【カノカレ】上月司作品でエロパロ【れでぃ×ばと】

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1名無しさん@ピンキー
キャラも出揃ったようなので改めて立てました。

上月司作品のエロパロスレです。

前スレ
れでぃ×ばと(上月司)でエロパロなスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1169213400/

↑のSS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 10:35:00 ID:clShMamK
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしね!!!         <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
3名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:39:33 ID:DTiLiDpb
すまん。タイトル間違えた・・・orz
4名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:55:30 ID:gIsv4Nto
うん逆だな


ドンマイ
5名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 23:04:55 ID:9pXqDgNN
面白いね
6名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:08:01 ID:U3oXwXOj
即死回避に……。
7名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:33:27 ID:gleZgqif
一日一カキコ
8名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 04:30:43 ID:sW+Ecl9q
伊南屋さんに大地との続きを書いてほしいなぁ…
9名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 13:09:30 ID:qMa6DpLC
例え俺だけになっても保守するさ
10名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:00:59 ID:SK+C9JZ4
ほっす
11名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:52:19 ID:4pb2nJEO
保守っす
12名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 14:37:43 ID:rrQhmiKL
ほーしゅー
13名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 17:06:38 ID:vbjC8fN/
保守
14名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 16:24:39 ID:znBZZziw
保守
15名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 01:12:24 ID:XCiRy+we
hosyu
16名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 14:11:33 ID:ldkWDRg/
17伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/05/04(日) 15:23:19 ID:pSZ8rKKA
>>8
実は出来てたんだけどスレが落ちたから封印してただけです。

というわけで秋晴×大地の続き。
初見の皆様は保管庫にある分を読んでからどうぞ。
18Be with you.:2008/05/04(日) 15:25:08 ID:pSZ8rKKA
 意識が定まらない。混乱している。
 ――何が起こってる?
 暖かくて、切なくて、嬉しくて、少し苦しい。
「ひ……の?」
 自分の顔の横に日野の顔がある。
 自分の体に日野の腕が回されている。
 ――自分が日野に求められている。
「本当に嫌だったら抵抗しろよ」
 耳元で囁く声。
 抵抗なんて出来よう筈もない。こんなにも大地薫は、日野秋晴の暖かさに溺れているのに。
「嫌じゃ……ない」
 恐る恐る抱き返して、意志を伝える。
 受け入れる意志を。
「……」
 無言のまま、秋晴が指を滑らせる。
 大地の肢体を這う指先は、一つ一つボタンを外し、肌を覆う布を剥いでいく。
「……なんか、手慣れてないか?」
「……俺も毎日着てる服だからな」
 それだけ応えて秋晴は再び脱がしに掛かる。黙々と作業的に動く手を、大地は制して言った。
「日野……少し、怖い」
「――あ」
 言われて気付いた秋晴は慌てて手を止める。そこからどうして良いのか分からずに、手を躊躇わせたまま静止した。
「……悪ぃ。調子乗りすぎた」
 うなだれて言う秋晴に大地はそっと手を伸ばす。
 頬に触れた指先がそっと秋晴の顔を撫でていく。
「その……もう少し優しく……キス、とかしてくれると嬉しい」
 そう口にして、大地は言葉の恥ずかしさに顔が熱くなるのを感じた。
 こんなの自分らしくない。そんな思いが、それ以上の言葉を紡ぐ邪魔をする。
 降りかけた沈黙を秋晴の声が破った。
「して……良いのか?」
 ぽつりと零された声に、大地は息を呑んだ。
 視線がぶつかる。ぶつかった視線が僅かにぶれる。ぶれた視線の向く先は互いの唇。
「するからな?」
 言葉にして確かめて、秋晴は大地の肩を掴んで寄せた。
 なにもかにもがぎこちなく、居心地の悪さを感じながら、それでも互いは止まらない。
 近付いた距離はそれぞれの呼吸が掠める程。顔に感じるそれが、こそばゆくて、気恥ずかしい。
 しかし、やはり接近は止まらない。
 数十センチの距離は十数センチに。十数センチが数センチに、更に果てしなく零に近付いて――
「おい」
 それが秋晴の声で止まる。
 何の比喩でもない。まさに目と鼻の先に秋晴の顔を見詰めながら大地は疑問符を浮かべた。
「どうして……止めるんだ?」
「いや、目をだな? なんつうかその……閉じろ」
 言葉の通り、開いた大地の瞼が上下する。意味を一瞬計りかねて、しかしすぐに思い至る。
19Be with you.:2008/05/04(日) 15:26:16 ID:pSZ8rKKA
「あぅ。す、スマン」
 一旦離れて深呼吸。気を落ち着かせて仕切り直す。
「よ……よし来い」
 きゅっと瞼を閉じて、顎を微かに上向かせ待ち構える。
 微かに開いた唇が、秋晴を誘う。
 閉じた視界では、ただ互いの呼吸音だけが距離を告げる目安だ。それすら極度の緊張感から精度は落ちる。
 故に、大地にとって、接触は不意に訪れたように感じられた。
 湿ったような柔らかさが唇に触れる。それが秋晴の唇であると理解した瞬間、熱さが接触した部分を中心に広がった。
 痺れにも似た熱のさざ波が全身に行き渡り、力が抜けていくのを感じる。
 それが、ただ押し付けただけの不器用なキスであっても、大地にとっては甘美な口付けだった。
「ふぅ……ん」
 無意識に自分からも唇を押し付けて感触を貪る。
 口づけが――深まる。
「ん……っ」
 ぞくりとする感覚。濡れた弾力のある物体が侵入してくる。
 歯を撫ぜ、内頬をくすぐり、舌を絡めとる。
 それがなんであるかを認知するより先に、大地は本能的に自ら舌を絡めていた。
 鼓膜に内側から響く水音。
 霧散した意識。その微かに残った部分でまるで溺れているみたいだと、そう考える。
 長い口づけを交わし、やがて秋晴から唇を離した。大地は無意識に追いすがったが追い付く事が叶わず、白糸の橋だけが二人を繋ぐ。
 ぷつりとそれが途切れてから、漸く大地に思考というものが帰って来た。
 躰が熱い。
 一気に体の芯が燃えたように、火照りが広がっていく。
 数時間前に一人で慰めたのとは比べものにならない程に疼きが沸き立った。
 せき立てるような情動に戸惑う。
 恐れはある。しかし、それ以上に繋がりたい――愛しい人と。
「日野……」
 粗方脱がされていた服を自ら剥いでいく。それが邪魔なものだと言わんばかりに。
 否。事実として邪魔だった。肌を触れ合わせるには、その服は障壁でしかない。
 だから大地は排除する。自分たちの接触を妨げる、その全てを。
 自らの服のみならず、秋晴の服すらも。
「ちょ? 大地?」
 先とは逆に、大地の指先が秋晴の身体の上を這い、執事服を取り除く。
 驚きながらも秋晴の身体は正直で、否が応にも興奮は高まる。
 滑るように身体を撫でる大地の手が、背中を駆け上る寒気を与えてくる。
 ぞくぞくとした快感に打ち震えながら身を任せ、大地の成すが儘にさせる。
20Be with you.:2008/05/04(日) 15:27:38 ID:pSZ8rKKA
 ――そうして。
 二人を隔てるものは布一枚、糸一筋としてなくなった。

 † † †

 酩酊感。揺らいだ思考の中。象牙のように白い肌だけが、脳裏に刻まれる。
「サラシ……だったんだな」
 脱ぎ散らした衣服の中。一筋の白い帯を指して秋晴は呟いた。
 慎ましやかな膨らみを更に抑えつけ、その存在を完膚無き迄に殺していた布が執事服の黒の中、白く浮かんでいる。
 恥ずかしげにその布の端をつまんで弄びながら、大地はこくりと頷いた。
「こんなもので抑える必要なんてないのかもしれないけどな」
 自嘲気味にそう零した大地を、秋晴は真摯な瞳で見つめた。
「綺麗だと思うけどな」
 その、たった一言で大地の抱えるコンプレックスなど吹き飛んでいた。
 自分が肯定された。綺麗だと、そう言って貰えた喜びに身を震わせる。
 明確な喜びを与えられ、大地の深奥に更なる火が着く。燃え盛る業火のような情動に身を任せ、秋晴の胸元に飛び込んだ。
「うぉっ!」
 とっさの事にバランスを保てず、秋晴は大地と折り重なり、背中から倒れた。
 肌と肌が触れる。密着した部位が灼け付くような熱さを持つ。それはやがて快感となって、二人の本能を揺さぶった。
 躊躇いなどなく、更なる暖かさを求めて体は絡み合う。
 秋晴の掌が大地の肢体を撫ぜ、白い肌に朱を与えていく。
 余す所など無いように、隅々まで這い回る。無論、胸元まで。
「ふくっ……」
 自分以外の指が初めて触れる違和感のある快感に大地は身を捩る。
 その仕草は秋晴にとって淫靡に誘うかのような艶を纏う舞だった。
「ひぁっ!」
 もっとその舞を見たくて、刺激を強めてみる。
 たどたどしい指先は無遠慮ながら、秘部を更に潤さんと荒々しい思いを代弁するように動く。
 経験の無さからくる加減のない愛撫は容赦なく大地を責め立てる。
 時折走る痛みすら快感に変えて大地の体が跳ねる。
 互いの意識は真白に染められ、貪るような交歓に耽っていく。
 そんな中、ただ一つ秋晴の思考にノイズを走らせる物が一つ。
 衝動。
 大地の内に潜りたい。その身を穿ちたい。そんな、雄の本能。
 気が付けば秋晴は大地の体を組敷いて、猛る情動を大地の中心に向けていた。
 視線が数瞬絡み、意志を伝える。
 許可――否、許可と言うよりは懇願に近い瞳で大地は秋晴を見つめる。
 迷うこと幾許。秋晴は己が肉欲に従い、腰を進ませた。
21Be with you.:2008/05/04(日) 15:28:37 ID:pSZ8rKKA
 粘膜の接触、抵抗感、覚悟を決め、貫く。
 つぷん、と熱の内に取り込まれた。
「あっ……くぁぁあ!」
 苦鳴を漏らす大地に心が痛んだが、止まる事は到底出来そうになかった。
 せめて、と可能な限り挙動を遅延させる。
 それでも動く度に大地の唇からは痛みに耐える痛ましい声が零れた。
「ごめん……大地」
 そんな資格はないと思いながら呟いた謝罪に、大地は応えた。
「謝るな……っ、僕は平気だ」
 そう言って、秋晴の背中に腕を、腰に脚を回して引き寄せる。止めるなよ、と念を押すように。
 秋晴は謝る事を止め、ただ行為に没頭する。大地を労りながらも一定のスピードで動き、快感に浸る。
 肉が絡む感覚。互いにとって初めてのそれは、秋晴には悦びを、大地には痛みを与える。
 歯を食いしばり耐える大地に約束通り謝罪はせず、ただ早く終わらせてしまおうとだけ考えて動く。
「ひぐ……っ、ぅくっ」
 堪え忍ぶ声が聴いていられなくて、それから無理矢理に意識を遮断する。そうして快感に集中し、終わりを近付ける。
 己を突き上げる衝動。灼けるような官能。白痴に染まるような意識。
 肌と肌が絡み、肉と肉が絡み、魂までもが絡みつく。
 ――愛しいと、心から想える。
「大……地っ」
 一際強く、下半身の奥が脈動する。
「ひ……の…………日野っ、日野ぉっ……!」
 ただお互いだけを見つめて、お互いだけを想い合う。
 体を重ねて、想いを重ねて、触れ合いに浸る。
「う……あっ!」
 ――大地の中で、秋晴は果てた。
 白い爆発が、秋晴の何もかもを吹き飛ばして蕩けさせる。
「あっ……あ、あぁ…………あ」
 白い喉を反らして大地は秋晴を受け止める。
 互いに指一本動かせぬまま、ただ荒い息だけを聴いて余韻を過ごす。
「大……丈夫か?」
 自らを抜き出しながら、秋晴が問う。
「ん……」
 その感覚に身をびくりと、一度震わせて大地は頷く。
 全てが終わって、二人はどっと疲れを感じた。
「限界だ……」
 大地の横に体を横たえて、秋晴は呟いた。
「ボクもだ……」
 大地が答えて、二人は見つめ合う。
 不意に手が触れて、そのままなんとなく握りあう。
「今日はもう寝るか」
「ん……」
 既に疲れから来る眠気で、すっかり朧気な思考が二人を包む。
「……おやすみ」
「……おやすみ」
 二人、声を揃えてそう言って、意識を放り投げる。
22Be with you.:2008/05/04(日) 15:34:04 ID:pSZ8rKKA
 互いの温もりを感じながら、二人の意識は睡魔の闇に落ちていった。

 † † †

 ――数日後、理事長室。

「んふふ〜♪」
「どうしたんですか? 理事長」
 やたらと上機嫌な楓を、またかこの天然はと言わんばかりに冷たい目で密柑が見つめる。
「いや〜、日野くんと大地くんがですね〜、実に私好みの雰囲気を醸し出している気がするんですよ」
「……はぁ」
 なんとまた、変な所で鋭いと言うか。
「二人には幸せになってもらいたいですね〜」
 脳天気極まりない楓の言葉に、多少の苛つきを感じながら、密柑は答えた。
「そうですね」
 そればっかりは本当の、確かな願いだった。

 † † †
 
「“秋晴”っ! 早く行くぞ!」
「おう!」
 いつも通りの朝。表向きは少しだけ、裏側は大きく変わった二人。
 扉から出ようとして、しかしそうはせず大地は振り向いた。
「あ、その前に……」
「ん? ……あぁ」
 意図を察して秋晴は大地の頬に手を添える。
「ん……ちゅ」
「……ん」
「……っは……。よし、行こう」
「おぅ」
 困難多けれど、想いは一つ。
「……秋晴」
「ん……なんだ?」
「好きだ」
「知ってる」
 ――二人の日々が、今日も始まる。

23伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/05/04(日) 15:38:48 ID:pSZ8rKKA
 毎度、伊南屋に御座います。

 ようやくお届けする事が出来ました。
 秋晴×大地「Be with you.」になります。
 完成間近でスレが落ちたときは頭真っ白になったっけ……。
 兎に角完結までお届けできて幸いでした。

 折角なんでスレの繁栄のためにリクエストとってみたり。
 皆様がみたい白麗稜の景色を可能な限りお届けしたいと思います。

 それではまた。
 毎度、伊南屋でした。
24名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 17:22:45 ID:id5zk6Qq
>>23
我々の保守が足りないばかりに申し訳ありませんでした。

大地かわいいよ大地
25名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 20:01:17 ID:wgCqncz/
GJ!!
待ってましたよ伊南屋さん!!

ぜひ次は蜜柑先生でお願いします。
26名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 21:03:41 ID:ujG4TLVL
伊南屋さんキトルーーー!!
GJ!!

理事長がよくわからんけど気付いてるとは・・・
そういえば氏はカレカノ読んだことあるんですかね。
俺は中華か蜜柑の眼鏡さんズのどっちかで。
27名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 21:58:24 ID:id5zk6Qq
ピナで
28名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:19:48 ID:Jl8VC/Uy
投下ありがとうございます。楽しませていただきました。


個人的にはありきたりだけど、ドリルか腹黒かな。
29名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 03:45:25 ID:CwbhD1so
GJ!
大地かわいいよ大地。
ドリルか合法ロリかしら。動かしやすいのは100%ドリルだろうけどw
30名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 19:37:58 ID:w7svGvLz
GJ!!
大地がかわいすぐる

次回は是非とも先輩で
31名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:23:31 ID:6V93EfLQ
GJです

落ちてしまったスレから待ってました
32名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 13:27:26 ID:iarauoou
保守
33名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:16:59 ID:pI1dmanb
理事長は大地女って知ってるんだっけ?
まあ、知っててもソンナコト知ったこっちゃ無いんでしょうが…
34名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 02:30:38 ID:SFeTsNSu
>>33
理事長は知らない、蜜柑は知ってるだった筈。
つか、あの理事長が隠し事なんざできるわけねー!w
35名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 19:43:29 ID:gvklf3Xm
保守
36名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:20:05 ID:OBezjAyu
保守
37名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 17:48:05 ID:iUWsRPOI
ぬぅ…もう過疎ってきたか?
38名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 00:30:27 ID:ySysMq0S
遅くなったけど乙
39名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 13:31:57 ID:3ijWb4UL
保守
40名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 16:29:39 ID:MGPwVDNB
ほしゅ
41名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 21:39:59 ID:l6GG0/4j
42名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 01:28:48 ID:4UBufICI
しゅ
43名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 20:07:17 ID:fl0s77CU
44名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 17:31:47 ID:BWy551r+
保守
45名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 11:23:05 ID:7uX8aAgQ
hosyu
46名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 16:35:38 ID:meWp24bk
このままだとまた落ちそうだな…
47名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:05:16 ID:+5Nn+lHX
落とさせはしないんだぜ?
48名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:12:24 ID:d9c/mikj
俺もだ
49名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:32:44 ID:JaLuCBlb
保守
50名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 04:16:41 ID:0IHCDDCK
上げてみる
51名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 01:15:35 ID:KdTfHiIx
楓・ピナ×秋晴でやってるけど全然まとまんねえorz
52名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:19:59 ID:grNZrERa
>>52
そこは
「ウホッな同人誌作りたいけどタマの形状が分からない」→「身近な異性で調べよう(性的な意味で)」コンボだw
53名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:21:39 ID:grNZrERa
安価間違えた……orz
正しくは>>51
54名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 04:13:44 ID:WbKPSkNb
>>51
ピナ好きなんでwktkして待ってるぜ
55伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/05/24(土) 19:11:15 ID:3OMaraiv
 リクエスト取っといて続きものを投下する自分をお許し下さいorz
 というわけで保管庫にあるHere's to youから連なっています。所見の方はそちらからどうぞ。
 なお、寸止め注意。
56名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:12:44 ID:3OMaraiv
 秋晴とセルニアの二人が付き合いだしてから、二人は実に多くの努力をした。
 身分違いの恋――という以上にセルニアが恥ずかしがった為に、二人が付き合っている事は公言しなかったし、人目のある場ではいつも通りを装った。
 だから逢瀬はもっぱら、セルニアの部屋に秋晴が訪れるという夜這いじみたものになった。
 それが余計二人の睦事を加熱させたのは置いておくとして、兎に角二人の最大限の努力の甲斐あって、二人の関係に気付いた者はほとんどいなかった。
 ――そう、ほとんど。
 どれだけ隠そうとも隠せないものがある。そしてそれを嗅ぎ付ける人間もまた必ず居るのだ。
 そしてこの場合それは。
 ――彩京朋美だった。

 † † †

 彩京朋美は不機嫌だった。
 常ならば類い希なる精神力をもって仮面の下に押し込められている感情を、その貌に浮かばせる程に。
 怒りにも似た不愉快さに細められた瞳は、秋晴とセルニアを捉えている。
 周りから見れば、それはいつもの言い争いに見えるだろう。
 しかし朋美にとっては違う。
 そこにある、互いを理解しているからこそ安心して言い争いが出来るというような雰囲気を鋭敏に感じ取っている。
 つまり、以前のような険悪さは無い。
 そこにるのは他愛のない、悪友に向けるような気軽さて、共犯者同士のような一体感だった。
(仲良く、なってるじゃない)
 本来ならば、もっとぎくしゃくして気まずそうな二人を見るはずだったのにこれでは正反対だ。
(上手く、行き過ぎた?)
 秋晴に授けた言葉が、予想以上にセルニアの心を動かしたとしたら?
 秋晴の心が、予想よりセルニアに惹かれていたとしたら?
 それは、とても不快な想像だった。
(確かめなくちゃ)
 この不快さを晴らすのだ。本当の事を確かめて安心する為に。
(まずはルームメイトの彼女からかな)
 気付かぬのか、気付かぬフリをしているのか。
 朋美は考えない。
 確かめるという、その意味を。自分が一体何に安心したいのか――確かめて、最悪の答えが出たとき、自分はどうすべきなのか。

 † † †

 ――夜。
 部屋に備えつけられたシャワーを浴びながら、秋晴は考えていた。
(今日は一人、か)
 用事があるとかで外泊するらしい大地は既に部屋には居らず、部屋には秋晴一人が残されている。
 明日、明後日と土日なので夜更かしは自由だ。そうなると思考に浮かぶのはセルニアの事だった。
57Riot Girl:2008/05/24(土) 19:15:29 ID:3OMaraiv
 たまにはこっちの部屋に呼ぶのも良いかもしれない。セルニアは狭い部屋を嫌がるかも知れなが、たまには場所や趣を変えるっていうのは男として、その……アレだ。
 よし。こんな機会も滅多にないし、試しに呼んでみよう。
 そう決めてシャワーを切り上げるとバスタオルで体を拭きながら脱衣場に置いていた携帯を操作してメールを送る。
 打ち込んだ文章がちゃんと送信されたのを確認し、部屋の整理でもしておくかとシャワールームの扉を開け。
 ――秋晴は愕然とした。
 誰もいない筈の部屋、自分のベッドの上に――彩京朋美が笑みを浮かべて座っていた。

 † † †

 セルニアの携帯電話が光の明滅と共に、彼女のお気に入りの曲を奏でる。
 秋晴専用の着信音(この曲はメール用だった)に反応し、セルニアは慌て気味に携帯のフリップを開いた。
 メールを開くと、今日は部屋に一人だから来ないかという内容が、未だにメールというものに慣れない部分を思わせる文面で書かれていた。
 その拙さと普段の態度のギャップを思い浮かべ、それが可笑しくて、つい微笑んでしまう。
 セルニアは流石に慣れた手つきでメールを送り返すと、秋晴の部屋に向かう支度を始めた。

 † † †

「朋美!?」
 思いもかけない幼馴染みの登場に、すっかり狼狽えて秋晴は叫んだ。
「な、なんでお前がここに居やがる!」
「カギ開いてたから勝手に入っちゃった」
「そうじゃなくて何で……!」
 問いに、朋美は一瞬躊躇うよにしてから答えた。
「この間のテスト、来なかったでしょ?」
「え……?」
「知ってるんだから。テスト受ける事すら出来なかったって」
「それは……セルニアに断られたからで」
「本当に?」
 容赦のない切り返しに、秋晴は言葉を呑んだ。
「――本当に?」
 朋美の再びの問いに、咄嗟に答える事が出来ず、秋晴は黙り込む。
 感情の読めない表情。いつもは二人きりの時にこそ外している仮面を、朋美は被っていた。
 答えるべきなのか。セルニアと付き合うようになったきっかけは間違いなく朋美だった。
 ならば、本当の事を言うのが誠意なのではないか。
 しかし、セルニアとの約束もある。
 今、取るべきはどちらなのか。
 そう考える秋晴に畳み掛けるように、朋美は更に言葉を重ねた。
「ねえ秋晴。ここであった事は誰にも言わない。秋晴に対する脅しにも使わない。約束する。だから、教えて」
58Riot Girl:2008/05/24(土) 19:17:43 ID:3OMaraiv
 そんな風に言われたら、口を閉ざしてはいられなかった。
「――あの日から、セルニアと付き合ってる。テストに出られなかったのは、その……」
「あ〜……、大体分かるから言わなくて良い」
 言葉を遮られて、秋晴は口をつぐんだ。それから一度溜め息を吐いて、「スマン」とだけ言った。
「そっか……分かった。ところで秋晴?」
 ようやくいつもの調子に戻った朋美の声を聞き、それでもまだ何かあるのかと、俯いていた顔を上げる。
「服着なくて良いの?」
 言われて初めて気付いた。秋晴は風呂上がりの常の癖としてパンツ一枚に首にタオルをかけただけという姿だった。
「うぉあっ!」
 間抜けな声を上げ、慌てて服を探すが最悪な事に寝巻きのジャージもTシャツも、今朋美が腰掛けているベッドの上に投げ出されている状態だった。
「えと……そこの服、投げて寄越してくれるか?」
 恥を忍んで頼むと、朋美は言われた通りにジャージとTシャツを秋晴の方に放った。
「わ、悪いな」
 朋美の方を見ながら服を着るのが照れ臭くて背を向ける。
 とりあえずジャージを履こうとして手に取った瞬間、背中に軽い衝撃が伝わった。
 何だ? そう思うよりも早く、背に伝わる温かさで、それが朋美だと気付いた。
「お前なにしやがる!?」
「……悔しいじゃない」
「は……?」
「セルニアさんは私に無いものを持ってて、いつも敵わないなって思ってて、その上で気になる男の子まで持っていかれるなんて……悔しいじゃない」
 言いながら胴に朋美の細い腕が回される。
 きゅっ、と微かな力が込められて、それは大した力じゃないはずなのに、いやにはっきりと朋美の体温と柔らかさを――。
 具体的に言うなら、温かくてぷにぷにした二つの柔らかい塊を背中に感じた。
「な……ちょ、朋美!?」
「……だからね?」
 朋美の指先が秋晴の素肌を滑り、胸板を撫でる。

「――私が秋晴を、奪ってあげる」

 熱を帯びた吐息が秋晴の首筋を撫でる。
 甘く響く声に動けないまま、秋晴はただ、自分の唾が喉を鳴らすのを感じていた。
 ――秋晴の携帯が、床で虚しく震えている事に、二人は気付かない。
59伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/05/24(土) 19:20:25 ID:3OMaraiv
 というわけで毎度、伊南屋に御座います。

 Here's to youからの続きものRiot Girlでした。
 しばらく続きます。
 リクエストして下さった皆さんには申し訳ありません。
 そちらも鋭意生産中ですので平に御容赦を。

 それではいずれまた。
 以上、伊南屋でした。
60名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:10:43 ID:4eSpSF7H
GJ!!
地味に朋美のエロは初めてっぽいような。
次の展開にwktkでございます。

伊南屋さん以降保守レスばっかなんで書こうとは思うのだが、
ここってエロなしでもいいのだろうか?
61名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:46:10 ID:Nqb9ujJz
GJ
セルニア好きが結構多いというか、本編で一番目立っているけど、幼馴染みスキーの
俺は明美以外眼中にないッ!
>>60
いつでも待ってます。
62名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:27:08 ID:CYxZW0yy
>>59
超GJ.!!!!
流石伊南屋さん、見たいじゃない楽しみじゃない気になるじゃない!!!
バリバリ期待してます


>>61
おまえ…。
一生もんのトラウマ植えつけられても知らないぞ…
63名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 07:30:57 ID:KOx0yekI
>>59
GJ!
次回は朋美のターンなのか掘削機が来て修羅場になるかwktk

>>60
エロ無しだっていいじゃない
投下お待ちしております
64名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 13:18:21 ID:Q0i4kTok
久々に覗きに来たら……新作キターーーーーー!!
しかし…何という「この、泥棒猫……!!」フラグ。
この先、「愛おぼ」ラスト近くの愁嘆場を上回るシーンが有るかと思うと、wktk
が止まらんぜ……!! 期待してまっせ!!
65名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 18:00:23 ID:/0d+FgDF
やすもり
66名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 09:18:33 ID:KWY2xr3Z
ほしゅ
67名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 07:04:51 ID:JPie6AOm
保守
68名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 17:12:19 ID:h45+hhRh
保守
69名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 00:44:59 ID:jKheeudx
保守
70名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 02:18:54 ID:whoUPe/p
誰もいない……。ならば今のうちに……

六時間以内にレスが無かったら早苗が俺にやさしくパイズリ
71名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 03:33:09 ID:EBiYb2Vx
だが断る
72名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 11:37:16 ID:sZ9Ll65S
ふと思ったんだが。
ドジっ子メイド関連が全く皆無なのはなぜさ?
73名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 23:36:02 ID:xmm298kc
彼女のドジは迷惑過ぎるから、あんまり人気が無いのかも知れんな。
74名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 04:00:12 ID:AcyjONOG
四季鏡メインで書いたらギャグにしかならんだろうしな
75名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 04:11:27 ID:cnDQlkb/
姉妹丼にすればいいんじゃない。
76名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 13:49:09 ID:X25utgRs
保守
77名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 13:23:59 ID:Fi2y7KSG
保守
78名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:53:17 ID:ziCNZHXG
保守
79名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 03:43:33 ID:EZcSFjFz
早速過疎

だいじょぶか?
80名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 23:39:57 ID:dw3VZ733
死ぬ前にセルニア物が読みたかった
81名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:38:28 ID:jY8Qjdda
今一度先輩モノが読みたかった

自分で書けばいいんだろうけど・・・
誰か僕に文才を下さい('A`)
82名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 18:11:00 ID:T/mdEeZo
保守
83名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 00:10:04 ID:Dxtd8+O4
五巻まで読んで鳳先輩の虜になった俺の悩み…


なんで先生は鳳先輩をもっと出してくれないだろう…?
口調とか分からないから書きたくてもかけないジャマイカ…orz
84名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 19:12:25 ID:xFd3/CU+
( ゚д゚)<実は此処まで俺の自作自演
85名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 23:26:43 ID:uOmlIAbx
○ンコ
↑ここに何を入れるかでその人の性格がわかります。
86名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:13:32 ID:I/53rnKT
保守
87名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:15:50 ID:77IwU1MS
>>1
88名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 20:07:08 ID:grv10sah
保守
89名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 14:47:05 ID:DLekogQG
87はインコということなのだろうか
90伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/06/16(月) 19:58:07 ID:qirvWkTI
遅くなりましたがRIOT GIRL続き。
91Riot Girl:2008/06/16(月) 20:00:00 ID:qirvWkTI
 ――熱が、滑る指先の残滓に灯る。
 胴に回される腕のきつさと柔らかさが何よりも固く秋晴を呪縛する。
 縋りつくように秋晴の背に体を密着させ、朋美は熱っぽい溜め息を吐いた。
「抵抗しないでね?」
「ふざけ……」
「例えば私が悲鳴を上げながら部屋から出たらどうなると思う?」
「……っ!?」
「そんな風にさせないでね? それに、秋晴に拒絶されるのは辛いから……」
 小さく「嫌われたくないの」と呟いて、額を背中に押し付ける。
 言葉は十重二十重と絡めとる蜘蛛の糸のように秋晴を縛り付ける。
 脅しと甘えに、理性と本能が朋美を受け入れろと言い出す。今だけ好きにさせれば良い。そういう考えが浮かんでくる。
 魔性の声が思考を停止を引き起こし、秋晴から抵抗の意志を奪い去ろうとする。
 それでも尚、本能でも理性でもなく、感情を動員して秋晴は抗った。
「止めろ……」
 辛うじて押し出した言葉はそれだけで、それだけの言葉で朋美は止まった。
 びくりと体を振るわせて、回していた腕から力が抜ける。
「頼む……止めてくれ」
「私の事……嫌い?」
「好きとか嫌いとか、そういう事じゃないだろ」
「そういう事よ」
 再び朋美の腕に力が戻る。むしろ先より強く抱き締められ、まるで呪いのような束縛が更に絡みつく。
「止めてなんか……やらない」
「……っ」
 するすると指先が降りてきて、下着の上から秋晴の股間を弄る。自分の手とは明らかに違う感覚に否が応でもそこに血が集まるのが分かった。
「おっきくなってきた」
 耳朶を吐息で撫でるように囁かれ、背筋を刷毛で擽ったような寒気が走った。
 尚も下着越しにこね回され、その指先の動きが形作ったかのように、輪郭がはっきりとしてくる。
 それに伴って、鋭敏になった感覚がたどたどしい愛撫への悦びを伝え始める。
「く……っ」
「今、ぴくってした……」
 鼓膜に直接響くような囁きに指摘されて、羞恥心を煽られる。俄かに体温が上昇したように感じる。
 快感からか、或いは羞恥心からか、その両方か。ごちゃ混ぜになった雑多な感情は熱に溶かされていく。
 すっかり立ち上がり下着を突き上げている秋晴を、朋美の細い指が形をなぞるように這い回る。
「うわ、カチカチ……気持ち良いんだ?」
「……知るかっ…………!」
 素直に認める訳にも行かず、歯を食いしばって言葉を返す。朋美は意地悪げな笑みだけ返して、先端を指先で突くように触れた。
92名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 20:01:58 ID:qirvWkTI
「ここをくにくにすると……ぁはっ、濡れてきた」
 先端を割り開かれ、否応なしに先走りが溢れ始め、下着に染みを作る。
 朋美は微かに布地から染み出す粘っぽい感触を楽しむように、先端と指先に糸を引いて遊んだ。触れては離し、何度も橋を繋ぐ。
「スゴいネバネバ……精液ってもっとスゴいんだよね?」
 背に触れる朋美の胸が、鼓動と熱を伝え興奮の度合いを知らせる。
 囁く声が甘く響く。普段、そうした対象として見ていなかっただけに、それを嫌に生々しく思ってしまう。
「熱い……」
 指先がするりと下着の中へと這入ってきて、幹に触れる。
 振り払う事も、制止する事も出来ず、ただなすがままに流されてしまう。
 ――俺は何をしてるんだ?
 そんな思考が浮かんで、不意に情けなさが溢れてくる。それすらもどうしようもない欲求に負けて、秋晴は自ら思考を止めていった。
 そっと先端を撫でるように朋美の指の腹が触れる。それに堪らず反応した下半身にわだかまる熱を持て余して、秋晴は呻きを漏らした。
 また先走りが、とろりと溢れ出る。それを朋美は引き伸ばし、馴染ませるように擦り付ける。
 亀頭をぞわぞわとした感覚が包んで、それにまた幹がびくびくと跳ねる。
 その様子を、秋晴からは見えない背後で艶然とした笑顔を浮かべながら朋美は見ていた。
 一つ一つ、秋晴の感じる部位を探り当てては凄まじいまでの学習、応用能力で秋晴を追い詰めていく。
 いっそ暴力的とも言えるような快感に腰が抜けそうになりながら歯を食いしばって耐える。
「ん……」
 なにを思ったか。朋美が幹に軽く爪を立てた。
「ぁがっ!」
 痛みと、それを数倍上回る快感に、堪らず腰を落としてしまう。感じた快感は、幹が跳ねる事で朋美に伝わっていた。
「痛くされて感じるなんて……秋晴ってばやっぱりMの人?」
「ふざけ――」
 反論しようとして、しかしそれは朋美が握り締めた掌に力を込めた事で遮られる。
「ほら、やっぱり……」
 ぎりぎりと、音がしそうな程強く握られ、また幾ばくかの痛みとそれ以上の快感が秋晴を襲う。
 意識に関係なく下半身が脈動してだらしなく先走りを垂らす。
 気を抜けば達してしまいそうな程に感じている己を自覚して否定の言葉を喉の奥に飲み込まざるを得なかった。
「痛い? それとも気持ち良い?」
 問い掛ける言葉とは裏腹な、朋美の確信を得た表情に、秋晴は背筋に被虐的な倒錯を確かに感じた。
93Riot Girl:2008/06/16(月) 20:03:23 ID:qirvWkTI
 指先が再び秋晴を優しく労るような動きに変わる。秋晴の感じる部分を的確に、最適な強さで這い回り、確実に射精へと促す。
 絶頂へと追いやられる屈辱ですら今は倒錯を加速させる一因にしかならない。
 早く達してしまいたいという願望と、達してはならないという自制心とがせめぎ合う。
「我慢しなくていいんだよ?」
 甘い囁きが耳元で響く。それを悪魔の甘言だと思いながら抗い難い魅惑にのまれそうになり、秋晴は歯を食いしばって耐えた。
 だが、抵抗をしないことは、それを選んだ時点で既に屈していたという事に他ならない。
 先走りのぬめりに助けられ幹を滑る朋美の掌は、秋晴の意識など介さず、強制的に絶頂に追い立てる。
 強弱緩急自在な動きからもたらされる快感に、秋晴の意識が白痴に染まる。
「あ……っ、くぁっ」
 気が付けば自然と体が跳ねていた。浮いた腰から痺れのような快楽の波が全身に波及して秋晴を追い詰める。
「うぁっ!」
 それが最も大きな波になった瞬間、秋晴は無様に精を迸らせていた。
 大きく体が跳ね、その度に吐き出された精液が朋美の掌を汚す。
「やだ……スゴい出てる。手のひらベタベタになっちゃってる……」
 呟きながらも朋美は手を動かし続け、一滴も残さず搾り取ろうとするかのように扱き立てる。
 無慈悲とすら言えるその仕草に、絶頂にある快感が終わる事なく続く。最早拷問のような手淫に、秋晴は身を悶えさせる事しか出来なかった。
「ぅあっ、あぁ……っ」
 やがて吐き出すものがなくなり、ようやく朋美は手を止めた。
 自らの掌にべったりと張りついた精液をまじまじと見つめ、あまつさえ匂いを確かめたりしている。
「沢山出た……のかな?」
 そんな事を聞いてきて、秋晴は返答に困る。
 確かにこんなに出したのはセルニアと初めてした時以来だが、まさかそんな事を言える筈もない。
 黙り込む秋晴を見ながら、朋美は小悪魔のような微笑を浮かべる。
「満足は出来た?」
 その問いが、自分の顔を見ながらではないことを訝しんで、秋晴は朋美の視線を追った。
「……あっ」
 零した声は、自分の情けなさへの嘆息だった。
94Riot Girl:2008/06/16(月) 20:04:20 ID:qirvWkTI
 あれだけ派手に欲情をまき散らしておきながら、未だにいきり立つ己がそこにあって、自己嫌悪を浮かばせる。
「ねえ、秋晴」
 朋美が身を擦り寄せて、誘う。
「しよっか?」
 返す言葉はなく、ただ、麻痺した思考にセルニアの顔が浮かんだ。
 答えない秋晴に、それ以上は何も言わず朋美が更に身を寄せて――。

 チャイムの音がそれを止めた。

 そして、ドアの向こうから響く声。
 今は、秋晴の絶望にも似た失意を呼び覚ます、凛として美しい声音。
「――秋晴」
 セルニア・伊織・フレイムハートが、ドア越しに呼び掛けていた。

続く
95伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/06/16(月) 20:06:57 ID:qirvWkTI
 というわけで毎度、伊南屋に御座います。

 ここんとこ忙しくて書く時間が取れず遅くなりました。
 挙げ句の果てに更に事態複雑にしたまま次回に続きます。
 まだしばらく忙しく次回がいつになるかはわかりませんがお待ち頂けたら幸いです。

 それではまた。
 以上、伊南屋でした。
96名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 21:20:37 ID:Gof+U4Pw
GJ
過疎ぽいしもうだめかとおもた
おれも書けるといいんだけど文才が
97名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 21:13:10 ID:cjyVXYYv
GJ!
次は完全な修羅場だな
秋晴心臓止まりそうwww

続き来るまで待ってますので、気にせずゆっくり執筆して頂けると嬉しいです
98名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 10:28:37 ID:Usj85lEg
保守〜
99名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:17:49 ID:GY51KPqR
腹黒いいねー。最高に黒いぜ!
100名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:36:34 ID:z154wBgd
hosyu
101名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:47:01 ID:ypZQA3pR
GJ!!
続きが楽しみだ・・
102名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 00:01:25 ID:FfsQDzRD
ほす
103名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 03:39:58 ID:p354RAGj
保守
104名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 19:31:11 ID:vIkzPfPv
保守
105名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 07:40:19 ID:GSZjeJcM
保守
106名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:53:37 ID:xT8zVXEF

107名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 17:29:40 ID:eWvv/UMf
保守
108名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 00:55:46 ID:bGZ2eUBh
補習
109名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 14:24:17 ID:mqkwIzKB
ほす
110名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:04:07 ID:cUwWOiYa
保守
111名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:51:33 ID:t62XsyKg
書く人いないんかな。
112名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 08:32:27 ID:EM929aV8
書こうと思ったけど俺の中の秋晴のイメージがヘタレ過ぎてて書きにくい
113名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:04:26 ID:0JAWES65
俺もヘタレイメージが強いな。
114名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:00:48 ID:7N8VF7nZ
ほしゅ
115名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 19:49:06 ID:cqBCcN5w
補習
116名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 02:14:50 ID:BrVRpwKA
保守
117名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 01:53:49 ID:P5rYQ+Ld
保守
118名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 01:58:06 ID:pyKp9Vjz
保守
119名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:59:42 ID:W2JRsGKx
ほす
120名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:40:06 ID:olaTTSy+
保守
121名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 09:24:52 ID:+z3ioqKN
蜜柑のエロって需要あるんだろうか
122名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 09:45:13 ID:XY6vRIZj
あります。
123名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 04:01:43 ID:o6HalLua
ありすぎる
124名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 23:42:20 ID:LQTJ5TYo
ありますよー
125名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:39:45 ID:3p6yDrru
投下はしないのか?
126名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 00:27:16 ID:gdP5ov/a
投下が無いと言う事は、作成中ということだ
127名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 01:46:36 ID:rGZlx+Xr
なるほど。全裸で待機しろということか
128名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 08:15:19 ID:xf0NZl52
恥じらいを持て。ネクタイは締めておくべきだ。
129名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 22:15:43 ID:gdP5ov/a
優雅に紅茶でも飲んでいては、いかがだろうか。
130名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 02:03:05 ID:Pwqpn9KJ
保守
131名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 17:29:21 ID:u97nw1rQ
そろそろ紅茶が空になってしまいそうなんだが…
132名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 02:12:00 ID:3c7BfclY
保守
133名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 02:00:04 ID:suWzf+Qb
保守
134名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:38:20 ID:HWKBta1K
135名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 01:31:40 ID:+Zst+rgA
保守
136名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 14:08:07 ID:rl3lXxUZ
また過疎ってきたなぁ
137名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 00:55:54 ID:EW9pPpN+
保守
138名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:42:12 ID:zSFK3/YJ
保守
139名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:53:44 ID:m4fSxEwv
よく見たら伊南屋サンしか投下してないな
140名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 01:23:55 ID:MAB3hDDA
保守
141名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 20:03:01 ID:+EWo1pa7
保守
142名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 00:58:23 ID:mY3xLLdX
保守
143名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 23:40:45 ID:1bNOA4WT
続きはまだぁああああああああああああああああああ
144名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 01:41:59 ID:O622KaZK
保守
145名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 09:21:35 ID:/qjkUF12
保守
146名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 16:24:00 ID:GYn5NYpE
保守
147伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/08/22(金) 01:28:06 ID:Ygz4CVuj
 恐ろしく時間がかかった上に寸止めですがRIOT GIRLの続きを投下します。
148RIOT GIRL:2008/08/22(金) 01:29:24 ID:Ygz4CVuj
 ――全く、落ち着かない。
 彩京朋美の部屋で、大地薫はベッドに腰掛けてそんな事を考えていた。
 彩京朋美の頼みで秋晴を部屋に一人にしてきたが、正直納得をしたわけではない。
 それでもこうしているのは朋美の言葉に誑かされたと言うしかないだろう。
『秋晴くんの秘密を知りたくはないですか?』
 その言葉は確かに薫の心を揺さぶった。
 そうして躊躇いを見せたのが不味かった。朋美の重ねる言葉に揺さぶられ、渋々とは言え了承してしまった。
「しかし、日野の秘密……か。一体何なんだ?」
 あれだけ説得を続けた朋美も、遂にそれを語ることはしなかった。頑なにひた隠しにし、全て済んだら教えると言うだけだった。
 正直な話をすれば交渉において、彼女に勝てる気がしない。それは今回の事で確信に変わった。
 改めて思うに納得は出来ない。しかし既に約束はしてしまったのだ。だからこそ、こうして朋美の部屋に居るのだから。
「……秘密、か」
 なんとなく、自分が抱えた秘密の事を考える。
 自分に限らず、誰にだって秘密はあるだろう。それを一方的に暴き立てるのは悪い事だ。
「でも……気になる」
 ちっぽけな自分の欲望だけでそうするのに罪悪感が無いわけでないが、それを止める事は出来なかった。
「まだまだ修行不足だ」
 呟きを窓の外に捨てるようにして零した時、眼下に人影がよぎった。
「あれは……フレイムハートさんか?」
 それは、特徴的な二本の巻き髪をなびかせ、セルニア=伊織=フレイムハートが小走りに駆けていくところだった。

 † † †

 多少の不安が無かったと言えば、それは嘘になる。
 いつもの秋晴ならどんな些細な内容でも、文字を打つのに手間取ってメールの返信が遅れはしても、必ず返してくれた。
 それが今日に限ってメールを始めてすぐに返信が無くなった。
 だから身だしなみもそこそこに、急いで秋晴の部屋へと向かった。普段歩かない、従育科の寮がある方向は暗闇も相まって迷いかけたりもした。
 それがマズかったのかも知れない。
 もっと早く、秋晴の部屋にたどり着いていれば、もしかしたらこんなものは見なくて済んだのかも知れない。
 ――でも、見なかったからと言ってなんだと言うのだろう?
 きっと何も変わりはしない。
 事実は事実として起こってしまったのだ。もしもを考えるのは無駄な事だ。
149RIOT GIRL:2008/08/22(金) 01:30:52 ID:Ygz4CVuj
 それでも思ってしまう。
 ――もしも、これが夢だったら。
 どれだけ救われるだろうか?
 そう、もしもこれが夢なら。

 夢なら、早く覚めて。

 † † †

「な……」
 呆けていたのは一体何秒だろうか。
 セルニア=伊織=フレイムハートが現実から逃れる事を止めた。
「なにをしてますの貴方達はっ!」
 怒りと絶望と涙を目に浮かべ、セルニアが叫ぶ。
 答えたのは朋美だった。
「別に、何もしていませんよ?」
 白々しく言う朋美にセルニアは激怒の炎を燃やす。
 ――そんな事、誰が信じるものか。
 下半身を晒している秋晴。その上に身を重ねる朋美。微かに香る性臭。
 何かがあったのは確かで、それでもその何かを信じたくなくて、セルニアは聞いた。
「何がありましたの。秋晴?」
「だから何でも――」
「貴方には聞いていませんわっ!」
 割って入る朋美を叱責で制して、セルニアは秋晴の言葉を待った。
 秋晴が答えないまま数分が経っても、セルニアはそれ以上問うことはせず、沈黙を守った。
「……正直俺もよく分かってない。風呂から上がったら朋美が居て、それからお前に負けたくないとか言い出したんだ。
 そんで抱きつかれて、後は……なんつうか……」
 言葉を濁す秋晴に、セルニアは手で遮って言った。
「大体は分かりましたわ。……彩京さんも異論はなくて?」
 朋美は観念するように溜め息を吐き、肩を竦めた。
「そうですね。秋晴くんは正直に話したと思います」
「では聞きます。私に負けたくないとは?」
「――嫉妬、ですよ」
 朋美は不意に真摯な視線を真っ直ぐセルニアに向けた。
「そうですね、折角ですから宣戦布告しておきます」
 挑むような、苛烈ささえ滲ませた強い瞳。それは、秋晴の良く知る朋美の貌。
「秋晴君は、渡しません。付き合っていても構いません。奪い取ります」
「あなたはっ……! 何を言っているか分かっているのですか!?」
「分かってますよ?
 ――負けたくないんです。誰にも。特にセルニアさん、あなたには」
「それは秋晴が好きではないと……なのに対抗心からするのだと、そういう事ですか?」
「好きですよ。きっと、貴方が考える以上に、私が自覚する以上に。だから負けたくないんです」
 睨み合いを続けながら言葉を交わす二人の少女に割り入る事も出来ず、勝手に進展する事態に追い付けない秋晴はただ、それを見ている事しか出来なかった。
150RIOT GIRL:2008/08/22(金) 01:32:05 ID:Ygz4CVuj
「まぁでも……今日の所は帰ります。話し合いする雰囲気でも、まして喧嘩をする気分でもありませんし」
「……帰って下さいっ! あなたのことなんてもう……っ」
 見たくない。そういうより早く、朋美は踵を返すと部屋を退出していく。ドアを開けた所で朋美は振り返った。
「ではお休みなさい、セルニアさん。――秋晴」
 今まで人前では絶対にしてこなかった呼び捨てで秋晴の名を呼んで、朋美はドアを閉めた。
 二人きり、残された秋晴とセルニアは、ただそれを見ていた。

 † † †


 ドアが締まる音の余韻が薄らぎ、二人だけになった部屋に沈黙が落ちる。
 二人ともただ混乱していた。
 互いに共通するのは彩京朋美という人間だ。彼女はもっと冷静に理性をもって事にあたる人間だったはずだ。
 それがこんな強攻策に出るなんて、誰が予想出来ようか。
 そうさせるに足る理由が、自分達にあるというのか。
 その思考を先に切り替えたのは秋晴だった。
 意識を目の前の少女に向けて話始める。
「……セルニア」
「…………」
「本当、悪い。なに言っても言い訳にしかならないとは思う。けど――」
「証明を……」
 遮って、セルニアが涙混じりで言葉を紡いだ。
「私を好きだという、証明をして……」
 浮かぶのは疑心暗鬼。寂しさと不安がセルニアにのしかかる。
 その重みに耐えるように肩は小刻みに震え、囁く声は揺らいでいた。
「……セルニア」
 秋晴は己の愚かさを呪う。
 何故、どうしてセルニアをこんな風にさせてしまったのだろう。
 いつもの、凛と立つ気高き花のような彼女が好きだったのに。
「本当に、ごめんな」
 そっと抱き寄せて、セルニアを腕の内に収める。想うのは後悔と、二度と揺るがないという決意。
 その想いを載せて、優しく口付ける。
 求められた事の、何よりの証明として唇を触れあわせる。
「ん……」
 微かに震えるセルニア。その柔らかい唇の感触に陶然となって秋晴は一時、後悔を胸の内にしまう。
 今はそれよりも、今在る彼女への想いを大切にしたくて。
 薄く瞼を開くと、偶然だろう。同じ様にしていたセルニアと目があった。
 急に恥ずかしくなって、それを誤魔化すように、一層強く唇を重ねる。
「んぅ……っ」
 微かにセルニアが吐息を漏らす。胸元をぎゅっと掴まれ、甘えるようにセルニアが引き寄せてくる。
151RIOT GIRL:2008/08/22(金) 01:33:12 ID:Ygz4CVuj
 普段は強がりなくせに、こういう事になると途端に甘えだすセルニアだが、今日はあんなことがあったからか一層と甘えてくる。
 無論それが嫌な筈もない。好きな女に甘えられて嬉しいのは当然だった。
 だから秋晴はセルニアを抱く力を少しだけ強くして応えてやる。そうしてからそっと、惜しむように唇を離す。
 長さだけならもっと長いディープキスはしたことがあったが、単に唇を触れあわせるだけのキスをこんなに長くした事はなかった。
 見合わせた視線が絡んで、二人の意志が重なるのが分かった。
 通じた想いに従い、再び唇を重ねる。
 啄むようなキスを重ね、小鳥の囀るような音を何度も響かせる。くすぐったいような触れ合いに自然と心が暖まるのを感じた。
「秋晴……」
 セルニアの腕が背に回される。
 しがみつくような抱擁は、否が応にも二人を密着させる。
 胸元に触れる柔らかさが秋晴の牡を刺激する事が解っているのか否か。セルニアは体を擦り寄せて秋晴を高ぶらせる。
 あんな事があった後なのに、節操もなく反応する体と心を情けなく思う。
 せめて今だけは、と秋晴が堪えていると、セルニアがそれに気付いてしまった。
「秋晴……これ」
 己の下腹を押し上げるように膨らむ存在に頬を朱に染めてセルニアが秋晴を見上げる。
「……すまん」
「したいんですの?」
「いや、でも……」
 躊躇いを見せる秋晴にセルニアはそっと微笑んでみせる。
「私は、かまいませんわ」
 というより。そう付け加えてセルニアは続けた。
「彩京さんにやられっぱなしでは私の収まりがつきませんわ」
 そう言うセルニアの表情は、既にいつもの傲然とすら言えるそれに変わっていた――。

 続く
152伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/08/22(金) 01:37:08 ID:Ygz4CVuj
 ――というわけでお久しぶりです。毎度、伊南屋に御座います。

 前回からかなり間が空きましたRIOT GIRLの続きになります。
 ……寸止めかよ!
 すいませんorz
 ただ次回はそんなに掛からない予定。
 一週間。長くて十日以内に投下の予定です。
 もしよろしければ今暫くお付き合い下さい。

 以上、伊南屋でした。
153名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 09:16:39 ID:86m3BEeL
>>152
GJ! 長らく待った甲斐がありました。
154名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:13:05 ID:nGA/4vex
>>152
久しぶりの投下、GJです。次も楽しみにしています。
155名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 03:07:16 ID:Ia+mPMrj
>>152
GJ!待ってました
156名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 02:53:38 ID:xcuBpiiI
保守
157名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 18:58:00 ID:9iDHFLSQ
ほしゅ
158伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/08/31(日) 03:39:23 ID:z2oj2zhq
Riot Girl続き、えちパートいきます。
159Riot Girl:2008/08/31(日) 03:40:17 ID:z2oj2zhq
 下半身をぬらりとした感触が這う。
 熱を持ったそれは、灼けるような快感を脳髄まで走らせる。
 膝が震えて崩れ落ちそうになるのを必死に堪える。御する意志から身体は離れ、勝手に反応する。
 陰茎がびくりと跳ねて、快感を示すと、セルニアは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「秋晴……気持ちいい?」
 跪いて伺ってくるセルニアに、与えられる快感以上に征服感を刺激され、己が高まるのを感じた。
 今すぐにでも欲望を吐き出して楽になりたいのを耐えて、一時でも長く快感に浸ろうとする。
「ん……っ、ふっ……ちゅっ」
 ぞわぞわと唇と舌が幹を滑り、背筋を震わすような悦楽を送ってくる。
 太股にはセルニアの豊かな双丘が押し付けられ柔らかさを誇張している。
 下半身全体を愛撫されるような感覚に包まれて、自然と秋晴の息が荒くなる。
「セルニア……っ」
 半ば無意識に名を呼んで、そっと頭に手を添える。セルニアは視線だけで微笑み、喜びを示すと腕を腰に回した。
 密着感と包まれている感覚が増して、堪らず下半身がぶるりと震える。
 セルニアの頭が前後するのに合わせ、脚にあたる膨らみもぐにゅぐにゅと歪み情欲を刺激してくる。
「セルニア……俺、もう……」
 秋晴の問い掛けにセルニアは動きを止める。
「ちゅぱっ……。もう、出ますの?」
「いや、そうじゃなくて……」
 秋晴は上体を屈めて唇をセルニアの耳元に寄せて囁く。
「お前に……這入りたい」
 言葉に、セルニアは薄く頬を染めると、小さく肯いた。
「わかりま……きゃっ!?」
 セルニアが答えきるより早く、秋晴はその身体を横抱き――いわゆるお姫様だっこをすると、ベッドへと運んだ。
 セルニアの身体をベッドに横たえ、自らも覆い被さるようにベッドに乗る。
 秋晴は耐えきれないといった風情でセルニアの衣服を脱がしにかかる。
 胸元のボタンを外すと、溢れるようにセルニアの発達過剰気味な乳房が零れ出て、ふるふると揺れた。
 それに吸い付き、乳首を舌先で転がしながら指先の感覚だけでスカートの中を弄る。
 滑らかな太股をなぞりあげ、付け根へと辿り着く。掠めた下着の際を追って中心へと進むと、指先を湿った感触に触れた。
 セルニアも高まっている事を確かめ、更に上へと手を這わせる。
 指が上端を探り当てると、其処から素肌と下着の間に滑り込ませ、引き下げる。
160Riot Girl:2008/08/31(日) 03:42:13 ID:z2oj2zhq
 セルニアは反射的に脚を擦り合わせ抵抗しかけたが、直ぐに秋晴の動きに従順に応える。
 軽く腰を浮かせて脱がしやすくしてやり、膝までショーツが下げられると自ら脚を抜く。
 互いの準備が整った事を確認して視線を合わせる。
「行くぞ」
 そう宣言して、秋晴は自らをセルニアの中心にあてがう。
 くちゅり、と濡れた接触音。そのまま腰を進め、セルニアの内へと肉幹を埋没させる。
「はぁ……っんん!」
 自らを貫かれ、セルニアが吐息を漏らす。
「あきは……る……」
 瞳を潤ませて見つめてくるセルニアにキスをして、ゆっくりと腰を引く。吸い付くように秘部が締まり、それを阻む。
「くっ……」
 ともすれば一瞬で果ててしまいそうな快感に呻きを漏らして耐える。
 先端近くまで引き抜き、それを突き刺す。ぐちゅりと卑猥な水音がして、秋晴が再びセルニアの内に包まれる。
「ふぁ……んふっ!」
 僅かに肢体を震わせてセルニアが喘ぐ。恐らくは意図せずに脚が秋晴を挟み込む。
 それもセルニアの甘えだと分かって、秋晴は内心で苦笑する。
 普段は刺々しいくらいに強い意志でもって凛と立つ彼女の、蕩けきった姿。それを見せるのが自分に対してだけだと思うと、やはり嬉しく感じる。
 胸に広がる愛しさのままに、深く貫く。
 摺り合わせる肌が、掠める吐息が、全てが互いを高める。
 心臓が早鐘のように打ち、巡る血は体熱を上げる。
 熱に浮かされたように何度も腰を打ち付けてセルニアの身体を貪り、時折口づけては愛撫を重ね、思いの丈を込める。
 只々愛しさのままに体を交える事のなんと心地良い事か。
 いっそこのまま溶けて一つになれれば良いのに。そんな考えが浮かんで、しかしそれすら享楽の内に沈んで消える。
 切なげに締め付ける膣肉が秋晴を捉え、それの望むままに深く深くセルニアを穿つ。
「はっ……あ! ひぅっ! ……っく!」
 悦びに濡れた嬌声がセルニアの口から零れ、彼女の快感を教えてくれる。
「あきは……る」
 不意に胸元を押し退けるようにセルニアの手が触れた。
 なんだ、と思う間にセルニアが身を転がし、繋がったままそれぞれの上下が入れ替わった。
「いきますわよ……」
 言って、腰を浮かせたセルニアが勢いよく腰を沈めた。
「あくぅっ!」
 きゅぅっ、とセルニアの膣が締まり、搾るような圧迫が下半身に与えられる。
161Riot Girl:2008/08/31(日) 03:43:29 ID:z2oj2zhq
 脳髄を閃光のような快感が灼く。堪らずに打ち上げた腰が更にセルニアの奥にねじ込まれ、二人の快楽が高まる。
「まだ……ですわよ」
 再びセルニアが身を打ち下ろす。それが何度も繰り返され、淫らな水音をさせた。
 セルニアの躰を上下する度に存在を誇示するかのように双乳が揺れる。
 秋晴は誘われるように上体を起こし、それにむしゃぶりついた。
「ひぁっ!? あふっ!」
 接合部と胸の先端から与えられる刺激にセルニアが身を震わせる。
 それからはもう互いに肉欲に溺れるだけだった。
 下半身を押しつけ合い、秋晴が吸い付けばセルニアは胸を差し出すように胸を反らす。
 抱きしめ合い、時折口づけを交わしてはそれぞれを絶頂へと押し上げる。
 互いの性器が痙攣するように震えて終わりの近付きを知らせる。
 より長く、などとは最早考えられなかった。
 今、互いに辿り着ける最高の快感を目指して、より動きを激化させる。
「あきはる……あき…………はる……っ!!」
 もう我慢など出来ない。溜まりに溜まった情欲の塊をセルニアの最奥に注ぎ込みたい。
 それを、確たる愛情の印としてセルニアに捧げる。
「セルニア……っ!」
 子宮を目掛け肉棒を突き立て、自らの絶頂に合わせセルニアを頂点へと導くため、口に含んだ乳首に歯を立てる。
「ひぅっ!? あ、あ、あぁぁああっ!?」
 自分のペニスが震えたのが先か、セルニアが身を強ばらせたのが先か。恐らくは同時。
 二人は達した。
「く……っぅ」
「んぁっ! ひぁぅっ……っはぁっ!」
 セルニアの膣壁が痙攣し、その度にまた肉樹が震えるては何度も何度もセルニアの中へ精液を叩き付ける
 終わらない射精は瞬く間にセルニアの子宮を満たし、結合部から白濁液を溢れさせた。
「ふぁっ……まだ、出て……」
 胎内を満たされる感覚にセルニアが陶然と瞳を蕩けさせる。
 うっとりとしたまま結合部から零れ落ちる精液を指に絡めとり、眼前に運んだ。
「これが、私の中に……」
 呟いて、指先に纏わりつくそれを口にする。
「ん……んちゅ……ちゅ、ぷは……っ」
 瞳を閉じてそれを味わい、セルニアは潤んだ瞳で微笑んだ。
「秋晴……」
162Riot Girl:2008/08/31(日) 03:44:26 ID:z2oj2zhq
 体を預けるように秋晴の肩に頭を乗せ、唇を耳元に寄せてセルニアは呟いた。
「……好きですわよ……秋晴」
 心地良い倦怠感に身を任せ、抱き合ったまま体を横たえる。
 そっとセルニアを抱き締め返して、言葉なく応えてやる。
 身は未だ繋がったまま。二人は何度目とも知れない口づけを交わして、しばらくの間、その幸せな時間を過ごした。

続く
163伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/08/31(日) 03:49:39 ID:z2oj2zhq
 はい、というわけで、毎度伊南屋に御座います。

 なんとか十日以内の投下に間に合いました。寸止めからの続き、えちぃパートです。
 シナリオ的には八割方消化。もう少しで完結です。といってもあんま中身がない気がしますが。
 でもまぁ、もうちっとだけ続くんじゃよ。

 次回も(次回こそは)出来る限り早くお届けしたいと思います。
 それでは以上、伊南屋でした。
164名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 09:40:11 ID:NUgT/OaA
初めての一番槍GJ
165名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 19:37:22 ID:+Bzk5CNF
GJ
166名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 01:17:19 ID:nFZw78kG
毎度GJっす! 次も期待してまっせ!!
167名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:06:34 ID:I61xfq5V
保守
168名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:58:27 ID:IBExVcZa
蜜柑が行方不明になってしまった。
169名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 01:28:21 ID:M5wVV8jU
どういう事だ!? キバy…じゃない、>>168!?
170名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 01:39:10 ID:0LgDfEK9
いや…投下されんからどうしたのかと。
171名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:09:11 ID:HQRhFfzq
保守
172名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 13:59:35 ID:RHjLVSSP
法主
173 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:05:26 ID:UrszNZWD
日野秋晴が白麗陵に入学して、それなりに時間が経つ。
大小様々なトラブルに巻き込まれた結果として、ある程度、ハプニングには耐性がついてきたと彼自身信じていた。


しかし、こればかりは。
耐性があるとはいえ、いくら何でも。
これはあまりに想定外過ぎる事態ではないだろうか。理事長からの軽い頼まれ事。
図書館にいる人物に届け物を渡して、それで何事も無く終了のはずだった。
――目的の相手のいるらしい司書室の中から聞こえた不審な物音に、迂闊にも過去の経験を活かさないまま反射的に扉を開けてしまわなければ。


荒い呼吸。粘性の水音。鈍い振動。むせるような熱気。
日野秋晴が遭遇したのは、端的に言えば自慰行為の場面だった。

白麗陵では、過去に一度、無人のはずの教室に入ったら裸の美少女がいた、なんて事件が起こっている。
それそれに比べれば随分飛躍しているが、これくらいは起こりうるかもしれない。
いや、決して安易に認めていい事柄ではないが、しかしこの場合には、真っ昼間から図書館の司書室で自慰行為に耽る女性がいるなんてことより遥かに驚愕すべき点が存在していた。
こんな場所で自慰行為を一番しそうな人物は誰か、などという果てしなく失礼なランキングは存在しえないが、しかし万が一日野秋晴の中でそれが作成されたとすれば、最下位は間違いなく深閑であったはずだ。

「……ひ、日野さん…………?」

日野秋晴は言葉の使い方を完全に忘れてしまった。

「こ、これは、ひゃ……、そ、その、あの、――」

普段の、理知的で落ち着きのある、それでいて切れ味のある声――――ではない。
頬を真っ赤に染めた深閑の声には、感情と弱々しさが多分に含まれていた。
随分と、鈍い。

果たして目撃からどれくらい経ったか、日野秋晴にはまるで見当が付かなかったが、ここに来てやっと言葉が舞い戻ってきた。
174 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:06:40 ID:UrszNZWD
「――――すまん!」

彼が選んだのは逃走だった。当然の判断とも言える。
体を反転させて部屋から脱出しようとしたが、しかしそれは叶わなかった。
思考と身体の接続が余程混線しているようで、足をもつれさせて不様に尻餅を突いてしまう。

「……っ」

混乱した頭を無理矢理抑えつけて、急いで立ち上がろうとして――いつの間にか深閑にマウントポジションをとられていた。
ただ深閑に乗られているだけなのに、何かの技術の応用か、全く上体が起こせない。

「――な、あんた何やってる……っ!」

質問には答えず、深閑は身体を日野秋晴に預けはじめる。
胸元のはだけたメイド服から露出している、想像以上に大きい乳房が彼の胸板で柔軟に形を変える。
上着越しでも分かる柔らかさに、彼の心臓は一層強い脈動を開始した。

ねっとりとした空気を掻き分けるように深閑の両手が伸び、日野秋晴の両頬を包み込む。
そのまま顔を近付けて、口づけをした。


「ん、ふぅ、んんん、ちゅ、ん、ふぁぁ……」

絡まる舌と舌。お互いの間を行き来する唾液が粘り気のある音を出す。
恍惚に塗れた深閑とは対照的に、日野秋晴は多少落ち着きを取り戻していた。
身体は燃えるように興奮しているが、頭は意外にも冷えている。
恐らく、上唇の辺りに残る痛みのおかげだろう。
誤ったのは目測か力加減か、最初に唇と唇が合わさった時、深閑の歯が彼の上唇に強くあたったのだ。
深閑もかなり混乱しているのだろう、と勝手に納得する。
175 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:09:00 ID:UrszNZWD
「くちゅ、ひぁ、んんん、ん――」

日野秋晴が深閑の舌を強く吸うと、彼女の官能の色はさらに強くなる。
腰も先程迄のようにもどかしげに動かす動きから、何かに耐えるように跳ねる動きに変化した。
軽くイったのだろうか。


どのくらい長く舌を絡めていたか、二人は大体の見当すらついていない。
時間の感覚はマヒしっぱなしだった。
……ここにきて、そろそろ不味いだろう、と日野秋晴の理性が主張する。
今ならまだ、キスまでならばなんとか引き返せる。

だが、日野秋晴の中の何かは理性の主張には従わなかった。
まだ、足りない。
深閑の後頭部に回した右手と、腰に回した左手に力を込めて、より強く身体を密着するようにすると、さっきより数段激しく腰が跳ねた。

動きが止まる。
一旦休憩といった感じでお互いの口が離れた。
息も絶え絶えで、大きく肩を揺らしている深閑だったが、ふと自分の太もも辺りにある熱さに気付く。
右手で探ってみると、鉄のように固かった。

「……あ、」

日野秋晴が狼狽えたのを見て、深閑も熱源の正体を察した。

「おっきく、なってますね」
「頼むから言わないでくれ……」
「続き、しませんか?」
「……キスのか?」
「女性に言わせるなんて、デリカシーが無いですよ」
176 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:11:08 ID:UrszNZWD
深閑はベルトに手を掛けて外し、そのままズボンのジッパーも最後まで下げる。

「熱い、ですね……」

トランクス越しにモノを撫でられた。

「それに、硬い……んですね」

日野秋晴に馬乗りになっていた深閑は、ここで体勢を入れ替えた。
日野秋晴の胴体を、顔が彼の足の方へ向く形で跨ぐ。
深閑の背中が壁になって見えないが、日野秋晴は自分のトランクスが勢い良く下げられたのを認識する。

魅力的な雌を前に、ほとんど刺激を与えられず、最早収まりのつかない状態であろうペニスに、ひやりと冷たい感覚。
思わず日野秋晴の腰が震えた。

深閑のほっそりとした綺麗な指が絡み付つき、そのまま、ゆっくりと竿の部分を上下にしごきはじめる。

「……っく、あ」

僅かに声が漏れた。

「こうすると気持ち良いと聞きますが」
「あ、ああ、したこと、無いのか」
「……ええ、キスもさっきが初めてでした」
「…………ぇ」

思わぬ告白に言葉が詰まったようだ。

二人の間に沈黙が横たわる。
何となくこそばゆい雰囲気だった。
177 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:12:43 ID:UrszNZWD
「…………」

その雰囲気を振り払うように、深閑はより力を込めて上下運動を再開した。
さっきまでのでは物足りなかったのか、やっと日野秋晴のモノは体力の先走りを吐き出しはじめる。
手が盛大に汚れたが、深閑は気にしていないようだった。

発情した雌の芳香と、汗ととが入り交じった匂いに満ちていた空間に、若い雄の匂いが割り込む。
鼻を通り抜けた性臭に、一瞬深閑の目の前が白くなる。

肉付きの良いヒップを、ずりずりと日野秋晴の頭部の方へずらしていく。
接触まで残り数センチ足らずのところまで接近して、尻の侵攻は止まった。
そして。

「んっ……」

未だに脳髄を揺さ振る匂いに誘われるように、深閑は躊躇いなく日野秋晴のペニスを口に含んだ。

「んっ、んんん、んく、んふっ……」

今までとは比較にならない強烈な感触に、日野秋晴はうめき声を上げた。

「ふ、ちゅ、ふっ……っ」
刺激を与えれば与えるほど敏感に反応するペニスとその持ち主に気を良くしたのか、深閑のフェラチオにより熱が入る。
口に含んでちろちろ舐める程度だったものが、唾液を塗りこむような動きにかわり、口全体で愛撫しようともする。

「ちゅ、んく、すごい……ひゃう、ちゅ、んく……」

ガチガチに反り返ったペニスから、さっき嗅いだものより何十倍も濃密な雄の欲望の匂いをまともに受け止め、深閑は脳髄を支配されてしまったような錯覚すら感じている。

「やば、出そうだ……」
178 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:13:47 ID:UrszNZWD
「ふぁひぃふぇもははふぃまへんよ?」
「くっ、くわえたまま喋るなって……」

このままイかされるのが癪なのか、日野秋晴が反撃に出る。
左手で深閑のスカートを勢い良く捲り、右手で尻の肉を思い切り掴んだ。
何をするんですか、という質問には答えない。
左手も参戦させて、強く揉みしだく。

「ひぁ、ん、ちょっと、何を……」

日野秋晴は、深閑の悲鳴に甘い響きを感じ取る。
左手はそのままに、右手を深閑の秘所へ持っていく。
くちゃ。

「随分濡れてるな……」
「――――っ!」

日野秋晴の指摘の通り、深閑の股間は粘液でぐちゃぐちゃだった。
愛液が染みだしている所為で淫唇が透け、下着の股間部分にはうっすらとピンク色が見えている。

ショーツ(蛇足だが、この呼称は女性側からすると一般的でないらしい)に手をかけ、さっきのお返しとばかりに剥ぎ取る。
ウァギナから布が離れる瞬間の、淫らな水音が印象的だった。

顔を真っ赤にした深閑が振り向くが、日野秋晴はまたも無視する。
ちゅぷ、と人差し指を深閑の秘所に挿入した。
そのまま小刻みに入り口を刺激する。

「ひゃっ! んあっ、だめぇ………っ。日野さんっ……」
「手が止まってるんだが」
「む、むりぃ……、」
179 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:16:41 ID:UrszNZWD
「感じてる?」
「あ、んっ、気持ち良いっ……!」

指を二本にして広げるように掻き混ぜると、あっさりと深閑は決壊した。
尻肉をびくびく震わせながら日野秋晴の指を搾り取る。

「……いったのか?」
「ん、ひぁ、は、はい、……い、いきましたっ…………」

日野秋晴は結局欲望を放出出来なかった。
溜りに溜まった精液が、マグマの様に渦巻く。

自分のペニスを握り締めながら脱力する深閑を、日野秋晴は抱き抱えるように起こした。

「動けるか?」

こくりと頷いて、深閑は日野秋晴の体から名残惜し気に離れる。
生まれたての仔鹿のように震える深閑の美脚を見るに、殆ど腰が抜ける寸前のようだった。

「続き、してくれるか?」

日野秋晴は立ち上がり、限界までいきり立っているモノを、女の子座りの深閑の目の前に差し出す。
一瞬怯む彼女だったが、恥ずかしげにペニスを握り、口に運んだ。

「く、……」

先程同様に熱の入ったフェラチオと、美貌の女教師に己のモノをくわえさせているという状況――しかも、普段の怜悧な表情を崩し、瞳は欲情に潤んでいる――。
そこに、前歯が軽くカリに引っ掛かった刺激が加われば――日野秋晴の欲望が爆発するには十分だった。

「でるっ……っ!」
180 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:19:18 ID:UrszNZWD
なんとか止めようとするが、一度堰を切ってしまえばもう意味を成さない。
深閑の頭を掴んで無理矢理引き抜くが、間に合わない。

「――っ」
「ひゃ……!」

ペニスから勢い良く飛び出した精液が深閑の顔面を白く汚す。
数秒続く射精。吐き出された欲望の殆どは深閑の顔に残ったが、零れ落ちたものは露出した胸の谷間に吸い込まれていった。

「――――前が見えませんね」

日野秋晴自身が驚く程の量の精液が、深閑のメガネを白く汚している。
彼女はメガネを外し、レンズについた白濁液を舌で舐めとった。

「あまり美味しいものではないのですね」
「…………」
「どうかなさいましたか?」
「……いや」

深閑の仕草の淫靡さに見とれていただけのようだ。
深閑は美味しくないといいながら、顔に着いた精液も指で掬って舐めている。

一度吐き出して萎えた筈のペニスに、先程以上の量の血液が流れ込む。

「きゃっ……」

日野秋晴は上着を脱ぎ捨て、タイを外し、そして深閑を押し倒した。
首筋に強く吸い付き、キスマークを残す。
征服欲が腰から背骨を駆け抜ける。
ペニスが更に反り返った。
181 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:21:21 ID:UrszNZWD
愛撫の対象を深閑の巨乳に移す。
固くなった乳首を口に含み、少し強めに噛む。
もう片方の乳房を掌で揉む。

「あ、だめぇ、きゃっ……」

両方の乳首を丹念に唾液塗れにして、更に下へ。
臍の辺りに舌を滑らせ、股間の茂みに到達する(実際、茂みと言うほど濃くはない)。

羞恥からか深閑は反射的に脚を閉じるが、腰砕け寸前の彼女には日野秋晴の侵攻を止める力はない。
控えめに表現しても泥沼な彼女の秘所に口付ける。
濃縮された雌の匂いが拡散した。

「だめぇっ!」

彼は悲鳴を聞き流した。
入り口に舌を挿入し、鼻で淫核を軽く刺激する。

「だめ、あ、んんんっ、いく、いくっ、!」

舌で淫核の包皮を退かし、そして吸い付く。
今までで一番激しく腰が跳ねた。
それを無理矢理押さえつけて、日野秋晴は秘所への愛撫を続行する。
ものの数十秒で、深閑の腰は小刻みに震えだす。
完全にイった様だった。

日野秋晴は愛撫を止めて、口を手の甲で拭う。
深閑の顔を覗く。
頬を真っ赤にそめ、口の端から涎が垂れている。
目にはうっすらとだが涙が浮かんでいた。
182 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:22:42 ID:UrszNZWD
「していいか?」

何を、とは彼は言わない。

「……して、ください」

深閑が頷く。

ここに来て、日野秋晴は、自分が随分と欲求不満な状態だったのだと気が付いた。
肉体的・精神的な疲労と、大地薫という同居人。
あらゆる状況が、彼が自慰行為に及ぶのを許さなかった。
そもそも、性欲を持て余していることにすら気が付けなかったのだ。

「――――あ」

気が付いたついでにもう一つ、大切な事に気が付く。

「どうかなさいましたか?」
「いや、コンドームが無い」

そう。避妊である。
お互いのために必要な行為だ。

「構いませんよ」
「いや、だけども……」
「このままお預けは酷ではないのですか?」
「…………ああ、辛い」

これだけ寄り道をしても、日野秋晴のペニスは萎える気配がまるで無かった。
腹に付きそうな勢いで硬化し、栓の緩い水道の様に先走りを吐き出している。
183 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:24:22 ID:UrszNZWD
…………私も、もう我慢できません」
「…………ああ」
「初めてですから、その、や、優しく、してください」

極限まで恥ずかしげな表情と台詞。
日野秋晴の理性は吹き飛んだ。

「痛かったら、言ってくれ」

僅かに残留した理性でそう告げた。
日野秋晴に、最早冷静さは欠片も無い。

深閑の膣の入り口を、日野秋晴のペニスが探り当てる。
入り口を二、三往復して、遂に二人は繋がった。

「ひ、ひゃ、入ってます………っ」
「くっ……」

熱い欲望の塊が、己の内部に侵入する快感。
今まで誰も踏み込んでいない処女地を、己が蹂躙する喜び。
堪らない。

日野秋晴との肉棒に、何か突っ掛かる感覚。
彼は構わず腰を進める。
深閑の顔に苦痛の色はない。
むしろ、快感の方がウェイトが大きい。

入り口周辺は随分解れていたが、奥に進むにつれて抵抗が強くなる。
日野秋晴の脳裏に、掘削という言葉が浮かぶ。
184 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:25:13 ID:UrszNZWD
すぶずぶ。ズブズブ。

「んんん、っ、」
「ぐあ、……」

ペニスが遂に奥まで到達した。
日野秋晴のモノは、殆ど埋没している。

「大丈夫、か?」
「……ええ、ん、あっ、意外に、大丈夫です」

深閑が日野秋晴の首に手を回す。
自然に唇が重なった。

「ちゅ、ふ、んん、ぷぁ……っ」

自分の体を貫く肉棒が、ぴくりと跳ねているのを、先程から深閑は感じ取っている。

「ん、……動いて、下さい」
「本当に、大丈夫なのか? まだ……」
「ふふ、優しいんですね」

恥ずかしいのか、日野秋晴はそっぽを向く。

「それに、慣れてる気がします」

日野秋晴は答えない。
代わりに、腰を動かす。

ゆっくり、カリの段差で襞を削るように引き抜く。
185 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:26:12 ID:UrszNZWD
あくまでゆっくり、雄の欲望を叩きつけるように、奥までペニスを進める。

「…………ん」

単調な動きだけでは物足りなくなってきたのか、日野秋晴は肉棒を最奥で固定する。
そのまま押し広げるように、円運動。
深閑の、新たな快感に戸惑う姿を十分楽しんでから、彼女の感じる部分を探す動きに移行する。
非常に敏感な深閑である。
すぐに見付かったようで、日野秋晴はそこを重点的に攻め始めた。

「――――ひっ、あ、なに!、?」
「気持ちいいか?」
「ん、はいっ、いくいくっ……!」

膣内が盛大に締まる。
急激な刺激に、ペニスのタガが外れた。

「ぐ、あっ……!」

ごぶ、ごぶ、どぶ。

とても一度出しているとは思えない大量の精液が、深閑の膣内に注がれてゆく。

ペニスに敏感な所を擦りあげられて一回。
精液の熱さにもう一回。
日野秋晴の欲望を注ぎこまれたという事実に、さらにもう一回。
深閑は絶頂に叩きつけられた。
目の前が真っ白になる強烈な快感。
子宮が精液に溺れ、染められていくイメージ。
ファーストキスや、処女以上に大切な何かを奪われる感覚。
186 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:27:23 ID:UrszNZWD
否、奪われていない。深閑は捧げたのだ。
大切な何かを、自分から進んで日野秋晴に。
爪先から髪の毛の先端まで、快感ががんじがらめになっている。
女性としての、ある種の到達点。
日野秋晴の物に――女に、なってしまった錯覚。
錯覚?


