アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、PS2版も絶賛発売中の「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。
☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること
※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。
■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます
マターリはぁはぁしましょうか。
☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html ☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html ☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ43
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207930465/
こなつー
「
>>1乙〜♪ ……こっちのスレでも出番あるのかな、私(ボソ)」
>1乙……って時刻すげええええ
>1
乙です。
準備をされる方がおられなければ、投下しますね。
「Escape 第2話」
「こなた&ゆたか」(ゆたか視点)
※注意事項
・続き物
・非エロ
・シリアス
2.
5月下旬の夕方、私とこなたお姉ちゃんは同じ時間にバイト先を後にした。
土曜日の今日は、お昼のシフトだったので、外はまだ十分に明るい。
「ゆーちゃん、お仕事お疲れ様」
「こなたお姉ちゃんも、お疲れ様でした」
私は笑顔で頷いて、お姉ちゃんの顔を見上げながら腕によりかかった。
「ゆーちゃんの甘えんぼ」
「だって、温かくて柔らかいから」
苦笑するお姉ちゃんに向けて、少しだけ頬を膨らませてから笑ってみせる。
休日ということもあって、大須のアーケード街にはたくさんの人が繰り出している。
至るところから楽しそうな喧騒が聞こえてきて、行き交う人々の表情も明るい。
大道芸をしている男性の傍を通った時に、こなたお姉ちゃんが口を開いた。
「夕食は外で食べたいな」
「そうだね。おねえちゃん」
家に帰ってから、改めて食事をつくるというのはなかなか大変だ。
「今日は、久しぶりにラーメンな気分だけど」
「いいよ。こなたお姉ちゃん」
「ありがと」
直後にお姉ちゃんのお腹が鳴って、思わず笑ってしまった。
赤門の近くにあるラーメン屋さんで、野菜ラーメンとクリームぜんざいを注文する。
食券を挟んだ、番号が書かれたタグを渡され、3分程待っただけで、
「5番のお客様どうぞ」と声がかかった。
私達は、カウンターで、ラーメンとデザートを載せたトレイを受取った。
ほんのりと甘くてコクのある白いスープを啜っていると、お姉ちゃんが私をみつめていることに気づく。
「顔に、何かついているの? 」
私は、あたふたしながら、ハンカチを取り出そうとポケットに手をのばした。
しかし、こなたおねえちゃんは、
「ううん。そうじゃないよ」
と言ったきり、ニヤニヤとしたままだ。
「お姉ちゃん、なあに? 」
「やっぱり、ゆーちゃんは可愛いなあって」
「えっと」
真正面から言われると照れてしまう。
どういう返事をすれば良いのか未だに良く分からない。
「ふふ。バイト先でも、ゆーちゃんは凄く良い評判なのだよ」
お姉ちゃんが店長さんから聞いた話によると、私がバイトを始めてから、
来客数と売上高が急激に増えたらしい。
もっとも、私自身は、ミスばかりしている記憶しかないのだけど。
「ゆーちゃんの良いところは、自分自身の魅力に気づいていないところかな」
私の『魅力』って何だろう。
正直言ってあまり思い浮かばない。
身体が弱くて、いつもこなたお姉ちゃんに、心配ばかりかけてしまっている。
その癖、とても強情で、駆け落ちを強引に実行してしまい、こなたお姉ちゃんに
大きな迷惑をかけてしまった。
「ゆーちゃんは欠点すら萌え要素に変えてしまうから」
お姉ちゃんは、限りない愛情を私に注いでくれている。
普通の恋人は…… とはいってもTVを見たり、雑誌を読んだりして耳にした知識に過ぎないけれど、
相手の振る舞いによって好感を抱いたり、逆に不満をもったりする。
でも、こなたお姉ちゃんは、私の欠点を見つけたとしても萌え要素という、
肯定的な言葉に置き換えてしまう。
お姉ちゃんは、私に対して減点評価をしないのだ。
それでも、時々、心配になってしまう。
「お姉ちゃん。あのね…… 」
クリームを美味しそうに食べていた、お姉ちゃんは顔をあげる。
「何かな? ゆーちゃん」
「私の事で不満があったら言ってね。なおすように努力するから」
しかし、こなたお姉ちゃんは、深いため息をついてしまっていた。
「ゆーちゃん」
お姉ちゃんの顔つきは、急に真剣なものに変わっている。
「な、なに? 」
「そんなに私に気を遣わなくてもいいよ」
「で、でも、わ、わたし」
私は動揺して、しどろもどろになってしまう。
「ゆーちゃんは、ありのままが一番好きだから」
ありのままの私?
心の中で問いかけてみるが、容易に答えの出せる問題ではない。
「ゆーちゃんが、自分で嫌と思うところも、私にとっては大切な部分なんだ。
少し、分かりにくいかもしれないけれど、ゆーちゃんが頑張って自分の欠点を直そうとすると、
ゆーちゃんの長所も消えてしまうことがあるから」
「良いところも? 」
「そう、長所と短所は別々にあるのではなくて、連動しているものだから」
私が無理をして、欠点を直そうとすると、同時に長所も失ってしまう。
私は、お姉ちゃんの助言に頷かない訳にはいかなかった。
「ありがとう。こなたお姉ちゃん」
「素直なところは大好きだよ」
こなたお姉ちゃんは、元の霞みがかった笑顔に戻って片目を瞑ってみせる。
春の日差しのようにぬくもりのある微笑みに、心がときめく。
「こなたお姉ちゃんのこと…… 好き」
私は、こなたお姉ちゃんを真っ直ぐに見据えて言った。
「日の沈まないうちから、真正面から言われると照れるね」
顔を少しだけ赤らめながら、頭をぽりぽりとかきながら苦笑いするお姉ちゃんに、
クスリと笑いかけて――
私は、凍りついた。
「どしたん? 」
あからさまに顔が強張った私の顔を、お姉ちゃんは心配そうに覗き込んでくる。
動悸を必死に抑えながら、耳元で囁く。
「かがみ先輩が歩いているのを…… 見たよ」
お姉ちゃんの表情もあからさまに変わった。
私達は、外から死角になる位置を見つけて座りなおす。
「ゆーちゃん。確かにかがみだったの? 」
お姉ちゃんは青ざめながら低い声で囁いた。
「一瞬だったから断言はできないけれど、かがみ先輩だと思う」
「そっか…… 」
こなたお姉ちゃんは呟いたきり、深刻な面持ちで考え込む。
沈黙しているお姉ちゃんを見ているうちに、私の不安は急速に膨らんでいく。
どうして、今更、かがみ先輩がここに来るの?
まだこなたお姉ちゃんをあきらめていなかったの?
私達をどうするつもりなの?
心の中に湧き上がる不安に耐え切れずに、お姉ちゃんの腕にしがみつく。
歯の奥が酷く震えて、ガチガチと鳴ってしまう。
かがみ先輩は、私のこなたお姉ちゃんを奪い取るつもりだ。
だから、何百キロも離れた街まで追いかけてきたんだ。
私は、かがみ先輩の執念深さに、身震いをするしかなかった。
「こ、怖いよ、お姉ちゃん」
「ゆーちゃん。落ち着いて」
こなたお姉ちゃんは、私の背中を撫でてくれるけど、お姉ちゃんの手のひらも細かく震えている。
「ゆーちゃん。あと二つ程、聞きたいことがあるんだけど」
それでも、情報を得ようとするお姉ちゃんは、冷静さを保っていた。
「何? 」
「ゆーちゃんが見たのは、かがみだけだった? 」
私も心を懸命に落ち着けながら、慎重に考えた末に答える。
「かがみ先輩だけだったけれど、他の人もいるかも」
「そっか…… そう考えるべきだろうね」
こなたお姉ちゃんは、顎に手をあてながら静かに頷いた。
多分、つかさ先輩や、高良先輩、そしてみなみちゃんも一緒に来ているだろう。
彼女達が襲いかかって来たら、逃げ切れる自信なんて…… 全くない。
「どうして…… 私達の場所、分かったのかな? 」
私は、半ば独り言のように呟いた。
「うかつだったよ。あの番組の取材のせいだね…… 」
こなたお姉ちゃんは嘆息してから天を仰いだ。
「ごめん。ゆーちゃん。てっきり地元局限定のメイドカフェ特集だと思い込んでいたよ」
「ううん。私もそう思ったから」
正直、お姉ちゃんも私も、油断があったのだと思う。
もちろん、TV局は私達ではなくてお店の取材に来たわけだし、
従業員がリポーターの取材を断る訳にはいかない。
しかし、取材の日時は数日前から分かっていたし、その時間帯にシフトを外すことも可能だった。
それでも、はるばる埼玉から名古屋まで想い人を追ってくるという行為自体に、狂気を感じてしまう。
2度目となると最早、恐怖でしかない。
そして、去年の12月は、かがみ先輩の顎から辛うじて逃れることができたけれど、
今回も幸運が訪れるとはとても思えない。
「お姉ちゃん。どうしよう」
ひたすら唇を動かしていないと、心が折れてしまいそうだ。
しかし、お姉ちゃんは私の質問に直接答えることはせずに……
「もう一つの質問だけど、かがみはどちらの方向に歩いていったかな? 」
と尋ねてくる。
「えっと…… 」
私は、少しだけ考えてから答えた。
「かがみ先輩は…… 大津通りの方から来て、バイト先の方に向かったよ」
「ありがと」
こなたお姉ちゃんは小さく頷いてから立ち上がった。
「ゆーちゃん。店を出よう。ここにいるのは危険だ」
「うん」
私達は立ち上がる。
既に料金は払っているので、そのまま店を出て、大津通りに向かう。
赤門をくぐり右に折れて、万松寺の駐車場の脇を通り抜ける。
つい先程までの楽しい気分は、完全に吹き飛んでしまい、私は、何度も後ろを振り返りながら、
こなたお姉ちゃんに寄り添うようにして歩く。
不安は膨らむばかりだったけれど、自分ががんばらなきゃと思いなおす。
こなたお姉ちゃんに頼ってばかりでは駄目だ。
私が、お姉ちゃんを助けるくらいにならないといけない。
「ゆーちゃん。地下に入るよ」
「うん。私、大丈夫だから」
私は、精一杯力強く頷いてから、こなたお姉ちゃんに微笑んでみせる。
「ありがと、ゆーちゃん」
お姉ちゃんは微かに頬を緩めてから、私の掌を強く握り返した。
私達は、地下鉄上前津駅に向かう階段を降りていった。
読んでくれた方、本スレ及びwikiに感想を頂けた方、ありがとうです。
こなたとゆたかの、半年近い休暇は終わりを告げて、一気に緊迫感が高まりました。
ちなみに、名古屋大須はパティに三大聖地の一つとして数えられていますが、
萌え系市場の規模としてはささやかなものだったりします。
>>19 GJ!
さすが行動が早いなかがみ…。
できることなら穏便に済ませてもらいたいところではあるけど、
難しい、というか無理だろうな…強行的な手段に出なければいいけど…
>>19 かがみ早いよ、早いよかがみ。果たして無事に逃げ延びられるんでしょうか。
それとも激突は不可避? ぐっじょぶです。
これからSSを投下させていただきます。
きよたか×ゆい
エロ
3レス
23 :
とんだ水入り:2008/04/26(土) 21:09:54 ID:1IbV4T70
ななこが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。
「……?」
もう少し脳が覚醒するのを待って室内を見回してみても、やはり見覚えがなかった。
壁の模様も天井の色も家具の配置も、パソコンが無いことも、自分の部屋とは全く異なる。
ましてや、自分の住居に人が寝られる大きさのソファやそれが似合うリビングなどなかった。
「あー……」
おぼろげな記憶を少しずつ辿ってみた。確実に覚えているのは、明日が休日だから酒を飲もうと
繁華街を練り歩いていたら偶然ゆいと出会い、一緒に居酒屋に入っていったことだ。
そこでゆいを相手に独り身の辛さを愚痴り、ゆいには旦那が単身赴任でどうこうと愚痴られた。
飲んだのは大ジョッキのビールを二杯にジントニック、カシスオレンジ、モスコミュール……いや、
そんなことはどうでもいい。とにかく、何杯目かを飲んだところから記憶がなくなっている。
だが、そこまで思い出せればあとは大体想像がついた。正体なく酔っ払ったななこをゆいが自分
の家まで連れて帰り、こうして寝かせてくれたのだ。
「あちゃー……」
ななこは頭を抱えた。
これはまずい。大の大人が、ましてや教職にある者がこんなことをしでかすとは。
「……とにかく、成実さんに挨拶せんとな」
まずはお礼とお詫びをするのが大人として当たり前の行動だ。それに、なんとなく尿意を覚えて
きたことだし、できればトイレを借りよう。
そう思ってリビングのドアを開けると、ゆいのものと思われる声が聞こえてきた。
「ぁんっ、やぁっ、きよたかさぁん……!」
それも、ただの声ではない。普段の生活では決して聞かない種類の声だ。
「まさか……」
ななこも大人だから、その声が何に起因するものかはすぐにわかった。これは間違いなく……。
「きよたかさん、もう我慢できないよぉ」
「ゆい、いくよ……!」
きよたかというのがゆいの夫の名だと知っている。直後に、男の声が聞こえてきた。
他には考えられない。これはゆいときよたかがセックスをしている声だ。
しかも、それが行われていると思われる部屋は、ドアが開いていた。
「やる時くらいドア閉めんかい……」
とはいえ、急に転がり込んできたのはななこの方なのだから文句は言えない。
もしかしたら、本来きよたかはここにいるはずではなかったのかもしれない。彼が帰宅する予定
があったなら、ゆいは酒を飲んでいなかったはずだ。不意の帰宅に夫婦は喜び、ドアなど気になら
ないほどに互いに夢中になっているのだろう。
(……ま、ええか)
トイレのことを諦めたのだ。
成実家の設計を知らない以上、トイレを探さなければならないが、家主の断りなくやってしまう
わけにもいかないし、この状況で声をかけるなど言語道断。仮に勝手に家捜しをするとしても、それ
をするためには必ずドアが開けられた二人の部屋の前を通らなければならない。彼らが夢中になって
いるなら気付かれずに通ることもできるかもしれないが、水洗の音が聞かれないはずはない。それを
やったなら、二人の行為に文字通り水を差すことになるだろう。若い夫婦の営みを邪魔するなど、
人として出来るはずがない。
まだ尿意は深刻ではない。ここはひとまず我慢。そう結論した。
ではこれからどうするか。気付かぬふりをしてもう一眠りするのが正解だろう。
「きよたかさんが入ってきたぁ……」
「僕も久しぶりで……我慢できないよ」
「動いてっ……もっと私の中に入ってきて」
(な、成実さん……)
あの陽気で呑気なゆいがこんなことを言うとは。その声も艶を帯びており、人を愛することは
こんなにも女を変えるものなのかと驚愕した。
その声は男を虜にする魔力を持っている。ななこもそれにあてられてしまい、その心の中にある
感情が生まれた。
それは、好奇心。見たい、知りたいと思う心。
あのゆいがどんな表情で喘ぐのか、どんな声をあげるのか。
そんなことやってはいけないと、もちろん思った。だが二人の声が持つ魔力の前に、その抵抗は
些細なものでしかなかった。まだ酒が残っていたせいかもしれない。
ななこは慎重に身を乗り出しながら、部屋の中をそっと覗いた。
24 :
とんだ水入り:2008/04/26(土) 21:10:38 ID:1IbV4T70
そこから見えるベッドの上で、夫婦は正常位で繋がっていた。きよたかがゆいの上に覆い被さっ
ていて、部屋の入り口、つまりななこはきよたかから見て下というか後ろに位置している。
その位置からは、二人の結合している部分が丸見えだった。
(うわ、すごっ……)
ドアからベッドまで二メートルか三メートルか、大した距離はない。こんな間近で他人の性行為
を目撃するのは、無論初めてだった。ななこの位置からはきよたかの顔は見えないが、少し視点を
ずらせばゆいの表情は覗くことができる。
「きよたかさぁん」
旦那ののろけ話をするときの緩みきった顔に色気をミックスした、という表現が相応しかった。
その二つの要素が一つの顔に共存できるのだと、妙なことで感心した。
きよたかは一心不乱に腰を振り、それを受け止めるゆいは心の底から幸せそうだった。
そう、幸せだ。好きな人が自分を愛してくれるのはとても幸せなことだ。
それのために人は生きていると言っていいくらい、幸せなことだ。
現在のななことは全く無縁な、幸せなことだ。
(ええなぁ……)
二人の姿を見て、ななこの中にもう一つ感情が生まれた。
それは、羨み。強く憧れ、そうなりたいと思う心。
(ウチも……って)
ななこは、自分の手がいつのまにか股間に伸びていたことに気が付いた。
恋人を羨む気持ちは、有り体に言えば性欲である。
僅かな躊躇いは、やはり酒気が吹き飛ばした。今の自分は服の上からでは物足りないと実行する
までもなく悟り、下着の中に手を差し入れた。
「あぁっ、あぁっ、あぁっ、きよたかさんっ!」
「んっ……んっ……」
ゆいが味わっている快感に比べれば何分の一にも満たないだろうと思いながら、それでも指を
自分の中に入れて弄る。
ゆいときよたかの姿を見ながら、自分が誰かに愛してもらっているところを想像しながら、指で
中をかき回す。
「ええな……ゆい、んっ、んんっ」
女性の性欲は二十代の後半から強くなってくるという。ななこ自身がご無沙汰だったこともあり、
強く求めていた。右手で口を押さえながら、左手のオナニーは最初から激しかった。
ななこの身体が温まってきた。身体の内側が熱くなってきた。
「ゆい、ごめん、もうすぐ……」
「いいよっ、きよたかさんの、ぜんぶ、わたしにっ!」
せっかくいい感じになってきたのにもう終わってしまうのか。そんなことを考えた。人の情事を
勝手に見ておいて一体何を考えてるんだと自分に突っ込むのはもっと後のことである。
「ゆい……ゆい!」
「きよたかさんっ!」
きよたかの腰の動きが止まった。ゆいの中に思いの丈をぶちまけているのだろう。そんな様子を
見ながらも、ななこの指は止まらなかった。二人の行為の余熱だけでもいいから欲しい。
「んっ……んぅっ……」
欲しい。快感が欲しい。ただそれだけを考え、自分の指で満たしていった。中で指を曲げて自分
の好きな箇所を擦る。指でもなんでもいいからもっと欲しい。
「ゆい……もう一回、いいかい?」
「いいよ、何度でも来て」
一回目が終わってからさほど時間が経っていないにも関わらず、再開した。
(さすが新婚さんやなぁ……)
ゆいもまた二十代後半の女性なのだ。さらに心の中でグッジョブと付け加える。
「ま、また……ぁあっ、あんっ……すごいの、きよたかさん」
きよたかは再び激しいピストン運動でゆいを攻め立てる。きよたかの肉棒がゆいの中に出入りする
度に白濁液が溢れ出してくるのが見えた。
「うわっ、すごっ……」
ななこ自身の指を激しく出入りさせ、ピストン運動に置き換える。ななこの中からも愛液が溢れ
出しており、水音を響かせたが、ななこはそれを気にする余裕はなかった。
25 :
とんだ水入り:2008/04/26(土) 21:11:31 ID:1IbV4T70
「あっ、んっ、あぁっ、もっと、もっときてぇ」
二人の結合部が卑猥な音を立てる。ななこの音など聞こえはしないだろう。
「んぅ、んむっ、も、もうあかん……」
ペース配分を考えなかったためか、早くも自分に絶頂が訪れることを自覚した。もはやこれ以上
引き伸ばすような精神的余裕もなく、一気にやってしまおうと決めた。
指で自分の中を感じる。襞が指を柔らかく刺激し、指は襞をめくるように激しく擦る。膣内が
蠢くのは、本来は男の精を絞りとるため。今はただイきそうだという自己主張のため。
「もっときて、もっと、もっと」
ゆいも絶頂が近いのだと、ななこはその声から感じた。ゆいはさっきはまだイってなかったはず。
「んっ、あんっ、はぁっ、はぁっ……」
限界は間近だった。尿意にも似た、下腹部から何かが湧き上がってくるような感覚。
それは――
(あ、あかん)
ななこの指が止まった。
確かにもうすぐ絶頂だった。しかし、それと同時に尿意もやってきた。それは尿意に似た感覚で
はなく、まさしく尿意だった。
これはまずい。このまま指でイってしまうことはできるだろうが、それと同時に漏らさずに済む
という自信はなかった。他人の家の廊下に放尿してしまう自分がありありと想像できた。それだけ
は避けなければならない。
「ぁあっ、いやっ、もう、わたしっ、いっちゃう!」
「いいよ。何回でもいっていいから」
意識すればするほど尿意は強くなり、ななこは急いで指を引き抜いて下着やズボンを穿き直した。
急速に酔いと熱がさめていくのを自覚し、自分のしていたことに恥ずかしくなってきた。
「きよたかさん、いく、わたし、もういく、いくぅぅぅぅ!」
中を覗くと、愛する夫に抱かれたゆいは心の底から満たされているように見えた。
それを見るとまた下半身が疼いてくるが、オナニーを再開するわけにはいかない。
――どうする? ななこは考える。
無理をしてでもトイレを借りたほうが良いのだが、一度熱が冷めてみると情事を覗き見したという
罪悪感が強くなり、声をかけるとか家捜しをするとかいうことが躊躇われてしまった。
仕方なくななこは自分が寝ていたソファのあるリビングに戻った。
意外と寝心地のいいソファに横たわっても尿意が引っ込むはずはなく、中途半端で終わってしま
ったという物足りなさと下腹部を圧迫する尿意に苦しみながら身悶えしていた。
「あん、やぁっ、こんなすぐに、すごいよぉ」
若い夫婦はすぐさま三回戦を始めたらしい。一体それが終わるのはいつになることか――いや、
終わったとしてもすぐに声をかけるわけにはいかないわけで……。
いっそのこと漏らしてしまいたいと思うほど強い尿意に襲われ、理性で必死に耐える。数分に
一度の感覚で強い波がきて、その度に限界が近づいていると思い知らされる。
「きよたかさん、もっと、もっとお願いっ」
(も、もう勘弁……)
ななこは気が遠くなりそうになりながら、ゆいの喘ぎ声をただひたすら聞いていた。
−おわり−
>>19 地元住人としては、情景が目に浮かぶんだぜ
名古屋と言えばスガ○ヤラーメン的なGJ
27 :
3-283:2008/04/26(土) 21:13:07 ID:1IbV4T70
というわけで、ななこ自慰でもあります。
放尿ものにしようかとも思ったのですが、
出してすっきりするよりもこのまま苦しんでいたほうが
面白いかなと思ってこのような終わり方にしました。
28 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 21:27:26 ID:t1uJBjD+
>>19 禿しくGJであります!
ハラハラさせられて堪りませんなw
明日スガキヤ逝ってきまつwww
>>27 なんでおしっこ関連って妙に興奮するんだろう?
堪りませんGJ
投下してよろしいでしょうか。
やっちゃってください!
33 :
42−115:2008/04/27(日) 01:06:41 ID:3T6EuEnd
では。
「渚の真実 またはラッコ以来の快挙」
・アニメ第6話を妄想補完
・5スレ
・エロなし でもラッコあり
・ななこ+みゆき(主成分) つかさ×みゆき(微成分)
・中盤以降しゃべくり
二学期が始まったばかりのまだ暑い九月。
放課となった学校を後にした四人は、ファーストフード店のテーブルのひとつを占拠し、取り留めのないおしゃべりを興じていた。
「日焼け止めってさ、してるとほんとに焼けないよね」
かがみが言う。
「でもあんまりサラサラしたのだと、塗ったかどうかわかんなくなっちゃってさ。海に行った時も塗り忘れた場所があって、後で大変だったんだから」
「そこだけ焼けちゃって、水膨れまで出来ちゃったんだよね」
とつかさ。
「そうそう。つかさに皮を剥いてもらったんだけど、その箇所を見て何て言ったと思う?」
「え、何て言ったんだっけ? ひどい事言った?」
「絶海の孤島」
「う……そこだけポツンて感じだったから……」
つかさ、赤くなって縮こまる。
「姉妹でそういうことしてるのを想像すると、萌えるよね。当然脱ぐんだろうし」
こなたは想像し、萌えながら言った。
「一人っ子では無理ですよね。母には頼みづらいですし」
「そこ、勝手に想像するな。勝手に萌えるな。みゆきもたまにはツッコミなさいよ」
「いえ、羨ましかったもので……」
「ウチなんかおとーさんと、剥かせろ、焼けてないよ、って一悶着あって大変だったんだから」
「……海までついて来なかっただけ奇跡だな」
「あ〜、ひょっとしたらいたかもね」
ふと……。
話題はその海に行った時の、みゆきの行動へと移った。
「そういえばみゆきさん、何やってたの?」
かがみが肯く。
「そうよね。海に入れないのは分かるけど、パラソルの方を見た時、成実さんや黒井先生と一緒にいなかったけど?」
「ええ、実は……」
「分かった! お使いで黒井先生にビール買いに行かされてたんだ」
こなた、自説を提唱。
「そんなわけ…………ありそうね、あの人なら」
かがみ、意外にも賛同。
「ゆきちゃん大人っぽいから、自然に買えそう」
「そんな、つかささんまで……」
今度はみゆきが赤くなって縮こまったが、元が大振りなためこなたよりずっと大きかった。
「その……地形を見て回ってまして」
「地形??」
「ええ、あの海岸がどのように形成されたかに興味が湧きましたもので……」
「「「……」」」
「それから沖を流れる黒潮の事、コロネット作戦の事なども……」
三人は顔を寄せて、ひそひそと話す。
「天然で生真面目でカナヅチだと、こうなるんだね」
「ていうかコロネット作戦て……」
「どんだけ〜」
他の話題に切り替えようと思った三人。だがみゆきの次の発言で、彼女らの興味のゲージは一気に振り切れて破裂してしまった。
「そうしていましたら、若い男性に声をかけられまして……」
ガタ ガタ ガタッ
……三人が身を乗り出す音。
「ナンパ!? ねえ、ナンパ!?」
「くっそ〜、みゆきと行動してれば……」
「ゆきちゃん、私というオンナがありながら……」
三方をオンナの野生に輝く瞳たちに囲まれ、みゆきは座席に背を張り付かせて固まる。
「あの、みなさん……?」
「「「ん、何?」」」
「顔が……近いです」
「気にしない気にしない。みゆきさんきれいだし、いいニオイもするし無問題」
「後半は親父の発想だと言いたいが、敢えて否定はしない」
「ささ、続きをどうぞ」
尋問される容疑者の心境を味わいながら、みゆきは続けた。
「君、今一人?」
「え、ええ」
「何見てるの?」
声を掛けてきたのは二人組で、一人は長めの髪を金に染めたサーファー風、もう一人は黒髪を短く刈ったスポーツマンタイプ。鍛え上げられた腹筋・胸肉とも引き締まっていて、顔つきも精悍。見栄えは悪くなかった。
……というのは、聞き手が問うて引き出させた男たちの印象であって……。
「ま、三割引くらいでイメージしとくわ。みゆきが他人を悪く言うとは思えないし」
「夢がないかがみん、キター……」
「キター……」
「そ、それでですね、ありのままをお話したのですが……」
「黒潮というのは、北赤道海流を起源として東シナ海経由で日本の南岸・東岸を流れ、三陸沖で親潮とぶつかって北太平洋海流となる暖流で―」
「黒潮のありのままかよ!」
「海を見ながら黒潮について考えてました、とお答えしたら、お二人とも『黒潮?』、と首を傾げましたので」
「そりゃ、漁師でもなきゃ首の一つや二つ傾げるわよ! 男の方だってドキドキなんだから、そういう時はもっと気を利かせてね―」
「気が利かなかったでしょうか?」
「そうしたのは、別に黒潮が分かんないからじゃなくて……いや、きっとこの二人みたく、分かってなかったろうけど」
「うびょ〜!」
「いかほど〜」
「だからって、ノリというものがあるでしょ、ノリが」
「海苔の養殖ですか?」
「総じてドジッ子だってことだね」
「どんだけ〜」
「そこへ黒井先生がやって来まして」
「男に餓えたオンナ、キタッ!」
「いや、保護者だし。文字通り保護しにきたんだろ? オンナに餓えたオトコどもから」
「でも、白ビキニの美少女に、黒ビキニのおねいさんだよ。男の嗜好にもよるけど、コンボとしては悪くないんじゃない?」
「……なるほど。そこに赤ワンピのお団子頭も加われば……」
「ちょ、かがみ……?」
「それで先生に『何しとるんや』と聞かれましたので、黒潮についてお話してたと答えたんです」
「そうじゃないだろ……まあ、そうだけど……」
「すると先生が―」
「海まで来て地理の勉強かあ、感心感心。ほな、世界史教師のウチも一講釈垂れよか」
「缶ビールを手にしてましたが、いたって普通に―」
「いや、普通じゃないってそれ」
「酔ってたね」
「どんだけ〜……飲んだのかな?」
「その日の内に帰れなくなるほどでしょ」
「どんだけ〜」
「結局、男性二人は行ってしまいまして―」
「な〜んだ……」
「そりゃ行くわ」
「よかった……」
「そのまま黒井先生とお話ししてました」
「若い時の武勇伝とか聞けた?」
「まだ若いわ、ってぶん殴られるわよ」
「いえ、そういう種類のものではないのですが、興味深いものでしたよ」
「黒潮かあ。この沖を流れとるんやな〜」
「それに乗って、日本人の先祖の一部がやってきたという説もありますね」
「せやな。まあ、一部らしいがな」
「チベットやシベリア、中国大陸、東南アジア起源でも陸沿いに来たグループと、太平洋中・西部経由で来たグループなどに分かれるんでしたっけ?」
「それに縄文時代が始まる前に、すでにヨーロッパ人種も来ていたともいわれとるな。高良なんかは色白やから、先祖はそのクチちゃうか? もっとも、ピンク髪ってどこが起源やろ??」
「さあ……」
「ふ〜む。時期にウチの授業でも扱うことになるが、ロシアの南下政策が、さまざまな歴史事象を引き起こしたのは知っとるな?」
「はい。ふとうこうの獲得を目指していたと習いましたが……」
「不登校?」
「ひきこもりが欲しかったの?」
「勉強が辛くてしょうがない人ならではの発想ね」
「うびょ〜〜」
「い、いかほど〜」
「凍らない港の不凍港よ。はい、みゆき。続けて」
「でも勘違いしちゃいかんで。他の不凍港がなかったわけやないんや」
「そうなんですか?」
「(ニヤリ)ムルマンスクって知っとるか?」
「お恥ずかしながら……。それが以前からあった不凍港ですね?」
「せや。ロシアの西の方にあるんやが」
「西というと、サンクトペテルブルクの方ですか?」
「ん〜、確かにバルト海に面したカリーニングラードは、不凍港やな」
「旧東プロイセンの、ケーニヒスベルクですね」
「ああ、だがそこがロシア領になったのは戦後や。ムルマンスクはもっと北やな」
「北というと、北極圏に入ってしまいませんか?」
「バリバリ北極圏や。さあ、何で凍らないのかな?」
「え、と……海底火山の活動で水温が高い、とかですか?」
「それやと外海まで出られへんで」
「……ですよね。そうすると……う〜ん……」
「高良、お前今までなんについて考えてた? あいつらと何を話した?」
「黒潮です……はっ、暖流!?」
「黒潮の別名は?」
「『上り潮』、『下り潮』、『桔梗水』、『上紺水』……『二大海流』!?」
「もうひとつの大海流は?」
「メキシコ湾流です!」
「はは、正解。ソクラテスにでもなった気分や。魂の助産術や」
「それは……」
「ちがうか? まあまあ、ええやんか」
「でも、そんな北にまで影響を及ぼしていたとは知りませんでした」
「ウチは大学入ってからやったな、知ったのは。地理も地学も、選択せえへんかったから。『話が違うやないけ〜』って、大学の図書館で叫んでもうたよ。まあ、よくよく考えると違うわけでもないんやがな」
「先生の教え子は、それで叫ぶことはありませんよ」
「そうだとええんやけどな〜。今その辺の海に浮かんどる奴で、万が一史学科に進んでロシア史を専攻するようなことがあれば、たとえウチの教え子であってもそれで叫びそうな奴に心当たりがあって、先生心配やわ〜」
「はあ……」
「ん、そろそろ昼飯やな。行こか」
「はい」
「Zzz」
「つかさ、寝るな。気持ちは分かるが寝るな」
「絵的に萌えるはずなのに、話の内容に萌えないのはナンデダロウ?」
「万が一史学科に進んで、ロシア史を専攻するようなことになれば、たとえ黒井先生の教え子であってもそれで叫びそうな人に心当たりがあるからじゃない?」
「……つかさ、寝てる間にひどい事言われてるヨ」
「あんたもだよ!」
「それで、みゆきさん?」
「海の家への道すがら、コロネット作戦についてもお話ししました」
「それおいしい?」
「よだれ拭け」
「た、食べるんですか?」
「コロネの仲間じゃないの?」
「本土決戦が行われた場合の、関東地方に対するアメリカ軍の上陸作戦の秘匿名なんですが……」
「……あの辺りから上陸する予定だった、と?」
「はい、九十九里浜と湘南海岸……ちょうどあの辺ですね。黒井先生は神奈川のご出身なので、ショックを受けておいででした」
「ああ、だから……」
「二人とも、何やってんの?」
「「黙祷(や/です)」」
「終戦記念日、まだ先だけど……?」
「おーい、空いてるとこあったよ〜。ん? 何をやってるんだい?」
「黙祷だそうです」
「おお、そうか。じゃあ私も参加しよっかな〜」
「はい?」
「いやー、お盆の交通安全課は大変なのよ〜。黙祷する暇ナイナイナイ。黙祷の先払いしとこっかな〜って思ってね」
「はあ……」
「とても黙祷ってテンションじゃなかったわよ、あんたの従姉」
「まあ、それがゆい姉さんだから」
「それで、みゆきは平和の尊さを噛み締めていた、と」
「はい、大変有意義に過ごせました(にっこり)」
「それ皮肉?」
「そんなつもりは……」
「悪かったわ、ほったらかしにして」
「パッシブ・ソナーに感あり……音紋解析……艦名『ツ・ン・デ・レ』」
「はい、そこのソナー手、黙ってて」
「痛っ、ツン的実力行使がこっちに……」
「でも、午後はみなさんとご一緒でした」
「おかげでこっちも、大変な発見をさせてもらったわ」
「お、お恥ずかしながら……」
「具のないカレー、スパイスかかり過ぎなチキン、プレーンな焼きそば、食べる人が冷め切ってたラーメンの後、黒井先生が何故かビーチボールを買ってくれたんだよね」
「……食品名に異議あり」
「おーい、お前ら。沖でぷっかぷっか浮いてばっかおらんで、高良もかまってやり。すでに高良が浮いとるわ」
「黒井さん、うまい!」
「先生。これ先生が膨らませたんですか?」
「おう、そうや。そこで買ってきてな」
「中の空気使ってアルコール検査したら、間違いなく捕まりますね」
「おー、いいサンプルが採れた採れた♪」
「ちょ、成実さん!?」
「あははー、冗談冗談」
「……ゆい姉さんもたいがいにね」
「四人ですから、てっきりビーチバレーでも始めるのかと思ったんですが……」
「ボールをこうやってお腹に抱えて、バランスを保つんだよ。じゃあいってみよー」
「はい……あ、浮きました」
「みゆきってほとんど泳げないんだっけ」
「はい。水中で目が開けられないもので」
「いや、水の抵抗が大きすぎるんだと思うよ。このへんの」
「物理的には正しいと思うが、そういう事を本人の前で言うなよ……」
「……それで転覆しちゃったんだよね〜」
「お、つかさが起きた」
「Zzz」
「寝言かよ!?」
「きゃあ!」
「みゆきさん!」
「ゆきちゃん!」
「う……ぷ……はぁ、は……息が……出来ます」
「みゆきさん、浮いてる……」
「ラッコ以来の快挙ね、これ」
仰向けになったみゆきは、胸の浮力で見事に浮きながら、ビーチボールをお腹の上に乗せていたのだった。
おわり
40 :
42-115:2008/04/27(日) 01:17:32 ID:3T6EuEnd
改行が多すぎるいわれて、1レス増えちゃいました。
発言する可能性のある登場人物が多いシーンでは、しゃべくりは色々無理が生じますね。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
>>40 なるほど、ラッコってのはそうゆうことか。
ラッコ状態のみゆき……………………和むなぁw
GJ!
>>40 ラッコと聞いて某4コマを連想したのは俺だけでいい
ガッチャ!いいSSだったぜ!
>>40 久しぶりの日常系らき☆すたSS!!
こういうノリ、やっぱ好っきゃなあ(´ω`.)
薀蓄とキャラ立ち位置との絡めあいも実に絶妙だったし。
ウンウンしながらニヤリしながら読ませてもらった。GJ!
>「くっそ〜、みゆきと行動してれば……」
>「……なるほど。そこに赤ワンピのお団子頭も加われば……」
『かがみん……私というものがありながら……
いいよ……かがみがその気なら、私は……』
こうして、Elopeシリーズは始まるのであった……
あ、あれ?こなたさん、かがみさん……
そんな恐ろしいオーラを纏ってどうしたですか?
あははははははほんの他愛も無いジョークじゃあーりませんkたわば
>>40 俺の内なる京都アニメーションが特別編を製作しました。
原点回帰とぷかぷかみゆきさんにぐっじょぶ。
>>40 こっそりと百合分も入ってますけど、全体的にほのぼのですな。
GJでございます。
ところでwikiをぼんやり見ていて思ったんだけど、一話が二つ以上のページに分割されているエピソードって
結構最後のページまで読まれていないのが多いんだね。
「(2)に続く」って所のアクセス数を見てると、カウント数が激減してるのが多い。
作者一覧や保管庫一覧からリンクが張ってあるページまでは読むけど、そこから先は見ない人も多いのかな?
やはり表から張られていないと、ここまで違うものなんだろうかねえ。
俺の携帯だと行数か容量かはわからないけど
ある程度いくと途切れてしまって最後まで読めなかったりする
俺も携帯だけど、途中で切れてることあるなー
そんな作品はPCから見るようにしてるけど、カウントが減るのはそーいうのじゃない?
一ページ目と二ページ目以降のビュー数の差は
どんな作品なのかチラ見→やめておこう、な人と最後まで読んだ人の差なのではないだろうか
一ページに収まってる作品はその差が分からないってだけで
意外と携帯で見てる人って多いのな
>>40 会話が実に自然でよかったっす、GJ!
こういう「他愛のない日常の一シーン」っての、なんか好きだなぁ。
>>40 >ウチは大学入ってからやったな、知ったのは
私はそのお話で初めて知りましたw
GJ! そしてありがとう!
どうにかうちの近所っぽい話を作りたいのにネタがねーぜ
アニメイトだってあるのに・・・
53 :
12-512:2008/04/28(月) 01:09:11 ID:PZjEvKRA
どんだけ今更だって話ですが、ティル・ナ・ノーグの縁(後編)を投下します。
ちなみに前編の投下は11月……
軸がぶれまくりですが、無理矢理一区切りつけました。
他に投下される方がいらっしゃらなければ投下します
ななこ&みゆき、ふゆきで非エロ
6レスお借りします
人前に立つ時、人の頭をかぼちゃだと思えば緊張しないとよく言われる。
だがそんな俗説の手を借りるまでもなく、壇上に立つななこは堂々としたものだった。
同じ制服を着た数百人は互いに擬態し合っているようで、彼ら一人一人が意識を持ってい
るということが、むしろ不思議に感じられる程だ。
実際にななこが関わった人数を考えれば、それも無理からぬことではある。
けれどななこには自分の受け持ちであったはずの、3年B組の生徒達の輪郭までが朧気に
見えていた。
かすかな胸のざわめきが脳裏に写る彼らの像を、波紋のようにゆらゆらと揺らしている。
そしてななこは式の進行に従って、その暗い水の底から一人の生徒を呼び出した。
「卒業証書授与、3年B組総代、高良みゆき」
はい、みゆきは一声凜と返事をすると、ゆっくりと段を登ってななこの前に立った。
散々見慣れた制服姿が美しく見えるのは、背中に負った光のせいだろうか?
ななこの困惑などお構いなしに、式は淡々と進行していった。
「呆気ないもんやな……」
卒業式を終え、教室でアルバムを渡して別れの挨拶を交わす。それだけで今日の予定は
全て済んでしまった。
友達感覚で寄せ書きや写真を頼まれたが、それもそう長いことはかからなかった。
そうなると自分がいるのに相応しくない気がして、ななこは名残惜しげに語り合う生徒達
の間を抜け出して校門の前にやって来た。
入学式には一杯の花を咲かせる桜も、今はまだ芽吹いてさえいない。
皮膚の感覚を鈍らせるような、人肌の空気だけが春のものだ。
いつもの下校時とは違い人の流れは散発的で、暫く眺めていると最後の下校を思い出深い
ものにしたいのであろうか、バスを使わずに友達同士歩いて帰ろうとする生徒達が散見された。
ならばここで一人立っている自分がしたいこととは何だろう?ななこは自問自答する。
愛着のある生徒達の姿を少しでも長く見ていたいから?それだったら教室に居れば良かっ
たはずだ。
去りゆく生徒達の見送りという理由は確かにある。しかしその割に視線は校門の外では
なく、昇降口の方をちらちらと落ち着きなく伺っている。
そして何十度目かの往復の後、みゆきが昇降口に現れると、ななこは自分の目的が待ち人
であったことを渋々認めざるを得なくなった。
窓越しに手を挙げると、みゆきは慌てて靴を履いてななこの方に駆けてきた、上靴はきち
んと下駄箱にしまったままで。
「高良は来年も学校に来てくれんのか?」
出てきた所に声を掛けてやると、一瞬ポカンとした表情を浮かべた後、みゆきはスカー
トの裾を翻して自分の下駄箱に舞い戻った。
ななこは苦笑しながら、早足でこちらに向かってくるみゆきの所に歩み寄る。
「す、すいません、ありがとうございます」
「相変わらず変な所で抜けとるなぁ、それとも高良はまだここにいたいっちゅうこと
かな?来年もウチのクラスにいてくれたら、そら助かるけどな」
「いえ、あのそれは困ります!……でもそうですね。ここを去るのが寂しくないと言えば
嘘になりますけど」
冗談に決まっているのに生真面目に受け答えするみゆきは可愛かった。
元々の身長差に普段は履かないヒールの高さが加わって、すっかり見下ろす形になった
みゆきの顔には涙の跡がはっきりと残っている。
「そういや、いつもの連中はどうしたんや?一緒じゃないんか?」
必ずいつも一緒にいた三人の姿が見えないことを、ななこは訝しんだ。
「あ……その、ちょっと私一人で先生にお礼が言いたくて、皆さんには外してもらいました」
一人で、というみゆきの言葉にななこの意識が吸い寄せられる。
何か言わなければと思うのに、脳が空回りしてうまく言葉を紡ぎ出せない。
しかしみゆきにはそんな様子が先を促しているように見えたのか、視線を下に向けると
ぽつぽつと語り出した。
「随分昔の話ですけど、一年生の時は本当にお世話になりました。あの頃先生が話し相
手になってくれていなかったら、きっと今の私はなかったでしょう」
「大げさなやつやな、ウチがしたことなんて大したことあらへんよ。大体高良は文化祭
過ぎたらもうウチのとこには来なくなったやないか」
「いいえ、先生はおっしゃったじゃありませんか。人と話さないと表情が貧しくなるって。
本当に一人だったら文化祭で一歩を踏み出すことも出来なかったと思います」
ななこが拗ねて見せると、みゆきは力強く反論した。
「なんかそこまで言われるとこそばゆうて仕方無いわ」
「でも、私は本当に……あ」
静かに上げられたななこの手が、そっとみゆきの頭に乗せられた。
「でも、ありがとな」
指を少し立て、髪を梳くように撫でる。ふんわりした髪の中はほんのりと温かい。
最初驚いた風だったみゆきも、いつしかまどろむように瞳を閉じた
こういう風に誰かと同じ感覚を共有するのは久しぶりで、このまま時間が止まってしまえ
ばいいとさえななこは思った。
「……なんだか一年生に戻ったみたいですね。先生がいて、私がいて、二人きり」
「そうやな、今日が卒業式なんて嘘みたいや」
口にしてみると、それは実に最もらしいことのように聞こえた。
一日から、一年まで、あらゆる単位で繰り返しのリズムを刻む学校という場所で、みゆ
きだけがいなくなってしまう理由がどこにあるのだろう?
「実は全部夢なのかもしれませんね。本当の私は授業中に居眠りしているのです。
時間は5時間目あたりでしょうか。ご飯を食べた後ですし、お日様もぽかぽかして気持
ち良いですから。
それでごつんと頭を叩かれて目を覚ますと、ちょっと怖い顔で笑った先生が目の前に立
っていて……」
「それはあらへんな。高良は居眠りなんてしたことなかったやないか」
ななこの記憶にある限りみゆきは常に背筋をぴんと伸ばして座っていた。
「そういえばそうですね。はぁ……こんなことなら私も居眠りしておけば良かったです」
本気で残念そうにため息をつくみゆきに、ななこは笑った。みゆきもつられて笑い出す。
「あー、ったくおかしいなぁもう。大体夢っていうなら、ウチのが可能性高いで。なんせ
仕事とネトゲで慢性的に寝不足やし。
まあウチには起こしてくれるような人はおらへんけど……」
「じゃあ私が先生を起こしに行ってさしあげます。あれ、でもそうしたらこの私はどう
なるんでしょう?先生が目を覚ました途端に、消えてしまったりするんでしょうか?」
みゆきは小首を傾げて無邪気に問いかけた。
その答えがそのまま現実になってしまいそうな気がして、ななこは慎重に言葉を選んだ。
きっとウチらは同じ夢を見ているんやないかな」
「同じ夢?」
「さしずめ陵桜学園オンラインってとこやろか。ウチもみゆきも本物で、この舞台だけが
夢なんや」
ななこにとってそれは、二人の存在はそのままに全てをリセットできる、魔法のような
アイデアだった。
みゆきと一緒に新しいキャラで始める、2週目のゲームをななこは夢想する。
「私はネットゲームというのをやったことはないですけれど、偶然そこに集まった人達と
時間を共にするという所は、少し似ているかもしれませんね。もう終わってしまったのは
残念ですが」
みゆきにはMMORPGと、通常のRPGの区別が正確にはついていないようだった。
けれど今ここで、そんな勘違いを指摘した所で何が変わるわけでもない。
黙っているななこを置いて、みゆきは先を続ける。
「……先生、実は私、ただお礼を言いに来たわけではないんです。卒業する前に、どう
しても、私……」
みゆきの言葉はそこで途切れた。ななこが表情を読み取ろうとすると、それを避けるよう
に俯く。
全身を小刻みに震わせているみゆきは、緊張しているようにも、何かに怯えているよう
でもあった。
「急にどうしたんや、なんか言いづらいことでもあんのか?」
ななこは身を屈めると、みゆきの表情をカーテンように隠している前髪に指を掛けた。
そしてその隙間から、赤い血管の走る瞳がのぞいたその刹那。
「先生……ごめんなさいっ」
「ごめんってな……んぅっ!」
ななこの唇が奪われた。それは奪うというに相応しい勢いで、ななこがそれをキスだと
認識するまでの間に、みゆきの唇は引き離されていた。
「わ、私、ずっと先生のことが好きでした!そそそれでは失礼しますっ」
「はぁっ!?ちょっと待てや高らわわっ!」
言うが早いがみゆきは背を向けて走り出した。
咄嗟に延ばされた手は勢いよく宙を切り、バランスを崩したななこは胸から地面に倒れ
込んだ。
みゆきが走り寄って行った自転車置き場のほうでは、いつの間にかこなた、つかさ、かが
みのいつもの面子が顔を揃えていた。
「ゆきちゃんすごいねー!私キスまでしちゃうと思わなかったよー」
「いやいや、天然属性の人ってのは意外に情熱的だったりもするからね」
「まあ何にせよよくやったわよ、ちょっと感心しちゃった」
四人はななこを置いて甲高い声でおしゃべりを始めた。
ついさっきまでのドラマのような陶酔感は嘘のように消え失せ、ななこは立ち上がること
もできずに呆然としていた。
「随分お熱いキスでしたね」
後ろから掛けられた声に振り向くと、そこには普段通りに白衣を着たふゆきが立っていた。
急患が出た時のためなのだろうが、正装の人間ばかりの卒業式にあってその格好はかなり
異質だ。
「……いつから見てたんや?」
「黒井先生が高良さんの頭を撫でている所からです……それよりいつまでそのままでい
るつもりですか?」
そう言って差し出しされた手を取って、ようやくななこは立ち上がった。
「おおきに。しかしなんや格好悪い所見られてもうたな」
「言いふらしたりはしないから安心して下さい。あら?黒井先生、唇が切れていますよ」
ふゆきは白衣のポケットから取り出したハンカチで、ななこの唇を拭った。敏感になっ
た傷口がふゆきの指の形を生々しく浮かび上がらせる。
「ったく勢い付けすぎなんや。幾ら緊張してたゆうてもなぁ……」
「かえって良かったじゃありませんか。もし高良さんのキスが上手かったら、黒井先生が
どうなってしまったか解りませんもの」
「おいおい、ウチがその場で襲いかかったとでもいうんかい」
ななこはわざとおどけてみせたが、無言で首を振るふゆきの目つきは真剣だった。
「……そうやな。確かにあのままやったらウチは完全に、いかれてもうたかもしれへんな」
微動だにしない視線に根負けして、ななこは嘆息した。
「自覚はあったんですね」
2学期の期末が終わった頃から、ななこは無意識にみゆきの姿を追い求めるようになっ
ていた。
3Bでの授業中などは他の生徒に悟られないよう、必死にみゆきから目を逸らさなければ
いけない程だったが、それもまだ序の口に過ぎなかった。
たまたま1年次に使っていた教室の前を通りかかった時、ななこはその中に一人寂しそ
うにお弁当を食べているみゆきを見た気がした。
当然それは見間違いで、一度瞬きした後には消えてしまったのだが、それからななこは
たまにそんな幻に遭遇するようになった。
廊下の角や、階段の踊り場。一歩動けば見えなくなってしまう、そんな所にみゆきは
立っていて、ななこを誘うようにゆらめくのだ。
「ここはティル・ナ・ノーグにとても近いから、たまに黒井先生みたいになっちゃう人
がいるんです」
そう言ってふゆきは校舎を仰ぎ見た。
「なんなんやそれは、また神話かなんかか?」
「ケルト神話ですね。永遠の青春の国という意味。深い水底にあるという、妖精達の住む
喜びと幸いの地」
「……そんな場所があるわけないやろ」
ななこが受け持ってきた生徒達は妖精なんてものではなかった。彼らは世間の人間がそう
であるように利己的で、打算をよくした。
違いといったらそれに無自覚なことと、少々見通しが甘いことぐらいだろうか。
そして何より、彼らは3年の間に大きく成長してしまったではないか。
「ありますよ。生身の私達には決して辿り着くことはできませんけどね」
一年教えたらそれっきりの講師だった頃には、気が付かないで済んでいた真理。
けれどみゆきのことを考えている間は、その真理を忘れることができた。
足す所も引く所もない身体つきに、聡明な頭。それでいて大人から見れば本当に些細な
ことでつまずいてしまう。みゆきは絵に描いたような少女だったから。
「それじゃ結局ないのと同じやないか」
物語の登場人物として相応しいのはみゆきだけだった。幾ら親しくてもこなたではだめ
なのだ。
遅刻やズル休みはお手の物。宿題だって毎回ちゃっかり人のを写させて貰っている。
それだけならまだ自分の手でどうにかしてやることもできたが、もしバイトしていること
がバレたらどうするつもりだったのだろうか。
私立の進学校である陵桜は特別な事情がない限りバイト禁止だ。そしてなおかつ勤務先は
コスプレ喫茶ときている。
オタク方面に詳しくないオジサン達には風俗と誤解されたっておかしくない。
しかしこなたはそんな地雷原を軽やかにスキップして卒業証書を手に入れてしまった。
一体何を原動力にしたのやら、立派な進学先のおまけつきで。
こなたは割に極端な例だったけれど他の生徒だって同じだ。誰も彼も蔦のように無秩序に、
伸びて、絡んで、広がっていく。
緑で埋め尽くされた視界の中に、たった一輪の咲いていた花を、ななこは押し花にしよう
とした。水気を切って押しつぶし、思い出の中に栞代わりに挟んでおくつもりだった。
収穫の季節を迎えて、自分の運命を覚悟したかのように自ら頭を垂れた花の前に、ななこ
は鋏を持って屈み込んだ。
「それなら黒井先生は今までどこにいってらっしゃったんですか?」
しなった茎に手を添えてななこは、ようやくその重さの意味を知った。花はその下に、
たわわに実った果実をつけていたのだ。
柔らかく傷つきやすそうな果実の扱いに戸惑っている間に、それはぼとりと音を立てて地
に落ちて果汁をまき散らした。
そして後には名前も知らない種が一粒。
「仕事が忙しゅうて、どっか行く暇なんかありゃせんかったわ」
ななこの瞼を押し開けて、塩辛い涙がとつとつと湧き出す。干上がっていく心の底に、
ティル・ナ・ノーグの姿はもうなかった。
「それもそうでしたね。でも今日はもうお暇ですよね?」
ふゆきは気の置けない友人がするように、軽くななこの肩を叩いた。
「まあそうやけど」
「どっか飲みに行きましょうよ。桜庭先生も誘ってぱあっと」
「飲みに行くのはええけど……あんま見せつけへんでくれよ」
一人もの同士だと思っていたのに、女同士なんて詐欺があったからたまらない。
「そ、それは桜庭先生に良く言い聞かせておきます。ところでそろそろ戻りませんか?
私ちょっと寒くなってきちゃいました」
今まで我慢していたのか、ななこの返事を待たずにふゆきはさっさと歩きだした。
ななこは一歩踏み出す前にもう一度だけ、飽きることなくおしゃべりを続けているみゆき
達の方をちらっと見た。
「あいつらはこれからどこ行くんやろうな」
ななこの祈りのような問いかけに、ふゆきは足を止めずに答えた。
「さあ?ファミレスとかカラオケとかなんじゃありませんか」
「もう一杯頼んでええか?」
「細かいこと気にするな、その代わり私も飲むけどな。おい、ふゆき、そこのメニューを
取ってくれないか」
「まだ飲むんですか?二人共明日どうなっても知りませんよ」
もうもうと煙の立ちこめる焼鳥屋の座敷に未婚の女が三人。
テーブルの上には、空になったジョッキに焼酎の瓶、串だけになった大皿が乱雑に並んで
いる。
みんなもう少し気の利いた店を知らないわけではないが、単純に食べて飲む分にはここは
最高だった。
「なーひかる先生は寂しくないんかぁ?」
「重い、ひっつくな」
「そうされてると少しは私の気持ちが解るんじゃありませんか」
「くそぅ、こいつら一人もんの前でまたいちゃつきおって」
注文を受け付けた店員が行ってしまうと、ななこは大胆に隣のひかるに絡み出した。
ひかるは肘を差し込んで引きはがそうとするものの体格差を覆すことはできず、ななこの
腕の中でまるで縫いぐるみのようになっている。
「ああもう、生徒が卒業するのは仕方のないことだろうが。んなもん慣れだ慣れ」
「いや卒業もそうなんやけどさ、他にも色々あるやん、ウチらの年って。なんかそういう
のが纏めて来ちゃったんよ」
「そうかそうか、まあもう立派な嫁がいる私には関係ないな」
「もう……ひかるちゃん余計な事は言わないって約束したじゃありませんか」
「ひかるちゃん、ねぇ」
ふゆきは自分の失言に気付くと、顔を真っ赤にしながら顔を伏せた。ななことひかる程で
はないにしても大分アルコールが効いている。
「大体なぁ、寂しいだったら黒井先生も、ええと名前忘れた、例の女の子でも追いかけて
捕まえれば良かったんじゃないのか」
ひかるにみゆきの話を持ち出されて、ななこは不機嫌そうに頬を膨らませた。
「いや生徒で女ってどんだけハードル高いんや……っていうか正直合わせる顔がないっち
ゅうか」
「黒井先生はもう会いたくないんですか?」
会いたくないと言えば嘘になる。未熟なキスが残した熱は今だ冷めていない。
「何やふゆき先生まで。普段公私混同はいけへん言うてるのはふゆき先生やないか」
「まあそうなんですけどもう卒業しちゃいましたし、それに」
ふゆきはみゆきの想いの強さを知っていたから。
『私、ある先生に恋してしまったんです』
あの声はもう覚悟を決めている人間のものだった。ふゆきに話したのも、誰かに知っても
らうことで自分を律しようとしたからなのだろう。
だからふゆきはごく常識的な注意をするだけに留めた。
『もし卒業するまでその思いが続いていたなら、後は自分の判断で頑張ってみなさい。
でもうまくいかなかったとしてもその人のことを恨んじゃだめですよ』
教師と生徒という縛りが消えるまで、みゆきは待った。
けれどこの恋にまつわる縛りはまだ一つあって、そのせいでみゆきは告白だけでこの恋を
終わらせようとしている。
「……少しでも未練があるのなら勿体ないじゃありませんか」
その先に幸せな結末があるかどうか、それはふゆきの知ったことではない。
だがふゆきには同性だからという理由で、恋が種のまま腐っていくのを黙ってみているこ
とはできなかった。
「でもほらアドレスとかも知らへんし。いきなり家に電話するわけにもいかへんやろ?」
「ったく女々しいなあ、黒井先生は仲の良い生徒が一杯いるだろう?そいつらに聞けばい
いじゃないか」
ななこが迷いを覚えるのも仕方のないことではある。同性から告白されたことはあっても、
自分が想う立場になるのは初めてのことなのだ。
場がなんとなく重たくなった所に、店員がさっき注文した酒と料理を持ってやってきた。
目の前に置かれた酒瓶に映った女の顔に、ななこはげんなりした。
自分が袖にしてきた女の子達は、こんな女々しい表情はしていなかったのに。
「……帰ったら泉にでもメールしてみるかなぁ」
精一杯アプローチしてそれでもダメだったら、またこうして酒でも飲みながら友人に愚痴
ってしまおう。
コップに並々と酒を注ぎながらななこはふと、こうして開き直れるようになっただけマシ
なのかもしれないな、と思った。
61 :
12-512:2008/04/28(月) 01:19:29 ID:PZjEvKRA
この連作はこれで終了です。
次からはおとなしく素直なカプでやることにします……
>>61 ぬはーーーーーーーーーーーー!!
ええいもう、リアルタイムで読了して転がったじゃないですかっ!
へたれながらも新しい一歩に踏み出すななこ先生に、ありったけの勇気を捧げつつぐっじょぶ!
こなた受けの場合でも立場的にこなたの方が上な感じになる気がするんだがどうだろ?
>>61 乙でした……ってちょ、そんな殺生な!!
ななこ先生がカワイソスな上に続きが気になります
いやほんと、私のようなマイナーカプ好きには是非ともこの路線をいつか……
「あっははばるさみこす〜wwwwwwww」
「ちょ……どったのさつかさビンを逆手にもっちゃったりして……」
「なにがあったかしらないけど、ものすごい剣幕だわ……
あんなつかさ見るの、初めて……」
「
>>61さん、GJです。
先生の大人の魅力と哀愁とほのかな恋心を描き、
そこに私の描写も加わり、作中に入り込んでしまいました。
続きを是非、期待します」
「やっさいもっさい!うにょ〜〜〜ん;;;;」
「ちょ……つかささん、どうされたのですか!?
そんな泣いたりして、え、先生に討ち入りって
ちょ、ちょっとまってくださぁい!!」
おはようございました。……俺、惨状!
という訳で。
昨夜にElopeシリーズの聖地、大須に行ったついでに思いついた電波を書いたら、一晩でえらいことになったので
書き逃げさせていただきます。本文3レス+前書きあとがき2レス、計5レスを拝借します。
注意事項は下記になります。閲覧の際には細心のご注意を。
なお、NGワード設定はトリップ・IDをご使用下さい。
・Elopeシリーズ(23-251さま)の設定を勝手に拝借しております。さらに15-453さま・ぶーわさまからもネタを拝借しております。
・お三方、無断借用ごめんなさい。特に23-251さま、こんな三次創作ですみません。
・かがみが悪人です。あと全キャラに強度の偽者臭があります。
・当然のように非エロです。
・うそ臭い戦闘描写及び暴力描写、さらに致死量レベルのネタを含みます。
・というかもう、いろんな方にごめんなさい(血涙
5月××日。
泉こなたと小早川ゆたか、禁じられた恋に悩む二人が駆け落ちをしてまでつかんだ幸せは、嫉妬の炎に身を焦がした
柊かがみの猛追の前に、今まさに砕け散ろうとしていた。
「とんだ茶番だったわねぇ? オツカレサマ、こなた」
ランチタイムを過ぎて閑散としたバーガーショップの、通りに面した二階。食べかけのチーズバーガー(つい数分前まで、
こなたとゆたかが仲睦まじく食していたものだ)を噛みながら、神にでもなったかのようにかがみは窓を背にして嘲笑う。
その笑いが、かつての級友たちや最愛の妹の血涙の上に成り立っているのだと、気づく由すら無く。
パトリシア=マーティンに羽交い絞めにされたこなたは、そんな彼女を烈火にも等しい視線で見据えている。
そうする事で非情な現実に抗う力を呼び起こし、傍らで岩崎みなみに捕らえられたままのゆたかと分かち合おうと
するかのように。
火花が散りそうなほど奥歯を噛みながら、こなたはパティの腕を振りほどこうとあがく。そんな彼女の耳を、
かすかな、本当にかすかな息だけの囁きがくすぐった。
(声ヲ出サズ、ソノママで聞いてくだサイ)
疑念が冷たい流れとなって、こなたの全身を駆け巡る。この期に及んで彼女は何を言い出すのか。定石からすれば
一発逆転へのまたとないフラグだが、半年の逃亡生活は彼女を自覚以上に臆病にしていた。こなたの腕力はいよいよ
強まり、パティの恵まれた体格をもってしても押し切られそうなほどである。
(Blueのvivioちゃんヲお連れしまシタ。……コナタもユタカも、セカイで一番良ク知っテルvivioちゃんデス)
その声に、ほんのわずかだけこなたの力が緩んだ。自分とゆたかが知っている青い軽自動車。それはこなたの従姉、
成実ゆいの愛車に他ならない。ふと視線だけでゆたかを見ると、なぜか当惑の視線を返された。
(Don't worry.ミナミもワタシの味方デス、vivioちゃんマデハ彼女とヒヨリでescortしマス)
してみると、みなみもゆたかに同様のことを囁いたのか。疑念と当惑と一縷の望みが、手を取り合ってこなたとゆたかの
心を揺らした。
かがみは彼女たちの様子を満面の笑みで見つめながら、わざわざ足まで組んでオニオンリングをかじっている。例えて
言うなら、手の中の小鳥を渾身の力でくびり殺す時のような笑顔。
信じて良いのか。そうではないのか。こなたの心で揺れる天秤が、不信の方へ傾きかけた。だが。
(ワタシはアナタを信じていマス。ダカラ、アナタも私を信じてくだサイ)
パティは請け合った。砕けかけながらも我が身をいとわず起死回生の一撃を主に放たせた、あの杖のように。
(Trust me,my friend)
かの杖を思わせる滑らかなアクセントが、杖の銘に込められた意味をこなたに思い起こさせる。
数瞬前の疑念は溶け消え、忘れ去られかけた勇気がこなたの小さな身体に駆け巡る。
力を込めた視線を、流れるようにゆたかに移す。その刹那で、こなたの胸の火はゆたかに伝わり、赤々と燃え盛りながら
ゆたかの心をも見る見る溶かし始めた。
こなたの心の撃鉄が上がり、かがみの片眉もまたいぶかしげに上がった、その刹那。
「行っテ下サイ、コナタ、ユタカ!」
パティのタックルが椅子ごとかがみを床に伏せさせ、
「おーらいっ、まいふれんっ!!」
その瞬間には、弾かれたようにこなたがゆたかの手を取る。
「パティちゃん、ありがとう!!」
振り返ったゆたかは精一杯のエールを送り、
「――『高良みゆき』っ!!」
狭い階段を登りきった高良みゆきのみぞおちに、決別の左拳が着弾した。
「らっ、らっきー、ラッキーアクションは、ぼ、ボディぶ、ブローだよぉ!」
うずくまったみゆきの上に覆いかぶさりながら、柊つかさは最後のボケを二人の背に投げた。しゃくりあげた声に
背を押されながら、二人は待ち構えていた田村ひよりの手引きでゆいの車に転がり込む。途端に同型車最速と
うたわれたエンジンが目覚め、弾丸のごとき急発進が二人の背を遠ざけていった。
「先輩ぁぁぁい、小早川さぁぁぁぁん! 幸せに、幸せになってねーっ!!」
ひよりはなけなしの息を振り絞り、もはや豆粒にまで遠ざかった二人にはなむけを叫ぶのだった。
そして、つかさがあたふたと店員を通せんぼする階段の上。もう一つの決着が訪れようとしていた。
「パトリシア! あんた、あんた裏切ったのね!?」
つい数分前まで優越感にどっぷりと浸っていたかがみは、それを根元から覆した張本人に食って掛かる。
"裏切ったぁ!? はっ、おあいにくさまね! あたしもヒヨリも、はなっからユタカの味方よ! そうなるって決めたの、あの冬から!"
