴り響くかな、着信メロディ!!事態の緊迫さがまるで判っていないあかりは、平然と電話に出た。

「……ん?何、瑛くん?………、何?今日のリーダーの訳?…なんで私に英語聞くのよ、自分の方が得意でしょ!
………あ、ごめん。そういう事か。…すいません、確かに明日当たります、教えてください佐伯様…、なんつって。」
「…。」

…つーか、電話の相手、男かよ?…しかも、佐伯?おまけに、どうでも良さそうな電話をこのタイミングで…!!
アイツ、弟子の分際で生意気すぎるぞ、オイ!!

(…ムカつく…。)

九割はどうでもいい事で電話をしてくる佐伯がムカつくが、約一割はあかりがムカつく。
そんな電話なんて、すぐ切っちまえばいいじゃねえかよ!!…つか、

(何で俺が居るってのに…、他の男と楽しそうに話てんだよ…。)

それを思うと、先ほどの非じゃないくらいイライラした。
暫くこたつのテーブルに顎のせてどうしてやろうか思案した後、俺はこたつの中に潜り込んだ。
ヒーターの灯りを頼りに、目を凝らす。さっきまで俺のを突いてきたあかりの足は、そのまま投げて放り出されている。
722針主3:2009/02/11(水) 22:46:41 ID:q+sW/6Q+
黒のニーソックスに手を掛け、脱がし始めた。このあたりで俺がこたつに潜り込んだ事は気づいたらしく、しきりに足をよじっていたが、
電話中のあかりは大した抵抗もせず、俺にされるがままだ。少しして両足共ニーソックスを脱がして、そのふくらはぎに唇を当てた。

「きゃっ!……ちょ、ちょっとハリー!何してんの!?」

こたつ布団を捲りあげて声を張り上げたが、勿論止めてなんてやらねー。
太ももを撫でまわしながら、何度も足に口づける。吸いつくような柔らかくていい匂いのする肌と、布団ごしに聞こえるくぐもった声が、俺のテンションを盛り上げていく。

「…やっ…ん…、…え?…あ、何でもない…、何でもない、よ…?」

…って、お前はこの期によんで電話やめねーのかよ…、俺は更にこの小悪魔に制裁を与えてやるべく、
太ももに置いていた手を下着の中に潜り込ませた。流石にここまで来ると、俺の最終目的が何だか判ったらしく、制服のスカートで大事な所隠して、俺の肩を蹴ってくるけど、もう止まらないからな。
俺は彼女の抵抗を制して、下着をずらしてその中を擦りあげた。

「ひゃっ!…ん…あっ、あん…、うそ…、だ…めぇ…!」

ヒーターの灯りがあるとはいえ、こたつの中は薄暗い。
ソコは良くは見えないが、触れてみればしっかりと濡れている事が判った。思わず口の端が歪む。
指を口に銜えて濡らしてから潤んだ所に触れてみると、入口はすでに挿入を待っていたかのように、とろり、と蜜を零して絡み付いてきた。
中指で浅く出し入れをしてやると、肉壁は俺の事を飲み込むように蠢いてきて、思わずごくり、と喉が鳴った。
中指を咥えこませたまま、そのすぐ上の突起を突いてやると、高い嬌声と共に大きく体を震わせた。直後にゴトッ、と床に物が落ちる音がした。多分ケータイだろう。

「…はぁ…はぁっ…、っ!…ったく!い、いかげんにしてよっ、ハリー!!!」

今度は俺の頭が出るくらいまで、しっかりと布団を捲りあげる。

「…あー、流石にこたつん中にずっと潜ってるとアチーな…。」
「勝手に潜ってたんでしょ!?…も、もう、信じらんない!」
「…信じられねえのは、俺様の方だっつーの!」
723針主4:2009/02/11(水) 22:47:22 ID:q+sW/6Q+
こたつから這い出すと、顔を真っ赤にしたあかりが怒っていた。俺はあかりの手を引くと、自分の股間に置かせた。瞬間に、その質量を知ってか、只でさえ赤かった顔を更に羞恥で染め上げた。

