【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】

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1名無しさん@ピンキー
まったりいきましょう

次スレ建てルールや、過去スレ情報は >>2から
2名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:04:22 ID:KB305Arv
前スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 24時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196308247/
過去スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 23時間目【妹・生徒会】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179570516/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 22時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167016800/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 21時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158053539/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 20時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153304002/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 19時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150028186/
【濱中アイ】氏家ト全総合 18時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145727127/
【濱中アイ】氏家ト全総合 17時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142255932/
【濱中アイ】氏家ト全総合 16時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139468699/
【濱中アイ】氏家ト全総合 15時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137258988/
【濱中アイ】氏家ト全総合 14時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135925974/
【濱中アイ】氏家ト全総合 13時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1134125251/
【濱中アイ】氏家ト全総合 12時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132404885/
3名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:05:02 ID:KB305Arv
【濱中アイ】氏家ト全総合 11時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129514442/
【濱中アイ】氏家ト全総合 10時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127110404/
【濱中アイ】氏家ト全総合 9時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125079101/
【妹】氏家ト全総合 8時間目【濱中アイ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122381257/
【濱中アイ】氏家ト全総合 7時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1120910446/
【濱中アイ】氏家ト全総合 6時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118937114/
【女子大生】氏家ト全総合 5時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1117279379/
【家庭教師】氏家ト全総合 4時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114597887/
【カテキョ】氏家ト全総合 3時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1109699736/
【濱中】氏家ト全総合 2時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1106563195/
家 庭 教 師 濱 中 ア イ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1095652398/
4名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:05:54 ID:KB305Arv
古田氏作のSS保管庫(旧保管庫、更新停止)
ttp://yellow.ribbon.to/~hamanaka
SS保管庫wiki (新保管庫、編集中)
ttp://wiki.livedoor.jp/uziietozen/d/FrontPage

現在、有志によって保管庫のサルベージ作業が行われています
お暇がある方はwiki編集にご協力ください
5名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:06:24 ID:KB305Arv
【お願い】
作品の投下は以下のようにしてくれると助かります。
(1).投下します宣言
(2).本編投下
(3).ここまでです宣言

また、作品のタイトルは上記の(1)、(3)のどちらでも良いのですが、
1行独占で書いてくれると助かります。本文に紛れると見落としてしまうことがあるので。
↓こんな感じ
タイトル:「?????」
名前欄はこれまで通り作家さんのコテでよいです。
6名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:07:18 ID:KB305Arv
☆☆☆☆☆☆ 次スレへの引継ぎについて ☆☆☆☆☆☆

容量が 450KB を超えたら残り容量に注意しながら投下しましょう。
480KB を超えたら次スレが立つまで投下は控えてください。

次スレが立ったら、ログの確保が済むまで落さないようにマッタリ保守で。
更新が済んだら、一気に埋めるかDAT落ちまで放置しましょう。(ただし、埋めの段階で
作品を投下すると保管庫に記録されないかもしれないので注意。)

また、通常時も放置は墜落に繋がりますので、適度な保守もお願いいたします。
7名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:08:07 ID:KB305Arv
【氏家ト全作品】
・女子大生家庭教師濱中アイ(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全6巻)
・妹は思春期(週刊ヤングマガジン連載、完結。単行本全10巻)
・アイドルのあかほん(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全1巻)
・妹はひまわり組(別冊ヤングマガジン連載、完結。妹は思春期の二巻から収録)

・生徒会役員共(月刊マガジンスペシャル連載中)
・ハナとプチ(シリウス読み切り)
8名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:41:03 ID:gLCpjX+0
乙ぱい
9名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 08:23:32 ID:exumbA6x
がいっぱーい
10名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 09:22:10 ID:UCNaEcj3
>>1
ところで、ウチの近所でマガスペ売ってる所がないんだが
11名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 09:29:14 ID:exumbA6x
マガスペなんてオメにかかったことすらない
12名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 16:48:04 ID:MV5ys/CZ
前スレジョニー氏にGJ
結果的にGW唯一の投下になったわけですな
ありがたさと、そして一抹の寂しさと‥‥

これからも期待してます!
13名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 01:08:40 ID:zPzzbW6/
即死回避

↓続け者共
14名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 02:29:01 ID:tsUoikG2
保守します。
15名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 06:36:24 ID:REu8wFHS
マターリフワーリハァハァ保守(*´Д`)
16名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 08:22:38 ID:IvXrwoL5
やっぱり痴女がいい
17名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 14:29:36 ID:gSCVS3xs
やっぱり痴女アヤナがいい
18名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 14:32:52 ID:W4VuCiWU
やっぱり痴女はケイ
19名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 18:15:49 ID:zPzzbW6/
…つまり皆痴女、と?
20名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 01:21:31 ID:6Da+sPUA
シリトリでもすっか
21名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 18:10:52 ID:/i8thkco
リンコ
22名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:25:02 ID:IyTvcNdj
こたつの中で繋がっている誰か
23名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 07:51:08 ID:0oStYPJz
感じるミサキ



ところで現役職人は何人?
24名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 08:26:38 ID:m+Pfu3wN
看護婦天野ミサキ
25名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 20:52:00 ID:UMdzZKg+
3年ぶりに着たけど相変わらずの盛況っぷり
26名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 07:20:55 ID:fo4DEeXW
いや、かなり過疎化したんだが‥‥黄金時代は一ヶ月でスレを使いきったし
27名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:13:01 ID:B5sXq4ce
何か月も空いちゃいましたけど、そろそろ続き書かないと・・・。
28名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 21:45:23 ID:rayCi2cb
だれっすか!?
続きwktkで待ってますよ
29名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 10:14:26 ID:1+N4CXZ7
今現役な職人さん挙手
30郭@携帯:2008/05/13(火) 12:38:25 ID:qOIfQfzr
ノシ
31Dm@携帯:2008/05/13(火) 14:22:25 ID:N96esOVE
機会とネタがまた書きたいと思います
32名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 16:53:30 ID:nM3XFDM2
看護婦は患者の欲望を解消するのも役目
33名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 02:28:26 ID:9/BlQaiJ
保守
34名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 07:13:31 ID:dMva8+TZ
郭氏復帰をマタリ待つ
35Y-275:2008/05/15(木) 13:10:41 ID:8aXaAQyb
住人、職人の皆さんご無沙汰しています。
アキモノが遅々として書き上がらないY-275です。
そちらとは別に濱中モノでネタが浮かび書き上げたので投下します。
やや推敲が足りず淡泊かもしれません。
タイトルは

『IF TWINS1 アイ編』

です
36Y-275:2008/05/15(木) 13:12:01 ID:8aXaAQyb

『こんにちはー、マサヒコ君。』

『アイ先生いらっしゃい』

今日はアイの授業の日。
家に帰ってきたマサヒコはアイが来るまでの間、学校での宿題に取り組んでおり、アイが来た際先に返事だけしてからアイの方に振り向いた。

が、振り向いた瞬間固まってしまう。

『…………!!』

マサヒコの目に飛び込んできたのは2人のアイの姿だった。


………………………………
37Y-275:2008/05/15(木) 13:13:48 ID:8aXaAQyb

『というわけでね、今日は田舎から遊びに来てる妹も一緒なのよ。』

『アイ先生って双子だったんですね…』

未だに緊張の解けないマサヒコ。

アイに双子の妹として紹介されたもう一人のアイ先生はまさしくうりふたつで、その顔には眼鏡がかかっている。
いつのまにかアイがしなくなった髪留めをちょこんと前髪につけておりはた目には、

(妹というより昔のアイ先生が一緒に来た感じかも…)

といった感想のほうが的を得ている感があった。

そのうちに今まで無言で通していた妹の方が口を開く。

『はじめまして、いつも姉がお世話になっています。妹の濱中マイです。』

凛とした雰囲気さえ醸し出しながらマイは挨拶をした。

………………………………
38Y-275:2008/05/15(木) 13:15:30 ID:8aXaAQyb

さて、以外や以外イレギュラーな要素があってもその日の授業は脱線する事なく終了。

この日差し入れのおやつを持ってきたマサヒコ母に薦められ濱中姉妹は晩御飯をマサヒコ家でたべていく事になった。

『いやー、今日はマイの前だから緊張しちゃったよー。』

(もう緊張は解けたみたいですね。)

アイの普段通りの食欲を目の当たりにし、心の中でひとりごちるマサヒコ。

(それにもまして…)

マサヒコは目の前で繰り広げられるマイの食欲にも呆気に取られる。

アイだけでも結構な物なのだが、それが本日は2倍なのである瞬く間に食器上のおかずは無くなっていく。
『…っておい!』

目の前の食欲に圧倒されているうちにおかずはほぼ無くなってしまっていた。

マサヒコも男の子しかも食べ盛りのである。

瞬く間に目減りしていく晩御飯にさすがに危機感を抱いた。

『はぁ…母さんご飯のおかわり頂戴。』

もはや目の前のおかずは諦め、ご飯だけでもお腹いっぱい満たそう。
と決めたマサヒコ。

『ごめんねー。さっきのマイちゃんのおかわり分でちょうどご飯終わっちゃったのよ。』

おいおい、そりゃ無いぜ。とマサヒコは心のなかで呟いた。

………………………………
39Y-275:2008/05/15(木) 13:16:47 ID:8aXaAQyb

『おら〜マサヒコ起きんか〜い』

母親の声で目を醒ます。

気がつくとベッドの上で、見慣れた自分の部屋にはマイはおろか、アイもいはしなかった。

『夢か…』

その状況を認識し、やっとマサヒコは夢の中の出来事であったことに気づいた。
『それにしても…』

夢の中の状況を思い出す。
夢の中では双子という設定だったが、明らかに二人のアイがいた。

『アイ先生の食欲見てるだけでも胸やけ起こしそうなほどお腹いっぱいになるけど、二人だと迫力が違うな。』

思わず一人呟いてしまう。
夢の中でも、夢から醒めてもツッコミ役のマサヒコの立場は変わら無いようである。

『ま、別に嫌な訳じゃ無いけどさ。』

そうもう一言呟いてからマサヒコは朝の準備を始めた。
40Y-275:2008/05/15(木) 13:18:22 ID:8aXaAQyb
以上です。

続いて

『IF TWINS2 リョーコ編』
です。
41Y-275:2008/05/15(木) 13:19:43 ID:8aXaAQyb

『どうせあんたヒマでしょ?2時にアタシん家に来なさい!』

おまえは涼○ハルヒか!!

というツッコミをマサヒコが入れたかどうかまでは分からないが、突然の呼出しにももはや慣れてしまっているマサヒコは中村宅へとたどり着き、玄関のベルを押した。

数瞬後顔をだしたリョーコに眼鏡はなく、やや違和感を感じながらも、中村宅へと上がり込んだ。

『よっ!マサヒコ!!よく来たね!!』

部屋のリビングには封印したはずのタバコを口にくわえ、悪戯が成功した時のようなにたにた笑いを浮かべ右手をあげるリョーコの姿があった。

………………………………
42Y-275:2008/05/15(木) 13:21:21 ID:8aXaAQyb

『はぁ、つまり中村先生も実は双子だったと…』

『『も』ってなによ。他に双子なやつなんかいつものメンツにいたっけ?』

(そういえばあれは夢の中の出来事だったんだっけか。)

言ってしまった後に失言に気づいたマサヒコ。

『まぁ、良いわ。そんな事よりどう?そっくりでしょう?』

華麗にスルーしつつ会話を進めるリョーコ。

リョーコにしてみれば、冒頭のマサヒコの驚き顔を見るのが狙いだったらしく、その後のマサヒコのリアクション等どうでもよかったらしい。

(そっくりって言ってもなぁ…)

確かに外見だけならば違いは眼鏡だけである。

しかしながら、あまのじゃくな性格さえなければ、リョーコは美女である。

目の前のもう一人のリョーコは先ほどからなにも言わずただ二人のやり取りを眺めている。

(ぶっちゃけ静かなら中村先生も…)

嘘偽りなくマサヒコの本音だった。

『改めて紹介するわ。妹のキョーコよ。』

『はじめまして、いつも姉がお世話になります。中村キョーコです。』

なんだか妙な既視感を感じながら差し出された右手に握手をするマサヒコ。

(やっぱり中身は別人だなぁ)

そんな事を感じながらマサヒコが握手をしている最中リョーコが口を開く。

『んじゃ、互いに自己紹介も済んだみたいだし今日の本題行こうか。』

一瞬リョーコが何を言ったかマサヒコは理解できずにいた。
43Y-275:2008/05/15(木) 13:22:50 ID:8aXaAQyb

顔をリョーコから戻し再びキョーコに移すとキョーコの目は悪巧みを思い付いた時のリョーコの目になっていた。気づけば距離感も近づいている。

『いやさぁ、最近キョーコ男関係ご無沙汰で色々溜まってるみたいなのよ。相手してやってマサ。』

『という訳でよろしくねマサヒコ君。』

『いや、そもそも俺童t…』

『大丈夫、お姉さんが全部教えてあげるわ!』

じりじりとベッドへと押されていくマサヒコ。

その視界には服を脱ぐリョーコの姿が映った。

『あたしもセイジ以外とはご無沙汰だしね。大丈夫、お姉さんが全部教えてあげるわ。』

ベッドに押し倒されながら、マサヒコの意識は途絶えていった。

………………………………
44Y-275:2008/05/15(木) 13:24:08 ID:8aXaAQyb

『夢か…』

まだ辺りは真っ暗な時間マサヒコは飛び起きた。

案の定マサヒコは中村宅にいる訳でもなく、キョーコはおろか、リョーコさえいなかった。

(それにしても…)

マサヒコはまたひとりごちる。

『夢の中とはいえ、一瞬でも馬鹿な事を考えた自分の記憶をぶっ飛ばしたくなるな。フロイト先生も大爆笑な夢を見ちまったもんだ…』

なんだか、今回のマサヒコは多分に涼○ハルヒに毒されているが、こんな夢をみた後では仕方が無いことなのだろうか…
45Y-275:2008/05/15(木) 13:25:29 ID:8aXaAQyb
リョーコ編以上です。

続いて

『IF TWINS3 アヤナ編』

です
46Y-275:2008/05/15(木) 13:40:29 ID:8aXaAQyb

『今度は若田部か…』

『??今度は??』

『ちょっとそれどういう意味よ小久保君』


………………………………

期末テストを消化し暑い暑い言いながらも登校しつづけた1学期も終わり、世間は夏休み。

いつもの集合に向かおうと駅に向かうその矢先二人のアヤナと出会った訳である。
さすがに3度目ともなるとすっかり慣れてしまっているマサヒコと初めての事なので少し強めのリアクションをとったアヤナとのやり取りが冒頭の物である。

今回は今までとはちょっと違っている。

というのも…

(今回はどっちがどっちかわかりやすいなぁ。)

普段接しているアヤナは普段通りである恰好も昨年の夏に見かけた物とそこまで相違無いのである。

そしてもう一人の方のアヤナは体育の時のような後ろで髪の毛を束ねた状態。
所謂ポニーテールというやつで、服装こそアヤナとは大差ないものの、凛とした顔立ちながら、目尻はアヤナほど鋭くなく、どこか冷めた印象すら覚えるほどのものだった。

『納得いく説明をしてもらいたい物ね。』

アヤナがマサヒコをまくし立てる。

その問いには答えずにマサヒコが尋ねる。

『若田部の双子の姉妹か?』

『なんかはぐらかされた感があるけどまぁ、良いわ。そうよ、私の姉のアヤネよ。』

『…若田部アヤネ。よろしくマサヒコ。』

突然下の名前で呼ばれた事に面食らいつつも、差し出された親愛の印である握手に律儀に答えるマサヒコ。
47Y-275:2008/05/15(木) 13:42:19 ID:8aXaAQyb

『ち、ちょっと、姉さん!!初対面なのに下の名前で呼ぶなんて失礼よ。』

『…問題無い。アメリカでは常にファーストネームで呼ぶ。これ常識。アヤナこそ固い。』

『ちょっと面は喰らったけど、そう呼ぶならそう呼ぶで構わないぞ。よろしくな、アヤネ。』

今度は若田部姉妹が面を喰らう番だった。

『さて、そろそろ行かないとあの理不尽大王に何言われるかわかんねーぞ?今日はアヤネも来るのか?』

『…行く』

『そっか、行こうぜ。』

3人は改めて集合場所に向かった。

………………………………
48Y-275:2008/05/15(木) 13:43:33 ID:8aXaAQyb

『遅いわねー、早く無ければ良いってもんじゃ無いわよ。』

集合場所に着いたのはマサヒコ達が一番最後だった。
『というか、来て早々下ネタはどうかと…』

いつものやり取りをしてる横では

『アヤナちゃんが二人いるよー』

『若田部さんって双子だったのね…』

同い年二人が食いついていた。

『若田部アヤネ。よろしく。』

マサヒコに対してしたそれのように二人に対して手を差し出すアヤネ。

そのもう一方の当事者はというと…

『な、なによ、わ、私なんか一度も呼び捨てにした事なんか無いわ…そ、それに付き合いは私のほうが長いのになんで初対面の姉さんを呼び捨てなのよ…』

等々顔を真っ赤にしながら呟いている。

『うっひゃーぁ!アヤナちゃんはツンデレだけど、アヤネちゃんはクーデレだぁ!』

『いや、リンちゃん、ツンデレ、クーデレって…』

『…??クーデレ??』

『な、なによ、的山さんまで。いきなり下の名前で呼び捨て??わ、私だってそれぐらい…』

3人の会話の遥か後方に置いていかれながらアヤナはなおも呟き続けていた。

………………………………
49Y-275:2008/05/15(木) 13:44:50 ID:8aXaAQyb

『で、マサ姉妹丼の味はどんなもんだった?言ってご覧なさい?』

(ちょっ、決まってる!!決まってる!!)

一方マサヒコ、リョーコはというと、集合一発目のボケとツッコミから、あらぬ話しをリョーコがでっちあげ、マサヒコを玩具にしていた。

今はマサヒコから二人に関して聞き出そうとチョークスリーパーをかけている。
その刹那。

『っま、マサヒコ!!…』

響き渡る大音声のアヤナボイス。

突然の事に驚いた全く向こうの会話に参加などしていなかったマサヒコ、リョーコ、そして、妹の突然の大声に何事かを感じたアヤネの3人。

2人より復帰の早かったマサヒコはこれを期にリョーコから脱出。

驚いて固まっていたリョーコから抜け出すのに、力を込めている体制から抜け出すのと同じぐらいの力加減で抜け出してしまった為、マサヒコはよろめく。そして掴んだ…

アヤネの胸を。

『きゃああ〜〜!!』

今度はアヤネの大音声ボイスが響き渡る。

その直後にはパシーンという渇いた音が響き渡った。

………………………………
50Y-275:2008/05/15(木) 13:46:24 ID:8aXaAQyb

『…っ、痛……くない』

思わず頬に手を当てながら体を起こすマサヒコ。

いつもの如く気づけば自分の部屋だった。

『双子であるからには本質は一緒か…』

アヤナとアヤネには容姿や性格といった大きな違いがあった。

しかしながら、マサヒコからのセクハラ(?)に対するリアクションは同一人物のそれだった。

『中村先生の時で学んだはずだったんだけど…』

ここまでひとりごちてマサヒコは思う。

所謂夢の中の出来事で自分が過去の教訓を生かし行動できる可能性は皆無であるそれならば…

そこまで考えマサヒコは再びベッドに潜る。

(せめて、現実の若田部にはひっぱたかれないように行動しないとな。)

そんな事を考えながらマサヒコは眠りに落ちていった。
51Y-275:2008/05/15(木) 13:48:24 ID:8aXaAQyb
アヤナ編以上です。

続いて

『IF TWINS番外編 妹は思春期』

です。
52Y-275:2008/05/15(木) 13:49:37 ID:8aXaAQyb

『ねぇ、もし…』

ここは城島家。翌日は土曜日と休みなことも手伝い、しかしながらシンジにしてみれば大学最初のレポート提出を控え翌日の休日を無駄にしないためにも、リビングで各々過ごしている。
時刻は深夜2時少し前といったところである。

………………………………

『ねえ、もし、お兄ちゃんが双子の女の子から同時に愛されたらどうする。』

カナミはこの時間やっている某ローカル局のアニメに最近はまり混んでいる。

一度は聞くのをためらったが、しかしながら意を決しシンジに投げかけた質問である。

『んな事言われてもなぁ…一人さえ経験が無いのに…』

シンジはぼやくように言う。

シンジは大学へと入学したものの未だ彼女いない歴=年齢な今日である。

『そっか、お兄ちゃん童貞だもんね。』

エロボケというよりさらりと酷いことを言うカナミ。

『じゃあさ、身近な人がもし双子だったら?これなら想像しやすいんじゃない?』

そういわれてシンジは軽く想像してみる

………………………………
53Y-275:2008/05/15(木) 13:51:08 ID:8aXaAQyb

もしナツミが双子だったら…
(華麗なるツープラトンだろうなぁ…)

もし小宮山先生が双子だったら…
(迷惑は2倍だろうな…)

もしカズヤが双子だったら

(はぁ、想像もしたくない。実際の犯罪ぐらい起こしそうだ…)

もしマナカが、ショーコが、金城が、双子だったら…

(カナミ回りで想像するのはよしておこう。いつもの2倍は苦労するだろうな。)

もしアキが双子だったら…

(ツッコミ役が増えるのは歓迎かな。ただアキちゃんだとカナミ達のおもちゃが増えるだけのような…)


そこまで考えてじゃあ、カナミはと思う。


本編中一度も登場しなかった両親がアレなため、兄妹二人暮し。ここにもう一人増えること。

それは素晴らしいことのように思う。

カナミはお兄ちゃんっ子である。

おそらくその由縁は寂しさから来ているのでは無いか?

とシンジは思う。

それに血は繋がってなくとも友人達にまるで姉妹のように振る舞うカナミは実際姉妹がいたとしても、互いを思いやれる良い姉妹になるのではないだろうか。

そんな事を考えているうちにシンジの心の中は次第に暖かいもので満たされていった。

『でも、お兄ちゃん。』

『ん?』

シンジの思考を遮るようにカナミが話しかける。

『もし、お兄ちゃんが双子だったら私のアナルガバガバになっちゃうよ。二人のお兄ちゃんに毎晩代わる代わるアナルを求められるってのは…あ、でも、そうか、遺伝学的にはお兄ちゃんが双子なら、私も双子になるのか!!毎晩スワッピングだね!!』

妹よ、俺がいつおまえのアナルを求めた。
シンジの頭の中にはその事が渦巻き、今までの思考は木っ端みじんに粉砕された。

『だぁー!!この話題禁止!!禁止!!今の現状のままが俺は一番良い!!』

なかばやけ気味にシンジが叫ぶ。

やっぱりカナミは一人だけでいいや。

二人もいるとなんかすごいことになる。

これは予感ではなく、確信である。

そんな事をシンジは思いながら城島家の夜は更けていった。
54Y-275:2008/05/15(木) 13:55:03 ID:8aXaAQyb
番外編以上です。

ここまで投下して気づいたんですが、一つ事の文章量は携帯なのでそこまで多くなく、一レスで収まるっぽいです。

なんか迷惑かけてすみません。

今まで細切れに投下してましたが、まとめていきます。

『IF TWINS4 ミサキ編』
です。
55Y-275:2008/05/15(木) 13:57:49 ID:8aXaAQyb
たびたびすいません。

収まりませんでした。

今まで通りで投下します。
56Y-275:2008/05/15(木) 13:58:43 ID:8aXaAQyb

『よぉ、マサヒコ!!今日は俺も参加させてもらうぜ。』

そう声をかけてきたのは、ミサキの双子の兄であるマサキ。

『珍しいな、マサキがうちらに加わるなんて。』

マサヒコも当然知らない人物ではない。

マサヒコとミサキが疎遠になっていた期間も同じサッカークラブのメンバーとして同じ釜の飯を食った気心の知れたミサキと同じ、いやそれ以上の幼なじみなのである。

………………………………
57Y-275:2008/05/15(木) 13:59:57 ID:8aXaAQyb

マサキは、髪の色はミサキと同じで明るく、顔立ちもかなりミサキにそっくりである。
髪型はそこはやはり男の子、マサヒコより若干短めのミディアムヘア。
性格はサバサバしており、男女関係なく仲がよい、ミサキとは違ったタイプのクラスの人気者である。

もちろん、そんな人気者の彼がこうしてやって来たのには訳がある。

それは

【妹の恋愛をアシストすること。】

妹の思いを知ってか、知らずかそのフラグをことごとく倒しつづけるマサヒコ。
そんな二人の関係が進展して欲しいと一番思っているのは間近で二人を見てきたマサキに他ならないのである。

………………………………
58Y-275:2008/05/15(木) 14:01:12 ID:8aXaAQyb

『〜でさー、〜がさー』

『ほんとかよ、俺そんな事全く知らなかったぞ!?』

マサヒコとマサキは笑い合うようにいろんな話しをしている。

ミサキは二人の話しに耳を傾けながらも絶妙なタイミングで会話を挟んでくる。
三人の昔から変わらない一番互いに心地のよい距離感である。

『ところでさ、俺、同じクラスの鳥谷と付き合いだしたんだよね。』

『え!?本当お兄ちゃん?』

突然の話しに思わず反応するミサキ。
マサヒコも口こそ挟まなかったが驚きは隠しきれない。

『本当だよ、本当!!二人に嘘言ってどうするんだよ。』

マサミサコンビとマサキが互いの事を案外知らなかったりするのはマサキが未だにサッカー部さらには部長として、家庭教師があるからと放課後すぐに学校から帰ってしまう二人とは下校時刻がまるで違うが故である。

しかしながら、こうして3人で揃って改めて話しをしてみると、出てくる話しにそれぞれ驚いたり、笑ったりしながらも、そこに溝は一切無いのである。

………………………………
59Y-275:2008/05/15(木) 14:02:47 ID:8aXaAQyb

マサキの彼女出来ました宣言から話題は一気に恋愛の話しで盛り上がる。誰と誰が付き合ってるだの、あの二人が別れただの。

そんな会話の流れの中、マサキが切り出す。

『そういやさぁ、ミサキにも好きな奴がいるみたいでさぁ、最近妙に色気づいて、ファッション雑誌なんて読み耽ってるんだぜ。どうよ、マサヒコ?』

『いや、どうって…』

言い淀むマサヒコ。
別に心当たりが無い訳ではない。

ミサキはここ最近確実に変わってきている。

再び親交を持つようになりだした中学一年時に比べ、スカートの丈は短くなった気がするし、よくポーチを持って身嗜みを整えに行く姿も見かける。

何よりも幼い頃からいつも決まっていた髪の長さを少しずつミサキが伸ばしている事にもマサヒコは気づいているのだ。

なんだか、やましいことを考えてしまったようでマサヒコは突如として黙り込んでしまった。

『…』

会話が一行に続かない空気のなかで、マサキはトイレに行く事を宣言して部屋を出ていった。

………………………………
60Y-275:2008/05/15(木) 14:06:52 ID:8aXaAQyb

『『…………』』

二人きりになった部屋の中にも沈黙という空気が流れた。

そんな空気のなか、ミサキが口を開く。

『お兄ちゃんあんな事言ってたけど、マサ君はどう思う?』

嫌が応にも先ほどミサキを異性として意識がさせられた直後のこの質問にはかなりの破壊力があった。

一度異性として意識してしまえば、ミサキはかなり魅力的な女の子である。
幼なじみフィルターは正しく風前の灯だった。

『ねぇ、マサちゃん?』

なおも何も発しないマサヒコに痺れを切らしたのか、なおもミサキは問いかける。呼称を幼い頃のものへと変化させて。

さすがのマサヒコも観念したのかぶっきらぼうに

『綺麗になったと思う…』
一言だけ返す。正確にはそれだけ返すのが精一杯だった。

『マサちゃん…』

瞳を潤ませながらミサキは次の行動に移ろうと体を持ち上げる。

しかしそれは出来なかった。


ミサキは3人での話しが始まった当初よりずっと正座をしていた。痺れに痺れた足は、事ここに至って限界を迎えたのである。

そして、ミサキは尻餅を着くように後ろに座り込んだ。
61Y-275:2008/05/15(木) 14:08:04 ID:8aXaAQyb
ミサキを支えようと立ち上がったマサヒコだが、

『…………』

本日何度目かの沈黙とともに固まってしまう。
そして、響くのは

『きゃああ〜!!』

ミサキの悲鳴。

ミサキの今日の服装は先ほどマサヒコが心のなかで指摘したように丈の短くなったスカート。
つまり、ミサキの今の態勢ではスカートの中は丸見えである。

そして、その光景を目の当たりにした途端に固まったマサヒコ。

ミサキがその理由に気づくのに時間はいらなかった。

バタン


突然の扉の開く音。

油のきれた自転車のタイヤのような音を発しながらマサヒコが振り向いた先にいたのは、ミサキが怒ったときよろしく、オーラを纏ったマサキだった。

『マ・サ・ヒ・コ〜!』

そんなマサキから逃げようと後ずさるマサヒコの背後からもオーラの気配。そちらをみれば、こちらは本家本元オーラを身に纏ったミサキが佇んでいた。

『ちょっ、不可K』

『『問答無用ー!!』』

二人の声が重なり大津波となり自らに襲い来るのを、マサヒコは確かに感じた

………………………………
62Y-275:2008/05/15(木) 14:09:13 ID:8aXaAQyb

『はぁ、また夢か…』

もはや何度目なのかわからない。目を開けた先の光景にマサヒコは安堵する。

『しかし、マサキって…』
夢の内容を思い出し苦笑するマサヒコ。

夢の中とは言え、かなりのご都合主義がまかり通った世界だった。とマサヒコは思う。

(それもこれも、今までみた夢もすべて…)

そう思いながらマサヒコは時計を確認する。

翌日の用事のため起床するにはまだまだ早過ぎる時間である。

『まさか、あいつがなぁ…』

そうひとりごち、今の自分の環境が見させた一連の夢であったと自らを納得させ、マサヒコは再び眠りについた。
63Y-275:2008/05/15(木) 14:10:35 ID:8aXaAQyb
ミサキ編以上です。

続いては

『IF TWINS最終話 リンコ編』

です
64Y-275:2008/05/15(木) 14:11:45 ID:8aXaAQyb

『『マサヒコ君、早く〜!!』』

かねてからの約束であった遊園地でのデート。
朝早く起きた甲斐もあって、まだ昼前ではあるがかなりの乗り物に乗ることが出来た。

しかしながら、マサヒコの身体には確実に疲れが貯まり、いくつか撃破したところでマサヒコはギブアップを宣言。ベンチに座り込んだ。

そんなマサヒコを呼ぶ二人の少女。

的山リンコ、的山レンコの双子の姉妹はまだまだ乗り足りないよっ!!と言わんばかりに顔を輝かせていた。

………………………………
65Y-275:2008/05/15(木) 14:12:41 ID:8aXaAQyb

そのどこかほんわかとした天然の空気からは想像できないが、リンコは中学の3年間を自身に双子の姉妹がいることを隠し通しながら過ごした。

最も、本人いわく

『ほぇ?聞かれなかったから。』

だそうで、

彼女の恩師いわく、

『ま、私は知ってたけどねー。』

だそうである。

事の顛末は2年前に遡る。

アイリョーコのかてきょコンビ+海外留学者を除く教え子グループの一角の報告から全ては始まった。

………………………………
66Y-275:2008/05/15(木) 14:13:44 ID:8aXaAQyb

『新入生代表抱負の時さ、リンちゃんそっくりで的山レンコって人が登壇したのね。私、びっくりしちゃった。』

聖光女学院に進んだ天野ミサキからもたらされた情報は思いもよらないものだった。

『それ、私のお姉ちゃんだよ〜』

リョーコを除いた全員が固まったのは言うまでもなかった。

………………………………

日はどっぷりと暮れ、3人は夜7時のパレードを今か今かと待ち侘びていた。
3人が住むのはここから離れた他県の町。
終電の時間を考えるとパレードを見たらすぐに電車に飛び乗らなけばならない。
しかしながら、3人は高校生。季節柄春休みであることと、両家の親よりせっかくだから楽しんで来い。特にマサヒコ、二人を退屈させるんじゃないよ?との言葉と宿泊施設の手配という厚意により、3人に時間制限など無いのであった。

………………………………
67Y-275:2008/05/15(木) 14:15:05 ID:8aXaAQyb

事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、的山双子姉妹が一行に加わり、馴染むのに時間はかからなかった。

特に学校しかもクラスまで同じマサヒコと的山姉妹がプライベートで遊びに行くようになるまでに時間はかからず。

そして迎えた一月ほど前。
バレンタインデー。

マサヒコはレンコに呼び出されていた。

『どうしたレンコ?』

二人を区別するために下の名前で呼ぶようになったマサヒコ。最初は照れが先行したが、このころには既に慣れてしまっていた。

『マサヒコ君の事が好き。』

手編みのマフラーとともに紡がれたレンコの言葉。

静寂が辺りを包んだが、それも一瞬の事だった。

『ちょっと待ってよ!!』

リンコを知る二人、いや、知っている全ての人間がこの子にこんな声が出せたのか?と驚いてしまうほどの凛とした声が辺りには響いた。

『レンちゃん、告白は2人一緒って約束したじゃん。』

強い意志をたたえしかしながらどこか悲しそうなた瞳を輝かせながらリンコは言葉を紡ぐ。手にした手袋とともに。


その後しばらく姉妹は軽い言い合いを繰り広げた。

マサヒコは2人同時に告白されたという状況に頭が真っ白になりただ眺めているだけ。
68Y-275:2008/05/15(木) 14:16:26 ID:8aXaAQyb

『じゃあ、2人一緒に付き合えば良いんだよ!!』

唐突にリンコの天然爆弾が炸裂。

『『…っ!?』』

思わず固まる2人。

おいおい、言ってることわかってるのか?そうマサヒコは言おうとした。

しかしながら先に言葉を発したのはレンコ。

『そうだよ!!なんでそんな簡単な事に気づかなかったんだろ!!ナイスだよリンちゃん!!』

えへへと笑うリンコと目を合わすレンコ。

やがて2人の声がマサヒコの元へ。

『『マサヒコ君、私たちと付き合ってよ!!』』

マサヒコの前には理性の壁が立ち塞がった。
中学時代のようにいつまでもこの関係でみんな一緒にいたいという気持ちもあった。

しかしながら、その頃よりマサヒコの精神も2人への思いも成熟しすぎていた。
マサヒコは世間から後ろ指を刺されるであろう事も覚悟の上で二人を受け入れ、その手で抱き寄せた。

………………………………
69Y-275:2008/05/15(木) 14:18:52 ID:8aXaAQyb

『『アッ…ンム』』

行為の最初のキスは3人一緒。
それはいつのまにか決まった暗黙のルールだった。

やがてマサヒコの手は二人の乳房へ。

『『アッ…ンッ』』

双子だけあって二人の性感体は全く一緒。

数少ない行為の中でもマサヒコはそのことを熟知していた。

二人も4月1日を跨ぎ高校3年生になっていた。

中学3年時には恥毛も生えてなかった(らしい)、さらにはこれでもかというくらいのお子ちゃま体型だった2人も大人の女性へと発展途上の最中。
お世辞にも大きいとは言えないものの女性であることを確かに主張するその膨らみにマサヒコは優しく、しかしながら確実に触れていく。



時間とともに受け攻めの構図は際立っていく。

…クチュ…クチュ

『ん、アァア…』

響くのはマサヒコとリンコの口撫の音。それからレンコの快楽の声。

リョーコ仕込みのテクを披露しマサヒコを攻めるリンコと、マサヒコの愛撫を受け止める役の普段は快活、しかしながら少しドジで、ベッドの上では大人しいレンコ。
70Y-275:2008/05/15(木) 14:19:47 ID:8aXaAQyb
そんな事もあり、いつも先に準備が出来上がるのはレンコの方。
マサヒコは正確に狙いを定め挿入していく。

ズチュ…ズチュ

部屋に生々しく響く水音。

『…んっ、っぁ、マっ、まさ…あぁぁ』

レンコの嬌声。

なんでかはマサヒコも知らないがベッドの上では2人はマサヒコを呼び捨てにする。

きっと2人なりのこだわりなのだろうと思う。

『んっ、……っつ、は……ぁぁぁあ』

一段と大きな声。嬉々としてマサヒコに吸い付くレンコの膣。

いつも先に達するのはレンコでマサヒコは巻き込まれる。

マサヒコはコンドーム越しに精を吐き出す。
その時もう一度レンコは絶頂に震える。

行為が終わるとマサヒコは一度レンコにキスをする。
それを合図に安心した様子で目を閉じるレンコ。

マサヒコはコンドームをつけなおし、すっかり出来上がったリンコに狙いを定め挿入する。

一見義務的に行われているような気もする3人の行為だが、それぞれに信頼があるからこそ営まれる行為なのは明白だった。

………………………………
71Y-275:2008/05/15(木) 14:21:08 ID:8aXaAQyb

全てが済んだ後で3人は一緒に眠る。

進んでいる道程が人から指差されるものであろうと、茨の道であろうとリンコとレンコはマサヒコの腕を枕に、二人の柔らかさと温もりで安堵しながらマサヒコも

ただ、幸せそうに寝息をたてる。

それが3人の幸せの形。
72Y-275:2008/05/15(木) 14:27:08 ID:8aXaAQyb
以上全編投下終了です。

なんか、どたばたした投下を長々とすいませんでした。

多少エロ風味はありますが、どちらかというと小ネタとして書き始めたので小ネタを読むような軽い感覚で読んでいただければ光栄です。

それにはいたずらにレス数が多い気もしますが。

アキモノは書き進められ次第投下します。

エロのみを書くのはすごく難しいです。


その他に関してはまたネタが浮かんだ時にまとめて書き上げて投下します。

それでは失礼します。
73名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 17:48:31 ID:dMva8+TZ
乙乙
大量の新着あってびっくりしたw


保管庫wiki、編集に協力しようとしたけどよくわからん…どうすりゃいいのか
74名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 14:30:28 ID:xyrIlPbt
うむむ
75名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 14:42:39 ID:osnoRvL4
双子ママンはまだですか?
76名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 21:47:04 ID:l+zwbPbu
カナミとエーコは姉妹みたいなもんだった
77名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 17:02:56 ID:JHxzgklO
ウィキどうやったらええのん
78名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 19:50:25 ID:W49j+goS
>>77
とりあえず、画面左上(氏家ト全エロパロまとめwiki)と書かれている下にある
「編集 履歴 添付 設定 +新規ページ作成」
とあるうちの「+新規ページ作成」を選べばいいようです。

雛型とするページはいらないでしょうから放置。ページ名はタイトル通りに(
たとえば上記Y−275様の作品であれば「IF TWINS」でしょうか)すればいいでしょう。


次にページをリンクさせる。

・「濱中作者別まとめ 」に「Y-275」さんの項目を立てる。
・「濱中カップリング別まとめ」に「多数」の項目を立てる 。

どうやって書くかはそれぞれのページを開いてから
「編集 履歴 添付 設定 +新規ページ作成」
のうちの「編集」をクリックします。

その後どのようにやるかは、別のページを見て真似る。

たとえば「妹作者別まとめ」のページを開き、やはり「編集」をクリックする。
これでどのように自分がさっき作った作品のページと、まとめをリンクさせるかが
わかるでしょう。
(記号の半角全角の違いで失敗することがあるのでコピーして書き換える
ほうが正確)
79名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:58:41 ID:Zv6B62g9
Wiki編集、トマソン氏の「アキの苦手克服」シリーズでやってみたが
これでよいかのう?

どちらかというと、作者別ページに表を追加してから内容を編集した
ほうが楽そうですな。
80名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 22:33:07 ID:9ptzLopM
アヤナとミサキの百合マダー
81名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:13:29 ID:7fbe4D71
>>79
GJ
82名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:09:12 ID:Jm8BLrcr
Wiki編集
トマソン氏とアカボシ氏の分は終わった……と思う


慣れてしまえばひたすらコピペなんで難しくはない。時間が取れる人は手伝って欲しい


漏れの場合、手順はこんな感じ

1)作者別まとめページを開き編集モードに入り、目当てのパロ作者さんのところに行を追加、
タイトル、キャラを入力し保存

2)作者別まとめページを開くと、今入れたところにタイトルが出ている。
その右に?マークがついているのでそれをクリックすると編集できる。タイトルのよみがなを
入れ、古田監督の保管庫より内容をコピペ

3)カップリング別まとめページに移動。編集に入り、目当てのカップリングの
ところに行を追加。タイトル、作者名、キャラを入力。タイトルには一意性が必要なので注意。

これで一作品おしまい。慣れてくれば複数のSSを一気に出来ると思う

続き物の場合は最後に次の話へのリンクを貼ると親切だろう。 
本文中に [[タイトル]] でリンクになる
(たとえばトマソン氏の「アキの苦手克服イントロ編」の最後を見てもらえればわかる)

あと、タイトルと本文はあまり長すぎるとはじかれる。
アカボシ氏 「素人投稿ビデオ 女子高生マナ● 〜処女喪失中出し180分〜」はタイトルを
省略せざるを得なかったし、トマソン氏「暴走」は前後編に分けざるを得なかったが、これは
Wikii職人の税金と思うしかあるまい


何しろ作品数も職人数もすごいので、古田保管庫を眺めていると気が遠くなる。
改めて、時間が取れる人は手伝って欲しい。
83郭@携帯:2008/05/18(日) 17:50:16 ID:S1KnPuwE
ども、郭です。
アヤナ帰国SSも脱稿し、ネット再開したは良いのですが
海外ドメインの関係とかで書き込み制限を受けてまだ投下できません。
解除次第速やかに投下しますんで暫しお待ちを。
84名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:56:56 ID:Krl9uzgB
Wiki編集
妹の部を後ろからはじめて
# 宣銅烈氏
# 拓弥氏
# 天邪鬼氏

の分は終了しまスタ。
85傍観者:2008/05/19(月) 01:29:57 ID:FLPS32zk
WIKIの編集お疲れ様です。

3か月も前の続きなのでお忘れかもしれませんが、書いた分を投下します。

前回は前スレ445です。
86傍観者:2008/05/19(月) 01:33:30 ID:FLPS32zk

「え、それは・・・、どうだろ」
 これまで正常位でしか交わったことのないマサヒコはうろたえる。
「ねぇ、いいでしょう?」
 淫らな眼差しでマサヒコを見下ろすミサキ。彼女の手が肉茎に添えられる。
「あ、ああ」
 マサヒコは唾を飲む。
「じゃあ、行くよ」
 ミサキがゆっくりと腰を下ろし、自らの股間の割れ目にマサヒコを触れさせる。当然彼
女自身もこのような体位は初めてなのだから、緊張している。自分で自分を貫くようなも
のだからなおさらだ。陰唇をつい閉ざしてしまい、うまく入らない。
「ミサキ、本当に大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫。ゆっくり、ゆっくりとやれば・・・」
 自分で主導してみて改めてセックスの難しさを実感するミサキ。それでもマサヒコの昂
りを感じると股間はますます濡れてくる。
「はぁ、はぁ、アン!」
濡れてくれば、1ミリずつでもマサヒコが入ってくるような気がする。ゆっくりとあせら
ずに彼女は体位を調整していく。
「ん、んんぁああっ!!」
 ミサキが嬌声を上げる。亀頭の先1センチほどがミサキの割れ目を押し開いて入った。
ようやく入り口が開いたのだ。後はミサキの体にマサヒコの肉銛を埋め込んでいくだけで
ある。
 ここまでですでにミサキは汗だくである。しかし、それでもミサキは焦らない。膣でマ
サヒコの一物の形を確かめるようにゆっくりと体を下ろす。さっき口と舌で感じた微細な
起伏、浮き出た血管の脈動までゴム越しに感じ取れるようにゆっくりと味わって。
「ア、アン。すごい。マサちゃんが私の中で震えてる!マサちゃんが私の中で感じてるん
だね!」
「ああ、凄い!良いよミサキ!」
 マサヒコの方はこれまでと全く違う性交の感触に驚いていた。突く性交とは全く逆の埋
め込まれる性交。柔らかく、不規則に締めつけてくる膣の感触。知らず知らずのうちに茎
がどんどん飲み込まれていく感触。先程のフェラチオと同様に、自分の方では次にどのよ
うな快感が襲ってくるか分からないという、受動側の喜びと快感に感じ入っていた。
「う、あ、ハァンッ!!」
 ミサキが小さくのけ反り、ひときわ大きな声を上げる。遂にミサキがマサヒコの上に完
全に乗りかかった。つまりマサヒコの分身を完全に飲み込んだのだ。少女は口の端から少
し涎を垂らしながら呆けたような笑みをマサヒコに向ける。
「じゃ、じゃあ、ゆっくりと動かすよ」

87傍観者:2008/05/19(月) 01:34:43 ID:FLPS32zk

 まるで、男が処女を相手にするようなことをマサヒコに告げるミサキ。
「ああ、無理しないでくれよ」
 微笑み返しながら健気な相手を気遣うマサヒコ。
「ん、あ、ああっ!」
「う、んぐっ!」
 ミサキは出来る限りの力でマサヒコを締めつけながら体を再び持ち上げる。マサヒコは、
締め付けられ、引っ張られた上、体勢の変化により予想外に性器を曲げられ少し顔をしか
めた。痛いわけではないが完全に不意を突かれ、いつ暴発するか分からない不安が頭をよ
ぎった。
 ゆっくりと体を上げ続け、マサヒコの物は完全に抜けてしまう。一呼吸置いてまた体を
下ろす。先程と違い、完全に蕩け切ったミサキの外性器はマサヒコを何の抵抗もなくスム
ーズに包みこむ。
 そして、
「あぁん!」
 ミサキが急に体を下ろす。
「うわっ」
 流石にちょっと痛みを感じたマサヒコ。その表情を見てミサキが涙目になる。
「ご、ゴメンネ、マサちゃん。ちょっとペース上げようと思ったら変にひねっちゃった?」
「いや、大丈夫。続けてくれよ」
 過度に心配するミサキをなだめるマサヒコ。マサヒコもこの新しい状況を楽しんでいる。
はじめのうちは下手でもしょうがない。けど、熱心なミサキのことだからすぐにコツを掴
むだろう。
「じゃあ、続けるよ」
 ミサキがまた体を上げる。ミサキ自身、大いに感じてしまっているので呼吸にあえぎ声
が混じる。今度はおおよそ亀頭が全部飲まれている状態で止まった。
 そして降りる。今回は上るときと同じくらいのスピードでゆっくりと飲み込んでいく。
マサヒコの陰茎の表面に、皮膜越しで膣の入口が這い進んでくる感触が伝わり、マサヒコ
の全身を痺れさせる。
 そして降りきったところでまた上る。
「あ、あぁ」
 ミサキは絶えず小さく喘ぐ。マサヒコの方も時折目をつむって快楽に耐えている。

88傍観者:2008/05/19(月) 01:35:51 ID:FLPS32zk

 また下がる、また上る。数往復したところで慣れてきたのかペースが上げてきた。
「ウン、アン、アン!」
「うっ、あ、すごっ」
 動きが激しくなるとともに、二人の声が大きくなる。ミサキの体から溢れてきた潤滑油
がマサヒコの股間まで濡らしてきた。
 スピードは上がり続けミサキの体が可能な限界の速さに達した。髪を振り乱し、狂った
ような笑みでよがる。自分の体の中で動く、いや動かしているマサヒコのペニスがたまら
ない。強く咥え込んでマサヒコを喜ばすだけでなく、自分で痒いところに手を届かすよう
に膣を抉りこすることができる。セックスと道具を使ったマスターベーションが組み合わ
さったような感触だ。
 ミサキの動きは激しいが、もてなされるマサヒコの方にとっては忙しなくしつこいが優
しく包まれている感じだ。慣れたミサキは先程のように変に肉棒をひねったりはしない。
動きは激しくとも膣壁は柔らかく快楽をじっくりと絞り出そうとしてくる。一度発射した
あとなのに先ほど以上の性欲が湧いてくる、自分で一切動かなくとも快楽が押し寄せてく
る、そんな初めての経験にマサヒコは夢心地になっていった。
 激しく乱れながらも、ミサキはマサヒコの変化を感じていた。マサヒコの昂りが大きく
なる。あと少しでマサヒコに奉仕するという当初の目的が達せられるのだ。もはや自分も
限界寸前だが、そのことで理性を微かに取り戻し、懸命に上下運動を続ける。
 そしてその時が来た。
「ううっ!ふぅ」
 達したマサヒコが声を上げる。彼の亀頭が一瞬爆発的に大きくなったように感じられ、
コンドームを突きあげるような衝撃を体で感じたミサキ。それで理性の糸が切れた彼女は
その直後にイッた。
「アアッ、アアッ、マサちゃーん!!」
 絶叫。首を大きく後ろに逸らしたきり、これまでの激しい動きが嘘のように、ミサキが
硬直する。それも数秒、急に脱力しマサヒコの物を入れたまま彼の胸に倒れ込んだ。二人
ともこれまでにないほどに息を荒げていた。
 2、3分ほどそのまま無言で身を寄せ合っていただろうか。ようやく落ち着いてきたマ
サヒコが声をかける。
「ミサキ」
「うん・・・」
「今日は凄かったな」
「ありがとう」
 見つめ合う二人。マサヒコはミサキの頭を包むように抱えると彼女の唇に自分の唇を添
わせ、重ねた。二人はそのまま何度も唇を塞ぎ合い舌を絡めた。
 徐々に動きが激しくなる中、マサヒコが一度唇を放して告げた。
「ミサキ。今日はまだ大丈夫かな」
「え?」
 ミサキは訳が分からず問い返そうとした、が、すぐにその意味を感じ取ることができた。
 行為を終えた後もずっと挿入されたままだったマサヒコの性器がまた固さを取り戻して
きていたのだ。自分の体もそれに呼応して再び熱くなる。
「うん、もっと、もっと楽しもう」
 やや疲労を滲ませながらも甘ったるい声でミサキは答える。
「よし、じゃあ」
 マサヒコはミサキを抱いたまま上体を持ち上げた。ミサキを貫いたまま膝を崩して座る
形になる。
「今度は俺がミサキを楽しませるよ」
「えっ?」

89傍観者:2008/05/19(月) 01:36:39 ID:FLPS32zk
今夜は以上です。次で終わらせると思います。
90名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 07:28:13 ID:gs1i2vfq
おお、よくぞ戻ってこられました。
乙です。
91名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 13:28:33 ID:gcWjNyCy
傍観者氏乙!
これからも期待してます!

そして郭氏も復帰をお待ちしています
次が確か記念の100投下目だと思います
92名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:34:04 ID:aWZh5IBF
傍観者氏、GJ!


Wiki編集のほうは妹の作者別、下のほうから。
# クロム氏
# 412氏
# 542氏
# そら氏
# マリリスト氏

を今日済ませた…と思う。
多分Wikiを作ってくれた新監督だと思うが、同タイミングでペピトーン氏の作品を
入力してくれている人がいてチョト嬉しかった。

監督!コテをつけてくだせえ ( ・∀・)ノシ
93名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:08:57 ID:QEg5SySN
そうか、投下数上位者は莫大な数のSSだから大変なんだな


ところで生徒会、次号で重大発表ってなんぞ?
94名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 04:06:33 ID:IIOTUm4y
「次号で最終回!」じゃね?
95名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:33:51 ID:dTJK4sps
まさかの本誌復帰フラグ?
96名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 17:21:42 ID:KbK9K9OF
『次号から4コマじゃなくなります。』


だったりして
97名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:36:32 ID:O/DOAXZq
 
Wiki編集、妹の作者別の下のほうから。
# ライズ氏
# 102氏
# 弱味☆氏
# 雷電氏

が終了。濱中のほうもぼちぼち進めてくれている人がいてチョトうれしい。
98名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:08:32 ID:HIHxKY4F
前スレに統計があったと思うが、確か作品数上位数人で500近いSS全体の六割を占めてるんだよな
もう本にできるんじゃないか…
99Y-275:2008/05/21(水) 13:55:30 ID:fLc3QZHL
住人の皆様、職人の皆様お疲れ様です。

特にWiki編集してくださっている皆様にはホントに感謝してます。
時々投下はしているものの、基本読む側として参加してるので。
携帯からだと古田氏保管庫の文章コピーができなくてどうしようもないので。

前回は小ネタの投下でしたが、以前書きかけで放置していた前スレ>56の続き、
『ゴスロリアキ』の続き、というか本番編が出来ましたので投下します。

スルー対象ワードは
『キャラおかしい』
『凌辱ゲーっぽい』
『中だし』

です。

あと、時間が経ってしまったので文章体が変わって違和感を感じるかも知れませんがスルーしてください。

では、投下。
100Y-275:2008/05/21(水) 13:56:49 ID:fLc3QZHL

『んっ…ちゅっ』

思春期男子としてAV鑑賞をし、その趣味、嗜好はやや過激なものに寄ってはいるものの、シンジも初めてということはあり、まずはキスから二人は始めていく。
一度唇を離した後、再度キスをしながら、シンジの手はアキの胸へ。

『んっ…ふっ…ん』

徐々にキスは深いものになっていく。

しかしながら、やや苦しそうなキスに対するリアクションは返って来るものの、胸への愛撫に対するリアクションはいっこうに得られない。

そのリアクションの無さはその手に強弱をつけようと、乳首を探し当て、指で摘んでみてもいっこうに変わらない。

そうこうしてるうちにシンジは初めての焦り、キスの後いきなり胸に触れてしまった後悔、普段カナミ達が口にしている「巨乳は感度が悪い」という説への疑念等から一旦手を止め、唇も離し、問いかける。

『あ、あのさ…アキちゃん…、さっきから胸に触れてみてるんだけど、なにか感じない?』

『…い、いや、何て言うか、むず痒さというか、こそばゆい感じはするんですけど…』

そこまで、答えてアキも黙り込む。
101Y-275:2008/05/21(水) 13:58:03 ID:fLc3QZHL
シンジが自らの胸に愛撫を施しているのも知っている。しかしながらそれが快感へと繋がっていないのも事実なのだった。

アキにとってシンジは憎からず思っている相手。事の顛末はドタバタとはしていたものの、その心は受け入れていない訳ではない。

『そ、その、私初めてで緊張してるだけだと思うんですよ。しばらくたてば慣れてくるとは思うんで気にしないでください…』

そう言ってアキの方からキスをしてくる。

………………………………
102Y-275:2008/05/21(水) 13:59:21 ID:fLc3QZHL

その後、シンジは試行錯誤しながらアキを攻めていった。

胸に触れた手は先程のように強弱をつけてみたり、乳首に触れて見たり。

キスをしていた口はいつしか首筋、うなじ、耳たぶと時には甘噛みで歯を立てながら。

前を開き、直接胸に触れてみたりもしているのだが…

(なんていうか全体的にリアクションが薄いんだよなぁ…)

そのいずれもアキにとっては快感に結び付くものとは言い難いものだった。

(なんとかしてあげたいなぁ…)

シンジ自身は豊満なアキの胸に自らの手が触れているという状況にかなり興奮は覚えている。
しかしながら、目の前のアキの薄いリアクションに、自らのテク不足やら、申し訳なさを感じている。
今までも散々試行錯誤を繰り返しては来たが、更なる思考の回転をさせながら、行為を続けていく。

何度目かになるか、身体へのキスを終え、シンジが顔を上げる。
103Y-275:2008/05/21(水) 14:01:02 ID:fLc3QZHL

その視界には、普段から見慣れた明るい髪色短髪のアキの表情と、普段はけして見ることのないアキの女性としてのきめ細かな素肌、豊満な胸に色づく淡い色をした乳輪。そして、これまた実物を生で見るのは初めてなゴスロリ衣装…

そこまでを視界に入れて、シンジの思考は飛躍する。
ゴスロリ衣装、そして感度の悪い女の子…

(確か、どこかで)

シンジの頭の中に、その昔プレイしたエロゲーの事が頭をよぎったのはその直後だった。


思考が固まると同時にシンジはアキに、今までの向き合った体制から仰向けになることを要求。

そして、アキの頭を少し高い位置に固定させ、手つきをねちっこいものへと変化させていった。

そうこうしているうちにアキの目の色に若干の変化が現れたことを見てとるとシンジは声をかける。
104Y-275:2008/05/21(水) 14:02:34 ID:fLc3QZHL

『アキちゃん、見えてるでしょ?』

『?』

一瞬シンジが何を言ったのかわからずにアキは怪訝な顔をする。

『俺の手の中で形を変えて柔らかい。指の間からも肉がはみ出てるだろ?』


『……っ!!』

突然の事にアキはおどろきを感じたが、態勢的に視界に入り込んでくる光景と、それを意識させるような(それがねらい)シンジの言葉に頬を赤らめながら自らの乳房を凝視する。
その反応が良いものと感じたのか、シンジは更なる言葉を被せる。

『こんなに好き勝手に揉まれて、俺に見られて、恥ずかしくない?』

確かに…とアキは思った。今まで知識としての性行為は知っていた。しかしながら、自身がそれに及び、自らの身体に愛撫をされ、それを男性に眺められるという行為。それがアキの羞恥心を刺激していく。

『俺はアキちゃんの胸を揉んで、眺めて、すごく興奮してる。すごくやらしい光景だよ。』

シンジが一声かけるたびにアキの思考は蕩かされ、思考に靄がかかる。アキの吐息は熱っぽくなっていく。
105Y-275:2008/05/21(水) 14:05:10 ID:fLc3QZHL


(結構、良い感じかな…でも、もう一押し…)

アキの変化にシンジもとっくに気づいている。
全て真実は言っているものの変態的な事を口走る自分にひきながらも、いよいよ、仕上げと言わんばかりにアキの耳元まで自らの顔を近づけ呟くように言う。

『アキちゃんのこの姿をいつでも思い出して興奮できそうだ。』

『…っ、んあぁ…』

待ちに待ったアキの口から漏れた快楽に負けた声。
一つ安堵を覚えながら、シンジはこの瞬間を待っていたと言わんばかりにアキの乳首を摘む。
刹那…

『んっ、あっ…フッ、ん……あぁあぁぁ!!』

少しずつ羞恥に蕩かされていたアキは一度口に出した快楽の声で堰を切ったように快楽の声を漏らす。

シンジの賭けは成功し、アキの快感を引き出すのに成功した。

………………………………
106Y-275:2008/05/21(水) 14:07:01 ID:fLc3QZHL

シンジのプレイしたエロゲーというのは、なかなか感じない女の子に自らの胸を揉まれる姿を見せつけ、言葉を投げ掛けることにより羞恥心から性感を引き出していくというシチュエーションのものだった。

大きな違いは、相手が幼女で未発達だった為に、主人公の使った方法がこれだったというぐらいであろうか。

一度、快楽さえ引き出してしまえば、後は簡単だった。
若干自分のサディスティックな黒い欲望を満たされ、危ない興奮をシンジは覚えつつ、思う存分アキを愛でていく。

『んっ、あぁ、あっ…』

『アキちゃんはいやらしいね。さっきまで不感症を気取っておきながら、今じゃ内股に触れただけではしたない声をあげて。』

シンジは内股を股間に向かって撫であげながら言う。

『いやンッ…だ…だっフッて、て…』

もはや蕩かされているアキの頭は言葉を紡ぐことさえ難しい。

『ほんとは普段からカナミ達に胸とか揉まれたりする度に濡れちゃってたんでしょ?』

『…っ!!い、いや、そんアッん、な事…無い…』

シンジは撫であげている際、股間に近づく度に熱を感じていた。
部屋にはすでに独特の臭気が漂っており、シンジは既にわかっている。

だが、敢えてシンジは口にする。さらに準備を進めるために、自身の欲望を満たすために、更なる快感を引き出す為に、股間に手を触れさせながら。
107Y-275:2008/05/21(水) 14:08:36 ID:fLc3QZHL

『そんな事言ったって、ここはもうびしょびしょだし完全に口を開けてるよ。いやらしく蠢いてる気がするのは俺の勘違いかな?』

『んっ…ぁつ……ふぁっ…ん………あぁっ!!』

『ねぇ、どう?自分の身体だよ?よくわかるんじゃない?』

この攻めを続けてみてシンジには分かったことがある。
それは『アキに口にさせること』である。

ただ、恥ずかしがる事を言うだけでも効果は十分だった。しかしながら、口にしようとした時の方が確実にアキのリアクションは良いのである。

『んっ…ふぁっん…わか……ッ、ンる』

『やっぱ、淫乱だな。さっきから恥ずかしい事を口にして興奮してるんだもん。』

満足したサディスティックな笑みをたたえながらシンジが言う。
その言葉で満足したのか、シンジはアキの膣に指を突き立て、掻き混ぜていく。

『んっ…あぁぁぁァァアーっ!!』

アキは一際大きな声で叫ぶ。
先程の感度が低かった頃のリアクション等忘れたように、ただ、獣欲に溺れたように。

………………………………
108Y-275:2008/05/21(水) 14:11:09 ID:fLc3QZHL

『そろそろ、挿れるよ。』

そう呟くシンジ。既に準備はOKだと判断したのか、既に自らの性器をアキの膣に押し当てながら。

(かなり、べただけど、やっぱり、お約束かな。)

『ねぇ、アキちゃん?』

『んっふ…は…ん……?』

アキはいざ、事に及ぶ直前に口を開いたシンジに首を傾ける。

『なにか、言わなくちゃいけないことがあるんじゃないかな?』

『…?』

なおも首を傾けるアキ。

『お願いしないとね。』

『…っ!?』

シンジが先程から口にしていることにアキはようやく思い当たった。
怖ず怖ずと口を開く。

『…ど、どんな、風に…?』

膣から再び温かくネットリしたものが溢れ出してきたのを感じながらシンジが続ける。

『『淫乱なアキのオマンコにシンジさんの猛り起ったオチンポを下さい。』って言ってご覧?言えないなら今日はここまでかな。』

やっぱり。とアキは思う。
そんな事を口走らなかったとしても、この行為が終わるということは無い…とアキは思う。
しかしながら、先程からサディスティックなまでのシンジの責めに感じまくって、もはや、戻れないところまでアキは獣欲も剥き出しに追い詰められ、蕩かされた脳はそれを口走るのを否定はしない。
それでも強い羞恥心は邪魔をする。
109Y-275:2008/05/21(水) 14:13:49 ID:fLc3QZHL

『…ぃ、淫乱なアキのオマ…にシンジさんの猛り起った……んぽを………い。』

蚊の泣くような声とはまさにこのことを言うのであろうか。
恥ずかしさから小さな声で、直接性器を指す言葉は口に出来ず、最後もほぼ、音としては出て行かない。


そんなアキにシンジは再度要求する。

『言ってご覧?』

『…っ!!』

『言ってご覧??』

なおも口にはしないアキにシンジは3度目の要求。

しばしの沈黙の後、アキはついに言葉にする。

『っ…淫乱な、アキの、オ、オマンコにシンジさんの猛り起ったオチ、オチンポを下さい。』

『よく、出来ました。』

言葉とともにシンジは挿入していく。

アキの具合は、しつこいまでの言葉攻めと愛撫の賜物か、非常に良く、最初からシンジのペニスをなめ回すように絡み付いてくる。

(…っ、や、やばい、気持ちいいっ!!)

シンジはその気持ち良さにうち震えながらも、挿入を繰り返していく。

ズチョ、ズチョ、ズッチョ……

部屋に響く淫らな音、そして…

『ん、ふあ……っ、ん、ああぁん!!ふっん、あ、あ』

響き渡るアキの声。

口許に右手を、左手でシーツを掴みながら喘ぐ。体質なのかアキは最初から感じまくっていた。
110Y-275:2008/05/21(水) 14:15:32 ID:fLc3QZHL

『あっ、お、ンッフ、兄さ…ん』

シンジを呼ぶ。
そんなアキの様子に痛みからの声ではない事を確信するシンジ。そして、呟く。あの快感を引き出した時のように耳元で。

『初めてなのに、感じまくってるなんて…ほとほと呆れるくらいアキちゃんは淫乱だね。』

そうして、シンジは自らのペニスを次のピストンの為に引き抜いていく。

圧倒的な快感の中、呟かれた言葉に、アキは『自らが犯されて感じている変態である』という錯覚を感じていた。そして、それを認めたくない理性と、認めて楽になりたい獣欲がアキを追い詰めていく。

『あぁああぁぁ〜!!…………んぁっ。』

シンジの次の一突きとともに、盛大な声をあげ、シーツを強く掴みながら、達するアキ。

『う、あ!!』

ドピュッ!!

アキの絶頂に巻き込まれるようにシンジもアキの中で果てた。

シンジが引き抜いた後には、白と赤の斑模様のどろりとした液体が垂れ流れていた…

………………………………
111Y-275:2008/05/21(水) 14:17:05 ID:fLc3QZHL

『いや〜、コス"プレ"を実際アキちゃんに実演してもらったけど、凄かったね…』

『しかし、シンジさんがドSというか、アキさんがドMというか…いや、どちらにしても参考にはなりましたが…』

『なんか、ひいちゃったね。』

いつから聞き耳をたてていたのかは知る由もないが、マナカナコンビが隣の部屋で好き好きに感想を述べていた。

『後はアキさんから感想を聞けば完璧ですね。』

『え、でも、言ってくれなさそうじゃない?』

『そういうときは言ってあげれば良いんですよ。』

『あ、なるほど。』

マナカの言葉にカナミが得心ついたように答える。

二人の顔には笑顔が貼りついていた。
まるで新しい玩具を手に入れた幼女のような。
112Y-275:2008/05/21(水) 14:20:42 ID:fLc3QZHL
以上です。

機種変して字数制限が無くなり少しは投下しやすくなりましたが、まだまだドタバタした投下ですいません。

今後は前回投下後言った通りネタが浮かび次第、書き上げて投下しようと思います。
個人的にはマサミサとマサアヤを書いてみたかったりしますが…

長々と駄文乱文失礼しました。
113ジョニー:2008/05/21(水) 14:41:49 ID:uj+60WFQ
乙!!いや、リアルタイムGJです!!
久しぶりに大好きなアキが来ましたよ
これからも待ってます。頑張ってください!!
個人的にはマサアヤ期待です。
114名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:32:06 ID:FYkFMFkK
アキオとマナカの百合マダー
115名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:49:12 ID:ZgbETYhl
>>114 では酔った勢いで初投稿。
あの日、そうあの日マナカは家に帰った後も身体の火照りが冷めていない事を
自覚した。小説のネタに、と言うのは半分は本当の事だったのだが、では残り
半分は?と問われれば答に詰まるのである。あのラブホでの一時をマナカは
夢見心地に反芻しつつどうやったら次の機会が作れるだろうか思案していた。
自らの敏感な所に強弱をつけながら指を前後させ、震えるような快感を感じつつも
一方で冷静な思考を行うマナカであった。
 以下続く、ってご免なさい、嘘です。
116名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:35:35 ID:+p15OuVo
Y-275氏、GJ!
エロエロですな。


Wiki編集、相変わらず妹の作者別の下のほうから。
# 上原@氏
# 674氏
# 760氏
# 682氏
# 770氏
と終了。

もうすぐナット氏、白帯侍氏、郭氏と大量作家が続くぜハァハァ



ところでキャラの欄はヒロイン一人がいいか、カナミ×シンジなどと
カップルで書くほうがいいか、どっちが良いのかのう?
いまのとこ、微妙に混在しているんだが。

たとえば
タイトル   作者   キャラ
ABCD   ○×氏  カナミ

か、

タイトル   作者   キャラ
ABCD   ○×氏  カナミ×シンジ

か、こんな感じだな。どっちかというと後者のほうが分かりやすいんだが、
妹カップリング別まとめのほうは、カップリング別といいながらヒロイン別に
なってるし。

どっちでも良いっちゃ良いんだが、せめて統一したほうがよかろうとオモう訳だ。
117名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:44:40 ID:K+EdqlaL
乙!
いや、後者がやりやすいというならそれでいいんジャマイカ
しかしとうとう郭氏がくるか‥‥投下数が一番多い職人さんだから大変な量だろうな(←他人事)


非エロ微エロもここじゃ無問題でえらい量あるけど、、氏家本人にネタとしてこっそり教えてやりたいくらいだw
118名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:09:35 ID:u12tHBE8
>>116
妹をちょくちょく編集してます者です
後者の方がわかりやすいので、そっちがいいと思いますが
よく読まないとわからない作品もあるので
とりあえず文章だけでも写してます
修正は簡単にできるので、あまり神経質にならなくてもいいかと思います。

後、ここでwikiに関してのレスでスレを消費するのもどうかと思いましたので
雑談所を作りました
ttp://wiki.livedoor.jp/uziietozen/d/%bb%a8%c3%cc%bd%ea
作品保管、がんばりましょう。
119名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:24:19 ID:1NxGsfKZ
>118
乙であります。
ではWiki関連の話はそちらで。

次にここに書くのが、保管終了の報告だといいのう…。
120名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 11:38:21 ID:kWzBIIBK
新参者ですが、生徒会のエロパロはまだ少ないですか?
生徒会は絵が綺麗なので好きです
121名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 23:45:44 ID:RkSdw596

Wiki編集、今日は勢いに任せてガソガソ進め、
一応、妹パートは古田保管庫からのコピーは一通り済んだはず。

Wikiの都合でタイトル長にも本文の長さにも制限があり、多少古田保管庫とは違う構成に
なっている。

・本文を分割したもの
新参者氏:「No title(シンジ×カナミ)」
トマソン氏:「暴走」
ヤギヒロシ氏:「教師たちの黄昏」
郭氏;「もう一つのサマータイム・ブルース」「攻守交代」「2×2+2あまり2」
「No Title妹1:郭泰源」「約束」「あだゆめ」「恋わずらい」
白帯侍氏;「深まる想い」

・題名が長すぎて省略したもの
アカボシ氏:「素人投稿ビデオ 女子高生マナ● 〜処女喪失中出し180分〜」
「妹は見た!卒業2時間スペシャル〜禁オナと陵辱と真の勝者!陰謀渦巻く城島家〜」
弱味☆氏:
『シンジよ、手紙とは改行後の下がった1文字目を逆から読むものだ』

容量ではなく、内容をみて分割したもの
雷電氏:「No title4」

古田氏保管庫に内容がないもの
RAGNA氏「勇気の一歩」

まあこんな感じなのだが、職人の皆様、本意ではない内容になってしまったという方は
どうぞ編集してください。誰でもいじれるのですから。
事情でいじれないという場合のみ、Wikiの雑談所にでも書いてもらえれば、当方で善処します。
122名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 23:47:24 ID:RkSdw596
 
あとは、古田保管庫の更新停止からの作品だが……誰かがまとめてくれた
トマソン氏の分は入れたが、ほかはこれから。当方のログは22時間目から
はある。
古田保管庫の更新停止は2006年末から、
22時間目は2006年12/25 からなのでかなり微妙。

お願い:21時間目のログを持っている方、最後の作品が保管庫に入って
いるかどうか、チェックしてクレクレ。

123名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 07:20:50 ID:T+PaKG4J
GJという他ない!

