true tearsのエロ小説スレ エロい涙 3滴目

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22シアワセナキモチ 1
ピリリリリ…ピリリリリ…
夜の九時、三代吉のケータイが鳴る
部屋でヘッドフォンをつけて音楽を聴いていた三代吉は、着信音に少し送れて気づく
画面には【安藤愛子】の文字
「もしもーし」
「三代吉?」
「愛ちゃん、どうしたの?」
「あのね…あ、明日、店に来てくれないかな…」
「明日?明日は定休日じゃ…」
「うん。三代吉に話があって…」
「今じゃダメな話?」
「うん…明日、ちゃんと話したいの」
「…わかった」
電話を切った後、三代吉の脳裏で嫌な記憶がフラッシュバックする
眞一郎に応援してもらって告白した神社…
毎日のように食べた今川焼きの味…
デートで行ったパボーレ…
紫色のセーター…
ぶんぶんと頭を振って、過去の記憶を振り切ろうとする

翌日の放課後、三代吉は自転車に乗り、愛子の店を目指して走った
夕方の5時だと約束していたのに、もう30分も遅れてしまっている
しかも天気予報を裏切って、雨まで降ってきた
「愛ちゃん!ゴメン!遅れちゃって…」
「三代吉…気にしないで、私も今来たところだからさ」
店の前で待っていた愛子は笑ってみせるが、ずいぶんと雨に濡れていた
「とりあえず入ろうよ」
シャッターを開け、店の中に入る
内側から扉を閉めると、いつもの店内が二人だけの空間になる

「まいったな〜、急に降ってきたから傘なんか持ってなくてさ〜、ハハハ」
「うん…」
愛子の表情は固い。三代吉は嫌な予感がした
『まさか今日こそ完全にフラれるのか?もう店にも来ないでなんて言われたら…立ち直れねぇよ…』
薄暗い店の中、沈黙が二人を包む。普段は陽気な三代吉も、何も言葉が浮かんでこない