「先に足でグリグリ弄ってきたのは、お前の方だったんだからな?」
「え、や…、そ…!!」
「しかも、お前は俺様をこんな状態にしておきながら、佐伯なんぞといつまでも、くっちゃべって…。」
「あ、…ご、ごめん、…ワザとじゃなかったの!ごめんなさい〜!!」

不機嫌そうな声音を出しながら、俺はあかりの首筋や頬を吸い上げる。すでにサカリついてる俺に驚くような怯えるような声を出して、しきりに謝ってくる姿が溜まんない…。なんつうのかな、Sっ気に火ついたっていうの?さっきはMで今はSか。忙しいな俺。

指先で制服のケープを外し、俺は身を乗り上げる。
ちょっと苛めてやれば治まるかと思った気持ちが、彼女の肌に触れる度に別な欲へと変わっていく。
…もっと味わいたい、俺だけを見ていて欲しい。そんな気持ちになる。

「きゃっ、やだ、何してんの!?」

ケープから赤いリボンを引き抜き、彼女の手首を後ろ手に縛り上げた。

「お前が悪い子だから、お仕置きなんだよ。」
「…うぅ、ハリー…、まだ許してくれないの?」
「ちがっ!…怒ってるんじゃねぇよ!!」
「…そっか。よかったぁ…。」

確かに彼女のビクビクする姿に多少のSっ気がそそられたのは事実だが、その瞳に涙が浮かんだ瞬間には肝が冷えた。
慌てて彼女の疑問を否定すると、こんな状況にも関わらず、ふんにゃり笑ってみせる。

「〜〜〜ッ!あああああったく、このヤロウ!!」
「わっ!」

俺の彼女はカワイイ顔で、なかなかエッチな体をしていて…、でも、それだけじゃない。
724針主5:2009/02/11(水) 22:48:02 ID:q+sW/6Q+
むしろ、それ以上に優しい心を持っている所に惹かれるんだ。
彼女の浮かべた暖かい笑顔一つで、俺のどうしようもない嫉妬でささくれていた部分が溶けて、これでもか、と彼女を愛しいと思う気持ちが溢れてくる。

「…俺様をこんな気持ちにさせんの…、世界中探してもお前だけだ…。」
「ちょ、ちょっと!急に何いってんのよ。」
「悪ぃかよ!……ホントにそう、思ってっからな…。」
「…う、うん…。」
「…好きだよ。」

彼女の体をぎゅう、と抱きしめてその耳元に囁く。尋常じゃなく恥ずかしくて顔は見れないけど、代わりに抱き締める腕に力を込める。

「わ、たしも…、ハリーが好きよ。」
「…あんがと。…でもよ、いい加減ハリーは止めろよ。名前で呼べ。…勿論、幸之進はナシだかんな!」
「無茶言わないでよ!八方塞がりじゃない!!」
「うるせー!呼べったら、呼べ!!」
「ホント横暴なんだから…ッ!…あー、と…………うーん………、じゃあ、ね?」

小さい声音で、耳元で呟く。

「…コウ、って、呼んでいい?」
「…うん。……あっ!じゃねえよ!…えーと、きょ、許可してやる!」

彼女の呟いた響きに頭の中で花が咲いたようなビジョンが見えた。超良い、つか、良すぎんぞ!!
思わず素直に頷いてしまったので、慌てて取り繕った。

「ふふ、良かった。………まあ、それで、ね?」
「な、何?」
「さっきから、すごく…当たるんだけど…。」

真っ赤な顔の彼女が指し示したのは、密着した体の間で先ほどから高ぶり続ける俺の欲望。

「…仕方ねえだろ。生理現象だ。」
「…落ち着かないんだけど。」
725針主6:2009/02/11(水) 22:48:36 ID:q+sW/6Q+
「じゃあ…、シテいい?…いや、つか……すごく、抱きたい。」
「うん。いいよ、………コウの、好きにして。」