古田氏倉庫停止後もペースは落ち着いたとはいえ、傍観者などの新人さんは参入されたし、
何より郭氏やペピトーン氏や518氏などのベテラン勢がパワフルな投下を続けてたから未収録SSはたくさんあるんだよな…
124名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:43:25 ID:+hYdF4tc
結局あの後シンジは大学に受かったり、童貞は卒業できたのか?
125名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:48:39 ID:ieSjxzZy
それは氏家のみぞ知る・・・
あかほん最終回みたいな感じで
ちょろっと出て来てくれたらわかるかもね
126名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:29:20 ID:bv/wwppu
シンジの鈍感さと朴念仁ぶりにキレた女性陣が、最終回、
思い残すことなく終えようと、勢揃いでシンジを拉致してリンカーン
シンジは18年間守ってきた童貞を散らしますた


なんてことを想像してしまいますた( ゚∀゚)
127名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:37:51 ID:T+PaKG4J
濱中アフターは結構あるけど思春期アフターはそんなにないしね
濱中と思春期は終わった時期が違うから当たり前っちゃ当たり前なんだが
128名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:00:49 ID:qI58Bx/r
>>124
普通にアキと付き合うんじゃね?
129名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:23:19 ID:7ssg0W8X
本格的な思春期アフター期待
130Y-275:2008/05/25(日) 13:22:54 ID:7lX7klr8
住人の皆さん、管理人の皆さん、wiki編集をしてくださってる皆さんこんにちは。

連投気味で、アフター物では無いですが、妹は思春期ネタ投下します。

スルー対象ワードは

『直接的なエロ無し。』

『終わりが強引』

です。

本編240からです。

タイトルは

『ガムの代わりに』

です。
131Y-275:2008/05/25(日) 13:24:36 ID:7lX7klr8

『…ちゃ…ん、お兄ちゃん』

今日は兄妹揃って出掛け、無事家に帰って来たカナミとシンジは家でくつろいでいた。
その最中、シンジはいつの間にか寝入ってしまっていたらしく、気付けばカナミがシンジを揺すりながら声をかけていた。

『もう家帰って来たから部屋行って寝なよ。それとも一緒に寝る?それだと近親相姦になっちゃうけど…』

『そのつもりはない!!』

カナミのボケに義務的にツッコミを入れつつ、シンジが顔をあげ、時計を見ると時刻はまだ8時前だった。

『いや、9時からやるドラマが見たいんだよ。』

この日は日曜日。
日曜夜9時のドラマといえば、カナミも楽しみにしている。
勿論一緒に見ているので、カナミもそれは承知だ。

『ビデオに撮っておいて寝ても良いと思うんだけど…』

カナミのいうことは最もである。

『いや、明日見ないうちに学校でネタバレされるのは困るんだよな…』

シンジは苦笑いを浮かべる。
132Y-275:2008/05/25(日) 13:25:39 ID:7lX7klr8

『見てるAVのフィニッシュを先に告げられると萎えるのと一緒だね。』

『いや、ちげーよ!!っつーか、それ昔お前にやられた記憶あるぞ!!』

ようやくシンジの眠気も覚めてきたのか普段の兄妹のやりとりが繰り広げられる。
そんなやりとりを楽しむかのように笑った後、カナミが続ける。

『んー、じゃあ、何か噛む?昼間みたいに?』

………………………………
133Y-275:2008/05/25(日) 13:26:39 ID:7lX7klr8

それは昼間兄妹で出掛けた時のこと。
電車内で強烈な眠気に襲われたシンジはその場でうつらうつらとしだしてしまった。

『寝ちゃダメだよ、次の駅で降りるんだから。』

そんなシンジを見兼ねたのかカナミが声をかける。
それに応え、また睡魔に打ち勝つ為、シンジはカナミに尋ねる。

『ガムか何かねえ?噛めば目がさえるかも。』

『んー…ガムは持って無いねぇ…』

残念ながらカナミはガム等の持ち合わせは無かった。
だが、代わりにと言わんばかりに、シンジに対し自らの耳を指差す。

『いや、耳はいいよ…』


結局の所変わらない普段通りのやりとりの後、何か噛むものをと探した結果ポケットに一粒だけ残っていたガムを見つけ、それを噛み、なんとかシンジやり過ごした。

………………………………
134Y-275:2008/05/25(日) 13:27:41 ID:7lX7klr8

『いや、もう、そんな都合良くガム残ってないよ。それに昼間出掛けたからお金もそんな残ってないし。』

『あー、そうだね。あたしもあまりお金残ってないし…じゃあ、やっぱり…』

そういってカナミはシンジの寝転がってるソファーに近寄って耳を指差す。

『…つまり、耳でも噛むか?ってことか?というか、昼間もやったよなそのネタ?』

『ん、そだね。でも、今この場で眠気を醒ますために噛むものなんてあと乳首ぐらいしかないよ。』

カナミがシンジのほうに向き直り普段の調子で言う。
だが、しかし、
この時のシンジは寝転んだ体制。
そのぴったり側まで顔を近づけているカナミ。
その距離だと、嫌でも、カナミが声を発する度、呼吸をする度にシンジの顔にカナミの息が当たり、シンジはむず痒さを感じる。
至近距離で顔を見つめているカナミを妙に意識してしまい、そんな自分を抑えるのに必死で、シンジは黙り込んでしまう。

『別に減るものじゃないんだし、お兄ちゃんがそうしたいなら良いよ?』

そんなシンジを見て、カナミが声をかける。
初期の頃のブラコンモードを彷彿とさせる冗談とも本気とも取れる表情で。
シンジには、そんなカナミの表情はなんだか期待しているように見えなくもない。
135Y-275:2008/05/25(日) 13:28:38 ID:7lX7klr8

『いや、でも…』

シンジはそれだけ言うとまた黙り込む。

耳を噛むという行為自体がなんかエロい。しかし、直に体を重ねる訳ではない。

なのだから禁忌を侵してしまったということにはならないのではないか?なら、セーフか?
そんな考えが頭に浮かび、何らか理由を付けて断ろうにも、なかなか出来ないでいる。
それに間近にあるカナミの顔やら薫りやらなんやらで思考も回らなくなってくる。
ぶっちゃけ、このまま流されてしまっても良いんじゃないかという考えさえ頭をまわりだしてくる。

『でも何?っていうか、お兄ちゃんさっきから黙り込んだり、どうしたの?ほんとは我慢してるだけ?』

押しまくるカナミ。
時間の経過とともにシンジの思考はどんどんと回らなくなっていく。

………………………………
136Y-275:2008/05/25(日) 13:30:09 ID:7lX7klr8

カナミの一言を最後にしばらくの沈黙が部屋におりていた。
その間もシンジは色々と考えていたが、シンジの頭の中に断る理由は思いつかなかった。
しかしながら、最後に引っ掛かる理性が頑なにシンジを引き止めていた。
沈黙を破り、先に言葉を発したのはカナミだった。

『お兄ちゃん、寝転がってないで、ソファーに座り直して?』

カナミの突然の言葉にシンジは疑問の表情を浮かべた。
その表情を見て、カナミが続ける。

『どっちにしろ、そのままだと寝ちゃうと思うよ?』

そこまで言われて、確かになと一言呟くとシンジはソファーに座り直す。

それまでシンジの前で、一連の動作をただ見つめていたカナミだったが、シンジが座り直したのを確認するとゆっくりと腰を降ろした…
137Y-275:2008/05/25(日) 13:33:04 ID:7lX7klr8

シンジの膝のうえに。


突如自分の胸に預けられた妹の温かさ、柔らかさにシンジは驚く。
吸い込んだ空気は目いっぱいシンジにカナミの薫りを運んでくる。

『ちょっ、カナミどうした?』

『いや、この方が耳を噛みやすいと思って。』

やられたとシンジは思った。
なんの疑問も持たずにカナミの言うことに従ったが、さっきの体勢よりもこの体制の方が遥かに耳を噛みやすい。
圧倒的に状況がカナミ有利に進められていく。

室内には再び沈黙が降りる。

時間が経つにつれシンジが不利になっていくのは明らかで、
終いには、シンジの理性はカナミに白旗をあげざるを得なくなった。
それにこの体勢で色々と耐え続けるのはシンジにとって酷だった。
カナミの提案を逡巡した時点で強行策に出られた際の敗北は決まっていたのかもしれない。

………………………………
138Y-275:2008/05/25(日) 13:34:16 ID:7lX7klr8

シンジは覚悟を決めて(?)カナミの好意に甘えていく。
シンジの手はカナミの下腹部へとまわり、背後からカナミを抱きすくめる。
カナミは当初、驚いたようなリアクションをしたものの、シンジに全身を委ねる。
自分の全てを恋人に委ねるように。
一度息を吐くと、シンジは思い切り息を吸い込み、自身の理性を骨抜きにしたカナミの薫りを思い切り吸い込む。
その薫りを自身の中に飲み下すと、一気にカナミの耳を口に含んだ。

最初は食むように恐る恐るといった感じで一度カナミの耳のすべてを口にする。

『…っ、なんかくすぐったい。』

そんなカナミの言葉に反応を示さずにシンジは何かを探るようにゆっくりと甘噛みを開始した。

『っん…ふっ…あう…くすぐったい…』

シンジはやはりカナミの言葉に反応を示さない。
沈黙を保ちながら、シンジの口の動きは激しさをましていく。当初よりも早いペースで歯を当て、その後を唇で啄む。時には強く、時には弱く。
139Y-275:2008/05/25(日) 13:35:20 ID:7lX7klr8

『…ん、あ、ふん…あ、あっ!!』

カナミの方は激しさを増すにつれ敏感に反応を返す。
その声はシンジの興奮を高めさせるには十分なもので、シンジは徐々に舌までも使いながらカナミの耳を責め立てていく。

『っ!!…ひゃあ。し、舌は…っんふ…ダメだよ…あっふ…。感じ過ぎちゃう、あっ、ん』

シンジはただ黙々と、誘ってきたカナミが悪いと言わんばかりに執拗な責めを展開していく。
その度に

『…んっ…ふっ…あっ…ぅん…』

とカナミは甘い声をあげる。
もはや場は無限に繰り返していくかのような様相をていしていた。

『あっ、ふぁっ、あっ…あん、ふ…あぁ…あっ、あっ!!』

間もなくカナミの声はもはや嬌声と呼んで差し支えの無いものへと変化する。
やっとそこで、シンジは自らの理性を引き戻す事に成功した。

『わ、わりぃ、カナミ』

『…ん、…ふ…ん、だいじょうぶだけど、もう、ちょっと、このままで。』

力が入らないのか、それだけ呟くと身体をシンジに預けたままで、カナミは荒い息を吐いていた。

………………………………
140Y-275:2008/05/25(日) 13:36:15 ID:7lX7klr8

息を整えた後、どこか切なそうに瞳を潤ませながら

『絶対、私の部屋に近寄っちゃダメだからね!!』

そんな言葉とともにカナミが部屋へと引き下がっていった。

一人残されたシンジは楽しみにしていたドラマを試聴したものの、ドラマの内容は頭に一切入らない。
頭の中は先程の行為でいっぱいでそれどころでは無かった。

『はぁ、俺も寝ようかな…』

シンジは独りごちてから部屋へと引き下がる。

ベッドに入っても、さっきの一連の行為が頭をよぎり、一人悶々とした夜をシンジは過ごした。
141Y-275:2008/05/25(日) 13:41:58 ID:7lX7klr8

以上です。

以前、書きかけていた物に手を加えた物ですが…

最近は仕事から帰ると得にやることも無いので色々書いてます。

これの続き話やら以前言ったものやら…
ただ、書いてくうちにどうしても、自分がやったことのあるゲームの良かった所を切り貼りした感じにしかなら無いんですよね…
特にアヤナとか…
また見直し、加筆、修正して、書き上がったら投下します。

それでは、長々と駄文乱文失礼致しました。
失礼します。
142名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 15:52:15 ID:bt0clV+f
Y-275様お疲れ様です。誘導される兄貴が情けない。最後の一線もこうやって
超えてしまうのでしょうか。

しかし、まあ、なんでこの妹はブラコンに育っちゃったんですかね。
143名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:11:48 ID:7ssg0W8X
乙です
最近新しい職人さんが元気で嬉しいです
144名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 19:24:47 ID:SrxUTgKS
シンジはなんだかんだ言って、けっこう(・∀・)イイお兄ちゃんだからなぁ・・・
それに、読んでると忘れそうになるけど実はイケメンだしね。
145名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:31:52 ID:Li7hVb3S
皆さんお疲れ様です。
新しい保管庫、本当にありがとうございます。

あかほんのヒロキ×カルナで、一応続きものの扱いです。
スルー対象ワードは「エロなし」「新婚さん」、
タイトルは『ヒロキとカルナのコスチュームプレイ・その2.5(番外編)』でお願いします。
146ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/05/25(日) 22:33:47 ID:Li7hVb3S
「フン、フン……♪」
 とあるマンションとある部屋のとあるキッチン、
そこで一人の若奥様が鼻歌を口ずさみながら、クツクツといい感じに煮えているシチューをかきまわしていた。
「ヒロキさん、まだかな」
 彼女は元アイドル。
人気ユニットだったトリプルブッキングのメンバーの一人。
名前はカルナ、如月―――いや、井戸田カルナ。

 カルナはこの年の春、大学を卒業した。
在学中に業界から引退し、トリプルブッキングのマネージャーである井戸田ヒロキと同棲を始めたのだが、
無事卒業を迎えて、晴れてヒロキと正式に結ばれたというわけだ。
人気アイドルとそのマネージャーの恋ということでマスコミも一時騒いだが、
今ではもうそれを追いかける人間もほとんどいない。
この業界の時の移ろいは早く、既にカルナは「過去の人」扱い。
ただ、カルナとヒロキにとってはその方がありがたい。
昔は昔、今は今。
カルナにとってアイドルはもう過ぎ去った時の中、
現在の彼女は、井戸田カルナという一人の幸せな新妻なのだから。
「ただいまー」
「あ……」
 カルナはコンロの火を止めると、
スリッパをパタパタと音たたせて玄関へと向かった。
愛する夫を出迎えるために。
「おかえりなさい、ヒロキさん」
「ただいま、カルナちゃん」
 苗字ではなく名で呼ぶのも慣れた。
まだ、「あなた」という呼称はいささか照れくさいので使っていないが、
もう少し時が経って夫婦というものに慣れてきたら、そう呼ぶことになるのかもしれない。
一方、ヒロキも未だカルナをちゃんづけで呼ぶ。
これもいずれ、変わることであろう。
「良かった、早く帰れたんですね」
「う、うん」
 カルナが引退、TBが解散したとはいえ、メンバーの飯田シホと有銘ユーリはアイドルを続けている。
そして、ヒロキは引き続きシホのマネージャーとしてレイ・プリンセス事務所で働く身。
TB時代以上に売れっ子になったシホのため、連日遅くまで仕事にその身を打ち込んでいる。
カルナにしてみれば、二人だけの時間が短くなるのが残念ではあったが、
アイドルとそのマネージャーの仕事の大変さも知っているので、我慢出来ないという程ではなかった。
何より一所懸命に働くヒロキはとても男として頼もしいと思っている。
何事にも手を抜けないそんなヒロキを、カルナは好きになったのだから。
147ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/05/25(日) 22:37:41 ID:Li7hVb3S
「今日はシチューを作ってみたんですけど、おいしく出来たと思います」
「えーとその、ちょっと話が」
「あ、ネクタイ外しますね」
「あ? え、うん」
 カルナはヒロキの首元へと腕を伸ばした。
ネクタイを解くのも、今ではスムーズに出来るようになった。
「ヒロキさん……」
「ん、ん?」
「何だか、疲れてます?」
「え?」
 ヒロキはほとんどの場合笑顔で帰ってくる。
そうでないのは相当に疲れている時で、一か月に何回かそういうことがある。
「また、シホが問題を起こしたんですか?」
「あ、え、いや、そうじゃなくて」
「あんまり根を詰めないで下さいね……ヒロキさん」
「え」
「身体だけは大事にして下さい」
「はあ」
「ヒロキさんに何かあったら、私は……」
「カ、カルナちゃん?」
「ヒロキさん……ん、んっ……」
「え、あ、ん……んっ」
 ネクタイを解いたところで、カルナはスリッパのまま玄関に降り、くいっと爪先立ちになった。
ヒロキの肩をきゅっと抱きしめ、そしてさらにヒロキの唇に自分の唇を重ねる。
「ん……か、カルナちゃ……?」
「は、ぁ……これで、元気……ちょっと出ました?」
 帰宅早々、新妻のおかえりなさいのキス。
普通の旦那なら、これを喜ばないはずがない。
疲労も一気に回復、下半身を滾らせてそのままベッドインとなってもおかしくないところだ。
「え、えーとね、カルナちゃん、その、あのね」
「え?」
 が、ヒロキはポリポリと頬を指でかいて、目をキョロキョロさせるのみ。
まるで、居心地が悪いかのように。
「どうかしたんですか?」
「あー、その、ね……」
 苦笑めいた表情のヒロキ。
そんな夫を見て、カルナが首を傾げたその瞬間。
「おーおーおー、熱いねーっ」
「ふーん、カルナちゃんってこうやってお兄ちゃんをいっつもお出迎えしてるんだね」
 ヒロキの背後から、二つの女性の声。
それは、カルナが良くしっている人間のものだった。
「え、え、え?」
「いや、はははは。その……こういうこと」
 ヒロキは身体をすっと横にずらした。
カルナの視界に、声の主の姿が飛び込んでくる。
148ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/05/25(日) 22:41:25 ID:Li7hVb3S
「シ、シホ? ユーリ?」
「はーい、今超絶テクに売れっ子のアイドル、飯田シホだよーん」
「シホちゃん、テクはいらないね、テクは」
「ヒ、ヒロキさん、こ、これは?」
「いや、だからね……」
 驚きでわなわなと身体を震わせるカルナに、ヒロキは説明を始めた。
 ……本日最後の仕事は、来週にあるシホのグラビア撮影の打ち合わせ。
正確には打ち合わせの打ち合わせで、ヒロキとシホの二人だけで済むような簡単のものだった。
三十分もあれば終わるのだが、使おうと思っていた会議室が社長のレイコ関係の別の会議で急遽使用不可に。
それなら別の部屋で、と移動してみたらそっちは今度映画に出る小池マイの打ち合わせ、
ならばならば事務室で、とドアを開ければそこは会計関係で戦場と化しており、三瀬エリコが必死の形相でパソコンとにらめっこ。
それならトイレでしよっか、というシホのボケをスルーして、ヒロキは事務所の外へ。
顔が売れまくっているシホだから、マクド○ルドやファミレスになんぞ行けはしない。
ラブホならファンに囲まれないよ、というシホの再びのボケをスルーして、ヒロキが選んだ場所とは……。
「ここだった、と」
「……」
「ゴ、ゴメン。連絡しようと思ったんだけど、バタバタしてて」
「ユーリは……」
「え?」
「なら、ユーリは何でいるんですか?」
「それは、えーと」
「はーい、単にくっついてきただけだよー」
 ヒロキとシホが事務所を出たその時、ユーリと彼女のマネージャーの小田が戻ってきた。
小田はそのままエリコの手伝いに入り、流れでユーリの自宅への送りはヒロキの役目になったという次第。
「で、聞いたら今日はユーリちゃん、両親が旅行中で家にいないっていうから」
「お兄ちゃんについていったら、カルナちゃんの手料理が食べられるなーって思って」
「ふっふっふ、実は私もカルナがどんな料理を作ってるか確かめてみたくて……スッポン鍋とかマムシの血が入ったジュースとか」
 ニコニコのシホとユーリを前にして、カルナはへなへなと床に座りこんだ。
予想外の訪問、そこまでは別にいい。
事務所の部屋が埋まって打ち合わせが出来なくなったこと、そこでここを選んだこと、
ユーリをヒロキが送らねばならなかったこと、そういった諸々はまぁ頭の中で咀嚼して飲み下せる。
問題があるとすれば。
「見たのね……?」
「んー? 何の話かなー、カルナ?」
「えへへへへへ」
 ヒロキへのお帰りなさいのキス。
そしてその前の、甘えんぼのような台詞。
「いやあ、いいもん見れたいいもん見れた」
「凄いね、本当にカルナちゃんはお兄ちゃんのことを愛してるんだね」
「デジカメ持ってたらなー、バッチリ撮って週刊誌にでも」
「あ、私ケータイのカメラで撮ったよ」
「ナイスだユーリ!」
149ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/05/25(日) 22:42:34 ID:Li7hVb3S
 ガクリ、とカルナは首を前に折った。
眼鏡がズルッと鼻の先に落ちかかる。
「う、うううう」
 とんでもないところを見られた、というショックがカルナの背中をチクチクと突き刺す。
ヒロキにしか見せたことのない妻としての「井戸田カルナ」を、
よりにもよってシホとユーリの二人にばっちり収められてしまった。
通常の二倍、いや三倍の、絶望にすら似た恥ずかしさだ。
「悪い、カルナちゃん……俺がちゃんと電話一本入れてれば」
「ヒロキさぁん……ううう」
 ほとんど涙目のカルナ。
そんな妻にヒロキが出来ることと言えば。
「ゴメン、本当にゴメン」
 謝ることだけだった、ひたすらに。

「この分だと二人の愛の結晶を拝むのも近いうちかねー」
「男の子かな、女の子かな?」
「うううう……は、恥ずかしい……」
「ゴメン、カルナちゃん」
 キッチンのシチューは、ゆっくりと冷めつつあった―――



  F    I    N
150ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/05/25(日) 22:44:07 ID:Li7hVb3S
以上です。
エロありのアヤナ話がなかなかまとまらなくて、こっちが先になりました。
言い訳ですが、持ち帰る程に仕事が忙しくて、エロは書くのに気力が必要で……。

頑張ります。
151名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:31:50 ID:BYkzBWDX
妹&濱中の時代が長かったから、あかほん以後の作品のパロには違和感が湧くなぁ・・・
152名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:50:26 ID:Av26GnuT
カルナがすっかりデレデレの新妻に(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
グジョーブ( ゚∀゚)b
153名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:02:52 ID:sbL6l5of
>>151
何となくわかる気がする
あかほんが続いてればねぇ‥‥
154宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:39:49 ID:DSSaJjX3
なんかネットサーフしていたらここのことを思い出したので投下します。

NGワード「まだエロ無し」「亜麻色の髪の乙女」
タイトル「ワタシダケノ、センパイ。@」
155宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:42:38 ID:DSSaJjX3
「ヒロ君! しょんなところにネギは……ああんっ」
 調教師の手によって、女は獣へと姿を変える。アイドルとして舞台で輝く姿からは、決して連想することが出来ない。
「お前が貧乳なのが悪いんだああああッ!」
 調教師・井戸田は小中高アイドルの中核を担うシホのアナルを、執拗に攻めていく。

――RRRRRR……

「電話か、カナミは風呂にでも入ってるのか?」

シンジは読んでいた官能小説を机の二重底にしまうと、一階へと降りていった。
住人を只管呼び続ける電話。彼の意図に反し、風呂場からはシャワーの音が聞こえる。カナミは気づいていないのだろう。
シンジは、しょうがないと思い、電話を取った。

「もしもし、城島ですが…」
「はぁっ…… はぁっ……」
電話の向こうから突如、女性と思われる息遣いが聞こえ出す。
その声は荒々しく、緊張している時に出す声とは全く違うものだ。
「はぁっ…… 先輩……」
彼女の声からは、相手にとても強い性的な感情を感じる。
どこかで聞いたことのある口調には艶があり、それでいて幼さを残していた。
「先輩…… す、すっすすすす…好きですッ!!」
「なッ……!」
警戒していた先から、唐突の告白。
異性との友情的交流を持っていながら、童貞を貫いてきた彼にとって、あまりにも突然過ぎた。
そしてシンジの中に、一つの大きな疑問が残る。
「えと…、キミ誰?」
「えっ……!?」
そう、電話の相手は一切名乗っていない。
シンジにとって、声だけで名前を判断できるのは、せいぜい妹・カナミの友達か、親友である新井カズヤ。
もしくはAV女優だけだ。
「あっ!そういえば名前言うの忘れてました。
 私の名前はですね…… か」
確信の部分を言う直前、電話は切れてしまった。
電話の着信履歴には『080-XXX-XXXX』と記録されており、その番号へと電話をしてみたが、結局繋がることはなかった。

「なんだったんだ……」
「お兄ちゃん、誰からの電話ー?」
「分からん……、ってカナミ!」
後ろを振り向くと、バスタオル一枚のカナミがアイスキャンディーを銜えていた。
成熟途中の身体に滴がついた張りのある肌、濡れた髪が、エロティックに映る。
「お前、服着ろと……」
「? だって最近暑いし、きょーだいじゃない」
カナミは自分が服を着ていないということに、何の疑問も持っていなかった。
普段は下ネタばっか言うくせに、たまーに普通の女子高生になるんだから恐ろしい。
156宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:44:37 ID:DSSaJjX3
カナミがバラエティー番組を観賞している頃、シンジの心には渦が巻いていた。
電話の相手は一体誰なのか――そのことが彼の頭からこびり付いて離れない。

――「か」がつく名前といえば、カナミか?
 何を考えているんだオレは。 カナミは妹じゃないか、風呂にも入っていたし。
 相手は女だった。よってカズヤでもない。
 カナミの友達で『か』がつくコはいなかったか。
 ……一人ずつ思い浮かべても思いつかない。
 !! そういえば金城ちゃんの名前は『カオル』ではなかったかな。
 電話の声はキョドキョドしていたし、異性が苦手だという金城ちゃんという可能性もあるのではないか。

ふとシンジは、 4 年 前 にカナミのグループと一緒に海へ遊びに行ったことを思い出した。
他の皆に比べれば背が高い、一見してスポーツタイプのような娘だったが、男と話をしようとすると恥じらいを見せる。
そんなギャップを持っていた。
「カナミ、金城ちゃんの電話番号とか知ってるか?」
「そりゃ勿論知ってるけど、金城ちゃんに興味あるの〜?」
聞くとカナミは含みをもった笑いを見せながら、携帯電話を開いて弄りだした。
「コレだよ」
カナミが見せた『姦』の欄には、『金城カオル』と記されていた。
シンジは突っ込むことすら忘れ、番号を確認をした。

「でもお兄ちゃんが金城ちゃんのことがスキだったなんて何か意外だな〜」
「金城ちゃんは意外とテレ屋さんだから大事にしてあげてね」
「避妊だけは忘れちゃダメだよ」
外野から何か聞こえるが、決して気にしない。
突っ込んだら負けだ、と言い聞かせながら番号を見ると、『080-YYYY-YYYY』となっており、先程の人物『か』とは一致しなかった。
「番号メールしよっか?」
「いや、いい……」

金城ではなかった――、シンジはそのことに何故か『安堵』し、部屋へと戻っていった。
157宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:46:35 ID:DSSaJjX3
日は開け、場所は小笠原学園……ではなく、小笠原『高校』に移る。
昇降口に感じた視線は一年の階を越えると感じられなくなった。
それでも何らかの違和感を、シンジは感じる。
そんなシンジを余所に、教室ではカズヤと今岡が騒いでいる。

今岡は鞭でカズヤの尻を叩き続けているが、勿論『いつも通り』である。
カズヤは涙を流しながらも恍惚の表情を浮かべているが、勿論『いつも通り』である。

「城島君聞いてよ! このバカ、鏡でスカートの中を覗こうとしてやがんの」
「ミニにタコが出来る、を表現したかったんだよ〜」

カズヤの虚しい言い訳が今岡の逆鱗に触れ、攻撃は加速を増しているが、勿論『いつも通り』である。

――カズヤじゃ、相談は無理だよな…。

当たり前のことシンジは思う。
今岡や彼女の友人のケイには話せることではない。
「『か』で切れた電話」のこと、「視線を感じる」こと。

男友達でカズヤ以外に話せる奴といえば……

…………
……
いない。
そう、いないのだ。

軽いハーレム状態だと思っていたシンジは、死角をつかれた。
そう、自分にはカズヤ以外に男の友達はいなかった、という真実を。
158宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:47:40 ID:DSSaJjX3
昼休み――。
階段を降り、図書室へとシンジは足を運んだ。

『視線』に怯えながら。

ドアを閉め、視線が途切れたことにほっと息を呑んでいたが
「ドアは静かに閉めて下さい」と図書委員に注意され、頭を下げる。

てれ隠しに周りを見渡すと、その中に一人見知った顔を見つける。

「シンジさん、こんにちは」

聡明な顔立ちの少女・黒田マナカが読書を嗜みながら、シンジに向かって頭を下げる。
立ち場に困ったシンジは、適当な本を選びマナカの向かい側に座る。

「……」

彼女は目線を一瞬向けたが、すぐに本へと戻す。
どんな本を読んでいるのか、九分の使命感と一分の興味で、本のタイトルを見る。

『俺の尻をなめろ』

『〜きれいにきれいにね〜』

ポップ体で書かれたその表紙には、パーマヘアーをした貴族風の美形男子が、性的に絡まっている図が描かれている。

――そういえばこういう娘だったなあ……
 マナカちゃんって

高き智を持っているからこそ、性に興味を持ち、そしてこのようなベーエル的なものにも手を出しているのだろう。
シンジは心の底で改めてマナカに拍手を送り、そのまま図書室を後にした。
159宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:49:08 ID:DSSaJjX3
「今日はマナカちゃんの家で勉強してくるから遅くなるね」
帰路につき、シンジはカナミからのメールを確認する。
昼休みに感じた視線は、下校時には全く感じられなくなっていた。

ケータイの天気予報は『雨』となっていた。
そういえば先程から雲がゴロゴロと鳴り出している気がする。
「ヤベッ、洗濯物!」
頭に一滴の雫を感じ、シンジは家に向かって走り出す。
さっきまでの悩みはどうしたか、今は何日分か溜めて洗っていた下着だけが気がかりだった。


「間に合った……」
外は既に大雨になっていた。
洗濯物で幾らか濡れたものはあったが、乾燥機に突っ込めば、何とかなるものばかりだ。
タオルを手に取り、髪を拭く。

カナミから電話はあったかな、と電話を覘くと『メッセージ一件』の文字。
もしかして……シンジは蓄積された不安で重くなった指で、ボタンを押す。
『メッセージ、イッケン、デス』
『ハァッハァッ…… センパイ。 ハァッ… 昨日は ハァッ… すみま ハァッハァッ… せんでした』
『昨日』という単語。挙動不審な音。
間違いなく昨日の『か』で途切れた女の声だ。
声の主の暴走は止まない。

『今から、気持ち伝えるために、先輩の、家、行きますね……』

「なッ!」
声の主は一体何を考えているのだ。外は夕立。洪水なみに降り注ぐ雨は、傘すらも無効としてしまう。
それに「家に来る」だと。 ふざけてる……

『待ってて、下サイネ。ワタシダケノ、センパイ……』

そこまで言うと電話は切れた。
ここまで来ると一種のホラー体験に近いものも感じてしまう。

「ははっ、まさか…」
自分でも声が上ずっているのが分かる。
強がりを言ってみたが、余計に不安を煽ってしまう結果となった。

――ピンポーン

「!!!」
一瞬心臓の動きが止まった。
チャイムの音が鳴ったのだ。
扉の向こうに、確かにいる。
誰かが、いる。

――ピンポーン

足がガクガクと震えるのを必死に堪え、シンジは進む。


そして入口の扉を、開けた。
160宣銅烈 ◆DuoCt8/SKk :2008/05/26(月) 03:51:51 ID:DSSaJjX3
とりあえず最初の投下はここまでです。

最近、裁判官たる人間がストーカーで逮捕されたらしいですね。
いや、別にだからこれを描いたとかじゃないんですけどね。

絡み描きたいなあ
161名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 20:07:23 ID:lLLSIcKd
なんすかこの投下ラッシュwww
この勢いは久しぶりだぁ 本当職人さん乙&GJです!!
郭氏も復帰待ってますよ
いや〜、まじうれしい。

これで、生徒会のお知らせがマガジン移項とかだったら、本当この勢い続きそうでwktkがたまらん
162名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:55:49 ID:g0j6Dxhf
おかえりなさい宣氏!
ビッグサプライズとはこのことか
163名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:03:45 ID:3q58yjTi
久々の復活、本当にうれしい!
164名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 15:42:46 ID:JnIf+01P
おおお宣銅烈氏!懐かしいお名前!
乙&GJ!


Y-275氏も乙!
ガンバレ!
165Y-275:2008/05/28(水) 00:08:04 ID:Sr29XLzR
住人の皆様、職人の皆様、wiki編集してくださってる皆様お疲れ様です。
wikiの方が続々と編集されていく様子は圧巻です。

前回の続きモノが出来たので投下します。

そういえば、はからずも3投下続いた週末はすごく感動しました。
自分が氏家スレを見はじめた頃から活躍されてるお二方にリリーフ、ストッパーを勤めていただいたのですから。
なんて言い方すると失礼ですが、頑張ろうと思えました。

長々すいません。

では、投下です。
166Y-275:2008/05/28(水) 00:09:29 ID:Sr29XLzR

ドタンッ!!

カナミはリビングを後にし、自らの部屋のドアを慌ただしく閉めた。
ドアの開閉へのこだわりに構っているヒマなどカナミには無かった。
シンジとの行為によってもたらされた感覚。

その先を早く得たいという思いで頭はいっぱいだった。

………………………………
167Y-275:2008/05/28(水) 00:10:30 ID:Sr29XLzR

部屋に入ってすぐにカナミはスカートとショーツを脱ぎ捨てる。

あと一歩で堰を切って溢れ出る直前の快楽を引きずり出すのに小細工をして一から持ち上げていく必要は無く、

『あっ、あっ、……ふぁ、あっ!!』

直接的な刺激こそがカナミの望むものだった。

『あぁ、耳…ふぁ…、あぁ、ひぁ……』

カナミはベッドの上で背中を丸めるように横向きに寝転がり、左手を右耳に、右手を自らの性器にあて、快感に悶えていく。

カナミの右手が自らの淫唇からクリトリスを捜し当て、皮越しに撫であげると、淫唇はすぐに口を開く。

自らの中に溜め込んだ液体を吐き出し、カナミの手と内股を濡らしていく。
168Y-275:2008/05/28(水) 00:12:32 ID:Sr29XLzR
普段のカナミであれば、自身の所有する道具を横に準備してオナニーにふける。

隣のシンジの部屋から聴こえてくる音声に興奮して、息詰まった時のストレス解消に、不意にムラムラした。
なんてのがカナミがオナニーをする時の大半の理由である。
そういった場合は開始前の思考は案外冷静な状態なので道具を準備しておく事が出来る。
使う使わないはその日によっての差異は出てきてしまうが。

今回、中途半端に昂ぶらされた揚げ句。というシチュエーションは初めてで、道具を用意するという考え自体が浮かば無かった。


それでも、充分過ぎる快感がカナミを襲う。
手だけで絶頂に達した事も数知れない自らのテク、先程の行為で発見した自らの新しい弱点〜シチュエーションがもたらした一時的なものかもしれないが〜を責めることで淫唇はどんどんと愛液を吐き出していく。
169Y-275:2008/05/28(水) 00:13:51 ID:Sr29XLzR

『あっ、あっ!!あ……』

カナミは指を自らの膣に挿入していく。
中は熱く、カナミの指をズッポリとくわえ込む。

『ふぁっ、あっ、すごっ…わた、し、中っ、あ』

2本の指で想う様掻き混ぜていくカナミ。

グジュ、グジュ、ジュポ

部屋には水音が響く。

カナミの意識はどんどんと快楽の前に薄れていき、鮮明にシンジを描き出していく。

『あっ、うぁ、……、お、に…あ、わ、た…ひぁぁ』

シンジを兄としてではなく、男として好きになってしまった…
そんな事をいつカナミが自覚したのかはさだかではない。
しかし、オナニーのときは必ずシンジを想像しながら事に及ぶ。
最初は何か別のものから開始していく事もある。
それでも気付けば必ず相手役はシンジに変わる。
時には犯されながら、時には愛されて、たまに自分から奉仕しているときもある。
170Y-275:2008/05/28(水) 00:15:06 ID:Sr29XLzR

今日は直接シンジに自らの身体に快感をもたらされた直後である。
そのビジョンは鮮明で、今目の前にシンジがいて、オナニーを見せ付けているという錯覚にカナミは陥る。

『お兄、ちゃん、…あっ…見…あっ、あっ』


シンジに聞かせているが如く、声を荒げていくカナミ。

あいた親指でクリトリスを責めたてる。
親指のみで器用に皮を剥き、擦る。

『はぁっ、あぁ、あ!!』

カナミは声で限界に向かっている事を表現する。
気付けば左耳を枕に強く押し付け、強く上下させている。
ビクンッ!!と時折身体を跳ねさせるカナミ。

『あっ、あん、ひぁっ、感じすぎ…やばっ…』

今、目の前にいるシンジ(カナミの想像が見せた幻覚)は絶頂に達した時のカナミの艶声を聞いて、どんな行動を取るだろうか?
力付くでカナミを押さえ付け、犯してくるだろうか?
171Y-275:2008/05/28(水) 00:16:10 ID:Sr29XLzR



いや、犯されたい。
カナミは強く思う。

シンジに自分のイッた姿を見せ付けたい。
強く思う。

その思いは強い衝動としてカナミの背筋を駆け抜ける。

『ひぁっ、あっ、も………う、駄、イ、あっ、ク…ああぁぁぁ!!』

ピシャ、

白く濁った愛液を一度に大量に吐き出しながらカナミはイッた。


………………………………
172Y-275:2008/05/28(水) 00:17:17 ID:Sr29XLzR

絶頂の余韻から覚め、カナミはキッチンで水を飲んでいた。
シンジは既に部屋へと引き下がってしまったのか誰もいない。
ぼうっとした頭で電気さえつけずに蛇口に手を伸ばす。


シンジとの行為。その余韻を受けてのオナニーはカナミの中で燻っていた感情に火をつけていた。
時にはボケとしてごまかしながらも、今までけして消えることの無かった感情。
カナミは一人呟く。


『やっぱり、お兄ちゃんは誰にも渡さない。』

兄妹だから…しかし、それだけで割り切れるようなものでは無い。
それで割り切るには
全ての好意も、
シンジに行ってきたアプローチも、
シンジに身を任せ行われた耳への口撫も、

その全てが無駄になってしまう。


気付けばカナミは包丁を取り出し握っていた。

『誰かの手に渡るくらいなら、いっそ…』


光を放つもののないキッチン。
刃物に移ったカナミの表情に一切の迷いの色は見られなかった。
173Y-275:2008/05/28(水) 00:21:40 ID:Sr29XLzR

以上です。
以前から病んでるカナミは書いてみたかったので…

ただ、正直あまり自信はないです。

得物はシチュエーションと個人的な意見で包丁にさせていただきました。

タイトルは
『カナミ1人エッチ〜黒風味〜』
で。

以上駄文乱文失礼しました。
失礼します。
174名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 15:44:00 ID:tfwvNja6
乙乙
筆がノッてますな
175名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 12:07:59 ID:mdbsuvr0
新たなエース候補
176名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 21:00:20 ID:NJZths2y
やっぱ俺は思春期のキャラが一番好きだぁ
177名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 01:26:56 ID:C+mIsGht
思春期は氏家の初連載で言わば氏家エッセンスが一番凝縮されたマンガだからな…
古株の郭氏から若手のY-275氏までSSを書き続けてくれるのは嬉しい
最終回アフターもぜひ拝みたいところ
178名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 10:56:57 ID:EYi0YBvi
がんばれ
179名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 21:55:27 ID:p2T48apT
人減ったな…

ノシ <オーイ
180名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 22:18:42 ID:FQvUKnOY
ノシ
181名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 22:32:18 ID:23DEH0Dr
ノシ
182名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 23:39:52 ID:AOJAxLe3
←この辺にずっとスズ
183名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:42:21 ID:Jf3n1jkt
ノシ
184名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 08:20:29 ID:JCW5DNeQ
ノシノシノシノシノシ
185名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 17:48:47 ID:GoYuSt5H
まあ、職人がへりゃあ、そりゃあ住人も減るのも仕方ない
そして、なんといっても作者が今書いてる作品が、月1だもの仕方ないよ
今は、週1の作品が始まるまで、我慢のとき
といっても、まだ何人かの職人さんがこのスレには残っているんだもんなんだかんだで凄いよ
186名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 19:58:27 ID:BNNTlMiD
郭氏には足を向けて寝れませんな
187名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:03:08 ID:N3LR07+j
生徒会単行本化まだかなー
188名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 17:42:40 ID:yAOoDqrl
次号の重大発表が気になるね

新保管庫の方も次々に更新されてるな
顔射感激超GJ!
189名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:21:11 ID:eo6+W+Ik
おまいらの好きなキャラは誰だ
190名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:33:17 ID:wz1PqmPD
そんなの決まっている!!
氏家が描くキャラすべてだああああ!!!!


すまん、嘘・・・・・個人的にマリアだけは好きになれん・・・
191名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:16:27 ID:pDS83OBy
本誌移転か打ち切りか・・・
あかほんの黒歴史があるから、後者の可能性も否定できんw
192名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:50:44 ID:p0v2C2Qo
単行本発売、本誌移転、アニメ化、抱きまくら発売。

だったりして。
っつか、それだとエロゲだな笑

あ、個人的にはミサキチやらカナミやらが好きです。

でも、アヤナとマナカはもっと好きです
193名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 01:23:43 ID:INAbhJIP
う〜ん、重大発表、単行本かなと思う・・・・
まあ、アニメの可能性も無きにしも非ず
ウミショーアニメ化、スミレ、シバトラがドラマ化する時代だしな・・・

打ち切りはないんじゃないか? 打ち切りだと、あんな載せ方しないだろう
妹、濱中は連載期間が長かったから、結構大きく取り上げられてたけど、生徒会はないだろ・・・
そして、打ち切りとかだったら、ガチで氏家氏が心配だ。
俺は漫画家の中で、マジで一番氏家神が好き、すっと漫画を書いていて欲しい
194名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 07:41:20 ID:wjpBKUwS
さすがに連載終了はないだろう
195名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 22:14:08 ID:SZcFYCPe
まあ普通に考えて単行本だよね、やっと一冊分くらい貯まったし
ページ数ちょっと薄目かもしれないが 
196名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:07:15 ID:emXatL6a
Wiki保管庫は、濱中パート、妹パートは終了…のはず。

特に職人の皆様、時間があったらチェックしてください。
URLは
>>4 に。

#カップリング別のところにみかん箱を用意し、未完のものをいくつか入れてあります。
作者さん別のところになかったら、こちらかも知れません。
197名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 19:25:40 ID:ixX2rur5
超乙
ありがとうほんとありがとう
198名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 19:34:14 ID:omy3Qqcq
>>196
本当にお疲れ様です。見てるだけで編集しないのが申し訳ない。
199名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 21:32:38 ID:PFTl54oh
wiki編集多分完了・・・かな?
編集された方々お疲れ様でした
特に名無しのwiki職人様お疲れ様でした
何か間違い等あれば、まだwikiに編集制限はつけてないので、ご自分で編集するか
wikiの意見・要望等のコメント欄にお願いします。
200名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 02:20:07 ID:5tMpp5Oq
乙です。

こういう方々のお陰でこのスレは栄えている。
201Y-275:2008/06/09(月) 11:52:40 ID:aapHQS2X
ホントに乙です。
有り難いです
202名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 17:12:31 ID:64fhUMY7
カナミはシンジが彼女作ったらヤンデレになる気がする
203名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 18:08:07 ID:2TPo/beQ
編集人さんたちウルトラGJ!
204名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 16:49:49 ID:QtJJf3U/
おまえら、どの氏家マンガの男キャラになりたいよ
205名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 17:18:28 ID:971g3Rnx
プチ
206名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 22:46:52 ID:MoO6YkJf
とりあえず、あ〜、え〜と、なんだっけ?あのメガネの途中で消滅した先生、坪井先生だっけ?
まあ、それ以外の人だったら、誰でもいい!! 
もちろん園長先生、カズヤ、マサパパ、セイジ、リョーコの中学の先生大歓迎!!
何だかんだいって、氏家の男キャラは大体おいしいですw
207Y-275:2008/06/11(水) 12:15:34 ID:IrZnP4dI
住人、職人、wiki編集に携わってくださった皆さんこんにちは。
まったく、空気読んでませんが投下します。
以前言ったマサアヤです。まずは前半のエロに入る前までです。
アフターっぽい展開からは持ってけ無かったので、#113 恋文から繋げてみました。

スルー対象ワードは

『どこかのエロゲのシナリオっぽい。』
です。

タイトルはまんま、

『恋文引用アヤナルート』
で。
208Y-275:2008/06/11(水) 12:16:20 ID:IrZnP4dI
『なんか、気に喰わないわねぇ…』

クラスメイトの戸川ユキからの呼び出しに応じた帰り、マサヒコとともに3Aの教室に戻るさなか、アヤナは呟く。

『何がだ?』

『っ!!…何でもないわよ!!』

マサヒコの問いに、一つ拒絶を返すとマサヒコから顔を逸らし、アヤナは足を早めていく。

苦笑を一つ浮かべるとマサヒコはアヤナの後を着いていった。

………………………………
209Y-275:2008/06/11(水) 12:17:21 ID:IrZnP4dI

3Aの教室に戻ると、いつものメンバーはそこに残っていた。

家庭教師の為に迎えに来たはずのリョーコとアイを交え、話題に花を咲かせていく。
内容は先程の事の顛末からラブレターについてまで。

『いや、家庭教師の授業は?』

マサヒコの言葉も虚しくその日授業が行われる事は無かった。

リョーコいわく

『ラブレターを通して正しい手紙の書き方を学ぶ国語の授業だったんだから、授業ならしたわよ!!』

だそうであるが…


唐突に帰り間際アヤナが口を開く。

『あ、そうだ、小久保君は話があるからこの後残って。』

『…若田部?』

またしても飛び上がるミサキ。

『か、勘違いしないでよね、今日の事で男の人の意見を聞きたい。ただ、それだけなんだからね!!』

(また?)

(ツンデレ?)


カテキョコンビは思い思い心の中で呟いた。

………………………………
210Y-275:2008/06/11(水) 12:18:21 ID:IrZnP4dI

なんだかんだ言いつつも残りのメンバーは帰っていった。

マサヒコはまだ帰りの準備をしていなかったため、自分の机に座っている。

『小久保君、今日はありがとう。』

そんな事を言いながらアヤナがマサヒコの前の席に腰を下ろした。

『その、ね。みんながいる前でこんな事言うのは恥ずかしいから…』

アヤナが頬を赤らめ、照れ臭そうに言う。
そんな表情に、

(こいつもこんな表情するんだな)

等と思い、マサヒコの口許は少し緩む。

『ものすごい、マヌケ面してるわよ。』

そんなマサヒコの表情をばさっと切り捨てるアヤナ。

『それに』

アヤナが続ける。

『付き合ってるフリをすれば良いってわかった時のあの安堵の表情はどういう意味かしら?』

アヤナに指摘され、幾分か引き締まったマサヒコの頬をアヤナが抓る。

『納得のいく答えが欲しいものね?』

そこまで言ってアヤナはマサヒコの頬から手を離し、腕組みをする。
抓られた頬が痛むのか頬を撫でながらマサヒコは思案する。
211Y-275:2008/06/11(水) 12:19:25 ID:IrZnP4dI

(いや、どうって…)

普段からしょっちゅうマサヒコに危害を加えるアヤナ。
そのアヤナのキャラがどこと無く今日は違う気がするマサヒコ。
そんなアヤナを見ていると普段の分も込めて、ちょっとした仕返し的な答えを返してまた違うアヤナも見てみたい。
そんな悪戯心にも似た思いが湧き出してくる。

『もし、マジに付き合えってあの時に言ってたとして、』

マサヒコは頭で考えながら口で発するという器用な行為を行う。

『言ってたとして?』

アヤナが先を促す。

『みんながいる前で返事をしたら若田部はどう思った?』

『こ、答えになってないわよ、それ。』

マサヒコは極力顔の表情を変えないように気を遣いながらアヤナを見据える。
アヤナはマサヒコと目を合わせておく事が出来ず顔を背ける。
横を向いていてもアヤナの頬が赤くなっているのがマサヒコにはわかった。
質問に対して質問で返す。ただ、それだけではあまり打撃は見込めない。行為も合わせて初めて掴んだ勝利といえよう。
マサヒコが会話の流れを掴んだのは明白だった。
マサヒコとしてはちょっとした悪戯が成功したような達成感とこの先のアヤナの答えとリアクションを期待する気持ちが生まれる。
212Y-275:2008/06/11(水) 12:20:57 ID:IrZnP4dI
『じゃあ、マジだったとしたら、答えはどっちだったのよ?』

顔を若干マサヒコの方に戻しつつアヤナが再び問い掛ける。

『若田部はどっち?』

『…っ!!』

質問に質問で返され、さらに質問で返す。
もちろん先程のようにアヤナを見据えながら。

そんなマサヒコに見つめられながらアヤナは再度同じリアクションをする。
再び顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

『どうした?』

白々しくも先を促すマサヒコ。
アヤナは暫くそっぽを向いたまま黙り込む。

数秒の後、アヤナが口を開く。

『わ、わたしは…』

顔をマサヒコの方に向き直す。
相変わらず顔は真っ赤なままで。

『す…す、す』

『す?』

『す、すごく、嫌いじゃ無いわ!!』

何かが弾けたように大きな声で言うアヤナ。

その声にビビりながらもマサヒコはアヤナの言葉を反芻する。

(すごく嫌いじゃ無い…すごく嫌いじゃ無い…それってつまり…)

マサヒコは今更ながらやり過ぎた事を後悔する。
213Y-275:2008/06/11(水) 12:22:07 ID:IrZnP4dI
ここでアヤナが冗談とでも言ってくれるなり、さっきの会話の途中で気づいて会話を打ち切ればこんな事にはならなかったかも知れない。
いや、むしろアヤナに一杯盛られたのかも。
等と思い、視線をアヤナに向ける。

『何よ?返事は?』

一度ギロリと睨むとまた質問を投げ掛けてくる。
睨んだ後の瞳が不安からか揺れているのがわかる。

幾ら鈍いマサヒコとは言え、それの意味するところが分から無くは無い。
しかしながら、マサヒコは自分自身の心が分からずに黙り込む。

アヤナは他のクラスメイトと比べて親しい3人の一角である。
初詣で祈願した通りいつまでも一緒にいたいと思う人間の一人である。

だが、それは友達として?
それとも恋人として?

マサヒコはアヤナの方に視線を向ける。

アヤナは顔を真っ赤にしながらマサヒコを見つめ続けている。
不安からか揺れていた瞳が今では泣きそうで潤んでいる。

凛とした顔立ちをしたアヤナがそんな表情をすると正直くるものがある。
マサヒコはドキリとしてしまう。
アヤナの表情は美しかった。
214Y-275:2008/06/11(水) 12:23:25 ID:IrZnP4dI

アヤナはあまり、うまく本心を口にすることが出来ない。
でも、そんな性格も可愛らしくて良いじゃ無いか。
マサヒコはそう思う。

相手の姿に見惚れ、相手の性格を許容した上で、相手と一緒にいたいと思う。

これが人を好きになるということなのかとマサヒコは思う。

それならば、マサヒコの答えは一つだった。

『俺も若田部のことが好きだ。』

『ちょっ、『も』って何よ、『も』って、私はただ、すごく嫌いじゃ無いだけよ!!』

さっき、人に好きか嫌いかを聞いておいて、自分はそれかよ。等と思い、マサヒコは苦笑する。
意地っ張りで本心をうまく言葉に出来ない。アヤナの中で引っ掛かるものがあるのだろう。
そんなところがやっぱりマサヒコの心を揺さぶる。
それでもマサヒコはアヤナの本心を聴きたかった。

『2択で答えてほしい。好きか嫌いか。どちらかで。』

『ちょっ、そういう言い方は卑怯じゃ無い?』

アヤナの顔は火が出そうなくらい真っ赤である。
それでも、マサヒコは目を逸らさない。
215Y-275:2008/06/11(水) 12:24:21 ID:IrZnP4dI

『ふぅ…あなたには、敵わないわ。』

観念したのか、緊張の限界なのかアヤナは一つ息を吐き出す。

『…一度しか言わないわよ。』

挑むような視線をマサヒコに向ける。

『私は…』

それでもやはり引っ掛かるのか10秒ぐらい逡巡と決意と不安と…色んな表情を面にだしたのち…

『…わ、私は、マサヒコの事が好き。』

『…ありがとう。アヤナ。』

思わぬおまけ付きでもたらされた答えに対し冷静に、マサヒコもおまけを付けて答えた。

………………………………
216Y-275:2008/06/11(水) 12:25:21 ID:IrZnP4dI

それから、暫く、2人は色んな話をした。

『私こんな性格だから、マサヒコに迷惑をかけてしまうかもしれない。』

こんな性格…ツンツンした性格のことなのだろう。

『それでも構わないよ。』

マサヒコは答える。

『それに、本心じゃない事を口走るとしょっちゅう態度に出るしなぁ…』

『え、そうなの?』

『そうだよ。』

苦笑するマサヒコと顔を真っ赤にするアヤナ。

『ちょ、ちゃんとフォローしなさいよ!!』

どうやら今後はフォローする義務が生まれたらしい。
やはりマサヒコは苦笑する。
どちらにしろ、答えは決まっている。
マサヒコはその答えを口にする。

『望むところだな。出来ることならずっと側でその役目をやらせてほしい。』

実際マサヒコにはそう思えた。
アヤナはそう思えるだけの相手だった。
217Y-275:2008/06/11(水) 12:26:25 ID:IrZnP4dI

アヤナの答えを待つためにマサヒコはアヤナの唇を見つめる。

『……………』

暫くの沈黙。

『また、セクハラかしら?何を考えてるんだか。』

『ちげーよ。』


アヤナの言い方に特に刺々しさは見当たらない。
アヤナはとっくにマサヒコの視線に気づいていた。
元々、先程からの会話にはさほど大きな意味は無い。
そもそも互いの気持ちを確かめた時点でわかっていた事だったから。
ただ、それでもこうしていたのは、より親密になりたい。そんな思いからだった。
その口実としては充分過ぎるマサヒコの行動だった。

『唇を見つめて何を考えてたの?』

アヤナの目はなおも穏やかだった。
誘ってるんだな。とマサヒコは直感的に思う。

『キスがしたいとは考えてたかな。』

マサヒコは答える。

『その先は考えなかった?』

『ちょっ、アヤナ!?』

言った本人も言われた方も顔は真っ赤である。
一つ息を吐き出すと、ふふっ。アヤナが小さく笑う。
218Y-275:2008/06/11(水) 12:27:33 ID:IrZnP4dI


『意地悪な事を言ったわね。』

自然とアヤナの手がマサヒコの手に触れる。

『何度も殴ってしまった事は悪かったわ。』

強くマサヒコの手を握りながらアヤナが言う。

『嫌な思いをさせたと思う。だから、今までの事を償わせて…』

キスをする前にアヤナとしては今までの事を謝っておきたかった。
より親密な関係に進むには何だか申し訳なかった気がしたし、何よりもこの先の行為を自分も望んでいる事をわかってほしかった。

アヤナがマサヒコの唇に自らの唇を近づけていく。
しかし、マサヒコは一度アヤナの唇に自らの指を押し付ける。
アヤナの唇が動く前にマサヒコが言う。

『償いとかそういうものじゃ無いさ。好きだから…』

『マサ…』

マサヒコはアヤナの言葉を遮るようにキスをした。
219Y-275:2008/06/11(水) 12:29:46 ID:IrZnP4dI
句切が良いのと、自分の創作の仕方の問題等で今日はここまでです。
本番編のような後半のような話はまた近日中に。
220名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:21:58 ID:62qGnxQX
>>219
うめぇ。エロなしでも本一冊行けそうな感じです。
221名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 22:14:15 ID:E11lkwP2

コンスタントに投下してくれてありがたい限り
222名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 17:50:22 ID:vXP75LAV
新しい職人さんが元気なのは嬉しい、スレも活気づく
しかしバブル期の賑わいを思うと、四大週刊少年誌のひとつで連載を持つことの意味の大きさがわかるな…
223名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 07:56:21 ID:1nK8oAKn
ガッシュの作者とサンデー編集部の事件を思うと、氏家とマガジンはどうだったんだろうと考えてしまうな
濱中終了→即あかほん→即終了→新作マガスペの流れとか穿った見方をしてしまいそうだ
224Y-275:2008/06/14(土) 11:42:33 ID:qYOnrNzE
こんにちは、続き投下します。
225Y-275:2008/06/14(土) 11:43:50 ID:qYOnrNzE
『ん…ふぁ、あ』


マサヒコは前を開けた状態のアヤナの上半身に手を這わせながら首筋にキスをしている。

アヤナは机の上に座り、マサヒコに身を委ねる。

『ふぁっ…』

マサヒコの手は脇腹へ。

『あっ、ん』

背中へ。

『ふ…ん、あ』

色んな所へと移動し、行く先々でアヤナは好反応を見せる。

『アヤナ…気持ちいい?』

マサヒコが尋ねる。

『…ふぁ、うん…』

顔を赤くしながらアヤナが答える。

マサヒコは思う。
アヤナはよく耳の感度が良すぎると言う。
しかしながら、どうもアヤナが弱いのは耳だけではないらしい。
見るからに早熟なアヤナの身体は感度が発達しているようだ。

『アヤナの可愛い声もっと聴きたい。』

一度手を止め、マサヒコが言う。

『なっ、か、可愛いって…』

もとより赤かった顔はより赤くなりアヤナはそっぽを向く。

『すこしでも良い。もっと、よりアヤナを知るために、気持ちいい所を教えてほしい。』

マサヒコの顔はアヤナの耳へと近づいていく。
226Y-275:2008/06/14(土) 11:45:11 ID:qYOnrNzE

『そ、そんなことを言われても…どことか、特定の場所じゃなくて、その、触れられる所、全部…気持ちいぃ…』

恥ずかしいのだろうか、最後の方はほとんど音声として出て行かなかった。

『そんなに敏感なんだ?』

マサヒコは素直に浮かんだ疑問を口にする。

『そんなんじゃ無いわよ!!きっと…』

一転、顔をマサヒコの方へ向けるアヤナ。

『きっと?…』

『きっと、マサヒコだから…そ、そうよ!!マサヒコだからよ。』

もはや、恥ずかしさが臨界点を遥かに振り切ったらしい。
俄かに声を大きくし、開き直るように繰り返す。
しかし、その言葉に今度はマサヒコの顔が赤くなる。
嬉しいような、照れ臭いような、そんな気持ちを確かに感じる。

『…ありがとう、アヤナ。』

わざとぶっきらぼうに答え、耳に唇を付ける。
腰に当てたままだった手の平はアヤナの豊満な乳房へ。

『ふあっ、ひゃっ!!』

最初は下からその重さを確かめるように揺らす。
揺らす動きから、揉む動きへ。
227Y-275:2008/06/14(土) 11:45:59 ID:qYOnrNzE
唇は相変わらず耳へと押し付けたままぴちゃぴちゃと音をたてながら、ねぶっていく。

『あっ、あっ…それ、すごっ…っあ』

アヤナの声は嬌声へと変化していく。
その声に自然とマサヒコは昂ぶっていく。
手の動きはマサヒコの昂ぶりを現すように激しいものになっていく。
あいた手を伸ばし、愛撫している方とは逆のアヤナの乳首を摘む。

『あああぁぁっ…それ、あっ…』

アヤナは一つ大きな声を出す。

『気持ちいい?』

マサヒコが尋ねる。

『ふ、んっ、うん…あっ』

アヤナの答えを聞いて、マサヒコは満足する。
とともにもっと気持ち良くなってほしい。そう思った。

『もっと、気持ち良くなってよ。』

『…あっ、ん、いや、わ、わた…んっ、しだけなんて…あ』

アヤナの口からは否定の言葉。

『わたしだけなんて、あっふぁ…ん、嫌ぁっ、ま、マサヒコもんぁっ!!』

言ってアヤナの手はマサヒコの股間へ、快感の前に力が入らない上に、初めてでかなり怪しい動きながらマサヒコのズボンのチャックを下ろし、マサヒコのペニスを取り出していく。
228Y-275:2008/06/14(土) 11:47:03 ID:qYOnrNzE

『ア、アヤナ?』

『マ、マサヒコも気持ち良く…』

『ぐぁっ…』

思わず手を止めたマサヒコに一声かけてマサヒコのペニスを扱きだす。
今度はマサヒコが与えられる快感にのけ反る。
構わずにアヤナは瞳を潤ませながらマサヒコのペニスを扱いていく。

『一人だけなんて、嫌よ。』

やっと息が整ってきたのか幾分普段の調子に近い感じでアヤナが呟く。
今まで成すがままにされていたマサヒコも普段の調子に戻ったアヤナの声で我を取り戻したのか愛撫を再開していく。

『ふあっ、あっ』

『く、あっ』

マサヒコの再開された愛撫にアヤナはビクリとし、手がぎこちないものになる。
そのリズムを乱された変拍子はマサヒコにとってまた違う快感として与えられていく。

『あっ、あふ、二人で、あっ』

『ア、ヤナ』

アヤナが望んだ形になっていることは明らかだった。
二人とも呼吸を荒くしながら互いを愛撫していく。

だが、しかしどのような時であろうとも、永遠に続けられるような行為など無い。

『く、あっ、アヤナ、俺、もう…』

『ふぁっ、あっ、私も……あぁぁ、一緒に!!、あぁぁぁぁ…』

マサヒコの射精を合図に二人は絶頂に達した。

………………………………
229Y-275:2008/06/14(土) 11:48:07 ID:qYOnrNzE

『…あ、あふっ、このまま、き、て、マサ…』

マサヒコが射精する際、マサヒコが快感のあまり腰を退いたので幸いにもアヤナの制服に精液がかかることは無かった。

しかしながら飛び散った精液はアヤナのふくらはぎからソックスを汚した為、マサヒコはアヤナの脚をテイッシュで拭いていた。
絶頂の余韻で震える声でアヤナが言ったのはその時だった。

『アヤナ、良いのか?』

アヤナの言葉を受け、マサヒコが尋ねる。

『…ん、最初から、決めてたから…来て…』

アヤナの答えにマサヒコは一つ頷き、アヤナのショーツに手をかけ、下ろしていく。
絶頂に達する程の快感を与えられて、アヤナの淫唇は愛液を吐き出し、内股を濡らしている。

(これなら…)

初めての性交にマサヒコは充分であるのかまだ、足りないのかの判断はつかない。
しかしながら、一度、達したとはいえ、マサヒコのペニスはまだ硬さを失わないままである。
その上でアヤナに懇願され、濡れた淫唇を見せ付けられマサヒコの興奮は最高潮だった。
230Y-275:2008/06/14(土) 11:49:08 ID:qYOnrNzE

一つ息を吐き、アヤナの淫唇に自らのペニスを突き立てていく。

『っああぁぁぁ…』

アヤナの今までとは違う叫びをマサヒコは耳にし、マサヒコは思わず腰を止めてしまう。

『っあっ、だい、丈夫、男が思うよりも、女は痛みに、慣れてるから…』

嘘であるとマサヒコは思う。
女性の方が遥かに痛みに耐えられるように出来てるとは言え、初めてのこの痛みは別物だと思う。
なによりも痛みに顔を歪め、目尻に涙を溜めたアヤナの姿を見てもそう思う。

アヤナのそんな姿に少しでも痛みを和らげたくて、マサヒコは腰を止めたままアヤナにキスをしていく。

『んっ、ちゅ、ん、マ、サ…』

そんなマサヒコの優しさにアヤナは胸を焦がす。
痛みは確かに感じながらも、胸に流れ込んでくる暖かさに、自然にアヤナに込められた力が抜けていく。

(これなら、大丈夫か、な?)

そんなアヤナの膣内の変化を勿論、マサヒコも感じていて、キスをしながらも腰を押し進める。

『…っあ、あぁぁ!!』

マサヒコのペニスが処女膜を破り、再奥まで届くとアヤナはキスをやめ、顎を反らす。

マサヒコはそんなアヤナを見、幾分か力が抜けていても痛みを確かに感じている事を理解する。
理解し、痛みを和らげようと再びアヤナの乳房と耳へと愛撫を開始する。
231Y-275:2008/06/14(土) 11:50:03 ID:qYOnrNzE

『ふあっ、あっ、それ、もっと…』

痛みに若干顔はしかめたままだがアヤナの声には確かに甘いものが混ざる。
マサヒコはその姿に幾分かの安堵を感じながら、ゆっくりと腰を動かしていく。
きつさは幾分か力が抜けた時から和らいではいるものの、それでも充分にマサヒコを締め付けてくるアヤナの膣の感触にマサヒコは腰を震わせる。
快感の昂ぶりにマサヒコの手は次第に激しくなる。
それに併せてマサヒコの腰の動きも大きくなっていく。

『ふあっ、あっ、あっ、あっ、マサヒコ…』

アヤナの声からはどんどんと痛みのニュアンスが消えて、甘い快感に身を震わせている。

パン、パン、ズチュ、ズチュ…

気付けばアヤナの膣は愛液を多く吐き出し、強く打ち付けるマサヒコとアヤナの腰の音とともに水音が教室を支配する。

『ふぁっ、あっ……音、凄い、あっ、あっ、あっ…』

アヤナが呟く。
音がアヤナを刺激しているのか膣内の動きはマサヒコを自らの膣内より深くに導き入れるように変化していく。
232Y-275:2008/06/14(土) 11:50:58 ID:qYOnrNzE

『くっ、ああぁ』

マサヒコは快感に思わず呻いてしまう。

『あっ、んっ、マサヒコも……気持ちいい?んっあ、嬉しい…』

アヤナは満足したように微笑む。

再び、二人は快感の虜となり互いを求めていく。

しかしながら先程も言った通り永遠に続く行為などない。

沸き上がってきた射精感にマサヒコが身体を震わせる。

『アヤナ、もう…』

『うんっふ、いい、よ、イッて…ふぁ、あっ、な、か、に…私の…初めて、はっ、あっ、中、あっ…』

アヤナの言葉とともにアヤナの膣はマサヒコのペニスを舐めあげるように蠢く。
その快感に腰を震わせながら、マサヒコは果てた。

………………………………
233Y-275:2008/06/14(土) 11:51:53 ID:qYOnrNzE

『なによ、マサちゃん、やっぱ、巨乳の方が…』

それから数ヶ月。リンコの唐突な思い付きによりアヤナ亭に集まって皆で送別会をしていた。

シャンパンに手をかけたミサキは半ば自棄酒のようになり、呟きながら、煽っている。

『あらあら、この後は修羅場かしら?』

こちらも酒臭い息を吐きながらリョーコは話をしているマサヒコとアヤナの元へ。

『あぁ〜、マサヒコくんらぁ〜』

突如マサヒコにしな垂れかかるアイ。

『小久保くーん、これ、美味しいよ〜!!』

リンコさえもマサヒコのもとへと。

『全く。』

アヤナは一つ息を吐き、呟く。

『どうした?』

回りの3人に苦笑しながらも恋人の呟きに反応するマサヒコ。

『いや、渡米する期間のことが少し、憂鬱になっただけよ。』

アヤナが答える。

『ああ』

なんて呟きながら、再び周りの3人に苦笑するマサヒコ。

『良い、浮気なんて以っての外なんだからね!!なんせ…』

そこでアヤナは一つ息を吐き出し、大きな声で言う。

『私はマサヒコの事、すごく嫌いじゃ無いんだからっ!!』

やれやれとマサヒコはさらに苦笑を重ねる。
下の名前で呼び合いながら、未だにアヤナの中でマサヒコにストレートに好きだというのは引っ掛かるらしい。

『わかってるさ』

『なら、良いのよ。』

周りの人間を無視しながら二人は会話を続けていく。

会えない期間というのが、2人にもたらす変化など二人には分からない。
しかしながら再会した時の喜びの大きさは凄まじいものであろうと二人はわかっている。
送別会即お別れといった訳では無いが、それでも2人は再会の時に思いを馳せずにはいられなかった。
234Y-275:2008/06/14(土) 11:55:17 ID:qYOnrNzE
以上です。
なんとなくまとめ方が強引過ぎた気がしますが。どうかスルーしてやってください。
そのうちこれみたいに本編から引っ張ったマサミサを投下したいなと思ってます。
駄文乱文失礼致しました。
それでは失礼します。
235名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 22:30:37 ID:EXLYfeeV
おつ!
がんばれー!
236名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 22:14:48 ID:BREAo3bS
GJ!

