1 :
名無しさん@ピンキー:
というわけで、前スレが512k越えてたのでスレ立てました。
前スレから引き続き、夏海3、Part2の投下いきます。
窓の外には、雲ひとつない、抜けるような青空が広がっている。
眼下には、ついさっき竹下の車を降りた狭い道路がある。
道を挟んで、土が剥き出しの空き地があり、その奥にある民家との境目には、
高いブロック塀が建っている。
塀の向こうには、大きな樹が何本か立っていて、青々と葉を茂らせた無数の
枝を伸ばして夏の日差しを浴びている。
空き地の左右には民家があり、どちらも二階建てで、こちらに向いた大きな
窓とベランダが覗える。ベランダと柵には、洗濯物と布団が干されている。
蝉の鳴き声はときどき止みながら、しかし、ずっと続いていた。
小鳥のさえずりも聴こえてくる。
静かな田舎町の、平凡な真夏の光景──
「嫌っ、やっ……ひぅっ……」
夏海の心臓は、ばくばくと激しく脈動していた。
呼吸が苦しい。眩暈がしそうだ。
「ひっ、んっ……はぁんっ!」
夏海は窓際で、傾きはじめた太陽に照らされて、上半身裸で立っている。
背後の弘輝は、中学一年生とは思えぬほどの彼女の乳房を両手で鷲掴みにし、
乱暴に揉んで彼女を責め立てている。
つんと尖った淡い色の可憐な突起にも指を伸ばし、転がしたり押し潰したり、
爪を立てて引っ掻いたりしながら、夏海に快楽を与え続けている。
白昼、屋外に向けて大きな双丘を曝し、淫らに喘いでいた。
弘輝の手首を掴んで抗っているが、刺激に身体が震えて力は入らず、まるで
抵抗になっていない。
顔は羞恥にゆがみ、快感に溺れて艶めかしく色づいていた。
──見られちゃう、ダメっ……そんなの……!
もし、隣家から人が出てきたら、道路を誰かが通りかかれば──恥ずかしい
姿を見られてしまう。大きな乳房も、官能を露にした顔も見られてしまう。
それなのに、夏海は昂ぶっているのだ。
祭りの時も、今日の午前中も同じだった。
逃げ出したくなるほどの羞恥が、幼い彼女を激しく昂ぶらせていた。
「夏海は……こういうの、好きなんだろ?」
「ひゃっ、んぅっ……」
弘輝の手が乳房を下から持ち上げ、ぷるぷると揺らす。
朝に見た穏やかな雰囲気は消え去り、弘輝は凶暴な野獣のような空気を纏い、
夏海を激しく責める。
「こうやって……虐められるのが、好きなんだよなぁ?」
弘輝は嗜虐的に笑い、乳首をぎゅうっと抓んでひねる。
「ひっ! 痛っ、ひぁっ!」
──痛いのにっ、気持ちいいよぉ……。
それなのに、弘輝の言葉どおり、夏海は快感を覚えてしまう。
全身を駆け巡る快楽の波が、夏海の幼い秘処からとろとろと蜜をあふれさせ、
ショーツをぐっしょりと濡らしている。
「見られて感じて、痛いのもいいなんて……とんだ変態女子中学生だな」
「あぅっ、やっ……」
──わたし、変態……変態、女子中学生……。
竹下に言われ、自分でも口にした言葉が、夏海を責める。
肌を晒す羞恥と、胸への激しい愛撫と、卑猥な言葉と──すべてに刺激され、
焦燥と官能が夏海の身を焼き、高みへと昇ってゆく。
「こっちも……見せたいんだよな?」
「やっ……あぁっ!」
弘輝は乳房から片手を離すと、夏海のスカートを一息に捲り上げた。
レースと小さなリボンがあしらわれた真っ白なショーツが露になり、淫らな
露の匂いが周囲に広がった。
「スカート掴んで……できるよな? したいんだよな?」
「あっ、嫌ぁ……」
夏海は首を小さく左右に振るが、弘輝の手が彼女にスカートを押しつけると、
素直に受け入れ、ぎゅっと握ってしまう。
祭りの夜の人込みの中でも、学校の数学準備室でも──
そして今、白昼、窓のそばで、自ら捲り上げてしまっている。
夏海は、言われもしないのに、スカートを胸のすぐ下まで持ち上げた。
夏海は幼い顔を羞恥にゆがめ、眼を潤ませて官能を露にしていた。
腰から上には何も纏っておらず、大きな乳房を弘輝にもてあそばれている。
スカートを自分で持ち上げ、純白のショーツを曝している。
肌は火照り、汗が浮いている。びくびくと震えた身体から、少女のほのかな
香りがにじみ出している。
「いい子だ……」
弘輝は片手で乳房を責めながら腰を屈めて、スカートの下にもう片方の手を
伸ばす。
指がショーツにかかり、ぐいぐいと引き下ろされてゆく。
──おっぱいも、あそこも……エッチだよぉ……。
そこを隠していたショーツが、膝まで下げられてしまう。
ショーツの内側は、淫らな露がねっとりと染みていた。
「夏海のここ……おっぱいとは大違いだな」
「あっ、あぅっ……」
大きすぎる乳房と同じぐらいに恥ずかしい、幼いままのところを露にされて
しまった。
弘輝の手が、子供と変わらぬ恥丘を撫でる。
真夏の陽射しに照らされて、細い産毛がきらきらと輝いている。
ぴたりと閉じた未熟な秘裂から、透明な露があふれて周囲を濡らしている。
「濡れすぎだろ……中一だろ? エロい子だなぁ」
「あぁぅ……ふぁっ、あぅ……」
弘輝の手が夏海の腰を撫でながら、尻へと回される。
小さく柔らかな尻肉を乱暴に掴みながら、股の裂け目へと伸びる。
「んっ……やっ、あぁっ!」
秘裂をなぞる弘輝の指に、たっぷりとあふれた蜜が絡んでゆく。
弘輝の膝が股の間に割り込んできて、脚を広げられてしまう。
「ひゃっ! ひぅっ!」
裂け目の突端──ぷくりと膨れて、ちょこんと覗いた肉芽に触れられると、
身体が弾けたように震えて、彼女は窓枠に片手を突いてしまう。
がたんと鳴った音に、そばで鳴いていた蝉が驚いて飛び去った。
「あいつにもされてるんだろ? ぐちょぐちょにされて、喘いでるんだろ?」
「ひッ、あっ! んっ、はぁんっ!」
弘輝の言葉に心を揺さぶられ、指に蕾を刺激される。
彼の指が秘裂をなぞり、あふれた露をすくって肉芽を責める。
「んっ、ひゃっ……あっ、あぁッ!」
一番敏感なところを責め立てられ、愉悦が爆発的に膨れ上がる。
彼女の身体が激しく震え、窓がかたかたと音を立てる。
秘処からとめどなくあふれた蜜が、くちゅくちゅと音を立てている。
高校生の頃に開花し、弘輝が求めてやまなかったアブノーマルな性的嗜好を、
この少女は満たしてくれる。
「誰か来たらどうする? おまんこまで見られちゃうよなぁ」
「やっ、ダメっ、ひゃッ……!」
夏海は窓際ですべてを曝し、羞恥を覚えながらも昂ぶっている。
口では否定していても、彼女がそれを受け入れているのは疑いようがない。
彼女の喘ぎが艶めかしい色を帯びてきた──限界が近いのは明らかだ。
全身が震えていて、秘処からは滴り落ちそうなほどに淫汁があふれてくる。
「やらしいなぁ……夏海は変態中学生……淫乱女子中学生だな」
小豆ほどの大きさしかない肉蕾は、薄い包皮の中でぷっくりと膨らんでいる。
弘輝は二本の指でそのふもとを押さえつけ、敏感な粘膜を剥き出しにした。
「ひッん! あっ、ひうぅッ!」
夏海を襲った強烈な刺激に、彼女の身体ががくがくと揺れる。
崩れ落ちそうになる身体を、乳房を鷲掴みにし、股を押さえて支えてやる。
──マジで俺、この子のこと……。
彼女を手に入れたい──まだ中学一年生の幼い少女のすべてを自分のものに
してしまいたいと思う。
「夏海、イきたいんだろ? イっていいんだぞ?」
「ひぃっ、ひあぅッ! やっ、んあぁッ……!」
弘輝はかつてない陶酔感を覚えていた。
「誰か来たらどうする? おまんこまで見られちゃうよなぁ」
「やっ、ダメっ、ひゃッ……!」
──見られちゃうっ……おっぱいも……おまんこもっ……!
眼下には道路がある。左右に眼を向ければ、民家もある。
人が通りかかれば、かたかたと鳴る窓に気づくかもしれない。
窓を開けた隣人が、あられもない姿の自分に気づくかもしれない。
強い陽射しが、夏海の肌を焼いている。
自らスカートを捲り、秘処を曝している。乳房を揺らして悶えている。
「やらしいなぁ……夏海は変態中学生……淫乱女子中学生だな」
──わたしっ……変態中学生……淫乱女子中学生だよぉ……!
淫らな刺激に乱れている自分は、確かに淫乱なのだろう。
きっと、どんな男にされても、自分は感じてしまうのだ──親しいわけでも
ない男たち、特別な好意を持っていたわけでもない男たちに、淫らに責められ、
感じてしまっているのだから。
学校の数学教師である竹下と、近所の大学生である弘輝──ふたりの男に、
夏海は激しい羞恥を与えられ、自分を失うほどの刺激を浴びて、官能の世界に
引きずり込まれてしまった。
花火大会の夜からずっと続いている疼きは、盛大に燃え上がり、理性を焼き
尽くして、変態的な行為で快楽に悶える、淫乱な少女へと変えていた。
竹下には、あの夜と今日の昼と、二度も導かれた。
二度目から一時間も経っていないのに、再び達してしまいそうだった。
「ひッん! あっ、ひうぅッ!」
剥き出しにされた敏感な雌蕊が、夏海の身体を大きく弾ませる。
続けざまに激しく責められて、限界がすぐそこまで来ていた。
力が抜けて立っていられない。
自ら捲っているスカートを、ぎゅっと握り締める。
弘輝に乳房を鷲掴みにされ、股の間の潤んだ秘唇を下から持ち上げられ、
そのおかげでかろうじて立っていられるようなものだった。
「夏海、イきたいんだろ? イっていいんだぞ?」
弘輝の言葉どおりだった。
「ひぃっ、ひあぅッ! やっ、んあぁッ……!」
激しい指使いに、全身が震えている。
右手は窓の隅に纏められたカーテンを縋るように掴み、反対の手はぎゅっと
スカートを握り締める。
──わたしっ、この人にも……イかされちゃうっ!
握り潰されるのではないかというほどに、乳房を鷲掴みにされている。
抓まれた乳首は激痛を訴えているのに、それすらも快感になっている。
もうひとつの膨らみは、音を立てそうなほどに大きく揺れている。
秘処からはぴちゃぴちゃと水音が響き、つんとした匂いが漂ってくる。
陽光に照らされているとはいえ、冷房で室温は快適なはずなのに、身体中が
熱を帯び、汗が噴き出していた。
「イけよ、夏海……我慢するなって……ほらっ!」
「ひんぅっ、痛ッ! ひぁあッ!」
乳房を揉まれながら、乳首を抓まれてひねり上げられる。
剥き出しの蕾も抓まれて、激しくこすられる。
もっとも敏感なところが苦痛に悲鳴をあげているのに、夏海はそれを快感と
認識してしまう。
「イくって言いながら、やらしくイっちゃえよ……!」
「あぁぅっ……ひうぅッ、ひあぁッ!」
下腹部に官能が凝縮し、圧倒的な愉悦が膨らんでゆく。
幼い顔に艶めかしい色をたたえ──
「ひんッ! イっちゃっ、ますっ! イくッ……!」
背が反って、真っ白になるほどの刺激に包まれ──
「裸曝して、巨乳もまんこも見られながら、イけよっ……!」
クリトリスを強くつねられ、夏海の全身を衝撃が貫いた。
「イっちゃぅッ! ひぁあぅッ──!」
びくんと大きく弾けた身体が、窓ガラスに押しつけられた。
生温かいガラスの感触を乳房と頬に覚え、夏海は絶頂に達した。
大きな波が何度も何度も夏海の全身を駆け巡り、彼女の意識を奪った。
夏海は、胡坐をかいた彼にもたれかかるように抱かれて、快楽の余韻にぴく
ぴくと身体を震わせていた。
夏海の腰から上には、肌を隠すものは何もない。
スカートも乱れ、腿がほとんど露になっていて、足首には淫らな露の染みた
白いショーツが引っかかったままだった。
窓には白いレースのカーテンが引かれている。
夏海は荒く息をしながら、少しずつ呼吸を整える。
──またイっちゃった……わたし、ほんとにエッチだ……。
じょじょに回復する理性が、自分を怨めしく責めはじめる。
剥き出しのままの乳房に、弘輝の手が重ねられている。
──気持ちいい……。
弘輝はときどき乳房に指を沈ませ、夏海の余韻を刺激する。
強烈な絶頂の快感とは違う、穏やかで優しい刺激に、夏海はうっとりと眼を
潤ませていた。
──おっきいの、当たってる……。
腰に、彼の怒張したモノの感触がある。
祭りの夜はそれを眼にすることはなかったが、一時間ほど前に竹下のものを
夏海は見ていた。
驚くほどにそそり立った男性器──びくびくと脈打って、つるりとした先端
から、ねっとりとした白濁が吹き出して、大きな膨らみに降り注いだ。
──先生の、精液……いっぱいだった……。
あの夜は腰と左手に、学校では胸に浴びせられた、どろりとした感触が思い
出され、夏海の淫らな気持ちが揺さぶられる。
「夏海ちゃん……可愛かったよ」
「んっ……」
弘輝が耳元で囁く。
息がかかって夏海はびくっとしてしまう。
「気持ちよかった?」
「あぅ……」
──そんなの、訊かなくたって……。
竹下もそうだった。自分に卑猥な言葉を言わせたいのだ。
「はい……気持ち、よかったです」
夏海はか細い声で答える。
──わたし、なんで答えちゃうのかな……?
竹下に言わされたときは、自分は官能に飲み込まれ、すべてに従順になり、
自ら刺激を求め、そんな自分にまで昂ぶっていた。
だが、余韻がまだ燻っているとはいえ、今はそのときのような焦燥はない。
彼の喜ぶようなことをしてしまう自分が解らなかった。
「そっか……満足してくれた?」
「うぅ……はい」
満足だった──今は少し落ち着いてきて、恥ずかしくて逃げ出したいぐらい
だが、自分は確かに彼の行為に恥じらい、昂ぶり、刺激されて達してしまった。
軽く意識も飛んでしまったようだ。
──先生にも……この人にも……。
「よかった……ちょっとやりすぎたかと思ったけど……夏海ちゃんはほんとに
こういうのが好きなんだね」
「あぅっ、そういう、わけじゃ……」
窓際で肌を曝しながら導かれる──そんな行為を自分は受け入れてしまった。
夏海は臍の前でもじもじと左右の指を絡め、膝をすり合わせる。
「でも……イっちゃったよね?」
「うぅ……んっ、ふぁ……」
小さな突起を指で撫でられて、夏海は吐息をもらす。
彼は夏海の膨らみを、ゆっくりと撫でている。今の弘輝は、穏やかで優しい、
愛撫と呼ぶに相応しい刺激をもたらしてくれている。
思えば、彼は強圧的な口調ではなくなっているし、自分を呼び捨てではなく、
ちゃんづけで呼んでいた。
──わたし……なにしてるんだろ……。
とんでもないことをされたあとだというのに、彼の腕に抱かれてうっとりと
余韻に浸っている。
まるで、恋人同士のように──
服を──下着から身に着けてゆくところを見られるのは恥ずかしかったが、
裸のままでいるのはもっと恥ずかしかった。
夏海は身なりを整えながら、弘輝の問いかけに応じた。
あの夜のこと──あの男とは親しいわけではない。恥ずかしくて声も出せず、
されるがままになるうちに、流されて自分を見失ってしまったのだと。
今朝ブラジャーを着けていなかったのは──あの夜のふたりの男を、自分は
仲間だと思い込んでいて、メールで命令され、抗えなかったからだと。
そして、自分にそんなことをさせたのは、竹下という名の男──躊躇したが、
母校の数学教師であるということも伝えた。
彼に昼、学校で責められたことも、下着を受け取ったことも──
どれも自分で言うには恥ずかしすぎる内容だったが、彼女は詰まりながらも
口にすることができた。
「……夏海ちゃんを脅して、いやらしいことをさせた淫行教師か」
「弘輝さんだって……同じです」
最後に、襟の細いリボンを結び終えた夏海は、上目遣いに弘輝を見る。
「そうだな……趣味も近いみたいだし、ひどい男だってのも……」
夏海の言葉に、弘輝は良心の呵責を覚えたのか、眼を逸らしてしまう。
だが、すぐに眉を上げて夏海に眼を向けて笑った。
「名前……やっと呼んでくれたね。少しは、打ち解けてくれたのかな?」
嬉しそうな彼の顔を見ていられず、夏海は複雑な気持ちで床に眼を落とす。
──別に、そんなんじゃないけど……。
緊張が和らいでいるのは自覚していた。
学校で竹下にされたあとも同じだった。
ひどいことをされたというのに、自分は彼らと普通に話している。ほとんど
初対面に近い相手と、こんなふうに話せたことなどなかったのに──
「ごめんね、夏海ちゃん……ひどいことしちまったな」
弘輝の言葉に、夏海は答えない。
「俺のこと、怖い?」
「……解りません」
夏海は少しだけ弘輝を見るが、すぐにまた眼を伏せた。
「嫌われては、いないのかな?」
──今は、怖くない……嫌いじゃ、ないのかな……よく解んないよ……。
ひどいことをされ、恥ずかしく喘ぎ、恍惚に導かれ──今も羞恥は消えない
というのに、先ほどまでのような恐怖や嫌悪はほとんどない。
今はこの散らかった部屋に、居心地のよさすら覚えている──そんな自分の
心が理解できなかった。
窓の外から、蝉の鳴き声が響いてくる。あと数時間は、うだるような熱さが
続くのだろう。
エアコンの冷気が髪が揺らす──ほつれた髪がくすぐったい。纏め直そうと、
髪を留めていた猫のマスコットのついたヘアゴムを外した。
「へぇ……そっちのほうがいいじゃん」
弘輝が身を乗り出してきた。
「髪、解いてるほうが似合う。可愛いよ」
「え……?」
友人たちにも言われたことがあったが、夏海にはよく解らない。
だが、悪い気はしない──
夏海が眼を上げると、弘輝が手を伸ばしてきて、髪に触れた。
「ねぇ、夏海ちゃん……今度、デートしようよ」
「えっ……!?」
動揺した夏海の髪を、弘輝が撫でる。
「携帯のアドレス交換しようよ」
「え、あの……でも……」
「俺のこと、嫌い?」
どう答えていいのか判らない。
嫌いではない──けれど、アドレスを交換するということは、彼との関係が
これで終わるわけではないことを示している。
「俺、夏海ちゃんのこと気に入ったし……つきあおうよ」
──つきあう……? つきあう、って……!?
初めて自分に向けられたそんなセリフに、夏海は驚きと戸惑いの瞳で弘輝を
見つめることしかできなかった。
「明後日が楽しみだ。学校終わったらメールしてね」
「はい……では」
「バイバイ、夏海ちゃん」
手を振る弘輝に、夏海は頭を下げて彼の家をあとにした。
ヘアゴムで纏めず、下ろしたままのストレートの黒髪が胸元にかかっている。
歩き出したとたん、じわじわと汗がにじみ出てくる。あちこちから響く蝉の
声が、体感気温を三度は上げているように思える。
自宅まで、直線距離で三十メートルもない。
──わたし……おかしいよね……。
弘輝にひどいことをされたはずなのに、携帯電話の番号とメールアドレスを
教えてしまった。
しかも、明後日の午後、彼とデートに行くことになったのだ。
──わたし……エッチなこと、されたがってるのかな……。
デートなどと言っていたが、何をされるのかは想像できる。
──恥ずかしいことに感じちゃう、エッチな子かぁ……。
激しく責められた未熟な秘処が、まだわずかに疼いている。
いや──その疼きは、あの夜からずっと続いているのだ。
「好きだよ、夏海ちゃん。夏海ちゃんも俺を好きになってくれたら嬉しい」
そんなセリフを、彼は少し照れくさそうに言った。
夏海は、彼のことをよく知らない。よく知りもしない相手を好きになること
など、彼女にはできなかった。
そう伝えると、彼は真剣な顔をして答えた。
「俺もそうだよ。でも、最初はそんなもんでしょ? とりあえず、明後日……
デートしてみようよ」
──弘輝さんに、言いくるめられたのかなぁ……。
異性とつきあったことなど一度もないし、デートなんてまったく経験がない。
けれど、恋愛というのはそういうものかもしれないと思うし、しかし、彼の
話術に嵌まっただけなのかもしれないとも思う。
──おつきかい、かぁ……そんなの、考えたこともなかったなぁ……。
人見知りが激しく内気な夏海には、恋愛などというのは他人事だった。
だが、夏海の身には、他人事どころか、別世界のような出来事が立て続けに
降りかかっている。
「何回かデートして、やっぱりダメだと思ったなら、そう言ってくれたらいい。
すっぱり諦めるから……ね?」
そう言った彼の言葉が、嘘偽りのない本心かどうかは判らない。
あの夜と今日、ひどい仕打ちをしておきながら、簡単に諦めてくれるなんて、
とても思えない。
携帯電話に収められた自分のあのときの姿がある限り、彼はその気になれば、
いつで自分に淫らな行為を強要することができるだろう。
諦めるなどという言葉が、信用できるわけがない──
──弘輝さんにも……調教、されちゃうのかな……。
結局自分は、彼らにノーとは言えないのだと改めて思う。
──でも……わたし……。
恥ずかしい姿をクラスメイトに曝して昂ぶり、竹下にもてあそばれて達して
しまった──その直後、弘輝の部屋でも羞恥に昂ぶり、導かれてしまった。
ふたりは自分に、激しい羞恥と、それを上回る快楽を与えてくれた。
それに酔い痴れ、理性を失って乱れてしまった──
自分は本当に、彼らの言うとおり、いやらしい女の子なのだろう。
普段はそんなそぶりなど見せず、彼らの前でだけ本性を表す、変態淫乱女子
中学生、佐伯夏海──下品で低俗なフレーズが、自分には似合っている。
──わたしも、同じなんだ……。
竹下だけでなく、弘輝も仮面を被っている。ふたりとも異性に羞恥を与えて
もてあそぶ、倒錯した趣味を持っていて、普段はそれを隠して生活している。
自分はどうやら、彼らの嗜好に応えられる資質を備えていたらしい。
羞恥に震え、快楽を求めてしまう──もう、疑いようがない。
──しかたないよ……エッチになっちゃうんだもん……。
夏海は溜息をつき、空を仰いだ。
抜けるような青空に、蝉の声が拡散してゆくようだった。
冬香にメールを送らなければと思い、携帯電話を取り出した。
友人たちを想うと、胸が締めつけられるような気持ちになった。
いろいろごめんなさい。
11レスじゃなくて10レスでした。
数も数えられなくなったようです。
つぎはまた数日後に……。
スレ立て乙&GJ!!
ヒロインの心理描写がとても丁寧で引き込まれました
つづき楽しみにしてまーす
スレタイが「女の子が結露する話」に見えた俺は目医者にいけばいいのだろうか?
>>1乙!!
快楽と理性の葛藤が(・∀・)イイ!!
