スレから追い出されたSSを投下するスレPart2

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1名無しさん@ピンキー
微妙にスレの空気からずれたSS。
投下したら叩かれそうだなあと思うSS。
どこに投下すればいいのか迷ってしまうSS。
そんなSSをとりあえず投下するための専用スレ。

うpロダ代わりにご利用ください。
2名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 17:48:28 ID:IohT5qOd
前スレ

スレから追い出されたSSを投下するスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/
3名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 17:49:24 ID:EeqDG6Fh
あれ、前のとこ埋まってたのか。

>>1
このスレはあったほうがなんとなく安心だ。
4名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 17:56:37 ID:4q7cIQy5
>>1
乙です

前スレからの続きを投下します。

519/21:2008/04/13(日) 17:57:08 ID:4q7cIQy5
「ねえ、五代さん」響子さんが体を起こし五代の名を呼ぶ。
「なんですか?」
「うん……」響子さんがちょっと考える素振りを見せる。
「どうしたんですか?」
「あたし、あなたに伝えとかないといけないことがあるんです」
「一体なんです?」五代も起き上がり響子さんの腰に手をまわして軽い気持ちで尋ねる。
「あのね……」響子さんが少し俯いてくすりと笑う。

「……あたしのことを好きになってくれて……ほんとにありがとう」そういって響子さんは五代に
軽く口づけする。
「えっ……」五代は思わず呆然とする。
「あたし、今とっても幸せなんです。あたしのことを本当に大切に思ってくれる五代さんと一緒に
なれて。でもこれはやっぱり五代さんのおかげなんだと思うの。だからちゃんと言っとかないとっ
て思ったんです」
五代は響子さんがベッドから出て床に落ちているガウンを身に着ける様子をただ何も言えず黙って
見つめる。

「五代さんが初めて出会った日からあたしのことをずっと好きでいてくれたから……あたしはこん
なに幸せになれたんです」響子さんは五代に背中を向けたまま恥ずかしそうにつぶやく。
「響子さん……」
「もう、そんな顔しないでください。今日はオールナイトで宴会なんだから早く一刻館(うち)に
帰りましょ」照れているのを隠しながら浴室に向かう響子さんの後姿を見ているうちに五代はにや
にやして笑いが止まらなくなる。

「幸せになりましょうね、響子さん……」一人つぶやく五代であった。

-----------------------------------------------------------------------------------

「着きましたね、響子さん」
「ええ……」響子さんが相槌を打つ。二人の目の前には見慣れた古ぼけた建物がある。そう、二人
は一刻館に戻ってきたのだ。
「五代さんがちゃんと言ってくださいね、あたし達もう夫婦なんだって……」
「ええ、もちろんです」そういって五代が響子さんに力強くうなずく。
「じゃあ入りましょう」そういって五代が一刻館の玄関の扉を開くと……いつものみんなが大量の
お酒とともに待ちくたびれている姿が目に入る。
「お、戻ってきた」一の瀬さんが口を開く。
「遅いのよ、なにやってんの〜?」朱美さんがいつもの口調で言う。
「もう待ちくたびれてしまいました」四谷さんがため息をつく。
「あ、あの……」五代が意味もわからず口を開こうとすると一の瀬さんがそれを遮る。
「仲直りしたんだろ?」そういって二人の顔を見る一の瀬さん。
「ええ、まあ……」響子さんがこたえる。
「じゃあこんなところでのんびりしてないで、五号室で一気に盛り上がろう!」一の瀬さんがいつ
もの扇子を手に一気にテンションを上げる。
「こっちはずっと待ってたんです」四谷さんが二人の背中を押して5号室へと向かわせる。
「どうせ別れるわけないんだから最初から喧嘩なんかしなきゃいいのに」そういって朱美さんが笑
う。どうやら3人とも二人が別れるとはこれっぽちも思っていなかったようなのだ。結局当の本人
達よりずっと二人を見てきた住人達の方が二人のことをわかっていたのだ。

620/21:2008/04/13(日) 17:57:32 ID:4q7cIQy5
「それでは五代君と管理人さんの仲直りを記念して〜」四谷さんがビール缶を持ち上げる。
「かんぱ〜い!」みなで乾杯をあげる見慣れた光景が広がる。五代と響子さん、一の瀬さんに二階
堂、四谷さんに朱美さんと久しぶりにフルメンバーでの宴会だ。

「まったくいつまでたってもあんたらはひっついたり離れたりで忙しいねえ」一の瀬さんは五代と
響子さんに小言を言う。
「その、すみません」五代がなんとなく謝る。
「いいんだよ、今回は管理人さんが悪いんだから」
「すみません……」響子さんが珍しく小さくなって謝る。
「でも今度こそ二人は終わりだと思ったんだけどな〜」二階堂が誰ともなくつぶやく。
「あんたはわかってないね〜」朱美さんが二階堂を笑い飛ばす。
「そんなことありませんよ」二階堂がむきになる。
「へ〜」朱美さんが二階堂をいじり始める。
「まだ式まで数日あるんだからもう一波乱あるかもしれませんよ」二階堂が真剣な表情で言う。
「それはそうですな」四谷さんも同意する。
「次は管理人さんに実はもう一人男がいたとか、五代君が八神さんと逃げるくらいしかないねえ」
一の瀬さんが笑う。
そんな住人達のやり取りに五代と響子さんが顔を見合わせくすりと笑う。
「なんで笑うの〜?」朱美さんが目ざとく二人の様子に気づいて尋ねる。
「え、その……なんでもないです」五代がそういってごまかす。
「五代さん、そうじゃないでしょ?」響子さんが五代を肘でつつく。
「そうじゃないって……なんだい?」一の瀬さんが口を挟む。
「いや、その……」五代は住人達の迫力につい圧倒されてしまう。
「もう、しっかりしてよ!」響子さんは少し呆れて言う。
「わかりました、響子さん」そういって五代が姿勢を正す。
「ほ〜、珍しく五代君がまじめな表情ですな」四谷さんが五代をからかう。
「ええ……実は皆さんに聞いてもらいたいことがあるんです」そういって五代がみんなを見渡す。
「まさか……できちゃったのかい……?」一の瀬さんが下品に笑う。
「違います!」響子さんが即座に否定する。
「じゃあなによ〜?」と朱美さん。
「実は……さっき役所に届けを出したんで、もうおれ達、夫婦なんです」と五代。
「え、なに、じゃあ、管理人さんはもう……」
「はい……あたしはもう……五代響子なんです」響子さんが少し顔を赤らめて報告する。
「なんとはやまったことを……」四谷さんが頭を抱える。
「からかうネタが一気になくなってしまったではないですか!」
「は、ははは……」五代がひきつった笑いを見せる。
「管理人さん、いいんですか!?」二階堂が真剣な表情で尋ねる。
「いいもなにも……あたし、この人と一緒になるって決めましたから」そういって響子さんが顔を
上げみんなを見る。

721/21:2008/04/13(日) 17:58:03 ID:4q7cIQy5
「これはホントだね」一の瀬さんがつぶやく。
「つまんないの〜」朱美さんも続く。
「ネタが減ってしまいましたなぁ」と四谷さん。
「もったいない……」と二階堂。
「あんたらなぁ……」五代が少し怒った表情を見せる。
「冗談だって。じゃあ五代君と管理人さんの結婚を祝ってぱーっとやろうか!」一の瀬さんが気勢
をあげる。
「今夜は盛り上がりましょう」五代が珍しくテンションを上げる。
「五代君、盛り上がってますな。私たちも負けてはおられません!」四谷さんが続く。
「ちっ、調子に乗っちゃって。とりあえずお代わり!」朱美さんもビールを一気に飲み干す。

「ねえ、五代く〜ん」宴会の最中、一の瀬さんが扇子を片手踊りまくり、四谷さんが皿回しをする
光景を横目で見ながら朱美さんが五代に話しかける。
「なに?」
「ふふ〜ん、管理人さんと仲直りした後、今までなにしてたの?」朱美さんがくすくすと笑いなが
ら尋ねる。
「なにって……」五代は思わずどきっとするが平静を装う。
「管理人さんから昨日はしなかった石鹸のいい匂いがするのよね〜」朱美さんがにやにやしながら
五代の様子を伺う。
「なっ……」五代の顔が思わず赤くなる。
「昨日は管理人さん、ずっと一刻館にいたのになんでかな〜」朱美さんがそれとなく鎌を掛ける。
「隠さなくってもいいじゃない、二人はもう、ふ・う・ふ、なんだから」
「いや、そんな……」
「そんななによ?」朱美さんが五代を執拗に追求する。
「なんにもありませんよ、おれ、響子さんを説得するのに必死だったんだから」五代も必死にごま
かそうとする。
「ちっ、意外と口が堅いのね」朱美さんは作戦を変更する。
「ねえ、みんな聞いて、五代君と管理人さん、さっきまでホテルに行ってたんだって!」朱美さん
が適当に憶測をぶちまける。
「な、なんと、ほんとですか、管理人さん?」四谷さんが響子さんに尋ねる。
「な、な……」響子さんは動揺してしまい言葉が出ない。朱美さんが言ったでまかせが不幸にも事
実であるのだから仕方がない。
「だって五代君が今認めたんだも〜ん」朱美さんが大ぼらを吹く。
「違う、嘘です。響子さん、落ち着いて!」五代が必死に響子さんを抑えようと振り返る。
しかし……
「五代さん、あなたって人は〜!!!!!」響子さんが怒りの炎に包まれる。
「響子さん、違うんです」
「そりゃあ確かに行きましたけど……そんなこと、朱美さんにぺらぺらと得意げにしゃべったんで
すか!!」
「ああ〜」五代が天井を仰ぎ見て片手で顔を覆う。それを見て朱美さんがにやりと笑う
「なんですか、その態度!」響子さんの怒りはとどまる気配がない。
「管理人さ〜ん」朱美さんがにやにやしながら響子さんの肩に手を掛ける。
「なんですか、今忙しいんです!」
「まぁまぁ、落ち着いて」朱美さんが響子さんを押しとどめる。
「実は五代君はなんにもしゃべってないの」そういって朱美さんが笑う。
「へ……?」響子さんがきょとんとした表情になる。
「さっきのはあたしの冗談なの」
「そ、そんな……」響子さんが呆然とした表情になる。
「響子さんは朱美さんに引っ掛けられたんですよ」五代がため息をつく。
「朱美さん、悪質な冗談は……」と言いかけたところで響子さんはみなが自分のことを見ているこ
とに気づく。

822/22:2008/04/13(日) 17:58:54 ID:4q7cIQy5
「仲直りに真昼間からホテルか……生々しいねえ」一の瀬さんがたばこに火をつける。
「結婚した日にホテルですか……」二階堂がつぶやく。
「管理人さんもやっぱり女の人なんですねえ」二階堂の中で清純な響子さんのイメージがガラガラ
と音を立てて崩れていく。
そんな二人の言葉に響子さんは顔を真っ赤にして背中を向ける。恥ずかしさに顔から火が出てしま
いそうだ。
「まぁ二人はもう半年も付き合ってるんですから今さらホテルがどうのこうのもありませんなぁ」
恥ずかしさから後ろを向いてしまった響子さんを見て四谷さんが笑う。
「それもそうだねえ」一の瀬さんが続けて笑う。
「そうよ、ガキじゃあるまいし」朱美さんが平然とした表情で開き直る。
「はは、ははははは……」五代も愛想笑いをするが隣で俯いてしまったままの響子さんの姿に気づ
く。
「きょ、響子さん……」五代はなんと響子さんに声を掛けようかと悩む。
「……がいけないのよ」響子さんが小さな声でつぶやく。
「え……なんですか?」よく聞き取れなかった五代が再度響子さんに尋ねる。
「五代さんがいけないのよ、真昼間からホテルに誘うなんて!」
「な……」五代は響子さんのすさまじい屁理屈に驚きを隠せない。
「そうそう五代君が悪いの、そうしとけば安泰よ〜」と朱美さん。
「うんうん、管理人さんは悪くない、五代君が悪い」一の瀬さんが調子に乗ってあわせる。
「五代君が悪いですな、やっぱり」四谷さんがしたり顔でうなずく。
「結局おれが悪者かよ」五代は拗ねて横を向く。その姿に皆が笑い、5号室はいつものように明る
い笑い声に包まれる。
こうしてまた一刻館の夜はゆっくりと過ぎていくのであった。


----------------------------------------------------------------------------------------

チュンチュチュン……

小鳥の囀りの中、五代は目を覚ます。
台所の方を見ると響子さんが朝ごはんの支度をしているようだ。五代が起き上がり背筋を伸ばすと
その気配に響子さんが声を掛けてくる。
「五代さん、おはようございます」響子さんがにっこり微笑む。
「おはようございます」五代も響子さんに微笑む。
「ついにこの日が来ましたね……」五代がつぶやく。
「ええ……」と響子さん。
五代は立ち上がるとカーテンを開け一歩外に踏み出る。見上げると雲ひとつない青空が目に入る。
既に五代と響子さんは夫婦であり式は文字通り儀式にすぎない。しかし、お世話になった人達の前
で永遠の愛を誓うこの日はやはり特別な日だと五代は思う。
「何を考えてるんですか?」知らぬ間にそばに来ていた響子さんが五代に寄り添いながら尋ねる。
「晴れてよかったなと」相変わらず気の利いたセリフを言えない自分を呪う五代。
「本当に晴れてよかったわ」当の響子さんは五代の言葉をそのまま受け取り返事をする。
「響子さん……おれ達幸せになれるでしょうか……」五代が何の気なしにつぶやく。
「ふふふ……」響子さんが笑う。
「なにかおかしいですか?」
「五代さん、あたし達はね……幸せになれるんじゃなくて……幸せになるんです」響子さんが笑い
ながら言う。
「響子さん……」五代は響子さんの言葉にゆるぎない何かを感じ思わず驚く。
「ほら、はやく顔洗ってきて!時間、あんまりありませんよ」いつも通りお気に入りのPIYOPIYOエ
プロンを身に着けた響子さんが台所に戻りながら五代をせかす。
(幸せになれるんじゃなくて……幸せになる、か……)五代は響子さんの背中を見ながらその言葉
を反芻する。
(響子さんのいうとおり……おれ達は幸せになる、それでいいじゃないか!)五代は振り返り再び
青空を見上げる。まるでこの大空も自分達の味方になってくれたような気がしてくるから不思議だ。
「五代さん、何してるんです〜?」部屋の中から響子さんの声が聞こえる。
「今、いきま〜す」五代はそうこたえると足取りも軽く部屋に戻っていくのであった。


「A10 桜の下で」 完
922/22:2008/04/13(日) 18:00:03 ID:4q7cIQy5
以上です。
全部で22話でした。


ではまた。
10名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:06:57 ID:G0LDDeqe
原作も元ネタも何も知らない通りすがりだが、GJと言わせて貰う
どういう経緯で追い出されたか知らないが、これだけ長編書いてあるから、
元スレの住人はもう少し優しくすべき
いつか住人達と仲直りし、スレにうまく復帰できることを、心から祈ります
11名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:44:39 ID:U9fj+ocq
>>9
GJ!!

前スレに11/11のが二つあったけど重複ですね。



>>10
このスレに投稿してくれた職人にはたくさんのファンがいたんだけどね。

ファンがその職人の作品を評価するのは問題なんだが、
ファンの中には他の職人の作品をけなすような人も出てきて

それでまあ職人のファン以外の住人の反感を買ってしまったという
12スターダスト ◆C.B5VSJlKU :2008/04/14(月) 16:39:10 ID:daTwwqk9
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第18話
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205164949/

に投下する予定でしたが、非エロがちょっと長すぎになったのでこちらに投下させていただきます。
13馬【ばかきょうだい】:2008/04/14(月) 16:40:00 ID:daTwwqk9
「おいネウロ! 仕事取ってきやがれ!」
 魔界結婚相談所に弥子(老け顔ver)の野太い声が響いた!
「といっても先生! このご時世、純愛に生きる奴なんていませんよ! 女性はみーんな身の
程知らずな高待遇を求めてます! 男性は負け組なら生きるだけで精いっぱいで、勝ち組なら
適当においしそうなのをとっかえひっかえ! 参りましたねーこの格差社会! ハハハ!」
 鬱陶しい子安声(ペルソナ音頭で「夢開きましたかー?」とかいってるトーンね)でネウロが
応答するやいなやその顎にダイヤ製二十万カラットの灰皿が直撃しタバコの灰が舞い散った。
「ガタガタ抜かすとウブ毛までしゃぶってやるぜこの魔人野郎! ゲヴァヴァヴァヴァヴァ!」
 弥子(老け顔ver)は一升瓶になみなみと入った鬼殺しをぐびりと豪儀に煽ると、酒臭いげっ
ぷをまき散らしながらネウロに投げつけた。命中。割れた。
「やめてくださいよー先生」
 ネウロは頭から血をだくだく流しながら困ったように微笑んだ。
「るせー! 俺が好き勝手に競馬やパチンコ行けなくなったのは、テメーが魔界から上京して
きて『一緒に愛のキューピッドやらなきゃ僕ちんドブに生首さらすでちゅー!』って俺に懇願し
てきたからだろうが! あああ!? なんだこの仕事! 何が月収十六万円でやる気次第で
稼げますだ! ちっとも潤わねーよ! うぉ! おおお! ニンキナシシックス号トップに躍り出
た! おじさん、財布の前に秘所が潤っちゃうね! 粘れ粘れ、粘れ粘れ、そう、愛液のように
粘れ粘……チッ! ハイセンスオーツカなんぞに抜かれてんじゃねー! こっちゃ抜けねェ!」」
 後半はラジオ中継の競馬に対する感想だ。弥子は耳からイヤホンを引き抜くとラジオをネウ
ロにブツけて千億の破片へと砕いた。
「てめ、グダグダだべってねーで駅前でビラ巻いてこい! 俺らに任せりゃ好きなだけ女にカマ
せるなってなぁ!」
「そんな! 僕は精神的な純愛を成就させる天使なのに!」
「純愛だぁ!? ハッ、俺ぁ小学生時分、マジックマッシュルームをキめてたらテレビからリリカ
ルなのはが出てきてレイプされたんだ! 以来純愛なんざいっさい信じてねえ! この世で確
かなのは金と己の熱情だ! わかったら行ってこい!」
 やにわに冷たい声が響いたのは正にその時である。
「オイ。ここ営業中だよな?」
 いつの間にか相談所に一人の男が入ってきていた。
 背はそこそこに高くやせ型、髪は雪をまぶしたような白いショートウルフで色眼鏡をかけている。
 胸を軽く開いた黒の半袖カットソーと薄いオリーブドラブのパラシュートパンツはいかにもラフ
な印象を弥子に抱かせたらしく、彼女は出て行けとばかりに苦い顔をした。ついでにツバも溜めた。
「俺は早坂幸宜。通称ユキ。ちょっとした会社をアニキと経営している。依頼さえ完遂すれば報
酬は弾むぜ」
「らっしゃいませこんにちはー!!」
 弥子の威勢のいい声が結婚相談所に木霊した。
 転瞬! やにわに弥子と距離をつめたユキの右掌からばぁっと銀の光が閃いた!
「失せな」
 弥子が驚く暇(いとま)もあらばこそ。喉仏の下、なめし皮のように干からびた首筋に横一文
字の線が左から右へ過ぎ去ったかと思うと、ドス黒い血しぶきが冗談のように噴出した!
 線と描いたがすでに立体的な浸食をしている! 首の半ばまでをも切り裂いているのだ!
「アニキにいわせれば、十代半ばで膝回りが既に黒ずんでるような物体は女じゃない。ゴミだ。
クソだ。死に絶えろってな……アニキが喜ぶなら俺はいくらでも泥を被ってやるぜ」
「ブンゲベラベラボギャバァァァァ!!!」
 かつてここの主だったものはこうして断末した。瞳孔を見開かせ口へ気泡混じりの喀血と叫
びを焼けつけたまま……
「名刺だ! とっとけ!」
 ネウロが人差し指と中指で名刺をキャッチする頃、弥子の頭が首に蝶番があるかのように
背中へとダラリと垂れ下がり、重心移動の関係でそのまま後のめりに床へ叩きつけられた。
 そして床に広がるドス黒い血だまり。いつも通りの風景だ。
14馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:40:58 ID:daTwwqk9
「で、ご依頼というのは?」
 ネウロはソファーに腰掛けテーブルを挟んでユキと向かいながら訪ねた。
 ニコニコと木魚を叩いているところからも、ヤコの仇を討とうという気が満載だ。
「この二人を結んでやって欲しい」
 ユキが二枚の写真を黒いテーブルに乗せると、ネウロの木魚を叩く手が止まった。
 結ぶ、という依頼からすれば当然写真の二人は男女である。
 だがネウロは一瞬その二人が親子ではないかと想像したほど二人の年齢は離れていた。
「こっちが早坂久宜。オレのアニキだ」
 ユキがまず指差した男性の写真はパンフレットに載っても遜色ないほど画質がいい。
 どこかの階段に肘からもたれかかる全身像がローアングルから映されている。話の筋から
すると彼もユキと同じく会社経営者だ。ならば何かの広告用に取られた写真かも知れない。
 年は三十代前半だろうか。背はすらりと高く、黒いスーツの下に紫色のカッターシャツを着て
いる所からして既に普通の会社経営者らしからぬ雰囲気があり、背骨の意匠があしらわれた
黒いネクタイが物騒さを決定づけている。
 髪は少しラフで短い七三分けだ。顎には芝生のような髭。口元に浮かべた笑みはひどく手慣
れており、写真撮影時のみならず日常の中、寝食すみずみまでずっと微笑しているのではな
いかと思われた。
「で、こちらのお嬢さんがお兄さんの想い人というワケですね」
 ネウロは透き通るような笑みを浮かべてもう一枚の写真を指差した。
「……ああ」
 ユキの雰囲気が少し重くなったのは、写真の人物が「お譲さん」であるからだろう。
 もしくはこの写真を撮る苦労を思い出し表情が曇ったのではないかとネウロが勘ぐるほど、
写真は色々な意味で映りが良くない。手ブレやピンボケが散見でき、四隅には木の葉が映っ
ている。
「つまり、こういう場所から密かに撮影せねばならぬ事情があるのですね? おっと失礼」
 ユキの色眼鏡の奥で激しい光が灯ったのを見て、ネウロは写真観察に戻った。
 彼は魔人なので人の価値判断に「美醜」という物差しを用いるコトはないが、用いないだけ
で一応は(人間社会で生活するための知識として)持っている。
 それに照らし合わせると写真に映っているのは、なかなか人間社会では稀な美少女でない
かと思われた。人間とは違う冷静な目線で観察してなおそういう結論がでるほどの、だ。
 ネウロの知る、「芸能プロダクションとやらに入って経営戦略通り歌ったりドラマに出たりして
二年ぐらい持てはやされた後どっかに消えて、また似たような新しいのが出てきてまた消えて、
そのサイクルが早くなるにつれ質が段々低下して写真集を四十万円分ばかり買わせようとす
る」人種でも、そうはいない美少女のように思われた。むしろ戦略を以て石を玉として売りさば
き年々テレビをつまらなくするしか能のない芸能プロダクションの馬鹿げた活動と無縁である
からこそ、少女の少女らしい可憐さが野に咲く花のようにすくすくと伸びやかに外見へ滲出
(しんしゅつ)しているようにさえ思われた。
 写真の中で遠巻きにうつされる彼女には実に余分な装飾がない。
 ふんわりとウェーブのかかったセミロングの髪のてっぺんに黒く大きなカチューシャをつけて、
何を道端に見つけたのか、屈託ない笑みを浮かべている。着衣はフリルのついたピンク色の
ワンピースで、肩には白ジャケットを羽織っている。楚々とした白いジャケットは少女を一層甘
やかに演出しており、今はこの世にいない弥子が見ればクリームの甘さを想起するだろうとネ
ウロは往時を思って涙を流した。そして鳥になって見下ろす心持ち続けながらリアルな日々に
負けないよう口から火球を吐いて弥子の死体を燃やした。
「宮迫睦月……ってんだ。あんた、狸屋って玩具メーカー知ってるか?」
「ええ。先生は生前、大麻とハッピターンの粉を吸いながらまた裂きゲームをするのが好きで
した。なのになのに一体どうしてこんなコトに。うぅ、しくしく」
 いつの間にかネウロは燃えさかる弥子の死骸の前に立ち、げっげっげとマグマを吐きかけ
ていた。蛭とかぶっているが気にしない。むしろ強い酸を含んだ魔界のマグマなのでキルバー
ンだ。最近のジャンプにはああいう鬼畜な外道がいないので物足りぬとネウロは思った。
 火勢はマグマにその本性の何事かを誘引されたらしく、いよいよその勢いを増し事務所全体
を恐ろしい光で照らした。しかるに火はそれ以上範囲を広げる気配がない! おお、なんと端
倪(たんげい)すべからざる魔人のわざ!
15馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:42:01 ID:daTwwqk9
 ユキは一切合切を無視した。付き合っても仕方ないと思ったのだろう。
「写真のガキは狸屋の社長の孫だ。少し前、ちょっと依頼を受けてな……」

 ユキの話すところではこうらしい。
 以前、社長の身辺に異変が起こった。
 行く先々で鉄骨や植木鉢やシータが頭上から落ちてくるようになったのだ。
 流石に誰かに狙われていると思った社長は警察に相談したが、取り合って貰えなかったので
ユキとその兄の経営する会社に警護を頼んだという。シータは温泉旅館へバイトしに行った。

「警護? おや、先ほど頂いた名刺には香辛料の輸入や卸販売とありますが?
「あぁ、それは表向きの名目。うちは裏じゃ色々あるんだ」

 要するに最初はユキたちが昔務めていた総合信用調査会社に話が行ったのだが、担当者
がドラマCD版からアニメ版へ移行する際まるで別人になったような声変わりをきたし咽頭部
爆裂により急逝したため、かつてのツテでユキの会社に御鉢が回ってきたらしい。

「ま、そこは俺達兄弟。ちゃんと警護は成功させたさ」
「ほほう。それはお見事。世の中には依頼を受けておきながら殺人を阻止できない無能な探
偵やエサ欲しさに敢えて阻止をしないひどい助手もいるというのに!」

 社長を殺そうとしていたのは息子だったらしく、それがバレるとなんかアンコウみたいな姿で
七光どうこうを喚いて、愛刀の和泉守兼定二尺八寸をバットのような持ち方の示現流で「チェス
トー!」と猿叫立てつつ社長に迫ったが、久宜が抜く手も見せぬ拳銃さばきで即座に膝と掌を
撃ち抜き犯行を阻止したという。薩摩なのに土方の愛刀? と思う方は翔ぶが如くの最終巻を
読むがよろし。人斬り半次郎こと桐野利秋も持ってたのが分かる。

「で、問題はココからだ
「ほほう」

 ベタだけど回想スタート。パトやらポリやらがごったがえする狸屋本社前。

「ご依頼の件、完了しました」
「おお、ありがとうじゃ! これでわしは世界中の子供に向かって這って歩ける! それに比
べれば醍醐の逮捕なぞ……逮捕なぞ……」
 宮迫社長は警察に連行される醍醐を見ながら拳を震わせた。
「馬鹿者が……! このわしの血を受けた息子ならば七光なぞなくとも狸屋を発展させられる
と信じていたのに……!!」
 苦渋に満面を染める宮迫社長の目には耐えがたい涙が浮かんでいたというがそれは本題と
は関係ないし、早坂兄弟にも関係ない。
「では報酬は指定の口座まで……」
 久宜はサングラスのノーズパッドをくいっと引き上げながら立ち去ろうとした。
 するとである。野次馬かきわけキープアウトのテープをくぐり抜け、宮迫社長に飛びついてき
た影があった。早坂兄弟が警護の任を引き受けながらそれを見逃したのは、影が少女だったの
と顔見知りの太い葉巻を加えた巡査がテープの前で影に行くよう指示するのを見ていたからだ。
「おお、睦月」
 祖父の危機や叔父の逮捕を聞きつけ駆け付けたのだろう。睦月は宮迫社長にすがって無
事を喜び声を上げて泣きだした。
 久宜はどうかわからないが、ユキは兄を慕ってやまないのでさほどそういう光景は嫌いでは
ない。立場を鑑みながら「たまにはいいか」と今回の任務も満足を覚えかけたその時である。

 睦月が宮迫社長から離れて、手近にいた久宜にペコリと大きく頭を下げた。

「あの、おじいちゃんを助けてくれてありがとう!」

 睦月は頭を上げると、まだまなじりににうっすらと涙をうかべながら、飛びきりの笑みを久宜に
向けた。
 ユキは確かにその時、異様な音が久宜から響くのを聞いた。

 ドッキーン☆
16馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:42:46 ID:daTwwqk9
(なんだよアニキその音!)
 ユキはかつて兄が捨て猫どもを拾ったのを覚えている。覚えているというか今でも自宅には
その猫らが居て、もうすぐ室内用のアスレチック器具すら届くから、兄との関係に対する死活
問題として扱っている。
 最初こそ久宜は、「猫どもから三毛猫のオスを見つけた。金になるから拾った」と弁明してい
た癖に、それ以外の無価値な子猫どもにデレデレと頬を緩めてレモン石鹸で洗ったり温めた
ミルクをふうふうしてから与えたり、牛乳は腹壊すのかー! と焦ったり、四種混合ワクチンは
いつ打てばいいかと真剣に悩んだりしている。
 要するに、可愛い物好きな側面を有しているのだ。久宜は。
 その事実を脳裏に描き兄の変調とそれをもたらした少女を見比べたユキは更に驚くべき光景
を目の当たりにした。

「い、いや、おじさんたちはお仕事だからね。もし道端で君のおじいさんが襲われているのを見
ても助けなかったかも知れないよ……?」

 久宜はトレードマークともいえる笑顔を物凄く困ったようにすぼめて、汗すらかいてあたふた
と睦月に弁明した。

「ううん。おじさん笑顔がかわいいから、きっとおじいちゃんと知り合いじゃなくても助けてくれるよ。
本当にありがとー。そっちの人もありがとー」

 ユキは頭のてっぺんで手を振る睦月をどこか意識の外に置きながら、兄が耳まで真赤にし
ているのを見た。

(可愛い……? この、私が? この笑顔が…………?)
(アニキィィィィィー!)
 
「とまぁ、コレで終わればまだ良かったんだ」
「ほほう。まだ続きが」
 ユキは心底嫌そうに頬杖をつきつつ睦月の写真を人差し指でとんとんと叩いた。
「アニキの奴……いつの間にかこのガキとメル友になってやがった」
「なんと」
 ネウロは口を無邪気に半開きにして身を乗り出した。どうでもいいがこの悪鬼羅刹を純真無
垢に描いていると物凄く疲れる。
「つまりあなたはお兄さんのケータイを盗み見したのですね。分かります」
「……なぁ、愚痴っていいか?」
「どうぞ! お客様の愚痴を聞くのも僕の仕事です!」
「あのガキがアニキのメルアド知ったのは仕方ねー。あのロリコンジジイがせがまれて仕方なく
バラしたっていうからな。ちゃんと報酬払った客に手を出すほど俺も馬鹿じゃないさ。けどよ……」
 久宜の写真を物凄く悲しそうに一瞥すると、ユキはどこからともなく取りだしたコートを着こんで
もふもふが縁についたフードをかぶり、ぶるぶる震え始めた。
「あぁ畜生。久々に寒くなってきた! なんでアニキの奴、返信して仲良くなってんだよ! 俺
が寒いのはそこだぜ!!」
 読者のほとんどが忘れている特徴すら引っ張り出すところを見るとよほどユキの悩みは深刻
らしい。
 ユキの周囲でびきびきと堅い音がして空気が氷結し始めた。やがてあたりの水蒸気は某牛乳
メーカーのシンボルの元ネタたる樹枝状六花結晶と化し、暴風に乗って事務所のあちこちを蹂
躙し始めた。弥子を燃やしていた炎も寒風にいつか消され本棚や机に雪が積っていく……
 萌えマンガ、とりわけToLOVEる読者にとってコレは周知の事実であると思うが、人間の体
温は、脊髄中の吻側延髄腹外側野(ふんそくえんずいふくがいそくや)に存在する交感神経
プレモーターニューロンによって調節される。ユキは恐らくそれに欠陥があるのだろう。
「しかもあの女に子猫の画像見せて可愛いだろ可愛いだろって必ず書いてやがる。クソッ!
俺にはそういうメールちっともよこさないクセになんであの女にだけ!! あァ!! 寒ィ!!
久々に物凄く寒いぜ!! なんでこんなに寒いんだよ!!!」
17馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:43:45 ID:daTwwqk9
「ケータイ覗くのは良くないですよ。”あ”と入力した時の予測変換機能で、”あいしてる”になる
かどうか試すのも」
「ふざけんな! メール消されてても予測変換機能使ったらだいたいの内容が推理できるんだ
ぜ! それすらできなくなったら俺はこの寒気をどうすりゃいい!」
 もはや事務所の床には三十センチばかりの雪の層が分厚く積っている。なのにますます吹雪
を強めるユキに、ネウロは引きつった笑みを浮かべた。
「僕はあなたのお兄さんへの思いとストーカー行為に寒気がしますね。でも先ほどからのお話
ではむしろ縁結びより縁切りの方があなたにとって良いのでは?」
 ユキの震えが止まった。
「……寂しいだろうが」
ぷいと顔を背けてぶっきらぼうに呟くユキにネウロは首を傾げた。
「はい?」
「だから! アニキはずっと俺と馬鹿やってたせいで結婚する機会を失ったんだ! 今だって
恋人の一人もいやしねえ! いいや、多分ずっとだ! そんなアニキがようやくいい人と巡り
逢えたのに俺が邪魔するとか筋違いだろうが! いま破談したらアニキはずっと寂しいまま
……だったらあのガキがでかくなって適当な結婚する前に結びつけるのさ!」
 寒い寒いといいながら頬を赤らめ凄まじく熱い声を出すユキにネウロは目を丸くした。
「でも年の差は親子ほどありますよ? 性犯罪ですよ?」
 ユキは色眼鏡の奥で目を細めてニヤリと笑った。
「その辺りは構わねェ。何せ俺達ゃ兄弟はワルだからな」
 カッコ良くいってはいるが結局ロリコン犯罪の正当化ではないか、とネウロは思ったが別の
言葉で相手の真剣さを図るコトとした。相手は飯のタネなのだ。説諭より選別が肝要。
「でもお兄さんが結婚したら、貴方は蚊帳の外ですよね」
 ユキは額に手を当てて沈み込んだ。
「わーってるさ……いうな。俺は……アニキが幸せならそれでいいんだ」
「わかりました。お兄さんと、あなたの純粋な思い、気に入りました! ではご依頼の方、受け
ましょう!」
「……ありがとよ。せいぜい、アニキを幸せにしてやってくれ」
「それからですね。雪が融けたら何になると思います?」
「ハ? 水になるに決まってんだろ」
「違います。HALになるんです。あなたにもいつかHALが訪れるでしょう。」
 ユキの顔がぱぁっと明るくなると事務所の雪が融け、変わりに電人がいっぱい出てきた。

 というコトで作戦が始まった。
 一方その頃! (少年頭脳カトリに出てきたおじさん風に)

「あ」
「あ」

 街中で睦月と久宜は同時に間の抜けた声を上げた。特に示し合わせたワケでもないのに
遭遇したのだ。
「あー、ひさのりさんだー! おしごとの帰り?」
 久宜はユキの写真とほぼ同じ衣装で、睦月も大体同じ。ただ小さな体に不釣り合いな大きな
鞄を肩にかけている所が少々違う。夕刻だから学校帰りだから教材でも入っているのだろう。
 そうやってだぼだぼしたものを少女が一生懸命抱えていると非常に愛らしい。
「あ、ああ。ちょっと野暮用があってね」
 久宜は困った。実はさきほど社の利益を守るために五十人からなる外人傭兵部隊を殲滅し
てきたばかりなのだ。背広の内ポケットにはまだ硝煙くすぶる拳銃だってしまわれている。
 そんなコトは知る由もなく、睦月は無防備に久宜にすりよって、袖をひきつつキラキラした瞳
で見上げてくるからたまらない。
「ね、ね? 子猫さんたちげんき?」
「ああ、元気だとも。フフフ。昨日ついにうちにアスレチック施設が到着してね、よじ登ったり飛
び降りたりかじったりしてるよ」
「あはは、たべものじゃないのに。変なの〜」
「まったくだよ。子猫というのは手間がかかって困るね。いや、困っているといっても今さらよそ
にはやるつもりはないよ。ま、まぁ、うちには空き部屋もあるし繊維製の家具はないからそれ
ほど困ってはいないから欲しいといってもあげないよ」
「ひさのりさん、本当に子猫さんたち好きなんだね」
18馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:45:06 ID:daTwwqk9
 お腹に手を当ててクスクス笑う睦月はどうも可愛い。
(……しかし私は何をしているんだ。い、いや。この子は狸屋の社長の孫だから先々のために
コネを作っているに過ぎない。コネは金のため、金を儲けるため……そうじゃないのかね早坂
久宜。そうじゃないのかね……)
 またも汗だらだらで自問自答する久宜をよそに、睦月は鞄に手を突っ込んでしばらくがさごそ
やっていたが、やがて何かの包みを引っ張り出し久宜に差し出した。
「あのね、きょう家庭科のじゅぎょーでクッキー焼いたからひさのりさんにあげるね! ほんとは
ママのぶんだけど、まあ、外交カードっていったらなっとくしてくれるから」
 香ばしい匂いが久宜の鼻をついた。あるいはこの少女の匂いかも知れず、久宜は柄にもなく
どぎまぎと受け取った。
「あ、ありがとう。おいしくいただくよ」
「じゃあねー。またメールちょーだいねー」
 弾けるような笑顔で手を振りながら睦月は走り去って行った。
「……ユキにもあげるべきだろうか。しかし」
 しかし、の後の言葉が「自分だけが食べたい」か「ユキはアイスクリームのような冷たくてとろ
とろした物しか受け付けないかしな……」のどっちか。久宜は我が事なのに分からず困った。
 睦月への好ましさとユキへの気遣いに困惑した時、久宜の耳に大きな声が突き刺さった。
「ひさのりさーん! ネクタイにさかなのほね書くのはやめた方がいいよおー!」
 振り向けば道の向こうで睦月が口に手を当て大声で叫んでいる。それで道行く者は久宜の
胸をちらちら見て、ニヤニヤしながら立ち去っていくのが分かった。
「魚の骨じゃないよ。だいたい、それぐらいは私の好きにさせてくれたまえ……」
 小声だったので睦月には届かなかったが、落胆は伝わったらしく睦月は「うふふ」と笑いなが
ら雑踏に消えた。
(どうもよくない)
 久宜は自分の睦月に対する感情を処理しがたくなってきた。
 ふぅ、とため息をついて視線を落とすと、彼は首をかしげた。
 何かが落ちている。目を凝らすと財布のようだ。今どき珍しいガマ口で生地はピンクの布製。
 ところどころに何かのロボットの刺繍が施してある。それが「殺人兵器丸ロボ」なるゲームキャ
ラと久宜に知れたのは、かつて勤めていた会社の社長がよくそのゲームの攻略を押し付けて
きた経験による。
「フン。財布など落とす方が悪い。ネコババさせてもらうよ。そうでなければワルたる私自身の
バランスというものが取れないからね……フフフ。こうして軽犯罪を働いているとユキとの少
年時代を思い出す」
 くいっとサングラスのノーズパッドを押し上げながら、久宜は器用に片手で財布を開き……
 この場に鏡がなくて良かったと心底から思った。驚くあまり、微笑しつつも顎が外れんばかり
に開いているのだから。
「先ほど鞄からクッキーの包みを出す時に落としたのか」
 「みやさこむつき」と内側に青ペンで書かれたガマ口を前に、しばし久宜は立ち尽くしていた。

 所変わって魔界結婚相談所。電話をするネウロの姿があった。
「もしもし。お忙しい中すみません。私、魔界結婚相談所の脳噛ネウロと申します。本日は有限
会社笑顔様から御用を賜りお電話差し上げた次第です。ええ。はい。そうです。ええ。ええっ。
分かります。可愛いお孫さんが実の孫である事、重ね重ね残念ですよね。はい、はいっ。……
そう! 流石は鋭い! そうなのです。実のお孫さんでさえなければ見られるあれやこれやを
ご覧できる、いい機会がありますよ!」
 電話を置くとネウロは輝くような笑みをユキに向けた。
「まず一名、話をつけました」
「お、おう」
「ではもう一名に話をつけましょう!」

 久宜はもう色々な意味で泣きたくなった。泣きたくなりながらもやっぱり微笑は浮かべている
からますます自分が滑稽に思えてくる。
(なんで私は彼女の家でハンバーグをごちそうになっているんだ)
 宮迫家の食卓で睦月とその母・葉月とテーブルを囲みつつ久宜は途方に暮れていた。
 財布を届けに来たらこうなった。ちょうど食事の用意をしているとか何とかで睦月が久宜を半
ば強引に部屋へ引きずり込んだのだ。
19馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:46:00 ID:daTwwqk9
 いい聞かせるように思いながらも久宜はどうも睦月を邪険にできない。
「でもね、大人の中じゃいつだってひとりぼっち。この前ねらわれたときだって、大人はだぁれも
助けてくれなくて、わたしがほかの人にたのもうかなーっておもってたの」
 睦月は久宜の葛藤など知らない。ただただ自分の思いをすらすら口に乗せて、まるで子猫の
ような澄んだ瞳を下から向けてくるだけである。
「でもひさのりさんともう一人の人が助けてくれてね、うれしかったよ。あとでママにも話したら、
とろさんやならしかさんも、実はおじいちゃんをすごく心配してくれてたんだってー。うん。おじい
ちゃんは大人の中でもひとりぼっちじゃないんだなって。それが分かったのはひさのりさんた
ちのおかげだよ。ありがとう」
 そして笑う。この少女は言葉の後に笑うコトを宿命づけられている生物じゃないかと思えるほ
どよく笑う。
 あぁ、と久宜は思った。もしかすると三つ目の共通項は笑顔かも知れない。人工と天然の違
いはあるが、それはいずれも両者の原則を世界に示してはいる。
(ならばせいぜい君を観察させてもらうよ。私の鎧の質を高めるために)
 培った物が意外な所で活き、思わぬ収入をもたらすのが仕事である。そういう可能性を常々
信じている久宜だから、睦月という少女にも可能性を感じた。同時に戸惑いは少し消えた。
「そうだね」
 スっとしゃがんで久宜は睦月と同じ視点になった。
「君のおじいさんは色々な人に慕われているから、できれば私も末長くお付き合いしたいよ」
 もちろんビジネス的な意味だが、睦月との関係性の継続も少し考慮にある。
「うん。私も。じゃあねー」
 睦月は振り返りてててと駆け去って行った。
(フ。実にあっさりしている。要件を告げるだけ告げて即帰る……案外、いいビジネスマンにな
れるかもな)
 笑みを浮かべて睦月を見送っていた久宜だが、しばらく考えるとそーっと睦月の後を追った。
(時間も時間だ。お嬢さんの一人歩きは危ない。フフ。私がせっかく見つけた可能性だ。もし危
害を加える者が現れたら撃ち殺すとしよう。そうでもせねば私のワルとしてバランスが保てない)
 もちろん大人と子供だ。走って先行していた睦月だが、すぐ距離は縮まった。
 そうして見つからないよう見つからないよう尾行しながら、周囲を注意深く見渡す。
 もちろん睦月を狙う影などいない。敢えていえば久宜こそ怪しいだろう。
(やれやれ。ハンバーグが報酬のボディーガードなど初めてだがね。私が始めた以上、矜持に
かけてミスは絶対に許されないのだよ)
 睦月がマンションの入口に差しかかった時、久宜は宮迫家に電話を入れてマンションの出口
に睦月がいる旨を告げた。しばらくすると葉月が玄関口で睦月を迎えるのを見た。
(……ふふっ。ずいぶんらしくない真似をするじゃないか早坂久宜。狸屋とのコネはそんなに
重要かね? まぁそれはともかく頂いたクッキーはおいしく頂こう)
 携帯電話の電源を切ると久宜はタバコをふかしつつ、夜の街へと溶け込むように姿を消した。

 同じころネウロたちが出向いたのは河川敷だ。
 そこでリポーターはハエを周囲に飛ばしながら空き缶をゴミ袋に入れている第一血族はっけー
ん! 早速お話を伺うコトに。
「ホームレスではないよ。私はシックス。たぶん一作品ぐらいしかエロパロネタに使われてな
い男。誰か描けよ私で。断末魔の叫びからでも、哀惜の慟哭からでもなく、静かなる言葉で誰
か私で純愛物を描いてくれ」
「……いきなり出てきて何いってるんだこのホームレス。無理難題は単行本の余白だけにしろ」
 ユキが鼻をつまみながら呆れると、シックスは黄ばんだ歯をむき出しにして笑った。
「私はホームレスじゃないよ。私はシックス。健康保険が効かないので病気になっても病院へ
はいけない男。だから家もなくアルミ缶を拾い集める方面に定向進化した新しい血族だ。私の
人生は大勝利。大勝利と思わないと密閉空間で武藤と散歩する羽目になる」
「みんな早くエロが読みたいのに不人気キャラごときが無駄な行数使わないでください」
 とりあえずネウロはシックスの顎に蹴りを叩きこんで宇宙に向けて二千メートルばかり吹き
飛ばした。
20馬【ばかきょうだい】 :2008/04/14(月) 16:47:09 ID:daTwwqk9
 五時間後。
 もうすぐ日が昇るという頃、肉体を用いた阿鼻谷ゼミ流の民主主義的話し合いがついに決着
した。
「仕事を引き受けたらガストで目玉焼きハンバーグを奢ります」
 シックスはボロボロでネウロは無傷。にも拘わらずシックスは目を煌かせた。
「なんだと。ハンバーグ……! ファミレスで目玉焼きの乗ったハンバーグをちゃんと暖かくて
カビとか変な虫のついてないご飯と一緒に食べられるのは最高の考古学とは思わないかね」
「……い、いや、最低限度の栄養学じゃねーかそれは」
「私は乗らせていただくよ! イヤッホウ!」
 シックスはバンザイをしてから橋の下のビニールテントに突っ込むと、事情を報告したのだろ
う。新しい血族の面々──ゆうしろうと半魚人クルセイダーズとコアラ抜刀斉──をぞろぞろ
率いて河原の広い所で胴上げをしてもらい、輝く笑顔を太陽に向けた。
翌日死ぬとも知らずに。

以上ココまで。
お付き合い下さりありがとうございました。
また非エロが長引いたらお世話になります。
21名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 19:41:12 ID:zh0PIBm5
>>11

まじで重複・・・
11/22を投下しときます・・・


「なんだか変な気分よ……」響子さんはそうつぶやくと五代と体を入れ替え自分が上になる。そし
てそのまま響子さんから唇を重ねる。
「何度もあんなこと言わせるから……あたしなんだか……」
「なんだか……?」五代が響子さんに続きの言葉を促す。
「なんだと思う……?」響子さんが笑いながら逆に尋ねる。
「なにかな……」五代が笑う。今日夫婦になったばかりの二人の甘いやり取りが続く。
「なんだか……体の奥が熱くなってきちゃって……」響子さんが五代をすっかり興奮した表情で見
つめる。
「五代さんもあたしみたいに……」響子さんは顔を赤くして五代の股間に移り五代のものに手を添
える。
「響子さん……」五代は響子さん自ら自分の股間に移ったことに気持ちが一気に昂ぶる。
「口で……して欲しい……?」響子さんが上目遣いに五代を見る。
五代は響子さんが恥ずかしがりながら発する言葉に思わず息を呑む。
「も、もちろんです!」
「ふふふ、仕方ないわね」響子さんはそうつぶやくと五代のものの先端の裏側に舌を這わせる。
「うっ……」響子さんの舌の感触に五代は思わずうめき声をあげる。実は響子さんが五代のものを
口にするのは久しぶりなのだ。確かに最初の頃は毎回のように口でしてもらっていた。しかし、響
子さんはフェラチオを好きではないため最近では遠慮してしまっていたのだ。
しかし……だからこそ久しぶりの響子さんの口の感触はとても心地よい。

「んぐんぐ……」響子さんが五代の竿の部分を右手でしごきながら先端部分を含み舌で刺激する。
響子さんは五代のものが口の中で一気に大きさと硬さを増したのをはっきりと認識する。
「うう……」五代は久しぶりの感触に思わず精を放出しそうになるが何とか耐える。
「相変わらず弱いのよね」響子さんが五代のものから口を離して言う。
「響子さんがその……うますぎるんです」
「そんなことないわ、あたし、口でするのはあなたが初めてだったんですから」
「おれが……初めて……?」わかってはいたことだがはっきり言われると五代はなんだか嬉しくな
る。どんなことであれ響子さんの初めての経験が自分であるということは五代にとってとても重要
なことなのだ。
「惣一郎さんにはこういうことは……?」
「惣一郎さんは……あたしにこんなことさせたりしません……」響子さんが俯いたまま五代のもの
をしごきながらいう。
「嫌……なんですよね」五代が響子さんに確認する。
「嫌よ」響子さんがはっきりとこたえる。
「でもね……五代さんが望むなら……」響子さんが視線を逸らせると黙って再度五代のものを口に
する。

「んふっ……」響子さんの口から苦しそうな喘ぎ声が漏れる。生真面目な響子さんは好きではない
フェラチオにもどうせやるならとつい夢中になってしまう。口の中で自分の舌を五代のものに何度
もこすり付け五代が悦びの喘ぎ声を発する度、自分は今、五代のためだけに存在していることを実
感する。
しかし……それだけではないのだ……。
響子さんは内心気づいている。男性器を口にするという背徳の感情が自分の中でどす黒い快感へと
変わり一気に昂ぶってしまうことに。そもそも響子さんが五代に口で奉仕することなどありえない
ことなのだ。そのありえないはずのことを自ら進んですることに響子さんは激しい快感を得る。そ
の証拠に響子さんの秘所はさき程までより一層激しくうずき始めている。今五代に貫かれたらその
瞬間、気をやってしまうだろうと響子さんは思う。

22名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 06:13:31 ID:7l2Ap3fr
>>21
「桜の下で」の後編を投稿してくれたことに感謝しています。
前作の「桜の下で」中編では第一作の「二人の夜」から中編まで五代と響子の二人が築きあげてきた関係に一気に亀裂が入ってしまったようで
読んでいて辛かったのが私の本音です。

今回の後編の二人の幸せそうな姿を見て安心しました。

ところで一応確認なんですが
前スレの10/21の(「……五代さんのことが好き……大好き……」何度も好きと言わされ体だけでなく気持ち
までもが昂ぶってしまった響子さんは、思わず五代にしがみつく。)の続きが11/22の(「なんだか変な気分よ……」響子さんはそうつぶやくと五代と体を入れ替え自分が上になる。)

作品の流れとしては10/21で、響子は五代に好きだと言った後に、11/22で五代にフェラチオして12/21でシックスナイン(69)をしたということで良いんですよね?

最後にもう一度、「桜の下で」をきちんと最後まで書き上げてくれたことに心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
23名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 20:53:30 ID:kle/WZEH
>>22

10/21 → 11/22 → 12/21 で間違いありません。

>本当にありがとうございました。

おそらく前スレ主さんだと思いますが、長い間ありがとうございました。
死ねとかくずとか言われても今さらなんとも思いませんが、温かい言葉をもらうとやはり嬉し
いものです。

今まで書いてきた作品はAの10作で521KB、その他の単発を含めると655KBにもなりました。

A3の約束を書いてる途中に、原作では終始受身だった響子さんにもっと色々なセリフ、特に
前向きなセリフを言わせたいと思い「桜の下で」のイメージを固めながら書いてきました。

原作にないエピソードを追加したり改変したりして、決して原作では言わなかったセリフを自分
なりにうまく言わせることが出来たと思っています。
そして、どんなに叩かれようが自分で作り上げたイメージはものすごく気に入っています。

いつか続きを書きたくなると思いますのでその時にまた。
24名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 20:38:57 ID:77DDxoRg
保守
25名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 21:46:22 ID:PknCyLQG
前スレの、筒に入ったまま出て来れなくなるアホの子を犯っちゃう話はえがった
26名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:38:59 ID:/BolMvj9
 ほ し ゅ
27名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 15:53:46 ID:XdIqwsG3
ほしゅ
28名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 16:56:38 ID:lTVa6a2z
>>25シュールだなそれw
29名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 07:35:49 ID:1BQWjSZY
いやぁ、あれは面白かった。ほんとに。
30名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 23:02:09 ID:P5c6bL/1
話題になってるので前スレ探して読んできた
なんだあれ、ちょーおもしれえ!
女の子のキャラが抜群にいいな
31 ◆qM8UwHNWDA :2008/05/16(金) 01:57:19 ID:Ueda/cES
みなさんこんばんは。

なんかべたべたなのを書きたくなったんで
めぞん関係のSSを投下します。

タイトルは「S01 訪問販売員 坂本」


ではどうぞ
3201/24:2008/05/16(金) 01:58:33 ID:Ueda/cES
「奥さん、おれ、もうだめです!」
坂本がさよりを相手に断末魔の悲鳴をあげる。
「ああ、坂本さんっ……!!」
さよりも坂本と同時に絶頂の快感を得る。


「では、また来ますんで次回もよろしくお願いします」
坂本がいかにも事務的な口調で先ほどまでベッドをともにしていたさよりに別れを告げる。
「また……お願いします……」
坂本は複雑な思いの絡まったさよりの声を確認すると玄関のドアを閉めあるマンションの一室を後
にする。


「ふぃ〜疲れた疲れた」
道路に出た坂本はネクタイをゆるめ舌を出す。
先ほど坂本が人妻のさよりを抱いていたのはさぼりではなく仕事の一環だ。
長引く不況のため坂本はやっとの思いで就職した会社を解雇され、ある先輩のつてで今の仕事に就
いている。
その仕事とはずばり宝石の訪問販売。
そのいかがわしいイメージ同様、坂本の仕事は半分詐欺みたいなものであった。暇と金をもてあま
す主婦に安価な宝石を高く売りつける。
まさに詐欺だ。しかし、なぜか宝石は結構売れる。それは坂本の若い肉体も宝石の値段に含まれて
いるからだ。
世の中には夫に全く構ってもらえない女性が少なからず存在する。そんな女性たちが坂本の若い肉
体を宝石と一緒に買うのだ。
信じられないことに傍目には裕福でなんの不満のなさそうな人妻が折りを見て坂本を誘ってくる。
先ほどの女性さよりもご多分に漏れずその一人。
彼女一人で坂本の一ヶ月の売り上げの大部分を担ってくれている大切な常連様だ。
坂本が持参した宝石などそっちのけで坂本の若い肉体にむさぼりついてくる他の中年おばさん達と
違いさよりにはまだ夫を裏切っているとの背徳の感情が残っている。
そのさよりを好きなように抱く快感を忘れられず坂本は週に何度かさよりのもとへと通ってしま
うのだ。

3302/24:2008/05/16(金) 01:59:14 ID:Ueda/cES
(もうあの人のところに行くのはやめよう)
坂本は何度目かわからない決意を再度固める。
特定の女性とあまりに深く関わりすぎるとトラブルの元だというのを坂本も十分に承知している。
宝石が売れたらもう二度と顔を出さないのが最もベストなのは今までの経験からも明らかだ。
しかし……坂本はいつまでたっても彼女との関係をやめられない。
それは坂本に今、親身になってくれる彼女がいないことにも起因する。
もしそのような女性が近くにいればさよりにとの関係も清算できると思う。
しかし、訪問する自分を丁重にもてなし、罪悪感を感じながら自分に抱かれるさよりを坂本は切り
捨てることが出来ない。
坂本はさよりに心惹かれてしまっている部分があるのだ。
お互いのためにも合わない方がいいことはわかりきっているがそれができないジレンマに坂本は苦
悩する。

(おれにも管理人さんのような人がいたら……)
坂本は長年の友人である五代を思い浮かべる。
学生時代から何をやっても自分の後ろにいた五代が就職を決めるや否や自分が全く付き合ったこと
のないような美女と結婚してしまったのだから坂本としてはなんとも言えない気分になるのはいた
し方のないことであった。
坂本は五代が幸せになってくれて本当に嬉しく思う。
しかし胸にこみ上げる悪意にも似た感情を完全に消し去ることができるほど人間ができているわけ
でもない。
「くそっ」坂本は自己嫌悪に陥り唾を道に吐き捨てる。
そしてたまたま目に入った高級マンションに足を踏み入れる。

3403/24:2008/05/16(金) 02:00:10 ID:Ueda/cES
(もうあの人のところに行くのはやめよう)
坂本は何度目かわからない決意を再度固める。
特定の女性とあまりに深く関わりすぎるとトラブルの元だというのを坂本も十分に承知している。
宝石が売れたらもう二度と顔を出さないのが最もベストなのは今までの経験からも明らかだ。
しかし……坂本はいつまでたっても彼女との関係をやめられない。
それは坂本に今、親身になってくれる彼女がいないことにも起因する。
もしそのような女性が近くにいればさよりにとの関係も清算できると思う。
しかし、訪問する自分を丁重にもてなし、罪悪感を感じながら自分に抱かれるさよりを坂本は切り
捨てることが出来ない。
坂本はさよりに心惹かれてしまっている部分があるのだ。
お互いのためにも合わない方がいいことはわかりきっているがそれができないジレンマに坂本は苦
悩する。

(おれにも管理人さんのような人がいたら……)
坂本は長年の友人である五代を思い浮かべる。
学生時代から何をやっても自分の後ろにいた五代が就職を決めるや否や自分が全く付き合ったこと
のないような美女と結婚してしまったのだから坂本としてはなんとも言えない気分になるのはいた
し方のないことであった。
坂本は五代が幸せになってくれて本当に嬉しく思う。
しかし胸にこみ上げる悪意にも似た感情を完全に消し去ることができるほど人間ができているわけ
でもない。
「くそっ」坂本は自己嫌悪に陥り唾を道に吐き捨てる。
そしてたまたま目に入った高級マンションに足を踏み入れる。

3504/24:2008/05/16(金) 02:01:40 ID:Ueda/cES
「もしかして……三鷹さんの奥さんじゃありませんか?」
「えっ……主人をご存知ですの?」
その女性、三鷹明日菜が坂本に質問を返す。
「あの……五代の結婚式の二次会に来てらしたと思うんですが」
「五代……」
明日菜は一瞬考え込む。
しかし、なんとか記憶を掘り起こすことに成功する。
「あの……音無さんが結婚された方……でしたっけ?」
明日菜がかわいらしく首をひねりながら坂本に尋ねる。
「そうそう、管理人さんの前のだんなさんの苗字が確か音無でしたね」
坂本が明日菜にあわせる。
「そうでしたか、音無さんのだんな様のお友達でしたらあの二次会で会っててもおかしくないです
ね」
そういって明日菜がにっこりと笑う。
「ここにお住まいなんですか?」
坂本が明日菜に尋ねると他の部屋の住人が廊下で立ち話をする二人を変な目で見ながら通り過ぎる。
「すみません、おれ、迷惑ですよね」
「そんなことありません。わたし、昼間は話し相手がいなくて……」
そこまでいって明日菜は言葉をとめる。
出すぎたまねかと思いついもじもじしてしまう明日菜。
しかし、思い切って坂本に声をかける。
「中でお茶でもいかがですか?」
「いいんですか?」
坂本が思いもよらない展開に驚く。
「ええ、ちらかってますけどどうぞ」
そういって明日菜がドアの鍵を開けて坂本を部屋に誘う。


3605/24:2008/05/16(金) 02:02:20 ID:Ueda/cES
「少し待っててくださいね、お茶を用意しますから」
明日菜が坂本にキッチンから声を掛ける。
「いえそんな、お構いなく」
坂本は遠慮するがもう明日菜は準備を始めている。
ほどなくして坂本に香りの良いコーヒーが出される。
「どうぞ」
明日菜がにっこりと笑う。
「あっ、どうも……」
坂本はとりあえず礼をいう。
坂本にはわからない。
ほとんど顔も知らないような自分に笑顔でお茶を出す明日菜の心境が。
「あの……どうしておれなんかのためにそんな風によくしてくれるんですか?」
「そんなつもりはないんですけど……」
そういって明日菜が窓の外を見る。
するとそれとほぼ時を同じくして別室から赤ちゃんの鳴き声が聞こえ始める。
「あらあら……」
明日菜が別室に飛び込む。
「どうしたのメイちゃん」
明日菜が赤ちゃんをあやす声が坂本の耳に入る。
(そういや、あの時妊娠してたっけ……)
坂本は漠然と思い出す。
「あの……おれ、もう失礼します」
坂本がリビングから明日菜に声を掛ける。
「すいません、ちょっとお待ちになってくださいな」
明日菜が別室から坂本を呼び止める。
「うわぁぁぁぁぁん」
すると今度は双子のもう一人、モエが泣き声をあげ始める。
「あらやだ、もうどうしましょ」
明日菜はお客さんが来ているのにもかかわらず泣き声をあげるかわいい我が子を必死にあやす。

(大変だな……)坂本は差し出されたコーヒーに舌鼓を打ちながら育児の大変さをなんとなく知る。
そして程なくして泣き止んだ様子に坂本は別室を覗きながら明日菜に声を掛ける。
「赤ちゃん、落ち着きましたか?」
「しー……」
明日菜が坂本に向かって静かにするようにジェスチャーを送る。
「えっ……」
坂本は思わず唖然とする。
明日菜は衣服をはだけて授乳の最中だったのだ。
思わず坂本の視線が明日菜の乳房に釘付けになる。
「や、やだ……」
明日菜は坂本の視線に気づき体の向きを変え胸を隠す。
「す、すいません。つい……」
坂本が背中を向けてそのまま明日菜にわびる。
「その、いいですから……あっちの部屋に戻ってください」
明日菜が顔を赤くしながら坂本に言う。

3706/24:2008/05/16(金) 02:02:54 ID:Ueda/cES
「さっきはすみませんでした」
坂本が明日菜に謝る。
「いえ……わたしが不用意でした」
そう言って顔を赤くする明日菜。
「実は主人が今、アメリカにテニスの研修に行ってるんです。だから知ってる人に会えてなんだか
嬉しくなって引き止めてしまって」
「そうなんですか」
「アメリカで研修とはしがないセールスマンとは全く別世界ですね」
坂本が自嘲して笑う。
「そんな……」
そしてなんとも言えない沈黙。
その沈黙に耐え切れず坂本が明日菜に尋ねる。
「いつから三鷹さんはアメリカへ?」
「先月中ごろからなんです」
明日菜が問われるままに応える。
「じゃあもう一ヶ月も。寂しいですね」
坂本が同情する。
「ええ……。ですから知ってる人に会えてなんだか嬉しくて」
そういって明日菜が小さく微笑む。
「いつ、お帰りになるんですか?」
「……来月の中ごろに……」
明日菜が寂しくつぶやく。
「そうですか……」
坂本はため息をつく。
(こんなかわいい奥さん放ってアメリカに行くとは三鷹さんも罪な男だな)
坂本は柄にも無く三鷹に対して怒りを抱く。
そしてなんとなく部屋の中を見回す。
趣味のいい調度品に電化製品。
坂本が逆立ちしても手にいれることが出来ないものがところ狭しと並んでいる。
(相当裕福なんだな)
坂本は三鷹家に今度は激しい嫉妬心を抱く。
なんだかいろいろ忙しい。
「……坂本さん?」
「は、はいっ」
坂本は明日菜に名前を呼ばれて現実に引き戻される。
「さっき、宝石をお売りしてるって言ってました?」
「ええ……」
「これもなにかの縁ですし、よかったら見せてもらえますか?」
「でも……」
坂本は躊躇する。
親しいわけではないが知り合いに宝石を売りつけるのはやはり抵抗がある。
「坂本さん、お仕事ですよ」
そういって明日菜が笑ってみせる。
「じゃあちょとだけ……」

3807/24:2008/05/16(金) 02:03:32 ID:Ueda/cES
ピンポーン
午後6時、三鷹家のインターフォンがなる。
「はい、どちら様ですか?」
インターフォンから明日菜のかわいらしい声が響く。
「あ、坂本です」
「はい、今あけますね」
ガチャリ……
ロックを下ろす音がしてドアが開く。
「坂本さん、いらっしゃい」
明日菜が坂本を中に迎え入れる。
「三鷹さん、今日は自信ある奴を持ってきました」
そういって坂本が明日菜に頑丈な鞄を見せる。
「そうだといいですね」明日菜が笑う。


「これでどうですか?」
坂本が鞄を開き明日菜に宝石を並べてみせる。
実は昨日持ってきた宝石は明日菜の目にかなうものがなく今日改めて坂本が会社で用意できる最高
級のものを用意してきたのだ。
「昨日のとは違いますね……」
そういて明日菜が宝石をじっくりと見定める。
(あの馬鹿社長によると最高級らしいが……)
坂本は熱心に宝石を見定める明日菜を見る。
一個でも売れれば坂本のノルマ二か月分なのだ。
坂本は明日菜の反応を見逃すまいと集中する。
そうしているうちに坂本は思い知らされる。
明日菜の若さと美しさを……。
昨日受けた感じではかわいらしい女性であった。
しかし今日改めてみると昨日と違った感じに見える。
おそらく今日は自分がくるのが判っているため化粧をしているのだろうと坂本は考える。
しかし見れば見るほど明日菜は美しい。
普通の家庭に育ったのではなく由緒ある家柄なのではないかと坂本は想像する。

「坂本さん」
明日菜が坂本に声を掛ける。
「な、なんですか!?」
坂本は突然呼ばれて動揺を隠すために大きな声で聞き返す。
「そんなに見つめられると集中できませんわ」
そういって明日菜が上品に笑う。
「す、すみません」
坂本が明日菜に謝る。
「そんなに恐縮しなくていいですから」
「はい……」

3908/24:2008/05/16(金) 02:03:59 ID:Ueda/cES
資産家のお嬢様である明日菜の宝石を見る目は確かで、今回坂本が持参した宝石も残念ながら明日
菜には物足りなかった。
しかし、幸運にもひとつだけデザインが明日菜好みのものがあった。

「坂本さん」
「はい……」
坂本は審判を待つ囚人のような表情で明日菜の声を聞く。
「これを……はめてみていいかしら」
そういいながら明日菜がダイアの指輪を指差す。
「も、もちろんです」
そういって坂本がダイアの指輪を明日菜に手渡す。