日野秋晴がペニスを引き抜くと、信じられない勢いで精液が溢れだす。
創作の中だけの出来事かと思っていたが、実際に起こりうるらしい。

信じられないといえば、未だ萎えない己のモノだ。
まだ吐き出し足りないと訴えている。

熱に浮かされたように焦点のはっきりしない深閑。
彼は構わず肉棒をあてがった。
ズブズブ。

「――つ、ひぁ、だめ、まだいってるんです……っ!」
「大丈夫だって」
「壊れちゃうっ……」
「……善処する」
「だめ、――ああ、いいっ! いくっ! だめ、いくっ……」

――――三回目。

「……ひっ、だめ、いくっ、らめぇ、あ、あっ――」
187 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:28:25 ID:UrszNZWD
――――四回目。

「……っ、あ、んっ、ひっ、あ、…………」

――――五回目。
イラマチオの要領で、深閑の口に白濁の欲望を吐き出す。
苦しそうだったが、彼女は律儀にも全て飲み干した。

――――六回目。
深閑の胸で挟み、扱く。
彼女の大きな二つの果実は、日野秋晴の肉槍を包み込むにはいいサイズだった。
谷間に精液をぶちまけた。

――――七回目。
また子宮を蹂躙する。

――――八回目。

…………………………。

それ以降の記憶は、二人とも正確に思い出せない。


日野秋晴の睾丸の中は、完全に空っぽだった。
深閑の指摘どおり、性行為自体は初めてではない。
ただ、こんなに相手に夢中になったセックスも、欲望を全て吐き出したセックスも、避妊をしないセックスも初めてだった。

最後のに関しては、後悔と情けなさが頭の中を駆け巡る。

深閑は、全身を精液と愛液、唾液その他あらゆる液体に塗れながら、隣で静かな寝息をたてていた。
188 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:30:31 ID:UrszNZWD
「……とりあえず、片付け、しなきゃな」

日野秋晴は、やっと重い腰を上げた。



「……日野さんとの生活で多少の改善は見受けられたので、頼りにしていたのですが、これは……厄介なことに、文句のつけ難い結果を出してますし……」

複雑な表情とはまさにああいう表情を指すのだろう。
大地薫の弱点克服の手助けを請け負っていた日野秋晴――そしてつい先日、私を抱いた男――の顔を見て、そう思った。
あれ以来、そういった行為は全く行われていない。

「えーっと……つまり、結果オーライってことで……?」

実際、彼はよくやってくれた。
たった今目の前で繰り広げられた惨事は無視できるものではないが、今回ばかりは指導の対象としなくとも良いかもしれないとも思う。
けれども。

「――いいえ、日野さんには後で話があります。今夜の睡眠は諦めてください」

私情の為に教師としての権限を使う。
言われる迄もなく、教師としては、失格。
――では、女としては?
日野さんは、私の考えを、きっと少しだって感じ取ってはいないのでしょう。
鈍感な人。でも、それでいいと思えた。
彼に犯された瞬間の、衝撃とともに何かが奪いとられる――全てを捧げる感覚が全身に走る。
子宮が熱を帯びたのがわかる。下着はもう濡れてしまっている。
――数時間後にやってくるであろう、彼専用の物に――女になる至福の時。
彼に隷属する瞬間、彼に自分の愛を伝える瞬間を夢想して、私の中にある雌の部分が期待に震えたのを――。
私ははっきりと認識できたのだった。
189121 ◆N.T.nuy0nw :2008/09/14(日) 10:33:50 ID:UrszNZWD
>>121です。
投下遅れて申し訳ない。
長らくネットから断絶しておりました。

携帯からの投稿なので不都合あったらごめんねー。
続きは期待しないでくれるとありがたい。
190名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:51:56 ID:KHjX+4Kt
なんだか熱々の蜜柑がキトルーーー
エロイにもほどがありますですよ。
というわけでGJ!!


てか
>>性行為自体は初めてじゃない。
ハーレムフラグですか?ハーレムフラグなんですか?
191名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:00:33 ID:BIcg5zNc
GJ
蜜柑エロいよ蜜柑。
その後も事ある事に呼び出されるんですね。そして腹黒に気づかれるんですね。
192名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:20:08 ID:Pr3tsCDj
GJ!!!
日曜昼間からなんてこったwww
続編or新作に期待してます。ぜひ。
193名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:59:43 ID:hvSmmNl4
深閑乙
194名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 03:21:10 ID:2cb/3zvr

エロかった
195名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 10:24:30 ID:CxWwztLp
むほうっ!! スレが伸びてると思ったら、まさか深閑ネタが投下されてた
とは……!!
ドリルやエロリスト姉妹、腹黒らの影に隠れがちだが作中、トップクラスの容貌
で頭も切れて腹も据わってるはと、全て揃った破格の『いいオンナ』だからなーー。
作者氏に渾身のGJを!! そして続きをば是非……!!
196名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 10:40:13 ID:lhY7G74b
アクセス規制に巻き込まれて新刊を元に書いてみたのを書き込めないorz
ケータイから載せるべき?
197名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 11:08:26 ID:SjIfYdVw
>>196
勿論、歓迎するけど……急ぐ事ァ無いかと。
文字制限とかあるし、自分目にゃいける! と思ってもいざ投下してみたら
誤字やら書き損ねの一つや二つは、当たり前に出るもんだしな。
半日寝かして、中身をよくよく推敲してみるのも良いんでは。
重ねて言うが、>>196氏には期待してるぜ。頑張ってくれい。
198名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:33:20 ID:yyfZ1jnL
>>196
wktk
199孤島の閨:2008/09/22(月) 22:45:33 ID:Ha8GI91R
―――もう真夜中だというのに。
 ハディム家が所有する南の孤島に立つログハウス。通された客間のベッドの中で、私は眠れなくなっていた。
 ベッドに入ってから何度目になるかわからない寝返りをうち、枕もとに置いておいた自分の腕時計で確認する。
 横になってからもう感覚的には夜が明けているんじゃないかと思うくらいだが、それでも時計はまだ夜明けまで数時間あると告げている。それでも、いつもならとっくに深い眠りについているはずの時刻である。
 腕時計を元の所に置いて改めて仰向けになり頭を枕に落ち着けると、深呼吸のような深いため息をついた。
 ベッドや寝具は文句のつけどころのないものであるし、そもそも枕が変わって眠れなくなるようなことはないので、この不眠の原因は別の所にある。
 客間に入る直前に彼女が見せた、秋晴への丁寧なお辞儀。
 あれを見た瞬間、「どうぞよろしくお願いします」という言葉が聞こえてきそうだった。
 その言葉が意味するところは、ある程度想像できる。

 時間を共に過ごすため?
 安眠を守ってもらうため?

………一番高い可能性については、できるだけ考えない。分かっていても、分かっていないふりをする。
 それでも、決して無視し続けることができない。
 それは、自分が危惧しているから。
 それが、あってほしくないと願っているから。

 あの……日野秋晴がアイシェさんと身を重ねることを。

 秋晴を特別な存在として感じるようになったのがいつだったのかは、よく分からない。それでも、その感覚の存在を認められるようになるまでには時間がかかったと思う。その時は、まだ理解はできなかったけれど。
 でも、今は少しだけなら分かる気がする。

――私は、彼、日野秋晴を独占したいのだ。

 それは多分、子供がお気に入りの玩具や本をもつのと同じなのだろう、と思う。自分では無くしてしまったと思っていた子供心がどこかに隠れていて、それがこんな形で現れたのだと、大人になってしまった部分が思って……

…………はたして、そうなのだろうか?

 自分にそのような形の子供心が残っているのか、はっきりいって疑わしい。その存在が、何か、理由付けのために現れたような感覚がかすかにあるように、不自然なものに感じる。
 もしも、その独占欲が子供心からではなく大人の心から生まれたものなら、あるいはその感情は、

――恋愛感情、というものなのではないだろうか?
200名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 22:53:15 ID:zlmmwv0R
おお! ワクワクしてきました。
201孤島の閨:2008/09/22(月) 22:58:09 ID:Ha8GI91R
………はっきりいって、よく分からない。
 恋愛をした経験はない。社交界やパーティでアプローチを受けることはよくあるが、それらの裏には何か黒い思惑がありそうで、あまりいい感情を持てなかったからだ。
 また、男性の友人はいるが、そこまで仲がいいわけでもないし、そういった人たちに対しても恋愛感情を意識したことはなかった。
 それに、恋愛感情であると安易に結論付けることはしたくなかった。何とも言えない恐怖感のようなものがある気がして、結論を出すことを躊躇ってしまう。もしかしたら、私を躊躇させているものこそ、私に残された子供心なのかもしれない。
……いや、子供心というより、「女の子」の心かもしれない。

 『我が心は処女に似たり』

 以前読んだ日本の文学小説に出てきた一文が不意に思い出された。あの読みにくい文章ではよく分からなかったが、今の自分を表しているような気がする。
「…我が、心は……処女…に、似たり………」
 意味を確かめるように、ゆっくりと口に出してみると、言葉が自分に染み込んでいくような気がした。その言葉のなかで「処女」という単語が気にかかった。
(処女……バージン、ですわね)
 普段なら恥ずかしくなるような意味であるのに、その文章のなかではいやらしさといった不快感を感じさせない、何か神聖さのようなものを伴っているように思える。なんというか、一種の聖域であるような………
 自分の下腹部に右手を当てる。生まれてから今まで、守り通してきた純潔が、そこにある。
 これを自分もいつか失うのだろう。伴侶として添い遂げたいと思う人に捧げることができるだろうか。それとも――

―――ふと、熱海で秋晴に押し倒されたことが思い出された。

 あの時感じた焦りは純潔を奪われることへの危機感だったのだろうか、と疑問に思うことがあった。秋晴が眠ってしまったときに拍子抜けしてしまったのは、迫ってくる秋晴に抵抗しなかったのは、どこか期待している自分があったからではないだろうか。
そしてその期待は、どこから来たものなのか。
その結論を出すことに、淡い畏怖のようなものを感じていた。
 しかし、もしもあのまま一夜の過ちを犯していたら、どうなっていただろう?
 秋晴の顔が迫ってきた瞬間を思い出す。あのまま唇を奪われ、そして……

 手持ち無沙汰であった左手が、自然と自分の右の胸に触れられた。
202孤島の閨:2008/09/22(月) 22:58:41 ID:Ha8GI91R
「ン………んっ、……んんぅ………」
 揉む、というよりは軽く触る程度に指を乳房に這わらせる。自分の心の緊張をゆっくりほぐしていくように、ゆっくりと指を動かす。
(そういえば……秋晴は私の胸を気にしてましたわね………)
 自慢、というわけではないが、自分の胸にはある程度の自信がある。彼が言うように、サイズに関して言えば、学園内では四季鏡姉妹の次くらいの大きさだと思う。それをとくに自慢の種にしないのは、それが自分の努力によって得たものでないからだ。
(それでも褒められるのは、悪くないですわね)
 そう思えるのは、秋晴だからだろうか。
「ふンッ、……ふぅ……んふぅ…」
 指の動きがゆっくりとだが次第にはやくなってきている。自発的に、というよりは勝手にはやくなっているような、操られているような感覚で、鼻にかかった艶のある声が断続的に漏れ出てきてしまう。
 借り物の服の上から触れているため、指を動かすたびに布が敏感になりつつある胸の頂と擦れてしまい、そこからも淡い痺れのような刺激をあたえられる。それが、指の速度に合わせて徐々に強いものになっていく。
(あの時……押し倒された時に、あのままだったら……秋晴も胸を………)
 私を押し倒した状態で私の胸に触れる彼の姿を想像した瞬間、
「ッ!? やっ、ああっ、ひゃあぁァン!!」
 これまで以上の刺激に、思わず声が出てしまった。
 否、刺激が単純に強くなったというわけではないような感じがする。なんというか、胸に響くような衝撃を感じた気がする。
(なんですの今のは……こんな、こんなに…………感じてしまうなんて)
 先ほどの強い刺激を確かめるように、声を抑えようとしたためにいつの間にか止まっていた左手を、またゆっくりと動かし始めた。
203孤島の閨:2008/09/22(月) 23:00:28 ID:Ha8GI91R
 無自覚に、秋晴が自分の胸を愛撫しているという妄想が頭の中、意識の中を支配していく。目を瞑ると、彼が私を押し倒して胸を優しく揉んでいる姿が浮かんできてしまう。
その想像上の秋晴を見てはいけないという理性のようなものと、妄想に身を任せてこの刺激に溺れてしまいたいという情欲のようなもの、その二つの攻防によって、意識が客間の室内と秋晴の姿の間で右往左往している。
「あふっ…んふっ、んん、ふうぅン」
 それまで下腹部に当てていた右手が、さらなる刺激を求めるうように、ゆっくりと秘部の方へと向かっていく。服を少しだけ下し、下着の上から触れようとする。
(ああっ、そんな、ダメですわ、そんなところを触れられたら……ッ!)
 妄想の中の秋晴が、空いている方の手をゆっくりと服を脱がせ、脚の間から手を恥丘へと進めていく。
 あの時同様、抵抗はできなかった。
「んひぃいン! ああぁっ、はンッ、はあぁぁあ!」
 自分の手と妄想の秋晴の手が同時に秘部に到達した。ある程度予想はしていたが、それ以上に激しく濡れてしまっていた。ショーツはぐっしょりとその秘裂からあふれた密を吸い込み、その上から触っても湿った音が聞こえてきそうだ。
『……もうこんなに濡れてるぞ、セルニア』
「……ッ!? や、そんな…ああっ、イヤぁッ、ヒィッ、ひィいぃぅぅうン!」
 妄想の秋晴が耳元でささやいた気がした。声が聴こえたというより、声の気配を感じたようだった。自分の痴態を指摘されるという恥ずかしさを感じると同時に、自分の、秋晴の秘部への愛撫が強くなる。
204孤島の閨:2008/09/22(月) 23:02:45 ID:Ha8GI91R
 いつの間にかショーツを横にずらし、秘裂へ直接触れていた。指を入れることに恐怖感があるためか、そこまではしなかった。
 しかし、そのかわり、
(そこは、クリトリスはダメですわ、そこをそんなに弄ったらイって…イかされてしまう……!!)
 指先で軽く撫でるように、秘裂の上にある突起を刺激される。
 一人で慰めるときには、指を秘穴に入れてしまうことに恐怖感から、いつもその陰核を刺激していた。そのため、陰唇よりもかなり敏感になっている。
 胸と股間を弄る両手の動きが徐々に激しくなり、それに合わせて漏れ出る声の大きさも抑えが利かなくなっていく。快感に誘われるままに、明らかに、その猥らに慰める行為に没頭していく。
「あ、はあぁっ、秋晴っ、もう、私ぃ、イクぅ、イッてしまいまひゅぅう! 」
 もう現実も妄想も区別がつかなかった。口から出る言葉は何を言っているかすら定かではない。虚像の彼に言っているのか、自分自身に対して言っているのか、そんなことも情欲に流されてしまった今では関係なく、ただ貪欲に、ただ一匹の牝になって、この性の快感に浸る。
 ただ、最後の瞬間を求めて。
「もうっ、ダメ、らめぇぇえっ! 秋晴ッ、わた、私ィッ! イク、イクッ、イきゅうぅぅぅうウ!!」
 絶頂の瞬間、腰が跳ね上がる。それは体全体に伝わり、体のいたるところが痙攣している。自分の体、そして思考までもが性の快楽に飲み込まれていくのが分かる。
「ハッ、はあっ、はぁ、はふぅ、はひゅぅううぅぅ……」
 乱されていた呼吸が整うにつれて、痙攣していた全身が弛緩してゆく。未だ残る快感の余韻と心地よい疲労感が、意識を情欲から眠りへとその主導権を移していく。
 眠気で混濁し急速に失われていく思考の中で、彼のことが一瞬泡沫のように浮かび、それが消えるとともに私は意識を手放した。
205孤島の閨:2008/09/22(月) 23:04:25 ID:Ha8GI91R
 アイシェお嬢様の寝室の前で待機中の私は、その向かいの客間が静かになったことを感じ、安心感のようなものから大きく息を吐いた。
 あのど変た……旦那様である日野秋晴という男にどんな魅力があるのか、私は大いに疑問がある。お嬢様が彼に求めているのは、与えられるだけの、ある意味での不自由のなかで許された最大限の自由を得ることだろう。
それはあの事故を自分自身にもたらされた運命であると信じているということで、決してあの男に惹かれているというわけではない、と思いたい。
 でも、あの以前の事故の際に四阿で二人きりになった時。あの時の筆談に、あの男を称賛する言葉があった。あれは、確実に目的を果たすためだったろうか。それとも、本当にあの人柄に魅力を感じているということなのだろうか。
 それに、あのフレイムハート様までが心を寄せている……これは間違いないだろう。先ほどまでの切ない声を聞いてしまえば、疑う余地はない。彼女に自覚があるかどうかは分からないが。
 他にも彩京様、桜沢様、それにあの同室の従育科生徒など、多くの方々があの人に引き付けられている。
これまでお嬢様に日野秋晴の行動を調査報告をしてきたからこそ、そのことが分かる。見た目で嫌悪感を与えているのも事実だが、関わりを持つものは皆、好意的であることも事実のようだ。
 また一つ、大きく息を吐き出した。この疑問を吹き飛ばそうとするように。
 お嬢様の部屋から、物音が聞えた。おそらくはあの屑野ろ……旦那様だろう。
 お嬢様との契りを促すために防音室であると虚偽を伝えた。何かあった時に助けを呼んだり、物音で侵入を感じ取ったりするため、つまり防犯のために、防音加工は何一つされていない。
 その情報を伝えたにもかかわらず何もしなかったことは、個人的には嬉しいことだ。
 そんな彼をいつよもり多少緩く、少しだけ優しめに迎えるため、私は軽く姿勢を整えた。
206孤島の閨_196:2008/09/22(月) 23:21:50 ID:Ha8GI91R
別の回線でやっと書き込めた〜
もともとエロなしの予定だったんでそこらへんが薄めだし下手かもorz
↑の感想や批評で少しでもここが盛り上がってくれると嬉しいです
207名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:25:04 ID:uiLsk8/r
GJ。
でも原作だとセルニアはその後の秋晴とヘディエの会話を立ち聞きしてたっぽいので、
それ(今は恋愛なんて)を聞かされたセルニアの心の動きを
絡めたりすればもっと切なさ増量というか、
要するにそんなカンジの続編書いてくださいお願いしまつ。
208名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:48:01 ID:e0/qH9sK
GJです。

あぁ誰か朋美の攻撃についに秋晴が切れてやれるものならやってみろとかいって
流石にやりすぎたかなとか思って悶々としてるうちにセルニアとくっついちゃって
狼狽してる朋実をよそにいちゃつき始める二人を見て慌てて薫や四季鏡を巻き込んで
いつの間にかハーレムルートに入っちゃうようなSSを
209ロリコンではないと信じたい:2008/09/24(水) 21:45:48 ID:zOcBYlim
新刊を読んでいたら降りてきた電波が気付けば文章になっていましたので、
投下するけどいいよね? 答えは聞いてない!

注意事項
・ピナ&みみな×秋晴
・新刊のエピソードの続き
・今回は多分5レスくらいで、微エロ
・全三回の予定
・エロ書きは初めてなので、おおらかな気持ちで見てやってください
210コスプレ少女達の侵攻:2008/09/24(水) 21:50:00 ID:zOcBYlim
 もう何度目になるだろうか。秋晴がこうしてピナの部屋へと来ることになったのは。

 思い返せば数日前、怒涛の勢いで進行したピナの同人誌製作宣言及びそれに巻き込まれての桜沢みみな懐柔作戦。その最後に集まってコスプレ衣装の確認をして以来、こうして何度かそのときの三人で集まって同人誌の製作状況の確認や衣装の微調整に勤しんでいた。
 正直、本題の同人誌のほうは主催者の筆力がいまだ前途洋々たる(婉曲表現)状態であるために遅々として進んでおらず、集まりは日々完成度を上げるコスプレ衣装の鑑賞会の様相を呈し始めている。
 そのため、自分に出来る範囲で手伝うことを約束した秋晴ではあったが、よもや齢一桁(並みの容姿を誇る)の二人の着替えを手伝うわけにもいかない。
 そもそも複雑な着付けに関してはドレスなどの華美な衣装を着ることも多くあったであろう今までの環境が影響してか、ピナが想像以上の器用さ・博識さを見せたため完全に手持ち無沙汰となっているのが現状である。

「ふむぅ、やはり見れば見るほどミミナのコスプレは似合っておるのう。ふふふ、これはイベントに参加する日が楽しみじゃ!」
「あ、ありがとう……えへへ。でも、ピナさんも良く似合ってるよ」

 当然じゃっ! と腰に手を当てて堂々と答えるピナ。みみなもいい加減この状況に慣れてきたようで、もはや甘ロリの衣装を身にまとうのに一片の躊躇もない。
 秋晴はその様に「人間の慣れって恐いなー」と完全に他人事な感想を抱きつつ、一向に自分の存在に慣れる気配のない白麗陵のお嬢様方に対する悔しさとかその他色々の感情を押し込める。

「……ふむ、そろそろこの衣装も完成に近づいてきたが、あとはどうするべきかのう」

 ネガティブな思索の淵から這い上がりふと気付けば、ひとしきり着替えたばかりの衣装を楽しんだピナとみみなはコスプレ衣装の更なる改良案について話し合っていた。

「私はこれでもいいと思うんだけど」
「確かに、妾もこの衣装の完成度には満足しておる。じゃがまだまだ時間はある以上、さらなる改良を期してこそ真なるコスプレイヤーというものじゃ」

 自らをオタクにしてコスプレイヤーと名乗る王位継承権を持つ王女。存在自体稀少であろうが、話を聞く限り国民もそれを是としているらしい。恐ろしい国である。
 この場においては保護者的な役割を担う秋晴としては、さすがにそろそろこの暴走を止めるべきだろうか。同人誌製作も忘れたわけではないだろうが、多少なりと主旨の変わってきた気がしないでもない。

「そうじゃの、やはりココは色気か……」
「へ、いろけ……?」

 真剣な表情と、ファッションに対して厳しい少女の目線でみみなと共に衣装についての打ち合わせを重ねていたピナだったが、そう一人ごちるとおもむろにみみなへと近づき、淵をフリルで彩られたスカートを遠慮なく捲り上げた。
211コスプレ少女達の侵攻:2008/09/24(水) 21:52:17 ID:zOcBYlim
「きっ、きゃああああああ!?」
「おい、ピナ!?」
「秋晴君っ、見ちゃダメ!」
「うわぁ、すまん!」

 本日始めて声を上げるも、即座にみみなに制される秋晴。憐れである。
 しかし一瞬にしてこの騒動を引き起こした下手人はどこ吹く風。
 「絶対領域が…・・・」だの「見えそで見えない、いやいっそはかないことで生まれるギリギリズム……」だのなんだのとぶつぶつ呟きながら、必死でスカートを下ろそうとするみみなを無視してスカートの長さを検討している。

「ぴ、ピナさん!」
「待っておれミミナ。今、妾が最高のスカート丈を決めてやるからの」
「いい加減待てよそこの変態王女!?」

 みみなの方を見ないよう必死に目を逸らしながら不敬極まりないセリフを口走りつつピナを制止する秋晴。
 薄目を開けて視界の端にピナを捕らえると、真っ赤な顔をして体を小さくするみみなと、真剣な表情でニーソックスと太ももの境界線を見つめるピナと、その奥にある白いナニカ……

「ッ!」

 みみなのスカートの奥に隠された部分が目に入った瞬間、ピナがこちらを向いてきた。目が合ってしまい思わず再び顔を背けるが、ピナの視線が逸れた気配はない。

「ふふふ、秋晴。どうしたのじゃ、そのように赤くなって」

 そして、突如耳朶をなでるように響くピナの声。
 焦っていた上に目を逸らしていたせいで、ピナの接近に一切気付けなかった。
 驚いて振り向けば、顔を近づけたピナの唇は秋晴の頬に触れんばかりの距離にあった。
 その表情は半スカートめくりをしていた時の真摯なものとは打って変わり、頬は上気し朱に染まり、目じりはトロンと下がり、瞳はうっすらと揺らめく涙の膜に覆われている。
 秋晴は、その表情に覚えがある。
212コスプレ少女達の侵攻:2008/09/24(水) 21:55:55 ID:zOcBYlim
「なっ、ピナお前まさ……ッ!?」

 しかし、それを告げる前に彼の発言の自由は奪われた。
 その唇を塞ぐ、ピナの唇によって。

「んっ……ふっ、ふっ。……ふぅん」
「ぅわ、……おいピナ、待へ」

 秋晴はなんとか離そうと抵抗するが、ピナはその華奢な両腕を秋晴の首に巻きつけて離さない。いつのまにやらピナは完全に秋晴の上に腰を下ろし、両足で秋晴の腰を捕らえている。
 無理に力を込めれば折れてしまいそうな細さの滑らかな腕をうなじに感じて秋晴がためらう間にも、小柄な王女の唇は秋晴のそれへとこすり付けられ、時折その隙間から飛び出てくる舌が『入れろ』とばかりに唇を小突いてくる。

(あーっ、もう!)

 秋晴は、このままでは埒が明かないと判断し、状況を打開するためにも急に発情したピナをひとまず満足させる作戦に切り替えた。

「うんっ、ちゅぷっ……くちゅ、ちゅぱ」

 執拗に迫る舌への抵抗を止めて、わずかに唇を開く。
 ピナは重なった唇からそれを察して嬉々として秋晴の口内へと舌を差し込んでくる。ピナとの口付けは初めてではないが、いまだ幼い彼女の舌は短く、秋晴からも舌を差し伸べてやらなければお互いの舌を絡めることは出来ない。
 今日は、それを逆手に取ることにした。

「ちゅ、ずちゅるるる……はっ、ちゅぅぅ」
「んむっ!? んーっ! んんーーーっ!?」

 歯茎を舐め、頬の粘膜の上を踊っていたピナの舌を、さっきまでとは逆に飲み込むほどの勢いで吸い込んだ。
 それまでとは打って変わった秋晴の態度と、突然の吸引に驚いてピナは反射的に顔を引こうとするが、そんなことは許さない。
 後頭部を掌全体で掴んで引き寄せる。さらにもう片方の手で、水着のような伸縮性に富んだ生地で作られたレオタードに包まれる腰も自分の腰へと押し付ける。
 体格と力の差で、ピナは自分が攻めていた時とは違い完全に体の前面を密着することを強いられる。
 体を動かす自由を奪われて混乱したピナにもはやなす術はない。秋晴の口内に引きずり込まれた舌は表面の唾液をすべて舐め取られ、逆に秋晴の唾液をたっぷりと塗りつけられる。
 時折ピナの口の中へも伸びる秋晴の舌は逆襲とばかりに暴れ回り、奥歯まで舐め上げられ体の内側を吸い取られるのではと錯覚するほどの深い口付けをされる。

「んーーーっ! んーーーーーーっ! んんんんーーーーーーーーーーーっ!!!!?」
「……ぷはぁっ!」

 嵐のような口付けが終わり、互いの口を離したときは当然のようにお互いの口を銀色の糸が繋ぎ、絶頂寸前まで追い込まれたピナはその上体を秋晴の両腕に預けるしかなかった。
213コスプレ少女達の侵攻:2008/09/24(水) 21:57:00 ID:zOcBYlim
「はぁっ、はっ、……はぁっ」
「ふぅ……ふぅ、ピナ。お前一体どうしたんだ?」

 秋晴はひとまず息を整えて問いかけるが、いまだぐったりとその上半身を預けるピナから返事はない。目を閉じて、半ば開いた口の端から滴るよだれもそのままに激しいキスの余韻から冷めないでいる。
 自業自得とはいえ、少々やりすぎたかもしれない。

「おい、ピナ?」

 軽く揺さぶって声をかけ、ようやく腕の中の王女はうっすらと目を開ける。気だるげに眇められたその目には確かな意識の光と、いまだ消えずに揺らめく情欲の炎。

「っ!?」
「ふふふ、秋晴。よくもやってくれたの?」

 突如下半身から発せられた快感に、秋晴の息が詰まる。
 ようやくまともに話せるようになったばかりだというのに、ピナはすぐさま秋晴の股間へとその手を伸ばしていた。
 たおやかな指はズボンの前を押し上げる怒張を包むように折り曲げられ、慈しむような優しい手つきで擦りあげてくる。
 キスだけでピナを失神寸前まで追い込んだことに、秋晴とて無関心だったわけではない。突然の状況と、みみなに見られながらの行為に常になく興奮し、苦しいほどに股間を膨張させていた。
 自らの手淫に顔をゆがめる秋晴を見上げるピナの表情は、一度高められたために先ほど以上に蕩け、思考は曇り、実際の年齢を忘れさせるほどの妖艶さを見せている。

「まったく。劣情に任せて誘ってしまった妾にも落ち度があるとはいえ、よもやあれほど激しくされるとは思わなんだ。これは、やはりおしおきをせねばならんのう」

 おしおき、という言葉に秋晴の逸物はピクリと反応する。かつて幼馴染に散々苛め抜かれた幼少期の体験が、被虐の予感に対して体を自然に動かしてしまう。

「くぅ……、ピナ、止めろ……! 先輩だっているんだぞ!?」
「ふ、ふぇっ!?」

 それまでほとんど蚊帳の外に置かれていたみみなが、突如話の中心へと引き込まれたことに驚いた声を上げる。
 ピナ自身周りのことなどそっちのけで行為に耽っていたため、そういえばいたなと失礼なことを考えながらみみなのほうを振り向いた。
 いきなりのキスによほど驚いたのだろう。ピナのスカートめくりへ抵抗していた時のままスカートを下ろすことも忘れ、口元に上げた手にスカートの端を握り締めているみみなのスカートの丈はピナに弄られていたとき以上に持ち上げられて下着の下端がちらちらと見えている。
 大きな目は丸く見開き、相貌は紅く染まり、まるで生娘のような様子である。

 しかし、ピナは見逃さない。今まで自分がそうであったのと同じように、瞳に淫蕩な炎が輝いていること。両手で押さえた唇から興奮の熱を持った吐息が漏れていること。そして、わずかに見える下着にはっきりと濡れたしみのあること。
214コスプレ少女達の侵攻:2008/09/24(水) 21:59:07 ID:zOcBYlim
「……ふむ」

 ピナは、秋晴を緩く攻め立てる手を止めずに考える。この手の中で強く自己主張し加虐心をそそるモノと、それを独り占めしてしまったためにもはや戻れぬほどに火のついた小さな先輩。
 結論は、一つしかなかった。

「よし、決めたぞ」
「いや、……くっ! だから決めるとか決めないとかじゃなくて離せって……あくぁっ!?」

 文句を言ってきた秋晴の裏筋に爪をつきたてる。本来ならば痛みを伴うだろうその行為も、ズボン越しでは甘くもどかしい刺激となって秋晴の背筋を振るわせる。
自分にはSっ気を見せることの多い秋晴であるが、朋美や深閑を前にしてはむしろいいようになじられているのを知っているピナは、秋晴を攻める時のアクセントとして時折こういったこともする。特に、黙らせたい時などに。

「ミミナよ」
「ひゃっ、ひゃい!」
「今まで秋晴を独り占めしてすまなんだの。どうじゃ、これからこの者にさんざ妾を弄んだ罰を与えねばならんのじゃが、ミミナも一緒にせんか?」

「「なぁっ!?」」

 二人そろって声を上げる。声音には戸惑いが多く感じられたが、みみなの表情と、掌に納めた秋晴自身から感じられた期待の感情に、自らの提案の承諾されることを確信した。

「いやだから待てよピナ!」
「なぜじゃ?」
「なぜも何も、別にこんなことに先輩を巻き込まなくても……」
「……秋晴よ、それは妾がお主とミミナがスケッチのモデルと称して人目につかないところでしていることを知らないと思って言っておるのか?」
「「!?」」

 またもや見事なシンクロニシティを見せて驚く二人。

「な、なんでそんなことまで……」
「一国の王女の情報網をなめてもらっては困るの。他にトモミにセルニア、ミカンにカエデにサオリ。よもやカオルとまでシテいたのには驚いたがのう……」
「……わかった。わかったから」

 自分の女性関係がほぼ全て把握されていることに戦慄を覚えた秋晴は、呆然とした表情で降伏の意思を示した。
 というよりも、今上げた者達+αの間で『秋晴共有乙女協定』が結ばれていたりするのだが、秋晴本人と、そのことを知ればうっかり回りにバラしかねないみみなと早苗は一切を知らされずにこの協定に組み込まれている。
 もしも秋晴を巡って互いに争うような状況になった場合、日本はおろか全世界的な規模で混乱を起こしかねない各家の令嬢達が、秋晴の所有権を卒業後の進路という形で秋晴の自由意志に任せることで同意し、結ばれた相互監視条約である。
 定期的に開かれる会議ではそれまで各自が秋晴と行った行為について報告しあうという、羞恥と優越と怨嗟の入り混じる恐ろしい異空間が展開され、秋晴との接触機会の均等化及び友好関係の突出を防いでいる。

 閑話休題。

「さて、というわけで秋晴の同意は得られたのじゃが。ミミナよ、どうする?」
「……」

 妖艶な流し目でみみなを見据えるピナ。微動だにせず秋晴とピナの二人を見つめるみみな。
 もはや、結果は決まっていた。
ひとまずは以上で。みみなが空気なのは仕様です。
既に一通り完成しているので、続きはまた明日にでも投下できれば。

実は、これを書いていて一番楽しかったのがここにある乙女協定のくだりだったり。
エロを書くのよりも無駄な背景設定を考える方が楽しいとかどういうことだ……
216名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 23:36:02 ID:Cc84y612
全裸待機にはきつい季節になってきました…
深閑はきっとMだと思う。けど認めたくなくてきつい態度をとってるんだ。
217名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:12:57 ID:wOHCSD3Y
水蘭、アイシェ、ヘディエ、棗、早苗は?
218名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:16:29 ID:ZkZUFBZI
>>217
アイシェ、ヘディエコンビはそんなもの必要ありませんとか言って突っぱねたんじゃね?w
219名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:33:21 ID:ijIYvVcB
「+α」の中に居るんじゃね?
220続きいきます:2008/09/26(金) 00:20:05 ID:e2v6uXVY
一応、乙女協定はヒロイン全員(攻略可能・不可能問わず)加入しているものと妄想してます。
セルニアが暴れ、沙織が無自覚に場を煽り、アイシェ&ヘディエが虎視眈々というイメージ。

注意事項
・ピナ&みみな×秋晴
・分量の都合上、今回は三レスほど
・コスプレ要素が薄いというツッコミはご容赦を
221コスプレ少女達の侵攻 中編:2008/09/26(金) 00:22:32 ID:e2v6uXVY
「んっ、ちゅ……ぴちゃっ」
「ふぅぅぅん。んっ、んっ、……ちゅぅぅ」
「くああぁぁぁぁ……」

 ほんの数分で、それまで単なる同人誌製作のための会合場所だった部屋が卑猥な水音で満ちるようになった。
 部屋にいる人間は変わらないが、唯一の男である秋晴はズボンと下着を二人の少女によって半ば無理矢理に剥ぎ取られて下半身をさらし、ベッドの上に仰向けに寝かせられている。
 そして、ピナとみみなの二人は今、左右両側から秋晴のペニスへと口付けている。

 見た目の年齢こそ似通った二人であるが、その奉仕の仕方は対照的と言っていいほどに違っていた。
 ピナは短い舌を懸命に伸ばして、しかも一箇所にとどまることなく積極的に全体を舐め回していく。
 時折弱点をついては秋晴の顔色を伺い、望みの反応を引き出せていると知るやエモノをいたぶる猫のような笑みを浮かべて一層激しく攻め立ててくる。
 逆に、ミミナはあまり激しく動くことはしない。
 エラや裏筋など、ここと定めた場所に唇を押し付けてわずかに伸ばした舌でくすぐり、吸い上げ、唾液を塗りつけ、丹念に舐め上げる。その舌使いは巧みの一言であり、気を抜いてしまえばすぐにでも暴発してしまいそうな刺激を与えてくる。

 それぞれ一人ずつならばその感触を楽しむ余裕もある愛撫だが、これほどまでに毛色の違う刺激を同時に与えられれば堪えるだけで精一杯。
 二人の幼い容姿の少女が自らの股間にその秀麗な顔を埋めているという背徳的な興奮もあいまって、奥歯を噛み締めて耐えるのももうそれほど持たないだろう。

「うぁぁぁぁ、ピナ、先輩! 俺もう……っ!」
「んちゅるる、ぺろっ。……はぁっ、そうか、秋晴。では、ミミナよ」
「くちゅるっ、んんっ……ふぅ。……あ、うん」

 一人の男を同時に攻め立てていた二人に、もはや言葉による語り合いは不要。一言でわかりあい、今度は二人で一箇所を攻めることにする。

「あぁっ、そこは!?」
「まったく、これは仕置きだというのにそんな声を出すとはなさけないの、アキハル。だがまあ今回は許そう。たくさん出すのじゃ」
「秋晴くん……」

 二人が狙いを定めたのは、いまやビクビクと放出の時を待つ逸物の頂点。ピナとみみなは先端を固く舌を伸ばし、互いに絡めあいながら、尿道へと強く突き刺した。
222コスプレ少女達の侵攻 中編:2008/09/26(金) 00:26:24 ID:e2v6uXVY
「あああぁっ! 二人とも、出るっ!」

 それまでの柔らかな感触から一転、強烈な刺激は秋晴の臨界点を容易に突き破り、絶頂へと導いた。
 白濁液が尿道の先端に差し入れられた二人の舌を押し出す勢いでほとばしり、高く舞った白い飛沫は少女達の顔へ髪へと降り注ぐ。

「きゃふっ! ああっ、アキハルのじゃ……」
「あ、熱いぃぃ……っ!」

 二人はそれを避けようともせず、むしろもっと多くを望むように頬や額をいまだ震えて射精を続ける秋晴の怒張にこすり付ける。
 口内の粘膜に負けず劣らずなめらかな少女の肌が擦れ、秋晴はもはや声も無く荒い息をつくしかなかった。
 二人はいったん秋晴から顔を離し、その小さな顔が秋晴の白濁に汚されたことを苦ともせず余韻に浸り、みみなに至っては両手に受け止めた精液に舌を伸ばして舐め取っている。
 紅色の舌に白い半透明の液体がこびりつき、口の中に消えるとくちゅくちゅと口の中で転がす卑猥な音が聞こえてくる。
 そうして秋晴がみみなの様子に気を取られていると、ピナが再び秋晴の下半身に上体を預けてきた。

「んっ、アキハルよ。たくさん出すのは良いのじゃが、いっそ妾やミミナの口に出して欲しかったのう」

 そう言って、ピナは顔にかかった秋晴の雫を拭いもしないまま、先ほどの発射で勢いをなくしたペニスの先端に口付けて中に残った精液を勢い良くすすり込んむ。

「ちゅううぅぅぅぅぅぅっ!」
「あ、……ぁが」

 まだわずかに中に残っていた精液の塊がせりあがる感覚に、最後とばかりにびくんと脈打って、ピナの唇を震わせた。

「……ちゅぅぅぅ、っぱあ! んふふ、この味も、濃さも、そして何よりその表情も、そそるぞ、アキハル」

 いまだ幼い少女の身でありながら、唇を舐めながら見せるその表情は紛れも無く妖婦のそれ。秋晴は自分が交わっている存在に改めて畏怖の感情を抱いた。
223コスプレ少女達の侵攻 中編:2008/09/26(金) 00:28:43 ID:e2v6uXVY
「はぁっ、はぁ。……あ、ピナさん」
「なっ、ミミナ!?」

 三人での行為という特殊な状況により、珍しく秋晴の優位に立って余裕を見せていたピナだったが、その油断に漬け込むようにしてみみなが顔を寄せた。
 ピナの肩に手を置き、淫熱に蕩けた瞳で見据えるのはピナの顔にいまだ滴る秋晴の精液。どうやら、手に残ったものはすべて舐めとってしまったので次の獲物をピナの顔に見つけたようだ。

「あは、こんなに残ってる。もったいなぁい……。ちゅっ、ぴちゃぴちゃ、んっ、れろっ」
「な、何をするかミミナ! それは妾の分……んぶっ。……えぇい、お返しじゃ!」

 はじめこそ普段は見られないみみなの積極性に押されていたピナだったが、いつまでもそのままでいるはずがない。
 逆にみみなの体を押し返し、対等の条件に持ち込んでから自分もみみなの顔に残った精液へと舌を伸ばした。

「やぁ、……ちゅる、んちゅ、ぷちゅっ」
「ふふ、取られた分は取り返さんとな……ぺろ、ぴちゃっ。んちゅぅ」

 互いの顔を舐めまわす少女達の手はいつの間にか合わされて、まるで神への祈りのように相手の指の間に自分の指を絡めて交わっている。

 秋晴の目には、股間の上で相手の顔についた自分の精液を舐め取る少女達の淫靡な姿しか映っていない。
 舌が踊り、唇が光り、時折相手の口の中の精液までも奪い取ろうと深い口付けを交わす少女達。その光景は一度目の射精などものともしないほどの滾りを秋晴に与え、再びペニスを立ち上がらせていた。

「ふぅ、もう無いの……。お? ミミナよ、見るが良い。妾達を見て、アキハルがまた元気になったようじゃぞ」
「あ、ホントだ……。すごぉい」
「くぅああぁぁ」

 そのことに気付いた二人は、ためらうことなくその手を秋晴の怒張に這わせ、擦りあげてくる。
 先ほどまでお互いの手を握っていた小さな掌は今、秋晴のはちきれんばかりの逸物に添えられてその熱を高めてくる。喉を鳴らし、秋晴を見つめる二人の瞳にはいまだ翳りも見せない淫らな炎がある。

「のう、アキハル」
「ねえ、秋晴くん」

 二人の声は、自然に重なる。
 秋晴を見つめながらみみなが下、ピナが上になるようにベッドへと倒れこみ、何を弄ったわけでもないのに溢れんばかりの蜜でしとどに濡れたコスプレ衣装の股間をあらわにして、重ね合わせる。

「「こんどは、こっちに……」」

 二つの花弁が重なり合ったそこから香る性臭は、秋晴というエサを捕らえるための甘い罠。
 頭の片隅の冷静な部分がそう告げてくる声を秋晴は確かに聞いた。
 しかし、秋晴は先ほどまで感じていた射精の疲労も忘れ、その蜜壺の中心へと吸い寄せられるように向かっていった。
224やっぱり、お姫様キャラは良い:2008/09/26(金) 00:33:17 ID:e2v6uXVY
二回目終了
明日残りの本番部分と、その後を投下して終わるはず
至らないところなど指摘していただければ幸いです
225これでラスト:2008/09/26(金) 22:03:34 ID:e2v6uXVY
注意事項は前回と変わらず
ただし、今回は五レス分くらいのハズ
226コスプレ少女達の侵攻 後編:2008/09/26(金) 22:06:15 ID:e2v6uXVY
「あっ、あぁぁっ! はんっ、やっ! ア、アキハル! 強いのじゃ!」
「んきゅっ、はぁん! やぁぁぁぁ……っ! 擦れるよぅ!」

 折り重なった二人の少女は同じリズムで嬌声を上げている。秋晴は自身の剛直をどちらの秘所に挿入するのでもなく、一つに溶け合ってしまうのではないかと錯覚させるほどに蜜の滴る花弁の間につきこむことを選んだのだ。
 上下からレオタードと下着の布越しに愛液を吹き上げる少女の泉に挟まれ、両脇は広がった肉襞に包まれるそこの感触は少女達の膣内に劣らぬ快感を秋晴に与え、秋晴のピストン運動をますます加速させる。

「んぶっ、ちゅ……きゃぅん! ……ふあ、ミミナよ……大丈夫か? あっはぁあ!」
「……う、うん。なんとか。ぺちゃっ、くちゅ……あ、ダメ、そこぉ!」

 自ら選んだこととはいえ、先ほどまでの攻勢とは打って変わりこちらからはほとんどなす術のない状況に少女達の肢体は余すところなく翻弄される。
 互いを思いやって唇を交わし、辛くないよう体の位置を整えているときも、秋晴の体が圧し掛かるように押さえつけて自由は利かない。
 しかも先ほどから秋晴の両手はピナの尻房を鷲掴みにして押し付け、秋晴自身にも二人の少女にもますますの快感を与えて思考がもはや定まらない。
 二人の着ているコスプレ衣装も汗とも愛液とも精液ともつかない液体で濡れて、所々激しい交わりの最中にどこかに引っ掛けてしまったものか裂け目が出来て、その光景が秋晴をますます興奮させてしまっている。

 性欲に思考を支配された秋晴は、目の前の二人の少女を蹂躙することしか考えられない。
 レオタードの生地の隙間から覗くピナの白い肌は既にあらゆるところが秋晴の舌によって唾液を塗りつけられ、てらてらと卑猥な光を反射する。
 みみなの衣装も前面が既に引き裂くように開かれて小ぶりな乳房をさらし、ピナの未発達な胸と乳首を擦りあわされてまた切ない悲鳴を上げさせられる。

 だが、それだけのことをされていてなお少女達の体は不満を訴えていた。
 荒れ狂うような愛撫で体中を攻め立てられていても、それは上辺だけのこと。
 秋晴と同等、あるいはそれ以上に性欲の虜となった今の彼女達は、体内に秋晴の熱量を感じる時を今か遅しと待ちわびているのだった。

「あ、秋晴くんっ、はん! ねえ、そろそろ……みみなの中にも……」
「なっ、ミミナ! 抜け駆けはずるいぞ!」

 先に耐え切れなくなったのは、みみなだった。
 ピナが秋晴を誘い、はじめの口付けを独り占めする様も見せ付けられてしまった結果、三人の中で最も強い不満と期待を抱くに至った彼女が先手を取ったのは、ある種の必然だったろう。
 自分から挿入をねだる羞恥と、それを上回る欲望に相貌を上気させて秋晴に頼み込むみみな。その姿は秋晴の中に最後に残った頚木を外すのに十分な威力を持って彼の理性を打ち据え、獣性を解き放った。

「……おぉぉっ!!」
「あ、入ってき……やっ、激し過ぎるうぅぅぅぅぅぅっ!」
227コスプレ少女達の侵攻 後編:2008/09/26(金) 22:08:57 ID:e2v6uXVY
 想像以上の勢いで膣内へと侵入され、覆い被さるピナの体ごとがくがくと震えるみみな。
 喉を逸らせて舌を突き出し、ずっと待ちかねていた刺激に呼吸もままならなくなる。
 しかし見た目は幼くとも年齢的には成熟した体を持っているみみなの膣は秋晴の剛直を包み込み離そうとしない。いくつもの襞が全方位から吸い上げ嬲り、お互いをさらに高みへと押し上げる。

「ア、 アキハルぅ……ミミナだけはずるいのじゃ。んっ、あ……わ、妾にもぉ……」

 自分の体を挟んで行われている激しい交わりに、ピナの中の劣情が王女としてのプライドに勝った。
 夢中で腰を振る秋晴の気を引こうと、高々と腰を掲げ、両手で自らの尻たぶを掴んでレオタードのクロッチをずらし、産毛も生えない恥丘と菊門を広げて秋晴の目にさらす。
 すると、秋晴の腰の勢いが弱まった。ピナの顔に吹きかかるみみなの熱い吐息が長く細くこぼれるが、そんなものは気にもならない。
 秋晴が、見ているのだ。はしたなくも自ら広げた秘部を。
 ちりちりと焼けるように視線を感じる。体全体で感じた秋晴とみみなの交わりで興奮させられた体は今すぐにでも受け入れる準備が整っている。
 秋晴の顔が股間へと近づく気配を感じて、せかすように陰唇がパクパクと開き、中から愛液の塊をこぽりと零した。

「……ふぁ、あ、秋晴くん……抜いちゃやぁ」
「はぁ……はぁ。ピナ……」
「あぁ……アキハル、は、速く……っ!」

 秋晴の次の狙いが自分に向いたと知って、ピナはもういても立ってもいられない。一国の王女という自らの立場も忘れ、尻を振って男を誘うその頭にはもはや一匹の雌としての快楽を求めることしかなかった。

「アキハルの、入ってきて……んんっ、い、痛ッ! んはあぁぁぁぁ!」

 みみなももちろんだが、年齢的にも幼いピナの膣内は例え愛液が溢れていようとも窮屈で狭い。普段ならばそれを気遣った挿入を心掛ける秋晴だったが、今はそんな余裕もない。
 ピナ自身、普段から秋晴には強気に攻められているため、常にない三人での行為とさきほどまでの焦らしにも似た状況が極度の興奮状態を作り出し、ピナの体への負担を無視した秋晴の焼き付きを起こしそうなピストンの痛みすら快感に変わっていく。
 そこからは、ひたすらに激しい交合の時が続いた。

「秋晴くん、こっちもぉ」

 ピナに奪われた秋晴を取り戻さんと、みみなはその股間を秋晴の太股にこすり付けて感心を引き、再び胎内へと剛直を受け入れる。

「はぁっ……、アキハルよ、そろそろ妾の方もどうじゃ?」

 ピナもまた、自分の下に組み敷かれたみみなの胸や首筋を秋晴の動きに合わせて攻め立てながらねだる。

「あぁっ! あぁぁぁぁ!」

 同時に二人を相手にしている秋晴の目に、理性の光を見出すことはもはや難しい。
 ピナとみみなの膣内へと交互に肉棒を強く突き込んでいるが、自分が攻め立てているのか、あるいはこの小さな二人の少女に嬲られているのかもはや区別がつかなくなっている。
 ただ請われるままに腰を打ちつけ、そこからもたらされる快感に酔いしれることしか出来なくなっていた。

 そうして交わり続けてどれほどの時間が経ったか。ついに三人に限界が訪れる。もはや四肢を動かす力を失った少女二人は虚ろな目つきで快感に蕩けた顔を無防備に晒し、三人の接合部は誰の分泌したものとも知れぬ粘液でぬるぬると光っている。

「あんっ! きゃふ……くぅぅ、ア、アキハル、ミミナ。妾はもう……」
「んんんん! ……う、うん。私も……くはぁっ! お、奥までぇ!」
「くあ、……はぁっ、はぁっ! ダメだ、もう、出るッ!」

 秋晴のペニスがそれまでより一層震え上がり、二人の花弁の間から引き抜かれた瞬間に大量の精液を吹き上げた。
 元は華美な装飾と丁寧な縫製によって彩られたコスプレ衣装も、いまはあちこちが破け、剥かれて惨憺たる有様を示して辛うじて少女達の肢体を覆っている。
 秋晴の放った白濁液はそのまま少女達共々コスプレ衣装を白く汚し、決して消えない彼の匂いをしみこませていった。
228コスプレ少女達の侵攻 後編:2008/09/26(金) 22:12:15 ID:e2v6uXVY
「……なあ、ピナ」
「なんじゃ? アキハル」
「……(ぶくぶくぶく)」

 現在地、バスルーム。使用者、日野秋晴、ピナ・スフォル、桜沢みみなの三名。
 行為後の体を洗い清めるため、三人で風呂に入ることになった。
 いち早く体を洗ったみみなが浴槽から恨めしげな目線を向けてきているのに気付かないようにしつつ、秋晴は自分の精液があちこちにこびりついたピナの体を泡立てたスポンジで優しく拭いながら尋ねている。
 ちなみに、ピナは普段から行為の後は秋晴に体を洗わせているが、みみなは当然自分で洗う。
 三人での入浴を希望したピナに対して普段の習慣の違いから固辞したみみなではあったが、数々の二次元著作物によって屁理屈を鍛えられたピナの舌鋒とコスプレ衣装を気付かず着込んでしまう己の天然具合によって、見事丸め込まれて今に至る。
 辛うじて自分の体は自分で洗うことに成功したが、みみなはそのまま湯船に浸かってしまった。
 白麗稜クオリティで六畳間ほどの面積に並々と熱い湯を湛えた湯船によって、『ちょっと三人で入るには狭いよね』などという庶民的な回避手段もはじめから潰され、この後三人で風呂に入ることはもはや覆しようのない確定事項となった。
 彼女の頭には早目に上がるという賢明な選択肢が浮上することはなく、一秒ごとにこみ上げる羞恥とやり場のない怒りを視線に込めて、先ほどまで交わっていた男子に向けるしかない。

 閑話休題。
 秋晴はピナに聞かなければいけないことがあった。

「いや、あれだけしといてなんだけど、衣装大丈夫なのか?」
「大丈夫とは、どういうことじゃ?」
「……(うんうん)」

 不思議そうに聞き返すピナと、湯船の中から小さな首肯で同様の疑問を持っていることを伝えるみみな。秋晴の心配事は、いずれ本番での着用が見込まれるマジカル・ディーバのコスプレ衣装の今後についてである。
 先ほどまで行われた一連の激しい行為で、衣装はほつれ、破け、精液漬けと言ってもいいほどの惨状となり今は内部の様子が可能な限り分からないように隠蔽して三重の半透明ゴミ袋の中に収められている。
 このままでは、同人誌製作がいつ始まるかはさておき、コスプレ売り子は不可能になってしまうのではないか。一目で高価と分かる生地に、精密な縫い目。きっと製造にはそれなり以上の労力と時間が必要なはずである。
 その旨をピナに説明すると、同人誌の作成に関してはいまだ修行とアイディア確保の準備期間であるということを内股をつねられながら説明され、衣装についてはまったく問題ないと太鼓判を押された。

「いや、問題ないってどういうことだ?」
「簡単なことじゃコスプレ衣装は一着ではない。ただそれだけのこと」
「……ぇ」

 ピナは『我に抜かりなし』とばかりに堂々と平らな胸を張り、みみなは軽くショックを受けたように声を上げる。残念、どうやらコスプレ回避のイベントは発生しなかったらしい。
229コスプレ少女達の侵攻 後編:2008/09/26(金) 22:14:26 ID:e2v6uXVY
「なんだ、まだ何着か作ってあったのか?」
「無論じゃ。今回使用するマジカル・ディーバだけではなく、その他各種コスプレ衣装も天上院の系列服飾会社の協力で量産ラインも確保しておる」
「……あぅぅ」

 もはや先ほどからマトモなセリフを喋ることのできないみみな。
 というか、いつのまにそんな商業レベルの話になっていたのだろうか。秋晴は脳裏に理事長兼事務員兼ピナの腐女子友達兼トラブルメーカーの顔を思い浮かべ、今度そのあたり「しつけ」てやろうと決心する。
……まあ、深閑による数年来の指導で変わらない物が自分のアレで変われば深閑がかなり落ち込みそうな気もするが、それはそれ。
 なんにせよ、大した問題はなさそうで秋晴は安心した。
 そして、秋晴の場合安心は大抵油断を招く。

「ところでピナ、なんでそんなにたくさん用意したんだ?」

 この質問が迂闊である。
 それまでのピナを含めた女性と自分との関係に思いを巡らることができ、健康な男子高校生としての性知識を持っていればたとえアニオタでなくとも考え付くであろう一つの可能性。秋晴はそれを失念していた。

「決まっておる。アキハルとのコスプレえっち用じゃ」
「なぁっ!?」
「ふ、ふぇ!」

 しれっと言ってのけるピナ。秋晴とみみなは寝耳に水の上に想像の埒外をいく使用方法があらかじめ予定されていたと知って驚きを隠せない。
 だが、それだけで終わるピナではなかった。呆然としてガードの緩んだ二人の懐に、さらなる一撃を叩き込む。

「ああいうのもたまにはいいかと思っての。他にも色々用意しておるから、今度は別のものも試してみるか」
「なっ……!」
「……あのぅ、別のって?」
「おぉ、ミミナは乗り気か。……そうじゃのう」
「……っ! ておいピナ!?」

 湯気に曇った浴室の天井を見上げ、用意したコスプレ衣装ラインナップを思い浮かべるピナだったが、何故かその手は秋晴のペニスへと添えられていた。
 さきほどまでの行為で力をなくしてはいるが、こんなところで弄られてはまた復活してしまうだろう。

「王道なところでは、巫女服、メイド服、チャイナドレスにバニーガール。版権ものでは脇巫女服や陵桜学院やらなんやらの各種制服にヴォーカロイド服、CCさくらから白い冥王まで各種魔法少女ものの他に、ネコミミ、尻尾などアクセントも豊富に取り揃えておるぞ」

 後半に続々と現れた固有名詞はほとんど理解不能だが、全てを並べることになれば錚々たる光景になるだろうことは疑いない。
 ピナはそれらをそらんじている間もずっと秋晴の股間にその手を置いたままで、緩く掴んだまま特に動かそうとはしなかった。
 しかし

「……ふーむ、秋晴は妾のバニーガールが所望か。マニアックじゃの」

 と、再び情欲色に染まった瞳を秋晴へと向ける。股間の手を動かさなかったのは、秋晴がどの衣装に反応するかを確かめるためのものだった。
 そんな方法で自分の内心を探る目の前の幼女に戦慄を覚えつつも、今回のような行為を今度はバニーガール姿のピナやみみなともできるのかと考えると、健康な一男子として興奮を抑えることはできない。

「んふ、期待してしまったようじゃの、アキハル。息子が疼いておるぞ。さすがにまだ衣装を用意はしておらんからの。今のところは妾の口で我慢するが良い。……ほれ、ミミナ。何をぼさっとしておる。お主もやるのじゃ」
「あ、……うん」

 体に纏う泡も流さないままに秋晴を壁に押し付けるピナと、ざぶりと湯から上がりもはやなんの躊躇もなく秋晴の前に跪くみみな。
 らんらんと輝く二人の目が既に隠しようもなく膨張している自分のペニスに向けられているのを見て、秋晴は諦めにも似た覚悟を決めた。
 どうやら、今夜も長い夜になりそうだ。

 後日。バニーガール姿のピナとみみな両名といたしたのはもちろんのこと、前述の乙女協定の会議でコスプレえっちをしたことを大層好評だったことも含めて報告。
 秋晴を巡る少女達の間にしばらくの間コスプレブームが巻き起こったという話もあるが、詳細は定かではない。
230終了:2008/09/26(金) 22:15:23 ID:e2v6uXVY
以上、お付き合いありがとうございました
もしまた何か電波が降りてきたら書くと思うので、その時も生暖かく見守ってやってください
231名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 01:12:16 ID:KN/imRVI
子供組乙
232名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 01:51:04 ID:6UjHHfP5
>>230
GJ
というか先輩には本編でこそもっと秋晴に関わってもらいたい
233名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 04:10:25 ID:9C6C1LPu
保守
234名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:50:42 ID:Xn8OIIOk
保守
235名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:18:00 ID:tvbm53uW
やっぱときどき止まるよな
このスレってリレー振ったとして書ける人どのくらいいる?
ss一本書くのはきつくてもワンシーンならって人もいると思うんだけど
236名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 19:20:54 ID:LKMpCcMv
後ろから名前を呼ばれた気がした。
振り返った先にいた人物は
 セルニア
 セルニア
 セルニア
237名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 23:23:40 ID:RXe3+kp0
>>235
行けるぜ

