【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】
662 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:18:57 ID:Mqpd77Va
三葉からチケットを受け取り,会場の中に入ると,結構人が多かったので驚いた。
「こんなに人が来てるんだ」
「そうだよ〜。いつも満員なんだ。さらに今日はテレビ中継もあるしね。帰ってビデオ録らなきゃ」
生で試合を見るのに,帰ってからも見る気なんだ。
「じゃあリングは2階だから,そこの階段を昇って行こうね」
階段を昇り,チケットをスタッフの人に渡し,入場すると,1階以上の人数にただただ驚くしかなかった。
「なぁ三葉?何でこんなに人が詰まっているんだ?」
「ここはね,グッズ売り場なんだ。あ!新しいパンフレットが出てる!」
何だかほしそうな顔をしてたので,買ってあげる事にした。
「じゃあ買ってあげようか?」
「そんな,悪いよタカトシ君。そこまでしてもらわなくても………」
「大丈夫だって,オレがそうしてあげたいんだから,遠慮なんかしないでよ」
「…………ありがとうタカトシ君。すみませーん!パンフレット一部くださーい!」
喜びながら,売り子の人に声をかける三葉。
一冊,2000円らしい。………高い。でも,三葉が喜んでくれるなら,まあいいや。
オレは売り子にお金を払い,他にも見て回ると,ガラガラがあった。 どうやら,選手のお宝グッズが当たるらしい。一回500円だったので,三葉にさせてあげようと思った。
「なあ三葉?やってみる?」
「いいの?じゃあ,やってみようかな」
マスクを被っている売り子にお金を払う。どうやら選手も売り子をするらしい。
三葉がレバーを持って勢いよく回すと,球が出て来た。金色だった。
すると,マスクマンの売り子が鐘を鳴らして,「大当りー!」と叫んだ。
「やったぁ!タカトシ君!大当りだよ!」
三葉が喜んでいる。商品は選手のコスチュームらしい。陸上選手みたいなコスチュームだった。
663 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:20:12 ID:Mqpd77Va
三葉を見てみると,マスクマンに記念撮影をされていた。
後で聞いたら,ブログに載せるらしい。選手も色々と大変みたいだ。三葉は恥ずかしかったのか,手で目を隠すようにしていたが。
とりあえず,一通り見終わったので席に向かう。
中に入ると,レーザー光線と大音量の音楽が流れていた。野球やサッカーでは味わえない感覚だった。
三葉に,座席の位置を確認してもらう。前から3番目の席だ。ただ段差があったので見ずらい感は無かった。座席に座ると三葉が,
「いや〜,まさか大当りが出るとは思わなかったよ,タカトシ君。今まで一度も大当りが出なかったのに。
タカトシ君のおかげだね」
そう言いながら三葉がオレに微笑みながら話しかけて来た。
……何だろう?三葉を見てたら,胸がドキってした気がした。他の女子と話をしてもこんな事無かったのに。
それから,オレと三葉は二人で新しいパンフレットを見ながら時間を潰していった。
時間も4時を回った頃,大きな音楽が流れ,リングアナとレフェリーの二人がリングインした。ボールを投げている。
このボールを拾うと,何かプレゼントが貰えるらしい。………来なかった。
どうやら,前説をしてるようだ。今日の対戦カードを発表してるみたいだ。
その前説も終わり,照明が暗くなると,歌が流れて来た。この団体のテーマ曲らしい。
明るくなると,試合の前に調印式なるものを行うらしい。
今日はタイトルマッチが2試合あるみたいで,4人の選手がリングインした。その内,2人はベルトを持っている。
サインも終わり,選手がマイクを持って言い争いをしている。
一通り,言い終わった後,選手はそれぞれ控室に戻って行った。ようやく,第1試合が始まるみたいだ。
664 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:21:37 ID:Mqpd77Va
……………
試合が始まった。いろんなコスチュームを身にまとったレスラー達が戦っている。
第4試合の時,レスラーの1人が,さっきのガラガラで当たった色違いのコスチュームを着ている。
どうやら,このレスラーのコスチュームだったらしい。
第5試合だ。タイトルマッチらしい。結果は,悪者,つまりヒールのレスラーが,反則をしまくって勝ったみたいだ。