彼女の唇が紡ぐ俺の名前は、特別な魔法でも掛かっているかのように甘く響く。吸い寄せられるかのように桃色の唇に口づけ、ゆるりと舌を絡めた。



『あ〜もう!いい加減服着させて!と、いうか帰りなさい!!』
『いーやーだーね!俺様はまだ満足していないっ、よってラウンド2なのだ!』
『ったく…!この、サル!!』
『だっ、ばっ!頭ぐしゃぐしゃすんじゃねえ!!…あ〜ったく、こんなみっともない頭じゃ、余計に外出れなくなったじゃねえかよ…。』
『!? い、いや、そんな事ないよ、コウならどんな頭でもカッコ……、うぁっ!?』

ドサッ、と何やら崩れ落ちる音がした所で俺はケータイの通話を切った。…うん、っていうか俺何してたんだろう?
通話を始めた当初からアイツの様子は可笑しかったが、途中で思いっきり甲高い声上げた時にはびっくりした。…なんとなーく、状況に察しはついた。今思えば、何で俺はその時に通話をやめなかったんだろう。

「…いや、少なくともピロートークまで聞かずに受話器を置く事はできたよな…。」

ケータイのディスプレイには通話時間一時間半オーバー…、って、アイツら長いよ…、いや、そんな事はどうでもいい。目下、問題なのはしっかりと熱を擡げている俺の下半身だ。

「…バカみてえ…。」

ジーパンの前を寛げながら、一人ごちる。潰えた初恋を惜しむのは後回しにして愛息を慰めた。人魚なんて居ないよ。居なかったんだ。
726針主7:2009/02/11(水) 22:50:16 ID:q+sW/6Q+
以上です お付き合い頂きありがとうございました
こんなんばっか書いているけれども私瑛が最萌えです

それでは神作品の投下を待つ名無しに戻ります
727名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 02:21:34 ID:yqe8wPqA
投下ラッシュ嬉しい

キバヤシの心情が細やかで良かった
キバヤシ結構好きなことに気付いたw

ハリー×デイジー面白かった
キテル含めてキャラたってて楽しかったw
こたつH萌え

728名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 13:39:52 ID:JCgxts6t
キテル最後まで聞いてんなよw
最後の一言ワロタww
こたつプレイ気付かずに普通にしそうだよな、デイジー
おもしろかったです!
729名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 14:32:14 ID:4a70pYE/
ごちそうさまでした!!
730名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 20:32:21 ID:M1gtucD8
キテル不憫すぐるw
だがそれがいいwww

3人ともいきいきしてて楽しいな
今度はキテルも報われる話を期待してます
731名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 00:14:14 ID:Y0nWikWd
キテルかわいそうだけどすごいよかったwww
素敵な作品ありがとー^^
732名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 00:15:58 ID:jbuqe23X
ローターのときといい、なんというむくわれないキテル。
むしろむくわれないキテルシリーズで突進んで下さい!
エロ面白かったです!
ありがとうございました
733名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:11:42 ID:7lC/9F6Y
GJです!!いいなぁ、ハリー可愛いなぁ。
神ばかりの良スレ。
734名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 06:30:22 ID:vg5QML1m
>>664
その感じすごくよくわかるwww
735名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:44:00 ID:CmyTmMBL
若×デイジー
投下させていただきます。

