タイトル通り怪盗が警察などに捕まってあんな事こんな事に遭う作品はここに投下してください。
長編短編バッドエンドグッドエンド一次二次どちらでもOK。
とにかく住人たちの心を盗む怪盗求む。
【前スレ】
怪盗が捕まってあんな事こんな事・・・第3夜
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202151285/ 【注意事項】
○sage進行でお願いします。
○職人さんは特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
○職人さんが投下しづらい雰囲気はやめましょう。供給があってこそのエロパロ板です。
○好みに合わない作品や意見はスルー(読み飛ばし)を推奨します。
○荒らし、煽り、広告はスルーしましょう。
以上テンプレでした。
各スレアドレス最後の「l50」をカットして貼ってます。
スレ立て乙!
>>1は大変なものを盗んでいきました、私たちの乙です!
乙
ほしゅ
ここよりルパンスレで書いた方がいいよ。
不二子とかベッキーとかエレンで書けるし
9 :
AM:2008/05/01(木) 03:25:43 ID:0bhQ48K4
生存報告に参上。
二ヵ月半も音沙汰なしとか申し訳ない…なんとか今月中には復活してTMの続きを投下したいと思います。
つかしばらく書いてないうちに新作のネタばっかり思い浮かぶ罠。
おお!期待してますよ!乙!
AM氏生存確認ktkr
無理に期待に応えてTMの続きよりも
書きたいのが別にあればそちら優先でも構わないかと
保管庫作業は出来れば明日に、無理なら1週間後の予定です
ここの所毎日この時間まで職場にいますwww
ずっと待ってて良かった!超期待しながら今の内に読み直してくる
保守
ほしゅ
前スレ落ちた?
AMさんの生存は確認されたわけだが、他の方はどうしたんだろう。
ここ最近38氏以外の方は音沙汰がないし…
久しぶりに来たけどAMさんがいて良かったー
このスレによく来る様になったのはAMさんの作品のおかげだし!
新作にも期待してます><
新スレ乙です。
では…先輩方をさしおいて
最初に投下するというのもちと畏れ多い気もしますが投下させていただくであります。
研究所の裏庭。
「このAK101型アサルトライフルを見て見ろよ。簡単に整備できてタフで無駄の無い名銃だ。すげえだろ。」
黒光りするイズマッシュ・AK101型小銃を仲間に見せ付けて言う見せ付ける組織の戦闘員。
「それ言うならこのL85だってイギリス軍が採用したライフルだぜ?あれ…。弾倉が上手くはまらねえぞ。」
その同僚が同じく整備していたイギリス軍の「L85」型小銃を見せ付けようとするが
そんな彼の手の中でしっかりとはめ込まれていたはずのL85の弾倉は力なく地面に落ちた。
「ちょwwwwL85って欠陥品だろw。ロシアで作られたこのAK101は例えどんな
極寒の地でも使える代物。そんな欠陥品なんかと比べられるかい。」
それを見て哂う戦闘員。(L85はイギリス軍に1985年に配備されて以来様々なトラブルを起こし使い物にならないと酷評されている。)
そして改めて彼がAK101の自慢を再開し始めようとしたその時!
ピキッ…。
「なぬっ…?」
唐突に彼が手にしていたAK101はまるで液体窒素をかけられたバナナよろしく凍りついてしまったではないか。
さらに、特に意識していなかった彼らにもそれと判る勢いで気温がグングンと下がっていく。
それに気が付いた時には既に彼らの体は言う事を聞かなくなっていた。
「一体なにが…あ…あ…。」
どさりという音とともに倒れ伏し、真っ青な顔で動かなくなる戦闘員達。
「ほんのちょっと熱を奪ってあげただけでこの様、か…。呆気ないものね…。」
累々と折り重なって倒れる戦闘員達の真ん中にアイスヴィーナスがゆっくりと降り立った。
そして研究所内部。
フッ…。
「電気が消えたぞ。」
突然部屋の電気が消え、いきりたつ戦闘員達。
「怪盗が現れる時は電気が消えるのがお約束ってモンだ。全員配置に付け!」
北側が手下にハッパをかけた。が…。
「…悪りぃ。PSP充電しようとしたらブレーカー落ちちった。」
部屋の隅から遠慮がちな声があがった。
「研究施設なのに携帯ゲームの充電でブレーカー落ちるってどんだけだよ。」
「施設代がだいぶケチられているからなあ…。しわ寄せが電気代の許容量に…」
そんな野次があちらこちらから飛ぶ。
「さっさとブレーカーを戻せ!」
堀内新がイラ付いた口調で言ったが…その時!
「うわっ…?ブレーカーが凍り付いていやがる。」
戦闘員が頓狂な声を挙げた。そして次の瞬間…。
「ぐえっ…。」
鈍い音と何かが床に転がる音。そして突然何処からか差し込む青白い光。
その光が照らし出す先には
「奴だ!アイスヴィーナスだっ!」
拓が叫んだ。
「ご名答!でも…気づくのが遅い!」
アイスヴィーナスは叫ぶと脇へ飛びのいた。
その瞬間雨あられと戦闘員達が手にするAK101から放たれた5.56ミリ弾が彼女の居た場所へと降り注ぐ。
炸裂音とともに辺りに白煙が立ち込めた。
「何んだっ?」
「はあああっっ!」
思わず顔をしかめる拓。
見ればアイスミラージュの手にはどこから取り出したのかちょうど“雪の結晶”を立体化したような物が握られている。
そのうちの一個が目にも留まらない速さで必死に彼女を狙い撃とうとしている戦闘員の足元へアンダースローで
投げ込まれた。と、白い煙を出して破裂。
「うううっ…」
戦闘員がうめき声とともに真っ青な顔で倒れ伏す。
「何っ?」
「それは破裂すると周囲の熱を根こそぎ奪っちゃう私からのプレゼントよ。
せいぜい暖かくしておいてあげなさい。衰弱死でもされたらさすがに心苦しいしね。」
ウインクしながら言うアイスヴィーナスと
「おのれ…なんて残虐な兵器だ!間違いなく“STARTU”条約に違反しているぞ!この戦犯め!」
AK101をぶっ放しながら叫ぶ拓。
「戦略兵器削減条約とどういう関係があるのよ。というかライフルを問答無用でぶっ放してる人がそれを言う?」
「おのれ!ネガベイター1には近づけさせるな」
ライフルの射線を軽口を叩きながら軽く交わし、巨大な広間の中央に鎮座した「ネガベイター1」へと悠々と
歩み寄ると、ネガベイターの車体に接続されている端末に収まっている“クリスタル”を易々と
盗み取るアイスヴィーナス。
「あんな簡単に盗まれていいのか?」
「勿論よくはないさ。まあ俺に任せておけ。全て予測通りだ…ポチっとな。」
鼻息荒くAK101のマガジンを交換しつつ叫ぶ北側。
しかしこのときまでモーションを起こさなかった堀内新は余裕しゃくしゃくな顔で言ってのけると
手元のスイッチを押した。
「何?」
突然の物音にいぶかるアイスヴィーナス。
ふと上を見れば…
「きゃっ!?」
金属…恐らくは鉄で出来た長い棒や一辺あたり2メートルはあろうかという巨大な
板が吹き抜けになっている建物の天井から雨あられと降ってくるではないか。
思わず目を瞑るアイスヴィーナス。
「おい!あれでは死んでしまうじゃないか!」
「いいから黙って見てな!」
次々と轟音とともに落下する鉄棒&鉄板。
辺りに床下の素材が散乱し、立ち込めた。アイスヴィーナスもこれでは助かるまい。
数瞬ののちには無惨に圧死した姿が晒されるだろうと誰もが確信した。が…。
「うおおおおおっ!?」
暗闇の中から現れたのは檻の中に囚われたアイスヴィーナス。
なんと落下しつつ無数の鉄板と鉄棒が組みあがって檻と化し、彼女を捕縛したというわけだ。
「組織のテクノロジーを舐めて貰っては困るわいや!!」
「なんで急に明石弁なんだよ堀内。しかしこれは優れものだな。」
ガッツポーズで叫ぶ堀内を嗜めつつ素直に驚く北側。
「これはとある組織の協力者の世界的なコレクターでチャムリーとかいう奴から貰った物でな。
まあムカつく爺だが面白い玩具だ。変形金剛の世界ではこれでも控えめな代物だけどな。」
「ボス。警察が来てますが。どうやら嗅ぎ付けられたようです。」
済ました顔で言う堀内に部下が耳打ちした。
「何?ニセの住所を教えたはずなのに…。まあいい、俺と北側が行くからお前ここでこいつを見張ってろ。
残りの奴は伸びてる奴をどっか適当なところに連れていって水でもぶっかけてやれ。」
舌打ちしてそういい残すと早くも部屋を後にし始める堀内。
「しかし…そうするとこいつを見張ってるのが俺一人になりますが?」
「牢屋に入ってるのを見張るくらい犬だって出来るだろうが!十分くらいで戻る。」
背中ごしにそう言うと堀内はそそくさと部屋を後にした。
「捕まえる時はあんなに熱中してた癖に飽きっぽいんだから…。」
ライフルを押し付けられてため息を付く戦闘員。
「県立高校の入試の時にインフルエンザにかかりさえせず
滑り止めの私立高校に提出する願書をドブに落とさなければ
中卒扱いされてこんな阿漕な組織に入る事も無かったのに。いやそもそも…」
両手を後頭部に持っていきながら彼は呟きはじめた。
「ねえ、そこのあなた…。」
「やっぱり一年遅れでもいいから高校に入っておくべきだった。
とーちゃんと喧嘩して家出したのも軽率だったな。あれからもう3年か…。」
「ねえってばあ…。」
艶っぽい声に振り向く戦闘員。
「な、何だお前!おい、大人しくしてろ!」
檻の中から流し目を送るアイスヴィーナスにライフルを突きつける戦闘員。
「そろそろここから出して欲しいんですけど。」
「…な、何を言ってるんだお前!自分の立場がわかってるのか!」
戦闘員はおびえ気味に叫んだ。
「出してくれないの〜?だったらいいけどね。さてと…取り出したりますは何の変哲も無い氷の塊。
しかしこうして…」
何処からか取り出した氷の塊を弄びつつ檻の鍵穴へと持っていくアイスヴィーナス。
「ほんのちょっとしたおまじないを唱えると…ほら、あっというまに水滴になっちゃいました。」
彼女の指の先でみるみるうちに氷が溶け、水の塊になった。とこうなればもはや形を保っていられず
物理的な常識から言っても重力に従って床へと零れ落ちるはずだ。ところが直径数センチほどの球体となった
水の塊はまるで飼いならされた小鳥の如くアイスヴィーナスの手から離れない。常識を超えた身体能力を
発揮し、ほんのちょっとした暗がりさえあればそれを介して完全な
隠密行動をとることが出来るブラッディレイと同じくどうやらこのアイスヴィーナスにも
何か超自然的な力が味方しているらしかった。
「さて皆様ご存知の通り水には形がありません。そこで
こうやって鍵穴に流し込んでそして改めて固体である氷の姿に戻すと…。」
女怪盗の言葉に従うように水の球体は鍵穴に流れ込み、再び音もなく凍りついた。
「ほらこの通り。どんな複雑な鍵だろうと合鍵が作れちゃう訳です。」
「な…。」
戦闘員が何のモーションもとれない間にアイスヴィーナスは檻を脱出してみせたのだ…。
反射的にAK101を構える戦闘員。しかし…。
「あれ?撃っていいの?それで撃ったら暴発しちゃうんじゃないのかな〜。」
「銃口が…そんな…一体何がどうなって…。」
AK101の銃口は氷によって完全に塞がれていた。
「そんな…一体どうなって…はっ?い…いな…あっ!」
銃口から視線を戻した時、彼の視界から怪盗の姿は消えていた。
跡形も無く…。
いや、消えた訳ではなかった。
「うあっ…」
ふいに背中にかんじる柔らかいものとすべすべした布…豊満な乳房と怪盗のコスチュームの感触。
「……今からでも遅くないから、あなた、組織を抜けなさい。さっきの話と
今の私に対しての反応を見る限りあなたは悪い人には向いて無いわよ。おねーさんとのお・や・く・そ・く♪・いいわね?」
背後から戦闘員を抱きすくめて息がかかるほどの距離で妖艶に囁くアイスヴィーナス。
まだ高校生とさして変わらない年の戦闘員は顔を赤くして、無言でコクコクと人形のように頷いた。
「そう…いい子ね。それじゃ、おやすみ。」
首筋に体温を奪う口付けを施し、戦闘員が気を失うのを見届けるとアイスヴィーナスは
端末に接続されたままのクリスタルを奪い取ると
去っていった。
少し経って、研究所の周辺の空き地。
「あーあ。何だかなあ。」
お目当てのものは手に入ったのにアイスヴィーナスは不満そうな顔をしていた。
いつもならこうして仕事を終えれば平時の「厳格な非常勤な剣道の講師」という
仮面を被って暮らしているフラストレーションを纏めて吹き飛ばせるほどにスッキリするのに
今日に限ってなんともいえぬ欲求不満が残っていたのだ。
「あっ!」
ハタと気が付いた。いつもいつも自分にしつこいほど追いすがってくるあのミュータントの
少年が今日に限っていないのだ。
「ちぇー…。」
原因に気が付くとなおさら体がウズウズする。相手をしている時は意識していなかったが
自分はあの少年にひょっとすると惹かれていたのだろうか。
「…オナニーでもしてっちゃおうかなあ。」
すぐ近くにある人気の無い公園を見回してとんでもない事をさらりと呟くアイスヴィーナス。
しかもこの時点でみちみち不良がかった中学生でも現れたら逆レイプしてやろうとまで考えているのだから恐ろしい。
まあ彼女の「出自」を考えればこういう発言もせんない事なのだが。
そのとき!
「これでバイトは…全部終了か。」
疲れきった声で何者かが空き地の中に入ってきた。
すかさず身を隠すアイスヴィーナスだったが
その何者かこそ彼女を苛む欲求不満の原因…剣崎雅人ではないか。
彼は仲間が掛け持ちしていたバイトをへとへとになりつつこなし、やっと戻ってきて
一息つこうとしていたところだったのだ。
「…そ、そこに居る奴…誰だ!出て来い!」
彼がアイスヴィーナスの気配に気づいたそのとき!
「出てこいも糞もっ…。」
「なっ…お前はアイスヴィーナス!」
予期せぬ相手に動揺したという要因もあればこそ媚薬が装填された毒針を向けられる暇もなく
アイスヴィーナスは彼の懐に飛びこみ、押し倒した。もう、我慢の限界だった。
「一体何処に行ってた訳?。あなたがいなかったおかげで私はっ…。」
「な、何言ってるんだ。俺がいないならむしろ仕事がはかどるだろうが。
今日は都合が悪かったんだよ。」
目を潤ませて言う面くらいながら言い返す雅人。
「…君、何も判っていないのね。ま、いいわ。そっちが飽くまで私を
懸賞金の対象として見ていないというのなら私にも考えがあるから。
あなたが悪いんだからねっ!」
「何言っ…うむっ?」
ちゅう…れろ、ちゅっちゅっ…。
突然の熱いディープキス。甘い息が雅人の肺に流れ込んだ。
「硬くなってるわよ…。」
雅人の股間をなぞり上げて言うアイスヴィーナス。
「ぷはっ…お前、何のつも…。」
顔を真っ赤にして言う雅人。
「こういうつもりよ。ふふっ…あなたもミュータントと呼ばれるくらいなら私が
普通の人間じゃあないって事ぐらいには気が付いてたわよね?
出自を明かすと対策立てられちゃうからなるべく教えないようにしてるんだけど
特別に教えてあげちゃう。私はね…雪女の母親と、セイレーンの父親から生まれた…
ハイブリッドなのよ。女ったらしのパパにまるで愛想の無いママだったし
夫婦仲もはっきいってあんまりよろしくなかったけどいろいろと
面白い力をもらえたのよね…。たとえば…」
ちゅっ…
「ううっ…?力が抜ける。」
再び、今度は軽めのキス。雅人は体から力が抜けていく感触を覚えた。
「これは雪女の能力でね…対象から精力や熱を抜き取って動けなくしちゃうって訳。そして私はセイレーンの血も入ってるのよね。
セイレーンって知ってるでしょう?海の中に漁師とか船乗りを引き擦り込んでえっちな悪戯をする淫魔みたいな妖怪。
ふふっ…だから私は、こうして君を動けなくした後好きに出来ちゃうって訳。それこそ煮るなり、焼くなり、ね…。」
言い終わるなりすっかり大人しくなった雅人のズボンのジッパーを引きずりおろし、怒張しつつあるペニスを口に含む。
「ああっ…?」
雅人の表情が彼が時々行う拙い自慰など
比べるべくもない淫魔の口淫によってもたらされる快楽に歪む。
「ふむっ…はむっ…ちゅるんっ。あははっ…もう、カチカチ…。」
「お、お前…何で俺にいきなりこんな事を。」
快楽に喘ぎつつなんとか疑問を口にする雅人。
「まだそれを言う〜?鈍感なんだからっ…。そんなコには…。」
ペニスから口を離して膨らませ、雅人を睨むアイスヴィーナス。
「お仕置きっ…。」
「ううううっ…!?」
しゅっ…しゅっ…にちゃっ。
幹の部分は力強く、敏感な亀頭は緩やかにと
緩急を付けて雅人のペニスを扱きあげる!
その手腕に当の彼は翻弄されるばっかりだ。
「あははっ…とりあえず一回イッておこうか。はむっ…」
れろれろ…ちゅううっ…れろれろっ。
改めてペニスに口を近づけると裏筋を2、3度舐めあげ、
一気にバキュームフェラを加えるアイスヴィーナス。
女怪盗の熾烈かつ凄まじい性技に雅人はまるで対抗できなかった。
物凄い勢いで熱いものがこみ上げてくるのを感じる。
「う…ああっ!」
どくっどくっ…どくん!
「あはぁ…いっぱい射精(で)たぁ…。」
白い精液が迸り、女怪盗の白い肌と水色の髪を汚した。
「うぁ…はぁ…。」
初めての他人の手を借りての射精と猛烈な快感に呆然とする雅人。
顔中に付いた精液を舐め取ると、改めて雅人の唇を奪うアイスヴィーナス。
「どうしたの…まだ“本番”はこれからだよ…。」
耳元で囁いたそのとき。
「ちぇっ…。」
耳障りなパトカーのサイレンの音が響いてくる。
恐らくは彼女を追ってきたものだろう。
「どうやらこれでお預けみたいね…。正直まだ物足りないんだけどなあ…。よーし、じゃあこうしましょう?
私を捕まえたら…今の続きをしてあげる。だから…これからは何が有っても私と…その…
私と…と、とにかくっ!ちゃんと出てきてくれなきゃ嫌だからね!
君は私の事を賞金首くらいにしか思って無くても…私は結構本気なんだからっ…!」
未だにボーッしている雅人に徐々に大きくなるサイレンの音をバックにそういい残すと
アイスヴィーナスはいずこかへと去っていった。
「漫画じゃあるまいし…全く悪いジョークだよ…。てか本気って何のこったい。」
やっと我に返った雅人はそれを見送りつつ蟲惑的な女怪盗の肉体の感触と
ごく短時間だったがこれまでの彼の人生と呼ぶにはあまりにおこがましい
ものの中でも間違いなく至上最高であり、初めて味わった快楽に思いを馳せつつひとりごちた。
ここまでで。
うーん。
怪盗の姿で捕まって酷い目に遭わされるというシナリオも考えてはいるんですけど
いざ書くと怪盗の方が攻めになってしまうM気質な自分…。
それと今回投下させて頂いたのは5話なのですが間違えて4話として投稿してしまいました。
保管庫の方には毎度毎度迷惑をかけてしまい本当に申し訳ありません。
設定資料
「氷室薫(ひむろかおる)」
年齢24歳 身長172センチ 体重50キログラム 出身地神奈川県
本編の第二の主人公。
普段はやさしくも厳しい剣道場の雇われ師範代。
しかし夜は怪盗アイスヴィーナスに変身する女性。どういうメカニズムで変身するのかは
いまのところ判っていないが、やはり月島櫻のそれと同じく自分の中に流れる
人外としての血を極限まで活性化させるシステムを用いているのだと思われる。
なお怪盗に変身すると非人間的な身体能力のほか生物無生物問わず
物体を凍りつかせたり物体から熱を奪うという能力が身に付く。
変身後の衣装はボディスーツに見を包んだブラッディレイとは対照的に露出が多い。
やはり組織からクリスタルを強奪しているが、目的がなんなのかは不明である。
母親が雪女で父親はセイレーン(蛇足ながら雄のセイレーンはかなり珍しいらしい。)
どっちかといえば父親の血を色濃く引いており、性欲は非常に旺盛。露出の多いコスチュームも
そんな深層心理が反映されてのことだろう。もちろんその容貌にも
コスチュームの過激さに似合う非凡なものがある。剣崎雅人にただならぬ感情を抱いているようだが…?
普段は男勝りで物腰は柔らかくてもどこか近寄りがたい雰囲気を漂わせているが
実際は奔放(かつちょっと淫乱)な性格。
水の妖怪と雪の妖怪の血が入っているのでウィンタースポーツと水泳は大の得意。
また剣道も自己流で学んだものだが、中学校の武道館を間借りした小さな
道場とはいえ師範代を勤められるほどなのでこちらも侮れない実力が有ると思われる。
今更だけど前スレ38氏GJ
高橋(娘)の、期待させつつも空気で終わる悲しさは
正に親譲りで噴いた
血塗れ怪盗氏もGJ
父がセイレーンなんて珍しいとか思ってたら設定資料で補足されてたw
出会い頭は無理だったとしても、襲われている間に毒針用意しとけば
捕まえられたんじゃないかとか思ってみたり
>>20の「アイスミラージュ」はアイスヴィーナスの間違いでしょうか?
武器の名前がアイスミラージュなんじゃないかなーとか推測しますが
スレ違い。
怪盗「に」捕まってあんな事こんな事じゃないか。
超GJ!!!
>怪盗が現れる時は電気が消えるのがお約束ってモンだ
冷静なのか世間ナメてんのかわからんこいつ達に萌えたw
32 :
AM:2008/05/18(日) 01:24:18 ID:Ac/XMStV
俺、復活。
そしてトライアングルムーン第九話投下します。
「お、おいなんだよありゃ…」
「裸の女の子? AVでも放送してるのか?」
「いや、それにしてはなんか様子が…でも、ゴクリ…」
ざわざわ…
ミリオンで人間が最も交差する道、すなわちミリオンライトビル前の交差点に大きなどよめきが起こっていた。
普段は人気キャスターがニュースを報じているはずの巨大スクリーン。
そこに今映し出されているのはまだ十代であろう少女の裸体だ。
少女の顔はショーツを被らされているため確認することはできない。
だが所詮薄布でしかない下着では輪郭、そして顔の半分以上を露出させてしまっている。
仮に知り合いが今の少女を見たとしてもその素性を察するのは難しいだろう。
だが、薄布の上からでもハッキリと少女の美貌は確認できる。
更に、晒されている少女の肉体はグラビアアイドルも真っ青なほどの艶と色気を放っているのだ。
このような映像を目に入れてしまえば男は勿論、同性である女性とて目を離すことは難しい。
スクリーンに目を向けた人々の視線は魅入られたかのように画面から離れようとはしなかった。
「……っ、なんという、ことを…」
「ねえ、ウィッチィ。あの女の人は…」
「間違いありません、カグヤさんです…!」
信じたくない、といった口調で恐る恐るそう訊ねるサキ。
その問いに答え、怒りに拳を震わせているのはトライアングルムーンの衣装を身に纏ったルナだった。
二人の後ろで情報を集めているアルテは主の怒りを悲しげに見つめながらも作業の効率を落とさない。
アンドロイドであるアルテは主人の怒りを理解することはできても共有することはできない。
無論、眼下の映像が憤怒に値するものということは彼女とて理解はしている。
だが、あくまで彼女の最優先はルナなのだ。
ここで冷静さを失って作業の効率を落とすことのほうがアルテにとっては罪深いことなのである。
「アルテ…」
「申し訳ございません。思いの他セキュリティが堅固で…」
「あのスクリーンだけでもどうにかならないのですか?」
「…現状では、全てのリソースを回すのならばまだしも、内部の情報等の引き出しの平行ではとても」
「構いません。スクリーンの制御を最優先にお願いします」
「お嬢様!? しかしそれは……いえ、わかりました」
自分の言葉に驚きながらも即座に命令の遂行し始めるアルテにルナは申し訳ない気分を抱く。
今から敵組織が待ち構えているであろうビルに突入するというのにスクリーン停止にのみ力を注がせるなど正気の沙汰ではない。
しかし、これ以上仲間の――カグヤの恥態を衆目に晒しておくなどルナには耐えられなかった。
もう少し時間をかければスクリーンの制御以外にも手が回るかもしれないが、そういうわけにもいかない。
今この瞬間にもカグヤは下種な男たちに身体を嬲られているのだ。
仲間思いの少女にとって、それは看過できることではない。
「では、私たちは突入を開始します。大丈夫です、アルテ…見取り図に変更はないのでしょう?」
「その通りですが…それはあくまで内部の構造の話であり、奴等がどのような罠を仕掛けているか」
「確かにその通りです。ですが、これ以上時間をかけるわけには行きません」
「心配しないでいいよ。ウィッチィにはボクがついてるからさ!」
むん、薄い胸を張る小柄な少女の姿に主従の二人は僅かに相好を崩す。
暗く張り詰めた空気が緩和され、ルナの心に活気が満ちてくる。
トライアングルムーンの実質的なリーダーはウィッチィだが、こういう時頼りになるムードメーカーは間違いなくラビットだ。
(サキさんがいてくれてよかった…)
過去の自分の決断に感謝しながらウィッチィは装備を確認し、無人ビルの屋上から眼下のスクリーンへと目を向ける。
画面に映るカグヤは大股開きという女性にとって一番の屈辱の体勢を取らされたまま身体を弄ばれていた。
表情を見る限りまだまだ抵抗の意思は残っているようだが、それもいつまで持つか分からない。
何より、いつ彼女の素顔が暴露されるか分からないのだ。
バイザーを外されているという事は既にカグヤの素顔は見られたのだろう。
だが、少なくとも今映像を見ている一般人たちには彼女の素性はばれていない。
そもそも、画面に映る少女がトライアングルムーン・ブレイドということすら市民たちはわかっていないはずなのだ。
(それにしても、許せません。女性にあんなことを…そ、それに…っ)
仲間への非道は勿論だったが、ルナにとってはもう一つ許せないことがあった。
カグヤの素顔を隠している下着。
それは紛れもなく昨夜自分が穿いていたものだったのだから。
(ううう…)
見ている市民たちはその下着の主がルナだということを知らない。
当然トライアングルムーン・ウィッチィのものだということも知らないだろう。
普通に考えてカグヤのものだと認識しているだろうし、正確な事実を知っているのは敵と自分だけだ。
だが、皺の一つ一つまでが精密に見えるくらい拡大された自分の下着に人々の視線が集まっているのだと考えると顔から火が出るほど恥ずかしい。
スクリーンの消去を最優先したのはカグヤのためというのが第一だが、自分の下着を見られたくないという面も多分にあったのだ。
そして数秒後、突然の画面暗転に人々のざわめきが増し、一時的な混乱が発生する。
それこそが突入の絶好のタイミングであり、二人が待っていた瞬間でもあった。
「よし、行こう!」
「はい!」
「スクリーンの切断で向こうもこちらに気がついたはずです。どうか、お気をつけて…」
駆け出す二人の怪盗少女の背を見送りながらアルテはどうしても嫌な予感を拭うことができなかった。
だが、主人の命令は絶対であり、スクリーンの制御を手放すわけにはいかない。
主人思いのアンドロイドは自身の無力さを噛み締めながらも一つの覚悟を決めようとしていた。
「……ほー、姉ちゃん吉報だぜ。このビルに侵入者だ」
「侵入者…? まさかっ」
「反応は二つ。まず間違いなくお仲間だろうな、ヒヒッ、飛んで火にいるなんとやらだな」
ウィッチィとラビットが侵入を開始した同時刻。
部下から報告を受けた刃物使いの男がポケットに手を差し込んだままニヤニヤと口元を笑みに歪めた。
自分たちの優位をまるで疑ってないその様子にカグヤの怒気が喚起される。
「そうやって笑っていられるのも今のうちだ。あの二人を甘く見ないほうがいい」
「ヒヒッ、ご忠告どうも。だがまあ、ネズミちゃんたちの相手をするのは俺様じゃないんでね」
「何?」
仲間の救援に顔をほころばせる剣術少女の瞳に僅かな動揺が浮かぶ。
人格はともかく、目の前の男は紛れもなく強かった。
もし仲間たちの迎撃に当たっている敵がこの男と同等以上の戦闘力を持っているのならば…
(…っ、何を考えている。信じるんだ、あの二人はそう易々と負けはしない!)
暗い不安を追い出すように少女の首が一度ずつ左右に振られる。
ジャックはそんな獲物の反応を楽しむように見つめると、ゆっくりとポケットの中から手を引き抜いた。
「ま、もう少し経てばお仲間も姉ちゃんと同じようにしてやるから安心しな。だが…」
「…?」
「どっちにしろ、まだまだ時間はかかるんだ。なら撮影の続きをしないと……なあ?」
スクリーンの制御が奪われたことは既にジャックの耳にも入っていた。
だが目の前の拘束少女にそれを知る術はなく、当然教える気はサラサラない。
肉体的な刺激にはなんとか耐えているようだが、羞恥心に灼かれている精神はそうはいかない。
年頃の娘が丸裸で男たちに蹂躙されている映像が街中で流されている。
その事実は時間とともにしっかりとカグヤの精神を削り取っているのだから。
「ほれ、これが何かわかるかい?」
「な、なんだ…これは」
ポケットから抜き出した手をカグヤの眼前に差し出した男はゆっくりと握っていた五指を開く。
掌の上に置かれているのはピンク色のカプセル状の物体だった。
大きさは親指大といったところだろうか、潔癖なカグヤは知らなかったがそれは俗に言うローターと呼ばれる道具だ。
ただ、市販のものとは違いコードは見当たらない。
それどころか、底の部分はまるでナマコのように生体的な動きを見せている。
そのなんともいえない不気味な物体に囚われの剣術少女は嫌な感覚を覚えた。
知識はなくとも性的な道具に対して生理的嫌悪を覚えたのだ。
「ひひっ、ローターも知らねえのかよ。まあいい、使えばすぐに分かるさ」
「な…や、やめ、それを……近づけるな…っ」
顔の前からゆっくりと下降していく男の手にカグヤは焦燥を覚える。
だが、拘束された身体はそれから逃げることを許されず、ただ冷たい汗を浮かばせるだけ。
焦らすように降りてくる手はやがて開脚によって惜しげもなく晒されている足の付け根に達した。
「うあああっ!?」
その瞬間、今までどうにか冷静さを保っていた剣少女の喉から引きつった悲鳴が上がる。
男の手はピクリとも動いていないのにピンクの物体は生き物のように自分からぴょんと飛び上がり、獲物の身体へと着地したのだ。
右の太腿に着地した桃色固形物は底の部分を吸着させて自身を固定する。
肌と接している部分がうにょうにょと動き始め、まるでナメクジのようにずるずると移動を始めた。
「なっ、なんだこれは! 気持ち悪いっ、早くどけろっ!」
「そんなに嫌ってやるなよ。よく見りゃあ可愛いじゃねえか」
「くっ…くそっ…!」
「一応解説するとだな。それはうちのマッドが開発した生体機械…ってなんか名前からして矛盾してるような気がするが。
まあいいか、とにかくだな、そのローターは生きてる。つまり自動で動く」
「そんなことはどうでもいい! いいからこれを取……うあっ、の、上って来るな!」
太腿の上、つまり女性にとって一番大切な部分へと侵攻を開始したピンク物体に声を荒げるカグヤ。
だが聴覚は搭載されていないのか、ローター生物はじりじりと這いずり上がるのをやめようとしない。
ジャックが口笛を吹きながら少女の股間を弄っていた刀をそっと引き上げる。
瞬間、囚われの怪盗少女の秘部が露わになるが、それはすぐに別のものによって隠された。
そう、滑らかな肌を上り終えたピンクの物体によって。
「はっ、離れ……なっ、あふぁっ!?」
快感、というよりは不意を突かれた間の抜けた少女の悲鳴が男たちの耳に届く。
姫筋に吸着した物体はブブブ…と微かな振動音を立てながら身を震わせ始めたのだ。
当然、それがそんな動きをするなど知らなかったカグヤは驚愕する。
しかしその驚愕はすぐに怒りへと変わる。
愛刀の次は気味の悪いモノで淫部を弄られるなど屈辱にも程がある。
拘束されていない腰を揺すり、なんとかこの淫辱の道具を振り落とそうとする黒髪の少女。
それを振り落とすということは自分の股間を晒すということに他ならないのだが、既にそれは頭になかった。
今はただこの気持ち悪いモノを自分の身体から離したい。
その一念で少女剣士は腰を上下左右にと捩り揺すっていく。
「離れろっ…このっ、くふぅっ…」
だが、生体ローターはしっかりと肌に吸着しているためその程度で離れるはずがない。
ブブブ、と自身の振動を獲物の身体に送り続けるだけだ。
それだけではない。
カグヤ自身は気がついていないが、彼女のとっている動きは卑猥極まりないものとして他者の目に映っていた。
四肢を拘束され、必死の表情で激しく腰を動き回らせている全裸の少女。
下半身に連動して大きく実った胸の果実はぶるんぶるんと揺れ、先端の実が空に軌跡を描く。
張りのある肌からは珠のような汗がぽつぽつと吹き出て上気した肌を色っぽく装飾している。
それは見ようによっては快感に悶えているようにも見えた。
現に、撮影をしている男たちは少女に襲い掛かりたいという衝動を抑えるのに必死だった。
今は制御をとられているとはいえ、録画機能は働いているし、制御を奪い返せば再びこの状況はスクリーンに映る。
それ故に、撮影をおろそかにすれば罰が下ると分かっているため男たちは欲望と義務の狭間で苦悩する。
「無駄だって、まあ俺らは眼福だからいいけどよ、いい加減あきらめとけって」
「はっ、くっ……ふっ…!」
「ったく強情だねぇ。まあ、それも今のうちだけどな」
「な、何……はうっ!?」
苦闘しながらも、それはどういうことだと言葉をつなげようとしたカグヤの動きが止まる。
口だけではない、激しく動いていた身体全体がビクンッと大きく震えて停止した。
ビクッ、ビクンッ!
間を置かず、少女剣士の身体が電気ショックでも受けたかのように数度ずつ跳ねる。
視線は奇形生物の張り付いた下へと向かう。
肉ごと神経が吸い出されるかのような感覚が連続して少女の脳へと運ばれていく。
ピンクの物体は振動に加え、吸引を始めたのだ。
「な、あっ…ひっ、うっ…?」
股間の柔肉を吸われるという思ってもみなかった責めに動揺するカグヤ。
しかしその心の隙は恥辱に耐え続けてきた肉体には致命的な隙だった。
ヒク、とわななく肉びらの奥――お腹の中の子宮がその刺激にきゅんと脈動してしまったのだ。
「こ、これはっ…何故っ、くあっ…」
「お? ようやく感じ始めたのか?」
「ち、違う! これは……はくっ?」
否定の言葉をあげようとしたカグヤの頭が大きく仰け反った。
続けてその体勢のままビクンビクンと成熟した肢体が痙攣する。
それは紛れもなく性的な責めに反応する女の身体の反応だった。
「やめろっ…これは、こんなのは…はうっ、ちが……あぅんっ!」
「そんな気持ちよさそうな声を出しておきながら何が違っていうんだか。ほれほれ、素直に気持ちいいっていえば今の状態をやめてやるぜ?」
「誰がっ…うぁ…そんなこと、をぅっ」
「ひひっ、本当に強情な姉ちゃんだ。だがな? 身体のほうは正直なようだぜ?」
「何を言って…え、あ、あっ!?」
男の視線を追って愕然とするカグヤ。
ピンクの生体機械によって張り付かれた股間からは、汗ではない液体が確かにこぼれ始めていた。
38 :
AM:2008/05/18(日) 01:41:09 ID:Ac/XMStV
久しぶりの投下終了。
本当はもうちょっと進めて起きたかったのですが、投下できる時にしておくべきだと思った次第。
次回もカグヤのターン!
久々にキテタ―
ご無沙汰すぎて以前の内容忘れてたわ
うぉっ、いい所で…
とにかく超GJ!続きを全裸で待つ
>素直に〜〜
なんと言う罠w
AM氏GJ!!
AVで思いついた
AV会社かなんかに盗みにいった怪盗がつかまってそのままAVデビュー
こういうのってどうなんだ
(*゚∀゚*)イイヨイイヨ〜
いいね〜、他の二人にもフラグ立ってるし
どんな罠が待っているやら
>>42 AV会社に盗みに入るってところが斬新だ!
女の子を喰い物にしてる噂のある悪徳メーカーに義賊的な怪盗が……
てなネタならどうだろうか
スレ立て乙です。
かなり間が空きましたがアンバームーンの続きを投下します。
>>33 GJ!! シチュ好きなAMさんにしては珍しく直接的なエロかも。
次回もガチエロ展開になるのかな(;´Д`)ハァハァ
「先生がまさかアンバームーンだったなんてね」
「俺らに偉そうなことを言っておきながら裏で泥棒してたんでしょ?」
「おまけにこんな大勢の前でエロい姿晒しちゃってさぁ」
自らの欲望を吐き出し終えた警察官達が観客席へと戻った後の
野外ライブスペース「アメジスト」のステージでは、
若い男達が一人の女性を取り囲んで罵りの言葉をかけていた。
女性にかける言葉の辛辣さに比べ、顔立ちにはまだどこか
幼さが感じられ、そのギャップが会場の混沌ぶりに拍車をかけている。
それもそのはず、彼らは制服を脱ぎ捨てたラフな私服姿ではあるものの、
れっきとした名門私立アイオライト学園の生徒達なのである。
そして彼らが取り囲んでいる、床に座り込み震えている女性こそが
そのクラスの担任教師、怪盗アンバームーンこと宝月香織その人なのだった。
「はぅッ……違う、違うの……私は、あふぅッ……みんなを守りたくて……」
弱々しく床に座り込みながらも必死に誤解を解こうとする香織。
美しい眉を寄せたその顔は紅潮し、玉のような脂汗が浮かんでいる。
それもそのはず、先ほどの警察官相手には奉仕するだけ奉仕して
結局自分自身は達することができなかったのだ。
依然として媚薬の刺激が下半身を苛み続けており、高められた性欲は
空気を入れ続けられる風船のように膨らみ破裂寸前になっている。
これが飯綱父子による責めだけであれば、とうに色欲に屈服して
卑猥な言葉を吐きながら彼らのモノにむしゃぶりついていたことだろう。
それをなんとか理性にしがみつかせたのは、これまで教師として
学校で築いてきた愛弟子との絆に他ならない。
だがそれすらも狡猾な飯綱父子の計算の内であった。
簡単に快楽に堕ちた者は、また簡単に希望を見出し快楽から脱却する。
堕ちたかに見えたところで、自分達ではなく警察官や愛弟子に責めさせることで
理性を呼び覚まし、そしてさらなる深い絶望と快楽を与え続ける。
これを悪魔の所業と言わずして何と言えばよいのか。
簡単に堕ちることを許されず理性と本能の狭間で揺れ動き続ける苦しみに、
それでも香織は抗い続けようとした。
しかし、体の疼きに必死で堪えながらの弁明も、瘴気に狂った
生徒達の目には、艶っぽくしなを作り牡の本能を刺激する姿としか映らない。
「じゃあ先生、俺達に性教育をしてくれよ」
「……ッ!? な、何を言ってるんですか……」
「だってさ、さっき警察官の人たちにはやってたじゃないか。
それで俺達には出来ないってのはサベツだよな」
「うっ、く……そ、それは……」
あまりに身勝手な牡の論理。
それを吐いているのが愛する生徒だという事実が、また香織の心を深く抉る。
授業態度は不真面目ながら、「俺、絵が好きなんだ」と目を輝かせながら
言って描きかけのキャンバスを見せてくれた美術部の二宮が。
試合でミスをして、それでも女性である自分に涙を見せまいと必死で
顔を拭って笑顔を見せてくれたサッカー部の後藤が。
今や欲情を剥き出しにした獣となって自らの前に立っている。
「……そんなこと……できるわけ……はぅッ、んぅ……」
学校での大切な思い出が頭を巡る一方で、そんな彼らにさえ「男」を感じ
正直に反応してしまう自分の浅ましさに気づき、香織は打ちのめされた。
その時、様子を下卑た笑みを浮かべながら見ていた剛三が香織に近づくと、
しゃがみ込んでそっと耳打ちした。
「ふふ……楽しんでおるようじゃのう、アンバームーン」
「た、楽しんでなんか……んんッ……いるわけないでしょう……」
「そうかそうか、それではもっと楽しんでもらわないとの」
含みを持たせた言葉を言い残し、剛三は立ち上がると指をパチンと鳴らす。
その瞬間、香織を取り囲んでいた生徒達の体がビクンと跳ねた。
ビデオデッキの一時停止ボタンを押したかのように彼らの体は動きを止め、
表情の失われた顔は虚空を見つめている。
「か、彼らに何をしたの!? 手を出したらただじゃおきませんから!!」
「なに、いたいけな青少年に大したことはしておらんよ。
ただ、1時間以内に射精しないと死ぬってだけじゃ」
「なッ、し……死ぬ!? ……それに、その、しゃ、射精って……」
とんでもないことをあまりにさらりと言ってのけた剛三に対し、
香織の顔からはみるみる血の気が引いていった。
「ほら、ぼーっとしておっていいのかのう?
大事な生徒を守りたいなら、さっさと奉仕して射精させてやらんとの」
「うっ……く……」
剛三は香織の肩をポンッと叩くと立ち上がり、再び指を鳴らした。
再生ボタン代わりのそれを合図に、生徒達の体に動きが戻る。
「さあ、先生、俺達にも奉仕してくれよ」
「あふぅッ……ん、んくぅ、い……いいですよ……」
「……え? え?」
羞恥心と愛弟子の命を天秤にかけ、苦汁の決断ながら腹をくくる。
男子生徒の数は1,2,3,4,……5人。
1時間というタイムリミットはその気になれば決して短いものではない。
あとは自分がその気になれるかどうか、その一点に彼らの命はかかっている。
意を決した香織は唇をキュッと噛むと、生徒達の顔を見上げた。
その決意に満ちた表情は皮肉にもあまりに色っぽく、思わず生徒達はたじろいだ。
無理もない。
強気な言葉を吐いてはいても、所詮性的経験に乏しい男子高校生達である。
瘴気による感情の麻痺と集団であることの強みを取り除いてしまえば、
そこにあるのは不安と臆病。
紺の手袋に覆われた香織の滑らかな手が股間にあてがわれただけで、
男子生徒の体を緊張と困惑が支配していくのがわかる。
「……ん、はぅくッ……さ、さぁ……脱いで…はうんッ…ください……」
「ちょ、ちょっと、先生……マジでいいのかよ……?」
いつしか立場は逆転し、積極的に迫る教師と誘惑に戸惑う男子生徒達。
いや、彼らだけではなく、観客席で傍観している男達も同様に戸惑っていた。
「お、おい……今まで嫌がっていたのに、なんだあの変わり様は?」
「アレだろ、所詮好き者だったってことだろう」
「見てみろよ、子供っぽいようで、なんかすげえ色っぽいぜ?」
ザワザワとどよめく観客達を尻目に、女教師は教え子の股間に縋り付いている。
その様子を見て剛三は密かにほくそ笑んだ。
それまで性欲の炎に身を焦がされながらも、生徒達との密事という
越えてはならない一線に二の足を踏んでいたアンバームーン。
それが「生徒達の命を救う」という大義名分を与えてやっただけで、
これほどまでに蠱惑的な表情を見せるとは。
思えば、この1時間という絶妙なタイムリミットがミソなのだ。
これが短すぎれば、生徒達の命を救わんがため必死になり過ぎてしまい、
ショーとしてははなはだ興醒めだったろう。
とは言え逡巡している暇を与えるだけの余裕を与えてもまた興醒めである。
思いのほか面白くなった見世物に、剛三は今度は邪悪な笑みを隠すことなく浮かべた。
ステージ上ではカチャカチャとベルトを外す音が響き、
一人、また一人と男子生徒のズボンが取り払われていく。
現われた黒のボクサーパンツの上から、香織の唇が生徒のモノに触れる。
「ふむっ、おむ……ふあッ……んふぅ……」
「せ、先生……すげえエロい顔してる……」
「お、俺のも、その、触ってくれよ……」
辛抱しきれなくなった周囲の男子生徒がチェック柄のトランクスを下ろし、
剥き出しになった怒張に香織の右手をあてがう。
それを見ていた別の男子生徒も促されるままに青い縞柄のトランクスを下ろして
同じように香織の左手を自らのモノにそっと誘う。
それまで舐められるがままだった生徒もボクサーパンツをおずおずと下ろすと、
力強く天を指した肉棒が香織の口に吸い込まれた。
「んむぅ……あっ、んん、んうぅ……んちゅ……」
「うっ……せ、先生、気持ちいいよ……」
「お、俺も……先生うまいんだな……」
そこにはもう、教師と生徒の姿など微塵もなくなっていた。
ただ、牡と牝の交わりがあるだけだった。
香織は生徒の肉棒を一心不乱に唇で舐め、しゃぶり、両手でしごく。
愛撫を受けている生徒達もようやく落ち着いたのか、空いている手で
女教師の微かな乳房を弄び、背中を摩り、髪を撫でる。
手持ち無沙汰となった他の二人もその光景を見ながら自慰を始めた。
「ねえ、先生の乳首、立ってきたぜ?」
「おむっ、じゅぷっ……い、いやぁ……恥ずかしい……」
「こっちも濡れてキラキラ光ってる……すごい奇麗だよ……」
「んむぅ……んんんッ! な、舐めちゃ、嫌ぁ……」
右手でしごかれていた生徒が不意に後ろから香織の両脚を抱えると、
それまで自慰に甘んじていた生徒の一人が股間に舌を伸ばす。
左手で愛撫を受けていた生徒は手を開くと香織の胸に押し当て、
洗濯板のように高速で上下に擦り始めた。
微かな膨らみはぷるぷると震え、掌がしこり立った乳首を弾く。
「んああぁぁッ!! それ、それだめぇぇ……」
「おっと、胸が小さい人は感じやすいって噂、本当かもしれないな」
「おい、それは先生に失礼だぞ」
「だって、本当のことじゃないか」
「い、嫌……ふぁうッ、んんんぅ……そんなこと、言わないで……」
「うわ、先生……ココ、なんだかすごいことになってるぜ?」
「あはあぁぁ……ゆ、指ぃ……入って、入ってくるのぉ……」
意図せざるとは言え、コンプレックスである幼児体型を材料に
言葉責めを受けた格好になった香織は、被虐的な快感に襲われた。
じっくりゆっくりと性感を煮詰められ火照った体を遠慮ない言葉と
愛撫が襲い、立ち込める牡の匂いとあいまって脳を揺らす。
与えられる快楽に負け「生徒の命を救う」という当初の大義名分すら
忘れそうになり、首を振ってなんとか意識を繋ぎ止める。
だが生徒の旺盛な性欲と好奇心は留まることを知らなかった。
「うわっ、このビラビラしたところ……見てみろよ?」
「なんだかヌメヌメと光ってて……お、これがクリトリスじゃないか?」
「マジで? あっ、初めて見たけど本当に大きくなってくるんだな」
「お前、初めてなのかよ……」
「悪いかよ? そういうお前は見たことあんのか?」
「いや、俺も初めてなんだけどな……」
大勢の観客席の前で、しかも自らの生徒達によって、まるで検診を
受けるかのように秘部を露わにされた挙句その様子を詳細に描写され、
あまりの羞恥に顔を手で覆ってしまうアンバームーン。
そのとき、敏感な突起を生徒がいささか乱暴に弾いた。
「ふぁ!? ひ、ひあああぁぁっぁあぁぁッーー!!」
ビクッ、ビクビクゥッ!!
散々焦らされた末に与えられた刺激で、香織は軽い絶頂を迎えた。
ますます流れ出た愛液の雫は腿の辺りまで垂れてきて、
晃により引きちぎられた黒タイツの残骸を湿らせる。
「うわ、すっげ」
「先生、もしかして……イッたの?」
「……んん……く……はぁっ、はぁ……ん……」
目を閉じ、ピクリピクリと体を震わせながら切なげな吐息を漏らす
美貌の女教師の姿を見せられては、男子生徒達はもはや我慢できなかった。
「せ、先生ごめん……俺、もう挿れたい……」
「んっくぅ……い、いいですよ……来て、ください……」
もはや、教え子との性交という行為に対する躊躇など打ち砕かれていた。
誰でもいい、媚薬により延々と体を苛み続ける性感を、男の手によって
満足させてほしかった。
許可が出るやいなや、男子生徒はわっと香織の体にむしゃぶりついた。
初体験による畏れがあったとはいえ、もともと瘴気により理性を抑えられた
男子生徒達である、女教師の扇情的な姿を見せられては我慢ならなかった。
男子生徒の一人が香織を押し倒し、いわゆる正常位で自らの欲望を挿入せんとする。
「じゃあ、いくよ……うっ……くぅ……キツい……」
「んんあぁぁ……入って、入ってくるぅ……中に入ってくるのぉ……」
「先生の中、うっ……とても熱い、よ……動かしてもいい?」
「うん、はい……ふあぁぁッ! ちょ、ちょっと激しッ」
「だって我慢できねえんだもん……うううぅッ、くあああっ」
「んんあぁぁ、はうぅぅうッ!! ひぃぃ……んんんんッ」
獣のような咆哮を上げ、まるで犯すかのように乱暴に腰を打ちつける。
その一打ち、一打ちに反応しないではいられなくなり、
香織はあられもない喘ぎ声を上げ続ける。
肉の宴は、男子生徒の一際大きい咆哮で第一幕を終えた。
「はぁッ……はぁッ……んんぁ……」
「先生、休んでいる暇はないよ。俺らの相手もしてくれないと」
「んん……え? ちょ、ちょっと……だ、ダメです……んあぁぁ!!」
がっしりとした男子生徒は有無を言わせず香織の腰を掴んで裏返し、
四つん這いにさせるとやや強引に後ろから突き入れた。
たまらず体を跳ねさせる香織に、男子生徒は追い討ちをかけるかのように
激しく自らの体を香織の白い尻に打ちつける。
パンッ! パンッ!
肉と肉がぶつかるややくぐもった破裂音が一定のリズムで続き、
時たま男子生徒の荒い息と香織の嬌声がアクセントとなって会場に響き渡った。
「んんん! くあぁぁ……ふ、深い……奥まで入ってますぅ……」
「先生は後ろから……うっ……つ、突かれるのが好きみたいだ、ねッ!!」
「んんんああああぁッ!! だ、だめぇ……どうにかなっちゃいます……」
「お、俺ももう……そろそろやばい……うっ、くぅぅぅッ!!」
欲望を吐き出した男子生徒が香織の中から肉棒を抜くと、混ざり合った
互いの愛液が糸を引いてしたたり落ちる。
力を失い床にぺしゃんと這いつくばった香織だったが、続く男子生徒が
またもや休む暇を与えない。
力まかせに香織の体を持ち上げると、そそり立った自らのモノに跨らせた。
「はぁ……はぁ……も、もう……ゆ、許して……」
「ダメだよ先生、あと三人いるんだから平等に満足させてくれないと。
どうしてもって言うんなら両手と唇も使っていいから」
「んっ! んっ! んっ! こ、こんな格好……い、嫌ぁ……」
床に寝ころがった男子生徒に跨り、下から上へと突き上げられるたびに
頭の奥がぼうっと真っ白になり、徐々に高みへと持ち上げられていく。
だが意識を失うことは許されず、両手で男子生徒二人の性器をしごかされ、
交代交代に口に頬張らされる。
呼吸の苦しさに時たま吐き出すものの、それでもまた含み直すことを
続けていると、男子生徒が呻きだした。
「んっ、ちゅばっ……じゅぽッ……んくぅッ! はぁッ、はぁッ……」
「あふっ、せ、先生の手……細くて滑らかで……気持ちいい……」
「ああっ、そ、それやばい……その舌は反則だって……」
「俺、俺……もうイキそう……あぐっ、で、出るッ!!」
「んっ、んっ、あはぁ……ひ、ひああぁぁぁあぁッ!!」
どぷっ!! びるるるっ!!
若い男ならではの粘度の高い濃い白濁液が、香織の黒髪を、顔を白く染めた。
与えられたあまりの快楽と、力が抜けていくような虚脱感に、
香織は感情を失いしばらくそのままでぼうっとしていた。
そんなまるで木偶人形のような香織に、剛三が近寄り賞賛の言葉をかける。
「やったではないか、アンバームーン。愛する生徒達の命はこれで救われたの」
「んん……あふぅ……はぁ……はぁ…………え?」
そうだ。
今までの痴態はすべて、教え子達の命を救うためにやっていたのだった。
だが、不思議と安堵の感情は浮かんではこなかった。
その代わりに芽生えた感情は、目的を果たした達成感でも、
剛三に対する憤怒でもなく。
そう、それはつまり。
「おや、そんなことすっかり忘れておったという顔じゃの。
おおかた快感に溺れておったのじゃろう。どうじゃ、違うか?」
「……はぁ……んっ、くぅッ……は、はい……」
「ふははは、威勢のよかった女怪盗もずいぶん正直になったものよの。
どうじゃ、まだ足りぬか? まだ快感を与えてほしいか?」
「……は、はい……お、お願いします……か、体が……熱くて……」
「ふ、ふは、ふははははぁッ! よかろう、思う存分イキ果てるとよい!!」
「……あっ……んあぁぁ……」
54 :
46:2008/05/20(火) 04:04:11 ID:JYRflQjW
今日はこんなところで。
多分次回が最終回になると思います。
GJ!
いよいよ最終回か、いくつかある伏線がどうなるか楽しみ。
38氏や血塗れ怪盗さんは勿論、AMさん、アンバームーンの人と復活劇の連続に俺ウハウハ。
この調子でフィズの人や新人さんたちの降臨にも期待www
最終回も楽しみだ、果たしてどうなることやら
57 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:17:05 ID:ITPFXj45
hosyu
オレの嫁が来てた―――(゚∀゚)――――!
最終回まで座して待つでな!
最終回楽しみだぜ!
個人的にはAM氏にアクアメロディの続きを書いて欲しいな
それはないな、多分・・・。
>>60 自分も続きというよりエンディングを読みたい
AM氏に余裕がある時で良いから
>>60 ぶっちゃけ、作者さん、続き書きたくなさそうにしてなかった・・・?
ちょ、おまいらAM氏にプレッシャーかけすぎwww
まて、これは孔明の罠だ
気にせず投下キボン
66 :
AM:2008/05/24(土) 02:00:18 ID:l0DLdk2d
>>46 逆に考えるんだ、シチュをやるために今はタメの時期なんだと。
それはそれとしてなんというせんせーのエロス、俺も生徒になりたいです。
AMのEDは難航しています…お待ちの方申し訳ない。
アクアメロディの続編構想はあります、というか皆のレスを見てるうちに書く気になってしまった。
といってもあのラストから続編を作るのは無理なので第七話段階で勝利したと仮定しての続編になるわけですが。
新連載案の一つに使おうかなーと思ってた構想なんだけど、AMでやったほうが手っ取り早いよなと思い立ったのが運のつき。
ただ、番外編の時とは違って長編になりそうなんでTMと平行連載になるのがなぁ…
67 :
AM:2008/05/24(土) 02:02:13 ID:l0DLdk2d
「通り魔…?」
「こんなことができるのは…でも、そんなはずは」
「そんな!? 何故あれがここに!?」
シティを騒がせる凶暴な通り魔事件。
その犯人の手の上で輝くのは真紅の宝石。
「もう二度とこれを着ることはないと思っていたのに…」
深青を基調とした服が少女の目に映る。
それは二度と日の目を見ることはないと思われていた衣装。
「警部! や、奴から予告状が!」
「奴? 奴って誰だ? おい、まさか――」
人々はにわかに騒ぎ始める。
夜の闇に身を躍らせる少女怪盗、彼女が帰ってきたのだから。
「よう、待ってたぜ?」
「五回だ。一回につき一つ……簡単な話だろう?」
「さて、それでは皆さんにはこれから観客になってもらいます」
張り巡らされる罠。
その全ては一人の少女を追い詰めるためのものだった。
怪盗アクアメロディ 〜インビシブル・ストーカー〜
鋭意構想中
「これで、本当に最後――そうだよね、お母さん?」
「ようこそ、怪盗アクアメロディ。さあ、はじめようか――君の、最後を!」
68 :
AM:2008/05/24(土) 02:04:08 ID:l0DLdk2d
とかいいながら38氏のやり方丸パクリの予告編を書く俺。
平行連載が嫌なら好きなほうを重視しながら書けばいいじゃない?とエロの女神様が囁いてくれました。
多分TMを優先させながらちょこちょここれの本編を投下。
TM終わったらこれを優先させながら新連載を投入するつもりです…ってどれだけの種類を書きたいんだ俺は。
とらぬ狸の皮算用をしつつとりあえず次はTMの続きです、多分。
>>68 続編ktk
アクアメロディは好きな作品なので感激です
TMも楽しみにしていますよ!
70 :
AM:2008/05/27(火) 12:27:13 ID:txY1c31D
思うに、俺はやはりシチュエロのほうが筆のノリがいい模様。
ああ、フィズの重量トラップとか摩天楼遊戯の水鉄砲大会とかああいうのが書きたい!
でも頭悪いからああいうのが上手く思いつかない! なんてジレンマ!
なのでお二方の復帰を強くお待ちしている俺ですよ?
というわけでトライアングルムーン第十話投下します。
(う、嘘だ…)
自分の股間から流れる液体を目に映しながらカグヤは現実を否定するように瞬きを繰り返す。
だが何度目を閉じても開いた視界の先には床にぽたりぽたりと落ちる雫が見える。
汗でもなく、小水でもない。
剣術一筋に生きてきたとはいえ、カグヤも年頃の女性。
当然女性が性的な快感を得たときに起こしてしまう反応が知識として頭の中にある。
いや、正確に言えば少女はそれを実体験として何度か見たことがあった。
普段からストイックで潔癖な気性だと周囲から思われているカグヤだが、実のところ彼女には自慰の経験があった。
彼女の通っている学校は厳格な女子校であり、風紀を乱すような淫らな会話はありえない。
…というのは所詮外からみた思い込みであり、実際は両家の子女が通う女子校といえどその手の会話はある。
勿論高潔なカグヤはそれを注意することはあれども進んで参加するということはない。
しかし、如何に男に興味がなく、嫌悪を抱いているといっても性的なこと全てを否定しているわけではないのも確か。
クラスメートらが話しているあられもない会話は脳に記憶されるわけで、知識が実行に移されるのも自然なことで。
とりわけ、自慰は別段男がいなくてもできるというのがカグヤにとっては魅力的だった。
といっても自慰はあくまでストレス発散の手段の一つであり、快楽に溺れるためのものではない。
少なくともカグヤ本人は頑なにそう信じていた、昔も、今も。
「おお、でっかくなってきたぜ。このオモチャはな、女のエロい汁を吸うとでかくなる。つまり…」
「あっくぁっ…っくぁぅ!」
「責める場所も感じれば感じるほど広がっていくわけだ。ひゃっひゃ」
ジャックの言うとおり股間に張り付いているピンク色の物体は徐々にその身を大きく膨らませていた。
親指大ほどだったそれは今では振動と吸引に震える柔肉全体を覆いつくそうとしている。
だがそれはカグヤが女として感じているという証拠に他ならない。
嘘だと断ずることは簡単だが、実際に愛液をちゅうちゅうと吸って大きくなる物体を前にそんな言葉は強がりにすらならない。
(と、止まれ! 止ま…あふっ…れぇっ)
全身全霊で下半身に力を込めてもれ出る淫らな液体をせきとめようとするカグヤ。
だが一度開いた扉は閉まる気配を見せず、その奥の泉はこんこんと液体を湧かせ続ける。
己の意に従わない身体に恨みを吐くも、状況はどうしようもなかった。
――と。
「はぅんっ」
一際甲高い声が整った口元から発せられる。
それは今までで一番官能を帯びた声音であり、発した本人ですら明確にそれが理解できた。
慌ててカグヤは口を閉じるが、発してしまった声は取り戻せない。
歓声を上げる男たちを無視し、囚われの少女は動揺の中、原因を把握した。
肥大化を続けていたローター生物がついに秘裂上部にある小さな蕾に辿り着いてしまったのだ。
「あ、あああぅあっ!」
ブルブルブル…ッ
細かな振動と吸引が肉の鞘に隠れた恥粒を責め立てる。
健気にも中身を守っていた包皮も二重の責めにかかってはなす術もなく陥落するしかない。
あっという間に身を剥き出しにされたクリトリスは容赦なく生体ローターによって辱められてしまう。
「はっ…あ! くあっ! ふはっ! はぁっ!」
最も敏感な部分を責め立てられ、カグヤはイヤイヤをしながら悲鳴をあげた。
拘束された女体は熱に蕩かされ、汗の入り混じったほのかな匂いを発しながら桜色に染まっていく。
辛うじてつりあがったままの目は力を保ってはいるものの、それすらも何時まで持つかは分からない有様だ。
「ひひっ、ヌレヌレじゃねえか…」
「ああっ、や、やめろぉっ!」
股間からこぼれる恥ずかしい液体を受け止めるように差し出された愛刀にカグヤは悔しさを覚える他ない。
既にお漏らしと見間違わんばかりに吹き零れていた愛液は身体の意思に反して曇り一つなかった刀身を汚していく。
分身ともいえる愛刀が無残に汚れていく光景は正に絶望を覚える光景だった。
ましてや、愛刀を汚しているのが自らの淫らな反応の成果だというのだからやるせない。
「まだイカねえか。なかなか頑張るじゃねえか」
「こっ…の程度、ぁ! で…」
「んじゃ数を増やしてみるか」
「な!? 増やすって…くはあぁッ!?」
快感に流されつつある肉体を叱咤しながらも気丈な意思を保っていた少女にジャックは更なる生体機械を投入する。
双乳の先端に一つずつ、同じ型のローターを取り付けたのだ。
「よ、よせ! これをはず…ひっ、ひぁぁっ!」
一ヶ所だけだった責めが一気に三ヶ所に増える。
今までの三倍、いや相乗効果によってそれ以上の刺激がカグヤを襲う。
胸から愛液が漏れることはないのでローターが肥大化することはないが、取り付いているのはツンと尖った先端である。
既に勃起していた二つの乳頭は硬化したその身をほぐされるように振動と吸引のマッサージを加えられ、歓喜に震えていく。
胸から突き出された豊かな果実が振動によってぶるぶると上下左右にたわみ揺れ、男たちの目を楽しませる。
これにはたまらずカグヤは身体を捩るが当然どのローターも取れることはない。
(こ、こんな…こんなことが…あっ! だ、ダメだ…これ以上は…ッ)
「ほれほれ、素直になれって。一言気持ちいいっていえば今の苦しみから解放されるんだぜ?」
「ぐ……うっ、い、嫌だ…はっ! はっ! はぁっ!」
例え肉体が屈しても精神だけは屈しない。
最早カグヤにできることはそれだけだった。
反射的に漏れそうな喘ぎを唇を噛み締めて我慢する黒髪の少女剣士。
だが、いかに剣術で鍛えた精神力といえども限界は目に見えて間近。
そしてその臨界点を見極めていたジャックはカグヤの耳元へそっと囁いた。
「なあ、耐え続けるのもいいんだけどな。あんまり意地を張り続けられても俺らとしては困るわけよ? わかるぅ?」
「な…にが、はぅ! いい、たい…」
「なぁに、簡単なことさ。あと十秒以内に素直にならないと…コレ、とっちまうぜ?」
ちょんちょん、とつつかれたのはカグヤの素顔を覆うルナの下着だった。
途端に少女の顔色が青ざめる。
それを取られるということは素顔を晒すということだ。
既に目の前の男たちには見られている顔だが、今はこの状況が街頭スクリーンに映し出されている。
つまり、見ず知らずの――あるいは知り合いに満井カグヤを認識されてしまう。
「ば、馬鹿なことはやめろっ! そんなこと…んあっ! はぅ!」
「いーち、にーい、さーん」
これまでで最も狼狽の色を示したカグヤの制止を無視してカウントが進んでいく。
スクリーンの制御はアルテが制圧しているためここで素顔を晒されたところで被害の拡大はない。
しかしそれを知らない少女からすればそのカウントは破滅へのカウントだった。
数字が進むたびにクイックイッと掴まれている薄布の端がめくられる。
その下から覗くのは快感に蕩かされかけている一人の少女の素顔。
「ろーく、なーな、はーち」
迷っている暇は与えられない。
既にカウントは残り二秒。
瞬間、カグヤの頭によぎったのは悪魔の囁きだった。
このまま顔を晒されるのだけは避けなければならない。
どうせ嘘なのだ、それくらいいいではないか――仲間たちに迷惑をかけないためにも。
「きゅーう、じゅ――」
「き、気持ちいいっ! 気持ちいいんだっ!」
ピタリ。
その絶叫のような声とともにジャックの指とカウントが止まる。
だが刃物使いの男はニヤニヤと笑うだけで摘んだ布を放そうとはしない。
男の目は言っていた。
もっとちゃんと言え、と。
「う…ぁ、アソコがっ、股間が切なくてっ! 胸をぶるぶる揺らされると切なくて、たまらない…んぅっ」
「ほほぅ? つまり姉ちゃんは自分が淫乱なメス犬だと認めるんだな?」
「メス…っ! くんっ、み、認めるっ! わ、私は…メス、犬……アアアアッ!」
敗北の言葉を発した少女の身体の反応が見違えるようにいやらしさを帯び始める。
具体的な言葉を発することによって精神的なタガが外れたのか、唯一抵抗の気配を見せていた瞳の光もがうっすらと霞がかっていく。
(わ、私はなんという破廉恥なことを…だが、仕方がなかった、これはやむをえないことだったんだ…!)