対するパティも母国語でたんかを切り、語勢だけでかがみと拮抗している。
「はん、熱く語っちゃって。正義のヒロイン気取りかしら? 流石アメリカさんは脳髄までBSEにやられてて話が早いわ」
けらけらと笑うかがみの目の下、分厚く塗られたファンデーション越しに彼女の妄念が透けて映る。
"三下悪役の清く正しいお手本、衷心より感謝申し上げますわ♪ こんの、あ・ば・ず・れ!!"
対するパティは、作法にのっとってかがみをののしり返した。目には目を、歯には歯を。友人知人には応分の友情を、
そうでない人にはそれなりの応報を。それが合衆国に生まれた婦女子のたしなみなのだ。たぶん。
「なっ……んですってぇぇぇぇぇ!!」
無論、"あばずれ"を意味する一語の威力は万国共通だ。
狙い通り逆上したかがみは考えなしに拳を突き出し……パティの右手にあっさり払われた。
「嘘……!」
"ずああああああああっ!"
虚を突かれたかがみを、更なるパティの爆進が襲う。椅子もテーブルもなぎ倒してかがみを窓ガラスに叩きつけ、そして。
"駄目だ、パトリシア!"
「Are you okay!?」
流暢な発音で制止するみなみの声も空しく、CV:橋本さとしっぽい重いパンチが、文字通りかがみを粉砕した。
当然ながら、『窓ガラス込み』で。
「う、そ、でしょぉぉおぉぉぉぉぉ!?」
100円玉が入れられそうな速度で、窓からかがみが投げ出される。そのまま視線を上に向ければ、冗談のように晴れ渡った青空。
そう言えばやけに速度が遅いけど、これってもしかして走馬灯かしら、と思い至った時。彼女は唐突に理解した。
私、落ちてるし。
『かがみ……かがみや……』
極度に引き延ばされた時間の中をやばげな姿勢で落ちながら、彼女は島本須美っぽい声を聞き、変形和服っぽいコスの
童顔な女性のビジョンを垣間見た。
『かがみ……聞こえますか?』
かがみの心に直接語りかける、なぜだか懐かしい温もり。
(はっ……あなたは?)
そしてその声に触れたかがみも、無意識のうちに心を相手に伝えていた。
『私は……えーと、アレです、ほら、アレ。神。いわゆるゴッド。おーい、ゴッドさーん♪』
(なんてアバウトな……)
こいつは昔からこうだったような、と初対面のはずなのに思いながら、かがみは心で問う。
(それで、その神様とやらが何の用? もしかして助けてくれるの? ……それは無いわよね)
思考が自嘲に彩られる。何をおいてもこなたの愛を奪い取ろうとして、すべてに裏切られた女なのだ。今更神とやらが
助けてくれようはずもない。
だが、神は言った。
『そんな事、ないですよ』
海のような、日差しのような。どこまでも肯定に満ちた思考がかがみを解きほぐしていく。
桜舞う中で。輝く海辺で。赤く色づく並木道で。雪降る街角で。
こなたの、つかさの、みゆきの笑顔が。
パティの、ひよりの、ゆたかの明るい声が。
そして彼女自身の、確かに存在した心が、かつてはこなたに寄せていた暖かな想いが、まざまざと彼女の眼前に
立ち現れてきた。
(これは……)
『あなたの過ごしてきた、幸せな記憶です。今からでも間に合います、その記憶をどうか……』
自称神は思念を継ぎ……いや、継ごうとしてはたと思いとどまった。
『……えーと』
(何よ?)
思念でかがみがうながす。
『……ごめんちゃい、やっぱり無理でした! ていうかあと1ミリ秒で落ちますし。てへっ☆』
一番肝心なことを最後の最後に言い残し、それっきり神の思念は掻き消えてしまう。
(ちょ、なによそれーっ!)
あまりに無責任なその態度に、何か言ってやらなくちゃと思いをめぐらせ……。
「へぶろ!」
百年の恋も冷めるような悲鳴とともに、彼女は意識を手放した。柊かがみ、再起不能(リタイヤ)。
「2008年5月××日―― Kagami Hiiragi、高層ビルカラ転落、3時間後病院デ死亡」
そしてパティの中ではもうエンディングに入っているらしく、セルフサービスのナレーションとともに決めのポーズをとりだした。
つーか、いくつだ貴様。
「……フーゥ、コレでなんトカなっタカナ」
ひとしきりポーズをとり終えると、12股をする高校生のような台詞を吐いてすこぶる笑顔のパティ。
先ほどの脱出劇の余韻とゆいのひどい運転にむせんでいるだろうこなたとゆたかには、とてもではないが聞かせられない。
その笑顔のまま、彼女は一座を見渡し……可愛そうなものを見るような視線に出くわした。
「What's? What's wrong?」
きょときょとと周囲を見回すが、彼女と視線を合わせた者は皆微妙な表情で黙りこくってしまう。
店員の突入を許し、こってりと油を絞られるつかさも。
あわあわと事情説明を試みていたひよりも。
先ほどからの大立ち回りで疲労の色濃いみなみも。
そして、彼女と格闘を繰り広げていたはずのみゆきでさえも。
『やらかしちゃったよ』と雄弁に顔に貼り付けて、ただ日本的に視線をそらすのみだ。
そしてその中をかき分けて、制服姿の壮年の男が現れ……パティの手首に手錠をかちゃりとかけた。
「What's!? チョット待ってくだサイ、コレには深い訳がですネ?」
「器物損壊と傷害は現行犯、事情によっては殺人未遂。後の話は、署でゆっくりと聞くがね」
けんもほろろな名古屋弁。しかも日ごろの激務のせいか潤いはどこまでもゼロに近い。
「コノ国ニ! この国ニ、正義ハ無いのデスカ――――――っ!?」
市場に売られていく子牛よろしく、パティは退場させられていく。一方かがみも一命は取り留めたらしく、
「脇が、脇が、ゴッドが……KY……」と呟きながら、包帯まみれのまま担架でしずしずと運ばれていった。
パトカーと救急車のドアが閉められると、2台はサイレンを鳴らしながら走り始めた。
そして、少女たちは恩讐を超えてその後ろ姿を見送る。
彼女たちが無意識のうちにとっていたのは『敬礼』の姿であった。涙は流さなかったが、無言の女の詩があった。
奇妙な「無茶しやがって」があった。
教訓。郷に入ったらきちんと郷に従いましょう。あと、できるならば法律にも。
なお。5人揃っての土下座の甲斐あって不起訴になったパティたちは、修理代とかがみの入院費を稼ぐべく件のバーガー屋で
仲良くバイト中である。
「絶望シタ! 正シイ行イが評価されナイコノ国に絶望しマシタ!」
「だから、口より先に手を動かして」
「ううううう、締め切りが、印刷費が、何より家との物理的な距離がぁ……」
「つ、つかささん! レジの数字が100万円になってます!」
「レシートうにょーん、だめだこりゃー!」
大須にお出かけの際は、一度覗いてみてはいかがだろうか。少なくとも退屈はしないはずだ。退屈だけは。
(どっとはらい)
はい、お目汚しでした。小ネタで済ますつもりがわやくちゃなお話になってしまって、申し訳ないやらお恥ずかしいやら。
ぐだぐだ極まりない一品ですが、エンドマークを打った以上恥を忍んでご笑覧にかけたいと思います。
余談ですが、昨夜は目的のお店までたどり着く時間を利用して、大須を一周する対かがみ用のパトロールを行っておりました。
決して第1アメ横ビルと第2アメ横ビルを間違えたからではございません。
だぁからパトロールだっつってるだろ信じろよウワァァァァァン!!(血涙)
>>70 GJ〜
しかし、elope路線だから仕方ないとは言え、かがみん救われなさ過ぎorz
こなかがスレ覗いて、精神のバランス取ってきまつね。
かがみ・・・ギース様かいw
>>70 一言で述べましょう…GJ。豪快極まりないカオスっぷりと
ぶっ壊しっぷりが見事なハーモニーを醸し出して清々しかったですマジで。
>>70 GJ!
でも……やっぱ俺もつらいんでwww
ちょっと俺もこなかがスレいてくるε==┌( =ω=.)┘
>>70 乙GJ&お久しぶりです!
いろいろな所にちりばめられた小ネタ達に笑わせてもらいましたww
1スレ目からの人間としては、あなたの名前を見ると不思議な気持ちを覚えます…
…まさか、これが恋(ry
>>63 (≡ω≡.)受け書こうと思ってるんで誰か意見ください。
準備をされている方がいないようなら、投下いたします。
「Escape 第3話」
・こなた&ゆたか、かがみ、つかさ、みなみ(かがみ視点)
※注意事項
・続き物
・エロあり
・シリアス
3.
私とつかさ、そして、岩崎みなみちゃんの3人は、名古屋駅の近くにあるホテルに
チェックインをし、部屋に荷物を降ろしてから外にでた。
まず名古屋から地下鉄東山線に乗り、伏見駅で鶴舞線に乗り換えて、上前津駅で降りる。
地上に出てから、万松寺という名の駐車場の横を通り、左に折れて、『赤門』とかかれた門をくぐる。
左手にラーメン屋さんがあって食欲をかきたてられるが、無視してそのまま進む。
更に5分程歩いて、ようやく、こなたと小早川ゆたかちゃんがバイトをしているという、
メイドカフェがあるビルの入り口に着いた。
「ここが、こなた達がバイトしているところね」
「こなちゃん。いるかなあ? 」
私は、つかさとみなみちゃんに向けて言った。
「まずは、客として入るわよ」
ビルの中に入り、エレベーターで最上階まで昇るとすぐに、『アルテナ』という看板が目に入る。
ラスト・オーダーが近いようで、待つことはなく中に入ることができた。
「いらっしゃいませお嬢様」
メイド服を来た女性店員数人が笑顔で挨拶してくる。
「私達は、『ご主人様』じゃなくて、『お嬢様』なんだね」
つかさが妙なことに感心している。
私たち3人が席につくと、周囲が少しざわめいた気がした。
メイドカフェといっても、店員がメイド服を着ている以外には特に、普通の喫茶店と変わらない。
変わっているところは、ステージらしきものがあるのと、カラオケセットが店内に
置かれていることくらいだろうか。
客は、男性の割合が多いのは仕様というべきだろう。
ただ、グループで来た客の中には女性も混じっていた。
しばらく待っていると、可愛らしい顔をした店員が注文をとりにやって来る。
紅茶とケーキを注文した後、こなたとゆたかちゃんの事を思い切って聞いてみる。
「1時間程前に、上がりましたよ」
「そ、そう」
私は、落胆と安堵が混ざった溜息をついた。
もし二人が店内にいるとしたら、一気に緊迫するところだ。
「明日も、バイトのシフトに入っているかしら? 」
「もしかして、お知り合いですか? 」
ここは、警戒心を解くためにも、手の内をある程度は晒しておく方が良い。
「ええ。以前、同じ学校だったの」
店員の表情から硬さがとれた。
もちろん、同性という安心感は否定できない。
私たちが男性だったら、ストーカーか、付き纏いと誤解されても文句はいえないと思うから。
「明日はお昼から来ていますので、伝えさせていただきますよ」
笑顔で提案してくる店員に、微笑みを返しながらも、やんわりと断る。
「ありがとう。でも、バイトしていることを、私達には内緒にしているのよ」
「あっ、失礼しました」
「明日は、ちょっと驚かせようと思うの。申し訳ないけれど、話さないで貰えるかしら」
私は悪戯そうな表情を作って、少しだけ舌をだした。
「お姉ちゃん。凄いね」
店員が去った後、つかさが感心したように言った。
「あれくらい当然よ」
「先輩。明日もう一度ここに来ましょう」
今まで、沈黙をまもってきたみなみちゃんが口を開いた。
「そうね…… でも、まだやることはあるわ」
「何をすれば良いのでしょうか 」
あの店員から可能な限りのことを聞き出すのよ。但し、不審をもたれるようなことは絶対避けてね。
「分かりました」
みなみちゃんは、静かに頷いた。
30分後、閉店時間が迫った為、私達はこなたが働いているメイドカフェを後にした。
バイト先への訪問は、予想以上の成果だったと思う。
特に、こなた達が住んでいるアパートの、最寄り駅を教えてくれたことは大きかった。
追跡には直接関係はないが、こなたの近況を教えてくれたことも嬉しかった。
こなたは何も変わっていない。
相変わらず周囲の人間をひきつけてやまない恒星のような眩しい存在だ。
しかし、こなたとゆたかちゃんの仲がとても良いという話を聞いた時は、
激しい嫉妬の炎が再び燃え上がった。
ゆたかちゃんは、こなたをがんじがらめに拘束している。
どんな手段を使っても、こなたを開放してあげなければいけない。
夕日が完全に沈んだ後、私達はビジネスホテルに戻った。
今日は、シングルを3部屋取っている。
シャワーを浴びてベッドに寝転んでいると、ドアを叩く音が聞こえてくる。
「つかさ? 」
ドアを開けると、つかさがぎこちない笑顔を浮かべて、私を見つめている。
「お姉ちゃん…… 入っていい? 」
「いいわよ」
パジャマ姿をしたつかさは、ベッドに腰を下ろした。
「どうしたの?」
つかさは暫くベッドで、足をぶらぶらしていたけれど、かなり深刻そうな表情を浮かべて言った。
「お姉ちゃん。本当にいいの? 」
つかさの目は、明らかに私を責めていた。
「今更、何を言っているのよ」
出かける前に確認したわよね…… という台詞は口には出さない。
「こなちゃんも、ゆたかちゃんもとても幸せそうに暮らしているって、店員さんは言っていたよ」
つかさが立ち上がり、私に迫ってくる。
こんなに怖い顔をしたつかさを見たことはない。
「お姉ちゃんには、こなちゃん達の生活を壊す権利はあるの? 」
「う、うるさいわね! 」
内心の怯えを振り払おうとして、金切り声をあげる。
「仕方がないのよ! 私はこなたが必要なの。こなたがいなければ生きている価値なんてないわ」
「お姉ちゃん…… 」
「こなたは私の全てなの。こなたを得る為だったら私何でもするわ。犯罪者になってもいい。
世界の全ての人を敵に回してもかまわない! 」
私は肩に荒い息をつきながらも、はっきりと言い切った。
「もう、埼玉を出た時点で決めているの。地獄に落ちる覚悟はできているわ。
つかさ、付き合うのが嫌なら、さっさと荷物をまとめて帰りなさい! 」
「そう…… 」
つかさは深いため息をついた。
興奮している私に向ける視線は、憐れみの色が浮かんでおり、酷く狼狽させられる。
お願いだから、そんな目で見ないで欲しい。
「お姉ちゃんがそこまで決意しているなら、もう止めようとは思わないよ」
つかさは頭のリボンを揺らしながら、私をぎゅっと抱きしめる。
「でも、条件があるの」
「条件? 」
妹の意外な言葉に戸惑う。
しかし、つかさは妖艶ともいえる表情を浮かべながら、とんでもないことを言った。
「私を抱いて」
「いきなり…… 何を言い出すの? 」
私は、心の動揺を必死で抑えながら、顔をまじまじと見る。
「お姉ちゃん。こなちゃんを奪い取るためには何でもするって言ったよね」
つかさの声色は、零下近くまで冷えている。
「ええ…… 」
「だったら、妹のお願いくらい聞いてくれてもいいよね」
「どうしてそんな事をいいだすのよ? 」
つかさは、私の問いには答えを返さず、言葉を続ける。
「私を抱いてくれなければ、お姉ちゃんに協力しないし、むしろ邪魔をするよ」
「そんなっ! 」
私は真っ青になりながら叫んだ。
「つかさ…… あんただけは私の味方だとおもっていたのに」
18年間、一緒に生きていた妹のあまりにも冷酷な言葉に、ただ呆然と立ちすくむしかない。
「ううん。私はいつでもお姉ちゃんの味方だよ。私が一番好きなのは、やっぱりお姉ちゃんなんだ」
つかさは、寂しそうな微笑を浮かべた。
「でもね。こなちゃん達の幸せを奪うのなら、それ相応の代償を払わないといけないと思うの」
「つかさ…… 」
普段はおっとりして、どちらかと言えば気弱な妹に、私は圧倒されていた。
長い沈黙の後、私は振り絞るように声に出した。
「分かったわ」
背に腹は変えられない。つかさが敵にまわったらジ・エンドだ。
「ありがとう。お姉ちゃん」
つかさは、とびっきりの笑顔をみせる。
「キス…… するね」
耳元で小さく囁くと、すぐさま私の唇を奪う。
「ん、んんっ」
私と同じ色の髪から、同じ匂いが鼻腔をくすぐる。
「んくっ、んむぅ…… 」
唇が少しずつ動く。
「くぅん」
吐息交じりの喘ぎ声が微かに聞こえる。
つかさの指先が素早く動いて、私のパジャマをめくりあげる。
「ん…… んくぅ! 」
口を開けた瞬間に、舌がねじ込まれてくる。
「んんっ! 」
反射的に身体を捩って逃れようとするけれど、つかさは、巧みにベッドに押し倒してしまう。
妹の体重がのしかかり、体温がダイレクトに伝わる。
柔らかい身体が密着して、私の奥が微かに濡れる。
「んんっ、くちゅ、ぐちゅ…… 」
つかさの口腔内から湧き出した半透明な唾液が、口の中にとろとろとなだれ込んできて、
舌でかき回される音が卑猥に響いた。
「んむっ、あぅ、んんっ…… んむう」
濃厚なキスを続けながらも、つかさは巧みに指を動かして、ブラのホックが外される。
胸を締め付ける感触が消えて、ひんやりとした外気が肌に触れる。
「あんっ…… くちゅ、ぐちゃん、ううんっ」
私も負けじとつかさの身体を貪ろうとして、舌端を絡めながらも服を脱がしていく。
「はぅ…… あん、ああっ」
つかさのブラがベッドの上に落ちると、きめ細かな白い柔肌と、控え目なふくらみが視界に飛び込んでくる。
「んあっ…… くちゅ、んちゅ」
私は、粘性のある半透明の液体を唇の端から漏らしながら、乳房の上にのった桜色をした突起に触れる。
「んんっ!」
つかさは、反射的に身体を捩って避けようとするけど、逃がさない。
「ふあ…… やああっ」
乳首を強めにつねってあげると、つかさは唇を離した。
「あん、ああん…… あうっ」
可愛らしい妹の悲鳴に、興奮してしまう。
「あん、ひゃあ…… だめっ、お姉ちゃん、だめだよう…… 」
乳首を弄ばれているつかさは、悲鳴をあげてくすぐったそうに身体を何度も捩る。
しかし、つかさは巧みに反撃の機会を窺っており、私の下腹部に指を伸ばしてパジャマ越しに触ってくる。
「ひゃああ!」
敏感なところをいきなり刺激されて、私は裏返った悲鳴をあげた。
「ふふっ、お姉ちゃんも感じているんだね」
つかさのイジワルな言葉に、私は真っ赤になりながら反論する。
「そんな事ないわよ。感じてなんかいないんだから! 」
「お姉ちゃんは、ツンデレだね」
予想外の言葉に、つかさの顔をまじまじと見てしまった。
狼狽した姉の姿を愉しそうに眺めながら、妹は笑った。
「ふふ。こなちゃんだったら、そう言うと思うよ」
こなたの顔が浮かんでくる。
悪戯っぽくて、とても可愛らしい笑顔。とても長くておさまりの悪い髪、
そして、くすぐるような心地よい声……
「うひゃあ! 」
突如、つかさに股間をおもいっきり掴まれて、のけぞりながら悲鳴をあげる。
「な、なにするのよ! 」
私は怒鳴ったけれど、つかさは完全に無視してアソコを強く揉みほぐす。
「んあっ、ばか、やめっ、そんな、ひゃうっ」
激しく喘ぎながら、必死でつかさの手首をつかんで、止めようとするけれど、
強烈な刺激に身体が反応してしまい、上手くいかない。
「お姉ちゃん。余所見をしちゃ駄目だよ」
のんびりした口調だが、怒気を含んでいることに、ようやく私は気がついた。
「わ、悪かったわ…… だから、あんっ、やめてっ」
秘所からあふれ出す愛液の量はかなり多く、既にパジャマまで染みがついてしまっている。
「駄目だよ。おねえちゃん」
「ど、どうして? 」
弱気になった私は、酷くうろたえながら尋ねる。
「エッチの時は」
つかさが私のパジャマを掴んで、一気に引きおろす。
「や、やめてっ」
私は情けない悲鳴をあげた。
愛液でぐっしょりと濡れてしまった下着をまじまじと見られるのは、とても恥ずかしい。
「こなちゃんを」
下着の中に、つかさの手が容赦なくもぐりこむ。
「そこは…… ホントに、ダメっ」
はしたない染みによって浮き出た、黒い茂みをぐちゃぐちゃにかき回しながら、
割れ目を押し潰す様に強く揉む。
「忘れないと」
つかさが親指と人差し指を使って、クリを摘んで捻り上げる。
「ひあっ! 」
激しい痛みが電流のように体中を駆け巡る。
汗で全身を濡らしながら、海老のように激しく身体を仰け反る。
「駄目なんだよ」
刺激を受けて膨らんだクリを、休む間もなく執拗に揉みほぐす。
「あうっ、やだ、やだあ…… い、イヤあっ 」
快楽と苦痛の狭間で悶える姉の姿を、つかさはとても愉しそうに眺めた。
瞳はいつもの煌きが喪われて、どんよりと濁ってしまっている。
執拗に大事な場所を刺激されて、全身から玉のような汗を噴き出して喘いでいる私を鑑賞しながら、
つかさはうっとりとした表情で呟いた。
「お姉ちゃんの胸ってキレイ…… 」
「つかさ、やめてっ」
しかし、悲鳴交じりの私の声を無視して、舌を伸ばして乳首の先端を押し潰す。
「きゃっ」
胸の先端に甘い痺れが奔った。
「お姉ちゃん…… 」
つかさは、赤ん坊のように乳首に吸い付いた。
「馬鹿、つかさ、やめっ…… 」
あまりにも恥ずかしい行為に、顔が真っ赤になる。
懸命に力をこめて、引き剥がそうとするけれど、唇を離すことができない。
「あん、だめ、だめなんだがら…… 」
喘ぐ私を横目でみながら、同時につかさの指は悪魔のように動いて強制的に昂ぶらせていく。
「んはっ、ああん、いああっ、ひゃあ」
悲鳴とも嬌声ともつかない声が、ホテルの一室に響き続ける。
「つかさ、つかさあっ」
快楽の波が幾度も退いては押し寄せて、残り少ない理性を粉々にしていく。
「くちゅっ、ちゅ、んちゅう、んふぅ…… 」
つかさの舌が巧みに動いて、固く大きくなった私の乳首を卑猥に舐めまわす。
「あは、ひぐっ、わたし、わたしもう……」
気持ちが良すぎる。狂ってしまう。
「ぐしゃ、くちゅ、ぐじゅう……」
アソコをぐちゃぐちゃにかき回される音が、とてもイヤらしい。
与えられる快楽を少しでも逃したくなくて、秘裂をいじくるつかさの手を、太腿でぎゅっと締め付ける。
「わたし、わたし、もう」
急激に高まる快感に耐えられそうもない。
「んはっ、あん、ああん、あはっ」
荒い息をつきながら、とろんとした瞳を、執拗にアソコと乳首を愛撫している妹に向ける。
「つかさ、もう…… だめ、んんっ…… だめなのっ」
シーツを鷲掴みにして必死に耐えるが、限界は近い。
「つかさ、駄目、もう、私、イク、いっちゃうのっ」
少しでも早く楽になりたくて、つかさの指の動きにあわせて、みだらに腰まで振ってしまう。
もう限界。お願いっ、つかさ!
「おねえちゃん、おねえちゃんっ」
つかさは、乳首から唇を離してうわごとのように何度も呟き、ほとんど本能だけで指の動きを加速させる。
「んあ、んああああっ、やああああっ」
私は、ひときわ大きな悲鳴をあげて、ついに頂を越えた。
「はあっ、はあっ」
私は荒い息をつきながら、絶頂の余韻に身を委ねた。
「おねえちゃん。大好き…… 」
救いを求めるような声をあげたつかさが密着してきて、唇を重ねてくる。
「ん…… 」
柔らかい感触が伝わる。
つかさは、何かを恐れる表情を浮かべながら、更に強く抱きしめた。
私は、ひどく疲れてしまって、もう何も考えることはできない。
急速に強まる睡魔に抗う術もない。
入り口のドアが微かに動いたように見えたけれども、きっと気のせいだろう。
妹の体温を感じながら、私は夢の世界に誘われていった。
読んでくれた方、本スレ及び、wikiに感想くれた方、ありがとうございます。
双子姉妹のえっちは、新鮮で難しかったです。
このお話は、先を考えれば考えるほど、ダークな感じになりそうですが
逃げずに真正面から書ければ…… と思います。
あと、大須にある萌え系統のお店にいくには、大須観音駅より上前津駅の方が近かったりします。
では。
リアルタイムでGJ! ダークな展開・・・死人が出ませんように(-人-)ナムー
やや遅れてGJ!
相変わらず「歪んだ愛情」や「心の闇」といった表現がしっくり来る作品っスね
それでいてキャラが崩れていない…素晴らしいとしか言えないっス!
>>89 GJ!あー、やっぱりダークな展開がまってるか・・・
せめてみんな五体満足であることを祈ろう
人間関係ぐちゃぐちゃで何角関係かも分からなくなってきた
誰か簡単にまとめてくれW
みなみ→ゆたか⇔こなた←かがみ←つかさ
でいいんだっけ?w
>>89 どんどん人間関係が瓦解していくような。
それでもって、相変わらず氏独特の不思議な黒さが混じっていますねえ。
しかし、現実でこんな関係は見たくないなw
思わぬ伏兵の活躍でこれはかがみ自滅フラグなのか!?
双子でシリアス版こな☆フェチに3アハ
だって、双子がダークに結ばれちゃったら
あぶれたみなみんはどうするのさ・゚・(ノД`)・゚・。
98 :
42-519:2008/04/28(月) 20:11:05 ID:zg2HDQ/1
空いているようでした五分後に投稿してみます。
また懲りずに甘いだけのこなかがですが――。
前スレッドの「38度の優しさ」に感想いただいたかた、ありがとうございました。
今日はこなたの誕生日だ。
5月28日。梅雨真っ盛りのこの季節には珍しく目覚ましを止め、目を覚ましてカーテンを開けると陽光が部屋の中に差し込んできた。
前日までは雨続きで、地面はぬかるんでいたが数日振りのお日様は湿度も低く、過ごしやすい天候となった。
その日、私は学校をサボった。
つかさには私とこなたの関係はまだ知られていない。
いつまでも隠し通せる仲ではないけれど、それまでは私とこなた、二人だけの秘密の間柄でいたい。
「…何を買えばいいんだろう」
私は大手のデパートを目の前にしてうなだれる。もちろんこなたと秘密の契約、超えてはいけない一戦を超える前からも、誕生日プレゼントはあげていたし、この年になってとも思うがつかさと誕生日の交換プレゼントを行っている。
それでも今年の5月28日は違う。
こなたの長いまつげを私は想像する。愛しい唇を私は思い浮かべる。舌と舌が絡み合う濃厚なキスの場面が立ち尽くすデパートの前で執拗に再生される。
ホモとヘテロ。どれが正しいかなんて私にはわからない。ホモで何が悪い、ヘテロで何が悪い。現実社会ではいわゆるノンケが大半であるけれども、私みたいな厄介者もいるのだ。
私は私だ。好きで何が悪い。
非生産的な愛の営みが、そんなに悪いことなのか。一応断っておくけれども、私は腐女子ではない。ただ、こなただけは、嫌いになれないのだ。嫌いじゃない…ううん、大好き。
デパートから一回の食品売り場へと足を伸ばす。こなたはチョココロネ好きだ。
よくもまあ飽きないなと私はお昼休みに小さな手で忙しくチョココロネを頬張るいつものこなたを描いた。
食品売り場のレジから前方へ三十メートルほど進み、右折すると安くておいしいと(こなたも絶賛していた)ベーカリーショップが見える。チョココロネは150円できれいに並べられておかれていた。
縦に10列、横に5個づつ置かれたチョココロネは、ところどころ虫食い状態にチョココロネが買われていっている。
物を買うときにあえて一番最初に置かれたものではなく、二番目三番目を選ぶのと同じ心理なのだろうか、と思った。
その光景を目にしていると、いつかこなたが言った「絶望感を覚えるよ…」という台詞を思い出して私はくすりと笑みを漏らした。
こなたはきっと、今日もチョココロネを食べているのだと思う。私が想像したとおりの手つきで、しっぽから食べたり、頭から食べたり。
だから今買っても、飽きてしまうだろう。
「これ、二つください」
――それでも買ってしまう私。
後悔なんかしていないんだからね。
ひとつは私の分。もうひとつは、こなたの分。
こなたがおいしそうに頬張っている姿を想像すると、財布は自然と手に握られていた。それどころか硬く硬く握られていた。
私はいろいろな店とウインドウショッピングしながら、いくつかの候補を選ぶ。
最後に花屋に立ち寄った。
お花屋さんって、素敵だと思う。
私はつい現実利益を考えしまうし、花なんて綺麗なものは似合わない。きっとこなたなら「かがみんは花より団子だよね〜」とかなんとか言いながら、私のお腹をぷにっと触ってくるだろう。ううん、断じてぷにっとできるほど出ていない、と付け加えておくのだけど。
花に囲まれた生活。好きな人には、きっとたまらなく幸せな時間。
こなたの悪戯な笑みを眺めていられるような、そんな時間。
「いらっしゃいませー。ご用件を承りますわ」
「えっと、誕生日プレゼントにしたいんですが」
「彼氏にですか?」
屈託のない笑顔で、店員さんは言った。胸ポケット辺りにクリップで「研修中…雨宮」と書いてあった。
それ、すごく、ぐさっとくる…
「え、えと――その、いえ、なんでもないですっ!
…はい、そうなんだと思います」
ああ、取り乱してしまう。そんな私を長い髪が印象的な店員さんは、安らかな微笑をたえて、笑っていった。
ごまかすのは、もうやめにした。
彼氏ではないけれど、私にとっては彼氏みたいなものだから。たぶん、きっと合ってる。
間違っているはずなんてない。だって好きになるって、そういうこと。
「そうですね――こちらの花なんて、どうですか?」
手渡された花は、とても綺麗な花だった。白い、小さな花。可憐な花だった。
「シロツメクサですよ。本当は売り物ではないんですが…ほら、ここを見てください」
店員さんはシロツメクサの花が咲く花瓶を持ち上げて、葉っぱの部分を私にみせた。
「クローバー…」
それは、四葉のクローバーだった。小さいときにつかさがはしゃいで持ってきたもの、見つけると幸せが訪れるという、戯れの伝説。
「ついつい、嬉しくなって、こうして飾ってあるんですよ。ちょっと味気ないですが幸せのクローバーとして。どうですか?こちらはいつもご贔屓の感謝の気持ちとして、差し上げますよ。」
「え、別に、私は頻繁に利用しているわけでは」
「いいのいいの」
結局私は言いくるめられて丁寧に丁重された、シロツメクサの花をもらった。普通の、誕生日に用いられる花も購入した。
どことなく「シロツメクサ」の響きに、既視感というのだろうか。そんな日本語が存在するかは怪しいが、既聴感というとより正確。どこかで、この言葉を聴いたような、そんな気がした。 誰かと一緒に、その言葉を聞いた気がした。
その偶然の邂逅は、おそらく幸せの思い出だったと思う。、
・
・
・
「ねえ、かがみ。どうして今日は休んだのさ」
いえに飾り付けられている時計は午後四時を随分回った時刻。学校からまっすぐ帰ると大体この時間だ。
こなたはつかさと一緒に私の家に来た。
「ノックくらいしてよ」
「なにいってるのさ〜、私とかがみの仲でしょ?」
そういうこなたからは失望の色が見て取れた。
「ちょっと、体調悪くて」
「嘘でしょ。かがみ、元気じゃん」
小さな体を一歩前に進める。私とこなたは向かい合う。やっぱりこなたは、不満顔だった。
「うん、まあたまにはね」
「…そっか。まあ、かがみがどうしようと、私は構わないけどさ」
そういってこなたはそっぽを向く。
腰まで届くような綺麗な髪が不満げに揺れていた。
「怒ってる?」
私は恐る恐る聞いてみる。
こなたは、平静を装って「別に――ただ、今日、何の日かわかるかなって」
「5月28日? 祝日でもなんともない思うけど」
「そっか、そうだよね」
こなたは私の顔を直視し、それから寂しげに呟いた。
――忘れるわけ、ない。
気恥ずかしくて、その言葉がいえなかった。そうしてこなたはご機嫌なナナメにふくれている。
いつもからかわれているから、本当はちょっと仕返ししたかったという単純な理由。
でも、その瞳を見ていると、そんな気まで失せてしまう。
からかわれるのは慣れても、からかうことは一生慣れないのかな。
私はするよりされるほうが幸せなのかもしれない。こなたのためなら私はいつだって、何にだって篭絡されるのだ。
すねてるこなた、しおらしいこなたよりも、私に無理難題を押し付けてくるこなた。そういって私を怒らせながら、有無を言わせないような愛しい言葉を囁いているくれるこなたが好き。
「こなた」
「なあに?」
私は精一杯、顔を見つめないように努めた。そんなことをしたら、きっと私は意地をはってしまう。
だから私は、またこなたにツンデレって言われるのだろうと内心苦笑と高揚を伴いながら――。
「チョココロネ、今日、こなたの誕生日だよね。
私がこなたの誕生日、忘れるわけないでしょ?」
「…覚えていたんだ」
「当たり前じゃない」
「かがみん…」
「べ、別に、嫌なら食べなくてもいいんだからね!
こなたは今日もチョココロネ食べたんだろうし、そうなら私が食べるもん」
「…ツンデレすぎる」
こなたは「私の嫁だ〜」とかなんとか呟いて、私の方に突進してくる。
こなたの小さい胸と私の胸が触れ合った。
大好きな人に、抱きつかれていた。
わ、わわわ。
「やっぱりかがみんはツンデレだね〜最初から覚えてるっていってくれればいいのに」
「ちょ、こなた、あ、暑いって!」
「何いってるのさ〜本当は嬉しいくせに〜かがみのほっぺ、汗で濡れているけど、そこがなんともエロスだね。
ほらほら落ちなよ! 『いい、いいのお、そこ』とかなんとか」
「ば、ばか、何いっているのよ! あれげーは頭の中だけにしろって!」
こなたは抵抗する私を全身の力をかけて押さえ込む。こなたの体重は知らないが、ダイエットと無縁なこと、小柄なら体躯から見ても私より断然軽いだろう。
羨ましいとか、そういうことはさておき。
そのこなたによって、私はベッドに押し倒されてしまった。
こなたの長い後ろ髪が、私の胸あたりに落ちる。私の両腕はこなたの幼い手によって押さえられている。身動きはできず、ただただこなたの大きい瞳に目線がぶつかり恥ずかしいくらいに紅潮した。こなたの口元がとても可愛い。
「ち、近い、わよ…っ」
「それがいいんだよ〜どれどれ、味見っと」
「変態か、お前は!――あ、きゃあっ」
小さく息を漏らす。こなたの左手が、私の胸のまで移動し、乳房をわしづかみにした。
ふにゅふにゅ、くにくに。
「あ、ちょ、こなたあ〜、ああんっ」
淫靡な声が自然とでてしまう。オナニーくらいなら私だって経験済みだ。それでも、自分で触れることと、他人に触られることでは、感触がぜんぜん違う。
気持ちいいとかそういうことでなく、「他人に触れられている」という認識が私を別感覚に陥らせた。
好きな人に触られている。それだけで、全身で感じてしまう。当たり前だと思う。想像するだけであそこが濡れてしまうときもあるし、我慢できずにしてしまう時もあるのだ。
私はもう、呼吸も乱れて、はあはあとせわしく息をしている。こなたも興奮したのか、心拍数が上がり、それに伴い呼吸が荒くなっていた。
わ、わわわ。
「やっぱりかがみんはツンデレだね〜最初から覚えてるっていってくれればいいのに」
「ちょ、こなた、あ、暑いって!」
「何いってるのさ〜本当は嬉しいくせに〜かがみのほっぺ、汗で濡れているけど、そこがなんともエロスだね。
ほらほら落ちなよ! 『いい、いいのお、そこ』とかなんとか」
「ば、ばか、何いっているのよ! あれげーは頭の中だけにしろって!」
こなたは抵抗する私を全身の力をかけて押さえ込む。こなたの体重は知らないが、ダイエットと無縁なこと、小柄なら体躯から見ても私より断然軽いだろう。
羨ましいとか、そういうことはさておき。
そのこなたによって、私はベッドに押し倒されてしまった。
こなたの長い後ろ髪が、私の胸あたりに落ちる。私の両腕はこなたの幼い手によって押さえられている。身動きはできず、ただただこなたの大きい瞳に目線がぶつかり恥ずかしいくらいに紅潮した。こなたの口元がとても可愛い。
「ち、近い、わよ…っ」
「それがいいんだよ〜どれどれ、味見っと」
「変態か、お前は!――あ、きゃあっ」
小さく息を漏らす。こなたの左手が、私の胸のまで移動し、乳房をわしづかみにした。
ふにゅふにゅ、くにくに。
「あ、ちょ、こなたあ〜、ああんっ」
淫靡な声が自然とでてしまう。オナニーくらいなら私だって経験済みだ。それでも、自分で触れることと、他人に触られることでは、感触がぜんぜん違う。
気持ちいいとかそういうことでなく、「他人に触れられている」という認識が私を別感覚に陥らせた。
好きな人に触られている。それだけで、全身で感じてしまう。当たり前だと思う。想像するだけであそこが濡れてしまうときもあるし、我慢できずにしてしまう時もあるのだ。
私はもう、呼吸も乱れて、はあはあとせわしく息をしている。こなたも興奮したのか、心拍数が上がり、それに伴い呼吸が荒くなっていた。
スポーンっ! と勢いよく服を脱ぎ捨てたこなたが襲いかかってくる。
「…!」。
キスの味。レモンの味。
胸と胸が触れ合って、乳房が揺れる。
こなたのあそこは、想像以上に綺麗で素敵で、あまあまで、いとおしかった。
ねっとりとしたキス。ふれんちきす。
こなたの味を、下の口で感じた。
「そういえばかがみん…」
「何よ」
セックスという言葉が正しいのかはわからないけれど、そんな行為を終えた後、こなたはパンツも履かずに私の髪を愛でながら呟いた。
「どうして、シロツメクサの花なんて買ってきたの?」
「それは――店員に、勧められたから」
「それだけ?」
「あと、どこか懐かしい気がした…」
そう、白詰草という響きに感じた思い出。どこかで聞いた記憶。
どこかで聞いた気がする。私を惹きつけたその花を、つかさやみゆき――何よりもこなたと一緒に聞いた。
「しろつめくさの花が咲いたら〜〜♪」
「え、その歌」
「アニメの主題歌だよ。そういえば、いつごろだろ。かがみんと一緒に見たよね。珍しくかがみも熱心に見てた奴だよ。私も好きなアニメだけど。
―――あれからどれくらい? どこでフラグ、たったんだろうね?」
「…嫌、だった?」
私は不安げに呟く。
ううん、とこなたは呟いた。
「あのときのこと、覚えていたんだね」
こなたは私の方に顔を寄せる。目を閉じる。こなたが目の前にいる、きっといる。
ほっぺたに柔らかな感触がある。「これが答えだよ」とこなたが言う、そんな気がした。
106 :
42-519:2008/04/28(月) 20:30:20 ID:zg2HDQ/1
以上でした。これは結構前に書いたまま放置しておいたものです。
時間がずれすぎですのでせめてこなたの誕生日の一月前にしよう――とわるあがきをしました。
かなり空気の読めない投稿でごめんなさい。
純愛書きつつも、かがみ(確定事項)ゆーちゃん(仮定)ファンごめんなさいのダークを書きながら――いつか公開できることを願って。
107 :
(=ω=.):2008/04/28(月) 21:17:30 ID:A/hS2+C3
>>106 おおおおおお!なんという甘々こなかが!!ぐじょお!!
なんかそれほど久しいわけでもないのに、
この路線はすっごくひさしぶりのように思えるのは、
私がこな×かがに飢えてるから?から?
ほらぁ、かがみん、激甘こなかがだよぉ。
最近の路線が涙目だからっていじけるなってwwwww
この作品でも見て元気だしなってう・さ・ちゃんwwwwww
>>106 超GJ !
かがみが報われない話が続いていて鬱になりかけてたけど、貴方のSSで立ち直れた !
愛しさのあまりこなたになすがままにされるかがみ萌えw
ところでもうすぐ発売のメガミマガジンのピンナップが凄いことになってるとか・・・
他所のスレで見てきたが…
「ぬぁぁぁぁにぃぃぃぃ〜〜〜〜!!!…メガミマガジン…やっちまったぬぁぁ〜〜〜!!」
「あー…それはなんかのネタなのか?」
「そんな事よりこれ見てよかがみん」
「(真っ赤)…これは…とうとう私たちが公認と認められたのね!こなたぁ〜!」
「ちょ何すんのかが…アッー!!」
な代物。
…下2行は余計だったな…
こ……これで……
どんな作品が来ようとも、負けないでいられる……
心折れないでいられる……
ちょ……こなた……何そんなニヤついてんのよ……
112 :
42-519:2008/04/28(月) 21:53:41 ID:zg2HDQ/1
あああああ今気づきましたが投稿みすってますねorz
>>103と
>>104が同じじゃないかorz
お読みいただいたかた、感想いただいたかた、ありがとうございますー。
>>109 これはらきすたこなかが始まった
>>106 作中で明示しなかった四葉のクローバーの花言葉に
かがみの本心が込められている、なんてのは穿ちすぎでしょうか。
自分もこなかがを書きたいのにネタがないんだよなぁ。
ともかくGJ
>>113 クローバーと聞いて本屋を思い浮かべるD厨は俺だけでいい
GJ!
>>113 俺は逆に、こなかが文はストックたくさんあるのに、文の推敲に時間がかかってしまう…
では、アナタにいくつかネタとなるヒントをあげましょう
稜桜小学校編(実は幼馴染みだったという設定)
こなかが結婚生活ーバカップル編ー
こなたが魔女に猫に変えられて、かがみがこなたを世話する話(途中でこなたと気付く)
一日だけ性格を反転してみるごっこ
こなットモンスター(こなたが世界を旅しながらいろんな性格のかがみを片っ端から捕まえていく話)
こなたVSメカこなた
実は、こなたが人魚でかがみが天使。
さあ自由に使ってくれ。
> 一日だけ性格を反転してみるごっこ
が
一日だけ性別を反転してみるごっこ
に見えた俺は相当TSに侵されてるな
117 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 00:31:44 ID:hoi3Ueqn
「冬のコナタ」通称冬コナを希望!!
自由に使うがよい!!
・・・私がかけないだけです。
連レスとsage忘れすみません。つってきます。
こなた「アナタガ、チュキダカラ(=ω=.)」
かがみ「ネタが違うしにてねーししかも古いし('A`)」
トリップにて失礼いたします。
拙作「偽Escape、あるいはバーガー屋の電波」についてですが、元ネタ及び作者様への配慮、
ならびにキャラクターの扱い(特にかがみ)への配慮が欠けておりました点に鑑み、wiki保管を
自粛させていただきたく、お知らせ申し上げます。
23-251さま、拝読されて不快感を感じられた皆さま、不快な思いをさせて申し訳ございません。
深くお詫び申し上げます。
以上、業務連絡でした。
え!?
ログを見る限りだれも嫌がってないようだとおもうんだ
そんな酔いから醒めたような事いっちゃだめだ!気にしちゃだめだ!
そんなに気にしなくていいと思うよ。面白かったし
>>120 ゴメソ、最初にアレな事言っちゃった俺が悪いんだ……orz
これはこれでよく出来てると思うし、他のSSを見に行って立ち直れたし、全然問題ないと思う。
だから、保管自粛とか言わないで欲しい。頼む。
逆に、気にしてますよ。みたいな、いかにもな書き込みが気に入らないと言えば気に入らない
保管するしないは自由だし、わざわざ宣言する事かと苦言
いや、言いたいことはわかるけど、宣言しないと勝手に保管がここのシステムよ?
保管庫管理人氏が忙しそうだから自主的に保管する人はいるけど、ってか多いけど、
あくまでそれはイレギュラーの形。
まあ、本人の意志を尊重して余り保管してくれとか言わない方がいいと思うけど。
126 :
42-415:2008/04/29(火) 18:18:15 ID:coQ7GUMI
ここで自重できない俺が流れを無視して投下。
他にいらっしゃらなければ6:20から流しますね〜。
・あとがき入れて3〜4レス程。
・続き物
・ふたなり警報
・痴漢注意報
・選択肢あり。
―――あの後、風呂場の掃除を済ませて簡単な朝食を取った。
そして弁当を詰めて着替えを済ませ、自転車に跨る。
(いつもより30分早いけど…まぁいいか)
股間に余計な『モノ』が生えてるせいで少々違和感を感じたものの、私の自転車は通いなれた道を軽快に
駆け抜けていく。…風にたなびく長い黒髪と丸眼鏡。トーストを咥えていれば体当たりフラグっスね。
駅に着き、切符を買い電車に乗る。いつも乗る電車より一本早い電車だ。
(…今日はどうするっスかね…)
ホームで電車を待ちつつ、少し考える。考えているのは『女性専用車両に乗るか否か』
実は私自身の興味が薄い事もあり、香水やその他化粧品の匂いが苦手なのだ。
そして女性専用車両といえば、乗客がそこら中で化粧をしている…その化粧臭さは推して知るべしである。
少し考えたものの、私は通常の車両に乗る事にした。
車内は過密度計測不能としか言えない満員ぶり。こんな風に混んでないのも女性車両のいい所なんだけど、
やっぱりあの化粧と香水…酷い時はヘアスプレーを振っているような車内は私には耐え難い。
ギチギチに詰め込まれた車内の中に、いくらか女性の姿があるのもそういった理由からだろう。
それ以外には…スーツを着た会社員や学生服を着た男子、私服の人も少々といった感じ。…要するに男が
殆どで、女性の姿は点々としていてあまり見かけない。
(この状況でスカートの中に忍び込んでくる手…周りの乗客は全員グルで、その行為を眺めている…
エロゲでそんなシチュが発想されるのも無理ないっスねぇ…)
と、車内を見回しながらそんな事を思う。
(あ、いや逆に女装して女性専用車両に入って女性客に玩具にされるショタっ子というのも…)
(いやいやそれより美少年を狙った痴漢なんてのもアリか…って自重しとけ私)
しかし自重しろと思うほどにネタが沸いてくる。こうちゃん先輩に前言われた事だけど、『日常の何気ない
風景や会話にネタは転がっているんだよ』ってのは案外こういうことなのかも。
(んー…そうっスねぇ…男子校に通う小柄な新入生を見つけた長身美形の先輩が悪戯を…)
(…イマイチ押しが足りない設定っスね…既に二人は付き合ってて、スリルを楽しむために…)
(あー…これはちょっとありふれてるなぁ…BLで無ければだけど)
この場で描けないのが辛い。構図にすればネタが固まるのに…って自重自重。
そんな妙な事を考えてるせいでちょっと興奮してきた。実際に車内でそういう行為が行われているのでは
ないかという錯覚まで覚える。
そう考えていくと今度は周囲に意識が向いてくる。男のニオイがする。普段は嫌なニオイでしかないそれも、
今の私にとっては興奮状態をより加速させるものでしかない。
(あ…ダメ…勃って来ちゃった…)
そしてこの体はその気持ちに過敏に反応する。私に新たに生えてきた『モノ』はそれに従い頭を持ち上げる。
(ど、どうしよう…このままじゃ…。そうだ、壁のほうを向いておけば…)
少なくとも見られる事はない。そう判断した。…それが誤りと気づくまでに、殆ど時間は要らなかった。
(…!誰かが…触ってる…!?)
私立ち位置は、電車のドア近くの角。そこでドア側を向いて立っている。
(偶然…じゃない……)
下半身に伸びてきた手は、明らかに撫で回すような動きをしている。
(…こ、声…声出して助けを呼ばないと…!)
頭でそう思っても、体が反応しない。
(…嘘っ!スカートの中まで…!?)
臀部を這い回る手は、スカートの中にまで侵入し、今度は下着の上から撫で回してくる。
(嫌…怖い…声、出ない…)
金縛りにあったように、声が出ない。手も動かない。何も抵抗できない。
「君、さ。そんな所に居るからこんな目にあうんだよ」
小さく耳元で囁かれる。予想外の声に背筋が震える。
「可愛いね君…その制服、陵桜だね。いかにも大人しそうで清楚な感じ…モロ俺の好みだよ」
恐怖で竦んでいる私は何も出来ない。だが不埒な侵入者は侵攻を止めず、今度は下着の中に潜り込んで来た。
そして――
(ひぅっ!?)
男の指が、女の子の大事な部分をなぞって来た。背筋を突き抜けるような寒気がする。
「最近の子は早いらしいからさぁ…ここは初めてじゃないかもしれないねぇ…?」
そう言って男は指を後ろの穴にあてがう。
(えっ…そ、そんな所…っ)
「でも流石にこっちは未経験だろうからね。たっぷり楽しませてあげるよ」
男は菊門をこねるように指を動かし、後ろの穴を犯していく。
(こ、こんなの…嫌…嫌ぁぁぁ…っ!)
だがその叫び声は、私の心の中にしか響かない
痴漢をされている事と、未知の領域を蹂躙される恐怖は、私の全身を凍りつかせ、震わせる。
震えが止まらない。今の私に出来るのは、ガチガチと歯を鳴らし、涙を浮かべ恐怖で表情を歪ませるだけだ。
だがそんな状況でも私の男の子は正直な反応をする。
恐怖に身を震わせ、嫌悪感しか感じていないはずなのに。
私の男の子ははしたなく汁を垂らし、下着の前を汚している。
(なんで…?ダメ…これ以上されたら…射精ちゃう…!)
…今私が感じているのは何なんだろう。恐怖?快感?嫌悪?恥辱?
分からない。もう何もかも分からない。ただ確かなのは、今出来るのは唯耐えるだけという事。
…だが、駅で停車した時、唐突にその時間は終わった。
「ぐぇっ…」
男はうめき声を上げて私のお尻から、急に指を引き抜いた。
(くぁぁッ…!?)
私はというと、いきなり指を引き抜かれたせいで、少し射精してしまった。
「はいそこまでー…次の駅でとっとと消えたら今回は見逃してあげるよー?」
聞き覚えのある声が少し低い位置から聞こえてきた。横に目をやると、よく知っているアホ毛が見えた。
「くっ…」
男はそのまま手首を押さえて電車の外に逃げていった。
「ダメだよひよりん。そんなトコに立ってお尻向けてたら…ってうわっ」
「泉せんぱぁぁぁい…怖かった…怖かったっスよぉぉ…」
泉先輩の姿を確認した途端、凍り付いていた体が解れて全身から力が抜ける。
そしてそのまま涙で顔をくしゃくしゃにして泉先輩に覆いかぶさるように抱きつく。
「おー…よしよしひよりん。怖かったんだねぇ〜」
「うん…先輩…助けてくれてありがとうっスよぉ…」
ちなみに足の力が抜けた時に三本目の血も抜けているので『ひよりさん…当たってるんですけど』な事態
には陥っていない。
「いや〜当然の事をしたまでだよひよりん〜大丈夫だった?」
「う、うん。一応…」
「そかそか。学校は〜?行けそう?」
「大丈夫…と思うっス…」
その後、電車が糟日部駅につくまでの間、先輩はずっと私に話しかけてくれた。
「でね、ゆーちゃんは昨日からみなみちゃん家にお泊りして今日は一緒に登校なんだってさ〜」
「おおぅっ。ということは朝から二人でみなみべりー・ぱにっくっスね!?」
そんな他愛の無い会話。これも先輩の気遣いなんだろうなと思いつつ、さっきまでの恐怖が払われていく。
駅に着いた後、近くのコンビニで換えの下着を買い、トイレで着替えた。
それからかがみ先輩とつかさ先輩に合流し、一緒に登校した。
…どうしようかなぁ…この体の事、誰かに相談したほうがいいのかな。
@今は黙っておく
A後で泉先輩に相談する
B天原先生に相談する
130 :
42-415:2008/04/29(火) 18:24:28 ID:coQ7GUMI
以上です。
今頃気がついたけど男がうめき声を上げた理由入れるの忘れましたね。
あれはこなたが男の手首の間接極めて折ったからなんです。
これからも自重しない方向で進んで行きますので、この後ひよりんがどうなるのかは読者の皆さんで選んでください。
セーブは…無いッ!
それではお後がよろしいようで〜
C全員ひよ☆フェチ発症
あ、いや、やっぱなんでもない、忘れてくれorz
>>131 ちょっと待て。それじゃひよりんが搾り取られる(性的な意味で)
よしここは2だな
133 :
18-306:2008/04/29(火) 20:57:48 ID:URiSwF91
どうも、こんばんは、お久しぶりです18−306です。
こなかがSS一本投下したいと思います。
・7レス程使用致します
・エロありです
なんで――、なんでこうなってしまったんだろう?
もうこうなってしまった以上はこんなことを考えても無駄だとは
分かってはいたけれど、それでも自分自身に問わずにはいられなかった。
『後になって悔やむ』。昔の人たちはよく言ったものだ。後悔したときには
物事はたいていの場合、取り返しのつかないところまで動いてしまっている。
切欠はいつものような、言い争いにも満たない些細なやり取り。それがいつもとは
違う結果になってしまったのは運命というやつだろうか。それでも少し前までの自分ならば
ごく普通にやり過ごせたはずなのだ。こんなにも動揺しているのは………そう、
恋という厄介な気持ちが原因だった。
◆
話は30分ほど前に遡る。私――柊かがみはこなたの部屋にいた。時刻は午後11時。
遊ぶだけであれば疾うに帰宅している時間。それがこんな時間までこなたの部屋に
居るのは、所謂お泊まり会というやつだった。つかさは、春特有の
急激な温度変化のせいか風邪気味で、移すといけないからと留守番をしている。
何をするわけでもなく、本棚にあった漫画本を手に取り床に仰向けになりながら眺めていると、、
こなたが青くて長い髪にタオルをかぶせ、わしゃわしゃとやや乱暴に拭きながら
部屋に入ってきた。
「ふぃー、いい湯だったー」
そのままベッドに倒れこもうとするのはここ一年ほどこなたに付き合ってきた経験で
分かりきっていたことだったから、その前に釘を刺してやる。
「こなた!ちゃんと髪は乾かしなさいよ?暖かくなってきたって言ったって
まだ夜は冷えるんだから」
「えぇーめんどくさいよ」
私がこう言うと、こう返すのも分かっている。いつも通りのやり取り。
そうして次の私の台詞も決まっている。お約束みたいなものだ。だけれど
このお約束をしないと、こなたは髪を乾かそうとしないからしょうがない。
「ほら、じゃあ手伝ってあげるから。ドライヤー持ってきなさい」
「やた!かがみん大好き」
途端に不満そうな顔を引っ込め笑顔でドライヤーを持ってくる姿に苦笑してしまう。
私にはよく分からないのだけれど、どうやらこなたは私に髪を乾かしてもらうのが
好きみたいなのだ。私もこなたのさらさらの髪に触れるのは気持ちがよくて
嫌いじゃないから、持ちつ持たれつと言った所だろうか。
いそいそと私の前に足を伸ばして座るのを見てからドライヤーのスイッチを
つけた。ゴォォ、という音とともに温風が出始める。
さっきこなたが自分でやっていたよりは優しく、頭皮をマッサージするように
指を動かしながら風を当てていくとこなたが気持ちよさそうに目を
細めるのがちらりと見えた。もし猫だったらごろごろ喉を鳴らしてるかもしれない。
「やっぱりかがみにやって貰うのが一番気持ちいいー。さすが私のヨメ」
「誰があんたの嫁だ。誰が。っていうかまだ終わってないんだから
頭こっちにくっつけるな」
長い髪のほとんどが乾いたところでこなたが後頭部を私のほうに倒してきた。身長差のせいで
ちょうど胸の辺りにくっつくことになってしまう。
こうやって安心しきった顔を見せられるのは嬉しい反面少し辛くもあった。こなたは
純粋に親友として好意を寄せてきてくれる。だけど私は、その気持ち以上に
こなたを恋愛対象として好きだった。
いつからか、なんて分からない。気づいたら目でいつも追っていて、気づいたら
恋焦がれていた。けれど、私はこれ以上の関係は望んでいないかった。
こなたが私の気持ちを全て受け入れてくれる保障なんてどこにもないのだし
そういった関係にならなくても、今のところ私がこなたの一番近くに居ると言う
妙な自負心があった。
「分かりきっていることではないか、かがみんや。
好きあう者同士が一緒に居ればいずれ結婚するでしょ?
そうなれば片方が嫁で片方が夫になるじゃんか」
何当たり前の言っているの?とでも言うようにこなたが
自信たっぷりの口調で力説する。
「私とあんたは結婚してないし、そもそもそれはどっちかが
男でどっちかが女っていう前提あっての話だろうが!」
「愛に性別は関係ないのだよかがみん。
ささ、愛を育むためにひとつの布団で一緒に寝よー」
「誰が一緒にに寝るか!!いいからいい加減離れろ!!」
「かがみが一緒に寝るって言うまで離さんぞー!」
いまやこなたは私側を向いてがっしり腕を私の背に回している。格闘技経験者というだけあってか
ちょっとやそっとじゃ離れそうにもない。そしてこなたがもう一押しと踏んだのかとどめの一撃を放ってくる。
「愛とかは一旦置いといて。かがみも言ったみたいに、今日は冷えるしさ。
二人で寝ればきっと暖かいよ。……それともかがみ…私と寝るのそんなに嫌……?」
「ぐ………!」
下を向くとこなたが涙目で私を見上げていた。この表情は演技とはいえ、私はこの顔に勝てたことが一度もなかった。
惚れた弱みというやつか、心臓がどきんと音を立てて高鳴った。急激に熱くなる顔を
悟られたくなくて、出来る限り顔を逸らしながら答える。
「わ、分かったから!寝ればいいんでしょう!?一緒に!!」
よし!とガッツポーズをするこなたをちらりと横目で見て私は大きく、大きく溜息をついたのだった。
◆
そうして、今の状況になっているというわけだ。私が壁側でこなたは私の隣に私と背中合わせになって
寝ている。元々寝つきの良いこなたは、ベッドに入って5分もしないうちに規則正しい寝息を立てていた。
――人の気も知らないで。いくら平静を保っているとはいえ、想い人が数センチ隣に寝ていたら
誰だって眠ることなんか出来ないと思う。それがまた、こなたのことがどれだけ好きかを実感させて
今夜何度目になるか分からない溜息を私につかせる。
「ぅん……」
「ひゃっ…!?」
突然小さくこなたが声を上げたのと同時に、衣擦れの音がした。やばい、と思ったときには
もう遅かった。私よりも幾分か熱い体温がさっきよりもより広い範囲で、そして明確に背中で
感じられるようになった。
こなたが寝返りを打ったらしい。そういえば、こいつは寝つきは良いくせに寝相はすこぶる悪かった。
寝返りのせいで私とこなたとの距離はほとんどないに等しくなっている。まるで後ろから抱きしめられている
ような格好になっているのに気づいて、治まりかけていた心臓の鼓動がまた早くなり始める。
どうしたらいいんだろう?まさかこなたを起こしてどかすわけにはいかないし、私のほうは
もう前にも後ろにも動けない。薄い布越しに伝わる体温に沸騰寸前の私の頭に
冷水を浴びせたのは、意外なものだった。
「………ねぇ、かがみ?起きてるでしょ?」
「っ!!?」
一瞬、寝言かと思った。こんなにはっきりとはしていなくても、明け方こなたが
何事かをむにゃむにゃ呟いているのは何度か聞いたことがあるからだ。だけれど、
こなたが起きているのは本当だった。
どう反応していいものか。私が何も言えないでいると、こなたが小さく息を吐いた。
「…狸寝入りは良くないヨ?かがみん。そんな子にはお仕置き…かな?」
言うと同時に、明確な意思を持った手が私のパジャマ代わりのトレーナーの
裾から進入してきた。トレーナー一枚の私に、こなたの手はあっさりと私の素肌に触れる。
わき腹をかすめ、そうしてもう少しで胸に到達しそうになる。
「ちょ!待った!ストップ!!起きたから!起きてるからぁっ!!」
「くふ、止めてなんかあげないよ、かがみ?
もうタイムリミットは過ぎてるんだから」
止まっていた手がまた、押さえ込む間もなくするする動き出してとうとう胸に辿り着いた。
「ぅひゃっ!?だ、駄目だってこなた…!ほんとに…っ」
やわやわ緩く触れていた指先が偶然か、それともわざとか、乳首に当たってはしたない声を上げてしまった。
「…ぉ?とかいいつつ、もうこんなにコリコリさせてるじゃん。
実は期待してたとか?」
「そんなわけ、ない、でしょ…っ。も、やめ………ふぁっ!?」
これ以上はやばい、と必死で手を外させようと試みるものの、その度に一際強く
乳首を捻られるせいで力が入らない。結局私に出来ることといえば、目を瞑り唇を噛み締め
ぎゅうっとシーツを握ってひたすら耐えることだけだった。五感のひとつである視界を
遮っているせいか、こなたの指の動きがやけにリアルに感じられる。
引っ掻くみたいにされたかと思えば、すっかり膨らんでしまっているであろう胸の先端に爪をたてられて。
違う刺激が襲うたびに、背中をぴりぴりした電撃が駆け抜け、快感となって少しずつ
積み重なっていく。
「く…ふ……んんっ…な、なんで…こんなこと…」
「ここまでされてまだ分かんないの?」
ま、それでもいいけど、と言いながらこなたの手が汗ばんだ肌を下に下りて来る。、ぼんやりした
頭でどうするつもりだろうと考えていると、指先がスウェットのゴムの所に潜り込んで――。
「こな…っ!そっちは……!!」
反射的に太ももを締めて声を上げたけれど、その抵抗も虚しく、下着の中に指をねじ込まれ
さらに片方の乳首を摘まれて足の力が抜けてしまう。互いの呼吸音と
私の喘ぐ声しか聞こえない真っ暗な部屋にくちゅ、とかすかな水音が響いた。
と同時に、後ろでこなたが嬉しそうに小さく笑う気配がした。
「あーぁ、もうこんなにぐちゃぐちゃに濡らしちゃって……。気持ち、良かったんだ?」
当たり前だ、とは言えなかった。好きな相手にこんな風にされて感じないわけないじゃないか。
こんなにもされるがままになっているのはやはり私がこなたを好きだからで、
その想いは、何で私にこんなことをしてくるんだろう?という感情すら掻き消していく。
それでも。完全にその思いが掻き消えてしまう前に、流されてしまう前に、どうしても
聞いておきたいことがあった。
「こな、た……はっ、私のこと…ふぁ…っ!どう、おもってるの…?」
時折喘ぎ混じりの問いだったけれど、意味は繋がっている筈だ。突然くぷん、と音を立てて
入り口の辺りを弄っていた指が引き抜かれ、同時に左肩を押されて
仰向けの体制を取らされる。私に馬乗りになったこなたが、さっきまで私の中で動かしていた
中指に絡みついた液体を見せ付けるようにして舐めて取っていく。
目が慣れてきたせいか、暗闇に紅い舌がちろちろとひらめく姿までが鮮明に見えた。
「な、ぁ………っ!?」
「…好きじゃなかったらこんなことしないでしょ」
言って、左手が髪の中に差し入れられる。突然の告白に混乱する私をよそに
頭を引き寄せられ荒っぽく唇を奪われた。間を置かず熱い舌が進入してきて、私のを
絡め取る。
「ん、むぅ……んんっ……ふ…」
自分では触れることの出来ない舌の裏側から、上顎、歯列、歯茎とを順番になぞってまた舌を玩ぶ。
初めてのキスだからか、それとも私にその手の才能がないのか、息継ぎのタイミングも
儘ならず、ぴったり合わさった唇の端から次々唾液が零れて。もちろん、上から
覆い被さるようにしてくちづけられているせいで、私の口腔内には重力に従ってそれ以上の唾液が流れ込んでくる。
激しく舌同士が絡み合っているから私のもあるんだろうけれど。そんな細かいことを気にする余裕もなく
溜まった唾液を飲み込むと、こなたが漸く唇を離して喉の奥で笑った。
「………分かった?」
心臓がこれ以上と無いというぐらい音を立てて血液を送り出している。頭は白く霞が掛かったように
霞んでいて上手く思考が纏まらない。こなたはいつものような猫口で笑っていて
かがみは?と聞いてくる。
「…わかってる、くせに」
「分かってても聞いときたいもんだよ?…言わなきゃ続き、してあげないから」
「そんなの……っ」
「いいの?こんなにとろとろにしといて我慢出来る?」
「っひぁ………っ!!」
言いながら、暫く触れられなかった秘所をつつ…と指がなぞって思わず背中が仰け反った。
もう少し大きい刺激がくれば直ぐにでも達してしまいそうなほどに体は敏感になっているけれど、
触れるか触れないかのところで動かしてくるせいでそこまではたどり着けない。
熱い息だけが唇から零れ、トレーナーに擦れる乳首もじんじんと疼いて。――もう、限界だと思った。
「す、き……こなたぁっ、好き、好きっ…!だから早く…おねが…!」
「了解」
にやりと、こなたが小悪魔みたいな笑みを浮かべてふっと私の視界から消えた。下着と一緒に
スウェットの下が下ろされてこなたの舌が触れる。
「っぅ…あ……はぁ、ああっ…!!」
「ぅわ…すっかりお豆も膨らんじゃって…辛かったでしょ」
こなたが、舌で器用に包皮を剥いて直接そこを刺激してくる。音を立てて吸われたり甘噛みをされる度に唇から
抑えきれない喘ぎ声が漏れ、ぴくん、ぴくんと背中が震えて絶頂が近いことが私にもわかった。
無意識に引ける腰をがっちりとこなたが押さえて、羞恥を感じる間も与えられず急激に高みに
追いやられて、――覚悟なんて、できていなかった。
「っあ、あぁあああぁあ………っ!!」
白く頭がスパークした。固く閉じた瞳の裏にはちかちか光が散って、涙が頬を流れる。
びくびく背中が痙攣して、ただただ悲鳴のような声を上げることしか出来ず
秘所に顔を埋めているこなたの髪をぎゅうっと押さえた。
◆
一度達してから5分ほどが経っただろうか。漸く心臓の鼓動と呼吸が落ち着いてくる。
横で寝転んで私の髪を梳いていたこなたが唇に軽いキスを落として小さく笑った。いつもと
変わらない笑顔に、こんなにも心が乱されるのは想いが通じ合ったからだろうか。
「落ち着いた?」
「ん……」
「そかそか。…じゃ、第2ラウンドいってみようか」
「ん……って、はぁっ!?」
「かがみんばっか満足するのはずるいでしょ。ギブアンドテイクだヨ、かがみん」
慌てて逃げ場を探すけれど左手にはこなた、右手には壁しかない。…最も、逃げ場があったところで
けだるさの残るこの体では無駄だったのかも知れないけれど。
「さ、さっきのはあんたが勝手に…!」
「あんなに気持ちよさそうに喘いどいてそれはないんじゃない?