続きwktkで待ってます
夏海、第三話 Part3、投下します。
11レス。
夏期講習の最終日──
あれから、竹下からのメールは、一度送られてきただけだった。
翌日も、また下着を着けずに登校しろと指示されるのではないかとひやひや
していた夏海だったが、それは杞憂に終わった。
『残念だけど、仕事を押し付けられてね……夏海ちゃんを虐めてあげることは
しばらくできないみたいだ。いずれまた、たっぷり可愛がってあげるよ』
そんなメールが、月曜の夜に届いただけだった。
夏海はどうすべきか迷ったが、『お疲れ様です』とだけ書いて返信した。
『ありがとう。おやすみ、エッチな夏海ちゃん』という返事が戻ってきた。
肩透かしを食らったような気持ちになった夏海は、そんなふうに感じている
自分が怨めしかった。
弘輝からのメールは八件あった。
おやすみ、おはよう──といった他愛のない挨拶のメールと、ちょっとした
雑談が七件。
八件目はちょうど今──夏期講習の全日程が終わったときだった。
「誰から?」
「えっ?」
隣の冬香が覗き込んできて、夏海は反射的に閉じてしまう。
「えと、お、お父さん……」
「ほーんと、夏海はファザコンだねぇ。いや、おじさんが夏海好き好き〜って
だけか」
冬香は夏海の動揺に気づいた様子はない。
「娘って……ドーターだっけ? じゃあ、ドタコン……?」
よく解らないことを言う冬香の横で、夏海は再び携帯電話を開き、メールに
眼を通す。
『そろそろ学校終わりかな? 返事待ってるよ』
短い文面に、夏海は複雑な想いに駆られる。
月曜日の午後、冬香たちと一緒にカラオケに行くはずだったが、夏海が参加
できないと知った彼女らは、予定を取りやめた。
夏海は放課後、竹下にもてあそばれ、弘輝にも責め立てられた──
冬香たちはそんなことを知るはずもなく、夏海は具合を悪くしたから自分が
送ってゆく、と告げた竹下の言葉を疑いもせずに信じていた。
そして今日、再びその話が持ち上がったのだが──
「ごめんね、冬香ちゃん……」
「気にするなって……カラオケはまた今度行こうぜぃっ」
うつむいた夏海の頭を、冬香が優しく撫でる。
これから弘輝とのデートが控えていたが、冬香には、父親と買い物に行くと
嘘をついたのだ。
二日前と今日──冬香たちを二度も欺いてしまったことが、夏海の心に重く
のしかかっていた。
──わたし……ほんとにエッチだよ……。
竹下にも弘輝にも、泣きたくなるほどの羞恥を与えられていながら、自分は
確かに、激しい興奮を覚えてしまっていた。
きっと今日も弘輝に、いやらしいことをされるのだろう。
それなのに、友人を欺いてまで、自分は彼とのデートを選んだ。
彼女らに話すことなどできない。
自分がとんでもなくいやらしい少女なのだと、打ち明けることはできない。
──仮面……わたしも、被らないとね……。
嘘をつくということなのかもしれない。
けれど、誰だって少しぐらいは嘘をついているものだろうと自己弁護する。
「ごめんね、ほんとに……」
「いいっていいって。カラオケなんていつでも行けるでしょう? おじさんも
夏海と買い物できるの楽しみにしてるんだからさ、ね?」
「うん……ありがとう」
冬香の優しさに、心が痛む。
自分が嘘をついていたと知ったら、冬香はどう思うのだろう。
大学生の男とデート──淫らな行為をするためなのだと知ったら──
その先は怖くて考えたくなかった。
友人を──冬香を失いたくなかった。
そのために自分ができることは、淫らな本性に仮面を被せることだけだった。
「こんにちは、夏海ちゃん」
メールで言われたとおり、彼らの自宅の近くにある駐車場に行くと、弘輝は
車のエンジンをかけ、簡素な屋根の陰で煙草をふかしていた。
「こんにちは……すみません。お待たせしました」
「ん? ああ、いいの。エアコンかけてただけ……可愛いね、そのかっこ」
「あっ、ありがとう、ございます……」
デートなんて初めての経験だった。
だが、夏海のような年頃の少女が想い描く、心がうかれるような気持ちでは
いられなかった。
何をされるか判らない恐怖と不安でいっぱいだった。
彼はつきあおうなどと言ったが、自分の欲望を満たしてくれるパートナーを
求めているだけだというのは、夏海にも理解できていた。
恋愛というものがどんなものなのか、夏海はよく解らない。
気になる異性というのがいないわけではなかったが、実感としての恋心は、
まだ彼女には芽生えていなかった。
漠然としたイメージだけが先行し、実体のない靄のようなふわふわしたもの
だけが頭の中に存在している。
好きな人と一緒にいるだけでも楽しいという、純朴な関係──そんなものを
弘輝が求めているわけがないのは明らかだ。
彼の嗜好の一端は、二日前の昼下がりの短い時間だけでも理解できた。
きっと自分はこれから、恥ずかしい想いをさせられるのだ。そして、乱暴に
責められるのだ。それが、弘輝の性的嗜好なのだから──
「今日は髪、下ろしてるんだね……やっぱり、そのほうが可愛いよ」
とはいえ、褒められれば悪い気はしない。
恋愛には疎い夏海だが、デートという言葉には憧れを持っていたし、少なく
とも表向きはデートなのだから、と気を使ったつもりだった。
学校から帰宅してすぐシャワーを浴びた。
艶やかな黒髪は丁寧にブラッシングして、右の耳の上には、ピンク色の猫の
マスコットがついたヘアピンを刺している。
毛先は肩よりも長く、汗の浮いた肌に張りついて、少しうざったい。快適さ
だけなら、いつものように後ろで纏めているほうがはるかに上なのだが──
弘輝の好みに合わせてしまったのは、なぜなのだろうと思う。
「服も似合ってるし……」
淡い水色キャミソールに、だぼっとした白い涼しげなプルオーバーを重ね、
腰を細い紐で括っている。
襟元はゆったりと開いていて、可憐な鎖骨が覗いている。
ふわりとした服で大きな胸を誤魔化しているつもりだが、あまり役立っては
いなかった。どんな服でも、彼女の膨らみを隠せはしない。
象牙色で膝上数センチほどの、ゆったりしたフレアミニスカートから、細く
しなやかな脚が伸びている。
小さな足にはソールの厚いサンダルを履いていて、細い左手首にはビーズの
ブレスレットが巻かれていた。
肩にかけた長いベルトの先に、財布と携帯電話、ちょっとした小物を入れた
ポーチが揺れている。
「夏海ちゃん……もてるでしょ?」
「えっ? そんな……ぜんぜん……」
弘輝が言うと、夏海はうろたえたように眼を伏せた。
確かに、異性の視線を浴びることは多いが、それは卑しい気持ちの表れで、
恋愛感情とは別のものだと考えていた。
「可愛いし、胸もおっきいし……人気ありそうだけどなぁ」
そんなことを白昼堂々と口にされ、顔が赤らんでしまう。
彼の眼に灯ったかすかな嫉妬の光に、うつむいたままの夏海は気づかない。
「んじゃ……暑いし、そろそろ行こうか」
弘輝は携帯灰皿に煙草を押しつけて消すと、助手席側に回り、ドアを開けて
夏海を促した。
光沢の強い、黒いボディの軽自動車である。車種など夏海には判らないが、
竹下のものよりもひと回り小さい、スポーティな感じのする車だった。
「はい……すみません」
夏海は頭を下げて、助手席のシートに身をうずめた。
大きな恐怖と不安──だけでなく、かすかな期待に胸が震えていた。
夏海の身体が小さいのもあるだろうが、シートはゆったりしていて、外から
見るよりも、車内はずいぶん広く感じられた。
エアコンの風に冷やされたシートが、ひんやりとしていて心地いい。
「夏海ちゃん、よろしくね」
運転席に座った弘輝が、夏海に笑みを向けた。
「はい……よろしく、お願いします」
夏海はちらりと弘輝を見てから、眼を逸らして言った。
「緊張してる?」
「……はい」
膝に乗せたポーチを両手で握る。
「緊張、ほぐしてあげようか?」
「え……えっ!?」
弘輝が身を乗り出してきて、左手を夏海の腰の横に突く。
「リラックスして……デートなんだから、緊張してたら楽しめないよ?」
「あ、あぅっ……!」
左手で支えながら、身体をひねって右手を伸ばし、夏海の膝に触れた。
びくっと身が縮んでしまう。
「こうすると……ね?」
「えっ、あ、やっ……!」
──やっぱり、恥ずかしいこと……!
弘輝の右手がスカートの裾を抓み、ゆっくりと捲ってゆく。
「夏海ちゃんは、こういうのが好きだからね……緊張なんて忘れられるよ」
「あぅっ……」
夏海の心がざわざわと揺れる。
「これ、どけて……」
弘輝がポーチを彼女の手から奪い、後部座席に放ってしまう。
手を戻すと、さらにスカートを捲る。夏海の太腿が露になる
「やっ、弘輝さん……」
「上も、脱いじゃいなよ」
「えっ……?」
「その白いの……暑いんじゃない?」
「やだ、そんな……」
「だいじょうぶだって……キャミ着てるでしょ?」
本来下着であるキャミソールは、現在ではもうTシャツと変わらぬ扱いだ。
もっとも、Tシャツだって、ブラウスやシャツにしても、起源は下着として
着用されていた衣服である。
そうはいっても、夏海にとって、身体のラインが露になるキャミソールだけ
というのは大胆に感じられるし、胸の膨らみまではっきりと判ってしまうのは
非常に心細かった。
「一昨日に比べたら……ぜんぜん平気でしょ?」
弘輝の指が、へその前で結ばれた紐を解く。
「あぅっ、うぅ……」
──あんなのに比べたら……そうだけど……。
一昨日の午後、弘輝の部屋で裸にされ、窓際に立たされて責められた。
確かにそれに比べればマシかもしれない。肌を曝すわけではない。
けれど──あの夜から続いている疼きが、また熱を上げてしまいそうだった。
解っていたことだった。
彼は自分に恥ずかしい想いをさせて責めるつもりなのだ。
羞恥に昂ぶらせ、淫らに喘がせ、官能に導いてくれる──
──導いて、くれる……気持ちよく、してくれるんだよね……。
自分の心の奥に眠っていた、羞恥を求める本性が、ふつふつと泡立ちはじめ、
胸が熱く苦しくなってくる。
否定などできない──そんなふうに責められることを、自分は望んでいる。
「いい子だね、夏海ちゃん……好きだよ、夏海ちゃん」
「あぅ……」
──好き……弘輝さんは、わたしを……エッチなわたしを……。
夏海は抗わなかった。
ゆったりしたプルオーバーが脱がされてしまう。
エアコンから吹き出される冷気が、火照りはじめた肌を撫でてゆく。
横向きの加速度が、夏海を左右に揺さぶる。
クーラーのおかげで車内の温度は快適だし、夏海の座る助手席側には、強い
陽射しもほとんど当たらない。
駐車場を出てまだ二分と経っていないが、すでに町の中心部を抜けていた。
住宅の密集した地区の外側、平地には狭い水田が、傾斜地には畑が広がって
いて、その先はもううねうねと曲がりくねった山道が続いている。
さらに先へと、車は進む──斜面にへばりつくように並んだ果樹園と、深い
木々との間を縫うように、アスファルトの道路が続いている。
ところどころに農家のものであろう古びた軽トラックが停められていた。
──どこ行くのかな……この道って、確か……。
夏海は不安に思いながらも、口には出せないでいた。
隣の市へ続く道ではない。山をいくつも越えて、さらに奥深く、この町より
もっと小さな町へと続いている道だった。
果樹園の一帯を抜けると、周りの風景も一変する。
左の山側は数メートルの高さのコンクリートで覆われ、落石を防ぐネットが
かけられている。
右側は白いガードレールが続き、その外は垂直に近い切り立った崖のように
夏海には思えた。斜面に無数の草木が生い茂っている。
フロントガラスの向こうには、木々の隙間から、空の青が広がっている。
弘輝は慣れた手つきでハンドルを操って、右に左にカーブする道に、難なく
車を走らせている。
「夏海ちゃん、この辺って来たことあるの?」
「ええ……」
前を向いたまま訊いた弘輝に、夏海は眼だけ向けて答える。
「へぇ、そうなんだ。自転車とか?」
「いえ……父の車で……」
弘輝がちらりとこちらを見たため、夏海はすぐに眼を伏せた。
「ドライブ?」
「はい……こっちに来てすぐと、ゴールデンウィークに……」
「ここ、見晴らしいいし、素敵でしょ?」
「はい……」
夏海は冬香から、この辺りに住む車好きな者たちが、しばしばこの道で腕を
競い合っているという話を聞いたことがあった。
それを証明するかのように、路面には黒いタイヤの跡がいくつも残っている。
弘輝もそういう類の人間なのだろうかと思う。
だがそれよりも──
夏海の知る限り、この先に民家はない。人気のない山奥である。
──やらしいこと、させられるのかな……。
キャミソールとミニスカートという、心細い姿の自分が怨めしい。
いや──どんな服を着ていても、変わらないだろう。
服を脱がされ、車外に連れ出されるのかもしれない。
車が通りかからないとも限らない。
そんなことになれば──
──きっと、エッチになっちゃう……うぅん、わたし、もう……。
すでに昂ぶりはじめていた。
あの夜から消えない疼きが、夏海を内から責めている。
「ん……そろそろだな。ほら、あそこ……」
弘輝が左手で正面を指差す。
道が大きくカーブし、視界が木々の壁にふさがれる。
「あ、隠れちゃったけど、おっきなアンテナ……憶えてる?」
夏海は頷いた。
山頂周辺を平らに削り取ったらしい、広い展望スペースのような場所があり、
そこには大きな鉄塔が建っていた。
山に囲まれたこの町に、テレビやラジオの電波を中継するアンテナである。
「とりあえず、飯食いに行く前に……第一目的地はそこ」
自分はこれから、どんな羞恥を受けることになるのだろうか──
意識したくなくても、身体の疼きが意識に浮かんできてしまう。
「高いとこなら少しは涼しいかと思ったけど……あんま変わんないね」
ふたりは車を降りて、剥き出しの地面に立っていた。
山頂の広場は、整地されただけで舗装はされていない。
真夏の太陽はやや傾いてはいるが、焼けるような陽射しを放っている。
「そうですね……でも、風があります……」
風がそよいでいるし、空気が澄んでいる。いくぶん涼しく感じられた。
車のエンジンはかけたままで、冷房も入れっぱなしだ。
きっと、ここからはすぐに立ち去るつもりなのだろう。
「やっぱ景色いいよなぁ……夏海ちゃんは、こういうの好き?」
「はい……好きです」
「そっか、よかった。連れてきた甲斐があったよ」
頭上には澄みきった青空が、周囲には緑の山々が広がっている。南を望めば
白く霞んだ太平洋の水平線も覗えて、こんもりとした入道雲が浮いていた。
わずかの間、夏海は羞恥を忘れることができた。
自分たちの暮らす町の中心部が一望できる。
夏海の育った都心近くの住宅街とはまるで違う。江戸時代の旧道に沿って、
米粒のように小さな家々が集まっていて、周りを畑や水田が囲っている。
ところどころに大きな建物が見える。果実の選果場、スーパーマーケット、
そして学校──いくつか工場もあるが、どれも規模は小さい。
夏海の通う学校は手前の山の向こう斜面にあり、ここからは見えなかった。
「俺らの家は、っと……あそこが役場で……」
彼が指差しているのは、高い建物と体育館、消防署と広い駐車場が集まって
いる場所、町民センターだ。そこにある図書館に、夏海はよく通っている。
「ちょっと横の……あの青い屋根、たぶんあれ、夏海ちゃんの家だね」
夏海の自宅は、賃貸の一軒家である。築年数はかなり経っているようだが、
鮮やかな青い瓦屋根は、古さをあまり感じさせない。
そこから少し西に、弘輝の自宅──二日前、責められた家がある。
父親と初めてここを訪れたのは、まだ肌寒い春の日曜だった。眼下に広がる
山には、咲きはじめた桜も覗えて、新しい生活への不安もいくらか和らいだ。
その次に訪れたのは、初夏の陽気の漂う黄金週間だった。そのときは冬香も
一緒だった。彼女も、弘輝と同じように自分たちの家を指差していた。
「しまったなぁ……飲み物、買ってくるんだったよ」
弘輝が夏海の肩に手を回し、夏海はびくっと身を竦める。
確かに、喉が渇いていた。
「降りてコンビニでも行こうか」
「はい……」
「じゃあその前に……と」
「あっ……」
夏海は頷くと、弘輝は腕に力を籠めて、夏海の身体を抱き寄せた。
「ちょっと、いいことしよっか」
いやらしいことに違いない──夏海は即座に思った。
束の間忘れていた羞恥が、勢いを取り戻してゆく。
「夏海ちゃん……もっとエッチな格好、できるよね?」
「──っ!?」
弘輝の指が、夏海の肩を撫で──キャミソールのストラップと重なっていた
白いブラジャーのそれに、彼の指がかけられた。
「あっ、やだ……」
身をよじって逃れようとするが、彼に正面から抱きすくめられてしまう。
大きな乳房が弘輝に押し付けられ、彼の体温が伝わってくる。
鼓動まで響いてくるようだった。
「いい子にしてたら、乱暴にはしないよ……ね?」
──やっぱり、やっぱりそうなんだ……。
弘輝の片腕は、しっかりと夏海の細い腰を抱え込んでいる。
もう片方の指が、ブラのストラップをずらして腕に落としてしまう。
「だいじょうぶ……誰も見てないし、裸にするわけじゃない」
「やっ、あぅっ……」
弘輝の指は、反対側の肩紐も外してしまうと、夏海の背中へと回される。
夏海には、震えて身を強張らせることしかできなかった。
弘輝の指は、キャミの上から、いともあっさりとホックを外してしまった。
垂れたストラップから腕が抜かれた。
抗おうと思えば抗えたかもしれない。
逃げようとすれば、逃げられないこともなかっただろう。
けれど、夏海は弘輝に抵抗せず、逃げ出しもしなかった。
「いい子だね、夏海ちゃん」
──いい子? 違う……わたしは、エッチな子……。
ブラジャーを身体に固定するものはすべて外されてしまった。
あとは、膨らみそのものと、外から押さえつけているキャミしかない。
「これって、一昨日のだよね? あの男……竹下、先生だっけ……」
弘輝の声はかすかに震えていた。
夏海が今日身に着けていたのは、二日前に竹下から受け取った下着だった。
夏海の大きな乳房には、家にある下着ではサイズが足りていないため、普段
から窮屈な思いをしていた。
この下着の着け心地は、比べ物にならないほどに快適だった。
今日、弘輝と会うために、どの下着を着けるか迷う必要はなかった。
だが、それだけではない──
竹下の与えてくれた下着に弘輝がどう反応するか──夏海自身、自覚しては
いなかったが、そんな気持ちがわずかながら働いていた。
相手を試すような──それは彼女の、女としての本能なのかもしれない。
「夏海ちゃんは、エッチな子だからな……」
弘輝はわずかな動揺を浮かべるが、夏海は気づかない。
相手の様子を覗うほどの余裕は、彼女にはなかった。
「あっ、やっ……!」
弘輝の手が、夏海のふっくらと膨らんだ胸元に侵入した。
びくっと震えた彼女に構わず、弘輝は汗ばんだ谷間の奥にまで指を伸ばす。
「こんなもの……要らないよな?」
「あぅっ!」
弘輝は指に力を籠め、彼女の膨らみごと持ち上げるように引っ張った。
カップが夏海の大きな双丘に引っかかり、それを持ち上げてしまう。
「ひっ、んぅ……」
弘輝は真っ白なブラジャーを強引に引き上げる。
「はぅっ……!」
キャミソールの中で、乳房がぷるんと大きく揺れた。
敏感な突起がこすれて、夏海はびくんと震えてしまう。
──ブラ……取られちゃった……!
キャミには裏当てがしてあり、小さな突起が浮き出ることはないだろう。
しかし、ブラの抱擁感は消え失せ、胸元が急に心細くなる。
身体が疼いていた。小さく震えながら、夏海はそれを意識してしまう。
「夏海ちゃん……恥ずかしい?」
「あぅ……」
弘輝は夏海に体温の残るブラジャーを持ったまま、彼女の身体から手を放し、
数歩下がった。
夏海は怯えた子犬のような顔で弘輝を上目遣いに見る。
「おっぱいの形、綺麗だよね……ブラしてなくても、ぜんぜん変わんない」
弘輝の言葉に夏海の羞恥が刺激され、胸を手で覆い隠す。
「花火のときも……ノーブラノーパンだったよね?」
「やだ……言わないで、ください……」
十日前──下着を着けずに浴衣を着ていた自分が思い出される。
昼間は友人たちと一緒だったから、羞恥も和らいだ。
だが、その夜──夏海は変わってしまった。
ふたりの男によって、変えられてしまったのだ。
「今日も……どう? ノーブラノーパンでデート……刺激的じゃない?」
「──っ!」
──そんなっ! そんな、エッチなこと……。
身体が熱いのは、気温の所為でも、照りつける陽射しの所為でもない。
それは夏海自身、痛いほどに解っていた。
弘輝の嗜虐的な瞳に、夏海の心が引き込まれてしまう。
──俺……もしかして、本気なのか……?