頭に浮かぶのは二人の仲間の顔だった。
そう、ここで自分の顔を晒せば彼女たちに迷惑がかかる。
だから仕方なかったのだ。
決して、自分の本心からの言葉ではない、自分はそんな淫乱な女ではないのだから。
「ひひひっ! とうとう本性を表しやがったなこの淫乱女っ!」
「ち、がう…私は、はぁんっ! 淫乱などでは…お前が…っ」
「確かにせかしたのは俺様だけどよ、言ったのは姉ちゃんだぜ? それに俺がいえって言ったのはたったの五文字だしなぁ?」
「そっ、それは…っ!」
追求の声に言葉が詰まる。
態度がそう言わせようとしていた、それは間違いないことだ。
だが、本当に言う必要はあったのか?
ただの勘違いで、自分の本心が出ただけではなかったのか?
これ以上今の状態が続けば与えられる快楽に耐え切れなくなるという怯えを覚えていたからではないのか?
違う、と理性が訴えかける。
しかしその裏で快楽に溺れかけているのを認めている自分がいる。
「違う違う違う違う! 私は、私はっ……んはぁぁぁっ!?」
悦楽に押しつぶされかけようとしている心を叱咤するように否定の言葉をカグヤは吐き続ける。
が、とめどなくローターから伝わる振動と吸引の力に堪らずおとがいをあげてしまう。
「うぁはぁっ…つ、強いぃっ…! 外せっ、止めろっ! 約束はどうした…ぁあっ!」
刺激をなんとか受け流そうと拘束台の上で暴れまわるカグヤ。
一向にローターの動きは止まる気配を見せない。
冷静に考えれば男が約束を守ることに期待すること自体が愚かしいともいえる。
だが、追い詰められていた少女にとってそれは重大な裏切りだった。
しかしことの張本人である刃物使いの男はまるで悪びれた様子を見せない。
むしろ心外だとばかりに首をすくめ、端的に言い放つ。
「おいおい、忘れたのか? 俺様は『今の状態をやめてやる』って言ったんだ。一言も取ってやるとも止めてやるとも言ってねぇぜ?」
「なっ…」
「ちゃんと約束は守るから安心しな。今から全開でいくぜ!」
「え…ま、待てぇっ! それは――ッ!? クハァァァ――ッ!」
男の合図と同時にローターの振動と吸引の強さが一気に跳ね上がった。
今までは手加減していたのだとばかりに暴力的に責めたててくる淫欲の道具に四肢をガクガクと震わせることしかできない。
自分で行う拙い性行為とは比べ物にならない快楽の強襲に剣術少女はなす術もなかった。
「くぁっ、はっ、激しすぎるぅっ! こんらっ、耐えられっ…はひっ!?」
ついに呂律すら回らなくなったカグヤは無意識に腰をゆっくりと動かし始める。
円を描くようなその動きは快感を逃がそうというものではない。
むしろ、より強い刺激を求め、餓えを訴えるような仕草だった。
「あっ、うっ、あっ…だ、駄目らぁっ! これ以上は、もう、もう…」
「お、限界か? 遠慮することはないぜ、思いっきりイッしまえよっ!」
「い、嫌…っ、そんなの…そんなのぉぉぉっ!!」
胸と股間から生み出される快感が一点に収束し、破裂しようとしている。
カグヤはその感覚の果てに何が訪れるのかを知っていた。
それは、それだけはいけない。
それを受け入れるということは自分の体が決定的な敗北を迎えるということなのだから。
だが、歯を食いしばって限界を引き伸ばそうとする剣術少女を一顧だにすることなく
ジャックはトドメとばかりに手に持っていた刀を軽く振り下ろした。
とんっ…
「――っ」
恥液にまみれた愛刀が自分の股間に振り下ろされる瞬間をカグヤはスローモーションのように感じていた。
そして、刀身とローターが接触した瞬間。
硬くて、柔らかくて、ぬるぬるとした何かが割れ目を押し開いて侵入したのを自覚した刹那。
少女の視界は閃光によって覆いつくされた。
「はっ……あああッ!! あっあっ! うぁあ〜〜〜ッ!!」
ビクン! ビクビクッ、ビクンッ!
壊れたようにM字開脚の女体が数度痙攣しながら跳ねる。
ハッキリと見てとれる絶頂の歓喜。
それはカグヤの身体が快楽に完全に敗北したという証だった。
「あッ…! はぁっ! ……はぁ…ぁ…」
たっぷり数十秒の絶頂を経て、カグヤはガックリと頭を落とした。
天井を向いていた視線は壊れた人形のようにガクンと下に落ち、垂れた黒髪が少女の表情を覆い隠す。
快楽の大波が引いていくにつれ、徐々に意識が現実へと戻っていく。
オーガズムに達してしまったというその事実が高潔な女剣士を打ちのめし、反抗の気力を根こそぎ奪い去ろうとジワジワと侵食を始める。
しかし、それすらも待たずに次の波は襲い掛かった。
「…うあっ!? ひっ、ま、まだぁっ!?」
うなだれていた美人顔が勢いよく跳ね上がる。
汗を吸収し、ベッタリと張り付いた下着覆面の下でカグヤの顔が困惑に染まった。
未だ恥場所に張り付いているローターたちは快楽の極みを引きずり出しておきながらその動きを止めてはいなかったのだ。
休ませる暇など与えるものかとばかりに振動と吸引が絶頂直後の女体を襲う。
終わりだと思っていた刺激が再び大波となって襲い掛かってくる感覚に剣術少女はあっけなく敗北。
あっという間に二度目の絶頂を極めさせられてしまう。
「あっ…ふはっ、んはぅあぁああぁぁ……!」
再度黒髪を振り乱しながら少女の身体が踊る。
しかしそれでもピンク色の淫具は更に女体から性感を引きずり出そうと動きを止めようとはしない。
「はっ…くはぁっ! もう、止めてくれぇっ! お、おかしくなるぅっ!」
「別にこっちはそれでも一向に構わねぇんだよ。もうどうせなんだからいっそ楽しもうぜ、な?」
「ひいぃっ! いっ、いやだぁっ! そん…ああぁぁあああっ!? はっ、外してっ…ひはあっ!」
「お、またイッたか。しっかしこりゃこっちも拷問だなぁ、これで挿れるなって酷すぎだろ」
なあ? と周囲の男たちに振られたジャックの問いは全員一致で肯定された。
快楽に乱れる全裸の美少女を前にして見ているだけというのは拷問にも程がある。
中には、ズボンをおろして自慰を始める者すらいる始末だ。
外の市民たちにこの光景を公開できないのが残念で仕方がない。
そんなことを思いながらジャックは今もなおも与えられる快楽に踊らされる少女へと視線を向けた。
「ひっ…く! んひぁぁぁ…くはっ!」
「おうおう気持ちよさそうな顔をしちゃってまあ…もうこれ役にたたねえな。取るぞ」
汗で透け、既に顔を隠す役目をほとんど果たしていなかった純白の下着をジャックは剥ぎ取る。
艶のある黒髪とともにトライアングルムーン・ブレイドの素顔が露わにされた。
しかし素顔を晒されたカグヤの表情には既に反抗の色も動揺の気配もなく
そこにはただ、快楽に抵抗できずに押し流されるだけでありながら、それでもなお性欲を拒否する一人の少女の姿があるだけだった。
77 :
AM:2008/05/27(火) 13:09:47 ID:txY1c31D
投下終了、誰か…俺に養分を…!
GJ!!
もう本当にカグヤいいですねえ、この先どこまでいくのやら。
もちろんルナとサキにも期待しています。
GJ!
もうGJとしか言えないくらいGJ!
機械触手にギッチギッチに締め上げられて失神とか、オーガ型のロボコップに羽交い締めにされてもがき苦しんで、
ぷるぷる震える手がパタリと垂れ落ちるとかの苦痛ピンチ大好きな俺だがこのエロ責めはGJ!
81 :
AM:2008/05/30(金) 00:55:33 ID:E4mxf9CS
TMの気分転換に書いてたはずなのに筆が乗ってきたので投下してみる。
前に予告で書いてたAMの第二シリーズ開始です。
一応補足、この話は無印AMの第七話で美音が勝利したと仮定してのIF続編です。
ダークを手に入れてジュエルが全部集まったので怪盗は引退、んで半年ちょい経ちましたという状態からのスタート。
どうやって夜暗に勝ったの?とかは聞かないでください、愛と正義の力です。
「ごめんなさい」
その一言を放った時、目の前の相手がはっと息を飲む気配を感じ、美音は俯いた顔を僅かに曇らせる。
学校の校舎裏、放課後、若い男女が二人きり。
言わずもがな、よくある告白のワンシーンである。
その当事者である水無月美音は申し訳なさを覚えながらもせめてもの誠意だと顔を上げて相手と視線を合わせた。
「ごめんなさい。その、私貴方のことはそういう風には見られないんです」
その言葉に相手の少年の顔がくしゃりと歪む。
悲哀、戸惑い、想定外。
そのどれもが入り混じったかのような情けない表情。
見ているだけで申し訳なさが溢れてきそうな相手の反応に美音はいたたまれなさを覚える。
呆然とし続けている少年の名前は二宮輝。
たった今学校のアイドルとして名高い少女に告白して拒絶の言葉を告げられたクラスメートの男子生徒だ。
「え、そ、そんな…待って、待ってよ水無月さん。もう一度よく考えてくれないか」
「…二宮君」
「だって、そうだろ? 君はいつも僕に微笑んでくれていたし、いつだって僕を邪険にしたことなんてなかった」
「それは…」
他意などなかった、というのは美音の傲慢だろうか。
誰にでも優しく、親しげな女の子というものはそれだけで男に期待を抱かせる存在である。
ましてや、その女の子が性格も容姿もいいとなれば一度期待を抱いてしまった男は勘違いだと諭されてもそう簡単には諦めきれないものだ。
だが、美音本人にその気がない以上その手の輩は悶々と少女を思い続けるか告白して玉砕するかの二択しかない。
そして彼、二宮輝は後者に分類される方だった。
「友達からでもいいんだ。きっと君を僕に惚れさせて見せる。だから」
食い下がるように熱を上げて語る少年を美音は困ったように見つめる。
ここまで想ってもらえるのは悪い気はしないが、今のところ彼氏を作るという考えはなかった。
美音とて年頃の少女なのだから男に興味がないとまでは言わない。
だが、怪盗アクアメロディとして数々の男の下種な欲望を目にしてきた美音からすれば男という生き物は皆信用ならない。
そういう男性ばかりではない、ということは理解している。
だが、男という生き物を無条件で受け入れるほどには少女の心は寛容ではなかった。
「……そんな」
無言でふるふると首を横に振る少女を目にして小柄な少年は絶望に打ち震える。
ごめんなさい、ともう一度心の中で謝罪をする。
両手の指では収まらないほど同じようなことを繰り返してきたが、いつだってこの瞬間は心が痛む。
美音とて好きで相手を振っているわけではない。
だが、その気がないのに希望を持たせるようなことを言うほうが残酷だ。
だからこそ心を鬼にして拒絶をしなければならない。
無論、中には逆ギレして襲い掛かってくる者もいるのだが、そういう輩には容赦はしない。
幸い目の前の少年はそういった類の人間ではなさそうなので安心ではあるが。
「それじゃあ…」
言うことは言った、と美音は振り返るとその場を後にしようとする。
だが、その手首がガシッと掴まれ少女はその場でたたらを踏む。
犯人は言うまでもない。
この場にいる他人は二宮輝だけだ。
「何が…何が欲しいんだ?」
「え? に、二宮君?」
「金か? 宝石か? 権力か? なんでもいい、君の目の前に揃えてみせる!」
「ちょ、ちょっ…」
「なあ、言ってくれよ。大丈夫、僕の家は金持ちなんだ。望みがあるならなんだって叶えてみせる。なあ!」
先程までの様子が嘘のように少年の雰囲気が豹変していく。
どちらかといえば女顔に属する少年はその背の低さと相まって普段は小動物系の印象を与えている。
だが、今の彼は水無月美音という少女に執着する欲望全開の『男』だった。
瞬間、美音は少年の瞳の中に狂気を見た。
「やっ…」
アクアメロディとして相対してきた男たちと同様の醜さを感じた美音は反射的に手を振りほどいてしまう。
思わぬ抵抗に豹変した少年は尻餅をつき、呆然と少女を見上げた。
「ご、ごめんなさい!」
「あ…」
美音は大きく頭を下げると慌ててその場を駆け去っていく。
尻餅をついたままの少年はただのその背を見送ることしかできない。
少女の姿が視界から消える。
それを確認した二宮輝は五分ほどの沈黙の後立ち上がった。
――俯いた顔に感情を隠したまま、ゆっくりと。
「いたっ…」
帰宅後、シャワーを浴びていた美音はお湯のあたった右手首から伝わってくる刺激に顔をしかめる。
ズキリ、と鋭角な痛みを訴えてくる赤いあざはつい先ほど作られたものだ。
自分に告白してきた小柄な少年、彼が起こした行動の結果。
見た目にはとても力があるように見えない少年だったが、それでもやはり男ということなのだろう。
事情が事情なので恨むつもりはない。
自分とて彼の手を振り払った挙句尻餅をつかせてしまったのだから。
「明日、謝らないと…」
まさか強硬手段に訴えてくるとは思っていなかったとはいえ、自分の対応は褒められたものではない。
客観的に見れば非は二宮にあるためそこまで申し訳なく思う必要などないのだが、それでも美音は謝罪を決意する。
シャァァ……
ノズルから噴き出すお湯が瑞々しい肢体を濡らしていき、沈んだ気分を溶かしていく。
体温の上がる心地よさに身をゆだねながら美音は自分の身体を見下ろした。
「はぁ…また、大きくなったかな…?」
視線の先にあったのは同年代の女の子の中でも上位に位置する大きさの双乳。
豊かに育ったそれは少女が僅かに身じろぎするだけでたぷんっと揺れる。
静脈すら見えそうなほど白い肌の中央にはちょこんと可愛らしく小さな桜色の蕾が鎮座していた。
男子生徒憧れの、女子生徒からは羨望の視線を集めるバストが呼吸とともに微かに上下しながら水滴をはじいていく。
「これ以上大きくなると動きにくくて仕方ないんだけどなぁ」
女性としては魅力の一つであっても美音にとって自分の巨乳は長年抱えている小さな悩み事の一つだった。
動くのに邪魔になることがあるし、男のイヤらしい視線を集めてしまうことが多い。
友人いわく、それは贅沢な悩みであるとのことだが当事者からすれば全く実感が湧かない。
自分の身体を見せたいというような相手でもできれば別かもしれないが、今のところそんな予定はないし
男性に自分の裸を見せるなど純情な少女にとっては想像すら及ばなかった。
(でも、何度か見られちゃってるんだよね、私の胸……うぅ…)
怪盗アクアメロディとして活動しているうちに美音は幾度となく男の目に裸を晒している。
勿論、それは自主的なものではなく事故や相手の加害によるものだったが、男性経験のない美音からすれば汚点とも言える過去であった。
思い出すだけで恥ずかしさと嫌悪感が背筋を這い上がってくるのを感じ、少女はぎゅっと目を瞑る。
「んんっ!」
ブルブルッと嫌な過去を振り払うように美音は首を激しく左右に振った。
一通り身体を洗い終えた美音はシャワーを止めるとバスタオルを身体に巻いてキッチンへと向かう。
年頃の女の子にしては無防備な行動だが、水無月家の住人は一人なので美音も特に気にしてはいなかった。
勿論、一人暮らしという理由以外にも警戒する事情があるため防犯装置はそれなりに徹底しているのではあるが。
「……ん?」
ミネラルウォーターをこくこくと飲み干す美音の目に置きっ放しだった新聞の紙面が映る。
基本的に美音は芸能人やスポーツに特に興味はないのだが、その紙面の記事は彼女の目を引いた。
何故なら――
『アクアメロディ引退!?』
そんな文字がデカデカと紙面を飾っていたのだ。
「あはは…」
文字の下で小銭警部がコメントしている欄を発見して苦笑する。
彼のコメントは一貫してアクアメロディは引退などしていない、自分は奴を追い続ける!というニュアンスのものだった。
「ごめんね警部さん。もうアクアメロディは二度と現れないの」
しかめっ面で紙面に映る警官に申し訳なさを覚えつつも美音は床へと目を落とした。
カーペットの下にある隠し倉庫の中には怪盗道具一式が収められている。
だが、それはもはや二度と日の目を見ることはない。
怪盗アクアメロディの目的、すなわちエレメントジュエルの回収は終わってしまったのだから。
「そう、アクアメロディは二度と現れてはいけない…それが、世の中のため」
エレメントジュエルを巡る戦いにおいて美音はかの宝石の脅威を嫌というほど思い知っていた。
使いようによっては世の中に多大な影響を与える神秘の宝石。
悪人の手に渡ったら大惨事にもなりかねない危険な宝石は今美音の管理下にある。
つまりそれはエレメントジュエルを悪用するものはもういないということだ。
「でも世の中は相変わらず、か」
別の紙面には最近発生した放火魔についての記事が掲載されていた。
別の場所には政治家の汚職、有名人の薬物問題。
アクアメロディが現れなくても都市は常に自らの懐を騒がせているのだった。
「半年…長かった。長かったよ…」
カタカタ、とキーボードを打つ音が薄暗い部屋に鳴り響く。
唯一の光源であるパソコンのモニタには夜空を翔ける一人の少女の姿が映っている。
それは、一般には出回っていないはずの画像――怪盗アクアメロディのハッキリとした姿だった。
「ずっと待っていたんだ…君は次にいつ現れるのか。どんな活躍をしてくれるのかって…」
床には新聞記事が散乱していた。
その全ては怪盗アクアメロディに関連する記事の切り抜きでそのほとんどは文字ばかりだった。
かの少女怪盗は警察に予告状を届けるなどという大胆な真似をしながらもマスコミの前には姿を現さない。
それは警察が情報機関をシャットアウトしているからという部分もある。
しかし、何よりもアクアメロディ自身が情報の露出を嫌っているのだ。
まあ、彼女が正体を隠している怪盗である以上それは当然のことだといえるのだが…
当然それで納得できるほど大衆というものは人間ができていない。
秘密にされればされるほど知りたくなるのが人の常なのだから。
「けど、君はこの半年急に現れなくなった。急死した、海外に拠点を移した、監禁されている。色んな憶測が乱れ飛んだ」
マウスのクリック音とともにモニタに映し出される画像が次々と切り替わる。
そこに映し出されるのはやはり怪盗少女の姿。
宝石を手にして微笑む姿、仕事を前に緊張する姿、追って来る警官たちを申し訳なさそうに蹴散らす姿。
高精度の望遠カメラで撮られたのであろう数々の画像はファンからすれば垂涎もののお宝である。
「でも、僕は知っている。君は目的を果たしたから姿を現してくれないんだってこと」
怪盗少女の画像を塗りつぶすように現れた六つの宝石が部屋の主の目に映る。
色とりどりの六色の宝石はただの画像でしかないのにもかかわらず見るものを誘惑するような妖しい魅力を放っていた。
だが、それを見ている人物はその魅力に取り込まれることなくつまらなさげに鼻を鳴らす。
そう、彼からすればこんな宝石に価値などはない。
彼にとって価値があるのはただ一つ、宝石を集めていた少女だけなのだから。
「エレメントジュエル、か。ふん、感謝だけはしておいてやるさ…これが世に出回らなければ彼女は現れることはなかった」
憎々しげに宝石を見つめるその瞳にはそれらが持つ金銭的な価値も、それ以上の価値も映ってはいない。
彼にとっての宝石たちの利用価値はただ一つ、彼女を誘い出す餌になるということだけ。
「…ん? なんだ、不服なのか? ただの無機物の分際で。安心しろ、シナリオの中にはお前の出番もあるさ――なあ、ライティア」
ポウ…と自分の主を照らすようにソレは光り輝く。
彼の手の中で輝く黄金の宝石、それは紛れもなくエレメントジュエルの一つ『ライティア』だった。
「さあ、ショーの幕開けだ。君は僕だけのものだ、君の全てを僕のものに……アクアメロディ」
87 :
AM:2008/05/30(金) 01:09:44 ID:E4mxf9CS
というわけでTMが完結してないのに、新連載プロローグ投下。
TM終わってからにしろよというツッコミはしないでいただけると助かります。
キャットシーフを見習ってラブ要素入れてみようかと頑張ってみました……が、ごめん、俺には純愛とか無理、二宮君ダメ男にも程がある。
次どっちを投下するかは未定。
いや二宮君もこれはこれでいい男だ、エロ的にw
しかし先が気になる展開ですね
両方とも期待して待っています
GJ!
一時はもう投下がないのかとか不安だったけど投下が続いて安心しました。両作品とも全裸で続きを待ってます
あの超展開バッドエンドからまた美音が読める日が来るとわ!
いかにもな出だしに期待は高まるばかり
待った甲斐がありました!GJ!
取って置きのダンボールを用意して次回投下をお待ちしております!
GJです、いやぁAMさん復活で私年甲斐も無く張り切ってしまいましたよ
二宮君は性犯罪者として大暴れするべきだろう。
そして読者を楽しませてくれる最高の漢になれるぞ
てか最後の敵のシルエットって二宮君じゃないの?
俺ミスリードされてる?
今度の結末はHAPPYENDにしてほしいなぁ
>>93 まあ一人称が僕だし可能性は高そうだよな。
確信はもてないが否定する要素もないし。
あと作者さんがアンケとってるわけでもないのにED希望とかやめとこうぜ。
変にプレッシャーになったら悪いし。
>ED希望
男性機n(ry
d
毒電波がよんよんと来たので保守ネタ代わりに書いてみた。
科学者だった曾々祖父(享年112)の遺品を整理していると棺桶のような木箱を見つける主人公。
中に入っていたのは美少女。
驚く主人公の目の前で少女は動き出し自分が旧日本軍が開発した人造人間だという。
この日から主人公とロボ娘の共同生活が始まった。
ある日主人公はロボ娘が万引きをしようとしているのを見つけ止めさせる。
理由を聞くとロボ娘は内密に軍の資金を富裕層から調達する怪盗ロボとして造られたとか。
何も盗まなければ自己の存在に矛盾をきたし壊れてしまうという。
何とかしようと主人公が口走ってしまった言葉。
「俺の心を盗め」
その日から主人公を籠絡しようとするロボ娘と誘惑に耐える主人公の生活が始まった。
なんという優れたファジー
>>99 物理的に盗もうとしてNice robot.
103 :
38@携帯:2008/06/04(水) 11:52:45 ID:CjudUTVz
おお、いっぱい来てるw
……もうサーバー変えようかなorz
それと、俺の中でキャットシーフ世界は完結してるので、続編は無理なんだぜ?
やれと言われたら過去編でレイザル王国書けない事はないが、エロのエの字もないし。
>>87 今更ですが、GJです!ようやくアクアメロディの続編開始でとてもワクワクしてますw
・・・・・ですが、それでもやっぱり前作のEDが読みたいです。
折角良いところまで来たんだから・・・・ね・・・・?
フィズの人はどこへ消えてしまったのだろう。
チェリーブロッサムの人ともども待ち続けているんだが…
>>104 なんつうか、書くたくなさそうにしていたし、あきらめたほうが吉
俺もED楽しみにしてるけど
AM氏の気の向いたときに投下で満足
気の乗らない時に書かされても良作はできないでしょ
気移りしやすい性格っぽいし
そのうちふらっと書いてくれると期待してる
永遠に気は向かないんじゃない? バッドエンドその物が嫌いっぽいし
あんまり、それを話題に出しても、多分、負担にしかならなそう
保守
今こんな顔で保守をしたやつが来なかったか?
馬鹿もん!そいつがルパンだー!!
ルパン4世は幼女
ルパン小僧と言う漫画が……いや、なんでもないw
>>111 そしてホームズ四世に「ひい爺さんのあだ討ちだ」と性的な意味であだ討ちされてしまうわけですね
113 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:06:54 ID:2aB5oNH1
あげ
ルパン二世はテクノカットの公務員
気が向いたら書いてね、って言うののどこが負担をかけるんだ?
それじゃ楽しみに待ってます、って言うのも職人には負担なの?
2週間も昔の話をなんで今更蒸し返すんだ?
以下スルーで
投下がここのところないのは職人さんの原稿が盗まれまくってるからだろうか。
これはぜひとも怪盗を捕まえてあんなことやこんなことをしないといけませんね。
負担がどうこうって言う人は、職人さんが書かなくなるのが怖いんじゃない?
本当に負担になってるかどうか何て、職人さん本人じゃないと分からないのに、何様のつもりなんだろうなとは思うけどねw
まあ、ここでどれだけ話しても、アクアメロディのバッドエンドが書かれることはないだろうけどな
おいおい、職人さんが投下しにくい雰囲気を作ってどうするよ(w
このスレは雰囲気のよさがウリだぜ?
俺たちはただ職人さんたちの降臨をwktkして待ってればいいのさ、全裸で。
全裸は寒いですぅ、、、
でも捕まった怪盗さんは大抵全裸に剥かれます。
いや、着衣のままとか半脱ぎも大歓迎だが!
せっかくの怪盗衣装をいきなり脱がす奴はアホだ
悪役の風上にも置けねぇ
弱みを握っていいなりにされるけど
悪役の用意したエロアレンジ衣装を着せられるんですね、わかります
.
126 :
AM:2008/07/02(水) 09:15:39 ID:s84CX3TP
生存報告再び。
うお、俺の投下を最後に過疎りまくってる…
なので僅かでも燃料となることを願って一週間以内にはTMの続きを投下したいと思います。
AMのEDに関しては筆が進んでいない状態です、楽しみになさっている方がいるのに心苦しいですが…
今はTMとAM2にかかりきりということで投下されたらラッキーくらいに思っていてくださると助かります。
マジすいません。
予告キター
この過疎り具合だと七夕作品は期待薄か
一年に一度だけ盗みに現れる怪盗ですね、レア物です。
AMさん以外の職人さんはどうしているんだろう…
129 :
AM:2008/07/05(土) 15:04:48 ID:EQQyGS4K
予告通り参上です。
というわけでTM第11話をどうぞ。
ミリオンライトビル地下通路。
その薄暗い静寂の空間を駆ける二つの足音が反響する。
「…ねえ、ウィッチィ。大丈夫かな、カグヤさん」
「カグヤさんなら大丈夫です。あの人は強い人ですから」
不安からか、囚われの仲間を仕事時の呼び名ではなく本名で呼ぶサキに硬い声音でルナは返事をする。
彼女とて隣を走る少女の気持ちはわかる。
仲間が辱められている映像を見てしまったのだから。
いくら怪盗トライアングルムーンだともてはやされようとも自分たち三人はまだ十代の女の子に過ぎないのだ。
あんなものを見せられて平常でいられるはずがない。
「急ぎましょう。とにかく、彼女の救出が最優先です」
「あはっ、今回の盗みのターゲットは囚われの剣士ってわけだね」
茶化すような笑みを作る小柄な少女に金髪の少女は微笑んで頷いた。
もう少しでビル内部へ上る階段のある部屋へと辿り着く。
これから為さなければならない盗みに、二人の怪盗は気を引き締める。
だが、そこに辿り着く直前。
通路のど真ん中に如何にも不自然なテレビが置かれていた。
『どうも、トライアングルムーンのお二方』
ブンッ!
まるでタイミングを見計らったかのようにスイッチの入ったテレビの画面に一人の男が映る。
二人には画面の男に見覚えがあった。
キャンスと名乗った眼鏡に白衣の男。
それは先日ホログラフィで現れたブラックサンの幹部の一人だった。
「貴方は…!」
『おや、覚えていてくださいましたか? これは光栄だ』
「この野郎っ! ブレイドを返せっ!」
『女の子がそういう乱暴な言葉遣いをするものじゃあないですよ?』
「うるさいっ! 酷い目にあいたいのか!?」
『おお怖い。といわれましてもねぇ…彼女は現在股座をべとべとに濡らして喘いでいる真っ最中ですし』
「なっ!?」
「う、嘘だ! 出鱈目を言ってボクたちを動揺させようっていうんだろ!」
白衣の男の口から放たれ情報に驚愕する二人の少女。
だが即座に彼女らはそれを否定する。
つい先程まで見ていた映像ではカグヤは忽然とした意思で抵抗していた。
そんな彼女が時間が経ったとはいえ陥落してしまったなど信じられるはずがない。
『信じていないって顔ですね。まあ気持ちはわかります。
あんな美人が腰を振りたくって色欲に喘ぐなんて姿、想像すらできませんもんねぇ』
でも所詮彼女もただの女に過ぎないのですよ。
そう続けたキャンスは指をパチンと鳴らすと画面を二分割して別の映像を映し出した。
男の隣に映し出されたのはカグヤの姿。
だが、そこにいたのは毅然とした態度で陵辱に耐える剣士の姿ではなかった。
『はっ…あ! くあっ! ふはっ! はぁっ!』
頬を桜色に染め、頭を振りたくりながら身体を快楽に震わせる豊満な肉体の少女。
それは紛れもなくトライアングルムーンの一員である、ブレイドのものだった。
「そ、そんな…!」
「う、嘘っ! こんなの嘘だよっ! 合成か何か…」
『残念ながらリアルタイムのライブ中継なんですよコレ。それにこれが合成かどうかなんて…すぐにわかるでしょう、ウィッチィさん?』
男の問いかけにビクリと震えるリーダー格の少女。
その態度でサキは心ならずも察してしまった。
今映し出されている映像が本物であるということを。
ブレイドが、カグヤが本気で淫らな反応を見せているのだということを。
『き、気持ちいいっ! 気持ちいいんだっ!』
そんな中、仲間のいたたまれない視線に気がつく様子もなく画面の中のカグヤはついに敗北の言葉を口にしていた。
もう見ていられないとばかりにラビットは顔をそらす。
ウィッチィは堪らず悲鳴を上げた。
「こ、こんなこと…やめさせてっ。やめさせてくださいっ!」
『だが断ります。こちらが言うことを聞く必要なんてありませんし、どうしてもというなら力づくでどうぞ?』
「ッ! 望むところだ! 行こう、ウィッチィ!」
『おっと、待ってください。行くのは結構ですが、こちらの指示に従っていただきたい』
キャンスの引きとめの声と同時にカグヤの映像が消える。
代わりに現れたのはビル内部の地図だった。
『見ての通り、これはこのビルの内部地図です。こちらのほうでいくつかシャッターを降ろしておきましたので道は二本道です』
「……私たちに、二手に分かれろ、と?」
『その通りです』
「何をバカなことをっ! そんなミエミエの罠、のるわけ――」
『では先ほどの映像をバラまきますが、よろしいのですか?』
白衣の男のその言葉に、サキの反論の声が止まった。
映像関係はアルテが制御しているはず。
だからこの脅しはハッタリにすぎない。
しかし二人の少女は戸惑ってしまっていた。
何故なら、先程まで映し出されていた映像という事実があったからだ。
目の前のテレビは敵が用意したものであり、それ故に中継が可能だったのかのかもしれない。
だが、それでも万が一。
既に映像関係の制御が取り返されていたら?
「くっ…」
『わかっていただけたようですね。上に上がってすぐに分かれ道を作っておりますのでウィッチィさんは右、ラビットさんは左へどうぞ』
それでは、と男の挨拶を残して映像が消える。
訪れた静寂の中、ラビットはどうする? と視線で問う。
これはどう考えても罠であり、しかも二手に分かれるなど論外にも程がある。
だが、制御を取り返されている可能性がある以上、カグヤを見捨てるわけにもいかない。
「ウィッチィ、アルテと連絡は取れないの?」
「ジャミングがかかっていて…少なくともこちらから連絡を取るのは無理なようです」
「どっちにしろアルテは制御に力を注いでいるわけだし、外の様子を知るのも無理。八方ふさがりってわけか」
「ええ、ですが今更引き返すわけにも行きません」
「……だね」
二人はお互いに頷きあう。
二手に分かれてしまえば最早自分一人の力しか頼れない。
捕まればその時点でアウト。
相手は既にこちらの動きを掴んでいる上に、十中八九罠を張って待ち構えている状態。
だが引き返すという選択肢はない。
仲間を、カグヤを助け出さなければいけないのだから。
「ご武運を」
「ウィッチィも、気をつけて!」
そして二人の怪盗は、敵の目論見どおり左右に分かれていった。
「いかにもって感じの扉だなぁ…」
ウィッチィと別れ、一人通路を進んでいたラビットは持ち前の身体能力を活かしてあっという間に上層階へと駆け上がっていた。
目の前には無骨ながらも金のかかった造りだと一目でわかる扉がある。
その奥には人の気配。
ここまで敵や罠にまるで遭遇することがなかったのだが、いよいよ本番のようだ。
パン、と両頬を叩いて気合を入れる。
「よしっ!」
バンッ!
大仰な音を立てて大きめのドアが開け放たれる。
油断なくその部屋の中へと飛び込んだラビットが見たものは、広めのフロアの中央に立っている三人の男だった。
「たった三人…?」
「ようこそ、トライアングルムーンのラビットさん」
慇懃無礼に頭を下げる白衣の男。
それはつい先程までモニターに映っていた男だった。
その両脇にはやはり白衣を着た細身の男と太めの男がそれぞれ控えている。
三人が三人とも戦闘が得意なようには見えず、明らかに頭脳労働担当といった風貌だ。
いぶかしんだラビットは周りを見回すが彼ら以外に人の気配はない。
「…ひょっとして、キミたちがボクの相手をするの?」
「まさか! 自分はそんな野蛮なことはしませんよ。当然ここにいる二人の助手も違います」
「ふうん…じゃあ、その後ろのパソコンが勝手に動いて相手をしてくれるのかな?」
場にいる人間が貧弱そのものにしか見えない以上、考えられるのは罠の設置。
それだけにラビットは最大限の警戒と共に周囲の状況に気を配っていた。
とりあわけ怪しいものは二つ。
男たちの背後に鎮座しているコンピューターらしき機械。
そして、彼らの足元においてある三つのバケツだ。
「惜しいですが、それも違います。このパソコンはアポロンの端末でしてね…記録のために置いてあるだけですよ」
「記録…?」
「ええ、貴女の全ての……ね」
ゾクッ。
白衣の男の表情に小柄怪盗少女の背筋が震えた。
まるで顕微鏡で体の隅々までを覗き込まれているような、そんな感覚。
色欲と観察、二つの意味をあわせ持つその視線にラビットは思わず一歩後ずさる。
「おや、どうしたましたか?」
「気持ち…悪くなっただけ、だよっ!」
言い終わるが早いか。
兎の名を持つ怪盗少女は手品師もかくやといった速度でナイフを三本取り出すと即座に投擲する。
ヒュンッ!
空気を切り裂く音と共に放たれたナイフが三人の男に迫る。
男たちは不意をつかれ、動けない。
「うわっ……と、残念でした」
「えっ!?」
ゴボッ!
もう少しでナイフが着弾しようとしたその瞬間。
足元に置かれていたバケツから何かが飛び出し、男たちを守るように展開する。
それは緑色の巨大なゼリー状の生物だった。
ブルブルと震えながら男たちの前面に広がったソレらはナイフを一呑みする。
だが、ゼリー生物はダメージを受けた様子もなくウジュウジュと脈動を繰り返しその場を動かない。
やがて、取り込まれたナイフがグズグズと溶け出し、あっという間に溶解させられてしまう。
「な…」
「ふふふ、驚きましたか? これぞ自分の開発した生体機械シリーズの中でも最高傑作!」
「その名もナノマシンスライム!」
「伸縮自在! 硬軟自在! 取り込んだ獲物は生き物以外を全て溶かす!」
三人の男が己の作品を自慢するように声を張り上げる。
と、キャンスがゆっくりと懐から何かを取り出した。
それは小さな鍵だった。
「ふふふ、ここの奥の扉を開けるにはこの鍵が必要です。この鍵はパソコンの上に置いておきましょう。
三分以内にこれを奪うことができれば貴女の勝ち、大人しくここを通して差し上げましょう」
「三分? 三十秒もかからないよっ!」
言葉を切ると同時にラビットは身体を沈み込ませ、一気に加速する。
彼女と鍵の距離は50mもない。
しかし、当然ではあるがそれを黙って見過ごす男たちではなかった。
パチン、と眼鏡の男の指が鳴る。
それが開戦の合図だった。
ズズズズッ!
地面を這いながらNスライムの一体が迫る。
足元に接近する軟体生物に、ラビットは慌てた様子を見せず軽く跳躍して身をかわす。
続いて二体目がその瞬間を狙い、身体を広げて飛び掛った。
しかしショートカットの少女は空中で器用に身体を捻るとその突撃をもかわし、着地。
横から踊りかかる三対目の襲撃をもひらりとバックステップで回避する。
「ほう…」
男たちの感嘆の溜息が響く。
スライムたちの動きはなかなかに早かったが、ラビットの動きはそれを凌駕していた。
まるで闘牛士が襲い掛かってくる牛をいなすように危なげなく少女は三体の攻撃を回避していく。
それでいて徐々に鍵へと距離を詰めていくその動きは見事としか評することができない。
これがウィッチィであれば身体能力がついていかずにたやすく捕獲されていただろう。
ブレイドであれば振るった剣ごと取り込まれていたに違いない。
だがラビットは元々ヒットアンドアウェイを得意とするスピードタイプ。
確かに四方八方から形を変えて襲い掛かる化け物は脅威だったが、彼女を捕獲するには足りないようだった。
「このっ、しつこいっ!」
だが、流石に男たちが最高傑作と自慢するだけあってスライムたちもそれなりに奮闘していたといえよう。
獲物を捕まえることこそできないが、その歩みの速度を落とすことには成功していたのだから。
「……そこっ」
しかし一分が経過しようとしていたその時。
僅かに包囲網に綻びができた。
いや、正確には綻びを作らされた、といったほうが正しい。
同士討ちの形にされた二体が自爆にこそならなかったものの、くっついた状態になって一瞬動きを止めたのだ。
そうなると残り一体となったスライムの攻撃をかわすのは怪盗少女にとってはたやすいこと。
最後っ屁とばかりに一体が身体を触手状に伸ばして足を掴もうと試みるが、あっさりとかわされる。
あっという間にスライムたちの包囲を突破したラビットは鍵を目指して走る。
(よしっ、あとは……?)
だが、ここでラビットはふと嫌な予感を感じた。
バケツは床に転がって中身が残っているようには見えない。
男たち自身には戦闘能力は恐らくない。
にも関わらず怪盗として培われた本能が危ない、と警告を発していた。
ぴちゃ…
液体が零れる音をラビットの耳が捉える。
音源は――上!
「ッ!!」
反射的にラビットは横っ飛びでその場から離れた。
刹那の後、今まで少女がいた場所に天井から四体目のスライムが落ちてくる。
咄嗟の動きだったため、素早く次の動作に移ることができない。
その隙を見逃さず軟体生物はアメーバのように伸ばした触手で怪盗少女の右足を捕らえた。
「くっ、放してよっ!」
それを引き千切るべくラビットは足をぶんぶんと左右に振り回す。
だが、スライムは足の動きにあわせて身体を伸ばすだけで千切れる様子は見せない。
やがて、ブーツとソックスを溶かし始めた軟体生物を見て少女は決断した。
(このまま、鍵を盗るッ!!)
放すことができないのならばそのまま目的を遂行するのみ。
後は男の誰かを締め上げればいい。
そう結論を下したラビットは左足一本で前へと踏み込み、前進を始める。
だが、体の一部を床に貼り付けたスライムはゴム紐の様に少女の身体を引き戻さんと動く。
「ううんっ…!」
「頑張ってくださいラビットさん。自分たちは手を出しませんのでね…ええ、自分たち『は』ね」
「う……ああっ!?」
身体を引き摺るように前進を続けていた怪盗少女だったが、その速度は先程までとは段違いに遅かった。
そうこうしているうちに、後方に置き去りにしていた三体が粘体を伸ばし、次々に少女の四肢を捕獲していく。
右手、左手、左足。
身体を進めるために必要な部位全てが四体の粘着生物によって絡めとられてしまう。
(気持ちっ…悪い…けどっ…!)
スライムたちと少女の綱引きはほぼ互角の様相を見せる。
だが、僅かにラビットのほうが力が上らしく、のろのろとした動きながら小柄な身体が機械の上に置かれた鍵へと近づいていく。
幸いにも、男たちは宣言通り手を出す気はないらしく、じっとその様子を観察している。
手足の衣装がジュウジュウと音を立てながら溶けてゆく。
それでも、怪盗少女は脇目も振らずに前進を続けた。
「ほらほら、あと一分ちょいですよ」
「クッ…このぉ…!」
手拍子ではやし立てる男たちにイラつきながらもラビットは綱引きを繰り広げる。
一歩、また一歩と粘体生物に覆われた両足が歩みを進め、もう半歩で手が届くところまで少女はたどり着いた。
(うっ…ううっ…あと、もうちょっと、なのに…っ!)
だが、そこからが問題だった。
今まで辛うじて優勢を保っていたはずの綱引きが均衡状態に陥ったのだ。
少女の力が落ちてきたのか、はたまたスライムたちが本気を出してきたのか。
先程までは少しずつとはいえ前に進んでいたはずの身体がピクリとも動かない。
それどころか、少しでも気を抜けば後ろに引き戻されてしまいそうだった。
「ん……くぅっ!」
それでもラビットは諦めずに身体を前に倒していく。
上半身が折れ、おじぎをするような体勢で少女は懸命に手を伸ばす。
それが効を奏したのか、足こそ動かないものの身体を折った分だけ手の届く距離が伸び、鍵まで後僅かのところへと迫る。
残り時間、あと十秒。
これならばギリギリではあるがなんとか間に合いそうだ。
サキは勝利を確信し、しかしそれゆえにその時目標以外への意識を放置してしまっていた。
「もう、ちょっ……んひあっ?」
つるんっ。
指先が鍵を掠めたその瞬間。
右足にへばりついていたスライムが身体の一部を伸ばして少女のスパッツに覆われたヒップをなぞった。
思わぬ不意打ちに、ラビットは反射的におとがいを跳ね上げてびくんっと震える。
と同時に、懸命に力んでいた身体から一瞬力が抜けた、抜けてしまった。
「あっ……きゃああぁっ!?」
一瞬、されどその一瞬の緩みは均衡を保っていた綱引きでは致命的な時間だった。
足が浮いたと思ったその刹那、スライムたちの収縮に引っ張られ、怪盗少女は後方へと投げ出されるように引き戻されてしまう。
「タイムア〜〜ップ! いや、惜しかったですね」
「あぅっ…そ、そんな…っ」
「しかし負けは負け。敗者には…当然、罰が待っていますよ。かかれ、我が作品たちよ!」
指先まで掴んでいた勝利を逃し、呆然とするラビットに勝者の宣告が下された。
138 :
AM:2008/07/05(土) 15:25:42 ID:EQQyGS4K
ヒロインを捕獲する時の花形といえば…手錠・縄・触手・薬。
――そして、スライム!
GJ!
…だが、不安がある。コスを全部溶かすのは無粋だと思うんだ。
GJ!
待ってました、二番手はラビット。
スライムにじわじわ責められるってのはいいですね。
スライムでコスチュームを再現すれば良いんじゃないか?
伸縮自在、硬軟自在とあるし。
固くなれば透明度も下がるだろうから見えそうで見えないエロコスチュームの出来上がり、だと思う。
GJ!GJ!
続きwktk
>>138 それと洗脳マグロ目になった想い人の背後からの両手首取りだよね
「っな!!…っくぅ」
(凄い力……。振り解けないっ)
そんでマスクの下を片目半泣き閉じで首だけ振り返ったところで唇を強引に奪われてグチョグチョディープキスで骨抜きにされるとか
これも是非定番に加えて頂きたい!
>>141 そして絶えず微振動で乳首とクリを責められるわけですね
Very gj!!
146 :
保管庫:2008/07/09(水) 01:08:33 ID:GS1PyNEJ
38氏は依然規制中との事です。
>>AM氏
38氏からの伝言です。
五割ぐらいの確率でコラボになりますので、
アクアメロディの使用許可を頂きたいのですがいかがでしょうか?
147 :
AM:2008/07/09(水) 08:24:19 ID:SBZ6ZAg7
>>143 それがあったか!
しかし恋愛要素のない俺の作品ではできないシチュ(w
>>146 構いませんよ。エロい目にあわせようがかませ犬にさせようがご自由に使ってあげてください。
>>147 そこはそれ…いつも虚仮にしてた警部とか気絶させた筈の警官、
信頼している仲間、協力者、そこに現れる筈のない家族とかにもコンバート可能ですよ
上げ
150 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 20:28:39 ID:7k13SEKJ
上がってないから
友人の父親が館長を務める美術館から盗まれたアンティークのダイヤのネックレスを取り戻すために、
友人に協力して怪盗の行方を追っていた怪盗の弟。
姉の裏の顔が怪盗なら、弟の裏の顔は縄師。
捕らえた怪盗を友人と一緒に責め立てて、盗品の隠し場所を聞きだそうとする弟。
獲物は取り戻されてしまったが、自分の直ぐ側に素晴らしい宝石が眠っていた事を知った姉は、
深夜に起き出すと弟の部屋へ・・・・
保守
>>152 プロットだけじゃなくてちゃんと書けば良いのに
夏休みだというのにこの過疎っぷり…
やはり怪盗は皆が忙しい時じゃないと活動しないのか。
夏休み?
なにそれ、キモチイイの?
凄く、気持ちいいです
今日もまとめサイトでシコッてきた
管理人氏ありがとう
そして暑い日が続いてますが
職人の皆さんも住人の皆さんも冷たい麦茶でも飲んでがんばりましょう
つ 且且且且且且且且且且且且
待て、皆飲むんじゃない、怪盗の罠だ!
睡眠薬とか痺れ薬が入ってるぞ!
160 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 21:45:22 ID:qTWNMm3M
保守
38氏のコラボ作品まだかなー
賑やかな夜の街、その中で一際大きな光を放つ巨大看板の前を人影が横切る。
「いたっす!あそこっす」
屋上を指差し、無線機を口へ当てる警官達。
歩道は人が溢れかえり、車道には警察車が渋満する。
点滅する赤ランプが建物を周期的に染めていた。
「あっちへ跳んだっす!見失うな、追えっす」
あぶり出された影の主は、光沢あるタイツに見事な体を包んだ若い女。
屋上から屋上に跳び移る身のこなしはかなりの運動神経。
「雷警部、今連絡が来ましたっす。守衛は皆、床に伸びておりセキュリティケースは開いているそうっす」
「グギギ…!おのれぇ泥棒小娘め、またしても一体どうやって、忍び込みおったか…」
女の跳び去った屋上へ、老警部の雄叫びが虚しく響く。
「ぐ、ぐやじぃぃっ!」
満月が眩しい夜空と、色鮮やかなネオンの街が上と下から包んでくれる。
ビルの狭間を跳躍し続ける女は眼を閉じて、素晴らしい光景に鼻唄を口ずさんだ。
「ミルキー!御用だ」
軽やかなステップを正確に刻み、落下防止のフェンスで強く跳んだその時、対岸のビルに男が現れた。
(ええ!唐崎さん?まさかそこでずっと待っていたの?)
宙返りしながら男の頭上へ覆い被さる。
「わあふっ」
正面から抱きつき、男の頭を自分の胸へ急いで包み込んだ。
「ふぐむむ」
(いや、男の人の頭ってこんなに大きくて固いですかあ?)
暴れる男の頭が妙にくすぐったい。
胴に巻き付けた長い脚を男が太い腕で押し返す。
「ミルキー、わ、悪あがきはそこまでだ。今日こそ顔を拝んで…」
(ちょっと、あまり頭や体をくっつけないで!これ下に何も着てないんですう!)
密着し過ぎた体を離し、抑えた頭部から首元に手を滑らせ、強く横へ捻りを入れた。
「うんげ…ぐっぐ…」
泡を吹いて膝から崩れ落ちる男。
タイツが冷や汗で身体に張り付いた女は大の字になった唐崎の横へ心配そうに腰を落とす。
ヒールのついたパンプスを傾け、丸いお尻を突き出し、そっと顔を近付けた。
(ごめんなさいです…)
男の前髪を指で動かし、唇を額へ軽く当てた。
秋風に乗ってサイレンがこちらに近づく―
「う…う…ん」
薄れる意識のなか、唐崎は女の顔を見たように感じた。
少しウェーブの効いた柔らかそうな髪―小顔を半分ぐらい隠して風に揺れる―
艶で濡れた唇にミルクのように白い肌―長い睫毛―
月の明かりで伸縮素材のタイツは輝いて、めり張りのある体を浮かび立てた―
「クスッ気がついたですか」
「えっ?」
まだだ、まだ、彼女はここにいた。
唐崎を心配するように横で正座していた。
「き、きみは…」
「唐崎さん、大丈夫っすかあ」
階段から足音が近づいて来るので、女が立ち上がる。
人差し指と中指を唇の上でそっと弾ませた。
「バイバイキン」
かなり意味不明な言葉を発し、ミルキーは満月と重なりながら次のビルへ跳んだ。
同時に屋上の扉が開いた。
新作GJ!!
全裸にタイツってとってもエロいね。
これからの活躍に期待!
新作イイネェ!!
設定資料を!よくわかる設定資料を!
バイバイキーン!
ズキュ―――――(*´д`)―――――ン
新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
先生、いつになったら一美の
恋の物語がはじまりますか?
某パチスロ怪盗のOVA見たけど、まさかの展開やった
1レス完結なのでしょうか?
続きが気になって仕方がない
170 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 14:12:16 ID:DyYgJQpt
保守
過疎ってるなあ…。
ちょっと前まではあっという間にスレ終わってたのに。
怪盗も夏休み中なんだろうか。
ここらで保守代わりに、好きなシチュについてでも雑談してみないか?
シチュか…やはり怪盗が罠にかかってエロ恥ずかしい目にあう展開が俺は好きだな。
例を挙げるならフィズの重量トラップみたいなの。
ただああいうのは閃きがいるからネタを思いつくのが難しい。
オーソドックスに捕まって輪姦
怪盗衣装は全部破いちゃダメ
正体暴きはどの段階だろうか…やはり最初か、それとも最後か。
捕獲者の性格にもよるけど、普通は最初に怪盗の正体暴こうとするのが筋だからなぁ。
まあそれも怪盗がマスクや仮面をつけていればの話だけど。
髪型変えただけとか魔法とか超科学で見た目を変えてるとかだとそもそも正体暴くも何もあったものではない。
悩むところだが、このバリエーションの多さがこのジャンルのいいところだな(w
正体をたまたま知った人間に脅迫されるのがいいなあ
決め台詞をエロいのに改変して言わせたりとか最高
>>174 「貴方は目の前で万引きをしようとしている中学生がいたらいちいちどこの学校の生徒か調べたりするの?
違うでしょう?まずは捕まえなきゃ!」
>>176 いや、捕まえた後の話じゃね?
無論捕まえるまでの過程も大事だけど。
世間を騒がす美少女怪盗。
その彼女に、挑戦状を叩きつけるがごとく、高級品の展示を宣伝する富豪。
実は、その怪盗をおびき寄せる罠であり、まんまと罠にかかった美少女怪盗は
富豪のコレクションに加えられてしまう…
ってな感じのストーリーキボンヌ。
捕まった後仲間が助けに来たり自力で脱出するなりで助かるのは構わんが
助かる場合はきっちり犯られてから助かって欲しい
前座が長すぎたりいざ犯す寸前で助かったりは正直萎える
投下マダー?
TMの続きとか心待ちにしているんだが
>>179 ……何かごめんorz
キャットシーフ最終章のネタは何となく浮かんでるんだけどなぁ……まとまらないorz
お、38氏きてるー
コラボ作品はどうなったのかな、と気にしてみる。
あと
>>179の人、それ言い出したらAMさんもアウトなんじゃ…
個人の嗜好は自由だが、好きはともかく嫌いはあんまりいうもんじゃないぜ。
職人さんがへこんでしまいかねないしな、上のように(w
38氏規制解除キター
38氏自覚はあるんだなw
でも俺は38氏の作風もAM氏の作風も大好きだぜ
AM氏は怪盗をちゃんと犯してくれる所が凄く好きです
アクアメロディ2はハッピーエンドでもバッドエンドでも良いからちゃんと犯してくれると期待
>>182 コラボならライティア(初代)回収で絡ませようと思ってます。
単純にライティア持ってる富豪が『組織』のパトロンの一人でおkですしw
ただ、ネタ的にはキャットシーフ最終章の方が浮かんでたりするw
和姦じゃなくて怪盗を犯してくれるなら何でも良いや
コラボってどんな感じになりそうですか?
AM氏と38氏の作品を両方とも読んだ事がないと話が分かりませんかね?
自分はAM氏の作品は何度も読み返しましたが、38氏の作品はキャットシーフの最初の方を少し読んだだけなので
てかライティアだしていいの?
AMUで後々使われそうな出かたしてたけど…能力発動はなし?
>>18-28 今更遅すぎるかもしれないけど・・・・・めっちゃええやん・・・・!
ぜひ続きを!
>>189 じゃ、読めよ。
作者に対して未読宣言する神経が信じられん。
何でもいいけど楽しみだ
俺も38氏の作品ちゃんと読んでないけど、時間のある時に読もうと思ってる
でも
>>192みたいに言われると読む気なくすわ
読むか読まないかは読者の自由だろ
195 :
192:2008/08/26(火) 19:37:23 ID:u+UMBC8D
>>ALL
ごめん、言い方きつかった。
雰囲気悪くして申し訳ない。
>>38氏
迷惑かけてしまって本当にごめん。
まあ、キャットシーフつまんないから、
>>189みたいな人がいてもしょうがない
夏休みも終わりが近いのに
やけに声がでかいのがいるな
38氏は自分と同世代なんで思うが38氏が書き易いなら爽やかエロのままでいいじゃんと
ただレスとか文にwを付けるのはここの先達達から見てどうのかなと前から気になってる
38氏は38氏の書きたい物を書けばいいさ
信者みたいなファンもいるみたいだし
でも読むか読まないかは読者の自由だよね
書き手は神様じゃないんだよ
自分の趣に会わない作品はスルーする!
それで良いじゃないか。何もつまらない宣言する必要はないかと…
×会わないのは
○合わないのは
すまんorz
元々は、わざわざ読んでない宣言した
>>189から始まったんだよな・・・
蒸し返すのはおやめなさいよ
こうして幻の作品としてキャットシーフ最終章とコラボ作品が語り継がれる事になるのであったとさ・・・
>>204 いちいち投下しにくい空気を作るなよ…
前もアクアメロディのEDは書かれない書かないだろうなみたいなこといってた奴もいるし。
38氏にAM氏、お二方の作品をいつまでも待っているぜ。
勿論他の職人様方の作品もね。
AM氏がアクアメロディ2書いてくれた時は本当に嬉しかったな
アクアメロディ面白かったし要望を聞いてもらえたし
AM氏はこういうどんよりした空気の中でも、作品投下して流れを一気に変えるから格好いいよな
>>205 ごめん
そういう雰囲気作るつもりはなかったけど、確かにそう見えるよね
>>206 同意
トライアングルムーンも面白いし、外れがないよねw
208 :
AM:2008/08/28(木) 01:37:19 ID:3yD9Y5wW
また少し間が空いてしまいましたが、投下に参上。
今回はAMUの第二話行きます、まだ前フリ段階でアクアメロディでてきませんが。
「ふう、すっかり遅くなっちゃった…」
月が暗闇を照らす中、美音は人気のない公園を駆ける。
友人の部活の引退宴会に出席していたため、すっかり帰宅が遅くなってしまっていた。
本来ならば通らない近道なのだが、早く帰るためには仕方がない。
半年前まで怪盗アクアメロディという暗闇を駆ける役柄をこなしていた美音からすれば、別段恐怖は感じないが
ここはガラの悪い不良などの溜まり場になっていることがあるので早く抜けるに越したことはなかった。
(それに、通り魔事件のこともあるし)
近辺で最近、放火魔事件とほぼ同時期に発生したとされる通り魔事件。
ナイフや鈍器というよくある凶器ではなく、人に火をつけて危害を加えるという点から放火魔との関連性がとりただされている事件である。
手口といい、犯人には異常性はあるが、美音とて百戦錬磨の怪盗。
仮に対峙することになったとしても、そう易々と負けるつもりはない。
勿論、積極的に自分から犯人を捕まえようという気は流石にないが…
(エレメントジュエル関係なら別だけど…)
少女は苦笑しながら足を速める。
だが、そういくつも超常現象を起こす力を持つようなものが世の中に出回っているはずもない。
犯人がどうやって火をつけるという目立つ犯行をこなしているかはわからないが、余程の知能犯なのだろう。
「っと、そんなのは警察に任せればいいか。小銭警部、頑張ってくださいね」
頭に思い浮かべた馴染みの刑事の顔にウインクを送りながら、美音はカーブを曲がる。
ここを曲がれば出口までもう少しだった。
だが、角を曲がりかけたその時、突如地面に一本の足が差し出された。
「あッ!?」
ずしゃっ!
足を引っ掛けられた美音は堪らずそのまま地面に転んでしまう。
幸い、咄嗟にカバンを前にしたため被害は膝に擦り傷を負う態度だったが。
「……な、何?」
「へへっ、お姉ちゃん。そんなに急いでどこ行くんだ?」
立ち上がりかけた美音を取り囲む三つの人影。
鼻輪やピアスをつけ、髪をカラフルに染めて外見を凶悪にしている彼らはまず間違いなく不良にカテゴリーされる人間たちだと推測できる。
危惧していた事態の一つに突き当たり、美音は自分の不運を嘆いた。
(三人…それならなんとかなる…?)
三方を取り囲まれているのはややマズイが、自分の実力ならば三人程度の男をあしらうのはそう難しい話ではない。
不意さえつけば一人を速攻で叩きのめし、逃走することも可能なはず。
別に三人全員と戦ってもいいのだが、できるだけ無益な争いはしたくない。
素早く状況を判断し、これからどうするかプランを立てていく美音。
だが口を閉じた少女の様子を別の意味で解釈したのか。
不良たちは自分たちの絶対的有利を確信した様子で少女を物色とばかりにジロジロと眺め回す。
「へえ、可愛いじゃん」
「学校帰り? それならちょっと俺たちと遊んでいかねえ?」
「持ち合わせないけどさ。ホテルとかどう?」
ヒヒヒッと笑う好色そうな男たち。
だが、隙を窺っていた美音からすればその行動は最大のチャンスにしか見えない。
立ち上がるのと同時に男の一人の顎にハイキックを打ち込むべく軸足を踏みしめる。
しかしその時、軸足である左足に鋭い痛みが走った。
先程こけた時に左足首を捻ってしまっていたのだ。
「うっ……」
「おおっと、逃がしはしないぜぇ」
ふらり、と立ち上がった状態でよろけた美音の肩を男の一人がキャッチする。
どうやら少女の動きを逃げ出すためのものだと勘違いしたらしい。
「くっ」
反射的に手を振りかぶろうとする。
だが、その手を掴み取ったのは別の男だった。
と同時に残っていた最後の一人がもう片方の腕を押さえつけてくる。
「は、はなしてくださいっ」
三人の男に一度に押さえつけられる形になった美音はどうにか戒めから逃げ出そうともがく。
だが、流石の元怪盗少女といえどもなんの用意もなく三人の男に掴まれた状態ではそう簡単に脱出することはできない。
そんな獲物の様子を男たちはニヤニヤと眺めつつ、はやしたてる。
「ひゅう、イキがいいねぇ♪」
「おー、おっぱい大きいじゃん! サイズいくつ? D? E?」
「おいおい暴れるなって」
「やめてっ……はなしてっ」
上半身を三人がかりで捕まえられている形になってしまった美音は流石に危機感を覚えて激しく抵抗する。
しかし、身体が固定されている状態では純粋な力比べにしかならない。
その場合女の子一人の力では満足な抵抗など出来るはずもなく、精々が身を捩る程度のことしかできなかった。
制服に皺ができ、徐々に首元や袖口が乱れていく。
「だ、誰か―――んぐっ!」
「はいはい、大声は出さない」
声を出して助けを呼びかけた少女の口が男の手によってふさがれる。
こうなってしまうと、さしもの美音も落ち着いてなどいられなかった。
このままでは貞操の危機である。
僅かでもいい、身体が自由にさえなれば反撃することが出来る。
だが男たちは反撃を警戒しているわけではなかろうが、少女を逃がすまいと上半身をしっかりと押さえつけていた。
それでもなんとか拘束から抜け出そうと制服姿の少女は腰を捻る。
下半身の動きと連動し、制服と下着に押し包まれた乳房がその膨らみを主張するように左右に跳ねた。
「眼福眼福。よし、あっちの茂みに連れていくべ」
「ひゅー、たまらねえ! 早くおっぱい揉みてぇー!」
「んっ! んんっ!」
ずるずると徐々に移動させられる自分の身体に美音は必死で抵抗する。
だが力比べではどうしようもなかった。
かくなる上は押し倒される瞬間を狙って反撃するほかない。
チャンスを窺うために抵抗をやめる美音。
「お、ようやく諦めたか。ケケケ、それが利口だぜ?」
抵抗を止めた制服少女をご機嫌な様子で見下ろす男たち。
だが、人気のないところまで我慢できなかったのか、男の一人が片手をゆっくりと美音の胸へと伸ばしてくる。
「むっ、むむぅっ!」
冗談ではないとばかりに身を捩り、なんとか男の手を美音はかわそうとする。
だが、男はその動きをむしろ楽しみ、右へ左へと少女の胸を追いかける。
そうこうしているうちに、残りの二人も我慢できなくなったのか、それぞれ股間とお尻に手を伸ばし始めた。
(やっ……)
三方から自分の大事な部分に迫ってくる手に、美音は顔を青褪めさせる。
だがその刹那。
ジャリ、と土を蹴る音が男たちの耳に届いた。
シュポ!
続いてライターの着火音が場に響く。
小さな火によってそれを起こした人間の顔が浮かび上がる。
「ひ……」
男の一人が視界に入った異形に怯えたような声を上げた。
少女の身体を楽しもうとしていた男三人組が一斉に警戒態勢を取る。
「な、なんだテメエ!?」
いつの間に現れたのだろうか、そこには一人の中年の男がいた。
歳は三十から四十といったあたりだろうか。
いかにも凶悪そうな人相のその男の頬には火傷の痕があった。
それが男の凶悪さを引き立て、見る者にいっそうの恐怖心を与える。
それは美音も例外ではなかった。
脱出のチャンスだというのに、手も、足も動かない。
本能が訴える危険に身が竦んでしまったのだ。
「四人、か」
ぽつり、と男が呟く。
少女を拉致しようとしていたことを咎めるでもなく、人数の差に怯えるでもなく。
ただ、確認といった風情で目に映った人数を数える男。
美音はそんな男の様子に、解凍した身体をサッと後方に下げる。
対して、男三人は前進した。
もはや彼らの頭の中に少女のことは存在していなかった。
あるのはただ、目の前にいる脅威に対する怒気だけ。
こちらは三人、なのにたったの一人に怯えてしまったことに不良たちのプライドは傷つけられていた。
だからこそ彼らは最初に抱いた恐怖心を押さえつけて男と対峙する道を選ぶ。
例えそれが、虚勢から来た愚かな選択だったとしても。
(……何、あの人。この感じ…この感じは……!)