前スレ落ちたのか
237名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:32:02 ID:iZzYcVko
なんで過疎
238名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 10:42:12 ID:GHhNY7Rj
郭氏の復活はまだですか
239名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 23:38:18 ID:7AEx56AQ
氏家作品そのものが週刊誌から撤退してるからなぁ…
思春期&濱中の時代が良すぎたということだろう
240名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:30:20 ID:tqG0rFpO
良すぎたかは、まだ今後どうなるか分からんから、言えんけど
やっぱり週刊誌が無いのは、寂しいな・・・

ところで、重大発表のマガスペはいつ発売だっけ?
241名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:52:14 ID:dAKTkWgP
公式には明後日。
明日には売ってるらしいが…
242名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:37:47 ID:0RQOt6Od
wkwk
243名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:54:33 ID:pgPugkUl
アニメ化?はたまた打ち切り?
244名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:10:00 ID:tqG0rFpO
>>241そうかい、あり

お前等分かっているとは思うが、ネタバレは無しだぞ
いい報告だと、いいたくなるのは分かるが、金曜日の0時からだぞ
絶対にネタバレするなよ、絶対に
245名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 00:39:16 ID:iPNl4AYD
前フリ?
246名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 10:11:54 ID:wUtZDpUL
前バリ?
247名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 11:39:02 ID:ToPaPzCh
前ギ?
248名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:38:36 ID:1BELsBun
前リツセン?
249名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:50:20 ID:zc38erqz
さて、もうすぐ>>244いった時間過ぎるな、報告よろしく
wktk
250名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:53:29 ID:U8Kn5zhb
週マガに移籍らしい
ソースはマガジンスレ
251名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:59:03 ID:zc38erqz
マジかwwきたあああああああ
氏家神もやっと復活だな
まじ嬉しい
252名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:00:51 ID:U8Kn5zhb
スマヌフライングした
吊ってきます
253名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:16:37 ID:7l3IyyK5
>>252
卿には名誉ある自害を許す
254名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 00:44:21 ID:/E5OWnAD
いや、彼の者には生き恥を晒してもらおう。書き手として己が妄想を衆目に晒すという生き恥をな!!さあ!妄想を文章にする作業に移るんだ!!
255名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:31:47 ID:5OE0ClDx
嬉しいが不安で複雑だな
氏家にとっても週少マガジンにとっても良い方向に転びますように…
256名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:40:22 ID:DQ06b1kZ
どこが不安なんだ?
もう失敗したら後が無いかもとかか?
257名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 09:43:31 ID:EHrKGpJ7
あかほんのようになりませんように
258名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 09:24:05 ID:YP30wDMG
投下待ち
259名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 12:06:45 ID:Va3DdR3C
週刊に移転するのが本当ならめでたい。ここももっとにぎわうでしょう。
260名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 18:12:24 ID:6JAvdEtQ
>>259本当だったよ さっき確認した
そして、氏家神の最後のページ掲載米が確か「週間マガジンに移転します。」
相変わらずたんたんとしていて面白いwww
いったい喜んでいるのか分からないwwww
261名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:44:07 ID:99JvcRdd
・シホちゃんのおしっこ
・ミナオちゃん
・ドSケイ×ドMシンジ
・ヒカリ先輩
・アリア× タカトシ
マダー


















特にヒカリ先輩
262名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 08:56:55 ID:zdmpHvgQ
あかほん連載から終了までの経緯、どうも編集部主導で氏家はババ引いた感じがあるからなあ
真実がわからんから今回も大丈夫かという不安はある

あかほん、もったいないと思うんだぜ
263名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 20:21:07 ID:9kXlaT0q


264名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 01:05:03 ID:SBg3fTeR
アイディアはあるのに書く時間がなくてもどかしいぜ
生徒会役員共が週マガで始まったら全盛期復活するかな?
265名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 16:05:22 ID:0IRgOSsN
今、現役の職人は何人なんだろう
266名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 21:50:49 ID:jZqiXBnt
>>265
一作目投下しようとして、途中のまま何か月も放置してる人間ならここに一人。
267名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 22:21:21 ID:cOGJHdqM
>>266
まだ未完の作品をかなりゆっくり書いているのがここにも1人いますよ
268名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 08:16:36 ID:PHNyX2G5
頑張れ応援するぜ
しかし考えると初期から安定したペースで最多投下の郭氏って凄いな…
269名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 19:33:05 ID:/Y2rRYbf
今日はミサキチの誕生日
ついでに俺も誕生日
270名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:03:06 ID:zf0/IPJH
>269
おめ!
271傍観者:2008/06/25(水) 23:05:20 ID:I6tj23Lc
やっと終わった。
>>88
の続きです。
272傍観者:2008/06/25(水) 23:09:03 ID:I6tj23Lc

 これまでにない不自然な体勢に疑問の声を上げるミサキ。
「じゃあ、いくぞ」
「はぁん!」
 マサヒコは座ったまま尻をわずかに浮かせるように体を揺する。自分の体重が膣に全て
かかるかのような衝撃に不意をつかれ、ミサキは大声を上げた。
「どう?」
「ああ、イイ・・・、凄くイイよ」
 問われてマサヒコに抱きついたまま、ねだるような答え方をする。
「じゃあ、どんどんいくぞ」
「ハァッ!アン!アアッ!」
 ズン、ズン、ズン、と激しく下から叩きつけられるマサヒコの肉棒。上下の移動距離は
正常位や騎乗位より少ないとはいえ、一回一回の往復が全身に重く響くような感覚だ。思
わず飛び上がってしまいそうな体をマサヒコにしがみついて抑える。
 再び快楽におぼれていくミサキ。だが、かろうじてリョーコの教えを思い出す。受動的
なだけではだめなのだ。気付いて脚腰に力を入れる。揺すられるだけでなく、自らも少し
動こうとした。マサヒコの揺れに自分の揺れを合わせる。膣の締め付けに強弱をつける。
「うぁ」
 マサヒコからも少し声が漏れた。一人ずつの動きは小さいとはいえ、二人が徐々に息を
合わせていくと、その振動はベッドを揺らすほどになる。ペニスの膣での動きの幅も大き
くなる。それはつまり、二人の刺激される性感帯が広くなることであり、肉の悦びも当然
大きくなる。
「うっ、うっ、くぅ」
 三度目の勃起で性器がひどく充血しているような、攣ったような感覚を持ち始めたマサ
ヒコ。それでも快感は勃起を強いてくる。二人で協力して行為をしているという感触。こ
んなに疲れていても互いが感じる快楽はこれまでで一番だろう。
「アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!」
 ミサキの声がかすれてきても止まらない。本能と義務感が混ざった状態でマサヒコ自身
を締め上げ、絞り込む。
「ハァ・・・、ハァ・・・、ハァ・・・!」
 マサヒコの体のゆすり方もどんどん激しくなる。二人の動きを合わせると、マサヒコの
肉棒が完全に抜けないのが不思議なくらいだ。それでもマサヒコはもっとミサキの奥に自
分を突き込もうとするかのように自らを勢いよく、深々と埋め込もうとしていく。


273傍観者:2008/06/25(水) 23:09:34 ID:I6tj23Lc


 そして、ミサキはマサヒコの頭を自分の薄い胸で締め壊さんばかりに強く抱きしめ、マ
サヒコはミサキの細い腰は砕かんばかりに指を食いこませ、
「ヒィ、ア、ァ、ァ・・・ッ・・・・・・」
「ウァッッ!!」
 二人同時に苦しく、絞り出すような声をあげてイッた。
 達して一呼吸すると、ミサキの体から力が完全に抜ける。それをマサヒコは倒れないよ
うに背中に腕を回し、支える。腕は糸の切れた人形のように垂れ下がり、マサヒコの腕に
持たれるように後ろに軽く反りかえったミサキの姿。口からよだれを垂らし、その端正だ
った顔には、性の快楽を味わいつくした女特有の、呆けてたるんだ、淫らでどこか幸せそ
うな笑顔が浮かんでいた。
 しばらくそのままの体勢でいたが、
 (感じる・・・。)
 ミサキはまだマサヒコから脈動が伝わってくるのを感じた。自分の体力はもう限界だろ
う。しかしマサヒコが本当の本当に限界にいくまではまだ頑張らなくてはならないのでは
ないか。
「マサちゃん・・・」
 力ない腕をなんとか持ち上げ、恋人の頭を掻き抱きながらミサキは声をかけた。
「どうした、ミサキ?」
 そのままの体勢で顔を上に向け、ミサキの顔を見つめるマサヒコ。
「マサちゃんは・・・、自分の全部を出し切れる?」
「どういうことだ?」
「まだ、マサちゃんはセックスできるよね」
「・・・、もう無理じゃないかな」
 三連発は若くてもさすがに堪える。出るものも無いのではないか。
「違う、そうじゃないの。もう本当に倒れてそのまま気絶してしまうくらい、本当の全体
力よ」
「それは・・・、確かにまだできるかもな」
 今のマサヒコは惰性というか余力というか、そういうので軽く勃起したままの状態でミ
サキの中に収まっている。
「私はマサちゃんのおかげで、自分のほとんど全てをセックスで出し切れたと思う。全部
出して、全部マサちゃんに受け止めてもらって凄い幸せだよ。だからマサちゃんにも全部
を私にぶつけてほしいの」

274傍観者:2008/06/25(水) 23:10:06 ID:I6tj23Lc

 恋人を慈しむミサキの声と表情。憔悴しながらも穏やかに優しいその微笑は慈母のよう
に温かくマサヒコの心を包む。その気になってきたのか疲れたペニスにまた力が加わって
くる。だが、マサヒコはとまどったように。
「でも、大丈夫か?もう疲れきってるんだろ?」
 と告げた。これ以上の行為はミサキにとっては苦痛かもしれない。そうまでして自分の
欲望のありったけを吐き出すことに意味はあるのだろうか。
「私はマサちゃんの恋人だよ」
 軽くふくれっ面を作り、おどけたように答えるミサキ。
「だから大丈夫。マサちゃんの全部を受け止めるよ。だからお願い。私にマサちゃんの全
部をちょうだい」
「ミサキ・・・」
 マサヒコはミサキの覚悟の強さに、下手に心配などをした自分を恥じた。そして、挿入
したまま、ミサキの体をゆっくりとベッドに横たえる。ミサキの弛緩した四肢はそのまま
ベッドに広がった。
「じゃあ、ミサキ。俺の全部を、全力を、受け止めてください」
「はい、マサちゃん・・・」
 マサヒコも覚悟を決めた。本当に動けなくなるまでミサキへ性欲をぶつけようと。

 勃起したものを一度ミサキの入口近くまで引き出し、そして奥深くまで突き込む。疲れ
きったミサキからはこれまでのような締め付けは感じられない。ゴムの皮膜ごしに柔らか
な膣肉を感じる程度だ。そしてマサヒコの性器も疲れと慣れにより快感が麻痺してきてい
る。それでもマサヒコは続ける。

 シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、
パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュ
ッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ、シュッ、パッ


 今までにないほど速く、やみくもに、淡々と前後運動を続ける。ミサキを悦ばそうとす
るのでなく、ただ自分が絶頂に達しようとするだけの動き。激しい運動による疲れが浮か
び、その表情は苦行僧のようにも見える。
 前後運動をするたびに、ぅぅ、ぁぁ、本当に微かな喘ぎを漏らしていたミサキ。しかし、
その声がやや大きくなる。そして、ミサキの中に潜り込んだマサヒコの一部が徐々に締め
付けを感じるようになった。

275傍観者:2008/06/25(水) 23:10:40 ID:I6tj23Lc

 マサヒコの激しい動きは、自分が達する前に疲れきったミサキを無理矢理に三度目の絶
頂に導こうとしていた。もはや体力を使い果たしたミサキからさらに体力を搾り取ろうと
する所業。これではミサキに快感より恐怖と不安を与えかねない。そう思ったマサヒコは
行為をやめようかとも思った。
 だが、ミサキの表情は疲れ、苦悶しながらも拒絶するようには見えなかった。マサヒコ
を全て受け止めると決めた覚悟はどうなっても揺るがないようだ。それを見てマサヒコは
彼女の希望に応えるべく動きを継続する。
「ウー、ハー、ハー、ハー、ハー、ハー」
 ミサキの喘ぎがさらに激しくなる。弛緩していた腕にピクリと力が入った。
「ん、ううっ!!」
 ついにマサヒコが放出した。もはやごく薄い汁さえ出たかどうか分からない4回目の射
精。色濃い疲れの中にも性の満足感がある。動きを止め、全力疾走したあとのような荒い
息を放つマサヒコ。
(まだ・・・、動けるな)
 幸か不幸かマサヒコにはまだ余力がある。男のシンボルに再び力を込め、ミサキへの突
貫作業を再開する。
 激しいマサヒコの動きにより、またまた絶頂に追いやられようとするミサキ。さっき以
上にマサヒコがイクのは遅い。疲れた体をよじらせて喘ぎ、悶える。
「アーッ、アーッ、アアアッ!!!」
 ミサキ3度目の絶頂。その声は掠れた悲鳴のようにしか聞こえない。
 再び弛緩したミサキの体に淡々と突き込み続けるマサヒコ。かれの5回目の射精にはま
だ時間がかかりそうだ。


276傍観者:2008/06/25(水) 23:11:06 ID:I6tj23Lc

 どれだけの時間が流れただろうか。マサヒコはまだ腰を振り続けている。しかし、かな
り勢いは衰えている。
 大分意識が朦朧としてきた。今夜放出するのは次で7回目だったか8回目だったか。こ
の間にミサキを4回目の絶頂に追いやったのは確かだ。今のミサキの意識はどのような状
態なのか。完全に気を失っているか、それとも起きてはいるがぼーっとしているのか。あ
まりにも少ない反応からは読み取れない。
(次で・・・、本当に最後だ!)
 マサヒコは自分の体力の限界が近いのを確信していた。
(あと少し、あと少しで!)
 頭の中にこれまでのミサキの様々な痴態がフラッシュバックされる。それらが頭を巡る
たび、ここまで来るのに大変だったが、なんと幸せだったのかと実感する。
 そして、
「ううっ!!」
 最後の射精。一気に力が抜けていく。最後の最後、疲労困憊の中マサヒコはこれまでの
性行為にはなかったほど充実した気持ちだった。例えて言えば、普段が100メートルを全
力疾走した気分だとすると、今のはこれまでに歩いたことも無い長距離を完走し倒れ込ん
だような気分といったところか。
 ずっとミサキの中に入りっぱなしだった。自分の一物を抜く。そしてミサキと自分を最
後の一線で隔てていたコンドーム(よくここまで破けなかったものだ)を外し、捻ってご
み箱へほうる。
 そこまでが動ける限界だった。ミサキの横に汗だくの体を横たえた。
「ミサキ、終わったよ」
 起きているかどうかも分からない恋人に声をかける。
「うん、良かったよ」
 ミサキがごく小さい声で返答した。そして彼女はマサヒコの方に向き直り、彼にもたれ
かかる。マサヒコも彼女を包むように腕を回し、二人はそのまま深い眠りに落ちた(なお、
こういうことまで踏まえたうえでミサキ、及び裏で指示をだしたリョーコは金曜日を選ん
だのである)。

277傍観者:2008/06/25(水) 23:11:32 ID:I6tj23Lc
 同じ夜。

『ハァン、ア、行ク、死ぬ!アン、死んじゃう!イッちゃう!マサちゃ、アン!私イッち
ゃう!イク!イクから!』
『ああ、ミサキ』

 リョーコは前回ミサキが撮影したビデオを見ながらほくそ笑んでいた。演技無しの生々
しいセックス。出演者は二人とも若く、見目麗しい。しかも両方とも親しい知人である。
これほど興奮するエロビはそうそうあるまい。おかげでビールとつまみのサラミがとても
うまい。自分も体が疼いてくる。後でどうにか発散しないと治まらないだろう。
「これは本当に永久保存版ね。あ、念のため複製しておかないと」
 これからもずっとお世話になる大切なビデオだ。マサヒコにばれて捨てられたりしては
たまらない。
「けど、ミサキはうまくやってるかしらね〜ぇ。ビデオテープは・・・、まあ多分今回は
足りないでしょう」
 今回もミサキには特訓の成果を確認しなくては、と口実をつけてビデオカメラを持たせ
ている。おそらく、動き・体位にバリェーションに富み、時間も長いという第1作以上の
傑作が出来上がるはずだ。
「頑張りなさいよ。ミサキ、マサ。性の世界は奥が深いのよ。仲良く奥のそのまた奥まで
踏み入りなさい」
 最後に真面目に(?)気遣いを見せながら、リョーコはビデオを最初まで巻き戻した。

278傍観者:2008/06/25(水) 23:12:03 ID:I6tj23Lc
おまけ

ミサキとリョーコの特訓風景。

「まず、基本中の基本の性戯、フェラチオからよ。何をやるかはさすがに分かってるわね」
「・・・、はい」
「じゃあ、はいこれバナナ」
「・・・(ゴクリ)」
「これを舌でじっくりと舐めて溶かしていく」
「はい・・・、んっ、あふっ、んん、これれいいんれふか?」
「ダメダメ!力が強すぎてバナナが折れちゃったじゃない。舐めてマサヒコを気持ちよく
するの。力任せじゃダメよ」
「ふぁ〜〜い」



「今日は騎乗位の練習をしてみましょう」
「あの、どんなものなんですか?」
「まず、マサヒコが寝る」
「はい」
「で、アンタがマサの上に跨って」
「え?」
「マサの物の上に腰を下して自分の中に入れる」
「ええっ?!」
「あとは上にいるアンタが動いてマサを悦ばすの」
「そ、そんなのどうやって練習するんですか?!」
「はいこれ」
「?!な、な、な、なんですそれは!!」
「ディルドよ。張形って言った方が分かりやすいかしら。この二つ折にした敷布団をマサ
に見立てて、その上でこれを使って・・・」
「イヤです!そんなものを入れるなんて、ダメ、できない・・・」
「あー、嫌か。そうよね。やっぱもっとリアリティがないと。うーん、百合っぽいのは苦
手だけど、私がペニパンを履くから・・・」
「嫌、イヤ!もっと嫌!!」
「??よくわかんない娘ね。じゃあ、ディルドの代わりにこの極太サラミ(直径約5セン
チ)を使えば形も質感もリアルでいいんじゃない?」
「ちが、違うの!わ、わわ、私はマサちゃんに貞操を捧げたんです!だからマサちゃん以
外の物には体を許しません、たとえ練習でも!」
「テイソウ、なにそれ?春秋時代の中国にあった国の名前(鄭と宋)かしら?」
「ななな、何言ってるんですか?!ふざけないでください!!!」
「ヤメテ、闘気出さないで闘気。いや、ホントに分かんない。教えて」
「じゃあ辞書でも引きなさい!!」
「う、はい・・・。(ガサゴソ、ペラペラ)うーん、どれのこと?」
「丁壮、体相、低層、廷争、逓送・・・、え、無い?なんで?!」



「はい、そのくらいの高さで締め付ける!」
「ん、んんん!」
「あー、なんというか腰と腹には力が入ってるけど膣に力が十分に入ってない感じね」
「分かるんですか?その、今は実際にはなにも入れてないんですけど」
「私くらいになると、他の場所の筋肉の張り具合である程度分かるのよ。本当は膣圧計と
かで本格的にやりたいんだけどアンタは嫌みたいだし・・・」
「はあ・・・」
279傍観者:2008/06/25(水) 23:13:30 ID:I6tj23Lc
以上です。書くのは時間かかりますが、投下すると短いですね。残念だ。

次はマサ×リンで書けたらいいな(シチュがいまいち思い浮かびませんが)
280名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 07:16:50 ID:23kyCfec
乙です。久々に投下があってうれしいです。
281Y-275:2008/06/26(木) 07:38:00 ID:nYvzdNJd
傍観者氏、乙でございます。
っつか、昨日はミサキの誕生日だったんすね。
マサの7月1日は覚えてましたが苦笑
自分も後で、投下します。
282名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 10:19:30 ID:SbwR5Dv/
乙です
これからも期待してます


ベテラン陣がそろそろ復帰しそうな勝手な悪寒
283Y-275:2008/06/26(木) 23:11:59 ID:nYvzdNJd
住人、職人の皆さん今晩は。
投下します。

カップリングはマサミサです。

スルー対象ワードは

『絡みがマンネリ気味』

『キス描写被りすぎ。』

『本編やや改変気味』

です。

それでは、
284Y-275:2008/06/26(木) 23:15:26 ID:nYvzdNJd

「おこた出したんだ。」

部屋に入って来てマサヒコの部屋の変化に気付き声を上げるアイ

「ええ、もう寒くなってきましたからね。」

「…でも、それだと一人余っちゃうね。」

その時、マサヒコの頭には朝見た占いの『あなたも親切で返せば気になる人との急接近があるかも』という言葉が浮かんだ。

「それなら俺がミサキと一緒に入りますよ。」

そうマサヒコが答える。

「それなら私がそっち行くよ」

「いや、良いですよ。ミサキと一緒に使います。」

「いいから、いいから。」

「いや、ホントに結構です。」

マサヒコの言う言葉も我関せず。アイはマサヒコの上に座った。

………………………………

それから数分後、リョーコ、リン、ミサキがやって来た。
その場にはやる気満々でマサヒコの上に座るアイとやる気なく成すがままのマサヒコがいた。

「この時期はやっぱりそれね。」

「出演料教師!!」

「姦淫!!」

部屋に入って来た3人のそれぞれのコメントだった。

………………………………

それから数分後、アイはマサヒコの横に座り直し勉強が始まった。
受験も近いということで滞りなく黙々と続いていく授業。
と、そこで、唐突にリョーコから先程の事に対する問いが投げ掛けられる。

「ところで何でさっきアイはマサの上に座ってたの?」

「普通にこたつに入ると一人あまると思ったんですよ。」
285Y-275:2008/06/26(木) 23:19:11 ID:nYvzdNJd
「そうそう。それで、マサヒコ君最初はミサキちゃんと入るって言ってたんですけど、それならって私がそっちいったんですよ。」

「ふーん」

何で横じゃなくて上なのか?
リョーコとしてはそれはそれで面白かったし流石はアイ!!なんて思いスルーした。

だが、しかし、今のやりとりの中でどうしても不可解な点が一点ある。リョーコはそこにツッコミをいれる。

「…マサ」

リョーコが口を開く

「なんで、ミサキちゃんなの?別にアイでも、問題なかったわよね?」

「あ、そういえば、マサヒコ君最初私がそっち行くって言ったら頑なに断ってたっけ。」

「そこまでして、ミサキちゃんと入りたかった理由はなんなのかしらねぇ?」

リョーコはしてやったりといった顔でマサヒコを見る。

「他意は無いですよ。ただ、今朝見た占いでそうすると吉ってやってたんで。」

マサヒコのうまいこと追求の手をかわす答えを聞いてリョーコはちっと軽く舌打ちをしてしかめっ面をする。

「マサ君も見たんだ。私も見たよ。」

その言葉を聞いてミサキが声を上げる。心なしか顔が赤いのはきっと一連のやり取りのせいだろう。

「私もみたよ〜。二人とも今日一位だもんね。」

「私も見ました。あれだよね?今日は異性に優しくすると運気アップなんだよね?」

こと占いの話となると女性陣の会話に花が咲く。
先程までの受験生の空気がどこへやら。といった感じである。

「そうなんですよ。優しくされて親切で返すと気になる人との急接近もあるみたいな…」

「ちょい待ち。マサ。」

先程から面白くない感じのリョーコだったが今の会話を聞いて息を吹き返した。
286Y-275:2008/06/26(木) 23:20:32 ID:nYvzdNJd
「それでミサキちゃんにこだわったわけね。マサの気になる人ってミサキちゃんの事だべ!?」

「なっ!?」

マサヒコがひきつった顔を浮かべる。

「なんで、ミサキちゃんにこだわるか何か腑に落ちなかったのよね。今の占いの内容を聞いてわかったわ。」

マサヒコは口をパクパクさせながら何も言えずにいる。
さらにリョーコは畳み掛ける。顔に張り付いてるのは得意の小悪魔スマイル。

「これは、もう告白したも同然ね♪で、ミサ…ありゃ、こっちも駄目か。」

ミサキはミサキでマサヒコ同様真っ赤な顔で口をパクパクさせている。
そんな二人を見て苦笑する二人+?印を浮かべる一人。

「じゃあ、今日はリンの家でやりましょうかね。」

「そうですね。今日はマサヒコ君勉強難しそうだし、また後日埋め合わせる事にしましょうかね。」

「えー。まだおやつも出てないのにですか?」

「まぁ、良いじゃない。たまには。この場は若い二人に任せておけば大丈夫よ♪」

楽しそうに言うとさっさと荷物を持って立ち上がるリョーコ。
いつの間に片付けたのかアイとリンコもそれに連なる。

「それじゃあね。経過報告と避妊は忘れないようにね♪」

「それじゃあね、マサヒコ君、ミサキちゃん。うまくやってね。」

「バイバ〜イ」

マサヒコとミサキが固まってから三人が出ていくまではあっという間の出来事だった。

………………………………

しばらくの沈黙が降りた二人の部屋で、先に口を開いたのはマサヒコだった。

「全く、あの3人も何を言い出すんだか。アイ先生なんか授業ほうり出しちゃってるし。」

「あ、あはは、そうだね。」

しかし、会話は繋がらない。
すると今度はミサキから問い掛ける。

「ねぇ、さっきの話ってさ…」
287Y-275:2008/06/26(木) 23:22:39 ID:nYvzdNJd

「ん、ああ、気にすることは無いさ。占いでだよ。」

「気になる人ってのは私の事なんだよね?」

「うっ…」

リョーコたちに加えて、ミサキにまで問い詰められてもはやマサヒコに逃げ道はなかった。

「どうなのマサ君?私の事が好きなの?」

真剣にマサヒコを見つめるミサキ。その瞳は不安からかわずかに揺れ動いている。
暫くの沈黙の後、マサヒコが口を開く。

「…俺は、ずっとミサキの事が好きだよ。」

マサヒコの口から紡がれたのはミサキの望んだ言葉だった。

「もう、いつからかなんて俺も正確には覚えてないけど、ミサキの事が好きだ。」

「マサちゃん…」

そこまでのマサヒコの話しを聞いてミサキには何の躊躇いもなかった。

「私もマサちゃんの事が好きだよ。」

「…そうか。ありがとう。」
ミサキから返された言葉に短く礼を言うとマサヒコが続ける。

「本当はさ、受験が終わってから言うつもりだったんだ。
前までは、ミサキに嫌われたくなかった。だから告白出来なかった。
少なくとも友人関係のままならミサキに嫌われることは無い。だけど、最近周りにカップルが増えて来て、このまま誰かがミサキと付き合ってしまうんじゃないかって今度は不安になったんだ。」

マサヒコは少し自嘲気味に笑うと

「馬鹿だよな。ミサキは自分の物なんかじゃないのに、自分の我が儘で関係を作って、今度は別の事が不安になってだなんてな。」

そこまで言って口を閉じる。
今度はミサキが答える。
288Y-275:2008/06/26(木) 23:24:26 ID:nYvzdNJd

「そんなことないよ。昔から私はマサちゃんの物だったんだよ。
小さい頃マサちゃんと結婚の約束をしてからずっと。
ずっと私はマサちゃんが言い出してくれるのをただ待ってた。」

「ミサキ…」


ミサキの言葉を聞いて、マサヒコに迷いは無かった。

「こんな俺だけど、弱虫で優柔不断な俺だけど、俺の彼女になってくれないか?」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

たおやかな見てる全ての人間を引き込むような魅力溢れる微笑みとともにミサキはマサヒコの思いに答えた。

その後、ミサキは当初マサヒコが望んだようにマサヒコの入っている所へと移動した。
直ぐにでも触れ合えるような距離で二人は何をするでもなくただ黙っていた。

ただ、そうしていることが二人の距離を縮めるような、そういった感覚を二人とも覚えながら。

………………………………

そんな時間が数分続いた後ミサキが口を開く。

「ねぇ、マサちゃん、キスしようか?」

マサヒコの返事は待たずにミサキがふっとマサヒコの唇に自らの唇を重ねる。

「えへへ、ファーストキスだね」

頬を紅く染めつつも、どこか面白がっているような、しかしながら、恋人に甘えるような口調でミサキが言う。

「まだ、何にも言ってないんだけどなぁ。まぁ、良いや。今度は自分の意思でさせてもらうから。」

先程ミサキがしたように、返事を待たずにミサキの唇に自らの唇を重ねるマサヒコ。

マサヒコも頬を紅らめながらも楽しんでいるような顔をしていた。
289Y-275:2008/06/26(木) 23:25:34 ID:nYvzdNJd
それを受けて、またミサキがキスのお返しをする。
それにマサヒコがまたキスで返す。
二人はまるでじゃれあうようにキスを続ける。
唇だけでなくミサキが頬にキスをすればマサヒコも頬に。眉間にキスをすれば眉間にといったように繰り返す。
そんなやり取りを長く続けるうちに、二人のキスは触れるだけのものから啄む様なものへと変化していた。

………………………………

幾度目かの唇と唇のキスが終わる。
今度はマサヒコが反撃を試みた。常にミサキ先攻で続いていた一連のやり取りを変えるように、マサヒコは唐突にミサキの首筋にキスをする。

「んっ…」

堪らずに声をあげたのはミサキである。
ミサキの性感が特に強い首筋は唐突に受けたマサヒコからの口撫に強く反応した。
ただでさえキスを繰り返していたことにより、興奮状態だったミサキは断続的に甘い息を吐き出す。

「んっ…ふっ…駄目だよ、マサちゃん。首筋…っふん…はよ…わいんだから…あっ」
その言葉に気をよくしたのかマサヒコは執拗にミサキの首筋にキスを続けた。

「ちょっ…ん…ふ…もう、手に力が…入ら…なふぁ…」

ミサキはそう声をあげると支えていた手の力が抜けた。
自然とマサヒコが押し倒したような体制になってしまう。

「わ、わりぃ」

マサヒコが言う。

「もう、弱いんだから辞めてって言ったのに。」
290Y-275:2008/06/26(木) 23:27:05 ID:nYvzdNJd
そう言って頬を膨らませるミサキ。しかし、その表情には怒った様子は微塵も感じられなかった。
そして、また幾分か静けさが戻って来た部屋で、今度はマサヒコが沈黙を破る。

「この先はさ、ミサキは嫌?」

この先…マサヒコが指したものを理解するとミサキは首を横に振る。

「マサちゃんとだもん、嫌じゃないよ。それにね、さっきから沢山キスをしてたらキスがすごく気持ち良くて…」

ミサキの口からは否定の言葉が紡がれる。

「ただね…」

「ただ?」

ミサキに言われマサヒコも返す。

「いや、こたつの中でってのはちょっと抵抗あるなぁ…」

「あっ!」

マサヒコも思わず声を出す。

「全くロマンチックさのかけらもないんだから。」

ミサキはまた頬を膨らませる。今度はよりありありとマサヒコに甘える様が現れている。

「そのなんだ…ええと…ベッドに移動しようか。」

マサヒコは真っ赤になりながらそれでもしっかりとミサキに問い掛ける。

「うん…服も脱いだ方がいい?」

その言葉を聞いてマサヒコはさらに真っ赤になる。

「冗談だよ。マサちゃん。さ、立って、私が移動できないよ。」

もう、ミサキの方が覚悟を決めているのか、マサヒコを促すと静かにマサヒコは立ち上がった。
291Y-275:2008/06/26(木) 23:29:27 ID:nYvzdNJd

………………………………

「ちゅっ、ん、はっ…」

ベッドへと上がり、2人は改めてキスを交わしていく。

ちゅっ、ちゅっと断続的に部屋に響いていたキスの音もやがて途切れる。

その後に響くのは、

「ふっ、はっ、んふ、ん…」

深いキスへと移行し、互いの息を吸う際の若干息苦しげな呼吸音のみ。

ディープキスへの移行はどちらかが望み、言い出した訳ではない。

強くSEXを意識し、その上でのキスが互いを昂ぶらせていった結果どちらからともなく伸ばした舌にもう一方が応えた結果始まった行為である。
ミサキはうっとりと、マサヒコはまるでそれが礼儀であるかのように目をつぶり互いを求めた。
暫くした後、まるで示し合わせたように二人は顔を離す。
二人の間には濃い唾液の混じり合った橋が掛かっていた。

顔を紅く染め、ミサキが言う。

「キスがこんなに気持ちいいものだったなんて、ホント知らなかったな。」

そして視線で既にいきり立っていたマサヒコのペニスを捉えながらマサヒコに問い掛ける。

「マサちゃんも気持ち良かった…?」

ミサキにとっては、マサヒコと互いに感覚を共有した事を確認する行為。
もちろん、マサヒコの解答は

「ああ、俺も気持ち良かった。」

ミサキの望んだものであった。
292Y-275:2008/06/26(木) 23:30:38 ID:nYvzdNJd

その会話の後、再び二人は顔を近づけていく。

再び互いを求める。自然と強く抱きしめるように伸びた手は徐々に摩る動きへと変化していく。

ただ、互いの全てが愛おしく、互いの距離を限りなく無くすかのように。

「んっ…っふ、ん、あぁ…あ」

その行為は既にキスで昂ぶり始めていたミサキの口から艶のかかったくぐもった声をあげさせるのには充分で、マサヒコも更なる昂ぶりを感じ、手つきは淫らなものへと変化していく。

自然と手は慎ましやかなミサキの乳房へと触れていく。
同時にマサヒコのキスはミサキのいたる所へ降り注ぐ。時には甘く歯を立てながら。
耳たぶへ、首筋へ、額へ、頬へ、指先へ。

ミサキはその行為を受け入れていく、快感に支えられなくなった自らの身体をベッドへと横たえながら。

マサヒコのキスはなおも降り注ぐ。

ミサキの臍へ、ミサキの下腹部、薄く生えた淫毛の生え際へ。そして、そこからマサヒコは北上して乳房へとたどり着く。

自らの乳房が回りの女子達のそれより下回っている事に、ミサキがコンプレックスを抱えている事をマサヒコは良く知っている。

それならばと、今までの数倍もの時間と自らの技量でもってそこに愛撫を加えていく。

まずは下乳と腹の境目辺りに舌をはわす。
舌が這った後を今度はキスでなぞっていく。
左手で開いた乳房を揉みながら、右手はミサキの腹の側面を淫らに撫であげる。
293Y-275:2008/06/26(木) 23:32:12 ID:nYvzdNJd

「ふっ…んぁぅ」

控えめながらも確かに反応を返すミサキ。

その反応を良しと見るや、徐々にその唇をほのかに色づく乳首へと移動していくマサヒコ。

しかしながらなかなか乳首に直接の口撫は施さない。
マサヒコは焦らすことを選んだ。

時間が経つにつれ、その効果はありありとミサキに現れていく。

目は潤み、若干のもどかしさと切なさを湛えながらマサヒコを直視する。

「んっふ…アッん……、ふわっ、わ、わた…しもんっ…う。」

ミサキの切なさと快楽に震える声にマサヒコは仕上げを行う。

今まで散々避けていた乳首に、甘噛みというには強く、しかしながら噛み付くと呼ぶには弱い口撫を施す。左手でもう片方の乳首をしごきあげながら。

散々焦らされたあげく、突如与えられた刺激に

「んっ、ふっ、あ、あああ」

一際大きな嬌声をあげ、ミサキは身体を反らす。

乳房のみで達したということはさすがに無かったが、ミサキの快楽の意識を一段階持ち上げるのには充分だった。

………………………………

チュ、チュ゙、ズ、ジュ…

暫くしてマサヒコは直にミサキの性器を解していく。

指を最初は1本から、2本にふやし、掻き交ぜるように、しかしながら、傷つけないよう細心の注意を払いながら。
同時にミサキのクリトリスに口撫を加えていく。

「ん、ふぁああ、ん、あ、あ、マ…サん、あぁ!!」

ミサキはそれを嬉々として受け止め、大きな声で喘ぎ声をあげながら、自らの愛おしい人の名を呼ぶ。
294Y-275:2008/06/26(木) 23:33:20 ID:nYvzdNJd

「ああ…んあぁぁ、ま、ふぁっ、…んああ、マサちゃ…も、もう…ふっ、あああ!!」

快楽に弄ばれながら、自身の限界を訴えるミサキ。その直後。

「あぁぁあ、あ!!」

ピクピクと身体を跳ねさせる。

今度こそ絶頂に達したミサキはしばし肩で息を整える。

数瞬ののち、ミサキは言葉を紡ぐ。

「こ、今度はわたしが…」

快楽の余韻が残る声を出しながらそういうと、マサヒコのペニスに手を伸ばしていく。

今までミサキに対してマサヒコが行っていた様にやさしく、愛でるように触れていく。
そうこうするうちに、ミサキは顔を近づけ裏筋から、カリ首に向けて啄むようにキスをしていく。
亀頭までキスをすると今度は下から舐め上げる。

「う、あ…」

マサヒコは堪らず声をあげてしまう。

その反応にミサキは自らが受け入れられている事を強く感じ、真っ赤な舌を出しながら、マサヒコのペニスを舐めあげていく。

丹念に優しく、しかしながら、確実にマサヒコのツボを抑えながら。

「う、あ…」

ミサキの責めに思わず声をあげるマサヒコ。

さらにミサキはマサヒコのペニスを口に含み、盛大に舌を動かす。

亀頭に舌をこすりつけるように。

マサヒコも初めてだった為、その刺激には耐えられず。
ミサキの口内に自らの性を撒き散らす。

マサヒコも初めての割にテクの方はかなりのものがあったが、ミサキの方もそこに関しては負けず劣らずなのだった。

………………………………

「ミサキ…挿れるよ?」

「うん、マサちゃん…」

ミサキの口を拭い、マサヒコの復活を待ち、マサヒコは改めてミサキの脚の間に座する。
ここまで散々行為に及んできた二人だが、いざ本番を控え、その不安を払拭するかのように互いの名前を入れ声をかける。

そのやりとりの後、マサヒコはあてがった自らのペニスに徐々に圧力を加えながらミサキに挿入していく。
295Y-275:2008/06/26(木) 23:35:06 ID:nYvzdNJd


「ふぁ、あああ…っっ!!」

最初は前戯の余韻からか多少ミサキの声に甘いものは感じられたものの、推し進めるにつれてその声に痛みが混じってきたのがわかる。

ミサキが、自らの恋人が、痛みに震える姿にマサヒコはどうにか痛みを和らげたいと思った。最も初めてとは思えないような責めを披露したマサヒコをしても、そんな努力が自分に出来るのかなんてわからなかったが。

それでも推し進めたペニスはその全てをミサキの中に納める。

「はいったよ、ミサキ。」

「…んっ、ふ、はあっん、ふぅ、はぁ」

マサヒコの声に対してミサキはただ、痛みを耐えるような声を出すのみ。

そんなミサキの姿にマサヒコは最後までしてしまったことへの後悔の念を感じる。

マサヒコは不安そうにミサキの顔を眺めながら、しばしの沈黙を余儀なくされた。

そうこうしてるうちに、落ち着いたのかミサキはマサヒコの首筋に手を絡めながら抱き寄せていく。

「さ、最初は、…みんな痛いものなのでしょう?
大丈夫だ…よ。今までは二人とも痛みを感じ…っ!ないように逃げながら歩んできたんだか…ら、
初めてのこの痛み、私は覚えておきたい…の。動いて、マサちゃ…ん。」

完全に密着した状態での耳元での呟き。マサヒコはミサキの表情を窺い知ることは出来ない。
しかしながら、ミサキと触れた頬には確かに液体が流れているのを感じた。

その涙が痛みなのか何なのかはマサヒコにはわからない。
しかし、マサヒコは痛みに耐えながらマサヒコを想うミサキに、その決意に、答えようと思った。
296Y-275:2008/06/26(木) 23:36:55 ID:nYvzdNJd

何も言わず一度ミサキに唇を落とすと、口を開き、舌を絡めながら静かに抜き差しを繰り出していく。

ズッ…チュッ…

ゆっくりと確実に自らの存在をミサキに刻み込むようにピストンを繰り返していく。

同時に上半身の至る所へキスをしていく。

「はぁ…ん、ふぁ…マサちゃん…はぁ、…」

やや痛みの余韻の残るミサキの声であるが、やや艶っぽくはなってきた。
それを受けて、より丁寧に、もう一度快感を引き出すように、キスをし、舌を這わせ、甘噛みをしていく。

「は、ふぁっ……あ、あ、す、すご…こんふぁ…のわたし」

マサヒコの繰り出すピストンに慣れてきたのか、徐々に緊張が解れてきたのか、ミサキの声に快感の甘さが戻ってくる。

「はっ、…ふぁっ…ん」

マサヒコの規則正しいピストンに確かな声をあげるミサキ。

(でも、もっと…)

もっとミサキを良くしてあげたい。自然とマサヒコはそう思った。

「んっ、はひ、ふぁ、あ…」

刹那、マサヒコはミサキのクリトリスへと手を伸ばす。
297Y-275:2008/06/26(木) 23:38:29 ID:nYvzdNJd

ビクンと大きく身体を跳ねさせながらミサキが反応する。

「そ、…それはだ…め、おか…しくなっちゃう。あ、あっ……ひあああぁ」

膣の内壁を掘り起こすように出入りする固くなったペニスが愛液を撹拌して、凄い音をたてはじめる。

「ミサキ…たくさん、汁が出てるよ」

「やぁぁぁ…ふっ、く、音たてないでぇ、んあああぁ」

ミサキの膣内はマサヒコを容赦無く締め付け、互いを限界まで追い込む。2人ともにぞくぞくとした快感が背筋を駆け抜ける。

(くっ…もう)

マサヒコは自身の限界を感じ、ミサキにそれを告げる。

「ミサキ、お、おれ、もう…出そう」

「はっ…あっ…あっ…ふぁ!!あ、あ、あぅ…はっ」

マサヒコの言葉にミサキはただ喘ぐのみで何も答えない。

マサヒコは限界を感じ自らのペニスを引き抜こうとする。
次の瞬間、ミサキはマサヒコの腰に両足を絡め、引き寄せた。

「ちょっ、ミサキ…俺もう、限界。」

マサヒコの腰は止まらない。

「あっ…んっ…ふぁ、あっ、マ、サ…ちゃん、あっ、あっ、なか、…んぁっ、私の…ふあああぁぁっ!!」

「くっ……」

呻き声のような声をあげて、マサヒコはミサキの中に思い切り精を放った。

「熱っ…あっふ…でて、る…あっ、あん…ん」

射精は一度では収まらず、ミサキの身体がびくんと跳ねる度に連鎖反応のように続く。

「……はぁ……はぁ…っぁ」

下腹部から身体全体に拡がるような振動がミサキの身体を走っていく。

それを感じいたわるようにマサヒコは下腹部を撫でながらミサキに声をかける。
298Y-275:2008/06/26(木) 23:39:48 ID:nYvzdNJd
「ミサキ、大丈夫?」

「……うん。」

それだけ答えるとミサキは再びマサヒコを抱き寄せた。

………………………………

後始末を終え、二人は暫くベッドの上で余韻に浸った後、勉強を再開させていく。

「ねぇ、マサちゃん?」

「ん?」

手を止めミサキが声をかける。

「これからもずっと一緒だよ。」

それだけ言うとミサキは移動してくる。

マサヒコの入っている側、当初、マサヒコがミサキを…と望んだ場所へ。

「えへへ、暖かい…」

等と呟いてマサヒコの肩にもたれ掛かる。

「確かにな。」

一言だけマサヒコは返事をすると、ミサキの肩に手をかけ、抱き寄せていった。
299Y-275:2008/06/26(木) 23:48:49 ID:nYvzdNJd
以上です。

なにはともあれ一日遅れですが、ミサキチ誕生日おめでとう。ということで。
あと、この事実を知らせてくださった>>269氏も誕生日おめでとうございます。

『幼なじみ』とか、『甘〜い』とか使うとエ作板からなにか飛んできそうなので、タイトルは無難に

『マサヒコの女運引用ミサキルート』

でお願いします。
それでは、駄文乱文失礼しました。
失礼します。
300ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/27(金) 00:43:41 ID:OZsWgKPx
傍観者氏、Y-275氏お疲れさま&GJです。

あまりに仕事が忙しくて滞ってましたが、マサヒコの誕生日前後には何とか短めでも一作投下出来ればと思っています。
では生徒会週マガ移籍とスレのこれからの発展に期待を寄せて



徹夜で仕事します。
301名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 12:10:30 ID:I17k51eV
Y275氏GJ!
302名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 21:38:55 ID:YBux2RKS
相変わらずGJです。しかも投下ペースが速い。
303名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 07:10:37 ID:jpmUVPO1
まさに二代目アジアンエキスプレス
304郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:08:11 ID:l0THglmL
はい、どうも郭です。
>>Y275氏にGJですよ。久方ぶりの大型新人、すばらしい。
あとWiki保管庫、すごいです!!これは!!
書き手としてはただただ感謝。励みになりますよ、マジで。
ところでですが、全然規制が解除されません(涙)。
出張ついでに、アヤナ帰国SSの最終章投下。では。
305郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:08:49 ID:l0THglmL
「そろそろ戻ろう、若田部。多分みんな、待ってるから」
「うん………」
炎が消えるまでを見つめ続けていたふたりは、ようやく、絡め合っていた指先を離した。
それでも、アヤナの指先にはマサヒコの体温が残っていたし、
マサヒコの指先にも。確かに、アヤナの体温が残っていた。
それがとても不思議なことだと―――ふたりはなぜか、そんなことを考えながら屋上を後にした。

「おう、マサヒコ?実行委員の後かたづけ、終わったか?」
「ん、今終わったとこ。悪かったな、和田。教室の片づけ任せちゃって」
「ま、いいって。どうせ残りは明日やるんだし」
教室に戻ると、いち早く和田君がマサヒコに声をかけてきた。
「アヤナ〜〜?ねえねえ、教室かたしたらさ、みんなで打ち上げ行こうって言ってるんだけど?」
「あ、良いね!柴原さん!」
マサヒコから少し遅れてアヤナも戻り、すぐに柴原さんがアヤナに声をかけた。
(悪い………柴原、和田)
マサヒコは、無言で感謝していた。和田君も、柴原さんも。
クラスの他の人間が、マサヒコたちをからかう隙を作らないように素早くフォローしてくれている。
そのことに、もちろん気付かない彼ではなかった。
「わ〜〜い、いこいこ♪アヤナちゃ〜〜ん、アイ先生も中村先生もね、来てくれるんだって♪
みんなでカラオケ行こッ♪えへへ、ね?杉内くんもね♪」
「行く行く、行くなっていっても無理矢理行く!!行きましょうって、若田部さんも!」
「なぁ、杉内?殴って良い?」
“バキッ、ドカッ、ボスッ!”
「あは。あはははは、痛くない。痛くないよ?なんでだろう?」
あっという間に、フクロにされる杉内君。そして。
「だいじょうぶ〜〜?すぎうちくん?ほ〜〜ら、痛いの痛いの、とんでけ〜〜♪」
「ああッ!本当に、痛くない!!」
“ボスッ、バキッ、ドカッ!!”
今度は合図も無しにクラスメイト一同にボコボコにされる杉内君だが、
リンコはなぜかそんな恋人の様子をニコニコと見守るのであった………て言うかリンコ、なにげに酷い。
「ま、良いから、じゃあ片づけもうすぐ終わりそうだし、行くか?みんな」
「「「「「おう!」」」」」
マサヒコの言葉を合図に、2-Aの有志面々は教室を後にした―――

「♪〜〜♪〜〜♭♯」
「おし、次、濱中さん!お、俺と一緒にお願いします!」
「コラ、大野!抜け駆けすんな!」
「まあまあ。じゃ、三人で一緒に歌う?大野君、佐々木君?」
「はい!」
「ぜひ!」
結局男女20人ほどの生徒にアイ+リョーコというメンバーで駅前のカラオケボックスに集合すると、
大部屋ふた部屋に別れての打ち上げ会がすぐに始まった。
「しかし濱中先生、大人気ねえ………」
「あの人の胃袋を知れば引く奴もいるかと思ったが」
「正直、俺もあれはドン引きだった」
「お前が正常だよ、和田」
マサヒコは意識的にアヤナと別部屋に入っていた。柴原さんに和田君、それにアイという面々だが、
そこでは既に男子生徒によるアイの争奪戦が始まっていたのであった。
「しかし柴原?ここの支払いとか大丈夫なのか?」
「あ、それ大丈夫。中村さんがさっきお金は任せなさいとか言ってたから」
「それ、本当に大丈夫か?言っとくけど、今日の売り上げに手をつけるとかは無しだからな?
あれ、まだ精算が済んでないって杉内が言ってたし、明日には実行委員会で売り上げ報告が」
「だから大丈夫だって。ここだけの話よ?なんでも森脇先生にカンパしてもらったって」
「?カンパ?」
「うん、なんでも森脇先生と中村さんって昔からの知り合いだとかで、お願いしたら快くカンパしてくれたって」
306郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:10:03 ID:l0THglmL
(快く、ねえ………)
なんとなく副担任教諭・森脇の顔を思い浮かべて気の毒に思うマサヒコだが、
それもどこか自業自得と思ってしまうところもあったりして。
「ね〜〜ね、しばっち!歌おうよ!」
「あ、いぐっちゃん、じゃ、歌う?歌っちゃう?歌っちゃえ!」
あっさりと井口さんの誘いにのってマイクを握りしめる柴原さんを、苦笑しながらマサヒコは見守る。
そしてごく当たり前のように和田君がマサヒコの隣に移動してくる。
「で、大丈夫だったか?マサヒコ」
「………大丈夫だったよ、なんとかな」
「そうか…………」
複雑な表情を浮かべる友のことを見て、和田君もそれ以上は聞かなかった。
その後はタンバリンを叩いたり、歌っているクラスメイトを囃し立てたりと、
いつもクールな和田君にしては珍しいくらいにはしゃいだ、振りをしていた。
それは、彼なりの優しさだと―――マサヒコは、思った。
「わ〜〜〜い、歌い疲れちゃったよ、マサヒコ君!」
「正確には食い疲れもあるんじゃないですか、先生」
「あ、ひど〜〜い!」
ちょっとむくれて見せるアイだが、テーブルに広がる跡形もなくなったピザやらパスタやらの皿、
それに空の丼等の数々を見れば、説得力などなくなってしまうわけで。
「しかし………すげえですね、相変わらず」
「へへ、最近のカラオケはフードメニューも充実してるんだよね♪」
「はあ。で、どうします?まだなんか頼みます?」
「そうね〜〜、じゃ、ミックスピザのLを」
「ドリンクじゃないんですね、やっぱ」
「追加で三枚お願いね♪マサヒコ君」
((((まだ食うんかい!!!!!!!!))))
アイの驚異の食欲にさすがにひっくり返る面々だが、アイはいつもどおり満面の笑みなわけで。
「はい、じゃ、ピザの追加で。はい?ええ、ミックスをLサイズ、三枚です。はい。お願いします」
そしてもはや慣れっこのマサヒコは、淡々とフロントに注文を伝えるのであった。
「ねね、マサヒコ君は歌わないの?」
「いや、ホラ、俺音痴ですし」
「も〜〜う、相変わらずなんだから。はい、じゃ、私とデュエット!」
「………だからですね、先生?」
「イヤなの!そういうの!マサヒコ君も、一緒に楽しまないと、私はイヤなの!」
マサヒコの腕をとり、ダダをこねるように揺らすアイ。その仕草はとても可愛らしいものだった。しかし。
「??………あ!先生、飲んでますね?」
いつもよりちょっとほの赤い目許と、いつもよりちょっと甘えた感じのアイを見て、気付いた。
そう、マサヒコの言うとおり、アイはほろ酔い加減で上機嫌に出来上がっていたのだった。
「大丈夫〜〜〜他のコには飲ませてないから」
「そういう問題じゃ!柴原!お前なあ、先生の近くにいたんだったら」
「いいじゃん、濱中先生は未成年ってわけじゃないんだし」
「………あのなあ」
「歌おうよ〜〜へへ、マサヒコく〜〜ん」
「はぁ。分りましたよ、しょうがないな……」
諦め顔で、マサヒコはアイから渡されたマイクを手にする。その様子を見てにっこりと微笑むと、
アイは先にスポットライトの下へと移動していた。
「マサヒコ、うらやますぃ〜〜!!」
「ひゅ〜〜ひゅ〜〜!!アイ先生!!」
周囲の声に押されるように、マサヒコはアイの横に立つ。
「で、先生?どの曲入れたんですか?」
「えへへ、前も一緒に歌ったことあるから、マサヒコ君も大丈夫だよ」
「はあ……あ、この曲ですか。はは、懐かしいっすね」
マサヒコも、その曲名を見るとつい頬が緩んだ―――そう、その曲は、あの日。
合格発表を見に行った後、みんなでカラオケボックスに行ってアイと一緒に歌った歌。
「………あの頃は」
307郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:10:58 ID:l0THglmL
「え?」
「毎日が、すごく楽しかったよね、マサヒコ君」
「………はい」
アイの表情は、その言葉と裏腹に、ほんの少し寂しげなものだった。
彼女の思いは、マサヒコにも分っていた―――分っていても。
「じゃ、行くよ!マサヒコ君!」
「あ、はい!広い宇宙の、数あるひとつ、青い地球の、広い世界で………」

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「………ほぉら〜〜〜♪ほぉら〜〜♪ほぉおらぁぁ〜〜〜♪ひ・び・け!恋のう・たぁ!!」
曲を歌い終えると、アイとマサヒコは微笑みあいながら見つめあい、ハイタッチを交わした。
どこかほのぼのとした師弟のそんな様子を、クラスメイト達はやんやの喝采で迎える。
「お〜〜〜、小久保君意外に上手じゃん!」
「濱中先生、プリティっす!!!!」
「えへへ、ありがと〜〜〜♪」
「あんまからかうなって、お前ら………」
照れるマサヒコと笑顔のアイ。ふたりは舞台から降りると、隣り合ってシートに座り込む。
「お疲れ様でした♪マサヒコ君」
「はぁ。あ〜〜あ、でも今日は歌うつもりなかったのにな」
「私と歌うの、そんなにイヤだった?」
「!あ、ち、違いますって。あの、俺はやっぱ人前で歌うのはあんまその、苦手っていうか」
「ふふッ、知・っ・て・る!」
「………勘弁して下さいよ、先生」
相変わらずのマサヒコ&アイ。ふたりは、姉弟のようで、恋人のようで、やはり教え子と家庭教師なのだった。
“♪♯♭”
「あ?メールって……すいません、先生。ちょっと」
慌ててマサヒコが携帯を開けると、そこには。
<From:若田部><Sub:今外にいます><来て下さい。話が、したいです>
(…………若田部)
アヤナからのメールを見て複雑な表情を隠せないマサヒコ。
アイはそんな彼の様子を見て、既になにがあったかを、察していた。
(マサヒコ君………)
そして、アイは。マサヒコの耳元に唇を寄せてきて。
(??)
ほんの少し漂うアルコールの湿った匂いと、それと混じったアイの薫りが、して。
「行ってきなさい、マサヒコ君」
「え?せ、先生?」
「まだ、答えが出てないって顔してる。そんな君の顔、見たくないな………私は」
「先生。でも、オレ」
「いいから、行け!マサヒコ!」
突然立ち上がると、アイはマサヒコの頬をぱん、とひっぱたいた。
「!イテッ!な、なにするんすか、先生?」
「行け!マサヒコ。ゴチャゴチャ考えるな!」
「…………はい」
今日二度目だな、と苦笑しながらマサヒコはアイに送り出される。
もちろん柴原さんと和田君も、彼を見ていた。そしてふたりは、顔を見合わせて、頷く。
「??どうしたんだよ、マサヒコの奴」
「ねえね、しばっち?小久保君どうしたの?」
「あははは、彼女からお呼びがかかっちゃったみたいね」
「あ、噂のミサキちゃんから?」
「あ〜〜あ、いいな〜〜、モテ男君は」
「ひがむなって、湯上谷。俺らはもうちょっと盛りがっとく?」
「「「「「「おう!!」」」」」
仕切り上手コンビにより、マサヒコの脱出劇はさほど騒がれずにすみ、宴は続くのだった―――
308郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:11:42 ID:l0THglmL
「あ………ゴメンね、小久保君」
「いや、良いよ」
カラオケボックスを出ると、そこには商店街の灯を背にしたアヤナが佇んでいた。
いつもの言葉を発さずとも、いるだけで。そう、ただ存在するだけで華やかな彼女と違い、
その姿はどこか儚くて、脆くて、今にも消えてしまいそうな―――幽玄とした、感じがした。
「一緒に、来てくれる?」
「良いのか?お前の部屋の方は」
「ウン。後は、お姉様にお願いしてきたから」
「そうか………」
ふたりは、肩を並べて歩き始めた。無言だった。言葉は、要らなかった。
マサヒコには、彼女がどこに向かおうとしているのか、言わなくても分っていた。