在学中で交際状態です。
のんびりHしてるだけです。
736若×デイジー1:2009/02/17(火) 02:45:38 ID:CmyTmMBL
「……おや。誰もいない」
先生と私は、保健室の中に入り室内をきょろきょろと見渡すが、保健の先生は不在のようで姿が見当たらない。
ベッドを囲っているカーテンをめくってみるが、寝ている生徒もいない。
今日の最後の授業である化学の時間が終わり、器具の片付けをしていたらもう終わるというところでビーカーを落として指を深めに切ってしまった私。スパッと切れた傷はあまり痛くはなかったが思ったよりも血が出ている。
保健室まで連れてきてもらったのに、手当てしてくれる保健の先生がいないのでは自分で手当てするしかなさそう。
今、目の前にいるこの長身の先生は手当てとかできなそうだし。
先生は机の上にある紙に目を通してにこ、と笑った。
「保健の先生、今日は午後から不在のようです。誰もいない保健室。こういうありがちな展開も先生、嫌いじゃないです」
「はい?」
「君も、嫌いじゃないでしょう?……まあ、座って」
そう言って椅子を指差した先生。先生に指示された通り、目の前の椅子に腰掛ける。
先生は保健室の棚を物色し救急箱を見つけるとそれを手にして、いつも保健室の先生が座っている椅子に腰掛けた。
中から消毒液やガーゼを取り出すと、私の手をそっと持ち上げ傷口の手当てを始める先生。
久しぶりに触れた、温かくて大きい先生の手。私が先生の手を握る権利を持っていることを知っている人は誰もいない。
私と先生が実は交際しているのは、私と先生だけの秘密。
「痛くない?」
「大丈夫です」
「君に傷が付くのは辛いです。これからは怪我、しないよう気をつけてくださいね?」
「はい。気をつけます……」
先生は私の答えに、よろしい、と微笑むと手当てに使用した道具を救急箱に戻し始めた。
手際がよく意外とまともに出来上がったその処置に、少し驚いてしまった。
救急箱を棚の元あった場所に戻すと、先生は再び椅子に腰掛けキィと音をたてて椅子を1周回したあと、ゆっくりと長い足を組んで見せた。
「どうです。こうすると保健の先生ぽく見えませんか」
「はい。白衣が」
「あれ。なんだか白衣だけみたいな言い方」
「先生は化学の先生が一番お似合いです」
「そうですか。ありがとう。では先生はこれからも化学の先生をします」
もうやるべきことは済んでいるのに、私も先生も椅子に座ったままで保健室から出て行こうとはしない。
会話もないけれど、この2人きりの空間を楽しんでいた。
先日ようやくテスト期間が終わったところ。テスト前ということもあってここ最近は先生と過ごす時間がほとんどなかった。
こうして向き合える時間が久しぶりで、立ち上がってしまうのがもったいないような気がした。
きっと、先生も同じ気持ちなんだと思う。
今日はうちのクラスは化学が最後の授業ということもあって、先生は化学室で帰りのホームルームもまとめて済ませてしまった。
もうクラスのみんなは散り散りになっている。今の私たちの時間をさえぎるものは、ない。

