魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
リンクは
>>2
>>1乙
それと思いついた小ネタを投下させてもらうぜ
・ちょっとシリアス
・殆どオリキャラの独白なので注意
小ネタなら前スレで良いんじゃない?
7 :
5:2008/05/11(日) 01:34:54 ID:bbLoRToK
それもそうかな
向こうはまだ30kb以上残ってるし
ん? ガチ百合は百合スレと住みわけてる人がいるから少ないと思ってたんだけど。
そうでもないのかねぇ?
教えて? スレの先輩諸氏。
>>8 > ガチ百合は百合スレと住みわけてる人がいるから少ないと思ってたんだけど。
そうでもないと思うぞ。
ってか言うほどこのスレ百合少ないとも思わないけどな……
まぁ、百合ssの投下なら大歓迎だ。
そうか? 246氏ぐらいじゃねーの、ここに百合物落とす人。
ヘテロCPの添え物とかは見ないから知らんけど。
それなりに前はこのスレでも結構みたけど、確かに最近は少ないかもなぁ。
まぁ、百合ssは個人のサイトでやってる人が凄い多いみたいだからそのせいじゃないか?
246氏の続きもかなり楽しみにしてるんだけど、
ここらで誰か百合モノ投下して欲しいかも。
277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/11(日) 11:54:42 ID:+nAObNDm
>>275 つーか、なのは二次創作系のサイト見ればわかるじゃない。
基本最強無敵百合ハーレムな魔王なのはさんか、フェイトさんと純愛(笑)してるなのはの
多いこと多いこと。
んで、酷いサイトになると、淫獣やクロノは愚かエリオまでフェイトにボコらせたりする。
しかもそれを手放しで喜ぶ信者たち。
北側をボコるU-1と、それを見てニヤつく池沼ヒロイン共の時代からまったく変わってないな。
と、ここまで書いて思ったんだがもしかして都築、KYOUYA批判するために
KYOUYAがどんなキャラかを知るためにSSを読みすぎて、頭がやられてしまって
頭が真っ白になったところをKYOUYAに洗脳されたんじゃ・・・・・・
>>14 こんな自分の頭がやられてることにも気付いていない馬鹿のレスを引っ張ってきて何がしたいんだ。
U−1とか北側とかがそもそもわからん。
なのは知ってる人間は知らなきゃならん作品か何かか?
というか、書き手側が自戒の意味を込めて知っておくべき事柄なような気がする。
読み手側にはさして関係はないだろうけど。
あんまこれが見たいとかこれは見たくないとか、受けて側の好みの話を広げすぎないほうが良いぞ。
なんのための書き手側のNG要請の配慮だろうね。
そのての選り好みでユーノSSが淫獣スレ行けと追い出され、百合SSは百合スレ行けと追い出されで、
書き手が書きたいもん書けるような土壌を作ってやることはできないんかね。
>>1です
L・Hと聞いて、最初なのはさんのデバイスかと思ったぜ
そしてこれは70スレ記念品だぜ
つ
[59]CRR[sage] 2008/04/12(土) 20:33:35 ID:vpbF+xEE
AAS
テーン テテテンテンテン テテテンテテテン テテテンテンテンテンテン……(イントロ)
BEYOND THE MORAL 〜倫理(エシック)の壁を超えて〜
詞:CRR
歌:TudukiMasaki NATTOWORK(誰
You belong to tribe ヤメテを言えなくて
いつまでも 抱きしめられてた
I belong to you 張り裂けそうになる
この(ピー)を 君が咥えてる
We belong to bureau 遥かな次元世界(うみ)のもと
コバルトに 光る地上本部(おか)がある
争いは そこから始まって
愛しさが そこに帰るのさ
ああ ロリコンの印 消しきれなくて
いくつもの逢瀬 繰り返す
ルキノより はやてより シャーリーより
君だけが望む全てだから
離れても 変わっても 見失っても
乳房(ふくらみ)を増さないで
You can change your figure 柵の向こう
You can change your habit 塀の向こう
We can share the pleasure 償ってゆく
赦し 請えるその日を
You can change your figure 柵の向こう
You can change your habit 塀の向こう
ああ もう一度君を
抱きしめれるなら
倫理(エシック)の壁を
越えて Beyond the moral……
【男の書き置き】
まずい状況になった、やはり部隊長に目をつけられてしまった
既に包囲されていて逃げ場はない
捕まればどうなるか……ならば、少しでも脆い所を強引に突破するしかない
砲撃が始まった、俺は行く、後は頼む
BEYOND THE MORAL 〜倫理(エシック)の壁を超えて〜
推進派会員02より
ま、必要以上にその話のメインキャラじゃないからってほかのキャラを無意味に酷く扱わなきゃいいと思うけどね。
とりあえず自分は黙して燃え上がるアリサを待つ。。。
レジなのとエリオ隊長にわくわく。
読み手は「読んでやってる」じゃないで「読ませてもらってる」なんだから指摘や批評はいいと思うけど過度の批判はやめたほうがいいと思う
読書感想文とかでもいけど提出したら鼻で笑われたとかされたら誰だって不快に思うだろうし作品に対するレスをする人は自分がされたら不快に思うこととかをしっかり考えてほしいね
他スレよりも職人に恵まれてるんだからそれが当たり前だと思わないほうがいいよ
>>25 俺も同意だな。
とあるサイトでは過度の批判になってしまったところを見たから
余計にそう思う。
で、どっからがあなた様方の仰る「過度」なので?
GJとマンセー以外は全部ですか?
難しいことは分からんが俺からするとこのスレの職人は総じてレベル高め
俺なんて怖くて投下できないもんorz
>>27 何か恐いよ…
そんなの人によって違うものだから、その人によると思う。
しわしわ婆さん
鬼の様な婆さん
スーパー婆さん
>>30 それはアレか? 某甘党な艦長であるL・Hさんに言ってるのか?
命が惜しかったら止めた方が・・・・
>>27 何レスも明らかな暴言のような批判が続いて
別のスレに追い出そうとしたり他の職人さんが投下しづらい空気にすることだと自分は思う
豊かになればなるほど愚かになるものだからね
ミッド人は何歳ぐらいから老け始めるんだろう
実は地球人より平均寿命が長かったりするんじゃないか
>>13 ふたなりは百合モノに(ry
連勤続きの日々から解放された久々の休日。
体が求めるままに惰眠を貪っていたが、股間を這い回る湿った感触が私の意識を覚醒へと引き上げようとする。
大方昨日お預けを食らったどこかの執務官が朝から盛っているのだろう。
そう思って再び夢の世界に旅立とうとしたけれど、少し様子がおかしいことに気付いた。
いつも舐められているところとは違うところを舐められている気がする。
その感触は今までに感じたことのない不思議なもの。
それを確かめずにはいられなくなり、重たいまぶたを押し上げる。
視界に飛び込んでくるのは、股間に顔を埋めるフェイトさんの姿。ここまでは予想通り
だけど、私に気付いて顔を上げたフェイトさんの下には、私のなめらかな体のラインから飛び出た肉塊。
まだ上手く頭が回っていない私の目の前で、フェイトさんがそれに舌を這わせる。
それに合わせて先ほどの不思議な感触が神経を撫でる。
姿は見えども寝起きの上手く回らない頭では、正体までは分からない。
そうしている間にも、フェイトさんはそれをそっと握りしめ、舌を這わせる。
そのたびに、少しずつ何かがこみ上げるような感覚が股間をくすぐる。
段々と存在感を増していくその感覚に、目覚めかけた思考は即座に囚われる。
まともな思考を紡ぐ余裕は少しもなく、ただどんどん膨らんでいくそれに押し流されるだけ。
やがて抱えきれなくなるまで大きくなったそれは突如として弾け、堰を切ったように激しい快感となって脳裏を貫く。
頭の中を真っ白に洗い流された後、気怠い虚脱感に放り出される。
すっかり目は覚めたけど、起き上がる力が出ない。生気を抜かれたという表現が一番ぴったりくる。
せっかくの休日の朝なのに目覚めは最悪。
残る力を振り絞り顔を上げて、多少の恨みを込めた視線をフェイトさんに向ける。
その視線の先で、フェイトさんは自分の顔に付いた白い汚れを指で拭っていた。
華奢な指先が顔を撫でるたびに、顔から指へと汚れは移り、綺麗な白い指先は澱んだ白で塗りつぶされる。
軽く目を閉じて白い化粧の上に指を滑らせるその美しい仕草に、思わず見入ってしまう。
私が呆けて居る間に、フェイトさんの顔を汚していた白はすっかり拭い去られ、金色の流れに混じった白い滴を除けば痕跡は何処にも無い。
ただ、ドロドロになった右手が残るのみ。
フェイトさんはそれをじっと見つめ――自らの小さな舌を伸ばす。
心臓が大きく鐘を打った。
ゆっくりと指を舐め上げるその様子は、寝起きに見せられるには少々キツイ色気を帯びていた。
私の視線は無意識にフェイトさんの舌を追い――気付けば紅い瞳に捕らえられていた。
「おはよう――
一人称が誰か分かる人がいたら私が喜びます。
当然ギン姉ですよね、分かります
キャロだろ、jk
シャーリーじゃないのか?
フェイトさんと滑らかな体のラインを考えると……
リンディさんだろ
作者本人に聞いてみないとわかんないけれども
>大方昨日お預けを食らったどこかの執務官が朝から盛っているのだろう
がシャーリーだとフェイトさんを突き放しすぎている気がする。
>>40
>>39 エリオくんを性的にいじめてるんですね、わかります
一人称が「私」の女性キャラ
リンディ、シャーリー、シグナム、シャマル、ギンガ、はやて、ヴィヴィオ、リィン、アルト、マリー、シャッハ、カリム、
アイナ、ラグナ、オーリス、ドゥーエを除く1から6番とディード、ルー。
この中でフェイトを「フェイトさん」と呼ぶのは
シャーリー、ギンガ、リィン、アルト、カリム。
呼び方は不明だけど「さん付け」しそうなのが
マリー、アイナ、ラグナ、ルー。
滑らかな体だから巨乳は除外されて・・・・・連勤という言葉から子どもは除外されるから、
やっぱりシャーリーかな?
46 :
ザ・シガー:2008/05/11(日) 19:37:41 ID:tdq52ddl
突然だが投下するよ〜、「烈火の将は〜」の最終回、トゥルーエンドで。
40分くらいになったらできると思うので。
>>前スレ682
アクセントとかマジェンティスとかリオとかピカントとか某国の車はアレだぞ、某英国の人達にフルボッコにされる。
48 :
ザ・シガー:2008/05/11(日) 19:44:07 ID:tdq52ddl
そろそろ投下します。
「烈火の将は狙撃手がお好き」の十一話、これで最終回です。
ヴァイス×シグナムで、まあ言うだけ野暮だがもちろんエロだ。
烈火の将は狙撃手がお好き11 トゥルーエンド 愛しく甘き終焉
上質な豆から挽かれたコーヒーが特有の薫り高い芳香を放ち、部屋の空気に溶けて鼻腔をくすぐる。
コーヒーメイカーからカップ注がれたコーヒーが白い湯気を立てながら部屋中にその匂いを放つ。
部屋の主である青年は温かい湯気を立てるカップを手に取るとソファに座っていた女性の前にそっと置いた。
彼の手には炎の魔剣の名を持つアームドデバイスで刻まれた傷があり、包帯がひどく痛々しい。
コーヒーはミルクも砂糖も入れないし用意しない、彼女は何も入れないブラックを好むと青年は良く知っているから。
女性は目の前に置かれたカップを手に取り豊かな薫りを放つコーヒーを口にした。
「落ち着きましたか?」
「ああ‥‥」
青年の問いに女性はそう答えて小さく頷く。
その拍子に彼女の燃えるような緋色の髪が揺れ、頬に張り付く。
瞳から流れた涙の跡、その少しばかり濡れた肌に一本の乾いた髪が張り付いたのだ。
青年はそれに気付くと彼女の頬を優しくそっと撫でて張り付いた髪を払う。
女性は彼の手が与えてくれる愛撫に目を細めて心地良さそうな顔をする。
彼の手が頬から離れる時、その掌中に刻まれた大きな裂傷が包帯の隙間から覗き女性の目に付いた。
「すまない‥‥ヴァイス‥私のせいでそんな傷を‥‥」
それは半ば狂乱した烈火の将が振りかざした剣で刻まれた傷だった。
彼が自分からした事とは言えど、将の心に罪悪感を与えるには十分なものだろう。
だが青年は朗らかな笑顔で返した。
「シグナム姐さんは悪くないっすよ。俺が勝手にやったんですから」
その言葉と笑顔に将は心に刺さった罪悪感の棘がいくらか抜けるのを感じた。
ここは機動六課所属のヘリパイロットにして狙撃手ヴァイス・グランセニックの部屋、そして今ここにいるのは彼と彼の恋人である烈火の将シグナムだった。
□
深夜の機動六課隊舎で行われた一連の修羅場は一応の解決を見た。
ヴァイスは例え人でないと知ったとしても将を選んだ。
喜びと悲しみの混濁する感情に泣きはらすシグナムを彼はただ静かに抱きしめて慰め、自分の胸で彼女の涙を受けた。
気の済むまで泣いたシグナムを一人家に見送るなどという野暮な事はしなかった、ただ目を合わせるだけで了承を取るとヴァイスは彼女を自分の家に誘った。
シグナムはヴァイスの淹れたコーヒーをゆっくりと飲み干していく。
薫り高い黒が喉を通る度にその熱がひどく心に染みた。
それは単に淹れ立てのコーヒーの持つ熱だけではなく、彼が手ずから淹れてくれたというのが大きい要素である事は言うまでも無い。
先ほどまで筆舌に尽くし難い悲しみや絶望に彩られた胸の奥が焼けるように熱く、そして糖蜜のように甘くなっていくのをシグナムは感じた。
「美味しいな‥‥」
「そうっすか、そりゃ良かった」
シグナムは静かにそう呟いてカップをテーブルに置いた。彼女のその言葉にヴァイスは嬉しそうに笑みを零す。
ひどく穏やかな空気が流れる中シグナムはふと席を立つと、勝手知ったるヴァイスの家の中、そのバスルームへと足を進めた。
そして将は、小さいそれこそ聞こえるかどうかの声量の呟きを唇から零した。
「少し風呂を借りる‥‥‥‥その‥ベッドで待っていてくれ‥」
何故ベッドで待つかなんて説明するだけ野暮だろう。
ヴァイスは黙って、ただ頷いて応えた。
しばしの後、ヴァイスは寝室のベッドの上で仰向けになって寝転がっていた。
ティアナを抱いた事、それをシグナム見られた事、そして彼女が普通の人間ではないというのを知っていると彼女自身に語った事、様々な事が脳裏を駆ける。
その全てを思う度に不安になる。
(俺は姐さんを選んだ‥‥でも‥ティアナを抱いた事も事実だ‥)
ヴァイスは確かにシグナムをこの世の誰よりも愛している、だがティアナの純潔を散らした事に対する負い目は完全に消えた訳ではなかった。
ティアナがシグナムにした非道な行いを差し引いてもヴァイスはあの少女への負い目を消しきれなかった。
今更になって、このままシグナムとの関係を続けていけるのかどうか不安になっていく。
そんな時、廊下を歩いてこちらにやってくる人の気配がしてヴァイスは身体を起こして視線をそちらに向けた。
そこには将が一糸纏わぬ裸体で立っていた。
呼吸が止まる、思わず唾を飲み込んでしまう。
湯にあたった為に血の巡りを増して朱に染まった頬、濡れた緋色の髪はストレートに解かれまるで燃え盛る川のように流れ艶めいて光り、ヴァイスを見つめる潤んだ瞳は熱を帯びて淫蕩な色を湛えている。
両手で絶妙に隠されてはいたが、将の肢体は幾筋もの水に雫で濡れてその爆発的なプロポーションをさらなる色で飾っていた。
もはや言葉で如何に語ろうとも語り尽くせぬ美麗な女体。
傾国の美女と呼んで差し支えない程の美の極致がそこにはあった。
「なあ‥‥ヴァイス‥」
「‥‥‥は、はい!」
ヴァイスは少しばかりの間をおいて慌てて返事をした。
一瞬、シグナムのあまりの美しさに意識を奪われて反応が遅れたのだ。
そんな彼にシグナムはゆっくりと近づいていく。まるで一歩ずつ踏みしめるようにベッドへとの距離を縮める。
「ヴァイス‥‥私はきっとこのままお前と共に老いる事もできない‥」
シグナムは悲しみや諦念を込めた声で静かに口を開く。それはまるで自分自身にも言い聞かせるような口調だった。
彼女の口から語られる言葉はきっと変らぬ真実であり哀しいまでの現実、将は自分の口から静かに紡ぎ続ける。
「‥‥子供を産んでやる事もできないだろう‥」
一歩ずつ近づいて来たシグナムの足が遂にベッドサイドに到達し、その眩い裸体がヴァイスの眼前にやって来る。
ヴァイスは将の肢体から匂い立つあまりの色香に背筋を寒気が駆ける事すら覚えた。
「それでも良いなら‥‥‥それでも私を選んでくれるなら‥‥もう一度私を抱いてくれ‥‥私をお前のモノにしてくれ‥」
囁くような言葉が甘い残響と共にヴァイスの耳に響くと同時に、シグナムは胸と秘所を隠していた手を退けてその裸体の全てを晒しだした。
将の裸体はしなやかにしてふくよか、まるで眩暈を感じそうな程に艶めかしい。
だが単なる色香以上にヴァイスは胸を打たれるような喜悦を覚えた。
裏切りとも言える行為に及んだ自分に身体も心も捧げてくれる彼女がただただ愛おしかった。
先ほどまで頭を駆けていた迷いは瞬く間に霧散する、もう迷う事などなかったのだから。
ヴァイスはシグナムの身体に手を伸ばし、そのままベッドに引き倒す。
ベッドのスプリングが二人分の体重に軋み僅かに揺れる。
将の緋色の髪が白いシーツの上に燃え盛る川のように広がり、熟した果実さえ凌ぐ甘い香りを漂わせてヴァイスの嗅覚を刺激した。
二人の視線が交錯すると、ヴァイスは即座に彼女の濡れた唇に自分のそれを重ね合わせた。
「んぅぅ‥ふぅぅ‥んちゅ‥‥ぴちゃっ‥」
ただ唇が重なるだけだった口付けはすぐに舌を絡めあう情熱的なものに変る。
舌が蛇のように絡まり合い、口内を歯の裏側まで舌の届くあらゆる箇所を蠢き求め合う。
激しく貪りあうようなキス、しばし二人は時間を忘れてその快感に陶酔した。
「むぅ‥‥んぅぅ!!」
突如、重なった唇の間から声を漏らしてシグナムが喘いだ。
火照った身体をフルフルと小刻みに震わせて僅かに痙攣している。ヴァイスは唾液の糸を引かせながらそっと顔を離して心配そうに彼女の顔を覗き込む。
「どうしたんっすか?」
「はぁ‥はぁ‥‥すまん‥その‥‥‥達してしまった‥」
「へっ?」
シグナムは僅かに息を切らしながら、真っ赤に朱に染めた顔で恥ずかしそうにそう呟く。
それこそまるで蚊の鳴くような小さな声だったが彼女の良く澄んだ声は確かにヴァイスの耳に届いた。
「えっと‥‥キスだけでイっちゃったんですか?」
「‥‥‥わざわざ言うな‥」
「いや‥‥その‥すんません」
慌てて謝りながらヴァイスは少し考える。
ここ最近会うのを避けられていた為にシグナムを抱くのは久しぶりだった。
彼女の身体は久しい情交の快感に対して恐ろしいくらい敏感になっていると易く想像される。
そんな彼女を思うままに犯して良いものかとヴァイスは思わずしり込みしてしまう。
だが将は彼の首に腕を絡めて再び顔を近づけてそっとキスをした。
数秒間、二人の唇がただ静かに繋がると彼女の方からおもむろに顔を離す。
「ヴァイス‥‥私の事は気にせず、好きに抱いてくれ‥」
「いや‥‥でも‥」
「良いんだ、私がそうして欲しい‥‥それに‥そうでないとお前のモノになったとは言えないだろ? 気にせず好きなだけ私にお前を刻み付けてくれ‥」
潤んだ瞳で物欲しげにそう言われては男として引けない。
そしてこのシグナムの言葉を受けてヴァイスも先ほどティアナを抱いたのが嘘のように下腹部の陰茎が滾っているのを感じていた。
鎌首をもたげる肉欲を感じるや否や、ヴァイスはまたキスで口を塞いだ。
再び絡まりあう舌と舌、だが今度はそれだけに終わらない。
ヴァイスの両手が彼女のたわわな乳房としとどに濡れた秘所に伸びた。
「んぅぅっ!‥‥ふむぅっ!!」
塞がれたシグナムの唇からくぐもった甘い吐息が漏れた。
身体は小刻みに震え続け、何度か腰が跳ねるように痙攣する。
素晴らしいボリュームと最上級の柔らかさを誇る豊かな乳房を丹念に揉みしだく。そして時おり先端の乳頭を転がしたり、ピンと指で弾いたりと様々な刺激を与える。
下腹部の方に伸びた手は人差し指と中指の二本で以って陰唇をめくり上げ、膣内に盛んに侵入しては彼女の弱点を正確に引っ掻く。
手馴れた愛撫の与える快楽の波は、さながら甘い電流の起こす荒れ狂う奔流だった。
そしてヴァイスはトドメとでも言わんばかりに親指の腹で淫核を押しつぶした。
「ふああぁぁっ!!」
一際大きな嬌声を上げてシグナムは果てた。
それは快楽による決定的な破局。あまりの絶頂の快感に将は目の前が白く染まり意識が喪失してしまいそうな錯覚すら覚えた。
シグナムは荒く息を切らし、力なく小刻みに身体を震わせる。
だがヴァイスは止まらない、いや止まれない。
一度欲情の炎に火が点いた身体は半ば獣と化し、さらに目の前の極上の雌(おんな)を喰らいたいという欲求はあまりに逆らい難くそして甘美だ。
服を全て脱ぐのも面倒で、ヴァイスはボタンが弾け飛ぶほどの力で力任せに上着とシャツを捨て去る。
下のズボンはファスナーを下ろして肉棒を取り出すだけに止める、待ちきれない欲望はそれよりも早く蜜壷への侵略を望んでいたから。
「‥‥入れますよ」
答えは聞かなかった。
言葉がシグナムの脳に正確に届く前に、ヴァイスは一気に腰を突き出して彼女を貫いた。
凄まじい硬度で猛々しく隆起した肉棒が、膣の最奥まで一直線に突き進み、ヴァイスは一切の容赦なく全ての力を込めて彼女の体内を征服した。
「んはあああぁぁぁあっ!!!」
待ち望んだ挿入にシグナムは甘い鳴き声を部屋に響かせて身体をのけ反らせる。
しばらくぶりに猛る肉棒を体内に受け入れた快楽は凄まじいもので、それだけで三回は連続して絶頂に達した。
もはや意識は霞のように散りかけており、全身が甘く甘く燃え上がっているようだ。
だがそれでもヴァイスは止まらない、さらに将の身体を貪ろうと欲望に身を任せる。
ヴァイスは腰をたっぷりと引いてからストロークをつけた突き上げを繰り出す。
まるで内蔵まで押し上げそうな勢いで何度も何度も力の限り、肉棒で膣の奥にある子宮口を激しくノックしていく。
「あんっ!‥‥んぅぅ‥はんっ!!‥すごっ‥‥ふああぁぁっ!‥‥すごぉい‥」
濡れた肉と肉がぶつかり合い湿り気を帯びた水音が甘い嬌声を重なって淫靡な狂想曲を部屋の中で奏でる。
欲情に取り付かれた雄(おとこ)が腰を突き出す度に雌(おんな)は堪らなく切ない声で鳴いて、その緋色の髪を振り乱してよがった。
そして、肉棒の蹂躙と同時に揺れるたわわな乳房がヴァイスを否応なく誘った。
これに喰いつかぬ雄はいないととでも言わんばかりに、彼は顔を寄せて乳房の一方、特に敏感な左の乳首を口に含んだ。
「ひゃんっ!!」
シグナムは今までとはまた少し趣の異なる可愛く甘い声で鳴く。
その反応が面白かったのか、ヴァイスは口に含んだ乳頭を舌で転がしながら何度も甘噛みする。
無論もう片方を左手で弄るのも忘れない、指を這わせて摘みしっかり力を込めて愛撫した。
肉棒の与える快楽と相まって、シグナムは意識も身体も残らず溶けてしまいそうな程だ。
待ち望んだ愛しい恋人の征服に、将は何度も絶頂に達する。
顔は涙と唾液でグシャグシャに汚れ、全身は汗に濡れ光り、どこまでも淫蕩にシグナムを飾った。
今の彼女は管理局員でもベルカの騎士でもない、ここにいるのは一人の男を愛するただの女だった。
「ふぁぁあぁっ!‥‥もう‥ダメェ‥‥んぅっ!‥ヴァイス‥‥はやくぅ‥きてぇ‥」
シグナムは肉棒の蹂躙に合わせて何度も達しながらそう言ってヴァイスに哀願した。
先の情事でティアナに注ぎ込んだ為か、ヴァイスはまだ一度も射精していない。
凄まじい快感を得ても決定的な白く熱い滾りを得なければ将の心は満たせないのだろう。
彼女は哀願と同時に下腹部に力を込めて、蜜壷による素晴らしい締め付けと絡みつきで肉棒を責めた。
元より凄まじい名器であったシグナムの蜜壷が意図的に緩急を付けて締め付けるのは、筆舌に尽くし難い快楽をヴァイスに与える。
そして遂にその時は訪れた。
「ぐうぁっ!!」
ヴァイスは強烈な腰の動きと共に獣染みた呻きを漏らし、数回の発射が信じられぬ程の量の精液を放った。
力の限りの突き上げと同時に子宮口に亀頭の先端が刺さり、そこに熱いマグマのような精液を注ぎ込む。
子宮口に凄絶な快感を刻むポルチオ性感に将もまた最大最高の絶頂を迎えた。
「ふあぁぁぁぁぁああぁっ!!!!!」
喉が枯れそうなくらいに切なく甘い声で鳴きシグナムは果てた。
彼の背に回された手は離すまいと力を込めてしがみ付き、背は折れんばかりにのけ反り全身は小刻みに震えて、口は陸に上がった酸欠の魚のようにパクパクと開く。
そして蜜壷はまるで独立した生命体のように妖しく蠢き、埋没する肉棒から精液を残らず搾り取ろうと絡みついた。
「はぁ‥‥はぁ‥」
荒い息を吐きながらヴァイスは腰から身体が溶けてしまいそうな感覚すら感じる。
何度目か思い出し事も出来ない射精に、既に意識は白く染まりかけていた。
だが、そんな背に回された手が力を込めて彼を抱き寄せる。
「ヴァイス‥‥もっと‥きてくれ‥」
上質な砂糖菓子のように甘い誘い。
まるで猛毒のような威力を持つ囁きに、彼の中の獣欲に大量の燃料が注ぎ込まれた。
あとはただ熱に浮かされた如き爛れた蜜月が過ぎる。
その日、夜明け近くまで二人の甘く蕩けるような情交が続いた。
□
「ったく、なんだよ朝っぱらから‥‥」
ヴィータが不満そうに漏らして眉を歪める。
早朝の機動六課隊舎、部隊長用執務室に集められたのははやてを始めとする八神家一同。
彼らを呼び集めたのはシグナムだった。
「今日は朝早くから呼び立ててしまいすいません」
「別にええって。それでで、なんか用なん?」
「はい‥‥では皆も聞いてくれ‥」
はやての質問にシグナムは一拍の間を以って静かに口を開き、固めた決意を語った。
それは相応に衝撃的で鮮烈なものだった。
「主はやて。今日を以って私の守護騎士の任を解いて頂きたいのです」
静かな、だが決して曲がらぬ意思と魂を込めた言葉だと聞く者に感じさせる残響だった。
八神家の面々は、しばし反応すること忘れてその言葉の意味を胸の内に反芻する。
そして理解するや声を上げて驚愕した。
「ちょっ! えっ!?」
「はい〜!?」
「シ、シグナム! なに言ってんだおめえ!!!」
「どういうつもりだ? 分かるように説明してくれ」
「も、もしかしてシャマルが作ったモロロ粥の影響が今になって出たですかぁ?」
シグナムの衝撃的な申し出に、八神家一同はそれぞれの反応で返す。
対する将は最初と変わらぬ静かで澄んだ言葉で答えた。
「主はやて、私はもう‥‥あなたに使える騎士ではいられなくなりました。私の身も心も‥‥その全てを捧げるべき相手が‥‥誰よりも愛しい人が‥出来てしまいましたから‥」
その言葉には万感の想いが込められ、決して揺るがぬ決意そして変る事のない愛が宿っていた。
はやてはシグナムのその言葉を聞き、そして彼女の澄んだ瞳を見て小さく一つ溜息を吐く。
「ふぅ‥‥つまり“旦那様”が出来たっちゅう訳なんやね」
「はい」
「まあ別に私は構わへんよ」
「はやて! 良いのかっ!?」
はやてに詰め寄るように、ヴィータが声を荒げて問いただした。
守護騎士を抜けるというシグナムの申し出に、ヴィータはまるで裏切られるように感じているのだろう。
だがはやてはそんなヴィータの頭にポンと手を置いて、優しい声で諭し始めた。
「あんなぁヴィータ。私は皆を守護騎士とか主とかの関係で縛りたくないねん、できれば皆には自由に一人の人間として幸せになって欲しいんよ」
「でも‥‥」
「おめでたい事なんやから、皆で祝ったらなあかんよ」
「‥‥‥分かったよ、はやてがそこまで言うなら」
はやての穏やかな言葉にヴィータは反論するのを諦めて首を縦に振った。
彼女の厚意にシグナムは頭を下げて心からの礼を述べた。
「ありがとうございます、主はやて」
「ああもう、ちゃうやろ? これからは主やのうてただの“はやて”や」
「うう‥‥少し言い難いですね」
「まあ慣れや慣れ。もしくはシャマルみたいに“はやてちゃん”でもええし。 それよりもぉ‥‥」
言葉を繋げながら、はやてはキラリと目を輝かせてシグナムに近寄る。
それはさながら獣の如き素早さで風のようだった。
シグナムが驚く間もなくはやては含みを込めたいやらしい笑みで話しかける。
「シグナムの心を射止めたんはどこのプレイボーイなんかなぁ〜? もしかして私の知ってる人なんかなぁ〜?」
「えっと‥‥それは‥そのですね‥」
「もう‥もったいぶらないで言っちゃいなさいよぉ〜♪」
「そうですよぉ〜♪ “あの人”ならきっとみんな納得してくれますよぉ〜♪」
「なんや!? シャマルとリインは知っとるん!?」
「ふふ‥‥まあ色々と‥」
「大人の秘密ですぅ」
それからシャマルとリインが洗いざらいぶちまけ、シグナムははやてに色々と質問攻めにされた。
それはもう根掘り葉掘り、休日の過ごし方をはじめ、夜の行為の回数からヴァイスの嗜好まで含めて全て。
八神家はなんとも楽しく姦しく、家族の春を祝った。
□
八神家の重大家族会議を終えたシグナムが執務室を出ると、彼女を廊下で待っている影が一つ。
将の最愛の恋人、言わずと知れたヴァイス・グランセニックその人であった。
彼は執務室を出た将に軽く手を振って会釈して話しかける。
「どうでした?」
「ああ。快く受け入れてくれたよ」
「そうっすか。 そうえいえばグリフィスが入院したって聞きました?」
「本当か? なにかあったのか?」
「ええ、なんでも交通事故だそうで‥」
なんでもない会話の中で一歩一歩、足を進める度に二人の距離は近くなる。
一分でも一秒でも相手と近くにいたいと欲する心が知らずの内に物理的な距離を縮めようとしていた。
そしてそんな二人に忍び寄る影が一つ。
オレンジの髪を二つに結った少女が陰鬱な空気を纏い、ヴァイスとシグナムの背後に近づいていく。
そして少女は乾いてかさついた唇から静かに言葉を紡いだ。
「ヴァイス陸曹‥‥シグナム副長‥‥少しよろしいですか?」
二人が振り向けばそこには幽鬼のようにやつれた顔をしたティアナが立っていた。
シグナムは思わず凄まじい殺意を込めた目で少女を睨む。
一人の男に彼を愛する女が二人、再び剣呑な空気が漂うかと思われる。
だがそうはならなかった。
ティアナの瞳には一切の敵意や殺意、毒気というものがなかった。
そのどこまでも澄んだ瞳にシグナムも眼光から鋭さを消して、抱いた怒りの火を鎮める。
「何か用か?」
「はい‥‥お話します‥“あの事”を全部‥」
ティアナは話した、ヴァイスに一服盛って彼と無理矢理に肉体関係を持った事を。
その事実を利用して彼を奪おうとした事を全て。
ただグリフィスの事は伏せていた。事の責は全て自分にあるという責任感からティアナは彼の名前だけは出さなかった。
「これが‥‥全部です‥」
「そうだったのか‥」
ヴァイスはあの日のことを思い出し、思わずそう漏らした。
確かにあの日の自分はどうかしていたが、まさか得体の知れないものを飲まされていたとはついぞ知らなかった。
「はい‥‥でも‥別に許してもらおうなんて思ってません‥‥ただ私が言いたかっただけですから‥だから好きに罰してください‥」
ティアナはそう言って頭を深く下げた。
ヴァイスはそんな彼女に気に病まないようにと声をかけようとしたが、そんな彼の前に将が歩み出た。
「‥‥言いたい事はそれだけか?」
険の滲んだ声がそう問う、将の瞳は怒りに爛々と燃えていた。
一歩間違えば失禁してしまいそうな気迫、その迫力に冷や汗を流しながらもティアナは引かなかった。
自分のした怨罪の仕置きは受けねばならないという意思が少女を支えているのだろう。
そしてシグナムは静かにティアナの目の前に近づいて行く。
数秒とかからずに将は彼女の眼前に立った。
「覚悟はできているか?」
「はい」
「では歯を食いしばれ!」
その言葉と共にシグナムが右手を振りかぶった。
ティアナはいつぞやの光景を思い浮かべ、目を閉じて歯を食いしばった。
きっと再び鉄拳を喰らうという意識が身体を強張らせる。
だが次の瞬間、響いたのは人を殴る鈍い音ではなく、何かを叩いたような乾いた音だった。
「‥‥へ?」
ティアナは思わず素っ頓狂な声を漏らす。
強烈な打撃を覚悟したというのに、来たのは平手打ちが一発だった。
「これでこの話は終わりだ」
「ちょ! 待ってください‥‥こんな程度で終わらせて良いんですか? 私は‥私はシグナム副長に‥‥」
罪悪感の苦痛から求めた罰に比べれば軽すぎる痛みだった。
ティアナは思わず問いただしてしまう。
だが対するシグナムは溜息でも吐きそうな呆れた顔で口を開いた。
「では本気で殴れとでも言うのか? 下手すれば死ぬぞ?」
三尺七寸の古代ベルカ式アームドデバイスを神速にて操る将の膂力、それならば無刀であろうと容易く人体を破壊しうるだろう。
“死”という言葉もあながち冗談に聞こえはしない。
「‥‥それでも‥構いません‥」
だがティアナはそれでも構わないと告げる。
己が内に宿る罪の意識は死でも受け入れる覚悟だった。
だが将は小さく一つ息をつき、ひどく穏やかな声で少女に語りかける。
「ふぅ‥‥‥ティアナ、正直に言って私はお前をそこまで憎めはない」
「な‥‥なんでですか!? 私はあんな事したのに‥‥」
「そうだな‥‥あえて言うならば、同じ男を愛した女だから‥‥かな」
ティアナを見つめるシグナムの瞳には幾分かの憐憫が込められていた。
もしもタイミングが少しでも間違えていればヴァイスに愛されていたのは将でなくこの少女だったかもしれない。
そんな他愛も無い想像がシグナムの脳裏を駆けてティアナに対する怒りを薄めていた。
「だからこの話はこれで終わりだ。良いな?」
「‥‥‥‥はい」
これにて一連の愛憎劇は完全なる終焉を迎えた。
一人涙に泣き濡れる少女を残し、烈火の将とその恋人である狙撃主はその場を去って行く。
後には透明な涙の雫が廊下をまばらに濡らしていた。
そして何故かヴァイスはどこか名残惜しそうな顔をしていた。
「どうしたヴァイス、もしかしてティアナに未練でもあったか?」
「な、なに言ってんですか姐さん!? んな事じゃないっすよ‥‥ただ‥どんな理由があっても俺があいつの初めてを奪ったのは事実ですから‥」
どんな理由があったとしても汚れ無い少女の純潔を散らした事への後悔をヴァイスは感じずにはいられなかった。
基本的に彼に責はないのだろうが、それでもヴァイス・グランセニックという男は女への責任を背負っている。なんとも不器用な男だった。
だがシグナムは彼のそんな様子に面白く無さそうな顔をする。
「‥‥そんな事を言ったら私だって初めてだったんだがなぁ」
「あ! いえ‥‥別にそれを忘れた訳じゃないんですが‥」
「やっぱり未成熟な若い少女の方が良いか、そうかそうか‥」
そっぽをむいて珍しくいじけたようにするシグナム。見慣れぬ将の反応にヴァイスは思わず慌ててしまう。
「ちょ! 姐さん、拗ねないでくださいよぉ」
「むぅ‥‥では、許して欲しいなら私の言う事を聞け」
「はいはい、なんでも聞きますよ」
「それじゃあ‥‥」
シグナムはそう言いながらヴァイスの首に手を回して顔をそっと近づけると静かに目を閉じた。
まあ彼女が何を求めているかなど説明するのは野暮の極みだろう。
だがここが六課隊舎内だという事はここにきちんと明記しておく。
「ちょ! 姐さん‥‥流石にここではちょっと‥」
「そんな事言うなら早く済ませた方が良いぞ? 早くしろ」
「うう‥‥‥はい」
観念したヴァイスは小さく了承して顔を近寄らせる。
そっと静かに重なり合うキス、それこそ唇と唇が触れ合うだけの口付け。
だがこの世の何よりも甘く切ない愛撫。
その一瞬、世界は全てに事象から切り離されていく。
刹那の時にして永久を感じさせる陶酔の時間が終わり、ヴァイスはおもむろに顔を離す。
「これで良いっすか姐さん?」
「ああ‥‥でもあと一つだけ私の言う事を聞いてもらおうかな」
「ま、まだあんですか!?」
「なに、簡単な事だ」
シグナムはひどく悪戯っぽく微笑むとヴァイスの首に腕を絡めて、彼に耳元に顔を近づけると静かに囁いた。
「私の事は今日から“シグナム”と呼べ」
「ちょ! ええ!?」
「“姐さん”なんて言ったら承知せんぞ?」
「そ、そんな‥‥いきなり‥」
ヴァイスは突然突きつけられた要求に思わず情けない声で嘆く。
対するシグナムはそんな彼を悪戯っぽい微笑を浮かべて面白そうに見つめる。
愛する男にいじけて、彼をからかう。
今日の将はどこまでも恋するただの一人の女の子だった。
「ほら、早く言ってみろ」
「うう‥‥ええっと‥‥‥シ‥グナム‥」
将の要求に困り果てたヴァイスはしどろもどろになりながらも、彼女の名前を口にした。
静かに途切れそうになりながらも万感の愛を込めて。
言の葉が空気を伝わり鼓膜を振るわせ、狙撃手の声が自分の名前を呼んだ。
その言葉に将は満面の笑みを浮かべる。
それこそ太陽にも勝るような輝く笑顔、見れば誰しも心を奪われるような女神の微笑みだった。
「うん、上出来だ」
そう言って彼女は彼へのご褒美にまた口付ける。
糖蜜のように甘くて心を蕩かせるように切ないキスで二人はまた唇で繋がった。
烈火の将はどうしようもなく狙撃主がお好きなようで。
めでたしめでたし。
終幕。
61 :
ザ・シガー:2008/05/11(日) 20:05:51 ID:tdq52ddl
投下終了です。
こんなシグナム姐さん書いた野郎って俺くらいじゃね? この姐さん、もう完全に甘甘化してまんがな・・・
ちなみにこの後はヴァイスの家で同棲始めたり、イチャイチャしたりベタベタしたり、結婚したりとかのエピローグを妄想してたりしなかったり。
まあこれで一応の完結、でもグリフィスの入院やら、この二人が戦闘任務で共闘するところなんかも書いてみたいねぇ。
あとティアナが妊娠したりとか。
まあともかく、これでレジアス・シャマル・変態の連載に力を入れられるな。
>>61 GJ! というより、「お幸せにっ!」と言いたくなるようなラストですな。
八神家一同が、「らしく」て良いです。
>ザ・シガー氏
通常の乙を超えた、超乙ッス!!
>エピローグ
おう!楽しみ……
>あとティアナが妊娠したりとか。
おおおおおおおおお!!!
ちょwwww
これは……是非……
>>61 GJ!
一時はどうなることかと思ったけれど、幸せになれて良かった良かった。
2人に戦闘任務、見てみたいなぁ。
シグナムを守るためにクールに決めるヴァイス、ヴァイスのピンチに悪鬼羅刹と化すシグナム・・・・・あれ? デジャビュが・・・・。
>>61 GJ!お疲れ様でした。
将がかっこよすぎる。本当に良いSSを読ましてもらいました!
正解:
>>37 >>42 いつも振り回されていてうんざりしているという設定で……描写不足でした、すみません。
>>44 こんな下らない事に、そこまで付き合っていただいて、なんか嬉しいです。
”滑らかな”は、下腹部への形容として使ったので、胸の方はあんまり考えてませんでした。
>>61GJ
完結おめでとうございます。最後はハッピーエンドでほっとしました。
シグナムがかっこかわいかったです
ただ、やはりグリフィスの性格改変はやり過ぎだった気がします。
彼はティアナやヴァイスを誘導するための脇役だったわけですが、変にキャラが立ったせいで脇役以上メイン以下という中途半端なキャラクターになってしまったと思います。
読んでいてすごく目に付いて気になりました。
また、そのグリフィスを罰するためにシャマルに業々暗殺技能をつける必要もないですよね?そんなもの付けなくても彼女は十分強いはずです。
別に鬼畜グリフィスやアサシンシャマルがだめだというわけではありません。
ただ、両方とも別作品でやった方がもっとすっきり読めたんじゃないかと思います。
エピローグはとても楽しみにしてます。
10時半頃からユーノのおしりが「アーッ」な事になるSSを投下したいのですが、よろしいでしょうか?
最近アッー!分が少なかったからな…
久々にみなぎってきた
誰が相手かによって随分方向性が変わるな…
レジ×ユーと予想してみる
あえて、「ペニバン付けたキャロ」と予測する。
触手チェアシリーズじゃね?
ペニパンつけたなのはさん?
77 :
超硬合金:2008/05/11(日) 22:29:02 ID:JhnnBf6X
拒まず投下を認めてくださった皆様に感謝します。
こちらには初めて投稿する超硬合金と言います。
非エロ、ゲンヤハーレムルートを考えていたら、エロでナカジマ三佐が出てこない話になってしまいました。
何だかんだで、後書き込みで二五レス位使いそうです。
注意事項
・オリジナル設定があります。
・なのユーです。
・管理局が割と腐っています。
・なのはの初めてがユーノの見ている前で散ります。
・ユーノが拘束されて、犯されます。
・なのはより、ユーノの痴態がメインで話が進みます。
・一応エロですが、実用性は低めです。
・これだけだと鬱っぽく聞こえますが、鬱じゃありません。
・NGワードは「恋愛キョウキ」です。
「そうだな。僕の経験上、不本意ではあるが最も抱き心地が良いのはユーノだと断言しよう」
それは、本局内の通路を歩きながらクロノが友人であるヴェロッサに語った言葉であった。
この不注意な一言が、彼にマイノリティな男性局員達と、メジャーな女性局員達のネットリとした視線を向ける
原因であり、後に起きたささやかな事件の切っ掛けであった。
□
「はぁ・・・」
金曜日の二〇〇六時、なのはは深く深く溜息を付く。
J・S事件の終結から二ヶ月、かの血戦で一皮むけた生徒達との訓練は、ブラスターモードの後遺症を差し引いても尚、なのはの体力を刮ぎとる。
しかしそれは、平和を取り戻し、日々復興を遂げる街並みを眺めるのと同じように、心の底からの達成感と充実感を彼女に与える物だ。
にも関わらずなのはが溜息を付いたのは、大切な幼馴染みに関する好ましくない噂が胸を占めているからだ。
即ち、無限書庫の司書長(男)は、クラウディアの提督(やっぱりこれも男)と爛れた関係にあるという噂だ。
話題の二人とは十年来の友達で、あまつさえ提督の方は妻帯者である。だから、最初この話を聞いた時は一笑に伏した。
出所がどこぞの医務官だったこともその理由ではある。だが、眼鏡のデバイスマスターが真相を尋ねに来た。
親友であるフェイトの所にはヘリパイロットの女の子が、目を輝かせながら、彼女の兄について尋ねたという。
どちらも、それぞれの古巣が情報源であり、部隊長やその私兵とは全く別のルートであった。
と、なると流石に不安になる。
ユーノとクロノは互いに憎まれ口を叩いているが、端から見る限り、何のかんのと言いつつ息が合っている。
不仲に見えるのは実は偽装なのではないか?
否、それは流石に考えすぎだ。
しかし次元航行部隊の局員は職務の都合から、同姓が懇ろになる事も少なくないとか言うではないか。
それは部隊の指揮に関わる事だから、そういう趣味の人間は外すのが不文律だと聞いている。
そう、所詮不文律なのだ。才能さえあれば猫でも杓子でも星の付いた肩章を渡すのが時空管理局のやり方だ。
クロノ程の人間ならば、多少性癖が特殊であろうと管理局が手放すはずがない。
加えてユーノも、控えめに表現して中性的な容貌の持ち主で、実際、そういう情景を想定してみても絵になってしまう。
そんな不安と猜疑心を持ってしまった自分に、なのはは再び溜息を付いてしまう。
暗い感情から、数歩先の床を眺めて歩いていたなのはの視線が正面を向いたのは、彼女の背がバシンと小気味良い音と共に叩かれたからだ。
「なのは、噂なんか気にしちゃ駄目だよ」
背を叩いたのは、一方の当事者の妹であるフェイトだった。
「フェイトちゃん・・・」
万事控えめなフェイトらしくない励まし方は、相当自分が参っている様に見えるのだろう。
「なのはは私たちの中で一番ユーノと付き合いが長いんだよ? ユーノがヘテロだって事はなのはが一番よく解っているでしょ」
ああ、そうだ。
と、なのはは思い至る。
フェイトは自分よりも深刻な立場にいるのだ。
友達なのだと自分を偽るなのはにとってユーノは他人たり得るが、フェイトにとってクロノは大切な家族の一人で、そんな欺瞞は適用し得ない。
フェイトの方が辛い筈だ。
フェイトだけではない、噂の渦中にいるユーノやクロノの方がずっと事態に頭を悩めているに決まっている。
「有難うフェイトちゃん。なんだか元気が出て来たよ」
笑顔を浮かべてみせる。
空元気だって元気なのだ。
「うん、なのは。やっぱり笑顔が一番だよ。」
二人並んで玄関へと向かう。そこに、悪夢の宣告をなす天使が待っているとも知らずに。
「あれ? ヴィヴィオ!」
それは玄関を出てすぐの事だった。街灯の光から少し外れた芝生の上で、海に浮かぶ星空を眺める少女を発見した。
ピンク色のコートに白いミトン、首にはボンボンの付いた黄色いマフラーを巻いて、頭は毛糸の帽子にすっぽりと覆われている。
それでもやはり十一月ともなれば夜は寒く、ヴィヴィオは愛犬ザフィーラにしっかりとしがみついていた。
「なのはママッ、フェイトママ!」
ザフィーラの首に回していた腕をほどき、ヴィヴィオはトテテテテ、と二人の母親を目指して走り出す。
「もー、ヴィヴィオ。おねむの時間でしょ〜」
その笑顔に相貌を崩しつつ、しかし幼子にしては過ぎた夜更かしをする愛娘にちょっと怒ってみせる。
「うぅ・・・ごめんなさい・・・」
本人も悪い事だと思っているのだろう、ヴィヴィオは少しだけ小さくなって謝る。
「まぁ、なのは、偶には良いじゃない。但し、帰ったら一緒にお風呂に入っておねむだよ? ヴィヴィオ」
甘やかし担当のフェイトが、もう怒っていないというゼスチャの為になのはを宥める。
「うん!」
望外の提案に笑顔で頷くヴィヴィオをフェイトが抱き上げる。
それが悪夢の宣告を少女に語らせる切っ掛けとなった。
「そうだ、フェイトママ。ユーノ君が気持ちいい、て本当?」
述語の抜けたヴィヴィオの問いに、フェイトは戦闘魔導師の常として思考を分割し、バックグランドでヴィヴィオの言葉の意味を考察する。
考察一.ユーノは何らかの事情で気持ちよくなっているが、傍目にはそうは取れない。
ex.徹夜仕事でハイになっている。
考察二.ユーノをどうにかすると気持ちよくなるが、傍目にはそうとは取れない。
ex.最近局内で話題になっている夜のプロレスごっこ。
結論.より詳細な情報の入手が必要である。
「・・・ユーノが気持ちいいって、誰から聞いたのかな?」
取り敢えずシャーリーやアルトからなら自分が叱り、スバルからならティアナに、カリムだったらシグナム経由で
シャッハに釘を刺してもらおうと、考察二に偏りながらも対応を決めておく。
「えっとねぇ、クロノおじさんが言ってたの」
「お兄ちゃん・・・クロノおじさんが、そう言ったの?」
フェイトは空間識失調を起こし掛け、必死に足を踏ん張る。
「うん。おやつの後にね、お祖母ちゃんのお家から次元通信があって、クロノおじさんが、ユーノ君は抱き心地が良い、て言ってたの」
母親達の葛藤など知らず、ヴィヴィオは無自覚に罪の告発をする。
「ザフィーラ・・・本当にお兄ちゃんがそんな事を言っていたの・・・?」
兄の無実を信じ、何かの聞き間違いであると願ってフェイトは寡黙な守護中へと言葉を投げ掛ける。
「ウソ・・・」
囁く様な声と鈍い音がフェイトの耳に届いたのは、ザフィーラが渋面を作って頷いたのと同時であり、振り返った先には意識を手放したなのはが倒れていた。
□
ユーノの官舎のチャイムが鳴ったのは、考古学会誌に書かれたV・ワゲン遺跡群から発掘されたバケツに関する特集記事を読んでいる時だった。
時計に目をやると、既に深夜一時を回っていた。
(無視しようかな)
ユーノの脳裏をそんな考えがよぎる。
今の時刻だけでも、不意の来訪者に応じない十分な理由になる。
だが、急ぎの用事なり、人目を忍ばなければならない理由なりがあるのかも知れない。だから、二度目のチャイムが鳴るのを待つ事にした。
程なくして再びチャイムが鳴り、ユーノは通信ウィンドゥを開きながら、玄関へと向かった。
いつかの如く酔っぱらったキール元帥達が相手でない事を祈りながら開いたウィンドゥには、サイドポニーの見知った女性・なのはが映っていた。
「今開けるよ、ちょっと待ってて!」
せいぜい数秒しか縮まらないというのに、ユーノは駆け出した。
「こんな遅くに、突然ゴメンね。ユーノ君」
マグカップで暖をとりながら、なのはは小さな声で家長に謝る。
「大丈夫、なのはならいつでも歓迎するよ」
なのはとは小さなテーブルを挟んだ反対側。
三人がけのソファに座り、自分のマグカップに注いだホットミルクへ息を吹きかけながら、ユーノは相貌を緩めて突然の来訪者の不安を否定する。
「でも大変だね、なのはも。何か急な会議でもあったの?」
時空管理局という組織は、文字通り猫の手すら借りる程人手が不足しており、会議開催の八時間前になって七時間の距離を渡航しろと命令する事すらある。
しかしそれも、ロストロギアという存在が、時として一つの世界をそこに住む全ての生命と共に消失させかねない事を思えば、決して無茶とは言い切れない。
ユーノ本人に限って言えばそう言う強行軍を強いられた事は一度もないが、月一平均で開催される緊急会議は大抵、
短納期で大量の資料請求という形で無限書庫にも襲いかかり、司書達の休日を吸い上げる。
間接的とは言えそんな経験を何度も繰り返し、加えて過去にクロノやフェイトなど七人の知古に対して、延べ十五回自宅を宿として提供している。
そんな実体験があるならば、深夜に茶色い陸式の制服に身を包んだなのはが来訪した理由を、唐突すぎる会議招集が原因でホテルをとる間もなかったと考えても仕方ない。
しかし、なのはの理由は違っていた。なのははマグカップに視線を落とし、もう一度謝る。
「ゴメンね、お仕事とは全然関係ないの」
愛の告白に来ました。とはまだ言えない。
「え、そうなの? 制服着てたからてっきり勘違いしちゃったよ」
ユーノは笑い、ホットミルクを少しだけ口に含んで、まだ自分には熱すぎる事を確認する。
「うん、そうだね。こんな格好だったら勘違いしちゃって当然だよね」
夏の海辺で白のワンピースを着て。とまでは言わないが、伝えたい想いを考えれば、せめてもう少し可愛い服を着てきた方が良かったと、間抜けな自分に苦笑する。
否、それこそ無理だ。今だって逃げ出したくなる程怖いのに、外見なんかに気を配る余裕なんてあるはずがない。
「実はね・・・ユーノ君とお話がしたくなったの」
「直接会って?」
片道二時間半の小旅行。
そんな手間を掛けなくとも念話のチャンネルを合わせれば、幾らだって話す事が出来るのに、わざわざ会いに来てくれた。それがユーノには少し嬉しかった。
「うん、大切な事だから」
テーブルにマグカップを置いて、なのはは居住まいを正す。
ユーノもそれに応じる様に、マグカップを置いた。
「・・・あのね、その、ユーノ君はクロノ君の事をどう思っているのかな?」
予想外のその問いに、ユーノはパチパチと目を瞬かせる。
「無限書庫の敵?」
恐らく管理局で最も、もしかしたら司書長である自分よりも、無限書庫の価値を評価しているその提督の名を聞いて、
ユーノが真っ先に思い描いたのは、資料請求の際に突き合わせる渋面ではなく、フェレット呼ばわりする皮肉った笑顔だった。
だから、司書達が囁く冗談を口にした。
「大切な事なの。ユーノ君は本当にそう思っているの?」
はぐらかされた。
不安がなのはの心を揺さぶる。
「・・・・親友かな。ちょっと自分で納得いかないけれども、多分一番の」
ユーノの交友関係に置いて極めて珍しい事であるが、クロノは互いに憎まれ口を叩く事の出来る間柄だ。そして、公私を問わず頼る事の出来る相手であると信頼していた。
只、不条理な事ではあるが、ユーノのプライドがそれを認めたがらないのだ。
「そっか、一番の親友なんだ」
いっそ泣いてしまいたい、となのはは思う。
『そのお話が本当なら、きっと友情から始まったんだと思うわ。素敵よねぇ』
六課の医務室で目を覚ました後で受けた問診の折、シャマルは確かそう教えてくれた。
それでも、まだ可能性に縋り付きたい。願いを込めて、ヴィヴィオから聞いた話を言葉に紡いだ。
「もう一つだけ、聞かせて。ユーノ君、クロノ君に抱かれたって、本当なの?」
笑っても良い、怒っても良い。だからどうか否定して欲しい。
「なッ、クロノから聞いたの!」
しかしその願いは叶えられなかった。羞恥に顔を赤く染め、ユーノは叫ぶ。
ああ、そうか、噂は本当なのだ。と、なのはは理解してしまう。
「ううん、ヴィヴィオがクロノ君から聞いたんだって。ユーノ君を抱いた事があるって」
ユーノの問いになのはは首を左右に振って、ほんの小さな相違に過ぎないけれども、伝聞であると答えた。
頭を抱え、呪詛の言葉を垂れ流すユーノを眺めるなのはは、涙を流していなかった。唯、十年間培ってきた想いを伝える事だけが、なのはの心を占拠する。
「・・・ねぇユーノ君、海鳴の海で、私とフェイトちゃんがケンカしたときのこと覚えてる?」
クロノを呪う言葉を止めて、ユーノは顔を上げる。
「うん、覚えているよ」
忘れてなどいない、忘れられる訳がない。
あれはフェイトと友達になる通過儀礼だ。
そして魔導師として既に自分よりもずっと先を歩く様になっていた、なのはの背中を押す事の出来た、ユーノの小さな誇りだ。
「ジュエルシードの封印をするなら、フェイトちゃんの自滅を待つ方がずっと確実だって、私も頭では解ってたんだ。
でも私、あのときフェイトちゃんとお話をして、友達になりたいって気持ちの方がずっと強かった。もしかしたら、
世界が滅びるかも知れないのに、ユーノ君、私を行かせてくれたよね。私の我が儘なのに、ユーノ君『行って』て
言ってくれた。凄く嬉しかった。心がポカポカして、絶対フェイトちゃんと友達になってみせるんだって、
世界なんて簡単に救ってみせるって思えたんだ。
それでね・・・きっとあの時だったと思うんだ、私。
ユーノ君の事を好きになったのは」
ユーノの身体を数多の魔法が拘束する。桜色の文字で書かれた魔術式。
補助魔法に限れば管理局でも有数の使い手であるユーノが、為す術無く拘束されたのは、目の前の幼馴染みの告白に心奪われたからだ。
「なのは!」
一体何が起きたのか。
何故、彼女の魔力光と同じ桜色のバインドに拘束されているのか。
なのはの告白に応えるだけの価値が自分にあるのか。
ユーノの心は千々に乱れ、目の前の少女の名を叫ぶ。
「ゴメンね、ユーノ君。言葉だけじゃ、この想いは伝わらない。伝えきれないと思うの」
今宵何度目の謝罪であろうか。
謝りながら上着を脱ぎ、タイトスカートのホックを外す。純白のドレスシャツの裾から、ベージュ色の下着が見え隠れする。
赤いリボンタイを右手で引き抜いて、上から順にプラスチックのボタンを外していく。
「な、なのは!」
顔を真っ赤に染めて目を瞑り、どうか服を着てくれと、当惑の声を上げる。
「嬉しいな、ユーノ君。ユーノ君の男の子、私にちゃんと反応してくれてる」
目を閉ざして出来た闇の中、ユーノの耳に届くのはなのはの淫蕩な言葉。
衣擦れの音。十一に思考を分割し、その内十を並列処理でフル回転させて、なのはの肢体に反応した自身を諫めようと、欲望をさらけ出しそうになる
自分を押さえ込もうと、理性の構築を試みる。
ギシリ
今の官舎に入居した時からあったテーブルが、人の重みで小さくしなる。
そのすぐ後に、ユーノの両頬に冷たい何かが触れて、ユーノは反射的に身震いする。
それがなのはの指であると知ったのは、唇に柔らかい物が宛われ、思わず目を見開いたからに他ならない。
焦点が合うかどうかと言う極至近距離で、なのはとユーノの瞳が互いを見詰める。
半ば不可抗力とはいえ一度開いてしまった瞳は、十の理性を二十に増やしても閉じる事が出来ず、衣を纏わぬなのはの裸体へと視線を滑らせていく。
恋人の作法を知らない二人のキスは、触れ合うだけの口付けだが、愛しい人と触れ合う事の喜びは心を高ぶらせる。
「・・・え・・・・」
唇が空気の冷たさに触れ、そしてなのはの瞳が遠退いていく事に気付いて、ユーノは言葉を漏らす。
伸ばすことなく手が届くはずの距離であるテーブルの上になのはは膝立ちし、ふふふと笑う。
フィールドワーカーであるにも関わらず白いなのはの肌と、白いニーソックスがユーノの網膜を刺激し、思わずゴクリと唾を飲み込む。
「ユーノ君、見ていてね」
妖艶な笑みを浮かべ、首から提げた赤い宝玉をその手に取る。
「レイジングハート、セットアップ」
言われるまでもなくユーノはなのはの裸体から目を離せない。
《Boring Mood》
注ぎ込まれた魔力によって光りながら、宝玉は一本の魔杖へと姿を変える。
それは、ユーノも見知ったアクセルモードやバスターモードは勿論、片手杖と呼ばれるステッキ様のものよりも短かった。
長さだけで言うならば、寧ろオーケストラで使われるタクトに近い。
だが、それからタクトを思い浮かべる事はまず無いだろう。
エクシードモードより僅かに細い短杖は、その上半分に三〇発のカートリッジを収めたマガジンを巻き付けている。
先端で紅く輝くコアクリスタルは、なのはの華奢な手首よりも尚小さい。
加えて、なのはの故郷・日本の刀の様に、グリップとマガジンの付け根で大きく反り返っている。恐らく、九七管理外世界の人に見せたらば、タクトなどよりメイスを思い浮かべる事であろう。
(カートリッジの再装填はどうやるんだろう)
二一個に切り分けた思考の一つが、少しばかり場違いな考察を行った。
本能と理性と好奇心がせめぎ合うユーノの前で、なのはの右手がマガジンを、左手がコアクリスタルの頂点を掴む。
注ぎ込まれた魔力によって、レイジングハートがぼんやりとした桜色に輝く。
魔杖の石突きを宛った先は、柔らかな髪と同じ胡桃色の茂みに覆われたなのはの秘所。
躊躇いで手が止まる。
指さえ差し込んだ事のない己の躯に、未だ濡れていないこの躯に、魔杖を挿す事はいかななのはとて勇気を必要とした。
そして、彼女にはその勇気があった。
「んッ・・・」
愛する人からもらった品で、なのはは自身の純潔の証を貫く。
想像以上の痛み。
しかしなのはは唯一度声を上げただけでそれに耐える。教導官という仕事柄、痛みを抑圧する術を心得ているのだ。
「ユーノ君の事、気持ち、よくしてあげる・・・レイジングハートで」
胎内の異物に呼吸を乱されながら、なのはは笑顔を造る。
そして、ユーノは絶句した。
なのはの左手が軽く横に振られ、バインドがそれに追随してユーノの身体を反転させる。
ユーノ自身の意図に関係なく、彼の上半身はソファに触れる程倒されて、臀部をなのはに向けさせられる。
ユーノは心を占めていた欲情の全て捨て去り、自身を拘束しているバインドと同数、九個に思考を統合し、解体コードの解析を開始する。
なのはによって腰からずり降ろされそうになった寝間着が、突然の心境変化に追随しきれない股間のものに引っかかる。
だが、それも一秒足らず。無理矢理に外気に曝される。
「ユーノ君って本当に肌が白いね」
無自覚的に展開するUV対策フィールド魔法とその体質から白い肌を維持しているなのはも、夕闇の様な無限書庫に一年の大半を籠もるユーノに勝る事は出来ない。
なのはが僅かばかりの羨望を込めて、雪の様に白いユーノの尻を撫でる。
そして菊座を広げた。
「止めて、なのは!」
ヒヤリとした透明な感触が菊門に宛われ、ユーノが叫ぶ。
必死に逃れようと身体を捻るが、大腿部を拘束するバインドの所為でなのはの矛先から逃れる事が出来ない。
寧ろなのはには、姉の書架にあった薄っぺらなマンガ本に描かれている如く、挿し貫く剛直を求めているかの様にすら見える。
《You will be Assimilated.Resistance is Futile.》
レイジングハートが厳かに宣告し、ユーノの腸を貫いた。
「!!!」
声すら出ない絶叫と共に、完成間近の解体コードが霧散する。
生物学的な反射を起こし、ユーノの視界が涙で歪む。
「凄いでしょ? ユーノ君」
苦痛が、疑問が、絶望がユーノの心を支配して、なのはの問いに答えられない。
唯、溺れかけた様に空気を求めて喘ぐ。
腹の中に埋め込まれた異物が、ずるずると引き抜かれ、そして再びゆっくりと押し込まれ、腸壁越しに前立腺を撫でられて、萎えかけたユーノのものが起立する。
「ねぇ、凄いでしょ? クロノ君よりも、ずっと、ずっと凄いでしょ?」
クロノの一物の大きさをエイミィが語った事は一度もない。故になのはがクロノのそれを知るはずがない。
それでもクロノと比べようとするのは、ユーノを彼から略奪する為だ。
だから執拗に、なのははユーノを犯す。
「・・・わは・・・んないよ!」
荒い息を継ぎながらもユーノは必死になのはに応える。
「・・・そっか・・・」
だが、それでは駄目なのだ。
ユーノの略奪とは即ち、男にも劣らない程の快楽を与えるに他ならないからだ。
だから、彼が感じている事を自覚させよう。
「ヒゥ!」
なのはのたおやかな指が、ユーノの亀頭を撫でる。
案の定、濡れていた。
「あ・・・」
ぬめる掌の触感に、なのはは微笑み、十分にカウパー腺液を絡めると、惜しげもなくユーノから手放し、その検分を開始する。
指と指との間で糸引くそれを眺め、嗅ぎ、舐める。未知の匂い、未知の味。とても心地良いとは言えないそれも、ユーノのものだと思えば心が躍る。
「でも、これおしっこじゃないよね?」
なのはは自身の唾液をほんの少しだけ混ぜたユーノの体液を、彼の眼前に曝す。
《And also,here is too wet. 》
加えて腸液に濡れたレイジングハートが、知りたくもない事実を突きつける。
襲われて、それでも躯が快楽を覚えてしまう淫蕩さ。その証拠を眼前に突きつけられて、ユーノは顔を逸らした。
「相変わらず強情だよね、ユーノ君は。・・・素直に感じて良いんだよ」
「イア!!」
唐突に舐める様な緩やかな動きから、叩き付ける様な腰使いへと一気に動きを変える。
腰を打ち付ける度に、ユーノの肉茎が揺れ動く。
何度も、何度もレイジングハートを捩り込む。
そのたびにユーノが艶やかな苦悶の声を上げ、なのはの理性を刮ぎとる。
もっとユーノを感じさせたい、感じて欲しい、感じたい。
誰よりも、何よりも、世界中の全てを超えて、今自分だけで満たしたい。
だのに触れ合っているのは互いの腰のみ。そんな不合理に満足できる訳がない。
だからなのはは、左手をユーノの太ももに内側から差し込み、右手を彼の胸に添える。そして、両手に力を込めて、押し倒した彼の上半身を引き起こした。
「イウゥ!」
剛直なレイジングハートがその向きを変えない為に前立腺が押し潰され、ユーノは絶頂を迎える。
ユーノにとって幸運だったのは、彼が絶頂を迎えた直後、なのはの腰の動きも止まっていたという事だ。
しかしそれは只の幸運。性知識が豊富とはいえないなのはは、未だユーノが達した事に気付いていない。只、愛しい人を抱きしめている幸福に浸った故の空白だ。
だからなのはの右手はユーノの薄っぺらな胸板を撫で回しているし、彼女の顔は亜麻色をした彼の髪に埋めている。
満たされない想いを満たそうと胸一杯にリンスの香りを吸い込んで、充ち満ちた不安を削ぎ落とそうと彼の背に頬摺り。
「なのはぁ・・・」
欲情に霞んだ頭でユーノは自身の後ろに立つ少女へと言葉を投げる。だが、名前の先に続ける想いはまだ纏まっていない。
もうこんな酷い事止めて欲しかったし、新たな境地に旅立ちそうな恐怖も訴えたかった。
なのはの告白に対する答えなんて十年前から決まっていたが、前を触ってくれない非道ぶりは罵ってしまいたい
程に身を焦がしていた。
「・・・ゴメンね、ユーノ君」
だが、彼の思いはなのはに伝わらない。
言葉にしなければ、想いは伝わらないのだ。
「動くの、忘れていちゃった」
ふやけたユーノの声色を、快楽への催促と理解して、自身の努力が認められたとなのはの心を歓喜が満たす。
「そうじゃ・・・」
《Master,sloth is deadly sin.》
快楽に溺れる事を怖れるユーノの言葉を、レイジングハートが遮る。
「そうだね、レイジングハート。
・・・ユーノ君、私頑張るから、イッパイ感じてね」
そして、なのはの腰が動き出す。
絶頂を迎え理性のたがが弛んだユーノの腋を、なのはは右手の中指と薬指でくすぐる。
脚を持ち上げる事はバインドに任せ、なのはの左手はユーノの臍をまさぐる。
腰を動かす度、歪に膨らみ、凹むユーノの腹を掌に感じ、なのははユーノと一体になった事を実感する。
「ひうッ・・・やン・・・ンン・・・・にゃのはぁ」
突き上げる痛みにも似た快楽と、柔らかい愛撫。
両手を空中に固定されたユーノは、喘ぐ口を塞ぐ事すら出来ず、甘い鳴き声を漏らす。
石鹸とリンスの香りを包む様にユーノの体臭がだんだんと濃くなっていく。
ユーノの匂いになのはは酩酊し、レイジングハートを挿入する動きが加速していく。
「ヤメ・・・にゃのは・・・ひっちゃう、ひっちゃうよぉ!」
快楽の遙かな地平の彼方が見えて、ユーノは涙を流して懇願する。
「いイよ、ユーの君、イッてッ。ワタしでイッて!」
もはやなのはの中に、クロノの姿はなく、唯喘ぐユーノだけがいる。
クロノからユーノを奪い取ろうという意識は彼方に置き去りにして、ひたすらにユーノを求め、ユーノを包み、ユーノに包まれようとしている。
「おヘガひ、オ願ヒ!」
止めて欲しいのか、もっと強く攻め抜いて欲しいのか、もはやユーノ自身にすら解らない。
「いF、ひッチャう!」
《Explotion》
手の届きそうな近くまで寄ってきた未知の世界にユーノが叫ぶ。
そして、カートリッジにファイアリングピンを叩き付けたと、レイジングハートが宣告した。
「嗚あ呼ぁアーッ」
ユーノは腑を桜色の魔力光によって蹂躙され、言葉にならない咆吼を発した。
触られることなく果てたユーノの情欲は、白濁した液体となって、ソファを濡らす。
海上更生施設に置かれた恋愛に関する副読本には、確か男達がそれを好んで口に含んでいた。
だからどんな味がするのか、少しばかり興味があるが、今はソファの上の精液を舐める気にはなれなかった。
「ねぇ、ユーノ君」
ユーノの背を抱きしめながら、なのはが囁く。
「まだカートリッジは沢山残っているよ?」
そしてユーノは黙って頷いた。
本編は以上です。
以降おまけという名の妄想垂れ流しです。
「そうだな。僕の経験上、不本意ではあるが最も抱き心地が良いのはユーノだと断言しよう」
それは、本局内の通路を歩きながらクロノが友人であるヴェロッサに語った言葉であった。
対してヴェロッサは、かつて緑茶をストレートで飲むと告白されたときのように驚いて問い返す。
「ユーノ先生が僕の猟犬たちより優れているのは信じよう。でも、あのベルカの蒼きモフモフよりも優れているだなんて、到底納得いかないな」
「ザフィーラか、確かに彼の毛並みのモフモフぶりは流石古代ベルカ式だと思うさ。
けど、十年も前の事だが、彼は僕のスティンガーレイを生身で受け止めた鋼鉄の筋肉の持ち主だ。
解るかい? この意味が」
文字通り鋼の肉体は、深く柔らかい毛皮の肌触りを、その全てではないにしろ大きく減じている。
クロノはそれを指摘しているのだ。
「しかしユーノ先生はちっちゃい。蒼きモフモフのボリューム感には勝てないはずだ!」
ベルカの誇りに掛けて、ヴェロッサはザフィーラの優位性を親友に説く。
「ム、大きさ云々というのなら、僕は匂いについて指摘したいね。風呂嫌いのザフィーラと違ってユーノは石鹸の香りがするから、抱いていても不快にならないぞ」
「ハッ」
クロノの反論にヴェロッサは鼻で笑う。
「野生の匂いがしない動物がそんなに良いだなんて、ミッド式はお上品だね」
実は、ヴィヴィオに心おきなくモフモフを堪能させる為に、近頃はザフィーラもこまめに入浴しているという事実を二人は知らない。
「野蛮さが美徳とは、聖遺物の管理もままならないのに納得いったよ」
売り言葉に買い言葉。クロノも口汚く言い返す。
「二度とカリムに近づかないでくれないか、ハラオウン提督。僕は君を義兄さんだなんて呼ぶ予定がないんだ」
「冗談はよしてくれ。本気で、エイミィとリエラ以上の女性が存在すると考えているのかい?」
結局廊下の分岐点に差し掛かるまで二人はレベルの低い言い争いを続けたが、最後は互いの安全を願って分かれた。
「「月の無い夜には気を付けろ!」」
○V・ワゲン遺跡群
ナウな考古学者にバカ受けの古代遺跡群。
名前の雰囲気からベルカ文明と関係があるかも知れないが詳細は不明。
バケツが大量に出土する。
○ボーリングフォーム
なのはの想いに応える為にレイジングハートが自らを再構成した、対人夜戦形態。
三十連発のヘリカルマガジンという辺り、出力重視の放線魔導師好みの仕様でもある。
薬莢そのものが魔力還元される燃焼カートリッジを採用する事により、従来形式に比べ機関部の大幅な小型化を実現した。
ヘリカルマガジン形式なのは、通常のバナナマガジンだと、合体した時、体が触れあえないから。
因みにバルディッシュは、レボルバ形式の為に多弾倉化は困難だが、先端部が動いたり、付け根部分が回転したり
するので、技巧派好みの夜のデバイスになってくれるだろう。
○ピンク色に光るレイジングハート
本編十六話のエレベータワイヤ降下の応用で、レイジングハートを防御魔法で覆う事により、対象体内の摺動に置いて、
対象の直腸を傷付けず、且つ、滑りをよくした。
まさかコラード三佐も、あの純真な少女がこんな応用方法を思い付くとは思わなかった筈。
101 :
超硬合金:2008/05/11(日) 22:49:39 ID:JhnnBf6X
以上です。
書き始めてから約一月。漸く完成しました。他の職人さん方のスピードには本当に感心させられます。
当初の予定では、噂の件でクロノが義妹に折檻されたり、ユーノが初エッチの後に「責任とってね」とか
言ったりする終わり方を想定していたのですが、なんだかウヤムヤになってしまいました。
それと、タイトルのカタカナの部分ですが「侠気(なのはさんの行動)」「狂気(なのはさんの行動)」
「凶器(なのはさんのデバイス)」このいずれにするか決めかねてカタカナにしました。
>>76様大正解でした。
102 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:51:44 ID:uHIjC1zl
>>100 GJでつ
淫獣あわれw
バルディッシュ・ボーリングフォーム…って
フェイトにエリオが美味しくいただかれるのは確定ですか?