「どうぞ、小久保君」
「ああ」
着いたのは、やはり若田部家だった。アヤナがドアを開け、マサヒコを誘う。
あの日と同じ、少し空気のひんやりとした玄関で靴を脱ぐと、ふたりはまた無言で。アヤナの部屋に向かう。
「…………」
「…………」
部屋に入っても、しばらく。ふたりは、無言のままだった。
ふたりの頭の中には、いくつもの、言葉が渦巻いていたにもかかわらず―――ずっと、無言のままだった。
“きゅッ………”
そして、ようやく。マサヒコが、アヤナを軽く抱き寄せた。
「…………小久保君」
胸の中で、アヤナが呟くような、ちいさな声を漏す。その声は、少し、苦しそうで。少し、悲しそうで。
「若田部………オレさ、ずっと、どうすれば良いか、分らなかった。オレ、逃げてたんだと思う。
お前からも、ミサキからも。多分ミサキは、そんなオレの情けなさを見抜いてて。
だから、あいつには愛想を尽かされたと、思うんだ。お前も………そう思うんなら、オレ」
「………私は、あなたから、逃げないよ。逃げないし、逃がさない」
「………」
「天野さんは。あの人は、優しいから。あなたが、私と天野さんの間で、悩んでるのを見て、
きっと、あなたを苦しませたくないと思って。だからあなたの前から去ったんだと、私は思う。
でも、私はあなたから、逃げない。私は、天野さんと違うから。優しくなんて、ないから。
狡くて、酷い人間だから。あなたを楽になんか、してやらない。これから、ずっと。あなたを、好きでいる」
「……………」
大きくて、澄んだ瞳が、ほとんど動かずに自分を見つめている。
そして、唇だけが、別の生き物のように言葉を紡いでいる―――マサヒコは、そう、思った。
「あなたは天野さんと同じくらい、優しい人だから。きっと、天野さんが去っていったことを一生後悔する。
その原因になった私といる限り、苦しむ。でも私は………ずっとあなたと、一緒にいたい。
たとえ、それがあなたには負担だとしても。私は、小久保君の、側に、いたい」
「若田部……」
愛の告白というより、復讐のような―――呪いのような言葉だと、思った。
それでも、それは間違いなくアヤナの、真情からの言葉だと、マサヒコは知っていた。
“ちゅッ”
アヤナが、キスをしてきた。唇を塞ぎにかかるような。呼吸を、堰き止めようとするかのような。
それは、攻撃的な、キスだった。そのまま、覆い被さるように。マサヒコを、ソファベッドに押し倒す。
“くちゅ………くちゅ、つぅっっ”
唇を吸ってから。舌を口内にねじりこむように、挿れてきた。性急で、なにかに取り憑かれたように。
「は………ぁ………」
なすがまま。アヤナに圧倒されながら。マサヒコは自分がひどく昂ぶりはじめていることに、気付いていた。
「ん………ぅ………あ………」
貪るように、唾液を掻き混ぜ合う。強く、激しく。野蛮で、原始的な激情を、剥き出しにして。
“ぷきゅ………”
長いキスのあと、ようやくアヤナが唇を離す。頬が上気して、目許にぽわっとした赤みが広がっていた。
「若田部………」
「抱いてよ………小久保君」
309郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:12:31 ID:l0THglmL
「でも………」
「抱いて。天野さんのことを、忘れてしまうくらい。今日のことも、全部、忘れてしまうくらい。
それに………私が、憎いでしょう?小久保君」
「そんな、ことは」
「いいの………あなたに、嫌われても。あなたに、憎まれても。私には、あなたを好きでいることしか、
できないから。もしかしたらあなたの気持ちは、永遠に変わらないかもしれないけど。
それでもあなたの気持ちが変わるまで。私は、待つから。ずっと…………ずっと。いつまでも」
彼女が泣いていることに、気付いた。大きな薄鳶色の瞳から、光の線が伝い、落ちる。
(若田部は……………)
幼子をあやすように優しく。もう一度、アヤナを抱く。マサヒコは思っていた。
――この子は、こんなに、良く泣く子だったろうか?
―――こんなにも弱く、感情を剥き出しにしてしまう子だったろうか?
――――もしかしたら。自分が、かつて知っていた若田部アヤナという子は、幻影だったのではないか?
そんなことを考えてしまうくらい、両腕の中の少女は、あまりにも弱々しくて、あまりにも小さかった。
「お願い………抱いて。私のからだに、あなたを刻んで。あなたを、下さい」
「………分ったよ、若田部」
“ちゅッ”
アヤナを落ち着かせるように。優しく、静かなキスをした。
上に組み敷かれていた体勢から、隣に寝かせる。そして彼女の弱点にも、舐めるようなキスをする。
「あ………!んッ………」
耳朶に唇を寄せられ、アヤナは切なげな声で喘ぎ、自然と身体が傾ぐ。
生温い、マサヒコの吐息が吹きかかるのを感じて、がくり、と力が抜けそうになる。
“ちゅ……ちゅぅッ、くちゅう”
そのまま、執拗なくらい。マサヒコはアヤナの耳を舐め、吸う。
「う………あ………ぁ!はぁッ………こ、こくぼ………くん」
声を抑えることが、出来なかった。鼻から高い声が漏れて、肌が粟立ち、ぶるぶると震えた。
くすぐったいような、気怠く痺れるような快楽に、アヤナは身体の芯から熱くなっていった。
「脱がすよ?」
「うん………」
“する………”
為されるがまま、制服を脱がされてゆく。ブレザーを。ワイシャツを。スカートを。
マサヒコのその仕草は、滑らかで、手早かった。下着だけの姿になるのに、さほど時間はかからなかった。
“きゅッ……”
(え?………)
マサヒコの細い指が、自分の衣服を剥いでいき、身体に触れ、纏い付く―――
まだ、たったそれだけで。アヤナは自分の裂け目から滴が漏れてきたことに気付いて、驚く。
「やっぱり、きれいだよ。若田部は」
“ちゅ………くつッ”
「ふぁッ………」
大きな胸の谷間に顔を埋め、キスをした。跡がついてしまうであろうことも構わず、強く、吸い出す。
乳房をブラ越しに揉む。少し力を加えるだけで、それは下着から溢れんばかりに、形を変える。
「私は………キレイなんかじゃ、ない。………汚れちゃったから。狡い女だから。私は」
「きれいだ、若田部」
アヤナの自虐的な言葉を遮るように断定口調でそう言うと、
“ぱち………ぷつッ、ちゅ”
マサヒコはそのままブラを外し、乳首を口に含む。
「あ……あぅ」
暗い感情を吐き出していたアヤナの口から、溜息が漏れる。
柔らかだった乳首は、マサヒコの口撫にすぐに反応して、つん、と固くなる。
“く………つ。ちゅ。ちゅ、ちゅぷ”
「ふ……ッ、あぅん………あッっ………」
ひたすら、マサヒコはアヤナの乳首を舐め、吸い、味わう。アヤナも、ただその愛撫に身を任せていた。
“ぷくッ………”
そして乳首から口を離すと―――少しだけ、悲しげな表情をしてから、また。
マサヒコはアヤナの乳房に顔を埋めてから、呟いた。
310郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:13:38 ID:l0THglmL
「ゴメンな、若田部」
「小久保君が、謝ることなんて、ないよ……………全部、私が」
「お前にしか、謝れないんだ。あんなこと言っておいて、オレ、やっぱりすごく後悔した」
「……………天野さんを」
「違う。ミサキを失ったことじゃなく。お前と、こうなってしまったことでもないんだ」
「…………」
「上手く言えないけど。もっと良いやりかたが、あったんじゃないかって。もしかしたらオレ達は、
友達のままでいられたんじゃないかって。……後悔するとしたら、そういうことなんだ。
オレはミサキと付き合ってたのに、今思えば心のどこかに若田部のことが残っていた。だから」
“ぎゅッ”
アヤナが、優しくマサヒコを抱き締めた。やらかい乳房に、頬を包まれる。
華やかで、甘い――――彼女の薫りに、自分がくるまれるような、錯覚を感じた。
「………私は、今、嬉しいよ」
「え?」
「言ってくれたから。小久保君が、私のこと。心の中に残っていたって、そう言ってくれた」
「ああ。若田部のことが、オレはずっと」
「ねえ?小久保君。私が一番怖かったことが何か、分る?」
「?」
「忘れられて、しまうこと」
「………忘れられて?」
「思ってたの。アメリカに行ってから、ずっと。小久保君に会えなくなってからずっと、思ってた。
あなたは、私のことをいつか忘れてしまうのかな、って。私は、忘れられてしまうのかな、って。
そう思うと、ものすごく寂しくて、ものすごく怖くなった。だって、それは……私という存在が、
あなたの中から、消えてしまうってことでしょう?それが、私は怖かった」
「オレは、お前を忘れたことなんて、ないよ」
「そうだと良いな、って私も思ってた。でも、それは確かめることができなかったから。
あんなに楽しくて、大切だった日々が……ただの思い出になって、消えてしまう。
そのことに気付いたとき、私は決めたの。日本に帰るって。天野さんにも、正直に言おうって。
天野さんは、私にとって一番大切な友達。前も言ったけど、それは、今でも変わらない。
こうなってしまっても。私は、あの人のことを、友達だって思ってる。それでも、私は」
“ちゅッ”
アヤナがマサヒコのつむじにキスをした。それは、母親が子供にするような、慈愛のキス。
「全てを、言おうと決めた。私の、思いを。それで、壊れてしまっても。後悔しないって。そう決めたの」
「…………多分オレは、後悔するんだな」
「そう。あなたは、後悔する……優しいから。後悔、し続ける」
アヤナはそう言うと、マサヒコをぎゅっと抱き締めた。
(若田部………)
彼女の鼓動が、聞こえた。ほんの少し汗ばんだ肌は、しっとりと馴染むようで。
なにより、柔らかくて、温かかった。マサヒコは不思議なくらい、安らかな気持ちになった。
「背負うから」
「え?」
「あなたの、その思いを。わたしも、背負うから。ずっと」
“ちゅ”
そして、アヤナは―――マサヒコの頬を両手で挟み、唇を重ねた。
「…………」
「…………」
お互いの気持ちを確かめ合うように、ふたりは微動だにせず。ただ、そのままでいた。
“つ………”
「若田部………オレ」
どれくらいそうしていたのだろう?ようやく、唇を離して。マサヒコが、言う。
「なにも………言わないで。あなたの、考えていることは、分るから」
「………ああ」
「でも………ねえ、小久保君?そう思った私たちは」
アヤナが言葉を切る。そして、力無く、笑う。
「間違って、いたのかな」
311郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:14:16 ID:l0THglmL
「間違ってたのかもしれない…………多分だけど」
「………そうよね」
ふたりは、顔を見合わせて寂しく笑った。しばし流れる、沈黙の時間。
そして、また―――マサヒコは、ゆっくりとアヤナを抱き寄せた。
「………」
“しゅ”
「ふ………」
顔を埋め、ちゅッ、ちゅッ、と胸の谷間にキスをしながら。薄い布に包まれた、アヤナの丘を撫でる。
長い会話の後にもかかわらず、そこはまだ、十分な湿度を保っていて。
“じぅ………”
すぐに、愛液が漏れ出てきた。布越しでも、そこがじんわりと滲んできたことが分った。
“す……すぅぅ………”
中指の先にある、その感触を確かめながらマサヒコは、小さな弧を描くようにして指先を往復させる。
「う………ぅん………ダメ、小久保君」
「ゴメン、痛かった?」
「違うの。気持ち良いんだけど………あの、ショーツが汚れちゃうから………脱がせて?」
「あ、うん。」
今更気が付いたようにアヤナの両脚を軽く上げさせると、下着に手をかける。
青と白のストライプのショーツは彼女が心配していたとおり、愛液で既に汚れてしまっていた。
「………濡れて、くっついちゃってるよ。若田部」
「やン。恥ずかしいから、言わないで」
ショーツの中央にできた灰色の染みが肌にぺっとりと貼りついているのを、剥がすように脱がす。
アヤナの裂け目が、マサヒコの目の前に露わになる。小さく息を飲みこんだ後、それに指を伸ばした。
“くちゅッ”
「!あンッ!!」
横に柔らかく生い茂った恥毛が手のひらに絡みつく。指先には、温かな粘膜の感触。
「若田部………濡れてて、あったかいよ」
「ア………う」
目を閉じて恥じいるアヤナを見つめながら、マサヒコは彼女の耳元で囁く。
「昨日は若田部、自分からオレの前で見せてたのに、やっぱ恥ずかしい?」
「あのときは、必死だったの。どうしてもあなたは、私を抱いてくれそうになかったから」
「………ゴメン」
「良いよ、もう。だから………」
潤んだ目で。おねだりをするように、アヤナがマサヒコの頬にキスをして、抱きつく。
それに答えるように、マサヒコはアヤナのぬかるみの中をかき混ぜた。
“ちッ………ぐちゅ。クちゃッ。くりッ……くちゅッ”
「あッ……ん、あ……」
首筋や、顎や、こめかみへのキスを続けながら。濡れてはいてもまだ固さの残る裂け目を、
ほぐすように優しく触れ、両襞を撫でていたが―――突然マサヒコは、指先でそこを。
“きゅッ”
「!?!……きゃあッ!あ!あッ!!」
ぐいッ、と一気に左右に広げ、剥き出しにしてしまった。
一瞬、彼女が目を見開いて驚きの声を発するのにも構わず、
めくれて広がったそこの上部にある小さな珠を、きゅッ、きゅッと擦る。
「ひゃん!??や、きゃァッ!!ダメェッ、こくぼく……ん、きゃ!」
いきなりの手荒い愛撫に、アヤナの豊かすぎる肢体が、固くなり、引きつり、戦慄く。
悲鳴にも似た声を無視して、マサヒコは小さな珠をくにくに、と弄り続け、耳朶をちろちろと、舐め続けた。
「きゃ、あ!………や、そこも、ダメ!や!んくぅ、や、あぁぁん!!!」
“ぷくちゅぅぅぅぅッ”
「あ………ゃ……」
大きく震えた後に裂け目から愛液が溢れ出し、マサヒコの手のひらを濡らした。
薄い紅色の唇から涎が零れ、つぶらな瞳は焦点を失い、目の端には涙が溜まっていた。
それは、彼女が達した、確かな証だった。
「敏感なんだね、若田部は。昨日も、すぐいっちゃったし」
「あ………や。やァ」
312郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:15:40 ID:l0THglmL
あっさりと絶頂に達してしまった恥ずかしさからアヤナは顔を両手で隠して身を捩るが、
彼女の意志に反して下腹部は、灼けるように熱くなってしまっていた。
(恥ずかしいけど………でも………)
アヤナは、自分のそこが更なる甘美な悦楽を欲してじゅくじゅくと疼いているのを、はっきりと感じていた。
“ぐッ………ちゅ”
「!こ、小久保君?」
彼女の情欲を察したかのように―――マサヒコは素早く頭を下げて潜り込むと、
熱したアヤナのからだに唇を触れさせ、舌を這わせた。
“ちゅッ………つ、ち、ちゅぅ”
「!きゃ、ひぃああああ!!」
玉の汗が光る、たっぷりとした乳房。柔らかに締まった、中央の稜線。滑らかに窪んだ、臍。
キスと舌撫を交互に繰り返しながら、マサヒコはアヤナの下半身を愛撫してゆく。
そしてそこに行き着くと、両膝を開かせてアヤナの入り口に顔を寄せた。
―――少し酸い薫りが、マサヒコの鼻腔を直撃する。しかしそれは、不快な薫りでは、なかった。
「ん………」
まだ完全に羞恥心を捨て切れないアヤナはほんの少しだけからだを強ばらせるが、
すぐに力を抜いてマサヒコのなすがまなになった。
(………可愛いな、若田部のここ)
彼女の髪と同じ薄茶色の恥毛が、疎らに生い茂っていた。
汗と愛液で湿った茂みから、うっすらと顔をのぞかせるアヤナの女唇。
それはミサキのそれより、やや肉厚で、濃いピンク色で、ぷっくりとしていた。
昨日、他ならぬ自分が何度もその奥に精を放ったばかりだったが、
マサヒコはアヤナのそこを、たまらないくらい、愛おしいと思った。
“りゅ……”
「ひぅん!」
指先で、小さく拡げて。マサヒコが、温かい舌を入り口に這わせてきた。アヤナは、思わず悲鳴をあげる。
“ちゅッ………ちゅ、つ〜〜〜、ちゅる”
「あ!ヤっ!んあ!……ひあ!ん、ぅくん………は、くぅん」
夢中でミルクを飲みほそうとする、子猫のように。丹念にマサヒコが舐め続けるうち―――
やがてアヤナの声からは固さが消えていき、艶やかな、円味を帯びた声へと変わっていった。
そして入り口は徐々に開いていき、奥からさらにとくとくと愛液が染み出てきていた。
「赤くなってる………若田部の」
「や!やだ、言わないでよ、そんなコト」
十分に潤っていたアヤナのそこは、マサヒコの舌撫でさらにぽってりと赤く腫れたようになり、
さきほどの指撫で軽く剥かれた小さな珠も、既にぷっくりと突起状になって姿を見せていた。
“つ………ちゅ、つぅ”
「!?!きゃ、きゃぁあああああ!」
敏感な珠を、唇ではさんで、吸って、舐る。アヤナが叫び声を上げ、
からだを弓なりに反り返らせるのにも構わず、マサヒコはひたすらそこを責め続けた。
“づ……じゅ、じゅうッ”
そして奥から次々と溢れてくる愛液を、じゅるじゅると、わざと音をたてるように啜る。
「や………吸っちゃ、いや、恥ずかしいよぉ、こくぼ、くん、あ、は、や!」
両脚で、マサヒコの頭をきゅっと挟んだ。爪先が震え、体中から汗が噴き出るように、流れた。
泣きたくなるような恥ずかしさを覚えながら、アヤナは昨日の処女喪失よりも、確実に。
自分のからだが、快楽の渦に沈み、欲望を貪っていることを、感じていた。
“じゅ、ぷじゅッ、じゅるッ”
さらに、ぴったりと。マサヒコが顔面をアヤナの裂け目に密着させるようにして、吸い上げると―――
「は!あ………だめ……ダメぇぇぇぇ!!」
視界の全てが、白く覆われ、アヤナはさっきよりもずっと深く、激しく。自分が、達してしまったことを感じた。
“ぴしゅぅッ!!!”
濃厚で、愛液よりもさらに粘つく、とろとろとした蜜が吹き出され、マサヒコの鼻先を汚した。
“ぴッ……とろぅ………”
「ん……ん………あ、ふあぁぁぁ………」
何度も蜜を垂らし、何度も痙攣を繰り返してから。アヤナは、がっくりと脱力してしまった。
「………………」
313郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:16:34 ID:l0THglmL
無言で顔をあげ、マサヒコは見つめてきた。アヤナの蜜で、口元から鼻先までべっとりとまみれていた。
「や………見ないで、私、いっちゃった………恥ずかしい……」
弱々しく声をあげるアヤナだが、マサヒコはただ、目も伏せられぬほど美しい彼女の肢体を見つめていた。
皮膚がはち切れてしまいそうなくらい桃色に上気した肌には、玉の汗が光っていた。
アヤナは鈍く震えて―――息を吐くのさえ、精一杯の様子だった。
“ごくッ”
マサヒコは自分の中から、静謐な欲望と、確かな愛情が湧いてくるのを感じていた。
―――今すぐ、目の前のこの少女を犯してしまいたい。
いや、ゆっくりと、大事に彼女を包んでしまいたい―――
相反するようで、近しいふたつの感情。それに突き動かされるようにして、マサヒコは。
“ぎゅッ”
アヤナを、強く強く。抱き締める。身体と心の震えが、大きく柔らかな胸から伝わる。
「大丈夫?若田部」
「だいじょうぶなわけ、ないじゃない……バカ」
「久しぶりだよな、それ」
「なによそれ…………バカ」
頬を赤く染めてまたそう言うアヤナを見て、マサヒコは微笑んだ。
しおらしいアヤナより、今のアヤナの方が、やはり彼女らしいと、思った。
“ちゅ”
アヤナのおでこにキスをしてから、ソックスだけで裸の彼女を横たえると、ようやくマサヒコも制服を脱いだ。
下着の中で既に雄々しくそそりたったペニスを、じっと見つめていたアヤナに誇示するように取り出すと、
それを彼女の両脚の間に、ゆっくりとくっつけた。
「………若田部、怖い?」
「怖く、ないから。………ください」
そう言うと同時に、アヤナはマサヒコに抱きついてきた。
そして、羞じらいながらも両脚を広げて絡めてきた。固くなったペニスが、ぐいッ、と押しつけられた。
その先が、柔らかな入り口に触れていることを、感じた。
「………じゃ、いくよ?」 
「ウン………」
指先で、確認するようにアヤナの入り口を優しく広げると、マサヒコは、怒張しきったペニスを。
“ぐくッ、、、、ぬぅる………”
「あ!………あぁッ!!」
アヤナの中に、埋めていった。眉をひそめ、高い声で、アヤナは艶やかに、鳴いた。
「まだ、痛い?」
「……………痛い。けど、ちゃんと…………感じるよ」
「本当?」
「ウン。痛さも感じるけど。ちゃんと感じる。ちゃんと、小久保君を、感じる。
あなたが、私の中にいることを、感じてる………だから、もっと、きて」
性急に。ねだるように。アヤナが腰を密着させてくる。
「………若田部」
“ぐ……ぅ。ず………るくッ”
「う………あ………こくぼ……くん」
(入った……)
昨日より、なめらかにアヤナの中に入った。やはり、そこは昨日と同じく。
くにくにと、柔らかく、熱く、マサヒコを包んできて。
「は―――ッ………あ………」
「若田部………」
「いい………へいき、だから。もっと。もっと、奥まで」
無言で、頷いた。言葉通り、マサヒコは。
“るぅ……、ぐ、ぐ、ぬる、ずぅぅッ”
「あ………うン………入って、きた。こくぼくんの。あ、すごく    あ!」
「…………動くよ?若田部」
「ウン………き、て………小久保、くん……」
炙られるような苦痛に、身を焦がしながら。痺れにも似た快楽に、浸りながら。
アヤナは―――自分の肉体が、浅ましいほど、マサヒコを欲しているのを、感じていた。
314郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:17:30 ID:l0THglmL
“ぐ………ずるッ、ぐちゅッ、ずくッ、ぐじゅッ”
「ふぁ………あ、あ。あ、ン!は………ぁ!」
奥まで突き立てて。それを、浅く引き抜いて。また、それをずぶずぶと、沈める。
繰り返されるピストン運動に応えるように、アヤナの口からは獣じみた呻き声が漏れる。
“ちゅ………とぅる”
その肉欲の叫びを、塞ぐように。マサヒコが、唇を重ねて、舌を入れてきた。
アヤナも夢中になって、舌を絡めて、吸う。
(あ………いい……気持ちいい……すごく。それと……小久保君……の、匂い)
奥の奥まで、マサヒコの肉体で隙間無く埋め尽くされていると、感じながら。
ふと、アヤナは――――今更のように。彼の体臭が、鮮鮮しく薫ってきたと、思った。
それは、ほのかな香りだった。青い樹木のような、若々しい香りだった。
“きゅッ”
耐えきれないくらいマサヒコが愛おしくなったアヤナは、彼の首に手を回して力の限り、抱き締めた。
マサヒコも、すぐに抱き締め返してきた。ぴったりと、裸と裸のまま、密着したふたり。
アヤナは、マサヒコのペニスを埋め込まれたまま。マサヒコは、アヤナの中に包まれたまま。
貪るように。息をすることすら、忘れたように。長く、激しいキスをする。
「ん………あ………」
「は………ふぁ………」
ようやく唇を離すと、少しの間、見つめ合ってから――――
“ぐ………ぱン!ぐちゅッ、ずる!ぐちゅッ、ぬりゅッ!!”
「は、あ!う!ぁああああ!!」
より激しく、マサヒコはアヤナの奥にペニスを突き立てていった。
彼女の荒い息と咆哮はマサヒコの鼓膜を心地良くくすぐり、さらにそのリズムを早めさせる。
“る………”
そしてマサヒコは、無意識のうちに。アヤナの肌に光る細かい汗の粒を、舐めた。
「あ!いい!あ!はぁン………」
飢渇の思いに炙られながら。アヤナのからだは、マサヒコの浸入を歓び、受け入れていた。
むず痒いような楚痛は、微かにずくずくと疼いていたが―――
まだ二回目だというのに、アヤナは完全にマサヒコとのセックスに溺れていた。
「あ………わかたべ………」
マサヒコも、アヤナの肉体とアヤナとのセックスに惑乱し、完全に溺れていた。
甘い、花の香りのようなアヤナの薫りに浸り、ピストン運動を繰り返す。
たぷたぷと揺れる豊かな乳房に顔を埋めたり、キスをしたり、舐めたりした。
「あ!ン!こくぼくん、あッ、くすぐったぁい………!あッ!!!」
そのたびに嬌声をあげるアヤナの反応を楽しむ余裕すらなく。
からだの火照りと喉の渇きに苛まれて、背骨を軋ませるように、ひらすら彼女を求めていた。
“ぐちゅッ!ぱん!ずぶぅッ!!ぅるぅ!!”
「くはッ!あッ!あぁッ!!!くぁッ!!」
感情の高まりとともにアヤナの叫びも、粘度を増して、より深い艶声へと変化していった。
(ん………あ!きもち、いい………こくぼくん。……いい………あんなことの、あとなのに………。
あんなことの、あとだから……すごく、エッチになってる、私……ああああ!!)
アヤナは、感じていた。マサヒコに抉られ、突かれるたび、悲しいほどに、自分が女だと思った。
(私は………私は。天野さんが、好きだった………小久保君が、好きだった………なのに)
緊張と弛緩のリズムに襲われ、快感の奈落にずるずると滑り落ちながらも―――
アヤナは胸の奥がつかえるような哀しみを、また思い出していた。
「あ!こくぼ、くん………わたし………わ、た、し………あああッ!!!」
網膜に、光が、爆ぜて。悲しみと、快楽のふたつの渦に呑み込まれて。アヤナは、達した。
歓びの悲鳴を叫んで、ふたつの巨きな乳房がぷるぷると震え、玉の汗が噴き出る。
「ゴメン………若田部。オレ、まだ………」
「う………あ、あ。い、いよ。………小久保君。来て………いい、から」
茫然としていたアヤナだが、両手を広げてマサヒコを迎え入れる。
―――マサヒコは、申し訳ないような気持ちになったが、それでも。
“ず…………ぐちゅッ、ずちゅッ!!”
「あ………あ!ぁぁあああッ!」
緩やかに、ピストン運動を再開させた。既に何度も達していたアヤナだが――――
315郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:18:21 ID:l0THglmL
再び内臓の奥まで抉られて、情欲に火がつき、燃えさかるのを感じていた。
“ぐちゅッ!!じゅッ!!ぽぷッ!!!”
「はっ………あ、んっ。こくぼくん………熱い。こくぼ、くぅん……すき。すきぃ」
半ば意識が飛んだトランス状態で、アヤナは譫言のようにマサヒコの名を呼び、求めていた。
絡めた脚に力をこめ、 彼の打ちつける腰の速度にシンクロさせて、
花弁を擦り上げるように自らも腰をくねらせる。
“ぐちゅッ!!つぴッ!!ず………ずぷッ!!!”
そしてアヤナの裂け目も、再び―――生温かい、ぬめった白濁の果汁を溢れさせ、
マサヒコを更に熱い、奥深くへと引きずり込もうとしていた。
(あ………もう、ダメ………壊れる……わ、た、し………全身が、あそこに、なったみたい……)
「あ………若田部……おれ、あ!は、うッ」
“ずるッ………ぴゅッ!!どくッ!!”
雄叫びともつかない声をあげると、間一髪、マサヒコはアヤナの胎内からペニスを引き抜き、
青い精で、汗に濡れたアヤナの腹部を。若草を。乳房を。汚していく。何度も、何度も。
「あ………はぁ………い、いい……こくぼくん…………」
精液で汚されているのにも構わず、アヤナはマサヒコの射精をうっとりと見つめていた。 
(かかってる……小久保君の、が。わたしに………あ。……あったかい)
「あ………は、はぁ、は……わかたべ………」
自らのペニスに手を添えたまま、マサヒコも荒い息でただ射精を繰り返す。
精を吐き尽くしてもなお、それは固さと角度を失わぬまま――アヤナの方を、向いていた。

後始末を終えたあと。ふたりは無言のまま、寄り添うように並んで寝ていた。
「………小久保くん?」
どれくらいの時が過ぎたのだろう―――ちいさな声で囁くと、アヤナはマサヒコを見た。
そして、気付いた。当たり前のように、マサヒコが腕枕をしてくれていたことに。
「…………」
彼は――――目を閉じていた。初めは眠っているのか、ただそうしているのか分らなかったが、
耳を澄ますと、マサヒコの鼻から漏れるほんのわずかな寝息の音が聞こえた。
(…………あ)
また、気付いた。マサヒコの目許に涙の痕があって、まだ少し、涙が流れていることを。
(夢を………?)
それは、ミサキの夢なのだろうか。悔悟の夢なのだろうか。それとも、自分の夢なのだろうか。
アヤナはそんなことを思いながら、飽かずにマサヒコの顔を眺めていた。
(小久保君………)
それは、アヤナが覚えていたより、ずっと大人びたものだった。帰国してから、ずっと。
彼だけを、見つめ続けていたと、思っていた。しかし、かつての端整な顔立ちはそのままに―――
マサヒコの表情は、より精悍で、より男らしい、逞しいものになっていた。
それが、自分のいなかった空白の間に起こったことだと思うと、
アヤナは胸が締めつけられるほど、寂しい思いに襲われるのだった。
(でも………その分、私はずっとこれから、あなたといる。そう、決めたから。ずっと、あなたと…………)
マサヒコを起こさないよう、静かに彼の裸の胸に耳を寄せた。とく、とく、と心臓の脈打つ音が聞こえた。
「………ん?若田部」
「ごめん………起こしちゃった?小久保君」
「いや………ん、そろそろ帰らなきゃ」
“ぎゅッ”
アヤナは、体を起こそうとしたマサヒコに無言で抱きついた。そして、彼も無言で、そのまま。
(………図々しいかもしれないけど)
アヤナは、思っていた。いつか、ミサキとも。笑いあえる日が―――許してもらえる日が、くるのかもしれない。
都合の良い、勝手な思いかも知れないが―――そう、アヤナは信じたかった。
“ふ…………”
マサヒコが、アヤナの髪を撫でた。それは、柔らかくて、優しくて、
「小久保君………私、」
「一緒に、いてくれ」
「!?え………」
「言えなかった、ずっと。一緒に、いてくれ。オレを………許して、くれ」
316郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:26:44 ID:l0THglmL
「許すって………」
「オレな、若田部。やっと気付いたことがあるんだ」
「………?」
「なんだか照れくさいけど、オレ、すごく、良い友達や、良い人たちに恵まれてるっていうか。
でも、オレはそのことに全然感謝してなかった。当たり前だと思ってた。
お前と、こういうことになってから………今更だけど、気付いたんだ。
和田にも、柴原にも、中村先生にも、濱中先生にも、オレは感謝しなきゃならないって。
みんな側にいて、心配してくれてる。そんで……なによりお前に、オレは、感謝しなきゃならないって。
こんなオレでも、好きだって言ってくれて、一緒にいてくれる、って言ってくれるお前に。
だから………もう一回言うよ。オレと、一緒にいてくれ。どうしようもないオレを、許してくれ」
「小久保君………」
それは、拙い愛の告白だった。嬉しさで心が満たされながら―――アヤナは、思っていた。
ふたりでこれから、歩いていく日々を。きっとそれは、平坦ではないだろう。
もしかしたら、祝福されるものでは、ないかもしれない。それでも、アヤナは。
「…………いっぱい、キスしよう」
「え?」
「いっぱいキスして、いっぱい愛し合って、いっぱいケンカしようよ、小久保君。
それでね、ふたりが、おじいさんとおばあさんになって。あんなこともあったね、って。
皺くちゃになって、笑いあえるようになりたい。………それくらい、あなたと一緒にいたい」
「すげえ長い先だな、それ」
ちょっとマサヒコが苦笑する。それでもそれは、どこか照れたような、ほんの少し、嬉しそうな。
(それくらい先になれば、きっと………笑い話に、できるよね)
アヤナは、マサヒコの笑顔を見つめながら―――そんなことを、思っていた。

END
317郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/06/28(土) 14:28:17 ID:l0THglmL
今回は以上。しかしま〜〜〜〜長い時間かけた割には、相変わらずのダラダラです。
タイトルは『Back in Japan』でよろしくです>Wiki管理人様
長々続いた連載ですが、ようやく終わって一安心。
次作は今回ギリギリで脱稿が間に合わなかった、嫁との完全共作、シンジ×カナミです。
ヒロキ×アキも間に合えば。生徒会役員共も展開あれば書けるかな?
個人的には、コトミとムツミが一番書けそうです。
次作投下は出張のある7月半ば頃を予定。ていうか海外ホストの規制ってなんやねん。では、股。
318名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:08:07 ID:VCVtyQRM
郭氏来たああああああ

郭氏、Y−275氏共に乙&GJです!!
Y−275氏はかなりハイペース投下ですね。本当にお疲れ様です。
郭氏は次は7月ですか、ちょうど生徒会も連載開始ぐらいのタイミングだし、wktkがたまりません。
319名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 21:34:22 ID:VBtD0bQo
新旧エースの共演リレーGJ!
やっぱり大黒柱が戻ると安心します。ピンキリ氏もwktkしながら待って鱒。
320ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:13:30 ID:cP3wAZLo
 住人の皆さん職人の皆さんお疲れ様です。
濱中でマサヒコ誕生日ネタ、スルー対象ワードは「猥談」です。
タイトルは「最適のプレゼント」でお願いします。

では。
321ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:14:04 ID:cP3wAZLo
 梅雨がまだまだうっとおしい六月末の某日。
小久保邸には五人の若い女性が集っていた。
もはやいちいち誰とか説明する必要もないだろうが、そこを敢えて言うと、
濱中アイ、天野ミサキ、若田部アヤナ、的山リンコ、中村リョーコの面々である。
 マサヒコたちが中学を卒業して二年、
マサヒコとリンコは同じ高校に通うことになったが、ミサキは別の進学校、アヤナは父の都合で渡米、
アイは卒業研究と就職活動、リョーコは社会人一年目……と、
家庭教師時代とは異なりそれぞれ離れた時間が多い生活になるかと思いきや、
もともとミサキはマサヒコの隣人で、何より彼氏と彼女の関係、
アヤナは一年であっさり戻ってきて、アイの卒論と就活も早目に蹴りがつき、
リョーコはリョーコで何だかんだ言いつつこの年下連と縁を切るつもりなんざなし。
で、結局は仲良し関係を変えず変わらず続けている状態なのだった。
「では、さっそく会議を始めましょう」
「はい、中村先生しつもーん」
「早速のその意気や良し。で、何? リン」
「今日は小久保君の誕生日プレゼントを皆で決める会議なんですよね」
 マサヒコの誕生日は七月一日。
今日から目と鼻の先で、プレゼントを用意するのにちんたらしている暇はない。
「そうよ」
「じゃあ、何で小久保君の家で話し合いをするんですか?」
 濱中アイと中村リョーコは、未だにマサヒコたちから先生と呼ばれている。
家庭教師と教え子の関係は中学卒業と同時に解消されており、
小学校の教師であるアイはともかくとして(まだ産休職員の代替で臨職扱いだが)、
リョーコは業界大手のいつつば銀行に勤めているので、先生呼ばわりは本来はおかしいところっちゃおかしいところ。
が、三つ子の魂ではないが、それならそれで「濱中さん」「アイさん」「中村さん」「リョーコさん」と呼び方を急に変えるのも、
ちょっと微妙な話だったりするのもまた事実ではある。
呼ぶ方もしっくりこないし、何より呼ばれる方もこそばゆくて落ち着かないということもあり、
結果、旧来のまま「濱中先生」「アイ先生」「中村先生」「お姉さま」といった呼び方が続いている次第なのだ。
「答は簡単、私のマンションでは出来ないからです」
「何でですか」
「酒瓶と未洗濯の下着とアダルトグッズが散乱しているから」
 昨日もセイジで遊んでね、と腕を組み頷きながら言うリョーコ。
まったくもって自慢出来ることではないが、それを悪びれもせずに堂々と理由にするところは彼女らしいかもしれない。
「じゃあアイ先生のところは」
「ごめんね、あのね、昨日ゴキブリが出てね」
 曰く、バルサン中。
「アヤナちゃんの家は」
「……今、兄さんの彼女が来てるから。父と母に会いに」
 曰く、結婚前の重要な面接(?)中。
「ミサキちゃん……」
「え? そ、その、私は別に……。わ、私の部屋でも良かったんだけれど」
 曰く、展開に流され中。
「んー、で、私の家は皆の家から遠い、と」
 的山邸はポツンと離れた距離にあり、集まるのに不適。
で、結論としては。
「ま、そういうことでマサの家が一番都合がいいのよ」
 小久保邸は集合場所。
これもまた、以前から変わることないお約束である。
322ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:16:40 ID:cP3wAZLo
「さ、ちゃっちゃと話を進めるわよ。早くしないとマサが帰ってきちゃうから」
 部屋の主であるマサヒコは現在外出中である。
母に命じられ、駅前のデパートまでお買い物に出かけているのだ。
このポイントは、マサヒコ本人がいないのに部屋に女性陣を勝手に上げちゃう母ってどうなのよ……ではない。
息子が女の子に囲まれている状況が楽しくて仕方ない母がちょっと策を弄しちゃいました、というところにある。
すなわち、息子の部屋で会議をさせるべく、わざわざ当の息子を追い出したということ。
息子がいたらいたでおもしろい展開にはなるだろうが、
どうしても突っ込み兼ストッパーになってしまい話が佳境に入る前に切れてしまうのだ。
それでは盗み聞きの楽しみが薄れてしまう。
「で、さっそく本題なんだけど」
「プレゼントのことですか」
「そうそう。結論に飛んじゃうと、もう一つしかないでしょ」
「? PS3ですか」
 尋ねるミサキ。
前々からプレイステーション3が欲しいと何度かマサヒコが口にしており、
瞬時に「マサヒコが欲しいもの」と言えばこれくらいしか思い浮かばない。
「違うわよ、んなもん自分の小遣いで買わせなさい」
「じゃあ、何ですか?」
 ミサキを筆頭に、アイ、アヤナ、リンコの頭上には見えないハテナマークが浮遊。
リョーコはそんな四人をニヤリと笑いつつ見回すと、胸を張って言い放つ。
「決まってるでしょ。カラダよカラダ」
「カラダ……? 清涼飲料水ですか」
「はいボケないボケない。つまり肉体よ肉体!」
「……」
「はいあきれないあきれない。若く瑞々しい乙女の肢体をこう、首にリボンでも巻いてプレゼントに」
「……あのう」
「マサの目の前に四人一列に並んで、誰から味見する? なんて」
「すいませんけど」
「恋人にプラスして自由にしていい処女が三人なんて男にとっちゃ超ド級のプレゼント……」
「いい加減にして下さい!」
 リョーコの暴走、それに怒るミサキ、急ぎ足の展開についていけないアイ、
わかってるのかわかってないのかほよよんとした表情のリンコ、
突っ込みたいのに相手がリョーコだからそれがなかなか出来ずに赤面して黙り込むアヤナ。
ストッパー役のマサヒコがいないとこうなります、という典型的な流れになっている。
「そ、そんなこと出来るわけないですし、しません!」
「あらどうして?」
「どうしてもこうしてもです! 常識的に考えて!」
 語気荒いミサキだが、リョーコにはその心底が透けて見えている。
常識に照らし合わせて、という立場で反論してくるミサキだが、結局は恋人であるマサヒコに他の女性が近づくのが許せないのだ。
嫉妬と言ってしまえばそれまでなのだが、
アイ、アヤナ、リンコのマサヒコに対する感情が「異性の友人」と一言でまとめるには、
あまりに曖昧なままであるのがミサキの中では無視出来ない問題となってしまっている。
アイはショタコン疑惑、リンコは天然で性意識の壁が低いという危険性がそれぞれあり、何より女の直感的にアヤナがどうにも怪しいわけで。
ただでさえ日中別々の高校に通っていて側で目を光らせられないのに、
その上本来なら安全牌であるはずの親友がマサヒコに本気になったら……と、
友情とはまた違った次元で、ミサキにしてみれば気が気でないところ。
それで、そんなミサキの「恋する乙女の心の動き」は、
色事について百戦錬磨なリョーコにゃわかりやす過ぎる程にバレバレなのだった。
323ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:17:58 ID:cP3wAZLo
「ミサキはああ言ってるけど、あんた達はどうなの?」
 ここでリョーコ、反対意見に真っ向から立ち向かわず、
一旦別人に話を振って場の雰囲気を泥沼な方向へと持って行くという戦法に出た。
これで振った面子も一斉に歩調を合わせて敵対してきたら作戦失敗なのだが、もちろん中村リョーコはそんな見通しの甘い迂闊な人間ではない。
アイたちの性格と思考を見越しているからこそ打てる、狡猾にして勝率の高いカケヒキなのだ。
「わ、わっわた、私もそんなこと出来ません」
 アイは反対するものの半ばパニクる。
「な、何で小久保君何かにそ、そ、そんなことを、してあげなけりゃならないんですか!」
 アヤナも同様で、こちらはパニクるというより慌てると言った方が適切か。
「えー、じゃあ小久保君のセックスフレンドになれってことですかあ? うーん……」
 リンコは論点が完全にズレた答を返す。
「リ、リ、リンちゃん! 何考え込んでるの?」
 リンコに反射的にミサキが突っ込む。
もうこうなると完全にペースはリョーコのもの。
ミサキもアイもアヤナもリンコも、ミキサーでかき混ぜられる果物の如しだ。
どういったジュースが出来上がるかは、それはミキサーたるリョーコの思惑次第。
「ミサキ……あんた将来、看護師になりたいって言ってたわね」
「へ?」
 リョーコ、二の矢を放つ。
突如まったく違う方向に話題を振って相手をさらに惑わせる、これぞ彼女の常套手段。
もちろんまったくの無暗撃ちではない、ちゃんと意図あってのものである。
「そ、それがどうかしたっていうんですか」
「ううん、あのね……オトコって奴はね、コスチュームプレイに誰しも弱いのよ」
「は?」
「ナースなんてその中でも上位に来るのよねぇ、例外なく。マサヒコも多分そうじゃないかなー、なんて」
「え、え、え?」
「そうねえ、設定は……マサが医者でアンタが新人看護師で―――」

  「天野君……君はいけない子だな。聖なる医療の場でこんなに淫らに濡れるなんて」
  「あ……あ、そ、それは、それは小久保先生が……」
   天野ミサキは今年の春にこの小久保病院に就職した新人看護師。
  中学時代に見た医療番組の影響でこの道を目指し、見事夢を叶えることが出来た。
  彼女の前途は明るかった。
  いや、明るいはずだった。
  「さあ、いつものようにおねだりして、ゆっくりと腰を下ろしてみて」
  「は、い……。小久保先生の、マサヒコ先生の太いお注射を、私に突き刺して下さい……!」
   小久保病院の跡取り息子、マサヒコ。
  端正な顔立ちで若い看護師連から人気があり、ミサキも勤めて初日から仄かな想いを彼に寄せていた。
  「あ、あっ……す、ごいで、す……!」
  「いやらしいな天野君……ミサキは。もう根本まで飲み込んだ」
  「はぁ、はぁ……」
   ミサキがマサヒコから声をかけられたのは、出会って一か月が経った頃。
  ミサキが一人、夜の資料室でカルテを直していた時だった。
  「大変だね、手伝おうか」と優しい口調で言われ、ミサキは一気にのぼせあがってしまった。
  「ここは今はたまたま使ってないとはいえれっきとした病室なのに、ミサキは恥ずかしくないのかい」
  「言わないで、言わないで下さい……! あ、んんっ、き、気持ちいいよぉ……!」
324ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:19:21 ID:cP3wAZLo
   その後も事あるごとに会話を重ねるようになり、
  もともと異性に関しては純過ぎる程に純なミサキは完全にマサヒコの虜となった。
  そして。
  「くっ……ミサキ、どこに出してほしい?」
  「あ、あっ……! ダメ、服は、看護服はダメ……まだ、仕事が……外は、ダメです……! ああっ!」
  「それじゃ、中がいい?」
  「はぁ、あああん……! ダメ、それもダメぇ、にん、しんしちゃう……!」
   カーテンから差し込む月明かりに照らされて、
  天野ミサキはベッドの上、マサヒコの上で腰を振っている。
  ナース服のままで。
  「大丈夫……くぅっ、ここは病院だ、堕ろすことなんて簡単に出来る」
  「ダメ、そんなのダメ、ダメぇ! ああっ、私は、私はぁ……ダメっ、いく、イッちゃうよぉ!」
   マサヒコが舐めろと言ったらミサキは舐める。
  飲めと言ったら飲む。
  中出しを求められたら応じる。
  今のミサキは、完全にマサヒコの奴隷だった。
  「よし……出す、ぞ……っ!」
  「あ、あ、あああーっ!」
   ミサキはマサヒコを愛している。
  そう、心の底から。
  マサヒコが他のナースにも手を出している事実を知らずに。
  この患者がおらずいつも空き室になっている病室で、毎晩違うナースを抱いている事実を知らずに。 

「―――とか、何とか」
「なっななななな、何を言ってるんですかっ!」
 リンゴやイチゴもかくや、と思われる程に顔を赤くし、ミサキは怒鳴る。
しかし彼女は気づいていない、既にリョーコの術中にはまってしまっていることを。
リョーコのエロ話を区切りの良いところまで聞いてしまっているのがその証拠でもある。
所詮、こっち方面ではミサキはリョーコに勝ち目などない。
「だ、だいたいそれじゃコスプレとかいうレベルじゃないと思います!」
「んー?」
「な、なりきりじゃなくて何かもう完全にそのものじゃないですか!」
 ミサキのツッコミはある意味正しい。
正しいが、悲しい程に無力である。
「ねぇミサキ」
「もう、知りません!」
「怒ってるけど、アンタは一度も考えたことがないの?」
「え?」
「ナースプレイはともかくとして、マサの子供が欲しいと思ったことは、さ」
「なっ!?」
 リョーコ、倶梨伽羅峠の火牛の如く一気呵成の責め、いやもとい攻め。
動揺を誘ったところに急所を突いてトドメを刺す、まさに悪女の面目躍如と言えようか。
「マサちゃんの子、ども……?」
「いい、アンタはこの面子の中では勝ち組なのよ? 彼氏がいて」
「……で、でも、まだ私もマサちゃんも高校生で」
 まだ高校生、とか口走っている時点で完璧に陥落しているわけだが、最早ミサキはリョーコマジックの檻の中。
過去に何度もひっかかり、いい加減耐性も出来そうなものだが、やはりミサキの本質は夢見がちな乙女であるということか。
325ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:20:21 ID:cP3wAZLo
「もう処女じゃないんでしょ? ほら、前回マサに抱かれたのはいつ? その時のことを思い出してみなさい」
「……」
「恋人へのプレゼントが妊娠の報告なんて素敵と思わない?」
 さらばミサキ、妄想の園へ。
頬を染め、ブツブツと愛しい彼氏の名前を呟く今の彼女に聖光女学院で五指に入る秀才の面影はない。
「お、お姉さま! こ、こ、高校生でに、に、妊娠なんて不潔です! 風紀が乱れてます!」
「そうですよ先輩! 家族計画です! 子づくりは計画的に!」
 アヤナとアイの遅すぎる自己主張。
もちろんこんなもん、焼け石に水、暖簾に腕押し。
リョーコにしてみりゃこのタイミングで二人がつっかかってくるのもお見通しである。
「アヤナ」
「は、はいっ!?」
「アンタは保育士になりたいんだっけ?」
「え、な、なりたいと言うか、子供が好きなので……」
「じゃあシチュエーションは決まりね。アンタの保育園でマサの子供を預かっていて」
「ちょ、ちょっとお姉さま!?」
「迎えに来たマサを倉庫に連れ込んでかねてからの想いを遂げる、と」

   若田部アヤナは薄暗い倉庫の中、四つん這いの格好で無心に腰を振っていた。
  彼女の背後には、一人の男性が覆いかぶさっており、これもまた同じように腰を動かしている。
  所謂、後背位のセックスだ。
  「ああっ、小久保君、小久保くぅん!」
  「わかた、べ……!」
  「いや、いやいやっ……! アヤナって、アヤナって呼んでくれなきゃイヤ……!」
   若田部アヤナと小久保マサヒコ。
  二人は中学時代、同じ学校に通っていた。
  間に何人か挟み、色々あったがまず異性同士としては仲が良かった方であろう。
  やがて中学卒業と同時にマサヒコは幼馴染と交際を始め、
  アヤナはアヤナで両親の事情でアメリカへと移住、接点は無くなった。
  「やばい……もう出そうだ」
  「あんっ、あっ、中に、中に……欲しいよ、小久保くんっ」
   涎を垂らして懇願するアヤナ。
  彼女の前髪や頬には、つい十分前にマサヒコがしたたかに撃ち放った精液がまだこびりついている。
  舌と乳房で奉仕をした結果だった。
  「でも、今日は……くっ、ヤバイんじゃないのか」
  「うん、うんっ、でも、でも欲しい、小久保君の精子、精液、子種が、欲しいっ!」
   二人が再開したのはまったくの偶然だった。
  アメリカから帰国後、アヤナは東大進学を強制する父に逆らって家を飛び出し、
  かねてからの希望であった保育士になるべく短大へと入学。
  無事資格を取得し、密かな母の援助もあってこの保育園へと就職した。
  「だけど、くっ、やっぱりダメだ、デキちゃうだろ……っ」
  「ううん、欲しいの、小久保君の赤ちゃん欲しいの!」
  「わ、若田部っ」
  「ごめんなさい、あんっ、あま……ミサキ……!」
   小久保マサヒコの妻、小久保ミサキ。
  旧姓天野ミサキは、アヤナの中学時代からの親友にしてライバルな関係だ。
  「ごめんね、ごめんね、でも、私、わたしぃ……」
326ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:21:21 ID:cP3wAZLo
   アヤナは薄暗い虚空に向かって謝り続ける。
  それはマサヒコへの、ミサキへの、そしてこの保育園に通っている一人の小さな女の子へのもの。
  そう、マサヒコとミサキの子への。
  「好きなの、どうしようもないくらい、小久保君が好きなの……ぉ!」
   満開の桜の下、マサヒコが娘を連れて入園式に現れた時、アヤナは言葉を失うくらいに驚いた。
  学生結婚、娘の誕生、そしてミサキが病気で入院という顛末をマサヒコの口から直に聞いた時、彼女の心の奥に再び炎が灯った。
  マサヒコへの、かつてひた隠しにしていた愛の炎が。
  「……ダメだ、外に出すよ若田部」
  「どうして、どうして……!」
  「俺はこれ以上、ミサキを、娘を裏切れない……!」
   妻が入院中で男の欲望を吐きだす機会がなかったマサヒコ。
  ミサキ不在で心に自制をかけることが出来なかったアヤナ。
  ともに弱い人間だったと言ってしまえばそれまでなのだろう。
  二人は、保育園のお迎えの時間に密かに裏の倉庫で逢引を重ねる仲になった。
  「ゴメンな、若田部……」
  「ううん、私こそゴメンね、小久保君……」
   マサヒコとミサキの子は、大好きな先生と大好きな父の爛れた関係を知らずに部屋で迎えを待っている。
  そう、今も―――

「とか、なーんとか」
「ありえませんッッッ!」
 アヤナ、完全に声が裏返っている。
パニックを通り越して頭の回路がショート寸前になっていることが良くわかる。
得てして自立心の強い自信家は予想外過ぎる出来事には脆いものなのだ。
「なんなんなんでわたわた私とこくこく小久保君がそんそんそんな関係に」
「落ち着きなさいアヤナ」
「だいたいたいありええないですす。小久保君と天野さんがもし結婚したなら私がそれを知らないわけが」
 ミサキは勉強上でのアヤナの倒すべき(?)ライバルだが、同時に大切な親友でもある。
仮にアヤナがアメリカから何年も日本に帰れなかったとしても、それでもメールで連絡を取り合うくらいはするはずの仲だ。
「ふふん、アヤナ」
「なな、何です?」
「アンタ、マサとミサキが結ばれることに抵抗はないわけ?」
「へっ!?」
 渡米直前、マサヒコに対する微妙な気持ちはふっ切った。
アヤナはそう信じていた。
信じ込もうとしていた。
ミサキだけはそれを心の奥で疑問視していたが、
少なくともマサヒコをはじめアイやリンコはアヤナがマサヒコへ恋心らしきものを抱いていることに気づいてはいなかった。
が、ぎっちょんちょん。
これもリョーコはあっさりと見抜いていたのだった。
ミサキとマサヒコの仲をアヤナが認めたつもりで認めていなかったのを。
「アヤナ、あんたはマサヒコを欲しいと思ったことが、本当に一度もなかったの?」
「私は、でもそんな……小久保君を、私は……」
 アヤナ、落ちる。
認めることは妥協すること、それはすなわち心が弱いということ。
そんな自分を決して許すことが出来ないプライドの持ち主だからこそ、こういう誘導尋問にはからっきしである。
327ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:22:23 ID:cP3wAZLo
「私は、でも、でも、でも」
「恋は奪いとるもの。そういう見方もあるわよ」
「待ーって下さいせんぱーい!」
「んっ、何よアイ」
「それ以上はダメです! マサヒコ君とミサキちゃんの仲を裂くようなことはー!」
 アイの言葉に、リョーコはにんまりと微笑んだ。
アイが自分を止めてくるとしたら、多分こんな言い方をしてくるだろうと踏んでいたからだ。
「アイ!」
「はいっ!?」
「アンタは教師、ならば王道路線で行くべきね。教師と教え子の禁断の恋路!」
「えええええええええええ」
「ついでにリン!」
「ふえ!?」
「アンタはファッションデザイナー志望だったっけ……ま、それとは関係なくアンタはスク水で野外プレイ!」
「何か風邪ひきそうですケド」
 小久保マサヒコへの誕生日プレゼントを何にするか。
その緊急会議は着地点が見えないまま限りなく空へと上昇中。
リョーコが仕切るとたいていは議論の向う先が見えなくなるものだが。
「よし! じゃあ教師とロリっ子と3Pで。いや、いっそ5Pか? Pだけにプレゼントということで」
 今回のこれは極めつけかもしれなかった。
暴走のバッケンレコードがひたすら伸びていく―――


「……ホント、楽しい子たちねえ」
 さて。
やはりというか何と言うかマサヒコ母、ドアの向こうでバッチリ盗み聞き。
彼女にしてみてもこれが目的でマサヒコを追い出したわけだから、見事目的達成と言えた。
「しかしリョーコちゃん、最初からプレゼントの話をする気なかったんじゃないかしらね」
 類は友を呼ぶとか、天才は天才を知るとか何とか。
性格構造に似たところが多々あるだけに、リョーコの暴走が計画的なものに思えてきた母なのだった。
「だけど、どうも若田部アヤナちゃんもウチの子に気があるみたいね」
 まったく誰に似たのやら、と胡坐かきつつ首筋をポリポリとかくマサヒコ母。
お行儀悪いが、さすがに立って聞き耳をたてるのはしんどいうということか。
座布団があったら良かったのだろうが、それはさすがに無いものねだりであろう。
「まだまだ波乱があるかも、これは」
 立場的に、マサヒコ母はミサキを応援はしている。
小さな頃からミサキがずっとマサヒコを好いていてくれたことも承知しているし、
二人が付き合い始めて無事に男女の仲になれたことも感づいている。
出来れば、息子にはこのままミサキと結ばれて欲しいとも思っている。
しかし、自身の過去の経験から、マサヒコ母は知っている。
恋愛というのはどう転ぶかわからない……ということを。
328ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:23:19 ID:cP3wAZLo
「ふふん、半分冗談のつもりだったけど、もしかしたら案外タイムリーな買い物だったかもしれないわね」
 ニヤリと笑うと、マサヒコ母はズズズとすすった。
本来ならミサキたちにふるまうはずだった、氷が溶けてすっかりぬるくなってしまった麦茶を。
そして思った。
今頃マサヒコ怒ってるだろうか、それとも途方にくれているだろうか。
「さて、我が息子はどうするか?」
 買い物のメモを持たせて駅前のデパートへとマサヒコを行かせたわけだが、
ボックスティッシュやら蚊取り線香やらの商品名が並んだそのメモの一番最後に、彼女はこう書いたのだった。

 『誕生日プレゼントとしてコンドーム一年分』と。



  F   I   N
329ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/06/29(日) 03:26:04 ID:cP3wAZLo
以上です。
アイとリンコのエロ妄想部分は結局省いた形になってしまいました。
すいません。

では、また。




>wikiの方
感謝の言葉もありません。
本当にありがとうございます。
330名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 07:14:53 ID:KdtldHnj
おおおーっ!!
久々の大量投下、みなさんご苦労様です。
331名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 10:47:21 ID:kRgfwoJd
郭  氏  復  活  キ  タ  ー  !
超乙!
332名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 12:43:16 ID:gkY6MmsH
ピンキリ氏まできたあああああ
本当久しぶりの投下ラッシュ、生徒会でもっとこれが活性化すればいいな^^
333名無しのWiki職人:2008/06/29(日) 13:02:13 ID:fqP7YczW
お疲れ様です
Wiki保管庫更新しました


以前は一記事15KB程度が限界だったので長編は分割していたのですが、
一記事のサイズが大きくても大丈夫になったようで
たとえば郭氏の「Back in Japan」(約140KB)でも1つに出来ます。
編集人としては楽なのですが、ちょっと長すぎる気もしますね。
334名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 01:41:14 ID:rsZLM80j
祝!郭泰源氏カムバック!
そしてwiki人も乙!
335名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:24:48 ID:nDWDeMA4
移籍情報確認してないんだけどいつ移籍するんでしょうか?
336名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 22:26:21 ID:vGU+eB/w
>>335
7月23日発売のマガジンからだよ
337名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 07:10:55 ID:DDEo7PWy
郭氏帰還というのに人が少ないな
338名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 07:18:56 ID:Ylhcz/TD
んなこたないぞー
339名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 15:13:53 ID:DDEo7PWy
そうかーすまん
あ、マサヒコ誕生日オメ
340名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 17:09:13 ID:4Jtz3avE
まあ、今は仕方ないよ 週間に変わると目につきやすいから、人増えるかも・・・
でも、ROM専の人もいるだろうそこそこ人いるんじゃないかな
341名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 09:03:35 ID:VP/Uaf+3
黄金期の一気に十数人がGJレスを返す様は壮観だったな
まぁ昔は昔今は今でマターリできればいいんだけどな
342Y-275:2008/07/02(水) 17:42:44 ID:zJ+0Bv4e
こんにちは。住人、職人の皆さん、お疲れ様です。

唐突ですが、投下します。

かなり前に書いた小ネタを上回るやっちゃいけなかったかな感のある小ネタです。

スルー対象ワードは

『涼宮ハルヒ』

『タカトシ視点』

です。

かなりの悪ふざけネタなので薄目で読んでください。
343Y-275:2008/07/02(水) 17:46:07 ID:zJ+0Bv4e

『すいません、遅れました。』

俺が一声かけて生徒会室に入るとそこには異様な光景があった。

『遅かったわね、津田君。』

遅れた理由に関しては触れずに、ただ一言だけ返す、アリア先輩。

ただ、その格好は…

『メイド服??』

『こら、アリア!!素で返してどうする!?服着せる前に言っただろう!!今日は未来から来たドジなメイドの役だと。萩村を見習え!!』

いつもの場所辺りから会長の声が聞こえる。
だが、肝心のスズ先輩の姿が見当たらない。
俺は辺りを見渡す。

『…いた。』

スズ先輩は生徒会室の片隅でハードカバーの分厚い本を読んでいた。
いや、ぶっちゃけ、その体格でその本を持っているのは重そうなんだが…

『…………』

スズ先輩は視線をこちらに向けたが表情一つ変えず、何もしゃべらない。3点リーダー製造機と化してしまっている。

声でいつもの場所にいると判断し、今まで一度もそちらへ向けてなかった会長の方へ俺は視線を移した。

『……っ!?』

俺は思わず絶句してしまった。
何の気まぐれか会長の髪型はポニーテールだった。
それと何故か腕に『生徒会長』と書いた腕章がついていたことも言っておかねばなるまい。

………………………………
344Y-275:2008/07/02(水) 17:47:38 ID:zJ+0Bv4e

『昨日、スニーカー系のライトノベル超人気シリーズの4作目を読んで、状況似てるし、面白いんじゃないかと思ってな。』

あのシリーズなら俺も読んだことはある。
確かに、俺に妹がいてみたり、スズ先輩と物真似してるキャラも、アリア先輩と物真似してるキャラも身体的特徴は被る。
なんなら俺が生徒会に入るまでの経緯、会長の強引さを類似要素として加えても良い。

『それに…』

会長はまだおっしゃりたい事があるようだ。

『これから週刊に移って、今まで知らなかった奴らにパクリ等と某掲示板に書き込まれるのもシャクだからな。それならいっそ、先にネタにしてしまおうという訳だ。』

先程俺が易々と類似要素を上げられるぐらいだ、新しく読みはじめた奴らにはそう映る可能性は充分有り得る。
だが、しかし…

『いや、面白そうもなにもジャンルが違い過ぎますよ。』

SFのライトノベルと4コマのギャグ漫画。なにもかもが違いすぎる。
っつーか、会長はいとうの○ぢ原画作品好きだな。
家のPCにななついろドロッ○ス辺りのアイコンがあってもおかしくないんじゃなかろうか?

そんな事を考えていると、

『津田君、これ、お茶ね。』

アリア先輩がお茶を差し出してくる。

っつーか、なにが何でもこの設定通すつもりですか…
345Y-275:2008/07/02(水) 17:49:38 ID:zJ+0Bv4e

『ところで、会長?』

俺は自分の疑問を解決することにする。

『あの作品に出てくる、ガチホモのにやけ超能力者役は誰がやるんですか?』

そう。あの話を真似るのであればもう一人登場人物がいる。

『はぁ、何を言っているのだ津田?4作目だと言っただろう?いないのが標準仕様だ。』

『いや、それだと会長もここにいちゃおかしいんじゃ…』

俺の記憶が確かなら、4作目のパラレルワールドにはガチホモの超能力者も、彼が神と崇める人間。つまるところ今会長が演じている(はずの)キャラもいないのが正解のはずである。

さらに厳密にいえば、アリア先輩役の人がサンタコスをしても、メイド服を着ることはない。
あれか?ポニーテールならここにいてOKって事なのか?俺にはポニテ属性無いぞ?

等と思考の世界に入り込んでいた俺が再び会長の方を向くと会長は俯いている。

地雷踏んじまったか?
背中を嫌な汗が流れる。


『そ、そんなに、津田は私がいるのは嫌か?』

………………話が唐突に飛んだ気がする。

『私だって、『普段の会長が良い』やら、『いつもの会長といる日常が楽しい』なんて言われてみたかったんだ!!』

ちょっ、会長何を言って…

『さらには、階段落ちして入院した津田の横に布団をひいて会長権限で独り占めを…』

って、俺はこのあと階段落ちまで求められてたんですか!?
346Y-275:2008/07/02(水) 17:52:38 ID:zJ+0Bv4e
刺されるよりかはマシだけどさ…
助けを求めるように辺りに視線をさ迷わせるとスズ先輩がこちらを見ている。

『………………』

って、スズ先輩、まだキャラ続行中ですか!?
っつーか、今更ながらですが、先輩のIQが180もあると思うと、ハードカバー本が映えますね。

『萩村先輩。会長もこんな様子ですし、もう演じ続けなくても良いんじゃないですか?』

『………わかった』

っつーか、ほんとにわかったのかどうかいまいちわかりにくい答えだな。

『♪ある晴れた日の事〜』

突然の歌声にビックリし、そちらを見ると、メイドさんが踊っている。

『ちょっ、七条先輩何を!?』

『いや、そろそろエンディングかなと思って。』

『どの辺の流れが!?いや、そうじゃなくて突然歌いださないでください!!まじでビビりますって!!』

『ん〜、わかった。別の曲にするね。』

いや、そうじゃなくて…

『ミ、ミ、ミラクル、ミク…』

『だ〜、それ以上歌っちゃダメだ〜!!』

………………………………

2度とこんな事はおきまいとは思うが、かなり混沌とした生徒会室から解放されたのは、下校時刻のチャイムが鳴り響いた後だった。
キャラが壊れた会長だったが、生真面目にも下校時刻のチャイムとともに『解散!!』と宣告。
アリア先輩の着替えを待っている二人を置いて、俺は先に下駄箱に向かった。
しかし、考えてみると、あんな感じの突拍子もない思いつきにしょっちゅう振り回される作中の主人公は凄いな。
4作目の中ではそんな日常が『楽しい』だなんて発言してるし。そんなの俺には脱帽もので、
そんな境地を得るのは一生無理に思える。
そんな風に思うのだが、どうしてもこのあとに出てくるセリフは彼と同じなようだった。

『やれやれ…』
347Y-275:2008/07/02(水) 17:58:26 ID:zJ+0Bv4e
以上です。
言い忘れましたが、前に書いたシャナネタと繋がってたりします。

漫画板のほうでこんな話題が出てたのでノリと勢いで。

タイトルは

『生徒会役員共の消失』

で。

今、本誌移転に間に合うようにアリアで一本書いてます。

それでは、お目汚し、駄文乱文失礼致しました。
失礼します。
348名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 19:07:17 ID:2DvcVHSy
349名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:07:02 ID:IeebLA0R
自分はハルヒをあまり知らないので、何ともいえませんが
とりあえず、ハイペース投下本当に乙です
350名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:07:57 ID:IeebLA0R
自分はハルヒをあまり知らないので、何ともいえませんが
とりあえず、ハイペース投下本当に乙です
351名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 01:28:52 ID:xsJlNA1b
ちょっとニヤリとしちゃった。
352名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 10:31:44 ID:j2pqXJcY
これはクロスとかコラボって言っていいのかなw
ともかくハイペース乙


あ、ふと思ったが郭氏はもしかして前回でスレ史上初の投下100突破?
353名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 13:05:52 ID:Y/B2uceU
マターリ
354名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 14:23:56 ID:f4POew7i
ふわ〜り
355名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:14:23 ID:R3xohjsC
中村リョーコ
小久保ママン
小宮山
佐々岡
園長嫁
レイコ社長
横島
寮母

氏家女傑八部衆
356名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 15:27:56 ID:VW49x/cZ
まぁ1番エロいのはコスプレイヤー・ケイちゃんなんですけどね
357某コテハン:2008/07/05(土) 21:32:54 ID:jVsu4Nyp
ここのところ仕事が忙しくて製作が全く進みませんが、
新しい職人さんが頑張っていることだし、自分も気力を振り絞って作品を完成させようと思います。
358名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 16:29:49 ID:n/ePGIBj
おkおk
359名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:12:41 ID:OcVo4ICZ
ガンガレー(wktk
360名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 12:11:02 ID:6RfJwnbi
黄金期は右も左も職人ばかりだったような気もしたが、
今まででいったい何人が蹄跡を残したんだろう?
361名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 14:46:40 ID:ltXl0enx
生徒会が週マガに移籍したら職人増えるかな?
362名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 08:51:00 ID:5iBw3GC9
戻ってくる職人はいるかも試練
363名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 12:10:37 ID:0Y8pU/YY
男一人に女多数の下ギャグというスタイル
それが氏家、そこに痺れ(ry
364名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 04:24:34 ID:vDOAv0dA
氏家先生の作品って設定がギャルゲっぽい(思い切りネタにしてましたが)気がする。
ツンデレネタはほぼ全員がやったし、クーデレネタもあった、ネコミミはリンコが、妹はカナミ、コトミ…ドジっ子、天然もいる。
あと、姉属性とヤンデレ属性はどこでネタになるのか若干楽しみな俺がいる。
365名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 18:26:37 ID:QuMaRAEH
ヤンデレは置いといて、姉はそういえばいないな
まあ姉御キャラぽいのはいるけど
366名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 21:01:43 ID:dLqT3+qK
男主人公が揃って美形で天然レディキラーっぽいからな
あかほん井戸田は本領発揮?前に連載終わったからアレだが
367名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 22:46:54 ID:q3TiqYAo
姉>スズ
あえて言ってみたり
368名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 23:50:38 ID:tE6aLo2M
井戸田の場合は立場上、TBの3人相手に
本領発揮するのはまずいのでは(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
369名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 17:32:44 ID:4KLTbkQy
じゃあ三瀬さんで
370名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:43:12 ID:jPl4r4p+
じゃあ社長で
371Y-275:2008/07/13(日) 13:41:54 ID:fPc4x9X8
住人、職人、保管庫管理人の皆さんお疲れ様です。
なんとなく、以前からちょこちょこ書いてた生徒会役員共のSS、めどがついたんで投下します。

スルー対象ワードは

『未完』

『アリア視点』

『展開が急』

です。
372Y-275:2008/07/13(日) 13:43:41 ID:fPc4x9X8

『海についたぞ!!』

夏の日差しのもと、吹き抜ける心地よい潮風に髪を任せるまま、なびかせながら、一番前でシノちゃんが声だかに宣言しています。

来る前に『遊びではない』と宣言しておきながら、楽しみで仕方なかったのでしょう。

私もその気持ちは良く分かります。
楽しみでないといえば嘘になるから。

ただ、素直に楽しめる訳ではなかったりもします。
その事を考えると少し憂鬱です。

私とシノちゃんの間に取り交わされた、『約束』という懸案事項を抱えながらも合宿はスタートしました。

………………………………

『わ、私と津田の間を取り持ってくれないか?』

そう告げられたのは夏休みを控え、終業式の打ち合わせを終えた夕方の生徒会室でした。

『そ、その、なんというか、ど、どうも、津田のことがだな…』

言い淀みながらシノちゃんが続けました。

いわく、彼と接しているうちに彼が気になりだしてしまったこと、校則との間で揺れ動いた期間もあったこと、それから、気持ちを伝えようにも手順が分からないこと。

『というわけで、自然と2人の心が通い会うような、その、なんというか…』

言葉を続けるシノちゃんの顔は夕日に照らされながらも露骨に真っ赤になっているのがわかりました。

『わかった。お安い御用だよ。』

悩んでいる親友を突き放そう等とと思うほど私は薄情ではありません。
ちょっと、お人よし過ぎかな等と思いつつも、私は引き受けることにしました。
373Y-275:2008/07/13(日) 13:45:06 ID:fPc4x9X8

シノちゃんに言われ、津田くんの事を今までより気にしだすと、軽はずみだったかなと思ってしまうような事もありました。
でも、それも別段気にするようなものではありませんでした。
かといってシノちゃんと津田くんの仲が進展することも無く。
結局普段通りなまま私達は今日を迎えてしまいました。

………………………………


『ねぇ、一緒に遊びに行かない?』

私が一人浜辺を歩いていると見知らぬ男の人が声をかけてきました。

本来ならば、2人の仲を取り持つという約束を交わしている以上、2人の側にいるのが適切であったとも思います。
しかし、津田くんはスズちゃんと飲み物を買いに出掛けてしまい、シノちゃんも休憩と言って、パラソルの下で休んでいます。
そんななので、私は私で浜辺を歩いていた矢先でした。

『友人と一緒に来ているので遠慮させていただきます。』

私は丁寧にお断りします。

『その友達とは後で合流すればいいじゃん。行こうぜ!!』

そういうと強引に私の手をとってきます。

『ちょっと!!離してくださいよ!!』

思いもよらない事に私は動揺してしまいます。

『大丈夫だって、ちょっとだけだから。ね?』

そういうと男性はさらに力を込めて私の手を引っ張ってきます。
純粋に力でものを言われてしまうと私にはなす術はありません。
これはかなりやばいかも…
貞操帯つけておけば良かった。私は軽く後悔してしまいます。
374Y-275:2008/07/13(日) 13:46:15 ID:fPc4x9X8

『ちょっと、人の彼女に何してるんですか?』

聞き慣れた声が聞こえて私は振り向きます。
男性の方も同様にそちらを振り向くとそこには津田くんがいました。
遠くから私と男性のやりとりに気付き、駆け付けて来てくれたのでしょう。

『は?なんだ、てめぇ?』
男性は津田くんを威嚇します。

『おまえこそ、何様だよ?人の彼女の手を掴みやがって。』

男性は再度繰り返された津田くんの彼女発言に、確認するように私の方を見ます。

『うん。私の彼氏です。』

『な!…さっきは友達とって…』

男性は動揺を表面にだしながら、うろたえています。

『待たせたな。アリア。ほら、行こう。』

そんな男性を前に津田くんはあいている方の私の手を引きます。

『…うん。行こう』

先程男性に引かれた時には何とも無かったのに、津田くんに手を引かれ、私は顔が火照るのを自覚しながら一言だけ返すとそのまま歩き出しました。
男性は呆然としてしまい、もはや引っ張る手に力はこめられておらず、簡単に引きはがすことが出来ました。

………………………………

それから暫く津田くんはなにも言わずに私の手を引きながら海岸を歩きます。
私も黙って着いて行きました。
途中何度か先程の津田くんの姿を思い出してはドキドキと高鳴る胸に動揺を覚えながら。

『ふはぁーっ、緊張したぁ。』

やっと発した津田くんの第一声は私もあまり見たことも無いもの。
まさに言葉通り、彼も緊張していたのでしょう。
375Y-275:2008/07/13(日) 13:47:15 ID:fPc4x9X8

『どうでした俺の演技?』

繋いだ手はそのままで津田くんはこちらに向き直ります。

『うーん、そうねぇ…』

突然向き直った津田くんに私はさらに頬が火照るのを自覚しながらなんとか平静に言葉を返します。

『なかなかの高得点かな。』

『でしょう?これでも、妹に付き合ってよくドラマ見てるんですよ。』

なんだか嬉しそうな津田くんです。

『それにしても、七条先輩になにも無くて良かったですよ。』

正直それは反則ではないだろうか?そんな風に思ってしまう発言をさらりと津田くんはしてきます。
先程から彼を意識してしまっている私に破壊力は抜群でした。
その後の津田くんの言葉は私の耳には入らず。
ただ、手を引く津田くんに付き従って歩きました。


………………………………

『お風呂は24時間利用可能だって、お姉ちゃん。』

その後、皆のもとへと戻ると横島先生はすっかり出来上がった状態。
仕方なく私達は近くの旅館へと泊まることになりました。
一応体裁もあるので、私達は姉弟ということになっています。
ただ、部屋が一つなので今晩は一晩中津田くんと一緒。自然と心が高揚するのがわかります。
きっと今、シノちゃんも同じように感じている。
私はそう思いました。
そう思うということは私も津田くんを好きになってしまった…
その事実はどうしても認めなくてはならないようです。

………………………………
376Y-275:2008/07/13(日) 13:48:48 ID:fPc4x9X8

『良いお湯だったね。スズちゃん。』

『ええ、そうですね。』

お風呂に入った帰りの事です。
そんな会話をしながら廊下を歩いていると、目の前で津田くんとシノちゃんが楽しそうに会話をしています。

なんだかんだ言って私の助け無しでもシノちゃんと津田くんは仲良くなっているようです。

そんな2人に心が痛みます。

『七条先輩どうしたんですか?』

突如、押し黙った私を不振に思ったのかスズちゃんが声をかけてきます。

『ええ、なんでもないの。』

私は平静を装って返します。

『それにしても、津田と会長は仲が良いですね。あれじゃ、姉弟というより、カップルです。』

その言葉に奈落に落とされた気分になります。
このままいけばそれは事実になる。
私は自然とそう思えました。
だって、前を歩く2人はそれほどまでにお似合いに写るのですから。

それはシノちゃんの気持ちを知っている私としては嬉しいこと。
でも、私個人としては悲しいことでもあります。

………………………………

『近親相姦は良くないぞ!!』

夜中に突如大きな声を出したシノちゃんの声に私達一同は目を醒ましてしまいました。

『その設定まだ生きてたんですか…』

津田くんはツッコミもそこそこにシノちゃんを自分の布団へと押し返します。

どうも状況から察するに寝ぼけたシノちゃんが津田くんの布団に潜り込んでしまったようです。
私の助けなんかいらないんじゃ…
思わずそう口から出かけて、その言葉を飲み込みます。
シノちゃんは強く意識してるよりも、普段の何気ないやりとりやボケっぷりが事態を良い方に持って行ってくれるような、
そんな星の下に生れついた子なのでしょう。
私も時々ボケてるなんて言われるけれど、それで事態が好転して行くなんて強運は持ち合わせていない。
そういう自覚があります。
377Y-275:2008/07/13(日) 13:50:52 ID:fPc4x9X8
それならば、行動をおこさなければ、この気持ちに報われる日が来ることはない。
私は思わず息をのみました。
津田くんに自らの恋心を伝えるということ、それは即ち、シノちゃんとの約束を反古にするということ。
シノちゃんとの関係は生徒会の役員として、会長と書記ではありますが、それ以前に親友です。
親友を裏切ってまで叶えるべき恋心なのか?

私は多いに悩みます。

『七条先輩どうかしたんですか?』

その時、不意に向かいの布団から声がかかりました。
みると津田くんが顔をこちらに向けています。寝返りをうった際にでも私が心地悪そうにしているのが見えたのでしょう。

『いや、ちょっとね…』

私は自分の考えを気取られまいと平静を装って答えます。

『津田くんは?』

『いや、なんか、一度目が醒めちゃったら、なかなか寝付け無くて…』

どうやら津田くんは目が醒めてしまったようです。

『ふふ、私もよ。』

私は短く答えました。

『それに、なんか、嫌な予感がするんですよね。寝ぼけたとか言って誰かが布団に忍び込んで来そうな…』

『…ゲフン、ゲフン』

…津田くんがそう言った瞬間むせるような咳が聞こえてきました。どうもその"誰か"は図星のようです。

『それなら、少し、外歩かない?』

私は津田くんを誘ってみることにします。
正直いうと、さっきの津田くんの発言がなんだか、起こりえそうな気がして、何とも言えない寒気がしたからです。

『そうですね。』

津田くんはその全てをという訳ではないでしょうが、私の意図するところは汲んでくれたようです。

津田くんが布団から出たのを確認すると、私も布団から出て、2人で廊下に向かいました。

………………………………
378Y-275:2008/07/13(日) 13:52:07 ID:fPc4x9X8


海の見えるロビーで向かい合うように私達は腰を下ろしました。

『いや、会長にも参っちゃいますよね。素でやってるにしても、いちいちビビりますよ。昔からあんななんですか?』

頭を掻きながら津田くんが問いかけてきます。

『うーん、あのまんまだよ。ものすごくしっかりしてて、同性から見てもひくくらい完壁なんだけど、あの通り。
でも、それが逆に堅すぎる印象を与えずに好感に繋がるんじゃないかな?』

私はシノちゃんについて思う事を付け加えながら答えます。

『なるほど、そう言われてみると…』

『その言い方だと津田くんはそう感じてはいないってこと?』

思ってもみない津田くんの答えに私は聞き返します。

『俺は立場上いちいちその言動やなんかに振り回されたり、ツッコんだりしてる分だけ、そんな風に思った事無かったですよ。』

『そうなの?』

『ええ。』

やや、苦笑気味に津田くんが答えます。

『でも、そんなところもシノちゃんの可愛いところだと私は思う訳です。』

別に今更その役目を全うしようという訳ではないけれど、津田くんがシノちゃんの魅力に気づいていない事が親友として悔しくて、私は付け加えました。

『確かにそうかも知れませんね。完璧なだけよりか全然親しみ持てますし。』

『そうそう。』

そこも純粋にシノちゃんの魅力として津田くんが捉えてくれれば良いな。
素直にそう思えます。
自然と私の頬が微笑んでいるのが分かります。

『そういえば、うちは校則であれですけど、会長って彼氏さんとかいたことあるんすかね?』

急に話しが飛んだ気がします。
379Y-275:2008/07/13(日) 13:58:07 ID:fPc4x9X8
『うーん、特には聞いたこと無いなぁ、あ、でも、共学化する前はしょっちゅう告白されてたけどね。女の子から。』

『百合っすか…さすがは女子校。』

そうは思っても私は素直にそう答えてあげました。

『でも、どうしてそんなこと聞いたの?』


『ん〜、なんとなくですかね。魅力的であっても大変そうだななんておもわず思ったんで。』

この口ぶりだと少しはシノちゃんの思いは期待が持てるのかな?
若干の切なさが込み上げます。

『そういえば、七条先輩はどうなんすか?』

『残念ながら、私は昔から私立の女子校で、いない歴=年齢です。津田くんは?』

『俺もいない歴=年齢ですよ。』

そういう年代だから仕方が無いのでしょうけど、やっぱり、恋愛の話は盛り上がります。

『じゃあ、どういう娘が好み?うちの高校ならより取り見取りじゃない?』

『いや、それ以前にうちは校内恋愛禁止じゃないですか。』

津田くんは苦笑します。

『まぁ、でも、実際悪いことする訳でも無いし、前例も無いし、どうだか分からないわよ?
そこまで深く考えずに、オナネタにこんな娘使ってますって告白するつもりで。』

『女子校育ちでオナネタって良いんすか!?』
380Y-275:2008/07/13(日) 13:59:14 ID:fPc4x9X8
津田くんにツッコまれちゃいました。
あ、もちろん、ナニじゃないですよ。
気軽にってつもりだったんですが…

『それはそうと、どうなの?』

『う〜ん、そんなに難しくは考えてませんね、好きになることに理由なんて特に無いかなと…
後はお互いの気持ちですかね。』

なるほど。
なんとなく、かわされた気もしますが、確かにそうなのかもしれません。
それに、昔読んだ本に書いてあった気がします。

『恋愛って難しいロジックじゃないもん。要はヤリたい時にヤル事よね。』

そう考えるとさっき布団の中で悩んだのも馬鹿らしくなって来てしまいました。
要はヤリたいか否か、そして互いの気持ちね…

『突然だけど、津田くんは私とシたい?』

『はい?』

『いや、互いの気持ちが大切って言ってたから…』

『あの、どこからツッコめば良いんですかね?』

『ツッコむところの選択肢は3つしかないよ?』

『えっと、それはつまり、どこからその発想が生まれた!?とスるって何をだ!?と…』

津田くんはいきなり挿れてくるつもりかと思ったらどうやら違ったみたいです。
私も初めてだし内心焦り気味でした。

『う〜ん、確かに、結婚を前提にしてる訳ではないし、それに、初めてがベッドの上じゃないのもちょっとね…じゃあ、胸でしてあげる。』

『いや、ちょ…』

『津田くんは嫌?』

津田くんの意志を確認するように私は津田くんの顔を覗き込みます。
津田くんが、拒絶するようなら、今日は止めておこう。
そう思いながら津田くんの答えを待ちます。
津田くんは目を泳がせて、ちらりと一瞬、私の胸元を見ました。

『…嫌じゃないです。』

顔を真っ赤にしながら津田くんが小さな声で答えました。

『じゃあ、混浴行こうか。』

そう言って私は腰をあげ、歩き出します。

何でですかと聞いてくる津田くんにその方が色々都合が良いじゃないと答えながら。

………………………………
381Y-275:2008/07/13(日) 14:04:23 ID:fPc4x9X8
とりあえず以上です。
続きは週マガ移籍までにと言いたいところですが、ちょっと難しそうです。
ここまで書くのに二転三転してしまっているので、グダグダ&かなりの急展開になってしまいました。
書きはじめると夢中になって書けるんですが、詰まると平気で長期間放置してしまうので期待せずにお待ちくださいませ。

駄文乱文失礼致しました。
それでは失礼します。
382名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 12:39:42 ID:J1dazTj2
早いペースに充実ぶりがうかがえます乙!
383名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 14:28:16 ID:Ye02zm7a
GJ!!!
384名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 17:52:57 ID:LAVrqBTM
乙andGJ!
385名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 10:43:28 ID:ZA8ojzWC
目指せエースの座!
386名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 13:56:47 ID:XKN6GiWM
マサやシホ、シンジたちは元気にその後をくらしているだろうか
387名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 18:24:55 ID:uLM72ZBR
立たされろ、日本男子!!