隣で,三葉が残念そうにしていた。負けた方を応援していたみたいだ。慰めてやるか。
「残念だったな,三葉」
「うん,そうだね。次,戦う時はきっと勝つはずだよ」
休憩に入ったので,飲み物を買うために,一旦,会場から離れてさっきのコンビニに寄る。もちろん,オレの奢りだ。
再び座席に戻り,少し時間が経つと,後半戦の開始の音楽が流れた。
第6試合も白熱した試合が終わり,いよいよメインイベントだ。この試合は,団体No.1を決めるタイトルマッチらしい。
選手が入場し,リングアナウンサーがそれぞれコールする。
チャンピオンの番になると,三葉が立ち上がってバッグから紙テープか取り出す。
名前を言うのと同時に,手にした紙テープをリングに向かって投げ付けた。他の方向からもたくさんの紙テープが舞っている。
試合が始まり,少し経過した頃,場外乱闘が始まった。オレ達が座っている方向にやって来た。
レスラーの大声とともに,近くの客が荷物を持って,その場から一斉に離れていく。オレ達も離れることにした。
ヒールレスラーがチャンピオンを,椅子の列に投げ飛ばしていく。かなり痛そうだ。
さらに椅子を持って背中に振り下ろしていった。そんな乱闘が目の前で繰り広げられている。
665 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:23:00 ID:Mqpd77Va
ヒールレスラーが落ちていたペットボトルを,チャンピオンに向かって投げ付けた。
その時,ペットボトルが弾んで,近くにいた三葉の頭に当たってしまった。
「痛っ!!」
「大丈夫か,三葉!?どこか怪我はしていないか」
痛そうにしている三葉を,オレは庇うようにして様子を見る。
「…うん,平気。そんなに強くは当たらなかったから……」
よかった,怪我はなさそうだ。
その時,ヒールレスラーのセコンドに付いていた別のヒールレスラーが,オレを強烈に睨み付けてる。
「いちゃついてんじゃねぇぞ!」と叫んでいるらしい。
どうやら,三葉を庇った行為が,抱き着いているように見えたんだろう。まだ睨み続ける。
正直,オレは怖かった。でも,なぜか視線は避けなかった。逆に睨み返す。
そうしたら,レスラーはオレの態度に根負けしたのか,その場から離れて行った。
回りの人がオレ達を見ている。すると,なぜか拍手の音が聞こえた。………かなり恥ずかしかった。
試合はチャンピオンが勝ち,驚きあり,笑いありのマイクパフォーマンスがあり,最後は記念撮影で幕を閉じた。
これで今日の試合は全て終わりだ。客も各々出口に向かっている。
オレ達も,帰ろうかと思ったところ,三葉が,
「ねぇ,帰る前にサイン会に寄っていいかな?」
そう言われたので,最後だしいいかと思って列に並ぶことにした。
サインをしてもらうにはTシャツを買わないといけないらしい。高かったが三葉が喜んでくれるなら,それは別によかった。
666 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:23:45 ID:Mqpd77Va
……………
駅までの帰り道……
「タカトシ君!今日はすっごく楽しかったよ!一緒に来てもらってよかった。
それにいろいろ買ってくれてありがとう!」
よかった,喜んでくれてる。
「三葉が喜んでくれたのなら,オレも付き添った甲斐があるよ」
「………あのね,タカトシ君。実はその事なんだけど………」
三葉が立ち止まって,オレに話し掛ける。
「どうしたんだ,急に?」
「………私が誘った時の事なんだけど,友達が来れなくなったって言ってたじゃない?」
「確か,そう言ってた」
「実はね,あれって嘘なんだよ………。本当は,最初からタカトシ君を誘うつもりだったの。
あの時も,タカトシ君が生徒会室からずっと出て来るのを待っていたの。………嘘をついてごめんなさい」
帰路に付いている客が何事かとオレ達の方を見る。それでも三葉は話を続けた。
「でも…,今日はすごく楽しかった。……今まで男の子と遊びに行った事はあったけど,タカトシ君と遊びに行った今日が1番よかった。
一日中タカトシ君といて,すごくドキドキしたの。最初は何でだろうと思っていたけど,時間が経つ度に,分かった気がする。
タカトシ君の事が,友達としてじゃなく一人の男の子として『好き』になったんだって」
オレも今,やっと分かった。オレが胸に抱いていたドキドキ感が。三葉と同じ事を感じていたんだ。
回りには沢山の人がいる,でも言いたい事を今言うしかない!