>>101 いい意味で期待を裏切られた。これは俗に言う逆レイプってやつか?
途中で、オチが読めてきてニヤニヤ…そして予想通りw
ユーモラスな文体も面白くて読みやすかったGJ!!
>>101 GJ! 思わせぶりな前振りもネタの一部だったですよね?
>>102 さあ、続編を共に待とうじゃないか。
なんという「アッー!」な展開、GJだぜ!
ワロタアッー
>>101 GJ
さて、おまけ編の「クロノくんへのお礼参りなの」を待ちわびつつ・・・
保管庫管理人です。
下記IDを司書さんとして登録しました。
tyokobo_ru
nano69_264
>>108 ありがとうございます。
明日からぼちぼちやらせていただきます。
主要タグ一覧(α)を作ってみたけど、あまり役に立たなそう。
URLの引数にタグを複数渡せないみたいなんだよね。
うーん、難しい。
wikiにコメント欄なんてあるの知らなかった…マメに見とけば良かった…orz
>>101 GJ。
まあ、誤解がこれで解けたなら、なのはさんは紛らわしいことを言ったクロノをおしおきする前に、お詫びの意味でもユーノに身体を開くべきだと思うんだ。
ここ暫くエイミィさんを見てないよーな。
……気のせい……?
>>101 GJです!!
それにしてもクロスケにロッサよ、いい年した大の男2人がナニ熱く語ってるんだよ ・ ・ ・ ・ ・
各地のサイトや普及活動に影響され
だんだんとユーノ×クロノに侵食されつつある自分だが
こっちではユーノ受けがメジャーなのかね
あとここではエリオ関連のショタ系が多いけど
それ以外のBL小説はあり?
>>113 ここ暫くもなにもエイミィさんは以前から旦那を寝取られっぱなしじゃないかw
…エイミィもユーノあたりと不倫すればいいんじゃね?
いや、どうせなら夫から義妹を寝取るんだ!
118 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 07:31:28 ID:aJTNQMiy
わかってないな!
夫の浮気を知りながらもいつかは自分の所に帰ってくると信じて待っちゃう健気なエイミィさんがいいんじゃないか
まあ、ほとんどがエイミィとくっついてない別時空の話なわけだが。
>>118
出番や活躍がイマイチな奴らが大ハッスルの傾向が強いこのスレで唯一不遇なのがエイミィさんだからなぁ。
初期に少しネタがあった程度だもんなあ
ギャレット「…………」
カルタス「気を落とすなって」
アレックス「そうだぜ、俺たちも出番は少ない!」
ランディ「よし、今夜は飲むぞ!」
ギャレット「お前ら全員エロシーンあるじゃねかぁっ!!」
槙原医「あれ、私は?」
石田医「あなたは原作からゲストでしょ」
鮫島「ふむ・・・・私のことを覚えている人はいるでしょうか?」
ファリン「あはは・・・」
ノエル「・・・・・」
>>110 おおまかにチェックしてみましたがページをいくらか削除した方がいいんじゃないでしょうか?
職人さんごとに個別ページを設定しているのでページがかさんでいる気がします。
個別ページは2つ以上の作品を投下している職人さんだけでいいのではないかと。
あと1・2スレの収録作品も長編を小分割しているためページが結構かさんでいます。
ある程度まとめて再編した方が見やすくなると思います。
まあ今の総ページ数からすれば焼け石に水かもしれませんが。
ターセル「……」
↑口調が分からない
タグをどうしても使いたいって人は、タグで検索されたページを紙とかのフリーソフトでhtmlで保存するのも手だね。
現に俺はユーノで検索してそのページを基点に使ってる。
ただ欠点は更新のたびにhtml化しないといけないという面倒な面と、なのはならなのは、フェイトならフェイトで
別途で用意しないといけない。
過去作を見る分には軽くてお勧め。
昨日ふと思ったんだが、ソープナンバーズのギンガって局員でもあるんだよな
客として来たゲンヤやカルタスとばったりって事も有り得るのだろうか?
>>124 職人さんが1つしか作品を投下しないかどうかは判断できません。
作品個別ページには職人さんのページへのリンクがあるため、2作品目が投稿されたら作品目のページを修正しなければなりません。
短編と長編の定義ですが、基本は1回の投下で完結しているか、数回の投下に別れているかです。
またレスを変えることで場面変えしているような作品の場合、ページを分けています。
明示的に章分けされているなら章ごとにページを、そうでなければ暗示的に章分けされているか内容で判断です。
難しいところですが、職人さんの意図を読み取ってもらえればと思います。
まだ旧スレにある分を統合すると……悩ましいです。
>>118 そこで身体をもてあましたエイミィさんが、家庭の味方、JS通販を購入するんですね、分かりますか
130 :
26-111:2008/05/12(月) 18:44:31 ID:f6PivVbo
司書長殿に意見具申
「主要タグ一覧」のページ用に、キャラクター名タグを纏めたレイアウトを作ってみました
ただ、自分で作っておいて何ですが、結構ごちゃごちゃしました
公式ページの登場人物紹介に載っている面子+αという人数なので
もっと絞り込むべきかもしれませんが、ともあれ一度見てやっていただけませんか?
司書長殿だけでなく、利用者諸兄にも触ってみていただきたい。「重くて使えん」ではいけませんから
現状へロールバックできる準備をした上で、更新してみます。見てやってください
>>128 正確には1・2スレの作品というより長編「高町家に引き取られたフェイト」ですね。
これは何故か一度に数レス投下されているのに1レス毎に1ページ使ってるのが気になったので。
投下される作品が1つかどうかは判りませんが、2つ目のときに個別ページ作成くらいなら
リンク修正にそこまで労力はかからないかなと愚考した次第です。
>職人さんごとに個別ページを設定しているのでページがかさんでいる気がします。
ちょっと思ったんだが、書き手がコテハンを使うようになる前に、
無名(職人一覧ではその都度OOスレ+番号で登録されている)で書いた
作品を自己申告してまとめてもらったら、少しはかさんでるページが少なくなるかな?
>>130 さっそくありがとうございます。
この程度でも十分かと思います。
そういえばリインフォースIIのタグは無かったかな?
最初のころ、ローマ数字を使うと文字化けして苦労した記憶があるんだけど。
>>131 これは名前欄に章題が書かれていたからです。
ちょっと特殊な作品なので統合するのは難しいと思っています。
旧保管庫には1レス1ページのが結構あります。
有言不実行ですが、旧保管庫分は統合時に考えます。
そういえば作者タグで、自分のように番号と番号+トリップの両方を設定しているのがありますね。
トリップは変えている人が自分も含めているので、番号のみに統一しましょうか。
前スレ
>>610 遅らせながらもGJ!!
そして完結お疲れ様です。
今回の運命は本当に悲しかったです。
エリオも今回は奇跡を起こせなかったか・・・・・
でも、アリシアの死を乗り越えて更に強くなるのですね
本当にGJ!!です
>>133 了解しました。
とりあえず
タグから○○スレと総数が2(つまり1作だけ投下)の○○スレ○○の削除
意味重複タグの統一(カップリング、呼称、職人等)
この2つをしてみようと考えてます。
136 :
26-111:2008/05/12(月) 21:12:51 ID:f6PivVbo
>>司書長殿
確認、感謝です
それと、書き忘れてました
現状、「リイン」「リィンフォース?」というタグでしか編集されていないので、そこはタグの再編集が必要になりますね
内容を見て、「リインフォース」と「リインフォースU」に分けようかと思っています。ローマ数字がアウトなら「リインフォース2」ですね
今後とも、微力を尽くしてぼちぼちやっていきます
>>132 コテハンの人は大抵最初からコテハンだから無理だと思うぞ……
名無しの人は大半がコテハンの人と別。
昔はコテの人なんか数えるくらいしか居なかったのにな
50台くらいから来た人間にとっては、コテ付きが多数派に見えてたからなぁ
>>137 自分がそうだったから、他にも結構いるんじゃないかなと思ったんだけど違うのか
というか初期の頃は、最初に書き込んだレス番をコテとして使う人が多かったような気がしたが……
>>140 申告していくらかでも統合できたらいいんだろうねぇ
作者買いの人はコテ無し時代の拾い物あるかもだし
143 :
チョコボ:2008/05/12(月) 23:31:52 ID:5Eg6mGps
>>108 管理人さん、ありがとうございます
さっそく着手してみました
>>130 26-111さんお疲れ様です
勝手で申し訳ありませんが、試験的に下段の方にシリーズごとの一覧と
「なのは」のページを作成してみました
まだタグへのリンクは貼っていませんが、これで目当てのタグが探しやすくなるでしょうか?
ちなみにタグは「全て」で表示されたなのは関連のタグを抽出しました
>>143 受け攻め種別あった方がいいですか?
タグとしてはどちらかに統一しようと思ってるんですけど。
145 :
26-111:2008/05/12(月) 23:55:03 ID:f6PivVbo
>>チョコボ氏
見させていただきました
チョコボ氏の試みが完成すれば、それはきっと物凄く使いやすい事になると思います
なるとは思うのですが、例えば「なのは」タグから「ユーノ×なのは」タグを含むページを絞り込むこともできるのです
「ユーノ×なのは」というタグが付いているページには必ず「なのは」と「ユーノ」というタグが入っているので、
あと、受け攻めのタグを書き分けておられましたが・・・ごめんなさい。私が謝らなくてはならない事実が一つ
「○○×○○」という、所謂カップリングのタグは、基本的に「男性×女性」というパターンで付けていたため、受け攻めは考慮されていません
少なくとも、私が保管してきたスレの著作に関しては
もしも、チョコボ氏の試みを完璧に完成させるつもりなのでしたら、過去作品のタグを全部浚う必要がでてきます・・・
正直なところを申し上げれば、保管庫の機能的な面は司書長殿の判断に任せて、私達はページ保管に集中するべきなんじゃないかとも思えます
勿論、タグ統合、保管庫全体の軽量化は良いことと思いますよ。司書長殿からの要請があれば連絡を取り合ってそうした作業にも手を着けましょう
何にせよ、作業の方向性は統一しておきたいところですね。あまり、勝手な真似はしたくないところです
146 :
チョコボ:2008/05/12(月) 23:55:52 ID:5Eg6mGps
>>144 私の個人的な意見としては種別があったほうがいいかなぁ、と
ユーノとなのはを例にすると、この場合は男×女ということで「ユーノ×なのは」が適切かと思われます
しかし
>>101殿の作品は「なのは×ユーノ」だと思います
受け攻めの立場が逆転する作品が楽しみにしている方
もしくは苦手としている方も中にはいるのではないでしょうか?
探しやすさや回避の事を考えれば種別があれば便利かと
147 :
チョコボ:2008/05/13(火) 00:07:51 ID:5Eg6mGps
>>145 なるほど、タグで絞り込む際には重複しますね
それに作品全部点検するのも骨が折れそうです
さらにそれほどのメリットがあるというわけでもないような気がしました
今後の保管作業の妨げにもなりかねないです。リスクを考えれば統一すべきでしょうか
考えなしの発言申し訳ありませんでした
とりあえず今後の方針は
・キャラの一覧ページの作成
・基本「男×女」のタグ一覧の作成(同性等ややこしいのは保留)
・ジャンル別一覧ページの作成
をやってみようと思います。ページの削減等は追々考えてみます
誰もいない。
非エロの下らないネタを投下するなら今のうち……
行きますよ?
ドゾー。
非エロ
NGワード「お好み焼き」
あぼんは鳥かコテで
レス数4
1
極限まで熱せられた鉄板
濃厚ソースの焦げるかぐわしき香り
青のりと鰹節はその役目を全うした
そのとき、この手に握られるのはコテか、割り箸か
再び、私たちは考えなければならないのだ
マヨネーズはどうしよう……
魔法少女リリカルなのはEaterS
始まります
「お好み焼きの世界」
2
熱せられた鉄板を見つめる五対の目。
「これをどうするんですか?」
エリオの問いに、スバルが重々しく頷いた。
「うん。実はよくわからない」
何も知らされず一緒に鉄板を運んできたティアナがとりあえずスバルを殴る。
首を傾げるエリオ。
とは言っても、鉄板関係の料理を知らないわけではない。六課の皆で出張したなのはさんの故郷海鳴市で鉄板焼きは見た。
だから、鉄板焼きならわかる。お肉や魚、野菜を焼いて食べる料理だ。野外だと美味しい。
そして鉄板焼きの記憶はスーパー銭湯の記憶へと……
……フェイトさんやキャロや、フェイトさんやスバルさんや、フェイトさんやティアナさんや、フェイトさんや……
ああ、それから忘れちゃいけないフェイトさん……
エリオは必死で首を振って記憶を抹消する。
しかし、鉄板の横に準備されているドロドロとしたものは一体なんだろう。
これがあるので、鉄板焼きは自動的に可能性から除外される。
………パンケーキ!?
そうだ。それなら辻褄は合う。キャベツやもやしの入ったパンケーキが実在するなら、だが。
あと、イカと豚肉も用意されている。
「大丈夫だって、無限書庫まで行って、ちゃんと第97管理外世界の本を調べて来たんだから」
「…よく個人の調べものが許可されたわね、あー、スクライア先生、高町教導官のお知り合いだものね」
「うん。そのかわり、今度手伝って欲しいことがあるって言われたんだけどね。夜に密かに来てほしいだって」
実はスバルの貞操が大ピンチなのだけど、誰も気付かない悲しさ。
「お好み焼きって言うんだよ」
お好み焼きとは、このドロドロを焼いて、イカや豚肉を載せて食べるのだと、スバルは説明する。
エリオは「やっぱりパンケーキの仲間か」と納得している。
「焼き方にも色々あって、広島焼きとか、根性焼きとか」
ヒロシマというのは第97管理外世界の地名だとか。根性はよくわからない、とスバル。
因みにナンバーズに試しに聞いてみたところ、
「か、勘弁ッス! クア姉! ごめんなさいッ! もうしませんから!!! 許して欲しいッス!!
痛いッ! 熱いッ! ああっ、液体窒素は駄目! シャレになんないッス!!! バケツ一杯はダメェ!!」
なんかトラウマを刺激したらしい。ああ、あの人達も色々あるのね、と呟いて合掌するティアナ。
スバルは説明を続ける。
「だから、ヒロシマ型、ナガサキ型とあって、それぞれ別名がリトルボーイとファットマン」
別名というのがピンと来ないけれど、とりあえず焼いてみた。
「あ、サクサクして美味しい」
「ホントだ、思ってたより美味しいですね」
「はい、これならまた食べたいです」
「そっか、こんなに美味しいものだったのか……」
3
ミッドの食材を使って、オリジナルなお好み焼きを作りたい、と宣言するスバル。
賛同するエリオとキャロ。複雑な顔で、とりあえず反対しないティアナ。
「ミッドと第97管理外世界の共同作品と言うことで、タカマチ型と名付けます」
おおーっ、と拍手。
「じゃあここに…」
並べられる三種類のお好み焼き。
「ヒロシマ型、ナガサキ型、タカマチ型」
四人はパクパクと美味しそうに平らげていく。
ふと、ティアナには食堂の入り口に誰かいるような気がして顔を上げた。
気のせいらしく誰もいない。
「どうしたの、ティア。なくなっちゃうよ」
「あ、こら、スバル、食べ過ぎ!」
なのはが真面目な顔ではやての元を訪れたのはその日の夜だった。
「私、スバル達に嫌われてるのかな…」
「どしたんや、なのはちゃん」
「私、大量破壊兵器なのかな?」
「うん。それは当たらずとも遠からじ、やと思う」
「……酷いよ、はやてちゃん…」
4 (オマケ・次回予告)
頼むで、ヴィータ。
「わかった、はやて。シュワルベフリーゲン!」
四つの玉が鉄板にぶつかり規則正しいへこみを作り上げる。
ヴィータ、次々お願いな
「任せろ、はやて!」
これで……これで、あの子らのお好み焼きに対抗できる。
関西を舐めたらアカンで!
次回魔法少女リリカルなのはEaterS
「たこ焼きも忘れるな」
TAKO OFF!
(うん。だから、嘘なんだ)
以上、
お粗末さまでした。
GJ。ごちそうさまでした。
むしろ大阪風を忘れられていることに怒れ不憫長ww
そして是非その後のスバルと司書長を見てみたいです。
>実はスバルの貞操が大ピンチなのだけど、誰も気付かない悲しさ。
このあたりに焦点を・・・
>>151-155 GJです。ああ、ついになのはさんは核爆弾と同じ扱いに・・・
つかスバルは何を参考文献にしたんだwww
お好み焼きのような粉モノ食いにとって水は厳禁。代わりにマヨネーズで喉の通りをよくする事。
たこ焼きは最近ポン酢をかけて食すのが流行っているらしいぞ。
ご飯はもちろんつけるよな?
お好み焼き丼とな?
うん、こんな時間だけど腹減ってきた、GJ。
あとスバルを性的に喰いたいな。
そして関西ではお好み焼きとご飯を一緒に喰う。
いやマジで。
お好み焼きはおかずだ。
炭水化物と炭水化物を組み合わせるのは昔からのありがたい知恵だ。
ってどっかの侍が言ってた。
やはり、ご飯をつけるなら麺類も捨てがたい
ラーメン、うどん、焼きそば・・・
なんでみんなご飯つけないの?舌おかしいの?
うお!無限(の欲望が詰まった)書庫が整理されてる!
スゲー見やすくなってGJ!!
司書のみんなトンクス
>>154 異文化コミュニュケーションGJw
おかげで腹が減ってきちまったぜ……
>>123 サーセンwww
だがギャレット君!
君って何気にAsでフェイトに制服を持ってくる場面で、フェイトに爽やかスマイル
つまり……ん
あ、問題が解決した!
やったじゃんw
朝飯食ってないの思い出したw
>>168 フェイトに制服持ってきたのはアレックス
浅倉竜也とか早く消えてくんねーかな。アンチ丸出しでSS書くとか頭を疑う。
そんなに特撮好きなら普通にそっち書いてりゃ良いものを、わざわざなのはキャラにぶち込んで原型留めない魔改造にしたり。
しかも全部のSSが糞つまらねーから救いようが無いし。TOPに私はアンチですって大きく書いとけっての。
そんなことここで言われてもねぇ……
SS批評サイトにでも行けば?
つか、そもそも誰の話だ。
そんなコテいたっけ?
サイトにBBSあるのにアク禁を恐れてこっちに書くような弱虫クンの171なんて放置が一番よ?
まぁ、171見てそれが普通のTVファンから見ての反応よね。なんて思ってしまった。
何でわざわざなのはSS書いてるんだろうとか自分でときどき思うぐらいだからなぁ……
すいません、釣られてしまいました。半年ROMってます……。
>>155 ネタの内容がググってやっとわかった。無知だ、俺って・・・・・。
ほのぼのしていたけどオチが笑えるw
不意に思ったけど、無印でなのはとフェイトの立場が逆だったらどうなってただろう?
温かいテスタロッサ家で母や姉や先生に囲まれて育ったフェイト、士郎が死んでて手桃子さんは立ち直れずに恭也はケガして何か冷めきった高町家で育ったなのは。
・・・・・・・イメージしただけで鬱になってきた。
そんな事よりエロい話しようぜ!
部隊長ってなのはさんとフェイトそんの陰に隠れてるだけで普通におっぱいでかいよな!
ごめん
>>177、リロードを怠っていた
特に悪意はなかったんだ・・・
>>177 前者は結構容易だが後者の想像は無理だなあ
原作のゲームが乗り越えた姿だから
もしアリシア死んでなかったらフェイトとプレシアって親子じゃなくて
祖母と孫娘の関係だったと思う
魔力は無かったが天才的頭脳は受け継ぎ様々な方面で
引っ張りだこの天才科学者アリシア・テスタロッサ
その娘で祖母の魔力を受け継いだ天才美少女魔導師フェイト・テスタロッサとか
>>168 俺も目が悪くなったな……
ちょっくらAs観直してくるわ
カチャ
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
\/|168|)
はやてはそこまで胸大きいか?
っていうか俺の願望としてはむしろ大きくないっていうか、少し小さいくらいで、自分の微乳に隠れたコンプレックスを持ってるとかが萌えるんだけど。
はやては三人の中ではトップが俺の脳内の定説
はやては平均なんじゃない?
それで、なのはは「ちょっと大きい」でフェイトは「すごく大きい」。
個人的に、はやての売りは太ももにあると思っている。
>>183あなたとは一度徹底的に“お話を聞かせて”もらわねばならないようだ。
っていうか胸デカキャラが多いと逆に萎えるだろうが!!
おれはちょっと大きめだけど、身長比もあってさらにエロい感じかな。
>>187 なるほど・・・そういう事だったのか・・
つまりサイズ的には特筆しるほど大きくなくても、身長や体格との対比でみればそれなりのボリュームがある。 と?
新しい発見だなこれは。
ちょっと意見を聞きたいが、やっぱデバイスの声って英語やドイツ語の方がいいんだろうか?
短い応答なら書けるが長い会話はちょっと自信がないんだ……
>>189 むしろ日本語でおkだと思う
読んでるこっちにしたってわざわざ約すのがとてもめんどくさい
>>189 あくまで個人的な意見だが『』とかで表記されるなら俺も日本語でいいと思う
ドイツ語の長文とか読めないし
>>189 台詞は日本語でいいと思う。
ただ、RHやBDが『マイマスター』やら『イエッサー』やら日本語表記で言うのは違和感あるし、
最低限の応答や魔法の発動音声なんかは英語がいいかな。
そうすれば読み手も翻訳してるんだって気になり易いだろうし。
194 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 17:58:43 ID:zdixi5lh
はやての売りは小ぶりの胸と太もも,いや全てですね。
性格もそうですがはやてって守って上げた気に成ります。
実はぷりっケツの部隊長
あの制服で生足&ソックスになってくれたら、死ねる。
はやてちゃんは実は揉まれると弱い
いや、足と首だと思う。
腰とお腹もすてがたい
はやて、A's後一時期はなのはも貧乳イメージあったな。
個人的に胸は現在のなのはと大差ないが、腰と太もも辺りに差があるといった所か。
そーいや隊長陣の中じゃ、はやてでエロSSって割と少ない気もするが…
読むなら触手陵辱系とかでてほしい。。。
少し前のレスぐらい読め
エロ車椅子が出たばっかりだろうが
>>199 胸の大きさはA'sのエピローグの頃ははやて>なのは・フェイトだったらしいよ
それがStSになる頃にはなぜか逆転してる
あとエロSSの少なさに関しては相手役に決まったイメージがないのがつらい
ロッサ、ゲンヤ、ザフィ、グリフィスと候補はそれなりにいるんだが・・・
中間管理職はつらいよ
たぶん本人も相手候補もほとんど活躍できなかったのがエロが少ない原因の一つでもあると思う
えーい、はやてエロもっと書いてやるぅ(涙)!
クロノ相手だと、二人ほどエロい人が書いてるな。>はやてエロ
まあ、片方は直接的な表現はないが。
9歳はやてキボン
>>205 クロノは義妹一択のイメージしかない
間違いなくこのスレのせいだ
9歳はやてだと相手が犬しかおらん
いやいや、初心にかえって百合という手が
素敵な足長おじさんがいるではないか
きっと石田先生はそっちの趣味があるよ
前スレ
>>584 遅レスですが、GJ!!
なんというエリキャロ&キャロかわいす
相変わらず、氏の描くエリキャロは落ち着きます
そしてティアの錯乱っぷりにワロタw
>>208 クライドをダシにしてクロノに「お詫びに私のこと、好きにしてええよ」と迫るのは?
>>215 一人寂しく車椅子生活をしているはやてをいきなり現れたフェレットが無理矢理……なのを想像して何か罪悪感で一杯になった……
>>214 リインUをつくる手伝いをする見返りにとか
>>216 バナナを持ったフェレットが暴力的に以下省略
何で無理やりばっかりなんだよw
>>199 原作設定を汲むと、実はなのはは貧乳って設定でもOKなんだよ。
不破の家系は女性の体つきが細い傾向があって、美由希は父方の御神の
血が強いから例外的にいろいろ豊かだけどその実母はかなりの貧乳。
たぶんA's直後はそれが入ってるんだと思う。
ハーヴェイも地の文でささやかだとか薄いだとか行為中に評してるし
とらハスレでも桃子さんの血が入って手のひらに収まるくらいの大きさが
妥当なとこなんじゃないかと言われてる。
>>219 出番が少ない分、和姦にはいろいろとお膳立てがいるからなあ…
某「罪と罰」ほどでっかくやれとは言わんけど。
似合うからだっ!(力説)
>>184 あんまりロリ好きじゃないけど、A'sの騎士甲冑から見えるあれはいいものだと感じた。
流れを切る事になるが・・・・・・・・・一つ言わせてくれ。
熱血バトルアニメを謳うリリカルなのはに足りないもの・・・・・それは・・・・
スーパーロボットや勇者ロボット張りの追加強化パーツや新型メカとの空中合体だーーーー!!
空中合体、か
地上本部がロボに変形してアインヘリアルとグレート合体だな
アインヘリアルってものすごい出オチだったな
空中合体、ねぇ
なのはとユーノとか(空戦可能キャラなら他者でも可)が飛行しながら合体(性的な意味で)だな
>>223 因みに某所でユーノが戦士ロアの相棒に乗り込んでたがな。。。
>>225 最高評議会(脳みそ)
ドゥーエ
白天王、ヴォルテール
と出オチには事欠かないのがリリカル三期です。
高所から落ちた陸戦魔導師が射出されたデバイスと空中で連結、
そのまま空戦もしくは強攻形態へというものだが・・・どうか・・・?
それはどういう可翔式?
231 :
B・A:2008/05/14(水) 00:44:26 ID:uodarUIs
追加パーツや改造はもうあるから、合体か・・・・・・・アーマードデバイスに支援メカがあって、それが合体とか?
と、盛り上がっているところ申し訳ありませんが・・・・・良い?
もちエロです。
スバルとかが巨大ロボの制御用ユニットとして取り込まれ、それを助けるためにティアが
とかいう熱い展開は無いものか
安易な強化パーツや合体によるパワーアップは熱血とは言わん、むしろ貧弱。
熱血を謳うなら血反吐と血の小便が出るくらいの地獄特訓で新技を身に付ける方が良い。
そして生まれたのが「振動拳」なら文句なし。
投下して〜
, :<´ ̄ ̄> 、}}ノ
ー=≠": : : : : : : : : : : : :\
/: : : :/: {: : ヽ: ヽ : : ヽ:ハ
i.: ::{ 斗-ハ: : :}十ト:i :}: :}: :}
□■□■□■□■□■□■ みんなの合体を望む声に応えようじゃないか
■□■□■□■□■□■□ さぁなのは!
Y:ヘ _ } : /′
Yヽ. ヽノ /: /ヘ
ヽi{`>- イ´/W}<
/⌒ヽ /i>く´ }ヘ\}
{=x ノー ': ,/{/こ)'ヽ/ : l: : :`>: 、.._
/^こヽ{ : : : / :| ,ハ ∧: : }: : : : : : : : :`ヽ
ノ ヽノノ: : : : >:|/ || /: :`<: : : : : : :/: : : :}
∧/^Y,イ}: : : : く : {' l」/: : : :/ : : : : : /: : : : :|
/: :{^ノ|: /|: : : : : ヽヘ、/: : :/「^}___ {/: : : : : ヘ
,/ : 〃: ||/: |: : : : : : :\' : /{⌒ 'こ} :〈 : : : : : : :〉
>>230 いっそのことティアの右腕を電子レンジに・・・・・・
238 :
B・A:2008/05/14(水) 00:50:45 ID:uodarUIs
も、盛り上がりまくっている・・・・・・。
投下、後にした方がいいですか、これは?
例の模擬戦時に『弾けろッ!!高町なのはッ!!』か?w
カモン!! 早く投下してくれ、ここはその為の場所で俺達はその為にここにいる!!!
支援です。陸士とかアーマーデバイス使いには、ガンダムのドダイやスパイダーマンの
グリーンゴブリンが乗ってる乗り物がいい気がする。
242 :
B・A:2008/05/14(水) 00:59:35 ID:uodarUIs
ではいきます。ちなみに、前スレで言っていたランニングマシーンエロは、煮詰めていくうちに物理的に不可能だと悟ったので
あえなくお蔵入りとなりました。
注意事項
・ご家庭の味方、JS通信販売サービス
・今回のターゲット(購入者)はエイミィ・ハラオウン(人妻)
・もち触手
・今までほどハードなものはない。それでも凌辱であることに変わりはない。
カマン!
>>239 模擬戦じゃすまないから、それw
支援ですw投稿カモン!!
主婦というものは楽ではない。
朝は誰よりも早く起きて朝食を作らねばならないし、子どもを保育園に送り届けたら洗濯や掃除、その後は買い物をして夕食の準備とするべきことは多い。
だが、そんな忙しい主婦にも暇な時間というものは当然のことながら存在する。これはそんな慌ただしい時間が過ぎ去った、お昼前の出来事であった。
「ちわー、JS通信販売っス!」
やって来たのは若さが全面に出ているような陽気な笑顔を浮かべた赤毛の少女だった。
応対に出たエイミィは、その底抜けな笑顔に夫もこれくらい笑って欲しいなとつい思ってしまう。
「ご注文の品ですが、こちらでよろしいっスか?」
「えぇっと・・・・はい、間違いないです」
「了解っス! それでは、またご贔屓にぃ!」
伝票の控えに受け取りのハンコを貰うと、赤毛の少女は次の仕事があるのかそそくさと立ち去った。
一方、エイミィは喜色満面の笑みで自分が注文した商品を見下ろした。
それは一言で言い表すならば木馬だった。ただ、材質が木ではなくプラスチックか何かでできているようで、
手綱にあたるハンドルにはボタンがいくつか備え付けられている。
「2人とも喜んでくれるかなぁ・・・・・・」
何を隠そう、これはカレルとリエラのためにエイミィが自腹を切って購入した新しい玩具だ。
最新式の電動木馬で、自分で動かすだけでなく、スイッチを入れれば木馬自体が動いたり鳴き声を上げたりするという優れものである。
普通に買えばかなりの額だが、そこはご家庭の味方を名乗るJS通販だけに定価よりもかなりの安値で取り扱われていた。
「ふふっ・・・・・懐かしいなぁ・・・・・子どもの頃はよく遊んだっけ」
ふと童心に駆られ、エイミィは木馬に跨ってみた。
体重が乗せられ、木馬が傾く。僅かに軋んだような音を立てたのが怖かったが、木馬はエイミィの体重を問題なく支えることができた。
「わぁ・・・・・結構丈夫にできてるんだ・・・・・」
まるで波間を行く船に揺られているような感覚。足が地面についているのが少し情けないが、込み上げてくる懐かしさは心地よいものであった。
ふとハンドルに目をやると、3つのボタンが押してくれと言わんばかりに存在を主張していた。
「えっと・・・・・このボタンで鳴き声を上げるんだっけ・・・・・」
試しに左のボタンを押してみる。
《ヒヒーン!》
「わぁっ、鳴いた鳴いた」
造り物めいた合成音にエイミィは喝采を上げる。
次は真ん中のボタンだ。これは自動運転ボタンだったのか、体を揺らさなくても木馬が勝手に動いてくれるようになった。
「わっ・・・・・あは・・・あはは・・・・・」
お昼時に子どもの玩具で楽しそうに遊ぶ主婦、端から見ていると結構シュールな構図であった。
「ふぅ・・・・・それじゃ、これでお終いっと・・・・・」
一通り遊んで飽きたのか、エイミィは最後のボタンを押してお終いにしようと思った。
何せこれは子どもたちへのプレゼントだ。自分が遊び過ぎて壊してしまったら元も子もない。
そう思って、名残惜しげに最後のボタンを押す。
《プレイモードに入ります》
「へ・・・えぇっ!!」
ガシャン、としか形容のできない音と共に両手が拘束具で固定され、ハンドルから離れなくなる。
それと同時に、跨っている鞍が俄かに振動を開始した。
「ひゃぁっ・・・あぁ・・・な、なに・・・あぁぁっ・・・・」
股間に走る鈍い刺激にエイミィは艶めかしい声を上げた。夫が出張続きでご無沙汰だったため、微弱とはいえかなり強烈な刺激となって襲いかかってくる。
「も・・・もう、何なのよ!」
危うく理性を持っていかれそうになる寸前でエイミィは我に返り、鞍から立ち上がる。
腕は固定されているが、足の方は特に固定されていないため、腰を突きだすような前のめりの姿勢となるものの、何とか立ち上がることはできた。
しかし、立ち上がったエイミィを待っていたのはお尻を撫で回される感触であった。
今度は何事かと振り向くと、木馬のお尻の部分から機械の触手が伸びており、それが自分のお尻を撫で回していたのだ。
「ひゃぁっ・・・あぁぁ・・・・や、やめぇ・・・あぁ・・・」
久方ぶりの愛撫に、体が自然と反応してしまう。それでも何とか逃れようとするが、触手は即座にエイミィの腰に巻きつき、その動きを拘束してしまう。
「あぁん・・・やめ・・・だれかぁ・・・・た・・たすけ・・・あぁぁぁっ・・ん・・んんっぅ・・・・・・」
助けを呼ぶ声は触手の愛撫でかき消されてしまう。どのみち、この部屋は完璧な防音設備が施されているので、隣近所の部屋の住人に助けを求めることはできず、
アルフやリンディたちが帰ってくるのは夕方か夜であるため、自分を助けてくれる者は誰もいなかった。
それを良いことに、触手は下着を引き裂いて秘唇への愛撫を開始する。ヌメヌメと光るゴムのような先端で肉ビラを広げ、別の触手は勃起しだした陰核を突いてくる。
更に数を増やした触手たちは、下半身だけでなくエイミィの上半身をも狙い始めた。
「ちょっ・・・ちょっと・・・やめな・・・さぁぁっ・・ああ・・んぅ・・・あぁん・・・・・だめぇ・・・こんな・・・・あ・あ・」
女のツボを心得た触手の愛撫は凄まじく、エイミィの劣情はどんどん燃え上がっていく。
口から零れる否定の声も悦に染まっており、まるで説得力がない。
だって久し振りなのだから。
最後に夫と契ったのは数ヶ月前で、それからずっとご無沙汰だった。だから、言葉では否定していても体は正直に反応していく。
チ○ポが欲しい。
チ○ポが欲しい。
チ○ポが欲しい。
その言葉だけが脳内を埋め尽くしていき、理性が剝がれていく。
(だめぇ・・・・だめなのに・・・・かんじてなんか・・あ・あ・・あいな・・・いない・・・か・・ぁ・・・あぁ・・・・)
皮の捲れた陰核を擦られ、胸を揉まれ、脇腹を擦られる。触手たちは大よそ女性の急所ともいえる場所を全て愛撫し、エイミィを被虐の渦へと叩き落とそうとしている。
だが、何故か最大の急所には手をつけようとしない。彼らはエイミィの蜜壺と肛門にはまったく手を出さず、それ以外の場所を執拗に攻め立てるのだ。
それが却って、エイミィの心を焦らしていく。いっそ、ひと思いに貫いてくれた方が遙かにマシだった。
脳が焼かれる。
視界が霞む。
下腹部を太い触手で貫いてほしい。
焦れるような痒みをそのでかマラで取り去って欲しい。
「・・れて・・・・・おねがいひゃから・・・・もうふぃれてぇっ・・・・・」
呂律の回らない舌でエイミィは懇願する。無機質な触手にとうとう彼女は屈伏してしまったのだ。
すると、触手たちはエイミィの姿勢を直し、木馬に跨らせようとし始めた。いったい何故そんなことをと思い、エイミィは思考が麻痺し始めた頭を動かして木馬へと目をやる。
「ひぃっ!!」
今度こそ、彼女は絶句した。
いつの間に、鞍から巨大なバイブレーターが2本も生えていたのだ。その大きさは成人男性の平均を軽く上回っており、カリも大きく反り返っている。
それらはどちらも側面にイボがびっしりと生えており、モーター音を奏でながら振動していた。
「いい・・・いあやぁっ・・・はなしてぇっ・・・無理ぃ・・・入らない・・・・・むりだってばぁぐぅぁぁぁぁっ!!!」
一本の触手が口へと侵入し、悲鳴をかき消す。
エイミィは何とか逃れようともがくが、強力な触手の拘束を振り解くことはできず、無情にも鞍の上に跨らされてしまう。
「んんんんんぅぅぅぅぅうっっ!!!!」
引き裂かれるような錯覚と圧迫感。瞬間的に呼吸が止まり、視界が真っ白になる。
「うん・・・んぬぅ・・・・んぅうぅ・・・うぅうぅぅ・・・・・」
蜜壺と直腸がバイブレーターをギッチリと咥えこむ。こんな一方的な行為でも、蜜壺は愛液を滴らせ、肛門は収縮しながらバイブレーターを飲み込んでいく。
イボが膣壁や腸壁を擦る度にエイミィは悲鳴にも似た声を上げ、足をバタつかせた。
「んう・・・ううん・・・うぅぅぅっん・・・うあぁ・・・うん・・・・」
木馬の揺れる動きも相まって、バイブレーターの振動は非常に不規則なものとなっていた。
ある時は子宮の入り口を責められ、次は中ほど。かと思えば今度はまた別の場所を責められ、一度として同じ場所が擦られることはない。
そんな風に複雑怪奇な動きで2本のバイブレーターに責められては、エイミィは堪ったものではない。
一定の動きならばまだそれに合わせて腰を動かすこともできたが、こうも複雑に動かれては肝心なところまで上り詰めることができない。
(ちが・・・・そこじゃ・・・もっと上・・・・あぁ・・だめぇ・・・そこもちが・・・あぁっ・・・・)
もう彼女には、この責苦から抜け出そうという気はなかった。
それよりも、もっと気持ち良いことがしたい、もっとアクメを感じたいという思いの方が強かった。
それに応えるように、新たな攻めが追加される。
(あああぁあ・・・・なにぃ・・・・これぇぇぇぇぇっ!!)
鞍の前方からせり上がって来たのは歯車だった。一定のペースで回転を続けるその歯車が、真っ赤に勃起したエイミィの陰核に噛みついてきたのだ。
陰核を擦られる度に走る痛みにも似た快楽。
視界を埋め尽くす触手たちは全身の愛撫を続け、口内の触手も入れ替わり立ち替わりどろどろとした粘液を放出していく。
彼女は知る由もないが、それは性的興奮を高める媚薬だった。それを絶え間なく飲まされたせいで、エイミィの体は触れただけでも絶頂に達してしまうほど敏感になっていた。
(あぁん・・・だめぇ・・・いく・・・いきそ・・・あぁ・・・擦れて・・・・胸揉まれただけでぇ・・・ひゃっ・・・おしりも・・・
肌がぁ・・・触っただけなのにぃ・・・・イク・・・イクうぅぅぅうっ)
絶頂と共に大量の愛液が迸り、ガクガクと体が痙攣する。それが木馬の動きをより複雑なものとし、バイブレーターの動きにまで影響を与える。
(ひぐぅぅぅぅっ・・・また、いくうっっ・・・・いっえいるのにイク・・・・イクのぉぉっ・・・あぁぁっ・・・・あぁぁぁぁあぁっ!!!)
上り詰めたと思った瞬間、更に上へと突き上げられる。
終りのない絶頂の渦に、いつしかエイミィは酔いしれていった。
□
気がつけば、時刻は3時に差し掛かろうとしていた。
いつの間にか腕の拘束は外れており、触手もバイブレーターもなくなっていた。
物言わぬ玩具に戻った木馬を見ていると、あれは夢だったのではないかと思えてくる。
だが、夢でないことは周りの惨状が告げていた。
引き裂かれた衣服、汗と粘液で汚れた体、散らかった室内。
間違いなく、自分はこの木馬に犯されたのだ。
自覚すると、顔が熱くなってくる。あんなみっともない姿、とても夫には見せられない。
「掃除・・・・しなきゃ・・・・・・」
後1時間ほどで保育園に子どもたちを迎えに行かなければならない。それから買い物に行って夕食を作らねば。
子どもたちには悪いが、この玩具は明日にでも返品しよう。こんな隠れた機能があったのでは、とてもじゃないが遊ばせられない。
「はぁ・・・・・よいしょっと・・・・・」
ポチっという音が聞こえた。
「え?」
《プレイモードに入ります》
再び腕を拘束され、無数の触手が殺到する。
「えぇぇぇっ!!!!」
悲鳴が嬌声に変わるのに、そう時間はかからなかった。
おわり
250 :
B・A:2008/05/14(水) 01:19:21 ID:uodarUIs
以上です。
そして今更気づいた・・・・注意書きにエロって書いていない・・・・凌辱とか触手って書いたから大丈夫かなぁ?
エイミィさんは苦手(文章化することが)な部類に入るから結構苦労しました。キャラは嫌いじゃないんだ。けど書くのが難しい。
他にも苦手なのは淫獣(ユーノにあらず)、クアットロ、シャマル。
結構苦手分野多いです。
スーパーグッジョブ!
つーかエイミィさんのエロって一体いつ以来なんだ?w
触手GJ!! きっとJ・S通販は大人のオモチャ業界(?)では有名なメーカーなのだろうwww
毎回オリジナリティに溢れ、素晴らしい性能のオモチャを開発してるんだろうなぁ。
しかしB・A氏、触手陵辱で非エロなんて不可能だからエロの注意書きが必要ないっしょ?
∩
( ⌒) ∩_ _
/,. ノ i .,,E)
./ /" / /"
./ / _、_ / ノ'
/ / ,_ノ` )/ /
( /
ヽ |
\ \
GJです。
ユーノじゃない淫獣?はて・・・
255 :
246:2008/05/14(水) 02:03:12 ID:BP+YEut1
エロいなぁ……最後の失敗も可愛いなぁ……246は何気にエイミィさんが大好きです。
意味無く長編に出すくらい大好きです。あの人出すと不思議と明るくなるんです。
さて、こっちはエロさの欠片も無い長編です。爆撃していいでしょうか?