…それに、あんなに可愛いかがみみてたら…私も…ほら」
私の手をこなたが取って、いつの間にかパジャマを脱いでいた足の間に持っていく。下着越しに
触れるそこは既に熱く湿っていて、私がそうさせたんだと思うと、どくんと心臓が跳ねた。
「ね…?いい、でしょ?」
反射的に、頷いていた。それを見たこなたがまた嬉しそうに笑う。今日何度目になるか
分からないキスを交わしてお互いに着ている物を脱がせあった。一糸纏わぬ火照った体で
抱き締めあうとこなたのいつもより幾分か早い心音が感じられる。
「こんどはこっちもちゃんと弄ってあげるネ」
「っぁうっ!」
こなたが、さっきから自己主張したままの私の乳首に吸い付いてきた。もう片方も指でぎゅうっと
摘まれ、ほんの少しの痛みとそれより何倍も大きい快感を感じてしまう。2回目なんだから
私からもしなくちゃと、妙な使命感を持って私もこなたの発育途上の薄い胸をまさぐると、初めて
こなたが喉の奥で小さく喘いだ。それがなんだか嬉しくてこなたの手の動きを真似、夢中になって
手を動かしていると、こなたが唇を胸の先端から離した。
「く…ふ、ん…中々積極的だネ、かがみん。じゃあ、次行ってみようか」
言って、顔を上げるとまた口付けてくる。同時に舌をねじ込まれ、こなたの方に私の舌を引き込まれる。
いきなりのキスのせいで目を閉じる間もなかった。近すぎて幾分かぼやけたこなたの顔が
目に映る。全てを貪り尽くすような激しい舌の動きとは裏腹に、
穏やかに瞳を閉じた顔を素直に可愛いと思ってしまう。
ちゅうう、と舌を吸われると背中が震え、ぬるりと足の間から何かが零れる感触がした。
それを身計らかったかのように細い指を1本そこに挿れられる。
「ん、んんっ!?」
少しだけ唇を離したこなたが悪戯っぽく笑った。
「かがみもして?私とおんなじようにやればいいから」
自分の呼吸の音がやけにうるさい。いくら息を吸っても満たされず、頭は熱が出たときみたいに
ぼやけていて視界が滲む。恐る恐る手を持っていくと驚くほどの熱さをもって私を迎え入れる。
「そ。上手いよ…かがみ。私も本気で…いくよ」
指をもう一本増やされバラバラに掻き回される。指先がある一点を掠めた時今までになく大きな
衝撃が背中を駆け抜けた。つま先が丸まってぶわっと肌が総毛立つ。
「ふぁあぁあああぁぁぁっ!!!?」
「ん?ここ?」
言いながらそこだけを集中的にぐりぐり指の腹で擦られて勝手に体が跳ねる。にやにや笑いながら
見下ろしてくるこなたの顔はいまだ余裕でなんだか悔しい。
「ほらほらかがみん、手がお留守だヨ?」
「っくぅ…ふ、う…」
下唇を噛んで下からの刺激をやり過ごすと、予告せずこなたに挿れた指をもう一本増やした。
やり方なんて分からないからとにかくこなたの弱いところを探るよう
めちゃくちゃに動かしていると、一瞬こなたがぴくりと震えた。
――そうか、ここか。心の中で一つガッツポーズをしてそこばかりを狙って刺激していく。
「は、ぁ………っ、いい、よ。きもち、い…」
「こな、たぁ……私、もぉ……っ!!イっちゃ…」
「ん……私も、もうちょっとだから…いっしょに…」
その言葉は本当みたいで、私が指を動かすと規則的に中が蠕動して、その間隔は次第に
短くなっているようだった。…最も、私はそれ以上に追い上げられているわけだけれど。
きつく眉根を寄せる、見た事が無いほどに必死な姿のこなたが色っぽくて…愛おしくて。
空いていた手をこなたの後頭部に回し初めて自分から唇を寄せる。もっと恥ずかしいことを
されてもいるし、してもいるのだけれど、羞恥に顔が熱くなるのが分かった。予想していなかったのか
こなたの大きな瞳がさらに丸く見開かれて――そして、破顔した。今度はこなたの方から
キスをしてきて、下で蠢いていた指も今まで以上に激しく動かされる。私もそれを追いかける。
ぐちゃ、とかくちゅ、とか水音がひっきりなしに響く。目で意思疎通をしてとどめと言わんばかりに
ぷっくり限界まで膨らんだ陰核を親指でお互いに潰しあった瞬間。
「っあぁ―ーーーーーーっ!!!」
「ーーーーーっ、う…っ!!」
さっき一度こなたにイかされた時よりも大きな絶頂を二人で迎える。ほかの事なんて何も
考えられないほどの快感の奔流が体中を走って、体ごとその感覚に飲み込まれてしまう。
二度、三度と波は襲って来て、もはや声にならない喘ぎが喉の奥から
せり上がって来る。
「っぁ、あ……くぁ、は…」
「はぁーーーーっ…」
こなたがぽふっと私の胸に倒れこんできた。ひどく体がだるくて、全身に力が入らない。
それでも、ゆっくりとこなたの背中に手を回して抱きしめるとこなたが耳元で小さく、
でもしっかりとした声音で呟いた。
「――――――」
その言葉に答える前に、私の意識は完全にブラックアウトした――。
◆
閉じた瞼を通して明るい光が入って来るのに気づいて、薄目を開ける。何時なんだろうと思って
ベッドの横に置いてあるはずの目覚まし時計を取ろうとして…その手は空を切った。
この辺に置いたはずなのに、と顔をあげて…思い出した。ここがこなたの部屋だということ、
そして、昨日のこと。よくよく辺りを見てみると、左腕にはこなたがコアラよろしく抱きついている。
「あぁーーー……」
「後悔、してる?」
「…起きてたの?」
「…ま、ね」
こなたが腕の力を僅かに強めて話しかけてきた。昨晩の傍若無人っぷりが嘘のように
しおらしい様子に笑みが零れる。
「後悔なんて、してないわよ。私も、あんたと…一緒だから」
「?一緒って?」
「…っ…!!昨日、言ったでしょ!最後に!!」
まさか覚えてないわけじゃないだろうな、と赤くなる顔を自覚しながら軽く睨むと
漸く思い出したのか、おぉ!と声を上げる。
「ちゃんと言って欲しいなぁー」
「い、言えるか!…あ、あんなこと…っ」
「言わないとまた『お仕置き』しちゃうよ?」
「わーーーっ!!分かった、分かったから手を動かすな!!」
もぞり、と掛け布団の下で不穏に動く手を押さえてあらん限りの声で叫ぶ。何度か深呼吸を
繰り返して息を整える。ぎゅっと目を瞑りこなたの顔を見ないようにしてから口を開いた。
「わ…私も、あ……」
「こなた、学校に遅れ――…」
ガチャ、と音を立てていきなりおじさんが入ってきた。…そして口を『れ』の形に開けたまま
固まってしまう。
「ぅわ!?ちょ、お父さん!いきなり入ってこないでよ!!」
「っきゃーーーーーーっ!!!?」
あのまま二人して寝てしまったから服なんて身に着けていない。慌てて布団に潜り込んで
出来る限り小さく丸くなる。隙間からこなたとおじさんの言い争いが聞こえてきて
思わず笑ってしまった。そして、聞こえないように声に出さずにさっきの台詞の続きを呟く。
「…私も、愛してるよ。こなた」
「うむ…しかしこれはこれで案外イケるな…!!」
「うわ、理解してくれるのは嬉しいけど何なんだろうこの複雑な気持ち…!
かがみー!駄目な父親が居るよー!もう手遅れだよー!!」
「どっちもどっちだろうが!!」
そしてまた、騒がしい一日が始まる。
141 :
18-306:2008/04/29(火) 21:08:53 ID:URiSwF91
以上です。読んでくださった皆様ありがとうございます!!
ただただえろいのが書きたかった…!
>>141 リアルタイムですごいのが!!
自分はえちぃ文章が苦手で、最近もなんか書こうとしたものの10分もしないうちに
挫折して……ってそんなことはどうでもいいっ、
かがみの蜜を舐め(以下略)とか、とろとろの(以下略)とか、
何から何までたまらなかった!!ちょっとティッシュ用意してくる(待て)
>>141 ひさしぶりのこな×かが!しかもエロ!しかもこな攻め!
なにもかも俺にマッチしたすばらしき作品ktkr!!
エロだけじゃなく、導入前のかがみ悶々描写もすばらしいし!
こなた「たまにはかがみにもにゃあああああと言わせたかったのさ(=ω=.)b」
>>130 こ、ここは禁断の教師×生徒ルートを希望する・・・ !! (ゴクリ)
>>141 なんという直球エロス・・・GJ !
かがみがやられっぱなしじゃなくて、こなたをちゃんと攻め返してあげてるのがいい
ぷっ、某所の誤爆拝見しました
こなつー万事休す 以来というかアレを凌ぐ誤爆
||
∧||∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ
∩∪∩
(・∀・| | ウヒョー
| |
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∩∪∩∪∩
(・∀・(・∀・| | ウヒョー
| | |
⊂⊂_⊂⊂____ノ
彡
> 145
貴方の才能は毎回凄いと思うんだが、SSの挿絵とか、
SS投下の際の挿絵的フィギュアならともかく
自作の度にここに投下とかはスレ違い的な意味で
あんまり感心しない…
フルスクラッチ系とか改造系とか、それなりに
適した板があると思うんだが如何か?
>>141 うおおおお!!あんた最高やあああああああ!!
大好物のこなかがでエロなんて最高だあああああああ!!
>>148 だけども、俺のようにここしか見ない人は
こういうところに見せていただくととても助かるわけで…
妄想屋氏の小説の世界観のイメージ画の1つとしてとらえてる、
俺のようなのもいるのでござす。
>>145 というわけで妄想屋氏、引き続き乗せてはもらえないであろうか?
いまここで出してるフィギュアも、氏の小説ネタのものであれば
きっとそれほど違反事じゃないと、俺は思いますですぞ。
でも……引き続きえす☆えふも期待してますぞ(・∀・)ニヨニヨ
>120
特に断る理由もありませんので、事前に言って頂ければ良かったとは思いますが、
投下された文章について、不快になるということはなかったです。
正直、過剰反応のような気がします。
投下したいのですが、よろしいでしょうか?
>>152 ユーハブコントロール
やっちゃってください!
なかなかの草・・・
さぞや名のある方とお見受けしました
どうぞどうぞー
155 :
42-115:2008/04/30(水) 00:10:00 ID:BMWFKfFn
では。
「フラグシップにフラグを立てるという行為」(前)
・8レスくらい
・かがみフェチども
・エロなし セクハラたくさん
・元ネタがややマニアック?
・かがみ×ぎょぴちゃん!?
・導入部はしゃべくり。その後もなるべくしゃべくり。
「ね〜ぇ、かがみん(はむはむ)。面白いゲームがあるんだけどぉ(もみもみ)」
「誘うのは分かるが、そういう時はせめて耳元で囁くというレベルに留めてくれないか?」
「ど〜してぇ(はむはむ もみもみ)」
「ここは学校、ここは教室。休み時間とはいえ、人をゲームに誘うに際して、耳を甘噛みしたり、胸をまさぐるというのいかがなものかと思うんだが」
「だっておいしそうなんだもん。現においしいし」
「私はいつから食品になったか教えてくれ」
「いいじゃないか、減るもんじゃないし」
「あんたにやられるとなんか減りそうなんだよ」
「ん〜、つまり減るのが嫌だという事は、私に吸収されるのが嫌。つまりぺったんこのままの私が好き。そう解釈していいのカナ、カナ?」
「ちょ、顔近いから。息をかけるな、気色悪い事言うな、揉むな、噛むな」
「ぺろ〜ん」
「舐めるのもダメ!」
「何もかも禁止されちゃうと、最後の手段を取らざるを得なくなるんだけどなぁ」
「わーたわーた。どつき合う……いやいや、付き合ってやるから」
「交際してくれる?」
「そうは言ってねー! 一緒にゲームしてやるから、服の中に手を突っ込みながら中を覗くのはやめてくれ」
「今日は黄色……」
「黄色ですね!」
「うおっ、みゆき!?」
「呼ばれて飛び出てじゃんじゃかじゃん、です」
「呼んでないし、曲が違うというのはこの際構わないが、それより教えてくれ。何で私の脚の間から顔を出してるの?」
「いけませんか?」
「眼鏡っ子を眼鏡ごと産んだ様な錯覚を味わうには、私はまだ若すぎるんだけど」
「私似のお子さんが欲しいということですね。わかります」
「私は分からない」
「おぎゃーと言った方がよかったですか?」
「言わなくて正解」
「正解ということは、愛の試練を乗り越えたと解釈してよろしいのですね? じゃあ結婚しましょう。印鑑はお持ちですか?」
「乗り越えてねーし、結婚しねーし、持ってねーよ。どういう論法だ」
「じゃあ今から作りに行きましょうか。印鑑とか子供とか。その後は役所までひとっ飛びです」
「ひとっ飛びって、何に乗っていく気だ?」
「私に、じゃダメでしょうか? 私としましては、出来ればかがみさんに乗りたいんですが」
「それ何の話?」
「結婚生活・夜の部における上下関係の話です」
「そんな話、始めた覚えないんだけど。それより最初の質問に答えてくれない?」
「何故私がかくも深くかがみさんを愛してやまないか、ですね?」
「何故私の脚の間から顔を出してこんな不埒な会話をしてるか、だよ」
「かがみさんの今日の下着を確認するためです。ちなみに黄色でした」
「何で?」
「こうしないと中が見えないからです。ちなみに黄色でした」
「何で?」
「透視能力はないもので。ちなみに黄色でした」
「何で?」
「スカートを脱がした方がよろしかったでしょうか? ちなみに黄色でした」
「そうじゃなくて、何で私の下着を確認する必要があるんだ?」
「知識欲と性欲を満たすためですが」
「知識欲は勉学に、性欲はせめて男に向けるようにして欲しい」
「じゃあ男になってください」
「なんですと!?」
「病院は紹介いたします。費用も負担いたします、一生。ついでに執刀も私が」
「医師免許持ってないだろ。ていうか一生ってどういう意味だ。それに、性別を変える気はない!」
「じゃあ私に男になれと言うんですね?」
「いや、それだといよいよ洒落にならないから、女のままでいい」
「わかりました。女としての全存在を賭け、かがみさんを愛します。さあ、指輪の交換を」
「何で準備してんだよ」
「用意が良いと褒められました」
「褒めてない!」
「けなされました……」
「けなしてもいない」
「これも愛なのですね。わかります」
「みゆきのMは別の意味のMだったのか」
「かがみさんの私という人間への理解が深まり、今この上ない喜びを感じています」
「ああいえばこう言うし……」
「ああいえば交友……こういう交友もあるのだよ、かがみん」
「だから揉むな、噛むな、まとわりついて腰を振るな!」
「お姉ちゃんたち、話はまとまった?」
「まとまってないわよ。絶好調決裂中。ていうか、そもそも交渉を始めた覚えさえないわ」
「要するに、こなちゃんのいうゲームの勝者が、お姉ちゃんを手に入れることが出来るんでしょ」
「どう要約すればそうなるんだ??」
「既定路線ですね」
「ガチだよ、ガチ」
「みゆき、そろそろどいて欲しいんだけど。いや、だからって私の脚を肩に乗せたまま立ち上がらないでほしい」
「おお、絶景」
「いい眺めです」
「黄色だぁ……昨日から知ってたけど」
「見るなぁ〜!」
……喋るわよ? 散々喋ってきたような気もするけど……。
どうもこんばんは、またはこんにちは。
皆様おなじみ、ゲームの景品に成り下がってしまった柊かがみです。
えーとまあ、見て来たとおりね。
私が柊かがみであるという事以上の何かを示せというなら、同級生や双子の妹にセクハラ……もとい深く愛されながら、楽しい学園生活を送っているといったところかしら。
どうしてこのような事になってしまったかといえば、聞くも涙、語るも涙。人によっては笑い話とも取れるだろうけど、張本人の私の口からはとても言えるようなことじゃないわ。
だいたいお察しの通りかとは思うけど、ツンデレと需要がどーたらこうたらって話になるらしいのね、これが。
……どーしても気になるなら、加害側張本人にでも聞きなさいよ。別に聞いて欲しいわけでも、誰かに救いの手を差し伸べて欲しいわけでもないんだからね。
な、泣いてなんかないわよ! ……泣きたくはなるけど。
あ……ごめん。「聞くも涙、語るも涙」って言ったの私だわ。
まあとにかく、放課と同時に実行した逃亡計画も失敗に帰し、あの三人の襲撃を受けた私は、日下部と峰岸の奪回作戦も空しく拉致されて、こなたの家へと連行されたという次第……。
タイトル画面には、どこかで聞いたことのあるよな、ショスタコーヴィチの交響曲第七番第一楽章が威勢よくチーチーンブイブイと鳴っているけど……。
「『The Day of CancerV bis』……『蟹座の日V改』?」
「そういう意味なんだ」
「さすがお姉ちゃん」
そう言って抱きつこうとするこなたとつかさを、私は間一髪で回避すると、二人は抱き合うように衝突した。ニューヨーク沖でも似たような光景があったわね。
「おっと人違い」
「ごめんね、こなちゃん」
おいおいお二人さん。今抱き合ってただろ。フラグはどうした? 立ったんじゃないのか? 何であっさり離れる?
「知り合いの学校のコンピューター研究会が開発した、オリジナルなんだけど」
「蟹座というとかがみさんの星座ですね」
「そうだけど、何で抱き寄せる必要があるのかしら? それにつかさもそうなんだけど」
「まあ、そうでしたか」
「今あんたの頭の中で、それがどうでもいいこととして処理される音が聞こえたような気がするんだけど」
「さすがかがみさん。私の事は何でもお見通しですね。愛を感じます」
「つかさへの愛も感じさせて欲しい」
「ところで、蟹座と蠍座は同じ水象宮に属して、相性が大変良いそうですよ」
「つかさとの相性がばっちりってことね。よかったじゃない」
「それに、B型の女性には、O型のパートナーが望ましいとよく言われます」
「つかさとの相性がばっちりってことね。よかったじゃない」
「ではひとっ飛びという事で」
「どこへだ!? それに私は第二デークだから、獅子座が少し混じってるの。獅子座と蠍座って相性悪いんでしょ。よかったわ」
「人間、多少欠点があった方が可愛いものです」
「完璧超人のあんたが言うと、説得力抜群ね」
「かがみさんに褒められました」
「力一杯けなしたんだけど……」
「それより、かがみさんはショスターコーヴィチは何番がお好きなんですか?」
「全部聞いたわけじゃないけど、短めの6番とか12番とか」
「奇遇ですね。私もなんです」
「いや、あんた今決めただろ?」
「そんなことありません。一万年と二千年前から―」
「一万年と二千年前に、ショスタコーヴィチいないし」
「いえ、かがみさんを愛していると言おうとしたのですが」
「ああ、そうだと思った。あんた、縄文人並みに話が通じないもんね」
「恐れ入ります」
「だから褒めてないってば……。そんなことより、取説読ませてよ。なになに、この度は『The Day of CancerV』を手に取っていただき……おい、肩の二人!」
「なんでしょう?」
「なあに?」
「取説は他にも三冊あるでしょうが。何で私の肩の上にあごを乗っけて、同じのを一緒に読む必要があるの?」
「かがみさんに頬ずりをしたいからですが」
「お姉ちゃんのほっぺとおしくらまんじゅう〜」
「離れろ」
「死ねと言うのですね?」
「言ってねー」
「二人ともやめなよ。かがみが迷惑してるよ」
「膝の上に座ったお前が言うな!」
「どして?」
「重いんだよ。それにアホ毛が中途半端に邪魔で、取説が中途半端に読みにくい」
「あ、分かった。そんなこと言いながら、本当は私のお尻が触れることで濡れちゃうんでしょ?」
「だ、誰が濡れるかぁ〜!」
「今フラグ挿さった?」
「挿さったって何だよ!? 立つ物じゃないのか?」
「泉さんでダメなら、私が代わりにかがみさんの膝に座りましょう」
「私の膝を潰す気か!? 目の前まっピンクで何も見えなくなるわ!」
「今、『まっピンク』という新しい言葉に愛を込めましたね?」
「込めるかぁ!」
「コメリカ・パーク(デトロイト・タイガース本拠地)に一緒に行きたい、と?」
「MLBネタはもういいから……。それに、込めたとすれば愛と真逆のモノだし」
「かがみさんから頂けるものであれば、何であれ感激です」
この女、やっぱりMか? 私にはそういう発想できん……。
あー、叫んだ叫んだ。くたくたになりながら三人をそれぞれのパソコンの前に座らせると、改めて取
説を読み始めた。この四台のパソコン、そうじろうおじさんのノート型やら、モスボール保管(この用
語の使い方として正しいの?)していた旧型機やらを引っ張り出して揃えた物で、私にはそうじろうお
じさんの物が割り当てられた。
「Dドライブは覗かないであげてね」
「喜んで。無理矢理見せられるかと思ってたくらいだから」
「「むぅ、そういうプレイもありか……」」
プレイって?? それに今誰の声とユニゾンしたのかな? 廊下の方で男性の声が聞こえたけど??
まあいいや。取説取説。
ゲーム自体は……なんというか、涼宮某の「射手座の日」と、銀河某伝説を知っている人にはごく分
かりやすいもので、プレイヤーは各々定数15000隻の宇宙艦隊を編成し、それを指揮して敵を殲滅セヨ、
とのこと。
艦種は戦艦、高速戦艦、重巡航艦(火力重視)、軽巡航艦(機動力重視)、駆逐艦、宇宙空母から用
途に合わせてバランスよく選びなさい、だって。ただ、フラグシップは戦艦か高速戦艦でなければなら
ない。首都で査問にかけられたから、巡航艦で戻ってきたというのはナシということね。
艦隊は固体ではなく気体のようなもので、分艦隊として分けることも出来れば、敵の攻撃で分断され
ることもあるという、のっぴきならない存在。分断された場合、フラグシップがない方の集団は、ある
方の集団と再合流するか、分艦隊として設定しない限り行動不能になる。
このフラグシップ……つまり旗艦は、このゲームでは特に重要な存在で、各陣営の最高指揮官である
「総司令官」が座乗する「総旗艦」が撃沈されると即敗北。また各々の艦隊も、司令官が座乗する旗艦
が撃沈されると、全滅とみなされてしまう。通常、旗艦の位置は秘匿されているけど、偵察によってと
か、戦闘中に接近することで位置が特定される場合もあるので、それに攻撃を集中するもよし、旗艦を
囮に使うもよし。
なお某鉄壁の様に、命運尽きた旗艦を捨て、他の艦に司令部を移して戦い続けるということは出来ない。
「フラグの重要性が分かったかね、かがみんや」
「フラグシップの重要性なら分かった」
これが布石というか、伏線だったんだけど、それはひとまず置いといて……。
戦闘はてっきりバトルロワイヤルで行われるのかと思っていたけど、大人の事情とやらで陣営は二つ
にしか分けられないらしい。だから私はつかさと組んで「銀河紫色帝国」、こなたとみゆきは「自由青
桃同盟」という事になった。ネーミングには意見したいところ大なんだけど、面倒なんでやめた。私の
名が使われなかっただけよしとしよう。
便宜上、私たちを帝国軍、こなたたちを同盟軍て呼ぶわよ。いいわね?
それにしても青い桃とは。食欲をそそらない国号(?)もあったものね。
何故この組分けになったかというと……。
「つかさはかがみと同棲してるから―」
「姉妹が一緒に暮らすことを同棲とは言わん!」
「全てを失うかどうかを賭けてもらう。私とみゆきさんの分け前はもう決めてあるから、安心して」
「週3日ずつかがみさんを占有し、残る1日は共有する事になります」
「つまり3Pだね、3P」
「女子高生が冗談でも3Pとか言うな!」
「かがみも言った」
「泉さんは冗談で言ったのではありません!」
「なお悪いわ!」
「ぬを〜!!」
「廊下の人も反応しない!」
「長期休みの間は、共有日を増やすという案も検討中です」
「ちょっと待て。私は週休0日か?」
「大丈夫だよお姉ちゃん。私がそうさせない」
「あんたも同じようなこと考えてるだろ?」
「うん!」
力一杯肯定しやがった!
そんなわけで、仕方なく(うん、もう本当に仕方なく)艦隊編成に取り掛かった。用途に合わせてといっても、二個艦隊しかないから、片方を火力重視、片方を機動力重視とするくらいしか考えが浮かばない。
で、こんな艦隊になった。
かがみ艦隊
戦艦 4500隻(30%) 艦載機9万機(艦数×20)
重巡航艦 6000隻(40%) 艦載機4万8千機(同×8)
駆逐艦 3000隻(20%) 艦載機9千機(同×3)
宇宙空母 1500隻(10%) 艦載機15万機(同×100)
艦載機合計 29万7千機
つかさ艦隊
高速戦艦 4500隻(30%) 艦載機9万機(艦数×20)
軽巡航艦 6000隻(40%) 艦載機3万6千機(同×6)
駆逐艦 2250隻(15%) 艦載機6千750機(同×3)
宇宙空母 2250隻(15%) 艦載機22万5千機(同×100)
艦載機合計 35万7750機
まあなんというか、オーソドックスこの上ないわね……。
「じゃあ最後に命名式だね」
「命名式? 取説に載ってなかったけど」
「実はそこがbisの変更点なんだよね。聞いて驚け。なんと、旗艦に好きな名前がつけられるのだ〜!!」
「まあ……!」
「すごーい!」
「そんなに盛り上がることなのか?」
「分かってないようだね、かがみは。まあ、そこが可愛いんだけど」
「好きな、ですよ」
「好きな……」
三人から私の身に危険を及ぼすオーラが立ち上るが、とりあえず無視する。気にしていたら、若くして胃の病院の世話になりかねない。
それにしても好きな名前、か……。
ブリュンヒルト、バルバロッサ、ヒューベリオン、ユリシーズ、ベイオウルフ、トリスタン……。
旗艦に相応しい名前は思いつくけど、甲乙つけがたいし、それに元ネタがモロにあれというのもなんだかなあ……と感じたので、私は結局、自宅の池の住人の名前を拝借することにした。まあ私が名付けたんだしいいでしょ。元ネタはあるけど……。
「みんな、好きな人の名前はつけたかーい?」
「はい」
「つけたよ〜」
「好きな人??」
明らかになった両軍の陣容は次の通り。
帝国軍
総司令官 柊かがみ
帝国軍第一艦隊 柊かがみ直率
総旗艦 戦艦「ぎょぴちゃん」
帝国軍第二艦隊 司令官 柊つかさ
旗艦 高速戦艦「かがみお姉ちゃん、大好き」
同盟軍
総司令官 泉こなた
同盟軍第一艦隊 泉こなた直率
総旗艦 戦艦「かがみ様激Love」
同盟軍第二艦隊 司令官 高良みゆき
旗艦 高速戦艦「かがみさん、愛してます」
「『好きな人』ね……。はいはい」
「いや〜、みんなかがみに乗りたいという願望が表れてるね〜」
「乗り心地は最高ですね。かがみさんご本人を除けば」
「お姉ちゃんを招待したくなるフネだね〜」
「おや? かがみは表情がすぐれないね」
「主にあんたたち三人のせいよ」
「旗艦の艦名がお気に召しませんか?」
「あんたたちは気に入ってるみたいだけど?」
「『かがみさんに届け、私の想い』の方がよろしかったでしょうか?」
「じゃあ私は、『いのりお姉ちゃんよりもまつりお姉ちゃんよりもかがみおねえちゃんが大好き』にする」
「私のは『きょうちゃん激Love』のがフレンドリーだったカナ、カナ?」
某スペースオペラにも、旗艦に母親の名前をつけた元帥サンがいたけどさ……。
ああ、1500年後のみなさん、ついでに一万年と二千年前のみなさん、見てますか? 見ていたら笑ってください。人類とはかくも進歩のない生き物か、と……。
同盟軍の二提督は開戦に先立ち、ヒソヒソと作戦を討議した。何か手があるのだろう。二人はこの上なく真剣だ。論理的思考ではなく勘……というか、危険を察知する本能でそれが分かった。それでなくてもゲーム慣れしたこなたに、頭の切れるみゆき。用心に越したことはない。
対するこっちはつかさかあ……。多くは期待できないわね。とりあえず各個撃破を避けるために、まとまって行動することにした。
「私から離れないで」って言ったらつかさの奴、目を輝かせてたなあ。ついでに抱きついて片手をセーラー服、もう片方をスカートの中に入れてきて、首にキスまでしてきた。あーあ、「私の艦隊から」って言っとけばよかった。結果は同じだろうけど。
「それじゃ『かがみんを我らの手に作戦』、始まるザマスよ」
「行くでがんす」
「ふんがー! こっちは作戦名決めてないよ!」
「いや、作戦自体ないし」
「『お姉ちゃんは絶対に渡さないんだからね作戦』でいい?」
なんであんたがツンデレっぽいんだ?
「まあ、勇ましい感じがするからそれでいいんじゃない?」
私は疲れた声で答えた。
両軍が動き出す。私の艦隊も嫌々動き出す。
鉛筆削りの中でグルグルとだしが取れそうなほど私の戦意は削がれていたけど、ともあれここに戦いの火蓋は切って落とされた。
つづく
164 :
42-115:2008/04/30(水) 00:19:01 ID:BMWFKfFn
あじゅしたー。
つづきます。
すぐ書き始めます。
ではまた。
>164
激しくGJ!
かがふぇちものかと思っていたら、
らき☆すたの歴史がまた1ページw
後半に激しく期待しています。
162の下3…… ヴィルヘルミナ?
>>164 おおおおお!これはすばらしいかが☆フェチ&蟹の日!!
どのようなスペースフェチオペラが展開されるのか
先が非常に、非常にたのしみであります!!
この先の展開を、かがみ萌えの炎に焼いてあげなさい!!
今投下大丈夫?
空気も何も読めないが――今なら行けると確信した!
「ひぃらぎはいい尻してるよナー」
「そうそう。結構ぽんぽこ子供産んでくれそうな雰囲気あるよねー」
「待てアンタ達。何面白い事言ってんだ」
ある日の放課後、日下部みさおの突然の一言に、泉こなたが乗っかり、それに柊かがみがツッコむ。
珍しくいつもの四人にみさおが混じっているこの混成旅団、話題もやはりいつもと少し違った。
「なー、みゆきちー?」
聞きながらみさおがみゆきの眼鏡を引っぺがす。
するとみゆきの目がとろんとした感じになった。
「そうですね。柊さんは女性らしいラインの中にシャープさを兼ね備えた素敵なスタイルだと思います」
つうっとみゆきの鼻から一筋の赤い雫が零れ落ちる。
そして二人は笑顔でぐっとサムズアップ。
「妹はどーだろ? どれ」
ゴ○のような速度でつかさの背後を取るみさお。
そのままの速度を保ちながら両手で一気に鷲掴む!
「ひゃわぁ!?」
ばっと両手で咄嗟に小ぶりな尻を隠そうとするももはやみさおの指はしっかりと尻肉に食い込み、もにゅもにゅと蠢いている。
みさおはひとしきり尻を堪能すると満足そうに頷いた。
「ふんかふんか……うーん……ちびっ子。お前どー思う?」
「どれどれ……」
もみっ!
「ひゃわぁ!? こ、こなちゃんやめアッ――!」
「む、むむむ……みゆきさん、どう思う?」
「(ぶぱっ!)そうですねぇ……大人の階段登るツカササンハカワイイシンデレラデスヨ」
鼻血という名の真っ赤な長江は時に激流となりみゆきの体から血液を奪っていく。
高良みゆき暴走モード・突入!!
「ちょ、みゆき!? 何やって……」
モザイクin
「ちょ、ゆきちゃ――そこ違っ」
「大丈夫です汚くなんてないです! 揉み揉みします! 開きます! 挿して抜いて挿して抜いて今夜もハッスルハッスルゥ!!」
床はつかさの色々な体液とみゆきの鼻血でぬめぬめと輝く。
みゆきの理性という名の拘束帯が弾け跳び、単なる淫獣と化し――
「待てゐ! あんた達おかしい! っていうか何してんのよ! カラオケボックスで!!」
「……すっげー。レズって結構エグいなー」
「さすがはゆきさん。攻めどころをしっかり抑えてるねぇ」
右ストレートをこなたの後頭部に、左エルボーをみさおの首に叩き込んだ後、みゆきに眼鏡を装着させる。
「――きゃあ!? わ、私ったら何を……! きゅう」
正気に戻ったみゆきはそのままばたりと倒れてしまった。
顔が真っ青なところを見ると貧血だろう。
「……まったく……眼鏡外すと際限なくエロくなるんだから」
倒れている彼女の顔はとても幸せそうだった。
「お――ねえちゃ――」ビクンビクン
タイトル消えてた。涙目
――数分後。
「ごめんね、遅くなっちゃえええええええ!?」
教室の掃除を終え、遅れて合流した峰岸あやのは部屋が凄まじい事になっているのに驚いた。
色んな汁で汚れた床、もうなんだか明らかにレイ○後なつかさ、襲い来る二匹のケダモノを獅子奮迅の働きで凌ぐかがみ。
そしてお誕生席に座り素敵な笑顔で灰になっているみゆき。
(お誕生席とは3個1セットのソファーなどとは隔離された丸いイスの事である!!)
どうすべきなのか――あやのは考えた。が、すぐに考えるのを止めた。
おもむろにバックからふさふさの白い毛が付いた黒っぽいマスクを取り出すとさっとそれを被る。
「もう、駄目……!」
「ウヘヘヘヘェ! かがみん尻もませろやァ!!」「ひぃらぎのケツにむしゃぶりつきてェー!!」
瞬間、猛虎の咆哮。二匹の淫獣はコレまでにない危険を察知し、そちらに向き直る。
淫獣たちは確かに見た。スカートの内側に隠されていた彼女の本当の姿、オトナパンツを――
必 殺 ・ 虎 乙 女 流 星 脚 (スワンダイブ式ミサイルキック)
「もう。女の子がそんなにホイホイお尻を揉んじゃいけません」
ぷんぷん、という擬音が聞こえそうなかわいらしい怒り方。
これが本来の峰岸あやのなんだろう。もうマスクも付けていない。
こなたとみさおは正座をさせられてガクガクブルブルと震えていた。
キックを避けたこなたは体制を立て直す前にぶっこ抜き式の猛虎原爆固めを食らい、あわてて救助しに行ったみさおはヘッドロックからのタイガースピンにて意識を奪われたのだ。
――本当に、殺されると思った。
「で、でもさ? 悪乗りしたのはアタシ達だけど……その、妹だって結構乗り気」
「みさちゃん?」
にっこり笑顔で首を掻っ切るジェスチャー。
本気だ。あやのは本気だ!
さっとみさおは目をそらす。
「そ、そういえば峰岸さんって意外と黒いぱんつなんだねぇ!」
瞬間かがみ、みさおの視線がこなたに集まる。
コイツ、やりやがった!!
言葉には出来ない妙な空気が部屋を包む。
「――あっ!? やだ、もう……恥ずかしい……」
ぽっと照れるあやの。
「でも……ダーリンが見せろって言ったら……恥ずかしいけど見せちゃうの……♪」
そしてのろけるあやの。
とりあえずの危機が去り、部屋に平和が戻る。
この後、新たな事件が起こるとも知らずに――少女達は一時の平和を楽しんだ。
「ところでさー、ケツで思い出したんだけどさー」
ふとみさおは気になっていた事を口にする。
「男ってさー。ケツ大好きだよなー」
……何故いきなりその話題なのだろう。
「どうなのみゆきさん?」
こなたがトマトジュースを輸血されたみゆきに問う。
みゆきはみwikiペディアを開いてその答えを探し――ある情報に辿り着いた。
「生物が四足歩行だったときは、お尻に欲情していたという情報があります。その名残ではないでしょうか?」
真面目に答えているあたり恐らくトマトジュースでは駄目だったのだろう。
お悔やみ申し上げるとしか言いようが無い。
「……そういえば私も電車でお尻触られたよー……」
つかさが悲しそうな顔になる。
かがみはその告白に驚いていた。いつ!? つかさが痴漢被害にあっていたなんて――
「お恥ずかしながら私も痴漢に――ええ、お尻に白いゼリー状のものをかけられて――」
次々と語られる痴漢体験。
痴漢に会った事が無いかがみはそれはそれで軽くショックを受ける。
痴漢とはなんて卑劣な生き物なんだろう。かがみの心には激しい怒りが浮かぶ。
そして……かがみの隣でわなわなと怒りに拳を振るわせる女が一人。
「……許せない……女の子に……そんな事をするなんて」
あやのがすっと立ち上がる。
「皆! このままでいいの!? 痴漢にやりたい放題されるなんて……そんなの駄目よ!」
「で、でも……私、怖くてなにも……」
つかさの言葉ももっともだ。だが、あやのは続ける。
「……大丈夫。私が……私が戦うすべを教えてあげる」
こうして――峰岸あやのによる痴漢撃退講座が始まった。
「――それでね? 皆に痴漢をやっつける方法を教えてあげたの」
「そっか。で……いまあやのは何されてるんだ?」
「あっ――! し、下着の中に……手を入れられて……」
「そうだよな? これ、何て言うんだ?」
「ち、痴漢……プレイです……」
数日後、伊勢崎線内――
「ウヘヘヘヘ……」
さわさわ
「……駄目ですよ〜……痴漢なんかしちゃ……」
いつもおどおどしているショートカットの娘。今日はいつもと何かが違う。
そう、思ったときにはもう遅かった。
痴漢の金的に衝撃。
白目を向いて前かがみになる痴漢。
「お姉ちゃん」
「OKつかさ」
かがみが男を淡々と肩車する。
と、つかさはゆっくりと網棚に登った。
「なんだ?」 「うぇ?」 「縞パン!?」
「神社の娘を――」
「無礼るなぁぁぁぁぁぁ!!」
必 殺 ・ 衝 撃 巫 女 姉 妹 協 奏 撃(ダブルミコインパクト)
この日、伊勢崎線に伝説が生まれたという――
勢いしかなかった。反省はしている。
なんだなんだ!この神作ラッシュは!
>>167 またか!ま た プ ロ レ ス かwwww
抱腹絶倒、しかもモード機能付きフェチでさらに爆笑
ただでさえ伝説の多いこの姉妹に、さらに伝説を増やす気なのかwwwww
ところで、残りの3人がプロレスった場合……
こなた:自前の合気道をブレンドしたサブミッション系プロレス
もしくは総合格闘技型
みさお:陸上脚力を生かしたロープアクション系プロレスwwww
みゆき:天使の格好をした仮面「悪役」プロレスwwwww
ナゼ悪役かというと、「真っ赤な」霧を得意技とするためwwww
172 :
19-221:2008/04/30(水) 01:43:32 ID:GqNb+wAx
この神的な流れに乗って25スレぶりの投下をしてみたりします
話の進行上キャラに違和感があると思います
だめな方はどうかスルーでお願いします
携帯を持つ。
短縮の番号。
呼び出し音。
あのこの声。
他愛ない話。
またあした。
いつからなんて覚えてはいない。
いつからなんてのに意味はない。
いつもいつでもいまこの瞬間も。
私は、柊かがみが好きだった。
(さっきまで…話してたんだよなぁ…)
携帯電話を握ったまま幾度も寝返りを打つ。どうしたことか落ち着かない。落ち着きがないのはいつものことであったが。
「…はやく、明日になんないかな」
思わず零れた胸中は、開いた窓から夜空へ消える。
会いたいのだ、あのこに。
「んんっ…」
あぁ、だめだ。
また自分を慰めてしまう。
「ぁあ、う」
声を噛み殺す。家人に聞かれては乙女の立場はない。
それにしても、ここ連日この調子だ。身体が疼いて仕方がない。なにかよくないものでも食べただろうか。
おそらく、食べただろう。食べている。それも、夢の中で。
柊かがみという溺れてしまいそうなくらいあまい果実を。
それはなんと甘美な夢だろうか。
同性で。ともだちで。
そんなあのこを私が好き放題に貪るのだ。
夢の中のあのこは何度も私の名前を呼んでくれる。切ない声で何度も、何度も。
「んあぁっ…!」
思い返して指に勢いがつく。止まらない。たまらない。
かがみ、かがみ、かがみ、かがみ。
「か、かがみぃ…!」
私はびくん、と小さく震え絶頂を迎えた。
そうしてまた呟く。
かがみ。
一人のときになら、そう呼べるのに。
不意に、強く握り締めていたままの携帯が鳴った。驚いて思わずズボンを穿く。
ディスプレイに映る『柊』の文字。
心臓がどきりと、痛く跳ね上がった。
「も、もしもし!?」
《おーっす日下部ー》
「ど、どしたんだよ、ついさっき電話したばっかじゃんか」
《それがさっき言い忘れてたことあってさ、ごめん》
「なんだしっかりしろよなー」
《あんたには言われたくないっ!でさ、明日遊ぼっかって言ってたけど、実はこなたたちと出かける予定あったのよね…》
「……………」
《で、ほんとごめんなんだけど、明日無理なのよ》
「……………」
《だから…日下部?聞いてる?》
「…ぁ、おう、聞いてるってヴぁ!まーたヒイラギはちびっこかよー。愛されてるよなちびっこはー」
《馬鹿なこと言うなって。じゃあ峰岸にも謝っといて。今度また遊びましょ》
「そだな、わかったぜ!」
《それじゃ、おやす…》
「あ、ヒイラギっ!」
《な、なによ急に…?》
「………や、なんでもねーわ。おやすみな」
《なによ気になるわね。ま、日下部らしいけど》
じゃあおやすみ。そういってあのこは電話を切った。
また、言えず終いだ。
携帯を持つ。
短縮の番号。
呼び出し音。
あのこの声。
他愛ない話。
またあした。
私にあしたは来なかった。
泉こなたに、訪れるのだ。
それでもいい。
きっといつか。
いつもいつでも今この瞬間も。
たぶんおそらくこの先ずっと。
私は、柊かがみが好きだろう。
175 :
19-221:2008/04/30(水) 01:56:33 ID:GqNb+wAx
以上です
すみませんタイトルは『名前』です、いれ忘れました><
またちょっとミスリードっぽくしようとして、ぐしゃぐしゃになった印象です…
推敲もままならないままの投稿、失礼しました
ほう、みさおとはちと珍しい希ガス。
ミスリードは狙えたと思いますぜw
GJ
>>175 みさおせつないお(´;ω;`)
でも上手だなぁ GJ(´・ω・`)b
皆様GJ!!朝から良いものを読ませていただきました。
>164
かがみの身の安全(性的な意味)とゲームの展開がどうなるか続きが待ち遠しいです。
個人的に一つだけ意見を言わせていただくと。
>156みたいな1レス全部が会話は読んでいてちょっと疲れますね。
>167
最初エロでイクかと思ったら、あやのさん乱入でプロレスに。
何を考えているのですか貴方は(ほめ言葉)。
なぜかみなみさん×パティさんで電波を受信したので放出。
「Oh!ミナミのストレッチプラムは効きますね」
「ストレッチプラムじゃない、小指の角度が違う」
>175
普段は脳天気なみさおだから余計に切ないですね。
>175
GJなのです。
ちびっこが好きだと分かっているのに、かがみを想い続ける
みさおの辛さがじんわりと伝わってきました。
ミスリードはされましたよw
最初はこなたかと思っていましたから。
180 :
ちび:2008/04/30(水) 08:12:51 ID:Zp/S+lVY
おはようございます、おじゃまします。また書いてきました。投下してもよろしいでしょうか?
あの、だれもいなそうだったら投下させて貰います
181 :
ちび:2008/04/30(水) 08:22:46 ID:Zp/S+lVY
それでは投下させていただきます。
エロなしで前回の拙作「つかさとみゆき」の続きのお話です。
それと前回は書き方のご注意ありがとうございます。本当に知らないことばかりですみません。
☆第三幕☆
二人の間を流れる穏やかで静かな時間。
木製の洋風ちゃぶ台を挟んだ向こうではつかさが熱心に教科書に向かっている。
みゆきは彼女を見ていると、可愛い妹を愛でる幸せというものはきっとこのような幸せだろうなと思う。そう思うと少しかがみを羨ましく思ってしまう。
……でも、そろそろ休憩ですね。
彼女自身は気付いていないけれど、教科書の問題をそのまま書き写したりで進みが遅くなってきていた。
「つかささん……もうそろそろおやつにしませんか……?」
むっくりと顔を上げる。
「……はぅ?」
書き写し作業に熱中していたつかさは寝ぼけたような声が漏れた。
みゆきが落ち着いた微笑みでペースを合わせてくれるので、つかさも気持ち良く笑顔になれる。
「うん!」
「難しくないですか?」
「あはは……、やっぱりまだ慣れてないかな」
仕上げにやっている発展問題。基礎的な事はそれなりに自身があるけれど、混ざり込んで現実的なワンシーンになって現れると世の中を見せつけられたように風当たりが悪くなる。
ばっちり解いて見せたいのに……。
テスト期間中はお互いに家でやることに決めたので、今日で二人の勉強会はその目的を達せられる事になっている。
「大丈夫ですよ。本番は基礎が沢山出ますから」
基礎は完璧。
「わ、私基礎だったらもう心配無いって、実感してるよ!」
「そうですね、私もそう思います」
よ、良かったぁ……
「かがみさんや泉さんをびっくりさせちゃいましょうね!」
「うん!」
みゆきは茶道の作法にでも従っているように行儀良く立ち上がる。
「ケーキがありますのでとってきますね。紅茶も入れるので少し待っていて下さい。」
「うん、楽しみに待ってるね」
みゆきは楽しげに何かを口ずさみながら部屋を出た。
みゆきはティーポットの金網に茶葉を入れ、お湯を注ぎ入れる。
今日で終わりなんですね……
そう考えると何か物寂しい。
今日のつかさの出で立ちは、白を基調にしながらもピンク色チェック柄のワンピース、首もとにはシャーリングの入っていて、黒い薄手のキャミソールを下肢から覗かせている。どちらも新しいようだった。
照れながらも自分からその評価を訊いてはこなくて、「素敵ですね」とみゆきが言うと、顔を真っ赤にしてうつむいた。
彼女との勉強会は、みゆきにとっても楽しみな事だった。
充実してたなぁ……
と、天井を仰ぎ見る。
……みゆきが説明をする。
……へぇ〜、そうなんだぁ!
小学生の頃、友達は素直に喜んでくれた。
みゆきに教えて欲しくてみんなが色んな事を訊いてきた。友達にとってみゆきとの話しはとても楽しいもののようだった。
みゆきは自分の楽しみを、調べる事を、みんなが共有してくれているんだと嬉しかった。
だからみゆきは学ぶ事が大好きになった。
でも、それは少し違っていたのだ。
なぜならみんなは訊くだけで調べたり学んだりに熱心ではなかったから。
やがておしゃれと成績がクラスの重要な話題となると、みゆきの肩書きは美人で成績優秀な秀才になった。
だからどうだという訳でもない。友達はいつだっていたし、自分は変わらずに学ぶ事が好きだったから。
………。
紅茶を白くて、控えめに花柄の入ったカップ2つに注ぎ入れる。テーブルには読みかけの本がある。
……つかささんが「一緒」って言ってくれた事、やっぱり嬉しいです。
「うぅん……」
つかさは悩んでいた。昨日自分が四人での勉強会を拒んでしまったことだ。
二人きりでの勉強を望んでしまった。
こんなのなんだか意地悪だ。
しかもその事で悩んでいたはずなのに、ここに来てみゆきに会って服を褒められた頃にはすっかり忘れていた。
私、お姉ちゃんやこなちゃんのことないがしろにしてる……
昨日までそれに気付かなかった自分がいた。
どうしよう……
ゆきちゃんだってこんな私のこと嫌いになるかも……
みゆきに嫌われる、それを思うと胸に刺さるような痛みを感じる。
ゆきちゃん、はやく来ないかな……
何度目かにそう願った直後、扉が開いてつかさは花が咲いたように嬉しくなったのだった。
勉強道具一式を下において机にはケーキと紅茶が並べられる。
つかさはお菓子の家にでも出会ったかのように笑顔がこぼれた。
「お疲れさまですね、じゃあいただきましょう!」
「うん!」
二人はゆったりとケーキを口に運んだ。
素材の香りと一緒に甘く柔らかなクリームがスポンジをほどいて上品に口を楽しませる。
「おいし〜い!」
「そうですね!このお店のは今日初めて買ったんですけど、これはいいお店を見つけました」
「えぇ!そうなの!じゃあ大発見かも!」
「そうですね」
「あのね、私自分でこういう発見したりするとすっごく嬉しいんだぁ♪いっぱい通いつめちゃったりして」
「わかります。つかささんも喜んでくれてるので嬉しさは二倍ですね」
「そうなの!?それ凄いよぉ!じゃあ私はぁ、自分とゆきちゃんので三倍かな……?」
「うふふっ凄いですね」
つかさは二口目をパクりとして、ほわんと悦に浸る。会話が途切れたその沈黙に呟いた。
「こうやって二人で食べるのも最後かぁ……」
「そんな、いつでもいらして下さい」
つかさは「うんっ」と笑って紅茶を飲む。華やいだ香り。天井を眺めつつ言いたいことをまとめた。
「あのね、私も本が楽しい事とか、勉強が楽しい事とかゆきちゃんと一緒にいて大発見いっぱいあったよ。なんていうかぁ、今回は本当に色々と、ありがとうございます」
つかさはペコリとおじぎをした。それから少し照れたように微笑む。
「いえ、そんな、どういたしまして」
今度はみゆきも頭を下げる。ピンクの髪がふわりと揺れる。つかさにはそんな仕草も優雅に見えた。
勉強会はその全ての仕上げに入る。
サラサラコツコツとペンの走る音だけが静寂をまぎらわせるように、せわしなく部屋に響く。
つかさはパラパラと問題集をめくってみた。どのページの問題もなじみ深くなっていて簡単だ。大切な思い出に見える。
問題集越しにみゆきを覗く。
みゆきはしゃんとした姿勢でペンを走らせている。勉強会が始まってから何度も眺め、その度に魅せられて憧れた姿。
それを追いかける自分も好きだった。最後とばかりにじっくりとそれを眺める。
とくん……
みゆきが側にいてくれるのが嬉しい。
空気が好き……
と、つかさは思った。
二人だけの空間を包み込む特別な空気。
ゆきちゃんも……そうだったらいいな……
つかさがぼうっとそんなことを思っていると、みゆきは問題を1ページ解き終わる。一生懸命なつかさの調子を確認しようと優しい瞳をしながら顔を上げる。そこにはまじまじと自分を見つめるつかさがいた。
二人はぴったりと目があった。
みゆきはつかさの瞳に見入って何も言えずにいる。
部屋には少しの間、静寂が流れた。
「ゆき……ちゃん?」
室内を震わせた微かな響き
「……つかささん?」
みゆきはわずかに首をかしげる。
つかさの視線は声を聞いたとたんに恥ずかしそうにノートに落ちる。
「ゆきちゃんは……空気、好き?」
聞いていいのかわからない。少し鼓動が早いようだ。
「空気、ですか?」
つかさは喉をつまらせそうになりながら話す。
「あ、あのね。私とゆきちゃん、二人でいるときだけの空気。私は……好きなの」
血の巡りが早くて体が火照ってくる、平静を保つのがやっと。
「お姉ちゃんとか、こなちゃんがいるとね、違うの。……二人だけ、の空気」
みゆきは戸惑う。二人だけの、と言われてもそれに当てはまるものが見つからない。
でも、それを「好きです」って言いたい……
二人だけの時で違ったこと……。きっと暖かな何か。……雰囲気?
考えていると、つかさはわたわたと言葉をつないだ。
「ご、ごめん、空気なんてだめだよね、わかんないよね。私もっと本とか読んでいい言葉探してみるね。だから今の忘れて……?」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「は、はいっ」
つかさのままの言葉が届いてくれない自分が悔しい。
でもみゆきはわかった事もあった。
「私は……」
ーーーそれはある日、自分から欠けてしまって、つかさがもう一度くれたもの。
「つかささんのために何か出来て、凄く嬉しいんです」
喜んでくれる誰かのために学ぶ幸せ、好きなことを共有してくれる人がいる幸せ。
「つかささんが私とお勉強してくれて……私、凄く楽しかったです」
みゆきは自然と高揚した笑顔になる。
胸が熱くなる。
私にとってつかささんは特別な友達なんですね。それを伝える言葉は難しいです。でも、これがきっと私の一番確かな気持ち。
「つかささんと二人だけの時間、私は……」
みゆきは暖かで柔らかい春のそよ風のような笑みを浮かべる、精一杯今の気持ちを伝えたい。
「大好きですよ」
「え……」
とくん……
とくん……とくん……
つかさは気付いた。
……そうだったんだ
私って……
ゆきちゃんのこと……
好き……なんだ……
……なんですとぉ〜!?
身振り大きくつかさはまくしたてた。
「うわっ!えっと!ゆゆゆゆゆきちゃん??」
みゆきはぽぅっとしながらつかさに答える。
「はい……?」
「あ……えと…えと……、ありがとう、嬉しいな」
みゆきはほっとした顔になる。
「良かったです、ちゃんと答えになっていたのですね」
「あ……うん、なんのだっけ?」
みゆきは当たり前のように人差し指を立てて答える。
「空気です」
「う、うん!やっぱり凄いね、ゆきちゃん!」
つかさは頭を掻きながら、凄いな凄いなと褒め続けた。
こうしてつかさはみゆきへの気持ちを知ることになった。
それから二日後の午後の事だった。
あのね……口が滑りました。
お姉ちゃんとこなちゃんにあっさりばれちゃったんです。
☆第四幕☆
「あんた……えぇっ?!ちょっ……えぇ!?」
かがみは目を白黒させる。フルーリーの入れ物が締め付けられて辛そうにしている。蓋がとれそうだ。
「はわわわ……」
つかさはかがみに手を伸ばして落ち着くよう促そうとしているが、彼女の方も混乱して埴輪のような顔になっている。アップルパイは既に絞殺されて泡を吹いている。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて落ち着いて……はぐわっ!」
かがみのチョークスリーパー。
「あんたが訳の分からん事を言うからだろぉが……!」
プルプルと蓋が射出されそうでこれが妙に怖い。
「う……つかさぁ、私……」
つかさはようやく正気に戻った。
「お姉ちゃん!こなちゃん辛そうにしてるよ!」
こなたは爽やかに微笑んだ。
「私、もうゴールしてもいいよね……」
それはつかさが今まで見たことが無いくらい澄み渡ったこなたの笑顔だった。
つかさが「いやぁああ!!」などと叫ぶ前に、フルーリーの蓋がこなたの顔面に直撃した。
「あいたぁ!」
「あ、ごめん大丈夫?こなた?」
「むぅ……かがみんのばぁか……」
つかさは恥ずかしそうに二人を覗いている。
「……ちょっと、さすがに驚くわよ」
「仕方ない、かがみ、私達もカミングアウトしようか……」
「ねぇよ」
っていうかあれよ
こなたはシェイクを一口ゴクリと飲んで、ふぅ、とため息か悦の吐息かを吐くと、ウィンクして親指を立てて言った。
「つかさ、私達は応援するよ!みゆきさんは攻略難度激高だけど、つかさが幸せになったら嬉しいし!ね?かがみ?」
つかさは嬉しそうにかがみを見る。
「う……まぁ……そう、ね。うん。みゆきとなら、私も安心。嬉しい……かな?」
かがみも少し眉を寄せ気味ながら笑顔を贈った。
「えへへ……ありがとう、お姉ちゃん。……ごめんね、変な妹で」
「な、何言ってんのよ!私そんなふうになんか思ってないわよ!」
「ホント……?」
今度はつかさが安心出来るだけの嘘の無い笑顔になれた。
「うん、素敵じゃない。女の子同士でもさ」
ただそれに続く言葉は浮かばなかった。
私もそうなんだよ、って言うのが一番なんだろうけどね……。
隣に当人がいてはそうもいかない。
「ねぇねぇ、時につかさ。みゆきさんの事、どれくらい好きなの?」
「ふぇ!?」
こなたはにんまりかつにやにやと次の言葉を待つ。
私の言葉には反応無しかよ……。
「あのね、知った日の夜はね、えと……おとといの夜、なんだけど、もうドキドキして眠れなくて……」
ははぁん、そういうことか。それで私のベッドに潜り込んだのね、納得だわ。ってあれ?
……それって
「ほうほう……それで?他には?」
「そのね、えと……その、とにかく……好き……だから」
……こなたを好きと知った頃の自分を見ているみたい。
「うわぁ〜、まいった。おじさんお腹一杯だよ!!よし、みゆきさんを持っていきたまえ!!」
「ホントにおっさんだな」
「はうぅ……」
つかさは事切れて、ふにゃふにゃとテーブルに溶けた。
かがみは少し気になることがあった。
「それでつかさ、これからどうするつもりなの?」
「うん……、こういう事だし、とりあえず何もしないつもり。私は友達としてゆきちゃんの側にいられるだけでも幸せだから」
かがみは心の中で深いため息をついた。
私と全く同じだ。双子の妹とは言え、こうも同じものだろうか……
「でも良かったよぉ。テスト期間中も勉強会が続くんじゃなくて。心臓もたないもん」
「……ダメよそれじゃ」
かがみのその声は叱りつけるように低かった。
「「え?」」
「今まで友達だったんだからそんなふうにいつも通りなんてやってたら何にも変わらなくて時間だけ過ぎちゃうじゃない。せっかくだもの少しずつでも近づこうとしなきゃ!」
「はぅっ!そうなの?」
「そうよ。今まで通りに満足しちゃったらどんどんタイミング逃しちゃうわよ!」
「恋愛経験無しの姉が妹に贈る、これは涙無しでは語れない物語……」
「あんたは黙ってろ」
「でも、ゆきちゃんの気持ちもあるから……」
「そ、そうだけど……」
かがみはフルーリーを一口食べて飲み込み、言い放った。
「恋させちゃえばいいじゃない!!」
店内にある時計が4時を告げる。音楽はディズニーの三匹の子豚の『狼なんか怖くない』。三人は鳴り終わるまで、その安っぽく軽快なデジタル音を重鎮指揮者のクラシックコンサートのように鑑賞していた。
「……お姉ちゃん?」
「……かがみ大胆。」
つかさは立ち上がった。
「も、もう4時だよ?そろそろ帰って明日の勉強しなきゃ……」
そう言うとつかさはトイレへ小走りで向かった。
かがみは小さく縮こまってのぼせたようになっている。
「いやぁ……かがみもつかさの事となると暴走するねぇ……ん?」
すっとかがみの腕がこなたの膝元の手に伸びる。
その手を握った。
指を絡めた恋人繋ぎ。
「ぬゎ?」
こなたはその手を眺めて頬を染めた。
「えと……かがみ?」
「……こなたも他人ごとじゃ無いんだからね」
「かがみ……」
こなたは空いた手でその手を包もうとした。
「うわっ!?」
が、その前にかがみが自分のやっていることに気付いてとっさに手を離す。
しまった!?バレた!?
ヤバい、こんな変な告白ってないよ!!
こなたはテーブルに肘をつくと、つまらなそうに言った。
「私にはそんな浮いた話はありませんよ〜、買いかぶりすぎだよ」
それからシェイクをちゅうちゅうと一気飲みし始めた。
「……お腹こわすわよ」
鈍感ねぇ……。
まあ危うく変な告白になるとこだったし、今はそれに感謝しなきゃ。
でも、つかさにあんな事言ってないで、私もいい加減気持ちを伝えなきゃいけないよね。
つかさはそれから戻って来た。
「私ちょっと頑張ることに決めたよ!」
と言って、二人に勉強会継続作戦を話した。
かくて物語は☆Intro☆に戻る。
☆幕間☆
この天地に一つの大駄作を演じている、休憩時間。
「かがみ?」
かがみはベンチでポカリを飲みながら足をブラブラさせている。
「なぁ〜に?」
「そんなに私が好きかい?」
「う〜ん、そうね、友達以上好き未満」
「好き未満!?ちょっ、友達としては好き、なんだよね!?」
「〜♪」
(いったんおしまい)
191 :
ちび:2008/04/30(水) 08:37:55 ID:Zp/S+lVY
以上です。おじゃましました。また来ます。
>>191 読み終わった後思わず顔がにやけたw
爽やかで何ともつかさらしいなぁと感じる作品でしたGJです
あとかがみんも頑張れ
>>163 アホスwww GJ ! すぐに続きを書いてくれ !
笑いが止まらんwww
>>170 どうして柊姉妹とプロレスなんだw
らき☆すた抜きにしても面白い
>>175 みさお切ないよみさお
読み始めたときはこなたかと思ってたけど、みさおだったんだなw
>>191 おお、随分文章が上手くなってきたね
つかさとみゆき、かがみとこなたの恋の行方が気になる
194 :
42-519:2008/04/30(水) 20:44:48 ID:w6MWis4n
本当に今さらで申し訳ありませんが、
>>106で同じ投稿した上に一段落抜けていました。
wikiには修正版にしておきました。
>>113 be mine――その思いはかなえられたわけですが、いつまでもかがみは不安なのかもしれません。
>>167 あやのかわいいよあやの。痴漢ぷれいにもえました。
195 :
36-273:2008/04/30(水) 20:52:33 ID:39gGXubF
誰もいないでしょうか? もし、誰もいなかったら、二分後に投下いたします。
注意
・前スレ
>>377(かがみの危機)の続き
・かがみ大好き三人組が活躍
・3スレ程度
・非エロ
風呂場での一騒動があった次の日、つまりは修学旅行二日目の早朝のこと―――
「う…ん…」
うっすらと目を開ける。秋の薄れ日が私の顔を照らし、朝だということを告げていた。鳥のさえずりも聞こえ、いかにも古都の朝といった感じだ。
気持ちの良い朝だ。昨日は、あんなことがあったけど、まあ、すぐに忘れるだろう。修学旅行は今日も入れて、二日もあるんだ。今は、その二日を楽しもうと考えなきゃいけない。
さて起きようか、と思ったそのとき、私は身体に違和感を覚えた。両腕がやけに重く、更に何かの重圧も感じられる。
「な…に…?」
私は、違和感の正体を確かめようと、寝ながら辺りを見回す。
このときは、目を覚ましたばかりのことで、私はまだ頭が回転しきってなかった。
しかし次の瞬間、私は一気に目が覚めてしまうことになる。
「…………っ……!」
その存在を認めた瞬間、私は叫びたいのを必死にこらえた。
何故なら、こなた、つかさ、みゆきの三人が、私の布団の中に潜り込んで寝ていたのだ。
その上、私の左腕をつかさが、右腕をこなたが、がっしりと掴んでいる。つまり、つかさは私の左側に、こなたは私の右側に寝ている。
そして、私に覆いかぶさるような格好で、みゆきが寝ている。つまりは、みゆきは私の上にいる。……いや、エロイ表現じゃなくて。
ともかく、これで、慌てないほうがどうかしている。
「い、いや待て……。落ち着け、クールになるのよ、柊かがみ…」
言ってから、独り言を呟いているのが何とも馬鹿らしく感じられる。……いや、今はそういう問題じゃない。
まず、問題を整理しよう、うん。えーと、私の右腕をつかさが掴み、左腕をこなたが掴んでいる。どちらもがっしりとした力で掴んでいて、しかも、どちらも、私の腕を自分の胸に抱きしめている。明らかに、故意だ。
そして、私に覆いかぶさるように、私の布団の中で、うつ伏せに寝ているのがみゆきだ。しかも、胸に胸が当たってむにゅむにゅと……何言ってんだ、私。正気に戻れ。
あーっ……。昨日の続きか? まさか、これは夢か? それとも、パラレルワールドに入ってしまったのか?