「………オレも三葉と来れてとても良かった。今の言葉を聞いてオレも分かったんだ,同じ想いをしていたんだって。
………三葉に伝えたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」
「うん。私も改めて伝えたいことがあるの。聞いてちょうだい?」
時間の流れが緩やかになった気がした。お互いタイミングを見計らったかのように叫び出す。
667 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:24:43 ID:Mqpd77Va
「オレは!」
「私は!」
「三葉の事が!!
「タカトシ君の事が!!」
「大好きだ!!!」
「大好き!!!」
通行人がいきなりの叫び声に一斉にこちらを向いた。
しばらくの間,オレ達は無言のままだったが,
「………あは,あはははは!」
「………えへっ,えへへ」
二人して笑い出す。
「よかった。オレ達,同じ想いで」
「私達,今から恋人同士だね」
「そうだな,じゃあ帰ろうか?三葉………いや,ムツミ」
「………初めてタカトシ君に名前で呼んでもらった……私,この日を忘れない!」
「………オレも,忘れないよ。……ムツミ,手を繋ごう」
オレはそう言って,ムツミに左手を差し延べた。
「………うん!」
ムツミも右手を出して,一緒に手を繋ぐ。
こうして,オレ達は家に帰る事にした。
……………
○○駅に帰り着いたオレ達は,この暗い中,ムツミを一人で帰らせるわけにもいかないので,家まで送る事にした。もちろん,手を繋いで。
ムツミの家の玄関で,
「タカトシ君,今日は楽しかったよ。恋人になれて,とても嬉しい。
………また明日,学校で会おうね。じゃあ,お休みなさい」
そう言って,ムツミはドアを開け家の中に入って行った。
オレも家に帰ろう。
ムツミの家から近い所にオレの家があるので,徒歩で帰ることにした。
帰り道で,今日の事を思い出す。夏休みの間,生徒会の仕事で大変だったが,最後の1日で,すべての苦労が報われた気がした。
668 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:26:01 ID:Mqpd77Va
……………
10分ほど歩いたところでオレの家が見えた。玄関を開けると,妹のコトミが出迎えてくれた。
「お帰り〜,タカ兄」
「ただいま」
「ねぇ,タカ兄?今日,一緒にいた女の人ってタカ兄の彼女?」
コトミの言葉に,オレは驚く。
「ちょっと待て。何でコトミがそれを知っているんだ?」
「否定しないって事は本当なんだ。だってタカ兄,結構オシャレして出掛けたじゃない。
だから気になってタカ兄の後を付けてみたの。そしたら,駅で女の人と一緒に電車に乗っていったから」
まさか,コトミがストーキングしていたとは思わなかった。隠していても仕方がないので,
「そうだよ。その人がオレの付き合う事になった彼女だよ。今度お前にも紹介してやるから」
「そっか〜,あの人が将来私の義姉になるんだね」
コトミがぶっ飛んだ事を言う。
「あ,タカ兄。ちょっとまってて」
そう言うと,コトミは自分の部屋に戻って行った。30秒ほどすると,コトミが出て来て,
「はい,タカ兄。突き合うのはいいけど,ちゃんと避妊しなきゃだめだよ」
オレに何故かコンドームを手渡してくる。なんで,そんな発想になるんだ?字が違うんだよ。まさに,妹は思春期だ。
疲れたので,風呂に入ってすぐ寝ることにした。明日は始業式だ。生徒会の仕事があるから早く行かなきゃいけない。ベッドに入るとすぐに眠りについた………
……………
翌日。
オレは校門の前に立っていた。服装チェックをするためだ。
すると,遠くから一人の女子生徒の声が聞こえる。
「お〜〜〜い!タカトシ君!おはよう!!」
オレの方に向かって来る。昨日,オレの彼女になった子だ。
その子の名は,三葉ムツミ――――。
669 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:29:41 ID:Mqpd77Va
以上で終了です。
タイトルは「FIRST DATE」で。
次からはおまけ投下です。
スルー対象ワードは
「百合要素あり」
670 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:31:11 ID:Mqpd77Va
おまけ。
服装チェックも終わり,教室に帰ろうとすると,会長が,
「津田,ちょっといいか?」
そう言われたので,オレは立ち止まる。
「何ですか,会長?」
「昨日の事だが,お前,柔道部部長の三葉ムツミと付き合っているのか?」
何で,会長まで知っているんだ?