一本書いて、余りの酷さにお蔵入りしたりしたが
238名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 23:25:37 ID:sRlcghE4
う〜ん
二人じゃつらいなぁ
そもそも量書けないから提案したんだけど

保守代わりの小ネタみたいなのでもいいから書ける人いないかな
239名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 03:23:54 ID:gjvWoCOZ
保守
240名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:15:58 ID:+C9tb8s0
>>238

短くても良いならヤル
241名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 02:00:22 ID:6tRO2PUK
ろくな結果にならないだろうと
242名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:11:26 ID:+/FUku9y
ほす
243名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 23:36:20 ID:1xkpxjHy

書けるぜ
244名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 21:31:17 ID:NmLs6rdv
待ってるぜ!
245名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 21:37:09 ID:JMm8G+4t
オレハマッテルゼ
246名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 02:14:45 ID:rINaX0JM
待っているんだが…
247名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 18:36:28 ID:83iTft9K
ほしゅ
248名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 08:41:45 ID:Ay1Tzwqo
保守
249名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 17:28:59 ID:eDeeSJ7y
保守
250名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:02:58 ID:cI2ApVNI
やはり新刊が出ないと投下はないんだろうか…
251名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:41:26 ID:ube2L33v
むにゅ〜( ´∀`)
252名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 22:33:24 ID:2gZ1iagl
ニア 深閑とラブラブ(死後)ルート
 深閑を性的な意味でいじめるルート
 深閑&理事長ルート
 腹黒ルート
 マーダー侍女ルート
253名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 00:49:53 ID:W58ea3bp
どれも捨てがたい
254名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 07:48:02 ID:vTmxhnOC
保守
255名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 10:19:10 ID:PcIyt4r4
256名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 20:35:49 ID:+S4v6vH9
257名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 00:35:00 ID:3odhjjQh
保守
258名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:18:39 ID:gi5QN0Px
保守
カレカノのエロパロって存在するの?
259伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/12/25(木) 13:37:46 ID:vsZaAk2a
RIOT GIRL完結編投下します
260伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/12/25(木) 13:38:55 ID:vsZaAk2a
 白麗綾の空は広いと秋晴は思う。
 建物一つ一つが離れているから、都会のように建物が空を見上げた時に妨げにならないからだと気付いて、改めて敷地の広さを思い知らされる。
 そして今日は雲一つない晴天。広い空の真ん中に存在を主張する太陽は夏の盛りも過ぎ、日差しもきつすぎず心地良く大地を照らしている。
 別段詩人でもないので、それを見たところで、あ〜良い天気だな〜。くらいしか思い付かないけどそれでも良いと思えてくる。
 今だけはこの心地よさに身を任せて何もかも忘れられそうで――。

 いや、忘れちゃだめだ。
 だって、今ある心地よさは天気のおかげだけじゃないし、上を見ているのも下を見たくないからという理由だ。
 いい加減この現実逃避をする癖をなんとかしなくちゃなとは思いつつも、逃げたいものは逃げたいのだから仕方ない。
 そもそも自分はなんで白麗綾に入ったんだ?
 そう思わざるを得ない。少なくともこんな目に会うためじゃない。
 ――いい加減現実逃避を止めよう。
 決意してそっと、ぎこちなく視線を下に降ろしていって確かめる。
 改めて見たら間違いでしたという期待をちょっとだけしながら見て――。

 やっぱり朋美に抱きつかれている事実にまた空を仰いでしまうのだった。

『RIOT GIRL』

 週末をセルニアと過ごし、日曜の昼を食べた所で別れて部屋に帰ると、先にルームメイトの大地が戻っていた。
 そこで、なんだかしょんぼりしたような、困ったような表情をされたのでどうしたのかと聞くと、放っておいてくれと言われた。
 何か気を損ねるような事をしたかと尋ねれば、
「誰も悪くない。誰も悪くないからこそ辛いことがある」
 と何だか難しい返しをされた。
 それでも放っては置けないと食い下がると、時間が経てばなんとかなると言われそれ以上の干渉を拒絶された。
 それからなんとなく気まずいままに午後を過ごし、夜を迎えた頃、メールが来た。
 文面は「明日、話したい事がある」ということ。
 差出人は彩京朋美、その人だった――。

 † † †

 という所が昨日までの話。
 正直面食らったと言うのが素直な所だった。こういう場合こそ朋美は慎重になるのではないかと思っていたのにこの速さ。
 策なのか、無策なのか。
 朋美を相手取るならば普通は策と思うべきだろう。だが、今回は普通ではない。
 平常を欠いた朋美なのだ。
261伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/12/25(木) 13:40:06 ID:vsZaAk2a
 繕いもせず、無様を晒してまでの事を彼女は既にしている。故に分からない。
 そもそもに置いて、自分は本当に朋美に好かれているのかという事自体が疑問だ。
 いつもの嫌がらせではないのか?
 いつもの嫌がらせで出来る事か?
 ――分からない。
 元来が頭の回る方ではない。だから秋晴は愚直に確かめるしかない。
 そうして秋晴は朋美を訪ねた。
 最初は部屋の中に促されたが、それは秋晴が断った。密室に二人きりは流石に不味いだろうという判断だ。
 それなら、ということで白麗綾の敷地を歩く事になった。
 しばらくは無言で歩いていた。
 朋美は先導する形で歩き、前を見たまま話掛けようとはしてこない。
 秋晴はその後ろを歩き、どう話掛ければいいか分からずやはり無言。
 それが十分以上も続いたところで朋美が動いた。
 くるりと振り返った朋美の表情は深刻で秋晴を戸惑わせた。その隙をつくような形で朋美は秋晴の胸へと飛び込み――

 ――今に至る。
 硬直してしまった秋晴だったが、朋美の不意の言葉に驚いた。
 ただ一言、
「よかった……」
 と呟いただけだった。
 しかしそれは何より秋晴の心に衝撃を与えた。
 よかったなどと、か弱い声で、肩を震わせて言うのだ。あまつさえ声音には涙混じりの響きがあった。
「朋美……」
「不安だったの。来てくれるか、話を聞いてくれるかって」
 胸に縋り付く朋美は、伝えるその温もりすら頼りなく、儚げな印象を漂わせている。
「聞いて欲しいのはね? 好きだって言ったのは本当だってこと。セルニアさんに負けたくないって言うのも本当だけど、一番譲れないのはやっぱり秋晴が好きだって事」
 顔を胸に埋めた朋美の表情を伺い知ることは出来ない。しかしそれでも、秋晴はそこに偽りがないと直感した。
 真摯な言葉だった。だからこそ、自らも真摯な言葉で返さねばならない。
「……悪い」
 言って、朋美の肩を掴んで引き剥がす。
「俺はセルニアが好きで、だから付き合ってる。お前の事が嫌いなんじゃない。
 むしろ、なんだかんだなんの繕いもしないで話したり出来る相手はお前だけで、その存在に救われもした」
 そこで秋晴は苦笑いを浮かべた。
「まあ確かに本気でムカついたりもしたけど、それで嫌いになったりはしない。
 でも――やっぱ、ゴメン」
「…………」
 俯いた朋美の顔は前髪が隠して表情は伺えない。ただ、きつく噛んだ唇が想像させるだけだ。
262伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/12/25(木) 13:41:14 ID:vsZaAk2a
 泣きそうに、なってるんじゃないだろうか?
 だとしたら、心を痛めずにはいられない。知らなかったで済ますつもりはない。己の鈍さを棚に上げて逃げる程に自分は愚昧なつもりもない。
「……ごめんな」
 謝罪の言葉に朋美が顔を上げる。それを見て驚く。
 ――笑ってる?
 辛そうなのに、今にも泣きそうなのにあくまでその表情は笑顔。
「まだまだなんだから」
 そう言って、朋美は一歩を詰める。
「たかだか一回目の決着がついただけ。今セルニアさんと付き合ってても、これからどうなるかなんて分からない。だからね? 秋晴」
 佇まいを直して、朋美は強く言った。
「改めて言うわね? 私、秋晴が好き。セルニアさんに負けないくらい。ううん。好きって事で、負けたくない」
 真摯な顔をふっと崩して朋美が笑う。
「――揺らいだ?」
「……少し」
「そっか。じゃあ今日はこれくらいで勘弁してあげる」
 してやったりと笑顔を浮かべながら朋美は秋晴から離れていく。
「セルニアさんに伝えておいて。負けないからって」
「……おう」
「うん。……それじゃ」
 去っていく朋美を見送りながら、秋晴はさっきまでとは違う思いで空を見上げる。
 まだしばらく受難は続きそうで、頭が痛くなりそうだ。
 ――でも。
 楽しくもあるんだろう。
 辛かったり、バカバカしかったり、悩んだりする、この白麗綾での毎日が。

 多分そうして日々を楽しむ事が、白麗綾に来た意味だと思えるから――。

263伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2008/12/25(木) 13:43:50 ID:vsZaAk2a
 毎度、伊南屋です。

 ごめんなさい時間ばっかりかかってごめんなさい。
 そのくせして内容中途半端でごめんなさい。
 でも完結はさせなきゃと思ってやりましたごめんなさい。

 つ……次こそはちゃんと……ちゃんと書きます。

 本当申し訳ありません。
 以上、伊南屋でした。
264名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 17:39:07 ID:+2yJK0VW
グッジョブ!!
265名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 10:32:43 ID:QH6S6oAN
>伊南屋さん
 そういえば大地に覗かれていたんですよね? 今回のセルニアとの情事。
266名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 21:18:14 ID:005ZbZWr
保守
267名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 01:57:23 ID:ghymBms1
ほし
268名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 16:36:50 ID:cRPEtdjz
三家と大地で女装×男装の倒錯プレイとか書いてくれる人いないかなぁ
逆でもいいけど
269名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 23:42:41 ID:mpdjcm5M
>>268
逆…?
三家女体化男装×大地男体化女装…?
三家の方が人気でそ(ry
270名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 00:13:33 ID:L+UnMcT5
そこはやはり秋晴×男装大地×女装ミケの3Pでしょ
271名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 23:27:56 ID:yaiOPr2o
男装といえば深閑さんが似合いそうな気がしないでもない
272名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 00:37:08 ID:ODC1KC1q
>>271
蜜柑て何気に胸でかくなかったっけ?
サラシか何かで平にしようとしても、大地より大き…。

こんな時間に誰か来たみたいだ。
273名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 00:41:53 ID:FvBPciXb
セルニアモンデネルヨ
274名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 02:36:16 ID:sOp9OGoM
カオルダイチモメナイヨ
275名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 00:28:07 ID:uROQsBxE
先輩のエロかきたいんだが、あの人は小さすぎてすげー痛そうだな
276名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 11:22:35 ID:PXgC7XXr
作者にまで合法ロリ言われてるしな
277名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 11:56:16 ID:HPmQ0HLi
19歳は魔法『少女』じゃない
そう思っていた時期が俺にもありました
278名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 03:26:24 ID:x++O7L2G
もう秋晴×ミケでいいんでない?
279名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 23:38:50 ID:TOnPcjrd
そこは大吉に譲ってあげようよ。彼のド本命だろ
280名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 23:24:58 ID:j7unqV7K
実は大地が男装麗人って設定は、三家も男装だってことを誤魔化すための伏線じゃないかって偶に思う
281名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:55:34 ID:yJ/lIsky
3巻までよんだ。大地のシャワーみて違和感いだかなかったのは、ぺったんなだけじゃなくてフタナリだとか妄想した
282名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 20:14:34 ID:EsWQlhHe
保守
283名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 05:59:23 ID:DxA6hJ0A
誰かあの不毛な争いをやめさせてきてくれ
284名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:02:44 ID:0YvopFO9
ドジメイド姉妹はあんま人気ないな
285名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:48:23 ID:N9LgL06i
人気なのって誰なんだ。ドリル、大地、合法ロリの順くらい?
286名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 01:00:59 ID:LRh3F/H/
深閑好きだけどどうなんだろ
287名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 19:56:40 ID:JnwdHmQC
深閑がとってもエロい体している体育祭は大好きです
288名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 20:02:13 ID:OF7r8eN6
確かにメイド服に押し込めておくにはもったいない体だな。
アイシャ並みとはいかんでも、エロ姉くらい脱いでくれればいいのに
289名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 21:44:42 ID:0YvopFO9
5巻の表紙のみみなかわいい
290名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 08:28:20 ID:xz/RrCRH
それに対して7巻表紙ではエロい。誰か姫さまと百合物で書いてくれないものだろうか
291名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 02:56:29 ID:FIWHXEyS
深閑好きの戯言だが
体育祭での蜜柑とエロ姉でちょっと思いついたんだけど、体操服で恥ずかしがってる深閑に学ラン上着ってのはどうだろう。
前はだけててもいいし、閉じてたらそれはそれで。

>>285
個人的ランクでは 深閑>先輩>大地≧アイシェ とか
ドリルとか腹黒とかは微妙にあわない
292名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 13:20:18 ID:Qvg577XB
黒んぼは好きになれん
293名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 00:30:28 ID:EBWCjC3L
>>292
表でろ
294名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 21:15:46 ID:UfAFYPKU
やべ、本スレに誤爆したww

456 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2009/02/01(日) 20:32:01 ID:4JtAuQCT
例えば、一人前のメイドになる為に調教を受けてるとかで、
蜜柑がそのテクニックをエロ妹に伝授するのなら萌える。
もちろん練習台は秋晴で
295名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:32:02 ID:DiZXlCPF
理事長ともっとからめ
296名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:23:52 ID:8kz6/kxq
過疎るなあ
297名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:33:02 ID:eAjqTX4/
ラノベのエロパロなんてこんなもんじゃないか
アニメ化したことあったり、職人さんが常駐しているようなところなら別かもしれんけれど
298名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 01:36:36 ID:zXFQndME
ラノベでずっと元気なのはピンク髪の釘宮のところとかかね
299名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 12:11:35 ID:IJMsWmxM
新刊くればそれなりに盛り上がるかな
300名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:52:41 ID:/vmgKPRI
いつ頃だろう
301名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 00:17:23 ID:8mSZW282
4月だよ。ブートレッグにきてた
302名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:05:22 ID:yOmWJkRw
中国茶飲みたい
303名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:38:27 ID:pQ6V1GJW
中華娘食べたい
304名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 16:00:48 ID:EvigDIYv
先輩たべたい
305名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 08:15:35 ID:rNtfQWqM
腹黒は頂いていきますね


保守
306名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 22:53:34 ID:cVpGKIF9
307名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:07:16 ID:9cC0/Zq7
大地はどんなパンツを穿いているんだ
308名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:54:36 ID:f+ZOHCIr
ボクサーパンツだろ
309名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:13:25 ID:p0ozTaK2
この過疎をどうにかするには俺が一肌脱ぐしかないようだな
310名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:27:53 ID:xn+rC/hB
>>309
お前さんが大地かミケだったらみんな大喜びなんだがな…
311名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:51:48 ID:3w61+nzU
>>310
そこで女の名前を挙げないお前に惚れた。
312名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 02:56:45 ID:emBoJWdZ
>>311
ぶっとばすぞ
313名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 12:09:50 ID:/sProGcp
>>312
まあまあ、大地さん落ち着いてw
314名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 07:40:04 ID:ZGd7SbGV
あげ
315名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 00:09:40 ID:vXv7X9s5
ageage
316名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 04:05:24 ID:ng289GHZ
保守
317名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:52:33 ID:Vr3Et47O
保守
318名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 20:11:40 ID:KRE5TmYU
ほしゆ
319名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 02:30:33 ID:c9XNQb3W
新刊はまだかぁ!
320 ◆/hPi/DR/DQ :2009/04/12(日) 02:44:03 ID:/Im4DDw8
てすと
321名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 09:23:14 ID:tly6twgY
圧縮回避アゲ
322名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 21:24:48 ID:i0XQsYWN
週刊ほしゅ
323名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 11:32:05 ID:kezTMS/N
もう少し落ちないでくれ
324名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 17:05:31 ID:t29LjBxS
325名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 22:16:46 ID:c6b7d+oL
好きやで
326名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 21:39:19 ID:vZeNatMb
保守
327七ヶ月ぶり:2009/04/25(土) 20:48:00 ID:w9/1le72
以前ピナ&みみなを投下した者です
話の内容自体は前巻を読んだあとくらいにはもう出来てたけど、実際書く気力が湧いたのは
今月の新刊を読んでからという体たらく
そんな代物でもよければ読んでやってください

注意事項
・秋晴×薫
・今回はエロまで行きません
・個人的な嗜好により、前回と設定を同じくする秋晴ハーレム状態です
・でもハーレム描写なし

328名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:51:17 ID:w9/1le72
 白麗稜の夜は静かである。
 広大な敷地は車両の騒音と縁がなく、そこに住まう淑女達もまた、深夜に騒ぎ立てることを良しとはしない。
 そして、将来そんな彼女らに仕えることを目指している従育科の生徒に至っては、言わずもがな。
 わざわざ進んで騒ぎ立てようと考えるはずもなく、そもそも深閑による壮絶な従育科授業に体力を奪われ、すぐにも床に就くのが常である。


 その日、大地薫は静かな自室で一人布団に包まれていた。
 自室に備え付けられた風呂から上がり、髪を乾かしてから間をおかず布団へと潜り込んだ薫の頬は、まだうっすらと赤く火照っている。
 窓の外で猛威を振るう冬の寒さとも無縁の暖かさが、じわじわと布団に移っていくのがわかる。
 今は秋晴が風呂に入っており、ちょうどシャワーで体を流す音が聞こえてきた。
 きっと、もうすぐ出てくるだろう。
 自然と薫の胸が高鳴った。

 秋晴と薫は、既に男女の関係となっている。
 家庭の事情で男と偽って従育科に入ったこと。それをこれからも秘密にし続けなければならないこと。そして、秋晴への想い。
 そういった諸々を、紆余曲折の末に秋晴へと伝えることとなり、秋晴がそれを受け入れた夜に結ばれて以来のことである。

 ちなみに、秋晴と一夜を過ごした翌日、朋美とセルニアの二人に拉致られた。
 連れて行かれたのは「秋晴共有乙女協定」なる条約に加盟している白麗稜の女性達の会合の場で、そこで秋晴を取り巻く女性関係の事情を知った。
 自分を含めてそこにいた全員が秋晴に好意を抱いていることを知り、それでもなお想いに代わりがないということも再確認したのは悪夢のような記憶である。
 だが、互いの秘密の遵守が誓われているあの場で気兼ねなく自分の境遇を打ち明けられたのは良い思い出であると言っていいかもしれない。
 ……その会議の席で、期待に満ち満ちた視線を向けてきた理事長と王女の表情が、自分の性別を明かした瞬間落胆に染まった理由は今もって不明である。
 「リアルやおいが」だの「実際の攻めと受けが」だのうわごとのようにぶつぶつ呟いていたが、すぐ深閑によって口止めされたために何を言おうとしていたのかは定かでない。
329名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:52:56 ID:w9/1le72
 ともあれ、そんな関係の変化に伴って、薫と秋晴の二人の間にはいくつかの取り決めが出来た。
 例えば、その一つがまさに今の薫の状況である。
 白麗稜の寮は、潤沢な資金力によって従育科のものにも全室冷暖房が完備されている。しかし薫は空調機器が体質に合わないらしく、薫と秋晴の部屋ではその使用が可能な限り押さえられている。
 そのため必然的に冬の夜の寝具は冷え切り、起きているときよりも床に就いた瞬間のほうが目が冴えてしまうことさえあった。
 そこで、二人は工夫を凝らす。その方法と言うのが、一つの布団で眠ることである。
 先に風呂に入ったものが布団に入って暖めておき、後から風呂を出たものと一緒に眠る。
 布団は十分に暖められているし、あとから入ってきた方の体にくっついていれば寒くもならない。一石二鳥の妙案と言える。

 このことを提案したのは、薫。それまでの彼女からは考えられない、ある意味大胆な発言だったが秋晴は承諾し、それからは二人で抱き合って眠ることが日課になっている。

 そして今日、薫は入浴に際してもう一つあることをしていた。
 落ち着きなく寝返りを打つ薫の、寮に備え付けられたベッドには似合わない襦袢の胸元から、ほのかに芳香が立ち上る。
 日々の風呂の支度は薫の役目。そして、今日薫は湯船にアロマオイルを垂らしておいた。
 きれいな色と細工の瓶に入った上育科の生徒からの貰い物で、なかなか良い香りがするので気に入っている。
 だが、これを使う意味はそれだけではない。

 湯にアロマオイルを垂らした日は、秋晴を求めているということ。

 いつからだったか、気づけば二人の間でそのことが暗黙の了解となっている。
 だから薫は今日の入浴の際にアロマオイルを浴槽の湯の中に混ぜ、丹念に体を磨き上げた。その風呂に今秋晴も入っているはずである。
 そう思うと、ますます薫の胸は高鳴った。
330名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:54:39 ID:w9/1le72
「ふう、いい風呂だった」

 秋晴が風呂から上がってきた。薫が用意しておいた、薫のものと揃いの襦袢を着込み、タオルで髪を拭いているのを布団の中からそっと見上げる。
 着る物の仕度をするなど、まるで夫婦のようで気恥ずかしいが、そうやって甲斐甲斐しく秋晴の世話を焼けるルームメイトの特権もまた嬉しく思い、かみ締める。
 湯上りでまだ暑いのだろう。冬だというのにはだけられた胸元が視界に飛び込んできて、薫はたまらず布団に顔を埋めた。
 急に熱くなった頬を手で押さえ、今見た光景を頭から追い出そうと布団の中で頭を振り回す。

「……大地」
「ひあっ! な、なんだ!?」

 急に近くで秋晴の声が響き、慌てて布団から顔を出す。これほどの接近を許すとは、不覚。
 本家にいたころの習慣でそう思う心がなきにしもあらずだが、相手が秋晴であれば腹も立たないというのは、最近知ったことである。
 ちなみに、轟ならば100%気付く自信がある。ついでに迎撃する。確実に。

「そろそろ俺も布団に入りたいんだが、ちょっと開けてくれないか?」
「あ、ああ。すまない。は……入ってくれ」

 これからのことを思って、わずかに声が裏返る。しかし秋晴はそんな薫の様子を気にした風もなく部屋の電灯のスイッチを消し、薫がめくった隙間から布団へと潜り込んでくる。
 男らしく広い肩幅に、従育科の授業で身についたしなやかな筋肉の感触。どれだけ性別を偽ってもなりきれない「男」を感じて、慣れたはずなのにドキドキと心臓が強く鳴った。

 今夜も、自分はこの腕で……。

 今までの秋晴との行為を内心で反芻し、ゆっくりと自分を抱きしめてくる秋晴の腕の中にその身を潜り込ませる。

「大地」
「……ん」

 秋晴の襦袢をそっとつかみ、ゆっくりとうなずく。秋晴の体から漂ってくる石鹸とアロマオイルと秋晴自身の香りに、思考がうっとりととろけていくのを感じた。
331名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:56:49 ID:w9/1le72
「じゃ、おやすみ」
「ああ、おやす……はっ!?」

 秋晴の言葉に普通に返そうとして、慌てて顔を上げる。甘い期待に満ちた時間が一瞬で吹っ飛んだ。
 常夜灯のみが照らす薄暗がりの中でも、夜目の効く薫には秋晴の表情がしっかりと見える。
 強面の割りにあどけないいつもの寝顔で、既にすうすうと規則正しい寝息を立てている。ちょっとかわいい、とか思ってしまう。

「なあ、おい……日野?」
「…………」

 返事はない。どうやら、本格的に寝入っているようである。
 まさか一瞬で寝入ったのか、と疑問に思いもするが、今日までにもこういったことは何度かあった。
 従育科の授業は回を追うごとに、より厳しく、より高度に、よりハードになっていくため、秋晴は床に入ってすぐに眠りに落ちるということが何回かあったのだ。
 当然、薫が秋晴を求めるのはそういった日を避けていたし、今日の授業はそれほど体力を使わなかったのだが、どうやら幼少から鍛えこんでいた自分と一般人である秋晴との体力の差を未だ見誤っていたようである。
 いや、何も言わなかったことを考えると、湯に混じったアロマオイルの香りも気づかれなかったのかもしれない。
 薫は秋晴の顔を見上げ、自分の手へと視線を落とし、また秋晴を見上げと何度か繰り返し、最後は諦めたように小さく溜息をついた。

「……仕方ない、か。おやすみ。あ、……秋晴」

 そうつぶやいて、そっと秋晴の唇に口付ける。
 情欲のかけらも感じさせない、秋晴の体を案じる気持ちに溢れた優しいキス。今日はこれで我慢すると決めて、薫は再び秋晴の腕の中へと体を納めた。
332以上:2009/04/25(土) 21:01:05 ID:w9/1le72
本日はこれまで。
うーむ、セリフが少ないからちょっと文章読み辛いかなあ。
ともあれ、次からはエロに入ります

……あ、タイトル忘れてた。まいっか
333名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:22:29 ID:fgqhXQrE
お久しぶりです!
GJ!
334名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 02:29:36 ID:7OrJCI1G
GOD JOBです!!
続きお待ちしております。
因みに俺はセリフ多くても見にくくなかったよ
335第二回:2009/04/26(日) 21:08:39 ID:zzbglSzN
おお、見ていてくれる人がいた
そのことが嬉しいので続き行きます

今回からエロ入りまーす
336二人の秘め事:2009/04/26(日) 21:11:12 ID:zzbglSzN
 しばらくして。
 
 薫はまだ寝つけていない。
 それどころか、吐く息は荒く熱を帯び、頬は湯上りのときよりも上気して朱に染まっている。
 秋晴の襦袢の合せ目に鼻を押し付け、うっすらと開いた目には涙の膜がわずかな光をきらきらと反射していた。
 誰が見ても明らかだろう。薫は発情している。

 今夜は何もせずに眠ると決めたが、秋晴に蹂躙されることを期待していた体はそれを許さず、ひたすらに内圧を高めていたのだ。
 あるいは、秋晴から体を離していれば結果は違ったかもしれない。
 しかし今の薫にそういった仮定をする思考力はなく、うっとりと秋晴の体臭に酔いしれることしかできない。

 自然と、薫の右手は自らの秘所へと伸びていった。
 秋晴の腕の中というわずかな隙間で指を伸ばし、襦袢を書き分け、下着の上からそっと触れる。
 びくり、と体が震えた。
 自分でも驚くほどの刺激が背骨を駆け上がり、がくがくと腰が痙攣する。

「……んっ! ……あ、くふぅぅぅぅぅ」

 軽い絶頂。
 薫は、自分で慰めることを覚える前に秋晴に抱かれ、その後に秋晴自身から自慰を教わったほど経験が無い。
 にも関わらず、布越しに指で触れただけで達してしまったことに驚きを覚える薫だったが、指は主の驚きなど知らぬ風に暴れまわる。

「あ、や……ダメ、日野がいるのに……音が出ちゃ……ゆ、指が、止まらな……っ!」

 既に薫の股間は愛液に濡れている。指の動きに合わせて水音も聞こえ始め、そのことがより一層薫を興奮させていく。
 再び上り詰めていく自分自身を感じ、せめて声だけは押し殺そうと秋晴の襦袢の裾を口にくわえた、そのとき。
337二人の秘め事:2009/04/26(日) 21:13:24 ID:zzbglSzN
「じゃあ、俺が止めてやるよ」
「え、ふぇっ!?」

 突如、自分の頭の上から声が響いた。低音の、普段ならば薫がもっとも落ち着くことの出来る声。
 しかし今はその声音が、どこか嗜虐の愉悦に染まって聞こえた。
 薫は二度目の絶頂に至るまさに直前、股間へ伸ばしていた手ともう片方の手を捕んで引き上げられ、頭の上で両方まとめて片手に掴まれる。
 下手人はそのまま体を入れ替えて薫の上に圧し掛かり、組み敷いたような体制になってくる。

 言うまでもなく、薫を拘束したのは秋晴である。

 常夜灯の逆光のため、薫の目をもってしてもその表情はうかがい知れないが、それでもどんな顔をしているか予想はつく。
 これは、秋晴が時々見せるいじめっ子の顔だ。

「な、ひ、日野っ! お、お前起きて……!」
「当たり前だろ。アレだけ近くでオナニーされて、気づかないわけあるかよ」
「ばっ、べっ、別に……オ、オナニーなんて私はっ」

 既にこれ以上ないほど赤く染まっていた薫の顔がより一層赤みを増す。唯一の救いは、この暗がりでそれに気づく者が誰もいないことか。
 秋晴は、薫の手を掴んでいるのとは逆の手で、薫の頬を優しく撫でる。
 全身からにじみ出る暴君のごとき気配とは真逆なその仕草に、薫は心地よさを覚えると同時に底冷えるものを感じた。

「それに、オイルも使ってあったしな」
「気付いていたのか!?」
「当たり前だろ。あんなにたくさん入れやがって。咽るかと思ったぞ。そんなにしたかったんだな」
「そっ、そんなことない! あれは、ちょっと間違え……んぅっ!?」

 釈明の言葉は、唇で封じられた。
 とっさに振り払おうと身を捩るが、頬を撫でていた手で首を後ろから押し付けられ、さらに全身でのし掛かられているためにほとんど動けず、空しく体をくねらせるだけに終わる。
 それがより一層秋晴の興奮を煽ってしまったらしく、さらに激しく唇を貪られた。
338二人の秘め事:2009/04/26(日) 21:16:08 ID:zzbglSzN
 たとえ今のような状態であろうとも、本来の大地薫の実力を持ってすれば荒事の素人である秋晴を払いのけることなど造作もないことである。
 しかし、現実として薫は秋晴に組み敷かれ、乱暴に口を吸われている。
 既に口内へと侵入した舌は歯茎を舐め、頬の粘膜を擦りあげてくる。
 薫が今までの口付けの際の習慣に従って舌を差し出せば、すぐさま秋晴の舌に絡めとられ、唇に挟まれしごかれる。体中に、甘い痺れが伝染していく。

 まるで秋晴に犯されるように、されている。

 その事実が薫の中から少しずつ抵抗の意思を削いでいった。

 薫は、こうして強く求められることに弱い。
 長らく俗世間と隔離されていた上に、白麗稜では性別を偽らなければならない薫は自分の高い能力に反して、自信というものがない。

 自分は、人の期待にこたえられているか。
 自分は、人の輪になじめているか。
 自分は、人に必要とされているか。

 自分は、人に愛されているか。


 意識の表層に上ることこそないものの、無口だが思慮深い薫の中には常にこの疑問が渦巻いていて、不安を誘う。
 だからこそ、強引なほどに求められると、自然と喜びを感じてしまう。
 自分を求めてくれていること、自分を愛してくれていること。それを他のどんなことよりも強く感じさせてくれるこの無理矢理な行為を、だから薫は拒めずにいるのだった。

「ああぁっ……ひ、日野ぉ……」

 秋晴は既に喘ぎ声しか上げられないと察して薫の口を解放し、その矛先を別の場所に移している。
 舌は首筋から胸元にかけての敏感な柔肌を這い回り、自由な片手で襦袢の帯を解いて前半身をあられもなく露出させる。
 常夜灯のうす赤い光に照らされて、薫の白磁の肌がわずかに浮かび上がる。
 秋晴の指と舌が這い回るたびにくねり上がるその姿は、どんな淫婦でもかなわない艶美な舞を舞っているようだった。

「こぉら、いつも言ってるだろ。こういうときは、名前で呼べよ」
「で、でもぉ……」

 秋晴からの『命令』に、弱弱しく首を振る。行為の際には秋晴の言葉に従うことに対して喜びを覚えるとはいえ、薫はいかんせん羞恥心が強い。

「ふーん、じゃあしょうがないな……」
「ふぇっ!?」
339二人の秘め事:2009/04/26(日) 21:20:19 ID:zzbglSzN
 秋晴は、掴んでいた薫の手を放し、その代わり両脇に手を差し込んでその細い体を抱えあげる。
 そのまま後ろへ倒れこむように座り、自分の足の間に薫の体を押し込んで、言う。

「口でしてくれよ」

 その言葉に、薫は息を呑む。
 目の前には、襦袢の裾を割らんばかりの勢いで屹立するものがある。それに口で奉仕しろ、といわれているのだ。

「……な、なんで」
「だって、名前では呼んでくれないんだろ? だったらいっそ、呼ばなくて済むように口を塞いでやろうと思ってな」

 薫は問いかけながらも、目の前にあるものから目を離せない。そこから漂う秋晴自身の濃い匂いに、頭がくらくらとしてまともに考えることもままならない。

「さっきから薫をいじってばかりだったからな。実はもう結構キツイんだよ。なんとかしてくれるか」
「ぁ……はぃ……」

 だから、言われたことを吟味するより先に体が動いていた。
 秋晴の既に緩んだ帯を解き、襦袢の隙間に手を差し込み、下着をずらして秋晴のペニスをあらわにする。
 目の前にたくましい肉槍が震えながら現れるのを見て、ほう、とため息が出た。

「ん……はぁ、ちゅ」
「……くっ」

 薫を責めている間に興奮して反り返った秋晴のペニスは、薫の唇が軽く触れただけでぴくりと跳ねた。
 なんどか先端にキスを繰り返すが、そのたびにあちらこちらへ跳ね回る。
 しばらく律儀にそれを追いかけていた薫だったが、ついに痺れを切らしたか小さな口を精一杯に開き、くわえ込んだ。

「くぷっ……ちゅ、ずずっ……れるれる」

 唇を蕩かしそうな秋晴の熱さを感じながら口内に大量の唾液を含み、舌で刺激しながらゆっくりと深く飲み込んでゆく。
 カリを唇の内に収め、裏筋を舌でくすぐり、幹を何度か往復しながら唇でしごき、ついに根元までを口に含む。

「ふーっ……ふーっ」
「ん、上手いぞ薫」

 口はふさがっているので、鼻から荒い息を吐きながら秋晴を見上げると満足そうに微笑んだ秋晴がそっと頭を撫でてくれる。
 こみ上げる歓喜に、思わず「くぅん」と喉が鳴ってしまう。
 その振動がまた秋晴にとっては快感だったらしく、喉奥にぴったりとはまり込んだ亀頭が再び力強く脈打った。
340二人の秘め事:2009/04/26(日) 21:24:32 ID:zzbglSzN
「んっ……んっ、じゅるるる……むぐぅぅぅ」

 薫が首を振るたびに、唇の端からは唾液がこぼれ出て、秋晴の腰をぬらしていく。
 何度も喉を突かれるのは苦しいはずだが、薫の表情は上気したように蕩け、夢中になって秋晴に奉仕している。

 ……薫は人一倍強い羞恥心を持っているが、それだけに普段から秋晴への感情や情欲を溜め込んでいる。
 なので一度箍が外れてしまえば、他の誰よりも積極的に、そして従順に奉仕する雌となるのだった。

「じゅっ、じゅぷっ、ずっ、んむぶっ!」
「くぅっ……薫!」

 唇から伝わる秋晴の熱と震えが限界に近いと感じ、一層熱が入る薫のフェラチオ。
 しかし秋晴は絶頂の寸前で自ら薫を自分のペニスから引き離した。
 いきなり引き剥がされた薫は口の回りを自らの唾液まみれにしながら体を起こし、驚いた表情で秋晴を見る。

「あ……。すまない、上手く出来なかったか?」
「いや、そうじゃない。薫はすごく上手だったよ。……ただ、薫もそろそろ我慢できないだろ?」
「……んっ!」

 不安げな顔を見せる薫に、秋晴は秘所をまさぐることで答えた。
 ぐっしょりと濡れたそこは指で触れるだけで粘着質の音を出し、薫の身を震わせる。

「や、だめっ、日野、そんな……二本もっ!」
「やっぱり、出すなら薫もこっちの方がいいと思ってさ。……どうだ?」

 秋晴は人差し指と中指で薫の膣壁を擦りあげる手を止め、まっすぐに薫の瞳を覗き込みながら聞いてくる。
 それだけで薫の背筋にぞくりと何かが這い上がる。目を見ればわかる。秋晴は、薫がいやらしくおねだりをすることを期待しているのだ。

 互いに見詰め合っていた時間は数秒もなかったろう。薫はそっと秋晴から身を離し、ベッドへとうつぶせになって肩越しに振り返る。
 シーツに頬を押し付けて、ヴァギナを両手で広げるという秋晴が好きなポーズになり、精一杯淫蕩な言葉を絞り出す。

「し、して……くれ、日野。私の中に、日野をたくさん……っ!」
「っ! ……ああ、任せとけ」
341第二回終了:2009/04/26(日) 21:30:19 ID:zzbglSzN
本日これまでー
ここで止めるのは寸止めなのか区切りのいいところが見つからなかったのかは、
皆さんの判断に委ねます

一応一通り出来てるので、推敲しつつ明日で終わりかな
342名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 02:41:49 ID:jduHEVQ4
エロいっす
GJ!
343第三回:2009/04/27(月) 22:11:29 ID:I2dARnQR
最後です
短いです
大体三レスくらいなんで、どうぞ今しばしのお付き合いを
344二人の秘め事:2009/04/27(月) 22:13:00 ID:I2dARnQR
 淫靡な誘い文句というにはあまりにもたどたどしい。
 しかし、既に自分も限界に近い秋晴は、これ以上焦らすことなく薫の広げられた部分へと、自分のペニスを押し付け、一気に押し込んだ。

「あ、あぁぁぁぁぁぁっ! 秋晴っ!」
「くぅ、薫っ!」

 薫の内側は、既に十分以上に濡れそぼり、無数の襞が歓喜にうごめき秋晴のペニスを吸い上げる。
 対する秋晴も、薫の腰を掴んで持ち上げ、お互いの肌が当たるたびに音がするほど強く打ち込んでいく。
 浅いところを何度も擦りあげ、ペニスが抜け落ちるほどに腰を引いたところから一気に叩きつける。
 そのたびに薫は切なく、甘く叫び声を上げ、自分からも精一杯腰を動かして秋晴との行為に没頭する。
 薫の足先ががくがくと震え、だらしなく開かれた口からは唾液とともにかすれた喘ぎがこぼれ落ちる。

「んぁっ、ふぁぅ、あん……っ! や、だめ、そこ擦られたらぁ……!」

 秋晴は、薫を突き上げるたびに彼女の弱点を刺激する。
 そのせいで薫にも秋晴にも強烈な快感が走り、挿入間もないというのに既に二人とも限界に達しようとしていた。

「秋晴、秋晴ぅっ!」
「あああっ、薫!」
「な、中……中にちょうだい、秋晴!」
「くぅっ、わかった。行くぞ!」
「うん、嬉しいっ、一杯、一杯注いで……んんっ、くふああああああああぁああああああ!?」

 秋晴は最後に一番奥まで捻じ込んで、白濁を弾けさせた。子宮に直接熱い子種を浴びて、薫の思考も白く染め上げられる。
 自分の膣内を満たす精液の感触を味わいながら、薫は絶頂に達した。
 ベッドのシーツを強く掴んで背筋を限界まで反らし、その喉からは甘く切ない叫びが伸びる。
 万全の防音を施された寮の部屋の中、少女の声は長くこだました。
345二人の秘め事:2009/04/27(月) 22:15:45 ID:I2dARnQR
「あ……、秋晴、も……無理ぃ……」
「……俺もだ」

 ベッドの上で、秋晴と薫は並んでうつ伏せになって荒い息をついていた。
 そろって大量に汗をかき、部屋の中には濃密な性臭が満ちている。
 あの後、抱き合って一回、壁に押し付けられて立ったまま一回、ベッドに戻ってアナルに一回と、何度も交わった。
 さらにその合間には手や素股でもしたので、薫の体はいたるところに白濁と愛液の飛沫が飛び散り、秋晴が強く掴んだ腰や、何度も撫で回された尻と胸には赤く指の痕が残って無理矢理犯されたようになっている。
 しかし、薫は幸せそのものといった表情を浮かべ、うっとりと体に付いた精液とその下にある秋晴の指の痕を撫でている。
 その姿がたまらなく淫靡で、秋晴は思わず視線を逸らす。今晩は自分でも制御できないほどに興が乗ってしまったため、これ以上の交わりをすれば明日の授業に障りが出てしまうだろう。
 いや、だって普段から控え目な大地がしてもらえないからって腕の中でオナニー始められたりしちゃったら、ちょっと意地悪するつもりだったのがエスカレートしたとしても不思議はないだろ? 
 と必死に内心で弁解の言葉を並べながら平常心を呼び起こす。

「なあ、あき……日野?」
「お、おう。なんだ、……大地」

 薫が、秋晴のことを名前ではなく苗字で呼んだ。
 つまり、それが今日の夜を終わりにしようという合図だ。
 秋晴もいつものようなぶっきらぼうな声で、薫の苗字を呼ぶ。
 秋晴が薫のほうへと振り向くと、まだ少し赤い頬にいつものような凛々しい表情を一瞬浮かべ、すぐにはにかむような笑顔を向けてきた。

「あの、その……な? もうちょっと近くに行っても……いいか?」
「……ああ、もちろんだ」

 甘えたがりの子供のような顔をした薫を、秋晴は軽く微笑んで受け入れる。
 両腕を広げると、薫がいそいそとその中に納まってくる。
 軽く抱きしめてやれば、薫はわずかに身じろぎをし、次いで満足そうな息をついて胸板に額をこすりつけてきた。

「おやすみ、日野」
「ああ、おやすみ、大地」

 抱きしめあって言葉を交わし、ゆっくりと目を閉じて眠りに落ちる。
 今夜は良い夢が見られるだろう。
346二人の秘め事:2009/04/27(月) 22:17:15 ID:I2dARnQR
 後日のこと。

「ところで、日野」
「なんだ、大地?」
「お前はあの日私のオナニーを見たのだから、今度はお前が私の目の前でして見せるべきだと思わないか?」
「……えーと、大地薫さん。ひょっとして根に持ってたりいたしますでしょうか? あとここは放課後の教室で、人が来ることもありえる場所だって理解してます?」
「無論、理解しているし根に持ってなどいない。ただ、お前が今すぐこの場でその腰履きを下ろし、情けない表情を浮かべながら自慰をする姿をとても見たくなっただけだ。さあ」
「いやさあじゃなくて! 言葉にトゲありすぎだし絶対怒ってるだろ!?」

 この後、秋晴はまた一つ消えないトラウマを植えつけられたと言うが、その内容までは定かではないことを記しておく。
347:2009/04/27(月) 22:20:30 ID:I2dARnQR
以上です
山もオチも意味もないという意味ではやおいと言えるかもしれない
あと三回目があまりにも短くてスミマセン

次は、どうするかなー
今度はネタもあってないようなもんだし、どうせ書くとしても次の新刊が出てからになりますか

もしまたお目見えの機会があったときには、どうぞそのときもご贔屓に
348名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 23:23:17 ID:eySOrTvy
GJでした、面白かったし大地エロかった、感動した!!

次は王女?合法?それとも腐女子理事長?w
楽しみにお待ちしてます。
349名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 01:27:09 ID:U4C8P5cF
GJ
流れも自然で雰囲気出てて良かったです。
350名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 05:15:24 ID:IxAs2dzY
GJ!とてもよかったです
次回が誰になるか分かりませんが
とても楽しみです
351名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 03:34:15 ID:GrCBFs14
ありがたい。これでこのスレは来月まで戦える!
352名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 11:13:17 ID:oyo+OXDP
353名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 11:21:16 ID:Mw3PQNGw
354名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 10:01:47 ID:NAueqiwW
保守
355SS保管人:2009/05/14(木) 20:48:39 ID:i2Zxpzkh
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/

スレ住人の皆様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?

356名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:42:34 ID:wnbVUrM0
お願いします
357名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:44:49 ID:MIDNR/5R
前スレも同じところなのでいいと思います
358名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 23:01:22 ID:xI7MlUXC
是非お願いします
359SS保管人:2009/05/17(日) 13:54:18 ID:gknP/TMh
問題無さそうなので前スレの分と合わせてライトノベルの部屋5号室に収蔵させて貰いました。
360名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 04:57:23 ID:qIB2U/Nf
>>359
あざーす
361名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 19:32:21 ID:/72+oddP
362名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 07:09:23 ID:8e/RhULP
過疎ってるなあw
363名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 07:25:00 ID:hHiu1+vb
age保守
364名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 00:33:00 ID:WC69+xB/
神待ち
365名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 17:23:20 ID:q8eEthe+
アイシェかわいいよアイシェ
366名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 21:34:50 ID:faCAgzKJ
ニア ・深閑ルート
 ・深閑+理事長ルート
 ・美佳子さんルート(裏)
367名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 19:02:04 ID:JxwC3/wp
>>366
今書いてるのが二つ目……でもないな。似て非なるものか
まあ、ようやく半分ってところなんでまだまだ完成には程遠いが
368名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 23:20:04 ID:289bMYzi
のんびりやればいいのさ
369名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 23:54:35 ID:6PICofnC
あいしぇらヴ
370名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 12:57:23 ID:IqFY2fl9
一日レスが無ければ、腹黒は俺の嫁
371名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 13:05:33 ID:BX5iY1DH
エロにしやすい設定だけど発展させにくいよな
いつの間にかそういう関係になってましたみたいなスタートとかくらいしかスムーズに出来ない
372名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 13:18:07 ID:OZlEOamp
腹黒はやるよ
だがアイシェはもらっていく
373名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 12:36:28 ID:XeO0aOiL
ならばみみなをいただいていこう
374名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 23:13:19 ID:j990GwrY
棗は人気ないのか

出番的にしょうがないか?
375名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 02:55:15 ID:NA1H1gs/
>>374
う〜ん、嫌いではないよでもSSを書けるか?と言われれば正直ビミョー
元からエロいキャラとかエロゲとかって意外に書き辛いんだよね
だからSSが無いのでは?と俺なりに考えたりする

ドリルと腹黒とミカンは俺の嫁
376名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 01:21:02 ID:KaVnpbCI
だれもいらないみたいなので理事長は貰っていきますね
377名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 08:49:26 ID:N0WynDPn
どうぞどうぞ
378名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 09:57:21 ID:l1re6Sd0
>>376
屋上
379名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 10:02:15 ID:l1re6Sd0
と思ったら理事長って昼行燈の方かどうぞどうぞ
俺は深閑先生にプロポーズしてきますね
380名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:57:13 ID:ingvOOTj
みみな先輩だけは渡さない
381名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 01:12:37 ID:JuqoUJYR
捏造最終回ネタとか受け付けられるかな?
捏造最終回で、各ヒロインルートとか妄想してんだが。
382名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 01:34:07 ID:9Z8aoumL
擬似エロゲだから個人√突入の結末としてはありなんじゃないかな
富士見の某作品みたいに増やしてきた他ヒロインの存在が特定の人とくっつけるのに邪魔になったので殺すとかじゃなけりゃ
383名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 01:35:38 ID:YiZXRft0
>>381
別に良いんじゃない?
各ヒロイン+ハレーム、なんちゃってバッドエンド?みたいなのとか
384名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 01:40:41 ID:bcmX8H+L
いいんじゃないの?
385名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:51:59 ID:7Yi5TuiT
大地は俺がもらう!!
386名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 03:00:16 ID:eG0WXbae
過疎ってる様なので、腹黒は頂いてく
387名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 04:39:38 ID:DEsF1fDO
アイシェはいただいていきますね^^
388名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 11:33:25 ID:qWN357iZ
過疎すぎだろ
389名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 01:02:30 ID:G5VIdhz8
燃料も無い、(専属の)職人も無いだからしゃーねェだろ。
やれる事といやァ、ネタが来るまでスレを維持するのが精一杯ってのが現実だて。
390名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 01:03:39 ID:sY5IP0//
蜜柑フラグ来たらがんばる
391名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 02:49:58 ID:6Nk+Hpln
なんか露骨にエロコメ路線に走り過ぎだよな…


新刊マダー?
392名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 00:23:48 ID:TJpLGfKM
来月出るよ
393名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 23:48:06 ID:IfV5VP4A
最近、腹黒が可愛く思えて仕方ないんだが…
394名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 23:57:32 ID:ztn0sGXj
それって変かも!
395名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 23:45:19 ID:oTzwCwcR
保守
396名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 22:44:48 ID:8XaRcWo+
なんだか書き込みにくい空気ができあがってしまっているような
それはそれとしてみみなはいただく
397名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:53:01 ID:lpDIcbaP
じゃあ深閑は俺が
398名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 02:05:02 ID:W7BcLFa0
じゃあ腹黒は貰って帰る
399名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 02:53:05 ID:kJOhJ1xq
アイシェはいただきます
400名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 09:59:07 ID:OwKzkmIu
中華は俺のものだ
401名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 16:50:37 ID:qfsAFfvL
なら俺はヘディエを嫁に
402名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 01:15:51 ID:ljfw5ogL
保守
403名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:17:51 ID:eag25IR1
みみな先輩のほっぺもちもち
404名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:53:14 ID:lcPhY3XK
蜜柑先生のおしりふにふに
405名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 22:58:00 ID:egi+qmcb
アニメ化くる!?
406名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:23:35 ID:tjDgnhrk
くるな
407名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 01:24:35 ID:4z/9KIAl
まじで?
408名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 11:43:50 ID:0diYP7c5
タイミング的に新刊の帯が缶詰にアニメ化けていとかくるかもな
409名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 22:11:46 ID:ePfiGpc+
アニメ化が来るかは知らないが、新刊出たら投下する
あとは推敲だけだ
410名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 22:14:13 ID:0diYP7c5
>>409
裸ネクタイで正座して待ってるよ
411名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 23:52:20 ID:eZYfBEI2
本スレから

239 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2009/09/07(月) 23:47:21 ID:F4MOItrR
ttp://www.ladies-vs-butlers.com/
工事中になったね

412名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 00:03:52 ID:Hjlv59jo
アニメ化したらそれなりに人が増えそうだけど突然現れるワナビの荒らしも構ってくれる人が増えるから喜びそうだな
413名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 18:30:56 ID:R1a+JZKD
製作XEBECか…
うーんどうなる
414名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 01:36:19 ID:qhZMYFIg
早速湧いてたな

最近は分かりやすいハーレムアニメ減ってたから受けるかもしれん
415名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 10:04:44 ID:B4xH/8sH
とりあえず最新刊を読んでから>>173-188を読むとむひょーとなれる
416名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 18:45:26 ID:9i1sgB8y
誰かがR18雪山書いてくれると信じてる
417名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 18:47:04 ID:zpjdyNjM
誰かがR18中東書いてくれると信じてる
418409:2009/09/10(木) 21:43:35 ID:LSC6ajsK
さて、新刊も半分くらい読んだし予告通り投下するかー

※注意事項
・前半は寝取られ「風」
・あくまで『風』
・ヒロインにエロいことをしていいのは秋晴だけという思考の元に書いております
・予想外に長くなったので、何日かに分けて投下予定

では
4191/9:2009/09/10(木) 21:44:49 ID:LSC6ajsK
 そのとき、深閑は自分が目覚めていることに気付くのに少しばかりの時間を要した。
 生まれてこの方起床に手間取ることなどなく、毎日定刻どおりに目覚めることが半ば条件反射のように体に刷り込まれていた深閑は、自分のそんな反応を自覚して、まず真っ先に驚きを感じた。
 しかし、自分も人間。体調によってはそういったこともあるだろうと、どこかぼんやりと定まらない思考でそんなことを考えていた。
 自分の身に降りかかった異常に気がつくまでは。


 深閑が最初に気付いた違和感は、視覚。
 意識がはっきりと覚醒し、目を開いたはずなのに、何も見えないことにようやく気がついた。
 室内の電灯が消えていても、たとえ外の天気が曇りであってもありえないほどの視界の無さ。
 あるいは皆既日食か、などと突拍子のないことも一瞬考えたが、そんな予報は無かったとすぐに否定する。
 せめてどこかに光は無いかと顔を動かしてみて、その瞬間、深閑は凍りつくこととなる。

 何も見えないのは、部屋が暗いからではなかった。
 目蓋と側頭部に感じる、締め付けるような感触に気付く。
 慌ててベッドのシーツに顔を押し付けると、直接肌に触れる布の感触はなく、鈍い圧力だけが帰ってくる。
 間違いない、目隠しをされている。
4201/9:2009/09/10(木) 21:46:09 ID:LSC6ajsK
 寝ている間に視界を奪われる。
 紛れも無い緊急事態に、それまでどこか鈍っていた深閑の意識は完全に覚め、瞬時に状況の把握に努めた。

 手。
 動かない。
両腕とも背中に回され、ベルトのようなもので両の手首とひじを合わせるようにして厳重に拘束されている。
 これではたとえ間接を外したとしても手を抜き出すことはかなわないだろう。

 足。
 こちらも同様。
 膝は自由に動くので腕よりはましだが、足首に手と同じくベルトのような感触がある。
 しかもそこから両足首ともに棒のようなもので固定されているらしく、大きく両足を開いたまま閉じることが出来ない。

 声。
 出せない。
 口を動かそうにも、猿轡のようなものをかまされているらしくうなり声を出すのが精一杯。
 その上部屋の反響の具合から考えるに、防音も万全だろう。
 あるいは、白麗稜学院の校内の一室かもしれない。

 そこまで一通りの現状を把握して、深閑はさらに気付いた。

 いや、あえて気付かないふりをしていたのかもしれない。
 さきほどから、身じろぎをするたびに体全体で感じる空気の流れ。

 少し動くだけで肌理細やかな深閑の肌の上を、肌寒いと感じない程度の温度の風が流れていく。

 そう。
 深閑は、全裸で目隠しと拘束を施され、ベッドの上に仰向けに寝かされていた。
4213/9:2009/09/10(木) 21:47:23 ID:LSC6ajsK
 危険だ。

 世界でも屈指の良家の子女達が通う白麗稜には、常にこのような誘拐などの危険が付きまとっていた。
 そのために備えは万全となるよう努めていたが、この状況ではそれも無駄になっているに違いない。

 現在の学院はどうなっているのか。
 生徒達は無事なのか。

 どれほど案じても、何も出来ない自分の今の状態に、深閑は猿轡を強くかみ締めた。


 そのとき。

 キィ……

「……ッ!」

 部屋に深閑が起こす衣擦れ以外の音が響いた。
 扉のたてつけは決して悪くないのだろうが、目を塞がれ、研ぎ澄まされた深閑の聴覚にはわずかに扉の軋む音が届いてきた。

 深閑は、身を硬くして気配を探る。

 扉を開けて入ってきた足音は、一つ。
 床にはおそらく絨毯が敷き詰められているのだろう。
 柔らかな毛織物を踏みしめる音が、ゆっくりと深閑のほうに近づいてきて、ベッドの傍らで止まる。

 性別は……おそらく男。
 専門の訓練を受けたわけではないのではっきりとは判別がつかないが、部屋に入ってきたのは男が一人だけのようである。
 深閑は微動だにせず、ただひたすら相手の情報を得ることに集中する。
4224/9:2009/09/10(木) 21:48:44 ID:LSC6ajsK
 男の気配は動かない。

 深閑の傍らに立ったまま、ただじっと深閑の体を見つめている気配がある。
 どうやら深閑を助けに来た誰か、というわけではないようだ。
 
 まず間違いなく、深閑を拘束した張本人だろう。

 身じろぎをすれば目覚めていることに気付かれてしまうため、仰向けのまま隠しようもない巨乳と股間の茂みに男の視線が突き刺さるのがわかる。
 自分の愛したただ一人、秋晴以外の男には触れることも見ることも許したことの無い聖域を汚される屈辱に、深閑は必死に堪えていた。


 そんな時間がどれほど続いただろう。
 男は深閑に手を出すでも呼吸を荒げるでもなく、動く気配すらない。

 このままでは埒が明かない。
 あるいは自分から動いて、相手の反応をうかがうべきか。

 痺れを切らした深閑がそう考えだすようになったそのときを見計らったように、男が動いた。

 ベッドに上り、深閑の上に体を乗り出し……、

「ッ!!! ……んふうぅぅぅぅぅぅ!?」

 胸を、掴まれた。

 根元から五本の指で、握力の限り物でも扱うかのように力いっぱい握り締められる。
 深閑は激痛に耐え切れず声を上げ、男の手から逃れようと必死に体を屈めた。

 しかし男はそんな反応にかまいもせず、深閑の腹の上に本格的に馬乗りになり、ますます強く深閑の胸を握りこんだ。
 柔肉に指を食い込ませたまましごくように乳房を引き伸ばし、指を芯まで付きこむように抉り、散々に弄ぶ。
4235/9:2009/09/10(木) 21:50:22 ID:LSC6ajsK

「……ッ!! っふぅ! ……ふーっ……ふーっ」

 そして、始まりと同じ唐突さで、男の指が離れていった。
 あまりの痛みに意識が無いふりをしていた演技など無意味になり、今は必死に乱れた息を整える。

 同時に、深閑の胸のうちにはこの卑劣漢に対する怒りが渦を巻き、必ずや一矢報いるべしと決意する。

 だが、深閑は気付いていた。
 男の乱暴な、物扱い同然の行為を受けて、それでもわずかに快感を感じている自分に。

 秋晴との情事の折、何度かこのようにひたすら強く胸を鷲掴みにすることをねだり、してもらったことがあった。
 そのときに感じた快感は、愛しい男の手によるものだからだと思っていたのに、誰とも知れぬ卑劣な輩に同じことをされても感じている。
 そんな自分がとても浅ましく思えて、深閑の心を苛む。

(ごめんなさい、日野さん……っ!)

 胸中で、この身を許したただ一人の男に謝罪し、誓う。

 たとえこれからこの男にどんなことをされようと、心は決して屈しないと。

 だがそんな深閑の強い決意をあざ笑うように、男は次の行動に出る。
4246/9:2009/09/10(木) 21:52:04 ID:LSC6ajsK

「ふぅ……ふぅ……んっ……ふぅ?」

 最初は、男が再び触れてきたことに気付けなかった。
 胸の感覚はいまだ痛みの残滓によって遮られ、ジンジンとした熱さしか感じられなかったのだ。

 だから、深閑が男が次なる行動に移っていることを知ったのは、自分がはっきり喘ぎ声とわかる声を上げてしまった、そのときだった。

「んふっ、んっ、んんふぅぅぅぅんっ!?」

 自分の意思では止まらない、男の劣情に応えるような甘い吐息。
 どれほど息を詰めようとしても湧き出るそれは、男が胸に這わせた指のせいであった。

 男の指は、さっきまでの力任せが嘘のような繊細な動きと力加減で、深閑の胸を蹂躙し始めた。

 ゆっくりと指を柔肉に沈めて弾力を楽しみ、掌を使って胸全体をこねるように揉み回し、寄せ、離し、思うが侭に弄りつくす。
 しかしそれは決して手前勝手な楽しみのためではない。

 時に優しく、時に激しく与えられる刺激は、紛れもなく深閑に快感を与えようとしてのものであった。

「んむふぅぅ、んんっ、んーーーっ!」

 深閑の反応に気を良くしたか、男の動きはますます大胆になる。

 指を強く食い込ませたかと思えば、触れるか触れないかといった微妙な力加減で輪郭をなぞりあげ、わし掴みにした手の中でたぷたぷと深閑の巨乳を揺さぶってくる。
 手による愛撫だけでなく、男は時に顔を寄せて深閑の胸に浮いた汗を舐めとり、強く吸い付いて痕を残す。
 わずかに痛みを感じる程度に軽く噛み付き、逆にいたわるように息を吹きかけてくる。
4257/9:2009/09/10(木) 21:54:34 ID:LSC6ajsK
 抵抗しようにも、手足を拘束されている上に腹の上に馬乗りになられているので、満足に身を捩ることもできない。
 男は体重を掛けてくることこそないものの、自由に動くことを許すつもりもないようだった。


 そうして胸ばかりをなぶられるうちに、深閑の体にも変化が起こり始めた。

 緊張と恐怖に強張っていた体から力が抜け、吐息は鼻から抜ける甘い響きを持ち出す。
 じんわりと火照った胸は男の指が沈むのに合わせて卑猥に形を変え、汗ばみ始めた乳肌はむっちりと媚びるように男が動かす指に吸い付いた。

 深閑の中を支配していた嫌悪感が、一秒ごとに快感で上塗りされていく。

「んーっ! んんーー!! んふぅぅぅーーーっ!」

 そんな自分の反応を否定するように、深閑は必死で首を左右に振りたくる。
 しかしそれでも男を振り払えることはなく、逆に男の手の中にある乳房を揺らし男を楽しませることになる。

 もはや、どうしようもないのか。
 脳裏をわずかに無力感が掠めたとき、男が胸を掴んで谷間を広げた。

 男の手で弄ばれたことで汗まみれになった谷間に空気が流れ込み、ひやりとした感触が走る。
 半ば朦朧とした意識の中、そのまま男が次の行動に出ないことに違和感を覚える深閑。
 しかし、次の瞬間には男がしようとしていることに思い当たった。
4268/9:2009/09/10(木) 21:56:15 ID:LSC6ajsK

「んんっ! んふっ、んーーー!」

 今まで以上の必死さで身を捩ろうとしたが、既に遅い。
 広げられた谷間へと、熱い何かが挿し入れられる。

 男は、ついに自らのペニスで深閑を辱め始めたのだ。

 火照り上がった胸の中に収められてなお燃えるほどに熱いと感じる剛直が、深閑の豊かな乳房の中へと押しこまれた。

 そのまま男はすぐに腰を動かしだす。
 両側から力任せに胸を押し付けて高まる乳圧も、深閑からにじみ出た汗と男の先走りにまみれたペニスを止められない。
 男が突き上げるたびに下乳へと男の腰が当たり、甲高い音を立てて深閑の乳房を震わせる。

「んんっ、ふぅっ、んっ、んむふっ!?」

 秋晴と交わり、奉仕するたび、深閑は必ず胸を使った。
 秋晴を愛する女性は数多いるが、彼に尽くす気持ちとこの胸での愛撫は誰にも負けないという自負のもとにしてきた行為がいま、誰とも知れぬ男に無理矢理行われている。
 時が経つごとに秋晴との情事の思い出を奪われていくようで、深閑の心はしだいに当初の抵抗心を削られていった。


 しかし、男は深閑のそんな内心の考えなど知らぬとばかりに勝手に胸を扱ってくる。
 自分の物を先端から根元まで余すところなく深閑の巨乳でしごきあげ、その間も深閑の胸に強弱をつけて弄るのをやめようとしない。
4279/9:2009/09/10(木) 21:57:59 ID:LSC6ajsK

「んむ、ふっ、ふっ、んくぅ!」

 次第に、胸の間で感じる男のペニスがびくびくと震え始めるのがわかる。

 深閑の汗と男の先走りでなめらかになった乳肌に擦りあげられ、男も限界が近いのだろう。

 同時に果ててなどやるものか、とわずかに残った精神力で再び決意を固める深閑。
 だが、胸に食い込む男の指がだんだんと移動していくのを感じ取り、目隠しの下の表情が一変する。

 男はゆっくりと、だが確実にその指を深閑の胸の頂へと進めていく。
 これまで一度も触ってくることのなかった乳首。
 だがそこが硬くなってしまっているのは、見るまでもなくわかっている。

 もしも男の精液を浴びせられるのと同時に、そこを摘まれれば。

 そんな最悪の想像に思い至り、何とかそれを避けようと考えるが、もはや体は言うことを聞かない。
 深閑の全身は弛緩したように力が入らず、喘ぎ声を上げるのと猿轡の端から唾液をたらすこと以外は全て、男の自由にされるより他に、深閑に出来ることは何も無かった。

 そして、ついにそのときが訪れる。
 これまで以上に寄せ上げられた胸の谷間に根元まで男のペニスが強く押し込まれ、震えながらさらに膨らみ……

どぷっ、びゅるる、びゅくっ!

「んーーーーー! んんーーーーー! んふうぅぅぅぅぅぅーーーーー!?」

 顔に男の飛沫の熱を感じた瞬間、乳首を力いっぱい抓り上げられ、深閑は同時に絶頂した。
428409:2009/09/10(木) 22:01:45 ID:LSC6ajsK
今夜はここまで

それにしても、新刊が出るたびに何かしら投下しようと考えるこの使命感は一体……
前回の薫と前々回のみみな&ピナとコレでネタはほぼ尽きたけど、まだ四季鏡姉妹書いてないしなぁ
まぁいいや。新刊読みながら次のネタを探そう
429名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:05:46 ID:xXIfbGPj
おー、蜜柑ktkr

続きも期待してます
430名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:08:33 ID:9i1sgB8y
蜜柑GJ

新刊は3話しかなかったからなんか物足りない
431名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 08:42:22 ID:xNRvcw/t
最新刊でマジで処女っぽいこと書かれてたからなぁ
流石蜜柑GJすぎる
432428:2009/09/11(金) 21:28:48 ID:QYsmCb5l
さて、続きと行くか

今回は繋ぎのため、エロはありませんのでご注意を
ただし次回からは前回以上にアレかもしれません
4331/8:2009/09/11(金) 21:29:16 ID:QYsmCb5l
 絶頂の余韻が長く続いている。

 痙攣した体は伸び上がり、男の体を浮かせるほどに背を反らし、息を吸うことも吐くこともできずにぷるぷると震えている。
 男はそんな深閑の様子にも頓着した様子を見せず、いまだ精液のあふれるペニスを、深閑の胸をやわやわと揉みながらしごき、残った白濁を深閑の胸の奥へと擦り付けてくる。
 そんな男の後始末が終わるのと同じころ、ようやく深閑も呼吸を取り戻し、背をベッドへと預けた。
 どさり、と汗に湿ったシーツへと背中が落ちると、男は胸から手を離し、さらに深閑の体の上からどいた。

 いまの射精で疲れたのだろうか。
 深閑は頭の片隅で考えるが、いまだ大部分が朦朧としている思考は現状の認識以外のことに働かず、わずかに絶頂後の痙攣が残る体は思ったように動かすことすらできなかった。

 顔と胸の谷間の奥に、熱くどろりと滴る精液の感触がある。
 抵抗らしい抵抗もできず男の慰みものとなり、同時に自分もイカされてしまった。
 自由を奪って乱暴を働くような狼藉者にいいように弄ばれ、秋晴への操を立てることすらかなわなかった。

 その事実が胸に突き刺さり、ついに深閑の心が折れる。

「……うっ、ひっ……ぐすっ……ふ、ふぅえええええ」

 人前では弱音すらほとんど吐いたこともない深閑が、泣いた。
 深閑の眼帯の中にじわりと熱が染み出し、ふさがれた口からはくぐもった嗚咽があふれ出す。
 それでも頭の中の冷静な部分は、自分を犯した男の精液にまみれたまま全裸でいるという状況を客観的に認識し、その情けなさにさらに涙がこぼれでる。

「うぅぅぅぅ、んぐっ、ひぅ……うぇぇぇぇ」

 まるで幼い少女のように、深閑は泣き続けた。
4342/8:2009/09/11(金) 21:29:58 ID:QYsmCb5l
 すると。
 男の気配に変化が起きた。

 先ほどまでの、冷徹に深閑をむさぼっていた空気から一変し、深閑の横で急に忙しなく動き回り、どこかあたふたとしている気配が伺える。
 未だ涙は止まらないものの、男の雰囲気のあまりの変化に深閑が注意を向けると、深閑の顔へ男の手が伸びてきた。
 今度は何をされるのかと怯えて震える深閑。
 しかし男は怯えさせたことを謝るかのように優しく頭をなでると、後頭部に手を回し、かちりという小さな音をさせて深閑の目隠しを、外した。

 深閑は唖然として、涙も止まってしまった。
 わけがわからない。
 さっきまでは深閑がどれだけ苦悶の声を上げても、拒絶の意思を示しても一顧だにしなかったというのに、何故泣き出しただけで慌てて目隠しを外すのか。

 なんにせよ、これで犯人の顔が見られる。
 これから状況がどう動くかはわからないが、せめて相手に関する情報を少しでも多く得ようと、部屋の明かりにくらむ目を細めて相手の顔を見あげると……、


「よ、よお」
「…………」


 そこには、先ほどまで深閑に付けられていた目隠しを持ち、困ったような表情でぎこちない笑みを浮かべる秋晴が、いた。
4353/8:2009/09/11(金) 21:30:58 ID:QYsmCb5l

「……」
「……」

「……あ、あの、そろそろ何か言ってくれるとうれしいんだが……?」


 深閑は呆然としたまま声も出ない。
 状況の理解も追いつかず、涙に濡れた目を見開いて、目の前の秋晴の顔をまじまじと見つめ続ける。
 秋晴は、苦笑いのまま丁寧に深閑の猿轡を外し、体を起こして手枷と足枷も外してくれたが、その間深閑はただされるがままになっているだけだった。

「えっと……ホント、すまん。大丈夫か?」
「あ、……は、はい……特に怪我などはありません……けど」

 秋晴はベッドの脇にあったテーブルから取った深閑のメガネを丁寧に懸け、自由になった体の、拘束具が締め付けていた部分を優しく撫でてくれる。
 そしてこれ以上なく申し訳なさそうな顔で謝る秋晴に、思わず返事を返しはしたが、未だ腑に落ちない。
 おそらく、先ほどまで自分に狼藉を働いていた男の正体は秋晴で間違いないだろう。
 だが、見た目に反して温厚で優しい性質の秋晴が、なぜこのような犯罪めいた真似を……?