弘輝は、ちくちくと胸を刺す痛みにうろたえていた。
確かに夏海は、彼にとってこの上ないほどに魅力的な少女だった。
自分を満たしてくれる──彼女には、羞恥に恥らい、昂ぶってしまう性質が
備わっていることは明らかだし、幼いながらも大人の女性でも羨むほどの胸の
膨らみを持っている。
まだ中学生の幼い少女であるということだけが──
いや、それだけではない。それだけなら、躊躇いはしても、うろたえること
などなかっただろう。
彼女は学校の教師──自分と同じ性質を持っているらしき男にもてあそばれ、
弱みを握られている。彼女はその男から受けた恥辱に怯えていた。
なのに、どうして──
手にしたブラジャーをぎゅっと握り締める。
──嫌なんじゃないのかよ……。
男から与えられたという下着を、彼女は今日身に着けてきた。
これがどういう意味なのか──
──なんで俺と会うのに、あいつからもらったもん着けてくんだよ……。
弘輝は嫉妬している自分自身に、さらに苛立ってしまう。
夏海の手持ちの下着の中で、サイズの合うブラジャーがそれしかないことを
彼は知らない。
もし弘輝がそれを知っていれば、ここまで苛立つこともなかっただろうし、
うろたえることもなかっただろう。
そして、夏海に本気で惚れはじめている──そうも思わなかっただろう。
「下も脱ぎなよ……できるでしょ?」
うつむいて眼を伏せた彼女は、身体を小刻みに震わせている。
「夏海ちゃんは変態だから……変態で淫乱な子は、自分でできるよな?」
「あぅ……」
陽射しが肌を焼いている。汗が噴き出てくる。
黒いTシャツは失敗だったかもしれない──陽光は反射されずに吸収されて、
熱に変換される。
夏海も日光を浴びて、彼女の肌がいっそう白く眩しく感じられる。
「早くしないと……汗びっしょりになって、キャミ透けちゃうよ?」
夏海は上目遣いに弘輝を見て、再び視線を落とす。
「こ、ここで……ですか?」
彼女のセリフに、弘輝の背筋がぞくぞくと粟立つ。
「そうだよ、ここで……スカート捲って、パンツ脱ぐんだ」
「あぅっ……」
「ノーブラ、ノーパン……変態で淫乱な中学生にはぴったりだろ?」
「はぅっ、んぅ……」
夏海は怯えた眼を弘輝に向け──
「はい……」
腰を屈めてスカートに手をかけた。
自分の好みに合わせてくれたのか──下ろした髪がはらりと垂れる。
夏海の手がスカートを捲ってゆく。
膝上数センチほどの裾が、ゆっくりと持ち上げられてゆく。
ほっそりとした子供っぽい腿が露になってゆく。
「夏海ちゃんはいやらいし子だなぁ……自分でスカート捲ってる」
「やだ……うぅ」
「嫌じゃないでしょ? 嫌だったら、自分でそんなことしないよね」
「うぅっ……」
彼女の息が荒くなっている。
頬を赤く染め、身体を震わせながら、夏海はスカートを持ち上げる。
腿の中ほどまでが露になると、夏海はスカートの中に手を潜り込ませた。
「そう、いい子だ……あとはパンツを脱ぐだけ……簡単だろ?」
──俺も変態だ……こんな可愛い子に、こんなことさせて……。
弘輝の股間に、血液が凝縮してゆく。
二日前の夏海の話を聞いた限り、彼女はまだ──
処女を奪うことに、さほど思い入れがあるわけでもないが──
弘輝は、彼女のすべてを手に入れたいと思う。
「そう、いい子だ……あとはパンツを脱ぐだけ……簡単だろ?」
──わたし……変態、淫乱……中学生……。
夏海はスカートの中で、ショーツに指をかける。
ブラジャーとは違い、竹下から受け取ったものではない。
冬香たちと一緒に出かけたときに買った、お気に入りのショーツだった。
白地に淡いピンク色で猫の模様がプリントされ、フロントに小さなリボンが
飾られている可愛らしいデザインだ。腰の浅い、ヒップハングやローライズと
呼ばれるタイプである。
未成熟な秘処が熱く疼いている。
じわりと露がにじんで潤んでいるのが自分でも判る。
直接的な刺激を受けたわけでもないのに、夏海の身体は昂ぶっている。
羞恥が彼女を昂ぶらせてしまうのだ。
──変態だもん……エッチだもん……。
夏海はショーツの両サイドに指をかけ、ゆっくりとショーツを下ろしてゆく。
ショーツが下がると同時に、スカートの裾も下りてゆく。
華奢な腿を滑り、腰を屈めながら膝に到達すると、ショーツがスカートの下
から現れた。
「やらしいなぁ、夏海ちゃんは……自分でノーパンになっちゃうんだ?」
「あうっ……うぅ……」
弘輝の言葉に責められ、さらに淫らな気持ちがあふれる。
──ノーブラ、ノーパンなんて……。
恥ずかしい姿になってしまうのに、それを望んでいる自分が存在している。
クラスで一番背の低い夏海は、クラスで一番大きな乳房を持っている。
ショーツを脱ぎながら、前かがみになった自分の膨らみが眼に入る。
肩から胸元まで剥き出しになったキャミソールは、自分の胸の谷間の深さが
よく判る。
下ろした髪が穏やかな風に揺れて、頬をくすぐる。
「パンツ汚れちゃうから、サンダル脱ぐといいよ」
弘輝に言われ、サンダルを脱いでから片脚を上げ、ショーツを抜き取る。
ふらふらとよろめきながら、もう片方の脚からも抜き取ってしまう。
「いい子だ……自分でパンツ脱いじゃうなんて、ほんとにエッチだよ」
──脱いじゃった……自分で、ノーパンになっちゃった……。
身体を起こすと、弘輝が近づいてきて手を差し出した。
「パンツ、見せて」
「あぅっ……」
「もう濡れてるんじゃない?」
「あっ! あぅ……」
弘輝の手が、奪うようにショーツを取ってしまう。
恥ずかしくて顔を上げていられない。
「やっぱり濡れてる……」
「──っ!」
ちらりと眼を向けると、弘輝はショーツを広げてその部分を見ていた。
ちょうど彼の真上に太陽が輝いていて、眩しくてすぐに眼を伏せる。
「夏海ちゃんの愛液で濡れてるよ」
「あぅっ……」
下着には、いやらしい染みができていたのだろう。
「下は、先生がくれたやつじゃないんだね。可愛いパンツじゃん」
ショーツを凝視されている。しかも、淫らな露が染みている。
「子供っぽいけど……こういうほうが、夏海ちゃんには似合ってるな」
自分のお気に入りを褒められ、似合ってると言われれば、嫌ではない──
けれど、どう反応していいのかは判らない。恥ずかしいことに変わりはない。
「そうだ、いいこと思いついたよ……よし、そうしよう」
「え? あの……」
上目遣いに弘輝を見る。
陽光が網膜を焼くようで、眼を上げていられない。
「ま、もともと街に出ようと思ってたしね。そのついで……」
弘輝がにやりと笑ったのを、夏海は肌で感じていた。
車はもと来た道を戻ってゆく。
カーブを曲がるたびに、身体が左右に揺られ、大きな膨らみも揺れる。
薄い水色のキャミソールは、胸の大きさをまったく隠してくれない。
乳房の谷間をシートベルトが押さえつけていて、夏海の羞恥を掻き立てる。
スカートは捲り上げられ、太腿の付け根までが露になっている。
それどころか──
「スカートに染みたら困るよね?」
もっともらしいことを言った弘輝の手で、腰の後ろにまで捲られ──彼女の
未成熟の小さな尻が、シートに直接触れていた。
ゆったりしたフレアスカートは、腰周りを隠してくれてはいるが、心細さを
癒してはくれない。
ブラジャーもショーツも身に着けていない。キャミとスカートを取り去れば、
夏海は生まれたままの姿を曝すことになるのだ。
キャミソールの下で、小豆より小さな突起がきゅっと尖っている。胸の裏に
厚い布が当てられているため、浮き出ることはないが──
──こんなの、誰かに見られたら……。
車は自分たちの暮らす町へと戻ってゆく。
知り合いとすれ違わないとも限らない。信号で停止しているとき、すぐ横に
いないとも限らない。あられもない姿を見られてしまうかもしれない──
なのに、身体は熱く火照り、それを望んでいるかのように疼いている。
「俺、コンビニでバイトしてんだよ」
弘輝がハンドルを操りながら言う。
この町に、一軒だけあるコンビニエンスストアのことだろう──夏海もよく
利用する店である。
「いつもは深夜なんだけどね、たまに昼間とかも入っててさ……夏海ちゃんを
初めて見たのも、うちの店でね……六月ぐらいだったかなぁ」
夏海はちらりと弘輝を覗う。彼は正面に顔を向けたままだ。
「そんとき、可愛い子だなーって思ってね。それと……すげぇ胸だな、って」
「あぅ……」
夏海が怯えたように胸に腕を重ねると、弘輝はくすりと笑った。
相槌すら打てない夏海に、彼は一方的に話しかけていた。
自分が大学生であり、コンビニでアルバイトをしているということ。
今日も朝まで仕事をしていて、昼まで仮眠を取っていたこと。
朝のメールは職場から、昼のメールは起きてすぐ送ったこと。
二日前のあの午後は、バイトを控えていたため、彼女を満足させるだけで、
それ以上の行為には及ばなかったのだということ。
胸の大きな子が好きで、相手に羞恥を与える行為が好きだということ──
車は住宅地に入り、夏海たちの家のある方向へと進む。
「俺って変態でしょ……やっぱ、変態は嫌いかな?」
「え……」
言葉に詰まる──
──嫌いじゃ、ない……たぶん……。
「こんな変態野郎でも、好きになってくれる?」
外見や普段の性格であれば、弘輝はじゅうぶんにいい男だといえるだろう。
すらりと背が高く、顔立ちも整っている。冬香や千歳が見たら、イケメンだ
などと言って眼を輝かせるだろう。
「解りません……まだ、解りません」
嫌いなら彼の誘いを受けたりしない。淫らな行為にしたって、心の奥底から
嫌がっているのなら、大声を上げて泣き叫んで拒むだろう。そうでなくとも、
昂ぶって、達してしまったりはしないはずなのだ。
「まだ、ってことは……期待していいのかな?」
「……解りません。そんなの……解らないです」
夏海には、自分の気持ちが一番理解できない。
恥ずかしいことをされたり、恥ずかしい姿にされたりするのは嫌だ。
けれど、それを受け入れてしまっているのは事実だし、望んでもいる自分が
いるのもまた、確かだった。
「そっか……ダメだったら諦める……信じてもらえないかもしれないけどね」
「……はい」
夏海は顔を上げ、弘輝の横顔を見つめて、小さく頷いた。
気づけば、弘輝の仕事先であるコンビニエンスストアの近くまで来ていた。
──恥ずかしいよぉ……。
夏海は弘輝の財布を握り、震えながら路側帯をふらふらと歩いている。
クーラーの利いた車内とは別世界の、蒸し暑い澱んだ空気が満ちていた。
すぐ横を乗用車が走り去る。排気ガスと排熱の混じり合った不快な熱風が、
夏海の黒髪とスカートを揺らす。
夏海は今、キャミソールとスカートだけしか身に着けていない。
大きな胸を包むのは、淡い水色のキャミ一枚──ブラジャーを着けていない
ふたつの膨らみは、彼女の歩みに合わせてぷるぷると艶めかしく揺れている。
アイボリーのフレアミニスカートの下には、何も穿いていない。膝上までの
丈である。容易く捲れ上がってしまうことはないだろうが心細い。
弘輝の車は、コンビニから十メートルほど空き地に停車していた。
──ひどいよ……意地悪だよぉ……。
彼はどんな顔をしているのだろう。
弘輝の財布は黒い合皮でできていて、ほどよく使い込まれている。
夏海はそれをぎゅっと握り、羞恥と緊張に怯えながら歩いていた。
コンビニの前には駐車場があるし、まだ三台ぶんの空きスペースがあった。
「俺もさ、女の子連れてバイト先に行くのは、ちょっとね……」
彼はそう言っていたが、真の理由ぐらい夏海にも理解できた。
彼は夏海に羞恥を味わわせるために、離れた場所へ車を停め、彼女ひとりで
店に行き、ふたりぶんのドリンクを買ってくるよう言ったのだ。
夏海は弘輝の仕打ちに身を縮ませながら、ようやく店の前まで辿り着く。
──やだっ……!
と──ちょうど客がドアから出てきた。
夏海は咄嗟に顔を伏せたが、その三十台ぐらいの男性が自分をじろじろ見て
いるのは、疑うまでもなかった。
──やだっ……ダメだよ、エッチになっちゃダメだってばぁ……!
意識すればするほど、消すに消せない疼きが、身も心も掻き乱す。
山頂でブラを剥ぎ取られ、ショーツを脱ぎ、あられもない姿で車に揺られて
いるうちに、夏海の秘処はすっかり蜜をたたえていた。
「いっぱい濡れちゃって……夏海ちゃんは濡れやすい子なんだね」
車から降りるとき、弘輝はシートを指でなぞりながらそう言った。
──わたし……いっぱい濡れちゃう、エッチな子だよぉ……。
二日前──学校でクラスメイトの視線に昂ぶってしまい、竹下の前で淫汁を
滴り落としたことを思い出す。
こんな格好で店に入ることなど恥ずかしすぎる。
店員に見られてしまうし、客にも見られてしまう。
今すぐ走って逃げてしまいたい──自宅までは、歩いて十分もかからない。
それでも──
夏海は弘輝の言葉に従って、ドアに手をかけた。
ぐいと押し込むと、心地いい冷えた空気が頬を撫でた。
いらっしゃいませ、と店員の声──
自分以外にも数人の客がいて、商品を選びながら歩いている。
そのうちのふたりは明らかに自分に眼を向けていた。
肩が剥き出しのキャミなど、こんな田舎町であっても珍しくはない。
だが、その下にブラを着けていないとなると──
──気づかないで……お願い……。
夏海はうつむいたまま、足早にドリンクコーナーへ進んだ。
弘輝はさっぱりしたスポーツドリンクがいいと言っていた。
日本でもっとも売れているであろう銘柄のひとつを手に取る。
そのそばにあったミネラルウォーターを、自分用に掴んだ。
夏海の小さな手では、二本のペットボトルを片手で持つのは難儀だったが、
いまさら籠を取りに戻るのも躊躇われて、急いでレジへと──
「きゃっ──!」
「わあっ!」
身体の向きを変えた直後、すぐそばにいたらしい男性店員とぶつかった。
夏海はよろめき、脚がもつれ──
その場に、すとんと尻餅をついてしまった。
店員が運んでいたらしい段ボール箱が、軽い音を立てて床に落ちた。
夏海はわずかの間、思考が停止していた。
彼女の手にしていたペットボトルは、二本とも足元に転がっている。
握っていたはずの弘輝の財布の感触がない。
夏海は両手を尻の後ろに突いて身体を支えている。
右の膝は立っていて、左の足は床に投げ出されている。
床に触れている手のひらと臀部が、じんじんと痛みを訴えてくる。
「あっ……ごめっ、すみません!」
──わたし、ぶつかったんだ……。
頭上からかけられた声に、夏海は我に返った。
二十歳ぐらいだろう──店の外装と同じ、オレンジとグリーンのカラフルな
シャツを着た男性店員が、自分を覗き込んでぺこぺこと頭を下げていた。
店員は段ボール箱をひとつ抱えている。夏海のすぐ横にも箱が落ちている。
彼は箱を重ねて運んでいた所為で、自分が視界に入っていなかったのだろう。
自分が急に動きだしたから、ぶつかってしまったのだろう──
「あのっ、怪我、ない? ……ですか?」
「え? あ……はい……」
幸い、スナック菓子を詰めた軽い箱だったし、身体には当たらなかった。
だが、そんなことより──彼の大きく開かれた眼が向けられている先は──
──え……? えっ!? あぁっ! やだぁっ……!
夏海はかつてないほどの俊敏さで、立てていた膝を閉じ──
捲れ上がって、腿のつけ根まで露になっていたスカートを手で押さえた。
──見られた……? 見られちゃったっ……!?
腿がほとんど剥き出しになったスカート。夏海はショーツを穿いていない。
店内は明るく、眼の前で──
「申し訳ございません、お客様! だいじょうぶですか?」
別の店員が大声を上げて駆け寄ってくる。三十代中半ぐらいの女性だった。
「岡本君、何ぼーっと突っ立ってるの!? ほら、拾ってぇ!」
「あ、はいっ……!」
女性に怒鳴られ、若い店員は抱えていた段ボール箱を置くと、夏海の手から
落ちたペットボトルを拾った。
彼女の背後に落ちていた財布も拾い──
「あれ? これって……」
「ごめんなさいねぇ……だいじょうぶ? どこか、ぶつけたりしてない?」
女性は彼の声には反応せず、穏やかな口調で心配そうに夏海を覗き込んだ。
「いえ……あの、だいじょうぶです……」
「ほんとに? どこか痛くない? 立てる?」
「はい、すみません……」
夏海は、差し出された彼女の手を握る。
痛みはあるが、大したことはない。すぐに治まるだろう。
ぐいと引っ張られ、夏海はふらつきながら立ち上がる。
女性が夏海の尻をぱんぱんと優しくはたいてくれる──それが親切心からの
行為であると解っていても、身が縮み上がるほどの想いがした。
「あのぉ……」
「もう! 岡本君……落ちたの渡さないで! 新しいのに取り替えなさいよ」
「は、はいっ!」
青年は首を竦めて同じ商品を棚から取り出した。
──やだ……見られちゃったのかな……? わたしの、あそこ……。
彼の視線が痛かった。
──見ないでよぉ……お願い……。
財布とともに、二本のボトルを夏海に手渡すとき、彼は明らかに彼女の胸に
眼を向けていた。
「ちょっとぉ、ぼーっとしてないで、さっさと片づけなさいよ」
「はい、すみませんっ……」
女性に尻を叩かれ、彼は箱を再び抱えてバックルームへ去っていった。
「ほんとにもう……ごめんなさいねぇ」
周りにいた客も、何事かとこちらを見ていた。
いくつもの視線に曝され、消えてしまいそうなぐらいに恥ずかしかった。
眼を丸く見開いた若い男性店員の顔が、頭から離れなかった。
一秒でも早く、店から立ち去りたかった。
泣きたくなるほどに──身体が激しく疼いていた。
Part3、以上です。
また数字間違えました。
>>17は、3-3/11です、ごめんなさい。
続きはまた数日後に……。
数日と言わず今すぐにでも
無茶を言うw
ていうか早い!
GJ!
この量と質を維持して、このスピードは素直にすごいと思う
マジGJ!!
31 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:21:46 ID:pUm1/ut/
GJ!!
>>26 超乙
ところで盲目の男と露出が趣味の女の純愛を思いついたんだが
どうなんだろうこれは
自分が見えない分、人に見せてその反のを楽しむ、とか?
青姦をしてたら人に見つかっちゃって
女はすげぇ興奮するんだけど、男は気付いてない
という妄想が浮かんだ
それはちょっと読んでみたい気が……!
というわけでPart4投下します。13レス。
隣の市に向かう峠の道を、滑らかな流線型を描いた、黒いスポーツタイプの
軽自動車が走っている。
夏海は助手席で震えていた。
手には買ったばかりのミネラルウォーターのペットボトルを握っている。
よく冷えていて、渇いた喉を潤してくれた。
しかし、身体の奥で燃え上がる炎を消してはくれなかった。
「夏海ちゃんはエッチだ……ほんとに、恥ずかしいのに感じちゃうんだね」
運転席の弘輝が軽い調子で夏海を責める。
「あぅっ……」
上はキャミソールただ一枚だけで、ブラジャーを着けていない。
大きな胸の谷間にシートベルトが食い込んでいて、彼女の膨らみの豊かさを
際立たせ、夏海に羞恥をもたらしている。
「乳首、勃ってるよね?」
「うぅっ……」
弘輝の言うとおり、キャミの下では、可愛らしい突起が縮み上がっている。
──ダメ……気持ちいいよぉ……。
車が揺れるたびに、生地とこすれて快感を訴えてくる。
──恥ずかしいのに……エッチだよぉ……。
アイボリーのゆったりしたフレアミニスカートは、腿の付け根まで捲られて
いて、細く華奢な白い脚が露になっている。
「もう、濡れすぎてるんじゃない?」
「あうっ! うぅ……」
彼の言葉どおり──シートに直接触れた夏海の幼い秘裂からは、とろとろと
蜜があふれ出してシートを濡らしていた。
──わたし……ほんとに、おかしくなっちゃう……。
ほんの数分前──
夏海はドリンクを買いに入ったコンビニエンスストアで、店員とぶつかって
尻餅をついてしまった。
手のひらと尻の痛みは、もうだいぶ治まっている。
だが、そのとき覚えた羞恥は夏海の心を激しく揺さぶり、彼女に強い官能を
湧き立たせていた。
その前から、ずっと夏海は羞恥に蝕まれていた。
夏期講習の最終日を終えて、一度帰宅してシャワーで汗を流し、彼女なりの
精一杯のおしゃれをして、弘輝に会いに家を出た。
そして──駐車場で上着を脱がされ、山頂の広場で下着まで脱がされた。
ブラジャーもショーツも着けず、キャミとミニスカートだけという姿で店に
入った夏海は、店員とぶつかり、尻餅をつき──
スカートは、脚のつけ根まで捲れてしまっていた。
すぐ前にいた店員は、眼を丸くしてそこを凝視していたのだ。
「見られちゃったかもね……今度、訊いてみよう」
「──っ!」
その店は弘輝のバイト先である。
岡本と呼ばれていた冴えない風体の男性店員は、彼の同僚なのだ。
「訊くまでもないかな……きっとあいつから俺に言ってくるよ。いや、俺だけ
じゃないだろね。他のやつにも話すだろうなぁ」
「そんなっ……!」
もし彼が、自分が下着を着けていないことに気づいていたら──自分の剥き
出しの秘処を見られてしまっていたら──
「店中のやつに知られちゃうな……店だけじゃないよ。その友達とか知り合い
とかだって……家族に話すやつも出てくるだろうし」
「やだっ……言わないで、くださいっ……!」
「夏海ちゃんのこと、町中の人に知られちゃうかもね」
「やだぁ……そんなの……」
弘輝は自分の羞恥を刺激するために、そんなことを言うのだ。
夏海はじゅうぶんすぎるほどに理解していた。
自分を恥ずかしがらせ、淫らな欲望を燃え上がらせる──彼はそんな行為に
興奮する変態男なのだ。
しかし、うつむいたままの夏海は、彼の眼に浮かんだ動揺に気づかなかった。
──くそっ……まずかったなぁ……。
弘輝は夏海を言葉で責めながら、内心自分の軽率さを悔やんでいた。
ひとりで行かせたのは失敗だった──
ペットボトルを入れた袋を手に戻ってきた夏海は、泣きそうな顔をしていた。
彼女に店での様子を尋ねると、夏海は鼻をすすりながらぽそぽそと答えた。
──あいつ……マジで見たのか絶対吐かせてやる。
弘輝とはひとつ違いで、小中学校での後輩である岡本陽一は、バイト先でも
彼の後輩だった。
高校は別で、今年の春に卒業したそうだが、受験に失敗して浪人生──受験
勉強のかたわら、社会勉強と小遣い稼ぎのアルバイトだと聞いている。
同じ町の住人だが、家は近くないし、親しいわけでもない。シフトもあまり
重ならないため、会話する機会は少なかった。
──こんなことなら、一緒に行くんだった。
陽一が彼女の恥ずかしいところを見てしまったのかどうかは判らない。
もしそうだとすれば、それは弘輝にとっては誤算もいいところだ。
彼は夏海に心を奪われはじめている。
自分だけのものにしたいと思っていた。
彼は相手に羞恥を味わわせて快楽を覚える性癖を持っているが、といって、
心惹かれる相手の肌を、無節操に曝させるような男でもない。
見られてしまうかもしれない、だが、見せてしまうわけではない──そんな
ギリギリのラインが、彼のもっとも好むところである。
自分が一緒なら、陽一と夏海がぶつかることもなかっただろう。
大学生の自分が、中学生の少女を連れてバイト先に行くなど、体面が悪くて
やれたものではない。それに、彼女がひとりで羞恥に震える姿を想像しながら
待つのも悪くない──そう考えてしまったのは、失敗だった。
──ほんとに、見られたのか……?
スカートの中までは見られていないかもしれない。
だが、ブラを着けていないことぐらいは気づいただろう。
彼が夏海に興味を持ってしまったら──
──っつか、馬鹿だな俺……。
溜息がもれた。
自分と夏海は、つきあっているわけではない。
すでに特別な関係であるかのように考えてしまっている自分に苦笑する。
特別といえば特別な関係ではあるのだろうが──
──それほど気に入ってるってことなんかね……。
車は峠を超えて、隣の市へと入っていた。
ふたりはしばらくの間、無言だった。
左右にくねる長い坂を下りきると、視界は急に開けて、田畑の並ぶ平地へと
道が続いている。
ローカル鉄道の線路を横に見ながら、まばらな商店街を抜ける。
量販店やパチンコ店、自動車教習所などが並ぶ辺りを過ぎて、川に架かった
橋を渡る。
このまま道なりにまっすぐ走れば、十五分ほどで市の中心部へ到達する。
その前に、どこかで昼食を摂るつもりでいた。
──夏海ちゃん、か……こんなエロいのに、中学生なんだよな……。
弘輝はちらりと夏海を覗う──と、眼が合った。
夏海は潤んだ眼を弘輝に向けていたが、すぐに顔を伏せてしまう。
艶やかな黒髪が、朱に染まった頬を隠す。
彼女はうつむいたまま、ペットボトルを握って小刻みに震えていた。
ちらちらと横目で弘輝を見ながら、もじもじと膝をすり合わせている。
「どうしたの?」
「あ、ぅ……あの……」
夏海はぽそぽそと消えそうな声で言った。
「えと……と、トイレ……行きたいです……」
弘輝は思わず笑ってしまった。
学生は夏休み、社会人も盆休み──昼食にはやや遅い時間だったが、付近の
飲食店は、どこも混雑していた。
「どうしよう……ここもいっぱいかぁ」
弘輝は駐車場の前で車を停止させたが、再びアクセルを踏み込んだ。
「あぅ……うぅ……」
──おしっこ……もれちゃう……。
夏海は身を縮ませて震えていた。
エアコンの風が直に当たり、表皮が冷えている。
下着を着けていない所為もあり、尿意を過剰に意識してしまう。
「どっかで、トイレ使わせてもらおうか?」
「うぅ……でも……」
「俺は待ってても構わないし……なんなら、外でする?」
「えぇっ!?」
まったく予想外の言葉に、夏海は泣きそうになってしまう。
「そんなっ……無理です……」
「いや、冗談だってば……」
この辺りは開けていて、陰になるような場所もない。
中学生にもなって、人目に触れる屋外で用を足すなど──そんな恥ずかしい
ことが、できるわけもなかった。
「おしっこ……だよね?」
「あぅっ……」
確かに夏海が今覚えているのは尿意だが、そうだと頷くのも恥ずかしい。
トイレに行きたいと告げることですら恥ずかしかったのに──
「おしっこなら、ペットボトルに出せばいいよ」
「──っ!?」
考えもつかない言葉に、夏海は粗相をしてしまいそうだった。
「そんなのっ……もっと無理ですっ……!」
「いやいや、ごめんごめん、冗談だって、ほんと……」
夏海は眉を寄せて怨めしげに弘輝を睨み付けた。
眼に涙が浮かんでいるのが自分でも判った。
「ごめん、ほんとに……ごめんね、夏海ちゃん」
「うぅっ……ひどいです……」
口を尖らせて眼を伏せる。
──そんなの……恥ずかしすぎるよぉ……。
弘輝の言葉の光景を想像してしまう。
幼い子供のように股を広げ──二日前の昼、竹下にさせられたような格好で、
ペットボトルをあてがい、用を足す──
──やだ、わたし……。
尿をこらえている所為で、冷や汗がじわじわとにじんでいた。
スカートの腰の辺りがしっとりしている。
剥き出しになり、シートに触れているその部分が、ひくひくと疼いている。
──弘輝さんの、横で……おしっこなんて……。
用を足している姿を見られる自分を想像し、昂ぶってしまう。
もっとずっと子供の頃ならいざしらず、今はもう中学生なのだ。
身体つきはまだまだ子供っぽいが、乳房は大きすぎるほどに膨らんでいるし、
精神的にも思春期を迎えていて、性を意識し、異性を意識し、羞恥を──
──恥ずかしいのに、感じちゃう……エッチな子……。
竹下と弘輝に何度も言われた言葉が夏海の心を刺す。
彼らの言葉は、催眠術のように夏海を変貌させていた。
「もうちょっと我慢できる?」
赤信号で車を停めて、弘輝は夏海を覗う。
「あぅ……解りません」
「もうちょっと先にコンビニあったし……そこでトイレ借りよう」
「はい……お願い、します……」
クーラーの冷気が身体を冷やし、尿意を抑えるのがつらかった。
また他人の眼に触れる場所に出なければならないのに、下着を着けていない
ことなど気にならないぐらいに、限界が近づいていた。
ほんの少し──尿をするところを、彼に見られたいと思ってしまった。
「俺、車で待ってるから」
片手を上げた弘輝に、夏海はこくりと頷き、早足でトイレに入った。
和式の便器をまたいでスカートを捲る──ショーツは穿いていない。
しゃがんだ瞬間に、しゃあーっと音を立てて勢いよく尿が噴き出した。
──よかった、間に合った……あっ、音……。
あわてて水洗レバーを倒し、水を流す。
「ふぅ……」
ショーツを穿いていたら、脱ぐのが間に合わなかったかもしれない。
店内に客は多かった。
店員は、明らかに自分の胸に眼を向けていた。
ブラジャーを着けていないことは、きっと気づかれただろう。
視線を下げればすぐそこに、深い谷間が見える。
手のひらを重ねる──羞恥に昂ぶっていた身体が、びくんと震えた。
──気持ちいい……。
溜まっていた老廃物を排出し終え、夏海はロールペーパーに手を伸ばす。
「──っ!?」
悲鳴が上がりそうになってしまった。
ホルダーにはペーパーが収まっている。
──えぇっ!? やだっ……なにこれ……?