256 :
246:2008/05/14(水) 02:07:56 ID:BP+YEut1
よしとりあえず、爆撃です。
・なのはさんが相変わらずボロボロです。
・ユーノ君、生涯最後の輝き。
・フェイトさんの果てなく続く愛のロードが始まります。
ではでは。
手に取った金色の宝石が、以前にも増して重たく感じた。
きっとこれが、己の罪。
きっとこれが、果すべき責任の重さ。
そう理解して、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはバルディッシュを握り締める。
目を閉じ思い出すのは、彼女を親友以上に想ってしまった時の事。脳裏に浮かぶ彼女の笑みは幼く、きっとあ
の輝きを見てしまったからなのだと笑みを浮かべる。名前を呼んだ時、それからこの想いは芽吹いていたのだ。
――なのに。
「ごめん……私は、君を護れてなんかいなかったのに」
もう、あの時の笑顔には会えないのだろう。この決して許されない罪は、絶対に壊してはいけないものを壊し
てしまった。それを護ると言って、実際に僅かたりとも護れやしなかった。
だがそれでももし、と思ってしまう。もし許されるのなら、もしもう一度チャンスがあるのなら、と。
贖罪ではなく、果すべき責任ですらないただの胸に残った未練。今この手に握る剣に込めていた想いが叫ぶの
だ。ただ一言、護りたいと。
「フェイト、大丈夫?」
見上げる姉は真っ直ぐに、フェイトの表情に浮かぶ想いに眼を向ける。映るのは、弱弱しくいつ壊れてもお
かしくなかった危うさは打ち倒すような強い意志。
迷いが無いとは言わない。苦しみが無い訳がない。だがそれでも、フェイトの表情はアリシアを笑顔にさせ
るに十分なもの。十分な程に、真っ直ぐだったのだ。
そしてフェイトも、姉の想いに応えるように首を縦に。
「大丈夫」
そして、言葉に。
「なら、もう安心だね」
満面の笑みの姉は、妹に抱きつき涙の滲む顔を埋める。アリシアの身長はフェイトの腰に届く程度。羨望に似」
た悔しさは、最早二人の壁が存在しない事を告げていた。
だからアリシアは言う。胸に秘めた想いを隠す事無く。他愛もない、本当にどうでもいい事だったけれど、と
ても嬉しかった事を。
「背、高いね」
「うん、少し自慢なんだ」
「そっか、胸も大きい」
「それは、母さんに似たんじゃないかな?」
やや頬を染めたフェイトに、今度は髪型の事。何故ツインテールじゃないのか、なんて些細な事を聞いた。そ
の次はフェイトの仕事の事。その次はみんなの事。
アリシアに矢継ぎ早に質問され、フェイトは多少戸惑いながらも一つずつ問いに答えていく。アリシアの小さ
な身体は手錠をしているフェイトの腕にすっぽりと納まり、互いに抱き合う形となっていた。
まるで、一緒にいられない時間を埋めるように。
この先、決してこのぬくもりを忘れないように。
ひたすらに、姉と妹は抱き合い続けた。
そして、最後。
「ありがとう、アリシアお姉ちゃん」
「……うん、どういたしまして」
輪郭が確かでなくなってきたアリシアは、フェイトを更に強く抱きしめる。フェイトも同様に、アリシアの姿
が消えるまで、決して離さぬように力を込めた。
奇跡は永遠に続く訳も無く、一瞬の夢だから奇跡足りえる。永遠に続く奇跡があるのなら、それは長い夢。い
つか覚めてしまうのは同じ事。
アリシア・テスタロッサが消えていく。
母の願いと、少女が願い続けた想いと共に消えていく。
耐え切れなくなった涙が落ちると同時、やはり少女はあの時と同じ願いを残して逝った。
――どうこ、この子達がずっとずっと一緒にいられますように……。
魔法少女リリカルなのはStrikerS
―君に届けたいただ一つの想い―
(16)
見上げれば空を走る紫電はすっかりとなりを潜め、もうそろそろ日の出が訪れると言う時刻。正確な時刻は分
からないまでも、長年の己の感覚を頼りに当てをつけたシグナムが前方に殺気と見紛う程の鋭気を向ける。
「――来たか」
その眼が睨むはクロノが用意した対機動六課の精鋭だ。数は全くもって予想通り。寸分違わぬ構成に、思わず
シグナムの引き結んでいた唇が弧を描く。
如何にシグナムとて目の前の精鋭を一人で相手にする事は叶わない。だが、彼女は欠片ほども臆する事無く地
面に突き刺していた愛剣を掲げ、悠然と言葉を紡いでいく。
「これより先は機動六課の敷地だ。許可無きも者を通す訳には行かない」
「そちらの部隊長殿には連絡がいっている筈だが?」
「丁重にお引取り願うようにとの事だ」
シグナムの眼前、眼帯の少女の口端が僅かに上がった。彼女が司令官であるクロノに命じられたのは二つ。
一つはフェイトを引き取る事。そして、もう一つは今ここで実行するべき事。
すなわち、一つ目の任務を妨げる者を排除する事。
「了解した。ならばこちらもそれ相応の対応をとらせて頂こう……ナンバーズ5チンクだ」
「シグナムだ。アギトが世話になった」
「なるほど、そちらがそうだったか」
交わす言葉はたったそれだけ。互いに敵と認めた彼女たちは、そのまま各々構えを取り地面を蹴る。
先に大きく動いたのは紅蓮を纏う炎の剣。シグナムはチンクの右側、眼帯の方向から容赦なくレヴァンティン
を一閃する。死角を取られたチンクはシグナムの速さに感嘆しながらも、迷わず手にしたナイフを投擲して迎え
撃つ。
「――っ! レヴァンティン!」
愛剣の名を声高に叫び、ナイフを弾きながらシグナムが跳躍する。彼女がいた場所、弾かれたナイフが轟音と
共に爆発し、地面を抉る威力に舌打ちした。
距離が埋めにくい厄介な相手――だが、そんな事は百も承知。ならばと叫ぶは、彼女の天敵。
「スバル、出番だ!」
「はい!」
現れるは空を走る蒼の道。雄たけびと共に拳を突き出し、飛び出したスバルはチンクを睨む。
スバルの登場に硬直したチンクが、だがと己を叱咤し、迷う事無くスバルに狙いを定めナイフを取った。
交わった視線、二人の耳を打ったのは赤髪を風に乱す彼女の声。
「よぉ、ひっさしぶり!」
「うわっ、と、とと……ノーヴェ危ない!」
スバルのウイングロードにぶつける形でエアライナーを展開させたノーヴェが、バランスを立て直すスバルを
睨む。ややあってからニッと白い歯を見せながらノーヴェが笑い、好敵手同様拳を突き出す。
「お前の相手はあたしだよ」
戸惑うスバルの視線の先、シグナムがチンクに押されていた。次々と繰り出されるナイフを切り払い、避け、
果敢にチンクの隙を狙っている。
それを視線を外すと共に頭の隅に追いやり、敵と定めたノーヴェを見据える。小さく吐き出した息と共にスバ
ルを取り巻く大気が震え、ノーヴェの赤髪を揺らしていた。
本気で来る。ノーヴェがそう判断した瞬間だ。
荒れ狂う蒼い星が、戦闘開始の狼煙を上げた。
「ギア・エクセリオン!」
「――始まったようやね」
耳を打つは金属同士の衝突する音に、一層表情を引き締めはやてがリインと共にシュベルトクロイツを握り締
める。
彼女が担当するのは官制ではなく純粋な戦闘。シグナム達がナンバーズの気を引いている間に、ありったけの
魔力を込めた一撃を放つのみ。
場所は機動六課訓練場上空。機動六課内で最も開けている場所として選択したそこでは、今シャマルが目を閉
じフェイトの転送の準備を進めていた。
別世界間の、正確に座標を決めての転送だ。それにかかる負荷は大きくシャマルはその場を動けない。はやて
が担うはシャマルの防衛。そして、ナンバーズを複数巻き込む範囲攻撃だ。
「キャロも準備ええな!?」
「はい! 問題ありません!」
はやての前方では、フリードに乗ったキャロがじっとシグナム達の戦闘を見つめている。その額に浮いた汗は
緊張と、そして自分の降りかかった役目の大きさからだろうか。
主砲の防衛という役割を担った少女は、高鳴る心臓の音を聞きながらじっと自分の出番を待っていた。
「……フリード、来た」
反応したのはキャロとフリードどちらが早かったか。耳を動かしたフリードと共にそこを見れば、現れたの
はライディングボードに乗り移動するウエンディだ。
木々の間を巧みに移動し、はやて達を見上げながらノーヴェが苦笑する。
本来ならばノーヴェの役割だったはやて達との戦闘に急遽自分の役割を変更させられた彼女が、悪態を吐き
ながら目の前に現れたキャロにその動きを停止させた。
「っと、ルーお嬢様のお友達っスね」
「ここから先は行き止まりです」
ウエンディがライディングボードから降り、構えを取った。キャロはフリードに乗ったまま地上すれすれに
高度を取り、ケリュケイオンに魔力を溜める。
この場にいない少年に想いを馳せながら、ケリュケイオンに込められた魔力はフリードを包み込み、主によっ
て一層の力を得た白竜は小さく唸り、口内で溜めた炎を躊躇う事無くウエンディに吐き散らす。
炎弾を防いだウエンディが木々の間を飛翔するキャロを追いかける。
見上げた先のはやてはシュベルトクロイツを掲げ、詠唱を始めていた。それに溜息を吐いたのはキャロを追い
始めてからどれくらい経った後だったろうか。
「……ディエチ、大丈夫っスかねぇ」
呟き、彼女はキャロに魔力弾を放つ。
それを避け、炎弾で打ち落とし、キャロがウエンディから目を離さぬよう高速移動で霞む視界に目を細める。
ウエンディとの距離は変わらず互いの攻撃が当たる位置にいる。キャロはウエンディの相手をフリードに命じ、
召喚陣を展開して機会を伺った。
「フリードは出来るだけ時間を稼いで。八神部隊長への攻撃を打ち落とすのが最優先」
フェイトの事を想う。
きっと、彼女にできる事は何もない。フェイトを彼女の元へ向かわせるための手伝い。それが、ずっと願い続
けていたフェイトの助けになるのなら。
「……エリオ君」
きっと、彼も応援してくれる筈だから。
チンクとノーヴェ、ウエンディの戦闘を眺めながらディエチは肩膝をついた姿勢で砲を構えていた。僅かに視
線を動かせば、その隣にいるオットーが機動六課周囲に張った結界を維持するため、忙しくコンソールを操作し
ている。
「オットー、そっちは大丈夫?」
「うん、機動六課の周囲に張った結界の維持は完璧。転送魔法は起動させないよ」
宙に浮かぶ幾つものコンソールを操作しながら、オットーがチンクとの戦闘に注視する。そこにいるのは、二
人の激しい戦闘に加わった双子の姿だ。
二対一。チンクとの連携でシグナムを攻めるディードの姿に、オットーが溜まっていた息を吐く。シグナムと
チンクはディードよりも経験も戦闘能力も上だが、ディードも負けてはいない。この分なら足手まといにもなら
ず、撃墜される事も無いだろうという安堵の息だった。
だからだろう。オットーは、ずっと横目で見続けていたディエチの名を口にする。
感情無く砲を構え、はやてに照準を合わせていたディエチが僅かにオットーに視線を向け、口を開く。言葉と
してオットーの耳に聞えたのは、否定でも肯定でも無い曖昧なディエチの声。それが、迷っていると言っていた。
「あの時、何か出来なかったのかなって思ってる」
ディエチが紡ぐ言葉にあるのは後悔だけ。
彼女が自分の元を訪れたとき、クアットロの囁いた言葉がプラスであった筈が無いと。
あの時何かしら出来ていたのなら、もしかしたらこんな事にはならなかったのではと。
次々と浮かび消えてくれない後悔を、ディエチは頭を振る事で消し、オットーを見た。
「大丈夫、みんなには迷惑をかけないから」
「うん」
ディエチにどちらがいいかなどの判断はついていない。この任務を遂行出来れば、彼女の諦めてくれる。諦め
てくれれば、彼女が助かる確率もぐっと跳ね上がる。ディエチが事実として知っているのはそれだけだ。
ただ、何となくだが思ってしまう。
好きな人と一緒にいられないのは、とても寂しいのでは無いかと。
想像しようとして、目を閉じてしまった――だから。
「――動かないで」
「――っ!」
突然現れた彼女に、反応しようが無かったのだ。
「はぁ、はぁ……やっと見つけた」
クロスミラージュを構え、ティアナが肩で息をしながらディエチを睨む。オットーはディエチに突きつけら
れたクロスミラージュに動けず、ディエチは僅かに溜息を吐きながら抵抗する事無くティアナを見上げていた。
「いつの間に?」
「あなたがぼんやりしてる間よ。何考えてるか知らないけど隙だらけよ」
目の前に、とても強い意志が感じられた。
だからディエチが彼女の名を口にする。自分はどうすればよかったのか、と。教えを請う子供のようにティア
ナを見上げ、そう問いかけていた。
「……そんなの決まってるわ」
痛む身体で息を乱しながら、ティアナが言う。彼女が親友に教えられた一つの答えだ。
「自分が、後悔しないと思う方選択すればいいのよ」
なるほど、とディエチが微笑んだ。構えていた砲を地面に置き、申し訳なさそうにオットーに視線を移しな
がら、言う。
「なら、あたしはあの人の邪魔なんて出来ないよ」
この先何があろうとも、やはりそれだけは許容出来そうになかったのだ。
「――っ、なかなか!」
迫る数え切れぬ程のナイフと、視界外から襲い掛かるツインブレード。シグナムは攻める二人相手に、だがそ
れでも引き下がる事は無かった。
右手に握ったレヴァンティンを一閃し、弾かれたチンクのナイフによる爆発に視界を塞がれながらも彼女は背
後を執拗に取ろうとするディードの一撃を鞘でやり過ごす。
痛む右腕を確認すれば、どちらの攻撃だったのか僅かに騎士甲冑を損傷し紅い鮮血が滴っている。だがそれを
気にする事無く、烈火の将はその名に些かも恥じない戦を続けていた。
その戦闘領域からやや離れた所。行われているのはスバルとノーヴェの戦闘だ。
その力を、その想いをそれぞれ拳と脚に込め、繰り出す互いの一撃は全てが渾身。
「くそっ、ちょろちょろと!」
ウイングロードに衝突させるようにエアライナーを展開させつつ、ノーヴェが悪態と共にスバルに叫ぶ。
中距離ではノーヴェに分があるとは言え、本来の得意分野である筈の戦闘ではスバルが若干勝ると言った
所か。
その事に腹が立つ。相手がスバルであるだけになお更に。
だから叫んだ。感情任せに。ガンナックルを突き出し、適当に乱射しながらただひたすらに、叫び、吼える。
「テメェ待てよっ!」
「いーやーだ!」
ノーヴェのこめかみが、あまりに怒りにピクピクと震えていた。
それを地中から見ていたセインは苦笑し、この戦域を離れていった。
「さて、こっちはこっちのやる事やりますか」
ディープダイバーの能力を存分に発揮し、音も無くセインは妨げるものなく移動する。
キャロの鎖に絡め取られたウエンディの横を通り過ぎ、魔力を溜め終わったはやての渾身の一撃をやり過ごし、
真っ直ぐに彼女が向かうのは機動六課隊舎内。
そこに彼女はいる。彼女が頷けばこの任務も終わり。余計な戦闘など必要が無いのだ。
戦闘能力の低いセインが担う役割は、彼女しか行えない彼女だけの任務だった。
――だが。
「テスタロッサちゃん! 準備できたわよ!」
その声が、全てを覆す。
隊舎から溢れ出した金色の輝きは、セインを飲み込み尚も突き進む。
施設内のありとあらゆる物を吹き飛ばし、シャマルの元へ駆けていくナンバーズを吹き飛ばし、それでも止ま
る事は無く。彼女の眼中にすら、存在しなかったのだ。
向かうはこの世界でただ一人、全てを捧げると誓った人との約束の地。
立つ事すら困難な風の中。
「――行くよ、バルディッシュ」
手にある剣は、それでも決して離れはしない――。
* * *
エイミィ・ハラオウンによって齎された指令系統の混乱は、その配下、ユーノ・スクライアと彼女取り囲む武
装隊にまで及んでいた。
連絡を取ろうにも通信は妨害され、目の前には満身創痍でこちらを睨む無限書庫司書長。それぞれが握るデバ
イスが容赦なく砲撃を放つには、些か厄介すぎる相手だったのだ。
その隙にユーノは彼女と共に武装隊を掻い潜り、捜索する武装隊から逃れながら彼女に回復魔法を施し続けて
いた。
場所はユーノが指定した座標からやや離れた場所。咄嗟に行使した転送魔法としては、十分すぎるほどに許容
できる範囲だったが、彼の練度から言えば歯噛みを禁じえないと言ったところだろう。
その状況下で、彼女は痛みに喘ぎながらも決して立ち止まろうとはしなかった。
制止を求めるユーノの声を無視し、胸に光る青い宝石に目を細め、力を求める。主の願いに呼応したジュエル
シードはたちまち願いを叶える為輝きを増し、彼女に力を与えていった。
「うぐっ……くぅぅ……」
だがジュエルシードが正しく願いを叶える筈も無く、しばし彼女は内を荒れ狂う魔力に唇を噛むことになる。
常に潤いを保つ形の良い唇など今はな無く、青ざめ乾いた唇からは血が滲んでいる。
それすら見ていられないと目を逸らしたくなる現状に加え、彼女の身体はまともな所が無いほどに壊れていた。
それを稼動可能なまでに保っているのがジュエルシードの力だ。彼女は望みを叶えるまで倒れる事は許されず、
痛みに壊れるきる事すらままならない。
まともなら耐えられない苦しみに、だが彼女はボロボロの唇を歪め、笑うのだ。血走った眼を剥き、もう彼女
は求めるただ一人しか見てはいなかった。
「……」
その姿にユーノは何を言うでもなく淡々と、彼女に施し続けている回復魔法へ更に強い魔力を込めていく。
今彼女の最も近くにいる彼がジュエルシードを封印するのは簡単だ。ほんの僅か、この回復魔法よりも断然
少ない魔力を行使するだけで済む。
事実として認識しているそれに、だが彼の意思は僅かたりとも傾く事は無い。
間違いしか無いこの選択の果て、それでも彼女の望みが叶うのならそれでいいのかもしれないと。
その先、何が待っていようとも彼女が満たされるのならと。
「行くよ」
そう願い続ける事で、彼は己の意思を殺し続けた。
一歩歩くたび軋む身体に、最早恐怖すら感じる余裕は無く彼女を歩み続ける。時折ユーノの指示で身を隠し、
時折躓き転びながら時間をかけて。
もうすぐだよ、そう励まし続けるユーノに顔を上げ、そこを見た。
「……海鳴臨海公園」
ユーノが目指していたのはその場所に他無く、彼女自身も当ても無くただ求めるだけだったものの、その場は
確かに心のどこかにあったのだ。
今まで以上に意志を固める彼女に、ユーノが微笑んだのはどれくらいの時だったろうか。
ややあってから、ユーノは今まで以上に真摯な声で言葉を紡いだ。
「ここから先は君だけだ。この先にフェイトがいるよ」
この先は彼女達だけのもの。自分がそこへ行くのは許されない。そう、何故かは分からないけれど理解した。
役目を終え、ユーノの身体が彼自身の魔力に包まれる。フェレットの姿から開放された彼は彼女に背を向け、
上空からこちらへ向かう武装隊を睨んでいた。
だが、背中に感じる視線と気配は相変わらずそこから動く様子は無い。振り返った方がいいのだろうか、そう
思った矢先の事だ。
「――ユーノ君、ありがとう。今まで、ありがとうね」
小さな、どこか不安気な声がユーノの耳を打っていた。
「そんなのいいから早く行って」
「うん、ごめんなさい」
足音が遠ざかっていく。ゆっくりと、だが確かに。
それを聞きながら彼は、最後に送られた言葉の意味を考えていた。
「くそっ」
珍しく悪態を吐く彼に笑みはな無く、耳に残る言葉が何を意味するのか分かってしまったからこそ、彼は苛
立ちに震えた拳を自身の脚に叩き付け、一歩を進める。
目の前に降り立つ武装隊がデバイスを向ける中、彼の耳を打ったのはユーノの震えた呟き。
「ここから先は通さない」
彼女はいつだって残酷だ。
この想いに、あんな言葉はいらなかった。
欲しかったのはもっと別のもの。彼女が一人だけに向ける、かけがえの無い想いだった筈なのに。
あんな言葉だけで満足してしまった自分が、この上なく腹立たしかったのだ。
「ここから先は二人だけのものだ。君達のの汚い足で汚すなんて許さない」
あんまりにも腹立たしいから彼は決めた。
前言撤回。もう、会わせるだけなんてつまらない事はなしだ。
この身全てを捧げてでも、この場で彼女を守り抜いて見せよう――。
* * *
心臓が、張り裂けそうな程に高鳴っていた。
ユーノから分かれた彼女が身体を引きずりながら向かった先、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは彼女を
見つめたままそこにいた。
「……フェイト、ちゃん……フェイトちゃんフェイトちゃんフェイトちゃん……!」
「うん」
海鳴臨海公園の一角。フェイトは不安定な街灯の上に立ちながらも、そのバランスを崩す事無くバルディッ
シュを握ったまま彼女を見下ろす。
バリアジャケットを纏ったままのフェイトに、彼女は痛みも忘れ笑顔だった。傷だらけの顔を更に涙で汚し、
呼吸する間すら惜しむようにしきりにフェイトの名を叫んでいる。
フェイトはそれに応えながらも、その場から決して動く事は無く。その口から、彼女の名が出る事もない。
「フェイトちゃんそんな所にいないでこっち来てよ。ね? お話しようよ」
「――私があの時言った言葉、覚えてるかな?」
「ふぇ? 何かな?」
「君を護るって。この世界の全てを敵にしたって構わないって」
「覚えてるよ。当たり前でしょ? 絶対忘れない」
今まで一度たりともその名を呼んでいないのに。
なのに、彼女は笑顔のままだ。傷つき、レイジングハートを杖にして立つのがやっとのくせに、笑顔のまま。
その事に、怒りが湧く。
正視すらしたくない彼女の姿に、だがフェイトは瞬きせずその眼に焼き付けていた。
もう、目を逸らさないと決めたからだ。
「あの時の誓いは今も変わらない。君を傷つける全てから私は君を守り抜く……絶対だ」
「うん! うん、うん! だからっ――」
「でも、君を一番傷つけていたのは私だったんだよ」
彼女の目が、見開いた。もうこれ以上開かないだろうと思うほど、大きく。
そんな事ない。そう、感情に任せ髪を振り乱す彼女に、フェイトは一度首を横にするだけ。
「私は、君が真っ直ぐ進む為に目の前の邪魔なものを切り払うって、そう約束した筈なのに」
「そんなの良いよ! そんな事より、私はフェイトちゃんと一緒にいたいの! 離れたくないの……ずっと傍で、
誰よりも近くで……フェイトちゃんだってそう言ってくれたよっ!?」
フェイトと彼女の距離は十歩程。今の傷ついた彼女でも容易に埋められる距離の筈だ。なのに、何故かフェイ
トが遠い。物理的な距離じゃない。もっと別の、もっと大切な距離。
それが嫌で苦しくて、彼女が進む。一歩ずつゆっくりと。五歩歩いたところで小石に躓き、彼女は母を求める
幼子の様にフェイトを見上げた。
だが、それでもフェイトが手を伸ばす事は無い。
ただそれきり彼女が立ち上がれない程弱っている事に。
咄嗟に手を伸ばそうとしてしまった弱い自分に。
目を逸らし、逃げ出したくなっている自分に、奥歯を噛み締めて堪えるだけ。
やや経った後だ。しゃくりを上げながら泣きじゃくる彼女に、ゆっくりと溜めていた息を吐く。
そして。
「もう、全部終わりにしよう」
はっきりと、手を伸ばす彼女にそう言った。
「……フェイトちゃん?」
いつから間違ってしまったのか。
もう幾度と無く自問した問いだ。今再び、それをもう一度。
あの時彼女を抱きしめた時の誓いは絶対の筈だったのに、どこで間違ってしまっていたのか。
最初からだったのか、それとももっと後だったのか。もう、それすらフェイトには分からない。
分からないから、探したかったのだ。今目の前にいる彼女と一緒に、歩み続けたかったのだ。この誓いを思い
出してしまったから、もうそんな事しか考えられなかったのだ。
この手に握る剣が斬るものは敵なんかじゃない。そんなものじゃなくて、もっと別の尊いもの――。
「終わらせて、また一緒に始めようよ」
――彼女の未来を切り拓く為にある筈だったから。
「私は今だけじゃない! この先もずっと一緒にいたいんだ! 君と一緒に手を繋いで笑って、もしかしたら
苦しい事があるかも知れないけど、でも、でもっ、それでも一緒に歩き続けたいんだっ!」
少し頑固な所が好きだった。
自分の事なんて顧みないで、誰かの為に頑張るところが好きだった。
失敗したとき、誤魔化したように笑うところも。
それでも負けずに前へ進み続けようとするところも。
それ以外も全て、何もかも、もう言葉になんか表せないほどに大好きだった。
「私はっ、またそんな君が見たいんだよっ! 今の君じゃない……前みたいに……私が好きになった……暖かい
笑顔の君と一緒にいたいんだ!」
涙を浮かばせ、金髪を乱しながらフェイトが叫ぶ。感情に任せて握られた拳は震え、ぐっと堪えるように結ん
だ唇も落ち着かない。
それを見て、彼女はようやく理解した。
「ミライなんて、いらないよ。ミライなんかより、フェイトちゃんの方が欲しいもん」
彼女と自分を隔てる五歩の距離。それはもう絶対に埋まらないほどに遠く、彼女がこちらに歩み寄る事はない
と。
彼女が何を言っているかなんて分からない。そんなどうでもいい言葉なんかよりも、もっと欲しいものがある
のだと。
だから彼女は立ち上がる。左手に絶えず握っていたそれを掲げ、あの時のように。
「私はもう何もいらないの。欲しいものも護りたいものなんか何もない……今この瞬間、あなたの傍にいたいだ
けなんだよ?」
風が吹いている。
それに混じり聞えたフェイトの呟きは、彼女の名前ではなく小さな、とても小さな感嘆の声。
あぁ、そうだと。やっぱりその方が君らしいと。
驚きも戸惑いもフェイトには無く、あるのは嬉しさに似た感情と、あの時を思い出させてくれる星の輝き。
「そうだね、君はずっとそうだった。そうやって、あの時も届けてくれたんだもんね」
この場に立っている意味がある。
この手にバルディッシュを握っている意味がある。
あの時とは何もかもが違う。握るデバイスも、纏うバリアジャケットも身長も、胸に秘めた想いすら全く違う。
だからこれは再現なんかじゃない。
再び自分達が始める為の、譲れない戦いだ。
「――さぁ、始めようか」
終わらせる為に。
一緒に始める為に。
彼女の想い全てを受け止める為に。
その果て、今度は二度と離れぬように――。
267 :
246:2008/05/14(水) 02:17:55 ID:BP+YEut1
以上です。ありがとうござました。
ちょっと場面転換多すぎたと思いますが……一応、頑張って纏めました。
ナンバーズがもの凄い物足りないですが、ディエチが書きたいだけだったのでこれで良し。そんな事よりも、
この話のメインはフェイトさんだから。
一話を覚えているでしょうか? いるわきゃない。だって自分も覚えてないし、読みたくない。
でもあの時から二人の最後の戦いをを書くことは決まっていました。246はなのはさんの想い=SLBだと思ってい
るので、書くしか無いと。
これで残り二話。次回はのはさんが溜めに溜めたフェイトさんにぶっ放したい一発限りの収束砲のお話。
そして、二人の少し長いお別れです。
ではでは。
268 :
B・A:2008/05/14(水) 02:41:45 ID:uodarUIs
>>254 淫獣なユーノが苦手って意味です。
博識でわかりやすい説明をしてくれる我らがユーノ大先生は書きやすいけど、何故かエロとなると・・・・・・。
ユーなのをあまり書かないのもそれが理由だったりします。
>>267 ぬわぇぇぇぇえぇっ!!!!
暴走状態のなのはとフェイトでラスバトですか!?
血を吐き続けながら走ったマラソンのラストスパートがこれとは・・・・・比喩でも何でもなく海鳴は大丈夫だろうか?
エリルーの時の経験談なんですが、これ絶対予定調和はないですよね? 2人とも幸せになれれば良いなぁ。
GJです。
うぅ・・・アリシア・・・・・・(ちょっと前のがぶり返してます)。
>>267 乙です。しかしユーノ生涯最後の輝きって、この作品で最後の見せ場だったって事か。
あと、こんななのはにしたのはフェイトさん全部とは言わないけど8割がたあなたの責任ですぜよ。
しかし、なのはの思い(or話し合い)=全力全開ぶっ飛ばすってのは納得でした。
GJ!!
JS通販をエイミィさんが……って前に書いたら、まさかB,A氏御本人が書いて下さるとは!
ありがとうございます!!
今日から枕を高くして寝れないな
>220
StS放映開始くらいの頃、雑誌に載ってた設定だかで胸のサイズの順位が書かれてた覚えが。
キャラ表にバスト1位とか手書きで書かれてた奴。
誰か覚えてないかな?
A's最終回時なら
すずか>アリサ>はやて=フェイト>なのは
>>272 もの凄い出世だな、フェイト。プレシアの因子恐るべし。
ただ個人的に、アリシアは貧乳でいて欲しいと思う今日この頃。
>>250 エイミィさんすげー待ってたんだ、ありがとう!
らぶらぶえっちよりこういう方が好きなんでたまらんかったぜGJ!
このシリーズ大好きだ。
>>267 一話を覚えてるも何も・・・
ついこの前最初から読み返して鬱々とした幸せに浸ってたところなんだぜ。
一話の頃のことを考えると思えば遠くへ来たもんだって感じですが、
今回の話は単に鬱では終わらなそうで続きが気になりまくるよ。
フェイトが正気取り戻して良かったぜアリシアGJ!
次回も期待しております。
>>273 胸を押さえながら、恨めしそうにフェイトをちらちら見るんですね。
>>267 GJ!
残り二話ですか……嬉しくもあり、寂しくもありって感じですね。
がんばってください!
>>267 おお、いよいよクライマックスって感じですね……続きをwktkしながらお待ちしてます
昨日の晩の流れを見てはやての救済にチャレンジしようと思い、相手をユーノに設定して書き始めたんだが
この二人本編で絡んでるシーンが見つからん……どっかで会話の一つでも交わした事あったっけ?
>>278,279
サンクス
汎用性が高いと思って司書長を選んだがとんだ罠だったぜ……
はやてはクロノかロッサかゲンヤ辺りだからなあ。
2期後にユーノはなのは、クロノはフェイト、はやてが使われたのは
全く無根拠と言うわけでもなかったりするのよ。
なのは以外に関するユーノの汎用性ってのはターゲットとの間に相関が無いときに
最大に発揮されるもので、相関がある程度以上あるとかえって首を絞めることもある。
キャラ描写、過去明かしが少ないことによる利点と欠点だな。
>>280 公式設定という縛りが無い=汎用性が高い
>>281 むーん……本好き?のはやてが無限書庫見て眼を輝かせてるシーンとか書いて
みたかったんだがなあ。もうちょい考えてみます。
285 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 18:27:11 ID:yd4BRx6S
ユーノとはやては確かに本編内では絡んではいませんが
少なくてもリインの関係で絡んでいると思いますよ!!
其れをテーマにして書いて見ては如何でしょう?
自分はその関係でユーはやを書いていますよ!!
はやては捜査官だから、資料を求めて無限書庫に行くこともあるだろうし、リィン制作のために融合デバイスに関する文献漁ってたかも。
他にも、なのはとフェイトが何か良い雰囲気なんで「じゃ、私らは私らで良いことしよ」的な行動に出たり、読書好きと考古学者ネタで絡めたり、
ばったり街で出会って酒飲んでモーニングコーヒーとか・・・・・・。
デバイス作成の繋がりはあると言っても会話がないとなあ
余程の下積みもなしにエロス、って部隊長どんだけ尻軽ビッチなんだよって感じがしてなあ
余程の手腕がないと何コレ誰コレ通りすがりの通行人Aでよくね?になるから…
内容:
恋愛描写は、如何に説得力持たせるかだから、職人の力量が問われる。
クロノは闇の書と父親の因縁になるから、長編向きなんだよね。
ユーノのデバイス繋がりに到っては、色々調べなくちゃだから、もっと難しい。
その辺をクリアーした前提でエロに持ち込むのも手だが……
淫獣モードでは無いユーノは受身っぽいからイケイケなのはさんと相性が良い。
ねちっこいエロをしそうなクロノはマゾっぽいフェイトと。
その点、はやてはエロの方向性が微妙なんだよな。
お詫び込みで感謝のクロノより、お礼のユーノで悪戯っぽくかな?
アームドデバイスの台詞で使いたいんですけど、奥様(マダム)ってドイツ語でなんて言うかわかり人いますか?
ネットの辞書はどうも融通が利かなくて。
というか一番の問題はなのはエロパロの職人方がカップリングエロではやてを殆ど書かない事じゃw
カップリングにくくるとここの職人方ってそれぞれ決まってる気がするんだ。
ここの職人方ならはやてで説得力のあるエロを書けると信じている。
Frauだった様な(違ったかも)
ゲンはやで一本ネタは出来てるけど、肝心のエロシーンがさっぱり進まない。
おっさんと少女のエロシーンってどうも想像出来なくて。
>>B・A氏
B・A氏本人もいろいろ思うところがあるようですが、私も同じくです。
「槍騎士の誓い」は確かに感動しました。
でもやはりもうひとつの未来を見てみたいんです!
ルーが風俗でエリオと知り合っていたという妙な運命があるなら、アリシアにももう一つ別の運命があってもいいと思うんです。
どうか少しだけでも考えていただけないでしょうか?
体から始まる関係でもエロパロ内で見るなら別に悪くはないと思うけどな
簡単に体を許したとしても浮気とかじゃなきゃ尻軽とは言えなくない?
ユーノは割りと簡単に積み重ねを捏造できるところに凡庸性があるんだろうね
クロノは結婚しちゃったから公式カプじゃなきゃダメって人や不倫NGって人に敬遠されてるのかね?
ロッサ使えばいいんでないの?
はやては無難にいくならバター犬使いか部下の父親の二択なんだが
どっちも結局アブノーマルという罠w
ユーノと組ませるなら残り物の法則がマジおすすめ。
なのフェィ、クロエイ前提で「余った者同士お試しで〜」でいける。
元々、名前のある男性キャラが圧倒的に少ないので、カップリングであぶれるのはある程度仕方ないかなぁ。
男女カップリング気にしなくていいエロでも個人的には満足なんだが。
はやてでエロって考えると、どうしても 胸→相手発情→なりゆき しか浮かばない。
>>298 だが、はやてさん、女性キャラでも相手が(ry
>>296 言われて見れば、彼なら友達っぽい関係で明るいセックスが可能だな。
>>300 ……(泣)
もぉ、自慰描写でもイイですw
シャマルザフィーラのセックスを覗き感じて自慰?
無論、ザフィは狼バージョンですよね?
八神家内は(少なくともはやてからの感情は)家族って感じだからそれはそれで違和感があるし
かといって男ともそんなに……クロノやロッサは、それぞれでおいしい相手がいるしな
けっきょく百合で三人まとめて、というのが一番しっくりきてしまう。そんなに百合が好きなわけでもないのだが。
○○←はやて←ザフィーラ で最終的にザフィーラがフラレる、みたいなのとか書きたかったが
……とにかく難しいんだよな
人間(の形)に拘らなければ色々といるけれど、
触手、魔獣魔物の類、ガジェット、JS通販
はやての相手ならツンデレなレジアス中将でどうだ?
スカ製ロボットの彼氏がはやての前に降臨するという電波を受信した
はやてに、ほよよとか言わせるつもりですか
エロイのでおすすめは無いですか?
最終手段:オリキャラ。難易度:最高レベル。
・・・何故かはやて×スカという電波が飛んできた
本編でまったく接点がなかったのがネックだな
スカ博士が実はフェイト以上に自分の出生に悩んでて、それゆえの暴走で管理局攻撃、
はやての母性パワーで心を救うとか?
スカ博士は実は子供が欲しかったとか。
実はインポとか。
羊たちの沈黙みたいなノリで獄中のスカをはやてが訪ねたりとか・・・
>>315 むしろ、ほしがったのはウーノさんでは?とか言ってみる
明日の深夜過ぎ以降になりそうだけどクロはや投下してもいい?
319 :
チョコボ:2008/05/14(水) 23:20:29 ID:mbqd/HJU
おぉ、珍しい組み合わせですね。ばっちGOです
320 :
チョコボ:2008/05/14(水) 23:24:40 ID:mbqd/HJU
それと無限書庫の方についての報告
なのはの重複タグを一本化してみました
・「女×男」は「男×女」に統一
「なのは×♂ども」を「♂ども×なのは」に統一
・「OO×OO×OO」など今後追加がなさそうなのは他のタグに統合
「ユーノ×なのは×レイジングハート」を「ユーノ×なのは」に統合
・同性タグの統一
タグが少ない方を多い方に統合
重複タグの一本化はこんな感じでよろしいでしょうか?
フェイトはややこしいので保留
>「女×男」は「男×女」に統一
議論の経過は知らないけど、それを混ぜてはダメな気がする。
>>292 >>290です。
お手数おかけしました、ありがとうございます。
やっぱりFrauでしたか。色々調べてみたんですが、どうもドイツ語ではマダムに該当する単語がないみたいなんです。
フロイラインみたいに一語済めば御の字だったのですが。
>>321 もともと受け攻めで厳密に分けられていないから、さして問題ないと思う。
>>321 >議論の経過は知らないけど
駄目だろそりゃ。同じスレで司書のひとたちが色々相談してたはず。
口出しすんなら、横着しないで上のレスぐらい嫁。
>>305 ロッサに相手が?
・・・ああ、暴力教会の荒くれシスターね。
ホテルアグスタで妙に親密さをアピールしたのはなんのためなんだ!!
その前にゲンヤともフラグ立ててたしなぁ。
無駄フラグが多いぜ、部隊長。
327 :
サイヒ:2008/05/15(木) 00:19:31 ID:u7uH7Ryi
次世代ネタ第二話投下させてもらいます。
ちょっと長くなったんで、昼の部は二回に分けました。
ザフィーラ以外の八神家及びクロード・トウヤは次回。
それ以外の注意書きは以下の通り。
・本編終了八年後。
・クロフェ・ユーなの・ゲンはやが結婚。それぞれに子供がいます。
・ザフィーラとアルフの間にも養子のような子供がいます。
・前回は出なかったレジアスの孫娘(オーリスの娘)が出ます。
・オリキャラである子供達がそこそこ出ます。
・全四〜五話。今回の分にエロはありません。
328 :
サイヒ:2008/05/15(木) 00:20:18 ID:u7uH7Ryi
(この服、変じゃないかな……)
公園のベンチに腰掛けて、ディードは自分の服のあちこちをチェックしていた。
朝から六十二回やったことだが、ついつい気になってしまう。
上はワイシャツに淡い色のカーディガン。下半身は、膝下までのスカートと黒ストッキング。全体に落
ち着いた雰囲気のコーディネート。
小遣いをはたいて有名ブランドの物を購入したのだが、ファッションセンスというものがいまいち分か
らないディードは自信が持てない。
八神家の人々は口を揃えて似合っていると言ってくれたから大丈夫なはずと自分に言い聞かせるも、五
分もすればまた不安になる。
六十三回目の全身チェックをしようとした時、公園の入り口に待ち人が姿を現した。
昔ボディスーツの上から着ていたものに良く似たジャケットとジーパンの地味な格好。一直線にベンチ
へ近づいてきて、ディードの目の前で立ち止まる。
しばしの無言の後、ディードとオットーは全く同じ言葉を口にした。
「「…………久しぶり」」
「…………」
「…………」
そのまま、また二人は黙り込んでしまう。それでもディードが少し横にずれる仕草で示すと、オットー
は隣に座った。
しかし会話は始まらない。
ラボにいた頃も騒がしくおしゃべりするわけでもなかったが、それは心が通じており言葉にする必要が
なかったからだ。
自分とオットーは同じ物を見て、同じことを考えて生きていく。それが当たり前だと信じていた。
だが更正施設で、姉に言われたのだ。
「お前達は近すぎる。世間の姉妹は、いくら双子だろうがもっと離れているものだ。ここを出たら一年ほ
ど、別々の場所で働いてみたらどうだ?」
例え言ったのがチンクだろうがそんな提案にディードは頷きかねたが、意外にもオットーは真剣に受け
止め、最終的にはディードは八神家、オットーは自然保護隊と道を分かつこととなる。
その後も通信はしていたが、直に顔を合わすのは別れて以来始めてだった。
ついさっきまで、オットーと会ったら話そうと考えていたことが山ほどあった。しかしいざとなると、
何故かやたらと気恥ずかしくてほとんど思い出せない。
なんとか一つだけ思い出した質問を、ディードは口にした。
「…………自然保護隊、どう?」
「いいところだよ。キャロもタントさん達も優しくしてくれてる。動物とか草の名前もいっぱい覚えた」
「そう……」
そのままオットーがいろいろしゃべってくれたらよかったのだが、続く気配が無い。
焦ったディードは、地面に咲いている紫色の花を指差した。
「あの草はなんていうの?」
この問いには、オットーはすぐ答えてくれた。
「モアル草。煎じて飲んだら病気に効く」
「じゃあ、あっちのは?」
「ラウパの花。匂いはいいけど、汁がついたらかぶれる」
「あれは?」
「知らない。次に来るまでに、調べておく。…………そっちはどう?」
「八神提督もヴォルケンリッターの人も、みんなよくしてくれてる」
「ノーヴェもそっちだよね」
「うん。元気にしてる」
ようやく、二人の口は滑らかになってきた。一般の会話より言葉少ないが、昔もこんなものだった。
そこで、ディードは手土産があることを思い出した。
「これ、オットーに作ってきた」
バッグから出したのは、保温魔法をかけてもらった容器。開けると、湯気といい匂いがベンチの周りに
広がった。
一晩という時間と手間隙かけて作ったトマトシチュー。具も、肉以外は全部ディードが自分で作った野
菜である。舌の肥えた住人ばかりの八神家でも好評な一品である。
「……食べていい?」
「まだお昼早いよ」
「でも、すぐ食べたい」
ねだるオットーに逆らう理由があるわけなく、ディードは容器とスプーンを渡してやった。
二、三度吹いて冷ましてからオットーは汁を啜り、人参を噛み締めた。ゆっくりと動く顎を、ディード
は真剣に眺める。
「…………どう?」
「美味しいよ。昔作ってくれたのよりも、美味しい」
「よかった。……ありがとう」
ラボ時代も、ディードが作った料理をオットーは美味しいと言ってくれていた。それでも今聞いた美味
しいは、特別ディードの心に響いた。
離れたことが良かったのか悪かったのかはよく分からない。でも、こうしてしゃべったり食事している
横顔を見るだけでどきどきする想いは、たぶんずっと一緒だったら感じれなかっただろう。
(……一緒に暮らしたいって言うの、もうちょっと後にしよう)
久しぶりに会っても恥ずかしさを覚えないようになった時、もっとオットーとの絆は深まっているよう
な気がする。前みたいに二人で朝も昼も夜も一緒にいるのは、それからでいいだろう。
「……食べたら、どこ行く?」
「デパートがいい。ディードみたいに可愛い服、ほしくなったから」
オットーの言葉に、ディードはまた子供のように頬を染めるのだった。
8years after 〜daytime〜
休日ということで、遊園地はそこそこ混雑していた。
人ごみに出くわせばアルフの服を握って縮こまってしまうロウだが、今は好奇心が勝っているのか眼を
きらきら輝かせ、あちこちの乗り物に忙しく視線を飛ばしていた。スカートから伸びる尻尾もぱたぱた揺
れている。
テレビで見たジェットコースターに興味を持ったらしかったので連れてきてみたのだが、大正解だった
ようだ。アルフはザフィーラと顔を見合わせ頷き合う。
「さーて、どれから乗ろっか? やっぱりジェットコースターにする?」
「最初だから軽く観覧車かコーヒーカップにでも……」
「おーい、ザフィーラ、アルフ!」
唐突な名を呼ぶ声に振り返れば、赤、桃、紫の三つの髪の毛を持った男女が走ってきた。
「エリオにキャロにルーテシアじゃないか! こんなところで会うなんて奇遇だね」
「私がこっちに来るのと、エリオ君とルーちゃんの任務が終わる時期が一緒になったんで、三人で遊ぼうっ
てことになったの」
「ロウもこんにちわ」
「久しぶりだねロウちゃん」
キャロとルーテシアがロウにも挨拶するが、ロウはびくりとしてアルフの後ろに隠れてしまった。
「ほら、ちゃんとロウも挨拶して」
アルフに言われてようやくおずおずと頭を下げるロウだが、三人を見る眼には怯えがあった。
「すまんな。ロウはまだ人見知りが激しい。人間の顔を覚えるのも慣れていないのだ」
「いいよ。まだ顔を合わせたの三回目ぐらいだし」
「にしてもエリオ。あんた、またでっかくなったね。もうクロノ追い越してるんじゃないかい?」
「なんだか、去年ぐらいからすごく伸びだして。髪の毛の分が無くても百八十ちょっとぐらいかな」
大きくなったといえば、エリオだけではなくルーテシアも顕著だった。
女性には珍しい百七十近い長身を持ち、張り出た胸と腰つきもあってまるでモデルのような容姿。
対するキャロは身長は普通で体型もスレンダーだが、幼さを残した優しい風貌は立派に十人並みである。
つまるところどっちもたぐいまれなる美女であり、二人を連れ歩いているエリオに、さっきから通り過
ぎる人が心底羨ましそうな眼をしている気持ちがよく分かった。
「そういえば、この間はトウヤが迷惑をかけたらしいな。主に代わって謝っておく。すまなかった」
「あれは眼を離して退屈させた僕も悪いし。むしろ、あの年であれだけローラーブーツを履きこなしてい
るのに驚いたよ」
「壁走りして二階から飛び降りたの、凄かった」
「スバル仕込みだからな。この間も庭でクロードと……」
そのままザフィーラと話し込むエリオとルーテシアを見ながら、アルフは呟いた。
「……それにしても、エリオのやつも気がきかないねぇ」
せっかく遠距離恋愛中の恋人と会えたのだから、他の女性を交えず二人っきりでデートとしゃれ込めば
いいだろうに、とアルフは思う。
特にルーテシアは、かつてキャロと同じくエリオに好意を寄せていた女性である。キャロの内心はさぞ
や複雑だろう。
それともフェイトとクロノのように、ルーテシアがいるのもお構いなくいちゃつきたおしてるのだろう
か。だとしたらルーテシアついてきたルーテシアがえらい災難だ。
独り言のつもりだったのだがばっちり聞こえていたらしく、キャロは笑いながら首を振った。
「平気だよアルフ。ルーちゃんは私にとってもエリオ君にとっても大切な友達だし。それにね、明日はずっ
とエリオ君が一緒にいてくれるって約束してくれたから」
「……けどさ、キャロは嫌じゃないかい? エリオが他の女性と一緒にいるなんて」
「平気だよ。だって、エリオ君は絶対浮気なんてしないから」
そう言うキャロの顔には一分の曇りも無く、心の底からエリオを信じきっており、同時に恋人となれた
ことに限りない幸福を覚えている顔だった。
よく似た笑顔を、アルフは身近で見ている。苦笑混じりに、アルフはしみじみと言った。
「あんたは本当にフェイトの娘だよ……」
フランクフルトとジュースの買出しに行っていたガリューが戻ってみると、主達はたまたま出会ったら
しい知り合いとしゃべっていた。
彼らの分も買い直してこようかと思案していると、一行のうち白髪の少女がガリューを見つけてとこと
こと寄ってきた。
たしかロウという名前だったと記憶している少女は、ガリューの前まで来ると笑顔でちょこりと頭を下
げて挨拶した。
家族以外と触れ合うのを怖がると聞いていたが、なぜかガリューには初対面時からやたらと懐いてくる。
子供が自分を慕ってくるのは嫌いではない。ガリューは自分の分のフランクフルトを一本差し出した。
ロウは大喜びでかぶりつき三口でフランクフルトを食ったが、慌てて食べすぎ喉に詰まらせ眼を白黒さ
せる。ジュースを出してやると大慌てで飲み、一息ついてからようやくガリューが自分の分をくれたと気
づいたのか、ぺこぺこ頭を下げた。
気にするなと頭を撫でてやるが、まだ感謝が足りないと思ったのかロウは口を開いた。
開かれた口から声は出ぬまま、唇がゆっくり大きく動く。
(あ・り・が・と・う・が・り・ゅ・う・お・ね・え・ち・ゃ・ん)
口の動きから、なんとか伝えたい言葉は分かった。
このワーウルフの子供はしゃべれない。遠吠えがうるさいという理由で、前の飼い主に声帯を丸ごと除
去されたという。
ひょっとしたらガリューに親近感を示すのも、しゃべれない者同士という悲しい理由かもしれない。
(まあ、これだけ明るい笑顔が出来れば、そんなことは関係ないか)
過去はどうあれ、現在が幸せであるならそれでいいはずだ。
ザフィーラとアルフは、ロウにとって立派に親の務めを果たしているのだろう。そうでなければ、この
笑顔は出ないはずだ。
横目で二匹の狼を見ながら、ガリューは自分も一度元の世界に戻って子作りをしようか、と思った。
ガリューの種族は孵化するまでの間は親が卵を守るが、孵ってしまえばあとは放りっぱなしだ。ガリュー
も親の顔を知らない。
しかし、自分が卵を産んだら子育てしてみようかとガリューは思っている。一匹ぐらいは、酔狂な蟲が
いてもいいだろう。
問題は、彼女の認めるだけの雄が見つかるかどうかだ。
(せめて私と五分。望むなら、モンディアルぐらいの強さを持つ雄に出会えたらいいのだが……)
二本目のフランクフルトを手渡してやりながら、ガリューはそんなことを考えていた。
※
お久しぶりです、とレティに引き合わされた女性は挨拶した。
リンディは一瞬脳内の名簿をめくって、十年近く前の一覧から名前を探し当てた。
「……確かオーリス・ゲイズさん、だったわね?」
「はい」
まだレジアスが健在だった頃、リンディとは仕事の上で二回顔を合わせていた。向こうもそれを覚えて
いたらしい。
オーリスについては、JS事件後にスカリエッティとの裏取引に関わっていたことが判明し服役してい
たが、数年前に出所した。オーリスの管理局復帰とリンディの管理局退職がほぼ同時期だったため、その
後については全く知らない。
かつてはいかにも切れ者といった容姿の女性だったが、今はすっかり老け込んで眼の内にも力が無くな
り、まるで別人のような印象をリンディは受けた。
「レティ、知り合いだったの?」
「昔は人事の件でけっこう話す機会が多くてね。友達というほどでもないけど」
レティとただおしゃべりするために彼女の家を訪れたのだが、なぜかこの女性がいた。レティに相談事
があったらしいが、私よりリンディが適役だろうからレティに言われこうして話し合うことになったのだ。
「悪いけど、リンディにもう一回最初から話してくれる?」
「はい。……この度、私は第六十六観測指定世界へ監視役として異動することが決まりました」
「ええっと、第六十六観測指定世界というと……」
「覚えてない? 二十三年前、大規模な盗掘事件があって管理外から観測指定になった世界」
横からレティに言われて、リンディは思い出した。
人類は生息していない原始的な世界だが大量に貴重な鉱石を排出する山脈があり、昔そこを狙った盗掘
団と管理局の間で激しい戦闘が行われたので一時有名になった。
「あそこの監視役って……」
「なんにもすること無いわね。あれから一回も盗掘は行われてないし。ただ監視魔法とカメラのチェック
するだけ」
そんな所への異動は、左遷を通り越してもはや島流しだ。
まだ管理局内にそれなりの影響力を持つリンディの力で異動を取り消してほしいという要望だろうかと
思ったが、こちらの心を素早く読んだのかオーリスは首を振った。
「今回の異動についてリンディさんにどうこうしてもらいたいというわけではありません。……あちらに
は父の部下だった人も数人いますし、ミッドチルダにいるよりたぶん気楽に過ごせます」
何かから解き放たれたような表情と口調。
それで、リンディはオーリスを取り巻く状況のおおよそを悟った。
レジアスの謦咳に接した陸の局員や、過去の業績を評価する市民の一部は、今でも彼は英雄だったと評
している。
だがほとんどの管理局員はレジアスの演説姿しか知らず、民衆の大多数に至っては三流週刊誌がJS事
件後に売り上げ目当てで書いた捏造交じりの記事を元にした想像のレジアス像しか頭にない。
彼らがレジアスに貼ったレッテルは「スカリエッティにいいように利用されて、大規模テロの原因になっ
た大馬鹿オヤジ」である。
それに加えて、生前のレジアスは強硬な姿勢を取ることが多かったため政敵が多かった。彼らの多くは
今も管理局の重鎮である。
そういう連中が復帰後のオーリスにどんな態度を取ったかは、今回の異動と先程の安堵顔、そしてクロ
ノとあまり変わらない年齢なのに半分白髪が混じっている髪の毛で想像がついた。
(あれから八年経ったのに、まだ死者に鞭打つようなことをして……。こういういじめは、いつまでたっ
ても無くならないわね)
はやてが入局した時も、ナンバーズが社会復帰した時も似たような有形無形の嫌がらせはあった。
ただはやての後ろにはリンディとレティがおり、ナンバーズにはハラオウン家から教会まで大物が後見
人としてついている。
露骨な嫌がらせをやるような奴ほど権威に弱いのは学校だろうが管理局だろうが同じで、短時間かつ被
害の少ないもので済んだ。大きなものは、ノーヴェが災害救助隊に入る際、横槍が入ったぐらい。
しかし他方オーリスはといえば、JS事件後レジアス派の大部分は管理局の中枢から一掃され、残った
者達も睨まれないよう肩身を狭くして勤務している。まともな後ろ盾など、望むべくも無かった。
オーリスの現状はだいたい理解出来た。しかし彼女がレティに何を相談しに来たのかはさっぱり分から
ない。
一度唇を茶で湿らせ、オーリスは本題を切り出した。
「ハラオウンさんにしたいお願いとは、私の娘のことなのですが」
「結婚されてたんですか?」
「はい、子供は娘一人だけですが。……それで、真に図々しいのですが、娘を引き取ってもらえないでしょ
うか」
「え?」
意外すぎる提案にリンディは驚き、危うく手にした茶を零しかけた。
「私はこの先辺境でずっと暮らす覚悟はありますが、娘はまだ幼く、第六十六観測指定世界にはまともな
教育機関はありません。そんな所に連れて行って子供の未来を潰してしまうのは、親として耐えられませ
ん」
「……だからあなたは単身赴任して、娘さんはこちらで預かってもらいたいと?」
「はい」
「親戚の方は?」
「私の服役中は夫が面倒を見てくれていたのですが、今はもう……」
父の縁者も頼れる所は全部頼った後ですし、と寂しそうにオーリスは口元だけで笑った。
自分の迂闊さをリンディは悔む。友人でもないレティにまでこんな話を相談する時点で、悟るべきだっ
た。
管理局が運営している単身赴任者が身内を預けるための施設もあることはあるが、そこに預けたらどう
なるかは考えるまでもない。
少し気まずくなった空気を和らげるように、レティが再び隣から口を挟む。
「預かるって言っても、ハラオウン家に住ませてもらいたいと言ってるわけじゃないのよ。あなたの子供
達が寄付金出してる孤児院。あそこは設備も充実してるし、保母さんの人材が揃ってるのでも有名でしょ。
ちゃんと学費を出したら、学校通いも可能だし。そこに入れないかって」
「……なるほど」
「孤児ってわけじゃないから少し問題あるけど、そこをあなたの口利きで、ね」
「私というより、フェイトとクロノの口利きね」
事情を話せば娘達も嫌とは言うまいが。
「とりあえず、一度娘さんに会わせてもらえるかしら?」
「娘さん連れてきているから、今すぐ会えるわよ」
オーリスも頷いたので、三人は立ち上がりオーリスの娘が待っている部屋へと向った。
事情があるとはいえ娘を孤児院に預けなければならない母の気持ちを思えば、廊下を歩きながらリンディ
の心は暗くなる。
(本当は、教育よりも親が側にいてあげることが必要だと思うけれど……)
他人の事情に深くまで口出しするわけにもいかない。
リンディは心中で嘆息しつつ、レティに示されたドアの前に立った。
「レヴィア、母さんだけど入るわよ」
オーリスが声をかけ、リンディを先頭に三人は部屋へと入る。
部屋の中にいたオーリスの娘は、レティが用意した飲み物や菓子にいっさい手をつけておらず、びしっ
と背筋を伸ばして椅子に腰掛けていた。
「こんにちは」
リンディが声をかけると、少女は椅子から下りて深々と頭を下げた。
「こんにちは」
上げられた顔を見た瞬間、リンディは時が逆戻りしたような錯覚を覚えた。
二十数年前、彼女が毎日のように見なければならなかった悲しい表情が、そこにあった。
一瞬息を呑んだリンディだったがすぐに気を取り直し、子供の目線の高さまで屈んでやって訊ねる。
「お名前は?」
「レヴィア・ゲイズです」
「私はリンディ・ハラオウンよ。はじめまして。おいくつかしら?」
「今は九歳ですが、あと二週間で十歳になります」
話している間、レヴィアの表情は口元以外全く動かなかった。声音もはっきりしているが、感情がほと
んど見えない。
当たり障りの無いことを幾つか質問してから、いきなりリンディは訊ねた。
「おじいちゃんのこと、どう思ってる?」
ここまで質問に対して即座にしてきた返事が途切れ、真っ直ぐリンディを見つめていたレヴィアの瞳が
揺れた。背後でオーリスが息を呑む雰囲気も伝わってくる。
ずいぶん長いこと沈黙は続いた。やがて少女の視点は定まったが、口から出た声はさっきまでの無機質
なものではなかった。
「大好きです」
「どうして?」
「私が生まれた時すごく喜んでくれて、大切な自分の名前をくれました。だから好きです」
「そう。……その気持ち、忘れないでね」
レヴィアの額に自分の額をくっつけ、至近距離でリンディは語りかける。
「あなたがレジアスおじいちゃんのことを好きだっていう想いは、間違いじゃないわ。誰が何と言おうと、
絶対に」
一瞬、少女の瞳がわずかに潤んだ。しかし何かに耐えるように瞼が閉じられ、再び開かれた時にはもう
元通りの瞳だった。
「……レヴィアちゃん、将来何になりたい?」
リンディの最後の問いかけに、レヴィアはやはりしっかりとした声で答えた。
「管理局に入って、偉い人になりたいです」
「おじいちゃんぐらいの?」
「はい」
その言葉で、リンディの心は決まった。
「……なんで、あんなこと言ったの」
オーリスとレヴィアが去った後、レティの部屋で改めて向かい合ったレティは、怪訝そうな顔で訊ねて
きた。
オーリスと別れる前に、リンディは一つの提案を持ちかけていた。
『よかったら孤児院じゃなくて、ハラオウン家でレヴィアちゃんを預からせてもらえないかしら? ホー
ムステイという意味でね』
急な申し出に、オーリスはあからさまに戸惑っていた。親しく話したのは今日が初めてな相手に、唐突
に持ちかけられたらそうなって当然だろう。
とりあえず三日以内に返事するということで、ゲイズ母娘は帰っていった。
「正直に言ったら、同情ね。レヴィアちゃん見てたら、昔のクロノを思い出したから」
クライドを失った直後の、クロノの顔。親の迷惑にならないよう、つんのめるのも厭わず背伸びするの
が子供の在り方だと思い込んだ顔。
目にしたリンディは、余計なお世話かもしれないと分かりつつも手を差し伸べてしまっていた。
「孤児院が悪いってわけじゃないけど、あの子家族愛に飢えてるみたいだったからより家庭的な方がいい
だろうし。それにレヴィアちゃんが管理局入りするんだったら、ハラオウン家が後ろについてあげれば有
利でしょ?」
「上の連中にますます睨まれるわよ。ただでさえクロノ君は、出世が早いってだけで目をつけられてるん
だから」
「構わないわ。クロノやフェイトはそんなの跳ね返せる子だし」
さらりと言ったリンディに、レティは苦笑で返した。
「あなたもずいぶん子供達のこと褒めるようになったわね」
「やっぱり子供が出来たら内側が大きく変わるものなのよ。あなたも、グリフィス君が結婚したら分かる
わ」
「けどグリフィスがなかなか彼女に告白しないのよねぇ。デートだって何回もしたくせに。誰に似たのか、
ヘタレなんだから」
「あなただって、旦那さんに告白するまで半年かかったじゃない」
「出会って二週間でラブレター渡したあなたが早すぎるのよ」
お互いの言葉で遠い昔、士官学校に通っていた頃を思い出し、二人は顔を合わせて微笑んだ。
「あれから何年経ったのかしら」
「四十年近いわね」
「あと四十年経ったら、ひ孫どころかやしゃ孫まで生まれてるわね」
「あら、まだ四十年も生きるつもり?」
「ええ、クロノもフェイトもクロードも、その子供も、出来るものならずっと見守って行きたいわ」
それは叶わない願いで、いつか必ずリンディはクライドの元へ旅立つ日が来る。
ただその日まで、自分はたくさんの家族に囲まれて幸せな日々を過ごすだろう。
あの寂しい顔をした母娘にも、いつかそんな日々を送れるようになってもらいたいと、リンディは心か
ら願うのだった。
続く
おまけ
・エリオ
陸士隊隊長。二ヵ月後結婚するが、なぜか新婚宅には召喚師と召喚蟲が一緒に住んでいた。
・キャロ
自然保護隊隊員。実は妊娠中で、エリオをお父さんと呼ぶ機会を狙っている。
・ルーテシア
陸士隊隊員。愛読書は九十七管理外世界の「それから」「人間失格」「火宅の人」「失楽園」。
・ガリュー
キシャー。後年、管理外世界の亜人で編成された特殊部隊隊長を拝命。
・オットー
自然保護隊隊員。好きになった動物は羊。肉も好き。
・ディード
八神家飯炊き。趣味は庭に作った野菜畑の世話。八神家食料の二割を賄う本格的なもの。
・オーリス
管理局員。十年後、娘の強い要請によりクロノの部下として中央復帰。
これまた次回に続く
GJです。
なんだろう、なんかすごくしみじみしてきた。
続きが楽しみです。
あと、
>>愛読書は九十七管理外世界の「それから」「人間失格」「火宅の人」「失楽園」。
ルールー自重www
340 :
サイヒ:2008/05/15(木) 00:36:30 ID:u7uH7Ryi
以上です。
俺にとってのオーリス第一印象が「十代で結婚したはいいが二年ぐらいで別れてそうなおばさん(子持ち)」だったんで。
そしてガリューは絶対キャストオフしてくれると信じて疑ってなかった一年前。
今は今で、クロードのデバイスを携帯型にしたい誘惑と戦う日々。
バインド+ソニックムーブ+ハーケンセイバーでカイザ○ラッシュ…………なんでもありません。
前スレで会話の時は行間空けた方が読みやすいと言われてたんでやってみました(質問したのは俺じゃないですけど)。
なんかスカスカな感じになった気が。まあ、この形式でもうちょい続けてみます。
>>331 >対するキャロは身長は普通で体型もスレンダーだが、幼さを残した優しい風貌は立派に十人並みである。
十人並みって、優れてもいなければ劣ってもいないって意味で褒め言葉ではなかったと思う。
サイヒ氏いつもながらGJです
> 愛読書は九十七管理外世界の「それから」「人間失格」「火宅の人」「失楽園」。
ルー子寝取る記マンマンだー!?(ガビーン
>>340 GJ
こっちのガリューは女性なのか。キャストオフしたらさぞや美人なんだろうなぁ。
けど、やっていることが別世界の主夫ガリューと変わらない気が・・・・・・。いったいどうやってフランクフルトを買ったんだ?
後、携帯型が駄目なら腕輪にして、ソニックムーブ+プラズマアームでライ○ースティング・・・・・・・・いえ、忘れてください。
エロないとか死ねばいいのに
エロナイト・・・守護騎士のことですね。
>>344 新入りか……
>>1でローカルルールくらい読めよ。恥ずかしいやつめ……
>>295 つか、
>>289も言ってるみたいにクロノって長編というか何と言うか、
ど直球の恋愛物語向きなのよな。
ある程度キャラが出てるし属性もどこぞのれーしうろん君みたいだし。
結婚の影響も無いではないけど、もっとでかい原因はたぶんこっち。
クロノの場合はキャラのベクトルが逆にちょっと見え過ぎてる。
>>344 上の方にはエロがあるよ。後、保管庫にはもっと凄いのがある。
>>347 固い、重い、暗いと三拍子揃っているからなぁ。
悩んだり迷ったりはお手の物、そしてラストはビシッと決めるがクオリティ。
もしくはデュアル仕様のエロノにフォームチェンジしてねっとりとエロ三昧か。
何て両極端。
はやての恋愛なあ…確かにゲンヤはありかもなあ。個人的には父親ポジだと思ってるけど、まあ選択肢としては
ユーノってんなら某山道でなんかそれっぽいのがあったね。今中編までだったはず
>>347 書けたらいいのになるんだろうけど、余程割り切らないと真面目に恋愛に焦点当てた短編はきついかもね。
特にはやて相手にすると闇の書絡みの話題は絶対外せないから
実ははやてさん男でした
男なのでおっぱいに興味津津
作中のカッコ全部女装
サウンドトラックAsの時は9歳なので女風呂ん所いけました
サウンドトラックstsの時は堂々としすぎてて誰も気づきませんでした画にするとプラプラしてる
これで相手に事欠くまい
>サイヒ氏
あ、あれ?
オーリス親子の話で目から海水が……
GJ!
あとキャロwwww
ルーテシアも自重せい!何危ない展開な本読んでるんだよw
あと、キャロの妊娠……なぜ筆が進まん!
動け!動け俺のE・RO!!
H・EROの力でおk
蟻地獄のひとか?がんがれ
>>349 ユーノってんなら某山道でなんかそれっぽいのがあったね。今中編までだったはず
詳しくPLZ
エロ小説wikiのケータイ版が見れなくなったのだが…
356 :
B・A:2008/05/15(木) 10:25:01 ID:WWSyHROt
>>294 そうしたいのは山々ですが、2つほど理由があって書くのは難しいです。
1つ、リリなの世界では死者の完全な蘇生は不可能原則
1つ、それを覆せるだけの理由が思いつかない
という理由で、書くのは難しいと思います。
ところで・・・・・ヴィヴィオ主役の・・・・これ四期ネタなのかなぁ?
投下して良いですか?
転生使ったら?