予告きたわあああああああああああ
マガジン一時買うのやめてたけど、また購読しなおす

初回はCカラーらしい、やっぱページ数は6かね?
388名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 20:44:16 ID:XKN6GiWM
ん?マガジンの予告見返したらシノとアリアが二年、スズが一年になってる
これは‥‥?
389名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:59:18 ID:sx3NrBz3
時期的にリアルタイム進行かなと思って、3月終了か?とか思ってたが、その設定なら2年はやるつもりなんだろうな。
編集部の意図感じまくりだけど。
390名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 01:07:43 ID:HVMB9T8G
氏家関連スレじゃそこかしこで「まーた編集がお約束で間違ったんだべ」と突っ込まれてるなw
前科たっぷりなだけに確かに怪しい
391名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 11:16:18 ID:4t82C4CX
シンジや今岡、ケイは志望大学に受かったかな
392名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 11:43:29 ID:Lsr5xowg
落ちた
393名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 19:28:20 ID:v59KY7SR
シンジが誰を堕としたって?
394名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 20:29:26 ID:iO7PQi/Z
カナミ
395名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 10:35:51 ID:umhT1pyp
しかし、変なタイミングでの異動だな
スクランのドタバタした畳み方をみると何かあったのかとさえ思ってしまう

とりあえず氏家がんばれ超がんばれ
396郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:51:10 ID:vIyoi591
はい、どうも郭です。予告通りのカナミ×シンジ、嫁との完全共作です。
NGワードは「若干鬱展開」「カナミの性格がホラー気味」かな。では、投下。
397郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:51:55 ID:vIyoi591
「あ・・・いい・・・・・・おにいちゃん」
ぐちっ!ぐちゅ!
「・・・・・」
おにいちゃんが、黙って後ろから私の中に入ってる。
「カナミ・・・・・・」
「あ・・・・あンっ!おにいちゃん」
耳元で、名前を呼ばれる。低い声で囁かれるだけで私はまた、感じてしまう。
すじゅッ!!びくん!!
「あ・・・はぁッ!!入ってるう!」
奥深くまで、おにいちゃんの体積が私を満たしている。壊れそうなくらいに強くされているのに、
私のあそこはおにいちゃんに突かれて、喜んでいるみたいに、ちぢこまった。
ぐしゅッ!!ぐぢッ!!
「あ!あぁ!!深い!すごいよぉ、おにいちゃん」
おにいちゃんは、後ろから犯すのが好きだ。突かれるたび、
私のおしりの穴がきゅっとちぢこまるのを見るのが好きらしい。
この体勢だと大好きなおにいちゃんの顔を見ることができないし、
おしりの穴を見せるのなんて初めは恥ずかしかったけど、
慣れるとこっちの方がおちんちんの当たり方が深くて気持ち良くなるから不思議だ。
「カナミ・・・・はっ、はぁ・・・・・」
ぐぷん、ずぷん!
「あ!!おにいちゃん、それ!!いい!ふうッ!!」
最後にいっかい、思いっきり奥までさされて、私は、イッた。
おにいちゃんと、こころとからだが同時につながるのを感じた。
私の中で、おにいちゃんのおちんちんが痙攣するみたいに動いた。
0.1oのゴムごしに、おにいちゃんが射精しているのを感じた。
どくん・どくんって、おにいちゃんのおちんちんから精液があふれてるのがわかった。
「あっ・・・すごいよ、おにいちゃん。すごいッ。あったかい・・・せーえきが、いっぱい入ってくるよ・・・」
「・・・一応、コンドームはしてるんだけどな」
「えへへ・・・でもこう言った方が、気分出るでしょ?」
「あのなあ・・・」
ちゅッ
さされたままからだをおこして左腕をおにいちゃんの首にまきつけると、
苦笑いしてるおにいちゃんの横顔にごほうびのキスをしてあげる。
「きもちよかったよ、おにいちゃん。じょうずになったね!」
「誉められて良いもんだかな、それ」
言いながら舌を出すおにいちゃん。ちっちゃい頃にいたずらをみつかったときと同じ顔。
すごくカワイイから、私はおにいちゃんにまた、キスをした。
ちゅッ・・・くちゅ
「・・・・」
舌と舌をからめてまぜてくっつかせる。あったかい、おにいちゃんの口のなか。
おにいちゃんの口のにおいが少しした。おにいちゃんが唾液を私の口のなかにいれてきたんで、
こくこきゅとのみこんだ。あまり味がしないけど、おにいちゃんの唾液だから美味しい。
私を見つめるおにいちゃんの目は、哀しそうだった。わかっているんだ。私にも。
これが、いけないことだってことくらい。それでも、私は

カナミが哀しそうな目で俺を見つめてくる。分っている。俺にも。
これが、禁忌の行為だってことくらい。それでも、俺たちは。

ある日曜日のことだった。俺はいつもどおり10時すぎまで寝過ごしていて。
カナミに無理矢理布団からたたき出されて、リビングで遅い朝食を食べていたところだった。
「え?あ、はい。城島ですけど」
電話をとって話していた、カナミの顔色がみるみる真っ青になっていくのが分った。
「カナミ?なんかあったのか?」
「おにいちゃん・・・・・・・・」
「お、おいカナミ??」
£
398郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:52:48 ID:vIyoi591
青い顔をしたカナミが、崩れるように俺に抱きついてきた。

『海外に赴任していた父親と母親が、今朝交通事故で亡くなった。今すぐ、家族に現地に来て欲しい』

なかなか要領を得ないカナミの言葉をなんとかまとめると、こういう話だった。
さっきの電話は、父親の勤める会社からの電話だったということだ。
驚いた俺が電話をかけ直すと、父親の上司だとかいう人が慰めの言葉とともにさらに詳しい話をしてくれた。
「・・・今回はお気の毒としか言いようがありません。こちらでも確認しましたが、
現地はテロの可能性も低く事故ということで間違いないようです。
城島さんは長年会社のために頑張ってくれていたのに、お子さんたちには本当に申し訳ないことをしました。
我々も同行しますし、飛行機の手配等は全て会社で負担しますので、一刻も早く現地に向かって欲しい」
俺も慌てていたから良く覚えていないが、確かこんな話だったはずだ。
ニュース番組のほんの1分程度のコーナーにも、新聞の小さなお悔やみ欄にも載らないような、
それは地味でありふれた事故の話。だけど、それが俺たちの身に降りかかってしまった。
「おにいちゃん・・・・どうしよう、おにいちゃん・・・・」
泣き続けているカナミをなんとかなだめて関川の叔父さんの家に電話をかけた。
叔父さんも驚いていたけど、さすがに俺たちと違って大人だった。
パスポートの手配や学校に休みの連絡もしないといけないから、すぐに家に来てくれると言ってくれた。
(そうか・・・・そんなこともしないといけないんだ)
俺は、、、どこかこれが現実の話じゃないような、不思議な気持ちで叔父さんの話を聞いていた。
受話器をおいて、カナミの隣に座った。泣いて泣いて、とにかく泣き続けていた。
カナミのお気に入りだったはずのTシャツもスカートも涙でびしょ濡れで、
畳の上にまで涙のあとが次々とできていた。
「・・・・・・・・・」
なにも言わず、俺はカナミを抱きしめた。カナミの涙で服が濡れるのが分ったけど、抱きしめた。
「・・・・・・どうしよう、おにいちゃん」
「関川の叔父さんが来てくれるって言ってたから。とにかく待とう。それから考えよう。
俺もどうしていいのか分らないけど、お前が泣きたいなら、泣けばいいよ」
「どうしよう、おにいちゃん」
カナミのおっきな目から、ぼろぼろと涙が溢れて流れる。俺は空っぽな気持ちで、ただそれを見つめていた。

それから後のことは、あんまりにも急で強烈な展開だったんで、今思う出そうとしても逆に難しい。
叔父さん夫婦にエーコまですぐに来てくれて、その後のことはほとんど仕切ってくれた。
俺とカナミは父親の上司だという人に連れられて、名前でしか聞いたことのないその国に向かった。
両親は飲酒運転のトラックに追突されたとかで、遺体も、、、それは見ない方が良いって言われた。
父親と母親だったはずの、一部。それだけを俺たちは日本に持ち帰って、葬式をすることになった。
一応俺は喪主とかいう立場だったんだけど、そこでも叔父さんたちが全部やってくれて、
俺たち兄妹はただ茫然と忙しく、全然実感がないまま時間が過ぎていった。

「大丈夫なわけはないだろうけど、気持ちをしっかり持つんだよ?シンジ君」
「はい・・・なにからなにまですいませんでした、叔父さん」
「なに言ってるんだよ、こういうときには頼ってくれないと」
「本当に助かりました。叔父さんたちがいなかったら、俺たちどうしていいのか分らなかったです」
「君がしっかりしないといけないかもしれない。でも辛かったら、本当にいつでも連絡してくれよ?
エーコも僕たちも、すぐに駆けつけるから。エーコもカナミちゃんを心配してるし」
「はい・・・」
日本に帰ってきてから、エーコはずっとカナミと一緒にいてくれた。
カナミの憔悴っぷりといったらなにしろひどくて、葬式に来てくれたマナカちゃんや矢野ちゃんですら
声をかけるのをためらうくらいだったから、エーコの存在はすごくありがたかった。
「じゃあ・・・私も帰るけど。シンちゃん、あのね、あの・・・」
「本当にありがとう、エーコ。すごく助かったよ」
「シンちゃん・・・私、また来るよ?絶対、来るから」
「うん。・・・待ってる。ごめんな、エーコ」
エーコは涙をこらえるような顔をして、多分、まだ言いたいことが沢山あったんだと思うけど・・・
それでも最後には笑顔を見せて、叔父さんと一緒に帰っていった。
£
399郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:53:29 ID:vIyoi591
「・・・・・・・・・」
叔父さん夫婦とエーコを見送ったあとの家は、静かだった。静かすぎて、鼓膜が痛いくらいだった。
(・・・カナミ)
気持ちの片隅に、、、いや、本当は気持ちのど真ん中にずっとあったことに、やっと俺は向き合った。
さすがに葬式のときは出てきたけど、帰国してからのカナミはほとんど部屋の中から出てこない、
半引きこもり状態になっていた。家事全般は叔母さんがやってくれていたし、
エーコがカナミにつきっきりでいてくれたから今日まではなんとかなっていたけど、
今日から俺とカナミは本当にふたりっきりだ。
「・・・」
階段を上がって、カナミの部屋の前に立つ。なにを言っていいのかわからない俺。
なにを言えばいいんだろう。カナミは、なにを思ってるんだろう。
「・・・・・・・・おにいちゃん?」
「カナミ、叔父さんたち帰ったから」
「そう・・・・」
また沈黙が続く。ここから立ち去った方が、、、いや、やっぱり一緒にいないと、、、俺が迷っていると、
「入って・・・おにいちゃん」
「・・・・・・うん」
部屋にはいると、カナミはパジャマ姿のままベッドの上で毛布にくるまっていた。
ひどい姿だった。顔は青白くて髪はボサボサ。目も腫れていた。
いつもみぎれいにしていたカナミとは思えなかった。そういう姿を見たのは、初めてだったかもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
テーブルの前で座ったけど、カナミは無言で親指の爪を噛むだけだった。
痩せこけたカナミの小さな顔の中でふたつのおおきな目が不自然な光を放っていた。
俺をずっと睨んでいるけどその目は虚ろで、空っぽな、感情の無い目だった。
怒っているのか悲しんでいるのかさえ、分らなかった。
「カナミ、俺・・・俺たち」
「おにいちゃん、どうしよう。ふたりっきりになっちゃった」
「・・・ふたりっきりじゃ、ないよ。エーコも、叔父さんたちもいてくれる。矢野ちゃんや、マナカちゃんだって」
「ふたりっきりだよ。どうしよう」
「だから、カナミ。そんなこと言うなよ。おれたちには」
「わたしたちだけになっちゃった。ふたりだけになっちゃった」
俺の話が聞こえていないように、カナミは似たようなことを繰り返す。

カナミの心が、壊れかけている。

いてもたってもいられなくなって、俺はカナミの隣に座って、カナミを抱きしめた。
「・・・・・・・おにいちゃん」
「父さんと母さんがいなくなって、お前が傷ついてるのは分ってる。
でもまだ、俺がいるじゃないか。カナミ、俺がいるから」
「おにいちゃんは、いなくならない?」
「ああ。俺は、カナミといるから」
「ウソだ」
「嘘なんかじゃない。俺は」
「おにいちゃんもいつかはわたしから離れていくんだ。お父さんとお母さんみたいに」
「俺は、お前といるから。嘘じゃない」
「そんなことを言ってるけど、きっと誰か好きな女の子ができて、結婚して、
わたしからいなくなるんだ。それで、きっとわたしと関係ないところで先に死んじゃうんだ。
わたしを、ひとりだけ残して。・・・お父さんと、お母さんみたいに」
子供みたいなことをカナミは言っていたけど、それを怒る気にもならなかった。
「約束するよ、カナミ。俺は、いなくならない。お前と、いるから。
俺が結婚しても、お前が結婚しても、俺たちは世界でふたりだけの兄妹だから」
「それじゃ、やだ」
「・・・俺がいるだけじゃ、ダメなのか?」
「おにいちゃんは、約束できないよ。わたしといるなんて。だって、わたしたちは兄妹だもん。
おにいちゃんとわたしは、いつか離ればなれになるんだ」
£
400名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 16:54:10 ID:vIyoi591
「・・・・・・・・・カナミ」
俺は悲しくなって。悲しくなりすぎてカナミをまた、抱きしめた。
「・・・・・・もういいよ、おにいちゃん」
カナミが俺のからだを押し返そうとしたけど、俺はむしろもっと強く、カナミを抱いた。
「違うんだ、カナミ。俺・・・・ごめん、なんて言っていいかわからないけど。でも、俺は」
「わたしね、おにいちゃん。もうイヤなの。怖いの。だいじな人が、いなくなるのが」
「俺も、イヤだよ。俺も、同じなんだ」
「同じ?」
「俺も、お前と同じなんだ。怖いんだ。お前を失うのが。もう、お前だけは失いたくない」
「・・・・・おにいちゃん」
いつのまにか、カナミは泣いていた。服越しに伝わるカナミの涙の温度。
その涙は、あったかいのに、冷たかった。冷たいのに、あったかかった。
「おにいちゃん・・・・・」
泣いているカナミをもう一度抱きしめる。カナミは小さくて柔らかくて、悲しかった。
今のカナミは、、、悲しいっていう感情のかたまりだった。
「わたしと・・・・・いて」
「うん」
「もっと、抱きしめて」
「・・・・うん」
カナミはずっと、泣いていた。多分カナミも、自分でどうして良いのか分らなかったんだろうと思う。
俺だって、そうだったから。カナミの言うとおり、俺たちは、ふたりきりになっちゃったから。
「・・・・・・・ごめんね。ありがとう、おにいちゃん」
「だいじょうぶか?カナミ」
「うん・・・・あのね、おにいちゃん」
なにかを言おうとして、カナミは口ごもる。俺はその様子を、ずっと見つめていた。
(・・・・きれいだ)
いつもはエロボケでおちゃらけているけれど、兄の俺から見てもカナミは十分に美人だった。
でも今のカナミはいつもの夏の朝顔の花みたいな明るい美しさとは違う、
一瞬で壊れそうな、危うくて清澄な美しさをまとっていた。
指で触れようとすれば、カナミは姿も定かでなくなってしまうみたいで、、、
「・・・・おにいちゃん、わたし」
カナミが、月の明りを受けて淡く光る。思わず指先で、その光をすくうようにカナミの頬に触れた。
「ん・・・・・」
ちょっと驚いたみたいに、カナミが吐息を漏す。カナミの顔は薄く夜に輝いたままだ。
それは魅入られるほど美しく、どうにも信じられなかった。
目の前に見えているのに、非現実的で夢の中にいるような気持ち。
カナミに触れていた指が少し震えた。するりと指先から、滑り落ちる。
「あ・・・・」
ぷくっ
声をあげたときには、小さな音とともにカナミが俺の指先を口に含んでいた。
光の欠片は、まだカナミを照らしている。静かな夜の空気が、震えていた。
ぷちゅ・・・ちゅ・・・・ちゅう
密やかに濡れた音は、途切れながら続く。カナミは俯いたまま、俺の指を舐めている。
カナミの舌のやわらかい感触に俺はわけのわからない気持ちになって。
「おにいちゃん・・・・・」
そう囁いた後に、カナミが俺を見上げる。目もとがはれていて、頬には涙のあとがはりついていた。
「キス、して」
「カナミ・・・・でも」
「キスしてよ。苦しい・・・・・・お願い。怖い。わたし、怖いの」
カナミは、本当に苦しそうに震えていた。俺は、、、それが、いけないことだって分っていたけど。でも
ちゅッ
キスをした。カナミの唇に触れた。カナミの唇は、乾いていて、カナミの汗の匂いがした。
「ん・・・・・・・・・・」
生気が戻ったみたいに、青白かったカナミの頬が朱に染まった。
ちゅ・・・・ちゅ
£
401郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:55:18 ID:vIyoi591
音を全部飲みこんでしまうみたいな静寂の闇の中で、俺たちはキスを続ける。
カナミが悲しんでいることが、恐れていることが、苦しんでいることが、全部唇から伝わってきた。
俺とカナミは、唇でつながりながら、お互いの思いを伝えあおうとしていた。
「・・・・おにいちゃん」
長いキスのあと、潤んだ目でカナミが俺を見つめてきた。
「・・・・・・あ。か、カナミ」
パジャマのブラウスを、脱いだ。ブラジャーは、していなかった。カナミのからだが、俺の目の前に。
「おにいちゃん・・・・して」
「それは・・・・それだけはダメだよ、カナミ」
「お願い。わたし・・・・・・怖い。怖くて、寂しいよ、おにいちゃん」
「怖いのは俺も一緒だよ、カナミ。俺だって、怖い」
「違う・・・・わたしは、おにいちゃんがいつか恋人や奥さんをつくってどこかにいっちゃうのが怖い。
そうしたらまた、わたしはひとりだけになっちゃうから。お願い。わたしと、いて。これから、ずっと」
「・・・・・・それは」
さっきよりはずっと普段のカナミに近くなってきたと思ったけど、
カナミの言葉からはどうしようもなく狂ってしまった、取り憑かれているようなものを感じた。
まだ、、、心は、壊れかけのままなのか。おかしくなった、ままなのか。
あの、しっかりもので明るくて、誰にも好かれるカナミは、、、どうなってしまったんだろう。
「約束・・・・・してよ、おにいちゃん」
「約束するよ、だからカナミ」
「なら、して。お願い」
「カナミ・・・・俺」
「どこにも行かないって言うなら、してよ。約束してよ・・・・」
カナミの目からまた、涙があふれ出る。カナミは子供みたいに泣きじゃくっている。
ちいさなからだ全部で、泣いているみたいだった。
(俺は、、、これ以上、、、)
カナミが。カナミの心が、壊れていく。俺は、怖くなった。大切な、妹まで失うことが。
だから、俺は。それが、ダメなことだって。禁じられたことだって。分っていたけど。
「・・・・・・・・カナミ」
ちゅ
キスをした。涙のしょっぱい味。
ちゅ ちゅう ちゅうぅ
舌をカナミのくちの中にいれた。カナミの花びらみたいな、小さい舌をいじる。
「あ・・・・・ん・・・・・おにい、ひゃん」
淡いカナミの花の色につつまれたような気持ち。舌と舌をからませながら、カナミの胸を揉んだ。
むに  ふにゅ
貧乳だとか散々言ってたけど、ここしばらくの心労でカナミは本当にやせてしまったんだろう。
ちっちゃなカナミのおっぱいには、やらかさもあったけど芯みたいな固さが残っていた。
それは、俺を悲しくさせた。とにかく、悲しくなった。
「ん・・・・ふ・・・・」
悲しい気持ちのまま、俺はカナミの胸に触れて、揉む。
全然慣れない、俺の愛撫にもカナミは素直に反応してくれていた。
「カナミ、痛くない?」
「ううん。おにいちゃん・・・・気持ちいいよ」
頬を赤くしてるけど、カナミの表情はちょっとぎこちない感じで。
多分・・・気持いいってのは、俺を気遣って言ってくれたんだと思う。それは、俺だって初めてだったから。
AVだけは見まくってきたけど、どうすればカナミに気持ち良くなってもらえるか分らなくて。
「カナミ、俺」
「悩んだりしなくていいから。わたしは、おにいちゃんに抱きしめてほしいの。
おにいちゃんに、してほしいだけなの。おにいちゃんに、どこにもいってほしくないの」
「・・・・わかった」
大切なカナミ。俺の、大切な妹。俺は、カナミを。
ちゅ 
キスをしながら、カナミのちっちゃいおっぱいを強く揉んだ。ちっちゃな乳首をつまんでくりっとすると、
「あ・・・・・にゃう・・・・」
£
402郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:57:57 ID:vIyoi591
子猫みたいな声でカナミが反応する。カナミが初めて俺に見せる、色っぽい表情。
興奮してしまった俺は、ついそこを何度も触ってしまう。
「んぅ・・・・に、にいちゃ・・・・・」
「・・・・・?カナミ?」
「乳首、気持いい・・・・・おっぱいちっちゃいと、ここの方が気持いいみたい。もっと、さわって」
いつものカナミっぽいことを言っているけど、でもそれはエロボケじゃなくて、
今度は本気でカナミは感じてくれていたみたいだった。言うとおりに触り続けると
「ぅにぃ・・・・ふ、い・・・・・あ・・・・」
くりくりってつまんだりこすったりすると、カナミがすごく生々しい声で悶える。
いつもの可愛いカナミでもなくて、ボケるときの表情でもなくて、
本気でやらしくてスケベになっていく妹を見ているうち、俺の心の中の、罪の意識が欲情に負けていく。
「おにいちゃん・・・・ここも」
カナミが、俺の手を取ってそこに誘った。やっぱり、下着はつけてなかった。俺は、誘われるまま。
く・・・・くに
指の腹で、そこを撫でる。ごわごわした感じじゃなくて柔らかい産毛みたいな、カナミの陰毛の感触。
そしてそこは、確かに湿っていて。
「あ、あ・・・おにいちゃん。あ」
ぷっくり盛り上がったそことぬるっとした入り口に、何度も触れる。目を閉じて、悶えるカナミはすごくきれいで。
(エロボケばっかかましてたカナミも・・・・こんな顔を)
「ん・・・・あぅ、うっ、・・・・ん・・・・・」
触っているうちに、カナミの表情は少しずつ色っぽい感じに変わってきた。
生唾を飲み込みながら俺は、妹のそこをいじくる。カナミの溜息が、俺の肩先を温かくして。
そんで、俺の指先は、もっとあったかくて。
「おにいちゃん・・・・指、いれて」
「・・・いいのか?」
「うん・・・・・」
乾いてたカナミの唇は、いつのまにか濡れて光ったみたいになっていた。
その光は、俺の唾とカナミの唾が混ざった証拠だった。
ちゅ・・・
唇の濡れ方を、確認するみたいにキスする。そうしてから、
ぴちゃッ
「あ・・・・・・ん」
カナミのあそこに、指先を入れた。すぐに、カナミが可愛い声を出す。
「カナミ、あの。俺も初めてだから。痛かったら痛いって」
「おにいちゃん・・・・さわってて、わかるよね」
「え?」
「濡れてるよ、わたし。おにいちゃんに、さわられて、こんなに濡れてる。嬉しくて、濡れちゃってる」
カナミは、笑ってた。それは、久しぶりに見る表情だった。
あれ以来、カナミの笑顔を見ていなかったことに気付いて、俺はまた悲しくなって。涙が出そうになって。
「・・・・・おにいちゃん?」
「カナミ、ごめんな。お前を悲しくさせてて。お前が苦しんでたのに、俺はなんも出来なかった。
エーコや叔父さんに任せて、逃げてばっかりで。俺は、ダメな兄貴だ。俺は」
ちゅ
俺の言葉を遮るように、カナミがキスをしてくる。そうしてから、カナミは、、、、にっこりと、微笑んだ。
「おにいちゃんは、いちばんだから」
「俺は」
「いいの。おにいちゃんは、わたしのいちばんの人なんだから。子供の頃から、そうだったから。
いちばん大好きで、いちばん大事なひとだから」
「か、カナミ・・・・・」
その笑顔は、すごく純粋で、無邪気で、天使みたいにキレイな笑顔だった。
我慢できなくなった俺は、カナミの小さな胸の上で、子供みたいに泣きじゃくる。
「おにいちゃん・・・・・好き。大好きだよ。わたし、おにいちゃんの妹で良かった」
「カナミ・・・俺・・・・お前を、一生、守るから」
「うん・・・・・お願い」
俺と同じように、カナミも泣いていた。俺たちは、泣きながら、
£
403郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 16:58:43 ID:vIyoi591
ちゅ
キスをして。それから、もつれあうように。絡みあうように、抱き合って。じっと、そのままでいた。
夜が、静かだった。耳が痛いくらいな静寂な中、俺たちはからだを寄せ合って。
「ねえ、おにいちゃん。わたしね、お願いがあるの」
「・・・・・なんだ?」
「いつか・・・おにいちゃんとふたりで・・・・この町を出たい」
「?どういう意味だ?」
「誰も知らない遠い町に行って、ふたりで暮らすの。わたしたちのことを兄妹だって、
知ってる人がいないくらい遠くに。そこで夫婦みたいにして、暮らすの・・・・ずっと、ふたりだけで」
「知らない町って・・・・・だってお前には、マナカちゃんや矢野ちゃんみたいな、大切な友達が」
「おにいちゃんより大切な人なんて、いないもん」
俺は、想像していた。カナミとふたり、海辺の小さな町で過ごしている自分を。
年老いた俺とカナミは、兄妹だって知られないように、静かに暮らしていて。
名字も一緒だから、周りは夫婦だと思ってて。俺たちは、小さな嘘をつきながら、そこで死ぬまで一緒に。
それは、、、怖いくらい、リアルに想像できてしまう未来だった。
「でも・・・・・」
「一緒にいてくれるって、言ったじゃない、おにいちゃん」
「わ、わかった」
そうだ。俺は、、、、カナミを守るって、決めたんだ。それが、たとえ間違ったことだとしても。
「おにいちゃん・・・・・」
カナミの指が、俺のに触ってきた。俺は、無言でうなずいていた。
く・・・くっ、きゅッ、ちゅッ
細い指が、俺のを優しく、扱く。俺も妹の愛撫に応えるように、カナミの乳首にキスする。
「ん・・・・にいいちゃ、おにいちゃ、ん、、、」
「カナミ。んッ、カナミ・・・・気持ち良いよ、カナミ」
「わたしも・・・・きもちいい・・・・ねえ、おにいちゃん・・・・きて」
「・・・・・・わかった」
もう、罪の意識も全部捨てて、俺は、カナミのそこに俺の先っぽをあてがった。
「ぅん・・・にいちゃ」
カナミが熱っぽく俺の耳元で囁いてきて、両腕を俺の首に巻き付けてきて。
俺は指先でそこがカナミの入り口だって確かめてから、俺のを。
む・・・・みりッ、くちゅち・・・・
「あ・・・・う・・・・・あ!!!!」
小さな入り口に埋め込んでいくと、カナミが眉を思いっきり歪めて悲鳴をあげた。
「カナミ、やっぱ、あの」
「いい・・・・・・きて。きて。お願い。わたしの、なかに、おにいちゃん」
カナミが抱きついてきて、子供みたいにそう言って。
「でも、痛いんじゃ」
「痛くない。おにいちゃん、大丈夫だから。おにいちゃん、わたし、おにいちゃんにしてほしいから」
涙目のカナミは早口にそう言うときゅっと脚をからめてきて、俺と密着しようとする。
「無理して、ないか?」
「無理じゃないの。おにいちゃん、お願い」
「・・・・・カナミ、俺」
「おにいちゃん、怖いの。おにいちゃんと、一緒に、いたいだけなの。だから」
「ごめんな、カナミ。少し・・・・我慢して」
「うん・・・・」
痛みに耐える妹の顔を見ながら。今更のように罪の意識に苛まれながら。
(それでも、俺は。決めたんだ・・・・・俺は)
ぐ・・・・ずッ、ぐぐぐぐ・・・・ぶッ、ぶっちゅ
「う、うぁぁぁぁ!!お、おにいちゃん」
「はいって、る・・・・カナミ。はいってるよ、カナミの、中に」
「・・・・・・あ。おにいちゃっ、ん。はいったら、あんまり痛くない・・・・・」
「そ、そう?」
「ウン・・・・・」
痛くないって言ってるカナミだけど、表情を見てると、、、、
£
404郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 17:01:32 ID:vIyoi591
「しばらく・・・・このままでいるか?カナミ」
「え?う、ウン」
入れた状態のまま、俺はなるべく優しくカナミを抱いた。それから、なんにもできずに、そのままでいた。
(ええっと・・・・・)
なにしろ俺も初めてで、しかも相手はよりにもよって実の妹だし、カナミだって初めてで。
ていうか、俺らってお互いエロ知識だけは無駄にある思春期兄妹のはずなのに、
実戦になったらそんなもんがまるで役に立っていないのが情けないというかなんというか。
でも、その。カナミの中に、まだ多分全部は入りきってないと思うんだけど、
ただこうして挟まれてるみたいにしているだけで、気持ち良かったりして。
「?おにいちゃん?」
「ん?あ、ああ、ごめん。ちょっとボーーっとしてた」
「・・・・・おにいちゃん、わたし、気持ちよくない?」
「!!ち、違うって、カナミ。その・・・・逆っていうか、えっと、なんていうか。
気持ちよすぎてボーーーっとしてたんだよ」
「・・・・・・・・ホント?」
「本当だって。あの、それよりカナミ。お前は・・・・どうなんだよ?」
「ちょっと、落ち着いたみたい。おにいちゃんのおちんちん、思ったよりおっきくてびっくりしちゃった」
(思ったよりデカいって・・・・それは、どうなんだろう?)
複雑な気持ちになる俺だが、カナミのそれはいつものエロボケだったわけではないみたいで。
「おにいちゃん、、、もう動いても、いいよ」
「い、いいの?」
「ウン・・・・わたし、もっと深く、奥までおにいちゃんを感じたいから。だから、動いて」
「あ、ああ」
ぐ・・・・・ずぅ・・・
刺激しないように気をつけながら、カナミの中に突き立てていった。
ずりずり、と柔らかいカナミの襞を左右に割り入っていく。
「はあぁ・・・・くうぅぅ〜〜〜〜ッ、に、にゃぁ!!あ、おにいちゃん」
身悶えるカナミを見つめながら、俺はもっと奥まで、深く、カナミを感じるために動いていく。
「きもちいいよ、カナミ。カナミの中、狭くて、あったかいから」
「う、あくッ、、、そ、そうなの?嬉しい・・・・おにいちゃん」
「カナミ・・・・カナミ、俺の」
「おにいちゃん、好き。大好き、おにいちゃん・・・・」
カナミがキスしてきて。両腕で、俺の上半身を強く抱きしめてきて。
両脚で、俺のを挟んできて。それはとろけそうなくらいに熱くて。
「動いても、いいか?カナミ」
「あ・・・・・いいよ。おにいちゃん。わたし、おにいちゃん、欲しい」
ぐ・・・ず・・・ずぅるッ、ぐじゅッ
「あ・・・・いい。おにいちゃん、きもちいい・・・気持ち良いよ、これ。おにいちゃん」
俺のがカナミのいちばん奥をとらえ、膨張したそれはカナミの壁を擦り上げた。
カナミの可愛い声は、もう啜り泣きに変わっていた。
「カナミ・・・・俺も、気持いい・・・」
ぐずッ!ちゅぶッ、ずるッ!
俺は、罪の意識も、妹を労る心も忘れて、カナミを突き立て、こねまわしていた。


私の心は、壊れてしまっていた。

おにいちゃんのおちんちんが私の中で動いているのを感じながら。痛みと快感に突き刺されながら。
私は、、、おにいちゃんが夢中になって腰を振っているのを冷めた目で見つめていた。
(・・・おにいちゃんは、私のもの)
ずっと、手に入れようとしてきたものが、ようやく私のものになった。
そう思うと、私は微笑みが漏れるのを隠せなかった。
お父さんとお母さんを失って、、、、私は、怖かった。本当に、怖かった。
なぜなら、ほとんど悲しくなかったから。ううん、正直に告白してしまおう、私は、はっきりと、嬉しかったのだ。

おにいちゃんを、わたしのものにする。おにいちゃんを、手に入れる。

£
405郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 17:07:52 ID:eHMfxTJB
私は、そのことを思って、ただ喜んでいた。
もしかしたら・・・・エーコちゃんやマナカちゃんは、私の本当の心に気付いていたんじゃないか、と思って。
私は怖くてふたりに会えなかった。そう、怖かった。私は、あの日から自分が、怖かった。
同時に、両親を失ったことを悲しむことすらできない、そんな自分に私は戸惑っていた。
自覚は、していた。それが、異常なことだと。人として、許されざることだと。
それでも、私の頭の中は、既におにいちゃんを手に入れることでいっぱいだった。
子供の頃から、私はそのことをずっと思っていた。でも、私はいつか大人になって。
そんな思いが、幼い頃の思い出にしか過ぎないことになると、そう、最近まで信じていた。
いや、そう思いこもうとしていただけなのかもしれない。
なぜなら、私は今こうしておにいちゃんを手に入れたことに、最高の歓びを感じているのだから。
(おにいちゃん・・・・)
膨張したおにいちゃんのおちんちんが、私の奥を擦っている。初めこそ痛かったけど、
今はただ、気持ちもからだも、気持良い。
「そこ・・・・あ・・・・・あ!おにいちゃん。もっと、もっと、ついてぇ・・・」
快楽に身を任せて、私は歓びのまま訴える。おにいちゃんが応えて、浅く深く、優しくまた烈しく突き上げる。
私は腰を振りながら、あそこからおにいちゃんを零すまいと、必死でおちんちんを追いかける。
(ふ・・・・ふふ・・・・・)
後悔する気持ちが、まるでなくて。そして、悲しむ気持ちもなくて。私は、心の中でまた微笑みを漏す。
「あ・・あ!か、カナミ・・・・カナミぃ!」
「!あ、あン!あぁあああぁ・・・・・    !     す、すごいよぉ!おにいちゃん」
沸点を超えた私のあそこが、おにいちゃんのをくわえたまま悲鳴を上げるように烈しく痙攣した。
私は、おにいちゃんとの初体験で早くも昂みに押し上げられようとしていた。
おにいちゃんにすがって、鳴声をあげた。
私の中をこねまわしているおにいちゃんのおちんちんも、きゅぅきゅぅと悲鳴をあげている。
おにいちゃんは私の腰に手を回して、さらに激しく前後の動きを繰り返している。
短く、そして長く。繰り返される動きに、ますます私は満たされていく。
絡まる愛液とおにいちゃんの液が、ぬちゃぬちゃとエッチな音をたてて。
「あ・・・・あ、いく・・・・あ、カナミ。俺・・・」
「私も。あ!いクぅ、おにいちゃん、いッ、いクぅ!」
私は叫びながら、また歓びに満たされる。
(ずっと・・・・ずっと、死ぬまで、一緒だよ?おにいちゃん・・・・・)

私の心は、確かに、壊れてしまっていた。

おにいちゃんに突かれながら。そう、心の中で思いながら。私は、笑っていた。

END
406郭×伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/07/20(日) 17:09:06 ID:eHMfxTJB
今回は以上。すいません、途中一回ageちゃいました。
アウトラインは嫁、エロシーンなんかの細々したとこは私です。
しかしまあ、、、、、思春期が終了したから書けたようなSSですね。
いや、ま、書いた本人が言うのもなんですが。
タイトルは「兄妹の秘密」でお願いします>新管理人様
あ、あと個人的なお願いですが、シンジ×ナツミ×ケイが「Non Title1」になっていますが、
これは確か「さんにんの関係≠三角関係」というタイトルだったはずです。
自分で編集やろうかと思ってたんですが、Wikiってタイトルの編集は管理人以外出来ないんですかね?
あと何個かある未タイトル作品もボチボチチェックしていきます。
アヤナ帰国モノも全部に纏めた方が良いのかな?でも長いしなあ、、、
生徒会週刊マガジン移籍でここがまた賑わうといいなと願ってます。
や、今ののんびりムードも結構良いなと思ってますけど。
次回は多分アキ×ヒロキの続編と延び延びになってた「Some Girls」の完結編、
8月半ば以降を予定しています。では股。
407名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 21:31:27 ID:XQ8+CFYq
郭氏キタワァGJ
次回も期待してます

しかし時がたちましたなあ
初期組唯一の継続者としてこれからもお体を労りつつ頑張ってください
408名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 09:22:55 ID:bHFwhIuU
>>406
GJ

生徒会週マガ移籍ってことで久しぶりに来たら…
みんなの愛を感じたよ( ´Д⊂ヽ
409名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:46:08 ID:i/pJGLKz
最速100突破、最大投下数、初期からのただ一人の残留職人‥‥か
郭夫妻には頭が上がらんな、下の頭は上がるけど

これからもマターリと無理せずがんばって下さい
410名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 12:42:39 ID:yybLHCar
久しぶりに来てみたら股間にパトスがオーバーロード
411名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 15:00:29 ID:UD8E11nb
>>406
郭氏と嫁さんGJ

いやぁエロエロいいっすなぁ
これからも体を壊さない程度に頑張ってください><
ホント、感謝です
412名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 16:19:00 ID:/vpHhpdF
GJ!なんだけど
みんなの郭夫妻の扱いがベテラン通り越して老人みてーじゃねーか。
でも相変わらず郭氏の文章は上手いなー。特に会話文が秀逸。
てなわけでこれからも頑張ってくださいね
413名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 17:40:14 ID:i/pJGLKz
いや、そう聞こえてしまったのなら郭夫妻にも>>412にも失礼こきました申し訳ないw
今気づいたがこのスレで宣銅烈氏が復帰しておられるから初期スレからは二人継続なのか
その直後にペピトーン氏やトマソン氏、518氏、72氏、ピンキリ氏、アカボシ氏たちが一気に参入してきたんだっけか?
414名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 07:20:55 ID:MPN/5kKX
とりあえず

氏家週マガ復帰オメ
415名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 08:26:51 ID:Lp3+Hiqj
同じく復帰オメ

初めて読んだのだが、これって思春期?
416名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 16:55:34 ID:M8HrD56h
ムツミか会長希望
417名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 17:19:18 ID:RWuXXm6W
シノやアリア、スズの年齢が引っ越しで下がちゃったね
ピンキリ氏や郭氏が書いてくれた生徒会SSがパラレルになってしまうのが残念

ハッ、いっそ全て職人が手直しうわローソクとムチはやめdrftgyふじこlp(←不遜な発言なので以下粛正)
418名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 02:15:36 ID:LFD1bjCr
一時期完全に死んだと思われたこのスレがまた息を吹き返してるな・・・
濱中思春期赤本全巻持ってるくせに今までマガスペで連載あったなんて
全く知らなかったわ
419名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 10:05:34 ID:Xe2t4SoM
息吹き返した?
もう全盛期がすぎて、このスレはあんま変わってないと思うけどな
スレ速度もあんまかわらんし、職人の数も増えてるけど活動しているのはそんなにいないし
これで息吹き返したはないわ
420名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 11:05:52 ID:pDWTLpzk
まぁあの時期は異常なくらいの賑わいだったからなw
古参から新しい職人まで何人かまったり活動してるし、新保管庫も出来たんだから今でも恵まれすぎてるくらいだろ、ここは
421名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 14:29:38 ID:fbqjOmUC
ふわ〜り
422名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 16:29:57 ID:Wf7M3uTP
>>419
そう思うなら来るな
423名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 16:42:24 ID:M7IZDzVs
こしふれ
いやせんずれ

いやいや、おちつけ
職人が投下しずらい雰囲気を作ってどうする
424名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 21:51:16 ID:d07AfK6m
久しぶりに空気が汚れているね

まあふわ〜り
425名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 12:31:12 ID:rTfOA6bw
この話題も散々ガイシュツだがあの頃が異常だったと思わないと。
濱中連載中期から後期は作者氏家自身と職人が神がかっていた。
その後あかほん自爆あたりからここも嵐紛いの奴が出没し始めて職人と住人も減ったが、
それでもそこそこのペースと雰囲気は保たれてるんだから良しとしないと。
スクランやハヤテなんてしばらく悪意だらけのレスばっかで読む気にならんかったぜ。
426Y-275:2008/07/26(土) 13:19:32 ID:2Xr2Lo5z
住人、職人、保管庫管理人の皆様こんにちは、お疲れ様です。
いつもレスの流れを読んでないような気がしますが投下します。
>>380の続きです。
427Y-275:2008/07/26(土) 13:21:10 ID:2Xr2Lo5z


『あれ?』

私達はそうして混浴の露天風呂にやって来ました。

『なんすか、七条先輩?』

『いや、なんかタオルの使い方間違ってない?』

『いや、先輩の考えてるような使い方はしないですよ普通。』

うーん、私の思っていたことがおかしいのでしょうか?

『あ、そうか。』

『どうしたんすか?』

『四六時中勃ちっぱなしなわけではないものね。』

そう、どうも、私は勘違いしていたらしい。
あの隠し方は勃った時ようであって、常にあのような隠し方はしないものなのだ。

『というわけで、ちゃんとした隠し方するために早めに勃ててね。』

『ちょっ、先p…』

津田くんが最後まで言い終わる前に私は津田くんとの距離を詰めて、津田くんのペニスに触れていきます。
完全に固いわけではないけれど半勃ちなのか、少し大きくなり始めている気がします。
なによりもすごく熱を持っているのが良くわかります。
ペニスの形を確かめるように私は根本から先までゆっくりと丁寧に撫で上げていきます。
時々ビクッと強く反応しているのが良く分かり、その反応を楽しみながら私は執拗にその行為を繰り返します。

いつの間にか私の手の中には完全な固さを伴ったそれが握られています。
その反応に気を良くしてしまい自分でも行為に熱中してしまっていたみたい。
これは反省しなくては。

そう思いながら顔を上げ津田くんの顔を覗き込むと、津田くんはなんだか切なそうな、しかししっかりと興奮の色を目に称えているような表情でこちらを見ています。
428Y-275:2008/07/26(土) 13:22:42 ID:2Xr2Lo5z

『……………………』

私は言葉を紡ぐ事が出来ませんでした。
その表情は私の心のどことも表現に困る場所を満たしていきます。
そのなかでもっとそんな表情がみたいという欲望が強く生まれていくのも自覚できます。
いわゆる嗜虐心というやつなのでしょうか?
今なら痴女の気持ちがわかる気がします。
私は身体を津田くんに預けるように押し付け、肩に顔を乗せ、丁寧にペニスを扱いていきます。

『く、あっ…』

喉から息が漏れるような津田くんの声が聞こえてきます。
その声が私の心をさらに満たして行くのがわかります。

『津田くん、気持ちいい?』

気付けば思わず呟いてしまっていました。

『…気持ち…いいです。くっ!』

!!
やばい、これはホントにやばいかもしれません。
私のなんとは無しのつぶやきに津田くんが言葉を返した瞬間私の背筋は強い電流が流れたみたいにぞくぞくしました。
今なら痴女の気持ちがほんとにわかってしまいそうです。

『…そう、津田くんはこうして女の子に好きなようにされるのが好きなんだ。』

もっと、もっとそんな津田くんの声が聞きたくなって、先程とは違い、意図を持って呟きます。

『…い、や、そんなこと。』

言いながらも津田くんのペニスが跳ねたのがわかりました。

『否定してるけど、こっちは強く反応してるよ?』

私は"こっち"が津田くんによくわかるように扱く手のペースを上げます。
429Y-275:2008/07/26(土) 13:24:20 ID:2Xr2Lo5z

『く…!!』

ペースを上げたことに津田くんはかなりの快感を受けているようで、もはや、言葉も繋げられないみたい。
津田くんの表情を覗き込むと、先程よりもさらに切なそうな顔をしています。

『津田くんはそろそろイキたいかな?』

そんな津田くんに私は質問を投げ掛けます。
もはや、限界も近いのでしょう、津田くんはやはり何も言わずに首だけを縦に動かします。

『そう、わかった。』

私は手と身体を津田くんから離しました。
顔を見ると、今までで一番の失望の表情を浮かべています。
ああ、この表情も堪らないものがあります。
思わず、溢れてしまいそうなほど私を満たし、強い電流に私は身動きが出来なくなりそうです。

『ふふ…そんな顔しないの。言ったでしょ?"胸"でシてあげるって。』

自分でも分かるほど頬の筋肉を緩ませながら私は津田くんにそう告げました。

………………………………

『うわ、熱い。』

ボディソープを垂らして津田くんのペニスを胸で挟み込むと、強い熱を私につたえてきます。
時々脈打つペニスを私は丁寧に根本から亀頭まで扱き上げていきます。

『くあっ、それ…!』

津田くんの方からは気持ちそうな声が聞こえて来て、そちらに顔を向けると期待通りの表情を浮かべる津田くん。
その表情に思わず見とれながら私は問いかけます。

『気持ちいいでしょ?』

『は、はい!』

思わず声が裏返っている津田くんに吹き出しそうになります。

『…なんで、そ、そんなにうまいんですか…く』

腰が砕けながらも津田くんが問いかけてきます。

『女の子は、勉強するものなのですよ。』

『そ、そうなんですか…っつか、俺、…もう』

そんな短いやり取りの後、津田くんは私の顔に思い切り射精しました。

………………………………
430Y-275:2008/07/26(土) 13:25:22 ID:2Xr2Lo5z

『七条先輩、その、俺…』

2人して身体を洗い、今はお湯に浸かっています。

『ふふ、津田くんの気持ちはわかってるわよ。なんだかんだ私で気持ち良くなってくれたものね。』

『…う。なんか、そういう言われ方をされると微妙に気まずいような…』

『そう?』

『そうですよ。その、で、こう言うことになってしまって、俺、正式に…』

私は津田くんの唇に人差し指を押し付けてその先の発言を封じ込めます。

怪訝な表情を浮かべる津田くんに私は顔を近づけ…

"ちゅっ"

唇と唇を合わせます。

『ふふふ、この先は私がちゃんとシノちゃんにライバル宣言をしてからね。』

そう、このまま最後までシテしまうのは簡単です。
しかしながら私には若干の後ろめたさがあります。
だから、今日はここまで。
そこまで言葉を告げるとお先にと声をかけ、私はお風呂を後にしました。

………………………………

『しょ、しょうがない奴だ。』

帰りの車の中で眠りこけてシノちゃんに寄り掛かった津田くんに満更でも無い表情を浮かべながらシノちゃんが呟きます。
津田くんが寝てしまうのもしょうがない気がします。
夜遅くまで私と一緒で朝も2度寝しようとしたのを起こしての帰り道ですから。

シノちゃんからされたお願いは達成できないまま合宿は終わりを迎えてしまいました。
しかも、私には新たな課題が上積みされた形。
その事を考えると若干憂鬱ですが、それもこれも津田くんといる楽しい未来の為です。

よし、頑張ろう。ああして次に寄り掛かられるのは私であるように。

私は心の中で呟き、津田くんの寝顔を見ながら、帰路の車に揺られて日常へと帰っていきました。


続く……のかな?
431Y-275:2008/07/26(土) 13:33:22 ID:2Xr2Lo5z
以上です。
タイトルは
『そんな生徒会役員合宿』
で。
なんだか思ったよりパイズリシーンがあっさりといってしまいましたが、その辺スルーしてください。
多分続きます。色んな形で。

あと、ヤンデレな感じのはスレ的にどうなんでしょうか?
ネタは浮かんだのですが、書くかどうか悩んでます。

とりあえず現状こんな感じです。
生徒会が週刊に移りファンとして嬉しいかぎりです。また本編から色々拾ってかけたらなと思ってます。

それでは駄文乱文失礼致しました。
失礼します。
432名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 15:33:07 ID:U6MutrcN
乙乙

しかしいいペースですね、目指せスレ三人目の100作投下!
433名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 21:46:16 ID:mqyahSjl
乙&GJです

ヤンデレは氏家作品では会わないからなあ・・・まあ読んでは見たい
レイプ作品の時みたいに先にジャンルの所で注意書きしておけばおkだと思う
434名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 00:18:43 ID:9nxrxNvu
ミホチカはヤンデレになりそうだったと思う
特にチカ
ミホはヤンデレ+スイーツ(笑)だけど
435名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 00:34:07 ID:TRtTfSDq
ケイちゃんにレイプされたい
436名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 00:39:55 ID:cxho2oaj
おいらはナツミたんにレイプされたいお
437名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 16:04:00 ID:mMwznu1i
まぁまったりイこうじゃないかベイベー
438名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 21:41:19 ID:kXWGveVN
じゃあおれはミナオちゃんにレイプしてもらう
439名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 16:58:31 ID:LNC2600H
ペドだったの?
440名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 18:47:58 ID:v1f2wtTe
せめてロリと言え!!
441名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 17:01:30 ID:ySbgLJFB
初代スレが立ってからもうどれくらいたつ?
442名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 11:16:08 ID:QFPj02UK
普通に初代スレ見ればいいのに・・・これだな
1 :名無しさん@ピンキー:04/09/20 12:53:18 ID:k7f1yEFd
まったりいきましょう

もうすぐで4年だな妹がその前からあったせいか4年が短く感じる
443名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 16:28:20 ID:ul6Jdiro
四年で25スレか、中堅マンガ家としては恵まれたパロスレだな
このスレで投下している郭氏、宣氏、ピンキリ氏あたりは三年半以上も在籍している計算になるのか・・・
444名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 20:03:51 ID:AINaLysL
中でもほぼ皆勤賞のPK砲ことピンキリ氏&郭氏のコンビには上下の頭で敬礼!
だな。何度か荒れかけたときもあったけど御二人なくしてこのスレはなかったぜ、マジで。
445名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 17:09:28 ID:zQsChIzx
最大の功労者は旧保管庫を作ってくれた古田氏
あの保管庫があったからこそ今につながっている
446名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 16:57:25 ID:FhZppewM
ヒーローはみんなだ!
447名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 15:42:48 ID:EFnyn6/w
4年近く続いている底力は伊達ではない!
448名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 19:35:16 ID:s6kWJ1PF
そろそろ投下がありそうな悪寒
449名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 19:04:58 ID:S4H/kC9J
いろいろ読み返してみると職人ごとにキャラのとらえ方が異なっていておもしろいな
450名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 09:34:42 ID:BuqyxnLp
今、高校野球見ているけど、日田林工のユニホームがリンコに見える。
451名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 19:17:17 ID:KK6UHUQ+
>>449
郭氏のはシリアス風味、518氏のはほんわかテイスト、ピンキリ氏のはギャグタッチみたいな感じだな
452名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:59:13 ID:QLsWjrqv
オナバカケイちゃん
453名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:18:29 ID:5EeRkR3V
職人諸氏お元気ですか?
454郭@携帯:2008/08/09(土) 17:23:18 ID:QJ0Jc1xY
元気どす ノシ
現在ヒロキ×アキの続編執筆中。月末あたり投下しや〜〜す
455ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/10(日) 01:18:09 ID:cFCmfp0V
お盆休みもキツキツです、ちょっとまいってます。
今月中には一本何とか投下出来ればと思っています。
456名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 02:45:35 ID:mIEh5a1L
この保管庫にある濱中SSって文体や心理描写がこのスレの職人と似ている気がする
ttp://library.s12.dxbeat.com/kichiku/1126115669/
それとやっぱりこのスレだと鬼畜系は需要ないの?
457名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 21:11:16 ID:QydxKDLD
需要は分からないけど氏家の作風に鬼畜は合わないから嫌う人は多いかも
以前もそういう作品が上がったときは少し荒れたし

まあ投下するなら最初に注意書きがあればいいかと
458名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 15:40:22 ID:XcMv3HPV
津田が陵辱されるのなら万々歳だぜ
459名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 16:46:13 ID:1tBqzbUg
タカトシがシノちゃん親衛隊の女生徒に囲まれて穴ブチ抜かれるんですね
460名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 10:46:49 ID:ETGM6VyW
んー、それならアリなのか?w
461名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 11:11:55 ID:/U9Rqad9
生徒会役員共1巻買ってきた。
462名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 11:39:43 ID:sOXbKqJM
地方だから明日が発売日だorz
463名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 11:44:38 ID:gj38da+I
仕事が終わってからじゃないと買いにいけないぜ。
売り切れなきゃいいんだが・・・
464名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 12:52:45 ID:ETGM6VyW
濱中、思春期、あかほん、生徒会
四つも作品が刊行されて氏家も立派な漫画家だなあ(まあ当たり前なんだが)
465名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 13:34:25 ID:oeCdSplp
むしろ思春期書いてるときから漫画家だろww
466Y-275:2008/08/13(水) 19:16:59 ID:d1/qhsWd
住人、職人、保管庫管理人の皆さんこんばんは。
しばらく規制に巻き込まれてました。
解除確認できたんで投下します。
スルー対象ワードは

『エロ無し』

『キャラ変』

『ぐだぐだ』

で。
467Y-275:2008/08/13(水) 19:18:53 ID:d1/qhsWd

『あれ、三葉じゃねーか?』

生徒会役員での会議が終わり、タカトシが教室に忘れ物を取りに戻ると、そこには部活終わりのムツミがいた。

『タカトシくんも今帰り?』

普段のように気軽にタカトシに声をかけるムツミ。

『あぁ、"も"って事は三葉もこれから帰りか。』

『そうだよ。一緒に帰る?』

『あぁ、そうするかな。』

そう言ってタカトシは忘れ物を回収するとムツミを待ち、教室を後にした。

………………………………

『しかし、柔道部の活動は活発だな。早くも対外試合が決まるだなんてなぁ。』

『まぁね、頑張った甲斐があるってもんだよ。でも、みんな気合いが入るのはいいんだけど、練習が確実にハードになってるね。おかげでヘトヘトだよ。』

口ではヘトヘトなどと言いながら元気に笑うムツミ。

『しかも、まだまだ暑いから練習後の汗くささといったらすごいよ。』

『あぁ、わかるわかる。俺も昔から運動部だったから夏は更衣室すごかったもんな。でも、男と違ってそんな気にするほどじゃ無くないか?』

汗くさいなどと言われてもそんな風には一切感じないタカトシは思ったまま口にする。

『もう〜!デリカシー無いよタカトシくん!女の子だもん、ちゃんとシャワー浴びてから制服着るよ。』

『あぁ、それもそうか。』

自分の発言の軽率さに反省するタカトシ。

『まったく、まだまだ女の子の扱い方は下手くそだね。これだけ女の子に囲まれてるっていうのに。』

『ははは、面目ない。』

苦笑しながらタカトシは謝罪する。

『まぁ、でもそういう感じじゃなきゃここまで仲良くはなれなかったかな。』

デリカシーが無い等と一瞬はしかめっ面を作ったものの、次の瞬間にはまた笑顔で普段通りの元気印の女の子に戻るムツミ。
対してタカトシは。

『なんだよ、それ。』

あまり面白くはない。褒められてないところ、そこが良いところみたいな言われ方をされても、その心持ちは微妙である。

『ん〜、だって女子校が共学化したようなところに通っといて、全然ガツガツしてないし。逆にそんなだったら仲良くなる前にひいてたね。未だに男子で友達ランクなのなんてタカトシくんぐらいだよ?』
468Y-275:2008/08/13(水) 19:21:56 ID:d1/qhsWd

『そうなのか?』

ムツミの性格から言って、男子と話が出来ないなどと言うことは決してない。
しかしながら、どこかで線引きはしていて、タカトシは友人の方のラインへと入るらしい。とタカトシは推察する。

『そうだよ。中にはいるんだろうけど、私が見た感じじゃみんなやっぱりどこか色目使ってるね。
あと、そういう奴らを気にして妙に気合いいれちゃう女の子も私は苦手。』

うへ〜などと舌を出しながらそんなことを言うムツミ。
部活後だというのになんとも元気である。

『う〜ん。俺の場合生徒会のメンツもあんなだし、女の子のパワフルさに押され気味なだけなんだけどな。』

苦笑するタカトシ。

『あらそう?でも、そんなんじゃ、彼女出来ないぞ?せっかくより取り見取りなのに。』

そんなタカトシになんとも無いようにムツミは言葉を返す。

『わかった、じゃあ、私がタカトシ君とデートして少しはその苦手イメージを払拭してあげよう。』

『ええっ!?』

思わぬムツミの発言にタカトシは素っ頓狂な声をあげる。

『良いから良いから!!…なんて、本音を言ってしまえば友達同士遊び行かない?ってだけなんだけどね。』

『なんだよ、びっくりしたよ。』

『う〜ん、やっぱりタカトシ君はまだまだね。普通ここ、それでもデートには変わりないんじゃ?なんてドキドキするところだよ?』

『そういうもんなのか?』

タカトシの返事にムツミは盛大な溜息で返す。

『まぁ、いいや。詳細やなんかはまた後日って事で。私こっちだから。また明日タカトシくん!!』

やっぱり最後まで元気印なムツミだった。

………………………………

『お〜い、タカトシくーん!!』

時は流れて日曜日。
そんな放課後の翌日、社交辞令等ではなく、ホントにムツミはタカトシを誘った。
いわく『今週末から公開の映画のペアチケットがあるから一緒に見に行こう。』とのことで、
『実は前から持ってて、誰と行こうか悩んでたし、昨日あんなこと言った手前、タカトシくんと行くことにするよ。』とも付け加えていた。

『ごめん、待った?』

やや出遅れたのであろう、ムツミは若干息を切らせながらタカトシのもとへと駆け寄ってくる。
その恰好は水色のタンクトップにミニスカート。足元はサンダル。しかしながらそこまでヒールは高くなく、ムツミの動きを妨げるようなものではない。
469Y-275:2008/08/13(水) 19:23:14 ID:d1/qhsWd
まだまだ暑い9月も上旬ならば、みんながしてるような薄着でムツミはタカトシの前に現れた。

『ん〜、まぁ、少しな。』

『はい、減点ね。』

『何故に!?っつか、減点されると何が!?』

『前に言ったでしょ?デートだって。女の子に第一声でかける気の利いた言葉の一つぐらいあるでしょ?』

そんな事を言うムツミに合わせるようにポニーテールもピョコピョコと揺れている。
そんなムツミを見た後、タカトシは

『三葉の私服初めて見たけど似合ってるな。』

何気なく言う。別にムツミの先程の発言に答えたわけではない。
ムツミの性格を表すような変に飾り気のない服装。しかしながら普段は決して見ることの無い露出した肌。
柔道で鍛えた身体はすらっとしていて、そんな露出感もいやらしいものとはせず、動き易そうな軽装として活発なイメージのムツミとよくマッチしていた。

『でしょ〜!!』

改めて嬉しそうに笑うムツミ。
どこまでも引っ張られて行くような活発さを今日も振り撒くムツミに先導されながら2人は歩き出す。

………………………………

2人がみた映画は王道も王道、ベタもベタといわざるを得ないような恋愛物で、
1人の少年に恋する少女を軸とし、周りの人物はコミカルに描かれる。
そんななかで少女をライバル視している別の少女が留学間際に主人公の少女を後押しする形で2人は結ばれる。
ハッピーエンドまっしぐらな今時なかなかお目にかかれない、しかしながらやはり言い現すなら王道でベタ。
そんな所が話題を呼び、ヒット間違い無しと言われているものである。

『いや〜、面白かったねぇ〜。』

かなりの上機嫌、普段通りのニコニコ顔でムツミを先頭に2人は映画館を後にする。
470Y-275:2008/08/13(水) 19:26:12 ID:d1/qhsWd

『ん〜、面白かったんだけど、何回かツッコミをいれかけちまった。なんか、男の主人公と境遇が似てた気がするんだけど、気のせいか?』

『そう?そんなこと、微塵も感じなかったけどなぁ…』

タカトシの発言にムツミはやや考えているような顔をする。

『まぁ、良いじゃない?それより、お腹すかない?』

『あぁ、確かに。』

朝一で映画館に飛び込み、上映を見ていた為、時刻はちょうど昼頃。
良い具合に腹も空きだす時刻である。
もともと朝一で映画を見に行くということで、昼ご飯も一緒に食べるのも規定事項。
ムツミの提案に2つ返事でタカトシが答えると2人は近くのファーストフード店へ向かっていく。

………………………………

『しかし…』

『ん?どうしたの?』

『いや、よく食べるなと…』

3個目のハンバーガーに手をかけるムツミをみながらタカトシは言う。
ちなみにムツミのトレイにはもう一つハンバーガーのストックとポテトにジュースが乗っている。

『スポーツマンだもん、むしろこれぐらい食べないと。』

反論さえ出来ない清々しいムツミの答えにタカトシはこの話題を続けられなくなる。
そうすると必然的に話題は映画の方へ向かう。

『さっきの映画さ、前評判通りだったな。』

『それは良い意味で?それとも悪い意味で?』

『もちろん良い意味だよ。その点誘ってくれた三葉には感謝だな。しかし、恋愛映画なんて彼氏とかと見に行った方が良かったんじゃねえの?』

軽く礼を述べた後、タカトシは思ったままを口にする。

『ん〜。大丈夫だよ。言ったでしょ、デートだって?嫌いな人とはデートしないもん。』

『ちょっ、三葉!?』

やや頬を紅く染めながら言うムツミにタカトシは思わずドキッとしてしまう。

『……………』

そのまま、2人の間に沈黙が降りる。
471Y-275:2008/08/13(水) 19:27:38 ID:d1/qhsWd
『………………プッ』

ムツミが先に沈黙を破る。

『アハハハハ、真顔になりすぎだよ、タカトシくん!!』

『なんだよ、笑うなよ。』

『だって、可笑しいんだもん!!でも、少しは前進したって事で良いのかな?』

『ああ、降参だよ、降参。完全に意識しちまったよ。』

ヨッシャッ!!などとガッツポーズをしながらムツミは笑う。

『なぁ、ところで、三葉さっきの?』

そんなムツミにタカトシが問う。

『あぁ、嫌いな人とはデートしないって話?もちろん、本音だよ。』

簡潔に答えムツミはまた笑う。

『じゃあ、それって…』

『さぁ〜、どうでしょー?』

タカトシの質問をムツミははぐらかす。
すっかり手玉に取られ面白くない様子のタカトシを見ながら『可笑しい〜』等とまた声をだして笑いながらムツミはハンバーガーを平らげていった。

………………………………

ファーストフード店を出たあと2人は繁華街を遊び歩く。
ウィンドゥショッピングでムツミがファンシーショップに入ろうとするのをタカトシが同行を嫌がり怒られたり、
何気なく入ったゲームセンター、ダンスゲームで白熱するうちにムツミのパンツが見えかけてタカトシが慌てたり、
そして、そうこうするうちに、ムツミの『なんか運動したくない?』の一言がきっかけとなり2人はバッティングセンターへとやって来た。

『なんていうか、今までの流れはどこへやら、って感じだな。ま、三葉らしいけどな。』

『あー、それどういう意味よ!!』

ムツミのポニーテールが再びピョコピョコと揺れる。

『いや、元気だなと。』

『あ、そういうことか。てっきりボス猿とか言われるかと思ったよ。』

なんて言葉を返しながらムツミはまだまだ元気に笑う。
472Y-275:2008/08/13(水) 19:28:49 ID:d1/qhsWd

『私、小学校時代ソフト部だったんだから。』

なんて言葉を残してバッティングケージに向かう。

『っ、きゃあ!!』

派手な悲鳴をあげながらムツミは派手に空振りをする。
それもそのはずで、ムツミの入ったケージは140キロ。
高校球児でもなかなかお目にかからない、投げようものなら快速球などと評される球速。

『おい、三葉、それは流石に無理じゃね?』

ムツミの初球をみたあとで球速に気付いたタカトシが声をかける。

『ううん、大丈夫。』

『いや、キツいだろ…』

ムツミの返答に半ば呆然とするように口にするタカトシ。

『今日は1回だって、情けない姿は見せたくないの。だって、』

ブン!!

次の球も見事に空振りする。ポニーテールも半瞬遅れで空を切る。

『タカトシくんに好きになってもらわなきゃならないんだから!!』

『…!!』

もうそれ以上はタカトシは何も言えなかった。
正確には言えなかった。
突然の告白同然の発言への驚きと、ムツミはどこまで自分のことを思っているのかが頭を占領してしまったからだ。

ブン!!

『…うわ、またダメだし。』

三度、虚しく空を切るムツミのバット。

4回、5回、6回、7回と虚しくも空を切る回数のみがカウントされていく。

『今度こそ…』

もはや、真剣そのものでバットを握り直すムツミ。

ブン!!

『う〜ん、ダメかぁ…』

それでも、空を切るバット。
そこまで真剣なムツミを気付けばタカトシは心の中で応援していた。
473Y-275:2008/08/13(水) 19:31:33 ID:d1/qhsWd
最初はただ、同じクラスで話すようになっただけ。
男女比率のおかしい桜才学園に通うようになり、
向こうから話かけて来てくれたムツミとタカトシが打ち解けるのにそこまで時間はかからなかった。
それからムツミの相談を受け、柔道部の設立を生徒会役員として仲介。
生徒会の面々と一緒の場にムツミがいるとその空気の違いがよくわかる。
ベクトルが違うのだ。
前にムツミには女の子のパワフルさに押されてるといった。
確かにパワフルさではムツミも負けない。
ただ、違う。
けして不快ではないパワフルさ。
確かに女の子女の子した可愛さもタカトシは良いと思う。
でも、ムツミの可愛さはこのパワフルとも呼べる快活さ。
そこに居心地の悪さは無くて…

キン!!