だが、それはぐっしょりと濡れていた。
ふと気づく──足元や壁が、びっしょりと水浸しになっている。
誰かが悪戯したのだろうか。
または、掃除中に誤って水を飛び散らせてしまったのかもしれない。
──そんなぁ……。
先ほど、自分の町のコンビニで恥ずかしい目に遭ったばかりだというのに、
この店でもハプニングに見舞われてしまった。
きっと今日は厄日なのだ。コンビニは鬼門なのだろう──信心深いわけでも
ないが、夏海はそう思わずにいられなかった。
どうしたらいいのだろう──
ペーパーは芯まで水がしみこんでいるようだ。
引き出そうとするが、すぐに千切れてしまう。
蜜をたたえて潤んだ秘処を拭おうと思っていたのに、紙がなければできない。
ポケットティッシュはいつも持ち歩いているが、残念ながら、それを入れた
ポーチは車の中に置いてきてしまった。
ハンカチならスカートのポケットにあるが、直に拭くのは躊躇われる。
もちろんこのままでは出られない。尿が付着したまま、ショーツも着けずに
車に乗るなんて──外を歩くなんて考えられない。
──そうだ……指で拭いて、洗えば……。
夏海は右手の指をそこへ伸ばした。
恥ずかしいところ、汚いところ──気持ちいいところ。
「んっ……」
刺激にびくっと弾み、吐息がもれた。
そこは思っていた以上に、ぐっしょりと潤んでいた。
指先から感じるぬめりには、愛液だけでなく、尿も混じっている。
「ん……はぅっ」
ぴたりと閉じた裂け目をなぞるだけで、身体は反応してしまう。
汚れを拭うためだからと自分に言い聞かせながら、秘裂に指を沈ませる。
熱く火照った身体が、もっと強い刺激を求めている。
──わたし……おしっこして、コンビニで……ひとりで……。
二日前は、学校のトイレで、欲望に飲み込まれかけてしまった。
今日もまたあのときのように──
──ダメっ、そんなのダメだってば……!
雑念を払うように頭を振る。
指にいやらしい露がぬるぬると絡みついている。
夏海は震えながら左手を伸ばし、レバーを倒して再び水を流した。
ふらふらと立ち上がり、粘つく指を洗う。
股の間はまだ潤んでいる。このまま外に出るわけにはいかない。
ハンカチで水気を取ってから、再び秘処を指で拭った。
拭いても拭いても蜜があふれてしまい、きりがなかった。
コンビニを出て、少し走ったところにあるイタリアンレストラン──
イタリアの田舎をイメージしたのであろう落ち着いた内装と、入り口からも
見える大きな石窯が印象的な、この辺りのちょっとした有名店である。
待たされることを覚悟して入ったが、幸いにも五分と経たずに案内された。
「どう? 夏海ちゃん……」
「……ん、美味しいです」
弘輝はシーフードたっぷりのマリナーラ、夏海はシンプルなマルゲリータを
注文した。
奢りだからなんでも頼んで、と弘輝が言ったおかげで、夏海は逆に恐縮して
一番安いものを注文してしまったのだ。
「でも……こんなに、食べれないです」
「あれ、なんか食べてきたの?」
もともと一緒に食事をする予定だった。弘輝は首を傾げる。
「いえ……ちょっと、多いです……」
夏海は慌てて首を振り、上目遣いに弘輝をみながら言った。
「えっ? そんな大した量じゃ……」
言った直後、弘輝はなるほどという顔で笑った。
「いつも、あんまり食べないの?」
夏海はこくんと頷いた。
弘輝にしてみれば物足りないぐらいの分量だが、普段から小食な夏海には、
じゅうぶんすぎるほどに多く感じられた。
「この半分でも、いいです」
「えぇ? それは少なすぎだって……」
弘輝は呆れたように笑う。
「すみません……」
「いや、謝ることじゃないよ。あまったら、俺が食べるから気にしないで」
夏海はしばし弘輝を見つめてから、眼を伏せて頷いた。
──ほんとに、美味しい……でも……。
弘輝がおすすめの店だと言っていただけあり、ここのピザは絶品だった。
モツァレラチーズの濃厚な味わいと、トマトのすっきりした酸味がバランス
よく調和している。
けれど──落ち着いて味わえるだけの心の余裕は、夏海にはなかった。
下着を着けていないのは大きい。
大きな胸はキャミソール一枚にしか守られていないし、剥き出しの尻が直に
椅子に触れている。
もうずっとそんな格好でいる彼女は、身体中が疼いて肌が上気している。
それよりも──こんなふうに、出会って間もない男性とふたりきりで食事を
したことなど、デートの経験など、一度もないのだ。
周りには家族連れも何組かいるが、それ以上に、カップルの姿が目立つ。
自分たちもそう見えるのだろうか──
恋人同士にしては歳が離れすぎている。歳の離れた兄妹か、従兄妹のように
思われているのだろうか。
──お兄ちゃん、か……。
もし自分たちが、あんな出会いかたをしていなければ、彼に対する印象は、
全然別のものになっていただろう。
二日前の午後、彼の家に招かれたとき、あんなことをされなければ──
「──でさぁ、そいつがね……夏海ちゃん?」
名を呼ばれ、ふと我に返った。
彼が話しかけてくれていたのに、まったく頭に入っていなかった。
「あ、すみません……ぼうっとしてて……」
「いいよ、気にしないで。大した話じゃないし」
気を悪くしただろうか──
冬香にもよく言われる──夏海はいつもぼうっとしている、と。
相手が話していても、少しでも他のことを考えると、意識がそちらに向いて
しまい、相手の声が耳に入らなくなることがしばしばあった。
直そうと思うのだが、なかなか直らない──自分の短所のひとつだ。
──恋人、かぁ……。
自分たちの関係を表す言葉ではない。少なくとも、今はまだ──
椅子に触れた秘処から、とろとろと蜜があふれている。
食事を終えたふたりは、店を出て車に乗り込んだ。
結局、夏海はピザを半分も食べることができなかった。弘輝がマリナーラを
ひと切れくれたこともあるのだろうが、もともと小食であるし、羞恥と緊張の
所為で、食が進まなかったのだ。
残りはすべて弘輝が平らげ、それでもまだ入ると彼は笑っていたが、夏海は
申し訳なく思ってしまった。
店から出て少し行ったところから、道は上り坂になり、鬱蒼と茂った木々に
囲まれた斜面を抜けると、市の中心部まで続く平坦な台地の上に出た。
左右には畑が広がっていて、民家や商店がまばらに並んでいる。
視界を遮るものが少なく、空が広い。夏海が育った街とは大違いだ。
ほとんどまっすぐの道を走り続けると、じょじょに建築物の数は増えてゆき、
マンションなどもちらほらと覗えるようになる。
道路の両側には幅の広い歩道も現れ、松の並木が植えられていた。
店でもそうだったが、車に揺られている間も、弘輝がほとんど一方的に話し
かけて、夏海が控えめに頷くだけという、落ち着かない時間が続いていた。
彼の話が途切れると、夏海は沈黙に息苦しさを感じてしまう。
親しい友人といるときなら、多少の沈黙が続いても、そうはならない。
──つまんないよね、わたしみたいな子、相手にして……。
内気で口下手、社交性に乏しい自分といる弘輝に、申し訳なく思う。
話かけられてもうまく受け答えできないし、自ら話を振ることもできない。
彼にはまだ親しみを覚えてはいない。
出会ったのはわずか十日前だし、夏海は彼の名前も顔も判らなかった。
二日前の朝に初めて言葉を交わし、その午後──
──いきなり、エッチなことされて……エッチになって……。
彼とは、それだけの関係なのだ。
下着を着けていない胸が、車の振動に合わせてぷるぷると揺れる。
羞恥に曝され続けた身体は、ずっと熱を帯びて疼いている。
未熟な秘処は、じくじくと刺激を求めている。
いっそのこと、淫らな話でも振ってくれたほうが、居たたまれない気持ちに
ならなくて済むのかもしれない。
けれど、そんなことを自分から求めることはできない──
──難しいな……中学生の女の子って、どんな話が好きなんだ……?
アーティスト、テレビ番組、映画──いろいろと話を振ってみたが、夏海の
反応はいまひとつだった。
テレビゲームをやるようには見えないし、仮にそうだとしても、彼の好きな
レースゲームやシューティング、格闘アクションなどは苦手だろう。
ファッションの話も振ってはみたが、彼自身、女性の服にはそれほど詳しい
わけではないし、それ以上に夏海は疎かった。
──なんか俺……馬鹿みたいだな。
七つも年下の少女に、つきあおうと言ってしまった。
最初は脅迫──祭りの夜に手に入れたネタで、彼女に迫ったのだ。
彼女は本心から抗っていたわけではないし、自分の責めを受け入れ、羞恥と
快楽に悶えて高みにまで達していた。
特殊な嗜好を満たしてくれる少女──自分好みの大きな乳房まで備えている
彼女を、確かに手に入れたいと思っている。
だが──
──あの男……先生って……マジでいるんだな、そういう教師……。
竹下も──いや、彼は弘輝以上に、夏海の弱みを握っている。
夏海は逆らえないだろう。
彼女を手に入れることなんて、できないのかもしれない──
突然耳に届いた轟音に眼を上げると、小型のジェット機が前方の空を滑って
いった。
T−4練習機──丸みを帯びた可愛らしいシルエットを持つ機体に、束の間
眼を奪われ、道路を横切る小さな陰に気づくのが遅れた。
「あっ──!」
夏海が小さな悲鳴を上げた。
「──っと!」
「ひゃっ!」
急な制動に身体がつんのめり、胸の谷間にシートベルトが食い込んだ。
「あっぶねぇ……」
眼の前を猫が横切り、弘輝がブレーキを思い切り踏み込んだのだ。
窓に顔を寄せて背後に眼を向けると、茶虎の猫が、歩道を飛ぶように駆けて、
家と家の隙間へ消えていった。
無事でよかったと胸を撫で下ろす。
「猫って、なんであんな危ないことすんだろなぁ?」
夏海にはその理由は解らない。
「人間より眼がいいんでしょ? 車が近づいてんのに、なんで渡るんだ……」
それなら知っていた。
「猫は……そんなに、眼はよくないらしいです」
「え、そうなの?」
弘輝は意外そうにちらりと夏海を見る。
夏海は顔を伏せてしまう。
「はい……遠くのものは、よく見えないんだそうです。動いてるものや、近い
ものとか、暗いところなら……人間の、何倍も……」
彼女の声は次第に小さくなっていった。
ゆっくりとブレーキが踏み込まれる──赤信号だ。
「へぇ、詳しいんだね」
「いえ、詳しくは……」
車が停まると、弘輝は感心した顔で夏海を見た。
「夏海ちゃんは猫が好きなの? その髪留めも猫だし……パンツも猫だった」
「あぅ……はい……」
「可愛いパンツだよね。自分で買ったの?」
「うぅ……」
自分が今それを穿いていないことを意識させられる。
弘輝が脱がしてしまったブラジャーと、夏海が自ら脱いだショーツは、後部
座席に置かれた弘輝のバッグに収められている。
会ったときまで着ていた上着も、隣に畳まれている。
「ね、これから下着買いに行こうよ」
「えっ……?」
「俺と会うとき専用の下着なんて、どう?」
「え……あぅ……」
──弘輝さんと……会うとき、専用……。
背筋に、ぞくっとした刺激が走った。
竹下や弘輝に、いやらしい言葉を言わされたとき、言ってしまったときの、
えもいわれぬ官能──
乳房を覆うキャミソールの生地が、今まで以上に感じられる。
腿と尻、秘処にも触れている合皮のシートの感触が、強く意識される。
スカートは脚の根元までしか覆っていない。ほとんど剥き出しになっていて、
膝を立てればそこが丸見えになってしまうだろう。
──見られちゃったのかな……。
町のコンビニエンスストアで尻餅をついてしまった。弘輝の同僚が眼を丸く
していた。
父親と最後に一緒に風呂に入ったのはいつだったか──それ以来誰の眼にも
触れたことのないそこは、竹下と弘輝に見られてしまった。
弘輝はまだ、竹下ほどには凝視していないが、同じことだ。
たっぷり潤んだそこを責められ、達してしまった。
今もそこはぐっしょりと濡れている。
シートにあふれた露が、車の振動の所為で尻の下にまで広がっている。
ピザを食べたレストランの椅子にも付着していた。周りの眼を気にしながら
拭き取りはしたが──自分の淫らな匂いが染みついてしまったのではないかと
不安になる。
弘輝の車のシートにも、いやらしい匂いが染みてしまっているかもしれない。
──専用の、下着……エッチな下着……。
背筋を官能が駆け抜けた。
とろとろと露があふれ出すのが感じられた。
「こんなのどう? 可愛いよ」
弘輝が手に持っているのは、白地に淡い色使いの花模様が染められている、
ふわりとしたチュニックだった。
薄手で、光に翳すと、うっすらと生地が透ける。
「あの……いいです、そんな……」
「いいのいいの。俺が買ってあげたいだけなんだから、ね?」
「でも……悪いです……」
ふたりはこの市で一番大きなショッピングモールに来ていた。
広大な敷地にいくつもの大きな建物が並び、ありとあらゆる店が集まって、
衣服だけでなく、書籍、家具、電化製品、ソフトなどなど、手に入らないもの
などないと思えるほどの規模である。
敷地はいくつかに区分けされ、建物の間を道路が走っていて、駐車場も複数
設けられている。
その中の、レディースファッションを扱う店が集まった建物にいた。
周りには若い女性がひしめいていて、自分と同じぐらいの少女もちらほらと
覗える。カップルで来ている者も多く、自分たちも同様に見られているのかと
思うと、むず痒いような気持ちになってしまう。
だが、そんなことよりも、下着を着けていないことのほうが余計に意識され、
夏海の心を掻き乱していた。
──気づかれちゃう……ブラしてないこと……。
店員に声をかけられはしないかと焦りが募る。
周りの客の視線も気になって、夏海はずっと物陰に隠れるように身を縮めて
歩いていた。
「ほら、夏海ちゃん」
「えっ、あぅ……」
弘輝がチュニックを持った手を伸ばし、夏海の身体の前に合わせる。
びくっと一歩下がるが、彼の手が鎖骨に触れた。
「ね、似合うでしょ?」
「あぅ……」
弘輝は夏海の肩に手を回すと、夏海の身体を近くにあった鏡に向けた。
彼が選んだ服は、確かに可愛いと思う。
襟が丸く大きく開いていて、胸の下の切り返しまでは、ボタンが三つ並んで
いる。そこから裾にかけてゆったり広がった、Aラインのシルエットである。
丈が少し長く感じられるのは、彼女の背が低い所為だろう。
落ち着いた可愛らしさがあり、地味な自分にも合うだろうと思う。
「でも……」
しかし、胸の下ですぼまったデザインというのは、胸が強調されてしまう。
それに、食事も奢ってもらって、服まで買ってもらうなど申し訳ない。
しかも、弘輝は下着まで買うと言っていたのだ。
「よし、決まり……これにしようか。じゃあ、これに合いそうな……」
服を持ったまま、弘輝が歩いてゆく。
夏海は慌ててあとを追いかける。
──恥ずかしいよぉ……。
周りの目がどうしても気になってしまう。
弘輝と自分の取り合わせは、それだけでも眼を引くだろう。
小学生ほどにしか背丈のない夏海だが、胸は大人も羨むほどに膨らんでいる。
きっともう、何人もが気づいているだろう。
胸は大きくとも、まだ子供なんだな、と苦笑しているのか、それとも──
──エッチな子って……思われてるのかな……。
店内は冷房が利いていて快適なのに、身体の火照りは治まるどころか、ます
ます強くなっていた。
あふれた蜜が零れて滴るのではないかと不安になる。
「夏海ちゃん……」
高い棚に囲まれた一角で、不意に弘輝が身体を寄せてきた。
夏海の腰に手が伸び──
「──っ!」
夏海は悲鳴を上げそうになった。
彼の手がスカートを捲り上げたのだ。
「恥ずかしい?」
弘輝は身体を寄せて密着させ、耳元で囁いた。
夏海のスカートは捲られて、小さな丸い尻が剥き出しになっていた。
「や……ダメです……」
夏海はか細い声で言うが、身体が硬直して動けなかった。
「だいじょうぶ、カメラにもミラーにも写ってないよ」
「あぅっ……」
──そんな問題じゃ……!
周りには何人もの客がいるのだ。いつこちらにやって来るか判らない。
そんなところで、自分は尻を丸出しにしている──
弘輝の手が尻に触れた。
柔らかな尻肉を撫でながら、下へと降りてゆく。
「あぅ、やっ……!」
夏海は脚を閉じて抗うが、彼女の腿は、指の侵入を防ぐには細すぎた。
「んっ──!」
触れられた瞬間、びくんと大きく身体が弾んだ。
「いっぱい濡れてる……零れちゃういそうだ」
「あぅっ……んぅっ!」
彼の指が、たっぷりと潤んだ裂け目を、ゆっくりと撫でる。
膝が揺れて倒れそうになるのを、弘輝のTシャツにしがみついてこらえる。
淫らな喘ぎを上げてしまいそうで、彼の胸に口を押しつける。
──こんなとこで、ダメなのにっ……!
ずっと浴びていた羞恥に、身体は疼き続けていたのだ。
淫らな気持ちが一気に昂ぶって、強い刺激を求めてしまっている。
彼の身体に触れて大きく潰れた乳房から、快感が湧き立ってくる。
彼の指に触れられている濡れた秘処が、もっと大きな快楽を望んでいる。
──見られちゃうよぉ、お尻……エッチなとこ……。
夏海の後ろには大きな棚があって、綺麗に畳まれたTシャツやカットソーが
並べられ、商品の隙間から向こう側が覗き見える。
棚の向こうに客がいれば、自分の尻を見られてしまうかもしれない。
そうでなくとも、自分たちのいる通路の人が現れれば、スカートを捲られて
いることも、秘処をまさぐられていることも明らかだ。
「気持ちいい?」
「んっ、うぅ……」
──気持ちいい……すごい、気持ちいい……。
身体がびくびくと震えてしまう。
濡れた秘裂に沿って撫でられている。もっとも敏感なところには触れられて
いない──それなのに、夏海は激しく反応してしまう。
柔らかな幼い秘処からとろとろと蜜があふれて、弘輝の指に絡んでゆく。
彼の黒いTシャツをぎゅっと握り、声がもれないよう口元に引き寄せる。
ずっと焦らされていた身体が、刺激を求めて──
「やっぱりエッチだなぁ、夏海ちゃんは……」
だが、弘輝はそう言って、指を離してしまう。
「あぅ……?」
スカートもふわりと戻り、何事もなかったかのように白い腿を覆い隠す。
──えっ……終わり……なの……?
刺激は唐突に消え、膨れ上がった欲望が、行き場をなくしてしまう。
夏海はしがみついたまま、おもちゃを取り上げられた子供のような顔をして、
弘輝を見上げた。
彼は嗜虐的に笑っていた。
「もしかして……もっとしてほしかったの?」
「あ、ぅっ……」
──ひどいよ……意地悪だよぉ……。
泣きそうな顔をした夏海の顔の前に、彼が指を差し出した。
「夏海ちゃんがエッチだから、汚れちゃった……舐めてよ」
「──っ!?」
二本の指には、ぬるりとした液体が絡みつき、つんとした匂いが鼻を衝く。
指が唇に触れた。
夏海は無意識に口を開いていた。
夏海は弘輝の指をしゃぶっている。
恍惚の表情を浮かべ、潤んだ瞳で、弘輝を見つめている。
そこには、自分の淫らな露がねっとりと絡みついていた。
塩気とも酸味ともつかぬ味──つんとした匂いが鼻腔を刺す。
全身がぞくぞくした。
敏感なところへの刺激は終わってしまったのに、身体は官能に震えていた。
「どう? 自分の味は……」
「んぅ……」
──わたしの、あそこの……エッチな味……。
彼の指に付着した自らの愛液を味わわされている。
そんなこと、今までしたこともなかった。
こんなところでさせられるなどとは、思ってもいなかった。
恥ずかしいのに──弘輝の嗜虐的な瞳から、眼が離せなくなっていた。
「ちゃんと舐めないと……できるよな?」
「んっ、んぅっ……」
彼の指が蠢いて、夏海の舌を撫でる。
口の中で唾液が淫液が混じり合い、くちゅりと音を立てる。
──すごいよぉ……これ、エッチだよ……やらしいよぉ……。
弘輝の指がゆっくりと口の中を這い回る。
女性のもっとも大切な部分を下の口と呼ぶことは、夏海も知っていた。
ならば、指で掻き回されている場所は、上の秘処ということなのか──
──そんなっ、恥ずかしい……。
恥ずかしいのに、抗うことができなくなっている。
夏海は秘処の中心──鮮やかなピンク色の蜜壷の中への刺激を知らない。
ひとりで耽ったとき、一度だけ指を入れてみたことはあったが、あまりにも
激しかった痛みに、今でもそこをいじるのを躊躇ってしまう。
竹下や弘輝の責めも、まだ彼女のその中へは及んでいない。
それでも、漠然としたイメージが、夏海の頭の中に浮かび上がる──
「んぐっ、ふぁ……んぅ」
──わたし……指で、中を……。
自分の膣内を責められているような気持ちになってしまう。
初めてその中をいじったのは、小学生のときだった。
今ならもう、指ぐらいなら受け入れて、感じられるかもしれない。
男のモノだって──
──あそこに、男の人の……おちんちん……。
二日前に学校で見た、竹下のグロテスクな怒張が思い出された。
先端から噴き出した白濁が、大きな乳房に降り注いだ。
──精液……精子……いっぱい、かけられちゃった……。
胸に浴びせられたねっとりとした感触が浮かび、ますます昂ぶってゆく。
敏感なところへの直接的な刺激を止められ、行き場を失っていた官能の波が、
指で掻き回されている口内へ、逆流する大河のように駆け昇ってくる。
──弘輝さんの……おちんちん……。
フェラチオ──男性器を口で愛撫する行為だという知識はあった。
指を男性器に見立ててしゃぶる──そこまでの知識は、夏海にはない。
だが、彼女は無意識に、艶めかしく舌を絡めてしまっている。
「エッチだなぁ……めちゃくちゃやらしいな、夏海ちゃん……」
「んぁ……うぅ……んっ!」
ぴちゃり、くちゅり、と艶めかしい音が口の中に響く。
彼の指に絡んでいた自らの愛液と、たっぷりあふれた唾液が交じり合って、
夏海の口を満たしていた。
──あそこ……下のお口も……上のお口も……いっぱいだよぉ……。
涎を垂らしてしまいそうで、こくりと喉を鳴らして飲み込んでしまう。
「もっと、気持ちよくなりたい?」
「あぅ……んぅ……」
弘輝の意地の悪いセリフに、夏海はうるうると眼を揺らす。
「でもまだ、買い物が残ってるよ? 終わってからね……」
弘輝が指をそっと口から抜くと、透明な糸がアーチを描いて消えた。
「ん、ぅ……はい……」
夏海は弘輝のTシャツをぎゅっと握り、こくんと頷く。
潤んだ瞳に、官能に焦がれる蠱惑的な光が揺れていた。
「これいいね、可愛いじゃん」
弘輝が、シンプルな淡い水色のブラジャーを指差す。
ふたりは、女性用下着を扱う店にいた。
色とりどりのさまざまな下着の並ぶ棚を見るのは恥ずかしい。
別の店だが、友人たちと行ったときも、夏海は顔を赤くしてうつむいていた。
「こっちもいいけど……サイズがないみたいだなぁ」
身体が熱い。
秘処が疼いていた。
夏海の心の奥に灯った火が燃え盛っていた。
弘輝の車に乗って駐車場を出てから、もう二時間近くが経過しているだろう。
その間、夏海はずっと恥ずかしい想いに揺さぶられ続けていた。
つい先ほどなど、店の中だというのに、とろとろになった秘処を撫でられ、
自分の蜜の絡んだ指を舐めさせられてしまったのだ。
弘輝に腕を組んでもらっていなければ、歩くこともままならない。
まだ知り合ったばかりの大学生の男と、夏海は腕を組んでいる。恋人同士の
ようなことをしている。
だがその男は、自分を恥ずかしい目に遭わせて喜ぶ卑しい男なのだ。
それなのに夏海は、自身の倍以上もの太さの弘輝の腕に、頼もしさを覚えて
いたし、その体温に心地よさを感じてもいた。
──わたし……おかしいよ……。
十日前には考えもつかなかった出来事が、夏海の身に次々に降りかかって、
彼女を急激に変化させていた。
自分の大きな膨らみが、彼の腕に押しつけられている。
ときどき彼は肘で押し返してくる。
──ダメだよぉ、気持ちよくなっちゃうのに……。
今も彼は、陳列された商品を反対の手で指差しながら、夏海の膨らみを肘で
押してきていた。
周りには店員も客もいるのに、そんなことおかまいなしと言わんばかりだ。
「いらっしゃいませー。何かお探しですか?」
若い女性店員がにっこりと笑いながら声をかけてくる。
夏海は弘輝の腕に絡んだ手に、ぎゅっと力を籠める。
「妹さんですか? 仲いいですね〜」
「いえ、彼女です」
「えっ──」
──彼女っ!? 彼女って……そんな……。
予想外の答えだったのだろう。店員は眼を見開いて絶句した。
夏海も怯えたように、彼の腕をさらに強く掴む。
「おかしいかな? 彼女、こう見えて高校生なんですよ」
「あ、えと……そうなんですかぁ」
彼女はどんな顔をしていいのか判らないのか、困惑の笑みを浮かべる。
弘輝の身長は飛び抜けて高いというわけではないが、ふたりは三十センチも
背が違う。夏海は幼い子供にしか──普通に考えれば、歳の離れた妹か、従妹
としか思えないだろう。
「子供っぽいって気にしてるんですよ。な、夏海?」
「えっ? あぅ……」
急に話を振られ、どう言えばいいのか解らずに口篭る。
「え、えっと……今日は、ブラをお探しですか? サイズはこちらになくても、
在庫のほうお調べいたしますので、仰って頂ければ……」
「まぁ、ブラも、パンツも……あと、エロい下着ってありますか?」
「えっ──!?」
──エロい、下着……!?