とらハ1の七瀬みたいに。
超歳の差になるけど。
>356
OK、お待ちしております。次世代ネタ大好きだぜ。
359 :
B・A:2008/05/15(木) 10:34:52 ID:WWSyHROt
>>357 それは、もうこっちの時空で使っています。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
第1話「再会は波乱の予感」
その日は生憎の雨だった。
窓を打ちつける雨と鳴り響く雷鳴は、まるで故人を偲んでいるかのようだ。
それに誘われるように外に出ると、激しい豪雨に晒される。
直に冬へと変わる季節の雨は思っていた以上に冷たい。
突き刺すような冷気に見えぬ右目が疼いた。
「エリオ?」
背後から声をかけられ、エリオ・M・ハラオウンは気だるげに振り返る。
黒いスーツを淑やかに着こなした妻がそこにいた。
「そんなところにいたら、風邪を引くよ」
「・・・・・そうだね」
一拍遅れてエリオは答え、葬儀場の中に戻る。
人のいない場内は冷え切っていて、先ほどまで弔問客で溢れ返っていたのがまるで嘘のようだった。
本当に嘘のようだ。ほんのついさっきまで、ここで母親の葬儀が行われていたなんて。
フェイト・T・ハラオウン、享年31歳。
彼女はエリオと同じく、プロジェクト「F.A.T.E」で生み出された劣化コピーだった。神の摂理に反する禁忌の技術、忌まわしいプロジェクトF。
それには重大な欠陥があり、彼女はそれによって命を奪われた。
31年という短い時間を、彼女は文字通り閃光のように駆け抜けた。
「ヴィヴィオは?」
「待合室で寝ている。疲れも溜まっていたみたいだし、今はそっとしといてあげよう」
フェイトの葬儀は地球とミッドチルダの両方で行われた。地球ではエリオの伯父であるクロノ・ハラオウンが喪主を務め、
ミッド代表として彼女の親友であったなのは・T・スクライア、八神はやてが出席した。だが、なのはの娘であるヴィヴィオは
先日まで別世界に出張中であったため、こちらの葬儀に参加することになったのだ。
「エリオ、あなたも泣いて良いのよ」
「止してよ、そこまで弱いわけじゃない。それに、もう涙なんて出ないよ」
涙は彼女が死んだ時、枯れるまで出し尽くした。
あんなにも泣いたのは生まれて初めてだった。まるで、自分の半身を持っていかれたかのような喪失感で胸がいっぱいになり、止めどなく涙が溢れてくる。
口から零れるのは嗚咽ばかりで、湧き上がるのは彼女の命を奪った運命への憎悪ばかりだった。
そんなことを3日も繰り返せば、涙なんて枯れ果てる。今の自分は空っぽだ。がらんどうの心に響くものなんてなにもない。
「けど・・・・・・今夜また泣くと思う」
それでも、悲しみがないわけではないから。
だからきっと、誰も見ていないところで泣くと思う。
「良いよ・・・・好きなだけ泣いても。今夜は、別の部屋で寝・・・・」
不意にエリオに抱き締められ、ルーテシアの言葉が切れる。
「ごめん・・・・・ちょっとだけ・・・・」
「・・・・・うん」
ルーテシアは夫の背中に手を回し、愛おしげに抱き締める。
彼はいつもそうだった。どんなに傷ついても弱音を吐かず、弱さを決して他人に見せようとしない。だからいつも致命的なまでに傷つくまで誰にも気づかれないのだ。
今だって、本当は子どもみたいに泣きたいくせに、強がって泣こうとしていない。それが彼の美点であり、弱点でもあった。
「落ち着いた?」
「うん・・・・・」
「ここはエリオの特等席だから、いつでも飛び込んで良いからね」
「そうならないくらい・・・・・強くなりたいんだけどね」
強がりを言って、エリオはルーテシアから離れる。
「そろそろ出ようか? アリシアも待っているだろうし」
「うん・・・・ヴィヴィオ、起こしてくるね」
ルーテシアが立ち去り、エリオは一人ガランとした葬儀場内に残される。
思い返されるのは10年前にあの部隊で過ごした日々。
機動六課。
JS事件を解決に導いた奇跡の部隊。
その名前は10年経った今でも語り継がれており、管理局内では特別な名前となっている。
エリオはかつてそこに所属し、フェイトの部下として働いていた。そしてルーテシアと出会い、恋に落ち、当時スカリエッティに与していた彼女を守るために離反した。
その一件がなければ、血の繋がらないフェイトと本当の意味で親子にはなれなかっただろう。自分を含む全てを傷つけ、迷っていた自分を彼女は受け入れ、癒してくれた。
彼女には返しても返しきれない恩があった。
だが、その恩を返す前に彼女は逝ってしまった。
フェイトだけではない、彼女の使い魔であるアルフもまた消えてしまった。エリオにとってはもう一人の母のような存在であり、大切な家族だった。
「母さん・・・・アルフさん・・・・僕は、あなた達のために何ができたんでしょうか? 僕の命の意味は・・・・いったい何なんでしょうか?」
問いかけた言葉に答える者は、誰もいなかった。
そして、三ヶ月が過ぎ去った。
□
ヴィヴィオ・T・スクライアは二足の草鞋を履いている。
一つは時空管理局局員。かつて自分を絶望の底から救い、保護してくれた女性は管理局の魔導師であった。
そのため、時空管理局は彼女にとって幼い頃からの憧れであり、夢であった仕事だ。一方、ヴィヴィオは父親の影響もあり、早い時期から歴史に興味を持つようになった。
学生時代は暇な時間があれば古文書を読み漁り、休日は父親にくっついて発掘作業の手伝いをすることが多かった。
そしていつしか、彼女は新鋭の考古学者となっていた。
「・・・・・というわけで、新たに発見された遺跡は古代ベルカの初期のものであると思われます。その特徴として、こちらの壁に聖王のレリーフが・・・・・」
自分を見つめる多数の視線を物ともせず、ヴィヴィオは自らが立てた仮説を朗々と演説する。
身を縛る緊張感と湧き上がる興奮に心地よさを覚える。場を支配することの快感は、何度味わっても色褪せない。
この瞬間、間違いなくこの場はヴィヴィオの支配下にあった。
「私の仮説は以上です。今後、この遺跡の調査が進めば、資料の乏しい先史時代をより詳しく解明することができるでしょう」
自信に満ちた言葉でヴィヴィオは締めくくる。直後、盛大な拍手が彼女に送られた。
「これは歴史的発見ですな」
「お若いのに大したものだ」
「さすが、かのスクライア博士のご息女だ」
人々は口々にヴィヴィオを褒め称え、惜しみない拍手を送る。それを少し照れくさく思いながら、ヴィヴィオは恭しく一礼した。
□
学会の定期発表会が終了し、同席していた学者達と別れたヴィヴィオは会場となったホテルのロビーへと向かった。
ロビーを行き交う人々の間を縫うように進み、目当ての人物を探す。
「すみません、通してください・・・すみま・・あっ!?」
長い茶髪を首もとで結い、ヨレヨレのスーツを着た男性が手持ち無沙汰にしている。
その姿を確認するなり、ヴィヴィオは人混みをかき分けてその男性の胸へと飛び込んだ。
「パパぁっ!」
「わぁっ・・・ヴィヴィオ!?」
抱きついてきた娘を受け止め、ユーノは僅かに後ずさる。
「ヴィヴィオ、みんなが見ているよ」
「良いもん、別に見られて不味い関係じゃないでしょ」
「やれやれ、困った娘だ」
ユーノは苦笑し、ヴィヴィオの柔らかな茶髪を優しく撫でる。
父と呼ばれているが、若々しい彼の風貌は17歳の娘がいるようにはとても見えない。
実際、彼はまだ31歳であり、ヴィヴィオとは血が繋がっていない。
ヴィヴィオは元々孤児であり、十二年前にユーノの妻が彼女を養子にしたのだが、2人のやり取りはまるで本物の親子のようであった。
「ねぇ、私の発表は見てくれた?」
「もちろん。声も良く通っていたし、仮説も理路整然としていたよ・・・満点をあげても良いかな」
「やった! それじゃ、サードアヴェニューでアイス食べて帰ろうよ! もちろん、パパの奢りね」
「ヴィヴィオぉ」
「ね、お願い」
両手を合わせ、ヴィヴィオは悪戯っぽくウィンクする。
そんな風に懇願されては、常日頃ヴィヴィオを溺愛しているユーノに彼女を窘めることなどできるはずがなかった。
「仕方ないなあ・・・けど、ママには内緒だよ」
「やったぁ! パパ大好き!」
満面の笑みを浮かべ、ヴィヴィオはユーノの腕に自分の腕を絡ませる。腕に当たる柔らかい感触はささやかなお礼なのだろうが、
ユーノは苦笑を浮かべるだけに留めた。こんなことをされても狼狽えない程度に大人の余裕は身につけている。
「そうだ、あのことだけど・・・・」
「またその話? やらないよ、私は」
ヴィヴィオはうんざりだと言わんばかりに肩を竦める。
ユーノはミッドチルダでも有名な考古学者だが、本職は無限書庫と呼ばれる資料室の司書長である。と言っても、ただの資料室ではない。
二十年前までそこは、時空管理局が設立されてから収集され続けた全次元世界の膨大な情報が無節操に放置された混沌の坩堝であった。
当時10歳であったユーノは長い時間を費やしてそれらを整理し、データーベースとして問題なく使用できるようにしたのである。
そのため、管理局での彼の地位はかなり高い。建て前としての権限こそないに等しいが、社会的な身分は提督クラスとそう変わらないのだ。
そして、ユーノはその司書長としての地位をヴィヴィオに譲ろうとしているのだ。
「何度も言ったでしょ、私は武装隊を止める気はないの」
「心配なんだよ、君のことが」
ヴィヴィオの母であり、ユーノの妻であるなのはは今でこそ本局勤めだが、若い頃は進んで前線に出ては危険な任務をこなす日々を送っていた。
生死の境を彷徨ったことは一度や二度ではなく、その度にユーノは不安な気持ちで押し潰されそうになった。
彼はヴィヴィオにまで、そんな危ない真似をして欲しくないのだ。
「心配しないで、私はママより凄い魔導師になってみせるから」
「・・・・・・・」
頑ななヴィヴィオの態度に、ユーノは何も言うことができなかった。
その時、2人の前を通り過ぎようとしていた少女がハタと立ち止まった。
「・・?」
年はヴィヴィオと同じくらいだろうか。背は少し低く、セミロングまで伸ばした緑がかった灰色の髪を細いリボンで結っており、
瞳は髪と同じく神秘的な光を宿した緑色だ。管理局の関係者なのか、着ているのは陸士隊の制服である。
「ヴィヴィオ?」
少女の美貌が驚愕の色へと染まる。
「ひょっとして・・・・・セリカちゃん?」
自信なさげなヴィヴィオの声に、少女は無言で頷く。直後、ヴィヴィオはユーノの腕を解いて彼女に駆け寄り、その手を掴んで破顔した。
「久し振り、セリカちゃん!」
「ええ・・・・あなたも元気そうね、ヴィヴィオ」
□
ヴィヴィオによると、セリカ・クロスロードは同じザンクト・ヒルデ魔法学院の出身であり、中等部時代の親友なのだそうだ。
そんな話は初耳だったが、その当時は丁度なのはが第一線を退いたりヴィヴィオが管理局入りしたりで慌ただしく、家族間で話し合う時間がほとんどなかったため、自分が知らなかっただけなのだろう。
懐かしい旧友と再会し、親交を深めている愛娘の姿をどこか寂しげに見つめながら、ユーノは何となく買い求めた缶コーヒーのプルトップを起こした。
小気味の良いアルミの音に聞き惚れ、缶の中で波打つ黒い液体を喉へと流し込む。舌に広がる慣れ親しんだ苦みが何だか虚しい。
「おや、こんなところでお一人とは、随分と寂しそうですね」
気取った調子で馴れ馴れしく話しかけてくる声に、ユーノは嘆息して顔を上げる。
案の定、そこには濃い緑色の髪を腰まで伸ばした男性が人懐っこい笑みを浮かべて立っていた。
「ヴェロッサ・・・・・サボりは良くないよ、サボりは」
「サボりとは失礼な。せめて、重役出勤と言ってもらいたいね、ユーノ君」
このおどけた調子で肩を竦める男性の名はヴェロッサ・アコース。時空管理局本局査察部部長であり、ユーノとは十年来の友人である。
かつては「査察官」、「先生」と呼び合っていた2人も、今では気の置けない親友同士だ。
「それで、本当は何しに来たんだい?」
「いやぁ、別にこれといって用はないんだよ。ただ、どうせサボるなら仕事している振りくらいはしなきゃと思ってね」
「なるほど・・・・・それで、僕やヴィヴィオを査察しに来たってわけだ」
「ご名答。さすがだね、ユーノ君」
「褒めてないよ、それ」
調子の良い親友の言葉に、ユーノは苦笑する。
こんな軽い男が責任者で、良く査察部は機能しているなと思う。もっとも、彼が本気を出せば管理局そのものを引っくり返すことも不可能ではないだろうが。
「それで、肝心のヴィヴィオはどこにいるんだい?」
「向こうで友達と喋っている。あの話を振ってみたけど、身も蓋もなく断られたよ。自分はママより凄い魔導師になるんだって」
「あの娘もあの娘なりに自分の将来を考えているってことか」
「僕としては、さっさと考古学一本に絞ってくれた方が嬉しいんだけどね。それに・・・・・・・」
楽しそうに友人と語り合う愛娘の姿に、ユーノは危うい儚さを見ていた。握り締めると潰れてしまいそうな繊細さは、
彼女のもう1人の母、フェイト・T・ハラオウンに通ずる危うさだった。
「なまじ心が強い分、ヴィヴィオはエリオよりも重症かもしれないんだ」
□
「中等部を卒業して以来だから、四年ぶりかしら?」
「うん。全然お手紙くれないから、どこで何しているのかずっと心配していたんだよ」
「嘘仰い、呼びかけるまで私のことなんかすっかり忘れていた癖に」
お姉さんぶった態度でセリカはヴィヴィオの額を小突く。
四年もの月日が経っていても、セリカ昔と何一つ変わっていなかった。当時はベリーショートだった髪を伸ばしていること以外は、そっくりそのままだ。
「その服着ているってことは、ひょっとして管理局に?」
「そう。去年入局したんだ。北部担当の陸士203部隊」
「203ってことは、ベルカ自治領の近くだね」
「そういうあんたは? ひょっとして、もう結婚しちゃったとか? 腕組んで歩いていたのって旦那?」
「違う違う、あの人はお父さん。考古学者していて、今日は学会の発表会で私が発表するから応援に来てくれたの」
ユーノのことを旦那と呼ばれ、ヴィヴィオは顔を真っ赤にして首を振った。何気に、好みのタイプは彼のような母性本能をくすぐる優男だったりする。
「ああ、スクライア先生か。あんたも父親の跡を継いで学者になったってわけ?」
「えっと・・・・・ちょっと違うんだけど・・・・」
「?」
「実は・・・・私も管理局の局員で・・・・・・」
「あんたが? ああ、そう言えば将来の夢は管理局の魔導師だっていつも言っていたわね。それで、どこの部隊?
陸士隊? それとも航空隊? あんた魔法の才能あったし、ひょっとして本局とか?」
「・・・機動六課」
その言葉を聞いて、セリカは言葉を失った。無理もない、かの奇跡の部隊の名を受け継いだ名誉職だ。
親友がそこで働いていると知れば、驚かない方がおかしい。
「へ、へぇ・・・・・やるじゃない。見直したわ」
「あ、ありがとう」
「ま、あんたは魔力だけは高かったもんね」
「む! 制御の方もうまくなったんだよ、集束砲だって覚えたんだから」
「ということは、あんたSランクなわけ!? 驚いた・・・・・・才能あるとは思っていたけど、そこまで早く出世するなんて」
「にゃ、にゃはははは・・・・・・」
本当はSSランクですとは絶対に言えない。
学生時代から才能に恵まれていた自分と違い、セリカは良くも悪くも凡人だった。
資質のおかげか魔力の制御は極端に上手かったが、潜在魔力は平均よりも少し低い。
今はどうか知らないが、昔はそれを気にしていることが多かった。
「あの、セリカちゃ・・・・・」
《Lady》
不意に首から下げていた赤い宝石がうら若い女性の声を発した。
ヴィヴィオが母親から受け継いだインテリジェントデバイス、レイジングハート・エクセリオンだ。
「どうしたの、レイジングハート?」
《ハラオウン夫人より通信です》
「ルーお姉ちゃんから? 繋いで!」
服の中からレイジングハートが姿を現し、仮想ディスプレイを空間に投影する。
そこにはヴィヴィオの親友であり、同僚でもあるルーテシア・ハラオウンの切迫した姿が映っていた。
『ヴィヴィオ、今どこ!?』
挨拶も告げずにルーテシアは切り出した。余程焦っているのか息が荒い。背景が流れているところを見ると、どうやら走っているようだ。
「えっと・・・・・ホテル。場所は・・・・・」
うろ覚えの地名と区画を告げると、ルーテシアは逡巡するように顔を伏せて言った。
『やっぱりそっちの方が近い・・・・・・ヴィヴィオ、そっちの通りに密輸犯が逃げているの。何とかして捕まえられない?』
「う、うん・・・密輸犯って、お姉ちゃん達が追いかけていたロストロギア密輸団?」
ルーテシア率いるライトニング分隊は、数ヶ月前からロストロギアを違法に取引している密輸グループを追いかけていた。
昨日も、タレこみがあったからアジトに踏み込んでみると言っていた。
『違うわ』
「ガセだったの?」
『ええ・・・・・私達が踏み込んだのはロストロギアの密輸グループじゃなくて、質量兵器の密売グループだったのよ』
「それ、同じくらい危ないから!」
質量兵器とは、ミッドチルダはおろか交流のある次元世界では軒並み禁止されている危険な兵器だ。
旧暦の時代、ボタン一つで多くの命を簡単に奪うことができたと言われるそれは、一般人でも魔導師並の力が得られるとして裏世界で取引されていることが多い。
『とにかく急いで! ガリューがケガするくらい危険なモノ持っているから、早く!』
「わ、わかった!」
あのガリューが負傷するなんて唯事ではない。
ヴィヴィオはルーテシアから犯人の人相や風貌を聞いてから通信を切り、後ろでヴェロッサと話し込んでいたユーノへと振り返る。
「ごめん、パパ。仕事が入っちゃった!」
「・・・・わかった。けど、ケガには気をつけるんだよ」
「うん、わかっている」
申し訳代わりにウィンクし、ヴィヴィオはホテルの外へと向かう。すると、何故かセリカも後ろについて来た。
「セリカちゃん!?」
「あんた一人に任せてられないわ。質量兵器の密売グループなんでしょ、見失わないように二手に別れるわよ!」
「うん!」
□
その男にとって今日は厄日だった。
彼は密売グループの一員だったが、商売そのものに関与していたわけではなかった。彼の仕事はあくまで質量兵器の製作であり、それを売り捌くことではない。
適当に稼いだら解放してやると言われたから協力していただけのただの研究者だ。だが、管理局からすればそれも犯人一味と変わらない。
だから、彼は捕り物のドサクサに紛れて逃げ出したのだ。
この裏路地を抜ければ、表通りでタクシーを拾うことができる。そこまで行けば、少なくともこの場は逃げ切ることができるはずだ。
後のことはそれから考えることにしよう。そう思って、男は重くなり始めた足を鞭打って動かし続ける。
そんな彼の前に、スーツ姿の茶髪の少女が立ち塞がった。
「止まってください、時空管理局です。あなたは密売と質量兵器の不法・・・・・」
「どけえぇっ!!!」
制止の言葉も聞かず、男は拳を振るう。
何かが砕けるような音が路地裏に響く。直後、男は殴った右腕を押さえてもんどりを打った。
「ぬわぁっぁぁぁっ!!! 腕が、腕がァァァっ!?」
少女の顔面を捉えたはずの右手は指が全て折れており、真っ赤な血がドクドクと流れていた。
一方、殴られた少女には傷一つなく、その体からは淡い虹色の光が発せられていた。
「便利だけど、あんまり良い気はしないなぁ・・・・・・」
稀少技能“聖王の鎧”。本人の意思に関係なく、危機や危険から身を守ってくれるヴィヴィオの先天固有技能である。
虹色の光に見えるのは実はその鎧であり、先ほどの攻撃も生命の危機と判断した体が勝手に発動させたものだ。
「あの・・・・腕の治療もあるから、大人しく捕まった方が良いと思うけど・・・・・・」
聖王の鎧はSランクの砲撃魔法ですら無効化する力を持ち、素手で殴れば当然のことながらもの凄く痛い。
見たところかなり出血しているようなので、急いで治療しなければ危険な状態だ。
そう思ってヴィヴィオが男に近づこうとすると、足下に野球ボール大の球が転がっていることに気づいた。
「ん?」
瞬間、男が脱兎のごとく逃げ出した。
慌ててヴィヴィオも後を追おうとするが、その時轟音と共に球が破裂し、ヴィヴィオの体を紅蓮の炎で包み込んだ。
ヴィヴィオは知る由もないが、これは第97管理外世界で手榴弾と呼ばれている爆弾と同じ性質を持つものである。
爆風そのものは聖王の鎧で防ぐことはできたが、周囲にあった材木やゴミは跡形もなく吹き飛んでいる。
その威力にヴィヴィオは驚嘆し、震える声を漏らした。
「これが質量兵器・・・・・」
恐らく、ガリューもこれにやられたのだろう。狭い範囲とはいえ、こんな簡単にこれだけの威力を誇る兵器が存在することにヴィヴィオは恐怖した。
機械仕掛けであるが故に魔力的な検査にも引っかからないため、もしこれが出回ればどういうことになるのか、ヴィヴィオは想像したくもなかった。
とにかく逃げた男を追わねばならない。ヴィヴィオは混乱を振り払い、路地裏を抜けて表通りへと向かう。
「そこに人、待ってください!」
「くそっ、しつこい奴だ!」
ヴィヴィオの姿を捉え、男は再び爆弾を投擲する。だが、今度は爆発される前にヴィヴィオが防御魔法で爆弾を包み込んだ。
これならば、仮に爆発しても被害が出ることはない。そう思った刹那、爆弾が破裂し、凄まじい音と光が大通りに響き渡った。
今度の爆弾は、音と光だけの目くらましだったのだ。
「きゃぁぁぁっ!!!」
「な、なんだ!?」
「うわぁぁっ!!」
爆発のショックで爆弾の近くにいた人々が昏倒し、他の人達も瞬間的なパニックに陥る。
その隙を突いて、男は路肩に停められていた車を奪って走り去った。さしものヴィヴィオも、高速で走る車に徒歩で追いつくことはできない。
飛行許可を取ると、ヴィヴィオはすぐに地上本部に連絡を繋いだ。
「地上本部、こちら機動六課スターズ01、ヴィヴィオ・T・スクライアです。至急、飛行許可を・・・・・・」
『その必要はないわ』
本部への通信にセリカが割り込みをかけてくる。いつの間に空に上がったのか、彼女はバリアジャケットを展開して空中へと舞い上がっていた。
その手には、彼女のデバイスである深紅の杖が握られている。
『何もかも遅すぎる。臨機応変も良いけど、そういうのその場凌ぎって言うのよ!』
「ご、ごめん・・・・・」
『けど良いわ、尻拭いはきっちりやってあげる。奴は私が撃墜する』
「え・・・?」
今、彼女は何と言った?
撃墜する?
保護でも逮捕でもなく、彼女は明確な殺意を込めて撃墜すると言った。
ありえない。こんな街中で攻撃魔法を使えば、例え非殺傷設定であっても周囲に被害が出る。
特にここは大通りで車も行き交っており、自動車事故を起こす要因にもなりかねない。
だが、思いとは裏腹に背後で赤い光が集束していく。
「だめぇぇぇぇっ!!!」
直後、極大の砲撃が宙を駆け抜け、逃走中の車に直撃した。
to be continued
369 :
B・A:2008/05/15(木) 11:12:35 ID:WWSyHROt
以上です。なんか1話からやりたい放題してしまった気が・・・・・。
というかここまで長くなるとは思わなかった。
では、以下本編で語り切れない登場人物紹介。
ヴィヴィオ・T・スクライア
本作主人公。古代遺物管理部機動六課スターズ分隊隊長兼考古学者。17歳。階級は三等空尉。魔導師ランクは古代ベルカ式SS
レイジングハートとBJをなのはから受け継いだ。得意なことはバーンと砲撃、そして破壊。
エリオ・M・ハラオウン
前作主人公。機動六課ライトニング分隊副隊長。22歳。階級は陸曹長。魔導師ランクは近代ベルカ式Bランク(リミッターをつけたくないので毎年試験をサボっているため)。
フェイトの養子となり、バルディッシュとBJを受け継いだ。10代のほとんどを刑務所で過ごしたため、性欲の塊。
ルーテシア・ハラオウン
エリオの妻。ライトニング分隊隊長。22歳。階級は三等陸尉。魔導師ランクは近代ベルカ式AAA+
何気に未だ保護観察処分中。夫との夜の営みは週にエリオが自宅にいる日。エリオとの間にアリシアという娘をもうけている。
ユーノ・スクライア
ヴィヴィオの義理の父。無限書庫司書長兼考古学者。31歳。博士号も取っていたりする。
最近の心配はヴィヴィオのことと白髪。
ヴェロッサ・アコース
本局査察部部長。サボり癖は相変わらず。加えて未だ独身。
セリカ・クロスロード
ヴィヴィオの中等部時代の親友。現在は陸士203部隊に所属する二等陸士(ただし、飛行のスキルはある)。
四年ぶりにヴィヴィオと再会するが・・・・・・。
>飛行許可を取ると、ヴィヴィオはすぐに地上本部に連絡を繋いだ。
>「地上本部、こちら機動六課スターズ01、ヴィヴィオ・T・スクライアです。至急、飛行許可を・・・・・・」
最初のはなんだ?
セリカってティアナっぽい感じがするな…。GJ
GJ
俺もパパと呼ばれたい
妻はいらんから
ファミリーネームでどうしても00を連想してしまう
あと
>>368の「そこに人、待ってください!」 もそこ“の”人の間違いかな
374 :
B・A:2008/05/15(木) 11:42:05 ID:WWSyHROt
うぅ・・・念いりに推敲したはずだったのに・・・・・。
>>368 >「そこに人、待ってください!」 ×
>「そこの人、待ってください!」 ○
>飛行許可を取ると、ヴィヴィオはすぐに地上本部に連絡を繋いだ。 ×
>飛行許可を取ろうと、ヴィヴィオは急いで地上本部に連絡を繋いだ。 ○
です。ついでに変な語呂も修正。書きあげたの昨日の夜中だから、寝ぼけていたのかなぁ?
375 :
ておあー:2008/05/15(木) 15:00:03 ID:y785LkrS
ザ・シガー氏いらっしゃいますか?
ソープ時空で非エロっていう妙な電波を受信したのですが、書いちゃっても構いませんでしょうか?
正規設定でエロを実現するのが難しいキャラの為のソープ時空で非エロ作品なのはどうかってのもあるので
できればジャンル設立者である氏の許可なぞを頂けると泣いて喜びます。主に俺が
376 :
ザ・シガー:2008/05/15(木) 17:46:23 ID:A+CQ+T8o
>>375 ふふっ・・・・兄貴・・嗚呼兄貴、あなたに言われて俺が拒むと思ってんのかい?
ておあーの兄貴の要望ならば是非とも兄貴の好きなようにしてくれ。
377 :
ておあー:2008/05/15(木) 18:05:12 ID:y785LkrS
>>376 感謝。これで後顧の憂いなく執筆に励めます。非エロを励んでどうすんだってのは
あるんですが・・・
しかし俺はシガー氏を兄貴的存在(ガチムチ的な意味で)と認識しているのに
その俺が兄貴と呼ばれるとは・・・
378 :
ザ・シガー:2008/05/15(木) 18:06:18 ID:A+CQ+T8o
ここはいつからコテハンのハッテン場になったw
交互に掘り合うは交互に投下し合うという意味だと俺は信じてる
ってわけでシガー氏シャマルさんの続きまだですか?
レジなのも待ってるでよ
383 :
ザ・シガー:2008/05/15(木) 18:47:55 ID:A+CQ+T8o
ごめん、全然別のSS書いてた・・・・ちょっとエロパロの連載に戻るわ。
待たせてすいません。 少なくともシャマルさんの話はもうすぐ終わるんで、あと少しだけお待ちください。
384 :
サイヒ:2008/05/15(木) 18:50:24 ID:u7uH7Ryi
>>341 ご指摘どうもありがとう。
完全に意味を取り違えていました。
>司書の方々
というわけで、お手数ですが
>>331の上から五行目を
幼さを残した優しい風貌は立派に十人並みである。
↓
幼さを残した優しい風貌は周囲に比べて群を抜いている。
と変更よろしくお願いします。
俺もちょこちょこ手直ししたいが範囲が広いからな・・・
管理人に頼んで俺もwiki編集出来るようにしてもらった方がいいのかな
自分の作品は自分で載せられるようになるし
>>385 代替分をtxtファイルにでもまとめてもらえば直しますよ?
>>340 GJ!!!
エリキャロルーの三人が実にいいです。これはインパクトを受けたw
エリキャロ夫婦とルーちゃん・・・もうどろどろした展開が妄想で爆発しそうだ。
ルーちゃんがそんな本ばっか読んで強い影響を受けるか心配のような楽しみのような
>>369 GJ!!
俺の大好きなエリルー時空の番外編!これはもうそれだけで期待せざるおえません。
そしてヴィヴィオ→エリオ⇔ルーちゃんのどろどろした妄想が(ry
ヴィヴィオの試練と成長・・・しかとこの目で見させていただきます。
>>338 新婚なのにルーが同居している理由、それはこういうことですね!
結婚→妊娠していて家事が不便→私が手伝うよ→同居→NTR
あと、最近のJS通販の触手&バイブとルーを読んでて思いついたんだが
機械式触手やバイブにシュテーレ・ゲネゲン(ガジェットを操作した魔法)を使って
パワーアップ、とか書き手の方々で使えると思った方は使ってやってください
>>378 サイヒ氏に便乗。
私も少し前からソープ時空で非エロ(微エロ?)かつ中〜長編シリアスという妙な構想を暖めているのですが、執筆に移っても宜しいでしょうか?
シリアス故、ザ・シガー氏のソープ時空から少々趣きが違っているのですが……
ちなみにヒロインはツンデレクアットロです。
妙なノリの構想ですので、まずければ迷わず虚数空間に投げ込みますw
>>389 マイナーが大好物の私はワクワクしながら待ってますぜよー
391 :
ザ・シガー:2008/05/15(木) 22:10:37 ID:A+CQ+T8o
>>389 あなたの頼みなら腎臓くらい迷わず売る。ケツ穴の貞操だって構わん。下手したら命だっていらん!!
どうぞなんて厚かましい事は言わない、こちらから是非にとお願いして書いて頂きたい!!!
ああっ、サイヒ氏に便乗ではなく、ておあー氏に便乗でした!
本当に失礼致しました、両氏に深くお詫び申し上げます……
>>391 御許可、心よりお礼申し上げます。
割と異端な内容のSSとなりそうですので、お気に障る部分がありましたら、いつでも執筆停止を申し付けて下さい。
では、ザ・シガー氏のソープ時空を汚さぬよう、誠心誠意執筆に努めさせて頂きます。
>>ておあー氏
先ほどは本当に失礼致しました。
ソープ時空で非エロという事ですが、自分のは構想を組み立てながらも、
「これはないかな」と思っていたものなので、ネタ被りはまず無いと思われます。
ておあー氏の執筆される非エロソープ、私も楽しみにしています。
さて、久々の執筆ですので肩慣らしに軽い読みきりでも書いて、錆付いた筆力のリハビリをしてから本腰入れた執筆に移りたいと思います。
しかし「ソープ時空」ってものすごい字面だなあw
あえて言おう。「ヘルス機動六課」が読みたいと。
02がソープナンバーズに新加入してくれれば俺は…
397 :
チョコボ:2008/05/15(木) 23:25:36 ID:dFglu6C7
うはあ、これはwktkが止まんないですw
みなさんの新作楽しみにしてます
それと無限書庫からの業務連絡です
ジャンル別のタグ一覧ページを作成しました(リンクは後日)
マイナージャンルも追加。後なにがあったっけ・・・
フェイトとのタグも統合を終えこれにて「なのは」のページ編集は一旦終了です
これを基準に他のキャラも作成してみます。次は誰にしようかな・・・
でも中にはタグが登録されていないものもあります
近年話題を呼んでいる「レジアス×なのは」もその一つです
このように一覧にタグがないキャラ同士の話も保管庫には紛れています
検索を利用される方はご注意を
サンタ!サンタ!触手!触手!
納豆!納豆!キシャー!キシャー!
水死体ってあるけど、どんなジャンル?死姦?
ゲテモノ姦かな…
小学生の時に猫の水死体を見たことがあるけど、あれは紛れもないゲテモノだった
wiki以外で
なのは、はやて、ユーノ、フェイトあたりが主軸のサイト希望
>>401 調べてきた。
砲殺、水死体は作者の名前だった。
ちなみにハード。エロいかどうかは別としてハード。
407 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 01:36:15 ID:+6RoNviX
ファッションヘルス機動六課なる同人見つけた
パンニーをナゼ誰も言い出さない!
あと夢幻増殖のG。
確かにパンニーは一つのジャンルにくくってもおかしくないな、現に数人の職人諸氏がSS書いてるし。
だがGはまだSSの数が少ない、っていうかジャンルとしてはまだ確立してないから無理では?
あとは、J・Sかな。
何人かの人が書けばページ作るだろ。
この場合のみ、一ジャンルとして十分確立されてないのはいっそのことイロモノで統一して構わない気もするんだがなあ
412 :
チョコボ:2008/05/16(金) 08:10:45 ID:NsZ5TKPn
皆さんご指摘ありがとうございます。今夜にでも編集し直します
砲殺は普通にありそうで困る
イロモノだと探すのが大変かと
あとサンタはオリキャラかガジェットでは。Gはゴキブリであります
少し前にバキの登場シーンを改編した当スレの特選紹介をした作品はどこでしょうか?参考にしたい
もう知らない人のほうが多いのか?
水死体氏といえば3〜4スレの殺人予告事件で出て行っちゃった人だよ…。
確かに内容はハードだたが、このスレ内で「読まない自由」について説いた元祖。
水死体氏があの殺人予告うけた人だったのか……。
俺はStS終了直前からこのスレを見だした人間だからずっと誰なのか気になってたんだ。
ちなみに俺がこのスレで初めて読んだのは、ユーノとクロノのアッー、な内容のものだったなぁ、確か。
俺がこのスレで初めて読んだ作品? ヴォルケン野郎Aチーム。
俺は二世代オタク氏が中将SSを書いてるあたりかな
>>123>>125 気になってwiki内検索してみたら、
カルタス 16作品
アレックス 19作品
ランディ 15作品
ギャレット 1作品
槙原医 2作品
石田医 4作品
鮫島 22作品
ファリン 48作品
ノエル 72作品
ターセル 1作品
だった
まあ、名前が出ただけでカウントしてるが
……最近見るターセルって誰だっけ?
>>417 港湾救助隊の主任。StSSS04で名前だけ登場。
今保管庫の更新した古い作品読み漁ってて見つけた長編未完作品
魔法少女リリカルなのはA's++
今でも再開すると信じている俺がいる。
それをいうなら、もう一人のなのはが翠屋のドアを空けた後どうなったのかを
いつか書いてくれるものと信じてずっと待ち続けている俺もいる。
それにしてもまったり空気だな。
これは、大量投下の前触れだろうか?
そして、「ネガティブフェイト」の続きを懲りもせず待ち続ける俺参上!
メートたんマダァー?
俺は、歪んだ素直の続きを某所の地獄ティアナと一緒に待ちわびている
ここって投下のスピードが速いから麻痺しそうだけど、普通のSSってどの位のペースでの投下なんだろ?
板全体で見れば、1〜3ヶ月に1度ってとこのほうが多いんじゃね?
週に1度投下があれば賑わっているほうだろうよ
昔行ってたスレなんか、2、3の短編が投下されたっきり
保守レスがひたすら続き、ついには圧縮で消えてしまわれた…orz
そもそもスレ数が二桁行くのが稀だし。
アニメのエロパロスレは放送中に数本投下されて、
終了後はどんどん過疎っていき自然消滅ってのがほとんど。
コ○ドギ○スみたいに続編決定が分かってても、
放送終了後は1スレ埋めるのに十ヶ月以上かかった。
放送終了から半年以上経ってもこのペースなここは正直おかしいw
StS放送開始時点では15スレ、放送終了時点で30スレ、そして今は70スレ。
何だろうねこの伸びは。
>>423 カルマとか懐かしいなw
ただ作者のサイトも半凍結状態だし更新は厳しいだろな
StSの場合は終わって設定が出揃ってからでないと書きにくかったのかも
本編の目立てなかったキャラ、いてもいなくても一緒なキャラの
無念を作家さんが受け継いで頑張ってるんだよw
管理局辞めたティアナがユーノの家で、生活しているのの続きが読みたいぜ。
結局本編が魅力的なキャラ造形なのに、全然キャラ立ちが
出来て無かったからなぁ。その辺りの不満が、ここに
ぶつけられてると思うw
恋愛要素を思いっきり排除した物語なのがSSを書かせる原動力なのかもな。
それぞれに決まった相手がいたらここまで盛り上がらなかっただろうね、特にフェイトに相手がいたら致命的だったかと。
あれやこれやと脳内で妄想できる余地があり、なおかつ女性キャラ多数、戦闘物、ファンタジー……
二次創作してくださいと言わんばかりの条件が揃ってる。
都築氏はキャラ作りだけは異様に上手いからなあ。
作風がファジーな上にファン評価気にしたり自分の能力省みずに
新しいことに挑戦しようとしてみたりと色々あるので悪い方向に働くと
お話の方は3期みたいに散漫になっちゃうこともあるが。
435 :
ておあー:2008/05/16(金) 18:26:24 ID:58oeQGoD
>>378を見てなかった。
交互に(本編やこのスレで不遇なキャラを)掘り(まくってスレを互いに盛り上げ)合えば
いいんですね。わかります。ケツといえばやっぱ提督の出番かな。
アルカディア氏へ。
当方はウェンディメインの失恋話なんで全く被りの心配はないと思われます。
心置きなく執筆を開始してください。完成をお待ちしています。
あとチョコボ氏へ
最大トーナメント風ネタなら67スレの最後の方にありますよ。ただ作品としては
収録されてないんじゃないですか? ネタですし。
もし入れるのであればあれ書いたの俺なんで自分の作品一覧にでも入れといてください。
>>435 黒提督は優遇されてるんじゃないですか?
最近淫獣としての立場すらエリオに取られぎみのユーノ、新キャラでマッガーレなのにあまり出ないヴェロッサの方がよほど不遇な気も
女だとエイミイさんはもちろんのことメインになれない部隊長とかは不遇かな?
ユーノ最近でも出番はあるよ
ひさんなことばかりな気がするが。
すくわれねぇなあ
>>409-411 普通の図書館には、「カテゴリ分けし切れないもの」「カテゴリ不明なもの」を収録するカテゴリとして
「049 雑著」という区分があるけどね。
バラバラがまずいなら、「雑著」や「その他」でひとくくりでいいかも?
>>437 その分はkogane氏のユーノ×レティSSが来た時に報われる事でも祈ろうかね。。。
>>428 非エロもOKってのが一番要素として大きいと思う。
>>420 >それをいうなら、もう一人のなのはが翠屋のドアを空けた後どうなったのかを
翠屋?あの話はなのちゃんが「高町家」の前でたたずむとこで止まってなかったか?
>>441 だろうな。
それに加えて、エロはエロで、非エロは非エロで面白い作品を投下する職人様方が多いのも理由の1つだろうか。
そういや他のエロパロ板って行ったことないけど、エロ限定ばっかりなん? エロに至るまでの非エロが何話か続くも駄目とかそういう感じ?
エロパロ板はひとつだけですぜ…
間違った。他のスレ、だった……orz
昔 居たスレと比べてだど、ここのスレの進行速度は異常だと思う。
昔居たスレでは長編を投下すると叩かれるという不思議なスレが有ったな
エロパロ板じゃないが
長編は未完になる可能性が結構あるからかな?
まあ長編はまず完結しないのが普通だもんねぇ。
えーと、司書の方。
というかここの古参の方にも質問なんですけど……。
「おにぎり」って、ジャンル分類されるほどSSの数、ありましたっけ?
67スレで野狗氏が投下した「おにぎりの話」だけの筈です
一本だけなので、ジャンル分けの必要は無いかも知れません・・・しかし、鮮烈なネタではありました
>>449 嘆かわしいな
思いついたことを形にするのはしんどいけど、やったからには完結するべきだろうに
風呂敷広げすぎて畳めなくなったときはどうすれば?
第一部完でwww
「俺たちは登り始めたばかりだからな……この果てしなく遠いリリカル坂をよ……」
「風呂敷を広げすぎていたような気がしていたが別にそんな事はなかったぜ!」
大丈夫だと思うけれどもリリカル坂を上り始めた作品がちらほら
とりあえず言っておくがよ、間あけすぎると……反応ものごっつい少なくなって切ないから長編はできるだけ間をおかずに投稿しようネ、職人さん方
最近のお人らは熱風のように投下してくだはる職人さんばっかりだけどさ
>>458 それが理想だけど長編って書き上げるのに体力いるからしょうがないんじゃない?
リアルの生活だって疎かにしちゃいけないんだし、どんなに間が開いてても暖かく迎えるのが俺達読み手にできることじゃないかな
>>458 頑張っている、頑張っているさ。
きっと明日には投下できる。朝か夜かはわからないけど。
461 :
三浦:2008/05/16(金) 23:13:39 ID:PWXgkqo5
そして、本編の途中で予定に無かったキャラとか作ろうとして、大幅に改変せざるを得なかったりしてます……
どーせ私なんか最初から大して目立ってませんがね(笑
>>462はミスです。ごめんなさい<(_ _)>
>>461 おかしいなぁ。
俺、書き込んだ覚えないのにw
最近のこのスレは思ったことを書き込むから困る。
>>451 ありがと。
一本だけか……うーん、喜ぶべきか照れるべきか。
と言うわけで投下行きます。
需要あんまり考えてません。(ホンマすまん)
ザフィ×はやがメインのはずだ。
はやて、壊れます。
今回はグロ(濃い描写はせず、しかし想像すると…OUT)
死にネタ
共に有り
タイトル「What Are Little Red Riding Hoods Made of?」(その2)
あぼ〜んは鳥かHNで。
今回はレス二つ分。
1
ザフィーラが自分の隣、王座に座っている。
「ザフィーラ、王になった気分はどない?」
「悪くない。こんなことなら、もっと早くお前を愛せば良かった」
「そやろ? 私は、闇の書の主。ザフィーラは私の主や」
シャマルが二人の前に跪いていた。
「主、ただいま二人が戻りました」
「そか、早う、入れてやり。成果は上げて来たんやろね?」
呼ばれ、シグナムとヴィータが入ってくる。それぞれ、手には大きな袋を抱え。
返り血に溢れたその姿はまさに修羅のものだった。
「主に逆らう者達を討伐して参りました。これがその証です」
二人が袋を開く。
ヴィータが並べるのはスバル・ナカジマとティアナ・ランスター。
シグナムが並べるのはエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。
四人の生首が並ぶ。
「ホンマにアホやなぁ……前みたいに私の手下になってたら、こんな風にならんですんだのに……。あれ? これで終わりか?」
「ご安心を、主」
ヴィータが言うと、袋の中から最後の一つが。そしてシグナムの袋からも同じく。
高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの……
「うぁあああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」
水を被ったような寝汗を撒き散らしながら、はやては飛び起きた。
「………夢?」
それはあまりにも生々しい夢だった。
「なんで…………嫌や、こんなん嫌や………どうして……」
「大丈夫か、はやて」
「起こしてもうたんか? ザフィーラ」
「気にするな」
睦言を囁くようにザフィーラが言う。
同衾していたのだ、気付かない方がどうかしているだろう。
「どうかなされましたか、主」
部屋のドアを開けて、ヴィータが顔を出していた。
大丈夫やで、と言いかけて、はやては違和感を感じる。
「ヴィータ?」
「なんですか、主」
2
今のお前は「主」だ。「はやて」じゃない。
ヴィータの眼差しが叫んでいた。
お前も同じになったんだ。
あたしたちを酷使して、力無き者をいたぶるんだ。
お前は「主」なんだ。あたしたちを傷つけ、辱め、貶め、利用するだけの存在なんだ。
この十数年間は、いい夢だったよ。でもこれからは、悪夢がまた始まるんだ。
今度は絶対に暴走しない「闇の書」を手に入れた「主」の、最大最悪の暴走が始まるんだ。
お前は最悪だ。最悪の「主」だ。
「ヴィータ……」
「はい。聞こえていますよ、主」
「……シグナム!!」
「ここに。何用でしょうか、主」
「シャマル!」
「は。なんなりと、主」
「リィンは、リィンは!!」
「……なんですか? 主」
「嫌ぁあああああああああああああああっ!!!!!!」
叫びが夢の壁を砕く。
砕けた世界の残滓の中、はやては少女と向かい合っていた。
「リィン……。……違う?」
「私はリィンですよ。マイスターはやて」
「でも……」
違う、そこにいるのは断じてリィンではない。しかし……
「私が本物のリィンです」
少女は微笑む。
絶対の忠誠と真心の笑みで。酷く虚ろに残虐に。
「“闇の書”の化身たる、本物のリィンフォースです」
ああ。はやては頷いていた。
そうだ。
闇の書の主なのだ、私は。
夜天の書などという偽書に惑わされていた自分はあまりにも愚かだった。
今、改めてわかった。
私は主。
闇の書の主。
最強最後の「闇の書の主」
輪廻はこの時代で終わる。
永劫の支配と引き替えに。
弱者の悲鳴と強者の哄笑をあまねく世界に広めるために。
女王による制覇が始まる。その傍らに、守護の王を侍らせながら。
今回、以上です。
お粗末さまでした。
……って、今回で終わらせても、それはそれでまとまってるような気がしてきた(汗)
468 :
チョコボ:2008/05/17(土) 00:16:15 ID:YCzonWtY
>>466 野狗氏お疲れ様です
業務連絡。書庫のリンクある程度貼ってきました
4つほど抜けてます、ごめんなさい…(力尽きた)
>>450 「おにぎり」など作品数が少ないタグ(候補)は検討中です
ある程度作品数が増えるor筆者が増えた時にでも作ろうかと
納豆なら追加してもいいのかな?
>>466 乙であります。
ただ一つだけ言わせてもらえるなら、もう少し書き溜めてからの投下のが
良かったと思いますよ?ちょっとコメントを付けづらい分量になってるかと。
>>468 見ました。
タグの統廃合は今のところ17スレまで終わりましたが、いずれ短篇と短編はまとちゃおうと思います。
>>468>>470 保管庫のtokobo、nano69の両人とも、乙です
更新履歴を見ればここ数日の頑張りが一目瞭然…。
保管庫の皆さま、お疲れさまです
夜食にとか差し入れたいくらいです
なるほど、納豆の差し入れか
納豆とおにぎりをキシャーをパンツに入れて、JS通販で送るんですね。
あと、ソープナンバーズ無料券とゴ○○を。
わかります。
ナカジマ姉妹丼て異常な愛情だけ?
477 :
B・A:2008/05/17(土) 02:59:34 ID:6toxVqyZ
というわけで2話ができた。
まったり空気を引き裂いてアドレナリンとか出ると思うけど投下しても良いですか?
YES!!HURRY!HURRY!!
来い来い来い来い!!!
480 :
B・A:2008/05/17(土) 03:03:11 ID:6toxVqyZ
このペースを最後まで保てれば良いんだけどなぁ。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロです、そしてバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・僕はヘイトじゃないしヴィヴィオは大好きだ。けど、悩んで苦しみながら答えを模索する主人公はもっと好きだ。
第2話 「夢と正義と」
生温い。
デバイスを通じてリアルタイムで流れてくるヴィヴィオの行動を見て、セリカは忌々しげに歯噛みした。
犯人の行く先に回り込み、警告を発したところまでは良い。だが、何故デバイスを起動していない? 素手で捕まえられると思っていたのだろうか?
もし本当にそう思っていたのなら、抜け作も良いところだ。応援を要請した局員が言っていたではないか、犯人は質量兵器の密売グループの一味だと。
ひょっとしたら、武器の一つや二つは隠し持っているかもしれないと考えるのが常套だ。なのに、彼女は自分が人より頑強であることに慢心して無防備にも素手で犯人に接近した。
挙げ句、爆弾に驚いて犯人を逃がしていたのでは呆れを通り越して怒りが沸いてくる。
(生温いのよ、あんたは・・・)
胸中に渦巻く怒りを抑え込み、セリカは愛杖を構える。彼女が失敗したのなら、自分がやるしかない。
「・・・・奴は私が撃墜する」
『撃墜って・・・セリカちゃん、ここは市街地だよ、周りに人が・・・・』
一方的に通信を切り、呼吸を整える。
二次被害?
無関係な人が巻き込まれる?
知ったことか。今ここで犯人を取り逃がし、また質量兵器を作られる方がより多くの被害を出す可能性がある。
この場で取り押さえることができるのなら、何人が傷つこうと安いものだ。
「やるわよ、RH。あなたの正義を示しなさい」
セリカの足下にミッド式の魔法陣が展開する。
彼女の言葉に、手にした杖は答えない。別におかしくとも何ともない、このデバイスは見た目こそあのエース・オブ・エースが使用していたレイジングハートとそっくりだが、
元々は支給品のストレージデバイスである。自分の特性に合わせてカスタマイズしてはいるが、インテリジェントデバイスのような質疑応答機能は搭載されていない。
詰まるところ、これは儀式である。自分の意識を戦闘用に作り替えるための大切な儀式。
その思いに応えるように、RHの先端に灰色のスフィアが形成される。
「ディバイン・・・・バスタァァァァァッ!!」
トリガーボイスと共に野太い閃光が迸り、一拍遅れて犯人が乗った車が炎上する。
車はひしゃげた車体のまま蛇行し、ガードレールにぶつかって停止した。突然車線に入ってきた車を避けようとした対向車が横転しかけるが、
それは虚空に出現した魔力の網にぶっかって何とか事なきを得る。どうやら、ヴィヴィオがホールディングネットを展開したようだ。
他にも、事故を起こしかけた車は軒並みバインドで固定されており、死者はおろかケガ人一人出ていない。唯一人、逃亡していた犯人を除いて。
「・・・・・」
何の感慨も抱いていない冷めきった目で下界を見下ろす。また一人悪人が消えた。セリカにとって、これはただそれだけのことであった。
ただ、自分のことをまるで未知の怪物のように見つめるヴィヴィオの視線が気に入らず、すぐに地上へ降りようという気は起きなかった。
□
「捕まった男は全治二ヶ月の大火傷だ。逮捕のためとはいえ、今回は些かやり過ぎたな」
大通りの捕り物から数日後、セリカは所属する203部隊の部隊長室に呼び出された。もちろん、彼女の行き過ぎた行為に対する査問会の結果を通達するためである。
「市街地での無許可の飛行、周辺の被害や犯人の生命の安全も考えず砲撃。ケガ人が出なかったのが奇跡だ・・・その場に居合わせた機動六課の隊員に感謝するんだな」
「はい・・・」
「査問会はお前に一週間の自宅謹慎と二ヶ月間の減俸を通達してきた。私としても今回は庇い切れん、謹慎を七日に留めるのが精一杯だった」
「感謝しています」
「午前の訓練が済み次第、寮へ戻れ・・・・・良いな」
「失礼します」
一礼し、セリカは部隊長室を後にする。すると、そこには何故かヴィヴィオが不安そうな表情を浮かべて彼女のことを待っていた。
「何だ・・・・来ていたんだ」
「うん、近くまで来たから、ちょっと・・・・・・・あの、査問会・・・どうだった?」
「謹慎と減俸。別にあんたが気にすることじゃないわ、初めてじゃないし」
「え?」
「言葉通りの意味よ」
あんな風な暴走行為を過去に何度もしているということらしい。
ヴィヴィオは目の前が真っ暗になったような錯覚を覚えた。
自分が良く知るセリカはこんな娘ではなかった。確かに、いつも強気で厳しい性格だったが、優しくて友達思いの少女だった。
「どうして? セリカちゃん、なんであんなことを!?」
「何で? あんたがミスったからよ。あそこで取り逃がさなかったら、私は撃たずに済んだ。もっとも、私が先に見つけていたら躊躇わず撃っていたでしょうけど」
「周りにいた人達は? もし砲撃に巻き込まれたらどうするつもりだったの?」
「それで犯人が捕まるのなら、私は後悔しない。あそこで逃がしていたら、あいつはまた罪を犯していたわ。
あいつの持っていた質量兵器、あれが出回ればどうなっていたと思う? きっと、もっと多くの被害が出るはずよ」
「だからって、無関係な人を巻き込む理由にならないよ!」
「それで未然に防げるのなら御の字よ。だから私は躊躇しない。悪党だろうと善人だろうと、害になるならみんな撃ち抜くだけ」
「・・・・!」
思わずカッとなり、ヴィヴィオは手を上げる。しかし、その手は呆気なく受け止められてしまった。
「へぇ・・・・・・昔は人を叩くなんて死んでもしなかった癖に、変わったわね」
「叩かなきゃ伝わらない思いもあるって、何度も味わったから・・・・・・・・」
「自分は誰にも傷つけられないから、誰も傷つけたくないだっけ? あの傲慢な考え方も少しはマシになったってことか」
「それでも、私だけ痛くないのは良い気分しないけど」
ヴィヴィオの聖王の鎧は本人の意思と無関係に発動するため、ヴィヴィオが傷を負うことはほとんどない。その意味を嫌というほど思い知ったのは、彼女が九歳の時であった。
当時、魔法学院の初等部に通っていたヴィヴィオは、母親譲りの強い正義感を持った子どもで、クラスのいじめっ子と真っ向から対立していた。
それを快く思わなかったいじめっ子とその取り巻きは、あろうことかヴィヴィオに熱湯をかけるという暴挙に及んだのだ。
水筒の熱湯をぶちまけた瞬間、その子達は火傷の痛みで泣き喚くヴィヴィオの姿を想像した。だが、立ち上る白い湯気の向こうから現れたのは、火傷一つ負っていない無傷な白い肌であった。
普通の人間ならば顔に大火傷を負うかもしれない大惨事であったが、ヴィヴィオの聖王の鎧が彼女を熱湯から守ったのだ。
そして、その日からヴィヴィオの生活は一変した。今までも、ヴィヴィオの人並み外れた頑強さを不思議がる人間は多かったが、その出来事以来まるで怪物でも見るかのようにヴィヴィオに誰も寄り付かなくなった。
熱湯を浴びても平気な顔をしている。
ナイフで切りつけても傷つかない。
屋上から飛び降りても死なない。
噂は噂を呼び、いつしかヴィヴィオは一人ぼっちになっていた。
そしてその一件以来、ヴィヴィオは暴力を振るうことを極端に恐れるようになったのだ。
今でこそ立ち直れているが、それでも余り気持ちの良いものではない。
「セリカちゃんのおかげなんだよ」
「え?」
「ずっとこの力に悩んでいた・・・・・他の人と違う虹色の光が嫌いだった。けど、セリカちゃんとの思い出があったから、私は魔導師を続けることができたの」
あれは確か、自分とセリカが初めて会った時のことだ。中等部からの編入組であったセリカは、自分が傷つかない体であることもそれが理由で周りと疎遠になっていたことも知らなかった。
だから、ごく当たり前に近づいてきて、ごく普通に仲良くなった。そして、聖王の鎧のことを打ち明けても、他の学生のように自分のことを気味悪がったりしなかった。
『いらなかったら私に頂戴。もちろん無理よね、才能ってそういうものなの。あんたの一部に変わりないんだから、きっちり最後まで付き合いなさいよ』
そう言って、自分のことを対等に扱ってくれた。その瞬間から、自分達は親友になったのだ。
「あの頃はまだ、セリカちゃんの優しさに甘えていただけだったけど・・・・・私、強くなれたと思うんだ。
この力が私の一部なら、みんなのために役立てたい・・・・そう思えるようになれたのは、セリカちゃんのおかげなんだよ」
「ヴィヴィオ・・・・・あんた・・・・・」
ここが陸士隊の隊舎だということも忘れ、ヴィヴィオは目を潤ませながら訴える。彼女の純粋なオーラに呑まれたのか、セリカは思わず二、三歩後ずさった。
余り、こういう展開には慣れていないのだ。
「まったく、何で言い争っていたのか忘れちゃったじゃない」
「にゃはは・・・・・私も」
「お気楽者め・・・・・・また私が街中で砲撃ぶっ放したらどうする気?」
「その時は、全力全開で私がフォローに回るよ・・・・・セリカちゃんには、誰も傷つけて欲しくないから」
「言ってくれるわね・・・・・・そこまで言うなら、実力がどれほどのものか見せてもらうわよ」
「え?」
セリカの言葉に、ヴィヴィオの目が点になる。余程面白い顔をしていたのだろう、ヴィヴィオの驚いた顔を見たセリカは、腹を抱えておかしそうに笑っていた。
□
ガランとした訓練室を見回しながら、ヴィヴィオはため息をついた。その手には起動したレイジングハートが握られており、バリアジャケットも既に展開されている。
「模擬戦なんて中等部の実技実習以来ね・・・・・・覚えている、私達のクラスの特別ルール?」
「例え無効化されても、クリーンヒットさせたら勝ち・・・・・・覚えているよ」
それは、聖王の鎧を持つヴィヴィオと他の生徒達のハンディキャップをなくすために考えられた苦肉の策であった。
頭部から胴体にかけて、どこでも良いから一撃入れればそれで試合は終了。例えそれによるダメージがなくとも、入ったと見なされれば勝敗を決することができる。
そうすることで、攻撃を全て無効化してしまうヴィヴィオもみんなと同じように戦うことができた。
「セリカちゃんは当てるの上手かったよね。バリアの隙を突かれてすぐ負けちゃった」
「あんたはバリアごと潰しにくるから避けるのに苦労したわ」
「にゃはは・・・・懐かしいなぁ・・・・・」
レイジングハートを弄びながら、ヴィヴィオは懐かしい思い出に浸る。色々と辛いこともあったが、やはり魔法学院で過ごした日々は自分にとってかけがえのない宝だ。
あの頃のクラスメイトは、今頃どこで何をしているだろうか?