何にしても、この状況を何とか打開しなければならない。予定では、六時四十分に、先生が見回りに来るはずだった。こんな体たらくでは、何を言われるか、たまったものじゃない。
それを、この三人は分かっているのだろうか。三人とも、すやすやと、素知らぬ寝顔を湛えている。全く、困り果てるしかないこっちの身にもなって欲しいものだ。
それにしても、どうしよう。私の両腕はがっちりとおさえられ、私の上には、みゆきが寝ている。どう起きようにも、誰かに気付かれるに違いない。何かないのか、三人に気付かれず、平穏に目覚められる方法は……。
「う、うぅん……」
「ひっ……」
こなたの声に、一瞬、こなたが起きたのかと錯覚してしまったが、落ち着いて状況を察してみると、どうやら、ただの寝言らしかった。
一まず、ほっと胸を撫で下ろす。出来れば、そのまま、じっとしていてほしい。私のためにも。
「かがみん……」
……と思っていたら、まだ、寝言は続いていたようだ。……寝言よね? まさかおきているわけじゃ……。
「大好きだよぉ……」
「なっ……!」
みるみる顔が熱くなっていく。……なに考えてんだ、私! 私は、ノーマルな…はず…よね…? そう、これは、いつもの冗談、そう、冗談よ!
……ともかく、後で、ぶっ飛ばそう。そうすれば、全てが丸く収まるはず。
それに、今は、ただの寝言だ。つまり、こなたは起きていない。だから、気にする必要はないはずだ。
……とはいえ、時計を見ると、既に六時半だ。このままでは、先生が来てしまう。そうなれば、最後だ。
まずは、腕を二人の胸から離そう。腕さえ使えるようになれば、何とかなる。……はずだ。
とはいえ、これが難しい。さっきも言ったとおり、腕はがっちりと掴まれていて、簡単に外せる状況にない。腕を素早くスパッと抜こうものなら、確実に二人は起きるだろう。
だから、慎重に、慎重に、腕を抜かなければならない。二人が起きないように。まずは、つかさが掴んでいる左腕から始めよう。
そろそろと左腕を慎重に抜いていく。私は、つかさが起きないか、気が気でならない。緊張で、息も詰まる。
それにしても、こうしていると、どうしても、私の腕や手がつかさの胸に触れてしまう。小ぶりな胸だが、その柔らかさは結構なもので……って、おーい! 私は何を考えているんだ!
何とか雑念を振り払おうと、努力するが、一旦気にしてしまったものは、なかなか頭から離れない。どうしても、ちらちらと胸を見てしまう。当の本人は、相変わらず、素知らぬ寝顔だ。くっ、こちらの気も知らずに……。
「集中だ、集中しろ、柊かがみ……」
このときの私は、実に滑稽だったに違いない。それだけ、自分でも必死になっているのが分かった。
何の因果で、私は、修学旅行二日目の朝に、妹の胸から自分の腕を引き抜こうとしているんだろう。
…何はともあれ、深呼吸を繰り返して、私は雑念を何とか振り払い、腕を引き抜くことに成功した。
「ぜぇっ……ぜぇっ……」
息が荒い。やたら疲れた。
幸いにも、まだ、つかさは深い眠りについているようだった。その無防備な寝顔に一瞬、心を奪われそうになったが、慌てて目をそらして、何とか気を戻す。
その後、同じようにこなたの胸からも、右腕を引き抜くことに成功した。こちらも、こなたは深い眠りについている。一時は、また、変な気を起こしそうになったけど、何とか自分に勝てた。
「ふぅ……」
一息ついてから、いよいよ最後の敵を見つめる。私の身体に覆いかぶさるみゆきだ。
最後にして最強の敵だ。何故なら、みゆきの場合、身体全体が私と密着している。どう退けようにも、起きてしまう可能性が高い。
……仕方ない。恐らく、みゆきはこの三人の中で、一番良識人だと思う。いや、そうだと信じている。ならば、何とか説き伏せることが出来るだろう。……多分。
というか、早く退けさせないと、私の平常心がやばい。ここまで取り乱しておいて、平常心が何だという人もいるだろうが、一回、みゆきに覆いかぶさられてから、そのセリフをもう一回吐いてみてほしい。
私の胸は、みゆきの胸に押しつぶされているのだ。その柔らかな感触は、筆舌に尽くしがたい。早くしないと、また変な気が起きてしまう。……いや、私はノーマルなのよ?
ともかく、私は、みゆきの肩を叩いた。
「みゆきー、みゆきー、起きて……」
ところが、みゆきは全く起きる気配がない。さすがの私も焦る。既に、時刻は六時半を回っているのだ。このままでは、全てが終わる。
冷や汗が私の頬を伝いはじめたころ、やっと、みゆきは起きる気配を見せた。
「うん……だ……誰…ですか…?」
「みゆき? 起きたのね? 起きたのよね?」
くどいように、私は聞く。しかし、寝ぼけて全く耳に入らないのか、みゆきは私の事を無視するように、一人で起き上がった。
自然と私の視線は上向き、みゆきを見上げる格好となる。
ところが、これがまずかった。
「あっ……! み、みみみ……!」
私は、声にならない声を上げて、驚倒した。自分でも何を言っているんだか、分からない。
私の視線の先には、眠気眼になって起き上がっているみゆきがいる。それだけならいい。
ただ、浴衣のところどころがはだけていて……その……何というか…そのとろんとした目つきなども相まって、あらぬ想像をさせてしまうような、いやにその身体は艶かしかった。
特に、やはり、胸の谷間が強調されて……い、いかん! 雑念を振り払わないと!
「み、みゆき? ちょっと、聞こえる?」
何とか話をしようと、みゆきに話しかけるが、まだ寝ぼけてるようで、
「メガネ……メガネはどこですかぁ……」
などと、ろれつの回っていない言葉を話しながら、布団を離れて、部屋中を歩き回りだす始末。
これには、さすがの私も頭を抱えるしかなかった。三人に気付かれずにして、起きるという当初の目標は達せられたが、今度は、みゆきを何とかしないといけない。それに、その……あらぬ様のままだし。
「ちょっと、みゆき? おきなさいよ……ちょっとー?」
私は立ち上がると、歩き回るみゆきの肩を、後ろから叩く。
「メガネ……」
「……ったく」
それでも、まだ気付かないようなので、私はみゆきの前に立ちはだかり、前から肩を掴み、がくがくと揺さぶることにした。……出来るだけ、そのはだけた浴衣を視界に入れないように気をつけながら。
「ちょっと! みゆき! 寝惚けてないで!」
「……ん……。か、かがみさぁん……?」
何回か揺さぶって、やっと、その焦点が定まらない目が、こちらを向いた。
「みゆき! やっと起きた? あのさぁ……」
「かがみさん……かがみさぁん……」
「……あ、あのみゆき? ちょっと話を聞いてくれる?」
こちらの呼びかけに応じながらも、何か様子がおかしいみゆきに、再び不安が募る。「触らぬ神に祟り無し」という諺の通り、触れないほうが良かったか……?
と、そんな事を思ったときはもう遅かった。
「かがみさん……」
ガシっと肩を掴まれる。……えーと、これって……。
「大好きです……」
そういわれるや否や、私はみゆきに抱きつかれ、そのまま押し倒される。ドシーン、という音が良く似合う。
言葉を発する暇もないほど、その行動は素早いものだった。
再び、私の胸にみゆきの胸が当たってむにゅむにゅと……。……ってそんなこと言っている場合じゃなくて……。
「……ひゃ、ひゃーーーーっっっ!!!」
自分でも何を言っているか分からないが、とにかく叫んだ。
その叫び声に、こなたとつかさがようやく起きたようで、
「みゅみゅ……。あーっ……みゆきさん、ずるーい……。抜け駆けはダメって、昨日、言ったのに……」
「お姉ちゃんは……私のものだよ、ゆきちゃん……?」
「お前ら、呑気なことを言ってる場合かーーーー!!!」
この後、黒井先生たちに、かがみたちがこっぴどく怒られたのはいうまでもない。
199 :
36-273:2008/04/30(水) 20:56:50 ID:39gGXubF
ハーレムかがみを書いているはずが、何故か、かがゆきに……。
一応、前スレ
>>377の続編なのですが、方向性はこれでよいのでしょうか。何だか、別の小説になっているような気がしてなりません。
前回の時には、一部の読者の方から、続編に対する期待が寄せられていましたが、果たしてそのご期待に添えられるようなものになったかは、私としては自信がありません。
ただ、時間つぶしの道具にでもなれば幸いと思います。
もし、次回があるならば、次は背景コンビとの絡みを書きたいと思います。勿論、期待はあまりしないでください。
最後に、このスレに投下している職人の皆様。本当に、面白いSSばっかりで、楽しませてもらっています。
都合により、各作品への感想は割愛いたしますが、本当にどの作品も輝いていて、面白いと思います。
ここで、職人の皆様に、まとめてという形で失礼ですが、最大限のGJを送ります。
それでは、これで失礼致します。
>>199 GJ ! かがみ総受けというやつですね? w
寝言こなたかわゆす
にしても、かがみ寝ぼけた人間に誠実に対応しちゃアカンわw
ハヤテスレに盗作されていると聞いて飛んできました
そろそろかがみTSの続きを読みたいなとか言ってみる
なんと奇遇な
俺もです、続き期待してます
>>199 GJっした!かがみん胸好きだなw
しかし何なんだこの数日間のラッシュは…感想が追いつかないっ。
後は保管庫のほうで補完させていただくとします。みなさんGJでした!
どなたも準備されていなければ投下したいと思います。
「Escape 第4話」
(こなた&ゆたか かがみ、みなみ、つかさ)
※注意事項
・続き物
・シリアス
・非エロ
・戦闘シーンあり
4.
「本当に行くの? 」
日曜日の朝、バイト先に出かける前に、こなたお姉ちゃんが不安げな様子で尋ねてきた。
「たぶん、いや、絶対にかがみ達は『アルテナ』の近くで潜んでいるよ」
「うん。分かってるよ」
「それなら、どうして危ないところに飛び込んでいくの? 」
私とこなたお姉ちゃんは、かがみ先輩やみなみちゃんから、埼玉から名古屋に逃げてきた。
それなのに、追っ手がいるところにわざわざ姿を晒すなんてとんでもないと、
お姉ちゃんが言うのは当然だった。
「でもね。お姉ちゃん」
私は大きく息を吸い込んでから、こなたお姉ちゃんの瞳をしっかり見据えて言った。
「私、もう逃げたくない」
「ゆーちゃん…… 」
「今までみたいに、嫌なことや、辛いことから逃げるのはもう嫌」
「そんな事、気にしないでいいから」
お姉ちゃんは、いつも優しい。
壊れそうな硝子細工のような私を、繭のように優しく包んでくれる。
でも、私は、こなたお姉ちゃんが許してくれるのをいいことに、甘えて、甘えきってしまっていた。
「それに、いつまでも逃げ続けることなんかできないから」
「でも…… 」
私の反論に、こなたお姉ちゃんは言葉に詰ってしまい、顔をしかめた。
憂いを帯びた表情はとても綺麗だったけれど、お姉ちゃんの哀しい顔は見たくはない。
「私達の居場所は、絶対に守らなければいけないよ。お姉ちゃん」
私ははっきりと言った。
半年近くをかけて築いてきた、私とお姉ちゃんだけの場所を、かがみ先輩達は理不尽に侵そうとしている。
別の場所に逃げ出しても、あの人達は執念深く私達を追いかけまわすに違いない。
いつ襲われるか分からずに、震えながら生き永らえるよりも、この地で決着をつけた方が良いと思う。
かなり長い時間、こなたお姉ちゃんは、腕を組んで考え込んでいたけれども、最後には
大きなため息をつきながらではあるが、納得してくれた。
「ゆーちゃんは本当に強情だね」
「ごめんなさい」
私は、お姉ちゃんに頭をさげる。
「強気なゆーちゃんも萌えるね」
「ありがとう。こなたお姉ちゃん」
わざと茶化したおねえちゃんの微笑みは、涙が出るほど嬉しかった。
昼のシフトは4時で終わり、私達はメイドカフェが入っているビルを出る。
大須の商店街は、日曜日ということもあって昨日と同様に人は多く出ており、活気に満ち溢れている。
追っ手を誘い出す為に、昨日とは別の道を通ることを既に決めている。
赤門から上前津駅へ向かうルートではなく、万松寺通を進み大須観音を抜けて、
地下鉄の大須観音駅に達する道だ。
私達は、新天地通を少し歩いて右に折れて、万松寺通に入り、行き交う人々の間を縫うようにして、
大須観音の方に向かって歩き出した。
ゲームソフトの販売店や、PCショップが多い赤門周辺とは異なり、万松寺通は飲食店や衣料販売店が多い。
いつもは夏物の衣料を眺めながら、ゆっくりと歩いているけれど、今日は視線を何度も後ろに
向けなくてはいけない。
「かがみ達、後ろから来てるね」
こなたお姉ちゃんが小声で囁く。
「うん。そうだね」
私は小さく頷き返す。
20メートル程後ろを、かがみ先輩とみなみちゃんが追跡している。
「どこにしようかな」
お姉ちゃんは、暫く考えてから私の顔を見て……
「ここの角を右に曲がるね」
「うん。お姉ちゃん」
私が再度頷いてから、こなたお姉ちゃんが鋭く叫んだ。
「いくよ! 」
お姉ちゃんは、掛け声と共に走り出す。
私も、お姉ちゃんの手を握り締めながら走る。
狭い道に飛び込み、更に1回曲がったところで、立ち止まって待ち構える。
十秒程経った後、柊かがみ先輩と、岩崎みなみちゃんが私達の前に駆け込んできた。
「こんにちは。かがみ先輩」
私は、かがみ先輩に対して慇懃に挨拶してみせる。
「尾行に、気がついていたのね」
かがみ先輩は軽く舌打ちをしてから、仇敵となった私を睨む。
「でも、結果は同じなら一向に構わないわ」
先輩は、凄みのある笑みを浮かべた。
「とても怖いですね」
私はこなたお姉ちゃんに甘えるように寄り添った。
「何が? 」
かがみ先輩が怪訝そうな表情で尋ねる。
「先輩。こなたお姉ちゃんの前だと、ウサギさんのように可愛いのに」
「減らず口は叩かないでね」
かがみ先輩は、凍りつくように低い声で応酬する。
幾重にも塞いでいた『かさぶた』はあっさりと捲れてしまい、傷跡が開く。
私とかがみ先輩との間に、修復不能な深い溝が厳として存在することを改めて確認する。
「ゆたか…… 会いたかった」
かがみ先輩の隣にいるみなみちゃんが、夢をみるような顔で私をみつめている。
みなみちゃんは別の意味で危険だ。
「ゆーちゃんは渡せないよ」
誰に対しても、基本的には穏やかなこなたお姉ちゃんが、みなみちゃんに対しては敵意をむき出しにする。
「泉先輩。あなたには、ゆたかを任せるわけにはいきません」
みなみちゃんの鷹のような鋭い視線が、こなたお姉ちゃんに向けられる。
「交渉決裂というところかしらね。ほとんど挨拶しかしていないけど」
かがみ先輩は皮肉っぽい笑みを浮かべながら、一歩近づく。
「ゆたかちゃん」
威圧感のある声に、私はびくっと震える。
「こなたとの逃避行は楽しかった? 」
「先輩に言う必要があるのですか? 」
「ふふ…… 全くね。でも真夏の夜の夢からは、そろそろ覚めて貰うわよ」
かがみ先輩は、みなみちゃんの方を見て言った。
「いくわよっ」
無言で小さく頷いた、みなみちゃんが私に突進する。
闘いが始まった。
「みなみちゃん。通さないよ! 」
私を捕まえようと、突っ込んでくるみなみちゃんの前面に、こなたお姉ちゃんが立ちはだかる。
一方、かがみ先輩は、みなみちゃんの後ろから回り込むように近づき、私の前に躍り出る。
体力面から考えると、かがみ先輩に勝てるとは思わない。
しかし、出し抜かなくてはいけない。
「どいてください! 」
みなみちゃんは鋭く叫んでから、お姉ちゃんの膝に向けて長い脚を伸ばす。
こなたお姉ちゃんはバックステップで、難なく避ける。
みなみちゃんは、更にお姉ちゃんの防御圏内に踏み込み、足を高く振り上げて上半身を狙う。
しかし、鎌で刈り取るような鋭いハイキックは、標的を捉える寸前でお姉ちゃんがかざした
鞄の盾によって防がれる。
「みなみちゃん。甘いよ! 」
2歳下の後輩の、攻撃を一通り受け流したお姉ちゃんは逆襲に転じた。
小柄な身体を生かして懐に飛び込み、引き締まった腹部に突きを入れる。
しかし、みなみちゃんはかなり無理な態勢にもかかわらず、しなやかな身体を捩って
ぎりぎりのところで避ける。
格闘技経験者のこなたお姉ちゃんに対して、みなみちゃんは大きな体を有効に使って対抗しており、
行方は予断を許さない。
「ゆたかちゃん。余所見をしている暇はないわよ」
かがみ先輩がツインテールを揺らしながら、私を捕まえようと無造作に手を伸ばしたが、
全身の力を込めて振り払う。
「ゆーちゃん! 」
こなたお姉ちゃんの悲鳴が聞こえるけれど、お姉ちゃんはみなみちゃんの相手をするのに手一杯で、
私を助ける余裕はない。
自分で何とかするしかないんだ。
数歩下がりながら、私は手提げ袋に手を伸ばし、卒業証書とほぼ同じ長さの筒をとりだす。
「何をしているのかしら? 」
警戒したかがみ先輩が次の行動に移るよりも速く、筒に付いているボタンを押した。
中から弾けるように棒が伸びて、長さ1メートル程の警棒に変化する。
「かがみ先輩! こないでください」
私は警棒を振りかざして、先輩の接近を拒む。
「ゆたかちゃん…… 面白いわね 」
しかし、かがみ先輩は動揺することなく、鞄から折りたたみ傘を取り出して、柄だけ伸ばす。
「ふふ。雨の予報が出ていて助かったわ」
微笑みながら、長くなった傘の先端を突き出す。
「くっ」
私は、悔しそうに空を見上げた。
空はどんよりと曇っており、今にも雨が降り出しそうだ。
「残念だったわね。ゆたかちゃん」
「こ、こないで」
背中から冷や汗が流れ落ちているのを感じながら、懸命に勇気を振り絞って警棒を握り直す。
「私、決めたの」
「何をかしら」
かがみ先輩の圧力に、震えてしまう膝を懸命に抑えてにらみつける。
「こなたお姉ちゃんに、もう頼らないって決めたの! 」
曇天からぽつり、ぽつりと水滴が落ち始めた。
「泉先輩…… 邪魔をしないでください! 」
こなたお姉ちゃんの苛烈な反撃を凌ぎきったみなみちゃんが、再度、突進する。
「ちっ」
舌打ちをしたこなたお姉ちゃんが、ローキックを繰り出すが、みなみちゃんは
敢えて避けずに勢いを殺さずに突っ込む。
「どん! 」
みなみちゃんのぶちかましを受けた、こなたお姉ちゃんが路上に転がる。
「お姉ちゃん! 」
私は真っ青になって悲鳴をあげた。
しかし、こなたお姉ちゃんは百戦錬磨だ。
直ぐに跳ね起きて、みなみちゃんが繰り出した突きを悉く避ける。
畳み掛けるような連続攻撃をかわし切った直後に、お姉ちゃんは回し蹴りを放って、
脇腹あたりを捉える。
「うぐっ」
みなみちゃんの形の良い顔が歪んだ。
ひるんだ隙を見逃さずに、お姉ちゃんは、竜巻のような激しい脚を使った攻撃を見せるが、
ここは巧みな防御によって防がれる。
「はぁ、はあっ」
二人の動きが止まり、荒い息遣いが聞こえる。
「なかなかやるね。みなみちゃん」
「泉先輩こそ…… 油断できません」
小さな笑みを浮かべて、再び身構えた。
「ゆたかちゃん。降参しなさい」
かがみ先輩が、傘の先端を向けながら威嚇する。
私は恐怖に震えながらも、警棒の柄をぎゅっと握り締める。
「仕方、ないわね」
先輩は小さく呟き、凶悪な武器と化した傘を振り上げる。
「! 」
鈍い音が響いた。
私は警棒を使って、何とか初太刀を防ぐことに成功する。
「往生際が悪いわ」
先輩は冷たく笑うと、結わえた長い髪を振り乱しながら二撃目を加える。
「いやっ」
先輩の攻撃を必死になって防ごうとするが、圧倒的に不利だ。
唯一の利点である得物の長さも、かがみ先輩のリーチによって相殺されてしまっている。
「ゆたかちゃん。よく頑張るわね」
籠から脱出しようと奮闘する小動物の頑張りを称賛するような視線を私に向ける。
自分が絶対的に有利であると確信している眼だ。
「でもね。あきらめの悪い女の子は嫌いよ」
先輩が再び地を蹴り、距離を詰める。
「きゃっ」
私は短い悲鳴をあげた。
手首の近くで攻撃を受け、痺れて警棒を取り落としてしまう。
「そこまでね」
かがみ先輩が会心の笑みを浮かべて、決定打を加えようとした時――
お姉ちゃんが投げたショルダーバッグが、かがみ先輩の背中に当たった。
「ゆーちゃん。逃げて! 」
こなたお姉ちゃんの声が鋭く響く。
「うん! 」
私は3人から背を向けて全力で駆け始めた。
「待ちなさい。ゆたかちゃん」
ダメージはさほど受けていなかったのか、かがみ先輩は立ち上がって追いかけようとするが、
こなたお姉ちゃんに妨害される。
私は、後ろを振り返ることをやめて全力で走る。
まもなく声が間遠になり、やがて聞こえなくなった。
私は、暫く細い道を走ってから、万松寺のアーケード街に戻った。
人通りが多いから、先輩達でも滅多な事はできないと思うけれど、1対2となったこなたお姉ちゃんが、
持ちこたえることができるか否かは分からないので、全力で駆け抜ける。
大きな質屋さんのビルを横目にしながら交差点を渡ると、にわかに道は狭くなる。
点在する屋台の前を通り過ぎ、更に走ると大須観音が姿をあらわした。
心臓が苦しい。限界が近づいている。
「もう…… ダメっ 」
我慢できずに地面にへたりこんでから、後ろを振り返る。
追っ手は誰もいなかった。
「はあっ、はあっ」
荒い呼吸を整えてから、私は何とか立ち上がった。
大きな門の傍で佇んでいる鳩を眺めながら、境内を歩いていると携帯が鳴る。
リュックから取り出して中を覗き込むと、メールが1件入っていた。
こなたお姉ちゃんからだ。
『ゆーちゃんへ。上手くかがみ達を撒くことができたから、家に直接戻ってね』
私は大きく胸をなでおろしてから、返信のメッセージを打ち込む。
『私も無事です。これから家に帰ります。こなたお姉ちゃん、守ってくれてありがとう』
こなたお姉ちゃんの無事が分かると、私の気持ちはずいぶんと軽くなった。
降りしきる雨も気にならない。
私は、半ばスキップするような足取りで伏見通に出て、地下鉄大須観音駅の2番出口から中に入った。
銀色の電車に乗って椅子に座る。
トンネルを駆け抜ける電車の、重い振動音を耳にしながら、私は乗客をぼんやりと見つめている。
学生服を着た高校生が楽しげに喋っている姿を見て、少し昔を思い出す。
あのまま陵桜高校に通っていれば、目の前の女の子達と同じように、田村さんやパティちゃん、
そして、みなみちゃんと楽しく談笑していただろう。
しかし、学校と家族と友達以外のことは、何一つ知らないままだったに違いない。
私は、春から通信制の高校に入学した。
こなたお姉ちゃんは全日制や、定時制の高校に通って欲しいと言っていた。
しかし、少しでも働いて生活費の足しにしたかったから、通信制の高校はぎりぎりの妥協点だった。
学校に行くのは月に2、3度なので、基本的には、自宅で勉強をすることになる。
課題の量そのものはかなり多いけれど、一人でする勉強はひどく暇で孤独だ。
考え事をしながら乗っていると、電車は地上に出て駅に停まった。
ホームに降りて待ち、別方向から滑り込んできた私鉄に乗り換える。
車窓から外をみると、あたりはかなり暗くなっていて、既に街灯がそこかしこで輝きを放っている。
ゆっくりと流れる光の川をぼんやりと見つめているうちに、電車は幾つかの駅を過ぎて、
私とこなたお姉ちゃんが住む家の、最寄り駅に到着する。
改札口は他の客と一緒に通るが、暫く歩くと、私はひとりになる。
車道を通り過ぎる車のライトに眩しさを感じながら、暗くなった道を歩いていると――
突如、背後から抱きつかれた。
「な、なに? んんっ! 」
悲鳴をあげる暇も無く、ハンカチを口に押し当てられる。
強力な薬品臭を嗅いでしまい、頭がぐるぐると回る。視界に霞みがかかる。
「ん…… んんっ」
薄れかかる意識の中で抵抗を試みるが、全くと言っていい程、力が入らない。
「おやすみなさい。ゆたかちゃん」
必死で首を巡らすと、辛うじて襲撃者の顔が見える。
可愛らしいリボンを結んでいる女性の微笑みが視界に移った直後、私の意識は暗転した。
読んでくれた方、感想を本スレ、wikiに寄せて頂いた方、ありがとうございました。
のんびりまたーりの、らき☆すたで戦闘描写という無茶な事をしでかしましたが、
もう少しスピード感を出すことができるように、精進したいと思います。
では……
>>216 リアルタイム乙。
かがみ達を捲いて一安心、と思ったら伏兵つかさの待ち伏せ攻撃、とは・・・・・・
この後どうなるのかwktk。
>>216 GJ(´・ω・`) b
ぬうおー……双子が黒い……。
しかも漏れの好きなつかさが仕留め役とは……ふ、複雑(`・ω・´;)
いやしかし、このSSのこなたには頑張ってほしいお。
続きwktkしてまってまつ(´・ω・`)
>> 216
GJです。
あー。やっぱり穏便に済むわけがなかったー…
まさかつかさまでこんな行動取るとわね。
はてさて・・・どうなってしまうやら・・・
会話で地雷を踏む役どころの多いつかさは
他者の行動を直感的に感じ取っているのかもしれない
そんな一面が先回りで出たんだろうけれど
これがゆたかじゃなくてこなただと力がおよばないんだよね
続き楽しみです!
こりゃあ次回はゆーちゃん拷問編か?
手足の爪を一枚ずつ剥いだりカッターで切り刻んだり・・・((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル
222 :
(=ω=.):2008/05/01(木) 10:20:57 ID:T83DeMQp
いくらなんでもそれじゃ元から注意書きが入っちゃうっしょww
というわけで、拷問は拷問でも、性的に(ry
しかしいずれにせよ、このカップリングは波乱とniceboatにしか
発展しない運命にあるようですなあ。
かがみもみなみちゃんも、絶 対 に 譲 ら な い だろうからねwww
…あ、作者さん、私はそれがだめといってるわけじゃないですよ?
続き、期待wktkしてますからね(=ω=.)b
ほらかがみ、そんな複雑そうな顔しないのwwwwwww
ここ最近の流れに「波乱はあれど暖かい『こな&ゆた』」を書き上げる
「あの人」の降臨を願っているのは俺だけなのでしょうか…?
本当に最近心に容赦なく突き刺さりっ放しで物凄く辛いんですorz
でもスレを覗くのはやめられないし…駄目だ、これ以上言葉を続けると
23-251氏への罵詈雑言しか出なさそうなのでここで切ります…
P.S〜「新作書いてくれ」と煽る意図は皆無ですので
無理はしないで下さいませ<カキコ序盤の「該当者」様
こなたとゆたかがみゆきとみなみに対して憎悪を通り越して無関心であることを知ったときの反応を想像するとゾクゾクする
是非かがみに対しても無関心になって欲しいものだ
けどかがみやみゆきがこれで結ばれた所で他のキャラが同じこと繰り返すんだよな、da capoのように
もちつけ。「○○が駄目」ってのは荒れる元にしかならん。
同じ失敗をした人間から、胸に秘めておけとおせっかいだけしておく。
こなた「そういえばさ、おせっかいって目に入ると危ないんだよね」
かがみ「はぁっ?! またアンタは訳の分からんことを……」
みゆき「最近では児童や生徒の安全を考えて――」
つかさ「お姉ちゃん、おなかすいたー」
何を当たり前のことをと言われるかもしれないが、投下された作品をすべて読まなきゃいけないなんてことは全然無いわけで
合わない作品はスルースルー
何だかんだでこなたとゆたかはラストでは引き離される事の無いことを祈ってる自分w
最近初期から居着いてた人がどんどんいなくなってるのがサミシス
あれだけコンスタントに書いてた人たちの投下が一気にパタッと止まったのが・・・・
230 :
まだry:2008/05/01(木) 15:58:08 ID:+yPULwil
えーと、お久しぶりです。
だいぶ間隔が空いてしまいました。
でも、少なめな3レス分。。。お許しを。。。
・かなたxそうじろう
・今回はエロありです
「かなた………」
「ん?」
再び身体をひねり、背中を見せようとするかなたの肩に手をかけ引き止める。
「…………帰るのってやっぱり今日なのか?」
ふと、今まで微妙に避けていた話しを切り出す。
「…うん…多分、そんな感じがするわ。多分…ね?自信はないけど…」
「そうか…その予感が外れてくれるとうれしいんだがな…」
「…そうね…でも、遅かれ早かれ、また別れることになるのは確実よね…」
「お別れか……わかっちゃいるが…やっぱつらいな…」
かなたを抱き寄せ、きゅーっと抱きしめる。
肩が微妙に震えだしていた。
「……そう君……」
されるがままになっていたかなたが、そうじろうの腕を振りほどくようにして立ち上がり相対する。
振りほどかれた腕をだらしなく降ろし、力なくうなだれ静かに涙を流すそうじろう。
座ったままのそうじろうと立ち上がっているかなた。
普段とは逆にかなたの方がそうじろうより頭ひとつ高くなる。
こなたにそうしたように、その頭を胸元に抱きかかえるように、そうじろうを優しく抱きしめる。
「……泣かないで…ね?」
「…スマンどうもダメだな……しばらくこうさせてくれないか?」
「………うん」
「こなたの手前言えなかったけど…このまま帰らないでずっとそばに居て欲しい。もう二度と失いたくはない。
失ってから初めて気づいたんだ、かなた、お前がどれだけ大切だったかを。そばにいるのが当たり前で
居なくなるなんて考えた事もなかった……もう、二度と逢えなくなるなんて思いもしなかった。
もう嫌だ!!お前と別れたくない!!もうどこへもいかないでくれ!!」
震えていた肩が激しく動き、涙は嗚咽へと変わる。
何も言わずに、ただ、優しく抱きしめるかなた。
「………………………………判ってる、こんなこと言ったってなんの意味もないことくらい………だけど……
それでも、言わずにはいられなかったんだ」
「ありがとう、そう君……わたしも、もう届かない過去の日だと思ってた。もう、こうやって逢う事は出来ないと
思ってた。だからこそ諦めることもできた。なのに、こんな……
わたしだってこのままあなたやこなたに逢えなくなるなんて嫌!!二人を残して帰るなんて………嫌!!
離れたくない!!ずーっとそばに居たい!!」
きゅっと胸元に抱いているそうじろうの頭を抱きしめる腕に力が入る。
「だけど、それは叶わぬ願い……わたしだって判ってる……わたしはもう、この世の人ではないのだから………
でもね、そう君……わたしがこうやって帰って来れたのも、きっとなんだけどね、そう君やこなたの中で
わたしが忘れられることなく生き続けていたから、こうやって神様の悪戯で逢う事ができたんだって思うの」
「いたずらか………」
ため息まじりでそうじろうが呟く。
「…もしくは、贈り物?かしら。わたしの後を追って来ないで、こなたと二人でちゃんと生きてきたご褒美。
わたしの葬式の後、泣く事をようやく辞めたかと思ったら、ちょっといけない事考えてたでしょ?
見ててハラハラしてたんだから……」
「……うぐっ………どの時点まで見ていたんだ?」
「前向きに、とにかく生きようと考える所までは覚えてるわ。それを確認してから急に意識が薄れて行ったの」
「……そうか、ホントに全部見られてたのか……何度も言ってるが…こなたがいなかったら確実に後追ってたよ、俺。
なんせ、こなたがいてもそういうのが頭ちらつくくらいだったからな」
「まったく……こなたさまさまね」
「あぁ、ほんとだ。こなたには感謝してもしきれないよ」
「……ん?………………そ……そう…そうく…ん…?」
そうじろうが、目の前に来ていたかなたの乳首をパクっとくわえていた。
「あ…い、いや…ははは………そ、その…目の前にあったもんでつい……ダメ?」
「……ダメじゃないけど……って言ってるそばから…あっ…もぅ…んん……ん…」
控えめになだらかに膨らんでいる胸にあるかわいらしい乳首を再びくわえ舌先で優しく転がす。
「……かなた…」
唇で挟んで押さえつけ、舌先でチロチロと突っつくようになめ回す。
かなたの息が徐々に荒くなっていく。
「……んん…ぁ………そ…そう…く…ん…あ…だ…だ…めぁぁ…ぁ…ぁ」
硬くなった乳首に対して軽く歯を立ててつつ、舌で激しく転がす。
「んああぁぁああああ!!……はぁはぁはぁはぁ」
とうとう足に力が入らなくなり、ぐったりとそうじろうの頭にしがみつく。
「ははは、気持ちよかったか?」
「………久しぶりだったし……って、もう、そう君のばか……」
きゅーーーっっと、そうじろうの頭にかじりつくように抱きつく。
「うっ………さ、さす…がに…苦しいぞ?」
そうじろうが息苦しさを訴えるも、恥ずかしさを紛らわすためなのか力を緩めようとはしない。
「むむむむ……な、なら………」
すーーーっと割れ目を下から上へと軽くなぞる。
「ひゃん!!!!」
びくりっと思わずのけぞり、そうじろうにしがみつく腕から力が抜ける。
「むふふ〜〜〜♪っとな」
さらに上下に割れ目を軽く優しくなぞっていく。
「あっ!!ちょっ!!こ、こらっ!!………ぁぁっ……だっ………め………」
ぬるっとした指先の感触にそうじろうがさらにヒートアップしていく。
表層部分だけを行き来させていた指先をすこしづつ割れ目の中に侵入させて行く。
膝がカクカクしだすかなたを、空いているもう片方の腕で支えつつ、目の前にある乳首を口でついばむ。
かなたの荒い息づかいだけがお風呂場に響く。
割れ目の深い部分へと到達した指先が小さなお豆のある辺りで小刻みに上下に動き出す。
「!!っだ、だめ!!あ!あ!!っ!ああ!!っっっああぁぁぁあぁっぁっぁぁっぁ!!!!」
かくっと膝から崩れる落ちる。
どうにかそうじろうの首に腕をまわして、湯船のなかに落ちないようにしがみつく。
「……かなた……」
それ以上ずり落ちないように腰の辺りに腕を回し膝立ち状態のかなたを支える。
目線をかなたへとおろす。
そのまま、無言で見つめ合う二人。
どちらからということもなくお互い顔を近づけ、そのまま静かに唇を重ね合わす。
二人とも舌先を唇に割り込ませ、そのまま舌と舌が絡み合う。
時おり、歯と歯が当たりかちりっという感覚が互いの頭に響いてくる。
片方の手で再び割れ目の中へと指先を侵入させて行く。
口を塞がれているため、声こそ出なかったが、ピクッと身体が反応しだす。
中指をするりと少しだけアソコへ出し入れしてみる。
ビクンッと身体が震え、かなたの息づかいが再び荒くなる。
一度抜いたあと、今度はゆっくりと、しかし確実に指を挿入していく。
奥まで指を入れ終わると、右に、左にと動かし始める。
それに呼応するかのようにかなたも腰を左右に動かし始める。
中指を入れたまま、次は親指でお豆さんも刺激し始める。
「!!っはぅっ!!」
思わず仰け反り、重ねていた唇が離れる。
「はぁ…はぁ…はぁ…あぁんんん…だ、だめだってば…そんな…ぁぁぁんん……」
身体に力が入らず、やっとの思いでそうじろうにしがみつく。
「ははは……かわいいぞ…かなた…」
耳元でささやく。
「…ば…か……」
(ん〜そういや、あんまり時間がないんだったな…)
かなたを弄くるのに夢中であったそうじろうだったが、ふと時間の事が気になりだす。
(日付が変わるまでにはさすがにまだまだ余裕はあるだろうが、あまりここで時間を使いすぎる訳にもいかんな、
こなたも待っていることだろうし……もうちょっと色々としたいところではあるんだがな…)
一旦、かなたから手を離して抱きかかえるようにして引き寄せる。
「かなた……そろそろ…いいかな?」
「…うん……」
恥ずかしげながらも、コクッと頷く。
抱き上げるようにして持ち上げ、そのままそうじろうの太ももの上に座らすような体勢に降ろして行く。
そのまま、降ろしがてら挿入といきたかったのだが、約20年ぶりの本番、しかもお風呂での座位になる為
肝心の部分がよく見えないという悪条件が重なり、なかなか思うようにいかない。
何度か挑戦したあとに、かなたが助け舟を出す。
「……そう君…ちょっとまって…」
そうじろうの肩に手を置き、入り口部分にそうじろうの大きくなった頭部分をあてがう。
「……そのまま、降ろしてくれれば、多分、大丈夫……」
「……サンキュッ…んじゃ、だいぶお待たせしたが…今から行くな…」
そぉーっと降ろして行く。
にるぅーーっとそうじろうの息子がかなたの中へと少しづつ入って行く。
「…んぁ!!……」
そうじろうが思わず声を上げる。
忘れていた久しぶりの快楽の感覚に頭が白く飛びそうになる。
「…んふっ♪…そうくん、気持ちいい?」
「はい!!メチャクチャ気持ちいいです!!」
そうじろうの大きくなった息子が、深々と入って行き終点へとたどり着く。
(くっぅっっっ〜、いかん!!だ、だめだ、も、もう逝きそう……き、気もち良すぎ……)
「……や、やばい。出そうです……三擦半どころか一往復すらしてないっつーのに…面目ない……」
「……そんなの気にしなくてもいいのに…今度はわたしが、気持ちよくしてあげる」
かなたが少し腰を持ち上げる。
「!!!!!くはぁぁぁ!!」
そうじろうに電流が走ったかのような快感が押し寄せる。
そうじろう側から見れば息子が引き抜かれた状態で、ちょうどこれで一往復。
たかが一往復、されど一往復。
もはや、爆発寸前。
「…はぁぁぁ…んん……」
深く息をはき、かなたが再び腰を落とし、そうじろうの太ももの上に座る。
引き抜かれていたものが、ぐいぐいとかき分けて再び挿入されていく。
そうじろうの先っぽがかなたの一番深い所を突き刺す。
「はぅぅぅああああああぁぁぁあぁぁぁ!!!!もうダメぁぁぁ!!でるぅぅっぅぅ!!かなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
限界を超えたそうじろうが一瞬ビクッと波打つと熱い一撃をかなたの中へと大量に放つ。
「はぁはぁはぁはぁ……かなたぁ……」
そのまま、きゅぅーっと抱きしめる。
「えへへへ…そう君……だーーい好き。愛してる!!」
かなたもまたきゅぅぅと抱きしめ返す。
234 :
まだry:2008/05/01(木) 16:00:27 ID:+yPULwil
以上です。
ハードなとこへの異動と引っ越しなんかがあり、ペース落ちまくりですが、
のんびり続きを書いて行きますです。
ではまた。
>>234 おおおおおおひさあああああ!!
しかもそうじろう×かなたさんのガチエロ!
>216
……うわ
……くろっ
一時期は黒といえばつかさというくらいこの手のキャラの代名詞だったが、ここ2話ほどなんという黒つかさ。
かがみもみなみもいい感じに病んでますな。
みゆきさん(魔法少女バージョン)に一発魔法掛けて欲しいくらいの黒さだ。だがそれがいい。
なんだか押されているこなゆたも、このままでは終わらないはず。
次回も期待しておりますぐっじょぶ!
>>216 (ジャーンジャーン)げぇっ、つかさ!
そうか、関係を迫ってくるからにはこの子も相当病んでる訳で。
ゆーちゃんを襲う運命にはらはらしつつ、ぐっじょぶです。
>>234 にるぅと申したか。
ああもう、あなたの書くそう×かな夫妻の営みはどうしてこう
どこもかしこも暖めてくれるのでしょう。
お仕事お疲れさま、続きも楽しみにしてます。GJ。
238 :
23-49:2008/05/01(木) 18:05:42 ID:8r6w1ZBO
どうもです
あんまり間あいてなくて恐縮ですが、例のアレ、第九話です
他に予定されてる方がいらっしゃらないようでしたら五分後ぐらいから投下させてください
・かがみ視点
・エロ無し
・8レス使用
・オリキャラ的要素あり
【track 9 : 手遅れになる前に】
二、三時間ほど前のことだ。
料理や飲み物を運んでいる最中、誰もいない廊下で、私は峰岸に呼び止められた。
「こんなときに言うことじゃないかな、とは思うんだけど……」
そんな前置きに続いて言われたのは、私を紹介して欲しいと言っている男子がいる、ということだった。
なんでも峰岸の恋人である日下部のお兄さんの、その友人の弟だかなんだかで、
私たちと同じ陵桜学園の二年生らしい。
もちろん動揺したし、また腹立たしくもあった。
本当に、なんでこんなときに、と。
しかし同時に、まったく別の方向から、
これは――使えるかも知れない。
そんな思いが沸き起こった。
頭が急速に冴えていくのを感じた。それまでずっと空回転を続けるだけだった歯車が突然噛み合い、
そして小気味よいほどの勢いで回り始めたような。
「返事は今すぐじゃなくても……柊ちゃん?」
「峰岸」
行ける。
これなら、真実を話さずにみんなを納得させることができる。
「封筒とか、持ってない? できれば何も書いてないやつ」
そして借り受けたのが、今私が手にしているこの封筒。
ひらめいたその場の勢いで言ってみただけなのに、本当に持っていたのには驚いたわね。
そーいや中身はなんなのかしら。
まぁ、なんでもいいか。理由も教えずに借りた上に勝手に見るなんて、さすがに峰岸に悪いし。
ともかく、これで乗り切れる。
筋書きもパーティーの準備をしている間に組み立てた。
おかげで上の空になっちゃって、結局いつも通りには振舞えなかったけど。
あと切り出すタイミングにも困ったけど、どちらもまあ、結果オーライでなんとかなった。
しかし、
「「「――ええええぇえぇえぇぇぇぇえぇえぇぇええええっっ!?!!?」」」
「っ……!」
突如響いたサラウンドの絶叫攻撃に、思わず耳を押さえて顔をしかめる。
こなたと日下部、つかさと……あと田村さん?
「……なんつー声だすのよ、まったく」
ああなんかデジャブ。
「なんで!? なんぞ?! なんの伏線もなかったじゃんっ! そんな超展開私は認めないよ!?」
「そーだぞ! いつの間にそんなことになってんだよ! てか相手誰だよ!!?」
聞いちゃいねーし。
「だあぁっ! っも、うるせえー!!」
左右から詰め寄る馬鹿二人を、怒鳴って蹴散らす。
さすがにここまで激しい反応は予想してなかった。
てか、仮にも年頃の女子高生が「ラブレター」って単語に対して暴れだすってどーなんだ。
他のみんなも、叫んだりはしてないけど揃って目をまんまるにしてるし。
峰岸まで。
あんたのそんな顔、初めて見たんだけど。
ん……ゆたかちゃんだけは、微妙に反応が薄いわね。どちらかと言えば早くも納得したような顔。
「そーだよ! 誰なの相手は!」
「ちょっと貸せ! 見せろ!」
って、コイツら収まってなかったし!
競い合うようにこちらに手を伸ばしてくる二人に、意識が他に逸れていたこともあって、反応が遅れた。
「ちょっ……あっ!」
「よっしゃ!」
「ナイスみさきち!」
しまった。コイツらの運動神経を甘く見た。しかも地味に連携しやがった。
日下部の手が封筒の口にかかる。まずい。
「まっ――」
「――だめぇっ!!」
悲鳴。
私じゃない。
全員が動きを止めて、声の主を振り返る。
「……あ、やの?」
日下部にとっても珍しいことなのか、信じられないものを見るような目だ。
それに抱きつく格好で、恐怖か驚愕か、こなたも顔を引きつらせている。
他のみんなも、だいたい同じ反応。
私もだ。
ただ、つかさだけは、どこか訝るように眉をひそめていた。
「……だめよ、みさちゃん、泉ちゃん。そういうのは、本人以外は、見たらダメ」
それらの視線を跳ね返すように、峰岸は断固とした口調で言い放つ。
「「ごっ……ごめんなさい……」」
両手を挙げて声をそろえる二人。
「……ったく」
とりあえず封筒を取り戻す。助かったけど……峰岸、ちょっと焦りすぎよ。バレちゃうじゃない。
それとも、ひょっとしてマズいものだったの、これ?
だったら言ってよ……って、説明しなかった私も悪いか。
けど一度口に出してしまった以上、もう引っ込みは付かない。貫き通す以外にない。
「あぁもう、シワになってる……にしても、さすが峰岸。彼氏持ちはタブーを心得てるわね」
「そ、そんなこと……」
一応のフォローを入れると、峰岸は気まずそうに顔を赤らめた。
なんとなく漂っていた緊張感と慌しさが、少し薄まる。
「アノ……」
それを見計らったように、パトリシアさん。
「結局、ドゥイゥことなのでショウか」
「そ、そうっスよ。そのラ、ラブレター、が、なんなんスか?」
続いて田村さん。
ええ、そうね。
確かにラブレターというだけでは、みなみちゃんの話の中で私が落ち込んでいた説明にはならない。
「それは――」
「そーそー。てか見せてくんないならなんで持ってきたんだよ」
説明しようと口を開きかけたところに、また日下部。
さらにこなたまで勢いを取り戻す。
「そだよ。いやそれより相手は誰なのさ!」
「いや、だからそれは……」
「――待ってくださいっ」
「「「……!」」」
今度は、みゆきだ。
頬を紅潮させて肩をいからせる姿に、またしても全員がぎょっとする。
みゆきは、失礼、と咳払いを一つすると、私に迫っていた四人を真摯な瞳で見回した。
「みなさん、まずはかがみさんの話を聞くべきです。質問はそのあとにしましょう」
「……ごめん」
「……ごめんなさい」
「……Sorry」
「……申し訳ないっス」
揃って項垂れる日下部他三名。
みゆきと、峰岸。ふだん穏やかな二人からの二連続での叱責は、さすがに堪えたようだ。
大人しく聞いていただけのゆたかちゃんやみなみちゃんまで首をすくませている。
田村さんとパトリシアさんも別に悪くないと思うけど、まあ、黙ってくれてた方がやりやすいか。
「みゆき、ありがと」
「あ、いえ……」
ひとまず礼を言うと、みゆきは困ったように眉を下げ、首をかしげる。
さて。
仕切りなおしだ。
軽く目を閉じて、ため息のふりをして深呼吸。その間にもう一度筋書きを確認する。
行ける……わよね?
「――まず、差出人と手紙の内容は、教えない」
「「えぇ〜?」」
前置き代わりの宣言に、いきなり挙がる不満声。
具体的な発生源は、言わずもがな。
「うるっさい。あんな反応されて言えるわけがないし、言わなくても問題ないでしょ、この場合は」
そこまで脚本を煮詰めてないってのもあるけど、実際言う必要はないだろう。
問題なのは「昨日、何があったのか」なんだし。
それにもしこれが真実だったとしたら、私なら意地でも言わないと思う。だからここは流す。
OK。次。
「で――受け取ったのは、三日前……木曜日ね。その放課後。受け取ったってゆーか、靴箱に
入ってたわ」
「あ」
つかさが短く声を出す。思い当たったか。
「そう。あんたとみゆきがトイレにって席を外してる間に見つけたの」
実際は、例の男子三人組の会話を靴箱越しに聞いていた時間だ。
だけど……だから、100%の虚偽でもない。
あの会話の中には、確かに私に対する好意を示すものもあった。
説得力を持たせるために、その部分をあえて反芻しながら私は語った。
「言われてみれば、あのときのかがみさん……ですが、少し機嫌が悪そうに見えましたが……」
「必死に隠してたのよ。……そんなふうに見えちゃってたか」
やや不審そうなみゆきに、ふっ、と肩をすくめてみせる。
「じゃ、一昨日から寝不足だっつってたのも、それか?」
「そうよ。悪かったわね。――それで、昨日なんだけど……」
割り込んできた日下部にも軽く答えて、そこで口が止まった。
ここまでは、大丈夫。
問題はここからだ。用意した言い訳は、ちゃんと通じるだろうか。
思わず泳ぎかけた視線を、まぶたを閉じて押さえつける。
息を吸って。
吐いて。
目を、開く。
「……一度、なくしちゃったのよ、これ」
封筒を掲げながら、ぽつりとこぼすように。
様子を盗み見ると、みゆき、みなみちゃん、ゆたかちゃんのあたりが軽く息を呑んでいた。
他のみんなも、「えっ」って感じ。
行けるか……?
「昨日、教室で、日下部と峰岸と別れたあとよ。カバンに入れてたと思ったのが入ってなくてね。
それでパニックになっちゃって……」
焦ったような早口になってしまった。
バレたか? ――いや。
「で、つかさとみゆきと、あとみなみちゃんがご存知の通りってわけ」
みっともないところを見せてしまったんだ。
このぐらいでも、問題はないはず。
「あ、峰岸もか。ごめんね」
「気にしないで。そういうことなら、仕方ないわよ」
お、もう普通に戻ってる。
この子も大した役者ね。
「え? じゃあ、どうしてこなちゃんを探してたの?」
うっ……つかさ。
できれば、そこには触れて欲しくなかった。
一応答えは用意してあるけど、こればかりはさすがに、使うのは気が引けてしまう。
「へっ、私?」
こなたが目を丸くする。
「そーいやケータイに着歴残ってたけど……まさか、かがみ」
携帯電話を取り出しながら、言いながら、その顔が不満げなものに変わる。
「私が盗ったと思った、なんて……言わないよね?」
「……」
目を逸らした。
「わ、悪かったわよ。でもしょーがないでしょっ、そのぐらいパニックだったのよっ」
本当に、悪いとは思うけど。でもそれしかないのよ。
矛盾を解消するにはそういった筋書きしか、少なくとも私には思いつかなかったのよっ。
……それに、そもそもあんたがあのとき電話に出ていれば。
あの時点であんたとちゃんと話ができていれば、こんなことにはならなかったはずなんだから。
「でもちびっ子ならやりそーだよなー」
お?
「いやいや、泉先輩なら中身をすりかえるパターンっスね」
呆れたように言う日下部に続いて、田村さんもフムフムと笑った。
思わぬ助け舟だ。
これは……乗っかるか。
「うわっ、ひどっ! 私ってそんなイメージ?」
「……ってゆーかアンタ、前科あるし」
わめくこなたを横目に、ぼそりとつぶやいてみる。
「なにソレっ! ワタクシがイツそんなコトヲっ!?」
なんで微妙にカタコトだ。
「一学期の中間の少し前ぐらいだったかしら? 私のカバンにヘンな本、入れてくれたわよね?」
「入れただけだよっ! 何も盗ってないよっ!」
「じゅうぶんだ馬鹿者」
わめく馬鹿を冷たく両断。自然とうんざりとした声が出た。
なんだか……波に乗った感じだ。
私ってこんなに嘘が上手かったかしら。
「中間?」
と、日下部が何かに気づいたようにつぶやいた。
「ひょっとして、あのときのアレか?」
「ええ、まさにそのときのソレよ。……あのときは、怒鳴って悪かったわね」
こなたがアレをやらかしたとき、
写させていたノートを返そうとカバンに触った日下部に過剰反応してしまったことを思い出す。
本当に、あれは危機一髪だった。
いや別に私のじゃないから見つかったところでいくらでも説明できたんだけど。
「そっか、ちびっ子が原因だったのか」
「あれあれー? なんだか私が大ピンチだよー?」
「……あ、それでは……」
おどけるこなたを無視する形で、みゆき。
「今朝、電話であのように説明してくださったのは……」
「……そ。あのときは、まだ誰にも教える気はなかったし」
自然な形で球を返せた。
今朝、つかさとみゆきにああ言っておいたのは正解だったわね。
絶対に通じない苦し紛れだと思ってたけど、そのおかげで思いつくことができたようなもんだし。
……と、他の何人かが首を傾げている。ついでに説明しとくか。
「つかさとみゆきには、こなたがまた同じことやらかしたからって説明したのよ。昨日、その……
パニくったところ、見せちゃったから」
「なんという人聞きの悪さ……」
「じごーじとくだろ。ったく、人騒がせなヤツだぜ」
「うぐぅ〜……」
日下部に言われて、落ち込んだ素振りで奇声を発するこなた。
前もやってたな。何のネタだ。……どーだっていいけど。
「そうでしたか……あ、すみません。脱線させてしまいましたね」
「いいのよ。――えっと、どこまで話したっけ」
「ラブレターをなくして、泉先輩が盗ったと思ったってところまでっス」
視線を宙に飛ばすと、田村さんがすかさず答えた。なかなか聞き上手ね、この子。
「あ、そうそう」
「でも、見つかったんスよね? どこに…………あ」
そして質問をしかけて、ハッとなる。
「今、ここにあるってことは……」
「……鋭いわね。そうよ。今日使ったカバンの中に入ってたわ」
おおー、と空気が少し沸き立った。パトリシアさんが口笛を鳴らす。
ほんと、大したものだわ。
ま、私が思いつく程度の話だし、本格的にマンガを描いているらしい彼女になら、
この程度は造作もないってところなのかもね。
「いやもぅ、なんでそんなところにあったのか自分でも分かんないんだけど……とにかく、それで、
誰かに見つかったらどうしようとか、改めて返事どうしようとか、そもそもなんでこんな紙切れの
せいでこんなにも悩まなきゃなんないのよ、とか……ま、そんな感じだったわけ」
愚痴る口調で一気に言って、私はため息をついた。
終わった。
どうにか最後まで上手く喋れた。
嘘をついてしまった罪悪感もあるけど、やり遂げた達成感の方が今は大きい。
改めて頭の中で見直しをしてみても、特に不自然なところは……うん、ない。
ないと思う。
少なくとも「本当の理由」を説明するよりは、よっぽど説得力があるはずだ。
だってそんなもの、当の私にだってよく分かっていないんだから。
みんなからも、ため息というか、なんとなく気が抜けたような気配が漂っている。
あえて言葉にするなら、そうだったんだー……みたいな。
みなみちゃんも、分かりにくいけど、たぶん納得してる顔よね?
ただつかさだけは、半信半疑というか、何かに引っ掛かってるような顔で私と峰岸を見比べている。
しかし口に出して何かを言う気配はないし、問題はないだろう。
「――はあぁぁ〜〜…………」
と。
ひときわ大きなため息を吐いて、田村さんがその場にへたり込む。
「私はまたてっきり……いえ、なんでもないっス……ホントなんつー空回り……」
……いいえ。たぶん、あなたの方が正しい。
胸中でつぶやく。
もちろん気付いていた。彼女が私とこなたの衝突を回避しようとしていたことには。
あれだけ何度も露骨に割り込まれれば、いくらなんでもね。
だけど下手な慰めを口にするわけにもいかない。
私にはその資格はないし、何よりもっと相応しい人がいる。
「No、アナタは立派に役目を果たしマシタ」
その肩にそっと手を置いて、パトリシアさんが優しく囁いた。
「お疲れ様デス、ヒヨリ」
「マジ疲れたっス……なんだかとっても眠いっス、パトラッシア……」
「エエ……眠りナサイ、ヒヨリ……」
……うん、まあ、そっとしておこう。
一方で。
「ほら、私関係なかったじゃん」
日下部を肘で突付きつつ、こなたが口を尖らせている。
「まったくとんだ濡れ衣だよ」
「うっせぇな。悪かったよ」
顔をしかめる日下部。
同じ表情を浮かべそうになり、慌てて目を逸らす。
イラつく。元はと言えばあんたが……いや、関係ないわ。
そう、関係ない。
今はそれよりも、峰岸にどう返事をするか……違うか。まだみなみちゃんを祝うことの方が大事よね。
「――ねぇ、かがみ」
「……」
まぁ。
だからといって、話しかけてきたのを無視するわけにもいかない、か。
「何よ」
「結局さ、差出人は誰なの?」
「言わないって言っただろ!」
前言撤回。
無視しても問題ないわ、こんなヤツ。
「え〜? い〜じゃ〜ん。ここまで言ったんだから言っちゃいなよ〜」
「うるさい。擦り寄るな」
「同じ学校なんだよね? せめてクラスだけでも……」
「しつこいっ」
なんだってのよ。
どうせ、私のことなんかどうだっていいくせに。そんなに弄りたいか。
「じゃあイニシャルとか」
「いいかげんにしろ! 黙れっつってんのよ!」
「あぁ〜れぇ〜」
押しのけると、こなたはそのままふらふらと流れて、そしてつかさに抱きついた。
片眉が、無意識に、痙攣するように跳ね上がる。
「うぅ、つかさぁ〜。かがみがつめたいぃ〜」
もしかして日下部の真似か、それは。
ふん、なによ。やっぱりふざけたいだけなんじゃない。
「わ、わっ。えっと……よ、よしよし」
つかさも、撫でてんじゃないわよ。
「……けど、そっか……」
撫でられながら、こなたの声の、トーンが変わる。
「ついにかがみにも春が来たか……」
どこか、寂しそうに。
「せっかくみさきちと峰岸さんと仲良くなって、明日からまた毎日かがみと一緒に昼休みを過ごせると
思ったのに……その隙にそんなコトになってるなんて、どんなエボシさまだよ」
「余計な――」
……………………………………………………………え?
「――なんだって?」
今。
何を、
言った?
「ん〜? だからぁ、森に攻め込んでる隙にタタラ場を襲われたエボシさまの気持ちが――」
「そうじゃなくてっ!!」
のん気そうな声を遮って、声が勝手に跳ね上がる。
「日下部と峰岸とって……どういうことよ」
「どうって……だから、かがみがみさきちたちを置いてうちのクラスに来るからアレなんでしょ?
だから明日からは三人で来なよ、って。こっちからそっちに行ってもいいし。――ね?」
最後の呼びかけは、日下部と峰岸に。
「そだけど……え? ひぃらぎ、聞いてなかったのか?」
「聞いてないわよっ! ってかなんでこなたが日下部とのそれを知ってるのよ!?」
「え?」
つかさが目を丸くする。
「お姉ちゃん、言ったんじゃないの?」
「言ってないってば!」
「いや、私が聞いたのははみさきちからだよ。さっき言ったじゃん」
「そ、そう、だった……?」
「なによ、それ……」
え?
あれ?
待ってよ。待って、待ってってば。
それってつまり、つまり……
今、私がやったことは……
「違うわ」
……峰岸?
「台所での話なら、泉ちゃん、誰からとは言ってなかったわ。ただ『聞いた』としか」
「へ? そだっけ?」
「峰岸さん、聞いてたの?」
「聞こえちゃったのよ。――それで、柊ちゃん」
「……え?」
「どうするの?」
深い。
恐ろしく深いところから、一気に突き上げてくるような、問いかけの声。
「……どうするって……」
なにを?
なにを、どうしろって言うの?
「そーだよひーらギ。どうするつもりなんだ、結局?」
日下部?
「なに――が?」
「なにがじゃねーだろ。返事だよ、そのラブレターの」
「あ……」
視線を落とす。
白い封筒。
焦点が合わない。
そっか。
これは嘘だけど、峰岸に言われたのは、本当なんだった。
それを考えなきゃ。返事、しなきゃ。
でも、
「――ごめん。まだ、決めてない」
「どうして私に謝るの?」
不思議そうな顔と声。
どうしてって……そうか。
峰岸経由だってことには、なってなかったんだ。今の私の説明では。
しっかりしなきゃ。
そうだ。しっかりしろ、私。
「こっちこそごめんね、余計なこと聞いちゃって」
「う、うん」
「それじゃ、もうこの話は終わりにしましょ」
ぽん、と
峰岸が胸の前で手を打ち合わせる。
「えぇ〜?」
日下部が不満げな声を挙げる。
「ダメよみさちゃん、これ以上柊ちゃんを困らせちゃ。それに肝心の岩崎ちゃんが置いてきぼりじゃない」
「え? ……あ、いえ、私は別に……」
突然名前を出されて、みなみちゃんが戸惑いを見せる。
こなたがそちらに向き直る。
「おおっ、そーだったそーだった。ごめんね、忘れてたわけじゃないんだけど……よしっ! それじゃー
みなみちゃんからかがみにヒトコト言ってもらって、この話はシメにしよう!」
妙に早口におかしなことを言い出す。
「……」
そして、こちらに向き直ったみなみちゃんと、目が合った。
「ええと……」
少しだけ頬を赤くして、困ったような声。
なんとなく場違いな反応に思えた。
いや、この“場”の方にそもそも違和感がある。何かが間違っているような、捻じ曲がっているような。
本来あるべき流れから外れてしまったような。
でも、
――駄目だ。
そんな思いが競り上がる。
そうだ。駄目だ。これ以上、この子に心配をかけては、駄目だ。
降って湧いたような使命感と責任感。
それらが、わずかに、混乱を上回った。
「……いいのよ。別に無理して何か言わなくても。――あんたも無茶振りしてんじゃない」
体が勝手に動くような奇妙な感覚を憶えながら、みなみちゃんに苦笑いを、こなたに半眼を送る。
「え〜? ノリ悪いよかがみ」
笑っている。
どこか悲しそうに――残念そうに、笑っている。
そうだ。
コイツは、いつも無茶なこととか思わせぶりなことを言って、そうやって人を弄って楽しむヤツなんだ。
だから。
気にしたら駄目だ。
こなたのことなんか。
「……ごめんなさい……」
みなみちゃんが、恥ずかしそうに頭を下げた。
「だから、いいって。気にしなくて。……私の方こそごめんね、心配させちゃって」
「いえ……。あの、かがみ先輩」
「ん?」
「その……がんばって、ください」
「……ありがと」
律儀な子だ。
思わず笑みがこぼれた。そして、誰からともなく拍手が沸き起こった。
うん。
これでいい。
これでよかったんだ。
私は間違ってない。……間違って、ない。
247 :
23-49:2008/05/01(木) 18:21:22 ID:8r6w1ZBO
以上です
ありがとうございました
なんか自分はツンデレというものを勘違いしてる気がします
ってか、コレは本当にかがみなんでしょうか
さて次回
みんなでモノポリー(やってる場合か
>>247 む、永久ツン氷壁に亀裂確認。
引き続きワクテカ態勢に入ります。GJ。
>>247 GJ
ツンモードで素直になれないかがみの心理描写に悶えた
すれ違い萌えデスネ!
>>247 俺の大好きな作品 ! 待ってたぜ !! GJ !!!
こなたのことを意識しないよう、気にしないようにと自分に言い聞かせながらもメチャ意識してる
かがみに萌えた
それにしても相変わらず心理戦が熱いなw 読んでいてピリピリするムードがたまらない
かがみがツンデレじゃないと悩んでるみたいだが、こういうツン分多目のかがみもいいと思う
でも、物語後半でいいから、少しくらいはこなたにデレてやってくれw
251 :
(=ω=.):2008/05/01(木) 20:33:50 ID:ojIh31pl
ていうか、そろそろデレないとスネちゃうよ(〒ω〒.)
>247
うわああ……頑張ったなあ、かがみ。
ひとまずラウンド終了なのかな?次戦をwktk待機します、GJ!
GJですぅうう!!!!
それにしたって保管庫入れなくて涙目…
なんとか穏便に凍りついたかがみの心と状況に突破口ができた感じですねー
次回を楽しみにまってます!
>>247 GJ!
やっとかがみの心境が見えてきた…けど、
まだ何かが起きそうな…そんな感じがする
。・゚・(つω;`)・゚・。 どのかがみんも大変なことになりやがって
ここなんかまだましだわよ……
某スレとか某スレとか、荒れに荒れ放題でルール無視放題で……
私なんか幾度生傷精神的外傷その他諸々の傷を負ったか数知れないわ……
それに比べるとここは、傷要素入れるにしてもみんな、
ちゃんとルール守ってくれるし、「これ以上は……」という
TPOというか、紳士なところとかもあって、
そりゃあ、傷もたくさん負ったけど、許せるの……
こなた「そりゃあ、未成年も普通に入れる他のスレじゃあ精神的に」
ストーーーップ!これ以上差別的発言禁止!
それにそんなこと言ったら……
私たちも、その中に入ってるよ、年齢的に
こなた「Σ(=ω=.)」
そうじろう
じをとったなら
そうろう
(字足らず)
誰がうまいことry
261 :
kt:2008/05/02(金) 10:17:37 ID:553oxKb/
どうも、ktです
なんだか最近ふたなりものをよく見かけるようになったので
流行?に乗ってみました…なんだかすいません
それでは
「ふたみゆ☆〜実践編〜☆」
投下してもよろしいでしょうか?