覚えのある、異様な感覚に美音は更に後退する。
アクアメロディであった経験があるが故に少女は気がついていた―――火傷の男の異常性に。
あれは、普通の人間ではない。
厳密に言えば、普通の人間にはない何かを持っている。
「じっと見てるんじゃねえよ、このクソオヤジが!」
「死ねや!」
心の奥底にある恐怖心に突き動かされるように男たちは一斉に火傷の男へと襲い掛かる。
いや、正確には襲い掛かろうとした。
だが彼らはそれを成し遂げることは出来なかった。
何故なら、火傷の男が指をパチンと鳴らした瞬間、先頭を切って飛び出した男の頭が突如火達磨になったからだ。
「ヒ――火ぃっ!? あちい! あぢいよぉぉっ!」
「な、なんで急に……お、おい水を!」
「あっちに噴水があったはずだ! おい、こっちだ!」
髪の毛全てを真っ赤に燃やし続ける仲間を、慌てて残りの二人は噴水へと連れて行く。
ザバン――ジュウゥゥッ!
水の中に叩き込まれた頭火事の男はなんとか消火され、しかしあまりのショックに気を失ってしまう。
驚愕したのはそれを見ていた仲間二人と美音だった。
何せ何もないところからいきなり男の頭が燃えたのだ、驚かないはずがない。
「ふん、燃えがイマイチだな」
「て、てめえ、何しやがった!?」
「別に、うるさい蝿を一匹燃やしただけだ」
「ふ、ふざけんなぁっ」
突然の惨劇に恐慌をきたした男たちがナイフをそれぞれ取り出して火傷の男に襲い掛かる。
だが、襲い掛かられている本人はまるで慌てる様子もなく、ただ男たちを一瞥し。
『ソレ』を取り出した。
「フレイヤ――燃やし尽くせ」
「え!?」
聞き覚えのある単語に耳を疑う美音。
だが、それを追求する暇もなく更なる異常事態が発生する。
なんと、火傷の男の掌から炎の大蛇が現れたのだ。
「な、なんだぁ!? くっ、くるなぁ!」
「熱い、熱いっ!?」
手から放たれた炎の大蛇は男二人に迫ると、あっという間に彼らを火達磨にする。
噴水の近くだったことが幸いしてか、すぐさま水に飛び込んだ男たちだったがそれでも火傷は免れない。
不埒な男三人は瞬く間にたった一人の男の手によって沈黙を余儀なくされた。
「こんなことができるのは…でも、そんなはずは」
形としては美音は火傷の男に助けてもらったことになる。
だが、少女の口からお礼の言葉はでなかった。
目の前で起きた惨劇に恐怖したから、それもある。
どう考えても火傷の男が善人に見えなかったから、それもある。
しかし、一番の理由は男の異能力と、その手に持たれている朱色の宝石に心を奪われてしまったからだった。
「そんな!? 何故あれがここに!?」
火傷の男の手に収められている朱の宝石。
それは紛れもなく、以前怪盗アクアメロディとして美音が回収したエレメントジュエルの一つだった。
(どうして!? まだ存在していたというの!?)
あるはずのない宝石の存在に混乱する美音。
だが、不良たちを燃やした男は思考の暇を与えないように視線を少女へと向ける。
逃げなければ。
反射的に美音は逃走を考え、そして絶望する。
距離的に考えて、炎を出されればどうしようもないのだ。
自分も男たちと同じように焼かれてしまうのか。
その明確な脅威としての恐怖に、少女の心が押し潰されていく。
しかし、男は一向に炎を出す様子はなかった。
ジロジロと品定めするようにこちらを見つめてくるばかり。
その視線の色に美音は覚えがあった。
体育の時、水着の時、そしてアクアメロディとして活動している時。
幾度となく異性の目から送られてきた視線。
それは疑う余地もなく、自分を一人の性欲の対象として認識する、色欲の視線だった。
「ひひひ、安心しな。お嬢ちゃんは燃やしたりはしねえよ」
舐めるような目つきで男が口を開く。
危害を加える気はないと明言されたも同じだったが、まだ油断は出来ない。
何よりも、フレイヤの存在については聞きたいことが山ほどある。
だが、下手に相手を刺激をするわけにもいかず、美音は動くに動けない。
「ついさっき二人ほど燃やし、今また三人も燃やしたもんでね……昂ぶってるんだ」
ザ、と男が一歩前に踏み出す。
その姿が陽炎のように揺れているのは目の錯覚か、それともフレイヤによるものか。
男の視線が美音の乱れた制服が覆う肢体をハッキリと捉える。
それは先程の男たちと同質の、それでいてより嫌悪感の湧き出る性欲にまみれた視線だった。
「鎮めてもらうぜ―――お嬢ちゃんの身体でなァッ!!」
「―――!!」
はっきりと身の危険を悟った美音は瞬間的に転進。
脱兎の如く逃走を図る。
だが、その足はすぐに止められた。
足を踏み出すのと同時に、炎の壁が少女を回りこむように現れたのだ。
「うっ……」
「逃がさないぜ? さあ、こっちへ来いよ。まずは邪魔っけな服を全部燃やして……その後、身体をエロく燃やしてやるからよぉ!」
高らかに吠える男から逃げるべく動こうとするも、周りは炎の壁に包まれている。
逃げ場はなし。
護身用の道具が入っているカバンは先程転ばされた時に手放している。
素手で挑むにはあまりにも状況が悪い。
だが、だからといって素直に諦められるはずもなく。
引退したといっても、アクアメロディの名に賭けてそう簡単にやられるわけにはいかないのだ。
「……ん? チッ、なんだいいところで?」
覚悟を決め、男に飛び掛ろうとした刹那。
男の懐から携帯電話の着信音が鳴った。
面倒くさそうに、しかし目線を美音にあわせたまま通話ボタンを押す火傷の男。
「ああ、アンタか。何? おい、そりゃどういう……チッ、わかったよ!」
プツン、と通話が切られる。
どんな会話がされていたのかはわからないが、どうやら男にとっては不本意なことがあったらしく、その表情は不機嫌そうに歪んでいた。
相手の機嫌の悪化に危機感を覚える。
だが次の瞬間、男は火を消すとあっさりと身を翻した。
「ケッ、残念だが見逃してやるよ、お嬢ちゃん」
「え……」
突然の状況転換に少女は困惑する。
だが、男は軽く手を振りながら炎を自分の周りに撒き散らすと、姿をあっという間に消し去っていった。
一人状況がつかめずに、呆然と立ちすくむ美音をおいて―――
216 :
AM:2008/08/28(木) 01:59:40 ID:3yD9Y5wW
投下終了。
次回からはアクアメロディが復活する……はず。
フレイヤきたあああ
アクアメロディ復活も楽しみです
AM氏乙
新たな敵の登場に、いかにもな新章開幕ですな!
陵辱シーン苦手な作者さんですが今回は美音はどこまでのピンチを迎えるのか?
楽しみ楽しみ
待ってました、GJ!!
これからが楽しみでなりません。
220 :
AM:2008/08/30(土) 10:09:47 ID:KrrY0I4W
定期的に投下なんて一生無理なのかもしれないと思いつつAMU第三話投下します。
トライアングルムーンのほうは少しスランプ入ったせいか、遅々として進まない…
「通り魔…?」
「そう、また出たのよ! 一昨日の夕方に二人、夜に三人被害にあった人がでたんですって!」
友人の興奮した説明にひきつった笑みを浮かべる。
新聞を片手にわめきたてる目の前の少女から聞かされるまでもなく、美音は既にその事件について知っていた。
というか、夜の事件では被害者の仲間入りをするところだった。
「ここ二週間でもう十件をこえてるのよ。なのに犯人が捕まる様子はないし……」
恐くてオチオチ一人で歩けないわ。
そうぶるっと震えながら呟く友人に美音は曖昧に相槌を打つ。
実際のところ、自分は一人で歩いた挙句に犯人と直接遭遇したのだが、とてもそんなことはいえなかった。
「男の人は燃やされて、女の人は裸にされて暴行……酷い犯人よね」
「そう、だね」
憤懣やるかたないといった表情でぷんすか怒る友人に頷く美音。
一昨日、犯人である火傷の男が立ち去った後、美音は救急車を呼んでその場を立ち去っていた。
勿論、警察に被害届けなど出していないし、情報も渡していない。
一市民としていけないのはわかってはいたが、気になることがあったので仕方がなかったのだ。
男の持っていたエレメントジュエル『フレイヤ』らしき宝石の存在。
あれがもし本物であるならば、男を迂闊に警察と接触させるのは危険だ。
エレメントジュエルはそれぞれ特殊な能力を持ち主に与える。
例えば、風のウインドルは風を自在に操ることを可能にするし、水のアクアルは所有者の身体を変質させていた。
男が持っていたと思われるエレメントジュエルは火のフレイヤ。
名前と先日の事件を考えて、能力は火関係であることは間違いない。
ただでさえ火という殺傷能力の高い能力相手に、下手に普通の人間が集まっても意味はない。
無論、あのフレイヤは偽者で、先日の光景はなんらかのトリックである可能性も残ってはいるが…
美音はその可能性は低いと、つまりあのフレイヤは本物であると踏んでいた。
何故なら――
(エレメントジュエルが全部、盗まれていたなんて……!)
昨日、エレメントジュエルを(勿論それとはわからないように)預けていた銀行を訪ねた美音は愕然とした。
シティでも有数の堅固なセキュリティに守られているはずの保管庫から、忽然とエレメントジュエルが盗まれていたのだから。
(一体、誰が、何の目的で?)
エレメントジュエルを預けていた銀行では、ここ半年盗難事件など起きていない。
勿論、被害届けを出せば事件にされただろうが、盗まれた物が物だけに被害を訴えるわけにもいかなかった。
(……状況は、かなり深刻ね)
ざっと考えただけでもいくつもの疑問があった。
犯人はどうやってセキュリティを銀行側にばれずに掻い潜ったのか?
エレメントジュエルを盗んだのは何故か? 偶然か、それとも狙いすました犯行なのか?
盗んだ後の犯人の目的は?
火傷の男が持っていたフレイヤは本物か? だとすればどうやって手に入れたのか?
一つ目の疑問は美音の元怪盗としてのプライドを刺激していた。
怪盗アクアメロディとして考えても、誰にもばれずにセキュリティを掻い潜る方法を思いつくことが出来なかったのだ。
二つ目と三つ目に関してはほぼ間違いなくエレメントジュエルを狙った犯行と考えていいだろう。
他にも金目の物は保管されていたのだし、銀行なのだから現金もうなるほどあったはず。
にも関わらずエレメントジュエルだけ(他の客の貴重品や現金が盗まれていれば事件になっているはず)盗んだということは
それはつまり、犯人の狙いは最初からエレメントジュエルにだけあったと見ていい。
だが、この場合別の疑問が浮かんでくる。
何故そこにエレメントジュエルが保管されていると犯人は知っていたのかという疑問だ。
言うまでもなく、対外的にエレメントジュエルを持っているとされているのは怪盗アクアメロディである。
だが、その正体を知っているのは本人以外では二人――塔亜兄弟しか存在しない。
しかしその二人も今は監獄の中にいる。
そうなると、彼らとは別にアクアメロディの正体を知っている人間がいるということになる。
そして、そう考えるとその人間は当然エレメントジュエルの力を知っているはず。
(確証はないけれど、何か嫌な予感がする……!)
今までの考えはあくまで推論であり、確証ではない。
しかし状況を判断するにこの考えが一番可能性としては高いのは疑いようのない事実だった。
(とにかく、一昨日の男。火野溶平が唯一の手がかり、か)
火野溶平。
前科持ちの元犯罪者―――放火魔で、一ヶ月ほど前に出所している男だ。
犯罪者のリストを当たったところ、あっさりとヒットしたこの人物は経歴といい人相といい一昨日の男と同一人物であることは間違いない。
今はとある有名ホテルに宿泊していることが判明している。
怪盗アクアメロディ及び水無月美音との関係は過去現在においてまるで存在しない。
それ故、エレメントジュエルの盗みに関わっているかは現時点では不明。
(とはいえ、急がないと。警察もマークしてるみたいだし……それに、これ以上の犠牲者を出すわけにも…っ)
警察とて馬鹿ではない、当然放火の前科持ちである火野はマークされていた。
とはいえ、彼が通り魔事件の犯人だと確定されていないのは逮捕されていないことを見れば明らか。
しかし、悠長にはしていられない。
いくら超常能力を使った犯行とはいえ、彼が犯人である以上はいつ容疑が確定してもおかしくはない。
そうなれば、エレメントジュエルの盗難事件は謎のままになってしまうし、何も知らない警察にも被害が出るだろう。
(そんなこと……認めるにはいかない!)
唇を噛み締め、美音は決断した。
一連の事件を解決するためには、あの存在を今一度復活させるしかない。
そう、エレメントジュエルを狩る怪盗―――アクアメロディの存在を。
(すぐに、ううん。今夜にでも……)
「やあ、水無月さん。おはよう」
しばらく使っていなかった怪盗としての思考が美音の中で動き出す。
だが、それを遮るように少女に向けて挨拶の声がかけられた。
反射的に美音は声の主へ警戒の視線を向ける。
だがそこにいたのは、先日自分に告白してきた少年、二宮輝だった。
「にっ、二宮君!? お、おはよう……」
思わず上擦った声を上げてしまう。
それはそうだろう、つい最近振ったばかりの男の子が躊躇なく挨拶をしてきて動揺しないはずがない。
しかしそんな美音の動揺を他所に、小柄な少年は申し訳なさそうな表情を浮かべると、勢いよく頭を下げた。
「この前はゴメン! 水無月さんの気持ちも考えずに好き勝手に喋っちゃって……」
「え、いや、その…」
「え、なになに? なんのこと?」
突然の謝罪にしどろもどろになってしまう。
友人の少女は意味深な会話に興味津々の様子だ。
だが、説明するわけにもいかず、美音はどうしたものかと困惑する。
しかし二宮は余程申し訳ないと思っているのか、自分が美音に告白して振られたということをあっさりと口に出した。
「ええ!? 二宮君が、美音に!? ま、マジ!?」
「う、うん……」
当事者の片方が喋ってしまった以上、美音は肯定する以外の選択肢を持たない。
友人は「はぁー」と感心したような、呆れたような声音で溜息をつき、美音へと向き直る。
「……いや、あんたがOKだすとは思ってないけどさ。二宮君よ二宮君! 勿体無いなぁ〜」
二宮に聞こえないよう、耳に囁く友人の言葉に美音は苦笑するしかない。
二宮輝は背が低いこととやや童顔であることを考えると、ややマイナス補正が入る外見ではあるが女性人気は高い男子である。
勉強は出来るし、運動神経も悪くない。
噂レベルではあるが、格闘技も嗜んでいるらしく、絡んできた学校の不良を一人でのしたという話もある。
何よりも、彼は実家が金持ちだった。
いくつもの銀行やホテル、デパートを経営する財閥の跡取り息子である彼は客観的に見ればこれ以上ない玉の輿候補。
普通の女の子であれば、彼に告白されて断るという選択はまずしないだろう。
とはいえ、そのありえない選択肢を選んでしまったのが美音なのだが。
「本当にごめん! あの時は気が動転しちゃってて……」
「あ、ううん、いいの。私も、その言い方が悪かったと思うから……」
こうまで真摯に謝られるとむしろ自分のほうが悪い気分になってくる。
周囲の注目を集め始めたことを感じた美音は冷や汗をかきながらもなんとか許しの言葉を口に出す。
確かに先日の二宮の態度は問題があったが、過ぎたことをぐだぐだ言うほど美音は心の狭い人間ではない。
関係が修復できるのならばそれにこしたことはないのだから。
「水無月さん、ありがとう……あれ、その新聞……今日の?」
「あ、二宮君も見たんだ。例の通り魔事件」
「うん、凶悪な事件だからね。印象に残ってたんだ」
謝罪を終えた二宮が友人の持っていた新聞の紙面に興味を示す。
同じ街に住むものとして、関心を持っているのであろう。
少年は友人と同じく事件への怒りと恐怖を表情に浮かべていた。
(そういえば……)
はた、と思い出す。
エレメントジュエルが保管されていた銀行、そして今火野が宿泊しているホテルは両方とも二宮財閥の傘下。
あるいは、二宮ならば詳しい情報を持っているのではないか。
そう思いかけた美音は、しかしすぐさま頭を振ってその考えを打ち消した。
聞いて答えてもらえるような軽々しい問題ではないし、そもそも自分がそんなことを聞くのは不審すぎる。
しかも先日振ったばかり相手だ、図々しいにも程がある。
(そう、人に頼っちゃダメ。これは私が―――アクアメロディが解決しないといけないことなんだから)
事件について盛り上がる二人を見つめながら、美音は一人心の中で威勢を上げる。
半年のブランク、エレメントジュエルの能力を引き出した男、タイムリミットの接近。
様々な問題が目の前に立ちはだかっている。
だが、美音はそれでも臆することはなかった。
シティの平和のため、亡くなった母親のため、そして今までの苦労を無駄にしないため。
怪盗少女は人知れず復活の狼煙を上げる。
―――それが意図的に導かれた結果だとは露とも知らずに。
世界に夜が訪れる。
月明かりがカーテンの間から僅かに差し込む中、自分の部屋の中央で美音は佇んでいた。
身に纏っているのは純白の下着のみという少女の半裸姿が、月光に照らされてうっすらと輝いているように見える。
肌の白さも相まって、まるで月の女神がそこに立っているようだ。
少女は下着姿のまま、ゆっくりと視線を真下へと降ろす。
カーペットの下に隠されていた床には、一つの扉。
美音は手に持っていた鍵でその扉を開く。
ギィ…と小さく軋むような音と共に扉の奥が明らかになった。
そこにしまわれていたのはアクアメロディの衣装。
仮面を初めとした、もう一人の自分になるための全てがそこにはあった。
「もう二度とこれを着ることはないと思っていたのに…」
衣装を真っ直ぐ見つめ、深く長く深呼吸をする。
手に取った衣装は半年前のまま出迎えてくれた。
あとは、着るだけ。
深青色を基調にした上着とスカートを身につける。
この半年でサイズがあわなくなってはいないか、と少し不安になっていたが、特に問題はないようだ。
サイズアップのせいで少しだけ胸が圧迫される感があるが、動きに支障が出るほどではない。
ウエストも運動を続けていたおかげできつさは覚えなかった。
続いて肘まである手袋を腕に装着し、軽く二、三度手を握ってみる。
そして、黒のニーソックスを足に通し、同じく黒のブーツを履く。
ストレートロングの黒髪を大き目のリボンで一纏めにし、ポニーテールを作る。
幾つかの小道具や武器を身につけ、最後に手に取ったのは顔の上半分を覆い隠す仮面。
「……うん!」
気合を入れるようにぎゅっと拳を握り、仮面を巻きつけるように顔に貼り付ける。
最後に、後頭部で布部分を固く結び鏡の前へと立つ。
そこに映るのは水無月美音ではない。
半年前までシティを騒がしていた女怪盗アクアメロディの姿がそこにはある。
「警察に介入されるわけには行かないから、予告状はなし。半年ぶりのアクアメロディ復活にしては華はないけど……」
これから行うのは犯罪者が相手とはいえ、あくまで盗みという犯罪だ。
罪悪感はある、気後れもある。
傷つくことへの恐怖も、敗北への不安もあった。
だが、これは自分が決めたことだった。
昔からずっと、そしてこれからもずっと自分が抱えていく誓い―――エレメントジュエルを悪用させないという想いを抱き
美音は、怪盗アクアメロディは再び動き出した。
226 :
AM:2008/08/30(土) 10:23:58 ID:KrrY0I4W
投下終了。ようやくアクアメロディ復活です、長い前フリでした。
これでようやく怪盗があんなことこんなことされる展開に持ち込めます……まああくまでAM的な意味で、ですが。
着替えのシーンはもうちょっと色っぽく書きたかったんですが、これが限界でした。
アンバームーンみたいに魔法変身なら色々書けるんですけどね。
なんというGJ!!
いよいよアクアメロディ活動再開、弥が上にも期待が高まります。
トライアングルムーン、最近読んでハマリました。
…三人がどうなるのか。
私の見解ですが、その鍵は“彼女”が握っているのでしょうか?
今後の“彼女”の活躍にも期待!
GJ!
遂に復活したか
230 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 17:09:20 ID:JMllquaG
浮上
うわーいよいよ怪盗コスの美音がたゆんたゆんいわせながらまた跳んだり跳ねたり楽しませてくれるのか
なんか感無量だなw
「おい、カズヲ」
唐崎はスポーツ新聞を無機質にめくっていた。首を覆うギプスが見るからに痛々しい。
「はいっす?」
「バイバイキンてなんだ?」
画面をクリックし終えたカズヲが出力機から流れ出るプリントを確かめる。
「それ、子供アニメに出てくるキャラクターの台詞っすよ。先輩、どこでそんなん覚えたんすか?」
「別に…どこでもねえよ…」
(んだよ、アニメの台詞か…)
『じゃあね バイバイキン』
頭から離れなかったあの台詞の出典先が判明し、唐崎は肩を回しながらページをめくった。
「痛てぇっ」
「先輩、その首ホントに自分で捻ったんすかぁ?」
背中を丸めて震える7年上の先輩をカズヲが眼鏡を押しながら観察している。
「まさか…それ…」
「うるせいっ、今、俺は新聞読んでんだよ」
年季の入った扉が音を立てて開くと、毎度の如くヒンジが外れる。雷警部がハンカチで
顔を拭きつつ階上から戻ってきた。
上官にたっぷり絞られたらしく、手に持たれた始末書ファイルが半端ではない。
机上へ粗雑に放り投げた。
「あちゃぁ…」
唐崎は指の隙間からそれを覗く。
「聞いてくれ、諸君」
机をファイルで叩いて注目を呼び込むと、決定したばかりの内容を伝達する。
「本課は今からミルキー専門特別捜査班になった」
忙しそうに動いていた課員たちが一斉に止まり驚きの声を揚げた。
プリントアウトしたばかりの資料をカズヲが椅子を倒しながら掲げる。
「ちょ、ちょっと待ってくださいっす。じゃあ、今、調べてるこの事件はどうなるんすか?」
「ああ、わしも信じられん。信じられんが新しい案件は勿論、継続案件も全て1課と2課へ
回せとの指示だ。我々は怪盗ミルキーを逮捕することだけに特化しろと。おそらくドブ掃除
終わるまでは戻ってこなくていいと云う意味合いだわな」
ただでさえ謎の怪盗とくれば注目度が高いのに、それに加えあの容姿―。
「煩すぎるくらいマスコミが取材に来るからやりにくいんだよな、ったく」
推測で埋まった社会面の見出しを見ながら唐崎が呟いた。
「つまり、あっしらにその対応も押し付けるてことっすかね…」
「ことっすな」
雷が壁に掛かる時計と自分の腕時計を見比べている。
「本日19時からミーティングを行う。各自、あの泥棒小娘の情報をまとめておけ、いいな」
不平の入り混じる溜息が湧き起こったが、雷警部は自席に座り、眉間をつまんだ。
「おつかれさまでした警部。熱いお茶です。どうぞ」
「おお、すまんね…」
卓盆を胸に抱き、女署員が細い手で湯呑みを丁寧に置いた。雷が両手でそれをすする。
「ん…ああ〜いいお茶だわい。千秋ちゃんこれなんだね?」
「よかったです。うちのおばあちゃんが警部さんへぜひこれをと預かってきたんです。
おばあちゃんもきっと喜びます」
髪をピンで束ね、虫も殺さないような質素な顔立ちした女は満面の笑みで喜んだ。
その穏やかな声質と爽やかな清潔感はいつも忙しい3課の男達を自然と癒してくれた。
「警部、ミルキーの件ですが…」
唐崎がラグビー上がりの巨体で華奢な千秋を大きく弾き飛ばしてしまう。
「お、わりいな。名塚、どこか打ったか?」
「いえ…大丈夫です」
なにやら打ち合わせに入った唐崎を名塚千秋は遠巻きに見つめた。
小声で話し合う二人の手元にキラキラと輝くイギリス宝飾展のパンフが見える。
「で、次にミルキーが狙うとしたら……だから…おそらく…」
唐崎の真剣な横顔が警部を睨む。
「名塚さんどうしたの。唐崎くんが気になる?」
「きゃっ」
声に反応し、唐崎と雷が振り向く。
口を丸く開けたまま二人の話を覗いていた名塚は、我に返り、手を振った。
「違います。沙川先輩。私も怪盗ミルキーの逮捕になにかお役に立ちたいだけで…
別に唐崎さんを見てたわけではないです」
「そんな否定せんでもええがな…」
唐崎がギプスを指で引きながら喉を楽にさせた。
「千秋ちゃんもミルキー捕獲に参加するかね?」
「あ…いえ…そいうわけじゃ」
「ふふふ、名塚さんはいいのよ」
盆で顔を隠す千秋の横を沙川が薄笑いしながら横切り、持ってきた資料を唐崎に渡した。
何枚かめくると唐崎が自信ありげな顔つきに変わる。
さりげなく沙川の手が唐崎の腰を撫でたのを千秋は見逃さなかった。
「よし、利香。今度はおまえも一緒に来いや」
「いいわよ、私も特命捜査なんかより通常業務に早く戻りたいし、それに駿也と
私が組めばすぐ解決するでしょ」
長い髪を手で後ろへ流し、沙川が二つ返事で承諾した。
学生時代モデルもしていたその肢体がタイトなスーツに包まれている。
開いたシャツから覗く胸元は男性陣に眩しすぎる。
「あれ、千秋ちゃんどうしたっすか?」
卓盆を抱えた千秋が早速2課へ届け物しようとしていたカズヲの横を通り過ぎていく。
「な、なんでもないですう」
人影をよけながら給湯室の方へ走って行く後ろ姿を、カズヲはプリント用紙の隙間から見送った。
234 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:43:08 ID:ZtoOJIfk
南極1号
だんだんと話が動き出してきて先が楽しみです。
人間関係が積み重なれば重なるほど
後の展開に期待が高まります。
ドラえもんに出てきてる怪盗ローズが可愛すぎる件
怪盗ローズって…一瞬二次元ドリーム文庫かと思ったぜ
二次元ドリーム文庫にそんなのあったっけ?
>>238 まさしくそのまんまのタイトルのがあるよ
怪盗ローズ〜あなたのハートをいただきます〜とかいうの
怪盗三姉妹が自分達の追跡中に怪我した刑事をエロエロに見舞うとかいう話
240 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:42:51 ID:4IW7dAKN
上げ
アクアメロディのバッドエンディングSSを自作して毎日・・・
それはぜひ読んでみたいものですが
でもAMさんに許可はとろうなw
それ固有名詞を一括変換して描写も
黒髪→金髪
長髪→短髪
とかと変えてちょちょいと矛盾点と被り過ぎの部分を手直ししたら、あーら不思議
あっという間にオリジナル作品の誕生じゃね?
許可取るも何も自分用だからアップすることはないかな・・・w
原作者の方が持ってるイメージをいたずらに壊したくないしね〜
お前は今ここの職人の数人を敵に回した。
それいいだしたらIFやコラボ作品全部アウトになるじゃねーか、既にやってる職人さんいるのに。
謙遜するのはいいけど、職人さんが書きにくくなるような発言するなよ…
247 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 09:19:13 ID:X4KP2H0m
すまん、過剰反応だった…
自分用でアップする気がないならいちいちバッドエンド書いてる〜なんて言うなよ
逆に考るんだ
許可さえ貰えればアップするつもりなんだって考えるんだ
そうでなきゃ自分のオナヌーを発表したことなんて許されるわけがない
見てもらいたいから書いたんだろうー!?
過疎防止の単なる雑談じゃね?
まったり行こうぜ〜。
それはさておき、フィズの人とアンバームーンの人は今どうしてるんだろうなー
AMさん、38氏と共にこのスレの黄金期を築いた二人なのに…
二作品ともいいところで止まってるし、是非続きが読みたいぜ。
☆
ちょいと雑談でもしようか
怪盗のアイテムってどんなのがあるかな?
あからさまな武器ってのはなんか違うと思うし、侵入やセキュリティー解除の役に立つっていうと
情報デバイス機能付きのブレスレットやチョーカーってのはすぐに思いつくんだが
ステッキやカード、ワイヤーガン
コスチュームもヒラヒラアイドルコスもあれば、ピッタリプラグスーツタイプもあるよね
最近の俺のお気に入り妄想コスはミニスカノースリーブゴスロリだな
似てるな、オレの場合イメージ的には初音ミクの衣装がかなり近い
>>255 そんな感じそんな感じwww
一時期のモーニング娘。の衣装みたいなヤツ
具体的に言えばアリスソフトのエロゲーの夜が来る!の鏡花っていうキャラの衣装みたいなのが理想的
まあ常識的に考えれば肌の露出が多い服装はありえんのだが…
やっぱ怪盗となるとどこかエンターテイメント性も考えないといけないよね、服装的に。
前者はキャッツアイで後者はセイントテールやジャンヌだろうか。
でも基本的に怪盗のミニスカは鉄壁、これは外せない。
アイテム的にはハングライダーやローラーブレード、気球といった移動系も必須かと。
あとカチって押したら各所が爆発するボタンつき…
あれってなんて言うの?
デスラーとかルルーシュが使ってそうなあの握るヤツ
起爆スイッチ でいいんじゃね?
ハイレグレオタードとかの露出系も外せないといっておく
やっぱエロ分もないとね!
何を言う。
ミニスカから覗く生足がいいんじゃないか。
クロストでも可。
262 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 01:26:03 ID:zJqMX9JQ
アンバームーン マサヒロ涙目ww
つまりレオタードの上から
>>255,266のような衣装着てれば完璧というわけだな
鬼才あらわる
>>266は一体どんな衣装を妄想しているのか期待しちゃうぜ
現場に合わせて色々変装するのもいいと思うんだ…
「警部、Aポイント異常ありません!」
「ん?うむ…(こんなカワイイ婦警、ウチの署にいたか?)」
「はぁ……ビックリしちゃた。急に見回りにくるんだもん」
みたいな
>>266 そこで警部が職場SEX強要してきたら意外にイケそう
イケる
セクハラ警部でな、いつもはやめてといわれるから途中でやめてといってるんだけど
なぜか今回は言われないからやっちまうのか
で怪盗のほうはいつもやっているといわれてばれないためにやってしまうと
良いねセクハラ警官
エロパロならなんでもありだもんねw
エロパロ万歳!
手錠プレイ
しかし想像以上の過疎だな
書き手さんも雑談にすら参加してないし
もしや捕まってエロエロ拷問されてアヘ顔さらしてたりして
自分の怪盗譚をモチーフにしたライトノベルを書いてデビューしている女子高生怪盗
その劇中の怪盗の手口が余りにもリアルなために警察にアドバイザーとして協力を求められる…
現場の警部からは女子高生と侮られて新米刑事だけを相棒につけられて追い払われるが
いつしか二人は仲良くなってしまい…
雨の音にまぎれて山内にある豪邸の部屋の一室からもれ聞こえるのは若い女のうめき声だった。
男の快楽に耽る呻り声と女の苦痛と恥辱に満ちた泣き声
「ふぅ。」男は、性欲の捌け口として満足すると、一息つき、タバコに手をかけながらベルを鳴らす。
「終わった。」
「はぁっはあっっうぅぉえぇぇっ」無理やり飲まされた大量の精液にむせ、床に伏せ、吐きながら息を切らせている女を尻目に男は携帯をいじりだした。
女には快感などまったくなかった。そして、事後としてのいたわりも全く受けていない。
それが女をより一層惨めな気分にさせた。
「風呂の用意をしろ。」
「はい」男の命令に対し、呼び出されてきた屋敷のメイドが返事をすると、男のほうは咽いでいる女を一瞥し、
「それは、牢屋に閉じ込めておけ。」とだけ呟いた。
「かしこまりました。」メイドが感情のない声で返事だけをする。
男は性欲を吐き出した後、もう女のことなど興味がないと言わんばかりに振り返りもせず部屋から出て行った。
「うぅっぅぅぅううううううう」
声にならない声で泣きくずれている女は、抵抗虚しく屋敷のメイド達に引き連れられて行った。
男の名前は紅内洋一、この屋敷に住む3男だった。
先ほどまで性欲を吐き出していた女のことなど、もう覚えてすらいないという表情で携帯をいじりながら歩いていると不意に背中から声をかけられる。
「洋一。」
「ん?おう。」洋一が振り向くと、兄の剛が立っていた。
「風呂か?」剛は洋一を見て、先ほどまで何をしていたか知っている。
「どうだった?」日常的ではないが紅内家の兄弟にとっては当たり前の会話に洋一は何でもなさそうに答える。
「別に、ただの女だ。」
「そうかよ。結構かわいい顔してたんだがなぁ。こんど俺も"遊んで"みるか。」
「兄さん。何か用があるんじゃないの?」洋一は用事がない限りこの兄が話しかけないことは知っている。
そんな兄の剛が妙に親しげに話しかけてくるのを訝しく思い、質問を投げかけた。
この山内の豪邸は「紅内家」の私有地で、泥棒が入る事で有名であるため別名「泥棒屋敷」と囁かれていた。
といっても、盗みを目的とした純粋な泥棒が入るわけではない。
実は紅内家は、ある施設に巨額の寄付をしている。
その施設は借金を返す見込みがなくなった女性を一箇所に集め、管理する女性専用の強制収容所だ。
主にホスト遊びやブランド物に嵌り多額の借金を作ったものの風俗働きを拒む若い女性が中心として集める。
その施設の警備員は女性であるため、性的暴行をその施設で受けることはないが、警備員が女性であるが故に施設内のいじめは屈辱的で、施設内の多くが一秒でも早くそこを抜け出したいと願っていた。
その希望の隙を突いたのが、紅内屋敷へ泥棒に入るということであった。
つまり、定期的に施設内の労働者に紅内屋敷のどの場所に借金の証文が隠されている。
そして、この時間帯には紅内屋敷は誰もいないので泥棒に入るチャンスが多々あるという情報を囚人に定期的に流す。
しかも過去の盗み成功率が5割という実績とともに。
普通であればそれほど頻繁に盗みに入られ成功している以上あからさまな罠であるとしか思えないが、施設内を抜けたいと切望している囚人達には魅力的な情報としか受け取ることができない。
囚人達は安易に盗みに入ろうとする。
そして捕まった泥棒が、冒頭で牢屋に閉じ込められた女だった。
彼女達の運命は完全に閉ざされている。一生紅内家の奴隷として生きていくしか道が残っていないのだ。
洋一の質問には答えず、剛は自分の言葉を続ける。
「今日例の施設から、月一の報告写真もらってさ。」
剛が洋一の顔を見ながら面白そうに窺いながら続ける。
「面白いのが写ってたんだ。」
そう言いながら、施設の名簿写真を開いた。
洋一は兄の遠まわしな言い方に苛立ちを覚えた。
しかし、見せられた写真の周りに赤い丸で囲っている箇所を見て洋一は、驚きの表情を浮かべ、一瞬で苛立ちを忘れた。
「こいつ。那賀野 亜未じゃねえか。」洋一は驚きを隠せず叫んだ。
那賀野 亜未。紅内洋一が以前通っていた学校の同級生。
いつも、セミロングのストレートヘアをポニーテールにした髪型をしていた。
その髪型が芯の強そうな目つきをした色白の顔に妙に似合っている。
スタイルも出るところはしっかり出ていたが、バランスの良い体つきをしていて頭が悪そうに見えることは決してなかった。
この「純和風の大和撫子」という言葉がピタリと当てはまる少女のことを洋一は鮮明に覚えている。
そして、高校時代に一度アプローチしたときに、きっぱりと拒絶されたことを未だに恨んでもいた。
「何故、こいつが?」
洋一は、疑問半分に誰に向けてともなくそう呟いた。
そして、うまくやれば、これからこの女を奴隷にし、その命運を自分が持ち続けていられる妄想を浮かべ嫌らしい笑みを浮かべた。
保管庫見れなくなっちゃった…
>>272 逆に考えるんだ。
実はHNを隠して雑談に参加しつつネタを練っているのだと。
でもまあ、確かに生存報告とかあったら嬉しいよね。
>>274 GJ
久々の新作キター
続きも楽しみです
現在投下済の2レスだと作品名が難しすぎるので
何か命名して頂けると助かります
お久しぶりです。
生存報告に代えて投下します。
かなり長くなってしまって申し訳ないのですが
最終回ということで大目に見てやってください。
いつしかライブ会場の照明は落とされており、
暗闇が観客席とステージの境界を曖昧にしていた。
その闇の中で、一筋のスポットライトが舞台を照射し、
中央にいる一人の女性の姿だけがぼうっと浮かび上がっている。
怪盗アンバームーンこと、宝月香織である。
クレーンカメラが舞台上の彼女の姿を様々なアングルから捉え、
その映像をステージ脇の大型スクリーンに映し出していた。
しかし、どのアングルから見たとしても、彼女の姿には
もはや痛快な活躍で世間を賑わせた義賊の面影は微塵もない。
それもそのはず、彼女はステージの上で四つん這いになり、
艶かしい肢体を観客達に晒していたのである。
警察の絡め手を華麗にかわすたびに、ぷるんと揺れて
見る者すべてを魅了してきた彼女のたわわな胸。
変身が解けたせいで幾分小ぶりになったその美乳は、
今や固い床に押しつけられ、形を歪めていた。
颯爽と夜空を翔けるたびに、ひらりと翻る
ミニスカートから覗く太腿が眩しかった彼女の脚。
黒タイツが破られたせいで剥き出しになった美脚は、
今や観客達の熱視線を受けるべく、尻を高く突き出していた。
そして何よりその変貌ぶりで観客達の目を惹きつけたのは、
常に余裕の微笑みを絶やすことのなかった彼女の表情だろう。
今となっては、秘所はおろか尻の穴までも露わとなった
下半身を見せつけるという痴態を強制されていながらにして、
屈辱に耐えるどころかどこか物欲しげな表情を浮かべているようにも見える。
羞恥に頬を上気させ、媚びるような目を観客席に向けたその表情は、
ぞっとするほどの色気を醸しだしていた。
それはもはや、娼婦の表情と言って差し支えないだろう。
さもなくば――――性奴隷だろうか。
パシャッ! パシャパパシャァッ!
観客の一人が不意にフラッシュを焚いたのを皮切りに、
そこかしこでカメラのシャッターを切る音が響き出し、
その瞬間的な光で照らされた会場が、そして香織の体が明滅した。
「ぁあ……んんッ、と、撮られてるの……?」
誰にとも知れない問いをうわ言のように投げかけた彼女の横には、
一人の男が勝ち誇った笑みを浮かべて佇んでいた。
その男、飯綱剛蔵は満足げに頷くと、高く突き出された
剥き出しの秘部にささくれ立った二本の指を突き入れた。
「ーーんぅッ!? くはぁっ……」
その瞬間、香織の口から切なげな吐息が漏れる。
しかしながら、その吐息には抵抗感などはまるで見られず、
むしろ挿入を迎え入れるような甘い響きさえ感じられるのだった。
剛蔵の指がゆっくりと、そう、焦らすようにゆっくり奥深くへと
突き入れられ、そして膣壁を穿ってから再びゆっくりと戻される。
ぴちゅっ。くちっ、くちゅっ。
そのたびにとろとろと恥ずかしい雫が糸をひき、腿へと滴り落ちた。
「ふん、もうすっかり此処はグジュグジュじゃの?」
「んはぁっ……ぁう、んんっ、はんっ……だ、だってぇ……」
卑猥な水音と甘ったるい吐息が会場に響く。
先ほどまでざわめきを発したり撮影に勤しんだりしていた観客達も
もはや声を発しなくなり、ただただステージを凝視していた。
――ごくり。
静寂のせいで、誰かが生唾を飲み込んだ音までが聞こえる。
それほどまでに、汗と愛液で光り輝く香織の姿は淫靡で美しかったのだ。
静寂の意味を察した剛蔵は、香織の腿を伝う雫を指でそっと
掬い取ると、大げさなアピールで観客達に見せつけた。
その時。
――ガクンッ。
あまりの刺激に耐え切れなくなったのか、香織の脚が急に
力を失ってバランスを崩し、突き出していた尻を幾分下ろした。
目を閉じて、はぁはぁと荒い息を口から漏らすその表情から
読み取れるものは明らかに屈辱ではなく恍惚。
ゆっくりと秘部から与えられ続けた性感の余波を少しも逃すまいと、
全身で感じ入っているようであった。
だが、剛蔵は彼女に余韻を楽しむ時間を与えるほど、
そして彼女の体を引き起こすのに言葉を用いるほど優しくはなかった。
荒い息とともに上下する彼女の腰を両腕で掴み、力ずくで
元の体勢に戻してから、これ見よがしに尻を平手で叩いた。
ピシャッ!!
「ひぅッ!! ぁう……ご、ごめんなさい……」
「呆けておるでない。ここで止めてやってもよいのじゃぞ?」
「いやぁ……お願い、その……止めないでぇ……」
ピシャッ!!
「はぁうッ!! んぁ……お願いします、続けてください……」
「ふん、美貌の怪盗と謳われたアンバームーンがこのザマか。
恥ずかしい液を垂らし、あまつさえおねだりとは……この痴れ者が」
「だ、だって……気持ちよすぎて……もう……」
(ふん、ずいぶんと従順になったものよ。……まぁ、無理もないがの)
懇願の言葉を聞いた剛蔵はほくそ笑んだ。
(このショーの幕を引いた後には、更なる調教をみっちりと
加えて性奴隷へと、いや、肉便所へと仕上げてやるわい)
剛蔵は十分な収穫にこぼれる笑みを隠すと、おもむろに着衣を脱ぎ捨てた。
魔力によるものであろうか、その下からは老体とはとても思えぬ
逞しく引き締まった肉体が姿を現した。
「あぁッ……んぅむ……はんっ……」
その逞しい腕はヒクついている香織の体を容易に抱き起こして
無理矢理立たせると、強引に口唇を奪いつつ右手で胸を鷲掴みにした。
荒々しい刺激に耐え切れなくなったのか、ビクンッと跳ねた後に
ガクガクと脚を震わせてしなだれかかってしまう香織。
その体を支えながら、舌で耳たぶをねぶり首筋に沿って
ちろちろと舐めてやると、香織は体をヒクつかせながら再び懇願した。
「んくぅ……お、お願いっ! お願いします……
もう、もう、私、体が熱くて……我慢できないのぉ……」
「ふん、堪忍が足らぬ奴よの。よいじゃろう、くれてやるわい」
そそり立った剛蔵自身を後ろから香織の秘所へとあてがい、
立ったままの体勢で勢いよく突き入れたその時。
「んあぁぁぁッ!!」
「「「うおッ!?」「くっ!?」「なんだッ!?」」」
自らの奥深くを怒張で貫かれた悦びに、香織は一際高く喘いだ。
しかし、会場に響くのは香織の嬌声だけではなかった。
香織の喘ぎ声と同じタイミングで、観客席からは
衝撃と困惑が入り混じった太い声が口々に上がったのだ。
その声を発した観客達自身も何が起こったのかわからないようで、
しきりに自らの股間に視線を向け、首を傾げている。
戸惑いの表情を浮かべる彼らの疑問に答えるべく、
剛蔵が香織と結合した姿勢を保ったまま口を開いた。
「観客諸兄よ、驚くのも無理はない。
じゃが、これはワシからのプレゼントなんじゃ。
今、ワシの感覚と皆さんの感覚とを共有しておるのじゃよ」
思いがけない僥倖を告げる剛蔵の言葉であったが、
言われた観客達は急には理解できなかったらしい。
先ほど感じた自らの感覚と剛蔵の言葉を照合し始める声が聞こえた。
「おい、ということは……」
「さっきの感覚って……」
「俺達今、アンバームーンに挿れてるってことなのか……?」
剛蔵の発した言葉の意味を反芻し終わったその瞬間、
観客達の戸惑いは歓喜へと変わった。
「「「「おおおおオオオオオヲヲヲヲヲヲォォォッ!!」」」」
無理もない。
もはや自分達も単なる傍観者ではなくなったのだから。
手の届かなかった美女怪盗をその手で犯す快感を味わえるのだから。
その割れんばかりの雄叫びを聞いた剛蔵は満足そうに頷くと、
再び腰を動かして香織の尻に打ちつけ始めた。
「ぁあああ、はっ、はぁぁ……うっ、ひあぁぁッ……
おちんちん、おちんちんが入ってるのぉ……」
香織の脚がガクガク震えたかと思うと、バランスを崩して
ステージ上でぺしゃんっと四つん這いになった。
襲いくる性感に、もはや立ったままではいられなくなったらしい。
それを境に剛蔵は香織の腰をがっしりとその手で掴み、
自らも膝を付いて安定させると、腰の動きを速く激しくさせた。
勢いよく前後に動かされる剛蔵の逞しい腰と、
柔らかそうに波打つ香織の白い尻が勢いよく打ちつけられて
パンッ!パンッ!と大きな音を立てる。
そのたびに観客席に向けられた香織の顔は肉悦に歪み、
口からはあられもない言葉と大きな嬌声が漏れるのだった。
「ッん! あぅッ! んんんあぁ! は、激し……くぁぅんッ!」
「ふん、激しいのは嫌かの?」
「ッいぃ、んはぅぅ……い、いいッ、いいのぉ……ッ!
奥ま、でっ、と……届いてるぅッ、届いちゃってるのぉ……!
だめ、だめだめッ、こんなのって……気持ちよすぎるぅ……」
ハの字にぎゅっと寄せられた眉。
あまりの衝撃に開けていられないのか、固く閉じられた目。
いやいやと首を横に振るたびに、乱れて顔にかかる黒髪。
赤く上気した頬には汗が伝い、一滴、二滴、ステージに落ちる。
乱れに乱れるアヘ顔の全てを、香織は観客達に晒していた。
「あひぃッ! うっくゥ……んんんんぁあッ!!
溶けるっ、アソコが溶けちゃうぅ……だめへぇ……」
ヌチュッ! グチュッ、ジュブッ!
赤黒く光る男根が抜き差しされるたびに愛液が溢れ、
淫らな音とともに膣肉との摩擦を滑らかにしていく。
それでも肉襞は快感を少しも逃してなるものかとばかりに
肉棒を咥え込み、ぎゅうっと締めつけた。
「うっ! おぉ、こ、こりゃ大した名器じゃわい。
ワシももう、辛抱ならんようじゃの」
さすがの剛蔵も限界が近くなったらしく、
更なる高みへ昇るべく腰の動きをさらに激しくさせた。
「んああぁぁぁ、それ、それダメへぇ、気持ちよすぎるのぉッ!、
いっ、んっ、んあはぁぁぁッ、くるっ、何かきちゃうぅッ!!」
「おッ、ぐぅぅゥ、ワシもイく、イくぞぉォォォッ!!」
まるで獣のような咆哮とともに、剛蔵は熱情を香織の中へと吐き出した。
同時に香織も、そして剛蔵と感覚を共有している観客達も、
一様にビクビクと体を震わせ、絶頂の悦びを味わった。
「おっ、ぐぅッ!!」
「んんあぁッ、くっ!!」
「こ、これすげッ、んんっくぁッ」
「あッはっ、はぁぁんんんぁ、アソコが熱いっ、熱いのぉっ、
きちゃ、うぅぅんんんぁあッはあぁぁぁーーーーッ!!」
ビクンッ!
弓の弦を弾いたように香織の体が大きく跳ねたかと思うと、
一転してだらりと脱力し、ステージ上で突っ伏した。
床に横になった彼女の顔は涙と涎でくしゃくしゃになり、
目を閉じたまま「う……うぁ……」と言葉にならない声を漏らしている。
誰が見ても分かる、見事なイキっぷりであった。
それら全てが眼前に晒され、あまつさえ快感までも共有できる。
観客達にとっては極上のショーに違いなかった。
ジュプッ、ジュポッ、ジュルッ!!
「あっんんん、おむっ、はむぅぅ……おちんちん、美味しいのぉ……
もっと、もっとちょうだい? あぶぅ……んちゅぅ……」
ステージ上では、いつ終わるとも知れない肉宴が繰り広げられていた。
一人、また一人とタフな観客達が舞台の上へと上がり、
香織を取り囲んではそそり立つ下半身をつき出している。
香織はそれら全てを愛おしそうに眺め、口と舌と両手を使って
代わる代わる男達に性感を与え続ける。
貪欲に肉棒を求めるその姿は、さしずめ性の虜といったところだろうか。
そんな光景を、剛蔵はステージ脇で冷ややかに見つめていた。
横には飯綱 晃が、香織を見下すような表情で連れ添っている。
「これで少しは気が晴れたかの、晃」
「ええ。私の望み通り、最高に無様な見世物ですよ。
これこそあの高慢な牝猫怪盗には相応しい」
いい気味だ、と言わんばかりに嗜虐的な笑みを浮かべる晃。
それでも彼女から受けた屈辱的な仕打ちを思い出したのか、
ギリッと歯を食いしばる音がした。
「大衆の前で正体を晒し、怪盗の衣装のまま性の虜にする。
その姿はテレビで生中継だ。もう彼女は戻れないでしょうね」
「……うむ。そしてこの世界を統べるという我らの野望は成った。
長年待ち続けた甲斐があった……という、もの……じゃ」
大願を成就させた歓喜を噛みしめるように感慨深げに口を開いた
剛蔵だったが、言葉はふとした瞬間から力を失った。
――違和感。
決定的な何かを見落としているような。
この愉悦が足元からガラガラと崩れ去っていきそうな。
(何を心配することがある、ワシは勝ったのじゃ)
(人間とは、あまりに思い通りだとかえって不安を覚えるものじゃ)
すべては気のせいだと一笑に付そうとしてみるものの、
一度覚えた違和感は魚の小骨のように引っかかり、
それでいて容易にその正体を明らかにはしてくれなかった。
答えを追い求めんと考え込んだ剛蔵の顔を、晃は不思議そうに覗きこんだ。
「どうした――ザ……ですか――ザザ……父上」
壊れたテレビのように、晃の顔が波打ち、発する言葉にノイズが混じる。
「……あ、晃」
何だ。此奴は何を言った。
違和感の元は、先ほど晃が発した言葉。
それを思い出そうと、剛蔵は必死で記憶を探った。
『大衆の前で正体を晒し、怪盗の衣装のまま性の虜にする』
これだ。
「怪盗の……衣装の、まま……?」
「父上? ザザ……いったい……ザザザ……ですか?」
長い間、ずっと執事の仮面を被って香織の傍で仕え続けてきた。
当然彼女が怪盗へ変身する瞬間もこの瞼に焼き付いている。
そう、光が彼女の体を包み込み、その輝きが収束したときには
怪盗アンバームーンの衣装を纏った香織が出現したのだった。
逆に考えれば、変身が解けた瞬間その衣装も消え去る筈ではないか。
なのに目の前の香織は、ぼろぼろに破れているとはいえ
怪盗アンバームーンの衣装のままで痴態を繰り広げている。
これは、どう考えても有り得ない光景なのだ。
「ザ……父上、何をザザ……ていルンデスカ?」
「お、お前……いったい誰じゃ?」
剛蔵の思いがけない問いかけにきょとん、とした晃。
しかし次の瞬間、晃がにやぁっと不気味な笑みを浮かべた。
「ケケケ……ナンダ、モウ醒メチマッタノカ」
「な、何じゃと?」
剛蔵がカラカラに渇いた喉を振り絞って必死に問いかけるが、
それには答えないままに晃の顔が何者かの姿に変わっていく。
変身を完全に終えたとき、そこに現われたのは一人の道化師だった。
パチンッ!
ただただ呆然としている剛蔵をよそに、道化師は指を鳴らした。
同時に剛蔵の視界にピシィッとヒビが入り、そして、
――割れた。
(……ワ、ワシはどうなったのじゃ……それにここは……?)
強烈な眩暈により、しばし気を失っていたようだった。
未だ覚醒しきっていない意識を首を振って呼び戻し、
剛蔵は事態を把握しようと周囲を見回した。
ひっくり返ったテーブルに、位置がズレたソファ。
そして上質なカーペットに飛び散らばった大きな花束。
今までいたはずのライブ会場の喧騒はかき消え、
いつぞやの宝月家のリビングがそこにはあった。
状況を整理できず、前に歩を進めようとした剛蔵は、
そこで初めて自分が拘束されていることに気付いた。
横には、同じくロープで縛られた晃が転がっている。
「こ、これは……」
「お目覚めかしら?」
「お、お主、どうして……!?」
不意にかけられた言葉の主は……怪盗アンバームーンだった。
陵辱の限りを尽くされた挙句、つい今までステージで
男どもの熱情を一心に受けていたはずの彼女。
しかし、チェアに脚を組んで座り、クスクスと笑いながら
こちらを見やる彼女のコスチュームには少しの綻びも見当たらない。
「フフッ、よっぽどいい夢見ていたみたいね。
ご所望ならモーニングコーヒーをサービスするけど?」
「ゆ、夢じゃと……そ、そんなことが……馬鹿な」
そう、そんな馬鹿な話があっていいはずはない。
自分は確かにタロットを融合させて最強の力を手に入れたはずだ。
その瘴気で一般市民を掌握してライブ会場に集め、
この手で目の前の女の服を引きちぎり、黒タイツを破り、
そして陵辱の限りを尽くして彼らに痴態を見せつけたはずだ。
与え続けた暴力と快感にこの女は屈服し、涙を流して懇願しては
自ら望んで男どもの精を搾っては浴びる性奴隷になったはずなのだ。
それが……それがすべて夢だとでも言うのか。
「ふ、ふん……じゃが、ワシには『世界』の力があるわい」
剛蔵は自らが手に入れた力の存在に思い至ると、
余裕の言葉を吐きながらロープを引きちぎろうとした。
しかし、どれだけ渾身の力を込めようと、
簡素なロープはその戒めから解き放ってはくれない。
そう言えば、魔力によって筋骨隆々だった肉体は、
今や年相応の筋ばった脆弱な体に戻ってしまっている。
力を失い、ただの老人に戻ってしまったことを
否が応にも思い知らされ、剛蔵は顔面を蒼白にした。
「お探し物はこれかしら?」
「……!? な、なぜそれをお前が……」
怪盗が椅子に座ったままで手品師のように扇形に広げたものは、
剛蔵が融合させたはずのタロットカードの数々だった。
文字通り完全に手持ちのカードを失って狼狽の色を隠せない
剛蔵の目に、タロットカードの輝きが怪しくキラキラと光った。
「『愚者』の本当の力はね、人の心に入り込み夢を見せることなの。
邯鄲の夢に酔い痴れ現実を見失うその顔が『愚者』ということね」
「……なんじゃと? あ、あれは目くらましのはずでは……」
「そんなわけで、貴方が夢の世界にいる間に、カードは返してもらったわ。
やっぱり強引に融合させたんじゃすぐにバラバラになっちゃうみたい」
剛蔵の搾り出すような問いかけを完全に遮って、
アンバームーンの独演はリビングに響き続ける。
「もっとも、相手の心に入り込むには隙が必要だわ。
でも、目の前で膨大な魔力が膨れ上がっているというのに
安心しきって隙を見せる人なんて、まずいない。
本来使えないカードなことには変わりはないのよね」
でも、とそこで一旦言葉を区切ると、怪盗はサラサラと
銀色の髪をかき上げ、悪戯っぽい笑みを浮かべてこう言い放った。
「単なる目くらましと思い込んでいるのなら、話は別よ」
「――なッ、なんじゃと!?」
事もなげに言ってのけた怪盗の一言。
だがその言葉に、剛蔵は背筋の凍るような思いがした。
『愚者』の能力が目くらましというのは偽りだと怪盗は言う。
では、その偽りの能力を聞いたのは果たしていつだったか。
それは……まだ正体を明かす前、忠実な執事を演じていた頃。
その意味するところは、ただ一つ。
「貴様ッ、ま、まさか気付いておったのか!?