「きれい……」
明日菜がうっとりして指先で光る指輪を見つめる。
「よく似合ってますよ……」
いつのまにか明日菜の隣に腰を下ろした坂本が明日菜の耳元で囁く。
「わたし……宝石に負けてないかしら……」
明日菜がつぶやく。
「宝石の方が……負けてしまいそうです……」
坂本はそう言ってごく自然に明日菜の背に手をまわす。
これが……坂本のいつもの手なのだ。
ほとんどの女性は宝石に弱い。
今回は指輪だが女性は宝石を身に着けると宝石に夢中になるあまり男に対して無防備となる。
その瞬間を坂本は見逃さない。
宝石と同時に女性の美しさを褒めながらスキンシップを図る。
それだけで……今まで坂本は数多くの人妻と関係を持ってきた。

そして……それは明日菜にも例外なく当てはまる。

4009/24:2008/05/16(金) 02:04:26 ID:Ueda/cES
「わたし、なんだかこの指輪がすっかり気に入ってしまいましたわ」
明日菜がため息をつく。
「ありがとうございます。……でも、三鷹さんのほうが宝石よりきれいです」
坂本が明日菜の肩を抱いたまま囁く。
「そ、そんなことありません」
明日菜が謙遜して頬を染める。
しかし面と向かって綺麗だといわれて嬉しくない女性がいるわけがない。
ただでさえ、明日菜は今気に入った指輪を身につけ浮かれているのだ。

坂本はお世辞抜きで明日菜を美しいと思う。
今まで営業としてお世辞で言うことがほとんどであった。
しかし今回ばかりは本心であった。
そしてそれが勝敗を決めた。
いつものようにお世辞であったなら明日菜の心は動かなかっただろう。
さらに一ヶ月にも渡る夫の留守。
それが明日菜の心に隙を作ってしまい……坂本の言葉に明日菜は心を揺さぶられてしまったのだ。

「失礼ですが、名前はなんておっしゃるんですか」
坂本が明日菜の頬を撫でながら尋ねる。
「明日菜……」
明日菜は照れてうつむきながらつぶやく。
「明日菜さん……。名前まで綺麗なんですね……」
そういうと坂本は……明日菜の顎を人差し指で持ち上げ顔を上げさせる。
そして……そのまま明日菜に口づけをする。

4110/24:2008/05/16(金) 02:05:10 ID:Ueda/cES
何度かの口づけのあと、明日菜は正気に戻る。
「だ、だめです……」
明日菜は坂本の体を押し返す。
ここまで来て拒否した女性は坂本には初めてだ。
しかし、焦ることはない。
坂本から見れば明日菜はもう底なしの泥沼に足を踏み入れてしまっているのだ。

「わかりました」
そういって坂本は明日菜の言うとおり体を離す。
「明日、書類を持って再度伺います」
坂本が突如事務的な口調になる。
「うちの会社にしては高額な宝石ですのでいろいろと手続きがあるんです」
「はあ……」
明日菜は上の空で坂本の話を聞く。

「明日菜さん」
坂本が明日菜の顔を覗き込む。
「な、なんですか……?」
明日菜が瞳を逸らして尋ねる。
なりゆきとはいえ夫以外の男性に唇を許してしまったことに今さらながら罪悪感を感じてしまった
のだ。
「嫌なら……明日同じ時間におれが来たとき……この部屋にいれないでください」
「なっ……」
「また18時に来ます」
そういって坂本は片づけを始める。
そんな坂本に明日菜はなんと声を掛けていいのかわからない。
「この指輪は持って帰らないんですか?」
明日菜が自分の指にはめられたままの指輪に気づき坂本に尋ねる。
「一晩、その指輪を見て……じっくり考えてください」
坂本がいつもの調子のいい笑顔で言う。
「……」
「では失礼します」
そういって坂本が玄関を出る。
明日菜はただ黙って坂本が出て行くのを見守るのであった。

4211/24:2008/05/16(金) 02:05:37 ID:Ueda/cES
明日菜は指で光る指輪をじっと見る。
なんだかとてもいいものに見えて仕方ない。

「嫌なら……明日同じ時間におれが来たとき……この部屋にいれないでください」

先ほどの坂本の言葉が脳裏をよぎる。
(嫌なら……)
明日菜は頭の中でその言葉を繰り返す。
何が嫌なのか。
その答えは明らかだ。
明日菜だって男と手を握ったこともなかった昔と違いもう二児の母。
坂本の言葉の意味くらいわかる。
そしてそれが許されないことだってわかる。
(でも……)
明日菜は坂本に肩を抱かれ口づけされたときのことを思い出す。
夫がアメリカに旅立って既に1ヶ月。
明日菜は今、寂しい盛りであった。
そしてこのマンションでの人間関係。
若く美しく、そのうえ一番裕福な家庭の妻である明日菜はいわれのないいじめを受けていた。
夫がいるときはそうでもなかったが、夫がしばらくいないとわかるや否やそれは露骨なものになっ
ていた。
だからこそ、回覧板を隣の家に渡した帰りに坂本に会ったときにお茶に誘ってしまったのだ。
もちろん明日菜は夫のことを愛している。
しかし、せっかく知り合った坂本とこれっきりというのはなんだか惜しい。
このマンションに住む人以外にいろいろ話す相手が欲しいのだ
「指輪だけ買いますって言えば……」
明日菜は一人つぶやく。

4312/24:2008/05/16(金) 02:07:06 ID:Ueda/cES
ピンポーン
「はい、どちら様ですか?」
インターフォンから明日菜の声が響く。
「坂本です」
「はい……」明日菜が小さい声で返事をする。
ドアが開くのかそれとも……。
坂本は黙ってドアを見つめる。

ガチャリ……
ロックを下ろす音がしてドアが開く。

明日菜が一晩考え下した結論は……ドアを開くことであった。
ドアを開き宝石を購入する。
嫌じゃない。
宝石を購入するのは嫌ではない。
ただそれだけのこと。
明日菜はその裏の現実に目をつぶり決断したのであった。

「坂本さん……」
明日菜は複雑な表情で坂本を中に迎え入れる。
「坂本さん、あの……」
明日菜が坂本に宝石を買うと伝えようとする。
しかし……坂本は問答無用で明日菜を抱きしめ……唇を奪う。
「んん……」明日菜が苦しそうに悲鳴をあげる。

坂本にはわかっているのだ。
明日菜が宝石を買うというのが。
だからこそわざとそれがわからず自分が受け入れてもらえたと誤解した振りをして明日菜の唇を再
び一気に奪ったのだ。

坂本は明日菜に何も考える隙を与えずに何度も何度も唇を奪う。
その行為に……一ヶ月以上夫を留守にしている明日菜の体は奥のほうから熱くなってきてしまう。
昨日、唇を許してしまったのが失敗だった。
あの時、明日菜の中で何かが微妙に狂ってしまったのだ。
明日菜は坂本に抵抗することもできず唇を許しその身を坂本にきつく抱きしめられてしまう。
そして無意識のうちに明日菜も坂本の背に手をまわし自分の体を坂本にこすり付けてしまっている
のだった。

4413/24:2008/05/16(金) 02:07:37 ID:Ueda/cES
「明日菜さん、信じてました」
坂本が明日菜を抱きしめたまま言う。
「……」
明日菜は無言だ。
坂本の目的はもう明らかだ。
明日菜を抱こうとしているのだ。
それなのに明日菜は……坂本を拒否できない。
それどころか久しぶりに自身を包む「男」の感触に明日菜の体が自然にそのときを求めはじめる。

そもそもドアを開けなければ宝石を返さなくてはならないというのは坂本の策略なのだ。
すっかり宝石を気に入ってしまった明日菜に購入をやめるというのは苦渋の選択だ。
さらに昨日何度も唇を奪われてしまった。
一ヶ月もの間、放っておかれた明日菜の肉体に坂本の情熱的な口づけはあまりにも効果的であった。
夫以外に唇を奪われる感覚。
今まで想像したこともなかったその感覚は想像もできないほど甘美なものであった。
どんなに否定しても……明日菜の体は「男」を求めているのだ。
夫ではなく「男」を……。
結局明日菜には……宝石を言い訳にして坂本を受け入れるしか道がなかったのだ。

明日菜がふと我に返ると坂本がブラウスのボタンをはずし始めていることに気がつく。
しかし、明日菜は一つずつボタンがはずされていくのを黙って見守ることしかできない。
そしてすべてのボタンをはずし終えた坂本は明日菜さんのブラウスを脱がせ、そのまま明日菜の乳
房に手を添える。
「こんなところじゃ嫌……」
明日菜がつぶやく。
その言葉はもはや坂本に抱かれることを拒否しているのではない。
場所が嫌だといっているに過ぎないことに明日菜は気づかない。
無意識のうちに明日菜は坂本に抱かれることを受け入れてしまっているのだ。
しかし、明日菜のそのささやかな願いさえ坂本は無視する。

実は坂本はもう自分が抑えられない。
この仕事を始めてから何人かの人妻を抱いてきた。
世間的に見てかなりの美人をものにしたこともある。
しかし……明日菜はその誰とも違うのだ。
ただ美しいだけではなく、庶民とは違う育ちのよさから来る気品がある。
その気品に坂本は思わず無意識のうちにひれふしてしまいそうになる。
しかし、坂本は昨日その明日菜と唇を重ねた。
そして……今明日菜は自らドアを開け自分を受け入れてくれた。
明日菜だってもう大人の女。
あんなことを言った坂本を部屋に入れるとどうなるかはわかっているはずなのだ。
そう、明日菜がどんなに自分とは住む世界が違う高貴な女性であろうと……一旦自分を受け入れた
以上、坂本は明日菜を好きにしていいはずなのだ。
明日菜に……自分を拒否する権利はもはやない。
坂本はそう自分を言い聞かせる。
そして同時にあることを思い出す。
坂本がこの二日間で本能的に気づいたこと。
それは……明日菜は本質的に男に従うタイプの女性であることであった。

4514/24:2008/05/16(金) 02:08:16 ID:Ueda/cES
「明日菜さん」
坂本は思い切ってズボンとパンツを一緒くたにしてずり下ろす。
明日菜に思わずひれ伏してしまいそうな坂本が選んだ作戦は突拍子もないものであった。

「!?」
明日菜は両手で口元を覆い驚愕する。
まさか坂本がいきなりそんなことをするとは思いもよらなかった明日菜。
しかし、なぜか明日菜はそれから目を逸らすことが出来ない。
初めて見る夫以外のペニス。
それは……夫のものより黒ずみ急な角度で天を衝いている。
(あれに貫かれてしまったら……)
明日菜は思わずごくりと息を呑む。

「明日菜さん」
坂本は驚く明日菜の肩をつかみしゃがませペニスを見せ付ける。
明日菜はもはや手の届かないところにいる高貴な女性ではなく……坂本と同じところまで自ら降り
てきた一人の女に過ぎないと坂本は再度自分に言い聞かせる。
「ご主人のとどっちが大きいですか?」
坂本が今まで何人もの人妻にしてきたのと同じ質問を明日菜に尋ねる。
坂本は顔と資産には自信がないがペニスにだけは自信がある。
今まで夫のペニスの方が大きい言った女は一人もいないのだ。

「……」
明日菜は言葉を発することが出来ない。
坂本のペニスに圧倒されてしまっているのだ。
もっというと坂本に貫かれたら自分はどうなってしまうのか、そのことしか考えられない。
明日菜は既に完全に坂本にペースを握られてしまっていた。

「どっちが大きいですか?」
坂本が再度明日菜に尋ねる。
坂本が執拗に尋ねるのには理由がある。
夫のものより大きいと認めてしまうともうその女は終わりなのだ。
その瞬間、完全に坂本のものになってしまう。
「そ、その……」
しかし明日菜は抵抗する。
言った瞬間、すべてが終わってしまうことが明日菜にもわかるからだ。
しかし、夫以外の男に抱かれてみたいという甘美な期待とあまりにも立派な坂本のペニス。
夫しか知らない明日菜がその誘惑を克服するのに夫のいない1ヶ月はあまりにも長すぎた。

4615/24:2008/05/16(金) 02:08:54 ID:Ueda/cES
結局……明日菜はつぶやく。
「坂本さんの方が……立派です……」
坂本のペニスの目の前で俯いたままつぶやく明日菜。
それはまさに坂本のペニスに絶対服従を誓う姿のようだ。
「明日菜さん、フェラチオしてもらえるともう少し大きくなりますよ」
坂本がいつものように追い討ちをかける。
「フェラチオ……?」
明日菜が思わずその言葉を口にする。
信じられないことだが明日菜はその言葉を知らないのだ。
「そう、フェラチオ。明日菜さんの口でやってもらうともっと大きくなるはずです」
坂本は明日菜に解説する。
(フェラチオって口ですることなのね……)
明日菜が坂本の言葉を理解する。
言葉は知らないが夫のペニスは毎回口にしている。
夫が喜んでくれるため明日菜はフェラチオは結構好きなほうだ。
しかし、それはあくまで相手が愛する夫の場合の話。
一昨日初めて名前を知ったばかりの男のペニスを口に含むなど明日菜にとってありえないこと……
のはずであった。

明日菜の目の前に坂本のペニスがある。
夫のものより大きく黒ずんだペニスを目の前にして興味を持つなというのは無理であった。

明日菜は……黙って坂本のペニスに手を添える。
坂本は黙って明日菜を見守る。
自分から口にさせるのが大事なのだ。
自分からフェラチオをさせることによって明日菜は坂本の女になるのだ。

そして……少し躊躇した後、明日菜は坂本の思惑通り……坂本のペニスを口にしてしまう……。

4716/24:2008/05/16(金) 02:09:28 ID:Ueda/cES
ズチュ…ズチュ……
明日菜の口元で坂本のペニスが淫らな音を立てる。
「うまいですよ、明日菜さん」
坂本は腰に手を当てた仁王立ちのまま明日菜を褒め称える。
考えてみればなんと傲慢な態度であろうか。
指輪を買ってもらうお客様に坂本は自分への奉仕を強いているのだ。
しかし、明日菜はそのことに気づかない。
明日菜にとって坂本は「指輪を売ってくれる人」なのだ。
「いつもご主人にやってるのと同じように」
坂本は三鷹家の夜の営みにまで介入するかのように明日菜に普段と同じ行為を求める。
「は、はい……」
明日菜は驚くほどあっさりと坂本の言葉に素直に従う。
自分から坂本のペニスを口にした時点でもう明日菜は坂本のものなのだ。
三鷹に教え込まれたすべての性技を坂本のために尽くさなければならない。
明日菜は口をすぼめて坂本のペニスを喉の奥まで飲むこむ。
その間、明日菜の舌は坂本のペニスを下から包み込むような形のまま刺激を与える。
そして明日菜が坂本のペニスを含んだまま頭を前後させると明日菜の唇と舌が坂本に味わったこと
のないような快感を与える。
「おおっ……」
坂本は思わず声をあげる。
「ご主人はいつもこんなことをさせてるんですか?」
坂本は明日菜に尋ねる。
明日菜は坂本のものを咥えたままこくりとうなずく。
(へへ……)
坂本は心の中で勝ち誇る。
自分より遥かに豊かで立派な三鷹の妻を自分のものにして奉仕させる下克上の炎。
これだから人妻は止められない。
今回はさすがに無理だと思っていた。
しかし、余りに無防備な明日菜に坂本は自分のものにできると確信を持った。
都合二ヶ月も夫と関係をもてないことを口にしてしまうなどやはり明日菜はまだまだ子供。
そんな隙を見せてしまえば坂本のような男につけこまれてしまうことがわからないのだ。

4817/24:2008/05/16(金) 02:09:55 ID:Ueda/cES
「ふふふ……」
坂本は不敵に笑うと明日菜の頭をしっかりとつかむ。
そしてまずは自慢のペニスを明日菜の左頬を内側からこすりつける。
「んん……」
坂本に頭をつかまれ逃げようがない明日菜はなすがままに口の中を蹂躙される。
坂本は続いて反対側の頬にも自分のペニスをこすりつける。
坂本は明日菜の口内を完全に蹂躙するつもりなのだ。
そして十分にこすりつけ明日菜の口内の感触を楽しんだ坂本は明日菜からペニスを引き抜く。
「はぁはぁ……」
明日菜は両手を玄関の床につき息を乱す。
坂本はそんな明日菜を見下ろしていたが息が整ってきた明日菜に再びペニスを突きつける。
「!!」
明日菜はまたも坂本がフェラチオを求めていることに気づく。
「もう……やめてください……」
明日菜が坂本に許しを求める。
「ダメです」
坂本はそうつぶやくと今度は無理やり明日菜の口内にペニスをねじ込む。
「んぐっ……」
明日菜は少し涙を浮かべながら坂本のペニスを受け入れる。
「明日菜さん、舌の裏側でおれのちんこの先っぽを擦ってください」
「うう……」
明日菜はいわれるがままに舌の裏側で坂本の亀頭を刺激する。
「こんなとこをご主人に擦りつけたことないでしょ」
坂本がにやりとする。
明日菜はその坂本の言葉に凍りつく。
自分は夫にしたことがないことを……昨日知り合ったばかりの男にしているのだ。
「嫌……」
明日菜はペニスをねじり込まれたまま拒否反応を示す。
まさに坂本にとって予想どうりの反応だ。
坂本はそのまま明日菜を頭ごと股間に押し付ける。
「口をすぼめて」
坂本が明日菜に指示する。
それはもうすでにお願いなどというものではなく……命令という言葉が最もしっくり来る。
坂本は明日菜の顔を見ながら腰を振り明日菜にペニスを打ちつける。
人妻明日菜の嫌がるその顔が坂本の更なる快感を誘う。

4918/24:2008/05/16(金) 02:11:22 ID:Ueda/cES
そして一旦坂本はペニスをゆっくりと明日菜の口から引き抜く。
再び俯き息を乱す明日菜を坂本は無理やり顔を上げさせ再びペニスをしゃぶらせる。
「んぐ……」
苦しそうにする明日菜。
「明日菜さん、おれの先っぽを舌先で刺激して」
坂本は最後の仕上げに入る。
「ご主人にするのと同じようにね」
坂本がにやりと笑う。
明日菜は……観念して坂本の尿道口を舌先で刺激する。
いつも夫がフェラチオの締めに求めてくる時と同じように坂本のペニスに奉仕する。
「いいですよ明日菜さん……」
坂本は美貌の人妻に性技を尽くさせる快感に喘ぎながら明日菜の顔を見る。
ぐりぐりと自分の最も敏感なペニスの割れ目を舌先で刺激する明日菜の淫らな表情にさすがの坂本
も限界を迎える。
そしていよいよという瞬間、坂本は明日菜の頭ごと自分の股間に押し付ける。

ドピュピュッ……
坂本はため息と共に明日菜の口内に精液をたっぷりと放出する。

(う、嘘……)明日菜は唖然とする。
明日菜にとって初めての経験なのだ。
……精液を直接口に出されるのは……。
初めての事態に対応できず明日菜の口から坂本の精液が流れ落ちる。
(口に出されたのは初めてか……)
坂本は明日菜の反応を確かめるとまたも無理難題を明日菜に浴びせる。
「こぼしちゃだめです、全部飲んでください」
坂本は明日菜の口から精液が垂れないように顔を上げさせる。
(そ、そんなこと……)
明日菜はさすがに躊躇する。
夫の精液ですら飲み干したことがないのに夫以外の精液を飲み干すことはさすがにできない。
「明日菜さんが初めて飲む精液は三鷹さんのじゃなくておれの奴ってことです」
坂本は自身のペニスの根元を掴み最後の一滴まで明日菜の口に出す。
そんな坂本に明日菜はいやいやをするように顔を横に振る。
「飲まないんでしたら……指輪を持って帰って……今日のことを三鷹さんに言います」
坂本が血も涙もないセリフを明日菜に告げる。
(そ、そんな……)
明日菜は衝撃を受ける。
しかし、今さら自分に何ができるのであろうか。
自分から始めたフェラチオなのだ。
それにいまさら夫にこのことがばれたらと思うとぞっとする。

結局明日菜は……ごっくんと坂本の精液を飲み干す。
そしてその瞬間、自分がもう後戻りできそうもないことに気づく。

5019/24:2008/05/16(金) 02:11:51 ID:Ueda/cES
「明日菜さん、もの凄くフェラチオが上手です」
坂本がわざとフェラチオという言葉を口にする。
明日菜にフェアチオをしたという事実を改めて認識させ、既に坂本が特別な存在だと思い込ませる
ためだ。

「ほら、一回出したのに明日菜さんが上手だからまだおれのちんこが元気満々です」
そういってまたも明日菜にペニスを見せ付ける坂本。
(また口でさせられる……?)
明日菜はもう口でやらされるのは許して欲しいのが本音だ。
もちろん、坂本も上の口にいれるつもりはない。

次は……下の口に決まっている。

「じゃあ明日菜さん」
坂本は明日菜さんを立たせ、玄関のドアに手をつかせ尻を突き出させる。
その体勢に明日菜は坂本の意図に気づき抵抗を示そうとする。
しかし、全ては無駄であった。
坂本が止めるわけがないのだ。
なぜならこれからが本番なのだから……。

坂本は明日菜のスカートのホックを外す。すると明日菜の赤いスカートが床にすっと落ちる。
そしてそのまま……坂本は明日菜の下着をずらし脱がせようとする。
「い、嫌。玄関でなんて……」明日菜が激しく抵抗する。
しかし……
「ここまで来たら楽しまないと……」
坂本が作業を止めて明日菜の耳元で囁く。
「ご主人には絶対言いませんから……」
「……」
明日菜は思わず黙り込む。
その言葉の裏には逆らうと夫に告げるという意味が言外に含まれているのだ。
明日菜は力なく抵抗を止める。
そしてその瞬間、一瞬にして最後の砦がずり下ろされ……夫にしか開かれていないはずの秘所が坂
本の視界に晒される。

「……」
明日菜は思わず目を瞑り羞恥に耐える。
「行きますよ、明日菜さん」
坂本がペニスを明日菜の秘所にあてがう。
坂本にとって確認するまでもない。
このシチュエーションに濡れない人妻などいるわけないのだから。

5120/24:2008/05/16(金) 02:13:07 ID:Ueda/cES
ズズズッ……
坂本のペニスが明日菜の秘所にゆっくりと入り込む。
(す、すげええ)
坂本は心の中で喝采をあげる。
初めて経験する明日菜の感触は今まで経験したことがないほど素晴らしい味わいであった。
坂本のペニスに絡みついてくるようなヒダの感触。
ピストン運動をしていても挿す動作と引く動作で快感が異なるのだ。
挿す時は明日菜の秘所を無理やりこじ開けるような感覚で亀頭に耐え難い快感が生まれる。
逆に引くときは坂本のペニス全体に絡み付いてくるような感覚が堪らない。
まるで明日菜本人とは別の意思をもった生き物が坂本のペニスが出て行ってしまうのを惜しんでい
るかのようだ。
「あ、明日菜さん!」
坂本は思わず明日菜の名を叫び何も考えずピストン運動を繰り返す。
自分の限界などもはや坂本の脳裏にはない。
今はただ、明日菜の感触を思う存分愉しみ味わいたい。

時には浅く……時には深く……。
緩急をつけて明日菜を責める坂本。
そして坂本のペニスが明日菜の最奥部をノックするたび、明日菜の口から控えめだが艶かしい声が
自然と漏れる。


「ああ……」坂本がペニスを根元まで突き刺す度に明日菜の口から喘ぎ声が漏れる。

ドアを開けた瞬間、いきなり坂本に抱きしめられ何度も何度も唇を奪われた。
ペニスを見せ付けられると自分から口に含み……生まれて初めて男の精液を飲まされた。
そして、ベッドではなく玄関先で、しかも外とはドア一枚を隔てただけの場所で坂本に後ろからの
挿入を許す。


明日菜は……完全に坂本に征服されていた。


しかしそれは自ら選んだ道であった。

今日、ドアを開けたのは明日菜。
坂本に口づけされているときに思わず坂本の背に手をまわししがみついたのも明日菜。
ブラウスを脱がされるとき、何一つ抵抗しなかったのも明日菜。

そして……坂本のペニスを口にしたのも……明日菜自らであった。

5221/24:2008/05/16(金) 02:13:36 ID:Ueda/cES
パンパンと男女の肌がぶつかり合う音が玄関先に響く。

坂本がペニスを奥深くに突き挿すたび、貫かれる快感が明日菜の背を伝い脳天まで走り抜ける。
そしてペニスが明日菜の最奥部に達するたび、更なる快感が明日菜を襲い人様に聞かせられない声
をあげてしまう。
しかし快感はそれだけではない。逆に坂本がペニスを引くたび、坂本のカリの段差部分が明日菜の
中に引っかかり別の耐え難い快感をもたらす。

実際のところ、最初に挿入された瞬間、明日菜は意識を飛ばしてしまった。
夫である三鷹とのセックスでもそんなことはなかった。
しかし、だからといってそれで終わりというわけではない。
ぼんやりしてしまった明日菜の意識は次々と襲い来る更なる快感で現実に引き戻される。


三鷹と明日菜の愛の巣の玄関で……明日菜は夫ではなく二日前に名前を知ったばかりの坂本の責め
を受ける。
それはまさに明日菜が今まで経験したことのない、許されるはずのない愚行であった。


由緒ある家柄に生まれた明日菜は何不自由なく育てられた。
子供の頃から絵に書いたようなよくできた子で親の手を煩わせたこともない。
成績は小学生の頃からクラスでトップクラス。なんの挫折も無く中学、高校と進学し、お嬢様大学
を卒業した。
そしてお見合いで知り合った三鷹と結婚し、すぐに双子を出産。
料理も得意で家事もそつなくこなす非の打ち所のない娘であり妻であった

その明日菜が……三流大学出身でペニスだけが自慢の坂本にいいように責められている。
結果として夫の留守に坂本の求めるままに体を許してしまった明日菜。
許されるはずのない不貞行為だ。
しかし……だからこそ明日菜は体の奥底から燃え上がる。
脳裏を焼く夫を裏切っているという罪悪感。
それが激しいスパイスとなり快感を数倍に膨らませ明日菜を追い詰める。

5322/24:2008/05/16(金) 02:14:10 ID:Ueda/cES
坂本は明日菜の腰をしっかりと掴みピストン運動を続ける。

今まで抱いてきた女達とは全く違う張りのある白い素肌と美しい体のライン。
腰のくびれなど坂本は頬ずりしてしまいたくなるほどにセクシーだ。
そして既に子供を二人も生んだとは思えないほどに自分を締め付けてくる秘所。

「どうですか、明日菜さん」
坂本が全く余裕のない口調で明日菜に尋ねる。
なにか口にしていないとあっという間に暴発してしまいそうなのだ。

「も……もっ……と……」
明日菜は思わず更なる快楽を求めるセリフを口にする。
明日菜は普段男を求めるようなセリフを口にすることはない。
夫の優しい愛撫に高められ、溢れるような愛情の中、達することがほとんどだ。
三鷹は夫であると同時に明日菜の人生における先生のような存在なのだ。
口づけも三鷹が初めて。
フェラチオも三鷹が初めて。
セックスも三鷹が初めて。
もちろん三鷹以外と肉体関係をもったことは一度もない。
明日菜は性にまつわるあらゆることを三鷹に教わってきた。
三鷹もうぶな明日菜をまるで源氏物語の光源氏が若紫を育てるように自分好みの女に育て上げた。
明日菜にとってセックスとは三鷹と心を通わせることとほぼ同義であった。
だからこそ三鷹にフェラチオすることは苦痛でないし、夫が喜んでくれると自分まで嬉しくなって
しまう。

しかし……坂本は違う。

坂本はただ快感のみを求め、女を屈服させる。
そして明日菜は坂本の思惑通り屈服させられる。
明日菜は夫と全く違う坂本とのセックスに成す術もなく何度も何度も意識を飛ばされてしまう。

5423/24:2008/05/16(金) 02:14:59 ID:Ueda/cES
度重なる絶頂感に明日菜は思わずひざをつく。
もう立っていることも辛いのだ。
「楽に……して……」
明日菜はうわごとのようにつぶやく。

そんな明日菜の姿に坂本はいつものように中出しを決意する。
イく瞬間の女性はあまりに無防備だ。
そこにつけこんで坂本は中出しする。
中出しされた瞬間の人妻の戸惑う表情が坂本にはたまらないのだ。
中には激怒する人妻もいる。
しかし覆水盆に帰らず。
中出し後に何を言っても文字通り後の祭り。
適当に言い訳すればいいだけなのだ。

坂本はペニスを明日菜の最奥部まで突き刺した状態で腰を左右に振る。
今までの反応から坂本は明日菜の弱点は最も奥の部分であることに気づいていた。
そこを重点的に擦りつけ明日菜を一気に絶頂まで導こうというわけだ。
そしてそれはまさに大正解であった。
そこは三鷹のペニスでは届かない位置で初めてもたらされる快感に明日菜は全身を震わせて身悶
える。
「だ、だめ……」
明日菜はあまりの快感に拒否反応を示す。
しかし構わず坂本はペニスを擦りつけ続ける。
それは同時に坂本にとっても賭けであった。
最も敏感な尿道口をこすりつけるという行為はある意味自爆行為でもあった。
ただでさえ明日菜の甘美な感触に坂本も追い詰められているのだ。
しかし、結果として坂本は明日菜に勝利する。

「……ああ……っっ!!」

明日菜の体が振るえ崩れ落ちそうになるのを坂本はなんとか支える。
そしてそのまま耐えに耐えたペニスを開放し精液を明日菜の中に流しこむ!

5524/24:2008/05/16(金) 02:16:27 ID:Ueda/cES
ビュビュビュッ……

我慢に我慢を重ねた坂本の精液が堰を切ったように明日菜の中に流れ込む。
その感触に明日菜は思わず我に返り手足をじたばたして逃げようとする。

……しかしそれは無駄であった。
坂本にとってそれは予想通りの反応に過ぎないのだ。
坂本は明日菜が逃げれないように腰をしっかり掴む腕に力を込める。
手足に力が入らない明日菜は自分の子宮に坂本の精液を流し込まれる熱い感覚に呆然とする。
確かに自分は夫を裏切った。
しかし、まさか坂本が自分に中出しするとは思わなかった。
明日菜は心のどこかで最後には抜いてくれると信じていた。
しかしそれは明日菜の甘い願望に過ぎなかった。
坂本は容赦なく明日菜に中出しする。
明日菜はもう坂本のものなのだから坂本にとっては当然の行為に過ぎない。
(ごめんなさい、あなた……。わたしが間違っていました……)
明日菜は心の中がで三鷹に謝る。
しかしそれは結果として何の意味も成さない。
坂本に抱かれた時点で明日菜は完全に三鷹を裏切っているのだから。
中出しはその結果に過ぎない。

「明日菜さん、ベッドに行きましょうか」
坂本はたっぷりと中出ししたばかりの美しい人妻に囁きかける。
呆然とした表情の明日菜に坂本は心の底から満足する。
明日菜のこの表情が見たかったのだ。
「じゃあ行きましょう」
そういって明日菜を抱き上げ部屋の奥に歩き始める坂本。

(これで休ませてもらえる……)
明日菜は坂本の言葉に思わず一安心する。

しかし、それは大いなる誤りであった。

坂本の言葉は三鷹夫婦の愛の営みが行われる場所、つまりベッドに場所を変えての第二ラウンド開
始の宣言に過ぎなかったのだから……。



「S01 訪問販売員 坂本」 完
56名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 02:18:51 ID:Ueda/cES
以上です

突如、坂本が明日菜にフェラさせている絵が頭に浮かび
しばらく離れなくなったので書いてみました

ではまた
57名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 11:26:03 ID:vINQ2WZM
素晴らしい!
坂本が初フェラの相手という方が良かったと思いますが、明日菜がどこまで堕とされて行くのか楽しみです。
58名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 17:59:32 ID:W0yBEk/K
59名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 18:00:55 ID:W0yBEk/K
これはいい
上はミス
60名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 07:56:55 ID:PqTUmQwL
>>56
GJです。
前作の「桜の下で」後編の投稿から約一ヶ月しか経っていないのに

こんなに早くあなたの新作が読めるなんて夢にも思いませんでした。


SSを書きたいという
気持ちが蘇ったのかな

61名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:10:36 ID:d5uR2ZwR
保守
62名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 04:40:46 ID:Gf7rJ867
-DeathNote- ジェバンニ(30)×女の子ニア(21)
無エロ部が長くなってしまったのでこちらのスレをお借りします。
後編のエロ部分から順次投下となっていますので、エロだけ楽しんでいただければ幸いです。
のちに投下の前編はスルー可です。
-------------

「判りました」
身体を起こしたニアを軽く手で制すると、私は一人ベッドから降りた。
「辞めますか?」
私の背中にそう問いかける声には応えず、部屋の扉をきちんと締めて暗闇にする。
再びベッドへ近づくとニアの隣へ腰を下ろした。
「続きをされるのですか」
「ええ」
闇に慣れていない目にぼんやりとニアの白い輪郭だけが見える。
ニアは私に背を向けてベッドへ座り、微かに顔をこちらへ向けていた。
女性らしい曲線を描いている白い影に手を伸ばして柔らかい髪を撫でる。
「ここからです」
今更辞めようと言われても私は応じるつもりは無かったが、ニアは私に一つ要求してきただけだった。
「服を」
「全て脱いで頂けますか」

全て脱ぎ去った身体をニアに添わせ横たえると、ニアはまた、私に腕を回して胸を押しつけてくる。
私は、これはなんだろう、と漠然と思いながら、頭に添えた手で顔を上げさせると唇を重ねた。
啄むように上唇を噛みそこを舐めて唇を開けさせると舌を差し込んで、ニアを優しく絡め取る。
抱き合い、気持ちをほぐすように掌で背を撫でるがニアの細い身体ではすぐに一周してしまう。
さっき見た小さな背中から丸く曲線を描く尻を何度も掌で上下させた。
普段は大きめの寝間着を常用しているために身体の線を感じることは少ないがこうしてみると、きちんと女の身体だった。
暗くしたことに大した意味は無かったが、余計なことは考えさせずニアの冷たい身体に、こちらの熱を肌を通して渡したかった。

背を大きく撫でていた手を下ろし、小さな尻を揉みその狭間へ指を滑らせると、ごくわずかだがニアが身体を震わせる。
頭一つ分の身長差のため私の指は難なくニアの秘所へとたどり着く。
指を往復させると先ほどの潤みを感じ、それに沿って指を深みへと沈み込ませて行った。
唇を吸われたままのニアが、苦しさを訴えて私を押し返す仕草をしたが
私は構わず、舌と指によってニアの内部を探って行った。
「苦しいです」
長いキスから解放されるとニアは空気を求め大きく何度も息をつく。
焦点が合わないほど近くにある唇が拗ねて突き出されるのを感じ、私はそこに軽く音を立ててキスをすると、再び抱き寄せて
片足を横臥した自分の足に掛けさせると、開かれたそこへ指を向かわせた。
柔らかい肉の間を、やや乱暴に指を動かすと水音が暗闇に響く。
二本の指で探り当てた肉芽を小さく揺らすとニアが顔を埋めている首筋に微かに熱い息を感じた。
私はニアをシーツへ横たえると、今度は上から重なる。
唇から首筋に徐々に唇を落とし鎖骨の下にキスをすると、柔らかい乳房を掌に納め優しく揉みしだく。
乳首を人差し指で弾くように刺激して固くとがらせ、唇を寄せて歯を立てる。
胸を寄せて、先端を交互に口付け掬い上げるように揉んでから、わざと力を込めて手の中の柔肉を握った。
ニアが、痛みに身体を捩らせる。
暗くて叶わなかったが、今ニアがどんな表情をしているのか見たくて仕方がなかった。
63名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 04:42:12 ID:Gf7rJ867
高まって行く自分を感じながら、身体をずらすと、一瞬迷って足に手をかける。
間接が痛けれれば痛いと言ってくるだろうと、一気に両足を膝裏からすくい上げ大きく広げると
ニアに抵抗される前に、そこへ顔を伏せて舌を這わせた。
「…っ」
すぐに手が降りてきて、私の髪を掴む。
構わずに濡れた溝に沿って、クリームを舐めとるように丁寧に舌を這わせていく。
柔らかい肉を分けて上部に隠れる小さな尖りを暴いた。
「んっ…」
ニアが息を飲む音がして私は、その部分を舌をとがらせて舐り
先程の愛撫ですでに固く起立していた突起に舌を押し付けて擦った。
「…やめて…ください…」
押さえつけた身体が熱を帯びて薄く汗を纏っていくのが判る。
かかげた足が暴れシーツに落ちたが、自由になった左手で秘裂を押し開く。
親指を蜜をあふれさせている膣へと浅く沈めて舌を大きく上下させ、時折クリトリスを叩くと溢れてくる愛液であごが濡れていった。
その間もニアは、股間から私の頭を引きはがそうと強く髪を引っ張っている。
その手を掴み身体を起こすと、ニアは半身を傾けてこちらを見ていた。
「よしてください、こんなのは嫌です」
「でも気持ちいいでしょう?」
するとニアは意外にも素直にうなずく。表情は見えないが、その子供の様な仕草にカッと熱がこみ上げた。
「乱れていただいても構わないのですよ」
薄い腹にキスをすると、再びニアの下半身へ顔を伏せる。
「やっ…」
小さな声を上げて、ニアが背をしならせた。
脚を押し開くと両手でニアのスリットを広げ、さっきよりも大胆に舌を這わせる
下から上に向かい大きくなぞり上げた。
「はっ…」
ニアが熱い息を漏らすのが聞こえる。
顔を覗かせているクリトリスを唇にはさみ、吸うとニアは呻いて大きく身体を捩らせる。
腰から下は私に押さえつけられているので、動かすことが出来ないが
含まれた弱みを舌で舐られる度にぎこちなく腰を震わせる様子が淫らだった。
再び手が降りてきて私の髪を掴む。
あまり強く引っ張られるので仕方なく私は身体を起こし、仰向けに横たわるニアの隣へ身体を沿わせると
顔を寄せてキスをしながら手を身体に這わせた。
せわしなく上下する胸をかすめ腹を円を描くように撫でながら降ろしていくと、ニアは腿を寄せて私の手を阻もうとしたが叶わず、
あっさりと潜入した指は再び充血した花芯を捕らえる。
秘裂にそって指を上下させると次第にニアの膝が曲げられて、腰が指に習うように動いた。
柔らかな髪に鼻をすりつけて、耳朶に音を立て吸いつき、歯を立てるとむずがるようなかわいい息が漏れる。
ニアの手が上がり、私の顔を押し返すような動きの後に、頬を優しく撫でていった。
あの白い指が掠めていったかと思うと、触れられた部分が熱を持ったように感じ、妙に悔しい。
64名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 04:43:01 ID:Gf7rJ867
単純に濡れた溝をなぞっていた指の一本を、あたりをつけたニアの中へ滑り込ませる。
ニアの中は熱く、私の指はニアの口の中へ消えたチョコレートの様に溶けてしまいそうだった。
指を差し入れたまま掌を押しつけ円を描くように小さく動かしてやると、ニアが身体をくねらせる。
「あっ…あぁ…」
初めて聞くニアの喘ぎに私の興奮は高まってゆく。
腿に押しつけられる私自身にニアは気づいているはずだ。
ニアの手をそこへ導き握らせてみようかと考えたが、とりあえず止めておくことにした。
もがく身体を押さえつけて胸へ唇を這わせ、乳首に軽く歯を当てると飲み込んだ指を包む肉壁が動揺するのが判る。
「やめ…て…ジェバ、ニ」
ニアが、私に付けた名を呼ぶ。
私は、プライベートルームでまでその名前でいるつもりは無かった。
きれぎれなニアの願いを無視すると、足の間に差し込んだ手を更に押しつけて、彼女の中の指を曲げ複雑な肉壁をこすり、
掌にあたる尖りに振動を与えて絶頂を促した。
「んっ、…んっ!」
その動きを押さえ込もうと私の腕に手がかけられたが、力が入らないのかゆるく掴まれるだけだ。
身体を不自然に傾け息をつめていたニアが、瞬間電気が通ったように首を反らせて声を上げる。
「あっ!…や……はっ…ぁん」
すぐに力が抜けて身体はシーツに沈み込んだ。何度も大きく息を付き、上下する薄い胸が生々しい。
ニアに挿入されたままの指は収縮を繰り返す粘膜に包まれ、私はこれから味わう事になる快感を思うと酷く唇が乾き、それを舌で潤した。
「ニア」
声をかけると、まだ身体の震えが止まらないニアが小さく首を振る。
制止を聞かなかった私を、攻めているのかもしれない。
私はなにも気付かないふりをして、一旦身体を起こすと用意した避妊具を装着して再びニアに重なった。
彼女の中へと埋めない事にはとてもではないが収まらない。
投げ出されたままの手を自分の肩へかけさせると足を開きそこへ身体を重ね合わせた。
しとどに濡れた秘唇を左右に分けると、興奮状態が続き、筋に痛みを感じるほどに熱くなった己の先端を埋める。
顔を寄せると、ニアは瞼を固く閉じ、未だ荒い呼吸を繰り返している。
ニアが我を取り戻す前に挿入してしまうつもりだった。
手を添えたものに力をこめて、絶頂後の弛緩した膣内へ熱い自分を埋め込んで行く。
ニアのヴァギナは狭く、しかし濡れきったそこは笠を過ぎると、ぬるりと男の進入を赦してしまう。
「あっ…い…たぁ…」
ニアが、身体を反らせ、掠れた声を上げた。
これだけとろけているのにもかかわらず痛みを訴えてくるニアに私は少し慌てる。
痛いと思いこんでいるだけなのかもしれない。
「そんなはずはない、力を抜いて」
「おき、すぎます」
それは喜ぶべきなのか、少年らのそれと比べられて怒るべきなのか。
「大丈夫だから」
口では気遣いような事を言っておきながら動きを止めるつもりは無かった。
宥め賺して、癒着した部分を裂くように身体を進めていく間も腰に添えた手を伸ばし、親指で凝る突起に触れた。
「ん、んっ、や…」
達したばかりの敏感なそれに触れられて、ニアはむずがる様に声を上げる。
成熟を終えていた身体は、まるでスイッチが入った様に、先程までの人形の様な無反応さを返上する。
「うっ…ぅ、くる…し…」
くさびを全て埋め込まれたニアが呻く。肩に縋る指に力が込められて爪が食い込み、私に小さな痛みをもたらしたが
狭く熱い肉の筒に締め上げられ私自身も這い上がる快感に声が漏れる。
65後編(エロ):2008/06/01(日) 04:44:57 ID:Gf7rJ867
軽くキスをし、浮き上がる背中を優しく撫でてニアを宥めるとまたニアが身体を押しつけてくる。
がっちりと腕を回し胸を押しつけられて、私は動くことが出来ない。
暫くその体勢で背を撫でていた私は、埒があかないのでニアを引きはがし腰を抱えた。
「はぁっ、まって…っ」
辛そうなニアに、射精せずに終えると言う選択肢もあったが、それは私のなかで即座に却下される。
引き抜くと、再び突き入れる。粘りけのある水音がそこから漏れた。
なるべく優しく、と思うのだが、こちらも快感に脳が支配されて上手く行かない。
「ふっ…あ、はぁぅ」
ペニスをゆっくりと引き出すとニアが身体をくねらせて小さな声を上げた。
少しは感じるのだろうか、私は次第に早くなる動きを抑えられない。
腕を交差させて目元を覆うニアにたぐり寄せられ、頭の脇のシーツは滅茶苦茶になっている。
締め切った部屋の空気が熱を帯びて息苦しい。私からしたたる汗がニアの胸に落ちていく。
手を伸ばし、水気を擦り付けるように小さな胸を押し揉んだ。
「うっ…んっ…ひっ…ぁくっ」
打ち込まれるたびに漏れる声は決して快感の為の喘ぎではないと言う事は気づいていたが
その声にすら刺激され、もはやニアの為にも早く終わらせなければと言う都合のいい考えが身体を支配する。
引き抜く時の肉壁の抵抗で扱かれ射精感が込み上げ、汗で滑る身体に、腰を抱え直すと
両脚を肩に抱え上げ膝立ちになり激しく突き入れた。ニアが悲鳴を上げる。
肉がぶつかる音と接触部から漏れる水音に、こんなに激しくしたら壊れてしまうのではないかと言う心配も
押し寄せる快感にすぐに流されていってしまう。時折顔を覗かせる理性は、なんの役にも立たない。
私に揺すられるまま翻弄されている細い身体は、陸に揚げられた哀れな魚のように口を大きく開けて
必死に酸素を取り込もうともがいている。
脚が汗で滑り肩からずり落ち、それを高く掴み上げ腰を更に進めると、ニアのクリトリスが押しつぶされて
その刺激に、私を締め付けてくる肉筒が痙攣した。
「はぁっ、あぁ…っ」
ニアが身を反らせる。私は身体を押しつけたまま、身をかがめて差し出された胸に吸いつく。
「やぁ…ぅ」
ニアがいくら否定しても、私に腰を擦りつけるようにぎこちなく揺らめく身体が如実に語っていた。
「ニア…」
私はたまらなくなり、白い胸に名残惜しくキスをして、再び抽挿を再開させる。
男に慣れていなかった狭い肉壁は今や私に絡みつき、まるで絞り尽くしてやろうと言わんばかりに締め付け扱き上げてくる。
長く楽しみたいという気持ちと、早く出してしまいたいと言う気持ちがせめぎ合い、もはやニアへの配慮は全く無かった。
軽い身体は私の乱暴な動きに、がくがくと揺すられ悲痛な声を上げて身体をしならせる。
「ああ、あっ…も…っ」
苦しげに伸ばされたニアの手が、腰を掴む私の手の甲に爪を立てた。
それが引き金になったように、私は腰を深く突き入れたまま動きを止め、一瞬の快感に力が篭もり、身体が震えた。
「ニア…!うっ…く、」
放出に頭が白くなったあと、ニアの両脇に肘をつきなんとか崩れ落ちる失態を逃れる。
呼吸を忘れていた自分に気付き激しく息を繰り返した後、組み敷いた身体に声をかけた。
「ニア…大丈夫ですか」
さんざん勝手して置いて今更だが、終えたとたん戻ってきた理性が焦りだす。
頬に添えた手で軽く揺すったが全く反応がない。
慌てて身体を伸ばし、サイドボードのスタンドを点けるとニアの白い身体が闇の中にぼんやりと照らされた。
ぐったりと弛緩した身体をシーツへ投げ出し、せわしなく上下する白い胸だけが彼女が生きているという事を知らせている。
身体を離すとニアは、明かりを嫌ったのか反対側を向くと、その身をくるりと丸めた。
白い肌が汗で光り 艶めかしいその姿は、打ち上げられた人魚のようだった。

-------------
66前編(長):2008/06/01(日) 04:47:55 ID:Gf7rJ867
前編
捏造多数、性格改変、色々気になる方は激しくスルー推奨
-------------

白いパジャマ姿がソファーの上で食い入るようにモニターを覗き込んでいる。
そこには初老の男と、痩身の老人が向き合いなにかを話す様子が映し出されており、絵面が面白いとは言いがたい。
私は再びニアに視線を戻した。
極端に小柄だった体躯もそれなりに成長し、最近はめっきり女らしくなっている。
まだまだ仕草や表情に幼さが残るのはリアルな人生経験の希薄さも影響しているのかもしれない。
小さな頭には世界中のあらゆる情報が蓄積されているようだが、こうやってニア自身が表舞台に現れる事は極々まれな事だった。

ワシントンD.C.のウェスティン ワシントンホテルの一室で、今"L"の交渉が行われている。
今回の案件に関してはちょっとした背馳があり ニアは難色を示し、さりとて断る事もなかなか難しい筋からの繋ぎであったために
最初のコンタクトの様子をその目で見たいとニアが言い出した。
見て何かが判るのか、それとも他に理由があるのか私達には判らない。
だが要求された事を準備し行うのが我々の仕事だった。
部屋にカメラを設置し無線かネット回線で飛ばすことも考えたが、この様なホテルは当たり前だがそう言った事に厳しく
依頼人に無断で遠くまで配信することは多少の困難の元にあった。
このホテルを選んだのは全館に置いて無線LAN回線が張り巡らされている為、データの移動に都合がよく、
いくつか部屋を経由したのちにネット回線を使用して…と言う計画だったのだが、珍しくニア自ら出向くと言う事になり現在に至る。
そして、4つしかないエグゼクティブクラブルームの真下の部屋ではロジャーが"ワタリ"として、今回のファーストコンタクトを行っていた。

「もういいでしょう」
そう言うとニアはヘッドセットを外し、律儀にもモニターの電源をも切ると、ソファーの上で片膝を抱えた。
私はイヤホンで階下の会話を聞きながら窓際に移動すると、そこに置かれた椅子へ腰を下ろし展望するビル街に視線を移す。
大掛かりに設置したわりに、ニアがモニターを見ていたのは2分程度の事だった。
軽い徒労感に襲われたが、録画でよかったのではなどと口を挟もう物なら、その数十倍の言葉を浴びる事になるのだろう。
それに、下手をすると部屋に閉じこもりがちなニアなので、せめて運動になればと思うことにした。
私のイヤホンにはまだロジャーと依頼人の会話が流れてきている。
67前編(長):2008/06/01(日) 04:48:42 ID:Gf7rJ867
いつの間にかこちらを見ていたニアが言った。
「いい天気ですね」
大きな窓と広いバルコニーが売りの一室だ。柔らかな午後の日差しが部屋の中へ差し込んでいる。
散歩でもいかがですか。
出かかった言葉を飲み込む。
「受けますか」
「さて、どうしましょう」
こんな返事でももうニアの中では結論が出ているのだろう。
私は、いずれ向かうことになるであろうシチリアのパレルモに思考を巡らせた。イタリアには曾祖父母の墓があるが、立ち寄る暇は恐らくないだろう。
イタリア語ならハルも得意だが最初から係わっている私に声が掛かるのは必然だった。
このままの流れならば、ニアに協力できる最後の仕事になる。
こちらの活動と本職との兼ね合いに付いて私は思うところがあったが、未だ決心には至っていない。

「最近はいかがですか」
不意に、こう切り出され内心ギクリとする。
ニアは、こちらの考えを読んでいるかのように実にタイミング良く声をかけてくることが多々ある。
車中で唇を重ねてから二人きりになる機会などなく、季節は過ぎ再びニアの誕生日を迎え、そして春になった。
別に付き合っているわけでも、恋愛感情が合ってニアを抱きたいと強く願っているわけでもない、
多忙な身に加えてこちらの方が立場は弱かった為、次に進みようがない。
むろん進展を願っていた訳ではないが、複数のしがらみも含めニアの姿が頭から完全に消えることは無かった。
そして今だ私の唇と指先には、時折ニアの柔らかな感触が蘇ることがある。
振り払うように立ち上がると、隣室の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、グラスと共にニアの元に戻る。
「代わり映えはありませんね」
私の所属が監査局へと内示が出そうだ、などという情報はとっくに仕入れている事だろう。
私は、代わりに質問を返した。
「あなたの方はどうですか?」
「先月までいたマイアミはすごしやすかったです」
「ワシントンはやっと暖かくなってきましたね」
「季節と共に移動されているのですか?」
私が笑いかけると、ニアが少しだけ口の端を上げた。
いい加減見慣れたと言えばそうなのだが、もう少し可愛らしく笑えないものかと思う。
私は、二つのグラスへ水を注ぐと、その内の一つを手に取り窓辺へとまた移動する。
ロジャーの方はまだ掛かりそうだった。浮いてきたイヤホンをしっかり固定させると、そちらの話へ集中出来ない理由を考える。

せっかく訪れた機会に、私はニアから一つ確かめたいと思っていたことがあった。
私が知りたいこと、それは私にとっても漠然としていて自分でも何が知りたいのかはっきりしない。
直接聞いてどうこうなる話でもない。
一番いい方法は話の中から私がくみ取る方法だと感じてはいたが、ニアを相手にどんな会話をすれば盛り上がるのか皆目見当がつかなかった。
前回は躊躇してしまったがメロの話を避けて通る訳にはいかない。
68前編(長):2008/06/01(日) 04:49:35 ID:Gf7rJ867
偶然に知ることになったニアの不幸な過去は、そんな私にとって多少都合が良いとも言えたが、いかんせん内容が内容なだけに、
会話のきっかけとして出す話題には相応しくはない。客観的に見ても激しいトラウマとなっていてもおかしくない程の経験だ。
もっともニアに、そんな素振りは微塵も感じられなかったが…。
「何か?」
そんな事をつらつらと考えながら柔らかく流れる髪に視線を注いでいた私に、ニアが声を掛けてくる。
私がニアと持てる最後の機会かもしれないと考えると、今日を逃す手は無い様に思えた。
私としては早く白黒つけて、いつまでも喉の奥に引っかかっている小骨のような、あれを何とかしたいと思っているだけなのだ。
時間は無限にある訳ではない、私は意を決して口を開いた。
「あの」
ニアが顔を上げる。彼女は食が細い。離れていた一冬の間にまた少し痩せたような気がした。
「一つ伺っても?」
「何に関してですか」
「あなたのプライベートに関してです」
ニアはさも意外だという顔をして、こう続けた。
「どうぞ」
了解は得られたが、さて何をどう聞けばいいのか。
こんな機会がいつ来てもいいように考えてはいたが、女性に対しレイプされた話を蒸し返すのは、あまりにも無神経ではないか。
なかなかに抵抗がある種類の話ではあったし、当然滑りは悪くなる。
「どうしました?」
ニアが催促をしてくる。彼女の右手が上がり自らの髪を巻き付け弄びだした。
焦りで判断力は低下するものだ。
回りくどいことをしても仕方がない、と急かされた私は、核心部分から切り出すことにする。
「その」
ニアが再びこちらを向いた。
「あなたが幼い頃ハウスの少年に乱暴されたという話です」
ニアからの返事はない。私は続けた。
「その暴行にメロは関わっていたのですか?」
「……」
沈黙が流れる。ニアは傾けた顔を私に向けていた。その視線には、こちらの不躾な質問に対して責める色合いは無く、ただ私の真意を探っているようだった。
しばらくしてニアが口を開く。
「─メロは煽動者でした」
「彼が始めた遊びです」
やはりそうなのか。
しかし、ニアにしてみれば何を今更と言った所だろう。
ただ、この件でしか私とニアの間の共通のメロの話題という物はSPK殺害の事件しかなく、さすがにそんな殺伐とした話題から
雑談に移るわけにも行かなかったのだが、いくら率直に、といえど、まさかメロに乱暴されてどう思った?と聞く訳にもいかない。
ニアはソファーの前に置かれている、ローテーブルの上を見ている。
そこにはホテルのサービスであつらえらたチョコレートが並んでいた。
色とりどりの銀紙に包まれているそれは、ピラミッドの如く積み上げられている。
再び黙り込む私の替わりにニアが会話を繋いできた。
「気になりましたか」
「いや、その」
ニアがぐりっと、機械じみた動作で半身を向け、窓辺に立つ私を見た。突然身体を向けられた私は思わず硬直する。
「何故今頃?」
「それは、…」
「一年間暖めていたのですか?」
「そろそろ羽化しそうですね」
矢継ぎ早に言葉を浴びせられ、さすがに癇に障ったのだと今更気付いたところでもう遅かった。
すぐに次の質問に移ればまだましだったのかもしれないが、話の主導権はすでにニアの手に渡ってしまっている。
「…あれからあなたと話をする機会が無く、」
「いつでも尋ねてくださればよかったのに」
私の言葉を遮ると、上目遣いで私を見て、嘲る様にニアは言った。
「あなたがこう言ったたぐいの話に興味を示すとは思いませんでした」
「興味があったわけではありません」
話が思惑とは違う方向に行ってしまい、私は狼狽えた。
69前編(長):2008/06/01(日) 04:52:45 ID:Gf7rJ867
ニアは姿勢を戻すついでに手を伸ばし、皿の上からチョコレートを一つ取った。
細く白い指で器用に銀紙を剥くと、中身のチョコを皿に戻し、銀紙を大理石で出来たテーブルへ押しつけて、しわを延ばして行く。
「それで?」
ニアの指先に意識を奪われていた私は、その声によって今だ自分が禍難のさなかであることに気づかされる。
「いえ、その件について、話したかったのではなく…その…」
焦りと狼狽で益々頭が働かなくなってきたようだ。私は、これでもチームの中では沈静なワイドアウトとして頼りにされている方なのだ…。
アプローチの仕方を完全に間違えた私は、もはや軌道修正は難しいと悟り
ロジャーの早い帰還を願いつつ、隣室の会話が聞こえてくるイヤホンを耳の奧へ押し込む。
「では別の目的が?」
ひとつ目の銀紙をきれいに延ばしたニアは、銀紙に描かれている模様を確かめるように指でなぞった後、
大事そうにそれを脇によけ、2つ目のチョコを取り再び銀紙をはがし始めた。
「詳しく話しましょうか」
「いいえ」
私は慌てて辞退する。ニアが乱暴されたときの話を詳しく聞きたかったわけではない。
しかしニアは続けた。
「私がどのように少年らに押さえつけられて、レイプに至ったのか」
下世話な興味を揶揄された気がして、思わず声が大きくなってしまう。
「ニア、私は事の詳細を聞きたかったわけではありません」
私の声に、少し驚いたように顔を上げると、ニアは再び視線を戻し、剥き終わったチョコを角度を気にしながら皿へ積み直す。
「別に構いませんよ」
手元に残った銀紙を端から丁寧に延ばし、つまみ上げ目の前に掲げひらひらと揺すってみせると、言葉に詰まり立ちつくす私を見た。
「…興奮しましたか?」
怒りで顔に朱が上ったのが判った。
「違います、そうじゃない」
「あの話に触発され私に触れたのですか?」
「あれは…あなたがキスをしたいと」
卑怯な、と我ながら思い、言い直す。
「あなたの過去に興奮して、触れた訳ではありません」
「確かに私が、提案した…しかし断ることも出来たはずです」
自分で迫っておいてこの言いぐさだ。しかし今はその理不尽さを責めるよりも、身に降りかかった誤解を解きたかった。
「それはそうですが、過去の話は関係ありません。あなたとキスをしてみたいと思っただけです」
まさか、生意気な小娘を懲らしめてやろうと思いましたとは言えない。
「同情しましたか?」
「不幸な体験をしたニアは可哀想…」
3つ目の銀紙をきれいに延ばしたニアは、テーブルの上の銀紙にそれを重ねると、4つ目のチョコへ手を伸ばす。
「…そして私にキスをした」
「同情でした訳じゃありませんよ」
むしろあの時は、いい年をして恋人もいない私が同情されたといった方がいいのではないか。
そして、あの場に限って言えば、私の方が可哀想だったはずだ。
「そしてその話題に誘発され、あまつさえ手込めに」
「しっ…してません!してないでしょう!そんな事!」
私はついに窓辺から離れ、ニアの正面に回った。4つ目のチョコの銀紙を剥きに掛かっていたニアは、私と向き合うと
実にわざとらしい、驚いた表情をした。
「おや…おかしいですね、あのとき、あなた…」
気づかれていたのかと今度は羞恥で顔が熱くなる。
私は今まで、女性に自らの身体の変化を気付かれたとしても恥ずかしいと思った事は無かった。
そういった現象は当然の事で、むしろ、そうならなければ女性に対して失礼に当たると思っている。
だが、この浮き世離れしたあどけない女に、男としての反応を指摘されるのは、どうにもバツが悪かった。
こうなったら開き直るより他に私の道はない。
70前編(長):2008/06/01(日) 04:53:49 ID:Gf7rJ867
「確かに、興奮状態にはありましたが、そのせいではありません」
ニアと視線を合わすために、私はニアの向かい側へと座る。美しい絵皿の上には、銀紙でくるまれたチョコレートの横に
剥き出しにされた、かわいそうなチョコレートが積み上がっている。
まるで私の様だ。ニアの前に出ると普段自分を覆っている、自信や自尊心など身を守るもの全てが奪われてしまう。
「…生理現象です。女性には判らないと思いますが」
「あなたの様な人に触れれば、健康な男子ならば皆、そうなると思いますよ」
「お上手ですね」
意味深な流し目をよこすと丁寧にのばした銀紙を重ね再びチョコレートの山に手を伸ばす。
まるでティータイムのちょっとした雑話のようにニアは続けた。
「つまり、わたしに欲情したのですね」
「ええ、ですからそれは」
繰り返され、私は自分が耳まで赤くなっているのだろうと意識した。
ニアのような美しい女が男の前で頬を染めている図は絵になるが
大の男が顔を真っ赤にして、女の前でしどろもどろになっている様子はとても観られたものではない。
もし私が第三者であったなら、もうそこら辺にしてやれと助け船を出す事だろう。
しかしここには私達二人しかおらず、私自身誰かに今の状況を見られたいとは思わなかった。

しばらく鯉のように口をぱくぱくとさせていたが、なにも思いつかず、
私はぐったり頭を垂れた。弁解する気力も失われたようだ。
「……そんな風に思われていたのですか」
「いいえ」
即座に否定されたのはせめてもの救いか、しかしニアは続ける。
「ですが、たった今、考えを改めました」
ニアは立て膝に乗せた小さな顔を傾け私を見つめた。
私は、その真っ直ぐな視線にいたたまれなくなり、ついに投降するに至る。そして、うなだれたまま、絞り出すように発声した。
「…すみません、不適切な質問でした」
「状況が芳しく無いから脈絡もなく白旗を振るなど、男らしくありませんよ」
ごめんなさい、ゆるしてください、と言いそうになる。
「辛い事を思い出させてしまい本当に申し訳ない。粗忽でした」
「それは構いませんが、…不思議ですね、本当に何が聞きたかったのですか」
もはや言い訳すらすまいと決意し、押し黙る。
貝のように口をつぐんだ私に、ニアは珍しいものでも観るようにしきりに視線を寄越していたが、再び皿のチョコを手に取り、
それを目の前で掲げ、模様を確かめるようにまわした。
「別に、あなたが気に病むことなどありませんよ」
薄い銀紙が1ミリも破れないように爪を立ててそれを剥いて行く。
「心的外傷も負っていません。何をされても何も感じませんでした」
「私にとっては、性的暴行というよりただの暴行事件であったので。…あなたにもあるでしょう?」
私は顔を上げてニアを観た。ニアは、指先に神経を集中させている。
「怪我をしたことは?それをいつまでも気に病んでいますか?」
「どういう意味ですかニア」
「さあ、性的不感症というものではないのでしょうか」
「まさか」
「ええ、医学的な見地からの不感症というものは、存在しないらしいですが…」
またニアは、とんでもない告白をさらりとしてみせる。そしてその、ニアの仕掛けた網に私はいとも容易くひっかかってしまうのだ。
「あなたの場合その、不幸な…切っ掛けと、未熟な者同士での性行為が影響しているのではありませんか」
ニアは、私に視線を向けると、むき終わったチョコレートをようやく一つ、口に入れた。小さなチョコは、ニアの口元へ消えてゆき
ちらりと覗いた赤い舌が、不覚にも私の記憶を甘くくすぐっていった。私は、不自然にならないように目を伏せる。
71前編(長):2008/06/01(日) 04:54:54 ID:Gf7rJ867
ニアの口の中でチョコレートが溶ける時間のあいだ、私はひたすら自らの磨かれた革靴に視線を注いでいた。
しばらくすると、ニアが話を再開する。
「そうでしょうか。でも本当のことです」
「…どっちでもいいけど」
ニアらしくない言い方に私は少なからず動揺を覚え、それは表情に出てしまったようだ。
くどいようだが、私は職場ではボスのサイドキックとして信頼も…厚く、…そのはずだったが…。
「信じられないと言った顔ですね」
「いや」
「また同情しましたか?」
「同情だなんて…」
「あなたはキスがお上手でしたね」
ニアとのキスを思い出した、先ほどの心を読まれたようで、ほんの一瞬、返答が遅れる。
「いいえ」
「あなたと関係した女性はみな満足されて帰りましたか?」
私は投げられた言葉が理解できずにしばらく、呆けてしまう。
「ニア、何を」
「ご自分のテクニックに自信がおありなんですね」
「そんなつもりでは…」
少女の様な女にきわどい話を振られ、うろたえる私をさらに追いつめるようにニアは口の端を歪めた。
「試してみますか」
フフ、と笑う顔にこちらの表情が強ばる。
「まさか」
「私に個人的な興味を持たないと約束できるなら、あなたと寝てもいいですよ」
「なっ…」
とんでもない事を言われ、思わず立ち上がる。
「違います、そうじゃない!」
「違うのですか?」
「違う」
繰り返すだけで誤解を解くための言葉が浮かんでこなかった。無意に掲げられた手が行き場を無くし、私は髪をかき上げる。
確かにあのとき私はニアに同情した。
しかしそれはその後の行動には何ら影響していない。
大体、ニアの思考が何故、突然そこに飛んでしまうのが私には理解できないのだ。
そうですか、とニアは私から視線を外し、銀紙をのばし始める。
「少しうぬぼれが過ぎました、すみません」
「いいえ、あなたは魅力的だ」
その言葉に偽りはなかった。
「しかし、どんな女性であろうと上司をベッドへ誘う様な真似はしません」
「私はあなたの上司ではありませんよ」
確かに、正確を期すれば、今のニアは私のボスではない。
「同僚だとしたら?」
何か知っていてわざと言っているのかもしれないが、私は馬鹿正直に言葉に詰まってしまう。
「別に、不思議に思いませんよ。アメリカの男女は挨拶代わりに身体を重ね」
「ニア、アメリカを侮辱するのはやめてください」
皆まで言わせずに遮った。
自分の事はなんと言われても構わないが、私は多くのアメリカ人と同じ様に、自分の国に誇りを持っている。
「そんなつもりは無かったのですが…」
ニアは大して気にするでもなく、続けた。
「ではこれはいかがでしょうか。おとり捜査でマフィアの情婦を寝取ってみたり」
「私は潜入捜査官ではありません」
FBIは細分化され、特別捜査官の誰もが潜入捜査を行っている訳ではない。
私が現場に出ていた、新人の頃にそんな重大な任務を任されるはずもなく
いくつかの事件を経て、SPKに招集され戻った後は本部所属となり
ほぼ会議や公事、幹部達のお守りに従事しほとんど現場に出ることはなかった。
この程度の仕組みはニアならば十分解っているはずだ。
72前編(長):2008/06/01(日) 04:55:48 ID:Gf7rJ867
「それにそんな女性を侮辱するような捜査方法は推奨されていません」
「そうでしょうか?原始的ではありますが、非常に有効な手段です」
「成功率も高い…」
「私から情報を引きだしてみますか?」
正面からあの黒い瞳に見つめられて、私は、はたと思い立った。
もしかするとニアは、何かを勘違いしてしまったのかもしれない。それは私にとっても不名誉な事なので、
こればかりは必死に誤解を解いておく必要があった。
「私は何かを探りたい訳ではありません。そう特命を受けた覚えもない」
ニアは世界的にも微妙な立場と言えた。先代の名声を引き継いだとはいえ、世界に名を馳せるプロファイラーであり、
底の見えない資金力と知名度、カリスマ性を持つLは、どの国にとっても充分脅威となる存在に違いない。
現在はもっとも近い協力関係にあり、友好的な立場を取ってはいるが、実際はアメリカからも監視されている境遇にあって
その任を負っているのは他ならぬFBIで、例の一件に関しても
私自身ニアが絶対にノートを持ってはいないと、完全には言い切れなかった。
しかしニアは、私の杞憂をあっさりと否定する。
「あなたがスパイでは無いことは判っています」
「しかしあまりにも歯切れが悪くて、酷く気持ちが悪い」
ニアが唇をとがらせた。昔からこの癖は変わる事がない。
私も出来ることなら具体的に質問をし、我が身の誤解と懸念についての回答を今すぐ得たいと思っている。
だがそれが不可能だからこその、この体たらくであり、
みきりで出発をしてしまったことを今更悔やんでも仕方ない。
しかし完全降伏の私を前にしてもニアの追随は未だ緩む気配がない。
「私に同情をしてキスを。今度は?」
なんと返せばいいのか困窮し再び黙ってしまう。
「不感症を不憫に思って、抱いてくれますか?」
「ニア…困らせないでください。大体あなたはそんな事を望んでいない」
「でもあなた、自分ならと思いませんでしたか」
わざとなのだろうか、こういうなんという事のない軽い会話でどんどん引き返す道が狭くなっていく。
ニアが20の時に車でキスをした時と同じだ。
ニアは、もし私が、あなたを抱きたい、と言い出したらどうするつもりだろう。適当にかわし、からかって終わらせるのか。
私のことを異性として認識していたこと自体も驚きだった。
彼女が扱う機材の一つぐらいに思われていると、いや、もしかして全くその通りなのかもしれない。
必要な道具を適所で活用する、そんな考えでニアは私に誘いをかけているのだろうか。