「そうだ・・・・・誘っといてなんだけど、あんた仕事は良いの?」
「へ? あ、うん・・・・・用事はもう済ませてあるから、午後までに帰れれば良いよ」
「そう。なら、安心してやり合えるわね」
静かな闘気をその身に纏わせ、セリカはほくそ笑む。
彼女のデバイスはヴィヴィオが持つレイジングハートと酷似していた。異なる点はカラーリングが燃えるような赤であることと、先端の宝石が白であるということくらいだ。
また、バリアジャケットも所々に赤いラインが走っていたり、スカートがミニスカートではなくスリットの入ったロングスカートになっていたりと細部は異なるが、
大本のデザインはヴィヴィオのバリアジャケットと同じであった。
「そういえば、あんたのデバイスの名前をまだ聞いていなかったわね・・・・・・まあ、その形を見れば誰でも一目瞭然だけど」
「あ、やっぱりわかるの?」
「あのエース・オブ・エースが使っていたものよ、管理局内で知らない人はまずいないんじゃない?」
「うん・・・・・レイジングハート・エクセリオン。私のお姉さんみたいなものかな」
《Thank you, Lady》
ヴィヴィオの言葉に、レイジングハートが感謝の言葉を述べる。
実際、ヴィヴィオにとってレイジングハートはただのデバイスではなく、母や父に次ぐもう一人の魔法の先生であった。
少し口うるさいところもあるが、彼女にとっては大事な家族の一員だ。
「セリカちゃんのデバイスは? 形は似ているけど、それってストレージだよね?」
「ええ。私はインテリジェントが使えないから、こっちを選んだの。名前は・・・・・・・・」
セリカはデバイスをクルクルと回転させ、水平に構える。
「RH(レイジングハート)」
「え?」
驚くヴィヴィオを無視して、セリカは精神を研ぎ澄ませる。口からは、自然とあの言葉が発せられていた。
「さあ、始めましょう。ヴィヴィオ、あんたの正義を示しなさい」
□
「・・・・・と、いうわけでして」
優雅にソファの上に腰かける女性に、203部隊部隊長は申し訳なさそうに頭を下げた。二回りも年が離れた相手に謙るその姿は、何だか情けなくもあった。
「そうですか・・・・・・その娘と会うのを楽しみにしていたのですが」
「本当に申し訳ありません。何分、入局してまだ一年の新人でして」
「いいえ、そういう子の扱いには慣れていますよ。昔、それで手痛い目に合いましたから」
昔を懐かしむように女性は目を細める。
「例のあの部隊ですか?」
「ええ、あの時のわたしはまだ若くて失敗ばかりで・・・・・・・」
「ご謙遜を・・・・・かの事件を解決に導いた英雄、完全無欠のエースであったと聞き及んでいましたが?」
「熱心過ぎたんですよ。昔から思い込んだら一直線で、そのせいで周りのことなんか全然目に入らなくなるんです。そのせいで、生徒一人に嫌われちゃって」
「誰にでも間違いはありますからな。それで、その生徒さんは?」
「何とか和解できまして、今は執務官をしています。この前、元気にやっているとお手紙をくれました」
「それは良かった。やはり、あなたは素晴らしい教導官のようだ。お呼びした甲斐があった」
部隊長の言葉に女性は上品な笑みで応える。それで気を良くしたのか、部隊長の顔がわかりやすいくらい緩んでいった。
どうやらこの男、目の前の女性に気があるようだ。
「ははっ・・はははっ・・・・・・」
「あら、どうかされましたか?」
「ああ、失礼・・・・・そうだ、お時間が宜しければ隊舎の中を案内致しましょうか? 明日から教導してくださるのですから、隊の様子を把握しておいた方が宜しいでしょう?」
「そうですね、なら・・・・・・・・」
女性が頷き、立ち上がろうとする。
その時、部隊長室の扉が勢い良く開いて隊員らしき男が駆け込んできた。
「部隊長!」
「来客中だ、ノックくらいしなさい」
「も、申し訳ありません。しかし、セリカの奴が・・・・・」
「またか!? 今度はいったい何をやらかしたんだ?」
先程まで話題に上がっていた少女の名を聞き、部隊長は憤慨する。
一方、ソファに腰かけた女性は落ち着いた様子で紅茶を一口すすると、どことなく楽しそうに微笑むのだった。
「さあ、始めましょう。ヴィヴィオ、あんたの正義を示しなさい」
□
「・・・・・と、いうわけでして」
優雅にソファの上に腰かける女性に、203部隊部隊長は申し訳なさそうに頭を下げた。二回りも年が離れた相手に謙るその姿は、何だか情けなくもあった。
「そうですか・・・・・・その娘と会うのを楽しみにしていたのですが」
「本当に申し訳ありません。何分、入局してまだ一年の新人でして」
「いいえ、そういう子の扱いには慣れていますよ。昔、それで手痛い目に合いましたから」
昔を懐かしむように女性は目を細める。
「例のあの部隊ですか?」
「ええ、あの時のわたしはまだ若くて失敗ばかりで・・・・・・・」
「ご謙遜を・・・・・かの事件を解決に導いた英雄、完全無欠のエースであったと聞き及んでいましたが?」
「熱心過ぎたんですよ。昔から思い込んだら一直線で、そのせいで周りのことなんか全然目に入らなくなるんです。そのせいで、生徒一人に嫌われちゃって」
「誰にでも間違いはありますからな。それで、その生徒さんは?」
「何とか和解できまして、今は執務官をしています。この前、元気にやっているとお手紙をくれました」
「それは良かった。やはり、あなたは素晴らしい教導官のようだ。お呼びした甲斐があった」
部隊長の言葉に女性は上品な笑みで応える。それで気を良くしたのか、部隊長の顔がわかりやすいくらい緩んでいった。
どうやらこの男、目の前の女性に気があるようだ。
「ははっ・・はははっ・・・・・・」
「あら、どうかされましたか?」
「ああ、失礼・・・・・そうだ、お時間が宜しければ隊舎の中を案内致しましょうか? 明日から教導してくださるのですから、隊の様子を把握しておいた方が宜しいでしょう?」
「そうですね、なら・・・・・・・・」
女性が頷き、立ち上がろうとする。
その時、部隊長室の扉が勢い良く開いて隊員らしき男が駆け込んできた。
「部隊長!」
「来客中だ、ノックくらいしなさい」
「も、申し訳ありません。しかし、セリカの奴が・・・・・」
「またか!? 今度はいったい何をやらかしたんだ?」
先程まで話題に上がっていた少女の名を聞き、部隊長は憤慨する。
一方、ソファに腰かけた女性は落ち着いた様子で紅茶を一口すすると、どことなく楽しそうに微笑むのだった。
しえん
□
ヴィヴィオに向かって灰色の魔力弾が飛来する。不規則に揺れながら弧を描く軌道は誘導操作弾特有のものだ。
それが四方八方から、畳みかけるように襲いかかってくる。
「ほらほら、逃げてばかりじゃ勝てないわよ!」
「わ、わかっているよ!」
魔力弾をラウンドシールドで受け止めながら、ヴィヴィオは旋回する。別に当たったところで聖王の鎧があるのでダメージはないのだが、
一撃でも体に当たれば負けというルールなので被弾する要素はできるだけ減らさねばならない。こと精密射撃においては、自分よりもセリカの方が遙かに分があるのだ。
《お嬢様、アクセルシューターを使用することをお勧めします》
「わ、わかっている・・・・・レイジングハート!」
《Load Cartridge》
「アクセルシューター・・・・・」
《Accel Shooter》
「・・シュートっ!!」
足を止めると同時に、生成したスフィアから十二発の魔力弾を発射する。
高速で飛行しながらの撃ち合いにおいて、足を止めるということは自殺行為にも等しい。現にヴィヴィオの眼前には数十発の魔力弾が迫ってきており、
距離的に回避行動はもう間に合わない。だが、ヴィヴィオは自信ありげに微笑むと、呼吸を整えながら意識を集中した。
頭に思い描くのは魔力弾の軌道。
余分な思考を廃し、相手の動きと自分が動かす魔力弾だけを意識に留める。
「・・・・・そこ!」
瞬間、浮遊していた数発のアクセルシューターが不規則な動きを見せ、着弾寸前だったセリカの魔力弾を撃ち抜いた。
それだけに留まらず、残りのシューターも向かってくる魔力弾を迎撃しながらセリカへと目がけて高速で飛んで行く。
アクセルシューターは攻撃と防御を兼ね備えた誘導弾だ。正確無比なコントロールにはかなりの集中が要するので、使うためには動きを止めねばならないが、
一度発動すれば相手の攻撃を迎撃しつつ射撃の嵐で動きも封じることができる。
「・・・やるわね」
「よし、そのまま・・・・・・」
「けど甘いわ」
攻勢に転じ、調子に乗り始めたヴィヴィオにセリカは冷ややかな笑みを浮かべる。まるで、遊びの時間はここまでだと言わんばかりに。
そして、セリカもまたヴィヴィオと同じく空中で滞空し、RHを構える。
「アクセルシューターっ!!」
紡がれたのはヴィヴィオが使用した魔法と同じ名前だった。
撃ち出された十二発の灰色のシューターを見てヴィヴィオは驚愕し、ほんの少しだけ集中が途切れてしまう。
その隙を突いて、セリカのシューターがヴィヴィオのシューターを相殺していく。
「あんただけの魔法じゃないのよ」
「・・・・っ!」
《熱くならないでください、集中を》
「わかっている!」
そうは言うものの、自分が得意とする魔法を同じように使用された衝撃は大きい。
何とか立て直そうと意識を研ぎ澄ますも、動揺のせいか焦りが募っていくばかりだ。
「どうしたの? さっきみたいな台詞を吐きたかったら、せめて私よりも強くないといけないのよ!」
「・・・・っ・・・・!」
「答える余裕もなしか・・・・」
焦ってこちらの言葉も聞こえなくなっているヴィヴィオを見て、セリカはシューターの動きを止める。
そして、訝しげるヴィヴィオに向かって言った。
「ヴィヴィオ、あんたはどうして魔導師になったの? なんで管理局で働いているの?」
まるで責めるようにセリカは問いかける。
時に言葉は剣よりも鋭い武器となる。言葉の刃はどんなに堅牢な鎧も易々と搔い潜り、心臓よりも更に奥深くへと突き刺さる。
これは彼女なりの攻撃であった。
同時に、彼女にしかできない攻撃でもあった。
「答えなさい、あんたは何故管理局の局員をしているの?」
「それは・・・・・」
一瞬だけ、ヴィヴィオは口ごもる。だが、すぐに頭を上げてセリカのことをまっすぐに見つめ直した。
「私は、ママみたいな魔導師に・・・・・ううん、ママよりももっと凄い魔導師になりたいの」
自分と今の母親に血の繋がりはない。だが、それでも彼女は自分のことを愛してくれた。
どん底の絶望から救い出してくれた自分の母。
傷つきながらも希望を見せてくれた母。
どんな時も助けてくれると約束してくれた不屈のエース。
ヴィヴィオにとって、母親は優しさと強さの象徴であった。そして、その日からずっとあの人のようになりたいと願い続けてきた。
それは年を経るにつれてどんどん大きくなっていき、やがては母親を超えることが目標となった。
それが自分にできるせめてもの恩返しだ。
あなたの娘は、こんなにも立派な魔導師になれたのだと証明したい。
それがヴィヴィオの切なる願いであった。
「だから、私はこの道を選んだ。ママみたいに・・・・・・あの人みたいに強くなって、誰かの力になりたいから!」
今は未熟かもしれないけれど、いつか必ずあの人の立っている場所まで飛んでみせる。
それが、十二年前に自分を抱き締めてくれたあの人と誓ったことだから。
「綺麗ね・・・・・・眩しいわ」
「セリカちゃんは!? セリカちゃんはどうして管理局に入ったの?」
「私はもっと単純な理由よ、別に自慢できるものでもない」
クルクルとRHを弄びながら、セリカはどこか気恥ずかしげに、しかしハッキリと宣言するように告げる。
「私はみんなが安心して過ごせる平和な世界を作りたい、ただそれだけよ」
「それだけ?」
「戦う理由はそれだけで十分でしょ? みんなが笑っていて欲しいから戦える、それだけで十分よ」
「そっか・・・・・・」
ヴィヴィオの中でセリカへの疑問が氷解していく。
つまり、セリカは人よりもほんの少し正義感が強くなっただけなのだ。悪いここやいけないことが許せないから、あんな風な行き過ぎた行為に出てしまったのだ。
目指すところは同じだ。
母親のように人助けがしたい。
みんなが平和に暮らせる世界を作りたい。
どちらの願いも、行きつく先は人を助けるということに他ならない。
「尚更、負けられなくなっちゃった」
「どうして?」
「セリカちゃんに悪いことはして欲しくないから」
「悪かったわね、暴力女で!」
「そんなこと言っていないよぉ」
どちらからというでなく、二人は笑いだす。
そして、強い眼差しでそれぞれのデバイスを握り直した。
「試合再開ね」
「良いよ、いつでも来て」
ヴィヴィオの言葉に、セリカは唇の端を吊り上げてシューターを加速させる。
対するヴィヴィオも新たにシューターを撃ちだし、迎撃を試みる。
それは一種異様な光景だった。
術者は互いに一歩も動かず、魔力弾だけがぶつかっては消えていく。戦いと呼ぶには余りに静かで厳かなそれは、まるでチェスのようであった。
事実、二人の頭にあるのは如何に相手の裏をかくかというシンプルな思考のみだった。
シューターの軌道を見切り、相殺し、減った分は新たに撃ち出す。延々と続くかに思われたその繰り返しを先に崩したのは、ヴィヴィオの方だった。
「レイジングハート、やるよ!」
《All right, Lady》
レイジングハートを腰だめに構え、カートリッジを炸裂させる。
同時に、思念制御を離れたシューターが明後日の方向に飛んでいき、儚い虹色の光を残して霧散していく。
防御魔法も展開せず、迎撃のための魔力弾もない完全なる無防備な態勢。だが、それで良いのだ。既に布石は打たれている。
「セイクリッド、クラスタァァッ!!」
レイジングハートから虹色の魔力弾が放たれる。迫りくる八発の魔力弾に対してこちらは一発、どう考えても不利だ。
そう思わせるのが狙いである。何故ならこの魔法は・・・・・・・。
「拡散した!?」
まるで山茶花の種のように魔力弾が弾け飛び、小型の弾丸となってセリカのシューターに降り注ぐ。
放射状に広がっていく無数の魔力弾を避けることはできず、灰色のシューターは尽く虹色の散弾によってかき消されていった。
同時にセリカは気づいた。自分とヴィヴィオの間を隔てるものが、これでなくなったことに。
《Flash Move》
虹色の翼を羽ばたかせ、ヴィヴィオは一気に距離を詰める。
機動性を度外視した、加速と速度に優れた高速移動魔法。その加速に魔力を上乗せし、相手が反応するよりも前にレイジングハートを叩きつける。
「やぁぁぁぁっ!!」
《Protection Powered》
ヴィヴィオのフラッシュインパクトとセリカのプロテクション・パワードがぶつかりあい、火花を散らす。
直後、セリカの背中を狙っていた魔力弾が灰色のバリアに阻まれて虚しく霧散した。
「特攻を囮にして背後を狙う、固いのが取り柄のあんたらしい手ね」
「あぁ・・・・・自信あったのに」
セリカが全方位型のバリアではなく、一方だけに障壁を展開するシールドを使用していればヴィヴィオの勝ちであった。
「十年早い!」
《Barrier Burst》
バリアが爆発し、その爆風で二人の距離が大きく開く。朦々と舞い上がる白煙は視界を塞ぎ、お互いの姿を隠す。
その煙が晴れた時、二人のデバイスの先端がどちらも音叉状に変形していた。
《Load cartridge》
《Divine buster. Extension》
「ディバイン・・・・・・・」
「・・・・・バスタァァァァァッ!!!」
虹色と灰色の砲撃魔法が真正面からぶつかり合う。冗談じみた魔力の渦が訓練室の壁を揺るがし、空中で激しい反応爆発を起こす。
それぞれの砲撃は互いに相殺し合い、やがて静かに尾を引きながら消えていった。
「はい、そこまで」
不意に、第三者の声が割り込んでくる。
振り向いたヴィヴィオは顔色を変えて驚愕し、セリカは頬を染めて驚愕した。
「二人とも、訓練室の無断使用で始末書ね。それとヴィヴィオ、色々と嬉しいこと言ってくれたけど、後でちょっと頭冷やそうか?」
いつの間に集まっていたのか、入口付近には多くの隊員達がいた。そして、その中心に立っていたのはヴィヴィオの母、
不屈のエース・オブ・エースの称号を持つなのは・T・スクライアであった。
「ママ・・・・どうしてここに?」
「明日からこの部隊の教導をすることになっていて、今日はその下見なの。けど、面白いものが見れたなぁ」
「あわわわわ・・・・・・・」
日頃の強気な態度と打って変わり、ヴィヴィオは助けを求めて首を振る。
慈母のような優しい笑みを浮かべているが、なのはは怒るともの凄く怖いのだ。
一方、セリカはまるで恋する乙女のようになのはのことをウットリと見つめていた。
「なのはさん・・・・」
「うん?」
「あ、いえ! 高町・スクライア二等空佐!」
「そんなに畏まらなくて良いよ。それに、何度か家に遊びに来てくれたことがあったよね」
「は、はい! その、恐縮です!」
緊張の余り、自分でも何を言っているのかよくわからなかった。ただ、喜びが胸の奥から沸々と込み上げてきているのはわかる。
何を隠そう、なのは・T・スクライアはセリカの憧れの人なのだ。
「ママ・・・・私、次の仕事が・・・・・」
「あ、お昼休みだ。それじゃ、ちょっとこの娘借りていきますね」
「えぇぇん、助けてぇぇ」
ヴィヴィオは情けない声を上げながらなのはに引きずられていく。その後ろ姿を呆然と見送っていたセリカは、背後に感じた悪寒に背中を震わせた。
「素晴らしい模擬戦だった。だが、無断使用した件を見過ごす程、私は優しくないぞ」
「た、隊長・・・・・・」
「ついでに君も頭冷やされてきなさい。なに、死にはしないだろう」
「はい!」
□
深夜のクラナガンを複数の影が疾駆している。
それはまるでお菓子のビーンズをそのまま大きくしたような形をしており、中央には橙色に輝く球体が填め込まれている。
それは、十二年前に度々ミッドチルダ各地に出没していた自動機械、ガジェットドローンと呼ばれるものだった。
ジェイル・スカリエッティという男が自らの手足として使役していた機械の兵隊。本来ならば、JS事件の解決と共にこの世界から姿を消したはずであった。
だが、何故かガジェットはこうして稼働しており、赤いコードを引きずりながら薄暗い路地裏を飛び回っている。特にこれといった目的はないのか、
ある一定のところまで進んだら反転し、また進むという行為をずっと繰り返しているのがまた何とも不気味であった。
「クロスファイヤー・・・・・シュートッ!!」
不意に橙色の魔力弾が降り注ぎ、ガジェットは煙を噴きながら動かなくなる。
相手が完全に機能を停止したと確信した射手は、幻術を解いてその姿を月明かりの下で露にした。
橙色の髪に勝気そうな目つき。細く華奢な体は黒い執務官服に包まれており、その手には二丁の拳銃型デバイスが握られている。
ティアナ・ランスター。
かつては機動六課の新人であった彼女も、今では立派な執務官であった。
「ご苦労さまです、ランスター執務官」
「周りにガジェットの気配、確かにないのね?」
「ええ、これっぽっちも」
周囲を警戒していた武装局員が、他の局員と通信して確認を取る。
それが事実だとすると、些か妙だ。ガジェットは何かしらのロストロギアに反応する性質を持っているのだが、薄汚れた路地裏にそんなものはない。
誰かが操っているような素振りもなかったので、十二年前の生き残りが今になって動き出したのだろうか?
「何にしても、良い気はしないわね」
最近、ガジェットの目撃件数が少しずつ増えていっている。
これが何かの前兆でなければ良いと、ティアナは思わずにはいられなかった。
to be continued
494 :
B・A:2008/05/17(土) 03:48:01 ID:6toxVqyZ
以上です。
一話よりも更に長い。なんてこった・・・・・当分過剰摂取が原因か。後、人生で初めて書き込み速度の規制を食らったよ。
前回、ティアナっぽいと言われたセリカのキャラはこんな感じです。賛否が分かれそうな娘でちょっと不安。
後、今回はエリオを出して終わる予定だったのにそこまで行けなかった。
以下、補足説明と登場人物紹介。
なのは・T・スクライア
ヴィヴィオの義理の母。本局航空戦技教導隊隊長。31歳(きっともうすぐ年齢不詳になる)。階級は二等空佐(なろうと思えば将官も狙えるけど器じゃないと拒んでいる)。
本作6年前に体に不調が生じ、4年前に最前線から身を引いた。現在は魔力もかなり落ち込んでいる。
ティアナ・ランスター
本局執務官。27歳。再び出没し始めたガジェットについて調べている。
レイジングハート(便宜上“RH”と表記)
セリカの使用するストレージデバイス。支給品のストレージを徹底的にカスタマイズしたもの。
見てくれはまんまレイジングハートで、質疑応答機能はないがカートリッジシステムを搭載し、デバイスモードとシューティングモードへの可変機構を持つ。
ちなみに綴りはRaging Heart
495 :
B・A:2008/05/17(土) 03:50:26 ID:6toxVqyZ
それと司書の方、
>>486は二重投下なので、その部分は保管しないでください。
焦ってボタン連打するなんてなんて凡ミス。
それと、支援ありがとうございました。
>>495 再び動き始める邪悪な影
そしてヴィヴィオとセリカの激突
どういった展開になっていくのかすごく楽しみです。
1,2話と一気に読みましたが、フェイトはやっぱり亡くなっちゃったんですね
エリオとルーテシアの結婚の時からすごく弱ってたけど悲しいな・・・
GJです。
どうもお久し振りです(;゚Д゚)
熱き彗星〜ですが、投下してもよろしいでしょうか?
待ち焦がれてたぜ、もちろんOKだ。
どんどん投下してくれ。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
「うらぁぁぁぁぁっス!!」
魔力光を放つセッテのブーメランブレードを、アンダウンテッドアイアスが受け止める。
『Ray lance』
「!!」
ウェンディの左手に、青白い小さな魔力弾が、6っつ、集束する。
『multi shot』
ババババババッ
「くっ」
セッテは、アイアスの表面を蹴飛ばすようにしてウェンディから離れ、それを回避する。
そのまま、一度ウェンディから間合いを取り、ブーメランブレードを振りかぶった。
熱い彗星の魔導師たち〜Lyrical Violence + StrikerS〜
PHASE-18:Children’s(後編)
『Phantom Blazer』
セッテから見て、上方、水平方向にウェンディのやや後ろ側から、バーミリオンの魔力
弾が迸る。
「なっ!?」
『Burst shot』
軽く驚いたような声を出しつつも、セッテは急機動で、迫る複数の魔力弾を回避し続け
る。
「来るか!?」
バーミリオンの魔導師の射撃が途切れた瞬間、ウェンディが斬りこんで来る──そう判
断したセッテは、視線をウェンディの正面に向ける。
『Axel shooter』
「何っ!?」
しかし、ウェンディはまだ間合いを離したまま。アイアスの射撃端子から3発の魔力弾
が放たれる。
それは、少し鍛錬した人間であれば目で追える様な低速の弾丸だったが、
「くっ!」
セッテが急機動でかわすも、アクセルシューターの魔力弾は慣性のカーブを描いて、な
おセッテに迫る。
「この!」
セッテは左手を突き出すと、光の渦巻き模様のシールドを張り、魔力弾を正面から受け
止める。
バヂッ、バヂバヂッ
3発の魔力弾が、セッテのシールドと火花を散らし、霧散したかと思った瞬間。
「でやぁぁぁぁっ!」
「!」
ウェンディとは別の声。
『Blake slash』
ティアナがクロスミラージュを構え、セッテに振りかぶる。
「この!」
クロスミラージュとブーメランブレードが交錯し、バチバチと火花を散らして────
「セッテー!!!!」
丁度、セッテをはさんでティアナの正反対から、ウェンディも突っ込んできた。
「くっ」
左手でシールドを張り、ウェンディを受け止める。
「セッテ! どーして量産型が『ライディングボード』を装備してるっスか!?」
「そんな事、私が知るか!」
「嘘っス! この前の言い草、覚えてるっスよ」
ウェンディは即座に言い返す。
『ドクターやトーレは、コンセプト上では能力が半端な、万能型と言っていたが』
『どーゆー意味っスか!?』
『今すぐ解る』
ホテル戦でのセッテとのやり取り。明らかに何か事情を知っている者の言葉だった。
「どうしても聞きたければ、私を止めて見せればいいだろう!」
セッテが言うと、ブーメランブレードの発する光が、一際強くなる。
バチィッ
「あっ!?」
競り負けて、ティアナが相対的後方に弾き飛ばされる。
返す刀の勢いで、セッテは一気に、ウェンディを真芯から両断に斬りかかろうとする。
『Compulsive radiation』
バチィッ!!
「ぐぇっ」
「うぬっ」
アイアスが、射撃端子から魔力の強制放出を行った。反動で、2人は各々正反対の方向
に弾き飛ばされる。
『Load Cartridge』
ドンッ
「はぁぁっ!!」
咄嗟に構えなおしたセッテに、再び、ティアナがクロスミラージュを構えて突っ込んで
きた。競り負けぬよう、クロスミラージュはカートリッジを1発、撃発させる。
ガキィィィンッ!!
「貴様は! しつこいぞ!!」
「時空管理局機動6課所属、ティアナ・ランスター。今は貴方を、止める!」
セッテのブーメランブレードと凌ぎ合いながら、ティアナは掛け声のように、声を上げ
た。
「ランスター!?」
セッテの表情が、その眉間が怪訝そうにしわを寄せた。
「トーレと相打ちかけた、あの執務官の関係者か!?」
「!」
ティアナの顔色が変わる。
「なっ!?」
ウェンディも、目を白黒させた。
「クロスミラージュ!」
『Yes, Load cartridge』
「だりゃあぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!」
輝きを増すクロスミラージュの刀身を、ティアナは力任せに振りぬこうとした。
「ふんっ」
ヒュンッ
セッテの体が、瞬時に、その一体分下がる。クロスミラージュの刀身が空を斬った。
「この」
『Phantom blazer』
ドンッ
至近距離からの射撃を、セッテはしかし、難なくかわす。
だが、ティアナは即座に、次を発動させた。
『Crossfire shoot』
ドンッ
同様に、セッテは急機動でかわす。だが、その弾道は、慣性のカーブを描いて、セッテ
を追いかけてくる。
セッテは一気に上昇し、追いかけてくる誘導弾から逃れる。
『Revolver set』
「このぉぉぉっ」
ティアナがクロスミラージュの切っ先を、セッテの方に向ける。その同軸の円周上に、
6発の魔力弾が集束した。
『Phantom Blazer, Burst shot』
ドンドンドンドンドンドンッ
クロスファイアシュートの誘導弾に加え、6発の強力な直射弾が、セッテめがけて撃ち
上げられた。
しかし────
「ティアナっ!!」
ヒュンッ
『Protection』
「あっ!」
ティアナを抉りこむように迫ってきたブーメランブレードが、クロスミラージュが自動
で張ったシールドが、受け止める。
「どうした、この程度の力押しが能か!?」
「!」
セッテはブーメランブレードの軌道からさらに回り込み、シールドに阻まれたそれを、
ひゅっと片手で回収すると、そのまま、ティアナに斬りかかる。
ガキィィンッ
「なにっ!?」
「えっ!?」
ブーメランブレードを、アイアスが受け止めていた。素早く2人の間に割り込んだウェ
ンディは、
「セッテーっ!!」
と、叫び声を上げながら、普段の彼女からは想像もできない、険しい表情で、セッテを
睨んでいた。
「諸々ひっくるめて! ここで堕ちてもらうっス!」
セッテを睨みつけるウェンディの瞳が、やや黄緑がかった緑から、髪の色と同じ、鮮や
かな赤紫色に変わると、それが輝きを帯びる。
『Locke released』
アイアスがそう告げるように言ったかと思うと、伸ばされたウェンディの左手に、メタ
リックの、別の盾が、そこへ実体化する。
『ライディングボード』。ウェンディが装備する正真正銘の“オリジナル”だ。
「Metta, mentre Andando in bicicletta asse」
ウェンディの口が、無機質な言葉を紡いだ。
「何っ!?」
「うぉらぁっス!」
ドガッ
アイアスとブーメランブレードの交錯する点を支点に、ウェンディは薙ぎ払うような蹴
りで、セッテを蹴り飛ばした。
「ぐはぁっ!!」
セッテがそう、悲鳴を上げるが早いか。
『Load cartridge』
ドンドンドンッ
アイアスが、3発、立て続けにカートリッジを撃発させる。同時に、ウェンディは、両
に握られた盾を、その射撃端子を、蹴り飛ばしたセッテに向けた。
『Dual Buster canon』
スドォンッ
2基の射撃端子から放出された魔力光が、巨大なビーム砲のように一閃の光線となり、
セッテをその空間ごと、薙ぎ払った────
ドォンッ
アンブロークンイージスの表面で、受け止めたナイフが大爆発を起こす。
ミシリ……ッ
「くっ!?」
不気味な音がして、イージスの表面に亀裂が走る。
「イージス!?」
『Durability of the armor surface decreased to 40%. Main frames don't have damage.
Error is not in a system』
装甲としての強度が40%に低下、デバイスとしての機能に異常なし、と、イージスはユ
ーノに伝える。
「くっ……」
ユーノは少し焦れた表情で、チンクの姿を視線の先に追い、捉える。
────彼女の能力で、3次元的な動きをされると、かなり厄介だな……
以前からそう予測はしていたが、実際にぶつかってみると、地上・床面からしか投擲で
きない状況に比べて、遥かにその自在度が上がり、相手をする方としては、それだけ厄介
になっている。
「どうした、お前の力はこの程度で覆されるものだったのか」
チンクの言葉とともに、新たに3本の投げナイフが、ユーノめがけて投げつけられる。
「くっ」
『Protection, Dual exercise』
緑の光の2重盾が出現し、3本の投げナイフを受け止める。
ボン、ボンボンッ
投げナイフは爆発して消滅する。その爆炎を確認した瞬間、ユーノは捻るように体勢を
変えつつ、高度を上げながらその場を離れた。
ちらり、と視線を一瞬だけ移す。迸る射撃の閃光に、オレンジ色の航跡が追われている
のが見える。
チンクの挑発に乗るような性格ではなかったが、むしろそちらに焦りが生じた。
その時。
カッ
「!」
「なっ!?」
強力な魔力砲撃の閃光が、一瞬、あたりを照らした。
『Chain bind』
チンクの意識が僅かにそちらに逸れた瞬間、空中に出現した緑の光の鎖が、チンクの四
肢を絡め取る。
「しまった!」
空中で身動きを封じられ、チンクは歯を食いしばり、もがく。
「本来僕は、こういう魔法のほうが専門でね……」
「……知っている。ドクターが趣味が合いそうだと言っていた」
ユーノが険しい表情のまま言うと、チンクはユーノを睨みつけるようにしたまま、逆に
挑発するように、そう言った。
「それは遠慮願いたいね」
ユーノは、視線を更に険しくして、チンクに言い返す。
「レリック強奪事件の容疑と現行犯で、君を拘束させてもらう」
ユーノがそう宣言し、チンクに向かって近づこうとした時。
ふわり。
布キレか何かが舞うように、チンクの像が揺らいだ。
「シャマルさん! 捉まえて!」
「何!?」
揺らぎ、薄れていくチンクの表情が、驚きと困惑に歪んだ。
キィン……
すぐ下のビルの屋上に、正三角形の頂点にベルカ式の、緑色の光の魔法陣が駆動する。
「術式解析……隠蔽……転移……」
その魔法陣の中心でシャマルは直立ている。右手だけを水平に、前に上げた状態で、軽
く目を閉じた状態で、小さく呟く。右手に嵌められたクラールヴィントが、チカチカと瞬
く。
「駄目……逃げられるっ」
シャマルがそう言って、眼をハッと見開くのとまったく同時に。
バリーンッ
ユーノのチェーンバインドが、砕け散るようにして消失し、チンクの姿が、完全に夜空
に溶け込んで消えていった。
「…………」
ユーノは、無言でそれを見送ると、バリアジャケットのマントを翻して、アリサが交戦
している方向へと飛び去った。
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ
「ひぇぇぇっ」
2対1、2体の量産型戦闘機人が、アリサより上位を占めて、そこから激しく撃ち下ろし
てくる。
アリサは防戦すらままならず、オレンジ色の光の翼を千切らせながら、その合間を縫う
ように、急機動で回避しながら、飛行していく。
「この、撃ち返す隙もないわ!」
アリサがそう、毒ついた時。
カッ
強力な魔力砲撃が、雷光のように、あたり一帯を瞬かせる。
「!」
その閃光に、戦闘機人が、僅かにひるんだ瞬間。
「レイジングハート!!」
『Chain bind』
1体を、空中に出現したオレンジ色の光の鎖が、雁字搦めに絡め取る。
「これなら、どぉだぁぁぁっ!!」
炎を伴わない火の魔力を纏ったレイジングハートを、しかしアリサは、これまではあま
り多用してこなかった、“突き”の姿勢で、まだ拘束していない戦闘機人に一気に迫る。
ガツン!!
レイジングハートは、反射的に突き出された戦闘機人のライディングボードに止められ
る────
『Divine clasher』
ドンッ!!
ライディングボードが、レイジングハートを受け止めているその点に向かって、バリア
貫きの効果を付加された射撃が、文字通りのゼロ距離で発射された。
ボゴォッ
ライディングボードに穴が開き、一瞬後に残った部分もバラバラに分解した。魔力弾の
貫通力はそこで相殺されたのか、霧散したかのように見えたが、それを抱えていた戦闘機
人は、その背後へ向かって吹き飛ばされた。
「よっしゃあ」
そう掛け声を上げるが早いか、足元の更に下でキィン、と、魔法陣が駆動し始めるのが
見えた。
緑色の光。一瞬ユーノかとも思ったが、それはベルカ式の型を取っていた。
「シャマル? どうしてここに?」
アリサが、一瞬そちらに気を取られた時。
ふわりっ
チェーンバインドで拘束していた方の戦闘機人が、夜空と同じ色の布キレで覆い隠すが
ごとく、溶け込むように消えていくのが見えた。
「! 逃がさないわよっ」
『Ray lance』
ヒュンッ
反射的に高速直射で撃つが、一瞬早く目標の姿が掻き消え、青白い魔力弾は虚空を通過
した。
「また逃げられた! きぃぃー!!」
レイジングハートを右手に握ったまま、9歳の時とまんま同じノリで空中で地団駄を踏
みかけ、はっと我に返る。
「そういえばなんでシャマルが、っていうか、さっきの砲撃は!?」
ビルの屋上のシャマルに視線を移そうとしてから、強烈な砲撃のあった方へと、視線を
移す。
そこには既に誰もいない。
そこからやや下の方に、ウェンディとティアナの姿があることに気がつき、
「ウェンディ? ティアナ?」
その名前を口にしてから、飛行して近づく。
「って、え!?」
アリサは、ウェンディがもう1人、腕に抱えていることに気がつき、驚いて声を上げた。
ウェンディは険しい表情で、空中で仁王立ちになり、セッテを腕で抱えて黙していた。
その背後にティアナがいるが、困惑気な表情で、やはり黙っている。
「申し訳ないっス……アリサ。こいつ、使っちまったっス」
ウェンディがそう言うと、傍らにいたティアナが、自分の手に持っていたライディング
ボードを、掲げるように前に出した。
「あらら……」
アリサは、そう言って肩を竦めるポーズをしてから、
「にしても、良く落とせたわね、こいつ……下手したら──」
アリサは感心したようにウェンディを見て、言いかけて、途中でちらりとティアナの方
に視線を向けると、そこで止めた。
「No.3、トーレに匹敵する」
「!」
ティアナが言った。その視線からは困惑の色が消え、まっすぐにアリサを見ている。
「…………」
ティアナの様子に、アリサも表情を引き締める。
「知っちゃったんだ……」
「セッテが言ったんス」
アリサが漏らすように言うと、ウェンディが視線をアリサに向けて、そう言った。
「アリサさんでも、その、No.3を……捕まえる事は出来なかったんですね?」
ティアナが思い口調で、そう問いかけてきた。
「正確には……あたしはまともに組み合ってもいない、って言うのが正しいわね。トーレ
は先に、ティアナのお兄さん……ティーダ・ランスター執務官との戦闘で、負傷していた
から」
アリサもまた、重い口調で言った。
「…………」
ティアナは、思いつめたような表情で、視線を下げた。
「ティアナ……」
アリサは、呟くように、その名を口にする。
「アリサ!」
背後からかけられた声に、アリサは振り返る。ウェンディとティアナも、そちらに視線
を移した。
見ると、ユーノとシャマルが、お互いに良く似た色の魔力光の軌跡を描きつつ、近づい
てくる。
「ユーノ!」
アリサも声を上げる。
「大丈夫? アリサ」
ユーノはアリサに近づくと、表情も心配そうに、そう訊ねてくる。
「あたし自身はね」
アリサは、少しだけ不機嫌そうになって、そう言った。
「でも、戦闘機人たちは、結局逃がしちゃったわ」
そこまで言ってから、右手をウェンディとティアナに振る。
「2人が、スカリエッティの戦闘機人を1人、確保したわ」
「非殺傷設定とは言え、大出力で撃ったっスから、一時的に機能停止、休眠状態になっち
ゃってるっスけどね。命に別状はないはずっス」
アリサが言い、ウェンディが続いた。
「2人って、その、私は……」
アリサの後ろで、ティアナが困惑気な声を上げる。
その場にいた他のメンバーが、一斉にティアナに視線を向ける。
「いや、あたしの方こそ、ティアナがセッテとやり合っているのを、掻っ攫ったようなも
んっスよ」
ウェンディは、ようやく苦笑気味に表情を崩して、そう言った。
「まぁPartnerの手柄は自分の手柄、よね」
「は、はぁ……」
アリサもそう言うと、ティアナは決まり悪そうな声を出す。
「アリサ、フェイト達の支援をしないと」
「そうね……」
ユーノに言われると、アリサは手で何か指示をしかけてから、一旦それをやめる。
「ウェンディとティアナは、その戦闘機人を連れて一旦ヘリに」
アリサは振り返って、後ろで飛行しているヘリを指差して、そう言った。
「シャマルさん、付き合ってあげてもらえますか?」
「ええ、解ったわ」
ユーノが言うと、シャマルはコクン、と頷く。
そして、3人はヘリの方へと向かった。
「あたしたちは先に行くわよ、ユーノ」
「うん」
2人は頷きあうと、フェイトやなのはがトラックを追っていった方角に向かって、降下
していく。
「そういえば、なんでシャマルがここにいたわけ?」
「僕が予め、頼んでおいたんだよ。次にスカリエッティの戦闘機人が出てきたときに、一
緒に、ってね。ガジェットと違って、戦闘機人は使い捨てにしてないだろ?」
アリサが不思議そうな表情で訊ねると、ユーノはそう、真剣な表情で答えた。
「ああ、まぁ、確かにそうだけど……で、捕まえたの?」
複雑そうな表情で言ってから、アリサはそう、ユーノに訊ねる。
「残念、逃げられたよ」
ユーノは、渋い顔をして、そう言った。
「それじゃ意味ないじゃない」
アリサは、不機嫌そうな表情で声を上げた。
「うん、でもクラールヴィントに痕跡ぐらいは残ったはずだよ。それに1人は完全に抑え
たわけだし、スカリエッティの今の居場所を割り出すこともできるかもしれない」
「なるほど……」
落ち着いた口調で言うユーノに、アリサは感心したようにそう返した。
地表が近づく。
アスファルトの路地の上に、金色の光の魔法陣が、大きく現れて、駆動を始めた。
その中心に、フェイトがバルディッシュを両手で握って真正面に構え、直立して何か口
で唱えている。
「フェイト?」
2人はフェイトの傍らに着地する。ユーノが前に出て、フェイトに訊ねた。アリサはキ
ョロキョロと辺りを見回す。──なのはの姿が無い。
「ユーノ! アリサ」
詠唱を一度中断し、術式をバルディッシュにサスペンドさせて、フェイトは2人を振り
返ると、憔悴した顔で、2人に声をかける。
「なのはが連れ去られたんだ」
「えっ?」
フェイトの言葉に、2人も顔色を変える。
「スカリエッティ製戦闘機人の1人に、後ろから抱えられて……それで、そのまま」
言いながら、フェイトはアスファルトの路面を指す。
「……冗談でしょ?」
アリサはそう言った。フェイトがふざけていると言うのではなく、信じられないと言う
スラングだ。
「よし、僕とアリサでやってみよう」
「うん」
「ちょ、ユーノ」
険しい表情でユーノが提案すると、フェイトは頷くが、逆にアリサは軽く驚いて、困惑
気味に声を上げた。
「あたしは、検索とか得意じゃないわよ?」
アリサの言葉に、しかしユーノは、やや苦い表情で、言い返す。
「地中探査を僕がやるから……地表から上をやって欲しいんだけど、その……アリサだと
干渉が少ないから楽なんだよ」
「そりゃあたしの出力が低いからでしょー!」
一瞬だけ、憤った表情を見せてユーノに言うも、すぐに、苦笑したユーノに対して、少
し拗ねたような表情を見せつつも、
「……ったく、しょーがないわねぇ」
と、言って、レイジングハートを構える。
『Master, The size of a magic output value is not a decisive difference of an
magic-user's capability』
レイジングハートが、主張するようにそう声を上げる。
「はいはい、解ってるわよ。それより、検索お願いね」
『Yes, Area Search』
フェイトの術式が消えた路面に、今度はオレンジ色の光の魔法陣が、アリサを中心に路
面に広がる。
「イージス、こっちも」
『Yes, Master』
ユーノの緑の光の魔法陣が、ユーノの足元を中心に、路面に広がる。
『Subterranean search』
「レイジングハート、干渉は?」
ユーノが、視線をレイジングハートに向けて、そう訊ねた。
『No problem』
レイジングハートは、問題ない、と返した。
「そっか。イージス、進めて」
『O.K.』
ユーノが言うと、軽く目を閉じ、術式を駆動させる。隣り合って、アリサが同じように
していた。
「…………一体、なにがあった、の?」
なのはは困惑の声を上げながら、周囲を見回す。
突然、背後から羽交い絞めにされたかと思うと、視界が揺れ、気がついたらこの場所に
しりもちをついていた。
周囲は暗く、光の差し込む様子はない。水音がするが、川のせせらぎとは違い、淀んだ
物だ。
L4Uに発光させる。アーチ型のトンネルで、濁った水が流れる水路があり、なのはが立
っているのはその犬走りの部分だった。古くからある下水道の内部のように見える。する
と、自分は地下に連れ込まれたのだろうか。
L4Uを照明として使いながら、掴む両手をぎゅっと握り締め、決して離さない。
ゴソ……
「!?」
暗闇の中で、何かが動いた。
「誰!?」
表情を険しくし、声を上げながら、其方に視線を向ける。
「え…………!?」
そして、それを見て、なのはは目を円くし、一瞬硬直してしまった。
子供……未就学ぐらいの小さな子供が、壁面に手をつきながら、なのはの方に向かって、
のっそりと歩いてくる。
「あ…………?」
子供は、なのはの声に反応したのか、酷くゆっくりと顔を上げて、なのはを見る。
「あの……」
事態としては異常だが、即座に危険があるようには見えない。そう判断したなのはは、
決まり悪そうに、構えていたL4Uを引き寄せる。
なのはが更に声をかけようとした瞬間、子供はふらっと揺れたかと思うと、そのまま、
前に倒れこみかけた。
「あっ」
なのはは、慌てて前に駆け出し、子供を抱きとめた。
ハニーブロンドの長髪が示すとおり、女の子だった。酷くは無いが、衰弱しており、歩
き続けるのは困難なようだ。
「大丈夫?」
なのはは、その顔を覗き込み、そう声をかける。
「あ…………」
子供の視線が、なのはのそれと、真正面に合った。
その色は右が緑、左が赤の、所謂オッド・アイだった。
だが、なのはが引き込まれかけたのは、その特異な点だけではない。
「…………ママ……」
やがて、子供はポツリと、そう言う。そして、なのはに抱きついた。
「ママ! ママ! ママ、ママ!」
堰を切ったように、なのはに抱きついて「ママ」を連呼する。カチャカチャと、左手に
持っていた何かが、音を立てた。
なのはは、突然の出来事と予想外の単語に、一瞬、動きが完全に凍り付いてしまってい
たが…………
「いたーっ!」
なのはの聞き覚えのある声が響くと、オレンジ色の光の球が、なのはに近づいてきた。
「アリサ、ユーノ、いたよー」
なのはのL4Uが発する光に近づくと、纏っていた光が見えなくなったそれは、子供時代
のアリサが、リインフォースのようなベルカ系民族衣装を着た姿であることが確認できる
──小アリサ、アリサ・ローウェルは、空中で振り返ると、そう声を上げた。
「もう、ずいぶん探したんだからね、なのは!」
実際には2人にはほとんど面識がないのだが、ローウェルはなのはを親しい口調で呼ぶ。
これには理由があるのだが、また別件────
「って、なにしてんの?」
ローウェルは、キョトン、として、眼下のなのはを覗き込む。
なのはは、小さな女の子を抱きしめ、その背中を、ゆっくりと撫でている。
「ママ……ママ……」
女の子は、そう繰り返しながら、泣いてしゃくりあげている。
「うん……大丈夫だよ、ママはもうどこにも行かないからね」
優しげな笑顔で、なのはは女の子を安心させるように、ささやいた。
状況に置いてけぼりにされたローウェルは、僅かな間、そのまま空中で、呆然とその様
子を眺めていた。
今回注意書き落とし忘れました。
申し訳ありません。orz
>>500-512 今回は以上です。
<チラ裏>
足腰が痛くて医者に行ったら、
椎間板ヘルニアと言われてしまいました。
おかげで落ち着いて座っていられず、筆が進みません……
</チラ裏>
GJです。
ヴィヴィオ登場にティナは兄の仇を知ると、この先機になる展開に。
続きも気になりますが、何よりお体をお大事に。
>>494 なのはさんが現れた時の二人の反応が良いですねw GJ!!
>>513 お久しぶりです!ヘルニアですか…
良いところに差し掛かって続きは気になりますが
体調最優先でご自愛のほどを…
>>495 GJ!
ヴィヴィオがママ登場で慌ててるのがモエス
>一方、セリカはまるで恋する乙女のようになのはのことをウットリと見つめていた。
ここだけ見ると、ティアナというよりスバル2号でつねwwww
>>513 イ`…腰は辛いな
517 :
ツンデレ王子:2008/05/17(土) 13:58:02 ID:N0MMjKo3
今誰か居ますか?
居ないようでしたら14:05くらいから投下しますね
518 :
ツンデレ王子:2008/05/17(土) 14:08:23 ID:N0MMjKo3
ではそろそろ
注意)
1.非エロです
2.一応ギャグ路線のつもり
3.何時もと文面が違います
(某百合系SSで感化された為)
4.エリオxキャロ
注意としてはこんなところでしょうか
では参ります
最初に目に飛び込んできたのは、見慣れない家具と高い天井でした。
まだ夢の中に居るのかな――そんな事を考えていると、彼女の視界に義理の兄妹とも言える少年の
顔が映りました。
彼は優しく微笑みながらじっと少女を見つめています。
「…おはよう」
まだ意識のはっきりしない頭を振りながら上半身を起こすと、少年はカップをトレイに乗せたまま少女に
差し出しました。
「おはようございます、キャロお嬢様」
キャロと呼ばれた少女は差し出されたカップを受け取り口を付けます。
「ところでお嬢様、本日のお召し物はどちらになさいますか?」
紅茶を一口啜り少年に向き直り――そこで少女は固まってしまいました。
「――っ!!」
「いかがなさいました、お嬢様?」
「な、なな、なんて格好してるのエリオくん」
エリオと呼ばれた少年が身に纏っていた物。
それは膝下まである濃紺のワンピースに白いフリル付きのエプロン、ご丁寧にこれまた白いフリルの付い
たカチューシャといった、いわゆるメイド服と呼ばれている物でした。
「何と仰られましても…昨日お嬢様が仰ったのでは有りませんか」
「わ、わたしが?」
「はい、明日はコレを来て起こしにくるようにと…もしかして覚えていらっしゃらないのですか?」
「……」
覚えていないどころか、彼女は何故こんなところに居るのかすら分からないのです。
返答に困って黙ってしいますと、エリオは恥ずかしそうに俯きつつも視線だけはキャロに合わせます。
(か、かわいい♪)
頬を染め上目使いに自分を見るエリオを見て、キャロはそんな感想を抱きます。
「…そんなに見ないで下さい」
「ご、ごめんなさい。それで、その手に持ってるのは?」
「本日のお嬢様のお召し物です。どちらになさいましょう」
エリオの両手にそれぞれ掲げられたモノを交互に見て、キャロは軽い眩暈を覚えてしまいました。
「えっと…それ以外には無いの?」
「御座いません」
「…本当に?」
「左様でございます」
キャロはう〜っと唸りをあげます。
しかし唸っても状況が変わるわけでも無く、そのどちらかを選ぶしか道は残されていない様でした。
「じゃぁ…こっち!」
「着替え終わったよ、エリオくん」
キャロの言葉に、目を瞑り後ろを向いていたエリオは振り向きます。
「よくお似合いですよ、お嬢様」
「そ、そうかな?」
エリオに誉められ頬を染めてキャロは自分の姿を見下ろします。
そこには――
全身を白いタイツで包む自身の姿が在りました。
ですが、その姿には通常では無いモノが装備されていたのです。
「お嬢様、コレを」
差し出された瓶を受け取ったキャロは、その中身を手に取ります。
そして、その“通常では無いモノ”に塗りたくります。
そんな彼女の行動を横目で見ながらエリオは自らワンピースの裾を持ち上げると、テーブルに手を着き
お尻を突き出しました。
「…どうぞ」
少年に促されるままにキャロは“通常では無いモノ”を彼のお尻へと近づけます。
いよいよソレが少年の菊座をノックしようとした、その時――
ジリリリリリ
けたたましく鳴り響く目覚ましの音に、キャロはガバッと身を起こした。
辺りを見渡すとそこは見慣れた部屋、機動六課隊舎の彼女の部屋であった。
(夢…)
キャロは自分の手を見つめ思い至る。
(それにしても…あのエリオくん、可愛かったな〜♪)
そんな事を考えながら少女はベッドを抜け出すと備え付けのクローゼットを空け、着替えを始める。
そして、何やら楽しそうに微笑むとドアを開け駆け出して行ったのだった。
(ぅふふ、エリオくん待っててね〜♪)
後日、とある通信士はこう語っていたそうだ。
「あの日の彼女はそれはもう怖かったです。
入ってくるなり血走った目で『メイド服貸してください』と言われたんです。
逆らったら殺されるかと思いましたよ。
え?なんでそんなもの持っていたのか…ですか?
だって似合いそうじゃないですか、某教導官とか某執務官とか…
も、もちろん本人に直接なんて事したらあたしの命が危険ですから、彼女たちのデバイスの情報を元に
虚数空間で立体化させて着替えさせたりとか位しかしてませんけどね。
その後ですか?
あの翌日、彼女は妙につやつやした表情で返しに来てくれましたね。
そういえばあの日一緒に彼も来たんですけど、その彼の様子がドコかおかしかったですね。
いつもと違って彼女を見る目が、その、何ていったらいいのかしら。
あっそうそう、おあずけを食らった犬みたいでした。
それに何だかモジモジしてて…それに何か変な音もしてましたね、何かのモーター音みたいな…
それまでも彼の事は可愛いなと思ってたんですけど、あの日の彼はもう格別でした。
もう食べちゃいたいって言うか…いけない涎が…ぁあん!もう我慢できないわ!
待っててね〜今お姉さんが行くからね〜♪」
523 :
ツンデレ王子:2008/05/17(土) 14:16:09 ID:N0MMjKo3
以上
>>523 GJ!!
キャロさん自重してくださいといいたくなるました。
エロオ・モンデヤルもエリオ・Mンディアルもどちらとも似合うからエリオは素敵なんだ!
最後のとある通信士も気になる・・・
キャロ自重w
女装はユーノ君が似合うと思
エロオ君の女装も中々……
いっそ全員で女装してしまえ、と思ったらJS博士が意外に麗人になりそうな予感
女装も乙だが、男には男の色香があると思っている俺は異端か?
クロノやヴァイスあたりなら引き締まった良い身体してそう。
なるほど・・・・特にレジアスやゼストとかな。
確かに以外とスカさん女装似合いそう。
女装無しならレジアスからワイルドな魅力を感じる俺は、多分 異端。
クロノは和服、スカは中華系(チャイナ含む)、エリオがフリフリ、ユーノはマニアック方面(メイドとか)
って感じか。
レジアスはパーマ面かぶって髭を剃れば、買い物袋からネギが飛び出てるオバちゃんになれそうだな
レジアス 母
ゼスト 父
スカ 長女
クロノ 次女
ユーノ 三女
エリオ 四女
リリカル四姉妹はじまります
ある意味ゼストが一番可哀想な位置だな
この母の遺伝子から、良くこの子供が生まれたw
突然変異万歳www
スカ博士は、女装したらトーレの鍛えていないバージョンになりそうだ。
いや、レジアスさんをよく見ると中々良い素材だぜ?
なぜここのスレはレジアスさんがこうも人気なのか
専業主婦レジアス・・・・・・ゴクリ・・・
ゼストとの電話越しに後ろから・・・・・・・・
・・・ふぅ、お前らホントやばいな
賢者モード発揮できるお前もやばいわw
ショタレジアスを後ろからガッツンガッツン責め立てながら
オッサンレジアスに後ろからガッツンガッツン責められたいです(^ρ^)
超久し振りです。と言う事で書きます。
・そこに至るまでの経緯は割愛させて頂くとして、なのはが単身
スカちゃんの研究所へ潜入。しかし、その研究所は『ある物』を大量生産している
プラントでもあったと言うお話
・エロ注意
・グロ注意(スプラッタとかは無いけど、想像すると痛々しい改造とかされた人出てくる注意)
・なのは×スカ(レイプ的意味で)注意
・下要素もあるよ注意
・鬱注意。(死人出まくったり。とりあえずなのはは生還しますがその後にも
色々不幸に襲われ救いがありません。)
・オリキャラ色々出ます(大半はほぼモブに近いけど)注意
・永○豪先生の影響受けた部分が多々あります。パロと言う事で許してください。
・あと桜○吾作先生の影響も入ってるかも…
・スカがかなり男尊女卑的発言します注意
なのはは恐るべき悪の科学者ジェイル=スカリエッティの秘密研究所への潜入に成功した。
目的はスカリエッティ一派に捕まり捕虜にされていると思われる味方の局員の救出や
その他の情報収集。上手く行くならば研究所そのものを爆破すると言った物だった。
どう考えても教導隊のなのはがやるような任務では無いのだが…細かい事は言いっこ無しだ。
「よし! 上手く潜入出来た!」
研究所内の通路の壁に身体を寄りかからせながら注意深く進んで行く。とりあえず現時点では
恐らく研究所内の各所に設置されていると思われるセキュリティー設備は動いていない。
それはまだなのはが潜入している事に気付かれていないと言う事を意味する。
ならば気付かれる前に一刻も早く捕虜にされた局員を救い出す。なのはは慎重に急いでいたのだが…
「う!」
通路の先の広い部屋に出た時だった。突如として自分が出て来た通路への出入り口が閉じ、
正面通路への扉もまた閉じられた。それだけでは無い。今なのはのいる全周囲が黒く光る特殊金属で
覆われた広い部屋の壁の各所から何十にも及ぶ数の銃身が現れ、なのはへ狙いを定めていたのだ。
「……………………!!」
思わず絶句してしまうなのは。だが、そこで何処からかアナウンスが響き渡った。
『ハッハッハッ! 君がこの研究所に潜入した事に気付かないとでも思ったかね?
それでだ。この状況。君にも理解出来るだろう? まず武器を捨て、手を上げたまえ。』
「う………………。」
残念ながら今の状況では流石のなのはも何も出来ない。下手な事をすれば自身を取り囲んだ
何十にも及ぶ銃身から放たれた銃弾に蜂の巣にされてしまうかもしれない。
故に大人しくレイジングハートを床へ置いた。しかし………
『他にも武器を隠し持っているのでは無いかね? つまりだ。他の身に付けている物も
全て捨ててもらおうか?』
「え!?」
なのはは思わず頬が赤くなった。つまり、武器のみならず着ている衣服…それも
下着や髪飾りにいたるまで全ても捨て、全裸になれと言っているのである。
「そ…そんな事出来るわけ…。」
なのはが顔を赤くさせながら反抗しようとした時だった。なのはの足元に一発の銃弾が撃ち込まれた。
「…………!!」
なのはは硬直した。そう、この通りあちらは何時でもなのはを撃ち殺せる事を意味しているのだ。
『どうした? 早く脱ぎたまえ…。』
「わ…分かったよ! 脱げば良いんでしょ!? 脱げば!」
もうこうなったら大人しく脱ぐしか無い。罠と分かっていても…このまま脱がなければ撃ち殺される。
だがここでアナウンスの声の言う通りに脱げば…結果は同じかもしれない。だが、逆転の隙は生まれる。
そこに賭ける。それ故に…なのははまず最初に自身の髪をツインテールに結んでいたリボンを外した。
なのははその後も次々と着ていた物を脱ぎ、床へ置いて行った。靴…胸のリボン…上着…スカート…
ニーソックス…なのはが脱げば脱ぐ程白い裸体が露となって行く。
そしてついにはなのはが身に付けていた物は胸を覆う純白のブラと股間を覆うパンティーのみだった。
「……………………。」
なのはは悔しさに耐えながらも手を後ろへやり、ブラジャーをゆっくりと外した。
ブラが床へ落ちると共に、それまでブラによって固定されていたなのはの豊満な美乳が弾んだ。
最後に残るはパンティーのみ。それにさえなのはは手をかけ、下ろそうとするが……
「…………………………。」
なのはは下ろせなかった。ここでパンティーを下ろし、全てを晒してしまったら
取り返しの付かない事になってしまいそうな気がする。そこが怖かったのだ。
『どうした? 最後の一枚が残っているぞ。早く脱ぎたまえ。』
アナウンスは無情にもパンティーの着用さえ許さない。このままでは本当に撃たれる。
「う! うあああああああ!!」
なのはの目からは大粒の涙が飛び散り、部屋中に大声を響かせながら一気にパンティーをズリ下ろした!
「ほら…全部脱いだよ…。これで良いんでしょ………。」
なのはは恥かしさに頬を赤くし、顔を引きつらせながらも何処かでカメラを通して監視していると
思われるアナウンスの主に対し、自身がもはや何も身に付けていない一糸纏わぬ生まれたままの姿で
ある事をアピールした。
『フフフフ……美しいぞ。』
全裸体のなのはは美しかった。顔は言うまでも無く、豊満な乳房…細く括れたウエスト…
実にバランスの取れた尻や脚など、まさに美としか言い様の無い程の代物であった。
だが、アナウンスがなのはの裸体の美を褒めれば褒める程なのはは恥かしくなり、顔が赤くなる。
『フフ…その美しさに免じてお前に生き残るチャンスを与えよう。』
「え!?」
アナウンスの予想外の言葉になのはも思わず驚く。そこでなのは正面の通路への壁が開く。
『この通路を通って来るが良い。それと…もう一つ特別サービスだ。君が先程捨てたデバイス…
それのみ持って行く事を許そう。もっとも、この研究所全体に展開された強力なAMFによって
魔法はまともに機能しないがね。だが棍棒としての使い道はあろう?』
そこでアナウンスは終了した。なのはは恐る恐るレイジングハートを拾い上げるが、
なおもなのはに狙いを定めていた銃身が発砲する事は無かった。
「どう考えても罠……と分かっていても今は行くしかない…。」
なのははレイジングハートを片手に、乳房と股間を手で恥かしそうに覆い隠した状態で歩き出した。
やはりなのはの予感した通り敵の罠だった。何故ならば通路を一時通った後で敵の襲撃があったからだ。
日本刀の様な刃物を持った危なそうな中年の男。
「美しい…ドクターの言った通りの美しい娘では無いか。」
「くっ!」
いかにもエロそうな男になのはは思わず自身の乳首と股間を覆い隠していた手の力を強める。
だが、男は構わずに刃物を振り上げ襲い掛かって来たのだ。
「お主の様な美しい裸体をこの手で切り裂く事こそ我が生き甲斐なり!」
「うっ!」
男はエロいのでは無かった。美しい娘を刃物で斬り殺す事が好きな危ない男だったのだ。
故に今のなのはは男にとって恰好の獲物。なのははレイジングハートで何とか刀を受け止めるが、
研究所全体に展開されたAMFの影響で魔法が殆ど使えない現状ではやはり力で敵うはずが無く、
かつ全裸であるが故の恥かしさから良い動きも出来ない為に押し切られ……
さらに次の瞬間男の膝蹴りがなのはの下腹へ命中した。
「がはっ!」
防御魔法は愚かバリアジャケットさえ無い状態で直接下腹を蹴り上げられたなのはに
かかる衝撃は凄まじい。忽ちなのはは尻餅を付いてしまい…………
「おっと動くな!! 動くとお前のお股から斬れちまうぜ!?」
「!!」
なのはが尻餅を付いた直後、それによって開かれた股間の正面の床へ男が刀を突き立てていた。
そして刃をゆっくりとなのはの股間の割れ目へ近付け……当てた。
「うっ!」
「お嬢ちゃんは良く頑張ったここまでだな……。だがここでもうゲームオーバーだ。
何故なら今からお嬢ちゃんの女の裂け目から斬り裂かれ…腸をぶちまけながら死んでいくのだ…。
フッフッフッフッフッフッフッフッ…………。」
男はいかにも危ない顔でなのはを見つめていた。そして男の握る刀はなのはの股間の割れ目へ
切れるか否かのギリギリの所で当てられている。この状態ではいずれ本当に割れ目から斬られる。
だが、かと言って何かしてもその表紙に斬れるかもしれない。それも嫌だ。
「(い…嫌…こんな形で…こんな形で死ぬなんて…嫌…。まだ処女なのに…。)」
恐怖の余りなのはの目に涙が浮かんだ。だがそれと同時に………
プシャァァァァァ!!