店員も夏海も、またもや絶句してしまう。
二日前の朝に見た、近所づきあいのいい好青年という顔。
自分の前で見せた、乱暴な獣のような顔。
店員に軽口を叩く彼は、そのどちらとも違っていた。
「ええと……その、セクシーなものでしたら、あちらのほうに……」
「いや、冗談ですって、ごめんごめん」
弘輝はくすくすと笑いながら、困り顔の店員に手を振った。
弘輝は今までにも何度か、この手の店に入ったことはあった。
とはいえ、彼もまだ二十歳の若い男である──女性用下着に囲まれて平静で
いるのは難しい。
だから、くだらない冗談を言って誤魔化していたのだ。
夏海はサイズを計測してもらうため、カーテンで仕切られたフィッティング
ルームへと連れられていった。
母親がおらず、友人に言うのも恥ずかしいからと、幼い頃から兄妹のような
間柄の自分に、従妹である彼女は相談してきた──店員には、もっともらしく
そう言っておいた。あまり納得したようには見えなかったが。
さすがに、ひとりで店内をうろうろするのは気が引けた。
──普通は彼女なんて思わないもんなぁ……。
どう見ても、歳が離れすぎている。夏海は、胸が大きくなければ、小学生に
見えるほどだ。
もっとも、中学生だと言っても奇異の眼で見られるだろうし、そもそも自分
たちは恋人というわけではない。
──それにしても……だいじょうぶかなぁ?
先ほどの様子では、彼女は相当に昂ぶっているはずだ。
秘処は彼が思っていた以上に濡れていたし、蜜の絡んだ指を唇に寄せると、
躊躇いを見せたものの、抗わずに口に含んで舌を絡めてきた。
弘輝も激しい興奮に見舞われていた。
すべてを──あらゆるしがらみを投げ捨てて、スカートを捲り上げ、キャミ
ソールを剥ぎ取って、彼女の身体を味わい尽くしたい衝動に駆られた。
──ほんとに、すごい子だな……。
夏海の言葉を信じるなら、彼女はあの十日前の夏祭りの夜、花火大会のとき
まで、こういった淫らな行為とはほとんど無縁だったのだ。
それなのに、おそらく数十分、一時間にも満たないであろう行為で開花した
性質は、一週間の熟成期間を置いて二日前に再び発現させられ、著しい変化を
彼女にもたらしてしまったようだ。
彼女の奥底に眠っていた性質は、弘輝がずっと求めていたものだった。
もちろん、性的な嗜好を抜きにしても、おっとりした可愛らしい顔立ちや、
全体的な幼さとは対照的な、大人も羨むほどの膨らみといった、外見的な部分
でも、そして、おとなしく内気そうな、放って置けない感じを抱かせるところ
なども、彼にはじゅうぶん魅力的に思える。
周りを見れば、ほとんどが女性客だが、カップルの姿も何組かある。
高校生ぐらいの少女と、大学生ぐらいの男が一緒に歩いている。社会人では
ないかと思う男と歩いている少女もいる。
「ふぅ……」
煙草が吸いたかった。
弘輝はそれなりにもてる。
背丈も平均以上だし、すらりと細い身体つきで、顔立ちもすっきりと整って
いる。さらさらとした長めの髪は、栗色に染められている。
普段は穏やかで人当たりもよく、性別を問わず友人は多い。
彼は自分から異性にアプローチをかけたことはほとんどない。
いつの間にか親しくなっていて、ふと気がつけば、あのふたりはつきあって
いると周りから噂され、当人たちもそう思うようになっている──そんな関係
ばかりだった
彼は本来、あまり積極的な性格ではない。幼い頃は人見知りの激しい内気な
少年だった。
だからなのだろう、派手なタイプの異性にはあまり惹かれない。
おとなしめで、どちらかといえば地味な子のほうが好きだった。
だが、関係は長くは続かない。彼の嗜好の所為だ。
身体を重ねるほどに親密になると、彼はつい相手の気持ちを考えず、自分の
欲望を満たそうとして暴走してしまう悪癖があった。
直そうとは思っているのだが、なかなか直るものでもないらしい。
──夏海ちゃん、か……。
彼女との歳の差がもう少し狭ければ、せめて彼女が高校一年生ならば、まだ
よかったのかもしれない──だとしても、法には触れるのだろうが。
背負ったバッグから煙草を取り出そうと思ったところに、店員に連れられて
夏海が試着室から出てきた。
──わたし、エッチだよぉ……。
羞恥に昂ぶってしまう自分が悔しかった。
二日前、弘輝にブラのサイズを見られ、自分の膨らみの大きさを改めて意識
させられたばかりだというのに──
店員が告げたサイズは、さらに上のカップだった。
計測されている間、夏海は羞恥に怯えていた。
相手は手馴れた女性店員であるとはいえ、見ず知らずの他人に胸のサイズを
測られたのだ。
キャミソールがきついから正確に測れないと言われ、脱がされそうになって
しまった。夏海が戸惑っていると、店員はしかたないという顔でそのまま測る
ことにしたのだが──
大きな膨らみにちょこんと乗った小さな突起は、もうずっと尖ったままだ。
生地にこすれて、焦らされるような快感がずっと続いていたのだ。
メジャーが当てられたときは、身体が反応してしまった。
店員は弘輝のように意地悪な言葉を言いはしなかったが、感じているのだと
思われたのは疑いようがない。
淫らになっているのだと思われていそうで、夏海はずっと顔を伏せていた。
「お待たせいたしました、お客様」
夏海とともにカーテンから出た店員が、弘輝を呼んだ。
店舗と店舗を区切る通路に出ていた弘輝が足早に戻ってくる。
夏海はうつむいて耳まで真っ赤になっていた。
「アンダー65の、EかFで合わせてみて、装着感のいいほうをお選びになると
いいと思いますよ」
「どうも……」
弘輝は震える夏海の肩に手を置く。
夏海はうつむいたまま、彼のTシャツをぎゅっと握った。
まだ親しいわけではないはずの彼に縋ってしまう自分自身に驚く。
「つか、Fカップですか」
「ええ。まだ中学生でしょう? 羨ましいですねー」
計測してくれた店員の胸の膨らみは、夏海と比べるまでもなく控えめだ。
冬香と同じぐらいだろうか──自分もその程度でじゅうぶんだと夏海は思う。
もう少し大人になれば、大きい方がいいと思うようになるのだろうか。
この胸のおかげで、いつも恥ずかしい想いをしている。
恥ずかしいのは嫌なはずなのだ。そんな気持ちになりたくなどない。
なのに、羞恥がもたらす愉悦に惹かれてしまう。
淫らに昂ぶって、身体を火照らせ、敏感なところを刺激されたい──達して
しまいたいと思ってしまう。
弘輝と店員が何か話をしていたが、耳に入らなかった。
大きな膨らみとは対照的な小さな乳首が、硬く尖って刺激を求めている。
ショーツに覆われていない秘処が、熱く潤んで刺激を求めている。
「夏海ちゃんって、フランス国歌好きなの? 携帯に使ってたよね」
名前を呼ばれてやっと周りを意識できた。
世界の国旗をモチーフにした、コケティッシュな下着が眼に入る。
「俺も好きなんだよ……花火のとき、携帯鳴ったでしょ?」
「あぅっ……!」
ラ・マルセイエーズ──十六世紀末に生まれ、フランス国歌として歌われて
いる曲だ。夏海はこの曲の軽快なテンポと勇壮なメロディが好きだった。
夏祭りの夜、竹下に責められているときに携帯電話が鳴ったのだ。
冬香からのメールだったが、夏海が隣の男──弘輝が自分のカメラを向けて
いることに気づいたのは、それから少し経ってからだった。
「あれのおかげで、俺は夏海ちゃんと知り合えたってわけだ」
弘輝は笑いながら、フランスの国旗と同じ青白赤の三色のブラを指差した。
「でも、これはちょっと……変だよなぁ」
夏海はこくんと頷いた。
あのとき、メールが来なければ、弘輝は自分の痴態に気づかなかったのかも
しれない。
彼が気づいていなければ、こんなふうに出かけることもなかっただろう。
それがいいことなのか悪いことなのか、夏海は判らなくなっていた。
恥ずかしいことをさせられているというのに──
心の奥底に、それを求め、悦んでいる自分がいた。
今回はここまで。
つぎはPart5、三話のラストです。
おおっ、待ってました!GJ!
夏海も羞恥に悶えつつじわじわとエロくなってるし、
相変わらずいい感じに俺的直球ど真ん中だ。
だんだん、竹下と弘輝の嗜好もそれぞれ個性がでてきてるし続きにも期待。
次も頑張ってください!楽しみに待ってます
夏海が可愛いなあ
だんだん開花してく過程もいい
タガ外しちゃってくれ!
プロですか?
保守
55 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 14:42:37 ID:Q3Yte1D3
文豪乙
Part5投下します。
建物から出ると、陽はだいぶ傾いて、風が少し出ていた。
気温も多少下がってきたようだが、冷房の温度に慣れた身体には、まだまだ
蒸し暑く感じられる。
夏海はあのあと、セクシーな下着が陳列された一角にも連れて行かれたが、
恥ずかしすぎて顔を上げていられなかった。
ずっと弘輝のTシャツを握ったままだった。
自分にひどいことをする男なのに、彼に縋っていなければ、立っていること
すら叶わない。
彼がいなければ、自分はこんな恥ずかしい想いをすることはなかった。
けれど今は、彼がそばにいることで、わずかに羞恥が安らぐのだ。
彼から離れられない。
インナーショップでは、飾り気の少ない白いブラと、淡いピンクの地に白い
レースが飾られた、大人っぽいブラを買った。
「あ、そうだ。ちょっとこれお願い」
そう言って、弘輝は手にしていた洋服と下着の入った袋を夏海に手渡す。
夏海は両手で受け取り、彼を見上げる。
「煙草吸ってくるから、ここで待っててくれる?」
「えっ……」
「灰皿、あそこにあるんだよ」
弘輝が指差したのは、車を止めてある場所から遠ざかるほうだった。
といっても、十五メートルほどだ。
「そこ、座って待ってて」
「あっ、あぅっ……」
そばのベンチを指差すと、夏海が止める間もなく、彼は早足で去っていった。
──座れって……無理だよぉ……。
下着に包まれていない大切なところは、ぐっしょりと潤んでいるのだ。
心もとない姿のまま、取り残されてしまった。
彼の背中が遠ざかるにつれて、不安が増してゆく。
彼を追いかけるにしても、ひとりでは歩けないほどにふらついている。
周りの人々を気にしてしまう。
いきなり胸を鷲掴みにされたらどうしよう。スカートを捲られたら──
そんな恥ずかしい想像をしてしまう。
ここが自分の家なら、自室なら、ベッドの上なら──
間違いなく、熱く潤んだ秘処へと指を伸ばしていただろう。乳房に手を重ね、
大きさを確かめるように揉みながら、指先で突起を責める。股を広げ、潤みを
指に絡めて、快楽の雌蕊を刺激する──
──やだ……ダメ、エッチなこと考えちゃ……。
自らの妄想に、さらに昂ぶってしまう。
彼は灰皿の前で煙草を吸っている。もう少し待てば戻ってくる。
──弘輝さんの意地悪……早く戻ってきてよぉ……。
彼はきっと、自分がいやらしいことを考えているのも解っているのだろう。
これも彼の調教なのかもしれない──自分に恥ずかしい想いをさせ、淫らに
昂ぶらせて、もっと恥ずかしい想いをさせられるのに違いない。
そんな手に乗ってはいけない──
だが、そう思う一方で、彼に身を任せてしまいたいという気持ちも強い。
ついさっき、店内で秘処を撫でられた所為もある。
抑えきれないほどの激しい昂ぶりが、夏海の身も心も震わせていた。
スカートの中は恥ずかしい露の匂いが充満しているだろう。
ひくひくと震えるたびに、そこから熱い蜜があふれ出している。
このままでは、地面に滴り落ちてしまうのではないか──
──弘輝さん……お願いだから、早く……。
脚がふらついて、倒れ込んでしまいそうになる。
眼が潤んでいる。彼の顔がよく見えない。
彼に戻ってきて欲しい。
彼と一緒にいたい──
今、夏海の羞恥を和らげてくれる者は、弘輝しかいない。
彼が戻ってくれば、きっとまたいやらしいことを言われ、恥ずかしいことを
させられると解っているのに──
「エッチなこと考えてたでしょ?」
「あぅっ……」
案の定、彼は戻ってくるなり、すぐそばに人がいたのにも関わらず、そんな
ことを言った。
彼は煙草を半分も吸わないうちに戻ってきた。
夏海は瞳を潤ませ、責めるように弘輝を睨んだ。
「ごめんごめん……持つよ」
苦笑しながら弘輝は荷物を受け取る。
夏海は倒れ込むように彼の腕にしがみついた。
──恥ずかしいけど……こうしないと……。
周りの眼が気になる。
自分の胸が彼の腕に押しつけられているが、そんなことも気にしていられる
状態ではない。
ひとりでは一歩も動けないほどに脚がふらついていた。
立っているのがやっとだった。
「夏海ちゃん……もう限界?」
「うぅ……」
弘輝は夏海がしがみついている腕から、反対の手に荷物を纏める。
「気持ちよくなりたい?」
「あうっ……」
「ここでしてあげようか?」
「──っ!?」
弘輝のとんでもないセリフに絶句し、しがいみついた腕をぎゅっと握る。
──意地悪だよぉ、ひどいよぉっ……!
あの夜のように、人が大勢いる中で責められてしまう──
そんな自分を想像し、ますます昂ぶってしまう。
「想像しただけで、気持ちよくなっちゃうんでしょ?」
「やっ、そんなの……」
「周りの人たち、なんて思うかな?」
「やだ……ダメです……」
彼の声が鼓膜を震わせるたびに、夏海の官能は刺激される。
「すごいエッチな子って思われるね」
「あうぅ……」
泣きそうな顔をして、弘輝の腕を強く抱え込む。
「おっぱい、触りたいって思われるよ」
「ダメぇ、ダメです……」
彼に言葉で責められながら、彼に縋らなければ立っていることすらできない。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
──意地悪だよぉ……。
弘輝がゆっくりと歩き出す。
彼の腕を抱えたまま、夏海も歩きだす。
車まで、百メートル近くはある。
車に乗れば、少しぐらいは羞恥が和らぐかもしれない。
それとも、もっとひどいことを言われるのだろうか。
もっといやらしいことをさせられるのだろうか。
服を脱げと言われたらどうしよう。
二日前、竹下にさせられたように、股を開けと言われるかもしれない。
車の中とはいえ、外から丸見えになってしまうだろう。
華奢な身体に似合わぬ、大きな膨らみを見られてしまう。
しとどに濡れた、未熟な秘処を見られてしまう──
「気持ちよくなりたいんでしょ? オナニーしていいんだよ」
そんなことを言われたら──
──ほんとに、我慢できなくなっちゃう……。
淫らな想像に歯止めが利かなくなっていた。
濡れそぼった秘処は、ついに決壊した。
腿の内側を、雫が伝い落ちてゆく。
走れば十秒もかからないであろう距離が、何十倍にも感じられた。
車を停めていた、二階建ての立体駐車場の一階──
「どうぞ、夏海ちゃん」
そう言って、弘輝がドアを開けてくれる。
これで、多少は羞恥が和らぐ──そう思うと身体の力が抜けてしまう。
夏海は倒れるようにシートに手を突いた。
腿の内側を、官能の蜜が滴り落ちてゆくのが判る。
──やだ、見られちゃう……。
弘輝にそれを悟られまいと、身体をひねって腰かけようとした瞬間──
「よっ……と」
「──っ!?」
弘輝が、夏海のスカートを捲り上げた。
彼女はショーツを穿いていない。
子供っぽい小さな丸い尻も、しとどに濡れて蜜を滴らせた秘処も──
──嘘っ!? やだっ……!
夏海は身も心も硬直してしまう。
シートに手を突き、腰を突き出した姿勢で、夏海は固まっていた。
頭が真っ白になる。
ここは二階建ての立体駐車場である。影になっているおかげで、露天駐車場
よりは目立たないだろう。
夏海の左手──車の正面方向に、今自分たちが出てきた建物がある。
開かれたドアの陰になり、そちらからは見られはしないだろう。
すぐ横のスペースは車が停められていない。
夏海のすぐ後ろには弘輝が立っている。
買ったばかりの服と下着の入った袋を手に提げている。
彼の身体と買い物袋が、陰を作ってくれている。
だが、夏海の右手──車の後部方向には、遮るものがなにもない。
駐車場は広い。
何十台もの車が停められている。
そちらに人の乗っている車があれば──
──わたし、こんなとこで……お尻出して……!
心臓が破裂しそうなほどに高鳴る。
血液が全身の血管を濁流のように駆け廻る。
夏海は一気に昂ぶってしまう。
いや──とっくに限界を超えて昂ぶっていた。
──ダメっ、ダメだよぉ……!
羞恥が暴風のように唸りを上げて身体中を翻弄する。
「ふぁっ……んっ」
身体が大きく震えた。
触れられてもいないのに──
「あぁっ……はぁぅ……!」
二日前と同じだった。
竹下に命令され、秘処を剥き出しにし、見られているだけで、秘処が激しく
疼き、興奮と快楽が湧き上がった。
「夏海ちゃん……もしかして、感じてるの?」
「あっ……んぅっ!」
弘輝の声に、夏海の身体がびくんと大きく跳ねた。
幼い裂け目を曝し、夏海は身悶える。
ぷくりとした柔らかな秘唇が、ひくひくと痙攣している。
とろとろと蜜があふれ、可憐に膨らんだ肉芽から──
ぽたり、とアスファルトに滴った。
「すっご……垂れたよ、愛液」
「やっ、やぁ……ふぁっ!」
夏海は力なくシートに肘を突き、膝が崩れ──
「っと──っ!」
弘輝が慌てて差し出した手が、彼女の腹に触れた瞬間──
「ひぁッ──!」
夏海はびくんと大きく弾んだ。
彼女は、軽い絶頂に達してしまった。
日陰に停められていたため、車内はさほど暑くなってはいなかった。
夏海はぐったりと身体をシートに沈め、涙のあふれた瞳を潤ませて、弘輝を
じっと見つめている。
「夏海ちゃん、もうちょっと我慢してね」
「うぅ……」
弘輝は助手席に身を乗り出して、彼女のシートベルトを締めてやる。
「ひっ……ふぁっ……」
彼の手が彼女の身体をかすめると、夏海は身体を震わせて吐息をもらす。
ほんのわずかな刺激にすら快感を覚えてしまうほどに昂ぶっているのだ。
──なんか……ほんとに、すごいな……。
彼女のスカートは脚の根元まで捲られていて、可愛らしい尻がシートに直に
触れている。
「どうしたの?」
「あぅ……」
弘輝が眉を上げると、夏海は眼を逸らした。
──気持ちよくなりたいんだな……。
彼女の頬は赤らんでいて、耳まで真っ赤だ。
うっすらと日焼けした白い肌も、じっとりと汗ばんで火照っている。
腕にしがみつかれていたから、心臓の高鳴りもよく解った。
長時間与え続けられた羞恥に、限界を超えて昂ぶっている。
助手席のドアを開けてやったとき、周りには人がいなかった──
弘輝は彼女の羞恥をさらに煽ろうと、スカートを捲った。
もちろん彼は、見られてしまう位置には誰もいないことを確認していたが、
頭が車の中にあった夏海は、そうは思わなかったのだろう。
その反応といったら──
彼女が軽く達してしまったのは、弘輝にも解った。
──可愛そうだよな、ちゃんとしてあげないと……。
さすがに今ここで──車の中でというのは無理がある。
車を十五分も走らせればホテルもあるが、こんな昼間に、こんな幼い少女を
連れてホテルに入るのもまずいだろう。
──やっぱ、あそこでいいよな……。
行き先はもう決めてあった。
あまり思い出したくない記憶のある、カラオケボックス──
ここから数百メートルほどのところにある、個人経営の小さな店だ。
以前、つきあっていた相手と、淫らな行為に及んだことがあった。
キスをして、胸に触れ、スカートの中に手を伸ばし、指で刺激した。
彼女は抗いながらも快楽に染まっていった。
弘輝は欲望に導かれるまま、彼女の服を脱がそうとして──
しかし、拒絶された。
それでも弘輝は想いを遂げようとしたが、本気で抵抗され、睨みつけられ、
罵られた。
──あいつはダメだったけど……夏海ちゃんなら……。
弘輝が関係を持ったことのある複数の異性は皆、彼の欲望を満たしてはくれ
なかった。それが当然の反応なのだと何度も身に染みていた。
だが、夏海なら──羞恥に昂ぶり、限界を超えている彼女なら──
「夏海ちゃんは、カラオケ好き?」
「あぅ……?」
夏海が潤んだ眼を弘輝に向けてくる。
「歌は、苦手……ですけど……」
か細い声も震えている。
「嫌いじゃ、ないです……」
「じゃあ、行こうか。行って──」
──あそこなら、カメラなんてないしな……。
そのときは、服を脱がそうとするまでにかなりの時間があったが、店員から
注意を受けることもなかった。
「気持ちいいこと、してあげる」
「あっ、あぅ……!」
夏海の身体がびくんと震えた。
小学生にも見えるあどけない顔に、蠱惑的な色香が浮かび上がっていた。
──恥ずかしい……ノーブラって、気づかれちゃう……。
アルバイトであろう高校生ぐらいの女性店員が、ちらりと自分の胸を見た。
羞恥が刺激され、昂ぶりが増してしまう。
「こちらになりまーす」
ショッピングモールからさほど離れていない、カラオケボックス──
夏海と弘輝は、三、四人用であろう狭い部屋に案内された。
ドアを入ってすぐ左手に、モニタとカラオケ機器を収めたボックスがあった。
左手の壁に接するように、テーブルが置かれている。
右側から奥にかけて、合皮のソファがL字型に置かれていて、奥の壁には、
可愛らしい蝶の絵が飾られていた。
木目調の壁は落ち着いた雰囲気を漂わせ、暗い照明がこれから起きることを
暗示しているようでもあった。
部屋には煙草の匂いが染みついている。
煙草は嫌いじゃなかった。父親がいつも吸っている。
身体に悪いからやめたほうがいいだろうとも思うのだが、煙草を吸う父親の
姿が夏海は好きだった。
テーブルにはドリンクや軽食のメニューが書かれたシートと、分厚い歌本が
三冊、灰皿がふたつ、綺麗に並べられていた。
夏海が奥に、弘輝は入り口側のソファに腰を下ろす。
「では、すぐにドリンクお持ちしますねー。少々お待ちくださーい」
店員が部屋を出てゆく。
他の部屋の歌い声が響いてくる。流行りの男性アイドルグループの曲だが、
お世辞にも上手いとはいえなかった。
「吸ってもいい?」
弘輝は灰皿を自分の前に引き寄せながら言った。
夏海はこくんと頷く。
さっきはきっと、自分のことを想って、根元まで吸わなかったのだろう。
二日前に入った弘輝の部屋に、灰皿らしきものは見当たらなかったし、車の
中も煙草の匂いはしなかった──家族に内緒で吸っているのかもしれない。
父親も喫煙者への風当たりの強さに、ときどき愚痴をこぼしている。
弘輝は一本銜え、ライターで着火した。
彼が息を吸い込むと、先端の火がぼうっと光を放つ。
上を向いた彼の口から、紫煙が吐き出される。
冷房の風に乗って室内に拡散してゆく。
父親の煙草とは違う匂いがした。
夏海は顔を伏せ、上目遣いに弘輝を見ている。
弘輝は彼女の視線に気づくと、嗜虐的な笑みを向けてきた。
「夏海ちゃん……エッチな格好、してみてよ」
「えっ……?」
びくんと大きく震えた。
夏海はずっと恥ずかしい格好のままだ。大きな胸を覆うブラジャーもなく、
濡れそぼった秘処を包むショーツもない。
今もスカートを腰の後ろに回し、尻がソファに直に触れている。
これ以上恥ずかしい格好となれば──
「スカート持ち上げて、脚開いてこっち向けて」
「あ、あぅっ……」
──そんな、ダメだよ……店員さんが……。
カウンターで注文したドリンクがすぐにも運ばれてくるはずだ。
そんな姿を見られてしまうわけにはいかない。
「ほら、早くしないと、店員が来ちゃうよ?」
「うぅっ……」
──ダメだよぉ、ダメなのに……。
ドアはガラス張りだが、衣装ガラスであり、直視されることはないだろう。
それでも、いきなり開けられたら──
危険だと解っているのに、夏海の中の、膨れ上がった淫らな本性は、理性を
追いやってしまっていた。
恥ずかしいのに、嫌なはずなのに──夏海は求めてしまっている。
夏海の両手が、スカートの裾を抓んだ。
ゆっくり持ち上げてゆく。
脚のつけ根まで曝し、膝を開いてゆく──
こんこん──
店員がドアをノックした瞬間、夏海は心臓が飛び出しそうになった。
ドアが開けられる──慌ててスカートを押さえ、脚を閉じた。
「お待たせしましたー」
先ほどの店員が、トレイにグラスを乗せて現れた。
夏海は顔を伏せ、テーブルの下でスカートの裾をぎゅっと握った。
「アイスコーヒーと、こちらオレンジジュースになりまーす」
店員はテーブルにグラスを置く。
ミルクとガムシロップのポーションを、アイスコーヒーの横に並べた。
「ごゆっくりどうぞー」
ドアが閉まり、夏海は思い出したように呼吸を再開した。
「はっ、はぁっ……!」
「危なかったね、夏海ちゃん」
「はぅ、うぅっ……」
──見られなかったよね……?