あの時垣間見えたニアの生身の部分は、この一年ですっかり色あせてしまっている。
関わらない方がいい───
───できれば関わりたくないという気持ちに、ニアを知りたいと言う感情が勝ってしまう。
深い深い穴の奥を覗きたいという好奇心は人間の原始の欲求に通じている。

座り直した私は、膝に腕を置き両の手を組むと少し考えてから口を開いた。
「──試してみますか」
ニアが私を便利に使おうと思っているのなら、私はそれに応えるだけだ。
「私と寝てみますか」
前回のように追い詰められたあげくにニアに言われるのが癪で、という訳でもないが
主導権がほしいと思う時点ですでに負けている気もする。
ニアは、いつもの邪悪な笑みを浮かべると、黒い瞳を丸くして驚いた表情を作った。
「あなたと?」
「ええ」
「もし、お嫌でなければ」
白々しい会話のあと、ニアが、まるで仕事の承諾をするような口調で言った。
「では、よろしくお願いします」

--------------
73前編(長):2008/06/01(日) 04:56:50 ID:Gf7rJ867
「ロジャーすみませんが、寄りたいところが出来ました」
「先に戻り、情報を纏めて置いて頂けますか」
しばらくして、打ち合わせを済ませ部屋に戻ってきたロジャーに、ニアが言った。
今日なのか?!と内心焦ったが、ニアは偏執的とも言えるほど慎重なわりに、決断後の行動は異様に早い。
男の私が「まだ心の準備が出来ていません」等と言う訳にもいかず、私はどこへニアを連れ込むべきか、慌てて考えなければいけなかった。
「どこへ行くんだい」
「野暮用、というものです」
わざとなのか、おかしな言い廻しをしてニアは歩行具のカフに腕を通し、ソファーから立ち上がった。
私はロジャーから カメラと機材を受け取り処理もそこそこに鞄に押し込むと、ニアの後を追う。
彼が、皿にきれいに並べられた剥き出しのチョコレートとのばした銀紙をみているのを目の端に収めながら足早に部屋を後にする。
何とも情けないこの様子によもやこれから私たちがベッドを共にするとは彼も思うまい。
上位客専用エレベーターで地下の駐車場へ降りると軽くセキュリティチェックを済ませ、ニアをリムジンへ乗せる。
後部座席に収まったニアが尋ねてきた。
「どこへ?」
「私の部屋はいかがでしょう。ここからそれほど遠くありません」
ニアは少し考え、小さく構いません、と言った。
まさかニアを郊外のモーテルに連れて行く訳にはいかない。
先週末に部屋の大掃除をする気になったのは、もしかすると第六感が働いたのかもしれない、などとバカなことを考えながら車を出した。

ホテルを出て、ルート29に乗り私のアパートメントへと車を走らせる。
ふと一年前の出来事を思い出し、バックミラーでニアを伺った。
彼女は普段と変わらぬ様子で、いつの間に持って来たのか、銀紙に包まれたチョコレート数個を手にしていた。
フランクリンパークの交差点で14thストリートを下れば、初めてニアに触れた時に寄ったポトマック公園に出られる。
今の時期はちょうど桜が満開で、今日あたりは美しく花びらを散らす様が観れるかもしれない。
私にもちょっとした思い入れがあり、本部に就任した頃、仕事の帰りによく足を伸ばした。
前回ニアを連れて行った頃は夏の終わりだったので、寄り道をして桜を見せてみようかと考えたが
余分な行動を嫌うニアに嫌みを言われるのも、今、機嫌を損ねるのも得策ではない。
それに、わざわざ自分の思い出を汚す事もないと考え、そのまま、真っ直ぐに帰宅の途に付いた。

アパートの駐車場へ車を止めて、ニアを下ろすと、彼女は物珍しそうに建物を見上げた。
なんて事はない普通のアパートメントだ。
機密性の高い仕事をしている反動か、やや中心から外れた、広めの部屋を借りている為に住人の層は家族連れが大半で
緑に囲まれた駐車場にはカラフルなワゴンや4WDが並んでいる。
そこへ、まるでブラウスに落ちたインク痕の様な黒いリムジンを残し、寝間着姿のニアを住人に目撃されるのも面倒と思い
抱えるように彼女を急かすと、エントランスホールへ向かった。
彼女のロフストランドクラッチが歩くたびに小さな金属音を立てて、ふと足は充分に開くのだろうかなどと不謹慎な考えが浮かぶ。
幸い誰ともすれ違うことがなかった私たちは、一階に止まっていたエレベーターへと身を滑り込ませた。
少しだけ気持ちが緩み、息を付くと隣の壁に寄りかかるように立っているニアを盗み見る。
小さな頭を柔らかな曲線を描いて銀髪が覆い首筋へと流れ、またこの髪に触れるのか、と考えると
自分が使い物になるかどうかいささか不安だったが、問題はない気がした。

「きれいにしていますね」
「家を空けることが多いので」
全く答えにはなっていないが、私は気にもせず、部屋に入るとすぐに寝室へ向かった。
ベッドに脱ぎ散らかした衣類を脇に抱えると、めくりあがったままのベッドカバーとくたびれたシーツを引きはがし、
それらを纏めてクローゼットへ押し込み扉を閉めた。
74前編(長):2008/06/01(日) 04:58:03 ID:Gf7rJ867
真新しいシーツをマットへ簡単に仕付けながら、本当にニアを抱くつもりなのか?と自分に問う。
お互いにそれを望んでは居ないのに、身体を重ねるなど馬鹿げている。
それ以前に本来ならば、10違う自分がニアに手を出すべきではない。ましてや、少なくとも自分にとってニアは、特別な位置に存在する人間だった。
ここではこの冗談の様なアイデアをやんわりと宥めるのが正しい選択だ。今なら間に合う。

リビングに戻ると、ニアが棚の上に飾ってあるボトルシップを眺めていた。
イギリス船のカティサークだった。この、模型界では有名な帆船をニアも見たことがあるのだろうか。
マストやヤードにはこだわり、キットに無い部分を自作して取り付けた。リギングもより本物に近付けるべく本数を増やしている。
忙しい合間を縫い暇を見つけては一年掛かりで仕上げた渾身の作だった。
こんな状況でなければ、手に取らせてボトルシップのうんちくの一つでも話している所だろう。
ひょっとすれば細かい作業を好むニアと趣味を共有出来たかもしれない。
「ニア」
振り向いたニアの黒い瞳が微かに揺れた。
私は気づかない振りをして微笑みかける。
非道い大人だった。
「どうかしましたか」
「いいえ」
ニアの腕を掴むと、私の手の熱さに驚いたようにニアが見上げてくる。
不思議なことにニアのそんな様子を見たとたん私の理性が煙の様にかき消えてしまう。
引き寄せると、かがみ込んで膝裏に腕を通しニアを抱き上げた。音を立てて歩行具が床に転がる。
何度かこうやって移動させたことはあったがその度にニアの軽さには驚かされる。
明るい日が差し込む室内に、四角く切り取られた様な暗い寝室へとその身を抱えて移動した。
ニアをベッドへ下ろしその体勢のまま覆い被さると小さな顎を上げさせて噛みつくようにキスをする。
一年ぶりのニアの唇はホテルで彼女が口にしたチョコレートの味がした。
最初から強引に舌を差し込み、捕らえた甘い舌を吸い、軽く噛むとニアが身体を小さく揺らす。
「ん、ん…」
左右に顔を傾けて深く口づけ合い、執拗に舌を絡める。
ニアもそれに応じてきて、まるで私たちはお互いの迷いを断ち切ろうとしているようだった。

唇を離すと、ニアが息苦しさに頬を紅潮させて言う。
「性急ですね」
「あまり帰りが遅いと皆が心配するでしょう」
不規則な生活のために、窓は書棚でつぶしてある。部屋の明かりは開いたままの扉から漏れてくる光だけだ。
身体をずらして組み敷いたニアのシャツのボタンを全て外すと、一気にはぎ取ってしまい、同時にズボンも引き下ろした。

現れた白い身体に私は気付かれぬように息を飲んだ。
青白い肌に控えめな乳房は、目覚めたばかりの少女のような痛々しさで
ふくらみの中心には小さく淡い乳首が唯一色を添えている。
肋骨が浮く細い胴からくびれたウエストは、少し乱暴に扱っただけで折れてしまいそうだ。
薄い腹の下の最後に身を覆う、飾り気のないシンプルな白い下着の恥丘が柔らかいカーブを描き、その奥に隠されたニアの秘密に誘っている。
単に私が急いでいるだけと思っているのか、恥ずかしがるでもなく、ニアは視線を逸らすのみだった。
しどけなく身体を投げ出したまま、右手で、シーツに広がった髪の先を気にしている。
気持ちが急いていたのは確かだった。
今日は替えがない、下着を汚してはいけないだろうと自分にいい訳をして、私は早々にそれも足から抜き取ることにした。
細い腰からその薄い布を剥がしてしまうと、ニアは生まれたままの姿を私の前に曝す。
髪と同じ色をしたアンダーヘアが秘裂をわずかに隠し、現れたごく薄い飾り毛がむしろ生身を感じさせていやらしく映った。
少し意外だったがニアが子供ではない事をそれが知らしめている。
ベッドへ入るなりいきなり相手を全裸にしたことなど一度もなかったが、立場上こんな事を思ってはいけないと判っていながら
北欧の妖精達に魅せられ、道を踏み外す哀れな男達の気持ちを一瞬、理解してしまった。
普段ならばここで相手を賛美する台詞を降らしているところだが、きれいだと呟きたくなるのをぐっと堪え、
私がここで鼻の下を伸ばそうものならどれだけ罵られるのだろうかと、自虐的に考えた。
75前編(長):2008/06/01(日) 04:59:01 ID:Gf7rJ867
ニアは相変わらず乾いた視線を漂わせていたが、身体に触れようと手を伸ばす私に、普段と変わりない調子で言う。
「あなたも脱いでください」
自分だけ裸なのは恥ずかしいのか、かわいいところもあるのだなと、この時はそう思った。
身体を起こすと、ネクタイを緩めシャツのボタンを一つ二つ外す。手間が惜しくなりそのままアンダーシャツごと頭から抜いてしまう。
はやる気持ちを気づかれないように再び身体を重ねると、ニアは私の首へ腕を回し、ひたと身体を寄せてきた。
「?」
幼い子供に抱きつかれているような感覚だった。
恐ろしい人だとは思うが、別に憎いわけではない。
こうして肌を合わせていれば愛しく思えてくるから不思議だ。
素肌に押しつけられる乳房を心地よく感じながら、宥めるように背中を撫でて、額にキスをする。
瞼、頬と徐々に唇を落とし再び口づけながら回された腕を外して、白い胸に触れた。
以前布越しに触れた事のある乳房は、その時とは比べ物にならないほどの柔らかさと、掌に吸いつくような肌理を掌に伝えてくる。
すっぽりと収まってしまう小さな膨らみを撫でて、細心の注意を払いながら力を込めた。
しかし、掌に伝わる鼓動の変化は全く感じられず、そんな所まで可愛げ無い事この上ない。
揉みしだくと、中心にある柔らかく頼りなかった乳首が次第に固く尖りはじめ、今度は突き飛ばされることは無いだろうと
花の蕾のようなそれを指先で摘みとる。
突起部分しか色づいていない小さな乳首を指の間に挟み込んで乳房全体を丸くこね、
もう片方を搾り込むように際だたせるとピンク色の先端ごと乳房を口に含み吸い上げて舌で転がす。
中心からふくらみの裾野へ舌を這わせ、上へたどると鎖骨に軽く歯を立てた。
そこで顔を上げてニアを見た私は動きを止める。予想はしていたがニアは退屈そうに髪の毛を弄っていた。
「…」
身体を伸ばし、彼女の顔の両脇に手を着くと、視線を合わせて訴える。
「ニア、集中してください」
するとニアが丸い目をして私に尋ね返した。
「何にですか」
何にだろう。
私とてベッドを共にする女にこんな事を頼んだことはなかった。
少し考えてから私はこう言った。
「私にです」
ニアにとって想定外だったらしい、私の言葉に神妙にはい、と呟くと
「努力します」
と、小さな声で言う。
「自然でいいので、楽にしてください」
「ドクターの様ですね」
シニカルに笑うニアに先程感じた後ろめたさと欲望が同時に引いていくのが判る。
脱力感を覚えながらも再び白い胸に顔を埋めたのは、男の本能に負けたとしか言いようがない。

私の唾液で濡れている先端を指先で玩び、もう片方の蕾へと舌を這わせる。
小さく上下する胸は愛撫をうけて火照り、さっきよりも張りが増したようだった。
ちゃんと反応はあるのに、身体の主人たる、当の本人には全くその気が感じられない。
こちらばかりが熱くなる、そんな様子を冷たく見下ろされている様で、非常にやりにくい。
不感症というのは本当なのかもしれない、早くも私は挫けそうになる。
76前編(長):2008/06/01(日) 04:59:45 ID:Gf7rJ867
幸いにもニアのしらけた空気が私の興奮に歯止めをかけていて、みっともない事態には至っていない。
胸から薄っぺらい腹に手を降ろしその肌の柔らかさを確かめたた後、産毛のようなアンダーヘアを撫でてその下に隠れる秘裂へ指を向かわせた。
さすがにニアが身体を固くする。
カーブに沿わせて下ろしてゆくとニアのもっとも柔らかい部分に指先が触れた。
意外にもそこは薄く露を湛えていた。
ローションなどが必要になるのかと思っていたが、用意はないのでひとまずは安心する。
しかし、濡れてはいたが興奮しているような熱を感じることはなかった。
溝に指を含ませて動かすと小さな水音がする。
ニアはやや瞼を伏せて視線を泳がせていた。
私に禁じられた癖の替わりに、シーツをたぐり出来たシワを撫でて均したりといった動作を繰り返している。
そんな様子を見ていた私は、視線をあげたニアと目が合った。
ニアの二つの黒い穴は真っ直ぐに私を見つめる。
間が持たなくなり、私は尋ねた。
「感じますか?」
何という、配慮に欠けた質問だろう。我ながら情けなくなった。しかしニアは気にする事無く事務的に答える。
「表在感覚が有るか、無いか、と言うことでしたら、感じます」
とてもじゃないが、セックスをしているという雰囲気ではない。
ニアの言うとおりお医者さんごっこをしているだけなのかもしれなかった。
ただし、それは全く性興奮を伴わない、無味な物だ。
どうやって責めるべきか考えながら、柔らかい腿を撫でさすっていた私に、ニアが放るように言う。
「そこも感じます」
こちらの散漫さが伝わったのかもしれない。ニアも再び自らの髪を玩びだした。
「判っています」
大人げない私は多少憮然としながら、見上げてくるニアと再び視線が合う。
私は微笑む努力を放棄して見つめ返した。
ニアは、さして興味もなさそうにふい、と目をそらせると、髪を弄びながらこう言った。
「あなたはいつも、いちいち女性の状態を尋ねながら行為に及ぶのですか?」
いけない、とは思ったがさすがにカチンと来て、私は強い口調で返してしまう。
「少し黙っていてください」
「あなたが質問してくるのではないですか」
それはそうだが、こちらはなんとかニアにも楽しんで貰おうと頑張っているのだ。
「もう少し言いようがあるでしょう。あなたはいつもそうだ」
ニアからの返事はなかった。
私はどうにも抑えられなくなり身体を起こし、ベッドの端に腰掛け自分を落ち着かせようと努力をする。
もう何年も前にやめたはずの煙草が無性に恋しい。
ニアはぼんやりとした様子で天井を見ていたが、やがて横に転がると、胎児のように丸まった。
その仕草に少しだけ、何故か胸が痛み、小さく頼りない白い背中に後悔が押し寄せた。



--------------
後半>>62
77名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 16:22:43 ID:iFReJ/IM
続編乙です
ステはやっぱり主導をにぎれてないのかいるのか

シュチュより描写の細かさに萌ますた
78名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 18:18:53 ID:jcpXD2yd
乙です
ステファンが珍しくメロに勝ってる感じがすごくいいです
ニアのは不感症?といっても幼すぎて感じなかっただけなんでしょうね
少年は大人のジェバより下手でしょうし………状況が状況だし
ニアにステとのバラ色のセックスライフが訪れますように(ー人ー
79名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 18:19:21 ID:jcpXD2yd
すみません上げてしまいました
80名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 08:17:58 ID:xIh28eIc
GJ。関係というか会話とかが丁寧だなーと思った
81名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:16:00 ID:t3AGHcNG
ナイスえろえろ
女体化なんて考えたこともなかったが何か目覚めてしまいそうだ
82名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 04:07:53 ID:/B+8RXbn
保守
83名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:29:07 ID:r+2om7fp
すごく続きが気になるんですが
これって続きあるのか…?
84名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 23:13:20 ID:q9NFcMj1
普通に65で終わりかと。
あとはデスノートスレで全裸で待つべし。
85デスノ:2008/06/20(金) 23:16:16 ID:MVUhptzU
レスThxです。
TSスレにて続きを落とさせて頂こうと思っています。良かったら読みに来てください!
追い出されたらまたお世話になります_ト ̄|○
86名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:40:10 ID:NH2UOLPn
>>85
乙でした!
続き楽しみにしてます
87名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:10:36 ID:ffgFbJw+
【うpろだ】専用スレのないSS【代わり】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185814173/
88名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 10:00:20 ID:5Saqf2IH
そこは『専用スレがないもの』
ここは『専用スレはあるけど投下が躊躇われるもの』用
89名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 18:23:04 ID:31GvQtrQ
>>85
乙です!スレが落ちる前に読めてよかった。
続きがあるのならまた是非読みたいです。
丁寧な心理描写が好きだ。
90名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 17:15:55 ID:T8eZqgCA
>>88のようなのもココにあるし
91名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 17:22:19 ID:5GtBHPkt
>>87 のスレとはスレタイが違うだけで、ぶっちゃけまとめてもいいと思うよ
92名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 17:30:46 ID:7EDRapqS
そーだなー
投下が分散するとやりにくいし、じゃあ削除依頼?どうするかな。
93名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 18:26:24 ID:5GtBHPkt
もう投下されちゃってるんだしそこまですることもないでしょう。
次スレで統合でいいんじゃない?
94名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 14:50:09 ID:/YELWYTb
念のため保守
95名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 04:03:16 ID:lwLe1KkN
>>5
あまりにも遅レスだけど、めぞん一刻が出てくるとは思わなくて驚いた。
ぜんぶ読んでないんでアレですが、今さらながら乙でした。
出来れば全部読みたかったです。
96名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:16:44 ID:QL/NhoRa
>>95
めぞん一刻はスレがあります。
念のため。

めぞん一刻のエロ小説2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188927762/
97名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:05:36 ID:rflGak/1
そこ死に体だし…
984:2008/07/09(水) 20:08:59 ID:ZkZstlgu
TSスレが物議ってまったので、やはりこちらで続けさせて貰います。うろうろして本当に申し訳ない。
次スレ無し方向のスレの様なので落ちるまで居候させて頂ければ幸いです。
2>>66/3>>TSスレ5-854

-DeathNote- ジェバンニ(31)×なんのためらいもなくナチュラルに女性のニア(22)
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
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春に"L"の仕事を手伝い、依頼された捜査を終えてアメリカに帰った私は、その足で直属の上司と懇意にしていた幹部に退職の旨を伝えた。
引き留められ、医師も紹介されたが、そういう訳ではないと言う事を説明するのに多少手間取り、
内部にも食い込んでいた私は、それらの引き継ぎや退職にあたっての手続きが嵩み、全てを終え自由となったのは三ヶ月後の事になる。
そして予め相談をしていたレスターへと繋ぎを取り、ニアに面会できたのはそれから更に二ヶ月後の事だった。

本職を勝手に辞めて来た私にニアは冷たかった。
「突然の事で驚きました。理由をお聞かせ願えますか」
「こちらの仕事に専念する為です」
ニアにしては珍しく、全く予想も情報も仕入れていなかった様子に、彼女の私に対する興味の薄さを知らされた気がして若干気持ちが萎える。
その上でニアが、私がFBIを辞めたことに関して理由を知りたがったことに多少違和感を覚えたが、
自分がニアの手伝いをするに当たり組織にプラスにこそなれ、何ら損失を与える要素は無い事に自信の合った私は
前出の個人的感情も含め少々強気なものの言い方になり、ますます彼女の感情を逆撫でした。
「貴方になんの相談もなく申し訳ないとは思いましたが、私にはその権利があると思っています」
ニアに断りもなく事を進めたのは、これ以上他人に顔を晒す気のない彼女が、SPK時代からサポートしている私を雇わない訳が無いという確信があ

った上での、くだらない意地だった。
そんな自らの困窮した状況や、私の思惑なりを理解しているニアはさぞかし面白くなかっただろう。
もしかすると彼女は、全ての事象を自分の書いたシナリオ通りに進めたいと考えているのかもしれない。
「…」
沈黙の後、ニアはこう言った。
「どこの組織に入る際でも、必ず試用期間というものがあります」
「とりあえず仮採用という事で様子をみさせて貰います」
ハルは笑っていたが、私はよほど憮然としていたようで、レスターの咳払いでようやく一言だけ返すことが出来た。
「よろしくお願いします」
そういえば、あれから本採用の知らせは受けていない。


「ん…っ!ん、ん…」
膝に抱え上げた身体が強張り、私にしがみつくようにその身を押し付けると同時に
背中に針で刺されたような痛みが走り、ニアがそこへ爪を立てたことを知った。
合わせた胸がせわしなく波打ち小刻みな震えが伝わってくる。私の肩口に力無く凭れ、首に掛かる熱い息が擽ったかった。
ニアの震えが少し収まった後だらりとした身体を下ろし、いつも彼女が抱えている左足を曲げさせてゆっくりと動く。
「ああ」
違う角度で膣内を擦られたニアが顎を上げて切ない息を漏らす。
瞼を閉じて荒い呼吸を繰り返す口角から零れた唾液がシーツに丸く跡を作り
Lという存在を自由にしているという優越感がより一層私を高揚させる。
投げ出されたニアの手を取り曲げた片足を抱えさせると、私は粘つく水音を立てている部分に指を這わせた。
真っ白な身体のそこだけが赤く裂け、腫れた男の欲望を咥えこんでいる。
精一杯口を開けて私を含んでいる濡れた縁をなぞり小さく顔を覗かせている肉芽に抽挿で泡立つ愛液を塗りつけると、
瞼を伏せ感じ入っていたニアが、電気が走ったように小さく跳ね、抱えさせていた足が振ってきて私の動きの邪魔をした。
「ぅん…っ」
私はニアの細い身体を折り畳む様に身を寄せる。
「ニア…ちゃんと足を押さえていて下さい」
「さわ…ないで…」
「触られたくない?」
返事は無かった。
99<4>:2008/07/09(水) 20:10:17 ID:ZkZstlgu
「いやですか」
身体を起こし、親指の腹で引き上げるように力をこめるとフードを被ったクリトリスがさらに顔を出す。
「ん…っ」
ニアの赤い実を、犬のように舐め回し声を上げさせたかったが今の体勢では届く訳がない。
「嫌いではないでしょう」
揃えた指で申し訳程度に煙る白い茂みを撫で回し、身体を揺するとニアがゆるゆると首を振った。
荒い呼吸に閉じることのない唇から舌が覗き、誘われるままにそこへ手を伸ばし触れると、ニアはその指を軽く吸ってくる。
この口に含ませてみたい、と考えたことはあったが何故か躊躇われるものがあり、行動に移したことは無かった。
そんな思いを知ってか知らずか、ニアが指に舌を絡める。指にまとわりつく赤い舌と暖かく柔らかい感触に、自分がさらに固く反っていくのを感じ
それに気づいたニアが非難するように視線を向けるので、照れ隠しに私は口の端を歪めてみせた。
指を引き抜くと、唾液の糸が引き彼女の顎に落ちる。こちらばかり高められるのは悔しいのでどうしてもニアを鳴かせたかった。
「じゃあ、少しだけ」
どのくらいが少しなんだ?と思いつつ、そう言うと視線を漂わせていたニアは再び私を窺った。焦点を失ったような黒い瞳が潤んでいる。
こういう表情をしているときにニアは幼く、胸を刺す罪悪感に私の興奮は増してくる。ニアがとろりとした目つきで言った。
「少しだけなら」
おかしなやり取りに頬を緩ませながら、ニアの唾液に濡れた指で、彼女のルビーを軽く撫でた。
「んっ、…」
露をすくい、剥かれた赤い粒を触れるか触れないかの弱さで撫でるとニアの身体に断続的に力がこめられて、私を締め付ける。
「もう少し?」
「…ん、」
シーツに額をこすりつけるようにニアが頷く。遠ざかる指を追うように細腰が淫らに浮いて、視覚と挿入されたままの私自身に刺激をもたらす。
身体を引いて浅く抜き差しをしながら人差し指と中指で挟んだそれを左右に揺するとニアが喉を反らせて喘いだ。
「ぁあ、あ…っ」
彼女を好きに鳴かせることができる小さなスイッチを押し、擦り、乱れる様を堪能する私の腕に、ニアの手が掛かる。
「もっ…もう」
「お終いですか?」
「…すこしはおしまいです」
何を言っているのか自分でも判っていないのだろう、そんなニアに苦笑すると、上下する薄い胸に手を伸ばし白い肉を手のひらに収めてまるくこねた。
しばらくすると落ち着いたのか、ニアが不思議な疑問を振ってくる。
「生殖行為に乳房は関係ないのに、何故そこに触れるのでしょうね」
何とも興ざめな質問だが、いつものことなのでもう気にはならない。
不公平がないようにもう片方の乳房にも触れ、その柔らかさを確かめる。
「性感を高める神経は繋がっているようですよ」
「排卵が促されるのですか」
そこまでは知らないので、誘うように起立した乳首を指ではじくと、私は雰囲気の修正を試みた。
「まあ…厳密に言うと私たちの行っているこれは生殖行為ではありませんからね」
返事は無く、ニアは傾けた身体を丸め、じっと指先を見つめていた。
勃起したそれを指で肉に戻すよう押し込めると、白い肉に指先が沈み、ニアが鼻を鳴らす。
「ん…」
息を詰めるニアの唇を舐めて舌を差し込むと、直ぐに柔らかいものが私を迎え、優しく吸われる。ざらつく上あごを舌先で擽り
先程見た、指に絡みつくニアの赤い舌が自分のペニスへと這わされる様子を夢想しながら舌を絡め合った。
濃厚なキスのあとに唇を開放すると、その濡れた唇のまま、ニアが再び質問を向けてくる。
「何故生殖行為ではなく身体を合わせるのでしょうか」
まだ言うか、と思ったがすこしだけ意地悪な気持ちになって反対に質問した。これは私の、本心から抱く疑問でもある。
「貴方はどうしてですか」
「私は…」
ニアはすこし考えると、こう言った。
「あなたがしたそうだったから」
まさか自分のせいにされるとは思っていなかったが、それほど悪い気はしないので
これ以上追求するのも無粋と思い、素直に謝っておく。
「それは…。気を遣わせてしまいました」
「いいえ、部下の機微に心を配るのも上司の努めだと思っています」
ニアの黒い瞳は焦点を戻し、意地の悪い笑みが口元に浮かぶ。
全く生意気な娘だ、と思ったが手の中の小山を緩く揉んでいると、時折切なそうに目が細められて鼻を鳴らす様子が可愛らしいので私は微笑みを返した。
100<4>:2008/07/09(水) 20:10:57 ID:ZkZstlgu
汗で束になっている髪の間から覗く耳に唇を寄せると、そこを甘噛みしながら言葉を吹き込む。
「では私もあなたの求める理想に叶うよう一層努めさせて貰います」
「…ん」
ニアが擽ったそうに身体を竦めた。
「ん、ん…」
ゆっくりと腰を押しつけニアの身悶える様を楽しんでいたが、いい加減包まれたままの自分が刺激を求め訴えてくる。
押しつけた腰を大きく上下に動かすとニアが熱い息を吐いた。
「は…ぁ、はっ…」
「ニア…」
もう聞こえていないのか、聞く気も無いのか瞳を閉じて無防備な表情を晒すニアの細い指が
早く動けと言わんばかりに、浅く緩慢な動きをする私の腕に重ねられた。

ベッドの上ではフィフティな約束だった。
何となく始まった関係だが、最初に2,3言われたことがある。冗談めいた制約の最後に、
彼女自身に興味を抱かないこと、と念を押された。
ニアが何を考えているのは私には判らないが、それが判らないからと言って取り立てて不都合も無かった。

もう少し楽しんでいたい気持ちも大きかったが、時間もなくそろそろ終わらせないとお互いに辛いので、片手で掴める腰を押さえ込むと律動を再開する。
リズミカルに腰を使っているとニアの喘ぎが大きくなり、私も這い上がる快感に声が漏れる。
細く軽い身体は思い通りに動かすことができた。ニアを真っ直ぐに寝かせ身体を割り込ませると、一層強く腰を打ち付けていく。
「や、はぁ…ぁ、くる」
「ニア、まだ…だ」
オーガズムを覚えた身体が、私の共犯者となってニアを追い詰める。まだあどけない顔が辛そうに歪み淫らで扇情的だった。
「もっ…あぁ、やめな…で」
もちろん止めるつもりは無かった。私にも終わりが近づいている。
「はっ…ぁ、…きます、ああ…」
熱く締め付ける肉襞が抽挿する動きと共に私を扱きあげて、射精感が高まってゆく。
二人の律動にホテルの安っぽいスプリングが音を立て、この行為の馬鹿馬鹿しさを笑っているようだった。
焦らしすぎて激しい反動が快感の大波となり押し寄せ、抉るように突き入れると私は動きを止める。
腹筋が震え視界が白く霞むような快感に身が竦んだ。
「くっ、あ」
「んっ…ん、っあ…!ああ…っ」
縋るものを探すニアの手がシーツをたぐって半身が捩れた。白い身体が弓なりに反りかえり
伸ばした腿の筋肉に力が篭められたのを目の端で確認し、私も放出を終える。


「自分で着られます」
そんな声を無視して、私はニアの普段着としている白い寝間着のボタンを留めてやる。
ニアは手を挙げかけたが、抵抗するのも面倒になったのか指先へ視線を落としされるままで居た。
「油断をしているとトラッシュへ下着を捨てて行かれますから」
「しつこいですね」
「あなたには負けますよ」
ニアと二度目に抱き合った夜、ニアを送り部屋に戻った私は何気なくベッドの脇のゴミ箱に見える白い物体を拾い上げ仰天することになる。
制止を聞かなかった私への抗議だったのかもしれないが、そのために私を後ろに向かせたのかと思うと口惜しくてならない。
自分で見つけたから良いようなものの、濡れた女物の下着が枕元のゴミ箱へ捨てられているなど、ただの変質者だ。もう二度と利用することは無い

かもしれないが、自分の預かり知らぬ所で笑われている等と言う屈辱はなるべく避けたかった。
「次はドアノブにでも引っかけて行きますか?」
恐ろしい。まさかそんな、下品な事はしないだろうが、全く以って、ニア相手に1秒たりとも油断してはならないのだ。
ボタンを下まで止めズボンを履かせようとすると、さすがにニアはそれを私の手から奪い、のろのろと片足ずつ入れて身につけた。
101<4>:2008/07/09(水) 20:11:56 ID:ZkZstlgu
「そう言えばあれはどうしましたか?保管してあるのですか?」
「まさか!ちゃんと問題の無いように始末しましたよ」
私たちは、少しだけ軽口が叩けるような仲になった。
相変わらず苦手意識はぬぐえないが、その小生意気な部分も以前よりは頭に来ることもなく、慣らされているのはこちらの方なのかもしれない、な

どと時々考える。
しかし何度身体を重ねようと、不思議なことに距離が縮まる気配はしなかった。

冬のニューヨークは氷点下になる。すぐに車に乗り込むとは言え、寝間着のまま出歩かせる訳にいかないので
面倒がるニアの肩にコートを掛け私はスーツの上着を着込むと、彼女を送るために部屋を後にした。
エレベーターで地下に降りるとホールから駐車場までに車椅子用のスロープがあり、その緩やかな坂は杖をつく人間には少々歩きずらいらしく、ニ

アの速度が落ちる。
私は無言でニアを抱き上げると、車まで向かった。
抱えられることを嫌うニアだったが、もはや今の私には何の躊躇もない。
ベッドを降りた途端、素気無くなるニアに無理矢理触れて嫌な顔をさせるのが最近の楽しみで
もちろんごく偶に、の話だが、気をつけているつもりでも私は、多少は馴れゝしくなっているのかもしれなかった。
横に抱いたニアを肩に掛けて片手を空けるとリモコンで解錠し、開けたドアの中にニアを下ろして車の下を確認した。
最近はイグニッションに爆弾を仕掛けるなどとアナログなテロも減ったが、最終的に脅威となるものはローテクだと叩き込まれている。
ニアの正体を、果たしてどれだけの人間に知られているかも判らない今の現状では、惰性とそれに伴う油断が、とりあえず私たちの一番身近な敵だ

った。
運転席に乗り込み車を発進させると、荷物のように扱われたニアが、気分を害したのかささやかな嫌がらせをしてくる。
「しつこいついでに、あなたがフェデラルを辞めた理由を伺いましょうか」
私はもはや隠す気もなく、露骨に大きなため息をついた。
「ニア、それに関しては、もうなにも話すことはありません」
「そうですか?では最初からどうぞ」
「お断りします」
「ワシントンのホテルであなたが尋ねてきた事柄が関係しているのでは、と私は考えています」
ニアは同じ質問を繰り返し、苛立つ相手のミスを誘い本音が吐露されるのを待っている。
私は、これに引っ掛かるつもりは全くなかった。
「大した事ではありません。もう結構です」
「気になります」
「忘れてください」
バックミラーに映るニアが、唇を尖らせる。私はそれに対し、微笑みを返した。
「あなただけすっきりとして、ずるいですね」
ニアは暫く釈然としない表情で私を睨み付けていたが、やがて飽きたのか髪を弄り窓の外の、新年に沸く冬のニューヨークの街に視線を移した。
もうすぐあれから丸4年になる。

そうそう少年の好奇心を満たす冒険の扉は開いているものではない。
これ見よがしに怪しく口を開ける闇の奥には何も無いものなのだと、皆、大人になるに連れ理解していく。
ニアにぽっかりと空く二つの穴の奥にも何も見あたらなかった。誰もが言うようにニアは、どこか感情が欠けているギフテッドなのだ。
空虚な器にはスペースが許す限り知識が詰め込まれている。
YB倉庫で垣間見えた感情の迸りも、キラを追い詰めたという興奮状態がもたらした一瞬の激情に過ぎない。
これで三年の間、私に存在を主張し続けた喉の奥の小骨も取れるのだろう。
後は適切な処理をして、自ら選んだLの一部としての道を歩いて行く事に、なんの迷いも無くなったはずだ。
私はそう考え、残念なような、ほっとしたような複雑な気持ちで
自宅のチェストに仕舞われたままの、高熱で溶 け無惨に爛れたあのロザリオを思った。

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遠くから読みに来てくださっている方々、本当に有り難うございます。
102名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 22:09:37 ID:rx8qu10g
えろーい!
しっとり落ち着いた雰囲気いいですねえ
会話のやり取りも素敵です、大好き
103名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 07:56:36 ID:lU2YLZob
ニアかわいいよニア
104名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:33:55 ID:F72ckOpv
-DeathNote- メロ(23)×1mmの迷いもなく最初から女のニア(21)

ニアが女だと思えない人にはダメージを与える可能性があります。
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
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目を覚ますと、広いベッドに仰向けに寝かされていた。
両腕は万歳をするように頭の上に拘束されていて、手首に触れる革の感触は動かして確かめるまでもない。
いかにもホテルらしいクロスの、高い天井と開け放たれた窓から差し込む月明かりに今がそれほど切迫した状況ではないことを
判断し少しだけ安堵する。
目が覚めたばかりの霞がかった意識を一秒でも早く覚醒させるために数度、深く呼吸したのち闇に向かい声をかけた。
「ニア、なんのまねだ」
椅子が引かれた振動と、微かに絨毯を摺るような音がしてだれかが近づいてくる気配がする。
「気が付きましたかメロ」
程なくニアの姿が見え、覗き込んでくる白い顔に満足するとメロは繋がれた掌を広げて見せ、とりあえず言った。
「外せ」
「…」
直ぐに開放されるとは思わなかったが無言で自分に視線を注ぐニアにますます苛立ちがつのり眼差しにも険が宿る。
確か二人で夕食をとって、その後薦められるままにワインを飲んだ、彼は、そこまでは覚えている。
不覚を取った事に対し今更後悔しても仕方ないが、メロは己の失態に臍を咬む思いだった
「おい答えろ、どういうつもりなんだこれは」
冷たく見下ろすニアに対し、枷がなければ牙を剥いて襲いかからん勢いでメロがたたみかける。
そんな彼を一瞥してニアは、杖をつき大きなベッドの両脇をゆっくりと回った。
「埒があかないので、拘束させて貰いました」
「なんの話だ。俺達は何か争っていたか?」
「そういう訳ではありません」
張りつけられた自分の姿を前に悦に入った様子もなく、淡々と話すニアがまた憎たらしい。
メロは激しい屈辱感を感じながら必死に感情を抑えた低い声でもう一度ニアに言った。
「とにかくこいつを外せ」
「できません」
一蹴され、睨み付けてみてもニアには通じない。暫く尖った視線を交わし合った後、メロは嘆息して脅すよりも説得する方向に転じた。
「判った」
「何がしたいんだ?言ってみろよ」
メロは大げさに息をつき、頭上で拘束された手を組むと固まった筋肉を解すように身体を伸ばす。
交互に組まれた指先の、漆黒のネイルがニアの視界に入った。
全く他人の視線を気にしないニアに反して、メロは幼い頃から、常に身なりに気を配っていた。
纏うものは完璧にコーディネートされ一部の隙もない。
但し自分を飾ることにそれほど執着している様子ではなかった。彼の常識の範囲では単なる身だしなみの一環に過ぎない。
端正な容姿と適度に鍛え上げられた身体から、ふわりと漂うコロンはさぞかし女を引きつけるのであろう。
そんな嫉妬にも似た思いを抱きつつ、不満そうに横たわる彼を見下ろしニアは言った。
「明日、発つと言いました」
「ああ」
「今度はどこへ行くつもりなのですか」
「…決めていない」
Lの仕事に勤しんでいるニアの前に突然現れ、暫くするとまたどこかへ行ってしまう。
そんなおかしな関係が事件の後、もう3年続いていた。
それにニアが不満を持っていることも判っていたが、相容れない道を選んだ二人なのだから仕方がないとメロは考えている。
「どこに行って、何をするつもりなのですか」
「決めてねえって言ってるだろ」
「今度はいつ、現れるつもりなのですか」
「いい加減にしろニア」
単調に質問を繰り返すニアに苛つきメロが吐き捨てる。
ニアは自分を苛らつかせる天才だ。
メロは思った。あの歪んだ箱庭から外へ出て精神的にも大人になったつもりだが、ニアを前にすると衝動を抑えられない。
少女の様だったメロは精悍な男に、少年にも見えたニアは美しい女に成長した。
世界を揺るがす事件を通してお互いの存在を確認し、わだかまりや齟齬も雪解けの水と共に流れたはずだった。
大事に想うと同じだけ、相手が自分の思い通りに成らないことに激しい苛立ちを覚えてしまう。
威嚇する様に自分を睨み上げるメロをニアは普段と変わらぬ冷めた眼差しで眺めている。
105名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:34:31 ID:F72ckOpv
「勝手ですねメロ…」
「好きなときに現れて、私の都合など考えずに振り回しそしてまた、突然姿を消す」
「いい加減にして貰いたいのです」
「なら口で言え」
「今、言いました」
「判った。用が済んだならこいつを外せ」
わざと大きく手首を揺すり金属音を立てて訴えると、ニアがにべもなく切り捨てる。
「お断りします」
「ニア…」
怒鳴りつけてやろうとメロが口を開き掛けた時、遮るようにニアが告げた。
「これから一緒に、ここで、Lの仕事を手伝っていただきます」
「ハッ!冗談じゃない」
「それがLの遺志でもあります」
Lと言われてメロはじわりと頭に血が上るのを感じた。Lがこの世界から失われて7年。ニアは未だLという名前に縛り付けられている。
「嘘を付くな。あの世に行って聞いて来たのか?」
「Lは適当な男だ。自分が死んだ後の世界を心配なんてするか。そんなことをヤツは望んじゃいない」
ニアは一端口を開き何かを言いかけたが、メロから視線を背けると少し考えてからベッドの端に腰掛けた。
雲が月を隠し部屋は暗影に落ちている。ニアの頼りない後姿を観てメロはその背中を抱けない今の自分を歯がゆく思った。
ニアはLに心酔している。それは幼い頃から変わることがない、Lを想いLを目指すことがニアの存在意義でもあった。
むろんメロもLを尊敬している事には変わりないが、そのまま彼らの意志を引き継ぐ事だけが弔いになるとは考えていない。
生き残った意味を考えて、メロは自分だけの道を探したいと思っていた。
「もし、ヤツが気にしているとしたら、そんな事に未だに拘ってあとを継ごうと、したくもないL家業を続けている今のお前の姿だろう」
「誰かに強要されているわけではありません」
「Lを継ぐことが私たちの目標だったではありませんか」
「刷り込まれていただけだ。それはお前が望んだことだったか?」
幼い彼らが生きるためには、与えられたものに順応し、大人に指し示された高みに向かい努力する事しか術がなかった。
「お前は、やらなければいけない、と思っているだけだ」
「…」
「Lは少なくとも、世界よりは俺たちの心配をしているはずだ」
「でも…」
ベッドに腰を下ろしたニアが迷ったような声を出すのにメロはほくそ笑む。
「でもじゃねえ…ニア、早くこれを外せ」
「今なら赦してやる」
「…」
沈黙が流れ一拍置いて振り向いたニアに、予想はしていたがやはり落胆の色を隠せなかった。
「こんな状態でずいぶん強気なんですね」
懐柔できるはずもないニアはいつも通りの黒い瞳で真っ直ぐにメロを見下ろし、その迷いのない視線にメロは失望と同時に感銘を受けた。
微かな月明かりがニアに陰影を付け、硬質な表情は中性的にすら感じるが、ニアはずいぶん綺麗になったものだと呑気に考える。
初めてニアをみたとき、メロは、宗教画に描かれている天使の様だと思った。
伊達でしているわけではないロザリオは孤独な少年の支えだった。毎日通った教会の、ステンドグラスからいつも自分を見下ろしていた
天使が抜け出して目の前にいる。メロはニアを、どうしても手に入れなければいけないと思った。
ニアが自分の物ではないことが幼いメロにとって酷いストレスとなり思い通りにならないニアに癇癪を起こした。
ふわふわと膨らんでいる白い砂糖菓子の様なニアは、見た目に反し甘みなど一切無く、一口囓ったえぐみは未だにメロを苦しめている。

「いいえ…本当の事を言うと、Lの仕事など関係ないのです」
ニアがベッドの端から這うように上ってくる。身体をメロに沿わせて重ねると、白い手でメロの頬を挟んだ。
柔らかいニアの身体に乗り上げられてその心地よさに酔いそうになる。香水などは付けていないニアの、甘い匂いがメロを包んだ。
「こうでもしないとあなたは私のものにならないでしょうから」
「誰がお前のものになんてなるか」
「私はあなたのものなのに、あなたが私のもので無いのは不公平です」
「不公平?」
メロが口を歪めて笑った。
ニアはメロの額にかかる金の髪を除け、醜く残る火傷の後を指でなぞると、瞼の上にキスを落とす。
それから頬に沿って唇を下ろし、メロの唇へ軽く自分のそれを押しつけ直ぐに顔を上げた。
離れて行ったニアの柔らかい唇の感触に、メロは物足りなさを感じる。
「ちゃんと吸わせろ」
ニアは言われた通り再び唇を重ねると、彼に舌を預けた。口内で絡み合う柔らかい舌がお互いを陶酔させて
それ以外の事など、実に些少なものに思えてくる。
溢れた唾液が顎を伝い、ニアはそれを追ってのど元へ舌を這わせていく。
106名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:36:13 ID:F72ckOpv
「おい」
メロが声を掛ける。
「やるのなら外せ。こう言うのは俺の趣味じゃない」
「外したらまたメロはどこかへ行ってしまうでしょう」
「淋しいんです」
そう素直に言われると胸に迫るものがあるが、ニアに甘い顔など見せてはいけないことは百も承知だった。
大体、油断していたからこそ、今こんな状態にある。
「だから、Lなんて止めて俺と一緒に来い」
「それは出来ません」
即答されメロは多少良くなっていた気分が一気に暗暗に転じたように感じた。
憤りのままに睨み付けるが、ニアは全く意に介さない様子で、何故この話とその話が繋がるのかという表情で見ている。
ニアの意志によってLを捨てさせなければ意味がないとメロは考えていた。
彼女の頑固で意固地な所に腹が立って仕方がない。
そんなメロの気持ちなど、全く汲む気のないニアはへの字に曲がる唇に己のそれを重ねると強く吸った。
舌を差し込み口中を丹念になぞってゆくとメロがニアの舌を柔らかく噛んでくる。
軽い音を立てて数回キスをすると薄いメロの唇を噛み、再び深く口付けて情熱的に舌を絡ませる。
二人を唾液の糸が繋ぎニアはそれをぞんざいに袖でぬぐうと、添わせていた身体を起こしメロの腰に馬乗りになった。
軽いニアの身体は彼に大した重みも与えなかったが、服越しとはいえその柔らかい腿の感触を歓迎する自分の身体にやや不安を覚える。
淫らさなど微塵も感じさせない白い面で、何度も股間を撫でられメロは苛ついた声を上げた。
「おい、いい加減にしろ」
シャツをはだけ、筋肉に添って胸に手を這わせてゆくとメロのロザリオが軽い音を立てて身体の脇へ滑ってゆく。
止めるつもりのないニアは、胸へ顔を伏せると、クリームを舐めとるように彼の胸の飾りを舌で舐った。
じわりと沸く快感に舌打ちして、どうしたものかと考えているメロを、裸の胸に頬をつけて心音を聞いていたニアが顔を上げ窺う。
不機嫌そうに見返すメロに首を竦めると、身体を下げて、メロのズボンに手をかけそれを外し始めた。
メロが愛用する革の固いボタンに細い指が苦労しているのを感じジッパーのものを履いていてやれば良かったかなどと考えたが
今はそんな余裕を見せている時ではないことをすぐに思い出す。
ニアは、取り出したペニスを愛おしそうに両手で支えると、まだ萎えていたものに舌を添えて喉の奥まで迎えた。
強く吸い込まれ、口内で舌が絡みつき扱くように舐られる。
見えはしないが、ニアの小さな口がどんな風に自分を咥えているかは鮮明に頭に蘇らせることが出来た。
心の中で悪態をつきつつ、他のことを考えようとするが、全て自分が仕込んだ、ツボをついてくるニアの口淫にすぐにペニスは
固く脈打ち始める。
ずるりと口から引き出すと、舌を固く尖らせてにじみ出した先走りをすくい取るように鈴口に差し込まれ、腰が浮き上がった。
「っ…く」
さすがにメロが呻き、頭の上で玩具の様な拘束具の鎖が小さな音を立てる。
「う…ニア、よせ」
裏筋に添って降りた舌は、睾丸を舐めて転がし、的を射た愛撫に腹を打つほどに反り上がったそれをニアは更なる口淫に励んだ。
再び口の中へ入れて上あごへ擦りつけながら唾液を絡め頭を上下させる。
先端を咥え雁のくびれを舐めるとメロの腰が跳ね、頭上から罵倒する声と切羽詰まった喘ぎが振ってくる事がニアには楽しい。
おおよそ食事時でもそんな音はさせたことのない派手な水音を立てて、手にした玩具を舐めしゃぶっていった。
亀頭は弾けそうに赤く腫れて震え、終わりが近いことを知らせる。唇とペニスの間に唾液の糸を引きながらニアは顔を上げ、メロに尋ねる。
こんな時でないと色の付かない頬が赤く染まり、普段は冷たく整った顔が、幼く見えた。
「メロ…辛いですか?」
「…何がしたいんだお前は…」
「私と一緒にいると言ってください」
「いやだね」
「射精したいのでしょう?」
「俺はセックスがしたくてお前を抱いてる訳じゃない」
「では何故ですか」
「自分で考えろッ」
自棄になって声を荒げるメロに、唇を尖らせて不満を表現したニアは、彼から身体を降ろし、のろのろとズボンと下着を脱ぐと再びメロの
身体の上に乗ってくる。
107名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:36:51 ID:F72ckOpv
ニアがしようとしていることを察しメロは呆れて視線を仰がせた。
おぼつかない手で、身体に張り付いた革のパンツを膝まで降ろすと、またいだ身体の上で真剣な表情をして支えたものにゆっくりと腰を
下ろして行った。
先端に触れる暖かく柔らかいニアの肉はすでにしとどに濡れそぼり、ぺたりと吸いつくように彼を包み込む。
こんな状態でなければ歓迎すべきシチュエーションにメロは心底怒りと絶望を感じた。
「ああ」
ニアが眉を顰めて甘い声を上げる。
広げられる圧迫感の後、傘の部分が過ぎると滑るように奧まで吸い込まれていった。
ぬるりと暖かい膣に飲み込まれる感触にメロは顎を上げたが、歯を食いしばりかろうじて声は堪える。
「…っ」
快感に上がって行く呼吸に肩を弾ませて、すぐにニアは腰を浮かしその身を上下させ始めた。
大きめのシャツを纏った裾からすらりと細く白い足が伸び、隠れて見えない、重なった部分より湿った水音が聞こえてくる。
袖口から指先だけ見せる手が美しく筋肉が浮く腹に添えられて、それを支えにニアは身体を動かしていった。
「んっ、んっ…メロ、…あっ…」
「はっ…ニア…」
自分を呼びながら身体を揺するニアに身体と感情が高ぶってくる。
しかしこのままでは悔しいのでなんとか脱出を画策するメロは、ニアに気づかれないように腕を動かしバックルの金具がベルトの穴を
通るように革を浮かせる努力をした。
後少しで外れそうなのになかなか上手くいかず、苛立ちと下半身から上ってくる快感に益々焦燥感が高まる。
クソッ…
薄い寝間着越しに揺れる乳房を感じて、メロは拘束された手を本当に煩わしく思った。
ニア主導のままに射精させられる事だけは絶対に避けたい。
しかし、目的を忘れたニアは首を振り立てながら感じ入った様子で喘ぎ、口からは涎が垂れて顎から糸を引いた。
普段の冷徹な様子など微塵も無い、溶けたマシュマロの様なニアが舌足らずに声をかけてくる。
「……んっ、い、いぃ…あなたは…?」
「…ああ、いいぜ…」
身体を弾ませていたニアが、やがて腰を小さく前後に動かし自分の快感を追っていく。射精に繋がる動きが減り一旦は安堵したが、包み込
まれた締め付けと刺激に依然余裕はなかった。
「あっ…ああ、き、ます…メロ…!」
「ニ、ア…っ」
短く声を上げてニアの身体が大きく揺れる。
痙攣する体内に一緒に持ってゆかれそうになるのをなんとか堪えたメロは、胸に倒れ込んだニアの柔らかい髪にキスをした。
甘い匂いを強く感じながら、息を整えて説得を再開する。
「おい…抱きしめたい」
「ニア…、これを外せ」
合わせた胸の柔らかい感触が心地よく、響く鼓動はどちらのものか判らない。
愛おしいと感じる気持ちは真実だが、いろいろと譲れないものもある。
荒い呼吸のニアが胸に伏せたままくぐもった声で呟いた。
「メロ…言ってください。私…の、ものだと」
「ああ、お前は俺のものだ」
「違います、あなたが私のものだと…」
細かいことに拘るニアに、メロも意地になってくる
「…知るか、どうでもいい」
その返事に汗ばむ身を重ねていたニアは、震えの残る身体を起こし、再び腰を浮かせてメロを追いつめることにした。
「バッ…それ止めろ」
「でも…」
拗ねたような顔でニアは手をつき身体を上下させた。
達した身体は重く、再び追い上げられる高ぶりが辛かったが、強要されている訳でもないのに、眉を顰めて耐えながら身体を動かす。
メロは下腹に力を込めて必死に堪えるが、腰を上げるときに締め付けるように力を込められてもはや我慢の限界に達している。
これも自分が教えたこととはいえ、今すぐにでも憎たらしいニアの腰を掴んで乱暴に突き上げてやりたかった。
「あーックソ!」
やけになって声を上げてみたがニアの動きが止まることはなく、再び全身を甘く包んでゆく快感にニアは夢中になっていた。
そんな中、気を紛らわせる為に滅茶苦茶に動かした拘束具のベルトがゆるみようやく金具から離れる。
108名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:38:45 ID:F72ckOpv
「…メロ、出していいですよ」
身体を弾ませているニアが、頬を紅潮させてまるで淫婦の様に嫌な笑い方をした。
何かの刺激に瞬間、内部が咥えているものを締め付けて、射精感が高まる。
必死に堪えてかろうじて面目を保ったメロは、ようやく片方の手首に巻き付く拘束具のベルトを長い指で器用に抜き、ニアがそれに気づく
前に取り外すことに成功した。
一瞬遅れたニアを引き倒し組み伏せると、自由になった片手でニアの首を押さえつけて力を込める。
ニアが苦しそうに顔を顰めた。
「お前…判ってるだろうな」
「…はい」
ニアに馬乗りになりようやく両方の腕の拘束具を外すとベッドの下に投げ捨てる。擦れて赤くなった手首を撫でながら
どうしてやろうか考えたが、とりあえず本能の欲求に従い、一度終わらせることにした。
乱暴にシャツのあわせに手をかけ、力任せに引き下ろすとボタンがはじけ飛んで行く。
現れた小さな乳房を掴み柔らかいそれを、手加減を加えず鷲掴みする。
「うっ…メロ、痛…い」
顔を歪め首を反らせるニアに満足したメロは、足を抱え上げて今だ硬度を保つものをニアの赤く濡れたヴァギナへ一気に挿入した。
お互いの体液にまみれたものが、本来の位置に戻ったようにぴたりと嵌り、なんの隔たりもなく繋がった身体に安堵したようにニアが
声を上げる。
「ああ…メロ」
「お前、単に俺に酷いことをされたいんだろ」
二つに折られ、しなやかな身体に押し潰された細い身が苦しげに呻く。
「これもお前の計画のうちか?」
乱暴に揺すり上げられ、ニアはもう返事が出来なかった。


目を覚ますと広いベッドに一人で寝かされていた。
カーテンは閉じられ、その裾のすき間から強い朝の光が漏れている。
ニアは身体にかけられたシーツを頭まで引き上げ暫くその状態で微睡んでいたが、一度猫のように伸びをしてから起きあがり
いつもの様に片足を抱えて座り込むと、サイドテーブルの電話を手にした。
2コールほどで、すぐに相手の声が聞こえる。
「私です。…はい。ええ…迎えに来ていただけますか」
電話を切ると、ニアはもう一度、まだメロのコロンが香るシーツへ身体を横たえた。

--------------------------------
参考914他・多謝
109名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 02:24:07 ID:3ORm4muL
超GJ!!
相変わらず素晴らしい 文体が美しすぎる…

メロで読めるとは感激です リク出来たらとこっそり思っていたもので…
改変なんてとんでもない、Lの話をするシーンとか凄く、らしさを感じます
メロの、Lは世界より〜の下りとか秀逸すぎる

エロも最高でした 書かれていないメロ攻部分が気に(ry
次回も楽しみにしてます!
110名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 22:13:26 ID:tAg2fgi2
GJ!
たまたま覗いたらすごい読みごたえのあるのきてたなー。
このシリーズって初出はこのスレですか?
別スレならそっちも読んでみたいんだけど。
111名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:08:38 ID:7gpHZyRE
メロ好きなニアかわえーなぁ・・・・
クーデレたまらん
112名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:47:25 ID:P2D+I9D1
ニア可愛いなあ………
しかしエロいな………
113名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 12:55:53 ID:yQIfFB9/
>>110
デスノートのニアが女の子だと思い込み続けるスレ8
ttp://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1208864102/l50
初出はこのスレの7。
114名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 22:04:04 ID:GMM82Xr5
>>113
そんなスレが…。世の中は広いな。
さっそく読んできたよ。ありがとう。
115名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 22:39:39 ID:i/iGpb3P
116名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 20:20:04 ID:UYLJRKuE
117<5>:2008/07/30(水) 23:31:40 ID:4ZLsvAq2
-DeathNote- ジェバンニ(31)×どこから見ても紛う方無き女性の(容姿参考)読み切りニア(22)
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
--------------------------------

居間にあるチェストの一番下の引き出し、ここにはニアの旧知の人物、その遺品が眠っている。
それは高田清美の自殺により全焼した長野の教会で遺体と一緒に見つかった。
焼け落ちた教会からは、彼女のものと見られる焼死体と、そこに停められた盗難車の運転席にもう一体が発見されている。
ガソリンによる放火で激しく燃え上がり、炭と化した亡骸の足下に焼け残っていた奇妙な形の金属の塊、
高熱で鎖は千切れ、コーラルカラーのビーズは溶け銀と混ざり合い、所々黒く焦げたマーブルを描いている。
ラテン十字の4軸は丸く融解しかろうじてそれが以前、クロスをかたどっていたと言うことが判る程度だった。

一度だけ彼を見た事がある。
左右を挟まれ銃を突きつけられた状態でも彼の目にはニアしか映っていなかった。
セーフティを外した拳銃を構えている緊迫した空気の中、その男の見事なブロンドと首から下げていたロザリオが印象的だった。
祖母が私に作ってくれた手編みのそれに似ていたので記憶に残ったのかもしれない。
もしくはギャング然とした彼が、明らかに他装飾品とは毛色の異なるものをしていた、というギャップ故か。
その後送検された検事の証人として京都府警内での事後処理中、物証の一部に混ざり送られて来た慰留物として
偶然それと再会することになる。
何を思ったのか、私は正式な手続きを行いそれを引き取ってきた。
彼は尊敬する上司と仲間達の仇ではあったがそんな最後を哀れと思ったのか、未だに私は自分の取った行動に説明を付けることが
できずにいる。
照会すれば私の手元に何があるかなどは直ぐに判るはずだが、未だに何も言われないところを見ると
ニアはそういった連絡を全く行っていないのだろう。
日本で不慮の死を遂げた初代Lは正体を明らかにできずに、最終的には日本で身元不明死体として処理されたと聞いた。
志半ばで倒れた初代L、そして同じ道を辿った、恐らく生前はメロと呼ばれる男だったであろう人物、彼らは故郷から遠く離れた
異国の地で眠っている。
或いは、そこへ埋められたのは私たちだったかもしれない。

--

今夜は本当に時間が無かった。
だが二ヶ月ぶりに再会した私達は、少しも諦めるつもりは無くあわただしく用意した部屋へしけ込むと、前戯もそこそこに身体を繋いだ。
私もニアも一瞬の快楽が味わいたいだけで、2人の間にあるものは間違いなく肉欲だった。

ニアを脱がしてしまうと私はネクタイを緩めはだけたシャツと一緒に頭から抜いた。
ニアは着衣のまま行為に及ぶ事を嫌う。
ならば自分で男の服を脱がすことを覚えてほしいものだが
以前それを期待してネクタイに手を掛けさせたときは、ニアはただ黙ってそれを握っただけだった。
神妙な顔でつり革に捕まる様な姿を観て実に複雑な気持ちになったことを覚えている。
ベッドへ上がりその白い髪に手を伸ばしかけた時、肌を隠すように両膝を抱えていたニアが、まるで興味のない目をして言った。
「あなたは子供の様な所がありますね」
「ハウスでそういった服の脱ぎ方をした少年は間違いなく叱られたものです」
ボタンも外さずまるでTシャツのように、頭からワイシャツを脱いだ件について言われていると気付くのに数秒かかった。
そう言えば以前も非難の眼差しを向けられた気がする。
自分は脱ぎ散らかしている癖に、ニアは案外、他人の躾に手厳しい。
「普段からこんな脱ぎ方をしているわけではありません」
「時間短縮ですよ。…何せ、上司よりわずかな時間しか与えられていないものですから」
するとニアが、あの嫌な笑い方をしたので、私も口元を歪めて笑い返す。まるで仇同士が牽制し合っているようだった。
この状況で自分が萎えてゆかないのが不思議で仕方がない。

濡れた膣内を勃起した陰茎で擦り上げる。
こんな単純な行為に夢中になっている私たちはただの動物だった。
「くぁ、んっ」
濡れた音がして未だ硬いままのペニスが引き抜かれると、絶頂の余韻に身体を投げ出していたニアが身を捩って声を上げた。
「…はぁっ…はっ、ん…」
芯を抜くと直ぐにニアの身体は丸まってしまう。
その身体を裏返し小さな尻を掴む。柔らかさを確かめるように握り揉み込んでゆくとニアが喉を鳴らしてむずがった。
眠たいのだろうか、一人満足したからと言って終わらせるわけにはいかない。
118<5>:2008/07/30(水) 23:32:25 ID:4ZLsvAq2
「ん、ぁ止め」
身体をずらして片足をベッドから降すと、逃げる腰を引き寄せ再び一気に貫く。
「は、ぁうっ!」
細い腕が突き出され、目の前のシーツを掴んだ。濡れきった膣は難なく私を飲み込み、柔らかく締め付けてくる感触に満足すると
一層身体を引き寄せるついでに、伸ばされた脇から腰のラインを掌で何度も撫で上げた。
伏せているために身体に潰され押し出された胸が妙にいやらしい。
「あ…乱、暴な…」
「失礼」
1ミリも悪いとは思っていない私は直ぐに律動を再開する。
「や、あ…後ろか…は…」
細い腰を掴み打ち込んでいくとバックから 挑まれるのが好きではないニアは身体を捻って抗議するが、
非力な彼女の抵抗など私にとっては揺れるベッドのスプリングの変わりにすらならない。
「うっ、うん…ふっあ」
寸前まで引き抜き、再び差し込んでゆく。尻たぶを手で広げながら白い谷間に赤黒い蛇が見え隠れするのを楽しみ
暖かい肉に隙間無く包まれ肉ひだの刮ぐような刺激に一旦下降した快感が急速に上がってゆくのを感じた。
薄いニアの肉はクッションにならずに時折骨盤が当たる様な感触があり加減に気を遣う。
痛がる様子は無かったが、一端腰を引き浅い部分で小刻みに抜き差しをすると、顔を伏せていたニアが首を反らして
猫が背を伸ばすような姿勢になり喘いだ。
「はあ…っ、ぃ…、んん…」
普段は痩せぎすの、女らしさのかけらもない細い身体が尻をくねらせ悶えている様は私の性感をダイレクトに刺激してくる。
たまらず再び最奧まで突き入れると押し出されるように愛液が溢れ、腿を伝っていった。
ニアはもう自分を支える力も無いのか、半身を突っ伏し交差させた腕の上に頭を据えて揺すられるままに身体をゆだね
くぐもった喘ぎはシーツへと吸い込まれている。
腰を押し付けたまま身体を伏せて白い背中に口づけた後、肩から手を滑らせて差し込み押し潰されていた柔らかい肉を掌に収めた。
円を描くように捏ね、硬く尖った乳頭を指の間に挟むとニアが切ない声を上げる。
「ああ」
「…いいですか、ニア」
「はい」
「どこがいい?」
ニアの手が下がり、私の腕に触れてくる。その指先の冷たさに、妙な興奮を覚え手の中の膨らみを押しつぶすように揉み込んだ。
「うん…っ」
押しつけた腰に柔らかい尻の肉が吸いつくように張り付き、無意識に揺れるニアの身体を押さえ込むと私は再び馬鹿なことを聞いた。
「どこが気持ちいいですか?」
しつこい私の問いに、閉じていた瞼を緩慢に開くと、以前よりは恐ろしいと感じる事の少なくなった瞳をこちらに向けニアが掠れた声を出す。
「…かん…」
「ん?」
「…時間が、あり、ませ…よ」
それだけ言うとニアは顔を伏せてしまう。見えなくなった顔を少し残念に思いながら私は身体を起こすと
くだらないことをしていないで早く動けとのお達しに、苦笑しつつ腹を内側から抉るように腰を使った。
不規則な動きにニアが細い声を上げる。私を包み込む壁が熱く蠢くような感触に、再びこちらも抽挿を早めた。
「あ、ぁあっ、…」
「はっ…あ、くっ…う」
這い上がる快感に声が漏れ、頭を左右に振ると一層激しく腰を使う。
傷一つ無い白い背中に私の顎から落ちる汗が背骨の窪みに水たまりを作り、揺すられる振動で脇へと落ちていく。
シーツを握りしめるニアの手の甲に筋が浮いて片頬を向けた横顔が辛そうに歪んだ。
それは薄気味の悪い笑顔よりもよほど美しい、などと失礼な事を考える。
「あ、あ…もっ…」
ニアが上体を起こすと背を反らせた。直ぐにシーツに倒れ数回身体が跳ねる。私は逃がさないようにそれを強く抑え込み腰を打ち付けた。
「はあっ、ああ…っ」
「く…、うぅッ」
私たちはお互いのタイミングを合わせるのが上手くなった。
脈動の度に放出される快感が腰を走り抜け身体が震え声が漏れる。やがて力の抜けた私は、ニアの背に被さるように身体を重ねると
そのまま細い身を抱えて横に転がった。柔らかな髪に鼻先を埋めて甘い香りを吸い込む。
ノンストップで走り抜けたような交わりだったが、多少無理をしてでも時間を持ちたいと考える程ニアとの関係は刺激的だった。
やや遅咲きだが性に興味を持ち始めたニアを仕込んでゆく楽しみもあり、思いの外この遊びに夢中になってゆく自分を感じていた。
ホテルのサイドボードに赤くデジタルの数字が光っている。
後、2分だけこうしていよう。
予定通り30分で事を終えた私たちは、それから10分後にホテルを後にした。
119<5>:2008/07/30(水) 23:33:19 ID:4ZLsvAq2
--