 ようやく回り始めた頭でそんなことをうっすらと考えていた深閑ではあったが、それらの疑問を口にするより前に、相手が秋晴だとわかった深閑に真っ先に湧き上がってきた感情は、安堵だった。

「……ふっ、くっ……ううぅぅぅ〜!」
「おわっ!?」
4364/8:2009/09/11(金) 21:32:13 ID:QYsmCb5l
 自由になった手足で秋晴の胸へと飛び込み、恥も外聞も無く顔を押し付けて涙をこぼす。
 泣き声を上げることこそないものの、その様子に普段の冷静な姿の名残はまるでなく、秋晴も驚いた声を上げてなんとも反応をしかねているようだった。

「よ、よかった……です。ぐすっ、……だ、誰かにあんなこと……されたと思って、……でも、それが日野さんで……良かった」
「……深閑」

 涙に滲んだ声と、脈絡のない言葉。
 だが秋晴はそれでも深閑の言いたいことを察して、優しく彼女の頭を撫でる。
 その感触に深閑はますます涙を零し、秋晴の体を強く抱きしめる。

 秋晴に狼藉を働かれたことよりも、誰とも知れない卑劣漢に身体を汚されてしまったのではないというその事実が、何より深閑にとっては大切だった。
 人生で初めて愛した秋晴以外の男に抱かれることなど、純情な深閑にとっては何よりも耐え難いことなのだ。

 しばらく秋晴の腕の中で泣き続け、ようやく涙も収まり呼吸も落ち着いてきた。
 それに伴って先ほどまでのみっともない姿が思い出されてさらに頬を赤く染めることとなるが、そろそろ秋晴に事情を説明して欲しい。
 そう思って深閑は最後にもう一度だけ秋晴の胸板に顔を押し付けるふりをして涙をぬぐい、顔を上げようとし……


 その瞬間、気付いた。
4375/8:2009/09/11(金) 21:33:21 ID:QYsmCb5l
 それまでは目隠しをされていた上に、悪意ある何者かに捕らえられていたのではないかという想像によって冷静さを失っていたから気付かなかった。
 だが、いまならはっきりとわかる。

 この部屋に、もう一人誰かがいる。

 ちょうど深閑の背後。確かに誰かの気配を感じる。
 いくら拘束されていたとはいえ、深閑の感覚をもってすれば、たとえ行為の最中であろうとも部屋を出入りする人間の存在を察するくらいのことはできる。
 それなのに今の今まで気付かなかったということは、間違いなく深閑が目覚めるよりも前からこの部屋にいたはずだ。
 一体何者……とわずかな時間でそこまで考えて、同時に気付く。

 確かに自分はいまこの瞬間まで気付かなかったが、秋晴までもう一人の存在に気付かなかったはずはない。
 彼には目隠しも拘束も一切されていなかったのだから当たり前だ。

 つまり、秋晴をこんな荒唐無稽なことに巻き込み、自分をこんな目に合わせた人物が、この部屋の中にいるもう一人であろう。

 よくよく考えてみれば、普段から基本的に隙のない自分の意識を奪うことが出来る機会のある人間など、そもそもほとんどいない。
 もしいるとすれば、そうとうの手練か、あるいはそんなことをするとかけらも想像しないほどに近しい人物……。

「……日野さん?」
「……ッ! は、はい」
4386/8:2009/09/11(金) 21:34:28 ID:QYsmCb5l
 特に意識もしていないのに、深閑の口からは自分でも驚くほど平坦で低い声が出た。
 その声が聞こえたからだろう、背後にいる何者か――そう、まだこの目で確かめていないのだから「何者か」だ――がびくりと怯えたのがわかる。
 そして同様に深閑がしがみついたままの秋晴もわずかだがピクリと震える。

 ああ、可哀相に。
 あとでしっかりと慰めてあげますからね、と秋晴を気遣うと同時に、心の中の最も奥深く、冷たく静かな湖面のごとき底の底から湧き上がる激情に導かれ、深閑はゆっくりと後ろを振り向いた。

 相手がいるのはちょうど深閑の真後ろ。
 振り向くまでに見える部屋の内装と調度にはよくよく見覚えがある。
 格式高い家具が部屋にいるものに落ち着きと安寧を与えるよう計算しつくされたデザインと配置で置かれているが、前面がガラス張りになっている戸棚の中に入っているのは、戸棚のシックな木目には似合わぬカラフルなマンガの背表紙がズラリ。
 その隣にあるサイドチェストの上には、清涼飲料のおまけについてきたフィギュアが雑然と並べられ、無秩序に部屋と家具の調和を破壊しつくしている。

 もちろん、深閑にとっては見慣れた部屋だ。


 なぜならこの部屋の主は、いままさに後ろへ振り向いた深閑の視界の中心にいる人物、天壌慈楓なのだから。


 楓は、ベッドとちょうど反対の部屋の隅でいっそ滑稽なほどに震えている。
 おそらくそれまで深閑が秋晴に犯されているのを見て興奮していたのだろう。
 頬に興奮の名残の朱が浮いているが、それもすぐに消えて、顔から血の気が失せていく。
4397/8:2009/09/11(金) 21:35:30 ID:QYsmCb5l
 見れば、片手には最新式のデジタルビデオカメラが握られている。
 手ブレ補正と高倍率ズームを売りにした有名メーカーの新製品で、数日前に楓が購入し、浮かれてそこらじゅうにあるものを撮影してまわっていたのを覚えている。
 録画中であることを示すランプが点灯していることから見て、楓がこれまでの一部始終をそのカメラに収めていたことは明らかである。

 深閑は、楓と目を合わせる。

「ヒッ……!」

 ビクリ、と身体が飛び上がるほどに震えた楓は自分が手に持っているカメラに今気付いた、とばかりに視線を向け、慌てて背中に隠して首を左右にブンブンと振りたくる。

「あ、あうぅ……み、深閑ちゃん、こ、ここここここれは違う、違うの……ッ!」

 必死の表情で言い訳をしようとするものの、恐怖で引きつった喉ではマトモな言葉を返すことすら出来はしない。
 それでもじりじりと扉へ向かう楓の賢明さに深閑は内心で敬意を表する想いだが、容赦はしない。

 深閑の汗を吸い、しわくちゃになったシーツを掴んで身体にまとい、ゆっくりとベッドから降りて立ち上がる。
 楓までの距離はいまだ3メートルほど離れているが、深閑がベッドから降りたときにはもはや逃走を諦めたのかへたり込み、呆然とした目で深閑を見上げている。

 その間、深閑の放つ怒りのオーラに当てられ、一人ベッドの上で身動きもできない秋晴がだらだらと体中から冷や汗を流しているのを見て、深閑は丁寧に彼の身体を拭いたい衝動に駆られるが、それも今は後回しだ。
 一歩一歩優雅に。
 それでいて、たとえ楓が瞬時に逃げ出そうとしてもすぐに追い詰められるよう隙のない歩法で楓の前へと近づいていく。

「……理事長代理」
「は、はひぃっ!?」
440名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 21:36:55 ID:VabHNH/t
うん、支援したほうがいいか
4418/8:2009/09/11(金) 21:37:01 ID:QYsmCb5l
 もはや、逃げられない。
 誰もがそう確信するだろう距離まで近づいたところで、深閑は膝を折ってかがみ、楓と目線を合わせてまっすぐにその瞳を覗き込む。
 返事なのか悲鳴なのか判別の付かない声を上げる楓の後ろから、かしゃりと音がする。
 おそらくビデオカメラが落ちたのだろう。
 それほど高くもない場所から落ちたのだから故障の心配はないはずだが、後で念のため確認しておこう。

 楓と目線を合わせたまま、深閑はゆっくりと顔を近づけていく。
 楓はその分頭を反らして離れようとするが、もとより部屋の隅にいたのですぐに後頭部が壁にぶつかり逃げ場はない。
 しかし深閑はそれにもかまわず、一切ペースを乱さずに顔を近づけ、お互いの息が絡み合うほどの距離になったころ、ただ一言、告げる。

「お仕置きです」
「ヒィィィィィィィィッ!?」
442428:2009/09/11(金) 21:39:09 ID:QYsmCb5l
おお、支援なんて初めてだ! 感謝!

ともあれ今夜はここまで。さすがにちょっと深閑のキャラ壊しすぎたかなー? と思わないでもない今日この頃
そこはかとなく演出がホラーチックになった気もする。何が書きたかったんだ俺は
443名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 22:05:17 ID:VabHNH/t
掌編GJ!

週末の濃厚エロ編も期待してます!
444名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:51:39 ID:h65T3vxl
超GJ
445442:2009/09/12(土) 21:33:59 ID:F3T/PA1K
よーし、今日も行くか

今回と次回の分はどこで切るかかなり迷った
なので、終わり方に違和感があったらそのせいとどうかご容赦のほどを
4461/7:2009/09/12(土) 21:34:48 ID:F3T/PA1K
「んっ、ふぁっ、……どうですか、日野さん?」
「くぅぅっ……、あ、ああ……すごいよ……」

 つい先刻まで陵辱の舞台となっていたベッドから、今は艶やかな喘ぎ声が響いてくる。

 丁寧に敷き直されたシーツの上、再び汗にまみれた肢体を絡ませ合うのは二人の男女。
 秋晴と深閑である。

 仰向けになった秋晴の上に深閑がまたがり、繋がりあった腰を淫らにくねらせながら淫熱に蕩けた笑みを浮かべて秋晴を見下ろしている。
 日々の鍛錬によって引き締まり、それでいて肉付きのいいというある種の矛盾を超越した全身を歓喜に染め上げ、深閑は秋晴への奉仕に没頭していた。

 事の顛末を知り、楓へのお仕置きの第一段階を済ませた深閑は、次こそ自分への報復かと怯える秋晴に対して彼の想像とまったく逆の提案をした。
 それがすなわち、今の状況。

 楓にそそのかされたとはいえ、それまで深閑に行っていた蛮行を謝罪する秋晴に深閑が望んだのは、今度は自分から愛したい、ということ。
 いつのまにか完璧なベッドメイクが成されていた寝台の上に寝ころがされ、深閑からの徹底的な奉仕を受けることを願い出られて一も二もなく承諾した秋晴は、今こうして深閑が騎乗位の形を取って繋がっている。

 秋晴の胸に手を置いて、上下に弾む深閑の身体。
 秘所からとめどなくあふれる愛液と、内腿ににじみ出る汗のため、ただでさえ滑らかな深閑の肌の感触がさらに極上の絹にも勝るものとなり、肌が触れ合うだけでも脳がチリチリするほどの刺激となる。
 激しい動きに深閑の巨乳はもちろん盛大に弾み、丁寧にまとめられていてもなお振り乱された髪の幾筋かが深閑の顔や肩に張り付く姿も、それを時折指でかき上げる仕草もたまらなく興奮を誘う。
4472/7:2009/09/12(土) 21:35:41 ID:F3T/PA1K
 目が合えば、それだけでも嬉しいというかのように膣が一層引き締まり、上体を伏せて秋晴との口付けをねだってくる。
 秋晴の両頬を押さえ、ゆっくりと近づいてくる唇に秋晴から口を寄せてやると、貪るようなディープキスをされた。
 唇が触れればすぐに熱い吐息とともに滑らかな舌が差し入れられて秋晴の歯茎をなぞり、頬の内側の粘膜をくすぐって舌を絡めあう。

 唾液を注ぎ込もうと口内に溜めれば、すぐに察した深閑は卑猥な音を立ててすすり上げ、秋晴に聞こえるようにわざわざ大きな音を立てて嚥下する。
 その間も絶えず深閑は身体を揺さぶり、受け入れた秋晴のペニスをしごき上げ、従育科の授業で鍛えられたたくましい胸板に自分の豊かな胸をこね回すように押し付ける。

 秋晴も深閑も、互いに脳髄が焼け付くような快感に晒され、そろって限界へと駆け上がっていく。


 しかし、秋晴の思考には快楽の波に揉まれながらもいまだ冷静な部分があった。

 というよりも、ただただ状況に流されてしまうには異質すぎるものが秋晴の意識の一角を占めているのである。
 夢中になって貪るように口付けをしてくる深閑から視線を外し、ベッドの端に目をやる。

 自分達が睦みあいしわくちゃになったシーツから手を伸ばせば届くほどの距離から、再びシーツに皺が生じている。
 その上にいるモノのせいで、秋晴はどうしても深閑の奉仕にひたすら耽溺する、ということが出来ないのであった。

「ふーッ! んふーーーっ! んんんんふぅぉおおおおおおおおおっ!?」

 そこにいるのは、天壌慈楓。
 ただし、マトモな格好ではない。
4483/7:2009/09/12(土) 21:37:49 ID:F3T/PA1K
 まず服を着ていない。
 言うまでもなく服を奪ったのは深閑であるが、部屋着はおろか下着の一枚に至るまで全て剥ぎ取られ、しかも先ほど深閑がされていたような拘束具も付けられている。

 腕は後ろ手に回され、固められた皮の手錠で結ばれている。
 口にかまされた猿轡は楓の小さな口を痛々しいほどに広げ、まともな声を上げることを許さず、さらに首に掛けられた黒い首輪が今の楓の姿をより一層屈辱的なものとしていた。

 深閑の場合と異なり、目隠しこそされていないもののその窮状は変わらない。
 しかも、ろくに身動きも取れないそんな状態でベッドの片隅に放置されている楓だが、深閑による「お仕置き」はその程度で済むはずもない。

 ベッドの上で仰向けになった楓の身体には、いたるところに楓を責め立てる道具が使われている。

 楓のなだらかな胸の頂には、両方ともテープで固定された小型のローターが振動し続け、肉付きの薄い楓の身体を揺らしている。
 膣には楓の小さな身体に不釣合いなほどに太いバイブが根元まで突き込まれ、さらにアナルにも刺さった細いバイブとともにうねるように動き、そのたびに楓の奥から愛液を噴出させている。

 既に下半身には力が入らないらしく、投げ出された両足は自身の愛液塗れになり、生まれたての子鹿のようにがくがくと震えていた。

 深閑と異なり目隠しはされていないが、その目は既に空ろで光はなく、涙をたたえて秋晴と深閑の行為を写している。
4494/7:2009/09/12(土) 21:38:16 ID:F3T/PA1K
 ちなみに、今楓の身体を攻め立てている道具類は、全て深閑がこの部屋の引き出しなどから引っ張り出してきた。
 つまり、元々の所有者はこの部屋の主である楓ということになる。

 そのこと自体は秋晴も驚かなかった。
 いわゆるオタクの気の強いこの理事長代理は、今までも秋晴と行為に及ぶ際に、ネットで購入したというこの手の道具を使うことがあったし、その縁で秋晴も年齢に不相応なほどそれらに詳しくなってしまっていた。

 道具を使う前に深閑は楓に無理矢理何かの錠剤を飲ませていたようだが、秋晴は気にしない。
 気にしないから覚えていない。

「さあ、次はコレです」
「ッ!? ご、ごめんなさい! 謝る、謝るから、み、深閑ちゃん! それだけはやめてぇぇぇぇッ!?」

 その薬を飲ませるにあたって、そんなやり取りがあったなどという記憶は存在しない。
 しないったらしない。


 そんなわけで、深閑の艶やかな肉体に奉仕の限りを尽くされている秋晴ではあったが、隣で生気を失った目をして痙攣しつづける楓の存在によっていま一つ没頭できないでいた。
4505/7:2009/09/12(土) 21:39:01 ID:F3T/PA1K

「んっ、秋晴……さん。……そっちばかりっ、気に、してないでっ、もっと、私を、んっ!」
「あ、ああ、すまん」

 楓を気にしていると、深閑が拗ねたような声をかけてくる。
 秋晴の気を引くためにより一層腰をくねらせ、官能に蕩ける表情を隠そうともせずまっすぐに秋晴の目を見つめてくる。
 常から凛としている深閑が、自分だけに見せる極上の娼婦でもかなわないほどに淫靡な姿。
 そんな姿を見せられて、秋晴の中の征服欲が急速に満たされる。

 そのことを全身で感じ取ったのだろう。深閑の表情は歓喜に蕩け、ラストスパートとばかりに身体を起こし、再び全身を弾ませて秋晴の剛直を自らの膣襞でしごき上げる。

「くぅっ、……み、深閑、もう……ッ!」
「は、はいっ、秋晴さんっ! 私もっ、ですからっ! 出して、私の中に、一杯、出してえっ!!」

 深閑は弾む胸の先から汗の雫が飛び散るほどに身体を揺らし、秋晴はそれに合わせてたくましく腰を突き上げる。

 二人の動きが合わさって、それまでよりもつながりが一層深くなる。

 そうして、秋晴の先端が深閑の最奥への入り口に届いた瞬間、二人は同時に限界を迎えた。


「くぅあああぁぁ……ッ!」
「あ、はぁぁぁぁぁあああ――――――――――――ッ!!!」
4516/7:2009/09/12(土) 21:40:17 ID:F3T/PA1K
 深閑と秋晴の二人は、絶頂後の気だるい時を折り重なって息を整えながら過ごしていた。
 結合部からは深閑の中に納まりきらなかった精液が白く泡を立てながらこぼれ出て、ゆっくりとシーツに滴り落ちていく。

「ハァ……ハァ……深閑」
「んっ、はぁぁぁぁっ。……秋晴さん。ん、……ちゅ、んむ」

 秋晴の声に従い、深閑は唇を重ねる。
 行為の最中と異なりゆっくりと舌を絡め、余韻に浸る。

 深閑は何もかも忘れて秋晴に奉仕する瞬間とならんで、こうして優しいキスをしてもらうのが好きだった。

「あー、ところでさ、深閑?」
「はい……なんですか、秋晴さん?」

 唇が離れると、秋晴は困ったような苦笑いで問うてくる。
 そんな表情すら愛しく思えることを嬉しく思う深閑であった。

「えーと、あの、そろそろ理事長代理はどうするのかなー、なんて……思ったり……」

 ちらちらと、隣でいまだ先ほどまでと変わらずにいる楓を見ながら秋晴は言う。いや、同じではないか。
 秋晴と深閑との熱烈な行為を間近で見せられて、その目からは大粒の涙がこぼれている。

 誰が見ても哀れを誘うだろうその有様。

 きっと自分の愛する優しい人は、そんな姿に同情しているのだろう。
 深閑は秋晴のそんな表情を見て、胸の中により一層の愛しさが満ちるのを感じていた。
 確実に惚れた弱みである。

 だが、まだ終わりはしない。
4527/7:2009/09/12(土) 21:41:54 ID:F3T/PA1K
「そうですね、そろそろいいでしょう」

 最後に一度、秋晴と軽く唇を合わせた深閑はゆっくりと起き上がり、楓の元へと向かう。
 楓の頭のすぐ横に腰を下ろし、口を塞いでいた猿轡を外す。

「理事長代理」
「……んはぁっ! はぁっ、……はあ、ああああ、いやぁ……」
「反省、しましたか?」
「……っ!した、……しましたぁ。反省しましたっ、もうしませんッ。だから……許してぇ!」

 焦点の合わない空ろな目のまま、それでも必死に謝り、許しを請う楓。
 さすがにそろそろ深閑も許してやるだろうと秋晴は考えた。

 しかし。

「では」
「あうっ」

 深閑は身体を起こしてことの推移を見守る秋晴の前で楓の首輪を片手で掴み、そのまま容赦なく引っ張って、楓の頭を秋晴の方へと引き寄せた。
 首輪が喉に食い込んで悲鳴を上げる楓と、何がなにやらわからぬままに楓の頭が自分の太ももの上に放り出される秋晴。

 楓の目の前には、先ほどまでの深閑との行為を感じさせないほどに屹立した秋晴の剛直。
 それを見て、楓の瞳にはわずかな光が戻ったように見える。

 秋晴に目を奪われ、わずかに垣間見えた希望に必死に縋る楓には、深閑が浮かべた陵辱者の表情を捕らえることができなかった。
453442:2009/09/12(土) 21:44:00 ID:F3T/PA1K
うーむ、本当にここで切ってよかったんだろうか

まあいっか

次回で最後
深閑がヒドイことになる、と見せかけて実は楓がトンでもないことになる話だったり
454名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 21:50:30 ID:dDJ1aNR9
楓陵辱という発想は無かったww

明日も楽しみにしてます!
455名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 21:51:19 ID:gXY7O5qy
この流れで楓じゃなく深閑が酷いことになるとは思えないんだがw
456名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:59:31 ID:h65T3vxl
次で最後か…楽しみだ
457453:2009/09/13(日) 21:24:46 ID:9VNVGBOj
連日連夜のお付き合い、感謝感激絨毯爆撃。

最後の投下、どうぞご笑覧くださいませ。

>>455
この話の冒頭では深閑が酷いことされていた、という意味でして
4581/9:2009/09/13(日) 21:25:29 ID:9VNVGBOj
「最後です。秋晴さんに謝罪のご奉仕を」
「ぁ……はいぃ……。んむっ」
「うぁっ!?」

 冷徹な深閑の命令に、楓は熱に浮かされたような声を返して言われたとおりに舌を這わせた。
 あるいは、命令の内容すら理解せずただ目の前のオスに惹かれただけだったのかもしれない。

 いずれにせよ、実年齢に見合わぬ身体と精神年齢を持つ妙齢の女性が、さきほどまで別の女性と交わっていた自分自身を貪欲に舐め清めているという光景に、秋晴はますますそそり立った。

「んくっ、ちゅ、じゅるる……っ。……っぷぁ、ふーっ、んむ、ぴちゃ、ちゅうぅ」

 深閑によって解かれた拘束は猿轡のみ。
 いまだ両手もバイブを仕込まれた下半身も役に立たない楓は、秋晴への奉仕といっても口を使う以外のことはできない。
 楓自身、奉仕を続けるにつれて熱中してきたのか、舌使いは激しくなる一方ではあったが、同時に身体を責め立てる道具の刺激のせいで思い通りには動けないらしい。

 そのため、舐め上げるたびにゆらゆらと揺れるペニスを、懸命に伸ばした舌で必死に追いかけざるを得なかった。
 非常識なほどの縛りを受けた女にかしずかれているという、この状況。
 そのことに少なからず興奮を感じていた秋晴であったが、しかし深閑はそれを良しとしなかった。

「……ふぅ、理事長代理、真面目にする気があるのですか?」

 夢中で奉仕に没頭していた楓がビクリと震えて止まる。
 秋晴も、ついさっきまで見なかった深閑が何をしていたのかと目をやれば、いまだ力なく投げ出された楓の足の間に膝を突き、弛緩した背の上に身体を覆いかぶせるようにしているのに気が付いた。
4592/9:2009/09/13(日) 21:26:45 ID:9VNVGBOj

「あ……ご、ごめんなさい。も、もっとするから、がんばるから……っ」
「それはもちろんです。ですが、聞き分けの悪い理事長代理にはもっと必死になっていただかなければ」
「……え、はぁぁぁぁぁぁっ!?」

 秋晴から口を離し、怯え一色に彩られた瞳で深閑を見上げる楓。
 しかし深閑はそんな様子を一切斟酌せず、楓の双穴に突き刺さったバイブを引き抜いた。

「あ……ああ、ふぁっ……」

 自分の中を満たしていた異物を一気に引き抜かれ、その刺激に意識を失う寸前のところまで引き上げられた楓。
 力の限り背を反らし、その口の端から涎が零れ落ちるのを止めることもできない。

 ぴくぴくと震える楓。
 だが、その背後でバイブを抜き出した深閑は、なにやらまだごそごそと動いている。

 楓は気付く様子がないが、秋晴には見えた。

 深閑の腰の横に見える細く黒い紐のようなものと、その腰を楓の尻へと近づけていくのが。

「……深閑ッ、何を……!」
「ふぇ、深閑……ちゃ……! あはぁあああああぁぁぁぁぁっ!?」
4603/9:2009/09/13(日) 21:27:36 ID:9VNVGBOj
 二人の声に耳も貸さず、深閑の腰が楓へと打ちつけられると同時に、楓はそれまで以上に両目と口を開き、その喉の奥から搾り出すような声があふれた。

「安心してください、秋晴さん。ただ、お仕置きの続きをしただけですから」
「い、いや安心しろって……」
「ああっ、や、いやぁっ! だめ、それは無理っ、許して、助けてぇ!」

 平静な声で答える深閑と、泣き叫びながら必死に許しを請う楓。
 どこまでもかみ合わない二人の様子に、秋晴はもはやどうして良いやら途方にくれた。

 深閑の腰に見えていた黒い紐のようなものは、これも楓の部屋から発掘したと思しきペニスバンドである。
 以前楓が秋晴との行為の際に嬉々として持ち出してきたが、それだけは許すまじと封印させたものであるが、それを探し当てたらしい。

 なんにせよ、初使用の相手が自分自身というのは皮肉であろう。
 しかも、ペニスバンドに装着されたディルドが貫いているのはよりにもよって菊穴。
 それまでよりもずっと太い剛棒に貫かれ、さらには深閑の容赦ないピストン運動も加わって楓は息も絶え絶えの様子であった。

「ぁがっ、あ、ああふ、おぅっ、くふぁあっ!?」
「どうしました、理事長代理。早く秋晴さんにご奉仕を」

 もはや喘ぎ声というよりも肺から空気が押し出されているだけのような有様の楓だが、深閑はそんな様子も省みず、楓の頭を掴んで無理矢理その口の中に秋晴のペニスをねじ込んだ。
4614/9:2009/09/13(日) 21:28:36 ID:9VNVGBOj

「ごぼっ、んぐ、うむ、ちゅぶっ、んっ! げほっ……んぶうぅぅぅぅ!」

 そこが限界だったのだろう。
 秋晴のペニスが喉の奥に突き刺さった瞬間、楓の全身がそれまで以上に痙攣し、ぐったりと力が抜けて崩れ落ちた。

 首が落ちるのに合わせてだらりと弛緩した口の中からペニスがこぼれ出て、楓の顔は秋晴の股間へと埋められる。

 身体を前後から貫かれる快感で絶頂に達した楓は、しばらく声もなくわずかな痙攣を続けていた。

 だが、それを許す深閑ではなかった。

「……ふぅ、理事長代理。失望しました」
「うぇあ……けほ、こほっ……。み……深閑、ちゃん……?」

 深閑ほどの者でなくとも、これだけの責めを味合わせられれば楓がどうなるかなど始めからわかっていただろう。
 だからだろうか、秋晴にはどことなく芝居がかったように聞こえる言葉をこぼした深閑の表情は、常の無表情からわずかに嗜虐の悦に染まっているように見えた。

「自分ひとりでイってしまってどうするのです。秋晴さんはまだ満足していませんよ?」
「ぁ……う……、ご、ごめんな……さい……、ま、またします……から……」

 そういって、楓は必死に身体を起こして秋晴への奉仕を再開しようとする。
 しかし、絶頂直後の余韻も消え去らぬうちに、いまだ拘束された身体でできることなどほとんどありはしない。
 じりじりと頭を持ち上げようとするのが精一杯で、しかもそれすら結局はかなわない。
4625/9:2009/09/13(日) 21:29:57 ID:9VNVGBOj
「いえ、もうその必要はありません」
「……え? かはっ!?」

 深閑は楓の脇から手を差し込んで覆いかぶさり、そのまま自分ごと起き上がり、楓の身体を引き起こした。
 座位の体勢になった楓の肛門にはディルドがより一層深く突き刺さり、絶頂間もない身体に再びぴくりと痙攣が走る。


 楓の身体が、秋晴の眼前に晒される。
 なだらかな胸の頂は硬く尖りきり、すぐそばに貼り付けられ、未だ止まらず震え続けるローターとともにぶるぶると振動し、こぶりな胸までも震えているように見える。
 怠惰な生活の割りに引き締まった腹部には幾筋も汗の雫が垂れ落ちて、ひっそりと小さな臍の穴に収まっていくものもあった。

 下半身はもっとひどい。
 薄い茂みの奥にある楓の秘所はとめどなくあふれる愛液によってどろどろに蕩けきっており、滴る蜜が膝まで至っている。
 そして、その奥に見えるのは菊穴をえぐる黒々とした極太のディルド。

 これ以上ないほどに淫らで危険な香りを放つ肉体が、目の前にあった。


 半ば呆然とその様を見つめていた秋晴に、深閑からの声がかかる。

「さあ、秋晴さん」
「うえっ!?」
4636/9:2009/09/13(日) 21:31:19 ID:9VNVGBOj
 渦中にいたはずなのに、いつのまにやら蚊帳の外に置かれていたような気分の秋晴は、突如の呼びかけに素っ頓狂な声を上げる。
 意識を戻してみてみれば、深閑は喉を反らして荒い呼吸を繰り返す楓の顔の横で、淫蕩な笑みをこちらに向けてきている。

 かろうじて膝がベッドについているだけで、安定しない楓の身体を支えるためだろう。
 腹の脇から楓の前身に向かって這わされた深閑の手が、そのまま楓の秘所へと伸びて、楓の花びらを広げる。

くちゅり

 そんな音がして、愛液の塊が再びシーツの上へと落ちていった。

 ごくり、と。
 秋晴は知らず自分の喉が鳴る音を聞いた。
 目は楓の身体に釘付けになって離せない。
 先ほどまで楓の必死の、それでいてどうしてもつたない奉仕を受けていたペニスはこれ以上ないほどにそり上がっている。

「ふふっ、秋晴さん。理事長代理はもう自分ではご奉仕できないようですから、秋晴さんが理事長代理の身体を、『使って』あげてください」
「……ああ」
「え、ちょっ、秋晴くん……? 待って、やめ……やめてええええええええ!」
4647/9:2009/09/13(日) 21:32:24 ID:9VNVGBOj

ずっ、ずぶっ、ぐぷっ、ずぷっ……

ぐぼっ、ぐっ、ぬぼっ、ずるるるる……

「あ、……は、ふぁ……ぁぁ……」

 白麗稜の敷地内の一室。
 代々理事長とその縁者の住居とされてきた屋敷の中、当代の理事長代理が寝起きする、主の安息を何より考えて調度の一つ一つまで揃えられた部屋の中、その静穏を打ち壊すようなくぐもった水音と、肺の奥から搾り出されるような荒い呼吸の音が響いていた。

 その音の源は、部屋の中央に据えられた巨大な寝台の上。
 丁寧に敷き詰められていたシーツは汗やそれ以外の体液に塗れ、しわくちゃになってかろうじて寝台の上に載っているばかり。

 窓から入る、沈みかけの陽光でうっすらと朱色に染まった部屋の中、そのベッドの上に、一つの影がある。
 空調機器が静かに冷気を吐き出し続けているが、それでも部屋の中央で生まれる熱量を打ち消すことは出来ず、部屋にはうっすらとした熱気と、そしてのぼせるほどの淫臭が満ちていた。

 そこにいるのは、秋晴と深閑と、そしてその二人に身体の前後から貫かれている楓である。

 楓はいま、極上の弾力を誇るマットレスの上に腰を下ろし、向かい合って上体を起こした秋晴と深閑の体の間に挟まれている。
 三人共に全裸。
 一糸たりとも身にまとわず、楓は先ほどまでの拘束具も全て取り除かれ、あえて挙げるとするならば三人の体から吹き出る汗以外には何一つ身につけているものがない。

 とめどなく愛液をあふれさせる膣には秋晴の剛直が突き刺さり、力強く打ち付けられる腰に抗うそぶりも見せず貫かれている。
 肛門は深閑のペニスバンドに攻め立てられ、ディルドの振動と共に送り込まれるゆっくりと、それでいて根元深くまで突き上げるストロークを否応なく受け入れる。

 だらりと弛緩した楓の体に自由に動かせる場所はもはやなく、ただ秋晴と深閑の抽挿に体をゆすられることしかできていない。
 身体につられてかくかくと揺れる頭は天井を向き、だらりと開かれた口の端からは唾液が零れ落ちようとするが、そのたびに秋晴と深閑がすすり上げ、自分の唾液ではなく二人の唾液によって楓の頬はてらてらと輝き、室内灯の明かりを弾いていた。
4658/9:2009/09/13(日) 21:34:17 ID:9VNVGBOj
 ただ空ろに開かれただけの瞳には、もはや人間らしい知性の輝きを見ることは難しい。
 その瞳の奥に写るのは、何をしても無駄という諦観と、絶え間なく与えられる快楽の炎のみ。

 身体にはもはや一切の力が入らないにも関わらず、秋晴を受け入れた膣はきゅうきゅうと吸い付くように締め付け、たくましい雄に媚びている。
 舌を絡めて口付けをされれば、懸命に震える舌を伸ばして応え、唾液が流し込まれれば躊躇なく喉を鳴らして飲み込んでいく。
 小ぶりな乳房は前後から秋晴と深閑の手によって芯まで徹底的に揉み解され、二人の指の痕で赤く染まって湯気すら見えそうなほどに火照っている。

 指一本もまともに動かせないはずなのに、それでも快感には貪欲に反応する淫らな身体。
 秋晴は、目の前で揺れ動く楓のそんな有様を、深閑と共にたっぷりと堪能していた。

「くぅっ……、も、もうそろそろ……」
「はい、秋晴さんっ。どうぞ、思う存分出してあげてください。理事長代理も、かまいませんね?」
「あ……っ、ら……めぇ……。い、いま……なか……出されたらぁ……っ!」

 そうしてようやく秋晴にも限界が訪れる。
 ただでさえ気が狂いそうなほどの快感に翻弄されている楓は、わずかに残っていた理性で拒絶の意思を示す。
 もしも今秋晴に射精されれば、自分がどうなってしまうか予想も付かない。

 しかし、そんな思考とは裏腹に、楓の身体は秋晴の絶頂が近づいたことを感じてか、より一層ざわざわと膣内を蠢かせ、その動きもあって秋晴の分身がびくびくと震えだした。

「うぅっ……、もうダメだ……出るっ!」

 秋晴はラストスパートとばかりに残った力の全てで楓を突き上げる。
 そしてそれと同時、楓の向こう側で同じく楓を攻め立てている深閑の胸を掴み、乳首を強くひねり上げた。

「はぁっ……はぁ!? あ、秋晴さん、わ、私はいいですからっ! んあぁあああああああ!」
「あ、や……やぁぁぁああああああああ!!?」

びゅくっ、どぷっ、びゅるるるるるる!
4669/9:2009/09/13(日) 21:35:24 ID:9VNVGBOj

「……ぁ、……ひっ……ぅぁ……」
「ふふ、すごい表情ですね。ここまでイった人を見るのは初めてです」
「……ああ、そうだな」
「秋晴さん。……まだ、し足りませんか?」
「うっ」
「なら、遠慮することはありませんよ」
「いや、でも楓はそろそろ……」
「あら、私にはもうしてくれないんですか?」
「えっ……」

 その後、秋晴は意識を取り戻した楓と深閑の二人を相手に、三人そろって気絶するまで交わったという。

 その甲斐あってか、しばらくは楓の無茶・暴走の類がなりを潜めたというが、この一件以来楓は極度のMプレイに目覚め、深閑もSとMを巧みに使い分けるようになったため、秋晴にとっての収支は±0だったとかなんとか。
 いずれにせよ、騒動の種がまた増えたことだけは確かであった。
467457:2009/09/13(日) 21:38:35 ID:9VNVGBOj
これにて、終了にございます

読み終わった新刊も相変わらずのエロコメ具合で、
しかもアニメ化も決定して喜ばしい限り。
もしまたネタが浮かんできましたら、そのときもどうぞご贔屓に

四季鏡姉妹とかとてもエロくて書きたいのだけれど、あのダメな人たちを動かすとなると難しい……。
468名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:04:38 ID:HvoU66mH
乙GJ!
いいもん見れたぜ!

四季鏡は意外と影薄いというトラップ
469名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:16:22 ID:pFIqpZtc
…ふぅ、落ち着けよ

四季鏡単体だとギャグっぽくなりそうだしエロ姉の歪んだ知識と腕力を加えて無理矢理ご奉仕という感じかな
470名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:14:58 ID:8ghmEFQm
新刊も出て投下もされてるのにこの過疎ったらもう
471名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:18:27 ID:f6Ot52eK
久しぶりに来たら新作が!!
激しくGJです!
472名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 00:36:14 ID:7Cmv7z5c
GJ!
473名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:04:37 ID:tdDsU0Ld
保守
474名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:16:02 ID:6qJaEHJm
みみな先輩のおててむにむに
475名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 00:02:58 ID:Fvsk4lx6
とりあえずアニメ始まるまで保守しとこうか…
476名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 21:49:13 ID:3EP017SK
今書いてる四季鏡姉痴漢プレイ物ができるまで残ってると嬉しいな
477名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 21:50:18 ID:NAqCz0K9
正座して待ってるからがむばれ
478名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 22:49:29 ID:NjU8yEar
落としてたまるか死ぬ気で守る
479名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 21:18:57 ID:4xN05OBO
みんなっ!
全力で保守するんだ!
480名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 08:27:31 ID:gnNsXtM+
名前が、いかにも“下がる”よね。
481名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 00:19:29 ID:2m1YvCvq
保守初参加
482名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 21:34:54 ID:c94Vvyzr
保守
483名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 17:07:49 ID:HAvgZIuk
>>480
卓ゲスレに帰ろうか
484名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 21:43:32 ID:BB9dE1Bw
わくわく
485名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 02:46:40 ID:4fwjkgM0
せめて476が作品投下するまでは
保守
486名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 00:12:32 ID:uaAOg3jY
保守あげ


ついでに腹黒は俺の嫁
487名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 00:28:48 ID:XMcoxKMQ
みみなとピナと深閑は俺の嫁と妹と娘
488名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 16:32:18 ID:qWN357iZ
色黒は俺の嫁
489名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 02:46:30 ID:A7unWupA
轟は君の婿
490名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 14:24:20 ID:xNzsDh3l
だが断る

と、友達なら許してあげないこともないんだからっ///
491名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 19:44:54 ID:DIsIURwY
ほし
492名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 22:34:29 ID:Lqf1FVez
腹黒もの書いていたが消えた
493名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 23:22:13 ID:BA4tJ1Xq
轟が「>>495」と一緒に「女装」して色黒に突撃
494名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 19:54:36 ID:wQjQExPf
どうぞどうぞ
495名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 22:52:58 ID:/EULOc4q
なんと覇気のないスレ
496名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 01:21:54 ID:LJI8oR4k
保守あげ

おまえらみみなとピナどっち派よ
497名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 01:22:49 ID:fw6YzjGH
みみな先輩にきまっとる
498名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 19:08:54 ID:SOd5NBuq
腹黒
499名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 00:00:27 ID:ymbUKeSD
新刊出るまでには投下……できる、かなぁ?
500名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 20:54:00 ID:FwPK+7Xi
>みみなとピナ
その二択だったらみみな先輩
でも一番はミカン

>新刊出るまでには投下……できる、かなぁ?
期待してる
501名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 21:31:52 ID:VdwdBtV5
俺何時書き込んだっけ
> >みみなとピナ
> その二択だったらみみな先輩
> でも一番はミカン
502名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 09:56:37 ID:qk42XoZx
保守
503名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 01:44:49 ID:tjxiuv4k
替え歌の替え歌。 鳳支援?

我々は知っている この拉致すべき者の
その眼差し 顔の傷 この青年を知っている
大長老殿の 可愛い孫娘の 安全を守るため
さあ全てだ 全てを話せ

何を警戒(おそ)れる 日野秋晴
我等はお前のことが訊きたいだけ
少し眼光がキツすぎないか
ただ鳳お嬢様の 良人(いいひと)たる お前のことが訊きたいだけ

我が客家の組織力は世界一
お嬢にもしものことがあれば 我等の首が 飛ぶ
この黒光りするモノが分かるよな
お嬢の為なら命(たま)の1つや2つ 簡単に殺ってやるわ
504名無しさん@ピンキー:2009/12/22(火) 17:56:35 ID:LCSyEErq
アニメは怖いって
505名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 18:27:34 ID:XEw4vhrV
アニメのキャラデザ、原作の雰囲気壊しすぎだから見てないんだが
そんなにダメなの?
506名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 18:40:45 ID:/ko4/1RO
いや、まだ始まってないし…

明日第一回の先行放送だよ
507名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 00:37:43 ID:mQBHwLU/
かのこんスタッフじゃ始める前から終わってる
508名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 08:13:54 ID:J1WggoJT
      ,' /
     i .l
.    | 、
    、.\ ヽ
      、 \ . ヽ ._
         丶.   ‐  _
           ` ‐ _  (^o^)( ^o^)
                  (ー(,, O┬O
                   ())'J_))
    「れでぃばとオワタ?」


    「ハジマル前からオワてたよ」
509名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 08:53:13 ID:SrRNKhYt
くぎゅがいるから俺は見るよ
510名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 00:47:13 ID:BnsinXvL
ピナがくぎゅだと思ってたのに
大地のほうだったか
511名無しさん@ピンキー:2010/01/08(金) 00:56:04 ID:QjzTnqHf
ピナはアグミオンだな
512名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 22:59:17 ID:ZC+bv47S
10巻読んだら大地が愛しくなった
パーカー姿見たいなぁ
513名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 15:05:07 ID:FHsUBV4D
>>476はまだか・・・
514名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 15:16:39 ID:O8f2LBu+
うむ、3ヶ月以上も連続して正座はさすがにきつすぎる
515476:2010/01/18(月) 21:08:50 ID:qELlkulY
もはや忘れ去られているかと思ったら、待ってくれてる人がいた!
遅れに遅れてまこと申し訳ないです、ハイ
元々新刊一冊につき一本ペースの遅筆な上、年末にPCがご臨終して、今まで音沙汰なしとなってしまいました
一応ご臨終前にもうすぐ完成というところまで行っていたので、おそらくそう遠くないうちに投下できると思います
もしよろしければ、どうか今少しのご辛抱を
516名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 21:43:36 ID:nRhpqjwk
よし、正座しなおして待ってる!
517名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 23:28:21 ID:VXW7yDIp
(´・ω・`)風邪引いたけど全裸で待つお
518名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 00:03:12 ID:qyfZRuUE
わくわく
519名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 23:09:34 ID:aCZvLYOp
あ、アニメはどうだったの?
誰か見た人いないか
520名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 23:23:14 ID:AGv4XF1M
乳首券大発行中だった
521名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 23:24:46 ID:l4+kPxcO
腹黒さんが薄っぺらくなった
あと秋晴が初給仕の時間中に模範的になってドリルを唖然とさせるシーンが、ドリルに喧嘩売る展開になってた

でも言葉がギャートルズみたいに物質化してボコボコぶつけられる演出とかは面白かった
522名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 23:37:36 ID:IUBLOeXV
ワギャンを彷彿とさせる
523名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 23:58:43 ID:6UbxC79t
524名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 19:39:06 ID:u9ZB9JXY
10巻の帯についてる絵だけで見る気なくした
525名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 23:01:29 ID:Gn13fwG5
>>524
しかしDVD&BDの初回限定版はむにゅう氏描き下ろしリバーシブルピンナップジャケットという釣り・・・
正直ジャケットのためにソフト買うのってツラいよね。
526名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 23:28:14 ID:c87KGbW6
聖剣の刀鍛治なんてラ板本スレでは、DVD、BD付き短編集って言われてるぞ
527名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 00:10:11 ID:+uieZttp
>>525
ジャケ一枚に無駄金だすのはただのアホ
レンタル待ってプリントアウトしたほうがいいよ
528名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 00:19:26 ID:lGcNXWcS
>>527
レンタル版はおそらく通常版と同じでアニメキャラデザのジャケットだろう。
以下getchuより

>【初回限定版特典】
>●原作イラストレーター・むにゅう描き下ろしスリーブ仕様
>●むにゅう描き下ろしイラスト・リバーシブルピンナップジャケット
> スリーブのイラストよりもちょっと○○なアナザーバージョン
>●WEBラジオ麻衣と茉莉也の「らじ×ばと!」収録CD-ROM
>●特製リーフレット

>【通常版共通特典】
>●本編より更に○○なオマケ映像・朋美&セルニア編
>●ノンテロップOP&ED映像
>●アニメーションキャラクターデザイン高見明男描き下ろしジャケット
>●オーディオコメンタリー

書き下ろし短編も欲しいところだが、リーフレットでは期待出来ないか。
このスレ的に燃料にはなりそうにないな。
529名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 04:17:16 ID:I/MUyeCq
保守
530476:2010/01/24(日) 21:21:35 ID:JAjmfkpP
よーし、できたー。

というわけで、投下行きます

※注意事項
・沙織×秋晴
・痴漢プレイ物
・ただ、先に手を出すのは……

それでは、参ります
531名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 21:23:24 ID:TNCw96uS
待ってたー
532(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/24(日) 21:25:24 ID:JAjmfkpP
タタンタタン……タタンタタン……

 鋼鉄の車輪がレールを噛んで走る音に混じって、規則正しいリズムでレールの継ぎ目を渡る音が響く電車の車内。
 足の踏み場もない、という言葉を体現するかのように人が詰め込まれ、事実体勢を立て直そうと動くことすらままならない。
 現在絶賛満員乗車中。

 不意に浮かんだそんな九文字熟語を思い浮かべ、秋晴はそっと溜息をついた。

 時は週の真ん中の平日の朝、首都圏の交通網の一翼を担う電車の一車両に、秋晴は乗っていた。
 白麗稜に入学して以降、学外に出かける事すら稀な秋晴にとって、電車に乗るのもましてや常時全方位から圧力を受けるような満員電車に乗るのも、かなり久しぶりのことだった。
 以前に数度出くわしたことこそあったものの、それでもやはり何度経験しても慣れるものではない。

 服越しに見知らぬ他人に触れられるのもあまり気分の良いものではないし、ましてや妙に熱いと思って振り向いてみればそこにいるのが脂ぎった中年サラリーマンだった日には軽く泣きたくなってくる。

 白麗稜の生徒でこんな経験をしたことがある人間は、従育科の元一般人を除いてほとんどいないだろうと、内心で強く思う。
 だが今確実に、高度経済成長期以来、日本の伝統となった満員電車を経験した白麗稜上育科生徒が一人増えている。

「まあ、すごいですわね……」
「……そっスね」
533(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/24(日) 21:28:24 ID:JAjmfkpP
 それが、超満員の圧力に負けず、秋晴が作り出した腕の中の空間に身をゆだねる四季鏡沙織である。


 低所得層の日常の具現のようなこの場に、いかに実家が落ちぶれているとはいえ白麗稜の上育科に通うお嬢様がいるという、掃き溜めに鶴そのままの状況に、秋晴はめまいを覚えるような気分だった。

 状況だけを見ればありえないことではあるが、こうなるにあたって特別の事情があったわけではない。
 従育科の試験が日曜に開催され、その代休扱いで降って沸いた平日の中の休み。
 特にやることもなく寮で時間を潰すか、と考えていた秋晴の元へ、試験のパートナーを務めてくれた沙織が訪ねてきて買い物の付き添いに誘われ、特に断る理由もなく付いてきただけのことである。

 ……さすがに、自家用車の類を一切使わず公共交通機関のみを頼りに目的地へ向かう、と聞いたときは驚いたが。

 しかしそれも四季鏡家の現状を考えればありえない話ではない。
 そのため、数百を越えると思われる数の人でごった返すホームの中でもどこか浮世離れした空気を発散し、満員電車の中にふらふらと漂うように乗り込んでいく沙織を必死に追いかけ、周りの乗客に押しつぶされないように自分の腕の中に抱え込んで、今に至る。

 電車がカーブに差し掛かる。
 カーブの外側である秋晴の背中には、遠心力に押された人の圧力がかかり、ドアについた腕に人一人分の体重ではきかないような力がかかる。
 正直言ってかなりきついが、腕の中の沙織に負担をかけるわけにもいかない。
 四季鏡早苗の姉である沙織であれば多少の人ごみ程度は気にしないかもしれないが、だからといって従育科の生徒としては白麗稜のお嬢様をこんな悪環境の中に放り出すわけにもいかない。

 男としても執事の卵としても、ここが踏ん張りどころである。

 そのとき、電車が急に大きく揺れた。
 原因はわからないが、車内のそこかしこで乗客達がたたらを踏む気配がする。既に限界か、と思っていた圧力がさらに高まり、支えにしていた腕に痛みが走る。
 特に腰の辺りに予期せぬ力がかかり、それまでなんとか一定の容積を確保していた沙織のための空間が潰され、自分の体で沙織を扉に押し付けるような形になってしまう。
534(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/24(日) 21:30:47 ID:JAjmfkpP
「あっ……」
「うわ、す、スマン!」

 他の乗客の迷惑にならないよう、小声で謝罪する秋晴。
 しかし沙織は気にしなくて良いとでも言うように、振り向いて微笑を浮かべてうなずいてくる。

 その笑顔に、秋晴は一瞬息を詰まらせる。

 空調が聞いているにもかかわらず、人いきれと体温で蒸し暑いとすら思える電車の中、自分の目と鼻の先で絶世の美女が優しく微笑んでいる。
 沙織と浅からぬ縁を持ち、笑顔も見慣れているはずの秋晴であったが、周囲にたくさんの人がいる中で体を密着させて微笑まれるという特殊極まりない状況に、我を忘れて見入ってしまった。

「……あら?」
「ん、どうかしたか?」

 しばらく沙織の笑顔に見とれていた秋晴だったが、沙織が不思議そうな表情を浮かべたことにより、意識を取り戻す。
 カーブは既に終わっているが、電車内の人の波は未だ秋晴を沙織ごと扉に押し付けたままで、沙織はドアを向いて両手をつき、後ろから秋晴に抱きすくめられるようにも見える形でドアに押し付けられている。

 しかし何か違和感を感じたのか、急にむずむずと動き出す。
 そのたびに秋晴の胸板や足に沙織の体が擦りつけられ、服越しでもやわらかい沙織の感触に秋晴の心拍数は上昇し始めた。

「あー、すまん。そろそろ離れられると思うんで、もう少しだけ我慢してくれ」

 きっと、ドアに押し付けられるのが苦しくなってきたのだろう。
 そう思った秋晴は、腕に力を入れてなんとか後ろの乗客を押し返そうとする。
 岩でも押しているようなその感覚に日本の満員電車の恐ろしさを感じるが、今はそんなことを気にしている場合ではない。

「……ふふ、違いますよ、日野さん」
「へ?」

 しかし、そんな秋晴を見て沙織は一層笑みを深くする。
 目尻がとろりと垂れ下がり、紅い舌が姿を見せ、唇をぬぐうとそれだけで口紅を差したと錯覚するほど艶やかに染まる。
 頬は上気したように赤くなり、秋晴の腕に触れている二の腕が一秒ごとに熱くなる。

 沙織は、発情していた。
535(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/24(日) 21:34:02 ID:JAjmfkpP
「えいっ」
「んおっ!?」

 そんな沙織の姿に、素直に混乱していられたのも一瞬のこと。
 沙織が急に腰を押し付けてきたことにより、秋晴もなぜ沙織が妙な態度を見せ始めたのかを理解した。

 ぐりぐりと押し付けられている沙織の尻房の極上の柔らかさに、秋晴自身が埋もれることによって。

 自分でも、まったく気付かないうちに勃っていた。

 当たり前といえば、当たり前のことである。
 秋晴が関係を持つ少女達の中でも抜きん出た容姿と女らしさを持つ四季鏡沙織。
 彼女と衆人環視の中で合法的に、服越しとはいえ肌を擦り合わせていれば、興奮しないわけがない。

 ただ、そのことに自分より先に沙織に気付かれたというのはかなり恥ずかしい。
 沸騰するように体温が上がり、沙織以上に顔が赤くなっていくのが手に取るようにわかった。

 沙織は、そんな秋晴の反応を面白そうに見ながら尻を押し付けるのをやめようとしない。
 腰を左右に振って当たる場所を変え、上下に擦るように動かす。
 秋晴は溜まらず腰を引こうとするが、そこには先ほどまで全力で押しのけようとしていたがびくともしなかった人の壁。
 抵抗空しく、秋晴は沙織の望むがままに尻で完全に立ち上がったペニスを擦られるだけだった。

「ちょ、先輩、くぅっ、まずいって!」

 今はまだ周囲の乗客も気付いていないようだが、これだけの人の目があるところでこんなことをしていては、それも時間の問題だろう。
 なんとか沙織を止めようと耳元に口を寄せ小声で言い募るが、沙織は未だ腰を押し付けるのを止めようとしない。

 機嫌良さそうに目を細め、なんとか体を離そうと沙織の肩に触れた手へと指を這わせ、スリスリと頬摺りをしてくる。

「大丈夫ですよ、日野さん。こっちの扉は、目的地まで開きませんから」
「いやそういう問題じゃ……って、なんでそんなことを!?」

 まるで、こうなると最初からわかっていた、とでも言うように無言で笑みを深める沙織。
 ひょっとすると、今日の行動全て沙織の掌の上だったんじゃないか。
 吐息の掛かる距離にある美女の極上の微笑みに、どこか空恐ろしいものを感じて背筋の冷える秋晴であった。
536476:2010/01/24(日) 21:38:35 ID:JAjmfkpP
本日はこれまで

沙織はそもそも出番が少ないからセリフが難しい……
違和感を感じた場合はすべて私の実力不足によるものですので、何卒脳内補完をお願い申し上げまする

そして>>531を始めとした皆様、ホント待たせてごめんなさい
537名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 21:39:32 ID:TNCw96uS
乙乙続き待ってるよー
538名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 22:05:34 ID:Gx34iWM2
乙!
これはある意味新鮮かも
539名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 04:15:41 ID:N3ALoLZ2
乙!
こういうのもいいね!
540476:2010/01/25(月) 21:36:06 ID:V9S40ezZ
二日続けて俺参上
てなわけで投下いきます
541(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/25(月) 21:38:14 ID:V9S40ezZ
「ねえ、日野さん?」
「うひっ! な、なんスか?」

 一体どうしたものか、と秋晴が考える間もあればこそ、今度は沙織が顔を反らせて秋晴に耳打ちをしてきた。
 背中を秋晴に預け、耳孔に吐息を吹き込むようにしてそっと鼓膜を振るわせた声は、決して大きくもない声量なのに秋晴の頭の中に響いて、他の全ての音が聞こえなくなるような錯覚を抱かせた。

「私からするのもいいんですけど、ちょっとは秋晴さんからもして欲しいです」
「お、俺から……?」

 そう言うと、沙織はわずかに秋晴から体を離す。
 ようやく沙織の尻の谷間から開放されたペニスは隠しようもなく反り返り、ズボンの中で激しく自己主張をしている。

 沙織はそんな秋晴の様子も気にせず、もはやただ肩に添えているだけとなっていた秋晴の右手を取ると、ゆっくりと下ろしていく。
 秋晴は抵抗することも忘れ、手の甲に吸い付く沙織の指の滑らかな感触に惚けてしまう。

 沙織に導かれた秋晴の手は、ゆっくりと二人の体の隙間を下っていく。

 肩を撫で、脇をくすぐり、腹を滑り、腰を這う。
 そして、むっちりと張り詰めた沙織の尻房に届くと、そっと秋晴の手を押し付ける。

「んっ」
「ぅわっ……」

 押されるままに、指がどこまでも沈み込むのではないかと思った。
 それほどに沙織の尻肉は柔らかく、秋晴の手を受け入れた。

 車内の熱気と沙織自身の興奮で服越しでもわかるほど火照ったその魅惑の白桃は、沙織自身の手によって押し付けられた秋晴の掌でふにふにと形を歪め、そのたびに秋晴の理性をこそげ落とすような極上の感触を伝えてくる。
542(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/25(月) 21:40:41 ID:V9S40ezZ
「んん、ふぅぅぅぅ……」

 沙織もまた待ち望んでいた感触が得られたからだろう。
 目を閉じて喉を反らし、甘い匂いさえ漂ってきそうな溜息をついて体を震わせる。

 同時、頭を動かすのに合わせてさらりと流れた髪の中から漏れ出てくる匂いは一体どんな作用を持っているのか。
 その香りを吸い込んだ秋晴は、頭にぼうっと霞みが掛かったのを自覚した。

 いつの間にか沙織の手はただ秋晴の手に添えられているだけとなり、秋晴の手は彼自身の意思から離れたかのように沙織の尻の上で踊っていた。
 掌を強く押し付けて尻肉全体をこねるように回し、指先だけを強く押し込み、谷間に指を押し付けて沙織に鼻から抜けるような声を上げさせる。

 秋晴自身もまた沙織に負けず劣らず興奮し、思う様その尻房を弄り尽くしていった。


 しかし。

ギキィィィィィ

 その時、再び列車がカーブに差し掛かった。

 またしても先ほどと同じように秋晴たちのいる扉の方向へと遠心力がかかり、背中にかかる圧力が増した。
 ただ、さきほどと異なるのは、今度は秋晴が体を支える腕が一本しかなく、しかも沙織の体との間に秋晴と沙織の手が差し込まれているということである。

「んふぅっ!?」
「うぁっ、す、スマン!」

 急にそれまで以上の力で尻の掌を押し付けられた沙織が声を上げる。
 それまでの囁きや、溜息のような声とは違うはっきりと喘ぎ声とわかる声だった。

 しかし、突然の列車の動きに戸惑ったのは周りも同じ。
 車内のあちこちから驚きの声が上がり、沙織の声が聞きとがめられることはなかった。

 そのことにほっと安堵する秋晴だったが、すぐにある事実に気が付いて血の気が引いた。
 否、「とある事実」などというまでもない。
 ただ、今自分達がいる場所が満員電車の中だと思い出しただけである。

 沙織に誘われ、それに夢中になっていたせいですっかり忘れていたが、ここは右を見ても左を見ても人だらけの電車の車内であった。

「な、なあ、そろそろやめないか? ヤバイってさすがに」
「ふぅ……はぁ……んふふ、大丈夫ですよ、日野さん」
「いや、大丈夫ってそんな……うぁっ!?」
543(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/25(月) 21:43:43 ID:V9S40ezZ
 顔を青くして沙織を止めようとする秋晴。

 しかし沙織は取り合わない。

 それどころか、いつの間にやら秋晴の側に掌を向けていた沙織の指が秋晴のペニスに絡みついてきた。
 指の腹に竿の側面を撫で上げられ、人差し指の爪を痛みを感じないギリギリの強さで押し付ける。
 気を抜けばそれだけで射精しかねないほどの刺激に、秋晴の体はビクリと震えた。

 バレた!?

 あらゆる方向から人に押される車内でこんな動きをしていれば気付かれないはずはない。
 秋晴は内心で盛大に動揺しながらそっとあたりを見渡すが、周囲の乗客は特に気にした風もない。
 どうやら、電車の動きに紛れることが出来たようだ。

 なんとか今回はバレることがなかったが、こんなことを続けていればそれこそ見つかるのは時間の問題だろう。
 秋晴はなんとか沙織を止めようと、未だ秋晴の股間に差し入れられたままの沙織の手を引き離そうとする。
 しかし、沙織の手は二人の体の間にぴっちりと挟まれていて動かすことができない。
 その上、沙織はあたりのことなどお構いなしで刺激を続けているので、体が震えようとするのを抑えながらでは集中することも出来ず、結果としてされるがままになってしまっている。

「ちょっ、く、いい加減に……ッ、くぁ!?」
「んん、ふふふ……日野さん、そろそろ、私にも……」

 秋晴の語気を少しだけ強めた制止の声もまるで聞こえていないかのように、沙織は手を止めようとしない。

 根元から先端まで、そろえた指先でなぞり上げ、頂点で正確に尿道へと指を突き刺される。
 ズボンと下着という二枚の布を隔てていることを忘れさせるほどの強い刺激を受け、秋晴はまず快感に耐えることからはじめなければならなかった。

 しかも、沙織はさらに動いた。
 秋晴を攻め立てる右手はそのままに、左手も後に回して秋晴の左手を取った。
 沙織も扉に押し付けられているのに、どうしてこうも自由に動けるのか。

 原理はさっぱりわからないが、手を取られてしまえばもはや抗いようもない。
 四季鏡姉妹ご自慢の怪力で、わずかな抵抗も空しく左手が沙織の体の前へと引き込まれる。

「ね、日野さん……こっちも、してくださいぃ……」
「……ッ!」
544(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/25(月) 21:46:38 ID:V9S40ezZ
 秋晴の左手は、そのまま沙織の胸へと導かれた。

 手を離そう、などと考えることすら出来なかった。

 肩越しにこちらを振り向く沙織の期待に満ちた流し目に見つめられながら掌が乳房へと触れた瞬間、何よりも先にその手の中に握り締めていた。

「あんっ」

 沙織の唇から小さく漏れたのは、紛れもない歓喜の吐息。
 耳をくすぐる軽やかで澄んだその声に、秋晴の思考は冷静さを失った。

「先輩……ッ」
「きゃっ、あ、秋晴さ……んんっ!」

 それまでなんとか潰さないようにと腐心していた沙織を、今度は秋晴自身の意思で扉に押し付ける。
 身を捩ることも出来ないように扉と自分の体の間で押さえつけて、思う様に左手の中の胸を弄り回した。

 やわやわと指を動かしてその極上の弾力を楽しみ、時折沙織が痛みを感じるほどに強く握り締める。
 服越しに乳首があるだろう場所を探り当て、指を押し込むと沙織の顔が跳ね上がる。
 どうやらここで正解らしい。
 突き刺したままの指をぐりぐりと動かすと、それにあわせるように沙織の背筋がゾクゾクと震え、秋晴の中の支配欲が急速に満たされる。

 じきに右手を遊ばせておくことと、布越しの感触に耐えられなくなり、両手ともども上着の下から差し込んで、直接沙織の素肌に触れることにした。

 沙織自身それを待ち望んでいたようで、嫌がるそぶりも見せず、こちらを振り向いてウィンクをして見せた。
 無駄なく引き締まっているようでありながら、同時に女性らしい丸みとやわらかさを備えた腹部。

 きめ細かい肌触りを楽しみながらゆっくりと指を這い上がらせる。
 絶えず沙織の口からこぼれる喘ぎ声はいよいよ熱を帯び、髪の間から立ち上る香りはまるでそれ自体が媚薬のように秋晴の頭をしびれさせる。

 だんだんと沙織の体を上っていく指が胸に届くと同時、さすがに外すことはできないので、下着を無理矢理めくり上げる。

 そしてついに、沙織の生の乳房に、触れる。

 それまでの服越しの感触とは比較にならないほどのやわらかさと滑らかさ。
 指先から掌まで余すところなく沙織の肉に埋まり、激しい心臓の鼓動と熱い体温が感じられる。

 指を押し込めば指の側面まで胸肉が包み込み、ブラジャーの束縛から解き放たれた沙織の巨乳は秋晴の手の動きに合わせて上下左右に跳ね回る。
 扉とのわずかな隙間。
 その空間に見える服の中で激しく好き放題に動き回る胸の様子は、それだけで秋晴を更なる興奮へと誘っていく。

 沙織の誘惑に乗せられ、彼女の体に耽溺していく秋晴。
 いつ誰に気付かれるかもわからない満員電車の中でありながら、いやむしろそうであるからこそ、より一層の熱狂を持って、秋晴は腕の中の女性に心奪われていった。
545476:2010/01/25(月) 21:49:48 ID:V9S40ezZ
本日これまで
これでちょうど半分くらいでしょうか
アニメも始まったし、新たな職人様の降臨を期待しております
546名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 21:51:28 ID:6eoe6y0K
乙乙続きも期待してるよー
547名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 17:06:13 ID:e9/iLHnU
GJなんだよ
548476:2010/01/27(水) 21:17:20 ID:CjJ304sw
一日おいて、続きいきます
549476:2010/01/27(水) 21:18:47 ID:CjJ304sw
「ん、ふっ、……はっ、はぁ、んんっ」
「はぁ……はぁ……、くっ……くぁ!?」

 そうして、しばらくの間沙織の体に没頭していた秋晴。
 ひたすらに彼女の胸を蹂躙していた秋晴だったが、突然下半身から湧き上がった感覚に手を止めた。

 それまで沙織の胸に夢中で自分のことには一切注意を払っていなかったが、手を止め、沙織から体を離して自分の体を見下ろした。

 先ほどまで沙織を本当に押しつぶしてしまわない程度に密着していた秋晴。
 行為の最中体を離すことはなかったはずなのだが、そこには少々信じがたい光景が広がっていた。

 まず真っ先に目に付いたのは、沙織の腰元にたくし上げられた布。
 沙織のスカートである。

 今日の沙織はそこそこ丈の長いスカートを履いてきていたが、その背中側が盛大にたくし上げられ、下着に包まれた形よい尻が晒されている。
 しかも、いつの間にやら格好が変わっていたのは沙織だけではない。
 先ほど気付いてから絶えず感じる刺激の出所。
 沙織の尻を見ると同時に視界に入ってきたそれは、激しく反り返った自分のペニスだった。

 つまり、何か。
 沙織はこの満員電車で、秋晴に体を押さえつけられていながら自分のスカートをたくし上げ、さらに秋晴のズボンの中からペニスを引きずり出したのか。
 未だ興奮冷めやらぬ秋晴であったが、それでも理解できる沙織の妙な器用さに、わずかだが冷静さを取り戻した。

 ひとまず、このままではまずい。
 今まで散々痴漢じみたことをしていたが、こんな姿を他人に見られればそれこそ言い訳の仕様もない。
 そんなことを考える間もあればこそ、秋晴はひとまず周囲の人の目から自分達の姿を隠すため、再び沙織に体を密着させた。
550(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/27(水) 21:20:45 ID:CjJ304sw
「んぁっ……! ふふふふ、秋晴さんも、その気になってきましたか……?」
「くぅ……! い、いやいやいや、何言ってんだ! さすがにコレはまずいだろ!?」

 しかし相変わらず、沙織は秋晴の努力を裏切るかのように妖艶な笑みを浮かべて秋晴のさらなる劣情を煽ってくる。
 しかも、今度はお互いのむき出しの肌同士がこすれあうことになったため、それまでの興奮のせいもあって気を抜いたら射精してしまいそうなほどの快感が秋晴の背筋を走り抜けた。

「いいじゃないですか、秋晴さん。ここまできたら……ね?」
「ね? じゃなくて! 今ならまだ何とか誤魔化せるから、ほら服直して!」

 必死に事態の収拾を図る秋晴。
 これ以上沙織の体に触れていれば、それこそ理性を完全に失って沙織に誘われるがままに貪ってしまう。

 確かに秋晴自身、ここでやめてしまって耐えられるとは思っていないが、それにしても電車内はさすがに色々とまずすぎる。

「んー!」
「ちょ、先輩!」

 ひとまず捲り上げられたスカートを何とかしようとするが、沙織の動きのほうが一瞬速かった。
 するりと二人の体の間に滑り込んだ手が、秋晴の怒張を直接握りこむ。

「あぁ!?」
「はあぁあ……秋晴さんの……熱ぅい……」

 沙織の手が、指が、先走りに塗れた秋晴のペニスに触れている。
 上流階級の生まれであるということを差し引いても余りあるほどに滑らかすぎる細い指が、秋晴に絡みついて、しごき上げてくる。

 こうされてしまっては、秋晴にできることはもはやない。
 だが、こんな場所では万が一にも射精などすることは出来ようはずもまたない。
 沙織の手から与えられる快感に対して、秋晴は必死に耐えてやり過ごす以外のことは、もはやできなくなっていた。

「秋晴さん、もう射精ちゃいそうなんでしょう?」
「そんな……こと、聞くまでも……ないだろっ!」
551(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/27(水) 21:22:51 ID:CjJ304sw
 この期に及んでそんなことを聞いてくる沙織の表情はまさに淫魔のよう。
 囁く言葉は甘い誘惑の響きを含み、秋晴を快感への道に進ませる。

 沙織の指先は手加減を知らず、カリを弾き、亀頭を抉り、裏筋を揉み潰す。
 そのたびに秋晴の射精感は高まり、もはやいつ暴発してしまってもおかしくない。

 満員電車の中、もしも射精してしまえばもはや言い逃れることはできないだろう。
 いくら沙織の手によることであるとは言っても、痴漢まがいのことをしていたのも確かに事実なのだから。

 秋晴がそんな想像に絶望を感じている一方で、沙織は表情をますます蕩けさせていく。

「いいんですよ、秋晴さん。射精してください」
「い、いいわけないだろ……っ、こんな、ところで!」
「……あ、そういえばそうでしたね。それじゃあ……」

 秋晴の反論に、沙織は始めて気付いたとでもいうように呟いて、秋晴に這わせていた手を緩めた。
 場をわきまえているとも思えない沙織の行動の数々は、どうやらここが電車の車内だということを割りと本気で忘れていたことによるものらしい。

 ともあれ、秋晴は内心希望の光が差したような気持ちだった。
 ひょっとしたら、沙織もこのまま行為をやめてくれるかもしれない。
 この状態で放置されることは辛いが、それでも公共の場で射精するよりははるかにマシである。

 秋晴は、ほっと胸をなでおろした。

 まるで、その瞬間を狙っていたようだった。


 にゅるり


「……ッ!?」
「あんっ」

 秋晴のペニスに、これまでされたどんなことよりも強い快感が走った。

「ぐ……ぁ?」
「んん、んっ……すごい……秋晴さんの、本当に熱いです……」

 気が緩んだ瞬間に襲い掛かる強烈な快感。
 射精感が一気に高まり、今にも白濁を吐き出したいという欲求が急速に高まるのを、強く歯を食いしばることで何とか耐える。
552(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/27(水) 21:25:31 ID:CjJ304sw
 ギリギリ射精の衝動をやり過ごした秋晴は、すぐに自分が何をされたのかに気付く。
 ペニス全体にとろとろとした熱い粘液がまとわりつき、左右はむっちりと張り詰めた肉に押さえ込まれている。