なぜじゃ、ワシの演技は完璧だったはずじゃぞ!」
「そうね。確かに貴方の執事ぶりは模範的だったわ。
でも、そんな貴方も小さなミスをしたの。
それは、私が飯綱家の盗みから帰ってきたときよ」
「…………」
無言で続きを促すしかない剛蔵の顔をチラリと見やると、
その時のことを思い出してみろと言わんばかりに
十分すぎるほど間を取ってから、怪盗は演説を続ける。
「あのとき、私は晃からの仕打ちに打ちひしがれていた。
貴方はそんな私を労わるとき、はっきり『陵辱』と言ったわ」
「……し、執事としては……不適切じゃったということか……」
陵辱を受けた女性に直接的な言葉を浴びせることで反応を楽しむ。
好々爺の仮面からつい垣間見せてしまった嗜虐的な趣向。
それが事のすべてを露見させたというのか。
しかし、その後に続く怪盗の言葉は意外なものだった。
「いいえ。確かにその言葉に引っかかったのは事実だけど、
それ以降の気遣いは完璧な執事ぶりだったわ。
問題は『なぜ陵辱を受けたと思ったのか』よ」
「何を言ってるのじゃ。手首にくっきり荒縄の跡をつけて
泣き腫らしている女性を見て、陵辱を受けた以外に何があると……」
「投げ縄、よ」
「――ッ!!?」
完全な見落とし。
自らが犯したミスに気づき、剛蔵は言葉を失った。
「盗みに入る前、私は貴方と警察の特別部隊の話をしたわ。
投げ縄なんてクラシカルな獲物を使う変な警部さんの話もね。
その後に縄の跡をつけて盗みから帰ってきたのなら、
普通はその警部さんに不覚を取ったんだと思うはずよ」
「う……くっ……」
「ではなぜ陵辱と思い込んだのか。
それは飯綱 晃が能力を引き出したことを知っていたから。
そして、能力の正体も、彼の趣味嗜好もすべて知っていたから。
その可能性に考えを及ぼすのはそう難しくはなかったわ」
自分の不覚をなぞられる屈辱に、剛蔵は歯噛みをするしかなかった。
あの警部……確か棚橋とか言ったか。
力を手に入れた自分に愚かにも向かってきた、騎士気取りの男。
巨大な風車に決闘を挑んだドン・キ・ホーテのような滑稽な男。
だが、知らないところで彼の放つ投げ縄は自分を絡め捕っていたのだ。
「でも、私の醸し出す雰囲気から察したという可能性もあった。
それほど貴方の有能な執事ぶりは完璧だったし、
それに……親代わりに育ててくれた爺やを……疑いたくなかったわ」
そこで、アンバームーンは下を向き言葉を詰まらせた。
無理もない。
この広い家で、ずっと二人で暮らしてきた老執事との
楽しい思い出が頭をよぎったのであろう。
しかしそれも一瞬のことで、迷いを断ち切るように顔を上げて
まっすぐに剛蔵の目を見据えると、再び言葉を紡ぎ始める。
「だから私は万が一のために布石を打った。
とはいえ、正直誤算ばかりで冷や汗をかいたわ。
正弘がカードを貴方に渡すなんて思っていなかったし、
対決の場に晃が居合わせたときにはどうしようかと思った」
ふと、剛蔵は絨毯の上で気を失っている晃を見やった。
今まで気付かなかったが、晃の後頭部には大きなコブができており、
その横には大きな花瓶が中身をぶちまけて転がっている。
『愚者』の未知なる能力に脅えていた晃には、
夢の世界に誘うという真の能力は効力を発しなかったらしい。
そのとき、眩い光が輝いてリビングを照らした。
思わず瞳を閉じた剛蔵が、再び両の目を開けたとき。、
目の前の怪盗の姿は変貌を遂げていた。
怪しく光る朱色の瞳。
黒一色で統一された喪服のようなコスチューム。
肩にかけているのは、その身に余るほど大きな漆黒の鎌。
その場に漂い始めた不吉さに、剛蔵は言いようも知れぬ恐怖に襲われた。
「そ、それは……ひょっとして『死神』の……」
「さようなら、爺や……今まで……本当にありがとう」
「お嬢様……」
剛蔵の発した最期の呼びかけは、果たして何によるものだったろう。
情に訴えて隙を窺おうとする狡猾さだったのか。
それとも親代わりとして、執事としての言葉だったのか。
その真意はわからないまま――死神の鎌は振り下ろされた。
そして、静寂が訪れた。
死神はしばらく呆然と立ち尽くしていたようだったが、
やがて鎌を肩にかつぎ直すと、後ろを振り向くことなく歩き出した。
その歩みとともに光が彼女の姿を包み込み、
その光が収束した後には宝月 香織の姿が現われた。
変身を解いた彼女が向かった先とは。
「正弘……」
魔に魅入られた剛蔵に決死の思いで立ち向かい、
そして臓腑を刺し貫かれた棚橋の亡骸だった。
ふらふらとした足取りで近づいた彼女は彼の傍に座り、
愛おしそうにそっと顔を撫でる。
しかし、もはや彼の体からは体温は奪われており、
流れ出していた夥しい量の血も渇きかけていた。
彼の体が放つ死の匂い。
それをはっきりと感じたとき、香織は意を決したように
立ち上がって、手持ちのカードをすべて投げ上げた。
その瞬間。
――光とともに、魔力が迸った。
カードが宙に浮き、彼女の周りをゆっくりと廻りだす。
今度は『愚者』のカードもその輪の中にあるため、
剛蔵が強引に試みたときのような拒絶反応はない。
やがてカードは上昇しながらその輪を小さくし、
1枚、また1枚と重なり合って遂に1枚のカードとなって
香織の手元に舞い降りた。
香織はそのカードを手に取ると、祈りながら力を込める。
「お願い……『世界』……力を貸して……」
すると、カードが香織の手元をするりと離れた。
小さなカードは光を放ちながらその形をゆっくりと変え、
やがて女神ともいうべき姿になって彼女の目の前に現われた。
女神は全身がクリスタルのように透き通っていて、
優しさ、そして神々しさに溢れていた。
香織は知らず知らずのうちに膝をついて両手を組み、
目を瞑って祈りの姿勢を取っていた。
そんな香織に目を細めた女神が、厳かに語りかけた。
「私は一つだけ貴女の願いを叶えることができます。
貴女の願いを言ってごらんなさい」
「この人を……生き返らせてください。
本当に優しくて、私を守るために命を投げ捨てたんです」
「その願いを叶えると、全てのカードは消えてしまいます。
それでも後悔しませんか?」
「はい。私のこの願いが、正しいことかどうかはわかりません。
でも、私はもう一度この人と話したい。温もりを感じたい。
そして、できることなら……ずっと一緒にいてほしいんです」
迷いのない香織の言葉に、女神は軽く頷いたように見えた。
それを見て、香織は女神の顔を悲しそうに見上げた。
「ごめんなさい、そうなると貴女も消えてしまうんですよね」
「フフフ……まさか私の心配をされるとは思いませんでした。
3枚目のカードを使ってさぞかし貴女も辛いでしょうに……。
貴女のような人の願いを叶えられるのを誇りに思いますよ」
そう言うと、女神は手に持った杖を一振りした。
するとどうだろう。
床に転がっていた棚橋の亡骸に光の粒子がキラキラと降り注ぎ、
青く冷たい体が赤みと温もりを取り戻していった。
その様子を、香織は両手で口を押さえて見つめている。
今にもこぼれてしまいそうな涙を堪えながら。
「さぁ、これで私の役目は終わりましたね。
これからは自分の力で幸せを掴むのですよ」
「有難うございました……本当に……有難う……」
香織がそう言い終わるか言い終わらないかの間に、
女神の透き通った体がその透明度を増し、
やがて辺りの風景と同化して完全に消えた。
タロットカードは全ての力を使い果たし、この世から消えたのだ。
再びリビングに訪れた静寂。
香織は、女神が消えた後もその空間に向かって
ただただ感謝の祈りを捧げていた。
そんな香織の後ろで、小さく衣擦れの音がした。
「ん……と、あれ? 俺どうしたっけ……」
聞き慣れた声。
それでいて、この世で一番聞きたかった声。
その声に気付くやいなや、香織は後ろを振り向いて
棚橋目掛けて駆け寄っていた。
「……ん、香織? おッ、わッ」
「……正弘ッ! 正弘ッ!!」
ドシン。
ちょうど起き上がろうとしていた棚橋の胸めがけて
香織が飛び込んでいったため、二人は折り重なって倒れた。
下になった棚橋の怪訝そうな顔に、一滴、また一滴と
香織の涙が雫となって落ちる。
「どうしたんだよ、香織? 何を泣いて……
あれ、そういやあの化け物はどこに……」
「ふえぇ……正弘……まさ、ひろぉ……」
静かなリビングに嗚咽が響く。
棚橋はしばらくわけがわからないといった表情で
ポリポリと頭をかいていたが、
「まぁ、いいか……」
と、香織を優しく抱き寄せた。
泣きはらした香織が幸せそうな表情に変わるまでの長い間、
二人はリビングの床の上で抱き合い互いの存在を確かめ合っていた。
2年後。
棚橋は再び警察官として忙しい日々を送っていた。
無言で叩きつけた辞表を、なにやらワケありと見た
上司の片倉警視正が保留扱いにしてくれていたのだ。
香織のこともあってしばらく誘いを固辞していた棚橋だったが、
やはり生活のことを考えて復職することに決めたらしい。
ただし、あの日以来怪盗アンバームーンが現われることはなかった。
それに伴い特別対策部隊は解散されてしまったのだが、
一般の犯罪を扱うことになっても敏腕警部として投げ縄を振るい、
それなりに成果を挙げているようである。
香織はというと、相変わらず教師として毎日奮闘する日々だ。
怪盗としての一面がなくなり教師の仕事に専念できるかと思いきや、
今まで神崎に任せっきりだった家事に苦戦しているため、
あまり優秀とは言えない仕事ぶりはあまり変わっていない。
そして月日は瞬く間に過ぎ、ある晴れた秋の日。
リン、ゴーン……
街の高台にある教会の鐘が、久方ぶりに鳴り響いた。
石段の両側に並んだ招待客が拍手で迎える中、
ついさっき誓いを交わしたばかりの新郎新婦が
教会から腕を組んでゆっくりと下りてくる。
新郎、棚橋は白のタキシード姿。
やや緊張した面持ちで、動きはかなりぎこちない。
上等な服も似合っていないというわけではないのだが、
着慣れていないせいかどうも服に着られているという印象だ。
いっぽう、香織は純白のドレス姿。
この日のために誂えたというだけあって、
スレンダーなマーメイドボトムがよく似合っている。
棚橋に腕を預けた香織はとても幸せそうな笑顔を浮かべ、
いつもより大人っぽいメイクとともにその美しさを際立たせていた。
そんな香織に、無事卒業できたらしいかつての教え子、
問題児コンビの二宮と後藤が脇から声をかけた。
「先生、本当におめでとう!」
「でも意外だなぁ。先生のことだから、
てっきり泣くんじゃないかと思ったけどな」
「ふふっ、これからもっと幸せになるんですもの。
これくらいで泣いてなんかいられないでしょ?」
そう言って笑みを向ける香織の表情からは、
これからの希望を少しも疑っていない者だけが持つ
キラキラとした魅力に満ち溢れていた。
その表情に見とれるまま、無言で見送った問題児コンビは、
新郎新婦が通り過ぎた後でボソボソと声を交わした。
「おい、なんだか……先生、変わったな」
「ああ、俺……ちょっとドキッとしちまった」
「俺もだ。なんつーか、綺麗……だよな」
「あぁ、こんなことなら早くアタックしておけばよかったぜ」
自らの奥底にあった香織への憧れに気づき、
問題児コンビは二人同時に溜め息をついた。
若さゆえのほろ苦い後悔を乗り越えたとき、
思春期の若者はまた一つ大人になっていくのだろう。
さて、ここで場面を式場の裏に移そう。
そこでは、祝福ムードの招待客や拍手に包まれる
新郎新婦とは裏腹に、式場のスタッフが慌しく働いていた。
どうやら黒いスーツを着た若い男がチーフらしく、
汗だくであれこれイヤホンマイクに向かって指示を出している。
幸い式は大きな手違いも起こらず無事に進行したようで、
あとは撤収を残すのみというところでチーフは休憩の指示を出した。
チーフはタバコに火をつけながら、ある中年の男の傍の椅子に座った。
「ふう、やっとこれでひと段落、か。
そういえば晃さん、今日の花火、タイミングよかったよ」
「ありがとうございます。ようやく慣れたみたいで」
上司からの思わぬ労いの言葉に、中年の男は嬉しそうな顔で笑った。
その顔を見てフッと煙を吐き出すと、チーフは続ける。
「しかし、この仕事は肉体労働も多いし、その年じゃ辛いでしょう。
今まで聞いたことなかったけど、どうしてウチになんか?」
「そうですね……実は、私は記憶を失くしてしまったんですよ。
それも、年老いた父親と二人いっぺんにね」
思いがけぬ告白にチーフはどう反応したものか迷っているようで、
表情を変えぬよう努力しながらタバコの灰を落とした。
一瞬表情に陰を落とした中年の男は、気持ちを切り替えるように
再び笑顔を浮かべ、明るい声でこう言った。
「だからこうして働きながら、記憶が戻る日を待っているんです。
でも、何故でしょうね。こうして汗水垂らして働いていると、
この暮らしも悪くないかなって思えるんですよ」
「そうですか……早く記憶が戻ることを祈ってますよ。
それまでは優秀なスタッフとしてウチで働いてください」
そう呟くと、チーフはタバコの火を消して携帯灰皿に入れ、
休憩終了の指示をイヤホンマイクに告げた。
それとともに中年の男も汗を拭きながら持ち場へ戻るのだった。
そう、この中年の男こそ、飯綱 晃の姿である。
父親と二人で記憶が戻るまで懸命に働く、というその姿は
以前の晃とは比べようもないぐらい真面目で健気でさえある。
しかし、死神の鎌で刈り取られた記憶は、決して戻ることはない。
……永遠に。
裏で男達がそんな会話を交わしているとき、
教会の外ではブーケトスが始まろうとしていた。
未婚女性がきゃいきゃいとはしゃぎながら群がる輪の中に、
「いきますよー」という掛け声とともに香織がブーケを投げた。
晴天の中に、色鮮やかなブーケが舞う。
放物線を描きながら落ちてくるブーケは、
懸命に手を伸ばす女性から逃れるように風に揺られ、
興味なさげな顔をしている女性の元へ、ぽすっと収まった。
「……へっ? ちょ、ちょっと、ウチかいなッ!?」
「茂木先生、次は先生がサンタさんを見つける番ですよっ」
突如として周囲の注目を集め、拍手を一身に受けた茂木は
彼女にしては珍しくあたふたしている。
それを見てくすくすと笑う香織。
棚橋は、たくさんの同僚や友達に囲まれて皆に笑顔を
振りまいている花嫁に見とれていた。
思えば、出逢ったときはすぐに泣いてしまう弱い女性だった。
コンプレックスの塊と化していた彼女は、
その裏返しとして怪盗アンバームーンという偶像を作り出した。
だが、アンバームーンが世間の注目を浴びれば浴びるほど、
香織自身は傷つき、ますます自分の殻に閉じこもっていた。
それが今はどうだ。
しっかりと、自分自身が光り輝いているではないか。
そうだ。
怪盗アンバームーンは、もういない。
カードに頼り、照らされていた香織は、もういない。
そして、月が沈んだ後には……
「正弘ー、写真撮るよーっ」
こちらに元気よく手を振る花嫁の姿を見て、
太陽のようだ、と棚橋は思った。
〜〜朧月怪盗アンバームーン Fin〜〜
298 :
281:2008/10/26(日) 17:02:15 ID:+1ub8c2T
そんなわけで見事に二次元エンドで終了です。
今までありがとうございました。
次回作は……気が向いたらということで。
>保管庫さま 修正お願いします。
「屈服」の回=晃の父親の呼び方
正:「父上」 誤:「親父」
「生徒」の回=固有名詞
正:「剛蔵」 誤:「剛三」
あそこからHAPPYENDにもっていくとは・・・
まさに良い意味で期待を裏切られたw
長編本当にお疲れ様でした
『愚者』の本当の力と結末への道自体は予想の範疇だったけど、そこに至る仕込みが予想外だった。
素直にGJを送らせてもらいたいと思う。
GJ
だがやはりハッピーエンドだけではツマランと贅沢な事思ってしまう
選択肢ミスると陵辱輪姦バッドエンド行くゲームをどっか作ってくれんかなぁ
盗んでMy Heartっつーピッタリなゲームがあるが、これは素材は良いがシナリオが糞過ぎた
完結おめでとうございます、そして惜しみないGJを。
待ち続けていた甲斐があったというものです。
怪盗でエロとなるとどうしてもバッドエンドを連想しがちですが、こういうハッピーエンドもいいですね。
アンバームーンキテター!
なんというHAPPYEND…
良かったなあ香織たん
>>298最後まで書いてくれたことに感謝そしてGJ!
お疲れ様でした!
38氏の代理投下です。
本当は26日夜に依頼が来てましたが
投下が被っちゃうのでこちらの判断で1日寝かせてました。
でも良く見たら予告編だったので待たなくて良かったかも…
以下コピペ
---
さて、本格的に復活してみます。
と、言う訳でキャットシーフ最終章、予告編投下です。
305 :
38氏代理:2008/10/28(火) 05:36:46 ID:bB4y83ch
「……やっぱ凄えよな、警視は」
「ああ、あの歳で、しかもあんなハンデあって、それでも俺達の名かで最高のエースなんだからな」
5年後、そこには夫になった少年がいた。
「あ、ごめん! そろそろ渚緒迎えに行かなきゃいけなかったんだ!」
『ええ、分かりましたわ。また、お電話しますわね』
5年後、そこには妻になった少女がいた。
「おとーさん、おかーりなさい!」
「……うん、ただいま、渚緒」
5年後、そこには一家の団欒が、確かにあった。
「高原、日本の大山警部から連絡だ」
「……? はい」
『……里緒……』
「一美?」
……しかし。
「……君が、高原渚緒ちゃん?」
「うー。おねーさん、だれ?」
……しかし。
「涼人! 渚緒が……渚緒が!」
始まりは、いつも突然。
「そ、そんな……一美!?」
「大山のおじさんが!? そんな……そんな!」
幸福は終わり、絶望が始まる。
でも、絶望の中にはきっと希望もあって。
「……顔を上げてください、騎士涼人」
「俺達に出来る事なら全部やるよ。涼人君、君のためにね」
「里緒ちゃん、これ、一美が作って貰ってた物だったんだ。……出来れば、これを使って欲しいと、おれは思ってるよ」
「私達もやれるだけの事はやるよ。でも……最後は、里緒ちゃんに決めて欲しい。これは一美も望んでる事だから……」
……そして、妻となった少女は、ある意志を固める。
「その格好……!何を考えてるんだよ、里緒!」
「涼人……。私、涼人の力になりたいの、涼人の代わりに動いて、私の手で渚緒を助け出したいの!」
……そして、妻となった少女は……。
「……私は、『レインボーキャット』!」
恋するキャットシーフ最終章〜猫は、もう一度〜
鋭意構想中
306 :
38氏代理:2008/10/28(火) 05:39:20 ID:bB4y83ch
さて、アンバームーンの人の復活&最終回も終わった事だし、復活してみましょうか。
と、言う訳でフェイク・キャットの時もやった予告編を書いてみました。
……実は復活しようと思って保管庫管理人さんに予告メール送ったら、違う保管庫管理人さんに誤送してたのは内緒だ
---
以上、コピペでした。
投下してから誤字発見
保管時には直しておきます。
二人ともGJ
アンバームーンは最終話にもきっちり濃厚エロを入れてくれただけでも
かなり嬉しかった
棚橋は最初は三枚目刑事だと思っていたのにえらく格好よくなってたな
キャットシーフは最終章というのが寂しいけど期待してます
しかし里緒が子持ちの人妻か…
4歳以下の娘は対象として厳しいしw
個人的嗜好から外れつつあるのがちょっと心配です
あ、あと「渚緒」が読めません隊長
308 :
281:2008/10/29(水) 03:45:22 ID:fsUHiqoG
>>273 ごめんなさい、新作投下に今気づいた俺がいます。
GJです、ダークな雰囲気とオリジナルな設定がいいですね。
続きを楽しみにしてます。
>>306(38氏)
おおお、最終章キター! そして人妻キター!!
これまでとは違う、大人な里緒に激しく期待です。
>>301 わかります、俺もハッピーエンドは物足りない派なので。
ところがラブ要素が入った瞬間、脇役のつもりだった棚橋は
どんどん男前になってハッピーエンド一直線という……。
ここからは雑談。
なにやら「それは書き手が投下しづらくなるだろ」みたいなやりとりが
あったかと思いますが、ずっとROMってたのは単に俺が筆が遅いからです。
俺だけかもしれないですが、単純に書きたいから投下してるわけなので、
書く側はそこまで気にしてないと思いますけどね。
むしろ過疎る方がどうしていいかわからなくなるので、
雑談でも要望でもあった方がイマジネーション浮かぶんじゃないかなぁと。
無粋な書き込み、失礼しました。
309 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:33:06 ID:XV0dKl5D
以下こぴぺ。
---
>>307 渚緒は3歳という設定で書いてます。絶対にエロ方向には使いませんw
良く考えてみろ、人妻子持ちと言ったって22なんだからアンバーの香織より明らかに年下なんだぜ?
渚緒は「なお」と読んでください。
……に、しても俺、いろいろな名称に別の所から持って来すぎorz
涼人、里緒……スパロボαから
渚緒……『君と恋して結ばれて』から
親世代……『missing』から
フェイク・キャットで『組織』の強盗団を捕まえた場所である江口邸、樋口邸、福岡記念美術館……中学校時代の友人と部活のコーチから
今回から出て来る新キャラ……コードギアスから
渚緒に関しては持って来たと言うより里緒の娘として、これ以外の名前が浮かばなかった、が正しいですが。
まあ裏設定はこのくらいにして、本編開始します。
310 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:34:18 ID:XV0dKl5D
「……それじゃあ僕は先に上がるから。後、任せるよ」
「はい! お疲れ様です、警視!」
そう言って部屋から滑り出る涼人を見送って、部下の刑事は一つ敬礼をする。
すると、そんな刑事に後ろからしなだれかかるようにして、もう1人の刑事が口を開いた。
「おーおー、随分とりょーとに入れ込んでるじゃない、シャルルん」
「……先輩、そうやって俺に体重かけるのやめてくださいっていつも言ってますよね……。と、言うかシャルルんって何ですかシャルルんって」
そうシャルルが突っ込むと、その先輩刑事は渋々とシャルルから離れる。
そんな先輩刑事に、シャルルは思いっきり深い溜息を吐くと、口を開いた。
「……全く……あなたは一応女なんですからもう少し女らしさと言う物を身に付けてくださいよ、マリアンヌ先輩」
「え〜……」
そうシャルルに言われ、マリアンヌはぶーぶーと口を尖らせる。
そんなマリアンヌを見て、シャルルは本当に気持ち悪そうな目付きになって、口を開いた。
「20代後半の女性がそんな事をしても気持ち悪いだけなんで止めてください」
「う〜……シャルルんがいじめる〜」
シャルルの突っ込みを受けて、マリアンヌはまるで子供のようにぶーたれる。
見た目絶世の美女がまるで子供のような仕草をしている姿は本当に異様だったが、
何故かシャルル以外の刑事はそれを見ても諦めたような溜息を吐くだけで。
「……全く……何故あなたが普通に刑事やれてるのか、事件の時のあなた見てなかったら本気で疑ってますよ……」
「あら、褒めてくれてありがと〜♪」
「……褒めてません」
そんなマリアンヌを見て心の底から溜息を吐きながらシャルルがそう言うと、マリアンヌはそうあっけらかん、と答える。
そのマリアンヌの答えに、シャルルがもう一度溜息を吐いていると。
「話戻すけどさ〜……、シャルルん、本当にりょーとの事好きよねぇ……」
「せめて尊敬してると言ってください。本当に凄い人じゃないですか、警視は」
そのマリアンヌの言葉に、シャルルは少しだけムキになってそう答える。
すると、マリアンヌはふっ、と一つ笑って、そのシャルルの言葉に頷いた。
「……ま、あたしもそれは認めてるけどね〜」
「ですよね! あんなハンデがあって、それでもICPO史上最年少警視なんですから!」
そのシャルルの言葉に、マリアンヌは首を傾げて、口を開いた。
「あれ? シャルルんは知らないの?」
311 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:34:38 ID:XV0dKl5D
「ただいま」
「おとーさん、おかーりなさーい!」
そう言って涼人が自宅のドアを開けて中に滑り込むと、そんな涼人に1つの小さな人影が飛び込んで来る。
その人影を抱き留めながら、涼人は微笑んで口を開いた。
「ただいま、渚緒」
「おかーりなさい!」
そう涼人が言うと、渚緒はにっこりと笑って、多少舌っ足らずな言葉で答える。
と、そんな2人の耳に、少し慌てたような足音が響いて、エプロン姿の里緒が顔を出した。
「あ、おかえりなさい、涼人!」
「ただいま、里緒」
涼人の姿を認めるなり、里緒は何故か少し表情を暗くさせて涼人の後ろに回る。
そして、涼人が座っている車椅子を押しながら、少し顔を曇らせて、口を開いた。
「ねぇ、涼人。……そろそろ、慣れたかなぁ?」
「……まだ、なかなかね……」
その里緒の問いに、涼人も渚緒を膝の上で遊ばせながら、少しだけ表情を暗くする。
高原家が交通事故に遭い、咄嗟に里緒と渚緒を庇った涼人が車にはねられ、両足を膝下で切断してから半年。
電動車椅子の扱いには慣れて来たものの、まだ思わず立ち上がろうとしたりする事はあった。
「それに……その……えっと……」
「……渚緒の前で言う事じゃないような気がするのは僕の気のせいかな?」
「〜っ!」
そして、何故か言葉に詰まって、車椅子の動きからですらもじもじしている事が分かる程もじもじしだす里緒。
そんな里緒に苦笑しながら涼人が突っ込むと、里緒は一気に顔を赤らめた。
「……里緒がそんなにして欲しいんなら、今夜あたり挑戦してみる?」
「うぅぅぅぅ〜っ!」
「おかーさん、かおまっかー!」
そんな里緒ににやにや笑いを浮かべながら涼人が言うと、里緒は真っ赤になって呻く。
すると、そんな里緒を見て、渚緒にまできゃっきゃきゃっきゃと楽しそうに笑いながら言われて。
里緒は本当に真っ赤になって車椅子越しに涼人の背中から抱き付いた。
「……涼人の、いじわる……」
「あれ今頃気付いたの?」
312 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:34:55 ID:XV0dKl5D
そう、真っ赤になっていじけている里緒をさらに涼人がからかっていると、
「おとーさん、おかーさん、おなかすいたー!」
「ん、そうだね。里緒、用意出来てるの?」
「え、あ、うん!」
急に渚緒が空腹を訴え、そんな渚緒に涼人は微笑みかけて、里緒に聞く。
急に話を変えられ、里緒は一瞬だけ驚くが、すぐにこくん、と頷いた。
「それじゃあ、すぐに食べようか、渚緒」
「うん! ごはんたべゆー!」
そう言って涼人が渚緒を高い高いするように抱き上げると、渚緒ははしゃぎながらそう答える。
そんな渚緒を膝の上で遊ばせながら、涼人はまだ背中に抱き付いたままの里緒の耳元に唇を寄せて、囁いた。
「……そして、夜は里緒を食べる事になるのかな?」
「え、あ……ぅぅぅぅぅ〜……」
最後にそうからかわれ、里緒はさらに赤くなってぎゅ〜っと涼人に抱き付いた。
「……あ……」
3人がじゃれあいながら居間に入ると、その3人にあやめが気付いて軽く声を上げる。
そんなあやめに、涼人は膝の上に渚緒を乗せ、背中に里緒をくっ付けたままで軽く頭を下げた。
「……ただいま、義母さん」
「あ、えっと、おかえりなさい」
そう涼人が言うと、あやめは何故か少しわたわたと慌てながらそう答える。
しかし、あやめが誰かにこういう風に話しかけられたら慌てるのはいつもの事なので、涼人はそれには特に何も言う事は無く。
そのまま涼人は一ヶ所だけ椅子を置かずに場所を空けてある所に車椅子を持って行くと、右横の子供用の椅子に渚緒を座らせた。
「おかーさん、おばーたん、ごはんたべよー!」
「うん、すぐに用意するね、渚緒。お母さんも手伝ってくれないかな?」
「ええ」
その渚緒の言葉に、里緒とあやめは笑いながら台所に消えて、すぐに夕食を持って来る。
そして、すぐに居間は一家団欒の場へと変わっていった。
313 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:35:06 ID:XV0dKl5D
「……」
「渚緒、そろそろ眠くなって来たの?」
さかんにくしくしと目を擦り始めた渚緒を膝の上に抱えながら、涼人はそう渚緒に声をかける。
しかし、渚緒は涼人のその言葉にも応えず、こっくりこっくりと船を漕ぐだけで。
「そろそろ、渚緒おねむみたいだね」
「もうお風呂には入ってるし、なら、私が寝かせておくわ。里緒は涼人君と一緒にお風呂、入って来たら?」
「ええ、そうします」
「ふえっ!?」
そう渚緒を見ながら涼人が言うと、そんな渚緒を抱きかかえて、あやめが里緒に声をかける。
その言葉に思わず真っ赤になる里緒に、あやめはくすくすと笑いながら口を開いた。
「何、恥ずかしがってるの? あの事故からずっと、涼人君と一緒に入ってるのに」
「う、うぅぅぅぅ〜!」
両足を膝下で切断していては、湯船までの段差を一人では乗り越えられなくて。
事故の後、退院してからこっち、ずっと里緒は涼人と一緒にお風呂に入っていた。
あやめの言う通り、それはもはや日常と化していて、いつもならそこまで真っ赤になる程恥ずかしがる事も無いのだが。
しかし、さっき涼人に言われた事が里緒の頭をよぎって、里緒は変にその事を意識してしまっていた。
「……ぅ〜……?」
「さ、渚緒ちゃん。今日はおばあちゃんと一緒に寝ましょうね」
「うん……」
既に半分以上眠っている渚緒をあやしながらあやめは寝室に消えていく。
そして、そうしながらあやめが言った言葉に、涼人は苦笑した。
「……本当に、義母さんには敵わないな……」
「ふえ?」
「義母さん、今日僕達がする事、見抜いてるよ」
「え、えええええっ!?」
その涼人の呟きに里緒は首を傾げるが、続けて言った涼人の言葉に思わず飛び上がる。
そのままさらに顔を赤らめる里緒に、涼人は意地悪そうな表情を浮かべて、口を開いた。
「……義母さんも気を利かせてくれたんだし、ちゃんとその期待に応えてあげないと、ね?」
「あ、あぅあぅあぅあぅあぅ……」
そう涼人が言うと、里緒はこれ以上赤くなりようが無い程赤くなって、あぅあぅと口をぱくぱくさせる。
そんな里緒を膝の上で横抱きにして、涼人はお風呂場に向かった。
314 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:35:20 ID:XV0dKl5D
「っ! っ! 〜っ!」
「どうかした? 里緒。身体洗ってるだけなのに、そんなに気持ちいい?」
「こ、こんなえっちな洗い方、されちゃ、ひぅぅっ!」
お風呂場で、涼人の手が身体中を這い回り、里緒は必死に声が漏れるのを堪える。
しかし、胸の先端と秘所の上の突起を執拗に洗われて、里緒は襲いかかる快感に身体をびくびくと震わせた。
「らっ、ひゃうぅっ! そ、しょんなしちゃらめぇぇっ!」
里緒は何とか逃げようと立ち上がっていたが、くりくりと突起を強めに転がされて、膝が崩れる。
四つんばいになった里緒に涼人は前から覆い被さるようにして、さらに里緒の身体を『洗い』続けた。
「ひにゅっ、っひゃ、んひぃぃぃぃっ!」
「里緒、もっと声出してよ」
ただでさえ声が響きやすいお風呂場で、しかも同じ家の中には渚緒とあやめがいて。
里緒は必死で声を殺そうとするが、そんな里緒に、涼人はにやにやと笑いながらとどめを刺した。
「えい♪」
「ひ……! ひあああああぁぁぁぁぁあぁぁっ!!!」
つぷ、と音を立てて里緒の秘所の中に指を差し込み、Gスポットをぐりぐりと刺激すると、里緒は身体を限界まで反らせる。
そして、ついに耐えきれずに絶叫しながら絶頂に達した。
「はっ……っは、ひああっ!?」
「まだ、このくらいで終わる訳が無いって事、里緒には分かってる、よね?」
「あーっ! ひにゃあああぁぁあぁあぁあーっ!!」
びくんびくんと震えながら余韻に浸る里緒にそう言いながら涼人はさらに激しく指を動かす。
無茶苦茶に襲いかかって来る快感に、里緒は身体をがくがくと震わせながら達しまくった。
そして、身体を支える事すら出来ずに、ぐったりとお風呂場の床に俯せになる。
そんな里緒を見て、涼人はくすくすと本当に楽しそうに笑いながら口を開いた。
「里緒、ひょっとして溜まってたの? 昔に比べて、凄く敏感になってるみたいだけど」
「うにゃぁっ! にゃふ! あへぇっ!」
その涼人の言葉にも、里緒は快感にとろけ切った表情でただ喘ぐだけで。
ぷしゃぷしゃと絶え間なく潮を噴く里緒に、涼人は思わず息を飲んで、指を里緒の秘所から引き抜いた。
「っは、はふっ……」
「里緒、そろそろ……っ!?」
はぁはぁと荒い息を吐く里緒に、涼人はそう言って里緒の身体を持ち上げようとする。
しかし、その瞬間、里緒は涼人自身に顔を埋めた。
315 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:35:43 ID:XV0dKl5D
「ちょっ……里緒!?」
「んん……んっふ……」
急な里緒の行動に、涼人は思わず息を飲む。
しかし、里緒は完全にとろけたままの表情で、涼人自身に舌を這わせていて。
「んはぁっ……はふぅ」
「くぅぅっ……、里緒、何を……」
つううっ、と自身を舐め上げられ、涼人は思わず呻き声を上げる。
すると、そんな涼人に、里緒は快感に揺らいだままの表情で口を開いた。
「りょ……と……。涼人にも、気持ちよくなって欲しいよぉ……」
「〜っ!」
そう、あまりの快感に潤んでいる瞳でそう言われ、涼人は思わずくらり、と目眩を覚える。
足がちゃんと付いていた頃なら絶対に押し倒していたのだろうが、今の状態ではそれは無理で。
すると、そんな涼人に里緒は快感に動かない身体を必死に動かしながら、涼人に近付いて行って……。
「……んっ」
「う、わ!?」
胸で涼人自身を包むと、ぞくり、と涼人の背筋に快感が走り、涼人は思わず声を上げる。
そんな涼人を見ながら、里緒はゆっくりと身体を上下させた。
「くぁっ……! り、お、何処でそんな事覚えて……!」
「お母さんが、教えてくれたの。……んっ……」
あまりの快感に呻く涼人の問いにそう答えると、里緒は涼人自身の先端に舌を当てる。
すると、涼人は腰を思わず震わせた。
「う、ぁあぁっ!」
「んんっ!」
そのまま涼人が欲望を里緒に吐き出すと、里緒は一瞬だけ驚いたような表情をして顔を離す。
すると、そんな里緒の顔に涼人の欲望が降りかかっていった。
「だ、大丈夫!? 里緒」
「……は、ふぅ」
慌てて涼人が里緒の事を気遣うと、里緒はとろけた表情で熱い息を吐く。
そして、里緒はそのままころん、と仰向けに寝転がった。
316 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:36:06 ID:XV0dKl5D
「……♪」
「里、緒……」
そのまま物欲しげな視線で見詰められ、涼人は息を飲んで……、
「里緒ーっ!」
「きゃっ♪」
思わず涼人は里緒に飛びかかるように覆い被さった。
そして、里緒の顔の横に手を突いて、くすくすと笑いながら、涼人は里緒に言う。
「……覚悟はいいよね? 里緒。気持ちよさで壊れちゃっても知らないからね?」
「え、えっと、お手柔らかにね……?」
そう涼人に言われ、里緒はぽん、と赤くなりながらそう答える。
しかし、涼人はもはや止まる気は完全に無くて。
「それ」
「っひ……あああっ!」
一気に自身を里緒の中に埋めると、脳裏を快感のスパークが走り、里緒は思わず身体を反らせる。
そんな里緒の身体を掴んで、涼人はころん、とまるで魔法のように体勢を入れ替えた。
「りょうと……?」
「あのままじゃ、まともに動けないから、さっ!」
「あっ、あひぃっ!」
自分が上になり、きょとん、とする里緒を涼人が下から突き上げてやると、里緒はみるみるうちに久しぶりの快感の虜になる。
そんな里緒を下から激しく突き上げてやりながら、涼人はぷるぷると震える里緒の胸に手を伸ばした。
「んにゃああああっ! いっしょは、ひっ! いっしょはらめぇぇっ!!」
「だーめ。里緒の話は聞いてあげません」
胸を揉みしだくと、里緒はさらに送り込まれる快感にがくがくと打ち震える。
そんな里緒を見ながら、涼人は半年ぶりで昂ぶりまくる欲望が収まり切るまで、里緒を突き上げ続ける事にした……。
……そして、お風呂場でずっとそんな事をしていた涼人と里緒が風邪を引いたのは言うまでもない。
317 :
38氏代理:2008/10/30(木) 00:36:38 ID:XV0dKl5D
これで終わりです。
フランス語は無理なので、家族の会話以外の会話(特に涼人の部下2人)はフランス語を翻訳してると思ってください。
後、階級とかもICPOで本当に警視がいるのかは分からないので、警視相当の役職だと思ってくれればありがたいです。
キャラ説明もしておきますね。
高原 涼人
23歳 135cm 51kg
5年前より出世し、警視となる。
しかし半年前に交通事故に遭い、両足を膝下から切断するという重傷を負ってしまった。
高原 里緒
22歳 164cm 56kg B91(E) W60 H86
3年前に涼人とできちゃった婚し、すぐに娘を出産する。
結婚3年目だが、未だに涼人とは新婚並の熱々ぶり。
高原 渚緒
3歳
涼人と里緒の間に生まれた一人娘。
幼いながらも人見知りをしない性格で、すぐに誰とも仲良くなる。
フランス語と日本語を同時に学んでいるような事になっているせいか、同年代の子供と比べてもやや舌っ足らずで、語彙に乏しい面がある。
シャルル・フィリシス
22歳 178cm 65kg
つい3ヶ月前入って来て、涼人の部下についたばかりの新人刑事。
真面目なのだが物事を流す事が出来ない性格のせいか、マリアンヌのおもちゃになっている。
マリアンヌ・アレステル
28歳 162cm 59kg B89(D) W58 H83
涼人の部下の女性刑事。
スタイルも良く、見た感じ大人の女性なのだが、性格は無茶苦茶子供っぽい。
誰彼構わずしなだれかかり、人に変なあだ名を付ける癖がある。
涼人の事は「りょーと」シャルルの事は「シャルルん」と呼ぶ。
---
以上、コピペでした。
甘い…甘すぎて砂糖吐いてしまったぜ。
GJ。
涼人の絶倫っぷりも里緒の子猫っぷりも相変わらずだな。
これからどう怪盗に絡めていくか楽しみだ。
この一週間仕事で死にかけてた肉体に精気…生気をアリガトウGJ
アンバームーン泣いたぜ…
アンバームーンも
猫も乙だぜ!
猫があまあまで凄くいいよ!
次はトライアングルムーンだけどこちらもハッピーエンドがいいな
保守
いや、次がTMかどうかはわからないだろ…。
指名手配ミルキーや血塗れ男装怪盗、キャットシーフにフィズ、
それにまだ見ぬ新作が投下されるかもしれないじゃないか!
と、期待に胸を膨らませつつ保守。
全てはフェイントでアクアメロディ2の可能性もあるな
324 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 18:57:14 ID:S1TDKbIm
俺はフィズがいいな
325 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 01:11:53 ID:hLJFv7zD
ほしゅ。
何だか過疎が目立つスレになっちまったな…。
昔からこんなだったっけ?
甘っちょろいな、最近
327 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:48:41 ID:H6hF6KjP
第2話をお送りします。
……新キャラの名前をシャルルにするんじゃなかった……orz
俺は結構キャラをどう動かすかを脳内アニメ(顔とかはぼやけて見えない)で作るんですが、シャルルの頭が金髪縦ロールになってしまう……w
ちょっと油断したら即CVが若本になりますしw
328 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:49:00 ID:H6hF6KjP
「あ、おはようございます、警視!」
「おはよう、シャルル君。……くしゅっ!」
涼人が出勤すると、それをいち早く見付けたシャルルが涼人に挨拶する。
その挨拶に涼人は微笑みながら答えて……、一つ、くしゃみをした。
「……風邪、引かれたんですか?」
「うん、少し湯冷めしちゃったかな?」
「……湯冷めって……子供じゃないんですから……」
そんな涼人に、少し心配そうな表情を浮かべてシャルルが聞いた。
しかし、涼人の答えを聞くと途端に呆れたような表情になる。
すると、そんなシャルルにマリアンヌがしなだれかかり、にやにや笑いながら口を開いた。
「大人でも、一晩中裸でいたりとかすれば、湯冷めするんだよー? シャルルん。
りょーとも、今日は何も事件抱えてないんだし、仮眠室で寝ておけばー?」
「……バレてるんですね」
そのマリアンヌの言葉に、涼人は思わず赤くなって頬をぽりぽりと掻く。
そんな涼人を見て、マリアンヌは何故かしみじみとした口調で言った。
「……それにしても、りょーと、丸くなったよねー」
「……丸く……ですか?」
「うん。だってあたしが新人だった頃、りょーと、いっつもピリピリしてたもん。
今みたいにりょーとに軽口言う事も出来ないくらい、全部に真剣で、冷たかったもん」
そのマリアンヌの言葉を聞いて首を傾げる涼人に、マリアンヌはさらに付け加える。
その付け加えられたマリアンヌの言葉に、涼人は思わず苦笑した。
「……あの時は、凝り固まってましたから。父さんと母さんの敵を取る事、その事だけに……」
「ふーん。でも、5年前に一時期日本に出向して……、その時から変わったよね。
どんどん柔らかくなった、どんどんあったかくなった」
そう言ったマリアンヌに、涼人はさらに苦笑して、口を開いた。
「……そこで、決着がついたんです。両親を殺した相手との決着がね」
そう微笑みながら言う涼人に、シャルルとマリアンヌは何故か背筋に冷たい物を感じた。
329 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:49:19 ID:H6hF6KjP
「そ、そう言えばさ、りょーとって、その時に今の奥さん見付けて来たんだよねー♪」
「え、そ、そうなんですか!?」
その空気に耐えられなくなったマリアンヌがやけに明るい声でそう言うと、シャルルも同調する。
……シャルルは、知らなかった事実に結構素で驚いていたが。
そんなシャルルを見て、涼人は思わず苦笑すると、口を開いた。
「見付けたって……、確かに里緒とはその時に知り合ったけど……」
「もー、りょーとが帰って来た時は本当にびっくりしたんだよー?
ちょうど事件抱えてなかったから迎えに行ったらさー、女の子とじゃれ合いながら降りて来たんだもん」
「それって、驚くような事ですか……?」
その涼人の言葉にその時の事を思い出したのか、マリアンヌは興奮しながら答える。
そんなマリアンヌに涼人はたじろぐが、マリアンヌのテンションは上がったままで。
「驚くに決まってるじゃない♪ だってまだあの時2年目だったのに、もうICPOで一番冷酷だって言われてたりょーとがだよ?
そんなりょーとが女の子とじゃれ合いながら降りてきたらびっくりするに決まってるじゃん」
「……そ、そんなに冷酷だったんですか……?」
そう、妙に『冷酷』の部分に力を込めて言うマリアンヌに、シャルルはすこしたじろぎながら聞く。
すると、マリアンヌは異常なまでに激しくこくこくと頷いて、口を開いた。
「だってさー、犯人が逃げようとしたからって何のためらいも無く両膝の関節撃ち抜いちゃったんだよ?」
「……昔の警視って、何というか、凄い人だったんですね……」
マリアンヌの言葉を聞いて、シャルルは息を飲んで思わず立ち尽くす。
しかし、気を取り直してそう思わず呟いたシャルルに、マリアンヌは振り向いて、首を横に振った。
「ううん、今のりょーとの方が凄いよ。昔のりょーとは自分と同じだけの能力を全員に求めてたんだ。
だから、ちゃんと一人一人能力が違う事を分かってる今のりょーとの方があたしは好きだなー♪」
「あはは、ありがとうございます」
「マリアンヌ先輩、何であなたはいつもそんな軽いんですか、と言うか今の流れで俺に抱き付かないでください!」
そのままそう続けてマリアンヌは言い、何故かシャルルにしなだれかかる。
そんなマリアンヌの行動に涼人が苦笑し、シャルルが生真面目に文句を言う。
そんな3人の会話でいつも起こる光景に、他の高原班の面々は、生暖かい視線を向けていた。
「……もしかしたら、まだ、決着はついてないかもしれませんけどね……」
しかし、眺めていた高原班の刑事達も、近くにいたシャルルもマリアンヌも、ふと呟かれた涼人のその台詞は気付けなかった。
330 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:49:32 ID:H6hF6KjP
『あら、久しぶりにしていただけましたのね? 里緒』
「ふえぇぇぇぇっ!?」
一美からかかって来た電話に出るなりそう言われて、里緒は思わず真っ赤になって飛び上がる。
ただ挨拶をしただけなのにそんな事を見抜かれて、里緒が真っ赤になっていると、電話越しに笑い声が弾けた。
『ふふふふふ……、里緒、気付いていませんでしたの?』
「ふぇ?」
『里緒は、呂都さんとした翌朝は、必ず凄く嬉しそうなんですのよ?』
そう一美に言われて里緒が首を傾げると、一美は電話越しにも分かる程にやつきながら続ける。
そう言われて、里緒は思わず頭を抱えて呻いた。
「ぅぅぅぅぅ……、だから、お母さんにもすぐバレちゃったんだ……」
『……同居しているのですから、しているときの声が聞こえていたんだと思いますわよ?』
今朝あやめから「ゆうべは おたのしみ でしたね」と言われた事を思い出し、里緒はさらに呻く。
と、そんな里緒に、一美が冷静に突っ込み、続けた。
『……やまり、まだ見つかってはいないそうですわ、あの2人は』
「ん〜……やっぱり、ただの偶然だったんじゃないのかなぁ?」
……今は壊滅した『組織』を率いた高橋天山、文音父娘。
その2人が収容されていた刑務所がガス爆発で跡形もなく吹き飛んだのが9ヶ月前。
その時点からずっと2人はその刑務所に収監されていた囚人全員と一緒に生死不明になっていた。
『そうかも知れませんけど……偶然にしては、少し出来すぎだと私は思いますの……』
「そうかなぁ……?」
そう、何か考え込むようにして言う一美に、里緒は首を傾げる。
確かに半年前のあの事故は悲しい事故だとは今でも思っている。でも、そんなに結びつけて警戒する事も無いんじゃないかとも思っているから。
そう、完全に割り切る事で吹っ切ってしまっている里緒に気付き、一美は何も言えなくなる。
そんな一美に、里緒はそのまま真剣な口調で口を開いた。
「……でも、本当にあの人達が生きて、逃げてる事が分かったら、その時は涼人に言ってあげてね?」
『……ええ、分かっていますわ』
……里緒の言葉に答える一美の声。その声が寂しそうだったのに、里緒は気付かなかった。
331 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:49:45 ID:H6hF6KjP
『それじゃあ、またね、一美』
「ええ。また今度お電話致しますわね、里緒。……ふぅ……」
電話を切ると、一美は1つ大きな溜息を吐く。
その表情には、間違い無自嘲に似た笑みが浮かんでいて。
「……やっぱり、昔とは違いますわよね……」
そう呟いて、一美は寂しそうな微笑みを浮かべて1つ溜息を吐く。
もう5年前とは違い、『レインボーキャット』が復活する事は無いだろうな、と考えて。
「仕方がありませんわね、里緒は、もう家庭を持っているのですから。
……うらやましいですわね。私も、いつかは……」
幸せな生活を送っている今の里緒では、決して『レインボーキャット』になる事は無いだろう。
そこまで考えて、一美はそんな里緒が無性に羨ましくなって、頬を膨らませる。
……そして、その後自分が何を想像しているかに気付いて、顔を真っ赤にした。
「わ、私ったら、どうして高畑さんの事をっ……!」
両手を真っ赤になった頬に当て、やんやんと首を左右に振る一美。
……さて、一美は今、自宅ではなく、通りの真ん中でそんな事をしている訳で。
いくら一美がかなりの美人でも、そんな百面相をされてはさすがに気味が悪いだけで。
やんやん言っている一美の周りからみるみるうちに人影が消えて行く。
「でも、もし高畑さんと……」
と、今度はトリップを始めた一美の周りから、さらに人影が消えて行く。
しかし、一美はその事にも全く気付かないままトリップを続けていて。
「一緒に、ずっと……」
「……」
ふわふわと、想像を続けたままふにゃふにゃとした笑みを浮かべる一美。
そんな一美の周りからさらに人影が消えて行くが、逆に一美に2,3人の男が近付いて行き……。
「……んんっ!?」
……そして、そこには人っ子1人いなくなった。
332 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:49:59 ID:H6hF6KjP
「なおちゃーん、あそぼー!」
「あーい!」
所変わって、フランス、渚緒がいつも預けられている託児所。
……別に託児所に預けなければいけない程里緒が忙しい訳では無い。
渚緒に友達を作るために、佐倉グループが経営している安心出来る託児所に預ける事にして。
そしてその考えは、渚緒の全く人見知りをしない性格のお陰で非常に上手く行っていた。
「なにしてあそうのー?」
「えっとねー……」
友達に呼ばれ、渚緒は舌っ足らずの口調で何をして遊ぶのかを聞く。
それに友達が答えようとしていると、きゅうにどたばたと騒ぐような、争うような音が聞こえた。
「……君が、高原渚緒ちゃん?」
「うー、おねえさん、だれ?」
その音が止むと、1人の女性が数人の男達を連れて現れ、渚緒に声をかける。
すると、その女性は渚緒に黒光りする何かを突き付けて、口を開いた。
「悪いんだけど、すこし来て貰える……っ!?」
「こえなあにー?」
しかし、渚緒がその何かをぺたぺた触り始めると、その女性は慌てたようにそれを引っ込める。
そして、冷汗をだらだら流しながら口を開いた。
「あ、あはははは! これはいいのよー! いいから少し来て貰えるかなー?」
「ふえ?」
「……思わず撃っちゃう所だったじゃない」
そうその女性が答えると、渚緒はきょとん、と首を傾げる。
そんな渚緒を見て、女性は冷や汗を拭いながら呟いて、手に持っていた物を懐に入れると、渚緒を抱き上げた。
「はぅ?」
「ねぇ、この子のお母さんに伝えて貰える? 『「レインボーキャット」が誰か知ってる』って」
流れについて行けていないのか、渚緒はもう一度首を傾げる。
そんな渚緒を無視して、その女性は渚緒の友達に伝言を頼む。
そしてそのまま、その女性は男達を連れ、渚緒を抱いたまま託児所から出て行った。
333 :
38氏代理:2008/11/12(水) 06:50:11 ID:H6hF6KjP
これで終わりです。
……うん、急展開なんだw
一美のターンの最後は、漫画化したら合いそうだなぁ、とか何となく思ってます。(なる訳が無いんですがw)
一美の思い人っぽい高畑の設定ですが、次回出そうと思います。
……今出したら次回のでかいネタばれになっちゃうんですよ……。
GJ!
しかし一美の誘拐(?)のシーンは電話の部分から見てたらかなりシュールな光景だったんだろうなぁ。
妄想してる美女の周囲から人が消えていって誘拐犯が寄ってくるとかどんな寸劇だよとw
両膝の関節撃ち抜くのはすげぇな。
動きを止めるなら片方だけで十分な気がするんだが…。
冷酷というより残虐超人の匂いがするな。
337 :
38氏代理:2008/11/20(木) 09:54:17 ID:nyz8P5Cm
キャットシーフ最終章、第3話をお送りします。
メモ帳に書いて、それを保管庫管理人さんにメールに添付させて送って、それを貼り付けていただいているので、感想全部に返事とかは勘弁してください。
一応書き出した当時の感想で覚えてる分の返事を書いておきますが、レス番号は勘弁してくださいorz
>両膝の関節撃ち抜くとか、冷酷と言うより残虐
そうかもしれませんね。
昔の涼人は、悪人が何か悪事をする可能性を全て潰して回っていましたので。
例えば、あの時点で両膝の関節を撃ち抜いたのは、隙を突いて逃げ出す可能性を潰してた訳ですし。
ただし、殺す事はしていませんでした。
では、次レスから本編開始です。
「は〜い♪ あら〜♪ ……え〜?」
「……その受け答えは何とかならないんですか、マリアンヌ先輩……」
横から聞く限りではとても警察にかかって来た電話の受け答えと感じられないマリアンヌの受け答えを聞いて、そうシャルルは呟く。
しかし、そんなシャルルを無視して、マリアンヌは涼人の方を振り向き、口を開いた。
「りょーと、りょーと名指しで電話だよ。奥さんから」
「里緒が? ……携帯にかけて来ればいいのに、何だろう……」
そう首を傾げながら、涼人はかかって来た電話を取る。
すると、突然耳を里緒の慌てふためいた声が貫いた。
『涼人! 渚緒が……渚緒が!』
「え、ちょっ、落ち着いて、里緒! 渚緒がどうしたの!?」
尋常じゃないまでに慌てふためく里緒の言葉を聞いて、涼人は慌てて里緒を宥める。
そして、渚緒がどうしたのかを聞くと、里緒は口を開いた。
『さっき託児所から連絡があって、渚緒が、さらわれたって……!』
「何だって!?」
その里緒の言葉に、涼人はあまりの驚きに思わず立ち上がって叫ぶ。
そんな涼人を驚いたように見やる部下達を見回し、涼人は叫んだ。
「市内の託児所が襲われたって通報があったかどうか確認取って! ……早く!」
「え、あ、はい!」
その涼人の叫びに、部下達は思わず怪訝そうな表情になる。しかし、続けて涼人が叫ぶと、慌てて確認作業に入った。
そんな部下達を一瞥して、涼人は里緒に聞いた。
「本当にさらわれたの!? 里緒」
『う、うん。それだけじゃなくて……、渚緒の友達の子が、伝言されてたらしくて……』
「伝言……? 分かった、確認が取れ次第、こっちから聞いてみるよ」
その涼人の言葉に、里緒は途切れ途切れになりながらそう答える。
その里緒の言葉に涼人が首を傾げると、突然里緒が泣きそうな声で言った。
『うん。……涼人ぉ、もしも、もしもだよ?』
「それ以上言わない! ……そんな事にならないように、僕達がいるんだし、絶対に助け出すから!」
『う、うん……』
「じゃあ、切るよ? ……大丈夫、絶対に大丈夫だから!」
そんな里緒の言葉を遮って、涼人は怒鳴りつける。
そして、里緒が頷くのを待って、涼人は最後に一言里緒を安心させるように声をかけて、電話を切った。
「……警視、確認、取れました。……その……」
「……分かってる、攫われた少女の名前、高原渚緒って言うんだろ? ……この事件、僕達が受け持つよ、異議、ある?」
それを待っていたかのように、部下の一人が何とも言い辛そうにしながら口を開く。
その部下の言葉を先回りして言って、涼人は続けてそう言う。
その涼人の言葉に異議を言う部下が、いる訳が無かった。
「……ん……」
一美が瞳を開けると、そんな一美を取り囲むようににやにやと下卑た笑みを浮かべる男達が映る。
そんな状況に一美は一瞬呆気に取られるが、すぐに正気に戻ると慌てて後ずさった。
「あ、あなた達! 一体何も……っ!?」
「お、効いて来た効いて来た」
しかし、その言葉を言い切る事も出来ずに、一美は突然身体を跳ねさせる。
そんな一美を見て、男達はにやにや笑うと、一美の後ろに視線をやった。
「に、してもラッキーでしたよね、ボス!」
「……だな。まさか情報を探るために接触させといた部下に惚れるとは……」
「……え……?」
その男達の言葉を聞いて、一美は恐る恐る振り向く。
するとそこには、見覚えのある男が2人立っていて。
「た……高畑さん!?」
「……」
その内若い方の男が高畑一樹である事に気付き、一美は悲鳴じみた叫びを上げる。
すると、気まずそうに目を逸らした高畑の隣にいた中年の男が口を開いた。
「……言っておくが、俺は情報を探れと命じておいただけで、引っかけろとは一言も言ってないぞ?
……ましてや、探ってる相手に惚れろと言った覚えもな」
「っ!?」
「ボス!」
そう中年の男が言うと、一美は息を飲み、高畑は声を上げる。
そして、目が合うと一美は真っ赤になって俯き、高畑は苦虫を噛み潰したような表情になってそっぽを向いた。
「……ほら、さっさとやる事やっちまえ。俺が心変わりする前にな」
「……分かりましたよ」
そう、そんな高畑をせっつくように男が言うと、高畑は渋々と一美に近付く。
途端にびくり、と身体をすくませる一美に、高畑は頬をぽりぽりと掻いた。
「……一つだけ言っとくけどな、俺はあんたの事嫌いじゃない」
「……え? んっ!?」
そう高畑に言われて、一美は思わず固まる。その隙を突いて、高畑は一美に口付けた。
「〜っ! んん〜っ!」
高畑の舌が一美の口内を掻き回すと、一美はびくんびくんと身体を跳ねさせる。
そして、高畑が唇を離すと、一美はぐったりと脱力した。
「ぁふ、ふあ……」
「おーい? ……ちょっとばっかり、効き過ぎじゃないっすか? これ」
脱力したままひくひくと震える一美を見て、高畑は呆れたように後ろを振り向く。
すると、男はにやにやと笑いながら口を開いた。
「俺の経験からするとな、女も感じてた方が気持ちいいんだよ」
「……さいですか」
その男の返答を効いて、高畑はそう呆れたように答える。
そして、ぐったりと脱力したままの一美の服に手を掛け、上半身裸にした。
「……あー、やっぱり胸は無えか」
「そのくれー外見からとっくに分かってんじゃねぇかよ」
「〜っ!」
すると、周りで見物していた男達からからかうような声がかかり、一美は真っ赤になって胸を隠す。
すると、高畑がその男達に向かって口を開いた。
「うるさい、萎えるから黙ってろ」
「……」
そう言われて、男達が思わず黙り込むと、高畑は一美の腕をどかし、胸に手をやる。
そして、もう既に立ち上がっている胸の先端を強く摘み上げた。
「っ! 〜っ!」
「……やっぱ、効き過ぎだな、こりゃ」
その途端、一美は脳裏を駆け巡る強烈な快感に、背筋を反らしてがくがくと震える。
震えながらも必死に声を出さないように口を押さえる一美を見て、高畑は思わずそう呟いた。
そして、高畑が胸の先端から手を離すと、一美はその場に崩れ落ちる。
「はっ……! はぁっ……!」
「でもな、声聞かせるのも癪だが、聞けないのはもっと癪なんだよ」
「ひっ!?」
そして、そう呟くと、そのまま荒い息を吐く一美の胸の先端に高畑はしゃぶり付いた。
「ひうぁっ、ふああああっ!」
脱力した瞬間に胸の先端を吸い上げられ、一美は甘い悲鳴を漏らす。
ふるふると顔を真っ赤にして首を横に振る一美を見て、高畑は呟いた。
「……やべ、めちゃくちゃ可愛いんだけど……」
「ひううぅっ! く、くわえたまま、喋らないでくださいましぃっ!」
そう高畑が胸の先端をくわえたまま呟くだけで感じるのか、一美はそれだけで喘ぎ声を上げる。
胸への刺激だけで一杯一杯になっている一美の下の方へと、高畑は手を伸ばした。
「ひにっ……!」
「……うわ、すげ」
スカートに手を突っ込んでショーツ越しに秘所を触っただけで、一美は身体を硬直させる。
ショーツが役目を果たしていない程ぐちゃぐちゃになっている状況に、高畑は思わず呟いた。
「……いくら薬使ってるっつっても、これは相当だろ。……エロいのな? あんた」
「そ、そのような事言わないでくださいましっ!」
そう高畑が言ってやると、一美は真っ赤になって怒鳴り返す。
そんな一美を見て、高畑はにやり、と笑うと、手を動かした。
「ひゃあんっ!」
「……ちょっと手動かしたぐらいで鳴く女が、エロくねえとでも?」
その瞬間甘い悲鳴を漏らす一美に、高畑がにやにや笑いながら言う。
その高畑の言葉に、一美は真っ赤になりながら答えた。
「こ、このような薬を使っているからですわ! そうに決まっていますわよ!」
「……ほー、そうか」
そう一美が叫ぶと、それを聞いた高畑はにやにやと笑う。
そして、急に激しく秘所に触れている手を動かし始めた。
「ひにゃっ、はぅぅぅぅんっ!」
「じゃあ、自分がエロいと認めるまでずっと鳴かせ続けてやる」
「しょ、しょんっ、あっあああっ! や、やめへくらひゃいましぇ、ひああああーっ!」
異常なまでに敏感になっている秘所をぐちゅぐちゅと刺激され、一美は背筋を反らせて喘ぎ声を上げる。
そんな一美を見て、高畑は自分のSの部分が根こそぎ刺激されているような感覚を感じた。
「ひにっ、はふうぅぅぅぅっ!」
「……やっべ、目覚めるかも……」
びくびくと身体を跳ねさせ続ける一美を見ながら、高畑はそう呟いた。
……30分後。
「も、もう、らめ、れすわぁ……」
「……だったら、認めるか? 自分がエロいって」
2桁に届く数の絶頂に晒され、一美はびくびくと痙攣を繰り返しながらぐったりと脱力する。
そんな一美を見ながら高畑がそう言うと、一美は震えながら頷いた。
「み、認め、ますわ……。私は、えっちな子ですのぉ……」
「……よーし。それじゃあ、続き、しなきゃな」
一美がそう頷いて答えると、それを見て高畑はにやり、と笑って秘所から手をどける。
それに一美は一瞬ほっとするが、すぐに高畑は自身を一美の秘所に宛がった。
「……え?」
「……まさか、本当に俺が止めるとでも思ってたのか?
俺が奪わなきゃ他の奴が奪うこの状況で、本当に俺が約束守るとでも思ってたの、かっ!?」
途端に青ざめる一美に高畑はそう言い、一気に自身を一美の中に突き込む。
すると一美は、痛みとそれを遙かに上回る圧倒的な快感に翻弄された。
「!!!!!」
「……おいおい。まさか入れただけでイっちまったのか? ……こりゃあ、本格的にエロいな」
「い、言わないで、くださいましぃっ……」
硬直し、声も出せない程の絶頂に達する一美に、高畑はにやり、と笑う。
そしてそのままぐりぐりと奥の方を刺激してやると、一美はびくんびくんと悶えた。
「お、奥は、奥はらめれすのぉっ!」
「入れたばっかなのにもうこうとは……やっぱ、エロいよ、あんた」
そう言って、快感に悶える一美に高畑はにやり、と笑いかける。
そして、激しく奥を抉るように突いてやると、一美は身体を跳ねさせた。
「にゅうぅぅぅぅっ! は、激しすぎますのぉっ!」
「あー、そんなに気持ちいいのか? ……じゃあ、もっとしてやるよ」
首をふるふる左右に振って、快感を逃がそうとする一美。
それでも何とか高畑をどかそうとするが、その身体に力は全く入っていなかった。
「ふああああーっ! も、もうらめれすわ、壊れてしまいますのぉっ!」
「……壊れちまった方が、マシだぜ? どうせ俺の次はみんな纏めてあんたに襲いかかるんだ。
だったら今の内から楽しんでおいた方が、マシ、だっ!」
「きゃひいいいっ!?」
ふるふると身体を震わせながら言う一美にそう高畑は吐き捨てて、最奥に自身を思い切り叩き付ける。
その途端、一美はびくり、と身体を反らして絶頂に達し、それを見た高畑はにやり、と笑った。
「……ははーん。あんた、ここが一番弱えんだな? なら!」
「きゃうっ!?」
そう言うと、高畑はいきなり一美を抱き上げて、正面から抱き締める。
それに一美は一瞬驚愕の表情を浮かべるが、すぐにそれは快感に塗り潰された。
「っぁ、ひぅあぁぁーっ!? こ、こりぇ、ふかすぎましゅのぉっ!」
「……やっぱ弱えんだな? 一突きごとにイってやがる……!」
下から突き上げられて、一美は意識が吹っ飛びそうな程の快感に為す術無く翻弄される。
高畑が指摘したように、一美は一突きごとに絶頂に達していた。
「ひゃぅっ、んひっ、ひにぃぃっ!」
「うわ、閉まるなこりゃ」
無茶苦茶な快感に、一美は必死に声を殺しながら高畑にしがみ付く。
きゅうきゅうと締め付けて来る一美の膣内に、高畑は表情を歪めて。
「……顔、見せろよ。イキまくってるだらしねー顔」
「え、ひゃ! ……や、やぁっ!」
すると、急に高畑はそう呟くように言い、しがみ付いていた一美を引き剥がす。
顔を見られないように一美は手で顔を覆うが、すぐに引き離されて押し倒された。
「や、やらぁっ! 見ないでくださいましぃっ!」
「……何でだよ、あんたのアクメ顔、凄え可愛いのに」
真っ赤になって顔を隠そうとする一美を押さえ付けて、高畑は一気に腰の動きを激しくする。
急に強まった快感に、一美はとろけ切ったような表情を隠せなくなり……、
「……ちっ!」
「ひみいぃぃいぃいぃぃっ!!!」
叩き込むように放出された欲望に、一美は意識を半ば吹き飛ばされた。
これで終わりです。
今回は怪盗(の支援者)が捕まってあんな事こんな事をされてみましたw
……本当は輪姦も入れる気だったんですが、詳しく書いて行ったら一美が可哀想になりましたorz
それよりは早めに切って伏線めいた風に使った方がいいなと思いまして。
GJ!
まあ、無粋を承知でいってしまえば、身内がかかわってる事件ではその刑事は担当から外すのが当たり前かと。
感情的になりますし、そのせいで被害拡大って可能性もありますしね。
しかしスパイ目的で入り込んだ男に惚れて、男のほうも惚れるとかどんな偶然なんだ(w
状況見ればものすごく緊迫した最悪の展開なのに、なんか二人のやり取りに和んでしまったぞ。
…ていうか一美、いくら薬使われてるとはいえ状況理解してるんだろーか。
GJ!
だが敢えて言う!
……一美の輪姦凄く見たかったw
現場には無縁で無敵っぽい澄ました性格の娘が、圧倒的な現実の暴力に屈する姿を
見たいと思うのはエロパロの原動力だよね
>>346 ナカーマ
でも、気が向いた時にサイドストーリーとして投下してくれるに決まってるじゃないか
ねっ? ねっ?
このスレは甘っちょろいからな
甘っちょろいもんね
甘っちょろいか〜
和気藹々としている、と言おうぜ(w
スレごとに味があり、このスレはこういう味が持ち味なんだし。
しかし最近思うんだが、商業であんまり怪盗ものを見かけない気がするんだ。
凌辱が足りないな
確かに足りないな。大抵がハッピーエンドだし。
もっとこう、捕まって泣き叫びながら犯されるタイプの話が・・・
まあ、今のところ読み手側が注文つけられるほど書き手さんは多くないからね、そもそも完結作自体少ないし。
AM氏はその手の描写は苦手らしいし、38氏は純愛モノ。
アンバームーンとかは最後以外は結構ガチだけどね。
まあ、結論としてはだ―――新人の書き手さん大歓迎ってことさ。
>>354 個人的にはAM氏や38氏のガチ陵辱とかリンカーンとか獣姦を読みたいけどなw
新しい作家さん来て欲しいね
できれば陵辱得意な
アンバームーンの人は陵辱モノ得意そうだけどなぁ…。
また書いてくれないかな?
>まあ、結論としてはだ―――新人の書き手さん大歓迎ってことさ。
全然関係ないけど
―――
↑これが気になった
358 :
AM:2008/11/25(火) 10:40:43 ID:mxq7Oj/C
スレの皆様お久しぶりです、またしても長らく投下できず申し訳ありませんでした。
なんとか続きが書けましたので今夜にでもAMUの第四話を投下しますと予告をば。
いよっ!待ってました!
千両役者!保守!!
予告の時間はまだか!?
この時期全裸は寒い・・・
363 :
AM:2008/11/26(水) 02:12:43 ID:mQ+qXET5
では予告通りに投下します。
ひょっとしなくてもこの作品も十話をこえるのは間違いなさそうな勢い。
AMU第四話です。
遅れましたが、アンバームーンの作者さん完結おめでとうございます。
キャットシーフ最終章や新作のミルキーも期待してます。
フィズの作者さんも帰ってこないかなぁ…
ホテルニノミヤ。
二宮財閥の所持する財源の一つで、高層ビルの立ち並ぶサクリファイスシティの中でも有数の高さを誇る建物である。
やや一般人には敷居が高く、政財界や芸能界の有名人が宿泊に訪れることが多いこのホテルは
深夜だというのにその存在感を闇の中でハッキリと主張しながらそびえ立っている。
そして半分以上のフロアから光が消えている中、いくつか光源を残す一角。
宿泊専用階である十八階の窓ガラスに一つの影が張り付いていた。
人の形をしているその影は手に持ったピッキングツールを駆使し、あっという間にヒト一人通れるくらいの穴をガラスの隅に開ける。
そのまま人影は静かに開けた穴から侵入し、周囲を警戒するように見回した後そっと壁に背を預けた。
「……ふう、まずは侵入成功っと」
ホッと息をつきながら人影―――怪盗アクアメロディはコスチュームの上着を持ち上げる豊かな膨らみを撫で下ろした。
そうすることで、久々の怪盗仕事にやや緊張していた心が少しずつ落ち着いてくるのを感じる。
予告状を出していないため警察の警備はなく、高層階への侵入とはいえ難度は低め。
しかも深夜というガードの緩い時間帯での行動。
条件的には侵入者側に有利な材料がそろっている。
それだけに失敗が許されず、ブランクを不安に感じていたのだがそれも心配ないようだ。
だが、月夜に浮かぶ女怪盗の顔に油断の文字はない。
侵入はほんの前段階に過ぎず、本番はこれからなのだから。
「人気がない……今のところは情報通り、か」
脱出用の道具を入れたリュックを隠した後、周囲を警戒しながらふかふかの絨毯敷きの廊下を歩いていく。
足音がたたないのは好都合だった。
怪盗少女はするすると薄暗い道を進んでいき、目的地へと近づいていった。
最終ゴールはこのフロアに存在する185号室。
そこにフレイアを所持している火野溶平が宿泊しているはずだった。
「けどこんな高級ホテルのワンフロアを全部貸切にしてるだなんて……」
確かにこのフロアは一般人も利用できる程度の宿泊費ではあるが、それでもかなりの出費を必要とする。
だが、火野は出所してからまだ約一ヶ月の身。
ずっとこのフロアを貸切にして自身の根城としているのは明らかに不自然だった。
ただの放火魔であった火野が出所直後に大金を所持しているはずもない。
にもかかわらず、彼は平然とこのホテルを利用し続けている。
ここから考えられるのは、資金を提供している何者かの存在だ。
警察もそのあたりの線を探っているのだが、今のところ有力な情報は集まっていなかった。
(火野にお金を渡している誰か……それが今回の黒幕の可能性が高い)
今回のアクアメロディとしての第一目標はフレイアの奪取。
しかし、盗まれた残りの五つのエレメントジュエルの在処がわからない今、手がかりは火野にしかない。
フレイアを取り上げた上で火野を無力化し、情報を聞き出す。
それが最良にして最大の結果である以上、今回のミッションにミスは許されない。
仮面の下に緊張を隠し、美音は慎重に、かつ大胆に行動を進めるべく静まった廊下を前進する。
(……? 何なの、この匂い……)
次の廊下を曲がれば目的の部屋といった位置まで進んだところで鼻に漂ってくる異臭。
何かが燃えるときに発生する焦げっぽい臭いが廊下の向こう側から微かに漂ってくる。
火事、という線は流石に考えにくい。
フレイアが暴走して部屋が燃えているという可能性はあるが、それならば当の昔に大惨事になっているはずだ。
目的地に近づくにつれ、むわっとした熱気が美音の肌に纏わりついてくる。
「扉が……開いている?」
辿り着いた火野の部屋の扉は無用心に開け放たれていた。
開いた扉の向こう側からは異臭と熱気が噴出し、陽炎すら見えてくるようだ。
あからさまに怪しいが、今更引き返すわけにもいかない。
できるだけ気配を消しながらドアのすぐ傍まで忍び寄り、ゆっくりと深呼吸。
もはやドア近くの暑さはまるでサウナのようですらあり、容赦なく少女の身体から水分を奪っていく。
年齢にそぐわない色気を発するうなじの上を、何滴もの汗がつうっと流れていった。
(人の気配はある。間違いなくこの部屋の中に火野はいる……!)