「んああああ!! 何だ!! 臭い!!」
なのはは失禁してしまった。だがそれが事を良い方向へ運ぶ。なのはの股間から勢い良く
放たれた聖水はモロに男の顔面を直撃。不意を突かれた男は大きく怯んだのだ。
「い! 今だぁぁぁぁ!!」
今しかチャンスは無いとばかりになのははレイジングハートを手に取り、その先端を
男の首元へ突き立てた。
「ぐはっ!」
男はそのまま動かなくなった。魔法効果は一切無く、ただ単にレイジングハートを
相手の首元へ突き立てるだけの攻撃。精々相手を気絶させる程度の意味しか無い。
だがそれで十分だった。如何に犯罪者相手とは言え可能な限り殺めたくは無いなのはに
とって、相手を気絶させるだけでよかったのである。
「ふぅ…オシッコに救われる事になるなんて…。」
なのはとしては恥かしいが…同時に嬉しかった。
この後も様々な障害がなのはの前に立ちはだかった。ロープで瞬時にSM的になのはを縛り上げた者、
無理矢理三角木馬に跨がせムチで打った者、処女を奪おうとした者、浣腸しようとした者などなど
半ばセクハラも混じっている様な刺客も多かったが、普通に兵隊的な者もいた。
次々襲い掛かる敵に対しなのはも良く戦った。しかしやはりどうにも不公平な感は否めない。
相手は超合金並の強度を持ち、かつ全身を覆っても楽々動き回れる程軽量で、かつAMF効果も持った
特殊FRP製のパワードスーツで身を固めていると言うのになのはは一切の防御装備は持たず
生まれたままの全裸体。当然防御力には差がありすぎるし、何よりも恥かしい。
だが、戦いを繰り返す内にそれさえどうでも良くなっていた。例え乳首や股間の女性器、アナルを
見られようとも今のなのはには恥じらいを感じる余裕さえ無かったのである。
恥じらいを持って良い動きが出来ず、そのまま殺されてしまう位ならばいっそ恥を…女を捨てる。
気付いた頃には全裸であろうとも、一切恥じらいを感じる事無くバリアジャケット装着時と
何ら変わらぬ戦いを見せるなのはの姿がそこにあった。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
幾多の戦いを乗り越え、なのはの疲労は限界に近くなっていた。もはや全身が吹き出た汗で
ぐっしょりと濡れており、息も絶え絶え。なおかつ全身に生傷が目立つ。なのはのあんなに
美しかった真っ白な素肌は、今や多数の切り傷…擦り傷…アザ…等々様々な傷で痛々しい物に
変わっていた。だが、むしろこの程度の傷で済んだと言う事も出来たかもしれない。
何しろ全裸体で幾多の敵と戦って来たのである。そして……なのはの全身の傷は確かに痛々しいが…
同時にそれが美しくもあった。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
なのははそれでも前進をやめなかった。なのはは何としてもスカリエッティに捕らえられた
味方を救わねばならなかった。その中にはかつてなのはが教導した教え子も沢山入る。
だからこそ…だからこそ…この手で救わなければならない。なのはの額から流れた一滴の汗が
顎から乳房へと落ち、乳房の膨らみを通って乳首へと流れ、乳首の先端から床へ落ちる。
なのはは通路の奥にあった扉をゆっくりと開けた。
「!」
最深部へ到達した時、なのはは恐ろしい物を目の当たりにした。
それはなのはのかつての教え子であり、スカリエッティに捕らえられてしまった
多数の女性武装局員…………の成れの果ての姿だった。
腕や脚を切断され、その頭部と胸・胴体部分のみが機械に組み込まれていると言う
今の傷だらけのなのはがどうでも良くなる程の痛々しい姿。
特に女性の子宮の部分には何やらチューブやその他様々な機器が組み込まれている様子だった。
「そ…そんな………ひ……酷い………。」
なのはは絶望の余りその場に倒れそうになったが、レイジングハートで何とか支え、
倒れる事は免れたがやはり絶望した事に変わりは無かった。
無理も無い。なのはが救おうとしたかつての教え子達は全て…この様に改造されてしまっていたのだ。
「はっはっはっはっ!! どうかね? この兵士生産用生体プラントは!!」
「!?」
突如部屋中に響き渡った男の声。その方向を向くとスーツの上に白衣を羽織った一人の男の姿。
彼こそあのジェイル=スカリエッティその人だった。
「ジェイル=スカリエッティ!!」
思わず疲労さえ忘れて叫んでしまうなのは。だがスカリエッティは余裕の笑みを浮かべ…
「これが何か聞きたいかね? 何なら説明してあげよう。」
と、頼んでもいないのに説明を始めてしまった。
「これは先程言った通り兵士生産用の生体プラント。排卵を促進させ自動的に受精、
そして強化子宮で急速成長させ出産。その後さらに別所の強化施設で強化を施した後で
各世界の軍や時空犯罪組織等様々な顧客へ送られるのだよ。君が先程まで戦った兵達も
元々はこのプラントによって製造された物だ。」
「な………………。」
淡々と言うスカリエッティになのはは絶句した。確かになのはの出身世界において
その昔女性を子供を産む機械とのたまわった政治家がいたが、スカリエッティはそのまま
捕らえて捕虜にした女性局員をそのまま子供を産む機械に改造してしまっていたのだ。
「な…何でこんな事を…何で態々捕らえた女性を改造しなければならないの!?
単純に兵士を大量生産したいならクローンで良いじゃない! あ…いや…クローンもダメだけど…。」
ショックのあまり支離滅裂(?)な事を叫んでしまうなのは。だがスカリエッティの表情は変わらない。
「確かに当初はそうしていたさ。しかし…それを進めている内に気付いたのだよ。クローンよりも
女性の子宮の方が遥かに効率良く、かつ安定した生産が可能だとね。だから私はこの様に
捕虜にした女性を改造し、生体プラントにしたのだよ。」
「ひ…酷い………。」
「何が酷い物かね! 私は彼女達に幸福を提供してあげたのだよ! 子供を沢山産む事こそ
女の幸せ! だからこそ私はここで彼女達に思う存分子供を産ませているのだよ!」
もはや狂っているとしか思えないスカリエッティに対しなのはも反論しようとした時…
なのはは思わず後ずさった。
「ま…まさか私も改造しようと言うの…?」
そう。なのははそれを予感していた。既に沢山の女性局員が子供を産む機械に改造されてしまったのだ。
ならば今更なのはを改造しないはずは無い。だが………
「残念ながらそれはもう間に合っているんだ。確かに単身ここまで来る事が出来た程の実力を持った
君を改造すれば優秀な兵士を何十人何百人と産む事も出来るだろう。だが、今は丁度需要と供給の
バランスが取れている状態でね、これ以上増やしては生産過多になってかえって効率が悪い。
だから君を改造する気は無いよ。考えても見たまえ。私が君を改造するならば態々今までに至る様な
まどろっこしい事はせず、研究所内に潜入した時点で瞬時に捕らえ、手術室に運んでいた所だよ。」
「………………。」
とりあえずスカリエッティになのはを改造する意思は無いと分かりやや安心するなのはだが…
「しかし…だからと言ってここで帰す気も無いよ。」
「!?」
「私は君の戦いをずっと見ていた。君は実に素晴らしい。強さと美しさを高水準で兼ね備えた
究極の女性だ。君程の女性は全次元中探し回っても見付かる物か。だからこそ私は考えた…。」
そしてスカリエッティは不敵にもなのはへと歩み寄り、その乳房をグイッと掴んだ。
「あっ! そう言えば私全裸だったの忘れてた!」
ここで自分が全裸だった事を思い出し、思わず恥じらいも思い出してしまうのだが…
次の瞬間スカリエッティの指がなのはの乳首を摘んでいた。
「アッ!!」
「君を改造するのは実に勿体無い。どうだ? 私の妻にならないか? そして私の子を産んで欲しい。」
「!!」
スカリエッティの予想外の行動になのはは思わず驚愕した。何とプロポーズして来たでは無いか。
「だっ誰が!!」
無論なのははそれを拒否する。それにはスカリエッティも残念な表情を取る。
「そうか……余り乱暴な事は嫌いなのだがね…無理矢理にでも手篭めにして産ませるしか無いか…。」
「え!? キャァァァァァァァ!!」
兵士生産プラント中になのはの悲鳴が響き渡った。スカリエッティがなのはを押し倒したのである。
その動きは確かになのはなら避けられたかもしれない。しかし激戦で疲労が蓄積した今のなのはは
それを避ける所かスカリエッティを振り払う事さえ出来なかった。
「や…やめ! んぶっ!!」
スカリエッティはなのはの唇を奪った。さらに舌を無理矢理口の中へ滑り込ませ、舌同士を絡ませる。
「ぷはっ!」
「んぁ…。」
何とか口が離れた後も舌と舌とを伝って唾液の糸が繋がる程だったのだが、そこでスカリエッティが
なのはへ訪ねた。
「君の名前は何と言うのかね?」
「た………高町……なのは………。」
「そうかそうか。ならば………今日から君はなのは=スカリエッティだ。分かったかね?」
スカリエッティは本気だった。本気でなのはを自分の妻として入籍させるつもりだった。
「だ…誰が! 誰がお前なんかと…嫌ぁ!!」
なのはとて必死に拒否しようとした。しかしスカリエッティは間髪入れずにその太股を掴み、
大きくM字に広げると共に己のモノをなのはの股間へ押し付けたでは無いか。
「さて……行くぞ。我が妻なのはよ…。」
「だから誰がお前なんかと…………痛ぁぁ!!」
スカリエッティの硬く勃起したモノがなのはの処女を容易く貫き、激痛を与えていた。
「嫌ぁぁぁ!! 痛い! 痛い! 痛いぃぃぃぃ!!」
破瓜の痛みに耐え切れず、思わず泣き叫ぶなのは。今までの戦闘のダメージ等問題にならない程にまで…
「痛いかね? だが大丈夫だ。死にはしないし…直ぐに快感へ変わるのだよ!」
泣き叫ぶなのはにも構わずスカリエッティは腰を動かし始めた。そしてモノがなのはの
膣内をピストン運動のごとく激しく抜き挿されて行くのである。
「んぁ! いだ! いだぁぁぁぁぁ!!」
スカリエッティが腰を動かすと共になのはもまた腰を突き動かされ、研究所中に
なのはの喘ぎ声が響き渡った。
一時して…まだスカリエッティはなのはを突き続けていた。だがただ突いているだけでは無く、
その顔を豊満な乳房へ埋めて見たり、美乳を揉み解したり、乳首を摘んだり吸い付いたり…
並行して様々な愛撫をなのはに対し行っていた。
「んあ! あっ! 嫌! んはぁぁぁ!」
「どうかね? なのは君…気持ち良いだろう? 管理局など寿退職して私と生涯を共にする伴侶と
なれば、この様な快感を毎日でも感じる事が出来るのだぞ。」
「嫌! そんなの嫌! 嫌ぁぁぁぁ!!」
なのはは必死に抵抗しようとした。しかしカラダがまともに言う事を聞かず、その上スカリエッティが
愛撫をすればする程カラダが熱くなって行くのだ。そして…最初の頃はあんなに痛かったと言うのに…
スカリエッティの突きに快感を感じるようになってしまっていた…
「(ダメ! ダメだよ! 気をしっかり持たなきゃ! 相手は犯罪者なんだから…。)」
なのはは顔を左右に振って気を保たせようとするが、やはりスカリエッティの突きは止まらず…
「ん! んはぁ!!」
またもなのはは喘いでしまった。だがそれだけでは無い。何か変な感触を…
身体の奥底から何か今まで感じた事の無い感触が沸き起ころうとしていたのだ。
「あ…あ……あ……あ……。」
「フフフ……身体は正直だ。君が頭ではどんなに私を拒絶しようとしても…身体は違う。
君の身体は私を求めている。私の子供を産みたがっているのだよ。そして今にもイこうとしている。」
「そ…そんな事無い! 誰がお前なんかと! 誰が…………んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
なのははイッてしまった。なのは自身にはそれが何なのかは分からない。
だが、取り返しのつかない何かをしてしまった事だけは理解出来た。
「やはりイッたか…。ようしならばそろそろ良いだろう。行くぞ! 受け止めたまえ!
私の精を! そして最高の子供を産むのだ!」
「あ! 嫌! 嫌! 嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
どびゅっ! びゅっ! びゅっ! びゅっ…………
なのはの叫びも空しく、スカリエッティの精液がなのはの膣内へぶちまけられた。
しかしその時だった。なのはがスカリエッティに犯され、あろう事か膣内にまで出されると言う
悔しさと怒りがそれまでAMFに抑えられていた彼女のリンカーコアをオーバーロード、
大爆発を起こさせ、スカリエッティの身体を吹飛ばしていた。
「な!? ぐはぁぁぁぁ!!」
それまでなのはの膣内に奥深くまで沈み込んでいたモノが勢い良く引き抜かれ、
向こう側の壁に叩き付けられるスカリエッティ。そしてリンカーコアのオーバーロードのせいだろう。
非殺傷設定さえOFFになっており、そのせいでスカリエッティはもはや血まみれになっていたのだ。
「がはっ……最後の最後で…油断したか………こ…この傷ではもう私も長くないな……。」
口から大量の血を吐きながらスカリエッティはなのはを見つめた。
「なのは君…急いで逃げたまえ…。この研究所は………私が死ぬと同時に大爆発を起こす様に
プログラムしてある…。そして私はもう直ぐ死ぬ…。だが君だけは死なせたく無い…。
君は生き残り…我が子を産んでくれたまえ…。」
「ちょっちょっと待って……じゃ…じゃあ彼女達は……彼女達はどうなるの!?」
なのはは生体プラント化された女性局員達を指差し叫ぶ。
「無駄だよ。どの道彼女達を元に戻す事等出来ない。彼女達と繋がっている機械は生命維持装置も
兼ねている故…あのままで無ければ生きられない。いずれにせよ君が彼女達を救う事等不可能だ。」
「そ…そんな…。」
なのはは絶望した。そしてスカリエッティが死ぬ事で本当に研究所が爆発すると言うのなら…
それはなのはが彼女達を殺した事になる。それはなのはにとって耐え難い物だった。
「だが君にはまだ五体があるでは無いか…だから逃げたまえ。逃げて…私の子供を産みたまえ…。」
「だから…誰がお前なんかの子供を………うっ!」
なのはは必死に立ち上がろうとしたが…立ち上がれない。戦闘での疲労の上にスカリエッティに
犯され、長時間のSEX…。完全に腰が抜けてしまっており、M字に開かれた脚を閉じる事さえ
出来なかった。それを見たスカリエッティも一瞬呆れるが…
「仕方が無い。」
そう言って何やらリモコンを捜査すると、何処からかカプセルの様な物が現れ
なのはの身体を包み込んだ。そしてカプセルはなのはを乗せ、発進したのだ。
「え!? あ! 待って! まだあの子達が!」
強制的に乗せられた脱出カプセルの中でもなおなのはは生体プラントに改造された
かつての教え子達を心配していたのだが…その直後…研究所は大爆発を起こした。
なのはが目を覚ました時、そこは管理局の医務室だった。
なのはを乗せたカプセルは管理局の近辺へ漂着していたのだ。
だが、なのはは涙するしか無かった。スカリエッティに捕まった仲間を救う為に
研究所へ潜入したと言うのに…誰一人救えず、自分一人だけが生き残った。
とりあえず管理局は捕虜がスカリエッティに改造されてしまった時点で
一思いに殺してやった方がむしろ幸せであり、間違った行動では無かったと
してなのはを不問にすると言う非情な態度を取ったが、なのはは自分が許せなかった。
何としても救いたかったと言うのに…誰一人救えなかった自分の無力さに…。
しかし一時して…さらなる衝撃がなのはを襲う。それはなのは自身の身体にあった。
そう。なのははスカリエッティの子供をその身に宿していたのである。
初めてのSEX…そして初めて妊娠した際の相手が時空犯罪者。
それによってなのはが受けたショックは凄まじい。無論周囲は中絶を勧めた。
だが…なのははそうしなかった。
「どうして!? 相手はあのジェイル=スカリエッティなんだよ!」
誰もがそう問いた。だがなのはは………
「誰が好き好んであんな男の子供なんて! …って以前の私なら躊躇せず中絶してたと思う…。
けど…今はその気になれない。だって救える命を救えなかったから…命を無駄に失わせてしまったから…。
だからもうこれ以上無駄に命が失われるのを見たくない! あんな男の子供でも命は命…。
あの時救えたかもしれない無駄に命を失わせてしまった贖罪もかねて…私はこの子を産むよ。
そしてどんな事があっても守って……立派に育てて見せる………。」
なのはは目に涙を浮かばせながら自身の下腹を摩った。本当なら時空犯罪者で、自分の教え子達を
情け容赦無く改造し、かつ自分を犯した男の子など持っての他。しかし今のなのはにはそれが
出来なかった。どんな形でも命は命。だからこそ、なのははスカリエッティの子を産む決意をしていた。
この後…なのはは一人の男の子を産み、ナイルと命名した。だが世間の目は冷たかった。
生まれた時点で『凶悪時空犯罪者の子供』と言う烙印を押されていたナイルは周囲から
様々な迫害を受けた。母なのはもまた『管理局のエースでありながら時空犯罪者の子を産んだ女』と
蔑まれ、迫害される様にもなった。そのせいでなのはは酒に溺れ、荒れる様になる。確かにナイルを
乱暴、虐待する様な事は無かったが…代わりにナイルを苛めていた子を親ごと頭冷やすと言った事を
度々起こし、管理局が何度注意しようとも辞めなかった為、ついには管理局を解雇されてしまった。
そしてもっと静かに暮らせる場所を求めミッドを去る母子だが、そこでも世間の目は厳しい。
ナイルの亡き父ジェイル=スカリエッティ自身かなり有名であった為、どの世界でも
母子は迫害を受け、ついには管理局時代に身体を酷使していた事に加え酒に溺れ、なおかつ
迫害によって受けた心労が祟り…なのはは病気になり、ナイルを残して亡くなってしまった。
唯一の味方を失い途方に暮れるナイル。だがそこで思わぬ助け舟が現れる。
それは皮肉な事にも現地に棲む時空犯罪者達だった。世間では悪魔の科学者と蔑まされている
スカリエッティも時空犯罪者界ではある種カリスマ。それ故にナイルは彼らの保護と
高度な教育を受け、なおかつそこで顔も見た事の無い亡き父ジェイル譲りの才能が開花し
まだ若いながら父を超える事も夢では無いと称される程の悪の科学者へ成長する。
残念ながら彼を保護した時空犯罪組織は後に管理局に壊滅させられてしまったが、
ナイル自身は脱出し、各時空犯罪組織を転々としながら様々な研究開発を行った。
そうしている時に彼に一つの転機が訪れる。ふとした事から偶然古代アルハザード遺跡の一つを
発見するのである。既にナイルはアルハザードに関してして『かつてアルハザードは
胸から火を吐く青銅の巨人を使って外敵の侵攻を防いだ』と言う神話を聞いた事があったのだが、
その遺跡から神話を裏付ける証拠を発見するのである。それは胸から火を吐く青銅の巨人の正体。
そう、それはまさしく様々な世界で研究が行われながら未だ形になっていないとされる『巨大ロボット兵器』
遺跡の中にはそれが今直ぐにでも稼動させる事が可能な状態でウヨウヨと並んでいたのである。
ナイルはその巨大ロボットを自身がそれまで培った技術の粋を尽くして改造。
機械の獣…『マシーンビースト』と命名し、自らの尖兵とした。また、遺跡内には
アルハザード人と思しき一組の男女のミイラも発見され、その左半分と右半分を
組み合わせた形で蘇生させ、自らの幹部とした。その後も様々な方法で配下を増やし、
いかなる世界の軍隊も敵わぬ強大なマシーンビースト軍団を作り上げたのである。
そして…過去様々な強者が挑みながらも成し遂げられなかった世界征服に向けて動き出す。
自分と…亡き母を無情にも迫害した世界に復讐する為に…。
「マシーンビースト軍団出動せよ!!」
マシーンビースト軍団を指揮するナイルの胸には赤い宝石…亡き母唯一の遺品が輝いていた。
おしまい
ホンマ救いの無い鬱展開+最後が悪ノリしすぎでスマソ
なのは×ユーノ展開も普通に大好きなのだけど…
こう言う「ギャップ萌え」的な展開も好きだったりします。
なのは×スカ展開もいわゆるギャップ萌えだし
さらに子供が出来てそれがまた父親似の男だったり、結局父の方と
同じ道を歩むってのもまたやっぱりギャップ萌え………スマソ
そんな事考える私は絶対頭可笑しいに違いない。だがそこが良い。
ちなみに終盤の展開に関して、グラップラー刃牙でジェーンがジャック=ハンマーを産んだ時みたいな
感じで、救出対象を救出出来ずに単身帰還した責任で牢獄に入れられたなのはが獄中で
スカの子出産みたいな鬱展開も考えてましたがやっぱやめました。
生まれた子の名前も当初は「ジェノハ」で考えてましたが、なのは×スカネタの元祖で
あらせられるホワイトマザーに出て来たジェノと被ると気付き、差し替えさせて貰いました。
なお、なのは×ユーノの平和ラブネタも普通に頭にありますから、機会があれば
またいずれ……と言う事で………
最後の最後で不思議少女ナイルなトトメス吹いた
ドクターヘル吹いた
柳沢大臣…
もう2スレぐらい存在が完全忘却されてるすずかのことも思い出してあげてください
>>553 今書いてるけどアリすずだから向こうに投稿かなあ。
新参はこのスレだとキツいっす。
話し断ち切ってゴメンよすずか! 別に嫌いじゃないから! むしろ好き!
シリアス長編を作りながら、息抜きにエロを同時進行してたけど、
SS書くのが久しぶり(リリなのに到っては初めて)なのでペースが上がりません。
そこで、少しでも感覚を取り戻すため
>>77氏の作品を見て思いついた小ネタを。
注意事項
・ユーノとなのはが結婚してヴィヴィオを養子にしています。
・非エロ。エロく見えても気のせいです。
タイトルは『初モフ♪なの』です
久しぶりの休日。なのは・T・スクライアは愛娘のヴィヴィオと手を繋いで買い物に向っていた。
天気も良く、適度な気温の昼下がり。なのはは穏やかな休日を予感していた。
だが、それはヴィヴィオの一言であっさりと打ち砕かれる。
「あ? パパがザフィーラと抱き合ってる」
「え゛!?」
慌ててヴィヴィオが指差す方向を見ると、ザフィーラを抱きしめ恍惚としている夫の姿があった。
「…………ユーノくん?」
「ザフィーラ〜♪」
唖然とするなのはを置いて、仲良しのザフィーラを触ろうとヴィヴィオが駆け出す。
しかし、ザフィーラに触ろうとした瞬間、待ったがかけられた。
タ ダ
「あかんで! 今は営業中や。いくらヴィヴィオちゃんでも無料モフは認められへんなぁ」
悪徳商人のような口調で現れた親友に、なのはは頭を抱えた。
「はやてちゃん……何やってんのよ?」
「何って、営業やないか。ヴィヴィオちゃん。モフりたいんなら、1分千円やで。なのはちゃんも
どないや? ちなみに5千円だしたら6分になってお得や」
「ちょっ! 何そのボッタクリのUFOキャッチャーみたいな値段!? って、言うより明らかに
ボッタクリじゃないの!?」
抱きしめるだけで、1分間に千円。どう考えても暴利だった。
「チッ、チッ、チッ、舐めたらあかんで? ザフィーラのモフには充分その価値がある!」
「無いって! そんなのに誰がお金払うのよ!?」
「誰って……あ? お〜い、ユーノ君。時間や。6分経ったで〜」
夫が居た。しかも5千円出して6分コースを堪能したらしい。
「ふ〜……ありがとう。ザフィーラ。今日も良いモフ加減だったよ……って、なのは?」
何処からどう突っ込んで良いのか、なのはは悩んだ。そもそも自分はツッコミ系のキャラでは無い。
取り合えず、悪徳商人になった親友と同業者の犬……これは諦める。もう戻っ来れないところに
旅立ってしまったんだろう。だが、せめて夫の眼を覚ましてやらねば……
「ママ〜。ヴィヴィオもモフりたい」
……娘もダメだった。
いや、しかし、認めるわけにはいかない。
「いや。あのねヴィヴィオ……」
「ダメ?」
「う゛……」
悲しそうな瞳に動揺してしまう。だが、ここで甘やかしてはいけない。断固として……
「じゃあ、パパが出してあげよう♪
「ありがとうパパ♪」
「毎度〜♪」
泣いて良いかな? そんな事を考える。
なのはは頭痛に襲われながらも、この場を凌ぐ手段を考える。いや、この場だけでは無い。
妻として、母として、こんな馬鹿なことに無駄な出費をさせないようにせねば。
「で、なのはちゃんは?」
「いや、わたしは別に……」
そう言いながらユーノを見る。なのはは夫に満足している。
正確に言えば、夫の肉体の虜になっている。
夫に比べれば、ザフィーラのむさ苦しい肉体では……
「はは〜ん♪ そう言えば、なのはちゃんはザフィーラをモフったこと無いんやったな。
それやったら、この極上の価値が分からんのも無理はないな。
いっぺん試してみ? それとも旦那の前で、他の男を抱きしめて恍惚とするのに抵抗あるん?」
その言葉になのはの心に怒りの炎が灯る。
(ザフィーラさんが極上?……ユーノくんを差し置いて、なんて傲慢な)
だが、同時に優越感もある。
(わたしにはユーノくんが居るんだ)
そう思うと、はやてには憐れみすら感じる。
思えば、なのはは初めて出会った瞬間……傷付き倒れる彼に触れた瞬間……に恋に落ちた。
あの、か細く繊細な毛並みの感触。守ってあげたいと母性を駆り立てる柔らかさ。
肩に乗った時の、儚いほどの軽さと、頬に触れる風のような感触。
喫茶店の娘だからこそ断言できる。例えるなら、最高級のスイーツ。
そう……高町なのはは、9歳にしてユーノの肉体の虜になっていた。
ユーノに出会って以来、アリサの犬も、すずかの猫も塵の如き存在に落ちた。
それに比べ、ザフィーラの毛並みは何だ? 繊細さの欠片も無い。
モフ? 単なる剛毛の間違いだ。
「5千円で6分だよね?」
財布から5千円札を抜き取り、はやてに手渡す。
「ほう? 結局やるん?」
「ええ」
教えてやらねばなるまい。真の極上とやらを。
はやてに、娘に、何よりも夫自身に。
モフってやろう。そして、6分経ったら、軽く立ち上がり、鼻で笑ってやろう。そして……
『ふ〜ん……この程度?』
……そう言ってやろう。
ヴィヴィオが離れたところで、一歩近付く。
そして、視線が合ったザフィーラを心の中で罵る。
(……この犬め)
「――!」
ザフィーラがなのはの真意に気付いた。
『……良かろう……来るが良い。だが、我がモフの力……侮るな!!!』
(駄犬が吼えるわね)
ザフィーラから送られる念話を無視して、ザフィーラの前にしゃがみ込む。
そして……
モフ♪
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!)
ザフィーラの毛並みに顔を埋めた瞬間、身体に電気が奔ったような感覚。
(な、な、なに……これ?)
『どうした? 高町なのは? いや、なのは・T・スクライア!』
『べ……別に……』
初めての感覚。これがモフ? こんな……自分は夫の肉体に満足してるはず。それなのに……
繊細さも無く、母性も湧かない。だが、これは……まるで包み込まれるような快楽。
圧倒的な肉感。そう……それはスイーツの繊細さとは異なる味わい。
例えるなら骨付き肉。確かに肉だけでは飽きるし、スイーツと比較するのは間違っている。
だが、そこにはスイーツなどと気取った食べ物では味わえはない満足感があった。
『どうした? 身体が震えてるぞ?』
『ち、違う! 鼻がむず痒くて、くしゃみが出そうなだけ……』
『ほう……それは大変だ』
ザフィーラが身体を少し動かすと、モフの波がなのはの顔を覆った。
『〜〜〜〜〜っ!!! ザ、ザフィーラさん!?』
『ん? 鼻が痒いと言ったから、かいてやろうと気を利かせただけだが?』
『くっ!……あ、有難うございます。でも、もう平気ですから……』
『遠慮をするな。ほれほれほれ!』
『ひっ! ん〜〜〜〜〜!!! こ、これくらい……ユーノくんの毛並みの方が…』
『ほぉ〜う? やはり、そういうことか……』
『―! ち、違います! ユーノくんは別に!』
心中を見透かされ動揺する。
だが、そこを見逃すザフィーラでは無かった。
『たしか、ユーノ・スクライアには弱点があったな。いや、ある意味、貴様の弱点になるか?』
『え?』
『貴様の弱点……唇だ!』
(んん! ん〜〜〜〜〜!……な、何故この事を?)
モフに唇を塞がれ、なのはが動揺する。
スクライア夫妻の弱点。なのはは、ユーノの毛並みに唇を触れる事が出来なかった。
ユーノが嫌がるのだ。何故なら……
(わたしが……焼き芋と間違ったばかりに……)
それは、まさに悪夢のような出来事だった。幼さの罪。若さゆえの過ち。
当時、9歳にして同棲を始めた2人は、普段は別のベッド(片方は籠とも言う)を使用していたが、
あの夜は、同じベッドで同衾していた。同衾した理由を詮索してはいけない。
ただ、その夜、なのはは夢を見た…………焼き芋美味しい♪
そして、夢の中で口に違和感を感じた彼女が目覚めると………
(ゴメンねユーノくん。背中、痛かったよね)
……自分の口に背中を収め、逃げようと必死にもがいている愛しい人の姿。
その後、ユーノはなのはの口が触れるだけでビクビク震えだすようになってしまった。
ちなみに、その肉体のラインの所為で、実に卑猥な光景になる。
『ところでだ……』
『え?……』
回想に耽っているなのはに、冷たい声がかけられる。
『……その亭主に見られてるぞ?』
(―――!!!)
今の自分を見られている?
この野獣のような男に身体の自由を奪われ、身動きできない今の状態を?
夫一筋の一途な妻であるはずの自分が……
(ダメ……見ないで……見たらダメよ……)
『おまけに娘もな』
(ヴィヴィオ!?)
何て事だろう。夫と娘の目の前で……
愚かな考えだった。強がって、夫と娘の目を覚ましてやるなどと考えておきながら自分が……
貞淑な妻であろうとした。良き母であろうとした。
それなのに、たった一度の過ちが……
「ママ〜、ヴィヴィオもモフるぅ〜」
娘の声。ああ、そうだ。すでに愛しい娘は、この肉体の虜になっていたのだ。
今のなのはには、娘の気持が痛いほど分かった。だったら、もう……
「いらっしゃい……ヴィヴィオ」
「うん♪」
母娘2人で、このケダモノの肉体に身体を預けた。
完
投下終了です。
ちなみに質問なのですが、今かいてるエロがクロノ×なのは×フェイトの3Pものなんです。
実はリリなのを見たのが最近のことで、2次創作もいくつか見たんですが……
クロなのは、そこそこある。
クロフェは多い。
なのフェは最強。
…ってイメージなんだけど、何故かこの組み合わせの3Pものを見たことが無い。
単に見落としてるだけなら良いけど、もしかすると敬遠されて荒れるとか理由があるのでしょうか?
もし、そうなら投下は避けるので、教えてくれると助かります。
ところで、保管庫の方ですが、ストーリーのジャンル別って出来ないんでしょうか?
※シリアス系、ギャグ系、恋愛系、ほのぼの系などの
作品が多いので、全部見ようにも、どれから見れば良いのか迷ってしまうんで
あると助かります。
>>562 エロい。GJ。
行為無しでエロいとは、強者ですな。
ところでクロなのフェものは保管庫にありますぜ?
これはこのスレよりも寝取り・寝取られスレ向けじゃねww
>>555-562 大丈夫だエロいエロい。
しかし部隊長の扱いが・・・まあ、こういう人なのでこのいじられ方は本人も喜んでいるでしょうが・・・
>何故かこの組み合わせの3Pものを見たことが無い。
敬遠されている理由って思いつかないなあ。
ただなのフェが性の玩具するんだったらユーノというおあつらえ向きのが存在しているからじゃないのかな。
>>562 GJ。エロくないはずなのに何かエロさを感じたわ。そして、それ以上に笑えたw
というか、モフの力ってなんだよザフィーラw
>>554 何を言うか! ソープから納豆、果てはホモまで受け入れるこのスレにおいて、遠慮など無用!
と言う訳で、楽しみに待ってるぜw
>>564 それにプラスはやてなら調教モノが少し前にあったような…
>>562 ジャンル分けですが正直きついです。
短編長編合わせて700種類くらいある作品全てに目を通して判別しないといけないので作業量が悲惨なことに。
それに一概に分けにくい作品もありますし。
現状ではキャラタグ、カップリングタグと短編・長編、エロ度で探していただくしかないかと。
>>562 バロスw
ジャンル別のタグ。それを各作品ごとに登録するには、
今まで投下された70スレ分の作品を全部、内容確認しないといけなくね?
有志の人たちの負担が凄いことになる気が…。あなたがやるというなら応援するけど。
>>562を読んで、父:パンダ、母:白熊、娘:人間。
の一家を思い出したのは俺だけではないと信じたい。
え?
573 :
26-111:2008/05/17(土) 23:47:54 ID:iG8Q5Zmd
>>◆6BmcNJgox2氏
お久しぶりです。そしてGJでした
相変わらず、外道な割に何処か抜けてるドクターが大好きです。外道は外道ですが
何故でしょうね、鬱展開な筈なのに、そんなに鬱に思えないのは・・・?
>>555氏
いかん、モフりたくなりましたよ。流石、我等が盾の守護獣。愛されすぎです(愛玩的な意味で)
はやてが物凄い黒い笑顔を浮かべている姿が見えたような気がするのは気のせいですか?キノセイデスヨネ?
>>69スレ264氏、チョコボ氏
保管庫の再編集、お疲れ様です。要らん手間を掛けさせてしまっているようで、正直申し訳なく思っています・・・
現状のタグの付け方に関して、変更点は
・「コテ+トリップ」の著者名の場合、トリップ部分はタグに含まない。
・「○○スレ」というタグはつけない
この二点くらいでしょうか?69スレ以降の保管にもぼちぼち着手するので、念の為、教えていただきたく思っています
それと、00:00くらいに久しぶりに一本投下させていただきます。では後ほど
>>562 投下はOK。
俺も歓迎。
たぶん色んな一般サイト見たためだと思うけど、無いのは
ある程度キャラを重視した恋愛物だとクロノがくそ真面目で
ハーレムっぽくし辛いためだろう。
とくにクロなのが関わるサイトは原作寄りっぽいことが多いからな。
桃栗さんとこみたいな例外もあるけど、基本的にクロノ好きは
キャラの大きな改変を好まない傾向があるから。
>>562GJ
だめだこの部隊長、はやくなんとかしないとww
妻をモフ取られた(?)ユーノさん、すごく和んだ目で妻と娘を見つめてるんだろうなぁ
クロなのフェは保管庫で見たことがありますね。
別に敬遠はされてないんじゃないですか?
ただクロノは妻子持ちなのでそこら辺に抵抗ある職人は避けてるのかもしれませんね
>>562 GJ。何故だ・・・・何故エロいんだw
ジャンル別は難しいですよ。辛うじて凌辱のエロと凌辱じゃないエロと非エロの3つまでしか。
それにしたってタグを見なきゃわからないのだけれども。
後、クロなのフェは保管庫に最低1つ(確か、3回に分けて投下されたのが)あったはず。新参なんで後は知らないです。
最初にこのスレ立てた人は、よもやここがこんなにもカオスな(良い意味で)スレになるとは思わなかったはず。
>>549 逆転の発想(?)で、ユーノを最初からスカ陣営に就かせてユー×なの・スカ×フェ調教とかどうだろうか?
某SSサイトでドクターに気に入られてたり、ルール違反かもだが現行クロススレであの二人のコンビにフイター!だけだがな
>>573 いつもお疲れ様です。
とりあえずその2点+初投下の人の○○スレ○○という著者タグは付けない様にお願いします。
司書長殿へ。
整理中にいくつか完全に内容が他ページと被ってるページが見つかりましたのでそれらの削除お願いします。
それらのページには「重複」というタグをつけておきましたので。
今日もアホな雑談と作品が多い。平和だ
タグは特殊性癖とか大まかにやるがよろし。
心許した人とか動物を抱き締めたり、抱き締められたりするのは、凄く落ち着くぜ……ムズかゆいというか、気持いい、心地いいっていうのはああいうのを言うんだろうな。
そろそろ投下を始めさせていただきますね
・メインはエイミィさん
・JS通販ネタです。B・A氏、勝手ながらネタを借りました
・エロ有り、しかし本家のJS通販ネタほどハードではありません。触手っぽい物が出ます
・使用レス数:9レス
・タイトル:エイミィさんの休日
では、投下を開始します
「・・・ん〜っ・・・!」
少し潮の香りが混じる朝の風を浴びながら、彼女:エイミィ・ハラオウンは大きく背伸びをした
日曜日の雲一つ無い蒼天に顔を覗かせた太陽は、惜しげもなく自身の恵みを地上に分け与えている・・・降水確率は0%。今日も暑くなりそうだ
「さって、と。それじゃあ、お洗濯を済ませて、今日はのんびり過ごさせて貰おうかなーっ!」
おおっ!と小さな拳を握り締めて、エイミィはそう吼えた
彼女の子供である双子:カレルとリエラは、今日はリンディとアルフに伴われて保育園のサマースクールに参加している
まぁ、サマースクールとは言っても特別な行事ではない。単に通っている保育園での奉仕作業が主で、今日は保育園の花壇の整備だそうだ
昼食が付いて、夕食は保護者と共に飯盒炊爨という予定なので、朝の洗濯だけ済ませてしまえば、後はほとんど自由に過ごせる
翠屋に繰り出してケーキなどつつくのも悪くないし、美由希のシフトが合うようならば一緒に買い物というのも良い
“主婦”としては、働き者の使い魔:アルフのお陰で楽をさせて貰っているエイミィだが、やはり、こうした“休日”は随分と久しぶりだった
「これでクロノ君がお休みを取れてれば完璧だったんだけど・・・」
彼女の夫:クロノ・ハラオウンは時空管理局執務官にして、XV級次元航行艦“クラウディア”の艦長という役職に就いている
職務に対する責任感が強く、真面目で実直なのは勿論良いことなのだが、妻としては少し家庭の事も顧みて欲しいと思うことがたまにはあるわけで・・・
「まぁ、仕方無いか」
とは言え、そんな部分も含めて丸ごと全部、クロノ・ハラオウンという男に惚れた身の上である。それに、いつまでも待っている程エイミィさんは大人しくはない
――― いつかはこっちから強襲してやる
恐らくは慌てふためきながらも喜色を隠しきれはしないだろう、夫の困ったような照れ笑いを想像しながら、エイミィは頬をぺちりと叩いて気合いを入れる
まずは洗濯籠を両手に持って、役目を果たした洗濯機に労いの言葉を掛けてやりながら洗い終わった衣服を取り出した
鼻歌交じりにスリッパをぺたぺた鳴らしながら廊下を横切って物干し台のあるベランダを目指す
まだあまり湿気を帯びていない初夏の海風が、爽やかに頬を撫でてゆく・・・良い休日になりそうな、そんな気がしたエイミィであった
○エイミィさんの休日
「よっし!お洗濯終了!」
物干し竿に吊された洗濯物が、風に靡いてひらひら揺れている。そんな光景にエイミィは満足げに頷くと、
身体を反らして背伸びをし、外したエプロンを丸めながら自室に向かう。着替えを一式片手に持つと、シャワーでも浴びてから翠屋に行こうと決めていた
「んっふふー、るったらー♪」
空になった洗濯籠に、部屋着のシャツとズボンと下着とエプロンを放り込んで風呂場に入る。折角の休日なのだ。朝風呂くらいは許して貰おう
蛇口を捻って、シャワーから流れ落ちる湯を浴びる。温度は少々ぬるめ。その代わりにちょっと水勢は強め。さーっ、と肌を叩くような感触が、彼女は密かに気に入っている
「・・・ったく、クロノ君ってば、こんなに美人な奥さんを放っておいて仕事三昧だなんて、自分がどれだけ果報者かわかってるのかしらねー」
鏡に映った自分のプロポーションには、結構自身がある。産後はやはり体型が崩れて色々大変だったが、リンディのアドバイスも有って、ウェストラインは何とか取り戻せた
個人的には授乳期のバストサイズを維持したかった様にも思うが、乳房が張って痛みを感じることも無いし、これはこれで。と少し縮んだ胸をむにっと摘みながらそう結論付けた
「あー、でも、フェイトちゃんとか子供ができたらどうなるんだろ。あの胸が、更に大きく・・・?」
義妹の、思わず見惚れる程の肢体が更に凄い事になる・・・そこまで想像して、エイミィは水気を帯びた髪を振って想像を打ち消した
そもそも、あの娘はあの娘でクロノに負けず劣らず責任感の塊である。浮いた噂など耳にした事も無いし、実直な義妹が色恋にかまけている姿など想像も付かない
実はフェイトには、局の高官の子息等からの縁談が何件も持ち込まれたりしているのだが、リンディが片っ端からお断りしているという内幕もあったりする
理由としては、結婚くらいは自分の望む相手として欲しい。と彼女が願った為だ・・・如何なる良縁であったとしても、フェイト本人の意志が介在していないのでは論外である
それはさておくとして、エイミィはシャワーを止めると、肌に残る水滴を掌で撫で落とした。そして、自分の身体を改めて見直してみる・・・
「・・・まだまだ、捨てたもんじゃ無い、わよね・・・?」
語尾が疑問系になったのは、年上にも年下にも規格外が多すぎる所為だ
だが、魅力に乏しい貧相な身体では無い。と思う・・・どこもかしこもぷにぷに柔らかいのが少し悔しいが、主婦業に鍛えられているのか、二の腕は何だか逞しくなった
「あんまり、嬉しくないけど・・・まぁ、いっか。こういうのも大人の魅力って事で」
スタイルには自信があるし、お肌の調子も悪くない。少なくとも、クロノを赤面させる程度の破壊力は備えているだろう。それだけ有れば十分だ
脱衣所に戻って身体を拭こうと、タオルを収納している棚を開け、適当に取りだそうとした時、
「さて、タオルタオル、と・・・あら?」
ふと、エイミィの目に「粗品」という熨斗が掛けられたビニール袋が目に入った・・・中は、大判のバスタオルのようだ
熨斗の名前は、「JS通販」と書かれているが・・・覚えはないがどこかで聞いた気がする名前に彼女はしばらく頭を捻り・・・ぽん、と手を打って思い出した
「あぁ。最近、母さんがハマってる通販のとこだ・・・へぇ、粗品にしては良いタオルじゃない」
熨斗とビニールを破り取ると、中に挟まっていた取扱説明書と一緒に丸めてゴミ箱に投げ捨て、彼女は薄いブルーのバスタオルを広げてそんな感想を呟いた
柔らかい肌触りながらしっかりした厚さの布地で、安物のペラペラなタオルと比べれば随分と良質だ。大きさもおよそ1m×2mくらいあるだろうか?すっぽりくるまれるほど大きい
カレルとリエラがくるまって遊ぶだろうなぁ。と苦笑と共に思いながら、エイミィは新しいバスタオルで身体を拭き始めた
エイミィは見向きもしなかったが、彼女の手でゴミ箱の中に葬り去られた取扱説明書には、こんな謳い文句が書かれていた
「優れた吸水性!優れた耐久性!お肌に優しい天然純綿100%使用!常日頃からJS通販にご愛顧賜ります皆様にお届けする特製“全自動”バスタオル!」
「んっふふ〜・・・ん、あれ・・・?・・・えっ!?ふぁっ!!」
肩に羽織るようにして身体に掛けていたバスタオルが、不意に水滴を帯びた身体に絡みついてきた
悲鳴を上げながらも咄嗟に引っぺがそうとはしたものの、タオルは素早く、エイミィの両腕に抗うようにするりと彼女の身体に巻き付き、抵抗を封じた
「な、何よこれっ!?んっ!く・・・や、やだっ・・・ッ!!」
柔らかい布地が、ぎゅっと胸を揉み込んだ。単に水滴を拭き取っているだけにしてはその動きは卑猥で、エイミィの唇から漏れ出る苦悶の声が艶を帯びてくる
乳房に張り付いたタオルが、胸全体をぎゅっと揉み、ゆすり、乳首を絞り上げる様に胸の頂で渦を巻く
「ゃあっ!は、あぁぅ・・・う、く、ん、んんっ!!」
胸だけではない。お腹から脇腹、尻や背中にも大判のバスタオルは巻き付いて、愛撫するような肌触りで肌をさすってくる・・・その刺激を、エイミィは気持ち良いと思ってしまった
クロノの単身赴任が長い所為でこっちの方は随分とご無沙汰だったし、育児にかまけて自慰も殆どしていない
だから、全身をごしごし、さわさわ、すりすりと撫でさするタオルの愛撫に唇からは熱い喘ぎが漏れ始め、身体の芯は少しずつ熱を帯び、熱く昂ぶり始めていた
「いやぁ・・・だめ、こんな・・・う、あ、あっ・・・」
ぞわぞわと全身を這い回り、綿毛でくすぐられるようなこそばゆさに、エイミィは身悶えしながらもバスタオルをどうにか剥ぎ取ろうとするが、
抱擁するように身体を包み込んでくる布地を剥ぎ取ることが、どうしてもできない
「う、あぁぅっ・・・助け、て・・・くろ、の、くん・・・クロノ君・・・ッ!!」
ダメだ
そう叫ぶもう一人の自分が居る
こんなのと、愛する夫を、クロノ君を一緒にするなと叫ぶ自分がいるのがはっきりと分かる
だけど、その名を呟いてしまったことが、胸の裡に燻る情欲に火を点けた
もう、止めようが無かった。止めようとさえ思えなかった
「んあぁぅっ!!ひゃ、ふぁっ!クロノ、く、んっ!」
瞳の端に涙さえ湛えながら、エイミィはぎゅっと己の身体を抱き締めるタオルを胸に掻き抱いた
抱き締められたバスタオルは文字通りの意味でエイミィの身体を覆い尽くし、その肢体を蹂躙してゆく
「ひゅあぅ、ふ、んあぅぅっ!!」
先程よりもずっと激しく、身体中をこねくり回される感触に、エイミィはただ嬌声を上げさせられた
湯上がりの水滴はすっかり拭われた筈なのだが、今度は身体から滲み出てきた汗を拭き取ろうと、タオルは陰部を中心に彼女の身体を這い回る
傍目に見れば、バスタオルを被って自慰を貪っているようにしか見えない姿だろうが、エイミィは床に膝を付くと、抱き締めたタオル越しに乳房をぎゅっと握り締めた
「ん、やぁぁっ!!うぁ、く、ひゃぁぁんっ!」
掌は握り締めただけであっても、乳房と掌の間に挟まれたバスタオルは縦横に乳房を揉みしだき、堅くしこり上がった乳首を抓り上げるようにぎゅっと巻き付く
汗で濡れ光る身体にゴシゴシとタオルが押し付けられる感触も、快楽に蕩けたエイミィの思考には乱暴な愛撫としか思えない
つるりと丸い尻肉を余すところ無く撫で回され、捏ね回され、菊座の皺までも擦り上げられて、エイミィは未知の感覚に背筋を震わせながら嬌声を上げた
「うぁっ!そ、そこ、良いよぉっ・・・やぁっ、あ、あ、ああぁぁぁっ!!!」
クロノにしか聞かせたことがない、もしかしたらクロノさえ聞いたことがないかも知れない程に熱い囁きを呟きながら、エイミィは太腿を擦り合わせた
汗以外の何かで擦り合わせる腿が滑る感触を確かめるのと、“水気”に触れたタオルが秘部を責め立て始めたのはほぼ同じタイミングだった
「うあぁぁぁぁっ!!!や、いやぁぁぁっ!!!だ、だめ、だめぇぇっ!!!」
いきなり、濡れそぼった秘部をタオルで擦り上げられて、それだけでエイミィは小さく達してしまったが、勿論タオルはそんな事情など察しはしない
ただ、“水気”を拭き取らんと繊維による制圧を始めるだけだ
「あああぁぁっ、ひゃ、あぅぅぅぅっ!!!やだ、や、あ、あああぁぁぁっ!!!」
滲み出た愛液に塗れて、ぱっくりと咲いていた女陰に、タオルが殺到する
だが、タオルとしては困ったことに・・・幾ら拭っても、この“水気”は幾らでも滲んでくる。拭えば拭うほどに湧き出すように出てくるのだ
「ひやぁぁっ、こんなの、や、うあぁぁぁっ!!」
紙縒の様に捩り合わさりながら、タオルが膣中に侵入してきた
クロノ以外の相手に“犯される”感触に、エイミィは半狂乱で抵抗しようとするが、彼女の意志に反してその四肢は最早何一つ抵抗を示さない
両腕は胸の上に置かれたまま、両脚は股間にタオルを迎え入れるように大きく開かれたまま、それだけだった
結局の所、快楽を身体が求めている・・・それを享受しきれない心を抱えている彼女にとっては、これは拷問に等しいのだろうが
膣中に侵入してきたタオルは、秘部から湧き出る愛液を残らず拭い取ろうと、絡みつく肉襞を掻き分けるようにぐにぐにと蠢く
「ふあああぁぁぁっ!!それ、だめぇぇっ!中、動かないでぇぇっ!!」
捩り合わさったタオルがドリルのように肉襞をこそいでゆく感触に、ビクリと腰が跳ね上がり、その度に膣からは潮が噴き出した
・・・いや、噴き出そうとした潮は残らずタオルに吸収され、湿り気を帯びたタオルは別の乾いた箇所をまた紙縒のように捩って尖らせると、再びエイミィの膣を貫いた
「ん、はぅぅっ!はぁっ、く、はぁぁっ・・・あ、ダメ、ダメっ!ま、また、あ、あぁあぁぁっ!!」
悲鳴の様な嬌声を上げて、エイミィは脱衣所のフローリングに仰向けに倒れ込んだ
身体はもうどこも言うことを聞かない・・・それほどに脱力しきった身体の上で、絡みついたバスタオルは今も秘部を滴る愛液に反応して蠢いている
身体は、もうどこも言うことを聞かない
愛液を滴らせる秘部はきっと、身体中の水分を絞り尽くしてしまうまで止まらない
それほどまでに“犯して欲しかった”自分の姿に、エイミィはひっそりと己の嗤い、そして、微かに吊り上がった唇もすぐに嬌声を紡ぎ始める
最早幾度目かさえ失念した絶頂の高みに押し上げられる感覚に、目の前が真っ白に眩んで・・・
―――気を失っていたらしい。シャワーを浴びた時間は10時頃だった筈だが、時計を見れば正午に差し掛かるところだった
緩慢な動きで身を起こし、脱衣所を見回せば・・・薄いブルーの大きなバスタオルが否応なく目に飛び込んできた
今は、床に畳まれているが・・・自分は、このタオルに“抱かれて”、“犯された”のだ
「ん、くっ・・・」
ひとまず、タオルに近寄らないようにしながら洗面台に歩み寄り、コップに水を汲んで一気に喉に流し込んだ
喉を滑り落ちてゆく冷たい感覚に、無性に喉が渇いていることに気付いたエイミィは立て続けにもう2杯水を呷り、人心地付いたところでゴミ箱を漁り始めた
目的の物はすぐに見つかった。「粗品」という熨斗と、破いたビニール袋と、タオルに挟まっていた紙切れ・・・取扱説明書だ
「・・・全自動タオルって何よ・・・」
つい今し方、身を以て体験した物こそが、その全自動タオルなのだが・・・思わず呟かずにはいられないエイミィである
説明書の注意書きを読み進めれば、このタオルは自動で肌の水気を拭き取ってくれる代物らしい・・・その割には動きが妙に卑猥だったが
全自動機能のオン・オフは、タオルのタグに付いている小指の先程の小さなスイッチを押し込むこと、と明記されていた・・・どうやら、オンの状態になっていたらしい
その他、注意事項として、油等簡単には落ちないべたべたした液体を拭き取らせる事はお薦めしない。とある
「・・・はぁ」
出掛ける気持ちがすっかり失せてしまって、エイミィはでっかい溜息を吐いた
折角の休日だというのに・・・
「ったく、母さんってばこんな粗品を置いてく通販で、一体何買ってるのよ・・・」
わざとらしく愚痴りながらも、彼女の視線は床で畳まれている薄いブルーのバスタオルに注がれたまま離すことができない
――― 気を失うほどに気持ち良かったのは間違いなく確かだった
胸が高鳴る。身体の芯がかぁっと熱くなるのが自分でも分かった
何となく、もじもじと擦り合わせた太腿の間で汗以外の何かが滑る感触を感じてしまうと、エイミィは何かに取り憑かれた様な動きで洗面台に歩み寄り、
棚の中からボディローションの小さなボトルを掴み出すと、キャップを外して胸の上でボトルを逆さまにした
少し粘性を帯びた透明な液体を直接素肌に振り掛けて、両手で身体中に塗り広げてゆく。胸に、腹に、腰に、尻に、既に愛液を滲ませている秘部にもたっぷりと塗り込んだ
「ん・・・あ、はぁ・・・」
熱い溜息が唇から漏れる
身体中を濡れ光らせるボディローションは、本来少量を肌に伸ばして馴染ませる物であって、こんな風にどばどば浴びるような物ではない
仄かに香るラベンダーの香りがお気に入りだったのだが、今はそんな事はどうでも良い
エイミィは薄いブルーのバスタオルを乱雑な手付きで床に広げると、その上にへたり込んだ
ローション塗れの身体を掌でぐちゃぐちゃと撫で回しながら、潤んだ眼差しを尻に敷いているタオルに向けて、熱く震える言葉で懇願する
「・・・お願い・・・来て・・・」
ローションと愛液がたっぷりと塗り込まれた秘部を指先で擦りながら、返事を返す筈が無い相手に、彼女は囁きかける
「いっぱい触って・・・いっぱい、エッチなこと、して・・・気持ち、良く・・・して・・・」
それが契約を交わす言葉とさえ解らぬまま、彼女は熱に浮かされたような口調でそう呟き、ぐちゅぐちゅと指先で股間を弄る
愛液とローションが混ざり合った、甘ったるい体液がタオル地の上に垂れ落ち、
食虫植物が小さな羽虫を呑み込むように、床に広がっていたバスタオルがエイミィの身体を包み込んだ
脱衣所に低く響くくぐもった声音は、悲鳴なのだろうか。それとも、嬌声なのだろうか ―――
「・・・それじゃ、昨日は結局今日一日、家でゴロゴロしてたのか?」
「うん。お出掛けも考えたんだけどね。まぁ、たまにはぐだぐだしようかな。ってね」
「うーん、まぁ、そりゃ悪くはないけどさぁ・・・」
翌朝の、リビングでの一コマである
カレルとリエラが保育園の送迎バスに乗り込んで行くのを見送って、エイミィとアルフはリビングでそんな会話を交わしていた
ちなみに、リンディは久々の土いじりで身体の節々が痛いらしい。未だに寝室で横になっている
「そりゃ、クロノ君の都合さえ良かったら会いに行こうかとか考えたけどね。今は忙しいらしいし」
「あぁ、フェイト達も今は大変だって言ってたよ。例の・・・ジェイル・何とかってのの捜査でキリキリ舞いだって」
「もしかしたら、緊急招集とか掛かるかも知れないし・・・そう考えたら、フラフラするのもちょっと憚るかなって。あたしだって、元は次元航行艦の通信主任なんだから」
腰に手を当てて威張るエイミィ・ハラオウン執務官補佐兼次元航行艦通信主任(育児休暇中)であった
「まぁ、お出掛けはしなかったけど、ワイドショーとショッピングを堪能したし、充実したお休みだったよ」
「ワイドショーはともかく、ショッピングって・・・?」
アルフがそう言って首を傾げたとき、玄関でチャイムが鳴り響いた
ぴんぽーん
『ちわッスー!JS通信販売っスー!!』
すっかりお馴染みになった、配達員らしい赤毛の少女の底抜けに明るい声に、エイミィはハンコを片手にいそいそと玄関に向かう
――― その日、彼女は初めて、夫が居ない独りの夜を待ち遠しく思った
以上です、紳士は時間に正確でなくてはなりませんね
何だか最近、脳味噌が触手になっている様な気がする私です。リアルに想像するとホラーですねふはは
触手っぽいエロ展開をもう少し書いたら、保管に戻ります
>>69スレ264氏
了解しました。貴兄の作業も応援しています
ぼちぼち頑張ってゆきましょう
それでは、スレ汚し失礼しました
GJ! バスタオルってのは盲点だった。
ところで……誰も居ない?
おいおい、いつの間にやらエイミィさん祭りが。
こうやって読むとエイミィさんも十分エロ可愛いんだが、やはり三人娘、特に義妹には負けるか。
あと最近見ないけどカリムと不倫とかも、てかカリムて不倫以外あったっけ?
594 :
B・A:2008/05/18(日) 01:12:19 ID:zENME7Ct
GJ!
エイミィさん、JS通販で返り咲きを目指すのか。
通販ネタは遠慮せずに使ってくださって大いに構いません。書き手によっては同じ題材でも内容が変わるのがまた醍醐味ですし。
現に、僕は触手椅子に固執する余り氏のようにバスタオルというネタは思いつきませんでした。
しかし、こうして続々とハラオウン家に増えていくJS製品・・・・・・・来そうだ、神が降りてきそうな予感がする。
次は遊びに来たエリキャロが巻き込まれる話を読んでみ(ry
オリキャラに調教があった気が、カリムさん。
誰も居ない……
……今ならアリすず投下できる……か?
GOです。
その後なのヴィヴィで後を追おう。
支援しやすぜー
GOGO
ここにいるぞ!
さあこい!
602 :
554:2008/05/18(日) 02:58:54 ID:DzPutaSK
じゃ、行きます。
書いていて思うのは某アリすずの偉い人は凄いんだなあ、と。
人生初投稿です。
まだまだ未熟ですが、失礼して……
・予告通りアリサ×すずか。でも受け攻めの法則から言うと逆。
・エロです。絡みあります。でも今回はナシ。
・年齢は中学生くらいで妄想してください。
そいでは、いきます。
「ああもうっ! どうなってんのよこれ!!」
埃っぽい室内に響き渡るあたしの怒声。もう何度トライしたかも分からない目の前の開かずの扉は、あたしが触ったことによって出来た指紋の跡以外は最初にトライしたときと同じように平静そのものだ。
力づくで開けようとすると上手くいかないという話はよく聞く。自分もその例なんじゃないか、熱くなりすぎてたんじゃないか、慌てすぎてたんじゃないか。そう思って力加減を変えてみたりとかもしたけれど、これもまるで効果なし。完全にお手上げ状態だ。
こうなってくると助けを呼ぶ以外に方法がないのだが、声の通るあたしの怒鳴り声でも誰も気づかない。校舎の裏側にあるのだから仕方が無いとも言えるが、それにしても、だ。
「もういいわっ!」
最近の立て付けの悪い扉というのもずいぶんと強力なシロモノに成長したなあ。なんて考えて、これ以上の抵抗を諦め近くにあったマット運動用のマットにごろんと寝ころぶ。
……分かってるわよ。現実逃避だって事くらい。でもこの状況を乗り切るにはそれくらいしか方法がないのよ。
校舎の裏にある体育倉庫に―――
「じゃあ今日はこのまま学校にお泊まりかな?」
―――アブナイことを考えてるすずかと一緒に閉じこめられる、なんて状況なんて。
○ 堕ちるっていうのはこういうことだと知った日 ○
間近に迫る運動会の準備のため放課後に倉庫の備品をチェックしに来たあたし達。そこでお約束のごとく閉じこめられるあたし達。以上で説明終わり。
それ以上もそれ以下も倉庫に来てあたしとすずかが閉じこめられました。それだけの事実しかないのだ。うん。
普通なら必死で外に出ようとするのが普通だとあたしは思うんだけど、一緒に閉じこめられて危機的状況にあるはずのすずかは全く持って笑顔を崩さない。
まあ分からないでもない。自分で言うのも何だけど、あたしやすずかはいわゆるお嬢様というやつだ。そのお嬢様が予定の時間になっても帰ってこなければ、当然のように身代金というワードもちらついてくる。
だからあまりにも帰りが遅くなれば当然のように迎えが来るだろう。鮫島の説教なんて今の状況から抜け出せることとの天秤にかければ答えは完全に明白だ。
ふと、ここであたしは思い出す。先程までパニクっていたので忘れていたが、今日はすずかの家にお泊まりに行くつもりだったんだっけ。そうなれば鮫島の迎えは期待できない。
けれど、すずかの家の方もノエルかファリンの迎えがあるだろうから、別に悲観的になる必要もない。すずかも相当のお嬢様だから心配して迎えが来るだろうし。
そうだ。もうあと数時間の辛抱であることはここに確定した。それを見越してすずかはあんなにも余裕だったんだな。なんだ、あたしはただ空回りしていただけじゃないか。
あたしは先刻の問いが冗談交じりの質問であることに安堵し、あたしも冗談交じりの返答をした。
「ファリンあたりが迎えに来たらそうなっちゃうかもね」
「え?」
どういうこと? と言ったようなすずかの表情。何か嫌な予感……。あたしの頬を一筋の汗が伝う。
「今日はアリサちゃんちでお泊まりするって伝えたから家のメイドさんたちは来ないよ」
今彼女はなんて言った。
「……ごめん、よく聞こえなかったからもう一回言ってくれる?」
「だから、今日はアリサちゃんちでお泊まりだから鮫島さんのお世話になる、って伝えてきちゃったよ?」
…………。
あたしは言葉を失った。あたしの表情もいわゆる「目が点」というやつだ。
はは……は……。何だ、明日の朝までずっとすずかと一緒にこの中かあ……あははは……。
「あ、アリサちゃん?! ちょっとアリサちゃん大丈夫?!」
あたしはあまりのよく出来すぎたご都合主義にふらっと来てしまったらしい。作者、もっとよく考えろ。
そして目が覚めたらもう陽は暮れてしまっていて、何ヶ所かしかない窓からうっすらと見える月が淡く光り輝いていた。
目覚めたときにあたしの頭がすずかの膝の上にあるなんてハプニングもあったけれど、それ以外は何もやることが無くてすずかと雑談をして過ごしているだけだった。
ただそれは『つまらない』だとか『ヒマだ』とかそういった感情ではなく、すずかとずっと話をしていられる事が何故かとても嬉しくて。あたしの家でもすずかの家でも同じようなことが出来るはずなのに。
いっそこのままこんな時間が続けばいいのに。そう考える私の心臓はいつもよりも速いテンポで脈を打っていた。
ちょうど修学旅行の夜にコイバナで盛り上がるのが同じような感覚だ。そういうときって時間が本当に早く感じるもの。
けれども私はそのことが恥ずかしく思えたのか、この場に居ることがつまらないと解釈できるような答え方をしてしまった。すずかの気持ちも考えずに。
―――後になって思うことがある。あの時このまま雑談を続けていたら今のような泥沼に填ることもなかっただろう、と。
「それにしてもヒマねえ」
その言葉を口に出してから私はその言葉の重大性に気づき、思わず口を押さえた。そして、嫌な予感がした。
言葉というものは一度外に出してしまってからではもう口の中に戻すことは出来ない。そんなことはやっと喋り出したであろう赤ちゃんでも分かることだ。
それなのにあたしは、今発したこの言葉に今すぐ戻ってきて欲しいと思った。それが適わないことだと知っていても。
嫌な予感というものはそれなりの的中率を持つもので、すずかの顔はその言葉を紡いだその瞬間から下を向いてしまっている。
あたしは座っていた体育用のマットから思わず立ち上がった。そして素直に頭を下げた。私が悪いのだから、謝るのは当然のことだ。
「ご、ごめんすずか……すずかの気持ちも知らないで……」
大人しい性格のすずかはあたしと二人きりで夜を明かすこのシチュエーションに恐怖しているはずなのだ。それなのに私はすずかを不安にさせてしまった。こういう時こそすずかとお喋りするなりして励まさなければいけないのだ。そんなときに……。
後悔しても後悔し足りないというのはまさしくこういうことを言うのだろう。あたしは頭を下げながらすずかに悟られないように唇を噛んだ。
頭を下げているためすずかの表情は分からない。だから、すずかの話し始めるタイミングも全く分からなかった。
「そんなことで怒らないから大丈夫だよ」
「で、でも……」
「じゃあアリサちゃん。アリサちゃんに質問」
「な、なに?」
私が思わず顔を上げると相変わらず顔を下に下げたままのすずか。そしてこの状況で質問。
あたしを叱責する質問だろうか。堂々巡りさせて困らせるような質問だろうか。どんどんネガティブな思考になっていくことが自分でも分かった。
「つまらない、んだよね?」
「っ!」
やはり、だ。私を叱責する質問。
怒られるのだろうか、殴られるのだろうか。それとも、拒絶されるのだろうか。
あたしは次にすずかが起こすであろう行動に恐怖し、文字通り顔を青くする。ああ、ここで終わりなのだろうか、もう駄目なのだろうか。そう思うだけで私の心を締め付けるには充分すぎる凶器だった。
しかし、すずかの次の言葉はあたしの予想を大きく覆すものだった。
「じゃあ、さ」
顔を上げたすずかの顔は見紛うことなき笑顔だった。ただし、『妖艶な』という言葉がぴったり当てはまるような笑顔だったが。
「一緒に楽しいコト、しようよ」
「……へ?」
私は一瞬何を言われたか分からなかった。楽しいこと? 何のことだ。
そう思った、次の瞬間。呼吸をする暇もなく、あたしの体は体育館倉庫の壁に押しつけられていた。
607 :
554:2008/05/18(日) 03:07:57 ID:DzPutaSK
お付き合いいただきありがとうございました。
これで今日の分の投稿は終了です…………と、いきたいところですが、レス数が思いの外少なかったので、
続き、見ます? もちろんエロあり。
見たい(即答)
は、早く投下を……!