・5レス
・ふたなり注意
・みゆき視点
・自作「鼻血)ry会〜」シリーズとはまったく関係ありません
です、それではどうぞ
くしゅん!
私はくしゃみをする…うぅむ、、今日はかなり冷えますね…
「みゆきさんって完璧超人だよねぇ〜!」
それは昼休みに泉さんがいつも通り私のことを話していた時でした
ふたみゆ☆〜実験編〜☆
「でかちちだし…めがねっ子だし…お嬢様だし…黒タイツだし…天然ボケだし…あと…それと―」
「ったく!毎度毎度みゆきを困らせるな!」
「あいたぁっ!」
そしていつも通りかがみさんがツッコミをいれる
私とつかささんはいつも通り聞き役で観客だ
「…でもさぁ」
「…まだ懲りないのかあんたは」
「それでふたなりならもっと完璧だよね」
そしていつも通り―…………………え?
「い、いい加減にしろーーーーー!!!」
「げほぁっ!」
かがみさんが泉さんに強烈なパンチをお見舞いしました
「な、なにをするとですか…」
心なしか泉さんの口調が弱々しいです
「あんたは余計な事をみゆきに吹き込むな!、、いい?分かった?分かったら返事!」
「……ふぁい」
「お姉ちゃん、ふたなりってなあに?」
「し、知らないわよ!」
「じゃあなんで怒ったの?」
「それはそれよ!」
うぅむ…私も初めて聞きました、、いったい何の語句なのでしょう?
「あのさ、みゆき?」
「はい? 何でしょうかがみさん」
「別にそんなこと知らなくても世間は渡っていけるから安心しな?」
「はぁ…」
しかし…それでも気になりますね、、うぅむ…家に帰ったら調べてみましょう
そして家に帰って、夕食を食べて、勉強をして
時刻は夜7時―…私の自由時間が来ました
パソコンの電源を立ち上げてインターネットに接続し、検索エンジンに
〔ふたなり〕と入力する
……数十分後
私はその語句を知ったのだった
「…これが…ふたなり…ですか…」
ディスプレイ画面にはペニスが生えている女性の方のCG画像が並んでいる
恥ずかしさもあってあまり詳しくは説明文を読まなかったのですが……
女性の性器にあたる部分から男性の性器が生えている人のこと
という解釈でいいのでしょうか?
まぁ、、確かに…
「…知らなくても世間を渡っていけますね」
くしゅん!
「うぅむ、風邪でしょうか?」
確か…このあたりに―
私はそばにある引き出しを開けて風邪薬を取り出し飲む
「ふあぁ〜、、眠くなってきましたね…お薬も飲んだことですし
、うん…そろそろ寝ましょうか」
そしてパソコンの電源を消して、私はベットに倒れこみました
―
朝、小鳥の鳴き声で私は眼が覚めました
「んっ〜っと…どうやらあのまま寝てしまったようですね…」
パソコンの電源は切れてはいるものの椅子は出しっぱなし・携帯電話は開いているままだった
…なんだったのでしょうあの猛烈な眠気は
…昨日はたいして疲れることをしていないはずなのに…
その時、ふと股間のあたりに違和感を感じました
何か……なんというか布団が盛り上がっている感じがしたのです
そう思いながら布団をめくると
パジャマズボンがこんもりと盛り上がっていました
……まだ夢を見ている…みたいです…ね…
寝直そうとうつぶせになった時、、股間にあるはずのないものから
圧迫感を感じ、私は急いで飛び上がる
「………え〜…、、と……これは……?」
私はパジャマズボンを脱ぎパンツ越しに盛り上がっている下半身を見つめている
幸いお母さまはまだ寝ている時間帯だ
……しかしこれは紛れもなく男性器…ですよね?
パンツを下ろしまじまじと見つめる私
…昨日ふたなりについて調べたからでしょうか?
……いやそんなことでいちいち性別が変わるなんてありえないですし、、、
「どう…しましょうか…」
それにしても、、いっこうにおさまる気配がないですね…この勃起…
男の方の生殖器なんてじっくりと見つめる機会なんてそうそうないですし、興味本位
で見てはいますが…
…赤い先端・そこに繋がるいわゆる竿と言われているところの浮き出た血管・そしてこのにおい
「少し…引きますね…」
しかし…こう…なんといいますか…これを見ていると…ムラムラと言うか……したくなってきますね
せっかくこんなことになったのだからやってみたい―………と思ったのだ
「誰もいません、、よね?」
私は周りを見て1人ぼっちであることを確かめる
…知識はあります、、確か皮をめくって中身をだし、皮を上下に動かせばいいんでしたっけ?
―
「…こう…でしょうか」
全裸になり胸を揉みながらペニスの皮を上下に動かす私
しばらくたつとペニスから強烈なにおいと透明な液体が溢れてくる
なんて鼻を突くにおいなんだろう…
「でも…」
そのにおいでいっそう興奮し手の動きが早くなる
「はぁ…はあぁ…」
ペニスからは透明の液体がくちゅ…くちゅ…
という音を立て始め、そしてその音が部屋に反響し私をより刺激する
「それにしても…」
今していることをお母さまやメイドさん達にみられたら…
どんないいわけも出来ないですね…
「んっ…あ…はぁ…ん」
何ででしょう…いつものオナニーより興奮します、、
まぁこんなシチュエーションなんて滅多に…というかありえないですし
…興奮するのは仕方ない…かもです
しかし、これ…事後処理はどうすればいいのでしょうか?
ティッシュでふき取ればいいのか、、ゴミ箱に出せばい―
そんなことを考えていた矢先、ペニスの方から全身へと強烈な刺激が襲ってくる
「もっ、、で…」
ティッシュを取ろうとしましたが間に合わないと判断して結局…
ペニスを手で押さえてしまいました
びゅっびゅっびゅうううぅぅ!
「あ…ふぃ…あぁぁあ…」
手の隙間からは溢れ出た精液が床にぽとり…ぽとり…と落ちていっている
腰がくだけ私は床に倒れる
ああ……けっきょく…床をよごしちゃった…
………そういえば…ついてるんでしたっけ…手に…精液…
私はおそるおそる手のひらについた精液を舐める
「……なんというか、、不思議な味ですね…」
―
「ふぅ…」
床に飛んだ精液や手に付いた精液はそばにあったティッシュでふき取りました
がどうにもにおいはとれませんね…
「…それにしても……」
このペニスは未だにぴんっ!と立っている、いわば元気な状態のままだ
「し終わってからだいぶ立っているのに…これが普通なんでしょうか?」
あぁ…しかしペニスをみていると
“これの本来の使い方をしてみたい”
という衝動に駆られる…
―これを女性の方に舐め回されたい!
―女性の性器につっこみたい!!
―私のペニスで女を気持ちよくさせたい!!!
激しく!激しく!!激しく!!!激しく!!!!ヤリたい!!!!!
自分が、相手がメチャクチャになるまで!!!!!
………………あれ?…今何を考えて…なんで…私は…
…………………まぁちょっと……1回だけ…ヤってみたいです…けど
だとしたらお相手の方はどうしましょう?
泉さんは、、ノッてくれそうですが、かがみさんがいますし…
反対にかがみさんも、駄目でしょうし…
峰岸さんや、日下部さんはあまり面識がありませんし…
―
色々と考えた結果、携帯電話を取り出し、ある人に電話をかけた
「もしもし、 つかささんですか?……今から会えませんか?」
267 :
kt:2008/05/02(金) 10:24:48 ID:553oxKb/
ありがとうございました
それにしても「…」や「私」が多いです、どうしたものか…
一応続きものの予定です
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
アンタ最高だ!GJ!
ま た ふ た な り か (よろこびながら)
まったくしょうがないなふたなりというものは(続きを期待する意味で)
しかも今回はみゆきかよ(感極まって)
つかさが襲われてしまうではないか!(もちろん興奮)
これは(自重するのは)ゆるせないね全くもって。
ようは続きを期待します。
にやけた俺の顔キメェw
>>267 みゆきさん…もしかしてペニスに操られてる!?
つかさ…うん、がんばれ。これは続きに期待
それにしても、規制の影響で帰省先でないと書き込めないとは…
準備をされている方がおられなければ、投下をいたします。
「Escape 第5話」
※こなた&ゆたか
(今回登場は つかさ×ゆたか のみ)
※注意事項
・続き物
・シリアス(※合わない方は回避願います)
・エロあり(※SM要素あり)
・13レス程度使用します
5.
小鳥のさえずりが、心地よく耳朶に届く。
窓の外からは、眩い日差しが部屋に差し込んでいる。
「ここは…… どこ? 」
私は、瞼を開きながら半身を起こして、周囲を見渡した。
しかし、白い壁もアンティークな家具も全く見覚えがない。
窓の外を見ると、青い空と常緑樹の森がひろがっている。
「えっと」
私は、昨日の行動を振り返る。
まず、かがみ先輩とみなみちゃんと大須で衝突して、頃合を計って逃げ出した。
それから、電車から降りて、家に帰る途中で、いきなり女の人に襲われた。
彼女は白いリボンを頭上につけていて……
思考をそこまで巡らせた時、小さな音をたてて扉が開いた。
「あっ、ゆたかちゃん。起きた!? 」
「つかさ…… 先輩!? 」
私を襲った犯人が、目の前にいる。
「どうしたの? 」
「な、なんでもありません」
私は、驚愕をひたすら押し殺す。
つかさ先輩は、水差しとコップを運んできて、机に置いた。
「ゆたかちゃん。お水ここに置いておくね」
「は、はい」
慌てないで! 落ち着いて!
私は動揺を必死に抑えながら、つかさ先輩に尋ねる。
「先輩…… ここはどこですか? 」
「みなみちゃんの家の別荘だよ」
「みなみちゃんの? 」
「うん。毎年、夏場しか使わないそうだけど」
「そう…… ですか」
私は視線を落としながら、ため息をついた。
「ずっと前から私を捕まえる準備をしていたんですね」
しかし、つかさ先輩は首を横に振った。
「そんな事はないと思うよ」
「えっ? 」
意外な言葉に驚く私に、つかさ先輩は教えてくれた。
「みなみちゃんが、こなちゃんとゆたかちゃんのバイト先を、お姉ちゃんから教えてもらったのは、
先週の金曜日、確か、日付は変わっていたから土曜日になるかな」
「そうなのですか? 」
ほんの数日前だ。
「うん。お姉ちゃんが言っていたよ」
のほほんとした口調で答えてから、言葉を付け加える。
「信じるも、信じないも、ゆたかちゃんの自由だけどね」
「信じます。でも、どうして」
私は、つかさ先輩の顔を改めて睨みつけて、はっきりと言った。
「どうして、私を襲ったのですか? 」
しかし、つかさ先輩は、穏やかな笑顔を浮かべたままだった。
春の木漏れ日のような、誰もが頬を緩めてしまいそうな微笑によって、敵意がそがれてしまう。
「本当にごめんね。ゆたかちゃん」
つかさ先輩が近づいて、包み込むように抱きしめてくる。
「やめてください」
拒絶の言葉を口にして顔を背ける。
しかし、つかさ先輩の柔らかい身体の感触が伝わってきて、頬が紅くなってしまう。
「お姉ちゃんが必死だったから…… 」
つかさ先輩は、私の耳元で囁いた。
「だからといって、クロロホルムを嗅がしていい理由にはならないでしょう」
「よく、分かったね」
つかさ先輩は舌をぺろりと出した。
2歳年上なのに、ちょっとした仕草がとても可愛い。
「ホントの理由は、違うんだ」
つかさ先輩の表情と口調が、真面目なものに変わる。
「ゆたかちゃん。こなちゃんと暮らした先に何があるの? 」
「私は、こなたお姉ちゃんがいれば何もいりません」
私ははっきりと言った。
ずっと周囲の人から裏切られた私にとって、信じることができるのはこなたお姉ちゃんだけだ。
「でも、こなちゃんは、そうは思っていないよ」
つかさ先輩の言葉にどきりとする。
「ど…… どうしてそんな事、言えるのですか? 」
「こなちゃんは、ゆたかちゃんよりまわりが見えている」
やめて…… 言わないで。
しかし、喉がカラカラに乾いて言葉にすることができない。
「こなちゃんは、ゆたかちゃんのことを思って、二人で暮らすことを決めたんだよ」
「だったら…… 」
それがどうして悪いの?
「でもね。こなちゃんは、ベストの選択肢を選んだという訳ではないの」
つかさ先輩は、悲しそうな表情を浮かべて続ける。
「最悪か、そうでないかを選んだだけ」
私は、つかさ先輩から視線を逸らした。
「こなちゃんが手を差し伸べなければ、ゆたかちゃんは自殺していたと思う」
冷徹な指摘から逃げるように、ベッドに顔を埋めた私の頭の上に手のひらが置かれる。
「こなちゃんとゆたかちゃんの関係はとても不自然だよ」
「…… 」
「心の奥底では分かっているよね」
つかさ先輩の言葉が痛い。でも、それでも。
「もう、遅いです」
私は、ひどく動揺しながらも、何とか声を絞り出した。
去年の暮れ、こなたお姉ちゃんと付き合い始めたころに知っていれば戻ることもできた。
軌道を修正することもできた。
しかし……
「私は、自分が決めた道を進むしかありません」
いつのまにか溢れた涙が、ぽろぽろと零れ落ちる。
「ゆたかちゃん。後悔…… しないの? 」
私は、背中をそっと撫でてくれた、つかさ先輩の顔をしっかりと見て頷いた。
「そっか」
つかさ先輩は大きなため息をついた。
しばらく、居心地の悪い沈黙が続いた後――
つかさ先輩は、うーんといいながら大きく伸びをする。
「でもね、ゆたかちゃんを捕まえた理由は一つだけじゃないんだ」
先輩の表情は、茶目っ気のあるものに変わっている。
「何、ですか? 」
私の問いにつかさ先輩は、えへっと小さく舌を出して、
「ゆたかちゃんが可愛いから」
と照れくさそうに言って、唇を塞いだ。
「な、何をするんですか! 」
「ふふ。怒った顔をするゆたかちゃんって、とってもかわいいなあ」
「そんな事…… ないです」
「どうして? こんなにカワイイのに」
つかさ先輩は、『かわいい』を連発しながら、不思議そうな顔を浮かべた。
「かがみ先輩には、かなり酷いことを言われましたけど」
少し拗ねたような顔になっていたはずだ。
「それはね」
つかさ先輩が、私の背中に手をまわす。
「お姉ちゃんは、ゆたかちゃんのことが羨ましいんだよ」
とても魅力的な顔を近づけて、再びキスをする。
「ん…… んくっ」
つかさ先輩は舌を中に入れてくる。
舌端が絡み合った淫らな音が、部屋中に響く。
「あふっ…… んっ」
つかさ先輩のキスはとてもゆっくりだけど、じわじわとした快感が奥から湧き出てくる。
「んっ、んんっ…… んむぅ」
少しじれったくなって、自分から先輩の舌の裏をなぞる。
「ん、んひゃん」
先輩はちいさく喘いで、私の背中をかきむしった。
「ん、くちゅ、ちゅばっ、んくぅ」
淫らな音を奏でながら、深い口付けが続く。
「そろそろいいよね」
私の唇を吸いながら、つかさ先輩の手が素早く動いて、ブラのホックを外してしまう。
「んんっ、くぅ」
私も対抗するように、つかさ先輩の上着を脱がしにかかる。
「あん、ちゅっ…… んむぅ、んひゃぅ」
半裸になったつかさ先輩の白い乳房と、私のそれが擦れる。
「ぷはっ」
長いキスが終わって、つかさ先輩の唇が離れた。
銀糸が刹那の間伸びて、途切れる。
「我慢できなくなっちゃった」
つかさ先輩は宣言すると、自分から残りの服を脱いでしまう。
瞬く間に生まれたままの姿になると、ついでとばかり、私の下着も剥いてしまう。
「ゆたかちゃんの肌って、とってもぷにぷにしているから癖になるよ」
「ならないでください」
「つれないなあ」
つかさ先輩が笑って、後ろから抱きしめた。
背中に、つかさ先輩のふくらみが直に当たって、ひどく落ち着かない。
先輩の手が伸びて、私の脇腹をなぞる。
「ひゃう! 」
あまりにもくすぐったくて、身体をよじる。
「ゆたかちゃん、感度がいいね。凄く興奮してきたよ」
つかさ先輩の両手が、私の胸の前に回される。
「や、やだ。いやです! 」
嫌がる私を完全に無視して、先輩の指が乳房に触れる。
「ゆたかちゃんの胸って、とても可愛いな」
「やめてください! 」
身体を捩って逃れようとするけれど、離してくれない。
しかも、少し下を見るだけで、つかさ先輩の手が私の小さな胸をいやらしく揉んでいるところが
はっきりと見えてしまい、羞恥で首筋まで赤くなってしまう。
「はぁ…… あはっ…… 」
私は小さく喘ぎながら、シーツを掴んで、必死にくすぐったさに耐えている。
「ゆたかちゃん。我慢はよくないよ」
つかさ先輩はのんびりと言ってから、私の固くなった乳首を摘む。
「痛っ! 」
痺れるような痛みが弾けて、私はのけぞった。
「ごめんね。いたかったよね」
つかさ先輩は、指を少しだけ緩めてから今度は、指の腹を使って擦り始める。
「ん…… んあっ」
喘ぎながら、私を弄ぶつかさ先輩の手を掴もうとする。
「だーめ」
「あんっ」
私の股間につかさ先輩の手がのびて、大事なところを触る。
「ダメっ、つかさ先輩、そこは駄目! 」
「ふふ。ゆたかちゃん。もうトロトロだよ…… 」
秘所をつかさ先輩が擦るたびに、ぐちゃっ、ぐちゃっと、とてもイヤラシイ音がして、
私の羞恥心を煽り立てる。
「ゆたかちゃんって、本当にエッチな女の子だね」
「違います。私、えっちじゃないです! 」
必死で否定して首を何度も横に振った。
「そう? だったら、ゆたかちゃんは、よがり声なんかあげないよね」
「イヤらしい声なんか、出しませんから」
頭で分かってはいても、簡単に安い挑発にのってしまう。
「私は、ゆたかちゃんがエッチな子じゃないことを信じているよ」
つかさ先輩の指が私の割れ目を優しく愛撫していく。
「ん…… んっ…… 」
電流を走るような快感が下腹部を襲うが、シーツを握り締めて耐える。
「全然、感じ…… ませんから」
「そうだよね。ゆたかちゃんは淫乱な子じゃないよね」
含み笑いを浮かべながら、つかさ先輩の指先が動く。
「ゆたかちゃんって、あんまり毛が生えていないんだ」
「そんな事いわないでくだ…… んくっ」
指先が私のお豆に触れて、軽い電流が走る。
「くちゅ、くちゅん」
卑猥な音を響かせながら、つかさ先輩は私のアソコを弄んでいく。
「ん…… んくぅ…… はっ、はあっ」
必死で声を押し殺すけれども、喘ぎ声がどうしても唇の端から漏れ出してしまう。
「ふふ。ゆたかちゃん。我慢は身体に良くないよ」
「そんな事…… ないです。わたし、がま…… んなんか…… していませんから」
私は、途切れ途切れになりながら、表面だけを必死に取り繕う。
「ごめんね。ゆたかちゃん」
「どうして…… んくぅ、あやまるの、ですか? 」
絶え間ない愛撫に身体をくねらせながら、私は首をねじってつかさ先輩を見る。
「ごめんね。もっと強いほうがよかったね」
つかさ先輩は邪悪といって良い笑みを浮かべながら、私のお豆を摘んで強く捻った。
「痛ああアアッツ、先輩、いたいっ、やめてっ! 」
灼熱のような痛みが、全身を駆け巡って絶叫する。
「やだ…… や、はあっ、ああっ、くああっ」
「ゆたかちゃんの負けだよ」
とても楽しそうに言いながら、つかさ先輩は、今度はとても優しくお豆を揉みほぐしていく。
「はあっ、つかさ…… んぱい、わたし、んああっ、ダメ! 」
乳首とクリを同時に愛撫されて、私は何度も嬌声をあげる。
「ゆたかちゃんの、アソコ、もうぐっしょりだよ」
「いわないで…… んああっ、はあっ、はあっ、んんっ」
荒い息をつきながら下腹部を見ると、つかさ先輩の指が、私のアソコの割れ目を擦っていた。
秘劣からは大量の蜜があふれ出して、白いシーツにはしたない染みをひろげていく。
「クチュ、クチュっ、グチュッ! 」
愛液と、粘膜が擦りあう音が、絶え間なく聞こえる。
「それは、はあっ、やだっ、んんっ、つかさせん…… ぱいが、あん」
「わたしが? 」
つかさ先輩はとことんイジワルだ。
「せんぱいが、ああん、さわるから、いけない…… んです」
何とか言い終わり、熱い息を吐きだす。
「ふうん。私が悪いんだ」
つかさ先輩の言葉に、私は反射的に頷いた。
「ごめんね、ゆたかちゃん。もうやめるね」
つかさ先輩は、秘所から指を離してしまった。
「えっ!? 」
止めないで、という言葉が喉元まで出かかる。
口では嫌といっていても、既に、つかさ先輩によって絶頂に近くまで達している。
この状態で愛撫を止められても、我慢ができなくなることは明白だ。
私は、何度も太腿を擦り合わせて、少しでも快楽を求めようとするけれど、
あまりにも物足りない。
指を使って、自分を慰めようとしたが、つかさ先輩に手首を握られてしまい、
動きを封じられてしまう。
「ん…… んん」
自分の吐息が聞こえる。快楽の頂が間近にせまっているのに、前かがみになりながら
苦し紛れにふとももを擦ることしかできない自分に絶望する。
「だめ、がまんしなくちゃ、くぅん…… 」
それでも歯を食いしばって必死に耐えているけれども、どうしても物欲しそうな目で
つかさ先輩を見てしまう。
「ダメだよ。イキたくないんでしょう。ゆたかちゃん」
つかさ先輩は、本当にイジワルだ。私の体と精神を弄んで喜んでいる。
「んくぅ…… わ、わたし」
アソコが燃えるように熱いよ。激しく疼いて我慢できないよ。
「つかさ、せんぱい」
「なあに? 」
「な、なんでも…… いえ、わたし、私! 」
我慢の限界に達して、全ての羞恥心を脱ぎ捨てて屈服する。
「お願いです。私を…… イカせてください。お願いですから、アソコをぐちゃぐちゃにしてください! 」
「ゆたかちゃん。よくできました」
つかさ先輩は慈愛に満ちた微笑をみせて、私の涙を掬い取った。
「あぅ、はぁ、はぁ、気持ちいい、気持ちイイよ」
私の望みどおり、秘所への愛撫は再開される。
「んは、だめ、やあっ、んん…… んん! 」
再び火が付き、瞬く間に激しく燃え上がる。
「ん…… んはっ、はあ、つかさ、せんぱい、いいっ、いく、いっちゃう! 」
玉のような汗を全身から噴き出る。
私は、麻薬のような底のない快楽に首まで浸かっている。
「はあっ、だめっ、んはっ、はっ、はあっ…… や、やだ、いく、だめ」
つかさ先輩の指が動くたびに、蜜がとろりと漏れ出し、太腿をつたってシーツに落ちる。
私は何度も荒い息をつきながら、先輩の指先を求めて激しく腰を振る。
「つかさ、せんぱいっ、んあっ、もっと強く、お願い、わたしっ、だめ、わたし」
「ゆたかちゃん。大好きだよ」
つかさ先輩は、とても甘い声で囁きながら、何度もキスの雨をふらしてくる。
「くちゅ、んんっ、んはっ、はむぅ、だめ、もう、くぅん…… 」
「ゆたかちゃんは、本当に淫乱な女の子だね」
つかさ先輩の言葉責めに、ぞくぞくしてしまう。
「んあっ、わ、私、そんなに、イヤらしい子じゃ、ないもん」
腰を悩ましげに振り乱しながら言っても、説得力はゼロだ。
「こなちゃんが、悲しむね」
何気なさを装って、本当は狙い澄まして放たれた、つかさ先輩の言葉がぐさりと響く。
「ご、ごめんなさい。こなたお姉ちゃん、ごめんなさい! 」
こなたお姉ちゃんへの謝罪を口にするけれど、既に火がついてしまった体では、
裏切りを止めることができない。
「ごめんな…… さい。お姉ちゃん。私、いっちゃうよ。つかさ先輩に、いかされちゃうよ」
果てしない快楽によがり狂う、元クラスメイトの従姉妹を、哀れみを含んだ目で眺めながら、
つかさ先輩が断言する。
「ゆたかちゃんは、本当に罪な女の子だよ」
「んあ…… い、いわない……で」
何度も首をふりながら、絶頂を少しでも引き伸ばそうと、膣に力を込めて必死に耐える。
「はぁ、んはあっ、やっ、はあっ、んあああっ、もう、だめ、だめえっ」
全身を硬直させて、ひたすら頂を越える瞬間を待つ。
「ゆたかちゃん。いっちゃえ! 」
つかさ先輩が叫んで、ひときわ激しくアソコを刺激した時――
「や、やああ、イヤああああ! 違う、ちがうの、これはダメ、だめなの! 」
絶頂の寸前で生まれた尿意が、爆発的に高まる。
私は泣き叫びながら、尿道口を必死で閉めて耐えようとするけれども、既に限界は超えている。
「だめ、みちゃ、だめ、漏れちゃう、もれちゃうよお」
異変に気づいたつかさ先輩は、慌てて愛撫を止めるが、既に手遅れで、私は勢いよく潮を噴き出した。
「びゅっ! びゅっ! 」
間欠泉のように、間隔を置いて黄色い液体が尿道口から出口を求めて噴出して、、
汗で濡れてしまったシーツを、止めを加えるように汚していく。
「やだ…… いやっ、いや…… 」
必死になって閉めようとするけれど、一度外にあふれ出したものはとまらない。
「まだ、でちゃう。わたしのおしっこ、でちゃう」
私は、とてつもなく長時間の排尿を終えるまで、涙を流しながら羞恥に震えることしかできなかった。
「つかさ先輩、ごめんなさい 」
「ううん、気にしないで」
コトを終えた後、つかさ先輩がぐっしょりと濡れたシーツを替えてくれた。
更に、お風呂場まで連れていってくれて、シャワーを一緒に浴びて、
身体はすっきりさせることができた。
替えの下着まで貰っては恐縮するしかない。
「本当にごめんなさい」
「ううん。いいよ。私もちょっとやりすぎちゃったと思っているから」
えっちの時の、いじわるな先輩は影を潜めて、今はとても優しい顔に戻っている。
どちらのつかさ先輩が、本当なのだろうか?
「ゆたかちゃん。何か飲みたいものある? 」
「あの、ジュースをお願いします」
確か、みなみちゃんの家の別荘と言っていたはずだが、つかさ先輩は遠慮することなく冷蔵庫から、
オレンジジュースを取り出して、コップに注いだ。
「はい。どうぞ」
「ありがとうございます」
私がジュースを飲み終えると、つかさ先輩が声をかけてきた。
「一度、部屋にもどろうか」
「はい」
台所を出て、先ほどまでエッチをしていた部屋に戻る。
つかさ先輩は窓を開けると、薄いカーテンがそよ風にあたって揺れる。
「ゆたかちゃん。私、眠いから寝るね」
大きなあくびをしながら、つかさ先輩はベッドに横になる。
「はあ」
無防備すぎる姿に呆れながら、ため息をついた時、私に背を向けたまま半ば独り言のように呟いた。
「お姉ちゃんと、みなみちゃんは11時ごろに来ると思うよ」
反射的に時計を見ると、午後10時半を過ぎている。
「おやすみ〜 」
つかさ先輩が瞼を閉じてから間もなく、寝息が聞こえてきた。
「もしかして」
かがみ先輩とみなみちゃんはここにはいない。つかさ先輩は眠っている。
「『逃げろ』といっている? 」
つかさ先輩の寝顔をみながら、私は首をひねった。
「どうして…… そんな事をするの? 」
つかさ先輩の考えがさっぱり分からない。
かがみ先輩や、みなみちゃんに私を引き渡すことはせずに、さっさと逃げろと
いわんばかりの態度を取っている。
「でも」
再び時計を見ると、かがみ先輩達がここに来るまであと20分程しかない。
考えている暇はない。
つかさ先輩が、本当に私を逃がそうと思っていても、かがみ先輩とみなみちゃんは
血眼になって捜すに違いない。
弾けるように立ち上がって、リュックの中に仕舞われていた、スカートと上着を身に纏う。
私は、つかさ先輩の寝顔を一瞥してから、リュックの隣に置かれていた靴を持って部屋を飛び出した。
読んでいただいた方、感想を本スレ及び、wikiに頂いた方、ありがとうございました。
ゆーちゃんと、つかさのえっちだと、つかさが攻めになるような気がします。
つかさは、ジョーカーのような立場で活躍させることができれば…… と思います。
では。
乙でした。リアルタイムで読ませて頂きました。
つかさ……考えが読めない……壊れ、た?
オレンジジュースが真っ当なモノかも含めて目が離せない
>>287 これで……、なおゆたかさんが逃げれないように仕組まれていたとしたら……
私を超えるっ……策士っ……
つかささんのくせに……
つかささんのくせに……
つかささんなんか……
>>267の私の愛のシンボルに貫かれて
うにょ〜んとか言えばいいんですっ!!!!
みなみ「なんで……やっと捕まえたと思ったら……他のお手つき……orz」
290 :
ふた☆自重:2008/05/02(金) 19:51:00 ID:MVYhGy3j
うおおおおおーっ!?
ちょいとネット環境から離れて、ようやく来て見れば……何なんですかこの神SSラッシュ!
っていうか……
ふ た S S 盛 り 上 が っ て き て る ーっ !!!
マジすかマジすか。うぎょうざぁぁぁぁぁんっ! オレの愛棒がかつてない漲りを……!
はあはあ……ちょっと興奮してしまいました。
投下なさった作者の皆様、感想をまとめてしまって恐縮ですが、GJでした!
それと、前スレで僕の拙いイラにコメントしてくれた方々にも感謝です。
こなたのアレは確かに、頑張って屈めば届きそうな長さですな。うpしてから気付きました(^^;
というか、ミニ四ファイターは引退してたのか……
>>1 遅ればせながら、スレ立て乙です。立てた時間が凄いですね(^^;
>>63 誘い受けという、こなた48の必殺技の1つですな。
SS期待してますよ〜。
>>127 ふたひよキタ!
選択肢は勿論、2の「実はこなたもふた○りで、二人で擦り合わせたり剥き合ったりする」に決定だっぜーっ!!(おい
>>262 ふたみゆキタ!
皆、生えた事に驚いても悲鳴を上げないものなのかな。僕の書いたやつもそうですがw;
みゆき「というか、貴方は早く私とつかささんのSSを書き上げなさいと」
つかさ「ゆきちゃ〜ん。その人、押さえておいて〜」
ふた☆自重「ちょ、何をするのかな君達離してくれなさいコノヤロ」
みゆき「反省の色が見えないので、つかささんの愛棒(劇場版)で精神注入です」
ふた☆自重「誰が上手い事言えt(ry アッー」
つかさ「ふわああ、おもむろにオシッコがしたくなってきちゃったよ〜」
ふた☆自重「オ、オレの尻の穴でs(ry アッー」
JYOOOOO
みゆき「nice big bang」
291 :
42-415:2008/05/02(金) 19:58:44 ID:CsQDDry5
>>287 真っ黒でいてしつこくなく、策略を使うのに白い…これが”つかさの味”か…
>>290 貴方と言う人はwwwww
というかwwwwネタ読まれたwwwwww
それはそれとして二票入ったので前作の続きの選択肢はAで。
ちなみに選択肢の結果は以下のようになっていたのです
@→一年生sルート
A→こなたルート
B→禁断の教師ルート
つかさとゆーちゃんの絡みはすごく好きだ。
なわけでGJ!
小悪魔ゆーちゃんがつかさを攻める話もまた……。
とにかく続きが気になりますねー
誤字訂正します。
>286
午後10時半→午前10時半
失礼しました〜
>267
GJ
やばい、やばすぎる。
きょにゅうのみゆきさんだとエロさ倍増だあ。
つかさ大変だなw 続きをwktkしながら待ってます。
PS
「……」や「私」は、気にしなくていいんじゃないですか?
自分も滅茶苦茶多いし。
>>287 わからん…つかさの考えることがわからんッ…ッ!
まさにジョーカーッ…!
まさか前のえっちはかがみに「自分は裏切らない」と勘違いさせるため…?
それとも他に何かがあるのか…ッ!
そしてかのお方の降臨はないのか…?
とにかくGJ!
>>287 な、なんというジョーカー…!両軍ともに手をかけてしまうだと…!?
というか一番淫乱なのはつかさ本人なのではないかと小一時間(ry
とにかくこれは続きをwktkするしかないぜ
296 :
ふた☆自重:2008/05/02(金) 20:49:31 ID:5jTIvwlq
しかしアレですな。黒井センセといい、ゆーちゃんといい……なんかボク、おしっこ属性に目覚めそうです。
……そんなこんなで、前回からだいぶ時間が経ってしまいましたが、5分後にSSを投下させて頂きます。
非常に残念なお知らせですが、つかみゆではありませ……うわ二人とも僕をどこへ連れて行く気だひいいやめt(ry
>>291 ネタバレしちまったあああああっ!?
申し訳ないっ! でも期待してますっ!
297 :
ふた☆自重:2008/05/02(金) 21:00:02 ID:5jTIvwlq
では投下します。生殺し状態だった「せん☆ずり」の続きです(^^;
■注意事項
・エロ有り(こなた自慰←ふた○り)
・こなた式かがみエロMAD(どんなだ
・淫語大全開
・ア○ゾン
・2レス使います、多分
そっと目を閉じると、『かがみ』の媚びた顔が現れた。
脳裏に映る『かがみ』の姿はすでに全裸で……意外とボリューム感のある胸も、少し大きめのお尻も、惜しがる様子もなく私の前に晒している。
「ああ、きれい……きれいだよ、かがみぃ……かがみぃ……」
自室のベッドの上――横向き状態で寝そべっている私は、うわ言の様に親友の名前を呟きながら、ローションをたっぷり含んだオナホールをゆるゆると動かし、中に埋まった亀頭に刺激を加えていく。
まぶたの裏では、すでに『かがみ』は正常位の姿勢で私のペニスをぐっぷりとくわえ込み、上気した顔で嬉しそうに腰を振っていた。
『んん……ふあ……ああん……こなたのオチンポ、気持ち良いのぉ……こなたも、どう……? 私のオマンコ、気持ち良い……?』
「うん……気持ち良い……気持ち良いよ、かがみのオマンコぉ……」
淫らな言葉で、私と脳内の『かがみ』は互いに賛辞を交わす。
シリコンでかたどられた膣内では、パンパンに強張った亀頭の先から先走り汁がじわじわとにじみ――ローションと混ざり合ってペニスの全長をまんべんなく濡らしていく。
握る手に力を込め、小刻みに振り立てて亀頭部分を重点的に攻めたり、くびれが見える寸前までオナホールを引き、根元まで一気に力強く打ち込む。
使い慣れるうちに習得したテクニックで、私のペニスは射精欲を急速に高めていった。
「かがみっ、かがみぃ……もう出るっ、出るぅ……んああっ……精液、出るよぉ……っ!」
『んぅ、んん……! い、いいよ、こなた……私のえっちなオマンコに、こなたの熱々の精液……いっぱい出して……っ!』
はしたない台詞を次々と『かがみ』に言わせ、私は左手の動きを速める。
オナホールを大きくグラインドさせる度に、小さな入り口からはぶちゅぶちゅと泡立ったローションが漏れ、股間の周りを濡らし続けた。
「あ、あ、イクイク……!」
ラストスパートに向けて、ぎゅっと固くまぶたを閉ざす――と、私のピストン運動に耐えるように、シーツをきつく握りながら揺さぶられる『かがみ』の姿が、脳裏に再生された。
『あん、あん、あん、あん! 早くっ、早くぅ……あっ、あっ、あっ、あっ! こなたの、こなたのこってりした精液……オマンコっ、オマンコにぃいいいっ!』
「もう少し、もう少しだから……」
いよいよ迫る絶頂の瞬間。
私は『かがみ』の足首を手荒く掴んでV字開脚にさせると、俄然とピストンを加速させる。
その脳内イメージをトレースするように、私はオナホールをしゃにむに振りたて、ペニスを乱暴にしごき上げた。
『あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! もっと、もっとオチンポ、ごちゅごちゅってしてぇっ! んああああっ! あーっ! あーっ! あーっ!』
髪を振り乱し、よだれを流しながら、私の想い人は大音量の嬌声を上げる。
かがみ……。
怒りながらも、そっぽを向いて照れるかがみ。
文句を言いながらも、優しく笑ってくれるかがみ。
まぶたの裏に次々と映し出される、様々な表情のかがみ。
大好きな、大好きな、私のかがみ……。
そんな大切な友達の痴態を勝手に想像して、あろう事かそれをオカズにして、オナニーに励む自分がいる。
しかも仮想とはいえ、いまだ何者も立ち入っていないハズの、かがみの大切な場所……その聖域に自分の肉棒を突っ込み、生臭い精液をたっぷりと注ぎ込もうとしている――ない交ぜになった背徳感と満足感は、後戻りできない高みまで私の性感を押し上げていく。
そして――私に都合のいいタイミングで、『かがみ』はついに絶頂を迎えた。
>>267 俺のジャスティスみゆつかktkr !
淫獣と化したみゆきにつかさピンチ !
萌 え あ が っ て ま い り ま し た
>>290 さあキミも早くみゆつかSSに取り掛かるんだ !!
『イッ、ク! イク、イクッ! イク、イク、イクイクイクイクイク……ひっ、い……イ、イイイクぅううううううううううーーーーーーっ!!』
上体を反らし、あらん限りの音量で嬌声を上げる『かがみ』。
私もそれを追う形で、鈴口から濃厚な白濁液を噴出させた。
びゅるるるるぅううううーーーーーーっ!! びゅるるるるるっ! びゅうううううっ!
『んあああ〜〜〜っ! あっ! あああっ! あひぃいいいいっ!』
『かがみ』は眉をたわませ、口元からよだれを垂らしながらエクスタシーを享受していく。
私もしまりのない顔で、腰が砕けるほどの半端ない射精感に酔いしれた。
びゅるるるっ、びゅぶっ、びゅぐぐ……っ!
「んにゃあああ……わたしぃ、かがみのオマンコ、中出ししてるぅ……せーし、止まらないよぉ〜……」
ありもしない子宮口に先端を押し付けるように、力を込めてオナホールを根元まで押し込むと――赤黒く充血した亀頭は貫通式のオナホールから顔を出し、シーツの上に生っちょろい精液をぶちまけていく。
『ああ……はあ……はあ……ん……は……こなたぁ…………』
長かった射精が終りを迎えると、脚をぴんと突っ張らせていた『かがみ』は、ようやく全身を脱力させる。
『こなたぁ……ふふっ、大好き……♪』
幸せ心地に口元をほころばせ、『かがみ』が私を見つめたまま――脳内映像は、そこで途切れた。
せん☆ずり 〜こなた2〜
「はああああ〜〜〜…………っ」
甘い溜息を吐きながら、絶頂の余韻に震える腰からオナホールを慎重に抜き取る。
ぶぢゅぢゅぢゅ……ぬ、ぽぁ……っ。
ローションと精液にまみれた肉竿は、入り口から出ると文字通り精根尽き果てた様子で、そのままくったりとうな垂れる。
私は無造作にオナホールを放ると、仰向けになってベッドの上に手足を投げ出す。
「ふにゃ〜〜〜……気持ち良かった〜〜〜……」
心地良い疲労感に身をゆだね、私は満足気にまぶたを閉じた。。
〜完〜
「………………」
や っ て し ま っ た 。
……かがみをオカズに、またやってしまった……。
急速に心の中が冷めていくのを感じながら、ぼんやりと天井を見やる。
ペニスが生えてから一週間。
……私のペニスは、エロゲでは勃ちはしても、もはや抜けなくなっていた。
タ○姉萌えのアレや、その続編のコレや、最近はフェラ音に定評のあるテ○オスのソフトとか、家にあるエロゲを片っ端から試してみたけれど。
「変だよねぇ。生えてなかった頃は、夜刀○斬姫行とか私のフェイバリットアイテムだったのに」
結局、どれも私を満足させてくれるには至らず……それでも頑張って、頑張って……ア○ゾンでオナホールとローションを購入して、何とかエロゲで抜けるように努力してみたものの。
二次元に傾倒していたはずの性欲は、いつしか現実世界の――いつも隣で笑っている、柊かがみという少女に方向転換していた。
気付かない内に、いや、気付かない様にしていたのに。
私の心はいつしか、かがみの事で一杯になっていた。
……ううん、分かってる。
私の言葉にすかさず突っ込みを入れるのも、私に付き合ってゲマズに行ってくれるのも――あるいは、コンサートで私と席を入れ替わってくれたのも。
それは好意ではなく、友情――友達として、ごくごく当たり前の、適切なフレンドシップなのだ。
きっとそう……そうに違いない。
そんな優しさに勘違いしてやっている事といえば、その親友をずりネタにオナニー三昧――これが私。
泉こなたの、偽らざる今の姿。
「あはは……私って、さいてー」
自分の浅ましさに、思わず自嘲的な笑みを浮かべる。
あはははは。
あはは、はは…………。
………………………はーあ。
なんか、もういいや……止めだ、止め。
かがみとの友情を裏切り、簡単に性欲に屈する――そんな女なのだ、私は。
はいはい、それが結論。
何事も自重せず――それが、こなたクオリティ。
私はかぶりを振って、強引に思考を中断させると、改めて自分の股間辺りのシーツに目をやった。
「………………あー…………シーツ、洗わなくちゃな〜……」
ヨーグルトの容器を盛大にこぼした様な、そんなベッドの上の惨状を一瞥し、気だるそうに呟く。
シーツがこんな有様では、夜はとてもベッドで寝られそうにない。
仕方なく私はのろのろと身体を起こすと、後片付けに取り掛かった。
「……しかしアレだね。なんで男の方でオナった後は、こう、空しい気持ちになるのかなぁ……」
射精は感覚的にも視覚的にもスッキリ感が強い分、余韻の冷め方が、女のそれよりも明らかに早い。
しかもたちどころに、なんとも言えない虚無感が襲ってくるのだから難儀なものだ。
「この感覚はどうにかなんないかなあ……何か、すっごく悪い事したみたいだし……」
ローションと精液まみれのペニスをウェットティッシュで拭いながら思案する。
……友達をオカズにしている時点でアウアウな感じだけど……まあ、それはそれ、これはこれ。
「はーあ。どうしたもんかな〜」
私はぶつぶつ言いながら、とりあえず大量のティッシュを引き抜いて、ぶちまけられたローションと精液を拭き取り始めた。
その時……部屋の外で何か物音が聞こえた、ような気がしたけど。
ドアには鍵をかけていたし、下着も履き終えていたから、私は別段気にも留めなかった。
だから、彼女が――かがみが、私のオナニー声をず〜〜〜っと立ち聞きしていた事など、知るよしもなかったのだ。
〜完?〜
302 :
ふた☆自重:2008/05/02(金) 21:06:18 ID:5jTIvwlq
以上です。読んでくださった方、有難うございました。
萌えて、かつ使えるせんずりSSってどんなだよーとか、結構悩みながら書きましたよ。当初は軽い息抜きのつもりで書いてたのに、気が付けば結構な長さになってしまいましたわ(^^;
「完?」とありますが、続きを書くかどうかは分かりません。また息抜きしたくなった時にでも、手をつけるかも知れません。
>302
ぐっじょぶなのです。
ナニした後のむなしさはおにゃにょこにはわからんのです。
かがみんが立ち聞きした後の展開が気になります。
ふた自重の人がどんどん磨き抜かれている!(愛棒的な意味で
次作や続編を楽しみにまってます!
>>302 「何故かがみがそこにいるんだあああっ!!」
「肉体が…魂が反応したんだ…」
「ただ泉さんがいるところに寄って行っただけでは…」
GJ!誰が誰の台詞かは勝手に考えてくれ。
元ネタは知ってる人だけ笑ってくれればいい。
306 :
kt:2008/05/02(金) 22:57:05 ID:1tqDUohJ
本家さんキター!
これはもう続きにコンティニューだ!
さて、話は変わりますが…自分のSSが結構高評価?なのは自分でもびつくりです
……先週の終わりぐらいに思いついて…
で今日完成したものっそい突貫工事だったのですがw
続きですが自作「鼻血)会☆〜」シリーズの合間に投下できたらな、、と思っています
何故だ…俺はふたなり属性は無いはずなのに…
こん畜生が!も っ と や れ
308 :
35-215:2008/05/03(土) 02:54:33 ID:WckIBBW9
>>302 「そういえば以前どう見てもかがみんなオナホを某カ○速で見た気がする」
「おい!」
いや、マジでカ○速で見たあれを思い出しました。
さて、相当間が空きましたがかがみなシリーズのラストが書けたので投下したいと思います
・かがみな
309 :
2人の夜:2008/05/03(土) 02:57:23 ID:WckIBBW9
「かがみ先輩、こんばんは」
「こんばんは、みなみちゃん。ささ、上がって」
「失礼します」
電話から少ししてみなみちゃんがやってきた。つまり今日の夜はみなみちゃんと2人っきりになるということである。
「とりあえず、服は私の使えば何とかなるかな?みなみちゃんの方が少し身長高いけど・・・多分大丈夫だよね?」
「はい、おそらく」
「それじゃ、その部分は大丈夫だから・・・まずご飯を作るけど手伝ってくれるかな?」
「はい」
みなみちゃんは頷いて私と共にキッチンに立った。さて、何を作ろう・・・
「何を作るんですか?」
「鯖の味噌煮とお味噌汁を作るつもりだけど」
「あ、お味噌汁私が作っていいですか?」
「うん、お願い。私は味噌煮の方を作ってるから」
そう打ち合わせ、料理を作り始めた・・・つかさの部屋にあった本で一応味噌煮の作り方は判ったから・・・
作り始めて少し時間がかかったが、無事味噌煮が完成した。
「かがみ先輩、こっちも出来ました」
「丁度いい時間ね、こっちも出来たから食べよっか」
そう言ってそれぞれ料理したものを机に並べた。
「「いただきます」」
まず私はみなみちゃんの作ったお味噌汁を飲んでみる
「あ、おいしい」
「本当ですか?」
「うん、おいしいよ」
「ありがとうございます。こっちの味噌煮もおいしいです」
「ありがとう、あんまり自信なかったけど・・・」
そんなことを言いながら夕食を食べ終えた。
「片付けも手伝います」
「大丈夫、気にしないで。これくらいは一応出来るから」
「でも・・・」
「大丈夫だから、本でも読んでて待ってて」
「はい、あ・・・かがみ先輩、1年の頃の教科書って持ってますか?」
「部屋に置いてあるけど・・・どうしたの?」
「少し判らない所があって・・・」
「判った。後で教えてあげる」
「ありがとうございます」
そう言ってみなみちゃんは私の部屋へと向かった。
310 :
2人の夜:2008/05/03(土) 02:58:05 ID:WckIBBW9
「さて、早い所終わらせないと」
私は洗い物を出来るだけ急いで終わらせた。
「終わったよ、みなみちゃん」
そう言って私は部屋へと入った。
「お疲れ様です」
「いや、一応これくらいなら出来るから大丈夫だよ。それで判らない所って?」
「えっと、ここです」
その後、いくつかみなみちゃんの判らない所を教えたり本を読んだりして時間が過ぎていった。
「そろそろお風呂が沸いたけど、みなみちゃん先に入る?」
「いえ、先にどうぞ」
「判った。先に入ってるね」
「はい」
みなみちゃんは先ほど判らなかった所をまだ復習しているみたいなので私が先に入る事にした。
「このままなら一応何とかなるかな・・・後でみなみちゃんが着る変えの服出さなきゃ」
と、お風呂の扉に人影が見えた
「かがみ先輩、一緒に入っていいですか?」
「え・・・うん、いいけど・・・」
「ありがとうございます」
そう言ってみなみちゃんが入ってきた。
「・・・」
話すきっかけがつかめず時間が経っていく・・・
「かがみ先輩の胸って・・・結構大きいですね」
「え・・・?」
胸の事かな?私もあんまり大きくないけど・・・
「多分みなみちゃんも成長すると思うよ」
「そうですね・・・」
まあその後色々とありながらお風呂を出た。
「私の服だけど・・・着れるかな?」
「大丈夫だと思います」
どうやら服は大丈夫だったようだ。これで安心かな?
その後はいくつか勉強を教えたり本を読んだりしながら時間が過ぎていった。
「そろそろ寝る時間かな?」
時計を見るともうすぐ12時になろうとしていた。
「みなみちゃんはここにベット使って良いよ。私はつかさのベットを使うから」
そう言って私は部屋から出ようとしたが、みなみちゃんに引き止められた。
「私は一緒のベットでいいです。かがみ先輩、ダメですか?」
うう・・・みなみちゃん、そんな目で見つめられたら・・・
311 :
2人の夜:2008/05/03(土) 02:58:32 ID:WckIBBW9
「うん、いいよ」
承諾してしまった。さっきのみなみちゃん可愛すぎるよ
「それじゃ、夜も遅いし、お休みなさい」
「お休みなさい、かがみ先輩」
ベットの中に入ったはいいけど・・・眠れない。みなみちゃんはもう寝てるのかな?
軽くみなみちゃんの方を見る、寝息が聞こえる。寝てるみたいね。
「ん・・・」
しまった、起こしちゃったかな
「かがみ先輩・・・大好きです」
声はしたけど起きる気配はない、寝言ね。
「私も大好きだよ、みなみちゃん」
そう言ってみなみちゃんのおでこに軽くキスをした。
「お休み、みなみちゃん」
そう言い瞼を閉じた、意外なほどあっさり眠りについた。
翌日、いつもよりは少し早く目が覚めた。みなみちゃんはまだ寝ているみたい。
疲れてるかもしれないし、起こさないように洗面所へ向かった。と、その途中にテレビの音が聞こえた。
「あ、まつり姉さん。帰ってきてたの?」
「うん、姉さんは先に風呂に入ってるけど」
「そうなんだ」
そう言って洗面所に向かおうとした所まつり姉さんがニヤニヤしてるのに気がついた。
「姉さん・・・もしかして・・・」
「かがみ、幸せにね」
やっぱり見られたか・・・半分気落ちしながら顔を洗い、自分の部屋へと戻った。と、ちょうどみなみちゃんが目を覚ました所だった。
「あ、かがみ先輩。おはようございます」
「おはようみなみちゃん、昨日は眠れた?」
「はい、ありがとうございます」
「よかった、着替えは・・・ちょっと待ってて」
すぐにタンスに向かい、私の別の服を取り出した。
「みなみちゃんが着てた服は洗濯しちゃったからこれでいいかな?」
「ありがとうございます、かがみ先輩」
そう言ってみなみちゃんは服を受け取った。
「それじゃ、私は下に居間にいるから」
部屋を出ようとドアノブに手をかけた所でみなみちゃんの声がした。
「かがみ先輩、大好きです」
「私も大好きだよ、みなみちゃん」
ドアから離れ、みなみちゃんに近づいた私はそう言い、みなみちゃんとキスをした。
312 :
35-215:2008/05/03(土) 03:00:46 ID:WckIBBW9
終わりです
やっと1つの話が終わった・・・
最初はエロ有の方向で書こうと思ったんですが文章力が無くて断念しました。
さて、次は桜藤祭SS・・・ネタ作り直さないと
くぅぅぅぅぅぅううううううううう!!!!!!!!!!!!
やああああああっと!!!こなゆたを平和的解決に導く理想のカップルが
ここに完結!!!!!
ツンデレクーデレのガチ融合!!!!!!!!
断念なんかせずに!!!自重なんかせずに!!!!
このまま!
( ゚∀゚)o彡゜ガチユリ!ガチユリ!
>>312 おぉ…もう一つの道がここに完結した…GJ!
本道(Escape)もいい作品ですが光で満ち溢れたこの展開もいいものです。
>>302 い い ぞ も っ と や れ
ちなみにネタバレについてはお気になさらず。読まれる程度のネタを考え付く俺が(ry
>>287 GJです
うーむ…?つかさが何を思ってこの行動を取ったのかがわからない…
二人のことを心配してるって感じはするけど、どうなんだろうか
ただ、ゆーちゃんを今のかがみとみなみちゃんに素直に渡すことを
良しとはしていない感じもするなぁ。
んむぅ・・・?
>>302 オナキターーー!
そういえば、某動画サイトに「11文字の伝言」と「ここにある彼方」を合体させたMADがあったんだが、
> 嗚呼…どんな苦難が訪れても…諦めず勇敢に立ち向か0102なさ0102…
> 愚かな母の最期の願0102です…あなたは――
> 『0302・0101・1001・0304・0502・0105・0501・0902・0501・0301・0102』
暗号の部分が
『幸せにオナりなさい』
に見えてしまったおじさんは、もうダメかもしれんね。
>>302 あんたバカだww (もちろんいい意味で)
立ち聞きしてしまったかがみのその後が気になる
もしや今度はかがみがこなたを想って自慰を始めるとか?
>「11文字の伝言」と「ここにある彼方」を合体させたMAD
やっぱそういうのあったか
俺もそういうSS書こうと思ってたし
準備される方がいなければ投下いたします。
「といきな」 (かがみ&こなた)
※注意事項
・一話完結もの
・非エロ
・3レス使用
5月初旬。
街の緑が溢れるばかりの陽光によって、日毎に色彩を濃くしていく季節。
私はこなたの家に遊びに来ていた。
おやつとジュースを頂いた後、こなたと格闘ゲームで30分程遊んだ頃……
「ふああっ」
こなたが、はしたないと言いたくなる程、盛大なあくびをした。
「こなた。昨日夜更かしでもしたの? 」
私は、コントローラーを握り締めながら、傍らに座っている少女に尋ねる。
「うーん。黒井先生達とネトゲをだね」
「何時までしてたのよ」
こなたは、再び、大きなあくびをしながら答える。とても眠そうだ。
「朝の、5時までかな」
「莫迦」
私は、ため息をついてしまった。
そんな遅い時間まで起きていれば、昼間、眠くなるのも当然だ。
黒井先生も、教え子を夜更かしさせないで欲しい。
「ごめんね。かがみ。もう限界…… 」
コントローラーをぽとりと落とすと、こなたはふらふらと歩いて、ベッドに横になってしまう。
「かがみん。おやすみ〜 」
「おいおい」
ベッドで仰向けになっている、こなたに近づくと既に瞼を閉じてしまっている。
「マジで寝たのか…… こいつ 」
ため息をついてから立ち上がり、こなたを見下ろす。
ちょっと悔しいけれど、瞼を閉じた顔はとても可愛らしい。
「むにゅー 」
両膝をついて近づき、こなたのほっぺに人差し指の腹をあてる。
「んー ふぐぅ」
ふにふにとした感触がとても柔らかくて心地よい。
「こなた…… 」
横になっている少女は、あまりにも無防備だ。
「起きないと、いたずらしちゃうぞっ」
頬をつつきながら、耳元で声をかける。
「うにゃー 」
こなたの猫のような口元が微かに動く。
「本当だぞ」
もう一度、囁いてみる。
「ん…… んむぅ」
しかし、微かな寝息をたてるだけだ。
「まったく…… 」
本当に隙だらけだ。
今、私に襲われたらどうするんだろう?
不埒なことを思いついてしまって、すぐに顔が赤くなる。
私は何を考えているんだろう?
こなたとは、宿題を写させてあげた時から始まった縁だ。
こなたは、小さな身体にあふれるばかりのパワーをもっている。
私は、彼女の魅力にいつのまにか引き込まれて、気がつけばかけがえのない親友になっていた。
高校時代が光り輝くものにしてくれたのは、まぎれもなく傍で寝息をたてている少女のおかげだった。
「こなた…… 」
さらさらとした髪をさわりながら呟く。
「わたしね…… 」
本人が起きていれば、恥ずかしくてとてもいえない言葉も、眠り姫となった今なら大丈夫だ。
想いを伝える言葉を、素直に口に出すことができる。
「こなた。私、あんたのことが好きなの…… 」
「う、うにゅ…… 」
こなたが身じろぎをする。
「ま、まずいっ…… 起きてた!? 」
身体が硬直する。
眠っていると思って告白したら、実は起きているなんてオチはあまりにもベタすぎる。
鼓動が速まる。
かあっと、顔が熱くなってしまう。
「こなた!? 」
しかし、こなたは目を覚ました様子がない。
ためしに耳たぶを、軽く触ってみても反応はない。
「ふぅ…… びっくりさせないでよ」
安堵のあまり胸をなでおろして、こなたから顔を離す。
「私…… 」
不意に胸が痛くなる。
「私、こなたのことが好き、大好きなの…… 」
私はこなたに恋している。でも、こなたは?
幸せそうな寝息を立てているこなたは、もし、私が想いを伝えたらどう答えるのだろう?
『私も好きだよ。かがみ』
からかいとしての『好き』ではなくて、本当の『好き』を言ってくれるのだろうか。
それとも、困ったような顔をしながら、静かに首を横に振るのだろうか。
私は、手を伸ばせば届く位置にいる眠り姫を眺めながらも、
容易に出口が見つからない思考の迷路を、彷徨うしかなかった。
読んでくれた方、ありがとでした。
かがみんにはたまには良い思いをしてもらいたいな、
と甘々な話を目指しましたが…… しんみり感じになったような気がします。
では。
326 :
(=ω=.):2008/05/04(日) 01:13:19 ID:zrl2LQi5
(全く、どうしてこうもヘタレなんかねぇわが嫁は……
でもそこがいいんだから惚れた弱みってのはつらいねぇ……
ようは、
>>325GJ……ムニャムニャ……)
327 :
ちび:2008/05/04(日) 03:02:47 ID:DWz4IOl2
おじゃまします。今晩わ。また書いてきました。こっそり投下してもよろしいでしょうか?
328 :
ちび:2008/05/04(日) 03:12:59 ID:DWz4IOl2
こっそり投下します
エロなしで拙作「風」の続きのお話です。
杞憂じゃなかった……
あの日つかさは私に、ううん家族にも嘘をついた。
そんな二人の関係を私は拒絶した。
すべては既に起こってしまったこと。
認めるなんて出来ないよ
だけど……それが大好きな二人の幸せを邪魔してる。
わからないよ、こなたがつかさの幸せを邪魔してるかもしれないじゃない。
だってあの子はこなたなんかに熱を上げずにいればいつか素敵な彼氏と幸せな恋愛を出来るはずだもの。
こなただって……
私はしっかりしなきゃ……
簡単なことじゃない?
全ては幻想、時間が解決してくれる、そうでしょ?
私達みんなきっと戻れるよ。
その為なら覆水だって必死にすくって盆に返すし、エントロピーの大原則だって悪魔でも召喚して打ち破ってみせる。
……私、これで何回似たようなこと考えたんだろ。
欲しいラノベを探すつもりでか、かがみはこなたがよく行く店に足を運んでいた。
〜嘘と淡い灯火〜
夜の部屋。自分の手を覗けば黒一色にその輪郭を知ることが出来る。つかさはベッドに横たわりながら空間的な天井を眺めていた。視覚以外が研ぎ澄まされる。ともしく開いた窓からの涼気、遠くの通りを走る車の音。
残暑も夜には弱まって心地がいいのだが、彼女は今ある違和感にそれを堪能しきれない。
つかさは指先で耳に触れる。
カサカサと繊細な皮膚の擦れる音がした。でも何も感じない。
それは少し不思議だ。意識はより内面に移っていく。
指を差し入れる。やはり感じない。
前ならば、あの時の感触が思い出された。時間が漂って遡る。そう、あの時も薄暗がりの夜。
こなちゃんが私の耳にしてくれた事……
――――ふぇ!?あっ、いやぁ……」
ぐちゅぐちゅぐちゅ……
――――うぅ……ーーっん!!
耳の中を舌が唾液を潤沢に纏って、いやらしい大音量で犯す。逃れられない。
悶えていると、彼女の左手は腹部を通って、
パジャマに潜り込み………
薄い絹に………
絹に差し入れ…………
それは実感を伴わない文字の羅列の様。六面体の部屋に溶けていく。
一週間しかたってないのに……
こんなに薄れていく……
自分が姉のために必死でそうしたから。その結果だった。
少しずつ……
少しずつ……
違和感がなくなってくる。
お姉ちゃんと、ゆきちゃんと話すとき。
私らしさに迷いがなくなる。私の笑顔、私の優しさ、私の素直さ。
こなちゃんがいても、いなくても変わらないだろう自分に気付いてくる。
きっとまた前みたいに戻れるね。
こなちゃんと一緒じゃない三人だとやっぱり寂しい。
何よりこなちゃんと一緒のお姉ちゃんが見られないのは悲しい。
前の毎日みたいに戻れたらいいな……
かけがえのない素敵な宝物みたいな日々だったから……
……あれ!?
ひとしずく、頬を伝う。
なんで?
わからないよ……
ピロン、ピロン
机の上で携帯が着信した。
つかさはベッドから起き上がってそれを手に取る。呆然とした。
なんでかけてくるの?
つかさの手の平の上で淡彩を帯びて浮かび上がる携帯、部屋のあちこちに仄かな影が生まれる。
発信元は泉こなた。
……出ちゃだめだよ
つかさはそれを持ったままベッドの上に戻る。
通話ボタンに指をのせながら、切れるのを待つ。
携帯は無機質に発信を口ずさんでいる。
つかさは5コール目でボタンを押し込んだ。
『やほ〜』
「こなちゃん!?どういうつもり!?なんでかけてくるの?」
『あれ……?つかさ?』
「……へ?」
『あぁごめんね。私新しいネトゲを試してて、友達を誘おうと電話かけたんだけど、片手でゲームいじってるから間違えてつかさにかけちゃったみたい』
確かに携帯の向こうからゲームの音楽や効果音が聞こえてくる。でもやたら早口な説明はあらかじめ用意していたと思わせた。
「こなちゃん、嘘でしょ?」
『な……、つかちゃんのくせに〜〜!!』
つかさは怒りたかった。自分の覚悟、一生懸命にこなたが答えてくれてないと思ったから。
なのに、その声を聞いたとたんなぜだかそんな気持ちは消え失せた。
自分に向けられているその声に素直に嬉しくなった。
「もぅ〜、だめだよ。意味なくなっちゃう。お姉ちゃんにバレたら大変だよ」
『むぅ……つかさの癖に生意気だぞ』
「ふぇ!?こ、こなちゃんのくせに〜」
『いやぁ、ホントに間違いって事で……うわぁっ!ちょっ!おま!(ズガガガガ)』
「あのぉ、こなちゃん?」
『……うぅ、しんどい』
「あのね、もうかけないでね……あとね、明日学力テストだし、あんまり遅くまで起きてたらよくないと思うよ」
『むぅ……、これでも今回私かなりやったんだよ。だから前日くらい遊びたいの〜。なのに黒井先生うるさいから、いつものネットゲームやれないんだよ。つかさはやったの?』
きゅんとした。ちゃんと名前を呼んでの会話。
「う〜ん、それなりに、かな。私は普通の進学とちょっと違うから」
3日前につかさはななこに呼び出されていた。
みんなと違う道はそれなりに大変で、あとから進路変えて大学へ行くのも大変だということ。逆に大学でしっかり自分のなりたいものを見極めてから専門学校へ行っても遅くは無いということ。
そんなことを言われてから覚悟を訊かれた。
それでもなりたい、そう答えたときにはにっこりして応援をすると言ってくれた。
「こなちゃん。黒井先生はきっと心配してくれてるんだよ」
『ま、そうなんだよね。ただちょっと愛が痛いんだよね。物理的にも』
「ね、早めに切り上げてね」
『うん……』
ベッドのシーツを掴む。
「じゃあ、切るね」
『待って』
つかさは目を細めた。
何か言うためにかけてきてる事、そうじゃなきゃいけない事、わかっているのに悲しくなった。
『つかさ……』
ゲームの音が消える。さーっという携帯の通信ノイズだけが静寂を繋ぐ糸になる。
「……うん」
『今日は間違えてかけちゃった。……でね、これから二度とかけない。もう間違えたりしない』
「うん」
構わない……
つかさはそう覚悟してる。
でも、そんな言い方、さよならみたい……
『あのね……』
つかさはかすかな声で相づちを打った。それが会話であると噛みしめるようにそうした。
『私の気持ちって前からずっとなんだよ。だから……きっとかがみの答えはつかさが持ってるんだと思う』
つかさは辛くなった。自分の答えがわからない。
さっきまではもう忘れる事が出来る気すらしていたのに、こうしてこなたの声を聴いただけでまた気持ちが戻って来た。
どうしてもっとシンプルな感情じゃないんだろう……
『私みゆきさんにね、このままじゃいけない気がするって言われたんだ』
ゆきちゃんが?