「どうしたんですか?いきなり」
「昨日,博多駅でお前と三葉が二人でどこかに行くのを目撃したからな。………そんな事よりも付き合っているのか?」
………十分,注意はしたはずなのにバレバレじゃないか。正直に言おう。
「………はい。付き合っているというか,昨日から付き合い始めました」
「そうか,だがウチの校則は知っているな?」
確かに,ウチは校内恋愛禁止だ。
「しかし,私だって鬼ではない。津田,場所をわきまえて行動するんだぞ。別に,付き合うなと言っているわけじゃないからな」
そう言って,会長は自分の教室へ戻っていった。よかった,別に怒っているわけじゃないんだ。
オレも教室に戻ろう。ムツミの顔を見るのが楽しみだ。
671 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:32:33 ID:Mqpd77Va
……………
時間は過ぎて,放課後。
生徒会室には会長のシノと書記のアリアがいた。
「はぁ………」
シノがため息をついている。
「………はぁ………」
その様子を見ていたアリアが,
「シノちゃん,ため息ばかりついていると幸せが逃げちゃうよ?」
「………幸せが逃げる,か……。今の私にはもう逃げられているけどな………」
「どうしたのシノちゃん?」
シノは事のいきさつをアリアに伝える。
「………そうなんだ。タカトシ君,あの子と付き合う事にしたんだ………だから,ため息をついていたんだね。
でも,そっか〜,シノちゃんもタカトシ君の事が好きだったんだね?」
「な,何を!?………………うん」
シノは顔を真っ赤にして答える。
「会長としての立場もあるし,何より先を越されたということもあってな。
だから,ため息が止まらなかったんだ」
「シノちゃん?タカトシ君が自分で選んだ人なんだから,ちゃんと見守ってあげようね。
……………それに,シノちゃんには,私がいるじゃない?」
アリアの最後の一言にシノは顔を見上げる。すると,アリアの目が怪しく光ったような気がした。
アリアがシノに近づいて,制服を脱がそうとする。
「おい,アリア!
なんで,私の服に手をかけるんだ?それに顔を近づけているんだ?」
しかし,アリアはその言葉を無視して,自分も服を脱ぎだした。
「おい!聞いているのか!……やめろ!やめろーーー!!!」
672 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:33:22 ID:Mqpd77Va
……………
クラスの掃除を終え,オレは生徒会室に入ると会長と七条先輩が先に来ていた。
………なぜか,会長はぐったりしていて,七条先輩の肌がつやつやしている。
「………すみません,遅れました」
「大丈夫よ津田君。もうすぐ始まるところだから」
笑顔で七条先輩が答える。
会長はいまだぐったりしている。
「………会長はどうかしたんですか?」
「何でもないのよ,津田君」
………何が起こったか聞かない方が良さそうだ………
おまけ……終わり。
673 :
ボルト:2008/09/03(水) 20:38:32 ID:Mqpd77Va
以上で,全投下終了です。
容量が足りるかどうかヒヤヒヤしました。
自己満足なSSでしたが,いかがでしょうか?
次回作は未定ですが,…………タカトシ×スズ+スズママって需要あります?