テーブルの下だ。覗きこまない限り見えはしないはずなのだ。
「飲みなよ」
弘輝はグラスを差し出し、自分もアイスコーヒーをブラックのまま飲む。
夏海はグラスに挿されたストローに口を寄せ、ひと口すすった。
果汁百パーセントのオレンジジュースが、渇いた喉を潤してくれる。
もうひと口──
しかし、冷たいジュースも、熱に侵された身体を冷ましてはくれない。
「もう一度、できるよね? 見せて、くれるよね?」
「あぅっ……」
弘輝は煙草を灰皿に押し付ける。
白い煙がすっと立ち昇り、火が消えた。
「この店、カメラとかついてないから……だいじょうぶだよ」
──弘輝さんに……わたしの、あそこ……。
恥ずかしいところを見て欲しい。
いやらしい言葉を言って欲しい。
快楽を与えて欲しい──
「ほら、もっとこっちに、見えるように」
「はぅ、はい……」
腰をずらして弘輝のほうへと身体を向ける。
心臓が破裂しそうなほどに高鳴っている。
「スカート持って」
言われるままに、スカートの裾を抓んでしまう。
震える手が持ち上がり、太腿が露になった。
「そう、そうだよ……ちゃんと見えるようにね」
──見えちゃう……見せちゃう……見て、欲しい……!
胸まで引き上げてしまう。
夏海は自ら、下半身を剥き出しにしてしまった。
「いい子だよ……自分で見せてる、エッチな子だ」
「あぁぅっ……!」
全身が震えて熱くなっている。
「夏海ちゃんみたいなエッチな子……俺、大好きだよ」
「あ、ぅ……あぁぅ……」
──エッチな子、大好き……弘輝さんのこと……わたしは……。
胸がきゅっと締めつけられる。
「夏海……夏海のおまんこ、見せてくれる?」
「あぁっ! あぅ……はい……」
──先生に、見せたみたく……。
夏海はサンダルから足を抜いた。
膝を立てて右足をソファの上に乗せ、続けて左足も──。
背もたれに身体を預けた夏海の、細く華奢な脚が開かれてゆく。
──これ、ヤバいって……マジで……。
弘輝の眼の前で、まだ中学一年生の幼い夏海が、股を広げている。
彼は夏海のその部分に、眼を奪われてしまっていた。
彼女の秘処をまじまじと見るのは初めてだ──
触れて解ってはいたが、恥丘には恥毛と呼べるものは一本も生えていない。
可愛らしい秘裂は薄く口を開き、未熟な粘膜がわずかに覗える。
裂け目の先端には、ぷくりと膨れ上がった秘芯が頭を覗かせている。
周囲にはぐっしょりと淫蜜があふれ、腿の内側までもが濡れていた。
部屋の照明が暗いのが惜しまれる──
しかし、それが幼い夏海の姿に、より淫靡で、蠱惑的な彩を与えているのも
確かだった。
「可愛いね、夏海のおまんこ」
「あっ、はぁぅ……」
薄暗い部屋でも、彼女の顔が真っ赤になっているのはよく判る。
潤んだ瞳が、弱い室内灯に照らされて、ゆらゆらと揺れている。
「夏海……可愛いよ、すごく可愛い……」
「はぅ……んぅ……」
ふと気づけば、夏海を呼び捨てにしている。
二日前もそうだった──彼女を手に入れたかのような気になっている。
──ヤバいって……俺、おかしいだろ……。
弘輝も激しく高ぶっていたが、まだ冷静さを完全には失ってはいない。
夏海は自分の与えた羞恥にことごとく、望んだとおりの反応を示してくれる。
色っぽい女性より、可愛らしい子が好きだという自覚はあった。
大きすぎるほどの胸の膨らみも、自分好みだ。
しかし、彼女はまだ中学一年生──数ヶ月前まで小学生だった子供なのだ。
それなのに──本気で昂ぶり、本気で惹かれている。
彼女を自分のものにしたいと思っている。
痛いほどに滾った欲望の象徴で、子供のような秘肉を貫きたい。
彼女の初めてを奪いたい──
「夏海……もっと近くで見るよ」
「あっ、あぁぅ!」
──見られちゃう……わたしの、あそこ……!
弘輝がソファに手を突き、身体を寄せてくる。
夏海は膝を閉じようとしたが、彼の手がそれを止めた。
幼い裂け目から、とろりと蜜があふれて滴る。
彼の顔が、自分の秘処のすぐ前まで迫っている。
暗さに、眼が慣れてきている。彼もそうだろう。
──見られてるっ、恥ずかしいのに、わたし……。
自分の一番恥ずかしいところを見られている。
淫らに濡れそぼち、ひくひくと震える大切なところ──
「綺麗だよ、夏海……すごく綺麗だ」
「はぁぅ、んぅ……!」
彼の荒い息が肌にかかってくすぐったい。
触れられていないのに、そこから激しい快感が湧き起こっている。
「まだ、エッチしたこと、ないんだよね?」
「あぅっ、ない……です……」
──エッチ……セックス……されちゃうのかな……。
夏祭りの夜、左手に握った彼のモノの感触が浮かび上がる。
夏海が想像していたより、ずっと硬くて、大きくて──あんなものが身体の
中に入るなんて、とても考えられない。
「夏海……いいよね?」
「えっ……やっ!?」
彼の頭が、自分の下腹部に押し付けられ──
「ひゃぅッ──!」
ぷっくりと腫れ上がった敏感な雌蕊から、強烈な快感が湧き立って、夏海の
身体が大きく弾んだ。
「ひぅっ! やっ、はぁぅ……!」
──やだっ……そんなとこ、恥ずかしいっ……!
最初は何をされたのか解らなかった。
だが、何度も与えられる刺激と、彼の頭の位置、ぴちゃぴちゃという水音が、
その意味を教えてくれた。
──クリ……舐められてる……気持ちいいよぉっ!
指とは違う、柔らかくて弾力のある舌の感触に、もっとも敏感な蕾が激しく
攻め立てられる。
自分の一番恥ずかしいところに口を寄せ、舌で愛撫されている。
彼の息が肌にかかる。
指でされたときとはまた異なる官能が、身体中を駆け巡り、下腹部から熱い
衝動が込み上げてくる。
「夏海のおまんこ……美味しいよ」
「やっ、はぁぅ、ひゃんッ!」
呼吸をするたびに、淫らな喘ぎがもれてしまう。
彼の手に、腿を大きく広げられ、押さえつけられている。
突き抜けるような刺激に、身体がびくんびくんと激しく震えてしまう。
まだ知り合って間もないというのに、呼び捨てにされるのが心地いい。
彼に身を任せてしまいたい。
弘輝の頭に指をかけると、長めの髪が指に絡んだ。
快楽を求める本能が堰を切ったようにあふれ出す。
このまま、高みまで──
「ひぁっ、はぁぅッ、ひゃぅッ!」
──気持ちいいっ、すごい……すごいよぉ!
圧倒的な快感が絶え間なく押し寄せてくる。
激しすぎる快感に腰が逃げてしまうのに、彼はさらに顔を押し付けてくる。
自分ではどうしようもない興奮に満たされてゆく。
膨らんだ官能の渦が、身体中を翻弄する。
「夏海……ここ……」
「あっ、あうぅっ!」
彼の右手が腿から離れ、指先が夏海の未熟な秘裂を割って、たっぷりと蜜を
たたえた入り口をまさぐっている。
一度だけ入れたことがあった。あまりの痛みにそれきりだった──
「力、抜いて……」
「んぅ……」
──指……入れられちゃう……!
潤んだ眼を閉じる。弘輝の息が荒い。
彼も興奮しているのだと思うと、共鳴するように昂ぶりが増してゆく。
夏海は抗うように彼の手首に触れるが、拒んでいるわけではなかった。
その逆だった──彼が離れてしまわないように握っているのだ。
弘輝の指が、柔らかい小さな膣口へ沈んでゆく。
「んぅ……ふぁあっ!」
──痛いのは、やだ……でも……。
身体の中心に、指が潜り込んでくる──
初めては痛い──そんな恐怖に襲われる。
だが二日前、弘輝に敏感なところを痛いほどに責められたのに、それすらも
快感に思えてしまったのだ。
きっとそこも──
「ひっ……んぐっ!」
さらに奥へと指が押し込まれ、ずきっと強い痛みが襲ってくる。
「夏海……痛い?」
「んぅっ……痛い、ですっ……」
──でも……痛いのに……気持ちいいっ……!
自慰を憶えたての頃に、自ら試したときとは違っていた。
たしかにそこは、指の侵入に痛みを訴えている。
しかし、それだけではない──
痛みだけでなく、強い愉悦が湧き起こっていた。
自分はロリコンではないと思っていたのだが──どうやら、その気があった
らしいと、弘輝は内心苦笑していた。
夏海の幼い身体を責め、弘輝はインモラルな悦びに浸っていた。
──熱くて、とろとろで……きつくて……ほんとに、子供なんだな……。
右の中指が、熱くとろけた秘肉に包まれている。
彼女の狭く小さな蜜壷は、指をきつく締めつけて、侵入を拒んでいるようだ。
「ひっ、痛ッ……はぅっ、んぅッ!」
彼の指はまだ半分も入っていないのに、夏海は痛みに顔をゆがめている。
だが、彼女の顔は恍惚に染まり、悦楽の色をたたえてもいる。
──でも、このまま中でイかせるのは、無理かな……。
クリトリスのような、激しい快楽ではないらしい。文字通り、身体の奥から
じわじわと広がる快感だという。
男性であれば、クリトリスへの刺激はペニスのそれに近く、膣内への刺激は
前立腺に近いのだそうだが──あいにく彼は、後者は未経験だった。
「夏海の中……すっごく狭くて、温かいよ。熱いぐらいだ……」
「ふぁっ、あぁぅ……」
秘洞を指先で少しずつ押し広げながら、進んでゆく。
同時に、彼女のキャミソールに左の手をかけて捲ってゆく。
夏海は抗わない。
「おまんこも、おっぱいも……すごく綺麗だ……」
「あぅ、やっ……恥ずかしっ……」
捲り上げてしまうと、彼女の大きな膨らみが、ぷるっと揺れて露になった。
とても中学一年生のものとは思えない、大きくて、整っていて、柔らかくて、
弾力に満ちた乳房──彼女の荒い呼吸に合わせてふるふると揺れている。
対照的に、一円玉ほどしかない淡い輪郭の中心で尖る、子供のように未熟な
突起は、自らひくひくと震えているようにも見える。
弘輝は淫蕾から口を離し、たわわな双丘に顔を寄せた。
「あっ、はぅっ! んっ……!」
舌が触れると、小さな身体はびくっと震え、大きな乳房がぷるんと揺れた。
舌先で味わうように膨らみをなぞる。
可憐な突起に触れるか触れないかのところで円を描くように舌を這わせる。
汗の浮いた彼女の肌は、塩の味がした。
「はぁっ、ひぅ……弘輝さんっ……」
彼女は薄く眼を開けて、縋るような瞳で弘輝を見つめていた。
弘輝はわざと彼女に見えるように、舌を伸ばして愛撫する。
左腕を彼女の腰に回し、ゆっくりとソファに横たえた。
右の中指が、ようやく根元まで飲み込まれた。
汗ばんだ背中に、ひんやりとしたソファの感触──
ソファに横たわった夏海は、あられもなく股を広げ、震えていた。
キャミソールは捲り上げられ、中学生とは思えない膨らみが露になっている。
夏海の上に弘輝が覆い被さり、穏やかに導いている。
煙草の匂いしかしなかった部屋に、淫らな女の香りが漂っている。
夏海の秘処からとめどなくあふれる露は、むせるような匂いを撒き散らして、
より大きな快楽を求めているようだった。
──気持ちいいよぉ……弘輝さんっ……。
二日前、激しく責められたときとはまるで違っていた。
あのときは獣のように思えた彼が、乱暴なそぶりなど欠片も見せない。
弘輝の舌が、乳首をちろちろと舐めている。
指が秘処に侵入し、身体の内側でゆっくりと蠢いている。
気持ちよかった──
ひとりでするのとは比べ物にならないほどの快感だった。
中はまだ痛む。
けれど、じわりじわりとにじみ出るような快感が、全身に浸透してゆく。
「夏海……そろそろ、イかせてあげる」
「ひゃぅッ──!?」
強烈な快楽が全身を貫いた。
「ひっ……はぅッ! ん、あぁっ、ひぁッ!」
──気持ちいいよぉっ、すごいよっ……エッチだよぉ!
夏海は悲鳴のような喘ぎをもらし、びくびくと全身を震わせている。
一転してペースを上げた愛撫の変化に、一気に高みに昇ってゆく。
弘輝は彼女の狭い膣孔に中指を沈ませたまま、親指に蜜を絡め、ちょこんと
顔を覗かせた淫核を責めている。
左肘を夏海の右脇に突いて身体を支え、手を夏海の右の膨らみに重ねている。
左の乳房に吸い突くように唇を押しつけて、小さな乳首を銜え込んでいる。
夏海はすべてを責められ、官能に侵されてゆく。
「そんなに……声出したら、聴かれちゃうぞ?」
「あぅっ! やっ……ダメっ、ひゃんッ!」
「夏海のエッチな声……他の客に、聴こえちゃうよ」
「やっ、ダメですっ……ひぁッ!」
──ダメだよぉ、聴かれたらっ……!
いやらしい女の子だと思われてしまう──
カラオケボックスで恥ずかしいところをすべて曝け出し、淫らに喘いでいる
変態だと思われてしまう。
自分は下着も着けず、あちこちで恥ずかしい目に遭いながら、激しく昂ぶり、
乳首を尖らせ、秘処を濡らしていた。
地元のコンビニの店員に、見られてしまったかもしれない。
次に入ったコンビニでは、ひとりでしてしまいそうにもなった。
ショッピングモールで秘処に触れられて、サイズを測定されてしまった。
駐車場で尻を剥き出しにされ──
「エッチな夏海……変態で淫乱な、女子中学生だ」
「あッ、やぁっ……言わないでっ、あぁッ……!」
七つも年上の男に責められて、彼のされるがままになって、いやらしい声を
あげて悶えている、変態で淫乱な女子中学生──
──弘輝さんの意地悪ぅ……!
そんな弘輝に責められ、今すぐにも達してしまいそうになっている。
涙がにじんで、こめかみを零れ伝い落ちてゆく。
身体が弾んでソファがぎしぎし鳴っている。
右手を弘輝の左手首に絡め、左手で首を抱いて──彼の昂ぶりも感じている。
「夏海……イきそう?」
「んッ! ひぅっ、はいっ……!」
素直に答えてしまう。
夏海はもう、快楽に身を任せることしかできなくなっていた。
全身を激しい快感に翻弄される。ぴちゃぴちゃと、淫らな水音が響いている。
どれほどの露があふれ出したのか想像もできない。
「イかせて欲しい?」
「はいっ……弘輝さっ、んぅッ! はぁぅッ!」
変態的な嗜好を持った近所の青年──まともに言葉を交わしたのは、たった
二日前だ。そんな他人同然の男に、夏海は縋りついて快楽を求めている。
「イかせっ、欲し、ひッ! ですっ……!」
──わたし、変態だもん、淫乱だもんっ……気持ちいいんだもんっ!
竹下にも言わされた、淫らな言葉──
自ら、快楽を求める言葉──
「いい子だ、夏海……イかせてやるっ!」
「ひぁあッ! んっ、ひゃうぅッ!」
弘輝の責めがいっそう激しくなった。
敏感なところすべてが刺激され、身体中が悲鳴を上げて翻弄される。
背中が反り返り、びくびくと震えている。
下腹部に熱い衝動が凝縮し──
「弘輝さんっ、ひッ! ひぁぅッ!」
全身が痙攣したように震えだす。
官能に顔をゆがめ、恍惚の吐息をもらし──
「イけよっ、夏海……イくって言いながら……イっちゃえっ!」
「イくっ、イっちゃぅッ! ひぁあッ──!」
弘輝の言葉が、夏海の快楽を爆発させた。
激しい快感に意識が押し流され、がくがくと何度も身体が跳ねた。
夏海は、ソファに腰かけた弘輝の膝に乗せられて、キャミソールに覆われた
乳房を優しく愛撫されていた。
快楽の余韻が全身に漂って、ふわふわと宙を漂っているような気分だった。
彼の腕に抱かれているのは恥ずかしい。
だがそれ以上に、気持ちが和らいでいる──
二日前、竹下に責められたあとも、弘輝に責められたあとも同じだった。
どうして自分は、こんなにも恥ずかしい想いをさせた男に、安らぎを覚えて
しまうのだろう──夏海は不思議でならない。
「夏海はちっちゃいな……軽くて、子供みたいだ」
「うぅ……」
「それなのに、こんなおっきくて……」
「んっ、ふぁぅ……」
膨らみを下から持ち上げられる。
「好きだよ、夏海……」
「あぅっ……」
──わたしは……弘輝さんのこと……。
嫌いではない。でも、好きなのかというと──
「いいよ、夏海……まだ解らないなら、答えなくてもいい」
弘輝の腕が、夏海の華奢な身体をぎゅっと抱き締めた。
──好き……なのかな、わたし……。
今この瞬間のような、優しい彼なら、好きになれるかもしれない。
恋愛がどういうものなのかよく解らない。人を愛するということがどういう
ことなのか、夏海にはまだよく理解できない。
けれど、こんなふうに、一緒にいて穏やかな気持ちになれるのなら、それは
きっと好きだということなのだろう。
冬香と一緒にいるときもそうだった。
──でも、それは……友達として好き、っていうこと……?
弘輝と友人というのは語弊があるし、友人ならこんなことはしないだろう。
「ごめんなさい……」
「いや、いいって……謝るようなことじゃないさ」
弘輝は照れくさそうに笑った。
夏海は自分を抱く彼の腕に、手を重ねた。
そして──尻に当たる硬いものの感触が、意識に浮かび上がってきた。
「弘輝さん……あの……い、いいんですか……?」
「ん……何が?」
ぽそぽそと喋る夏海に、弘輝は片手で頭を撫でてやる。
夏海はくすぐったそうに吐息をもらす。
「んぅ……その、弘輝さん……えっと……まだ、だから……」
弘輝は彼女の言いたいことを察してくすりと笑う。
「そうだな……出したいなぁ……」
「あぅっ……」
自分で言い出しておいて、夏海はびくっと身を竦ませる。
「今すぐにも、押し倒して、犯したい」
「──っ!」
絶句した夏海に、弘輝は頭をゆっくりと撫でてやる。
「でも……満足した。夏海がイってくれただけで、じゅうぶんだ」
「はぅ……」
また彼に導かれてしまった──恥ずかしかった。
──やっぱりわたし……エッチだ……。
自分は露出行為に昂ぶる変態で淫乱な女子中学生──けれど、彼に抱かれて
いると、そんな低俗な言葉ですら心地よく感じられてしまう。
変態淫乱女子中学生の自分を、彼は好きだと言ってくれる。
歳の差は七つもあるし、自分はまだ中学一年生だ。世間一般には、受け入れ
られない組み合わせに違いない。特に弘輝は、白い眼で見られるだろう。
彼のそこはまだ硬いままだ。今すぐ犯したいという言葉は、本心なのだろう。
だが、自分は自由の身ではない──
──竹下先生……先生にも、また、こういうこと……。
竹下の顔が浮かぶ。
弘輝は、再び自分が竹下にもてあそばれたら、どう思うのだろう。
自分が逆の立場なら、どうするだろう──
ふたりを乗せた車が、曲がりくねった峠の道を抜けて、町へと帰ってきた。
太陽はもう、西の山の稜線に消えている。
赤信号で停車し、弘輝は助手席に顔を向けて、くすりと笑った。
彼女は出かける前の格好に戻っている。
水色のキャミソールの上に、白いプルオーバーも着て、腰を紐で締めている。
アイボリーのミニスカートも、腿を覆っている。
山頂で弘輝が奪ったブラジャーも、夏海自身が脱いだショーツも、今はもう
彼女の大切なところを覆い、包んでいる。
夏海の大きな胸の膨らみは、穏やかな呼吸に合わせてゆっくり上下している。
──寝顔も可愛いなぁ……。
夏海は疲れきっていたようで、カラオケボックスを出て十分もしないうちに、
うつらうつらと舟を漕ぎはじめ、気づけば、すやすやと寝息を立てていた。
あれだけの羞恥に曝され、激しく達してしまったのだ──無理もない。
──夏海ちゃん……俺、本気みたいだわ……。
今日のデートで、自分の気持ちがどんなものなのか、弘輝は理解できた。
最初は性欲の対象としてしか見ていなかった。
祭りの夜、彼の隣であられもなく肌を曝し、淫らに喘いでいた少女──
だが、二日前の部屋での出来事と今日のデートで、自分は間違いなく彼女に
惚れているのだと自覚した。
彼女の反応や言葉遣い、しぐさといったものに、心から惹かれている。
七つも年下で、まだ中学一年生の、出会って間もない少女に──
二日前の夜──悶々としながら立てた今日の予定では、カラオケ店で彼女を
犯すつもりだった。
大きな乳房を乱暴に揉みながら、幼い秘処を欲望で貫くつもりだった。
それが、ふたを開けてみれば──
──けど……竹下、先生か……。
夏海は自分の学校の教師に弱みを握られている。
彼女はその男の魔の手から逃れられないだろう。
自分と彼女の仲が深いものになったとして、自分は何がしてやれるのだろう。
何もできないのではないだろうか。
法に訴えることは容易いだろう。
今まで彼女が受け取ったメールはもう削除されているようだが、これから先、
彼からのメールがあれば、それでじゅうぶん証拠になるはずだ。
少女に淫らな行為を強要させたとして、罰せられるはずだ。
おそらく自分も罰せられるだろう。
それは確かに躊躇われる。
だが、彼女を自由にするにはそれしかない。それしか思いつかない。
自分が彼女にひどいことをしたのは事実だ。彼女に訴えられても、構わない。
そうは思うのだが──
司法の場に立たされたとき、夏海がどういう仕打ちを受けるのかを考えれば、
安易に警察に訴えることも難しく思う。
果たして彼女は、それを望むだろうか。
弘輝もまた、夏海と同様にそのリスクを考えていた。
どうにかして、彼女を解放してやることはできないだろうか──
信号が青に変わり、弘輝はアクセルを踏み込む。
「んぅ……あっ……」
夏海が小さな吐息をもらして眼を覚ました。
「おはよう、夏海ちゃん」
眼をしばたかせ、ぼうっと弘輝の顔を見る彼女に、笑みを向けた。
弘輝はハンドルを手放し、夏海にキスしたいと思った。
「おはよう、ございます……」
うとうとしていたのは憶えていたが、いつの間にか眠っていたようだ。
カラオケで弘輝に導かれ、しばしの間、うっとりと余韻に浸っていた。
全身が気だるい恍惚に包まれていた。
彼は身体を拭いてくれて、服も着せてくれた。
下着を着けられるのは二度目──恥ずかしかった。
そのあと、少しだけ弘輝は歌を歌った。夏海の知らない外国の曲だった。
激しいロックと、しっとりとしたバラード──
彼の歌声は耳に心地よかった。
「すみません、わたし……寝ちゃって……」
仮にもデートなのだし、ひとりで眠りこけるのは彼に失礼だと思う。
「夏海ちゃんの寝顔、可愛かったよ」
「あぅっ……」
──意地悪だぁ……やっぱり弘輝さん、意地悪……。
夏海は頬を赤らめ、うつむいた──でも、嫌ではない。
恥ずかしいけれど、心地よさも覚えている。
もしかしたら自分は、彼に惹かれはじめているのかもしれない。
意地悪でひどいことをする男だが──
──あ……弘輝さん、もしかして……。
ふたつのことに思い至る。
カラオケボックスで自分が達してしまったあと、彼は自分の欲望を遂げよう
とはしなかった。あれは、自分の身を気遣ってくれたからなのかもしれない。
激しい絶頂に身も心も疲れきっていた。それを察してくれたのかもしれない。
そして、もうひとつ──アンテナのある山の頂で、彼は竹下から受け取った
下着を、剥ぎ取るように奪った。
それは、竹下への嫉妬だったのかもしれない。
自分は、弘輝を試すような行為をしていたのだと、いまさら思う──
竹下のゆがんだ笑みが浮かんで、背筋の凍る想いがする。
弘輝は自分を好きだと言ってくれた。
だが、自分と竹下の関係を、どう受け止めているのだろう──
「弘輝さん……あの、わたし……」
「ん……?」
夏海はうつむいたまま、眼だけを向けて、ぽそぽそと言葉をつむぐ。
弘輝はハンドルを握ったまま、ちらりと横目で覗った。
「わたし……先生に、何されるか、判らないですけど……」
夏海は膝に置かれたポーチを握り締める。
「それでも……いいんですか?」
弘輝は眉を上げると、すぐには答えず、前を向いたままブレーキを踏んだ。
車は緩やかに減速し、路肩に停車した。
すぐ横を何台もの車が走り去ってゆく。
弘輝は穏やかな笑みを浮かべ、じっと夏海を見た。
「夏海ちゃん……俺はそのことには、正直、何ができるか解んない」
真剣な眼差しだった。
「でも……もし夏海ちゃんが、俺にしてほしいことがあったら、できる限りの
ことはするつもりだよ」
彼はそう言ってから、少し照れくさそうに口元を緩ませた。
──弘輝さん……本当に、わたしのことを……。
彼の本心は、夏海には解らない。
これも自分をその気にさせるための罠なのかもしれない。
でも、騙されてもいい、嘘でもいい──
夏海は顔を上げ、弘輝と眼を合わせた。
「弘輝さん……名前、呼び捨てで……いいです」
弘輝が眉を上げ──穏やかに微笑んだ。
「帰ろうか、夏海」
「はい……」
ふたりを乗せた車が、ゆっくりと走り出す。
──わたし、弘輝さんのこと……。
自分の心に、ほのかな火が灯ったのを、夏海は感じていた。
フロントガラスの向こう──西の空が、ゆっくりと朱に染まってゆく。
夏海の頬も、朱に染まっていた。
夏海第三話、以上です。
つぎはちょっと間が開きそうです。
ネ申キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!