つかさは二人の間にあった会話を想像した。すぐさま浮かんだのは一方的に話しているこなた、その合間に知的な論談を入れるみゆき。ようはいつもの二人。
『それでこの事をずっと考えてた。言っておくけどつかさからは気持ちを離してたよ。約束は守ってるつもり』
つかさは思わず相づちを打つ。でも本当は履き違えた理屈のような気がした。ただ、守らなきゃいけないのはどこなんだろう。
『きっと私達は1ヶ月後に何か選択しなきゃいけないでしょ?そこで一番良い答えを出して、それからはずっと皆で笑いあいたい。だから私何もしないでいちゃダメなんだと思ったの』
私は……何にも分かりそうになんか無いよ
『それで、もう一度だけつかさに声を聞かせてあげなくちゃって、今伝えておかなきゃいけないって、で、間違えてかけちゃった。ごめんね。こればっかしは、やっぱ約束破ったことになっちゃうよね』
「……うううん」
それしか言えない。もう姉との約束なんて破って今の気持ちを言葉にしたい。
でも、するべきじゃない。つかさはそれを支える何かをこなたがくれた気がした。
『つかさ、私、答えはまだ無い何かだと思う。隠しの選択肢だよ。私はそれを探すつもり。約束の範囲内でそれを探すのが今の私の答えかな……』
こなたがそう言い終わると、寂莫としたノイズ音だけが残った。つかさは広い部屋の一角、ベッドでうずくまりながら、残された糸のたゆたいに自分の心を重ねていた。
「こなちゃん……」
『……つかさ』
「私も、探すね」
『うん、よろ。……じゃあね、また三週間後、かな?』
もっと話したい。でも相手だってそうだから。
「うん、おやすみこなちゃん」
『……おやすみ、つかさ』
それは短い通話だった。
(いったんおしまい)
333 :
ちび:2008/05/04(日) 03:21:53 ID:DWz4IOl2
以上です。また来ます。
>>325さん
読ませていただきました。
ドキドキしました……。かがみんが可愛いくてしょうがありませんでした。
>>319 ZEHI!! 書いていただきたい。
同じシチュでも、作者それぞれに個性があって違ってくるから面白いんだよなあ。
>>325 新井素子は言いました。「『莫迦』という単語は愛情のこもった『バカ』であると」
GJ〜
誰もいないなら投下したいのですが、よろしいですかな?
俺がいるからだめだ
とは言わない
337 :
19-646:2008/05/04(日) 13:45:04 ID:nGTq1Der
誰も「投下しようとしている人が」いないのなら、と書くべきでしたな
では。
・タイトル:みーみー戦隊 第3話(後編)
・去年の12月終盤(!)に途中まで投下した「第3話」の、後編
・この話はあくまで、小ネタの延長線上。
・話の性質上(?)キャラが大きく変わっていることがあります。そういうのを受け付けない方はスルー
するなりしてください。
・とりあえず、「戦いとかが嫌いな方」は注意
・エロは…これカウントされるのか?
・先頭は5レス目、一番うしろは12レス目の予定。8レスほど使う予定です。
第3話の前編からあまりに時間が開いてしまったのでちょっとしたあらすじでも。
何者かにゆたかがさらわれた!? 鍵を握っているのはこなた
こなた達との戦闘開始。しかしこいつら、なかなか強い
こなたの捨て身の策略が元で、白石がフルボッコに遭う←今この辺
ところで、白石を色仕掛けで落とそうとしていたはずのこなただが、いつの間にかみなみの腕に抱き
かかえられていた。人間の我慢には限界があるとかで、とうとうそこに達してしまったらしい「発動中の」
みなみが、こなたを突然お姫様だっこで連れ去ったのだ。決して白石を助けようとしての行動ではない。
「泉先輩のはじめては、私が…」
数十メートル離れたところで、みなみは立ち止まり、自分の腕に抱かれているこなたの顔を見た。
しかし、こなたの顔を見た瞬間、みなみは思わずこなたを放り投げてしまった。
(先輩…人間の顔じゃない…!)
別にこなたは、にらめっこ仕様の変顔をしているわけではない。そのときのこなたは、ついさっきまで
の可愛らしい顔ではなく、人間のものとは思えないほど不気味な目や顔をしていたのだ。
放り投げられたこなたはすぐみなみの方を向き直り、突然狂ったように笑い出し、ゆっくりとみなみに
近づいていった。それに身の危険を感じたみなみは、少しずつ後ずさりする。
その状態がしばらく続いた後、こなたが突然みなみに急接近。その手には、どこから取り出したのか
鉈が握られており、こなたはその鉈をみなみに向かって振り下ろした。
みなみは間一髪でそれをよけた。
「避けられるなんて、嘘だッ!!!」
いまだ高レベル狂乱モードのこなたは、その後何度もみなみを狙って、鉈を振り回し続けた。みなみは
それを避けるが、避けるだけではどうしようもない。そこで、こなたの動きを止めようと、一瞬の隙を
ついて『イーグルボール』をこなたにお見舞いした。
イーグルボールが命中したこなたは1mほど後ろに飛ばされたところで攻撃を止め、そこでこなたの
瞳は元に戻った。
(泉先輩、手強い…)
狂乱モードではなくなったとはいえ、こなたはまだファイティング・ポーズで構えている。
一方みなみは、迂闊に前に出ず、少し後ろに下がろうとしていた。強い相手だからこそ、落ち着いて
行動できている時が危険、と考えたのだ。
しかし、本人はまだ自覚していないが、「正常」にもどったのはこなただけではない。
そう。みなみ自身もまた、再び自分の意思で「正常」に動けるようになっているのだ。こなたに事実上
操られていたさっきまでに比べると、状況ははるかによくなった、と言える。
そして、「操られていた」のはみなみだけではない。
「―――はっ!? ブラウン、大丈夫!?」
「うー……、もっと早く助けてくれよぉ」
こなたの格闘系攻撃を受けて倒れたみさおを結局治療せず放置し、そうじろうとの「危ない交渉」の
途中でそうじろうがその場を離れたため、仕方なくぼーっとしていたみきだったが、ようやく正常な判断
ができるようになったことで、みさおの治療を始めた。
そしてこの瞬間、交渉が自然消滅したことで、かがみとつかさが、そうじろうから護られる(性的な
意味で)こととなった、ということも付け加えておこう。
「これは……血!? ……いったい、何があったのでしょうか」
『例のあの技』によって大量の鼻血を流して倒れていたみゆきは、ようやく意識と自我を取り戻した。
しかし倒れたときに頭を打ったからか、はたまた血を出しすぎたからか、まだ頭がくらくらしていたため、
みゆきが再び立ち上がれるようになるまでには、もう少し時間が必要に思われた。
と、そこに、みさおの治療を終えたみきがやってきて、鼻血で汚れたみゆきの顔に一瞬驚いたものの、
すぐに手当てを始めた。
「ピンク、大丈夫?痛くない?」
「はい、ありがとうございます。―――それより、さっきホワイトの悲鳴が聞こえた気がするのですが」
二人が周囲を見わたすと、確かに白石が倒れているのが見えた。ゆいとそうじろうによるスーパーフル
ボッコを喰らったことによるものだ。とりあえずみゆきが助けに行くことに。
「さあさ、どうしたのみなみちゃん。じっとしていても話は進まないよー?」
(…今は、動けない。…圧倒的に不利。…一対一では、先輩には勝てないから…)
そのとき、二人の耳に白石の悲鳴が届いた。この悲鳴とは、上の段落でみゆきの言っていた悲鳴のこと。
時間列的には、上の段階よりもこちらのほうが先に起こったことなのだ。
「ほう、ついにセバスチャン終了のお知らせか。ということは、そっちの戦力がみさきちに続いてまた
一人減っちゃったね〜。どうする〜?」
「あたしがどうかしたのかー?ちびっこー」
みきの治療で復活したみさお、参上。こなたはそれに驚き思わず「シェー」のポーズをとる。
「あ、あるぇ〜?みみみさきちいつの間に……?気配がなかたよ」
「ちょ、あたしそんなに空気かよ!なにげにひでーぞちびっこぉ!」
みさおがこなたと空気だなんだと言い争っている最中であるが、みなみは、みさおが時折みなみの方を
ちらちら見ていることに気付き、そして、その意味を理解した。
みなみはこなたに見つからないようゆっくり、しかし急いでこなたに近づく。その手には、『イーグル
ボール』が構えられている。そう、みさおがこなたの注意を引き付けているうちに、至近距離から狙う
というのだ。
そしてみなみ、声も出さずイーグルボールをこなたに向かって投げつけた。
しかし、その瞬間。こなたはみなみの方を向き、自分に向かって飛んできていたボールをキャッチ。
「うそっ…」
「ふっふっふ、あんなので私が騙されるとでも?孔明でも2、3人雇ったほうがあてゃーーッ!?」
台詞の途中で突然、文字にしにくい悲鳴を上げてこなたが倒れた。
「ふー、なんとかうまくいったな」
みなみの方を向いて話していたこなたに、後ろからみさおがタックルを仕掛けたのだ。2度も同じ手で
来るとは考えていなかったこなたは完全に油断してしまっていたため、こうかはばつぐんだ。
ここで、白石と、その治療に当たっていたみゆき、その間に周囲のモブ敵を少しでも減らそうとして
いたみきがやってきて、みーみー戦隊は久しぶりに5人全員が揃った。ここで5人は一旦、作戦タイムに
入る。(ただし白石は、4人の側で作戦を聞くものの、万が一に備え4人とは別の方向―――こなた達の
ほうを向いて戦闘待機状態でいることを命じられた)
「なんでこういう役ばっかり俺に回ってくるんっすか!」
「だってあんた男だろー?それに、見せ場ができてよかったじゃんか」
白石の怒りが溜まってきたのに気付き、みゆきは強引に話を始めた。
みゆきの調べで新たにわかった、敵のデータはこんなところ。
・こなた&そうじろう:ここアキバにおいては、戦闘不能に陥らない限り自動的に少しずつ体力が回復。
・そうじろう:「よほどのこと(ただしその条件は不明)」がない限り、自分からは攻撃してこない。また、
女性(特に、若い)に対してはひたすら甘い。
・ゆい : さっき(白石フルボッコ時)は使わなかったが、実は拳銃を装備(警官だし)。
・モブ(立木)軍団:これまでに数人は倒したはずだが、なぜか敵の残数が全く減っていない……!?
「えぇ、ちょ、ちょっと待てよぉ」
モブ軍団が全く減っていないという解析結果を受け、みさおが思わず声をあげた。
「それじゃーなにか?モブ敵が、倒したそばから増殖しているとか、そういうことか?」
「詳しくはわかりません。しかし、仮にそうだとしても、モブ敵以外が増えることはないでしょうから、
一斉攻撃で、泉さん達を先に倒しておいたほうがいいかもしれません」
「そうね。明確な目標のない今のままではきりがないわ」
ここで、「敵を倒すべき順番」について、みゆきが以下の案を発表した。
『ゆい(敵の数を減らしたいし、拳銃を持っているので放置すると危険?)→ そうじろう(女性に甘い→
こなたを先に倒すと暴走する?)→ こなた → モブ(ボスのこなたを倒した後なので戦意喪失もある?)』
特に反対意見は出なかったため、次にみゆきが、ここまでに考えていた細かい作戦を伝える。
そしていざ実行しようとしたところで、みきが4人を呼び止めた。
「みんな、ちょっとこれを見てほしいんだけど。……これ、どう思う?」
そう言ってみきが取り出したものは。
「ものすごく…、ネギ…です」
「だな」
「でも、なんでネギなんか持ってるんですか?」
「それは私のほうが聞きたいわ」
みきによると、さっきモブ敵に攻撃するために御幣(神祭具の一つ。前回のかがみ戦でも使用)を取り
出したら、それは御幣ではなくなぜかネギだった、ということらしい。もちろん、ネギなんて持ってきた
覚えは、みき本人にもない。
「どうしてこうなったか原因はわからないんだけど、とにかくこれじゃ霊力発射攻撃も使えないし……」
「ほかに武器や攻撃手段はないのですか?」
「あるけど……、一斉攻撃のときに使うのはちょっと……」
しかし、何もしないわけにはいかない。とここで、みゆきが一つの妙案を出した。
「では、ネギをなにか物理攻撃に使えないものでしょうか」
方針が決まった。次にそれを実行に移すため、みーみー戦隊はその攻撃目標を探す。
が、周囲を見渡しても、最初の攻撃目標であるゆいの姿はなかった。と、そこに、
「ん?どうかしたのかい?」
5人が困っているとみたそうじろうがやってきて、とても敵とは思えない優しい表情で尋ねてきた。
「成実さんはどこですか?」
「ゆいちゃんならさっき帰ったよ。仕事場から連絡があったって。ちなみに、こなたはトイレ休憩中な」
ゆい、戦線離脱。となると、次にするべきことはただ一つ。
「そうですか……。……では、仕方ありませんね」
みゆきの声を合図に、5人がそうじろうを取り囲む。
「のわっ!? これは一体―――な、なにをする きさまらー!」
次なる攻撃目標であったそうじろうに、白石を除く4人で一斉攻撃を開始。
しかし、そうじろうは大して反撃を仕掛けてこようとしない。実はこれもみゆきの作戦の一部で、白石
以外、すなわち女性だけでそうじろうを攻撃すれば反撃を受けないのではないか、という想定によるもの
だった。そして、その想定は大当たり。
「あぁっ!いくら相手が女子高生でもオヤジ狩りは萌えないから、せめて、せめて巫女さんにぃ、もっと
オヤジ狩りっぽくない方法でえぇぇ!!」
そうじろうは、攻撃されること自体については嫌がるどころかむしろ喜んでいるようだ。ということで、
とどめくらいはせめてそうじろうの希望に応えてやろうと、攻撃の手を一旦止める。
「あっ、ちょっとお父さん!なにやってんの!?」
ここでトイレ休憩から戻ってきたこなた。いつの間にかやられてしまっているそうじろうを見て呆れる
も、ここで何もしなければ不利になるだけなので、そうじろうを取り囲んでいるみーみー戦隊に対して
特攻を試みようとした。
が、ここで一人の男がこなたの特攻を阻止すべく行く手を阻む。―――白石だ。
「ちょ、セバスチャンそこ邪魔!」
「そんなに邪魔なら、俺を倒してから進んでください」
そうじろう対策のため、白石はそうじろうに攻撃してはいけない。そのため、今の白石にできることは、
仲間を他からの攻撃から守ることくらいのものだ。
……というみゆきの指示を白石はただ守っているだけなのだが、この指示にも、ある思惑が潜んでいた。
(なんでセバスチャンはこんなに強気なのさ。もしかして私がトイレに行ってる間にみゆきさんあたりが
何か仕掛けたとか?)
こなたは、妙に白石が強気であることに戸惑い、攻撃をためらう。しかし、これこそがみゆきの策。
反撃してこないならばそうじろうは短時間で倒せると判断したみゆきは、そうじろうを倒す上で邪魔と
なりうるこなたの攻撃を防ごうと考えた。そこでみゆきはまず第一段階として、こなたの攻撃開始を遅ら
せうる方法を考えたのだ。それがこの『白石ミノルの虚栄』。
ただし、もともとこれが効く保障はなく、さらに効いてもせいぜい数秒。そのためみゆきは、その後の
対策も白石には伝えていた。
「……あっそ。じゃあ、ホントに倒して進むよ?いいんだね?」
「ああ。できるもんならやってみろよ」
そう答える白石だったが、体は恐怖で細かく震えていた。そして心の中では、一秒でも早くというより
今すぐ残りのメンバーがそうじろうを倒して、作戦の次の段階に進まずに済むことを祈っていた。
しかし、白石の願い通じず。そうじろうが倒されないうちに、こなた、白石に向かって加速開始。
『―――そのときは、……、ホワイト自身が、防波堤となってください。ただしその時、絶対に避けたり、
また泉さんに対して反撃を行ったりしないようにお願いしますね』
身長が低いながらも足が速いこなたは、最高速よりも加速が強み。つまり、短い距離でも速度を上げる
ことができる。そしてそのこなたは今、加速しながら白石に接近している。
その直後―――この間が白石にとっては微妙に長く感じられたが―――、こなたは白石に激突。二人の
身体が宙を舞い、こなたが白石に覆い被さるかたちで着地。ちなみにこの7行の間、わずか2秒。
その頃、残りのメンバーは(といっても、そうじろうの懇願により実際に攻撃するのはみきだけだが)、
そうじろうにとどめを刺そうとしていた。
「とどめがネギというのは、さすがに失礼かしら」
みきはそう言って、それまで突いたりはたいたりと攻撃に使っていたネギをしまって、代わりに弓矢を
取り出した。破魔矢というやつだ。……前回の鏡もそうだが、一体どこにそんなものを潜ませていたのか、
ということは考えたら負けである。
凛とした顔つきで弓を持ち、矢をそうじろうの方に向け構えたみきが何か呪文のようなものを唱えると、
矢が光り始め、それを確認してみきはその矢を射った。
矢はそうじろうに命中。まあ、全く避けようとしなかったのだから無理もない。矢が一層強く光を放ち、
そうじろうの断末魔がアキバに響く。
「あぁっ、お父さん!?」
白石の上に覆いかぶさっていたこなた、そうじろうが倒されたことを知り起き上がった。と、
そ の 時 こ な た に 電 流 走 る 。
ついでに、その真下にいた白石にも。
……電流なのかどうかについてはともかく、とにかく雷のような光と強いエネルギーが突然こなたを
襲った。その直撃を受けたこなたは「あふっ」と小さく声をあげるとそのまま意識を失い、再び倒れこむ。
ただし、真下にいた白石が思わずこなたの体を支えたため、二人とも頭は打たずに済んだ。
「ピンク、今のなんだ?雷とか?」
「さあ……、私にもわかりません」
空を見ても、夜だからわかりにくいとはいえ、雷が鳴るような悪い天気には見えない。というか、雷に
しては音が小さすぎる。では今のは何なのか――― それが分からず4人(白石はこなたの体を支えるの
で精一杯)が何も出来ずにいたが、その間にこなたは再び自力で立てるようになった。
「泉さん、大丈夫だったのでしょうか……」
敵ながらこなたを心配していたみゆき達はこの直後、こなたの異変に気付くこととなる。
「はぁ……、もうちょっと安全な方法はないのかしら……」
「え…!? 今の声…」
「ちびっこは確かあんな声じゃねーよな」
「誰かの声真似、ということかもしれませんが……」
「でも、今のこなたちゃんにそんな余裕があるとは考えにくいわ」
こなたが発した声は、普段のものとは大きく違っていた。さらに、口調もこなたらしくない。
平常時であれば、また何かのものまねだろうということで済ませられよう。しかしこの場でのそれは、
それがどんな意味なのかは、現時点ではみゆきにもわからなかった。
その間にこなたは、幸せそうな顔で倒れているそうじろうの側にしゃがみ、声をかけた。
「そう君ったら、こんな簡単にやられてしまうなんて、情けないわ」
すぐ側から聞こえる『声』に、そうじろうは思わず反応した。
「……この声、かなた!? どうして―――」
そうじろうが、若くして亡くした最愛の妻の声に体の痛みも忘れて体を起こし、声がしたほうを見ると、
そこには妻・かなたに瓜二つの娘・こなたの姿があった。
「こなた?……だよな。 でも、今の声―――」
「ふふっ。そう君、久しぶり。びっくりした?」
再び聞こえた妻の声の出所は、娘の口だった。
「もしかして……、本当に、かなたなのか!?」
「えっと……、あまり長くはいられないから簡単に話すね。―――信じられないかもしれないけど、そう
君が今話している相手、つまり私は『こなた』じゃないわ。こなたの体を借りた『かなた』よ」
かなたによれば、そうじろう達がピンチのときに一度だけ助ける権利というものを何者かからもらった
ので、今がその時だとしてその権利を使い、戻ってきたのだという。ただし霊体のままではそうじろうと
話をすることができないので、かなたはこなたの肉体に憑依することでそれを解決した。
さっきこなたを襲った雷のようなものの正体は、かなただったのだ。
「……ほんとは、そう君と久しぶりにいっぱいお話ししたいんだけど、あまり時間がないの。だから、
用件だけにするね。 ―――そう君、戦闘再開を受け付けます。コンティニューしますか?」
「ああ、頼む!俺はまだまだ終われねぇ!」
痛みをこらえながらのそうじろうの返事を聞いて、かなた(身体的にはこなただが、かなた憑依中は
「かなた」と表記しておく)がそうじろうの胸部に手をかざすと、その手は青く淡い光を発し、そう
じろうの身体にある異変を与えた。
「い……痛みが、ひいていく……。―――しかも、なんだか、力が湧いてくるような……」
「効いてきたみたいね。じゃあ、ちょっと立って、動いてみて?」
そうじろうは立ち上がって、少し動いても身体が痛まないことを確認してから、ラジオ体操第2の動き
を始めた。それを見たかなたは安心して、それでいてなんだか寂しそうな顔で、口を開く。
「大丈夫みたいね。―――じゃあ、そう君。あとはがんばって」
かなたの発言にそうじろう、完全に沈黙。
「あら、どうしたの?そう君」
そうじろうはなんにも動かない。
「そう君?おーい」
急に動かなくなったそうじろうが心配になったかなたは、そうじろうに気付いてもらえるように正面に
まわり、背伸びをして手を振る。と、その時
「か゛な゛た゛あ゛ああぁぁぁぁ!!」
「えぇっ、ちょっとそう君!?」
かなたがそうじろうの射程圏内に入った瞬間、突然そうじろうはかなたを抱き上げた。
「せっかくこうしてお前とまた話ができたと思ったのに結局何もしないまま帰っちゃうなんて、寂しい
じゃないか!俺はもっとお前と一緒にいたいんだよぉ!」
そういうとそうじろうは、自分の顔をかなたの顔に近づけた。
「だ、だめよそう君!この体は、こなたのものなんだから……!」
「なら、せめてキスだけでも……!」
「『だけ』って、娘の体に何をしようとしていたんですかあなたは!」
かなたはじたばたと抵抗するが、そうじろうの暴走を止めることはできなかった。
ここで、かなたはある事実に気付いてしまった。
(やだ……そう君『の』、大きくなってきちゃってる……。このままだと、こなたの『初めて』が本当に
そう君のものになっちゃうわ。―――ごめんね、こなた。私は帰るから、そう君をどうにかしておいてね)
次の瞬間、かなたの霊体はこなたの身体から脱出し、『こなた』は一時的に魂が抜けた状態になる。
そうじろうから見れば、かなたが急に抵抗をやめて動かなくなってしまったので、さすがに心配してそう
じろうは一旦攻めを止めた。
数秒後、意識を取り戻した『こなた』は、自分がいつの間にか、男に抱きしめられているということに
気づき赤面し、そして不審者対応マニュアルとしての叫び声を上げた。
「うおっ!こ、こなた!? 違うんだ、これは―――」
そうじろうは慌ててそれまで抱きしめていたこなたの身体を解放する。しかしその瞬間
「この、変態エロ親父ーーーーーーっ!!」
こなたは、かつて習っていた格闘技を繰り出し、そうじろうを5秒でKO。
そうじろうを倒したこなたは、息の荒いまま今度はみーみー戦隊のほうを向く。それを見て、さっきまで
およそ4分の間黙ってそうじろうとかなたのやりとりをただ見ていた5人も、再び戦いの構えを取る。
「―――てゆーか、さっきまでの間に二人とも倒しちまえばよかったんじゃねーのか?」
「…それは、さすがにどうかと…」
「ブラウン、それを言うなら、今もチャンスですよ?」
みゆきの言うとおり、こなたは確かに戦闘態勢に入っているものの、息があがったままで、さらに少し
ふらふらしている。全快には程遠い状態だ。
実は、さっきかなたが憑依した時の雷のようなものでこなたの身体はダメージを受けていた。そして
本当ならかなたは、そうじろうの治癒を行ってこなたの身体から離脱する際、自分が憑依したことでダメージ
を受けたこなたも治癒してから帰るはずだった。しかし、そうじろうの暴走により緊急離脱したかなたは、
慌てていたからか、こなたの治癒を忘れてそのまま帰ってしまった。そして今に至る。
しかし、そんな事情は5人は知らない。(さらに、こなた本人も、その間の記憶がないため知らない)
ただ、今のところ5人がとりあえず有利らしい、ということなので、ここでこなたの体力が回復してしまう
前に倒してしまうべく、5人はこなたから数メートルの距離をとってこなたを囲んだ。
「ちびっこ、もう降参したらどうだ?そしたら痛くないぜ?」
「……そんなつもりはないね」
それを聞いて5人は一斉に攻撃を構える。その時、こなたが急に目を見開き、周囲に聞こえるよう叫んだ。
「あんた達!何さっきからぼーっと見てんのよ!それでもS○S団の一員なの?」
その時のこなたの声は、いつもの声ではなく、もう説明するまでもないだろう「あの」声だった。そう、
某団長の声真似である。
そしてその声を聞いたみゆきは、ある危険を察知した。
「ついて来てください!」
みゆきは、こなたを取り囲んでいる4人の味方に声をかけながらこなたの周りを1周した後、加速して
こなたから離れた。4人もそれに続く。
みゆきたちがこなたから離れて、再びさっき自分たちがいたあたりを見ると、こなたの姿は見えなかった。
しかし代わりに、そこには大量のモブ敵がいた。どうやらこなたを囲んでガードしているようだ。
「そういえば、まだ倒していなかったわね」
「あたしが言うのもなんだけど、あいつら背景になりすぎてて存在を忘れてたぜ」
「そんなことを言っている場合ではないようですよ?見てください」
こなたを囲むモブ軍団は、今のところゆっくりではあるが、確実にみーみー戦隊に近づいてきていた。
しかも道幅いっぱいにまで広がっているので、避けるのは難しそうだ。
「でも、こちらが攻撃を始めれば、むこうは一気に加速して、私たちに襲い掛かってくるでしょうね。だと
すると、一斉に向こうの前列を全て攻撃する技か何かが欲しいところ……」
「でもそんな技、あたしら持ってたっけ?」
そう言ってみさおがみゆきの方を見ると、みゆきは少し時間をおいたあと、真剣な顔で答えた。
「……5人の力を合わせれば、ないわけではありません。ただ……」
「こっちにも危険が及ぶ、とかですか?」
「危険、というと少々語弊がありますね。私達に直接危害が加わるというわけではありませんので。ただ、
この技は、一部の方に不快感を与えてしまう可能性がありまして―――」
「一部の方?でも、敵に不快感を与えるなら、むしろこっちとしては」
「いえ、そういう意味ではなくて……、あ、いえ。さっき言ったことは気になさらないでください」
「? じゃ別にいーじゃん。さっさとやろーぜ。あいつら(敵軍団)も近づいてきてるんだし。で、どー
やればいいんだ?」
みーみー戦隊、「禁断の」?技へ。
「まずホワイト。『WAWAWAストーム』という技をお持ちですよね?」
WAWAWAストーム:多数のWAの文字を具現化し、敵へ向けて飛ばす技。
「はい。……で、でもあれは」
「分かっています。あの技は狙った所に当てるのが難しく、さらに泉さんのようにすばやい人にとっては
避けるのも容易い。しかし今回、敵は私達から見れば壁状態。どこかには当たります。なのであとは範囲を
広げ、密度を上げて避けにくくなるようにします」
早口気味でここまで言うとみゆきは、今度はみなみの方を見た。
「なので、ホワイトの技に私達の声―――いえ、必ずしも声でなくてもいいのですが、を一緒にのせること
で、敵へ飛ばす「文字」の量を増やし、威力を高めましょう」
「いっしょに叫べばいいの?」
みきはそれ以前に「叫ぶ」という部分に少々抵抗があるようだが。
「要はそういうことです。ただいくつか注意すべきことがあります。まず、ホワイトの体に触れた状態で
ないと効果がないということ。あと、長音をなるべく避け、なおかつ一息でできるだけ長く叫んでください。
長く叫ぶことで、より速く文字が飛びますので、威力が増します」
みゆきの説明の間に、みきとみさおは白石の腕をつかんで、またみゆき本人も白石と手をつないで発動
準備をしていた。が、みなみだけはその準備ができていなかった。
「グリーン、どうしたんですか?」
「ごめんなさい。…私、叫ぶのは苦手で、だから別の方法で音を出そうと思うんですけど、それには両手が
使える必要があるから、手をつなぐわけにはいかなくて…」
「……仕方ないですね。では、……グリーン。ホワイトの後ろに回って、『タイタニック』のあのポーズの
ように(みきやみさおにつかまれているので、ちょうど白石は腕を横に広げている)後ろから体を密着させ
れば、抱きしめない限り両手は自由に使えるはずですから、よいのではないでしょうか?」
みなみ、激しく赤面。まあ無理もない。しかしみゆきは真剣そのものだった。
「…えっと、それは…」
「どうしたんですか?代案がないなら、わがままを言っている場合ではありませんよ?」
結局、みなみはみゆきに従った。みなみと白石、二人ともの顔が赤い。
敵はもう相当近くにまで来ている。しかもみーみー戦隊は、後ろが壁なのでこれ以上後ろには下がれない。
つまり、これ以上のんびりしている余裕はないということだ。逆にここまでこなた達が攻撃してこなかった
のが奇跡とも言える。(こなたは少しでも自分の体力を回復させようと、モブ敵を盾にして休んでいた)
「では、いきます。 ―――WAWAWAストーム・改!!」
白石が技名を大声で叫びWAWAWAストームが発動すると、みき・みさお・みゆきの三人もさっきの
ルールに従って叫び始めた。その声に驚いて、こなた同様休憩モードに入っていたモブ敵が一斉にみーみー
戦隊の方を向き直ったがその時にはもう遅い。かなり距離が近かったこともあり、「WAWAWAWAWA」
やら「ヴぁヴぁヴぁヴぁヴぁ」やら「声とは、人や動物の発声器官、主に口や喉から……」やら「みっきみき
にしてやんよ」やらの文字が高速で飛んでくるので、モブ敵軍団の前列は一気に壊滅。
「な、なにごと!?」
前にいた「盾」が次々に倒されるのを見て、ここでこなたは最後列に避難。
「…フォルテ・フォルティッシモ」
少し遅れてみなみも、叫びの代替技を発動。みなみの前(=白石の前)に、突如ピアノが出現。そして
みなみは一心不乱に、そして激しくそのピアノを弾き始めた。
すると、そのピアノの音は音符という文字の一種であるとみなされて具現化され、敵の方へ飛んでいった。
この技でモブ敵を一掃してしまうまで、大した時間はかからなかった。残る敵は、こなた一人。
「泉さん……あなたも、ここまでです。観念してください」
「息上がってるよ?私を倒すまで体力持たないんじゃない?―――あ、ピアノまであるのか。でも私はそう
いうカオス弾幕には慣れてるよ?どっちの体力が先に尽きるか勝b」
こなたの言葉を最後まで聞かず、みーみー戦隊はフライングで攻撃開始。
「ちょ、タンマ!それ反則だって!」
しかし不意打ちを受けた以外は、こなたはやはりあまりダメージを受けていない。とそこへ、その状況を
破る声が飛んできた。それは、みゆきが突然暗唱しはじめた、学校の英語の教科書の本文だった。
「だ、弾幕、自ty……うっ」
こなた、ついにダウン。決まり手:英語。
「私の負けか。……でもさー、やっぱり最後のフライングは反則じゃないの?」
「申し訳ありません」
「まぁ別にいいけどね。で、ゆーちゃんの行方だっけ?じゃ、約束どおりこのアイテムを授けよう」
こなたはポケットから一枚の紙を……
「……あれ?ちょっと待って。どっかに落としたかも」
まあ、ポケットに紙を入れたままあれだけ激しく動けば落としもするか。……って、おい!
とその時、こなたの数十メートル後方・具体的にはゲーマーズ本店前あたりで声がした。
「泉こなたさん。あなたの探し物はこれですね?」
小さなメガネをかけた優しそうな女性が何か紙のようなものを振っている。それを見てこなたはその女性の
元に走り寄った。5人もついていく。
「あー、これだ。そういえばさっき預けたんでしたっけ。ありがとうございました」
「いえいえ。これで私たちも出番ができたので―――」
「お姉ちゃん!!」
メガネをかけた女性の側でそっぽを向いていた小学生くらいの女子に怒られ、姉とよばれた女性は店へと
戻っていった。どうやらバイト中だったらしい。
「とりあえずこれが、ゆーちゃんの居場所を示す手がかりになるみたいだから」
改めてこなたが、みゆきに紙を渡す。その紙には
『今夜11時 台場公園で待つ。ゆたかを返してほしければ来い』
と書かれてあった。
「何か犯人からの要求はないのでしょうか。身代金だったり……」
「それだったらゆい姉さんが『こっち』の味方にはならないと思うけど? ま、私の仕事はここまでだから。
行くか行かないかはそっちの自由だよ」
「行きます!でないと、ゆたかが…!」
「みなみちゃんは本当にゆーちゃんが好きなんだナ」
こなたにからかわれたみなみの即答に、残る4人も、一旦顔を見合わせながらも同意した。
「じゃ、敗者は去るのみ。あとはがんばってね。みなみちゃん、ゆーちゃんは頼んだよ。―――ほら、お父
さん!いつまでいじけてんのさ!帰るよ?」
そう言って、こなたとそうじろうは地下鉄の駅のほうへ歩いていった。
「さて」
夜11時に次の戦いだ、と言われても、それまであと3時間程度ある。はっきり言って微妙な時間だ。
「では、それまで私やみなみさんの家で休まれてはどうですか?埼玉へ帰られる時間はないでしょうから」
「そうね。そうさせてもらおうかしら」
「では、家まで案内しますね」
5人は、駅へと入っていった。
(続)
346 :
19-646:2008/05/04(日) 14:07:44 ID:nGTq1Der
はい以上です。
はあ、こんなに時間がかかる予定ではなかったんだが…。(実際、ラスト3レス分は
ここ3日で書いていたりする)
終盤がやっつけチックなのは勘弁を。そしていろいろネタ的にすみませんと
言わざるを得ない。
作者取材と称して3月に東京・埼玉方面に行ってきたのに、時間経ちすぎて
色々とはや忘れかけorzな19-646でした
…で、いつになったら一人暮らししてる家のほうのPCはよくわからん規制から
解放されるんだorz
>>ちびさん
>>拙作「風」の続きのお話です。
その前作の風を読んでなかったからまとめサイトから探そうとしたけど
検索してもそのタイトルでは関係ないページが大量に引っかかって
しぼれなかったorz
どこで読める?
久々にきた
やっぱこのスレはいいね
351 :
42-115:2008/05/04(日) 18:54:50 ID:4uguMhSc
完成した以上投下しないわけにはいきません。
5分後くらいにいきます。
「フラグシップにフラグを立てるという行為」(後)
・完結編
・13レスくらい
・かがみフェチども
・エロなし セクハラたくさん
・元ネタいっぱい
・かがみ×ぎょぴちゃん
「「本日天気晴朗なれども波高し……」」
同盟軍の二提督が演説を始める。出だしが同じだけど、こなたは某団長さんの真似だろうし、みゆき
はガチで日露戦争のアレなんだろうな。それにしても疑問なのは、二人とも指揮下の艦隊に向けて演説
しているはずなのに、何故か私の方に熱い視線を投げかけているということ。ああ、つかさもだ。こう
いう場合はどうしたらいいんだろう? とりあえず手でも振り返してみようかな……。
……やめた。宇宙戦争そっちのけで襲われかねない。
さて、帝国軍は私の打撃艦隊が左、つかさの機動艦隊が右という位置取りで、マップ中央部を目指し
て目下航行中。そこへ先行した偵察艇から、同盟軍艦隊を発見という報告が入った。同時に、主力艦隊
のレーダーも敵の偵察艇を探知したという報告が入る。彼我両軍とも同時に主力を発見、と。奇策を弄
しようもないので、こうなるわよね。
同盟軍もこちらと同様、こなたの打撃艦隊が左、みゆきの機動艦隊が右に位置している。旗艦の艦名
に圧倒されてうっかりしてたけど、旗艦の艦種からあちらも同じようなコンセプトで艦隊編成を行った
ことが伺える。編成の仔細までは分からないけどね。
このままだと、マップ中央部で双方の打撃艦隊と機動艦隊が正対することになる。そこは特に障害物
とかのない宙域なので、「かがみんを我らの手に作戦」は、それらを利用したものではないらしい。位
置取りを替えて探りを入れてみようかなんて考えてみたけど、同じ部屋でテーブルを挟んで対戦してい
るのであまり意味はない。
そうこうしている内に、艦隊はマップ中央部に到達してしまう。主力艦隊のレーダーが同盟軍の艦影
を捉える。
砲撃戦用意……。無意識に心の中で唱え、カーソルを「攻撃」コマンドに合わせる。
「砲撃戦用意!」
「砲撃戦用意」
敵はというとこなたがそれを声に出し、みゆきが復唱する。
「ラブラブビームの準備はいい?」
「ラブラブビーム、全砲門発射体制です」
すわ! 同盟軍の新兵器か!? 孔明の罠か?
「鬱積煩悩愛羅武勇ミサイルは?」
「鬱積煩悩愛羅武勇ミサイル、全発ランチャーに装填済みです」
白い学ランのお化けを着たリーゼントの兄ちゃんが、改造バイクに乗ってランチャーから飛び出して
きたら白旗を揚げよう……。私は固くそう誓った。それにしても敵将の会話が聞こえるというのも奇妙
なものね。会話の内容はさらに奇妙だけど。
なんて考えている内にも両軍の距離は縮まり、やがて互いを艦砲射程のイエローゾーンからレッドゾ
ーン内で捉えるに至る。その瞬間、つかさを除く三人が「攻撃」コマンドをクリックする乾いた音が鳴
り、静かに戦闘の開始を告げた。
「撃て撃てーッ!! 敵の大将を愛の業火で焼いてやりなさーい!!」
訂正。全然静かじゃなかったわ。団長さん風に攻撃命令を出すこなたに……。
「この胸より愛を込めて……撃ち方始め!」
戦艦の装甲よりも厚そうな胸を揺らすみゆき。
二人とも微妙にズレた言い回しで、その上余計な一言と、私へのウィンクのおまけにつきだ。
「ファイエル!」
ネタにネタで応じる事の危険性は理解しているつもりだけど、一応帝国風ドイツ語で私も命じる。つ
いでに同盟軍のウィンク攻撃に、顰め面で反撃しとく。こら、睨まれて嬉しそうな顔をするな。
出遅れたつかさというと、愛するお姉ちゃんの真似をしたつもりらしい。
「ファブ●ーズ!?」
臭いを消したいのか? 「ファ」しか合ってない。
こうして戦闘はごく平凡な形で幕を上げた。
双方の打撃編成の第一艦隊と、機動編成の第二艦隊が向き合った格好での撃ち合うとなる。つまり、
こちらから見て左では私(帝国軍第一/打撃編成)とみゆき(同盟軍第二/機動編成)、右ではつかさ(
帝国軍第二/機動編成)とこなた(同盟軍第一/打撃編成)という形ね。
つかさの艦隊は動きはいいけど打たれ弱いので、腰を据えての撃ち合いとなると分が悪く、早くもこ
なた艦隊に対して劣勢に陥る。
「うえ〜ん、お姉ちゃ〜ん」
さっそく救援要請が来る。全くもう、宿題や忘れ物以外にもこんな世話もしなきゃならないのね……。
「あんたの艦隊は足が速いんだから、こなたの横に回るとか特色を生かした戦い方があるでしょ」
「お姉ちゃんから離れたくない〜」
そんな事言って負けたら、そのお姉ちゃんがこなたやみゆきのものになっちゃうのよ……なんて言っ
たら、パニクるんだろうな。
「ほら、砲撃だけじゃなくて艦載機も出しなさいよ」
「うえ〜〜ん、ここ関東だよぉ! 負けたらお姉ちゃんと関西に駆け落ちするぅ〜!」
訂正、もう十分パニクってたわ。
「見せつけてくれるじゃん」
黒いオーラを立ち上げながらこなたが言う。心なしか、こなた艦隊も勢いを増す。
「妬けてしまいますね」
みゆきの顔も、眼鏡レンズの反射光の奥に翳る。個人的には、うっとり嘗め回すような視線を送られ
る方がよっぽど怖いんだけどね。
こんな具合だったので、みゆき艦隊の奇妙な点に気付くのが遅れてしまった。異変の原因は司令官の
言動が奇妙だからではなく、作戦によるものと思われる。というのも、防御に優れた台形陣を組み、最
低限の反撃だけ行いながら、じっと私の艦隊の攻撃に耐えていた。艦隊までMなのか?
同じ機動編成の艦隊であるにも拘らず、つかさのとこと比べてあまりに損害が少ない。不審に思いカ
ーソルを当て情報を引き出してみると、動力用のエネルギーをもシールドに回して、可能な限りの防御
を行っていた。
私は、砲火を中央に集中できる凹形に陣形を組み替え、艦列を右に左にと振ってみゆきを挑発してみ
る。が、相手は乗ってこない。いや、こんな風に乗ってきやがった。
「ああ、かがみさんが私を挑発しています。誘ってますよ、性的な意味で」
「性的な意味はない!」
「分かる、分かるよみゆきさん。凹形陣て、形が何かに似ててエロいんだよね。性的な意味で」
「おま……それ……」
「うう、今から病院に駆け込んで、男性になってきてはだめでしょうか? 性的な意味で」
「それより、頭の修理をしてもらいなさいよ。ネジが数本と、鼻の栓が外れてるはずだから、アコー
ディオン工場かモノマネ教室に行ってつけてもらいなさい」
「かがみさん……」
みゆきの涙ぐんだ目が、こちらを見る。今のは言い過ぎか?
「なんてお優しい。私もう堪りません!」
そういう受け取り方をされると、本気で心配になってくる……。
「耐えるんだ、みゆきさん。ここで戦線を放棄したら、全てが無駄になってしまうよ。性的な意味で」
「より耐えているのは私の方だ……(泣)」
「煉獄の業火に焼かれている気分です。性的な意味で」
「なんか発言の最後に、『シャツも着ないで』って言わずにはいられない子供の会話みたいね」
「「「え!?」」」
三人が顔を上げ、私の方を見る。三人……そう、つかさも。どうしたんだろう?
「かがみさんがシャツも着ないで、上半身裸でいるのかと思ってしまいました」
「考えてみたらセーラー服だったね」
「な〜んだ」
そして何事もなかったようにゲームに戻っていく三人。一体なんなんだ?
「その煩悩を、煉獄の炎で焼き清めなさいよ」
「かがみさんの愛の炎の中へであれば、この身を差し出します。今すぐ!!」
「ごめんね。生憎持ち合わせてないわ、それ」
「燃え上がる前の愛ならお持ちなのですね? わかります」
「ああ、まあね。全部やるから、さっさと燃やして灰にしちゃっていいわよ。それよりさ、煉獄って
なんだっけ? 非DQ的な意味で」
「煉獄とは、西暦1140年ごろまでに確立された、キリスト教世界における第三の死後の世界の概念で―」
あー、この方が鬱陶しくないわ。よし、今の内に艦載機を出してみゆき艦隊を叩こう。
「第三というのはもちろん、天国・地獄に次ぐ第三という意味で―あ、かがみさんの積極的なアプロ
ーチが!」
私の意図に気付くと、みゆきも艦載機を出してインターセプト(中間迎撃)する。
「続きはベッドの中で、愛の炎に焼かれながらお話しするという事でいかがでしょうか?」
艦載機を指揮しながら、こんな事を抜かす。こちらの攻撃隊はほとんど阻止されてしまったけど、み
ゆきは艦載機も含めそれ以上積極的に打って出ようとしなかった。
「それは無理ね。今の私の愛が届かなかった以上は……」
単なる買い言葉よ、これ。伝染したんじゃないんだからね。でもまあ、これほどの反応を引き出すと
は予想外だったわ。
「そんな事はありません。しっかり届いてますよ。かくなる上は、司令官同士の一騎打ちでカタをつ
けましょう!」
「何で服を脱ぐんだ!? 相撲でもとるのか?」
「白兵戦になりますが、主に寝技を使わせていただきます。さあ、ベッドへ!」
私を食べ物と勘違いした犬のようにハッハッと息を弾ませながら、こなたのベッドをバンバン叩く。
私は無視して、艦載機をこなた艦隊に振り向けた。
「ちょ、みゆきさん。それ私のベッド……おお、こっちにもキタッ。愛が届いた!」
「どこの軍隊が艦載機に愛を載せるんだ!?」
「私も加わっていいんだね? 白濁の白兵戦に」
「壮絶な感じがするな……」
「私も混ざる〜!」
つかさも参戦表明。そのときは味方じゃなさそうね……。
でも、これではっきりしたことがある。みゆき艦隊の行動は、時間稼ぎだ。何のためかといえば一つ
しかない。今戦場で進行中の事象は、つかさ艦隊の崩壊だけなのだから。
ならばどうする? 目標をこなた艦隊に変更するか? いや、ダメだ。みゆきに横っ面を晒すことにな
る。そんなことしたら艦隊はビームを、私はキスを浴びせられることになってしまう。ならば、同盟軍
艦隊の間隙に突撃して突き崩すか? あわよくば後方に抜けて、つかさ艦隊と前後から挟撃もできる
……もうこれしかない。
霧の中に光明を見つけたような気分で、その為の操作にかかろうとしたとき、作戦計画が根底から覆
されてしまった。
「お、お姉ちゃ〜〜ん!」
情けないことこの上ないつかさの叫び声。こなた艦隊から痛撃を浴び続けたつかさ艦隊は、ついに戦
闘継続が不可能なほど統制を乱し、再編成が必要となってしまった。
「みゆきさん、今だ!」
「はいっ!」
邪魔な妹を先に片付けたってことかしら?
この時を待ちわびていたみゆき艦隊が、ついに動き出した。
「最終鬼畜萌え要素 高良・M、行け!」
これは何だろう。某疾風の「バイエルライン、行け!」と同じノリなのか?
「女は度胸です。泉さん、援護してください!」
みゆきはみゆきで、空飛ぶ女海賊みたいだし。
と、悠長に構えている場合じゃない。
カチカチ カタカタ……
マウスとキーボードを激しく操作する音。
みゆきはまず1500隻規模の分艦隊を二つ作り、私の艦隊の両脇から後方へ送ろうとする。その間に本
隊は、台形陣から紡錘陣形に組み替える。こちらは中央部に放火を集中するため凹形陣をとっていたた
め、本隊をしたたか叩いたものの、分艦隊にはうまく応射できない。艦載機に攻撃させたものの、快速
な敵分艦隊は、損害を出しながらそれを振り切ってしまった。
「かがみさん……いれますよ」
身の毛もよだつ一声とともに、みゆきの主力は突進した。
中央突破!
みゆきはそのいきり立つ切っ先を、私の(艦隊の)一番奥深い場所目掛けて突き立てた。
非 性 的 な 意 味 で !!
艦列に楔が打ち込まれると、温存していた艦載機を放ち、一気に突き崩しにかかる。
「いや! やめて……らめぇ〜〜!」
嬌声じゃないわよ?
私はみゆき艦隊の先鋒に放火を集中するよう命じたものの、こなた艦隊からの援護射撃で右翼がうま
く連動しない。さらに先の分艦隊たちが、後方から左翼に対して牽制射撃をかける。
「ああっ〜〜!!」
だから、嬌声じゃないってば。ちょっと中央突破されただけよ。それに「旗艦被弾」というアラート
も表示された。
「尖頭形のモノで、かがみさんを真ん中から引き裂くことが出来ました」
みゆきは勝ち誇ったように言うけど、その主力艦隊は、突破時の勢いが強すぎて大きくオーバーラン
してしまっている。二つの分艦隊はそれを追うように反転し、主力を追いかける。
―あれ? でも、何かおかしい。みゆき艦隊の意図は中央突破・背面展開のはずだから、分艦隊は主
力をその場で待てばいいはずだ。何で本隊を追いかけるのか? それに、何で分艦隊は二つなんだろう? 操作が大変になるだけなのに。
そんな疑問を感じはしたけど、私はそれを僥倖として態勢の立て直しを図った。というより、それど
ころじゃなかったんだけどね。
私の旗艦「ぎょぴちゃん」は、被弾による被害は少なかったものの、中央突破で分断された右側の集
団に流されてしまっていた。だから、左側の集団が操作できなくなってる。幸い右集団はつかさ艦隊よ
りもよっぽど秩序を保っていたため、こなた艦隊に反撃しながら、スラスター(横とか前とか上とか下
についた補助用エンジンとでも思って)を吹かして平行移動し、再合流を図る。
合流まであと少し。つかさ艦隊の再編完了もあと少し。みゆき艦隊は回頭を終え、こちらの背後に迫
ってきている。
どうすればいい? どうすれば巻き返せる?
その答えが出ない内に、多くのことが同時に起こった。
まずつかさ艦隊の再編成が完了した。
「お姉ちゃんの嫁、ふっか〜〜つ!」
誰があんたの婿だ?
分断されていた私の艦隊が再合流した。
「かがみが生き別れた左半身と再開したか……」
私は合体ロボットか何かだったのか?
みゆき艦隊の背面展開が完了した。
「かがみさん、帰ってまいりました」
帰って来なくてもよし。再び旅立て。でもまあ、ここまでは三人の発言も含めて想定内。
そして想定外の出来事。それは私の艦隊の左側面と、つかさ艦隊の右側面にひょっこりと敵の小艦隊
が姿を現した事だった。
「!!?」
「あれ〜〜!?」
つかさも事態の深刻さに気付き、素っ頓狂な声を上げる。私は声も出なかった。
いうまでもなくそれは、みゆきが先に後方へと突破させた分艦隊だった。私の艦隊の左翼への牽制射
撃が終了すると、主力と合流すると見せかけて、戦場を大きく迂回して側面へと向かわせたというわけ
ね。その暁回(ぎょうかい)運動をこちらのレーダーは捉えていたはずだけど、分断された左翼との再
合流を焦る私は、全くそれに気付かなかった。
つかさ? さあ……? それ以前にレーダーの見方、分かるのかな? あるいはレーダーがどこに表示
されているか、分かっているかどうか? ていうか、私以外のものが目に入ってるかどうか。
みゆき艦隊のオーバーランも不手際などではなく、分艦隊と足並みを揃える為のものだったのかもし
れない。
とにかくここにきて、同盟軍の意図が前後挟撃ではなく、包囲殲滅だと分かった。
脱出路はまだあった。私の前方と、つかさの後方だ。私の艦隊は前進するだけでいいけど、つかさは
後退するか、左転針→前進→右転針→前進と動いて私と同じところから脱出するかという、困難な道し
か残ってなかった。そしてつかさなら、間違いなく後者を選ぶ。でも、同盟軍がそれを看過し座視する
ほどお人好しではないことも、また間違いなかった。
私にはまだチャンスがあった。艦隊に前進を命じればよかった。つかさを見捨てればよかった。……
私には、それができなかった。
「みゆきさん!」
「はい!」
同盟軍は……なんだっけ? ああ、そうだ。「かがみんを我らの手に作戦」の仕上げにかかっていた。
両艦隊とも右翼を右方向へ伸張し、こなたは私の前方を、みゆきはつかさの後方を遮断しようとしていた。
勝手に姉を婿認定し、勝手にその嫁に座に納まってしまうようなとんでもない妹だけど、それでも見
捨てることはしないという姉としての心理をも、この一人っ子たちは見透かし作戦に組み込んでしまっ
たのだろうか? 躊躇い行動できずにいる私の目の前で、伸張を続けていたそれぞれの右翼が、側面に
回っていたみゆきの分艦隊と連結し、同盟軍の包囲環が完成した。
「「艦列、うにょ〜ん」」
同盟軍の二提督はそう言った。それは作戦成功を意味する符号だったのかもしれない。
負けたわね、完全に……。
私は溜息をつき、勝者の口上を待った。
「可愛がってあげるよぉ、袋のかがみちゃ〜ん♪」
「やりました。ついに、ついに……かがみさんの緊縛に成功です!」
……こんなところかしらね。まあ、負けることで本当にそうなっちゃうんだけど。
「―って、あれ?」
同盟軍の砲撃が止まっていた。これって何てバグ? それともエラー? 二人を見ると、何やら深刻な
顔で悩んでいる様子だった。
「どうしたの?」
「大問題発生です」
「『だいもん』が大発生したんじゃないよ」
「知ってるわよ」
それって何て西部警察?
「かがみ自身と、かがみの名のついたつかさの旗艦、どっちを先に攻めようか迷っちゃってねー」
「フェルマーの最終定理も裸足で逃げ出す難問です」
数学の定理に足が生えてたら、私の方が逃げ出すわ。
「かがみの旗艦が『かがみの貞操』とかだったら、迷うことはなかったんだけどねー」
「アホか!」
でもこれはチャンスだった。私に見とれているつかさの肩を叩き、「お尻も叩いて」という願いを無
視して艦隊行動の指示を出す。
「半円陣を組んで右舷90度回頭。急いで」
「う、うん……。うげんて?」
「右よ、右! 早く!」
叫びながら私も「陣形」メニューから半円陣を選択し、つかさとは反対に左舷90度回頭を命じる。そ
してつかさ艦隊と背中を合わせる格好で円陣を形成する。
「♪ わ〜い お姉ちゃんと合体だ〜 ぷ〜ぷかっぷ〜」
「合体」ってこの場合、「釣りバ●日誌」的な意味なんだろうな。例によって無視して、射撃命令を
出す。
「ファイエル!」
「ファ●リーズ!」
包囲環全体に対して砲火を浴びせる。
「やっぱりかがみ自身を先にモノにしてだね……」
「降伏後に旗艦を鹵獲(ろかく)、ですね」
同盟軍も基本方針が決まったらしい。私の艦隊に対して特に砲火が集中された。しかしながらこちら
はわずかに先手を打てたおかげで、同盟軍の艦列に綻びを生じさせることに成功した。
「つかさ、脱出よ」
「どうやって?」
「そっちはそっちでうまくやりなさい」
私は艦隊を紡錘陣に組み直し、さっきのお返しとばかりに同盟軍の艦列の綻び、こなた艦隊とみゆき
艦隊の連結部目掛けて突進した。
「ふぁ〜。かがみ、らめぇ〜。裂けちゃおうよぉ!」
「かがみさん、すご……あぁ! は、激しすぎます」
「変な事言うな! 変な声出すな!」
いくばくかの押し合いの後、私の艦隊は包囲環を食い破ることに成功した。その直前、こなたの総旗
艦「かがみ様激Love」の位置が判明したという報告も入った。
一方……。
「おねえちゃ〜ん! 待ってぇ〜!」
つかさ艦隊は脱出に失敗した。私の艦隊の脱出時に包囲環全体が揺らいだけど、突進力に劣る半円陣
のまま中でもたもたしていた。
みゆきの中央突破時と同様、私の艦隊も勢いがつきすぎてオーバーランしたけど、これによって十分
な間合いを取ることが出来たので、反転させる。そして状況を分析し、作戦を立てる。
まず、同盟軍はどうするだろうか?
ここはこのまま包囲環を維持し、つかさ艦隊を各個撃破してから私に向かってくるだろう。壊れた人
為にそぐわない精緻な作戦立案と、巧妙な艦隊運動で以ってせっかく作り上げた包囲環だ。みすみす手
放すことはない。
帝国軍の状況はどうか?
黒井先生の授業にも出てきたオルレアンの篭城軍のように、ジャンヌ・ダルクとなった私の、外から
の攻撃に呼応して動くことをつかさに期待するのは難しい。ならば外から同盟軍に出血を強い、つかさ
艦隊を捨て石にして、その全滅までに同盟軍に対して数的優勢を確立するよりない。
ついさっき躊躇って実行できなかった事の、正にその結果というべき状況に置かれたわけだけど、こ
うなった以上背に腹は替えられない。お腹の肉を背中に回しても、太っていることには変わりはない(
胸に回せたらなあ……)。
ならばどうするか? 同盟軍のどこに出血を強いるか?
答え=こなたの総旗艦を撃つ!
この間約0.7秒。今チャンネルをテレ玉(テレビ埼玉)に合わせ、「埼玉銘菓十万石まん●ゅう」の
CMを見たら、「うまい! うますぎる!」というナレーションが、「早い! 早すぎる!」とでも聞こえた
だろう。
私の頭はそれくらい冴えていた。
ま た は 壊 れ て い た !!
そんなわけで、こなた艦隊の後方宙域へ進路を取る私の艦隊。総旗艦「かがみ様激Love」を討ち取る
のが先か、つかさ艦隊が全滅するのが先か? たとえ「かがみ様激Love」を討てなくても、つかさ艦隊
が全滅した時点で数的優勢を確保できれば、その後の消耗戦で勝利できる。
……そう思ってたんだけど。
「かがみん、待て〜」
「お待ちくださ〜い」
同盟軍の奴ら、あっさりと包囲を解きやがった。こっちに向かってくる。何だろうこれ。浜辺で戯れ
るバカップルのノリ?
「お姉ちゃ〜ん!」
つかさも向かってくる。
同盟軍との距離が縮まり、たちまち砲戦となる。同盟軍の砲火が私の艦隊に殺到する。私もこなたの
総旗艦目掛けて応射する。
「はあ、やっと追いついた」
到着したつかさ艦隊に、光背からこなた艦隊を叩かせようとすると、
「お姉ちゃんの隣に行きたいんだけど、ダメ?」
「そんな事してみなさい。姉妹の縁を切って、こなたの嫁になるから」
この一言は凄まじい効果を発揮した。
「あぶあひ!」
こなたが鼻血を吹いて倒れた。お株を奪ったわね。
「ああ、総司令官が昏倒されました。メディッーク!」
お株を奪われたみゆきが、衛生兵を呼ぶ。
「いるわけないでしょ」
いや、いた。そうじろうおじさんだ。こなたの鼻にティッシュを詰めると、そそくさと帰っていった。
ティッシュを抱えて廊下で何をしていた?
つかさに対しても効果覿面で、その艦隊はこなた艦隊の背後に猛攻を加えている。
「お姉ちゃんは私の嫁……おねえちゃんは私の嫁……」
何か唱えている。これは、「くたばれカイザー!」「ジーク・カイザー」のノリなのか?
みゆき艦隊が前進し、総司令官と私の間に割って入ろうとするけど、こなた艦隊が前進してそれを阻
止する。そういや、団長さんの艦隊もキョ●とガチの間に割って入ってたっけ。味方同士でも火花が散
るのは、どこも同じなのね。
両軍とも第一艦隊の艦数が激減し、この狂乱の宴も終焉が近い。
「旗艦被弾」というアラートは、もう数え切れないほど出た。こなたも同じだろう。
割って入ることを諦めたみゆき艦隊が側撃を加えてきたが、背後を取られないよう後退し、こなた艦
隊との砲戦を続行する。
最後まで立っていられるのはこなたか、私か……?
かくて日は暮れ つかさ功成りて (私の)万骨枯る
「やったぁ〜」
帝国軍勝利という旨が表示されるや、つかさは飛び上がって私に抱きつき、そのままこなたのベッド
に押し倒した。これは起こしに行った時の反応によく似ていて(引きずり込まれるか押し倒されるかの
違いだ)、不本意ながら慣れてしまっていたため、難なく脱出できた。
同盟軍の二人ときたら、助けもせずにうな垂れていた。無理もない。もうあんたたちのものじゃない
んだもんね。
「私たちの負けです」
「うん……」
冷静に考えれば、最終局面において、帝国軍の方がはるかに有利だった。こなたの同盟軍第一艦隊は、
序盤でつかさの帝国軍第二艦隊と本気で砲戦を行い、私の帝国軍第一艦隊よりも消耗していたし、みゆ
きの同盟軍第二艦隊が側面攻撃にとどまったのに対し、つかさ艦隊はこなた艦隊の背後を取っていた。
こなたの総旗艦「かがみ様激Love」が爆沈した時点で、艦隊の艦数は40隻を切っていたけど、私の方は
まだ500隻いた。消耗の差がそれだけ出ていたということになる。勝利は当然の帰結とも言える。でも
最初15000隻いたんだから、生存率は3%強。ははは、大した味方殺しね。
「ですがつかささん。これだけははっきり申し上げておかなければなりません」
うん、まあ、つけ上げるといけないから言ってあげて。私はベッドに腰掛け、二人を睥睨するように
見る。
「私たちは、かがみさんの魅力に負けたのです」
ズベッ
「かがみが可愛いから、追いかけずにいられなかったんだよねー」
イタタたた……。
「お顔の愛らしさは言うに及ばず、逃走時のあのお尻!」
「お尻だねー」
「あれを見せ付けられて、追いかけずにいられましょうか!? あれを見てしまったら最後。何人たり
とも心が猟犬となり、ウサギを追って野を越え、山を越え、海をも越えて、心の翼は夜空を駆け抜け、
かがみさんを求める切ない慟哭は天を裂き、やがて宇宙の果てまで……あの、大丈夫ですか?」
あんたこそ大丈夫か?
「うん……そのお尻をちょっと打っただけ。それに、頭がちょっと痛いかな……」
来るぞ、来るぞ……。
「それは大変です! すぐに治療しないと。さあ、脱いでください!」
「私のベッドに横になって」
ワキワキする二人の手が、しかし急に止まる。
「そうでしたね……」
「もう私たちのものじゃないんだよね……」
はあ……と肩を落とす二人。つかさは抱きついてチュッチュしながら、
「お医者さんごっこ〜」
なんていってる。ほう、医学部志望か。がんばれ〜。
パソコンは、戦闘結果と一緒にそれぞれの期間の状態もモニターしていた。
つかさの旗艦「かがみお姉ちゃん、大好き」は特に変化はない。
総司令官の戦死で降伏したみゆきの旗艦「かがみさん、愛してます」は、宇宙空間にありえないくら
い巨大な白旗を掲げていた。
こなたの旗艦は、ない。つかさ艦隊と私の艦隊の砲撃が同時に着弾して轟沈し、原子に還元したのだ
ろう。虚空を映し出していた。
そして私の―
「ぎょぴちゃん……」
私の旗艦「ぎょぴちゃん」は、度重なる被弾により破孔が生じ、外部に突き出た機器は千切れ飛び、
装甲版が歪んだり溶けたりで、原型を保っていなかった。武装はあらかた潰され、機関部にも被弾して
いた。これは人間で言うと片足が折られたに等しい。
こんなになるまで戦ってくれたんだね……
そう思うと鼻の奥がツンとして、胸に熱いものがこみ上げてきた。
そして私は悟った。この戦いの勝者はつかさじゃない。もちろん白旗を上げたみゆきでもなく、旗艦
とともに原子に還元したこなたでもなく、まして私ですらない。
「お姉ちゃん……?」
抱きつく体をやんわりと引き離すと、つかさは不思議そうな顔をした。
「行かなきゃ。この戦いの勝者の元へ」
「え? ええ? ここに……」
「『ぎょぴちゃん』を見て。私の旗艦の」
「あー、ボロボロ〜」
「この戦いはね、私を乗せたぎょぴちゃんがこんなになるまで頑張ってくれたから勝てたの。よって
この戦いの勝者は、ぎょぴちゃんとします」
「「「えー」」」
「私はぎょぴちゃんのものになりました」
「「「え〜〜〜!!」」」
最大音量の抗議×3。
私はキレるべきだった。
私はキレた。
「い い わ ね ?」
鬱積したものを全て解き放つと、何か黒い物が出た。ゴゴゴゴって地鳴りもする。
「「「ひぃっ!」」」
恐怖におののいた三人が飛び上がる。みゆきなどは、窓を開けてそこから逃走しようとしていた。つ
かさが腰に、こなたが足にしがみつかなかったら思いを遂げたことだろう。
「異論はないようね。じゃ」
廊下で腰を抜かしていたそうじろうおじさんにも一礼すると、私は颯爽と泉家を後にした。
勝者の待つ我が家に向けて。
次の休日。
今年初めて半袖を着た私は、弁当とお菓子(別物かって? 当然!)と金魚鉢を抱えて、近くの公園へ
と出かけた。
休日の公園は人出が多く、家族連れ、恋人連れ、友人連れ、動物連れにあと何だか分からないけどと
にかく来ている人までいて、ずいぶん賑やかだった。動物連れの人には犬はもとより、籠に小鳥を入れ
て連れてきてる人、猫を散歩している人までいた。話には聞いたことあるけど、本当にいるのね……。
その猫を一睨みして追っ払うと(猫だけよ。人の方には愛想笑いして……あ、小鳥の人の方へ行っち
ゃった。気をつけて〜)、金魚鉢を池のほとりの置いてみる。エサでももらえると思った鯉が寄ってき
たけど、これは失敗だった。ぎょぴちゃんはかなりビビッていた。井の中の蛙、池の中の金魚……いや、
いいんだけどね。
ベンチに移動して、弁当を食べる。ぎょぴちゃんの分もちゃんと持ってきてあって、一緒にランチ。
桜の頃は過ぎていたけど、それに続く花たちで公園はむしろその頃よりも華やいでいた。ちょっと虫も
いるというが難点ね。
晴天に恵まれた陽気は、ベンチに横になって暁を覚えずと洒落込みたいほどだったけど、猫が近くに
いるとあってはうかうか寝ていられない。寝相は良いほうだけど、金魚鉢を倒す危険性も否定できない。
膝枕もしてもらえないし、ね……。
ところで膝枕といえば、私は気付いていた。頼めば喜んでやってくれそうな人、むしろ泣きながら土
下座してさせてくれと言いそうな人の存在に。
お菓子をつまみながら、暁を覚えない程度に目を閉じて、耳を澄ませてみましょう。
赤く咲き誇るツツジの茂みのそのまた奥。私を付け狙う雌狼が三頭。頭隠してアホ毛隠さず……。
「むぅ……かがみへの愛を艦名にこめ、フラグシップにフラグを立てたつもりだったけど……」
「かがみさんご本人は、ぎょぴちゃんフラグを立ててたんですね……」
「どんだけー」
「男性より、金魚になりたくなってきました……」
「じゃあ私は金魚鉢になる」
「いや、二人ともそんなことより、かがみを見てみなよ」
「……イイ」
「……イイ」
「……イイねー」
「ぎょぴちゃんに微笑みかけるかがみさん……」
「ぎょぴちゃんに話しかけるかがみん……」
「ぎょぴちゃんを抱えて歩くお姉ちゃん……」
「「「眼福(だなー/ですねー/だねー)」」」
そこ! ツツジの中の三人! そういうことはもっと小声で言うように。ていうか、逮捕されない内に
家に帰りなさい。
あー、いやいや。相手にしたら負けだ。気にかけてもいけない。
心頭滅却……色即是空……いやいや、これ仏教の教えだわ。私は神社の娘だし……落ち着け落ち着け。
まあ、とにかく。私はぎょぴちゃんとセットということが認められたみたい。ぎょぴちゃんと一緒の
限り、私は安泰かつ平穏ということだ。
だからお願い。
ぎょぴちゃん、長生きしてね。
おわり
365 :
42-115:2008/05/04(日) 19:10:11 ID:4uguMhSc
あじゅした。
注釈がいっぱい必要かもしれませんが、これで終ります。
戦況図も必要かも?