最後まで見て頂き,ありがとうございました。<(__)>
絶好調なペースだな乙
あとあまり自分を卑下せんようにな、誘い受けに取られかねんから
しかし、あっという間にスレ埋まったなw
ボルト氏乙
なんかボルト氏とY-275氏のラッシュからは「書くことが楽しくてしょうがない」といった雰囲気がうかがえるなw
>>675 あなたも乙
>673
需要だと?
供給されれば需要など後からついてくるのだぜ……?
ケイちゃん埋め
新しい職人さんのハイペースな力投ぶりはありがたいな
目指せ追い越せ、郭・ピンキリのワンツー両氏の合わせて200オーバーのSS投下
518氏とペピトーン氏も合わせたらたぶん300近いはずだ
お疲れ様です。
埋め用に濱中小ネタ無題で投下しておきます。
「はぁ、や、やっと着いた……」
「全く、天気予報はアテになんないわね」
「あーん、パンツまでぬちょぬちょだぁ」
「リン、せめてぐっしょりとかべっちょべちょ辺りの表現を使いなさい」
「先輩、結局卑猥です」
天野ミサキ、若田部アヤナ、的山リンコ、中村リョーコ、濱中アイの五人は、不意に降りだした雨から逃げるようにとある家へと飛び込んだ。
もちろん、見ず知らず赤の他人の家ではない。
彼女達に関係深い、一人の少年の実家である。
「マサー、シャワー浴びさせてよ」
「そりゃ別にいいですけど」
それでその少年が誰かと言うと、今更いちいち説明の必要もないだろうが、小久保マサヒコに他ならない。
「ですけどって何さ、なんか問題でもあるわけ」
「いえ、うちの風呂場そんなに広くないですから……せいぜい二人が限度ですよ」
正確に言うと、雨の襲来を受けたのは五人ではない。
マサヒコを含めて六人である。
毎度のことだが、この面子で外出していたのだ。
休日ともなるとリョーコが音頭を取ってやれショッピングだの食事だのとよく出歩くが、
今回もその例に漏れず、というわけだった。
「マサちゃん、おばさんは?」
「多分また町内の婦人会でカラオケに行ってるんだと思う」
俺も父さんもいないと思って好きにやってんじゃないかな、とマサヒコはミサキの問いにさらに答えた。
マサヒコ父、出張とか何とかで休日も仕事に出ていることが多い。
さすがは一家の大黒柱である。
家庭での主導権(特に夜)はほとんど妻に握られっ放しだが。
「よっしゃ、じゃあ順番決めましょ。六人いるから二人づつ浴びるということで」
「……ちょっと待て」
「ん?」
「俺は最後に一人で浴びます。だから先に女性陣で」
「えー、せっかく堂々と女とシャワーを浴びるという、年頃の男の子垂涎の権利を与えようとしているのに」
六人で二人づつということは、男がマサヒコしかいないので女性が誰か一人マサヒコとペアになる計算である。
「ミサキはまぁマサと十分裸の付き合いしてると思うので除外して、えーと」
「おいこら、勝手に話を進めるな!」
ちなみに小久保邸のすぐ側に天野邸があるのはご存じの通りだが、何の因果かこちらも両親共に出かけている。
ほしたら女性陣は天野邸に行けばいいのでは、というツッコミは残念ながら成立しない。
何故なら、マサヒコは家の鍵を持っていたがミサキは持っていなかったから。
じゃあ全員それぞれの家に戻れば、というツッコミもこれまた無力。
外出先から一番距離が近かったのが小久保邸であり、そこから各自の家に帰るにはそれなりに時間がかかってしまう。
表はバケツの水をひっくり返したような大雨で、傘をさしても結構な濡れ鼠になるのは間違いない。
「ならアヤナ、あんたがマサとシャワー浴びなさい」
「え、ええええ!? い、い、イヤですよそんな、こここ、小久保君となんて!」
「そしたらアイで」
「わ、私が!? マサヒコ君のシャワーを!? そそ、それはいきなりハードルが高すぎます!」
「リンは?」
「えー、私アヤナちゃんみたいにでこぼこしてないから小久保君つまんないと思います」
