お姫様でエロなスレ8

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467いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:53:18 ID:imbtspPf
「…俺、芸事教養関連はゼンメツだけど、腕力と体力だけはあっからさ」
れろりと乳首を舐め上げ終わっての下からの言葉に、でも少しだけ理性を取り戻した。
「そういうのたまんない、大好きだってんなら、もっと乱れて善がり狂ってよ?」
ピタリと止められた腰使い、舐め上げるような上目遣いの視線に、
たちまち少女は羞恥を取り戻し、頬を赤く染め、
「や、で、でも! 私、そんなの、はしたなくないです、…か?」

はしたないだろう、容姿や膂力、美しさ逞しさといった、外的要素で好む男を選ぶなど。
はしたないだろう、若く強く逞しいから好きだなんて、そんな燕漁りの奸婦みたいな。

「――全然?」
「ふえ」
だってのにあっさりと言い切った男に、またしても変な声を上げてしまった。
もうホント、貴人の矜持なんて欠片も残ってない。

「『男は虎狼の如く、女は花楽の如く』だよ。俺らオルブの諺だけど」
「…お、おんなはかがくのごとく?」
従順な生徒のように反復する少女に対し、
「まー分かりやすく言うと、『お前ら女は俺らのこと狼だのケダモノだの言うけど、
お前らだって表れが違うだけで似たようなもんだろ』っていう俺ら側の言い分」
男は笑って、世間話するようにくだけて話した。

「本性丸出しの女は、『程々を超えて狂い咲く花みたいに鬱陶しくて鼻について、
勝手に鳴り出す楽器みたいに図々しくってけたたましい』って意味、な?」
「う……」

それはちょっと、身に覚えがなくもない話だった。
何しろ帝国においての愚女愚妻の定義と、そっくりそのまま合致するからだ。
…そういう風に見られて呆れられるのが嫌だから、彼女だって必死に自分を御してきた、
慎ましやかに控えめに、自己主張も顕示もせず、今日まで貞淑に生きてきたのに。

「…でも、お前はちょっと咲かなすぎの鳴らなすぎ」
「……ぁ」
――この場の絶対者である、陵辱者からの命令。
「我慢しすぎで遠慮しすぎ。…なんか押し殺してるよね? ここで」
「……う、あ」
とん、と胸の谷間、鳩尾に拳の背を置かれる。
濁りも淀みもない瞳で、下方から心を見透かされるが如くに射抜かれる。
「咲いてよ、もっと。…花が咲いちゃうみてーにさ」
「くっ、あっ?」
囁かれながら、腕さえ使われず膝と腰の動きだけで身体を持ち上げられる。
「鳴けよ、もっといい声で。…俺が奏でてやっから」
「うっ、あっ、あっ、あ」
尻に手を添えられて、もう片方の手で腰のくびれをなぞられる。
まるで弦器を爪弾くように、つつ、と背筋を指が這う。
「だってお前、こうやって下から、咲かせようと、鳴かせようとしてる奴がいるんだぞ?」
「やっ、だめ、だめ、だっ、らめっ――」
狂う、狂う、甘きに狂う。
下卑て下品で卑猥だが、でもどんな美辞麗句よりも、女を狂わせる口説き文句。
「…狂ったって、仕方ないって」
「――!!」
 
468いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:54:01 ID:imbtspPf


 陽が陰に優れるも、陰が陽に勝るもない。

「うあっ、あっ、お、おっぱい、おっぱいもっと吸ってくださいぃっ!」
ガクガクと揺すられながら、狂う。
ちゅうちゅうと赤子のように吸い付かれながら狂う。
「はっ、おっぱい、あっ、か、かわい、かわいい……」
肌の色も髪の色も違う頭を抱きかかえ、涅槃の笑みを浮かべて狂う。
「――かわいい?」
「ひあっ? ひっ、はっ、ね、ねじるのやだ、ねじっちゃやです!?」
だが見当違いな感想を述べた愚者を戒めるかのように、下からの責めが激しさを増す。
母が女に、慈愛が歓喜にたちまち変わる。

「あ、ぐりって、ぐりってやっちゃやだ、ねじるのやぁっ……」
縦の動きより横の動き、前後の往復よりも左右の回転に弱いらしいというのは、
ほんのついさっき見つけられたばかりのこの女の特徴だ。
…やはり押し殺されているよりも、こうやって振れ幅が劇的な方が弱点も見つけやすい。
はぁはぁと息の荒い女をひとしきり愉しむと、さて、男は改めて口を開いた。
「ん。じゃあ言って。俺のどこが好き?」

指で顎をくすぐる、愛玩動物にそうするように。

「つっ、強いのが好きです!」
「うん」
奈落に跳躍するがごとくに思い切った女のお利口に、男はたまらない満足感を覚える。
そうだ自分は強くて偉い。良い女に賞賛されるのは実にいい気分だ。
「強くて、大きくて、重くて、広くて、優しくて……」
「うんうん」
昏い虚ろを湛えていた美しい碧眼が、今は喜色一杯なのもたまらなく嬉しい。
そうだ自分は強くて偉くて頼もしいのだ、だからもっと――

「……でも、可愛いのが好きです……」
「………」

――『まあ、いいか』と、捻りに捻って意地悪してやろうかと思いかけたのを留める。
自分は寛大なのだ、義に厚く嘘を吐かない従順な者、ましてや女に対しては広い心で接する。
可愛いは不問にしよう。…本当に不服なのだが、ここは広い心で不問。

「あつ、熱いんです、温かいんです、熱くて……」
「ん?」
しかしまだ続く、まだ溢れ出て来る女の言葉に、ピクリと耳を傾ける。
「熱いんです、抱きついた身体も、私の、…あそこに入った、…太いのも、…精も」
「そか、…そっか」
――まだちょっと弱い、今は次善だが、その内『おまんこ』とか『ちんこ』とかって単語も
この桜色の唇から言わせてやろうと、そんな決意も頷きつつ固める。
「甘くて、なんか、甘い、甘いんです、甘い、…蕩けちゃうくらい、甘い……」
「うん、うん」
あやふやで漠然とした、要領を得ない言葉だが、…でも言いたいことはまず分かった。
だから嬉しい、気分はいい。
 
469いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:54:19 ID:imbtspPf
「なぁ、逞しいの、好き?」
「はいっ!」
ああ、いい気分だ。これこれ、こういうのが良いんだ、こういうのが無いと。
「優しいの、好き?」
「はいっ!!」
いい女だなあ、従順だし、控えめだし、実に利発だ、臆病で奥手だけどそこがいい。
首から上はもちろん、尻はたまんないし、胸も十分ある、挿れ具合もいい。
硬くてキツい軍の女とは違って、抱くと柔らかい、良い匂いがする、吸い付くようだ。

「…な? これが男の良さ」
だからもっと良くなって欲しくて、肌をすり寄せる、ずりずりと動かす。
もっと自分から咲き狂って欲しくて、背の高さを合わせると軽く口づけする。
「いいもんだろ? 怖くて硬くて乱暴なだけじゃない、悪くないよな?」
「はいっ、はいっ!」
いい返事だ、すごく可愛い。
「で、これが正しい男女の交わり」
もっと自分達が正しいのを教えるために、今までが間違ってたのを自覚させる。
もっと好きになって欲しいので、理不尽を廃して道理を立てる。
「男が女を歓ばせて、女が男を歓ばせる、持ちつ持たれつ、…な?」
「…っ! …はい、はいいっ!!」
うわぁ可愛い。何こいつ超可愛いんだけど。なんか犬耳の幻覚が見える。

唇を重ねて舌を入れると、今や向こうの方から積極的に舌を絡めて来た。
唾液を絡ませ啄ばみ合いながら、胸板と乳房を押し付けあって身体を擦りつけ合う。
腰の動きは最小限に、まったりゆったり、時間を掛けて愉しむ。
あんまり乱暴に動けない分を、そういうので補う。
これが娼婦や女兵士ではこうはいかず、忙しい分悠長も夜更かしもさせられないが、
でもこの少女相手に限ってはそんなの気にする必要もなかった。

――これは自分のものだ。自分専用。
ただ抱かれるためだけに、子を産まされるためだけに生かされてきた極上の女。
前の持ち主はそこを逆手に取っての殴る蹴るの暴行、
何をしても許されるのをいいことに、散々アブノーマルや猟奇性愛を愉しんでたようだが、
男にすれば実に勿体無い話、まったく飽食に慣れたキチガイの心は解らない。

「ふっ、ふあっ、あっ、や、でっ、出ちゃう、出ちゃうっ!」
「……?」
おとなしくちゅっちゅされてたのが、急に嫌がってバタバタしだしたので唇を解放してみたら、
口の周りを唾液塗れにしながらそんなことを言う。…『出る』? …『ふたなり』?
「お、お小水……」
「……オショースイ?」
男からすれば聞き慣れない単語に、即座には意味が解らず首を傾げると、
通じないと知った少女が顔を真っ赤にしながら大声で叫んだ。

「おし、おしっこ! …おしっこ出ちゃいそうなんですッ!!」
「………」

――ああ、小便か。なるほど、漏らしそうなんだな。
なんだかんだで最初に押し倒してから一刻は経とう、である以上別におかしくはないが、
「な、なんか、さっきから、凄いぶるっ、ぶるって、段々びくびくして来てて、急に…!」
そこまで考えながら女の言葉を聞いていて、ふとある気づきに目を瞬かせた。
 
470いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:55:10 ID:imbtspPf
「急に凄い、ぞわって、……こ、このままだと、出ちゃう……」
これは、つまり、『そういうこと』ではないか?
これは、つまり、『その徴』ではないか?
「ど、どしたらいいですか? …ど、どう、しよう……」
何より愚直な尋ねに、女の願望を知った。
この日、この時、この瞬間、男と繋がっている瞬間を失いたくなく離れたくないのだろう、
きゅうっとしがみつく脚に力を込める少女が、いじましくも愛らしい。
――馬鹿だなあ、と思う。
こういう時に男に訊いてはいけない、弱みを見せてはいけないのに。

なれば、答えは決まっているではないか。

女の身体を抱きかかえたまま、ぼふりと後方、シーツの上に背中から倒れる。
「あぐっ」
その拍子に杭打ち機に打たれるよう下から奥を突かれたのだろう、
走った鈍痛に少女が僅かに顔を顰め、
けれどそれが散り薄れるに合わせて広がる快感に、じわりと熱っぽく瞳を濁らせた。
そんな少女の頭を撫ぜ、鳶色の髪を指で漉きつつ男が言う。
「……じゃあ出しちゃえ」

 破滅するということは、砕け散るということだ、もう二度と元には戻れない。
 堕落するということは、転がり落ちるということだ、簡単には上へと這い上がれない。

「……へ」
まるで女の側が押し倒したような格好にされ、少女は間の抜けた声を上げた。
「うん、漏らしちまってもいいぞ」
女の全体重を下から受け止めつつ、男がぽんぽんと背と肩を抱く。
それが気持ちいいので、少女も一瞬(はふ…)となりかけたが。
「やっ、で、でも――」
「――俺の兄貴が言ってたんだ」
それでも絞り出した声を、男の発言が遮った。
「女ってさ、あんまり気持ちいいと漏らしちゃうんだって」
相手の言葉が、じんわりと少女の脳に浸透する。
「死ぬほど気持ちよくなっちゃうと、ションベン垂らしながらイッちゃうんだってさ」
漏らす。気持ちいいと。垂らす。