それは、ニアの二十歳の誕生日を祝うべきか迷った時に似ている。
ニアにとってそれが不必要な品であったならば、渡すべきではない…そんな思いに囚われていた。
もっとも最初からそんな面倒な事を考えていた訳じゃない。
アメリカに戻りすぐに渡せる機会があればこんな事にはならなかったのだろう。
しかし時がたち、あの時のことを引きずるそぶりすら見せないニアに接するうち
渡した所で彼女がかつて遊び、興味を失った玩具達のように箱に入れられそのまま忘れ去られるのならば、
――ニアがこれを遺品として必要としないのであれば持って帰ってきた意味がない、彼の魂が浮かばれない、と考えるようになってしまった。

もしかするとそれにより私自身が傷つく事のが怖いのかもしれない。
ニアの玩具の一つとして扱われ、用が済んだら箱に仕舞われ、忘れ去られる。
そんな自分を重ねて同情しているだけなのか。
ふと彼がニアに放った言葉が蘇った。
「俺はお前の遊ぶパズルのピースじゃない」

--------------------------------
セリフ改変

>>110他、TSスレの5にも投下させて貰ったのですが落ちたようです。
「暇つぶし2ch」等の過去ログでまだ読めるようなので良かったら読んでやってください。返事遅くなってすみません。

>>113( д) ゜゜
120名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 23:45:06 ID:8SjWAFhY
いい!いい!
やらしいし文章もきれいで読みやすいしこのシリーズ大好きです。
どこまで仕込むつもりなのか今後も期待してます。
121 ◆jMPQwhIPmY :2008/08/07(木) 19:06:41 ID:UMIv2kjw
122名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 19:07:17 ID:UMIv2kjw
123名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:02:58 ID:3egJ+19N
何という全角…ageンなよお
124名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:24:43 ID:6e5noTQO
ちょ、こんなスレに神がいる。
文章が美しいな…
125名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 19:31:57 ID:D3zGm4ri
デスノスレの拾い物だけど貼っておくか
ttp://age2.tv/up1/upload.php?id=1825
126名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 00:59:14 ID:X1oQlk/q
なんだ読み切りスキャンかぁ。
イラストかとオモタ
127名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 03:22:02 ID:dIgS39B5
祝・SP (8月22日 金曜ロードショー)
128Ln1:2008/08/15(金) 03:25:02 ID:dIgS39B5
-DeathNote- キラが勝利した未来/月(26)×ニア(21)←女、女性。female、♀
捏造多数・性格改変、問題アリ。色々気になる方は完全スルー推奨
--------------------------------

マンションの駐車場からエントランスをぬけて特別にあつらえさせた半地下にある部屋へと向かう。
厳重な二重扉の鍵を差し込む時 月はいつも運命を分けた3年前の、あの夜にも似た高揚感を覚える。

日の光が入るのは玄関と前室のみ、居間から先は全くの閉鎖空間で、ここはさながら監獄のごとく来訪者を拒絶していた。
持ってきたカートをダイニングへ置き、美しくリボンアップされた花束だけを手に広いリビングを抜け寝室へ進んで行くと
人の気配を全く感じさせない無機質な部屋の奥、いつもの通りキングサイズのベッドの上に彼女は鎮座していた。
「ご機嫌はいかがかな」
口元に柔らかな笑みを浮かべ手にした花束を軽く掲げた、気障にも見えるそんなポーズが妙にさまになっている。
立てた膝の上に頬をのせ退屈そうなニアは彼に顔こそ向けはしなかったが律儀にも返事を返してきた。
「あなたの顔を観たので最悪になりました」
ニアのそんな様子には慣れてはいたが、若干高ぶった気持ちが冷えて行く。
「…そのようだね」
月はそう返すと、白い花ばかりで構成されたそれをテーブルへ置き、背広を脱いでソファーの背に掛けた。

YB倉庫でニアを出し抜き勝利した月は、その場に居合わせたニアと魅上以外の人間を全て殺し、彼女を拘束した。
音声だけのやりとりが半年ほど続いただけだが、『キラ』と対峙する少女にいつの間にか強い興味を抱いている自分に気づき
或いはニアならば自分の伴侶となるにふさわしい女なのではないかと考えだす。
そして、当時は13,4程度にしかみえなかった彼女を、今まで苦しめられた積怨も相まって
さながら日本古典文学に習うがごとく囲い育ててみようと生かすことにする。

月は2週間ぶりに見るニアに微かなときめきにも似た感情を禁じ得なかった。
ニアがあの時点で既に18になると知った時は、クラインフェルター辺りを疑った事も合ったが
愛想もなく小柄な少年にも見えたニアは、ここ三年のうちに花が開くように成長し
透き通るような素肌に端正な造形はただ美しいだけではなく北欧系特有の愛らしさも湛え
今となっては自分になんの害をもたらすことのない、聡明な彼女との言葉遊びは無為な日々に潤いをもたらし
ニアを前にするたびに、図らずも手に入れた宝石の素晴らしさに感謝することになる。
やわらかに顔の周りを覆うプラチナブロンドが細い指先で玩ばれるのを月は満足げに見つめた。
「先日パキスタンの内戦が終結して世界連合(*1へと加入が決定したよ。キラへの宣誓も行っている」
「そうですか」
情報を得られるようなものはいっさいこの部屋には存在しない。
退屈だろうと与えていた玩具類も今は取り上げ、時計もカレンダーも時が経ったことを知る事ができるものは何一つなかった。
外部から得られる刺激は月だけのこの状態でもニアは反撃の機会を伺い、爪を研いでいる。

「食べ物があまり減っていないな」
「果物を持ってきたけれど今食べるかい」
シャンパンの栓を慣れた仕草で開けると、毎度になる懸念を月が口にする。
居住人数にふさわしくない大きな冷蔵庫には月によりあらゆる食料が常に保存され
そのほか日光に当たらないニアのためにサプリメント等も用意してあるがこちらも定期的に消費されているのが伺えた。
最低限の健康と体力を保とうとする姿勢は、ニアの心が折れていない証拠だった。
出来る事ならケータリングなどを利用して毎日食事を届けてやりたいと月は考えていたが
ともすれば自分でさえも欺きかねないニアに、他人を近付けることは危険すぎた。
持ってきた荷物から苺のパックを手にするとざっと水を見せたあとに皿に移し、フルートグラスと共にニアの元へと向かう。
「はい」
ベッドサイドのテーブルへ皿を置き自分はベッド向かいのソファーの背に軽く腰を掛けて
盛りつけられた小さな苺に細い指が伸ばされるのを目で追った。
ニアの薄い色の唇が開いて白い歯が覗き熟れた苺が中に消えて行く。
細い喉が嚥下に上下するのを見て、月は自分が息を詰めていた事に気づき知られぬようにそれを深く吐いた。

「それから東トルキスタンは中国と…」
「報告は結構ですよ」
129Ln2:2008/08/15(金) 03:25:47 ID:dIgS39B5
苺から目を離さずにニアは月の言葉を真正面から切り捨てた。
「あなたの箱庭に興味はありません」
今日は機嫌が悪いらしい…
とりつく島のないニアに月は嘆息すると、空になった自分のグラスへシャンパンを注ぎそれを傾けた。
まるで今の彼の心中のように強い炭酸の刺激と苦みが口の中へ広がっていく。
「そう。…残念だ」
冷えたそれを喉の奥へ流し込むと月は腕を降ろし、グラスの縁を指でなぞった。
「イギリスや君の同胞の話も合ったのだけれど…必要ないみたいだね」
ニアがちらりと自分へ視線を送るのを感じ、月はほくそ笑むが、期待に反しニアは言った。
「今の私には用がありませんから」
「いいさ。そうやって頑なでいろ」
呆れたように月は膝に置いた手を軽く挙げてみせる。
「君が世界に取り残されてゆくだけだ」
「耳に入れる情報ぐらいは取捨選択の自由がありたいものです」
まるで興味がない様子のニアは立てた膝に頬を預けた。
「仕方ないだろう。自分の置かれている立場を考えて見ろ」
「それでも僕は君が退屈していると思って外の空気を持ってきてやっているんだ。感謝してもらいたいね」
「一方的に押しつけられるそれらに何の意味がありましょう」
「それとも…」
ニアは顔を傾けて月を仰ぐと言った。
「話を聞いて欲しいのですか」
「…別にそう言う訳じゃない」
月はそう言うと手元のグラスへと視線を移した。
泡を立てるために付けられたグラス底の傷から小さな水泡が列を作り立ち上っている。
自分から目を逸らした彼と入れ違いに月へと視線を送ったニアは、ベッドから少し離れたソファーの背に寄りかかる男の姿を一瞥した。
その姿は意外なほど小さく見える。
「迷走していますね」
「?」
見るとはなしにシャンパンの泡を目で追っていた月がニアの言葉に顔を上げた。
「今の僕に迷いなど無いよ」
眉を上げ驚いた表情を作る月に、皿の苺を細く白い指先で遊びながらニアは言った。
「寂しいのですね、夜神月」
「僕が?まさか」
「退屈なこの世界で、あなたが唯一認めたLを自らの手で葬ったそのときから…」
月は言葉を遮り穏やかに否定した。
「彼は関係ない」
そしてニアから視線をはずし、正面の白い壁を真っ直ぐに見つめる。
まるでそこになにかが映っているかのような月の様子にニアも目をやり
何も無いことを確認すると、こう言った。
「では何故弥海砂を生かしておくのですか。彼女の役目はもう終わったはずです」
返事のない月にニアが畳みかける。
「答えられませんか?」
「あなたは超人たれと努力しているようですが、弥海砂に人間的な情を抱いているのも事実」
「昔を知るものが全ていなくなってしまうのが嫌なのでしょう」
「僕には家族がいる。それで十分だ」
月は手にしたグラスへ口を付け、まるで自らに言い聞かせるように呟き
そして少し笑みを浮かべてニアに向き直った。
「僕には僕の考えがあると言うことだ。…それとも君まで、高田の様なことを言い出すのかい?」
しかし会話をする気は最初からなかったのか、ニアはただ誰に聞かせるともなく続けた。
「もはや私を生かしておく理由も同じ事…」
「君は愛するに値する女だと僕は思っている」
彼の周りの女ならば、誰もが信じてしまう真摯な瞳でニアを見つめ月は訴える。
「言ったはずだよ。君には僕の妻となり子供を産んで貰うと」
ニアと自分の子供なら新世界の神を継ぐ人間に相応しい…月は考えた。
「君なら新世界の先導者の伴侶に、そしてその後継者の母に相応しい」
しかしそんな月を冷たく一瞥するとニアは言った。
「それに関してはお断りさせて頂いたはずですが」
「いい加減悟ったらどうなんだ」
グラスの中の液体をあおると、月はやや興奮し声を荒げた。
130Ln3:2008/08/15(金) 03:26:39 ID:dIgS39B5
「君が生きる道は、僕と共に歩むより他はない」
「メロは死んだ…SPKも相沢達ももういない。君を救ってくれるナイトは一人も残っていないよ」
ここ三年で彼は以前より演技性人格に拍車が掛かったようだ。
自他共に神としての立場が確立し、自らの世界に陶酔する毎日を送っているのだろう。
己の言葉に酔うようにゼスチャーを交えて語る月を見てニアは考えた。
「あの場で生き残ったのは僕と君だけ…」
「出会うはずのない二人が出会い たった二人生き残った。運命を感じるだろう?」
何故魅上輝がカウントされていないのかニアは不思議に思ったが
この男の中では個人の人間として認識されていないのかもしれないと考え、哀れに思った。
所詮自分だけなのだ、家族も友人もこの『正しい世界』も何もかも自分の為…。
「…あなたが愛しているのは己だけです」
酔ったように思いを語る月に対し、ニアが静かに言った。
わずかな沈黙の後、月が再び口を開く。
「僕が来なければ君は飢えて死ぬだけだ」
「かまいません」
この場所は月しか知らない。ニアを支配するためにこの三年いろいろなことを行ったがニアの態度が変わることはなかった。
何ヶ月も訪れなくとも、水や電気を止めた日も
期待をして扉を開けた月の瞳に映るニアは冬の湖面の様に冷たく凪いでいた。
どうしたら彼女の中に自分だけを住まわせる事が出来るのか、もっとも原始的な方法しか思いつかない。

「…君にはまだ教育が必要なようだな」
ベッドへ腰をおろすと、月の意図を察し初めてニアが月を正面から見た。
「やめなさい夜神月」
触れようとする月の手を弾き、逃げるニアの抵抗をものともせずにシーツの上へ縫いつける。
「何故?僕は君のフィアンセだ」
「了承した覚えはありません」
ニアの顔に感情が浮かぶ。その侮蔑すら月にとってはシャンパンの炭酸のように甘美な刺激だった。
「死者に貞操でも誓っているのだとしたら愚かとしか言いようがない」
「君が貞淑を誓う相手はこの僕なのだから」
手慣れたもので寝台に取り付けてある拘束具にニアの両手を繋ぎとめてしてしまうと
一旦身を引いて自分の作品を満足そうに見下ろす。
色々着せては見たが一番しっくりときた大きめの白いシルクシャツからしなやかな足が伸びている。
初めて対面した頃より背は伸びたがまだまだ細く小柄な身体が無骨な拘束具によって繋がれている様子に
目眩がするほどの興奮を覚え月はネクタイを緩めた。
ゆっくりとニアのシャツに手を掛け、まだ少し幼さの残る肢体を照明の下に晒す。
両手を掲げている為に薄い胸が引き上げられ、まるで少年の様な白い半身の首筋から胸の中心へと、月は人差し指でなぞって行った。
小さな淡い乳輪を繰り返しなぞると刺激に乳首が立ち上がりそこを指で刺激していると無視することが出来ない感覚にニアが視線をそらす。
その様子に月は口元へ歪んだ笑みを貼りつかせる。
身体を寄せると、はりのある小さな乳房を掌に納め、もう片方の頂を音を立てて吸い乳首を唇で挟み込み舌でくすぐった。
「あなたを軽蔑します」
かたくななニアの言葉も今の月にとっては心地よいBGMでしかない。
組み伏せた身体の脇に両手をつき身を支えると、ニアが月を強い視線で見返してくる。
「全く君を抱いて一年にもなるというのに、いつまで経っても僕を楽しませてくれる」
ニアを監禁して2年後の1月28日に月はニアを力ずくで自分のものにする。その日を選んだのは嫌がらせの意味合いも合ったが
ニアが男を知らない身体であったことや、予想以上の彼女の取り乱しぶりは月を激しく喜ばせた。
「そうだな、ネイト。君には期待しているんだよ」
「確かに僕は退屈している」
そういうと、やおら片足を掬い上げ頭上に取り付けてあるベルトを膝の裏に巻き付けマジックテープで留めてしまう。
片足を曲げた状態で ニアの隠すべき箇所が視線に晒され、取らされたあられもない恰好にニアの全身が赤く染まる。
月は満足そうに震える内股に指を這わせ性器の周りをうっすらと縁取る白く柔らかな飾り毛を撫でた。
月の視線がどこへ向けられているのか痛いぐらいに感じ、この一年で嫌と言うほど自分が女であることを教え込まれたニアは
図らずも身体が熱くなってくるのを止められない。
「濡れているね。かわいいよネイト」
月はその様子を細かくニアに伝え、言葉で辱めた。
弄られ赤く腫れた花弁をくすぐる指に水音が絡み微かに息が上がってくる。視界を閉ざし感覚が研ぎ澄まされてしまう事を恐れニアは
顔を背けることで抵抗したが壁は白く滑らかで気を逸らすことが出来るような特徴はなく、甘い拷問に飲み込まれまいと必死に抗った。
131Ln4:2008/08/15(金) 03:27:31 ID:dIgS39B5
「2本目だ」
「欲張りだな君は」
いつの間にか体内を潜ってきた指にニアの眉が顰められる。
月は、思い知らせるためことさらゆっくり指を出し入れし水音を立てた。
「はっ、…」
内側の、感じる部分を指で執拗に擦り上げられてニアが声もなく首を反らせた。
身の内の熱を逃がそうと額をシーツへこすりつけても、ニアの全てを知る月の手管によって引き返せない所まで高められる。
そんなニアを楽しげに見下ろしていた月は、わざと指を曲げたまま引き抜き声を上げさせた。
「ぁっん…」
自分の発した声と水音に、赤く染まる顔に微笑みかけ濡れた指のぬめりを白い頬になすりつける。嫌悪感に歪むニアに満足すると
腕を伸ばしベッドの脇に置いてあるナイトテーブルの引き出しから何かを取り出した。
「君のお気に入りだ」
醜悪な形のバイブレーターをこれ見よがしにニアの前にかざす。
ニアの表情が曇るのに、月は腹の底から突き上がるような熱を感じた。
「感度が鈍るといけないからこういうものはあまり使いたくないんだ」
手にしたバイブをニアの濡れたスリットへ擦りつけていく。
「んっ……」
「僕は君と末永く楽しみたいと思っている…」
指とは違う遠慮のない刺激にニアが喉を鳴らす。伺いを立てるように笑顔を向けるとニアの返事を待たずに濡れそぼった中心へそれを
埋めていった。
「うぅ…うっ…」
首を振りニアが無言で訴えてくるのを見下ろしながら細身のそれを身体の奥へ沈め根本まで入れ、手元のスイッチを操作すると
不自然に身体から生えたそれが鈍い音を立てて動き始めた。
「はっ…」
頭上に拘束された手が固く握られる。
くねくねと動く性具を月がゆっくりと上下させると、バイブの根本に付属する突起がニアの陰核に触れ
その刺激から逃れようと身体をよじらせるがかえって自分を追いつめてしまう。
もがくニアに満足するとかがみ込み唇を重ねた。すぐにニアの方から舌を絡めてくる。
口をふさがれたいだけだと判ってはいるが、月は気をよくしてニアの甘い舌を存分に味わった。
振動で抜けてしまわないように割り込ませた足でそれを押さえると、あいた片手で淫らにくねる細い身体を撫で上げる。
冷たく月を拒絶していた身体はうっすらと汗を纏って甘いにおいが立ち上り、規則的に身体の中を刺激して行く玩具に合わせニアの腰が
揺れていく。
「っ…ンッ、あ…や…め…!」
「いきそうかい?」
首を緩慢に振りかみ殺せない喘ぎ声が小さな口から漏れる。
返事ではないと判っていたが月は、支えたそれを徐々に引き抜いて行った。
「んっ…あっ…ああ…」
細腰が浮き上がり引かれるバイブを追いかけるように突き出される。
しかし月は、手にしたものを完全にニアの身体から取り去ってしまう。
体内から引き抜かれたものが糸を引き、卑猥な動きを止めずにシーツに転がった。
「あ…っ…」
132Ln5:2008/08/15(金) 03:28:18 ID:dIgS39B5
行き場を失った快感にニアが困惑した視線を月に向けた。
荒い呼吸に上気した顔は陶然と潤み半ば閉じられた瞳がなまめかしい。
ニアは自分がどんな顔をしているのか気づいていないのだろう。月は自分の唾を飲み込む音がひどく大きく聞こえたように感じた。
「どうしたい?ネイト」
胸を忙しなく上下させるニアに身体を寄せ、そのピンク色に染まった熱い頬に自分の頬を重ねる。
顔を上げ微笑みを向けるとニアが掠れた声を出した。
「早く…」
紅く染まった唇が開き、収まらぬ呼吸と共に言葉が吐き出される。
「私の…目の前から消えてください…」
月は、波が引くように熱が冷めて行くのを感じ、ゆっくりと身体を起こすと静かに言った。
「…どうやらお気に召さないようだね」
「ええ…」
ニアは一度深く瞬き、まだ息も整わぬ顔を月に向け視線を合わす。
「私も一言よろしいでしょうか」
月の返事を待たずニアは継いだ。
「…あなたは最近、そんな道具を使い弄ぶだけで私を抱こうとしない…」
「いいえ、出来ないのでしょう…日々のストレスから機能障害にでも陥りましたか」
月の眼が細められ、低く絞り出すような声が部屋に這った。
「…ネイト、お前はまだ判っていないようだな」
指の背でニアの頬をひと撫ですると、身体を起こしまるで射殺すように彼女を見下ろした。
「予定通り君には僕の子供を産んで貰う。…もうしばらく楽しんでからね」
立ち上がると、磨かれたクローゼットの扉を鏡変わりに身なりを整えニアに向き直る。
「ひと仕事終えてからまたくるとしよう」
「しばらく反省するんだな…ネイト」
中途半端に追い上げられ、汚れた身体のまま繋がれているニアは、それでも月に刺す様な視線をよこした。
「…どうぞごゆっくり」
ニアの瞳が全く力を失わないことが月にとっては憎々しく、そして炎で焼かれるような激しい感情を覚える。
ニアの視線を真正面から受け、せめてと思い足の拘束具を外し、その身にシーツを掛けてやった。
君は僕の運命の女だ…
君にとっても僕がそうだと言うことを必ず理解させてみせる。
堪えるように瞼を閉じたニアに背を向けると月は、二人の隠れ家を後にした。


*1)そんなものはない
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神は繊細なのでEDになったようです。/(^o^)\
133名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 07:15:08 ID:ogFtDbj7
月らしい…!
まさか月相手が読めるとは思いませんでしたがその内容に脱帽。
まさにあなたが神だ。
134名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 22:24:39 ID:w4jDNFZ/
繊細な神ワロタww
凄い重厚な文章で感激しました
月は素直じゃないな〜………
135名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 11:41:13 ID:3uNU4cVK
すごい!!
繊細な描写に圧倒された。上手すぐる。
136名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 18:14:48 ID:AqHT1/XV
まさか、まさか
大好物の月ニアが読めるとは思ってもみなかった……!!

ネ申に感謝します・・・!!
137名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:46:01 ID:7tWY+npz
いきなりですが
某デスにょたノート物。ニア初期L。
女体化かよ!と言う方は飛ばして下さい
138:2008/08/22(金) 20:54:50 ID:7tWY+npz
 微かにシェービング・ローションの香りがした。

 なぜだろうという疑念が湧いたが、彼女を抱きすくめきつく取り囲む体温と、無遠慮に唇に侵入しようとする舌に思考が阻まれた。
「んう……」
訴えるために苦しげに息を継ぐと男は少しだけ抱擁する腕を緩めた。

 粘っこいキスの音で離れて見るとウォールランプに照らされた部屋の中、目の前には若くして死んだ筈の男の顔があった。
仕事上屋内にこもりきりのニアと比べるとその男は随分健康そうな顔色をしているように思われた。
「L」
散々なキスで濡れた唇から吐き出すように言うと彼はうねる黒髪の間から覗かせた目を細めくすりと笑った。
ニアの動悸が激しいのはキスのためだけではなかった。

 彼は死んだはずであった。


「Lはあなたですよ」
 L自身が囁いた。
彼女はそれを否定することも忘れた。
持てる力を出し惜しみするような声もぴったりと付き合わされた腹や脚から伝わる生者の生々しい感触も、
彼が生きた人間であると直感させたが、ニアには凡庸な返事を口にした。

「生きていたのですか」
「……まあ……ね。そういうことです」
 ニアは腕を振りほどき次のキスに移ろうとするLの頬を思い切りつねった。
得体の知れぬものに対する無意識の脅えが腹立ちとなって胸に戻ってきたのだ。
「あとは譲ってしまって!悠々とバカンスですか?何をしにここへ?あなたは!」
頬や髪をひっ掴み矢継ぎ早に質問を浴びせる彼女の腕を拒むでも無く、彼は「痛いです」と不平をこぼした。
 彼女は仕上げに軽くビンタを一発お見舞いすると大きく息を吸い込んで吐き出した。
渾身の力で放った手の平の痛みは本物だ。
「やはり、生きて居ますね」
 大きな眼を覗き込むとLは満足そうに口角を上げた。
「納得しましたか?」
ぎゅ、と再度取り囲んだ腕に力が籠もる。
視界いっぱいに顔が近付くと、薄い瞼の皮膚の際から生える睫毛までがよく見えた。
 ニアはキスしながら男の髪を指に巻き付けた。
白銀のニアの髪よりは硬くゆるやかにうねる黒髪は確かに一度会ったきりの初代Lのものだ。
唇を触れ合わせながら真っ黒い目と視線を交わすと指がうなじに回り、髪の根本を掻き回す。
がさがさと頭に響く音と粘る唇の立てる音がニアの判断をより危うくした。
Lは下唇から吸い付くように唇を離すと桜色に染まり始めた耳に柔らかく噛み付いた。
「っ……」
139:2008/08/22(金) 20:55:56 ID:7tWY+npz
その瞬間血流が脚の間で男を求める甘い疼きに変わる。
身動きもままならず濡れ始めた体の中の反応に神経が向くのをLも察したようだ。
「耳が弱い?」
「あ、L。さっき、質問に……」
パジャマの下のなめらかな肌に触れ、ぎゅっと抱擁された瞬間白いソックスの踵が床から離れた。
束縛から逃れようとしていたニアはついで腰を引き寄せられバランスを崩す。
頭の後ろでばふんと音がして、ニアは易々とベッドに落とされてしまった。
独り寝には広過ぎるベッドの真新しいスプリングは軋みすら響かせず、カーテンを引いた寝室は壁の灯りだけで薄暗かったが、
見た目よりも高価な白いシャツやジーンズを着た長身の男を凝視するには足りる。
己の上に覆い被さったせいで見下すようになった目つきが憎らしくてニアは彼の喉に不健康に青白い指を巻き付けた。
「抱く気ですか、ファーストL」
「ええ何か問題でも?」
喋った男の血流が手の中で感じられた。
「どうせ途中で眠る気でしょう」
「期待には答えられそうにありませんが」
ニアの指の下で喉仏が動く。
薄笑いを浮かべ、Lはニアの肩口に顔を埋めた。
 ニアの耳を這い回る男の息づかいは熱く、ニアの腰は勝手に動いてしまう。
Lは造作なくニアの膝の間に足を割り込ませた。
「え、る、なぜ来……」
「その話は後です」
小さな耳に囓りつき、キスの音を聞かせる為に反対の耳を覆う。
 手慣れた前戯はこれまで接した男達とはまた違い、ニアもこのままで良いと考え始めていた。
引きちぎるように広げた襟から露わになった青白い肌に柔らかくキスを施され、ニアは息を止めてはふっと漏らし、
体を優しく這う掌と首筋から胸元に這う唇に体を弛緩させた。


 Lの居た位置に立って数年が経過した。
人よりも遅い成長を終え、やっと伸びきった手足はひょろひょろと力無い。
その肉の薄い胸に無心に吸い付く男の髪を抱え込んだ。
「ん……ん。あ」
膚を嬲られて立ち上がった小さな赤い先端を甘噛みされニアは甘い声を上げた。
敏感な肌から受けた刺激は脚の付け根で甘く変化し、細い腰は勝手にくねり、ソックスを履いたままの足がシーツを蹴ってしわくちゃにする。
「や……いや」
拒絶の声は思ったよりも甲高く甘い。
男は舌での愛撫を止めなかった。
彼の着た白い服の縫い目の引きつる音がするほど強く掴んだ腕は簡単に組み伏せられて、露出した乳首を何度も、そして段々と強く舐め、吸われる内にニアは叫び出していた。
ニアの下半身は熱く、何かが熔け落ちるように感じられた。

 ニアの体は愛撫に弱かった。
しかしそれはニア自身にも判別しがたい事であった。
極度に皮膚も弱く着る物は慎重に選定され、FBIから調達した部下と比べると筋力も無いに等しい。
警護は厳重であったが、最初に関わった事件からの部下は彼女の脆弱さを憂慮した。
彼らの運動不足にも程があり筋力を付けるべきだと言う忠告は聞き入れられることはなかった。
140:2008/08/22(金) 20:57:03 ID:7tWY+npz
 充血し固くなった赤い乳首に突き出した舌をねっとりと絡め、耐えきれず震えながら啼き出したニアに被さると唇に長い舌を滑り込ませる。
耳を塞いでくちゅくちゅと音を立てて舌を絡ませるとニアは軽く痙攣するように身を震わせた。
膝を割り込ませ密着させた腿を焦らすように動かすとニアの細い腰骨が敏感に反応する。
Lは荒い息を整えると、すっかりはだけたパジャマの最後のスナップホタンを外してまくり上げ、袖を抜かず万歳するように腕を上げさせた。
ベッドの上のニアは顔を桃色に染めて潤んだ目でぼんやりと彼を見返している。
首筋から胸元、やはり肉の薄い腹へと赤い斑点が淫らな徴となって散っている。
子細に観察するLにニアは、
「L、明かりを……」
「真っ暗に?嫌ですね」
もそもそと白いシャツを脱ぎながら言い返した。

 裸は初めて見る、とニアはぼんやりと思っていた。
髭や体毛の薄さはアジア人の特徴を示しているようにも見え、うすく灼けた肌は歳の割には滑らかだ。

 Lは明かりを恥じたニアの背に唇を当てた。
彼女の肌は青白く燐光を放つようにも見える。
火照りを唇に感じ強く吸い付くとニアが堪えきれず大きく息を吐いた。
柔らかく圧力を跳ね返す乳房は指先の刺激に敏感に反応し赤い先を卑猥に尖らせる。
大きな手の中にニアの乳房を収めると細いうなじから背中にかけて何度も口づけを施し、時折腕の中で跳ねる肩を抱きしめ抑えつけ、また乳房を吸う頃にはニアは目を閉じて小さな痙攣さえ起こしていた。
「ニア?」
「……見ないで」
暗がりに顔を向けたニアの肩を後ろから抱くと、腰のなだらかなカーブを探り、ずらしたパジャマの中の薄い茂みの奥に指を伸ばした。
喉の奥でひくんと声を発し硬直したニアを強く抱き締めると、濡れた局部に指先を進めて行く。
指先に触れるぬるぬるとした液体ははっきりとニアが男を欲している証拠だった。
ゆっくりと可愛らしい花びらに塗り込めるように指先を溝の前後に滑らせると、ニアは耐えきれない感触に膝を震わせ、その脚を大きく開いた。
「嫌、も……早く。」
枕に半分体を預けて彼女の身体を抱いたまま細すぎる肩の骨を甘く噛むLにニアは先を促すが、彼は愉しげに拒絶した。
「簡単過ぎてはいけません」
とろけきった入り口を指で焦らし、花弁を嬲る指の動きを早めるていくとニアの呼吸が早まり遂に絶頂に至る、
その寸前で指を止めてLはニアの体を抱きしめた。
「っあ、あぁ」
「ニア……」
細すぎる腰に腕を絡めると、全身から彼女の快楽の感触を感じ取る事が出来る。
ニアの体からぱっと吹き出す汗と緊張を感じながらLは焦らした事を謝るように青筋の浮いた首筋に口づけをした。
「んっ……ふ……ぅん」
足先でわだかまった下着とパジャマがふるっと震えて落ちた。
口づけに甘い息を吐いたニアの涙を男が舐め取ると、ニアはただ彼の名を呼んだ。
141:2008/08/22(金) 20:59:27 ID:7tWY+npz
 たかが数年前の事である。
 心理カウンセラーだと紹介されたその男は白衣というにはカジュアルな衣装を身につけていた。
長身で痩躯、長めの黒い髪、やや飛び出し気味の眼球と不健康そうな肌をした男がラフなジーンズと白い長袖を着て裸足で床に立っていた。
季節柄ちょっと出かけてきた格好にしては薄着で裸足というのも奇妙であったが、ニアには不思議と彼は好ましい人物にも思えた。
しかし油断無く珍妙なカウンセラーを威嚇しつつ来客用の一人掛けソファーにいつも通り小さく丸まったニアを男はポケットに手を突っ込んだままで興味深そうに観察していた。
ロジャーとキルシュ氏は二人を引き合わせた事ですっかり満足してしまった様子で何事か雑談しつつ退室し、部屋には彼らの運び込んだ大量の洋菓子と来客用ティーセット、初対面の二人だけが取り残された。
ニアは髪を指に巻くと自称カウンセラーを凝視した。

「で、あなたは心理カウンセラーなんですか」

 ニアの質問に“心理カウンセラー”は軽く笑うと目の前のケーキの山を崩し始めた。
患者への質問よりも食事を優先するカウンセラーをニアは初めて見る。
このようないい加減な雰囲気のカウンセラーなど居ないと確信を強めたニアに、
「なかなか。鋭い質問です。今日初仕事なんです。……心理カウンセラーは」
と彼は答えた。
もう少し直裁な嫌味を言っても良かったと思いながらニアはケーキの皿を遠ざけた。
彼女に用意された菓子よりは三倍量を目の前にしてカウンセラーに扮した筈の“L”はそれを目で追った。
彼の食い意地をケーキへの視線の強さに感じつつニアが、

「それ、あげますよ」

というと“L”は子供のように嬉しげに皿を取り、先に食べた幾つ目かの咀嚼物を急いで紅茶で喉に流し込んだ。

「それでですね。あなたの……んぐ……将来なんかを……聞いてもいいですかね」

彼は全く呑気そうに言うとニアの分のケーキを食し始める。

「将来?」
「ええ、お花屋さんとか……お嫁さんとか」
「……。」

ニアはこの先の会話の行方を案じて黙り込んでしまった。
甘い香りを放つ菓子を景気良く飲み下す彼を見守るニアに彼は美味であると示すようにわずかに微笑んで見せたりもした。

 男は半ば以上食べ尽くした後で神妙な面持ちでフォークを置いた。

「しかしこれではいけませんね」
「どうしたんです?」
「やはり一つくらいは」

 男は細長いわずかに節くれだった指でチーズケーキの皿を差し出した。
外の寒さのために青白かったらしい頬は今や血色が良く赤みが差していて、かえって目の下の青さが目立ってくっきりとしてきていた。
ニアは、どうも、ともありがとうともつかない声を口の中で発すると、ケーキを少し食べるフリをしながら男と他愛の無い話を始めた。
無難な天候の話から話が進み、先の戦争から世界的な犯罪の話に至る頃、ニアは二つのことに気付かされる事になった。
彼が見かけよりも聡明であることと、もうひとつ、血色の良さが菓子に含まれていたアルコール成分のせいだということだ。

 数分後ニアは“L”の膝に乗せられていた。
彼の名前を当てるという賭に負けたのだ。
雑談のなかでニアの中の彼の評価は変化していた。
どちらかといえば好ましいから好ましい人物へ、そしてそれよりも二人には共通する何かがあるとも感じ取っていた。
「もう良いんじゃないですか」
「王様ゲームですよ」
きゅっと抱きしめる息にはアルコールの匂いは無い。
居心地の良さと悪さが入り交じる。
ニアはどうやったらケーキで酔っぱらえるのか問うと“L”は遺伝の講釈を垂れ始める。
 彼は上機嫌であった。
142:2008/08/22(金) 21:00:27 ID:7tWY+npz

 ベッドの上でやっと挿入されたニアはくぐもった声で甘く啼いた。
体の芯が熱く緩み溶かされて、無意識に握った彼の腕に爪が食い込んだ。
「んっ。はや……早く」
「どうして、そう急かすんですか」
 幾度か軽い絶頂を迎えた彼女の内部は程良く濡れて締まり、淫らに吸い付いた。
前後しながらゆっくりと内部に円を描くように襞を掻いて行くと、ニアは桃色に染まった頬を見せながら更にゆっくりとかぶりを振る。
白銀色の睫毛には生理的に漏れる涙が玉になり耳たぶに流れ落ちた。
くちゅっと合わさった部分から音が出、ニアは薄目を開けた。
「……っ、早く」
「ニア」
 男は早く荒くなる呼吸を整えぬままにニアの膝を大きく広げ抱え上げた。
白すぎる肌のうち乳房の両端と、接合したそこだけが鮮やかな色をして、固く膨張しきった男の根をくわえこんでいる。
ニアは激しい律動にシーツを握っていた手を離し、倒れ込んできた男の体を強く抱え込んでいた。
止めようと思っても喉から動物じみた喘ぎ声が出て、止まらなかった。
 しゃくり上げるニアに苛む動きが止まって、頭の後ろから包み込むように手が伸び暖かい掌が頬を包んだ。
「我慢しないで」
低い囁き声はひどく優しげで呪文のようにニアの頭に響く。
「う、ん……んっ」
やっと答えると、ずんと奥を開かれてニアの腰が浮いた。
抑制の堰を切ったように加えられる律動に、びりびりと身体が戦慄く。
彼がニアをこれ以上淫らに苛むつもりが無く、快楽の頂点を目指している事が感じ取れた。
「あ……あ、っめ……」
突き上がるものの律動が内部で狂おしく甘い衝撃になり、ニアの爪足は糸で釣られたように空に突っ張った。
「っ、は……ニア」
少し遅れてどくんという男の快感の感触がニアの全身を包み込んだ。
突き上げる動きを止め、男は熱い息を継ぎながらニアの首筋に顔を埋め、濡れた銀髪の横で何度も彼女の名を吐息混じりに囁いた。

 抱きしめた人の重みと暖かさ、くしゃくしゃと柔らかい髪を撫でる音と呼び声が懐かしく響く。
誰かとこんな風にベッドを共にするのは久しぶりの事で、快楽の余韻のままにニアは眠りの底へとすぐに落ちて行った。
143:2008/08/22(金) 21:05:49 ID:7tWY+npz
 静かな部屋に鋭い電子音が流れ、切り忘れた携帯電話の着信音でニアは目を覚まされた。
「うん……」
気怠げに目を開け、首の下にあった腕を探すがベッドには彼の温みすら残っていなかった。
 ニアはベッドの端まで脚を伸ばすと寝返りを打った。
夜が明け始め、カーテンの下から青い光が柔らかく漏れている。
「L……L?もういないのですか?」
小さく呼ぶが返事はなかった。
 細い腕をついて半身起き上がると、腰の奥がぬめる感触がした。
体液の漏れ出す前に処置しようと拭き取るが何故か彼の残り香すら感じる事は出来なかった。

 カーテンの外では白々と空が明るくなって行き、鳥が忙しく鳴き始める。
ニアは夜更かしをしたような体に重く残る疲労を感じながら、シャワーも浴びずにぼんやりとベッドに座り続けていた。
瞼を閉じ、静寂の満ちた部屋に誰かの気配が無いか感じ取ろうとしてみるが、
段々と強くなる外の光にかき消されるように昨夜の記憶は朧気になって行く。

「…………夢?」

 キスの前にLを見た記憶が無い。
前夜は軽い疲労からすぐに寝入ってしまったが、途中で起きた記憶も無かった。
しかし頭の中の記憶は霞んでも体に受けた感触は生々しく思い起こすことが出来た。
 ニアは白い頭を振るとのそのそとベッドから這い出し、カーテンを開けた。
しどけない様子でパジャマの上着だけ引っかけた裸身に目を射るばかりに澄んだ陽光が降り注ぎ、
今は夏のただ中であったと今更ながら思い出された。
「夢、ですか。やはり」
一人ごちるとニアは髪の先をいじりながら肌触りの良いビロードのカーテンにもたれかかった。
 彼女は若い割に多くの知り合いを亡くしていたが、誰一人幽鬼となってニアを訪れる者など無かった。
酔っ払ってまだ幼い彼女に求婚した世界的探偵ですら今まで一度も現れはしなかった。



 ニアに出されたはずの菓子を食い、Lはそれに含まれた微量の洋酒で酔った。
そして上機嫌になった勢いで十は若いニアに結婚を迫った。
後で考えると酔ったせいでよほど眠かったのだろうと思えるが、YESの一言を聞き出す頃には執拗だったLの声は小さくかすれ、
ニアを後ろから抱きしめたまま子守歌を歌うようにニアの体を優しく揺すった。
「あなたは……病める、時……も……」
彼は一人で婚礼の夢を呟きながらすっかり寝入ってしまった。
「L?」
ニアが小さく呟くと、彼は不愉快そうに眉を顰め何事か呟いた。
「ああ……ワタリ」
「そんなんじゃすぐ身元がバレますよ」
どういう力加減なのかニアの服をしっかりと掴んでしまった彼の呪縛から逃れようも無く身を預けると、
肌触りの良い布越しに体温と他人のにおいがする。
それは彼の使用しているシェービング・ローションか何かの香りだった。

 昨夜感じたそれは幻か、無意識の描いた幻影だった。
144:2008/08/22(金) 21:06:21 ID:7tWY+npz
 カーテンに頬摺りしながらニアは過去の記憶を一つ一つ引き出しては仕舞って行った。

 その後すぐ短時間の滞在の予定だったワタリが戻り二人は帰ってしまい、彼にその馬鹿馬鹿しい行いを問い質す事も、
それは数ある愚行の一つなのかも聞く暇は無かった。
 彼にに抱かれた感触はどこか心地よすぎて思い出すのを止めてしまっていた。

「男でも作った方がいんですかね……」

 青い色を放つ空を見ながら独りごち、ニアはずり落ちたパジャマの肩を引き上げた。
ふと足下を見ると先日あの香りに似ているという理由で部下から取り上げたシェービング・ローションが転がっている。
空調の空気に乗って香ってきたせいであんな淫夢を見たのだろう。
 裸足で蹴り飛ばすとニアはよろけ、咄嗟にカーテンにしがみついた。

 その時ふっと目の前をよぎった鮮やかな赤い色に一瞬腹がぎくりと凍った。
朝日に照らされた白い手の爪の先に目を凝らすとまだ乾き切らない赤い血がこびり付いている。
夢中でしがみついて情事の後にこんなふうに爪に血が付いていることがあった。

「……まさか……L?」

 しかし自分の体を幾度確かめても彼女自身が自身を傷付けた痕跡は見つけることが出来なかった。

 夜 終
145名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 06:38:33 ID:Hl9ya6vW
   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E) グッジョブ!!
フ     /ヽ ヽ_//
146名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 15:10:34 ID:a+9JSYEq
あんた凄いなGJ
147名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 16:09:49 ID:M89nVuYg
あ、いつもの人じゃないのか
避難所みたくなってるんだな
148名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 14:32:25 ID:oH5Ygv4M
GJ!
むっつりLとおねだりニア(*´∀`)ー3
Lニアは近親相姦チックなエロさがあるな。
149名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 18:31:01 ID:zS6yYc0A
例の人のを読みだしてからもうニアは女にしか見えなくなった。
こないだのテレビもしかり。

>>138さんもGJ
ニアは誰が相手でもエロいな。
150名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 15:26:51 ID:TQUZEQ/t
L、エロいな。GJ。
やつは本当にどっかで生きていそうだ。
それにしても大人ニアはエロいな。
151名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 19:47:16 ID:2od3QTGV
L、悔しくて化けて出たのかw
GJ
152名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 06:31:21 ID:NI57PikP
ほす
153名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 11:27:50 ID:SkzEqJmu
1週間も立っていないのに何故ほするのか。
154名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:38:06 ID:jwqIICab
にょたノートが好きだからだろJK
155名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:03:31 ID:aCDtnLL5
こんなところまで変なのが来てるなあ
156 ◆ZavxytTKqo :2008/09/08(月) 12:25:02 ID:ZWeJin6u
追い出されたわけじゃないけど、場所借ります。
せっかくエロ書いたからやっぱり落とすだけ落としてしまいたい。

旦那様と使用人。前後編の後編のみ。エロ八割。
 ちゃぷんと湯がはねる。
 青年の寝室には簡易な浴室が隣接されている。普段青年は一階の浴室を使うから、ここは滅多に使われない。
 少女がこの浴室を使うのは二度目だった。一度目は言うまでもなく、あの時。
 青年の許可を得て、少女は浴槽に香油を数適落とした。いつもなら安らぎを与えてくれる花の香りも、今はあまり効果がない。
 そもそもなぜ少女が青年専用の浴室を使っているかというと、持ち主たる青年がそう命じたからに外ならない。
 いわく「葛葉さんは私の恋人だから」だそうで、納得がいくようないかないような、どこか釈然としない理由だ。
 それが終わったら、私の部屋へおいで――夕飯の片付けをしていた少女の耳朶に甘く囁き、青年は返事を待たずに去っていった。
 青年の部屋へ足を踏み入れた少女を捕まえ、青年は少女をぎゅっと抱きしめた。部屋に呼ばれたからにはきっとそうなるだろうと思ってはいたけれど少女は躊躇い、せめて汗を流したいと青年に頼み、それならここを使えばいいと彼が提案した。
 そうして、少女は一階にある浴室ではなく、寝室横の浴室を使うことになったのだ。
 初めてではないのだし、彼はきっと優しい。わかってはいても、経験の浅い少女は肌を重ねるという行為に少しだけ臆する。
「葛葉さん」
 いきなり聞こえてきた青年の声に驚き、少女は曇り硝子で出来た扉へ目をやった。はっきりとは見えないが人影がある。
「入ってもいい?」
 心臓が口から飛び出すとはこういうことか。少女は驚きすぎてむせた。
「だ、だめですっ!」
 なんということを要求するのだろう。信じられない思いで少女は硝子越しの青年を凝視した。
「ごめん、冗談」
 くすくすと笑う声が聞こえ、少女はほっと安堵の息をついた。
「あなたの気持ちを確かめたいんだけれど、私は、あなたに無理を言ったかな。まだ、こういうのは早かった? 抱くのは、もう少し我慢した方がいい?」
 青年の気遣いが嬉しくて、少女は胸がつまった。
「いいえ。私、大丈夫です。私も、あなたが欲しいから」
 後半は消え入りそうな声になってしまい、青年に届いたかどうかはわからない。
 じっと眺めていると、青年は硝子戸に背を預けて座り込んだ。
「少し、話をしていいかな」
「はい」
「ありがとう」
 浴槽の縁に腕を添えて楽な姿勢をとると、ちゃぷんと湯が音を立てた。
「私は父の顔を知らないんだ」
 青年は訥々と語り出す。
「ずっとこの屋敷で母と暮らしてきた。
 同じ年頃の子供も周りにはいなかったし、父親というものがどういうものか理解する機会がなかった。だから、父親がいることの幸福も、いないことの不幸も私には知る術がなかったよ。逆も、ね。
 でも、夫のない妻は不幸なんじゃないかと思ったんだ。母は、よく遠くを眺めていたから。父を思っていたんだと思う。
 父に会うことがあったらきいてみたかったよ。母を一人にして、あなたは幸せかって。
 母にもききたかった。共に在ることが出来ない男を愛して幸せでしたかって。
 結局、私はどちらに問うこともできなかったから、きっと幸福ではなかったはずだと思うことに決めた」
 青年の生い立ちは、少女も聞いたことがあった。そこらに溢れているとはいわないが、稀な話でもない。幸せとはいえない、一つの恋の結末。
「だから、私は誰も愛さずにいようと決めた。愛さなければ、不幸になんてならずにすむから」
 幸せに見えなかった母のようになることを、この人は恐れていたのか。少女は思い至り、いてもたってもいられずに立ち上がった。
「でも、私は――――葛葉さん?」
 青年が寄り掛かっているにも関わらず、少女は硝子戸を開けて、青年に抱き着いた。
「あなたが好きです。好き。一人になんかしませんから」
 泣いているんじゃないかと思うと青年の顔を見ることができない。
「だから、恐がらないでください」
 首に腕を回して、しっかりとしがみつく。少女に抱き着かれた勢いで倒れかけた青年は背後に手をついて転倒を免れていた。
「あの、葛葉さん」
 裸の腰に手を添えられ、少女は顔をあげる。
「愛する喜びを教えてくれてありがとうと私は言いにきたんだけど」
 戸惑うような青年の声を聞き、少女は我にかえる。
「え、あ……」
 はやとちりして、とても恥ずかしいことをしてしまったような気がする。
 少女は慌てて身体を離そうとし、そうしてしまうと青年にすべてを晒してしまうことに気付き、どうすることもできずに再びしがみついた。
「ありがとう」
 少女をぎゅっと抱きしめながら青年は囁いた。
「あなたには、母のような思いはさせないから」
「旦那様……」
「私も、あなたを一人にはしないと約束するよ」
 青年が少女の頬に手を添え、上を向かせる。そして、そっと唇を寄せた。
 少女は逃げなかった。青年の唇が何度も啄むように触れ、それが徐々に熱を帯びたものに変わっていく。
 舌が唇を這う。少女は以前教えられたように唇を開き、青年の舌を招きいれた。
 熱をもった柔らかなそれが咥内を動き回る。不思議な感覚。けれど、嫌悪感はなかった。
 背中を大きな手が撫でる。宥めるように優しいのに、その動きはどこか官能的でもある。
「ん……は、ぁ」
 唇が離れ、少女は呼吸を深くする。青年はその隙に少女の肩に口づけてから、小柄な身体を軽々と抱き上げた。
「ここじゃ、だめだ」
 譫言のような呟きに少女は頬を染める。
 青年は迷いなく歩み、大きな寝台に少女を横たえた。
「あの、私、身体が濡れて」
「いいよ。どうせすぐに気にならなくなるから」
 少女が寝台を濡らしてしまうことを気にかけてうろたえる間に青年はあっさりとシャツを脱ぎ捨てた。
 均整のとれた体つきに、少女は思わず見入る。
「私の裸が気になる?」
 少女の視線に気付いた青年が悪戯っぽく笑う。途端に不躾な視線を送っていた自身が恥ずかしくなって、少女は逃げるように寝台の端へ転がる。
 そうするはずだった。しかし、実際には身動きがとれないよう覆いかぶさってきた青年のせいで少しも移動できていない。
「いいんだ。あなたが私に興味を持ってくれたなら、こんなに嬉しいことはないから」
 ちゅっと軽やかな口づけが額に落ちる。
「触ってごらん」
 腕を掴まれ、少女は青年の胸に手を添えさせられる。
「私も君に触れていいかい?」
 問いかけておきながら答えを待たず、青年は少女に触れていた。
 項から鎖骨にかけてを唇で辿り、小振りな乳房を包み込むようにして触れる。
「可愛い」
 青年の肌が、唇が、触れた場所から火がともる。甘く肌を焼く熱は身体の心までを火照らせていく。
 青年の指が乳首に触れる。頂を転がすようにして刺激され、少女は身体をびくつかせた。
「ひゃっ…あう、んっ、あっ、あ……」
 唇は口づけとともにどんどん下へおりていき、片方の乳首を口に含んだ。舌先で転がされ、時にきつく吸われる。
 与えられる刺激はすべて快感へと変換され、少女は慣れない感覚に悶えた。
「あっ、だめ……ん、ひゃあっ」
 自分でもあまり色気のない声だと思うが、青年の行為に驚かされてはそれが声になる。
「気持ちいい?」
 青年が唇を離し、楽しそうに尋ねる。
 恥ずかしさもあったが、少女は素直に頷いた。
「じゃあ、もっと気持ち良くしてあげようか」
 青年の舌はそのまま伝いおりていき、臍の周りをくるりと回る。そして、膝を割って太股に口づける。
「やっ、……あっ、んんっ」
 そのまま青年は左足を掲げ、唇を這わせて踝に口づけた。
「君の身体はどこもかしこも可愛いね」
 同じ道を下り、青年は足の付け根に吸い付き赤い印を残す。
 あっと思った時には腰をすっかり固定されていた。
「待っ……あっ、ああっ」
 ぬめった舌が思いもよらない場所を刺激する。
 蜜を滴らせた花弁を、その奥の蜜壷を、青年は時に舐め、しゃぶり、吸い付き、少女は強い快楽に咽び泣く。
「ん、あ…ひ、あっ、あっ」
 腰が逃げてしまいそうになるのに青年はそれを許さない。執拗な愛撫に頭はくらくらとし、気が付けば身体の力はすっかり抜けてしまっていた。
 そうして青年の愛撫を心地いいとさえ覚え始めていた頃、彼は花弁だけではなく、小さく自己主張を始めていた芽にそっと舌で触れた。
「ああああっ」
 思わず悲鳴が漏れる。けれど、青年はそれに構わず芽を剥き、強く吸い付いた。
 全身を電流が駆け抜ける。
 少女は声にならない声を上げ、足の先までをのけ反らせて身体を強張らせた。
 生まれて初めての絶頂に、意識が朧でわけがわからなくなる。
「可愛い。まだ震えてるね。びくびくしてる」
 身を起こし、青年は少女の目尻に浮かんだ涙を唇で吸い取った。
 絶頂の余韻が醒めず、少女はぼんやりと緩慢に青年を仰ぎ見る。
 ゆっくりと彼の唇が近づき、重なる。
 まだ蜜の味を残した舌が念入りに絡められ、少女は自身の味を知らされる。朧げながらそれを悟り、少女は恥じらいを覚えたが身体は貪欲に青年を求め、拙いながらも自分から積極的に舌を絡めていく。
「痛くなったら言うんだよ」
 青年の問いかけに少女は疑問をもった。こんなに気持ちいいのに、痛いことなんてあるはずがない。
 再び足を広げられ、少女は本来なら秘すべき場所に青年の熱い眼差しを感じた。見られているのだと思うとたまらなく恥ずかしい。それなのに、意志に反して、そこからとぷりと蜜が溢れていくのを自分ではもう止めることが出来なかった。
「すごく濡れてる」
 嬉しそうに呟き、青年は見るだけではなく動いた。
 つぷと一本の指がさし入れられ、少女の中を埋めていく。
 痛かったらという青年の言葉の意味を少女は悟った。経験は一度しかない。慣れない少女の身体は挿入に痛みを感じるかもしれないのだ。
 しかし、少女の身体は指を難無く受け入れ、嬉しそうにきゅっと締め付ける。
「平気?」
 表情の変化を一瞬足りとて見逃さないとばかりにうかがいながら、青年は少女に問いかける。
「あ…大丈夫、です」
 すると指は動き出した。溢れる蜜を絡め、ちゅくちゅく濡れた音をさせる。
 ぞくぞくと身体が震えた。
 青年の指は浅く、入り口近くを刺激している。少女の身体は知らず揺れ、もっと奥に刺激が欲しいとばかりに指に強く吸い付いた。
「もう一本増やしてみようか」
 青年の言葉は問いかけではなく、独り言のようだった。少女の返事は必要なく、次に行われる事実を告げるだけ。
 案の定少女が何かを答える前に指は引き抜かれ、本数を増やされて再度中へと入れられる。
「んあっ、ふ……ああッ」
 気持ちいい。少女の脳裏を埋め尽くすのはそればかり。
 気が付けば指は二本から三本に増やされ、じゅぶじゅぶと音を立てながら出し入れされたり、中でばらばらに動いて少女を翻弄したりと忙しない。
「ああ、葛葉さん」
 たまらないとばかりに吐息混じりに名を呼ばれ、噛み付くように唇を塞がれる。ねっとりとした口づけを交わし、青年は滴を伝わせながら唇を離した。
 それと同時に指を引き抜き、少女の足の中央へ移動する。
 両足を支えながら落ち着く場所を探り、青年は場にそぐわぬほど優しげな笑みを浮かべた。
「正直ね、私も余裕がないんだ。だって、あなたが初めてだったから」
 谷間を沿うように、蜜をまぶしつけるように、そそり立つ肉棒が上下する。
「あなたと同じで、私もこれが二度目なんだ」
 青年の言葉を理解しようとしていたのに、新しい刺激の気持ちよさに思考が負ける。
 敏感になった芽を先端が擦り、幹の部分が入り口を刺激し、もっと欲しいと少女は無意識に腰を押し付ける。
「あっ、や…これ、あっ……」
「気持ちいいの?」
 こくこくと少女は涙を浮かべて頷く。
 少女のために青年は繰り返し擦りつけ、少女は愉悦に浸る。
 しかし、それは長くは続かなかった。
「ごめん、葛葉さん」
 呻くように断り、青年はその先端を蜜を滴らせる奥へと突き入れた。
 質量を増した肉棒は、小柄な身体の少女に添えられるとまるで凶器のようであった。けれど、快感に溶けきった少女の身体はさしたる抵抗もなく飲み込んでいく。
 ゆっくりと、慎重に押し進め、青年はついに少女の中へそのすべてを埋め込むことに成功した。
「大丈夫?」
 動きを止め、汗で張り付いた髪を払ってやりながら青年は気遣わしげに少女の顔を覗きみる。
「大丈夫、です。痛くなくて……あの」
 もっと欲しいくらいです。思いはしても、さすがにそこまでは口に出せず、少女は口ごもる。そして、言葉にできない代わりにきゅうっと青年の肉棒を締め付ける。
 何かを堪えるように眉をよせ、青年は熱い息を吐いた。
「実はけっこう限界なんだ。なるべく優しくするよう努力するから」
 それが理性の限界であったというように、青年は少女の太股を支えながら、肉棒を限界まで引き抜きゆっくりと突き入れる。
 余裕がないという言葉を証明するよう、その動きは回を重ねるごとに強く荒々しくなっていった。
「あっ…あ、あっ、あっ、ああっ」
 揺すられるままに不規則に途切れた喘ぎが少女の口から漏れた。
 生理的にこぼれる涙はとめどなく溢れて頬を濡らし、少女は強すぎる快楽から逃れるようにシーツをきつく握りしめた。
 ずんずんと奥を突く感覚に僅かに痛みを感じることもあった。しかし、その痛みすら今は気持ちいい。
 もっと、もっと。はしたなく身体全部がそう訴えていた。
「もっと…あっ、だんな、さまぁ……もっと、突いてッ」
 もはや理性はかけらも残されていなかった。あられもない少女の求めに呼応するよう、青年も獣の荒々しさで応える。
「葛葉、さん……だめだ、ごめん、一度」
 唸るように口走り、青年は強く、強く肉棒を叩き込み、遠慮なく少女の胎内を蹂躙した。
 背筋を駆け抜け、すべてを奪い去る射精感。身を震わせてそれに浸り、脱力して少女の上に倒れ込む。
「葛葉さん」
 息も絶え絶えな少女の耳朶を噛み、青年はぞくぞくするほど艶めいた声で囁く。
「愛してるよ」
 そうして、青年は再び身を起こし、少女の身体から一旦離れる。肉棒の引き抜かれた場所から白濁が後を追うように流れ出す。
 肩を掴んで反転させ、俯せになった少女の腰を掴み、青年は彼女の背後に膝立ちになる。
「こうすると全部見えるね」
 力が入らず抵抗できない少女は羞恥に全身を赤くすることしかできない。まるで犬のような格好をさせて、一体何をする気なんだろう。
 答えはすぐに出た。
「次はあなたの番だよ」
 青年が、萎えていなかった肉棒を突き入れてきたからだ。
 先程とは違う角度での挿入。擦れる部分もまるで違う。
「ひっ…あっ、だめ、いいっ」
 そして、肉棒は先程よりも深く少女の中を犯していく。
 快感はすぐに少女の思考を奪った。恥ずかしかったはずの格好も関係ない。気持ちがよくて、頭がおかしくなりそうだ。
 シーツを掴み、枕に顔を押し付け、少女は許容量を超える快楽を逃そうとするが成功しない。逃しても逃しても、それを上回る快感が後から後から追ってくるのだから。
 いつしか少女は自分から腰を振って青年を求めていた。
「ああっ……や、だぁ、いいのっ…これ、すごっ……ふ、あ、ああっ、ひっ」
 口の端からは唾液が漏れてシーツに染み込み、ひっきりなしに喘ぎがこぼれる。
 青年は容赦なく少女を責めた。
 覆いかぶさるようにして小振りな乳房をわしづかみ、乳首をきゅっと摘んだり、擦ったりして刺激する。
 泣きながら喘ぐ少女が愛らしく、愛おしい。
「ふ、あっ……や、んんっ…あっ、いや」
 不意に少女は今までにないほどに身体をばたつかせ始め、青年は難無くそれを押さえ付ける。力無い少女の抵抗など抵抗としての体さえ保てはしない。
「きちゃ…なんか、きちゃうのっ」
「うん、いいよ。いきなさい」
「あっ、だめぇ! ひぁっ……あっ、ああっ」
 痛いくらいに締め付ける少女の内部を感じ、絶頂が近いことを青年は悟る。
 自身をも高めるため、肉棒による責めはより強くその動きを増していく。
「ん…あ、ああああっ」
 悲鳴を上げ、少女は全身を強張らせる。一拍おいて、青年もまた少女の中に白濁を注いだ。
 胎内に温かいものが広がっていくのを感じながら、少女は緊張の解けた身体をぐったりと寝台に預けた。
 崩れていきながら、少女は心地よい安らぎへと緩やかに落ちていくのだった。



 ぱちりと目が開き、少女はぼやけた思考のまま辺りを見渡した。
 そうしてすぐに隣に横たわる青年と目が合う。
「あ、あの」
 なんだか気恥ずかしくて、思わず俯き、口ごもる。
「あれから一時間くらいたったかな。悪いとは思ったけど、あなたが寝ている間に後始末はすませたよ」
 さすがにシーツまでは無理だったけどと青年は笑う。
 その言葉で初めて、自分が意識を手放していたことに気づく。そして、あれだけの情交のわりに不快感のない身体にも意識が向いた。
 他人に世話をされても世話をすることなどない立場の人なのに、意識のない自分の身体を拭ったりしたのだと思うと、少女は申し訳なさと恥ずかしさでいたたまれなくなる。
「すみません。旦那様に、そんな」
 けれど、青年は手をのばしてくしゃくしゃと少女の頭を撫でる。
「いいんだ。新しい喜びを見つけたから」
「喜び、ですか?」
「そうだよ」
 不思議そうな顔をした少女に青年は満面の笑みをみせる。
「愛する人の世話を焼くのは、今まで知らなかった喜びだ」
 かあっと少女の頬が染まる。愛する人と青年は少女を呼んだのだ。
「あ、わた、私もっ……愛してます」
 青年の顔が一瞬驚きを見せ、すぐさまそれは喜びに変わる。
「うん、ありがとう。私も愛してるよ、葛葉さん」
 見つめ合い、微笑みを交わし、二人は睦まじい様子で口づけを交わしあった。


 おわり

165名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 15:41:40 ID:+M/Q7/5a
GJ!
166名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 19:34:06 ID:HAUwO3HW
GJすぐる!
167名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:42:52 ID:uqptctX1
ねちっこくかつ愛のある描写がすばらしい
気になっていた後篇が読めて幸せです。どうもありがとう。
168名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:54:51 ID:ZYvSqAVS
一時はもう読めないかとショックだったけど、最後まで投下して下さって感謝です
あなたの繊細な文章は素晴らしい!
またどこかで読みたいな
169名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:57:00 ID:p1iIJ9Nt
よかった。投下する先見つけてくれたんですね。
よけいなことかもしれませんが、人のことながら心を痛めてました。
170名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:58:35 ID:IMwKU4Q0
なんというか。
171名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:28:32 ID:2u4zSgBY
899 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:03:46 ID:zoOWku2d
あちらで叩かれ始めたら、なんとまー、中の人が同じようなマンセーレスが連投
突き詰めると投下のひとの脳味噌とも繋がっていそうな…
別人装っても判るもんなんだな、という誤爆
900 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:06:32 ID:8Ci+UmmD
普段あんなに人いないだろw
どっから湧いてきてGJしてんだ
やっぱ別々のほうがいいな、あれは
901 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:11:16 ID:MxcAJd0X
おもたわw口調かエロw
902 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:19:52 ID:SeVmA3jx
どどっと書いて居なくなったな。
長文言い訳といいプライド高いんだろうな。
172名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:29:40 ID:2u4zSgBY
899 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:03:46 ID:zoOWku2d
あちらで叩かれ始めたら、なんとまー、中の人が同じようなマンセーレスが連投
突き詰めると投下のひとの脳味噌とも繋がっていそうな…
別人装っても判るもんなんだな、という誤爆
900 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:06:32 ID:8Ci+UmmD
普段あんなに人いないだろw
どっから湧いてきてGJしてんだ
やっぱ別々のほうがいいな、あれは
901 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:11:16 ID:MxcAJd0X
おもたわw口調かエロw
902 :名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:19:52 ID:SeVmA3jx
どどっと書いて居なくなったな。
長文言い訳といいプライド高いんだろうな。
173名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:16:40 ID:dxQPrQ+D
女の腐ったようなやつとはこのこと
174名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 05:13:39 ID:pouFefma
>>164
あの、晴明くん誕生編とかはないんですかね?
175名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 06:44:43 ID:1U3pGdXv
「あの」とか言われてもついていけん
だれか>>164の作品一覧と登場人物、スペック一覧でも書いてくれよ
よさげなら過去ログ漁るから
176名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 07:30:15 ID:WPaT/n+Y
164は誤爆かわざと?だろ
これの前は男主人スレにあるよ。まだ落ちてない。
177名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 04:48:41 ID:BVB1drKb
「いれるぞ……」
「ぁ、ああ、は、入ってる、ぶっといのが、入ってるゥゥッ! ああ、あ、ひぃッ!」
「おやおや、まだ先しか入れてないのにイッたのか?」
「は、はいッ。あ、アアア、オマ○コ、ああ、いいい……ああ、あああああああッ、すっご、ひぃ……」
「ほら、全部入れるぞ!」
ぐちゅっ! ぶちゅうううううッ!
「ひあああああッ、アアッ、すっごいぃ! 入ってきた、奥まで入ってきたぁッ! はあッ、ああ、ああああああッ」
「自分からケツを振っているな。気持ちいいのか、この淫乱ッ!」
「い、淫乱ですッ! わたしはぶっといチ○ポでよがる淫乱ですッ! ああ、あぁあああキモチいいぃーーーッ、ああああ、チ○ポ、チ○ポぉぉッ!」
「ほら、動かすぞッ」
ぐちゃッ、ぐちゅぅッ、ぎゅしゅッ、ズボッ!
「ああああッ、ああ、あ、あ、あ、ああアアアアッ、いい、イイッ、いいよぉ、おマ○コ感じるッ! イク、イキますゥッ!! ひぐっ、あひッ、あッ、アッ、イックゥゥゥゥッ!!」
「まだまだ。ほらッ、どうだ!」
「あひぃぃぃッ! ダメ、ダメ、あ、あ、あ、あ、あダメ、イッてる、いッてるのにひぃぃぃッ。ひああああああああッ、チ○ポ、奥までこすってるゥゥゥッ!!」
178名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 04:50:02 ID:BVB1drKb
すまん。間違えたorz
179名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 05:25:54 ID:IzUoAysC
ワロッシュ
180名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:33:11 ID:6etLk0La
>>167前編も容量オーバーになって投下できなくてめっちゃ途中やん
前編途中は気にならんの?本人?
181名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:44:01 ID:IzUoAysC
粘着は他の場所でやってくれよ
182名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:08:26 ID:6tlB7UAd
ここ自体がゴミ箱スレだからいーんじゃね
183名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 08:02:44 ID:hHElxs/V
むーん
184MtN1:2008/09/24(水) 23:16:00 ID:AQ4sl8US
マット(20)×厚かましくもにょたとは微塵も思っていない性別は女のニア(19)
メロWINの続きのような感じ
-------