 秋晴は今、沙織に素股をされていた。

 ただそれだけのことではあるが、沙織の秘唇から滴る愛液に浸され、さらに両側から沙織の太ももを押し付けられれば、実際に挿入しているのと変わらないほどの快感になる。

「せ、先輩……」
「ふふ、失敗しちゃいました……」

 振り向いた沙織は頬を赤く火照らせ、イタズラが失敗した、とでも言うように小さく舌を出していた。
 理性の箍が外れかけている秋晴は、その唇を奪って舌をすすり上げたりたいという欲求が湧き上がるのを必死に自制した。

「し、失敗……?」
「はい。外に射精したらバレちゃうかもですけど……」

――膣内に射精せば、わかりませんよ

 沙織は、秋晴の目をじっと見据えて、そう言った。

 秋晴は魅入られてしまったように目を反らすことができない。
 ゆっくりと目尻を引き下げ、顔を笑みの形に崩す沙織に、ゆっくりと体が引き寄せられるようだ。

 秋晴の両手は沙織の二の腕を掴み、扉に押し付ける。

 腰を動かせば、沙織も言葉を交わすことなく応え、ペニスの切っ先の位置を合わせる。

 沙織がわずかに身を捩り、顔を寄せてくる。

 愛液をあふれさす沙織の秘所と、秋晴の亀頭が接する。

 秋晴の視界が、多少無理をしてこちらを向いた沙織で一杯になる。

 そして


 ちゅ


 秋晴と沙織の唇が、一瞬だけ重なった。

「……ッ!!」
「んんっ、〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 そんな、触れるだけの軽いキスでも、秋晴の背を押すのには十分すぎるほどだった。
 場所も時間も状況も、全てを忘れた秋晴は、沙織の中に分け入っていく。

 即座に上り詰めた秋晴は、全ての方向から締め付ける沙織の柔肉の中、沙織の子宮へと直接、白濁の全てを吐き出した。
553476:2010/01/27(水) 21:26:24 ID:CjJ304sw
本日分はこれまで
次回の軽い蛇足で終了です
554名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 10:43:58 ID:yzbVuYlZ
エロ井
555名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 13:20:02 ID:ah3ypwsq
GJ!
実にエロい
556476:2010/01/29(金) 21:28:54 ID:xApbIlt+
ラストの投下いきます
557(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/29(金) 21:29:39 ID:xApbIlt+
「んっ、あ……はぁっ……あんっ」

 目を回すほどの数の人が行き交う大都会の中でも、人通りが途切れる瞬間というものは存在する。
 たとえば、昼間は多くの自動車がひしめき合っていた大通りでも、夜になると一台の車も通らない時間があったりするように。

 それと同じことが、改装間もないこの駅でも起きていた。

「ちゅ……んぷっ……んちゅうぅぅぅ……」

 駅のホームから改札までの人の流れから外れ、ラッシュ時の混雑の中では顧みられることすらないような、駅の片隅にあるトイレ。
 清掃は欠かさず行われているらしく、清潔で落ち着いて用を足せるその空間に今、かすかなあえぎ声と淫臭が漂っていた。

「あは……秋晴さんっ、いいです……っ、もっと……もっと突いてぇ……っ!」
「わ、わかったから……四季鏡っ、先輩……声、抑えてっ」

 その正体は、秋晴と沙織。
 二人は今、人の寄り付かない駅のトイレの個室の一つで、体を重ねていた。
558(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/29(金) 21:31:23 ID:xApbIlt+
 秋晴が沙織の膣内に射精したすぐ後に着いた駅が、二人の目的地だった。

 幸い、後始末をする時間はなんとか確保できたので、主に秋晴があわてて沙織の下着を直し、自分に着いた精液や愛液を拭って一応の体裁は整えた。
 しかしその間も沙織は忘我の境地に旅立って陶然としており、余韻に浸ったままでいた。
 秋晴も後始末こそ冷静にしたものの、いまだ満足しているとは言い難く、腹の奥に抑えがたい熱を抱えたまま、当初の予定通り買い物に付き合うことができるとは到底思えなかった。

 だから、そこから先のことはごくごく自然な流れだったのだろう。

 駅に降りる乗客の流れに押されるままにホームへと放り出され、一目散に改札へと向かう人の流れからも外れてホームに二人揃って呆然と佇み、電車が駅を離れたころになって二人目を合わせ、お互いにその瞳の奥にいまだ消えない情欲の炎を見つけた。
 そのあとは沙織に手を引かれるまま、人気のない駅の奥まったところにあるトイレの個室へと入りこみ、愛し合った。

「んふふふふ、秋晴さんは心配性ですね……んっ、ここはほとんど人が来ないから……あんっ、大丈夫ですよ」
「そ、そりゃ確かに今までは誰も来なかったけど……くぅぅぅっ」

 そして、沙織の言葉通りこのトイレに人が寄り付くことはなかった。
 沙織は、まるでそれが最初からわかっていたかのように、個室に入ってすぐに服を脱いで全裸になり、秋晴にしなだれかかってきた。

 事実、最初にパイズリをされた時も、その後にフェラチオで掃除をされた時も、こうして対面座位でつながりあっている今も、何度か電車が発着した気配こそあるものの人が寄ってくる様子は一度もなかった。
 このトイレは最近この駅が改装されたときに新しく作られたもので、昔から使っている人間は見向きもせず、初めて使う客ではすぐに気付けないような位置にあるらしい。
 秋晴の耳を舐め回しながら、吹き込むように沙織がそう言った。

 仮にそうであったとしても、小心者な秋晴はすぐには納得できない。
 しかしそれでも、電車の中で散々に焦らされ、誘われ、そして今目の前で長い髪と豊かな胸を存分に揺らせながら踊る沙織の肉体を前にしては、そんなものは些細なことに過ぎない。
 片手を沙織の胸に伸ばして鷲掴みにし、飛び出た乳首に強く吸いついた。
559(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/29(金) 21:32:07 ID:xApbIlt+
「っ! あぁぁぁぁっ!? ……あぁんっ、秋晴さんっ……ようやく、その気になったんですね……っ?」
「ああ、こうなったらとことんまでやってやる」
「うふ、その意気です」

 そう言って、さっきまでよりさらに強く腰を打ちつける秋晴に、沙織は蕩けるような笑みで返した。
 秋晴は沙織の腰を掴んで揺さぶり、自分も突き上げて沙織の最奥をえぐる。
 ただでさえ滑らかな沙織の肌は、うっすらと汗を帯びてますます艶めかしく秋晴の手に吸いつき、胸板でこねまわされる柔乳からはどこかミルクを思わせる香りが立ち上ってくる。

「んぁっ、……はんっ……あ、あぁぁ……いいです、秋晴さんっ、私……もうっ……!」
「ああ、……俺も、もう限界……くっ」

 見つめあう視線に映るのはお互いの姿のみ。
 吸いこむ息吹には相手の吐息が混じって脳髄を溶かし、触れ合う肌から熱が行き交う激しい情交。
 寝台どころかそのような行為を行う場ですらない駅のトイレの中でありながら、二人の中の情欲の炎は陰りも見せず、終わりの時へと止まることなく向かっていく。

「あああああっ! 出して、中、一杯にしてくださいっ……秋晴さんっ!!」
「うぅ……くうあぁあぁあああ!!」

 びゅっ、びゅく、びゅるるるるっ…………
560(元)お嬢様と電車に乗ったなら:2010/01/29(金) 21:33:21 ID:xApbIlt+
 行為後、お互いの体を清めて沙織は服を着直して、何とか体裁を整えて外に出た二人は、そのまま当初の予定通りの買い物へと向かった。

「なあ、どうしてあんなことしたんだ? その……電車の中で」
「あんなこと? ……ああ、あれですか。いえ、満員電車には痴漢さんが出ると聞いたので」
「……は?」
「見ず知らずの人に体を触られるのは、さすがに少し嫌です。でも秋晴さんにされるのなら嬉しいですから、いっそそうしてもらおうと思って」
「……」

 名案でしょう? と本気で思っている顔で微笑まれ、秋晴は何も言えなくなったという。
 また、沙織以下秋晴と関係を持つ女性のうち数名の猛者が同様の痴漢プレイに及ぼうとしたが、秋晴必死の説得により全て未遂に終わったことを、彼の名誉のためここに記しておこう。
561476:2010/01/29(金) 21:35:41 ID:xApbIlt+
はい、お付き合いありがとうございました
これでサブヒロインからモブ寸前まで、私が書けそうなキャラは大体書きました。中東ズとか無理です

次を書くかどうかは分かりませんが、書くとしてもまた投下はまた新刊が出たころですかねー
562名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 21:43:03 ID:na+umxWZ
乙乙

で、新刊は3月ですぞww
563名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 22:18:15 ID:oVa3St6G
よかった乙ー
564名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 22:19:31 ID:/G9A8ocF
乙カレー

奇しくもエロ姉回っぽいね
565名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 03:53:38 ID:Xk9I+7bc
乙でした、姉さんエロいよ姉さん
また気が向いた時でも良いので書いて貰えれば嬉しいです。
566名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 14:45:31 ID:57BU4xsa
GJ!
エロすぐる・・・
567名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 16:08:04 ID:scLrwoPu
最高すぐる
568名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 16:18:38 ID:Bxq/7buv
569名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 18:46:00 ID:eZ+CUT2K
アニメのエロさが既にエロ漫画レベルっていうのもまた、二次創作しにくい話だなw
570名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:15:02 ID:S9t3FCxa
アニメ?なのそれ美味しいの?
571名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:54:01 ID:CPkSCvqR
アニメの秋晴って安全ピンしてないの?
572名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:56:05 ID:lyiGmv2Q
してないね
573名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 00:33:30 ID:R86o9ZU/
ああだから何の関係も無いキャプチャ貼ってるんだと思ったのか
574名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 23:03:48 ID:zuqF6+/i
職人待ち
575名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 23:57:20 ID:Zk4Zd792
アニメって普通に乳首だしてるのな
なんか汚された気分
576名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 01:36:00 ID:fe+n1kOQ
577名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 02:01:33 ID:AePlm59w
っていうか、アニメをパンピーの知り合いに勧められん…。
いや、原作も結構きつめだがそれでも
「形式的にはエロ萌えラノベだが心理描写系はその手のものにしては結構深めで面白いんだぜ。
この人が前に書いていたカレとカノジョの召喚魔法って言うシリーズがあってさ…」
って感じに紹介できたんだが…
578名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 19:16:50 ID:Mc6eng8P
乳首なんて見えてたっけ?
579名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 21:26:37 ID:bPl+2C5Y
AT-X版は全開
580名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 23:47:10 ID:EaRnGiU8
>>579
配信版は隠れてるんだよな…下手すると隠されてる部分が広すぎて状況がよく分からない場合すら…
レンタルだとどうなるんだろ?やっぱり製品版だけ解除なのか?
581名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 12:06:26 ID:tGexRfWm
フォウが可愛すぎる>最新刊
SS書きたいレベル。

でも、もう少しキャラかたまらないとなあ
以前出会っていたという裏設定の内容が解ればいいんだが
582名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 10:13:04 ID:Qq9Jpte4
たぶん作者もその設定忘れてるよ
最新刊はチビっ子二人もかわいかったなあ
583名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 13:43:41 ID:+FnQUksw
最新刊でその設定出してもう忘れてたらある意味スゲーよw
584名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 11:18:55 ID:+TimyI2Y
うん?
中華と秋晴が出会っていたって設定がでてきたのは2巻(巻末)じゃなかったっけ?
最新刊でも伏線あったの?
585名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 10:58:03 ID:9vftQxPl
最新刊は大地最強だろ
586名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 14:21:31 ID:+VQNhkk/
んだんだ
587名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 14:20:40 ID:xB8PCvI2
今読み返してるが4巻腹黒デートのとき大地も着けてきてるんだよなw
588名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 11:07:08 ID:qBIe5mwZ
そうだっけ?
轟と四季鏡が呼びに行って断られたんじゃなかったっけ?
589名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 17:11:58 ID:JqmLqSsC
4巻開いて4ページ目の右上
十話で秋晴の好みの携帯を知っている
590名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 03:04:22 ID:8PRf/1gd
栗田「あ、海原さん・・・そこは駄目・・・」

栗田は海原雄山にクリトリスを刺激され敏感に感じている。

海原雄山「何を言うか、この汁を採取して初めて至高の料理が完成するのだ。」

海原雄山は更に栗田の急所を弄くり回した。

栗田「あぁ・・・だめ・・・」

山岡「くっ・・・海原雄山め・・・」

海原雄山「ふふふ。士郎はそこで指を加えてワシのゴッドフィンガーを見とくがいい。」
591名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 11:04:26 ID:CLFatqlF
大地非エロとフォウのエロ書いてるがすすまねえ
592名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 19:31:50 ID:cwwfSi0r
全裸ネクタイに正座で待ってるぞ!
593名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 01:40:00 ID:E9RvNN8p
楽しみだ
594名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 18:22:44 ID:lVjzXTln
期待
595名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 00:06:14 ID:vF5SuEjs
ほっす
596名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:18:18 ID:BOuL2mGS
みみな先輩のサイズの小ささは今更言うまでもないが、口も平均を遥かに下回る容量だ。
なので半分も俺のをくわえられない。ぎこちなくて歯を立てたり、先走りや精液の味は吐きそうになるほど
苦手のため余り積極的ではないし、俺もそれほど無理強いをしたくはないのだが、たまに思い出したように
しゃぶってくれることはある。大抵は他の娘への対抗心だったりもするが、気持ちよくしてくれる恩返しとか
そういう理由であると俺も嬉しい。涙目になってまで頑張って俺のを飲んでくれる時のみみな先輩は本当に可愛い。
決まってその後は正面から抱きしめてやって……。

大地とはこういった関係になってから、本人の希望もあって朝時間のあるときは起こしてもらってる。
修行の時間に起きるようなものとも言っていたが、あんまり無理はしないで欲しいものだ。
目が覚めると布団が膨らんでて大地が朝立ちに吸い付いてるのにはそろそろ慣れた。
普段クールじゃいるが、自分の好きなこと・やりたいことには真面目な性分の櫛枝だからして、
終始凄えバキュームで一番搾りを味わわれちまう。……大地よ、とりあえずそれはプロテイン代わりには
ならないと思うぞ? その後は一緒に教室まで向かう。やっぱ大地と一緒だと楽しいな。

セルニアは……最近ドリルって呼ぶとスルーしやがるんだよなあいつ。それはともかく、俺の精液に
美容効果があるんじゃないかと勘違いしてやがる。本人の主観によるものだから実際よくは分からんがな。
セルニアの場合は遊びが少ないというか、弱点ばっか攻めまくってなるべく早く出させようとしてくる。
そう求められるのも悪い気はしない。口の中に直に出すと一度口を開いて舌が精液をかき回すのを
わざわざ俺に見せつけてからからやっと飲み込んでくれる。エロいことやらせたら本当天才的だなこいつ。
前世は淫魔か何かか? 嬉しいけど俺の命まで吸い尽くさないでくれよ?

早苗はなんというかねちっこい。時間をかけてじっくり丹念にすると大量に出るし、大量に出すほど
気持ちいいっていう仕組みを知ってからは特に顕著だ。一度くわえると俺が出すまでは絶対に離れないし、
竿だけでなく玉なんかも優しく指で転がしてくれる。デカい胸ももちろん惜しみなく使ってくれる。
挟みながらくわえるのって男の方にもそれなりのサイズを要求されるんだな。特に気にしちゃいなかったが
実際に挟まれて舐められ時は、これが可能なサイズに産んでくれた親に思わず感謝しちまった。
普段から気持ちよくしてくれる男性器という存在に対し、ある種の敬意にも似た愛着を感じさせる舌使い。
それは単に身体からだけじゃなく、心からも俺を気持ちよくしてくれる。

鳳は飲むのは苦手な方だが、ぶっかけられるのは好きらしい。顔射は基本として胸や腹、両手を揃えて
差し出された掌、変わったところでは髪や背中や腋なんかも。セルニアの提唱する精液美容説はどうやら
鳳にも影響も及ぼしたようだ……一時的に肌に艶が出る気はするが本当に効くのか、これ?
動物が所有する縄張にマーキングするように、鳳も所有されたいとも言うが……ちょっと照れるな。
最初はまだ柔らかい状態から小動物をいじくり回すように、硬くなってくると口も使う。舐めるよりはキス多めで
最後は両手でしごいて発射が多い。俺のマーキングでうっとりした顔を眺めるのはなんとも言えない。

深閑はこの手のお願いは大体聞いてくれる気がしてきた。冗談でアナル舐めをお願いしてみたら本当に
舐めながら手でしてくれた時は割と罪悪感が酷かった。代わりに本人が望むように数日間連続で中出し。
可能ならば中出しをせがんでくるので口でしても出そうになったら膣内に、という感じだった。
そこを離れられないように抱え込んで半ば無理矢理口に出すと何かに別の快感に
目覚めてしまいそうになるから困る。恨みがましい目で見ながらもちゃんと飲んでくれる辺り、先生はやっぱり
大人だなぁと思う今日この頃。しっかり明日も相手をする約束をさせられてしまった。これだから大人は。
597名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:33:18 ID:zlH9fhEM
おい1か所ソフトボール部が混ざってるぞ
598名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:44:15 ID:IPAnbc2r
蜜柑が好きだった俺はだぶせんでも時雨先生が好きだったなとか取り留め無い事を思い出した
599名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:51:56 ID:Uh/6GPI0
600名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 22:27:31 ID:NIWPA9f+
とらドラ改変wwww
601名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 21:53:16 ID:OuQyKMYv

            . : : ´ ̄ ̄ ̄ : : : . 、
          . : ´ : : : : : : : :i: : : :i : : : : ヽ
       /: : : : :/: ;___/ :/!: : : :!: : i. : : : :`、  _人_
      / : : : : : /.: ;二7.:/ ! : : /!: : |ヽ: : : :ハ `V´ +
     ,′: : : : :j :l:``7;ム_j :/ i :/!| }.: : : : : !
      ! : : : : : :.l: !: :./x=ミメ  j/-リ-‐i: !:. : : :!
     .! : : : : : :.i: :!:,ィ'ん沁`    斥ミ、!:.!:i: : : i    高須きゅんっ!
     l : : : : : : :l: l/` 辷ソ    ヒマハj/|:.i: :i: :!
     |: : : : : : : |;ハ .:::::::..   丶 `" /::i: !: !:i:.i +
     |: : : : : : : : : : !   、     :::::.l:::::!: !:.レヘ!
     .!: : : : : : i : : : i     ‐- '   ノ::::i: :|!:}   _人_
     !: : : : : : i: : : :.!` 、_    ,. イ::::::::!: :ハ!   `V´ +
     ヽ: : : i: : i: : : :j__   7´ :::::!::::::::j:/
    ,..:.:.:.´ヽ⌒ヽ!⌒ソヽ \ ムヽ:::/!::::/ l′
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.\_j  |:.:.:\ ,小|^ヽレヘ、
602名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 23:53:47 ID:NExCANTq
大地だけ修正してみた

大地とはこういった関係になってから、本人の希望もあって朝時間のあるときは起こしてもらってる。
修行の時間に起きるようなものとも言っていたが、あんまり無理はしないで欲しいものだ。
目が覚めると布団が膨らんでて大地が朝立ちに吸い付いてるのにはそろそろ慣れた。
普段クールじゃいるが、自分の好きなこと・やりたいことには真面目な性分の大地だからして、
終始凄えバキュームで一番搾りを味わわれちまう。
……絶対に口には出せないことだが大地よ、とりあえずそれを飲んでもバストには影響ないと思うぞ?
その後は一緒に教室まで向かう。やっぱ大地と一緒だと楽しいな。
603名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:42:28 ID:wCEtfvDN
>>596
わかるってばよ…
特に早苗はそういうイメージ強いね
604名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 04:09:22 ID:P89ccrTi
だれか朋美を・・・
605名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 04:58:26 ID:P89ccrTi
朋美の逆レイプものない?
606名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 01:47:58 ID:E0Drxq2q
正座で待ってるから誰か書いてくれ
607名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 11:34:16 ID:7F8buB4u
本スレの影響受けて既刊読み返してるんだが、四季鏡株絶賛上昇中
勢いに任せてSS書きたいが、PC故障

なんという巡りの悪さ
608名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 14:22:56 ID:kyrAYtHw
同じく四季鏡評価鰻上りの自分は全裸で待機しておこう
609名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 17:55:20 ID:zHklM917
俺の中のエロパロ的四季鏡像
・性的なことに関する知識は皆無
・そのくせ少し教えるだけで才能開花、無茶苦茶上手い。特にフェラ
・抱きつき癖、甘えたがり、いちゃいちゃ大好き(お見合いイベント時の時みたいな感じ)
・深いキスされると超弱い
・オチは膣痙攣
610名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 21:31:08 ID:3JpuPsYM
膣痙攣で噴いたwww
それでSS書いて来るんだ。
611名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 17:03:02 ID:TJMpdA0p
奉仕というか何というか秋晴が喜ぶように
一生懸命「ここが気持ちいいですか?」みたいな風にするのは眼に見える
612名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 13:39:11 ID:np8SaohU
膣痙攣よりチンポ噛みそうなきがする

つーか沙織さんの話から推測すると、スケートイベントとかは秋晴に良い所を見せようとしていたのか
いじらしくて萌えるなあ
613名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 14:57:13 ID:AvH4SDhk
本スレでもあったが、実は四季鏡が一番素直なんだよなあ
614名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 20:33:57 ID:+KebUbXb
四季鏡のエロと言われて想像すると、縛られてる姿しか想像できない
615名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 22:42:43 ID:tpJYqqeW
>>614
ああ、自縛だから?
616名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 12:05:39 ID:fBdJM2Kz
想いは本物と判明したけど、どの程度想いに自覚しているのかこの先が楽しみ>四季鏡

617名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 16:45:40 ID:lmI5ZMzJ
沙織の言葉を真に受けて考えるなら
四季鏡の中での、恋人同士の想像ってのは、間違いなく
お見合いイベントの時みたいな感じ。
618名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 16:49:12 ID:yUmqYZHq
10巻で、秋晴のブルゾン着せられた時とか内心では
凄くドキドキしてたんだろうな、とか考えると激しく萌える
619名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 19:21:54 ID:gwRbT16J
そこまで自覚してるかな?

個人的には三家や轟に借りてもなんとも思わないが
秋晴に借りたら嬉しいと思う程度ぐらい(今は)じゃないかと予想しているんだが。
620名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 20:14:33 ID:kgbs6xA5
>>617
ああいういちゃいちゃが四季鏡の夢かw

>>619
無自覚に「ぽかぽかします」みたいな萌え台詞を言いそう
621名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 22:52:32 ID:ZBWdgMU0
このスレ的には、秋晴のブルゾン着せられたら濡れちゃう、とかじゃないとな
622名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 21:28:30 ID:/0hnIMbb
実を言うと、従育科の寮は男女同じ=四季鏡とも一つ屋根の下


あとはわかるな
623名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 09:12:44 ID:TMDecA/a
四季鏡も誰かと相部屋なんだろうか?
624名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:28:35 ID:Cfi7Nbud
相部屋の奴が直訴して出ていき一人部屋
625名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 15:30:17 ID:25V2C2UP
姉妹丼は余裕で可能だろうな
626名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 18:39:42 ID:8XQdIJcA
ぶっちゃけあの体で姉妹合わさって3Pしたら、肉欲に溺れるとかいうレベルじゃないよな。
627名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 19:40:06 ID:S9nXibDw
溺れる→窒息→絶息か
巨乳に顔を挟まれたばかりに・・・
628名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 15:59:55 ID:CFhUseHE
四季鏡姉妹はパイズリ
そしてピナは足コキ
みみな先輩はフェラ
大地はアナル

ここらへん個人的な印象として思い浮かぶ
629名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 18:06:38 ID:CD6dpyNc
あの問題のカラーイラストの二人は
天然パイパンだ。間違いない
630名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 20:16:50 ID:6IUXJhGD
アニメ期間中もうちょい投下されると期待してたんだが
631名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 19:44:38 ID:dt0tjeAE
まあ地上波なしだし
知名度が圧倒的に足りない
632名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 19:59:11 ID:oS6X22n2
キャラ萌えエロアニメ見てわざわざエロ二次創作(しかも文章)しようと思う人は少ないだろう
キャラ造形をそのまま表せる漫画やイラストは増えるかもしれないが
633名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 20:50:19 ID:VwI6k6ER
なら、原作ネタで誰か一つ。
今のところ鳳、四季鏡妹、アイシェあたりのSSがないのか?
634名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 16:36:29 ID:xMpepVq8
いっそ「何故?、どうして?、」を深く考えずに
石恵チックな『秋晴 多数に分身w、朋美・セルニア・(他fお好きにw)を
三穴輪姦大乱交…」なSSを…。
635髭清 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:42:23 ID:vJej4UzB
投下
タイトル「捏造IFルート 四季鏡早苗編」

四季鏡モノです。
タイトルどおり四季鏡ルートのSS。
もちろん11巻のあの発言を受けての妄想。

NGワードは「捏造IFルート」「◆vqgRX.s9fQ 」あたり
636捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:45:36 ID:vJej4UzB
 日野秋晴から見た、四季鏡早苗という人物について。
 前向きで明るい性格。
 そして、一番の特徴は『ドジ』で『天然』
 それも壊滅的と枕詞をつける程度だと、ワッフルに蜂蜜をかけるぐらい甘いレベル。
 まあ、だからといって「もうフォローをするのが嫌だ」とか「関りたくない」とか思ったりはしない。
 何故か放っておけない、そんな雰囲気を持ったヤツ。
 そして――


 ★★★


 そろそろ朝起きるという行為が辛くなってくるぐらいに寒くなった日。
 期末テスト終了後の短縮授業期間とはいえ、そんなものは従育科には関係なく、 何時もどおりの午後の特別カリキュラムと奉仕活動がある。
 そして、ここ数日の特別授業は『掃除』だ。
 というかテスト後の特別授業のテーマは2学期に習った事の総合演習なんだろう。
「今学期に習った知識を活用して、実際に動きを体で覚えてもらいます」
 なんて事を深閑が言っていたし。
 一人一人が場所を指定され、そこを『整頓』『整理』『掃除』『維持』をする。
 そして終われば報告し、他の人を手伝う。そんな授業だ。
 今学期の初めの方では、洗剤の種類を覚える事から始まったことを思えば、着実にステップアップしていると言えるだろう。
 とはいえ――

「流石にこれは――先を考えるだけで憂鬱になるな」
 秋晴は溜息をつきながらそんな事を呟いた。
 視線を上へと向けると、目に入るのは茶色を基本としながらも様々な色を見せる背表紙。
 自分の手を最大限伸ばしても、まだ頭一つ分ぐらい高い本棚。 
 秋晴が指定された場所は図書館の一角だった。

「――まあ、図書館全部をやれと言われないだけでも良しとするべきだな」
 そう思わないとやっていられない。
 深閑から聞いた話では、隣り合った書籍や図書館という特殊な空間の関係上、こういった広い場所での書籍の管理については
 全部を一度にするというわけにはいかないそうだ。
 何箇所かに区分けして月毎に、順繰りにやっていくというのが手間的にも、書籍の保存状態の維持的にも一番良いらしい。
 本来なら指定された業者が毎月来るらしいのだが、今回は授業の実習で従育科の生徒がやることになった。
 曰く「主人の使う書籍の保持管理も従者の仕事」らしい。そんな事を、具体的手段とともに、授業で習った。

「とりあえず、書籍のチェックから始めるか……」
 まあ、調理室を指定された岡や、庭園の手入れという地雷を見事引き当てた轟よりはマシだろう。
 特に、割り振り前に、明らかに邪なオーラを出しつつ「体育館!」とか叫んでいた轟はざまあみろ。
 そんな『下には下がいる』という間違った慰めを自分にしつつ、作業を開始する。
637捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:48:17 ID:vJej4UzB
 どうやらこの付近だけでなく、全体的にそこまで本が借りられたりしていない様子だ。
 手早く背表紙を確認し、書籍のチェックはサクサクと進んでいく。
 秋晴の中では、令嬢→深窓の令嬢→静かな図書室で一人で読書、みたいな図式があったので
 あまり本が利用されている様子がないというのは、若干意外に思いつつ――加えてちょっと残念に思いながら、作業を終わらせる。
 と言うか、自分の周りの上育科生見ていたら、深窓の令嬢なんてのは物語の中だけの存在だって理解できるけどな。
 ギリギリでそう呼べる可能性があるのは、アイシェやみみな先輩、あとは鳳ぐらいか?
 その三人にしても『図書室で一人読書』なんて姿は、いい意味でも悪い意味でも思い浮かばないし……。
 でも、有り得ないなんて解っていても、深窓の令嬢なんてフレーズには
 男として夢を覚えざるを――って轟あたりに思考が毒され過ぎているな、これは。

 頭を振って思考を切り替えて、次の作業に進む。
 次は一番の大仕事である保存状態の確認――傷み具合のチェックと、傷まないようにする為の処理だ。
 深閑から渡された『溶剤』を手に掴みながら、秋晴は手順を頭の中で思い描く。
 この『溶剤』は書籍の経年劣化をマシにする特殊なモノらしいが、傷んでいないものに塗布すると早く傷んでしまうという効果もあるらしい。
 だから、塗布するべきかどうかの判断。
 それに加え、本の交換自体が必要――塗布してどうにか出来るようなレベルの傷み具合がないか。
 そういったチェックを一つ一つしていかないといけない。  


 そんな作業をしながら秋晴が考えるのは、ここ最近の事。
 特に――沙織さんと行ったグアムで経験した出来事には、色々と考えさせられている。
 自分の中で、白麗陵の中でトップクラスの『残念な人』という認識だった理事長ですら、ああいう風に物事をちゃんと考えて行動している。
 ――もっと言えば、思慮深い一面を持っているということには少なからず驚きを覚えた。
 そして、ああいうぽけーとした人であっても、裏側ではキリッと一人立ちしている事実は、驚きだけでなく、多少の動揺も秋晴に与えていた。
 自分が執事になるために辿り着かなくてはならない場所への、かなりの『遠さ』。
 加えて、ああいう領域へ辿り着いた自分が想像出来ないという現状。
 一つ一つ目の前のことをやって行くことしか出来ない、近道なんてない事は理解しているのだが、それでも秋晴には『焦り似た何か』を感じてしまう。


 それに、『残念な人』、ぽけーとした人と言えば――理事長と双璧である沙織さんの言っていた言葉も悩みの一つだ。
 あの時は、直後のドタバタや次の日以降の忙しさでそのまま流してしまっていたが、日本へ戻ってきて落ち着いて思い返してみると、かなり色々と考えてしまう。
 あの言葉は何なんだろう?
 何を意図していたんだろう?
 聞き間違い――ではないだろう。
 そうだとしたら嫌過ぎるし、ここ最近ずっと悩んでいる自分がバカらし過ぎる。
 だからと言って、俺に好意を抱いている――なんて直球で受け取るのも都合よく考えすぎている気がする。
 自分をからかっているとまでは言わなくても、ただの社交辞令という可能性も十分あるだろう。
638捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:51:23 ID:vJej4UzB
 それに、あの言葉をそのまま真面目に受け取ると、沙織さんだけじゃなくて、
 四季鏡の好みの人間=自分という事にもなる。
 沙織さんは、四季鏡の感情に対して刷り込みでないと言っていたけれど、正直、半信半疑どころか二信八疑と言った感じだ。
 まあ、普段の生活を考えると、ある程度好ましい感情を持たれていると思うけれど、それが好意や恋心なんて呼ぶものかは、かなり疑問だ。
 そう言えば、姉と思い人が一緒にいるなら嫉妬するような心もあるとか、
 身内やそれに準ずる人の役に立ちたくて目を輝かせるとか、甘えたがりとか
 そんな事も、沙織さんは言っていた気がする。
 だから、逆説的に言うと、そういった面を俺が見ていないという事は、
 まだ好意と呼ぶべき感情が育っていないという事じゃないだろうか?
 やっぱり沙織さんの勘違――


 あれ?
 ちょっと思い返せ。
 沙織さんには「意外だ」と答えけれど、落ち着いてよく考えてみれば、自分と一緒の時の四季鏡はそういう傾向がないか?

 
 流石に甘えたがりや嫉妬云々についてはピンと来ないけど、
 身内の役に立とうと手伝いたくて目を輝かせる――こっちについては意外でもないんじゃないか?
 少なくとも、自分の中での、四季鏡像というモノからは乖離してはいない。
 突発料理試験の時などを含めて、こちらから頼んだ事に対しては、喜んで引き受けてくれる。
 その上、特に俺に対しては、自分から積極的に仕事を求めて動く事も多々ある。(結果は別として)  


 それだけじゃない。


 雪山での授業のときや放課後の特訓なんかの例を挙げるまでもなく、
 かなり自分は四季鏡に頼られていると思う。それはまあ、紛れもない事実だ。
 だけど、よくよく考えてみると、四季鏡のフォローをする人間は、従育科の中に沢山居ても、
 四季鏡自身からフォローを積極的に頼まれたり、何か頼られたりする人間は、俺以外に居なくないか?


 そして――それも一種の「甘え方」と言えるんじゃないか?

 
 それを前提に、先日の理事長達を見習って色々と物事の類推をしてみる。
 例えば、以前、大地と岡と四季鏡で行ったスケート。
 あの時、四季鏡は何時もどおりの失敗続きだったけど、必死になって滑られる様になろうとしていた。
 挙句には大地の真似までしようなんて無茶なことまでしていた。
 あの時は「同じ初心者の大地に影響されすぎだろ」なんて考えていたが、
 あれがもし――
639捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:53:47 ID:vJej4UzB


 四季鏡早苗という人間が、日野秋晴という人間に対して、
 少しでも良いところを見せようとしていたなんて考えてみるとどうだろう?


 いや――流石にそれは恣意的に考えすぎている。
 理事長と深閑が互いにやっていたように、相手の行動の真意を読むとかいう行為には程遠い。
 鼻で笑うべき考え。
 それこそ轟のバカ並に現実逃避レベルの高い妄想だ。
 こんなことを思っていると、大吉クラスの自意識過剰な人間になりかねない。
 でも――そもそもほとんど恋愛経験なんてない自分が、「有り得ない」と判断できるほど上等な立場にいるか?

 ――思考が何時の間にか、沙織さんのことだけじゃなくて、四季鏡の事へと移ってしまっている。
 しかもかなり真剣に考えてしまっていた。
 作業を進めていた秋晴の手は、さっきから止まりっぱなしだ。
 どうしてここまで四季鏡の事を考えている?

 思い浮かぶのは四季鏡の顔。
 ドジをして、コケて眉根を寄せる四季鏡。
 それを「しょうがないな」という苦笑を浮かべながらフォローにまわる自分。
 俺の手を取り、一瞬申し訳なさそうにしながらも、すぐに笑顔を浮かべ、切り替える四季鏡。
 どんなに失敗しても、笑顔を浮かべることが出来る四季鏡。
 結果とかはともかく、自分なんかとは違い、先のことなんて一切気にせず、目の前の事にただただ全力でぶつかる――そんな姿が眩しく感じて……。

 いや、だからちょっと待て。
 どれだけ普段から四季鏡を観察してるんだよ、俺。
 つーか沙織さんの言葉に、なんでここまで動揺してるんだ。
 その上その言葉を、発展させてどれだけ先走りしてるんだ。
 そもそもあの純粋無垢という言葉に服着せて歩かせたような人間と、『恋愛』というものが中々繋がらない。
 まあ、別にそういう対象として全く見ていないというわけじゃないけど。 
 いや、だからそういう話じゃなくて。
 ああ、もう――
 色々な思い、考えが頭の中で交錯し――


「あの〜。日野さん、いますか?」


「ッ!」

 ドサッ!
 入り口から聞こえた声に、思わず持っていた本を落としてしまう。
 本が落ちた音が聞こえたのか、こちらへパタパタと駆け寄ってくる音が聞こえる。
 『誰が』なんて問うまでも無い。
 聞きなれた声、そして足音だ。
640捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 14:59:33 ID:vJej4UzB

「四季鏡早苗、只今到着しまし――って、日野さんどうしたんですか?」
 秋晴が振り向くと、予想していた通り、そこには四季鏡が立っていた。
 何時もと変わらぬ笑顔をこちらへと向けている。 

「……い、いや、ちょっと考え事をしていたから、驚いて本落としただけだ」
 まさかお前の事を考えていたなんて、言える筈もない。

「つーか、四季鏡。どうしてここに?」
 とりあえず、話を変えようと、落とした本を拾いながら秋晴は質問する。
 そのついでに、気付かれない程度に呼吸を深くして息を整える。
 ってなんで、こんなに微妙に緊張してるんだよ。
 何時も顔を合わせている相手だし、ついさっきも普通に話をしていただろ。

「私の持ち場が終わったので、深閑先生に報告したら、次はここに来るように言われました!」
 ビシッと敬礼するかのような勢いで四季鏡がそう言う。
「もう終わったのか……」
 なんというか、四季鏡が悪いというわけじゃないけど、微妙に敗北感が……。
 まあ、俺の場合、あの深閑から、
「大変な場所ですが、時間はかかってもいいですから丁寧に頑張ってください」
 みたいなことを直々に言われるようなところを指定されたから、終わる時間に差が出るのは仕方がないんだが……。
 それでも、四季鏡に負けたのは若干やるせない気持ちになる。
「はい! 今日はもの凄く順調に出来ましたっ。とっても調子がいいです! だから何か、お手伝いできる事はないですか?」
 何時になくテンションが高く、従育科の中で一番大きい胸を反らせながら、キラキラした瞳でそう問いかけてくる。
 まるで尻尾をせっせと振る子犬みたいだ。

「……手伝いなあ」
 そう言いながら秋晴は右耳の安全ピンを撫で、考える。
 真っ直ぐそう言う事を言ってくれるのはうれしいけど、そのまま残りを分担するのは……ダメだな。
 悪い予感しかしない。
 具体的にいうと、溶剤ひっくり返して書籍全部にぶちまけるとか。
 予感というより予言だけど。しかも的中率7割強。
 となると――
「そっちの棚は、上二段が残ってるんだけど――そこの書籍を上からチェックしてくれないか?」
「……チェックですか?」
 顎に指をあて首をかしげるように四季鏡が聞き返してくる。
 そんな普段と変わらぬ仕草に、秋晴は何か心ざわめくのを感じるが、それを無視して話を続ける。
「書籍の保存については習っただろ? で、あの時授業で出てきた溶剤がコレ」
 手の中のそれを軽く振って四季鏡に見せる。
「で、効率よく終わらせる為に、お前は上から溶剤を使うべきかどうか、授業で習ったようにチェックしてくれ。で、塗布したほうがいいやつや交換するぐらい傷んだやつはむこうのテーブルに置いておいてくれると助かる」
 まあ、溶剤の容器が一つしかないから、こういう分担の仕方が最も効率がいいのは嘘じゃない。
 モチロン理由はそれだけじゃないけど。まあそれは方便という事で。
「解りました! 頑張りますっ!」
 ほどほどになと突っ込みたいが、野暮すぎるので控える。
 という訳で、分担して作業を再スタートさせた。

641捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:02:37 ID:vJej4UzB
 ★★★


 シーンと静かな図書室の中、自分と四季鏡の作業の音だけが、時折響いている。
 そんな中、秋晴が考えているのは先ほどのこと。

 ――やっぱ、沙織さんの勘違いじゃね?

 そうとしか思えない。
 まあ、女性との付き合いなんて、今までの人生で皆無な人間だから、正確なところは解らないけど。
 それでも、好意を抱いている人と一緒にいたら、意識してしまうのが普通だという事ぐらいは解る。
 図書室。異性。二人っきり。
 どこかの恋愛漫画かと言いたくなる様な絶好のシチュエーション。
 だが、四季鏡はマジで何時もどおり。
 トークを弾ませようと無駄に話しかけられることもないし、過度に痛い沈黙が続くわけでもない。
 普通に解らないところがあれば聞きに来るし、楽しそうに作業している。
 本当に普段どおり。
 なんというか、過剰に意識して、四季鏡の動き一つ一つを目で追っている自分が馬鹿らしくなってくる。 
 って、これだとまるで俺が四季鏡の事を――

 その瞬間秋晴は気付く。
 脚立を降り、本棚に背を向ける四季鏡の頭上。
 そこへ、『古語大辞典』と書かれたとてつもなく分厚い辞書が落ちようとしているのを――

「四季鏡ッ!」

 手に持っていた溶剤と書籍を無意識の内に、手から落とし――駆ける。
 落としたそれらが、床へとぶつかる音よりも早く、四季鏡の肩を掴む。
 一瞬の内に、引っ張るよりこのまま勢いに任せて向こう側へと押す方が早いと判断。
 そのままラグビー選手のような感じで、二人して床へと倒れる。

 ドスンッ!

 ――危ねえ。
 書籍が落ちる音としては、不適当過ぎる落下音だ。
 流石に、無駄に丈夫な四季鏡でも、あんな物が当たったら保健室行きは免れなかっただろう。
 いや、下手をしたら大怪我の可能性もあった。 

「大丈夫か? 四季鏡」
「あっ、は、はい」
642捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:06:22 ID:vJej4UzB
「急だったから、床に何処かぶつけたりしてないか? 痛いところとか――」
 そう言いながら、顔を向け、気付く。


 顔近っ!
 一緒に倒れたから当たり前なのだが、秋晴はドキドキしてしまう。
 改めてよく見てみると、睫毛長いし、顔の肌の白さきめ細やかさも尋常じゃない。
 その白さに映えるような赤い唇も艶かしい。
 それに両手で掴んだ肩も細い。力を込めなくても、無骨な自分の手が触れるだけで折れてしまうような華奢な感じ。
 やっぱ沙織さんと血が繋がっているんだという事を実感する。 
 沙織さんが『美人』なら、四季鏡は『可愛い』という言葉が似合う美少女だ。
「……」
「……」
 ――と、そこで微妙に雰囲気がおかしくなっているのに気付く。
 まるで映画のワンシーンのような状況。

 ああ、この顔はどこかで見たことがある。
 あれは確か――秋葉原で、みみな先輩と遊びにいく約束をした直後、自転車を避けようとした時だ。
 そう。あの時のみみな先輩と同じような顔をしている。
 ――って、何時まで、四季鏡を見続けているんだ。
 それにずっと四季鏡の両肩を掴みっぱなしだし。
 不躾にもほどがある。

「っと、スマン」
 そう言いながら手を離し、起き上がる。
 そして恥ずかしさを誤魔化すように、本棚のほうに少し目を向ける。
「あっ……」
「大丈夫か? 立てるか?」
 四季鏡が何か声を上げた気がするが、取りあえず手を差し出して立たせる。
「は、はい。だ、大丈夫です」
 珍しく、おずおずといった感じで俺の手を掴み立ち上がる四季鏡。
「ひ、日野さん、ご迷惑――」
「いや、気にするな」
 何時もの事だし。
 それにさっき恥ずかしさから本棚に目を向けたときに気付いたが、どうやら落ちてきた辞書の横にあったモノが、辞書ではなく辞書本体の入っていない収納箱だったみたいだ。
 あれのせいでバランスが崩れて落ちてきたというのが真相といったところ。
 流石に、それを予期するのは深閑ですら無理だろう。そんな事を考えていると――
643捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:09:03 ID:vJej4UzB

「あっ!」
 四季鏡が、驚いたような声を上げた。
「ん? どうした?」
「ひ、日野さん。ち、血が出てますっ」
 そう言って四季鏡が俺の右頬を指差す。
 指し示した場所を、秋晴が指先で触れてみると微かにヒリっとした感触。
 どうやら、床に倒れこんだ時に右頬の下のほうを擦ってしまったらしい。
 とりあえず、ティッシュか何かで血を拭こうと思い秋晴が内ポケットに手を伸ばそうとすると――
「あっ日野さん、動かないで下さいね?」
 そんな言葉が聞こえて目線を向けて見ると、四季鏡の手が秋晴の方へと伸びてくる。
 何を――と問いかける間もなく、秋晴は頭の後ろを押さえられ、顔を固定された。
 そして、先ほど見蕩れた四季鏡の顔が近づいてくる。
 目に付くのは赤い唇。
 そしてそれを割って出てくる赤い舌。 
 その赤い舌が近づいて――

「ちょ――」

 ピチャ。
 くぅ――と秋晴は思わず呻き声を上げそうになった。
 塗れた舌が、頬の傷の部分を舐め上げている。
 ピチャ。ペチョ。
 最初はピリッと微弱な電流が流れるような痛さを感じたが、それは直に『熱さ』へと変わっていく。
 何かが這うような動き。その感覚の後には、唾液で湿った部分に四季鏡の息があたりひんやりとする。
 その一連の感覚に連動するかのように、背筋にゾクッとするモノが走る。  
 傷を負った部分を慈しむような繊細で丁寧な舌の動き。
 その舌の動きから感じられる全ての感覚を脳が『快感』という情報として受け取る。

 ――ヤバイ、勃ってきた。
 ただ傷口舐められてるだけなんだぞ!?
 秋晴がそう思う心とは裏腹に、 四季鏡に与えられる感触が、
 ダイレクトに脳髄を刺激し、下半身にはみるみるうちに血が集まり始める。

 ――これ以上はマズイ。
 これ以上やられたら押さえが利かない。
 だが、そう思いはしても体の方は微動だにすら出来ない。
 まるで金縛りにあったかのようだ。
 そして焦る心を無視するかのように、性的快楽に呼応して、心の奥底で『目の前の女性を犯したい』という欲求が鎌首を擡げる。
644捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:11:06 ID:vJej4UzB

 ――ダメだ。
 そんな事をやっていいはずがない。
 あまりにも自分勝手な雄の本能。そんなものに屈して四季鏡を如何こうしていいはずがない。
 ぐずぐずに溶けた『理性』でなく、『四季鏡を傷つけたくないという感情』が秋晴の本能に制止をかける。

「し、四季鏡、もう大丈夫だ! 止めろ。止めてくれ」
「え? 気持ち悪かったですか!? それとも痛かったですか!?」
 微妙にズレた答えが返ってくる。
 もしかすると四季鏡の偽者じゃないかなんて可能性も思っていたけど、今ので本人だと確信した。
「そ、そうじゃなくてだな。と、とにかくストップ。ストップ」
 四季鏡の肩を抑え、とりあえず顔と顔の距離を離す。
 そして深呼吸を数回繰り返す。
 ぶっちゃけそれぐらいで、完全に平静に戻るわけじゃないけど。
 しかし、それでも先ほどよりは幾分落ち着く。

「質問なんだが、お前、なんでいきなり、その……舐めたりしたんだ?」
 もうなんか、今の雰囲気で『舐める』なんて発音したくないのだが、それ以外の言い回しが思いつかないぐらい焦っている。
「お姉ちゃんが『好きな人が怪我をしたら、その部分を舐めて差し上げるのが嗜みですよ』って言っていたんですが、やり方間違ってましたか?」
「……」
 何が悪いのかすら解ってないような様子に、沈黙しか返せない。
 まあ、予想通り――沙織さんの入れ知恵か……。
 けど……流石にこれは、ちょっとやり過ぎだ。
 自分が格別、理性が強い部類だとは思わないけれど、それでも自分以外の人間なら勘違いして襲われても文句を言えない行動だ。
 だから、ここは四季鏡のために、多少この後の関係がギクシャクするとしても、忠告するべきだろう。
 少し――いや、結構心が痛いけれど。 
「四季鏡――えっとさ。たとえ、好きであってもそういう行動するのはどうかと思うし、まず何より、お前の俺に対する『好き』っていう感情は、沙織さんが言っているのを真に受けた勘違いだと――」


 言葉の途中で、四季鏡は秋晴の手を取り首を振る。
 その顔は怒っているのでもなく、悲しんでいるのでもなく、当たり前の事をするような表情。
 自明の事を一つ一つ確認するような雰囲気。
 こんな四季鏡を秋晴は見たことがある。
 あれは確か――ピナがみみな先輩を勝手に着替えさせて揉めた時だ。
 その時、ピナに言い聞かせる四季鏡が、今と同じ雰囲気を纏っていた気がする。
 そんな四季鏡の様子に秋晴が戸惑っていると。

「始めの切欠はお姉ちゃんに言われたからかも知れません」
 そこでふっと一息をつく四季鏡。
 そんな仕草にも秋晴は色気を感じてしまい、ドキっとする。
「雪山で本当に心配して泣きじゃくった時かもしれませんし、もしかするとそれよりも前、カレーをぶつけた時からかも知れません。正直……始まりなんてよく解らないです」
 カレーをぶつけた――そう言えば、そんな事もあった。
 思い返せば、あれが四季鏡との出会いだったんだ。
 初めから今までずっと変わらず、そんな関係だった。

「でも――今の私の想いはお姉ちゃんに言われたからじゃないです。絶対にそうじゃないです」
 秋晴だけでなく、ここに居ない何か――神様とでも言うべき者にも、宣誓するかのように四季鏡は言葉を紡ぐ。
645捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:13:50 ID:vJej4UzB

「お姉ちゃんにもお母さんにも誰にも、この思いだけは譲りたくない。それぐらい私は、四季鏡早苗は――日野さんのことが大好きですっ」
 いや、お前の母親には会った事ないし、まずそれは不倫だとか、普段なら即座にするツッコミが出来ないぐらい、頭の中が真っ白になった。

 好き?
 誰が誰を?
 四季鏡が俺を?
 刷り込みでもなく、勘違いでもなく?
 ちゃんと色々考えて、自覚して?
 ということは今のは――告白?

「え……あっ……」
 思考が散り散りになって何も言葉を紡げない。
 え? え? え?
 落ち着け。落ち着け。
 四季鏡が俺のことが好きで。
 沙織さんとかにも譲りたくない、と。
 落ち着け。
 これは告白って言うヤツだ。
 で、告白されたという事は――返事をしなきゃならない。
 返事? 返事って――何だ?
 俺が四季鏡の事をどう思っているかって事か? 
 俺は四季鏡のことが、嫌い? 好き?
 好きだとしても、それは恋愛感情か? どういう風に好きなんだ? 
 俺は、おれは、オレハ。 
 とにかく何か喋らないと――

「し、四季鏡、俺は――」
 カラカラの喉から出るかすれた声。
 そんな混乱の極みにある俺の言葉を遮るように、艶やかな白い指先で四季鏡が俺の唇を抑える。

「急ですよね? こんな話」
 確かにそうかもしれないけど、それに頷く事は出来ない。
 少なくとも今、非なんてものがあるとすれば自分の方だろう。
 四季鏡の思いを軽く扱った自分。
 女性からの告白にまともな返事一つ返せない自分。
 本当に――情けない。

「一つだけ聞かせてくださいっ――私のこと、嫌いですか?」
 今までの雰囲気と違い、何処か不安そうな瞳と、儚げな表情でそんな質問をしてくる四季鏡。
 でも、そんな言葉に対する答えなんて決まってる。
646捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:16:08 ID:vJej4UzB
「――嫌いなはずないだろ」
 そう、嫌いであるはずなんかない。
 正直、迷惑なんてかけられまくってる。
 でも、見捨てる気になんて全くなれないし、ならない。
 もし『嫌い』ならとっくの昔に見捨てているし、関りたくないと思ってるだろう。
 多少迷惑なんてものを被むっても、見放せない。
 そんな存在だ。


「だったら私、頑張ります! 今、好きと思われていなくても――日野さんに好きになってもらえるように頑張ります!」
 

 何時もの授業で気合を入れるような時のように、四季鏡は宣言する。

 ああ――そこで秋晴は気付いた。

 ただ、やるべき事を真っ直ぐに出来る人間――それが四季鏡なんだ。
 細かい理屈なんてのはどうでもいい。
 可能かどうかすらどうでもいい。
 俺のことが好きで、俺に嫌われていない。
 だから好かれるように行動する。
 四季鏡にとっては、理由なんてそれだけで十分。
 良くも悪くも 前向き。
 とてもシンプルで――単純だからこそ眩しい。
 そう、それは――秋晴が『こういう風に行動したい』と思う、一種の理想系。
 そして、打算なくそんな行動が取れる四季鏡をとても素敵だと思う。
 
 ――そんな考えに至った瞬間、秋晴は、

「え……日野さん」
 四季鏡を抱きしめていた。
「あー、えーと」
 無意識に近い自分の行動にしどろもどろになる。
「……」
 そんな自分の様子を、じっと子犬のように見つめて待ってくれる四季鏡。 

「――正直、お前の事が好きなのかどうか解らない。状況に流されてるだけかもしれない」
 思っていることを素直に、包み隠さず話す。
「と言うかそもそも『好き』という感覚がよくわからない」
 過去のロクでもない出来事が原因なのか、そこら辺はあまり解らないが、好意に対しての好意への返した方がよく解らない。
647捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:18:06 ID:vJej4UzB

「でも、それでも――今こうやって、お前を抱きしめたいと思ってるのは本当の気持ちだ。そして俺は――お前とずっと一緒にいたい」
 それが偽りの無い本心だ。 
 これを恋だとか愛だとかいうのかは解らない。
 雰囲気に感化されてそれらしい言葉を口に出しているだけかもしれない。
 だが、今は間違いなくこう思っている。それだけで理由は十分。
 そう、細かい理屈はいいんだ。
 今、自分が『四季鏡を抱きしめたい。ずっと一緒にいたい』思っている。
 そして、四季鏡に嘘を言いたくないと思っている。
 だから、それを――偽りの無い本心を伝える。
 それが――何より大切な事なんだ。

「ひ、日野さん。嬉しいですっ」
 そう言いながら、自らも手を回して抱きついてくる。
 うわー。その顔は反則だ。
 瞳をうるませて、頬を若干赤く染めて、嬉しい笑顔ではなく――嬉しさを堪えきれない笑顔。
 加えて、むぎゅーっと擬音が聞こえてしまいそうなぐらい抱きしめてくる。 
 その直線的過ぎる感情表現にダジダジしてしまう。

 でも、心臓がドキドキしているのに――何故か心が落ち着く。
 何処か懐かしい感覚。
 ああ――そうか。
 もう遠い昔。自分にも『家族』と言える存在が居た時に感じていた感覚。
 自分が帰るべき場所にあった雰囲気。
 失って初めて大切なものだと気付いた。永く感じていなくて、もう二度と感じることは出来ないと思っていたモノ。
 そこに思い至った時、秋晴は不覚にも涙が出そうになった。
 泣きそうになるのなんて、何年ぶりだ。ああ糞、情けない。
 取り合えず、涙を零したりしたら四季鏡に無駄に心配かけてしまうのは、火を見るより明らかなので少し目線をズラす。

 と、そこで――秋晴は見てしまった。
 上から見た四季鏡の胸――谷間が出来てる。

 いや……何度か腕を挟まれたり、頭を挟まれたりした事があるから、一般女性の平均から大きく逸脱しているのは知っているけど
 この厚手のメイド服でこれだけラインが浮き上がるのは想像の範囲外だ……。
 つーか、改めて見てみると、大きいだけじゃなくて形も凄ぇ。
 それに――スケートの時にも感じた事だけど、ふわっと沸き立つ甘い匂いが脳の奥を痺れさせてくる。
648捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:20:54 ID:vJej4UzB
 香水というわけじゃない、ああいう風に鼻につく感じじゃない。
 花の香りとでも言うのか、お菓子の香りとでも言うのか。
 この匂いが四季鏡の香りなんだ。
 そんな少し変態的な事が脳裏を掠めた瞬間――下半身に熱が移動してくる感覚が生じる。

 ――マズイ。
 一度意識してしまうと、途端に先程まで感じていた獣欲の炎が燻りはじめる。
 今こうやって抱き合っている感触も、触れている胸の柔らかさも、自分の心臓の鼓動も全部興奮を煽る。
 そしてもちろん、こんなに密着した状態で、そんな風になれば――
「あっ――」
 どうやら、四季鏡にも気付かれたようだ。
 目線を下にし、ある一点を凝視している。
 そこにあるのは、小山と表現すると語弊があるぐらいそり立ったモノ。 
「……」
「……」
 痛い沈黙。
 ううっ。スゲー恥ずかしい。
 そして何より、幻滅させたかもしれないという恐怖もわきあがってくる。
 その想像だけで、体が震えそうになるような絶望感が込み上げる。
 と、そこで四季鏡が、朱に染めた顔を上げて、こちらを見つめてくる。
「日野さん。これ、痛くないんですか?」
「え゛?」
 ナニヲイッテルンデスカシキカガミサン?
 今日一番の混乱に、秋晴が陥っていると――四季鏡がしゃがみ込み、恐る恐るといった感じで、下半身に顔を近づけてくる。

「おま――何を――」
 止める間もなくガチャガチャとベルトを外される。
 ちょっと待て。
 授業で男女のモノという区別を問わず、着物とかまで含めて、着せ方と脱がせ方は、衣服の構造とともに習ったけど、この場面で使うようなものじゃねえ。

「私は本気ですからっ。本気ですから何だって出来ちゃいます!」
 そう叫ぶと下着ごと下げられる。
 そうすると、戒めを解かれた男根が、勢いよく飛び出してきた。
 元々サイズとしては若干大きい方であるが、今は 秋晴自身から見ても、かつて無いほどガチガチに凝り固まったいる。
 カサも大きく開き、竿の部分にも所々血管による凹凸が艶を浮かせ、臍付近まで反り返っている肉棒。

「わぁ……」
 それを食い入るように四季鏡が眺める。 
 異性に見られていると思うと、強烈な羞恥を覚え、顔が熱を出した時のように火照ってくる。
 しかし、その羞恥心さえも興奮を煽り、さらに秋晴のペニスは硬くなっていく。
 そんな何かの角のように雄雄しい秋晴のモノに、四季鏡が手を近づける。
「ちょ――そこは汚」
「日野さんの体で汚いところなんてありませんっ」
 小さい子供に言い聞かせるような声色でそう言われる。
649捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:23:03 ID:vJej4UzB
 そして――四季鏡の白い手が、亀頭の部分に触れる。
「うっ……あ……」
 秋晴は思わず声を洩らしてしまった。
「あっ……い、痛かったですかっ? 日野さん」
 そう言ってパッと手を離す。
「い、いや気持ちよすぎて声が出たんだ」
 正直に気持ちいいなんて口に出すのは恥ずかしいが、思わず本音が出てしまうほどの激感だった。
 すらっと絹のような手。自分の陰茎よりかなり冷たい感覚。羽で撫でられるような感触。
 どれも秋晴の想像の範囲外で、間違っても痛いはずが無い。
「あっ――良かったです」
 心底安心したかのようにそう言って、息を吐く。
 その息が、亀頭部分に当たり、ピクンと反応してしまう。
 そしてまた伸ばされる柔らかい手。それが秋晴のペニスを掴み、しごき始める。
 しゅっ……しゅる……。
 力加減が解らないのか、少し握り方が強い。
 だが、そのぎこちなさが逆に秋晴の性欲を刺激する。
「硬くて……とっても熱いです……」
 裏筋、亀頭、カリの窪み、先端。
 不規則な動きで、予想もしない場所を撫でられる。
 自分でするのとは全く違った快感。
「ここ……気持ち良いんですよね? 日野さんのがピクピクってしてます」
 一つ一つ、感じる場所を見つけ、その部分を重点的に責める様な愛撫に、陰嚢から熱い欲望が込み上げ、あっさりと先走りの液を洩らし始める。
 ネチャ、ヌチャ。
 愛撫に混じり始める、淫猥な粘着音

 と、そこで四季鏡が手を離す。

「し……き鏡?」
 秋晴の口から掠れた声が出る。
 あまりにも『いい場面』での唐突な中断に、思わず空腰を振ってしまいそうになる
「ちょっと待って下さいね」
 秋晴をあやすようにそう言って、四季鏡は立ち上がり、メイド服の後ろの結び目をほどき始めた。
 そして、若干メイド服を肌蹴させる。胸の部分を少し下げ――
 ぶるんっ!
 そんな音が聞こえるかのように、服の抑え付けから解放された双乳が飛び出してくる。
 雪のように白く瑞々しい乳肌に、小豆のような薄紅色の乳首が恥ずかしそうに自己主張している。
 というか――
「……ちょっと待て。四季鏡、お前ブラは?」
「え、と。そ、その中等部の時まではあったんですけど、サイズが合わなくなって、それ以降簡単に買えるお金も無いので……」
 恥ずかしそうにそんな事をいう四季鏡。
「……」
 なんというか、どう反応していいか解らない話だ。
 お前はそんな状態の胸を人に押し付けていたり、そんな格好で外に出ていたりしていたのかよ。
 そして、何より恥ずかしがるタイミングが間違ってるって。
 今度、下着を買ってやろう。そんな事を秋晴は決意する。
 ちなみに、その後、女性用の下着――特に大きいサイズのモノがかなり高価なことを、秋晴は初めて知ることになるのだが、それはまた別の話。
650捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:26:15 ID:vJej4UzB
 そうこうしている内に、四季鏡がこちらへ向かってきて膝をつく。
 うわあ。間近で見ると尚更凄い。
 この御時世、女性の胸なんてのはエロ本とかで容易に見る事が出来る。事実、秋晴もそういうものを『使った』事がある。
 だが、『本物』の持つ迫力には圧倒された。
 メイド服のエプロン部分に負けないような白さ。スイカのような大きさでありながらプリンのような滑らかさ。
 それに、所々汗が浮いてテカっている様子と、精一杯背伸びしている乳首が、四季鏡も性的に興奮している事を示していて嬉しく思う。
 魅惑的な二つの塊に、思わず、手が伸びてしまいそうになるが、なんとか理性で押さえつける。
「おま――何を――」
 ここまで来たら何をされるかなんて、おおよそ見当がつくけど、そう聞き返す。
「え、えっと『ぱいずり』って言うんでしたっけ? 男の人の夢なんですよね?」
「……お前は、何処でそんな知識を仕入れてきてるんだよ!」
「男の人は胸で挟まれるのが、人生の目標の一つだってお母さんが教えてくれました!」
 沙織さんの結婚騒動や先日の特訓で多少解っていた事だが、祖母に母親……。
 四季鏡家の教育方針は絶対おかしいだろ。
 元とはいえ上流階級として、そういうのはどうなのかとツッコミたいが、どうせロクな答えが無いのは解っているので自重。

 秋晴の困惑もよそに、四季鏡が自分の胸を脇から抱えるようにして、脈打つ勃起を挟み込む。 
「くぅおっ……」
 思わず奥歯を噛み締めてしまうような快感が下半身に走る。
 形が無いかのように変形しながら、柔らかく、それでいてペニスを包み込み、適度に圧迫する確かな質感。
 相反する二つの感触に陰茎が歓喜に震え、トクトクと先走りの液が量を増し始める。
 そんな様子が嬉しかったのか、四季鏡は頬を染めて目を潤ませた。
「んしょ……んしょ……んっ……んっ……」
 透明で糸を引く先走り液と自らの汗を潤滑油として、四季鏡は自らの巨乳をゆっくりと上下させ始める。
 冷たかった肌が、秋晴の温もりを吸ったかのように、程よい温かさとなっていき、ペニス全体を愛撫する。
「くはぁっ! ……んっ」
 激しい快感によって、秋晴の体から徐々に力が抜けてくる。その反面、一段と硬さを増していく男性器。
 まるで全身の緊張が、そこに集まっていくような快楽に、頭の奥のほうから痺れてくる。
「初めてですけど……日野さんが気持ちよさそうで良かったです」
 四季鏡が、額にうっすらと汗を浮かべ、嬉しそうにそう言う。
 異性の同級生が、嬉しそうな顔をしながら、自分に傅いてる。
 そして、陶磁器のような巨乳で、自分の醜悪なペニスが包み込まれて快感を貪っているという事実。
 そんな視覚的要素やシチュエーションがまた、秋晴の興奮へと油を注ぐ。
 ヌチュル、クチュル、ヌチュ、プチュル。
651捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:28:39 ID:vJej4UzB
「ぐう……ふっ……はっ――」
 徐々に強くなっていく摩擦運動。
 動きの幅が大きくなった事によって、双球の間から、赤黒い怒張が姿を見せる。
 突けば破裂するんじゃないかと思わせるぐらい、パンパンに膨らんだ秋晴のペニス。

 それを四季鏡は――ためらいなく口に含んだ。
 ――はむっ。
「うおっ!」
 最も敏感な部分に新たに発生した快感に、秋晴は反射的に仰け反った。
 亀頭が熱い温もりに包まれ、ざらっとしたものが裏筋に触れる。
 そして、尿道の何かを吸いだすように吸引してくる。
「ひのふぁんふぉ、おひしひでふ」
「ちょ、くぅ、あっ、加えて、喋るなあっ、ぐぅぅ……」
 四季鏡が喋ると、口腔が絶妙に振動し、それがペニスを振るわせる。
 腰がとろけてしまいそうな感覚に、秋晴はただ翻弄されることしか出来ない、
「んちゅ……ちゅば……むちゅう」
 一層激しくなる奉仕。
 そう、『奉仕』。
 何より相手を気持ち良くさせようとする『心』がこもっていて、まさに『奉仕』と呼ぶに相応しいようなパイズリとフェラチオ。
 手だけでなく、肘の反動も使い勢いを増す乳圧。
 自らの巨乳に顔を埋めるように動かす四季鏡。
 舌で亀頭の淵を舐めながら、大きなバストで海綿体の根元から先端まで絞る。そして、裏筋を舐めながら顔を出した亀頭に吸い付く。
 その一連の動作に、秋晴は魂を抜き取られていくような錯覚を感じる。

 ――やばい。そろそろ限界だ……。
 限界まで張り詰めた熱い怒張に、それ以上の熱いモノが競りあがってくるのを感じる。
 腹筋と尻に力を入れるが、徐々に上がってくるそれには完全に抗うことは出来ない。
「し、四季鏡、これ以上はっ……はあぁ」
 出てしまう、と目で合図しながら、秋晴は腰を引こうとする。
 しかし、四季鏡はそうはさせないといった感じで、双乳で圧力をかけグイッっと秋晴を引き寄せる。
 そして、その谷間へ舌を突き出した。
「ぐあっ、で、でるっ!」
 ざらついた舌が、尿道口にめり込んでくる。その異物感による快楽があっさりと射精のスイッチを押した。
 太股、尻、腹筋、そしてペニス。それらに制御不可能な痙攣が走り、熱いスペルマが尿道内を駆け上がってきた。

 ビュルッ、ビュルルルンッ、ビュクッ、ビュクビュクビュク。
 脳裏に点滅する白い光。背筋を駆け上がるゾクゾクっとした陶酔感。 
 秋晴自身かつて無いと思うほどの量の白濁液がぶちまけられた。
 白くて汚い液が、白くて綺麗な四季鏡の肌を汚す。
「すごい……ベトベトです」
 何処か嬉しそうに、そんなことを呟く四季鏡。
 時折、唇を舐めているが、その下の動きが妙に生々しくもの凄いエロさを感じる。
652捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:30:38 ID:vJej4UzB

 自分の胸にぶちまけられた汚濁を見ていた四季鏡が、こっちへ向きそこで動きが止まる。
「……日野さん。もしかして、お、収まってません?」
「……ああ」
 そこにあるのはギンギンに固まったままのペニス。
 髄液まで出たかのように感じた射精だったが、それでもまだ、蓄積した欲望に対する放出量は足りなかったみたいだ。
 まあ、寮生活で男同士とはいえ相部屋だし、その上相手は大地。
 中々自分で慰める機会も無いから溜まっていると言えば溜まっている。
 そして、何より――四季鏡から感じる魅力に、雄の本能が収まる気配を見せない。

「日野さん――最後までしませんか?」
「おま……最後までって――」
 最後――その言葉が指すものなんてのは……。
「セックスですっ」
 ですよねー。
 あまりにも直球すぎる言葉に、秋晴の方が赤くなってしまう。
 普通逆だろう。
「流石に、それは――やるにしてもこんなところじゃ」 
 ここまで散々やっておいて、躊躇するの情けないを通り越して、男としてどうなんだと思うが。
 ただ、それでもやっぱり口淫とかと性交の間では、確固たる壁があるのは事実だと思う。
 分水嶺というなら、ここが最後。

「私は大丈夫ですっ。ここで全然構いません。それに日野さんの方も我慢できないですよね?」
 それには頷く事しか出来ない。
 正直、空気が触れる感触ですら精密に感じ取れるぐらい、敏感になってそそり立っている。
「何より、私が日野さんの事を大好きだって――その証が欲しいんですっ。だから私は大丈夫です!」

 もう、そこまで言われたら秋晴からは何も言えない。
「――言っとくが、もう止まらないぞ」
 そう言ってゆっくりと四季鏡を押し倒す。
「はい、大丈夫ですっ。私の『初めて』を貰って下さい!」