熱さだけではない、緊張からの汗が背筋を伝い落ちていく。
この先にいるのは異能の力を振るう犯罪者であり、気を抜けば即座に殺される可能性すらある。
脳裏に浮かぶのは躊躇なく不良たちを火達磨にした火野の狂気に満ちた瞳。
その中に見えたのは、半年前にエレメントジュエルを巡る事件で遭遇した木野や塔亜兄弟と同じ悪意の色だった。
(大丈夫……あの木野や塔亜兄弟にだって私は勝った。怪盗アクアメロディは、フレイヤを取り戻してみせる!)
早鐘のように鼓動する心臓を胸の上から押さえながら、空いたほうの手で上着のポケットを探る。
取り出されたのは小型の発煙筒だった。
勿論、中から出てくるのは煙ではない、無臭透明の眠り薬のガスだ。
例え火野が異能の力を扱おうとも、基本的な身体能力は人間のそれに依存する以上薬の効果には逆らえない。
美音は静かに発煙筒を部屋の中に転がし、ガスが蔓延するのを待った。
待つことしばし、五分ほどの時間が経過する。
(……そろそろかな)
特別製の睡眠ガスは三分ほどで空気に溶け込んで無害になる作りだ。
効き目は十分に高いため、効果のあるうちに一吸いでもすればたちまち眠りに落ちる。
それ故に、室内に誰かがいればその人間は現在間違いなく深い眠りについていることになる。
(油断は禁物。慎重に行かないと)
美音は慎重にドアの向こうを覗き込むと、そろそろと室内へと入り込んでいった。
が、視界内に人の影はない。
電灯が全て消されているため、無音の暗闇がそこには横たわっているだけ。
丹念に壁や天井を調べてみるも、罠や監視カメラが置かれている様子もなかった。
(ここには誰もいない……なら、奥の寝室に?)
物陰を移動しながら人の気配を探る。
やがて見つけた寝室へと続く扉はやはり開け放たれていた。
注意深く扉の向こう側の様子を探ってみる。
すると、うっすらとした光が見えてきた。
よく見れば、赤くゆらゆらと揺れる光がまるで侵入者を誘うように寝室から漏れている。
同時に、かすかではあるがスプリングがきしむ音と女性の声が聞こえてくる。
(睡眠ガスはちゃんと向こうの部屋にも届いているはず、なのにどうして人の声が―――)
「おい、そこにいるんだろ?」
「!?」
眠りについた人間しかいないはずの奥の部屋からの声。
驚愕から上げかけた声を美音は必死に喉の奥で抑え込む。
(……落ち着け、私っ!)
動揺を強引に抑え付け、即座に動けるように足を屈めて右手を懐に差し込む。
視界には人の姿は映ってはいない。
つまり、向こうからもこちらの姿は見えていないはず。
なのにどうして、いや、それよりも何故声の主は眠りについていないのか。
思考を巡らせるアクアメロディだったが、そんなこちらの様子を見透かしたように声の主は更なる声を発してくる。
「安心しな、罠なんて張ってねえさ。まあ、こっちから出向いてやってもいいんだが……今はちょっと手が離せないんでねェ」
まるでこちらにいる自分を把握しているような台詞に疑心がわくが、この場での選択肢は限られていた。
引くか、進むか。
現状においてはその二択しか美音には選択肢がない。
(どうしたら……)
理由はわからないがこちらの存在がバレてしまっている以上、これ以上の前進は危険でしかない。
だが、ここで引けば次はない可能性が高い。
声の主は十中八九火野だろう。
ここで撤退を決断した場合、彼は今後追跡者を警戒し姿をくらませてしまうかもしれない。
ならばあえて火中に飛び込み、栗を拾うのが最善の判断だ。
元々リスクのない盗みなど存在しない。
何よりも、ここまでお膳立てされて引くのは怪盗アクアメロディの沽券に関わる。
(そもそも、この状況で逃がしてくれるか……前も後ろも危険なら、前に進むのが一番!)
相手の言うことを鵜呑みにはできないが、こちらも警戒している以上少なくとも不意打ちをくらう可能性は低いと判断できる。
エレメントジュエルの力は脅威だが、美音とて伊達に木野や塔亜兄弟との戦いを経験したわけではない。
異能の力は確かに強力無比だが、使用者を含めた観点から見れば絶対無敵というわけではないのだ。
扱うのが人間である以上、隙もチャンスもいくらでも作り出すことができるのだから。
「あなたは、火野溶平ね?」
「ああ、そうさ。もうシンキングタイムは終了でいいだろ? どうも顔が見えねえと落ちつかねえ。さっさとこっちに来いよ」
火野がいる寝室までの距離は十メートルもない。
だが、その短い距離の先はエレメントジュエルを持つ男がいると思うと緊張を隠せなかった。
距離を詰めるにつれて熱気が更に増し、サウナのような熱がコスチュームの上から少女の身体を蒸していく。
ぽたり……
一筋の汗が頬からカーペットへと流れ落ちるのと同時に、怪盗少女は寝室に足を踏み入れた。
「よう、待ってたぜ?」
「あんッ! ああうンッ……!」
「なッ、こ、これは!?」
軽い挨拶と淫らな嬌声、そして驚愕が交差する。
仮面少女の目に最初に映ったのは部屋の中央で燃え盛る炎だった。
カーペットやベッドに燃え移ることもなく、ただ人魂のようにゆらゆらと火の塊が空中で揺れている。
大きな焚き火といた程度のその炎の光は寝室を妖しく演出していた。
不思議なことに、その炎は何かを燃やしているというわけでもないのにそこに存在しているように見える。
そんな異常の炎の向こう側に火野溶平は待ち構えていた。
いや、待ち構えていたというのはやや語弊があったかもしれない。
何故なら、彼は臨戦態勢をとっていたわけではなく、ましてや逃げようとしていたわけでもなく。
――ただ、ベッドの上で裸の女性を交わっていただけなのだから。
「あ…ンッ! くぅんっ!」
裸体を惜しげもなくベッドの上で披露している黒髪の女性が長い髪を振り乱しながら男の腰の上で踊る。
その表情は恍惚によって忘我の狭間をさまよっているかのようだ。
睡眠ガスが効いているらしく、女性は時折脱力するように目を閉じかける。
しかし、そのたびに火野の突き上げによって意識を繋げさせられているという状態だった。
(……えっ、あの人は!?)
思いもよらぬ光景に一瞬呆然となるが、すぐに女性に見覚えがあることに気がつく。
彼女はよく雑誌に載っているグラビアアイドルだった。
髪型とスタイル、そして顔がどことなく似ていることから美音は何度か彼女の写真を見せられたことがあった。
「ひひっ、ちょうどこの女がここに泊まっていたんでね。お相手をしてもらっていたんだよ。
まあ、最初はキーキー抵抗していたんだが……今じゃこの通りさ」
「はぁうんッ! おおうふっ……ひあっ……ふあああああ!!」
火野が腰を強く突き上げるのと同時に女性は果ててしまい、くたりと力なく崩れ落ちていく。
眠ったのか、それとも快楽に気絶したのか。
よく見れば、キングサイズのベッドの上に裸の女性が他にも四人ほどグッタリと横たわって意識を失っていた。
その四人には見覚えはなかったが、全員美女と形容しても申し分ない容姿だ。
全員の身体のところどころには白い液体をこびりついていて、激しい性交の経過が窺い知れる。
焦げ臭い匂いの中に混じる性臭が鼻腔を刺激し、美音の処女としての潔癖さが嫌悪の感情を呼ぶ。
「いやあこのホテルはサイコーだな! いい女を調達するのにコトかかねえ」
「その人達に、何をしたの!」
「オイオイ、そんなこと聞くまでもないだろ? セックスだよ。ま、世間一般では強姦ともいうけどねぇ……ひひっ」
「なんて、ことを……!」
美音が激しい怒りを火野に対して抱いていた。
この男を野放しにするわけにはいかない、その激情が警戒心を忘れさせて女怪盗に足を踏み込ませかける。
しかし男は対面する少女の怒りをどこ吹く風とばかりに受け流し、火傷の痕の残る頬を歪めて笑った。
「怒るなよ。どうせすぐにお前さんもこいつらの仲間入りするんだからよぉ……
この前の公園じゃあ邪魔が入っちまったが今日こそは俺のモノになってもらうぜ、怪盗アクアメロディちゃん?」
「えっ……」
今にも飛び掛ろうとしていた怪盗少女の動きが反射的に止まった。
この男は対峙している人間がアクアメロディであることを、そしてその仮面の下の素顔を知っている。
その事実が美音の怒りの感情を一時的に封じ、再び警戒心を再燃させた。
思えば違和感は最初からあった。
開けっ放しの扉といい、火野は明らかに侵入者の存在を予め知っているような態度だ。
だが、予告状も出していないのにアクアメロディの侵入のタイミングを予測できるはずがない。
にも関わらず火野はこうして待ち構えていた。
これはつまり、自分がずっと監視されていたことを示しているわけで。
「そんなに驚くことじゃないだろ? 俺の後ろに黒幕がいることくらいはもうわかっているはずだしなァ?」
「……ッ、誰なの!? 誰が、エレメントジュエルを……!」
「さぁて、ね」
知らぬ間に監視されていたという恐怖と嫌悪感、そして危機感が少女の身体中を駆け巡る。
それでもなんとかしぼり出した質問に、しかし火野はニヤニヤととぼけるばかり。
「ま、どうしても知りたいってんなら……服脱いで踊ってくれたら考えてもいいぜ、俺の腰の上でなァ! ひっひ……ひ!?」
バシュンッ!
馬鹿笑いに口を開きかけていた男の右手が突然大きく後方に弾かれた。
ジンジンと痛みが手の甲を襲い、火野は呆然と己の右手を見やる。
赤く染まる手の甲は明らかに何かに撃たれた痕を残していた。
「次は、手じゃないわ。それに、威力もこんなものじゃ済まさない……ッ」
「ッてぇな……何かと思えば水鉄砲か。おいお嬢ちゃん、俺を嘗めてんのか?」
からかう様な口調の火野。
怪盗少女の手には抜き放たれた圧縮水銃、いわゆるウォーターガンが握られていた。
火野の手を弾き飛ばしたように、改造されたその銃の殺傷力は見かけによらず高い。
普通の銃のように貫通力こそはないが、圧縮されて打ち出された水は下手なゴム弾よりも威力がある。
勿論火野もそれくらいは見通していた。
だが、それでもなお放火男は余裕の表情を崩さない。
「大方この前ので火に対抗するには水とか考えたんだろうが、そんなモンで俺を倒せるとでも?」
「フレイアを渡しなさい!」
「聞いてねェし……いいぜぇ、撃ちな。ただし気をつけるこった。一撃で仕留められなかったら罰ゲームだ」
あくまで優位を確信している敵に女怪盗の焦燥がつのる。
だが、いかに宝石の力で身体能力が増していようとも、水圧弾を受ければ無事ではすまないはずだ。
この至近距離ではかわすも容易ではなく、状況は間違いなくこちらが有利。
「……このッ!」
痺れを切らしたのはアクアメロディのほうだった。
ふらりふらりと右手を胸の前辺りで振る火野の額を狙って水圧弾が撃ち放たれる。
弾道は狙いを外すことなくベッドの上の男へと直進。
しかし着弾するその刹那――弾が爆発した。
「きゃあ!」
シュウウゥッ!
水蒸気が白い霧となって男の姿を覆う。
美音は何が起こったのかわからず目を瞬かせた。
やがて、霧が晴れていく。
そこに見えたのは、無傷でカラカラと笑う火野の姿だった。
「だから言ったろ、そんなもんじゃ俺は倒せないって」
「そ、そんな……どうして」
「ひひっ、燃やしただけだよ。俺の火でなァ」
平然と言い放つ男の声に愕然する。
水蒸気の発生から考えて、火野が行ったのは高熱での水圧弾の蒸発。
だが、それを一瞬で行うにはどれだけの熱量が必要なのか。
(ううん、エレメントジュエルの力なら……だけど、こんなことって……!)
木野や塔亜兄弟との戦いで思い知っていたはずなのに、それでもまだジュエルの力を軽視していたのか。
予想していた以上にフレイアの力を引き出している敵に、怪盗少女の心が揺れる。
「ようやくわかったようだな、力の差ってヤツを……それじゃあ、罰ゲームだな」
動揺に打ちひしがれる少女に向けて指鉄砲を構える火野。
勿論その指には輪ゴムすらなく、何の脅威も見当たらない。
だが、まっすぐに伸びた人差し指の先にかすかな火が灯り。
「バンッ!」
「きゃッ……!」
掛け声と同時に、パチンコ玉くらいに質量を増した火球が発射された。
動揺から反応が遅れた美音に火の弾丸をかわす暇はなく、咄嗟に両手を顔の前に差し出して防御する。
高速で飛来する火球はコスチュームの左胸についている『♪』マークに着弾した。
刹那、少女の身体を貫通することなく破裂した火球は爆発的に燃え広がり。
――抵抗する間もなく、アクアメロディの身体は炎の渦に包まれた。
371 :
AM:2008/11/26(水) 02:33:12 ID:mQ+qXET5
投下終了。
わかっちゃいるけど気がつけば描写が冗長になってしまう…
他の職人さんのコンパクトさに憧れます。
死亡確認!って声が頭に響きました。
今までになく攻撃的な敵の前にアクアメロディはどうするのか。
まあ、存分にエロい目に遭ってくれれば本望です。
GJすぎる!!
つ、続きを!エロい目に遭う続きを早く!!
G、GJ!
続きが気になる…
でもTMも待ってます
ちょっ、いい所で切りすぎw
住民が風邪引かないうちに続きを!w
やべ、、、
風邪引いたかも、、、
全裸待機も程々にな、、、
378 :
AM:2008/11/29(土) 21:21:43 ID:S4yTubzH
怪盗はどんなに脱がされてもなぜか絶対風邪は引かないのが常。
AMU第五話投下します。
「ひひッ……」
眼前で女怪盗の全身が火に包まれている光景を火野溶平は恍惚の瞳で見つめながら、思う。
まったく、凄い力を手にしたものだ―――と。
生粋の放火魔である火野は警察に捕まる前、ありとあらゆるものを燃やしてきた。
生物であるか否か、金銭的価値の有無、老若男女の区別。
その一切を気にすることなく放火を繰り返す日々。
しかしそんな快楽の日々も警察に逮捕されたことで終わりを告げる。
監獄の中は地獄だった。
何かを燃やすこともできず、自身が燃え盛るための女もいない。
朱の宝石を差し出す『彼』が現れたのは、出所直後のことだ。
宝石の、フレイヤの力に魅せられた火野は歓喜した。
この宝石があればなんだってできる、警察にだってもう捕まらないのだと。
そしてその後、放火魔は再び犯罪の道に舞い戻った。
出所前と違うのはただ一点。
放火だけだった犯罪の中に強姦、という項目が加わったということだった。
「そう、ムショに入った俺は女の大切さってヤツを実感したね。女……とりわけイイ女は火で燃やすなんて勿体無い」
パチン、と火野は指を鳴らす。
そしてそれを合図にアクアメロディを覆っていた炎の渦がパッと弾けとんだ。
「あ、あれ、私……?」
中から出てきたのは無傷の女怪盗の身体だった。
炎に包まれていたにもかかわらず、その艶やかな肌には火傷一つすら見当たらない。
しかし、異常は次の瞬間に起こった。
まず、ウォーターガンが発射口のほうから水飴のようにドロリと溶け落ちていった。
更に、高熱に焼かれた紙や布がそうなるように、アクアメロディの肌を覆っていた服がボロボロと崩れ落ちはじめたのだ。
耐火機能のあるはずの上着が、丈の短いスカートが、乳房を覆うブラジャーが黒く炭化してカーペットの上に降り積もっていく。
「えっ……あっ?」
顔を庇ったままの両手の隙間から自分の身体を見下ろした美音は目に映った剥き出しの生乳に戸惑う。
恥ずかしさよりも先に感じたのは困惑だった。
炎に包まれたはずなのに身体には火傷一つなく、痛みもない。
なのに身に纏っていたコスチュームが炭化して床に積もっている。
そんな異様な光景に、さしもの怪盗少女も状況を忘れて思考を止めてしまう。
ふるんっ。
硬直する思考とは反対に、衣装の下から現れた乳房がプリンのように細腕の下で柔らかそうに大きく弾んだ。
「おおっ……意外に見事なパイオツ持ってるじゃねぇか」
弾力と張りを兼ね備えたEカップに届こうかという美巨乳が、呼吸と共にプルプルとたわんでみせる。
少女の硬直をいいことに、火野は身を乗り出してベッド向こうの裸体を観察し始めた。
重力に逆らい真正面に突き出したバストの先端では、淡いピンクの乳輪に囲まれた小さなさくらんぼが
突然外気に晒されてビックリしたとばかりにヒクッと一度だけ震える。
胸の真ん中に形作られた柔谷間では、熱気に蒸れた肌から噴き出した汗が流れ集まり小さな泉を形成していた。
ツツッ……
乳房が下着からの解放で左右へと僅かに開き、溜まっていた汗がくびれた腰へと流れ落ち、可愛らしいおへそへと降っていく。
女怪盗のおっぱいを堪能した放火魔は視線を下げる。
丸裸にされた上半身とは違い、下半身はスカートを失っただけだった。
覆うものがなくなった純白のショーツはやはり汗を吸い込んでいてややその表面積を縮めている。
黒のニーソックスと下着の間に挟まれる形になっている肉付きのいい太ももは体温の上昇に伴い、薄桃色に火照っていた。
うっすらと霧のような汗が浮かび上がっている健康的な腰下のラインは、正に男を誘う誘蛾灯のようだ。
「こりゃあ予想以上にそそるカラダだな……」
つい先程まで散々美女美少女を抱いたにも関わらず、火野は自分の男根がそそり立ってくるのを感じていた。
男の欲望の発露に羞恥心がようやく追いつき、仮面少女の素顔にパァッと朱が散る。
「あ、やっ……きゃあぁぁっ!?」
目の前の男にショーツ一枚の姿を晒していたことに気がついた半裸怪盗の恥じらいの悲鳴が迸った。
発育の良い身体をすぐさま傍にあったソファーの後ろに隠すも、折角良い気分で見物していたモノを隠す行為を火野は許さない。
男は先程と同じように指鉄砲をソファーに向けると、瞬時に少女を隠していた邪魔物を灰へと変える。
「う、嘘……」
後ろ向きで身体を掻き抱くようにしゃがみこんでいた美音はその理不尽なまでのフレイヤの力に目を見張る。
自分をスッポリ覆い隠せるほどのソファーが一瞬で灰に変えられる光景。
それは常人の戦闘意欲を削ぐのには十分なインパクトといえた。
「おっ、イイ形の尻だなァ」
「ふ、ふざけないで……ッ」
それでも美音が萎縮しなかったのは、火野に自分を焼く意思がないとわかっていたからだ。
やろうと思えばさっきの一撃で自分は焼死させられているはず。
なのにそれをせずに服だけを燃やしたということは、放火魔は生かしたまま自分を捕らえるつもりなのだ。
捕まれば勿論一巻の終わりだが、相手が即殺を目的にしていない以上勝機は残っている。
可能性が少しでも残っている以上は諦めない。
それは怪盗アクアメロディとして活動すると決めたときから水無月美音が胸に秘めている信念だった。
「ひひ、そんなにトガるなよ。このメスどもはすっかり眠りこけて二人きりだ、楽しもうぜェ?」
「お断りよッ」
男から目を離さずゆっくりと立ち上がる美音。
交差した両腕で胸を隠しながら後退するその姿はか弱く怯える少女のようで、しかしその実眼光に諦めは見えない。
「いいねぇいいねぇ、そうこなくっちゃ。折角の夜なんだ、長く楽しまないとなァ?」
腰の上に倒れこんでいたグラビアアイドルの少女を押しのけた火野は勃起したペニスを見せ付けるように立ち上がった。
初めて見る異性の興奮した生殖器に思わず目を奪われる。
ゴクリ、と我知らず息を飲み込んだ初心な少女はすぐさま慌てて目をそらした。
「ひひっ、純情だねェ。男のコレを見るのは初めてかい?」
美音の初々しい反応を楽しむ放火魔はベッドに沈む女性たちを掻き分けながら接近してくる。
近づかれた分だけアクアメロディの足が下がる。
裸の胸を隠す両腕に力がこもり、その奥でむにゅりと寄せ集められた乳肉がクッキリとした谷間を形作った。
その魅惑的な光景は、本人の意思とは無関係に男の目を楽しませる。
「近づかないで!」
「つれないねェ。でもいいのかァ? 取り戻したいんだろう、コレ?」
ホレ、と首に提げたネックレスを持ち上げる火野。
ネックレスの先には朱色の宝石が付いていた。
「フレイヤ……!」
「ほぅら、俺に抱かれていれば隙ができるかもしれないぜ……ェ!?」
「ッ!」
見せびらかすように宝石を手元で揺らす放火魔に、しかし美音がとった行動は突進ではなく逃走だった。
弾かれたように駆け出すショーツ一枚の怪盗。
そのあまりの潔さに呆気にとられた火野は、能力を使うことすら忘れ駆け去る背中を見送ってしまっていた。
やがて、揺れるヒップが視界から消えると逸物を勃たせたままの男はおかしそうに笑い出す。
「ひ、ひひっ……こりゃあ一本とられたな。成る程、流石に判断がいい」
感心を呟く男の声音には獲物を取り逃がした悔しさは存在していなかった。
代わりに浮かんでいるのは歓喜。
自分の力を見てなお、心折れず最善の行動をとった女怪盗の姿。
それは火野の心に興奮を生み出し、加虐心に火をつけてしまっていた。
「そうだ、そうこなくっちゃなァ」
シティに名を轟かせる怪盗が簡単に屈してしてまってはつまらない。
炎で包んだ時、裸に剥きながらも仮面を燃やさなかったのは獲物がただの小娘ではなく怪盗アクアメロディだったからだ。
素顔ならば既に過去の邂逅で一度見ている。
確かに素顔も美少女といえる顔立ちではあったが、興味があるのはあくまでアクアメロディという怪盗だ。
故に仮面だけは剥がすつもりはない。
ここまでお膳立てを整えておきながらただの女を犯すなど興ざめが過ぎる。
一度たりとも捕まったことが無い、不可侵とされているアクアメロディを犯すことにこそ意味があるのだから。
「鬼ごっこか……ガキのころ以来だねぇ。ひっひっひ!」
胸元のフレイアが輝きを発し、主の意思によってその力を開放する。
炎が火野の両手を中心に走り、部屋全体を包み込む。
その赤い海は壁から壁へと範囲を広げ、数秒後にはフロア全体を覆い尽くしていった。
「これでよし、と。さっき仕込んだ『火種』もすぐに燃え出すだろうし……さァて、鬼が今行くぜェ」
紅蓮の炎の中で欲望を剥き出しにした男がゆらりと動いた。
「んっ……」
きゅ、と布の端と端を背中で結び、テーブルクロスで作った簡易下着の出来を確認しながら、美音は立ち上がる。
反動でたぷんっと弾む豊かな乳房の動きが即席の下着の頼りなさを物語るも、今は贅沢を言える状態ではないため我慢する他ない。
他に残っている衣服はワンポイントリボンが可愛いパンティと、足を覆うニーソックス、そして素顔を隠す仮面だけだ。
大事な部分だけはかろうじて隠れているが、半裸同然の格好であることに変わりはない。
動くたびにどうしても揺れてしまう身勝手なバストに赤面しつつ、女怪盗は廊下の影から周囲に気を配った。
逃げ出してから既に数分が経過している。
今頃火野は当然のごとく自分を追って来ているだろうが、捕まるわけにはいかない。
(とにかく、距離をとらないと……こっちが視界に入ったらアウトね)
フレイヤの力はある程度理解できていた。
肝心の能力だが、どうやら放たれる火は燃やす対象物を火野の任意で選べるようだ。
コスチュームが消し炭になったというのに、肌には火傷一つないどころか熱さすら感じなかったのだからこの推測は間違いないはず。
おそらく睡眠ガスが効いていなかったのもその能力によるものだろう。
一見脅威の能力だが、前後の動作を見る限り火が出るのは手からだけのようだ。
ということは、両手さえ封じてしまえば勝機は見えてくるということになる。
そうなると、一番いいのは死角からの奇襲だろう。
こちらに気づかれないうちに接近してしまえば火を出す暇はないはず。
そういう意味では、先程逃走という手段をとったのは決して間違いではなかったと言えよう。
例え火野に隙があろうとも、自分が視界内に入っていたあの場で飛び掛っていたら返り討ちにあう確率は高かったのだから。
(問題は、どうやって気づかれないように近づくかだけど……)
このフロアは火野の部屋以外が空室のため、遮蔽物や隠れ場所は多い。
つまり、身を潜めて火野の不意をつくだけならばそれほど難しくはない条件下なのだ。
ただ、そんなことは勿論火野も承知のはず。
当然のことだが、奇襲を警戒している相手に奇襲を仕掛けるのは困難を伴う。
ましてや、向こうと違いこちらは見つかっただけでアウト。
(本当は脱出するのが一番いい選択なんだろうけど)
そうもいかない、と溜息をつく。
いかに勝ち目が薄かろうとも、火野をこのまま野放しにするのは女としても怪盗としても許せないことであった。
そして、凶行の原因がエレメントジュエルにあるというのならば尚更。
それに、とすぐ傍の階段口を見つめる美音。
そこでは、炎の壁が階段へと続く通路を塞ぐように立ちはだかっていた。
見れば窓にも高熱の赤色が纏わりついている。
この分ではフロア全体の窓や上下階への移動口に同じ現象が起きているに違いない。
つまり、炎を生み出している男は獲物をこのフロアから逃がすつもりがないのだ。
「やるしか、ないのよね」
グッと拳を握り締め、少女は決意を新たにする。
まずは待ち伏せする場所を決めなければならない。
隠れる場所を物色しようと視線を走らせようとし。
―――しかしその次の刹那、怪盗少女の目の前に火の玉が派手な音を立てながら着弾した。
「み〜つけたァ〜」
「くっ……」
驚愕に振り向いた先、そこにはいつの間にか火野の姿があった。
何故見つかってしまったのかという疑問が頭をかすめるも、この場にいるのはまずいという危機感が身体を動かす。
脱兎、という形容が相応しい勢いで再び半裸の臭所は駆け出した。
しかし意外なことに火野はそれをニヤニヤと見送り、追う素振りを見せない。
「逃げろ逃げろ、鬼ごっこはそうでなくちゃな。だが、あんまり時間をかけてると手遅れになっちまうぜェ、ひひっ」
背中にかけられた台詞に美音は顔を歪める。
アクアメロディは狩られる側で、自分は狩る側。
そう放火魔の男は確信しているのだ。
(今に見てなさい……その余裕に満ちた火傷顔、蹴っ飛ばしてあげるんだから!)
今はまだ一方的な狩りだが、絶対に立場を逆転させて見せる。
愚劣な男への勝利を誓い、怪盗少女は唇を噛み締める。
だが、彼女は気づいてはいなかった。
何故火野はこうも簡単に自分を見つけることができたのか。
そして、最後にかけられた言葉が何を意味しているのか。
まだ、気づいてはいなかった。
385 :
AM:2008/11/29(土) 21:35:32 ID:S4yTubzH
投下終了。
フレイヤの能力は割とバレバレな気がしますが、気にしない方向で。
GJ!!
アクアメロディが狩られて食べられてしまう瞬間が待ち遠しい!
>>385 十七秒で対抗プログラムを組んで、0コンマ4秒の隙を突くんですね。分かります
GJです!
つまり、フレイヤの能力を使ってエロいことをするんですね!!
GJッ!
390 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:45:57 ID:zjFTnxvQ
キャットシーフ最終章、第4話をお届けします。まずは返信から。
>普通は被害者の家族がその事件担当する事は無い
……言わないでください、そもそも話が始まらなくなるorz
>輪姦見たい
……ネタはあります。でも書けませんorz
書きながらキャラに感情移入して行く方なので、泣き叫ぶ一美とか、マジで精神が持たないorz
では、次から投下します。
391 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:46:10 ID:zjFTnxvQ
「……それで、その女の人は何て言ってたの?」
「え〜っと……れい……れい……」
そう涼人が聞くと、渚緒の友人の少女は必死に女性に言われた言葉を思い出そうと首を傾げる。
なかなか思い出せないその少女に、涼人はそれでも何か閃く物を感じて、口を開いた。
「……『レインボーキャット』?」
「あ、うん、それー! えっとね、だれだかしってるんだってー!」
そう涼人が言うと、その少女はこくんと頷いて、そう続ける。
その、まだ渚緒が攫われた事にも、事の重大性にも気付いていない少女の言葉に、涼人は思わず顔を顰めた。
「……」
「なおちゃんのおとーさん、どーしたの?」
そのまま黙り込む涼人に、渚緒の友人の少女はきょとん、と首を傾げてそう聞く。
そんなその少女を見て、涼人は慌てて顰めていた顔を元に戻すと、ぎこちなく笑いかけた。
「ありがとうね、もう、いいよ」
「うん!」
そう言って涼人がその少女の頭を撫でると、その少女はえへへ、とはにかむように笑う。
そんな少女を母親に引き渡して涼人が距離を取ると、横で話を聞いていたマリアンヌが真剣な表情で涼人に囁いた。
「りょーと、『レインボーキャット』って……」
「うん、5年前、僕が日本に行った時に受け持った事件だよ」
「やっぱり? ……うひゃっ!?」
そう言ったマリアンヌに、涼人は何処かさばさばとしたような表情でそう答える。
そして、いきなり右拳を壁に打ち付けた。拳が鼻先を掠めたマリアンヌは思わず悲鳴を上げるが、涼人はそれを全く気にしないで。
「……宣戦布告って訳ですか……? ……上等です。今度は、完膚無きまでに叩き潰す……!」
そのまま涼人は、搾り出すようにそう呟く。
もう涼人には、誰が渚緒を誘拐したのか、少なくとも指図したのが誰か、はっきりと分かっていたから。
「高橋天山、高橋文音ぇ……!」
392 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:46:37 ID:zjFTnxvQ
すると、急に涼人の携帯が鳴り出し、涼人はそれを手に取る。
電話をかけて来たのは、次に電話をかけようと思っていた相手で。
『涼人! 大変だ!』
「大山のおじさん! ちょうど良かった、今すぐやって欲しい事が……大変?」
大山の言葉を大して深く聞く事も無く涼人はそう畳み込むように言うが、大山の言葉を理解した瞬間、思わず聞き返す。
そして、大山が言った言葉は、涼人が思いもしなかった言葉だった。
『さっき高橋天山からここに電話が入った!』
「な……何ですって!?」
その大山の言葉に、涼人は心底驚いて叫び返す。
すると、大山はさらに涼人が驚くような言葉を続けた。
『電話の内容なんだが……、『レインボーキャット』の親友を犯していると、そう、言っていた』
「〜っ!」
そう大山から言われて、涼人は喉元までせり上がって来た悲鳴を必死に押し殺す。
その『レインボーキャット』の親友が誰を指しているのか、はっきりと分かったから。
「……5年前の勘違いからして、恐らくは一美さん……でしょうね」
『だろうな。……佐倉家に連絡を入れてみたが、連絡が取れないそうだ』
何とか5年前に高橋が口走った言葉を利用して一美を襲っていると解釈したように見せかけた涼人に、大山は頷く。
そして、ふと声を潜めると、涼人に聞いた。
『他の警官達にはそう伝えている。……やはり、里緒ちゃん、なんだな?』
「……ええ」
そう大山に聞かれ、涼人はもはや隠し通せないと悟り、これまた小声でそう答える。
その涼人の答えを聞き、大山は電話越しにも分かる程悲痛そうな声色で、口を開いた。
『やはり、か……。俺は、彼女をそう憎めないよ。彼女は、多分俺がいなかったお前、だろうからな』
「……僕も、そう思っています」
そう大山に言われて、涼人はそう答えた。
もし自分に警官になると言う道を示してくれた大山がいなければ、自分が『レインボーキャット』になっていただろうから……。
393 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:46:49 ID:zjFTnxvQ
「……行きますよ、シャルル君、マリアンヌさん」
「え、あ、はい!」
「りょーと、待ってよー」
電話を切ると、涼人はそう言って歩き出し、それをシャルルとマリアンヌは慌てて追いかける。
すると、涼人が突然、誰に言うともなしに呟いた。
「……ふざけるな……、絶対に許さない、何があっても……骨の髄まで……後悔……」
「……け、警視?」
「シャルルん、だめ!」
「うわっ!?」
そう、上手くは聞き取れないが、明らかに不穏な言葉を口走る涼人。
そんな涼人にシャルルが驚いたように声をかけるが、マリアンヌがそんなシャルルを慌てて止めた。
「何するんですか、マリアンヌ先輩!」
「今のりょーとに話しかけちゃだめ! ……戻っちゃってる!」
「……は?」
止めた際に思い切りマリアンヌに飛び付かれる形になり、シャルルはマリアンヌに盛大に文句を言う。
しかし、返って来たマリアンヌの答えに、シャルルは思わず首を傾げた。
「……戻ってるって……何がですか?」
「だから、昔のりょーとに!」
思わずそう聞き返すシャルルに、マリアンヌはもう一度そう叫ぶ。
その言葉を聞いて、シャルルは以前聞いた昔の涼人の話を思い出し、思わず息を呑んだ。
「……え、えっと……」
「黙っておいた方がいいと思うけどなー、シャルルんは」
そのまま、何を言っていいのか分からない、と言った風情で口を開くシャルルに釘を刺して、マリアンヌは涼人に向き直る。
そしてそのまま、マリアンヌはじゃれ付くように涼人にしなだれかかった。
「……何、するんですか」
「奥さんに会うまで、とりあえずあたしで落ち着いて貰おっかなーって思って♪」
急にマリアンヌにしなだれかかれ、涼人は半眼になりながらそう言う。
そんな涼人に、マリアンヌは心の底からの本心でそう返した。
394 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:46:57 ID:zjFTnxvQ
「……そ……んな……。一美が……?」
『うん。大山のおじさんが悪ふざけでそんな事言う訳無いから、まず間違い無いと思う』
涼人の言葉を聞いて、里緒は続く周りの人間が巻き込まれる事件に、思わず真っ青になる。
そんな里緒にいくつか付け加えるように涼人は言って、さらに続けた。
『……里緒。僕は日本に行こうと思ってるんだ。まず間違い無く向こうの本拠地は日本だろうから』
「私も行きたいけど……渚緒が……」
そう言った涼人に、里緒は親友と愛娘を心配する気持ちの板挟みになる。
そんな里緒を安心させるように、決心させるように、涼人は自分の推理を述べた。
『託児所から渚緒が誘拐された時、保育士さん達12人、全員眠らされてた。
そのせいで通報は事件発生から4時間も経ってからだった・
……僕ならとっくに高飛びして、合流してるよ。実際、可能でもあるしね』
「うん……涼人の事、信じるよ」
託児所と空港の位置関係、そして発着便の時間関係から、涼人は必ず文音が日本に逃げたと確信していて。
自信に満ちた声でそう言われて、里緒は涼人の言葉を信じると、1つこくり、と頷いた。
『それに、もしまだヨーロッパに残っていたとしても、手は、あるからね。心配しなくていいよ』
「……分かった。私は、信じるね。涼人が渚緒を助け出してくれる事を……」
そんな里緒をさらに励ますように涼人がそう続けると、里緒はようやく微かな笑みを浮かべてそう答える。
電話越しにその声色に気付いたのか、涼人はほっと安心したような溜息を吐いた。
『……マリアンヌさんの言った通りだよ。里緒と話してると、凍りついた心が溶けて行く……』
「……ふぇ?」
そして、溜息と同時にふと漏らすように呟いた涼人の言葉に、思わず里緒は首を傾げる。
すると、まさか聞こえるとは思っていなかったのか、電話越しに涼人が慌て出した。
『え、あ、今のは、その……、そ、それじゃあ、切りますね!』
「あ……ふふっ♪」
そのまま大慌てで電話を切る涼人に、里緒は思わず笑みを浮かべる。
しかし、涼人も里緒も、気付いていて故意に無視している可能性があった。
……それは、もう渚緒がこの世にはいないかもしれないと言う可能性だった……。
395 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:47:07 ID:zjFTnxvQ
「……うん、分かった。そう言う事なら俺達も協力出来るよ。任せておいてくれ」
『すみません……。……では、後はお任せしてもよろしいでしょうか?』
「ああ、もし奴らがまだヨーロッパに残っていたら、必ず捕らえてみせるよ」
『……ありがとうございます。では、これで……』
涼人からの電話を切ると、レイザル王国警視総監瞬・レイザルはふ、と溜息を吐く。
すると、急に総監室のドアが開き、そこから女性がひょこっ、と顔を出した。
「瞬! こちらにいらっしゃいましたのね!」
「セシリア!? 駄目じゃないか、安静にしてなくちゃ! ……フルシアさんも止めてくださいよ!」
「……女王が、止めて聞くようなお方とでも?」
顔を出したレイザル王国女王セシリア・レイザルに、瞬は大慌てで立ち上がり、ソファへとエスコートする。
そのまま瞬は傍に付き従っているフルシア・ハーディクトにそう怒鳴り付ける。
しかし、表情1つ変えずにそうフルシアに返され、瞬はさらに怒鳴った。
「それでも止めてください! お腹の子に障ったらどうするんですか!」
「……それは少々過保護だと思いますが」
……そう、今セシリアは妊娠8ヶ月。そのセシリアを気遣って、瞬はそう言う。
しかし、その瞬の気遣いぶりに、フルシアは呆れ果てていた。
「過保護って、それを言うならフルシアさんは……」
「フルシアも瞬も、喧嘩はおよしになって、ね?」
そのまま口論になりかける瞬とフルシアを、セシリアは慌てて制止する。
瞬もフルシアもセシリアの事を大事に思っている事は確かだ。
ただ、瞬はセシリアをの事を溺愛し、フルシアは必要以上には干渉しないようにしているだけで。
「何でフルシアさんがそこまで放任主義なのか分からないよ!」
「……私にとってはあなたがどうしてそこまで女王を束縛するのかが理解出来ません」
……そんな2人が、セシリア絡みのことでこうなるのは、もはや日常茶飯事と言えた。
そんな2人を見て、セシリアが思わず溜息を吐くと。
「……あら?」
急に、総監室のドアがノックされた。
396 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:47:16 ID:zjFTnxvQ
「……はい、どちらさまですか?」
その音と同時に瞬とフルシアはぴたり、と口論を止める。
そして風のようにフルシアはドアへ、瞬はセシリアを庇う位置に立つ。
「あ、フェイルノートです。総監への小包が来ていたので、お届けに」
「ああ、フェイルか。俺への? 分かった、ありがとう」
そのままフルシアがドアを開けると、そこに立っていたのは瞬の秘書、フェイルノート・クヴァイルで。
フェイルは一瞬だけ驚いたような表情を浮かべるが、すぐに気を取り直すと、手にしていた小包を瞬に渡す。
そして、ぺこり、と頭を下げると、総監室から出て行きかけて、
「……ぁ……」
「?」
急にフルシアが声を漏らし、フェイルは一度振り向いてフルシアを見つめる。
しかし何も言わないフルシアに首を傾げると、今度こそ総監室を出て行った。
「……フルシア、どうかしたの〜?」
「まあ、フェイルも童顔だけど美形の方には入るし、そう言う事なのか?」
「だ、黙っていてください!」
そんなフルシアに、瞬とセシリアはにやにやと笑いながら視線を送る。
そんな2人の視線に、赤くなりながら思わずフルシアが顔をそむけると。
「まぁ、この話はとりあえず後回しにして、セシリアに確認取りたい事が……っ!?」
それよりも優先順位が高い用件を思い出して、瞬は何となく小包を開けながらそう言い……、
「伏せろーっ!」
そう叫ぶなり瞬は小包を思い切り窓に叩き付け、セシリアを押し倒す。
小包が窓を突き破って外に飛び出し、フルシアも2人の上に覆い被さり……、
閃光が、総監室を埋め尽くした。
397 :
38氏代理:2008/12/02(火) 23:47:28 ID:zjFTnxvQ
これで第4話は終わりです。
……また変なフラグ立ててどうするんだ俺orz
瞬が警視総監になっているのは、女王の婿が平の刑事とか、世間体的意味でまずいかな、と思ったからです。
では、新キャラ紹介を。
フェイルノート・クヴァイル
28歳 164cm 53kg
瞬の秘書をやっている男性。
事務能力などはかなり高いのだが、背が低い上に、かなりの童顔。
なので、パッと見には高校生、下手をすると中学生ぐらいにしか見えない。
第4話の2ヶ月前瞬と飲みに行った時に補導されたのはもはや伝説と化している。
盛り上がってきたな…
くっ!続きが見たくて焦るぜ!GJ!
続きが来ないな・・・どうしたのだろうかAM氏・・・・・。
年末で忙しいのだろう、なんだかんだいっても今年もあと19日。
と書いた瞬間 「今年も終わりかぁ…」としみじみ考えることしきり
>>385 今更だけどGJ!
おっぱいの描写がリアルですね
そういえば前クリスマススペシャルで投下してた香具師がいたけどまた来ていい作品かいてほしいな
ミニスカサンタの美音…gd!
404 :
AM:2008/12/13(土) 01:25:19 ID:0VPk/+9m
ミニスカサンタルックバージョンのアクアメロディになった美音が警備トナカイにぺろぺろ舐められたり
大股開きでソリに固定されて街中引き回しとか、煙突に胸を詰まらせて胸元ボタンが弾け飛びまくるとか
靴下で両手両脚を縛られてプレゼントにされてしまうとか……
そんなのは書きませんが!
AMU第六話投下します。
ただちょっと今忙しいので投下開始は二時くらいになる予定。
「きゃっ!」
ボゥンッ!
目の前に着弾した火球を咄嗟にかわすため、美音は体勢を崩しながらも足を左に踏み込ませる。
と、そこを狙い済ましたように飛来する二撃目の火球。
「くぅっ……ハッ!」
直撃コースだった火球を女怪盗は跳躍することで回避する。
体勢を崩していた状態でのジャンプだったため、丸みを帯びたヒップが天井にぐんっと突きあがるように浮き上がった。
激しい動きの反動に揺れ続ける双乳は、着地と同時にたっぷんと大きく上下に一揺れ。
即席の下着から今にも飛び出しそうな按配であった。
「ひひひっ、頑張るねェ」
続け様に撃ち出される火球を軽業師のような動きでかわし続ける美音。
火野の目的からして、放たれる火に直撃しても死ぬようなことはないと推測は出来る。
だが、人は本能的に自分の身に火が迫ってくれば逃げてしまう生き物だ。
例えあたっても大丈夫と頭の中ではわかっていても実行に移すことは早々出来はしない。
(どうして、私の位置が……ッ)
迫り来る火の脅威から逃げながら、美音は困惑していた。
先程から火野はこちらが逃走すればそれを追ってはこない。
当然、自分はその隙をついて身を隠す。
しかしどこに隠れようとも、火野は少し時間が経てばこちらを発見してくるのだ。
(発信器? ううん、違う……それなら、フレイヤの能力? でも、それなら……)
打つ手がない。
そう思いかけた美音は弱気になりそうな自分を叱咤した。
まだ足は動く、手も動く、頭も回る。
それなのに諦めるわけにはいかない。
「あッ!」
しかし考え事をしながら回避行動をとっていたのがまずかった。
怪盗少女は足をもつらせて転んでしまう。
当たり前のようにその隙を逃さない火野の火球が倒れこんだ美音を襲った。
「くううっ!」
だがそんな絶体絶命の攻撃をもアクアメロディは身体ごと横に転がることで回避する。
回転するたびに床に押し付けられる形になる下着越しの胸やお尻がむにゅむにゅとたわんでは元の形に戻っていく。
「おお、おお! 今のをかわすかァ!」
「はぁ……はぁ……」
感心したように手を叩く火野。
しかし賞賛を送られる立場の美音には余裕などない。
何せ逃走開始から敵の火球をかわすだけで精一杯なのだ。
これでは待ち伏せも奇襲もできはしない。
かといって真っ向勝負は自殺行為。
未だ心は折れていないものの、徐々に少女の胸の内では焦燥感の火種が燻り始めていた。
そして、もう一つの仕込まれた火種も。
(とにかく、火野から離れないと。こっちの居場所がわかるといっても時間はかかるようだし、休まないと体力が持たない……っ)
あまりの暑さに辟易する怪盗少女は体勢を立て直しつつ逃げ出すチャンスを窺う。
全身をフルに使って回避行動をとり続けていた美音の半裸の肢体は既に汗だくだった。
露出している大半の肌からは珠のような汗が浮き出ていて、火に照らされた少女の身体を輝かせている。
熱と疲労に火照り、ピンク色に染まりかけている白い肌は荒い息と相まってなんとも色っぽい。
汗を吸収した下着は上下ともピッタリと肌に張り付き、その下にある乙女の大事な場所を浮かび上がらせていた。
テーブルクロスで作ったブラジャーなど生地の薄さもあってか、乳首の桃色がうっすらと透けて見える始末だ。
(身体が熱い、今何度くらいあるのかしら……)
幸いにも火野の追撃は来ない。
特に蒸れがひどい胸元を涼ませようと美音はパタパタと胸の谷間を手のひらで仰ぐ。
そして彼女は気がついた。
散々動き回っていたせいか、自分の胸を覆う布地が今にも胸から取れそうになっていることに。
「あ……」
胸に巻きつけただけの簡易の下着は、激しい動きに連動してズリ上がってしまっていた。
おっぱいは三分の一ほど露出し、下乳は丸見え。
乳首こそはなんとか布の下に隠れているものの、もう少し動き回ればすぐに零れ出てしまいそうな状態だった。
「ひひっ」
「やんッ!」
先程から攻撃が止んだかと思ったら、火野は今にもポロリしそうな胸を見ていたのだ。
それに気がついた美音は慌てて布を元の位置に戻しはじめる。
「ひあ!?」
ぴくんっ。
その瞬間、布地を下げた手と全身をビクつかせて怪盗少女は悲鳴を上げる。
下げた布と乳首が擦れた刹那、なんともいえないくすぐったさに似た感覚が背筋に走ったのだ。
「な、なに……今の」
とくんとくん。
そのショックを引き金としたかのように、心臓の鼓動が激しく打ち鳴らされ始める。
表面にだけ感じていたはずの熱が、身体の内側からも出てくるような感覚となって少女を襲う。
突然の身体の変調に戸惑い、思わず自分の身体を見下ろしてしまう美音。
すると、そこでは自分の意思が命じたことでもないのに両脚がもじりと内股気味に擦りあわされているではないか。
「え、あ?」
「ひひひ、どうやら火種が燃え始めたようだなァ」
「ひ、火種? 何を言って……はう……」
きゅん、と胸とお腹の奥を締め付けるような甘い感覚に美音は腰が砕けた。
またしても擦りあわされようとする両脚を強引に静止し、怪盗少女はしっかりと足を開いていつでも動ける体勢を作る。
しかし女体の変調はもはや明らかだった。
足は開いても、純白の下着に包まれた腰がかすかにヒクつき始めているのが火野の目には映っていたのだ。
「最初の一発。あれは服を燃やすためだけじゃなかったってわけさ」
「わ、私に何を……」
「なァに、簡単なことさ。俺のフレイヤの能力は火で万物を燃やすこと。つまり、今の場合は……」
ニヤリ、とそこで火野は口元を吊り上げた。
「お嬢ちゃんの身体の内側を燃やしたのさ。勿論性的な意味でなァ!」
「なっ……キャッ!」
言葉を切るのと同時に火野の手から火球が飛ぶ。
不意打ち気味のそれを美音はかろうじてかわした。
だが、性感に火照り始めていた身体は思うように連続しては動かない。
足が腰から崩れそうになり、反動で弾む乳房が布と擦れあい、怪盗少女はまたしても総身をビクつかせてしまう。
「く……!」
「逃げるか。だがもうこうなっちまったら手遅れだぜェ?」
それでもなんとか両脚を叱咤し、美音は嘲るような火野の声を背後に駆け出した。
「ハァ、ハァッ! ここまでくれば……」
ぺたん、と崩れ落ちるように床に腰を下ろしながら大きく息を吐く。
現在自分がいる位置は先程交戦した場所から最も離れている客室。
仮に火野がサーチ能力を持っているとしても、やってくるまでには時間がかかるだろう。
ようやく一息つける形になった美音は、しかし自分の身体を見下ろして動揺した。
「そんな……」
ベッタリと汗で生乳に張り付いている薄布の下では、はっきりとわかるくらいに乳首が勃起しかけていた。
小粒なさくらんぼのような乙女の実は、今にも布を突き破らんと背伸びをしているように見える。
また、パンティに覆われている秘処も同様だった。
ワレメが視認できるくらいに張り付いた純白の布の下では柔らかな丘がひくひくと蠢いているのが見えてしまう。
「お願い、鎮まって……」
このままでは火野と戦うどころの話ではない。
細身の身体を抱きしめながら発熱を落ち着けようとする美音。
しかし、必死の懇願にも関わらず、休息を得て落ち着いたはずの乙女の身体は時間が経つごとに熱を増し、発情していく。
「んっ……だ、だめ」
胸に伸びかけた手を女怪盗は必死に制止する。
だが、主の意思を裏切るようにふらふらと宙を彷徨う両手は布に包まれた豊かな乳肉へと迫っていき。
ふにょんっ。
「ふあ!」
ただ触れただけだというのに、美音は首をのけぞらせて喘いでしまっていた。
右の手のひらが激しく鼓動する心臓を感じ取り、自身の興奮状態を知らせてくる。
これ以上はいけない。
それがわかっていながらもバストに置かれた指はゆっくりと柔らかな乳肉に沈み込んでいった。
「あッ……はん、ふっ……あんっ……」
ぷにっ、ふにっ。
白魚のような乙女の細指の動きにあわせてEカップ寸前のおっぱいがぐにぐにと弄られる。
そのたびに口からは吐息が漏れ、アクアメロディの快感を示していた。
「だ、駄目だっ……てば、私……ぃ」
このような状況で快楽を得るために己の身体を弄るなど言語道断だ。
しかも、いつ火野がやってくるかはわからない。
今はとにかく冷静になって善後策を考えなければいけないのだ。
(なのに……ああっ!)
完全に勃ちあがってしまった乳首が手のひらを掠め、それがまた美音に切ない疼きを与えてしまう。
布の上からということにもどかしさを覚えた右手が生の乳房を揉もうとブラの下に潜り込み始めた。
左手は、更なる快楽を得るべくすーっと下へと降りていく。
そこにあるのは純白の下着に包まれた女体でもっとも敏感な部分だ。
「やだ……ッ! 今、そこ触ったら……」
頭は必死に止めているというのに、首から下が全くいうことを聞かない。
胸だけでこの有様なのだ。
ここでショーツの下まで触ってしまったら、一体どうなってしまうのか。
恐怖と羞恥、そして僅かな期待を表情に浮かばせながら美音はイヤイヤと頭を振る。
しかし淫熱に犯された四肢はそんな少女の抵抗を嘲笑うように動き続け、そして。
「なァ〜にやってるんだァ?」
「ひあっ!?」
突然かけられた男の声に、下着のワンポイントリボンに触れようとしていた手が止まる。
「ひひっ、こりゃ申し訳なかった。いいところを邪魔しちまったかなァ?」
「え……やっ! やああァァッ!!」
揶揄するような火野の台詞に怪盗少女の羞恥心が爆発した。
全身を犯していた淫熱をも忘れ、美音は座り込んだまま後ずさる。
(み、見られた……ッ)
自分の身体を慰めていたところを見られるなど乙女にとって恥以外の何ものでもない。
しかも相手は犯罪者で、自分は正義の怪盗アクアメロディなのだ。
見られてはいけない、見せてはいけない光景を見せてしまった恥辱。
それは怪盗アクアメロディとしての少女のプライドを破壊するには十分なショックであり。
また、一人の女の子としての水無月美音を打ちのめすには絶大な効果を上げていた。
「いやァ、まさかあの天下の女怪盗アクアメロディがこんなところでオナニーをしてるとはねェ?」
「だ、黙りなさい……!」
火野の視線から逃げるように美音は更に後ずさっていく。
胸と股間を見せないよう、両手はしっかりと身体にまわしているものの搾り出した声に勢いはない。
何せ隠れている胸の先端では乳首が勃起していて、股間では恥ずかしい液が零れ始めているのだ。
今は隠していても、その前を見られたという事実が怪盗少女の覇気を蝕む。
「ひひ、シティのアイドルも一皮剥けばただの女だなァ。そんな必死に大事なトコを隠して、可愛いもんだ」
ゆっくりと近づいてくる火野に後ずさるしかないアクアメロディ。
立って逃げなければ。
そう頭ではわかっているのに直前まで性感に高まっていた身体は力が抜け切ってしまっていた。
ずりずりと少女がお尻を床と摩擦させながら後退するたびに、カーペットに汗の染み込んだ一筋の道ができていく。
「こ、こないで……」
あまりのショックに頭が真っ白になっていた美音はただ迫り来る男に怯えることしか出来なかった。
怪盗としての矜持も、エレメントジュエルを取り戻すという使命感も今の少女には存在しない。
そこにいるのはただ、貞操の危機に恐怖を抱く一人のか弱い少女だけだった。
「あっ」
「もう後ろはないぜェ? ほぅら、捕まえた」
「い、いやぁっ!」
壁に詰まった美音の身体が遂に男の手によって捕らえられる。
半裸の肢体がすぐさま押し倒され、艶やかな黒髪がカーペットの上に散らばった。
「や、やだッ、やあっ……あ!」
それでもなんとか逃げ出そうと暴れかけていた怪盗少女の動きが止まった。
火野がブラからはみ出ている生乳に吸い付いてきたのである。
「ん〜美味い! 流石アクアメロディは甘いなァ」
「や、やめっ……くふっ……う!」
チュウチュウとヒルのように吸い付いてくる男に嫌悪感が湧き上がる美音。
しかし上から押さえつけられる形になっている身体はロクに動かせない。
なすがままに女怪盗はキスマークがつくくらいの吸引を受けていく。
「……さぁて、こっちはどうなってるかねェ?」
「あ! そ、そこは……ン!」
下半身に男の手が伸びてくる。
その気配に美音は咄嗟に身体を硬くするが、放火魔の手は止まらない。
くちゅ……
「はぁ!」
一本の筋の浮かんだ下着の中央部分を触られた瞬間、感電したかのように怪盗少女のおとがいが仰け反った。
普段ならば滑らかな感触を触る者に与えるはずの純白パンティはすっかり汗と恥蜜によってぐっしょりと湿っている。
それはアクアメロディの身体が性欲に支配されかけていることの証明だった。
ハッキリ言って、最初の接触で達しなかったことは奇跡と言っても良い。
「ひひひ、びしょ濡れじゃねえか」
「ああ……はっ、はくっ、はぁん! 触ら………いで、そん……あッ!」
火野は乙女を守る最後の砦を更に濡らしてしまおうと指を動かし始めた。
シュッ、シュッと無骨な指が処女の聖域を往復するたびに美音は背中をビクつかせてしまう。
そして男の思惑通り、股間の蜜壷からはジュワッと恥液がわき出て行った。
(いやっ……このままじゃ……)
淫らに反応する自分の身体に恥らいながら、美音は何とかこの状況から逃れるべく思考を巡らせる。
まだ身体はかろうじて動いてくれるのだが、いかんせん火野が上にいる状態ではロクな抵抗が出来ない。
塔亜風見の時と同じような状況だが、あの時とは違い火野は密着状態で胴体にしがみついている状態。
これでは巴投げはおろか、足で蹴り上げることすら出来ない。
両手は自由に動かせるものの、女の細腕では男を押しのけることもできなかった。
「まだ抵抗の意思が残っているのか……流石は怪盗アクアメロディといったところか」
「はっ……くっ……うっ……ああ!」
「だが、それももう限界のようだなァ? ほゥら、快楽に身を任せちまえよォ?」
チュウウ! クチュッ、クチュッ!
肌の露出している上乳を目一杯吸われ、もっとも敏感な柔筋を責められ続ける美音。
既に怪盗少女は気をやらないだけで精一杯だった。
だが、そんな儚い抵抗も風前の灯。
うっすらと視界に靄がかかり始めている少女の陥落はもはや時間の問題であった。
「ひひ……コイツでトドメだ」
火野の口が薄布を押し上げている乳首へ、指がぷっくりと膨らんだ柔筋の上の恥粒へと迫っていった。
412 :
AM:2008/12/13(土) 02:18:19 ID:0VPk/+9m
投下終了。
もうなんか色々限界です(w
AM氏GJすぎるぜ…
早く続きが読みたい…
GJ!!
自慰を見られて恥ずかしがる女の子っていいね!
この話って本編の後の話だっけ?
GJ。しかし「性的な意味で」を見た瞬間に無条件で吹いたw
GJ!
しかし
>>404もツボ。これだけで男を磨ける
保管庫の中の人です
最近全然更新できてなくて申し訳ありません
修羅場真っ最中なのでもう暫く沈黙しますが
逃げたり死んだりしているわけではないので生暖かく見守る様お願いします
次レスからコピペ
421 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:54:30 ID:s/zPvGN0
第5話をお届けいたします。
……今回はややシリアスになったかなぁ、と思っています。
422 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:01 ID:s/zPvGN0
「……ぅ……っ!?」
痛みに顔を顰めてフルシアが目を開けると、目の前にフェイルの顔があって。
それにフルシアは驚いて慌てて距離を取ろうとすると、
「ぐっ!? ……〜っ!」
「……ん……?」
背中に激痛が走り、フルシアは声にならない悲鳴を上げて悶える。
すると、その物音で今まで眠っていたフェイルが目を覚ました。
「だ、駄目だよ起きちゃ!」
「セシリア様と、瞬様は……!?」
起き上がろうとするフルシアを見て、フェイルは慌ててそんなフルシアを止める。
そして、搾り出すように叫ばれたフルシアの言葉を聞いて、フェイルはそんなフルシアを安心させるように微笑んだ。
「大丈夫、お2人とも無事だよ。セシリア様はショックで流産されたと聞いているけれど……、
それでも、母子ともに命に別状は無いと聞いているから」
「そ、そう……」
そのフェイルの言葉を聞いて、フルシアはほっとしたように身体の力を抜く。
すると、ぷぅ、と頬を膨らませたフェイルが、ぐい、とフルシアに顔を近付けて、口を開いた。
「一番重傷なのは君なんだよ?背中一面にガラスの破片とかが突き刺さってたんだから。
医者の話では、いくつかは一生消えない傷になる可能性があるらしいのに」
「え、あ……」
そう言いながらどんどんと顔を近づけて来るフェイルに、フルシアは思わず赤くなる。
すると、急にフェイルはくしゃ、と表情を歪ませ、フルシアの首元に顔を埋めた。
「な、な、なーっ!?」
「……いる……んだよね? ここに……」
途端に真っ赤になるフルシアには構わず、フェイルはすりすり、とフルシアに擦り付く。
まるで本当にフルシアがいるのかを確かめるように擦り付きながら、フェイルは口を開き……。
「……良かった、いる……。大好きな君がいる……」
「〜っ!?」
そうフェイルに言われて、フルシアは思わず硬直した。
423 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:16 ID:s/zPvGN0
「ふぇ、フェ……イル……?」
「……」
膨れっ面をしたままで、フルシアの首筋にしがみ付いたままのフェイル。
そんなフェイルを、フルシアが真っ赤になったままで見ていると。
「……返事、いらないよ? セシリア様と瞬様から、君の気持ちは、聞いてるから」
「〜っ!?」
そうフェイルから言われ、思わずフルシアは真っ赤になったまま硬直する。
そんなフルシアからフェイルは一度身体を離し、優しい目でフルシアを見つめながら、口を開いた。
「……僕は、君が好き。それは本当の気持ちだし、僕は君の事を大切にしたいと思ってる。
だから、それでいいんじゃないのかな? 別に付き合うとかじゃなくてもいい、ただ一緒にいられたら、それでいいんだ」
そう言うと、フェイルはぽんぽん、とフルシアの頭を撫でる。
すると、今の今まで硬直していたフルシアがようやく立ち直ると、妙なほど静かに口を開いた。
「一緒に……いて、くれる……?」
「うん。僕で良かったら、ずっと一緒にいるよ」
そう言ったフルシアに、フェイルは微かに微笑みを浮かべながらそう答える。
すると、フルシアが手を伸ばし、そっとフェイルの指先に自らのそれを絡めて、口を開いた。
「……いて、くれ……ずっと……、ずっと!」
「うん。ずっといる、ずっと傍にいる。ずっと一緒にいるから」
そして、うつ伏せたままで泣き出すフルシアを、フェイルは優しい瞳で見つめ続けた……。
すると。
「……さて、ラブラブなのはいいんだが、そこまでだ」
「そこまでですわよ♪」
「「〜っ!?」」
いきなり病室に入って来た瞬と赤ん坊を抱いたセシリアがそう言い、フルシアとフェイルは思わず飛び上がる。
そして、フルシアは慌てたようにセシリアに向かって叫んだ。
「ど、どうして出産したばかりなのに出歩いているのですか!」
「……私が出産したのは2日前で、フルシアは丸2日間意識不明でしたのよ?」
そのフルシアの叫びは、あっけらかん、とそう答えたセシリアに簡単に迎撃された。
424 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:24 ID:s/zPvGN0
……少し時は遡り、場所も日本へと移る。
「……っ! 瞬さんが……セシリアさんまで……!?」
「ああ。幸いにも2人の命に別状は無いらしいが、秘書の女性が意識不明の重体らしい」
「……フルシアさん……!」
日本に着くなり大山からその事を聞かされて、涼人は悲痛な声を上げる。
しかし、胸の中にこみ上げて来る何かを抑え込むように、涼人は深呼吸を1つした。
「……一美さんに、会いに行きましょう。元々僕達はそのために日本へ来たんですし。
……それに、瞬さんとセシリアさんが爆殺されかけたのなら、国際手配は確実にされるでしょうから」
そして、そう異様なまでに落ち着き払った声色で言う涼人に、大山は思わず口を開きかける。
しかし、涼人の拳が痛い程握られていることに気付くと、すぐに口を噤んだ。
と、
「……涼人……」
「……ぁ……」
そっ、とその握られた右拳を里緒が包み込み、涼人は思わず声を上げる。
そんな涼人に、里緒は微笑みかけながら、口を開いた。
「……大丈夫だよ、涼人。みんな、大丈夫」
「里緒……、ありがとう」
そう言った里緒に涼人が微笑みかけると、里緒もはにかむように笑い返す。
そんな2人を見て、シャルルはいたたまれなくなったかのようにマリアンヌに声をかけた。
「……居辛くないですか?」
「シャルルん、ここは我慢だよ〜?」
そう、シャルルの言葉に答えるマリアンヌだが、その表情は微妙に引き攣っていて。
そんな2人に苦笑しながら、大山は涼人と里緒に向かって口を開いた。
「……そろそろ行こうか、涼人、里緒君」
「はい。……一美さんが、待っていますしね」
その大山の言葉に、涼人は真剣な表情で頷く。
……里緒は、今まで包み込んでいた手を慌てて話して、真っ赤になっていたが。
425 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:31 ID:s/zPvGN0
「……に、しても、よく里緒を事情聴取に参加させる事を認めてくれましたね……」
「全く聴取にならないんだ。使える手なら何でも使うさ」
病院の廊下を歩きながら、ふと涼人は感心したように口を開く。
そんな涼人に大山はそう答えると、一度小さな溜息を吐き、口を開いた。
「男が聞こうとしても怯えるだけ、女が聞こうとしても錯乱するだけ、だ。
親に会わせてもそれは全く変わっちゃいない。だが、出来るだけ早く話を聞く必要があるからな」
「それで、里緒ですか……」
そう言った大山に、涼人は納得したように1つ頷く。
そして、ふと首を傾げると、そのまま大山に向かって聞いた。
「……錯乱、ですか? 一美さんが、そこまで弱い女の人だとは、思えないのですが……」
「しょうがない面も、あるがな」
そう、一美の心の強さを知っている涼人が聞くと、大山はそう答える。
一美はこんな事になっても人前では笑顔を見せる事が出来る女性だと思っていた涼人が首を傾げていると。
「……彼女が保護された時、隣の部屋に何があったか、調書は見てるよな?」
「ええ。確か、一美さんが保護された部屋の隣の部屋に、男の死体があった、と」
そう大山から言われ、涼人は微かに首を傾げたままそう答える。
……そして、右隣で話を聞いていたマリアンヌと同時に、涼人は顔色を変えた。
「りょーと!」
「まさか……!」
「ああ、そのまさかだ。
……その男、彼女が恋をしていた男だったらしい」
そう、悲鳴じみた声を上げる涼人とマリアンヌに、大山はそう言うと、黙りこくる。
その大山の言葉を聞いて、涼人は表情を歪ませると、口を開いた。
「……里緒、無理に話を聞こうとしないでいい。一美さんを、慰めてあげて」
「う、うん!」
そう涼人から言われて、里緒はこくり、と頷いた。
426 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:38 ID:s/zPvGN0
「一美!」
「……ぇ……」
そう、声を上げて病室に飛び込んで来た里緒に、一美はゆらり、と顔を上げる。
その目は完全に死んでいて、里緒は一瞬だけたじろぐが、すぐに気を取り直して一美に近付き、
「っ!?」
「……」
ぱちん、と里緒は一美の頬を叩き、一美は思わず目を見開く。
そんな里緒を見て、シャルルは思わず口を開きかけ……、
「……もがっ!?」
「はいはい、黙ってようねー♪」
……マリアンヌに口を塞がれ、半ば強制的にシャルルは黙らされる。
そんなシャルル達には気付かずに、里緒はぎゅっと一美を抱き締めた。
「……一美……」
「里緒……、りおぉ……。う、えぐ、あああぁあぁぁっ!」
そのまま、一美の名前を呼ぶ以外は何もせずに、ただ一美を抱き締める里緒。
そんな里緒に、一美の瞳からはみるみるうちに涙が溢れ出した。
「高畑さんが、たかはたさんがぁっ!」
「一美、思いっ切り、泣いて。悲しいの、全部吐き出しちゃえ」
そのまま泣き叫ぶ一美を抱き締めながら、里緒はそう言う。
そんな2人を見つめながら、涼人は大山に囁きかけた。
「……そう言えば……、高畑さん、ですか? 彼、毒殺だと聞きましたけど……」
「ああ。耳栓の中に毒針が仕込んであってな、耳栓をしたらバネ仕掛けで針が撃ち出される仕組みだった。
青酸カリがたっぷり塗られた針が脳を直撃したんだ、助かる訳が無い」
「耳栓……?」
その大山の言葉を聞いて、何故か涼人は怪訝そうな表情を浮かべる。
そして、しばらく考え込んでいたが、急にはっとしたかのように顔を上げると、一美の方を振り向いた。
427 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:46 ID:s/zPvGN0
「一美さん! 辛いことは分かってます、だけど、1つだけ教えてください!」
「涼人……?」
「涼人さん?」
ようやく一美が泣き止んだ所に、そう涼人が噛み付くように口を開いて、里緒も一美も首を傾げる。
それを見て、首を傾げられるだけの余裕が一美に戻っている事に安堵しつつ、涼人は続けた。
「……高畑さん、彼、『組織』の一員じゃありませんでしたか?」
「……ええ」
「「「なっ!?」」」
「そう、ですか……」
高畑が『組織』の一員だと知らされて、涼人以外の刑事3人は驚きの声を上げる。
そして、涼人はその答えを聞いて、怒りを堪えるような表情でそう言うと、呟いた。
「……そうか……そう言う事か……、……そう言う事かよ、くそっ!」
「お、おい、どう言う事だ?」
そう、怒りに満ちた声色で吐き捨てる涼人に、首を傾げた大山が聞く。
そんな大山に、涼人はまだ怒りがおさまらないと言った風情のままで、口を開いた。
「高畑さんが『組織』の一員なら、彼を殺す理由は1つしかありません。
……彼も、一美さんの事を好きになってしまった。そう言う事でしょうね。
そして、それならば、何故彼が別室で亡くなっていたのか、その理由も説明が付きます」
そう言い切った涼人に、誰も何も言う事が出来ない。
そんな全員を一瞥して、涼人はさらに続けた。
「まともな神経の持ち主なら、好きな相手が犯されているところを見たいとは思いません。
もしこの時点で彼が止めに入っていたら、裏切り者として堂々と粛清していたでしょうね。
そして、そんな見たくない彼に向かって、あの男はこう言って耳栓を放るんです。
『見たくないんなら、隣の部屋で休んでろ』」
「……それは……!」
そう言って何かを放る仕草をする涼人に、シャルルは何かに気付いたような叫びを上げる。
そんなシャルルに1つ頷いて、涼人は続けた。
「そういえば、彼はこれ幸いと隣の部屋に行くでしょう。
そして、壁が薄くて声が筒抜けならベストです。
彼は声を消すために耳栓を付けたでしょうね」
そう言い切った涼人に、誰も何も言う事が出来なかった。
428 :
38氏代理:2008/12/15(月) 22:55:54 ID:s/zPvGN0
後書き
これで、第5話は終わりです。
久々に、ずっと涼人の推理のターンでした。
さて、クリスマスですが、正直キャットシーフ外伝として1本書こうかな、とは思っています。
ですが、IF世界(ぶっちゃけて言えば『組織』不在の世界)で書こうと思っているので、怪盗が捕まってどころか、怪盗が出て来ませんw
さすがにこんなのを無断で怪盗スレに載せるのも抵抗があるので、意見をくださいorz
>>428 内容にふさわしいスレに投下して、こっちにリンク貼ってくれるのがベストだと思う
キャットシーフのキャラがたつものなら、外伝ってことでいいと思うけど、
繋がりないなら外伝とはいえないかもな
そういえばアクアメロディが出るとかいうコラボ作品はどうなったんだろう…
>>430に同意
もしくは、スレには投下しないで、保管庫にだけ載せるとか
>>432 コラボって38氏の作品にアクアメロディが出るって事かな?