「だから漏らしてもいいぞ。存分にお漏らししちゃって」
「はくっ」
不意打ちにまたどちゅりと、太い先端に膣奥のしこりを叩かれた痛みに息を漏らし、
「……あ、は…」
でも同時に膣奥から走った痺れるような濃い快感に、また瞳を濁らせる。
きゅうっと勝手に締まる膣。意思とは無関係にひくつく肉壁。またぶるっと来る尿意。

「……で、でも……こ、この格好だと、そ、そっち、掛かっ――」
「掛かってもいいよ?」
ぱちりと瞬きして言う男の瞳に、耐え切れずして目を閉じた。
さすさすと背中を擦られる。さすさすとお尻を擦られる。膀胱がますます緊張する。
「まぁ美少女のをして黄金水って言うくらいだし、汚くないよ、むしろ綺麗なんじゃねえ?」
「…おっ、おーごん、すい……??」
 
471いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:55:36 ID:imbtspPf
意味は分からなかった。
男が『お小水』の意味を分からなかったように、女にも『黄金水』の意味は分からない。
流石にそんなシモ中のシモまでは語彙にない。
でも。

「それに俺だって、お前のこと好きだし」
「――!? …はくぅっ、はっ!?」

愛されてるのは分かった。
ごつ、と奥を突かれた衝撃と、突然の告白とで涎を零しながら、
自重で乳房を男の胸板に潰しつつびくびくする。
「わ、わたひなんかの、どこ――」
「いや、フツーに体と顔?」
身も蓋もない断言に、思わず泣きそうに表情を歪める。
ここで『貴方の吸い込まれんばかりの美しい瞳に魅せられてしまって』とか言ってくれれば、
ちょっとはサマにもなるってのに、
…でもそんな嘘の無さに感じてしまう自分が、どうしようもなくダメな女に思えてくる。

「首から上はもちろん、おっぱいは爆まではいかないにしても普通に巨な乳だし、
尻もでかい、腰のくびれなんかと合わさって超たまんない安産型、
太腿もむっちむち、肌は吸いつく、柔らかいから抱き心地いいし、いい匂いだし…」
「ふっ、ぐあっ、あっ、あうっ」
ずんずんと奥を突かれながら、為す術もなく男の卑猥な言葉を聞かされた。
あれほど呪わしくて堪らなかったただ美しいだけの肉の器な身が、
どうしてか今は喜ばしくてたまらない、――唯一の長所を褒められて嬉しかった。
――ああ、役に立てている。歓んで、愉しんでもらえてる。
…無意識に目下の胸板に舌を這わす。嬉しい。好きだ。愛しい。欲しい。

「ついでに性格も良いって来てる」
「…つっ、『ついで』でっ、済まさないでっ……ください、よう……」
あんまりな言い草に思わず抗議の声を上げると、
またあの猫めいたにーっという笑みと共に、引っ張り上げられるようにしてキスをされた。
意地悪だと感じながらも、ちゅむちゅむという優しい舌遣いに応じてしまう。
…ぷるぷる震える身体の奥で、またぞくぞく、ぶるぶるっと尿意に似た膨らみが増した。

「…それにさ、なんつっても挿れ具合がさ。…すっごい名器だよお前?」
「ひあっ? ああああっ!」
そこで捻られる。
縦運動だけだったところへの不意の横運動、絞られるように雁に引っかかって
横にごりごりと擦られる膣壁に、漏らしそうで背筋がビクンと反る。

「別に『数の子天井』とか『ミミズ千匹』とか、そういうわけでもないと思うんだけどさ。
でもキツくねーし、トロトロが次々溢れてくるから痛くもねーし……、
あ、キツくないっつっても、ガバガバなんじゃなくて柔らかい肉がみちみちっつーか」
「あああっ、あああああっ」
愛の睦言にしてはあまりにも品が無く、美の賞賛にしてはあまりにも卑猥だ。
実際少女も、『カズノコテンジョウ』や『ミミズセンビキ』は流石に何を表すか分からない。
…ただ話の意図だけは、『トロトロ』や『みちみち』からよく分かった。
 
472いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:56:18 ID:imbtspPf
「柔らかい肉がたっぷり? 入り口もモリマンだし、こういうの肉厚マンコっていうの?
絡みつきこそしねーけど、ぴったり張り付いて吸い付いてくんのが超気持ちいいってか」
「や、は、そ、そういうのっ」
「つーか深マン! こんなちっこい身体のくせして俺のがほとんど入んのが凄い、
奥に当たったーって思ってもさ、まだずぶずぶ入んだよ。…むちむちの底なし沼?」
「そういうの言わないでっ、言わないでくださいぃ…」
腰を掴んで左右に捻っていた手が止まり、そのまま尻をむにむに揉まれる。
止まった動き、柄の間の休息に息を整えながら、しかし快感の後には陶然が来た。
…たっぷりと脂肪のついた臀部を、おっきな手で弄ばれる。
痺れも疼きもないが、乳を吸われて頭を撫でられるように、幸せな気持ちが心に満ちる。

「――でも、何よりも一番気持ちいいのがさ」
そうして止まった攻め手に呼応するかの如く、男が安堵したかのように深く息を吐き、
…その満ち足りた声色に誘われて、少女も無意識にそちらを見た。
「…それでも奥入れてくと段々狭くてキツいんだけど、なんか突き当たり手前だけ
ちょっと空洞っぽくなっててさ。…押し込むとそこにくぽ、って嵌っちゃうんだよ」
相性ってあるんだなー、と、感慨深げに呟く男は本当に幸せそうで、
――だから少女も釣られて嬉しくなった。
目を細めて気持ち良さそう、恍惚陶然としてる男がお腹を撫でられた猫のようで、
――だからたまらなく愛しくなった、可愛い、愛しい、とても可愛い。

「マジで気持ちいいって、こんなん一旦挿れたら抜けねーよ、中にだって出す。
鍵と鍵穴っつーかさ、お前ホント俺に抱かれる為に生まれてきたみたいな女だって」
粗野だ。下品だ。傲慢だ。馬鹿だ。ていうかバカだ。すごいバカだ。
…でもバカだからこそ愛しくて、無垢だからこそ愛らしい。

「俺の女になれって、…な?」
「…………うあ」
だが強い。
「俺専用になろ? これから毎日こーいう風にいちゃいちゃしよ? な?」
「…っ、ん、ふぁ」
ひたすら強い。バカだから強い。強くて眩しくて当てられる。

「大体、お前だって俺のこと好きなんだろ? 俺の身体好きなんだよね?」
肉欲から始まる愛だなんていけないことだ。
出会ってすぐの男に、簡単に心を許してしまうだなんていけないことだ。
「分かってる? 身体勝手に動いてるよ? …乳首俺の胸でぐりぐりするの気持ちいい?」
「…っ! ひっ、い、あ、やぁっ」
だけどやめられない。貪り埋没するのを止められない。

「乳首コリコリさせちゃってさ。俺の腹筋ぽこぽこして気持ちいい? 洗濯板みたいで」
「はっ、はあっ、はああぁっ」
カチカチに硬化した乳首を男の胸板の上で転がし、陰核を針金のような陰毛に擦り付ける。
三点に施された家畜の証の、ザラついた感触が混じるのもあって、
ジンジンとした甘い痺れはたまらない快感、ますます少女の律動を加速させた。

「き、気持ちいい…。気持ちいいのぉ…きもちいいよぅ…」
でこぼこした男の腹筋も、そういう意味では気持ちいい、…より強く男を感じられるので。
動いてくれない男の代わりに、もっと深く男が欲しく、もっと強く相手を感じたい。
 
473いぬのおひめさま(後編):2008/11/07(金) 19:57:14 ID:imbtspPf
「いいの? 漏らしちゃうんじゃなかった? 止めないと漏れちゃうぞ?」
「うあっ、あっ、ああああっ」
おかげで黙っていれば抑えられただろう波濤も、ますます昂ぶって臨界に近づいてしまう。
尿意?は既に限界近く、ビクビクと脚や尿道、膣周りは勝手に痙攣してるのだが、
「…と……止まんない……とまんないぃ……」
涙、鼻水、唾液で顔をぐしょぐしょにしながら、破滅に向かって突き進んでしまう。
――破滅したかった。壊れたかった。堕ちて、もう戻りたくない。

「…お前、ホント家畜とか動物みたいだな」
笑みを含んだ男の意地の悪い囁きに、ビクリと大きく眼が見開かれる。
そうだ、自分はダメな女だ、どうしようもない女なんだ。
「ほら、こうして欲しいだろ? 俺のおっきいのでずんずんされると気持ちいいんだろ?」
「うっ、ぐあっ、がっ、ああああああっ!」
唐突にどちゅっ、どちゅっ、と潤みの止まらない膣奥を突き上げられ、獣じみた咆哮を上げる。
もう痛みさえ無い。皮肉にも野太さが、先端面積の広さがそれを散らした。
こなれ温まってほぐれた膣壁が限界まで伸び、柔らかくも男を根元まで飲み込んでしまう。

「やっ、ああっ!? な、なんか、なんかおっきいの来る! お゙っぎいの来るッ!!」
双丘の先端と股間の陰核、三点から淡く広がるジンジンとした快感が、
膣奥から広がる痺れるような強い快感と混じり、とうとう飽和状態から鎌首をもたげた。
「怖い、怖いぃっ、こわいいぃ」
未知の領域。ようやくそれに少女は気がつき、怯え、恐怖し、男にしがみつく。
「ん。大丈夫、怖くないぞ」
なのにぽむぽむと背中を叩かれ、ぎゅうっと力強く抱きしめられて、
――とうとう恐れることさえ、慄くことさえ許してもらえなかった。

おしとやかさなんて微塵も無い。
歯を食いしばって声を押し殺すだなんて、そんなのが出来る次元じゃない。

「んあああっ、ん゙ああああっ、ん゙あ゙あ゙あ゙あああああっ!!!」

その華奢な肩と細い喉の、どこから出るのかという獣声と共に、哀れ彼女は達してしまった。
余裕なんて一片もない、無慈悲にも全部真っ黒に塗り潰される。
「――ッ、――! ――…」
今夜これまで、そしてそれ以前までに感じてきた『絶頂』が一体なんだったのかと、
そう思ってしまうような、それほどまでに深く、ある種辛くさえある絶頂だった。
「……ガ……あ……」
肺の息を絞り出してしまい、酸欠に喘ぐその姿は、最早誰の目にも貴種には見えない。
かつて暴力と痛苦により奪われた貴上の矜持と尊厳が、
皮肉にも全く逆の手法、逆の情感によって、今度こそ根こそぎ刈り取られる。
「…あ……ああ……ああああ……」