 なんて――殺し文句。反則だ。
 本当に、いじらしくて、可愛すぎる。
 そんな言葉を聞かされると――心の奥底から愛しいと感じてしまう。

 秋晴はスカートを捲り上げる。そこにあるのはグショグショに塗れた秘裂。
 それに凶悪なまでに勃起した男性器を宛がう。 
「いくぞっ……」
「はいっ……」
 そして秋晴は腰に力を込める。
 ――ぐぅ……キツイ。
 亀頭部までしかまだ入っていないのに、強烈な締め付けを感じる。
 まさにねじ込むという言葉が似合うような行為。
 秋晴は、反発する力に逆らい、一気に怒張を進ませる。 
 ズンッ。
 何か障壁と呼べるようなものを突破したと感じた瞬間、秋晴の肉棒は全部、温かい何かに覆われた。
 そして、数瞬後、乙女の証であった鮮血が結合部から垂れてくる。
653捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:32:36 ID:vJej4UzB
 ――くあぁ。凄すぎる。
 ただ、挿れただけであるのに、秋晴はかなりの高みへと飛ばされた。
 何千何百もの手で、同時に愛撫されているかのような錯覚を感じる。
 と、そこで秋晴は、四季鏡が腰を動かそうとしているのに気付く。
「うっ、四季鏡……何を――」
「う、動かないと、男の人って気持ち良くないんですよね? だから――」
「お、お前――む、無茶するな!」
 破瓜の直後に腰を振るなんて、普通出来るはずが無い。
 口の中の傷に歯ブラシを当てるようなものだ。
「だ、大丈夫ですっ」
「大丈夫なわけあるかっ!」
 秋晴はややきつめにそう言って、強引に肩を持ち動きを止めさせる。

 そんな風に目尻に涙を浮かべて大丈夫なはずがない。
 それに肩を持った時に気付いたが、全身が微妙に震えている。

 ああ、もうバカだ。
 ――本当に俺はバカだ。

 いくら『大丈夫』と繰り返しても、どれだけ覚悟をしても、女の子の初めてなんて恐いに決まっている。
 ましてや、相手は四季鏡。
 猪突猛進にして常識知らず。良くも悪くも真っ直ぐ。
 相手のために何かしようとするなら、己の痛みなんて計算に入れるような人間であるはずがない。
 それに、さっきも考えていた事だけど、スケートの時や普段の生活――こいつ自身の甘え方や弱みの見せ方が常人とは違う。
「四季鏡……俺は、やっぱ俺だけじゃなくて――お前にも気持ち良くなって貰いたいんだよ」
「日野さん……」
 さて、とは言ったもののどうしようか。
 抜く――という選択肢はないだろう。
 痛いという記憶しか残らない初体験になってしまうし、何より、絶対に四季鏡が抜かせてくれないと思う。
 となると動かないようにして、出来るだけコイツがリラックス出来るようにしないと。
 この包み込まれる膣のうねりに対して、腰を動かさずに耐えることはかなり辛いけれど。

「四季鏡、ちょっと顔こっちに向けろ」
「え? あ、はい」
 素直に秋晴の方へと顔を向けた四季鏡。
 そして――秋晴はそっと唇を近づける。

 チュッ。
654捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:36:05 ID:vJej4UzB

 唇が触れると同時に、ビクッと大きく震える四季鏡。ギュッと閉じた目の長い睫毛が、ピクピクと揺らいでいる。
 そんな四季鏡の緊張をほぐすように、秋晴は、四季鏡の下唇を自分の唇で甘噛みをする。
 そして、チロチロと唇の皺をなぞるように舌先を動かした。
 そうすると、徐々に四季鏡の体から、力が抜けていくのが感じられる。
 そう言えば――ここまで色々やったのに、キスはやっていなかった事に今更になって気付く。
 それに心の中で苦笑しながら、脱力とともに半開きになった唇を、秋晴は舌で割って入る。
 四季鏡の内頬を撫で、歯をくすぐる。
 そうしている内に、四季鏡も自ら舌を絡ませてくる
 互いに舌でつつきあい、唾液を交換する。
 長い長い口付け。
 どちらからともなく、唇を離す。
 ツーっと唾液で橋が出来、自重に耐え切れなくなりプツンと切れる。

「……凄いです。キスってこんなに気持ちいいんですね」
 その言葉に、秋晴は静かに頷く。
「痛みの方はマシになったか?」
「はいっ。随分マシになりました――あっ、でも」
「ん?」
「――もう一度キス……してくれませんか?」
 目を潤ませ、頬を染め、何処かのぼせたような雰囲気で四季鏡が、そう言う。
 その言葉に秋晴は笑みを浮かべながら、もう一度唇を近づける。
 今度は四季鏡のほうから舌を入れてきた。
 上あごをくすぐられ、返す刀で歯の付け根を攻められる。
 そして秋晴の舌をからめとる、唾液を吸い取る。
「キス……んちゅう……大好きですっ。ぷちゅん……日野さんの……唾液美味しいです」
 口の中を蹂躙されるその感覚が秋晴の興奮をさらに煽る。
 産毛をチリチリと焦がされるような快感。
 四季鏡のほうも、かなり感じているのだろう。目をとろんとさせ、何もしていないはずの膣が蠢く。
 
「ひ、日野さんっ。動いてください。私ももう、我慢できません!」
 唇を離し、そう叫ぶ四季鏡。
 その言葉に秋晴は腰を動かすことで答える。
「っ――大丈夫か? 四季鏡っ」
「大丈……夫ですっ。まだちょっと……んっ、ピリピリするんですけど、……あんっ、気持ちいいです!」
 その言葉に、安心をし、本格的な抽挿を開始する。
655捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:38:27 ID:vJej4UzB
 先ほどまで、とろ火であぶられていた快感を爆発させるような、力強く雄雄しい打ちつけ。
 パンッ。パンッ。パンッ。
 その腰振りと連動して揺れる四季鏡の巨乳。その光景が、また秋晴の興奮を倍増させる。
「ぉくっ……はっ……」
「好きぃ、好きっ、大好きです、日野さん大好きですっ」
 箍が外れたかのように、長く綺麗な髪を振り乱し、四季鏡がそう叫ぶ。
 そんな言葉も、上気して桜色をした肌も、淫欲に染まった顔も、何もかもが可愛いと思う。
 粘り気の強い愛液で満たされた蜜壷が、複雑怪奇な愛撫を肉棒に与えてくる。
 ヌチョリ、パンッ、ブチュル、パンパンッ。
 左右前後、位置の感覚がおぼろげになるほどの快感。
 もう、秋晴は自分の意思でピストン運動が制御できないくらいに昂ぶってしまっていた。
「日野さんっああ、イキそうです。私イキそうですっ!」
「俺も……ぐっ、イキそうだっ」
 互いに高みへと昇り合う二人。
 そして――偶然だろうか。
 互いの腰の動きが絶妙に連動し、二人に得も言えぬ快感を与えた。
 ギュウウッと絞るような膣と、グンと膨らむ陰茎。
 互いに相反する力が反発しあう。
 秋晴の背筋に焼いた鉄の棒を入れたような、灼熱感が走る。
 四季鏡が、太股を痙攣させ、背筋をしならせる。
「ぐっおっう、イクッ……!」
「気持ちいいです! あーッ! イクッ、イキますッ! あーッ! ああああーーーーー!!!」

 ドプドプドピュ、ピュルビュル、ドピュ、ドクドク。
 二回目とは思えないぐらいの精液が、生まれて一番張り詰めただろう肉棒から出てくる。
 そして結合部から、四季鏡の愛液と混ざって出てくる。
 中々高みから降りないその絶頂感に、二人は抱き合う。


「はあ、はあ、はぁ」
 互いの荒い息遣いが、静かな図書館に響く。
「ぁ、はあっ……。日野さん好きですっ……」
「ああ、俺もだ……」
 恍惚とした様子で呟く四季鏡に、優しい口づけとともにそう答えた。


 ★★★


 とりあえず、残っていた課題作業とともに『後始末』もどうにか終える。
 まあこれだけちゃんとしていれば、深閑や朋美ですら、ここで何かあったなんて想像できないだろう。
656捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:42:48 ID:vJej4UzB
 というかよく考えれば、今まで誰もこの図書室に来なかったのは僥倖という他はない。
 単純に、他にも、人手が居る部分があってここにまで回ってくる人員が居なかったというのが真相だろうけど。
 まあそれも含めて、ここで四季鏡と二人っきりになれたことが運命だと思えたりする。

 それに、例え誰かに見られて大騒ぎになったとしても、全部自分が責任を被って処分されるぐらいの覚悟は――もう出来た。

 そんな事を考えながら、横目で四季鏡を見る。
「スー……スー……」 
 正直、性交の後に寝てしまうなんて、小説や漫画の中での出来事だと思っていたが……こいつは。
 本当に色々と王道すぎて規格外すぎる。
 まあ女性の初めては、トンでもなく疲れるという話は聞いたことがあるけど。
「……ん、日野さ……。それは……こう……する……です……よ」
「俺がフォローされてるのかよ」
 失礼な夢にもほどがある。
 それに――
「どうせ夢の中なら、『秋晴さん』とでも呼んでくれれば良いのに」
 少し唇を尖らせながら、秋晴はそう言う。
 こいつが起きたら、まず何より先に――『早苗』と呼ぶから俺の事も名前で呼べと言ってみようか。
 そんな事を思いながら、秋晴は四季鏡の頭を撫でた。


 ★★★


 日野秋晴から見た、四季鏡早苗という人物について。
 前向きで明るい性格。
 そして、一番の特徴は『ドジ』で『天然』
 それも壊滅的と枕詞をつける程度だと、ワッフルに蜂蜜をかけるぐらい甘いレベル。
 まあ、だからといって「もうフォローをするのが嫌だ」とか「関りたくない」とか思ったりはしない。
 何故か放っておけない、そんな雰囲気を持ったヤツ。
 そして――
 そして――自分にとって何より大切な女の子。



END OF TEXT
657名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 15:44:49 ID:wYsYctxz
リアルタイム乙

何この可愛さ
流石は四季鏡とでも言えばいいのか
658名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 17:16:58 ID:od9UQTnH
なんか凄い作品キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
新着見てると40kb超えてる? 大作乙
うめえ。なんという四季鏡の可愛さ。
特にエロシーン全部が秀逸すぎる。
659名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 17:32:32 ID:e4Yj6ag8
大作乙

仕事場でじっくり読むわけにもいかんので、帰ってからじっくり読ませてもらいます
660名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 22:43:54 ID:x6Lt7aKM
なんという良作
すげえ
やっぱ四季鏡は尽くすキャラだよな
661名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 16:00:34 ID:Df7cUhYW
俺はピナ好きピナ好きピナ好k……やべえ四季鏡もイイかも。
なんという破壊力。

これ読んでから既刊もう一度流し読みしたけど、色々と伏線と言うかフラグはあったんだな。

しかし、四季鏡の中の恋人像ってのは、あのお見合いイベントの時みたいなのかw
もし付き合うようなことになったら常に赤面モノだなw
662名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 22:03:29 ID:E7jzq4Bf
あ何だ
ただのメインヒロインか
663名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 23:04:54 ID:1CrKEcz/
最高にかわいい
664名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 16:00:01 ID:M+vlqxR5
久しぶりに感動したわ
エロ可愛いだけじゃなくて上手い
家族の事や四季鏡の真っ直ぐさとかの対比…
まさにルートって呼ぶに相応しいSS
超乙
665名無しさん@ピンキー:2010/04/03(土) 20:23:45 ID:OeUiwO+t
告白シーンで最高にかわいいと思って
パイズリシーンでエロいと思って
挿入シーンであまりのヒロインっぷりに堕ちてしまった

久しぶりに読みごたえのあるSSだった。GJ
次回作あれば期待してます。
666名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 01:10:07 ID:4dVf7BkK
原作でも秋晴がたまに犬って表現してるけど、
まさに子犬系って言葉が似合うヒロインだな
十二分にメイドヒロインの髄を堪能させていただきました
超gjです



そういえばここ二作で四季鏡姉妹の投稿が来て
理事長も深閑SSで登場してるのがあったから
本番エロSSが無いヒロインはフォウとアイシェだけだっけ?
667髭清 ◆vqgRX.s9fQ :2010/04/04(日) 01:48:52 ID:AyOeVlU1
SS本文投下後、投下終了レスを書いてる数分のうちにZAQ規制されたときは目が点になった。

というわけで今更ですけど、スレ汚し失礼しました&感想くれた方ありがとうございます。
恋心の自覚ある無しに関わらず、雪山落下時の四季鏡の心境なんかを想像すると
とんでもなく萌えるなあと思いながら、勢いで書いた作品ですが、楽しんでもらえたら幸いです。

それではまた機会があれば。
668名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 14:48:20 ID:IgqmxqQS
アニメ自体がエロいからか、放映中にあんまりこのスレに動きがないみたいで
久しぶりに見に来たら、凄いSSが来てたw

挿入後のやり取りがすごく「ズレた行動を全力でやる」四季鏡らしい。
こういう行動に好意が絡むと、ここまで萌えるのか。

>>667
GJ、お疲れさまです。
また機会があれば期待してます。

>投下終了レスを書いてる数分のうちにZAQ規制されたときは目が点になった。
656 :捏造IFルート 四季鏡早苗編 ◆vqgRX.s9fQ :2010/03/31(水) 15:42:48 ID:vJej4UzB
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1269947727/81
81 名前:せしりあ ★[] 投稿日:2010/03/31(水) 15:51:35 ID:???0

不謹慎だがワラタ
669名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 23:03:31 ID:7/hUDfcM
れでぃばとのメインヒロインはこんな所にいたのか
670名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 23:08:33 ID:QxAzjZle
すげえ
四季鏡の見方がかなり変わったわ
あれは沙織さんだけじゃなくて四季鏡妹フラグでもあったわけか

マジで凄い二次創作だ
超GJ
671名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 00:35:19 ID:KbEiUqwz
ひさしぶりにこのスレに来てみればまさかの四季鏡SSwww
しかもかなりの長編
続きというか後日談を読みたいぐらいだ
(それこそ、SS中にあった下着買いに行く話とか)



>>666
実はWヒロインの片割れである、あの人にも本番SSがないw
672名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 11:15:28 ID:jUdQWFJW
ん?
10巻までしか読んでないんだけど、四季鏡フラグ立ったの?
確か、結婚騒動の時に沙織さんに言われて勘違いしたって感じじゃなかったっけ?
最新刊で本気で惚れるイベントでもあったの?
673名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 11:53:42 ID:5GmXM0sm
本文のエロ到達までの文章もエロシーンの萌え度もレベル高いけど
最後のまとめ方が上手すぎる。
萌えエロゲのエンディングみたいな一枚絵が浮かんでくるような感じ。
マジで面白かったです乙。

>>671
ホントだ。手コキはあるのにw
腹黒……なんて不憫な子w

>>672
その沙織さんの口から、四季鏡はかなり本気であると語られる。
さあ、早く11巻買ってくるんだ。
674名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 18:17:03 ID:Ya8bF4VC
言われて見れば腹黒ヒロインのものがないなw

>>661
でも、あんな風にストレートに好意示されたら男冥利に尽きるだろw
ああもう秋晴氏ね。

>>667
>雪山落下時の四季鏡の心境なんかを想像すると
確かに無茶苦茶萌えるなあ。超凹んで自分責めて、心配で死にそうな顔してたんだろうな。
675名無しさん@ピンキー:2010/04/06(火) 20:40:20 ID:Cq6u1ZeP
>>670
ラ板の本スレでは発売直後に話題になった。
676名無しさん@ピンキー:2010/04/06(火) 22:51:22 ID:9IUb9Lok
凄く面白かったです

四季鏡編ってことは他のキャラも期待していいですか?w
677名無しさん@ピンキー:2010/04/07(水) 13:05:26 ID:ZtHd6OtY
他のヒロインのIFルート製作してくれるなら、是非とも鳳を・・・・・っ
今巻の四季鏡みたいに明確なフラグ立てば何卒お願いしたい
678名無しさん@ピンキー:2010/04/07(水) 20:32:27 ID:NNelUXc1
ルートものならみみな先輩がみたい

秋晴からの告白でもロリ先輩からの告白でも想像出来ない
679名無しさん@ピンキー:2010/04/07(水) 22:26:30 ID:+eF1P6no
病気やらなんやらのせいで
自発的に何かを欲しがるっていうことをしない先輩
秋晴のことを考えても、同じように秋晴のことが好きな人達の顔が思い浮かんで尻込みしてしまうけど
やっぱり諦めきれずにグジグジグジグジ煮詰まった挙句
秋晴の胸に飛び込んで泣きながら自分のものになって欲しいとぶっちゃけたり
680名無しさん@ピンキー:2010/04/08(木) 01:27:29 ID:Rfp6y/hk
>>679
萌えた
681名無しさん@ピンキー:2010/04/08(木) 13:05:00 ID:5Wc5s2UW
なにそれ超萌える
682名無しさん@ピンキー:2010/04/08(木) 21:41:59 ID:CYkoNuMV
先輩からすると、アキバでのラストも相当勇気振り絞ってるんだろうな
683名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 22:16:11 ID:6mpJsoUq
ルートものならピナあたりが見たいな
つーか基本的に秋晴から告白しそうなヒロインがいないよな
684名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 17:13:28 ID:BHq5+tkP
誰か最強さんの書いてくれ
頼む・・・
685名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 17:15:08 ID:k4ywj6dG
ff「呼んだか?」
686名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 21:27:46 ID:gNM9OgrZ
>>684
なんかでんぢゃらすじーさん思い出したw
687名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 21:43:09 ID:b0Cgmjc/
すじーで切って先輩とかピナを思い浮かべた
688名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 22:35:02 ID:mmrBiTlS
みみなの誕生日に、みみなは秋晴と二人で過ごしたいと所望する。
秋晴は予定もなく了承。
誕生日当日に二人で過ごす中で、みみなは秋晴とずっといられたらなと思い、それをぽつりと口にしてしまう。
それを聞いた秋晴は悩みに悩んだ末、みみなの専属になるからいつでも呼ぶようにみみなに伝える。
みみなは他の娘のことを考えて迷うが、結局秋晴にみみな専属の恋人兼執事になって欲しいと懇願、二人の日々が始まる。




一回PCで書いたら、データ全部消し飛んだ
689名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 22:56:50 ID:+zpnl0WA
>>688
頑張ってもう一度書いてください
ものすごく俺得です
690名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 00:26:02 ID:N13Zkcyc
個別ルートだと深閑がみたいな

教師としての責務と抑えきれない恋心に悩む深閑
そしてとうとう冷徹な仮面が剥がれる
691名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 06:58:08 ID:8Ac84mlk
深閑なぁ・・・

放課後の図書室(図書館?)で、疲れて寝ている秋晴を見つけた深閑が秋晴を見つめながら声を殺しつつ、秋晴への少しの想いから、秋晴に犯されたいという願望のもと、秋晴に犯されることを想像しながら自慰に浸る。
深閑が絶頂に達した時、深閑は秋晴が驚いた顔で自分を見ていることに気付き・・・・・・

ってのは無理があるな
692名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 10:02:40 ID:Jx0+Sdrf
ルートなら本スレで出てた理事長ネタが見てみたい
693名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 23:51:29 ID:Ab0lhe3V
IFルート色々見てみたいが髭清氏はzaq
そしてzaqは先日永久規制……
694名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 00:09:34 ID:EWc3h2tt
PC復旧しても書き込めない罠
695名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 01:04:54 ID:YzgH8U36
向こうで平然とこっちの話題ふっちゃうだなんて吃驚です
いつもの荒らしじゃないなら素でやっちゃったってことだから余計に吃驚です

最強さんの場合カウンタータイプだからこの手の鈍感主人公との相性は最悪に近いんだよな
696名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 15:23:14 ID:EWc3h2tt
何より秋晴がトラウマメイカーととらえてる相手だってのが辛いな。
秋晴がはっきりと助けてやるって言い切った相手としては、一番強いのはみみななんだけど
697名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 17:39:01 ID:BUV0+xvF
>>692
秋晴に冗談で迫る→本気でそんな雰囲気になる→どうしていいか解らなくなって赤面逃亡
→ショック受ける秋晴→数日秋晴が落ち込んで居るのを見て胸が痛くなる
→ルート突入
698名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 08:49:21 ID:nVQQ5fc2
もしくは
なんかのパーティーで男性同伴必須→秋晴召喚→
とか
699名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 09:27:31 ID:TbHXcaC8
ガチ告白したけどどうせまた何か罠なんだろとかそういう返しをされて
それでもなお食い下がってようやく本気だとわかってもらえたけど
「俺はお前が怖い」みたいなこと言われてショックを受け
しかも他の女の子に思いを寄せられてるのに気づいてることを逆に告げられる。
ならどうして他の子の気持ちに気づかないふりをしてるのかと問えば
昔に自分のしてきた仕打ちのせいで潜在的に女性が信じられなくなってると言われて
全部自業自得な上に秋晴から健全な男の子としての気持ちすら奪ってしまっていたという事実に
本気で凹む腹黒さん
700名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 17:34:55 ID:nVQQ5fc2
多分秋晴がガチ告白されて一番ビビりそうなのは大地

一番揺らぎそうなのは深閑
701名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 17:52:53 ID:m0EMx+sV
>>698
で、場違いすぎて陰口叩かれる秋晴
→それを見て、何時ものふざけた態度から一変、憤慨する理事長だな


>>700
上のSSじゃないが四季鏡姉妹もかなり揺らぎそう
姉妹ともに秋晴視点から性的な意味で「女」意識されてるキャラクターな上に、
秋晴は本気にしてないとはいえ、好意をちゃんと前面に出して秋晴と接してるからな
身分的なハードルも低いし
702名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 22:18:08 ID:nVQQ5fc2
>>701
誰かを支えるっていう秋晴の理念も貫けるしな。

あれ、これだけで話一ついけなくない?

後、むしろ理事長が秋晴を誇らしく自慢したりすると思った俺は負け組。


携帯からは書き込めるし、携帯で軽く作ってみようかねぇ
703名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 13:06:09 ID:FcMW72CX
アイシェお嬢様を忘れていませんか
手を出したら人生の墓場だが妾は公認なんだぜ
そういやピナとくっついた場合も妾は有りなんだろう
王族の一員になるわけだが
704名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 16:26:36 ID:sSW14lra
まさかの棗の母親とか腹黒の母親、ヘディエがヒロイン
705名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 18:18:12 ID:sSW14lra
後、暇潰しにれでぃ×ばと!をギャルゲーにした際の攻略難度は如何なもんかと想像してみた。
上から順に下に行けば行くだけ難しくなる。

・桜沢みみな
(一番簡単。強制で出会いイベント発生、初期に必須イベントがあるが、それをこなせば個別ルートに入れる)
・セルニア=伊織=フレイムハート
(簡単。ツンツンしてるようでも、好感度は確実に上がる。試験の際にパートナーカードを率先して持ってくるようになれば大安定)
・ピナ
(相当簡単な部類。みみなの好感度も上げていれば両手に花エンドも。)
・四季鏡早苗
(簡単。兎に角彼女のサポートを心掛けて。姉妹丼エンドあり)
・大地
(そこそこ簡単。必須イベントがあるが、必須イベントクリア後は二種のルートに分岐、そのまま二種のエンドに別れる)
・鳳
(簡単。セルニアとの二股、彼女の家を継ぐ、彼女と新たに暮らし始めるの三種エンドがある。鳳がれでぃ×ばと!の真ヒロインでいいよね)
・深閑
(簡単と難しいの分岐点。クールな深閑とのシリアスな恋愛か、淫乱な深閑とのラブコメかの、極端な分岐ルートがある)
・アイシェ
(そこそこ難しい。兎に角出会いが遅く、ヘディエのせいで好感度も一度に稼ぎきれない。一度彼女をクリアした後、二周目に新規の選択が出てくる。)
・四季鏡早織
(難しい。四季鏡早苗トゥルーエンドを一度達成していることが前提。彼女が仕事のサポートを求めてくるまでが勝負)
・腹黒
(非常に難しい。まず誰かの好感度を相当な位置まで上げていることが攻略の大前提という変わり種。)
・ヘディエ
(極難。アイシェトゥルーを二種見ていることがルート成立大前提。その上でアイシェとヘディエ二人を侍らせることが出来るシナリオが開ける。)
・楓
(ランダム。兎に角ランダム。なお他のキャラクターのエンドをバッドも含めて全て見ていることが前提)
・ハーレム
(楓を含む全ヒロインの好感度が均一であり、しかも高くないと到達出来ない究極のルート。最早ネタ。)


暇だの俺
706名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 19:16:28 ID:WFqYHYgw
>>701-702
オマイラの想像力は異常
理事長ルートマダー?

>>705
恋愛ADVれでぃ×ばと発売マダー?
707名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 22:25:44 ID:6WMUB5Co
しかしその構成だと他の子狙いでやっててもとあるごとに腹黒絡んできてぶっちゃけウザs




……あれ? 今もそう?
708名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 23:04:04 ID:A5GCPCJD
>>705
ルートひとつ追加したぜ!

・ミケ
(ヘディエ並の難さ。なにしろ上育科の女子全員の評価が相当高いことが
大前提だから困ったもの。無論コイツもクリアしないと
ハーレムルートに進めない。注意)
709名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 06:50:19 ID:vqNAhNE1
なお番外編で攻略可能になるヒロイン

・棗
(ファンディスクで攻略可能なヒロインの一人。シリーズ通して唯一の陵辱されるヒロイン。但し攻略は選択肢二つで終わる上、本人は秋晴になら殺されてもいいぐらいに彼を受け入れている。秋晴が真の愛に目覚めてラブコメか、棗が被虐の悦びに目覚めて陵辱かは貴方次第)

・彩京美佳子
(腹黒の母。不倫なため、やたら難しいような印象も受けるが、実際はかなり楽であり、一度限りの逢瀬で終わるか、彼女が秋晴との禁じられた関係に溺れるかでエンドが変わる。腹黒との母娘丼もあるが、正直腹を壊すよねそれ)

さらにファンディスクで追加されるシナリオ。

・セルニア&鳳ルート
(セルニアと鳳の二人を平等に愛すると約束した秋晴と、全力で秋晴を愛すると約束した二人の、幸せでエロスな日々。両手に花の結婚式もあるよ!)

・みみな&ピナルート
(みみなの大好きな内緒の場所で、毎日のように行われるみみなと秋晴、そしてピナの睦事。結婚式はないけど、三人でピナの国にて暮らしたりするよ!)

・腹黒&セルニアルート
(お腹壊しそうだぜ)

・早織&早苗ルート
(巨乳で淫乱な姉妹をたっぷり食べて、更に孕ませたりするルート。とにかくラブラブ、エロエロ、場合によってはミルク搾りもできるよ!)

・深閑&楓ルート
(教師丼。秋晴にはデレデレだが、楓には天性のドSっぷりを遺憾なく発揮する深閑と、秋晴&深閑の手で体のあらゆる場所で感じるように躾られたドMな楓を楽しもう!)

・大地個別
(愛し合ってからの二人の同室生活!毎日いちゃいちゃ、二人でお風呂や添い寝は当たり前)
710名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 08:02:57 ID:nD6no4Hg
>>708
まさかの男の娘枠ワロタwwwww
確かに攻略は色んな意味で難しそうだwwww
ま、好き嫌いは別れるだろうが少なくとも両刀な俺には嬉しい限りだ
711名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 09:23:31 ID:t4pPLDq/
孕ませ姉妹丼√が素晴らしい件
712名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 17:24:59 ID:u6KkMJQU
そういえば姉妹丼モノSSはありそうでなかったな
713名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 17:48:31 ID:CGNoKhAR
>>705から>>709
とうぜんPC版に移植で「エロシーン」は有るんだよな?w
純愛なイチャラブHシーンとダークな調教Hシーン、
バッドENDで「目の前で、NTR二穴・三穴凌辱Hシーン」も…w
714名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 18:17:26 ID:vqNAhNE1
>>713
いやいや
バッドエンドは誰にも愛想を尽かされ、一人切なく就職活動をするんだって。
NTRが苦手ですマジサーセン。

んじゃ電車の中で暇潰しがてらに書いた捏造早織さんEDをうpします。
以下の事項にご注意下さい。

・何も参考にせず、記憶にあるまま書いたため、相当雑です。
そういうのがダメな人は見ないでください。
・秋晴と早織さんは恋人同士です。
それが許せない人は見ないでください。
・直接的な性交渉の描写はありませんが、言葉の端々にそんなのが見え隠れします。そんなのが嫌いな人は見ないでください。

んじゃ次から行きますよっと
715捏造ED・早織変:2010/04/16(金) 18:22:53 ID:vqNAhNE1
日野秋晴は、極々普通の青年である。
少しヤンキー顔で、そこそこのヘタレで、しかし優しい心を持つ点を除けば、となるが。
誰かを支えられる人間になりたいという思いからお嬢様学校である白麗陵の従育科に編入したのは、もう数年前の事。
今は二人の女性の御主人様として、平穏な日々を送っている。
そして、彼を旦那様、御主人様と慕うのは四季鏡早苗と四季鏡早織。
そう、白麗陵にて出会った、二人の美少女たちだった。


たぷんたぷんと揺れる爆乳を隠そうともせずに、美姉妹の姉は四つん這いのまま秋晴の元へと進む。
恥ずかしさが以前はあったが、今はもう慣れている――否、こうしていないと落ち着かない。
首には人間用の首輪――きちんとSaori Hinoとドッグタグも着いている――が光っており、名実共に彼女が日野秋晴の奴隷であることを表している――――

「旦那様」
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど〜」
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」

「旦那様」
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど〜」
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」

―――訳ではなく、秋晴はまだ学生だし、姉妹を奴隷にしているわけでもない。
強いて言えば四季鏡姉の恋人である。
まぁ当然と言えば当然だが、その魅力的な肢体は端から端まで全部満喫してはいるが。
ついでに言えば、今は二泊三日で早織のグラビア写真集のための撮影に来ている。
一度目に秋晴が撮影に随伴した時に取ったグラビアの出来が良く、しかも秋晴が来ない時と来ている時とでは、そもそもの早織の表情さえもが変わっている。
ならばと早織は秋晴に毎回の随伴を、わざわざパートナーカードを利用したりして頼んでいた。
716捏造ED・早織変:2010/04/16(金) 18:28:15 ID:vqNAhNE1
こうなると、二人の距離は急速に近付いて行った。

とは言えどもである。
流石に首輪を付けてどうこうは秋晴の予想の外の事だった。
秋晴が早織を諭すように言うと、まだ納得してはいないようだったが、彼女も小さく頷いた。
早織とて知っている。
秋晴がどれだけ優しく、どれだけ自分に尽くしてくれているかぐらい、知っている―だからこそ、自分の体を好きにしていいことで感謝の証にしたいのだ。

「ほら、もうすぐ撮影が始まる時間だぜ?水着に着替えて、首輪なんか外してくれよ?」
「うん・・・・」

秋晴に柔らかな髪を撫でられながら首輪を外す早織の表情は、暗く。
仕方ないとばかりに、秋晴は彼女に対する一番の文句を早織の耳元で囁いた。

(今日で最後なんだろ?だったら、今晩から嫌ってぐらい抱いてやるから。前も後ろも、俺ので一杯になるぐらい出してやるから、な?)

我ながら悪役な言い方だと秋晴は苦笑する。
しかし早織はと言えば、ほぅっと頬を赤らめて、そして嬉しそうに呟いた。

「約束ですよ、秋晴さん」
「あぁ、約束だ。だから今日1日頑張れ、早織さん」

秋晴の声に、早織は首を縦に振る。
期待を豊満な胸に秘めて。
主従―――その枠を超えた秋晴と早織の恋愛は、まだ始まったばかりなのだから。
717捏造ED・早織変(不要な余談変):2010/04/16(金) 18:31:54 ID:vqNAhNE1
「それでさ、早織さん」
「ふぁぁい?」
「何でわざわざ首輪とか着けたんだ?」
「・・・・・」

白濁にまみれた体をだらしなく投げ出した早織に、秋晴は問い掛ける。
朝にした約束をきっちりと守り、秋晴は早織を散々に犯してやったからか、声に疲労の色がありありと浮かんでいた。
最も早織はもっと酷く、顔にも胸にも秋晴の精液がかかっているし、膣穴からも尻穴からさえも精液が溢れ出ている。
最初は嬉々として奉仕し、犯されていた早織が、涙を流しながら、気が狂うと鳴きながら、実際に意識を喪失するまで犯し抜いたのだから、仕方はないが。
呂律が回らない辺り、今し方意識を取り戻したとは言えまだ快楽の余韻は体中に残っているのだろう。

「もしかしたら、と思うけど」
「・・・私は秋晴さんのモノだって、身も心も未来も全て秋晴さんに捧げるって、そう周りに示したかったんです」
「・・・そりゃあ、また・・」
「だって、」

きちんと喋りだした早織の邪魔をしないために、秋晴は備え付けの椅子に腰を下ろす。

「早苗さんや彩京さんも、みんな秋晴さんの事が好きですから。だけど、私は欲張りで、だから、私が、私だけが、秋晴さんのそばにいるんだって、そう示したくて、首輪をしたんです・・・・」

早織が訴えかけるように言った言葉に、秋晴は心当たりがないとは言わない。
確かに自分は知っている。
寄せられる好意の数を。
意味は違えども、好意という名で括るのならば、それらは全て同じものである。

「もしかしたら悪い女って思われるかも知れなかったから、ああいう風にふざけて、」
「もういいぜ、早織さん。要は早織さんが俺の一番だって示したいんだよな?」

早織の言葉を途切れさせた秋晴の声に、しかし早織は頷く。

「だったら、そうだな。資金が貯まったら・・・・結婚しよう。式は無理でも、指輪ぐらいなら贈れると思うし、ならその指輪が俺の一番である何よりの証になる」
「は、はいっ!」

感極まったのか、早織はその瞳から涙の雫をこぼしだす。
それが哀しみからくる涙でないことを知っているから、秋晴はそのまま早織を見守っていた。

718名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 18:33:02 ID:vqNAhNE1
以上で。
矢張り何かを書くのなら、原作をきちんと参考にしないとダメだと痛感しました失礼します。
719名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 23:54:26 ID:FXiPirhS
早織さんって嫉妬すんのかな〜?GJ                             
720名無しさん@ピンキー:2010/04/16(金) 23:57:04 ID:u6KkMJQU
沙織さんはあんまり嫉妬しないで姉妹丼も複数プレイok

四季鏡妹の方は腕引っ張って独占しようとするが姉に巧みに騙されて姉妹丼

こんなイメージ
721名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 00:01:26 ID:QE3I3AH5
四季鏡妹は姉を信じすぎてるような気がしないでもない
だから、姉に「二人で日野さんにご奉仕したら、きっとひとりでご奉仕するよりずっと喜んでもらえますよ」って言われて、毎回二人でご奉仕とかしそうだ
722名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 14:24:28 ID:t3zCrCCO
GJ!全然問題ないっす。

>>705氏…(で、いいのかな?…)
PC版は各キャラエロ何回づつですかw
それとハーレムシーン、複数プレイシーンに二穴・三穴シーンはありますか?w
買うか買わないかの重要要素ですのでw
723名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 14:56:16 ID:QE3I3AH5
>>722
各キャラ個別ルートで3つずつ
うちピナ、アイシェ、みみな、大地、セルニアは尻あり
なお個別ルートでは1回ずつコスプレあったり
ハーレム&複数ルートではペニバン使用の二穴攻め、及び顔面騎乗&騎乗位などもあり。

ファンディスクでの追加ヒロインは各自個別ルートにて2回ずつ、さらに後日談くさいアフターストーリーでは(大地ルート以外)ダブルヒロインにそれぞれ一回ずつ及び3P一回で計3回
大地ルートは個別として2回
早織&早苗ルートはデート毎に特殊プレイ可能、唯一鬼畜な調教も出来たり(なお一回の攻略での最大数は7回、調教プレイの回数でエンディング分岐あり)。

早織さんがメインヒロインクラスに優遇されてるけど、まぁ問題ないよね
724名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 19:02:35 ID:QE3I3AH5
またまた、電車に乗ってる時間に作った捏造EDを投下。
短いのは最早仕様。
今回はセルニア。
以下の仕様ですのでご注意を。
・R-15
・セルニアが弱い子。
・でもラブコメ。
・セルニアは露出プレイしたり、衆人環視の元でオナニーショウしたり、リンカーンされて喜ぶ変態でないと許せない人は見ないが吉。

では行きますよ
725捏造ED・セルニア変:2010/04/17(土) 19:06:31 ID:QE3I3AH5
四月も中頃を過ぎた、とある日の朝。
テーブルには出来立ての朝食が二人分並び、食べられる時をまだかとばかりに待っている。
ただ、この朝食を作った張本人とその妻は、現在目覚ましがてらのシャワー中であり、これらはまだ暫くの間テーブルを占拠したままになりそうだった。


一方、こちらは風呂場。
湯気で視界を隠されるが、朝だと言うのに夫婦が風呂に入っていた。
毎週の日曜日の恒例である朝風呂だが、これは妻の寝起きがあまり良くないことと、昨夜の情事で白濁にまみれた体を清める意味を持っていた。

「目は覚めたか、セルニア?」
「ひゃんっ!?も、もうすっきりはっきりしてますわよっ!」

秋晴――現在は秋晴=フレイムハートだ――に胸の先端を摘まれたセルニアが、甘い声を出す。
秋晴の耳のピンは全てなくなり、また険しいことが多かった表情もかなり丸くなっていた。

「もう、夕べに7回もしたでしょう?朝ぐらいそういうのを抜きに、甘えさせて欲しいですわ?」
「甘えさせて、ねぇ」
「・・・やっぱり秋晴は意地悪ですわ」

デレデレと甘えた顔で、しかしセルニアは頬を膨らませる。
結婚するまえは秋晴の女関係で荒れたりもしたが、結婚してからはセルニアも甘えるようになった。
そして、秋晴が他の女性――とは言ってもセルニアの知己に限るが――と性交渉することも認めているし、自分が一番でさえあれば他に誰が秋晴の愛人になろうと認める旨のことも公言している。
726捏造ED・セルニア変:2010/04/17(土) 19:09:31 ID:QE3I3AH5
セルニアは、秋晴を自分だけのものにするという選択を拒んだのだ。
最も、秋晴はセルニア以外とそういうことをする気はないのだが。

「秋晴は、本当に私で良かったんですの?」
「・・それ、毎週言ってるぞ?」
「だって、他の女性のほうが私より素敵だったり、秋晴のことを大切に想っていたりしたら・・・・」
「でも、俺が一番大切に想ってるのはセルニアだって。ずっと言ってるけどな」

ぬるくなった湯船の中、秋晴はセルニアを後ろから抱きしめる。
ふたつの果実が、湯の波紋にたゆんだ。

「俺がセルニアを一番に考えてて、セルニアが俺を一番に考えてくれりゃ、他のやつの考えなんて関係ねぇだろ?」
「えぇ・・・そうですわね」

毎週繰り返す問答。
毎週同じ答えを秋晴が出して、セルニアはそれで心を静める。
秋晴は自分を過小評価しているが、実際はそれ以上に魅力的だと知っているから。

「秋晴、今日は1日、ずぅっと家で過ごしますわよ?」
「まぁ、俺は構わねぇけどさ」
「今日はたっぷりと愛し合いますわよ、お父様にも早く孫を見せて欲しいって急かされてますもの」

今は、秋晴の優しさに触れながら、たっぷりと愛されたい。
身も心も捧げたが、それでも足りない。
自分が二度と不安にならないように、自分が秋晴だけのものだと刻んでほしい。
自分を抱きしめる秋晴の手が、豊満な胸の先端で屹立するものに触れたことを、セルニアは咎めない。
今からきっと愛されるのだ、この風呂場の中で。

「じゃあ、まずは最初の一回目だな」
「えぇ、たっぷりと私に注いで、私をとろけさせてくださいまし♪」

セルニアの喜色が混じった艶やかな声が引き金となり、二人の長い長い1日が始まった。
テーブルの上に並んだ秋晴の料理がまだまだ食べてもらえそうにないのは、風呂場に響く肉のぶつかる音とセルニアの嬌声が示していた。
727名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 19:11:58 ID:QE3I3AH5
セルニアは繊細な子。
でもデレたらデレデレ、エッチなことも好きな人とならいっぱいするし、エッチに作り替えられて喜んだりする。

・・・・ゆがんでて済みませぬ。
728名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 19:40:29 ID:yMJz12kt
いや、そんなことないと思いますよ。GJでした
729名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 22:17:37 ID:t3zCrCCO
722っす またまたGJでありました

>>723
よし購入決定w。
早速虎でポチるか…、
ところでハーレムルートとセルニア単独&セルニア複数ルートの
『二穴責めシーンの体位・アングル、単独アナルシーンの体位・アングル』は、
どんな感じでしょうか?w

(挿入部アップなアングル超希望w)
730名無しさん@ピンキー:2010/04/17(土) 22:35:44 ID:2vQmjElH
久しぶりに来たらSS投稿されてる……

しかも四季鏡姉妹モノが投下されてる
なんという楽園
731名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 14:27:06 ID:xgvMkf4b
なんとなく思いついたんで、深閑の捏造EDを投下します。
以下の要素を含みますので、ご覧になる場合は注意ください。

・深閑はデレたら今までのクールさを覆すほど甘えたりエロっ娘になります。
・深閑はドSに見えて、実は被虐的な目にあいたがるドM
・深閑は寂しがり屋。

多分一番酷い出来なんで、その点ご注意下さいませ。
では捏造深閑エンドです
732捏造ED・深閑変:2010/04/18(日) 14:28:51 ID:xgvMkf4b
目映い程の陽光が、窓から深閑の裸体を照らす。
デジタル時計は午前七時を表示し、しかし騒がしく鳴ることはない。

「・・・いい天気、ね」

ぽつりと呟いた言葉は、すぐに消えて。
代わりに、自分が全裸であることを深閑は思い出して。

「私、秋晴さんの妻になったのね・・」

もう一度、呟く。
但しさっきとは違い、その言葉が深閑の胸に染み入るような気がして、その事実を頭の中で何度も反芻して、その度に心が騒ぐのが分かった。
ずっと大切に守っていた処女を、年下の夫――元教え子でもある――に捧げ、彼の童貞を自分が奪い。
最初は痛い痛いと言っていただけの自分が、気がついたらもっと、もっとと喘ぎ、鳴き、甘えて、乱れていた。

「私は淫乱だったのかしら」

答えが返ってくる訳もない問い。
ただ、彼が隣にいれば、きっと笑いながら「淫乱でもなんでも深閑は深閑だろ?」と言ってくれるに違いない。
優しいから、彼は。

「・・・そういえば、秋晴さんはどこかしら」

彼も自分と同じように、結婚してから数週間は休みのはずだ。
寝室は二人で一部屋だから、今は居間にいるか、風呂場でシャワーを浴びているかの何れかだろうか。
兎に角秋晴の顔が見たくなった深閑は立ち上がろうとして、自分の股間が鈍い痛みを発していることに気付いた。
733捏造ED・深閑変:2010/04/18(日) 14:30:29 ID:xgvMkf4b
その鈍い痛みが、自身の処女を愛する人に捧げた証のような気がして、深閑は端正な顔を少しだけ、ほんの少しだけ緩ませた。

「あぁ、起きたのか深閑」
「秋晴さん」

ドアを音も立てずに開けて入ってきた夫――秋晴の声が聞こえた瞬間に、深閑は緩んだ顔を引き締める。
甘えたい、もっと甘えていたい、だけれど、長らく変わらなかった性格は、そうそう直ったりもしない。

「何をいていたんですか?」
「喉が渇いたから、水を飲みに」
「・・・なら、一言ぐらい言ってから行っても良かったのでは?」

あぁ、そんな事を言いたいんじゃない。
朝起きて、隣に貴方がいなかったから寂しかったんだ、貴方の温もりを感じさせて欲しいって、ぎゅうっと抱きしめてって、そう言いたいのに。

「いや、深閑が気持ちよさそうに寝てたしな。水を飲みに行くぐらいで起こすのも悪いと思ったし」
「・・・今回は多目に見ますから、これからは注意してください」
「・・なぁ、もしかして寂しかったりしたか?」
「!!!」

秋晴の何気ない一言で、深閑の顔は一気に茹で蛸の如く朱に染まる。

「だったら、ほら、ぎゅーっと。な?」
「ひぁぁっ」

小さな悲鳴を上げて、しかし全裸の深閑は容易く秋晴に抱き締められる。
深閑の鼻孔を、秋晴の汗臭い匂いが刺激する。
この臭いを、深閑は知っている。
昨夜、自分が女になった瞬間も、初めて気をやった瞬間も、舌と舌を絡め合った時も、尻穴の初めてを捧げた時も、膣と尻穴に溢れんばかりの精液を注がれていた時も、須くこの臭いが鼻を刺激していた。

「も、もうっ!こんなに強く抱きしめないでくださいっ!こんなに優しくされたら、・・・・秋晴さんに、犯されたくなりますから」

犯されたくなりますから?
違う、犯して欲しい。
冷然とした女教師の仮面を脱ぎ捨て、一匹の雌犬のように、一頭の雌豚のように、秋晴に蹂躙され、虐げられ、そして自分が秋晴だけの雌奴隷だと刻んで欲しいのだ。

深閑を抱き締めたまま、幾らか悩んだ秋晴は、しかしはっきりと言い放つ。

「それじゃ、今からやろうぜ?」
「今から、ですか」

反芻しながら、しかしもう体は期待に打ち振るえている。
秋晴が自分の体を押し倒すのを拒みもせずに、深閑は身を委ねる。
これから始まる最愛の人との、愛と愛欲に満ちた日々のことを少しだけ考えて、しかし秋晴の唇が自身のそれに触れる頃には、もう目の前の男のことしか考えられなくな
734名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 14:39:35 ID:xgvMkf4b
以上です。

後、適当に考えたギャルゲー・れでぃ×ばと!ファンディスクにルートを追加。

・母娘丼ルート
(美佳子トゥルーを見た後に再度美佳子ルートに入ったら出来る新たなルート。自分の母と、自分の想い人が激しく愛する様を見てしまった朋美は・・・・)

・マタニティハーレム
(全てのルートを見た後で、新規に追加される真・隠しシナリオ。FDでの追加ヒロインを含める全てのヒロインが孕んでいるという誰得ルート。)

・ハーレムウェディング
(マタニティハーレムを除く全てのルートを見た後で新規に追加される隠しシナリオ。日本の法をねじ曲げて、全てのヒロインと秋晴の結婚式が始まる!)


・・・・ダメだ、頭が何かにやられたみたいです
735名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 16:14:40 ID:Hsqr3pbJ
>>734
スゲェ!! 先生、あんたマジで最高だ!! GJっ!!

…ルートごとのストーリーを超希望!!
(アナル、二穴・三穴シーン細かい描写を…w)
736名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 16:31:25 ID:YJ029H8u
あれ?なんか「あぼ〜ん」になってると思ったらNGexで「処 女」を
NGにしてあったww
737名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 14:04:43 ID:mucA0kjF
朋美って伊南屋さんのセルニアのヤツの手コキ以外でエロSSないのかw
738名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 15:38:46 ID:JVmfnulN
てす
739名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 19:37:52 ID:JVmfnulN
壊れた携帯が無事戻ってきた記念に捏造ED・朋美変の古いやつを投下します。
以下の点が含まれますので、読まれる際には十分ご注意下さい。

・捏造恋愛
・朋美がボテ腹
・ほとんど朋美の回想
・つか何も参考にしてないから口調があやふや。

では次から投下します。
740捏造ED・朋美変:2010/04/19(月) 19:39:21 ID:JVmfnulN
始まりが何時だったかなんて、もう覚えていない。
ただ、忘れていない一つの事は、秋晴との別れになったあの時のことだ。
母親が再婚し、庶民から令嬢になり、令嬢として恥ずかしくないよう自分を磨き、学び、周りの期待に答えようと頑張った日々のこと。
自分が結果を出す度に、母や父は喜んでくれた。
欲しいものはあまりなかったけれど、でも必要なものが出来たら、少し言えばすぐに買って貰えた。
不満だと言えば、間違いなく贅沢といわれる程に満たされている日々。

―――いや、満たされてなどいなかった。
好きだった少年と会えなくなり、その代わりに夢の中で少年とデートしたり遊んだりして、ただ少年の夢さえも見なくなって。
忘れた頃に、偶然、本当に偶然再会した少年は、自分が思いもしない程の苦境にありながらも、高潔なまでの夢を持っていた。

――ファーストキスのこと、覚えてる?
――へぇ、忘れたんだ?
――じゃあ、これが秋晴くんのファーストキスです。私のファーストキスでもあるんですけど。

幼い頃に一度しただけのキスの記憶が、忘れかけていた彼への想いを蘇らせる切っ掛けとなって。

――初めて、なんだから。
――優しくしてよ?ゆっくり、優しく。
――あ・・はぁっ・・これで、私は、秋晴くんのものになっちゃったんだ・・・♪

ロストヴァージンは、二人きりのデートの帰りに。

――え・・・?これって・・
――結婚してくれ・・・って・・
――嫌なわけ、ないわよ・・・バカ・・

渡された指輪は、かなりの安物だった―――それでも、朋美にはこの世の全てを足しても足りない宝物になった。
741捏造ED・朋美変:2010/04/19(月) 19:42:43 ID:JVmfnulN
その宝物の指輪を左手の薬指にはめ、朋美は小さな涙の粒を溢す。
思えば色々あった――喧嘩も数え切れないぐらいしたし、一度だけだが喧嘩したときに遠くに旅に出たりもした。
それでも、自分は秋晴の元に戻った。
彼が謝ったとかじゃあない。
悪いのは、自分の嫉妬心だから。

――ごめんね、秋晴。私、嫉妬ばかりしてるよね?

答えはいつも優しいキスと、朝まで終わらぬ優しい性交。
こんもりと膨らんだ腹部には、彼との愛の結晶が二人も入っている。

「朋美、用意はいいか?」

ドアの隙間から、最愛の人の声が届く。

「ねぇ秋晴くん、少し来てください」

昔のように、彼を呼ぶ。
幾らか悩んだ後、秋晴はおずおずと部屋に入り、朋美のほうに歩いてきた。

「どうした?なんか問題があるか?」
「はい、大問題です」
「え?」
「秋晴くん、私にキスしてください」

朋美が甘えた声でねだると、秋晴は朋美の頬に手を当て、優しく口づけしてくれる。
唇が触れ合い、朋美が舌を使って秋晴の口内を犯すと、今度は秋晴が朋美の舌に自分の舌を絡めてくれる。
唾液と唾液が混じり、甘い甘いジュースになったものを、朋美は飲み下す。

「これで、頑張れる」
「・・あぁ、そうだな」

秋晴が、膨らんだ朋美の腹を優しく撫でると、朋美は嬉しそうに微笑む。
こんなボテ腹で結婚式をしようなんて、自分は気が狂ったのかと、最初はそう思ったけれど。
ボテ腹で結婚式だからこそ、意味があるのだ。
秋晴と自分が、もうこういう関係なのだとライバル達に知らしめる意味が。

「そろそろ始まるし、俺は行くぞ」

秋晴の言葉に首肯を返し、朋美は大きく微笑んだ。
間も無く始まる、自分と秋晴の結婚式。
そしてこれから始まる、秋晴との日々。
幸せな日々を送ることを朋美に予感させるそれは、紛れもなく直感。
ただ、この直感に間違いはないと、朋美の頭が告げている。

――幸せにしてくださいね、秋晴くん?

朋美の予感が実現するのかは、これからの二人次第だった。
が、その予感は、この世界の何より正しいのだと、朋美と秋晴はそう信じていた。
742名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 19:43:43 ID:JVmfnulN
割かし普通。
在り来たりですみませんです。
743名無しさん@ピンキー:2010/04/19(月) 19:51:09 ID:hEPTlHHP
>>737
需要あるの?
744名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 17:13:09 ID:eC6lKvyx
>>738
GJ!

>>743
需要あるよ!
745名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 21:49:54 ID:r9rz2WLR
おっzaq解除されてる

髭清氏、早くきてくれー(AAry
746名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 22:06:37 ID:AdSaJx6y
>>742
GJ。
幸せでいい感じ。朋美は人気無いみたいだけど俺は好きだぜ。
どうでもいいけどボテ腹って表現に笑ってしまったw朋美なら言いそうだけど。
747名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 22:12:46 ID:AWeQi7su
人気無いとか言うな
748名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 22:27:53 ID:ppJizaxr
正確に言うと2ちゃんによく来るようなオタには、って感じだろうな
ああいう妙に生々しさを感じさせる女には大抵がいい思い出持ってない反動なんだろうけど
749名無しさん@ピンキー:2010/04/20(火) 23:55:18 ID:Gq1n4h1V
朋美は黒いけど、フェアだから俺は好きだぜ。
ただちょっと他キャラに比べると地味か・・・?
750名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 00:11:28 ID:OSOiawWZ
腹黒な所を除くと以外と特徴が少ないんだよなあ。
美人で優等生というくらいで
751名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 00:15:59 ID:WlO8UhCz
一応幼馴染みって接点はあるけど、胸のサイズも80って中途半端だからなぁ
みみなやピナみたいにつるんぺたんだったり、深閑や四季鏡みたいにばいんばいんだったらまだ印象もあるんだが

むしろ鳳が秋晴と昔どんな接点があったのかが気になる。
私的には幼い頃に家族と日本に来た鳳が一人で迷ってしまったのを、幼い頃の秋晴に助けられて、それが鳳の初恋で、そのまま初恋の相手を想い続けてるとか、幼い頃の秋晴との別れに際して「おおきくなったら結婚しようね」って約束してたりとか
752名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 00:34:14 ID:R2Ob3MLZ
朋美はそういう意味で明治にとって一種の基準というかニュートラルに近いんだよな
こういうハーレムエロゲだと100cmおっぱいとか絶壁とか妹とか先輩とか高飛車みたいにパッと見で目立つ属性があるキャラのほうが特定のファンがつきやすい
753名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 00:54:42 ID:WlO8UhCz
>>752
まぁ幼馴染みってだけで十二分にヒロインとしての強みはあるんだけどね。
朋美はどちらかと言えば、東鳩2のタマ姉に似てるかな、タイプ的には。

754名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 06:13:50 ID:EnV/RT2Q
>>753
タマ姉はどちらかといえば白よりだと思う。
再会型幼馴染で主人公より立場が上・高性能・空回りしがちとか共通点はあるが今まで腹黒さんに似てると思ったことはないな。
二人ともダブルヒロインの片割れといってもいいだろうが、
・腹黒さん:扱い的には第一のヒロインだが人気はない(らしい)
・タマ姉:第一のヒロインではないが人気は高い
・・・黒すぎると一般受けしにくいだろうけど、腹黒さんは黒いからこそだし難しいな。
755名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 07:33:21 ID:WlO8UhCz
>>754
後、忘れられがちだが主人公に何らかのことをした結果、後々忘れられないトラウマ的なものを植え付けてるな。

セルニアさん家のメイドさんをヒロインにしたくなってきた
理由はない
756名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 11:49:20 ID:R2Ob3MLZ
世話焼きとお姉さんでは似てはいても大きな差があるからね
単純にまだ明治に対して自分がどうするかを決めかねているからタマ姉にある恋する乙女成分がほとんど見受けられないのも大きい気が
757名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 13:42:18 ID:WlO8UhCz
まぁちょい似てるかなって思ったぐらいなだけだから、気にしないで貰えると助かる
758名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 22:13:27 ID:EnV/RT2Q
逆に、腹黒さんがタマ姉みたいに最初から秋晴への想いを自覚していてその成就のために策を巡らすキャラだったら、
よほどのうっかりかへたれでもないかぎり他のヒロインが付け入る隙が無くなる気がする。タマ姉は参戦遅くしてバランスとってたな。
メインヒロインの独走を許さないキャラづくりのバランスは、メインばっか優遇して他のヒロインのファン涙目なラノベにも分けてあげて欲しいところだ。
759名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 12:09:21 ID:iD4PY2gE
>>755
アンナはぽっと出の割にインパクトあったよなー
760名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 23:23:59 ID:0fpMpXMB
俺的にはセルニア父のほうがインバクトあったな
761名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 00:07:53 ID:C+ziOzzE
セルニア父と朋美父はインパクト強すぎるわ。


美佳子さんとラブコメするやつ書いてたら、少しだけ鬱になった
762名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 16:19:27 ID:FvYlwhQT
朋美の叔父(オリキャラ)が朋美にえっちぃ乱暴してて
朋美はそれを断れなくて、なぜか大地に八つ当たり
みたいなss書いてるんだけど

どうしてもオリ設定、キャラ&百合っぽいの

が必要になってくるんだけれども、これについてこの掲示板の
許容範囲はどの程度なのか教えてほしいです。

一応カプはノーマル(彩京、大地→秋春)なわけなんだが
763名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 16:57:52 ID:GzP/YOpf
世界観残ってればおkなんじゃね
764名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 18:53:21 ID:oGURKr+u
ただ、そういうのを嫌う人もいるから、最初に注意とNG用に何か用意しておくといい
765名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 21:09:16 ID:dF8g5KD4
投下前に属性言ってトリつけてくれればなんでもいいよ
766名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 23:41:22 ID:MCR5LbnI
注意書きさえあればいいよ
767名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 23:47:48 ID:wQ/0Lyst
面白けりゃなんでもいいよ
768名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 02:25:10 ID:c3lFpM23
762ですありがとう。とりあえず前書きは理解 。おもしろければとか真理すぎてワロタ

あと767の言ってるトリってなんのことで?
769名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 02:28:25 ID:c3lFpM23
あ ↑765です
770 ◆kR9lpurGm. :2010/04/26(月) 03:53:57 ID:DCdQZxbW
>>769
トリップのこと。
名前欄で名前の後に"#"を入力したあと適当な文字列なりパスワードなりをいれて書き込むと暗号化された文字列が出る。
パスワードが同じなら毎回同じトリップになるので、職人さんやコテの本人証明に使われたりする。
上は名前欄に「#7777」と入れた場合。
771名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 23:32:08 ID:OPGaPUPC
本人確認というかNG用だろうね
772名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 15:41:01 ID:q5ChBrXu
保管庫入れた後引き取るときに必要
特にアレげなのがよく沸くスレだと
773名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 15:45:22 ID:XYyGb/yX
ここは、あんまりアレな人は沸かないけど、やはりトリップは
付けてくれた方が分かり易くて良い。
てか、本スレもこのところ平和だが、いつもの奴も規制されてるのか
774名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 18:27:06 ID:dyDGnc6Q
>>773
いつものやつ?
775伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:18:59 ID:VCxDfd8O
『AWE OF SHE』

 甘い薫り、大気を伝わる体温、浅く荒い吐息。
 潤んだ瞳、薔薇色に染まる頬、半開きの口唇。
 薄闇の中に浮かぶ艶姿。虚ろに揺らめく視線が微かに絡む。
 居心地の悪い照れくささから思わず視線を逸らし、虚空をさ迷う。それでも重ねられた手は離さずに。
「…………」
 端的に言ってこっ恥ずかしい。
 なんだこれは、なんなんだこれは。
 日野秋晴にとってこんな体験は初めてだった。
 間接照明だけが灯された部屋。しかもそれが女子の部屋と来ている。挙げ句、部屋の主と向かいあって密着距離でベッドに座っている。妙な緊張感と親密さの折り混ざった複雑な雰囲気から、秋晴は微動だに出来ずにいた。
 まるで恋人のように。
 まるで秘事のように。
 二人は掌を重ね、互いの体温が感じられるような距離で相対している。
 ましてその相手が、あの――彩京朋美なのだ。
 まるで初夜を過ごす彼氏彼女だ。
 いや、あながち間違いでもないのだろうか。彼氏彼女では――ないけれど。
 付き合う訳じゃない。気の置けない友人同士のじゃれあい、その延長だ。
 その、はずだ。
「秋晴……」
「お、おう」
 朋美が秋晴を見つめる。気圧されて仰け反りそうになるのをなんとか堪えて秋晴は応えた。
 真っ直ぐに視線がぶつかる。互いの瞳に映る真意を図るように二人は見つめ合う。
 きゅっと、朋美の手が秋晴の掌を掴む。縋るような、それでいて躊躇うような。そんな力加減。
 朋美がゆっくりと身を寄せる。鼻先、いくらか見下ろすような位置まで朋美の顔が近付く。
 熱の篭もった吐息が秋晴の顎を掠め、総毛立たせた。
 痺れたような思考。目の前の見慣れた少女を掻き抱きたくなる衝動をなんとか抑える。
 しかしそれはあっけなく揺さぶられた。上目遣いで放った朋美の、たった一言で。

「ちゅー、して?」

 † † †

 ――遡ること約半日。
 最早、秋晴にとって恒常業務の一部となりつつあるVSセルニア戦が今日もセルニアが登校してすぐの早朝から(秋晴の意志に反して)勃発した。
「何をいやらしい目で見ていますの?」
 本当に、本当にたまたま目を向けた先が丁度教室に入ってきたセルニアの胸元だったと言うだけじゃこの掘削機は黙っちゃくれないんだろうなぁ。
 というかチラ見しただけなのにあっさり気付く辺りこいつもどういう勘の良さをしてるんだか。
776伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:20:09 ID:VCxDfd8O
 さて、どう反応したものやら。しばし思考を巡らせシミュレートしてみる。
 別に見ちゃいない。→「しらばっくれるなんて本当に下衆ですわね!」
 お前をいやらしい目で見るわけない。→「私に魅力がないとでも言うつもりですの!?」
 胸じゃなくドリルを見ていたんだ。→「私をバカにしていますの!?」
 うん。分かっちゃいたんだがいつも通り八方塞がりっぽい。
「あ〜そのなんだ」
「なんですの? 言い訳なら聞きますますわよ。聞くだけですけど」
 ……素直に謝ろうかとも思ったが、その意欲を持って行かれてしまった。なんでこいつは朝からこうまでしてキレられるんだ?
 願わくば、その余りあるエネルギーを分けて欲しいとすら思う。
「どうしましたの秋晴? それとも自らの変態性を認める気にでもなりましたの?
 良いですわよ。それならば然るべき国家権力に通報の上フレイムハート家の誇りにかけて二重に社会的抹殺をしてあげますわ」
 ……なんっでこんなにコイツはキレてんだろうなぁ!? 俺のことがそんなに気に入らないか!?
 流石に秋晴の方も怒りの感情を高ぶりを自覚し始めた時、不意に二人の会話に乱入する者が現れた。
「そこまでですよセルニアさん」
「……っ! 彩京さん……!」
「あんまり秋晴くんを虐めないであげて下さい。可哀想じゃないですか」
「貴女はこの性犯罪者を庇い立てする気ですの?」
「話が一方的だと言ってるんです。たまたま視線がそこに向いただけという可能性だってない訳ではないと思いますが?」
 そこまで言って朋美は苦笑を浮かべる。
「だってほら、セルニアさんのは……目立ちますから」
 なんてタマだ。と秋晴は内心驚嘆する。
 それこそ自分のような男子が言ったら間違いなくセクハラに該当するような事をしれっと言ったのだ。
「それともセルニアさんは自らの身体を恥じていらっしゃるんですか?」
「何をバカな! 私、セルニア・伊織・フレイムハートに恥じる部分など髪の毛一本からつま先の爪まで一つとしてありませんわ!」
「でしたら多少、視線を浴びるくらいは許してあげるのも女の度量だと思いますよ?」
「……っ!」
 言葉に詰まるセルニアを見て、秋晴は上手くはぐらかしたなと朋美を見る。
 そうとは気付かれない内に秋晴が故意に、劣情があって見たのかという問題からセルニアの度量という問題にすり替えた。
 人一倍プライドが高いセルニアの性格を上手く使った誘導だった。
777伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:21:21 ID:VCxDfd8O
 まして頭に血が昇ったセルニアはその事に気付いていない。
「というわけで今回の所は許してあげませんか?」
「〜〜っ! ふんっ!!」
 ぐるりと踵を返し、セルニアが自分の席へと向かっていく背中を見ながら、秋晴はそっと朋美に耳打ちをする。
「何が目的だ」
「どういう事かしら?」
「お前が何の対価もなく俺を助けるとは思えないんだよ」
「ふ〜ん……残念。今回は正真正銘の良心からくるボランティアよ」
「は?」
「セルニアさんも女の子だからね、イラつく日があるのは分かるんだけど、余りにも見てられなかったから」
「イラつく……日?」
「秋晴、言っておくけど、それ以上は本当にセクハラよ?」
 じとりと睨まれてようやく秋晴も朋美の言わんとする事を理解した。
「あ〜……すまん」
 流石にこれは反省すべきだった。
「わかれば良いのよ」
「で、だ。やっぱりだな、助けられて終わりってのも俺が落ち着かないんだ。なんかして欲しい事とかないか?」
「あら、殊勝な心がけね? じゃあ卒業まで使いっ走りにさせて貰おうかな?」
「な、おま……」
 無茶な要求に狼狽える秋晴を見て、朋美が悪戯げに笑う。
「ふふっ、冗談よ。さっきも言ったけどボランティアのつもりだったんだから。でもそうね。せっかくだから後で愚痴聞きでもして貰おうかな?」
「愚痴聞き?」
「そう。あんたならわかるでしょ? 私が普段どれだけ猫被って我慢してるか」
「そりゃまあ……」
 そのストレスの捌け口にいびられる身としては堪ったものではないが。
「不安そうにしないの。本当に愚痴聞いて貰うだけよ。何もサンドバッグにしようって訳じゃないんだから」
「まあ、そういう事なら良いんだけどよ。じゃあどうする? 明日は休みだしどこかに出掛けるか?」
 そこで朋美は少し考える素振りを見せて答えた。
「そうね……いや、別に出掛けるのも悪くはないけどどこで誰に見られるか分からないわ」
「まあ外出するのが俺らだけって訳でもないだろうけどよ。でもどうすんだよ? 白麗陵の方がよっぽど見られる心配が多いだろ」
「そうでもないわ。多少のリスクがあるけど一カ所だけ他人の目を気にしなくて良い場所があるもの」
「そんなとこ一体どこにあるんだよ? 人目が付かないなんてそれこそ個室がある上育科の寮くら……い……の」
 まさか、と秋晴は息を呑む。
「そう。私の部屋なら人目の心配ないわ」

 † † †

 そして夜である。
778伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:22:24 ID:VCxDfd8O
 当然、正面きって寮に入ろうものなら即座に門前払いが関の山だろう。
 ならば忍び込むしかないが、こちらの場合は見付かれば更にヤバい。痴漢扱いされてご用となることだって考えられる。
 深閑に説教されるくらいならまだしも場合によっては退学、最悪警察に引き渡される恐れすらある。
 今更になって他にやりようがあったのではないかと後悔するが時既に遅し。
 今や寮の玄関から朋美の部屋まで半分を超過する行程を消化してしまっていた。
 こうなれば進んだ方がリスクは少ない。帰りは皆が寝静まった頃を狙えばその際のリスクはぐっと低くなる。
 ……行くしかない。
 覚悟を決めて踏み出す。残るは階段を一階分と朋美の部屋までの直線。
 階段を一気に駆け昇る。階上に辿り着いた所で壁に張り付いて廊下の向こうの様子を伺う。
「……ちっ」
 人影が二つ。その二つは話をしながらこちらに近付いてくる。そのままどこかの部屋に入ってしまえば良いが、このままこちらに来るようでは非常にまずい。
 じり、と後退る。
 声は徐々に近付いてくる。どうもこのまま階段まで来るようだ。
 どうする? 引き返すか? 考える暇はない。ここに居ても見付かるだけだ。
 後退を決意した秋晴だったが、その決意はあっさりと絶望に変えられる。
 かつ、かつ、かつ。階下から響く足音に自らが青ざめていくのを感じる。
 万事休すか。思わず頂垂れて瞼を閉じる。
 まるでギロチンの刃を待つ死刑囚のような心持ちだった。
 近いのは階段の足音。それが近付いてくる度脈拍が激しさを増していく。
 足音がすぐ傍で止まり、肩に手が置かれる。
 ――終わった。ゲームオーバーだ。もう助からない。
「何してるのよ秋晴」
「ぅおわっ!?」
(ばかっ! しーっ!)
 口を掌で抑えられ、声を制される。
 見れば口元に指を当てて「静かに」のジェスチャーをしている朋美が居た。
「あら? 今の声は……」
「男の方だったような気が……」
 角の向こうから訝しむ声がする。
(もう……こっち来て!)
(お、おう)
 手を引かれ階段を駆け降りる。降りきった所で壁に張り付き、朋美がざっと廊下を確認すると、再び手を引かれる。
(ここに隠れて!)
(なっ!?)
 背中から押し込まれたのは階段下に設置してある掃除ロッカーだった。基本的に業者が清掃を行うのだが、一応の備品として掃除用具は揃っている。
779伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:23:30 ID:VCxDfd8O
 お陰で箒やらモップやらをしこたまぶつけたがなんとか悲鳴はこらえた。
「あ、彩京さん」
「どうも、ご機嫌よう」
 ロッカーの扉越し、階段を降りてきたのであろう上育科生と猫を被った朋美の会話が漏れ聞こえてくる。
「今、殿方の声がしたような気がするんですけど」
「そうなんですか?」
「ええ、一瞬なので確かな事は言えないんですが」
 上育科生の言葉に、朋美は考えるように間を置いてから答えた。
「寮生のどなたかが男の子でも連れ込んでいるのかも知れませんね?」
「まさか、そんな上育科生はいませんよ」
「ええ、そうですね。ですからきっと気のせいですよ」
「そうなのかしら?」
「ええ」
 それから二、三言交わしてから二人の上育科生が立ち去っていく足音が聞こえてきた。
 それでも尚、息を殺しているとロッカーの扉が外から開いた。
「もういいわよ」
 促されてロッカーから出る。
「悪いな」
「いいわ、こんなリスキーな事言い出したのは私だし。貸し借りはなしにしてあげる」
 その言葉については秋晴も異論なく承諾する。
「しかし、よくもまあ堂々とシラが切れるもんだな」
「堂々としてなきゃ切れるシラも切れないわよ。そんな事より早く行きましょう。また誰か来るかも知れないんだから」
「おう」
 そのまま朋美の先導に従い歩き始める。幸いそこからは誰かに脅かされる事無く部屋まで辿り着くことが出来た。
「寿命が縮まるぞ、まったく……」
 中に入り、扉が閉まった所で秋晴は堪えていたものを全て吐き出すように盛大な溜め息を漏らした。
「何事もなくて良かったじゃない。ちょっと待ってね。飲み物出すから」
 そう言って備え付けてある冷蔵庫まで歩いて行く朋美の後ろを追うように部屋の中を進む。
 見慣れぬ女子の部屋だと思うとどうにも居心地が悪いような気もして、秋晴は妙にそわそわしてしまう。
「まあ座ったら?」
 言われ、部屋の中央に置かれた小さな応接セットの椅子に腰掛ける。
 テーブルに置かれたのはグラスに注がれたコーラだった。
「紅茶とかじゃないんだな」
「そりゃあこれから盛大に愚痴を吐こうってのに紅茶もないんじゃない? それに私は部屋に居るときはこういう飲み物の方が多いわよ?」
 そう言って朋美自身も椅子に腰掛ける。
780伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:24:31 ID:VCxDfd8O
「部屋に一人で居るとき位は好きなものを楽しみたいじゃない? 校舎内だとどうしてもお茶とかばかりになっちゃうから、ね?
 美味しいんだけど、そればっかりだとやっぱり味気ないし」
 既に愚痴吐きは始まっているらしく、朋美は饒舌に話し始めた。
 それに耳を傾け、時折返答を返す。
 同意をしてやったりすると、意外な程嬉しそうに「そうでしょ?」と返して来て、本当に感情を共有できる相手がいないのだと思わされる。
 堅苦しい暮らし。演じなければならない優等生。成績を保つ為の労力。
 孤独なのだと思った。辛いのだろうとも思う。
 性悪な部分。腹黒い部分もあるにせよ、それを投げ出さずひたむきに耐える朋美を秋晴は単純にすごい、と思った。
 ――いや、今更か。
 それらを常に完璧にこなしたからこそ、人望を集め、トップの成績を出し続けているのだ。
 でもそれは――。

 寂しいんじゃなかろうか?