ミルクの海に浮かぶオートミールの陸地の間をスプーンが滑らかに渡ってゆく。
何度めかの航路を辿ったところで声を掛けられた。
「さっさと喰っちまえよニア」
顔を上げるとポータブルゲームへと一心に視線を注いでいたマットが肘をついてこちらを見ていた。
赤く染めた髪に端正な面差しがニアに向かい、涼しげな切れ長の目が細められる。
「あと少しじゃないか」
「…もう結構です」
「俺が作ってやったんだぞ」
暖めたミルクを皿に注いだだけだろう。
ニアは思ったが、口には出さない。
「だるい顔してるなよ」
マットはそんなニアを見て笑った。
2人は好き勝手にジャンクフードやスナックを食い散らかしていたが
何も言わないからと、味気の無い栄養食ばかり与えられるのは嫌がらせのような気もしてくる。
大体ベーコンもチーズも入っていない素のポリッジなど、とてもではないが食が進むものではない。
ニアは静かにスプーンを置くと手を組み合わせた。
「ごちそうさま」
言ってから、これがご馳走とは何という嫌みか、と少し愉快になる。
再び手元へ視線を戻すマットに、ニアは訊ねた。
「マット」
「なんだ?」
「メロはどこへ」
画面に目を落としたままマットが笑った。
「メロ、メロって」
「そんなつもりではありません」
ニアは自分の耳が熱くなるのを感じた。
顔を向けて欲しいときには上げない癖に、珍しいものでも目撃したかのようにこちらを見て笑うマットが憎たらしい。
「これからどうするのか気になっているだけです」
無遠慮な視線を嫌うようにニアはつい、と顔を背け、マットが薄く笑う。
「お前はそう言う細かいことは気にしないと思っていた」
「自分で把握している場合と、何も知らされずにいる状態では話が違います」
ふーん、とまるで興味のない様子のマットに多少の苛立ちを覚えニアはもう一度彼の名前を呼んだ。
「マット」
「ん」
もはや芳しい反応は期待をせずにニアは続ける。
「一つ策があります。三人の生命に関わる事です」
「何」
「私を一旦、戻して下さい」
「私が、あなた達がアメリカから出られるよう手筈を整えましょう」
マットは視線を伏せたまま口角を上げた。
「ニア、俺を籠絡できると思うなよ」
「まさか」
「提案しているのです。このままでは三人とも命を落としかねない」
全く以て軽い調子にマットは返してくる。
「メロが何とかするだろう」
「無責任な」
顔も上げず笑うマットにニアは言葉を次いだ。
「自らの命に関わる事を、他人任せでよいのですか」
「俺は首謀じゃない」
「あなたはいつもそうだ」
マットの手元から響く電子音に負けぬよう、普段よりも低く通る声で続ける。
185MtN2:2008/09/24(水) 23:17:02 ID:AQ4sl8US
「競り合うだけの力が有るくせにそれをしようとしない」
「現在の位置に甘心し目立たぬように身を潜めている」
ちらりと視線を上げたマットを正面に見据えると、静かに言い放った。
「自分は要領が良いからと高を括って居るようですが、今回はそうもゆきませんよ」
再び顔を伏せたマットが歯を見せて音もなく笑う。
「出る杭は打たれるってね」
そこでいったん言葉を句切ると、マットはニアに向き直った。
「だが俺はそんな風に思っている訳じゃない」
「では?」
「メロは俺よりも、場数を踏んでいる。そして今、まさに目的を持って動いている」
もう一つ、とマットは指を立てて続けた。
「さっきのお前の案は通るはずがない」
「俺が今、勝手に他の道を探っておかなければいけない理由はないだろう?メロが相談してきたらちゃんと考えるさ」
そんな事は天地がひっくり返っても無いだろうけど、と笑うマットにニアは眉を顰めた。
「いいえあなたは遁辞を弄しているに過ぎない。ただの怠慢です」
「無駄な努力はしないようにしているだけだ」
しつこく詰め寄るニアに閉口し、マットは再びゲームへと視線を戻す。
「俺はメロの様に、常に全力でなんて生きられない」
「能力を持っていながら怠惰に身を浸している行為は醜い」
何を言っても一向に気にする様子のない彼に、ニアはこれでマットを怒らせることができればいいと考えた。
「だからあなたはいつまでもナンバー3なのです」
しかし期待した効果は得られなかった。
「おお怖い」
マットは顔も上げずに大げさに肩を竦める。
そんな彼を見て、ニアはゆっくりと息をつき背もたれに身体を預けた。
彼の性格は承知してはいたが、これ以上は無駄と悟ると共に思えばマットのこういう部分が、メロと上手くやってゆけている理由なのかも
しれないと考える。
失望感に苛まれ、やがて自らの髪を弄び始めるニアに言うともなく、唐突にマットは独りごちた。
「いつもそうだ?」
「?」
ゆるりと顔を上げたニアに、悪戯っぽく微笑みかける。
「さっき言っていただろう」
それはニアも判っていたが、何故そこなのか、という視線を受けてマットは続けた。
「俺の事も見ていたんだな」
「…」
「お前はメロにしか興味がないのかと思っていた」
相変わらず口元は笑っていたが、いつもと違った彼の纏う空気にニアは微かな戸惑いを覚える。
「…誤解です。ですが、」
「あなたも私になど興味は無いでしょう」
「いいや興味津々」
おどけるマットを見つめ一瞬だけ ためらったのち、ニアはずっと感じていた思いを口にした。
「あなたは私の事が好きではない」
小さく発せられた言葉にマットはただ黙ってニアを見つめ返す。
何も言わないマットにニアは小さな胸の痛みを感じると同時に、自分に誰からも好かれたい等という感情が存在していた事を初めて自覚した。
誰からもというのは正しくはない。
少なくとも自分が大切に思う人々には、好かれていたい、心の奥底ではそう求めていたのかもしれない。
表層意識には上った事のない、自分の中の真実に気づいたニアは、言葉もなくマットから目を逸らせる。

片肘を付いてニアを見ていたマットは、黙って席を立つと部屋に一つきりの小さな窓から外を窺い、色褪せたロールカーテンを下ろした。
窓から差し込んでいた光源が色あせしみの付いた布に遮られ、そのまだら模様のまま床へと淡い影を落とす。
「ニア」
床に揺れる光のしみを目で追っていたニアは声に顔を上げると、同時にこちらに向き直ったマットと目があった。
「やんない?」
何を、などと聞く程もう初心ではないが、マットの唐突な申し出にニアは、反射的に口から出た言葉に自ら驚くことになる。
186MtN3:2008/09/24(水) 23:19:42 ID:AQ4sl8US
「メロが怒りますよ」
いつの間にか自分はメロの所有物になっている様な気分だったと気づく。自らの言葉にしばし唖然とするニアにマットは返した。
「少し不機嫌になるぐらいだろう」
ニアの様子を全く気にも留めずに傍らに移動すると、身体を引き寄せてソファーへ組み伏せた。
こうなると、いくら男性としては細いマットと言えどニアには押し返すことができない。
もはや抵抗は無駄なものとニアは、なるべく体力の消耗を抑える為に力を抜いた。
「大丈夫、大丈夫。俺はメロみたいに酷いことはしない」
険しい顔つきのニアにマットは微笑みかける。そう言う問題ではない、ニアは思ったがしがない虜囚の身ではどうすることも出来ない。
なるべく早く、終わらせてもらう事を願うしか術がなかった。

人によってキスが異なるという事をここに来てニアは知る事になる。
メロのキスはいつも、荒々しく全てを奪っていった。
自分が一旦、空になってからメロによって彼の全てが注ぎ込まれるような感覚に襲われる。
マットのキスは何も奪わない。甘く余韻を残し通り過ぎるだけだ。
じれったい舌の動きにニアは思わず自らそれを絡める。重ねた唇が口角を上げるのに気づいたが、もはやどうでもよかった。
シャツをたくし上げ、胸をまさぐる手に早くも自分の身体が潤んでくるのを感じ、一体どうしてしまったのかと困惑するが
赤く立ち上がった乳首を摘み取られ、そんな思考すら流されてゆく。
「は…」
リズミカルに乳頭を優しく揉まれて発生した感覚は、マットの腿に押しつけられた脚の間へと伝わり、そこが熱く疼いてくるのが判る。
わざとなのか焦らすような動きに、顔をずらして乳房へと吸いついたマットへと向かい突き出すように胸を反らせた。
小さな胸を寄せられてその頂点へ交互にキスを落とし、尖ったそこへ軽く歯を立てるマットへ堪えきれない呻きを漏らす。
「ン…う、」
思い出したように強張る身体は体裁のためというよりも、急激に熱を帯びて行く事に対し自身が怯えているようだった。

マットはおもむろにニアの両足をまとめて持ち上げると、ズボンと下着を一気に取り去ってしまう。
かすかな抵抗をものともせずに脚を割き、そこへ視線を落としてこういった。
「びしょ濡れだ」
不躾なセリフにニアが顔を顰める。
「1ヶ月前までバージンだったよな?」
「それともだ、れ、か、を想ってマスターベーションでもしてたか?」
わざとらしいイントネーションとにやけ顔に眼下の白い顔がますます表情を険しくさせた。
「くだらないことを言っていないで早く終わらせてください」
ニアはへたりそうになる意識を鼓舞しマットと目を合わせ吐き捨てる。明らかな敵意の視線を受けてマットはおもしろそうに返した。
「お前達は負けず嫌いだな。少しは怒るとか恥じらうとかしろよ、つまらないぜ」
「あなたを楽しませよう等という意識はありません」
「まあいい。勝手に楽しませて貰うから」
そう言うとマットは足を持ち上げニアの身体を二つに折った。
「ほら、持てよ」
「な…」
「早く終わらせたいんだろう?」
憤りも露わに押しつけられた腿を抱える。
「ええ。さっさと済ましてもらえますか」
羞恥と怒りで身体が震えてしまうのを必死に押さえ込みニアはもう一度言った。

最高に不機嫌な顔をしたニアに、ジーンズを脱ぎ捨てたマットが身体を重ねてくる。
折り畳んだ身体を上から押しつぶされてニアは息苦しさに顔をを歪め、上に乗る男を恨みがましく見つめた。
彼は片眼をつぶると素早く小さなキスを浚って、濡れた場所へとまだ、やや柔らかさの残るものを宛い力を込める。スキンも無く挿入しよう
とするマットに慌て、ニアは声を上げた。
「マット、待って」
「大丈夫外に出すし」
「止め…」
逃げを打つ身体を引き寄せられて、ぬるりと差し込まれたものにニアが呻く。
「あっ…うぅ、」
「ああ、凄くいい」
すべて納めたマットが上擦った声を上げる。
穿たれた芯を身体は歓迎し柔らかく包み込んで締め付け、
ニア自身も声が漏れるほどの性感が腰の奥から沸き上がり全身が甘く痺れていく。
187MtN4:2008/09/24(水) 23:20:53 ID:AQ4sl8US
「…はぁう…ん」
ゆっくり仰け反るニアを宥めるよう暫く身体を重ねて優しいキスを繰り返していたマットは
目を閉じて眉根を寄せるニアに優しく声をかけた。
「取りあえずよくしてやるよ」
言うなり、股間を押しつけるように小さく動くそれにより貫かれた場所から擦れるたびにじわりと滲むような快感が広がる。
抱えていた脚はすでに手から離れ、布地が破け中のウレタンを覗かせる背もたれに力無く掛けられ
時折足の指が堪えるように丸められた。
「あ…っ、あっ」
数回の動きであっけなく身体を震わせたニアに顔を傾けて深く唇を重ねると、今度は大きく腰を動かして自らの快感を紡ぎ始める。
「う、んん…むっ」
ニアはふさがれた口で呻く。達したばかりで綿が詰まったような身体が疲労を訴え
のし掛かる身体を両手で押し返すが、力が全く入らなかった。
やがて引いた波が再び身体を浸食し始め、ニアは肉体の事以外何も考えられなくなってくる。
「キモチいい?ニア」
しがみついてくる細い身体を宥めるようにさすりながらマットが訊ねてくる。
「あっ…?」
最奥を突かれて戸惑った声を上げたニアは、目の前の骨の目立つ肩にすがりついた。
「あいつはガツガツやるだけだからなァ」
マットが笑いながら腰を回し絶妙な動きに翻弄されてニアは首を反らせて声を上げる。
「はぅっ…、ああ…」
知らずに咥えたものを締め付けてしまい、逆にニア自身も追いつめられていく。
経験も浅くまだ直接的な刺激しか知らなかった身体に奥からこみ上げるような深い快感が波のように次々に寄せて止まらない。小さな絶頂感
に肩に縋った指が爪を立て、マットが顔を顰める。
「こっちの躾は俺がしてやる」
身体の奥を男が突く度に小さな破裂を起こすようだった。身を捩り、普段の彼女からは想像つかないような蕩けた顔つきのニアを見下ろし、ふと思いついたようにマットは話し始める。
「これからどうなるか…なんて、誰にも判りはしない」
マットの下で、ニアが喉を鳴らして身体を反らせる。
「メロだってそうだ。俺たちはまだあの柵の向こうへ出られた訳じゃない」
成長が遅く、痩せすぎの彼女は女らしさに乏しく決して男の視線を集めるような身体をしてはいない。
久しぶりに再会したニアは、表情などもマットが知っている昔の彼女のままだった。
だが今自分の下で身体をくねらせているニアは女以外のなにものでもなく 、あれからずいぶん時が経ったのだと言うことを改めてマットに
感じさせる。
自分やメロにも同じ事が言えた。だが、変わらないものだってある。
「…お前は、俺がさぼっていると責めるけれど」
「ニア、お前もそうじゃないか」
もう聞こえていないと判っていたが、マットは腰を送りつつ続けた。
「お前は身の内を他人に見せようとしない」
滑る脚を抱え直して腰を強く押しつけると、快感が背骨をつたい股間が引き連つような痛みを訴えてくる。
締め付けうねる肉壁に終わりが近かった。
「はっ…キツ…」
一度大きく熱い息を付くとマットは話し続ける。
「…メロも、誰も気づいていないお前の中に灯る火を」
抱えた身体を二つに折って、ニアの耳元へ囁いた。
「俺は知っている」
圧迫感にニアが顔を顰めるが印象的なその黒い瞳を隠したまま、感じ入っているその様子に満足すると身体を起こし再び緩慢に腰を動かした。
「何故だか判るか?」
マットは込み上げる射精感を堪えるように一瞬天井を仰ぐと、再び身体を動かし始める。
「俺達が、似たもの同士だからだ」
こぼれた言葉が汗と一緒に落ちて、纏わせたままの白いシャツに沁みていった。
すると死んだように揺すられるままだったニアが、気怠げに瞼を上げ、
焦点を失っていた瞳はやがてマットを映す。
現れた漆黒にマットが嬉しそうに笑みを浮かべた。
「ニア」
「…い…しょに、しな…でください…」
「聞いているのか」
汗で額に張り付くニアの猫っ毛をよけて、マットはそこへキスを落とす。
ニアが嫌がるようにかぶりを振り、その様子にまた笑った。
188MtN5:2008/09/24(水) 23:23:45 ID:AQ4sl8US
「俺たちは少し似てる」
マットは繰り返した。
「少し似ていて全く違う」
「あいつに惹かれる気持ちもわかってる」
膝で立ち上がると、軽いニアの腰も持ち上げて、上から激しく抽送を繰り返す。
叩きつけられるような動きに再び頂点が近づいてくる。
「う、ああ、だめ」
休む暇も与えられず苦しいだけの快感にニアが背をたわませて喘いだ。
「はっ、あぁ、くそっ…」
「っ…マ、ト」
ソファーが上で暴れる二人の動きに敷布を引きつらせて位置を変えて行く。
「はぁっ…、ニア、出るっ…」
「や…あ、ああっ」
切迫した激しい腰の動きのあと、短い声と共にニアから抜くと自らを扱き、白く粘るものをピンクに染まった腹の上に数回飛ばした。
「うっ、…あぁ」
「ああ、マット…」
「は…はぁ…」
マットは大きく息をつくと、ソファーの横にへたり込み、芯のない人形のようにくたりと背を預けた。
「…」
ニアが息も整わぬまま横を向くとソファに寄りかかり首を仰向かせたマットの碧い眼が見える。その瞳がニアに笑いかけた。
「気持ちよかった」
好き勝手やられたあげくに身体を汚されてニアは泣きたいような怒りたいような気分だったが
屈託のない笑顔を向けられてそんな気も失せてしまう。
しかしそのまま赦してしまうのも癪なので、ニアは慨然としたままに言った。
「拭いてください」
「ん?」
「自分で拭けるだろ」
「汚い…」
「はは」
笑いながらマットは、側にあったボックスからペーパーを2,3枚抜き、高い位置からひらひらとニアの身体の上に落とした。
それから腰掛けるとシーソーの様に身体を揺らしてスリムジーンズを上げ、煙草を求めてニアから離れていく。
仕方なくニアは、マットの放ったものを紙で拭い、それをどこへ捨てようかと思案する。
マットへ視線を向けると彼はトラッシュを指さしこう言った。
「メロには黙っていよう」
「気付きますよ」
まるで浮気の共謀犯のような気分だった。しかし胸の奥に残る澱は、何故だかそれほど悪いものではない。
のろのろと身を繕うと、ニアはソファーの上で膝を抱える。
「じゃ、スキン付けなかったのだけ内緒に」
きっと怒りが向けられるのは私の方なのだ。ニアは運命に屈伏する殉教者の様な心境で諦めをつけた。
ニアの溜息には構わずに、マットはシェードを上げて窓枠に手を掛ける。
建て付けの悪い安アパートの窓はなかなか開けることができずに、苦労して押し上げると、屈み込みそこから頭をくぐらせた。
窓が落ちてくればいい、とニアは願ったが、それは叶わず乾いた風が部屋に流れこみ澱んでいた空気を攪拌してゆく。
「マット」
「なんだ?」
「もう二度とこんな事はやめてください」
本当は、そうは思っていない自分の為にもニアは念を押すように言った。
マットは笑って新しい煙草に火をつけると窓枠に腰掛け、食卓に座り直すニアを見た。
ニアは残っていたオートミールの皿を引き寄せると、再び、食べるともなく皿のミルクをスプーンでかき回し始める。
紫煙をくゆらせて そんなニアをぼんやりと眺めていたマットは、思いだしたように言った。
「さっきの話だけどさ」
「俺、ニアのこと好きだよ」
子供の様なその言葉にニアは一瞬動作を止めた後、彼に見えないよう小さく微笑を浮かべた。

------------------
>>149
思い通り!(月
189名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:21:48 ID:rUvpx2S4
おお、久しぶりに神が来てるな!
相変わらずエロくて好きだ
マットって誰だっけとぐぐってしまったよ
あんな奴いたなそういえば
190名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 23:47:45 ID:a7+R5ri+
良いな。追い出されたのも何となく分かるが逆に俺はこうして知る事が出来て良かったよ。GJ!
191名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:40:34 ID:ieB+yi4x
このメロ勝利シリーズ好きだな
続き期待
192名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 12:29:42 ID:zP1iBP7F
>>188
出来ればメロにバレて一心に怒りをぶつけられるニアも読みたいです
193名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 20:08:36 ID:YCqEeMQr
話切る様で悪いですが、
このスレのPART1の過去ログとかもっていらしたらうpしてくれませんか?
194名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 21:09:55 ID:H//mthBC
>>193つ tp://turine.homeip.net/upload/upload.php?dwn=37723

今はデスノートに乗っ取られているが普通に良スレだった。
うpスレとは方向性がちょっと違うし、これで終わっちゃうなんてもったいない感じがするね。
195名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:02:59 ID:TMbPHq9/
最近目を開けたまま寝言を言う奴が多くて困る
196名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:21:57 ID:YCqEeMQr
197名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:28:19 ID:YCqEeMQr
>>193
すいませんミスりました
あげてくれて悪いんですが、どのファイルでパスワード何ですかね?
198名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 00:03:31 ID:PD11NVYU
>>197

194に全部書いてあるじゃん。
199名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 16:50:42 ID:G//WgWMe
>>198
パスどうり打ったんですが、ならないのはもう消えたのでしょうか?
200名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 18:31:15 ID:M3D2DM/b
まだ有るみたいだけど
メール欄にsageっていれてくれ
201名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 21:30:45 ID:G//WgWMe
>>198

パス37723のはずなのになぜDLできないんしょうか?
202名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 21:58:29 ID:iaHN3oME
またか…この間からなんなんだ全く。
墓場を荒らすな!
203名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 07:32:55 ID:PKr9P0ak
そもそも本当に18以上か?
sageもダウソ方法も知らないし、半年ROMれとしか
204名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 10:10:57 ID:dkjNfQkq
下げは今更いらないと思うが、すぐに慣れるだろうけど、ダウンロードはこの辺のスレを
1年ROMっていてもわからんだろうな
205名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 11:53:27 ID:zGgVFUPk
今は上がっても広告荒らし来ないしな
206名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 17:44:56 ID:3t19t/Qx
俺も試してみたが、ダウソできないぞ。
DL回数1のままだし、うpった本人がテストで落としたっきりでは?
日本語パスが何か悪さしてるんじゃないか。
207名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 19:39:28 ID:Px2U8qb+
あたいもそんな気がするよ
208名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 19:59:40 ID:FWXh+iVF
意外に人がいるなココw
209名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:57:05 ID:qmca5U9f
だってここ結構いいSSの投下があるもの
210名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 10:56:46 ID:gWzdFvQK
211名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 20:07:40 ID:gAZNK8xR
>>210
どうもありがとうございました。
212名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 04:04:10 ID:ZeVigGYi
なんかこのスレ、良いな……
213名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 06:19:52 ID:DkJ7mLsp
いや、案外この板全体的に、同じスレ住人には優しいスレ多い。
過去ログの見方や資料くれたりSSの書き方指南や相談乗ってくれたり。
214名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 12:47:10 ID:L9P2MYQw
だよな
18禁だから大人が集まってるのも大きいのかな
215名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 16:10:59 ID:ltqZiYaL
デ○ノスレはそーでもない
216名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 16:26:57 ID:ok9hgOu6
よっぽど幸せなスレばかり見てきたんだろうな……
このスレは他からはじかれたSSが集まってるから
他よりやさしいだけ。

気に食わないシチュがあるとケチつけたり荒らす方が多いだろ。
だからこそこんなスレが立つ
217名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 16:33:19 ID:vu5NiJIC
>>215ここのデスノSSも追い出されてきたわけか
218名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 10:40:26 ID:+LboaxiF
追い出されたというか、該当スレに嵐が常駐してみんな投下できなくなった
219名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 16:01:31 ID:zS+XDCte
嵐というか「SS読んでないし。雑談にやって来る私を尊重しろ」というレスが続いた
投下しても「いまSS投下するなんて空気読めないの?」とか…

それが、昔スレを退いて今は自サイト持ちの元・書き手さんらしいと
後に知った…………
220名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 19:33:00 ID:or8eeWj0
>>219
まぁ、それはここでする話じゃないな。
スレ荒らしに追われたと言うか、たまたまこのスレ借りに来て帰ろうと思ったら故郷が炎上していて戻るに戻れずウロウロ…みたいな。
221名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:14:52 ID:HjgeOfeK
他に行き場所の無い作品を投稿するスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223546988/l50

1 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2008/10/09(木) 19:09:48 ID:HjgeOfeK
とりあえず書いてはみたものの、一体どのスレに投稿するべきか分からない自作の作品を投下するスレです。
他のスレの趣旨にはそぐわない作品や、エロパロ板の鬼子たちのための緊急避難スレとして立ててみました。

また、創作文芸板(http://namidame.2ch.net/mitemite/#menu)のLRにそぐわないような18禁作品も歓迎です。
仲間外れの方、周りの空気読めない方で、想像力と妄想力をもてあまし気味の方は是非、こちらのスレへどうぞ。

批判、批評、ご意見はなるべく簡潔に。変に貶したり感情的にならずに優しく見守ってあげましょう。


このスレ立てたが重複してたんで削除依頼だしてきといた
一応上の奴は2ちゃんの創作発表板の逃げ場所として作ったんだけど、ここはそれもいいのか?
222名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:23:53 ID:SA8TOrBR
そうだけど、主従少女マンガの人なら頼むから自スレ帰ってくれ。
誰もあいつだ!なんて気づかんし。
誤爆愚痴てくだまいて叩かれタイミングが合いすぎだから。違う人だったら悪いけど。
223名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:35:59 ID:fDkCyMyU
あちらでうpスレ指定されているのに何故こちら?
もう荒れるのはごめんだよ
224名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:45:44 ID:HjgeOfeK
>>222
その「主従少女マンガ」というのは知らないが、ここも結構空気読まなければならないところなのか?
もう行き場所が無いようなのをとりあえず気楽に書き込めるスレが欲しかっただけだったんだけど。
意外と窮屈なんだね。削除依頼出すの早すぎたかな?
225名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:48:49 ID:HjgeOfeK
>>223
>>221で作ったスレを削除しろと言われたため、重複しているスレとしてここを上げただけです。
迷惑でしたらここで謝罪します。本当にごめんなさい。
やはり削除依頼は早すぎたようですね。今から削除取り消しなんてことはできるのでしょうか?
これ以上色々書き込むと荒しになりそうなのでここら辺で遠慮します、申し訳ございませんでした。
226名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:51:44 ID:IQ/+FWhg
>>225
愚痴スレを一昨日あたりから読めば状況は理解できるかと……
とりあえず創作文芸板か発表板から来た人だと思うけど、
ちょっとタイミングが悪かったのと、スレ立てるときは重複などないかよく探してからにしてほしい。
227名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:51:52 ID:2QLQ/AKB
以前ちょっとあってな
そのせいで今やたらとピリピリしてるのが多少いるんだよ
228名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:53:06 ID:Hh73d8e4
空気を読まなければいけないのはどこでも同じ
そんな感じではどこ行っても駄目では
このスレは使い切ったら落ちる予定だし、あちらを存続させたいと思ったら書き込めばいい
書き込まれているスレは削除されない
うpスレは嫌なのか

落ちる前にめぞんの人また来ないかなーと待っている俺けなげ
229名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:17:09 ID:Lmu8UA4c
>>222
あのスレは住人が頑張ってやっと落ち着きを取り戻したんだ。
名前は控えてそっとしてあげて。

このスレ消えるの?
衝撃すぐる
230名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 00:43:56 ID:jbl2Ilff
いや、別に消えないだろ。
人がいなくなったら落ちるだろうが。
231名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 01:56:22 ID:cOznZ+9N
>>230
あ、良かった良かった
232名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 10:03:13 ID:CFGKVXMJ
ここが消えてもうpスレがあるじゃないか
233名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 16:07:11 ID:RfWiis6Q
ここにはもう落とせないの?
234名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 16:27:34 ID:fhv7lhw1
日本語を理解して自分で物事を考えられないような未成年は立ち入り禁止ですよ
235名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 16:40:32 ID:pW3PZZWW
無駄に煽る奴も立ち入り禁止な
236名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 00:37:10 ID:02vh0B5l
読んでくださいませ。

http://lovex2.biz/story/14655.html
237名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 06:12:48 ID:KczHsy7v
体験記はスレ違いなんだが…
238名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 07:30:27 ID:4FQ/AIhY
上げてるし嵐かなあ
不況のせいか墓荒らしが多いな
239名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 19:06:45 ID:kNhKmOMg
ツマンネ
240名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 01:18:31 ID:nslOSH18
そろそろ保守しとこう
241名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 19:34:11 ID:t/EJQ81N
あげ
242名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:21:31 ID:3OVNn6ZI
墓場があまり明るいと化けて出れなくなるんだぜ
243名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 02:41:05 ID:9ol/OaP3
らいおん小説(オリ設定多数)
寝ずに書いたのもあり文章がおかしいな

グリーディアから遠く離れた洞窟の中、レオは触手により両手を後ろ手に回された状態で固定されていた。
その触手は1ヶ月前レオを淫らな目に遭わせた物と同じである。レオの精液をこの触手は栄養とするのだ。
まだ勃起してもいないのにレオの股間はビキニの布を盛り上げていた。レオは巨根なのだ。触手が精を狙うのも納得がいく。
レオの性器は名器なのだ、精液は濃くそして多い。そして竿も太く長い。
ただ、それ以外にも理由はあった。
レオの精液は特別なのだ。いったんレオの精液を吸収した触手はレオの優れた遺伝子によりしばらくは餌を取ったりしなくて済むのだ。
常に尿道から漏れる素晴らしい雄の香りは植物に襲えと言っている様なものであった。遺伝情報が植物に取り込まれた今、レオは全ての食精植物から狙われていた。
怪しげな雰囲気のある森を歩けばよって集って射精させられる。
レオは唯一体を許した漢に会えない苦しみを快楽でごまかしていた。
その為、性に関して敏感となったレオはしかし自分でも知らぬ間に犯される確立の高い森を探り、そして事前に本で調べていたモンスターとひたすら交わる。
レオは日ごろからほぼ裸だったが森等人の少ない所に出かける時はさらにアブノーマルな格好をするようになった。
股間の盛り上がりを強調するためベルトと前垂れ、そして手にはめられている鉄の輪も外した。
そのため体を隠す物は限界まで食い込んだ赤いビキニのみとなっていた。
左腕に新たに付けられた小さな茶色のカバンの中身は予備のビキニだ。
もはやレオは本当は全裸で森を歩きたいとすら思っていた。
気持ちよくなりたいのともう1人と会いたいという思いを犯される事で打ち消したいと思うあまり性に対する認識が壊れたのだ。
ある日、レオは怪しげな洞窟を見つけた。
誰も居ないのを確認するとレオは股間をかろうじて隠していた唯一の物を脱ぎ捨てた。
ブーツとカバン以外は完全な裸となったレオは、右手で剣をしっかりと握りつつ開いている左手で股間を揉み始めた。
完全に勃起していないにも関わらず先端からは濃すぎて固形となった白い雫が垂れ流され洞窟内にレオの歩いた目印を作っていく。

グミのような柔らかさを保っていたまま下を向いていたレオの男根はいつしか太い血管が大木に絡みつく蔦のように浮かび、固く反り返って臍に当たり先走り液を撒き散らしていた。
赤い陰毛には乾いた白い塊が多数こびり付き股間周りの筋肉には乾いてない液体が糸を引いている。
洞窟の中で濡れて光るレオの股間で固く太く屹立した物は変態的な感じを通り越しその場の空気に威圧感すら与えている。
その小さな桃にも似た亀頭をこね回しながら洞窟を歩き回るレオは完全な射精の虜であった。しかしそれでも鋭い眼光は鈍っては居ない。
244名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 02:42:24 ID:9ol/OaP3
以上自分だけ差別されて追い出された文章、ファンなんて居ない
245名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 17:59:08 ID:XH+8fsym
嫌いじゃないぜ。GJ
でも、たぶん板違いなんじゃないか?
246Ln2-1:2008/11/02(日) 01:54:28 ID:o8Zm4QQb
-DeathNote- 元、神(26)×JUMプ初の「少女ラスボス」だと信じて疑わないニア(20)
*エロも少なく内容は押しつけがましいです*すみません
-----

「ごきげんよう、夜神月」
来訪者を告げるベルの少し後 現れた細身の女に月は視線を上げ、再び窓の外へ戻した。
壁一面を覆う大きな窓から見える木々の向こうには、日が落ちかけ微かに染まる海が見える。
見渡す限り視界の先には島一つ見あたらない絶海の孤島だ。季節はそろそろ秋が終わりを告げていたが
外に出る事のないこの部屋の住人には関係のない事だった。

一見するとその姿は中性的で、髪の色から纏う洋服まで白い出で立ちと
落ち着き払い威厳さえ醸し出す雰囲気はファンタジーに出てくる妖精のような印象を与える。
足が悪いのか、肘を通すスタイルの歩行具を片手にゆったりと部屋を横断すると、
部屋の主に断りもせず、広いワンフロアの中央に据えられているソファーへ腰掛け片膝を抱える。
窓際に置かれたデスクに浅く腰掛けていた月はそんなニアに再び視線を移した。
暫くしてニアが口を開く。
「まずはあなたに礼を述べなくてはなりません」
「あなたのおかげで先だっての事件を早急に解決する事が出来ました」
「ご協力感謝致します」
それまで無言でニアを見ていた月は膝に置いた手を軽く広げ、嘲るように言った。
「そうかそれは良かった。お役に立てたようで嬉しいよ」
「とどのつまりお前は、僕の手を借りなければLの仕事一つこなせない無能な後継者という事が証明されたと言うわけだ」
「お前はそれでいいのか?」
「頼りない後釜にさぞかしLも嘆いていることだろう」
一気にまくし立てた月の言葉を最期まで聴いた後にニアは静かに言った。
「いいえ、私はその様に考えておりません」
「たとえ私が先の事件を自ら手がけたとしても、同じ時間と労力で解決することができたでしょう」
「ですがこれをあなたに任せたおかげでその代わり私は別の案件に着手することが出来ました」
姿勢を変えることなく淡々とニアは続ける。
「効率というものです」
「私は女です。あなた達男性のように自尊心に基づく攻撃性や闘争本能、他人より優位に立ちたいと思う顕示欲は持ち合わせておりません」
「手分けをして効率を得られるのであれば、私はその道を選びます」
整然としたニアの反論に月はぐうの音も出なかった。
そこの部分からニアのプライドをついてみようとした目論見は見事に外れてしまったが、月は全く気にも留めずに続けた。
「呑気なものだニア」
「お前にはLとしてのプライドが足りない」
「Lにプライドが必要だとは、初めて伺いました」
さも驚いたようにニアは眉を上げ月へ返し
そのわざとらしさに月は嫌な顔をした。
247Ln2-2:2008/11/02(日) 01:56:06 ID:o8Zm4QQb
「Lとは本来たった一人に与えられる称号だったはずだ」
「Lは名称です。称号ではありません」
ニアがにべもなく切り捨てる。
「言い方などはどうでも良い。僕が言いたいのは──」
月は身体を起こし、ニアを指さし続けた。
「お前は一人では到底Lを名乗るには足りないと言うことだ」
「違うかニア」
問いかける月に視線だけ向けるとニアは答える。
「それで構いません。何か問題でも?」
「どのみち私は全く他人の手を借りずに事件を解決しようとは思いません」
「人には得手不得手があります」
「一人で全てをこなそうと考えるのは驕った愚かしい考えだと理解しています」
「私には信頼の置ける優秀なメンバーと、協力を得られる組織があり」
「不足分を補う資金力があります」
微動だにせず淡々と続けるニアに、月は口を挟みかけたがふと顔を上げたニアに制されるように身をひいた。
「ですが一つだけ解りました」
「あなたが私とは違ったベクトルでLと言う名前に拘り、その名に対し特別なイメージを抱いているという事が…」
「それは敬畏に近い」
「まさか」
即座に月は否定する。
「僕が、自分に敗北した男を尊敬などするわけがない」
「あの勝負に勝ったのは僕の方だ」
あたかもそれが唯一の拠り所のように語気を強め繰り返す。
だが有る意味それが真実なのかも知れないとニアは考えた。
この、彼にとって屈辱的な状況で彼の自尊心を支えて居るのは神として世界を掌握しかけた記憶でも、あらゆる生物の命を思いのままに
することが出来た過去の自分ではなく、Lとの勝負に勝利したと言うたった一つだった。
「そんな僕にお前が助力を求めるのは自然な流れかもしれないが」
「だがお前はLと名乗るには未熟だと言うことを理解した方がいい」
暫し沈黙を返したニアは抱えた膝に頬を乗せて月を見ずに言った。
「…あなたは私の手伝いをして,そして自分の欲しいものを手に入れられる…」
「この眺望はお気に召しませんか?四面を壁で覆われた部屋よりはましだと思いますが」
月はニアから視線を逸らして再び窓に目を向けた。外は先刻より落陽し、彼の横顔も夕日を受け赤く染まっている。
「僕は日本の景色が見たいと言ったんだ」
「ホームグランドに戻すような危険な事は出来ません」
「その代わりに日本と同じ四季が望めるこの地に、あなたの為にハウスを建てさせました」
「監獄、だろ」
月が表情を歪めて吐き捨てた。
「外も歩けない」
「それは無理だと」
「僕が海を泳いでどこかに逃げるとでも思うのか」
再び身体ごとニアの方へ向くと片手を振り上げる。
「安心しろよ脱獄なんて事はしない」
「僕がここを出るときはちゃんと正面出口から堂々と出て行ってやるさ」
ニアに向かい声を荒げる月に、彼女は自らの髪をいじりながら一言だけ言った。
「そうですね」
子供の戯れ言のようにあしらわれて月はニアを睨み付ける。
が、直ぐに気を取り直し、続けた。
248Ln2-3:2008/11/02(日) 01:57:54 ID:o8Zm4QQb
「ここまでしないと心配か?」
「それほどに僕の存在を脅威に思っているわけだ」
今だキラを崇拝する考えは世界各地に燠火の様にくすぶり、もし彼がキラとして再び現れることが出来たら
それはバックドラフトのように爆発的に火勢を増す事になるのだろう。
だがニアは静かにこう言った。
「確かに常人よりも、ほんの少しだけ頭の回るようですが…」
「殺人ノートが無いあなたは、全く恐るるに足りません」
「今となってはあなたがLと肩を並べて居た事すら不思議に思える」
決してそのように思っては居なかったが、態とそんな言い方をする。
Lを引き合いに出す事は想像していたよりもずっと、月のプライドを擽る事になった。
こめかみをひくつかせながら、しかしかろうじて噴出するものを抑えこんだ月が低い声を絞り出す。
「そんな人間に手を借りなければいけないほど今のLは無能なのか」
「それほど人手が足りないという事です」
「キラがいなくなった今、まるでリバウンド効果の様に犯罪が増えています」
「弊害と言うべきものでしょうか。全く余計な事をしてくれたものです…」
魂をすり減らし行った数年間全てを否定するようなニアの言い方に月は抑えていた感情を爆発させた。頭に血が上り声を張り上げる。
「お前に何が解る」
「他人が築いた財産をそっくり戴いただけのお前に何が判るんだッ」
憤る月に対し全く動じるようす無くニアは反論した。
「人外の道具を使い神になろうとしたあなたはどうなのですか」
「その言葉はそのままあなたにお返ししましょう」
震えながら月はニアに低い声で迫る。
「僕が気に入らないならさっさと殺せばいい…っ」
「おや…あなたは死にたくないと言ったではありませんか」
ニアは月に流し目を送ると声に揶揄を乗せこう言った。
「処置台に乗せられた時にそう喚いていませんでしたか」
繰り返し行われた尋問と供述を拒否し続けるかたくなな月に対し、荒療治として行われた茶番劇は記憶に新しい。
薬物注射の処刑台に括り付けられてみっともなく命乞いをした時の様子は月にとっても忘れ難い現実だった。
月は無言でニアを見返す。
しばし二人の視線が鋭く絡み合い、ニアは思った。
もし、眼で人が殺せるのだとしたら、今、私の命は失われているかもしれない。
だが月がこの程度の屈辱をものともしない事はよく判っていた
受けた数々の恥辱をバネに月は自由の渇望とニアへの復讐を募らせている。
こうやって月を煽ってゆく事は、すなわち自分の危険を増す事だと判ってはいたが
ニアは自分の中にそう言った刺激を歓迎する様な感情があると言う事を意外に感じていた。

ニアは膝を抱えうつむいたまま、自重によってソファーに出来たしわをなぞりながら言った。
「まだ、楽にさせるつもりはありません」
「あなたには私から奪ったものの替わりをちゃんと勤めて頂かなければなりません」
月は立ちつくした姿勢のまま呟いた。
「…本音が出たな」
「最初からこう伝えていたはずですが」
「私だけではありません。あなたが奪った多くの命の代償をあなたは償わなければいけません」
「…欺瞞だなニア」
ニアの言葉を受けて今度は月が言った。
249Ln2-4:2008/11/02(日) 01:59:23 ID:o8Zm4QQb
「たとえ何をしたところで人の命が誰かの行動によって贖われる訳がない」
月はニアから視線を逸らし、外を見た。日は既に水平線に沈み込み辺りは闇に浸食されつつある。ニアはそんな月へ視線を移した。
「あなたが粛正したもの達は世界に害をなす無駄な命ではなかったのですか」
そのまま窓の外へと顔を向けたままの月にニアは尋ねた。返答は期待しては居ない。
「私が理解できないのは、あなたの中では崇高な行為と並列し、それらは自身の罪として刻まれているという事です」
「理解してなお、何故…」
誰に問うともなく呟かれたニアの言葉が終わると部屋に沈黙が流れる。
次に重い空気を払ったのは月だった。
「説教をしにきたのか?ニア」
ニアに視線を向ける月と、顔を上げたニアの視線が再び絡んだ。ニアは一つゆったりと瞬くと、口を開く。
「いいえ…」
「また一つあなたに力を貸していただきたく参上しました」
ニアは言うと、持ってきた黄色いマニラ封筒から数枚の書類とメモリーカード、そして大きく現像された写真を取りだした。
身体を伸ばし、ソファーの前のローテーブルへまるでカードを並べるようにそれらを展開してゆく。
「中国より粗悪な薬を大量輸入し、クラブやパーティなど手広く動いています」
「…しかし用心深く居場所がつかめません」
「詳しい事はここに」
動かないニアに対し、仕方なくテーブルに近づくと広げられた写真の一枚を手にした。
身元も犯罪行為も割れているが本人だけは捕まらないと言うことか。
写真は若く、おそらく学生時代の頃なのだろう。屈託のない笑顔に先ほど聞いたような暗い影は見えない。
月も同じだった。面変わりをした自分を見るようで手にした写真から目を逸らす。
その後、月はニアに向かい顎を上げるとぞんざいに言った。
「デスノートが有るだろ。使え」
「使いません」
即答するニアに、もうこれが何度目になるか判らない言葉を続ける。
「魅上を殺っただろう?」
その言葉にニアは顔を向けることなく月に視線をやると冷ややかに言った。
「そう思われるのは自由ですが」
「私をあなたと一緒にしないでください」
暫く無言で、座るニアを見下ろしていた月は写真を机に放るように戻すと再び窓際に戻っていった
その背中にニアは再度問いかける。
「手伝って頂けますか」
「…僕に選択権はあるのか?」
「無論です」

憎いニアの手伝いなど本来なら受けるはずもない。
ほんの一瞬の爽快感を得る為にはねつけ叩き返すのは簡単な事だった。
だが、訪れる方にも迎える方にも、本人達すら気付いていない目的が存在していた。
「…欲しいものがある」
「はい」
「約束通り、自由以外は用意致しましょう」
「いつものやつだ」
ニアは月から視線を戻すと再び目を伏せて言った。
「判りました。…では…いつものように、代替えのもので我慢して頂けますか」
「…ああそれでいい」
月もニアを見ることなく、そう呟いた。外はすっかり夜の闇が世界を覆っていた。

--

まるで愛し合う恋人同士のように深く唇を重ねて口付けをかわす。
舌を絡ませあい、お互いの唾液を注ぎ込んでゆく。
二人は全てを脱ぎ去って薄闇の中、冷たい肌を合わせていた。
広いキングサイズのベッドで上に下にと身体の位置を変えながら、長い拘束生活で痩せた身体を絡ませあう。
250Ln2-5:2008/11/02(日) 02:00:45 ID:o8Zm4QQb
組み伏せられるニアの方とて決して肉付きの良い方ではなく、
やがて上になった月は、ニアの薄い胸を骨ばった細い指で鷲掴み、力を込めた。
「うっ…ん」
ニアが痛みに顔をしかめるが月は一向に気にも留めずそれを搾り上げる。
しかしニアは止めろとも痛いとも一度たりとも漏らしたことがなかった。
それから顔を伏せ、自らの指の痕を残した乳房を慈しむ様にさすり、唇を這わせる。
無惨に赤いあざをつける白い乳房を舌でなぞると頂点で震える突起を口に含んだ。
刺激に硬く尖った乳首はひどく敏感にニアに感覚を伝えてくる。
「あっ…ああ、…ッ」
片側を優しく揉みしだきながらしこったそれを舌で転がすように愛撫を与えてゆく。
柔らかく髪を撫でられて身体を起こした月は、目を合わすことなく再び顔を伏せるとニアと唇を重ねた。
快感と期待で大きく開かれた足の間に指を向かわせ、水音を立ててそこを何度もなぞり上げ
ニアの細い体が捩れ塞いだ喉の奥から呻きが聞こえてくる。

どちらが言い出したのかもう覚えていない。
月が拘束されて以来ニアは自分以外の人間を月に近付ける事はなかった。これから先ずっとこのままだと宣言されても居た。
何でも用意する、そう言ったニアが、女を抱きたいと言えばその身を差し出すだろうという事を
月は確信していた。

月はニアをうつ伏せると足を開かせて腰を高く上げさせ
この姿勢をいやがるニアが身じろぐ前に、愛撫に緩く合わせ目を綻ばせる濡れた肉に自らの怒張を沈めていった。
狭い膣内が抵抗を見せ、月は体重を掛けて全てを埋めてゆく。
胎口に先端が及び中が淫らな収縮をみせた。
「ああ」
「あっう、く」
二人から同時に声が漏れて背をそらせる。
馴染ませるように白い尻をさすり、震える身体を慈しむ。
しかし、やがて堪えきれなくなり月は大きく動き出した。
十分に濡れていたニアの内部は行き来する刺激を歓迎し、それを締め上げ快感を貪る。
「ああ、ぅんっ…」
耳を塞ぎたい水音と肌が打つ音が静寂に響き、煽られた様に熱が上がっていった。
「は、はぁ…あ、ニア…」
「あぁ…あ、」

別の出会い方をしていたら、孤独な魂同士が惹かれ合い、片割れを失ったひび割れた身を穏やかに補えあえたかも知れない。
しかし戦火の中でしか出会う事の出来なかった二人は、憎しみ合う事でしかお互いの存在を確認できなかった。

「はあ、く…、いく…ぞ」
「あ、あぅ…」
貫く様に奧まで差し込まれた月のペニスが震えながら欲望を吐き出していく。
ニアもまた自分の体内に迸る感覚に、細い身を反らせて達した。

--

ニアが去り、人気のなくなった部屋の隅でたたずむ月に、暗闇で低く喉の奥で笑う音がする。
「…リューク」
「終わったか?」
視線を向けると闇から生まれ出るように見知った死神の輪郭が現れる。
「まだなのかライト。いい加減飽きてきたぜ」
「もう少し待て。今、手を回している所だ」
「そうは見えないけどな」
死神はまた低く笑った。
251Ln2-6:2008/11/02(日) 02:02:46 ID:o8Zm4QQb
ニアと死神の両方から死の選択を迫られている。
リュークが味方ではない事は最初から判っていたが、これほどまでに腹立たしい存在になるとは思いもしなかった。
だが月は自分がプレッシャーには強い人間だと言う事を知っていた。
苦手なのは平穏だ。刺激のない毎日は月を駄目にする。
絶対に諦めない強い意志を保つためにも、図らずも彼らは月にとって必要な存在だった。
「まぁ、もう少し待ってやってもいいぜ」
「ここはリンゴも食い放題だしな」
リュークはテーブルに置かれたフルーツ皿からリンゴを取ると汁をとばしながらそれを貪っていった。
それに眉を顰めると月は前を向き直り黒い闇に覆われる外の世界を見る。
「必ずここから出て、デスノートを奪い返してやる」
それから、リュークにではなく、月は自分に言い聞かせるために強い口調で吐き出した。
「早いとこ頼むぜ」
ふと思いついたようにリュークが尋ねる。
「アイツは殺すのか?」
「あいつ?」
「アイツだよ、ニア…」
月は端正な顔を憎々しく歪ませて言葉を絞り出した。
「簡単に死なせるものか。あの女の周りの人間を全て殺して無力感を味あわせてから死ぬまで監禁してやる」
「僕の受けた苦しみを同じだけ…いや、倍にして返す…!」
「今と立場が逆になるだけじゃねえか」
リュークは裂けた口でおもしろそうに言った。

話の終わったリュークがなにやら興味深げに月を見ている。
怪訝に思い月はリュークに視線をやった。
「なんだ」
「…お前は色んな女に運命という言葉を使っていたな」
「それがどうした」
「毎回毎回飽きずに、みんなおもしろいぐらいころっと騙されていた」
「だから何だ。何が言いたい?」
向き直った月にリュークは芯になった林檎を掲げながら言った。
「あの女にこそお前の運命があったんじゃないか?」
今度は、月は誰のことかと聞き返すことはしなかった。低く呟きを返す。
「…冗談じゃない」
「まぁオレにとっちゃあどっちでもいい事だがな」
手にしたリンゴの芯を一飲みにすると、リュークは月を見た。
「オレの寿命があと140年だから」
「それまでには頼んだぜ…」
そう言うとリュークは喉の奥で笑った。

どいつもこいつも…
まるで汚いものを目にした時の様に顔を歪めて月は思った。
死神は月が死ぬまで取り憑き、月が悩み苦しみ藻掻く姿を楽しむつもりなのだ。
──望むところだ。
月はいずれ死神すら葬るつもりでいた。
あの世に行ってLにでも報告するがいい。世界とお前の後継者が僕の手に落ち、蹂躙されてゆく様を…。

月は分厚い防弾ガラスの向こうの景色をみた。
ニアを乗せたセスナはとっくに離陸してもう星空の狭間に消えている。
いつの間にかその姿を暗闇へ溶かした死神にも気づかずに、月は夜の空を見つめ続けた。


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操作協力と交換条件のくだりは「羊たちの沈黙」を参考にしています。
252名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 08:10:57 ID:Rl4/uE7P
乙です!完成された世界観にほれぼれしました
253名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 18:29:35 ID:xiaR2QkE
GJ(;・`д・´)b
254名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:22:21 ID:Vlhffj3n
GJ!!
二人の会話が大人でクールで知的で言うことなっしんぐ!いやあった
あなたこそネ申!!

月の光のごとく冷たく冴え冴えとした美しい月ニアに感謝します!!
255名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 16:21:33 ID:up75N3Oz
GJ。毎度引き込まれます。
256名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 19:38:04 ID:N66LK1Rq
いいれす
257名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 23:18:46 ID:J00jTu0c
ただなぁ…なんか違う。
全てのキャラクターがなんか上滑りしてると言うか……

凄く良く書けている分、キャラクターがストーリーの為の道具になりさがってる感じを受けてしまったかな?
でも面白かったよ。GJ
258 ◆hRCS6IFPQY :2008/11/07(金) 20:44:55 ID:A6QpMnt7
.
259名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 19:31:51 ID:zHNHLC2d
保守
260名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 23:49:34 ID:vbhHigwe
ふうむ、主題に拘るとキャラが死ぬのかなぁ難しいな
261名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 11:01:27 ID:61ZZZDhx
そうか?自分はキャラが死んでるとか道具とかちっとも感じなかった

257はどこがどう違うのか具体的に書いてないので
「自分のイメージするキャラじゃない」と言ってるだけにしか見えない

あと、もとのスレには
地雷カプだからと職人を叩いて追い出したSS書きが居たことをお忘れなく
262名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 14:00:02 ID:XAMxsa0t
感想レスへのレスはご法度だと思うよ
ここは分からないが通常のスレはそれで荒れやすい
263名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 19:14:42 ID:2tvaPDbs
ハイツギー
しかしサイトもスレもと活動盛んだな。。。乙
264名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 15:39:29 ID:bVqgcsXz
保守
265やぶ:2008/12/05(金) 07:38:12 ID:T4Ar+CeQ
どのスレに投下すればいいのか分からないので、コチラに。

『姉と僕その1』

女「ただいまぁ〜。うふふ、私の可愛い子猫ちゃん、いい子にしてたぁ?。」
女「あらあら、私が帰ってきたのがそんなに嬉しい?最初はあんなに怖がってたくせに。ふふ、今日もたっ
ぷり可愛いがってあげるわ♪」
女「どーお?気持ち良い?ふふ、じゃあここは?。」
女「ふにゃーん、ご主人さまぁ〜、気持ち良いですぅ。」
女「あら、こんなとこも気持ち良いの?じゃあ、こっちもいじってあげるわね♪」
女「あっ!?ご主人さま、そこは!?」
女「ふふ、ここはダメなの?違うわよね?だってここ、今までで一番ピーンッ、てなってるもんねぇ♪」
女「あああっ!ご主人さま、そこダメ、ダメなのにぃ〜っ!」
女「うふふ、じゃあそろそろオモチャで遊んであげるわね♪あら、なーに?もっとして欲しいの?ふふ、ど
ーせすぐオモチャに夢中になっちゃうくせに。」
女「ご、ご主人さまのいじわるぅ〜。」
女「ふふ、そんなこと言って、コレ見た途端目つきが変わったじゃないの。コレ、お気に入りだもんねぇ〜」
女「ち、違うもんっ!」
女「あらそーお?でも、あなたのここは早くコレをくわえ込みたい!ってヨダレ垂らしてるじゃない。」
女「こ、これは…。」
女「うふふ、欲しいんでしょ?素直に言えたら、たっぷりコレで遊んであげるわよ。」
女「あ、あ、あ、ご主人さまぁ、早く、早くちょうだい!そのオモチャ、早くくわえたいのぉ!それでいっ
ぱい遊んで欲しいのぉっ!」
女「よしよし、ご褒美にこの魔法の粉、オモチャにたっぷりまぶしてあげるわね♪今日はとことん壊れちゃ
いなさい♪」
男「あーっ!! 姉貴、マタタビあげすぎだって!」
女「ちょっ!?あんたいつからそこに!?」
男「姉貴が猫相手に一人二役始めた時から。」
女「最初っからかーっ!? こ、殺す!あんた殺してあたしも死ぬ!」
266名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 07:53:19 ID:mforFZK/
>>265
ジャンルの分類はともかく、すごく好みだ
続きをわっふるわっふる
267やぶ:2008/12/06(土) 06:31:13 ID:9vXEJsWL
『姉と僕その2』

ぴちゃっ、ぴちゅっ…。
 薄暗い部屋に湿潤な音が響く。
 音の源がピンク色の可愛いらしい舌だと思うと、途端に卑猥な音に聞こえてくるから不思議なものだ。
「よしよし、凄く上手になったじゃないか」
 まだ幼い、子供そのものの小さな体が俺の脚の間にひざまづき、目の前に差し出されたソレを一心不乱に
舐めている。

 貪欲ともいえるほどのその舌使いは大人顔負けだ。いや、寧ろ子供だからか。なんせ、ほんの少し前まで
毎日母親のオッパイを啜っていたのだから。
「よし、上手に舐められるようになったご褒美だ」
ドプンッ
「っ!?」
 いきなり注がれた液体に、小さな身体が一瞬ビクッ、と震える。
 が、すぐに喉を鳴らし、嬉しそうに飲み干していく。
「俺が居ない間にずいぶん仕込まれたようだな」
 声に微かに嫉妬が混じってしまう。
 勢いが良すぎ、愛らしい手まで汚した白い滴を、その柔らかなピンクの舌が丁寧に舐めとっていく。
「ん?こっちも欲しいのか?」
 片付けかけたら、こっちもちょーだい、と一生懸命体を擦り付ける。
「おいおい、そんなに無理だって。だいたいコレはおまえのじゃないんだぞ?」
 さすがにこれは無理だと思うが、欲しくて欲しくて堪らないらしい彼女は、じっとりと粘つく視線を肉棒
から外さない。
 しょうがないな。だけどあいつには黙っとけよ?これはあいつの物なんだからな。
 その小さな身体を抱き上げ、強引に体の向きを変えさせる。
「ほら、今夜は特別だ。じっくり味わえ」
 乱暴な動きに怯えたのかプニプニと柔らかい身体を微かに強張らせ、俺に歪んだ満足感を与える。


「フゥッ…、フゥッ…、ハフッ…、ムグゥ…。」
 クチャ、クチャ、という湿った音と共に、苦しそうな呼吸が漏れ聞こえる。
 肉棒が普通サイズでも、身体の小さいコイツにとっては巨大な肉の塊だ。
 念願の肉棒をその身に押し込み、嬉しそうな顔をしたのは一瞬だった。
 さきっちょが入っただけでかなり苦しいのだろう。が、俺の気分が変わらないうちに、とでも思っている
のか、時折小さな悲鳴のような吐息を漏らしながら肉棒を押し込んでいく。
 まだ半分も入っていないのにその腹はボッコリと不自然に膨らみ、外から触ってもそこに肉の塊が押し込
まれているのが判る。
「ふぎっ!?」
押されて苦しかったのか、 変な声をあげて俺をうらめしそうに見上げる。
「おいおい、嬉しそうにくわえ込んでるくせに、そんな目をするなよ。罰として無理矢理全部押し込むぞ?」
「ちょっと!」
 その時、不意に誰かが部屋に飛び込んで来た。
「あ、あんた中学生のくせに何して…」
「あ、姉貴お帰り。ごめん、姉貴の分のフランクフルトあげちゃった。明日買ってくるよ」
「え?あ?…何だ、子猫にエサあげてるだけか」
「何だと思ったんだ?」
「え?いやその…、べ、べっつに〜」
「ふーん。ところでさ…」
「な、何よ?」
「姉貴、もしかしてたまってんの?」
「んなっ!?あ、あんたちょっとこっち来なさい!!」
「きゃ〜www、猫にエサあげると欲情する変態に殺されるぅ〜www」
「ぬがぁ〜!あんたちょっと待ちなさいよー!」
268やぶ:2008/12/06(土) 13:52:43 ID:9vXEJsWL
『姉と僕ラストの1』

 昼寝中にふと目が覚めた。
「あれ?」
 身体が動かない。いわゆる金縛り、というやつだ。
 とりあえず首から上は動かせるので、辺りを見回してみる。
「えーと。なにやってんだ、姉貴?」
 金縛りではなかった。姉が一生懸命、俺をロープで縛り上げていた。
「あらっ?起きるの早いわよ。ちょっと待ってて、もうすぐ終わるから」
「ん、わかった」
 そう返事をすると俺はまた心地良い眠りの世界へと…。
「行けるかーっ!なにやってんだ姉貴っ!?」
 抗議をしようとしたが、すでに自由は奪われているわけで。
「んしょっ!おーわった♪」
 俺の抗議などどこ吹く風。姉はにんまりと笑みを浮かべ、勝ち誇った表情で俺を見下ろす。
「んっふっふ。教えて欲しい?」
「まあ、一応は…」
 なんかどーせろくでもないことを聞かされて、後悔するんだろうが。
「聞いて驚け!題して『生意気な弟を再教育しちゃうよ計画』発動なのよ!」
 ほら、後悔した。
「で?」
「で、っていうな!だいたいあんた姉に対する口の聞き方がなってないのよ!おまけに、勝手にいつの間に
か巨大化しちゃうし!」
 えーと、俺は背の順で列ぶと相変わらず前の方な訳で。
「いや、姉貴の背が伸びてないだげふぅっ!」
 姉貴のニーソに包まれた足先がえぐるように腹を貫く。
「ゆーてはならんことを。よほど死にたいようね?」
「ゴメ、悪かった!」
 実はたいして痛くないが、この場合そうした方が早く飽きるので下手にでる。
「んっふっふ、分かればよろしい。さてと、えーと、どうしよう?」
「考えてねーのかよ!?ガキか!」
 とりあえず俺を縛る、というところまでしか考えていなかったのだろう。
「ガ、ガキとはなによ!ガキとは!?私のいったいどこがガキだってゆーのよ!?」
「全体的に!」
 姉は身長が小学4年生の平均と一緒で体つきも同等、おまけに童顔なうえこの性格なので、何と言うか、
お子様のオーラを発しているのだ。姉は高校生だが、はっきりいって10人中10人が中坊の俺の妹と間違
える。特に今日は服装も子供っぽい。てか、高校生にもなってクマさんパンツはやめとけ。ベッドに縛り付
けられてる俺を平気で跨ぐから、スカートの中がよく見える。色気というものが皆無なので、全然嬉しくな
いが。
「特に今日の服装はどっからどーみてもガキ」
 とりあえずパンツのことは伏せて服装を指摘してみた。
「今日は映画見に行ったからよ!」
 あー、姉貴、普通にお子様料金で済むもんな。
「って、お子様料金で済ましてる時点でガキじゃん!」
「うっ!?」
 痛いところを突かれたらしく一瞬言葉に詰まる姉。が、すぐににんまりと不敵な笑みを浮かべる。
「ふふ、そんなことを言ってられるのも今のうちよ。あんたが早く目覚めるから忘れてたけど、弟再教育計
画のために大人のアイテム買ってきたんだから!」
 お、大人のアイテム?なんか、そういうもの買ってきたことを誇らしげに言う時点でガキと言わないか?
269やぶ:2008/12/06(土) 13:57:05 ID:9vXEJsWL
『姉と僕ラストの2』

「ちょっと着替えるからあんた目をつむってなさい!」
 へいへい。とりあえず素直に目をつむると、ガサゴソと紙袋をまさぐる音が響く。
「ちょ、何よコレ?XSなのにダブついちゃう。仕方ない、念のため買ってきた膝下までの方を…。ってなん
で太腿まで来ちゃうのよ!?」
 やばい、すごい見たい。そーっと目を開けると、本来膝下丈のストッキングタイプのソックスをダブつか
ないよう一生懸命に合わせている姉がいた。
「ちょ、あんた何見てんのよ!」
 かなり恥ずかしいらしく、顔を真っ赤にして怒る姉。だったらちゃんと自分の部屋で着替えてこいよ。

http://imepita.jp/20081206/497170

 俺の顔の上に布団を被せ、着替えを再開する。
「うーっ、ガーターベルトも落ちちゃうーっ。しくしく、高かったのにー」
 大人用のXSだとサイズが大きいのだろう。お子様体形のずん胴腹のせい、という真実はさすがにかわいそ
うで言えない。
「いいや、ソックタッチで固定しちゃえば。よっと」
 布団が引きはがされると氷の微笑よろしくストッキングを強調するように脚を組んで椅子に座っていた。
 学習机の椅子、というのが姉らしくて笑えるが。
「ちょ、なに笑ってるのよ!」
 大人っぽい自分を見てドキマギする弟、というのを期待していたのか、抗議の声をあげる姉。
「いやだってソレ、太腿までの丈じゃなくてほんとは膝下丈なんでしょ?」
「き、聞いてたの!…わ、笑うなぁーっ!」
 ニヤつく俺の顔を、そのストッキングに包まれた足先でフニフニと踏み付ける。椅子に座ったままなので
体重がかからず、全く痛くない。それどころかマッサージを受けてるようで心地良いくらいだ。
 が、顔に足を乗せられるのはさすがに腹が立つので、口の近くに来たときにぱくっと噛み付く。
「いたぁっ!ちょっと離してよ!」
 姉の小さな足先は俺の口にすっぽりはまり込み、そこから引き抜こうとして自由な方の足でポカポカと蹴
りつける。相変わらず痛くないのだが。
「あ、ちょ、ふぁ!?ん、んぁ、や、そんなとこ舐め、やぁんっ!」
 俺は捕まえた足先を舌でくすぐってやる。案の定極端にくすぐったがりの姉は蹴るのをやめ、むず痒さに
身を悶えさせる。
「ちょ、お願いやめ、ふぁあっ!」
 顔を真っ赤にし身もだえる姉は、その手の趣味がある人からみれば絶大な破壊力を有しているかもしれない。
 調子に乗って足の指をストッキング越しに舐めまわしていると、不意に大きくぶるぶると身体を震わせ、押し殺した悲鳴をあげた。
 びっくりして思わず足を離したが、姉はそれに気付かず身体をわななかせ続ける。
 しばらくすると、しくしくと泣き始める姉。
「ご、ごめん、やり過ぎた」
 さすがに気まずくなって謝る俺。だが、イヤイヤをするように首を振り、顔を伏せる。
 うぁー、やっちゃった。こうなると長いんだよな。「…されちゃった…」
 姉がぼそりと呟く。
「え?ごめん、よく聞こえなかった」
 俺が聞き返すと、涙でぐしょぐしょになった顔をあげる。その顔はどこかボンヤリしていた。
「弟に、イかされちゃった…」
え?
 最初なんのことかわからなかった。が、意味を理解したとたん、カッと頭に血が上る。
「ふぇぇ。これじゃ、たまってるって言われても言い返せないよぉ。うぇぇ…!」
270やぶ:2008/12/06(土) 14:00:00 ID:9vXEJsWL
『姉と僕ラストの3』

 や、やばい、本格的に泣き出す!一瞬でクールダウンすると、姉の機嫌を直すべく紫色の脳細胞をフル活
動させる。
 が、緊急事態過ぎて何も思い付かない。
「あれ?」
 どうしようか悩んでいると、姉が不意に素っ頓狂な声を出した。
「な、なに?」
 俺が恐る恐る声をあげると、姉は泣き顔のままにんまりと笑みを浮かべた。
「なーんだ、あんたこそたまってるんじゃない!」
へ?
 ニヤつく姉の目線にそって下を見ると、俺の股間のところに大きな膨らみが。「あ、いや、これはその、ちょっと」