彼女の名誉と尊厳のためにも、今一度だけここに断言しよう。
――まだ腕ずくで強姦されてた方が良かった、心だけは奪わずに済んだ。

「………ひあぅ」
ぷしゃっと何かが弾ける感触と共に、繋がった場所近くにに生暖かいものを感じ、
 
474名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 19:59:48 ID:imbtspPf
というところで続次回。

うん。ごめん。でも本当にここでようやく後半の半分なんだ。
計36レスの半量。
だから区切れるような話じゃないけど無理矢理区切ります。すんません。
でも感想ありがとう。
475名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 20:49:47 ID:mRRexhh6
GJ!GJ!
いぬのおひめさまキター!!
二人のやりとりがやらしいのに可愛くて大好き!
476名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 21:45:30 ID:9Cw2vg+O
ちょ・・・っいぬのおひめさまキターーー!!
最後まで読むのがもったいなくてじっくり時間をかけて読ませて頂きました!
てか続きがめちゃ気になるところで切れてるなんて・・・なんて焦らしプレイですか。
あああ、なんて可愛いカップルなんだっエロくて可愛いなwww

次回の投稿も楽しみにしております!
477名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 21:53:50 ID:4BFLTmLV
うわあああ
こんなところで切られたらどうすれば……
GJ!続き待ってますよー
478名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 01:59:18 ID:f19LYM2Y
なんつーかさ、この人の書くものって蜂蜜みたいだと思うんだ。
それも精製されたやつじゃなくて、巣箱から取り出したばかりのハニカムの固まりから滴り落ちる濃厚なやつ。
口に含んだ瞬間に奥歯がしびれるほどとんでもなく甘ったるくて、でもそれが癖になって何度も口に運んでしまう、そんな蜂蜜。





いぬのおひめさま、大好きだ。GJ。
479名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 06:58:22 ID:QQeU14nd
何故分けるんだああああッ!
読むのに!50レスでも100レスでも読むのに!!
480名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 08:04:17 ID:mLsTVJ2V
当人は不本意みたいだけどロア「可愛い」!
・・・そういえば、このふたりは互いの名を知っているのかな?
「リュケイアーナ」ってロアには覚えにくそうなので、愛称で呼びそうなイメージがあるw
481名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 18:15:45 ID:tUwPmFwF
は、はやく続きを…!

にしてもほんとにGJです
482名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 20:21:24 ID:3rzkOGdz
>>480
「りゅーたん」とか?www

計36レスってことはもう書き上げてるんですよね?
早く続きが読みたいです。生殺しw
483名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 23:00:34 ID:JxEFlKsy
いぬのお姫様、gjです!!!!!

>>480
縮めて愛称リュナかもしれんw
484名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 05:26:05 ID:fxkrYjne
何この良スレ
何この良話s

とりあえず作者達gj
485名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 10:09:29 ID:WfkdYk0H
「おお、アーナ」
「うぁぁぁん、大穴っていうー!」
「だから入ったんじゃん。オレ専用ってこったろ。」ニヤニヤ



こうですか
わかりません
486名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 13:03:20 ID:AXATV0Si
個人的には「リューナ」とか「リュアーナ」とか呼んでほしい。
んでもって「略称でない正当な名前、覚えてます?」とか聞かれて言葉に詰まった結果、
拗ねちゃったリュケイアーナに内心右往左往するロアを想像して楽しんでる。


………あとリュケイアーナの犬耳はレトリバー系の垂れ耳だと思うのだけれど、
諸君はどう考える?

ついでに、橙の姫様は柴犬耳だと思う。
487名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 14:02:38 ID:71iJKf6h
「好きな女の名前くらい正称で呼ぶだろう」と誰も言わないところが、ロアのキャラなんだなw
>>486
三角の耳でイメージしていたけど、猫科のロアとかぶっちゃうかな。
従順で臆病で素直で奥手・・・だと垂れ耳かも。
488名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 14:39:38 ID:SyLvmBUh
>>474
うおおおう生殺しいいいいっ…続き気になるwktk
愛称はリュケでも可愛いなぁ
489名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 14:42:50 ID:8GXlTBhQ
同じく脳内の姫の頭には三角の耳がぴょこんと出ていたんだけれども
鳶色の長い髪にふさふさのGレトリバーの垂れ耳…似合うねえ
あの長いしっぽもお尻から伸びてて、ロアに逢う度ぱたぱたしてると良いよ

ちなみにロアは髪と同じ赤みがかった毛色のトラ猫の耳としっぽだと思うがどうだろうw
490名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 14:47:32 ID:AXATV0Si
>>489
赤みの強い虎縞ですね、わかります。

そんでもって喧嘩した証でちょっとギザ耳だったりすると最高。
491名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 18:29:23 ID:KgTJgypp
犬姫様最終。後編の後編。
明るく健康な未来を作る、おもらし、孕ませ、ソフトSM、奴隷化、
奥歯が痺れる強めの甘味を含みます。




容量の関係上、一応次スレを立てる準備もしてきました。
とりあえず495KB越えたあたりで全部貼るのが無理そうだったら、残りは次スレに。
492いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:30:19 ID:KgTJgypp
「………ひあぅ」
ぷしゃっと何かが弾ける感触と共に、繋がった場所近くにに生暖かいものを感じ、
続けてちょろちょろ、ちゅーちゅー、困憊の中にも馴染みの深い開放感。

「…あ……あ……」
迫る尿意にも似た感覚、ではなく、本当に尿意も迫っていた。
結局漏らしてしまう、それも床やシーツの上にですらなく、繋がった男の腹の上にだ。
散々飛び散った男女の混合液と洗い流すかのように、
ほとんど透明な熱い液体が、重なり合った腹部や太腿の合間に広がっていく感触。
「…うあ……とまんにゃい……とまんにゃいぃ……」
呂律の回らない舌で、全身を弛緩させながら呟く少女。
すぐ下にある自分を抱いた男の顔が、明らかにハァハァ鼻息荒い、
片手に彼女の背を抱きながら、もう片方で後ろ頭を撫で撫でしてくれるのも問題だった。
…汚いと突き放してさえくれない。全部受け止められてしまう。
「…あう……うっ……う……」

ゆっくりと下降し引いていく絶頂の余韻に合わせての、温かな放出感、開放感。
絶頂の激しい快感とは、また違った意味で非常に危ない――
――病み付きになりそうな、そっちの意味で『精神に失調』をきたしそうな快感だった。
…純粋な少女は知る由もなかろうが、『おもらし』は癖になりやすいのだ。
特にこんな風に前後不覚に陥るほど攻め立てられ、忘我自失の中に味わってしまうと、
無意識レベルに快感が刷り込まれてしまい、最悪慢性化の恐れさえある。
自分がどれだけ危険極まりない状況にあるか、少女は知らない、少年さえ知らない。


男根による圧迫で、結局完全に放尿が終わったのは絶頂から一分近く経った後。
…逆に言えばそれだけの間、少女は男の上で漏らしてしまった。
「………」
茫然自失の中で、ただ下に敷いた男の肉体と、腹部に残った温水の感触を貪る。
小さな子供がよくそうするよう、排尿の終わりにふるるっと身体を震わせて、
…そうしてそんな少女を実に満足げに観察していた男が、ここでようやく言葉を発した。
「漏らしちゃったな」
「…!!」
――やり過ぎだ。
びくんと身体を痙攣させた女に、男はますます興奮を強めるが、でもこれはもう行き過ぎだ。
もっとちゃんと、…男の方も興奮しておらず、冷静で正気だったなら気がついたはずだ。
女の目が恍惚と幸福に陶然としてはいても、――もう光を宿していないことに。
「ダメな女だなぁ」
「……ぅぁ」
耳元でねっとりと囁かれた今の言葉だなんて、確実に心に傷を残しただろう。
カリッと浅く爪でひっかくように、けれど剥き出しの心に傷がつく。

「………いっ」
――びちゃ、と下から突き上げられる。
「いっ、あっ、あ」
――びちゃっ、びちゃっ、ずくっ、ずくっ、と下から小刻みに突き上げられる。
寝台のクッションと腰のバネだけを使ったその動きに、
『おもらし』で湿ったシーツがじゅくじゅくと音を立てて温水を滲ませ、
男の腹筋の凸凹を受け皿に残った尿を跳ね散らせる。
 
493いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:30:45 ID:KgTJgypp
「あっ、やっ…」
これは、辛い。
「やっ、やあぁっ、やだああぁぁぁっ…」
もうお終いだと思い込んでいた、弛緩し安息していた少女にこれは辛い。

「も…もうやだ…、もう気持ちいいのやだ……」
泣きながらばたばたと力なく手足を動かし、逃げられないのにもぞもぞもがく。
「やだ、気持ちいいのやだ、気持ちいいのやだあああぁッ」
せっかく熾火のように収まっていた快楽が、たちまち再燃し出すのを感じる。
疲れてるのに、もう止めたいのに、反応するいやらしい己の肉体が怖い。
「やっ、やだ……や……はっ、はう、はん…あんっ」
ぬちゅぬちゅと行き来する肉柱に、それでも濡れた膣壁が絡みつく。
ごりごりと凶悪な雁の段差の裏側にさえ、恋人のようにぺっとりと抱きついて離れない。
「あう…あふ…は…はうっ…はふ…ぅんっ…」
ああでも気持ちいい、やっぱり気持ちいい、気持ちいい気持ちいい気持ちいい。
好きだ、好きだ、好きだ、好きだ。

「……頑張ってよもうちょい」
「んっ、んっ、んっ」
こてんと男の胸板に横たわったまま、股座からの快感に耐えていた少女の表情が、
「辛いかもしんないけど、俺ももう少しで出るからさ」
「……ん、ぅ?」
『出る』という単語に、流石に不穏な反応を示した。
「…あ。出るってのはもちろん、ションベンのことじゃなくて白いののことな?」
「………」
――『出る』、『でる』、…『射精る』?