737若×デイジー2:2009/02/17(火) 02:47:03 ID:CmyTmMBL
先生は組んでいた足を崩すと、ゆっくりと体を前にかがめて私の顔を覗き込んだ。
「な、なんですか?」
「顔、見せて。ここのところ、ゆっくり君の顔を見られる時間がありませんでしたから」
「はい……」
「テスト、お疲れ様」
先生はふわりと微笑むと私に手を伸ばし、長い指で私の顔の輪郭をそっとなぞりはじめた。
久しぶりに触れられる、その感触はすごく温かい。
しばらく顔を触られたあと、指で頬をぷにぷにとつままれた。
「相変わらず君のほっぺは柔らかいですね」
「せ、先生、カーテン閉めたほうが……もし外から見えたら大変」
「そうでした。ここは学校でした。いけないいけない」
けろっとした顔で先生はそう言う。時々どっちが先生かわからなくなる。
先生が保健室の窓をカーテンで遮ると外の景色が見えなくなり、室内が少しだけ暗くなったように感じた。
「まだ今くらいなら万が一誰かに見られてもほっぺに傷が出来てたといいわけできます」
「まあ、確かに、そうです」
「でも、これ以上するならドアの鍵も閉めなくちゃです」
「ええっ!?」
「冗談です。何もしません。一緒にいるだけで癒されますから」
先生は椅子に座るとまたにこにこと満面の笑みで私の顔を眺め始めた。
見られたら大変と思って自分で止めてしまったけど、本当は先生にもう少し触って欲しかった。
ここは学校だから、カーテンを閉めた方がいいという判断は間違っていないけれど。
「あの……先生」
「はい?」
「……ぎゅって」
「ぎゅって?」
「ぎゅって、して欲しい……です」
先生は目を丸くして、手を口元に持っていくとうーん、という仕草をした。
そして私と目が合うと、くすくすと笑い出した。
「それはさすがに誰かに見られたら猫と間違えてぎゅっとしましたと、いいわけはできません。
するならドアの鍵を閉めなくちゃいけません。どうする?」
「……閉めちゃいましょう……か」
「そう。わかりました」
先生は私より早く立ち上がると、白衣の裾を翻してドアへと歩み寄りガチャリと鍵を内側から閉めてしまった。
そして座っていた椅子ではなく、ベッドに腰掛けると優しい声で言った。
「おいで」
738若×デイジー3:2009/02/17(火) 02:48:19 ID:CmyTmMBL
先生の横に座ると白衣で包む込むようにして私の体をぎゅっと抱きしめてくれた。
久しぶりの先生の広い胸の中はものすごく心地よくて胸に顔を寄せた。
先生の胸の鼓動が早い。
「先生の心臓の音、早いです」
「少しドキドキしてます。学校でこんなことして。僕は、本当に悪い教師だ」
「私も……学校で、こんなこと……」
「実は試験監督してるときも、君の横を通るたびにドキドキしっぱなしでした」
「先生……」
「だって……答えが思い切り間違ってるのに全然気づいてないから」
「そっちですか」
「冗談です。目が合ったでしょう?年甲斐もなくドキドキしました」
「……私も」
試験中、先生が横を通るときこっち見ないかなとさりげなく先生を見ていたら視線が交わった。
先生は私と目が合うとそっと笑ってくれた。
きっと、他のみんなは試験に夢中で気づいていない。すごくドキドキした。
先生もドキドキしていてくれたなんて、すごく嬉しい。
そう思っていると、先生の大きな手のひらで顔を優しく包まれて、目をジッと見つめられた。
恥ずかしいけど、視線が離せない。意外と長い先生の睫毛が上下に動いている。
思わず、先生の唇に目が行ってしまった。
先生はそれに気づいたのか、指で私の唇をそっとなぞってきた。
「もしかして、キス、したいの?」
「はい……したいです」
「うん、僕もだ」
優しい声が聞こえてきたと思ったら、先生の整った顔が近づいてきてそのままそっと重ねるだけのキスをしてくれた。
唇が一度、離れたと思ったらまたすぐに顔を引き寄せられた。
今度のはさっきと違ってすごく激しい。先生が教えてくれた大人がする深い口付け。
私は夢中で先生の温かい舌を追いかけた。
静かな保健室に舌が絡み合う音だけが響き、だんだんといやらしい気持ちになってきてしまう。
先生の手が、制服の上から私の胸に触れ、思わずびくりと肩が震える。
「わっ」
「あ。何もしないって言ったのにしちゃいました。大人は嘘つきでいけませんね。すいません。嫌ならやめます」
「……嫌、じゃないです、むしろ、もっと……」
「そう。ありがとう」
先生は小さく笑うと、もう一度口付けてきた。