だとしたら正直どうでもいいかな
でもAM氏の書くキャットシーフなら凄く見てみたいなあ
まあまあ、読みたいって人(俺は読んでみたい)もいるんだからどうでもいいとか言わない。
でも確かにキャットシーフAM氏バージョンは興味あるな。
キャットシーフAM氏バージョンだったら、読んでみたいな。
逆はどうでもいいとは言わないけど、終始、和姦物にされそうだから勘弁。
和姦モノは問題ないけど、個々の作品ではなく、スレ全体として凌辱が足りない!
陵辱で本番までいくってのが滅多にないからなあ。
アクアメロディは今度こそ! と全裸待機なわけだが。
しかしAMさんの嗜好を考えるとそっち方面での過度の期待はしないほうが良い罠。
基本的に本番書くのを好まない方のようだし。
俺はそういうところが趣味が合っていいんだけどね、もちろんガチもOKだけど。
しかしフィズの人はどこへいってしまったんだろう…
AMもガチ党員的には物足りないだろうから、全体的にやっぱ凌辱は薄いね
混沌側の新しい神の出現が待たれるぜ
俺としてはTMを待ち続けてる
陵辱はハードすぎるのより薄めな位の方が、実用性があって後味が良いと思う
でも結局は、書き手の好きなように書くのが一番だな
まあ、和姦は・・・正直需要と供給のバランス考えて欲しいわ・・・
>>441 俺も
時間かかっても、続き楽しみ
まあキャットシーフは話としては面白いと思うが、スレの趣旨にはあってない部分が大きいからなぁ。
怪盗が捕まって、なのに実はキャットシーフは一度も捕まってエロい目にあったことないし。
愛する少年にある意味捕まってあんなことこんなことされてはいるけどw
そういう意味ではキャットシーフひたすら恥ずかしい目にあわせてくれそうなAM氏や
エロエロな目にあわせてくれそうなアンバームーンの人バージョンは読んでみたい気はする。
今ある作家さんに問題はない
問題は、凌辱派の作家さんがなかなか増えないということだ
初期のスレにあった、美少女探偵が返り討ちに遭う話の続編を未だに待ってるぜ
445 :
38氏代理:2008/12/19(金) 06:24:10 ID:BhyZQjFV
>他スレにうpして、アドレスだけ上げてくれれば
ずっと規制を喰らっていてエロパロ板に書き込めないから代理投下をしてもらっているんですよね。
さすがにエロは入りますから全年齢の書き込める板にうpする訳にも行きませんしw
その場合は自分のサイトにうpして、そのアドレスを上げる事になると思います。
それでよろしければ、その方法を採らせていただきますが……。
>アクアメロディとのコラボ
……ごめんなさい、完全に詰まりましたorz
最初はアクアメロディとレインボーキャットが同日に同じ物(ライティアで考えていた)を盗むと予告状を出すって内容で講想していたんですが……、
どうやっても協力して悪を倒し、しかもエロのエの字も出ない内容になってしまいましてorz
>キャットシーフは一度も捕まってエロい目に遭った事が無い
つキャットシーフ無印11話
2ndでも、最初は文音が飛び掛った後は首を絞めるんじゃなくて性的な意味で責めるつもりだったんですよね。
……レズ需要が未知数だったので自重しましたが。
>キャットシーフの他の人ver
……やべえ、俺も凄く見たいw
俺が他の人で、楽に書けそう(和姦で書ける的な意味で)なのはアンバームーンafterぐらい……ですかね。
11話はキャットシーフって怪盗じゃなく、里緒って一人の女子高生が捕まっただけなんじゃないか。
といいたいのではないかと。
>>445 >>他スレにうpして、アドレスだけ上げてくれれば
>さすがにエロは入りますから全年齢の書き込める板にうpする訳にも行きませんしw
いや、「他の板」じゃなくて、エロパロ板の、「他のスレ」ってことじゃないかな?
その怪盗が出てこないというSSの内容のシチュエーションに見合った
まあ、やりやすい方法でやってくださいな
449 :
AM:2008/12/20(土) 08:40:11 ID:azIVnDWn
皆様、いつも感想のレスありがとうございます。
年末が近づき忙しくなってるのに何故か筆は進む罠。
これがテストが近づくと部屋の掃除をしたくなるの法則なのか。
キャットシーフ…機会とネタと許可さえあれば是非書いてみたいですね。
フィズの時もそうでしたが、他人様のヒロインを好き勝手にするという背徳感が妄想を加速(ry
それはさておき、AMU第七話投下します。
一応もう一度書いておきますが、これは前作で夜暗戦で勝利したと仮定したIFルートからの続編です。
(もう、もうダメなの……?)
男の魔の手が身体の中でも最も鋭敏な二箇所に迫ってくるのを美音は朦朧とした意識の中で感じていた。
既に精神も肉体も限界間近だ。
この状況でその二箇所を触られてしまったらひとたまりもない。
次の瞬間には性感は快楽の極みに達し、後はもう歯止めがきかなくなるのは間違いなかった。
(でも、身体が火照って思うように……え?)
カッカと熱を生み出し続ける自分の身体で一箇所。
ひんやりとした感覚が胸の谷間にあった。
霞みかかっていた視界を何とか起こし、胸元へと視線を向ける美音。
そこには。
(フレイヤ……!)
火野が首に引っ掛けていたフレイヤが重力に従って自分の胸元に落ちているのを怪盗少女は見る。
卑しい男に力を与え続けている紅の宝石は明るい部屋の中でも爛々と光を放っていた。
途端にアクアメロディの瞳に力が戻ってくる。
そう、密着している今こそがフレイヤを取り戻すチャンス。
自分の使命を思い出した美音は己の身体に鞭をいれ、賭けに出た。
「ひひ……んぷっ!?」
「こ……のッ!」
今にも乳首に吸い付こうとしていた火野の頭を両手で抱きかかえるように引き寄せる。
当然、火野は胸の谷間に押し付けられる形になり、視界が一時的に塞がれてしまう。
生まれる一瞬の隙。
美音はそこで渾身の力を込め、身体を反転させた。
「えいっ!」
「もがっ!」
ゴロン!
密着したまま上下逆になる女怪盗と放火魔。
だが、主導権を握っていたのはアクアメロディの方だった。
上を取るのと同時に転がった勢いで男の身体から離れた美音は、どさくさ紛れにフレイヤをも強奪する。
「チィッ!」
「はぁ、ふぅ。油断……大敵ね、火野溶平!」
舌打ちする火野に対し、美音は会心の笑みを浮かべた。
一か八かの賭けは成功したのだ。
体力は消耗して肉弾戦になれば不利な状態だが、フレイヤを奪った以上後は逃げるだけでいい。
ぐ、と両脚に力を込め、怪盗少女はいつでも駆け出せる体勢をとった。
「ひひひ……なんだよ、パフパフしてくれたかと思ったら小賢しい真似をしてくれるじゃねェか」
「最後にいい思いができたんだから本望でしょ?」
いくら緊急事態だったからとはいえ、自分から男の顔を胸元に押し付ける羽目になり、顔を少し赤らめる美音。
しかしその表情には勝利の確信が浮かんでいた。
フレイヤがない以上、今の火野はただの人間でしかない。
勿論力の源を奪い返すためにこの後突進してくるのだろうが、それをいなすくらいはわけもない。
「ひひ」
だが、火野は予想に反して動き出す気配を見せなかった。
ただニタニタと楽しそうな笑みを浮かべながら座り込んだまま立ち上がろうとすらしない。
切り札を奪われたというのにこの落ち着きようはなんなのか。
いぶかしむ美音は、しかし次の瞬間その理由を知ることになってしまう。
とくん―――
「え……う、嘘?」
ガクリ、と足が腰から崩れ落ちそうになる感覚に女怪盗は目を見開いた。
フレイヤの効果は切れたはずなのに、胸と股間が再び切なく疼き始めたのである。
「うぁ……ど、どうして……あ!」
慌てて奪い取ったはずのフレイヤを目の前に掲げる美音。
刹那、摩訶不思議な力を持つはずの宝石は飴細工のように溶け落ちていくではないか。
「ひひひ、ぬか喜びご苦労さんだなアクアメロディ」
「に、偽物……!?」
「その通り、本物はここさ。よく考えろよ、こんな重要なものをわざわざ盗られ易い場所に身に着けておくわけないだろう」
ズボンのポケットから取り出される真紅の宝石に美音はショックを隠せなかった。
その心の隙間をつくように疼きを増した性感が少女の身体を容赦なく襲う。
美音は反射的に身を翻し、駆け出していた。
逃げなければ、そう思ったこともある。
だがその行動をとった一番の理由は、止まったままだと二度と抵抗できなくなる。
そんな予感がしたからだった。
「ハァ……ハァッ……!」
まだかくれんぼを楽しむつもりなのか、火野は追ってこなかった。
それだけが唯一の救いとばかりに美音は無人の廊下を半裸のまま駆け続ける。
(あんな単純な偽物に引っかかるなんて……ッ)
いくら切羽詰っていたとはいえ、エレメントジュエルが本物かどうかも見極められずに動いてしまった事が腹立たしい。
冷静に動くことさえできていればあの場はこれ以上ないチャンスだったのだ。
偽物を見破り、本物の位置を把握できていれば本物の方を奪う事だって不可能ではなかったはず。
敵にいいように動かされてしまったことに、怪盗少女は屈辱を覚えていた。
「くっ……ふぅっ……あくっ……!」
足が前に進むたびにその振動で育ち盛りの若さ溢れる乳房が揺れる。
その身を包む薄布ごと上下にプルンプルンと跳ねる様は見事の一言だ。
だが、美音は巨乳が動くたびに布と擦れあった乳首から送られる絶え間ない刺激を耐えなければならないのだ。
(でも……止まるわけにはッ!)
火野から離れることは勿論だが、今止まってしまえば今度こそ身体が言うことを聞かなくなりそうだった。
できる限り大股になろうとする両脚も、時々足運びが内股気味になり、気を抜けば快楽を貪ろうとしてしまう。
美音は今、走り続けているからこそ何とか身体の発情をそらすことができているという状態だった。
しかし、当然いつまでも走り続けることなどできるはずもない。
人間には体力というものがあり、それが尽きれば嫌でも止まらざるを得ないのだから。
(体力が続くうちに何か策を考えないと……もうあんなチャンスはない。自分で、どうにかするしかない……!)
ともすれば床にへたり込んで快楽を貪りそうになってしまう自分の身体に喝を入れながら走る美音。
徐々にそのペースは落ちてきていて、限界が間近であることを示している。
もう時間の猶予はない、足が止まり、今度火野に見つかった時こそが決定的な敗北なのだ。
(フレイヤの能力は火であらゆるものを燃やすこと……でもそれじゃ私の位置を特定できるのはおかしい)
現時点で一番の問題は火野がこちらの位置を把握しているということだ。
逆を言えば、それさえどうにかできれば勝機は見出せる。
(火……燃やす……熱。熱? もしかして……)
ふと女怪盗の脳裏に浮かぶ一つの可能性。
推測に過ぎない可能性、だがしかし今はそれに賭けるしかない。
美音は腹をくくり、ある部屋へと足を向けるのだった。
「ひひ……遂に観念したか?」
火野は獲物が隠れているであろう部屋へ向かっていた。
その目には広大なフロアの中に点在する熱反応がサーモグラフィーのように映っている。
フレイヤのもう一つの能力である熱探知、それこそが逃げる美音の居場所を先程から彼が突き止めている理由だった。
「お、止まったな」
フレイヤによる熱探知は近距離であればあるほど精度が増す。
遠距離の場合、大体どの方向に人間がいるのかわかる程度だ。
このフロアには女怪盗以外にも数人の女性がいるが、彼女たちは気を失っていて動くことはない。
つまり、動き回っている熱反応こそがアクアメロディということになる。
「この方角と距離からして……俺の部屋に逃げ込んだか、それは盲点だなァ」
普通ならな。
そうほくそ笑みながら火野は笑う。
確かに敵の本拠地とも言える部屋に隠れるというのは良い手だ。
だが、これは普通のかくれんぼではない。
鬼が最初から反則を用いているのだから、隠れる場所の意外さなどなんの役にも立たないのだ。
「いよいよクライマックスだなァオイ」
一応周囲を警戒しながら自室へと火野は足を踏み入れる。
まさかここまで一人の女が健闘するとは思っても見なかったが、結果的には楽しめた。
怪盗アクアメロディ、彼女は自分にとって十分に最高の獲物だったと言えよう。
「アイツ……『アイズ』の野郎にも礼をいわねェとな。アクアメロディを喰えるなんて思っても見なかったしなァ」
この状況のお膳立てを整えてくれた雇い主に感謝しつつ、火野は寝室へと向かう。
ベッドの上には相変わらず五人の裸の女性が転がっていた。
視界内に、怪盗少女の姿はない。
「うん? どこに隠れた……成程、浴室か」
ポツンと離れた熱反応は寝室の奥のシャワー室にあった。
狭く、正真正銘逃げ場のない場所だが、この状況における隠れ場所としては最適な場所とも言える。
怪盗少女が見つからないことに業を煮やした自分がベッドの上の女たちに注意を向ければ、その隙に飛び出せる位置なのだから。
(だがそれは俺が気づいていなければ、の話だ)
フレイヤの能力を知らない以上無理もない話だが、あまりにも稚拙な策としか言いようがなかった。
まあ、シティに名を轟かせる女怪盗といっても追い詰められればこんなものか。
そう思いながらも、火野は息を潜めているであろうアクアメロディに最後のトドメをさすべく口を開く。
「おい、浴室に隠れているのはわかっているんだぜ?」
浴室から音はしなかった。
「最後だからいいことを教えてやる。俺はお前の位置がわかる、熱反応って奴だ。つまりお嬢ちゃんがどこに隠れようとも無駄なんだよ」
嬲るように、耳元で囁きかけるようにネタバラシをする火野。
今頃少女は浴室の中でショックに呆然としているに違いない。
絶望が思考を覆い、へたり込んでいる可能性すらある。
その姿を想像するだけで、放火魔は愉悦が湧き上がってくるのを感じていた。
「返事はねェか。それとも、さっきみたいに一人ではじめちまってるのかァ?」
時間的に考えれば、先程のように性欲を抑えきれず自慰に勤しんでいてもおかしくはない。
それならそれでよいが、快楽のあまり自我をなくしている可能性もある。
それは流石に面白くない。
自分の手で堕とさねば、勝利の快感は得られないのだから。
「おい、聞いてるのかァ……?」
念のため不意打ちを警戒しつつ火野は浴室の扉を開けた。
ドサリ。
途端に扉に寄りかかっていたらしい半裸姿の仮面少女が火野の足元に倒れこんでいく。
「なんだよ、もうトんじまってたのかよ……エ?」
刹那、火野は間の抜けた声を上げる。
自分を覆うように大きな影が床に見えたのだ。
そして振り返った瞬間、放火魔の視界は暗闇に覆われてしまっていた。
「な……んだこりゃァ!?」
恐らくはシーツか何かだろう。
突然頭上にかぶせられた布を火野はフレイヤの力で焼き尽くした。
しかし、一瞬奪われた視界は驕れる男に致命的な隙を生み出す。
ゴッ!
後頭部に衝撃、次の瞬間火野の朦朧とする目に映ったのは迫り来る床のカーペットだった。
「ガ……グゲッ!?」
ゴスッ!
崩れ落ちた男に対し、念の為とばかりに駄目押しの一撃を加える全裸の少女。
火野を襲った犯人、それは浴室にいるはずの美音だった。
「ふう……う、うまくいったぁ……」
精根尽き果てたといった様子で座り込む美音。
彼女がとった策は入れ替わりによる奇襲だった。
気絶した女性たちの中に自分と似た少女がいたことを利用したのである。
身に着けていた下着と仮面を気絶した少女に移し、浴室へ。
そして自分は少女の代わりにベッドで気絶したフリをしていたのだ。
後は前述の通り、獲物を勘違いした火野の隙を突いて置物で後頭部へ一撃というわけだ。
「引っかかってくれてよかった……」
火野のサーチ能力を熱探知だと推理して立てた策だっただけに、推理が外れていたらと思うとゾッとする―――と美音は身体を震わせた。
個人を探知できる能力であった場合、今頃敗北の憂き目にあっていたのは自分のほうだったのだから。
「そうだ、フレイヤを……」
気絶している火野のポケットから真紅の宝石を取り出す怪盗少女。
男の身体から離れた途端、力を失ったように宝石は輝きを失っていく。
それに伴い、火照りに火照っていた身体の熱が収まっていくのを美音は感じていた。
「今度こそ本物。本当、ギリギリだったわ」
もう少し火野が来るのが遅れていたら。
策を思いつくのがもう少し遅ければ。
フレイヤによって発情させられていた女怪盗の身体は、火野を攻撃する余裕すらなく快楽に屈していたに違いなかった。
策を実行する前に冷水を浴びておかなければそれすらも難しかっただろう。
現に、ベッドにうつ伏せになっていた時は、身体中を弄り回したい衝動に耐えるのに美音は必死だったのだから。
「……それにしても、後始末が大変ね」
ようやく一息つけるくらいに治まってきた身体を立たせ、全裸少女は動き始めた。
火野を拘束し、下着と仮面を再度身につけ、アクアメロディとしての体裁を整える美音。
この状況をどう始末するべきか。
女性たちは解放しなければならないし、火野には聞きたいことが山ほどある。
とはいえ、グズグズしてはいられない。
貸しきり状態とはいえ、フレイヤの力が消えた以上いつ人がやってくるかわからないのだから。
「この状態じゃあこの人を連れて行くのは無理だし……」
体力を消耗している今、火野をつれてこの場を去るのは難しい。
無論このまま放置して去るわけにはいかない以上、警察に連絡するしかないわけで。
しかしそうなれば彼から情報を聞き出すことはできなくなってしまう。
「この場で聞き出すしかない、か」
フレイヤを取り返したといえども、まだ残りのエレメントジュエルの行方は依然として不明のままだ。
唯一その情報の鍵を握っているのは火野溶平のみ。
となると、アクアメロディに取れる手段は限られていた。
「火野、起きなさい! あなたには聞きたいことが……」
ゆさゆさと男の身体を揺すり、覚醒を促す怪盗少女。
ううん、と呻きながら火野の意識が目覚めていく。
しかし次の瞬間。
―――ジリリリリ!
「な……この音は、防犯ベル!?」
フロア全体に、いやホテル全体に鳴り響くその耳障りな音は異常事態を示す防犯ベルの音だった。
途端にホテル全フロアに光が灯り、宿泊客や従業員たちが騒ぎ始める。
(まずい……!)
防犯ベルが鳴ったとなれば、パニックは必死。
逃走には都合がいいが、これでは火野から情報を聞き出している時間はない。
逡巡は一瞬。
戦果であるフレイヤをグッと右手で握り締めながら、怪盗少女は逃走ルートのピックアップに入るのだった。
(でも、どうしてこのタイミングで防犯ベルが……)
457 :
AM:2008/12/20(土) 08:52:51 ID:azIVnDWn
投下終了。
スレ内でも陵辱というか、エロが一番薄い自分ですが基本的にはこの作風を貫き通す所存。
だって男がチ〇コをズコズコ抜き差しするよりも女怪盗がジワジワネットリジックリいたぶられるほうが興奮するんだもの!
書く分には羞恥責め万歳ですよ、勿論読む分にはガチエロ大歓迎ですが。
TMは……ちょこちょこは書いてるんですが、スランプなのか筆がノらない状態、ごめんなさい。
男がチ○コをズコズコ抜き差ししてると考えるな
怪盗がじっくりねっとりチ○コをズコズコ抜き差しされてると考えろ
怪盗が捕まって犯られちゃうスレとかストレートなスレタイなら良かったんじゃね?
とか最近思い始めた
>>457 GJ!
書きたいモノを書くのが一番だ
凌辱、エロが薄い?…羞恥責めも立派な凌辱、エロだと思うぞ
殴ったりヤるだけがエロじゃねえ
羞恥責めだって実にエロくてたまらんのだけど、だからこそ最後まで犯られる展開も見たいわけで。
確かにこのスレタイ、ガチエロ以外も普通にありって事になるんだよな。
かといってストレートなスレタイだったら今の職人さん方も現れなかったかもしれんし……
羞恥だけでも個人的にはOK。塚、下手にガチエロに限定すると職人さんが居なくなってしまうかもしれんぞ
ま、何はともあれGJ!
が、今だから言うけど、さすがに初代アクアメロディ最終話の焦らし方はやりすぎだったw
今では、ガチ凌辱無理で、羞恥系が好きな人なんだろうなってわかるけど
当時は口にこそしなかったものの、結構、腹たった人も多いと思われるw
逆に初代アクアメロディの最終話を見て書き始めたヤツもいると思うがな
・・・それも現在このように凌辱が無いと騒ぐヤツが出ることを予見してか
ガチエロ路線をやろうとしたヤツがな
携帯からあれだけの投下をしてきたヤツだからいつか戻ると思って待っていたが・・・
これでは望むべくもない
※女性に対してのヤツ呼わばりは失礼に思われるかもだが敬意を表してそうさせてもらった
万一に見ていたら生存報告だけでも欲しいところだ
まあ結局のところは職人さんは書きたいものを書き、読み手は読みたい作品だけを読めば良いということでFA。
職人さんにとっては大変だから勝手な物言いになるけど、バッドエンドとグッドエンドに分けてみるのもいいんじゃないかと思う
書かないなら書かないで明言してくれればいいけど、あれは時間をかけて、気を持たせるだけ持たせてたからな・・・
>>465 そりゃ、いくらなんでも無茶なw
原作者さんが許可すれば、別の人が書いちゃうというのはありかも知れないけど
>>462 正直陵辱描写を書いてもらうまでリクエスト続ける粘着荒らしになろうかと思ってたw
よくわからんが、大口開けてヨダレダラダラのおまいらの前を
フォークぶっ刺したステーキを泳がすだけ泳がせて
最後は自分でパクッとやった感じか?
葛藤は、すごいしたろうなあw
きっと、みんなに期待されまくっている中、いつ「陵辱は書けません」って言い出せば良いのか、ビクビクオドオドしていたに違いない
この萌え作者め!
個人的には焦らしプレイのほうがいいな。
>>471 本番があればね
本番ありそうに散々引っ張っておいて、そのまま終了ってのは、同じスレで二度は勘弁だな
スレの流れに脅えながら季節ネタ投下。
今回はクリスマスと見せかけて、「冬至」です。
長くなりすぎたので前後半に分割して投下します。
十二月某日、高田邸の大広間では、ゲストを多数
招いての盛大な立食パーティが行われていた。
クラシックの調べがゆったりと奏でられる中、
ドレスアップした紳士淑女がグラスを片手に歓談している。
円テーブルには豪勢なオードブルと上質なワインが用意され、
彼らの舌を滑らかにするのに一役買っていた。
しかし、ゲスト達は談笑しながらもどこか落ち着かない様子で、
上座の壇上をしきりに気にしているようだった。
その視線の先には、真紅のドレスを纏った年配の女性が、
富俗層特有の高慢な微笑みを浮かべてゲスト達を見下ろしていた。
彼女の名は、高田淳子。
このパーティのホストである。
ホテル事業を中心に一代で財を成した名士である一方で、
その悪どいやり口から黒い噂の類が絶えない人物でもあった。
だが、今宵に限ってはゲスト達の視線は彼女本人ではなく、
彼女の左手の豪華な指輪に向けられていた。
彼女もそれは承知しているようで、時折ゲスト達の方へ
手の甲を向けてこれ見よがしにアピールしてみせている。
その度に指輪に散りばめられた宝石がキラキラと輝き、
見る者全てにほうっと溜め息をつかせるのだった。
何故会場の全員がこれほどまでにその指輪を意識しているのか。
その答えは、事前に高田宛てに届けられた一通の手紙にある。
「○月×日、『アフロディーテの涙』を戴きに参ります。
怪盗オレンジペコー」
貧富の格差が著しいこの街に、怪盗オレンジペコーと名乗る
一人の盗賊が出没するようになって久しい。
鮮やかな手口で悪どい資産家から富を奪ってゆく謎の盗賊を
庶民は義賊としてもてはやし、日ごろの鬱憤を晴らしていた。
そして文面にある『アフロディーテの涙』とは、
淳子の左手の指輪につけられた名前である。
つまり、これは怪盗からの予告状に他ならなかった。
「本当に来るんだろうね、その怪盗オレンジペコーとやらは?」
とうとう我慢できなくなったのか、口髭を生やした恰幅の良い男が
サラミを頬張りながら淳子に近づき、核心の疑問をぶつけた。
形式上は単なる晩餐会かもしれないが、
俺達が何を見に来たかってことぐらい分かっているだろう。
そういう内心が透けて見える、不謹慎で不躾な質問であった。
「間もなく来ますわ、予告状の日付は今日ですもの」
「しかしこんなに大勢の人間がいるんだ。
怪盗が怖気づいて逃げ帰ったとしても不思議はあるまい」
「あら、その方が私としては助かるんですのよ?」
淳子が悪戯っぽく微笑んだ瞬間、
突然全ての照明が消えて、大広間が闇に包まれた。
「なんだ!?」「痛いッ」「おい、押すなよ!」
闇の中でゲスト達の狼狽した声がひとしきり聞こえた後、
非常灯が点灯して大広間を薄暗く照らした。
視界が戻ったことにより混乱は収まったようだが、
異常事態に対する不安は会場に色濃く残っている。
やがて、一人のゲストの女性が大声を上げた。
「淳子様、指輪が!?」
「キャッ!? ゆ、指輪が……指輪がないわ!?」
淳子は左手の指輪が忽然と姿を消しているのに気づくと、
悲鳴をあげてあたふたと取り乱した。
しかし、淳子も一代を築いた人物である。
すぐに狼狽を恥じるかのように軽く咳ばらいをすると、
いつもの余裕を取り戻して言った。
「やってくれるじゃない、こそ泥さん」
淳子の睨みつけるような視線の先には、
照明が落ちる前に淳子に近づいた、口髭の紳士がいた。
その右手には、つい先ほどまで淳子の左手を彩っていた
『アフロディーテの涙』がキラキラと輝いている。
苛立ったゲストを演じて淳子との距離を詰めておき、
先ほどの停電による混乱に乗じて奪い取ったに違いなかった。
「やっと気づいたの? 待ちくたびれちゃった」
紳士は淳子の糾弾に対して急に高くなった声で返すと、
ニヤリと笑ってその顔を左手で掴み、身を翻した。
ベリベリッ!
衣服の破けるような音がしたかと思うと、
それまで紳士が立っていた場所に、一瞬にして別の人間が現われた。
驚いたことに、人々の眼前に現われたのは、
せいぜい十代後半ぐらいにしか見えない華奢な女の子だった。
「怪盗の正体です」と紹介されて「はい、そうですか」と
すぐさま納得する人は恐らくいないだろう。
邪魔にならないよう後ろで束ねられたダークブラウンの長い髪。
オレンジ色のマスクによって目こそ隠されているが、
その下の美貌を隠すことはまるでできていなかった。
とうとう正体を突き止められたというのに、
ピンク色の小さな唇は余裕の微笑みを形作っている。
さらに人々の目を惹いたのは、少女のコスチュームである。
オレンジ色で統一されたベストにミニスカート。
ベストの下に着ている白いシャツと黒いネクタイが、
少しフォーマルな印象を醸し出している。
ミニスカートから下に視線を移すと一瞬太腿が覗き、
そして黒いニーソックスによって再び覆われている。
総じて人目を忍ばなければならないはずの怪盗には
およそ似つかわしい服装とは思われなかったが、
少女の若く健康的な魅力には不思議とマッチしていた。
「は、あはは……怪盗オレンジペコーが
まさかこんな可愛い子猫ちゃんだったなんてね」
突然の変わり身に目を白黒させているゲスト達と同様に、
さすがの淳子も驚きを隠せないでいる。
しかしそれも一瞬のことで、すぐさま険しい顔つきに戻ると、
淳子はおもむろに右手を高く上げた。
それを合図に数人のゲストが機敏な動きで少女を包囲すると、
一斉に拳銃を構えて狙いを定めた。
大広間のドアからは制服の警官がどやどやと入ってきて、
少女の周囲を幾重にも包囲した。
哀れ、怪盗少女はまんまと罠にかかったのである。
「もう逃げられないわ、観念しなさい」
「うーん、これはちょっとマズいなぁ……」
勝ち誇ったように投降を勧める淳子に対し、
怪盗少女はその台詞とは裏腹にのんびりした様子で呟くと、
ベストの下から一個のオレンジを取り出して床に置いた。
「何をする気ッ……うっ、ゲホッゴホッ!」
ぷしゅー。
床に置かれたオレンジからは橙色の煙が立ち昇り、
その煙は瞬く間に大広間全体に広がって視界を奪った。
「ゴホッ、撃って! 撃つのよ!!」
「だ、駄目です、ゲホッ、こんな状況じゃ同士撃ちします!!」
警官達が慌てて窓を開けて煙を外に出した頃には、
怪盗少女はその姿を忽然と消していた。
最近は、本番ないなら一番最初にないと明記しといてほしいと思うようになったわ。
「ふう、逃げられちゃったわね、残念だわ」
ひとしきり騒いだ後、急に諦めたように
シガレットに火をつける淳子の様子を見て、
呆気に取られたゲスト達が駆け寄る。
「い、いいんですか? 淳子様……その、指輪がっ」
「ふふふ、お馬鹿な子猫ちゃんは放っておきなさい。
あれは二束三文のイミテーション、本物は銀行の貸金庫の中よ」
淳子は事も無げにそう呟くと取り巻きを押しのけ、
壇上からゲスト達に向かって高らかに宣言した。
「皆さん、怪盗オレンジペコーは今まさに盗みに失敗したのです!
本日のパーティーの趣向としては上出来ではありませんこと?」
「お、おおお……」
「さすがは淳子様だ」
パチパチパチ……。
ようやく事態が飲み込めたゲスト達が賞賛の拍手を贈る。
その拍手を一身に受け、淳子は勝利の味にうっとりと陶酔していた。
しかし、取り巻きの一人がそっと近寄りある物を手渡した瞬間、
淳子は奈落の底へと突き落とされることになった。
「淳子様、実はあの怪盗が立ち去った後にこんな物が」
「何なの、このみすぼらしいカードは?
なになに……『本物を戴いてもちっとも構ってくれないので、
ついでに偽物も戴いていきます。怪盗オレンジペコーより』
……ですって!?」
警察が慌てて外へ駆け出すのと同時に、淳子は卒倒した。
淳子が置き手紙に気づいて高田邸が大騒ぎしているちょうどその頃、
怪盗オレンジペコーは少し離れた所にあるビルの屋上にいた。
先ほど高田邸で見せた余裕ぶりとはうってかわって、
真剣な表情で眉を寄せ、柵にもたれて夜空を見上げていた。
「由美……これで少しは仇、取れたかな……?」
怪盗オレンジペコーが寂しげに大きな溜め息を漏らすと、
冬の空に白く立ち昇って、消えた。
それは二週間前のこと。
末次 柚子は親友である柴田 由美とファーストフード店に来ていた。
高校のラクロス部の帰りにちょっとだけ寄り道をして、
お喋りに花を咲かすのが二人の楽しみだったのである。
しかし、いつもなら他愛もない話で盛り上がる二人が、
その日に限っては真剣な表情で、涙ぐんでさえいる。
「嘘でしょ、由美? そんな、突然転校しちゃうなんて……」
「柚子……ありがとね。でも、仕方ないの」
由美は諦めたような表情で俯くと、ホットコーヒーの
紙容器を両手で挟み、凍えた手を暖めた。
柚子は「そんな!」と大声を挙げた後で、
何か事情があるのだろうと思い直し、努めて優しい声で尋ねた。
「ねえ、何があったの? 私にも話せないこと?」
「ううん……お父さんがね、倒れたの……心労だって」
「え!? だ、だってこの間会った時は元気そうにしてたじゃない」
由美の父親は郊外で工場を経営している。
小さな工場なので、所長とはいえ従業員と一緒になって
汗と油にまみれて働いているのだが、そんな彼の姿は
働く男といった感じで、柚子が見ても格好良かった。
事実、妥協を許さない確かな仕事ぶりは、
取引先からも評判が良かったらしい。
「うん……でもね、あれから高田グループがうちの工場の土地が
欲しいって言ってきて……ずっと立ち退けって言われてたの」
「そんな! そんな自分勝手な話許せないわ」
自分のことのように拳を震わせて怒ってくれる親友の目を、
由美は哀しそうに見つめて、それから首を振った。
「最初はね? お父さんもバケツの水をぶっかけて
追い返したりしてたんだけど……怖い人達が来るようになって、
従業員の人達が怪我させられたりしてどんどん辞めていって……」
そこまで聞いたところで、柚子は理解できない様子で
由美の話にストップをかけた。
「え? でもさ、高田グループは由美の家の工場が欲しいんでしょ?
従業員の人を辞めさせたりするのはおかしくない?」
「違うの柚子。高田グループが欲しがってるのは工場じゃない、
うちの工場が建ってる土地だけなのよ。
なんでも、高田家専用のゴルフ場を作りたいんだって」
……何ということだろう。
由美の父親は自分の工場に、自分の仕事に誇りを持っていた。
そんな工場の技術を欲しがって傘下に入れようとするのなら、
それでも許せないけど、まだ話は分かると思う。
しかし、単なる遊びのための土地が欲しいだけで、
人々が一生懸命に働いている工場を潰そうとするなんて。
由美の父親の無念さが、分かるような気がした。
「だからね、柚子。もういいの。
親戚が遠くで工場をやっていて、誘ってくれたんだ。
一緒ににやらないかって。だからね、もういいんだ」
そういう由美は、辛そうに笑っていた。
涙を見せまいとするその姿が、余計痛々しかった。
(……全然よくないよ。私が、この怪盗オレンジペコーが、
少しだけだけど由美の仇を討ってあげるね)
その晩、柚子は予告状を作った。
ターゲットは高田グループの代表、高田淳子。
すべては親友の仇討ちのために。
貧しきを虐げる富俗層に一矢報いてやるために。
――ひゅう。
冷たいビル風が頬を撫で、怪盗オレンジペコーは我に返った。
いくらお気に入りのコスチュームだとはいえ、
この季節にミニスカートはさすがに冷える。
(早く帰らないと、風邪ひいちゃうな)
ぶるっと体を大きく震わせ、踵を返して帰ろうとした丁度その時、
男達が数人、ビルのドアを開けて屋上に上がってきた。
黒いスーツにサングラス姿の男達はオレンジペコーを
ぐるりと取り囲むと、ファイティングポーズを取った。
力の入れ具合を心得た、まるで隙のない構え。
スーツの上からでも分かる鍛え上げられた体。
高田邸にいた護衛とは段違いの手練れであることがひと目で分かった。
(――まずい、使えそうな道具はもうないわ)
頭の中で警報が鳴り響き、冷や汗が背筋を伝う。
これまでくぐってきた修羅場によって身についた感覚が、
目の前の状況を最悪だと告げている。
こんな所で感傷に浸っていないで、さっさと帰ればよかったのに。
オレンジペコーは自分の浅はかな行動を悔やみ、唇を噛んだ。
でも、やっぱり分からないことがある。それは、
「どうして自分の居場所が分かったのか、って顔だな」
リーダー格らしい男がその疑問を先取りした。
まさか図星ですとも言えず、オレンジペコーはただただ
男達を睨みつけることしかできなかった。
「ふん、分からないか。
実は指輪の入ったケースに発信機を取り付けておいたんだよ」
「――あっ」
自分の犯したミスの大きさに気づき、怪盗は小さく声を上げてしまった。
そんな反応がおかしくてたまらないといった様子で、
男達はにやにやと下卑た笑いを表情に浮かべている。
「そして、この事は淳子様にも内緒にしておいた。
敵を欺くにはまず味方から、ありきたりな策ではあるが
お馬鹿な怪盗さんは見事にハマッてくれたってわけだ」
「……話はそれで終わりかしら?」
罠にはまったことを悔やんでも仕方ない。
そしてこうなれば肉弾戦で活路を見出すしかない。
そう判断したオレンジペコーは決死の覚悟を決めると、
すうっと重心を低くして身構えた。
「があッ!!」
奇声を挙げて勢いよく前に出た男が右ストレートを放つ。
それをすれすれで避けると、カウンターで肘を鳩尾に入れる。
胃液を吐いて倒れ込む男に対して一瞥もくれず、
すぐさま華麗なステップで後ろに跳ぶ。
すると、今までオレンジペコーのいた場所を別の男の蹴りが襲った。
蹴りを外して少しバランスを崩した男の懐に入り込むと、
背負い投げで男の背中をしたたかに打ちつけた。
が、攻勢もここまでだった。
背負い投げを放った隙に、忍び寄っていた男に
後ろから羽交い絞めされてしまったのだ。
組み付かれてしまっては男女の力の差は歴然であり、
いくら振りほどこうとしても男の手は緩むことはなかった。
そして目の前にリーダー格の男がゆっくりと近づいて、
ズムッ。
今度はオレンジペコーの鳩尾に男の拳が食い込む番だった。
オレンジペコーはたまらず苦悶の表情を浮かべると、
ずるずると崩れ落ちて意識を失った。
483 :
473:2008/12/21(日) 23:51:29 ID:/rWBgxtB
とりあえず前編はこんなところで。
ちなみに俺はAM氏のシチュ描写だけでご飯3杯はいけます。
要望ならともかく、何が良くて何がダメかは
人それぞれってことじゃないですかね。
>>445 アンバームーンは好きにいじってもらっていいんですが、
さすがにafterだと怪盗が出てこないので……。
ifストーリーであればいくらでもどうぞ。
>>483 割り込んでしまい失礼しました。後編楽しみにしてます。
>ちなみに俺はAM氏のシチュ描写だけでご飯3杯はいけます。
シチュや描写や中身に不満があるんじゃなくて、本番描写があるような雰囲気で散々引っ張っておきながら、
結局なかったってのが不満、あるいは残念がられているんだと思われる。ぶっちゃけ、釣りだし。
最初から、ないってわかっていれば何も問題なかったかと。当時は凌辱系スレという名目がまだ強かったしね。
>>483 GJ!
相変わらず読みやすい文章で安心した
>>485 言わんでもいい、いまさらことをいつまでもねちねちぐちぐち…
読み手の立場でも叩くべきは叩くべきだが
この程度のこともスルーできないなら出入りすんな!
…と、俺は思うがね
いや、本番のありなしは書いといてほしい
言い方はともかく
488 :
473:2008/12/22(月) 03:26:18 ID:ita+mKBH
あー、後編の投下時間書くのを忘れたorz
変に焦らされてる人がいないとも限らないので
(できればいてほしい)人がいない時間にこっそり投下。
一人で長々とスレ占領してごめん。
「ん……く……痛ッ……」
オレンジペコーの意識を呼び覚ましたのは、腹部の鈍い痛みだった。
ゆっくりと眼を開いたものの、目の前にはまだ靄が広がっている。
その靄を振り払おうと右手を伸ばそうとしたとき、
ガチャリッ。
耳障りな金属音が響いて、右手が後ろに引っ張られた。
それでは左手で、と試してみたものの、やはり動かすことができない。
その異常事態にようやくオレンジペコーの意識が覚醒した。
いつしか靄はすっかり取り払われ、目の前には数人の男達が
こちらを取り囲んでいる絶望的な光景が広がっていた。
「おはよう、怪盗オレンジペコーさん。気分はいかがかな?」
「……最悪だわ。私をどうするつもりなの?」
少女の精一杯の強がりから発せられた疑問にも、
男達は答えようとはせず、ただにやにやと笑っているだけだった。
(まずいわ、これは手錠? それに足まで拘束されてる)
冷静に現在の自分の置かれている状況を把握しようとする
オレンジペコーだったが、分析するだけ無駄だった。
まず、自分の手足は後ろのX字架に鎖でしっかりと拘束されている。
鎖の余裕分だけは動かせるものの、蹴りを放つなどの
攻撃的動作までは許してくれそうにない。
加えて、目の前の屈強な男達の存在だ。
ビルの屋上で彼らに闘いを挑んで、そして自分は敗れている。
たとえこの縛めから逃れることができたとして、
策もなく抗えば屋上の二の舞になってしまうだけだろう。
そして、この場所がどこなのかという疑問も残る。
窓がない様子からどこかの地下室だと思われるが、
脱出しようとするにはまだ情報がなさすぎる。
(なんとかこの男達に隙を作らせて逃げないと……ひッ)
目を閉じて思案するオレンジペコーだったが、
不意に太腿を撫でられる感触に、小さく悲鳴を上げた。
「おお、いい反応じゃねえか」
「やめてっ、やめなさいよ! むぐッ、んむむぅッ」
気丈にも男を睨みつけたオレンジペコーだったが、
口を開いた瞬間に頬を掴まれ、強引に唇を奪われてしまった。
それは愛情などの一切入る余地のない乱暴なキスで、
男は無遠慮に舌をからめ、歯茎を舐めてゆく。
しかし、少女の口に入り込んできたのは男の舌だけではなかった。
その入り込んだ何かを少女が嚥下したのを見てとると、
男はようやく頬から手を離し、口への侵略を止めた。
唇と唇が離れ、二人の唾液がつうっと一筋のブリッジを描く。
「ぺっ、ケホッケホッ、い、一体何をしたの……?」
「へへ、いい物を飲ませてやったのさ」
果たして自分は今何をされたのか、
少女の言葉は未知の恐怖で力なく震えていた。
いっぽう、少女の可憐な唇を思うがままに蹂躙した男は
その様子が可笑しくてたまらないといった様子で、
ますます下卑た笑いを深めている。
「さて、そろそろお楽しみといこうか」
「何? 何をする気なの? 嫌、離して!」
男はX字架の後ろに回り、そこから手を伸ばして
背後からオレンジペコーの胸を揉みしだいた。
同時に、それまで静観していた他の男達も
オレンジペコーの傍へ近づき、ある者は太腿を撫で、
ある者は尻を擦り、ある者は脇までを舐め始めた。
「いや、うっ、く……気持ち悪い……離してよ!」
「なあに、すぐに気持ちよくなるさ。そのためには……」
背後から胸を揉んでいた男は少女のネクタイを外し、
ベストの下のワイシャツのボタンを強引に引きちぎった。
「きゃあッ!!」
もし少女の両手が自由だったならば、
胸を抱えるようにしてしゃがみ込んでいただろう。
しかし鋼鉄の鎖はそれを許すことはなく、
少女の半裸は男達の視線に晒されるがままになっている。
陶磁器のような滑らかな素肌。
脇腹から腰にかけてのくびれ。
白いブラジャーに隠された二つの確かな膨らみ。
肉感的というにはやや発育が不足しているようだったが、
それがかえって青い果実をもぎ取るかのような背徳感を与え、
男達はごくりと生唾を飲まずにはいられなかった。
「へへっ、オレンジの皮を剥いたら中から白い薄皮が出てきたぜ」
「そういえば俺はオレンジは薄皮ごと食べる派なんだよな」
「いや、嫌ぁッ! やめて、やめてよっ」
男のうちの一人がブラジャーの上から少女の胸へと
むしゃぶりつき、膨らみは柔らかに形を歪ませた。
同時に男の熱い鼻息が素肌にかかり、少女は身をよじる。
(くっ、このままじゃ……私……そんなのって……)
少女には男性経験こそなかったが、今自分が男達に
何をされようとしているのかを理解する程度の知識はあった。
すなわち自分の「女」が汚されようとしているのだ。
迫り来る危機と逃れられない絶望に、少女の奥歯は
恐怖でカチカチと鳴った。
「お願い……もう離して……」
「おやおや。そんな怖がっちゃって、可愛いねえ。
でもよ、どうせなら一緒に楽しんじまった方が楽だぜ?
ちなみに俺はオレンジの薄皮はきれいに取って食べる派だ」
今まで下着の上から胸に顔を埋めていた男を押しのけ、
別の男が少女の正面に立つと、ハサミの刃をブラに当てた。
「嫌ぁッ!!」
ジャキン。
少女の叫びも空しく、双丘を覆う物は何一つなくなった。
その剥き出しになった乳房に、男がしゃぶりつく。
だが、先ほどの男のような乱暴さはない。
膨らみを優しく揉みしだいたかと思えば
舌を巧みに使って先端の突起を刺激してくる。
いつしか、少女は恐怖以外の感覚をその身に覚えていた。
(あ、熱い……なんなの、これ……)
男の舌や手が胸を刺激する痛痒とともに、
今まで経験したことのない甘い痺れが体を支配していく。
それと同時に、これまでおぞましいものでしかなかった
太腿や臀部の刺激にもピクピクと体は反応してしまい、
まるで自分の体ではないかのように力が抜けていってしまう。
「あぅッ、う、くぅんッ」
胸の突起を不意に男の手が強く弾いたとき、
少女はとうとう声を漏らしてしまった。
本当に自分が発したのか疑わしく思えるほどに
その喘ぎ声は甘い響きに満ちていて、
少女は羞恥に顔を赤くして俯いた。
「くくっ、いい具合に感じてきたじゃないか。
ようやく薬が効いてきやがったな」
「んくっ、はぁ、く、薬ですって……?」
「そうさ。お嬢ちゃん、媚薬って知ってるか?
さっきお嬢ちゃんに飲ませたのは、
とっても気持ちよくなっちゃうお薬なんだよ」
先ほど唇を奪われた時の感触が蘇る。
男の唾液とともに嚥下させられた異物の正体は薬物だったのだ。
男の言葉の意味はよく理解できなかったけれど、
「ビヤク」という語感はとてもおぞましい物に思えた。
「こ、この卑怯者……んんあぁッ!?」
少女に許された唯一の抵抗である罵りの言葉も、
途中で力を失い、そして嬌声に変わってしまった。
今まで太腿をさわさわと撫でるだけだった男の手が、
急にミニスカートの中のショーツごしに秘部に触れたためである。
男のごつい手は無遠慮そのものといった手つきで、
少女の柔肉を割れ目に沿ってぐにぐにと擦る。
その度に甘い快感の電流が背筋を駆け上った。
そう、甘い痺れはもはや「快感」と呼んで差し支えない
レベルにまで強くなり、少女はそれをはっきりと知覚させられていた。
秘部に刺激を与えられるたびにがくがくと脚は震え、
崩れ落ちそうになっては拘束の鎖がジャラジャラと音を立てる。
(ダメ、このままじゃ……なんとか抵抗しないと……)
「んくぅッ、い、嫌……もう離して……ん、んあぁぁッ!!
んぐっ、んんんんッ、んふぅ、ぁ、ぁはぁぁ……」
じゅちゅっ。
男の手がショーツの中に入り込んだと同時に、卑猥な水音が響いた。
その水音は男の手が動くたびにじゅくじゅくと響き、
少女は嬌声を我慢することしかできないでいる。
やがてショーツでは受け止めきれなくなった愛液が零れ、
雫となって内股を伝ってニーソックスの黒を一段と濃くした。
「へへ、嫌だ嫌だと言いながらこんなに濡れてるじゃねぇか。
我慢してないで声を出してもいいんだぜ?」
「うそ……そんなの嘘よ……」
少女は首を振って現実を否定する。
だが、自分の身に起きたことは自分が一番よくわかっている。
たとえそれが絶対に認めたくないことだとしても。
(私、感じてる……? こんな奴らに弄ばれてるのに……)
「じゃあ、下の方の薄皮も取っちまうか」
「い、嫌……見ないで、見ないでよ!」
懸命に脚をばたつかせて抵抗しようとする少女だったが、
両足が拘束された状態ではただ身を震わせることしかできなかった。
少女の儚い抵抗など意にも介さない様子で、
男達の手がショーツにかかり、ずるずると足首までずり下ろした。
「じゃあ、新鮮な果肉をいただくとするか」
「お願い……もう、もうやめ……ぁ、ぅあ……んあぁァッ」
男は股間を覆うミニスカートをぺろりと捲り上げ、
少女の秘部を他の男達に向けて存分に晒した後、
ゆっくりと口を近づけて溢れ出る雫を啜り取っていった。
じゅるっ、ぴちゃっ、じゅるるるるるッ。
遮るもののなくなった水音は一段と室内に響き渡り、
その淫靡な音が少女の羞恥心を煽った。
男の舌が股間を執拗に舐めるごとに愛液が後から後から溢れ出し、
それを啜り取るたびに抑えきれない嬌声が口から出てしまう。
休む間もなく与えられる刺激に、少女は抵抗などできなくなっていた。
(こんなのって……私、舐められて感じちゃってる……。
でもせめてイカされるのだけは我慢しないと……
こんな奴らにイカされるなんて絶対に嫌……)
それは、最後の抵抗を心に決めた思考だったのかもしれない。
だが、それは同時に他の抵抗の術を自ら放棄する思考だとも言える。
その瞬間、少女は全ての刺激を甘受することを選択したのだ。
少女自身は気づいていないが、その思考こそが媚薬によって与えられる
甘美な誘惑に少しずつ屈してしまっている証拠であった。
「へへ、果汁100%はやっぱり美味えぞ」
「そうか、どんな味だ? やっぱり甘いのか?」
「そうだなぁ、独特の酸味がフルーティだな」
(やめて……そんな恥ずかしいこと……言わないで……)
自分の愛液の味を、まるでグルメ番組のレポーターのように
言葉で描写されるという屈辱に、少女は目を瞑って首を振った。
だが、そんな嫌がる彼女の素振りとは裏腹に、
秘部からはますます果汁が溢れ出て男の顔を濡らしていった。
「おや、こんなところに種がありやがる」
「だ、だめッ、そこはダメなの、お願いだから……」
男の言葉に、少女は瞑っていた目を見開いて嫌々をする。
だが、この期に及んで少女の哀願など聞き入れられるはずもない。
男が勃起した陰核を舌で強く刺激したその瞬間。
「んっ、あッ、だめダメぇ、んッ、んあああぁぁぁぁーーッ」
――ぷしゃあぁぁ……。
少女の体が大きく跳ね、男達に秘所を突き出すようにのけぞった。
その秘所からは愛液が飛沫となって男の顔を濡らす。
「うわ、ぺっぺっ、これはちょっと絞りすぎたぜ」
怪盗オレンジペコーの迸る果汁を一身に受けてしまった男は、
ぶるぶると頭を振って飛沫を飛ばしている。
一方、男の顔を汚した張本人である少女は、打ちひしがれていた。
それは絶頂に達した後の脱力感によるものだけではない。
(わ、私……イカされちゃった……こんな奴らに……)
絶対に男達の手では達しないと心に決めた最後の抵抗。
それすらも容易く破られ、あまつさえ潮まで噴くという
壮絶なイキっぷりを男達に晒してしまったのだ。
襲い来る羞恥と無力感に、少女の気力は根こそぎ奪い取られていた。
「もういいだろう」
それまで傍観していたリーダー格の男が、不意に声を発した。
男達はそれを合図に少女の両手両足の拘束を解いていく。
X字架の支えを失い、少女はその場に崩れ落ちた。
(なに……助けてくれるの……?)
急に縛めを解かれたがゆえに抱いた、少女の淡い期待。
だが、その期待が絶望に変わるまでにはそう時間はかからなかった。
男のうちの一人が少女の体を軽々と抱え上げると、
部屋の一角にあるマットレスへと運び、投げ下ろしたのだ。
(まずい……このままじゃ本当にッ……)
両手両足の拘束は解かれ、少女は今自由になっている。
男達がやっと見せた隙、逃げるなら今を置いて他にないはずだ。
だが、気持ちに反して砕けてしまっている腰には力が入らない。
手も足も、ちっとも自分の思うように動いてくれない。
媚薬による強烈な痺れと、男達に与えられ続けた性感は、
鋼鉄の鎖以上に少女の身を拘束していたのである。
マットレスに寝そべった一人の男が、後ろから近づいて
少女の耳をちろりと舐めた。
それだけで、甘い快感の電流とぞくぞくとした余韻が、
再び芽生えた少女の気力を萎れさせてしまう。
「随分といい表情するようになったじゃねぇか。
マスクごしにでもアヘ顔してんのが分かるぜ。
……なあ兄貴、この邪魔なマスク取っちまわねえか?」
「ダメだ。俺達が今相手してるのは怪盗オレンジペコーだ。
怪盗は怪盗のまま犯す。それは最低限の礼儀だ」
誰に対する礼儀なのだろう、と首を傾げながらも、
男は気を取り直してミニスカートをかきわけ、
後ろから少女の股間に手を伸ばした。
つ、ぷ。くちゅっ、ぐちゅっ。
「んあぅッ! あ、あぅ……ふぁ……ん、くっ……」
すっかり濡れそぼった少女の秘部は、
易々と男の指の侵入を許し、再び卑猥な水音を奏でる。
男はその雫を指で掬い取ると、意外な言葉を口にした。
「こっちの方はどうかな?」
「え? ひぃっ、そっちは違うッ」
少女が違和感に気づき、悲鳴にも似た声をあげる。
男の指があてがわれたのは、今まで弄んでいた秘部ではなく、
その後ろの不浄の穴だったのである。
「いや……やめッ!?……うっ、んくふぅ……」
「あれ、簡単に入っちまった。こりゃ相当の好き者だな」
(お、お尻の穴なんて……ゆび、指が私のお尻にぃ……)
先ほど感じた性感とは異質の感覚。
自分の肛門の奥に異物が入り込んでいる圧迫感。
最も恥ずべき箇所が、男の指にほじくられているという屈辱。
未知の感覚に脂汗を浮かべる少女に向けて、男は楽しげに宣告した。
「それじゃ、抜くぜ」
「え? ぬ、く……? んっ、あくッ、んあっはぁぁあッ!!」
ずぼぉッ。
男の指が少女の肛門から勢いよく引き抜かれた。
その瞬間、自分の中を圧迫していた異物が
一気に外に出ていく喪失感が少女の身を襲った。
排泄の瞬間にも似た強烈な性感が、少女の脳内に火花を散らす。
少女の体がビクンッと大きく跳ね、そして脱力した。
「んぁ、はぁう……ぁ、ぁう……」
「はは、初めてのケツの穴でイッちまうとは、見所あるぜ。
さて、そろそろ本格的に味見をしたくなってきたな」
まだ体に力が入らないといった様子の少女の体を、
男は強引に持ち上げて四つん這いの格好にさせると、
カチャカチャと音を立ててスーツのズボンを下ろした。
まだ抗う意思が残っているらしく這い這いの動きで
男から遠ざかろうとする少女をがっしりと捕まえると、
ミニスカートを捲り上げて自分の男根を
少女の秘所にあてがってから、一気に貫いた。
「がっ、はぁッ!! あ、ふぅ……んっ、く……」
瞬間、少女の秘所に灼けるような感覚が走った。
これまで与えられた性感のどれとも違う、
圧倒的な性感の奔流の前に、少女は体をのけ反らせた。
媚薬による体の疼きの前では処女膜などは妨げにもならず、
待ち望んでいたかのように男根を咥え込み、そして受け入れる。
(熱い……そんな……嫌、なのに……我慢でき、ない……)
いっぽう、男の方も未開発の秘部に突き入れたことによる
性感に我慢できなかったらしく、「うっ」と呻き声をあげた。
男は繋がったままの体勢でしばらく呼吸を整える。
少女にとってはその時間が、やがて襲い来る性感への
期待を大きく膨らませる時間となっていた。
「へ、へへ……さすが初物は締めつけが違うぜ。よし、動くぞ」
「あぁっ、はぁ、はぅッ、んぁ、ああああぁっ!!」
パンッ! パンッ!