のろのろと男の表情を見やると……やっぱりとても気持ち良さそうだった。
彼女の腰を掴んで上下させ、剛直に感じるぬめぬめときゅうきゅうを愉しんでいる。
時折恍惚とした息を吐きながらピタリと腰の動きを止めるのは、
込み上げてくる射精感を堪えるためだろう、なるべく長く、限界まで愉しむつもりなのだ。
…それは慈悲でもなければ悠長でもなく、ましてや女への気遣いでもない。
そうやって焦らし焦らし長らく愉しんだ方が、とろとろに練られた白濁が大量に出る、
濃く多い吐精が長く続き、快感もまた高まることを知ってるのだ。
完全に自分が愉しむ動き。
女の身体を『使う』、自分の快楽重視の動きとそこに伴う忘我の表情に、
さしもの少女も本能レベルで、自分がされそうになっていることを理解した。

「……や……だめ……」
拒絶の言葉は洩れた。
…一切の物理的抵抗を伴わない、声にさえ諦めと迷いを含んだ拒絶だったが。
「……そとに……なかに出しちゃだめ……ぇ」
本当はもう大量の先走り汁に膣奥を犯され、更には既に一度出され済みなのだが、
それでも外に拘るのは、まあ立場的に無理からぬ心理だろう。
…それでなくとも準備の出来てないところへの不意打ちだった一度目とは違い、
今は心も体もすっかり準備が出来てしまっている、
蕩けた肉はぷるぷると男自身に絡みつき、淫らに乞い願って仕方がないのだ。
最初は七割八割しか入らなかったはずの剛直が、
今では根元まで入ってしまっている事実も、少女の心を苛んだ。
 
494いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:31:10 ID:KgTJgypp
挿れられる前に見た、舐めしゃぶったモノの全容を思い出す。
…入るはずがない、あんな異常な大きさのものが、根元まで体内に埋まるはずがない。
はずがないのに、現実には柔軟な膣壁、豊潤な膣肉が、
ゴムのように柔らかく伸びて、全身で男を受け入れてしまっている。
胃や腸、更には肺が圧迫される感覚に、軽いえずきや息苦しさも感じつつ、
槍のように突き上げられ、捉えられせり上がってしまった子宮を思い、女は泣いた。
――する。――絶対妊娠する。――絶対妊娠させられる。
「……赤ちゃん……できちゃう……」

無知な少女に分かろうはずもない。
自分のそんな啜り泣きが、どれだけ目の前の男を興奮させるかなど。

「仕方ないって」
愉悦と興奮を抑え切れない男が、実に悪魔らしく甘きに囁く。
「好きだからしちゃうんだよ」
「……やだ……」
――嫌がれる理由を掴もうとした。
「気持ちいいからやめらんないんだって」
「……やだぁ……」
――壊れた人形のように定型の文句を呟きながら、それでも嫌がれる理由を探そうとした。
「だからできちゃうんだろ? だから中で出しちゃうんだろ?」
「……やだ……やだよぅ……」
――だってそうだろう? 犯され孕まされるのを自分から喜ぶ女が何処にいる?
「好きだから出来ちゃうんだよ、…仕方ねえって」
「や……」

――だから掴もうとする、なのに見つからない。
何処にも無い、あんなにたくさん、数え切れないくらいあったはずなのに。

「…や……だめ……」
虎視眈々と狙っていたのだろう。
「そこ……深いぃ……奥……だめぇ……」
肉襞を掻き分けた亀頭の鈴口が、むちゅう、と子宮口に口付けを施した時にも、
だから少女には何も出来なかった。
「だめ……だめ……ちゅーしちゃ……やだぁ……」
くりくりと、ちょうど男の巨体がじゃれ付いて来るように強く押し上げられて、
同時に正真正銘全部挿入ってしまう、ぷにぷにとした土手がぎゅっと男の恥骨に押し潰される。
「あ……あ……あ……あ……」
それだけにびくんと男の腰が痙攣し、同じく震えた先端がぐっと膨らむのも、全部感じた。
「っあああ゙!」
「っ」
高い悲鳴と低い呻きが重なった時には、白濁が少女の最奥を射抜いていた。

完全には味わえなかった一度目とは違い、待ち構えての二度目。
 
495いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:31:33 ID:KgTJgypp
「…く、ふぁ」
ジュッ、ジュッ、と明らかに何か出ている感触が膣奥に伝わる。
その時点で何か脳の奥がジン…と痺れる、訳の分からない歓喜に吐息が洩れる。
そんな明らかに何か出てると分かるのは最初の二度三度だけなのだが、
でも何か熱いものが、じんわりとそこを中心に広がっていく感触がそれに続く。
「は、ふ……」
これも危険だ。訳が分からないくらい幸せになる。
胎の中にぽっと火が入ったような感覚、狂おしいほどの幸福に涎も垂れる。
ギチギチに収まった肉柱が、びくんびくんと脈動する感覚もいい。
熱が逆流していく感覚も、結合部からびゅっびゅっと飛び散る感触も素敵だ。
なまじ反射的に締まってしまうせいで、余計に強く感じてしまう。
震える男の腰も、がっしりと彼女の身体を掴んで離さない腕の太さも、勿論好き。

「…ひぁ、ん……」
『雌の歓び』…なんて言うのは少女のためにもやめてあげるが、
とにかく『女の子に生まれて良かった』と、心の底から思えてしまう危険な歓びだった。
深い絶頂の劇的な波濤とも、先刻のお漏らしの流砂めいた背徳とも違う、
また別の歓び、これはこれで危ない麻薬めいた恍惚。

「…ん、んッ」
ひくひくと震えていた肢体が、冬の寒さに瘧を起こしたが如くぶるぶるっと震え、
放出は終えても未だビクビクと震える男の剛直を絞り上げた。
最初挿入された時にも彼女が感じた痙攣だが、
でもこれは絶頂というよりは、単に幸福の酩酊に感極まっての反射的な震え、
『それも絶頂の一種』とするのは、あまりにも可哀想なので彼女のためにもやめておく。
『何回イッてる、淫乱の素質があるんじゃないか』と、そういう話になってしまうから。

……ああほら、言わんこっちゃいない。

「……しゃせー……きもちい……」
心に傷が残った、
「あつい……あったかひ……」
心に傷が残った、
「……せーえき……びゅーって……びゅー……」
間違いなく心に傷が残った。

そうしてドン、ドン、と分厚い大胸筋ごしにも感じる心臓の鼓動を聴きながら、
ふーふーとだらしなく射精の快感を貪る男の表情を盗み見る。
だらしなくても、やっぱりとっても幸せそうで、やっぱりとっても気持ち良さそうで。
「……かわいぃおぅ……」
唾液で呂律の回らない舌、男に意味ある言葉として届かなかったのが、
不幸中の幸いといえば幸いだったかもしれない。

……終わり切ってから十二分に間を置いた後、男の両手が女の足腰を離す。
伸びきることで根元まで男を飲み込んでいた膣肉が反動で戻り、
ずず…とゆっくり、一割ほど男の剛直を吐き出した。
 
496いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:32:08 ID:KgTJgypp
どろりとした白濁が溢れ、捲れ上がった朱肉が滑り戻りながらひくひくと蠢く。
自由になった腰の対価に、背中を抱かれ、頭を撫でられ、
「……できちゃう……できちゃうよぅ……」
しかし言葉とは裏腹、甘えむずがるような声色で男の胸に擦りつく辺り、手遅れだ。
目がキちゃってる。完全に正気じゃない。

男の両手が女の腋下を掴むと、引っ張り寄せるようにしてキスをする。
身長差が辛いせいで実は微妙に届かない、
結果として黒檀色の肉棒がずるずるっと半分ほど抜け出、ビクビクと白い下半身が痙攣したが、
股間からぼたぼたと白濁を垂らすにも関わらず、少女は夢中で施される口付けを貪った。
ちゅむちゅむはむはむ、絡んでくる舌と、幸せな後戯。

「…いいだろできちゃっても」
「……ふぁ」
てろりと唾液の橋を残しながら、唇を離した男が呟く。
「てか産もう? 産んじゃお? 俺の子産も?」
「くッ? うぅんッ、……あ」
そのまま引っ張り上げて抜いた分を、肩を抱き圧すことによって再び押し込む。
再び満たされ、ずるるると八割近くまで飲み込んでしまいながら、
でもそこでようやく、少女も回らない頭なりに気がついた、経験則的に。

「…な……なんで、ちっちゃく、なんない……」
「…ん?」
男が小首を傾げる。…ちょっと可愛い。
「…だって…さ、さっきも、今も、出したのに…全然縮まない…おっきいまま……」
「…え。…そりゃお前、だってさっき言っただろ」
どこかふわふわした女の問いに、どこかふわふわした男が真顔で答えた。
「忙しすぎて抜く暇も無かったって。大体十日分くらい溜まってるって」
「………」

歯車が噛み合わない。
彼女の中での男の陽根とは、一度精を吐けばすぐ縮むものだ。
十日もなにも、三日置こうが一ヶ月間を空けようが、それが不変の事実だったし、
そもそも一晩に二回射精だなんて、そう言えばされた覚えはない。
というか、こんな出ない。
出てると分かるほど、激しく出された記憶ない。

「…そりゃ俺だって抜かずは二連が最高記録で、三連行けそうな今は新境地だけど、
でも別に抜かずでなきゃチャージ満タン、最高記録も更新できそうだし…」
要領を得ないことをブツブツと呟く男の声を、疲れ果てた脳で半分も理解できずに聴く。
鼓膜に響く低音だけで心地よい少女は、だからとうとう気がつけなかった。
「…そもそも、萎えろってのが無理あるぞお前」

男の目もヤバい。
虚ろに高揚してて、地味にこっちも正気じゃない。

「『イヤダメやめて赤ちゃん出来ちゃう』とかさぁ、勃つだろ、男的に当然」
「……うあっ!?」
高揚して完全にハイになってる男が、極めて正直な自分の気持ちを吐露したが、
でもこれはちょっと正直過ぎだ、いくらなんでも正直過ぎだ。
 
497いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:32:27 ID:KgTJgypp
「白いよなぁ肌も、山羊乳みたいで、綺麗で」
腿や尻を撫でる目には、それでも青痣や傷跡、肩下と脇腹の火傷痕は映らない。
傷なんて見慣れてるし、そもそも肌がミルク色の女がして珍しいのだ。
「…こんな白い股からさぁ、お前が唸りながら小麦色のガキがひり出しちゃうとかさ」
「ふ、ああっ……んんっ」
そうしてそんな光景を、実にまざまざと想像したのだろう。
ぐいいいっと、二連続の放出で八分勃ちぐらいには柔らかになっていたものが、
たちまち硬さと体積を取り戻し、女が鼻に掛かった声を上げた。

「普通に鼻血でない? 出るよ俺? だって男だもん、ケダモノだもん」
「うあ…あ、あぁ……ああんっ…」
ぎゅうっと両腕両肩を拘束されながら、逃れようも無く過激な睦言を囁かれて、
なのに少女は嫌がれない、甘えた息を洩らしてしまう。
「で、そうやって産んじゃったのに、頑張ったねって俺に褒められると頷いちゃって、
キスされたらラブラブチューしちゃうとか、そこまでやって『本当の陵辱』だろ?」
「はぁッ、はあぁっ」
くちくちと突かれる最奥に、亀頭と子宮口の隙間で精液が練られ擦り込まれるのを感じ、
なのに歓んでしまう、幸せにぞくぞく、勝手に身体が擦り寄ってしまう。

「こんな牛みたいな輪っかつけちゃってさぁ、乳垂れ流して、でも笑ってんだよ、
でかい腹抱えて、なのに幸せいっぱいで、中に入ってんのは俺の子で」
「ひ……」
言われて、でも容易にはっきり想像できた。

家畜のように乳を腫らし、胎に子を孕んで、…でも褒めてもらえる、撫でてもらえるのだ。
偉いね、頑張ったね、よくやったねと、愛されて、可愛がられて、キスされて。
それにどうしようもない自分はますます乳を漏らし、犯されて孕んだ子なのに愛しくなってしまう。
それをダメな女だなって優しく叱られて、でも幸せで、気持ちよくて、がくがくぞくぞくして。