739若×デイジー4:2009/02/17(火) 02:49:33 ID:CmyTmMBL
私が身につけているのはショーツと靴下だけ、あとは全て先生にものすごい早さで脱がされてしまった。
2人であまり広くはないベッドの中央に移動すると、先生が私を後ろから抱きしめた。
そして今は私の腕の下から先生の長い手が伸びていて、その手のひらに胸の膨らみを直接左右同時にのんびりと揉まれている。
「新発売の極まろメロンパン食べました?」
「1つしか買えなくて友達と、半分こしました……」
「あのメロンパンも柔らかかったですけど、やっぱり君のここの方が柔らかいです」
「……まさか、メロンパン揉んだんですか」
「はい。君のここが、恋しくてね」
先生の手つきがのんびりしたものから激しいものになり、指先で胸の先端に触れられた。
今まで先生はきっとわざと先端には触れていなく、焦らされて早く触って欲しいと思っていたせいか強烈な快感が体中を駆け巡った。
くにくにと弾かれ、2本の指で同時に摘まれて擦りあげられると、ここは学校の中で声を出したらまずいとわかりながらも少し声が漏れてしまう。
「んっ……」
「どうしよう。止まりません」
先生は私をベッドに横たえると膨れた先端を口に含み舌で転がしながら、ショーツに指を滑らせた。
指先がショーツの上から敏感な突起をとらえ、くりくりと刺激される。
久しぶりに先生から与えられている刺激に私の体は自然と悦び、ショーツの中はすでに大量の粘液が分泌されていた。
先生はショーツの中に手を入れると、くすと笑った。自分でも恥ずかしいほどに潤ってしまっている。
「したい?」
「……はい。先生が、欲しいです」
「僕も君が欲しい。でも、残念ながら持ってません」
私の秘所を愛撫しながら、先生は少ししょんぼりとした顔でそう言う。
確かにここは学校で、抱き合うことになったのもたまたまであり、この状況で避妊具を持ってる方がおかしい。
こんな状態で行為をやめたら、先生が辛いんじゃないかと思っていたら先生は私からそっと手を離し口を開いた。
「……あ、そういえば。もしかしたら」
先生は何かを思い出したように、白衣のポケットに両手を入れてごそごそとまさぐりだした。
一体何をしているのだろう。
先生がポケットから手を出すと、右手に3つ、左手に3つの避妊具が握られていた。
「……やっぱり。今日はこんなにたくさん」
「ええっ!?どうして」
「なんだか最近校内で「若王子先生に気づかれないように避妊具を白衣のポケットに入れることができたら好きな人とHできる」という妙なジンクスが広まっているようです」
「あ、それ、私も聞きました」
「最近、白衣を脱ぐときポケットに手を入れると必ず何個か入ってるんです。いつ入れられてるのか全くわかりません。皆さん、まるで忍者だ」
「……少しは気づきましょうよ、先生」
「まあ、僕が気づかないことでみんな幸せな気持ちになれるならそれでいいかもね」
「確かに、そういう考えもありですね」
優しくて生徒想いな先生らしい言葉に、思わず笑ってしまう。
まあ、素で入れられていることに全く気づいていないんだろうけど。
先生は適当に1つを手に取ると、あとの5つをポケットに押し込んだ。
「1つ、こっそり拝借してしまうのは……アリだと思いますか?」
「……アリ、です」
「では拝借します。おかげさまで僕は、好きな人とHできる。これを僕のポケットに入れた人も、無事好きな人とHできますように」
「はい。できますように」
「と、お祈りをするのはここまで。ちょっといい人ぶってみましたが本当はそこまで余裕ないです」
740若×デイジー5:2009/02/17(火) 02:51:12 ID:CmyTmMBL
先生が私に背を向けると、カチャカチャとベルトを外す音が聞こえた。
この瞬間は、何度迎えてもドキドキしてしまう。
「お待たせしました」
先生は私を抱き寄せると起立したものをそっとあてがい、腰を進めた。
久しぶりだというのに、私は先生のものをするりと飲み込んでしまった。
たっぷり濡れていたからかもしれない。
快感に耐える先生の顔が間近にあって、ドキドキしてしまう。
先生とこうして抱き合うたびに先生を愛しく思う気持ちが強くなっていく。
声が出ないようにこらえていると先生が突然動きを止め、人差し指を私の口に当てた。
「しっ。静かに」
その瞬間、閉めてあるドアをガチャガチャと左右に揺さぶる音が聞こえた。
誰か保健室に来てしまったらしい。こんな状況見つかったら、大問題になってしまう。
私は半分パニックに陥りそうになるが、先生はベッドが軋まないようにそっと私を抱き寄せると軽くキスをしてくれた。
「見つからない魔法です」
「……はい」
先生と2人で息を殺していると、保健室に来た生徒はさらに鍵の閉まったドアを強引に動かし、
鍵が閉まっているとわかったのか、ドアを強めにノックし始めた。
先生はつながったまま、私の耳たぶに舌を這わせ始めた。
「ひゃ……っ」
「……静かにね。見つかっちゃいます」
耳元でそっと囁いてきた先生。
その声があまりに色っぽくて、熱かった全身にさらに熱が走った。
先生の笑顔は少し意地悪で、この状況を楽しんでいるようにも見える。
外からはまだ会話が聞こえている。会話を聞いていると、来たのは女子生徒が2人でどうやら絆創膏をもらいにきたらしい。
しばらくするとその女子生徒たちの騒ぎ声と気配が消えた。諦めて帰っていったようだ。
「絆創膏……さすがにこの格好のまま渡すわけにいきません。ごめんなさい」
「ごめんなさい」
先生と2人でとりあえず来た人にこっそり謝っておく。
そして、先生が私の腰を持ち上げ固くなったものをさらにグッと奥へと押し込んだ。
「せんせ……大きく……」
「すいません……さっきので少し、興奮しちゃいました」
2人で快感をわかちあい、飽きずに何度目も何度もキスを交わした。