おいおいおいおいおい
これはGJ!
エロいのと可愛いのが渾然となって奏でるハーモニー
主、なかなかやるなッ!
と思わず海原雄山になるくらいGJ!
露出シチュ好きかつ年の差恋愛好きな俺にとってこの展開は堪らない
GJ!!
75 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 17:57:49 ID:EHu/rWfN
昔の彼女を思い出した。
>75
kwsk
生徒会長とか委員長っぽいキャラクターください
期待age
とりあえず夏服にノーブラ
制服にブラ線は?〜〜〜
82 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:47:15 ID:g36DTrOP
妙な電波を受信したんで書いてみた。
83 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:47:40 ID:g36DTrOP
催眠術に成功した。正直、自分でも驚いている。本当にかかるものだとは思わなかった。
京子は呆けた眼で振り子を見つめている。
「あなたはこれから10分間、裸を隠すのは恥ずかしいことだと感じるようになる。3、2,1・・・・・・はい!」
和人が手を叩くと、京子は我に返った。
「あれ、なんだか眠くなって・・・・・・もしかして今、かかったの?」
「ああ」
和人は頷いて、京子の体を見下ろした。
白のタートルネックにチェック柄のスカート、膝丈のスカートから伸びた脚はタイツに包まれている。
裸ではない。裸は服に隠されていた。
京子はぴくりと身を震わせる。
「え、なにこれ。あんた・・・・・・私になにをしたの?」
「ちょっとな」
爪先から首元までを視線で撫で上げた。
「裸を隠すのが恥ずかしいことだ、って感じるようにしてみたんだ」
「な、バカじゃないの!? は・・・・・・はやく、解きなさいよ!」
「恥ずかしいのか?」
「変態!」
両手を広げながら京子は罵った。多分、手で体を覆うことや身を隠すことにも羞恥を感じるのだろう。体を見せつけるような格好で、肩を震わせながらも視線から逃げようとはしない。
「御免、五分間はこのままなんだ。我慢してくれないか」
「・・・・・・っ」
京子は赤面しながら歯を食いしばる。
普段はそう簡単に和人の言うことを聞きはしない彼女だったが、暗示の影響で体を隠そうとすること全般に羞恥心を覚えるようになっているようだった。
彼女と付き合いだしてから半年。一緒にいて気恥ずかしさを感じることも、なくなってきていた今日この頃。滅多に見られない表情だった。
貴重な機会を逃すわけにはいかない。
84 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:48:43 ID:g36DTrOP
胸を見た。手で掴める程度の大きさ。凝視しながら、涙目になっている顔を横目に捉えつつ、不規則な吐息に耳を傾けた。
苦しそうに吐き出される空気は、恐らく熱いのだろう。上気した顔には汗の玉が浮かび、幾筋かの水滴が首筋まで流れていた。
和人は視線を下げて、腹を経由し、腰に目を遣る。
「・・・・・・く、うぅ」
心地悪げに腰を捩らせた。
太股がもぞもぞと動き、戒めから逃れようとするかのように腰部を微動させる。
「なあ」
和人は一つの提案をする。
「服で隠すのが恥ずかしいなら、スカートくらいは捲り上げていいんじゃないか?」
「なっ・・・・・・バカ、そんなこと!?」
「その方が楽だろう。辛そうだぞ」
「後で、みてなさいよ・・・・・・」
京子はスカートに手をかけた。
裾を両手で握り、ゆっくり引き上げる。布に隠れていた脚が大腿まで露わになった。
以前陸上部にはいっていた京子の脚は細身ながら肉が締まっている。
タイツだと思っていたのは薄手のニーソックスで、膝上10センチの辺りからは地肌が覗いていた。
そこまで捲ったところで京子の手は止まる。
「やっぱり、駄目・・・・・・見せた方が楽になりそうだって感じるけど、本当はその方が変だって頭ではわかるっ」
震える声で呟いた。両目からは涙がこぼれそうになっている。
「本当は見せたいんだろう?」
「そんなわけないじゃない! 催眠術のせいよ、あんたがやったじゃないの!」
和人の眼は京子が掴んでいる裾をじっと凝視している。手は震えていた。
今の京子にとって、下着を露出しないと言うことは、平時に下着を露出することと同意義なのだ。
京子はスカートを捲り上げたい衝動を、必死に押さえているに違いない。
「無理せずにパンモロしていいんだぞー」
「あ、あと少しで五分経つわ。目が醒めたとき32分だったから。それまでくらいなら耐えられるわよ」
85 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:49:07 ID:g36DTrOP
すぐ傍に置かれた時計を見ると、5時37分まであと40秒といったところだった。
時計に遣った目をスカートの裾に戻して、和人はしばらく凝視を続ける。そして心の中で50秒数えてから、言った。
「さっきのは嘘だ。本当は15分間効果は続くんだ」
「・・・・・・え?」
凍り付いた声。愕然と口を開いて、京子は聴き直す。
「そんな、に?」
「ああ。あと十分、耐えられるか?」
京子の表情から力が抜けた。観念した様子で、裾にかけた手をさらに上へ引き上げる。
薄ピンクの下着が目前に晒された。
黒いニーソックスの上方に白い太股、付け根には薄桃のショーツ。
「いい画だ」
「頭、おかしいんじゃない・・・・・・?」
スカートをたくしあげた格好で京子は力なく吐き捨てる。先程までより余裕ができた様子だった。
落ち着かなげにそわそわ動く大腿が可愛らしく、欲を誘う。
和人はそのまましばらくその光景を眺めた。
「じゃあ次は、胸だな」
「なっ!」
視線を胸元に移されて、京子はたじろいだ。
「こっちもなのっ?」
答えずに無言で凝視する。
「・・・・・・わかったわよ」
今度はタートルネックの裾を掴んだ京子は、一気にたくしあげた。
臍、脂肪が薄く細い腰、脇腹、と順番に空気に晒し、ショーツと同じ薄ピンクのブラジャーが露出した。
脇腹の辺りは汗にまみれ、ブラも多少湿っている。
「こんなの見てなにがいいのよ」
「そうだな。もっと脱いだ方がいい」
86 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:49:38 ID:g36DTrOP
「え?」
「上半身裸になればいいんだ。ブラだって嫌なんだろ?」
「・・・・・・そん・・・なのって・・・・・・」
「パンツだってもう捲ってるんだしさ、いいだろ」
ブラに焦点を絞った。
「・・・・・・くっ!」
自棄になったのか京子は服を脱ぎ捨てた。背中に手を回し、ホックを外す。肩紐から両腕を外して床に落とす。
綺麗な椀状の胸を隠すものは既になにもなく、小さな乳輪が惜しげもなく露わになった。
上半身裸になった京子。はだけた胸を手で隠すこともせず、背けた顔に悔しそうな表情を浮かべて震えている。
「せっかくだからスカートも外そうよ」
「わかたわよ、わかったわよ! 脱げばいいんでしょう!? バカっ!」
スカートのホックが外され、乾いた音を立てて布が床に落ちた。
残っているのはショーツとニーソックスだけ。体が隠れないような、ファッションモデルに似た姿勢で立っている。
その姿をじっくり鑑賞した。
鎖骨、肩、胸と視線を移動させ、臍、脇腹、丘陵、太股と巡らせる。舐めるように自然を這わせた。
そうこうするうちに10分が経過する。
「・・・・・・!」
起きたまま、さらに目を覚ました。とでも表現すればいいだろうか。
京子は一瞬呆然。それから自分の格好を認識して――悲鳴を上げた。
「いやぁ!」
両手で胸を覆って座り込む。
「すまん、15分っていうのも嘘なんだ。実は10分だった」
「どうでもいいわよスケベ! 最低、もう知らない!」
泣きながら服をかき集める。
「着るの手伝おうか?」
「さっさと部屋を出て行って! もう二度と私に顔を見せるなぁ!」
手近にあるものを片っ端から投げつけつつ、怒鳴り散らす。追われた和人は部屋を出て行った。
陶製の灰皿が頭に直撃して瘤ができたが、あまりにも自業自得なので文句も言えない。
それから二ヶ月間、京子には口をきいてもらえなかった。
87 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:52:02 ID:g36DTrOP
以上。
催眠術の原理は不明。
服を着ていると恥ずかしいから脱ぎたいんだけど
頭では脱ぐのが恥ずかしいとわかっていて
結局どっちも恥ずかしい!!
なんて鬼畜な催眠術……!
GJだぜ!!
89 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 01:02:57 ID:ELaPTI2b
GJ!!
そしてそろそろ夏海の作者さんに光臨してほしいぜ…
ある日の思い付きを文章化してみた。今は反省している。
「ゆうくん、今日は人が多いね」
「え? ああ、そりゃ……日曜日だし」
とある休日の昼下がり。
僕は姉の買い物に付き合って、電車で4駅の繁華街に来ていた。
高校生にもなって姉弟で買い物に出かけるなんて……正直、僕は無しだと思う。
もしクラスの連中に見られでもしたら、碌なことにはならないだろう。
それでも、僕には、姉について行かなきゃならない理由があった。
それは……。
「ゆうくん、ゆうくん」
「……なに? ねえちゃん」
ドキッとした。
瞬間的に、脳裏に嫌な予感が走る。
どうにかそれを顔に出さないように応えた僕の目の前で、並んで歩く姉は実に朗らかな笑顔でこう言い放ったのだった。
「こんなに暑くて、こんなに人が多いとさぁ、つい脱ぎたくなるよね」
「ならないよっ!」
「えー、そうかなぁ」
とぼけた顔で姉は言う。
「だってさ、凄いよきっと。こう……男の人はみんな獣みたいな目であたしの体中、おっぱいとかおまんことかおしりとか、もう目で突き刺すみたいに
見ちゃうよ? 女の人は汚らしいもの見るみたいな、ものすごい軽蔑の目できゃーって叫ばれてさ、それで写メもいっぱい
撮られちゃって、なにあれ変態? みたいに言われちゃって、ちっちゃな子供には、はだかだーって指差されてさ、ああもう考えるだけでわたし」
「はいストップそこまで!」
「勘弁してよ、姉ちゃん……」
「脱いじゃだめ?」
「だめ!」
ふぅ、と溜息をつく。
この人のこの性癖は、どうにかならないのだろうか?
……ならないのだろうなあ。
子供のころからそうだった。
記憶の奥にある……幼いころの姉の、一番古いイメージと言えば、ぱんつ一丁で、外を思い切り走り回る姿なのだから。
とにかく、僕のこの、3つ上の姉は――
一言で言ってしまうと“生まれついての脱ぎたがり”なのだ。
帰ってくるなり僕がテレビ見てるのもお構いなしに、居間で着替え始めたり。
夏は、暑いと言うだけの理由でノーブラノーパン。
風呂上り、素っ裸のままテレビ見てるとかも最近当たり前になってきた。
だから僕は、家に友達を呼んだことがない。
小学校も中学校も、高校生になった今も。
……呼べるわけが無い。
そして、これだ。最近特にひどい。
これさえなければ、と何度も思った。
弟の僕が言うのもなんだけど、美人だと思う。
背も高いし、腰まで届きそうな長い黒髪もすごくきれいだ。
スタイルもいい。締まるとこはきゅっと締まってるし、出るとこも……この何年かで、ものすごく成長した。
嫌と言うほど、見せ付けられた。
頭もいい。
家から通ってる大学は、日本人なら誰でも一度は名前を聞いたことがある名門だ。
なのになんで、この人は……。
「ねぇ、ゆうくん」
と、唐突な姉の呼びかけに思考が遮られた。
「……今度は何?」
「はいこれ」
「へ?」
なんだこれ。
ぽん、とおもむろに姉が手渡したもの。
紐の付いた、縞々で、布製の、しかもあったかい――
「ぱっ……!!」
思わず叫びそうになるのを、すんでのところでこらえた。
大慌てでポケットにしまいこむと、周りで誰か見ていなかったか、視線を走らす。
とりあえずは――大丈夫だったらしい。
「あはは、顔真っ赤にしちゃって……かわいいんだから♪」
「ていうか姉ちゃん、いつ!? どうやって脱いだのさ!?」
歩きながら、あくまで小声で僕は叫んだ。
こんな人通りの多い街中だ。
目を離してたのって、多分5秒くらいしかないのに、いったいどうやって!?
「ひもパンってこういうとき便利だよね」
がくっとくる。
その一言で大体理解した。
なんでこんなものがこの世に存在するんだ。
そんなことのためにそういう造りになっているわけじゃないのだろうけど、
僕はひもパンと言うやつの発明者に心の中で訴状を叩き付けた。
「んん、夏はやっぱりノーパンに限るなぁ」
「だっ……そういうことを口に出さないでっていつも言ってるじゃん!」
あくまで小声で、僕は叫んだ。
今日は割りと丈の長いスカートだから、まだ危険度は低いほうだけど……それでも怖い。
バレやしないかと、こっちがびくびくしてしまう。
「ふー……脱いでもまだあついなぁ。風、吹いてくれないかなぁ」
お願いです。
神様、どうか風を起こさないで下さい。
僕を、助けて下さい。
能天気な笑顔の横で、必死に祈る。
……その願いが通じたのだろうか、さっきまで少しあった風が、ほとんど無くなった。
だが、ほっとしたのも束の間だった。
「ねぇ、ゆうくん」
「……次は何?」
「しよ」
その一言に、一瞬、体が固まった。
脳裏に、嫌な思い出が蘇る。
「まさかとは思うけど……今?」
「うん。したくなっちゃった」
「だめ! 絶対だめだからね!」
「えー、いいじゃない、減るもんじゃないし」
……だめだこの姉ちゃん、早く何とかしないと――
「今まで何回警察に捕まりそうになったと思ってんのさ!? 嫌だよ、もう絶対やらないからね、僕は!」
「むー」
姉は文字通りの、むすっとした顔をする。
けど、これでよかったんだ。
いい加減、どこかでビシッと言っておかないと、どんどん増長して――あれ?
姉ちゃん?
なんで上着脱ごうとしてるわけ?
「ちょっ……姉ちゃん!? なにしてんの!?」
「やっぱり脱ぎたくなっちゃった」
「やめてとめて、それだけは!!」
「じゃあ、して」
「出来ないよ、そんな……!」
「じゃあ脱ぐ。じゅう、きゅう、はち、なな……」
何!?
何勝手にカウントとか始めちゃってんのこの人!?
「よーん、さーん」
「わかった! する! 姉ちゃん、するからっ!」
スカートの留め金に手を掛けようとしたところで――僕はギブアップしてしまった。
姉の暴走を止めるためについてきたはずなのに、なんでこう、いつも結局は加担するようなことになってしまうのだろう……。
あまりにも情けない。
(僕はもう一生、まともな恋愛なんて出来ないんだろうな……)
実に楽しげな笑顔の姉に引っ張られて、僕は路地裏へと入っていく。
そのくらいの分別は付けてくれているということにほっとしてしまう僕も、もうおかしいのかもしれない。
姉はきっと病気だ。
……けど。
そんな姉ちゃんから離れられない僕も……病気なんだ。きっと。
以上、露出癖のある、弟を溺愛する姉と、それに振り回される弟の話でした。
……悪いんですけどこれ以上は俺の文才の限界を超えてますんでご勘弁を。
その姉ちゃん俺にくれよ!!
可愛いなぁ、この姉ちゃんw
小学生の女の子が自発的に露出を楽しむ小説で良いものはないかな?
この話も続編を示唆していながら蜜柑だな。
このスレなら知ってる人いるかな??
露出小説に目覚めたきっかけでもあるサイトなんだけど、
小説だったのか、日記だったのかは覚えていないんだけど、
・主人公は大学生
・自発的に露出してる(と思う)
・80話?以上あった(抜いた後、URLを破棄してしまった とにかくすごい量あった 何十回も次へを押したので)
・大学の講義中にこっそりバイブかローターか何かでオナニーしておしっこを漏らすという話がある
(この話はもう一人登場人物がいた記憶もある ティッシュをあてがうようなシーンがあった)
・夜中、自動販売機まで裸に飲み物を買いに行き、男の子(たしか中学生)3人組に見つかって囲まれ、セックスさせてくれないか?と頼まれるが、
途中で男の子の一人が、裸でうろつく女は頭がおかしいからやめとこう的なことでセックスまではいかなかったという話がある
覚えてる記憶がこれぐらいしかないんだけど、誰か知ってる人いませんか?
もう一度見たい、あのページを・・・
サイトはバックが黄色か何かの単色ですごく見づらかったような気もする
2年ぐらい探してるけど見つからない
105 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 15:42:55 ID:TRmfSqPx
age
海へレッツゴー
↓
到着
↓
その場で脱ぎだす
↓
脱いだら紐水着が
107 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 12:01:07 ID:7IEwirnI
視線は、ただ山西の右手にだけ集中している。
もう、余分なことは考えないよう、いや、考えられなかった。サマージャケットの前を押さえている自分の手が小さく震えているのが判る。
山西の右手が動く。スッと上げられたその手の動きが、佑子の目には驚くほどスローモーに見えた。
クッ、と小さく咽を鳴らし、サマージャケットを掴んでいる手に力が入る。公園の中を漂っている、蝉の声、子供の嬌声、道路を走る車の音……。それらの音がスッと佑子の周囲から消えていく……。
佑子の呼吸が止まった。息を止め、ゆっくりと石のように硬くなった両手を動かしていく。ファスナーを下まで全部下ろしていたサマージャケットがその手の動きに合わせて徐々に左右に開いていく。
視線は、ただ山西の顔にだけ集中している。
夏の日差しに暖められた風が、佑子の胸元を撫でていく。素肌に触れるその感触が妙に気持ちよく感じられた。
山西が、デジカメを構えた。そのレンズが太陽を反射し、眩く輝く。
手の動きに従ってサマージャケットから露わになっていく素肌を風が愛撫していく。胸元からお腹、そして、胸の膨らみの裾野を。
108 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 12:02:25 ID:7IEwirnI
視線は、ただ山西の手にしたデジカメのレンズにだけ集中している。
佑子の手がさらに動く。空中から糸で繋がれて操られているかのように、その手の動きに淀みはなかった。
風が胸の膨らみの頂を駆け抜けていく。もうずっと硬く尖りっぱなしだった乳首が、その瞬間、更にキュッと前に引っ張られるように勃起していく。と、同時に佑子の身体を峻烈な快感が駆け抜けていく。
「はぁぁ……」
ずっと止めていた息を佑子は吐きだした。夏の日差しの下に晒された佑子の上半身で、乳房の膨らみの下に肋骨が浮かび上がり、腹筋がヒクヒクと蠢いた。
真昼の公園。背後には子供達や親たち、カップルなど多くの人がいた。そんな中で、佑子は今彼らに背を向けているとはいえ、サマージャケットの前を大きく開いて、何一つ身につけていない十八才の上半身をさらけ出しているのだ。
109 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 12:04:25 ID:7IEwirnI
「あぁぁ……い、いやぁ……」
佑子の口から小さな呟きが漏れた。勃起した乳首を風が愛撫していく、その僅かな感触がたまらなく気持ちよかった。
佑子の両脚がギュッと摺り合わされる。立ったまま、その両脚が小さく震える。モジモジと摺り合わされる太股の動きが、股間に刺激を与える。
クリトリスの包皮が捲れ上がり、勃起した中心が剥き出しになっているのが判った。そして、その女芯から震えるほどの快感が佑子の身体に押し寄せてくる。
「う、ぅぅん……」
甘い呻き。腰が淫らにくねる度、くちゅっ、という淫らな音が佑子の股間から聞こえてくる。
ミニスカートの下で、花弁でとどまりきらなかった蜜が、留めるショーツが無いためそのまま太股の間を伝い、ヒップの方へ溢れてくる。
永遠とも思える時間の後、山西の手が上がるのを佑子は見た。佑子の両手が反射的に動いた。
サマージャケットの前を合わせ、開いていたファスナーをしっかりと上まで閉じる。
山西がゆっくりとこちらに歩いてくる。その姿を見ながら、佑子の脚から力が抜けていく。
佑子は荒い息を吐きながら、公園の芝生の上に、ぺたりと座り込む。山西が驚いた表情で駆け寄ってくるのを見ながら。
佑子シリーズの2次創作かな?
このシリーズ好きだからどんどん書いてほしい。
出来れば命令されて露出するのでも、無理やりじゃなく佑子が望む露出に協力するような
話になればベストなんだけど。
山西はきっと良い奴だと思ってる
とはいえ羨ましい奴だ
どうも「山西」=山西 惇、になっちゃうんだよな。
山西ってその人しか知らない上にイメージが強烈。
おまけにオレの中では
就活一直線しか思い浮かばない。
ネオ山工業大学柔道部・マスコミ志望
優秀な後輩に田口浩正
台詞の度に起立して、台詞の切れ目に太鼓の音がででんっと鳴って、やたら唾をまき散らかして、最後には校歌をがなりたてる……。
せぇかぁ〜い、わぁ、呼ぉぶぅ〜〜♪
我等、我等、ねぇお〜〜〜〜工業ぉ大学うううう〜♪
そういやここってNEOのエロパロスレって無いのか?
中山ネオミタン、ハアハア
>>115 「魔王」でがんばっているアレクサンドリーヌさんと、ブチュー
>>115 スケパン欧愛留で誰か書いて
↑
一応「バ」ではなく「パ」なので、そこんとこ夜露四苦
総長のスケパン超ミニでハアハア
118 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 14:37:29 ID:GvzvJzCu
上へ参ります
119 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 22:58:24 ID:BlfF9tqj
夏海ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
クリ責めスレの姉妹ものが露出風味でいい感じ保守
kwsk
保守
いつの間にか脱げててイヤーンっていう展開か
脱げてるのに気づかずにポロリ
なにか出てますよ〜ってw
破れたことに気づいて
恥ずかしくてどうにもならず・・・
・・・つか、背中やお尻が擦り剥けたりしなかったんだろうかそれ。
特派員のスクープを期待する。
ほしゅ
袖口が広いノースリーブから覗くブラに興奮する。
もしノーブラなら…っ!
夏の暑さは嫌いだが、開放的なのはいいな。
袖口から覗くブラもいいが、薄地のブラウスに透けて見えるブラってのもオツだと思う。
そしてブラつけ忘れなのか、それとも暑いからワザとなのかノーブラで薄手のブラウスを…。
見るな、とかいうクセに薄着するんだよな。
見ないように下向いて歩いてたらヘンなヤツ扱いされるし。
どうせぃ、っつんだよな。
...上を向いて歩く? 馬鹿扱いされるな。
夏海は続きはまだかいな?
136 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 16:09:22 ID:U5/TvjT+
age
hoshu
保守
hoshu
hoshu
hoshu
佑子・露出発覚
久々に続き来た。
把握した
佑子ここに投下されたシーンが無かったから
まだ続きがあると思うけど近々更新あるかな?
146 :
前スレ1:2008/10/22(水) 02:44:14 ID:7ta8llK0
佑子の作者が表現するような露出小説の投下を期待して前スレ立てました
本物の作者からの投下があるなんてスレ住民冥利に尽きると思います
自分で書こうと思いながら挫折しまくりです・・・・・・・・・・・・・
露出物ってやることがほとんど同じなので、感情とか細かい表現が難しいんですよね
王道路線でも告白路線でも新作SS投下を期待しています!