「口先では嫌がりながら『悔しいけど産んじゃう』ってのも捨てがたいけどさぁ、
口先でさえ嫌がれなくて『幸せいっぱいで産んじゃう』ってのも、それはそれで良くね?」
「あっ、あっ、あ……」
まるで貴公子が理想の夫婦像を説くかの如くに、
下卑た笑いでも上げながら言うべきを甘く優しく囁いてくるのが、また痛烈に心を冒す。
言葉は優しくて、抱き締める腕も優しいのに、でも目だけが強くて蠱惑的だ。

「…お前も、幸せ? …お前も、俺と家族したい?」
「……ッ!!」
隠し切れてそうにもない膨大な歓喜に、少女は息を詰まらせて身を竦ませる。
欲しい。産みたい。産まされたい。
「…なぁ、やっぱ本当に避妊しないとダメ? なんでダメなん? どうしてダメ?」
「ふ…、ふ…」
ずるい男が、約束を反故にしても怒れない。
強く、大きく、立場の上の男が、でも脅すのでなくおねだりしてくるのが理性を溶かす。
可愛い。あげたい。使ってほしい。
「復讐の道具にしなきゃいいんじゃん、愛し合って作るならいいんだろ?
こうやって毎日中出しまくってさ、それでデキちゃったんなら仕方ないだろ?」
「んっ…、んっ…」
純粋にまっすぐに攻められて、嘘も悪気もないせいで、勢いに押される、飲み込まれる。
 
498いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:32:53 ID:KgTJgypp
「作ろう? てか結婚しよう?」
「……ぁ」
結婚。…その言葉の持つ幸せな響きが、じり、と女の脳を灼く。
結婚。結婚。夫婦。つがい。
ちぷちぷという小刻みな甘い波紋も、一層女を耽溺に落とす。
「爺とのなんて結婚にも入らねーよ、だってこれお前、まんま性奴隷の待遇じゃん」
「…だ……だめ……だめ……」
ぶたれない結婚。蹴られない結婚。…好きな人との、幸せな結婚。
「俺とホントの結婚しよ? ホントの正しい恋人同士して、正真正銘の夫婦して、
いちゃいちゃラブラブで毎日エロいことして、いっぱい子供作っていっぱい産もう?」
「だめ……だめ……けっこん……だめ……」
したい。したい。
それなら別に家畜でもいい、ずっと一緒に居られるなら、それならどこまで堕ちてもいい。

――でもダメだ。

「……わたひ……いぬ……だからぁ……」
釣り合わない。
『貴』と『賎』では、『強』と『弱』では、……『人』と『犬』では釣り合わない。
今までずっと認めたくなくて、でもここでようやく自認する。
「……いぬ……ぅ……」
前夫を殺した相手と寝た。領土を侵した相手と寝た。蛮族、異民族、異教徒と寝た。
寝たのみならず心を許して奪われた。自分から求め、自分から応じた。
喘いで、善がって、媚び狂った。
唇を吸われながら達し、男根を咥えながら達し、獣のように尿を撒きながら達し、
種付けされながら咽び鳴いて、今尚男の子供が欲しくて溜まらない。
あまつ男の若さと逞しさに酔い、力に魅せられ、餌に釣られる。
「よごれ……ちゃう……」
自分の方こそがむしろ相応しくない。男の方こそがむしろ素晴らしい。
野蛮人だとか、異教徒だとか、簒奪者だとか、もう関係ない。
こんな強くて眩しくて輝いている、純粋で穢れ無い、熱量と活力の塊みたいな男に、
自分は相応しくない、自分には勿体無い、夫婦だなんて恐れ多い。
「……にんげんじゃ……ないの……」
そもそも一度の交合でここまで相手に溺れてしまうなんて、本当に売女かもしれなくて、
だから少女は最後の力を振り絞った、男の誘いを押しのけたのに。

「…なんで犬だとダメなん?」
「……――」
 飴のように溶けた理性、崩壊した価値観、ガタガタの心。
「…犬、好きだよ俺?」
「………ぁ」
 もう守る鎧が何一つなくなった剥き出しな精神に、これは致命の一撃だった。
「可愛いし、従順だし、尻尾振りながらすりすりしてくるし」
「………ぁ、ぁ」
 彼女のトラウマの要。負い目引け目の核。最後の砦。
「おバカでダメなところとか、ちょっとアホの子なところとかも好きだし、
サカっちゃうとどうしようもないところもエロくて好きだなー」
 お互い汗だくで寝転んで抱き合いながら、ちょっと冗談めかしつつ軽い気持ちで、
 バカで頭の悪い男が目の前の『それ』を、トン、と押す。
 
499いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:33:28 ID:KgTJgypp
「…そんなに可愛いのに、なんで犬だとダメなんだ?」
「は…――、あ――」
 それにぐらりと傾いだ高い塔、影を落として均衡点より外に出てしまった積み石が、
「いいじゃん犬で。別に」
「――――!!!!」
 折れる彼女の心そのものだ。

 がしゃん



…枯れたと思った涙をまたみるみる溢れさせ、がたがたと震えだした少女に対し、
男はおもむろにごろんと側位になると、猫背で深々と口付けをした。
『女落とすにはチューが基本戦術だぞ!』とは、兄の一人からの至高の助言である。
今までの体位も良かったのだが、身が屈められずキスしにくいのが難点、
…本当を言うならバックか立ちバックで、獣のように激しくしたい気分だったのだが、
それは経験則から断腸の思いで我慢、またの機会にお見送りする。

辛いのだ後背位は。体格差的にまず間違いなく女の側が痛がる。
というかそれで一度苦い失敗もした、だからもっと慣れてから余裕のある時に試したい。
…巨根だとか、身の丈八尺余(※当時の一尺は約23cm)の大男だとか、
そういう意味では皆は羨望の目で見るものの、あまり良いものではないと男は思う。
サイズが大きすぎるせいで、テクの入り込める余地が少ない。
前戯も十分に必要で、挿入後も激しくは動けず、結果長引き相手をうんざりさせてしまう。
泣き叫ぶ女で楽しめる趣味はなく、濡れてない穴でだとこっちまで痛い。
愛撫が人一倍丁寧なのもある意味当然で、別に特別なことをしてるつもりはなかった。

「…俺のペット、なる?」
「………はい」
だから鎖骨の下、胸板に寄せた女の頭がこくんと頷いた時は狂喜した。
『ヤッター陵辱成功ー、祝陥落今日から俺の女ー』とか、
『やっぱり再婚とか捕虜とか言うから重いんだよな、ペットなら軽くてフレンドリー』とか、
心の中でリビドーのままにワーイした。
「…俺の子、産む?」
「………ふぁい」
だから幸せそうな顔をした少女がこくりと頷いてしまった時は興奮したし、
「……赤ちゃん……ください……」
自分の胸に顔を擦り付け、少女がもじもじしながら言ってきた時は感動さえした。

「ん。…じゃあ子作りしよっか!」
「………」
爽やかにも卑猥な誘いに、でもビクンとした少女が顔を真っ赤にしながらも頷く、
…どころか期待さえ込めた上目遣いでぽーっとこっちを見て来た時なんか、もう幸せ絶頂だ。
『うわー、何ちょっとこいつ、なんかあり得ないくらい可愛いよ、鼻血出そう』と、
少女がひたすら可愛くて愛しくて、そんな彼女を幸せにできる自分が誇らしくて有頂天。

――これだからバカは怖い、始末に負えない。
500いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:33:42 ID:KgTJgypp
相手の片脚を持ち上げて余裕を確保すると、一気に半分ほど黒柱を引き抜く。
「ふぁああッ!?」
案の定多少膣肉は捲れこそしたが、意外とスムーズにずるずると抜けた。
凶悪な雁にぷりぷりとした肉が絡みつく抵抗感こそあったが、
膣肉が噛んで止まってしまう感触や、相手の女が痛みで悲鳴を上げる様子も無い。
「あっ……あ……」
濡れ具合もあるが、相当温まって、『緩んで』も来た結果だろう。
…これが並の者なら『締まりが悪くなってきた』と眉を顰めるところだろうが、
男にしてみれば好都合、ようやく激しくも動かせそうだった。

至って普通の、激しいピストン。
娼婦相手にさえ相手が顔を顰めてしまい、なかなか出来ないことが出来るのだ、
興奮を抑えるなというだに無理がある。
「ああ、あ、う、ううぅぅう……」
ぐににーっ、と再度押し込まれていく肉の杭に、ぼたぼたと掻き出された混合液が垂れる。
持ち上げた脚はぷるぷると痙攣して、女の喉からは呻きが洩れる。

…『何か反応や声質の大胆さが変わったな』、とは男も思ったが、
でもそれは『陥落して妊娠OK宣言出しちゃったからかな』、ぐらいの結論に収まった。
それとてトロンと虚ろな女の蒼い目が可愛い以上、実に瑣末な問題だ。
「んうっ」
こつん、と奥まで当たったのを感じ、女がビクンとするのを腕に覚えながら、
今後の展望についての算段を立てる。

内容は実に簡単。
女が苦痛を覚えない程度に、今の出し入れのピッチを上げていく。
耐え切れなかったらペースを落とすが、耐え切れるところまで行ってみよう、
そう思いながら、男は二度目の引き抜きにかかった。

 <ここからが本当の地獄だ>

「はっ、ああっ、んっ、くうぅっ」
ずるっ、ずるっ、と激しく行き来する肉棒に、女が歓喜の悲鳴を上げる。
「うあっ、うあああっ、うあああっ、うああああっ」
犯される快感に、膣肉がぐぼぐぼと雁に掻き出される感触に、だらしなく口を開けて快感を貪る。
「気持ちいい? な、気持ちいい?」
「いっ、いいよぅっ、いいいぃっ、気持ちいいいぃっ!」
訊かれてためらいもなく、秘所から走る快感のままに幸せそうに叫んでしまうその姿は、
――ああでも手遅れだ。引き返せないとこまで行っちゃった。

「いいっ、ごっ、ごしゅっ」
更には。
「…ご主人様、ご主人様っ、ごしゅじんさまぁっ!」
「うおわ!?」
唐突な爆弾発言に、これには男もビックリする。…腰の動きは止めないが。
「…え、お、俺、ご主人様? ご主人様なの?」
「はいっ、はいいいっ! あっ、あっ」
おっかなびっくり男が訊くが、少女は何か限界突破でも成し遂げたかのように幸せそう。
501いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:34:14 ID:KgTJgypp
(…え、ええー……)
でも男の方からすれば、この突き抜けられぶりは逆に照れくさくて恥ずかしい。
何しろ冗談やおふざけではなく、至って真剣に呼ばれてるのだ。
ご主人様――Lord(君主)――なんて柄じゃあないのは、本人が一番分かってる。

「ご主人様……ご主人様……あなた……あなたぁ……」
「……う」
だから「My Lord」――ご主人様とかあなた――なんて、顔が赤くもなる。
そうやって呟きながら恍惚と胸にすりすりされると、どう反応していいのやら。
幸せなんだけどもよもよする、嬉しいんだけどむず痒い。
贅沢な悩みだとは分かっていても、それでも『英雄』と同じで重たくて困った。
狙って軽くしてるんでなく、本当に重いのが苦手なのだ。