 本当の自分を誰にも見せずに、優等生の仮面を被り、偽りの自分という殻に閉じこもっている。
 だとしたら、唯一素の顔を見せることが出来る自分は、朋美にとっての救いなのではないだろうか?
 愚痴を聞いて欲しいというのも、本心からの願いなのではないだろうか?
「朋美」
「それで――え? なに?」
「お前って凄いよな」
「な、なによ藪から棒に」
「いや、改めてそう思ってさ。辛いのによく頑張ってんなって」
「そ、そう……」
 急に沈黙が降りてきてしまって焦る。
(な、なんか変な事言ったか? 俺)
 気まずさが徐々に重みを増そうとするのを遮ったのは朋美の方だった。
「朝のさ」
「え?」
「朝のアレって実際どうだったの?」
「アレ?」
「だから、セルニアさんの胸。本当はどうだったの?」
「んなっ!? た、たまたまだ! たまたま!」
「でも、興味はあるんじゃない?」
「いや……う……」
 強く否定する事もし難く、言葉に詰まる秋晴に、朋美は意外な程無邪気な笑いを向けた。
「良いのよ。別に責めてるんじゃないわ。普段こういう下世話な話も出来ないから、なんとなくね」
「そうか……」
「で、どうなの?」
「ない……とは言えねえよ流石に。男の性だな」
「あはは、オトコの子って感じね」
 なんとなくバカにされたような気がするが、必死になって反論するのもみっともないような気がして、秋晴は黙り込んでしまう。
「ま、私もね……男の子についてとか、興味あるけど話せないから……」
781伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:26:32 ID:VCxDfd8O
「興味って……」
「バカね。恋愛とかの話よ」
「う、悪い」
「その……“そういうの”も興味ないわけじゃないんだけど……」
 少しだけ顔を赤らめて朋美がぽつりと呟く。
「え……っ」
「な、なに言ってるんだろ私」
 急に恥ずかしくなったのか椅子から立ち上がると、そのままベッドまで歩いてうつ伏せに身を投げる。
 秋晴から見えないようにシーツに埋めた顔を僅かに向けて、朋美が零す。
「…………試してみる?」
「……何をだよ?」
「秋晴は女の子に興味がある、私も男の子に興味がある。だけどお互いに何も知らない。だから試してみようかなって」
「……だから、試すって何を」
「恋人ごっこ……かな?」
 心臓が早鐘のように鳴る。今目の前の少女が何を言っているのか、にわかに理解出来なくなる。
「イヤ……かな」
 嫌ではない。単純な見た目の話をすれば整った顔立ちをしているし、十分に魅力的な存在だ。
 性格も、確かに腹黒さや人にトラウマを植え付けた挙げ句ほじくり返すような所はあれど、結局の所は嫌いになれないのだ。
 でなければ何故、今まで友人付き合いを続けて来たのか。
 つまるところ、日野秋晴は彩京朋美という存在を嫌いになれない。あまつさえ、好意とも呼べる感情を持っているのだ。
「いやじゃ……ない」
「じゃあさ」
 言って朋美が身を起こし、ベッド上にぺたんと座る。
「こっち来てよ」
 誘われるまま、フラフラと立ち上がりベッドに近付く。
「ちょっと待って」
 朋美が枕元にあったリモコンを手に取る。照明用のものだったらしく、操作に応じて室内が薄暗くなっていく。
「少しは雰囲気出るかな?」
 照れたように言って、朋美は自分の正面を掌で軽く叩いた。
「座ってよ」
 心臓が早鐘のように鳴るのを聴きながら、秋晴はベッドへと上がる。僅かに軋んだベッドの音が、二人分の体重を主張するように鳴る。
 静かに伸びて来た手が、そっと重ねられる。それに伴って互いの距離が近付く。
「あくまで恋人ごっこ……だからね」
 確かめるような朋美の声を、秋晴はどこか遠くの事のように聞いていた。
 そうして――。
「秋晴……」
「お、おう」
「ちゅー、して?」
 話は冒頭に戻るのだった。

782名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 23:28:01 ID:XYyGb/yX
おお、腹黒さんなのに萌えるww
続き、正座して待ってるよ
783伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/04/27(火) 23:28:50 ID:VCxDfd8O
以上、秋晴×朋美でAWE OF SHEでした。
もっと短かめでイチャイチャした話にするつもりがシリアス度増して続き物になりました。
本番は次になります。ではでは。
784名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 23:35:31 ID:K1sVxORL
まさかのリアルタイム

続きにやにやして待ってます
785名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 23:36:10 ID:q5ChBrXu
朋美がやるならこんな感じっぽいなーと思いつつ続きを全裸待機
786名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 13:13:05 ID:KPGr3/3U
伊南屋さん久しぶりGJ!
787名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 18:39:06 ID:r2N0yNz5
伊南屋さんの朋美待ってました!!!
GJです!!!
788名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 21:32:59 ID:rIwg5gIo
久々の朋美
GJです
789名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 19:05:31 ID:CM7rZq2Q
GJ!!
790名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 19:06:00 ID:CM7rZq2Q
sage忘れ
791名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 23:13:36 ID:YKTM0NNY
これでエロシーンまでいけばようやく、朋美は初HSSかw
792名無しさん@ピンキー:2010/05/03(月) 00:01:11 ID:5fyOQOcc
GJです
793名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 11:57:55 ID:wlDLPm8b
萌王で簡易カレンダーみたいなのがあったが大地結構顔出してるんだよな
794名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 15:37:59 ID:lDeFzVaG
アニメ終了後、原作全巻読んで漸くここにたどり着いたが、最高だな。
特に伊南屋氏の大地モノと髭右近氏の四季鏡モノは最高すぎる。
795名無しさん@ピンキー:2010/05/04(火) 19:33:22 ID:2EneFhJL
髭右近氏には是非、四季鏡続編や別の話、もしくは他のルートを書いて欲しい。
796名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 18:44:32 ID:A5kPLfph
また新作あがってる!
GJです
797伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:25:05 ID:DSonOKCy
『AWE OF SHE』

「ちゅー、して?」
 微かなその囁きはしかし、秋晴の脳を――思考を確かに揺さぶった。
 喉が鳴りそうになるのを堪えて、秋晴は朋美の唇へと、ゆっくり自らのそれを近付けていく。
 後数センチという距離になって、朋美の瞼が閉じられる。薄い瞼を縁取る睫の一本一本すら確認できるその距離は、秋晴の血圧を更に高める。
 掠める吐息の暖かさに、今度こそ秋晴の喉が鳴った。
 ひりつくほど渇いた喉を唾液が濡らす。それでもやはり喉は渇きを訴え続けた。
 不意に、重ねた掌を朋美が動かした。一瞬離れるのかと思い、追いすがりそうになった秋晴の手を再び朋美の手が捉える。今度は指を絡めて。
 重ねられた掌。その接触面がじっとりと汗ばむ。
 それでも離す事はせず、むしろ愛撫するように指を蠢かせ、すり合わせる。
 秋晴が恐る恐る力を込めれば、朋美が握り返し、密着してくる。
 求められている。その確信は秋晴の背中を押し、決心を促した。
 躊躇いが薄まり、思い切って唇を近付け、触れあわせる。
「ん……」
 重ねた唇の僅かな隙間から漏れる朋美の声と、ぷっくりとした柔らかさ、暖かさに秋晴の動悸が跳ね上がる。
 ばくばくと聞こえそうな程に激しく脈打つ心音を聴きながら、それすら気にならない程秋晴は重ねた唇に意識を集中させていた。
 自然な衝動として、ほぼ無意識の内により、強く唇を押し付ける。不慣れな秋晴のその動作は互いの歯の衝突を引き起こした。
 かちり、と歯がぶつかって軽い衝撃が互いを襲う。
「……へたくそ」
「悪い……」
 謝る秋晴に対して朋美が取った行動は笑いを零すというものだった。
「嘘よ。これで慣れてたら本当に怒ってたけどね」
 くすくすと笑う朋美に、秋晴の方も肩の力が抜ける。
 ひとしきり朋美が笑うと、再び手に力が込められた。
「もっと……して?」
 ぐ、と息を飲む。
 甘えるような声音、縋る視線、やわやわと絡ませた掌。
 まるで恋人にするような仕草だが、どこかぎこちなさもある。
(そりゃ、“ごっこ”だもんな)
 考えないようにして更に唇を重ねる。柔らかさを確かめるような慎重なキスはやがて、互いの柔らかさを求めるようなそれに変わっていく。
「んん……」
 時折漏れる声に、甘く痺れるような陶酔を感じながら無心に口付ける。
「ふ……は」
 ようやく秋晴が唇を離すと、今度は朋美の方からキスをしてきた。
798伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:26:27 ID:DSonOKCy
 互いに昴ぶりを隠せないまま、キスを繰り返していく。
「ん……、ん……」
 ちゅ、ちゅ。と啄むような口付けを交わしたかと思えば、唇を擦り付けるように押し付ける。
 ようやく、今度こそキスを止ませると荒い息を吐きながら朋美が俯いて囁いた。
「……どうだった?」
「ぅ……え?」
 余韻に惚けていたせいで気の抜けた返事をすると、朋美が幾分責めるような口調になる。
「だから、キス……してみて」
 上目遣いに恥ずかしげに問う朋美に少しだけ胸を高鳴らせながら秋晴も照れ混じりに正直な答えを口にする。
「あぁ……なんていうか……驚いた」
「驚いた?」
「いや、気持ちよくて……」
「……私も」
 顔を真っ赤にして背けながら、手はむしろ強く握って朋美が答える。
「ね、秋晴……」
「……なんだ?」
「ぎゅって……して?」
 朋美が絡めた手を解き、両腕を差し出すように広げる。胸が締め付けられるような感覚。
 そっと、身を寄せて包み込むように抱き締めてみる。
「ふあ……」
 吐息の漏らした吐息が首筋を撫で、ぞくりとする。
「なんかね?」
「おう」
「……ほっとする」
「……俺も」
 躊躇いがちなやりとりの間に、朋美の腕が秋晴の背に回される。
「……ん〜」
 やんわりと締め付けられ、体の密着度が高まった。
 朋美の女らしい柔らかさや匂いがより感じられるようになって、思わず秋晴も腕に力を込める。
「ん……っ」
「悪い、痛かったか?」
「ん〜ん、……もっと」
「お、おう」
 容易く潰れそうな柔らかさにおっかなびっくり抱き締める力をきつくする。
「これくらい……か?」
「ん……」
 はふ、と朋美が息を吐く。
「……なんかさっきから子供みたいだな」
 甘えた口調、態度からそんな事を零す。
「そうかな? ……そうかも」
 朋美はぼんやりと呟いて、それを恥じるでもなく更に要求を重ねた。
「もう一回、ちゅーして?」
 言葉にはせず、行動で応える。
「ん……っ」
 口付けをした瞬間、朋美の身体が微かに震えて硬直するが、すぐに積極的なキスと抱擁をしてくるようになった。
 重ねた唇と、寄せ合った身体。その柔らかさ、ぬくもりに否が応にも本能を刺激される。
 これ以上は理性が保たない。そう判断して秋晴は身体を離す。
「ぁ……」
 名残惜しげに漏れた声を黙殺して秋晴は告げた。
「ここら辺でよくないか?」
「どうして……?」
799伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:27:37 ID:DSonOKCy
「どうしてって……これ以上エスカレートするわけにもいかないだろ?」
「嫌なの?」
「……っ! 嫌じゃないから困るんだろうが!」
 思わず声を荒げて秋晴が答える。
「……悪い」
「…………」
 朋美がしばらく考える素振りを取る。
「う〜ん……。……えいっ」
「ぅのわっ!?」
 いきなり強く肩を押され後ろに倒れ込む。ベッドの柔らかさのおかげで痛みを感じる事はなかったが、面食らったお陰で思考も動作も停止した。
 その隙を突いて、秋晴の身体に朋美の身体がのし掛かった。
「……私もね? 嫌じゃないよ?」
「は……?」
 秋晴が何かを答えるより早く、唇が重ねられる。
「んむ!? ん……んん!」
 抵抗しようにも華奢な身体をどう扱ったものか考えあぐね手が出ない。
 そうこうする内に首に腕が回され、折り重なるように身体が密着していく。
 胸も腰も何から何まで当たっているというのに朋美は更に身体を触れあわせてくる。
 再び本能のぐらつきを感じる。危険だと思う間にも、身体は反応していく。
「やめ……ん、止めろって! んむぅ!?」
 抵抗を口にしても、その合間にキスを重ねられ上手く喋る事が出来ない。
 いよいよ下半身へと流れ込む血液の集中を止められなくなってくる。意志の力も限界が近い。
「ちょ……っ、これ……んぅ! 以上はっ……ん!」
「ん……いいから」
 何が、と問う前に秋晴は遂に自分の下半身が硬さを得た事を自覚した。
 羞恥が頭を染める。せめて気取られぬようにと身体を動かそうとして、しかしそれは朋美に機先を制された。
 ぐり、と半ば膨張した部位に、朋美の腰が押し付けられた。
 更にそれは断続的な動きとして秋晴を刺激し、より硬い吃立を促す。それに抗う事が出来る筈もなく硬さはどんどんと増していく。
「ぅくっ!」
 与えられる刺激に声を上げてしまう。それを見て朋美の口端が吊り上がり、嗜虐的な笑みを象った。
「ん……」
 首筋に朋美の唇が触れる。小刻みにキスを重ねられると、背筋がざわついて総毛立った。
「朋……美……」
 みるみるうちに最高潮まで膨らんでいく股関は、既にその存在を隠す事は出来ない程で、朋美の押し付けられる腰は迷いなく的確な動きになっていく。
「ぅく……っ!」
 痒痛にも似た快感が走り、声を漏らす秋晴を、朋美がじっと見る。
 どう動けば秋晴が感じるのかを一つ一つ探るようにしていく。
800伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:29:59 ID:DSonOKCy
 時折、思い出したようにキスをするが、その頻度が徐々に落ちていった。
 違和感を感じて朋美の表情を観察してみる。
「ん……ん……」
 微かに口から声を零しながら、その表情は陶然としていた。
 それは嗜虐の喜びだけでなく純粋な悦楽に濡れているように見えた。
 感じているのか。そう思うと朋美と目が合った。
「…………」
 声に出したかどうかすら曖昧に朋美が唇を動かす。
「え?」
「なんでもない」
 言って動きを再開する。触れ合った部分が熱いのは摩擦か体温か。判然としないそれをぼんやりと感じる。
「……したい?」
 唐突な問い掛けだったが、その意図はすぐに知れた。この状況だ、連想は一つしかない。
 意図は分かる。分かるからこそ答えられない。
「だんまり?」
 更に問う朋美を睨むようにして秋晴は沈黙を貫く。
「……意地っ張り」
 拗ねたように朋美が言って、動きを止ませる。
 身体が離れていくのに安堵したのも束の間、下半身に朋美の手が伸びてきた。
 手際良く動く朋美の手に、ろくな反応も出来ないままに下半身を晒す事になってしまう。
 秋晴が抗議しようと口を開こうとすると、朋美が狙い澄ましたかのように唇を奪う。
 驚いて硬直する間に、更に舌が滑り込んで来る。
 ぬるぬると口腔を這い回る肉の塊。柔らかいその感触と、自分の物ではない唾液の味。
 たっぷり秋晴の粘膜を蹂躙してから朋美が離れていく。二人の唇に掛かる透明な糸を驚愕と混乱を抱えたまま秋晴は見ていた。
「な……ん……」
 秋晴が言葉にならない疑問をぶつけても、朋美は何も答えない。代わりに朋美が剥き出しとなった下半身に跨るように腰を下ろす。
 違和感――いや、分かっている。
「お前……いつの間に!?」
 晒された下半身に触れたのは下着越しではない直接の粘膜。微かにぬかるんだそれが、音を立てて滑った。
「キスしてる間に」
 それだけ言って朋美が越しを揺り動かす。今度ははっきりと秋晴を擦り上げ、未知の感覚に腰が震えた。
 堅くなった幹を朋美の愛液が濡らす。濡れた箇所が空気に触れるとひんやりとして、まるで痺れたようだった。
「ん……」
 眉根を寄せながら、朋美が割れ目を押し付ける。一層ぬかるんだその部位は更に高く音を立てる。
「……っはぁ」
 熱の篭もった吐息が鼻先を掠める。ひくりと分身が疼いて、情動が沸き立つ。
 気が付けば秋晴は、自分からも動きを起こしていた。
801伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:31:02 ID:DSonOKCy
「んっ……ふ……はっ……ぁ」
 秋晴も、朋美も無心だった。触れ合った粘膜が卑猥な音を立てるのも構わず擦り付け合う。
 熱が高まるのを抑える事も出来ずに秋晴は快感を貪る。
 激しくなっていく動きに刺激は増す一方だったが、ある一点でそれが止まった。
「……入りそう」
 朋美が呟く。
 その言葉通り、大きく腰を引いた秋晴の切先は朋美の中心を捉え、身を埋没させようとしていた。
 潤んだ花弁から幹へ、雫が伝い落ちていく。
「秋晴……したい?」
「いいのか?」
「うん……」
 朋美の答えを聞いても躊躇いは消えなかった。
 それを察してか、先に動いたのは朋美だった。
「……っ」
 秋晴に朋美の体重がのし掛かる。腰を沈めようとしているが、抵抗と痛みからだろう。それはなかなか進まない。
 唇を噛んで受け入れる痛みに耐える朋美に胸が痛む。
「無理は……」
「無理じゃ、ないっ」
 更に腰が沈む。
 先端に感じる抵抗が更に増し、やがて肉を裂くような感覚に取って代わる。
「ぁく……っ!」
 不意に取っ掛かりが消えたかのようにすとんと朋美の腰が落ち、根元まで飲み込まれた。
「はい……った……」
 証拠とばかりにきつい締め付けが起こり、秋晴にも実感を与える。
 結合部からは血が滲むように流れ、純潔が散った事を示している。
「あきは……る……っ」
 目尻に雫を浮かべて見詰める朋美を見て胸が痛む。
 ――俺が……朋美の初めてを奪ってしまった。
 想いを確かめた訳ではない。
 付き合ってもいないのに、好き合ってもいないのに。
「朋美……」
 自分が萎えていくのが分かる。そっと朋美の体を押し退けようと肩に手をかける。
「嫌……だった?」
 朋美の声がそれを制する。
「……嫌なわけじゃない。けどよ、これで良いのか? 付き合ってる訳じゃないんだ。恋人ごっこ……なんだろ?」
「……っ」
 朋美が秋晴をきつく抱擁する。僅かに震えた体を抱き返そうとして、しかし躊躇いがそれを許さなかった。
「私は……好きなの」
「え?」
「好きなの……秋晴が。だけど、答えを聞くのが怖かった……。秋晴の心が誰を向いてるか分からなくて。
 だからこんな騙すみたいな事したの。もっと優しくして欲しいの。秋晴が欲しいの。秋晴に欲しいがってもらいたいの」
「朋美……」
802伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:31:54 ID:DSonOKCy
「だめ、なの? ならそう言って。謝るから……」
「……朋美っ!」
 あらんばかりの力で朋美を抱き締める。その事に躊躇いはもうなかった。
「俺は……嫌なんかじゃねえよ。お前は……、誰よりも頑張って、誰よりも我慢して、誰にも弱音吐かないで……。
 それだけだったらすごい奴で終わりだった。
 ……でも、俺に愚痴ってるお前見て、すごいけど普通の奴なんだなって思った。完璧なんかじゃない、普通に弱さも持った人間なんだって。
 支えたいって……思ったんだ」
 朋美の肩を支え、僅かに体を引き離して、じっと瞳を見詰めて秋晴は言う。
「支えさせてくれないか? お前を。ずっと誰かを支えたいって想ってた。その誰かが分からなかったけど、今は分かる」

「朋美。お前を支えたい」

 朋美の顔が、くしゃりと歪む。
「秋晴……ぅ……っ」
 嗚咽を遮るようにキスをする。優しさと慈しみを込めて。
「ん……ぅ、ん……ちゅ」
 愛おしい。愛おしい。愛おしい。
 心に溢れる想いを伝えるように、朋美の暖かさを求める。
「俺を、朋美のものにしてくれ」
「うん……っ、うんっ」
 萎えた自身はとうに硬さを取り戻していた。
 その幹をなぞるように、朋美の秘部がゆっくりと上下する。甘さと痺れのない交ぜになった快感が脳髄を刺激する。
 抜ける直前まで引き抜かれ、また最奥へと埋没していく。
 肉の滑る感覚。潤んだ柔肉に包まれ扱かれる官能。
 それは今まで感じたどんな快感よりも強く、秋晴を陶酔させる。
 たどたどしい抽挿は徐々に小慣れた動きになり、一層の心地よさを与える。
 幹を伝う鮮血すら潤滑液となって二人の結合を助ける。
「あき……はる」
「朋美……っ」
 互いの名前を呼ぶことすら心を昴ぶらせ、悦楽を呼び覚ます。
「痛く……ないか?」
「……ちょっと。でも、気持ち良いよ?」
「……そうか」
 強がりだとは分かっている。分かっていて敢えて指摘する事はしない。
 ただ少し優しく動く事を心掛ける。それだけで十分だ。
「んっ……! く……っ、ふぅ……っ!」
 熱に包まれ、愛液により滑らかな摩擦が繰り返される度に絶頂へとじりじり追いやられる。
 亀頭がざらついた粘膜を擦り上げると、秋晴の背筋に悪寒めいた快感が走り、朋美の方も内壁を収縮させる。
「そこ……いい……っ」
 無言で頷いて、そこに集中的に当たるようにしてやる。
803伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:33:02 ID:DSonOKCy
 効果は覿面で、朋美の声に甘さが混じり、繋がった部分は潤みを増した。
「ぁ……っ、あき……は、る……っ!」
 しがみつくようにして名前を呼ばれる。背に回した腕に力を込める事で応えやると、朋美の甘い嬌声が上がった。
「ん……っ、あっ! あ……はぁ……っ!」
 ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる結合部と、微かに涎で濡れた唇から零れる嬌声とで聴覚を刺激される。
 重ねた肌、触れた柔らかさ、朋美の匂い、蕩けた痴態。唇を重ねれば微かに甘くすら感じる唾液。
 五感全てが心地良かった。
 全身の器官が性感帯にでもなったかのように、あらゆる一つ一つが互いを絶頂へと追いやっていく。
 腰がぶるりと震えた。
「朋……美っ!」
「でる……? でちゃう?」
「あぁ……っ」
 答えた刹那、朋美の秘壺がぎゅっと締まる。そのまま出せと言わんばかりの動きに、また腰が震える。
「朋美……ヤバい……っ」
「うん……、うん……っ!」
 最奥を押し付けながら擦り付けられる。亀頭の先端がぐりぐりと押し潰され、射精感が限界に近付く。
「ちょ……このままじゃ……膣中にっ!」
「いい……から、いいから……出して」
「あ、あ、あぁぁっ」
 頭が真っ白に爆ぜる。次の一瞬には下半身が激しい脈動と共に精液を朋美の胎内に吐き出していた。
「は……はぁ、は……っ」
「んん……っ、く……ぅ」
 肺が酸素を求めて激しく喘ぐ。徐々に呼吸が落ち着いていくのを確かめてからようやく秋晴は朋美を見た。
 陶然と満たされた表情を浮かべる朋美に問いを投げ掛ける。
「良かったのかよ……膣中に出して……」
「……さぁ?」
「さぁ? っておい」
「支えてくれるんでしょ? それともこういうのは範疇外?」
「いや……そういうわけじゃないけど」
「……大丈夫な日よ」
「え……あ?」
「私がそこまで考えてないわけないじゃない」
 朋美がしたり顔で笑う。
「出来ちゃったらもったいないじゃない。秋晴と出来なくなっちゃうし」
 そこまで言うと今度は照れた様子で「ま……いずれは欲しいけど」と呟いた。
 秋晴はしばらく呆けていたが、すぐに苦笑を浮かべた。
「……ったく。まあそん時はそん時で責任とるつもりだから、引っ掛けみたいなのは無しにしてくれよ?」
「……うん。ありがと」
 お互いなんとなく可笑しいような、幸せなような空気に包まれて、笑みを浮かべる。
 ひとしきり笑うと、不意に朋美が照れながら言った。
804伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:34:16 ID:DSonOKCy
「その、さ。今日大丈夫な日だし。私も落ち着いたからさ……あの、したかったら……良いのよ?」
 言われて、秋晴は自分がまだ朋美から引き抜いておらず、しかも硬さを残したままだった事に気付いた。
「あ〜、じゃあ……いいか?」
「うん……」
 そっと朋美を抱き締めて、今度は自分が上になるように体を重ねる。
 そっと口付けて、秋晴は朋美を再び求めていった――。

 † † †

「痛ぇ……」
「私も……」
 昼も近い、遅い朝。目を覚ました二人に襲いかかったのは筋肉痛だった。
「やっぱり普段使わない筋肉使うんだな……内股が痛ぇ」
「そうね……私なんかまだ何か入ってる気がする。……嫌ではないんだけど」
 嫌ではないの一言に気恥ずかしさを覚えて、秋晴は赤面を誤魔化すように切り出した。
「あ〜……、そろそろ帰るわ」
「え? ゆっくりしてけば良いじゃない」
「いや、さっき見たら携帯に大地の着信が何件も……心配かけるのも悪いし帰るわ」
「そう……」
「……大地に、ってか周りには黙ってた方が良いか?」
「そうね……私も一応卒業までは優等生の仮面被らなきゃだし……あ〜〜っ!」
「ど、どうした!?」
「うっさい! 本当はもっと学校でもイチャイチャしたいのに我慢しなきゃいけないんだもん!」
「ばっ……馬鹿っ! そんなんこっちも……」
「う〜……っ」
 呻きを溜め息に変えて朋美が言う。
「でも我慢する。我慢するから秋晴」
「なんだ?」
「頑張れるようにちゅー」
「……分かったよ」
 全く仕方ないお嬢様だ、と秋晴は苦笑する。
 でも、頼って貰えたり、甘えられるのは悪くないとも思う。
 自分の存在で支えられる相手が居ることは嬉しい。
 だから秋晴はキスをする。

 愛しい、自分の敬う少女へと。

805伊南屋 ◆WsILX6i4pM :2010/05/16(日) 22:36:53 ID:DSonOKCy
毎度、伊南屋です。
というわけで『AWE OF SHE』でした。
予定よりシリアスになったな……と思っているのでもっとイチャラブした後日談でも書こうかしら。とか言って確約できないですけど。
ではではまたお会いしましょう。
以上、伊南屋でした。
806名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 23:04:21 ID:Jg2GAs44
>>805
807名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 00:05:07 ID:U6/ryTh6
流石のクオリティですね
なんだかんだでいい終わり方で良かったです
808名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 05:33:26 ID:Uxs5VKwx
>>805
乙です。
原作のイメージが全然崩れないのでとても読みやすかったです。
後日談も期待。
809名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 17:02:42 ID:QI5+K9cB
>>805
GJ!
後日談とか楽しみすぎる
810御秀堂 :2010/05/17(月) 17:03:24 ID:3oLeD2gV
811名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 19:58:36 ID:yGMkqepZ
>>805
うおおおおおGJ!

>もっとイチャラブした後日談でも書こうかしら
今からwktk
812名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 00:56:55 ID:r2oLNW8X
>>805

GJ
朋美が可愛い・・・・


暇つぶしに考えてたデレデレ深閑×優しい秋晴のやつを真剣に作ってみようかなぁ
813名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 13:14:39 ID:jhyx/M9X
>>812
期待して待ってるぜ
814名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 19:32:34 ID:OQ+5ulom
深閑先生期待
815名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 22:05:50 ID:UnnSG/F1
朋美とセルニアの二股ものってのは、
どうだろう
誰か、書いてくれないかな
816名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 09:10:42 ID:TUItgvcb
二股の後に両手に花エンドしか見えない。


そりゃそうと、深閑ネタを書くために深閑がメインに食い込む話を読み返したが、あのスペックでデレたらチート以外の何物でもないな
817名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 09:42:16 ID:3NAHZQ71
アイシェお嬢様と一緒になればハーレム公認で全指に花エンドが!

深閑√はもれなく付いてきそうなオマケな子がチート分相殺するんじゃね?
818名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 09:52:39 ID:TUItgvcb
>>817
つか深閑√のキーパーソンがダメ理事長くさいよな。


彩京母の単独ルートとかマジ欲しいな
819KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 17:57:06 ID:IwbDScWx
スレの流れを読まず初投稿。
SS自体初なので助言いただけると嬉しいです。
特に一回のどれくらい似たほうがいいとかあったらよろしくです。

注意書き的なもの?
秋晴×みみな
11巻直後くらい?
エロまでいってない
誤字脱字見直しましたがあったらすみません
820KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:00:15 ID:IwbDScWx
『Her wherever you like』

 暖かな日差しの差し込む午後のカフェテラス、日増しに気温が下がる中で今日は比較的に暖かい。
 今日みたいな日を小春日和と言うんだろうか。あと半月で今年も終わる。
 思い返せばいろんなことがあった。白麗陵に来たこと自体もそうだがそれ以上に白麗陵に来てからは毎日がお祭り騒ぎで楽しかった。もっとも再開した幼馴染や身の敵にされている金髪ドリルや様々な苦難や困難の阿鼻叫喚もなかったと言えば嘘になるが。
 それも最近は落ち着いてきて安定した平和とも言えなくもない日々を秋晴は送ることが出来てきた。
 しかし――
「…………今日も暇だ……」
 ――秋晴は誰も寄りつかない担当エリアでぼーっとしていた。
 誰も来ないとは言っても服や髪をビシッっとセットし、待っている姿勢も背筋を伸ばしている。誰がいつ来てもいいように。
 ただ実際は誰も来ないのが現実だ。日常茶飯事とさえ言える。編入して半年以上経って知り合いは増えたものの秋晴に付きまとうイメージは未だに最悪なものだった。
 普段ならば知り合いの誰か――特に最近はセルニアと朋美が競って訪れるのだがそれでも毎日ではないし、今日は互いに用事があるらしく誰も訪れず閑古鳥が鳴いている状態だ。
 毎度のことと覚悟はしているがやはり辛い。それにやはり知り合いではどうしたって奉仕活動の本懐よりも別の部分の方が大きくなってしまう。全く知らない相手とは言わなくてもあまり知らない相手を迎えたい。現状それは無理な話であるが。
 それでも一縷の望みと直立していると――

『――……生徒の呼び出しを行います。高等部一年従育科日野秋晴さん、すぐに理事長室まで来て下さい。繰り返します、生徒の呼び出しをします――』

 ――身に覚えの無い呼び出しがかかる。
 何かしただろうか?秋晴は記憶を辿るが心当たりはない。それに自分が奉仕活動の最中なのはあのパーフェクトな深閑ならば把握しているはずなので呼び出しを受ける事自体がおかしい。
 何か緊急事態でもあったのだろうか?時間を確認すると奉仕活動の終了時間はあと五分ほど。少し考えて――そのまま呼び出しに応じることにする。
 幸か不幸か誰にも給仕をしていないので片付けるものもない。残り時間はあと少しで誰も来る予定がないのだから早めに切り上げても問題はないだろう。
 秋晴は同じ従育科の生徒に先に抜けることだけを伝えて理事長室に向かった。


「――という訳で日野さんには数日間、桜沢さんのお手伝いをしてもらいます」
 理事長室で秋晴を待っていたのは部屋の主である天壌慈楓はおらず、呼び出した本人の深閑と予想外の人物――白麗陵で誰よりも年上で誰よりも年下な見た目で有名な桜沢みみな先輩だった。
「……いきなりだな」
「それは重々承知しております。しかし今回の限っては可及的速やかに事を運ばねばなりませんので」
 深閑の口調はいつも通りだがその中に少しだけ、本当に少しだけだが焦りのようなものを感じる。
 あの常に冷静で何事にも動じなであろう完璧超人が若干でも焦っている――これは相当な事態だと秋晴は判断する。
「…………嫌……だった、かな……?」
 状況を理解している秋晴が嫌がっていると思ったのだろう。いつものスケッチブックを持ったみみなが少し涙目になっていた。
「いや、そうじゃない。嫌じゃない。ただ、あんまりにも急過ぎて……個展ってその…何日、それどころか何カ月も前から準備するものだろ?だから不思議に思ってさ」
 焦って答えた秋晴の言葉にみみなは安心する。同時にみみなの機嫌が直ったことに秋晴は安心する。
「確かに本来はそうです。そうなのですが――今回は非常に特殊なケースと考えてください。それと個展というよりはレセプションに近いものなのです」
「まあ、そこら辺は別にいいんだけどさ…」
 その言い方はどうにもバツの悪そうで……今日の深閑は本当に珍しい、なんて不謹慎なことを秋晴は考えていた。
821KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:01:51 ID:IwbDScWx
 深閑の話を要約するとこうだった。
 一ヶ月後に白麗陵主催のパーティ、その筋の社会を主賓とした催しがある。その中に桜沢みみなの熱烈なファンも存在する。そして二ヶ月後に桜沢みみなの個展が開かれる事が決定していた。その流れでパーティの参加者が新作が見れるなら、と絡めてきたのだ。
 来月にはちょうどみみなの個展が開催される予定であり、期間的には余裕もあった。ずっと活動を休んでいたみみなも悪いと思ってかその件に了承、そこまではよかったのだが――
 いろいろあってパーティの日程がズレてしまったのだ。もちろんそれは誰の責任でもないし、誰もが期待していたみみなの新作が見れないと言うのは残念だが仕方ない、そう思っていたのだが――誰でもない桜沢みみながそれをよしとしなかったのだ。
 もちろん立派な油絵なんかは新作として出すことはできないが、今からでも見せれるものはある。無論それは描けばいいと言うわけではなくて完成された作品でなくてはいけない。
 白麗陵としてもみみなを利用するわけではないが本人の意思が元である。故に特例として授業休んでの作品制作の許可が出た。
 そしてその間の手伝いとして秋晴に白羽の矢が立ったのだった。
「期間としては今週末までを予定していますが、今週末まで必ずという限りではありません。桜沢さんの作品の目処がつき次第になります。その間日野さんにも授業を休んで頂く形になります」
「その間の授業はどうするんだ?」
「幸い今週から来週にかけての授業内容は今期の復習という形でしたので休んで頂いても支障はありません」
 深閑が緊急事態とはいえ授業を休むなどと言う許可を深閑が出したのはそういう理由か。
「それに従育科試験ではありませんがこういった事も必要な経験ですのである意味授業の一環とも言えます。ただ――当然強制ではありません」
 強制ではない。つまりは断ってもいいと言うことだ。断れると言うことだが――秋晴はチラリと小さなみみなの様子を窺ってから聞いた。
「仮に俺がいつもの授業に出たいですって言ったらどうなるんだ?誰かが替わりをするのか?」
 おそらく自分が呼ばれたのはみみなの指名なんだろう。絵を描くなんて神経を使う作業に全然知らない他人を同伴させるなんてできないだろうし、お世辞にもみみなは知り合いが多いとは言えない。
 その知り合いも考えてみれば朋美やピナや上育科が殆どのはずだ。従育科で知り合いとなると秋晴以外は四季鏡早苗くらいである。
「その場合は桜沢さん一人で行って頂く予定です」
 ああ、やっぱりそうなのか。秋晴は薄々感づいていた。もちろん四季鏡が役に立たないと思ったわけではない。
 もう一度、みみなの方を見る。顔を真っ赤にして真剣にこちらを見ている。耳まで真っ赤だ。その目は涙目で、手に持ったスケッチブックは力いっぱい握りしめられている。
 何もしていないのにこちらが悪物の気分になる。いや、何もしていないのが悪いんだろう。
 とりあえずこの視線には耐えられない。何というか本当は欲しいお菓子を無理やり我慢させられている子供みたいな、無言の訴え。みみなの外見でやられてしまうと反則である。
「どうしますか?日野さん」
「……キ、キミが嫌ならいいんだよ?……復習だって、大切だし……授業を休むのは、よくないことだと思うし……」
 ますますみみなの目が涙目になる。そして深閑の視線が痛い。いや、普段通りなのだがみみなを苛めている自分に対しての冷ややかな視線に感じられる。被害妄想だろう。
「…………まあ、断る理由なんてないんだけどな。俺でよければ手伝うぜ、先輩」
「本当っ!?」
 一瞬でみみなの目が輝く。さっきまでこの世の終わりみたいな目をしていたと言うのに。
「ああ、俺に力になれることなら何でも言ってくれ。よろしくな、先輩」

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

次の日、いくつかの画材を持った秋晴とみみなは白麗陵の敷地内を歩いていた。
 本来ならば授業が行われている時間なのでとても静かだった。
「結構重いんだな……」
「ゴ、ゴメンね……」
822KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:02:53 ID:IwbDScWx
「いや、先輩がいつもスケッチブックしか持ってなかった理由が分かった。絵描く人っていろいろ持ち歩いてるイメージだったからなんでだろうとは思ってたんだけどな」
 秋晴は手に持った、そして一部担いだ様々ん道具を見る。初めて見るものばかりで、授業でいろいろな知識の造詣を深めたつもりだったがまだまだ自分の知識は底の浅いものだと実感をする。
「にしてもいっぱい種類があるんだな。知らない世界だっとはいえ改めて驚いた」
「……まだ何描くか決まってないからいろいろあった方がいいかなって……ゴメンね」
「気にすんなって。その為に俺がいるんだからさ」
「う、うん…」
 本来ならばこの量の画材は必要ない。言ってしまえば秋晴は油絵や水彩画や他諸々の画材をまとめて持っているのだ。重いのは当然である。
 それを理解しているみみなは悪い気がするし、逆にどれを何に使うか分からない秋晴には「こんなにもいろいろ使うって大変だな」と思うだけであった。

「先輩は描くことだけ考えてくれればいいからさ。そっちは手伝えないしな」
「…ありがと」
「気にすんなよ。それに礼なら絵が完成する時まで取っといてくれよ」
「う、うん……わかった」
 元気のなかったみみなが笑顔になる。それを見て、
「やっと笑ってくれたな」
「え?」
 何のことだか分からずにきょとんとしたみみなとは対照的に秋晴の表情は一安心した顔になり――

「いや、朝からずっと元気なさそうな顔してたから気になっててな。やっぱ先輩は笑顔が一番だ」
 
 と何の気なしに言った。
 実際秋晴にはその言葉以上の意図はなかったし、その言葉以上の意味もなかった。しかしそれは聞く人が聞けば勘違いをする言葉だ。
「えぇっ…………またキミはっ……そういうことをいう…………」
 そしてみみなはその勘違いをする側の人間だった。
 顔はおろか耳まで真っ赤にして照れてしまった。元々達者でない口もいつもに増して重くなる。
 ここまで動揺してしまえば誰だって自分の発言を思い直し気付くのだ、気がきくのに抜けている、言ってしまえば朴念仁の秋晴にはそんな心配は無用だった。
「だって落ち込んでたり俺に気を使ってちゃいい作品なんてできないだろ?」
 重たいものを持っていた為にみみなの方を見ていなかったのも理由の一つではあるんだろう、秋晴はいたっていつも通りだった。
「…………そっち…………なんだ……」
 みみなは先程の動揺と違う方向で動揺した。もちろん秋晴の言葉は彼の本当の気持ちであって嘘ではないのだろう。
 だからこそ過剰反応してしまった自分が情けない。
「どうかしたのか?」
「な、なんでもないっ」
 なぜか落ち込んだり沈んだりといった方向の変化には敏感な秋晴はこういう時に厄介だ。
 女心を全く持って分かっていない。
「いや、でも何か、」
「なんでもないのっ!」
「……ス、スマン」
823KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:03:25 ID:IwbDScWx
 二人の間に微妙な空気が流れる。秋晴は原因が分からなくて、みみなは原因を分かってもらえなくて。秋晴がもう少し女心を理解すれば解決するのだが、それができればそもそもの行き違いは起こっていなかっただろう。
 ただ歩いていても仕方ない、空気に耐えきれずに話しだしたのは秋晴だった。
「あーっと…………ところで今日はどこか行く場所決めてるのか?」
「…………えっと……」
 またも動揺してしまうみみなに秋晴はなるべく口調がきつくならなように答えた。
「特にないのか。んじゃ天気もいいし少し歩くか」
「で、でも重くない?」
「そうでも無いぞ。この前授業で持ったベッドのが重かった」
「ベ、ベッド?」
「ああ、『他の使用人の手が塞がっている時に時に突然主人が模様替えをしたいと言った時』の為にベッドを運んだんだ」
「それは……すごい、ね……」
「そんなことを言い出す主人には仕えたくないってくらい重かったな」
「…………そうなんだ……」
 また少し落ち込んでしまったみみなの様子を気にしながら秋晴は考える。
 今日はどうやらいつにも増してみみなの感情の振れ幅が大きいようだ。この小さな先輩(と言うといつも決まって「また子供扱いしてっ!みみなはもう大人の女性なんだからねっ!」と全く説得力の無い言葉を言われる)は子供のようにコロコロと感情が変わる。
 子供のようにと言うと語弊があるが口に出さないだけで不満や喜怒哀楽を隠そうとしていて明らかに顔に出てしまう。少なくとも秋晴はそう思っていた。セルニア辺りも表情が分かりやすいがこの先輩の分かりやすさはまた違っている。
 そして今は不機嫌で元気がないダウナーモードだった。
 このままで絵を描くなんて上手くいくはずもなく、どうにかしようと秋晴が思いついたのは――我ながら名案だった。
「なあ先輩、何描くかって決めてないって言ってたよな?」
「うぅ〜……えっと…」
 みみなの反応は口籠り、目は泳ぎ、秋晴の顔を全く見ない。歩くスピードも遅くなり、何も決めてないのは明らかだ。それを隠せていないのも明らかで、むしろみみなが隠そうと言う気があるのか疑わしい反応だった。
 いつもならこのまま秋晴が有耶無耶にして話が流れるのだが、今回ばかりはそれはみみなの為にも自分の為にもならないと苦渋の決断をする。
「正直に言ってくれ、別に怒らないし急かしてる訳じゃないから」
「……うん、ホントはあんまりあてがないの……」
 あんまりと言うのもみみななりの気遣いだろう、正確には全く当てがない。
 彼女には悪いがそれは秋晴の予想通りで、それはとても好都合だった。
「んじゃさ、着いて来てくれるか?」


「…………すごい……」
「だろ? この前ランニングしてる時に見つけたんだ。いい景色だから先輩にも見せたくてさ」
「うんっ。ありがと」
「どーいたしまして」
 二人がいるのは白麗陵の裏山を少し登った場所にある開けた空間で、崖と言うほど迫り出てはいないがその場所からは山の下に広がる景色を一望できる。
 裏山自体が針葉樹が多く冬になってもその景観は失われない。それどころか澄んだ空気により視界がクリアになって感じ、紅葉の秋に勝るとも劣らない美しさがある。
 そして目の前には白麗陵の立派な建物が広がっていて、簡単に言うと絵画のように綺麗な景色だった。
 秋晴が案内したのはそんな場所だった。
 以前大地とランニングをした際に見つけた場所なのだが寮からの距離もそこまでなく、またいつか来たいと思っていた場所だった。
 山道を大量の画材を担いで登るのは大変だったが、この景色、そしてみみなの喜んだ顔を見れただけで充分だった。
 秋晴はその顔を満足そうに眺め、少し離れたところに画材を置く。汚れないように、壊れないように細心の注意を払い、そしていつでもみみなに希望されたら渡せるように。
 数分間の作業を終え、何をしようかと考える。よく考えれば今回は絵のモデルでもないしかといって何も持っていない。もし持っていたとしてもみみなの集中力を乱すようなことはできない。
 必然的に手持ち無沙汰になり、みみなに目がいく。
 景色の美しさにスイッチが入ったようで腰を下ろし一心不乱にスケッチブックを埋めていた。
 その顔は真剣そのものでいつも子供のように笑っているみみなとは少しだけ雰囲気が違い、十九歳という年相応な雰囲気を持っていて、それでいて好きなことをしている時の人の一番いい顔だった。
 いつもの振る舞いやその体躯からは想像もできない一面に思わず目を奪われる。ついつい、やっぱりすごい人なんだなぁ、と失礼なことを考える。
 風景をスケッチするみみな、それを見つめる秋晴。それは互いに楽しい時間だった。
824KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:04:10 ID:IwbDScWx
 一時間半ほど時間がたつとみみなの顔が少しだけ険しい顔になり、手が遅くなる。集中力が切れたのか、何か問題があったのか、ついにその手が止まる。
「先輩」
「…………何?」
 かつてないほどぶすっとした不機嫌なみみなの顔に一瞬秋晴は提案をためらう。
「もし邪魔じゃなかったらでいいんだけど…休憩にしないか? 集中力切れてきたろ?」
「……大丈夫だよっ、みみなは大人だからまだ頑張れるもんっ」
 明らかに煮詰まっていて言っている内容が支離滅裂だ。
「大人も子供も関係ないって……。さっきから見てたけど手が止まってるし」
「…………さっきから見てた…ってみみなを?」
「ああ、真剣に描いてるなーって思ってみてた」
「……うぅ〜………」
 みみなの顔がボンっと赤くなる。見透かされたのが恥ずかしいのだろうか?秋晴はあと一押しだと思い――
「温かいココアもありますので休憩いたしませんか?」
 普段の口調ではなくわざと奉仕活動の時の口調で話しかけた。
 手には温かい湯気の出たココア。コート着用、その裏にはカイロがいくつもついているとはいえ寒い季節、風がなく日差しが暖かくても体は冷え切っている。
 集中力が切れ、寒さも自覚してしまった今みみなの行動は一つだった。
「うー……分かったよ」
 もちろんもうすぐ休憩の予定だった。絵というのは存外体力も集中力も使う作業なのだ。ただそれを見透かされたのが悔しいのかみみなの頬はぷくっと膨らんでいた。
「はー暖まるなー」
「…………うん、ありがと」
「いや、これも立派なサポートだから当然だ」
 みみなは手のココアの熱を感じ、自分が意識していたより体温が低くなっているのを自覚する。
 もちろんそれは絵を描いていない秋晴も同じでこの寒空の下にいれば体温は下がる。
 休憩のタイミングは互いにとって絶妙だった。
「ところでさ、もし嫌だったら答えなくていいんだけど……何でまた急に描く気になったんだ?」
「え?」
「たしか前にしばらくどこにも出さないとか言ってた気がしたし、最初に会った時に聞いた気がするけど誰かに期待されて描くみたいなの嫌いって言ってた気がしたからさ。今回の件なんてモロにそれだと思うし……」
 秋晴は口に出してから、しまったと思う。いくら気になったからと言って今聞く話ではない。下手したらみみなのモチベーションを下げる結果になる。
「え、えっとね……描きたくなったから……かな?」
 返ってきた答えから安堵を得る。が、よく分からない表現だ。
「描きたくなった?」
「あのね……好きなものを描きたいってだけじゃなくて、私の絵を好きって言ってくれる人のために描きたくなったの。前と違って期待に応えなきゃって感じじゃなくて……あの、その……」
 みみなの声は最初こそはっきりした口調だったもののどんどん自信を無くし、尻窄みになっていく。
 ただそれは秋晴の疑問の答えとして十二分に満たしていた。
「うん、なんとなく分かった」
「うまく言えなくてごめんね」
「いや全然問題ない」
825KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:05:54 ID:IwbDScWx
 みみなの気持ちの全てが伝わった訳では無い。ただそれでも嫌々描いている訳ではないし、何より描きたいものを描いていると言う気持ちが伝わる答えで、秋晴には十分だった。
「でもそれがどうかしたの?」
「いや、それならいいんだよ、前みたいに無理やりっていうか責任感とかからじゃなくて先輩が描きたくなったんならさ」
 秋晴が心配していたのはみみなが嫌々描いている、嫌々とまではいかなくても押し付けられた責任で絵を描きだしたのではと心配したからだった。
 半年ほどみみなとすごしてきて、目の前の彼女は大人であると知っていた。
 見た目や行動が大人なのでは無く、考え方、行動原理と言うべきか根底に他人を気遣う気持ちがある。
 世間的な見た目を気にする朋美や自分の家の誇りを気にするセルニアとはまた違った他人を気にする優しい、お人好しな部分がある。
 だから秋晴は今回の話を聞いて少しだけみみなのお人好しな部分が責任感に駆られてしまったのかと思ったのだ。
 杞憂に終わってよかった。そして心配事が解消した今、秋晴にできることは一つだった。
「いい絵、描けるといいな」
「うんっ」
 みみなが頑張りたいと言うなら秋晴にできるのはみみなの応援をすることだ。
 そして応援されたみみなは改めて頑張ろうと思った。
 期待をしてくれてる人の為に、自分の為に、そして目の前のファンの為にも。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 みみなの作品の締め切りが予定より早くなり秋晴をお供に白麗陵を闊歩することになる少し前の祝日のことである。
 秋晴はトライアクアランドに来ていた。
 もちろん一人ではなく、先日の秋葉原の散策の三人で前回来た時とは全く違うメンバーと来ていた。
 ピナ、みみなとそれぞれ遊園地に行く約束をしていたこと、鳳にあの日のお礼をすると約束していたこと、そしてピナが招待券をまた貰ったこと、全てが都合よく滞りなく運んだ結果だった。
 チケットを見た時に秋晴が「皆で行くんだな、誰と行く?」と言った瞬間、ピナの目がキッと睨むように強くなり、すぐにがっかりした顔になった。「どうかしたのか?」と聞いた秋晴に対して「何でも無いのじゃ」と落胆した顔でピナが返したのはまた別の話である。
 とにかく秋晴はみみな、ピナ、鳳の四人で訪れていたのだが――今実際にテーブルに座っているのは秋晴とみみなの二人だけだった。
 秋晴はそもそも前回の来園の際に全アトラクションを制覇してしまっていた。その上前日午後の従育科の特別授業によって体力の残りが少なかった。
 一緒に行くと言うのは当然来園までを指すのではなく、一緒にアトラクションを回る事を指す訳で最初は行動を供にしていたのだ。
 しかしここでアクシデントが起こる。アクシデントというべきか考えておけば予想できたことなのだが――小さな最年長、桜沢みみなの疲れてしまったのだ。
 考えてみれば至極当然なことで、みみなは遊園地に来たことがなかった為に、絶叫アトラクションに限らず遊園地で遊ぶという行為にどれほどの体力が必要かを知らない。
 その上みみなは病気は治っていてもずっと入院生活だったことで深窓の令嬢にすら敵わない体力の低さである。
 更に更に出発前のことである、瞼の重そうなみみなと――
「先輩眠いのか?」
「だ、大丈夫だよっ」
「楽しみで寝れなかったのか? 遠足前の小学生みたいに」
「そ、そんなことないもん! みみなはもう大人なんだから楽しみで寝れなくなるなんてことないもんっ!」
 ――秋晴が交わしたお約束の極みな会話が付け加わった末、みみなは数えるほどのアトラクションでダウンしてしまったのだ。
 故に秋晴とみみなの休憩組、ピナと鳳の活動組に分かれる形になったのだ。
 四人が別行動になって実に一時間ほど、そろそろ戻ってくるかと思いきや全く連絡がない。楽しんでいることはいいことだがこのままでは復活したみみなと合流する前に全アトラクションを制覇してしまうのではないだろうか。
826KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:06:37 ID:IwbDScWx
「にしても……そもそもピナは乗り物が苦手だって言ってた記憶があるんだけどな」
「そうなの? なんかピナちゃんっていつも元気だから、ジェットコースターとか好きなイメージだったけど……」
「まあ、言われてみればそうかもな。食わず嫌いならぬ載らず嫌いだったのかもな」
 ここにいない二人のことを思い出す。自分の体調不良は気にしないでいて欲しいがみみなのことは考えてあげて欲しい。二人でアトラクションに行くことも考えたがそれでは入れ違ってしまいそうだ。
「まあ……鳳が好きなのはなんとなく予想はしてた」
「そうなの?」
「ああ、思い当たる節があってな」
「そう、なんだ」
 思い出されるのは鳳、轟、セルニアと実質四人で受けた従育科試験のことだった。あの馬はすごかった。そして余計なトラウマまで思い出しそうになり頭を振る。
「…………」「…………」
 とたん、二人の間に沈黙が訪れる。こうして一時間ほど、みみなの調子が戻ってから三十分もこうして話しているのだ。いい加減話のネタも尽きてしまう。
 そもそも互いに顔見知りであるのだが学年が違い秋晴は従育科の生徒であり、共通の話題などほとんどない。
 お互いに顔を見合わせ気まずそうに目を逸らす。沈黙、そして空気の気まずさを一度意識してしまうドつぼに嵌る。ましてや二人は互いに積極的に話題を振る正確ではないし、ちょうどいいきっかけもない。
 意を決して秋晴が話を切り出すが――
「にしても秋ももうすぐ終わりだな。ってかもう冬なのか? 今日も座ってると寒いしな」
「そうだね……」
「だよなー、この前の授業の体力作りだって……いや、こんな場所で話すことじゃないか」
 ――話の展開を上手く持っていけずに会話が途切れてしまう。
 別に何かを話さないといけないなんて決まりはない。ただ、黙っていれば間が持たない。
 そして何より、二人になってからずっとみみなの表情が暗い。体調が悪かったせいかと思ったがどうやら違うようで、体調が戻ってからも笑ったり喜んだりの明るい表情にも少しだけだが陰りが見える。
 原因が分からない秋晴にはどうにもしようがないなのだが、どうしたって気になってしまうし一緒にいる以上笑顔でいて欲しい。
 何を話そうかと考えて、あることを思い出す。
「あ」
「どうしたの…?」
「えーと……」
 思いついて口に出そうとするが寸前で躊躇う。それは今のみみなの話すことで機嫌が良くなる話題とは一概に言いきれなかったからだ。
「…何もないなら、いいけど……?」
 秋晴の躊躇に肩を落とすみみな。何か勘違いされてしまったようだ。
 どうしたもんか、と思いもはやどうにでもなれと話を続ける。
「いやさ、先輩に言おうと思ってたことがあったんだ」
「みみなに?」
 心当たりがないというみみなのきょとんとした顔色を疑いながら恐る恐る秋晴は続ける。
「ああ、この前見たんだよ。ずっと見よう見ようとは思ってて……ただいろいろあって見れなくてさ。でもこの前やっと見れたんだ」
 話を切り出しておいて自分の言葉が上手くまとまっていないのを自覚する。ずっとみみなに話したかったことなのだがどうにも言葉出てこない。
「あれすごいな。何かこう……言葉じゃ表現できないものって感じでさ。見た瞬間電気が走った感じでさ。俺なんか言われても嬉しくないのかもしれないけどさ」
「えっと…………何の話……?」
 言葉を慎重に選びながら話す秋晴は伝えようと必死で対するみみなも一生懸命内容を把握しようとしていたが分からないでいた。
 どうにも空回りした二人である。
827KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:07:46 ID:IwbDScWx
「先輩の作品……『落日の壁影』だっけ?」
 秋晴の口から出たのはみみなの予想もしていない単語だった。
 落日の壁影。それは白麗陵図書館に展示されているみみなの作品で白麗陵の生徒なら誰でも知っている。
 みみなと秋晴は殆ど絵の話をしない。それはみみなに対する気遣いなのか話し辛いからなのかとにかく互いに話題を持ち出すことがなかった。
 だから秋晴の口からその言葉が出たことにみみなは驚いていた。
 そんなみみなを余所に秋晴は続ける。
「今更なのかもしれないけどこの前見たんだよ。ホンットすごかったよ。芸術とか全然分からないと思ってたんだけど、純粋に感動した」
「えぇ? あ、えっとっ……」
「あースマン。俺一人だけ盛り上がっちゃってるな」
 話しだしてすぐに上がったテンションについていけないみみなを見て落ち着く秋晴。言ってしまった後で、やっぱりみみなに絵の話を振らない方がよかったかと思いどうしたものかと耳の安全ピンを触る。
「ちっ、違うの! あの……なんていうか……」
 目のあった瞬間俯くように視線を逸らすみみな。ああ、これは本格的にやってしまったのかと思った。
 しかし、よく見るとみみなの顔が赤い。頬が風邪をひいたように朱に染まり、耳まで真っ赤でゆでダコのようになっている。
 そしてよくよく考えてみればみみなは自分の言葉に必死に答えようとしている。それはつまり――
「……先輩、もしかしてだけど照れてるのか……?」
「えぇ!? えっとっ……そ、そんなことないよ!! みみなは、それくらいじゃ…」
「別に隠さなくてもいいと思うんだけどな。人間誰でも褒められたら嬉しいし照れるだろ? まあ、俺みたいに絵に疎いヤツに言われても嬉しくないのかもしれないけど」
「うぅ〜……そんなこと、ないけど……」
 急に出された話題に対応し切れず、しかもそれが自分を純粋に褒める言葉でその相手が興奮すらしてしまっている。
 それに戸惑っていたのだ。
 秋晴は考える。みみなは謙虚というか自分の感情を隠すことが多い。褒められたことや楽しいこと喜ぶことなど様々なことを隠す。今回も明らかに照れ隠しである。
「嫌じゃないなら素直に照れてくれって……何か変なセリフだな」
「そうだね」
 まだ恥ずかしいのかみみなは顔を俯けてしまった。これでは秋晴がみみなを苛めているようだがみみなの顔は笑っていて元気がでたことに安堵をする。
 みみなに対して絵の話題を持ち出すことは秋晴には冒険だった。
 それはもちろん秋晴自身がみみなの作品を見たことがなかった事実にも起因するがそれ以上にどうしても話しづらかったからだ。
 秋晴が彼女の作品を知る前からみみなの絵が誰からも絶賛されているのは知っていたし、誰からも新作や絵についての話を振られていると考えると絵の話題を振り辛かった。
「キミは、みみなの絵がもっと見たいの?」
「ん? ああ、見たいか見たくないかって言われれば見たいな」
「そう、なんだ」
 みみなが聞きたがっている、そう判断した秋晴は自分の感想をありのまま表現した。
「ああ、さっきも言ったけど見た瞬間電気が走ったみたいになってさ。感動した。その日のうちに朋美に先輩描いた絵の写真とかありったけ見せてもらったしな」
「えぇっ。えっと……うぅ〜」
「いや、ホントすごいと思ったぜ? 正直昔は美術館とか退屈なだけだったし、今も行こうとは思わないけど先輩の絵があるなら行きたいってくらいだ」
「そ、そんなに言われると……」
「悪い悪い、また興奮しちまったな。まあ、そんなわけで俺も先輩のファンの一人だ。尤も期待はしても押し付ける気はないからな。新作見たいって期待はあるけど無理やり描いても先輩が楽しくないと思うしな」
 秋晴の顔は真剣で楽しそうでお手伝いをした子供のようにみみなに話をした。自分の気持ちを話したくて仕方ない、と言った感じだった。
 対してみみなはその素直な気持ちを話す秋晴に嬉しい気持ちを感じつつそれ以上の気恥ずかしさでいっぱいだった。
828KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:09:35 ID:IwbDScWx
「それに……先輩の絵ってさ。すっごい楽しそうなんだよな。絵が好きで好きでそれが根底にあるからなのかな? 絵からも楽しんで描いてますってのが伝わってくる感じで元気が出る。だから無理やり描いたって俺が好きな先輩の絵にはならない気がするんだ」
「うぅ〜……キミは本当に……」
 それは秋晴の心の底からの気持ちであり、重い期待とは違ったみみなの後押しをしてくれる確かな力の言葉だった。
 思わず強く語ってしまった秋晴は少し恥ずかしくなりみみなから視線を外す。みみなはみみなでかつてないほどに真っ赤になって俯いてしまった。
 気まずいというよりは気恥ずかしい沈黙が二人の間に流れる。
「あのねっ、実は来年の頭に個展をする予定なの」
 沈黙を破ったのはみみなの言葉で、その内容は秋晴にとって予想外だった。
「…………マジか」
 最初は何の話かピンと来なくて呆けてしまった。少しずつその意味をかみ砕きその言葉を理解する。
「うん、予定通りなら一月の終わりか二月くらいの予定」
「割とすぐ…なのか? 三ヶ月くらい先だけど個展って準備がかかりそうだし」
 秋晴には絵の知識など無くし、そういった催しがどうやって準備されるかを知らない。しかしそれでも絵に時間がかかるだろうことは分かるし、ある程度の準備がいるのは当然なのも知っている。
 それに記憶の限りみみなはずっと作品を描いていない。もちろん秋晴の知る限りだしスケッチは毎日しているようだから作品の元自体はあるのかも知ればいが。
「少しギリギリかな? でもずっと休んでたから、描きたい絵はいっぱいあるから。それに…」
「それに?」
 何かを言おうとして止まってしまうみみな。やっとあった視線を逸らされてしまう。小さな横顔は耳まで真っ赤になっていて、何か都合の悪いことでもいいそうになったのだろうかと秋晴はぼんやり考えた。
「なんでもないっ。お、大人にはいろいろあるのっ」
「そうだったな」
 必死になって取り繕うみみなに苦笑しながら秋晴は答えた。
 それはみみなの照れ隠しなのかその言葉通りの意味なのか、秋晴には分からないがどちらもたいして変わらない。
 彼女それで納得しているならそれでいいのだと思う。
「見に来て、くれる?」
 不安そうに上目遣いで聞いてくる。こちらの行動を一挙手一投足気にしていて瞬きすら注目されている気がする。
 それは恰も子供が親に何かをねだるようで、言葉によっては一生ものの傷を負わせることができそうな弱々しい強制力があった。
「モチロンだ。というか行かせてくれ」
 秋晴の答えはもちろんそんな傷を残すような答えではなく、みみなの望む答えだった。
 その言葉を聞いて涙目で不安そうだった顔は一瞬のうちの明るい笑顔になる。
 みみなは子供のような満面の笑みの後、すぐにそれを取りつくろうと冷静を装った大人っぽい顔をした。
「約束だからね? 来てくれなかったらダメなんだからね」
「ああ、絶対行く」

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 みみなの作品作成の手伝いとして秋晴が同行して数日、結果的に言うと秋晴はみみなの役に立っていた。
 一つは秋晴の予想通りの荷物持ちとして。上育科の生徒であり、更に本来病気で入院していたこともあり、みみなは体力的には周囲の人間にどうしても劣ってしまう。そもそも小柄な体躯の為の大きなものを上手に持つことができないかった。
 もう一つは白麗陵の案内役として。様々な授業で白麗陵全体の施設を使う従育科に対して上育科の生徒の行動範囲は限られていて、一年多く過ごしているみみなよりも秋晴の方が白麗陵の敷地内を知っていたのだ。秋晴のお陰でみみなの知っている場所はぐんぐんと広がった。
 そして最後にみみなの露払いとして。白麗陵での桜沢みみなの名は全ての生徒に知られていると言っても過言ではなく、その作品を見た人はもれなくみみなのファンとなっていた。その彼女が白麗陵内で個展の為の新作を描いていると聞いて興味が湧くのは当然であった。
そして秋晴がそんな興味本位の生徒達を露払いする役になるのは必然の結果だった。
 尤も、秋晴の勘違いされた悪名はいまだ健在で殆どの場合何かした訳ではなく秋晴の顔を見てすぐにどこかに逃げてしまうのだったが。
829KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:10:40 ID:IwbDScWx
「役に立ってはいるんだけど、じわりじわりと真綿で首を絞められてる気分だ」
 昼過ぎ、秋晴とみみなは昼食と休憩を兼ねてカフェテラスにいた。つい先程も数人の上育科の生徒がみみなの姿を見つけ近付いてきたのだが、二人分の食事を持った秋晴が来るのを見て一目散に逃げ出してしまったのだ。
「…………ゴメンね」
「先輩のせいじゃないだろ? それに前から解ってたことだし…役に立ってる訳だからマシかな」
 もう慣れてしまって溜息をつくのも億劫だ、とは思っていても気にならない秋晴ではない。しかしそれがみみなのせいでないことは明白だ。
 作品制作が順調でないこともあるのだろう、みみなの様子は落ち込んでいていつもの状態とは程遠かった。
 今は週の半ばで一応の期日である週末まではもう時間は少ない。どうにか力になろうにもみみなの創作意欲を刺激できるような場所は全て案内してしまったし、作品に対するアドバイスなんて秋晴にできるべくもない。
できることと言えば荷物持ちと露払い、あとは精々気分転換の話し相手くらいだ。
「んで、午後はどうする?」
「えっと……」
 とりあえず午後の予定を話そうとした二人であったが――