今までの"ブン!!"ではなくて小気味良い音が響き渡る。

『惜しい!!』

ムツミは心底悔しそうである。
9球目ムツミのバットは初めてボールに当たった。
だが、しかし結果はファール。

『惜しい!!三葉、もうちょっとだ、頑張れ!!』

気付けばタカトシは口にだして、頑張れと言っていた。

『…!!、うん。』

びっくりしたようなリアクションをした後ムツミは再びバットを構える。

そんなムツミなら受け入れられる。
むしろ受け入れるならムツミが良い。とタカトシは思う。
さっきの告白同然の言葉。そこには告白への強い意志も含まれていた。
ムツミを受け入れる。と決めたタカトシとしては是が非でも頑張ってほしかった。

"キン"

再び小気味良い音が響き渡る。
ボールは前方でバウンドする。

『やったー!!』

その直後ムツミが歓喜の声をあげる。
それに合わせてポニーテールも跳ねている。

『やったよ、タカトシくん!!』

『あぁ、やったな。』

今にも飛びつきそうな勢いでバッティングケージから出てきたムツミとタカトシはハイタッチを交わす。
474Y-275:2008/08/13(水) 19:32:52 ID:d1/qhsWd



『…何あれ?』

『ラブコメ?さぶ。』

『ハレンチだ…』

そんな2人を終始見ていた3人の女の子の声がムツミとタカトシに聞こえたかどうかは定かではない。

………………………………

『ふぅ〜、楽しかったね。』

『あぁ、今日はサンキュな。』

2人はデートの締めくくりに公園を選んだ。

ただ、まったりとベンチに座り今日一日を振り返り笑いあう。

『ねぇ…』

不意に真剣な面持ちになったムツミ。

『タカトシくんって付き合ってる娘とか居るの?』

今更、ほんとに今更ムツミはわかりきった事を聞く。
それ以前にもう告白同然の発言までしてしまっているのだから当然タカトシはその言葉に含まれている意味も自身の答えもわかっている。

『いないな。三葉は?』

『ううん、私もいないよ。』

そう言って普段通りムツミは快活に笑う。
1日で随分と変わったものだとタカトシは思う。
前はそれがムツミの標準仕様だった。
しかし今では確実にタカトシはその笑顔に惹かれている。

『なぁ、じゃあさ、三葉。』

『ん、なぁに?』

これ以上無いほどタカトシの胸は高鳴っている。

『俺達、付き合わないか?』

『あらあら生徒会役員自ら校則違反?』
475Y-275:2008/08/13(水) 19:34:22 ID:d1/qhsWd

からかうようにムツミが言う。

『でも、喜んで。私もタカトシくんのこと好きだから。』

"ぽふっ"

そう言ってムツミはタカトシの肩に自らの頭を預ける。

『………………』

2人の間には緩やかな時間が流れる。
気付けば互いに手を握り、互いに温もりを交換しあう。

何気なくタカトシがムツミの方に視線を向けると視線が交わる。

『汗くさい?』

これでもかってほど潤んだ瞳でムツミはタカトシに聞く。

『いや、良い臭いがする。』

タカトシは答える。

『ん、じゃあ、抱きしめて。』

甘えるようにムツミはタカトシに告げる。

『……………』

無言のままタカトシはムツミを抱き寄せる。
そうすると顔は自然と至近距離になる。

"チュッ"

どちらからともなく目を閉じると2人はキスをまじわした。

………………………………

『ほら、行こっ!!タカトシくん。』

『ちょっ、ムツミ!!』

時は流れて文化祭。
ムツミは元気にポニーテールを揺らしながらタカトシの手をひく。
2人は付き合いだしてから順調な時を刻んでいる。

周囲に対しては"友達"と公言してはいるが、誰もがわかっている。

『まったく、今日もあの2人はラブラブだな。』
476Y-275:2008/08/13(水) 19:35:24 ID:d1/qhsWd
『ふふ、嫉妬かしらシノちゃん?』

『だ、誰が!!』

そんなタカトシとムツミを眺めるアリアとシノ。
今では2人は桜才学園の期望。
共学化。それに伴い校内恋愛が禁止された学園内初のカップル。
しかも片方は副会長。
そう遠くない未来、この校則は解禁されるであろう。
そう思いながら2人を見守る生徒は多い。

『友達と公言してるならアレはアウトじゃないか?』

『ふふ、確かにね。』

面白くない顔をシノが見せる時もあるが、2人も見守る側だ。

『ちょっと、浮かれ過ぎだな。後で説教だ!!』

『まあまあ、良いじゃない今日くらい。』

そんなシノをアリアが制する。

『私達が言わなくても、言う人くらいいるわ。それに学園の生徒の希望として、あれは乗り越えなくちゃ行けないしね。』

そう言ってアリアが指を指す。

『こら〜!!そこの2人待ちなさい!!』

風紀委員長の声が響き渡る。

『やばっ、五月蝿いのが来た!!まくよタカトシくん。』

そう言ってムツミはより強くタカトシの手を引く。

『ちょっ、今何て言った!?良いから止まりなさ〜い!!』

一層大きな声が響く。

やれやれ等とタカトシは言いながらもムツミに合わせてペースをあげる。
タカトシの眼前でポニーテールは揺れている。
そんなムツミの引っ張っていく未来の為にも捕まるわけには行かないな等とタカトシは思いながら、2人は駆け抜けていった。
477Y-275:2008/08/13(水) 19:43:31 ID:d1/qhsWd
以上です。
タイトルは
『ポニテシンドローム』で
なんていうか、もうノリです。
投下してて気づきましたが、勝手設定も、それっぽいなぐらいで流していただけると幸いです。
単行本買いましたがムツミが可愛すぎます。

あと、色々と近況的な。
前言ったヤンデレ方面は当面保留で手をつけないことにしました。
あと、前投下したアリアSSで色んな形で続くと言いましたが、シリーズ物みたいにして自分がエロ楽しく書けるような物にしようと画策中です。
なんでアリアSSはとりあえずあそこで一句切だったりします。
また機会があればアリアルートは書きたいなと思ってます。
長々すいません。駄文乱文失礼致しました。
それでは失礼します。
478名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 21:16:42 ID:Osf+ieZC
この人のマンガ、ほんと面白くないよね。
やっと前のマンガ終わったと思ったらまた変なワンパターンシモネタ漫画が
はじまったしいい加減にしてくれよマジで。つまんねんだよ。
479名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 21:38:20 ID:9cSfism+
>>478
嫌なら読まなきゃ良いだけ
480名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 21:45:41 ID:kzhMOxbg
>477
これはGJと言わざるを得ない
感情の振れぐあいなどよく理解できていいですなぁ
ムツミは最高
481名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 22:06:10 ID:CMZPxzKQ
Y275氏乙
新時代エースがんばれ
482名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 22:25:45 ID:A2vtup0+
>>478
携帯だと縦読みしずらいんだがなんて書いてあるんだ?
483名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 22:31:03 ID:9cSfism+
乙です
ムツミ可愛いですよね
原作では誰がタカトシと恋愛フラグ立てるんだろ
484名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 23:28:57 ID:45AvyiWq
>>478
つまらないのはネタの意味がわからないからだろう
駄目だよエロゲーばかりじゃ
ちゃんとリアルの友達と会話……
ごめん悪いこと言った
485名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 20:58:30 ID:pYxYc2tB
Y-275氏すばらしい!
486名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 21:13:49 ID:fXOW0gaj
タカトシと畑のカラミが見たいのは自分だけ?
487名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 21:30:49 ID:wrXtW0Sy
さすがにベテラン陣がゆるやかなペースになってきた今、Y-275氏の登板ぷりはありがたいな
488名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:59:34 ID:lCeYPx98
>>486
お前だけじゃないさ
つーか生徒会はキャラ全員魅力的過ぎる
濱中だとアヤナ・ミサキに集中してたけど
489名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 00:41:43 ID:4Hc5g+CB
>>488
仲間がいてくれてよかった
ただ一つ思ったけど畑がToLoveるの春菜に見えてしまう(なんとなく生気のなさそうな感じで)
490名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 13:14:48 ID:jo7Y12e9
誰もいないのでアイ先生はいただいていきます
491名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 18:03:10 ID:bgXl8k/w
>>490

アイせんせぇは譲れない!俺んだぞ!
アイせんせぇ かわいいよな〜(=´ω`=)
492名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 10:23:36 ID:cvL09obB
じゃあみんな俺の嫁ということでどうか
493名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 11:39:18 ID:6uBEZKGO
なにこの流れwww
494名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 11:59:44 ID:jzIAIEhC
絶倫マサヒコか片っ端から・・・希望!
495名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 23:32:39 ID:MQ2VtZPu
シノ・アリア・スズに声をつけるとしたらどんな感じ?
496ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/08/18(月) 07:19:49 ID:jNGlysUe
住人の皆さん、お久しぶりです。
復帰の挨拶代わりに小ネタを一つ。エロ無しですが。
タイトルは「make it glow」で。
497ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/08/18(月) 07:22:17 ID:jNGlysUe
レイ・プリンセス事務所所属のマネージャー、井戸田ヒロキ。真夏日が続くこの時期にもかかわらず
営業活動などで一日中立ち回っている。


「ただいまー」
すっかり体中日焼けして黒くなったヒロキが事務所に帰ってきた。
「いつもご苦労様です」
「あっ、お兄ちゃんおつかれー」
「おっ、今日も一段と精がでるねー。でも、気持ちイイからって出しすぎはだめよ」
(まったくこのクソ暑い時に…)
ヒロキはシホのボケには構っていられないと言わんばかりに冷房のところに一直線に向かった。
冷たい風を感じながら、
「ああ、やっぱり中は涼しくていいな」
「そうでしょ、でもやっぱり人肌程度に温くてあとは適度な締め付けがあるともっと気持ちイイと思うんだけど」
「だから何の話だ」
二人が微笑ましい(?)やりとりをしていると、ユーリがヒロキの元に近づき、
「あっ、お兄ちゃん皮むけてる」
と言いながらすっかり日焼けしてめくれ上がった腕の皮をむこうとする。
「ヒロキくん、折角だからついでにチ○コの皮もむいてもらったら?」
「シホ、アンタちょっと自分の立場をわきまえなさい」
ヒロキは呆れ返った様子で、
「大体オレは包茎じゃない、それにしても今日はいつも以上に飛ばしてるな」
するとシホはヒロキの体をバシッと叩きながら、
「またまた、飛ばすのは男に決まってるじゃない!」
「痛ぇっ!!」
日焼けして赤くなっているところを叩かれたので思わず声を上げてしまった。
「いい加減にしなさい」
バチーン、とシホの頭にカルナの一撃が飛んだ。
「もう、アンタさっきから一体どうしたのよ?」
「いやー、今おバカキャラが流行ってるから、それに対抗して私たちはエロキャラを
前面に出していこうかと思って」
「アンタと一緒にされたくないわ」
「エロいのはシホちゃんだけでしょ」
「お前なあ、目指す方向が間違っているぞ」
真夏の芸能事務所の一コマであった。
498ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/08/18(月) 07:26:57 ID:jNGlysUe
以上です。相変わらず短いネタばかりですが。
本当はそのまま引退しようと思っていたのですが、ふとまた創作意欲が
わいてきたのでマイペースでも投下していこうと思います。
ちなみに本作のタイトルはそのとき聞いていたCDのタイトルから引用しました。
最後に次回投下は…何とか四周年には間に合わせたいと思っています。では、
今回はこれにて失礼させていただきます。
499名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 17:15:59 ID:dNBf1QIh
乙です
現役では郭氏の次に投下歴が長い職人さんだと思いますが、
まだまだこれからもベテランパワーを見せて欲しいです
500名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 20:28:09 ID:mb8xDQUl
わーいペピトーン氏乙ー
これからもがんばってください
501名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 22:16:34 ID:vQbHGp+s
畑さんが写真をネタにタカトシ君を脅迫するというのはどうでせう。
502名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 04:31:55 ID:ealX4y3i
>>501

畑『津田副会長、この写真、分かるわよね?』

津田『………………』

畑『何も言えないってことは肯定ととっても良いって事よね。』

津田『………………』

みたいな感じっすか?
503名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 12:08:00 ID:6SaG6jdb
>>502
今すぐそれで書いて
504名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:27:55 ID:4oX4IxOg
>>501のネタを参考に思い付いたので
さわりの部分だけでも投稿します
505名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:35:00 ID:4oX4IxOg
とある日の放課後,今日も生徒会室ではいつもの四人が仕事を行っていた。
そんな生徒会室に一人の生徒が訪れた。

「失礼します。新聞部の畑です。」
「久しぶりだな,今日は急にどうしたんだ?」
生徒会長の天草シノが突然の来訪者に応対する。
「突然で申し訳ないですけれど,写真部の清掃を行っていたのですが
部員だけでは人手が足りないので,力を借りようと思いまして訪れました。」
シノの問いに畑は淡々と答える。
「そうか,だがこちらも作業中だからな…。」
シノが悩んでいるところにタカトシが手を挙げる。
「あの…会長,なんなら俺が手伝いに行きましょうか?」
「おお,津田それは助かるが作業の方はまだ残ってるんじゃないか?」
「シノちゃん大丈夫よ。私の分はほとんど終わったから,津田君の分は私とスズちゃんで引き継ぐわ。
それに,力仕事もあるから男の子の力も必要でしょうし。」
「そうですよ,皆で手伝いに行っても逆に邪魔になるかもしれません。」
難色を示すシノにアリアとスズが救いの手を出す。
「それもそうだな。そうしてくれるか二人共?」
「分かったわ〜。」
「分かりました。」
三人が作業の調整をしている所に畑が,
「すみません。生徒会の仕事を邪魔するみたいになってしまって。」
「いや大丈夫だ。困っている所を助けるのも生徒会の仕事だからな。」
「会長,七条先輩ありがとうございます。じゃあ畑先輩,行きましょうか。」
そう言って,タカトシと畑は生徒会室を後にしていった。
506名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:42:21 ID:4oX4IxOg
こんな感じで
っていうか,そもそもSSを書くのは全くもって初めてで
先輩方のように即戦力ルーキーにはなれませんが実力をつけていきたいと思います
この続きはさわりの部分を改めて書き直して投稿しようと思っています
(目標は今月中を目指しています)
皆さんのご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします
507501:2008/08/19(火) 23:49:11 ID:UmRVwWgx
GJです。お粗末な妄想にお付き合いいただきありがとうございます。
俺としてはそうしてタカトシ君の弱みを握った畑さんが性的な意味でタカトシ君を
いじめるのがいいなと考えてます。他の読者様のお眼鏡に叶うようなストーリーが
できたなら当方でも書いてみようかと思案しているのですが宜しいでしょうか?
508名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:27:36 ID:wbS04JNd
なんかいい感じの流れになってきたね♪

期待してます!wktk〜
509名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:48:08 ID:5PWMN1RN
乙〜


他のスレはあまり覗かないが、
エロなしでも特に問題なし・原作雰囲気重視・短編長編問わず・通算職人多数なこのスレはもしかしてめちゃくちゃ恵まれてる?
510名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 03:33:50 ID:rNfv6njt
乙鍋

てか仕事が早いなw
511Y-275:2008/08/20(水) 14:12:56 ID:ukd7Qdm/
住人、職人、保管庫管理人の皆様、こんにちは、お疲れ様です。
前に書いたアリアSSの続編。今回はスズ目線の話になります。
スルー対象ワードは

『マガスペ設定』
『展開強引』
『足コキ』です。

では、投下。
512Y-275:2008/08/20(水) 14:14:47 ID:ukd7Qdm/

『さて、新学期だ。2学期は体育祭、文化祭と大忙しだからな。夏休み気分も昨日までだ。』

夏休みが終わり、一番最初の生徒会会議。
2学期はイベントが多い。
そのそれぞれに実行委員会があるものの、私達が休めるというわけではない。
だから新学期も初日から生徒会役員は召集され会議を行う。

『それじゃあ、アリア、去年の競技の書き出し頼む。』

一見すると普段通り。だけど、その表情は陰りがちな会長。
七条先輩も普段通りだけれど、やけにニコニコと笑みを称えている時間が増えた。
そして津田は七条先輩の方へちらちらと視線を送ってはなにやら落ち着かない様子。

気に食わない、ほんとに気に食わない。
私だけが蚊帳の外。
この3人の間に何かしらあったであろうことは容易に想像できる。
だから余計に気に食わない。
小さい頃友達から仲間外れにされた時のような疎外感。
ホントにイライラする。
秋の生徒会活動は私の苛立ちとともにスタートした。

………………………………

『スズちゃん、なんかイライラしてない?』

今日は生徒会役員会議後、書記、会計各々の仕事を片付けるために七条先輩と2人居残っている。

『別にしてませんよ、イライラなんて。』

明らかに刺のある声、言い方で返事をしてしまう。

『明らかにしてるんだけど…もしかして、2日目?』

なんていうか、予想通りのボケが帰ってきた。会長といい、七条先輩といい、少しは真面目に出来ないのだろうか?
513Y-275:2008/08/20(水) 14:17:53 ID:ukd7Qdm/

『いえ、大丈夫ですよ。』

さらに上乗せされた苛立ちも隠さずに言葉を返す。

『…………………』

頑なな私の態度に遂に七条先輩は返す言葉も無くなり、生徒会室は居心地の悪い沈黙に包まれる。

『…津田と最近何かありました?』

沈黙に耐え切れなくなって、私は先に話しかける。私の苛立ちの原因を少しでも解消するために。

『なるほど、それが苛立ちの原因だったりするわけね。』

『…ご想像にお任せします。』

先程の会話の流れからいえば自分から相手の疑問を解消する答えを与えてしまったのは明らかだ。

『ええ。あったわよ。生徒会合宿でね。』

『何があったんですか?最近の様子から察するに津田が七条先輩を意識して、会長が気を落とすような事ですよね?』

『ん〜。半分は正解。だけど、半分は違うわ。』

『どういう事ですか?』

無意識に先を促す。

『シノちゃんはね、津田くんの事が好きなのよ。』

『は?え、だってそれって校則違反じゃ?』

『人を好きになる事が校則違反だなんて、どこにも書いて無いわよ?それに2人は付き合ってるわけじゃ無いの。』

『そうなんですか?じゃあ、なんで会長は落ち込んでるんですか?』

『ん〜、私がライバル宣言しちゃったから?』

なんで疑問符なのだろうか?いまいち話が見えて来ない。

『私もね、津田くんの事好きなのよ。ううん、合宿期間中に好きになってしまったのよ。』

『つまり、前もって会長の心を知りながら、七条先輩は割り込み、それによって会長は気を落としている。そういうことでいいんですか?』

『うん。多分ね。結局私はシノちゃん本人ではないから、心の中まではわからないの。』

なるほど、さっきの疑問符はそういうことか。

『それで、津田の事は何があったんですか?』

『あぁ、それは私が胸でシテあげたのよ。』

………………

思わず固まってしまう。
514Y-275:2008/08/20(水) 14:19:21 ID:ukd7Qdm/
胸でシた?何をだ?

『何をしたんですか?』

『パイズリでヌいてあげたの。津田くんのすごい立派だった。』

頬に手を当て、紅くなりながら告げる七条先輩。
私が知らないところで、そんないかがわしいことが行われていようとは…
というか、津田が盛りのついたオス犬のように思えてきた。
会長に気があるように見せてその気にさせて、片や七条先輩にも手を出している。見る目を変えざるを得ない。

"コンコン"

その時、不意に生徒会室のドアがノックされる。

『あの、すいません、忘れ物したんで、中入りたいんすけど、今、入っちゃって大丈夫すか?』

飛んで火にいる夏の虫。今まさに考えていた人間がすぐ側まで来ている。ここらで一つちゃんと教え込まないと、生徒会として汚点を残すことになる。
盛りのついた犬はちゃんと躾ておかねば。

『は〜い、どうぞ。』

私が考えている間に七条先輩は返事を返す。

………………………………

『このエロ犬がっ!!』

私はドアが開かれると同時に飛び出し、思い切り津田のスネを蹴り飛ばしてやった。

その場で悶絶して転げ回る津田。

『ちょっと、男の癖にだらし無いわよ!!』

『いや、萩村先輩さっきのはシャレにならないですよ!!』

私の怒りを込めた一撃。少しはこいつが反省すれば良いが…

『あらあら。』

七条先輩の事で私は思い切りこいつを蹴飛ばしたというのに、当の本人は呑気に笑っている。
515Y-275:2008/08/20(水) 14:21:29 ID:ukd7Qdm/


『スズちゃん、そんなに津田くんの事…』

『は?』

次の一撃も辞さない。そんな気持ちで構えを解かずにいた私は間の抜けた声を出し毒気を抜かれてしまう。

『好きだからこそ許せないんでしょう?』

続けて発射される2言目。どこからそんな考えに至るのだろうか?
つまりは好きな子ほどいじめてしまうそんな風に脳内で変換されたとでも言うのだろうか?
だとしたら甚だ心外だ。
身なりは子供っぽくても心はそれなりに成熟しているつもりだ。
好きな人間に好きだと言うことぐらい私は出来る。

『私はそんなことありません!!』

声のトーンをあげて私は否定する。

『あらあら、これは図星かしら?』

『いや、そんなことありません!!』

否定すれば否定するほどドツボにはまっていく気がする。

『良いのよ?素直になって?人を好きになる事はそんな難しい事ではないのだから。』

ダメだ。ここまで来てしまうとこの人は止められない。もし、止められるとしたら津田のツッコミだけ。不本意だけど期待してるわ。本当に不本意だけど。
私が津田へと視線を移す…
…津田も固まってしまっていてこれは期待できそうもない。
そんな津田の側まで七条先輩は近づいていく。

『えいっ!!』

何気ない動作で津田を倒す。一片の無駄もなかった。合気道かなにかだろうか?多くの習い事を習っている七条先輩なだけに不思議はない。
それから七条先輩は何気ない動作で津田のチャックを下ろしていく。
516Y-275:2008/08/20(水) 14:23:12 ID:ukd7Qdm/

『でもね…』

そこで初めて七条先輩は口を開く。

『一つだけ、大事な事があるの…』

『…っつ!!』

なんのためらいも無く津田のペニスを取り出した七条先輩に私は短く息を吐き出す。

『それはね、"シタい時にスルこと"なの。』

………………………………

『ちょっ!!七条先輩シャレになってないです。勘弁してください。』

逃れようとする津田は身体をよじるが、七条先輩は体重のかけ方一つでそれを制する。なにかしら習っているであろうことを今更疑う余地はない。

『ふふ、スズちゃん、良いのよ?』

津田は華麗にスルーされてしまっている。とは言っても良いって何を?七条先輩は遥か前方。私をかなり彼方に置き去りに話を進めている。

『津田くんのこと好きなのでしょう?初めては約束だからシノちゃんに取っておかなきゃダメだけど、私がしたみたいに本番前までなら良いのよ?』

『ちょっ、七条先輩何を言っ…ぐあっ!!』

津田は最後まで言葉を紡げないまま情けない声をあげる。
七条先輩が津田のペニスに触れゆっくりと上下に扱き出したから。
七条先輩の手の中で反応するそれを思わず凝視してしまう。
517Y-275:2008/08/20(水) 14:24:35 ID:ukd7Qdm/
そうこうしているうちに津田のペニスは完全に勃起してしまう。
いけない、見入っているうちに事態は確実に悪化している。

『このエロ!!変態副会長!!何勃ててるのよ!!』

七条先輩の暴走のせいだというのはわかっている。しかし、七条先輩は責められない。それに津田も少しは自制出来ないのだろうか?これではほんとに発情期の犬と変わりが無い。

『ちょっ、なんで、俺…』

津田は半泣きになっている。

『何半泣きになってるのよ!!ほんとだらし無いにもほどがあるわ!!』

『ふふふ、ほんとにスズちゃんは頑固ねぇ。そんな事言ってる割には視線は釘づけのようだけど?』

『うっ…』

痛いところを付かれて私は思わず呻いてしまう。
私だって女なのだ、初めて見るペニスに興味が無いといったら嘘になる。それゆえに凝視してしまった。
それに頬が熱を持ち始めている自覚だってある。

『良いのよ、スズちゃん?』

再三に渡る七条先輩からの言葉。
徐々にその言葉に、含まれている誘惑に身を任せても良いような気がしてきてしまう。

『…………』

私は何も言わず唾を飲み込むと津田のペニスへと手を伸ばす。

ビクッ

その時、津田のペニスが反応した。
びっくりして私は手をひいてしまう。

『あらあら、相変わらず、正直ねぇ。』

七条先輩は可笑しそうに笑う。

『………………』

私は再度手を伸ばし、ゆっくりと掴む。

『萩村先輩、気を確かに。』

相変わらず半泣きな津田の声が聞こえる。

『五月蝿いわね!!黙ってなさいよ!!』

反射的に身をひいて私は立ち上がる。
蹴りでもいれてやろうかしら?
足を振り上げて私はふと思う。
なにも手でやる必要性は無いのではなかろうか?
よくよく考えてみればこれでは津田が気持ちいいだけ。
それに七条先輩に流されてしまったとはいえ、津田は躾てやる必要性がある。
518Y-275:2008/08/20(水) 14:26:03 ID:ukd7Qdm/
それならば、手でしてやる等と役得を与える必要性はない。

『そうね、それが良いわ。』

私は呟くとおもむろに上履きを脱ぎストッキング越しに津田のペニスに触れる。
ストッキング越しであっても十分な熱と脈を伝えてくるそれを私はゆっくりと上下していく。

『…くっ、ちょ、は、?…』

津田は屈辱感と快感がないまぜになったような表情を浮かべている。
正直、良い気味だと思う。

『ふふん。少しは自分の発情加減を恥じなさいよ!!』

そう、これは躾。何故自分がそういう立場におかれているかよくわからせる必要がある。

私は徐々にペースをあげていく。
それに合わせて徐々に足の裏がヌルついていくのがわかる。
同時にビクンビクンと津田のペニスの反応が強くなっているのがよくわかる。

『っ…ちょっ、俺、もう!!く、あっ、……!!』

津田の声とともに不快な臭気と足の裏に温もりが広がる。
津田は私の足で果てた。

………………………………

その後私は七条先輩の『足コキ…なんてマニアックなの…』という言葉、呆気に取られたようなさまに急に恥ずかしくなり生徒会室から逃げ出した。
幸い今日は体育があった為替えの靴下はあった。
しかしながら、いつまでも足の裏に温もりが残っている気がしてならない。
足の温もりを気にしだすと、自然と火照るのがわかる。
今日は流されるまま妙な事をしてしまった。
そう考えると自己嫌悪に陥る。同時にあの光景も焼き付いているようで自然と再生されて私はまた火照ってしまう。
それにしても津田の奴!!

これも何度も繰り返したループ。
一言目にはさっきの事、二言目には身体の火照り、三言目には津田。
それはまるで吊橋効果でどんどんと順序、思考が入れ代わって、モヤモヤとする。

私は横の電柱に視線を向け足を止める。
高く伸びた電柱は私のことを見下しているようで妙に気に食わなかった。
とどのつまり自分の戸惑いを苛立ちとしてぶつけられればそれで良いのだ。

『私は絶対、デレ無いんだから!!』

思い切り叫びながら蹴りをいれる。
それでも電柱は微動だにしない。
それが腹立たしくてまた蹴り飛ばす。

これで良い。まさか津田の事で自分が悩むなど有り得ない。さっきあんなことをしたせいだ。
そう自分に言い聞かせながら私は帰り道を歩く。
それでも、やはり頭をよぎる津田の事を考えながら。

続くわよ!!
519Y-275:2008/08/20(水) 14:33:59 ID:ukd7Qdm/
以上です。
なかなか文体が安定しないので読みにくくて申し訳ないです。
タイトルは
『そんな生徒会役員の秋』
で。
マガスペ設定なのは台詞の問題というよりも、その設定の方がスズの上から目線が自然だからだったりします。
次回はこの続編のシノ目線を予定してます。

ペピトーン氏、504氏、ほんとに乙&GJです。このスレがかなり元気になってきた気がしてうれしいです。
駄文乱文失礼致しました。
それでは失礼します。
520名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 14:50:38 ID:feWkvKWf
すんばらしぃ!GJ!!でござるよ!
521名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 16:56:38 ID:+gKhubuu
乙乙
エースの風格を感じるようになってきたぜ!

>>509
基本エロパロ板だしエロなしSSは本来対象外なんだろうけどな
でもこのスレなら全然無問題
522名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 17:33:29 ID:ye5B98q6
果てしなくGJ

Y-275氏の絶倫っぷりは異常
こっちの腰がガクガクですぜ
523名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 00:17:49 ID:fp0ON3Ux
思ったんだが
スズって津田とタメだよな
524名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 00:32:40 ID:7bjYIiYP
>>523
最初に『マガスペ設定』と書いてある
マガスペ設定では
シノ、アリア→3年
スズ→2年
タカトシ→1年
だった
525名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 13:23:48 ID:Lt7cMJof
シノ、アリア、スズ、ムツミ、カエデ、横島、畑、コトミ、スズ母
何気にあかほんだけでなく濱中よりもキャラが増えたな、生徒会

引っ越しにより消えてしまった三年生の新キャラはくるか?
526名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 13:43:54 ID:lSmxE4aE
やはりタメになったならタメの設定が読みたいな。
全員先輩ってのもあれだし
527名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 17:47:05 ID:HQyV90Ci
まとめ更新されてた乙
しかし中堅非看板漫画家のSSなのにとんでもねー量だ
528名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 22:54:58 ID:bi1YQSsA
ペドで先輩なのが良いんじゃないか
529名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:48:01 ID:yC8uRN6j
せめてロリっていえ!!
530504:2008/08/23(土) 12:02:46 ID:Nma3+xQc
遅ればせながらY-275氏乙です
あとGJ頂き有難うございました

さて,投下予告をしていたのですが
文章もほぼ完成し後は細かい所の修整を残すのみとなったので
早ければ今日の夕方以降には投下することができそうですが皆さん宜しいでしょうか?
531名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 17:17:20 ID:x5MB8ymF
ちょっくらティッシュ買ってくる
532504改めボルト:2008/08/23(土) 20:39:09 ID:Nma3+xQc
文章が完成したので投下させて頂きます。
ただ完成したといっても前編部分+エロ無しなのですが,宜しくお願いします。
533ボルト:2008/08/23(土) 20:41:01 ID:Nma3+xQc
 とある日の放課後,今日も生徒会室ではいつもの四人が仕事を行っていた。
 そんな中,生徒会室のドアをコンコンと叩く音がした。
「どうぞ〜,鍵は開いていますよ〜」
 生徒会の一人,七条アリアはそう答えると,一人の生徒が入って来た。
「失礼します。新聞部の畑です」
「久しぶりだな,今日は何の用だ?」
 生徒会長の天草シノが畑に問い掛ける。
「急な話で申し訳ないですが,写真部の清掃を行っていたのですけど,
 私一人だけでは人手が足りなくて,それで生徒会なら手伝ってくれると思って訪れました」
 シノの問いに畑は淡々と答える。
「そうか大変だな,だがこちらも仕事中だからな…」
 どうしたものかとシノが悩んでいるところにタカトシが手を挙げる。
「あの…会長,なんなら俺が手伝いに行きましょうか?」
「私は構わないが仕事の方はまだ残ってるだろう?」
「あ…,そう言われればそうですね」
 タカトシは自分の目の前に置かれている資料を見渡す。まだ半分しか終わっていなさそうだ。すると前からアリアとスズが,
「シノちゃん。それなら大丈夫よ。私の分はほとんど終わったから,津田君の残りは私とスズちゃんで引き継ぐわ。
 それにね,力仕事もあるなら男の子の力が必要でしょう?」
「そうですよ,皆で手伝いに行っても逆に邪魔になるかもしれません」
 難色を示すシノに二人が提案する。
「そうしてくれたら有り難いが,大丈夫か二人共?」
「平気よ〜」
「私は問題ないです」
 四人で仕事の調整をしている所に畑が,
「すみません。皆さんのお仕事を邪魔してしまって」
「いや気にすることは無い。困っている人を助けるのも生徒会の仕事だからな」
「みんな有難うございます。それじゃあ,畑先輩行きましょうか」
 そう言って,タカトシと畑は生徒会室を後に写真部へと行った。
534ボルト:2008/08/23(土) 20:41:58 ID:Nma3+xQc
 
………数分後
 
「着いたわ,ここが新聞部の部室よ」
「ここですか。そういえば,新聞部に来るのはオレは初めてですね」
「そうね,じゃあ先に中に入って」
「あ,すみません。失礼します」
 そう言ってタカトシは部屋の中に入っていった。それに続いて畑も入っていく。
 部屋の中に入ったタカトシ。たが,目の前の光景に違和感を感じた。
「あれ?特に散らかっているように見えないんですけど…」
 そんなタカトシの言葉を余所に後から入って来た畑が後ろ手に部屋の鍵を掛ける。
「畑先輩?片付ける所ってどこにあるんですか?」
 タカトシの問い掛けに対し畑は答える。
「ごめんね,掃除をするって言ったことは嘘なの」
「え?それってどういう事ですか?」
 畑はタカトシに近づきながら話を続ける。
「実はね,津田君に大事な話があるの。だからここに来てもらったの」
「話なら生徒会室で良かったんじゃないですか?わざわざ嘘までつかなくても…」
「言ったでしょ?大事な話って」
 そう話すと畑は机の引き出しから1枚の写真を取り出した。
535ボルト:2008/08/23(土) 20:42:49 ID:Nma3+xQc
「この写真を見てくれるかしら」
 そう言うと畑はタカトシに1枚の写真を見せる。
 それは雨の中をタカトシとシノが二人で相合い傘をしている写真でだった。
「これって確か会長の誕生日会の時の…って,いつ撮ったんですか?」
「ジャーナリストたる者,何時でもスクープを探しているものよ」
「まさか雨の中オレと会長を付け回してたんですか」
「その通りよ」
 冷静に畑は答える
「この写真を見る限り,とてもお似合いのカップルね。二人共いい笑顔をしているわ。
 実はこの写真を使って来週の校内新聞の記事にするつもりなの。
 『大スクープ!生徒会長・天草シノと副会長・津田タカトシ二人の熱愛発覚!』
 って所かしら」
「何考えているんですか!別に俺と会長は付き合っている訳じゃ無いんですよ」
「これが全校生徒に知れたら大変な事になりそうね。
 生徒会長と副会長が自ら校則違反をしているんだから」
「人の話聞いています?付き合ってないですって」
「あなたが付き合ってないと言っても,噂が広まれば嘘も事実と同じよ。
 もしこの件が職員会議とかになったら軽くて厳重注意,重ければ解任や停学もありえるかもね。
 知ってるでしょ?元々ここは伝統のある女子高だって。
 男子の受け入れを始めて,すぐに問題を起こしちゃったら,それなりの処罰が待っているのは当然でしょ。もちろん会長も処罰は免れないと思うわよ。
 それに会長のファンクラブの子達からも目をつけられるかもね。命の危険もあるかも知れないわよ」
536ボルト:2008/08/23(土) 20:43:56 ID:Nma3+xQc
 畑は矢継ぎ早に怖いことを言い続ける。
「…結局,何が言いたいんですか畑先輩?」
「まだ分からない?この事を記事にされたくなかったら,大人しく私の言う事を聞いてもらうわ」
「約束してくれるなら,写真のデータは津田君に渡してあげる」
 タカトシは畑の余りにも身勝手な発言に言葉を失っていた。
(この人は急に何を言い出すんだ?だけどもし逆らったらオレも会長も…)
 少しの沈黙が流れた後,タカトシは,
「…一日だけ待ってください。それまでに答えを出します」
「いいわよ。だけどこれはあなたにとって,決して損はしない話だと私は思っているの」
「えっ?損はしないって…?」
「…とりあえず今日はここまでね。あなたに私の携帯のメルアドと番号を教えてあげる。
 明日,時間を決めて呼び出すから確認をとれるようにしてね。
 もし来なかったら交渉は不成立と受け取るわよ」
 そう言われて,畑から番号の書かれた紙を受け取ると,タカトシは何も言わずに生徒会室へ戻っていった。
 
………
 
「…ただいま戻りました」
「ご苦労だったな。ん?どうした?私の顔を見つめて」
「あらあら〜?津田君,まさかシノちゃんを相手にHな妄想してるのかしら?」
「何考えているの津田!イヤラしいわね!」
「いえ別に…,別に何もないです…」
「そうか?それならいいが…,ちょうど私達もいま仕事が終わった所だ。
 そろそろ暗くなって来るし,ここで終わりにするか」
「じゃあ帰りましょうか〜」
「そうですね。明日も頑張りましょう」
「お疲れ様でした…」
 そう言って4人は生徒会室を後にし,それぞれの家路に着いた。
 
 その夜,タカトシは畑の言った最後の一言に疑問を感じていた。
「…どうしようもないよな。皆に迷惑かけられないし。
 でも,損はしないってどういう事なんだろう?」
537ボルト:2008/08/23(土) 20:44:44 ID:Nma3+xQc
 
次の日…
 
タカトシの携帯に一つの着信メールがあった。そこには…
 
『今日の午後5時に写真部に来てちょうだい 畑』
 
 
その頃2−Bの教室では…
「シノちゃん。昨日のタカトシ君,新聞部から戻って来た時,何が様子がおかしくなかった?」
「そうだったか?私は別に変な風には感じなかったが」
「もしかしてシノちゃんの事を好きだったりして」
「そうなのか?いくら私の事が好きでも校内恋愛禁止だからな…」
 生徒会長として真面目な事を言いながらも,顔を朱くするシノ。
(あらあら,顔を朱く染めちゃって。可愛いわよシノちゃん。
でもタカトシ君の方は気になるわね。後で様子でも見に行ってこようかしら)
538ボルト:2008/08/23(土) 20:51:04 ID:Nma3+xQc
以上が前編になります。
一応,タイトルは『a photograph』となります。
コテハンは今,旬の人であるウサイン・ボルト氏から採らせて頂きました。
また初めてのSS投下という事で誤字・脱字と,皆さんのお目を煩わせる点があったかもしれませんが,
これからも皆さんが楽しんで下さるよう頑張って行く次第であります。
539名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 22:08:24 ID:Oo929hos
乙です!!
また新しい職人さんの登場ですねいや〜嬉しいです
コテ名の通り最速の男になることを期待して続編待ってますよ
540名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 23:41:20 ID:SZ4nZ13b
乙ガンダム
がんばれー!
541501:2008/08/24(日) 00:05:30 ID:kbpxP+2W
アク禁で苦しんでいたところ、俺の妄想を素晴らしい形で具現化していただき
ありがとうございました。後編も楽しみにしてますよ。
542ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/24(日) 17:12:19 ID:Hr384j1N
皆さんお疲れ様です。

「ハナとプチ」で三つ目のSSになります。
スルー対象ワードは「エロ会話」 、タイトルは『お祭りでプレイ』でお願いします。
543ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/24(日) 17:13:23 ID:Hr384j1N
「わあ、凄い人ですねえ」
「そうね」
「この辺りで一番大きなお祭りらしいんですって」
「わんわんわん」
 華やかな提灯にたくさんの露店、そして賑やかなお囃子。
どこから見ても紛うことなき“夏祭り”である。
「おいおい皆、先々行くんじゃない。迷子になるぞ」
「すいませーん」
「先にイクのは男に抱かれてる時だけにしときなさい」
「すいません、一緒に歩くと恥ずかしいので先に行っていいですか?」
 その夏祭りに遊びに来ているのだった。
私立雛菊女子高きくもじ寮のおなじみの面子が。

 一年生のハナ、三年生のヒカリとエレナ、寮母の叢雲、そして犬のプチ。
雛菊女子高等学校のきくもじ寮で暮らす四人と一匹である。
夏休みの最中だが、ヒカリとエレナは大学受験対策の夏季講習があるために寮に残っていたのだ。
じゃあハナはどうしているのかというと、これは単純に寮と実家がそんなに離れていないから。
「二年半寮で生活しているけど、このお祭りに来るのは初めてだわ」
「え、ヒカリ先輩、初めてなんですか?」
「そうよ」
「じゃあロストバージンですね、今日」
「……」
 雛菊女子は付近でも有名な進学校であり、校則も寮則もそれなりに厳しい。
門限以降の時間の生徒だけの外出は基本的に禁止なのだが、
今回は寮母の叢雲が同伴ということで特別に許可されたのだ。
最もこの寮母叢雲、禁煙のはずの寮内で堂々喫煙する、寮生の前で酒は飲む、
時にいかがわしい発言をかまして皆を困惑させる等々、よくお前寮母になれたなという人物であるからして、
ヒカリなどから見れば一緒に来たからと言ってまったく安心出来なかったりするわけだが。
「ハナちゃん、プチの手綱を離しちゃダメよ」
「はいっ」
「ハナにも首輪つけときゃいいんじゃない。エレナ、今持ってる?」
「ごめんなさい叢雲さん、今は残念ながら所持してなくて」
「素でそういう会話をしないでくれ、この人混みの中で」
「わんわんわん」
 ボケを飛ばしまくる叢雲とエレナ。
この二人、波長が合う上にとにかくエロ方面に知識が豊富なので、
ほったらかしとくとどんどん交わす言葉の内容がエスカレートしていってしまう。
ハナも基本ボケタイプであり、プチは何といってもただの犬。
自然、ヒカリがこの中でまとめ役というかストッパーになるのはいた仕方ないところなのだった。
「でもアレですね」
「なあに、ハナちゃん?」
「結構浴衣を着てくる人って多いんだなあ、と思って」
 ハナの言葉を受け、エレナとヒカリは周囲をぐるりと視線を走らせた。
成る程、彼女の言う通り、主に女性を中心に浴衣姿の人がかなり見受けれられる。
544ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/24(日) 17:15:12 ID:Hr384j1N
「日本の伝統文化だものね」
「お祭りに浴衣って当たり前なような気もしますけどね」
「でも確かにあんまり着た記憶がないわね、せいぜい旅館に泊まる時くらい?」
「ま、かくいう私らも浴衣姿だけどな」
 そう、四人はそれぞれに鮮やかな模様が入った浴衣を身に纏っていた。
ハナは白地に黄色い揚羽蝶、エレナは薄い青地に金魚と水草、ヒカリは桃地に撫子、叢雲は紺地に藤といった塩梅だ。
これは各自個人の持ち物ではなく、一式全て寮母の叢雲の物。
着付けから全て彼女が行い、髪型のセット、さらには下駄や帯の色も浴衣に合わせて選ぶという結構な凝りようだった。
こういうのをさらっとこなす辺り、なかなか叢雲は侮れない女なのだが、
普段が普段だけにあまり尊敬されないのが悲しいところではあった。
「でも叢雲さん、何で四着も浴衣を持ってるんですか?」
「んー? まだまだあるわよ、部屋っつーか押入れに」
「へえ、叢雲さんって浴衣マニア?」
「どっちかって言うと私はメイド服マニアなんだけどな。いやまあ、前の寮母さんが辞める時に置いていったってワケ」
 きっと叢雲の前の寮母も、こうして寮生たちに浴衣を貸して、祭りに繰り出したりしていたのであろう。
きくもじ寮の微笑ましい伝統と言えなくもないかなと、叢雲の話を聞きつつヒカリは思った。
「浴衣もプレイとしては悪くないんだけど、浴衣イコール屋外でってなもんだから面倒なのよねぇ」
「適当な茂みを探すのに手間取るんですよね」
「見つけても先客がいたりな」
「寮母と寮生の会話と思えん」
 叢雲が色々経験豊富なのは承知しているが、さてエレナは本当のところはどうなのか。
きくもじ寮には一年の頃から一緒にいるが、
実家に帰っている時は知らずもこっちでは彼女に男の影を感じたことはない。
となると、中学時代によっぽど経験を積んできていることになる。
親友ながら、その辺りをどう突っ込んで聞いていいものやら、ちょっと怖い処女のヒカリである。
「しかし夏だけに汗が鬱陶しくて」
「べとべとになるんですよね、それで草とか貼りついちゃって」
「それと蚊がな」
「虫よけスプレー必須ですね」
「浴衣はパンツはかない時もあるし、一度太股の付け根を噛まれてなー」
「今日は女の子だけですから普通にはいてますけど、男の人と一緒だとはかない方が喜んでくれますよね」
「もうそろそろ二人ともやめにしてくれないか
 テープにでも起こせばその筋に高値で売れそうな会話だが、
実際側で聞いているヒカリにしてみればたまったものではない。
なおさっきからハナがまったくの無言になっているが、
これは話についていけないのではなくて綿菓子を舐めるのに必死になっているからである。
鼻の頭に綿菓子をぽつんと一欠片くっつけている辺り、なかなかこの娘は天然の萌え要素を持っているのかもしれない。
「で、結局部屋に戻ってすることになったり」
「お殿様プレイは絶対ですよね」
「ああ、帯を引っ張ってくるくるくるー、ね」
「はい」
「あれさぁ、一度本気で目を回して倒れて吐いた覚えが」
「あらあら、大丈夫だったんですか?」
「んー、出して気持ち悪くなったけど、すぐに出されて気持ちよくなったし」
「ストップです! 祭りを楽しんで下さい!」
545ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/24(日) 17:16:53 ID:Hr384j1N
 ここいらが限界と見て、ヒカリは二人の間に割って入った。
このタイミング、きくもじ寮で暮らすうちに身についた“流れを読む力”のタマモノであろうか。
今後社会に出てそれがどれだけ活用出来るスキルかはわからないが。
「あー、金魚すくいだ」
 と、ここでようやく綿菓子を食べ終わったハナが輪に戻ってきた。
彼女が舐めていたのは普通サイズの綿菓子だったが、
も一つ上の大きさのビッグサイズ(100円増し)だったらあと五分以上はかかっていたことだろう。
「叢雲さん、やっていいですかあ?」
 目をキラキラと輝かせて叢雲にお願いするハナ。
プチを拾ってきた経緯もあることだし、この娘はどうやら“小さくて可愛らしいもの”に弱いらしい。
「ダメー」
「えーっ」
 叢雲、一刀両断。
口に咥えたタバコのせいか、言い方にあまり寮母としての威厳を感じ取れないのが残念なところではある。
「寮内ペット禁止だから」
「金魚もダメなんですか」
「立派なペットにあたる」
「もうすでにプチがいるじゃないんですかあ」
「金魚はバター舐めないでしょ」
 バター舐めるなら蛇でもトカゲでもはたまたノコギリエイやモリアオガエルでも許可するんだろうか、
とはヒカリは思っただけで言葉にはしなかった。
あまりにもバカバカしかったので。
「じゃ、じゃあウナギ釣りとかヤドカリ釣り、フナ釣り、タガメ釣り、カマキリ釣りもダメなんですか?」
「今どきそんな露店ないと思うけど」
「えー、実家の近くのお祭りじゃありましたよぉ」
「あんた、どこ出身だったっけ?」
「カラーひよこもありました」
「問題だろ……それ」
 ハナ、ヒカリ、エレナ、叢雲、そしてプチ。
まあ、こんな感じで何やかやと騒ぎつつ、祭りの奥へ奥へと進んでいくのだった。
「じゃ、じゃあ射的やりましょうよぉ、おもちゃ取りましょうおもちゃ」
「景品に大人のおもちゃとかあるかしら?」
「あるわけない」
「下着ならあるかもねー」
「わんわんわーん」
 四人と一匹、肩を並べて。



   F   I   N
546ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/08/24(日) 17:18:16 ID:Hr384j1N
ここまでです。

ペピトーン氏にY-275氏、そしてボルト氏、乙&GJです。
これからもぼちぼちとですが頑張っていきたいと思います。
547名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 22:42:22 ID:ctChoAvP
ふぅ‥‥
548名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 07:14:33 ID:qIID0zNf
GJです!相変わらずここの職人は雰囲気作るの上手いなぁ
549ボルト:2008/08/25(月) 12:28:47 ID:RU3ZT5+5
皆さん有難うございます。
最初に一つ訂正があります。
>>533の最後で写真部とありますが新聞部の間違いでした。
何度も何度も確認したのですが間違いが出てしまいました。
 
さて後編なんですが,構想もまとまってきたので,近い内に投下出来ればいいかなと思っています。
ただ一つ,畑さんの下の名前が分かれば,自分にとってうまくいく展開に書けそうな気がします。
550名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 17:38:58 ID:l8CIcGsF
思春期のケイの苗字が不明なので郭氏が暫定的に「木佐貫ケイ」にしたことも以前あったな
キョウコからケイ、マリアからアリアの例もあるように名前とかは結構氏家マンガじゃ適当だからなあ
畑さんの名前も下手すりゃずっと不明のままかもしれないw

とにかく応援してますよボルト氏!
これからもがんばってエースを目指してください!
551名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 00:29:55 ID:2UYsxJ0l
>>549
ボルト氏ガンガレ!
552ボルト:2008/08/26(火) 21:11:43 ID:nDULRpRZ
どうもボルトです。
後編が完成しました。
スルー対象ワードは
「ややクーデレ?」
「微エロ」
です。
では『a photograph 後編』を投下します。
553ボルト:2008/08/26(火) 21:13:01 ID:nDULRpRZ
 
……………
 
 畑から,呼び出しのメールを貰ったタカトシ。幸い今日は,生徒会の仕事も無かっので放課後は適当に時間を潰し,新聞部へと向かって行った。
 新聞部の前に着いたタカトシは,不安に駆られながらも,観念したかのようにドアを叩いた。
「…津田ですけど,畑先輩いますか?」
「――――待ってたわよ,中にどうぞ」
「…失礼します」
「いらっしゃい。あ,ちゃんと鍵を閉めてね」
 そう言われるとタカトシは部室の鍵を掛ける
「そこの椅子でいいから座ってくれる?」
 タカトシは言われるがままに椅子に座る。
 タカトシの前に立った畑は写真を片手に話を始めた。
「約束通り来てくれたという事は,私の言う事を聞くと受け取って構わないわね?」
「…はい。皆には迷惑をかけられないです。オレ一人が我慢すればいい事ですから…」
「正しい判断よ。じゃあ早速,一つ聞いてもらいましょうか」
「…分かりました。何をすればいいんですか?」
「まず目をつぶって。そのあと,手を膝に当てて,軽くかがんで」
「…これでいいですか」
 軽く中腰になるタカトシ。
「そうよ。そのままじっとしてて」
 畑の言われたままにするタカトシ。すると抱き付かれた感触があった。
「ん……ちゅっ………ちゅっ…んふっ…」
 さらに口元に何が柔らかい物が当たっている。
 タカトシは薄目になると,目の前の光景に驚く。畑の唇が自分の唇と触れ合っていたのだから。
554ボルト:2008/08/26(火) 21:13:52 ID:nDULRpRZ
(畑先輩がオレにキスをしている!)
 タカトシは思わず目を見開く。
 それに気付いた畑は,そっと唇を離して,
「駄目よ。目を閉じてなきゃ。ばらされてもいいの?」
 畑にそう言われると,タカトシは頭の中が混乱しながらもゆっくりと目を閉じた。
(急にキスをするなんて…何で?畑先輩は何でオレに……?)
「んっ……ちゅ……ちゅっ,……ん……んふっ……」
 優しく唇が触れ合うだけのキスをする畑。
「…ちゅっ……ちゅっ……んふっ……んふぅん………」
 暫くすると,畑は舌を入れてタカトシの口の中を無理矢理こじ開けていく。
「ちゅっ……ちゅるっ,じゅじゅ……ちゅぱっ……はふっ,んふっ……れろれろっ…」
(……!?…舌が入って来た!)
 更に予想もつかない行動に,思わずタカトシは口を離して距離をあける。
「ぷはっ…はー,はーっ………嫌っ,離れないで。……お願い,このまま続けて」
「…でも,急にこんな事…」
「……約束でしょ?」
 タカトシよりも背の低い畑は上目使いでそう答える。
 
………ぷつっ
 
 普段は一度も見せた事の無い畑の行動に,タカトシは理性が弾け飛んでしまった。
 今度は自らキスをして,舌を口の中に挿し入れていく。
「…ちゅっ,ちゅっ…………じゅるっ……ちゅぱっ……ちゅぱっ…………」
「…ちゅぱっ……ん,んんっ……じゅじゅっ……ちゅっ,ちゅっ………」
 舌と舌を絡ませる程,激しいキスをする二人。お互いの唾液が相手の喉を通っていく。息をするのも忘れたかのように二人はキスを続けていた。
 やがて息が続かなくなったのか,二人は同時に離れて大きく息を吸った。
「ふー,ふーっ………ふぅ……ふぅ…」
「はぁはぁはぁっ……はーっ……はー……はぁ……」
 すると互いに目があった二人。息を整えているのにも関わらず,二人は再び口づける。
「……ちゅっ…ちゅっ,じゅじゅじゅっ……ちゅぱっ,ちゅっ……ちゅっ………」
「………じゅっ…じゅるじゅるっ……れろっ……れろれろれろっ……ちゅぱっ…」
555ボルト:2008/08/26(火) 21:14:38 ID:nDULRpRZ
 
…………
 
 それから何分経っただろうか?5分ぐらいだろうか?だけど二人にしてみれば時間の流れはとても緩やかに感じただろう。
 
…………
 
「…気持ち良かった?」
「…はい,でも何で急にこんな…」
「まだ気付かないの?意外と鈍い所があるのね。実はね,私………あなたの事が好きなの」
「はい……………………はいっ!?」
「好きになったのは,あなたに初めて出会った時からよ。
 あなたの事を考えてたら,胸が張り裂けそうなほど好き。
この写真だって本当はあなたの写真を撮ろうとしたの。でも会長と二人で傘を差してるなんて思わなかった。気付いたらシャッターを押していたわ。………見て」
 そう言うと,畑は机から写真の束を取り出した。その数は裕に百枚以上はある。それらは全てタカトシの写っていた写真だった。
「軽蔑した?私が隠し撮りするような人だって」
「…知らなかったです。先輩がオレの事を好きだったなんて。
 本当の事を言うとオレも先輩の事が気になっていました。最初に会った時は正直変な人だなと思っていました。
 けど,先輩が生徒会に来る度にだんだん好きになってしまって。告白しようと考えていた時もありました。
 だけど副会長として校則を破る訳にはいかなかったから,それが出来なかったんです…」
「…嬉しい。お互いそう想っていたなんて。……校則の事は分かっているわ,でも一緒にいたいの。ただ,津田君の側に居たいの。それだけでいいの」
「…こんなオレなんかでいいんですか?」
「うん…」
「分かりました。オレも一緒に居たいです……これから宜しくお願いします,畑先輩」
「ありがとう津田君。…ねぇ,もう一つお願いがあるの。二人でいる時は下の名前で…『タカトシ君』って呼んでいいかしら?」
「…構いませんよ」
「…ありがとう。嬉しい」
 そう言うと二人はお互い顔を見合わせたまま,口を近づけて行き,再び濃厚なキスを始めた。
「……ちゅっ,ちゅぱっ……じゅじゅっ……ちゅっ………んふっ,………んんっ………」
「……ちゅるっ……ちゅっちゅっ……じゅるっ……じゅじゅじゅっ……んふっ……ちゅぱっ………」
556ボルト:2008/08/26(火) 21:16:47 ID:nDULRpRZ
 
…………
 
 新聞部の中をずっと見続けている人がいた。七条アリアだった。その手には部室の鍵が握られている。
 タカトシの様子が気になったのか後を付けていると,新聞部の中に入っていく様子が見えたので,生徒会室から鍵を取りに行き,再び戻って鍵を開け,ドアを数センチ開くと,まさに濃厚なキスの真っ最中だった。
(あらあら〜こんな事になっていたなんて。…本当はいけない事なんだけど,二人の為にもシノちゃんには黙っておきましょう)
 そう心に思うと,そっと鍵を掛けて新聞部から離れて行った。
 
…………
 
「ごめんね,脅したりして」
「………いえ,オレを脅して下さい。一緒に居ないと写真の事をばらすぞって」
「……………ふふっ,うふふっ」
「…………ははっ,あはははっ」
 お互いに笑い出す。
「ねえタカトシ君,もう一つお願いがあるの」
「何ですか?先輩」
「写真を撮ってもいいかしら?今まで,あなた一人の写真しか撮ってこなかったから,今度は二人で一緒に写りたいの」
「…もちろんですよ先輩」
 
 そう言って畑は写真の準備をする。
 タイマーをセットしてタカトシの側に近づいていく――――
557ボルト:2008/08/26(火) 21:17:36 ID:nDULRpRZ
 
………………………
 
 畑は一枚の写真を見ていた。
「先輩〜,柔道部の取材に行くんでしょ〜,先に行ってますよ〜」
「ごめんね,今行くから」
 新聞部の後輩が急がすように畑を呼んでいる。
 畑はその写真を自分の机の中にそっと入れて部室を出て行った。
 
 片やタカトシも一枚の写真を見ていた。すると,
「津田,ぼっとするな。早く柔道部の応援に行くぞ」
「すみません,会長。今行きますから」
 シノに怒られたタカトシは慌てて準備をして出て行く。もちろんその写真は大切にカバンの中に入れている。
 その横でアリアが優しく微笑んでいる。
 スズは呆れたような顔をしていた。
 
…………………………
 
 二人が見ていたその写真は,タカトシと畑が仲良く寄り添っている写真だった。
 
 この先,二人の関係はばれるかもしれない。
 だけど,二人にとってそんな事は関係なかった。
 この写真のように,どんな事があっても二人仲良く居続けようと心に誓うタカトシと畑だった。
 
FIN.
558ボルト:2008/08/26(火) 21:27:25 ID:nDULRpRZ
これにて『a photograph』完結になります。
今回が初めてという事で苦労する所が多々ありましたが,何とか完成することが出来ました。
これも皆さんの激励があったからこそです。ありがとうございました。
また,>>501さんにはSSを書くきっかけを作って下さって,特に感謝してます。

さて,次回作ですが,生徒会3人娘の誰かor今回のアフターストーリー的な物を予定しています。
個人としてはSSは生徒会一本に絞って書こうと思っています。

最後まで読んで下さった方々,ありがとうございました。<(__)>
559名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:17:27 ID:SjRg3uLM
乙です

最近久々に濱中読み直したら、ミサキが可愛い過ぎる件について
560名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:30:15 ID:I6ot0m2h
ぼけーっとしてたらいつのまにやら新作が来ていたので驚いた
ボルト氏にGJ!
561名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 01:57:42 ID:ozMyDO/P
ボルト氏GJ
これからのさらなる成長を期待してます!
562501:2008/08/27(水) 08:54:23 ID:kE1Geh99
ども、ボルト氏GJです。
個人的にはこの後畑さんがタカトシにシノちゃんに興味示さないようにとか言って
タカトシの(3文字ほど自主規制)を手や口で慰めるって展開を考えてたのですが
あんまり暗いのも氏家先生の漫画には合わなそうだしと思ってましたが、元ネタの
ようにほのぼのした感じでまとめて下さって嬉しいです。次回作も楽しみにしてますよ。
563名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 16:56:03 ID:OmZgT5Yw
ボルト氏GJ!
今後に期待してますよ!

ペピトーン氏→Y-275氏→ボルト氏→ピンキリ氏→ボルト氏ときて、
さあいよいよ郭氏がマウンドにあがるのか
564名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 20:19:40 ID:gNhoBaQL
ベテランと若手が良い感じで噛み合ってきた!
565名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 07:26:17 ID:liwqmCj2
ボルト氏GJです!
次回作も期待していますよ。
566名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 12:09:27 ID:XZ7OxzzD
濱中世代ではなく生徒会世代の職人参入か、感慨深いぜ
こうして歴史は流れていくんだな
567ボルト:2008/08/28(木) 15:12:23 ID:zLxPOfql
どうもボルトです
もう一つ訂正を
>>537の畑さんのメールで
写真部→新聞部です

どうしても写真部と新聞部がごっちゃになってしまいます
最初は畑さんは新聞部じゃなくて写真部の設定でしたっけ?
568名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 16:10:28 ID:zuXF0nNp
どうだっけ、切り抜いて持っておいたらよかったなあ>マガスペ初期分
569名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 17:05:32 ID:vFnbM7Hu
生徒会役員共1巻買えよww
570ボルト:2008/08/28(木) 17:14:43 ID:zLxPOfql
まぁ,次の投下の時によく確認します。
その投下ですが,予告通り,畑さんとの話の後日談的な物を構想中で,
話の流れはほぼ決まったので,2〜3日後には投下します。
……あと,1巻はちゃんと発売日に買いました。
571名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 20:52:47 ID:NZSny2Gf
>>567一番最初だけ写真部でした。
2回目登場以後、単行本は全部新聞部ですが。
572名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 12:05:15 ID:q8M6j5un
訂正も氏家漫画のお約束だな
573郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:43:05 ID:0nlBYPWB
はい、どうも郭でおま。前スレラスト近くでブツ切りになってた、
アキ×タカトシのミクスチュアSSと、マサヒコ×ミサキのアフターSSを投下します。
NGワードはどちらも「途中、エロこれから」です。
では、投下。
574郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:43:40 ID:0nlBYPWB
「………」
「……………」
『ブルー・ドラゴンズ』を出てからも、しばし無言のままのアキ&ヒロキ。
が、ふたりの間に気まずい空気が流れているというわけでもなかった。
(先輩………確かに、マジで感謝なんすけど、その)
(井戸田さんは、確かに悪い人じゃない感じだけど、でも)
ふたりとも、どちらが話を切り出して良いものやら、タイミングを手探りしている状態なのであった。
しかし、ようやく。ちょっとぎこちなく微笑んで、アキが口を開く。
「………面白い人でしたね、中村さんって」
「あ、中村先輩のこと?あははは。ま、長い付き合いだと面白いだけってわけにもいかないんだけど」
「なんだか、井戸田さんも思いっきり遊ばれてる感じだし」
「あた!やっぱバレてるよね?矢野さんの言うとおりで反論できないのがつらいけど」
「でもカッコいい人でしたね。センスも良いし、お店も良い感じでしたし。なんて言うか、自由人って感じで」
「はは、他の人には内緒だよ?ああ見えて先輩、つい最近までいつつば銀行に勤めてたんだ」
「え?ほ、ホントですか?いつつばって言ったら、私でも知ってるくらいの超大手銀行じゃないですか!」
「うん。しかも総合職で、エリートコースだったんだけどね。結局上司と大喧嘩して辞めちゃったんだ」
「………もったいない」
「その辞めるときのセリフが傑作でね。俺も人から聞いた話なんだけど、
『アンタみたいな金勘定しか考えてない男の下で、これ以上働けるかっつの。
だいたいクチ臭いんだよ、このセクハラオヤジ』
って言って思いっきり辞表をその人の顔面にぶつけたんだって」
「す、すごいっていうか。マンガみたいですね」
「でもさ、ひどいと思わない?“金勘定しか考えてない男”って、銀行員にそれ言っちゃおしまいじゃん」
「……確かにそうですけど。でも、いるんですね、そんな人が実際に」
「無茶苦茶やってるみたいだけど、こっからがあの人の凄いところでさ。
実は銀行員やってた頃に、株の勉強をして相当儲けていたらしくて。
その資金を元手にあの家を親戚の人から借りて住居兼自分の趣味の店にしたってわけ」
「??あそこに住んでるんですか、あの人」
「そ。二階もこれまた自分の趣味の空間にしちゃってね。
自分で作った陶器とか、気に入った画家の絵とかを飾ってあるんだよ」
「へえ〜〜〜すごい。でも、それで生活ってできちゃうんですか?
雑誌とかで取り上げられてるくらいだから繁盛してるかもしれないですけど、
今日見てみたらホントに思いっきり趣味のショップって、感じですし」
「ん?それなりに大丈夫みたいだよ。最初はそりゃなんていうか、常連さんばっかだったらしいけど。
それにね、あの店の収入って、服とかグッズだけじゃないんだよ」
「???他に何が………あ、ネット通販とか??」
「ま、それもあるみたいなんだけどね。ほら、あの店にCDとかおいてあったよね?
ああいうインディーで活動してるバンドやシンガーのライヴを企画したりしてるんだよ。
そういう人らって、熱心なファンがついているとかで、客入りも結構良いらしくてね」
「へえ〜〜〜すごい!」
感心した顔で、アキが呟く。それはどこか、中村への憧れが入り混じった表情で。
(ああ良かった、話繋がって………しかし、今回だけは先輩にマジ感謝だな。
ていうか、いつも振り回されてるし、これでもマイナスのような気が)
そんなことを思いながらまた苦笑するヒロキだが、気付けば結構歩いていたのだろう。
いつの間にか、目的の店の近くまで来ていた。
「矢野さん?ここなんてどうかな?」
「あ!はい。こ、ここで良いです!」
慌てたように、アキが頷く。ほどよく古びた煉瓦造りの看板に、白い漆喰の壁。
そこは、ちょっと大人っぽい感じのするカフェだった。