行為が終わりしばらく先生と2人、ベッドの上で気だるい幸せな時間を過ごした。
いつまでも続いて欲しいような、そんな緩やかな時間。しかし時計を見るともうだいぶ遅い時間となっていた。
先生は、名残惜しいですけど、そう言いながら私をベッドに寝かせたまま、テキパキと後始末と証拠隠滅の作業をしてくれた。
「学校でしちゃった。いーけないんだ、いけないんだ」
「その言葉、そのまま先生にお返しします」
「……正直、ちょっと興奮しちゃいました」
「先生!」
「さあ、帰ろう。一緒に」

先生は閉まっていたカーテンを少しめくり外の様子を確認し安全だと判断したのか、カーテンを一気に開いた。
空は、少しオレンジ色に染まりかけていた。
741名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:51:57 ID:CmyTmMBL
以上です。
失礼致しました。
742名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 10:48:57 ID:ZXewet7D
>>741
GJです!
若エロいなぁw
幸せな雰囲気がまたイイ…!
743名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 21:57:30 ID:BkvYNycm
>>741
GJGJ!!!
若先生がエロすぎてハァハァ…!
744名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 01:08:53 ID:PqgJfhtj
GJです!若降臨!
全てのセリフが若ボイスで脳内再生されたよw
ドキドキしました…!
初めてじゃない設定でもこんなに萌えるなんて
745名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 05:40:33 ID:Uwct4DxS
>>744
初めてじゃないと萌えないとかオッサンみたいだなw
746名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 09:13:45 ID:TSDvL3F2
そろそろ次スレ立てる頃か?
まだ大丈夫かな

投下したい人がいるなら待っててもらった方がいいのかも
747名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:27:59 ID:rwCozng5
まだ700代だよ。早すぎww
どんだけ長文期待してんだwww
950でも間に合うよ。
748名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:30:59 ID:szRn6Scl
いや容量だろう
749名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:19:48 ID:e5ZEZDbr
もう少し待ってないようだったら、次スレ立てちゃってもいいと思うに一票。

>>747
もう480overだよ。
750名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:44:29 ID:+EB5zLVO
立てちゃえ
751名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:54:35 ID:e5ZEZDbr
スレの上見たら、470過ぎたら・・・って書いてあったね。
新スレ立てたほうがいいか。ちょっと立ててくる。
752名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:01:45 ID:e5ZEZDbr
次スレ誘導
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235062607/
一部ポカしてしまいました。orzごめんなさい。
753名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 23:27:14 ID:dO1emqDX
ここって埋めなくていいの?
754名無しさん@ピンキー
そのうち勝手に落ちると思う