366 :
348:2008/05/04(日) 19:43:41 ID:L77vP5Hg
>>349 ありりw
今回のはシリーズ物の第6話だったのか。
続きに期待ですw
367 :
348:2008/05/04(日) 19:54:49 ID:L77vP5Hg
うあ
SS投下されてた、すいませんでした・・
ラストの金魚蜂持ってぎょぴちゃんとお散歩は予想外でしたww
ぎょぴちゃん幸せものだ・・><
今から投下します
3レス借ります
注意:非エロ
PCでアク禁なので(コミュファのせいで)携帯から投下します
気を使いながら投下しますが改行がおかしくなるかもしれません
ごめんなさい
なるほど、かが×ぎょぴはそういう意味か!
かが☆フェチな3馬鹿といい戦いの帰結といいオチといい、楽しませていただきました。GJ。
日曜日、ネトゲをする日。朝から寝る日。体を休めつつアニメを見る日。
いつもなら布団にこもっているはずの時間に泉こなたは窓から空を見上げていた。
昨晩はお気に入りのネットゲームがメンテナンスでなんとなく早く寝たのだ。
タバコを吸うなら、こんな時は凄くおいしいんだろうな。ふとそんなことを考えながら
流れる雲を一通り楽しんだあと、こなたは電話を手に取った。
「あ、かがみんおはよー。いや、何だか朝早く起きたらテンション上がっちゃってね」
「あんたが8時に起きてるとはめずらしいわね。それで何の用なの?」
「特にないんだけどさ・・」
「え?」
「いや、だから特にないんだけどね」
「なによそれ、ただ電話しただけなの?」
「いやぁ、何か嬉しくなっちゃってさ。分からないかなぁ」
「まぁなんとなく分かるけど」
「それじゃあね、かがみん」
「あ・・」
日曜日、休みの日。なんとなく何かが起こりそうな気持ち。少しだけ特別な日。
相変わらずマイペースなやつだな、と思いながら柊かがみはトーストをかじった。
いつも自分の言いたいことを言ってきて、こっちがついて行けるかなんてお構いなしで。
それでもちゃんと本当のことを伝えてくれる友達のことを嫌いではなかった。
そして朝からその楽しげな声を聞いたかがみも家にいながら学校での楽しいやりとりを思い出し、
なんとなく走りだしたいような嬉しい気持になった。
朝食を終えてもかがみの中でその気持ちは育っていき
「よし」
と一言つぶやくと妹のへ部屋向かった。
「ほらつかさ!!いつまでも寝てないで起きなさいよ」
「だめだよう・・それポン酢だよう」
「なに寝ぼけてるの」
「そうだよ、そっちだよ。バルサm」
「ほら、起きて」
「でもそんなの関係ねえ」
日曜日、遅くまで寝ててもいい日。大好きな日。
そんな日に朝から起こされた柊つかさはまだ頭が働いておらず、寝ぼけ眼で姉の顔を見上げた。
「あれお姉ちゃん、今日は学校なの?」
時計を見るともう教室にいる時間だ。日曜日が逃げたわけではないようだ。安心したのでつかさは布団に潜ろうとした。
「あぁもう、起きてって言ってるでしょ。つかさ!!」
「うぅ、まだ眠いよう」
「いいから起きて起きて」
姉のかがみは機嫌よさそうにしている。何かあったのかな?誰かの誕生日なのかな?
つかさがあれこれ考えているうちにかがみに台所まで連れて行かれた。
朝食もいつも通りだったが、かがみが何やら包丁とにらめっこしている。
「どうしたの?おねえちゃん」
「ちょっとお弁当作ってるのよ、つかさも食べたら手伝ってね」
「うん、一緒に作るよ。でも、どうして?」
「久しぶりに公園でも行かない?そこでご飯食べようかなって思ったのよ」
「ピクニックなんて久しぶりだねぇ、最後に行ったのって小学生の時だよね」
「あの時はお弁当食べてたらつかさが歯が痛いって言い出して。お父さんたち急いで歯医者さん探してたわね」
「そうだっけ?」
「そうよ、あんた大泣きして大変だったんだから」
話しているうちにあの時の記憶がよみがえる。つかさは少し照れながらトマトを飲み込んだ。
「お姉ちゃん、せっかくだからみんなも誘おうよ」
「そうねこなたももう起きてるみたいだしちょっと電話してくるかな・・」
かがみはエプロンを脱ぎこなたの家の番号を押す。
「あ、もしもし。私柊かがみです。こなたさんいますか?」
最後のトマトがつかさのお腹におさまったころ、
こなたの父泉そうじろうは娘に淹れてもらったコーヒーを堪能していた。
エプロンの丈よりも長く伸びた髪、体は小さいがテキパキと動く姿は母親そっくりだった。
特に用事はないが何となく娘の名前を呼んでみた。
「おうい、こなたぁ」
「なあに、お父さん?」
「いやあ、朝からエプロン姿のこなたを見れたからちょっと嬉しくてさ」
「萌えた?」
「いや、うん・・。」
「?」
「萌えたよ、エプロン萌えだな」
「はいはい。頼むから外ではそんなこと言わないでよね」
「自分でふっといてそれはないだろ」
「フフッ」
ちょっとした切なさとギャルゲ的には勝ち組である自分への満足感に満たされるそうじろう。
幸せのかたちは人それぞれだ。
「こなたはさっきから何作ってるんだ?」
「ん?お弁当だよ。ちょっと気合い入れて作ってるんだ」
「まさか男じゃないだろうな?お父さんは許さんぞ」
「大切な人と一緒に食べようと思ってさぁ」
こなたはニヤつきながらそう言った。明らかにそうじろうをからかっている。
「なにいいい、どこのどいつだ!!うちのこなたに手を出す馬鹿やろうは!!」
「かがみとつかさだよ」
「何いぃいい、2人もいるのかあああ」
「だから、かがみとつかさだってば」
やっと理解したそうじろうは安心してコーヒーの残りを飲み干した。
自分好みに成長してくれた娘に感動して浸っているとすぐ横の電話が鳴った。
「こなたぁ、かがみちゃんから電話だぞー」
日曜日、それも気持ちいいくらいに晴れた日。空には青が広がる、そんな日。
以上です
今日の綺麗な空を見上げていたら急に書きたくなってしまいました
どうしても今日中に投下したかったので文章粗くてすみません
本当に久々の26−468でした
またお願いしますね
>>373 割り込み失礼しました。
そしてそれぞれの「日曜日」のリフレインが効いてて良いですねー。
今日の青空を思い浮かべつつ、ぐっじょぶ。
375 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 20:44:10 ID:WN9Ipe9T
か、かがみんをぎょぴちゃんに取られたーーーー!!(挨拶)
……ども。タイ語版の『らき☆すた』を土産にもらったのはいいけど、まったく読めない妄想屋(仮名)ですw
それにしても、タイ語ってグラフィカルでいいやね。
さて、『えす☆えふ』シリーズ(異聞?)、投下させていただきます。
・8レスお借りします
・オリキャラ?注意
・ガチエロ
・こな?×かが?
・あいかわらずマニアック描写あり。
・『こな☆フェチ』ならびに『てけてけかなたさん』の設定を一部お借りしています。
・ダメな方は、タイトルでNG設定よろしくです。
では、行きます。
------------------------------------------
――その部屋は本来、この家の主の居室となるはずであった。
その家の一階、廊下の突き当たりに、庭に面した部屋がある。
爽やかな朝の光がまんべんなく差し込むその部屋は、ほんの僅かな間、夫婦の部屋であったことがある。
だが、最愛の妻が若くしてこの世を去った後。その家の主は、その部屋を空けることにした。
まるで、辛い想い出から逃れようとするかのように。
十数年の時が流れ、辛い想い出も懐かしい記憶として、主の心のアルバムに綴じこまれた頃。
――妻は、ひょっこり帰ってきた。
妻は、僅か数ヶ月の間過ごしたその部屋ではなく、二階の主の書斎を好んだ。
愛しい夫が一日の大半を過ごす、その部屋を。
こうしてその部屋は、妻が戻ってからも、しばしの間静かな部屋であり続けた。
泉家の一階突き当たり。庭に面し、そうじろうとかなたの部屋になるはずだったであろうその部屋。
長い間、空き部屋であったその部屋に、今はおかしなカップルが住みついている……
――――――――――――――
えす☆えふ3.1
〜 かがりん大暴走! 〜
――――――――――――――
『ワムウッ!(←挨拶)
全国的に爽やかな好天に恵まれた、ゴールデンウィーク初日の朝。皆様、お目覚めはいかがでしょうか?
お早うございます、今朝のニュースの時間です。
キャスターは私、『田円調布の狂える完璧超常生物』こと、高良みゆきが勤めさせていただきます。
……それではまず、今日のお天気から。
今朝の『こな☆フェチ指数』は二十五。比較的落ち着いた朝ですが、指数は時間とともに上昇し、お昼前には八十に達する模様です。
どなたとは申しませんが、ある特定のおふた方。お出かけの際には、光学迷彩や段ボールなど、雨具(?)のご用意をお忘れなく。
続いて天気概況ですが……諸般の事情により、割愛させていただきますね。
さてそれでは、最初のニュースです。
さいたま県倖手市在住の作家・泉そうじろう氏(年齢不詳)宅にて、自主的夜勤明けの泉こなたさん(十八)と早起きに定評のある小早川ゆたかさん(十五)が、一階洗面所前で遭遇するという休日朝の恒例行事が、今朝も滞りなく執り行われています。
それでは、現場にいるレポーターの高良さんを呼んでみます。……高良さん?
――はい、こちら現場の高良みゆきです。こちらは…………』
……などという、みゆきの一人芝居には関係なく、物語は進んでいくのである。
Welcome to this crazy tale, このイカれた話へようこそ。君はTOUGH BOY.
………………
朝の光が差し込む、泉家の洗面所。淡い色の陶器でできた洗面ボールが、朝日を浴びて輝いている。
少し冷たい朝の空気の中。スズメとハトの混声合唱団が、定期コンサートの真っ最中。
ゴールデンウィーク初日の、良く晴れた朝。
きちんと早起きをして、これからの時間を有意義に使う人もいれば、がっつり夜更かしをして、今までの時間を有意義に使った人もいる。
「おはよう、お姉ちゃん」
「……ふぁ〜、おふぁよ〜」
休日も早起きなゆたかと、ようやくネトゲから落ちてこれから寝るところのこなた。
早番と夜勤の交代風景……ではないが、洗面所で出くわした二人が、いつものように朝の挨拶を交わす……
そんな、休日の朝恒例の風景が繰り広げられている。
「……えひゃぁぁぁぃっ!」
朝の静寂を劈(つんざ)いて、廊下の突き当たりから、いささか間の抜けた悲鳴が聞こえた。
文字で書くとさしずめ、HG創英角ポップ体・百二十八ポイント強調文字といったところだろうか。
対するこなたとゆたかの顔には、金文体・二十四ポイント通常文字斜体で「またか」と書いてある。
「……あー……行ってみようか、まーちゃん」
「お姉ちゃん、私は『またか』じゃなくて『ゆたか』だよぅ」
ともあれ、放っておいたら近所迷惑だ。
嫌々渋々よんどころなく、二人はその部屋へと向かった。
「……おおーっと! これはどうしたことでしょうかっ? こなつーさんがかがりさんに押さえ込まれていますっ!」
何やら遠藤綾に似た声が聞こえたが、
「どったの、こなつー?」
「……ぐっすし」
華麗にスルーして、扉を開く。
「あっ、姉さん! ゆーちゃんっ! お助けぇ〜〜〜!」
ベッドの上には、仰向けに転がされ、両手を後ろ手に縛られたアホ毛の少女。いや、少女の姿をしたアンドロイド。
肩を左右に振りながら、なんとか逃れようともがいている。
こなたと瓜二つ、ジャズメン風に言えばジーマーでクリソツなその姿。その名は、泉こなつー。
「んふふ〜、覚悟はいい? いいわよね? 答えは聞いてないっ!」
そんなこなつーに向かって、女の子座りのまま両腕でにじり寄る、ツインテールの少女アンドロイド。
左右に振り分けたツインテール。肩を挟んで前後に分かれたその後ろ側が、上機嫌な子犬のようにぱたぱたと振れている。
こなたの親友・柊かがみに生き写しのその少女は……その名も高きツンデロイド・柊かがりである。
丸みを帯びたかがりの少女らしい腰の周りを取り囲む、安っぽいフレームで組まれた枠。
あちこちから飛び出した出っ張りはモーターらしく、うぃんうぃんと不穏かつスケベくさい唸りを上げている。
かがりのオm(最重要機密)の前からコテカのごとくそそり立つ、見るからに妖しげなシリコンゴムの棒。
その後端からは数本のコードが延び、クr(禁則事項)に嵌められたリングやオm(検閲削除)の中へと伸びている。
さながら、『腰だけ先行者』。しかも恐怖の『中華キャノン』搭載タイプだ。アヲラー!
……なんのことはない。この家ではありふれた、朝の情事の光景である。
「あーおはよ、かがりん。今朝も元気だね〜」
「おはようございます、かがり先輩♪」
「おはよ、二人とも」
爽やかに、一同朝のご挨拶。……まあこの際、かがりの腰の不穏当な特殊兵装には目をつぶろうじゃないか、なあ。
「あ、挨拶はいいから、たぁーすけてぇ〜〜〜〜……」
じたばたと身をよじって、こなつーが叫ぶ。
「そんなこと言われても……ねぇ」
「ねぇ」
人の恋路を邪魔するほど、二人とも無粋ではない。馬に蹴られて死にたくないし。
「ちょ、みんな間違ってるって! こんなの清く正しい恋の道じゃないからっ!」
「恋の形は十人十色なのよ、こなつー。……では、そろそろいただきまーーーす♪」
ピンク色のコテカが、こなつーのオm(自主規制)にあてがわれ、
「ちょ、やめっ、『いただきまーす』じゃな・」
「ですとろーぃ、ぜむ・おーるっ!」
ずぷんっ!
「はぅっ!? っあぁぁぁぁぁああぅっ!!」
まあ奥様、ごらんになりまして? 前戯もなしにずぷっといきましたわよ、ずぷっと!
それにしても、『沙羅曼蛇』ネタで来たかかがりん。さすがシューティング好き……といいたいところだが、いささか古すぎやしませんかね。
「ああああぅっっ!?……あ、あぁんっ、いんとるーだー・はず・ぺねとれーてっど、あうぁ、ふぉ、ふぉーすふぃーるどぉぉっ!!」
それでもきっちり返すあたり、こなつーもなかなかのものである。
駄菓子菓子(だがしかし)。こなつーの余裕もここまでであった。
適度な硬さを持ったシリコンゴムと、リアル感と柔らかさを追求した最高級半生体樹脂製の擬似粘膜とがこすれ合い、ぷきゅぷきゅと淫猥な音を立てる。
こなつーの可愛らしい股間のスリットを押し広げ、かがりの電撃メロメロ棒が、何段もの小さな抵抗を押しのけながら侵攻する。
「・ぅぁ、か、かが、かがりぃ、ぅあ、やぇ、やぇてぇ・」
酸素を求める魚のごとく、ぱくぱくとこなつーが喘ぐ。
「ふふっ、だーーーめっ☆」
破竹の進撃を続ける兵士のごとく、かがりの口からリズミカルな吐息が漏れる。
こなつーの口から、とめどなく溢れ出る涎が顎を伝い、
かがりの額から、玉のように噴き出す汗が頬を伝い、
こなつーの秘裂から、滾々と湧き出る粘液が飛び散り、
――朝の光を受けて、無数の輝きに包まれている。さわやかえろす。
……やがて、ピンク色の砲身が、その中ほどに引かれた赤いラインまで押し込まれると、
「く・ふきゅっ」
空気が漏れるような悲鳴とともに、こなつーの身体がひときわ大きく跳ねた。
臍の部分に取り付けられた、ひし形のプレートに指を触れる。……僅かに膨らんだこなつーの腹部が、音もなく左右に開いた。
かがりの股間にそびえるICBMが、こなつーの腹部に内蔵された柔らかい桃色のチューブを膨らませ、小刻みな振動を与えているのが見える。
その膨らみは、チューブの先端にある部品……
人工子宮。こなつーの性感覚器官、その中枢部にまで達していた。
「……よーしっ、奥まで届いたみたいね♪」
嬉しそうに、かがりが舌なめずりをひとつ。
「……ゃ……めぇぇ……」
意志の光を失いかけ、トロンと蕩けたこなつーの瞳。その声は弱々しく、もはや形だけの拒絶でしかなかった。
「うふふ、目いっぱい楽しもうね……こなつー♪」
カチン。
『つー』の発音に合わせて、かがりの腰の装置から、継電器(リレー)の音がした。
「ふぅっ!? あぅゎぁっひぁぁぁああぁあああっ!?」
甲高い悲鳴とともに、こなつーの目が大きく見開かれる。
モーター音がひときわ大きくなり、股間の理性ブレイカーが意志を持った生物のように蠢き始めた。
小刻みに振動しながら、時に左右に、時に前後に。
人工の怒張が、人工の花園を、人工の蜜壺を、そして人工の子宮を激しく責め立て、かき回す。
「ゃ・ぅはぁぁっ! はぁっ、だめ、だめぇ! だめらめらぇぇぇぇぇ!!」
強烈な快感に理性を焼かれ、頭を激しく振りながらこなつーが喘ぐ。
「はっ、んふ、あ、い、いいよ、こなつぅぅっ!」
「ひっ、ひぁぅっ! ぇ、えらーくる、えらーきちゃうぅぅっ!!」
抽送のたびに、こなつーの理性が切り崩されていく。
「ん、んふっ、あはっ、すごい、すごいわ、こなつー……」
そのフィードバックが強烈な快感となり、かがりの頭脳を襲う。
「あぅ、あぅ、あぅ、あぅあぅあぅあぅ」
背中をぴんと逸らし、怒張によって宙に吊り上げられたこなつーの腰が、叫び声とともに跳ね回る。
「ふ、うふっ、も、もっと、もっと、きもちよく、した、げるね?」
こなつーの人工性器に突き立てた、猛り狂う桃色のドールスタンドに腰の支えを任せ、かがりの掌がこなつーの腰から離れる。
かがりはフリーになった両手で、こなつーの人工膣を優しく……いや、むんずと握りしめた。
「ひっ!? あぁぁあぅっ!?」
緩急をつけつつ、指先で微妙なバリエーションをつけながら。かがりは、こなつーのえっちな器官を怒張ごとしごき始めた。
「ぁぅっ、ぁぅぅっ! らめっ、らめらめっ、ちょくせつもまらいでぇ! しごからいれぇぇぇぇっ!! ぉあぁぁぁっ!!」
「……あー……いつものお楽しみタイムでしたか」
「そうそう、いつものだから気にしないで♪」
「ちょ、なんれ、なんれかがいしゃのかがりが、あひぃゃぁぁぁぁ!」
根性で理性を取り戻し、こなつーが呂律の回らぬ舌で果敢にツッコミを試みた。
多かれ少なかれぶっ壊れた一同の中で、唯一の『常識人』を自負するこなつー。腰が溶けるような快感に、必死で抗う。
だが。その小ぶりな胸に、かがりがむしゃぶりついたその時。
「ひあ゛っ!?」
ぴんっ、という軽い音とともに、こなつーの『理性』がふっ飛んだ。
「…………ぁ・」
こなつーの全身から、力が抜ける。
首ががくりと落ち、涙に濡れ蕩けた瞳から、光が消えた。
『……あ、あふ、あふ、あふっ、あふ、あふ……』
こなつー、ついに轟沈。人工の唾液にまみれた口元にかすかな笑みを浮かべ、自ら腰を振り始める。
『あふ、あふっ、あふぅ。き、きぉち、いっ。きぉ、きぉちいっ、きぉちいぃおぉ……』
「ふふっ、こなつーってばノってきたわね! よーし、こっちも負けてないわよっ!!」
いまや完全に『超リアルダッチワイフ』と化したこなつーを抱き起こし、駅弁スタイルで激しく突き上げる。
『ぇぅ・ぇっ・ぅ・ぁぅ・ぉっ・ぉふっ・ぁぅっ・』
その突き上げにあわせて、弱々しくも艶かしいこなつーの嬌声がリズミカルに響く。
こなつーの全てを吸い尽くすかのような、かがりの口づけ。
かがりの舌がこなつーの歯茎をまさぐるたび、
『んっ!? んぐっ・う。ん、んんっ・んふぅっ・』
くぐもった悲鳴とともに、こなつーの秘裂からぷしゅぷしゅと潮が吹き出す。
『ふぐっ・ぉ・ぉふ・ぉふっ・ぉ・ぉぁんっ・ぉぁんこぉぉ……』
劣情の炎によって理性を焼き尽くされたこなつーの口から、まともに聞こえたら間違いなく「ピー音」が重なりそうな淫らな単語が漏れる。
……いや、ノってきたとかノってこないとか、もはやそういう次元じゃないようにも見えるんですが。
「……はぅぅ……」
ふと見ると、ゆーちゃんは顔を真っ赤にしてうつむき、黙り込んでしまっている。
その手はこなたの袖をしっかりと掴み、
「やれやれ、ゆーちゃんは可愛いねぇ……って、ふおっ!?」
掴まれたほうのこなたは、一秒置きに目まぐるしく衣装が変わっている。『こな☆フェチ』発症キタコレ。
「……話は聞かせてもらいましたっ! 人類は『こな☆フェチ』によって滅亡しますっ! だばだば!!!」
ドアの蝶番のほうを吹っ飛ばし、ピンクと赤のまだら模様の人型……もとい、『高良みゆき・feat.こな☆フェチ』が現れた。
指をわきわきと動かしながら、右からみゆきがやってくる。こなたはそれを左へ受け流し、そのまま窓から投げ捨てる。
開いた窓を狙って、今だとばかりにヴぁか……もとい、みさおがルパンダイヴで飛びかかる。
「ちぃ〜〜びっこぉ〜〜〜〜〜」
しかしその窓は、こなたによってみさおの目の前でぴしゃり。
「って・ヴぁ」
あわれみさきちは、巨大な顕微鏡標本(プレパラート)と化したのだった。
再びドアが開く音。いつの間にか蝶番が直っているのは気にするな。
どえらいプレッシャーに、思わずナレーターが振り返ると、
――ヤンデレ全開状態のみなみが、思いつめた表情で仁王立ちしていた。ちびるかと思った。
「……キタ」
ただ一言だけ発すると、あとは無言のまま。
身構える一本アホ毛と、自重なく隠語を呟きながら悶える二本アホ毛を両天秤にかけつつ、つかつかと一直線に歩み寄る。てかこえーよ。
そんなみなみに対し、ゆたかの取った対応はというと、それはもう至極冷静なものであった。
「こんなこともあろうかと……ぽちっとな」
懐から取り出した、小さなリモコンのボタンを押す。
みなみの足元に、音もなくパカっと大穴が開いた。
「………………」
そのまま三歩ほど。何もない空間を歩いた後、
「……チャラッチャラッ、ボヨヨヨ〜〜〜〜ン」
思い出したかのようにぽつりと呟き、みなみは奈落の底へと落ちていった。
……そんなドタバタに気づく余裕もなく、ふたりのロボットは限界を迎えていた。
『ひゃぅ・にゃ・ふっ・ひっ・いく・いくぅ・いっ……っひ!?』
「こな、こなつー、すご、いっ、わた、もうっ、い…………うっ!!」
本日十八回目のこなつーの絶頂に合わせ、ついにかがりも絶頂に達した。
部品の一個一個、ネジの一本一本に至るまで、こなつーの全てを犯しつくし蹂躙していた股間の中華キャノンが、ついに臨界突破。
白い極太ビームの代わりに擬似精液を放出し、胎内へと叩きつける。
『ふぇっ・ぁひ・ぅ・ぅにゃぁぁぁぁっ!!』
中枢部に熱い迸りを受け、こなつーの背が限界までそり返った。
下腹部がぼこり、と膨らみ、噴き出した合成愛液が弧を描いて飛び散る。
『くぁwせdrftgyふじこlp;@:』
意味不明の高速言語を発しながら、こなつーの全身がガクガクと震える。
なおも締め付けを続ける股間のクレバスから、かがりの萎えず放ち続ける精が溢れ出す。
「…………ふぇ……」
糸の切れた操り人形(マリオネット)のように。こなつーは、かがりの腕の中へと倒れこんだ。
「ふ・ふっ・ふっ・ふぅっ…………はぁっ」
時間にして十数秒にも渡る、大量の迸りのあと。かがりもまた恍惚と満足感の入り混じった表情を浮かべ、精も根も尽きたというように、大きく息を吐いた。
腰の凶悪兵器をパージ。ぷきゅっという音を立てて、こなつーの秘所から擬似ペニスが抜け落ちた。
すっかり緩みきってしまい、本物以上にリアルな膣壁の覗くこなつーの膣口から、白い粘塊がこぷこぷと零れ落ちる。
「はぁぁぁ……素敵だったわよ、こなつー……って、わぁっ!?」
腕の中には、とろとろでふにゃふにゃでうにょ〜んになっちゃったこなつーが、ハングアップ状態でくにゃりともたれかかっている。
『ぴぽっ♪』
どこかで聞いたようなビープ音とともに、自動再起動シーケンス開始。
「……うぁぁぁ……ま、またやっちゃった…………」
男性読者なら一度や二度ならず経験したであろう、『スーパー賢者モード』となった、かがりの頬が青ざめる。
後悔先に立たず、覆水盆に返らず。It's of no use crying over spilt milk、なんだなこれが。
……ほどなくして、こなつーの意識が戻った。
「……ふぇ……あ〜〜〜、よく落ちた」
腕を大きく伸ばして、あくびをひとつ。……決して「よく寝た」の聞き間違いではない。
「こ、こなつー……えと、その、あの……ごめんっ! この通りっ!!」
スーパー賢者かがり、頭上で手を合わせつつ平伏の図。毎度おなじみ、後始末の光景である。
「やー、気にしなくていいよ。跡が残るわけでもないし、それなりに気持ちいい思いさせてもらったしさ」
のーほほんとした顔で、こなつー。つい先ほどまでの乱れっぷりが嘘のようだ。
「……こなちゃーん、つーちゃーん、朝ごはんできたよー」
いつの間に沸いたのか。目の前の庭に、本格的なシェフのコスチュームに身を包んだつかさとあやのがいた。
「おぉ〜、つかさ! 待ってました!」
二人を放置して寝袋にくるまっていたこなたが、芋虫状態で顔を上げた。
白いテーブルクロスの上に、朝っぱらからフランス料理のフルコースが並んでいる。
一見微笑ましい光景だが、食材にいささか問題がある。そこの甲羅がつるんとした亀と、そっちのヘビと向こうの髭の生えた白い人参はなんだ。
「わ、すごいじゃんっ♪」
こなたが目を輝かせると、
「みんなの分もあるからね〜」
満面の笑みで、つかさが応える。
「えっ、私もご相伴にあずかっていいんですか?」
その声を聞いて、自室に戻って勉強していたゆたかが部屋に入ってきた。
「うんっ、もちろんだよ、ゆたかちゃん」
……しかし、ゆーちゃんにそんな物食べさせて大丈夫なのか、つかさ?
「今日のは……とても深かった……」
穴から這い上がりながら、みなみ。
「えへへ……ごめんねーみなみちゃん。ちょっと張り切っちゃった」
「ゆたかは……身体が弱いんだから、無理しちゃだめ……」
……この大穴を見てなお、なぜ「身体が弱い」と言い切れるのか。ナレーターには皆目理解不能である。
「泉さん……つれないですね」
庭の壁に刺さっていたみゆきが、息を吹き返す。
どこから持ってきたのか。『立つ鳥跡を濁さず』を信条としているみゆきは、コテとセメントで、自ら壁に開けた大穴を埋め始めた。
……左官姿がやけに堂に入っているのは、ナレーターの気のせいだろうか。
「ほら、みさちゃんもそんなところでへばってないで、いらっしゃい」
「ヴぁ」
窓にへばりついた、茶色と肌色の入り混じったアメーバ状の物体に向かって、あやのが優しく話しかけた。
みゆきに続いて、いつのまにみさおまで超常生物になったのだろうか。やりすぎたかな、とナレーターはちょっと反省している。
さわやかな朝の光に包まれた、泉家の庭。
テーブルには、つかさとあやのが腕によりをかけた絶品料理の数々が並んでいる。
……しかし、肝心のこなつーはと言うと、
「……あー、私はいいや」
苦笑いしながら、ぽりぽりと頬を掻いているのだった。
「えっ、どっか具合悪いの? ……もしかして、私のせいで……?」
いささか狼狽(うろた)えた様子のかがり。弱気モードのツンデレ萌え。
「いやね、かがりんがめいっぱい中に出すもんだからさ。なんかもー『おなかいっぱい』なんだよね〜」
そう言いながら、お腹をさする。
ノースリーブのシャツに包まれた、白く滑らかなお腹。
……言われてみれば、まだ若干膨らんでいるような……
「……うわ……えろっ」
窓ガラスにアメーバのようにへばりついたまま、みさおが至極的確な感想を返した。
「はぁ……またみんなして『こな☆フェチ』発症? まったく、困ったもんよね」
いつの間に現れたのか、かがみがこなたの背後に立っていた。
もとい、こなたを背中から抱きすくめ、その左手は妖しく蠢いている。……こなたの短パンの中で。
「かがみー、いつの間にいたのさ。……あと、えっちなトコに指入れないでよ、痛いから」
「あんたねぇ……ちっとも濡れてこないじゃない、少しはその気になんなさいよ」
柊かがみ。ご他聞に漏れず、今日も『こな☆フェチ』絶賛発症中であった。
………………
……そんなヘルターかつスケルターな光景の一部始終を、二階の窓からじっと見つめるひとつの人影があった。
「……さすがに、毎日これじゃよくないわね……」
顎に手を当て、思案顔。
プリティなワンピースに、『PIYO PIYO』マークのエプロンがよく似合う。
皆様、大変お待たせしました。ウイングかなたさんこと、泉かなたさんである。
「せっかく私も朝ごはんこしらえたのに、もったいないじゃない……」
いや、そうじゃなくて。
「いくらロボットさんでも、若いうちからえっちばかりしてちゃ身体によくないわ!」
それも違うって。
「……それにしても、これほどまでに『こな☆フェチ』が進行しているなんて……」
そうそう、それでいいんです。
幼げながらも整った、かなたの横顔に、意味深な表情がかすかに浮かぶ。
――そしてかなたは、意を決したかのように宣言した。
「……でも紙面もないから、今回はここでおしまいっ☆」
ちょ、か、かなたさーーーん!
―そこはかとなくgdgdな感じでfin. ―
------------------------------------------
以上です。お読みいただきありがとじゅしたー。
あと、NGな方々、スレ汚し失礼しましたorz
ラストでかなたさんが意味深なそぶりを見せてますが、続きはまだ考えてませんw
「続き物」というより「設定を引っ張ったオムニバス」なので、話によってシリアスだったりgdgdだったり、ブレが酷いですw
泉家一階奥の部屋って空き部屋だったよなぁ……というところから今回のシチュを思いついたのに、どーしてこーなるかな……orz
最後に。相変わらず小ネタが古いのは仕様ですorz
では。
387 :
ちび:2008/05/05(月) 04:03:11 ID:frbCy+DD
おじゃまします。すみません。もう一つだけ、投下させてください。
388 :
ちび:2008/05/05(月) 04:13:20 ID:frbCy+DD
いくっす。
前に投下されているSSがSSだけに非常に申し訳ないのですが・・・・・・
内容はR-18で、つかさ×こなた こなた×つかさ
独立した短編のつもりです。ちょっと関わっちゃってますが。
「ねぇつかさ〜、これ見てみてよ」
「うん、何々?って……//」
パティから借りたBL本。こなたの興味はつかさの反応だった。
つかさはこなたと付き合って以来それなりに二次元のお勉強をしているので、キャラクターはそれなりに知っていた。ましてや今これはかなりメジャーなカップリング。
パラパラと捲りながら話す。
「こ、こなちゃん……これは……」
「うん、コキョン本」
「す、凄いねぇ……」
つかさは本を閉じた。
「あはは……」
そうっと視界遠く、机の隅へ移動させようとした。が、
「ほらほらもっと見る〜!」
こなたはそれを戻して広げ、つかさの頭を固定した。
「えぇぇ!?」
こなたがそこまで見てほしいのなら、ちゃんと見ざる得ない。
つかさはまじまじと見ながらページを繰った。
「う、うわぁ……、は、はぅぅ……」
事も無げにかかれた強烈なシーン達がつかさの頭をぼんやりさせる。
……男の人のアレ、こんなに大きいの?……絵なのに凄ぃ……しかも入っちゃってる……、凄いよぅ……大変なことになっちゃってるよぅ……
やっぱり……
こなたはムスッとなる。
〜パヤパヤ Part.2〜
「ね、ねぇつかさごめんよぅ……」
「ふんっ、知らない!」
「う〜」
しまったなぁ……。
そもそも最初はこなたがふくれていたのだ。
BL本に赤面するつかさが面白くなかった。
「ど〜せそのうちカッコいい男が来たら、そっちに行くんでしょ!」
「そ、そんなことないよ!」
「………」
「ねぇこなちゃん、一緒に何かしようよ〜」
つかさの焦りはよく分かった。今はまだ10時を過ぎた頃、この土日はかがみも公認の二人だけの日で、しかも泉家には二日間誰もいない、まるで二人のスウィートホーム、時間は有効に使いたいのだ。
動物園に行こうかなんて話もある。
「コイズミ君みたいのがいたらドキドキしちゃうんじゃない?」
「え、えぇっ!?しないよ!あ〜ゆ〜笑顔って怖いっていうか」
「ホントに?優しく頬に触れられて、とても綺麗な瞳ですね、とか囁かれても?」
「う〜ん……それは少し、ドキドキしちゃいそうかな……」
「ほらやっぱ……」
そう言って、壁がわに寝転がる。
実はこなた、段々このシチュエーションが楽しくなっていた。つかさの思わぬ愛の言葉を引き出せそうだからだ。
「す、少しだもん!わ、私は……こなちゃんに触れられた時が、きっと一番ドキドキしてると思う……よ?」
キター!もう少しつつけるかな?
「ね、ねぇこなちゃん……機嫌直してよぉ……お願い」
ここでルートを間違えた。
「やだ」
とか言ってみた。自分でも少しやりすぎだと思うけれど、めったにないチャンスだと思った。
が、やりすぎだった。
つかさは立ち上がると、ちゃぶ台に戻って正座してうつむき呟く。
「……じゃあ私も知らない!」
「へ?」
こなたは向きなおってつかさを見た。口を結んでいて、目付きも厳しい。
「つ、つかさ……?」
「なに?」
「怒ってる?」
「……そうかも」
驚愕した。かがみから怒らせると結構大変と聞いていたけれど、その怒る時というのはかなりの事のようだったし、こんな事くらいで怒るなど信じられない。
「ご、ごめん……ちょっとやりすぎちゃったよ」
「なにを?」
「え、えと……」
反応を見てました、なんて地雷過ぎる。
「ね、ねぇ私もう拗ねてないからさ、何かしようよ?天気もいいしどっか行く?」
「行かない!」
ますます激しかった。
こなたは唖然、沈黙の中に取り残された。
こ、れ、は、どうすればいいんだぁ〜〜!!??
完全に混乱した。
考えろ、考えるんだ……
うぅ、せめて選択肢は出ないの?セーブ出来たらなおいいけど……
仕方ない自分で思い当たる事を探そう。
あ……もしかして……
「つ、つかさ?私はね……」
反応がない。
聞いてるんだよね?
「その、男がいいとか無いっていうか……」
「だから?」
「いえ、なんでもありません」
完全に気迫で負ける。
失敗。じゃあなに!?
まさか、「男」ってワードに傷ついた?何かあるの?
まさかのサイコロック!?何か突きつけるものは!?
…。
……。
私は馬鹿か?
こなたは落胆してため息をついた。
私は未だにそう言う考えをしたりするのね……。
二人は色々あってこうして皆に認められて付き合っている。
その間、言葉にならないような気付いた事、知った事が数多くある。
わからない時は聞いちゃった方が早いかな?
こなたは心底気持ちを込めて話した。
「つかさ……ごめんね。でも何で怒ってるの?」
つかさがちらりとこちらを見る。
「だって……」
次の言葉を待つ。間もなくだったが感覚的には番組中のCM枠くらい待った。
「……言いたくない」
むぅ〜
わからないしこれじゃあどうにもならない。こなたも途方にくれてきた。
何も言わないで拗ねるなんてズルいよ!!
なんだか理不尽な気がする。こなたはベッドに戻って雑誌を開いた。
……言ってくれないつかさが悪いもん
それからは時間だけが過ぎた。
せっかくの二人だけの特別な日の時間。
前から楽しみにしてた時間。
10分、20分、30分とそれが過ぎていく。
こなたは悲しくて少し泣きたくすらなってきた。
なんで私こんな変な事したんだろ……
これ以上だと本当に時間がもったいない……。
意を決してもう一度訊く。
「ね〜お願い……、機嫌直してよぉ……」
つかさもさすがに時間的にもったいなくなったのか、口を開いた。
「……私も、そうしたいもん」
仲直りのスイッチ入った?
つかさの瞳に涙の潤いが見えた。
「……こなちゃん、私のこと信用してくれて無い」
寂しい響き、こなたは事態の深刻さを再確認させられた。
「そんなことないよ……アレは……その……」
つかさは目を細めて憂える。
「ほら……言ってくれない」
こなたは諦めた。これがつかさの引っかかりになっているなら言わなくちゃいけない。こうなれば言うだけ言って、怒るだけ怒って貰おう。
「ごめん、つかさ。私、最初は拗ねてたんだけど、わがまましてたらつかさが……」
つかさはこちらを向いた。すがるような目で続きを促している。
「つかさの愛っていうか、気持ち……?、が色々聞けるもんだから凄い嬉しくて、調子にのっちゃったんだよ」
つかさは目をぱちくりさせている。
「……ホントごめんね」
つかさはぱちぱち瞬かせ、こなたはうつむいて下から様子を伺っている。
つかさが再び目を細めた。今度は微笑みを浮かべている。
「えへへ……こなちゃんのばかぁ」
つかさの笑顔にこなたは嬉しくなる。
「だね、バカだったよ。本当にごめん!!」
つかさは目を閉じた。すました柔らかい表情。
沈黙。
キスしてってこと……?
でもそのわりに口がただ閉じてるだけなんだけど……
……しちゃうしかない、かな?
こなたは肩を抱いて唇を重ねた。
つかさから「……ん」と吐息が漏れる。
次第に緊張がほどけて行き、つかさが下になって床に倒れた時には互いに舌を絡ませ合っていた。
つかさの腕はしっかりこなたを抱いているし、こなたはつかさの髪を撫でている。
やがて唇を離した。
つかさはすまなそうに照れている。
「もう……怒ってないんだよね?」
「……うん」
「キスで仲直り……それなんてアメリカのホームコメディ?」
「はぅっ、バレた……」
つかさが顔を背ける。
しまった!馬鹿にしたいみたいだったかも!
「あ、あの私そう言うの好きだよ?凄いロマンチックじゃん?」
こなたの慌てて捲し立てる様につかさはくつくつと笑った。
「あれ?」
「ふふっこなちゃん、怖がんないでよぉ……あははっ」
「むむっ」
つかさはほっぺにキスした。
「こなちゃん、好き、愛してる。……満足?」
こなたは赤面して宙を仰いだ。
「あぁ……うん」
そう言えば最近聞いてなかったなぁ。私、これが聞きたかっただけなんじゃ……
随分手の込んだ事をして、不必要に縺れた。
……やっぱ私ばかじゃん。むぅ、お詫びの言葉もない。
代わりにこう囁いた。
「私も好き……」
つかさはぼっと顔に火がつく。
「ら、ラブラブ、だね……」
「だねぇ〜」
笑顔で見つめあった。お互いの大好きな顔。
「ねぇつかさ?」
「なに?こなちゃん」
こなたはにんまりしながら
「さっきちゅうしてたらさ、擦り付けてきたでしょ」
と言って、つかさの腰の下に視線を投げた。
「えぇ!?嘘!!」
「ううんホント」
つかさは恥ずかしさのあまり、顔を両手でふさいだ。髪から覗く耳は真っ赤になっている。
「はうぅ……」
その手の甲のあちこちにキスをする。青い髪が流れて、つかさの周りは薄暗くなる。
「こなちゃん……まだお昼前だよ……」
「いいじゃん?今お互いしたいみたいだし」
「こなちゃんも?」
「うん、凄く」
つかさはさりげなく、ひゅ〜っと口笛の真似をした。
「……もしかして」
「あ、言わなくていいよ……んっ」
仕方ないので口づけをしながら心の中で呟いた。それもまたアメリカの(ryだよねぇ……
………
カーテンを閉めた。その隙間からは陽光が漏れる。
薄暗くなった部屋のベッドに横たわった二人は抱き合い口づけを再開した。
「んぁ……」
こなたは喜悦まじりに息を荒げる。
つかさがこなたの弱点を把握し始めていた。純粋に上手くなっていた。
特に今日はなんだか凄いような……
唇を硬くして押し付けたり、柔らかくして吸ったり。
自分の唾液を味わってとばかりにこなたの口に運んだりもする。
勿論こなたにとって美味しいものだが。
背中を触る手つきも、愛情の中に痴漢がお尻を触るようないやらしさがある。時々立てるその指先にぞくぞくしてしまう。
その上相変わらず太股に秘部を擦り付けている。
「……んぅっ!」
つかさの一方の手が、その親指と中指で耳朶を揉み、人差し指で全体を愛撫し始めた。
しかも唇や背に与える刺激も怠っていない。
「……んぁっんぅぅ……はぁぅぅっ」
予期せぬ、しかも相当ツボった刺激にこなたは軽いエクスタシーを感じた。
唇から溢れた唾液が二人の頬を伝う。
二人の口元がびちょびちょになる。
こなたが薄目を開けると、そこには気持ち良さそうに全身でこなたを楽しむつかさがいた。
ちょ、つかさニュータイプすぎるよ……
私にも何か武器はないのか!?
……あるじゃん♪
まだしてなかったっけ。
こなたは上になって唇を離した。
つかさはねっとりと二人を繋ぐ糸をのぼせたように垂らしたまま、その唇をつきだして瞳を潤ませて無意識にもっととねだっている。
「はぁ……はぁ……つかさ、上手くなったねぇ、ってか結構えっち好きでしょ」
つかさは素直に微笑む。
「こなちゃんが好きなの」
さすがにくらっとくる。最近こなたが茶化してもつかさに二倍で返される事が増えた。
こなたはつかさのカーディガンの中の絹服をたくしあげブラのホックを外してずらし、両胸に触れる。
「……ぁんっ」
つかさは繊細ながらヴィヴィッドな喘ぎを漏らした。
熱くて先端は既に立っている。それを揉む。
「……はぁぅ……ぁん……んぅぅ」
つかさはこなたの腰の後ろに触れながら脱力させて快感に浸る。
「つかさ……私も好きだよ。凄い好き。……だからもっと気持ち良くさせてあげるね」
そう言うと、手を離して下に降りた。
黒いスカートをめくりあげて、内股をさすって足を広げ、パンティの上からキスをしようとする。
が、つかさはびっくりしてこなたの頭を抑え、股を閉じ足を曲げた。
「こ、こなちゃん!?な、何?」
「何って……、舐めようかなって」
女同士だからか、暗黙の内に避けていた愛撫の仕方だった。
「け……結構濡れてるよ……?」
「うん、全然オッケー!」
「うぅ……上から……だよね?」
「すぐ脱がすけどね」
「ぇえええ!?」
ぃやった!うぶな反応だ!後はイヤイヤ言いながらも気持ち良くなっていくつかさを堪能するのみ!
「……じゃあシャワー浴びさせて」
「いいからいいから」
と、股をこじ開ける。
しかし思惑通りにはいかなかった。
「こなちゃん待って!私もやる!」
かくして二人は服を脱いで、69になった。
お互い相手の秘部を眺める。カーテンを閉めているとは言えど昼前なので、薄いピンクな色づきや濡れたテカりが確かめられる。
……つかさ綺麗だなぁ、私の変じゃないよね//
……ドキドキするよぅ、こなちゃんにも見られてるんだ//
先に舐めたのはこなただった。唇を口づけのようにやさしくあてがいながら、舌で愛液を掬った。
「――――っんぅぅぅ!!」
子宮に電撃が走るような快感。つかさはぬるぬると動くこなたの舌が与える刺激に夢中になって、しばらく息を上げて自分から舐めるのを忘れた。
小さな突起を舌先でいじると艶のある声が上がる。
「あぁぁぁんっ……!!」
口の中に溜まる唾液は飲むが緩んだ涙腺からの涙は溢れた。
……私も、やらなきゃ
こなたに同じ事をしてあげられると思うと自然に笑みがこぼれる。口づけた。
ぬちゅ……
「……んぅあ」
初めての温かく優しい刺激。
こなたは秘部に触れたまま声を上げ、それにつかさも反応して「んぅっ」と漏らした。
舌をたどたどしく動かしてみる。
「ふぅ……うぅ……」
つかさが、私を舐めてる……
やった、こなちゃん喜んでる……
喘ぎまじりの愛撫が互いの感情も高めていく。
くちゅぬちゅくちゅ……
蜜が溢れ出す花びら、そこは煮え立つように熱くなって扇情的だ。
二人は情欲の赴くままに激しく舐めた。
「はぅぅっ、んぁっ……んぅぅ……くちゅくちゅ」
こなちゃん……凄い、気持ち良いぃ……
くちゅくちゅくちゅ……
つかさもひだに隠れた小振りな突起を探り当てた。
それをつつく。こなたの脳裏を光が瞬いた。
「ふあぁっ!……んぅっ……んぁぁっ」
つかさは反応に気付いてより激しく弄る。
「んはっ……はぁっ……うぅ……んぅぅぅ!!」
相手の頭を大切な場所で感じる。
ぐちゅくちゅくちゅ……
息苦しい事が気持ち良く、溢れてくる愛液が美味しい。
腰が動いてしまう。更なる欲求を動物的に求めている。
つかさは押し寄せる快感に舌の動きが戸惑った。
「あっ……あっ……んぅっ……あっ……ふあぁっ」
こなちゃん……私、イキそう……
二人はこうして舐め合う前から高められていて、絶頂は間近に迫っていた。
こなたも突起を軽く吸って、頭を伏せた。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ」
や、ヤバいつかさ、私……イッちゃうかも……
身体中が変なくらい過敏になる。
お互いに鈍くなった動きに気付く。
「はぁっ……はぁっ……つかさ!……イこうっ?」
「あぅっ……うんっ……!」
お互いを必死で抱いて吸うように、食べるようにむしゃぶりついた。
つかさは愛液にまみれた唇で柔らかい部分を揉みながら舌先で奥まった先端を潰すように舐める
ぐちゅぐちゅぐちゅ・・・・・・・・・
こなたを大きな波が押し寄せている。
「ぁあんぅっ!んぁ……んぅぅぅ!!……」
それでもこなたは必死に彼女の突起を吸い、舌で激しく奥を探る。
ぐちゅずちゅ・・・ぐちゅくちゅ・・・・・・
繋がりが高まっていく。
「・・・んぅっあっ!・・・んぅっんぅっ」
もう・・・無理・・・こなちゃん!!
「ぬちゅ・・・んあぁっ・・・んぅぅ!・・・・・・」
つかさ・・・ダメ、私、イクね・・・・・・
二人は息を合わせたかのようにしがみつきあって昇天した。
「「――――――んあぁぁぅぅっっ!!」」
……少しして。
こなたは放心状態の中むっくりと起き上がり、つかさと顔を合わせて再び倒れた。
そして抱き合った。
外は冬の青空が広がっている。
「うわぁ!気持ち良いね〜!こなちゃん!」
「本当だね、冬だけど天が高いよ」
つかさは喜んで手のひらを空に広げた。
「こなちゃん!あっちはもう雪、降ってるんだよね」
「うん!大雪で大変な年になりそうらしいよ!きっと最高の初滑りになるんじゃん?」
「えへへ、待ち遠しいなぁ……。お姉ちゃん達の分もいっぱい滑っちゃおうね」
「二人の受験の分もね」
二人は笑いあった。
「それより今日と明日をどうしようね」
家で簡単なお昼をすませて今はもう一時だった。
動物園行ったら何時間見れるかな?
そんなことを話し合いながら、二人はとりあえず駅へ向かうのだった。
(おしまい)
398 :
ちび:2008/05/05(月) 04:46:37 ID:frbCy+DD
以上です。
それと……
>>348さんへ
変なタイトルでお手数をかけてすみません!
読んでくれて本当にありがとうございます。
6話連続していますが、話し的には拙作中の拙作の「その手を掴んだ愛」という作品以降少し趣旨が変わっちゃっています。って見れば丸わかりですよね……
「その手(ry」を投下してすぐに「大失敗」と思って、軽く吊りたい感じでした。今もですけど。
なんとか面白くはしたくて、頑張ってるのですがその度に地雷にひっかかってます……。他の作者の作品を読んじゃうと、比ぶべくもなく、どうも僕は頭とセンスが悪すぎます……。
ただ、この一連の話しで書き残したい事はあるんです。でも書いていくと益々謎めくので、本当に満足のいく形でその何かを書き残せるのか不安なのですが。
そしてその何かが蓋を開いてみた時に自分にとっても他人にとっても下らなくてゴミのような事じゃないかどうか……
スレの皆さんにもご容赦いただきたいことなんですけれど、
「その手が掴んだ愛」ってので終わる(と思います)まで、ひっそりと投下させて欲しいです。
一応、変な物ながらちゃんと終わらせてみたいのです。
何とぞ平にご容赦下さい。
また一ヶ月くらいしたら投下したいと思っています。少しまた頭を冷やして一度よく考えてみます。
あと、スレへの個人的な質問なのですが、オリキャラを出してって、そいつらのみが死んじゃうようなといいますか、
初期の金田一少年位のグロさの推理物を書くのは不味いでしょうか?注意書きすれば許されるのでしょうか?
その内に、大好きな北海道を舞台に雪山の山荘でやってみたいなぁ〜なんて思わないでもないのです。
もちろん僕の実力がもっとアップしたらの場合ですけど。現状ではセンスがないのでしょうもない物になりそうですし……ただ可能なのなら、だらだらトリックだけでも考えてようかなぁと・・・。
あ、やめとけってならそれでいいんです。
自分でも暗くなりすぎそうなら辞めそうですし。
>>398 推理物は別にいいんではないだでしょうか?
ただオリキャラがしゃしゃり過ぎたりグロ過ぎると個人的には敬遠したくなります
ローカルルールをきちんと守って節度ある投下をすれば、あなたを拒否するような人はいないと思います
ネガられるのが1番対応に困りますよ
自分も他の人の文章力と比べてに落ち込んだりしますが
ここでネチネチと書かれていい気はしません
前向きな姿勢で楽しくやれたらいいのではないでしょうか?
>>386 ロボだ! ペニバンだ! ブラボー!
というかかなたさん出オチだよかなたさん。GJでした。
>>398 ああ、イチャイチャしてて良いなあ。
五月病も和らいでいくようです。いろんな意味でごちそうさまでした(こら
>>398 大丈夫、ちょっと前にはオリキャラが暴れまくってメインキャラが投身自殺した推理もの?があったりしたんだぜ
それでも面白かったから、無問題だったんだぜ
・・・というか最近あの人見ないんだぜ
まぁつまり、どしどし投下しちゃえばいいと思うよ
>>398 書いて投下した後でシマッタ!
書き手なら誰でもあると思いますよ(少なくとも私も)
でも投下した段階ですべて作品を投下した責任を取らねばならないんです
まっとうな書評で書いた自分と違う解釈や批判があったなら楽しむなり反省するなりで次の作品に生かせばいいし
あるいは、自分はこういった思いで書きましたが、そういう見方も出来ますねと感想をいただいた方に
謝意をこめたレスをおくればいいと思います
自分が表現したかったことにこだわるなら、不足があったと思うなら保管庫の方で修正や加筆すればよいと思います
どんなに注意書きをしても、エロや鬱バッドエンドやグロなどは人によって受け取り方が違いますし
本スレにあれば作者名でNG指定にでもしないと、怖いもの見たさ(よい意味で)でよんでしまうのが人情でしょう
ですから本当に実験的な作品、極端な作品なら本スレである程度詳細な警告(説明文)をつけて避難所に投下されてはいかがでしょうか
検索については作者がそこまで気にすることないと思います
もう一度読みたくなる程に読んでいたら内容の中の印象的な言葉が残ってるでしょうから、
複数入れれば大抵数作品に絞れると思います
(携帯の方にはきついかもしれませんねすみません)
心のやさしい人は傷つく機会が多いのが昨今
自分なりの立ち位置というか、スレの書き手読み手さんとのご自身なりの折り合い点を見い出されて
今後もご活躍されることを熱望します
楽しい幼稚園
こなたせんせい
園児「せんせー! ドラポンクエストクリアした?」
こなた「むーっふーっ。ロンギコルニス取ってマルチエンディング二個まで見たよー」
かがみせんせい
園児「せんせー! たかしくんがおもちゃとったー!」
かがみ「…たかし君、いい? はい、ちゃんと先生の目を見る! …意地悪しちゃだめよ? たかし君も意地悪されると嫌でしょ?」
つかさせんせい
園児「ばーるーさーみーこー」
つかさ「ば〜る〜さ〜み〜こ〜」
みゆきせんせい
園児「せんせー、なんでおんなのひとはおっぱいおっきいの?」
みゆき「女の人は赤ちゃんにおっぱいをあげて育てますから…おっぱいが大きいんですよ」
園児「じゃー、みなみせんせーあかちゃんいないのかなー?」
みゆき「そ、それは…」
みなみ「…」
みさおせんせー
みさお「よっし、皆でドッジボールするぞ、ドッジボーるぅ」
園児「せんせー、たまにはほかのが…」
みさお「ドッジボールドッジボーるぅ♪」
あやのせんせい
園児「せんせー…ぼくの…ぼくのおよめさんになってください!」
Cast Off
あやの「さあ、こっちにいらっしゃい?」
園児「…せんせー…えっちぃ」
パティせんせー
園児「ふぁっきんぐれいと」
パティ「NO! もっとファッキンに力を入れて…ファッキングレイト!」
園児「ファッキングレイト!」
パティ「OKデス、マゲッツ!」
みなみせんせー
園児「せんせー、ひんにゅーはすてーたすなんだっt」
みなみ「それ以上言ったら…先生、怒る、よ?」
ゆかりせんせえ
園児「…せ、せんせえ…恥ずかしいよう」
ゆかり「…ハアハア…ゆ、ゆうた君のおちんちん…可愛いねぇ…」
ゆたか先生
ゆたか「じゃあ皆〜、おうたをカハァ!?」
園児「またちーはいた〜。みなみせんせー」
みなみ先生とゆたか先生のアフター5
ゆたか「…はーい、おむつ変えようねぇ」
みなみ「ば、ばぶー」
ゆたか「…ふふふ、ここ、お薬塗っておかなきゃねぇ」
みなみ「ふわぁ!?」
ゆたか「ほーら…私の指、こんなに美味しそうに飲み込んで…」
みなみ「ば、ぶ…ばぶぅーん!」
404 :
ちび:2008/05/05(月) 10:17:21 ID:frbCy+DD
なるほど、色々とありがとうござます。
ここでのマナーとか、礼儀、心意気と心構え、理解できました。なるほどな〜
ではもすこし堂々とやらせて頂きますとも
>>401 そういえばあの人見ないっすよね…
長い間投下してない人って結構いるかも…
>>386 ちょwwwいろいろとwwwかがりの性欲が半端なねぇw
ちなみに
>「ですとろーぃ、ぜむ・おーるっ!」
沙羅曼蛇がわからなくとも、最近はアーケードのオトメディウスでかなたさん…もといオペレッタ
からこの台詞を聞ける件について。
>>398 端から見て「そっちはだめぇ」と言いたくなるようなハラハラ感と、仲直り後のえろさがいいねぇ
>>403 ちょ、とりあえずつかさせんせい と あやのせんせい と ゆかりせんせぇの行動についてkwsk
あとひよりせんせーの出勤マダー?
>>403 後半に行けば行くほど聖職者が性職者になって行ってる件について。
ていうか幼児プレイなんて業が深すぎですもっとやれ。 ぐっじょぶでした。
>403
GJ!
園児とのほのぼの会話かとおもったら、
赤ちゃんプレイで締めですか。
>406
ひより先生ならこんな感じですかね。
(やっぱり、ゆたか先生×みなみ先生は鉄板っす)
「ひより先生、カップリングってなあに」
「グハッ」
ひより先生は園児に同人用語は使わないように自重していると思う、
ただし無意識の行動でバレバレといった感じですかね。
>>403 声出して笑ったw GJ
そういえば、最近ぶーわ氏見かけないな
みさお主人公の平安物の続き気になってるんだが
これからSSを投下いたします。
ちょっと変化球気味な作品ですが。
・かがみ視点
・非エロ
・6レス
411 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:38:05 ID:mBHDOzXA
「柊さんお願い! ノートコピーさせて」
「……ったく、あんたは……」
私のとっては今日の最後となる四限目の講義の後、友達が私の前で手を合わせた。
大学生ともなると書き写すのではなくコピーするのが当たり前になってくるらしい。
変にお金や便利な道具を持つと物臭になるという典型的な例と言っていい。
「山崎先生のテストの過去問コピっとくから」
「ツテがあんの?」
「うん、縦飲みで知り合った先輩から」
ちなみに縦飲みというは、同じ学科の先輩後輩の親睦を目的とした飲み会のことだ。
大学になると教わることは途端に難しくなるから、過去問を見せてもらえるというのは
非常にありがたい。ただでさえ法律というものは難解なのに、専門家の性なのか先生たち
は何故か難しい言葉で説明しようとしたがるせいでさらに理解が困難になる。私も講義の
内容についていくのが精一杯だし、彼女のようにノートを写したがる気持ちは理解できな
くもない。
「ちゃんと返しなさいよ」
高校を卒業してこなたがいなくなったと思ったら、似たようなのはどこにでもいる。
いや、こなたなんかと比べるのは失礼かもしれないけど……。
「ありがとう! 柊さん好きっ」
「ちょ、ちょっと、何言ってんのよ!」
「ふふっ、柊さん照れてるー」
「あんたね……」
訂正。やっぱり似たようなのはどこにでもいる。性格に偏差値は関係ないのね。というか
なんで私の周りにはこんなのが集まってくるんだろう。
だけど、こんなのでも私の友達でいてくれて嬉しいと思うのも確かだった。
「貸しといて言うのもなんだけど、勉強はちゃんとやりなさいよ。こんなの続けてたら
いつかついていけなくなるんだから」
「それでも貸してくれるんだよね。やっぱり柊さん優しいな」
「優しいって……」
優しい。そんなふうに言われたのは久しぶりな気がする。慣れない言葉に、うまく反応
できない。
「でもタダは悪いよね。ケーキ奢るよ」
「ケーキねぇ」
今でも一応スタイルは気にしているので、ケーキは鬼門だ。でもせっかく友達が奢って
くれるって言ってるんだから……。
「そうね。あんたが奢ってくれるんだから受け取っておくべきよね」
「ケーキって言ったとき目が輝いていたのをわたしは見逃してないよ。素直じゃないねー」
「うっ……」
素直じゃない。そんなふうに言われるのも久しぶりだった。
「そ、それでそのノートは何人分コピーする気なの?」
「えーと」
彼女は指を折りながら数える。
「五人分かな。今のところは」
「全部あんたにやらせんのかよ」
楽をするんならせめてコピーくらい自分でやれとも思うのだけど。
「じゃあ全員にケーキ奢らせよっか?」
「……いや、やっぱいいわ」
想像してげんなりした。いくらなんでも食べ過ぎだ。
「代価はいいけど、少しは――」
マナーモードにしておいた私の携帯が振動してメールの着信を知らせてきた。
送信者はこなた。何ヶ月ぶりかのメールだった。
私の誕生日を過ぎて、もうすぐやってくる試験に向けて周囲は慌しくなり始めている。
そんな今に貰ったメッセージは
『今電話できる?』
誕生日にメール一つ寄越さなかったのに今更何を連絡するというのだろう。
いや、そんなこと関係ないんだけど。
「ごめん、今電話したいんだけどいいかな?」
余り引き伸ばすのも意味がない。今ここでやってしまえばいいだろう。
「いいよ」
その言葉に甘えて、メモリからこなたの番号を呼び出して電話発信した。
412 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:39:26 ID:mBHDOzXA
「もしもし、こなた?」
『かがみだよね? メール読んだ?』
「読んだわよ。どうしたの? 私の誕生日もスルーしてたのに」
『してほしかった?』
「そ、そういうわけじゃないんだけど……」
大学への進学で進路も別れて、もう三ヶ月も経っている。その間、全くの音信不通だった。
こなたの中では私との付き合いはもう終わっていて、誕生日だからって連絡を寄越すこと
のないような、そんな関係になってしまったと思っていたのだ。だから、どんな用であれ
私にメールをくれたことは、まあ……ちょっとだけ嬉しい。
『つれないなー。前はもっと激しくリアクションしてくれたのに。『そんなわけねえだろ!』
って』
「そんな乱暴な言い方したことないでしょ!」
『そうそうそんな感じ。もしくは『こ、こなたなんかと話したいわけじゃないんだからね!』
って感じかな』
「それは私の真似のつもりか!? 私がいつそんなこと言った!?」
『かがみはツンデレだからね。そういう台詞はデフォだよ』
「誰がツンデレだ誰が!」
まったく、こなたは相変わらずね。
『あ、うん、ごめん……それでかがみ、用事なんだけど』
「うん?」
会話が繋がっていないのは、こなたが近くに居る誰かと話していたからだと思う。
『今日……明日でも明後日でもいいんだけど、会えないかな? 話したいことがあって』
「電話じゃダメなの?」
『うん、直接話したいんだ』
「今日は空いてるからいいわよ。どこで会うの?」
こなたは私とは違う大学の文学部に進学した。それはモラトリアムの延長のようなもだ
ろうけど、そんなことはどうでもいい。私はこなたの家から近くはないけど遠くもない所に
住んでいて、だからあまりこなたと会おうということは意識していなかった。近くなら頻繁
に会っていたかもしれないし、遠くなら連休の度に何か遊ぶ約束を取り付けたかもしれない。
そのどっちもやらない、中途半端な距離が今の私たちだった。
なんだかんだで秋葉原にある喫茶店で会うことになった。こなたがバイトしてたコスプレ
喫茶の名前は忘れたけど、多分その店じゃないはず。場所決めの打ち合わせに乗じて、また
互いに軽口を叩いたり私のよくわからないオタク話をされたりこなたが近くにいる誰かに
咎められたりして、かなり時間をくったような気がする。
『それじゃ五時半くらいで大丈夫?』
「大丈夫。ケータイで地図は見れるわよね?」
その時間から会っていたら下宿に帰れる頃には多分夕食の時間だし、そこから準備を始め
ないといけないから食べるのは遅くなるかもしれない。それでも誰も文句を言わないのが、
独り暮らしの自由さと不便さだった。今では慣れたけど、実家暮らしが恋しいこともある。
『見れるよ。じゃあ秋葉原でね』
「うん。じゃあね」
携帯電話を耳から離して通話を切る。随分長いこと話していたような気がする。
「楽しそうだったね。友達?」
「高校のときのね。ごめん、待たせちゃったわね」
「……敵わないなぁ」
「……え?」
友達が見せた憂い顔に、なぜか胸が痛んだ。
「柊さんって、第一目標以外は目に入らないタイプでしょ?」
「……そう言われたことあるわね」
「そんな楽しそうな顔、見たことなかったよ。すごくいい笑顔だった」
「…………」
そういえば表情筋にちょっとした疲れを感じる。今まで笑っていたということだ。
私が悪いことをしたわけじゃない……とは思うけど、何も言い返せなかった。
「柊さんってオタクだったんだね。趣味の合う人の方が楽しいよね」
「ち、違っ……!」
人前でツンデレだとか秋葉原だとかいろいろ口走ってしまったことに今更気付いた。
「隠してたけど、わたしもオタクなんだよね。人前で変なこと言えるほどのオタクじゃ
ないんだけど」
「違う、これは違うの!」
こなたのせいで時間に間に合うギリギリまで弁明し続ける羽目になってしまった。
413 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:40:17 ID:mBHDOzXA
秋葉原という街は苦手だ。少なくとも私は自主的に来ようとは思わない。開き直っている
のか何かを悟ってしまったのか、ちょっと変わった恰好だったり変わった行動をする人達が
たくさんいる。こなた曰く、それはここ数年の傾向らしいけど、ゴスロリというやつは何度
見ても慣れる気がしない。
ともあれ、こなたに連れられることのない今では私がこの街に来る理由はない。
連れられていない今現在も、ここにいる理由はこなた絡みだった。
もちろん、すれ違う人達全員が見るからに変人というわけではなくて、大半は普通っぽい
人だし、スーツ姿のサラリーマンっぽい人もいる。同じように全てが全てオタク向けの店と
いうわけではなくて、こなたが指定した喫茶店も、そんな普通の喫茶店だった。
「いらっしゃいませー」
出迎えた店員もメイド姿とか何かのコスプレをしているわけじゃなくて、普通のウェイト
レスさんだった。この期に及んでそんな当たり前のことを確認しているあたり、知らない
間にこなたに染められていたのかもしれない。別れてから三ヶ月も経ってるっていうのに。
メールでやりとりをしながらここに来て、こなたは先に店に入っているとのことだった。
店内を見回してこなたの姿を探すと――いた。
確かにこなたはいた。ただし、知らない女の子と一緒に。
誰?