「…ご、ご主人様はいいよ……。……ロア。ロアネアム」
「……ろあねあむ、さま?」
「様はつけなくていいって! ロア! ロアでいいから!」
思わず腰の動きも中座してしまって、耳まで真っ赤にしながらそう叫ぶ。
褐色肌の自分はそれが露になり難いから助かると思い、
――そうしてそう言えば、お互い名前も名乗ってなかったのに気がついた。

極めて本末転倒で、今更もいいところの話だったが、
「……ろあ……ロア……」
でも目下、噛み締めるように自分の名前を連呼している少女を見ていると、
流石に名さえ分からないのは不便極まりないと気がつく。
「――そういや、名前は?」
あまりそういう出自だとか姓名には拘らぬ性質だが、それでも聞く。

「……りゅけいあーな・おる……」
応えて紡がれかけた女の名乗りもまた、はたと中途で滞った。
長い本名の大部分、家格や出自を表す語句が、今やどれほど価値を持つか。
「…………リュケイアーナ」
そう思った、だから『ただの女』のリュケイアーナは、ただそうとだけ小さく呟く。
…本当は帝国での通俗的に、愛称は『イアナ』か『アナ』になるのが通例なのだが。
「そっか、じゃあリュカだな、リュカ」
与えられ決められた新しい呼称に、それでも少女の心は嬉しさに震える。

――名前。ご主人様から貰った新しい名前。

たかが名前だが、それでも名前だ。
「リュカ、リュカ」
愛でるように名を呼ばれながら、ずぽずぽと動きを再開される。
「あっ、ろ、ロアっ、ロアああッ」
呼ばれたから応える。善がり声の代わりに、噛み締めるように、確かめるように。
「リュカリュカ、リュカー」
呼び声に合わせ、徐々に往復が加速し、
「ロア、ロア、ロアっ、ろあっ」
肩までの鳶色の髪が散るのにも関わらず、動きに応えるように女も応じる。

りゅかりゅかろあろあ。ぐりぐらぐりぐら。
502いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:35:15 ID:KgTJgypp
下は激しく、上は大甘。
確かに陵辱のはずなのに、実際気品の欠片もない獣交なのに、
もう恋人同士の逢瀬にしか見えない。
誰もが『ご馳走様』と呟くだろう、立派なバカップルの出来上がりだ。

「んんっ」
しまいには感極まったらしく口付けまで交し合いだす。
「んんーっ、んゔーっ」
当たり前のように舌入れディープが基本になってることに、
つい一刻前にファーストキスを経験したばかりのお姫様は何の疑問も抱かないらしい。
鼻息荒くも一生懸命相手の舌に絡んで、ちゅーちゅーお互いの唾液を吸う。
幸せ、幸せ。

「ふはっ、はっ、はああっ、あああッ!」
「イクの? またイッちゃうの?」
やがて腕の中でじたじたし出したリュカに、ロアが唇を離して強く問いかける。
「イク? イク?」
「いっ、いく!」
反復して問われるがままに、オウム返しで復唱する。
高貴な身分の者が使う言葉ではない、下々の農奴が使うような下卑た言葉だが、
「…いく、イクっ、イクッ!」
――でもいいよね、犬だし、もうただの女なんだし。

「あああ゙あ゙またイクっ! またイッぢゃううぅ!!」
漏らしはせずとも怖いのには違いない。投げ出されるような恐怖感。
だからぎゅうっと男の身体に抱きつく。腰に足を巻きつけて、胸板に顔を押し付ける。
「いぐっ、ひぐっ、い――グ、ぅッ!!」
激しく、でもしっかり抱き締めて、抱き締められて。
結局世界で一番相手を感じながら、とっても幸せにリュカは絶頂してしまった。

「あ…ああ゙……あ゙…」
膣肉を痙攣させながら、だらしなくロアの胸に涎まで零して、でもオーガズムに酔う。
本来ならそれで良く、それで終わりだった。
眼がチカチカ、頭が真っ白になるほどの辛い快感は、けれど静かに拡散して、
緩やかに落ちていく曲線、ふんわりと軟着陸する心地よさ、
むしろそっちの方が目当てかもとも言える、甘くて幸せな時間がやってくるはずだった。
――本来なら。

(…うあっ?)
白く濁った思考の中にも、更なる下からの突き上げを感じる。
ビクビクと絶頂に収縮する膣壁を、張り出した雁がぐにゅううっと掻き出す感触を覚える。
(あっ、あうっ、あう)
ずん、ずん、ぐに、ぐに、…結果としてなかなか下に降りない。
小刻みに下から突き上げられるせいで、下降中にも微妙に跳ね上がるのだ。
――でもそれだけならまだいい。
(はうっ、はうっ、はう、…はうっ?)
下降曲線がふんわり軟着陸しだす――地面よりも遥かに高い空中で。

熱い重湯のような濃い快楽が、まだたゆたって渦巻いてる、薄れきっていないのに、
(は……)
曲線が平行になる、どころか『くくくっ』と、まだ底からだいぶ高いところで上を向く。
503いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:35:33 ID:KgTJgypp
「あ、ああっ、うあ……」
恐れもする。
熾火どころかちょっと火勢が弱まった程度のトコに、油ぶっ掛けられるようなものなのだ。
火が勢いよく燃えるのを見て、無邪気に興奮している投入者の『子供』はともかく、
燃えている『火本人』としては非常に怖い、火事になったらどうすんだこれ。
「や、やああッ、やあああああ!」
叫びもする。

「やだ、な、なにっ、へん、変、おかしい、これっ」
がくんがくんと揺すられながら、身に起こる変調を機能しない頭で必死に訴える。
「とまんなっ、きもちいい、やだっ、や――」
その訴えすら唇で塞がれる。

――拷問だ。当事者二人がなんと言おうと、第三者からすれば拷問。

「んっ、んっ……」
愛情たっぷりの優しいキスで、生じた恐れや不安がみるみる温かく蕩かされる。
絶頂直後のバカになった頭では、すぐに幸せにぼーっとしてしまうのだが、
でも下からの責めはそんな時でも止まない。
(んーっ、んんーっ)
快感は折り重なる。一枚一枚、でも確実に蓄積し、このままではすぐに閾値に達する。
でも何もできない、甘さに蕩かされる、優しい、温かい、気持ちいい。
怖いと思うことさえ、恐れることさえ許されない、ほぐされて、溶かされて、浸されて。

「…やめて……やめてよ……とめてよぅ……」
壊されて、壊されて、壊された挙句の、先刻から散見される幼児退行のきらい、
ぎゅうっと蒼い涙目を瞑ってふるふるするちっちゃい女に対し、虎は、鬼は、
――少年は悪魔めいて笑った。
「じゃあ止めような」
そうして一番奥まで、限界まで捻じ込む。
「がうっ!」
子宮を、内臓を、肺を押し上げられて、女が吼えるような悲鳴を上げた。

小刻みにしか動けなかった時に、大体感覚は掴んでいた。
ごっ、ごっ、と軽く鋭く突くのではなく、どむ、どむ、と重たく鈍く、
面積が広いところで当たれるよう、押し潰すようにしてコリコリを叩く。
「あっ……や、やだ……これも、やだぁ……ぁっ」
効果のほどは、女のぶるぶるという震えですぐに分かった。
「これも、きもちひ……、…これも、くるぅッ、ぅ……」
優しさなんて微塵もなく、まるで虎のように少年は笑う。

再三言うが苦しいのは事実だ、苦しさだけは変わらない。
どれだけ膣壁が柔軟で、どれほど行為で温まった結果緩んだ、痛みは微塵も無かろうと、
長さも太さも標準の1.5倍、イコール体積は3倍超、
胃や小腸、消化器官は軒並み押し上げられ、結果横隔膜も圧迫される。
ほとんどの女は気持ちいいどころではない。
呼吸は苦しい。軽い嘔吐感は伴う。食事直後に乱暴にやられたら間違いなく吐く。

「…おか…ひいよう……」
なのに。
504いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:35:47 ID:KgTJgypp
「苦しいのにきもちいい……苦ひいと気持ちいいの……」
「…そっか」
――おかしいな、と男は思う。
自分は苦痛に泣き叫ぶ女相手に、興奮する性癖は持ってなかったはずなんだが。
「痛いのに気持ちいい……痛いのに、いっ、ひっ……」
「そっかぁ」
――おかしいな、と女は思う。
自分はあんなに痛いのが嫌だったはずなのに、痛いのが怖かったはずなのに。

大好きだから苦しいのにも耐えられる、痛いのにも我慢できる。
我慢できるから誇らしい、耐えられる自分が嬉しく思え、もっともっと頑張りたい。
「……もっと」
首を絞められるのが気持ちいいように、辛い苦行が気持ちいい。
非常に危険な精神状態ではあるが、それでも幸せなのも事実だった。
倫理的には正しくない。道徳的にも間違っている。
そこまで女が追い詰められた、その全てが男の責ならば、まだ男をも非難できた。
…でもこの構図が真に救えないのは、そうでないというその事実そのもの。
「……もっと、もっと!」

宗教洗脳、思想洗脳、大いに結構、効果的なのは否定しない。
ただしやるなら徹底的に、一片さえ矛盾を許さずムラなく完璧に塗り潰すべきだった。
――『洗脳』で本当に怖いのは、万が一解けてしまった際のその『反動』。

「だいじょぶだから…頑張れるから……だからもっとどすどす、奥どすどすぅ」
「うん、うん」
…なんて高等理論分かるはずもなく、男は「マゾだなぁ」と思いながら要望に応じた。
『ああこれが噂に聞くドMってやつか、辛くても感じちゃう特殊性癖か』、
『やっぱりこの体格差じゃ少し辛いみたいだけど、でも感じてるんだし別にいいよな』、
ぐらいにしか考えず、興奮してただひたすらにずむずむと突く。

何より、ロアの方も気持ちいい。
こんもりとしたリュカの土手は、見た目通りぷっくりしていて肉が厚く、
いざ限界まで押し込んでみると、ひんやりとした肉布団がぷにっと根元を包み込む。
それがなんとも心の快感、なんだか幸せになれる気持ちよさ。
「俺も気持ちいいよ、すっごい気持ちいいよ!」
もっと奥。もっとぷにぷに。
「…っ、わっ、わたひも、わたひもぉっ」

無茶してるのに、相手がそれを受け入れてくれるから調子に乗る。
演技でなく本気で感じてるのが丸分かりだから、心配や手加減もできなくなる。
気持ちよくなって貰えてるのが嬉しくて、だからまたチューをして、
そうして『今なら出来るかも!』と思い、思慮も加減もないバカな問いをした。

「…ね? 俺とフェリウスの爺のと、どっちが気持ちいい? どっちが幸せ?」

呪縛を解いてあげたかったのだ。悲しい思い出を忘れさせたかった。
だからやった、相手の心がガタガタなのは漠然と感じ、今なら出来るとの自信を持って。
はたしてリュカがほんの少しだけビクリと震えた後、
「…こ、こっち! こっちいぃ!」
決別するかのように高らかに叫んだ時は、内心力の限りにガッツポーズした。
505いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:36:01 ID:KgTJgypp
ブチブチと鎖が切れる手応え、女がこっちの胸に飛び込んできてくれたのを感じて、
――なのでさっぱり分かってない、自分が何を引き千切ったのかを。