 クールダウンし過ぎて血が全部下半身にいってしまった、とか苦しい言い訳を考えてみる。
「ふふ、私がイってるとこ見て興奮しちゃったんだ。あんなとこ舐めるし、お姉ちゃんのこと辱めるし、あ
んたってば変態?」
 さっきまでの泣き顔はどこにいったのか、新しいおもちゃを見つけた子供のように、生き生きとした表情
になる姉。
「ほらほら、何か言い返してみなさいよ」
 椅子に座ったまま、俺のジュニアをズボン越しにグニグニと足で踏み付ける。「ちょ、姉貴、まって」
「なーに?ふふ、もどかしい?直接触って欲しいの?そうよね、だってあんた変態さんだもんね」
 そういうと器用に両足の指でズボンのチャックを下ろす。
 Gパンの下は何も履かない主義なので、その途端俺の息子がどーんと飛び出す。
「お、大きいじゃない。弟のくせに生意気よ」
 そうなのか?たぶん人並みなはずだけど?
「ふふん、急所をなぶられて喜ぶんだから、男ってみんなマゾよね」
 ストッキングに包まれた足がグニグニと俺の息子を蹂躙する。
「びくびくしてる…。もっと恥ずかしい目にあわせちゃうんだから!」
 いきり立った息子の上で口をグニグニ動かし、たっぷりためた唾液をとろーっ、と垂らす。
 姉貴、それ凄くやらしいです…。
「うっわ最低!こんなことされてるのにビンビン!」
 これで興奮しなかったらインポだって。
 にっちゃにっちゃという卑猥な音をさせながら、姉の足の動きが速まる。
「くっ…!」
 あと1擦りでイく。そんなぎりぎりのところで足の動きが止まった。ちょ、そこで止めるか!?
「ねぇ…。」
 鼻にかかったような、上ずった声。
「しちゃお…、っか?」
そういって俺を見つめる顔は今まで見たこともないようなエロい表情で。
「だ、駄目だよ。俺達きょうだ、うぷ!?」
 思い止めさせようと開いた口が姉の柔らかな唇にふさがれ。
 ぬちゃ、ぬちゃっ、といやらしい音をたてる。
「んっ!?」
 口内に姉の唾液が流し込まれる。それはとても甘くて切なくて。俺は夢中で吸い上げ、お代わりを急かすように舌を突き入れる。
 侵入してきた俺の舌を、姉の小さな舌先が躊躇いがちにつんつんと突く。
 我慢出来ずに絡めとると、あふっ、と熱い吐息が漏れた。
「お尻でするから。ね、それならいいでしょ?おもちゃでいっぱい練習したから、たぶん大丈夫だよ」
 お、お尻!?初めてがお尻っていうのは…。しかし、かといって血の繋がった姉弟で万が一子供が出来たことを考えると。
「お願い、我慢出来ないの…」
 涙をいっぱい浮かべた瞳で、俺にすがるような目。俺の理性は簡単にふっとんだ。
271やぶ:2008/12/06(土) 14:02:13 ID:9vXEJsWL
『姉と僕ラストのラスト』

「うっ!んぁっ!くぁぁ…!」
 普段からは想像もつかないような甘い声。その声だけでイってしまいそうになる。
 本来排泄物を出すだけの矮小な穴。そこにローションをたっぷりと塗した剛直がぐっちゃぐっちゃと卑猥
な音をたてて掻き回す。
「おねが…、もうやめっ、うぁ!」
 何度白い液体を吐き出しただろう。もうぐったりしているというのに、私の欲望は全然収まらない。
「ほらほら何休んでるのよ!お尻犯されながらチンチンしごかれるの、気持ちいいんでしょ!?」
「お、俺が掘られる方だなんて聞いてな…、うぁあん!」
 まるで女の子のような声をあげ、びくびくと身体を震わせる可愛い弟。
 小遣いをはたいて買ったかいがあるというものだ。私の股間からは巨大な双頭バイブがそそり立ち、片方
はもちろん私のアソコ、もう一方は弟の可愛いらしいアナルに突き立てられている。
「ほーら、チンチンシュッシュッ♪」
 激しく腰を振りながらチンチンをしごく。
「あと何回イけるかしらねー♪」
「アッー!」
 またも悲鳴をあげ、おチンチンから赤ちゃんの元をほとばしらせる弟。
 うふふ。これってクセになりそう♪

終り、だけどたぶん女にお尻を犯される男の子スレに続き書くかも
272名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 00:30:23 ID:g0F9W9eq
273名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 04:22:34 ID:ZIIiLNmd
>>265-271
素晴らしい
一時保管所のここに置いとくのはもったいないから、女にお尻を犯される男の子スレ
もしくは男が女に犯される奴スレにでもコピペしたら?
274名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 08:57:49 ID:1Ja0rd0P
>>262
封殺は自スレだけでおk
275名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 23:41:58 ID:56/b+2Qs
ン???
276名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:45:56 ID:a2PnqYfG
スレには投下済みなんだけど、視点がころころ変わっておかしかったのを指摘してもらったので、手直しした奴がこれ
色々な視点から書いても読みづらくない、混乱しないのを書けるようになりたい    まだまだだーorz





「そいつ、誰」
“そいつ”と顎でしゃくられた男は、ヒールの上から見下ろす女の威圧感に怯えていた。
「雪ねえ!俺の友達だってばっ」
宥める修一を無視し、幼馴染の雪子はその友達への威嚇の姿勢を弛めない。
「お、俺、ここでいいわ…」
じゃあ!と逃げるように踵を返す男に、雪子はフンと乾いた笑いを漏らす。
「修一、何であんなのと友達なわけ」
「雪ねえっ!!言い過ぎ!」
今年の春、修一が高校2年に進学し、雪子は大学4年になった。多感なこの時期は特に、取り巻く世界はめまぐるしく色を変え、

暫く二人は黙々と駅へと続く道を並んで歩く。
『ピロロ〜ン』
潰れた学生鞄の中から、くぐもった間の抜けた着信が流れる。携帯を開くとメールが1件、差出人も内容も見ないでも修一には全部分かっていた。この行為は、二人の間にある一種の“合図”だ。
『 修一     甘えてもい?   』
二人きりになると必ず送るこのメールで、雪子は自分自身を表から裏へと、切り替える。
「…雪ねえ」
「なによ」
目線を外して素っ気ない顔で答えてはいるが、夕日に色を隠しながらも雪子の頬は熱さを秘めている。ほぼ毎日交わされるやりとりであっても、この瞬間だけは、雪子の心は期待と興奮と大きな不安とでいっぱいになってしまう。
修一から見えないほうの握り締めた手が汗でべたつく。でも確認せずにはいられないのだ。
「もちろん!いいよ」
「はぁーーっ…」
「ため息つかないでよ〜」
怪訝な視線を修一に投げかける雪子は思う。
(これはため息じゃなくてただの安堵なんだけどなー)
雪子は立ち止まり、左手を修一に突き出す。
「手」
恥ずかしそうに俯く雪子の耳が、揺れる髪の間から覗く。それがハイヒールと同じ赤の色に染まるのに、そう時間はかからなかった。
「…手、つないで?」
修一は返事をする代わりに、優しく右手で雪子の手を包む。そのまま二人は他の学生たちに紛れて電車に乗り、いつもの家路に着いた。

277名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:46:29 ID:a2PnqYfG
薄暗い空に月が昇りはじめた頃に、二人は雪子の家に着く。ここで雪子は一人暮らしをしていた。
この空間の中では、雪子はさながらワガママ王女様といったところで、彼女の羞恥心は粉々に空中分解する。
「しゅうっ」
「うぐ!!…雪ねえ、ここまだ玄関」
「しゅうー」
「はいはい靴、脱ごうね〜」
雪子のか細い腕を解きもせず首に巻きつけたまま、修一は雪子を座らせハイヒールを脱がしていく。コツ、コツッと小気味いい音が鳴った。
「しゅう〜…」
(いー匂い。何でしゅうの匂いはこんなに気持ちいいんだろう。ずっとくっついて嗅いでたいや…)
雪子の安らぎとは関係なく、体重は確実に修一へ圧し掛かる。
「もう雪ねえ、自分で歩いてよー」
「やーだ!」
修一は雪子の腰に手を回し、引き摺ってリビングまで運ぶ。女性とはいえ、人間一人の全体重を移動させるのは重労働だ。二人は同時にソファに倒れこむように座った。
「ふうっ」
「…」
修一が下を向けば、抱きついたままの雪子の艶やかな黒髪ショートボブが視界に入った。修一のブレザーやカッターシャツに挟まれて、絡まったり所々はねたりしている。
「ははっ。雪ねえ、髪ボサボサになってるよ?」
「…はい」
「え?」
雪子は足元に置いた鞄から折りたたみ式の櫛を取り出し、修一に手渡す。
「梳いて?」
雪子は頭を撫でられるのも好きだったが、梳いてもらうのも好きだった。
「うん」
雪子の小さな頭を傷つけないように、修一は慎重に櫛をいれる。絡まっていた髪は引っかかることなくさらさらと流れていく。あまりに気持ちよさ気に目を閉じる雪子が、修一にはただただ愛しくて、絡まりが解けた後も何度も梳いてやった。
「ボサボサなおった?」
「うん、綺麗!」
「……ありがと。しゅう、のど渇いたぁ」
「はいはい。コーヒー、紅茶、緑茶、水、どれがいい?」
「んー、水」
「はいよ」
278名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:49:57 ID:a2PnqYfG
勝手知ったるナントヤラ。冷蔵庫から取り出した水をコップに注ぐ修一を、ぼんやりと二つの目が追う。雪子は体育座りをした両腕に横向きにした頭を乗せると、コップを運ぶ修一と目が合った。
「水、どーぞー」
「……」
修一はソファにちょこんと座る雪子の隣に座りなおし、コップを差し出したのだが、首を
イヤイヤと振られてしまう。
「コップやだ…飲ませて?」
雪子の言葉に修一は苦笑いが漏れるが、修一は自分に拒否権がないのをよく分かっていたので、少量の水を口に含み口付けた。雪子の舌が水を求めて遠慮なしに入り込んでくるのを、修一はされるがまま舌で受け止める。
ちゅぷ、と唇がゆっくりと離れる。
「…しゅう」
「はいはい?今度はなーに?」
不意に雪子の瞳が潤んで、修一はハッとする。
「なんでしゅうは、17なの?」
どんどん溢れて、それは潤みから涙へと変わる。
「なんで私は、21なの?これじゃあ私すぐおばさんになる。…これ以上、しゅうより先に大人になりたくないっ!」
「雪ねえ…」
「っぅ…ひ…しゅうぅぅ、抱っこ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
修一は大事に大事に、泣き喚く雪子を引き寄せる。
「おばさんじゃないよ、大丈夫」
修一は雪子の短パンから伸びるタイツに包まれた足を持ち上げて、自分の胡坐へと座らせる。抱っこを強要させられる時はいつもこの体制だった。
「…外じゃあんなに強いのに、何でここじゃこんなに弱気になっちゃうんだろーね?」
雪子は修一の首もとに埋めていた顔を勢いよく上げる。
「しゅうの所為だよ!しゅうがこうさせるんだ…こんな自分、大嫌いなのに………ふっぅ」
ほろほろ涙を流す雪子を抱きしめながら、修一は少し笑ってしまった。
「笑い事じゃないっっ!!!」
「ごめん、つい」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
「でも、俺は好きだよ?“こんな”雪ねえがいいんだよ」
柄にもなく雪子が赤くなるのを、修一はまじまじと見つめる。
(雪ねえのこんな顔、初めて見たかも……)
「……ぎゅうしなさい」
「お姉さんぶっちゃってー。年上なのイヤなんじゃなかったの?」
「うるさい」
雪子の右フックが的確に修一の脇腹へ入ると、修一の口から呻きが零れた。
「ぎゅう、しーなーさーい」
望みどおり“ぎゅう”してもらった雪子は、修一からは見えないことをしっかり確認してから、顔を綻ばせた。
279名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 17:29:47 ID:z8xitxDi
乙〜
元スレは?
280名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 19:22:25 ID:hF16K/N5
デスノの人はもう来ないのか
クリスマスくるかなと思っていたけど
281名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 01:29:49 ID:8LVl9Fqo
てか本スレに投下すれば?注意書きすればいけると思うんだ
あたしは男×男に脳内変換して楽しんでるけどwww
282名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 03:20:22 ID:mHqcJDTm
801に帰れ
283名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 13:41:50 ID:8LVl9Fqo
釣りって難しいな
ageても存外かからないもんだ
284名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 13:50:14 ID:NxjN3E5k
荒れに荒れてる某ヲチスレから出張か?
285名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 20:03:18 ID:k7ib2a6K
保守
286名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 01:37:32 ID:XN1N8OiK
久しぶりにこの板に来てみたけど>>228の人ってまだいる?
287名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 10:39:30 ID:RPM3z1qw
>>286
228の人に何か用があるの?
288名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 11:56:29 ID:4PiybOjv
めぞんの人?
迷わず落とせよ!需要はあるさ
289 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:17:06 ID:4YJL3rc6
いつまでも期待して待っててくれた>>228のためにずっと放置して
いたものを一気に書きました。
このスレの最初に最後の方が少しある奴の続編です。
ちなみに毎度のことですが異常に長いので分割します。

タイトルは「A11 初夜 (前編)」


ではどうぞ
2901/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:17:46 ID:4YJL3rc6
五代と響子、二人の結婚式の二次会が終わり、みなは茶々丸から一刻館に戻ってきた。

「あんたたちホテルに部屋とってあるんだっけ?」
一の瀬が二人に尋ねる。
「新婚旅行は午後からだし一刻館(うち)に泊まって行こうと思うんです」
と響子。
「ではしみじみ飲みましょうかね」
四谷がしみじみとつぶやく。
「いーんじゃない」
朱美もまんざらでもなさそうにつぶやく。
「まだ飲むんですか……」
そんないつも通りのやりとりに愛想笑いを浮かべながらも呆れてしまう響子。
「そーと決まったらつっ立ってないで。管理人さんも五代君も早く!」
朱美が二人をせかす。
「あーもう着慣れないもんきてると肩がこってしかたないねえ」
そうつぶやく一の瀬の心は早くも宴会へと心が飛んでいる。
いつものように二人の意思とは関係ないところで宴会が決まり、二人は顔を見合わせる。
「仕方ないわ、いきましょ」
響子が五代に微笑みかけると五代も無言でうなずく。
「じゃあ5号室に集合っ!」
上機嫌な朱美が音頭を取る。
「ああ、五代君たちは疲れてるだろうから一息ついてからで」
一の瀬が珍しく二人を気遣ってみせる。
「はいはい、わかりました」
響子が笑顔でこたえる。

「ただいまー」
「ただいまっ」
「ただいま……」
みなは一刻館の玄関をくぐりそれぞれ部屋に戻っていく。

2912/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:18:09 ID:4YJL3rc6
「お疲れ様でした」
玄関に腰掛けて靴を脱ぐ五代に響子が優しく声を掛ける。
「響子さんこそ疲れたでしょう」
「まぁ……。でも昨日も遅かった五代さんに比べたらましですわ」
響子が五代を少し心配そうに見つめる。
一刻館の住人達は、昨日も夜更けまで宴会という名の嫌がらせを行い、五代は仮眠程度の睡眠時間しか取れていない。
「慣れてますから」
五代は大丈夫とこたえるかわりに響子の背中を優しくポンと押し、二人の住まいである管理人室に導く。
そう、五代は疲れたなどといってられない。
なにしろ五代にはまだまだやるべきことがあるのだから……。


カチャリ……
響子がドアを開け部屋に入ると五代も続いて部屋に入る。
そしておもむろに響子の顎の下辺りで両手を交差させるようにして後ろから抱きつく。
「えっ……?」
響子はいきなり抱きつかれ動転する。
「今日の響子さん……ほんとに綺麗でした……」
五代が響子の耳元で囁く。
「いやだわ、五代さん……」
響子が状況に戸惑いつつも少し照れて見せる。
綺麗と言われるともちろん嬉しいのだがなんだかくすぐったい。

「ねぇ、響子さん」
五代が響子に抱きついたまま話しかける。
「そろそろ五代さんってのは……やめませんか……?」
五代はここ数日考えていたことを響子に伝える。
「そう……ですね……」
響子も五代に応じる。
響子もそのことはずっと意識していた。
結婚式を終えたのに五代さんではやはりなんだかよそよそしい気がする。

「なんて呼びましょうか?」
響子は五代の腕に手をそっと添えて尋ねる。
「響子さんが呼びやすい呼び方で……」
「それでしたら五代さんが一番呼びやすいですわ」
響子がくすくすと笑う。
「それじゃあ今までどおりじゃないですか」
五代もつられて笑う。

「とりあえず着替えましょうか」
響子は笑いながら五代を振り払おうとする。
しかし、予想以上に五代の腕には力が込められており振り払うことが出来ない。
「五代さん……?」
「……さっきもいいましたけど……今日の響子さんは本当に綺麗でした……」
五代がそういって披露宴の響子の姿を思い出しため息をつく。
「そ、そんなことありません……」
響子は頬を赤く染め否定する。
しかしそんな響子の言葉はもう五代の耳に入っていない。
「披露宴でのあのドレス姿を見ておれ……」
五代はそうつぶやくと響子を反転させ向かい合わせになる。
「こんな綺麗な人がおれの奥さんなんだって思ったら、もうなんだか我慢できなくなっちゃって……」
五代が響子の背中に回している腕に力を込めると響子はあっさりと五代の胸に体ごと押し付けられてしまう。

2923/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:18:34 ID:4YJL3rc6
「あの……みんなが待ってます……」
響子は五代がいつの間にかすっかり興奮してしまっていることに気づき正気に戻ってもらおうとつぶやく。
「少しくらい待たせちゃっても構いませんよ」
五代はそう言うと響子と唇を重ねようとする。
響子は軽く拒否する姿勢を見せるが結局五代に唇を重ねられてしまう。

(思った通りだ)
五代は心の中でつぶやく。
昔はわからなかったが響子は明らかにスキンシップに弱い。
こうやって唇を重ねていると心の距離があっという間に縮まっていく。
五代は響子の体から力が抜けていくのを確認すると、一旦唇を離し響子の表情を観察する。
見たところ恥ずかしそうな表情ではあるが嫌がる素振りもない。
五代は再度唇を重ねるとゆっくりと響子の口内に舌を侵入させ始める。

(そ、そんな……)
響子は驚く。
五代が普通の口づけではなく舌を絡ませてくるのは響子を抱くときだけなのだ。
響子は五代の意思を感じ取り体を離そうとするが五代は響子の体をがっちり押さえて離さない。

普段はセックスなんて知らないとでも言いたげな優しく家庭的な雰囲気を持つ響子。
しかし実際は違う。
約半年に渡って五代に抱かれ続けたその女盛りの肉体は文字通り女の体になってしまっている。
その証拠に響子の体の奥底に潜む女が今まさに疼きはじめている。

体の奥から湧いて来る衝動をじっと我慢し五代の舌を拒む響子。
そんな響子の反応に五代はワンピースの上から豊満な乳房をなぞってみる。
「あっ……」
響子は思わず声をあげる。
しかし、それこそ五代の待ち望んだ反応であった。
響子が声をあげたその瞬間、五代は舌をまんまと進入させる。

響子は五代の舌が自身のそれに絡み付いてくる感触に思わず体を震わせる。
まさか夫である五代の舌を噛む訳にはいかず仕方なく五代を受け入れる。

響子を包み込む五代の荒い息遣いと男の匂い。
絡みついてくる五代の舌。
ディープな口づけに響子の胸は激しく高鳴りはじめる。
気がつくと響子は立ったまま五代とお互いの舌を貪りあってしまっていた。

そして同時に響子は気づく。
五代がすっかり元気になりつつある下半身の膨張をスカートの上からこすり付けてくることに。

結婚式の夜。

二人しかいない管理人室。

衣服を介しているとはいえ夫との性器の接触。
我慢しがたいほどに体の奥底から湧き上がってくる下半身の疼き。

その全ての条件に響子は思わず流されてしまいそうになる。

2934/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:18:56 ID:4YJL3rc6
「響子さん……」
五代が唇を離し響子を見つめてつぶやく。
その瞳は明らかに普段とは違う。
本能のままに響子を組み敷くことしか考えていないのだ。

……五代の脳裏に残る披露宴での響子の姿。
普段あまりしない化粧をほどこし、淡いピンクのドレスに身を包んだ響子はこの世のものとは思えない程に美しかった。
そして美しいだけではなかった。
いや、美しいだけなら良かった。
ドレスを盛り上げ存在を主張する胸のふくらみ。
ぴったりと体にフィットし、両の肩と背中を露出したドレス。
そのドレスは五代しか知らないはずの染み一つない響子の美しい体の一部とそのラインを披露宴に参加した皆に教えてしまっていた。

五代には披露宴に参加したほとんどの男が響子を見て淫らな想像をしていたことがわかる。
坂本の頭の中で……賢太郎の頭の中で……そしておそらくは五代の父の頭の中でも響子はあの美しいドレス姿のまま淫らな姿を演じさせられたはずだ。
それは仕方のないことだと五代にもわかっている。
男なら誰しもそんな妄想をしてしまうほどに響子は美しかった。
実際、五代ですらつい淫らな妄想をしてしまったほどなのだ。
しかし、たとえ想像の中だとしても響子が人のものになるのは耐え難い。
昔から響子で妄想し、オナペットにしてきた五代がいうのも説得力がない話だがこればかりは仕方がない。
他人の妄想を止めることが出来ないのであれば……子供じみた発想ではあるが実際に響子を抱くしかないと五代は思う。
妄想ではなく実際に響子を抱けるのは五代だけなのだ。
披露宴の途中、隣に座る響子を見ながら五代はそんなことばかり考えていた。
しかし披露宴を終え茶々丸での二次会が始まるとそんなことは忘れつつあった。
長い付き合いの皆との楽しいひと時はそのことを忘れさせるのに十分であった。

……帰り際に長年の友人である坂本と小林の言葉を聞くまでは……。

「五代、おれ初めて管理人さんを見たけどすげえ美人だな。おれ、披露宴の間中、変なことばっかり考えてたよ」
「ばっか、小林。なに言ってんだよ。おれなんか我慢できずにトイレで一発抜いちゃったよ」

その時、五代は苦笑するしかなかった。
まさか本当に坂本がトイレで抜いたとは思わないが、二人とも響子をそのような目で見ていたのだ。
五代の中に生まれる苦い感覚。
確かに響子は自分には分不相応に美しい。
しかし分相応であることがわかっているがゆえに誰にも渡したくない。
茶々丸からの帰り道、五代はもう響子を抱くことしか考えていなかった。

2945/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:19:18 ID:4YJL3rc6
「だ、だめですっ」
響子の言葉に五代は我に返る。
「どうして……ですか?」
五代は思わぬ拒絶に顔をしかめる。
「だからその……みんなが待ってるじゃないですか」
「それは……」
「……そんなにあわてなくてもいいじゃないですか」
響子が五代を言い聞かせるように言う。
「……」
「これからは……ずっと二人きりなんですし……」
響子が少し顔を赤らめて言う。
「でも……」
「だめなものはだめです!」
響子が普段の口調に戻り五代を拒絶する。
しかし五代も負けてはいない。
かつては響子のいいなりであった五代だが今は違う。
自分が響子に惚れているのと同じように響子が自分に惚れていることはわかっている。
そしてそれはこれまでとはあまりにも大きな違いだ。

五代は響子のお尻に両手を回し自分の股間に響子の股間を押し付けながらつぶやく。
「そうは言っても……おれ、もう我慢できません」
五代の口調は穏やかだが有無を言わせぬ雰囲気がある。

(この人、本気だわ……)
響子は五代が自分の言葉を無視してまで求めてくる様子にもはやなにを言っても無駄なことを悟る。
なによりここまであからさまに性器を押し付けられてしまっては響子自身、意識してしまうのは当然であった。

「五代さんの気持ちはわかりました……」
響子がつぶやく。
「でもね、こんな慌しい感じで抱かれるのはいや」
そう言って響子が五代を見る。
「だって……今夜はあたし達にとって特別な夜じゃないですか」
「響子さん……」
「だから、みなさんとの宴会が終わってからにしてください……」

確かに響子が言うことはもっともだ。
いわゆる初夜を慌てて終わらせてしまうというのも味気ない話だ。
かといってそれではすっかりその気になってしまった五代の熱の行き場がない。
どうしていいかわからず五代は一人身悶える。

「とりあえず5号室に行ってください。あたしは疲れたからもう休んだって言えばみなさん、なにもいいませんわ」
「……」
「それで宴会が始まってしばらくしてから明日もあるからって抜けて来れば……ね?」
響子がにこりと微笑みかける。
五代もそれがいいかもしれないと思い始める。なにより住人達の動向を気にせず響子をじっくりと抱けるのがいい。
「わかりました、響子さん」
五代は元気にうなずいてみせる。
「急いで着替えて行ってきます」
五代は気分を切り替えスーツを脱ぎ部屋着に着替え始める。

2956/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:19:41 ID:4YJL3rc6
「じゃあ、行ってきますね」
着替えを終えた五代が響子に告げる。
「ええ……」
「1時間くらいで戻ってきますんで待っててください」
そう言って五代がドアに手を掛ける。
「あ、あの……」
響子は部屋を出て行こうとする五代に呼びかける。
「なんですか?」
「あの……」
響子が少し恥ずかしそうな素振りを見せる。
「どうしたんです?」
五代が響子の目の前まで戻ってきて尋ねる。
「その……早く……戻ってきてくださいね……」
響子がうつむいたまま小さな声で五代につぶやく。
自ら提案したこととはいえたった一人で五代の帰りを待つのは少々寂しい。
結婚式の夜なのだからそれはなおさらだ。
「響子さん……」
五代は響子の肩に手を乗せる。
「すぐ……戻りますから」
そういって五代はうつむいたままの響子を安心させるように微笑む。
「約束よ」
響子は顔を上げ少し笑顔になって五代に微笑む。
「ええ、約束です」
五代が響子を優しく抱きしめながら言う。
「それじゃ……」
そう言って五代が響子から体を離しドアを開ける。
「またあとで……」
五代は最後にそう告げると管理人室を後にする。
響子はなんとも言えない表情で目の前のドアが閉まる光景を見つめるのであった。

2967/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:19:59 ID:4YJL3rc6
そして時は流れ午前0時すぎ。
いつものように住人達にからかわれ続けた五代がやっとの思いで宴会を抜け出したとき、こんな時間になってしまっていた。

「響子さん、響子さん」
やっと響子に会えると五代は喜び弾んでコンコンとドアをノックする。
しかしドアからは返事がない。
(眠っちゃったのかな)
ポケットから鍵を出そうとした瞬間、ドアが静かに開く。
五代がそれに気づき顔をあげると……最近すっかりご無沙汰の響子の怒りの表情が目に入る。

(やばい、怒ってる……)
五代は思わず後ずさる。
「ウソつき……」
響子が眼をつりあがらせてつぶやく。
「すぐに戻るって約束したじゃないですかっ!」
「い、いや……」
響子の剣幕に五代がたじろぐ。
1時間で戻るといっておきながら3時間近くたってしまっているのだから響子が怒るのはあまりにも当然な成り行きであった。
「宴会くらいすぐに切り上げればいいじゃないですか!」
「それができるんなら浪人時代からそうしています」
五代がなんとか必死に言い返す。
「ふーん……」
予想外の抵抗に響子が五代を見上げる。
「あたしのことなんてどーでもいいんでしょ」
かちんときた響子は五代に背を向け恨み言を言う。
「ま、まさか……」
「あとで言いくるめればいいって思ってんでしょ?」
「なにわけわかんないことを……」
五代はつい数時間前とは全く違う響子の豹変に言葉を失う。
「響子さん、機嫌直してくださいよ」
五代が響子の両肩に手を添えて頼む。
「ダメです。甘えないでっ」
響子は取り付く島もなく五代の手を振り払う。
しかし、五代も今さら5号室にもどるわけにはいかない。
それに今の五代にはわかる。
目の前に見える響子の背中が自分を求めていることくらいわからないはずがない。

「でも……待っててくれたんですよね」
五代は再度後ろから響子の肩に手を置き響子の耳元で囁く。
「……」
響子は五代に体を触れられた瞬間ビクっとするが返事はない。
五代はそのまま響子のお腹の辺りに手をまわして後ろから響子を抱きしめる形になる。
「おれ……響子さんが待っててくれたのがすごく嬉しいです」
五代は響子の体の温かさを感じながら言葉を投げかける。
ふと気がつくと部屋の片付けでもしていたのか響子は二次会の時のワンピースからいつもの部屋着にもどっている。
紺のスカートに赤い春物のセーター。首からは黄色いシャツの襟が覗き、豊かな黒髪はいつもの赤いリボンで結ばれている。
「おれ、逆に嬉しいんです、こんな風に響子さんに怒ってもらえて」
「えっ……?」
初めて響子が五代の言葉に反応を示す。
「おれと一緒にいたいって思ってくれてたからこんなに怒ってるんですよね」
「……」
相変わらず響子の返事はない。しかし五代は一人言葉を続ける。

2978/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:20:20 ID:4YJL3rc6
「ねえ、響子さん。おれはやっぱり響子さんの怒った顔より笑顔を見ていたいです」
「……」
「だからもう……機嫌を直してもらえませんか?」
五代は響子の反応を待つ。
響子はそれでも言葉を発しない。というより何をどう言えばいいのかわからない。
響子だって五代と喧嘩をしたいわけではない。
だからといってすぐに五代と仲直りできるような素直な性格ではない。

しばらくして響子がぽつりとつぶやく。
「……とりあえず部屋に入りましょ」
「きょ、響子さん!」
五代が笑顔で嬉しそうに響子の名を呼ぶ。

とりあえずの妥協点として部屋に戻ることを提案した響子。
しかし五代の嬉しそうな声を聞くと自分まで嬉しくなってしまうことに響子は少し驚くと同時にため息をつく。
「いつからかしら……」
響子はぽつりとつぶやく。
「えっ……?」
響子は言葉を続けないため響子が何を言おうとしたのか、五代にはわからない。
ただ、決して自分にとって都合の悪い言葉を言おうとしたことではないことは雰囲気からわかる。

「響子さん、こっちをむいてください……」
五代の言葉になんとなく振り向く響子。
すると五代は響子の両肩を掴み響子をじっと見つめる。
(えっ、なに……?)
響子は一瞬わけが分からない。
しかし、なんだか恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。
(いい感じだな……)
五代は響子から自分を拒否する空気が消えたことに気づくとそのまま響子を抱きしめようとする。
すると……

「待って!」

響子が突如五代をつきはなす。
せっかくいい感じだったのにどうしたことかと五代が響子を見やると響子が自分の後方を見ていることに気づく。
響子の視線を追い、後ろを振り向くとそこには……とんでもないものが視界に入る。

2989/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:20:39 ID:4YJL3rc6
「ちっ、惜しい……」
四谷が思わず舌打ちする。
「初々しい夫婦喧嘩だったねえ〜」
一の瀬が楽しくてたまらないといった表情でつぶやく。
「ちぇっ、もう少しでキスシーンが見れたかもしれないのに」
賢太郎は残念そうだ。
「実は僕、二人の熱いキスを見たことあるんですよ」
二階堂が自慢げにつぶやく。
「ほんとに?」
朱美が驚いた表情で二階堂を見る。

「なにやってるんですか!」
五代がそんな住人達に思わず大声を上げてどなる。
「なにって……ねえ〜」
一の瀬がガハハと笑うと皆が笑いに包まれる。
スタスタと歩く音に気づき振り向くと響子が部屋に入りドアをばたんと閉める姿が目に入る。
「響子さん……」
五代が思わずつぶやく。
「逃げた」
朱美がつぶやく。
「あんたらが覗きなんてするからでしょうが!!」
五代が皆を責める。
「わかったわかった、あたしらもう2階にあがるからあとは仲良くやんな」
一の瀬が背中を向けて手を振りながら立ち去っていく。
「五代く〜ん、がんばってね〜」
朱美がにやりと笑うと二階堂もにやにやしだす。
賢太郎はちょっと恥ずかしそうに五代と管理人室のドアを交互に見、五代の視線に気づくとあわてて階段に向かい歩き始める。
皆が立ち去った廊下で五代は管理人室のドアを見つめたままため息をつくのであった。

29910/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:20:59 ID:4YJL3rc6
五代は管理人室のドアを開け部屋に入る。
「響子さん」
五代は響子の姿を認めるととりあえず響子の名前を呼んでみる。
「なんですか?」
響子が五代にこたえる。
「あの……怒ってますか?」
響子は諦めたような表情で五代を見る。
「まあ……あの人たちのことですから……」
響子が仕方ないといった表情でため息をつく。
「あの……遅くなってしまって……。ほんとはもっと早く戻りたかったんですけど」
五代が少し言い訳する。
「あの人たちに無理やり引き止められたんですよね」
響子はその様子を頭に描きながら尋ねる。
「まあ……。おれがもっとはっきり断れればいいんですけど」
五代は自分の押しが弱いところを少し悔やむ。
「考えてみれば仕方ないんですよね。五代さんは五代さんなんですもん」
響子が少し微笑して言う。
響子はそのまま全身が映る鏡の前に座り、髪を結ぶリボンをほどきはじめる。
「響子さん……」
五代はそんな響子をゆっくりと抱きしめる。
若干の堅さはあるものの響子も五代に身を委ねる。
「日付は変わっちゃいましたけど……今夜が特別な夜だってことに変わりはありませんから」
五代が使い慣れない甘い言葉を囁く。
普段あまり使わないからこそ、いざそんな言葉を使われてしまうと響子は一気に意識してしまう。

「宴会が終わったらって約束でしたよね」
五代は目の端で既に布団が敷かれていることを確認して尋ねる。
「ええ……」
響子は素直にうなずく。
「響子さん……」
五代は熱いまなざしで響子の瞳を覗き込む。
響子も覚悟を決めて五代の瞳を見つめ返す。
そんな響子の様子に五代はゆっくりと唇を重ねる。
響子も何の抵抗も見せず素直に五代を受け入れる。

「響子さん……」
唇を離し五代がつぶやく。
響子は少し目を逸らしたまま素直にうなずく。
五代は響子がうなずいたのを確認するとセーターを掴み脱がせ始める。
響子も子供のように万歳して脱ぐのに協力する。
ボタンを全てはずしシャツを脱がせると、響子の上半身を隠すのはピンクのブラのみになる。
「立って……」
五代の言葉に響子が立ち上がるとあっという間にスカートが床に落下する。
「あの、明かりを……」
「いいじゃないですか」
「で、でも……」
ごねる響子の言葉を遮って五代は言葉を続ける。
「そんなことより……おれも脱がせてください」
「あ、あたしが……ですか……?」
響子は少し当惑して五代に尋ねる。
「ええ、響子さんがおれを脱がしてください」
五代が響子に頼む。
30011/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:21:23 ID:4YJL3rc6
「構いませんけど……」
響子は言われるままに五代の服を脱がし始める。
トレーナーとシャツを脱がせると五代の厚い胸があらわになる。
既に見慣れた夫の肉体とはいえ明るい部屋で目の前にすると響子はなんだか恥ずかしい。
「下も……」
五代は響子の恥ずかしがる様子を楽しみながら続きを促す。
「はい……」
響子はそういって五代の前に跪き五代のベルトに手を掛ける。
そのままズボンをずらすと五代はトランクス一枚になる。
するとトランクスの一部が明らかに盛り上がっていることに嫌でも気づかされる。

「……」
響子は思わず黙り込む。
ここに来て響子はやっと五代の意図に気づく。
五代の前にしゃがみこんだこの体勢は明らかに響子にフェラチオを意識させる。
最後の一枚を脱がしてしまっては五代のものを口にせざるを得ない気がする。
響子の理性は自ら口にするのを拒否しようとする。
しかし、体の奥底からそれとは正反対の感情が湧き上がってくる。

そう、響子には五代のものを口にしたいという感情がある。
もちろん単純に五代に喜んでもらいたいという気持ちもある。
響子が口でする度に五代ははっきりと悦びの言葉を口にする。
口でするのは恥ずかしいが、やはり喜んでもらえると響子自身も嬉しい。
それにかつてと比べると口ですることにそれほど抵抗はない。
つまり今響子を苦しめている感情はそんな単純なものではない。
だからこそ響子は苦しみ固まってしまう。

「下も……脱がせてください」
五代は動きが止まってしまった響子を見守る。
五代は響子自らの手で脱がせてもらい口にさせたいのだ。

響子は上目遣いで五代に許しを乞う。
しかし五代は響子を見つめ返すだけで何も言わない。
そんな五代の態度に響子は諦めて五代の指示に従う。
躊躇しながらもゆっくりと五代のトランクスをずり下ろすと当然のごとく五代のものが響子の目の前であらわになる。

30112/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:21:42 ID:4YJL3rc6
「きょ、響子さん……」
五代が少し恥ずかしそうに照れる。
妻とはいえ女性の目の前に自身のまだ中途半端にしか勃起していない性器を晒すことはさすがに恥ずかしい。
響子もどうすればいいか分からずただ五代のものをじっと見つめる。
響子が思ったよりはまだそれほど大きくなっていない。
しかしそれは一瞬のことであった。
響子の目の前で五代のものが少しづつ鎌首をもたげ天を衝く角度になる。

「えっ……」
響子は目の前でそそり立つ五代のものを呆れるようにして見つめる。。
「響子さんに見られてると思うと……」
五代が照れながら言う。
響子に口でしてもらう期待で五代のものは一気に戦闘体勢に入ってしまったのだ。
「あの……どうしてもしないといけませんか……?」
響子がうつむいたままつぶやく。
「なにをですか?」
五代が少し意地悪して響子に尋ねる。
響子はその言葉に思わずはっとする。
(やだ、あたしったら……)
響子は一人赤面する。
五代は響子が一人相撲する様子を楽しむ。
好きな子をいじめるのと同じで響子が恥じ入る様子を見たかっただけなのだ。
そして五代が響子に布団の方に行こうと告げようとした瞬間、響子が先に口を開く。

「仕方ないわね……」
響子はうつむいたままそうつぶやくと五代のものに手を添える。
「無理に今すぐじゃなくても……」
「今すぐして欲しいんでしょ?」
「そ、それはそうですけど……響子さんはいやなんじゃ……?」
五代の言葉に響子がぴくりと反応する。
「あたしはいやだけどあなたは好きなんでしょ?」
「そ、それはそうですけど……」
五代の言葉に響子はゆっくりと五代自身の竿の部分を右手で上下に擦り上げる。
「うっ……」
その刺激に五代が少し声をあげると同時にその大きさと硬さがより一層顕著になる。
「口で……して欲しい……?」
響子が五代に尋ねる。
「え、ええ……」
五代の言葉を耳にした響子は先端から少しづつ五代のものを口に含むんでゆく……。

「おお……」
五代は思わずため息をつく。
披露宴で他の男達の視線を釘付けにした響子が、今まさに自分のものを口にしているのだ。
五代の男を包み込む響子の口の生温かい感触を感じているうちに他の男達へのすさまじいまでの優越感がこみ上げてくる。
この美しい響子の夫は間違いなく自分なのだ。

「んぐ……」
喘ぎ声をあげながらしゃぶる響子を五代はじっくりと見つめる。
五代から言わなくても自らフェラチオをするようになった響子。
付き合い始めた頃はそんなことをするはずもなかった。
そもそもフェラチオは女性からの一方的な奉仕だ。
フェラチオを嫌いなはずの響子が自ら進んでそれを行うということの意味。
五代はあらためて響子が自分の妻であることに心から感動する。

30213/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:22:08 ID:4YJL3rc6
「ふう……」
一旦、口を離した響子が息を吐き出す。

響子は少し前まで口でするのがいやでいやで仕方なかった。
初めて五代に抱かれた夜、理由があるにせよ口でしてしまったことを心から後悔していた時期もあった。
そもそも響子は男性器を口で愛撫するなど想像したこともなかった。
せいぜい女性週刊誌のエッチな特集で得た程度の知識しかなかったのだから当然だ。
だが響子の意に反し、五代は執拗に求めてきた。
響子も毎回は断ることができず、結局は五代に求められる度に口にするようになってしまった。
そして五代は大抵の場合、響子に飲み干すことを強いる。
そのようなことを強要されるのは普段の五代からは想像できないことであった。
普段と違う五代に響子はなぜか拒否できず心の中で反発しながらも我慢してきた。
五代が望むのなら、と響子は無理やり自分を抑えてきた。
しかし今、響子は自分がよくわからなくなってきている。

抵抗がないといえば嘘になる。
しかし五代が喜んでくれることがなによりも嬉しい。
さらに響子の中でこみ上げる先日のホテルで初めて自覚したもう一つの感情……。

響子にとってフェラチオは五代を興奮させるためだけのものではない。
響子自身をも激しく昂ぶらせるのだ。

もちろん理性ではおかしいことはわかっている。
五代に口を陵辱されることに淫らな喜びを感じてしまうなんて認めることはできない。
しかし、先日ホテルで久しぶりに口でさせられ、口内をいたぶられた後、響子はかつてないほどに昂ぶってしまっていた。
そして五代に貫かれた瞬間、信じられないくらいあっさりと絶頂を迎えてしまった。
あの快感を……響子は忘れることができない。
あのためならもっと積極的にしてもいいとさえ思えてくる。
しかし実際には響子は五代に普通に愛してもらうだけで十二分に満足できる。
だからこそ普段の自分とは全く違う淫らな自分をさらけ出されてしまうフェラチオに抵抗があるのだ。

「響子さん……」
五代に名前を呼ばれて響子は我に返る。
五代のものを掴んだまま顔を上げる響子。
「あの、時間も遅いんで……」
五代が遠慮がちに言う。
響子はこくりと頷くと再び五代のものを口にする。

ずちゅずちゅと五代のものと響子の唾液がいやらしい音を立てる。
今までどおりの響子のフェラチオ。
まもなく五代は満足して達する、響子はそう思っていた。

響子が異変に気づくのにさほど時間は必要でなかった。
今までならすぐにうめきだすはずの五代が平然とした顔で響子を見下ろしているのだ。
(こ、こんなはずじゃ……。この間のホテルでもあっさりと……)
響子は動揺を悟られまいと五代の亀頭を舌で包み込むように舐める。
「おお……いいですよ響子さん……」
五代が余裕を持って響子に声をかける。
響子はそんな五代の言葉が耳に入らないかのように必死に口で愛撫する。
その懸命な愛撫に五代は思わず精液を放出してしまいそうになる。
当然だ。
愛する妻に必死に奉仕されて感動しない夫などいるわけがない。
しかし五代は耐える。
余裕の表情を無理やり作り出し必死に奉仕する響子を見下ろす。

30314/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:22:29 ID:4YJL3rc6
そのまま数分の時間がたった。
響子は懸命に奉仕を続けるが結局五代を満足させることが出来なかった。

「ど、どうして……?」
響子が五代のものから口を離しうめく。
自ら五代のものを口にしながら満足させてあげられないという現実。
これまでなら響子が口ですると五代はすぐにうめき声をあげ喘ぎ始めたものだ。
響子はすぐにでも五代を満足させることができるつもりであったし、今まではそうであった。
しかし……。
響子は恥ずかしさのあまり俯き肩を落とす。

五代はそんな響子の肩に優しく手を添える。
「そんなに気にしないでください、響子さん」
「だ、だっ……」
「この間久しぶりに響子さんに口でしてもらったとき思ったんですよ。もしかしたらこれ我慢できるんじゃないかって。久しぶりだったから我慢できませんでしたけどね」
響子が恨めしそうに五代を見る。
「その……理由は簡単なんです。おれが……その響子さんを何度か抱いているうちに……響子さんに慣れちゃったってことなんです……」
「えっ……?」
響子が上目遣いで五代を見る。
「最初の頃、響子さんを抱くだけでおれはいっぱいいっぱいでした。もちろん口でしてもらった時なんてもう我慢するのに必死でしたから」
そういって五代は初めて響子を抱いた日のことを思い出す。
「でも響子さんは知らないかもしれないけど……最近ではおれ、響子さんの反応を確認してから終わらせているんですよ」
響子はいつも最後には前後不覚に陥っていることが多い。
それでも思い当たることはある。

「あたしじゃ不満……なんですか……?」
響子が声を震わせる。
「ち、違います。響子さんの体はいつだって最高です」
五代が必死になって響子を説得する。
「坂本なんて5,6回抱けば飽きるって言ってるくらいなんです。それに比べたらおれは響子さんに慣れるのに半年もかかったわけで。それくらい響子さんは魅力的なんです」
五代が真剣に響子を諭す。変に機嫌を損ねてもらってはこまるのだ。
「本当に?」
響子が五代を疑いの目で見る。
「本当です。いつだって響子さんがおれの最高なんですから」
五代が必死に響子を持ち上げる。
「じゃあ……何がいけないんですか……?」
響子が弱弱しい声で尋ねる。
「あの……最初の頃は口にしてもらって少し刺激してもらえばそれだけで良かったんです。でも最近はもうそれだけじゃちょっと……」
五代がばつが悪そうに口ごもる。

30415/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:22:50 ID:4YJL3rc6
管理人室にきまずい沈黙が訪れる。

「……わかりました……」
響子がうつむいたまま重い口を開く。
響子だってもう立派な大人の女。
五代の言いたいことはわかる。

つまり……五代はもっとうまくやってくれと言っているのだ。
響子にとってはすさまじい屈辱だ。
下手だと言われた様なものなのだ。
しかし、今まさに五代を満足させることができなかった。
これでは五代の言葉を否定することができない。
響子は……屈辱に震えながら言葉をひねり出す。

「どうやればいいのか……教えてください……」

言った瞬間響子は終わったと思う。
年下の五代にフェラチオのやり方を教わる。
それは五代が想像する以上に響子にとっては屈辱的なことであった。
今まで五代に好きなように抱かれ、様々な恥ずかしい言葉を言わされたりしてきた。
五代に組み敷かれ意識を飛ばした無防備な姿を晒してしまうのも既に当たり前のことのようになってしまっている。
しかし、口でするときだけは主導権を握ることができた。
その時だけはいつもの自分に戻ることができた。
だがそれも終わる。
これからはどんなに五代にうめき声をあげさせてもそれは五代に教えこまれたテクニックということになる。

「いいんですか、響子さん?」
五代は思わず響子に尋ねる。
「仕方ないじゃないの……」
響子はうつむいたまま少し声を震わせてつぶやく。
そんな響子の姿に五代は思わず響子を抱きしめ謝りたくなる。
二人の大事な記念日である初夜に世界で一番大切な響子を悲しませてしまう自分自身が嫌になってくる。
しかし、そんな五代の感情も響子に自分の望むとおりにしゃぶらせるという甘美な誘惑の前には無力であった。

30516/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:23:08 ID:4YJL3rc6
「響子さん……」
五代が遠慮がちに自身を響子に近づける。
仕方なく響子は五代のものを見つめる。
これから何年も付き合っていくことになる五代のものは初めてみた時よりも少し黒がかったように見える。
響子は威圧するように反り返る五代の竿を再度掴む。
そして観念して口にしようとすると五代が響子に指示を出す。

「まず、今握ってるとこを舐めてください」
言った瞬間、五代は自分の体が熱くなるのを感じる。
いよいよ響子に好きなようにフェラチオさせることができるのだ。
興奮を悟られないように五代は息を呑む。

響子は五代のいうとおりに竿の部分を舐め始める。
ネコのようにぺろぺろと舐める響子。
「頭を傾けて唇で挟んで……」
五代の言葉どおり響子は唇で五代のものをはさみ締め付ける。
「はさんだまま唇でしごいてください」
五代の言葉に響子は唇で五代の竿を下から上までしごきあげる。
「いいですよ響子さん。次はおれの裏側を舐めてください」
「はい……」
響子は五代のものを右手で反らせて裏側を舐めあげはじめる。
「響子さん、もっと緩急をつけて」
五代の指示が飛ぶ。
その言葉に響子は舌先での刺激を強めたり弱めたりする。
「いいですよ。響子さんはその辺の強弱が甘かったんです」
五代が仁王立ちのまま自信満々に響子に告げる。

いつもの響子なら五代の物言いに反発したであろう。
そんな言われ方をされたら本気で怒ってしまったに違いない。
しかし今は違った。
響子はもしこれで五代を満足させることができなかったら一人の女として生きていくことができなくなってしまうような錯覚に陥ってしまっているのだ。
響子は五代の言うとおり熱心に舐める。
今の自分の姿が五代の目にどんな風に映っているのかも気にならない。
ただ一人の女として五代に満足してもらいたい。
「舌先で裏の筋に沿って……」
「はい……」
響子は五代のいうとおりに五代の裏筋に沿って舌先を擦り付ける。

五代は自分の言うとおり素直にフェラチオを続ける響子に、それだけで早くも我慢できないものを感じ始める。
ずっと高嶺の花だった響子。
付き合い始めた頃から既に半年を経過したがその思いは変わらない。
情けないことに長年の癖で今でも言いたいことが言えずつい響子に対して卑屈になってしまう瞬間がある。
その響子に自分の言うとおりフェラチオをさせる。
もはや坂本たちの妄想への反発も消えている。
今この瞬間、響子は完全に五代に服従している。
響子を従わせる快感は五代の興奮をさらに高め、五代はもっともっと響子を辱めたくなる。

30617/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:23:39 ID:4YJL3rc6
「いいですよ、響子さん。次はおれのこいつを口にいれてしゃぶってください」
五代は自身を見せつけながらあえてしゃぶるという表現をする。
それは響子の反応を見るためであった。
そして響子は五代の期待通りの反応を示す。

響子は頬を染め恥ずかしそうにしながら五代のものをみつめる。
(さっきより大きくなってる……)
響子はそそり立つ男から目を逸らすことができない。
明らかにそれは響子の舌と唇で完全に勃起している。
(やだ……目を離せない……)
響子は思わずその逞しい肉棒に貫かれる自分自身を想像してしまう。
(これを挿れられたら……)
響子はごくりと息を呑む。

五代は響子の様子を満足して見つめながら目ではやくするよう合図を送る。
我に返った響子は恥ずかしそうにしながら五代のものを口にする。

しゃぶる、という表現。
やはり響子は露骨な表現を恥ずかしがる。
そしてその羞恥の先にあるもの。
響子は気づかれていないと思っている。
しかしそれは誤りであった。
かなり前から五代はそのことを疑っていた。
そして先日のホテルでその考えに確信を持つまでにいたった。
今までは思い過ごしかもしれないと思い響子に遠慮していた。
しかしこれからは違う。
五代は響子にさらに指示を告げる。

「ゆっくりと舌全体でなぞるように擦り付けてください」
「うう……」
響子の顔が屈辱に歪む。
口でするだけでも恥ずかしいのにいちいち五代にやり方まで指図される。
そして五代のいうとおりにすると明らかに五代が反応する。
舌に伝わる五代の感触は先ほど自分がしていたときと全く違う。
ドクドクと激しく脈打つ様は五代の興奮をそのまま映し出しているかのようだ。

「響子さん……?」
五代のものを咥えたまま動きが止まってしまった響子に五代が声をかえる。
「な、なんでもありません……」
響子は五代の言うとおりに舌を五代の亀頭の側面に擦りつけ始める。

五代は自分の言うとおりに従う響子を見下ろす。
冷静に見て、やはりこれまでの響子の性技は未熟だったようだ。
その証拠に自分の言うとおりにしゃぶる響子に五代は声を抑えるのに精一杯だ。
今まで気持ちいいと感じていたのは響子のテクニックではなく響子に舐めてもらっているという五代の心理的なものがあまりに大きすぎたということを改めて認識する。

30718/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:23:59 ID:4YJL3rc6
「もう少し強弱を付けてみてください」
響子は五代のものをくわえたまま少し頷いてみせる。
そして五代のいうとおり亀頭を舐め回しながら時々より強く舌先を擦り付けてみる。

「うっ……」
五代は思わずうめき声をあげる。
響子はその声に聞き覚えがある。
これまで響子が口でするたびに五代があげていたうめき声だ。
(五代さん、喜んでくれてる……)
響子は少し自信を取り戻し五代に言われたとおり舌全体で亀頭を舐め続ける。
五代はただ響子の口の温かい感触とその心地よい舌の愛撫に身を委ね始める。
なにも指示がないため響子は夢中になって五代の亀頭に舌の表側と裏側を交互に擦りつける。

「……」
五代は響子のしっとりとした黒髪を撫でながらその表情を観察する。
思ったとおり響子の表情はさっきまでと全く違っていた。
顔全体に赤みが差し瞳を潤ませるその姿は完全に欲情した女の姿だ。
「響子さん……」
五代の呼びかけに響子が顔を上げる。
「そのまま……口先をすぼめていつものように……」
五代はぎらぎらと目を光らせ興奮した表情で響子に指示する。
もちろん響子にもその口調から五代の興奮がはっきりと伝わる。
響子は五代のものを咥えたまま口を前後させ始める。

一見いつもと同じように見える響子の動き。
しかし細かいところが違うのだ。
亀頭の下側に舌をあてがいそのまま口先をすぼめてゆっくりと奥深くまで五代のものを咥えこむ。
唇による摩擦は亀頭だけでなく竿の部分にも及び五代の快感を呼び込む。
同時に舌の表面で五代自身の裏側が刺激され続けるのもたまらない

「きょ、響子さん!」
五代があまりの快感に思わず叫ぶ。
想像以上の成果だ。
これまでの響子の口腔愛撫とはまったく違う。
唇での刺激を重視して素早く口を前後させるときもあれば、口に含んだまま舌の表と裏の両面を五代自身のいたるところに交互に擦りつけたりする。
我慢の限界を迎えそうなほどに追い詰められた五代は髪を撫でていた両手を響子の頭に添える。

30819/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:24:24 ID:4YJL3rc6
響子は五代の反応にひとまず安堵する。
今までは何も考えずに五代のものを口にしてきた。
それでも五代は十分に感じてくれていたのだからそうなるのは仕方のないことであった。
しかしそれを今日、五代に否定されてしまった。
だからこそ屈辱に身を焦がしながらも五代の指示に従った。
そして五代の指示を受けるうちに響子はわかってきた。
今まではあまりに単調すぎたのだ。
その証拠に響子が少し変化をつけて舌で愛撫すれば五代はそれだけで我慢できずうめき声をあげる。
響子は五代が激しく感じ始めた気配に気づき一旦咥えるのを止める。
「きょ、響子さん……?」
五代はこれからというところでやめられてしまい思わず不満の声をあげる。
響子はすっかり自分に夢中になり始めた五代の竿の部分を手でしごきながら亀頭の側面を焦らすように舐めはじめる。
五代が尿道口の割れ目を舌先で擦られると我慢できないことを思い出した響子はわざとその部分の周りを重点的に舐める。

「響子さん、その……さきっぽも……」
五代が最も敏感な部分も舐めるように響子に求める。
響子はそんな五代を上目遣いに見る。
五代のものを右手でしごきながら亀頭の側面を下から上に焦らすようにして舐める響子の姿はあまりにも卑猥だ。
「じ、焦らさないで……」
五代が興奮した口調で喘ぐ。

響子は五代の言葉におもむろに最も敏感な尿道口に舌先を押し付ける。
ただ押し付けるのではない。
時々強く押し付けたまま割れ目を上下に擦ってみる。
「響子さん……す、すごく……いいです……」
五代が苦しそうにつぶやく。
「んんっ……んむんむ……」
響子も無意識のうちに口から漏れる淫らな喘ぎ声で五代にこたえる。
知らぬ間にすっかり夢中になってしまっている響子は五代の欲情を煽る自身の喘ぎ声に気づきもしない。

床に正座して仁王立ちの五代に仕える響子。
響子自身は気づいていないが誰がどう見ても今の響子はフェラチオを望んでやっているようにしか見えない。
もちろん五代もわかっている。
響子の昂ぶりははっきりとその顔から見て取れるのだから。
そんな響子の表情に我慢できず五代は響子の後頭部を自分の股間に押し付け一気に自身を響子の喉奥まで捻り込む。

(ああ……)
響子は心の中で悲鳴とも喝采ともいえぬ声をあげる。
それはすでに響子の忌み嫌う行為ではなく待ち望んでいた行為なのだ。

30920/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:24:55 ID:4YJL3rc6
響子は口いっぱいに五代のものを捻りこまれ息をするのさえ苦しい。
必死に鼻で息をするが深く息を吸い込むたびに五代の男の匂いが体中に充満し、淫らな空気に犯されてしまった様な感覚に陥る。
それでも……響子は止めて欲しいとは思わない。
むしろもっと続けて欲しいとすら思う。
その期待に応えるように五代は腰を前後に動かし、その太さと熱さで響子の口内を陵辱する。

(だめだ……)
響子は心の中でうめく。
もうどうしようもないと響子は思う。
他人はごまかせても自分自身はだませない。

やはり響子は……五代に口を陵辱されると感じてしまうのだ……。

普段自分に逆らうことのない五代に口内を無理矢理乱暴に汚される響子。

はしたないことにもっともっと汚してほしいとすら思い始める。
(もう……我慢できない……)
普段の優しい五代とのギャップに響子の胸は熱くなる。
(早くあたしの口に出して……)
精液を口に出され無理矢理飲まされるその瞬間をいまや遅しと待ち構える。


「響子さん……すごく……」
五代があまりの興奮につぶやく。
そして響子の苦しそうな表情に興奮しながらもさすがに悪いと思い響子の口から少し腰を引く。
そしてゆっくりと腰を動かしながら響子の表情をじっくりと観察する。

(見られてる……)
響子は五代が自分の表情を覗き込んでいることに気づきうろたえる。
(もっといやそうな表情をしないと……)
しかしどんな表情をすればいいのか響子にはわからない。
実際、乱暴さが消えた五代の腰の動きに響子の表情から苦しさは消え、今は全く違う表情になっている。
その響子の表情に……五代の興奮は最高潮に達する。
なにしろ響子は嫌がるどころか恍惚の表情を浮かべてしまっているのだから当然だ。

「このまま口に出されてしまいたいんですよね」
五代が腰の動きを止めつぶやく。
「!!」
響子は思わず目を見開いて五代を見る。
(こ、この人……)
「まさか、おれが知らないとでも思ってるんですか?」
五代が興奮した口調で続ける。
(そ、そんなまさか……)
響子は呆然とする。
そんな響子に五代が最後通告をする。

31021/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:25:16 ID:4YJL3rc6
「響子さんは昔からおれより立場が上だって思ってますよね」
五代は響子の反応をみながらゆっくりと言葉を続ける。
「それは当然です。おれ達二人の関係はおれの一目ぼれから始まったんですから。だから無理矢理恥ずかしいことをやらされたり言わされたりすると、普段の響子さんなら怒って機嫌が悪くなるはずです。でも……」
五代は言葉を切って響子のもうやめて欲しいという表情を楽しみながら続ける。
「でも布団の中での響子さんは違います。実際には怒るどころか……逆にいつもとは比べ物にならないほど興奮しちゃうんですよね」
「……っ!!」
響子はショックのあまり一瞬我を忘れる。
五代に見抜かれていたショックは響子から言葉を奪いぴくりとも動けない。
「そしておれは……そんな響子さんの姿に……凄く興奮します」
五代は呆然とする響子を見下ろしてつぶやく。
「このまま響子さんの口に出したら……すごく興奮するんじゃないですか……?」
五代はそう告げると一気にスパートをかける。

息苦しさとジュブジュブと音を立てる自身の唇に響子は我に帰る。
「んん……んぐんぐっ……」
響子はやめてと言おうとする。
ここまで辱められてしまったうえに口に出されてしまっては響子は自我が保てない。
しかし口を塞ぐ五代の肉棒にそれは言葉にならない。
それどころか響子が口に出されるのを嫌がる様子は五代を激しく燃え上がらせてしまう。

「出しますよ、響子さん」
五代が響子に限界を告げる。
(ああ……)
響子は自分自身に絶望する。
ここまで辱められても……響子は五代の言葉に背徳の悦びを感じてしまうのだ。
五代の思うように口内を汚され精液を飲まされる。
響子は想像しただけで既に興奮でおかしくなってしまいそうだ。

羞恥と興奮に震える響子の口中で五代の分身は今日一番の膨張を見せる。
そして最後に響子の口内をくまなく陵辱すると五代は響子を股間に押し付け一気にその精液を放出する。

ドピュピュ……

五代の精液が響子の口内を汚す。
五代は左手を響子の顎の下にいれて顔を上げさせ右手を響子の後頭部に添えて響子を股間から逃げられないように固定すると口内に射精される響子の表情をじっくりと観察する。すこし涙ぐんだ響子の表情に五代の射精はいつもより長めでしばらく止まらない。
「……ん……んんっ!んぐっ……んぐっ……」
響子は逃げることもできずうめき声をあげながら精を喉奥に受けるしかない。

結局……これまでと同じように飲まされる。

響子が飲み干すまで五代の腕の力が抜けることはなかった。
粘つく液体が喉を通り抜ける久々の不快さもそれほどでもない。
いつの間にかすっかり慣れてしまっているのだ。
いつものように五代の竿をつかみ最後の一滴まで搾り出し口にしてやっと響子は解放される。
響子はフェラチオを強いられ精液を飲まされるという現実よりも、それを不快に思うどころか悶え悦ぶ自分自身が恥ずかしくて仕方がない。

31122/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:25:38 ID:4YJL3rc6
一方の五代はうつむいたままはぁはぁと肩で息をする響子に夫というより一人の男として凄まじい優越感を得る。
もともとフェラチオは男の征服欲を激しく満足させる行為だ。
それも年上の新妻にしゃぶり方まで仕込み、精液を飲ませる征服感は筆舌に尽くしがたい。
それは披露宴の時、妄想するしかなかった男達との決定的違いでもあった。
しかし、ふと我に返るとやはりやりすぎたのではないかと思い始める。
「響子さん……」
五代はおそるおそる響子をできるだけ優しく抱きしめる。
そして響子の動悸が治まるのを待って五代は響子の顔をうかがいながら尋ねる。
「怒ってますか……?」
五代の質問に響子は顔を背けこたえない。
というよりこたえようがない。
響子の心の中には自身への羞恥と五代への怒りと……激しい満足感が混在しているのだ。
そんな響子の複雑な表情に五代はどうすればいいかわからない。
「すみません。おれ、自分が抑えられなくなっちゃって……。でも響子さんが本当にいやならもう今みたいなこと二度としませんから」
響子の気持ちがわかりかねる五代は今の心情を素直に告げる。

響子は自身を優しく抱きしめる五代を見上げる。
五代はいつもの五代に戻っていた。
普段、響子の気持ちを何よりも大切にしてくれる五代。
五代に抱きしめられるとそれだけで心が落ち着いてしまう。
響子は改めて自分が信じられないくらい五代のことを好きになってしまっていることを自覚する。
そして好きだからこそ……こんな自分を知られたくなかった……。

「いつから……知ってたんですか……?」
響子がうつむき尋ねる。
響子がなにを聞いているのか、それはあまりにも明らかだ。
「ずっと前から疑ってましたけどこの間のホテルで間違いないなって思いました」
五代が素直にこたえる。
「そうです……か……」
響子はうつむいたままだ。
「軽蔑……してますか……?」
響子が急に肩を震わせながら五代に尋ねる。
「そ、そんなことありません!」
五代が即答する。
「あたし、恥ずかしいです。自分がこんな女なんだって知られてしまって……」
響子の落ち込む様子に五代はあわてる。
思い込みが激しい響子のこと、このままでは何を言い出すかわからない。
五代は無理矢理言葉を続ける。
「あんまり恥ずかしがらないでください」
「……」
「その……おれたち夫婦なんだからお互い、人に知られたくないことも見えてしまいます。でもそれをお互いに受け入れ合うのが夫婦じゃないですか」
「……」
「おれは今この瞬間も響子さんのことが好きで好きでたまりません。今日は響子さんのことをもっとよく知ることができて嬉しいくらいですし……」
五代は自分でも何をいっているのかよく分からないまま言葉を続ける。
「おれが気にしてるのは響子さんにやりすぎてしまわなかったかなってことだけです。だって……おれが響子さんのこと嫌いになるわけがないじゃないですか」
「……」
響子からの返事はない。
しかし五代は真剣に言葉を発し続ける。
その真剣さに響子も五代の言葉を素直に受け入れようと考え始める。

31223/23 ◆qM8UwHNWDA :2009/01/05(月) 02:26:01 ID:4YJL3rc6
「もう……いいですから……」
響子は五代の背中に手をまわしてつぶやく。
響子はまだ恥ずかしいと思っている。
ただ夫である五代はこんな自分を今までどおり受け入れてくれることだけははっきりとわかった。
響子にとって、それが一番大事なのだ。
それに五代にここまで心配してもらえるともうそれだけでそれ以外のことはどうでもよくなってくる。

五代は響子が軟化したことに気づく。
響子は泣いたり怒ったり感情の起伏が極端で激しい。だからこそ五代は響子を見る目がいつの間にか鋭くなっている。
五代は響子を安心させようと唇を重ねようとする。
「だ、だめ……」
響子が顔を背ける。
そんな響子の様子に五代はやはりまだ怒っているのかと一瞬悲しい表情になる。
「ち、違うんです……」
響子は少し慌てる。
「えっ……?」
「その……あたし、口でしたばっかりで……。ちょっとゆすいできます」
響子はそう言うと立ち上がり台所に向かおうとする。
しかし、五代はそんな響子の腕をつかみまたも抱き寄せる。
「えっ……?」
響子は思わず驚きの声を発する。
「そんなこと気にしてませんから……」
五代はそうつぶやくと響子に優しく口づけする。

「……ん」
響子は五代の口づけを素直に受け入れる。
優しく抱きしめられながら唇を重ねられると驚くほどあっさりと幸せな気分になる。

「ねえ、響子さん……」
「はい……」
「布団に行きましょうか……」
五代は響子を誘う。
五代は響子をゆっくりと心の底から愛したいのだ。


管理人室の電気が消えたのはその数分後のことであった。

313名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 02:28:06 ID:4YJL3rc6
ということで前編は以上です。
後編は1月中には落としますので興味がある方は
気長にお待ちください。

ではまた ノシ
314名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 18:56:37 ID:WlKk5TRC
ゴチになりました
しかしエロイなこの二人
気長にまっとります
315名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 03:22:45 ID:Vq1ioOkp
実に良かった。素晴らしいよ。次回を楽しみにしてます!
316名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 22:54:24 ID:aI5zmJGG
追い出されたというか、純粋に作品スレが
カップリング論争が怖い・ちょっとでも主流から外れると怖い空気だったり
主に活動してる書き手と作風が大きく違うので波風立つの確定なときも
ここに投下していいんだろうか?
317名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:15:22 ID:ac6FKVLT
318名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 15:44:46 ID:wd148yAb
いいれす
319484:2009/01/15(木) 17:35:05 ID:umzuOJNH
投下させていただきます。

原作:『鉄仮面と子猫』作者様
二次創作SS
橋本あや×沢木勇治
フェラ
前編



『アフターケア』

私の名前は橋本 あや、○市の市役所の職員で
企画部企画課に務めている。
もともとは東京丸の内の一部上場企業で働いてたんだけど
思い出すのも腹立たしい……むかつく同僚に可愛げのない後輩。
それに付け加えて、セクハラ&無能上司。
そんな職場にうんざりして、エリート企業?勝ち組?ああ、そうですか
くたばりやがれ!とあの上司の面に辞表を叩きつけて退社。
勇んでみたが、とりあえずご飯が食べられなくなると困るので、
この市役所の社会人採用枠に応募した。
私の履歴書によっぽど驚いたのか、面接も何もかもすっとばして即・採用。
企画部の企画課に配属された。
その企画課のドンである『鉄仮面』のあだ名をもつ冷徹・怜悧・無表情な上司
中嶋 貴巳(たかみ)氏とその他の職員、そして私の愛くるしい後輩である橘 雪子(ゆきこ)ちゃん
とのほほんとした職員ライフを送るはずであった。
が、し・か・し……
紆余曲折を経てなんとその鉄仮面と雪子ちゃんが『結婚』してしまった。
まぁその片棒を担いだ…というか…その何だ、その過程を知っている私は事前に
その情報を察知していたワケだが……。
この話は、その雪子ちゃんに淡い恋を抱いていた『その他』の話である。