問いかけたい衝動を抑えてその席まで歩いていく。
「おっす、こなた。久しぶり」
「かがみ、久しぶり。まあ座ってよ」
四人がけの席にこなたと女の子が隣り合って座っているから、必然的に私はこなたの
向かいの側に座ることになる。
私よりもその子の方が距離が近い。たったそれだけのことに、なぜだか胸がざわついた。
「それで、今日はどうしたのよ? 電話じゃ話せない用事なのよね?」
「話せるけど、やっぱり直接がいいかなってネ」
普通に考えれば、用事というのはその女の子に関係することだろう。
その子とこなたが隣り合っているということは、私は客なんだ。
それを考えると、胸のざわめきが強くなる。落ち着かない。
「…………」
こなたにしては珍しく口を噤んでいる。でも、それが苦痛じゃなかった。むしろ、この
ままでいてほしいという思いさえあった。
こなたの次の言葉が怖かった。私のことはもう大切じゃないと言われそうで怖かった。
「黙ってちゃわからないわよ。早く言いなさいよ」
それとは裏腹に、私は先を促した。だって、こなたは用事があって呼び出したんだから。
話があるんならそれを話すのが当たり前のことなんだから。
「……私たち、付き合うことになったんだ」
「……そうなんだ」
不思議と驚きはなかった。その代わり戸惑いがあった。一体どう返せばいいというのか。
『彼女』は女の私から見ても可愛かった。なんとなくお嬢様っぽい清楚な感じがあって、
美少女と呼んでも差し支えない。眼鏡はかけていないけど服装の傾向はなんとなくみゆきに
似ているような気がする。かといって私服にゴスロリとかいかにもオタクですよというもの
を着るようなタイプでもないみたいだ。
一言で表すなら、いかにもこなたの好みだった。
ただ一つ、私を見る目に敵意があるような気がしてならなかった。
「はい。わたしがこなたさんの彼女です」
『彼女』は強い口調でそう主張して自己紹介して、出会いのことを話した。大学で同じ
学科だったのだが、それとは別件でストーカーに狙われていたときにこなたが助けてやった
のが縁だとか。このあたりのことはよく聞いていなかった。私が考え事をしていたからだ。
話も碌に聞かずに私が考えていたのは――なんでその子なの?
「――実際はそれより前に、イベントで私の本を買ってもらったりしていたんですけど」
こなたに友達ができるっていうのは当たり前のことだ。私だって大学で友達ができたん
だから。むしろ友達がいないっていう方が困る。
彼氏ができたっていうんならまだ納得できる。こなたは外見は可愛らしいから。
でも同性趣味はないって言ってたじゃない。
百歩譲ってつかさを彼女にするんならまだ納得できる。つかさを助けてあげたっていう
出会い方で、お互い高校生になってから最初の友達だったんだから。
みゆきを彼女にするというのもまだ納得できる。あれだけ萌えとかなんとか言って普段
からみゆきの魅力をアピールしてたんだから。
同人誌を作ってるとか趣味が合うとかいうなら田村さんがいる。
――なんでその子なの?
414 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:41:19 ID:mBHDOzXA
「イベントで変な男の人に絡まれたときに、偶然近くにいたこなたさんに助けてもらった
んです。その場はそれで収まったのですけど、後で家に押しかけられてしまいまして」
「ちょ、ちょっとそれ警察沙汰じゃない!?」
たおやかな仕草で語るには、かなりヤバイ話じゃないだろうか。
「同人ではこんな事件が時々あるんだよね。押しかけとか合宿所って呼んでるんだけど」
「それでこなたさんに助けてもらったんです」
「……大変だったのね」
それ以外に掛ける言葉が見つからない。
「家への押しかけってシャレにならないわよ。どうして住所がバレちゃったの」
「奥付に住所を書いてあったんです……上京して独り暮らしを機に」
「独り暮らしで住所を公開ってあなた……」
「昔は連絡手段として住所を書く人って結構いたんだよネ。あ、今の時代ならサイトURL
とかメールアドレスを書いておけば済む話だよ」
「無知なせいで迷惑を掛けることになってしまいまして……」
地方から上京したばかりとはいえ無防備すぎる。『彼女』も反省はしてるみたいだけど、
ただでさえ地に足のつかないこなたの彼女がこんな調子で大丈夫なのかしら?
「他に頼れる人がいなくてこなたさんに相談したら泊まりにきてくれたんです」
外見はかなり頼りないこなたに頼るくらいだからよっぽど切羽詰まってたんだろう。
「……こなたさんがあんなに強いだなんて知りませんでした」
『彼女』は顔を赤らめてこなたに擦り寄る。そのときに惚れ込んじゃったってことか。
「こなた、大丈夫だったの? 怪我しなかった?」
「見てのとおり大丈夫だよ」
少なくとも夏服で隠せるような怪我は二人ともないみたいでよかった。
「辛かったんですけど、ずっとこなたさんに助けてもらって――」
そこから先はひたすらノロケ話だった。
こなたの良いところを嬉々として語ってみせる『彼女』はとても幸せそうで――
――こなた、本当にその子でいいの?
――同性愛なのよ?
――それは本当に恋なの?
――スリリングな経験がもたらした吊り橋効果ってヤツじゃないの?
聞くことができなかった。
「いろいろあって、もうこの子のこと離したくないって思ったんだよね」
『彼女』にノロケられてるこなたの笑顔が、見たことないくらい幸せそうで――
胸が、痛んだ。
納得できない。だけど、もう私は口出しできない。
「――だから、こなたさんは私のものなんですよ」
『彼女』がこなたに腕組みしながら私を睨んできた。全然怖くないけど。
――なるほど、私は敵として見られていたわけだ。
「こなたさんからもそう言ってやってよ」
「そ、それはちょっと言いづらいような……」
こなたには敬語じゃなかった。……それはそうだ、みゆきみたいに誰にでも敬語を使う
人なんてそうそういない。この子は私は他人として扱っている。当たり前のことだ。
「……こなたが押されてるなんて珍しいわね」
私は今、うまく苦笑いできてるだろうか。
「ねえ、一つ聞かせて。なんで私にこのこと教えてくれたの?」
大体想像はつく。やきもち焼きの『彼女』がこなたと親しい関係のある人にはっきりと
二人の関係を宣言するように迫ったんだろう。『彼女』が勝手にライバルと決め付けた私に。
しかし、こなたから返ってきた答えは、それとは全然違うものだった。
「――かがみのこと大切だから、知っておいてもらいたかったんだ」
私はまだこなたと『彼女』の関係を納得してはいない。
でも、その言葉を聞いて、ちょっとだけ。
ほんのちょっとだけ、救われたような気がした。
415 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:42:14 ID:mBHDOzXA
下宿の自分の部屋のドアを開けても、ただいまって言わなくなった。
誰もお帰りって言ってくれないから。
六人家族の実家と比べると私の家は本当に静かだった。
静かすぎて、気が滅入る。
ベッドに身を投げ出す。ご飯を作る気になれなかった。何もやる気がしなかった。
何かをやりたいのに何もやることがない。
胸の痛みを癒すために何かが必要なはずだった。でもそれが何なのかわからない。
せめてつかさがいれば多少はマシだったかもしれない。
友達に会えば、気を紛らわすことができるのかもしれない。
でも、どんな顔して会えっていうの?
何だかわからないけど会ってくれって?
そんなこと言えるはずがない。
わかっている。私は素直じゃない。久しくそう言われてなかったけど――
――そうだ、思い出した。
私が『素直じゃない』って言われていなかったのは、こなたが私のことを『ツンデレ』って
呼んでいたからだ。
おそらく、こなたがそう呼んでくれることはもうないだろう。
私とこなたの関係は、もう終わったから。
『大切なひと』
それは凄くいいことだと思う。でもこなたにはもっと大切なひとがいる。
こなたにとって私は大切で、でもこなたにとって大切なひとっていうのが他にいて、でも
こなたは私のことを大切に思ってて、でもこなたにとって――
――ああ、私は何を考えているんだろう。もうわけがわからない。
目を閉じて、このまま眠ってしまえればいいんだろうけど……。
「……っ!」
いきなり携帯電話のバイブ音が鳴った。意識してないとこんな音でもびっくりしてしまう。
電話の発信者はつかさだった。調理師専門学校に通うつかさは、私とは別のアパートで
独り暮らしをしている。こっちもやっぱり、遠くも近くもない。
『もしもし、お姉ちゃん?』
「私よ。どうしたの?」
『今日、こなちゃんに会ったんだけどね。付き合ってる人がいるって』
「……ああ、それね」
そうだ。私のことが大切なら、つかさのことも大切に決まっている。当たり前のことだ。
『――相手の子のこと、お姉ちゃんはどう思った?』
それはその子の印象を聞いているのだろうか。それとも、付き合いを認めるべきかどうか
と聞いているのだろうか。
「つかさとみゆきに似ているって思ったわね」
とりあえず無難な答えを選んでみた。
『私はゆきちゃんとお姉ちゃんに似てるって思った』
「私に? どこが?」
むしろ正反対な気がするけど。
『好きな人に一途なところ』
「……何よそれ」
『こなちゃんはお姉ちゃんのこと好きだったんだと思う。だからお姉ちゃんとは付き合え
ないってちゃんと言っておきたかったんじゃないかな』
こなたが私のことを好き?
好きって、あの子に対するのと同じ意味で?
じゃあ、私は。私たちは――
『フラれちゃったね、私たち』
胸の痛みの正体がやっとわかった。私はこなたのことを――
416 :
大切なひと:2008/05/05(月) 20:42:51 ID:mBHDOzXA
『今日は独りでいたくないんだ。ご飯作るから私の家にきて欲しいな。ゆきちゃんも呼んだ
んだけど……』
わかっている。本当は、私が独りでいたくない。つかさはそれをわかってくれている。
私の性格も全部わかってる、大切なひと。
「いいわよ。荷物の準備があるから、そっちに着くのは一時間後くらいかしら」
私はつかさのためにそっちに『行ってあげる』。そんな体裁を取り繕ってくれる。
今は顔を見られずにすむから幸いだった。枕もすぐに乾くだろうから幸いだった。
「――うん。それでいいわよね。――うん、今から準備するわ」
大切なひとが何人もいる私は、多分幸せなんだと思う。
つかさがいてくれてよかった。本当にそう思う。
だけど、つかさも私と同じように胸を痛めているかもしれないから……
まずは、顔を洗うことにした。
−おわり−
417 :
3-283:2008/05/05(月) 20:44:14 ID:mBHDOzXA
最初に「オリキャラあり」を書くのを忘れていました。すいません。
たまにはこういうのを書いてみようかなぁ、と。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
投下します
オリキャラ注意
ゆかりママ恥女化注意
ゆかりママのひそかな楽しみ
「みゆき〜。お母さん出かけて来るからね〜」
8時過ぎ、夕食を食べ終わるとゆかりは下着を変え、化粧をして夜の町へと繰り出す。
女は化粧で化けるというが…確かにその通りだ。今の彼女を見て、同一人物であるとは思えない。
薄く引いた紅は妖艶な輝きを魅せ、背中の大きく開いた服はコケティッシュな雰囲気を醸し出す。
ある店の前に居る青年を発見するとゆかりはにっこり笑顔で歩み寄った。
「こ・ん・ば・ん・わ♪」
「あ…ゆきなさん!」
彼もまた満面の笑顔でゆかりを迎える。…彼女をゆかりと呼ばずにゆきなと呼んだのには訳があった。
…彼は、ゆかりの事をメル友のゆきなだと間違えているのだ。
と、言ってものぽーんとしたゆかりのこと。
まあまあ、それはそれはでなんとなくメル友っぽく振る舞っているうちに何となくホテルに行き、何となくSEXをしてしまった。
「…あの…俺、実は童貞で…」
「…ふふっ。大丈夫…お姉さんに全部任せて、ね?」
…するとどうだろう。夫とは比べ物にならない持久力。
そして何よりも…
「は、うっ…ゆ、ゆきえ、さん…ゆきえさんっ…」
童貞特有の初々しさがゆかりの心をくすぐったのだ。
ちゅうちゅうと乳首にむしゃぶりつき、遠慮がちに尻を揉み、舌を絡めてキスをする。
ゆかりはまるで少女に戻ったかのような気分になっていたのだ。
ゴム越しに熱い精子を感じながらゆかりは彼に不思議な感情を抱く。
「…ね。また、会えるかしら?」
「お、俺でよければ!」
こうして…彼と“ゆきえ”の秘密の関係が始まった…
「…あ、あの、きっ、今日も綺麗…です」
「あらぁ、有難う♪ ふふっ、嬉しいわぁ」
すっと自然な感じで腕を絡める。以外と逞しい彼の腕。
自然と彼女の女が疼く。
ぬら、と唇を知らずの内に舐めていた。
行きつけのレストランで軽く食事をしつつ他愛もないお喋りをして…
二人は恋人のように寄り添ってホテルに向かった。
「…今日は、どうしてほしいかなぁ?」
「…え、と…その…」
余程恥ずかしいプレイなのか、彼はゆかりの耳元でぽそっと囁く。
「…もぅ、えっちねぇ」
けれども、ゆかりは笑顔だった。それどころか…そんな変態的なプレイにむしろ興奮すらしているのだから…
四つん這いになる青年の尻をゆかりが優しくなぞる。
「…おちんちん、びんびんねぇ…お尻の穴ペロペロしながらシコシコしたらどうなっちゃうのかなぁ?」
「は…はやくっ…ゆきえさぁん…!」
急かされて、ゆかりはにっこり笑うと舌を伸ばし、ゆっくりとそこに顔を近づけた…
「…あれ…今あっちに行ったのは…みゆきのお母さん…?」
「…でも、向こうって…それに、あの男の人…?」
幼稚園の感想くれた皆アリガッ! 調子に乗ってガチ書こうと思ったけど、反応怖いので今日はここまで…
>>422 おおおおおひさああああ!
あいかわらずふわっとした絵柄が素敵。あとみなみんのアバラも素敵w
424 :
42-15:2008/05/06(火) 05:14:43 ID:Y4ml4ykj
こんばんわ、いやおはようございますでしょうか。お久しぶりです、42-15です。
エイプリルフールネタの続編が出来上がりましたので5分後辺りから投下します。
・続き物(?)
・8レスお借りします
「うーん、どうしようかねぇ」
私は勉強机に座り開かれたノートの上に頬杖を突きながらはぁ、と一つため息をつく。
ため息をつくと幸せが逃げるなんてよく言うけれどホントなのかしら。
まぁ今は幸せなんか逃げてしまってもいいからその代わりに誰か私に入れ知恵でもしてくれないかしらねぇ。
こなたに私の人生の汚点ともいうべきドッキリを仕掛けられて早一月。
こなたがアメリカに引越してしまうということで、お酒の力も手伝って私はわあわあ泣きながらこなたを止めようとした。そんなエイプリルフールの出来事。
それは今思い出しても頭が痛くなる忌々しい記憶。
勿論こなたは引っ越すはずも無く現在陵桜学園の三年生として在学中だ。
そんなこんなで私はこなたに仕返しをしようと企んでいる。あのドッキリを凌ぐどでかいのを。
ああでもないこうでもないとぶつぶつ独り言を言っていると
「お姉ちゃんご飯だよー」
とつかさの声がドア越しから聞こえた。
え? もうそんな時間?
私はひーらぎ最恐伝説の発端となったボロボロの目覚まし時計に目をやり時間を確認する。
かれこれ一時間以上人を陥れる作戦を考えていたのか。心が段々薄汚れてきてるわね……。
「はぁ……まぁ一先ず休憩ね」
続きはご飯のあとにしよう。宿題片付けながら考えますか。
私は部屋の電気を消しながら今行くわよ、とつかさに返事をしながら部屋を後にした。
夕ご飯を食べ終えそのまま居間でダラダラとテレビを見た。
「世界の驚愕映像ベスト100! ねぇ……」
一緒に見ていたつかさは映像の一つ一つに分かりやすく驚いていた。ホント製作者冥利に尽きる有り難い視聴者ね……。
私はというと何番煎じか分からない程この手の番組をきっと今日のようにダラダラとしながら見てきた記憶がある。
散々見てきた衝撃映像とやらに飽き飽きしながら私は例のドッキリについて考えていた。
しっかし何にも浮かんでこないわね……。
つかさがいる以上私が引っ越すなんて有り得ないし、まず嘘泣きなんてできっこないわ。
嘘をつくにもマンガやアニメに関してはこなたの知識量に敵うはずもないし、かといってそれ以外の分野は殆ど知らないも同然だからなぁ……。
あっ、どうせならグルだったつかさとみゆきにもお返ししておきたいわね。
あの二人も途中までわんわん泣いていた(のはつかさだけか)ってのに結局全部知ってたなんてね。
いっそ三人セットで女優にでもなればいいんじゃないかしら。
となるとみゆきもいることだし嘘をつくってのは却下ね。
それこそあの知識量には逆立ちしたって勝てないもの。
……ますます困ったわね。
案がない上に三人まとめて、となるとホントに難しいわ。
『――が、次の瞬間っ!』
キキーッ ドカッ
「「!」」
ふとテレビに目を向けるとこういった番組でありがちな乗用車同士の事故の映像。そして二人に浮かんだ感嘆符。
一つ目はつかさのもの。けたたましいスキール音と二台の車の衝突音にビクッとし目を見開き背筋をピンと張らせている。
二つ目は私。勿論事故に向けられたものではなく突如浮かんだ名案に対してだ。
これよ! カーアクションよ! これなら三人一気に驚かせることが出来るわ!
「ひっ! ど、どうしたのお姉ちゃん!?」
気がつくと私は立ち上がっていた。左手を腰に当て右手はガッツポーズという今にもよっしゃ、と言わんばかりのポーズで。いや多分言った。無意識のうちに。
つっかえがとれた私の頭の中に様々なカーアクションのシチュエーションが浮かんでくる。
例えばジャンプ台を一気に駆け上がりその向こうに置かれた横並びの車を飛び越えるシーン。
勿論ジャンプ台の横には火花が出る細工もしてある。火の中をくぐる、ってのもいいわね。
はたまた車のドアが突然壊れてしまいながらを悪路を右に左に車を振りながら走行するシーン。
他にもいくつか過激なカーアクションを思いついた、だがしかし私の脳味噌はこの一連の案に瞬時に却下を命じた。
車どうすんのよ……それ以前に運転免許持ってないわよ……。
その最も重要な点に気付き私はへなへなとその場に座り込む。我ながらに忙しいやつだと思う。
「お、お姉ちゃん大丈夫? 悩みでもあるなら相談に乗ってあげるよ?」
ありがと、つかさ。でもあんた等をハメる為の案を練っていたなんて言える訳ないじゃない……。
私は何でもないわよ、とつかさに返すのが精一杯でがっくりと肩を落としながら逃げるように自分の部屋へと向かった。
ベッドに四肢を投げ出し仰向けに寝転がる。気持ちは晴れないが心地は良い。このまま眠ってしまいそうになる。
睡魔と闘いながら私は再びドッキリ作戦について考える。
今日も収穫なし、か。
ここ最近は委員会の仕事に加え進学者対象の大学模試などが重なり、忙しさは去年の今頃の比ではない。
勉強の難易度も否応なく高まり、自宅での勉強の時間は増えてきている。
しかし忙しいからといって宿題が減るわけでもないし、予習復習を怠っていいわけなどない。
三年生って忙しいわね。
私はこの一ヶ月で身を持ってそれを感じた。
ホント、疲れたわー……。
そう思えば思うほど徐々に瞼が重くなり視界に映る物の輪郭が曖昧になる。
少し、だけ……寝ようっと……。
最初は抵抗していた筈の、体が浮くような不思議な感覚に今度は身を委ね、私はゆっくりと目を閉じた。
――そこにはこなたがいた。
オタクグッズに囲まれた賑やかに映る部屋。
この部屋には私以外にこなたしかいなかった。
窓の向こうに見えるのは、抜けるような青空とそこに浮かんだ申し訳程度のちぎれ雲。
小鳥のさえずりと風が吹き無数の葉を擦りあわせ合う木々のせせらぎ。
何も変わらない平凡で平穏な一日。ただ私の前に佇む彼女を除いては。
こなたが泣いている。静かに静かに涙を流している。
緑色の瞳を真っ赤に腫らし、ただ黙ってポロポロと滴を落としている。
「私じゃダメなの?」
彼女は涙声でそう言った。
分からない。全く分からない。
一体何がダメなんだろうか。一応周りを見渡してはみたが、ヒントになるようなものは無さそうだった。
夢というのは往々にして理不尽だ。設定や展開やその他もろもろ全てが理不尽である。
何故こんなものを私に押し付けるのだろうか。
そういえばこの前も変な夢見たわよね。たしかわたしが立ち並ぶビル並に巨大化し、ひたすら街をぶっ壊す夢。
あれは驚いたわ。あまりにも飛躍しすぎていて目が覚めた後も暫く頭が痛かったわ。あの時はストレスとかがたまってたのかもしれないわね。
話を戻そう。
どうやらこなたが泣いているのは私に何か原因があるようだ。あくまで推測ではあるが。
さて、原因とは何だろうか。
そんなもの分かるはずもない。
私が無意識のうちに見せられている世界のことだ。こちらの事情なぞ知る由もない。
疑問符が浮かんでいるような顔をしていると
「かがみは私の嫁なんだよ? 彼氏なんか作らないでよ……私を一人にしないでよ……」
とこなたは私に哀願した。
どうやらこちらの世界の私には彼氏が出来たようだ。うーん、どんな人か見てみたいわね。
べ、別に現実世界でその人に近づこうってわけじゃないんだからね!
と、からかってくる相手もいないっていうのに余計な注釈を入れる私は心底ツンデレなのだろうな、と若干自分に悲しくなった私はここであることに気付く。
私に彼氏が出来る=こなたは悲しむ
この方程式が成り立つということに。
私はこのシリアスな夢の状況に明らかにそぐわない喜びの気持ちで一杯になった。
なるほど、彼氏ですか。こなたさん、私を独り占めしたいのですか。
これはとてもいいヒントをもらったわね。
そして都合よくジリリリリと耳障りな音が聞こえてくる。
――ありがと、こなた(夢Ver.)
と、心の中で泣き顔の彼女に別れを告げゆっくりと瞼を落とした。
再び目を開くとそこに映るのは部屋の天井。
目覚めはここ最近でもベスト3に入るほどの良さだった。
まずベッドの横にある騒がしいそれの朝の役目を優しく終わらせてあげる。
いつも起きる時間だわ。かれこれ10時間近く眠っていたことになるわね。
体を起こし一つ伸びをする。そして忘れることはないだろうけど一応夢での方程式をノートにメモする。
夢ってのは突然始まり突然終わる、というのが良くあるのだが、今日は都合の良いところで終わってくれて良かった。
そういえば何故目覚まし時計が鳴ったのだろう。夢こなたがセットしておいてくれたのかな。
でも、布団もきれいに羽織られていたし……うーん、つかさかな?
そんなことを考えていると目覚まし時計の下敷きになっていた一枚のメモ。それには
『毎日毎日お疲れ様。目覚まし時計はかがみがいつも起きてくる時間にセットしておきます。勉強も良いけど息抜きや休息だって必要だからね みき』
と書いてあった。
お母さん……本当にありがとう。
あ、そういえば宿題やってなかったわ! まぁ日下部に馬鹿にされるの我慢しながら峰岸に聞こうっと。
台所で朝ごはんの用意をしていたお母さんにありがとう、とお礼を言い急いでお風呂場へと向かう。流石にこのままで学校に行くことが出来ないからね。
朝のシャワーはやっぱり気持ちがいい。眠気が一気に吹っ飛ぶし、一日頑張ろうって気にもなれる。
いつもの四倍速くらいのスピードでシャワーを浴びた私は髪をタオルでわしゃわしゃしながら食卓の席に着く。
暫くするとパンの香ばしい香りがし、直後にチンとトースターが音を発した。
朝のニュースを見ながら私は焼き上がったトーストにイチゴジャムを塗りそれに噛り付く。
オリンピックが近づいているということもあってかどのチャンネルを回してもスポーツの話題ばかりでちょっぴりうんざりした。
たしかにこなたの言う通りで、オリンピック専用チャンネルみたいな番組で一日中ニュースを流していればいいのに、と思った。珍しくこなたに同意できたな。
朝ご飯を食べ終え席を立った時に、よりトロンとした目をこすりながら何で誰も起こしてくれなかったの〜、と呟きながらつかさが下りてきた。
何も変わりない平凡で平穏な日常。桃色の花びらを落とし一転一面を緑に染めた桜が窓の向こうで風に揺れる。
学校の支度を終え再び居間に入り、テレビを流し見ながらつかさを待つ。
あっ、かに座一位じゃない。
番組を締めくくる占いコーナーで見事かに座は一位に輝いた。
神様を祀る我が家にとっては余りにも場違いだが、私は神様とか占いの類のものを私は信じてはいない。
それでも占いコーナーで自分の正座や誕生月が上位になっていた場合は気分良く一日を送れる。
勿論下位に沈んでいた場合はこういうの信じないから、と都合良く捉えている。
そうこうしているうちにドタバタとつかさがやってきて私を急かす。
私はあんたを待ってたっていうのに……とそれでもそんなことで気を悪くするでもなく、つかさが忘れそうになった弁当箱を持ちながら私は学校へと向かった。
433 :
42ー15:2008/05/06(火) 05:34:58 ID:VwlqpWlI
すいません、連投規制に引っ掛かり携帯から失礼します。
これで投下終了です。
小ネタのつもりで書き始めたっていうのに、本編より長くなるってどうよ…って感じですがどうかお許し下さい。
続きや新作が出来次第またお邪魔します。
最後に読んで下さいました皆様、ありがとうございました。
>>433 かがみのシャワーシーンと、頭にタオルを巻きながらパンをかじる所で、不覚にもニヤニヤしてしまった
かがみんかわいいよかがみん
続き待ってます
かがみ「こなた……実は私、付き合ってる人がいるんだ」
蜂屋「どうも、かがみの彼です」
3人「 嘘 だ ッ ! ! ! (レナ風) 」
それはそうと
>>433GJ
あれこれ思案苦悩するかがみに、俺もニヨニヨ(・∀・)
はたしてどんな嘘と展開になるのか、続きが楽しみである。
GW最後の投下凄い楽しいです
みなさんにGJ!
>>422 おお、お久しぶりGJ
気が向いたらまた来てね
>>433 かがみの夢が正夢になりそうな予感w
はっ !? こなたが引っ越すと思い込んでかがみ本気号泣
かがみに彼氏が出来たと思い込んでこなた号泣
・・・もうお互い告り合うしかない !
>>421 遅レスだが是非書いてくれ!俺はゆたみなが大好物なんだ!!!
余り人気が無いようで、作品・反応共にこのスレでは少ないのが残念であるが。。。
>>439 安心してくれ俺も大好物だ
でもどちらかというと、ゆたみなよりもみなゆたの方が好きだけどねw
>>440 俺はゆたみな派だ。あんたとは仲良くやれそうもないよ・・・・
だって考えてもみろよ!
ゆーちゃんはあんなに恵まれた環境に居るんだぜ!
お姉ちゃんには夜這いしたい放題!友人はMっぽいからすぐ堕とせる!
あんな環境に居て腹黒ストーリーにならない事があろうか!(反語)
ばっか…!!
素直に甘えるゆーちゃんとクールなみなみんのたどたどしい攻めがいいんだろうが!!
かくゆう私もみなゆた派でね…
って、別に誰がどういったカプの形が好きでもいいわけだから
そこまで力説されても…
いや、こういうアホな意見のぶつかり合いから新しい物語は作られるもんさ。
人の萌え燃料を否定する方向にばかり意識が向くのは問題になるが、
こういう妄想語りは自重する必要なし!
>>403 良識のある人間ならゆかりママの行動はNGというか倫理的にアウトでしょ!
まあGWでもあり、犬板が死んでますから普段のこことは違う層がはやし立てるのも場違いレスをつけるのも仕方ないか・・・
446 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 22:34:51 ID:L9r/jQZV
ここでゆたかとみなみが二人掛かりでひよりんを攻めるという新機軸を提案するっスよ!
みなゆた、ゆたみな大好物な俺が通りますよー。
あ、ども、ふた☆自重です。SSにレスを下さった皆様、並びに保管庫の方に感想をくれた皆様、また他SSの作者様、GJでございました。
やはりGW中ともあって、保管庫の各SS閲覧数が普段よりも多いですな。
>>308 あー、かがみオ○ホは僕も知ってました。しかしアレは凄いっすね、自重しなさっぷりがw;
おそらくは絵師さんの意向でかがみの絵になったんでしょうな〜。
>>314 うおお……救われました。ふたひよ期待してますよ〜。
>>316 釈由○子に「おイキなさい」と言われて身悶えるのと一緒ですね。分かります。
>>318 どうしましょうかね。
かがみの自慰は結構(というか、かなり)他の方がSSで書かれているので、僕が今更書くのもどうかなあ〜と……ふた○りじゃないし(おい
とりあえずは、ベタな方向でいずれ書こうかなと思います。
☆
こなかがスレさんの簡易お絵描き板で、久々にお絵描きしてみましたが……いつまでたっても慣れませんね。
あの「モニターを見ながら(つまり、正面を見ながら)絵を描くという作業」がどうにもねえ〜……。
……他スレの事を書くのは、さすがにNGでしたかね?
すいません、失礼しました。
>>448 そこまで気にする事はないと思う
今見てきたw
>>446 ひよりん発見デス……
ひよりん……まだそんなコト……グス……ヽ(`Д´)ノウワアアアアアン
コウナッタラ実力行使デス!!(がば)
12時前後に投下予告しときまつノシ
イマイチ肩身の狭いみさかが好きのわたくし
>>447 見てきた。可愛いヨwGJ!!
それでは、投下させていただきます。
10分続きがこなかったら、規制にひっかかったので「つづく」ということでヨロ。
日常。
非エロ…だろう。
本編8レス。
こなた、かがみ、ゆたか、みなみ、ひより、ゆい登場。
勘違いの話。
454 :
1:2008/05/06(火) 23:52:57 ID:VWBOGhMR
『子はかすがい』という言葉がある。
子供の存在は夫婦の仲を繋ぎとめるもの、という意味である。
が、それは百合の場合においても、通じるものなのかもしれない。
「子供騒動」
「かぁわいいでしょ〜!!あたしときよたかさんの愛の結晶だよ〜ん!☆」
「愛の結晶ねえ〜…」
こなたは、生まれて間もない小さな体を抱きかかえながら言った。
今日、帰りに遊ぶ約束をして、泉家に来ているかがみもいる。
いつの間にやら、生まれていたゆいときよたかの子供。女の子が生まれたそうで、早速ゆいが泉家に見せるため遊びに来ていた。
妊娠してたってことに気付かなかったし、気付いたら産んでんだよーというゆいの言葉に、
ホントノリだけで生きてるのだなということを再確認しつつ、そんな脳天気な生き方もちょっとだけ羨ましいかな、と思う二人だった。
「それで、この子の名前はなんていうの?」
「名前も旦那とちゃんと決めたよ〜!…えーとっ、う〜んと…なんだっけ〜、 …あははっ忘れちゃった〜☆」
ゆいにとっては、子供ができて、しかも旦那もしばらく一緒に居られることになって大ハッピーらしく、
どうでもよかったみたいだ。子供の名前ですらも。
「ゆたかにも似てるけど、こなたにもちょっと似てる気がするねえ〜」
「そだね〜、いとこだから似たのかもねぇ。てことは、この子にとってゆーちゃんは叔母さんになっちゃうわけだね」
と言いながら、赤ちゃんの小さな指をいじくりながらゆいに言った。
赤ちゃんの愛らしい言動をずっと見ていたかがみが言う。
「ねえこなたー、私も抱いてもいい?」
「むふ、とうとう耐えかねて私を抱きたくなったか、かがみんや」
「…私〈にも〉抱かせて」
「…もう〜かがみったら昼間からそんな大胆な…しょうがないなあ、ホレ私の胸に『赤 ち ゃ ん を 抱 か せ ろ』
「はい」
そう言って、こなたは怯えながら凶ちゃんに赤ちゃんを抱かせる。
かがみは笑顔だった。
「かわいい…」
かがみが人差し指で赤ちゃんの手を撫でていると、その小さな子は小さい手で指をぎゅっと握ってくる。
赤ちゃんの小さな体と、愛くるしい動きにかがみの頬が緩んでしまう。
「ホラホラ、その子にツンデレ母乳を飲ませてあげなよ」とか言ってるこなたへツッコミすることも忘れてしまう程ほんわかした気持ちになるかがみだった。
455 :
2:2008/05/06(火) 23:54:02 ID:VWBOGhMR
日差しの照りつける午後の空。外で過ごすのには快適な春日和。
その下をゆたかとみなみ、それにひよりが会話しながら道を歩く。
これから、泉家に遊びにいく途中だった。
「ゆーちゃんとみなみちゃんてホント仲いいよね〜」
「う、うん。…そうだね…」
「ゆたかは…私の、大切な友達だから…」
ゆたかとみなみが少し顔を赤らめながら、遠慮がちにうなづいた。
(あー、たまらないっす…この二人はホントに癒されるっす〜…)
ほんわかひよりんがいつものターゲットから妄想を始める。
小川せせらぐ美しい森の中、背の高い緑髪の少女と背の小さな赤い髪の少女が、互いに寄り添う…
「私は、みなみちゃんさえ側に居てくれれば何もいらない……」
ゆたかがみなみの抱きしめ、頬を赤らめながら言う。
「…大丈夫…私が…ゆたかを守ってあげる…ずっと一緒にいるから…」
みなみは口元をかすかに綻ばせながら、最大源の愛情を込めて言った。
「大好きっ!みなみちゃん!」
ゆたかはみなみの胸に顔をうずめて、とても嬉しそうだった。
その時、みなみはある視線に気付いた。
「…あっ、…リスがこっち見てる」
「可愛い!えへへ……私たちのこと……見られちゃったね…」
二人は顔を見合わせて微笑む…
(うはwwwwwたまんねえっすwww)
『ひよりちゃん?』
「ん?なーに?」
ひよりは鼻元の血を拭いながら振り返った。
「…って、こなたおねえちゃんが言ったら、かがみ先輩がそれは違〜う!って言ってて、漫才師さんみたいでおもしろいんだ〜」
「…泉先輩と、かがみ先輩…すごく仲がいい…」
「そうだね!かがみ先輩、よくこなたおねえちゃんと家で遊んでるんだよ。休み中なんて週に1度は来てるくらいだもの」
「ほんとに仲いいんだね〜…」
「うん!おねえちゃんたち、まるで家族みたいだよ」
「…もしかしたら、あの二人はもう結婚してるのかも!」
「あははっ!まさかぁ…」
456 :
3:2008/05/06(火) 23:55:51 ID:VWBOGhMR
「もしかしたら、既に誰も知らないとこで二人きりの式をあげ…ブツブツ」
ひよりん、こなかが妄想へダイブイン。
木々の追い茂る山中、ひそかに建つ教会。その古びた建物にもはや天井はなく、変わりに青い空とまぶしく輝く太陽が教会の上空を彩っている。
その中で、紫色の髪の少女と背の小さな青い髪の少女が、密かに二人だけの結婚式をあげていた。
「んっ…」
二人は互いの口元から顔を離す。それでも二人の距離は数センチ。愛しい人の顔を間近で見つめながら話す。
「キス……しちゃったわね………」
「…かがみ…これで…私たち夫婦になれたんだね…」
ウエディングドレスを着たこなたが言った。
「うん…大好き……ううん、愛してるわよ…こなた…」
「かがみぃ…」
こなたは涙を浮かべて、白いタキシードを着たかがみに抱きついた。
かがみはこなたを抱き上げて、ふっと…空を見つめた。空はこなたのように、青くて…きれいだった。
二人を祝福するように、教会の上空に、風がさあっと、通り抜けた………
(うはwwwwwこちらもグッジョブwww …ごふっ。)
『…ひよりちゃん?』
「ん?なーに?」
ひよりは口元の血を拭いながら応えた。
そんなこんなで、1年ズは泉家に到着した。
「ただいま〜!」
「おじゃましまーす!」
「おじゃまします…」
そこへ、こなたとかがみが出迎える。
「ゆーちゃんおかえり〜、おお〜ひよりんとみなみちゃん、らっしゃい〜」
「こんにちは!」
「あ、やっぱり今日もかがみせんぱがふぁあっ!!!?」
「えええええええええええっっっっ!!!??」
かがみの両手には大事そうに抱えた生後間もない子供。
「え?…どしたの?」
かがみは、ぽかんとした顔で3人を見た。
「そ…その子は…」
ひよりが震えながら赤ちゃんを指差す
「私とかがみの愛の結晶だヨ!」
と、こなたはさっきのゆいの言葉を言う。
「うふふっ、なーに言ってんのよ、あんたは…」
可愛らしい赤ちゃんを抱いて、ツッコむことも忘れる程機嫌が良いかがみ。
457 :
4:2008/05/06(火) 23:57:53 ID:VWBOGhMR
「可愛いでしょ?気付かない内に赤ちゃんができてたんだよ〜!」
『ゆい姉さんが』と付け加えた言葉は動揺しまくりの3人の耳には届かなかった。
「まさか…まさか、すでにできている状態だったとはあああ!!!!…ごふぅ」
先ほどの話題で先入観を持ってしまった彼女らにはもはや冗談でなくなっていた。
かがみは赤ちゃんを抱き、ひよりは赤い血を吐いている。だれか救急車を。
「そ、そんな、いつの間に…わあ、でも可愛いねぇ〜」
「ゆい姉さんが言うには、私に少し似てるみたい」
こなたが言った。
「ま、まあ…そりゃそうっすよね…」
ひよりは、少しずつ立ち直りながら起き上がる。髪がちょっと白い。
「でも、やっぱりこの中ではゆーちゃんに一番似てるよね。血の繋がりからか」
続いて、かがみが言った。
「そうね、あんたたちの中じゃゆたかちゃんが一番近親だものね」
「ええええええええっっっ!!!ま、まさかゆーちゃんがかがみ先輩とっ…!!?」
ひよりがゆたかの方を向いて言った。
「ゆーちゃん、まさかかがみ先輩と夜を共に…」
「えええ〜っっ!!?ちっ、違うよう〜!」
ゆたかが顔を真っ赤にして弁明する。
ゆたかがみなみの方を向くと、みなみはがく然としていた。
ひどくおちこんでるようにみえるが。
「み、みなみちゃん…あのね…」
「ゆたか…私は…何があっても…ゆたかの味方だから…」
「みなみちゃん…」
すぐに誤解を解こうとしたゆたかだが、みなみの言葉に顔を赤くして俯いてしまった。
「どうしたのよ、玄関で叫んだり、赤くなったり…」
「まあ、こんなとこで立ち話もなんだから、どぞどぞ〜」
こなたが客人たちを部屋に招く。
「お…おじゃまします…」
「さ〜て、そろそろおなかちゅきまちたか?」
「赤ちゃん言葉のかがみ萌えw」
「…うるさい///」
仲睦まじく居間へ向かう二人を余所に、三人は…
ひそひそ…
「ま…まさか本当にお姉ちゃんとかがみ先輩が…」
「ゆーちゃん、よ〜く思い出してみるッス…例えば…泉先輩の部屋から恥じらいの叫びが聞こえたとか…」
「そ、そういえば…かがみ先輩が遊びに来た時は、よくお姉ちゃんの部屋からかがみ先輩の大きな声が聞こえるよ…」
無論、これはかがみのツッコミである。
「ほぉ…かがみ先輩が受けっすか!ツンデレキャラがデレた時は攻めに回ることが多いと思ったんすけどねえ…」
「…」
そんな中、みなみはゆたかの事へのショックを拭いきれていなかった。
そして、ひよりの口元の血も拭いきれていなかった。
458 :
5:2008/05/07(水) 00:00:58 ID:VWBOGhMR
居間に入るこなたとかがみ。
こなたが、人数分のお茶を用意している。
「さてと、そろそろ宿題やらなくちゃね」
「え〜〜…」
こなたは話をはぐらかそうとする。
「そ、そういえば、ゆい姉さんはもう一人子供がほしいとも言ってたけど、次は男かな、女かな?」
「ごまかそうとするな。…でもやっぱり、一人目が女の子なら…」
1年ズ入室。
「次は男の子がいいわね〜」
「!!!」
「そっかぁ、かがみん家は女ばかりだから、男の子が欲しくなるのかな?」
「うん、そうかもね」
(だ…第二子の相談っ!?まさか、もう…)
「次は男の子だったらいいね〜。楽しみだよ」
「ふふっ、そうね」
「はぁぁああああああああ!!!!!」
絶叫する黒い髪。鼻からの出血。この中にお医者様は。
だばだば。
「それよりほら、早く(勉強)始めるわよ。せっかくの休みなんだから頑張らなくちゃね」
「ええ〜、この前の日曜日激しくやったじゃ〜ん…」
「この前じゃない!ちゃんと毎日やらないとダメよ!」
「夜一人でやるからさ〜、ゲームしようよ〜」
「あんた毎晩エロいもん(ゲーム)やってるでしょーが!」
(ちょ、先輩たち…我々の前で何を始める気で…)
「どうせ私がいないとできないんだから!今すぐやるのっ!」
「あ…あの…先輩方、今から…やるんスか…?こんなまっ昼間から?」
「そうよ。こいつったら、夜になったらゲームとか始めちゃって、やる気出してくれないんだから」
「私めんどくさ〜い。も〜、かがみは毎日毎日ちゃんとやりなさいってうるさいし…」
「全くあんたは…!」
(泉先輩受けっぽいな…やはりツンデレは、デレると強し、か?)
「あんたはいっつもやる気がないんだから!」
「かがみはなんでそんなやる気があるの?家でも何時間も一人でやるんでしょ?」
「も ち ろ ん よ」
(…かがみ先輩…そこまで欲求不満っすか…)
「しかも、つかさにも教えてるもんね」
「あの子は不器用だからね。この先が心配だからちゃんと教えてあげないといけないのよ」
(近親相姦!近親相姦!)
ひよりの脳内でファンファーレが鳴り響く。
459 :
6:2008/05/07(水) 00:02:47 ID:/9vJAXZT
「でも、さすがにみゆきには負けるけどね…」
「っ!!!」
みなみの顔が青ざめる。
「まあ、さすがにみゆきさんの知識量はすごいもんね〜」
「みゆきさんが…まさか…」
みなみん。ショック。
「お、お姉ちゃん、おじさんがいるんだよ…」
ゆたかがおどおどしながら、これから二人がする(と思い込んでいる)であろうことを激しく心配する。
「大丈夫だよ。赤ちゃんがいるし、静かにやるから。…でもかがみが激しくツッこんでくると騒がしくなるよね」
こなたがにやにやしながら、かがみに言った。
「そっ…それはあんたがいけないんでしょうがっ!!」
かがみは顔を赤くしながら言った。
「ツッこむ…って!!ディルド…や、かがみ先輩がっスか!!?」
「もちろん。ツッコミはかがみの得意技だヨ。昨日も学校で10回以上のかがみのツッコミが!!」
こなたは、得意そうに言った。
「ええええええ!!!」
「数えんなよ、そんなこと!」
「学校で10回っっ!!?か、かがみ先輩もう少し遠慮した方が…」
「いいのよ。こいつにはそれくらいしてあげなきゃダメなの!」
「…でも、泉先輩がもたないっすよ…;」
「まあ私は、毎日かがみにツッこまれることも、それはそれで好きなんだけどね」
(はあ…よくできてるっすね、この二人…)
(て、毎日っ!!?ハンパねえよ!この人たちの性力!!)
「今日はこれから4時間みっちりやるんだからね!」
「「「4時間っ!!!??」」」
みなみまで叫んだ。
「ええ〜、長すぎるよぉかがみぃ…」
ひよりは、コクコクとうなづきながら、出されたお茶をすする。
「せめて2時間くらいにしよ。ね?」
ひよりん、お茶を噴く。
460 :
7:2008/05/07(水) 00:04:17 ID:/9vJAXZT
「じゃ、じゃあ私たちは2階の部屋に行ってるね…お邪魔しちゃ悪いし…」
ゆたかが真っ赤な顔をしながら言う。
「いいわよ、そんなに気を使わなくても。遊びに来たんでしょ?それとも、ゆたかちゃんたちも一緒にしない?丁寧に教えてあげるから」
「えっ、いやっ!そそそそんな、私たちにはっ、ちょちょっと刺激が強すぎるッス!!!」
(てか、ゆーちゃん、かがみ先輩と…してたんだっけ…?)
「ひよりんたちはまだ1年生なんだからまだ早いと思うヨ。分からないこと多いだろうしさ」
「まあ、それもそっか…」
「むふ〜、かがみ、自分のいいとこ見せられないのが少し残念?」
かがみはこなたをジト目でにらむ。
「ていうか、先輩方すごいっすね…私にはとてもマネできないっす」
「まあ、高校3年生にもなればね。あんたたちもいずれこうなるわよ」
(…いや、私はさすがにそこまで乱れはしないっす! …腐ってはいるけど)
「さ、始めるわよ、こなた」
そう言って、鞄を持ってこようと、かがみが席を立つ。
「ああああいやいやいやいや!!!!そそそそれじゃ私らは邪魔っスから、こ、これにてっ…!!!」
「やほ〜、ゆたかぁ〜!お姉さんのベイビー可愛いでしょぉ〜!!☆」
突然ゆい姉さんが入ってきた。
「………………………………………………へ?」
その瞬間、ひよりが、皆が、今までのすれ違いを理解した。
461 :
8:2008/05/07(水) 00:07:19 ID:/9vJAXZT
誤解解けた後…
後輩たちの今までの不可解な言動の意味を全て理解したかがみは、耳まで一気に赤面した。
さっきまでの会話を思い出して、さらに顔を蒸気させる。
「私とかがみは勘違いされるような仲だからね」
「違うわバカぁっっっ!!!」
かがみはいつも以上に強くこなたにツっこむ。顔赤すぎ。
「まあ、私はそんなことだろうと思ってたけどね」
「なぜ黙ってた!!!」
「いや、ひよりんの反応が面白かったから」
「…だいたいねぇ、高校生でいきなり赤ちゃん育ててるなんて、そうあるもんじゃないでしょ」
かがみが自分の髪の先を指でくるくるといじりながら言った。
「いやいや、中学生の男女が同棲しながら、宇宙から来た赤ちゃんと一緒に暮らすというアニメがあってだね」
「知るかぁっ!」
「赤面かがみ、萌え〜。ついでに勘違いかがみ萌えw」
こなたはかがみのほっぺをつつきながら言う。
「うるさいうるさぁいっ!!」
こうして、いつも通りこなたにからかわれて真っ赤になるかがみ。
そして…
「ごめん…ゆたか…私、勝手に勘違いしてた…」
謝るみなみの様子に、ゆたかはクスッと笑う。
「もう、みなみちゃんたら… えへへ…」
「…ゆたか」
みなみは頬を少し染めつつ、口元に笑顔を残している。
「みなみちゃん…」
そして、ダブルで百合ディメンションに巻き込まれたひよりが無事であるはずがなかった。
普通、こんなカップルたちから一人あぶれた立場となれば、落ち込むところなのだろうが、ひよりは天に召されそうな程の幸福感を味わっていた。
茶の間の床を赤く染めながら。
皆、幸せそうだった。今日も平和です。
完。
えー。
終わりですが、何か。
>ID:/9vJAXZT
リアルタイム遭遇ひゃっほ〜!!
実を言うと勘違いネタは苦手なのですがこういう可愛い勘違いならアリアリです。
下級生組のテンパリ空回り具合とか全て察した上でそのまま続けていたこなたと最後に種明かしされるまで気付けなかったかがみ(そもそもいつもの彼女なら
もっと早くツッコンで勘違いを終わらせていたはずなのに)のふにゃけ具合とか最高でした!もうGJの十乗です!!
最後に一言、出血した分ちゃんと鉄分とかしっかり接種しようねひよりさん……
ちょwwwww
いや、普通はそんなこと勘違いしないからwwww
すげー面白かったw
夜中だってのに声出して笑っちゃった
GJです
情報みたらもう480KB超えちゃってますね
ちょっと次スレ立てチャレンジしてみます
ひよりさんのくせに、ひよりさんのくせにだばだば
>>462GJ!
抱腹絶倒と勘違いすれ違いの連続にニヤニヤゲラゲラさせてもらった。
とりあえず腹筋を返してもらおうか。
嗚呼、やっぱり王道はいいなあ(´∀`*)
>>462 おまwwwwwwww
こういうのって、なにげに書くの難しいよね。いかにうまく誤解させるシチュを並べるか。
それをこれほどまでもボリュームと自然さで……ぐっじょっす!
>>462 ちょwww明日朝早いってのにwww
俺の睡眠時間と腹筋と おーいお茶返してwww
ひより・・・お前って奴は・・・
>>462 ちょwww俺の腹筋を返してくれ!夜勤帰りに飯食いながら見たら…
ってかこういう話がかみ合わないネタ得意にしていた芸人思い出したよ。
名前忘れた。アンタッチャブル?間違えていたらすまん。
腹抱えて笑ったGJ!
>>474 アンジャッシュだろう。
俺も同じこと考えたwww
アンジャッシュかあ、なるほど言われてみれば、合点がいくw
通りで抱腹絶倒かと思ったら、そういうことであったか。
そいやこの2人「報道に対し仲が悪いように見せなければならないのに
インタビューに答え行動するごとにホモレベルに仲がいいことが
暴露されていく」というネタもあったな。
……いや、こな×かがで誰かよろ、なんて思ってませんよ?
>>475 ありがとう。胸のつかえがようやく取れた。
>>462 何かと言いようも無いほどぐっじょぶ。
ほのぼのに百合に勘違い、コメディの王道を満喫させていただきました。
で。その。文体に心当たりがありすぎますので、某所にてご挨拶させていただくかもしれません。
もし『心当たりの方』でしたら、まずは数ヶ月もメルアド変更をお知らせし忘れた
無沙汰と無礼をお詫びいたします(血涙
埋めついでに俺の思想的立場を表明しておく。
俺はかがこな派でありこなかがは認められない!!!
・・・・・・つか、このスレのせいでそうなったw
おかげでどうしてもかがこなモノは読みたくても読めなくなってしまった。
心の狭いヲタですまんが好きなものは好きだからしょうがない
じゃあせっかくだからおれはこなかがを所望しておく
こなたはやっぱり攻め責め〜
みゆき「結局お二人アツアツってことに変わりありませんねだばだば」
つかさ「どう転んでもバカップルうにょ〜ん」
規制明けにつき遅レスご容赦
>>365 乙でした。まさかそういうオチで来るとはw
かが☆ふぇちと艦隊戦とでお腹いっぱいになりすぎたかも?
だ が そ れ が い い
真面目な(?)軍事モノもお待ちしています
>>417 せつないよう。せつないようかがみん;;
>>433 続きwktk
どんなお話になるのやら
>>462 GJ! 激しくGJ!
そして、何もかもお見通しなこなたに萌えw
482 :
479:2008/05/08(木) 01:45:58 ID:7Y6TgmNa
自分で書いておいて間違えた。読めないのはこなかがモノだった・・・。
しかしどっちが攻めか受けかに拘る俺はやっぱり心が狭いのな。。。
いいんじゃないの?
貴方が何読もうが読むまいがどうでもいいし
そんなあなたには「にゃああああ」シリーズ
>>バカップル
みさ兄「呼ばれた気がしたぜ!」
あやの「そぉい!」
みさ兄「ごはっ」
>>バカップル
みのる「どうも、僕たちバカップルですいません…」
あきら「ちょっと、誰と誰がいつの間にカップルになったのよ!」
みのる「え、違うんですか?ラジオじゃ3、4本フラグたってるのに?」
あきら「ば、ばかっ、あれは違うわよ!なに勘違いしてんの!!」
みのる「そうは言っても…あきら様、顔が赤いですよ、どうしtげふっ」
>>487 あんたらはバカップルというよりドカップル(みのるをドカッと殴る意味で)
でもなんだかんだであきらってみのるに手あげたことないよね
あります、俺が覚えてるのでは2度ほど。
・灰皿投げてぶつけた
・足を踏んづけた
まあいずれも手ではありませんがw
らっきー☆ちゃんねるフィギュア化計画の時に、パネルに隠れて蹴ってた気がする
あ、あと思い出したが、手を上げたわけじゃないけど、
マウントポジションでMAJIでフルボコ5秒前なのもあったな
それは忘れていた
これを元にSSに…できないなぁ
496 :
42-115:2008/05/09(金) 23:48:03 ID:nCWkWgRP
5分後くらいに短いものを一つよろしいでしょうか。
「庇護欲と猫」
・非エロ
・2レス
・かがみ&こなた
497 :
庇護欲と猫:2008/05/09(金) 23:55:48 ID:nCWkWgRP
「あれ何だろう?」
放課後。こなたが突然おたまじゃくしを見たいを言い出したので、柊姉妹はそれに付き合って学校の近くの田んぼへとやってきた。そしたら放置された横倒しの土管から、何かが生えているのをみつけた。
「「「……」」」
青いスカートは陵桜の夏服のようだ。夏にも拘らずストッキングを履いた脚が、土管からつき出ていた。認めたくないが、見覚えがある。
じたばた じたばた
ストッキングの脚がもがく。どうやら死体ではないらしい。
「えーと、もしかして」
こなたがいたって普通に声を掛ける。知り合いに脚の生えた土管の妖怪でもいるのだろうか?
「みゆきさん?」
「あ、その声は泉さん?」
「私もいるよ〜」
「つかささんも」
「……」
「薄情なかがみもいるけど、薄情だから関わりたくないって」
「言ってないわ! 普通に声をかけられるあんたたちに感心してただけよ。とりあえず助けるわよ」
「お待ちください。出来れば反対側を塞いだ上でお願いします」
「分かった〜」
つかさがほんわかと言い、反対側に行く。光があまり差さないのでよく分からないが、髪が乱れてピンク色の塊と化したみゆきの手前に何かいるようだった。
「「せーっの」」
こなたとかがみが綱引きの要領でみゆきの脚を引っ張って引き抜く。スポーンとすっきりとはいかず、ずるずるとみゆきを引きずり出す事になった。
「胸がつっかえちゃったってとこかな?」
「実は……そうなのです」
「ドジッ娘ぶりが堂に入って来たねえ」
「お恥ずかしながら……」
その時だった。
みゅ〜
聞きなれぬ動物の声?
つかさが子猫を抱いていた。
「この子を捕まえようとしてたの?」
「はい、実は……そうなのです」
生徒会に学校近辺にはぐれ子猫がいるという情報が寄せられ、保護に乗り出していたのだという。土管の中にいるのを発見したが……後はご想像にお任せしますとのこと。
498 :
42-115:2008/05/09(金) 23:56:07 ID:nCWkWgRP
「とりあえず宿直室で預かってもらえるように話をつけてあるので、しかる後全校に告知して里親を募集します。私の救出ともどもご協力いただき、ありがとうございました」
生徒会長の顔で一礼すると、みゆきは子猫を抱いて去って行った。
「可愛かったね〜」
つかさが言う。
「土管にはまったみゆきさんが?」
「んなわけないだろ」
「ん〜、両方」
「両方かよ! でも、確かに子猫って庇護欲を誘うよね……」
「……欲しいかも」
「言うと思った。犬の次は猫か」
「だって可愛いんだもん」
たちまち猫のことで盛り上がる柊姉妹であった。
「庇護欲かあ……」
こなたは何かを企んでいる様子だった。
「みゆきさぁ〜ん」
翌日の昼休み。こなたがみゆきに擦り寄る。
「弁当忘れて、お金も忘れて、宿題も忘れちゃったみゅ〜」
宿題はやったのだが、持ってくるのを忘れたという意味ではなさそうだ。いや、それより問題なのは……。
「泉さん。その頭の物は……?」
「ん、これ? ネコミミ」
こなたの頭には、獣の耳が生えていた。どうやら猫の物のようである。生えている? いや、乗っていると言った方が言い。あるいは被っているだろうか? バイト先の小道具を拝借してきたのだ。ついでに鳴いてみたりする。
「みゅ〜」
昨日かがみは言っていた。子猫は庇護欲を誘う。だからネコミミつけてみた。これでみんなの庇護を受けようというのである。
しかしこれではあまりにも……。
「バカの一つ覚え的ね」
かがみがやって来て、こなたの襟首を猫づかみ。
「んにゃ?」
「あー、ごめんねみゆき。昨日変な事吹き込んじゃったみたい」
「いえ、別に」
「ほら、行くわよ」
かがみはこなたを連れ去った。弁当と金を忘れたこなたのために、購買に行ってチョココロネでも買ってやるのだろう……か?
見送ったみゆきは思うのだった。
「かがみさんの庇護は得られたようですね」
つかさは思うのだった。
口ぶりのわりにはお姉ちゃん、変にニヤけてたけど……。
おわり
499 :
42-115:2008/05/09(金) 23:59:01 ID:nCWkWgRP
みゆきさんが土管にささっているとしたらどんな状況か?
それが出発点。
おそまつでした。
いいなあw
ネタの出所はそっちなんすかw
何はともあれGJ!
どこにSSのネタが転がってるかわかりませんなw
それにしても、今回やけに次スレとの並行期間長いなぁ…
これをやってなかったからか? (半ば冗談
さあ埋めるザマスよ
ここから下すべてフンガー
でもそんなの関係ねえ
>>506 宣伝していただけるのはありがたいのですが、あまり何度もやるとかえって逆効果なることもありますので……
by臨時日報
分散コンピューティングはPS3でやっておりまする
509 :
高良みゆき:2008/05/10(土) 13:44:41 ID:v/4x0wyA
もちろん私は協力しています
私自身で
あqwせdrftgyふじこlp;……
なぜみゆきさんは生徒会長だと誤解されやすいのだろうか。
>>510 誤解というのが誤解。
4巻P27では学級委員長にして生徒会長でもあるとされている。
むしろゆたかと、2年以降のかがみが、
学級委員長をしていないという点こそ、していると誤解されているようだが?
みゆきは生徒会長じゃないしw
アニメでは3年時でかがみが委員会の仕事みたいなこと言ってたから原作とは違うのかもな
>>511 気になって確かめてみたけど、ひよりの書き文字で
「※典型的っすね、生徒会長でも有りっス」ってなってる。
これはひよりが「みゆきは学級委員をやってるっていう典型的なキャラだけど、
生徒会長っていうキャラ設定でもありかも」って感想を述べてるのでは?
>>511 残念だけど、そこは読み違いだね。
『委員会:学級委員長』と書いてあるだけで、『生徒会長でもある』とは書いてない。
すぐ下の行に書いてあるのは、このレポートを書いたひよりんの補足というか落書き。
『*典型的っすね、生徒会長でも有りっス』
>>512 学級委員ではなくなっただけで、他の委員になったんでしょうね。
>>514 原作では委員会事態無所属になってるじゃん
コンプティークにOVA化決定て出たね。ドラマCDも同時に決定だって。
こなたが黒井センセ相手にものっすごい剛球投げてる絵があったけど、関係あるんだろうか?
ドラマCDの方は、みさおonlyのキャラソン情報が出たときに一緒に情報出てたなかったっけ
……それにしても、今までの最短記録を更新するかと思ってたくらいだったけど、このスレは長生きだねぇ
まだあと4KBも残ってる
> 最短記録更新
今回、そんな勢いあったっけ?
最短記録の時は昼間も夜中も問わず、いつリロードしても書き込みがあった程だが
あ、最短記録ってのはレス数のことです
いままでで一番少なかったのが32スレ目の501レスだったんで、それを切るかな、と
埋め支援
「ねえ、つかさ。ちょっと聞きたいんだけどさ」
「なに、こなちゃん」
いつもと同じように話したつもりだったけど、つかさの表情を見る限り、失敗したっぽい。
「ん。つかさは…… どうして私と一緒にいてくれるのかな……」
ずっと聞いてみたかった。
ずっと聞けなかった。
聞いたらいけないことのような気がして。
気付くと、つかさがじっと私を見つめていた。
瞳に湛えているのは哀しみ?
「どうして、そんなこと聞くの」
つかさの声が震えている。
怒らせちゃったのかな……
でも、私は――
「私ね、ずっと友達いなかったから。友達ってどんなものか分からないんだ」
「えっ?」
つかさの驚きの声を無視して、私は話し続ける。
止めちゃうと涙がこぼれそうだから。
「ほら、私ってオタクだし、わがままだし。それに、お母さんがいないことも関係してたかな」
小学生の頃は、お母さんがいないことを特別視されていた。
周りから寄せられる同情や、哀れみの視線が嫌いだった。
だから、自分からは決して人に歩み寄らなかった。
「だから良くわかんないし、不安なんだよ……」
頬を伝う感触に気付き、慌てて涙を拭う。
「こなちゃん。友達って私もよくわかんないよ」
「えっ……」
今度はつかさが、私の声を無視して話し続ける。
「でもね、最初こなちゃんに会った時。勘違いだったけど、私を助けようとしてくれたことが嬉しかったよ」
つかさはあの時のことを思い出しているのか、目を閉じている。
「その時に、こなちゃんって優しいんだ。そう思ったから、一緒にいられたと思う」
そして、ゆっくりと目を開くと、微笑んだ。
「そして、一緒にいるのが楽しくなって。いつの間にか、一緒にいられるのが嬉しくなってた」
最後に「それじゃだめかな?」と付け加えて、つかさはいつもの笑顔を見せてくれた。
一緒にいて楽しい。一緒にいられることが嬉しい。
それは、私の心に在るものと同じだった。
「ううん。ありがとう、つかさ」
でも埋めきれない
こまっちゃったね
さあ埋め立てざますよ
私の名はこなた。かつては陵桜学園に通う平凡な女子高校生であり、
退屈な日常と戦い続けるマニアックな生活者であった。
だが、あの夜、ゆい姉さんの愛車から目撃したあの衝撃の光景が私の運命を大きく変えてしまった。
ヴィヴィオRX-Rで柊家に強行突入したその翌日から、
世界はまるで開き直ったかのごとくその装いを変えてしまったのだ。
いつもと同じ町、いつもと同じ角店、いつもと同じ公園。だが、なにかが違う。
路上からは行き来する車の影が消え、建売住宅の庭先にピアノの音もとだえ、
牛丼屋のカウンターであわただしく食事をする人の姿もない。
この町に、いやこの世界に我々だけを残し、あの懐かしい人々は突然姿を消してしまったのだ。
数日を経ずして荒廃という名のときが駆け抜けていった。
かくも静かな、かくもあっけない終末をいったい誰が予想しえたであろう。
人類が過去数千年にわたり営々として築いた文明とともに、西暦は終わった。
しかし、残された我々にとって終末は新たなるはじまりにすぎない。
世界が終わりを告げたその日から、我々の生き延びるための戦いの日々が始まったのである。
奇妙なことに、柊家近くのコンビニエンスストアは、押し寄せる荒廃をものともせず、その勇姿をとどめ、
食料品、日用雑貨等の豊富なストックを誇っていた。
そして更に奇妙なことに、柊家には電気もガスも水道も依然として供給され続け、
驚くべきことにテレビ埼玉すら受信可能なのである。
当然我々は、人類の存続という大義名分のもとに柊家をその生活の拠点と定めた。
しかし何故か黒井先生は早々と牛丼屋「マリーンズ」をオープンして、自活を宣言。
続いてひよりとパティ、学校跡にアニメショップをオープン。
そしてゆい姉さんは、日がな一日ヴィヴィオRX-Rを乗り回し、
おそらく欲求不満の解消であろう、ときおり発砲を繰り返している。
何が不満なのか知らんが、実に可愛くない。
あの運命の夜からどれ程の歳月が流れたのか。
しかし今、我々の築きつつあるこの世界に時計もカレンダーも無用だ。
我々は、衣食住アニメを保証されたサバイバルを生き抜き、
かつて今までいかなる先達たちも実現し得なかった地上の楽園を、
あの永遠のシャングリラを実現するだろう。
ああ、選ばれし者の恍惚と不安、共に我にあり。
人類の未来がひとえに我々の双肩にかかってあることを認識するとき、めまいにも似た感動を禁じ得ない。
こなた著 糟日部前史第1巻 終末を越えて 序説第3章より抜粋」