男の股と少女の尻が打ちつけられる音が室内に響く。
そのたびに、重力によって垂れ下がった衣服と
その内側の乳房がぶるぶるとリズミカルに揺れた。
体全体がピンク色に上気し、突かれるたびに
嬌声を上げてのけぞる少女の姿は、誰が見ても
官能を貪っている光景に他ならなかった。
(ダメなのに……こんなのダメなの、にぃ……)
男の人に貫かれるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
自分がこんなに甘く鼻にかかった声を出せるなんて知らなかった。
「ダメだ」という倫理観と、与えられる強烈な快感。
頭の中での闘いは、ひと突きごとに肉欲へと傾いていった。
「よっ、と」
「ん、はぅッ、んっくぅぅ…………え?」
突然、男がその動きを中断して肉棒を抜いてしまうと、
少女の口から意外そうな声が漏れ出た。
(わ、私……今なんて声を……)
「なんだ、もっと突いてもらいたかったか?」
「ち……違う、だ、誰がアンタなんかに……」
認めたくない心の動きを男にずばりと指摘され、
少女は一瞬ためらった後に慌てて否定の言葉を紡いだ。
「ったく、まだ強がるのか。いい加減素直になれよな。
体勢を変えて第2ラウンドだ」
呆れたように少女を仰向けに寝転がすと、
その上に覆いかぶさって再び少女の奥へと突き入れた。
「くうぅぅッ、んはぁっ、だ、だめ……深いぃッ!」
ズンッズンッと突き入れるたびに少女の口からは
舌足らずな喘ぎ声が漏れ出し、上を向いた乳房は
ぶるんぶるんと形を歪ませながら揺れた。
男はそれを見て一層ピストン運動を激しくしていく。
「んんあはぁッ、んんっ、くっ、あっ、はぁぁぅ!」
(だめ……こんなの、もう……もう、おかしくなっちゃう……)
少女が今まさに高みへと昇りつめようとした時、
突然男はその動きを緩やかなものにした。
「……え? ん、くぅ……あ、はぁぁ……」
「ふん、自分の体を見てみろ。口では嫌だ嫌だ言ってても、
しっかり腰は動かしているじゃねえか」
それは、事実だった。
少女の腰は淫らにくねり、より深い性感を得ようと
男の肉棒に自らの秘所を打ちつけていた。
(あ、あれ……わ、私……)
自分の腰の動きに気づいてしまったとき、
これまで少女の心を支えていた被害者意識が崩壊した。
そして、男達に無理矢理犯されていたはずの自分の姿は、
淫らに性感を欲している自分の姿へとすり替えられていった。
「気持ちいいんだろ? 欲しくてたまらないんだろ?」
「……は、はい……気持ち、いいです」
ついに性感を認めた少女の瞳は、とろんと濁っていた。
男は満足げに嗤うと、再び腰を激しく動かし始めた。
「んああぁぁッ! そ、それっ……い、いいのぉ!!」
「どこがいいんだ? ちゃんと言ってみろ」
「お、おくぅ……奥まで突かれるのが、いいですぅ!」
一度言葉に出してしまうと、後はただ溢れ出るだけだった。
自分を抑えることができなくなった少女は、
以前にもまして急速に性感の波に呑まれていった。
少女が堕ちたと見るや、男は少女の中の「怪盗」の部分までも
言葉によって辱めを加えていく。
「天下の怪盗オレンジペコーが、いいザマだな?」
「い、いやぁ……そんなこと、は、恥ずかしい……」
「自分を応援してくれた庶民に申し訳ないと思わないのか?」
「お、思います……んっ、あくっ、それダメへぇ……」
「じゃあちゃんと謝らないとな。
『怪盗オレンジペコーはセックス大好きな女の子に
なっちゃいました、どうもごめんなさい』って言うんだ」
「んッ、はぁ……そ、それは……」
その言葉を吐くのを躊躇わせたのは、怪盗としての矜持。
強きを挫き弱きを助けてきた、正義感に裏打ちされた自負。
だが、性感の虜となってしまった今の少女にとって、
そんなものは紙の盾よりも破れやすいものだった。
「謝らないのならそれでいいさ。
その代わり、このままイカせてやらないだけだからな」
男は非情な選択を強いるため、少しだけ腰の動きを早めて
快感の一端を少女に味わわせてやることにした。
ズンッ……ズンッ。
「んあっはぁぁぁ……い、言います……言いますから……。
か、怪盗オレンジペコーはぁ、せ、せっくす大好きな、
んふぅ、女の子に、な、なっちゃいましたぁ……。
あッ、あんん、い、言い終わるまで、待って……くだ、
ああッはああ、ど、どうもごめんなさいいぃぃ……!!」
最後は悲鳴にも似た絶叫だった。
待ち焦がれた強い刺激が、ビッグウェーブとなって
股間から全身へと広がってゆき、目の前が白くなってゆく。
「これ、これ来る……もう、もうキちゃうのぉ……」
少女は髪を振り乱し、少しでも性感を逃すまいと
全身を使って男の責めを受け入れた。
男もそろそろ限界が近いらしく、一気に腰の動きを早めた。
「うおおお、そろそろイクぞ、んんあああああッ!!」
「ああはぁぁ、わ、私も……イく、イっちゃいますぅ……。
ひゃぁ、だめ、くる……あッはあぁぁぁぁーーッ!!」
獣の咆哮のような男の声と、
息も絶え絶えというような少女の声が混ざって響いた。
絶頂の後に来るのは、弛緩。
だらりと脱力した少女の元へ、リーダー格の男が近寄る。
「お前、本当の名前は何と言うんだ?」
「はひぃ……んぅ……ゆず……柚子ですぅ……」
「なるほど、柚子か。いい名前だな」
がくん、と気を失ってしまった少女を見つめる
リーダー格の男の表情に、邪悪な笑みが広がった。
年末ムードの色濃くなった12月22日のこと。
怪盗オレンジペコーは高田邸の浴場に座らせられていた。
当主である高田淳子が使用する大浴場とは異なり
お世辞にも大きいとはいえない浴場は、湯煙で曇っている。
「よし、俺が柚子湯の一番風呂だ。しっかり奉仕するんだぞ」
「はい……どうぞ、よろしくお願いします」
慎ましやかという表現がしっくりくるほど従順な態度で、
怪盗オレンジペコーは三つ指をついて頭を擦りつける。
だが、少女の身に起こった変化は、態度だけではない。
彼女のトレードマークであるオレンジ色に統一された
ベストやミニスカートは、その丈を大幅に短くされている。
しかも、ビニールか何かでできているのだろうか、
そのオレンジの衣装はいずれも半透明なのである。
白いシャツはおろか下着すら内側に着込んでいないため、
裸同然の格好といって差し支えなかった。
その一方で、瞳を覆うマスクや黒いニーソックス、
ブーツなどはそのままであるところが、男のフェチ心を刺激する。
すなわち、怪盗オレンジペコー自体を淫らなものに仕立て上げ、
サービスさせようという計らいであった。
「まずは浴槽に浸かってしゃぶってもらおうか」
「は、はい……ご奉仕させていただきます」
使用人用の浴槽は二人が入ればぎゅうぎゅうといった狭さだ。
それを体をかがめるようにして、水面から突き出た
男の肉棒を手でしごき、口に含んでいく。
「おむっ、んちゅっ、んむぅ……ひ、ひかがれすか?」
「もっと舌を使え、この下手くそ」
「ひっ……も、申し訳ございません」
男の叱責に少女はビクッと身を震わせると、
指摘通りに舌を使って男の顔色を窺う。
「れろ……んちゅぅ……おむ……」
「うむ、よくなった。やればできるじゃないか」
「あ、ありがとうございます」
「次はお前の体で洗ってもらおうかな」
そう言うと男は洗い場に出ると、
マットレスの上にどっかりと胡坐をかいて座った。
かたや少女はというと、お湯の入った洗面器に
ローションを溶いては、自らの体に塗りつけている。
雪のように白い肌とオレンジ色の半透明の衣装が、
粘度の高いローションによっててらてらと光った。
男が、無言で右腕を水平に上げた。
「それでは失礼します」
少女は男の二の腕を跨ぐと、自らの股間の茂みを擦りつけ始めた。
「……んっ、はぁ、ぅん……」
「そんな動きじゃ一年の垢は取れないぜ。ちゃんと擦りつけるんだ」
「……ぁ、は、はい。んっ、くぅぅ、んあぁ……」
「おい、俺に奉仕するんじゃなかったのか?
自分だけ気持ちよさそうによがりやがって」
「は、はいぃ、で、でも……んっ、く、あっはぁぁ……」
少女も懸命に男の命令に従おうとしているのだろうが、
股間を擦りつけることによる刺激には抗えないらしく、
脚をがくがくと震わせながら腰を動かしている。
「ちっ、もういい」
「んっ、く、はぁ……も、申し訳ございません……」
男は内心少女の敏感な反応に舌なめずりをしているのだが、
少女は度重なる男からの叱責に、落ち込んでしまっている。
「よし、次はお前のアソコで満足させてみろ」
「……は、はい、頑張ります」
男はマットレスの上に仰向けで寝転がると、
勃起した肉棒が天を衝くかのようにそそり立った。
少女は促されるがままにその上に跨り、
自らの手で肉棒を秘所へと導き入れる。
ぬぷっ。
「んっ、く、はぁぁ……それじゃ、動きますね?」
「お、おう。ちゃんと腰を使うんだぞ」
少女は華奢な腰を精一杯くねらせ、
せっせと男の股に自分の股を擦りつけていく。
全身に塗りたくったローションは潤滑油の役割を
十分に果たしており、、腰を動かすたびに
ぬちっ、じゅちっと卑猥な音が浴場に反響する。
「ふぅッ……あっはぁぁ、い、いかがですか?」
「な、なるほど、これは大変な名器だ。
冬至の日にはやはり柚子湯に限るな」
「ぁう、んっ、ありがとう、ござひ……ます」
自らの腰の動きによって与えられる、股間からの
ゆっくりとした性感が少女の呂律を怪しくする。
こうなってみると、姿形こそ面影を残してはいるが、
もはや怪盗オレンジペコーは自らの意思で男の精を絞り、
性感を貪る雌にしか見えなくなっていた。
だが、男は未だ満足するには至っていないらしく、
懸命に腰を動かす少女に更なる注文をつける。
「覚えておけ、俺に奉仕するときはこうするんだ」
そう言うと男は、跨っている少女の脚を立たせた。
臀部から丸みを帯びて続く両脚のラインが、Mの字を描く。
「い、いやぁ……こんな格好、は、恥ずかしいです……」
「ん? 何か言ったか、ええ?」
少女の中に僅かに残った羞恥心から来る抵抗を、
男は下から秘部を突き上げることで押さえ込んだ。
ズンッ、ズンッと男が腰を動かすたびに、
少女の顔は快感に歪み、口からは嬌声が漏れ出る。
「ふぁ、ぁくッ、ふ、深ひぃ……。これ、奥まで入っへきてるのぉ……」
「おら、いつまで俺に腰を動かさせる気だ? さっさと自分で動けよ!」
男は寝転がったまま、少女の尻を下からペシィッ!とはたいた。
弾かれたように、少女は体を震わせながら上下運動を始める。
「ふっ、くはぁ……あ、んくぅッ、はぁ……」
「おっ、お前尻を叩くと急に締めつけてきやがったな。
ひょっとして、マゾッ気があるんじゃないのか?」
味をしめた男はペシィッ!ペシィッ!と繰り返し少女の尻をはたき始めた。
力の入っていない平手打ちのこと、痛いわけではない。
だが、叩かれた後に臀部に走る痒みにも似た感覚と、
幼子のように尻を叩かれるという恥辱が少女を支配してゆく。
そしてまるで騎手が鞭をくれた競走馬のように、
より一層上下運動を激しいものにするのだった。
「ふぁ、んふぅッ!! ぅああっ、ん、あはぁぁぁっ」
「うッ、や、やっぱり尻を叩くと締めつけてきやがる……。
どうだ、尻叩かれるのがそんなに気持ちいいのか?」
「ああッ、はぁ、はぅ……き、気持ち、いいれすッ!
わた、私、おしり叩かれへ、感じちゃってますぅッ!!」
両脚は体重を支えきれなくなってきたのかガクガクと震え、
少女の口からはあられもない言葉と共に涎が一筋、糸を引いて滴り落ちた。
「おっと、俺もそろそろやべえな……おい、イくぞ!」
「あ、わ、私もぉ、ふぁああッ、も、もう……だめへぇ……」
――バシィッ!! 男が強く少女の尻を引っぱたいた瞬間。
「んおぉぉ、で、出るッ!!」
「あぁッ、く、くらさいぃ……私の中に熱いのをいっぱい……
んぁ、あはぁッ……くる、きちゃううぅッ」
びゅるるるッ! びゅるっ、びるっ!!
「あああッ、ひあっ、ふあぁああああぁぁーーッ」
男は欲望の全てを膣内に放出し、少女は自らの中が
どくどくと精液で満たされていくのを感じながら果てた。
――だが。
「おい、呆けてる暇はねえぞ」
「……んぅ?……え、え?」
蕩けそうな表情を浮かべてる少女を、別の男が無理矢理抱き起こした。
「そうだなあ……今日は冬至だし、まずはこの二つの南瓜をいただこうか。
南瓜というには小ぶりだが、どんな味がするのか楽しみだ」
「ちょ、ちょっと待って、休ませてください……。
私、さっきイッたばかりでまだ……ひあぁぁッ」
「何を言ってる、お前は高田家使用人の性欲処理係なんだ。
俺以外にも、まだまだ後はつかえているんだぞ」
「そ、そんな……わたひ、こわれひゃう……んあはぁッ!」
冬至。それは一年で最も夜が長い日。
だが、怪盗オレンジペコーにとっての夜は、二度と明けることはなかった。
〜BAD END〜
502 :
473:2008/12/22(月) 03:55:49 ID:ita+mKBH
投下終了、お粗末様でした。
やっぱりプロット考えなくていい短編は楽です。
GJ〜
それはそうと柚子よ、オレンジペコにはオレンジは入っていないし、別に茶葉がオレンジ色でもないんだぞw
ちなみに作者さん、NHKの柚子風呂のニュース見た?
GJ!
かくあるべき怪盗が捕まってあんな事こんな事ですね。
しかし怪盗は怪盗のまま犯すのが礼儀とかわかりすぎてる男がいるなw
あえて贅沢な事を言えば薬でマッハ落ちはイマイチ
陵辱ならまずは薬無しで無理矢理やらないとね
GJ!
薬とか使われるシチュは大好きだw
507 :
38氏代理:2008/12/23(火) 07:56:50 ID:uqMVVN2P
508 :
473:2008/12/23(火) 16:02:45 ID:8j4113Jw
>>503 マジか……てっきりオレンジ風味の紅茶だとばかり思ってました。
穴があったら入れたいとはこのことですね。
ちなみにNHKは見てません。
>>505 >>506 オチが決まっている以上、薬でも使ってマッハ堕ちにしないと
短編には収まらないというジレンマがそこにはありました。
と言い訳をしてみたものの、俺の書く怪盗は
全員マッハ堕ちだったことに気づく。
今度は「ひぎぃッ!」みたいな展開で書いてみようかなぁ。
いまいち陵辱モノのツボが分からない俺に色々教えてもらえると。
>>507 GJ、相変わらず砂糖吐きそうなストーリーですね。
完璧にこのスレの趣旨に合ったSSですか、楽しみにしてます。
色々言われて、無駄にハードル上げてる38氏に萌え。
作者さんのマジボケだったのかw
オレンジペコは茶葉の等級の名前なので、お茶の種類の名前ですらないっす
詳しくは検索されたし
てっきり悪党側の無知な言葉攻めにも羞恥を煽られるという設定なんだと
思って読んでたw
511 :
AM:2008/12/25(木) 00:12:39 ID:RrcP+LxY
メリークルシミマス!(怪盗が)
去年に引き続き今年もクリスマス投下にやってまいりました。
今回投下するのは短編ではなく、一年以上も更新していなかったアレです。
この状況下でこれを投下するのは(上のログ的に)空気を読めてないことこの上ないんですが
それでも書きあがった以上は投下したいと思います。
大変長らくお待たせいたしました、初代AMのEDの一つ『宝石破瓜』です。
今ちょっと手が放せないので投下は一時くらいから開始予定。
ようやくキターーーー!!よし、待機だ。
513 :
AM:2008/12/25(木) 01:01:25 ID:8cW9I18e
では投下開始します。
本文12レスです。
「うぅ……ん…ッ?」
ぼんやりと薄暗くぼやける視界の中、美音は目覚めた。
ひんやりとした空気が頬を撫で、寒気が背筋を走る。
一体ここはどこだろうか。
未だ朦朧とした意識の中、少女は頼りなく視線を巡らせた。
(壁……それに、あっちに見えるのは鉄格子? えっ、鉄格子!?)
パチリ。
思いもよらぬものを見つけてしまったことで一気に意識が覚醒する。
慌てて顔を振って左右を見やるも、少し離れた場所に壁があるだけで他には何もない。
向かいにある鉄格子の傍で数本の蝋燭がかろうじて明かりを灯してはいるが、薄気味悪い暗さを助長するのみだ。
窓はなく、外の様子はわからないため今が何時かすらもわからない。
「あッ……な、何これっ!?」
周囲を探ろうと手を動かそうとした美音だが、ガチャガチャと音が鳴るばかりで両腕は主の命令に従ってはくれなかった。
目を凝らしてみれば、両腕は万歳をするように伸ばされた状態で手首の部分を錠で繋がれているではないか。
いや、手だけではない。
両脚も同じように大股開きで固定されていた。
しかも衣類は全く身に着けておらず、生まれたままの姿でだ。
そう、怪盗少女は今、全裸のままX字型の磔台に四十五度ほど倒された状態で縛められていたのである。
「そ、そんな……どうして、だ、誰か―――」
救助を求めて叫びかけた声が寸でのところで止まる。
助けを求めるのは良い。
だが、誰かがこの場に来るということは今の自分のあられもない格好が見られてしまうということだ。
それは恥ずかしいし、絶対嫌だ。
(と、とにかく状況を整理しないと……)
身体の自由が全くきかない状況では頭を働かせるより他はない。
そもそも何故自分はこのような状況に陥ってしまったのか。
必死に頭をめぐらせる少女の脳裏に、意識を失う前のことが思い出されていく。
「そうだ……私、捕まって……」
最後のエレメントジュエル『ダーク』を求めて塔亜夜暗と対峙し、アクアメロディは敗北した。
そして衆人環視の中、見世物のような扱いで街中を連行されて―――
「―――ッ!? ま、まさか!?」
絶望の声音が少女の口から零れ出る。
記憶に残る最後の光景。
それは衣装をはだけられ、お漏らしを披露した挙句、仮面を剥がされるという一連の恥辱だった。
この記憶が確かならば、ここは警察署の監獄の中ということになる。
(でも、それにしては雰囲気がおかしい……)
逮捕されてしまったという絶望の中にある、一縷の望み。
それは現状の異常さだった。
ここが警察署内だというのならば、あまりに自分の扱いが酷すぎる。
拘束されているのはまだしも、丸裸の上こんな標本のような格好で放置というのは警察のやり口ではない。
だが、ならば一体ここはどこで何者が自分をここへ連れてきたのか。
この扱いからして間違いなく相手は善人ではないだろう。
コツ……コツ……
(だ、誰かくる……!?)
状況に混乱する美音の耳に何者かの接近を示す足音が聞こえてくる。
音の数からして人数は一人だろうか。
やがて、牢の前まできた足音は鉄格子の中の扉に手をかけ、ゆっくりと開いていく。
「だ、誰……ッ」
恐怖を押し隠そうとあげられた声には、僅かな怯えが宿っていた。
いかな怪盗少女といえども、このような薄暗い密室の中で身動きが取れない状態とあっては普段の強気を出すことはできない。
ましてや今は一糸纏わぬ裸体なのだ。
足音の主が男であれ女であれ、この状態の自分を見られると思うと、恥辱の震えを押しとどめることなどできなかった。
「くくく……」
入室してきた人影は、恥らう乙女にかまわず磔台の正面に立った。
蝋燭の火が、人影の顔をユラリと映し出す。
「と、塔亜夜暗……!」
「お目覚めかね、アクアメロディ」
少女の目に映ったのは、自分を陥れた張本人である男の慇懃無礼な微笑だった。
「こ、ここはどこ!? 私に何をする気!?」
「ほう、まだそんな口が聞けるのか……」
感心したように呟く男に美音は不安を隠せなかった。
身動き一つ取れない状態の自分の前に敵対する人間がいる。
その事実は確実に少女に緊張を強い、心臓の鼓動を早めさせていた。
「しかし天下の怪盗ともあろうものがいいザマだな。まあ、先程のことを考えれば今更ではあるが」
「み、見ないで!」
余すところなく胸や股間といった恥ずかしい部分を見せ付ける形になっている美音は、せめてもの抵抗とばかりに身をよじる。
しかし四肢はガッチリと錠で拘束されているためにそれはガチャガチャと金属音が鳴り響く程度の結果しか生まない。
むしろ、身をよじったことで豊かに実った乳房がふるんっと魅惑的に揺れて男の目を楽しませる始末だった。
「さて、疑問に答えようか。まずここだが、警察署内ではない。俺が所有する別荘の地下室だ」
「べ、別荘……?」
「何故そんなところに、と不思議そうな顔だな? なに、ダークの力を使えば人知れず移送することなど簡単なことだ」
お前は気絶していたからわからなかっただろうがな。
そう言いながら笑う男に不安と敵意のまじった視線を送る美音。
だが、夜暗はそれを意に介することなく説明を続ける。
「まあ、今頃警察は大騒ぎだろうが……俺が今からする尋問は警察の中ではできないのでな」
「く……」
「だが誤算だったよ。まさかあんな目にあってもまだ心が折れていないとはな」
「当たり前よ! あなたの思惑通りになんていくものですか……!」
嘘だった。
本当は今にも泣き出しそうなくらいに美音の心は揺れていた。
いくらアクアメロディという仮面で覆われていても、その中身は水無月美音という一人の少女に過ぎない。
衆人環視の中であのような恥態を晒され、今なおこのように裸で拘束されて平常心でいられるはずがないのだ。
しかし、それでも美音は懸命に闇に染まりそうな心を押しとどめる。
「絶対、エレメントジュエルの在処は教えない!」
「威勢のいいことだ。つい先程まで泣き叫んでいた小娘と同一人物とは思えんな」
「……っ」
カッ、と美音の頬が朱色に染まった。
男の言葉によって思い出すまいとしていた気絶前の恥辱を脳裏に思い浮かべてしまったのだ。
「まあいい。どちらにせよ最早お前には帰る場所などないのだからな、ゆっくりとやらせてもらおうか」
「そ、それはどういう……」
「くく、もう忘れたのか? お前の素顔はシティ中に公開されてしまったんだぞ?」
「あ……!」
赤に染まっていた少女の表情が真っ青になっていく。
そうだ、アクアメロディの素顔は見られてしまった。
自分を知る人にも、そうでない人にも、怪盗アクアメロディが水無月美音であることを知られてしまったのだ。
男の言うとおり、家に帰ることはおろか、もう二度と表を歩くこともできない。
犯罪者であり、衆人環視の中で恥態を晒した痴女。
水無月美音に貼られたそのレッテルはもはや覆すことはできないのだから。
「あ……あ……そんな……!」
「理解したか? 今のお前はただの小娘以下の存在であるということを」
頭の先から爪先まで舐め回すような男の視線。
それは心の拠り所を破壊された美音の羞恥心を焼いていく。
「い……いやぁっ!!」
この瞬間、少女の中のアクアメロディは消え去ってしまう。
残ったのはただただ現状に怯えるばかりのか弱い少女に過ぎない。
だが、エレメントジュエルを求める男に容赦はなかった。
拘束された女体の中で唯一自由を謳歌する美音のバストを右手で掴み、夜暗はぐっと力を込めていく。
「ひっ! うあっ……あくっ!」
柔らかな乳肉は握力によってその身を沈ませていく。
指と指の間からはあまった肉がむにゅりとはみ出てその質量を誇示しているかのようだ。
手のひらで押し潰されている乳首はくにゃっとひしゃげ、突然の暴虐に震え怯えてしまっていた。
「い、痛い……くうっ」
パッと男が手を放す。
すると弾力を見せ付けるようにひしゃげていた乳房は元の美しい曲線を描く膨らみへと形を戻した。
更に、先端のさくらんぼ乳首が勢い余ってぴょこんっと肉の大地の中から飛び出す。
「喋る気になったか?」
軽い痛みにジンジンと疼く胸を美音は眉をしかめながら見下ろした。
だが男の声にハッと我に返り、首を横に振る。
「強情だな。だがそれも時間の問題だろう」
「やぁっ! そんなところ……」
夜暗の次なるターゲットは無防備に外気に晒されている乙女の秘めやかな場所だった。
開脚状態で固定されているためか、頑なに閉じられているはずのそこは僅かに口を開きかけている。
恥ずかしそうに顔を出している膣内からはサーモンピンクのヒダが見え隠れし、まるで男を手招きしているようだ。
「濡れてはいないか」
「わ、私はこんな状態で感じるような変態じゃないわ……」
「数分後も同じ台詞を言えればいいがな。くく、しかしかすかに小便の臭いがするな」
「なっ! や、やめてぇっ! そんなトコのにおいなんて……ッ」
クンクン、と鼻を鳴らす男に少女の嫌悪感が爆発した。
身体の中でももっとも見られたくない場所を至近距離で見られている上に、恥辱の名残である小水の臭いまで嗅がれる。
そのあまりに屈辱的な行為に、懸命に腰を引こうとする美音。
勿論、四肢を拘束されている以上ほんの僅かにお尻の位置が上がるだけで、依然として乙女の秘処は男の眼前にあった。
「触られてもいないのに大騒ぎだな。これでは今からどうなることやら」
「な、何を……する気、なの」
「拘束された裸の女、密室、目の前には男……言わなければわからないか?」
「ひうっ……」
つーっと太ももの内側を指でなぞられて、怪盗少女のおとがいが高く跳ね上がる。
それでも唇を噛み締めて美音は震えを押さえ込んだ。
こうなってしまっては強がって見せることだけがせめてもの抵抗だった。
処女である美音とて、男の言葉が何を意味しているのかくらいはわかる。
彼は自分の純潔を奪うつもりなのだ。
それをあえて直接的に言わないのは、こちらの恐怖心を煽るため。
だからこそ弱気は見せられない。
「くく、健気だな。首から下はこんなにも震えているぞ」
「……っ」
しかし恥辱に震える女体は主の意思を十全に反映してはいなかった。
四肢は絶え間なくガチャガチャと錠を鳴らして身体の震えを表してしまっている。
拘束されていない肩も、胸も、腰も、お尻も音こそ鳴らしてはいないが震えが見て取れるほどだ。
「痩せ我慢とはいえ、流石は怪盗アクアメロディと誉めておこうか」
男の手が顔に伸びてきて、美音は咄嗟に首を捻る。
だが、身動きが取れない状態では伸ばされた手をかわし続けることなどできない。
ひやっとした手のひらが目元の辺りに当たり、反射的に目を閉じる美音。
(……えっ)
しかしその感触にはどこか違和感があった。
直接触れられているはずなのに、まるで布を隔てて触られているような。
疑問を感じた美音は、直後その違和感の理由に気がついた。
衣装は全て脱がされていたと思っていたのに、仮面が顔につけられているのだ。
「ど、どうして……」
「今頃気がついたか。そう、仮面だけは身に着けさせ直してやった」
風で飛ばされた仮面を回収するのには骨を折ったがな。
そう呟く夜暗に美音は訝しさに表情を染める。
今更仮面だけ元に戻す理由がわからなかったからだ。
「何、俺も警察官の端くれだからな。尋問するならやはり犯罪者である怪盗アクアメロディをと思っただけだ」
悪趣味な。
陰湿な男の手口に憤りを感じた少女の身体に僅かながら活気が戻ってくる。
たかが仮面一枚ではあるが、身を覆うものがあるという事実は美音の心の負担を軽くした。
だが、その希望の灯火もすぐに次の男の行動で鎮火してしまう。
いよいよ本番とばかりに夜暗がズボンを脱ぎ始めたのだ。
「キャッ!」
「くくっ、可愛い悲鳴をあげるじゃないか。男の勃起を見たのは初めてか?」
男のズボンの中から現れたペニスを直視した美音は短い悲鳴を上げて慌てて横を向く。
しかし一度目に入った映像はそう簡単には脳内から消えてくれない。
と同時に切迫した危機感が襲ってくるのを少女は感じていた。
あれが今から自分の身体を汚す。
その確信に近い推測が処女の裸体を金縛りにかけていく。
「安心しろ。お前の処女を頂くのは残念だがコイツじゃあない。何せ我々警察が追い求めた怪盗の貫通式なんだからな」
趣向をこらすつもりだ。
そうか加虐的な笑みを見せながら喋る男に美音は不安を隠せない。
一体彼は何を考えているのか。
その答えは、夜暗の手の中にあった。
「怪盗アクアメロディの処女を頂くのは、これだよ」
「それは、ダーク!? 一体……どういうことっ」
「物分りが悪いな。つまりだ」
再び少女の股間にしゃがみこんだ男は人差し指と中指で乙女の恥丘を捕らえ、ゆっくりと左右に広げていく。
あえなくクパァッと開門してしまう美音の処女地。
「ひぁっ……」
「綺麗な中身をしているな」
「いやっ……や、やめ……何をっ!?」
「言っただろう。これでお前の処女を頂くと」
夜暗は空いたもう片方の手で摘んだダークを無理やり開かれてわななく陰唇の真ん中に差し込んでいく。
親指大の大きさの宝石は、まるで意思を持っているようにずぶずぶと少女の体内へと潜り込む。
「やっ、やめて! やめなさい! なんてことを……」
「なんだ、嬉しくないのか? あれだけ欲しがっていたダークをやろうっていうんだぞ?」
「やっ……出して、止めてぇっ!」
「くく、ほら……全部入った」
つぷりっ。
まるで自ら咥え込むように、少女のソコは最後のエレメントジュエルを飲み込んでしまう。
何とか異物を外に出そうと美音は腰を振り、股間を力ませる。
だが、夜暗は素早く手のひらを秘処全体に押し当てて宝石の排出を封じた。
「うくっ……」
「黙っていろ、すぐに良くなる」
「何を……ンあ!?」
ビクン!
体内の異物感に顔を顰めていた少女の身体が腰を中心にして激しく跳ねた。
硬さと冷たさしか感じなかったはずの宝石を中心に、言葉にできないほどの快感が女体の中で広がり始めたのだ。
「こ……はあ! れ、うぁ……ンはぁっ!?」
「これもダークの……いや、エレメントジュエルの能力の一つだ。元々エレメントジュエルは人間の欲望に反応して力を発揮するもの。
ならばそれを女の性欲の源である場所に置いたらどうなるか? これがその答えだ」
得意そうに語る男を睨みつけようとするも、既に美音にはその余裕はなかった。
言葉では尽くせないほどの熱が股間を中心にして渦巻いている。
寒さすら感じていたはずの獄内なのに、汗が吹き出て止まらない。
何よりも、勝手に動く腰が止められないのだ。
つい先程まではまるで濡れていなかったはずの陰唇からは滝のような愛液が流れている。
男の手が覆いかぶさっているというのに、その恥ずかしい液体は溢れ出て床へとぼたぼたと零れていく。
むず痒さが肌を襲い、身体中を掻き毟りたい感覚にすら駆られる。
「はぁ! くぁ!」
「苦しそうだな。すぐに楽にしてやる」
「……な、なにっ? いや、あっ、うあああーーーッ!」
剛直を秘処に当てたかと思うと、夜暗はゆっくりと身を沈めていく。
遂に身体の中へと侵入してきた男の欲望に、美音は慄きながらも震えを止めることができなかった。
恐怖ではない、歓喜の震えをだ。
刺激を欲していた女体は、男の焦らすような挿入にすら敏感に反応し、その身を高まらせてしまう。
「ふっ……! ハァ! ひあ!」
軽く達してしまった怪盗少女は嫌悪に心を塗りつぶされながらも、初めて味わう男の存在をシッカリと身体で感じていた。
やがて、侵入を続ける男根は先に膣内に入っていたダークと合流し、共に奥へと進んでいく。
ミチッ……
かすかな抵抗感が侵攻を続ける異物の行方を阻む。
それは美音の処女の証にして最後の守りだった。
「これが最後だ。ジュエルの在処を喋るならここでやめてもいいんだが?」
「……ンッ」
快楽と恐怖に半ば朦朧としながらも、残った意識の中で美音は首を横に振った。
それはもはや反射とも言える抵抗。
しかし理性とは裏腹に、少女の発情した身体はその返答の結果を望んでいたと言えた。
もっと深い快楽を。
無意識のうちに腰が前に動くのを自覚することなく、次の瞬間。
「あ―――!」
何かが切れるような、引き裂かれるような感覚は刹那のことだった。
チクリと刺すような痛みこそ瞬間的に感じはした。
しかしダークによって矯正発情させられた肢体は破瓜のショックすらなかったかのように更なる発熱へと導かれていく。
それはもはや快楽の嵐であった。
「ふぅあ……ン! く、はぁっ……う!」
「どうだ、追い求めた宝石によって処女を失った感想は?」
「こ、こん……なぁっ! ああ! ああっ!」
「くく、もうロクに喋れもしないか」
ガクガクと快感に身体を震わせる拘束少女に、夜暗は更なる刺激を与えるべく腰を動かす。
ずりゅっ、ずりゅっ。
ゆっくりと、しかし深く強く男根の抜き差しが始まった。
出ては入ってくる熱い肉棒と、ひたすら体内に留まりながら性感を増幅させていく冷たい宝石。
その二重の刺激がつい先程まで処女だった美音の身体を容赦なく責め立てる。
「あっ、ひっ、ああっ!」
ビクッビクッと少女のおとがいが仰け反っては痙攣する。
抜き差しが行われるたびにたぷんっと上下に跳ね回るバストは自分も責めて欲しいとばかりに中心の実を硬く膨らませていた。
抵抗の証とばかりに握り締められていたはずの手足の指は、今ではすっかり開ききって力なく動かない。
責められている股間からはとめどなく愛液が零れ、艶かしい太ももと床、そして男のペニスを汚していく。
既に美音の身体は絶頂を極めていないのが不思議なほどだ。
それでも最後の一線だけはかろうじて守っているのは、ひとえに今まで培われた少女の精神力に他ならない。
しかし、それも限界に達しようとしていた。
汗だくになるほど火照った裸体は蝋燭の光にあぶられるように輝き、今にも爆発しそうな予感を漂わせている。
美音もその瞬間の近づきを認識しているのか、徐々に息継ぎの感覚が短くなっていく。
(駄目……! 耐えないと、でも……ああっ)
処女をあっさりと奪われた挙句、すぐさま絶頂に達したのでは正に男の思う壺だ。
せめて敵の思惑を一つでも外したい。
そう願うも、超常の力によって発情させられた身体は意思一つで抑えきれるものではない。
チカチカと視界が霞んでいき、浮遊感が少女の身体を包んでいく。
股間からせりあがって来る波はもう塞き止めることなどできそうにもなかった。
「もう、ダメ……飛んじゃ―――!」
ピタリ。
少女の身体が快楽の極みに達しようとしたその瞬間。
唐突に男の動きが止まった。
「えあっ……?」
歓喜の絶叫をするべく、口を大きく広げられた美音の口から間の抜けた声が漏れる。
見れば夜暗はペニスを抜いて割れ目に触れる直前で動きを止めていた。
当然、最後の一撃を与えられていない女体は達してはいない。
お預けを食らったまま、ヒクヒクと男根を求めて陰唇を震わせるのみだった。
「な、なんで……?」
「どうした、当てが外れたか?」
意地悪そうに口元を吊り上げる男に美音は不満の溜息を漏らす。
が、すぐに自分の行動を自覚し、恥ずかしげに顔を俯かせた。
勿論ダークは依然として膣内に残ったまま発情効果を発揮している。
しかし宝石そのものに動きはない。
そのため、イキそうでイけない状態に固定された裸体は美音本人の意思に反してゆるゆると快感を求めて動いてしまう。
「うあっ……はあんっ」
「突いて欲しいか?」
「だ、誰が……んんん!」
言葉は強がってはいるものの、性感に蕩けている仮面の下の表情は明らかにトドメの一突きを待ちわびていた。
だが、男は焦らしているのか動きを再開する様子はない。
その間にも快感を性感を増幅し続ける膣内のダーク。
快楽を与えられることなく、しかし神経は快感に鋭敏になっていくばかり。
それは正に生殺しだった。
「エレメントジュエルの在処を喋るなら突いてやるが?」
ぶんぶん、と勢いよく首を振る少女の姿はもはや意地とも反射ともつかぬ有様だ。
あるいは、駆け上ってくる性感を逃がそうとしているだけなのかもしれない。
しかし夜暗はその行動は予測の範疇とばかりに満足気に頷くと、もう一つの提案を発した。
「なら、条件を下げよう。お前はただ、懇願するだけでいい」
「こん、がん……ッ?」
「そうだ。私をイカせてください。そのペニスで私を突いて下さいと言えば楽にしてやる」
それは普段であれば即座に断るであろう要求だった。
だが、ここで美音は迷ってしまう。
一度無理な要求を突きつけられ、次にそれよりも緩い要求をされる。
詐欺などの常套手段だが、追い詰められていた少女には効果覿面だった。
数秒ほど思案にふけった仮面の裸少女は、震える唇から言葉をつむぎだしていく。
「……せて、下さい」
快感のせいか、それとも未だに残っている羞恥心か。
小さく発せられた言葉は力無げに消えていく。
勿論男がそんな小声を許すはずもなく、もう一度と顎で促した。
「イかせて……下さい! あなたの、おちんちんで……私のアソコを突いて下さい……ッ」
余程その告白が恥ずかしかったのか、バッと顔を横にそらす美音。
しかし放たれた言葉はもう帰ってくることはない。
怪盗アクアメロディは、水無月美音はこの瞬間確かに身も心も快楽に屈してしまったのだ。
そしてその言葉を待ちわびていたように男は腰を前へと突き出す。
ズリュウゥッ。
「うう……ッ! あッ! あはァァァ―――!!」
ビクン! ビクン! ビクン!
パンパンに張り詰めていた乙女の身体は待ち望んでいた刺激に抵抗する間もなく高みへと放り出された。
一度、二度、三度と数回にかけて大きく震えた少女の裸体はやがてくたりと糸が切れた人形のように力を失っていく。
だが、力を放出し続けるダークと、未だ自身は達していない男は美音に休息など与えなかった。
「……ひ!? ちょ、まあっ!? あ、あああッ!!」
制止の声にもかまわず夜暗は再び抜き差しを再開する。
達したばかりで敏感なままの少女の肢体はたまらず悲鳴をあげ、あっという間に二度目の絶頂へと導かれてしまう。
しかしそれでも男の動きは止まらない。
己の男根に吸い付いてくる少女の膣肉から快楽を得ながらも、硬さを保ったまま陵辱者は行為を続けていく。
「おっ、お願い。止めっ……止まっへぇぇ!」
呂律が回らなくなるほどの快感の連続に堪らず弱音を吐く美音。
数十秒前までは快感を欲していた身体も、今では与えられ続ける未曾有の快楽に翻弄されるばかりで壊れてしまいそうだった。
「うあああ! おっ、おっぱいまれぇ……!?」
少女の反応に気を良くしたのか、男の暴挙は更にエスカレートする。
最初に握り締められて以来放置されていたDカップバストを夜暗は口に含んできたのだ。
「あああうあッ! こ、こんらの……たえられなひぃぃっ!」
ちゅうううっ。
乳首が取れそうなほど吸い上げられると三度目となる絶頂が襲い掛かってくる。
なんとか快楽から逃げようと美音は身体をよじるも、それが無駄な行為であることは今更言うまでもなかった。
開きっぱなしの口からは涎が流れ、汗と混じって少女の首筋を汚していく。
「どうした? 怪盗アクアメロディ様の望んでいた快楽だぞ」
「こんなの……こんらのぉっ! わ、わたし……こわれちゃふぅぅっ!」」
「こちらは一向に構わない。だがそうだな……お前が例のものの在処を喋るというのならば終わらせてやってもいい」
「ああッ……そん、なぁ……ッ!」
戸惑いと躊躇は数瞬だった。
段階を踏んで侵食されていった美音の精神にもはや男の要望を断るという選択肢は残っていない。
頭の冷静な部分がやめろと囁くが口は勝手に喋り始めていた。
そう、今まで頑なに隠していたはずのエレメントジュエルの在処を。
「―――に、れんぶ……あるぅっ!」
「成る程、そんなところに隠してあるのか」
「こ、これで……終わりにぃ……」
解放されるという安堵からか。
それとも最後まで守っていた誇りを売り渡してしまった悔しさからか。
美音の目元からは一筋の涙が零れ流れていた。
「ああ、終わりにしてやろう……そら!」
「ああう! あッあッ! あッあーーーー!」
強烈な刺し込みの一撃に絶叫を上げて悶える美音。
膣内では男の欲望が遂に解放され、男女それぞれの欲液を受けたダークが喜びを示すように光り輝く。
今までで一番の甘美な衝撃に、少女は四度目の、そして忘我の絶頂を味あわされてしまう。
「……ふあ! は! はっ! くふぅん……!」
襲い来る快楽の波はなかなか引かず、美音は腰を突き出したまま弓反りの体勢でヒクつき続ける。
やがて男根が抜かれると共に落ち着いてきた女体は、ヒップを磔台に叩きつけるようにして力なく横たわった。
(あ……私、は……)
霞かかっていく意識の中、ようやく冷静さを取り戻した美音は自分が取り返しのつかないことをしてしまったことに気がつく。
だがもう時は戻らない。
エレメントジュエルは夜暗の手に落ち、今まで自分のやってきたことは全て無に帰するのだ。
今更ながらに実感がわいてくる絶望という名の暗闇。
それはゆっくりと美音の意識を寸断していった。
「ふん、意識を失ったか」
無防備に気絶している少女の股間からダークを取り出した男はこれからのことを考える。
エレメントジュエルの在処を聞き出した今、もはやこの少女に用はない。
警察に再度突き出してもいいのだが、たった今味わった美貌と身体を手放すのはいささか惜しいものがある。
このまま監禁し続けて情婦にでもしてやるか。
その男の思いつきに賛同するように、ぬるぬるした液まみれのダークが漆黒の光を発していた。
526 :
AM:2008/12/25(木) 01:24:20 ID:8cW9I18e
投下終了、シチュがアンバームーンの人の短編とかなりかぶってしまい少し焦ったのは秘密。
本気で偶然なんですが、書きあがったあとスレ覗いて本気でビックリしました。
あと、誤解と言うか…別に自分は本番が書けないわけではないです、パープルローズでは書きましたしね(とはいえこれくらいが限界ですが)
単に好みの問題で筆の進み具合が大きく異なるだけというか。
AMではその悪い面がモロに出た形で申し訳なかったです、早くEDを上げればよかったんでしょうが、ここまで遅れてしまいましたし。
書けるんならさっさと書けよ! とか言われそうですが、すみません。
残りの二パターンのEDはまたいずれ。
それでは皆様、メリー(悶え)クルシミマス!
GJ!
遂にきましたきてくれました!
最高のクリスマスプレゼントをどうもありがとう!!
保守GJ
ついに美音の完全陥落が…GJ!
>>526 GJ
エレメントジュエルにこんな使い方があったとはwww
一年越しの完結編ってなんか感慨深いなあ…
一年も放置してたとも取れるけどね。
でもそれは言わないお約束。
言ってるじゃねえか
良いんだよ。今は、無事に完結編が書かれたことを喜ぶところなんだよ。
保守
536 :
38氏代理:2008/12/31(水) 14:30:47 ID:DJuOZHUr
新年、と言うべきか大晦日と言うべきかは分かりませんが、とりあえずスペシャルを書いてみました。
珍しく(と、言うか初めて)『怪盗が捕まって』のガチエロになります。
……それは、年の瀬も押し迫ったある日、ある場所。
「……で、まーた出し抜かれちゃった訳だ」
「も、申し訳ございません!」
そう、呆れたように言う若い、まだ少年と言えそうな男に、その倍の年齢は重ねていそうな男は土下座する。
そんな異様な光景に、誰も何も言う事は出来ない、いや、言う必要が無い。
任務に失敗した部下が、ボスに対して謝る事、罰を受ける事は当然の事。
……例え、その部下が前ボスで、ボスが前々ボスの息子だったとは言え、
知略とカリスマで下っ端から1年で上り詰めていたにしても、それは変わらない。
「……しょうがないかな、じゃあ、次は僕が行くよ」
「い、いえ、あなた様が行かれる必要は……」
そうその少年が言うと、土下座していた男はそれを慌てて止めに入る。
そんな男に呆れたような視線を向け、少年は口を開いた。
「……任せたら、出し抜かれたんだよね?」
「ぐ……」
そう言われて、男は図星を突かれて黙り込む。
そんな男に、少年は少し男を気遣うように声をかけた。
「別に僕はあなたを役立たずだと言っている訳じゃないんだよ?
むしろ、親父が死んだ後、分裂の危機にあったこの組織を良く纏め上げて、むしろ勢力を伸ばしてくれた事には感謝してる。
……でも、今回の相手はそんなあなたを手玉に取れる奴なんだ。だったら、こっちも本気を出すだけさ」
そう少年に言われ、男は言葉も無く頭を下げる。
その瞳には、光る物が確かに浮かんでいて。
「(見て、おられますか? あなたの息子は、これ程までの逸材になっておられます。
このお方なら、あなたの夢、『日本制覇』も成し遂げられるやも知れません……)」
そんな男とは別に少年も1人瞳を閉じて考え込む。
その顔は、本当に無邪気に楽しむかのように歪んでいて。
「(おじさんを手玉に取れる。そんな人、日本にそうはいない。
そんな人と知恵比べが出来るなんて、何て楽しいんだ!
それだけの逸材ならぜひ仲間に欲しいし、右腕になって欲しい。
ああ、あの子と、怪盗ホワイトスノーと戦える大晦日が楽しみだなぁ!)」
「ちょっ……ここも!?」
『なら、20m戻った所を右折したルートを使ってくださいな!』
角を曲がるなり飛び掛ってきた男達を慌ててかわしつつ、ホワイトスノーは驚きの声を上げる。
飛び跳ねる度にぷるん、と震える胸を純白の衣装に包んだホワイトスノーは、そのまま男達を引き連れるようにして後戻りする。
そして、耳に付けたヘッドホンらしき物から聞こえて来る指示に従って、慌てて路地に飛び込んだ。
「ど、どうなってるの!?」
『出す手出す手が、読まれている……!?』
包囲されたと気付いたのは約30分前。
それでも、捕まえに突っ込んで来るのなら前回と同じように出し抜いてやろうと思って構えていたのだが。
追いかけてくるのは数人のみで、残りは包囲した場所から動かずに逃がさないように布陣しているだけ。
そのまま30分、ずっと追いかけっこが続いていた。
『ま、またかわされました!』
「……しぶとい……!」
部下の男達からの通信を受け取りながら、なかなかとどめが刺せない状況にその少年はそうぼやく。
しかし、その表情には明らかに本当に楽しそうな微笑みが浮かんでいて。
「どうやら、指示役がいるらしいけれど……そっちを抑えるのはホワイトスノー本人を捕らえない限り厳しいか」
「ですね。……しかし……、ボスが本気の指示を出して、ここまで粘るとは……」
そう呟いた少年の言葉を受けて、元ボスの男はそう、感心したように呟く。
少年の指示を受けた男達がホワイトスノーが逃げ込んだあたりの路地を完全包囲して30分。
それだけの間、包囲の突破は出来ないが、捕まえる事も出来ていない何て事は、いままで無かったから。
その男の言葉を聞いて、少年はくすり、と笑みを深めると、口を開いた。
「うん、本当に楽しいよ。……でも、そろそろ終わりかな?
そのまま全員は包囲を崩さずに追い掛け回して! そろそろ決着だ、僕もそっちに行く!」
『了解!』
そう叫ぶと、その少年は座っていた椅子から立ち上がり、本部にしていたワンボックスカーから歩み出した。
「っは、はぁっ……!」
『……まずいですわね……』
一度男達を振り切って、ホワイトスノーはビルの壁に手を突き、荒い息を吐く。
その吐息を聞いて、指示役の女性は少し焦ったような声色で呟いた。
この30分間、こうやって1分にも満たない間だけ休んでいる以外はずっと走りづめで。
このままスタミナ切れまで持ち込まれるよりは、一か八か強引に突破するべきか、と指示役の女性は口を開きかけ……、
「……見ーつけた♪」
「『〜っ!?』」
そう、いきなり後ろから声が聞こえて、ホワイトスノーは慌てて後ろを振り向く。
するとそこには、今まで追いかけて来た男達とは纏っている空気が全く違う少年が立っていて。
「ちょっ……、危ないよ!? ここ、今悪い人達が……」
「え……?」
そう、慌ててホワイトスノーはその少年を避難させようと近付く。
すると、その少年は一瞬きょとん、と目を見開いたが、すぐに笑みを浮かべて……、
「大丈夫だよ、大丈夫。だって……」
「だって……?」
「僕、その悪い人達のボスだもん♪」
「うぐ……っ……!?」
そう言って、ホワイトスノーの鳩尾に拳を叩き込んだ。
『雪! 雪!? 大丈夫ですの!?』
「……っと……、これを、こうやって……」
急に通信が止まり、指示役の女性は我を忘れてホワイトスノーの本名らしい名前を叫び続ける。
そんな指示役の女性には構わず、少年はちょこちょことホワイトスノーが付けているヘッドホンに細工して……、
「後は、一応っと」
「っ!?」
露出しているホワイトスノーの首筋にスタンガンを叩き込んだ。
「……ぁ……」
「っと、起きた?」
ホワイトスノーが目を覚ますと、何故か自分を気絶させた少年が自分を膝枕していて。
髪の毛を梳くように撫でられて、ホワイトスノーは一瞬だけ呆然とするが、すぐに我に返った。
「〜っ!」
「っと」
ばっと少年の手を振り払うように起き上がったホワイトスノーを、少年は落ち着いてかわす。
そして、ぷくっと頬を膨らませて、ホワイトスノーに抱きついた。
「……まさか、君がホワイトスノーだったなんてね、白瀬雪ちゃん」
「っ!? な、何で……」
そう、後ろからホワイトスノーに抱きついたままその少年が言うと、ホワイトスノー…白瀬雪は驚いたように目を見開く。
そんな雪を見て、その少年はまた頬を膨らませると、口を開いた。
「そりゃあ……DNA検査ぐらいはするし、君の指示役の子が名前叫びまくってたからね」
「っ!?」
そう少年に言われて、雪はまた驚きに目を見開く。
そして、別に縛られている訳でも無いのに、少年の手を解けない、何故か力が入らない現状に気付いた。
「な、何で……」
「力が入らないか? ……こう言う事さ♪」
そう、思わず呟く雪を見て、少年はくすり、と本当に楽しそうに笑うと、ぱちん、と指を鳴らす。
すると、ちょうど雪の正面の壁が音を立てて開いて……。
「え……っ!?」
「はぁっ、んああぁっ♪」
男達に突き上げられて、嬌声を上げて悶える少女の姿が見える。
良く目を凝らせば、それは雪がとてもよく知っている少女の姿で。
「もっとぉっ! もっとくださいな、ひあぅぅぅっ♪」
「あかり……!」
「そう、君の指示役の、越川あかりさんだよ」
「ひゃぁっ、あひぃぃっ! しゅご、しゅごいんれすのぉっ!」
下から突き上げられて、あかりは蕩け切った表情でびくびくと身体を跳ねさせる。
そんなあかりを雪は半ば呆然として見やるが、
「……それっ♪」
「ひあぁぁぁっ!?」
急に少年が服の上から雪の胸を押し潰すように揉み、雪はいきなり雷のごとく背筋を駆け上がる快感に身体を跳ねさせる。
そんな雪を見て、少年はひょい、と雪の肩越しに顔を覗かせて、にっこりと笑みを浮かべて口を開いた。
「あの、あかりさん? ……僕が指示して、部下が開発した新種の媚薬を10倍に希釈して投与してあるんです。
もちろん、あなたにも、その媚薬を投与してありますよ? ……原液を、あかりさんと同量ね」
「〜っ!」
そう囁きかけて、少年はにっこりとまた笑みを浮かべる。
その少年の天使のように無邪気な微笑みが、雪には悪魔の微笑みに見えた。
「だから……ほら♪」
「ああぁっ!? や、やっ、やーっ!」
そして、少年が指を下の方にやって、ユニフォーム越しに秘所を擦ると、雪は上擦った悲鳴を上げる。
みるみるうちに秘所は潤んで行き、膝が笑い始める。
何とか少年の手をどかそうと雪も手をやるが、もはや更なる責めを求めて少年の手を押さえつけてしまっていて。
「ひっ……ひぅぅぅっ!」
「……そう言えば、今日は大晦日でしたよね。……除夜の鐘に、してあげますよ」
びくびくと身体を跳ねさせる雪を見て、少年はにっこりと笑ってそう言う。
その言葉を偶然聞いたあかりを責めていた男の1人が、恐る恐る、と言った感じで少年の方を向き、口を開いた。
「……ボス、今変な連想しちまったんですが……、まさか、そいつ、108回イカせるとでも?」
「お、良く分かったね♪」
「ひっ……!?」
そう、本当に恐ろしそうに言うその男に、少年はにっこりと笑いながらそう答える。
そんな2人の会話を聞いて、雪は恥も外聞も掻き捨てて、真っ青になって悲鳴を上げた。
「や、やぁっ! 壊れる、壊れちゃうぅっ!」
「……いいんだよ、壊れて。そして、2度と僕達に楯突かないようにしてもらわないと、ねっ♪」
「あ、あぁぁぁぁあぁぁぁあっ!」
ぶんぶんと首を横に振る雪にそう笑いながら答えると、少年はユニフォームの上から雪のクリトリスを摘み上げる。
それだけで、雪は背筋を反らせて絶頂に達した。
「っは……、はひっ……」
「このくらいでとろけちゃってたら駄目だよ? まだ、後107回残ってるんだから」
ぐったりと脱力して少年にもたれかかりながら、雪ははあはあと荒い息を吐く。
そんな雪の耳元に唇を寄せて少年はそう囁き、ぐちゃぐちゃと秘所を激しく擦り立て始めた。
「きゃひぃぃぃっ! あひっ、ひぐぅっ!」
「頑張れー♪」
途端に強烈すぎる快感に囚われてがくがくと身体を震わせる雪を見ながら、少年はそう本当に楽しそうに笑う。
そんな少年を見て、さっきまであかりを責めていた男が本当に呆れたような、恐れおののくような表情で口を開いた。
「……ドSっすね、ボス」
「ん? そうかい?」
そう、表情を引き攣らせて言う男に、少年は首を傾げる。
しかし、そうしながらも指は一切の情け容赦無く雪の秘所を弄っていて。
「ひ、ひみぃぃっ……っあ〜っ!」
「あ、2回目だ」
びくり、と身体を硬直させる雪を見て、少年はそうあっけらかん、と口を開く。
そして、にっこりと笑うと、雪の耳元に顔を近付けて、口を開いた。
「それじゃあ、直接触ってあげるね♪」
「っあ……っ! っ!」
そう言って、雪の秘所の中に指を埋めると、雪は背筋を限界まで反らしてがくがくと震える。
雪の瞳からは涙が流れているが、それが嫌だからなのか、快感のあまり流れているのかが分からなくて。
「うわ、ひょっとしてイキっぱなし?」
「っは……! っは……っ!」
少年の声に答える事すら出来ずがくがくと身体を跳ねさせる雪。
そんな雪を見て、少年はにっこりと笑みを浮かべて……、
さらに、手の動きを激しい物にした。
「っあ、あーっ♪」
「ほら、もう少しテンポアップしないとどれだけ時間かかるか分からないよ?」
びくびくと跳ねて、快楽に囚われたように、何処か嬉しそうな声色で喘ぐ雪。
そして、そんな雪を見ながらにこにこと本当に楽しそうに笑い続ける少年。
そのまま、雪は気絶するまで少年の指が、少年自身が生み出す快感にぐちゃぐちゃに翻弄され続けた。
「あひぃっ! ひあぁぁぁぁ〜っ!」
「どう? そろそろ降参しない? ……僕達の仲間になって働いてくれるんなら、もう止めてあげるよ?」
後ろから少年に突き上げられて、雪はがくがくと身体を震わせながら快感に悶える。
そんな雪に少年がそう囁くと、雪はぶんぶんと首を横に振った。
「や、やっ! あなた達なんかの手つ、てちゅだいなんかっ、や、あぁぁ〜っ!?」
「……強情だね。あかりさんは完璧に堕ちちゃってて、逆に手伝うからもっとしてくれって言って来たのに」
そんな雪を軽く突いてやりながら、そう少年は思わずぼやく。
そして、何かを思い付いたように表情を明るい物にすると、口を開いた。
「それとも、あかりさんみたいに堕ちちゃってるの?」
「そ、そんな事っ、にゃあぁぁぁっ!?」
そう少年が聞くと、雪は必死になって反論しようとして来る。
そんな雪の膣奥を少年が軽く小突いてやると、それだけで雪は悲鳴を上げた。
「へえ、まともに反論出来ないくらいにとろとろになっちゃって、堕ちてないとでも?」
「そ、そんなのっ、あなたの薬のせいでぇぇっ……!」
そんな雪を見て少年がそう聞くと、雪はこつこつと子宮口を小突かれる感覚に悶えながらも、何とかそう答える。
すると、少年はそんな雪を見て、鼻で笑った。
「薬? 薬ねぇ。あの薬さ、依存性が無いようにって作らせたから、そんなに効能自体は強くないんだよ?
量的にもそう非常識な量は投与してないし、第一もうとっくに効果切れてる時間だし、ね」
「……っ!?」
そう少年に言われ、雪は信じられないような表情を浮かべるが、すぐに快感にその表情は洗い流される。
しかし、少年の言葉は明らかに雪に影響を及ぼしていて。
「はひっ、ひあぁぁぁ〜っ♪」
「あれ? 何だか、膣内の感触が変わって来たよ?」
「い、言わないでぇっ……はあぁぁぁんっ♪」
きゅうきゅうともっともっとと快感をせがむような締め付けに変わった膣内の感触を感じ、少年はそう言ってやる。
すると、その言葉でも感じているのか、さらに雪の膣内はきゅうきゅうと締め付けて来ていて。
まだ媚薬が後半分程度の効果時間を残している事をざっと計算すると、少年はさらに雪を突き上げた。
「っぁ、はふっ……」
「あ、起きた?」
ふと目を覚ました雪は、自分がベッドに寝かされて、寝顔を少年に覗き込まれている事に気付く。
慌てて雪は飛び退こうとするが、下半身がまるで別人のそれであるかのように全く動かなくて。
「きゃっ!?」
「おっと!」
バランスを崩した雪の身体を抱き締めるように少年が支えると、雪は一瞬だけ呆然とする。
しかし、すぐに何故か真っ赤になると、少年の身体を突き放した。
「っ!」
「わっ、と」
急に突き放されて少年は一瞬だけよろめくが、すぐに体勢を立て直すと、にっこりと笑った。
「……そりゃあ、あそこまで喘がされたら、腰も立たないよね?」
「〜っ!」
そう言われて、雪はさっきまでの喘ぎまくっていた自分を思い出して、また真っ赤になる。
そんな雪を見て、少年はくすり、と微笑むと、口を開いた。
「でも、気持ち良かったでしょう? ……また、味わいたくはありませんか?」
「え、あ……」
そう言われて、雪は真っ赤になったままで俯く。
……そして、微かに、そして確かに、頷いた。
……白雪は、簡単に穢される。
そして穢された白雪は、もう二度と元の白さを取り戻す事は無い……。
545 :
38氏代理:2008/12/31(水) 14:35:10 ID:DJuOZHUr
これで終わりです。
いくら何でも108回の絶頂を全て書くとかは無理です。
それと、何となく少年が使用した媚薬の効能を書いておく。
効力:普通の媚薬の4倍
依存性:無し
持続時間:雪に説明した時点で、残り持続時間は約半分程残っていた
……うん、この少年素敵に外道なんだw
---
当方のミスで538-540の名前欄入れ忘れました。
すみません。
あけおめ&GJ!
ことよろ&GJ!
今年は凌辱が増えると良いね
549 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 17:20:40 ID:jIrpTRhX
みんなあけおめ。
今年も良い怪盗凌辱に期待。
551 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 00:02:31 ID:K01/e7hD
上げ
>>545 遅いレスだけど怪盗モノの要素が短い中にふんだんに込められていて上手いね
GJ!
553 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 23:49:37 ID:RUpRDLxj
上げ
大人の怪盗
ロリの怪盗
どちらが好き?