「えっと、じゃ、もう一回自己紹介しておこうか。俺は井戸田ヒロキ、23歳。
レイ・プリンセス事務所でスカウト兼マネージャーをやってます。担当は、トリプル・ブッキング」
「………私は、矢野アキと言います。小笠原高校の一年生です」
ヒロキがチャイを、アキがアイスティーを注文した後、ふたりはお互い照れたように見つめ合う。
その雰囲気は、やはり初々しい恋人同士のようだった。
575郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:45:51 ID:0nlBYPWB
「井戸田さん?聞いても、良いですか?」
「?なにかな、矢野さん」
「なんで、私に声をかけたりしたんですか?」
「そりゃ、目立ってたからだよ」
「?私、そんなにキョロキョロしてました?」
「違うよ。一応俺もスカウトなんでね。“目立つ”ってのは、そういう意味じゃなくて。
そうだな、一目見ただけで印象に残るっていう感じかな。矢野さんも、そうだったんだ」
「印象に?」
「うん。『ブルー・ドラゴンズ』を探してたときの矢野さんなんだけど、
君の周りだけちょっと空気が違ったって言うか。それで、思わず声をかけたってわけ」
「………あんまり、良く分らないです」
「あはは、そりゃ自分じゃ分らないだろうね。芸能界の仕事をしてて思うのはね、
単にキレイな子とか可愛い子とかってのは、表現は悪いけどいくらでもいるんだよ。
ただそういうモデルどまりの子と、タレントになれる子ってのは空気が違うんだ。
矢野さんに、俺はそれを感じたってことなんだけど」
「い、いきなりそんなこと言われても、私」
「はは、ゴメン。そりゃビックリするよね?ま、俺もこんな風に言ってるけど、
正直一目見ただけじゃ分らないことも多いんだよね。でもさっき、
『ブルー・ドラゴンズ』でアクセサリーを手にしてた矢野さんを見て、俺、間違いないって思ったんだ」
「??なにが、ですか?」
「君にはね、そういう空気って言うか、オーラがあるって思ったんだ」
「??あの、私、良く男っぽいとか言われるんですけど」
「俺は、それがまた良いと思うんだけど」
「え?」
「怒んないで聞いてほしいんだけど、初めて君を見たときは確かにちょっとボーイッシュっていうか、
そんな感じだと俺も思ってたんだ。でもあのときの矢野さんは、
すごくあのショップの雰囲気にしっくりきてて。なにより………すごくキレイだった」
「!」
ヒロキの言葉に顔を赤らめるアキだが、ヒロキは真剣な表情で彼女に語りかけていた。
「人気の出る子っていうのはね、そういう意外性っていうか、ドキっとする要素を持った子が多いんだ。
それに君は男に媚びた感じもないから、同性からの人気も出ると思う。そんな風に、俺は思ったんだ」
「…………」
ヒロキは語り終えると、アキを見つめる。アキは戸惑いながら、思っていた。
(井戸田さんが、悪い人じゃないってのは分るし、怪しいスカウトとかじゃないのも分るけど………)
「あの………井戸田さん?もうひとつ、聞いても良いですか?」
ふっと思い付いたことを、アキは口にしていた。
「え?う、うん」
「井戸田さんは、なんで、そういうお仕事をしているんですか?」
「へ??な、なんでって???」
「なんとなく、思ったんです。井戸田さん、すごくお仕事に熱心っていうか。なんでかな、って」
「…………え〜〜〜っと」
はぐらかすために聞いたのかな、と思ったが、アキの目は真剣なものだった。その強い視線に―――
(はぁ〜〜〜やっぱりキレイだな、この子)
つくづくと、ヒロキはアキという素材に惚れ込んでしまっていた。
だから。つい、話してしまっていた。自分の心の奥にしまっていたはずの、『あの』ことに。
「ヘンなこと言うようだけど俺ってさ、学生時代勉強もスポーツもそこそここなせる方だったんだよね」
「…………?」
「んでね、その、自慢するみたいだけど、女の子ともそれなりに付き合ったりして」
「ふふ、なんとなく分りますよ。モテそうですもんね、井戸田さん」
「あた。からかわないでよ。でも大学に入ってからそういう自分が全部ダメになるようなことに出会ったんだ」
「?なんですか」
「笑わないでね?失恋しちゃったんだよ」
「!?」
「大学のいっこ上の先輩でさ。俺の方から惚れて、告白して、付き合うようになったんだけど。
でも、ある日言われたんだ。『本当は、好きな人がいる、もうヒロ君とは付き合えないって』」
576郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:46:55 ID:0nlBYPWB
「………それって」
「最初はそりゃキツかったけど、フラれたことだって一回や二回じゃないし、
そのうち忘れちゃうだろうって思ってたんだ。でもね、ダメだった。
その人のことを見かけるだけで死ぬほどつらくてさ。どんどん自分が無意味でダメな奴みたいに思えてきて。
うん、我ながらすごくショックだった。その人にそこまで惚れていたってことにもショックだったし、
自分がそんなに情けない奴だったってこともショックだった。それでね、ホント情けないけど……
引きこもりみたいになって、結局親に黙ってまま大学も辞めちゃったんだ」
「え!」
(…………俺、なんでここまで)
ヒロキは自分に驚いていた。中村以外の人間に、身の上話をこんなにも語ったことは、無かった。
しかし、今初対面のアキに向かって自分はかつて無いほど饒舌に――止まらず、話しかけていた。
「もうアパートとコンビニの往復だけみたいな感じの生活になってさ。それまで仲良くしてたつもりだった奴らも、
こっちから連絡しなくなったら全く切れちゃってさ。そんでもう、本当にこのまま俺、
ダメになるって思ってたときに…………助けてくれたのが、中村先輩だったんだよ」
「!さっきの人が?」
「うん。そんな状態が三ヶ月も続いた頃にね、突然俺の部屋を訪れてきて。
俺がフラれたその人とも中村先輩は仲が良かったから、正直会いたくなくってさ。
居留守を使おうとしたらいきなりドアを蹴り飛ばして入ってきて。
ゴミだらけの中で死んだふりをしてた俺をいきなりぶん殴ったうえに、
『いい加減甘ったれるのは止めたら?もう起きる時間だろうが』って言ったんだよ」
「ほ、本当に、すごい人なんですね、中村さんって」
「はは、そうでしょ?それから俺をたたき起こして、町に連れ出してさ。
気付いたら中村先輩の知り合いの芸能事務所に連れてかれて、バイトさせられてたってわけ。
「はぁ……………で、今そこの会社で働いているんですか?」
「ううん、違うんだ。ま、そこの社長がすごく良い人でさ。最初はチラシ配りとか、
そんな仕事ばっかやってたんだけど。そのうち俺、スカウトの仕事をやってみたくなって。
ちょうど知り合いの事務所でスカウトを探してるから、って社長が今の事務所を紹介してくれたんだ」
「で、でも元引きこもりからスカウトって、大丈夫だったんですか?」
「あはは、そう思うよね?俺も最初は人の目を見るのもイヤだったのに、なんでって思ったんだけど。
でも事務所で働いているうちにさ、人と一緒に頑張るのって良いなって思えるようになったんだよ」
「………?」
「前の事務所の先輩がさ、自分でアイドルとかバンドを見つけてきて契約して、
その子たちと一緒に頑張って仕事をしてるのを見ててさ。そういうの、良いなあって。
なんていうか、そうだね、毎日が学園祭みたいな感じなんだよ」
「??学園祭」
「うん。ホラ、学園祭ってみんなで一緒に頑張って準備して、当日すげえ忙しかったりして、
でも終わった後、楽しかったりするじゃん?もちろん地味な仕事もいっぱいあるんだけど、
この仕事って毎日がそういう準備とお祭り当日みたいなところがあってさ」
「…………へえ」
素直に感心するアキ。しかし、ヒロキはひとしきり話した後、苦笑いを浮かべて、言った。
「………って、でもこんな話面白い?」
「面白い……って言ったら、井戸田さんに悪いですけど。でも、
すごく井戸田さんが真面目な人なんだってことは、わかりました。あの、作り話とかじゃ、無いですよね?」
「違う違う。こんな話、今までスカウトしてきた子どころか、ウチの事務所の誰にもしたことないよ。
あ〜〜あ、なんで俺、君にこんな情けない過去を話しちゃったんだろう」
気まずそうな表情のヒロキだが、アキは、むしろ。
「………井戸田さん?」
「あ、ゴメンね、矢野さん。やっぱキモかった?」
「あの。もう一回、考えさせてもらっても良いですか?」
「え?」
「決めたわけじゃないんですけど………私の………友達とも話したいんです」
「!!!良いよ!良いよ、全然OK!なんなら今度その友達の子と一緒に会おうか?」
「え?い、良いんですか?」
「もちろんだよ。だって中にはご両親と同席で話をしたいって子もいるくらいだからね」
「あの、私、親はまだ」
577郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:48:25 ID:0nlBYPWB
「あ、それはそういう子もいるってことで。とにかく、いつでも連絡してよ」
(やった!脈有りじゃん、アキちゃん!)
スカウト失敗と思っていたヒロキだが、アキの言葉に心が躍るのを隠せなかった。
アキはそんなヒロキを微笑みながら見守っている。
(………わからないけど。でも、お祭りかぁ。私、お祭り好きだし)
その後、ふたりはアキの高校生活やその友人の話題でひとしきり盛り上がり、カフェを後にした。
「でも………良いんですか?私、おごってもらちゃって」
「あはは、大丈夫。これもスカウトにとっては必要経費だから」
「すいません。ごちそうになります」
(ま、ホントは自腹なんだけど………今日は、いっか)
なにせ今日はアキという久々の逸材に出会えたのだ。ヒロキは上機嫌だった。
「じゃあ、またね?って言っても良いんだよね?矢野さん」
「あ、はい。連絡は、します。今日は……色々、ありがとうございました、井戸田さん」
「うん、待ってる。それじゃ、気をつけてね」
駅までアキを送った後、彼女の後ろ姿が人混みのなかに吸いこまれていくのを見つめていた。
アキの背中が消えてしまったあと、ヒロキは―――心の中に穴があいたような気持ちになっていた。
そういう気持ちになったのは、久しぶりだということに、気付いていた。
(…………アイさん)
写真も、メールも、全部捨てたはずだった。それでも、その携帯の画像だけは、消去できず。
しかし、あれから、見る勇気も無く、ただ保存してあった。
ヒロキは、なぜか、今日なら。あのことがあってから、初めて。
それを、見ることが出来るような気がして。
携帯を開いて、フォルダを。
(……………………)
ふたりで撮った、画像だった。そこには笑顔のふたりが、いた。
(女々しいかな、俺って)
久しぶりに見るその画像の自分は―――せいぜい三年程度前のはずだが、随分と幼い感じがした。
そして、ヒロキの隣には混じりけのない笑顔のアイがいた。
(……………バカだな、俺)
携帯を閉じて、淡い後悔と共にそう思った。本当は、分っていた。まだ、彼女のことが好きな自分を。
それなのに、なぜ今、自分がそれを見る気になったのか。見ることができたのか。
それがとても不思議なことだと思いながら、ヒロキはしばし町の空を見上げていた。

「で?どうなの、アキちゃんは?」
「どうって………話だけは聞いたんだけど、えっと、まだ迷ってるっていうか」
「アキさんの場合はまずグラビアでしょうけど」
「………勝手に決めつけるなよ」
さて、舞台は変わって城島家では、今日のヒロキとのことをマナカナコンビに相談するアキの姿があった。
「怪しいスカウトとかじゃ、ないんだよね?アキちゃんの体目当てとかの」
「う〜〜ん、正直初めは疑ってたんだけど、そんな感じの人じゃなかったのよね」
「具体的にその井戸田って人はどんな感じの人だったんですか?」
「話しかけてきたときはチャラ男っぽい感じだな、って思ったんだけど。
でもなんていうか、話してみると人が良さそうっていうか」
「それが作戦とか?」
「やっぱり私、だまされてるのかな?」
“ガチャ”
「はい、どうぞ。お茶入ったよ」
「ねえねえお兄ちゃん、アキちゃんってすごいんだよ!」
「あ!こ、コラ、カナミ!」
「矢野ちゃんが、どうしたんだ?」
「実はですね、アキさんがタレント事務所にスカウトされたんですよ」
「へえ〜〜〜すごいじゃん、矢野ちゃん」
「………そんな、すごくなんてないですよ」
顔を赤らめるアキの様子をニヤニヤしながら見ると、カナミはシンジの隣で耳打ちした。
「お兄ちゃんは、どうなの?」
578郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:49:34 ID:0nlBYPWB
「ん?なにが?」
「アキちゃんが、グラビアアイドルとかになって水着とかきても平気?
きっとアキちゃんのことだから、すぐに人気が出ちゃうよ〜〜〜〜」
「!だ、だからカナミ、私別に決めた訳じゃ」
「はは、照れなくてもいいじゃん、矢野ちゃん。スカウトされたってのはやっぱすごい事だと思うし」
「…………シンジさんは」
「え?」
「私が、グラビアとかやっても………その、良いと思います?」
「えっと………そうだな、分らないけど、なんとなく嬉しいような恥ずかしいような気持ちになるかな。
だって妹の友達の子が水着で雑誌とか出るわけだもんね」
「…………そう、ですか」
微妙な表情のアキと、彼女の気持ちも知らず、のほほんとした様子のシンジ。
そんな二人を見ながら、マナカナコンビはひそひそと囁き合う。
「相変わらず鈍いですねえ、シンジさんは」
「女心ってのが分ってないよねえ………だからあの年まで童貞なんだよね」
「コラ。お前らなに言ってるんだ?」
「「な〜〜〜んでも、ありませ〜〜〜ん」」
(ふぅ…………)
三人のやりとりを見ながら、アキは内心溜息をつくのであった。
「ねえね、それはともかく。さっきマナカちゃんとも話したんだけどね。
どうせ付き添いで行くならみんなで行くってのはどう?アキちゃん」
「え?」
「私たちだけじゃなくて、ショーコさんや金城さんにも声をかけたいんですよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんな、大人数じゃ」
「アキちゃん、言っておくけど冷やかしとかじゃないよ?私たちだけじゃなくて、
ショーコちゃんやカオルちゃんにそのスカウトって人を見てもらって品定めするのも重要だと思うんだ」
「私たち全員を納得させることができるくらいの方なら、アキさんを任せても大丈夫だと思いますし」
「で、でも」
「ダメだよ、アキちゃん!」
「?なによ?」
「これは冗談じゃなくね。アキちゃんは私たちの大事な友達なんだから。
怖いスカウトにひっかかって、危ない目にあわせたくないの。いくら相手が変なことを考えていても、
1対5ならビビると思うし。あとね、もしものときのことを考えて、お兄ちゃんにも来て欲しいんだ」
「え?お、俺?」
「!シンジさんにまで、そんな」
「アキちゃん、備えておいて悪いってことはないんだから」
「カナミさんの言うとおりです。チンが一、ではなく万が一相手が実力行使にでたときのために、
シンジさんにも待機してもらっておけば万全です」
「だから、マナカ。井戸田さんはそんな悪い人じゃ」
「いいえ!アキさんにもしものことがあってはいけません!」
「いや、ま、どうせ暇だから俺は良いんだけど」
「…………すいません、シンジさん」
「それじゃ当日の作戦とか、私たちで考えておくからね♪」
「さ、作戦?」
「ええ。当日のことは私たちに任せて下さい」
(…………なんていうか)
(…………逆にすごく不安なんだけど)
顔を見合わせるアキとシンジだが、マナカナコンビは実に真剣な様子で。
「じゃ、おにいちゃん、アキちゃんを送ってあげて♪」
「へ?」
「そうですね、アキさんはデビュー前の大事な身なわけですから」
「あのさ、一応私もその作戦とか聞いておかなくて良いの?」
「いいえ。こういう場合、主役であるアキさんはむしろ何も知らない方が良いのです」
「そういうもんなのか?」
「ええ。シンジさんには後で作戦をお伝えしますが、アキさんは自然体でいて欲しいのです」
579郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:51:18 ID:0nlBYPWB
「はぁ………ま、じゃ、任せるけどさ」
暴走特急状態のマナカナにすっかり諦めモードのアキは腰をあげてショルダーバッグを手にした。
「じゃあ送ってくよ、アキちゃん」
「あ、別にいいんですよ、シンジさん」
「いや、どうせスーパーで今日のおかずの材料買ってこないとだし」
「そうそう。今日は『エロリスト天国』の発売日だし」
「そっちのおかずじゃねーーーーーー!!!!!」

「あの………すいませんね、シンジさん」
「ん?いや、こっちこそゴメンね、矢野ちゃん。またどうもカナミが暴走してるみたいでさ」
いつもながらの城島家を後にしたアキとシンジは、夕暮れの町を歩いていた。
「カナミもマナカも私のことを真剣に心配してくれてるんだと思います。ただちょっとズレてるだけで」
「あはは、その通りなんだけど、ちょっとじゃ済まないことが多いから困るんだよね」
「ぷっ。そうなんですよね」
苦笑するシンジとアキ。それは、ふたりが散々経験してきたことで。
「でも、本当にすいません。なんだかシンジさんまで巻き込んじゃって」
「いや、俺だってアキちゃんを危ない目に遭わせたくはないからね。全然OKだよ」
「あの…………シンジさん?」
「?なに?」
「さっきも聞きましたけど……もしもですけど、私がタレントになったりしても、良いって………思います?」
「矢野ちゃんなら、大丈夫だと思うよ。しっかりしてるし、そこらのアイドルに負けないぐらい可愛いし、
スタイルもいいしさ。はは、本人の目の前でこんなこと言うのもなんかアレだけど」
「…………そんなこと」
「ま、カナミたちの言ってることもまんざらデタラメじゃないと思うよ。
矢野ちゃんも心配だろうけど、ショーコちゃんや金城ちゃんにも来てもらえば心強いだろうし」
「それは………確かに、そうなんですけど」
「あ。矢野ちゃん、見なよ」
「え?」
シンジの目線を追うアキ。そこには、夕暮れにぽっかりと浮かぶ、白い月があった。
「キレイだよね。夜のお月様も好きだけど、俺、こういう夕方のお月様も好きなんだ」
「私も、好きです。なんていうか、儚い感じがしますよね」
「儚い………そうだね。なんとなく、消えちゃいそうな感じがするよね。あ、もう矢野ちゃんちだね。それじゃ」
「あ、はい」
シンジは軽くアキに手を振ると、矢野家を後にしていった。その後ろ姿を―――
「…………………」
アキは、少しだけ切ない気持ちで見送るのだった。
(………………意気地なし)
心の中で、そう呟いていた。
それが果たして今目の前から去っていった青年のことを指しているのか。
それともそれは自分のことを言っているのか。
自分の言葉にもかかわらず、それがアキには分らなかった。

「わ〜〜〜い、アキちゃんの言うとおり、イケメンさんなんだね、井戸田さんって!」
「ふむふむ。確かに少々チャラ男っぽくはありますが、合格点ではありますね」
「あ、私はチョコパフェ追加でお願いしま〜〜す」
「ちょ、ちょっとショーコ、あんたいくらなんでも」
「いいじゃん。どうせこの場は会社持ちなんだろうし。金城も頼めば?部活帰りだから小腹空いてるっしょ?」
「え〜〜〜〜じゃ、私もフローズンヨーグルト」
「…………………すいません、井戸田さん」
「ははははははは…………は。良いんだけどさ」
日と舞台は変わってとあるファミレス―――そこでは、予定通り思春期メンバーが勢揃いしており。
それはそれは、姦しいことこのうえない状況になってしまっていた。
女子高生パワーの前に完全に圧倒され、ヒロキは力無く笑うしかなくて。
(しかし…………別の意味で、すごいな)
しかし、ヒロキもただ圧倒されているわけではなかった。しっかりと、今日集まったメンバーを観察していた。
580郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:52:23 ID:0nlBYPWB
(普通は可愛い子の友達っていうとその子よりはレベルが落ちるもんだけど、今日は打率十割じゃん。
アキちゃんの友達って、みんなすぐにデビューできそうなくらいな子ばっかだ)
クールビューティのショーコ、ネコ系美少女のマナカ、長身スレンダー美人のカオルと、
確かにアキの友人という子たちは皆タイプは違えど美少女ぞろいなのであった。
(でも俺的にはこの子かな、ちょっと声をかけてみたいのは)
中でもアキと一番仲の良さそうなカナミという少女が、ヒロキは気になっていた。
(もちろん他の子も可愛いんだけど、この子はなんていうか、素材の良さが際だってるな)
くりっと大きな瞳が印象的な正統派美少女だが、表情にはどこか悪戯っぽさがあり、
それがなんとも男心をくすぐる感じだった。
「ホラ、カナミさん。井戸田さんが獣のような目であなたを見ていますよ。気をつけないと」
「!!!ちちちち、違うって!」
「きゃ〜〜!ねえねえアキちゃん、私もアキちゃんと一緒にAVデビューが決まりそうだよ!」
「そんなもんにデビューせんわああああああ!!!!」
「あのねえ…………」
(しかし………なんかこの子からはシホの匂いがするのが気になるんだが)
微妙にイヤな予感のするヒロキだが、このままグダグダモードでいるわけにもいかず、話を切り出した。
「まあ、友達も連れてきてよって言ったのは俺だから、別に良いんだけど。
改めてみんなにも自己紹介しておくよ。俺の名前は井戸田ヒロキ。
レイ・プリンセス事務所でスカウト兼トリプルブッキングのマネージャーをやってます」
「え!」
「井戸田さんってTBのマネージャーだったんですか!」
「アレ?このこと話してなかったの?矢野さん」
「あ、そう言えばみんなに話してなかったかも」
「ええ〜〜〜早く言ってよ、アキちゃん!私シホちゃんの大ファンなんだよ!」
「私もカルナちゃんのファンなんだ!ウチの学校でも人気あるんだから」
「でも、それは本当なんですか?」
「ん〜〜っと、そうだな…………これで証拠になる?」
そう言うと、ヒロキは携帯の待受画像を5人の前に見せた。そこには。
「!わあ!」
「すごい、ホンモノだ!」
「確かにこれを見せられては否定できませんね」
「ていうか、なんだか井戸田さん、これって」
「言わないでよ。俺だって気に入ってるわけじゃないんだから。あの子たちがこれを待受にしろって言うから」
その画像では、シホとカルナがヒロキの両腕に抱きつき、
さらにユーリがヒロキに肩車され、三人とも笑顔で―――もとい、
カルナだけは例のしかめっ面で、ピースサインをしていた。
「ふ〜〜ん、仲が良いんですね、マネージャーとタレントって」
「仲が良いっていうか、これはウチのHP用にいろいろ写真を撮っていたときの試しカットでさ。
なぜか三人ともこれを気に入って、で、無理矢理PCから落して待受にされたってわけなんだけど」
「でも良い笑顔ですよ、シホちゃんもユーリちゃんも。カルナちゃんはちょっと違うけど」
「カルナちゃんって普段はこんな感じなんだよ。悪気は無いんだけどね」
「へえ〜〜、でもマジだったんですね」
4人の空気が一気に変わったのを感じたヒロキは、ここぞとばかりに畳みかける。
「じゃ、俺が本物のスカウトだって信じてもらえたみたいなんで、本題に入らさせてもらうよ。
え〜〜っと、みんな矢野さんと同じ高校の友達なのかな?」
「私だけ違いますけど」
「金城さんだけ別なんだ?ま、それはおいといて。ここでもし矢野さんにOKをもらっても、
それですぐにデビューってわけじゃないんだ。矢野さんのご両親にも挨拶をさせてもらって
許可をとらないといけないし、学生の場合は学校にも話を通さないといけない。
一応俺も調べさせてもらったけど、小笠原高校は公立高校だよね?」
「あ、はい」
「そんなに厳しい学校じゃないようだから大丈夫だと思うけど、学校側からダメ出しされる場合だってある。
そういう場合は、その子が学校を卒業するまで待って契約するってこともあるんだよね」
「へえ………意外に真面目というか」
「キチンとしてるんですね」
581郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:53:57 ID:0nlBYPWB
「はは、芸能界ってすごく適当なトコロに思われてるけど、一人の社会人としてプロ契約するわけだからね。
その子の周りにも筋を通さないと、後々トラブルになることだってあるし。
ウチはそんな大手じゃないけど、そのあたりはキチンとしてもらってるんだ」
「はあ〜〜〜すごい世界に行くことになるんだね、アキは」
「あのね、だからまだ決めた訳じゃ」
「でも聞いている限りではしっかりした話のようですし」
「アキちゃんの言うとおり、井戸田さんも変な人じゃないみたいだし」
「こ、コラ、カナミ!」
「あはは、ま、良いって。そう言うわけだから、もし矢野さんが今日OKしてくれたら、
次はウチの事務所で社長と話をしてもらって、納得してもらえればご両親に挨拶って感じかな。
とりあえずこんな感じなんだけど、他になにか質問はあるかな?」
「え〜〜っと、ぶっちゃけアキはいくらくらい貰えるんですか?」
「あのねえ、ショーコ。アンタ、ぶっちゃけすぎ」
「でもそれも重要な話だよね。がっかりさせるみたいだけど、最初はアルバイト程度の金額になると思うよ」
「え〜〜〜そんな〜〜〜、アキちゃんが体を張って頑張ってるのに………」
「まだ張っとらんわぁぁぁ!!」
「初めはね、雑誌のエキストラモデルとか、そんな地味な仕事をコツコツこなすしかないんだ。
そういう歩合給にプラス基本給なんだけど、それだけだと普通のOLさんくらいの収入にしかならないよ。
ある程度人気が出て声がかかるようになればそれなりの収入にはなるけど」
「それでも高校生にしたら、結構な額なのではないですか?」
「うん、でも普通のバイトよりはマシってくらいかな?トリプルブッキングだっていきなり売れたわけじゃなくて、
最初の頃の仕事は地方の小さなイベントとかばっかりだったしね」
「はぁ…………芸能界も大変なんだね」
「ただ、そうした期間も暇なわけじゃないよ。芝居とかダンスとか歌のレッスンを受けてもらって、
その子の適正を見ないといけないし」
「え!」
「そんなこともするんですか?」
「もちろん本人が希望すればだけどね。小池マイちゃんなんかも初めはグラビアだったけど、
芝居の方に元々興味があった子だからそっちのレッスンを増やしていって、
今は完全にドラマ方向にシフトしている訳だし」
「小池マイも同じ事務所なんだ!」
「あの子キラ〜〜〜イ!裏表あるって噂だし」
「男女関係の醜聞が絶えない人でもありますね」
「あはは………こりゃ手厳しいな。そんなに悪い子じゃあ無いんだけどね。
ま、それはともかく。俺の考えとしては矢野さんの場合、初めはモデルとかをこなしてもらって、
それから矢野さん自身の希望や適正を見ながら次のステップを決めていくって感じかな」
「へ〜〜〜え、時間がかかるんですね」
「ん、まあね。一人のタレント育てるのには結構な時間とお金がかかるのが実際の話なんだよ」
「でもこう見えてアキさんは歌も結構お上手ですし」
「運動神経も悪くないよね?」
「それになんといっても………うう………巨乳だし」
「おまけに処女だし」
「頼むからそういうことをこういう場所で言わないでよ、ショーコ」
ショーコの発言に顔を真っ赤にして慌てるアキだが。
(ていうか今否定しなかったよな?し、処女なんだ、アキちゃん?)
ヒロキは思わず飲みかけのコーヒーを吹き出しそうになっていた。
「で、さあ。アキちゃん、ここまで井戸田さんにも説明してもらったわけだし。アキちゃんとしては、どうなの?」
「え?」
「そうですね。アキさん自身のお気持ちをそろそろ聞いてみたいといいますか」
「私も、アキがどうしたいのか聞いてみたい。どうなの?」
友人達に促され、言葉につまるアキだが――――ゆっくりと、話し始めた。
「マナカみたいに将来やりたい夢も特にないわけだし、とりあえず進学できればって考えていたくらいだし。
そういう仕事が………自分に向いているかどうかも分かんないけど、
でもやってみても良いかな、って思ってるのが本当の気持ち、なんだけど………」
「ほ、本当?矢野さん」
582郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:55:27 ID:0nlBYPWB
アキ×タカトシ、今回は以上。続いてミサキ×マサヒコ、ほんのさわりですが投下。
583郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:56:09 ID:0nlBYPWB
「お?よ〜〜〜っす、ミサキじゃん」
「あ!中村先生!」
場所は東が丘駅前のとある大型書店のレジ、ときは晩夏の昼下がり―――
天野ミサキと中村リョーコは、偶然の出会いを喜んでいた。
「メールだけはしょっちゅうだったけど」
「会うのは久しぶりですもんね。わぁ………嬉しいです」
「なはは、そんな風に喜ばれるのもアレなんだけどね。あ、そっか。ミサキも夏休みか」
「はい。平日にここにいるってことは、中村先生もお休みなんですか?」
「そ。ま、今日は休日出勤の代休なんだけど」
「やっぱり、忙しいんですね」
「まあまあ、そんな顔しないでよ。社会人ともなれば、それなりにね。それはともかくさ。
久しぶりに会ったんだし、ちょっとお茶しない?」
「あ!はい!」
「へへ、ミサキをナンパしちゃった♪」
「?な、ナンパって、中村先生?」
「だってさっきの私の誘い方さ、いかにもって感じだったじゃん。あはは」
「もう………相変わらずですね!」
苦笑気味のミサキと笑顔のリョーコは、駅前のスターバックスへと足を運ぶのだった。
「へぇ〜〜〜、しかし金本先生まだ独身なんだ?」
「あ、はい。あんなにキレイで優しいのに不思議ですよね」
「うん、ウチらの頃も生徒に人気があったし、絶対モテるはずなのになんで?って言ってたんだけど」
学生生活の話に花が咲くリョーコとミサキ。歳こそ離れてはいるが、
このふたりは同じ高校の先輩と後輩であり自然と共通の話題も多い。
元はと言えばリョーコは的山リンコの家庭教師であり、
ミサキはそのリンコの友人にしか過ぎないという関係だったはずなのだが、
その後読者ご承知のとおり、ミサキの思い人である小久保マサヒコとリョーコの後輩である濱中アイを通して
ふたりもいつの間にか親しくなり―――中学卒業後の現在でも、
頻繁にメールのやりとりをする仲になっていた。
「ところでさ?ミサキ。どう?マサとは、順調?」
「!あの………はい、おかげさまで、はい」
突然話題を振られてちょっとしどろもどろになってしまうミサキだが、
リョーコは意外にもふざけた表情ではなかった。
「うん、なら良いんだけど。ゴメンね?あの後直接そういうことに触れたメールがこなかったから、
逆に気になっちゃって。順調ならそれで良いし、話したくなければそれも別に良いんだけど」
「…………………」
リョーコの話を聞きながら――――無言で、ストローを啜るミサキ。
その表情は、むしろ言葉よりも饒舌に彼女の心情を語っていた。
それくらいのことが分らぬリョーコではなかったが、少し無言でいることにした。
(別に………からかう気も、意地悪してる気もないんだけどさ)
こう見えてリョーコは姉御肌というか、自分を頼ってくる人間を放っておけないタイプである。
ミサキからのあのメールに対しても、普段のエロボケを封印して誠心誠意答えた、つもりだった。
「あの………中村先生。本当は、相談しようかどうか、迷ってたことが、あるんです」
たっぷり3分ほども沈黙が続いただろうか。ようやく決意したのか、ミサキが言葉を発した。
「今日は別に暇あるから聞いたげるけど?なに?」
「………ちょっと、そういう話だから、えっと」
「あ〜〜、そうね。んじゃ、私の部屋に来る?」
「え?良いんですか?」
「こういう女子トークってのも久しぶりだしね。午前中に掃除したけどまだちょっと片づいてなくて良ければ」
「すいませんけど………中村先生がよろしかったら」
「ん、OK。じゃ、行こうか?」
「はい………あ!そんな、支払いくらい」
「良いって良いって。社会人になってから使うところもないし、こんくらい奢らせないさいって」
「………あの、すいません」
「ミサキ?」
「は、はい?」
£
584郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:57:34 ID:0nlBYPWB
「そういうときは、ありがとう、で良いのよ?」
「はい!ありがとうございます!」
「うん、OK」
にっこりと笑顔になると、リョーコが伝票を手に席をたつ。
彼女の背中を見つめながら、ミサキはその後を追うのであった。

「はいよ、ミサキ。パックの紅茶くらいしかなくて悪いけど」
「そんな、全然」
「で、単刀直入に聞くけど、マサとの間でなにがあったわけ?初体験は、上手くいったんだよね?」
「!…………あの。はい」
ミサキが頬を赤く染めてリョーコの言葉に肯う。
「相談されたから一応確認させてもらうけど、避妊はキチンとしてくれた?」
「大丈夫です。マサちゃんもしないとダメだって自分から言ってましたから」
「うん、そのあたりはマサらしいね。初体験だと特に流れでしちゃうことが多いから。
妊娠の危険も高くなるし、本当は初体験こそしっかり避妊しないといけないんだけどね」
「はい。最初中村先生にあれを渡されたときはびっくりしましたけど………」
「おせっかいだとは思ったんだけどね」
「いつもの冗談だと思ったんです。でも、中村先生すごく真剣だったから」
「アンタ達の場合はお互いが好きあってるのは分ってたし、そうなるのも時間の問題だと思ってたから。
なおさら初めてで悲しい目にあって欲しくなくってさ。あはは、なんだかガラにもないことしちゃったけど」
「いいえ、本当にありがとございました」
ぺこり、とミサキが頭を下げる。少女の金色のつむじを、照れくさそうに中村は見つめていた。
「ズバリ聞くけど、じゃ、アンタの悩みはなんなの?マサが冷たくなったとか?
マサがからだばっかり求めてくるとか?変な体位でしたがるとか?」
「そんなことは、ないんです。マサちゃんは優しいし、変なことをしようなんてしないし。
あの………むしろ、その逆っていうか」
「?逆」
「私、マサちゃんが分からないっていうか………優しいのは良いんですけど、
私からしようって言わないと全然そういう素振りもみせないし。それに………あの」
「ま〜〜マサって元々淡泊な方だからなんとなく想像はできるけど」
「中村先生はするとき、声って出ます?」
「p:♯*???はぁ???」
「私はすごく声が出ちゃうんですけど、マサちゃんは全然声を出さないんです。
するときもすごく冷静だし。私なんて恥ずかしいくらい乱れちゃうのに。もしかしたら、
気持ち良いのは私だけで、マサちゃんは気持ち良くないのかなあって思っちゃうんです」
「あ、あのねえ、ミサキ」
「中村先生にしかこんなこと聞けないんですけど……男の人って、あんな風なんですか?
それともマサちゃんやっぱり………」
(これは…………しかし)
性の猛者・リョーコも爆弾発言連発のミサキにさすがに呆れてしまっていた。
恋愛に対して少女的な幻想を抱いている感のあったミサキだが、
マサヒコとの初恋が実り初体験までを順調に経過した結果、
どうもその幻想が妙な方向へと向いてしまったようだ。
(う〜〜〜ん、だったら他の男としてみれば、とも言えないわよね)
真剣に思い詰めた表情のミサキにからかう気も失せたリョーコは、慰めるように言った。
「まあさ。あくまで私の経験だけど、男ってあんま声出さないと思うわよ。
それにアレって女の方が痛みも快楽も男よりずっと上だって言うし」
「でも、男の人ってしてるときにあんな悲しそうっていうか、切なさそうな顔になるんですか?」
「ん〜〜〜それは多分、出すのを我慢してる表情じゃないかな」
「そうなんですか………」
「それにねえ、ミサキ。まあアンタの性格を考えたらちょっと難しいかもしれないけど。
直接マサに聞いてみるってのも手だよ?本当に信頼しあうパートナーになりたいならさ、
そういうことをふたりで相談し合うことも大切なことだと」
「聞いてるんです。でも、マサちゃん、『気持ち良かったから、大丈夫』って言ってくれるんですけど、でも」
(はぁぁぁぁ………この子のば〜〜い、これが惚気じゃないから困るのよね)
£
585郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:58:27 ID:0nlBYPWB
ミサキの暴走状態に珍しくまともな回答を返し続けているリョーコだが、
相手がその上をいってしまうのだから始末に負えなかった。
「まあ、さ。高校も別になったし、マサと一緒にいる時間も少なくなっただろうから、
不安になるのも分からないじゃないけど。アイツを信用しなさいって」
「信用は、してるんです。でも………」
ミサキの様子を見ながら、リョーコは彼女が抱えるもうひとつの不安を見抜いていた。
(マサは浮気なんてするタイプじゃないけどね。でもこの子が不安になるのもちょっと分かるかな)
中学三年の頃から背が伸び始め、徐々に少年の面影が消えて男っぽくなってきていたマサヒコ。
ミサキの恋愛フィルターを抜きにしても、彼が魅力的な青年へと成長しつつあるのは中村も認めるところで。
(マサは性格も良いし、顔も良いわけだしね。リンも言ってたけど、学校でも人気あるみたいだし)
「だってマサはミサキのこと、大切にしてくれてんでしょ?それに不満はないんでしょ?」
「それは、そうですけど。でもやっぱり不安になるんです。
私とマサちゃんじゃ、本当は釣り合わないんじゃないかとか思っちゃって」
「お世辞を言うつもりもないけどさ。ミサキだって十分可愛いと思うよ?」
「………私なんて、可愛くないです。今だってマサちゃんのこと疑うようなこと言ってるし、
若田部さんみたいに美人でスタイルが良いわけでもないし」
それだけ言うと下を向いて沈黙してしまうミサキ。
リョーコはポリポリと頭を掻きながら、言葉を探すしかなかった。
(う〜〜〜〜ん。なんていうかなぁ。そういうわけか)
もともとミサキに自分を卑下する癖があるということは、リョーコも承知していた。
しかし、今のミサキの心にはそれ以外にも───
友人である若田部アヤナの存在が、小さな影を落としているようだった。
(アメリカに行く前にアヤナがマサヒコのことを嫌いじゃないって言ったっていうのを、
ま〜〜だ気にしてるわけね、この子は)
そのことは、ミサキからもアヤナからも聞いていた。
それはアヤナなりのミサキへの励ましであり、友情だったとリョーコは思っていたのだが。
どうもミサキはリョーコと違う風にとらえているようだった。
(でもミサキだって本当に可愛い子だと、私は思うんだけどな)
高校に入ってから大人びてきたのはマサヒコだけではない。
ミサキも幼さが消えはじめ、少しずつ大人びた女性としての魅力が備わりはじめていた。
顔立ちはもともと美少女然としたアイドル顔だったのだし、
細かっただけのからだもどこか丸みを帯びた女性的な肉体に変化しつつあるように見えた。
(セックスを経験すると女は変わるって言うけど、ミサキも………あ、もしかしてこの子は?)
ふと、気がついた。なぜ、こんなにもミサキがマサヒコとのセックスにこだわるのかを。
(自分に自信がないから、相手の男にせめてセックスで満足して欲しいって思っちゃって、
だけど満足してないって勝手に思いこんで不安になってるわけ?
あちゃあ〜〜〜それって一番ダメになるパターンじゃん)
肉体の対価として心を縛り付けようとするのは、恋愛で一番失敗しやすい例である。
恥ずかしながらリョーコにも、そうした時期が無かったわけではない。
(う〜〜〜ん、これは案外根が深いかも)
らしくなく、考え込んでしまうリョーコ。彼女のそんな様子を見て、少女は申し訳なさそうな声を出す。
「すいません、中村先生。変なこと相談しちゃって」
「ううん、いいんだけどね。ねえ、ミサキ?ここまで話したから、ぶっちゃけ聞いちゃうけど。
マサとのセックスで、アンタは気持ち良いんだよね?」
「あ!………はい。それは、ホントです。でも、私だけ気持ち良いのが」
「ストップ!それは、良いから。てことは、マサが気持ち良くなってくれてるかだけが気になるんだよね?」
「………はい」
「そっか。でもねえ〜〜〜私がアンタたちのしてるところを見るとかしない限り、
マサが本当に気持ち良くなってるかなんて、分からないからねえ」
「それ、お願いしても良いですか?」
「へ?」
「中村先生に、見て欲しいんです。私たちが、してるところを」
「ちょ、ちょっとミサキ?」
「こんなことを頼めるのは中村先生しかいないんです。私たちのセックスが大丈夫なのか、
マサちゃんが気持ち良くなってくれてるのか、見てくれませんか?」
£
586郭@出張帰:2008/08/29(金) 17:59:52 ID:0nlBYPWB
以上、今回は2編とも寸止めでしたが次回はなんとか。
では股。
587郭@携帯:2008/08/29(金) 19:43:16 ID:Kq0qgahg
あ、さっそく気付いた。
タカトシじゃなくアキ×ヒロキでしたね。失礼ぶっこきました!
588名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 00:10:12 ID:5vQPSIEC
郭氏夫婦乙です

ヒロキが好きだった人=アイ=アイが好きな人=マサヒコですかな?
589名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:37:44 ID:tCoUfCCc
郭氏キタ━━━━━━━━━━━━!!
GJ&乙!
590Y-275:2008/08/30(土) 13:35:00 ID:oaHwTYw/
住人、職人、保管庫管理人の皆さんこんにちは。
前回投下の続きもの、シノ目線でのSS投下します。
スルー対象ワードは

『エロゲー』
『展開強引』

591Y-275:2008/08/30(土) 13:36:22 ID:oaHwTYw/

『早くしないと私とスズちゃんで津田くんのこと独占しちゃうよ?』

先日アリアに言われたことを思い出す。

1学期。私は自身の思いを、戸惑いを親友の彼女に相談した。
彼女は手助けをしてくれると確かに告げてくれた。
はずだったのだが気付けば津田とアリアは…

考えるだけで私の胸は張り裂けそうになる。
別にアリアのことを恨んではいない。
むしろ、『大切なことはヤリたいときにヤること。』などと言う言葉を振りかざし、積極的に私と津田に関係を結ばせたがる。
きっと、彼女は悪気はないだろう。
そして、彼女なりに私の背中を押してくれているということなのだと思う。
しかし、だからこそ戸惑ってしまう。

そう頭に考えを巡らせながら私は何気なくPCのモニターの選択肢をクリックする。
画面は切り替わり、私がお気に入りのヒロインのルートへと話は流れていく。
相手を一途に思いやり。
主人公と共に成長していく少女。
どこか甘酸っぱくて、切なくて、でも、そんな日々の中で輝く彼女は凄く可愛くて…
そんな彼女を思う主人公の思いに私は憧れを抱いた。
私もこんな風に思ってもらえたら…
そう思い、画面を流れる文章を読む。
造られた物語は進行していく。現実に生きる私達のように。

私が心から欲しているのはこのゲームのような心温まる純愛。
その昔ジャケ買いして後悔した所謂抜きゲーのような展開ではない。

しかしながら現実はどうも私の望みなど叶えてくれるような意志はなさそうだ。
私の好きな人はハーレムルートへのフラグを立てることにかけて天賦の才を発揮するらしい。
それでもこの想いは変わらない。今日も溢れ出して私を満たしていく。
アリアの言うように気軽に関係を結べるのならば苦労などしない。

………………………………
592Y-275:2008/08/30(土) 13:38:09 ID:oaHwTYw/
『さて、今日も会議始めていくぞ。』

最近の生徒会室の空気は正直言って微妙だ。
というよりあまりよろしくない。
アリアは相変わらず微笑みが多い。津田はなんだか落ち着かずそわそわと。萩村はむっつりと黙り込んでいる。
このような空気になってしまっている理由を私は把握している。逐一アリアが報告してくれるからな。
だからこそ私の心も陰ってしまう。
私は一つため息を吐き出す。
それでも会議は進行し、雑務も行う頃になるとそれぞれがそれぞれの仕事をこなしていく。
なのだから私もそれに習い書類の入った段ボールを持ち上げ…
きれずに私はバランスを崩した。

"グキッ"

耳からは一番遠い場所からのはずなのに強く自覚できる嫌な音と強烈な痛みが走る。

『…いっつ…』

『大丈夫ですか?会長!?』

津田が駆け寄ってくる。

『あ、ああ…』

私は生返事を返す。

『全然大丈夫そうじゃないですね…七条先輩、会長を保健室に連れていって良いですか?』

『そうね。私達はそれぞれの仕事があるし、津田くんお願いできるかしら?』

『はい!』

そういって、私の肩を抱く津田。
思わずドキリと胸が高鳴る。
生徒会室からの去り際ふと振り返って見たアリアはウィンクをしていた。

………………………………

『ただの捻挫っぽいですね。』

津田が私の足を冷やしながら呟く。その手際の良さはかなりのものだ。
それにしても校医が普通にいないとは思いもしなかった。おかげでこうして津田が私の怪我を見てくれているのだが…
593Y-275:2008/08/30(土) 13:39:24 ID:oaHwTYw/
『手慣れた物だな。』

津田が先程から私の足に触れるのがくすぐったくて私は言う。

『中学時代はサッカー部でしょっちゅう捻挫してましたからね。』

『いや、女性の身体に触れるのがなんだが…』

『ええ〜〜…なにそれ』

『まぁ、冗談だ。ありがとうな、津田。』

私のおふざけにもきちんと答えてくれる。
おかげでいくらかは私の緊張も解れるというものだ。
だからこそ、こいつとの距離感は心地が良い。それに、

『はい、これで処置は完了ですよ。』

黙々とすべき事はきちんと行う津田は頼りになる。
だからこそ、気付けば私はこいつが好きになったのだ。
本来ならば生徒会長という立場上校則違反など、あってはならないこと。
だからこそ、自分を厳しく律して来た。

『ほんとにありがとうな…』

自らの思考の流れの中で強く津田を意識してしまった為か、まともに津田の顔を見ながら言うことが出来ない。

『大丈夫ですか?』

そんな私に津田が問い掛けてくる。

『なにがだ?』

『いや、最近ずっと元気なさ気なんで。』

ふむ、どうやら、津田なりに感じるものはあったらしいな。
だが、事の原因が自分であるということに気づかないのは鈍感というかなんというか…

『まぁ、少々考え事をな。』

私は短く息を吐き出す。

『だから普段の会長にしてはらしくない怪我をしたんですか。』

らしくない…か、確かに最近はそうとられても仕方が無い気がする。
しかし、私とて完璧なわけではない。
恋だってするし、自分の体型にコンプレックスだって抱く。
私だって一人の女子高生なのだ。
594Y-275:2008/08/30(土) 13:40:44 ID:oaHwTYw/

『言って気が楽になるなら言ってくださいね。解決は出来無くても、力になれるよう努力ぐらいはしますよ。』

本人にその気は無くとも、こんなだから私は心配せざるを得ないのだ。
基本的には良い奴で、何気なく周りに気を配れる。
だからこそ、アリアや萩村は…
そして、彼女達は既に一歩先に踏み出していて、津田には十分に意識されている。

『それなら、私の話を聞いてくれるな。』

『はい。』

そんな状況が悔しくて、腹立たしくて、自分の意識とは関係無しに言葉は溢れ出していく。

『どうやら、私は恋をしてしまったらしい。そいつは凄く優しくて、気もきく。そんなだからライバルは多い。』

『はい。』

短く津田が相槌をつく。
それを受けて私は続ける。

『既に2人ほどと関係を結ぶ直前までは行ったらしい。』

『はぁ…』

『それ以来、その2人の変化と、そして、彼女達を意識してそわそわとしているそいつが嫌でも目につくわけだ。』

『…………』

もう、津田は何も答えない。いくら鈍くてもここまでいえば思い当たるのだろう。
だから思い切って私は直接的に告げる。

『私は津田、お前に恋をしてしまったんだ。』

『…………』

なおも津田は何も答えない。

『もうここまで言ってしまったのだ、お前の気持ちを聞かせてもらおう。』

………………………………

『俺は…』

歯切れ悪く津田はそれだけを呟く。

『………………』

私は無言で津田の顔を覗き込む。

『2人にシてもらったことは、いずれちゃんとしようと思ってます。』

声を掠れさせながら津田は呟く。
595Y-275:2008/08/30(土) 13:42:00 ID:oaHwTYw/

『なんて言うんでしょう、2人とは確かにそういう事はしましたけど、ここまでストレートに言われたのは初めてで、どう答えたものなのか…』

『ふむ。』

私は一つ相槌をつく。津田の戸惑いもよく分かる。
同時に煮え切らない津田を見ているとアリアの言った事もなんとなく理解できる気がする。
『ヤリたいときにヤること。』つまりは難しく考えるよりかは先に進んでしまえということか。
なるほどな。と私は思う。
それならば、この場で津田の返事を待つことよりも直接津田の身体に問いかけてしまう方が早い。
それで、事に及べるのであれば、津田の心の中に少なからず、私の居場所はある。

『津田。』

『はい?』

私は津田に呼び掛けると首に腕を回していく。

『ちょっと、会長!?』

『津田は私とシたいか?』

一言だけ呟くと、目を閉じて、津田に何も言わせまいと私は津田に唇を押し付ける。
そのまま舌で津田の唇をこじ開け侵入すると、自らの舌で津田の舌を絡め取り、しばらく感触を味わっていく。

『ぷは…』

息が苦しくなって、私は唇を離す。
頭が呆けて来ているのが自覚できる。
そのまま首に回していた手を津田の背中に回すと津田を巻き込みながら腰掛けていたベッドへと倒れ込む。

『会長?でも、俺、2人と…』

津田の言いたい事は解る。

『構わないさ。理解した上で私は津田に抱かれたいと思う。津田の事が好きだから。津田の気持ちを知りたいから。嫌か?』
596Y-275:2008/08/30(土) 13:43:41 ID:oaHwTYw/

すぐ側にある津田の瞳を見据えながら私は津田に問いかける。

『…嫌じゃないです。』

『そうか。』

まだ若干の戸惑いの色を見せながら、津田は私の制服へと手を伸ばしていく。
前を開き、スカートを捲りあげる。
ブラを押し上げ、ショーツをさげていく。

『妙に手慣れてないか?』

『そうすかね?』

『やっぱり、津田はエロいな。』

『否定は出来ないです。』

まぁ、それはそうだろうな。実際にここまでしておいて否定も何もないだろう。

『それじゃあ、会長しますね?』

『あぁ、初めてだから優しく頼む。それと…下の名前で呼んではくれないだろうか?』

もうこれから事に及ぶ、既に素肌を晒した状況なのに、何でこういうことを言うときは恥ずかしいのだろうな。

『わかりました、シノ。出来る限り優しくします。これで良いですか?』

『シノ』下の名前で呼ばれることはなんと甘美なのだろう。
私はうっとりとしてしまう。

『あぁ、頼むぞ、タカトシ。』

だから、少しでも津田…タカトシも私と同じ気持ちになってくれれば良い。
そう思い私は彼の名前を呼んだ。
………………………………

津田は丁寧に私の身体にキスの雨を降らせていく。

その度に私は、

『んっ、くっ、はっ…』

等と短い息を漏らしていく。
タカトシの唇は肩、肩甲骨を中心に時には耳や、首筋、うなじなど私の弱いところを中心に動き回っていく。
手の平も私の太ももや下腹部等かなりぎりぎりの所を撫で回すように動き回る。
正直言ってかなりの快感を私に与えてくるのは確かで、気を抜くと

『ん、あっ、あん…』

自分でも驚くほど艶やかな声を上げてしまう。
私の身体はこんなに敏感だっただろうか?
相手がタカトシだから。
私はそう思い込むことにする。
正直言って思考は快感の波にのまれつつある。

『ん、あっ、ん、タカトシ、もっと…』
597Y-275:2008/08/30(土) 13:45:27 ID:oaHwTYw/

呆け始めた頭ははしたなくもさらにタカトシを求めていく。
それに答えタカトシの愛撫にも熱がこもってくるのがよく解る。

『んあっ、…ん、ふっ…あぁ』

熱のこもりはじめたタカトシの愛撫に私は声をあげていく。

『ん!あっ、あぁっ、ふっ!!』

そんな私の反応に気をよくしたのか、タカトシが直に私の胸に触れはじめる。
思わず、びっくりしたような声を私はあげてしまう。
ただ、肌を撫でられていた時とは違う、身体に熱を与えてくるような快感が私を飲み込んでいく。

『ふっ、んんっ、あっ、…ん、あ、タカ…トシ…』

そんな快感を堪えきれなくなり私はタカトシの名前を呼ぶ。
タカトシは私の呼びかけに答えるようにあいた手で私の手を握るとキスをしてくる。

『んあっ…ふっ、んん、…んっ、ちゅっ、むう、ふぁぁ』

私の心が満たされていくのがはっきりと解る。
快感の中で不安げに揺れていた私の心はこの行為でとろとろに溶かされていく。
この人に身を任せても大丈夫。
この人から与えられる快感になら身を任せても大丈夫。
本気でそう思えた。

………………………………

『それじゃ、俺、そろそろ…』

私の身体の隅々まで、愛撫したのち、タカトシは告げてくる。
愛撫に身を委ね、嬌声をあげ、
膣に指を挿れられ、異物感に苛まれながらも、優しくキスをしてくれたタカトシのおかげでそれは快感になった。
恥ずかしくも私の膣は既に愛液でしとどに濡れそぼっている。
598Y-275:2008/08/30(土) 13:46:25 ID:oaHwTYw/

『あぁ、良いぞ…でも、』

私は一度言うのをためらってしまう。
それでも口から出かかった言葉をもう一度飲み込むことなど不可能に近い。
ましてや後は本番だけと火照りきった身体とその熱に呆けたこの頭では。

『…もう一度、抱きしめて、もう一度、キスをして、もう一度、名前を呼んで…』

もう一度、安心が欲しかった。
確かにタカトシの中に私はいるから、身を任せても大丈夫だという安心が。
それとともに身体だけでなく、心までも満たしていく、あの甘美な快感が欲しかった。

『わかりました。シノ…』

『ちゅっ、んっ、ふっ、んっ…』

敬語なのに呼び捨て。
物凄く違和感があるはずなのに、私の心には安心が広がっていく。

『それじゃ…』

『挿れて…』

唇を離したタカトシが告げるよりも先に私は言う。
その言葉にタカトシは一つ頷くと私を抱きしめたまま、ゆっくりと膣に体重をかけてくる。
"ズズッ"
丹念な前戯の甲斐があってか、挿入されるペニスが愛液と音を立てているのが良く解る。
幸い痛みは無い。ただただ、膣内は熱を伝えてくる。
その熱が自身の物なのか、タカトシの物なのか等と考える余裕は無い。
考える必要も無いと思う。
このまま、2人の熱が混ざり合ってしまえば良い。

『シノ…』

ふと呼ばれた声に私は目を開く。
目を閉じ、膣から血を流す私は相当痛々しかったらしく、タカトシはペニスを全て挿入した後、動き出さずに、ただ、ただ、抱きしめて待っていてくれた。
599Y-275:2008/08/30(土) 13:47:20 ID:oaHwTYw/

『…ん、あっ、あぁ、大丈夫だ。動いても。幸い…ん、熱いだけで、あ、ん、痛みはほとんど無い…』

声を出してみて私は驚く。
痛みが無いことに嘘はない。
ただ、異物感に私の声は自然と掠れる。

『わかりました。でも、キツかったら言ってくださいね。』

そう言って、タカトシは唇を合わせてくれる。
それだけで充分だった。
"ズズッ、ズッ、ズッ…"
室内に響くくぐもった、どこか粘着質な水音とともにタカトシが腰を動かしていく。

『あっ、んっ、はあっ…!ふあっ、ん、ん、あ、つッ……!』

私の膣に鈍い痺れと熱が広がっていく。

『あっ…あっ、ん、ふ、はぁ、ん…』

やがてそれは疼きへと変わり…
"ズチュ、グッ、ズッ、ズチュ…"

『あ、あっ!ん、は…はぁ、ん!あっ…』

快感へと変わっていく。

『ん!あっ、あっ、はっ!ん、あぁぁ!タカトシ、ん!…はっ、もっ…と!!』

その快感が私を飲み込んで、私は先をねだる。
やがて、タカトシのピストンは力強い物へと変化していき、再奥の膣口を叩いていく。

『ふああぁぁぁっ!!んっ!ふっ、それ…良い!!っあ、ふ、ん、ああぁぁ…』

自分でもはしたない声だなと思う。
それでも、快感の前に追い詰められている自分自身にはこれが限界なのだ。

『あっ、あぁぁぁ、ん、あっ、ふぁ…ん!あぁぁぁぁ!!ん………!!』

嬌声が室内に響き渡る。
呆気ないほど簡単に私は達してしまった。

………………………………
600Y-275:2008/08/30(土) 13:48:27 ID:oaHwTYw/

『んっ…ふぅ…はぁ…』

『シノ…』

絶頂の余韻からか未だ息の調わない私を心配そうにタカトシが覗き込む。

『ふふ…大丈夫だ…タカトシ、それより…』

『?』

私の言葉にタカトシは疑問を浮かべる。
いくらか余裕の出てきた頭はその先を促す。

『タカトシの上に乗りたい…ダメか…?』

『騎乗位ですか?』

『いや、座位だ。』

自分の中で強い憧れのある体位。
その体位で今度は挿れたい。
私は自分の考えを津田に伝える。

『わかりました。』

そう言うやいなや、私の背中に手を回し、タカトシが私を自らの胡座の上へと招く。
そこからストンと自重で挿入されるペニスから再度強い快感がもたらされる。

『くッ、あっ、あっ、ふあっ!!』

再度膣口を叩くペニスの感触と、伝わる熱で私は再び軽い絶頂を味わう。

『大丈夫?』

タカトシは不安げな表情を見せる。

『んっ…ふぅ…はぁ…キス…して…』

私は再三の要求をする。
"チュッ"
そして、タカトシはそれに答えてくれる。

『このまま…んっ、ふ、あっ、動いて…んんッ!!』

タカトシは私の背中に回した手に力を込めて私を動かしていく。

『ちゅっ、んっ、ふあっ、あっ、…あっ!ん、ふっ!…ちゅっ…』

そんなタカトシに再度キスをして、さらには舌まで絡めながら私はそれを受け止めていく。

『あ、あっ!ん、は…はぁ、ん!あっ…んっ!ふっ、それ…良い!!っあ、ふ、ん、ああぁぁ…』

強く膣口を叩かれる度、私の身体は快感にうち震える。
601Y-275:2008/08/30(土) 13:49:26 ID:oaHwTYw/
『くッ、あっ、俺!!』

そうしているうちにタカトシは限界が近いのか声をあげる。
その直後、今までとは段違いの熱が私の膣内に広がっていく。

『ふあぁぁぁぁぁっ!!あ、…熱っ…んっ、ふ、あっ!!タカトシの…中、私の…んっ、…あっ!!』

その熱に溺れるように私はこの日最後の絶頂を迎えた。

………………………………

家に帰りPCのアイコンをクリックする。
かなり前に全員攻略したゲームが立ち上がる。
その画面の右下にあるおまけをクリックすると、画面はハーレムルートへと進んでいく。
攻略する過程のシナリオが良くてやっていたので、ハーレムルートは初見だ。
かなり強引な気もするが話は進んでいく。
なるほど、これはこれでありかもしれない。
今だから思えるのであろう事は自明の理だが…
ヒロイン一人一人を思いながら、全員を相手する主人公。
主人公の心の中には確かに全員が存在しているのだ。
誰ひとり漏れる事なく。

津田と関係を結ぶまではただ嫌っていた形。
ただ、今は少なくとも嫌ではない。
結局の所、私もハーレムルートのヒロインの一人になってしまった。
それでも、私が津田の…タカトシの心の中にいれるのであれば文句はない。
私の好きになった人はハーレムルートのフラグを立てる天才。
そんな奴が相手でも私はこの想いを貫けるだろう。
そんな事を思う私を夜とPCの駆動音が包み込んでいった。

まだ、続くぞ。
602Y-275:2008/08/30(土) 13:56:23 ID:oaHwTYw/
以上です。
タイトルは
『そんな生徒会役員の恋』
で。
自分でハードルを上げ過ぎたのかどんどん書くのが難しくなりつつあります…
エロ以外の物語的部分はいっそスルーしてください(苦笑)
もう最後はほぼ見えてしまいましたが、もう一度アリアを経由して終わらす予定です。最後までお付き合いいただければと思います。

郭氏、ボルト氏、乙&GJ!!です。お2人の新作ならびに続きを楽しみにしつつ、自分も精進しようと思います。
それでは駄文乱文失礼しました。
失礼致します。
603名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 16:08:52 ID:7JMibp6W
GJ
昼間っからなんというエロス


続きWktkしながらプリン食べてるぜ
604名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 17:00:10 ID:A4AJuepn
一気に数週間分くらいレスを読み返したぜ
賑やかになってきてなによりだと思った
郭夫妻、ボルト氏、Y-275氏に乙&GJ&敬礼!
605ボルト:2008/08/30(土) 23:19:14 ID:seRZnmML
郭氏,Y-275氏,GJ&乙です。
このお二方の後で,質の劣る文章ではありますが,タカトシ×畑さんのアフターストーリーが完成したので投下させていただきます。
スルー対象ワードは
「エロはフェラのみ」
「一部,オリジナル設定」
「畑さんがエロい」
です。では6レス程ですがどうぞ。
606ボルト:2008/08/30(土) 23:20:53 ID:seRZnmML
 タカトシと畑が,恋人同士となるきっかけになったあの日から,約半月が経った。
 ただ恋人同士になったとはいえ,どこかに遊びに行ったり,食事に行ったりという風に,付き合っているという訳ではなかった。
 放課後,時間と場所を見つけて濃厚なキスを楽しむという,ただそれだけだった。
 でも二人とも,そんな状態を心から楽しんでいた。
 そんなある日……
 
―――――――
 
「……んっ……ちゅ……ちゅうっ……ちゅちゅるっ……」
「……ちゅっ……ちゅばっ…ちゅっ……じゅるっ……じゅぱっ……」
 いつものように二人は抱き合い,愛し合いながら濃厚なキスを交わしていた。
 タカトシの左手は畑の胸を揉みほぐしている。
 以前,タカトシは畑にもっと深い関係を求めようとしたが,畑は今はまだ恥ずかしいとの事で,胸までならと許していた。
 一息つくために,お互い口を離した時,畑が,
「………ねぇ,タカトシ君?」
「何ですか先輩?」
「最近,真面目にキスしてくれてないんじゃない?」
「………え?何を言っているんですか?そんな事ないですよ」
「本当に?実は,私の他に誰か好きな子が出来たんじゃないの?」
「そんな事無いです!オレが好きなのは先輩だけです!」
「会長や七条さん,萩村さんの事が気になるんじゃないの?
 いつも生徒会で放課後,一緒にいるんだから」
「………確かに,生徒会に入った頃は会長や七条先輩は,性格はちょっと変わっているけど,いいなって思っていましたよ。
 だけど,今は畑先輩の事しか考えられません」
「それだったらいいけど。確かにキスばかりなのもマンネリ化して来た感じがするわね」
「まぁ……そうですね」
「………ねぇ,次のステップに進んでみない?」
「………次?………まさか,セックスの事ですか?」
「ううん。裸を見せるのは,まだ恥ずかしいの……」
「そうですか……,じゃあどうするんですか?」
「相変わらず鈍いわね。………私がお口でしてあげる」
607ボルト:2008/08/30(土) 23:22:30 ID:seRZnmML
「………『お口で』って,まさかその………フェラチオって事ですか?」
「………うん。タカトシ君と抱き合ってる時,その,当たってるの………アソコが」
「え?あの,その………気付いてたんですか?………恥ずかしいなぁ………」
「硬くしたままなのも辛いでしょ?………だからお口でしてあげる」
「でもいいんですか?急に無理しなくても……」
「………いいの。これは私が望んで言っているんだから。
 それにタカトシ君も,もっと気持ち良くなりたいでしょう?」
 そう言われると,タカトシに断る理由は一つも無かった。
「………じゃあよろしくお願いします」
「でも,学校だと人に見つかった時に,流石に言い訳出来ないわね」
 
 学校では無理と判断した二人は,どちらかの家でするというのを話し合った結果,
タカトシの家は両親もいるし,思春期な妹もいる。その点,畑の家は両親が共働きの為,夜まで家を空ける事が多かった。
 こうしてタカトシのフェラチオ初体験は,畑の家で行う事になった。
608ボルト:2008/08/30(土) 23:24:06 ID:seRZnmML
 
……………
 
「………お邪魔します。ここが先輩の部屋ですか,とても綺麗ですね」
 畑に招かれて,部屋の中に入るタカトシ。
「適当に座ってくれる?今,飲み物を持って来るから」
「ありがとうございます」
「お茶でいいわよね?……あ,タカトシ君に見てもらいたい物があるの」
 飲み物を持って来る畑。それから,畑の子供の頃の写真のアルバムを見せてもらう。
 そんな話も尽きて来た頃,畑が,
「………ねぇ,キスしよっか?」
「………そうですね」
 お互い顔を見合わせたまま,唇と唇がゆっくりと近付いていく。
「………んっ……ちゅっ……ちゅっ……」
「………ちゅっ……ちゅぱっ……ちゅっちゅっ……」
 まずは,いつものディープキスだ。
 2〜3分ぐらい経った頃,唇を離して畑が,タカトシの股間にそっと手を近付け,
「………こんなに大きくしちゃって………じゃあ……フェ,フェラチオしてあげましょうか?」
 少し顔を朱らめて言う。
「………はい」
 畑は,タカトシの股間を優しくさする。
「ちょっと触れただけなのに,すごい……脱がせていいかしら?」
 タカトシは頷く。
 畑はズボンを脱がすと,トランクス越しにタカトシのペニスが勃っているのが分かる。
「……すごい……もうこんなに……」
 トランクスもゆっくり脱がすと,畑の目の前に現れたタカトシのペニスに軽く驚く。
「……男の人の,お……,おちんちんって初めて直で見たわ……」
 畑は顔をペニスに近付けて,軽く匂いを嗅いでみる。
「…ん……んふっ………そんなに変な匂いはしないのね……」
「……まぁ,ちゃんと洗ってますから」
「じゃあ,触ってみるね?」
 畑は手を延ばして,タカトシのペニスを優しく握り,上下にゆっくりと擦っていった。
「………凄い………硬くてビクビクしてる……」
 タカトシはその動作に軽く身悶える。それに気付いた畑は,
「……!………ごめんね。痛かった?」
「いえ,驚いただけですから」
609ボルト:2008/08/30(土) 23:25:09 ID:seRZnmML
 再び,タカトシのペニスを,優しくゆっくりと扱く畑。
「……舐めていいかしら?」
 タカトシは無言で頷く。
 畑は舌を出して,竿の部分から裏筋をそっと舐め上げる。
「……れろっ…れろっ…れろっ……」
 タカトシは,生まれて初めての体験に,身を震わせる。
「………先輩……とても気持ちいいです……口にくわえてもらっていいですか?」
 今度は,亀頭を口の中に含み,舌を動かして亀頭の部分を舐め回す。
「………ん,あーん…………ちゅるっ…ちゅるっ………じゅるるっ……じゅぽじゅぽっ……」
 口をすぼめて,ペニスの半ばくらいまでくわえ,頭を前後に動かしながらしゃぶる。
「………じゅっぽ……じゅっ………ちゅるっ………ちゅるるっ………」
「……うっ……先輩の口の中、とても温かくて気持ちいいです………」 畑は,とても初めてとは思えない巧みな動きで,積極的なフェラチオをしている。
 たまに,ペニスを口に含んだまま亀頭を舌でなめ回す。
「……れろ……れろれろ………」
 口を離して亀頭を再び吸い付く。
「………ちゅぱっ……ちゅぱっ……ちゅっ………ちゅるっ……」
 手で扱きながら音を立て,亀頭に吸い付く。
「………ちゅるっ……じゅっ……じゅぱっ………じゅっぽじゅっ!……じゅじゅじゅじゅじゅ〜〜〜!!」
 上目遣いでタカトシを見ながら,
「……こっちも舐めてあげる」
 竿に左手をそっと添え,玉袋に舌を這わせたり,玉に吸い付いたりする。
「………ん……んちゅっ……んちゅっ……れろ……ちゅぱ………ちゅ〜〜〜っ」
 玉を口の中に含み,もごもごと吸い付き,玉を吸いながらカポッと音を出して口を離す。
 今度は竿のサイドを唇だけで甘噛みし,左右に唇をスライドさせ,そのまま亀頭を経由して,逆サイドへ同じように奉仕する。
「……ちゅる……ちゅっ……ん〜……ちゅぱっ……ちゅる……ちゅ……」
「……先輩,今度はもっと奥までくわえてくれませんか?」
 そう言われると,一旦,ペニスから口を離し,大きく口を開けてゆっくりと喉の奥までペニスを含み,ディープスロートをする。
「………あっ………ん……んんっ……ん……んんっ……んん〜〜〜!!……ゴホッ!…ゴホゴホッ!!
「先輩!大丈夫ですか?無理させてすみません」
「……ちょっと息が出来なくて,びっくりしたけど大丈夫よ。それに無理なんてしてないわ。タカトシ君が気持ち良くなってくれれば私は嬉しいの」
「……それにしても,何でこんなに上手いんですか?」
「インターネットでいろいろ調べたの。それで勉強したわ」
610ボルト:2008/08/30(土) 23:26:08 ID:seRZnmML
 畑は再びペニスに口を寄せて,
「……ぴちゃ……ちゅぱ……ちゅ……ろこはひもひいい?」
 亀頭を口に含みながら,そう言う。
「先輩がしてくれる事は,全部気持ちいいですよ」
「れんふひもひいいの?」
 再び,喉奥までペニスをくわえ,口から引くときに,音を立ててしゃぶる。
「…あ…んっ……んんっ……じゅずっ…じゅるっ……じゅじゅっ……じゅじゅじゅじゅじゅ〜〜〜!!」
 亀頭を舐め,今度は尿道の先を舌でつつく。
「……れろっ……れろっ……ちゅ……ちゅぱっ……んっ…んっ……」
 尿道の先を刺激され,タカトシは思わず腰を浮かしてしまう。
 畑はまた,両手でペニスを掴み音を立てながらしゃぶる。
「…んっ……ちゅるっ………ちゅるちゅる……じゅっ…じゅじゅっ……じゅっぽ……じゆっぽ……」
 口に淀(よだれ)を溜めて,その淀を垂らしながら亀頭をねっとりと舐め回す。
「……ん〜〜………れぇろ〜〜……むちゅっ…ぺちゃっ……むちゅっ……」
 裏筋にも舌を這わせる。
「………ちゆっ……ちゅぱっ…むちゅっ……ぺちゃっ……」
 ペニスを手で扱きながら,亀頭を口に含みしゃぶる。
「んっ……ちゅっ……じゅぱっ…ちゅぱ……じゅじゅっ………じゅるるるるっ…」
 手で扱きながら,おちょぼ口で舌を這わせながら音を立て,ペニスに吸い付く。
「……ちゅっ………れろっ……ちゆぱっ……ぺちゃっ……じゅじゅっ…じゅじゅっ……じゅじゅじゅじゅ〜〜〜!!」
 顔は動かさず,手で扱きながら唇と舌だけで刺激を与える。
「……ちゅぱぱぱっ!……じゅっぱ!……じゅっぱ!
「……先輩……気持ち良くて………イキそうです……出していいですか?」
 ペニスから一旦口を離して,手で扱きながら,畑は待ちに待った感じで,
「……うん!出してほしいの!いっぱい出して!」
 扱きながらペニスを半含みにしてしゃぶる。
「……じゅるっ!じゅるっ!じゅぱっ!じゅじゅっ!じゅるるっ!!!」
「もう我慢できないです!出しますよ先輩?」
「うん!出して!」
 ペニスを扱く動きを激しくしながら,舌で亀頭に最後の刺激を与える。
「……ちゅぱっ!ちゅぱっ!ちゅぱじゅぱっ!!じゅるるるっ〜〜!!!」
611ボルト:2008/08/30(土) 23:27:34 ID:seRZnmML
「もうダメです!イキます!!」
ビュッ!ビュクッ!ビュルルッ!
「………んっ!…んっ……んんっ!…んんっ!!」
 タカトシの解き放たれた精が,畑の口の中を満たしていく。
 口の中に出された畑は少し辛そうな表情していた。
「先輩,無理しなくていいですよ」
 そう言ってタカトシはティッシュを探すが、いかんせんここは他人の部屋だ。場所が解らない。
「……んっ…んんっ……こくっ……こくっ…こくんっ……」
 畑は口の中に出された精子をゆっくりと少しずつ飲み干していった。
「…んくっ……んんっ……こくっ……んくんっ……」
 タカトシの精を全てを飲み干し口を離すと,ペニスと唇の間に,精液の細い糸を引いた。
「……男の人の精子って変わった味なのね………」
「……先輩,無理して飲まなくても良かったのに……」
「……でも,男の人って飲んであげると嬉しいんでしょ……まだ汚れてるわね。綺麗にしてあげる」
 そう言うと畑は,タカトシの精子と淀で汚れているペニスに口付ける。
「……ちゅっ……ちゅっ…じゅるっ……じゅじゅるっ……じゅじゅじゅっ〜〜……じゅるるるっ〜〜〜……」
 イッたばかりのペニスに口付けて,尿道にまだ残っている精子を吸い上げる。
 さっきとは違う感覚にタカトシは身悶えする。
「……じゅじゅっ………じゅぽっ……じゅじゅるっ……ずじゅじゅ……じゅじゅ〜……じゅるじゅるっ………じゅじゅじゅ〜〜!!」 
「…先輩……そんなにされたらまた………また,イッたばかりなのに…………イ,イキそうです………」
「……じゅじゅじゅっ!……じゅるっ!……じゅぱっ!……じゅるるっ!!……じゅじゅ〜〜〜!!!
「……先輩!もう我慢できません!!イキます!!!」
 そう言って,タカトシは畑の頭を手で押さえ,腰を前後に激しく動かす。
「……ん!…んんっ!!………じゅぱっ!じゅぱっ!…ちゅりゅっ!……じゅるっ!!………じゅじゅじゅじゅっ〜〜!!!」
ビュクッ!!ビュルッ!!ビュクビュクッ!!!
「………ん〜〜〜!!……ん〜……ん〜〜……んくっ……んくっ……んぐっ……んぐっ………じゅっ……じゅじゅっ……じゅじゅじゅっ―――――――――」
 
……………
 
「……はい。綺麗になったわよ」
「……先輩,とても気持ち良かったです!」
「そう?頑張った甲斐があったわ」
 恥ずかしくも,嬉しそうに畑は答える。
 その色っぽい畑を見た,タカトシのペニスは,ムクムクと再び勃って来た。
「……あら,またこんなに硬くなって………何度でもしてあげるね………」
「……あ……ん………ちゅぱっ……ちゅるっ……ちゅっ……――――――」
 