「だからぁ…仕方ないって言ってるでしょぉ!もう結婚決まっちゃったんだから!」
「んぐ、んぐっ…あや先輩…そんな、そんな事言ってもぉ…お、俺、俺、おええっ!」
「うわっ、汚い!吐くなこのボケ!店員さーん、すいませーん!
オラッとっととトイレに行きやがれ!」
 土曜の夜の繁華街は飲みに出る社会人や女性でにぎわっている。
 あの鉄仮面と雪子ちゃんが課の私達に結婚と退社する旨を伝えたその夜、
 私達は飲みに出た。半分は祝い、もう半分は慰安の酒である。
「しかし…まぁ、驚いたよ…課長と雪子ちゃんが結婚とはねぇ…」
穏やかな口調で話すこの人は富岡係長。課長である中嶋 貴巳より20も
上なのに絶対実力主義を掲げる爽やか市長の為、万年係長の烙印を押されてしまった。
有能とは言い難いが、役所内に敵の多い上司・鉄仮面の数少ない理解者である。
「僕も驚きましたよ。でも幸せそうで何よりじゃないですか、ああ、先輩、おかえりなさい。」
このにこにこ野郎は高田 諒。雪子ちゃんが退社すると課で一番若い職員になる。
鉄仮面とは対照的にいつもにこにこしているが、何というかつかみ所がない。
「ぐす…ぐす…高田、高田ぁ…お、お前ならわかってくれるよなぁ〜」
トイレから戻ってきても未だに泣いているこの情けない男は沢木 勇治。
雪子ちゃんに恋して見事に散った哀れな男である。
「あれ、沢木先輩には言ってませんでしたっけ?僕、大学からつき合ってる彼女がいるんです。」
「……………」
一瞬、静寂が場を包んだ。
「高田ぁ、てめぇぶっ殺ス!」
320484:2009/01/15(木) 17:37:45 ID:umzuOJNH
「痛い、痛い、離して下さい〜沢木先輩〜」
怒り狂った沢木が高田のネクタイを掴み、がるるッと狂犬のような目つきで吼えた。
「はいはい、やめとけやめとけって……でも、まぁ、確かに幸せそうだったわよね」
沢木の首根っこを掴みつつ、私はしみじみと言った。
「ああ、ウチの娘も雪子ちゃんみたいに素直だったらなぁ……
最近『お父さん』って呼んでくれないんだよ……」
「係長、元気出して下さい。例え、加齢臭クセぇって言われて、汚物を見るような眼でみられても
娘さんは係長を好きでいてくれてますって」
 高田はウウッと涙ぐむ係長に優しくなだめるように言った。
「…………高田、アンタ意外に腹黒いわね」

「それじゃあ、私はこのバカ送ってくるから…」
「はい、お疲れ様。」
「また月曜日に。お休みなさい。」
係長、高田と別れ私は酔いつぶれた沢木の肩をもち
こいつのアパートの階段をのぼった。
タクシーに放り込んでさよならしてもよかったが、
それではあんまりにも無慈悲だと思い、情けを掛けてやったのだ。
これでも一応は私の後輩であるし、想い人に告白する事もなく、
『結婚』という絶対の壁によって断たれてしまったこいつの胸中はわからんでもない。
私だってあの雪子ちゃんが鉄仮面のお嫁さんになるくらいなら……
いかん、いかん。私は同性愛者ではないし、雪子ちゃんが幸せならそれでいいじゃないか。
もし無理矢理とか勝手に親同士が決めた許嫁とかだったら奪うけどな。
「くうう〜重いわね…ほら沢木、しっかりしなさいよ。鍵だせ、鍵!」
「ううう…ずみまぜんあやぜんばい…俺、俺、おえ――」
「私の服にぶちまけたらぶっ殺すぞ」
「うっぷ…」
頬をリスみたいに膨らませた沢木の部屋のドアを開け、トイレに叩き込む。
321484:2009/01/15(木) 17:38:51 ID:umzuOJNH
ああ〜疲れた…重いったらありゃしない。
靴を脱ぎ捨て、胸元を弛めると遠慮なしにソファにお尻を沈めた。
「あ〜あちぃ〜………ん?」
ばたばたと手で扇ぎながらふと、部屋の中を見渡してみる。
何かやけにこざっぱりと言うか…いや、綺麗に整頓されている。
想像していた沢木の部屋は生ゴミ処理施設だったのに、
むしろ私の部屋より綺麗だ。
私の部屋なんかビール瓶は転がってるし、下着とか雑誌とかその変に
散らばってるし……
男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く…とは誰が言ったのか。
これではまるで逆だ。何かむかつくぞ。
勝手に冷蔵庫を開け、冷えたビールを取り出すとぐいと煽った。
「はぁ…はぁ……ああ、すっきりした……ガラガラ…ペッ…
ガラガラガラ…ぺッ…あ〜ついでに歯も……」
沢木は洗面所で口を濯ぎ、律義にも歯磨き粉までつけて歯を磨いている。
「沢木、何でこんなに綺麗なのよ?」
「え…な、何でって…あー!あや先輩、それ俺のビール!?」
「どうせ今夜は飲まないんでしょ?あいにくと私はまだ飲み足りないの」
「最後のビールだったのに……」
しょんぼりと肩を落とす沢木。
「で、何で部屋がこんなに綺麗なの?まさか通い妻とかいるんじゃないでしょうね?
あわよくんば雪子ちゃんと二股かけようと―――」
「なワケないでしょ……」
「じゃあ、何で?」
私は問いつめた。すると沢木は、ふぅ…と息を吐き言った。
「………雪子ちゃんに告白して……うまく付き合う事になったら。
部屋とかに遊びに来てもらおうと思って…でもその部屋が汚かったらイヤでしょう?
だからベットも綺麗にして、高かったけど色々とリフォームしたんですよ」
「へぇ……」
私は感心した。結構、遊んでるいい加減なヤツかと思ったけど意外と純情なんだ。
沢木の新しい一面、発見だな。
「り…料理だって…雪子ちゃん上手いし、俺も見習えば…少しは趣味が合うかなって…
エプロン買って…本とかも買って自分で料理してみたけどからきしダメで…」
「…………」
「でも、やっぱりダメでしたね……結婚って…ハハ…何かの冗談かと思ってました。
でも雪子ちゃん、笑って…幸せそうだったな……結婚か…」
沢木ははぁーあとため息をついた。私はビールを片手にうんうんと頷いていたが
こいつの様子が少し変な事に気付いた。
「……沢木?」
「結婚って……結婚って、そりゃないスよね…雪子ちゃん
そりゃねぇよ……うぐ…んうう…ゆきこちゃん……」
「……ちょ…沢木」
沢木は身体を抱え込んで泣き出した。全く情けない奴だ…という思いが半分。
可哀想だなという思いが半分。こいつなりに色々と悩み、考えていたんだな。
まぁ、告白OKされてからリフォームしろよという野暮なツッコミは控えておいてやろう。
  それに久々に……その…何か気分が乗ってきた。そう、アレだ…。
「ほら、泣くな泣くな、みっともない男だろォ?このあや先輩が慰めてやるから」
いつもなら蹴り飛ばして帰るところだがこの『渇き』にも似た熱い衝動は抑えがたい。
私って母性本能が強い方なのか?……いやそれとも年下好み?
「……な、慰めなんて…俺は…す、すみません。先輩にみっともない所みせて
お、俺送ってきますから…」
「送っていく?どこに?」
  まぁ…ここまで来たら、もうどうでもいい……
「え…だ、だから家に…あや先輩の――――」
  何でこんなに濡れるんだろう?
「御生憎様、私、今日は帰りたくない気分なんだぁ……ね、沢木君?」
322484:2009/01/15(木) 17:41:14 ID:umzuOJNH
私はガチガチに勃起している沢木のモノに舌を這わせ、指先で
鈴口を軽くノックするように舌を使う。
「う……」
「ん…あはっ、元気だねぇ…ん、ちゅ」
竿に添わせ、歯で軽く甘噛みしながら、唾液を擦りつける。
私は上目使いに沢木を見た。
「……くっ…あ…あや先輩…くはっ」
「ふふふ…沢木、こっち使ってみる?」
私は微笑んで服の胸元を開き、乳をさらけ出した。
黒いブラに覆われたそこそこ自信のあるおっぱいだ。
いつもパリっとビシッとしている普段の私からは想像もできない程の
『女』の顔、そして、その声に沢木は戸惑っているのだろう。
さっきからおろおろするばかりで落ち着きがない。
「せ…せんぱ…な、何でこんな…」
「ん〜?どうしてだろうねぇ…」
ブラを外すとぷるんと零れ落ちてくるおっぱい。肩こりの原因なんだけど
セックスの時には最高の道具になる。ふふっと私は不適に笑って
沢木のアレに桜色の乳首を押し当て、軽く擦ってやった。
「あっ…は、う…」
こいつの喉がゴクリと鳴った。きっと生唾を飲み込んだんだろう。
ウブなやつめ……遊んでるクセにこういうのには慣れてないんだな。
私その反応に満足して、起立したモノを挟み込んだ。
「うっ…く…ぁ…」
おっぱいの圧迫感に沢木は唸った。ぐにゅぐにゅと動く柔らかい
極上のおっぱいに挟み込まれる感覚に声も発せないでいるようだ。
「ん……ピクピクして可愛いぞ……ん、ちゅ…はぁん、ちゅる、にゅちゅ…」
私はゆっくりとおっぱいを上下させ、先端が飛び出る瞬間を狙って、そこを口で責め、
裏筋を舌を這わせ、乳首をアレに擦りつける。
「ぐう…あっ…あ、あや…先輩」
沢木の苦しそうな声。
私はおっぱいを両手で抱えシュッシュッとリズムよく扱き上げた。
沢木は思わず天を仰ぐ。
隙間なく肉棒を扱くおっぱいの猛烈な圧迫感はきっとたまらないのだろう。
「我慢しないでいいよ……特別に飲んであげる」
沢木が拳を握りしめ、モノがビクンビクンと大きく反応する。
それを見て射精の前兆と悟った私は扱くスピードを早めた。
「ぐ、うう…も、もう……あああっうっ…うっ!」
沢木がついに限界に達したらしい。私はそれを見逃さず、モノの先端に
唇を被せた。先端がビクビクと震え、グワッと大きくなると
薄い液がピュッと出され、続いてドロッとした大量の精液が口の中にぶちまけられた。
「ん…はぁんくううっ、はむ…んぐんっんんっ」
唇を深く被せ、手で竿を扱きながら私は沢木の射精を口内で受け止めた。
かなり溜めてたなこいつ…ゼラチン飲んでるみたい…喉に絡みつくのは勘弁だ。
「ぐ…あ、ああ……あ、あや…うっうう…ま、まだ出る」
腰をガクガク振るわせながら、身をかがめ私の頭に手を回し、腰を突き出す沢木。
「うっ…ううう…く…」
ようやく長い射精を終えたらしく、私は唇を引き抜いた。
その口元からとろりと白濁液が垂れ落ちる。
「んぐぐ…ううん…んっんっんん…ケホッケホッ…沢木、アンタの濃いね…ん…ちゅ」
  私は頬に付着した精液を舐め取ると、沢木の唇にねっとりとした唇を重ねた。
もう止まらない、止められない。完全にスイッチが入ってしまった。
アソコが濡れて気持ち悪い。換えのショーツなんて持ってないのに。
私も最近、ご無沙汰だったからなぁ…はー…ま、いいか。楽しんでも罪にはならん…てね?
323名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 06:33:41 ID:QTl8E870
乙〜
324名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 16:56:22 ID:jzGLZLtM
めぞんの人はもう今月はこないのかな
325名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 17:07:43 ID:MfA9TOh1







326名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 20:22:25 ID:mpF4crv1
>>313
後編はまだかのう?
327名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 15:58:45 ID:Bghpe7xN
あけおめ〜
328名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:10:22 ID:9zZnD1DA
>>313
続き、今月中は無理かい?
329名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:24:27 ID:4WyT4ixy
もうデスノの人も来ないのかね
330名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:45:05 ID:MICiR+O4
ほしゅ
331名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 21:18:37 ID:o5EYF7ho
332名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 21:24:26 ID:saPReDdc
貴様らメガネハゲ童貞の為に、うpロダ設置したwww
好きに使ってえーよ

http://nocturne1.dip.jp/uploader/

333名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 21:31:02 ID:a3LDTovo
むしろ牝のが多いだろ…
334名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 22:41:20 ID:zdsf6IAB
メガネハゲじゃないけど童貞だよ……
どうせ……
335名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 23:19:31 ID:gKGmVVVb
upローダ設置したけど、誰もこねーよ
S属性のある、オマイラにお願いだ。
ウチのサーバーと回線をもっともっと苛め倒してww

http://nocturne1.dip.jp/uploader/
336名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 00:23:08 ID:88BgkM6x
行き場に困る作品の受け皿として活用されてるなここ

ところで、多数シリーズ分岐してる作品の二次スレで
スレのコンセプトとしては全シリーズ総合なんだが、
どうにもそのうちのひとつしか需要が無い・他シリーズだとウケが悪い場合。
ここを利用したいとか思うのは書き手のわがままと斬られるのだろうか。
もっと理不尽な目に遭ってる人がたくさんいるだろうし。
337名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 19:25:04 ID:g+6rhQ+X
自己責任でとしかいえんな
338名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 01:04:12 ID:e2G1V4zj
339名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 18:33:33 ID:32qBS44R
340名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 19:42:01 ID:Em0c+Rck
341名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 23:39:13 ID:tRPo0WzM
342名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 00:04:26 ID:iVclnSMp
e
343名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 02:07:28 ID:Bjrdksck
nn
344名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 11:54:52 ID:pcw6ok5/
すー…ZZzz....
345名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:34:44 ID:6P2jQnYD
>>313
病気にでもなってないといいが・・・
まあ、余計なお世話だな
346名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 02:32:03 ID:Bx0fzmf1
えー、めぞんの人です。
年度末で単純に仕事が忙しくて全然書けてません。

1月中に書く予定でしたが申し訳ありません。
4月からも少し忙しいですがなんとか書き上げたいと思っておりますので
気長にお願いします。

ではまた ノシ
347名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 11:52:50 ID:Uyz0RDJI
>>346
年度末はどこも忙しいっすよね
おっしゃる通り気長にまってます
348名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:52:52 ID:8NfekUFO
>>346
ただの杞憂で良かった
投稿待ってます
349名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 21:57:19 ID:6Nw/SiQ9
待ってるよ
350名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 01:12:04 ID:ab974E7k
「◆qM8UwHNWDA めぞん」あたりでぐぐるといろいろ見つかる
351名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 01:43:55 ID:uYmy2n/x















352名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:18:51 ID:I9M7ftlB













353名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 14:48:42 ID:CrZPP+QT
保守
354名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 09:59:35 ID:80h6ey6M
保守
355名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 19:56:34 ID:/hVspqCH
春だな
356名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 04:04:00 ID:y6bHcrmv
ああ春だな
357名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 12:13:34 ID:zORcaXoH
何か珍しい作品が読みたい
358名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 13:32:47 ID:DE3V6ZAU
珍しいってどのぐらいの珍しさだ
触手×触手の学園物ぐらいか?
359名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 20:46:33 ID:8D80ZftJ
クトゥルー×ヨグ=ソトースですね、わかりたくありません
360名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 21:57:38 ID:pjqgfQ2x
>>359
諸星大二郎の「栞と紙魚子」シリーズに出てくるクトゥルーちゃんとヨグで
想像しかけた。
361名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 22:22:19 ID:881n/qVz
>>357


美少年高校生A:「かんちょ―――!」

美少女女子高生B:「あひゅあぁぁあああ!」

美少女女子高生B:「かんちょ―――!」

美少年高校生A:「うっひょおぉぉぉ!」

触手C:「しゅるしゅるるるるしゅるるるる―――!」

美少年高校生A・美少女女子高生B:「あおっ!あぼおおおおおえああああ!」

美少年高校生A:「ぐあはああ…かんちょ―――!」

触手C:「うじゅっ!うじゅるうううううううう!」

美少女女子高生B:「あへアアはァ…か…かんちょ―――!」

触手C:「ぎゅふううじゅるるるうううううう――――!!!!じゅぶぶぶぶ………ぶしゅっ!」

美少年高校生A・美少女女子高生B:「うっばばあわらららららららああああああ――――――――!」

美少女女子高生B:「ううううううう―――かんちょ―――――――!」

美少年高校生A:「びょほほうほうううう!!!!!がくっ…」

美少女女子高生B:「うっっばらばらばああああ!!!ぶっぼぼ!ぶっぼぼ!ぶっぼぼ!ぼらぼらぶうう!!!」
362名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 21:27:04 ID:2vC3WRJ3
カオスww
363名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 23:41:45 ID:eMBj21JY
珍しすぎるw
364名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 03:18:51 ID:3DJtxgF+
借ります

家庭教師ヒットマンREBORN!の二次創作
ジルとベル×フランでフラン女の子設定3P
読む人の感じ方によっては女体化になります

童話のカエルの王さまベースです
七割ぐらい無理矢理です
801じゃないけどそれらも苦手な人は避けた方がいいです
グロくはないけど他にも具体的に挙げれない不快な要素ありです
NGワード カエルの王子さま
365カエルの王子さま1:2009/04/05(日) 03:19:29 ID:3DJtxgF+
 ある所にとても怒りんぼな王様のお城がありました。
 王様が怒りんぼなことは取り立てて関係ないので、ひとまずおいておきます。
 それでその王様にはたいそうかわいらしいお姫様が三人ほどいました。
 隠し子もいるかも知れませんが、それも関係ないのでおいときます。
 一番上のレヴィ姫は王様と雷がとても大好きでちょっぴり嫉妬深いお姫さまです。
 次女のマーモン姫はお金が大好きで、お金しか信じてないすごい勢いでヘソクリをしていました。
 大体ぼんやりと日々を過ごしている三女はフラン姫と言いました。偶にする暗殺が趣味みたいなものでした。
 そんな三番目のフラン姫が、ある時に森に遊びに行ったのでした。
 この森は深くまで行けば行くほど暗くなり、大きな菩提樹の所に泉が湧いていました。
 そこへ涼みにやって来たのです。
「こんなシュミ悪いドレス着させられてあっついし、何の任務ですかー? これ」
 膝丈ほどのゴスロリ系のかわいい服でしたが、不満の様子でぼやいていました。
 すると遠くの方で"うっせ、マジメにやれ、カエル!"というカンペが上がった気がしました。
「いや、まだカエルの出番じゃないですよー? もうちょっと待っててください」
 そうしてとても暇でしたので、二番目の姉様から借りて来た純金の毬で毬つきを始めたのでした。
 そこら辺の木へと投げ付けて跳ね返ってくるかと思えば、なんせ純金なので木にめり込んだりしました。
「あ〜、落っこちちゃいましたね〜?」
 ある時に取り損ねてしまって、ぼちゃっと水の中へと毬が入ってしまったのです。
「うわ〜、どうしたらいいんですかね? 誰か水の中にいませんかー?」
 30キロ程の重さの毬は泉にぽっかりと沈んで、とうとう見えなくなりました。
 水をぐるぐると腕でかき混ぜてみましたが、もちろん浮かんでは来ません。
「うっせ! ヒトの泉でなにしてんだ、バカ娘」
「バカとかじゃなくて姫なので、ちゃんとお姫様って呼んでくださーい。カエルさんヒトじゃないですし。
所詮水の中でばしゃばしゃするしか能がないクセに、ずいぶんとえらそーですね」
 フラン姫が波紋の広がった水面を見ると、そこにはぬらっと陽光に光る巻きガエルがいました。
「カエルはおめーだろが!」
 その巻きガエルはパーマのかかったカツラを頭から被っていて、目を見ることはできません。
「ミーはカエルじゃありませんー。姫ですー。ボール落っことしちゃって取れなくて困ってるんですがー」
「取ってくりゃいーのか?」
「お願いしますー」
「……で、取って来たら何よこすんだ?」
「巻きガエルさんはなにが欲しいんですかねー? ミミズ入り泥ダンゴとかですかー?」
「んなもんいんねっつの! そだ! おめーがオレの家来になれ。メシ食わせて高級羽毛布団で寝せろ」
「え〜っ。家来ですか〜?」
「やならべつにいーけど? んじゃーな、バカ姫」
 水の中へ戻ろうとしてカエルは背を向けました。
「あ〜、待ってくださ〜い。わかりましたからボールお願いします〜。あのボール純金なんですよー。
持って帰らないとマーモン姉さんに元値の五倍で弁償させられるんです〜」
「オケ、家来!」
 一度だけ振り返ってカエルは颯爽と水の中へと飛び込みました。
「……チッ、なに言ってんだ〜、クソガエル〜。お前なんて一生水の中でケロケロケロケロ鳴いてりゃい〜んだ〜。
カエルなのに家来が欲しいなんて、おこがましいにも程がありますよ〜」
 巻きガエルが水に潜ると、フラン姫はまた独り言を呟きました。
 表情は全く変わりませんでしたが、とても凶悪な顔付きをしていました。
「…………さっきなんか言わなかったか? バカ姫」
 カエルはしばらくのちに輪っかにした体の上に毬を乗せて浮かんできました。
「今日は風がきもちいーなーって言ってただけですねー」
 とても爽やかで心地良い無表情をして深呼吸をしました。
 放物線を描いてカエルが体を使って投げた毬が飛びました。
 フラン姫はそれをしっかりとキャッチすると、脇目もふらず一目散に城へ向かってダッシュしました。
「あ゛っ、待て、家来! おい、もどって来い! こんのバカ姫」
 頑張って追いかけましたが、そこはカエルの脚ですから追い付けませんでした。
 そうして城へ戻ったフラン姫は、何事もなかったようにいくらかレンタル料を払って毬をすぐ上の姉様へと返しました。
 でしたがちょっと汚れてたのでクリーニング代も請求されました。
 『ちっ、どこまでも使えないカエルだなー』と心の中で思いながら、クリーニング代も払いました。
366カエルの王子さま2:2009/04/05(日) 03:22:07 ID:3DJtxgF+
 その日の夜が来て翌日の朝が来てまた昼が来て、その内に夕暮れ時になりました。
 城の食事は大体賑やかです。王様が事あるごとに食器を投げたり、罵声を浴びせたりするからです。
 大体投げられた食器はロン毛でやかましい側近に当たります。オカマの乳母がたしなめても焼け石に水です。
 下の二人のお姫様達は、妹思いな一番上の姉様の影に隠れて、安全な場所を確保して食事をしていました。
 そんな騒ぎの最中です。どこかから変な物音が聴こえて来たのです。
 ひたりひたりと階段を登ったらしい音は、城の扉の前で止まりました。
「? なんですかねー?」
「バカ姫ー! いんだろ、出て来いよ。家来っ!」
 聞こえて来たのは昨日出会ったカエルの声です。
 直ぐに気付いたフラン姫は騒ぎが大きくなる前に、カエルを抹殺しようと扉へ走りました。
 しかし扉を開いた途端―― 「ぐえっ」 と悲鳴があがりました。
「てんめーっ、昨日はよくも逃げやがったな!」
 カエルの背後からナイフが次々へと飛んできます。先程突き刺さったのもそのナイフでした。勿論カエルオリジナルです。
「うるせえぞ、カスどもが。なにしてやがるっ」
「……なんでもありませーん」
 何本かナイフが刺さったまま何も見なかったことにし、扉を閉めて食卓へと戻りました。
「なんだ?」
 レヴィ姫も不審がって、隣の席へ戻ったナイフの痛みで涙目になっているフラン姫をちらっと見ました。
「ほんとなんでもないんでー」
「ナイフ刺さってるんだけど、どうしたんだい」
 ざくざくと刺さっているナイフが、一本いくらほどするのかマーモン姫は値踏みしています。
「いやー躓いちゃいましてー」
 フラン姫は体に刺さっていたナイフを抜くと、淡々と折り曲げて床へと捨てました。
「捨てるなんてもったいないよ」
 形状はともかく材質はなかなかよいもののようだったのです。
「よかったらあげますよー」
「何びびってやがるっ! 外にモスカでもいるってぇのか」
 王様は厳しい人なので、お姫様が戦わずに逃げ帰ったのが癪に障ったようでした。
「いえー、単なる巻きガエルですー」
「巻きガエルがてめえに何の用だ。カエルごときにびびってるってぇんじゃねえだろうな!」
「あ〜、えーとですね。かくかくしかじか、…というようなわけなんですがー」
「バカ姫ー! 家来になる約束だろがっ」
 外からはまた柄の悪いカエルの怒声が聴こえてきました。
「くだらねえが約束なら守りやがれ」
 睨みを効かせた王様はフラン姫を見据えました。
「え〜っ、カエルですよ〜?」
「口答えするんじゃねえっ!」
 どんっと食卓を行儀悪く王様が叩くと、振動はテーブルの端まで伝わってゆきます。
「わ〜かりました〜」
 お姫様は厭々ながら立ち上がって、またお城の出入り口の扉へと向かいました。
 扉を開くと同時にまた数本のナイフが刺さりました。
「メシメシ♪ ちゃっちゃとテーブルに上げろ」
 カエルは無遠慮に大理石の床をひたひたとジャンプして城の中へと入りました。仕方なしにカエルを掴んで自分の食卓の前に置きました。
「カエルの分なんかないですよー」
「おめーのがあんだろが?」
 また渋々とフラン姫はカエルの口元へと食事をスプーンで運んでやりました。
「……なんでカエルなのにスープなんて飲むんですかー? ミミズでも食ってりゃいいじゃないですかー?」
「オレいいとこの出だし! ミミズとか食ったことねーから! まあまあだな」
「カエルの癖にいい身分だって? 笑わせるね」
「………なんだこのチビ?」
「ムッ、誰がチビだい?」
「姉です。ミーの食事ですよ、半分残してくださいねー?」
 しかしカエルは遠慮なしに食事の皿を全て平らげました。
「そろそろ腹もふくれてねむてーし、おめーの部屋連れてけ」
「嫌(や)ですー。カエルさん寝言とかウルさそうじゃないですかー?」
「かっ消すぞ、カスっ!」
「わっ! はーい、わかりましたー。……は〜っあ〜っ」
 王様が投げたワイングラスが頭上のぎりぎりを飛んでゆき、床に落ちてパリーンと割れました。
 大きな溜息を吐くと、カエルの首の根元を指でつまんで運び始めました。
367カエルの王子さま3:2009/04/05(日) 03:23:38 ID:3DJtxgF+
 階上に続く階段を足音一つさせずにお姫様は上ってゆきます。
「もっとてーねーに持てよ。家来」
「カエルの扱い方としては十分丁寧ですよー。家来だと働く気失せるんで、コーハイにしてください。それかフランて呼んでください」
「どこがだよっ! じゃ愚かなコーハイ。ちゃんとやんねと王様に言いつけんぞ?」
「はーいー、わかりました〜」
 大事な品物を扱うようにフラン姫はカエルを胸元へと抱えました。
 しかし部屋に着くと途端にカエルを床へと半ば放り投げるように降ろしました。
「てーねーにおけよ! おめーは床で寝ろ、コーハイ」
 床にバウンドした巻きガエルはふかふかの高級布団に飛び乗ります。
「……こ〜の〜っ…………ちょ〜しにのんな〜クソガエルセンパ〜イ」
 とうとう堪り兼ねてカエルを掴んで床へと叩き付けました。
 その時ちょうど午後の六時半に鳴る時計の鐘が鳴りました。
 叩きつけられたカエルは一瞬霧で覆われ、頭にティアラを乗せた人間の姿へと変化していました。
 驚いたフラン姫は霧の中に懸命に目を凝らしています。
「な〜……んでしょう?」
「よぉ、なにしてくれてんのー?」
 声には聞き覚えがあるようでしたが、今までのカエルの声とはどこか違っているようでした。
「……センパイ? ……じゃないみたいですねー? どちら様でしたっけー?」
「オレ? 正統王子のジル様だ」
「…………ええっと〜? 不法侵入はこまるんですが〜」
 周囲へときょろきょろ目を向けましたが、ジル王子以外に人影はありませんでした。
「おめークソ弟のコーハイだっけ?」
「ってことはセンパイのお兄さんかなんかですかー? クソなセンパイなんかミーは知りません。
バカなセンパイなら知ってますがー」
 とりあえず都合が悪そうなので、知らないフリをしてやり過ごそうとしました。
「しーっしっしっ、ま、いーや。なあ出来そこないの弟のコーハイちゃん、オレといーことしよっか?」
 しかしツメが甘く誤魔化しきることはできませんでした。
 フラン姫に近付いたジル王子は、ドレスの胸元を引っ掴んで自分の方へ引き寄せました。
「なんとなく生理的に受け付けないので、断固拒否ですね〜」
「そ、まー拒否されても……やっちゃうけどな!」
「ぜ〜って〜嫌です〜」
「あ゛っはあ゛〜? オレに逆らえると思ってんのか?」
 ジル王子がフラン姫を殴り付けると、箪笥の角に顔からぶつかり鼻血を出しました。
「ぐへっ! やめてくださいよー、ぼーりょくとか」
 そう言う割にはけっこう普通で平気そうでした。
「知っか」
 追い詰めたフラン姫を床へと押さえ付けて首筋を絞め上げ、ジル王子はドレスを無理に引き千切りました。
 膨らみは小ぶりなものの、白くてやわらかな乳が壁に灯されたロウソクの光に照らされています。
 両手の平でジル王子は弾力のある形の良い胸をつぶすように乳房を握りました。
「ん〜ぐ〜っ。い〜だ〜っ。はなしてくださいよ〜」
 ちょうどその時のことです、がたんっと音がして扉が勢いよく開きました。
「てんめー、なにやってんだ!」
 口元だけはにていましたが、ジル王子と瓜二つかどうかはよく判りませんでした。
 しかしそこにはやはり目元が髪の毛で隠れた、ティアラを頭に乗せた人が立っていたのです。
 だから多分こちらの人も王子です。ただこの人は投げ付けられた巻きガエルと同じ癖っ毛みたいな髪型でした。
 そしてどうしてか服が水浸しでした。でもパーマはがっちりキープです。
「見りゃーわかんだろ? ノロマな弟」
「もしかしてセンパイですかー? 遅いですよ、なにしてたんですかー?」
「遅いですよじゃねえ! なんでこんなアホ一掃できねんだ。バカ!」
「一応ヴァリアー一天才のバカなセンパイよりは、センパイのアホ兄貴のが少し多めに天才なんですよー?
そこら辺考慮して一応センパイの顔立てたら、そりゃムリじゃないですかー?」
「ムリじゃねえ、殺(や)れっつってんだ! つかヴァリアーとか知んねし!」
「あ……そーでしたー。じゃー姫でか弱いのでなおさらしかたないです。ちゃんと護ってください」
「なんでオレがおめーを護んなきゃなんねんだよっ」
「ベル、ごちゃごちゃうっせ! 大人しく見とけ、終わったらお下がりしてやっから。出来そこないにはちょうどいーだろ?」
「や〜……嫌です〜。やめてくださ〜い」
「……大人しく見てっとか、」
 両手の指の周囲へと取り出したナイフは宙に浮いています。
「あるわけねえし」
 宙へ浮かせたナイフがたくさん、一斉に壁際の二人に向かってゆきました。
368カエルの王子さま4:2009/04/05(日) 03:28:21 ID:3DJtxgF+
「んっの、クソおとーと、死ね!」
 ジル王子は一応全てのナイフを避けると、何本かをベル王子へ投げ返しました。ワイヤーを手繰ってベル王子は投げ返されたナイフを止めました。
「ゲロッ! ……ついでにミーにも刺すのやめてくださーい」
 ほんのついでにフラン姫にも一緒に投げ付けられたナイフは腕に刺さりました。しかしやはり一筋の血すら流れませんでした。
「よけりゃいいだろが」
「この状態でよけらんないじゃないですかー? 動けないですしー」
「とにかくそのバカはオレが先に目ぇ付けたエモノだし。どけよ、ジル」
「おにーさまにめーれえすんなっ! 弟の分際で」
「え〜ええ〜? センパイ助けに来てくれたんじゃないんですかー?」
「なんでオレが助けなきゃなんねんだよ? 約束破って逃げやがったクセに。に、ジルはやめねとおもーけど? そう言うなら王子帰っし」
「もっとダメです〜、センパイのアホ兄貴となら、まだセンパイのがマシです〜」
「なぁ、さっきからこのアホがアホって言ってんの、正統王子のオレのこと?」
「おめー以外にだれがいんだよ? まだマシとかどういう意味だ、バカガエル」
「きれいな月だなー。いやー、ほら外見てみてくださいよー?」
 フラン姫は円らな瞳で窓から垣間見えた遠いお空を眺めています。
「ベル、久しぶりにおにーさまが遊んでやるよ、二人でこいつやっちゃうか!」
「う〜ん……ま、いーぜ」
「ちっ…………どっこもよくね〜だろ、バカ王子〜」
「なんか言ったか?」
 ベル王子の手元でナイフがきらりと光りました。
「急激にそんな仲良しにならなくてもいいじゃないですか。そんなのやめてお月見とかしませんかー?」
「るせっ、だまれよ」
 フラン姫の頬をまた拳でジル王子が殴り付けました。
「んがっ、いっでー。センパーイ……助けてくださーい」
「ダーメーだっ。んなの簡単によけれんだろーが」
 殴られたフラン姫に近付いてしゃがみ込んだベル王子は、殴られて赤くなった頬を舐めてあげました。
 痛みで流れたフラン姫の涙もついでに舐めました。
「……くすぐったいですよー、センパイ」
「ナニ浸っちゃってんの?」
「ひっいい〜っ、いだだっ。歯〜立てないでくださいよ〜」
 破れた布の隙間から覗いた、小ぶりな乳房が噛み切れるかと思うほど、ジル王子は歯を強く立てたのです。ベル王子はフラン姫の喉から出る悲鳴を遮るように、唇へと舌を押し込みました。
「あ゛ーっ、あ゛っあ゛っあ゛っあ゛ーっ」
「んーっ。センパイ、今のもっとしてくださーい」
「しょーがねえな」
  とてもとても愉快そうにジル王子は笑いました。強請られるままにくちづけながら、ベル王子も開いていた方の乳房をふにふにと手の平で揉みました。
「ん〜ん〜っ」
「ベル、ナイフかせ」
「あ゛? ぜってーヤダし!」
「いーからよこせっ!」
 無理にベル王子のオリジナルナイフを引っ手繰ると、フラン姫の腹部を覆っていたドレスを裂いたのです。
「あ〜、なにすんですか〜? やめてくださいよ〜」
 ナイフを取り上げようと手を出しましたが、簡単に押さえ付けられました。
「こっちのがお前には似合ってんぞ」
「そんなわけないですが〜?」
「返せっての」
 ベル王子は粗末に扱っているようで大事なナイフをジル王子から奪い返しました。
「センパイ………えーええ〜?」
 フラン姫が若干の先輩を尊敬する眼差しで見守る中、更に大きく布の破れる音がしました。
 より一層ドレスは裂かれ、スカートの方まで生地が破れて太腿が見えました。
「……な〜んてことすんですか〜」
「オレの裂き方のがイカシてんだろ? すっきり」
 ベル王子は調子に乗ったもので指先でナイフをくるくる回しています。
「イカシてねえよ〜、なんでだよ〜。すっきり通り越していっそ清々しいですねー」
「しししっ、よく似合ってんぞ」
「だからんなわけねえだろ〜がよ〜」
 王子様に向かって大変に失礼な口の利き方ですが、もちろんそれは独り言なので問題ありません。
「つぎオレっ、オレっ!」
「次なんかないですよ〜。これ以上破かなくてもいいじゃないですか〜?」
 開いていた手でベル王子からナイフを引っ手繰ろうとしました。ですが間に合わずにナイフはまたジル王子の手に渡りました。
 そんな風にナイフを奪い合って争いながら、フラン姫の衣服を引き裂いてゆきました。
369カエルの王子さま5:2009/04/05(日) 03:30:08 ID:3DJtxgF+
「こんなにドレスっぽいものぼろぼろにされると困るんですがー」
 仰向けのまま白い肌のすべてを露にされたフラン姫の頬は赤みを帯びていました。
 普段ならば曝されることのない陰部までが、蝋燭の灯りの下に照らし出されていたからです。
「うへひゃへひゃはほへ〜」
 王子達は脱いだ服をだらしなくその辺に適当に散らかして屈み込み、仰向けのフラン姫の柔らかい胸を舌で舐めました。
 二人が体を舐めまわす度に、意味の判らない悲鳴が上がってフラン姫の背筋が強張ります。
「みょーな声出すな!」
「変なとこなめたからですよー。もっと普通にしてられそうなとこにしてくださいよーセンパイ」
「いーから黙ってろ」
「おもっせーオモチャ」
「オモチャとか失礼ですよー」
「じゃガングか?」
「意味いっしょですねー? さすがアホなだけありますねー?」
 ししっと笑ったジル王子はフラン姫の右足の膝の裏を持ち上げて、脚を大きく開かせました。
「あ〜、なにすんですか〜」
「丸見えだぞ、穴ん中。まっピンク♪」
「恥ずかしいんでそんなジロジロ見ないでくださいよ〜。嫁いだりできなくなるじゃないですかー?」
 太腿の内側をジル王子が舌でべろっと舐めると、真っ直ぐな髪の毛もさらさらと太腿へかかりました。
「うあっ」
「なぁ、んーなキレーな体で終わらして貰えっと思ってんのー?」
「……センパーイ、こいつこんなこと言ってんですがー」
「逆にここまでされてんのになんでおめーはそのつもりじゃねえんだ?」
「……………。堕王子ども、今すぐ地獄に帰れ〜」
「オレ天使だし」
「やなこった」
 似たように口元だけで小馬鹿にして笑い、口々に諌めるばかりで執り合うこともしません。
「おにーさまに先譲れよ、ミミズ」
「オレのコーハイなんだからオレが先だろが、ゴキブリ」
 片腕ではフラン姫の体を床に押し付けたまま、ベル王子はジル王子の顔面へ左腕で肘鉄を喰らわせました。
 ジル王子もベル王子のこめかみに向かってゲンコツをしました。
「「オレが先につっこむっつってんだろ!」」
 言い争いをしながら、脚を開かせたフラン姫の下のお口へとそれぞれの先端を宛がいました。
「どっちが先に奥までいれれっかきょーそーすっか?」
 ジル王子は心の底から楽しそうに提案しました。
「…………いーぜ」
 あまり浮かない様子でしたが、ベル王子も負けるのが嫌だったので承諾しました。
「…………。二人いっぺんにだとかはムリじゃないですか〜? ミーの体裂けちゃいませんかね〜?」
 顔面を蒼白にした悲痛な叫びが聴こえても王子達はやめません。
 二人の体はフラン姫の柔らかい膣の中へと、ゆっくり飲み込まれていったのです。
「う゛あ゛っ、きっつぅ」
「ぎゃ〜うあ〜〜、ひあ〜あ〜あ〜」
 男の人を受け入れたことがなかったフラン姫の体は、限界まで開きぷちっと何かが切れたような音がしました。
「あ゛っ、はっあ゛っ」
 溢れ出て来た血できつかった体の入口が少し緩みましたが、奥の方までは全然届きませんでした。
「嫌〜っ、い〜っ。ぬ〜い〜て〜、ぬ〜いてくださいよ〜」
 呻き声を上げる唇の端から垂れた涎が顎を伝って喉元へと流れました。
 鼻水や涙や冷や汗で無表情な顔がぐしゃぐしゃになっています。
 躍起になってもがく腕は碌に力も入らず、王子達に余計にきつく絡め取られました。
「我慢しろ、な?」
 ベル王子は舌で首筋をなぞってから、フラン姫の唇へと触れました。
 そうするとフラン姫は多少気を取り直して目をベル王子の方へと向けました。
「……セ…ンパーイ、ミーは、センパイが、いるか…へーきで〜すー」
「…ん」
 自分を見つめていたフラン姫の髪をなでて、ベル王子は口元だけで笑みました。
「だっせぇことばっかしてんなっ」
「おめーにカンケぇねえしっ」
「………センパイの、アホなおにーさんは〜、は〜、だいぶ嫌ーですがー、
もとはーアホ兄貴も〜センパイとー、一つの細胞だと思うとー、うあ〜、たえられますよー? い〜いっだ〜」
 フラン姫は今度はジル王子の方へと眼差しをじっと向けました。
370カエルの王子さま6:2009/04/05(日) 03:30:45 ID:3DJtxgF+
「………あ゛? オレとこの失敗作が同じ細胞からできてるわけなくね?」
「………げ。うすっ気味わりーことぬかすなっ! バカガエルっ!」
 二人はそれぞれにフラン姫の頭をぺしっとはたきました。
「いてっ、いやーでもどー見てもー、一卵性の双子ですよねー? んっ、遺伝子はまったく一緒ですよーねー?
あとセンパーイ、カエルとかなんですか? そんなの、は〜、ミーは知りませーん」 
 痛みに打ち勝ってどうにか調子を取り戻した様子でした。
「「一緒じゃねっての!」」
 苦情を言う時ばかりは双子らしくはもりました。
「いやー、どこもかしこも一緒ですねー」
「どこがだよ、全身全霊で土下座してワビ入れながら取り消せ!」
「う、うあっ、動かないでくださいよー。そう思うとセンパイもアホ兄貴もわりと謙虚ですねー?
自分と同じ表面の人をそんな卑下できませんよ、フツー」
「ジルの顔だけはけなした覚えねーけど? まあオレのがいーだろ?」
「オレがいっこでもお前に負けてる部分とかあるわけねーだろ、クソ弟」
「あ……二人ともただのナルシストですね……。しょーじき髪型以外はあんま変わりないので、判断しようもないです」
「なにちょっと引いてんだよ」
「なぁお前しゃべれねぇよーにして欲しーの? 舌ぶっこ抜いてやろっか?」
「……ほんなほとなひでふよー」
 ジル王子は上から左手でフラン姫の顎へと指を掛けました。
「あ、いーこと考えた。ベルこっち譲ってやるよ、もう破けちったし」
「んあ?」
 血液や愛液で緩んだフラン姫の体から、ジル王子は性器を引き抜きました。
「いは〜っ、んうー、どうしまし、たー? え〜っ?」
 そうして目の前に突き出された性器に無表情なままで驚いています。
「くわえろ」
「カンベンしてくださ〜い」
「やんねぇとアゴくだく」
「ふぇんぱーい」
「しししっ。オレ知んねっ。やってやりゃいんじゃね?」
 ベル王子は困って甘えてくるフラン姫を見るのが、とても楽しくなっていたのです。
「………………。わかりました、いいですよ、やってあげますよ。
アホ兄貴はそこに転がってくださーい。堕王子(仮)はそれ抜いてミーから離れてくださ〜い」
 怒りを心頭させても表情の変わらないフラン姫が身を起こすと、自然とベル王子と体が離れました。
 そうして床へ座っていたジル王子の腰へと顔を合わせて体を屈めました。
「あり? …………フラン? 堕と(仮)は外せよ。お、おいオレどーすんだ?」
 ちょっとだけ困らせてから助けてあげようと思ってたので、ベル王子は内心相当慌ててました。
「自分ででもすればいいじゃないですかー? センパイなんかもう勝手にしてください」
「すねんなっ」
 ベル王子は背後からフラン姫の髪を引いて、自分の方へと顔を向けさせようとしました。
「センパイが悪いんじゃないですかね〜?」
 しかしフラン姫は一言呟いたきりでベル王子の方は振り向きません。
 そうしてジル王子の性器へと柔らかな唇で触れました。
 体に付いていたたくさんの傷跡や、三日月の形をしたアザを目に入れないよう目をつぶりました。
 ぎこちなく拙く舌を使ってそうして一生懸命に竿の所を舐めてゆきます。
「ししっ、ふられちったなぁ? ベル」
「チッ、うっぜ。………!」
「んふえっ?」
 何事かを思い付き四つん這いのフラン姫の膝を立てさせました。
 それから背筋を丸めたベル王子は、後ろから太腿の付け根へ顔を近付けました。
「ん〜え、えんっあ〜い? ん〜?」
 伸ばされた舌がフラン姫の薄桃色に割れた、破瓜の血で穢された秘所を舐めて上げました。
「……ふあっ、あっ……や〜めてくださいよ〜。どうしてっ、そんなとこなっう〜、めてるんですかーあ〜」
 陰核の方までを丹念に舌で舐られ、目を開けて一度唇を離すとベル王子へと喘ぐ声の混じる非難を向けました。
「……………勝手にしろっつったのはおめーだろ」
 親指と人差し指でとても大事な所を摘んで揉みほぐしています。
「んっ…だあっ……からって〜、あ〜、そ…なとこなめていいな……んてー、言ってないんですが〜」
「のわりに声すごくね? やめろとか言われてやめるぎりねー、王子の好きなよーにすっし」
「は〜…っ…は〜……センパイって、ん、なんで〜そんな性格わっるいんでえっす……か〜あ? んあっあっあ〜」
 顔を見ることはできませんでしたが、それでもフラン姫はにやりとしたベル王子に気付いたようでした。
 指から逃れようと腰を浮かせるとちょうど指が襞の所に触れました。
371カエルの王子さま7:2009/04/05(日) 03:33:04 ID:3DJtxgF+
「お前が困ってんの見んのおもしれえし」
 唾液と溢れ始めた蜜に塗れてとろとろになった陰唇を、指で開いて中指を差し込みました。
「えー? やっ、なんでで……う〜、ああっん〜」
 鉤のように折り曲げた指がフラン姫の柔らかい体の中を刺激しています。より大きな喘ぎで閉じ切れなかった口から涎が垂れました。
「なぁ、無駄口叩いてねーで、しっかりなめろ」
 痺れを切らしたジル王子は、振り返ろうとしたフラン姫の後頭部を押さえ付け自由を奪います。
「むうぐーっ、ふ〜っ、う〜」
 だから仕方なしにぼんやりと見つめながら、またジル王子のことをぞんざいに咥えました。
 ベル王子は面白くなさ気にそれを一瞥しました。そうして程よく濡れた秘所へと腰を当てて狭間を押し開いてゆきます。
 ゆっくりと侵入する毎に絡んでくる襞に耐え切れず、う゛あ゛っとベル王子から呻き声があがりました。
「んっんんっ、はあ〜、んっぐー。んん〜」
 声を抑えようとしているフラン姫の背中へ、後ろから縋りついたベル王子は乳を揉みしだきます。
 指の細部で触れる度に乳首は硬くなり、湿り気のある膣の内部もぎゅうっと締まってゆきました。
「がほっ、んー、あっ、あっ、はっ、ふぇふ…は〜ひ、ほふなひ〜、ふひひゃ、んっ、あええふ〜」
 咥えながらうまく声を出せずにフラン姫は背後を気にしました。ジル王子に顎を押さえられていたので、ベル王子を見ることはできません。
「はっ、なに言ってっかわっかんね」
 ですがベル王子は自分の方を気にしたフラン姫を見て、満足そうに口元を歪めました。
「も、いーぞ。口離せ」
 途中で終わらせたジル王子を、とても不思議そうな表情でフラン姫は眺めています。
「どー、したんんっで……〜っ」
 不意にぴちゃっとフラン姫の頬や口元が生温く濡れました。とっさで唖然とした顔にぶちまけられた体液が、頬から伝って床へと垂れて落ちました。
「う゛あ゛は〜っ、あったけぇ?」
 手の平で頬へと滴った雫を擦り付けています。
「あっ…かいことは、は〜、あったっかいですっううっねー」
「アホかっ、もっと嫌がれよ」
「ぶっちゃけ、んうう、口ん中に出されな…くってそーとー安心しましたあ、はっ」
「…………飲め」
 頬を擦った手の平を口元へと押さえ付けました。
「嫌…でぇえす〜ぅう〜っ」
 眉間に皺を寄せた無表情な顔を手から背けました。
「いいから飲め」
「げえほっ」
「う゛あ゛っ、てめっ」
 指に付着させた精液を無理に押し込もうとした所で、ジル王子は指を噛まれました。
「嫌だ…て言ってるじゃあんっ、ないっですか〜あ。ぺっ」
 フラン姫はあまりの気分の悪さに思わず行儀悪く唾を吐き出したのです。
「……オメーの言うとーり遺伝子がまったく一緒なら、孕んじゃってもどっちの子かわかんねえよなぁ?」
「もっしか、してえっ、んは、おおこったんんっ、でっすか〜?
でも、そんな…のミーが決めたわけじゃ〜はあ、ないっじゃないですかあ〜? 
八っつ当たりされてえもっ、んっん〜こまりま……す」
「きっちり種付けてやっからな♪」
「まぁ、アホっあっにきも〜所詮センパイの、一部、だっからあべつにい、い〜ですけ、うぐっ……どねー。
センパ…イ、激っしいんっ……で、すがあっ」
「んあ゛っ」
「一部じゃねえ!」
「それにいっ遺伝子いっしょ、なのでえ〜、もしもの際は〜センパイのっ子というう、ことに〜いしまう〜」
 体の内部を熱に浮かされ、かわいそうに考える力も低下していたようでした。
「おいっ! ベル、んーななめたこと言わしといていーのかよ?」
「しいっかたあ、ないじゃな…です、か〜。センパイ、ダぁメですか〜あ? ふっ、あっ」
 首だけを捻って後方を眺めました。
 その間もぬちゅぬちゅと具合の良い音を立てて、ベル王子は体を抜き差ししていました。
「いーぜ?」
 なのでそちらに気を取られていたのか、さほど考えた様子もなく返答したようでした。
「んっ、そんな〜感じに〜い…は〜っ…、けって〜しましたーああっのでー」
 目を前に戻すと今度はジル王子の前髪に隠れて見えない瞳を、食い入るように見つめています。
「アッタマ来た! ぜってぇオレの子孕ましてやるよ」
 面白くなさそうにフラン姫の髪を掴んで顔をより上げさせて口付けました。
 ジル王子は食いしばられた歯を指で抉じ開け、舌を押し付けます。
「う〜ん〜う〜っ」
 示された抵抗を気に留めずに舌が侵入してゆき、舌の上がなぞられ喉の奥の方まで舐められてました。
372カエルの王子さま8:2009/04/05(日) 03:34:59 ID:3DJtxgF+
 掴まれている顎に力を籠めて歯を食い縛ると、フラン姫はまた指へ噛み付きました。
「ん゛げっぇ、てっめ゛ーーー」
「いくらなん、んんっ、でも〜失礼だとおっもういまあっす、よ。ん〜っぐっ」
 ゆっくりと擦り動かしていた腰を止め、ベル王子は大きく息を吐いています。
「あ゛っ、あ゛う゛っ。ん゛ん゛はっ」
 その瞬間に背筋から体の端までが震え、溜まっていた体液を全部フラン姫の中へと出しました。
「ひぃ〜っ………あっふ〜、あっち、はっ、あっ、………センパーイ? お腹のなか変なんですが〜。なんかしました〜?」
「……ナカにだしただけだ、大げさにさわぐなっての」
「…………え、ええ〜? やめてくださいよー。なんってことし…て…くれてるんっですか〜」
「ヤルことやっとかねーと、証拠隠滅できねーぞ?」
「……じゃ〜、しかたないからいっ…で〜す」
「いーのかよ、ん゛っ」
 引き抜いた体内からはベル王子が残した体液が溢れ、白い太腿の内側をぬるぬると伝ってゆきます。
 胡坐をかいて二人が交わりを終えるのを眺めていたジル王子は、呼吸を整えているフラン姫の髪へと触れてみました。
 そうしてもうひとたびくちづけてみると今度は避けられなかったので、そのまま少しのあいだ唇を重ねていたのです。
「………………。ベルセンパーイ、ちょっとこっち来てくださーい」
「どした?」
「口直しにセンパイのなめますんで」
「てんめぇっ!」
「不意打ちはヒキョーじゃないですかー?」
 心の底から気分を害したように唇を拭いました。
「しししっ」
 ベル王子はそんなやり取りにバカにした笑いを向けて立ち上がります。
 たいそう面白くなかったジル王子は、すれ違い様にベル王子を蹴り付けて場所を入れ替わりました。
 少しばかり浮かれていたもので、ベル王子は避けるのが間に合わず、床へとつんのめってとてもムカいたのです。
 なので少しだけ手加減してあげて、柄の方を向けたナイフをジル王子の頭を目がけて投げ付けました。
 ごすっと小気味の良い音をさせてナイフは後頭部を直撃しました。
「ベルぅ、なっめたマネしてんじゃねぇぞ」
 ジル王子はナイフの切っ先を的確に急所へと向けて投げ付けました。
「んなの当たっかよ、アホジル」
 そこからはもうあちこちに散らばっていたナイフの投げ合いです。
 ひゅっと空を切っては皮膚すら掠めないように、二人はナイフを飛ばしてはよけしていました。
 こどもの頃によくやった遊びなので、そういうのは得意でした。
「どこ行くつもりぃ?」
 王子達がそんな余計なことを続けていると、ここぞとばかりに体を起こした影がありました。
「…………ちょ〜っとコンビニまで〜」
 そうして逃げようとしていたフラン姫の体へ腕が回され、元の通りに床へと引き戻されました。
「ありりー? まーだ逃げれるとか思っちゃってんのー?」
「いーかげん観念しろっ、カエル」
「…………。アホ兄貴はアホだからとして、センパイはなんでなんですかー? やっぱバカだからですかー?」
「アホ言うなっ!」
「誰がバカだっ! だっておめーのこといたぶんのおもしれーだろ?」
「いや、だろって言われても少しも賛同できませんが〜?」
「んじゃたのしーだろ?」
「やっぱバカなんじゃないですかー?」
「バカじゃねえし、いーからとっととなめろ」
「はーい。……アザの位置は違うんですねー? ここだけどんな突然変異が起きたんですかねー?」
 目に入った三日月になっているアザを指でなぞっています。
「………だから二卵性だっつってんだろが」
「それはないですよー、大きさも形も一緒ですしー」
「「オレのがでっけえだろ?」」
「……………。変わんないですねー」
「オレの一卵性にしちゃ出来わるすぎっけどな」
「んじゃアザでわかるかもですねー。性格もアホ兄貴のが悪い方によく出来てましたねー。
センパイほど心根がどうしようもない人、見たことないと思ってましたが、想像以上でしたよ」
「……………。おめーどっちにケンカ売ってんだ?」
「ケンカなんか売ってませんがー。それよりこれホントに本物ですか? 特殊メイクとかじゃないんですかー?」
「……見分けんのに付けられたんだっけか? ……なぁ、ジル?」
「だっけ? どーでもよくね? んなの」
「そんなアバウトじゃ困るんですけどー」
373カエルの王子さま9:2009/04/05(日) 03:35:41 ID:3DJtxgF+
 フラン姫がベル王子のお腹のアザへ舌を触れると、ベル王子はフラン姫の頭をなでました。
 そんな二人をジル王子はまた口元の不機嫌さを隠さず眺めています。
 そのうちに指を二本ほどフラン姫の柔らかい膣へと突っ込むと、内部をぐちゅぐちゅと掻き出しました。
「………っくあ〜、はっ、かあっきまぜ、な…でくだっさいよ〜」
 敏感になっていた体の奥底を刺激されて大きく息を吸い込みました。
「あ゛はあ゛〜、ぐっちゃぐちゃー」
「うぉえっげぼ、がほっ」
 無防備に開いていたフラン姫の唇の隙から、ジル王子は引き抜いた指を押し込めました。
「だぁ〜い好きなベルセンパイのせーえきだぞ、なめてキレーにしろ!」
「……………まっはくふきじゃなひですほー」
「ほー?」
「うっえ、げえっ、どんぐりのせーくらべ程度であんたよりマシってだけで、嫌なタイプですねー。ベルセンパイも」
「だってさぁ、カワイガった甲斐ねーコーハイだなーベル?」
「なんか突如おめーにナイフ刺したくなってきたんだけど、刺していい?」
 口元を引き攣らせて話を聞いていたベル王子は、フラン姫を覗き込みました。
「なんでですか〜。嫌です〜…………?」
 上へ向けた目でフラン姫もベル王子を見てきょとんとしていました。
「んっだよ」
「センパイなんか怒ってますー?」
「べっつに怒るりゆーねえし?」
「ならいいんですけどー。センパイなんて好きだったら散々ですよー」
 多少しゅんとした顔を下へ向けてまた元の作業に戻ろうとしました。
「………………なんだっつの」
 首を傾げていたベル王子はその様子を見て、本気でフラン姫の額にデコピンしました。
「でっ、なにすんですか〜。もっと軽めにしてくださいよー。本気の攻撃じゃないですかー」
 苦情は言いつつもフラン姫は鈴口の部分だけを唇へと含んで、丹念に舌を這わせてゆきます。
 それから口に入りきらない根元までを舌先で擦り、さっきよりもずっと丁寧に袋も飴玉を舐めるように舐めました。
「ん゛あ゛っ」
「ひー……っい〜。嫌〜です〜、い〜や〜で〜す〜、んんーっっ」
 その間にもジル王子は乱暴にフラン姫の膣口へと自身を埋めてゆきました。
 腹部を支えて無理やりに挿入すると、ぐりぐりと先端が子宮の入口へと突き当たったのです。
「……そ〜っこ、は〜っ、ん〜っは、ダ〜メえー…でーす」
「すっげぇ絡みついてくんぞ、おめー淫乱だなぁ」
「嫌〜だって……言ってんじゃね〜かよ〜。う〜、わ〜あ、ん〜、ちょ…っとは遠慮しろ〜アあっホ〜お」
 つい癖で思わず汚い言葉で独り言を言いました。
「なぁーオレののがすげーだろ? 奥に当たってんのわかっか?」
「わかりっ、ま…せっんが〜。ミーはあっ、センパイが、きもちよければ〜んっそれでぇいーのでー。んっ、ん〜」
「なに言ってんだ、カエル」
「カエルじゃはあ、あっりません〜が〜あ。んああっ、センパイは〜、いいですかー?」
 口は離しても一時も休むことなく、親指と人差し指の腹で目の前にある性器を弄びます。
「……………バーカ!」
 潤んだ瞳と紅潮した頬で見つめられ言葉に詰まったもので、ベル王子はとりあえず悪口を言いました。
「い〜や、なんっ…すかー? あ〜っ、そ、んっなに、ナカあ乱っ暴にしいっな、でくださ、いよ〜」
「まあ……………けっこーいーぜ?」
 何も言わずに笑顔も見せずに柔らかい眼差しでベル王子を眺めただけで、フラン姫また先端を舐り始めました。
 息を吐く暇もなく一際に深い部分を抉られ続け、フラン姫の陰唇からは止め処なく蜜が溢れてきます。
「ん〜ふっ、あっ、ひゃ〜あ」
 それにどうにかして抵抗を示そうとお腹に力を込めました。
 でしたがそうするとあらがう所か、内壁は殊更にジル王子をきつく締めつけたのです。
「うあ゛っは、んなに締めつけんなっ」
 泥を捏ねているようなぐちゃぐちゃとした音がしていました。
「んっなことー、っしってな…ですよ〜。セ、ンパ〜イほんっとでえっ…よ〜」
「わーってるよ」
「ひくついてんぞー、ナカ。体は正直だよなぁ?」
 抉られる度にお腹の中が痙攣してぴくぴくと収縮しているのでした。
「や、あです〜、んっ、あっ、はあっ」
 ジル王子に背筋へと噛み付かれ、意志とは反してまた膣が濡れてぎゅぎゅうっと締まったのです。
「あ゛っあ゛っ」
374カエルの王子さま10:2009/04/05(日) 03:36:24 ID:3DJtxgF+
 ベル王子は両手で頬に触れて顔を上げさせ、さっきデコピンした部分に唇を当てました。
「セ、ンパイ…。どっうしちゃったん、はあ…っ、ですか〜?」
「わりーのか。やならもうしねー」
 思いっきり首を左右に振ったフラン姫は、髪に隠れた見えない瞳へ視線をじっと合わせました。
 そうして急に恥ずかしさに赤くなった頬を俯かせて目を逸らせると、また唇を性器へと優しく触れました。
「ん゛ぐっ、あ゛っう゛あ゛っ」
「ふぇ〜?」
 口に含んでいたものが少し大きくなったので、思い切り息を吸い込んでみました。
「んっんう、はっ………かはっ、ごほっ。んっい、ああっ」
「あ゛ーっう゛ あ゛はっ」
 二人の王子達はとうとうお姫様の上と下のお口のそれぞれへと、勢いよく精液を吐き出したのです。
「ひ〜っ」
 フラン姫はどぷどぷと膣の奥が濁ってゆくのが判りました。
 口内に排出された味に耐え切れず開いた唇から、ベル王子の体液が垂れてゆきました。
 それでもフラン姫は頑張って口の中に残っていたのを喉へと流し込みました。
「終〜わったんなら〜、早くぬいてくださ〜い、う〜っ」
 体の奥深くへと浸み込ませるように、ジル王子は終わった後も挿入したままでした。
 そうして何度も何度も執拗にフラン姫のお腹の中を掻き混ぜたのです。
 子宮へとちゃんと精子が着床するといいなと思ったのです。
「や〜っ、め〜えっ」
「も、出ちったし。楽しみだな?」
 こすり付ける度にぬちゅぬちゅと音をさせて子宮まで精液が押し込まれました。
 いくら掻き乱されても、フラン姫にはもう抵抗する気力もありません。
 ようやく体が離された頃には突っ張っていた腕の力も抜け、ベル王子の足元へとへたり込みました。
「は、は〜」
 床に敷かれてぼろぼろになっていたドレスに、体内から溢れた液体が染み込んでゆきます。
「うあ゛あ゛〜、ねーみい゛っ」
 ジル王子は自分勝手に事を終えてベッドへと転がりました。
 もつれた肩を起こしてベル王子は自分の胸元へとフラン姫を抱えました。
「………ベルセンパ〜イ?」
「大人しくしてろ」
 そうして珍しく王子様のように、小さな体の背中と膝の裏へと両腕を回して持ち上げて運び始めました。
 ベッドに乗せられる前にはフラン姫は、ベル王子の腕の中で汚れた体のままうとうとし始めました。

 永い永い夜が明るい日差しと共に明けたので、フラン姫の虚ろな瞳にも太陽の光が宿りました。
 王様の飼っているライガーが遠吠えをしています。
 ジル王子とベル王子は脱ぎ散らかした服を着て部屋を出ると、ケンカしながら王様の所へゆきました。
 自分の国へとフラン姫を連れて帰る許可を貰おうと思ったのです。
 ですがKYなジル王子が昨晩の出来事を包み隠さず王様に話したので、二人は殺される一歩寸前の目に遭いました。
 ちなみにKYというのは空気が読めないという言葉の略語です。
 それでもなんとかしてベル王子が王様を持ち上げて、許しを得ることができました。

 午後の陽射しの中で一人のお姫様と二人の王子様は、でっかい象のひく象車に揺られていました。馬車の象版です。
 恰幅の良い執事が王子達を迎えに来たので、フラン姫は早速ゴツ執事とあだ名を付けて上げました。
「あー、そういやセンパイ達はどうしてカエルになったんですかねー?」
 そんなことは本当はどうでもよかったのですが、一応訊ねました。
「う〜ん? ………………そーいやなんでだっけ?」
 都合の悪いことは直ぐに忘れてしまう派のベル王子は、もうそんなことはすっかり忘れてしまったようです。
 ジル王子の方へ顔を向けました。
「おめーがおにーさまに服従しねーからだっ」
「だれがすっか、アホ」
「だれがアホだ、バカ」
「ジル様とベル様は幼少時よりとても仲がお悪く、このようにケンカばかりしていらっしゃいました」
 そんなことで全体的に白っぽい魔法使いに、おしおきに一匹のカエルにされてしまったのだと、執事が口を挿みました。
 暫く走ると道端の石にでも当たったのか、どこかからぴしぴしというラップ音が聞こえてきました。
「オルゲルトー、馬車壊れたんじゃね?」
「いいえジル様、馬車ではございません。私の胸のタガが一つ外れたのでございます」
 基本嬉しいのですが、執事もカエルになる前の王子達にはとても甚大な迷惑を被って来ました。
 嬉しい半面でこれからの杞憂を感じた執事の胸は、張り裂けそうになっていたのです。
 そんなこんなでめでたしめでたしなんですが、もうちょっと続きます。
375カエルの王子さま11 後々1:2009/04/05(日) 03:36:58 ID:3DJtxgF+
こっから全くのエロなしです。