通風口とかどうやって侵入するんだ?ってくらいヒラヒラフリフリの衣装を着たロリ怪盗
>>554 必要に応じてロリ、グラマーに変身するフレキシブル怪盗
>>554 その中間が一番好きだけどどっちかって言ったらロリ
大人に一票
動くたび爆乳がブルンブルンゆれるくらいのグラマーな
でも背丈と顔は炉利っぽいのがいいな保守
560 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 00:30:23 ID:zsUJD2Dq
ロリも爆乳もいいが、貧乳スレンダーなボディがぴっちりした衣装に包まれているのも好きだ
下げ忘れた・・・すまない・・・。
要するに、人それぞれという当たり前の結論に達したような
俺はグラマーな女子高生
っていうかココってこんなに人居たんだなww
中高生位でひんぬーはロリで良いのかな
ロリ体型、グラマー体型を両方食べれるアンバームーンは良かった
背が低くてロリ体型の方が色々と忍び込み易いんだろうな。
でもセクシーダイナマイツも捨てがたい。
なんか嗜好によって年代がバレそうな気がする。
キャッツアイ〜セイントテール〜ジャンヌ、みたいな。
俺はロリ体型で、ぴっちりしてるけどヒラヒラ付いてるのが好みかな。
>566
つまりその例の中だとセイントテールか。
俺はムチムチパッツンなシャドウレディかな
569 :
38氏代理:2009/01/29(木) 12:49:36 ID:cxXPU/KQ
キャットシーフFinal、6話をお届けします。
……この話まではいいとして、決戦どう書こう……。
「……里緒ちゃん、少しいいかい?」
「え? あ、はい」
一美の病室から里緒が出て来ると、そんな里緒に武巳が声をかける。
そして、里緒は武巳と一緒に病院の廊下を歩き出した。
「……ありがとう、里緒ちゃん。お陰で一美も立ち直れそうだよ」
「い、いえ! きっと一美なら、私がいなくても立ち直れましたよ!」
歩いている途中でそう武巳に頭を下げられ、里緒は慌てて否定する。
しかし、武巳は里緒の言葉を聞いても首を横に振るだけで。
「それでも、だよ。里緒ちゃんがいなかったら、きっと一美はこんなに早く立ち直れなかっただろうからね」
「そ、そうですか……?」
そう重ねて武巳にそう言われ、里緒は思わず照れたように視線を外す。
そんな里緒を見て、武巳は急に真剣な表情になると、口を開いた。
「……里緒ちゃん。いや、この言葉は『レインボーキャット』に言わせて貰う。
……また、戻る気は、復活する気は無いかい?」
「え……!?」
急にそう武巳から言われて、里緒は思わず驚いたように目を見開く。
そして、取り繕うような笑みを浮かべながら、武巳に向かって言った。
「な、何を言ってるんですか……?」
「……自分の娘を盗み出す……助け出す為なら、もう一度戻ろうとは、思わないかい?」
その里緒の問いを半ば無視して、武巳はさらに続ける。
その武巳の問いを聞いて、里緒は思わず俯いて、口を開いた。
「そ、それは……出来れば、私の手で助け出したいって、思ってます。
けど、もう私は『レインボーキャット』じゃない、高原里緒です。
身体も鈍ってるし、それに、あのタイツはもう処分したじゃないですか」
そう、途中で顔を上げながら言い切る里緒。
確かに、里緒の言う通り『レインボーキャット』のあの速度の源となっていた全身タイツは里緒の目の前で処分されていて。
しかし、武巳は里緒のその言葉を聞いて、軽く首を横に振ると、口を開いた。
「……あるよ。一美が、極秘裏にまた新しく作ってたらしいんだ」
「え……!?」
そう武巳から言われ、里緒は驚いたように目を見開く。
そんな里緒を見て、武巳は一度溜息を吐くと、口を開いた。
「……分かっているんだけどね。あくまで個人的な復讐に他人を巻き込むべきじゃないって。
……でも、それでも俺は里緒ちゃん、君に頼むよ。一美の仇を取って欲しい、ってね」
「……ぁ……」
そう言って頭を下げる武巳を見て、里緒は何を言えばいいのか分からなくなる。
しかし、里緒にとっても一美は大切な親友で、それを弄んだ『組織』はそれだけで許せなくて。
「……分かりました。一美が作ったその衣装、着させてもらいます」
「……そうか……、ありがとう」
個人的な復讐に里緒を巻き込む事に罪悪感を感じているのか、
里緒が頷いても武巳は悲痛そうな表情を浮かべていて。
「『レインボーキャット』は復活するんです。……そして、渚緒を助け出して、『組織』を叩きます」
「あ、あぁ……」
そう、里緒が武巳に言うと、武巳は呆気に取られたように頷く。
……そして、里緒が自分の意思で『レインボーキャット』になると言った事に気付く。
そして、その里緒の言葉が自分を気遣って言われた事に気付き、武巳は微かに笑みを浮かべた。
「……そう、だね。渚緒ちゃんを、助け出さないとね」
「はい!」
そう武巳が言うと、里緒は決意の表情を見せて頷く。
そんな里緒を見て、武巳はくすり、と笑うと、いたずらっぽく言った。
「……でも、ちゃんと涼人君には言って置くようにね? 今回は、一緒に戦えるはずだろう?」
「……はわっ!?」
そう武巳に言われて、里緒は真っ赤になって口篭った。
……その日の夜。
宛がわれたホテルの部屋で、涼人はベッドの上に横たわる。
「……一体何処に隠れてるんだ、あいつら……」
小国とは言え1国の王族吹き飛ばそうとした奴らを、ICPOが本気で追いかけない訳が無く。
ICPOの本気の追撃を受ける前に、涼人ならばさっさと他国に逃げる。
「一美さんの事もあるし、奴らが日本に潜伏しているのはまず間違いない。
でも、一体全体何処に隠れてやがるってんだ……!」
苛立ちのあまりか、思わず声を荒げてしまう涼人。
すると、そんな涼人の隣から、いきなり声が聞こえた。
「涼人……?」
「!?」
急に横合いからそう声がして、涼人はあわてて横を向く。
するとそこには。
「里……緒……? その、格好……」
「……」
妙に懐かしさすら感じられる『レインボーキャット』の衣装を身に纏った里緒の姿があった。
「何考えてるんだよ! 里緒、何で……もう2度と着ないって約束したじゃないか!」
「……」
思わずそう怒鳴り付ける涼人だったが、里緒は俯いたまま何も言わない。
すると、急に顔を上げた里緒が涼人に飛び付くようにしがみ付いた。
「わっ!?」
「涼人……、私、私ね、涼人の足になりたいの! ……私の手で、渚緒を取り戻したいの!」
そう里緒に言われて、涼人は何かを堪えるような表情になる。
しかし、首を軽く横に振ると、里緒の肩を掴んで、口を開いた。
「それでも……! それでも駄目だ! どんな危険があるか、分からないのに……!」
「そんなの分かってる! でも……でも!」
そう涼人は言うが、里緒は全く考えを変えようとしない。
その意志が固い事を見て取って、涼人は顔を顰めて……、
……里緒をベッドに押し倒した。
「……ふぇっ!?」
「……どうしても考え、変えないんなら実力行使だよ……、僕なりの、やり方でね」
「え、え、えええっ!?」
急に押し倒されて、驚いたように目を見開く里緒。
そんな里緒に満面の笑みを浮かべてそう涼人が言うと、里緒は真っ赤になった。
「ま、ままままま、待って! えと、あの、その……」
「だーめ、待ってあげない」
あわあわと慌てながら里緒はそう言うが、涼人はにこにこ笑いながらそう返す。
そしてそのまま、涼人は里緒に思い切り深く口付けた。
「んんんっ!? ん〜っ!」
口付けられて、里緒は何とか逃れようとじたばた暴れだす。
しかし、みるみるうちにその抵抗の力は弱まり、ふるふると微かに震え始めた。
「っふふ、どうかしたの?」
「……ぁ、ぁ……」
涼人が唇を離してそう里緒に聞くが、里緒はかくかくと身体を震わせるだけ。
そんな里緒をみて、涼人はくすり、と里緒に微笑みかけた。
「……里緒、君が『レインボーキャット』にならないって言うまで、イかせ続けるからね?」
「ひ……っ!?」
そう、にっこりと笑いながら涼人が言うと、里緒は真っ青になる。
しかし、すぐに里緒は身体を滑る涼人の手が送り込む快感に翻弄された。
「や……ひっ!? きゃふ! ふあああっ!」
「相変わらず、凄い敏感だよね?里緒って」
くりくりと自己主張している胸の先端をタイツ越しに刺激するだけで、里緒は身体を捩じらせる。
そんな里緒を見てそう涼人は呟くと、片手を里緒の右脇に滑らせた。
「……見つけたっ♪」
「きゃあっ!?」
そして、そこにファスナーを見付けると、涼人はそれを一気に引き降ろした。
「っはっ……! ひゃひ、ひゃうぅっ……」
剥き出しになった裸体を滅茶苦茶に蹂躙され、里緒はひくひくと身体を震わせて、絶頂に達する。
立て続けに絶頂に達した里緒は、もはや息も絶え絶えになってふるふる震える。
そんな里緒を見て、涼人は優しく里緒の髪を撫でると、口を開いた。
「もう、降参して? 里緒には、もう危ない事はして欲しく無いんだ……」
「〜っ……」
そう涼人は言うが、里緒はその言葉を聞くとすぐに首をぶんぶん横に振る。
そんな里緒に、涼人は一度大きく溜息を吐き、
「ひああああーっ!?」
「ほんっと、強情だよね、里緒って」
次の瞬間胸の先端と秘所の上の突起を摘まれ、里緒は甘い絶叫を上げる。
すると、涼人はそんな里緒を見て、にっこりと黒い笑みを浮かべた。
「……だから、お仕置き♪」
「んはぁっ!? ひふ! んにぃっ!」
そう言いながらころころと上下の突起を転がされ、里緒は余りの快感にひくひくと震える。
開発され切った里緒の身体の弱い所を涼人は的確に突いて来て。
「あぅぅぅぅっ♪ んにゅうぅぅっ!」
「ほら、こうされるの大好きでしょ?」
秘所の上の突起を押し潰されながら胸の先端を摘み上げられて、里緒は身体を震わせる。
絶頂から降りて来られなくなっている里緒を見詰めながら、涼人は口を開いた。
「ほら、里緒……辛いでしょ? もうされたくなかったら、降参して? ……ね?」
「っ……。や……っ! なおは、わたひが、たしゅけりゅんらからぁ……」
涼人がそう言うと、里緒はふるふると小刻みに身体を震わせながらそう答える。
その声はとろとろに蕩け切っていたが、それは確かに否定する言葉で。
「……全く、里緒は……」
その答えに、涼人は心底呆れたようにそう呟く。
そして、にっこりと微かに笑みを浮かべると、里緒の身体を抱き上げた。
「……だったら、そんな意地っ張りな里緒には、とどめ刺してあげないとね?」
「ひ……っ!?」
そう言ってぐちゃぐちゃに蕩け切った里緒の秘所に涼人自身を宛がうと、里緒は思わず息を飲む。
そんな里緒を見て、涼人は微笑みを浮かべたまま、ゆっくりと口を開いた。
「……ほら、言って? 渚緒を助け出すのは、僕達警察に任せるって」
「……や、やらぁっ! なおは、わらひが助けるのぉっ!」
そう涼人は聞くが、それでも里緒はぶんぶんと首を横に振って。
もはや駄々っ子のような里緒に、涼人は少し呆れたようにして……、
「……そう、残念」
「!!!!! はっ……かっ……!」
そう言うなりずん、と半ば落とすように突き込まれ、里緒は子宮口を激しく抉られる。
そうされて、声にならない声を上げて身悶える里緒を、涼人は下から突き上げた。
「あ〜っ! あひぃっ♪ んにゃあぁぁぁぁぁっ!」
「里緒って、ここ大好きだもんね。……ここも♪」
「ひ―っ!? いっしょ、いっしょらめぇぇぇっ!」
ぐりぐりと子宮口を刺激しながら胸の先端と秘所の上の突起を摘み上げると、里緒は立て続けに絶頂に達する。
びくびくと身体を跳ねまくらせる里緒に、涼人は口を開いた。
「ほら、イき続けるのって、辛いでしょ? もう降参したら?」
「あひっ……! いにゃ、にゃあぁっ! ……んひぃっ!? あぁぁ〜っ!」
また涼人はそう聞くが、それでも里緒は首を横に振る。
そんな里緒を涼人はさらに激しく責め立てるが、涼人の限界も近付いて来ていて。
「く……出すよっ!」
「んにいぃぃぃぃぃっ!!!」
子宮口に自身を押し当て、欲望を直接子宮内に流し込むと、里緒は絶頂に震える。
一度涼人自身がしゃくり上げるたびに里緒は絶頂に達し……、ついには、気絶した。
「……あれ? ……気絶、しちゃったか……」
「……」
かくかくと小刻みに震える里緒の身体から自身を抜き取り、涼人はベッドに寝かせつける。
すると、里緒が何かを呟いていることに気付き、涼人は耳をそばだて……、
「……な、お……。お母さん、助け……」
「―っ!」
その里緒の言葉を聞いて、まるで雷に打たれたかのように硬直した。
「里緒……そんなに……、君は……」
思わず、と言った感じでそう呟く涼人。
里緒がどれほど渚緒を助けたいと思っているのか、気絶しながらも言ったその一言ではっきりと分かって。
「……ふぅ」
しばらく何とも形容し難い表情を浮かべていた涼人だったが、溜息を1つ吐く。
そして、苦笑を浮かべながら里緒の髪を撫で、口を開いた。
「……僕の、負け、かな」
そう呟いて、涼人はもう一度苦笑を浮かべる。
それほどまでに堅い意志を持った里緒は止められないと気付いたから。
「里緒……、君の好きにするといいよ。もう僕は止めない。
里緒の全力と、僕の全力で……、渚緒を絶対に助け出そうよ」
そう里緒に言うと、涼人は里緒の隣に横たわる。
そして、自分と里緒に毛布をかけると、にっこりと笑みを浮かべた。
「……おやすみ、里緒」
「ふみゅ……」
そう、里緒の頭を軽く撫でて呟くと、涼人は瞳を閉じた。
渚緒を、絶対に助け出せると言う事を信じて……。
577 :
38氏代理:2009/01/29(木) 12:53:58 ID:cxXPU/KQ
これで終わりです。
少し間が空いてしまいましたが、第6話です。
……さて、第7話はどう書こうか……。
>>577 ラブエロ拷問GJ!
次回は人質にとられた子供を盾にされてしまい涼人の前で辱められちゃう里緒…みたいなプチ寝取られとかどうッスか?
激烈に拒否反応示しちゃう人らがいるかもだけどたあ偶にはスレタイっぽい展開も…って事でw
人妻で怪盗コスでラブで責められてイキまくるとか最高すぐる
精子を空になるまで盗まれるわけですね?
わかります。
なんかそういう怪盗モノのエロ漫画がキルタイムから出てたな
米青子?w
>>577 GGGGGJ!!
はい。
携帯組が通りますよ。
「こちらです、警部」
「ありがとう。貴方はここまででいいわ」
にこりと笑みを見せて部下を労えば、一瞬ほうけた表情の後で「はッ」と教科書通りの返礼を受けた。
その礼の美しさに免じて、一瞬感じた弛みは見なかったことにするわ。
地下牢の薄暗いランプへ片手で油をさしながら、彼女──アリシア=アルヴィン警部は部下に思う。
ハンカチで手を軽く拭って、自慢のプラチナブロンドを手で梳いた。今重要なのは部下の教育よりも目の前の地下牢の主だ。
「それではアルヴィン警部、鍵はこちらに。くれぐれもお気をつけて、お先に失礼します」
重ねて一礼し階段を上り去る部下へは片手をあげるのみで返した。
眼前の鉄格子を睨み付ける。正確にはその中身たる人物を、だ。
「ばか。何捕まってんのよ、ピーター」
罵声ついでに格子を蹴りつけてやれば、やれやれといったふうの溜め息で返された。
「世紀の大怪盗兼幼馴染みが捕まったってのに、お前はもうちょっと他の反応ないのかよ」
「私には犯罪者兼変質者の幼馴染みしかいないわ」
「ひどいな。幼馴染みってのは貴重なんだぜ? 大事にしてくれよ、
一週間前の職場──ああ、あれは本当に最悪の一日だった。
怪盗・ウィルからの予告状があったとの第一報を受け、すぐに情報部へ向かえば返されるのは好奇の視線。
何かと思えばとても口には出来ないような内容の文章と、予告としての日時。
そしてその結果、世紀の大怪盗殿は本日めでたく、のこのことやってきたヤードで捕らえられた訳で。
それも滅多に使わない地下牢で、縛り付けられるというオプション付きで。
「どうしてって、予告の通りだけど」
「誰があんな卑猥な内容引き受けますか!」
「え、だからアリシアが…」
「なんでそこで頬を染めるのよばかあああ!」
細身とはいえ、背の高い成人男性が頬を染める様は大変気持ちが悪い。
両腕を守るように擦りつ、身体ごと振り返ることで拒否を示せば「ひどいな」と背中に返された。
肩を竦めてマントをさばき、シルクハットを被りなおすのが目に浮かび、全力でかぶりを振る。
これだから幼馴染みは面倒なのだ。
「とにかく、あんたはもう捕まったんだから、おとなしく法廷を待ちなさい」
「それは嫌だね。俺には目的があるんだ。それまで廃業は出来ねえよ」
「なによ、目的って」
「秘密」
思わず向き直れば、ピーターは──子供の頃から変わらない──キラキラとした企み顔だった。
ああ、昔からこの顔に弱いのだ。
「取りあえず、今日は予告通りアリシアを貰いに来ただけだよ」
「ぐるぐる巻きで何言ってんのよ」
「定期的に貰わないと俺も男だからな。お前中毒性ありすぎだろ、アルヴィン警部?」
「会話をしなさいこの変態怪と」
パチン!
声は指の鳴る音と煙幕に遮られる。
「縄抜けとピッキングは、怪盗の特技だって知ってるか?」
気付けばピーターを捕らえていたはずの縄は綺麗さっぱりと消え去り。
堅牢なはずの鉄格子は開け放たれ、キイキイと音をたてている。
ヤードのど真ん中で、こんな不始末起こすだなんて!
「大怪盗ウィルをなめんなよ」
更に自分の方が二本の腕に囚われているだなんて!
「始末書ものだわ…」
「色気が無いなあ、警部殿」
「離しなさい、怪盗ウィル」
「怪盗が警部の言うことを聞くとでも?」
「……離しなさい、ピーター=ウィリング」
「幼馴染みの言うことなら尚更聞けねえな。十年越えの恋愛なめんなよ」
「ばか、もう、お願いだから離してよ。だって腰に、その」
「うん?」
「……当たって、る」
「…………やっと気付いたか」
「……簡潔に理由を述べなさい」
「久し振りのアリシアの匂いにときめいたのと、
ヤードの制服がストイックなのにときめいたのと、
地下牢っていう倒錯的な環境に興奮したからかな!」
以下アリシアの台詞。
※ そろそろ♂怪盗×♀警部はスレチだと叱られそうなので省略しました。
※ 何が当たってたかはピンク板の空気を読んでください。
※ 魔法の呪文はありません。
※ 反省はしてるがしかし後悔はしていない。本当にすみませんでした。
※ ありがとうございました。
保守
今日はバレンタインだけど、流石にこのイベントでSS投下はないか。
イベントかー
気になるアイツはちょっち学校の人気者
バレンタインともなれば内気な少女達が迷惑も顧みずアイツの下駄箱へとチョコレートを投入していく
高まる不満に爆発する嫉妬が美少女怪盗をチョコレート窃盗へと走らせる!
「勘違いしないでよね!アイツがチョコ貰うのが嫌なんじゃないんだから!
アイツがシューズを取りにくいのを助けたいだけなんだから!」
そりゃ、チョコ入れたその他大勢の女子から見れば、凌辱されても文句言えねえ罪状だなw
>>584 GJ。
だがスレチ短編だとしてもエロは欲しかったのが正直な感想。
とはいえ投下せずにはいられなかったそのパッションに乾杯www
しかし一気にスレ消費してた昔の勢いが見る影もないな…。
ここも馴れ合い→職人叩き→過疎というありがちなパターンか。
未完の作品いっぱいあるし、職人さん達戻ってこないかな。
38氏とAM氏は時間が空いても唐突に戻ってくるからそれほど心配はないんだが…
他の方々がなぁ…個人的にはフィズに人には是非帰ってきていただきたい。
>>592 その内気少女達がヤンデレ化したら完璧だなw
>>593 すまん、ネタ切れたorz
ちょこちょこ書いてはいるし、完結させる気もあるから大丈夫ですよ。
……ただ、金の力スレに投下したいネタが頭に浮かんでるがw
お、書き込めたw
パソコン買い換えたからかな……?
それと、忘れてた事がありました。
……みなさん、レズ大丈夫ですか?(考えてるプロットではそっち方面に進む可能性が高い)
レズはともかく凌辱が足(ry
大丈夫どころかレズは最近軽くブームになってる
俺の中で
>>591-592 「そんなにチョコが欲しいなら、言ってくれればいいのに」
そう言って少女が持ってきたのは、一本の極太チョコバナナだった
「それ、どうする気……まさか、冗談でしょ!?」
「ほら、食べさせてあげる。下のお口でね」
「イヤァァァァァ!!!! やめ、やめて! 私、初めて、初めてなの!」
「ほら、あーん」
チョコバナナの冷たい感触が膣口に広がり、それが徐々に中に侵入してくる
そして……チョコバナナが処女膜を突き破り、黒い表面に赤いトッピングが施された
「嫌……こんなの夢、悪い夢よぉ……」
「本当はあの人の為に作ったんだから、感謝しなさいよ」
「嫌……いやぁ……」
「何泣いてるの? 泣きたいのは私よ? あの人に食べさせてあげる為に作ったのに、あんたみたいなコスプレ女の処女を奪うのに使わされるなんて」
「うぅ……ごめ……んなさ……だから……許し」
「そうだ、食べ物は粗末にしちゃいけないって言うし」
「……え?」
「ほら、食べなさい。自分の処女血と愛液塗れで、きっと美味しいわよ」
言うが早いか、チョコバナナを口に無理やり突っ込まれてしまう
「うぇ……むぐぅ……」
「ね、美味しいでしょ? 自信作よ」
「ひっく……ふぁい……むぐ……」
こんな話を妄想した
さあ、俺が抑えている間に、それをちゃんとしたストーリーに仕上げるんだ!
チョコ凌辱読んでみたいが時期的にはもうホワイトデーだな
ホワイトデーが理由で犯行が発覚するとか、被害者たちがホワイトデーを復讐の決行日に決めたとかなら、上手く繋げられるかも
ホワイトデーだけに怪盗がお返しに白濁液をたっぷりもらって
真っ白にデコレーションされてしまうんですね。わかります。
保守
607 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 13:47:37 ID:BMrTzNIg
凄まじい過疎
ようやく書き上がったので投下します。
……考えてみれば、こうやって普通に投下するの久し振りだな……。
「警視! どうして何もしようとしないんですか!?」
「……」
じっと腕を組み、目を閉じたままの涼人に、シャルルは涼人の胸倉を掴まんばかりの勢いで詰め寄る。
日本に来てから1週間、涼人は一美から事情を聞く以外の事は何もしていなかった。
「はい、そこまでだよ、シャルルん」
「マリアンヌ先輩!?」
すると、そんなシャルルを後ろからマリアンヌが抱き付くように引き離す。
そして、怒りに満ちた顔色で振り向いたシャルルに向かって口を開いた。
「焦るのは分かるよ? 人質を取った後は何の連絡も無い。
これじゃあ、人質の安否は全然分からないもんね」
「先輩も分かっていらっしゃるのでしたら……っ!」
そのマリアンヌの言葉にさらに激昂するシャルル。
そんなシャルルに、マリアンヌはゆっくりと言い聞かせるように口を開いた。
「シャルルん、落ち着いて、よーく考えて? りょーとが焦ってないと思ってるの?
……自分の娘を人質に取られて、りょーとが焦ってないって、本当に思ってるの?」
「っ!?」
そう言われて、シャルルは我に返ると、慌てて涼人の方を振り向く。
良く見れば、涼人の拳は痛い程に握り締められていて。
「……今は、待つしかない、それしかないよ、シャルル君。
大山のおじさんがアジトを探してくれている。それが見つかるか、向こうが動くまでは、ね」
そう涼人に言われて、シャルルは何も言えなくなる。
涼人の声色が、まるで血を吐きそうな程悲痛なそれであると気付いたから。
「……動く……必ず動くはずなんだ。僕は今まで向こうの狙い通り特に何もしていない。
それなら、向こうは必ず動く。そうすれば、必ず尻尾を出すはずなんだ……!」
そう、呟くように言われて、シャルルは今度こそ反論する気を無くす。
すると、そんな涼人の元へと大山が走り寄り、口を開いた。
「涼人! ……やったぞ! 見付けた、奴らのアジトを!」
「っ!」
そう言われ、涼人は閉じていた目を見開いた。
「涼人。……どうする?」
「……決まってるでしょう? すぐにでも突っ込んで人質を奪還し、『組織』を今度こそ殲滅します」
そう大山から声をかけられ、涼人は一瞬も迷う事無くそう言い返す。
その言葉ににやり、と笑って頷いた大山に、涼人は聞いた。
「……それで? 『組織』のアジトって、何処にあるんですか?」
「ああ、それはな……、ここだ」
そう涼人が大山に聞くと、大山は地図をテーブルの上に広げ、ある一点を指す。
その場所を覗き込んで、涼人は1つ頷いた。
「……成る程、灯台下暗しって、奴ですか」
「ああ。てっきり全く別の場所にアジトを構えていると思い込んでいたよ」
そう言って頷き合う涼人と大山に、シャルルとマリアンヌは首を傾げる。
すると、涼人がそんな2人に向き直って、口を開いた。
「奴らがアジトにしてるこの場所はね、以前『組織』の首魁だった高橋父娘……。
その2人の家だったんだ。まさか、単純にそのままそこをアジトにするとは思わなかったけどね」
呆れた風にそう言う涼人に、シャルルとマリアンヌは思わず顔を見合わせる。
そして、揃って涼人の方を見直すと、口を開いた。
「一刻も早く行きましょう、警視!」
「急いで、りょーとの娘さん助けよー?」
そうシャルルとマリアンヌに言われ、涼人はこくり、と1つ頷く。
そして、今までとはまるで違う、力強さに満ち溢れた声で口を開いた。
「……大山のおじさん、出来るだけ最速で捜査礼状を貰って来てください」
「ああ、分かっている。今部下に取らせてる所だから、明日の朝一番には手に入るはずだ」
その涼人の言葉に、大山は真剣な表情を浮かべたままでそう答える。
そんな大山の答えを聞いて、涼人は軽く頷くと、鋭い目付きで部屋にいる刑事達を見回した。
「明日、それが『組織』の最後の日です。みなさんの奮闘を期待します!」
『了解!』
そして、そう涼人が叫ぶと、刑事達は一斉にそう叫んで敬礼した。
その後、涼人は捜査本部を抜け出すと、人気の無い場所まで行き、里緒に電話をかける。
『明日……動くんだね?』
「うん、だから……」
そう、電話の向こうの里緒に聞かれ、涼人は頷いて何かを言おうとする。
そんな涼人を制すように、里緒は口を開いた。
『分かってる。私が渚緒を助け出すチャンスは、今日の夜しかないんだね?』
「うん。……里緒、僕はもう止めない。でも、気を付けてね?」
そう言った涼人の声色には、明らかに里緒を心配する色があって。
そんな涼人に、里緒はくすっ、と笑って、殊更明るく口を開いた。
『大丈夫だよ、涼人。私は、『レインボーキャット』。いくらずっと現場から離れてたからって、そう簡単に捕まる訳が無いでしょ?』
「……そう、だね……」
その里緒の言葉に、涼人もやっと微かに微笑みを声色に滲ませる。
そんな涼人の言葉を聞いて、里緒は囁きかけるように言った。
『……じゃ、行って来るね』
「……うん、頑張って」
そう言って里緒は電話を切り、涼人は電話を手に持ったまま少しの間固まる。
そして、手にした電話を握り潰さんばかりに手に力を込めると、そのまま膝に手を叩き付けた。
「……くそっ……! 何で、こんな時に僕は里緒を助けに行けないんだ……!」
そう呟くように言う涼人。その顔には、焦りと、憤りが入り混じっていて。
「急がなきゃ、急がなきゃいけないのに、何で明日にならないと踏み込めないんだよ!」
涼人は吠えるようにそう叫ぶと、いらいらと頭を掻き毟る。
そんな涼人の肩を、急に誰かの手が叩いた。
「〜っ!?」
急に肩を叩かれ、涼人は慌てて後ろを振り向く。
すると、そこには大山が心配そうな表情を浮かべて立っていた。
「……大山のおじさん……」
「……大丈夫か? 涼人」
肩を叩いたのが大山である事に気付き、涼人は安堵と驚きが入り混じったような表情を浮かべる。
そんな涼人に、大山は心配そうに声をかけると、続けて口を開いた。
「里緒ちゃんが、どうかしたのか? 助けに行くとかどうとか……」
「っ……!」
そう大山に聞かれ、涼人は思わず何も言えなくなって口篭る。
そんな涼人を見て、大山ははぁ、と大きく溜息を吐くと、口を開いた。
「……まあ、全く予想してなかったかとなると嘘になるな。娘を攫われて、助けに行こうとしない親はいない。
……『レインボーキャット』が復活する。そう言う事だろう?」
「……」
そう大山に言われて、涼人は俯いて押し黙る。
そして、しばらくして涼人は諦めたような表情を浮かべて顔を上げ、口を開いた。
「……大山のおじさんには敵いませんね……」
「……止めなかったのか?」
明らかな苦笑を浮かべてそう大山に言う涼人。
そんな涼人に大山が聞くと、涼人はさらに苦笑の色を濃くした。
「止めようとしましたよ? いろいろと、ここじゃ言えない手を使って。
……でも、駄目でした。絶対に渚緒を助け出す、そう里緒は心に誓ってたんです。止めようがありませんでした」
「……どんな手を使ったのかは聞かないでおいてやる」
そう言った涼人に、涼人がどんな手を使ったのかを察した大山は、微かに冷汗を流しながらそう言う。
そして、1つ溜息を吐くと、口を開いた。
「お前がぶち切れるぐらいだ、あの子もぶち切れる。そう考えていたのは正しかった、と言う事か……」
「……ええ。里緒は、僕なんです。性格は、性別は違っていても、考え方は変わらない。
だから、僕は里緒に惹かれたし、里緒も僕の事を好きになってくれたんです」
その大山の言葉に、涼人は軽く微笑んでそう言う。
そのまま軽く惚気出した涼人に、大山は大きく溜息を吐くと、口を開いた。
「……で、涼人。これからどうする気だ?」
「どうする、ですか……」
そう大山に聞かれ、涼人は軽く唇に人差し指を当てて考える仕草をする。
そして、大山に向かって微笑みかけると、口を開いた。
「……とりあえず、捜査本部のメンバー全員に法律違反をさせてみようかなと思います」
「……は?」
その涼人の言葉に、大山は思わず呆気に取られる。
そんな大山を見ているのか見ていないのか、くすくすと笑いながら涼人は続けた。
「……なので、もう一度捜査本部のみなさんを呼び戻してくれませんか?」
「いや、待て待て待て!」
そう涼人から言われ、大山はようやく我に返って叫ぶ。
そして、涼人の胸倉を掴むと、怒鳴り付けた。
「涼人! 何を考えている! 全員だと!? 全員に、一体何をさせる気だ!」
「……落ち着いてください、大山のおじさん。僕は別にみなさんにこれから強盗をしてもらおうとか、そんな事を言っている訳じゃありません」
「当たり前だ!」
激昂する大山を宥めるように涼人が言うが、それでも大山は怒りを納めない。
そんな大山に胸倉をつかまれたまま、涼人は口を開いた。
「……今すぐに、高橋邸に踏み込みます」
「……何?」
その涼人の言葉に、大山は呆気に取られ、涼人の胸倉を掴んでいた手を離す。
そして、軽く服装を正しながら、涼人は続けた。
「今すぐに高橋邸に向かい、『組織』を一網打尽にし、渚緒を助け出します」
「い、今すぐに……だと?」
そう涼人が言うと、大山は驚愕を顔に貼り付けたままで聞き返す。
その大山の言葉に、涼人はこくり、と1つ大きく頷いた。
「ええ。今すぐに、です。だから、法律違反なんですよ」
「礼状も取らずに踏み込むと言うのか……!」
そう続けた涼人に、大山は目を見開く。
礼状も取らずに踏み込めば、それは確かに不法侵入と同義なのだから。
「……責任は、全部僕が持ちます。ですから、お願いします、大山のおじさん」
そんな大山に、涼人はそう言って頭を下げた。
「……はぁ」
その涼人の行動を見て、大山は一度盛大に溜息を吐く。
そして、涼人の脳天に何の手加減も無く拳を落とした。
「〜っ!?」
「馬鹿か、お前は」
急に殴られ、涼人は頭を抱え、涙目になってぷるぷる震える。
そんな涼人に、心底呆れたような表情を浮かべながら大山は口を開いた。
「お前が馬鹿だから言っているんだ。俺は今までずっと独身で、当然だが子供もいない。
でもな、親が何としてでもわが子を助け出したいと願う気持ちぐらいは理解出来るつもりだ。
……そして、『組織』は俺の後輩で、親友を殺した相手だぞ? ……手伝わせろよ」
「……大山の、おじさん……」
その大山の言葉に、涼人は呆気に取られて大山の名を呟く。
そんな涼人の頭に手を乗せて、大山は口を開いた。
「……責任は、全部俺が持つ。好きなだけ、やって来い!」
「え……? で、でも、それじゃあ大山のおじさんが!」
そう言った大山に、涼人は一瞬だけ呆然とし、すぐに大山に向かって叫ぶ。
それは、全ての罪を大山がかぶると言う事、大山が警察を退職覚悟であると言う事。
それを理解して叫んだ涼人に、大山はくすり、と軽く笑って、口を開いた。
「……涼人、俺はな、恭一と亜紀君が死んでから今まで、ずっと涼人の親代わりをやって来たと思っている。
……もし、同じ事になっていたら、亜紀君はこうしていたさ、それが親と言う物だ。
さあ、行け。子供は、親の好意には素直に甘える物だぞ?」
そう大山に言われて、涼人は一瞬その場に立ち尽くす。
しかし、すぐに気を取り直すと、大山に向かって満面の笑みを浮かべた。
「……ありがとう、大山のおじさん」
そう言うと、涼人は車椅子を回転させ、捜査本部へ戻った。
「……ありがとう、父さん!」
……去り際に、大山にそう叫んで。
これで終わりです。
……題名忘れてたorz
恋するキャットシーフFinal〜猫は、もう一度〜第7話です。
今回は決戦前の警察側の動き、それと大山と涼人の絆がメインですかね。
と、言うか最後の最後で大山が凄く格好いい方向に暴走してくれましたw
GJ!次回が楽しみですね。
あーなんだっけ三人組のあれ
ずっと投下されてないけどスランプとやらは随分長いようだが
トライアングルムーンか?
まあ職人さんにも都合はあるんだし、そんな嫌味っぽく言わなくても。
本職の都合とかもあるだろうし
ましてやこのスレ専従ってわけでもないしね
個人的にはアクアメロディのあれのおかげで後半年は戦える
未完のまま終わるなんて、この板ではよくあること
それくらいの気持ちでいないと
我慢我慢
トライアングルムーンでは最後三人まとめての処女散華とかやるのかな?
唐突ですが貼ってみます。
このスレはこれまでずっとROM専で、他スレにて処女(作)を捧げたばかりのド素人ですが、枯れ木も山のにぎわいといいますから――
タイトルは「怪盗十六夜(いざよい)」
623 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:49:06 ID:IU72mTxh
月と約束した町――中央ヨーロッパの山地の一角に、そんな幻想的な名を付けられた町がある。
天頂にはまるで手が届かんばかりの質感のある月がめぐり、ある晩は山地の清浄な空気が、またある晩には近くの清流から立ち上る薄い霧が、またある晩には群れをはぐれた狼の悲しげな遠吠えが彩る。
特に満月の光景はあらゆる詩人に天啓を与え、あらゆる芸術家に秘められた感情を呼び覚ますとまで語られる。
そして、今この街をさらに幻想的にしているもの。それは怪盗の少女の存在だった。
あらゆる警報装置をも潜り抜け、いかなる警備員をもかわし、月下すべてが己の庭であるかのように自由自在に街を闊歩する謎の少女。
普通の泥棒と違うのは、なにも盗まないということ。彼女は忍び込んだ屋敷に、ただ一枚のカードを残すのみだった。
『我が欲するこの世に二つとない宝、ここにあらず 怪盗十六夜』――と。
そして、もし侵入した屋敷の主が悪事を働いていた場合、まるで立ち去りぎわのついでとばかりに悪事の証拠を暴きたてて行ってしまう。
そのため警察の方も、怪盗少女をというよりもむしろ彼女に悪事を暴かれた屋敷の当主の方を逮捕するといったありさまだった。
その不可思議なメッセージと、悪事を見逃さない清廉なふるまい、そして数少ない目撃例の全てが語る麗しい少女の姿。この街の住人は、二人集まれば必ず怪盗少女の噂をすると言ってもよかった。
そして、その町のとあるカフェでも、また。
「怪盗イザヨイ、また現る! しかし望みの宝は得られなかった模様、ね――」
二人がけの席に新聞や雑誌を並べて、カップを手にした少女がゆっくりと午後のひと時を楽しんでいる。
紙面に躍るのはどれも怪盗十六夜に関する情報だ。どれもこの国の言葉で書かれているが、少女が呟いているのは日本語だった。
ただでさえヨーロッパの小国に東洋人がいるのは目立つ。しかも彼女の格好は、日本の高校の学生服。傍目ではそこまでわからなくても、たった一人でカフェを楽しむには無理のある装いだ。
だが、少女の姿は、この『月と約束した町』の一角に自然と溶け込むほどに、優美であり幻想的だった。
すらりと伸びた手足と整った姿勢、そして女性らしい丸みと膨らみを帯び始めた若々しくも華奢な肢体。穏やかな微笑を口の端に浮かべ、整った美貌を艶やかな長い黒髪が彩っていた。
手に持つカップに口を付ける動作は優雅そのものだったが、思わぬ熱さにびっくりして可愛らしい表情を見せることもあった。カップの中のカフェオレは湯気がかなり薄くなるくらいぬるい様子だが、少女はたいそうな猫舌のようだ。
そんな少女を眺めているだけで、午後のひと時を幸福に過ごせそうな、存在そのものが芸術品であるかのような少女だった。
624 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:49:38 ID:IU72mTxh
「いったいイザヨイの目的は何なのか。この世に二つとない宝とは何を意味するか……」
雑誌の読者投稿欄には、彼女が求めているのは理想の恋人だとか高名な詩人の遺作だとかいろいろと推理が載せられている。
それらを斜め読みしていた少女の背後に、無作法に近寄る影。
「姉ちゃん、怪盗イザヨイに興味があるのかい?」
無防備な仕草で少女が振り向くと、背後には近寄られただけで威圧されそうないかつい男が立っていた。少女を姉ちゃんと呼んでいるが、どう見ても男の方が年も体重も倍以上はありそうだ。
「俺がいろいろ教えてやってもいいぜ?」
「ノーサンキューですよ、お兄さん」
「その可愛い顔に傷をつけられたくないだろう?」
猫なで声をあっさり捨てて、男が少女の肩に手を置いた。その無骨な拳にかかれば、少女の華奢な肩など一息で砕け散りそうではある。
はあ、と少女がため息をついた。
月と約束した町……その幻想的な町には、非常に生々しいというか、うんざりするような問題がある。
幻想的な月夜の光景を守るため、州が『夜間の照明を制限する条例』『煙を出す器具の利用を制限する条例』『そもそも電気を使わなきゃいいじゃん条例』を次々に制定。
その結果、確かに月夜は中世のころと同じような素晴らしい光景を保ったが、町の明るさと治安も中世に逆戻り。
屋内での娯楽をほぼ完全に制限された若者が夜の町に大挙して繰り出すという事態に。
闇に包まれた夜を女性が歩けば、強姦される確率は500パーセント……一晩で五回犯されるという意味で……という、先進国としてありえない事態に発展。
しかも、条例に守られた暗闇を利用してマフィアなどの犯罪組織が街に集結、そして潜伏。特に人身売買の一大マーケットに。
この街の最大の収入源たる観光客が来なくなることを警戒したこの街は、治安が最悪であることを必死で隠蔽する一方で、有力者たちでとある会議を組織した。
裏社会に通じた者だけが知っている。この街の混沌とした犯罪の坩堝という現状と、この街を支配する一つの組織の名を。そしてそれは、ヨーロッパ最大の人身売買組織の名前でもあった。
その名は……
「私みたいな観光客に手を出そうなんて、あなたは『満月会議』のひとさらいですか?」
「ゲッ、グッ」
少女がその名を出した瞬間、男は顔中を蒼白にして奇声を発した。
「……その名前を気安く口にするんじゃねえ。翌朝には豚小屋で種付けされてることになるぞ」
などと、その他にも口汚い罵り言葉をぼそぼそと呟き、男はその場を立ち去ってしまった。
少女はもはや男のことなど忘れたように、再びぬるいカフェに恐る恐る口を付ける。
「……お嬢ちゃん、さっきの男の言ったことは本当だ。その名前は二度と口にしない方がいい」
カウンターで飲んでいた老人が声をかけてきた。その声には偽りのない心配の響きがある。
「記事を見ろ、怪盗イザヨイは多くの悪事を暴いてきたが、その中に人身売買は一つも入っていない。それはつまり、あの怪盗の娘っ子すら、満月会議には怖くて手が出せないってことだ」
「それは怖いですね」
どこまで本気なのか、少女が相槌を打った。
「そういえばつい先日も、日本から来た修学旅行の高校生たちの中で、少女が二人さらわれたって聞く。この街で観光客に手を出して無事に済むのは満月会議の人間だけだ。そうなりたくないのなら、おとなしくしてさっさと帰りな」
「まあ、そんなことが。行方不明になった少女の名前はご存知ですか?」
「んん? いや、わざわざ覚えているわけじゃないが」
少女は雑誌の背の閉じる部分を指先でもてあそびつつ、優しい微笑を見せた。
「行方不明になった少女の名前は、高良唯。それを探している私の名は、望月陽炎と申しますの」
「……まさか……!? お前さんは、行方不明になった二人の娘っ子の一人……!?」
老人が愕然となる。だがその時、少女の机の上に並べられていた雑誌のページが一斉に宙を舞った。少女が指先で装丁をなでた時に、本を閉じる糸がやんわりと引き抜かれていたのだった。
舞ったページがカーテンのように少女の姿を隠し、そして舞い落ちた時には、少女の姿はどこにもなかった。
ただ、机の上に、どうやら猫舌のせいで飲み切れなかったらしいカフェオレのカップと代金の小銭が残っていただけだった。
625 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:51:47 ID:IU72mTxh
その日の晩――満月から一日だけ進んだ月夜、その欠落の生む暗闇を舞うように、黒く塗りつぶされた小型の風船が『月と約束した町』の上空を飛んでいた。
そして驚くべきことに、一人の少女までもその風船にぶら下がるように空を飛んでいた。
人間を支えられるようには見えない小型気球で夜闇を飛ぶのは、カフェで望月陽炎と名乗った少女だった。小さな気球で体を浮かべる姿は、陽炎という名の通りの幻影であるかのようだ。
彼女の着ている衣服は、カフェでの学生服からかなり様変わりしている。
東洋の着物に似たデザインながら、肩と腿でばっさりと切り落とされて健康的な手足を見せる黒衣。剥き出しの白い腕と足には同じく黒い布で作られたウォーマーが肘と膝を覆っている。
足につけているのも黒い足袋だった。腰に差した脇差サイズの直刀すらも黒で塗りつぶされている。
彼女を下から見上げる者がいたとしても、変わった形の雲か鳥としか思わないだろう。だがその姿を日本通の人間、あるいはアニメや漫画を趣味にするものが見たとすれば真っ先に『ニンジャ』、もっと詳しいものなら『クノイチ』を連想するはずだ。
決して卑猥でも扇情的でもなく、最終的な露出度で言えば決して高くはないが、剥き出しの二の腕や腿、帯で締められた腰、胸元を押し上げるふくらみはたいへんに刺激的だった。
黒い布を目元に巻いただけの簡素な覆面で顔を隠し、さらには長い布を首元にひるがえしてマフラーのように口元を隠しているが、美しい顔立ちのラインは隠しようがない。
カフェではいかにも落ち着き払った令嬢といった風情だったが、腰まで届く長い髪を後ろでまとめて流しているせいか、瑞々しい生気に満ちた様子だった。
怪盗十六夜。それが、今の望月陽炎の名前だ。
「風向き、よし。誰にも気づかれた気配は無し……」
すぐに、彼女が目的とする建物が見えてきた。
広い敷地と広い庭に囲まれた豪勢な屋敷。観光地として土地の値段が高いこの街ではそれだけで富豪であることを意味する。
その屋敷が通常の豪邸と違う点は、庭に動き回る無数の犬の存在だった。
この屋敷の主は軍用犬の調教で名をなした人物であり、屋敷の一切は……警備はもちろん家事に至るまで、すべてを犬がこなしている。
逆に言えば、屋敷の中に主人以外の人間がいないということ。人身売買の中継地点としてこれほどふさわしい場所もなかった。なにせ、秘密をもらす可能性のある人間がいないのだから。
「ユイ。必ず助けてあげるからね」
高良唯、文学部の才媛にして陽炎の大親友。修学旅行でこの街に来た時には、あらゆる詩人を追体験できると舞い上がっていた愛しい少女。
そして、迂闊にも夜中に出歩いてしまい、そのまま消息を絶ってしまった。その時に一緒にいなかったことを陽炎は今でも悔やんでいる。
この街での人身売買は、すべて『満月会議』がとりしきっている。そのことを知った陽炎は、帰りの飛行機から一人抜け出し、町に舞い戻って怪盗となった。
親友が誰によって拉致され、いまどこに監禁されているかを知るために、満月会議を敵に回して一人闘う怪盗十六夜として生きることを決めたのだ。
「使用人が一人もいない屋敷。ここに拉致された人たちが監禁されていても不思議じゃない」
庭を歩きまわっている犬たちを眼下に眺めながら、陽炎の気球はゆっくりと屋敷の屋上に近づいていく。どれだけ犬が庭を警戒しようと、飛び越えてしまえば意味はない。
だが、その時、屋上の一角に何かの気配を感じて陽炎は動きを止めた。
「んん……?」
目を凝らすと、これまで屋上にべたりと伏せていた漆黒の犬がふに立ち上がって猛然と彼女に向かって走り寄って来た。
それも一頭ではなく、三頭もの黒犬が、一直線に並んで陽炎へと駆けて来た。恐怖で怪盗少女の顔が青ざめた。
(しまった、屋上にも待機していたの!?)
626 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:52:29 ID:IU72mTxh
もちろん下調べは入念に行った。だが、屋上にべたりと伏せた黒犬は遠距離からでは発見のしようもなかった。
逆に言えば、それだけ静謐な待機を犬に科すほどこの館の主人は優れた調教師であるといえる。
とっさに陽炎は気球を操って上昇し、犬の跳躍でも飛び付けない高度へと退避する。
だが、次の瞬間、先頭の犬がばっとうずくまり、二頭目の犬が一頭目の背中を踏んで真上に飛ぶや、三頭目の犬が二頭目の背中をさらに踏み台にして高く跳躍した。
まるで犬の組体操、あるいは戦隊ヒーローの合体技。さらに例えるならば、踏み台にする動作を取り入れたジェットストリームアタックと呼ぶべきか。
犬の常識をはるかに超えた大ジャンプを見せた黒犬は、流星のように気球へと迫った。がうっと開いた口に鋭い牙が並ぶ。
安全だと思っていた場所に飛びつかれた陽炎はなすすべとてなく、恐怖で体をすくませた。
「ひっ!」
思わず悲鳴をあげてしまった少女ではなく、その体を支える気球を犬の牙は引き裂いた。流星のごとく飛び去った犬の口元には渋い笑みが浮かんでいた。
「あ……」
引き裂かれた気球はすでにボロ布に等しく、地上二十メートルほどの高さで上空に放り出された陽炎は庭の中央に向けて落下を始めた。
しかし、ここからが陽炎の怪盗としての意地の見せどころだった。空中で自由落下しながらボロ布と化した気球を正確に解体し、風呂敷のように両手の間に広げたのだ。
それは、いわゆるムササビの術の変則版とも言うべきものだった。かろうじて空気を捕らえた少女は減速しつつも地面に結構な勢いでたたきつけられたかに見えたが、巧妙な受け身で地面を転がった少女には目立った負傷はない。
しかし、無事に着地できた陽炎に休む余裕はなかった。
庭で待機していた十数頭もの犬が、彼女を完全に包囲していた。いずれも鍛え上げられた犬の獰猛な唸りをあげており、逃げようとするそぶりを見せれば即座に噛み殺されそうだった。
『どうかね、私の犬は?』
「まあ正直、世界一の調教師を自負するだけのことはあるわね」
唐突に聞こえた声に、陽炎は動揺を抑えながら答えた。
この屋敷の主人、軍用犬調教師の声に間違いなかった。重々しくもしっかりとした口調には不快感は感じなかったが、それだけに恐ろしさを覚える。
声のした方を見れば、包囲から離れた所にいる一頭の犬の首輪にスピーカーのようなものがついている。まるで犬がしゃべっているかのようだが、実際にその犬が指揮官であるようだ。
屋敷の主人の勝ち誇った声を聞き、彼女の周囲を取り囲む犬の群れが歓喜の咆哮をあげた。実際、これだけの犬に囲まれては身じろぎの一つもできなかった。
『君も私の犬にしたい』
「最悪……」
あまりにも直接的な言葉を受けて、少女がげんなりする。
『抵抗しなければ痛くはしない。さあ私のかわいい犬たちよ、あたらしい仲間をここに連れて来ておくれ』
「遠慮するわ」
一言で切り捨てると、陽炎は自分の口元を覆い隠すマフラーを解いた。
ほっそりとしたあごのラインと可憐な桜色の唇が月下に露わになり、犬たちがなぜか興奮して唸り声をあげた。
『自ら素顔を見せてくれるのかね?』
「十六夜忍法、水月」
嬉々とした声にはこたえもせず、陽炎は解いたマフラーを束ねると口元に寄せ、ふっ……と自らの甘い呼気を閉じ込めるように吹き込んだ。
627 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:53:26 ID:IU72mTxh
『かかれ!』
陽炎の動作に危険を感じた調教師が指令を下し、十数匹の犬が一斉に陽炎に跳びかかった。
犬たちはまず陽炎の髪を咥えて地面に引きずり倒すと、その手と言わず足と言わずいたるところにかぶりついた。
だが、次の瞬間、犬たちは自分がくわえているのが少女ではなく少女の残したマフラーだけであるということに気付いた。そして、マフラーから転がり出たお手玉から噴き上がる無臭の催眠ガスをまともに嗅いで、次々にその場に昏倒した。
「あなたたちが見たのは水面に映る月。どれほど手を伸ばしても天の月には触れられない」
包囲を脱した地点で、陽炎は静かに解説した。いわゆる空蝉の術の亜種と言おうか、マフラーを自分に見せかけて犬たちを引き付けたのだ。
彼女を包囲していた十数匹の犬たちはすべて昏倒し、唯一無事だった調教師のスピーカーを付けた犬と怪盗十六夜は向かい合った。
『見事な手並みだ。君はいい雌犬になれるだろう』
「あなたなりの褒め言葉だとしても、素直に受け取れません」
余裕で言葉を交わす陽炎だったが、内心ではかなり焦っていた。
マフラーを失って顔の下半分が丸見えになっているのも誤算なら、催眠ガスの詰まったお手玉も彼女の切り札の一つだった。それをここで失ったのは正直痛い。
『ぜひとも屋敷に招待したい。君のために日本から伝統的なドッグフードを取り寄せてある』
「ドッグフード?」
『主食となる米を皿に盛り、味噌を使ったスープをかけたものだ』
「それって、犬まんま……ですか?」
『試しに食してみたところ、なかなかの美味だった。君も満足できるだろう』
「食べたんですか」
あきれ顔で陽炎は突っ込んだ。調教師の口調は真剣であるだけに力が抜ける。
「私にはこのまま逃げ帰るという選択肢もあるんですけどね」
力が抜けた陽炎は、ついぽろりと内心を零してしまった。次々に誤算に襲われて思考が後ろ向きになっていることを知られてしまったと、口にした後で後悔する。
それでも彼女の発言は事実だった。目の前の犬をかわして屋敷から逃げ去ることは、それほど難しくはない。
そんな彼女の内心を見透かしたかのように、調教師は決定的な一言を口にした。
『だが君にはまだ、世界に二頭といない犬を見せていないのだが』
628 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:55:01 ID:IU72mTxh
「……! まさか、唯がそこにいるの?」
陽炎の顔がこわばる。世界に二つとない宝、怪盗十六夜の目的、それがあると調教師は言った。
『世にも素晴らしい日本の雌犬だ。だが一頭ではさびしそうなのでね。君が仲間に加わってくれたら彼女もさぞ喜ぶだろう』
「唯を……犬呼ばわりするなッ!」
始めて感情をあらわにして、陽炎は激昂をそのままに叫んだ。
『私にとっては最大級の賛辞なのだが……これ以上どう褒めればいいか見当もつかないほどに』
弁解がましい口調と、同じく言い訳するような表情の犬を睨みつけ、陽炎は唇をかむ。
(ここに唯がいるなら、逃げるわけにはいかない。どんなひどい目に遭っているかわからないんだから)
調教師に犬扱いされている大親友の痴態が脳の片隅で繰り広げられるも、渾身の気力でそれを無視。
「いいわ。その挑発に乗ってあげる」
彼女は言い捨てると、眼前の犬に向かって疾風の如く駆けた。
犬が反射的に彼女に跳びかかるが、その一瞬前に幻の如く跳躍した陽炎は、なんと向かってくる犬の頭に跳び乗ってもう一段の跳躍を見せた。
踏み台にされた犬自身もまるで羽にふれられたかのようにしか感じられない、体重を全く感じさせない動きだった。
その人類の常識を超えた跳躍で二階の窓に飛びついた時には、陽炎が腰から抜いた短刀が窓ガラスに亀裂も入れずに貫き、閂を正確に切り落としている。
『招待すると言っておるのに』
「玄関からは入らない主義なの」
そう言い返して、怪盗十六夜は窓をからりとあけると幻のように部屋の中へと飛び込んだ。
<つづく>
629 :
怪盗十六夜:2009/03/27(金) 16:56:03 ID:IU72mTxh
……くのいちスレよりもこっちであってますよね?
自分にはあまり深い設定を作る力量がないのでオーソドックスにくのいちですが、一応いろいろ書いておきます。
・望月陽炎 17歳 身長164cm B85/W54/H82
怪盗十六夜として『月と約束した町』を騒がせている少女。容姿は優美にして可憐そのもの。
勉強でも運動でも、さらには芸術に至るまで、ほとんど努力もなく高いレベルに達している天才。ただしその分努力による伸びしろが少ないため、本気で努力をしている人間にはいずれ負けるのではないかと常に不安に思っている。
彼女の生まれた望月家は「欠けた月の闇に潜む」と恐れられた十六夜忍者一族の末裔。
ただし、十六夜一族は江戸時代の半ばあたりで忍者を廃業し、その後は「もはや満月に影はいらぬ」ということで望月と改名してしまっている。
陽炎の家族も、自分の先祖が忍者だったなんてことは知らない一般人。
しかし十六夜一族の忍術を書き記した書物が古い倉の片隅に残っており、子供のころにそれを見つけた陽炎は、『面白そうだから』というそれだけの理屈で自主トレーニングを始め、高校生の半ばまでに天賦の才覚でいくつかの忍術を習得している。
しかし血筋と天才だよりの忍術には努力と修練による裏付けがなく、せいぜいがパーティーで余興に使える程度である。
しかも彼女が『面白そう』と感じたものだけを覚えたため、女の体を性的に利用する術は全く覚えていない(というより、古文書に何が書いてあるかわからなかった)。
前述のとおり運動能力は抜群であり、外国の言語もたやすく習得するほどの才女であるが、努力の裏付けがない能力の脆弱さを本人が誰よりも理解しているために下調べと事前準備を決して怠ることはない。
『満月会議』にさらわれた親友の高良唯を百合疑惑が囁かれるほど溺愛しているが、それは心を許した相手にはついついべったりしてしまう彼女の甘えん坊の一面からである。
また精神的に成長する必要がほとんどなかったため意外と本質は幼く、男女の恋愛などもファンタジーとしてしか認識していない。
さて、次回は怪盗十六夜と調教師の対決となります。
少女怪盗がエロい目に遭うのは当然として、ちょっと『痛い目』に遭ってしまうのはこのスレ的にOKですか?
もちろんグロとか流血とかじゃなく、普通の戦闘や尋問の範囲内でですが……
まったくもって問題なし。むしろウェルカム
おおおおおおおおおおおお
GJです
ヒャッハー!新作ktkr
新作キター!
そういえば魔法や科学を使う怪盗はいるけど忍者型はいなかったな…これは期待。
痛い目に関しては、グロやエロに差し支えるレベルでなければ問題ないかと。
GJ!
続きが楽しみだ
敏腕女刑事野上冴子が怪盗キャッツアイの長女・来生泪を捕らえてレズ拷問
>>629 うおーっGJ!
なんか久々の対決モノのような気がして期待が高まるな
クノイチってのはポイント高い
好きに書いて欲しいです苦痛描写バチコイ!
続きマダー?
書き手様は本業に必死なんです><
怪盗も普段は女子高生だったりアイドルだったり教師だったり人妻だったりするからねw
その人妻怪盗がぐちゃぐちゃにされる(と、言っても今回は触り程度だが)話書けましたw
では、次より投下します。
「……よい、しょっと……」
高橋邸の塀の上に上ると、里緒はふぅ、と1つ溜息を吐く。
そして、里緒はそのまま高橋邸を睨み付けた。
「ここに、渚緒が……」
そう呟くと、里緒は塀から身を躍らせる。
そして、音も無く着地すると、身体を確かめるように軽く手足をぶらつかせ、呟いた。
「……うん、身体もまだなまってないみたいだし……、行ける、かな?」
そう自分に言い聞かせるように言うと、里緒は走り出す。
その瞬間、ボディースーツの電磁パルス機能が働いて、里緒の身体は疾風となった。
「……よっ、と。
やっぱり、外の防備は手薄だね……」
塀から建物までの数十メートルを一息で駆け抜けると、里緒はそう1人ごちる。
所有権こそずっと高橋天山が持っていたものの、表向きは家の主が逮捕されてから今までずっと空家なのだ。
そんな家の敷地内とは言え庭にそんな防備を敷くのは、周りの住民に疑ってくれと言うような物で。
「その分、中の防備はしっかり固められてるんだろうなぁ……」
今までの『レインボーキャット』としての経験からそう考える里緒。
この考えは絶対に間違ってないだろうと言う確信もあって。
「……でも、行かなきゃ。行って、早く渚緒を助け出さなきゃ!」
そう、自分を鼓舞するように叫ぶと、里緒は屋敷への進入口を探す。
そして、近くの窓が割れているのを見付けると、そこから中に忍び込んだ。
……そんな里緒の表情からは、余裕が完全に抜け落ちていた。
「……渚緒、待っててね。お母さんが必ず助け出してあげるからね……!」
……その姿は、外見こそ往年の『レインボーキャット』だったが、中身はそれとはまるで違った……。
一方、その頃。
「……入って来ましたぜ、お嬢!」
「そう、それならただ待ってれば向こうから勝手に入ってくるわね。……猫の終焉地に」
そう、部下からの報告を聞いてにやり、と笑う絢音。
……しかし。
「おねーたん、あそおー!」
「……あーもう! 少しは静かにしなさい!」
「きゃははっ、きゃはははっ♪」
……にこにこと本当に楽しそうに笑う渚緒に纏わり付かれていたらさっぱり決まらなくて。
たまらず絢音は渚緒に向かって怒鳴り付けるが、渚緒はそれでも楽しそうに笑っていて。
「……に、しても、何て人見知りしない子なんだよあの子……」
「だよなぁ。俺があの子の年で今のあの子の状況になってたら間違い無く泣き叫んでるぜ……」
そんな絢音と渚緒を見ながら、『組織』のメンバー2人はひそひそ話をする。
その内容は、誘拐犯に速攻でなついた渚緒に呆れながら感心するのが半分。
そして、もう半分は、
「に、しても……くくっ」
「振り回されるお嬢が見れるとはな……ぷっ」
「そこっ、黙れーっ!」
いつも自分達を振り回す絢音が完全に渚緒に振り回されている姿を見物する2人。
思いっ切り見世物にされ、あまつさえ笑われ、絢音は真っ赤になってその2人に怒鳴りつける。
しかし、2人はそれでもにやにや笑いながらじっと絢音と渚緒を見詰めていて。
「くくく……」
「ぷくく……」
「うがーっ!」
そんな果てしなくぐだぐだな空気の中、脱力しかけながらもモニターを見詰めていた男が突然声を上げた。
「例の部屋の中、入りましたぜ!」
「「「っ!」」」
その瞬間、場の空気は瞬時に引き締まった。
「……どういう……こと……?」
ゆっくりと高橋邸の廊下を歩きながら、里緒は思わず首を傾げる。
家の中は明らかに誰かが暮らしているような気配があったが、ただそれだけで。
「ここまで、何も無いなんで……」
明らかに人が暮らしている形跡があるのに誰にも出会わないこの状況に首を傾げつつ、里緒は近くの扉を開け、中に入る。
その瞬間。
「っ!?」
急に暗かった部屋の中が明るくなり、里緒は思わず目を覆う。
明るさに目が慣れ、里緒が目を開けると、そこは妙に広い部屋であった。
「……ここは……?」
『来たわね!』
壁をいくつかぶち抜いて作ったらしき部屋を里緒が見回していると、突然声が聞こえる。
里緒が上を見上げると、そこにはスピーカーが吊るされていた。
「……うん、来たよ。渚緒を助けに、盗み出しに」
『……安心しなさい、あなたの娘は無事よ。
……ただし、娘が無事でもあなたが無事で居られるかどうかは分からないけどねぇ!』
そう絢音が叫ぶと、里緒が居る場所の正反対の位置にあったドアが開き、男達がぞろぞろ出て来る。
そして、絢音は高らかに笑いながら口を開いた。
『12人ぐらい、1人ずつならあなたは倒せるでしょうね。
でも、逃げ道を塞がれて、12人に一斉に襲われたら、あなたは倒せるのかしら?』
「―――っ!」
そういわれて、里緒は後ろ手でドアノブを回すが、オートロックになっていたのかドアが開かない。
思わず里緒が焦りの表情を浮かべると、男達の先頭にいた天山がにやつきながら口を開いた。
「……さて、覚悟してもらおうか」
『ちょっと、父さんがするのは私が終わってからなんだからね?』
「分かっているさ。私だって自分の精液を娘に触られたくは無い」
そう天山が言うと、スピーカーから絢音の声が降って来る。
それに答える天山を見ながら、里緒はロッドとスタンガンを構えた。
「っ!」
「おっと」
突きかかって来た里緒を軽くかわして、天山は部下達に合図を送る。
そして、里緒を包囲するように動いていた男達に向かって、ニヤニヤ笑いながら口を開いた。
「お前ら、遅くとも明日の昼には警察が来るんだ。
少しでも長く楽しみたいなら、少しでも早くとっ捕まえやがれ!」
『うおおおお!』
「くっ!」
天山の叫びを聞いて突っ込んで来る男達の頭上を、里緒はとんぼ返りで飛び越える。
そしてたたらを踏んだ1番近い男の首筋にスタンガンを押し付けた。
「てぇいっ!」
「がっ!」
たまらず崩れ落ちるその男を見て、里緒は2人目を目掛けて駆け出す。
そして、その男が反応するよりも早く里緒は懐に飛び込み、脇腹をロッドで存分に抉っていた。
「ぐは……っ」
「これで……2人!」
ロッドを大きく振り、里緒は男達を睨み付ける。
そんな里緒に男の1人が掴みかかるが、
「てめっ……!」
「きゃっ!」
その男を見て里緒がバックステップをすると、その身体は数メートル後ろに下がっていた。
「ボ、ボス……!」
「落ち着け! ただ速いだけだ!」
思わずたじろぐ男達に、天山はそう怒鳴り付ける。
そして、男達を落ち着かせるように声を張り上げた。
「いいか、あいつは確かに速いが所詮ただの女だ!
……もう一度囲んじまえ!」
その天山の指示を聞いて、男達はもう一度里緒の事を囲みに行く。
そして、囲み終わったのを確認すると、天山は声を張り上げた。
「よーし、半分だけ突っ込んで、残りは待機! 飛び越えた時に備えな!」
「っ!」
その天山の言葉を聞いて、里緒は表情を強張らせる。
飛び越える事が出来ない以上、力尽くで突破する以外方法は無くて。
「ええーいっ!」
「ってぇっ!?」
正面の男にロッドを叩き付けると、その男が怯んだ隙を付いて里緒は包囲から脱出する。
しかし、今殴られた男は殴られた箇所を押さえながらもしっかりと立っていて。
「痛ってーな、てめぇ!」
「―――っ!」
痛みに顔を顰めながらもまだ戦闘力を残している様子の男を見て、里緒は歯を食い縛る。
不意を付くか、スピードを乗せれば里緒の力でも男は気絶させられるが、単純な力のみでは少し苦しくて。
「よし……! そのまま追い込んじまえ!
……殴られた礼は、捕まえた後にたっぷりしてやればいいんだからよ!」
「違えねぇ、どうせ俺らは抵抗しようとしまいとやっちまうんだからなぁ!」
そんな里緒を見てげらげらと笑う天山と男達。
そんな男達を睨みつけながら、里緒はせわしなく頭脳を回転させた。
「(……また包囲されたら、今度は突破出来るか分からない……。
なら、囲ませずに、ヒット&アウェイに徹すれば……!)」
幸いにも部屋はその戦法が取れるくらいの広さがある。
それを確認すると、里緒は天山達に気付かれないように少しずつ後ろに下がってゆき……、
「―――っ!?」
……突然、その足が何かに固定されたかのように動かなくなった。
慌てて里緒が下を向くと、いつの間に目を覚ましたのか、さっきロッドで沈められた男が里緒の足を掴んでいた。
「っ! は、離して!」
「ぐほっ!」
慌てて里緒はその男を蹴り飛ばし、その男はもう一度気絶する。
それを見て里緒がほっと安堵の息を吐くと。
「……ひっ!?」
「捕まえたぜ!」
……その瞬間、里緒は男に抱きすくめられて悲鳴を上げる。
里緒が見上げると、その男の瞳には紛れも無く好色そうな色が浮かんでいて。
「や、やぁっ! 離して! 離してぇっ!」
「っと、暴れんなっての!」
すぐに里緒はじたばたと暴れるが、力では大の男には敵わない。
そうこうしているうちに他の男も里緒を取り押さえて。
里緒はたちまち首から下はまともに身動きする事も出来なくされた。
「い、嫌っ! 嫌ぁっ!」
「やっぱ胸でけーなー、こいつ」
ぶんぶんと首を横に振る里緒の胸に、男の1人が手を伸ばし、揉みしだく。
普通なら、快感どころか痛みしか感じない程の力で揉んでいるのだが。
「ひっう……んんっ……!」
「ん? 何だ? もう感じてんのか?」
ふるふると微かに身体を震わせる里緒を見て、男はあざけるような笑みを浮かべる。
と、天山がこれもまたあざけるような笑みを浮かべたままで口を開いた。
「5年前に盛ったのは20人分の媚薬だからなぁ、後遺症ぐらい残って当然だろうよ」
「―――っ!」
そう天山に言われ、里緒は天山を睨み付ける。
すると天山はボディースーツに覆われた里緒の秘所に手を伸ばした。
「きゃひぃっ!?」
『ちょっと、父さん! 私が先だって言ってたはずよ!』
その瞬間、里緒はびくり、と身体を跳ねさせ、絢音が天山に文句を言う。
しかし、天山は自分の娘からのその文句にも軽く首を横に振るだけで。
「……絢音、これだけ暴れてたら運ぶに運べないんだよ。
警察が来る前に出来るだけヤってトンズラするつもり何だから、睡眠薬も使えないしな。
……それなら、1回イかせて脱力させた方が速いって、ただそれだけだっつーの」
『……本当でしょうね?』
その天山の言葉に、絢音は心底不審そうな声色で聞き返す。
そんな絢音に、天山はふぅ、と1つ大きく溜息を吐いて、答えた。
「心配しなくても、今は愛撫だけでそれ以上はしねーし、させねーよ。
……それに、時間もそんなにはかからないと思うし、なっ!」
「ひあぁぁっ!」
その言葉の最後にボディースーツ越しに里緒のクリトリスを探り当てて摘み上げると、里緒は頤を反らせる。
そんな里緒を見て、天山はニヤニヤ笑いながらさらに続けた。
「この感じ具合なら、3分かかんねぇよ」
『……そう。じゃあ待ってるわ』
その天山の言葉に、絢音はそう答えると、スピーカーのスイッチが切られた音がする。
その音を聞いて、天山はやれやれ、と首を振ると、部下の男達に向かって言った。
「……さて、どうやらうちのお姫様がお待ちかねのようだ。とっとととどめ刺しちまえ!」
『ういーっす』
「ひあぁぁぁーっ! うあぁーっ!」
そう天山が言うと、男達は次々と里緒の性感帯を責め立て出す。
20の手にそれぞれ別の場所を責め立てられ、里緒は見る見るうちに追い詰められる。
……そして、絶頂に達して脱力した里緒を男達が別室に運び込むまで、予告通り3分かからなかった。
これで終わりです。
……やっとこのスレの趣旨に合った話が書けてるな……。
それと、最初の方の絢音のターンは……、うん、凄くキャラが暴走したんだw
>>650 やっと来てくれたか
春先でも全裸待機はキツイ
ともかくGJ
О2華麗
gj&乙彼
百合に期待。
発情ボディを多人数で弄ってイカせるっていうシチュがツボった
できればそこんとこをもっと分量を使って欲しかったけど作者さんの得手不得手もあるよね
GJ!
>>655 お前は俺か
細かく描写して欲しかったが、まあ足りない部分は脳内補完で