身分や性差が絶対の帝国貴族にあって、夫への背反がどれほどの禁忌か。
絶対的君臨者だった前夫への反抗が、少女にとってどれほどの勇気を要したのか。
根が真面目で奥手な少女にとって、それらがどれだけ普通よりも重いのか、
卑しい蛮族、お気楽なバカには、それらが全然分からない。

「ロアの方が、ご主人様の方が、ずっといい…、ずっと幸せで気持ちいい…!」
「だっから、ご主人様はやめろってば」
苦笑しながら、ちょいちょい女の顎をくすぐる男には分かってない。
「おっきくて、強くて、優しくて……あぅ、太いの、ずむずむ太いの、気持ちいい…っ」
「ん。そか、そか」
褒め称えられて満足そうに頷くバカには、やっぱりちっとも分かってない。

「嫌いだったよな、本当は爺のこと? こんな酷いことする奴だもんな?」
「…っ、…うん、…うんッ!」
ちりちりと乳首の輪飾りを弄びながら、けれどあまりにも酷なことを聞く。
「…きらい、嫌い、あんな人…!」
ロアからすれば、妻であるはずの少女に対してこんな仕打ちをしたのである、
嫌われて当然、殺したことへの罪悪感さえ失せた、背反に何を躊躇うとさえ思うのだが。
――でも故人なのだ、それでも前夫、恐怖公ではあってもそれでも公。
それでも少女が略礼喪服を着ていた、着ざるを得なかった周囲背景を何も知らない。

「しんじゃえばよかった……さっさとしんじゃえばよかったんだ……!」

故人への罵倒。亡くなった人間に対する呪詛。それも前夫に対しての。
…でも倫理や道徳なんて薄皮をめくった下にあったのは、確かに憎悪、怨恨、軽蔑で、
立場や責任なんかで抑えつけてた下に溜まってたのは、汚く澱んで濁った膿で。

「うん。だよな。フツーそうだよな」
そんなのをこの蛮族は残酷に。
「ちゃんと自分の本当の気持ち言えたな。偉いな。よしよし」
「あ……」
――褒められた。ご主人様に褒められた。偉いねよしよしって撫でられた。
――自分は正しいことをしたんだ。間違ってないんだ。

べちゃり、べちゃり、と白く濁った軟膏をもって、僅かな罪悪感まで塗り潰していく。

「…ご主人様……ご主人様ぁ……好き……大好き……」
傷を癒され、薬を塗られる歓びに、愛敬の念いっぱいで抱きつく女。
「まーたご主人様ってお前は」
対して、全くどうして『たかがこの程度』で、「Only my lord」だの「True my lord」だの、
やめろと言ってるのに言ってしまうかとばかりに男は笑うと、
「――ホント、ダメな女だなぁ」
「…あ、っ」
軽蔑どころか逆に愛情たっぷり、
『仕方のないわんこだね』と言わんばかりに、女を金色の獣眼で見下ろした。
506いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:36:39 ID:KgTJgypp
「…ごっ、ごめんなさい、ごめんなさっ、ぁっ?」
『ダメなわんこ』、『いけないわんこ』としての自覚がある少女としては、
そんなご主人様からのたまらない視線に耐えられるはずもなくビクビク来ちゃい、
「…っ、ふあっ、イっ、…ひぐぅッ!?!?」
くりくりくりくり、先っぽで子宮の入り口をいじめられながら、
ビクンと跳ねた脚、少女自身でも不意打ちの到達を迎えてしまった。

「……――、――ッ、――っ…」
がくんがくんと仰け反ってイク少女と、そんな少女をどこか獣の目でみる男。
当然、腰の動きを止めることもない。
ちろりと舌で唇を湿らせると、静から動、再び激しい動きで女を攻め始める。
……たまらないのは女の方だ。

「…かはっ、あっ、ああああああっ!!」
流石に理解する。行き着く先を。
さっきよりももっと地面から遠く、もっと高い所で快感の曲線の下降が止まった。
「だめっ、またっ、まだあああっ!」
というかもう来てる、もう気持ちいい、また気持ちいい、すごい、狂う、おかしくなる。
強すぎる快感は苦痛に同じと言われるように、深い絶頂ほど辛くて疲れる。
…ごろごろと飲み込めない唾液で喉を鳴らしながら、だからリュカは恐怖し懇願した。
「ゆるっ、ひてっ、ゆうっ、ひてええぅっ!」
…そんな彼女が唾液を詰まらせて窒息死してしまいそうで怖かったので、
とりあえずロアは仰け反った頭に下を向かせると、
トン、とリュカのうなじを叩き、けぽん、と己の胸の上に溜まった唾液を吐き出させた。
…どうせ二人とも体液まみれなのだ、今更汚いということもない。

「あっ、ああっ、ああっ、うあああっ」
ただ、そうしている間にも下からの責めはやめないので、
ガクガクと揺すられる彼女の動きが止まることはないし、喘ぎ声が止まることもない。
そんな少女の様子を、またちろりと唇の端を湿らせつつ確かめると、
「――変だな、『犬』が人間の言葉で話すんだ」
どこか陶然として放たれたロアの言葉に、リュカの肩から上がギシリと固まった。

「『犬』はなんて喋ればいいの? …どういう風に鳴くんだっけ?」
高すぎず低すぎず、よく通る頭一つ上からの男声に、両者の視線が一瞬交差する。

不遜と喜悦に満ちた、強い虎の目、燃え盛る硫黄のような金色。
謙虚と快楽に満ちた、弱い犬の目、青く澄んだ海のような蒼色。

我が身を卑しむということは、ずっと彼女にとって苦痛だった。
自虐し卑屈になる度に、暗い坑の底に落ちていくような、暗澹と諦観を感じていた。
でも。
「……わん」
それももう変わる。
「わん、わん。…わんわんわんわん、わんわんわんわんッ!!!!」

落とされる男の視線、みるみる吊り上って笑みの形になる口の端に、
眩暈がするほどの恍惚を得ている、充足感、被征服の快楽に溺れる己を知った。
開けたのは新世界の扉だ、眩い、眩しい、彼女にとっての光の扉。
――見て、ご主人様見て、もっといやらしい自分を見て、ダメでいけない自分を見て!
507いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:37:03 ID:KgTJgypp
「かっわえぇー…」
「わっ、わんっ! わんんっ!」
どこか夢見るようなロアに抱き締められ、万感の想いで荒波に合わせるがままに吼える。
きつくきつく抱き締められる。それに今までの何倍もの幸せが襲ってくる。
その瞬間、漠然と無意識に感じるのではない、リュカは自分で理解に到達してしまった。

自分は、彼に支配されたかったのだ。
だから種付けされたかった。だから苦しくても快楽だった。全部奪われたかった。
こちらからあげるのでは半減なのだ、無理矢理力ずくで征服されることに意義がある。
そうすることでより強く相手の力を、強さ凄さを体感したい。
犯されたい。組み敷かれたい。弄ばれたい。孕まされて所有されて、でも愛されたい。

「わっ、わうっ、わうううううっ」
この上なく卑屈で、この上なく淫らな、実に自主性のない願望なのに、
でもそう気がつく、『自分でそうしたいのだ』と自覚すると――俄然勇気と元気が湧いてきた。
頑張りたいのだ、ロアの蛮勇、際限ない活力に限界まで付き合えるように。
ついて行きたいのだ、いつでも一番に、誰よりもその側で蹂躙してもらえるように。
尽くしたい、自分が一番ロアの願いを叶えられる、一番望みに応えられる。
頑張る、ついてく、まだ頑張れる、まだついてける、負けない、負けない、負けたくない!

――体の快楽に、それを受け止められる心の器が追いついて。

「わっ、…あああああ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」
とうとうそれさえ辛くなくなった、心身共に歓喜として受け止められるようになった。
連続三度目、今日全体ではもう何度目になるかも分からない、
心身ともに疲れ果てての受け止めだったが、けれど完璧に抱擁できた。
今までで一番高く、辛く、一番激しい絶頂で、
そうしてそれでさえ終わりじゃない、まだすぐ次が来るけど、でももう怖くなかった。
「……わっ……わぅ……あぅ…ん……」

完全覚醒、最終進化。
ただでさえ後戻り出来ない地点だったのを、更なる魔境に紐無しバンジー。
……そうして男の方も男の方だ。

「リュカ、可愛い、かわいいよ」
「わぅ……うん……あぅっ、わうっ、あうっ!」
ぎゅうっと強く強く抱き締めながら、イッたばかりの少女を愛でる。
相も変わらず優しいのは上半身だけで、下半身からの責め苦は苛烈の一言。
もちろん、自分のせいでリュカが『越えてしまった』とは露ほども知らず、
ただ相手が嫌がってない、快楽に溺れてくれてるからこそ、尚ロアも深く溺れていく。
その目は優しく、でも残酷で、ギラギラと輝き、爛々と光る。

…ぶっちゃけ、もう優しくなんかない。
あるのは若さと好奇心、そうして少年特有の獣欲だけだ。
ロアは今まで自分の腕の中で、こんなにも乱れてくれた女を見たことがなかった。
だからこそ嬉しくて、だからこそ若さと好奇心が前に出てしまった。
凄い、見たい、まだ気持ちよくできるんだろうか、どこまで行くんだろう、もっと見たい。
508いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:37:51 ID:KgTJgypp
愛しさがないわけではなく、むしろ相手が愛しいからこその暴走だ。
女への畏敬の念もあり過ぎるくらいなのだが、それ故に人一倍強い好奇心が抑えられない。
情動豊か、あまりにも強くまっすぐ過ぎて、結果相手を思いやれる余裕が消える。
――それ故にロアは何度も苦い失敗してきた。許婚の時も、それ以後も。
失敗を重ねる度により慎重になり、より自分を抑えられるようになって来てはいたが、
でもあまりにもリュカが耐えられるので、とうとうタガが跳ね飛んだらしい。

「あああリュカ! 可愛い、かあいい、かあいいよー」
「わうっ、わうううっ、わんんっ、がうううっ!」
興奮し理性を失って、ただひたすらに相手への賛辞を繰り返す姿は、
無邪気な子供が蟻を撫で殺し、興奮した猫が鼠をいたぶり殺すのに似ている。
本当に悪気はないのだ、ただ無駄に図体と力が桁外れなだけ。
そうしてそれ故に、下手に悪気がある場合よりもある意味ずっと厄介なのだった。

現にリュカはそうしている間にもまた達し、
それでもまだ止めてもらえない往復、30秒と持たず再度絶頂してしまっている。
ロア自身はめいっぱい優しい言葉をかけて、めいっぱいしっかりと抱き締めてあげ、
射精感を堪えながら、めいっぱい気持ちよくさせようと頑張ったのだが、
それも全然効を為さな……というか全部逆効果。
力さえ加減すりゃ壊さずに済むというわけもなく――スタミナはガリガリ削れていく。
相手が彼女でなかったら、とっくに別れを決意されてる頃だ。

「…あオ……おオォ……」
連続で五回目、ガクガクしながら実にヤバげな獣っぽい歓声を上げちゃうリュカを見て、
でも『可愛いなぁ』としか思わない、そこまでのバカ。
こんなちっちゃな、いかにも清楚で可憐な少女が、でも桜色の唇をめいっぱいに開けて、
獣みたいな唸りを上げてしまっている、そういうのに興奮できる健全な少年。
――相手が農奴や平民女ではない、帝国貴族だという事実は、とっくの昔に念頭にない。

ロアは身体が大きい。モノも大きい。
だから今まで本気で愛してしまう度、相手の女を壊しかけてきた。
泣くのを見たくない、喜ばせるのも十分に楽しかったから、遠慮と奉仕でも楽しめて来たが、
…でもやっぱり本気の想いの丈をぶつけたい、それも若者として当然の本心。
『ゆっくり丁寧ねちねち』も嫌いじゃないが、少しだけ痩せ我慢してたのも真実だった。
――でもこの少女は壊れない。
――壊れない、壊れない、壊れない!