三者三様とはまさにことのこと。
しかし、マサヒコが一人で浴びればいいという至極当たり前の結論に誰もたどり着けていない。
まぁこれはリョーコが会話のペースを握っているからだが。
「ちっ、しょうがないわね。じゃあ私がマサとシャワー浴びるか」
「だ、だ、ダメですっ! マサちゃんとは私が一緒に!」
ミサキも脳細胞がショート。
自分がいかにとんでもないことを言っているかおそらく、いや絶対に気づいてないであろう。
「んー、でもあんたら二人だと浴びるだけじゃ済まないでしょ」
マサヒコとミサキは中学を卒業すると同時に恋人同士になった。
それから一年半近く経つが、ゆっくりとながら確実にオトナの階段を上っている二人である。
「ふ、ふ、風紀が乱れまくりだわ天野さん! だ、だ、ダメ、ダメよっ! 絶対ダメッ!」
「ミサキちゃんいけないわ! 身体の外の汗と雨は流しても、身体の中にマサヒコ君のを流し込まれたら! まだ二人は高校生! 家族計画!」
「でもお風呂場でするのって蒸し暑そうですよねー、のぼせちゃいそう」
「まぁどうしてもって言うならいいけどさ。あ、何ならゴム貸そうか? 持ってるし」
「え? あ? う? 私はマサちゃんと入る入られ浴び浴びられ」
「なあ、このままだと風邪ひくと思うんで、俺が一番最初に浴びていいか? 一人で」
雨の襲来を受けた六人、リョーコを中心に毎度の如く毎度の展開。
雪が降ろうと雹が降ろうと、それこそ槍が降ろうとも。
おそらく変わらぬに違いない―――
F I N
GJ
埋めよう
ピンキリ氏、いつも乙です。
恒例のしりとりいくかい?
天草シ「ノ」
ノーブラのケイとナツミ
「見たわね、いやらしい目で!」
ナツミの鉄拳制裁を正面から受け止めるカズヤ
ヤらせろ!
とは決して言わない氏家漫画のイケメン男性主人公たち
「ち」
『痴漢プレイで朝から濡れ濡れですか…』
『ちげーよ!!本物にあったの!!』
自身の痴漢体験をマナカにエロボケにされ、ツッコミを入れるアキ。
『キ』
「今日の議題:今一度校内恋愛について再考する」
シノがホワイトボードにこう書いた時、生徒会室の空気はピリッと張り詰めたものになったのをタカトシは感じた。
『た』
「他校と比べる…と言っては何だが、この校則はいささか厳し過ぎると思う。
共学化になった今、この校則のせいで学業に支障がでれば困ったことになる」
シノは言う。
『う』
「うん、そうね。
でもいきなり校内恋愛を完全許可してしまうと風紀が乱れてしまうわ
まずは同性間の恋愛を許可して様子を見ましょう」
と言うアリアの意見が可決
「つかこれ女子校時代からの校則だったんですか」
「深く考えてはだめよ」
↓スズヘッド
百合は好きだからどんどんやってくれて構わない
五十嵐カエデ乱入してきて一言↓
とりあえず今すぐこの学校は女子校に戻すべきです!
「す」
スズが一言↓
「とりあえず津田、なんかつっこみなさいよ」
「よ」
「よ、欲求不満なのか、萩村は?」シノ脳に毒された
タカトシであった。
「た」
「叩かれたい?」
スズ、きれる
る↓
留守中に楽しそうな話になってるわね
横島登場
う
『うっちゃり!!』
続いて乱入しようとしたムツミが前で道を塞いだナルコを突き飛ばす。
『柔道部なのに何故相撲!?』
ツッコミをいれるタカトシ。
『シ』
しからばまた次スレが終わる頃に会いましょう
黄金期とはいかずとも、再びスレが賑わいを見せる日が来ることを祈って
手が遊んでいるぞ!
?
テスト
708 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 10:34:04 ID:B2f041Z7
埋め
709 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 11:38:04 ID:YSh/Vep3
産め?
シホ
うめええええええええええ