「おおっ、アキハル! ちょうどいい所に」

 ――予想外の乱入者もいる訳であり、必ずしもままならないことがある。
「ピナ? どうしたんだそんなに急いで」
 勢いよく飛びこんできたのは銀髪ツインテールのオタク王女だった。
 いつも騒が……元気いっぱいの印象だが今日は一段と落ち着きがない。
「とにかく妾を助けるのじゃ!」
「またお前何かしたのか?」
「誤解じゃ! 今度ばかりは妾に責任はない!」
 秋晴はどうやらまた何かしでかしたらしいと理解して溜息をついた。少なくとも何か厄介事に巻き込まれているのは確実で、しかもこの流れは秋晴も巻き込まれる流れだ。これは困った。自分一人ならどうにかなるし、諦めもつくが今日は一人ではない。
「先輩にいたずらしたって前科があるしな」
「昔の事じゃ!」
 昔のことと言うがあの猫耳事件は秋晴の記憶にも新しい。あれはあれで眼福だったのだろうがそういった趣味の無い秋晴にはどうでもいいことだった。
「エストーさん、なぜ逃げるんですか?」
 ゆったりとした独特の声。喧騒の中でも彼女だと把握できる特徴のある声が聞こえる。秋晴が振り向いた先にいたのは四季鏡沙織だった。
 どうやらピナを追っていたの彼女らしい。
「逃げるも何も嫌じゃと言っておるだろうがっ! 妾はサオリとは違うのじゃっ!」
「でもものは試しと言いますし」
「だから嫌じゃっ!」
 二人がそろった途端に口論になる。口論と言っても沙織はいつも通りの口調の為に一方的にピナが怒っているように見える。
「……誰かこの状況を説明してくれ」
 従育科でも顔の知れた目立つ二人が目の前で騒いでいると自分やみみなも目立ってしまう。ただでえ面倒事は避けたいのに。その上秋晴には事の発端が分からないので動きようがない。
「お姉ちゃん! やっと追いついた……日野さん? なぜここに?」
「四季鏡まで……むしろ何でお前らがここにいるか聞きたいよ」
 遅れてきたのは沙織の妹である四季鏡早苗だった。この三人とはまた不思議な組み合わせであるがそれ以上にトラブルの原因にしかならない凶悪な組み合わせである。秋晴は巻き込まれることを覚悟した。もっとも既に巻き込まれるているのだったが。
「日野さんも説得してくれませんか? エストーさんが着れば似合うと思うんですけど」
「だから妾は絶対にそんなものを着ないと言っておろうっ!」
「と、とりあえず状況を教えてくれ」
 沙織とピナの二人が秋晴に詰めよる。しかし秋晴は状況すらも知らないので何もできない。
830KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:11:15 ID:IwbDScWx
「サオリが嫌がる妾に無理やりそれを着せようとするのじゃっ!」
「エストーさんに似合うと思って持って来たんですけどねぇ」
 互いに互いの主張をする二人。これでは何の説明にもなっていない。
「……四季鏡、お前が説明してくれ」
 何一つ状況を掴めない秋晴は溜息をつきながら縋る思いで早苗に訊ねた。
「えっと…今日は私とピナちゃんで衣装合わせの日だったんですけど…それを聞いたお姉ちゃんが手伝うって一緒に着てくれたんです」
 衣装合わせとはピナの同人活動の一環のことだろう。それには秋晴とみみなも参加をしていてそう言えばそこに四季鏡も加わると言う話をしていたような気がすると秋晴は思い出す。
「妾は許可した覚えはないがなっ! あまつさえあんなものを妾に着せようと」
 たしかに沙織は参加するとは言っていない。本人曰く自重した結果というかそんなようなことを言っていた。そしておそらく今回の騒動の原因となったであろう単語に引っ掛かった。
「あんなもの?」
「これです」
 沙織は手に持っていたものを広げ秋晴に見せる。
 服である。白と黒がベースの普段から秋晴達が見な慣れた服、そうメイド服である。
「うわぁ……」
 そのメイド服を見て秋晴は絶句する。従育科の制服である為に白麗陵内では珍しいことはない。秋晴が驚いたのはそのデザインである。
 全体的にフリルがあしらわれている、白と黒の配色がベースなのは従育科の制服と同じだ。しかし、その制服は異常な露出度だった。
 何というかメイド服の雰囲気の水着と言った感じで、胸元が大きく開いていて長いスカートがついているのに太腿の辺りの布が存在しない。メイド服だと思ったことが間違いである気がするレベルの代物で少なくとも白麗陵の制服とは似ても似つかないものだ。
 確かにこれを着るのは恥ずかしい。露出としては普段ピナが来ているディーバの衣装と変わらないが、普段見慣れたメイド服を露出方向に改造したと言える服だ。嫌がるのも無理はないと秋晴は思った。
「エストーさんに似合うと思うんですけどね」
 ニコニコと屈託のない笑顔で言う沙織を見てどうしたものかと秋晴は言葉に詰まった。ピナに助け船を出そうと思ったのだが何を言えばいいのかが思いつかなかった。
 四季鏡姉妹には正直羞恥に関しての常識が通じないからである。特に姉の沙織に関しては何かにつけて気付いたら服を脱いでいることがある。というか何か問題があると脱いでいる。そんな彼女にピナの気持ちが分かるとは思えない。
「えーっと沙織さん、これは……ピナじゃ……」
「アキハル、何か言いたげな顔じゃな?」
 秋晴の言おうとしたことに対して敏感に反応し、ピナは蛙を見る蛇のような目で睨みつけた。確かに秋晴の言おうとしていたことはピナにとってとても失礼なことだったのだが、それを先回りしたのだった。 
「いや、睨むな睨むな。お前は着たくないんじゃなかったのかよ」
「むぅ、そうじゃが…」
 しまったと思い、秋晴は明らかに不機嫌なピナを何とか落ち着かせる。ピナも秋晴を追求するより沙織の持っている衣装を着たくないという意志のが強いようでそれ以上の追及をしなかった。
「ってか沙織さん、そんなものどこから?」
「撮影で使ったんですよ。実際にはサイズが合わなくて私は着てないんですけれど、エストーさんがこういうの好きだったと思いまして貰って来たんです」
 そんなもの持ってこないで欲しい。というかそれは可愛い程度の衣装では無い。
「ピナはコスプレ好きなイメージがあるけど…それは微妙に違う気が」
「その通りじゃっ!」
「着ていただければ良さも解ると思うんですけどねぇ」
「そんな良さなぞ分かりたくもないわっ!」
 再び口論が始まってしまい諦めを覚えながらも秋晴はずっと見ていただけの早苗に話しかけた。
「なあ、四季鏡。何で沙織さんはあんなに乗り気なんだ?」
 いつになく熱心な沙織の理由さえ分かればこの事態を収拾できるのではないかと思い藁をも縋る思いの秋晴。
「えーと、話せば長くなるんですけれど……そもそもピナちゃんが私に相談してきたんですよ」
 早苗はとても言いにくそうに話した。
831KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:12:20 ID:IwbDScWx
 相談とはなんだろうか。正直ピナは交友関係が御世辞にも広いとは言えない。相談を持ちかけられるのはいつも決まって秋晴であるのだがそれを早苗に相談したと言うことは自分では駄目なのだろうか?
 ピナに頼られていると自惚れている訳ではないが少しだけ自身がなくなってしまい、その相談内容と言うのが気になる。
「相談? 何の相談だ?」
 少しだけ後ずさる早苗の表情を見て秋晴は違和感を感じる。確かに自分が相談されたことをおいそれと他人に言うことはできない。しかし、よく考えれば早苗自身も多くの相談を秋晴に持ちかけることが多い。しかし今回はそんな話を聞いていない。
 もしかしたら俺には相談できないのか?とも思うし、何か信用をなくすことをしたのか?とも思い気持が急いてしまう。
「俺も力になれるかもしれないだろ?」
 先程より強い口調で言う。
 その真剣な目に気押されたのかピナと秋晴の方を何度か交互に見る。そして恐る恐るその口を開――
「それが……もっと色気を出、」
「サナエ! それそれは言ってはならぬ!!」
 ――くことはできなかった。何か言おうとした早苗にピナが飛びかかりそれを阻止したのだ。
 その内容がなんだったのかは語られなかったが余程の内容だったようでピナは焦っており、勢いよく早苗にぶつかった。もはや突進というレベルでそれを早苗が支えられるべくもなく、秋晴を巻き込んだ。
「ひぁんっ!」
「うわっ!」
「のわっ!」
 三人はそのまま床に倒れ込んでしまう。近くにいた沙織やみみなが巻き込まれなかったのが不幸中の幸いであろう。
「いたたたた」
「日野さん、すみませんっ」
「いてててて……大丈ブッ!?」
 ピナと早苗は秋晴の上に乗る形になり一方的に下敷きとなる。普段から従育科として鍛えている秋晴にとってそれ自体は問題でなく、傷も擦り傷程度でむしろ上に乗っている二人が怪我をしていないか心配だった。
 そう思い視線を向け大丈夫かと訊ねようとしてそのまま止まってしまう。
 上に乗ったままのピナと早苗も自分達の状態には気付いていなかった。
「あらまあ」「…………」
 そんな三人を見ていた沙織とみみなだけが正しい反応をする。と言っても本来なら早苗の反応は可笑しいもので顔を真っ赤にしているみみなが正しい反応なのだが。
 秋晴は大の字になって床に寝そべる形になっていた。その体を両側から挟みこむように早苗とピナが座っていた。座ると言っても足から突っ込むような形でまるで秋晴の顔に膝蹴りを入れるているように見える。
 そして二人のスカートはどういう力が働いたのか腰どころか胸の辺りまで持ちあがってしまっていて、端的に言うと秋晴の目の前に、数センチ先と言う眼前に二人の脚と下着が露わになっていたのだった。
「「きゃあああああああああっ!!」」
「いてええええええええええっ!!」
 二人がほぼ同時に叫びその場から飛び退いた。もちろん下敷きになった秋晴のことなど気にもせずに。
 その反応は年頃の女の子として当然なのだがその下にいた秋晴は軽いとは言え二人分の体重の衝撃をまともに与えられて一瞬意識が飛びかける。
 地面で仰向けに唸っている秋晴の様子を気にしつつも互いに恥ずかしいのだろう。ピナと早苗は顔を真っ赤にしていた。
「と、とにかく嫌なのじゃ!」
「ピナちゃん……走ると危ないですよぉー」
「早苗に言われとうないわっ!」
「え? それはどういう……きゃあ!」
 そして二人はそのまま走りだしてしまった。むしろ逃げ出したのかもしれない。まあ、仮にも異性にあんな姿を見せてしまったら仕方ないかもと秋晴は思いながらとりあえずは事態は収拾したのかと溜息をつこうとして何も解決していないことを思い出してより深い溜息をついた。
 そしてこの場に残った張本人を見ていい加減慣れつつある沙織のある行動を指摘する。
「何というか…。そして沙織さん何をなさってるんですか?」
「…………ふぇっ!?」
「色仕掛け……ですかねぇ?」
 ピナに露出度大のメイド服を着せようとしていた張本人の沙織はなぜかその上着を脱いでいたのだ。その行動にみみなは顔を真っ赤に俯いている。
 対して秋晴は何かにつけて脱ぐ癖がある彼女にもうだいぶ慣れていた。慣れていたと言ってもその姿を見ないのは礼儀だし顔が赤くなるのは例え慣れても変わらなかったのだが。
 顔を背けて沙織の言葉を思い出す。彼女は今、色仕掛けと言った。おそらく言葉通りの意味だろう、そしてその対象はおそらく秋晴である。 
「…………意味が分かりません」
832KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:13:23 ID:IwbDScWx
「エストーさんを説得してもらおうと思いまして。着れば良さが解ってもらえると思うんですけど」
 ああ、そうかと彼女の言葉に納得をする。直接話せば分かるし早苗のヘンテコ常識の大元である彼女の知識だ。これが彼女の常識なのだろうと、相変わらず間違った常識なんだと何度目かの溜息をつく。
「冗談ですよ。実はさっき上着を少し引っ掛けてしまいまして、破れていないかの確認をしていたんです」
「………………なぜこのタイミングで」
 沙織の言葉に不信感を感じながらも秋晴が振り向くと既に上着を着ていた。どうにも本気なのか本気じゃないのか分かってるのか分かってないのか掴めない不思議な人だ。
 とりあえずやっと落ち着いた状況を整理する。色仕掛けか本気だったにしろ嘘だったにしろ沙織があの衣装をピナに着せたいのは本気なようだ。
「えーと……何でそんなに着せたいんですか? あんなにピナは嫌がってるのに」
 沙織は勘違いされがちだが頭が悪い訳ではないし本人が嫌がっているようなことを無理強いするような性格ではない。そんな彼女がピナに無理に衣装を着せようとしていることは秋晴に違和感を与えていた。
「本人の為だからです」
「……ピナの?」
「はい」
 沙織は何の躊躇いもなく、笑顔のままで言いきった。
 ピナ本人はとても嫌がっている、しかし沙織はピナの為だと言う。嘘ってことはないだろうし、勘違い思いこみという線もあるがそのどちらも違うようで、秋晴に思い当たるのは一つだけだった。
「えーと、さっき言いかけてたピナの相談事が関係あるんですか?」
「そうですね。日野さんに詳しくは言えませんけど…少なくとも私の口からは言えませんね」
 自信なさそうな秋晴の言葉を肯定してくれた沙織にほっとする、が自分には言えないという言葉を聞き少しだけ落ち込んだ。先程もその相談内容を話そうとした早苗に飛びかかってまでピナは秋晴の耳に入るのを阻止した。
「そうなのか……」
 そんなにも信用がないのか自分は、と秋晴は目に見えて落ち込んだ。理由は分からないがとにかく秋晴には聞かれたくないらしい。
「…………とにかく……本人が嫌がってるなら俺は説得できませんから」
 何だろう、この表現できない喪失感は。ピナに信用されていた、頼られていたのを心の支えにしていた訳ではないが、どうしたって落ち込んでしまう。
「色仕掛け失敗ですかねぇ、残念ですね。ではまた機会によろしくお願いします」
 落ち込んだ秋晴にそんなことを言ってそのまま沙織は「失礼します」とその場を離れた。あの色仕掛けとやらは本気だったのか?と思えなくもないようなよく分からないセリフだった。
 たった数十分にも満たないわずかな時間だったが秋晴の体感としては何時間以上もの疲労がたまっており、しかも問題は何一つ解決しておらずただ巻き込まれただけだった。
「………………またなんてあって欲しくない……」
 秋晴は誰に対してでもなく何に対してでもなくふと呟いたのだった。
 騒ぎを深閑に知られる訳でもなく、一緒にいたら話が二重にも三重にもこじれてややこしくなるであろうセルニアや朋美がいなかったことは不幸中の幸いだった。
 ピナには……どこか俺の知らないところで幸せになってもらおう。沙織はあれで年長者であるから何か考えがあるだろうし、助けるのは何かあってからでも遅くない。むしろこれを機にピナの自由奔放な性格が落ち着けばいいと思っていた。
「まったく人騒がせな……先輩?」
 そしてほぼずっと黙っていたみみなの存在に気付く。
833KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:14:25 ID:IwbDScWx
 ピナ達三人が来てからほぼ終始何も話さなかったから思わず彼女の存在に失念していた秋晴だったが、よく見るとその顔は涙目になっていて呆けた表情で何かをぶつぶつと呟いていた。
「……キミは……やっぱりああいうのが………ふぇ?」
「どうしたんだ? ぼーっとして」
 いきなり脱ぎ出した沙織に対して固まっていた訳ではないだろう。何か考えているようにぶつぶつと呟いていたのだ。
「な、何でも無いよっ!」
「いや、明らかにぼーっとしてたぞ? 何か独り言、」
「何でも無いのっ!」
 いきなり声を荒げるみみなに秋晴は驚いた。なぜか急に激昂してしまったのだ。何か気に障ることでも言ったのだろうか?
「な!? 何だよいきなり……」
 みみなのあまりに急な変化に秋晴は原因を考える。あの三人が何かした訳で無いし、昼食前は別に機嫌が悪いと言うこともなかった。
 しかし目の前のみみなは見るからに不機嫌で、涙目で唇を震わせて、静かな怒りを宿している。
「今日はもういいから」
「え?」
 先程までの強い口調とは違い、一瞬で萎んだ風船のように落ち込んだみみなの落ち着いた言葉に秋晴は更に驚く。ただでさえ感情が高ぶった原因が分からないのにそれが一瞬で冷めてしまったのだ。余計に混乱してしまう。
「今日は、止めにするのっ。今日は描かない」
 冷たい口調で不機嫌そうにみみなは言う。
「じゃあねっ!」
 そしてそのままみみなはその場を後にしてしまった。
「…………何だよいきなり……」
 残されたのは大量の画材。人が少ないとはいえ取り残された秋晴に集まる奇異な視線。どう考えても自分が悪者だ。しかも今回は誤解ではなくおそらく自分が原因である。
 とりあえず片付けるしかないよな、と思い荷物を整理する。
 全てみみなの私物であり、みみなの部屋に行かなくてはいけない。ただ、先程のみみなの怒った原因が分からなくては再びみみなの機嫌を損ねてしまうだろう。
 自分の行動を思い返してもどうしても原因が分からない。
 頭を抱えていると、みみなの座っていた椅子に置いてあるものに気付く。
「これは…………」
 みみながずっと持っているスケッチブックであった。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 時間は過ぎ、時刻は夕暮れ。
 夜の帳が下りてきてどんどんと暗くなっていく。そして季節は冬、気温はどんどん下がっていく。
 みみなは一人、お気に入りの場所である石碑を背に空を見上げていた。
 この石碑の場所は自室よりもどこよりも落ち着ける場所である。が、それでもみみなの胸のもやもやしたものは無くならず、ずっとイライラしたままだった。いつもならばこの場所に来ただけで心が落ち着き、頭は澄んでいき透明になれる。
嫌なことを全部忘れられる。そのはずだった。
 原因は分かっている。もやもやしたものが何かも、その原因も全てを理解している。
 ただしそれは認めたくない。認めたくないと言うのは少し違う。自分はどうすればいいのか分からないのだ。ずっと知識でしか知らなかった経験、ただ知っていただけの感情が自分に芽生えている。それを自覚してしまった時からずっとその扱いに困っていた。
 考えるのを止めればいい、そう思ってこの場所に来たのだが――それは失敗だった。ここはみみなの秘密の場所であるが、みみなだけの秘密の場所では無い。全ての元凶とも言えるみみなと彼の秘密の場所なのだ。
 ずっとそんなことを考えながら悶々と思考をループさせていた。
「……寒い……」
 思わず呟いてしまう。
 石碑にしゃがみ込んでどれくらい時間がたっただろうか、最初は恥ずかしさや怒りや緊張や焦りや様々なものから熱くなっていた体温も今ではすっかり冷え切ってしまっている。寒いからと秋晴に貰ったカイロもすっかり冷たくなってしまった。
 なぜだろうか、悲しくなって涙が出そうになる。何がきっかけだったのだろうか、何が悪かったのだろうか、どうすればよかったのだろうか、どうしかったのだろうか。いくら自問自答を繰り返しても今のみみなに答えが出るはずはなかった。
834KAL ◆oEZLeorcXc :2010/05/27(木) 18:15:39 ID:IwbDScWx
思ったより長くなってしまっていてOTL
読むのと書くのは違いますね。
とりあえずキリがいいとこまで投稿しました。
続きは後日に。
835名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 23:14:37 ID:h7ioDrEq
取り敢えずメ欄にsageと入れると無駄に煽る人がやって来ないと思う
836名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 23:20:17 ID:2akEEUKw
やっと読み終わった。続きを正座してまってるよ。
最近は暖かくなったんで全裸も気にならないし。

>>835
こっちは本スレと違って大丈夫じゃね
837名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 02:06:41 ID:cBMyQiio
GJです!

特にみみな好きではない自分が「みみな、かわいい」と言ってしまいました
続き、楽しみにしてますね!

誤字、脱字は声にだして確認すると減りますよ
ただ、軽い羞恥プレイにはなりますんで気をつけてください
838名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 02:12:23 ID:cBMyQiio
>>836
この板のよそのスレではあげるだけでくそ書き手扱いされることもあるので、sageた方がより安全でいいと思う

連投すいません
839名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 18:03:13 ID:XL5cNXlU
捕手
840名無しさん@ピンキー:2010/06/03(木) 19:16:24 ID:Iy6dewy9
保守
841名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 13:54:23 ID:HYxZW95K
捕手
842名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 00:31:45 ID:CZY9bLLw
補修
843名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 18:25:04 ID:BJsxNjKh
干す
844名無しさん@ピンキー:2010/06/16(水) 20:22:16 ID:gKVb0cc9
哺乳
845KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:16:37 ID:mt6NsofQ
さまざまなアドバイスありがとうございました。
820-833の『Her wherever you like』 の続きになります。
キリがいいとこからはじめるのでほんの一部ですが前回と同じ文面あります。
注意書き的なもの?
秋晴×みみな
11巻直後くらい?
なんかエロは無理でした。。。。
846KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:19:04 ID:mt6NsofQ
『Her wherever you like』

 時間は過ぎ、時刻は夕暮れ。
 夜の帳が下りてきてどんどんと暗くなっていく。そして季節は冬、気温はどんどん下がっていく。
 みみなは一人、お気に入りの場所である石碑を背に空を見上げていた。
 この石碑の場所は自室よりもどこよりも落ち着ける場所である。が、それでもみみなの胸のもやもやしたものは無くならず、ずっとイライラしたままだった。
いつもならばこの場所に来ただけで心が落ち着き、頭は澄んでいき透明になれる。嫌なことを全部忘れられる。そのはずだった。
 原因は分かっている。もやもやしたものが何かも、その原因も全てを理解している。
 ただしそれは認めたくない。認めたくないと言うのは少し違う。自分はどうすればいいのか分からないのだ。ずっと知識でしか知らなかった経験、ただ知っていただけの感情が自分に芽生えている。それを自覚してしまった時からずっとその扱いに困っていた。
 考えるのを止めればいい、そう思ってこの場所に来たのだが――それは失敗だった。ここはみみなの秘密の場所であるが、みみなだけの秘密の場所では無い。全ての元凶とも言えるみみなと彼の秘密の場所なのだ。
 ずっとそんなことを考えながら悶々と思考をループさせていた。
「……寒い……」
 思わず呟いてしまう。
 石碑にしゃがみ込んでどれくらい時間がたっただろうか、最初は恥ずかしさや怒りや緊張や焦りや様々なものから熱くなっていた体温も今ではすっかり冷え切ってしまっている。寒いからと秋晴に貰ったカイロもすっかり冷たくなってしまった。
 なぜだろうか、悲しくなって涙が出そうになる。何がきっかけだったのだろうか、何が悪かったのだろうか、どうすればよかったのだろうか、どうしかったのだろうか。いくら自問自答を繰り返しても今のみみなに答えが出るはずはなかった。
「…………え?」
 ふと背中に重みを感じる。最初は何か分からなかった。人の体温を感じる布。
 触れて分かる。これは従育科の外套だ。そしてこれは――
「この寒いのに……やっぱりここだったか」
 その振り向いた先にいたのは外套の持ち主である秋晴だった。
「…………な、何でここにいるのっ!?」
 必死に潤んだ涙目を隠しながら平静を装って声に出す。その努力も空しくみみなの声は震えていて今にも零れそうな声だった。
 その顔を見ないようになのか秋晴はみみなと違う石碑の面に寄り掛かり空を見上げながら答えた。
「あの後画材を先輩の部屋に返しに行ったんだけどいなかったろ? 待ったんだけど帰って来なかったし、あの時すっげー機嫌悪かったみたいだし、それに……」
「……それに……?」
 秋晴は慎重に言葉を選びながらゆっくりとみみなに話を続ける。
「元気なさそうだったから心配になってな。俺が原因かなっとも思ってたし」
 その話し方は心の底からみみなを大切に思っている、みみなの力になりたいと訴えるようで何の打算もない、純粋な想いだった。
「……キミは……」
 いつからだろう、他人の親切を素直に受け取れずに自分がまるで腫れ物を触るように接されていると思うようになったのは。
 いつからだろう、自分の価値は絵にしかないと、この手は誰かを喜ばす為の絵を描く為にあるのだと考えるようになったのは。
 いつからだろう、秋晴の純粋な想いが自分が求めていたものだと気付いたのは。
「…………なんでもない」
「いや、言いかけたのなら言ってくれよ」
「なんでもないのっ!」
 みみなの感情が全く読めない秋晴は戸惑う。引くべきか押すべきか。みみなの顔はかつてないほど思いつめていてその顔はいつになく真剣だ。
 自分で力になれるのか、何も知らない自分がこの先輩の為にしてやれることはあるのかと考えて――秋晴は腹を括った。それは力に慣れると思ったからではない。みみなが助けを求めていると思ったからだった。
「…………隣、いいか?」
「…………ダメ……」
 秋晴はみみなの否定を無視して彼女と同じ石碑の面、つまり真横に座る。
847KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:20:56 ID:mt6NsofQ
 一瞬だけビクッとして驚いたみみなであったがそこを動く様子はなかった。
「………………みみなはダメって言ったのに……」
 子供のように膨れて文句を言うみみなの体温は外套越しでも分かるくらいに低かった。かなり長い時間この場所にいたんだろう。その体温が低くなるのも構わずにこの場所に縋っていたんだろう。
「どうしてみみながここにいるって分かったの?」
「あの後画材を先輩の部屋に返しに行ってさ、鍵自体は何とか説明して開けて貰ったんだ。んで、その後に先輩が全然帰って来なくてどこにいるんだろうなーって考えたらさ。一番に思い浮かんだんだのがここだったんだ。先輩のお気に入りの場所だったなって」
「…………うん」
 その言葉はみみなのことを誰よりも理解している人間にしか言えない言葉で、少なくとも白麗陵において誰よりもみみなを理解しているのが秋晴であることを証明する言葉だった。
 その言葉を聞いてみみなは自分が喜んでいるのを自覚する。秋晴が誰よりも自分を理解していくれるのが嬉しい。
「あのさ、先輩。俺に非があるなら直すし、原因があるなら努力する。だからその怒ってる理由話してくれないか?」
 横並びで座っている為に互いの顔は見えない。もちろん少し横を向けば相手の表情を見ることなどすぐできるのだが、互いにそれができないでいた。
「……みみなは、怒ってなんか、怒ってなんかないもん……」
 互いの表情が分からなくても声だけで伝わるものはある。みみなの声は明らかに不機嫌で、空を睨みつけていた。
「明らかに怒ってるし、元気ないぞ」
 みみなには秋晴の気持ちが分からなかった。心配してくれているのは分かる、ただそれがどこから来るのかが分からなかった。自分だからと思いたかった。でもその確証はない。だからこそ焦り、戸惑い、心にもないことを言ってしまう。
「キ、キミにみみなの何が分かるのっ」
 欠片も思っていない言葉。
 秋晴は自分の気持ちを汲んでくれているとずっとみみなは思っていた。それはみみな以外に対してもそうだ。お節介でお人好しで、見た目と違って誰よりも優しい。
相手の気持ちが分からないのは自分の方で口にした言葉を撤回したくなる。秋晴のことを分かっていないのは自分の方だと。
「…………分かるつもりなんだけどな」
「え?」
 秋晴の言葉はみみなの予想したものではなかった。てっきり「勝手にしろ!」とか「ふざけるな!」とかそんな言葉が返ってくると思っていたからだ。
「もちろん全部じゃないし分かる範囲になるけど……少なくとも先輩が絵を本気で好きだとか、今度の個展やパーティを本気で成功させたいんだとか分かる。だってここ数日間ずっと一緒にいるんだぜ? 分からない訳ねーじゃねーか」
 不安そうに語る秋晴の言葉にみみなは涙が出そうになる。自分を見ていてくれたことに。誰でもない桜沢みみなを知っていてくれることに。
「勘違いしないで聞いて欲しいんだけど。描いて欲しいんだ、絵」
 声にならないみみなの感動を知ってか知らずか秋晴はその思いの丈を続けた。
「無理に描かせたいって訳じゃないんだ。まあ、先輩の絵に期待してるってのは俺の本当の気持ちでもあるんだけどさ。見たいって以上に先輩に描いて欲しいんだよ」
 それは秋晴のみみなを思っての言葉であり、同時にそれは何の打算もないみみなへの気持ちで合った。
「…みみなに、描いて欲しい…?」
848KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:21:45 ID:mt6NsofQ
「ああ、最初の日に先輩が言ってたろ? 『私の絵を好きって言ってくれる人のために描きたい』ってさ。それってさ、すっげー大切な気持ちだと思うんだよ。何がきっかけかは知らないけどさ、先輩にとって期待とかって重荷にしかなってなかったみたいだったろ?
 その重荷だったことが先輩にとっての後押しになったみたいだったから」
 いつの間にか互いに向き合っていた。暗がりで互いの顔は見えない。
「前に先輩の絵を見て感動したって言ったろ? だから正直俺も期待しちゃってるんだ。どうしたって先輩に勝手な期待をしちゃうんだ。でもその期待が先輩のやる気の元になってくれるなら嬉しいって思ったんだよ」
 みみなにとって期待とはずっと重りだった。絵を描くという自分の好きなことを暗くさせる足枷でしかなかった。
「これからも先輩の絵に期待をしてくるヤツは大勢いると思う。だから先輩に自分からその期待に答えたいって聞いた時、本当に良かったなって思ったんだ」
 だからあの日、秋晴と二度目にあったあの日。彼に言われた言葉はみみなを助ける一筋の光だった。
「だからさ、俺も力になりたいんだよ。先輩の力になりたいんだ。今回俺を指名してくれて嬉しかったんだぜ? 荷物持ちでも頼ってくれて、先輩の力になれて嬉しかったんだ」
 その笑顔はあの日と変わらなかった。みみなの手助けをしてくれるとこの石碑の前で約束してくれたあの日と。
 ずっと見つめあっていたことに気付き秋晴は顔を恥ずかしそうに背け、「俺じゃあ役者不足だったのかもしれないんだけどな」と小さく呟いた。
「そんなっ」
 上手く言葉にならない。 
「そんなことないよっ」
 言いたい言葉が出てこない。秋晴がこんなにも自分のことを考えていてくれて、自分の為にしてくれた想いに答えたいのにも関わらず言葉が出てこない。
「あの、あのねっ……みみなは、みみなはっ……、」
「ゆっくりでいい。俺はここにいるから。先輩が嫌って言っても側にいるから」
 今にも泣きそうに動揺したみみなを見て秋晴は不安になる。
 勝手なことを言い過ぎたか?全然違ったか?よく鈍感とか唐変木と呼ばれる秋晴である、正直思い込みが激しかったり的を外した言葉でなかったとは言い切れない。
 どうしたものかと思い、そのままみみなの頭を撫でていた。
「落ち着いたか?」
「ありがと」
「どういたしまして」
 落ち着いたみみなの頭から手をどかす。小さな声で「あっ」と残念そうな声が聞こえたのは気のせいだろう。
 少しの沈黙の後、みみなはその身を少しだけ秋晴に寄せてその口を開いた。
「あのねっ、うまく言えないかもだけど……聞いてくれる?」
「当然だ、ゆっくりでいいから話してくれ」
「キミは女の子と仲がいいよね」
「…………へ?」
 秋晴は予想外の言葉に思わず目を丸くする。みみなが不安定になっていた原因が自分だとは思っていたし、その理由はイマイチ良く分かっていなかったのだがそれは明らかに予想外の言葉だった。
 みみなはそんな秋晴の混乱を気にせず続けた。
「ピナちゃんにもそうだし、さっきだって……」
「いや、え? あ、と……そんなつもりは……」
「無いの? まったく無いって言える?」
 明らかにうろたえる秋晴を責め立てるようなみみなは先程までとは違い元気いっぱいで少し怒っており、その頬は子供のように膨れていた。
 思い当たる節が全くないとは言い切れない秋晴はそのまま黙ってみみなの言葉に耳を傾ける。
849KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:22:26 ID:mt6NsofQ
「だから、みみなもその中のひとりなのかなって。ただキミの周りにいる人のひとりでしかないのかなって」
 見て欲しいとなんて思っていなかった。むしろずっと目立ちたくないとさえ思っていた。
 自分の絵が評価され、初めこそ嬉しかったがそれはみみなを苦しめる重圧となり何よりも大好きな絵を描くことが苦痛となった。
 だから見られたいと、誰かに見て欲しいと心の中で思っていてもそれをずっと隠してきた。
「特別扱いして欲しいわけじゃないんだよ? ただ、みみなだって、みみなだって…ううん、みみなは特別扱いして欲しいの」
 でもずっとみみなは見て欲しかった。絵を描かなくても。絵を描いていても。病気が原因で小さな体になっていても。病気が原因で小さな体になっていなくても。
 どんな自分でも見てくれる人を求めていた。そしてそれ以上に今の自分を見てくれる人を求めていた。
「みみなは、みみなはキミが好きなんだよっ」
 みみなの言葉が静かに紡がれる。
 みみなと秋晴の二人しかいない場所。二人しか知らない秘密の場所。
 堰を切ったように溢れたみみなの言葉が感情がずっと溜めこんでいたものが広がっていき――闇夜に消える。
 どれくらい時間がったったのか、数秒もたっていないが二人の間に訪れた沈黙はみみなにとって耐えがたい悠久の時間にすら思えた。
 言ってしまった、ずっとずっと隠してきた隠すつもりだったその言葉を胸に秘めたままにするはずの想いを。
 できるだけ冷静に笑顔を取り繕い、当然顔は秋晴から逸らしてみみなは口を開いた。
「ゴ、ゴメンっ。嫌だよねっ……みみなじゃ嫌だよねっ。わ、忘れてね……それに明日からは手伝いもいいから。みみなひとりで、きゃあっ!」
 本人も気付かずに濡れた頬で作られた無理矢理の笑顔、取り繕うことなんてできていない震えた声、それを止めたのは秋晴の優しい抱擁だった。
「えっ? 何っ? 何でっ?」
 何をされたかは分かっていても頭が追い付かずにみみなは戸惑う。顔は見えなくても誰かなんて分かっている。それでも誰か分からないと言う矛盾。自分が混乱してしまっていることすら気付けない。
「先輩」
「…………は、はいっ」
 秋晴の声でようやく平常心を取り戻す。と言っても秋晴に抱きしめられているという事実で再び動悸は加速する。
 おそらく顔は真っ赤だろう。恥ずかしい。実際はいつも見られているのだがみみなはいつもは隠せていると思っているし、例えいつも見られていたとしても恥ずかしいものは恥ずかしい。
 恥ずかしくて離れたいけどこの手の中から離れたくないと揺れ動いていると――みみなは秋晴の自分を抱きしめている腕が震えていることに気付く。消して寒い訳ではない、現に今みみなは熱いくらいだ。ではなぜ彼は震えているのだろうか。
 思い当たる答えは一つだった。
「ゆっくりでいいよ。俺みみなは、みみなはここにいるから」
 答えようとしてくれるているのだ。それがみみなにとってどんな結果になるかは分からない。それでも自分の思いに精一杯答えようとしてくれているのだ。
 秋晴がその口を開くのと腕の震えが止まったのは同時だった。
「先輩はさ、勘違いしてると思うんだ」
850KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:23:23 ID:mt6NsofQ
「…………勘違い……?」
 秋晴の言葉はどこか探るようで、何かを求めているような言い回しだった。
「たまたま先輩の側にいたのが俺だったってだけで、偶然なんだよ。多分俺じゃなくて大地でも三家でも……もしかしたら男じゃなくたって先輩の支えには慣れてたと思うんだ」
「そ、そんなっ」
 有り体に言ってみみなが人に飢えていたのは事実だった。人の温もり、支えになってくれる人、一緒に笑い合う友達、なんでもいい。とにかく人に免疫がないのは事実だった。
 それは内容は違えど先程責められた秋晴と同じようにいくらみみなが否定しようと事実だった。
「でもさ。いや、だからさ。俺でいいのか? 俺なんかでいいのか? ただたまたま側にいただけの俺なんかを選んでいいのか?」
 最初に会ったのは偶然だ。不審者に間違われ、暴漢に仕立て上げられ、逃げた先にたまたまみみながいただけだった。
 次に会ったのは策略だった。秋晴の幼馴染の計算によって引き合わされただけで、むしろそれは彼女の功績と言ってもいい。
 誰でもよかったのだ、秋晴でなくても。
「俺は今回先輩に選ばれて、ずっと先輩といて思ったんだ。この人を支えたいって思ったんだ。体が小さいからとか、絵が上手いからとか、そういうのじゃなくて……違うな。
そういうのも全部ひっくるめて先輩を支えられる存在になりたいって思った」
 それは秋晴のみみなに対する答えではない純粋な自分の気持ちだった。素直に嬉しいと言う気持ち。
「正直ずっとそういう風に先輩を見てなかったし、それ以前に自分に手一杯で誰ともそういう風になるつもりはなかった。ずっとそう言い聞かせてたんだ。そんな資格は無いって。
俺はまだまだ自分に手一杯で、執事としても男としても全然未熟で一人前じゃないんだ。そんな言葉で逃げてきた」
 それは自分の思いであり、懺悔のような告白。気付いていない訳ではない。いろんな人からそういう好意を寄せられてきた。自意識過剰だって言われてもいい。
 でもずっと逃げてきた。言い訳をして。目を背けて。嘘をついて。自分を偽って。
 それでも――
「それでも大切だって思える相手に、守りたいって思える相手にその気持ちを向けられて」
 ――ずっと嘘をつき続けられるほど秋晴は強くも弱くもなかった。
「そんな俺でいいのか?」
 それは秋晴の答えだった。みみなに対する。自分からの精一杯の答え。何よりも強い覚悟。
 傍から聞けばその言葉は優柔不断で頼りないのかもしれない。答えと言うには言葉が足らない不正解なのかもしれない。
 それでも、だからこそみみなには痛いくらいにその想いが伝わった。だからもう一度秋晴に伝える。自分の大切な大切な想いを。
「キミが、いいんだよっ。秋晴君がいいんだよっ」
 みみなの顔から静かに滴が零れ落ち、秋晴のコートを濡らす。それはみみなの喜び、そして秋晴に対する期待。
「先輩」
「みみなって呼んで」
「みみな」
 その言葉とともに腕の力を緩め、少しだけ本当に少しだけ体を離し互いの顔が見えるようにする。
 互いに向き合って、互いに今初めてその顔を見たような錯覚に陥る。幾度となく互いの顔を見ていているのに。それでも二人は今日初めて互いの顔を見た気がした。
「何?」
「大好きだ」
 そして互いに目を閉じ、どちらからともなく唇を重ねた。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 日はすっかりと落ち、夜の長い冬とはいえ遅い時間になっていた。時計を確認してはいないがもうすぐ夕食の時間かもしれない。
 当然すっかりと冷え込んで野外であるここは寒い。しかし寄り添っていた二人は互いに心地よい温かさに包まれていた。
851KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:24:05 ID:mt6NsofQ
 秋晴が石碑を背に座り、みみなは秋晴に座り、毛布のように外套をかけていた。
「まさかの展開だよな」
「……キミは、後悔してるの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけどさ。全く予想してなかったからな……」
 勢いで告白してしまったと思っているのは秋晴だけではくみみなも同じだったが照れ隠しなのかとにかく気恥ずかしさも相まってギクシャクした会話になる。
「それはみみなをそういう対象として見てなかったってことなのかなっ?」
  気持ちが落ち着いたみみなは頬を膨らまし不機嫌そうに言った。しかし秋晴は答えに困る、みみなに限らず誰も対象として見てはいなかったのだから。
「いや、まあ……先輩に限ってじゃないけどな。まだまだ自分のことで手一杯だからってのもあるし…でもこれで納得した」
 ただ、中でも一番容姿の幼いみみなをその対象とは思っていなかったのだが、それを知られると本格的に怒られるのは目に見えている。だから話を逸らした。
「…………何のこと?」
 何が分かったのだろうか?あまりにも唐突なことでみみなは何のことかが分からなかった。
 きょとんとするみみなに秋晴は追い打ちをかけるように呟いた。
「テラスでのこと。あれは先輩のヤキモチだったんだなぁって思ってさ」
「なっ! えっと……」
「だってそうだった訳だろ?」
「……うぅ〜………………」
 みみなが真っ赤になって黙ってしまい、秋晴も何も言えずに黙ってしまう。いつもの二人と言える光景。ただ今日からはそれも心地よい時間になる。
 秋晴は一度腹を括るとこんなもんか、と我ながら身の軽いことだと軽い自己嫌悪に陥っていた。だからみみなの様子が変わったことに気がつかなかった。
「キミはさ、やっぱり……」
「ん?」
 俯いたみみなの顔は秋晴からは見えない。しかし秋晴がその表情を見ていたならば明らかに変な様子で何かを決意していると感じただろう。みみなの顔はそれこそ告白の言葉を口にするかのように深刻な表情だった。
 恥ずかしそうに躊躇い何度もその言葉を飲み込むみみなを見て秋晴も少し変だと思う。痺れを切らし秋晴がどうしたのかと口を開きかけた時――

「やっぱりキミは、大きい方がいいの?」

 ――みみなは衝撃の言葉を口にした。 
 その言葉の意味を秋晴はすぐに理解できなかった。直結しなかったのだ。
 秋晴は考える。大きい? 何かのサイズだ。何が? 会話の流れからすると……そして思い至ったのはみみなの一つのコンプレックス。
「…………………………はいぃ!!? せ、先輩!?」
 それはおそらく正解だったのだろう。余りの唐突な言葉に、そして唐突な内容に動揺してしまう。
「だって、今日だってあの二人にベタベタてたし、普段だって……」
「えっと、いや、その……」
 ずっと俯いていたみみなは振り返り秋晴の胸の中から見上げていた。やはりコンプレックスなのだろう、どうしたって逃れられない現実。
 他人にしたらどうでもいいことなのだろう。些細な悩みなのだろう。だからといってそれが自分にとって些細なことだとは限らない。
「キミはみみなのことを……その、す……好きって、言ってくれたけどっ。不安なの。だってみみなは、みみなは」
「えーと……先輩?」
 少なくともみみなには大切なことだった。あまりの真剣さに秋晴は気押されてしまう。
「本当はみみなだって分かってるんだよ。病気が原因とはいえみみなは多分、ずっと小さいままだし、それは多分、」
「先輩聞いてくれ」
 秋晴は口調を強くしてみみなの言葉を遮る。それ以上の言葉は聞きたくなかったから。
 雰囲気の変わった秋晴にみみなは驚いてしまう。
852KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:24:27 ID:mt6NsofQ
「な、何っ……?」
「あのさ、大事なのは気持ちだと思うんだ。先輩が俺を好きでいてくれて、俺が先輩を……好きなんだからそれでよくないか? 確かに先輩はその、体は小さいけど……俺が先輩を思う気持ちは本当だし…その、なんだ。別にすぐにそういう、」
「証明してくれる?」
「ことをしなくて…………は?」
 途切れ途切れの恥ずかしいセリフを恥ずかしいと思いながら続ける秋晴はいっぱいいっぱいで最初みみなの言葉に気付かなかった。
 みみなはその顔を秋晴の胸に押しつけていてその顔は見えない。ただ、今度はその表情が手に取るように分かった。
「みみなでもいいって、証明してくれる?」
 秋晴を襲う本日二度目の衝撃。二度目だったからか心のどこかで身構えていたのか、今度はすぐにその言葉の意味を理解できた。
「…………えっと、それは」
 理解できたとはいえ、その言葉に動揺しないという意味では無い。
 そして意識してしまった瞬間今自分の胸の中にいる小さな存在に、愛おしい大切な存在を、その対象として見てしまう。
「ちょ、ちょっと、待ってくれ! 待ってくれ先輩!」
「さっきからずっと先輩って呼んでる」
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
 今日だけで何度目かの沈黙。いつもなら黙ってしまったみみなにかける言葉が見つからずに秋晴も何も言えない。しかし今日はみみなに押されてしまい秋晴が沈黙してしまっている。
 これは秋晴が男として情けないのか、それともみみなが年上であることが影響しているのか。問いかけたところで誰も秋晴に答えてくれるものはいない。しかし、秋晴は両方が正しいのだと思った。
 秋晴は知っている。みみなの精神はその見た目以上に大人だし、周りのことを考えている。そして秋晴は自分が思っているよりも子供だ。
 いや、子供とか大人とかどうでもいいのかもしれない。どんな大人だって子供みたいに振る舞う時はあるし、どんな子供だって大人みたいなことを言う。
 必要なのは気持ち、そして覚悟だ。
「みみな」
「何…?」
「できる限り優しくはする。痛かったら言ってくれ」
「……うんっ」
 みみなの顔は恥ずかしそうな、それでいて嬉しくてたまらないという笑顔だった。秋晴は漫画かドラマみたいなだな、なんてことを思った。
 秋晴がもう一度みみなの唇に自らの唇を重ねる。それは先程と同じ行為であり、そこから先へと進む開始の合図だった。


「…んっ……」
「……はぁ…」
 最初は秋晴からであった。しかしそれは幾度となく繰り返されどちらからかなんて分からなくなるくらいに繰り返される。
 ただ唇を重ねるだけの行為。児戯にも等しいのだが、今の二人には大切で互いの心を直接触っているようだった。
「……ぅん…」
「……んぁ…」
 秋晴は次第に意識が虚ろになっていく。ただ先程のキスとは明らかに違う。やっていることは同じでも頭に響く。心が痺れる。
 だから油断していたのだろう。秋晴はそれ以上のことなど考えてもいなかった。
「……あ、え……」
 驚いて声が漏れる。正確には漏れそうになった声さえ飲み込まれる。秋晴の口内に入って来た柔らかい、それでいて芯のあるザラザラとしてヌルヌルとしたモノ。
 口の中を探るように暴れ、秋晴の舌を見つけると抱き合うように絡みつく。そこでこれがみみなの舌だと気がついた。
「……んんっ……ぅん……」
「……ん……」
 音が変わる。
853KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:43:45 ID:mt6NsofQ
 重ねた互いの口から漏れる声だけではなく、繋がった口から響く音が変わる。
 心に、頭に、そして互いの体に響くクチュクチュとした湿った音。
 積極的なみみなに対して秋晴は戸惑っていた。普段は落ち着いた大人しい引っ込み思案のみみなとのギャップに、そして自分の押され弱さに。
「……ぅんっ…」
「……んっ……んっ…」
 積極的なみみなに対してみみなは秋晴以上に戸惑っていた。自然と体が動く、意識よりも先に求めている。全てが初めてなのにまるで自分が知っているかのように勝手に動く体に頭が追い付いていない。それでも体は動き続けていた。
 互いに戸惑いながらもその唇を貪っていた。
 苦しくなったのかみみながその顔を離す。音もなく、静かに離れる。熱く交わっていたことを証明するかのように透明な糸がキラキラと光りながら互いを繋いでいた。
 その滴が落ちた先は秋晴の腕だった。みみなの手に導かれ、その小さな双丘に重ねられた秋晴の腕だった。
「!? えっと……」
 みみなの上着とブラウスは既に託し上げられていて、白く綺麗な肌が露出している。服の上からでは分からないほどだったが明らかに膨らんでいるそれを見て秋晴は素直に綺麗だと思った。
「…触って……」
 美しさに目を奪われていた耳に小さく優しく囁かれるのたの要求だった。
 本当に触っていいものかと、壊れないのだろうかと一瞬躊躇し、触れるか触れないかまで導かれていたその手を伸ばす。
 見た目では小さいと思っていた。現にみみなのそれは同年代と比べれば小さいのだろう。しかし秋晴の掌には確かな柔らかい感触があった。
 考えられる限り優しく、思うがままにその手を動かし始める。
「……ぅん……そんな…感じ……」
 みみなの口から漏れる声はどんどんとその質が変わっていく。徐々に苦しそうに艶っぽく、それ以上に嬉しそうに。
 その声はどんどん秋晴の奥にあるものを刺激していってその手に少しずつ強い力が込められていく。
 掌から感じられる柔らかさ、そしてその奥から感じられる早鐘のように激しい鼓動は秋晴の感情を高ぶらせる。
「小さく、て…ゴメンね……」
「そんなこと……柔らかくて……なんていうか……」
 申し訳なさそうに言うみみなにどう言えばこの気持ちは伝わるのだろうか。どれだけ考えてもそれを表す言葉は見つからない。代わりにその手に力を込める。
 ずっとその外周を揉んでいるだけの秋晴の指が中心に触れた。柔らかい部分に囲まれた硬くなった一部分に。
「んっ!」
「スマンっ! 痛かったか?」
 みみなは仰け反り、秋晴も驚いてその手を引っ込める。
「違う……あの……もっとして欲しい、かも……」
 みみなは電気が走ったのかと思った。秋晴に触れられるたびになぞられるたびに感じていた刺激、それだけでかつてないほどだったのにそれ以上の快楽だった。
「わ、分かった」
 みみなの反応を見ながら時にその外を時に中心をなぞるように、時に力を込めてその指を動かす。どうしたらいいか分からないながらもみみなを悦ばせる為に動かした。
「これでいいか?」
「……気持ち……いい……よ…」
 自信なさそうに訊ねる秋晴への答え、みみなの途切れ途切れ告げられる声は全てを物語っていた。
「これじゃ、みみなばっかり……してもらってるね」
「え? あ、ああ、でも、」
 秋晴は満足だった。みみなの声を聞くだけで。彼女の体に触れるだけでいっぱいいっぱいだったのだ。
「みみなだってしたいんだよ……」
854KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:44:26 ID:mt6NsofQ
 秋晴は気付いていなかった。彼が彼女を想っているということはみみなも秋晴を想っているのだと。
 何をしようというのだろうか? 秋晴がそんなことを考えている隙にみみなの手がズボンに伸びる。
 自然な無駄のない動きで秋晴のそれは解放された。限界まで膨らんでいたせいもあるのだろう。チャックを下ろしただけでそれは外に出てきた。
「えっ」
 秋晴が驚いたのはみみなの動きが自然だったから、ではない。自らのものがかつてないほどに大きくなっていたことを今になって自覚したからでもない。服から解放されたその先で温かい水と柔らかい壁に触れたからだ。
 当然水などでは無い。それはドロりと滑っていて、秋晴に滴り纏わりつく。それは今も触れているみみなの体温と同じで――そこまで考えて自分が触れいてるものが何かに気付く。
「…………」「…………」
 行為を始めてからずっと座った秋晴の上にみみなは乗るようにしていた。つまり互いの隔たりである服がなければ互いの体は常に重なっているのだ。
 互いに互いの一番敏感な部分に触れている事実に気付きそのまま見つめあってしまう。
「……いつの間に……?」
「……さっきの間に」
 秋晴は何をとは言わないし、みみなも何をとは聞かない。それは重要なことではない。重要なのはその先だ。
 手で触らなくても分かる。みみなは充分に準備ができていた。触れた先からみみなの雫がトロトロと溢れ伝ってくる。
「………いい、よね?」
「…………えっと…無理はしなくていいんだぞ?先輩」
「ま、また子供扱いをするんだねっ、キミは。みみなはもう大人だから、平気なんだからっ! それに……」
 それはいつも通りのみみなの言葉で説得力のない言葉であるかのようだった。秋晴にはそう感じた。ただ、それは勘違いだった。
 何かが変わった訳ではない。みみなの目はずっと真剣で自分だけを見ていてくれた。体勢が変わった訳ではない。触れ合った体もそのままだった。
 色白の透き通った肌が高揚しているのを証明するように朱が入っている。大きな瞳は感情に耐えきれず艶やかに水気を帯びて秋晴の顔を映し出している。
 今まで見た何よりも愛おしく美しかった。
 それでも――


「それに、ここまで来て止めれるの?」


 ――秋晴は奪われたと感じた。

 潤んだその瞳に吸い込まれるかと思った。
 呟かれたその言葉に神経を直に触れられたかと錯覚した。
 脳が揺れ、心臓が破裂し、四肢の感覚が消失した。
 目が離せなかった、全てが奪われてみみなだけしか感じれなかった。

 何とか秋晴は自分を取り戻し、爆発しそうな心臓を繋ぎ止め答える。
「いや、まあ……けどさ」
「けど…何?」
「無理はよくないと思うんだ」
 秋晴は口に出してからしまったと気付く。言葉が足りなかった。確実に誤解を招いている。
 案の定みみなはその頬を膨らませ、先程までとは違った意味で顔を真っ赤にしていた。
「無理じゃないのっ!」 
「いや、そうじゃなくて…」
 みみなと秋晴の体勢はずっと変わっていない。だからみみなが暴れると秋晴は何もできない。なんとか弁解しようにも体勢を維持するだけで限界だった。
「無理なんかじゃないのっ!」
「お願いだから聞いてくれ。先輩が好きだか、!」
 ブチッ、と何かが切れるような音が聞こえて、秋晴の体にみみなの体重がかかる。
855KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:44:54 ID:mt6NsofQ
 今までと違う衝撃。圧迫される体。包まれているのは秋晴の一部だけなのだが全身を絞めつけられているように苦しかった。
「…………ほら、大丈……夫……」
 苦しそうなみみなの言葉で何が起こったのかを理解する。みみなが体重をかけたのだ。秋晴の全身にでは無い。想いを遂げる為に貫かせたのだ。
「先…輩……」
 互いの体が繋がるにはみみなの小さな軽い体でも充分だった。
 おそらく半分程度、秋晴はみみなの中に入っていた。互いの体勢のせいだろう、根元までは至っていなかった。それでもみみなの破瓜には充分で秋晴は今までとは明らかに違う水気を感じる。
 ドロリとした粘着質な液体ではなく、もっと水のようにさらさらとした、赤い液体。
「また、先輩って…言って…」
 みみなの笑顔はどう見ても苦しそうで、それは快楽に耐えているのではなく苦痛に耐えている表情で、取り繕った笑顔が秋晴の心を抉る。
 繋がった部分は秋晴ですら苦しいくらいで、ならばみみなの苦しみはそれの比較にならないだろう。
 だからこそ、だからこそ許せなかった。
「先に言っとくな、みみなが好きだから言うんだ」
 こんなこと言うべきではないかもしれない。実際に言うべきではないんだろう。それでも相手が大切だから、相手を傷つける形になっても守る為に言うべきだと思った。
「馬鹿野郎!」
 秋晴は怒鳴った。
 心の底から叫んだ。
「言ったろ? 支えたいって、大切にしたいって。もう俺はみみなのことを子供扱いしたりしない。大切な人として扱うつもりだ。だけど……だけどみみなの体は小さいんだ。俺の体なんかよりずっと、ずっと……」
 最初こそ強い口調だったがその怒気はどんどん薄れていき、その声は震え今にも涙が溢れそうになっていく。
「だから、だから無理はしないでくれ」
 強く、抱きしめる。相手を信頼しているから、壊れないと知っているから強く抱きしめた。
 そしてみみなは自分がしたことに気付く。自分が秋晴を信用していなかったのだと。
「…………ゴメン……」
「いや、いいんだ。怒鳴って悪かった」
「みみなこそ…」
 どちらも悪い、そしてどちらも悪くないことは秋晴もみみなも分かっていた。相手が自分を思ってくれているのが痛いほどよく分かる。
 互いに抱き合ったまま唇を重ねる。舌を絡めるような濃厚な深い口付けではなく、唇を触れ合わせるだけの優しいキスでもない。心と心が繋がっていることを確認する大切な儀式。
「ん……」
「みみな? ……あ」
 しばらくしてみみなの様子が少し変わり始めた。秋晴は疑問を口にしてからすぐに原因に気付く。
856KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:45:14 ID:mt6NsofQ
 抱き合ってキスを交わしている最中、ずっとと繋がったままだったのだ。それも互いに抱きあっていたので先程よりもみみなの奥深くまで繋がっていた。
「痛かったか?」
「大丈夫、まだちょっと痛いけど……それよりも…」
「それよりも?」
「……聞かないのっ!」
「わ、悪い」
 思わず顔を上に背ける秋晴。同時にみみなから「んっ」と艶のある声が聞こえる。みみなは次第に秋晴の小さな動きにも反応し、その体が締まる。
「……動いて…」
 みみなは小さな声でそう呟いた。その声は明らかに痛みとは違う感情を孕んでいて、秋晴の心を揺さぶる。秋晴にとって願っても無い誘惑だったが、なけなしの理性を総動員して動きそうになった体を止める。
「…………いいのか?」
 意識しないようにしていたが、苦しいほどにみみなの体に締め付けられるのを感じていた。秋晴のが大きいかどうかは分からない。しかしみみなの体は確実に小さいはずなのだ。初めてならそれは尚更である。
 みみなに入った瞬間、秋晴が痛いほどに締め付けられたせいもあるのだろう。みみなをなるべく傷つけたくない秋晴は慎重になっていた。
「みみなのせいなのは分かるけど……心配し過ぎも失礼だよ?」
「スマン」
 慣れていないからだろうか。そういう行為だと言うのに互いに色気が無いのは。ただそれを判断する材料はみみなにも秋晴にもなく、比較対象がないのだからどうしようもない。みみなに怒られ秋晴は情けないと思いながらも自分らしいのかと考えていた。
「ゆっくり動くな、ただ」
 秋晴は決意する。今までは自分の意志だったがそれ以上に全てをみみなに任せてきてたようなものだったから。今からは自分の意志で彼女と愛し合うと。
「……ただ…?」
 秋晴の言葉にみみなは少しだけ戸惑う。期待の中に若干の不安を感じる。秋晴の様子が少しだけ変わったからだ。
 気恥ずかしさからか、ずっと上を向いていた秋晴がみみなに視線を向ける。
「我慢できなかったら、ゴメン」
 その言葉と同時に秋晴の体が動く。
「……あっ!」
 みみなの体が力強く抱きしめられ、繋がっている部分に震動が伝わる。
 それだけでみみなは今まで以上の強い波が押し寄せる。
 みみなを抱きしめゆっくりと動き始める。
 軽いみみなの体を上下に揺さぶる。秋晴に抱きしめられている安心感と秋晴と繋がっていると言う喜び、そして体中に響く快感にこれ以上のない幸せを感じていた。
「……くっ…は…」
 対して秋晴も同じで肺の奥から絞り出されたような苦しい声が出る。
「………キミが痛そうだけど……?」
 もはやほとんど苦痛はない恍惚とした笑顔でみみなが聞く。その顔にあるのは若干の余裕だった。だいぶ慣れてきたのかもしれない。だからこそ秋晴がどう感じているかが気になっていた。
「いや、痛いと言うか……」
 秋晴は余裕のない笑みで返す。その顔に張り付いているのは苦痛とも快楽を感じている顔とも違う。
「あ、ん……痛くないなら?」
 みみなは少し身勝手だなと思いつつ、自分が聞くなと言った質問をする。秋晴が何を思っているかが分からなかったからだ。
 秋晴の顔を見て、彼が痛いと感じているのではないかと思い始めていた。自らの小さな体の中は秋晴で満たされている。今でこそ慣れてきたがその力は息苦しいほどだった。逆に考えれば秋晴は苦しいほどに締め付けられているのだ。
 みみながそんな心配をしていると、秋晴は小さな声で
「………我慢が、難しい」
 とだけ言った。
857KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 06:45:45 ID:mt6NsofQ
 実は秋晴はずっと我慢をしていた。みみなの体を思ってという以上に自身の箍が外れてしまうのを恐れてた。
 みみなが秋晴に快楽を感じ始める前から秋晴の体はみみなに反応していた。男の体は存外痛みよりも快楽を感じるようにできているからだ。みみなが痛みにこらえていた時既に秋晴の体は痛みではないものを感じており我慢せざる得なかった。
 そして最初に我慢してしまった秋晴はその我慢の止めどころを逃してしまっていたのだった。
 秋晴の目を見て、なんとなく理解したみみなは少し呆れる。自分の好きな彼はどこまで人がいいのだろうと。
「ありがとう」
 私を好きになってくれてありがとう。
 私を好きでいさせてくれてありがとう。
「キミがみみなを大切にしてくれるように、みみなはキミが大切なんだよ?」
 少しだけ怒ったように意地悪に言う。秋晴の優しさを通り越した人の良さを感じながらもて遊ぶように。
 そして自分自身の今の望みを告げる。
 
「だから――みみなを愛して」
 
 その言葉とともにみみなの腕に力が入り、同時に秋晴の全てが締め付けられる。
 秋晴の箍を外すのには充分だった。
「あ、急にっ!」
 秋晴の体が動き出す。腰上げ、そして抱きしめたみみなを強く腰へと導く。
「あ…奥に……」
 その度にみみなの最奥と秋晴の先端がキスをする。
 最初は微かに触れる程度だったのが互いの動きが大きくなるにつれて打ちつけられるほどになっていく。
 繰り返されるたびに音が響く。水気のある粘着質な音が。
「気持ち、よかったん、だね……」
 目も口も半開きで虚ろになったみみなは嬉しそうに呟く。
 自分で、自分の体で愛する相手を悦ばせれていることが嬉しいのだ。
「当然だ」
 余裕の無い秋晴は短く返した。
 秋晴は自分のものがかつてないほどに大きくなっているのが分かる。もっとみみなを感じさせたいと気持ちが高ぶっていくのが分かる。
 止まらない。止められない。止めたくない。
 ずっと繋がっていたい。ずっとみみなを感じていたい。
「良かっ、たっ」
 みみなの声はもう言葉になっていない。もはや喉を通っているだけで全身が快楽で痺れていた。
 押し寄せるその波に全身が喜んでいるのを感じる。何よりも秋晴と繋がっているそこが歓喜の悲鳴を上げるように秋晴を抱きしめているのを感じる。
 互いの声、指の動き、視線、何もかもが自分の刺激へと変わり、全てが愛おしかった。
「ぐ……もう駄目だっ。出るっ」
「みみなもっ、みみなもっ」
 限界を感じ互いに強く抱きしめ、みみなの最奥で秋晴はその全てを出しつくした。
 愛する者の中で果てるというのがこんなにも気持ちいいものだとは思っていなかった。
 愛した者が体の中に染み込んでくるのがこんなにも気持ちいいものだとは思っていなかった。
 互いに荒い息を整えて見つめ合う。
 まだ全身が熱い。果てたとはいえ秋晴の大きさはそのままであり、みみなの体はまだ痛いに秋晴を求めていた。
 そして幾度目かの口付けを交わした。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 互いに落ち着いた後、気付けば空は真っ暗で、時刻も夕食間近であり、時間的にはかなり危険な時間だった。
 まだ立つことができなかったみみなを座らせたまま、秋晴は深閑に電話をして「みみなが夜空をモチーフにした絵を描きたいと言ったのでまだ寮に帰れない」とだけ告げたのだった。
「はい…うん、それは事後連絡になって悪いと思って……ゴメンナサイ。はい、次からは気をつけます」
「……大丈夫だった?」
「何とかなった。とりあえずあと三十分は大丈夫そうだ」
「…………ありがと。……いろいろ……」
 秋晴は電話が終わるとみみなの横に座り、石碑に寄り掛かる。
858KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 07:13:02 ID:mt6NsofQ
 お互いの顔を正面から見ることはできずに会話もぎこちない。それでもお互いに真っ赤な顔をしているのだけは分かった。
「俺にも責任はあるし、気にすんなって。それとも後悔してるのか?」
「ううんっ、後悔だなんてそんな……」
「ならいいだろ?俺も、その……嬉しいし」
「……………………うんっ」
 確かに互いに一時の感情に流されてしまった結果だった。それでもそれは二人が望んだことであり、これからは一人じゃなくて二人だという幸せの方が大きかった。
 秋晴は手を伸ばし、みみなの頭を撫でる。みみなは一瞬だけビクッと体を震わせて、そのまま秋晴に体を寄せる。
「あー……そういえば」
「そういえば?」
 秋晴は思いだしたように呟いた。
「ただ、次は…もっと落ち着いた場所でしような」
「ふぇ!? つ、次って……キミは、もう次のことを考えてるんだねっ」
「………誤解だ。次が待ち遠しいとかもっとしたいとかそういう意味じゃなくて。いや、待ち遠しくはあるしもっとしたいんだけど何と言うか……とりあえず外は止めた方がいいと思うんだ」
 一瞬で激昂したみみなは秋晴が何を言わんとしたかを理解して落ち着く。正確には落ち着いた訳でなく気持ちが怒りから恥ずかしさに向いてしまう。
「それはっ…………そうだね……」
 勢いとは言え、互いの最初を外でしてしまった結果になるのだ。みみなは秋晴の意図を理解した。ただ、その上で自分の本心を呟いた。それは秋晴と同様に恥ずかしい気持ちもあったが、それでもみみな自身の心からの気持ち。
「でもここでよかった、かな」
「…………ここで?」
「あー…………納得した」
 この石碑の場所は秋晴とみみなにとって特別な場所だ。二人が初めて出会った場所、仲良くなった場所。そして今日また大切な場所となったのだ。
 幸せそうなみみなに対して秋晴は少しだけ複雑な顔をする。思い出と言うには出会いは最低すぎる気がしたからだ。
 秋晴が静かに百面相をしている横でみみながポツリと呟いた。
「絵、完成させたくないな……」
「……急になんだよ」
 みみなの声は小さな声でつい先ほどの幸せそうな空気を欠片も感じさせない声だった。
「もっと二人でいたい」
 幸せだからこそ感じてしまう不安。
 知ってしまったからこそ失う事に対する恐怖。
「絵を完成させたらっ。完成させちゃったらもう、」
「俺は見たい」
 遮ったのは秋晴の言葉だった。
「モチロン無理にとは言わないし、プレッシャーをかけるつもりはないんだけどさ。前にも言ったろ? 俺も先輩の絵のファンの一人なんだよ」
 その言葉は後輩としてであり。
 その言葉はファンとしてであり。
 その言葉は恋人としての言葉だった。
「それに絵を完成させたらもっと他の遊んだりもできるぜ? 先輩ともっといろんな話もしたいしな」
 みみなは思わず涙が出そうになる。
 いつも私の不安を理解してくれてそれを優しく溶かしてくれる。私の迷いを断ち切ってくれる。彼を好きになってよかった。
「ありがとう」
859KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 07:13:25 ID:mt6NsofQ
 元の笑顔に戻ったみみなを見て秋晴は安心する。しかし安心し過ぎて隠していた言葉が漏れてしまう。
「…どういたしまして。……俺が周りにいるようになって先輩の絵が…とか言われるのも嫌だしな」
 言ってからしまったと言う顔をした。みみなの方を見るとその言葉はちゃんと聞こえてしまっていたようだ。
 秋晴の顔を見てみみなは気付く。秋晴だって――不安なのだ。
 みみなは秋晴からいろいろなものを貰っている。今まで多くのものを、そしてこれからも多くのものを貰うだろう。それはみみなに力を与えてくれる。迷いを断ち切ってくれる。不安を吹き飛ばしてくれる。
 ただ、それは秋晴が悩んだり迷ったりしないという訳では無い。秋晴だって不安なのだ。
 自分と同じなのだ。
 だったら私は――私のする事は一つだ。
「そ、そんなこと言わせないっ!」
 いつもとは違うみみな雰囲気に秋晴は戸惑った。
 今まで見たことが無い、一瞬みみなだと思えないほどだった。
 力強い、誰かを励ます為の口調。
「そんなこと言わせないもんっ。もし言われたって『期待するなら黙ってろ、気が向いたら見せてやる』って言っちゃうんだからっ」
 その言葉は彼女の気持ちである。ただ、その言葉は彼女の言葉では無い。彼女にとって大切な彼からの言葉。
「それって…」
「き、気にしちゃダメ。好きでやってることに口出しされるの、えっと……」
 最後の一言で一瞬詰まる。
 笑うのは失礼だと思いながらも実にみみならしいと秋晴は少し笑ってしまう。
「むかつくからね」「むかつくからな」
 互いの声が重なった。


「みみな」
「何?」
「一年間、待ってくれるか?」
「………え……………?」

「そ、それって……どういう………」
「あー誤解だ誤解。言葉が足りなかった」

「俺達はさ、一年違うだろ。みみなは高二だし俺はまだ高一だ」

「だから俺が執事として、本当の意味でみみなの支えとなれるのはどうしたって卒業して一年後になるんだ」

「だから……待っててくれるか?」
「それって……」
「あ………ス、スマン! 気が早かったよな? 忘れてくれ!」
「…………忘れていいの?」
「……………………忘れないで欲しい」
「…………考えとく…」

 パーティは無事成功し、その後に行われた個展もかつてない盛況を見せた。
 ただし、後に秋晴の奉仕活動の際、テーブルには時間いっぱいみみながいることが多くなり、秋晴は幼馴染をはじめとする同級生達に口々に
「ロリコン」「ロリコンですわ」「ロリコンじゃな。まさか妾も狙って…!!」「最低だな」「まさか日野さんがロリコンだなんて」「アッキーにそんな趣味が…」と口ぐち言われた。
 他にもセルニアや朋美に貰ったパートナーカードをみみなに見られて大ゲンカしたり、同人誌制作のメンバーにセルニアや朋美が増えずっと監視されたりと様々な事件起こるのはまた別の話である。

Next?
860KAL ◆oEZLeorcXc :2010/06/19(土) 07:19:04 ID:mt6NsofQ
なんだか書き終わったらエロが薄い話に…そして終盤一回手違いで消してしまったせいで地味に尻切れトンボになってしまったかんじがががgg
すみませんOTL

もっとエロな追加エピソード書けたらいいな。

現在考え中なのは
@個展終了後(今のから数カ月後)、初々しくも慣れてきた二人
A季節は夏、長期休暇で海に遊びに来ました(秋晴2年みみな3年設定)
B捏造ED

の3つですかねぇ。
そもそもみみなって需要あるのか・・・?w

そして何より次書く機会があればもっとバランスよく話を分割したいものです。。。
連投失礼しました。
861名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 13:03:51 ID:VCC3pO/D
みみな√キタ!
惜しみないGJを

もう1から3まで続きもので書いちゃいなYO
862名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 16:14:06 ID:U4XFXFzf
俺にとってかなり需要あります!!

とりあえず乙です
863名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 19:15:37 ID:gBjmC1YG
むしろ俺的には一番需要ある
864名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 19:45:47 ID:Qya5C26Z
俺にも需要あるよ
わっふるわっふる
865名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 21:27:20 ID:GyKi7R5K
みみなちゅっちゅ
866名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 13:33:34 ID:5TRHYVEQ
ロリコンばかりじゃないか…
みみなはピナとセットであるべきだと思うんだよね、ロリ的に
867名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 14:40:52 ID:iU/x0PkB
>>866
みみながロリだから好きなんじゃないんだ
好きなみみなが偶然ロリだったから可愛がりたいんだ
868名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 23:05:26 ID:CsMAcxgv
好きでもロリじゃなかったら可愛がらないってことなのか?w
869名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 23:59:00 ID:iU/x0PkB
そうじゃない。ロリだからロリに対する可愛がり方をしたいということだ。
大人キャラなら相応の可愛がり方があるだろう
870名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 10:21:28 ID:7ZVxoD7i
大人キャラ筆頭の深閑もロリ筆頭のみみなも涙目が良く似合う
つまりどっちもSな可愛がり方でおkじゃね
871名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 11:40:36 ID:/arzE9Fg
【カノカレ】上月司作品総合・3【れでぃ×ばと】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1277347186/

現在493KB、このままでは落ちてしまうので次スレ立てました。
872名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 22:49:07 ID:jXvxWnIB
>>871
873名無しさん@ピンキー