いくら熱くなってきたからって裸のままは辛いです。
カマン!ぜひ!
今日5時起きの俺に頑張る気力を分けてくれ
612 :
554:2008/05/18(日) 03:38:05 ID:DzPutaSK
では私のせいで風邪をひいてしまってはいたたまれないので、投下しようと思います。
・予告通りアリサ×すずか。でも受け攻めの法則(ry
・前回はエロ無しですが、今回はエロくなります。
・中学生くらいのかわゆさで妄想してください。
それでは、いきます。
右の手のひらをすずかの左手に押さえつけられ、左の肩をすずかの右腕に押さえつけられ、そして自分の背中を倉庫の壁へと貼り付けた私の身体は、あたしの意識が正常に戻る頃にはすずかと壁に挟まれて身動きが取れなくなっていた。
「アリサちゃん」
「な、なによ?」
あたしの名前をあたしの息が掛かってしまうほどの耳元で呟くすずか。
耳元に顔を寄せているすずかの顔は伺えないが、艶の掛かったその声から察するに恐怖を憶えるほどの妖艶な笑みであることは間違いない。
あたしの耳へと吹きかけられるすずかの息。すずかの吐息がその耳をくすぐるたびにあたしの中で何かが疼きはじめていることが容易に分かった。
「アリサちゃん、アリサちゃん、アリサちゃん……」
あたし耳元で、すずかが切なげに呟き続けるあたしの名前が、あたしの躰を火照らせていく、何も考えられなくなる。
自分の名が愛しく思っている彼女から艶やかな声で何度も紡がれる。その事実がどうしようもなく怖く、そしてぞくぞくする。
ふと、耳元に聞こえ続けてきたあたしの名前が止んだと理解したその瞬間、端正かつ華麗なすずかの顔が目の前にあった。そのすずかの目は月夜に照らされて蒼く光り輝いており、その瞳の中に自分が映っているという事実の前にただ平伏すことしかできなかった。
「す、すずか……」
「ふふふ、可愛いアリサちゃん」
そう言ってすずかの唇がそっと撫でるようにあたしのそれをくすぐる。
まだ耐えることは出来ていたが、もう心が落ち着かない。あたしの心は既に後ろめたい感情に流されつつあった。
「行くよ、アリサちゃん」
「ちょ、ちょっとすずか……んむっ!」
○ 堕ちるって言うのはこういうことだと知った日 ○
透き通るようなその声をあたしの脳が感知したその瞬間、あたしの唇は目を閉じたすずかのそれに、今度は完全に塞がれていた。
拒否など、しない。それに答えるようにあたしは目を閉じて、思う。ああ、堕ちてしまった、と。
「「あ……ん…………くちゅ……ぅふ……」」
すずかの舌が自分の口内を舐め撫でるたびに、どんどんあたしの力は抜けていく。そして、怖いくらいにすずかを求めていることが自分でも分かってしまう。
手首を押さえつけられてはいたがまだ抵抗すれば何とか離れられたとは思う。だがここまで力が抜けてしまうとすずかの言いなりにしかならないことは目に見えている。
……違うな。力が抜けているからすずかの思うがままになっているわけではないのだ。そう、この躰がすずかをどうしようもないほどに求めている。強制なんかじゃない。私自身の意識として、私自身がすずかを求めて止まないのだ。
それを自覚した瞬間、あたしは今まで自分の身体を支配していた羞恥心やら何やらがひどく滑稽な物に思えた。
自分の願望を無いものだと、想ってはいけないものだと思いこんで感情を抑え込む。相手がおいでおいでをして待っているというのに、だ。
ああなんだ、こんなに簡単なことだったんだ。自分の心を高ぶらせるこの感情がなんなのかと自覚したら、後先のことなんか考えずに突進してみればいいじゃないか。
そうすれば、あたしは自分に素直になれる。嘘のない自分で居られる。とってもとっても大好きな人に。それが、とてもとても嬉しかった
自己問答が終わったことが分かっているかのように、すずかの手があたしの手首と肩から放され、そしてあたしの身体へと回される。既にすずかに征服されてしまったあたしがそれを拒むはずもなく、自然と腕はすずかの腰に回されていた。
「「……ぁふ…………っぁ…………ぷはぁ」」
見たすぎる
同時に唇を放す。だがあたしとすずかの唇を繋ぐ涎はその粘性を失わずにまだ二人の間を繋いでいる。
ああ、なんて甘美なんだろう。すずかの真っ赤な顔を見ながら飲み込む二人の味は、どんな飲み物よりも甘い物に感じられた。
そして二人の間に渡っていたそれは切れる。それと共にすずかの顔が私から離される。
既に深みに嵌っていたあたしはそれと共にすずかがどこか遠くへ行ってしまうような気がして、思わずその胸に飛び込んだ。
ああ、これがすずかなんだな。そう思うと自然と目は細まっていく。すずかの心臓がとく、とく、と音を立てている。その心音がとても気持ちよくて、あたしはどうしようもなく幸せな気分に包まれる。
湿気臭い倉庫の中にすずかとあたしだけ。この一分、一秒をすずかとあたしだけが共有している。誰も邪魔の入らない二人だけの花園。
閉じこめられた当初には居心地の悪い空間としてしか認識できなかったこの場所が、自分でも不思議なくらいに大切にしたいと思う場所へと変化していた。
やがて前身を包まれるような感覚を覚え、そっと目を開けると優しい顔をしたすずかがあたしの髪の毛を愛おしそうに撫でていた。
自分の前世がネコなんじゃないか、ととある友人に言われ「そんなわけないじゃない!」と怒ったこともあったが、それはどうやら正解だったらしい。
彼女の手があたしの髪の毛を割るたびにあたしの目は細められる。そしてたまらないほどの快感が私の躰を突き抜ける。
「すずかぁ……すずかぁ……」
こんな声が自分にも出せるんだ。そう思うほどの猫撫で声で求めるように愛しい彼女の名前を呼ぶ。
今のあたしはたまらなく熱かった。夏の暑さとはまた違う、体の芯が熱いようなこの感覚。
感覚としては一人で致している時に似たような感じもするが、それとは全く違う、何かを躰が求めて止まないようなこの感覚。
初めてだった。すずかと抱き合うことはあったとしても所詮はそこまでだ。それ以上のものをあたしは無意識で目の前の彼女に望んでいる。
一度堕ちてしまおうという感情を持ってしまったこの躰だ。無理に自分を隠すこともないし、隠そうとも思わない。
「すずかぁ……からだが、からだが熱いの……おねがい、なんとかしてっ……」
「っ」
すずかの顔に僅かばかりの動揺が走った。
あたしは、本気だ。ここで終わり、などと言われても納得がいかない。それ以前にこの火照った躰をどうすれば良いというのだ。
「あ、アリサちゃん、これ以上は、その……ダメだよ……」
あたしは、本気だ。すずかがいくら拒否しようとあたしは、本気だ。
確かにあたしのわがままかもしれない。自分勝手なのかもしれない。
でもだとしたら、すずかの瞳に走っている動揺の色はどうやって説明を付ければいいのだ……!
あたしはただ、すずかに素直になって欲しい一心だった。
「あ、アリサちゃん……?!」
すずかが驚くのも無理はない。あたしの手はあたし自身の下の下着に手がかけられていたからだ。
しゅるしゅると衣擦れの音がして、ピンク色をした布があたしの太ももから膝を伝ってやがてマットの上へと落とされる。
自分で自分の恥ずかしい部分の下着を脱いでいるところを愛しい彼女に見られる。恥ずかしかったが、不思議と嫌だという感情は湧かなかった。自分はきっと露出癖でもあるんだな。
顔を真っ赤にし、既にショートしているあたしの思考はとんでもない方向へと向かいつつあった。
「アリサちゃん……何を……」
「あたしね……すずかにいろいろされて、こんなに、こんなになっちゃったんだよ……?」
「……っっ!!」
しゅる、と再び布擦れの音が沈黙を守る倉庫の中で一際大きく聞こえた。
驚愕の顔を浮かべるすずかの顔。その視線の先には間違いなくあたしの手でたくし上げられたスカートの中が写っていることだろう。
当然、先程下着を脱いでしまったが為に自分の最終防衛ラインはスカートだ。そして、そのスカートを捲ってしまったのだ。
顔が真っ赤になり、すずかから目を放したい。そう思ったが、あたしの心は自分の羞恥心よりもすずかの顔が真っ赤に染まっていくその瞬間を見届けることの方が優先順位が上だと判断したらしい。
四肢が震え、顔も羞恥の色に染まるあたし。それでもこの熱い想いはどうすることも出来ず、前頭葉が弾き出した当然の帰結として自分の震えた手は潤いを持った自分自身の秘所へと宛われる。
何かを期待しているようにヒクヒク動くあたしのそこは、左手で少し広げただけでくちゅくちゅと甘い音を立てながら、透き通った液体がマットの上にぽたぽたと染みを作る。
やがて、我慢が出来なくなって広げられた自分のそこに空いている右の手を挿し込み、自分で自分を慰める。くちゃくちゃと厭らしい水音が倉庫の静寂を支配する。
もう限界だった。理性という名の楔はとうの昔に緩んで外れ、もはや快楽への扉しか見えていない。
「だ、だから……っぅ……おねがいすずかっ……ぅ、ぁ……あたしを………っぁ……あたしを……」
「アリサちゃんっ!!」
ぼんやりとしたあたしの意識がその瞬間に覚醒した。押し倒されたのだ。マットの上に。
寝そべった形のあたしの上に覆い被さっているすずかは優しく口づけをし、先程は透き通るような蒼色をした瞳だったのが今では吸い込まれそうなほど深い紅へと変化していた。
「私、こうなっちゃったらもう止まれないよ? アリサちゃんがやだって言っても止まれないよ? それでもいいの?」
「いい! あたしはどうなってもいい! ただ、ただあたしがすずかのものになりたいだけなのっ!!」
勢いに任せてあたしはそう叫んでいた。
もう、どうなってもいい。あたしの躰はすずかを求めて止まないのだから。それ以外の選択などあるはずがない。
すずかがあたしの制服のボタンを外し始める。
後は、ただされるがままになればいい。今、この瞬間だけは―――――
―――――あたしはあなたのものなのだから。
620 :
554:2008/05/18(日) 03:52:39 ID:DzPutaSK
今度こそ投下終了です。
エロとか言いながらまだ本格的でないですね。全裸で待機していた方、申し訳ないです。
そして司書の皆様方、保管の際にタイトルの下に5行ほど改行を入れてもらえないでしょうか。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくおねがいします。
都築を楽しみにしている方が居るかどうか分かりませんが、本番(性的な意味で)までもうしばらくお待ち下さい。
それでは。
くそ、我慢できなくなっちゃったアリサいいなぁ……GJです。
エロパロに純粋な百合が投下されるっていつ以来だよ……もう一回GJです。
あぁっん、もう一回GJだぁっ!
GJ
>>621 純粋じゃない百合って・・・・・ああ、あれとかあれか。
どっちも都築が待ち遠しい。
623 :
246:2008/05/18(日) 04:50:42 ID:8PPRQowY
しかしいい物を読んだ。
こっちもなのヴィヴィ投下して大丈夫かな……?
>>623 あなたが投下することに何の問題があろうかっ!
GOGO!
GJです。
もち、カマンです!
626 :
246:2008/05/18(日) 04:54:35 ID:8PPRQowY
よし、ありがとうございます。
仕事中少しずつ書いていたのがやっと出来たので投下します。
なのはママ×聖王ヴィヴィオ。エロメインです。
・CPは上記の通り、なのはママ×聖王ヴィヴィオ。
・前半陵辱っぽいかな。人によっては鬱になるかもです。
・なのはさんの精神状態が今だかつて無いほどに病んでいます。多分末期。
・今回は生えてません。その分エロくない。
では。
627 :
554:2008/05/18(日) 04:55:10 ID:DzPutaSK
待たせてしまってすいませんでしたorz
さぁ、投下を……!
いつだってあなたはそうやって背を向ける。今日だけじゃない。今までも。きっとこれからも。
「行ってらっしゃい、フェイトちゃん」
「フェイトママ、お仕事頑張ってね」
あなたは何も考えないで鞄を持ち上げて、行ってきますのキス。ヴィヴィオには頬に。私には唇に。
これからあなたは三ヶ月の次元航行。連絡だってままならない所へ行ってしまう。たまに連絡できても話す
のは簡単な、どうでもいい体調を気遣う言葉とヴィヴィオの事ばかり。
本当は、あなただって知ってる筈なのに。
本当は、あなただって分かってくれている筈なのに。
「フェイトちゃん、頑張ってね」
「うん。なのははあんまり無理しないでね? いつもなのはは無理するんだから」
「もぉ、分かってるよ」
ほら知ってる。
あなたの為だったら、私は無理くらいするよ? 作り物の笑顔であなたを見送るよ?
でも、それでも本当は行かないでって言ってるのに。もう少しでいいから一緒にいたいって言ってるのに。あ
なたはそれに気付かないフリをする。何でなのかな?
扉が閉まる。その扉の向こう。あなたの足音が遠ざかる音がする。
それがまるで、もう二度と近づいてくれないようで。
私とあなたの、心の距離の様で苦しかった。
「なのはママ、大丈夫?」
「ん? 大丈夫だよ。なのはママ、強いから」
ヴィヴィオがぎゅっと手を握ってくれる。きっと、寂しいって分かってしまったのだろう。ヴィヴィオはここ
にいるからって私に分からせるように手を握ってくれるんだ。
でも。
でも、私はそんなもの欲しくない。
ヴィヴィオの手なんかより、フェイトちゃんの手の方が暖かい。
ヴィヴィオの笑顔なんかより、フェイトちゃんの笑顔の方が安心できる。
ヴィヴィオなんかより、私はフェイトちゃんに隣にいて欲しいのに。
「ママ、どうしたの?」
「……何でもない」
イライラする。こんな事を考える自分に。こんな事を考えさせるあなたに。
ヴィヴィオは大切な、大切な子供なのに。こんな事を考えていいはずが無いのに。
こんな嫌な気持ち早く消えてくれれば。そう幾ら願っても消えはしない。
全部、あなたの所為。
……困らせてやりたかった。
魔法少女リリカルなのはStrikerS
―母×娘×寝室にて―
――あなたが出かけてから二週間目。初めてヴィヴィオを傷つけた。
本当に、突然の事だった。寂しがっている母を慰めようと、後ろから抱きしめただけだったのに。
「ははっ、ヴィヴィオ凄い力だ。なのはママ負けちゃいそう」
分からないのは実を貫く何かの痛みじゃない。
全身を縛り付ける桜色のバインドの、冷たさとキツさじゃない。
耳を打つ母の笑い声。その意味が、どうしても少女には理解できなかったのだ。
なのはが施した変身魔法は強引にヴィヴィオをかつてのゆりかごの時の姿に戻し、服を剥ぎ取った裸体に覆い
かぶさるようにして、なのははヴィヴィオを貫いているディルドーを前後させた。
その度ヴィヴィオを痛みから逃げるように身を仰け反らせ、圧迫感から酸素を求めるように口を開き、虚空を
貪る。
それを見るなのはに容赦はなく、ヴィヴィオの口を唇で塞ぎ、破瓜によって鮮血に塗れた腕はただ無慈悲に、
まるで玩具を遊ぶが如く動かされていた。
「うっく……! ま、ままぁ……っ……」
「痛い? でも大丈夫。ヴィヴィオの身体凄いやらしいからすぐ気持ちよくしてくれるよ」
痛みに身を捩る度弾む乳房を荒々しく掴み、歯を、爪をたてた。
穢れを知らなかった白い肌は泣き喚くヴィヴィオの頬同様朱に染まり、その頂、凝り固まった乳首は刺激を送
られるたび更に硬くなっていく。
「ひあぅ……!?」
「ほら、気持ちよくなってきたでしょ?」
ヴィヴィオを貫いていたディルドーを引き抜けば、破瓜の血に混じり溢れる蜜がヴィヴィオ自身の意思は兎も
角として、身体だけは悦んでいる事を報せている。
豊満な乳房に吸い付いていた唇を舌を這わせながら下降させ臍を超えれば、あるのはその身体の年齢に沿うよ
うに生え揃ったヴィヴィオの髪と同色の茂みだ。
舌先を尖らせ、なのはが陰毛を掻き分けていく。鼻先を擽るこそばゆさに笑みを濃くしながらその更に奥、数
刻前まで未開だった門を指で割り開き、覗き込んだ。
ヴィヴィオのぽっかり開いた孔の奥、艶かしく収縮する膣壁は今懇々とあふれる蜜でてらてらと光り、なのは
はそれに、ヴィヴィオ同様溢れた蜜で太ももを汚しながら己の心臓が早鐘を打つのを聞いていた。
「おしっこ……ヴィヴィオおもらしなんか――」
「違うよ。これはぁ、おもらしなんかじゃないんだよ?」
耳を塞ごうとするヴィヴィオの腕を捻り上げ、そっと耳元で囁いた。
意味は分からないまでも、母から聞かされる言葉の数々は暴力的で、少女の心は容易くひび割れ傷ついていく。
それでもなのはは止まらない。最早修復不可能なまでに壊れていた心は、同様にして少女の心を嬉々として磨
り潰すのだ。
「ま、ままぁ……くっ、ひああっ――!!」
唇を塞いで舌を絡め、唇を離して出来上がった銀の糸が切れぬ間に耳たぶを甘噛みし同時、フェイトと同等か
それ以上に大きい乳房を鷲づかみしに、乳首を指で転がした。
ヴィヴィオの身体は正確にそれを快楽と受け取り、秘所をヒクヒクとひくつかせる。溢れた蜜を指で掬えば、
ヴィヴィオの愛液は指の間で糸を引くほどに溢れていた。
舌先をその源泉に突き入れ震わせて、口の中いっぱいに広がった娘の味に恍惚となる。皮を剥き、真っ赤に充
血した陰核を弄んで。
その度、ヴィヴィオは頭を振り乱しながら涙を流す。その一挙一動が意識を手放してしまいそうになる程に、
気持ちが良かったのだ。
ヴィヴィオを――フェイトが可愛がる少女を傷つけている嗜虐心が。
娘にこんな事をしていると言う背徳感が。
それ以外の様々な、混ざり形の分からない感情が、もう病みつきになってしまう程に愛しい。
「ふああっ! ま、ママ! んっ、あ、あ……あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!!」
ヴィヴィオが一際大きな悲鳴と共に身を硬直させた。足先までもをピンと伸ばし、ややあってから脱力した身
体に力は無く、見ればヴィヴィオの秘所から零れた今まで以上に多い粘液が、少女が達してしまった事をなのは
に告げていた。
「ヴィヴィオ凄いよ。初めてなのにそんなに気持ちよかったんだね」
「……ぁ……ぅ……」
光りの無い瞳を虚空に漂わせ、ヴィヴィオは成す術も無く意識を手放した。
耳に残るなのはの狂笑の意味は終ぞ理解できず、だがやっと開放された事による安堵がひと時の休息を求め、
ヴィヴィオを眠りにつかせるのだ。
それを肴にし、なのはは娘の純潔を奪ったディルドーを己の膣深くまで埋没させる。
「ふあっ……くっ……ふぇいと、ちゃん……」
愛する者の名をしりきに呼び、ディルドーで膣をかき回して、涙と涎を垂らしながら果て続ける。
日が昇り、朝が訪れても変わらない。
もう何もかも、壊れたまま元に戻る事はない。
――あなたが出かけてから丁度一ヶ月。耳元で囁くとヴィヴィオが自分から服を脱ぐようになった。
それからなのはは、毎晩ヴィヴィオを犯し続けた。何かに気付いたアイナを解雇し、泣き叫ぶヴィヴィオを押
し倒し、欲望のまま蹂躙し続けた。
「じゃあヴィヴィオ、お洋服脱ごうか?」
「……うん」
それが変わったのはどれくらいヴィヴィオに悲鳴を上げさせた後だったろうか。
なのはに命令され、ヴィヴィオは自らの手で一つずつ制服のボタンを外していく。いつの間にか覚えていた変
身魔法を行使し、均等の取れたボディをなのはに晒し出し、四つんばいで尻を突き出した格好で次の命令を待つ
ようになった。
「じゃあ次はどうするんだっけ?」
「えっと、ヴィヴィオのおまんこと、お尻気持ちよくしてください」
「はい、よく出来ました」
ヴィヴィオはなのはに教えられたとおり、一字一句狂いなく言の葉を紡いでいく。もし間違えたなら待ってい
るのは痛みを伴うお仕置きだ。
紡ぐ言葉の意味が分からずとも、それがまともでない事は理解できている。唇を噛み、涙を流し、だがそれで
もヴィヴィオ自身によって割り開かれた秘所は、従順に涎を垂らして期待していた。
教えられたとおりの格好で待ち、無意識に身体が誘うように尻を振る。背後から聞えるなのはの押し殺した笑
い声に怯えながらも、少女の意思は最早抵抗する事など出来なかったのだ。
「じゃあ挿れるよ」
「……っ」
黒光りするディルドーが、さしたる抵抗も無くヴィヴィオの最奥まで埋められる。
眉根を寄せ、止めていた息を再開させる際吐き出されたヴィヴィオの吐息は悲しいほどに、快楽を知らない
少女のものとは違っていた。
その艶かしい姿に身震いしながら、すかさずなのははディルドーを前後させる。ヴィヴィオの膣へ埋まってい
くディルドーがぐちゅぐちゅと湿った水音で耳を楽しませ、引き抜けばもっととせがむヴィヴィオの膣口が背筋
を走る背徳感に変わっていく。
さて、今日はどのようにして遊んであげようか。
このまま一緒にディルドーを咥え込んで母娘水入らずで楽しむか、それともヴィヴィオがどれだけいい子に
なっているか試してみるか。
考え、浮かんだ名案に口元を歪ませて、なのはは一度自重で歪むヴィヴィオの乳房を手に取り乳首を捻り上げ
てから、快楽を耐えるようにシーツを握っていたヴィヴィオの手首を掴み、そこへ向かわせた。
「なのはママ……?」
「昨日のお勉強の復習だよ。ヴィヴィオ、教えた通りにやってみようか?」
ほんの僅か、ヴィヴィオの身体が硬直した。振り返った先のなのはは満面の笑みで、自身に埋まっているディ
ルドーを指でなぞっている。
「ほら、早くしなさい」
「は、はい……!」
その笑みに苛立ちが浮かぶ事を恐れ、ヴィヴィオはなのはが見つめる中腕を思い切り後ろに回しディルドーに
手を添えた。
「う、ぐっ……んんっ……」
「そうそう。ちゃんと出来てるよ」
それは、恥ずかしいと言うよりも怖いもの。
自分が自分でなくなってしまう、自分で自分を壊してしまう行為。
自慰と言う、昨夜耳元で教えられた知識を、ヴィヴィオは母の前で行動として披露した。
「ひぅっ、はっ、はっ……んくっ……!」
「気持ちいい? ヴィヴィオ気持ちいいのっ?」
「ひゃ、ひゃい……ふああっ、きもち、いいです……っ……!」
なのはの言葉に頷き、ヴィヴィオは舌を突き出しながら自慰に没頭する。
それをヴィヴィオの尻を掴んで凝視するなのはは興奮で息を荒くさせながら、火照る身体をヴィヴィオ同様自
分の指で慰めた。
ヴィヴィオが激しくディルドーを引き抜くと同時、陰唇が捲れ上がり愛液の飛沫がなのはの顔を汚していく。
口に入った娘の愛液で喉を潤し、なのはは見つめていたヴィヴィオの秘所の少し上、こっちもとせがむように
収縮する肛門へ指を向かわせた。
「ひゃうっ、なのはママ……!?」
「手とめちゃ駄目! もっとママに見せなさい!」
パチンと桃のようなヴィヴィオの尻に手の平を叩き付け、悲鳴を上げて自慰を再開させたヴィヴィオに満足し、
なのははヴィヴィオの肛門を指でなぞった。
既に何度か遊ばれた事のある肛門は、なのはが触れると同時門を閉ざし、そこへ入り込もうとするなのはの指
を締め付ける。
その感触を楽しみつつ、なのははヴィヴィオの愛液を掬い肛門の淵から滲ませるように蜜を塗り広げていった。
「んんっ……はぁっ、や、めて……汚いよ……」
「そうなんだ? じゃあ、綺麗にしなくちゃね」
ヴィヴィオの尻たぶを左右に割り、顔を埋めて舌を伸ばせばヴィヴィオが逃げるように尻を振る。
母に従わない尻をもう一度平手で打ち、なのはは念入りに娘の肛門に舌を這わせた。
肛門に舌が這う感触に、ヴィヴィオは目をきつく閉じ唇を噛み締める。主のいう事を聞いてくれない腕は相変
わらずディルドーを前後させ、その快楽と肛門のむず痒さに次第に何も考えられなくなってしまうのだ。
「ヴィヴィオお尻気持ちいい?」
「う、ん……気持ちい、よ……もっとして欲しいの……」
自分で何を言っているのか分からず、身体は意思に反してなのはの顔に尻を押し付ける。
ぴちゃぴちゃと耳を打つ音は、身体を貫いている物が出している音と、母が尻を舐めている音とどちらなのか。
必死に考えようとしても思考は纏まらず、唯一形としてあるのはこの時間が永遠に続けばいいと言う事くらい
か。
身体を駆け巡る気持ちよさは、学校で友達と離している時なんかよりも楽しくて。
振り返り目が合った時の母の表情も、今までのどんな時よりも楽しそうに笑っている。
絡ませた舌のざらついた感触と、交換し合う唾液の温かさが今まで感じたどんなものよりも暖かくて、幸せ
だった。
だから、もっとと思ってしまった。もっと、どっぷりこの気持ちよさに浸かってしまいたいと思ってしまった。
「ん……ヴィヴィオ?」
「はあっ……なのはままぁ……」
いつもされるように自身の胸を揉み、そのてっぺんで硬くなっている所に爪を立てる。一層硬くなったそこを
今度は押しつぶすように転がし、その度襲い掛かる気持ちよさにヴィヴィオが母の名を切なげに漏らす。
それに笑みを浮かべ、なのははもっととヴィヴィオの肛門に吸い付き舌でかき混ぜた。
もっと。もっと。もっと壊れてしまえと耳元で声がして。
身を捩りながらも、ヴィヴィオはなのはの舌の動きに合わせてディルドーを動かし、同時に乳房を揉みしだき、
乳首を抓る。
母と娘の、初めての共同作業だった。
――あなたが出かけてから丁度二ヶ月。ヴィヴィオが自分から求めるようになった。
そんな事を繰り返している内に、ヴィヴィオの変身魔法は飛躍的にその練度を増した。身体にかかる負担も無
く、常時、どこで何をやっていてもその姿を変えられるようになっていた。
学校では元の姿のものの、自宅ではほぼ殆どの時間を大人の姿で過ごすのだ。勿論自分を母の玩具だと正しく
理解している少女に不満は無く、だがやはり気付いてしまうと我慢が出来なくなってしまったのだ。
「ほんとにやるのぉ?」
「やるの。ヴィヴィオ、こんなのいらないもん」
「勿体無いな……せっかく綺麗に生えてるのに」
「やるったらやるの!」
場所は浴室。ヴィヴィオはなのはの前で足を広げ、最近気付いてしまった気持ち悪さに喘ぐように吐息を零す。
その艶かしいその吐息は楽しいものの、なのははどこか不満そうに眉を寄せヴィヴィオを見上げていた。
ヴィヴィオが大きく足を広げた中心。生え揃った陰毛がヴィヴィオの悩みの種だ。ヴィヴィオ曰く、こんなの
いらないという事なのだろう。
溜息を吐きつつなのははシェービングクリームの缶を振る。期待に目を輝かせるヴィヴィオを一睨みし、諦め
たようにヴィヴィオの陰毛へ泡を塗りたくり、剃刀を手に取った。
「動かないでね。怪我しちゃうから」
「うん……んっ……」
じょり、と少しずつ剃られるたびヴィヴィオが切なげな吐息を漏らし、身震いする。
くすぐったいのか、それとも強制的に成熟されたそこが女としての快楽を感じているのか。どちらにせよ、そ
の吐息はなのはにしてみれば十分すぎる程に綺麗で、妖艶だった。
それがもっと聞きたいと、なのはが自然と陰毛を剃る速度を増していく。ヴィヴィオの肌を伸ばすように押さ
え、陰唇の周りを注意深く、一本たりとも残すことが無いように目を凝らして。
「んっ、はぁ……」
「こら、動かない」
「だ、だってぇ……」
だがやはり、こんな事を頼むのではなかったとヴィヴィオが内心で溜息を一つ。母の手は優しく、だからこそ、
こんなものではなくもっと欲しいと思ってしまうのは仕方の無いこと。それに耐えるように腰を動かし、その度
なのはに叱られるの繰り返し。
少しも言うとおりにしないヴィヴィオを叱りながらも、なのははヴィヴィオが動かないようにバインドで拘束
し、今度は陰核の周りに剃刀の刃を走らせ始めた。
「んぐっ……!」
じょり、と音がする度ヴィヴィオが唇をぐっと噛み背を仰け反らせた。傷つけないように注意ながら丹念に、
だが時折ワザと陰核を刺激するように指で擦りつけ、ヴィヴィオの真っ赤に染まった表情をなのはが観察する。
ヴィヴィオがぐったりと肩の力を抜いた頃、ようやくなのはが剃刀を離し頑張ったねとヴィヴィオの頭を撫で、
唇を重ね舌を絡めた。
なのはの舌に必死に応えながらも緊張を解いたヴィヴィオは動けず、だが少女の秘所だけは待ちわびたように
卑しく引くつき、母におねだりをするのだ。
「ママ、こっちも触ってよぉ」
それに応え、なのはが既に涎を垂らし始めているヴィヴィオの秘所に口をつけた。
「うわ、つるつるだ」
自らの手腕を褒めるように毛の生えていない秘丘全体を舐め、蜜を啜る。
だがヴィヴィオはそれでは満足できないのか、しきりになのはの顔に腰を押し付け天井を仰ぎながらなのは
の舌が自分の最も気持ちい所に触れるさせるように腰を動かしていた。
まずはこれで一回。ヴィヴィオが唇を噛みながら待ちわびた絶頂を向かえ、浴室に身を預け、荒い息でなのは
を見上げた。
ぶるっ、と身体を震わせ起き上がらせてと求めるように母に手を伸ばす。
それを無視してなのはが持ち上げたのはヴィヴィオの両足だ。せっかくここだけ元の姿に戻してあげたのだ。
もっと楽しまなければ損というもの。休憩など、彼女はさらさらヴィヴィオにさせるつもりはなかったのだ。
大きく足を広げられたまま、ヴィヴィオは抵抗できずなのはにされるがままになる。頭を下にした格好で、
なのはがヴィヴィオの背中に身体を入れる。
下半身を上にし、なのはの目の前に秘所を晒したヴィヴィオは僅かに頬を染め、それでも次に来るであろう
快楽を期待するように目を閉じ、ぐっと力を入れるように息を呑んだ。
その間なのははヴィヴィオの陰唇を割り開きながら舌先を尖らし、ヴィヴィオが最も気持ちいいと感じるとこ
ろに念入りに舌を這わせながら、陰核を指の平で弄ぶ。
「はぁっ、んぐ……ままぁ……」
「なぁに?」
「お尻も触って欲しいな」
どうしようかな、となのはの視線がヴィヴィオの肛門へ。
可愛らしい色をしたヴィヴィオの肛門は今、なのはが入れたアナルパールが指を引っ掛けるところのみを残し
ヴィヴィオの肛門深くまで入り込んでいる状態だ。
さぞや気持ちの悪い事だろう。今日一日、そのままで過ごさせたのだから当然だ。元の姿に戻ったときも同じ。
学校へ行ったときも同じ。トイレに行くときだけは外していい事にしたが、その分自分で入れなければいけない
のだから躊躇った事だろう。
考えた末、自分で抜かせる事にした。そんなに嫌なのなら、ちゃんと自分で外させてあげればいいのだ。
そう耳元で囁けば、ヴィヴィオがふるふると首を振る。
「じゃあずっとこのままだよ? このままだとヴィヴィオも困っちゃうんじゃないかな?」
それも嫌だとヴィヴィオがもう一度首を横に。
焦る事無く、なのははヴィヴィオの秘所に口をつけながら、時折どうするのと問いかけるようにアナルパール
の指で引っ掛け震わせる。
ヴィヴィオが一度助けを求めるように母の名を呼んだ後、自らアナルパールに指を引っ掛けたのはすぐの事。
「ひっ、んぐっ、くぅぅっ……」
なのはが見つめる中、ヴィヴィオは唇を噛みながらゆっくりとアナルパールを引き抜いていく。ゴルフボール
程の大きさの物が肛門を広げる度、愛液を溢れさせ陰唇をひくつかせながら。
一つボールが抜けるたび、玉のような汗を浮かばせながらもヴィヴィオが腰を震わせる。まるで母の前で排泄
行為をしているような錯覚が全身を熱く、更に身体を滾らせてしまうのだ。
「うっ、ぐっ、あああぁぁぁぁ――!!!」
アナルパールのボール5個全てを引き抜いたヴィヴィオは薄れる視界の中、満面の笑みでそれを見ていた母に
同じように笑いかけぶるっと一度全身を振るわせた。
「あ、やっちゃった」
ちょとちょろと、黄金色の液体が排水溝へ流れていく。肛門を圧迫していたものがなくなり、力を入れている
必要がなくなったからだろう。その勢いは時間を置いても衰えず、噎せ返るようなアンモニア臭が寧ろもっと出
したいと言っているようで、その流れをせき止める事は出来なかった。
「いいよ、ヴィヴィオ全部出しちゃって」
「ままぁ……ごめんなさい」
「いいよ、ママがちゃんと綺麗にしてあげるから」
全てを出し終わったヴィヴィオが力なく、上半身を持ち上げ自分の秘所に口をつける母を見る。
「ヴィヴィオ、今日のお夕飯何がいい?」
「えっと、ハンバーグ」
「よし。じゃあ、これが終わったら一緒につくろうね」
うん、と小さく頷いてヴィヴィオが太ももでなのはの顔を挟みながら腰を前後させた。
ぴちゃぴちゃと母が舌を這わすたびに嬌声を上げながら、もっとと強請るように身を捩る。
尿道から膣口、肛門に至るまでもを満遍なく舐め上げながら、なのはは笑いを堪えるようにぐっと拳を握って
いた。
後一ヶ月。フェイトが帰って来たらどんな表情をしてくれるのか。
泣いてしまうのか、怒ってしまうのか、きっと喜ぶ事は無いだろうけど構わなかった。
でも、自分の下を去る事だけは許しはしない。決して、離したりなんかはしてやらない。
「さ、ヴィヴィオ終わったよ」
その後、一緒にハンバーグを作った。
ヴィヴィオが口の周りを汚すのをなのはが叱り、口の周りの汚れを舐め取るように舌を絡めあった。
食事が終わり、少し休憩をした後に、ヴィヴィオが明日の学校の用意と教科書を睨めっこをして。
それを待ちわびていたなのはが寝室でヴィヴィオを押し倒し、二人で仲良くディルドーを奥深くまでくわえ込
みながら腰を前後させて――。
――今日で丁度三ヶ月。やっと、君に寂しい想いをさせないで済む。
「じゃあ、お疲れティアナ。後はよろしくね」
「はい、お疲れ様です。フェイトさん」
ティアナの頭を撫で、僅かに頬を染めたティアナの視線を感じる中フェイトは小走りで駆けながら指で車の
キーを遊ばせた。
無論本局で走るなどご法度だが、今日だけは許して欲しいと思ってしまうのは仕方の無い事だろう。
パーキングに止めていた車に制服の上着を脱ぎながら乗り込み、やや力を込めてキーを回す。アクセルを二三
度踏み込んだ後にギアを変え、その後は向かうは愛する彼女の自宅だ。
途中、前から目をつけていたぬいぐるみショップへ車を向かわせ、じっとぬいぐるみと睨めっこ。
「やっぱりウサギだよね。あぁ、でもこっちも可愛いかな」
JS事件の後、ヴィヴィオのぬいぐるみは燃えてしまったから。そう、フェイトはウサギのぬいぐるみを抱えな
がら少女に想いを馳せていく。
抱きしめて抱き心地を確認し、匂いを嗅ぐように顔を埋め我に返って店内の視線に頬を染めて。
ヴィヴィオは喜んでくれるだろうか、と少女の笑顔を脳裏で浮かばせながらレジへ進んだ。
「よし、後は……」
無論、なのはへのお土産だ。
だがそれが一番困ったもの。十年以上の付き合いであるに関わらず、彼女の趣味と言うものが見つからないの
だ。
それはフェイト自身も同様なのだが、彼女の趣味は”高町なのは”なのである。他の趣味など持つ必要が無い
のだ。
なのははどうだろうかと考えた末、名案が思いついたのはどれくらい経った後だったか。クロノに連絡をし、
明日と明後日というささやかな休日を手に入れ再び車に乗り込んだ。
やはり彼女には物よりも、思い出を贈りたかった。
ヴィヴィオと三人で遊園地なんてものがいいだろうか。それとも、いつかと思っていたアルトセイム地方の方
へ三人でピクニックに出かけるか。
何にせよ、きっと彼女も満面の笑みで喜んでくれるだろうといつもの場所へ車を止め、巨大なウサギのぬいぐ
るみを抱きかかえながら彼女の自宅の扉まで歩いた。
「鍵、鍵……よし、と」
ポケットをまさぐり鍵の取り出して、ぬいぐるみの巨大さに扉を開けるのに難儀しながらも何とか開けて。
先にぬいぐるみをどうにかしようとヴィヴィオが眠る寝室まで足を向かわせて。
それから。
それから――。
637 :
246:2008/05/18(日) 05:07:12 ID:8PPRQowY
以上です。なんか、凄い申し訳ない気分になってしまった……orz
以前の家族エロの半歩隣の時空にこの話はあります。
需要無いとは思いますが、どうなんだろう……。
GJ! こういう話を読んでるとなのは「さん」なんだなぁって感じがします。
それにしてもなんで246氏がSSを書くとえろいのか、不思議です。。。
GJです。
最後の辺のフェイトさん読んでたら何か泣けてきた・・・
>>637 GJ!
最後の何も知らないフェイトそんがもうなんて言うか言葉にできないアレな・・・orz
しかも、結局ヴィヴィオは暇潰しの玩具かなにかとしか思われてないっぽいのもウヴォアな状況に拍車をかけてまあ・・・。
これ、続くとしたらヤンなのはさんの独白を経てフェイトさんが落ちて3Pとかですかね。
なんか246氏の黒なのはは(特にこういうシチュだと)一緒に堕ちていこう的な結末しか見えない。
こういうのも十分に需要はあると思いますが、どっちかと言うと逆のシチュの白なのは←黒フェヴィヴィが見てみたいと言ってみる。
641 :
チョコボ:2008/05/18(日) 06:54:40 ID:vSGHwq4F
>>562 モッフモフGJ!いいなーいいなー
そーいえばその基本的なタグってないですね
とりあえずジャンル別一覧に追加しときます(リンクはまだ無し)
これも全ページ見直す必要ありです。ぬぅ、これは骨が折れそう・・・
>26-111氏
スカリエッティ才能の無駄遣いすぎるwGJでした
文章も書ける、保管もできるとは羨ましい限りです
タグ付けのほうはそれで問題ないかと
あと貴兄のも含めてJS通販ネタがけっこう増えてきたようなので
保管の際に以下のタグの追加を依頼したいです
>B・A氏
タグは「JS通販」と「JS製品」どちらがよろしいでしょうか?
発案者である貴兄に決めてほしいです。あとエリルーGJ
>69スレ264氏
あれ、ページの削除は司書長にしかできないんですか?
他のwikiならページに何も書きこまずに保存すると削除されましたが
怖くて試せないけど(オイ
あ、一覧に重複タグ追加しときました
>>591 GJ!エロイよエロイ!
しかしエイミィさんようやく出番が増えたと思ったら、
旦那がいない寂しさを怪しげな通販品で紛らわすキャラになりつつあるのはいいのか悪いのかw
>>642氏
何を言う。旦那が帰ってきた時が楽しみじゃないか
>>495 GJ!!
ヴィヴィオとエリオの絡みも欲しいと思う今日このごろ
シリアスパートも好きですが、ほのぼのパートも楽しみ
一晩寝て、起きたらこのラッシュ。
いいねぇ。素晴らしいねぇ。
ああ……夜組の皆さまにGJですよ!
>>643 「こんな道具なんかに・・・!」とキレた鬼畜ロノがエイミィさんを3日3晩調教ですね、わかります。
本当にこのスレだとキャラがイロモノになっていくなw
>>637 ヴィヴィオとなのはさんならなのはさん受けに決まってるだろう、常考…
俺にもそう思っていた時期がありました…GJ!!
649 :
B・A:2008/05/18(日) 12:50:34 ID:zENME7Ct
>>641 保管庫の整理ご苦労様です。
やはり、最初にパッと思い浮かんだのが通販だったので、「JS通販」でお願いします。
650 :
B・A:2008/05/18(日) 15:43:20 ID:zENME7Ct
ついでに投下していこう。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
第3話 「黒い予兆」
徘徊するガジェットに橙色の魔力弾が飛来し、胴体にポッカリと穴を空けて動かなくなる。
その一部始終をビルの上から見守っていた青年は、闇の中から染み出すように現れた橙色の髪の女性を見て、忌々しげに舌打ちした。
「チッ、逃げ出した連中を追いかけてきてみたら、あの幻影の射手と出くわすとは・・・・・ツキが悪かったな、これは」
双眼鏡の向こうで、数人の男性が破壊されたガジェットを運んでいる。どうやら、持ち帰って調べるつもりのようだ。
「回収は不可能か。十年以上前の中古品とはいえ、やはりスカリエッティ製・・・・プログラムの書き換えは容易ではないか」
その呟きに対し、青年の傍らの闇の中で何かが蠢いた。橙色の核に胴体からシュルシュルと伸びるコードの群れ。
それは先程、双眼鏡の向こうで破壊されたのと同じガジェット達であった。
「ああ、別にお前達を責めいているわけじゃない。調整に手間取ったオレの責任だ・・・・・・気にするなって? 別に気にしちゃいない。
調整中だったあいつらには足がつくような情報は入れていないからな。まあ、壊されたことは腹立たしいが」
先程までの冷たい声音とは打って変わって、青年は感情のこもった声でガジェット達に話しかける。
それはまるで、愛する家族と語り合う幼い子どものようであった。
その時、不意に彼の右手首に巻かれた腕時計が点滅した。
『同志ケーニッヒ』
「なんだ?」
『奴の居場所が判明した。座標をそちらに送る』
「わかった、向こうで落ち合おう」
通信を切り、青年は獰猛な笑みを浮かべる。猛禽類を彷彿とさせるその笑みは、ここにはいない彼の宿敵に向けられたものだった。
「感動の初対面といこうぜ、お兄さん」
□
ミッドチルダ北部には、ベルカ自治領と呼ばれる地区がある。
ベルカはかつて、ミッドチルダと二分する一大勢力であり、独自の文化と魔法体系を持つ次元世界であった。
しかし、他世界との次元間戦争等の様々な理由から衰退し、現在はミッドチルダの一部の地域で失われつつある文化の保持に努めている。
それが、ベルカ自治領である。そしてここは、次元世界で最大の規模を誇る聖王教の総本山、聖王教会が置かれた地でもあった。
その日、地上本部本部長として多忙な日々を送る八神はやてが聖王教会を訪れたのは、友人であるカリム・グラシアに呼び出されたからであった。
「久し振りやね、カリム」
「前に会ったのは半年くらい前かしら。仕事の方は順調? 大変らしいけど?」
「そやね、本部長っていうのも楽やないわ。会議に接待に査察に講演・・・・・・・あれを一人でこなしとったレジアス中将はほんま凄い人や」
「あの人はあの人なりに地上の平和を考えて行動していたものね。そのやり方が間違いであったのは、悲しいことだけれど」
「ほんまに・・・・・今の立場になって、あの人のやりたかったことが何なのかようわかったわ」
増加する犯罪に失業問題と横行する不正。故レジアス・ゲイズは何とかしてそれを取り除こうと尽力し、それが非常に難しいことを痛感して最高評議会やスカリエッティと裏取引を行うことを決意したのだ。
全ては、地上の平和を守るために。彼と同じような立場に立ったからこそ、はやてはその気持ちを痛い程理解することができた。
「けど、どんな理由があろうと悪事に手を染めることだけはしたらあかん。私が言えた義理じゃないかもしれんけど、
それだけは絶対にしたらあかんのや。だから、私は私なりにあの人の実現したかった平和な社会を作ってみせる」
「頼もしい言葉ね、騎士はやて」
「お褒めに預かり光栄です、騎士カリム」
どちらからというでなく笑みを零す。
ひとしきり笑った後、はやては本題に切り出した。
「それで、私を呼んだ理由をそろそろ聞かせて欲しいんやけど?」
「ええ、それは・・・・・・」
その時、扉が開いて二人の人物が執務室に現れた。
それははやてにとって馴染みの人物である、ユーノ・スクライアとクロノ・ハラオウンであった。
「遅くなって申し訳ありません、騎士カリム」
「すみません、ゲートの乗り継ぎに時間がかかって」
「クロノ君・・・・それにユーノ君も・・・・・・」
「久し振りだね、はやて」
「これで全員・・・・・・・いえ、後一名いましたね」
程なくして、最後の人物が到着した。
その男は群衆に紛れこめば埋没してしまうような特徴のない顔をしており、スラリと伸びた長身は陸士隊の制服に包まれている。
所属を示す胸元のバッヂには、『機動六課』と記されていた。
「ようやく全員揃ったか」
「すみません、会議が長引きまして」
恐縮そうに頭を下げる男はクロノの甥夫婦やユーノの娘が所属する機動六課という部隊の部隊長だった。
十二年前は旧機動六課の一員としてはやての下で働いており、あのJS事件を無事に生き残った猛者の一人である。
しかし、彼自身からはそういった年季を感じさせるような気迫は発せられておらず、その親しみやすい雰囲気から部下に『課長』と呼ばれて慕われている。
「では騎士カリム、我々を召還した理由をそろそろお話願えないでしょうか?」
四人を代表してクロノが口火を切る。
この場を見回せば、この度の召還がどのような意味を持つのか自ずと理解できる。
地上本部本部長である八神はやて。
本局内において強い発言力を持つ艦隊指揮官クロノ・ハラオウン。
次元世界の知識の宝庫を管理しているユーノ・スクライア。
そして、機動六課の課長。
騒然たる顔触れに、否がおうにも緊張が高まっていく。
「先日、新たな予言のページが記されました」
「カリムのレアスキル・・・・・・・『預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)』やね」
預言者の著書とは、カリムが持っている稀少技能のことである。
ミッドチルダの天に浮かぶ二つの月の魔力を合わせることで、年に一度だけ近い未来に起こる災害や事件を予言することができるのだ。
十二年前もこれによってあの未曽有のテロリズムであるJS事件を予見することができていたのだが、予言は古代ベルカ語による詩文形式で記されるため、
解釈ミスも起こりやすく万能とは言い難い。事実、予言の解釈に時間がかかり過ぎたが故にJS事件では防げたはずのいくつかの事態も防げなかったという意見が教会の内外でチラホラと挙げられている。
「それで、新しい予言にはなんと?」
張りつめていく空気の中、カリムは咳払いを一つして自身が予言した未来を語る。
「『偽りの影が重なり合う時、亡者達が産声を上げる』、『血塗られた盾は世界を閉ざし、模造された神は空へと羽ばたく』、『二つの星は大地を焼き、かくして王は天へと昇る』」
その余りに詩的な表現に、その場にいた全員が難解な表情を浮かべる。とりとめない言葉の羅列はどれもが重要な意味を持っているような気がするし、逆に全く意味がないようにも思えてくる。
「ユーノさん、あなたはこれをどう思われますか?」
「気になる単語はいくつかあります・・・・・・『偽り』、『模造された神』、『二つの星』、『王』・・・・・・・みんなもそうなんじゃありませんか?」
「ではユーノ、お前はやはり・・・・・・」
「うん・・・・・・あくまで僕の勝手な予想だけど、これはヴィヴィオの事を指しているような気がする」
吐き捨てるようなその言葉には、深い悲しみが込められていた。
ユーノの娘であるヴィヴィオは、かつてジェイル・スカリエッティという犯罪者の手で蘇らせられた、古代ベルカの聖王のクローンである。
オッドアイと独特の虹色の魔力光はその証であり、聖王の鎧も聖王の血統にのみ発現する稀少技能だ。当時五歳であったヴィヴィオはスカリエッティによって
その能力と資質を利用され、JS事件の終盤において聖王のゆりかごと呼ばれる巨大戦艦を浮上させる核とされたのである。ユーノの妻であるなのはが何とか救出することには成功したが、
その事実は今でもスクライア家が背負わねばならない十字架として重く圧し掛かっている。
「『偽り』や『模造』はクローン、『神』や『王』は聖王を表わすとして、『二つの星』っていうのは? 星と言えば、私はなのはちゃんしか・・・・・・・・」
「スターライトブレイカー」
六課課長の呟きがはやての言葉を遮る。
「スクライア君の鬼札です。そして、彼女の母君の魔法でもある」
「けど、それやったら私とティアナも使える。ううん、なのはちゃんの教え子の中には、他にも・・・・・・・」
「まだあります。スクライア君はスターズ分隊の隊長、そして高町・スクライア二佐も旧機動六課ではスターズ分隊の隊長でした・・・・・・SLBとスターズ分隊、どちらも星を表わす言葉です」
「では、二つの星とはなのはさんとヴィヴィオのことを指すと?」
「私見ですが。それに、最近のクラナガンでは色々と不穏な動きがある」
「例のガジェットですね」
二週間程前から、クラナガンの各地でガジェットが目撃される事件が度々起きていた。幸いにも被害は何も出ていないが、十二年も経ってからいきなり現れた理由は不明のままだ。
製作者であるスカリエッティにも問い詰めたが、逮捕されてからずっと捜査に非協力的な彼は当然のことながら答えようとはしなかった。
ただ、尋問した局員の苦心により、アジトとは別にガジェットの生産プラントを幾つか持っていたらしいという情報を掴むことには成功した。
「気になるのは、先週までに七機撃墜して、それっきり目迎情報が入ってけえへんってことや。回収したガジェットの残骸からも、何か手がかりになるようなものは発見でけへんかった」
「どこかのプラントがまだ生きていて、そこから抜け出したのかもしれないな。何れにせよ、ティアナにはプラントの発見を最優先にするよう命じてある」
「ほな、そっちの方は海のみんなに任せるとして、こっちはこっちの問題やな」
「はやて、こっちの問題って?」
「・・・・・過激派のことです」
ユーノの質問に、はやてに代わってカリムが返答する。
「知っての通り、我が聖王教は古代ベルカの王である聖王陛下とその血族を崇めています。そして、あなたの娘・・・・・・ヴィヴィオは聖王のクローン。
それを知った狂信的な信者達が徒党を組み、何やら不穏な動きをしているようなのです」
「まあ、そういう連中のやりそうなことはいつの世もクーデターと相場が決まっているがな」
うんざりだと言わんばかりにクロノは手を振る。だが、当事者の父であるユーノからすれば堪ったものではなかった。
「クロノ、人の娘を何だと思っているんだ!」
「別に何もしないとは言っていないさ。だが、相手は仮にも聖王教会の信者だ。迂闊な行動を取っては教会との関係を破綻しかねない」
「そやから、ロッサに頼んでヴィヴィオの周辺を探って貰っているんよ。何か動きがあったら、すぐにでも行動できるように」
(ってことは、ヴェロッサが先々週の火曜に僕達の前に現れたのもそれが理由なのかな?)