「…こっ、こわひて……こわひてぇ……こあっ、ッあああ゙あ゙あ゙あ゙!!」
「うんっ、うんっ! 壊すぞ! 壊すよ!」
無知な少年は分かっていない。それはよくある定型の善がり文句などではない。
本当に壊れてるのだ。――本当に壊してしまった。
「しっ、しぬっ、ひぬっ、ひぬうっ、ひっ――」
「だいじょぶ、だいじょぶだよリュカ! 一緒に逝こう? 一緒に逝こうな!」
ぎゅう、ぎゅううっ、と『死ぬ死ぬ』言う少女を包み込むように抱き締めて、
終わりの確信、射精へのラストスパートに、更に激しく腰の動きを加速させ。

「――がっ、」
それにとうとう、
「…ガあああああアアああああああッッ!!」
リュカの最後の天井が壊れた。
509いぬのおひめさま(後編):2008/11/09(日) 18:38:29 ID:KgTJgypp
「あ゙あ゙あ゙あああっっ、ああああアア゙ア゙あ゙あ゙あ゙!!!!」
イク。イキ終わる前からイク。更にイク。イッてるのにイク。
膣どころか脚まで痙攣して止まらない。肺の空気が全部搾り出され、結果声帯が振動する。
全部が漂白されていき、もう自分の存在さえ分からない。
「ああああああああッ!!」
ロアの方も雄叫びを上げる。なんか相手が叫び出したのでつい。
それが始まると同時に、膣内が別の生き物のように締め付けて来て止まらなくなったので、
叫んでいないと射精してしまいそうだった、だから合わせて声を吐いた。
凄いことになっちゃってる腕の中の少女をもっと見ていたい、だからここまで来てまだ堪える。

――二人とも、誰も傍にいない、人払いされてることに安堵した。
これが本来なら、『すわ何事か、侵入者』と衛兵に駆けつけられててもおかしくない事態だ。
――そうして二人とも、感謝した。
もしも誰か、お召し換えを用意した侍女なんかが傍に居たら、ここまでの域には来れなかった。
つがう二匹の情交の間に、余分なものは何も要らない。

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ――」
ただ延々叫ばせ続けるわけにもいかないので、ロアが強引にリュカの口を塞ぐ。
むーむーと唸り続ける中、ぴちゃぴちゃと舌を絡めてお互いを求め合い、
そんな中でも下から突く、突き上げられる、まだ腰を振る。
おかげでもうイキっぱなしなのに、ずっとイッてるのに更に下から押し上げられて、
高いところに昇らされてしまい、更に高いところに昇らされてしまい。

(あ……気持ちいい……気持ちいい、きもちいい、きもちいい)
薄い白が濃い白、濃い白が乳白色、乳白色が青みさえ帯びてスパークし出す思考の中、
疲労困憊からのランナーズハイ、苦痛倦怠さえ本当に快楽に変換しつつ、
リュカは快楽に耽溺した、この世のものならぬ悦楽に狂い、甘い海の中を漂った。
自分の身体の感覚がない、もう男の肉体しか分からない。

(死んじゃう……しんじゃう……しんじゃうよぉ……)
今ならたとえ死であっても、ロアから与えられるのなら喜んで受け取ったに違いない。
震え、ガクガクし、全身が溶けたみたい、頭が甘く痺れてジンジンする中、
犬のようにただ与えられる快楽を貪り、受け止め、貪り、受け止め、歓び、泣き。

(…すき、すき、すきすきすきすき、すき…だいすき……だいすき)
甘え、瀕死になる中で、でもずん、ずん、と突き上げられての更なる飛躍、更なる浮遊。
この瞬間が、この甘美な時間が、永遠に続くのだと信じて疑わない中で――
――どぶっと奥まで押し込まれた肉棒、痙攣、膨張。
……馴染み深い、ビュッと熱いものが奥にかかる感触、かけられる甘美。

「――――〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!」
びくん、とミルクにチョコレートが混じる。

練乳のように真っ白の海になっていた世界が、ぷつりと緊張を失って弾けて崩壊し、
……まるで熱く濃厚な白濁液が、全身にびしゃびしゃとかかるような快楽の中、
(………わう)
白黒反転、流石にリュカもぐるりと目を剥くと、そのまま意識を暗転させた。

チョコレートミルク。ちょこれーとみるく。
510名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 18:54:15 ID:v5UioERV
511名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 01:20:07 ID:HowhIR8h
生め
512名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 21:15:17 ID:PillYXVn
宇め
513名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 15:31:14 ID:ESj9LSMD
保管庫が止まってるのは仕様?
514名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 03:49:20 ID:g7Z5614w
よく見たら埋まってないのな
515埋めネタ:2008/11/23(日) 18:22:52 ID:L5i/fgwo
『背が高い』というのは、やっぱり古今を問わぬカッコいい王子様の必須要件だ。
なにせ部下への威厳も保ちやすいし、長身痩躯は伊達男の条件。
低身長に悩んだ王が歴史上ごまんと居ることからも、高い方が得に決まってる。
決まってるのだが。
「………」
「ん?」
ぐぎぎぎ、と音がしそうなくらい首を反らせて、少女は王子(仮)を仰ぎ見た。
「…おっきいですね」
「ん」
実に率直な感想である。
「…何食べたらそんなに大きくなるんですか?」
「? 肉とか魚」
実に明快な回答である。
並んで立てば殊更に分かる、少女の頭のてっぺんが、やっと少年の鎖骨下。
こっそりぐぐぐと背伸びをしてみて、でも土台無理そうだと断念する。
…背伸びをしてさえキスができない。…踏み台でもない限り無理っぽかった。

彼女は決してチビではない。神賭けてチビ女ではありえない。
遠い未来と比べると、遥かに栄養状態の悪いこの時代、世の平均身長は低かったのだ。
…そりゃあ栄養状態に恵まれた、権力者有力者に限れば庶民の比ではないが、
でもそういう富裕層女性の平均値から見ても、彼女はあくまで『低め』程度。
庶民と比べれば『高め』な以上、やっぱり自分はチビ違う、くどいようだがチビ違う。
――相手が大きすぎるのだ。
516埋めネタ
過ぎたるは尚及ばざるが如し。

高すぎる背はもう『カッコいい』を通り越し、普通に『怖い』の域にある。
太すぎる腕はもう『逞しい』を通り過ぎ、『壊されそう』の域にある。
どうしてモテないんですかと訊いた時、
そんなん俺だって知りたいよと嘆かれ、今更のようにだが思い出した。
慣れれば可愛くて仕方ない、猫科の動物めいたその瞳も、
でも初対面者には恐ろしい獣の眼、残酷さ忌まわしさとしか取られぬのだと。
慣れてしまったからちっとも怖くなくて頼もしいのであって、
でもこんな巨体が肉食獣めいた笑みを浮かべ、のしのし近づいてきたら普通は怖い。
精悍ではあっても怖すぎる。野性的ではあっても虎すぎる。
哀しいけど存在自体がもう暴力だ、背が高すぎて、立ってるだけで威圧感。
ましてやこんな、褐色の肌に赤色の髪。
半裸で斧でも振り回し、騎士に討伐でもされてた方が、よっぽど似合う外見だ。

『んああああああ゙あ゙っ!!』
でもそんな蛮夷の少年の上で、少女はあられもなく雌の鳴き声を上げてしまった。
『ひはっ、ひあっ、はひッ!』
身長40cm差で肩幅も倍、体重もほとんど倍近い、巨漢と子犬の交わりは、
肌の色の対比もあり、客観的には純然たる暴力、強姦か陵辱にしか見て取れない。
ましてや白肌に無数の青痣、局部にピアスまで施され済みと来れば、
百人が百人男を疑う、誰もが暴虐の場だと断じただろう。
『気持ちいいい゙ぃっ、気持ぢい゙いよお゙お゙ぉっ』
はてさて盗賊団の若き頭にでも攫われて、調教されてしまった良家の令嬢か。
あるいは名のある傭兵に酷使される、性欲処理用の奴隷の少女か。
『いっ、イグッ!? 来てるっ、またイクッ、またイグぅッ!!』
どびゅん、と最奥に受けるあの衝撃。
『わおおおおオオオオッ!!?』
びちゅッ、と白い溶岩に、激しく子宮を撃ち抜かれる、抱っこされて逝くあの歓喜。


「…リュカ? どしたん?」
「いっ!」
一瞬で想起から引き戻され、子犬姫はギクリと引き攣った。
さぁて目に淫色は漂っていなかったか、はしたなくも涎は零れていなかったか、
ややキョドりつつも意識を走らせ、それでも迅速に立て直すとフォローを、
「ひゃあっ!?」
する暇もなく子犬みたく抱き上げられ、両脇から掬い上げられ宙吊られる。
ムードも何もなく、口付けされた。

「…いやらしいこと考えてたろ?」
「……わう」
火照った息を吐きながら、優しく意地悪く小さな声で、ご主人様に叱られた。
「分かんだぞ? 女の匂いしてるから」
「………」
デリカシーゼロだとか、王子様の嗅覚じゃねえよとか、そういうことはどうでも良かった。
虎さんの前ではどんな嘘も見抜かれる、それだけ分かれば十分だった。
その絶対性。逆立ちしたって自分は勝てないその事実。
少年が本当はどれだけ偉くて強くて凄いのか、その身に感じられるから少女は濡れる。
「今夜、また遊びに行ってもいい?」
隠喩も奥ゆかしさもない逢瀬への申し込みに、のろのろと頷きつつ少女は思う。
――自分達は一体、どういう関係に見えるのだろう?
「…ロア」
「ん?」
取り落として砂利の上に転がった扇子や、外れて植え込みに引っかかったストールに、
少なくとも『庭園を散策する王子様とお姫様』、それには見えないのだろうなぁとぼんやり思った。

「…大きいから好きですよ? …おっきいから好きです」