 
 今はまだ決して,他人に知られる事が許されない関係。(アリアにはばれているが)
 だけど二人にとってそんな障害がもっと心を強く結び付けるだろう。
 
FIN.
612ボルト:2008/08/30(土) 23:39:12 ID:seRZnmML
以上が,タカトシ×畑さんのアフターストーリー
『NEXT STEP』でした。
9時過ぎに投下する予定でしたが,映画に見入ってた為この時間になりました。
一応,これで畑さんとの話は完結です。連載次第では別の話が書ければいいかなと思います。
次回作は少し間をおいて,スズかムツミの話を投下しようかなと言う事で。
(2週に1回,投下出来るのが理想ですが)
皆さんのGJ&乙を糧にして頑張ります。<(__)>
 
………
 
あと,生徒会一本でいくと言いましたが,妹や濱中キャラがちょろっとゲスト出演する事は有り得ると言う事で。
613名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:30:32 ID:Q8MOCnDT
乙〜

振り替えれば八月はボルト氏とY-275氏のスパートがあったり
郭氏をはじめベテラン陣の当番があったりとなかなか加速した月だったな
614ボルト:2008/08/31(日) 01:39:41 ID:C8qk7cJs
今さっき,スズかムツミのどっちかでと言う事でしたが,決めました!
ムツミの話にします。
次の話は自分の趣味的でマニアック的な話になってしまいますが,よろしいでしょうか?
とりあえず,スルー対象ワードを先に発表します。
「タカトシ×ムツミ」
「エロ無し」
「某人気プロレス団体」
「ボーリング場」
「桜才学園の舞台が今回関東?ではない」
以上です。
分かる人は自分(=ボルト)の住んでいる場所が分かります。
嫌だと言う方は遠慮なくおっしゃって下さい。
615名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 15:38:13 ID:z/JKlPhn
連発GJ!ところで。
最近きずいたけどこっちに投下せずに新保管庫だけに投下してる職人さんがいるよな?
文体が過去の職人さんの誰かに似てるんだが分からん。(あえて探すとサブロー氏に似てるような。)
多分シャイな人だと思うんだが、エロ無しながら非常に完成度が高くて、
無粋とはおもうが知らない住人がいたらもったいないので一応知らせておきたい
616名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 18:52:25 ID:Htn+7/fe
>>615
kwsk!
知らなかった…神が他にも
617名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 01:26:34 ID:zP1IzmDK
新しいタイプの投下方法だ

しかし、保管所とここを見るに郭氏らベテラン陣からY-275氏ら若手まで間の職人がぽっかり抜けてしまっているな
618名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 17:04:19 ID:JqltqrIl
郭氏、ペピトーン氏、ピンキリ氏は初代かその次スレからずっと継続してるんだよな
郭氏は中〜長編でシリアス風味、ペピトーン氏は小ネタ中心、ピンキリ氏は短〜中編でギャグ系と
まるで先発・中継ぎ・抑えのように役割が分かれているのがおもしろいなw
619名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 21:02:46 ID:9dHOiwLx
郭氏は不動のエース、ぺピトーン氏は変則投法のワンポイント、
ピンキリ氏は連投のきくロングリリーフといったところか。あくまでも自分のイメージだけど。
620518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:53:51 ID:avUayJYv
このお話はマガジンスペシャル時代の設定と、呼んでくださる皆様の優しさによって支えられています。
そのことを了承の上でご覧ください。
なお、全裸でのは書見は大変危険です。絶対に止めてください。
まして音読なんてしないでください。精読もNGです。
621518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:54:49 ID:avUayJYv
衝撃的だった。
いやもう、これ以上もなく衝撃的だった。
あまりの衝撃に椅子から転げ落ちたほどだ。
「か、会長?」
「おま……お前が…そんなやつだったとは……見損なったぞ……」
搾り出されるような言葉も衝撃的だった。
頬をはたかれた衝撃以上に。
そしてそして、それ以上に。
「……帰る」
そう言って生徒会室から出ていく彼女の頬を流れ落ちる涙の存在こそが。
タカトシにとって最大の衝撃だった。
「俺が……泣かせたのか?」
呆然と、そうつぶやくことしか出来なかった。




「遅くなっちゃったね。シノちゃんも津田君も待ってるだろうなぁ」
「仕方ないですよ」
職員室まで会議の資料を受け取りに言っていったアリアとスズ。
某ズボラ教師のせいでだいぶ時間が掛かってしまい、今は両手にファイルを持って生徒会室に戻るその途中。
「あれ? シノちゃん?」
前方から走ってきた人影にアリアが不思議そうな声を上げる。
「どうしたの? 待ちくた――」
言葉を飲みこむ。
「シ、シノちゃん……?」
「会長! ど、どうしたんですか!? 何で泣いてるんですか!!?」
シノの異常に気づき、二人とも驚いて声をかける。
「どうしたのシノちゃん? おなか痛い?」
「おなか痛いって七条先輩……会長は子供じゃないんですから」
「そ、そうだったわね」
典型的なパニックに陥っていたアリアにちびっ子天才の鋭いツッコミ。
「会長、ユーロが暴落でもしましたか? それとも中国株?」
「スズちゃん、それも違うと思う」
おおっと、天才もパニックだったようだ。所詮はちびっ子か。
そんな二人の様子にシノは首を振る。
「すまない、心配掛けて。でも何でもないんだ。気にしないでくれ」
「でも……シノちゃん泣いてるじゃない」
「ホントに何でもないんだ。ただ……今日はちょっと会議には出れそうもない」
「あ、待ってる間に津田君に何かへんなことされたとか? や〜ん、津田君のえっち〜♪」
場を和ませるつもりで言ったアリアの一言が、場を崩壊させる。
シノが傍目にもわかるほどビクッと身体を震わせ、
止まりかけていた涙がぼろぼろと流れ出す。
「シ、シノちゃ――」
「すまない」
搾り出すようにそうとだけ言ってシノは走り去ってしまった。
その後を追うことも出来ず、取り残されてしまったアリアとスズの二人。
「あ・い・つ・は〜!!」
先に立ち直ったのはスズだった。
ファイルを投げ捨ててダッと走り出す。
「あ、スズちゃん待って!」
アリアはファイルを拾い、スズの後を追う。
622518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:55:57 ID:avUayJYv





「津田ぁ!!」
「だからスズちゃん落ち着いて」
走り出したのはスズのほうが早かったが元々の運動神経…というよりも体格に差がありすぎる。
生徒会室につく頃にはアリアはシノに追いついていた。
「あんた会長に何をしたのよ!!……って、ちょ、ちょっと」
「つ、津田君?」
床に座りこみ、虚ろな目で空を見つめるタカトシの異様な姿をみて、
「どうしたのよ津田!?」
”何をした”から”どうした”へと質問がシフトチェンジした。
「津田君? ねえ津田君ってば」
アリアがゆさゆさと体を揺するとようやくこちらの存在に気づいたようで。
「……ああ、七条先輩、萩村先輩。遅かったですね」
虚ろな目こそ治ったものの、心ここにあらずといった表情。
アリアとスズは顔を見合わせる。
「えっと、津田君」
「はい? 何ですか?」
「さっきさ、廊下でシノちゃんと会ったんだけど」
タカトシは傍目にもわかるほどビクッと身体を震わせる。
それは先ほどのシノを彷彿とさせる動きだった。
「……やっぱりシノちゃんとなにかあったんだ?」
「……」
無言で頷く。
「なにがあったの?」
「……わかりません」
「わかりませんってあんた……会長泣いてたのよ?」
「ホントにわかんないんです。普通に世間話してて、そしたらいきなり会長が怒り出して。
俺わけわかんなくて。何とか宥めようとしたらさらに怒り出して、叩かれて、それで……」
「シノちゃんが泣き出しちゃった?」
「……はい」
苦しげな表情でタカトシは頷く。
「そっか」
「何でそんなことになったのよ?」
「だからわかんないですよ!」
ため息をつきながら呆れたような口調のスズの言葉に珍しくタカトシの言葉も荒くなった。
スズをたじろがせる程度に。
そんなスズの様子を見てタカトシは「すいません」と謝罪の言葉を口にする。
「とにかく」
重くなった空気を振り払おうとしたのは、年長者であるアリア。
「今日のところは解散にしましょ。ね? 津田君、今日は帰ろ」
アリアの言葉に促され、タカトシはのろのろと立ち上がり、
「お先に失礼します」
そうとだけ言って生徒会室から出ていった。
「……なにがあったんでしょう?」
「さあ? でも、私シノちゃんが本気で泣くところなんてはじめて見た」
「やっぱり津田が何かしたんですかね?」
「スズちゃんは津田君が何かしたんだと思う?」
623518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:56:58 ID:avUayJYv
「それは……」
スズが言い淀んでいると、アリアはにっこりと微笑む。
「私は思わないな。だって津田君だもの」
「……」
「津田君がシノちゃんのこと傷つけるようなこと言うわけないもの」
「……そうですね」
降参だと言うかのように苦笑してスズもアリアの言葉に同意する。
「頭もよくないし、時間にもルーズですけど。人を泣かせるようなこと言うとは思えませんからね、津田は」
「うん。きっとなにか誤解があるんだと思うの。大丈夫。
明日までには私が何とかしておくから心配しないで」
「別に心配なんかしてませんよ」
「あらそうなの?」
「ええ」
そう言った後、照れたようにスズは小さな声でぽつりと言った。
「みんなのこと、信頼してますから」




開けて翌日の放課後。
「ちょっと七条先輩」
生徒会室にいるのはアリア、スズ、そしてシノの三人。
イスに座るシノから離れた場所にスズはアリアを引っ張ってきていた。
「会長今日も顔色よくないじゃないですか」
シノに聞こえないようにひそひそと小声で話しかける。
「ご、ごめん。昨日電話したんだけど、はぐらかされちゃって……」
「ダメダメじゃないですか」
「ホントにごめんね。だから、ここはひとつIQ180のスズちゃんの頭脳で何とかしてくれない?」
「そんな……」
無茶をおっしゃる書記のおねえ様。
「こら。二人とも何をヒソヒソ話をしてるんだ」
不意にシノに話しかけられて二人、ビクッと身体を震わせる。
「う、うんちょっとね……あはは」
「今日は昨日出来なかった仕事も処理しないといけないんだからな。
二人ともしゃんとしろ。まったく……生徒会役員としての自覚を持て二人とも」
厳しい言葉は、八つ当たりだろうか?
それでも二人は素直に謝罪し、席についてそれぞれの仕事をこなす。
「そーいえば、津田はまだなのか?」
シノの言葉に再びビクッと身体を震わせる。
「ま、まだだねぇ〜。掃除当番かなにかじゃないかな? ねえスズちゃん?」
「ふぇ? あ、そ、そうですね」
「だったら連絡の一つもあっていいだろうにまったく……だから津田は……」
タカトシに対する愚痴を零すシノ。
その表情はなんとも形容しがたいもので、アリアもスズもなにも言うことが出来ない。
と、
「すいません、遅れました」
件の津田タカトシがやってきた。
瞬間。
シノの表情が変わる。
「遅いぞ津田!!」
激しい怒声。
それはスズも、長い付き合いのアリアでさえも聞いたことのないほどのもの。
624518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:57:46 ID:avUayJYv
「す、すいません。俺掃除当番で――」
「だったら連絡をいれるべきだろうが!」
タカトシの言い訳を遮るシノの声。
「だいたいおまえは――」
「シノちゃん」
なおも言い募ろうとするシノにストップを掛けたのはアリア。
「その辺にしておいたら? 津田君だって悪気があって遅れたわけじゃないんだし。
クラスに生徒会役員がいるならともかく、そうじゃないと連絡を取るのも一苦労でしょ?」
「そうは言うがな、アリア。そもそも津田は生徒会役員としての自覚が足りないとは思わないか?
朝の活動では遅れてくるし、規則を破って携帯電話を持ちこむ。
そんなことで副会長の役職が勤まると思ってるのか津田!」
「……すいません」
「謝るくらいなら行動に移せ! いっそ罷免して――」
「シノちゃん!!」
何時にない、アリアの大きな声に今度はシノが口をつぐむ。
「な、なんだアリア、急に大きな声を出して」
「いくらなんでも言いすぎよ」
「っ!……」
シノは俯きぐっと唇を噛み、
「……すまん」
タカトシにそう言って、カバンを手に取って、
「……気分が悪いから帰る」
生徒会室から出ていった。
「ごめんね、津田君」
「いえ、どんな理由であれ会長のこと泣かせたのは俺ですから」
そう言って大きくため息を付くタカトシの目の下には隈が見て取れる。
「大丈夫?」
「ひどい隈だけど、昨日ちゃんと寝れたの?」
スズも心配げに話しかける。
「……いえ、あまり」
「そう……今日はもう帰っていいよ。シノちゃんも帰っちゃったし、私たちだけで何とかするから」
「……すいません」
深深と頭を下げてタカトシも生徒会室から出ていく。
残ったのはアリアとスズの二人。
二人は顔を見合わせ、
「「は〜……」」
大きなため息をついた。
「シノちゃんも重症だけど津田君も……」
「大分参ってますね」
「まあ無理もないけどね。自分が何か悪いことしちゃったって事はわかるけど、
その原因がわからないのって……結構精神的に来るのよね」
「そうですね」
「どうしたものかなぁ……」
「どうしましょうねぇ……」
二人うんうんと頭を悩ませる。
と、ガラガラっと生徒会室の戸が開けられる。
「よ〜、やってるか〜?」
「あ、横島先生」
生徒会顧問のティーチャー横島だった。
625518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 11:59:15 ID:avUayJYv
「おりょ? 天草とあの新入りはどうした?」
「え〜っと……」
「ちょっとわけありで」
ホントのことをいうことも出来ずにアリアとスズが言葉を濁していると、
「あ〜なるほど」
得心いったという様子の横島先生。
「やっぱこじれたか。んじゃ会議もないみたいだし、私帰るからあとよろ――」
帰ろうとした彼女の肩をがっしと力強く握る手が二本。
「先生。今な〜んか聞き捨てならないことを言いませんでしたか?」
「たしか”やっぱこじれたか”みたいなことを?」
「恐い恐い、あんたら恐いって。いや、まじでまじで」
肩を握り締めるアリアとスズの様子にだいぶ引く。
「ちょ、肩! もげる! もげるから! 力抜いて!」
「「だったら知ってること全部話してくださいね」」
「わかったから! もげるから!!」
半泣きの横島先生の口から話された内容は。
なんとも間抜けな話であり、また……なんともかわいらしい話でもあった。




「はあ……」
ため息をつきながら岐路についていたタカトシ。
この一両日の出来事はタカトシの精神をだいぶ削っていた。
がりがりと。ごりごりと。めがっさめがっさと。
相手を泣かせてしまったのだから自分に非があるのだろう。
じゃあ、どこに非がある?
それがわからないのが辛い。
間違いがわからないことほど辛いことは無い。
だって直しようが無いじゃん?
対策の立てようが無いじゃん?
以上のことからタカトシの頭にに浮かぶのは、浮かんでしまうのは一つの結論。
”俺は悪く無い”
んなこたぁない。
泣かした以上タカトシに責任があるのだが……だが、だが。
「はぁ〜……」
もう一生分ついただろうため息がまた零れる。
と。
音も無く、黒塗りのリムジンがタカトシに近づいたかと思った瞬間、
「うわっ!!?」
後部座席のドアが開き、タカトシを車の中に引き入れるとすぐにリムジンは急発進をした……。
のならカッコよかった(不謹慎)のだろうが。
「このっ!!」
タカトシが暴れたために車中に引き込むのに失敗。
のみならず逆にタカトシに車外へ引きずり出されそうになる。
「ちょ! ごめんごめん! ゴメンナサイ津田君! だからやめて〜」
「は?……って七条先輩??」
そう。
タカトシを車に引っ張り込もうとしていたのはアリアだった。
「……なにしてんすかいったい?」
呆れかえった様子で車から半ば身体を引きずり出された格好になっているアリアを見る。
626518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:00:18 ID:avUayJYv
「えっと……答える前に一つだけお願いしていいかな?」
「はい?」
「あの……津田君の、手が……」
「??」
言われて自分の手を見る。
片手はアリアの手をつかみ、もう片方の手は……胸をつかんでいた。
「うお!?」
意識すればそのけしからん柔らかさが脳へとフィードバック。
流石にこれには焦ったタカトシ。
きらりとアリアの目が光る。
「スズちゃん!」
「はいはい……よいしょ、と」
「へ? あ、ちょ!」
奥から出てきたスズと、アリアの二人掛りで今度こそタカトシは車内へ。
そしてリムジンは急発進をした……。




さて、タカトシの引っ張り込まれた車はリムジン。
誰のものかなんてことは考えるまでも無いから考えない。
七条家ってすごいんだと再認識しただけだ。
後部座席は広々とした対面式。
一方の側にはタカトシを引っ張りこんだアリアとスズ。
そしてもう一方には……シノの姿。
「会長……」
「……ふん」
シノはプイッとタカトシから目をそらす。
まだ御立腹のようだ。
そんなシノ様子にタカトシはどうしたものかと考え、意を決して話しかけようとした。
「――あの」
「待って津田君」
しかしアリアに止められた。
「まず私に話をさせて」
そう言ってシノの隣へと席を移し、開いた席に座るようタカトシを促す。
タカトシが座ったのを確認し、アリアはシノに話しかける。
「ねえシノちゃん、今からちょうど2週間前のこと、話してくれないかな?」
「2週間前?」
「そう。その日はシノちゃんにとってすっごく大事な日のはずだよね?」
アリアの言葉にシノは顔を赤くする。
怒り半分。
そして……照れが半分。
その両方がタカトシへと向けられている。
タカトシはわけがわからない。
「ね、話して。シノちゃん」
促され、シノはゆっくりと口を開いた。
627518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:01:26 ID:avUayJYv
「そう。あれは今からちょうど2週間前の話だ」




〜〜シノさんの証言〜〜
あれは、今からちょうど2週間前の話だ。
その当時私はあることに頭を悩ませていた。
ん?何に悩まされていたのかだと?
それは……その……うむ。
その、恋愛に関してのことだ。
知っての通り我が校は「校内恋愛」が禁止されている。
その「校内恋愛」の定義というか、適用範囲がどの程度のものかとある女性徒に聞かれたんだ。
同じ学校の生徒と付き合うことがダメなのか、それとも校内でいちゃつかなければいいのか、とな。
彼女はすごく真剣な目をしていて、正直、私はすぐに答えられなかった。
しかしその時津田の言葉を思い出して言ったんだ。
場所をわきまえた付き合い方なら構わないんじゃないか、と。
そうしたら彼女はすごく嬉しそうな顔をして、じゃあ彼と付き合ってもいいんだ……と、大喜びしたんだ。
そのときの彼女の顔を見て思ったんだ。
恋愛とは、そんなにもいいものなのだろうか、とな。
それで、だな。
……うむ、生徒会長たるもの広い見識を有するべきであり、さまざまなことも経験もしておくべきだろうと思う。
それで……恋愛についても同じことが言えると考えたんだ。
だが私には今まで恋愛体験など無くならばこれから知り、体験するしかないわけでだな。
その……だから津田に思いきって言ったんだ。
「津田、私と付き合え」
とな。
そうしたら津田も
「喜んで」
と、それを了承した。
それが今からちょうど2週間前のことだ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「なのに、津田は……昨日……昨日……」
「うん、よくわかった。わかったらすこし落ち着いて、ね?」
感情が高ぶってきたのか、プルプル震えるシノをアリアが落ち着かせる。
「えっと、津田君」
唖然としていたタカトシに話しかける。
「津田君もシノちゃんの言ってる日のこと、2週間前のこと話してくれるかな」
628518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:02:29 ID:avUayJYv
「……あの日のことはよく覚えてます」




〜〜タカトシの証言〜〜
その日は生徒会室に行くと会長と横島先生の二人だけでした。
会長はなにか考え込んでる様子で、今日の活動のことを聞いても「ああ」って生返事が返ってくるだけでした。
そしたら横島先生に手招きされて雑誌見せられました。
雑誌の内容ですか?いや、別にエロ本とかじゃなくて地元の情報誌ですよ。
ほら、最近おっきなショッピングモールが出来たじゃないですか?
それの特集組んでた本ですよ。
横島先生はそこにもう行ったらしくて……まあ要するに喋りたかったんですね、あれは。
ここは服が安くていいもの売ってたとか、ここの店員はイケメンだったとか。
どっちかっていったら女子向けの話ですけど、まあおとなしく聞いてました。
妹に教えてもいいかなって思ったんで。
特にこの地区初出店のクレープ屋が絶品だったって、流暢に語るから俺も食べたくなっちゃいましたよ。
そうしたら会長がいきなり立ちあがって叫んだんです。
「津田、私と付き合え」
って。
だから会長もクレープ食べたくなったんだなぁって思って。
「喜んで」
って言ったんです。
それが今からちょうど2週間前のことです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「……」
「……」
「……」
「……」
沈黙が支配し、エンジン音のみが場を支配する。
最初に口を開いたのはアリア。
「これが真実よ、シノちゃん」
「そんな……」
「いやもうなんて言うか……奇跡ですよ、これ」
「うん。そうね。まったくそのとおりね」
呆れたようなスズの意見にアリアも激しく同意。
「何で2週間も気づかないかなぁ、二人とも」
「いや、しかしだな……」
シノはちらりとタカトシを見る。
「放課後にタカトシを誘うとちゃんとエスコートしてくれたから」
アリアとスズの目もタカトシへと向く。
「えっと、俺はてっきり横島先生の喋ってたとこに行きたいんだろうなって思って案内してたんで」
「クレープも、シュークリームも、アイスも奢ってくれて一緒に食べたじゃないか。
ああいうのは……つ、付き合ってる男女がするものじゃないのか?」
「いや、妹によく奢らされるんでその延長で考えてました」
629518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:03:23 ID:avUayJYv
タカトシの言葉にシノは絶句する。
「よーするに、シノちゃんは彼氏彼女の関係だと思ってて、津田君は会長と副会長の関係だと思ってた。
ところが昨日その認識の違いが表面化して話がこじれた、と。こんなところかな?」
「うん……昨日私が一緒に帰ろうと誘ったら津田が無理だって言うんだ。
しかもその理由が友達と遊ぶからだって言うから……」
「なるほど……彼女を放っておくとは何事だ、と……」
ふぅとアリアは大きく息をつく。
シノは居心地悪そうに
「わ、私は悪く無いぞ」
言った言葉にスズが、
「会長が悪いと思う人挙手」
すぐさま三本の手が天を衝く。
アリア、スズ、そして……笑いを堪えた様子の運転手の三人。
「う……」
その結果にシノは不利を悟ってうめく。
「津田はどう――」
話を振ったスズへとタカトシが倒れこんでくる。
「つ、津田!?」
「……あ、すいません……なんか……気が抜けちゃって」
昨日一睡もしていないタカトシ、フラフラと体を起こそうとして、パタン、と力無くまたスズの膝へと倒れこむ。
その様子を見ていたアリアの頭にピコンッと電球がともる。
「シノちゃん」
つんつんとシノをつつき、スズを指差し、シノを指差す。
「む……」
それだけで言いたいことを悟ったシノは顔を赤くするが、
「萩村」
「はい?」
「場所を代わってくれ」
それだけでシノのしたいことを理解するあたり流石天才と言うべきか。
「わかりました」
タカトシの頭を支えつつ場所を入れ替わる。
シノは自分の膝の上にタカトシの頭をそっと置く。
「会長?」
「……お詫びのつもりだ。存分に使ってくれ」
「いや、でも……」
「しばらくその辺を流してるから、ゆっくりしてて」
言いたいことを悟り、アリアが先手を打つ。
「わかりました」
「うん。あ、それとシノちゃん」
「ん、なんだ?」
「私とスズちゃん、10分ほどうとうとしてるから。運転手さん……は、うとうとしちゃまずいから。えっと……」
アリアが言い淀んでいるとスピーカーからクラシックが流れてくる。
「……うん、そう。音楽と運転に夢中になってるから、ね?」
あとはわかるよね?と言いたげにウインクをする。
「じゃおやすみ〜」
「……おやすみなさい」
やれやれと言った様子でスズも目を閉じる。
630518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:03:53 ID:avUayJYv
二人の様子にシノも意を決める。
「なあ、津田」
「……なんですか」
声はどこか夢見ごこち。
「私と、付き合え」
2週間前と同じ言葉。
「……喜んで」
こちらも同じ言葉。
だが、一言付け足される。
「シノ」
と。



END and START

631518 ◆8/MtyDeTiY :2008/09/02(火) 12:08:58 ID:avUayJYv
終了。誤字脱字表現違いナカム〜ラからのパスは華麗にスルーしてください。
ただ各人の喋り方とか雰囲気に違和感が合ったら指摘をお願いします。
なにせまだキャラがつかみきれてないんで今後の参考にします。
632ボルト:2008/09/02(火) 12:18:30 ID:gMv4xhG+
518氏,乙&GJです!!
こんないい作品出されたら,自分の今作成中なのが,出しづらくなりそうです。
633Y-275:2008/09/02(火) 12:46:00 ID:Ozy9icWR
やべえ、書いてる最中の息抜きに覗きに来てみれば…

518氏、本当に本当に本当にGJ!!!!!!です。
読んでてマジで引き込まれました。ちょい感動です。
634ボルト:2008/09/02(火) 14:11:45 ID:gMv4xhG+
 Y-275氏,初めましてボルトと申します。
 今,このスレを御覧になられたということで,一つご相談がありますので,書かせていただきます。
 相談の内容というのは,今,私は新作をタカトシ×ムツミで作成中なのですが,よく見直してみると,話の筋が,
「ムツミがタカトシを誘う→遊びに行く→帰り際に告白」
という,Y-275氏の『ポニテシンドローム』と,あってはならないもろ被りだという事に気付きました。
 ただ,作品を消すというのも勿体ないので,ここでご相談です。
 Y-275氏の許しが頂けるのであれば,完成して投下しても宜しいでしょうか?
 もし,ダメな場合はお蔵入りにします。
 ご多忙中で在られると思いますが,ご返事頂けたら幸いです。
635名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:21:15 ID:Zn7LlSpS
おお518氏、乙カレイそしてGJヒラメ
氏も郭氏と並ぶベテランですなあ、壮健なによりです

しかし贅沢な月末&月初めだ
636名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 17:16:20 ID:o3uOPRCR
518氏GJ!氏のSSは流れるような軽妙さがいつも素晴らしいです
書き手ごとの表現の特徴がそれぞれ微妙に違うのもこのスレの味だと思います

>>631-634
スレの未来は貴兄らヤングパワー(死語?)にもかかってますぜ
応援するので頑張れ!
637Y-275:2008/09/02(火) 22:33:37 ID:Ozy9icWR
>>634ボルト氏
お疲れ様です。
モロ被りなんて気にしないでください。
自分、ムツミ大好きですしw
氏のSS期待してます。
638ボルト:2008/09/02(火) 22:50:41 ID:gMv4xhG+
>>637
Y-275氏,ありがとうございます。
これで,心置きなく作成に励む事が出来ます。
前に予告した通り,プロレスネタ(実際の団体名は迷惑になるので直接は書けませんが)が多数あるので,
分からない人には分かりずらいのですが,
精一杯タカトシ×ムツミの話を書けるように,
Y-275氏,またこのスレを御覧の皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります。目標は,今週末までに投下する予定です。

639名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:58:17 ID:7dZD+nL0
マサヒコって男キャラじゃ一番美形じゃね?チビだけど
640名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:51:04 ID:VpoGzfVn
個人的にはタカトシを推したい。
641名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:37:22 ID:pLidl4eW
他愛もないがFEやってたらこんな電波受信した
アイ=ロード
マサヒコ=剣士
ミサキ=プリースト
リンコ=魔道士
アヤナ=ペガサスナイト
リョーコ=アサシン
セイジ=ソシアルナイト
642名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 02:52:34 ID:U7I40I2L
>>641
個人的にマサヒコはシグルドに似ている気がする
643名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:27:53 ID:nSbaRVhX
せっかくなので五十嵐カエデで小ネタを書いてみました。
プロローグ的な内容なのであまり面白くないですが…
タイトルは「彼女は風紀委員長」で。
644名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:29:31 ID:nSbaRVhX
「さて、今日の会議は五十嵐の事だが…」
「五十嵐先輩ですか?」
 風紀委員長の名を出すシノの話にタカトシが答える。
「今後我が生徒会は彼女とのやりとりは津田、君を介して行おうと思う」
「へ?」
 意味が分からずタカトシは呆気にとられる。
「でもシノちゃん、五十嵐さんは極度の男性恐怖症なんじゃ…」
「そうですよ。津田が相手じゃ会話すらままならないと思いますけど」
 アリアの言う通り、五十嵐カエデは極度の男性恐怖症である。タカトシが応対しようとしても逃げてしまうし、
応対できたとしても目をあわすこともできず、会話もガチガチに緊張してしまう有様である。
 アリアもスズもシノの真意が分からず疑問を呈している。
「これは重要事項だからな。すまないが五十嵐を呼び出してくれないか」

「ちょ、ちょっと、それどういう事なんですか!?」
 話を聞いたカエデはかなり動揺して問いただした。
「どうもこうも無い。男子に慣れてもらう為だ」
 淡々とシノが答えた。
「今はまだ男子生徒は28人と少ない。慣れるなら今のうちだ」
「ど、どうしてそんな事をしなくちゃいけないんですか?!」
「共学になったのに男子が苦手なままでは困るだろう?だからだ」
「そ、そんなの大きなお世話です!!」
「だがそうはいかない。現に風紀委員長としての務めに支障をきたしているではないか」
「うっ…!!」
 シノの言う通り、スズの報告によれば風紀委員長の務めである筈の見回りは
「男子が居るから」という理由で1年の教室の辺りへはほとんど行ってないという。
645名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:33:13 ID:nSbaRVhX
「臆するな。何も四六時中津田と一緒に居ろと言っている訳ではない。五十嵐が生徒会に用がある時は津田に相手をさせる。
 こちらが五十嵐に用がある時は津田を向かわせる。それだけだ」
「し、しかし…」
「それが嫌なら他の誰かに風紀委員長を代わってもらう事も検討しなければならない。
 共学化に向かう桜才学園の風紀にかかわる問題だからな」
 共学化されたばかりの桜才学園は男女比が28:524の、いわばハーレム状態である。
風紀委員長が男子をまともに取り締まれないとあっては、男子が問題の温床になりかねないことを
危惧するのも無理らしからぬ所だろう。
「うう…わ、わかりました…」
 優等生であり、風紀の乱れを許せない性格のカエデからすれば風紀委員長の任を解かれるのは
耐え難いのだろう。力無くカエデは返答した。

「はぁ…女子高だったからこの学校に入学したのに何故共学に…」
 生徒会室を後にしたカエデはため息をつきながら呟いた。極力男子生徒を避けてきたカエデだったが、
これで多少なりともタカトシと接さざるを得なくなってしまった。そう考えて重い気分になっていたその時、
「五十嵐せんぱーい!」
「はぅ!?」
 いきなり当のタカトシから呼び止められてしまった。
「つ、つつつつツツツ津田君?!」
646名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:34:13 ID:nSbaRVhX
「いや、さっきまで一緒に居たのにそんなに驚かんでも」
 本当に苦手なんだなと、少し呆れてツッコミを入れるタカトシ。
「な、なな何?何か、よ、用?」
 緊張で言葉が噛み噛みなだけでなく、今にも逃げ出しそうな及び腰である。
「明日の朝校門で生徒の服装チェックを行うから風紀委員長の五十嵐先輩も一緒にと、会長が」
「あ、ああ、そ、そう。わ、分かったわ」
 何とか返答をするカエデ。
「あの…五十嵐先輩、大丈夫ですか?」
 どう見ても大丈夫に見えないカエデを心配してタカトシは言う。
「あまり無理しないでください。どうしてもダメなら会長と話し合ってみますから」
 そう言ってタカトシは生徒会室へと戻って行った。

「…はぁ〜…」
 タカトシが去って、とりあえず一安心するカエデ。 
 しかしまだまだ始まったばかりなのである。

 
 -続く?-
647名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:35:53 ID:nSbaRVhX
これで以上です。お粗末さまでした。
これが恋愛へと発展するか、あるいは受難へと発展するかは
皆さんの妄想しだいでございます。
ありがとうございました。
648名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 07:21:43 ID:Hu+9ce9u
んーまた新しい人か!?
乙カエデ

少年週刊誌に連載あるとやはり人がやって(戻って)くるなあ…
649名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 07:27:48 ID:pLidl4eW
戻ってきてほしい職人いる?
俺はそら氏
650ボルト:2008/09/03(水) 12:42:14 ID:Mqpd77Va
皆さん,こんにちは。
当初の予定では週末に投下する予定でしたが,
あまりにも筆が進んだので,完成しちゃいました。
あとは確認のみになったので,夕方以降に投下してよろしいでしょうか?
651名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 13:15:44 ID:zj4KK/+Y
あ、も、ぜんぜんおっけーおっけー
652名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 16:24:14 ID:y74fSREr
>>650
祭りなどで順番整理せにゃならん時以外は投下時間の確認はナシでオッケーすよ、このスレ
最バブル期は秒単位で複数の職人が投下しはじめるなんて混雑も起こったことは確かにあったけど
653名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:50:37 ID:P1c0VSV5
>>652
あれは奇跡としか思えんやったなw
普通のレスで時間がかぶるなら普通にあるんだろうけど同時にssガ来るなんてあれしか見たこと無い
654ボルト:2008/09/03(水) 19:57:22 ID:Mqpd77Va
じゃあ,完成したので投下しますね。
今回ははっきり言って,自己満足的なSSになった気がしますが,
嫌だという方はどうぞスルーの方向で。
 
スルー対象ワードは
「タカトシ×ムツミ」
「プロレスネタ+実話ネタ多数」
「舞台が東京じゃないよ,福岡だよ」
ですので,最後まで読んでいただけたら幸いです。
 投下〜〜〜
655ボルト:2008/09/03(水) 20:01:33 ID:Mqpd77Va
すみません。改行が多すぎてエラーが出ました。
少し,分割し直すので20分ほど待ってください。
あと,今回はタカトシ目線での話です。
656ボルト:2008/09/03(水) 20:11:54 ID:Mqpd77Va
改めて投下〜〜
657ボルト:2008/09/03(水) 20:12:45 ID:Mqpd77Va
 夏休みもお盆が過ぎて,2学期まであと1週間となった今日,オレは生徒会の仕事の為に,学校へやって来た。
 グランドでは,陸上部の生徒が汗水を垂らして必死に練習をしている。そういえば,もうすぐ記録会だったか。
 オレも野球やサッカーを小・中学校の時にやっていたが,ここでは男子の運動部はまだ出来ていないので,部活はやっていない。
 まあ,生徒会があるので,そんな事をする暇もないのだか。
 
 
………………
 
 
 仕事も午前中にカタがつき,他の3人もそれぞれ家路に着いた。オレも帰る準備を終えて,生徒会室の鍵を閉めようとした時,一人の女子生徒に声をかけられた。
 
「……おーい!タカトシ君じゃない!今日も生徒会の仕事だったの?」
 
 そう言って声をかけたのは,オレと同じクラスの三葉ムツミだった。
 
「そうだよ。二学期ももうすぐだし,行事も沢山あるからさ,『早目に準備をして,余裕をもって迎えないといけない』って会長が言っているんだ。………三葉も部活だったのか?」
「うん。大会も近いから,毎日練習の連続だよ!」
「今日は,練習はもう終わったのか?」
「みんな疲れも大分貯まってきてるからね,午前中までにしたんだよ」
「大変だな。オレ達,生徒会も応援しに行くから頑張れよ」
「うん!皆の期待に応えれるように,目指すは全国だよ!」
 
 まだ,創部して2〜3ヶ月しか経っていないのに,ムツミはまるで自信有り気に言う。
 
「じゃあ,オレ,もう帰るから」
 
 そう言って鍵をかけ,職員室に鍵を返しに生徒会室から離れようとすると,後ろから三葉がオレを呼び止める声がした。
 
「ねえ,タカトシ君まって!」
 
 無視して帰るわけにもいかないので,オレは三葉が近付いて来るのを待った。
658ボルト:2008/09/03(水) 20:13:57 ID:Mqpd77Va
 
「ありがとう,タカトシ君。
 あのね………ちょっと相談があるんだけど,話を聞いてもらってもいいかな?」
「オレが出来る範囲だったら,聞いてあげられるけど」
「……今度の日曜日,暇かな?」
 
日曜日といえば,ちょうど夏休み最後の日だ。課題も多く出されたとはいえ,なんとか終わらせている。
 だから暇と言われれば暇だった。
 
「……特にその日は何もする事は無いけど。」
「よかった。じゃあ,夏休み最後の日に,二人で試合を見に行かない?」
 
 急な相談に,オレは一つ疑問を抱く。
 
「何で,わざわざオレに聞いてくるんだ?
 同じクラスの女子でもよかったんじゃないか?」
「本当は,部活の仲間と一緒に行くことにしてたんだ。でも,用事が出来て行けなくなったって言われて。
 どうしようかなと考えていたら,タカトシ君を見かけて。タカトシ君なら,お願い聞いてくれそうだったから」
 
 なんだ,そう言う事だったのか。
 でも,せっかく誘ってくれる訳だし,三葉が二度も断られるのも可哀相だしな。付き合ってやるか。
 
「別にいいけど,大丈夫なのか?この学校は,校内恋愛禁止なんだから」
「もう頭が固いなぁ,タカトシ君は。『校内』でしょ?遊びに行くんだから関係ないじゃん。
 それに私達,付き合っている訳じゃ無いんだし」
 
 確かに,そう言われればそうだ。オレと三葉は付き合ってはいない。
 別に男女で遊びに行く事は,軽く注意はされても,処分されるまでは無いだろう。
 
「まぁ,そうだな」
「だよね〜」
「それはそうとして,何の試合に行くつもりなんだ?」
「あ,ごめんごめん。まだ話してなかったね。
 実はこれの事なんだ」
659ボルト:2008/09/03(水) 20:14:38 ID:Mqpd77Va
 
 そう言うと,三葉は二枚のチケットを取り出した。
 
「あれ?これって何?」
「実はね,プロレスのチケットなんだ〜」
 
 野球だろうか,サッカーだろうかと予想したが,違う結果が出たので,三葉に聞き返した。
 
「プロレスのチケット?」
「うん。知らない?福岡では有名だよ?」
 
 そう言われたので,オレは思い返してみる。
 確か,深夜に放送してた気がするな。名前が『ドラ…………』だった気がする。
《※さすがに,実名をエロパロに出す訳にはいかないので,抽象的ということで。》
 
「テレビでやってるやつだよな」
「そうだよ。タカトシ君も知ってたんだ」
「名前だけなんだけどね。でも三葉がプロレス好きだなんて知らなかったな」
 
 三葉にそんな趣味があるんだと思ったが,自分から柔道部を作ったぐらいだ。格闘技系がとても好きなんだろう。
 そう思うと,すごく納得できた。
 
「あ,ちょっと馬鹿にしてない?ここって女の子にも人気あるんだよ」
「ごめん。そういう意味で言った訳じゃないんだ。でも,少し興味はあるかな」
「じゃあ,一緒に行くって事で決まり?」
「構わないよ」
「よかった。時間や場所は後から電話するね?」
「うん。待ってるよ」
 
その夜,さっそく三葉から電話が来た。場所は近くの○○駅,時間は14時に集合との事だった。
 電話の向こう側で三葉が嬉々として話をしているのが分かった。
 
 それからオレと三葉は,生徒会と部活,それぞれの事をこなし,日曜日を迎える事となった。
660ボルト:2008/09/03(水) 20:15:34 ID:Mqpd77Va
 
 
――――――
 
 
 今,オレは○○駅の広場で三葉を待っている。時間は13時50分だ。約束の時間より,10分早く待ち合わせている。
 生徒会で,会長より『10分前行動は基本だぞ』と,言われて以来,遅刻する事はほとんど無くなっていた。
 ………5分くらい経った頃だろうか,道路の向こう側から「おーい!」と呼ぶ声がした。
 声の方向を見てみると,三葉が大きく手を振りながら呼んでいた。歩道橋を渡り,オレの方に近付く。
 
「タカトシ君,もう来てたんだ。早いんだね」
「生徒会で,早く行動するように言われてるから,慣れちゃったよ」
 
 三葉をよく見てみると,ボーイッシュな格好で来るんだろうと思っていたが,予想に反して,とても可愛らしい服装だったので,つい見取れてしまった。
 
「タカトシ君?どうしたの,ぼーっとして?」
 
 三葉の言葉にはっと気付く。
 
「……三葉の私服って初めて見たよ。とっても可愛いじゃん」
 
 三葉の顔が一瞬朱くなったような気がした。
 
「本当に?久し振りに遊びに行くから,気合い入れてオシャレしたんだけどよかった!」
 
 オレにほめられて,三葉はとても喜んでいるようだ。
 
「そろそろ,電車も来る頃だし,中に入ろうか?」
「そうだね。……あ,そういえば電車代,タカトシ君が出してくれるんだよね?ありがとう」
「そんな,お礼を言われるまでの程でも無いよ」
 
 電話の時に知ったんだか,あのチケットは特別リングサイドという席らしく,一席なんと7000円もするらしい。二人分だから,14000円もする。
 三葉にこんな大金を使わせているのに,割り勘って言うわけにもいかないので,それ以外はオレが全て払う事にした。男だったら当然だ。
 博多駅までの電車代二人分を払い,ホームに行くと,ちょうど電車が入って来た所だ。オレと三葉は、その電車に乗って博多に向かって行った。
661ボルト:2008/09/03(水) 20:18:13 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 電車に乗って,博多に着くまで約数十分。隣に座っている三葉がオレに話しかけて来た。
 
「タカトシ君,これ,今日見に行く団体のパンフレットなんだ。よかったら見てくれる?」
 
 そう言いながら,バッグからパンフレットを取り出した。結構大きい。
 中を見てみると,いろんな選手の紹介写真が載っている。マスクを被った選手や,コスプレ?みたいな選手もいた。
 ……あ,この選手は,バラエティ番組に出演していた選手だ。他にも,過去の試合などを振り返るページなどがあった。
 横から,三葉がオレに「この選手はね…………」といろいろ教えてくれる。結構楽しかった。
 ちょうど,話も終わった頃,電車が博多駅に到着した。パンフレットをカバンにしまい,準備をして,電車から降りる。
 三葉が言うには,会場は駅から近いらしい。三葉に連れられて,会場に向かう。
 駅を出て2〜3分経った頃,三葉が,
 
「着いたよ。タカトシ君」
 
 会場を見てみると,ここはボーリング場だった。……ここなのか?三葉に尋ねる事にした。
 
「なあ三葉?ここってボーリング場だよな?まさか,レーンの上で試合をするのか?」
 
 すると,三葉が
 
「まっさか〜,面白い事言うんだね,タカトシ君は。
 ここの2階に大きな広間があるから,そこで試合をするんだよ」
 
 確かにそう言われればそうだ。少し恥をかいた気だ。
 会場内の自販機は値段が高いので,近くのコンビニで飲み物を買った。
 
「もう開場しているから,中に入ろうか?はい,チケット」
662ボルト:2008/09/03(水) 20:18:57 ID:Mqpd77Va
 
 三葉からチケットを受け取り,会場の中に入ると,結構人が多かったので驚いた。
 
「こんなに人が来てるんだ」
「そうだよ〜。いつも満員なんだ。さらに今日はテレビ中継もあるしね。帰ってビデオ録らなきゃ」
 
 生で試合を見るのに,帰ってからも見る気なんだ。
 
「じゃあリングは2階だから,そこの階段を昇って行こうね」
 
 階段を昇り,チケットをスタッフの人に渡し,入場すると,1階以上の人数にただただ驚くしかなかった。
 
「なぁ三葉?何でこんなに人が詰まっているんだ?」
「ここはね,グッズ売り場なんだ。あ!新しいパンフレットが出てる!」
 
 何だかほしそうな顔をしてたので,買ってあげる事にした。
 
「じゃあ買ってあげようか?」
「そんな,悪いよタカトシ君。そこまでしてもらわなくても………」
「大丈夫だって,オレがそうしてあげたいんだから,遠慮なんかしないでよ」
「…………ありがとうタカトシ君。すみませーん!パンフレット一部くださーい!」
 
 喜びながら,売り子の人に声をかける三葉。
 一冊,2000円らしい。………高い。でも,三葉が喜んでくれるなら,まあいいや。
 オレは売り子にお金を払い,他にも見て回ると,ガラガラがあった。 どうやら,選手のお宝グッズが当たるらしい。一回500円だったので,三葉にさせてあげようと思った。
 
「なあ三葉?やってみる?」
「いいの?じゃあ,やってみようかな」
 
 マスクを被っている売り子にお金を払う。どうやら選手も売り子をするらしい。
 
 三葉がレバーを持って勢いよく回すと,球が出て来た。金色だった。
 すると,マスクマンの売り子が鐘を鳴らして,「大当りー!」と叫んだ。
 
「やったぁ!タカトシ君!大当りだよ!」
 
 三葉が喜んでいる。商品は選手のコスチュームらしい。陸上選手みたいなコスチュームだった。
663ボルト:2008/09/03(水) 20:20:12 ID:Mqpd77Va
 
 三葉を見てみると,マスクマンに記念撮影をされていた。
 後で聞いたら,ブログに載せるらしい。選手も色々と大変みたいだ。三葉は恥ずかしかったのか,手で目を隠すようにしていたが。
 とりあえず,一通り見終わったので席に向かう。
 中に入ると,レーザー光線と大音量の音楽が流れていた。野球やサッカーでは味わえない感覚だった。
 三葉に,座席の位置を確認してもらう。前から3番目の席だ。ただ段差があったので見ずらい感は無かった。座席に座ると三葉が,
 
「いや〜,まさか大当りが出るとは思わなかったよ,タカトシ君。今まで一度も大当りが出なかったのに。
 タカトシ君のおかげだね」
 
 そう言いながら三葉がオレに微笑みながら話しかけて来た。
 
 ……何だろう?三葉を見てたら,胸がドキってした気がした。他の女子と話をしてもこんな事無かったのに。
 
 それから,オレと三葉は二人で新しいパンフレットを見ながら時間を潰していった。
 時間も4時を回った頃,大きな音楽が流れ,リングアナとレフェリーの二人がリングインした。ボールを投げている。
 このボールを拾うと,何かプレゼントが貰えるらしい。………来なかった。
 どうやら,前説をしてるようだ。今日の対戦カードを発表してるみたいだ。
 その前説も終わり,照明が暗くなると,歌が流れて来た。この団体のテーマ曲らしい。
 明るくなると,試合の前に調印式なるものを行うらしい。
 今日はタイトルマッチが2試合あるみたいで,4人の選手がリングインした。その内,2人はベルトを持っている。
 サインも終わり,選手がマイクを持って言い争いをしている。
 一通り,言い終わった後,選手はそれぞれ控室に戻って行った。ようやく,第1試合が始まるみたいだ。
664ボルト:2008/09/03(水) 20:21:37 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 試合が始まった。いろんなコスチュームを身にまとったレスラー達が戦っている。
 第4試合の時,レスラーの1人が,さっきのガラガラで当たった色違いのコスチュームを着ている。
 どうやら,このレスラーのコスチュームだったらしい。
 
 第5試合だ。タイトルマッチらしい。結果は,悪者,つまりヒールのレスラーが,反則をしまくって勝ったみたいだ。
 隣で,三葉が残念そうにしていた。負けた方を応援していたみたいだ。慰めてやるか。
 
「残念だったな,三葉」
 
「うん,そうだね。次,戦う時はきっと勝つはずだよ」
 
 休憩に入ったので,飲み物を買うために,一旦,会場から離れてさっきのコンビニに寄る。もちろん,オレの奢りだ。
 再び座席に戻り,少し時間が経つと,後半戦の開始の音楽が流れた。
 
 第6試合も白熱した試合が終わり,いよいよメインイベントだ。この試合は,団体No.1を決めるタイトルマッチらしい。
 選手が入場し,リングアナウンサーがそれぞれコールする。
 チャンピオンの番になると,三葉が立ち上がってバッグから紙テープか取り出す。
 名前を言うのと同時に,手にした紙テープをリングに向かって投げ付けた。他の方向からもたくさんの紙テープが舞っている。
 
 試合が始まり,少し経過した頃,場外乱闘が始まった。オレ達が座っている方向にやって来た。
 レスラーの大声とともに,近くの客が荷物を持って,その場から一斉に離れていく。オレ達も離れることにした。
 ヒールレスラーがチャンピオンを,椅子の列に投げ飛ばしていく。かなり痛そうだ。
 さらに椅子を持って背中に振り下ろしていった。そんな乱闘が目の前で繰り広げられている。
665ボルト:2008/09/03(水) 20:23:00 ID:Mqpd77Va
 
 ヒールレスラーが落ちていたペットボトルを,チャンピオンに向かって投げ付けた。
 その時,ペットボトルが弾んで,近くにいた三葉の頭に当たってしまった。
「痛っ!!」
「大丈夫か,三葉!?どこか怪我はしていないか」
 
 痛そうにしている三葉を,オレは庇うようにして様子を見る。
 
「…うん,平気。そんなに強くは当たらなかったから……」
 よかった,怪我はなさそうだ。
 その時,ヒールレスラーのセコンドに付いていた別のヒールレスラーが,オレを強烈に睨み付けてる。
「いちゃついてんじゃねぇぞ!」と叫んでいるらしい。
 どうやら,三葉を庇った行為が,抱き着いているように見えたんだろう。まだ睨み続ける。
 正直,オレは怖かった。でも,なぜか視線は避けなかった。逆に睨み返す。
 そうしたら,レスラーはオレの態度に根負けしたのか,その場から離れて行った。
 回りの人がオレ達を見ている。すると,なぜか拍手の音が聞こえた。………かなり恥ずかしかった。
 
 試合はチャンピオンが勝ち,驚きあり,笑いありのマイクパフォーマンスがあり,最後は記念撮影で幕を閉じた。
 これで今日の試合は全て終わりだ。客も各々出口に向かっている。
 オレ達も,帰ろうかと思ったところ,三葉が,
 
「ねぇ,帰る前にサイン会に寄っていいかな?」
 
 そう言われたので,最後だしいいかと思って列に並ぶことにした。
 サインをしてもらうにはTシャツを買わないといけないらしい。高かったが三葉が喜んでくれるなら,それは別によかった。
666ボルト:2008/09/03(水) 20:23:45 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 駅までの帰り道……
 
「タカトシ君!今日はすっごく楽しかったよ!一緒に来てもらってよかった。
 それにいろいろ買ってくれてありがとう!」
 
 よかった,喜んでくれてる。
 
「三葉が喜んでくれたのなら,オレも付き添った甲斐があるよ」
「………あのね,タカトシ君。実はその事なんだけど………」
 
 三葉が立ち止まって,オレに話し掛ける。
 
「どうしたんだ,急に?」
「………私が誘った時の事なんだけど,友達が来れなくなったって言ってたじゃない?」
「確か,そう言ってた」
「実はね,あれって嘘なんだよ………。本当は,最初からタカトシ君を誘うつもりだったの。
 あの時も,タカトシ君が生徒会室からずっと出て来るのを待っていたの。………嘘をついてごめんなさい」
 
 帰路に付いている客が何事かとオレ達の方を見る。それでも三葉は話を続けた。
 
「でも…,今日はすごく楽しかった。……今まで男の子と遊びに行った事はあったけど,タカトシ君と遊びに行った今日が1番よかった。
 一日中タカトシ君といて,すごくドキドキしたの。最初は何でだろうと思っていたけど,時間が経つ度に,分かった気がする。
 タカトシ君の事が,友達としてじゃなく一人の男の子として『好き』になったんだって」
 
 オレも今,やっと分かった。オレが胸に抱いていたドキドキ感が。三葉と同じ事を感じていたんだ。
 回りには沢山の人がいる,でも言いたい事を今言うしかない!
 
「………オレも三葉と来れてとても良かった。今の言葉を聞いてオレも分かったんだ,同じ想いをしていたんだって。
 ………三葉に伝えたいことがあるんだ。聞いてくれるか?」
「うん。私も改めて伝えたいことがあるの。聞いてちょうだい?」

 時間の流れが緩やかになった気がした。お互いタイミングを見計らったかのように叫び出す。
667ボルト:2008/09/03(水) 20:24:43 ID:Mqpd77Va
 
「オレは!」
「私は!」
 
「三葉の事が!!
「タカトシ君の事が!!」
 
「大好きだ!!!」
「大好き!!!」
 
 通行人がいきなりの叫び声に一斉にこちらを向いた。
 しばらくの間,オレ達は無言のままだったが,
 
「………あは,あはははは!」
「………えへっ,えへへ」
 
 二人して笑い出す。
 
「よかった。オレ達,同じ想いで」
「私達,今から恋人同士だね」
「そうだな,じゃあ帰ろうか?三葉………いや,ムツミ」
「………初めてタカトシ君に名前で呼んでもらった……私,この日を忘れない!」
「………オレも,忘れないよ。……ムツミ,手を繋ごう」
 
 オレはそう言って,ムツミに左手を差し延べた。
 
「………うん!」
 
 ムツミも右手を出して,一緒に手を繋ぐ。
 こうして,オレ達は家に帰る事にした。

 
 
……………
 
 
 ○○駅に帰り着いたオレ達は,この暗い中,ムツミを一人で帰らせるわけにもいかないので,家まで送る事にした。もちろん,手を繋いで。
 ムツミの家の玄関で,
 
「タカトシ君,今日は楽しかったよ。恋人になれて,とても嬉しい。
 ………また明日,学校で会おうね。じゃあ,お休みなさい」
 そう言って,ムツミはドアを開け家の中に入って行った。
 オレも家に帰ろう。
 ムツミの家から近い所にオレの家があるので,徒歩で帰ることにした。
 帰り道で,今日の事を思い出す。夏休みの間,生徒会の仕事で大変だったが,最後の1日で,すべての苦労が報われた気がした。
668ボルト:2008/09/03(水) 20:26:01 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 10分ほど歩いたところでオレの家が見えた。玄関を開けると,妹のコトミが出迎えてくれた。
 
「お帰り〜,タカ兄」
「ただいま」
「ねぇ,タカ兄?今日,一緒にいた女の人ってタカ兄の彼女?」
 
 コトミの言葉に,オレは驚く。
 
「ちょっと待て。何でコトミがそれを知っているんだ?」
「否定しないって事は本当なんだ。だってタカ兄,結構オシャレして出掛けたじゃない。
 だから気になってタカ兄の後を付けてみたの。そしたら,駅で女の人と一緒に電車に乗っていったから」
 
 まさか,コトミがストーキングしていたとは思わなかった。隠していても仕方がないので,
 
「そうだよ。その人がオレの付き合う事になった彼女だよ。今度お前にも紹介してやるから」
「そっか〜,あの人が将来私の義姉になるんだね」
 
 コトミがぶっ飛んだ事を言う。
 
「あ,タカ兄。ちょっとまってて」
 
 そう言うと,コトミは自分の部屋に戻って行った。30秒ほどすると,コトミが出て来て,
 
「はい,タカ兄。突き合うのはいいけど,ちゃんと避妊しなきゃだめだよ」
 
  オレに何故かコンドームを手渡してくる。なんで,そんな発想になるんだ?字が違うんだよ。まさに,妹は思春期だ。
 
 疲れたので,風呂に入ってすぐ寝ることにした。明日は始業式だ。生徒会の仕事があるから早く行かなきゃいけない。ベッドに入るとすぐに眠りについた………
 
 
……………
 
 
 翌日。
 オレは校門の前に立っていた。服装チェックをするためだ。
 すると,遠くから一人の女子生徒の声が聞こえる。
 
「お〜〜〜い!タカトシ君!おはよう!!」
 
 オレの方に向かって来る。昨日,オレの彼女になった子だ。
 
 その子の名は,三葉ムツミ――――。
669ボルト:2008/09/03(水) 20:29:41 ID:Mqpd77Va
以上で終了です。
タイトルは「FIRST DATE」で。
次からはおまけ投下です。
スルー対象ワードは
「百合要素あり」
670ボルト:2008/09/03(水) 20:31:11 ID:Mqpd77Va
おまけ。
 
 服装チェックも終わり,教室に帰ろうとすると,会長が,
 
「津田,ちょっといいか?」
 
 そう言われたので,オレは立ち止まる。
 
「何ですか,会長?」
「昨日の事だが,お前,柔道部部長の三葉ムツミと付き合っているのか?」
 
 何で,会長まで知っているんだ?
 
「どうしたんですか?いきなり」
「昨日,博多駅でお前と三葉が二人でどこかに行くのを目撃したからな。………そんな事よりも付き合っているのか?」
 
 ………十分,注意はしたはずなのにバレバレじゃないか。正直に言おう。
 
「………はい。付き合っているというか,昨日から付き合い始めました」
「そうか,だがウチの校則は知っているな?」
 
 確かに,ウチは校内恋愛禁止だ。
 
「しかし,私だって鬼ではない。津田,場所をわきまえて行動するんだぞ。別に,付き合うなと言っているわけじゃないからな」
 
 そう言って,会長は自分の教室へ戻っていった。よかった,別に怒っているわけじゃないんだ。
 オレも教室に戻ろう。ムツミの顔を見るのが楽しみだ。
671ボルト:2008/09/03(水) 20:32:33 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 時間は過ぎて,放課後。
 生徒会室には会長のシノと書記のアリアがいた。
 
「はぁ………」
 
 シノがため息をついている。
 
「………はぁ………」
 
 その様子を見ていたアリアが,
 
「シノちゃん,ため息ばかりついていると幸せが逃げちゃうよ?」
「………幸せが逃げる,か……。今の私にはもう逃げられているけどな………」
「どうしたのシノちゃん?」
 
 シノは事のいきさつをアリアに伝える。
 
「………そうなんだ。タカトシ君,あの子と付き合う事にしたんだ………だから,ため息をついていたんだね。
 でも,そっか〜,シノちゃんもタカトシ君の事が好きだったんだね?」
 
「な,何を!?………………うん」
 
 シノは顔を真っ赤にして答える。
 
「会長としての立場もあるし,何より先を越されたということもあってな。
 だから,ため息が止まらなかったんだ」
「シノちゃん?タカトシ君が自分で選んだ人なんだから,ちゃんと見守ってあげようね。
 ……………それに,シノちゃんには,私がいるじゃない?」
 
 アリアの最後の一言にシノは顔を見上げる。すると,アリアの目が怪しく光ったような気がした。
 アリアがシノに近づいて,制服を脱がそうとする。
 
「おい,アリア!
 なんで,私の服に手をかけるんだ?それに顔を近づけているんだ?」

 しかし,アリアはその言葉を無視して,自分も服を脱ぎだした。

 「おい!聞いているのか!……やめろ!やめろーーー!!!」
672ボルト:2008/09/03(水) 20:33:22 ID:Mqpd77Va
 
 
……………
 
 
 クラスの掃除を終え,オレは生徒会室に入ると会長と七条先輩が先に来ていた。
 ………なぜか,会長はぐったりしていて,七条先輩の肌がつやつやしている。
 
「………すみません,遅れました」
「大丈夫よ津田君。もうすぐ始まるところだから」
 
 笑顔で七条先輩が答える。
 会長はいまだぐったりしている。
 
「………会長はどうかしたんですか?」
「何でもないのよ,津田君」
 
 ………何が起こったか聞かない方が良さそうだ………
 
おまけ……終わり。
673ボルト:2008/09/03(水) 20:38:32 ID:Mqpd77Va
以上で,全投下終了です。
容量が足りるかどうかヒヤヒヤしました。
自己満足なSSでしたが,いかがでしょうか?
次回作は未定ですが,…………タカトシ×スズ+スズママって需要あります?
 
最後まで見て頂き,ありがとうございました。<(__)>
674名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:33:11 ID:NpMCNwyw
絶好調なペースだな乙
あとあまり自分を卑下せんようにな、誘い受けに取られかねんから

しかし、あっという間にスレ埋まったなw
675名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 11:23:50 ID:GC6KlurU
【あかほん・濱中】氏家ト全 26時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220494538/
こちらへ逃げ込め。
676名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 15:34:16 ID:XkvYNZGs
ボルト氏乙
なんかボルト氏とY-275氏のラッシュからは「書くことが楽しくてしょうがない」といった雰囲気がうかがえるなw

>>675
あなたも乙
677名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 12:54:05 ID:KyAPMBdF
>673
需要だと?
供給されれば需要など後からついてくるのだぜ……?
678名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 14:53:05 ID:bc3D/gyF
ケイちゃん埋め
679名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 16:56:41 ID:fOdlWJZ0
新しい職人さんのハイペースな力投ぶりはありがたいな
目指せ追い越せ、郭・ピンキリのワンツー両氏の合わせて200オーバーのSS投下
518氏とペピトーン氏も合わせたらたぶん300近いはずだ
680ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/09/06(土) 01:19:07 ID:bbbzf+D7
お疲れ様です。
埋め用に濱中小ネタ無題で投下しておきます。
681ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/09/06(土) 01:20:56 ID:bbbzf+D7
「はぁ、や、やっと着いた……」
「全く、天気予報はアテになんないわね」
「あーん、パンツまでぬちょぬちょだぁ」
「リン、せめてぐっしょりとかべっちょべちょ辺りの表現を使いなさい」
「先輩、結局卑猥です」
 天野ミサキ、若田部アヤナ、的山リンコ、中村リョーコ、濱中アイの五人は、不意に降りだした雨から逃げるようにとある家へと飛び込んだ。
もちろん、見ず知らず赤の他人の家ではない。
彼女達に関係深い、一人の少年の実家である。
「マサー、シャワー浴びさせてよ」
「そりゃ別にいいですけど」
 それでその少年が誰かと言うと、今更いちいち説明の必要もないだろうが、小久保マサヒコに他ならない。
「ですけどって何さ、なんか問題でもあるわけ」
「いえ、うちの風呂場そんなに広くないですから……せいぜい二人が限度ですよ」
 正確に言うと、雨の襲来を受けたのは五人ではない。
マサヒコを含めて六人である。
毎度のことだが、この面子で外出していたのだ。
休日ともなるとリョーコが音頭を取ってやれショッピングだの食事だのとよく出歩くが、
今回もその例に漏れず、というわけだった。
「マサちゃん、おばさんは?」
「多分また町内の婦人会でカラオケに行ってるんだと思う」
 俺も父さんもいないと思って好きにやってんじゃないかな、とマサヒコはミサキの問いにさらに答えた。
マサヒコ父、出張とか何とかで休日も仕事に出ていることが多い。
さすがは一家の大黒柱である。
家庭での主導権(特に夜)はほとんど妻に握られっ放しだが。
「よっしゃ、じゃあ順番決めましょ。六人いるから二人づつ浴びるということで」
「……ちょっと待て」
「ん?」
「俺は最後に一人で浴びます。だから先に女性陣で」
「えー、せっかく堂々と女とシャワーを浴びるという、年頃の男の子垂涎の権利を与えようとしているのに」
 六人で二人づつということは、男がマサヒコしかいないので女性が誰か一人マサヒコとペアになる計算である。
「ミサキはまぁマサと十分裸の付き合いしてると思うので除外して、えーと」
「おいこら、勝手に話を進めるな!」
 ちなみに小久保邸のすぐ側に天野邸があるのはご存じの通りだが、何の因果かこちらも両親共に出かけている。
ほしたら女性陣は天野邸に行けばいいのでは、というツッコミは残念ながら成立しない。
何故なら、マサヒコは家の鍵を持っていたがミサキは持っていなかったから。
じゃあ全員それぞれの家に戻れば、というツッコミもこれまた無力。
外出先から一番距離が近かったのが小久保邸であり、そこから各自の家に帰るにはそれなりに時間がかかってしまう。
表はバケツの水をひっくり返したような大雨で、傘をさしても結構な濡れ鼠になるのは間違いない。
「ならアヤナ、あんたがマサとシャワー浴びなさい」
682ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2008/09/06(土) 01:23:22 ID:bbbzf+D7
「え、ええええ!? い、い、イヤですよそんな、こここ、小久保君となんて!」
「そしたらアイで」
「わ、私が!? マサヒコ君のシャワーを!? そそ、それはいきなりハードルが高すぎます!」
「リンは?」
「えー、私アヤナちゃんみたいにでこぼこしてないから小久保君つまんないと思います」
 三者三様とはまさにことのこと。
しかし、マサヒコが一人で浴びればいいという至極当たり前の結論に誰もたどり着けていない。
まぁこれはリョーコが会話のペースを握っているからだが。
「ちっ、しょうがないわね。じゃあ私がマサとシャワー浴びるか」
「だ、だ、ダメですっ! マサちゃんとは私が一緒に!」
 ミサキも脳細胞がショート。
自分がいかにとんでもないことを言っているかおそらく、いや絶対に気づいてないであろう。
「んー、でもあんたら二人だと浴びるだけじゃ済まないでしょ」
 マサヒコとミサキは中学を卒業すると同時に恋人同士になった。
それから一年半近く経つが、ゆっくりとながら確実にオトナの階段を上っている二人である。
「ふ、ふ、風紀が乱れまくりだわ天野さん! だ、だ、ダメ、ダメよっ! 絶対ダメッ!」
「ミサキちゃんいけないわ! 身体の外の汗と雨は流しても、身体の中にマサヒコ君のを流し込まれたら! まだ二人は高校生! 家族計画!」
「でもお風呂場でするのって蒸し暑そうですよねー、のぼせちゃいそう」
「まぁどうしてもって言うならいいけどさ。あ、何ならゴム貸そうか? 持ってるし」 
「え? あ? う? 私はマサちゃんと入る入られ浴び浴びられ」
「なあ、このままだと風邪ひくと思うんで、俺が一番最初に浴びていいか? 一人で」
 雨の襲来を受けた六人、リョーコを中心に毎度の如く毎度の展開。
雪が降ろうと雹が降ろうと、それこそ槍が降ろうとも。
おそらく変わらぬに違いない―――



     F  I  N
683名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 02:18:33 ID:EsbBMXAD
GJ
684名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 07:06:48 ID:EskWVHYK
埋めよう
685名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 07:25:22 ID:0MCX07OM
ピンキリ氏、いつも乙です。
686名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:20:39 ID:pBk42r8i
恒例のしりとりいくかい?
天草シ「ノ」
687名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:16:51 ID:EsbBMXAD
ノーブラのケイとナツミ
688名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:54:42 ID:pUEVhLpr
「見たわね、いやらしい目で!」
ナツミの鉄拳制裁を正面から受け止めるカズヤ
689名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:38:36 ID:EskWVHYK
ヤらせろ!
とは決して言わない氏家漫画のイケメン男性主人公たち

「ち」
690名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 06:31:23 ID:7lqsOJlr
『痴漢プレイで朝から濡れ濡れですか…』

『ちげーよ!!本物にあったの!!』

自身の痴漢体験をマナカにエロボケにされ、ツッコミを入れるアキ。

『キ』
691名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 08:25:49 ID:tKbF3MoN
「今日の議題:今一度校内恋愛について再考する」

シノがホワイトボードにこう書いた時、生徒会室の空気はピリッと張り詰めたものになったのをタカトシは感じた。

『た』
692名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 11:39:13 ID:26LLYY7B
「他校と比べる…と言っては何だが、この校則はいささか厳し過ぎると思う。
 共学化になった今、この校則のせいで学業に支障がでれば困ったことになる」

シノは言う。

『う』
693名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:00:53 ID:W6rRLklL
「うん、そうね。
でもいきなり校内恋愛を完全許可してしまうと風紀が乱れてしまうわ
まずは同性間の恋愛を許可して様子を見ましょう」

と言うアリアの意見が可決
694名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:05:24 ID:W6rRLklL
「つかこれ女子校時代からの校則だったんですか」
「深く考えてはだめよ」
↓スズヘッド
695名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:25:55 ID:Zgq13TGc
百合は好きだからどんどんやってくれて構わない
696名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:51:10 ID:7lqsOJlr
五十嵐カエデ乱入してきて一言↓
697名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 07:19:26 ID:uPm80/1A
とりあえず今すぐこの学校は女子校に戻すべきです!
「す」
698名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 18:52:54 ID:UxSyudkF
スズが一言↓
699名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:59:19 ID:52SSUzs5
「とりあえず津田、なんかつっこみなさいよ」

「よ」
700名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 05:43:20 ID:s1GVo1EH
「よ、欲求不満なのか、萩村は?」シノ脳に毒された
タカトシであった。
「た」
701名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 07:17:12 ID:7//gPHpX
「叩かれたい?」
スズ、きれる


る↓
702名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:39:21 ID:slOWEUoL
留守中に楽しそうな話になってるわね
横島登場


703名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:15:03 ID:5zuAhf1V
『うっちゃり!!』
続いて乱入しようとしたムツミが前で道を塞いだナルコを突き飛ばす。
『柔道部なのに何故相撲!?』
ツッコミをいれるタカトシ。


『シ』
704名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:26:33 ID:FW1uzYCC
しからばまた次スレが終わる頃に会いましょう

黄金期とはいかずとも、再びスレが賑わいを見せる日が来ることを祈って
705名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 20:19:45 ID:diu3+45/
手が遊んでいるぞ!
706名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 02:44:21 ID:VWrfq4Q4
707名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 23:53:44 ID:MefsI9zy
テスト
708名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 10:34:04 ID:B2f041Z7
埋め
709名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 11:38:04 ID:YSh/Vep3
産め?
710名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 15:19:57 ID:f8lbDSt0
シホ
711名無しさん@ピンキー
うめええええええええええ