あの道楽査察官、涼しい顔をして何て大胆な真似をするんだ。そもそも、当事者に自分の存在を教えてしまうなんて、正気を疑ってしまう。
だが、同時にユーノの心に僅かではあるが安堵感が生まれた。ああ見えてヴェロッサは優秀だ。直接的な戦闘は不得手だが、諜報活動に関しては右に出る者がいない。
彼が側にいるのならとりあえずは安心だろう。ならば、自分は自分にできる仕事をするだけだ。
「それでは、僕の仕事は予言の解読を?」
「ええ。無限書庫の力をお借りしたいと思います」
「わかりました。娘の一大事ですからね、最優先で取り組ませて頂きます」
「おい、君には至急を要する仕事を三件程頼んでいたはずだが・・・・・・」
「本局の解読チームと情報の擦り合わせもしないといけませんね。判明した事実はすぐに皆さんに知らせます」
クロノの小言をサラリと無視してユーノは締めくくる。
その後は、各自の近況と具体的な対応策を話し合った後、その日の会合は終了となった。
□
うららかな春の昼下がり、ヴィヴィオに呼び出されたセリカは彼女の家を訪れていた。
「いきなり家に来いなんて、えらく強引じゃない。こっちは謹慎中に溜まっていた仕事とか片付けなきゃいけないのよ」
「ごめんごめん。けど、セリカちゃん喜ぶと思って」
嬉々とした笑顔を浮かべながら、ヴィヴィオはセリカの背中をグイグイと押す。そんな親友の様子に苦笑しつつ、セリカは彼女に押されるがままにリビングへの扉を開けた。
瞬間、セリカは息を飲んだ。
「あ、いらっしゃい」
サイドポニーの茶髪に黒い瞳。耳に響く心地よい美声と慈母のような微笑みを携えた女神がそこにいた。
「スクライア・・・・二佐」
「なのはさんで良いよ」
セリカは自分の胸が高鳴っているのを感じた。
憧れの人がすぐ側にいる。しかも、自分に向かって優しく微笑みかけてくれている。
自覚すると自然と鼓動は早くなり、頬が高揚していく。
「ね、喜んでくれた?」
「ヴィヴィオ・・・・・あんた・・・・・」
「セリカちゃんの謹慎が解けたお祝い。さ、座って座って」
驚きも冷めやらない内にセリカは椅子に座らされ、なのはがキッチンから料理を運んでくる。どれも手作りのようで、中にはセリカが見たことのない料理もあった。
お菓子やサンドイッチに混ざって、海苔の巻かれたライスボールやゼリーのような黒くて四角い物体がテーブルの上に並んでいるのは何とも不思議な光景だ。
「あの・・・・これ・・・・なのはさんが?」
「うん、わたしが作ったんだ。お口に合えば良いけど・・・・・・」
「そ、そんな! なのはさんの料理に不味いものなんてありません!」
ドンとテーブルを叩いてセリカは言う。その余りの迫力に、なのはは思わずたじろいだ。
「そ、そうかな?」
「はい!」
「うん、ママの料理美味しいもん・・・・・・ほら、特にこのケーキは絶品だよぉ」
ヴィヴィオは切り分けられたショートケーキをフォークで突き刺し、セリカに差し出す。
思わず反射的に口を開けてしまったセリカは、そのままパクリとケーキに齧り付いた。
「美味しい・・・・・」
「にゃはは・・・・・そう言ってもらえると、作った甲斐があったよ」
「それじゃ、乾杯しよう。あ、私キャラメルミルクが良い!」
「はいはい、用意してあるよ」
そうして、ささやかなホームパーティーが開始された。
最初は戸惑っていたセリカも話している内にどんどん場に打ち解けていき、ヴィヴィオも料理に舌鼓を打ちながら話を盛り上げ、なのはは二人が楽しそうに笑う姿を優しく見守る。
やがて、話の話題は自然と先週の模擬戦へと移っていった。
「そういえば、セリカちゃんも使っていたよね、わたしの魔法」
「はい・・・・・その、恐縮です」
「別に畏まらなくて良いよ。アクセルシューターの扱い方、ひょっとしたらわたしよりも上手いんじゃないかな?」
「そんな、私なんてまだまだです」
「そんなことないよ。セリカちゃん、学校じゃ一番魔法の制御が上手かったじゃない」
「制御はね。放出や集束のスキルはないし、インテリが使えないから独自で魔法を編まなきゃいけない。そしたら、自然と制御が上手くなっただけよ」
「聞いているよ。魔力性質流動体質だっけ?」
「はい」
聞き慣れぬ単語に、ヴィヴィオは首を傾げる。
「えっと・・・・・その何とか体質って何?」
「そういえば、あんたには話してなかったわね。私の唯一の取り柄・・・・・或いは弱点かな」
「何万人に一人の確率で生まれる特異体質で、常に魔力の波長が流動していているの。そのせいで、持ち主の特性に合わせて最適化していくインテリジェントデバイスとは相性が悪く、
逆に融合デバイスとの相性が極端に高い。上手く制御できれば発動する魔法に合わせて自分の魔力の特性を最適なものに変換できる資質のことだよ」
通常、生まれついての魔力資質が変化することはない。訓練によってある程度克服することはできるが、どうしても得意とする分野、不得手とする魔法が存在するのだ。
しかし、この資質を持って生まれた者は自身の魔力の波長を発動する魔法に最適なものへと変化させることができるため、どんな魔法も使いこなしやすくなるという利点がある。
また、流動するということは異物に対する抵抗も少ないということであり、融合デバイス等の使用者と同調するロストロギアとの相性が高いのも特徴であった。
「私はストレージしか使えないから、せめて形や機能だけはレイジングハートに似せようと思ったんです。だって、なのはさんは私の憧れの人だから」
「そんな・・・・照れるなぁ」
「いいえ、なのはさんは強くて立派な人です。瀕死の重傷からも立ち直ったし、ゆりかごでも単身で最奥にいた犯人を捕らえたじゃないですか。
私も、そんな風に強い心と力が欲しいんです。だから、せめてあなたの杖を側に置いておきたくて」
「ありがとう、セリカちゃん・・・・・・・だったら、これだけは約束してくれるかな?」
真剣な面持ちで語るセリカを見て、なのははかつての教え子を思い出していた。
誰かに憧れ、その人を目指す姿はあの青い髪の拳士に。自身のハンデを覆そうと工夫する姿はあの橙色の髪の銃士に似ている。
我が娘ながら、ヴィヴィオはまた面白い友人を作ったものだ。
「どんな時も諦めない気持ちを持つことと、危ない無茶はしないってこと・・・・・約束できる?」
「難しいです」
なのはの言葉に、セリカは余りに正直だった。確かに、諦めないことと無茶をしないことは相反していて両立させることは難しい。
それでも、やらねばならないことをなのはは痛いほど承知している。何故なら、それを怠ったが故に自分は堕ちてしまったのだから。
「けど・・・・・やってみます」
「うん・・・・ヴィヴィオ、あなたもね」
「ふへ?」
不意に話を振られ、ヴィヴィオは間抜けな声を漏らす。どうやら、まったく話を聞いていなかったらしい。
「ヴィヴィオ」
「え、えっと・・・・・」
「この前も魔法の制御に失敗して訓練施設壊したって課長から苦情が来ていたよ」
「あ、あれはガリューが逃げ回るから・・・・・」
「動きの速い相手と戦う時はまず視野を広く持つ、そして相手の先を読む・・・・・・ちゃんと教えたはずだよ」
「難しいだもん、それぇ・・・・・」
ヴィヴィオの泣き言になのははため息をつき、セリカは呆れたように苦笑する。
こうして、和やかな時間は少しずつ過ぎていった。
□
機動六課隊舎へと戻った課長は、深々とため息をついて自分のデスクに腰を下ろした。
「お疲れのようですね、課長」
まるで申し合わせたようにルーテシアがお茶が差し出す。課長は一言礼を言うと、ありがたくそれを頂いた。
「ふぅ・・・・・やはり、あのような会合は柄ではないな」
「聖王教会の騎士カリムのことですか?」
「更に、本部長の八神少将や本局のハラオウン提督、そしてスクライア司書長だ。一介の三佐如きではどうしても浮いてしまう」
「地味だし」
「怒るよ、アルピーノくん」
ルーテシアの呟きに課長は眉をしかめる。彼女が配属されて二年、こういう一言減らない部分は一向に改善される気配がない。
「まあ、地味だけどね・・・・・・地味だからギンガにも相手にしてもらえないのか」
「気を落とさないでください、事実は事実です」
「怒るよ」
課長は心の中で長期休暇中のエリオが帰還してくれることを切に願った。彼がいないと、ルーテシアのストレスの吐け口が自分に向けられるからだ。
「冗談はさておき、モンディアルくんを呼び戻してくれないか? 至急話さねばならないことがあるのだ」
「先程の会合の件ですか?」
「うむ・・・・・君にも知っておく義務がある」
課長は予言の内容とその解釈について手短に説明した。最も、ガジェットのことや聖王教会での不穏な動きなどは伏せたままだが。
「ヴィヴィオに危険が?」
「あくまで可能性だ。だが、騎士カリムの予言故に油断はできん。君の方からもそれとなく注意しておいてくれないか?」
「わかりました。それと、エリオの方には今晩にでも連絡しておきます」
「頼む。場合によっては我らも動かねばならない・・・・・そのための機動六課だ」
最も、そうならないことが一番なのだがと、課長は願わずにはいられなかった。
□
ミッドチルダ南西部の荒野を一台のバイクが疾走していた。周囲に民家らしいものはなく、砂まみれの道路を横切る動物の姿もない。
それを良いことに、バイクは時速二百キロメートル近い速度で風を切っていた。
ふと視界の端に壊れた水道管があるのを見つけ、乗っていた青年はバイクをその横で停車させた。
そしてバイクから降り、ヘルメットを脱ぎ捨てて水道管から噴き出ている水に頭から突っ込んだ。
熱を持った体が急速に冷やされていき、エリオ・M・ハラオウンは感嘆にも似た息を漏らした。
「ふぅ・・・・・気持ち良い!」
渇いた喉を潤し、鞄からタオルを取り出して濡れた髪を拭う。旅に出て一週間、いい加減こういうワイルドな行動にも慣れてきた。
「世界って広いね、ストラーダ。世の中には僕の知らないことがまだまだたくさんあるよ」
《そうだな、兄弟》
しみじみとした呟きに彼のデバイスであるストラーダも同意する。
母を失ったエリオは、これから自分がやらねばならないことを見つけるために宛てのない放浪の旅に出ていた。
仕事を押し付ける形でクラナガンに残してきた妻と生後一年半の娘にはすまないという気持ちで一杯だったが、エリオはどうしてもこの目で世界を見ておきたかったのだ。
自分は余りに無知であった。それ故に間違いを犯すことも多く、悩んだり苦しんだりすることも多かった。
挙句、人生の半分を刑務所で過ごすことになり、出所してからも周りの人間に多くの迷惑をかけてきた。
だから、エリオは自分を見つめ直すために旅に出たのだ。
《そろそろ戻るか? それとも、まだ流離うか?》
「そうだなぁ・・・・・一度戻るのも悪くないかなぁ・・・・・・」
《ここからですと、クラナガンに戻るには二日程かかります》
ストラーダとは違う声がエリオに進言する。エリオがフェイトから受け継いだインテリジェントデバイス、バルディッシュ・アサルトだ。
《まあ、戻るにしたって色々と片付けなきゃいけないことがあるけどな》
《そうだな。サー、行動の選択を》
「相手によるかな・・・・・・さあ、いい加減姿を現したらどうだ?」
有無を言わさぬ威圧を込めた呼びかけに、岩陰からデバイスを持った十数人の男達が姿を現した。
全員、背格好はバラバラだが、ただならぬ気配を全身から発している。
「エリオ・モンディアル・・・いや、ハラオウンか」
中心に立つサングラスをかけた赤い髪の青年が言う。
瞬間、エリオは吐き気のような既知感を覚えた。
この感覚には覚えがある。まるで鏡で自分の姿を見ているような気持ちの悪さは、自分と同じ人造魔導師と相対した時に感じる感覚だ。
「・・・・・君達は何者だ?」
「質問に質問で返すのは愚かしいと思わないか、モンディアル?」
「僕がモンディアル・ハラオウンであることは最初から知っている癖に、よく言う」
「お約束という奴さ。そういうのが大好きでね」
青年は意地の悪い笑みを浮かべ、右手を高々と掲げる。
「悪いが、オレ達の理想のために死んでくれ」
サッと右手が下され、周りにいた男達が飛びかかってくる。同時に、エリオは加速した。
何の魔法も使わないただの疾走だったが、今日まで鍛えに鍛えた肉体はまるで羽毛のように軽やかに跳躍し、敵との距離を縮めていく。
相手が驚愕の表情を浮かべた時には、既にエリオの拳は喉元を殴打し、延髄を捉えていた。
「こいつ・・・・強い・・・レベルが違う」
「何でだ、何の魔法も使ってないのに・・・・・・」
「どうした、この程度なのかい? 魔法もなしにこれくらいやってのける男を僕は知っている」
「例の召喚蟲のことか・・・・・なるほど、これはそいつの手解きか。お前達、手加減なんてせずにとっとと焼き払え」
その命に男達はデバイスを構え、射撃魔法の態勢に入る。
窮地に陥っているというのに、エリオは自分が興奮していることに気づいた。
久しく感じていなかった緊張感。全身の血液が凍り付いてしまいそうな感覚に歓喜を覚える。
その目は自然と吊り上がり、破滅的な笑みが浮かんでいた。
「ストラーダ!」
《Jawohl》
「バルディッシュ!」
《Yes, sir》
「セットアップ!!」
雷鳴が轟くのと、射撃魔法の雨が降り注ぐのはほぼ同時であった。
粉塵が巻き起こり、男達の緊張が僅かに緩んでいく。刹那、駆け抜けた雷光が男達を無力化していった。
「さすがは二代目金の閃光というべきか」
バリアジャケットを展開し、粉塵を切り裂いてデバイスを振るうエリオを睨みながら青年は笑みを浮かべる。
その笑顔は先程のエリオのものと非常に酷似していた。
「お前らは下がっていろ」
一歩前に進み出た青年に、エリオは油断なく両手のデバイスを構える。
無防備に立ち尽くしているように見えて、この男には隙がない。周りの雑魚とは違う。
「起きろ・・・・・バイヨネット」
《Anfang》
青年の右手首に巻かれた腕時計が槍へと変化し、彼の体を騎士甲冑が包んでいく。
既知感は更に増していった。青年の槍の構え方は、かつてエリオがストラーダ一本で戦っていた時の構えと同じであったからだ。
「まだ名乗ってなかったな・・・・・・・」
獰猛な笑みを張りつかせたまま、青年はサングラスを取り外す。そこにあったのは、エリオと瓜二つの顔であった。
「オレの名はケーニッヒ・・・・・・・ケーニッヒ・エリオ・スクーデリア」
「“エリオ”・・・・・・それじゃ、やはり君は・・・・・・・」
「お前のクローンだよ・・・・・なあ、お兄さん」
to be continued
661 :
B・A:2008/05/18(日) 16:14:36 ID:zENME7Ct
以上です。
ヴィヴィオ達がホームパーティーをしている裏で着々と忍び寄る黒い影。
今回、一番苦労したのは予言の内容だったりする。あれは今後のプロットそのまんまなんです。
以下、補足説明と登場人物紹介
八神はやて
時空管理局地上本部本部長。階級は少将。年齢は31歳。
故レジアスの意思を継いでミッド地上の治安維持に努めている。もちろん独身。
カリム・グラシア
聖王教会教会騎士団騎士兼時空管理局理事官。階級は少将。
ユーノに予言の解読チームに協力するよう依頼する。
クロノ・ハラオウン
本局次元航行部隊艦隊司令。提督。年齢は37歳。偉い人。
彼の指示でティアナは動いている。
課長
古代遺物管理部機動六課の部隊長。階級は三等陸佐。
かつてはゲンヤ・ナカジマの下で働いており、旧六課に出向経験がある。誰にも名前を覚えてもらえない不遇な人。ちなみに独身。
ケーニッヒ・エリオ・スクーデリア
謎の男。エリオのクローンらしい。
バイヨネット
ケーニッヒの使用するアームドデバイス。形状は槍。
魔力性質流動体質
セリカが生まれつき持つ体質。魔力の性質が変化しやすいためインテリジェントデバイス特有の長期に渡って使用者に合せた最適化が行えない。
その代わり、異物に対する抵抗が少ないので融合デバイスやジュエルシード等の不安定なロストロギアをある程度自由に制御できる素質がある。
実は、ドゥーエを生み出す際にかけ合された適正遺伝子の一つにこの資質があったという本作独自の裏設定がある。
GJ
ユーノは子煩悩だなぁw
ケーニッヒの顔がどうしても某エイメン神父で脳内再生されてしまうのはデバイス名のせい
課長はカルタスくん、ではないのだろうか
>もちろん独身
吹いたwwwwww
664 :
サイヒ:2008/05/18(日) 17:35:15 ID:mGHr2WRn
>B・A氏
いよいよ敵キャラ登場で盛り上がってきましたな。
あとカルタスの扱いw
しかし俺とB・A氏は投下が前後になること多いですな、と言いつつ、
次世代話第三話を投下させてもらいます。
今回は八神家とガキンチョども中心。
注意書きは以下の通り。
・本編終了八年後。
・クロフェ・ユーなの・ゲンはやが結婚。それぞれに子供がいます。
・ギンガとカルタスも結婚。こっちは子供無し。
・オリキャラである子供達がそこそこ出ます。
・全五話予定。今回の分にエロはありません。
ではどうぞ。
ゲンヤと結婚して家族の人数が十人を超えることになった時、はやては一つの決断を下した。
「これから先も、またひょんなことで家族がどっと増えるかもしれへん。だから思い切ってめちゃくちゃ
でかい家建てよ」
かくして有り金はたいた上に友人達から借金までし、グラナガン郊外の更地に一からぶっ建てた新生八
神家は途方も無い大きさとなった。
二階建ての住居内は二十人が余裕で暮らせるだけの部屋数があり、同等の面積の庭は観賞用だけでなく、
子供達が遊べるようにと芝生にした部分、家庭菜園の域を超えたディードの畑などがある。
そしてその一角にあるのが、日本在住時にシグナムが師範をしていた剣術道場を見本にした道場。
板張りのなんら変哲ないように建物に見せて壁をしっかり魔法で補強した物であり、本格的な魔法戦は
ともかく格闘戦だけなら八神家の面子がそこそこ本気を出しても大丈夫な造りとなっている。
もっとも八神家の面子はたいてい管理局で訓練を行うため、もっぱら八神・ハラオウン家の子供の訓練
場所として使用されているのが現状だが。
8years after 〜daytime2〜
道場に、声変わり前の気合が響く。
「やぁっ!」
掛け声を発して、トウヤは突きと蹴りを繰り出した。
対するギンガは、全ての攻撃を手の平で止めるか受け流していく。そしてトウヤの攻撃が息切れで止まっ
た時、初めて自分から動いて足払いをかけた。
力任せではない軽いものだったが、完全に足元がお留守だったトウヤは床にすっ転ばされ背中を打った。
「あいてて……」
「連撃したら大振りになっていく悪い癖、また出てるわよ。もう一回」
立ち上がったトウヤが再度構え直そうとした時、入り口からぱたぱたとアギトが飛んできた。
「おーい、昼飯の時間だぞ」
「あらもうそんな時間? シグナムさんも上がりにしましょうか」
「少し待ってくれ。……クロード、最後に十本。いつものだ」
「はい」
道場の反対側で同じくかかり稽古をやっていたシグナムとクロードが、訓練用の簡易デバイスから壁に
かかっていた竹刀に持ち替え改めて向かい合う。
途端、シグナムの纏う空気が一変した。
全身から圧倒する剣気が放出され、離れているトウヤの肌にすらひりつく感触を覚えさせる。
それをまともに受けているクロードの額を冷や汗が流れ落ちるのが見えた。気に押されたのかクロード
の足がじりっと後退り、竹刀の先が揺れた。
その瞬間、シグナムの竹刀が一閃した。
残像を追うのすらトウヤには出来ない剣速。道場に響いた音と、脇腹を押さえてうずくまりかけたクロー
ドの姿で、ようやく胴を撃ったのが分かった。
苦しそうな表情のクロードだが、つかえていた息が吸えるようになるとまた中段に構えを取る。
「……シグ姉マジでやってるよな?」
「間違いなく本気ね。当たる瞬間だけ力抜いてるだろうけど。シグナムさんが本気で打ったら、竹刀でも
骨折するだろうし」
「本気になる意味あんのかな?」
「プレッシャーに耐える訓練なんじゃないかしら。シグナムさんと真正面で対峙出来るようになったら、
戦場で臆することなんて無くなるだろうし」
「だからって子供相手に本気出すかよ。うちのロードもおとな気ないな」
「クロノさんとフェイトさんに、うちでは甘やかしがちだから思い切り厳しくやってくれって言われてる
らしいから」
三人がしゃべっている間さらにクロードは四回打ち込まれ、五度目でなんとか自分から斬りかかった打
が、呆気なく小手を叩かれて竹刀を取り落とした。
「やけくそになって無謀な攻撃をするなと言っているだろう。それぐらいならまだ防御を固めて一撃防ぐ
工夫をしろ」
容赦なく叱責されているクロードを大変だなと思いつつ、眺めているうち別の考えがトウヤの頭に湧い
ていた。
「……なあギン姉。俺にも一回本気出してもらっていい?」
「うーん、まあいいわよ。ただ当たったら万が一があるから寸止めにするけどいい?」
そっちの方が痛くないからトウヤにとっても有難い。
全力のギンガはどれぐらい凄いのだろうとわくわくしながら、トウヤとギンガは構えあった。
神経を目に全力で集中しつつ、どう動くかトウヤが頭の隅で組み立て始めたその矢先、ギンガが消えた。
「……えっ?」
間抜けな声を発したのは、視界が握られた拳でいっぱいになってからだった。遅れて来た風圧が、前髪
を揺らす。
ギンガが床を蹴ってトウヤの顔面に拳を突きつけるまでコンマ数秒、ギンガの挙動は何一つとしてトウ
ヤの目で捉えることが出来なかった。年の差を割り引いても呆気なさすぎる決着。
吹き飛ばされるだろうがガードぐらいは出来るだろうし、あわよくば二、三回は打ち合えるとトウヤは
甘く考えていた。それが反射神経すら追いついていない。
魔法も、ましてやローラーブーツによる加速も無しでこの神速。
(ギン姉でこれなら、管理局一早いと言われてるフェイトさんとかどれだけなんだよ……)
スピードすなわち強さというわけではないが、フェイトは九歳の時にはシグナムと互角に戦ったと聞い
ている。自分が二年後にギンガより強いシグナムと五分に戦えるかと訊かれれば、全く自信は無い。
「スバルとノーヴェはもっと速いわよ。代わりに寸止め失敗するかもしれないから、同じこと頼む場合は
それなりの覚悟しなさいね」
「…………絶対やめとく」
真剣にトウヤは首を振った。
初めて本気を出した姉との訓練は、年上との力量差をまざまざと見せつけられるだけの結果となった。
「瞬発力を生むには天性も大切だが、地道な基礎トレーニングが一番重要だ。お前はローラーブーツばか
りで走っていないで、もっと真面目にランニングをするんだな」
いつの間にかクロードとの稽古を終えていたシグナムも口を出してくる。
とりあえずそれで今日の稽古は終了で、トウヤとクロードはお互いの師に一礼した。
「「ありがとうございました」」
「おーいクロード、あたし特製の打ち身薬塗ってやるからこっちこいよ。…………ああもう、こんなに赤
くなってるじゃないか。もっと加減しろよシグナム」
「日本とベルカの両方に同じ格言がある。痛くなければ覚えませぬ、だ」
「……クロード、シグナムに殺されそうになったらすぐはやてさんに言えよ。尻叩きの二十発ぐらいはす
ぐにしてくれるから」
「冗談だ。今は赤いが、痣になるようには打ってない。……だがなクロード、きつかったらいつでも言っ
ていい。私はなのはやヴィータと違ってあまり教える才能が無いから、やりすぎているかもしれない。な
により、お前はまだ子供なのだから」
「いえ、シグナム先生の稽古はやる度に強くなっているって実感出来るから、僕は平気です」
「お前の母親の教え方ではそう思わないのか?」
「そんなことはないんですが、母さんはちょっと身体に当たったぐらいですぐ中断しちゃうんで、テンポ
があんまりよくなくて……」
しゃべっている一同をよそに、トウヤは心中で気合を入れ直す。
(さて、と……)
トウヤにとってここからは、ある意味訓練以上に真面目な時間となる。
一度唾を飲み込んで喉を湿らせたトウヤは、さりげなく二人の姉に話しかけた。
「ギン姉シグ姉、メシ食う前に風呂入ろうぜ。汗かいて気持ち悪いし」
「そうだな。一風呂浴びようか」
風呂好きのシグナムはすぐ同意してくれたが、ギンガはそう簡単にいかなかった。
「けどお昼ご飯冷めちゃうわ。入れるのに時間もかかるし、シャワーでいいんじゃない?」
「入るかもしれないと思ってあたしが入れといた。昼ごはんもディードが作ってったシチューの余りだし
温め直すだけでいいから、入ってこれば?」
真に都合よく、アギトが合わせてくれた。ギンガもちょっと考えたが、まあ昼風呂もいいわよねと頷い
た。
(アギ姉ナイス!)
心の中で親指を立てるトウヤ。今度アイスを奢ってあげよう。
実はトウヤにとって、汗などさしたる問題ではない。
最も重要なのは、姉との混浴によりどさくさまぎれで乳を触り、あわよくば揉むことにあるなのだ。
物心つき始めた頃、スバルと入浴して「スバ姉むねおっきい」「触ってみる?」とたまたま話の流れで
遠慮なく姉の胸を揉み、その柔らかさと弾力に無限の感動を覚えて以来、トウヤの脳味噌の一割は常に姉
達の巨乳を揉む機会を作り出す算段をしている。
ちなみにアギトやリィンやヴィータの胸は、触るどころかまともに直視したことすら無い。トウヤにとっ
て揉めない乳に意味など有りはしないのだ。
しかし自分ももう七歳。いくら家族だろうが、そろそろおっぱいを触って許される年頃ではなくなって
きつつある。現に先日、いつもどおりのノリでディードの胸を揉んだら頭をはたかれた。
タイムリミットは近い。チャンスは一度たりとも逃してはならないのだ。
(女だったらいくつになってもスキンシップってことで誤魔化せるのに、不公平だよなぁ)
風呂場に向かって歩きながら姉達の胸をフリーダムに揉みたおしている母を思い出し、なぜ自分を女に
産んでくれなかったのかと少し両親を恨むトウヤ。
恨むといえば、もう一人その対象がいる。
自分も混浴するのがさも当たり前のような面をして隣を歩いている、ハラオウン家の跡取り息子である。
こいつは一見すると品行方正な良い子だが、その実エロに関する方面に全く抵抗感や羞恥心というもの
が存在していない。
例えばトウヤがフェイトの裸を見ることがあったら、その巨乳を生で拝めたことに喜びつつも一応顔は
背けるし赤くもなろう。
しかしクロードは、はやての裸だろうがシグナムの裸だろうが平然と見る。ガン見するようなことこそ
ないが、少なくとも一緒に風呂に入っていて声をかけられたら躊躇なくそっちに顔を向けるぐらいのこと
は平気でやるだろう。というかやってる。
不審に思ったトウヤは一度訊ねたことがあった。
『お前さあ、うちの姉貴達の裸見て恥ずかしいとか思わないのかよ?』
『そりゃ全く知らない人だったら恥ずかしいよ。けどトウヤの家とうちの家は家族みたいなもんだし』
『いや、家族でも混浴とかしたらちょっとは恥ずかしいもんだろ』
『どこが? 父さんだってよく母さんと一緒に風呂入ってるけど、恥ずかしがってないよ』
『それおかしいぞ!』
『そうかなあ。母さんも僕が一緒に入って身体洗ってあげたら喜ぶけど』
『洗ったって……身体の前も?』
『うん』
『おっぱいもか』
『もちろん』
当然のように頷いた親友を全力で蹴り飛ばした自分は何も間違っちゃいないと信じている。
今もクロードはシグナムに、いつも教えてもらっているお礼に背中流しますと言って、シグナムも了承
している。どうせ背中だけでなく前面も洗うのだろう。
下心無しの完全に天然で言ってるあたりがなおさら性質が悪い。
クロードを横目で睨みつつ、誰にも聞こえないよう小声で怨嗟を込めて呟いた。
「このエロードが……!」
※
「八神提督、書類持って来ました。……あら?」
クラウディアの提督室に入ったティアナは、珍しい顔に出くわした。
はやてとしゃべっていた修道士服に赤毛の少女は、片手を挙げて挨拶してくる。
「うぃーッス。久しぶりッスねティアナ」
「ウェンディじゃない。久しぶりね。どうしたの?」
「こないだ頼まれてた資料の届けものッス。あと騎士カリムからのお茶会の招待。ティアナじゃなくて、
八神提督宛てッスけど。……あっ、伝え忘れてたッス。出来たら息子さんもご一緒にどうぞって」
「うん、じゃあトウヤと二人でお邪魔させてもらうわ」
ウェンディの用件は済んだようだが、立ち去ろうとする気配は無い。はやても椅子に深く腰掛けて雑談
体勢に入っている。
ティアナも書類の報告は後回しにして、食後の休憩がてらだべることにした。
「しかしカリムもなかなか結婚せえへんな。教会に籠りっぱなしで男の人と出会う機会が少ないからしゃあ
ないっちゃしゃあないねんけど、そろそろ本気で赤信号や」
「騎士カリムって、今年でおいくつでしたっけ?」
「クロノ君の一つ上だから三十四」
「そうだったんですか!? 私より年上なのは知ってましたけど、絶対二十代だと思ってました」
「私が出会った頃からほとんど顔が変わってへんからな。……私の周りは若く見える人ばっかりや。リン
ディさんなんて五十代なのに皺一つないとか、冗談通り越してるで」
お年をめされた女性の実年齢を口にするのがタブーであるのは常識だが、本人がおらず女同士だとその
手の気遣いは無くなる。
「ロッサに子供が出来たら養子にもらうから跡継ぎの心配はない、って本人は飄々としてるッスね。一説
によると、妻子持ちの男性に本気で恋してるから結婚しないらしいッス」
「その噂ちょこちょこ聞くなぁ。その割に、具体的な相手の名前は全然上がらへんし」
「あたしゲンヤさんとクロノ少将が怪しいって聞いたことあるッスよ」
「はっはっは、おもろい噂やなぁ。…………言ってたの誰や」
「ロッサ」
「今なら三ツ星レストランのフルコースで許す、て伝えといてくれへん?」
「……もし嫌だって言ったらどうなるんスか」
「ご想像にお任せします、て言うとき。ついでに、自分の想像力は乏しかったと思い知ることになるって
ことも。フェイトちゃんも大喜びで参加してくれるやろうし」
一瞬血も凍るような笑顔を見せたはやてだが、すぐに表情を戻してティアナに話題を振ってきた。
「相手がいない言うたら、ティアナもや」
「私はまだそんな年頃ってわけじゃないですし……」
「油断しとったらあかん。ティアナもすごい若く見える方やけど、女はクリスマスケーキ……って言うて
も分からへんか。とにかく二十四越したらヤバイで」
「はあ……。そういうものですか」
曖昧に返事するティアナだったが、実は来月に結婚を控えた身である。
仕事中は付けていないだけで婚約指輪の交換はしているし、先方の妹にはお義姉ちゃんと呼ばれるまで
になっていた。
なのに何故隠しているのかといえば、周りに弄られるのを避けるためである。
長期航海中の艦内というのはとかく娯楽に飢えており、特に他人の恋話などというのは格好の話題であ
る。それが艦内クルーだったりすれば、本人をとっ捕まえて根掘り葉掘りとことん訊き出す。
ティアナがクラウディアに配属された当時の上司など、通信指令ともう一人の執務官補佐の巧みな誘導
尋問の前に、新婚間もない旦那との性生活まで白状させられていた。
あれの二の舞は避けたい。結婚後は仕方ないにしても、弄られる時間は可能な限り少なくあるべきだ。
(今日は仕事終わったらもうちょっと式の打ち合わせやって、ついでにご飯作っていってあげようかしら。
明日も仕事だけど、なんなら泊まっていっても……)
ティアナが会話に相槌打ちつつ思案していると、なぜかはやての口元がにやりと歪んだ。
なんかすごく嫌な予感がしたティアナが身構える暇も無く、はやては口を開く。
「なあウェンディ、ヴァイスっていう人のこと知っとる?」
いきなり出た婚約者の名前に、ティアナはびくりと肩を震わせる。
「えーと、たしか武装隊の狙撃で有名な人……確か元機動六課だったッスかね? ディエチがちょくちょ
く話してるッスね」
「そう。その人がな、もうすぐ結婚するらしいねんて」
「へえ、本当ッスか?」
「こないだウェディングドレスの下見してたの、たまたま見た人がおるねんて。きっときれいな花嫁さん
が着るんやろうな」
口はウェンディとしゃべっているが、視線はティアナにしっかり固定されたまま。細められた眼差しに
ティアナの背筋を冷や汗が流れる。
つまりさっきの話は「今白状するなら黙ってたことは見逃してあげるで」という最終通告だったのだ。
「結婚はうちの教会でやるんスかねー」
「いや、最近はホテルアグスタが人気らしいで。聖王教会とは別の宗教やけどホテルの中に教会作ったら
しいから、そこで式挙げてそのまま披露宴っちゅうのがええとか。なあ、ティアナ?」
「そ、そうらしいですね……」
予定している式場までばれている。改めて、管理局一の地獄耳と呼ばれている八神はやての片鱗を思い
知らされた。隠しきろうというのが土台無理だったのだ。
「相手は誰やろなぁ。機動六課時代の関係者やったりして。ヘリパイ繋がりでアルトかな?」
「スバルの線とかどうっすかね」
「う〜ん、六課時代もあんまり話してへんかったからな。それやったらうちのシグナムの方がまだ脈ある
で。ティアナはどう思う?」
「え、えっと、わ、私は……」
「別に遠慮しなくていいじゃないッスか。ただの予想なんだから誰に迷惑かかるわけでもないッスし」
にやにや笑いながらわざとらしい言葉を並べるはやてと、何も知らず促してくるウェンディに、ティア
ナは引きつった笑みを返すしかなかった。
結局、残らず白状するので許してくださいと土下座するまで執務官いじめは続いた。
※
「ごちそうさま。行こうぜクロード」
「うん」
食事を終えて食器を流しにつけたトウヤは、先に食べ終わっていたクロードと一緒に自分の部屋へ向っ
た。
訓練をするのは昼食までと決まっている。小さい頃は戦闘訓練なんかよりも遊ぶべし、というのが八神
家の教育方針である。
「チビどもは家の中で遊ぶのか」
「この間父さんが買ってあげたゲームをやるみたい」
「じゃあ、俺は庭やってくる」
食後の茶を一気に啜ったゲンヤは、腰を上げた。
庭木の手入れをしているのをトウヤに見られると、好奇心旺盛な息子は自分もやりたいと言い出す。
七歳の子供に美的センスが備わっていると信じられるほどではないが、息子の頼みを無碍に却下するの
に抵抗を覚える程度に親馬鹿なゲンヤは、息子が部屋に籠るもしくは外出した時を狙って庭弄りをするこ
とにしていた。
作業着に着替え脚立を背負ったゲンヤは、松の木に向かう。はやての故郷に行った時に見て感銘を受け、
わざわざ手間をかけて植樹したこの木は特にゲンヤのお気に入りである。
今日は蒸れないよう松葉毟りをしようと木に登ったゲンヤだが、庭の隅っこでごそごそ動いている人影
を見つけ、木を下り足音忍ばせて人影に近づき声をかける。
「なにやってんだカルタス」
「あっ、お義父さん」
いきなり声をかけられ慌てるカルタスの手には、煙を漂わせている一本の紙巻煙草があった。
「隠れて煙草って、不良学生じゃあるまいし堂々と吸えよ」
「ギンガに見つかるとえらいことになるんで……」
「そんなに怖いのか?」
「怖いです。にこにこ笑いながら『煙草やめてっていうの何回目かしら?』と言うのとか、こないだ夢に
出ました」
「お前ほんと尻に敷かれてるな」
こういう気概の無いところを目撃してしまうと、娘を託したのは失敗だったかと過去の選択を後悔しそ
うになる。
もっとも、反対したら駆け落ちしかねないほどギンガが惚れており、今もその想いは続いているような
ので娘の幸せという点では問題ないのだが。
「本数は減っていっているんですが、ゼロにするのがなかなか……」
「俺も昔喫ってたから気持ちは分かるがな。……久しぶりに喫いたくなった。一本くれ」
カルタスが差し出した煙草の銘柄をゲンヤは知らなかったが、味はゲンヤの好みに合っていた。
十数年ぶりの煙草は目の奥にツンとくる。ゆっくりくゆらせながら、カルタスを横目で見た。
「ところで急かすようなこと言わせてもらうが、子供はまだか?」
「……まあ、その……頑張ってはいるんですが、こればっかりは半分運なものですから」
「息子に親父と呼ばれる夢は叶ったからな。次は孫におじいちゃんと呼ばれたい」
ギンガやスバルが子供を産める身体であることは、管理局の検査で分かっている。
だがスバルの周囲に男っ気は無い。はやての娘と言っていいヴォルケンリッターは子供を作れない。ト
ウヤが嫁をもらうまでまだ十数年はかかるだろう。ディードとノーヴェは、子供というより息子や娘の友
人の色合いが強い。
となれば、期待するのは目の前の男しかいなかった。
「やっぱり回数こなさなきゃいけないんですかね。…………ところで子供といえばお義父さん」
「なんだ?」
カルタスは眉毛を下げた微妙に情けない顔で、ぼそりと言った。
「トウヤ君はいつになったら俺のこと、おっちゃんじゃなくてお義兄さんと呼んでくれるんでしょうか……」
「……あの年頃から見りゃ、二十歳過ぎた男は全部おっさんだからなぁ」
俺とはやてはちゃんとお兄さんと呼ぶように躾けたはずなんだが、とゲンヤは首を捻る。姉達をおばさ
んと呼ぶことがないのも不思議だ。
あの年にして家庭内の力関係を的確に把握していると言えばそこまでなのだが、さすがにカルタスが最
底辺にいることを口に出して自覚させるのはかわいそうなので黙っておいてやった。
「しかしもうすぐギンガに子供が出来るとするなら、トウヤ君十歳になる前に叔父さんですね」
「これだけ色んな連中が集まって出来た家族なんだ。それぐらい、奇妙でもなんでもねえだろ」
「それもそうですね」
「まあ、子供や義弟に舐められないようがんばれや婿養子」
「はい……」
苦笑いしながら二人はよく晴れた空を見上げる。
雲一つない青空に響く声が、玄関の方でした。
「こんにちわー!」
そういえばいつも一緒にいるチビが一人足りなかったな、とゲンヤは煙草を口から離して呟いた。
※
玄関まで出迎えてくれたのはギンガだった。
「こんにちは。ヴィヴィオちゃん、ユーナちゃん」
「これ、おばあちゃんのお店のシュークリームです。保存魔法はかけてますけど、出来たら今日中に食べ
てください」
「あら、ありがとう。後でおやつに出すわ。ヴィヴィオちゃんも食べて行ったら?」
「すいませんけど、これから仕事があるから。それじゃあユーナ、帰りはチンクさんに送ってもらってね」
「うん」
姉と別れシュークリームの箱をギンガに手渡すと、ユーナは背負っていたバッグを持ち直してトウヤの
部屋へ向う。昔は迷子になったこともあるぐらい広い八神家だが、何度も遊びに来てすっかり間取りは覚
えている。トウヤの部屋は、二階への階段を上がってすぐ左。
そっとドアを開けると、中では幼馴染二人が格闘ゲームに熱中していた。
「お前またディレイドバインドかよ!?」
「だってトウヤはいつも一直線にこっち向ってくるから引っ掛けやすいし。……あ、ユーナこんにちは」
クロードの方が先に気づいてポーズをかけた。
「こんにちはクロード君、トウヤ君」
「ん、いらっしゃい。代わるか?」
トウヤがコントローラーを差し出してくるが、ユーナは頭を振ってバッグを下ろし中から一冊の本を取
り出した。
「これ、クロード君がパパに頼んでた本」
「わざわざ持ってきてくれたんだ。ありがとう」
「べ……べつに……その……なんていうか……」
真正面から笑顔で礼を言うクロードにユーナはちょっとどきりとして、ごにょごにょと自分でも何を言っ
てるか分からない言葉で返事する。
「……あー、俺ちょっとおやつの用意してくるわ」
何故かそそくさとトウヤが出て行き、部屋はユーナとクロードの二人っきりとなった。
クロードはベッドに腰掛けて、ユーナが渡した本を真剣に読んでいる。
ユーナも隣に腰掛けてその横顔、特に眼をそっと盗み見る。フェイトと同じ紅の瞳。父からもらった自
分の緑瞳もきれいな方だと思っているが、クロードの赤には緑にない深みがあって引き込まれるような気
がする。
(…………私とクロード君が結婚して子供が出来たら、ヴィヴィオお姉ちゃんみたいに緑と赤の眼になる
のかな)
思い浮かんだ未来図を、まだ気が早すぎると頭をぶんぶん振って消す。
(でも……お姉ちゃんはパパとママがいっぱいキスして私が生まれたって言ってたよね。……この間、ク
ロード君とか、か、間接キスしちゃったから、ひょっとしてそれだけでも出来ちゃうかも!? どうしよ
う。赤ちゃんの面倒見ながら学校の宿題しなきゃいけないよぅ。ママ手伝ってくれるかな……?)
大好きな相手に関する妄想で頭の中がどんどん変な方向に進んでいき混乱状態に陥っているところに、
ひょいとクロードが顔を上げた。
瞳を正面から見つめられてユーナは反射的に頬を染めるが、クロードは全く気にもせずいつもどおりに
話しかけてくる。
「ごめん、父さんの担当した事件だったからついつい読みふけっちゃった」
「そ、それクロノさんが解決した事件だったの?」
「ほら、ここに名前がある。まだ母さんやなのはさんと出会ってない頃だね」
クロードが読んでいるのは、管理局が解決した事件の概要を顕した本。本好きのユーナは興味を持って
最初の二ページを読んでみたが、さっぱり分からない単語ばかりだった。
「クロード君は、書いてある意味分かるの?」
「ほとんど分からないよ。今は読めるところ読んでるだけ。ちゃんと読む時は辞書引きながら読んでるけ
ど、それでも一つの事件読むのに一週間はかかるよ」
「……やっぱり、クロノさんとフェイトさんみたいに執務官になりたいから読んでるの?」
「うん、まあ、そうなんだけど」
言葉を少し濁しながら、クロードは本を閉じて口を開く。
「ちょっと迷ってるんだ。執務官になるんだったら、早目に管理局に入って実地で経験積んだ方がいいら
しいけど、提督を目指すんだったらちゃんと士官学校に入った方がいいって父さんが言っててさ」
「でもクロノさんが両方なったんだよね」
「父さんは別だよ。リーゼさん達は覚えが悪かったって言ってたけど、話聞いたら僕と同じぐらいの時に
は僕の数倍あらゆることが出来たらしいし。僕はどっちか片一方に絞らないと無理なんじゃないかな。どっ
ちにしようか全然決められないけど」
そう言うクロードだが、将来のことをしっかり考えているだけですごいなぁとユーナは思う。
(クロード君の恋人になろうと思ったら、私ももっとしっかりしないと……)
ユーナが考える未来など、せいぜいが苦手な社会の宿題の提出日と来週の給食メニューぐらいだ。
「ああ、言い忘れてた。ユーノさんに探してもらってありがとうございますって伝えといて」
「あのね……。これパパやアルフさんじゃなくて、私が検索魔法使って見つけたの」
「へえ、凄いね。もうそんなこと出来るんだ。僕なんかそっちの魔法全然知らないや」
クロードは純粋に感心してくれているが、検索魔法を実地で使うのは初めてだったうえ無限書庫は広す
ぎて、一冊探すだけでも一時間かかった。もちろんそれについては黙っておく。
「じゃあ改めて言うね。ありがとうユーナ」
優しい言葉だけでなく、手が伸びてきてユーナの頭に触れようとした。だがその寸前で停止して慌てた
ように引っ込んで行く。
そういえばフェイトはよくクロードの頭を撫でていたし、クロードもロウに同じことをしている。つい
癖でやろうとしたが、同い年の相手にやるのは失礼だと思い直したらしい。
だがクロードの手が引っ込む前に、ユーナは咄嗟に頭を動かしていた。手の平の下に、自分の頭頂部を
差し出したのだ。
「…………えっと…………撫でていいの?」
喉にご飯がつまったみたいに声が出せず、頭を縦に振って意思を伝える。
反射的に頭を撫でられたいと思ってやったため、一瞬の発作的な感情が止まると顔にどんどん血が上っ
てくるのが自分で分かった。
だが頭を引っ込めようとユーナは決して思わなかった。
かなりの迷ってる気配があってから、湯気が出そうなぐらい熱くなっている頭にそっと手の平が置かれ
た。
高級な花瓶でも拭いているように、おそるおそる手が動く。
「…………髪形、いつもと違うね」
ようやく気づいたらしい鈍感な幼馴染にもう一度こくりと小さく頷いて、ユーナはまた大好きな人に頭
を撫でられる気持ちよさに浸りきった。
台所まで下りてきてギンガに教えられたシュークリームの箱を確認したトウヤだが、冷蔵庫から取り出
すことはせず代わりに冷凍庫から自分用のアイスを取り出して食べだした。
クロードは、ユーナと話し始めたら音速で二人っきりの世界を作り出すスキルを持ってるから困る。
リンディの代よりハラオウン家に伝えられてきたそのスキルの名は「ハラオウンフィールド」。
命名者のはやてによると、目にしただけで頭痛が起こり、近寄りすぎると砂を吐いて死んでしまうとい
う恐ろしい技らしい。
スクライア家にも同様の「スクライアバリアー」なるものがあり、これまたユーナに受け継がれている。
二人が同時に発動することで引き起こす相乗効果は凄まじく、クロードに懐ききっているロウですら最
近は距離を置いて耳を伏せ、見ざる言わざる聞かざるを決め込んでいるぐらいだ。
(うちにも「八神ゾーン」とかないのかなぁ)
冷蔵庫にもたれ無いものねだりをしながらスプーンを動かしているうちに、十五分が経った。
もうぼちぼちいいかと思ったが、念のためトウヤは階段の下まで行って大声で呼んだ。
「クロード、ユーナ! アイスはバニラかチョコレートのどっちがいい!」
一拍置いて、自分の部屋からどすんごろごろ、とでっかい音がした。なんというか、人間二人がベッド
から転がり落ちたような音だった。
「わ、わ、わ、私どっちでもいいよっ!?」
「……ぼ、僕はバニラで」
やたら上ずったユーナの声と、いつもよりトーンの上がったクロードの返事を耳にして、フィールド外
のはずなのに激しい頭痛を覚えながらトウヤは深々と溜息をついた。
「俺の部屋を愛の巣に変えるなよバカップル……」
続く
おまけ
・はやて
クラウディア二代目艦長。子供はたくさんいるが、母さんと呼んでくれるのが息子だけなのをちょっと気にしている。
・ゲンヤ
楽隠居二号。近々盆栽にも手を出すつもり。
・シグナム
武装隊隊員。弟子をフェイト以上に強くするのが目標。
・ヴィータ
教導官。弟の性格形成の五割は、三人の赤毛の姉によるものである。
・ザフィーラ
守護騎士兼父親。娘の手本になるため、人型でいることが多くなった。
・アギト
融合機。リィンとは、今だにどっちが姉かで喧嘩する。
・ギンガ
陸士隊隊員。スバル・ナンバーズ・トウヤで教えることの楽しさに目覚め、現在士官学校教員資格の勉強中。
・カルタス
婿殿。ナカジマ姓はこちらが継いだので、はやてやトウヤの姓は八神。
・ティアナ
執務官。試験はダブルハラオウンも無理だった一発合格。脱凡骨。
・ウェンディ
聖王教会シスター。セインもこっちにいて、礼拝に来る子供に「アホシスターズ」と親しまれている。
これまた次回に続く
678 :
サイヒ:2008/05/18(日) 17:54:07 ID:mGHr2WRn
以上です。
次回はようやくクロフェのエロシーンです。長かった……。
三週間近くエロ文章一文字も書かないとか、このスレに投下始めていらい初めて。
登場キャラはこのへんで打ち止めです。全員書いてたらいつまでたっても終わらないもんで。
スバルやシャマルさん達が好きな人にはごめんなさい。
でもヴィータだけは次回出ます。たぶん台詞だけですが。
教導官やってるのは、漫画版の写真準拠。
>>678 GJです。今回は八神家メインでしたがそれよりもキャラが立ちまくってる子供たちw
トウヤは免許皆伝をかけてはやてと乳揉合戦を繰り広げそうだな・・・・
それよりもクロユー自重wなんだこのバカップル!?あれか!親か!?親がそうだからか!!
>>678 GJ!
甘さあり苦味ありでホントに面白いです。子ども達のキャラが最高w
>>678 GJすぐる!
エロノ・ハラオウンの後を継ぐのはエロード・ハラオウンだったか…
そして『カリムさんの思い人は少将』に清き一票。
>>678 GJ!
とりあえずエロードと二代目乳揉み魔は自重。
本当に羨ましい環境ですな。二人とも。
あと、齢七つにして原作のくろくん×なのちゃんに迫るクロードとユーナも自重w
何だこの投下ラッシュはw
>246氏
やっぱりなのはさんだなぁw GJ
連載のほうの最終話もハンカチ用意して待ってる
>B・A氏
何やら陰謀の匂いが…。これからの展開にwktk。GJですた!
>>678 GJ!
子供達がほんとに良いですね。
ギンガが稽古をつけているシーンも痺れました。こういうのは大好きです。
しかし、トウヤは男なのにあれが遺伝していまっては大変でしょうね。
しかしそろそろ次スレの季節か?
>B・A氏
ケーニヒはエリオと同じオリジナルのコピーということでいいのかな?
ところで、
>>554氏の都築はまだか?
もう半日以上裸で待機してるんだが。
書こうとして挫折したプロットを少々……
機動六課の面々の前に新たなる巨大な敵が現れた。
ただちに出動するなのはたち。だが、突如目の前に立ちふさがった謎の男女8人組。
『巨大な敵』の手先だと思った六課は、攻撃を開始する……が、魔法がまるで通用しない。
時空管理局のフル出動となるが、それでも勝てない。
フェイト、はやて、そして、なのはが次々にKOされる。
しかしおかしい、敵のはずなのになぜかとどめを刺してこない。それどころか講和会談、
つまり話し合いをしようと呼びかけてくる。これは、降伏勧告と同じこと。
負けを悟った六課、そして管理局は全面投降する。
講和会談でどんな屈辱の要求をしてくるのかと思ったら、なんと彼ら彼女らがしたのは謝罪だった。
そして……
「すまなかった、負け戦に行かせるわけにはいかなかったんだ」
「ごめんなさい、あなたたちを止めるにはこれしかなかったのよ」
「僕らは知っている。君たちが辛い、苦しい思いをしていることを」
「俺たちはみんなを苦しめたいんじゃない。みんなを助けたいんだ」
「私たちは味方だから。信じてよ、私たち、みんなと友達になりたいんだよ」
「悪いことは言わない、俺たちの下で修業しろ! みんなを生まれ変わらせてみせる」
「今のお前たちでは、奴らに勝てない。俺たちだけでも無理だ。力を合わせて戦おう」
「お願い、わかって。私たちは、あなたたちを信じています」
彼ら彼女らは悪い連中には見えない。言っていることに嘘は感じられない。
向かってくる者は全て敵、自分は常に正しいと思い込んでいた思い上がりに気がついた、
なのは、フェイトたちは1から修業をやり直す。
こうして、8人の教官たちによる苦しい特訓が始まった。
男性教官たちが鬼のごとく厳しい一方で、女性教官がたちが与える無償の優しさ。
昼は厳しい特訓、夜は歌い、踊り、遊び呆けている教官たちのギャップに驚くなのはたち。
そして、巨大な敵との戦いの時がやってくる……。
結局うまくまとまらなくて、やめた。
『8人の教官たち』はオリジナルです。
そろそろ次スレですかね?
どなたがされます?
立てようとしたが無理だった。 すまんが誰か立ててくれぇ〜。
>>688 お前クロススレにいた奴だろ?
出張御苦労さま
>>678 GJです
この面白さ、yesだね。
こういう風に、ほのぼのとニヨニヨ出来る物語が好きな自分としては至高の作品です。
次回楽しみにしています。
>>691 だから触るなって。こういう構ってちゃんはスルーしなきゃならんだろうが。
694 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 20:41:12 ID:8PPRQowY BE:245654742-2BP(0)
>>694 スレ立て乙にございます、しかし何故なのフェイ空気で?
資料集め、失敗!
ブログのネタにするために餌を撒いたんだけど、同じ手は食わんか。
もうすぐ埋めか、んじゃその前に質問するけどさ、よくSSで無限書庫は激務って設定が出るじゃん? あれって公式?
俺はアニメ本編・サウンドステージ・漫画をだいたい目を通したけどそんな設定見た覚えがないんだよね。
A'sマンガでクロスケが
資料うpれカス→ちょwwwwおまwwww
だったからそんなイメージがついた。StS時点では忙しいかは不明
>>699 そうか、まあそういう流れだと大体SSで妄想が膨らんだ結果、ってやつか。
過労で倒れるとか、栄養ドリンクが食事とかそんなネタよく見るよな。
まあ
>>699のシーンがあるし根拠のないネタではないから、納得しちゃうんだよな。
あるいは皆、仕事上での我が身の境遇を重ねているのか……?
A'sの頃は無限書庫も稼働し始めたばかりだから人手もノウハウもないから忙しそうだけどStSの頃は落ち着いてそうだな
ユーノもアグスタに行ったり最終回のあれとかあるし
>・カルタス
>婿殿。ナカジマ姓はこちらが継いだので、はやてやトウヤの姓は八神。
カルタスって姓じゃなかったっけ?
>>703 フルネームはラッド・カルタスだからそうだね。
705 :
562:2008/05/18(日) 21:44:24 ID:BJK2zjP9
>>700 9歳の幼女に戦闘をさせる程の忙しい組織の中で、更に放置されていた部署だし、
忙しくて当り前ってイメージはありますね。
質問した3Pの件、色々有難う御座いました。
過去スレからは、まだ発掘は出来てませんが、頑張って探します。
それと、組み合わせ自体は問題ないらしいので、作成を進めます。
思ったより長くなりそうで、前編だけで10レスを超える量に…
あまり間が空くと、良くないと思うので後編まで軽く書き上げた後、肉付けや修正をしながら
投下しようと思います。
それと保管庫の件も有難う御座います。管理人の方は大変でしょうが、
無理の無い範囲で構いませんので……
埋めます
にちようびー\从/ .┃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∧∧ ∧∧ ┃::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ::::::::::::::::::::
(・∀・) ∩・∀・) ┃::::::::::::::::/ ̄ >:::::::::| 申し上げます! ::::::::::::::
/ ⊃⊃ ヽ ⊃ノ ┃::::::::::::::::| |〜:::< 平日軍の先鋒・月曜めが、 ::::::::::
( ( ヽ )つ ┃::::::::::::::/ ~\:::::::::| 軍勢を率いて領内に :::::::::
(/(/' (/ ┃:::::::::: ノノ > ) ::::| 向かっております :::::::::::::::
━━━━━━━━┳━┛:::::::::::U (_)つつ::::::\________ :::::::::::::::::
/^7 __
,' / / \ \ , -―‐一ァ
| //ヘ >=-、\ __ /___/
| / / フ>'´ `ヽ//⌒ヽ
| / / イ / 、ハ) 、 ヽヘ 埋めの時間につき、
L 」 ∠V/ / // { ヽ\ Vl'、 \ ヘ
ヽ ヽ / { { {{ トk从|\j斗l ',!ハ\j ', 初音なのはが次スレの
ヽ ヽ / V llハY ○ ○ j ∨ i
ヽ ヽ/ / ヽ从小⊂⊃ ⊂⊃/l∨∨ l 案内をいたします
ヽ ヽ / |.lゝ, l ̄ ̄l_イ/ ∨ l
i⌒\_`<⌒卞弋 |__|),、 ∨ l
\ w {{/ヾ ZI/_,/゙ ̄`ヽ ∨ !
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第71話☆
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l、| | l // ///| l / / //// / /
l、l | /l///_/ l / //_|/_∠| / | /
/⌒ヽ | \ `ー' ゝl // `ー' /|/⌒v'
| l⌒l l|  ̄ ̄"//|〉 ̄ ̄ ̄ .|/^_l.l
ヽゝ(ー| /| ´ \| ll ),l'ノ
lヽ_ / | ┌───7 /._/ 俺のターン!!ドロー!!
.l/ | l ̄ ̄ ̄/ / / ,ノ! < エリオを召還。ドロー!!
/ |.. V´ ̄∨ ./ /,.-‐'" .| エリオ3体を生贄にし竜魂召還!!わはは!!
./ (;;) |\ `ー‐'´ / / | これで貴様も終わりだ!!ホワイトデビルマジシャンガール!!
| _|_\ /| ./ |
(| ,.-‐'" | \__/ .|/ _,.-─;
|/ .(;;) |─────┤ _,.-‐'":::::::::/
ニヤニヤ
___ )ヽ * + 巛 ヽ
│´/⌒^fく 〒 ! +
│ルハ从け> 。 | |
│´∀`ノリ /゙Y /^ヘヘYヘ+ / / +
⊂ / /,ィjミノレハ从リヽ/ /
│/ く+ハ(!`Д´*ノハ+> +
│ ,- f パンツめくりたいんです!!
/ ュヘ | *
〈_} ) |
/ ! +
/ |
./ ,ヘ | -===- 、
||| j / | | ||| {7/^ー^ヘ 7
⊂-=ニ二_ _二ニ=-⊃ ∨ifノハヽiY
 ̄`ー-、_ _,-‐'´ ̄ ルl| ゚ヮ゚ノlル しょーかーん!
⊂、`´,⊃ と つ
 ̄ (_人_)
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第71話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211110731/l50
■放送局および初回放送日時
1.テレビ和歌山 4/1(日)25:10〜
2.三重テレビ 4/2(月)26:00〜
3.KBS京都 4/3(火)26:00〜
4.チバテレビ 4/3(火)26:30〜
5.テレ玉 4/5(木)25:00〜
6.TOKYO MX 4/6(金)26:30〜
7.tvk(テレビ神奈川) 4/6(金)27:15〜
8.CSファミリー劇場 4/14(土)13:30〜 ※リピート 月曜20:00〜 水曜26:30〜
日曜日
,. ―< /‐、 `ヽ、
/ / r ', \
/ / 、 ∨ ',
| ハ l ∧ | |
| | ハl‐| リ-|、txヘ | |
| | レ-、} /ハ圷、ト、 ヽ !| |
ヽ∨ l{ 、 {::rソ }'\ ∨ ∧
ヘ. rッ `´ / /,ヘ ∨ ヽ
|>. -r</ / |::::∨`ヽ \
__ __ _ _ |f | |〈 { ,イ !:::::::::::::::::V \
┌─────┤ ll ll lL」────┐/::::::::::::::::::∧. \
| ─────‐しl|,. K_ソー'────│´ ̄〈`ヽ、:::::::ヽ \
|DEATH NOTE `‐' │ r‐┐Vr、 `ー‐ヘ ヽ
|─────── : ────── |  ̄ ∨〉' 〉 ',
| 和歌山県民 :. |, \ _/ |
| :. || \ |
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第71話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211110731/l50
火曜日
/::://レV /l/ !l, `¨´/ なのはさん、今夜は千葉を呪っとけばいいんでしたっけ?
. N//::ハ/::::::|_ _ll, /|.
. M/:/:::::::::::::/.戈テッ、 _. 〈:::::! ∠二: : : :`ヽ/´  ̄ ̄ `丶
. |::::::|::::::::::::::| ____7攵kノ::::|. , '" ̄: : : : : : : : : : : : : : : :、:\/⌒\
. |::::::|::::::::::::i:|'´ ,\_ノ:::::::|. /:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:ヘ\.:.:.:.: ヽ
. |::::::|:::::::::;::i:| ‐-、 /:::::/:::! l://.:.:/.:./ .:./ .:l.:.:,'.:.:{:.:.:.:.l.:.:ヽ.:.:.Vl:/ \.:.:.:.:',
. |:::::从:::::从:! /::::::::/i::/. /.:.:/.:. l:.:.:.!>ト/{.:.ハ.:.:斗<:l:.:.:.l.:l.:.:.:.:.ヽ.:.:.l
. |/ ヽi、 i> -rく:/:/:;i::/ i/. l.:.:/.:.:.:.|:l.: レ仟圷ヽl ヽfチ圷 |.:.:l:|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
-―<\ ヘ ,ムヽi/i/,i/ ′ __ __ _ _ 从.:.{. V;;リ V;;リ 'j.:.,' |.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
. \\ \_ } ハ┌─────┤ ll ll lL」────┐ /.:/レ|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
Vハ ヽ| ハ| ─────‐しl|,. K_ソー'────│7 彡'.:.|│l.:.:.:.:.:.:.:.:.| おとなしくファミ劇待ちなさい
∨ハ `l /|DEATH NOTE `‐' │´. ,.イ! .:./ |.:l.:.:.:.:.:.:.:. |
Vハ | |─────── : ────── |≦ュ| リ/ |.:l.:.:.:.:.:.:.:.:|
∨ハ |. | 千葉県民 :. |tく |ヽ、____|_l.:.:.:.:.:.:l.:.|
V ハ |. | :. .|只lヘ| l:::::::::::::::: ̄ヽ.:l.:|
金曜日
_ _
/:::;;:`ヽ'::::::::ヽ
______________ /:::/::::::::::::::::::::::|
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|.... |:: | | ::| .レリ'レVレ川ル川
|.... |:: └───────┘ ::| , ‐'´ ヽ
\_| ┌────┐ .| / ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l ) l
l l / /
___,r―-、 .: ノし, l l /
/:::::::::::::::::::::::\ .て l l /
. |:::::::::::::::::::::::::::::::::> て l / {
ミ'|::::::::::::::::;::::::|'彡メ::〉 __l / ',
`7:::l:::::::::::l:::::::|彡iレ′ r┴′イ ',
. 〈:::::l::::l::::/:::::::| ,{_ュ ,ノ| ',
\ヽ:|:/;::_::ノ /  ̄ }
. / ̄`ロ´  ̄`ヽ ', >、 __ /
. ノ 、 |::| | ヽ_l  ̄ 丶_ __,ノ‐-‐'‐-、
〈\_| |:::| i____/〉 ` ‐-ヽ、 >´ `ヽ_ -‐ ̄)
`┬| |:l::\ {_,.イ `‐、 ___ ⊃─' ̄
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第71話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211110731/l50
今回のことは、しっかりとブログのネタにさせてもらいますので、よろしく!
資料提供ありがとね〜!
1:事実に対して仮定を持ち出す
「けど、話さないと、言葉にしないと伝わらないものもきっとあるよ!」
2:ごくまれな反例をとりあげる
「ううん 逆!チャージタイムを増やして威力を大幅アップ!最大威力の強化を最優先してみたの 」
3:自分に有利な将来像を予想する
「Don't worry(いいんじゃないでしょうか)」
4:主観で決め付ける
「だってなのはさん優しいもん♪」
5:資料を示さず自論が支持されていると思わせる
「永遠なんてないよ。みんな変わってく、変わっていかなきゃいけないんだ」
6:一見関係ありそうで関係ない話を始める
「捨てればいいって訳じゃない。逃げればいいって訳じゃもっとない。」
7:陰謀であると力説する
「ヴィータちゃんたちを傷つけたの、私たちじゃないんです…!」
8:知能障害を起こす
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい 」
9:自分の見解を述べずに人格批判をする
「心を閉ざして、何も考えずに、主の願いを叶える道具でいて…あなたはそれでいいの!?」
10:ありえない解決策を図る
「悪魔で…いいよ。悪魔らしいやり方で話を聞いてもらうから。」
11:レッテル貼りをする
「ティアナは(中略)でこぼこだらけだし、本当の価値も分かりづらい」
12:決着した話を経緯を無視して蒸し返す
「話を…聞いてってばあっ!」
13:勝利宣言をする
「構いません、勝つのは私ですから…」
14:細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
「なのはだってばー! な、の、は!!」
15:新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
「熱血魔法バトルアクションアニメ」
(元ネタ:詭弁の特徴のガイドライン)
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第71話☆
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〜 とある森の中、キャロはいつもの様に動物達に会いに来ました 〜
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キ|,,.,.....l;iiiiii!ソ"'(・^・ )"'\"" '''ソ
@規制対策
.|.,i,.ii| | | |. i,!!!ii|
「みんなー ⌒*(・∀・ )*⌒ .|. i,!!!ii|
出ておいでー」 |.,i!ii|ヘ|ノ .|. i,!!!ii|
◎ |.,i.,!ii|u |. i,!!!ii|
_)_ ヽ|ノ .|;..!!ii| ((・∀・ )x)) |. .i,!!!ii|
/ハ--ハヽ WWw ww ノ ハ\ www WWwソ /ヘ.ゝ\
《 !!ノノハ !! ) wwww ∧ ∧ """7'''^^w
从.゚ ヮ゚从 "" ,, "((`へ´ ))" @
/⊂{}^卯 ^{}つ "' WWWWWW ヽ|ノ
<,_ /ソ-v-ハ_ゝ
`~じフ~
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キ|,,.,.....l;iiiiii!ソ"/" \"" '''ソ
.|.,i,.ii| . |. i,!!!ii|
「みんな元気みたいだねっ |.,.!!ii| .|. i,!!!ii|
明日はシャマルさんが .|.,i!!ii| .|. i,!!!ii|
お弁当作ってきてくれるんだよ」 ◎ . |.,i.,!ii| . .|. i,!!!ii|
_)_ ヽ|ノ |;..!!ii| . |. i,!!!ii|
/ハ--ハヽ WWw ww ノ ハ\ www WWwソ /ヘ.ゝ\
《 !!ノノハ !! ) 【 おっ お 弁 当!?… 】 """7'''^^w
从.^ ヮ^从 o o o o ∧ ∧
/⊂{}^卯 ^{}つ ⌒*(・∀・;)*⌒/(・_・;)\ ((・x ・;)x)) "((`へ´;))"
<,_ /ソ-v-ハ_ゝ |ヘヘ|ノ |ヘヘ|ノ |ヘヘ|ノ |ヘヘ|ノ
`~じフ~ .uヘu . uヘu uヘu uヘu
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〜次の日 〜 (;;;;;: ;;;;;;;;;;; ::::::::::::: ,,"".., ;;; ...,,ノ
キ|,,.,.....l;iiiiii!ソ"/" \"" '''ソ
.|.,i,.ii| . |. i,!!!ii|
「みんなーこんにち…あら?」 |.,.!!ii| .|. i,!!!ii|
__ .|.,i!!ii| |. i,!!!ii|
|通| |.,i.,!ii| |. i,!!!ii|
__ |行| ヽ|ノ |;..!!ii| |. i,!!!ii|
∠ =。= ヘ |止| WWw ww ノ ハ\ www WWwソ /ヘ.ゝ\
i !!ノリノ))》 .|め| ________ ' ,,..,, """7'''^^w
ノi゚リ;゚ ヮ゚从 ''|''| | 水道工事中 .|
(つ)Ψ(^つ」 | ご迷惑を | @ ヽ|ノ
//,A、ヘ 田 | おかけします.| ''"
( ( ( `~じフ~  ̄‖ ̄ ̄ ̄|| ̄
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| _ l !
i | 〃_@_ヽ | i 優しい気持ちが
| ||BUS.| きっと誰かを救う
!| ヾ.二.フ | ______/ |
| __||_ 〈V〉†``‐-、._ \
! ||.====| (咒){ {从从! }..`‐-、._ \
i ||.====| ,.ィゝ(V ゚ -゚ノ|ノ / ..`‐-、\
l ||.====| 〈y)' と{フ_]†[j⊃/ ∧∧ | |
l  ̄|| ̄〈リ .</,、,、,、ヾ〉 (・ω・ )
! ! ((二二) 〈ノ`~(,ノ~´ uu_)〜
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