147 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 02:47:04 ID:GQfNz6e9
翔子はスポーツ万能でボーイッシュな小学五年生の女の子。
そんな翔子は夏休みに自転車で県内一周の旅を計画しました。
(最初は日本一週するつもりでしたが、途中で無謀だと気づいたようです)
家族に見送られ、家を出発すると荷物を括りつけた愛用のスポーツバイクを走らせます。
彼女の住む町は県内では一応都会の部類に入るのですが1時間も走らないうちに舗装された山道に入りました。
元気な翔子は坂道をものともせず、グイグイとペダルを漕いで山を登っていきます。
途中トンネルをくぐったりしながらその山を五合目まで登ったかという所に
山林の一部を切り開いたような緑の草に覆われた大きなスペースが道の横に広がっていました。
車が止まって休憩できるようなその場所で翔子も一休みすることにします。
「ふいー!疲れたぁ!」
汗はかいていますが言葉ほど疲れていない様子で翔子は自転車から降りると手を上に挙げて伸びと、深呼吸をしました。
「あぁー!あっつぅ」
続いて翔子は被っていた帽子を脱いで、それで胸元と顔を仰ぎます。
翔子のショートの黒い髪がその風に舞いました。
水筒のスポーツドリンクを半分ほど飲み、息も整ってきたという時……翔子の表情が少し変化しました。
少しの不安を抱えているような……なにかを期待しているような……
「……んしょ!」
翔子は汗を吸ったTシャツを脱いでしまいました。
元々上にはそのTシャツ一枚しか着ていなかったので翔子は上半身裸です。
男の子のような翔子ですがよく見るとわずかに胸が膨らんでいます。
その先端の小さな小さな桜色の突起も当然丸見えです。
続けて翔子は…半ズボンのファスナーを降ろし、それも脱いでしまいます。
真っ白なかざりっけの無いパンツが姿を現したかと思うと……すぐに翔子はそれ一枚になりました。
しかし、まだそこで終わりではありませんでした。翔子は少しだけ考えるような素振りを見せたあと
ただ一枚残ったそのパンツさえ足からぬきとってしまいました。
まだ一本も毛の生えていない一本線の割れ目と少年のような肉付きの薄いお尻が風と太陽の下に晒されます。
上も下も下着すらつけていないすっぱだかの翔子ですが、靴と靴下だけは履いたままでした。
「ふぁっ!きもちいーー!」
翔子はそのまま草の中に仰向けに寝転ぶと、手足を広げて大の字になります。
全身に太陽の光を浴び、自然の中で裸になる開放感に満面の笑みを零します。
「んあっ!」
翔子は180度ごろんと転がると、今度は背中とお尻を上にしてうつ伏せに寝ます。
「んにゃーー!」
そしてそのまま背中を逸らして、腰を高く上げて猫のような伸びをしました。
「あぁー!お尻の穴にまで太陽があたってるよー!」
嬉しそうに言いながら持ち上げたお尻を左右に振ります。
周りに誰も居ない山の中とはいえ、いつ車が通るかわからない公道の横です。
いくら活発な女の子でもはしたなすぎる……と言われそうな光景でした。
翔子は裸になる事を気にしない女の子というわけではありません。むしろ逆です。
……翔子には実は露出癖がありました。
今回の自転車の旅の一番大きな目的は……先々での露出行為だったのです。
翔子は家族が家に誰も居ない時にリビングですっぱだかになってみたり
朝、教室に一番乗りしたら誰かが来るまでぺろんとお尻を出していたり
夜中にパンツ一枚で自分の部屋から屋根の上に登って月明かりに照らされてみたり……
そんな「プチ露出」のようなことをしばしば楽しんでいました。
しかし、そのうち翔子の露出願望はさらに強くなり
「真昼間の外で裸になりたい」「みんなに裸を見られたい」
そんなふうにまで思うようになっていました。
そうは思っても……家族にその事がバレてしまったり、学校の友達などの見知った人に裸を見られたりするのは流石に抵抗がありました。
そこで思いついたのが今回の計画でした。
自分の家や学校や街以外の場所でなら……翔子はそう考えたのです。
ブロロロロ……
「……!!」
その時、車が走り去る音がしました。
翔子はビクリと肩をすくめます。
こんなコトをしていても裸を見られるのは恥ずかしいし怖いのです。
むしろそう言った気持ちが楽しいのです。
車はそのまま走り去って行きましたが、乗っていた人は翔子の裸を見たかもしれません。
「…………〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
そう思うと翔子の心臓はドキドキと高鳴り、全身が喜びと不安が混ざり合ったようななんとも言えない感覚に震えます。
翔子はそこで暫く裸のまま走ってみたり、側転したりしていました。
……その時
ブロロロロ……キキッ!
また車が来ました。
……そしてその車は止まりました。
「………っ!!」
翔子は緊張で固まりました。
車に乗っていたのは翔子よりもっと小さい子のいる家族連れだったようです。
車から降りた子供が裸の翔子に気づき、何やら翔子を指差して喋っています。
「あ……あわわっ!!」
流石に恥ずかしくなった翔子は慌てて服を着ると、自転車に飛び乗り帽子で顔を隠しながらその家族連れの横を抜けました。
そしてそのまま猛スピードその場を走り去りました。
「はぁっ……はぁっ……見られ…ちゃった……!!」
翔子は顔を真っ赤にして、来た時以上に呼吸を乱してペダルを踏みます。
家族連れの横を通った時自分に向けられた驚きと呆れと好奇が混ざったような視線が思い出されます。
「うあぁ〜!恥ずかしいよぉ……!!」
……しかしそう独り言を言った時、翔子は嬉しそうに笑っていました。
初めて投下してみました。
直接的な性行為等は一切なしで露出を突き詰める形で続けたいと思っています。
明るく楽しく恥ずかしく でお願いします。
152 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:50:43 ID:hk1BMssk
これは…俺の嗜好とベストマッチ
>露出を突き詰める形
期待してます!
「ふぅっ……ふぅっ!」
翔子は山道を登り続けていました。
道の途中で先ほどの家族連れの車に抜かれた時は恥ずかしさが蘇り体が震えましたが、他は特に何事もなく順調に進んでいきます。
そしてしばらく自転車を漕ぎ、山の頂上付近にまで登った所で、再び休憩できるようなスペースがありました。
そこは道から外れた部分に広く砂利が敷きつめられたような場所で案内板や自動販売機も設置されています。
さらにそこは遠くの山々を見渡す景色が広がっており、眼下には山に囲まれた盆地に造られた翔子の住んでいる町が一望できます。
「うはぁっ!」
翔子は思わず歓声を上げました。
家族でドライブに出かけたときなどに既に何度も見た光景のはずですが、今日は一際素晴らしい景色に見えます。
翔子は自転車を停めてその景色をじっくりと眺めるとともに……再びTシャツに手をかけました。
そして、そこからは説明するまでもなく、あっという間に上も下も脱ぎ捨て、またしてもすっぱだかになってしまいます。
山頂の心地よい風が、何もさえぎるものがない翔子の素肌を撫でていきます。
「あぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
翔子は広がる景色に向かって自分の体を差し出すかのように両手を広げ、胸を張りました。
街から山の上にいる翔子の姿が見えるわけがありません。ましてや翔子が裸だという事など誰もわかりません。
……でも、翔子はこうすることでまるで、近所の人や学校の友達や先生に顔も知らない大勢の人たちに
街にいる何万人という人たちに自分の裸を曝け出しているような錯覚を感じるのでした。
翔子がしばらくそうして開放感に浸っていると……やがて道の下の方から車がやってくるのが見えました。
「……っ!!」
翔子は迷いました。このままは裸でいようか、急いで服を着ようか。
折角の景色なのであの車がここで止まる可能性は高いように思えます。
車が通過する時に一瞬裸を見られるのはともかく、車から降りた人にじっくりと見られてしまうのは少し抵抗がありました。
「……そうだ!」
しかしそのまま服を着てしまうのももったいないと思った翔子はある事を思いつき、行動に出ました。
横にあった自動販売機の裏に裸のまま隠れる事にしたのです。
急いで自販機の裏に駆け込むと裸の胸を両手で抱くようにして、ドキドキしながら車を待ちます。
だんだん車の音が近づき……そして、砂利に車のタイヤが乗り上げた音がしたかと思うと、予想した通り車はここで止まりました。
ガチャッ……とドアを開ける音がして、中から何人かの人間が降りて来たようです。
山の上からの景色に感嘆の声をあげる会話が聞こえてきます。
「はぁっ……はぁっ……!」
翔子は自動販売機の裏で、恐怖と興奮を覚え、体をガクガクと震わせました。
ザッ……ザッ……
「……っっ!!」
砂利を踏む足音がこちらに近づいてきます。
誰かが飲み物を買いに来たようです。
自動販売機を挟んだ1メートルもしない先に人の気配がします。
……向こうもこっちの気配に気づきはしないだろうか……
翔子の体はますます震えてきます。
チャリン……チャリン……ガトゴトッ!!
コインを入れる音、飲み物が落ちる振動にビクリと反応する翔子の身体。
ドクンドクンと鼓動が大きく脈打ち、翔子は自分の心臓の音が周りにまで聞こえてしまいそうな気がしました。
顔もわからないその人たちはしばらくそこで景色を眺めながら休憩していました。
当然その間翔子は裸で自動販売機の裏に隠れたままです。
翔子はそこにいる人たちがが荷物を多く積んだ持ち主不明の自転車を見てどう思うのか。
……まさかありえないだろうけれど、それを持っていかれたりしまったら自分はすっぱだかで山の頂上に取り残されてしまう。
そんな事を想像するととてつもない不安と、……さらにその奥から湧き上がってくる言葉に出来ない感情に全身がわななくようでした。
しかし車が走り去った後も……翔子は自動販売機の裏から出るのに戸惑っていました。
陰に隠れているうちに、なんだか裸で開放感溢れる元の場所に飛び出すのが怖くなってしまったのです。
しかし、また車が来たら次はいつ自動販売機の陰から出られるかわからないので勇気を出して飛び出しました。
「…………っっ!!」
……幸いそこには人の気配はなく、自転車も荷物も隠れた時のままです。
翔子は急いで服を着ると、自転車に再び跨りました。
「こ……怖かったよぉ……」
翔子は少し力の入らない足腰で再びペダルを漕ぎ始めるのでした……
感想ありがとうございます。
>>151 はい、私もまさにそういうコンセプトで書くつもりです。
恥ずかしさを忘れたら露出は意味がないと思っています!
>>152 そう言っていただけると嬉しいです。
あくまで露出が本題なので、あまりエッチな話にはなりませんが
その分ある意味マニアックで楽しめる人には楽しめる話が書ければいいと思っています。
日も落ちて来ました……急げば今日中に山を降りることもできましたが、翔子は山の中で一晩過ごすことにしました。
夜道を走るのは危険……というのは口実でアウトドア派の翔子は旅の途中で野宿……というシチュエーションに憧れていたのです。
そして……山の中で一人きりは、裸になるのに絶好のシチュエーションでもありました。
山道からは少し外れた場所に流れる綺麗な川を見つけると、翔子はその脇を今晩の寝床と決めて平らな所を探して寝袋を引きます。
そしてその上にしゃがみ込み、夕飯にお母さんが作ってくれたおにぎりを食べました。
……それから暫くするとあ完全に日が落ちました。
夜の山は想像していた以上に真っ暗です。今夜は月が出ているのですが、山の木々が影を作り、翔子にまで明かりは届きません。
携帯ランプと懐中電灯の明かりも心細く思えます。
「うぅっ……怖いなぁ」
元気な翔子もまだ小学生の女の子、夜の山に一人きりは恐怖を感じました。
冒険小説などで想像していたものより、一人で山の中に寝るのはずっと怖くて寂しかったのです。
家ならあったかい布団で眠れたのに……せめて山を早く降りちゃえば良かったのに……
とうとう旅に出たことを初日にして後悔し始め、軽く泣きそうになってきた翔子でしたが……
「こういう時こそ……早く裸になっちゃお」
本来の目的(?)を思い出し、服に手をかけると、夜の山の中で産まれたままの姿になっていきました。
「……ふぅぅっ……」
7月とはいえ夜の山は少し冷えます。
……でもその肌寒さが自分が裸だという事をより実感させて翔子を興奮させました。
「なんだか……動物になったみたい……」
本当に自分が自然に帰ったようで、夜の暗い闇への恐怖も薄れてきました。
翔子はさらに動物になりきりたくなり、靴と靴下も脱いで、さらに四つんばいになります。
「はぁぁ……はぁっ……」
掌と足の裏に感じる少し、しっとりとした土の感触。
興奮から荒くなった自分の息づかいが、翔子は本当の獣のように感じました。
そして翔子はそのまま四つんばいで歩き始め、昼間自転車で走っていた山道に踊り出ました。
舗装されたアスファルトが手足に触れる感触も土とはまた違う興奮を生みます。
空に出ていた月が、獣になった翔子を照らしました。
「あ……あぁぁ……」
月明かりのスポットライトに裸を照らされ、道路に映る四つんばいの自分の影を見た時、翔子はもう自分が自分でなくなったような気分でした。
「おぉーーーん!おぉーーーーん!!」
思わず翔子は月に向かってオオカミの遠吠えをしました。
遠くの山に自分の鳴き声がこだまします。
「おぉーーーん!おぉーーーーん!!」
さらに翔子は吠えながら、四つんばいのまま山道をもう少し歩くことにします。
途中「タヌキに注意!」などの看板が出ていました。
「……タヌキじゃないけど車にはねられないようにしなきゃね……こんな格好で死んだら末代までの恥だよ」
少しだけ人間の理性を取り戻した矢先、下の方の道路から……車のヘッドライトの光が見えました。
どうやらこっちに向かってくるようです。
「わわっ!」
翔子は慌てて、一瞬林の中に戻ろうとしました。
……しかし、すぐに考え直し、道の端に四つんばいのまま移動して、そこで止まりました。
車を待つことにしたのです。
山の中で裸になり、動物になった自分を見てもらおうと思ったのです。
夜中の山道に裸の女の子がいたら……どんな反応をするだろう。驚いて、事故っちゃったりしないよね……?
そんな事を考えているうちに、走ってきた車のヘッドライトが反対車線にいる翔子を照らしました。
その瞬間……翔子は頭が真っ白になりそうでした。
しかし、そんな中でも、翔子は確かに車を運転していた人と目を合わせました。
若い男の人に見えました……目を見開いて……口をポカーンと開けて……裸の翔子を見てくれました。
「はぁぁ……見られ……ちゃったよぉお……」
翔子は湧き上がる恥ずかしさと嬉しさ、言い知れぬ達成感と虚無感に四つんばいで震えました。
……しかし。
キキィィッ!!
車のブレーキの音が聞こえました。
先ほどの車が急停車したのです。
……夜の山に子供が一人(女の子と認識してくれたかは怪しい!)それも真っ裸でいたら何かの事件かと思うのが当然でしょう。
「……わわわっ!!」
翔子は慌てて……四つんばいのまま山道を外れた山林の中に戻っていきました。
「な……なんだったんだアレ……猿じゃ……ないよな……?」
林の中に四つんばいで走って逃げる翔子のお尻を見つめながら……車を運転していた男の人は狐につままれたような顔で呟きました。
>>144 基本佑子シリーズは年1回更新ペースだから
今までから考えて次回は早くても来年の夏以降になると思う
ていうかこのスレ佑子シリーズ愛読者が多いな
>>157 GJ!ド真中ストライクだぜ。
距離感の妙というか、見えてるのに見えてない感じがね・・・
もう・・・
翔子は自分の荷物のある場所へ戻ってくると、川で手足を洗い、寝袋に裸のまま入って眠りました……
先ほどの興奮が冷めず、なかなか眠れないかと思った翔子ですが、疲れていたのかそれほど時間を置かず眠りにつけました。
静かな夜の山に、裸で寝袋に包まる少女の寝息が聞こえました……
そして次の日、朝早く目覚めた翔子は、裸のまま川に入って身体と服を洗います。
「うひゃー冷たーーっ!!」
早朝の山の川の水は冷たいけれど気持ちのいいものでした。
翔子は自然を満喫している自分がなんだかカッコよく思えてきます。
……これで朝食もその辺から取ってこれたら完璧ですが、流石の翔子もそこまで逞しくはありません。
川から上がり、タオルで身体を拭くと、荷物の中のカロリーメイトを取り出し、朝ごはんにして食べました。
洗った服を木か道路沿いのガードレールにかけて乾かそうかと考えていた翔子でしたが、そうするとそれが乾くまでここから動けない事に気づきました。
特別急いでいるわけではありませんが、いい加減この山に足止めされるのも退屈に思えます。
翔子は暫し考えた末……
「ひゃっほーーー!!」
そこには裸のまま自転車に乗って山道を下っている翔子の姿がありました。
着替えは持っているのですが、裸で自転車を漕いだら気持ちが良さそうだという理由でそのまま山を降りる事にしたのです。
そして、想像していた通り、自転車で風を切り、その風が裸の全身を撫でる感触はなんとも心地よいものでした。
裸で自転車を漕ぐという、普通とはかけ離れた状況も翔子をますます興奮させていたのです。
バサッ……バサッ……
さらに、翔子の後ろでは洗濯物が風になびいていました。
濡れた服に紐を通し、それを自転車や一部自分の身体に巻きつけ、自転車を走らせることで乾かそうとしているのです。
「これなら風で早く乾きそうだし移動も出来て一石二鳥!ボクって頭いいーー」
全裸で自分のパンツをなびかせながら走っているのが頭が良いのかどうかは別として、翔子はごきげんです。
山道の中を朝日を浴びながら……裸の少女が猛スピードで自転車を漕いでいるというシュールな光景がそこにはありました。
翔子は走っている途中、何度か対向車に会いました。
裸で自転車を漕いでいる翔子を見ると、みんなポカーンとしたり、何かの見間違いかと首をかしげるたり、じっと視線を送ってきたりします。
翔子も最初のうちは恥ずかしさが勝り、うつむいてしまったりしたのですが、だんだん見られるのが楽しくなってきて
そのうち対向車にむかって手を振ったり、立ち漕ぎしながらお尻を突き出したりする余裕まで出てきました。
しかし……その余裕はあくまで、対向車なら見られるのは一瞬だから、という理由でした。
「えっ……!?」
翔子はいつの間にか……自分と同じ車線の数十メートル後ろを車が走っている事に気づきました。
後ろの車からは当然、裸で自転車を漕いでいる翔子のお尻が丸見えです。
「わっ!……わゎっ!!」
翔子は恥ずかしさに思わず、ハンドルに身体を預けるように前かがみになって俯きますが、そんなコトをすると逆に後ろにお尻を見せつけるような姿勢になってしまいます。
いくら翔子でも、車を置き去りにするほどのスピードでは走れないので、スピードを落として早く抜いてもらう事を期待しました。
しかし、距離を詰められれば詰められるほど、恥ずかしさも増していくのです。
ようやく車が翔子を追い抜いた時、翔子は恥ずかしくてそっちを向くことは出来なかったけれど
横から車のドライバーの一際強い視線が身体に突き刺さるのを感じました。
「うあぁぁあ〜〜〜!!恥ずかしいかったよぉ……」
声と身体を震わせ、そう口にした翔子。
けれど、ようやく一息ついたのも束の間。
……後ろにはまた別の車が控えていたのです。
「ひ、ひぇっ……!そんなァ」
今日は昨日に比べて交通量が多く、その後も翔子はたくさんの車に追い抜かれ、大勢の人に裸を見られてしまいました。
最初はせめて車に早く抜かしてもらおうとゆっくり自転車を漕いでいた翔子でしたが、
後から後から来る車に、とうとうヤケクソになって、お尻を振りながら立ち漕ぎを始めました。
……そうした理由は、大勢の人に長く裸を見られてしまうより、早く山を降りた方が良いと思ったからか、
それとも、みんなに自分のお尻をもっと見てもらいたかったからか……翔子自身にもよくわかりませんでした。
うほぉ
163 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 00:43:58 ID:5nYPLu3S
>161
見知った人に裸を見られたりするのに抵抗を感じてる少女が、
近場の山道で自分だと認識されうる状況で、裸をさらすのは違和感を感じるのですが・・・
>>163 近場ってほどじゃないだろ
一応都会って言ってるしこんなとこで会った人と再会する可能性なんて限りなく低い
これからも何度でも会う知り合いに見せるのとは全然違うだろ
まあどうでもいいや。
主人公の独り言がバカっぽくて全然萌えない。
いいねー。
次も楽しみにしてるよ〜。
その後も散々車から裸を見られてしまった末に、翔子はようやく山を越えようかという所に差し掛かりました。、
流石に山を降りてまで全裸でいるわけにはいかないと思った翔子は適当なスペースで自転車を止めると休憩を兼ねて荷物から着替えを取り出します。
新しいTシャツの袖を通す時、翔子はふと、自分が昨晩から12時間以上も服を着ていなかったという事に気づきました。
産まれてこの方こんなに長い間服を着なかったのは始めてだな……
そう思いながら、あらためて昨日からの自分の行動を振り返ると、その異質さに思わず恥ずかしさと興奮が蘇ります。
そしてこの旅の間に丸一日、24時間服を着ない日を作れないだろうか……などと考え
それを実行した自分を想像して、またなんとも形容しがたい興奮を覚える翔子でした。
山を越えるとそこは県内最大の都市郡が形成される盆地です。
……とはいえ山のふもとはまだまだ田舎で、のどかな田園風景が広がっています。
よく晴れた空の下。翔子は心地よい気分で自転車を漕ぎ続けました。
しかし、30分程走り続けた頃、翔子は顔をしかめていました。
「うー、暑い……」
真夏の太陽は真上から降り注ぎ、気温はこの日のピークを迎えています。
翔子は朝、水筒に汲んできた川の水を何度も飲みました。
「上……脱いじゃおうかな」
そう呟くとTシャツを脱ぎ、上半身裸になる翔子。
田舎とはいえ市街地です。通行人も多く、人目は先ほどの山の中の比ではありません。
しかし翔子は髪型も服装もラフで、よく男の子だと間違えられる自分なら平気。
胸も……ちょっと膨らみ始めたけれどじっくり見られなければバレないはず……
むしろ上半身裸ならますますみんな男の子だと思うはず……
そんなふうに考えながら、自転車を再び走らせました。
小学生が大荷物を乗せて自転車を漕いでいるだけで多少は目立ちます。ましてや上半身だけとはいえ裸だとなおさらです。
もう小学校高学年ならば、男の子でも公道で上半身裸は非常識。翔子は周囲からさまざまな視線を浴びました。
少し呆れたような視線。物珍しそうな視線。
そして気のせいでしょうか。中にはそれとも少し違う、翔子に疑問符を投げかけたり、顔と胸を見比べるような視線も感じました。
(ひょっとして女の子と気づかれてる……?)
最初は不安を感じた翔子でしたが、そのうちそう思われるのならそれはそれでかまわないと思うようになりました。
男の子と疑わない、自然に受け入れられる視線。女の子ではないか?と疑問符のついた視線。
どちらも少し違った興奮を翔子に与えてくれたのです。
(ボク……本当は女の子なのに……おっぱい見せてるんだよ……)
暑さのみならず、興奮と緊張からか、翔子の肌には汗が浮かび、それは光を反射して幼い身体をどこか艶かしく照らすのでした。
走り続けているうちに辺りには家々が増え、田畑は減り、徐々にビルなども立ち並ぶ本格的な街中へと入って行きました。
それにつれ通る車やすれ違う人々の数も増え、上半身裸の翔子への視線も当然ながら多くなります。
街の中心部まで来ると翔子の姿はいよいよ異質なものとなり、集まる視線に流石の翔子も思わず震えました。
山の中では下も脱いでいた翔子でしたが、多くの人の視線と気配を感じている今はそれ以上の不安と恥ずかしさでした。
しかも徐々に慣れていったあの時とは逆に、街中では徐々に不安と恥ずかしさが蓄積されていくような気分なのです。
次第に俯きがちになり、段々裸でいることが辛くながらも翔子は服を着ようとはしませんでした。
翔子は自分でも気づかないうちに、自分の恥ずかしさと気持ちよさの境界線の見極めと、そのハードルを上げる事への挑戦を行っていたのかもしれません。
>>163 誤解を招いたかもしれませんがこの山はドラえもんの裏山みたいな近場ではなく
市街地から自転車で一時間弱かける必要がある場所ですし、自転車で越えるには半日はかかるそこそこ大きい(広い)山です。
なので
>>164の方が仰ったとおり山の中で知り合いに見られる可能性は殆どないという状況と思ってください。
自分の中でのイメージが勝手に先行して読んで下さる方々に文章で正確に情景をお伝えできていないかもしれませんね。
あと、知り合いに見られるのに抵抗があると言っても、それはまだ現時点では知り合いに対しては恥ずかしさが勝っていたり
見られてしまった後の日常生活の支障を考慮してのことで、本音はむしろ見られたいんですよ。
その辺の本音をもっと素直に出せるのが旅先であるというのをコンセプトに書いています。
るり?
172 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 01:40:00 ID:YVtkgbC1
あ