 ある天気の良い日の午後のことです。
「おめーのこと妃にしてやるよ」
 双子の王子がいるお城には、たくさんのお花の咲いたきれいな花壇がありました。
「いいえー結構でーす。ミーはセンパイの家来で間に合ってますんでー」
 とても暇を持て余していたフラン姫は、ジョウロで花々に水を上げていました。
 そこへパーマっぽい髪型にしている王子がやって来たのです。
「………………」
「ところでなんでそんなかっこしてるんですか、アホ兄貴。一瞬センパイかと思っちゃいましたよー」
「………………。んっで、わあった?」
 ベル王子の格好をしてみたジル王子でした。
 フラン姫は少し考えていましたが、だって違うじゃないですかーと間延びした声で答えました。
「そっ」
「自分で言うのもなんですが、勘はいい方だと思うんですよー。それにアホ兄貴はより不快なんですよねー、どこか」
 それより何よりティアラのデザインが違うことには、微塵も気付いていませんでした。
 手の爪先に色が塗られていたのにも気付いてはいませんでした。なんていうか勘以前のものは総無視です。
「んなことより、オレおめーの兄貴になんかなった覚えねぇかんな!」
「いずれなるかも知れないじゃないですか?」
 水をかけ終わったので花の枯れた茎を取り除き始めました。
 とにかく趣味の暗殺ができないのでフラン姫は退屈なのです。
「ありえねーしぃ! …………オっマエごときが妹なんて義理でも認めねーよっ!」
「お妃よりは遠くて程よい距離感だと思いますが〜?」
「妃っつってもあれだぞ、じゅーはちばんめぐれーなっ、しっしっ」
「……………。浮気とかする人はちょっとないんでー」
 心の底から軽蔑した眼差しを向けています。
「んならオマエ一人ならなんの?」
「う〜ん……………。まーそんな考えなくてもなりませんよねー?」
「ジル様がなれっつってんだからなれよ!」
「嫌ですよー。センパイのコーハイしながらお兄さんの妃になるのは忙しいじゃないですか? 
ミーは二足のワラジは履けない人なんですよー。家庭のことも疎かにしたくないですしー」
「…………お前さ、んなにあの駄作のがいーわけ? このジル様より」
 風は雲をさらって空を流れてゆくので、二人の間にはその雲の影ができました。
 二人はちょっとのあいだ静かに影が通り過ぎるのを待っていました。
「…………じょーだんですからねー? う〜ん、バカなセンパイですかー?
性格は最悪だと思うし好きなわけでもないですが、言わば慣れって感じですかね? いるのが当たり前みたいな。
あの〜ミーがセンパイのコーハイだからって、そんな執着されても困るんですがー」
「…………執着とかしてねぇし!」
「センパイと仲直りしたいなら自力で頑張ってください、ミーは協力しませんのでー」
「なかなおり? ね・ぇ・よ!」
「そーですかー?」
「アイツが土下座してあやまりゃ、象で踏んづけるぐれーでゆるしてやってもいーけどな」
「………ほぼ死にますねー? そんな日は一生来ないと思いますよー。待ってるだけじゃダメなんですよー?」
「あの出来そこないと仲直りなんかするひつよーなんか、オレにはねぇ!」
「なんでそんな仲悪いんですかね?」
「う゛あ゛ぁ゛っ?」
「同じ顔とかの人が一人くらいいてもいーなって、ミーは偶に思うんです。分身の術とかできるじゃないですかー?」
「分身の術? んなもんしねーよ! べっつにいたっていいことねーぜ?
お気に入りのオモチャはいっこしかねぇだろ? まぁ奪い合いしたら歴然オレが勝つけど!」
「おもちゃっすかー? それで仲直りできんなら買って来ましょうかー?」
「アホっ! アホっ!」
「ちゃんとお金は払ってもらいますけどー」
「…………マジでお前がもヒトリいりゃーよかったのに」
 ジル王子は傍らのフラン姫から顔を背けて遠くを見ました。
 そちらの方に視線を感じたのです。花壇から離れた大樹には葉っぱしかないように見えました。
376カエルの王子さま12 後々2:2009/04/05(日) 03:37:23 ID:3DJtxgF+
 また少し考え込んでいたフラン姫はぽんと手を鳴らして、顔を上げました。
「わかりました、アホ兄貴もコーハイが欲しいんですね? でもミーはなりませんよー」
「アホじゃねえっ! アホにアホって言われたかねぇ! コーハイなんかいらねえし!
……お前なんざ二回くらい殺しても殺したんねーからな」
「じゃーなにがほしいんですかー?」
「正統王子は出来そこない王子と違って、手に入んねぇものなんかねえんだっての」
「でもオモチャは足りないんですよねー?」
「…………」
「ないならないで、かわりばんこでなかよく使ったらいいと思いますが。それかはんぶんこで」
「アホ」
「中々アリな提案だと思うんですがー」
「ナシ!」
「ですかー」
「にな、はんぶんこしたらないぞーとかぐっちゃぐちゃになんぞ?」
「う〜っわ〜、そういう痛々しい感じのものなんですねー? じゃあダメですねー」
「わかんねぇのか、アホっ」
「アホ兄貴の考えてることなんてとくに知りたくもないですしー」
 ふいっと目をとんがらせて怒りを表現しました。
「アホ兄貴っつーな! 正統王子ジル様っつえよ!」
「嫌ですよージルアホ王子ー」
「んじゃジル様でいい」
「尊敬もしてない人に様付けとかありえませんねー」
「じゃジルって呼べ。オレが許可してやる」
「いっやーそれもちょっとー、アホとは言え一応王子じゃないですかー? ゴツ執事に象で踏み殺されそうですしー。
そんなくっだらないことで命失いたくないんで〜。間とってアホさんでいいですかね〜?」
 フラン姫は一番大事な部分だけを残してあげたつもりでした。
「アホしか残ってねぇだろ! まっ先にソレ外せよ」
 それでもジル王子はその呼び方をどこか気に入らなかったようです。
「本当のことですしー。やっぱセンパイのアホ兄貴が一番言いやすくていいですー」
「んならちゃんとセンパイのっ! って付けとけ。おめーみてーなアホ姫の兄貴になるつもりねーからな」
「そうですかー。付けたらそう呼んでいいんですかー?」
「よかねえけど、まぁ許してやる」
「じゃあそうしますー。センパイのアホ兄貴、もう終わったんでミー戻りますねー」
 植木にかけられた水はぽかぽかの陽気で少しずつ乾いていたのです。
「んああ、あ、おい」
「なんですかー?」
「お前はなんて呼ばれたいんだよ、カエルか?」
「? カエルじゃなくてフランですよー」
「ああっそ。んじゃーな、フラン」
「はーい。じゃまたー、センパイのアホ兄貴ー」
 片づけるためにジョウロを持ってフラン姫はお城の片隅へと去ってゆきました。
「うあ゛ーあ゛ー、お前さえいなきゃなー」
 伸びをしながらジル王子は、木の陰の方に向かって話しかけました。
「アイツ泣くかな、お前が死んだら。……なぁベル、おめーはなに独り占めしたかったんだ?」
 しかし陰からの返事はなく、ただ木の緑が風に揺れて地面の影も揺れているだけです。
 木の向こうから聞こえてくる寝息も聴くことなく、花壇の花を引き抜きながらジル王子は笑い始めました。
 ただ無性にきれいに咲いているお花が、疎ましくてしかたがなくなったのです。
 そうして千切れた雛菊の花びらは、煽った風にさらわれて木陰へと飛んでゆくのでした。
 あまりの煩さでしたが、それでもいつものことなのでベル王子は木漏れ日を浴びて眠り続けました。
 本当は最初からずっと寝たふりをしていたので、起きるタイミングが判らなかったのです。


(おしまい)



スレ汚し失礼しました
377名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 11:07:13 ID:fDWRByRC
乙〜〜!
378名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 12:26:36 ID:JO31iOnC
読んだこと無いんだけど面白かったよw
女の子設定って、また性別不明キャラなのか?
379名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 13:17:10 ID:PG34HptS
家庭教師ヒットマンREBORN!知らないけど
良かったよ
投下乙
380名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 00:20:54 ID:gkVNvm/B
めぞん
381名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:37:33 ID:6F+tyXde
いっこく
382名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:44:24 ID:rQg0x/Eb
どう (どこいった)
383名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:58:41 ID:rCZqhVip
めぞんの人は地味に人気があるね
384名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 00:13:32 ID:2dJwYoMk
>>382
wwwwww
385名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 06:01:49 ID:Luz9/ID9












386名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 12:49:41 ID:uBTYvlBj
387名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 22:55:54 ID:8MVMAWDC
388名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 23:51:50 ID:7FWd/xPM
389名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 11:26:26 ID:7rCI3Ksp
390名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 11:59:31 ID:3J+suBO3
ここはネタスレではないのでふざけた書き込みは控えましょう。
ここを駆け込みスレにしている人もいるし保管庫にも収容されないのでなるべく長く維持することが
このスレを使わざるを得なかった職人、もしくはスレのないジャンルの助けになります。
391名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 17:03:58 ID:bbuLL8Dv
サーセンwww
392名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 13:54:49 ID:tg9/HE6O
めちゃくちゃ正論w
393名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 21:13:07 ID:NZYRBpGn
保守
394名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 11:15:47 ID:5pK6IyBr
保守
395名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 19:27:44 ID:hmwUOFSI
ほしゅ
396名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 00:40:20 ID:IMNJKDCp
二次創作ものです。「TS」スレ投入も考えたのですが、こちらに投入させて
下さい。
元々は「ハリポタの女性キャラで〜第三章」の中の、黒ハリーシリーズものです。
(ちなみに、元ネタを書いた職人さんとは、別人です)

パラレルもので、生まれつき100パーセント女性(先天性女性)のスネイプ教授。
カップリングは《黒ハリー×スネイプ》です。
○ 設定捏造(原作5巻設定)。元々は同じ世界だったが、スネ母妊娠の時点で、
分離したパラレルワールド設定。女スネイプは、母の妹似設定。
○ 鬼畜話。主人公のハリーが、真っ黒黒で、「えっ?本当にこれで、(一応?)
正義の側の主人公かよ?」と思うぐらい、性格悪です。
○ 最後にメインキャラ死ネタあり。
○ スネイプ教授が忠誠を誓っている側は、原作と同一。
○ ハリーはピュアであり天使のように無垢だ、鬼畜・黒設定なんて許せない〜
という方や、スネイプ教授は、原作の男設定以外絶対受け付けない〜という
方は、是非スルー推奨お願いいたします。
○ 特に、ハリーLoveなファンの方は、絶対に読まないで下さい。大いに気分が
害される可能性大です。
○ 色物でも断然OKという、ブラックユーモアに理解のある心の広い方歓迎。

女版教授は、「十二国記シリーズ」(小野不由美)の中嶋陽子が黒髪になって、
髪を下ろしているイメージで。
 NGワードは【ハリポタ女体】で、お願いします。


397ハリポタ女体1/14:2009/04/22(水) 00:43:24 ID:IMNJKDCp
僕には、ひそかな夢がある。
それは、郊外の小さい家に、可愛いお嫁さんと一緒に、暮らす事。
そう、黒髪のとても可愛い僕のお嫁さんと、そのお嫁さんが産んだ可愛い子供達と
一緒に……………。


スコットランド。ホグワーツ魔法魔術学校。----既に消灯近い時間。
人気の無い暗いダンジョンの廊下を、スリザリンの監督生のバッジのついた
ローブ姿の、プラチナブロンドの薄青い目の男子生徒が一人、あるドアを目指して
いた。少年は目的のドアに着くなり、軽くノックする。
「入りなさい」
ソプラノの滑らかな声に導かれて、ドアから中に入る。
部屋の女主人は、オフィスの奥の机でレポートを赤インクで添削中だったが、
手はせっせと動かしたままで視線を移し少年を認めると、にっこりと微笑んだ。
「ああ、ドラコか。どうしたね?もう直ぐ消灯だ。早く寮に帰りなさい」
「あの、実は、個人的に大事な話があるのです。スネイプ教授」
少年は、おずおずと用件を告げる。
「急ぐ話かね?」
「ええ。余り人には聞かれたくない話なので………」
「そうか。もうレポートも丁度終わる所だ。そこのソファに座って、
少し待ちなさい。ドラコ。直ぐ片付けるから」

少年は、指し示されたソファに黙って座ると、黒衣のローブ姿の魔女を見つめた。
白い肌に、艶やかなさらさらの長い黒髪。
黒に少し紫がかった綺麗なアメジストの瞳の、端正な容貌。
その紫石英のような瞳が、近くの蝋燭の明かりに反射して、キラキラと輝く。
暫しレポートを読むと、眼を細め、赤いインクで羊皮紙に書き込んでいく。
(……ふっふふふふ。上手くいったぞ。全ては、計画通り。やっぱり、彼女の唯一
の弱点は、マルフォイだったか……。
しかし、マルフォイには本当に甘いんだなぁ。こんなに優しく笑うなんて。
この僕には一度もそんな顔して見せた事無いくせに。そんなのずるいよ)


一時間きっちり効果のあるポリジュース薬によって、ドラコ・マルフォイに
化けて成りすましているのは、魔法界の英雄である“生き延びた少年”(Boy
Who lived)こと、ハリー・ジェームズ・ポッター。
彼は、今現在の時点で、計画通り上手くいっている事に、一人拍手喝采していた。
(今頃、彼女の大のお気に入りである白フェレット………もとい、本物のドラコ・
マルフォイは、ここからずっと離れた、鍵の掛ったトイレの個室の中で、ロープで
きつく縛られて失神している事も知らないで……。
勿論、彼女に本当の事が知られたら、僕は確実に半殺しにされるけど……。
持つべきものは、優秀な友達だな。ハーマイオニー、有難う)
ハリーは、件の薬を作った学術優秀な親友に、感謝する。
398ハリポタ女体2/14:2009/04/22(水) 00:46:47 ID:IMNJKDCp
学校から来た手紙で、初めて自分が“魔法使い”だと知ったハリーは、初めて
ホグワーツに来た時の祝いの席で、教授席を見た時、一目で恋に落ちたのだった。
(おおっ。なかなかの美人さんじゃん)
しかし、その肝心の相手である、セブルス・スネイプ教授は、ハリーの所属する
グリフィンドールとは、ライバル関係にあるスリザリン寮の寮監であって、当然
ハリーの事は邪険に扱うのだった。
自分の監督する寮生たち、スリザリン生たちの事を何かと贔屓にし、特にハリー
にとって仲の良くないドラコ・マルフォイが、彼女の大のお気に入りなのだ。


『……彼女はね、自分と同レベルかそれ以上の、知能もしくは知識の持ち主の男
しか、相手にしないタイプの女性だわ。……そして、同性に対してはかなり寛容な
タイプね』
『……なんで、そんな事分かるの?ハーマイオニー』
『そりゃ、同性だから分かるわよ、そのくらい。結構男子には甘くて同性に対して
キツイタイプの先生もいるから、彼女のようなタイプの教師は、助かるわ。質問
しに行っても、礼を失しない限り、快く教えてくれるし……』
『へえ』
(……彼女と同等のレベルの知能か、知識の持ち主か……。僕には、かなり程遠い
タイプだなぁ……。となると、別の路線で責めるしかないか……)


「ドラコ?どうかした?私に話があるのではなかったのかね?」
(しまった。ついつい彼女の姿を見ながら、ぼうっとしてしまったよ)
ハリーが回想に耽っている内に、スネイプ教授は、さっさと全てのレポートの
添削を終え、杖でオフィスのドアに鍵をかけ終えた後だった。
いつのまにか、部屋全体の明かりは落とされ、すっかり暗くなったオフィスの
一角の壁の前で振り返り、少し怪訝そうな表情でハリーを見つめていた。
慌ててスネイプ教授の所までいくと、彼女は壁にある肖像画に手を当てる。
すると、肖像画のあったところにドアが出現し、そのドアは彼女が入る直前で
自動的に開く。背の高い彼女の後についていき、その先の長い廊下を通った先の
ドアの先は、かなり広い部屋だった。

399ハリポタ女体3/14:2009/04/22(水) 00:49:30 ID:IMNJKDCp
主が入ると、自然に部屋中の明かりが点った。全体的に、スリザリンカラーの緑
と銀色を基調としており、入ったところは居間&キッチンの広々とした部屋だ。
大きな暖炉の前には、ふかふかとした毛皮が敷き詰められ肘つき椅子が三つ。
そして、少し離れた所には、4人ぐらい食事することが可能な広いテーブルと、
4.5人は楽に座れそうなふかふかの幅広のソファのセットがある。両側の奥
にそれぞれ通路があり、暖炉のある壁とドア以外の壁は、全て天井まで届く
本棚に覆われて居る。

(……ひょっとして、ここは彼女の住んでいるクオーターか?アイツは、
当たり前のように、ここまで通されているのか……)
薦められるままに、幅広のソファに座る。
彼女が奥のキッチンから、トレイを空中に浮かせたままでやってくる。
そして、紅茶とケーキが僕の前に置かれた。
「……どうした?ドラコ。……食べないのかな?大好きなレアチーズケーキだよ」
反対側のソファに座ったアメジストの瞳が、呆然としているハリーを怪訝そうに
見つめた。
「いえいえ。頂きます」
早速パクつくハリー。
(感激だなぁ。なんて美味しいケーキなのだろう。あれっ、このケーキ、
店で売っている既製品のケーキじゃないぞ。これは……ひょっとして“手作り”
って奴?……料理の上手いお嫁さんなんて、最高じゃないか……)
あっという間に平らげると、スネイプ教授は苦笑し、またキッチンの方へ向かう。


ハリーは、彼女が完全に視界から外れた瞬間を待ち、ポケットから無色透明の
液体が入ったガラス容器を取り出す。いかがわしいノックトンアリーの薬局で
買った、無臭無味の強力な睡眠薬で、たった3滴で、即効性が高く爆睡してしまう
という代物だ。
それを飲みかけの彼女の紅茶の中に三滴入れると、ハリーは急いでガラス容器を
ポケットの中に納める。
「……もう、遅いから、これで最後だよ。……ところで、個人的な話とは、
一体なのだ?ドラコ」
スネイプ教授が杖を振ると、ふわふわと空中に浮いたレアチーズケーキが、
ハリーの空になった皿に着地する。元の席に座り、ハリーの方を心配そうに見た。
「……昨日、また僕は、母様の夢を……」
ハリーは、うつむき加減にしんみりと語る。
「……シシーか」
「……もう、母様が亡くなってから、6年経つというのに、僕はいまだに、時々
母様の夢を……。僕がまだ小さくて、母様がまだ元気で生きていた頃の……。夢の
中で、母様は僕を見て笑っていて……」
400ハリポタ女体4/14:2009/04/22(水) 00:51:39 ID:IMNJKDCp
ドラコ・マルフォイの母親であるナルシッサ・マルフォイが、息子が9歳の時に
死んでしまった事は、公然の事実だった。
それをネタに、ハリーは何かとスネイプに甘えて近づくドラコの姿を、苦々しく
見つめていた。
(マルフォイ。お前なんか、まだ実の父親が居るからいいじゃないか。僕なんか、
一歳の時から両方ともいないんだよ。親が)
スネイプ教授は苦笑すると、ハリーの傍に座り、そのままそっと優しく抱き
しめた。
自然にハリーの顔は、彼女の豊かな胸の間に埋もれる形になり、ローブについた
ハーブの匂いが、鼻を擽る。
(うわぁおう。セブルスの胸だよ。柔らかいし、いい匂いがするなぁ)
ハリーの下半身のある場所に、途端に血液が集まる。
(ヤバイ。このままでは、僕が勃起しているのが、バレてしまう……)
幸い内心焦るハリーに気がつかないスネイプは、優しい声で諭す。
「……6年経とうが、シシーがドラコの母親だという事実は、変わらないよ。
実の息子が、母親の死を悼む事は、恥ずかしい事でもなんでもない。
でも、ドラコには、まだルシウスが居るだろう。息子が、あんまり落ち込んで
いると、ルシウスも心配するぞ。
……それに、実の母親の代わりには、到底なれないかもしれないけど、女後見人
(Godmother)の私が居るよ」
彼女は、優しく笑い、励ますようにハリーの背中を軽く叩く。
(……あいつの女後見人だったのか……。道理で、セブルスのお気に入りの生徒
だったわけだ。……フェレットめ)

ハリーが落ち着いたと見た彼女は、元の席に戻ると、なんの警戒も無く、
そのまま温くなった紅茶をぐいっと飲み欲した。
「……紅茶が冷めてしまったかな?……お代わりを……あ……」
杖を優雅に振りかけた途中で、そのままソファの上で力なく倒れる。
(……やった。やったね。さすがに、値段が高かっただけの事はあるよ。
ばっちり効いたよ)
ハリーは、彼女のすっかり力の抜けた手から、杖を取り上げると、そのまま
ポケットの中にしまう。そして、彼女の寝室らしい部屋を見つけると、
そのまま完全に眠りの世界の住人となった彼女を軽々運び込む。
401ハリポタ女体化5/14:2009/04/22(水) 00:54:18 ID:IMNJKDCp
ベッドに黒いドレスローブの彼女を静かに横たえる。
そして、熟睡しているスネイプの両手首に、同じくノックトンアリーの
いかがわしい店で買った縄付き手錠をそれぞれかけると、手を組ませたまま
両手首をそのまま頭の上で縛り、両手もきっちりと組んだまま縛る。そして、天蓋
つきベッドの柱に、それぞれ縄を通し固定する。それから、彼女のブーツを
脱がせる。

(……彼女がいかに戦闘能力の高い、魔力の高い魔女であっても、杖が無く両手
の自由が全く無ければ、一切の反撃は出来ないだろう。……計画通り……)
全て計画通り上手くいった事に、ほくそ笑むハリー。
ベッドの上で、両手を拘束され正体も無く寝ている黒衣の魔女は、さながら
“眠りの森の美女”である。
スラリとした鼻に、長い黒まつげの端正な顔立ち。背の中ほどある長い黒髪が、
ばさりと広がっている。

寝ている彼女を一通り観賞した後、襟元まである彼女の黒いローブのボタンを
一つ一つ外していく。
その下にある白いブラウスをもどかしく開けると、白い生肌にフロントホックの
黒いブラが覗いて見えた。ハリーは、途端に広がる大人の女の色香に、ますます
興奮する。
ブラのホックを外すと、形よい豊満な乳房が姿を表した。思わず両手で
ボリュームのある膨らみを揉む。彼女の白くて柔らかい乳を片手で揉みながら、
もう一方でピンク色の乳首を口に含むと、舌で柔らかく乳首を嘗め回す。
「……ん……」
眠っている彼女から、途端に甘い吐息が漏れる。
気を良くしたハリーが、乳首を優しく舌で突いたり、軽く吸ったり嘗め回している
と、さすがに感じるらしく段々乳首がピンと勃ってきた。
「……あっ……う…」
ハリーの唾液で、すっかりてかてかに濡れた乳首を交互に愛でながら、片手で
彼女のドレスを捲り上げる。
(……おおっ。なんと、上のブラと同じ、黒いレース柄のパンティだああああ。……
あっ、僕、鼻血出そう……)
パンティをじっくりと鑑賞した後、その脇から、指を差し入れる。
「……んっ……」
彼女の蜜壷は、ハリーの執拗な乳首の愛撫のせいか、すっかり濡れていた。
そのまま、潤った花弁の中に指を入れると、中をかき回す。
くちゅくちゅくちゃ。
「……あっ……うん」
たちまち彼女の暖かい肉が、ハリーの指を締め付けてくる。
指を取り出すと、彼女の粘膜から出る液で、すっかり濡れていた。
ハリーは彼女のパンティを下ろし、足首から引き抜くと、彼女の太ももを
両手で持つと思いっきり開く。完全に脱力した足は、いとも簡単に男の開脚を許す。
402ハリポタ女体化6/14:2009/04/22(水) 00:56:29 ID:IMNJKDCp
(おおっ、綺麗なピンク色だよ。あんまり使い込んでいないようだな)
全く無防備な彼女の秘所を、じっくりと観察する。
(……モリー・ウィーズリーみたいに、やたら黒ずんでいないな。やっぱりまだ
子供を産んだ事がないから、綺麗なんだな)
髪と同じ黒い陰毛と、その下にある充分濡れたピンクの割れ目。
つんと勃ったクリトリスを、指で優しく刺激すると、たちまち堅くなる。
(……わあ。もう、僕我慢できないよ)
ハリーは、パンツごとズボンを脱ぐと、すっかり準備万端な堅くなったペニスを
露にし、彼女の中心に先をあてがう。
そして、なんどか入り口に亀頭をこすり付けると、両手で彼女の腰を押さえ、
一気に挿入した。

彼女の膣が、ハリーを暖かく包むと、締め上げてくる。
「……あっ……ああん」
彼女は眉を顰め、ひと際甘い声を出す。
すっかり濡れていたせいか、彼女の最奥に何の障害も無く簡単に到達すると、
暫くその感触を楽しむ。
(ちぇっ。処女膜はなかったか。……という事は、残念ながら、彼女は既に
他の男と体験済みか……。
しかし、なんてキツイマ○コなんだ。男を充分知っていて、ガボガボ気味だった
ジニーやチョーのと比べて、格段に気持ち良いなぁ……)
腰をしっかりと引き寄せながら、ゆっくりと腰を動かし始める。
彼女の膣がますますキツク締め付けてくる。
(……うっ! キツキツで、気持ちイイや。ここまで締りの良いのは、初めてだな)
彼女の締め付けを受けて、腰を何度も奥に打ち付ける。
寝ている彼女も気持ち良いのか、ますます甘い声を上げ始めた。
「……あっああん。……やぁ……んっ!…」
じゅぷ、ぶっちゅ、じゅぷ。
彼女の愛液とハリーの先走り液が混じりあい、ハリーの肉棒と、その周りの黒い
陰毛はすっかりぐっしょりと濡れていた。
(あっあああ。なんて、気持ちが良いんだ。もう、もたないよ)
出入するピッチを段々上げていくと、彼女も眉をひそめて背を仰け反らせる。
「……うんっ………あっああん……んっ…」
静かな寝室には、もはや荒くなったハリーの吐息と、女の嬌声のみ。
「……あっあっあっああああ……」
「おっおっおおおおお……」
ハリーは、彼女からのひと際キツイ締め付けに促され、最奥までペニスを打ち
込むと、彼女の体奥に熱い精をぶちまける。そして、そのまま最後の一液まで
しっかりと中に出し終わると、彼女の上に倒れこむ。
403ハリポタ女体化7/14:2009/04/22(水) 00:58:58 ID:IMNJKDCp
汗でしっとりとした女の体に乗っかると、彼女と繋がったまま、脈拍が落ち着く
まで待つ。再び落ち着くと、先ほど出したにも関わらず、再び彼女の中でムクムク
と大きくなったペニスを、動かし始める。
ぐちゅ、ぶちゅ、ぐちゅ。
「……あっ……あっ……ああん……」
「……気持ちいいの?」
彼女の愛液と先ほど出したハリーの精液で、彼女の秘所とハリーのペニスの周辺
は、既に白くぐしょぐしょに濡れていた。
「……ああ、ルシウス。……もっと……ああああっ。もっと……私を、愛して……
ううんっ!」
寝たままの彼女が、うわ言のように呟く。
ハリーは、途端に血の気が引き、繋がったまま動きを止める。
(ルシウス?……あの白フェレット野郎のオヤジが、彼女の恋人?)
ルシウス・マルフォイは、ドラコ・マルフォイの父親で、長いシルバーブロンド
に、冷たいグレーの眼の長身の男だ。
蛇の頭がついたロッドを持ち、いつも上等な黒いローブを纏い、シルバーの
リボンで長髪を縛っている。同性の眼から見ても、とても残念ながらイケメン……
美男子の部類に入る。
(彼女は、僕とではなく、あのルシウスと今愛し合っていると思って、反応して
いたんだ。
……ふざけんなよ。あんなオッサンよりも、ずっと若い僕の方が……!
そうさ。きっと彼女は、あのオヤジに良いように騙されているんだ……)
「……ああ……ルシウス……」
再び男の名前をうっとり言うと、ずっと閉じていたアメジストの瞳が、同時に
開いた。そして、自分の目の前に居るハリーを見るなり、いつもと同じ嫌悪感が
篭った瞳でハリーを冷たく見た。
(ちぇっ。即効性を謳うだけあって、もう切れたか……)
「…ポッター?……お前、私の部屋で何をしている?」
彼女は、ベッドから起き上がろうとして、両手がしっかりと固定されている事に
気がつくと、慌てて今の状況を把握しようとする。
「……お前。どうやって、私の部屋に入った?……そうか、ポリジュースでドラコ
に化けたな?」
「その通りですよ。スネイプ教授」
ニコリと笑うと、再び腰を動かし始める。
「何をしている?……私から、今直ぐ抜け!さもないと、アルバスに言って、お前
を間違いなく退学にして……」
「……へえ。僕は別にどちらでもいいですけど。貴女が、ダンブルドアに言っても
一向に構わないですよ。
そうすれば、僕はこの不始末の責任を取るという形で、堂々と貴女と結婚出来るし。
僕は全然困らないのだけど。困るのは、どちらかというと、貴女の方でしょう?」
ニヤリと笑ってみせる。
404ハリポタ女体8/14:2009/04/22(水) 01:01:11 ID:IMNJKDCp
「……それは一体どういう意味だ?」
彼女が敵意の篭った冷たい視線で、見つめている。
「……スリザリン寮寮監のあの冷徹なスネイプ教授が、一男子生徒。それも、
“生き延びた男の子”にヤラレましたなんて、世間に知られたら、困るのは女性
である貴女ですよね?貴女の対外的イメージが、壊れるし、女としての貴女の
プライドの問題もあるでしょう?」
「……貴様」
彼女は、もし視線で人が殺せるなら、確実に即死する氷の視線で、ハリーを
睨んだ。
ハリーは、彼女の抗議に屈する事無く、彼女の腰を両手で抱えたまま、肉棒を
奥まで打ち込むペースを少しずつ速める。
「……何をしている?私からいい加減離れろ!この馬鹿」
「……へえ。貴女の下の口は、こうして喜んで僕をがっちり咥えて、離さない
のですけどね」
彼女は唯一動かせる足を必死に動かそうと力を込めるが、日頃クィディッチ
で散々鍛えたハリーの腕力に叶うはずが無く、彼女の腰は依然男の腕で固定
されたままだ。
「…何が目的だ?……私の授業中の、お前に対する態度に対する“復讐”か?……」
「それは違いますよ。スネイプ教授。ただ単に貴女に、是非僕のお嫁さんになって
欲しいだけなんですけど。 ……ああっ、貴女の膣内(なか)は最高ですね」
腰を動かしながら、一瞬キョトンとし、ハリーを見る彼女を眺める。
「……私が、誰の“お嫁さん”だって?」
「……だから、“僕”の。 ……貴女の中はキツキツで、とても気持ちいいや!……
ああっ」
(そういえば、モリーは確か子宮口の辺りが弱点だったな。ちょっと彼女の
感じやすい所を探してみるか)
ハリーは、肉棒をあてる場所を少しずつ変えて攻め始める。
「……誰が、お前のような男と結婚するか!まだ、ダークロードと……ああっ…
結婚でもしたほうが、……んっ……まだまともだ」
ある場所を突っつくと、彼女の声が途端に艶やかなものに変わった。そこを重点
的に攻め始める。
「そうかな? 僕と結婚した方がずっと良いと思うけど。 ……だって、僕の家は
金持ちだし。馬鹿な生徒相手に授業しているよりも、ポーションの研究やリサーチ
に専念させてあげる事が出来るし。……はあはぁ。それだけの財力は、僕あるし」
「……それと引き換えに……ああっん!……私は……んんっ……お前の妻という
名の……“お前専属の娼婦兼ポッター家専属の……あっあっああん……子供産み
道具”か? そんな人生は……真っ平御免だ……あっあっん…」
「そうかな?貴女の態度からみると、僕とのセックスをとっても喜んでいるみたい
だけど……」
「……誰が……んっん……お前とのセ……ああん……感じるか」
言葉とは裏腹に、彼女の肌は上気して、とっても色っぽい。
アメジストの瞳も、性の快楽で潤んでいて、彼女の全身からなんとも言えない
女の色気が漂っていた。
405ハリポタ女体9/14:2009/04/22(水) 01:03:31 ID:IMNJKDCp
「セブルス。僕は、貴女に満足して欲しいから、散々女の子相手に、“練習”した
んだけど。その“成果”は、どうやらあったみたいだね」
「……“練習”?」
「最初は、ジニーでしょ。チョー・チャンに、アンジェリーナ・ジョンソン。
それから、パーバティに、パドマに、ラベンダーに、モリーに、パンジー……」
次から次へと“練習台”に使った女性の名前を挙げていく。
「お前、ウチの寮生にも手を出したのか!……よくも……あっあっ」
自分の寮生の名前を出すと、途端に寮監としての表情に戻るスネイプ。
慌てて彼女の感じる場所に突っ込むと、甘い声を上げる。
「セブルス。誤解しないでよ。
皆、最初は彼氏とか亭主が居るからと言ってとても嫌がっていたけど、最後は
もう僕の下で喜びの声を上げまくっていたから、全然問題ないですってば」
「……問題ありまくりだろうが。無理やり女を力ずくで性行為に……ううっ…
持ち込むのは、それは……あっあっん……れっきとした“レイプ”という
“犯罪行為”だ。……ああっああん……まさか、全員それか?……つくづく
最低な……んっんんっ……男だな、お前は。……父親のジェームズ・ポッター
……あっあん……以上のカスだな」
「いえいえ。チョーとジニーは、少し甘いセリフを言って口説いたら、実に簡単に
股を開きましたけどね。なにしろ、僕は“生き延びた男の子”だし」
「お前、モリーにも……あっあっああん……手をだしたのか?」
「そう。シリウスの家に居た時に、掃除していた叔母さんを、後ろから……
あっああああああ。イキそうだ。……ああ、出すよ!セブルス」
「……馬鹿!私から、直ぐに抜け。……これ以上私の中に出すな」
彼女が必死に足だけでも抵抗しようとするが、ハリーの力に叶うはずが無く、
男が彼女の最奥に肉棒を突き入れると、そのまま精液を彼女の子宮口にぶちまける。
「……あっ出すな……ああああっ」
「……ああ。いくよ!いくいく……おっおお…」
「……馬鹿。そのまま、私の上に乗っかるな!いい加減に離れろ……ああっあっ
ああん…ポッター」
そのまま彼女の上に被さるハリーを、嫌そうに避けようとする彼女だったが、
両手首が固定され下半身が繋がっているため、それは果たせなかった。
とても嫌な顔で、自分の身体の上に被さるハリーを不愉快そうに見ていた。
406ハリポタ女体化10/14:2009/04/22(水) 01:05:43 ID:IMNJKDCp
「……“ポッター”じゃなくて、“ハリー”って呼んでよ。セブルス。僕達は、
もう男と女の関係なんだし……」
ハリーは、汗だくの身体を柔らかい女の身体の上に横たえて、身体が繋がった
まま、意中の女を完全に征服した満足感で、情事の後のけだるさに身を委ねる。
そして、そのまま女の豊満な乳房を両手で揉みしだく。
「……お前には、“ポッター”で充分だ。もう充分私の身体で、満足したのだろう?
いい加減、私を開放しろ。ポッター」
「……ここまでしても、堕ちなかったのは、貴女が初めてだ。さすが、“スネイプ
教授”だ。さすがオーダーの有能な女スパイだけの事はあるね」
勃った乳首を、優しく愛撫して、柔らかい女の肌の感触を楽しむ。
「それは、お褒め有難う。ポッター。……だがもう馬鹿げた茶番は終わりだ。
……ベッキー!」
途端に、ポンという音がし、ハウスエルフがベッドの傍に現れると、スネイプに
向かって恭しく挨拶をする。
「……私めをお呼びで? スネイプ教授」
「ベッキー。この私の上に引っ付いて乗っかっているのを、即刻剥がして欲しい。
そして、私の両手首の拘束を解いて欲しいのだ」
「そんなことは、実にお安い事でございます。スネイプ教授」
ハウスエルフがパチンと指を鳴らすと、ハリーの体が空中に浮き、天井近くまで
上がる。そして、自分の両手を拘束していた道具から、ようやく自由になった
スネイプは、即座に自分の杖を召喚すると、下半身裸のまま天井にへばりつく
ように浮くハリーを冷たい瞳で見た。
「……残念ながら、形勢逆転だな。ポッター。……ベッキー、有難う。本当に
助かったよ」
スネイプは、傍のハウスエルフに、優しく微笑みながら、礼をいう。
「いえいえ。お優しいスネイプ教授に、仕える事が出来て、ベッキーは本当に
ラッキーで御座います。また何かありましたら、ベッキーめをお呼び下さい」
ベッキーは、スネイプに対して、深々とお辞儀をする。
「ああ。ありがとう。ベッキー」
(……僕に対する態度と全然違うじゃないか。結局、僕は、セブルスにとって、
ハウスエルフ以下か?)
ハウスエルフが姿を消すと、はだけられむき出しになっていた胸を元に戻し、
暫く空中に浮いたハリーを冷たく見ていたスネイプだったが、杖をハリーの方に
振る。そのままハリーの身体が天井の高さから、ベッドの上にストレートに落ちる。
「……ああ、痛いよ……。……酷いよ、セブルス。こんなの“恋人”に対する態度
じゃないよ」
そう言って文句を言いつつ起き上がるハリーだが、その途端スネイプの杖の先が
額に当てられる。彼女の冷たい氷のようなアメジストの瞳が、ハリーを真っ直ぐに
見据えていた。
407ハリポタ女体化11/14:2009/04/22(水) 01:08:24 ID:IMNJKDCp
「……ポッター。私が、お前を確実に殺す前に、3分間の猶予を与える。その間に、
私のクオーターから出て行け!……お前の顔など、二度と見たくない!」
「セブルス。……どうして?僕達、もう他人じゃないのに。それに、さっきまで、
僕とのセックスであんなに喜んでいたじゃない?」
「お前が、抵抗できない私を強引に力ずくで犯して勝手に“お前の女”にしただけ
だろうが!私の自由意志など一切無視してな。ふざけるな。ポッター」
彼女の本気の殺気に、服を持って着替え始める。
「あと2分20秒」
彼女は、杖をハリーに向けたまま、冷たい声でカウントダウンを始める。
ハリーは必死で着替えると、慌てて彼女のクオーターを出て行く。


「ハリー。……まさか、あなたスネイプが、3日間も居ない件で、何か関わって
いるんじゃないでしょうね?」
ハーマイオニーが何か疑っているかのように、聞いてきた。
(…しまった。流石に彼女に無理しすぎたか。張り切って抱いちゃったから、
男に余り慣れていない彼女の腰にきていて、それで休んでいるんだろう。それに、
彼女から僕とのセックスの事がばれる心配はないだろうしね。……しかし、
セブルスがあんな“名器”の持ち主だとは思わなかったよ……。
これで、セブルスが仮に僕を拒絶したとしても、僕から僕達の関係を公にするよ、
と言えば失うものの方が圧倒的に多い彼女は、結局僕の言いなりになるしかない
だろうしね。僕は彼女との関係がばれても、全くかまわないけどね。どちらに
転んでも、彼女を堂々と好きなだけ抱ける……。ふっふっふっふっ……。全ては、
計画通り)
勿論、そんな理由をハーマイオニーに告げるわけにはいかず、きっぱりと否定
する。
「なんで、僕が?何も関わっているわけないだろう」
「でも、本当に珍しい事だわ。スネイプが何の理由も言わずに、3日連続無断で
授業をすっぽかすなんて。責任感の強い彼女らしくないわ」
「……おいおい、僕としては、スネイプの授業が無くて、せいせいしているんだぜ。
ハーマイオニー」
ロンが、僕に助け舟を出してきた。
「そりゃ、あなたたちは、困らないでしょうけど。今年はOWLがある年なのよ。
二人とも本当に呑気なんだから。……最後に困るのは、あなたたちなのよ。
その時になって、どうせ私を頼るんでしょうが、今年はそうは行かないのよ。
……あっ、そうだ。明日のホグズミード村の訪問。図書館で調べたい事があるから、
私は行かないわよ。久々に男同士で楽しんできたら?」
「えっ!マジでいかないのかい?マイオニー」
ロンは、途端に残念そうな声を出す。
408ハリポタ女体化12/14:2009/04/22(水) 01:10:51 ID:IMNJKDCp
「アルバス。本当にセブルスからの連絡はないのですか?」
ホグワーツの副校長&グリフィンドール寮寮監である、ミネルバ・マクゴナガル
教授が、自分の上司&この学校の校長である、アルバス・ダンブルドア教授に
尋ねる。ダンブルドアは、ここ三日間何度も同じ事をミネルバに聞かれて、少し
ウンザリしていた。
「……それが、残念な事に彼女から一切の連絡が無いのだよ」
校長室の主は、大きい机から、向かいの椅子に座り心配そうに見つめる魔女を見、
大きな溜息をついた。
「……今まで、こんな事は無かったのですよ。 ……セブルスの身に、何か
あったとしか思えません。……ひょっとして、例の人にオーダー側のスパイだと
バレて……まさか……今頃……。ああ…そんな」
ミネルバは、かっての教え子であり、今は同僚である、オーダーの有能な
女スパイの最悪の運命を考えて、途端に血の気が失せる。
「ミネルバ。落ち着くんだ。セブルスが、ヴォルデモートに呼ばれた時は、
私か君のどちらかに必ず連絡してから、出かけていただろう?だから、今回は、
少なくともヴォルデモート絡みではないのだよ」
「……では、一体何が?彼女の身に何か余程の事があったに違いありません。
とても責任感の強い彼女がとる行動とは、思えませんから」
そこへ開いている窓から、一羽のフクロウが飛んできて、ダンブルドアの前に
着地すると、『サッサと取れ』といわんばかりに片足を差し出した。
ダンブルドアが手紙をとると、フクロウは、用は済んだとばかりに、飛び去る。
「……アルバス。それは一体何?」
ダンブルドアが、何か呪文がかかっているかどうかチェックし、何も無かった
事を確認すると、中の手紙を取り出し読む。校長の顔が驚きから安堵の表情に
変わった。
怪訝そうに自分を見つめる、もう一人の腹心である有能な部下に、そのまま
読み終わった手紙を黙って渡す。
「……これが、何か?」


   親愛なるアルバス・ダンブルドア校長殿

      セブルス・スネイプ教授は、今現在かなりの精神的ショックを受けて
おり、当方で彼女を丁重に預かっている。彼女の回復次第だが、後、3.4日
後には、そちらに戻れる予定。

        ロード ルシウス・アブラクカス・ジュリアス・マルフォイ


「…という事は、今セブルスはルシウスのところへ?」
「そういうことだな。まあ、セブルスに惚れ込んでいるルシウスだから、セブルス
の身の上に関しては、大丈夫だろう……」
「……“精神的ショック”と書いてありますが、一体彼女の身に何が……?」
「……迷わずルシウスのところにいく程の、相当な精神的ダメージがあったの
だろうな」
「彼女に、一体どんな酷い事があったのでしょう?」
「……さあ。彼女の中ですっかり傷が癒えて、彼女の方から話してくれる
その日が来るまで、我々は気長に待つしかないだろうな。
セブルスが戻ってくるまでは、暫定的にシニストラにスリザリン寮監職を任せる
しか無いだろう。……今日の夕食の時に、私が知らせることにしよう。寮監が
不在のスリザリン生たちも、何かと不安だろうしな」
409ハリポタ女体化13/14:2009/04/22(水) 01:13:25 ID:IMNJKDCp

僕には、ひそかな夢がある。
それは、郊外の小さい家に、可愛いお嫁さんと一緒に、暮らす事。
そう、黒髪のとても可愛い僕のお嫁さんと、そのお嫁さんが産んだ可愛い子供達と
一緒に……………。


ぴちゃんぴちゃんと、雫が何処かで落ちる音だ。
どこか遠い所で、ぼそぼそと話す声もする。
(この声は、何処かで聞いたことがある声だなあ……。それに、僕はロンと一緒に
ホグズミードに出かける途中だったのに………)
「………それで、セブルスの状態は?ルシウス」
「………いまだ精神的ショックで、わが屋敷で臥せっております。マイロード」
「……そうか。困ったな。ナギニが、今少しお腹の調子が悪くて、セブルスに診て
貰おうかと思っていたのだが………」
(……ナギニ?……何処かで聞いた名前だ。……それに、セブルス?……
“精神的ショック”って、一体彼女の身に何が?……それに、どうして僕は、
こんな冷たい石畳の上に横になっているんだろう?)
僕が動こうと身じろぎするが、全身しっかりと縛られており、全く身動きが
出来ない。
僕の動きに気がついたのか、最初に聞こえた尊大で冷たい声が、いきなり僕に
話しかけてきた。
「小僧。 ……ようやく起きたか」
(この声は、ヴォルデモート。奴が居るということは、僕は……)
眼を開けて辺りを見回すと、そこは窓が一切無い大きな石畳の部屋で、僕の周り
は白いマスクと黒いローブの、魔法使い達や魔女達が円を描くようにして、僕の
周りを整然と取り囲んでいる。ただ一つ、ヴォルデモートの傍に立っている
ルシウス・マルフォイの隣が、ポツンと何故か一人分だけ不自然に空いていた。
(そうか。僕は、ロンと一緒にホグズミード村に行く途中で、突然木陰から現れた
黒いローブの集団にさらわれたんだ。
はっ。こういう時は、セブルスが必ず居る筈だ。そして、僕を助けてくれる筈
だけど……)
しかし、周りのデスイーター達の姿に、彼女らしい魔女の姿は無かった。
(……そ、そんな。なんでこんな肝心の時に、彼女の姿がないんだよ?)
内心パニックに襲われる僕の脳裏に、嘗てのスネイプの姿が走馬灯のように、
浮かんでくる。

クィレルの呪文に対抗するカウンター呪文を、唱え続けるスネイプ。
シリウスとリーマスに、僕達がさらわれたと思い、シュリーキング・シャンクに
単身助けにやって来たスネイプ。
三大魔法学校対抗試合で、僕がイレギュラーで選出された時、僕の試合の参加を
大反対したスネイプ。
デュエリング・クラブで、ギルデロイ・ロックハートを、エクスペリアームズで、
ステージ上から速攻でぶっ飛ばしたスネイプ。
いつも僕がピンチの度に、気がつくといつの間にか傍に居て、僕を助けてくれた
スネイプ。
410ハリポタ女体化14/14:2009/04/22(水) 01:15:58 ID:IMNJKDCp
「……スネイプは?」
思わず聞いた僕に、冷たい返事が返ってきた。
「……セブルス?…ハッ!……よりによって貴様が言うか。ポッター。セブルスは、
今ルシウスの屋敷で寝込んでおるわ」
ヴォルデモートが、人の骸骨で出来た玉座に座りながら、冷たい怒りに満ちた
赤い瞳で僕を見つめた。
「…今この場にいるのは、私の部下たちの中でも特に選りすぐりの、私が最も信頼
する忠実な部下たちだ。ハリー・ポッター。
ベラトリックス、ルシウスについで、その次に私の信頼の高いセブルスが、
この度お前に大変な世話になったようだな。ダンブルドアをアレだけ完璧に騙せ
おおせる有能なスパイは、彼女の他にはおらぬ。
……私の忠実で有能な部下が、お前の世話になったからには、この礼はたっぷり
とさせてもらう。……ベラトリックス。ルシウス。出来るだけ、苦痛が長く続く
ように、なぶり殺しにせよ……」
「御意」


それから、一方的なデスイーター達の僕に対する“宴”が、始まった。
「……お馬鹿なポッティー坊やは、人のモノには手を出してはいけませんって、
親に習わなかったのかしら?ほっほっほっ。……クルーシオ」
ベラトリックス・レストレンジの、甲高い笑い声が部屋中に木霊する。
僕の身体中が、途端に今まで味わった事も無いぐらいの激痛に襲われ、思わず
のたうちまわる。そんな僕にはかまわず、一人また一人とデスイーター達が、
僕に呪文をかけていく。そのたびに激痛に襲われ、悲鳴を上げるが、勿論
誰も助けにこない。
永遠に続くかのような苦痛の時間が続き、身体中が激痛で痛み、あちこちから
出る血の匂いや肉が焦げる匂いで、僕が辛うじて意識を保っていると、急に
デスイーター達が引き下がり始めた。
(えっ?もしかして、助けてくれるとか……)
その淡い期待は、次の言葉で泡と消えた。
「皆のもの。このくらいでよかろう。……ルシウス。そなたが今回の件では、
セブルスに次いで、一番の被害者であろうから、コヤツの“止め”は、そなたに
任せる事にしよう」
「……真に、慈悲深い配慮、有難う御座います。マイロード」
そういって、恭しく言うとお辞儀をし、長身の黒いローブ姿が、僕の前にやって
来た。ルシウス・マルフォイは、冷たいグレーの瞳で冷ややかに冷笑しながら、
僕を見下ろす。
「よくも私の大事なフィアンセに、あれだけの酷い事をしでかしてくれたな?
ミスター・ポッター。この礼は、当然たっぷりさせて貰うぞ。……クルーシオ!」
それから暫くの間は、ルシウスが次々に僕に投げる強力な黒魔法で、タダでさえ
疲労しきった僕の身体は、更にずたずたになった。周りのデスイーター達の、
あざ笑うような嘲笑が聞こえる。
ようやく辛うじて意識がある僕の顔を覗きこむと、杖を僕に向けたまま、冷たく
ニヤリと笑うルシウス。
「……とうとうミスター・ポッターが、あの世にいる御両親に会う感動の時間が
来たようだな。……今度生まれてくる時は、人のものには簡単に手を出さない事だ。
さようなら。ミスター・ポッター。 ……Avada Kedavra!」


その翌日の早朝。
ホグワーツ城の門に、ハリー・ポッターであった遺体が、縛り付けてあるのを、
ルビウス・ハグリッドが発見した。その頭上には、緑の“闇の印”が浮かんでいた
という。

THE END

411ハリポタ女体化14/14:2009/04/22(水) 01:17:57 ID:IMNJKDCp
「……スネイプは?」
思わず聞いた僕に、冷たい返事が返ってきた。
「……セブルス?…ハッ!……よりによって貴様が言うか。ポッター。セブルスは、
今ルシウスの屋敷で寝込んでおるわ」
ヴォルデモートが、人の骸骨で出来た玉座に座りながら、冷たい怒りに満ちた
赤い瞳で僕を見つめた。
「…今この場にいるのは、私の部下たちの中でも特に選りすぐりの、私が最も信頼
する忠実な部下たちだ。ハリー・ポッター。
ベラトリックス、ルシウスについで、その次に私の信頼の高いセブルスが、
この度お前に大変な世話になったようだな。ダンブルドアをアレだけ完璧に騙せ
おおせる有能なスパイは、彼女の他にはおらぬ。
……私の忠実で有能な部下が、お前の世話になったからには、この礼はたっぷり
とさせてもらう。……ベラトリックス。ルシウス。出来るだけ、苦痛が長く続く
ように、なぶり殺しにせよ……」
「御意」


それから、一方的なデスイーター達の僕に対する“宴”が、始まった。
「……お馬鹿なポッティー坊やは、人のモノには手を出してはいけませんって、
親に習わなかったのかしら?ほっほっほっ。……クルーシオ」
ベラトリックス・レストレンジの、甲高い笑い声が部屋中に木霊する。
僕の身体中が、途端に今まで味わった事も無いぐらいの激痛に襲われ、思わず
のたうちまわる。そんな僕にはかまわず、一人また一人とデスイーター達が、
僕に呪文をかけていく。そのたびに激痛に襲われ、悲鳴を上げるが、勿論
誰も助けにこない。
永遠に続くかのような苦痛の時間が続き、身体中が激痛で痛み、あちこちから
出る血の匂いや肉が焦げる匂いで、僕が辛うじて意識を保っていると、急に
デスイーター達が引き下がり始めた。
(えっ?もしかして、助けてくれるとか……)
その淡い期待は、次の言葉で泡と消えた。
「皆のもの。このくらいでよかろう。……ルシウス。そなたが今回の件では、
セブルスに次いで、一番の被害者であろうから、コヤツの“止め”は、そなたに
任せる事にしよう」
「……真に、慈悲深い配慮、有難う御座います。マイロード」
そういって、恭しく言うとお辞儀をし、長身の黒いローブ姿が、僕の前にやって
来た。ルシウス・マルフォイは、冷たいグレーの瞳で冷ややかに冷笑しながら、
僕を見下ろす。
「よくも私の大事なフィアンセに、あれだけの酷い事をしでかしてくれたな?
ミスター・ポッター。この礼は、当然たっぷりさせて貰うぞ。……クルーシオ!」
それから暫くの間は、ルシウスが次々に僕に投げる強力な黒魔法で、タダでさえ
疲労しきった僕の身体は、更にずたずたになった。周りのデスイーター達の、
あざ笑うような嘲笑が聞こえる。
ようやく辛うじて意識がある僕の顔を覗きこむと、杖を僕に向けたまま、冷たく
ニヤリと笑うルシウス。
「……とうとうミスター・ポッターが、あの世にいる御両親に会う感動の時間が
来たようだな。……今度生まれてくる時は、人のものには簡単に手を出さない事だ。
さようなら。ミスター・ポッター。 ……Avada Kedavra!」


その翌日の早朝。
ホグワーツ城の門に、ハリー・ポッターであった遺体が、縛り付けてあるのを、
ルビウス・ハグリッドが発見した。その頭上には、緑の“闇の印”が浮かんでいた
という。

THE END

412名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 01:23:04 ID:IMNJKDCp
以上。
>>410,411と
14/14が二重投稿になってしまい、大変失礼致しました。
413名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 08:11:59 ID:LQzT/zRq
気にするな
414名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 01:08:35 ID:Y4WpPvmO
おおおおおGJ!!
昔、結構前にどこかで窺いかけなかったか?
その時読みたいと思ったんだがそれから音沙汰なく、忘れていたのだけれどこんな所で合うとは…
多分同じ人だと思うけど本当にGJ
読みやすくて内容も面白かったよ!エロイし良かったw
またどっかで合える事を祈ってる。
415名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 21:32:18 ID:9Th9Gjjy
452KB&誤爆で愚痴ってた人もいたから提案だけど
次スレからの新しいスレタイ検討しねえ?
前から思ってたんだけどここ
スレタイと実際の許容範囲に差がありすぎる気がする
416名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:21:40 ID:F1iq+wg/
>>415
んだねぇ。今のスレタイだとどうしてもネガティブな印象があって投下しづらいだろう

投下を迷うSS投下スレ…だとちょっとスレの趣旨が分かりにくいかな。
『追い出された』よりはどぎつくないと思うけど
417名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:27:55 ID:Wx2BoSxv
>>415
確かに、投下予定していたスレの雰囲気に合わなくなったなと思って
こっちにと思っても
『追い出された』となっているので
元スレにあてつけみたいに思われないかとか
余計な事考えてしまうんですよね

>1 読んだ感じでは
「迷子のSSを預かるスレ」 とか?www
418名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:51:01 ID:wugLjzZb
スレに投下し辛いSSを投下するスレ
とか?
419名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 23:11:39 ID:SaSUAyHV
ジャンル横断SSスレッド とか

どこかのスレに投下しにくいってのはたいていあまり組み合わされない
ジャンルの組み合わせのような気がするので
420名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 02:56:01 ID:o8r+ox0u
迷えるSS投下スレ
421名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 16:31:44 ID:bJg8XqFr
420いいね
422396:2009/04/29(水) 01:39:58 ID:6fHyCYaj
>>414
拙いSSに、GJ頂き、有難う御座います。
てっきり、ネタがネタだけ(主人公がとても酷い目に遭うし)に、TSスレでも、
流石に凄い反発うけるかも。だったら、ここのスレかな……と思いながら、投下
したので、暖かいお褒めのレスを頂き、とても嬉しいです。

そうです。前に、一度窺いを立てましたが、その時は、最初のほうを書いている
内に、話が行き詰まってしまい、途中で中断してしまったのです。で、今回は、
最初から全部書き直しで書いてみたら、上手くいったので、こうして投下
致しました。その節は、失礼しました。

TSスレで、また♀スネイプ教授ネタか、某演劇根性漫画ネタで、どちらか
最初に出来た方のSSを投下する予定です(今、作成中)。
423名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 02:07:21 ID:T+CyZQXX
専用スレのないSSスレに統合でもいいかもしれないなあ
424名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 02:18:21 ID:R9ogr1q2
前にもそんな話出てたみたいだしそれでもいいかも知れないね
425名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 04:50:45 ID:/R9SQIj0
>>423
それだと「専用スレはあるけどちょっと投下しにくい」て人が投下できなくならないか。
>>420でいいと思う。
426名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 05:37:38 ID:jjqe/k+Z
>>423に一票。
ただでさえ板内でスレが細分化し過ぎているきらいがあるし、
そもそも専用スレがあるのなら躊躇せず専用スレに落とすべきだとも思うから。
427名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 06:00:19 ID:sgwa+ox1
スレタイは>>420がいいな
専用スレにいるアンチに「死ね」だとか「消えろ」と言われてる作家が、気軽に投稿できる場所は必要。

「スレから追い出された」なんてスレタイも人によっては、イヤミに思う人もいるし>>420のスレタイならマイナスなイメージもない。

専用スレでそれまですごく作品が評価されていた作家がある日、突然現れたアンチに攻撃されるなんてよくあることだし
428名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 10:18:34 ID:ECfnMh22
俺も420がいい。
形式的よりちょっと風情が残っていた方が良い
429名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 13:30:35 ID:fHp7BJIO
合併したほうがすっきりしていいと思うけどね。
とりあえず専スレないSSスレに間借りさせてもらって、
次立つ時に専スレない&迷えるSSスレとするのが(向こうに問題がなければ)いい。
430名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 13:56:26 ID:ECfnMh22
でも、向こう(専スレないSSスレ)は立ったばかりで次スレは当分先だし
タイトルに明記が無いとスレ検索やスレ探しで迷っている人は「そこ」に合併されているとは思わない&
そこに落として良いのか迷う結局迷い子になってしまう
(専スレ無いSS用と書いてあるんだから、スレはあるけれど落としにくい物を落として良いのかなどとは思わないし、「専スレ無い」と書いてあるのに1を読んだりしないだろう)から

あっちのスレが立った時と時期が合うからやっぱりこっちはこっちで立てた方が良い。二つが終わったときにまた統合は考えればいい
(終了時期が合うかは判らないけれど)
それにこっちにスレがある版権多いのはやはり理由があるんだよ
431名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 16:01:56 ID:QlBLeEoG
今さらだけどそういう理由で立てるなら>>418選んどく
432名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 09:10:16 ID:tjPAIG7U
まず>>90-93辺りでここは重複スレであるという結論がすでに出ていること。
ここに投下されているSSの傾向が専用スレのないSSスレと完全に被っていること。
以上の理由からやはり次スレは立てるべきではないと判断します。

スレを存続させたい意見の人は、粘着された書き手の受け皿として、このスレの必要性を
訴えているようですが、それはその書き手さんが常駐スレの避難所にでも行けばいい話。
粘着が出るぐらい住民の多いスレなら保管庫兼避難所ぐらい用意されているでしょうし。
無ければしたらばのエロパロ板避難所にスレを立てたっていいでしょう。
だいたい、そういう理由でこのスレが必要だと仰るなら、スレタイ変えちゃ駄目なんじゃないですか?

あと、専用スレに投下するのをためらったり、或いはどこに投下したらよいのか分からない、
という書き手は、大概自ら書き手スレなり総合質問スレなりへ行って、
適切なスレを探して投下するものです。
手前で書いたSSの落とし場所が分からなくて迷子になるようなトロい人は、
18禁のこの板にあまり存在しないと思いますよ。
433名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 10:01:21 ID:G9AOhT4N
【迷】スレに投下し辛いSSを投下するスレ【追】
タイトル混ぜてみた
これなら空気読んで自スレに落とさないなおかつ検索するトロくない職人は見つけられる。
あと、避難所なんて無いスレの方が多いよー。
434名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 10:25:08 ID:tjPAIG7U
>>433
【】の追加は要らないと思います。
避難所は無ければ立てればいいとすでに書きました。
荒らしの被害から書き手を守ってやりたいと思うなら、
それぐらいの世話を焼いてやってもよいのでは。

あとあなたに伺いたいのですが、
同一趣旨の重複スレを続行するメリットは何なんですか?
私には、SS投下が分散して双方が過疎になるだけで、何もいいことはないようにしか思えないのですが。
435名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 11:35:08 ID:yJXZE4Om
>>1を見ると同一趣旨な感じだけど、実際はそれぞれのスレタイ通りの趣旨の
SSが投下されてるよね。
統合してもいいと思うんだど、現状それぞれ機能しちゃってるので
両方の意味を持ったスレタイの統合スレを立てて、そこへ収束するような形の
方がいいんじゃないのかな。
ただ向こうも新スレ立ったばかりだから、とりあえずこっちも新スレ立てて
次の機会までに統合案をまとめた方がいいと思う。

それに統合統合いうけど、向こうに何も言わないで統合ってのも
どうかと思うんだよね。
436名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 11:52:56 ID:UkA20Rgg
433の方ではなくて失礼します
うpろだの前スレではこっちとは分けとこうって結論に達してたみたいですよ
なのであちらでこっちの内容の受け入れ可能かどうかは微妙です

向こうはあくまで「スレがないから投下できない」もので、こちらは「スレはあるけど投下できない」
というものなら趣旨も被らないのでいいのではないでしょうか?
需要はあるスレのようですし住民の方がわりといるようなので、なおさらあってよいと思います
ただスレタイはどこかに以前のものが判るようにしてくださった方がありがたいかもです


【元】迷えるSS投下スレ【追い出されたスレ】
【元】スレに投下し辛いSSを投下するスレ【追い出され】
437名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 12:16:35 ID:tjPAIG7U
>>436
なるほど、そういうことでしたら重複扱いにはならないですね。納得しました。
スレを分けることはすでに前スレで決定していたのですか。
このスレの冒頭で次スレはない方向のような会話がなされていたのに、
ごり押しで続けようと暴走している人がいるのかと思ってました。
そういうことでしたら別に反対はしません。

スレタイについては……現状維持が分かり易くて一番な気もしますが、
嫌悪感を抱く人がいるなら、良いように変えればいいと思います。

>>435も御意見ありがとうございました。
438名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 15:35:37 ID:3fpjK51m
ID:tjPAIG7Uはどこ行っても嫌がられそうなしきり屋だな。
このスレだって90〜以降でやっぱりスレ続行の気配があって
向こうのスレでも話合われていたのに
住人でもなくいきなりやってきて偉そうに板の事思っていますといわんばかりに講釈たれる。
このスレにはジャンル問わず、このスレが好きな住人が数人居着いて居るんだよ。
439名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 19:56:40 ID:7NtP5e3m
「追い出された」じゃ、特殊属性だったりスレの流れに合わなくて
自分から遠慮した人が投下しにくいし、
本当にアンチに目を付けられた人にもあてつけっぽく見えてやりにくいと思う。
440名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 04:32:05 ID:gUJDtedo
>>439
だなー。
誰も追い出してないのに、と思ってしまう人が居るかも分からないし。
でも言われてみれば旧タイトルも入れておかないと分かりにくいから
>>436の後者が分かりやすくていいかな。
441名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 08:21:22 ID:jqDqIAZX
>>438
自分が偉いと勘違いしてるカスなんて放置でおk
442名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 08:41:44 ID:02PvhmRa
ID:tjPAIG7Uはリアルで死んどけばいいと思うよマジ臭いから
443名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 08:49:51 ID:fjcq1SMu
一人がごり押しって自分のことじゃんなあ…

タイトルどうするよ。
しかしこのスレもまとめが欲しいね1から名作が(迷?)けっこうあるw
444名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 16:01:10 ID:bG5LTpmh
>>436の前者だと「スレはあるけど投下できない」という趣旨が
ちょっと伝わりにくい気がするので、後者の方がいいと思う
445名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 21:22:38 ID:Iq//didL
後者にするなら【】のとこはいらんと思う
なくても十分わかるでしょ
446名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 21:23:01 ID:/fXIklX4
436のどっちかかね
後者は追い出され『スレ』まで文字制限で入らないのかな?

つうかID:tjPAIG7Uが一人でごり押しで暴走してる間にも
着々と次スレタイへの話進んでて笑った
447名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 21:39:38 ID:rH+qNKTW
自分も後者かつ【】なしに一票
スレの趣旨がわかりやすくて良いかと
448名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 22:24:34 ID:SHKUepPP
一応元追い出されスレだっつう周知にはなりそうだが
次スレはつけといて
次々スレで外すという手も
449名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 00:22:21 ID:OBTaCsnf
ID:tjPAIG7U
次スレいらない派ってててめえ一匹だけじゃんwwwクソワロタ自演負け犬乙wwwwwwwwww
450名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 01:51:35 ID:MK3djlgm
それはいいからスレタイのこと考えようぜ

迷えるSS投下スレ  4
スレに投下し辛いSSを投下するスレ 3
【元】スレに投下し辛いSSを投下するスレ【追い出され】 2

くらいか?今んとこ
451名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 03:05:16 ID:MqXWhJGW
あ、ごめん出遅れた

スレに投下し辛いSSを投下するスレ

に一票
452名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 07:57:36 ID:HjRXPSrQ
シンプルな迷えるSS投下スレがいいが、こんなのはどうよ?

どこにするか迷う&投下し難いSSスレ
453名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 08:19:54 ID:0s3DdLgy
>>451に同意
迷えるSSだとどうも迷走しているSSに受け取れてしまう
454名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:43:44 ID:quibc1iP
個人的には「し難い」「し辛い」よりもうワンクッション置いた表現がいいと思うんだ
言葉尻取られて、嵐が該当スレから出張してきてこっちまで荒れるなんてことになりかねない
そしたらこのスレの存在意義がなくなるし、何より書き手の居場所が本当になくなってしまう

SS臨時預かりスレとかどうかな?
センスなくてすまんが
455名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 13:06:48 ID:AIkvg4mR
「し難い」「し辛い」でも大丈夫だと思うけどな。
文句言う嵐はどんな言葉でも言葉尻取って、色々文句言いそうだし。

とりあえず「迷う」で
・スレに投下するのは迷ってしまうSSを投下するスレ
・スレに投下するのは迷うSSを投下するスレ

こんなのはどうだろ?
456名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 13:17:04 ID:2X5QLzxr
>>452に一票
457名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 13:33:16 ID:pZM+Dotl
>>454
そこまでだとどんなスレタイだとしても結局荒らされるぞ
どうしたって人の話なんか聞かないし理解しないのが嵐だから
458名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 18:08:55 ID:zBkZVHvG
>>455
これに一票。
少し変えて「迷った時に投下するスレ」なんてのは、どうだろう?
459名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 01:07:41 ID:DlWCH8fD
これに一票と言いながら別の案を出してたらきりがないぞ。
460名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 13:51:02 ID:K0OmkHCh
次スレはいつ立てるんだろ?
461名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 14:13:56 ID:s1mlkRYw
>>458
メイン趣旨が「スレはあるけど投下できない」だから、冒頭の「スレに」は
はずしちゃ駄目だと思うんだ。これがないと単にどこに投下したら
良いのか迷うSSメインに見えて、うpろだスレとの違いが判らないと思う。

>>460
490KB越えたらじゃない?
462名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 19:25:01 ID:8qBpwi4R
うわーこりゃまた難しい議題もちあがってるな
個人的には【元】【追い出されスレ】はスレタイ変わったよというアナウンス用として残ってほしい
が、長くて無理か・・・
463名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 20:34:46 ID:WDDA3Nwi
元追いスレにしたら?追いスレって言い方結構使われていたし
自分も「追い」は入れておいて欲しいな
464名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 22:50:02 ID:/2BEYMvj
スレから追い出されたSSを投下するスレ
という直球かつ書き手は良い気分がしないスレタイでも実際投下してくれた人たちは居るんだしな
今までスレタイに抵抗感があって投下に踏み切れなかった人も呼び込むという目的ならスレタイ変更は有りと思うけど、別段書き手の投下しやすさを謳う事はないかな
どんなスレタイでも投下する人は居るし敬遠する人はする
465名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 23:18:07 ID:hXS2MQnL
>>464
まさに『今までスレタイに抵抗感があって投下に踏み切れなかった人も呼び込むという目的』で
スレタイ変更について議論しているはずなんだけど…


>>463
スレに投下し辛いSSを投下するスレ【元追いスレ】

これでギリギリかな…字数制限がこの板でも全角24文字ならだけど
466名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 23:33:11 ID:ZiiJmaPS
>>465に一票かな

スレ離れてて偶に戻ってくる人もいるかも知れないからせめて追で検索出来る方がいいし、
ここのスレタイにけっこう愛着もあるのでちょっとだけ残ってて欲しい
467名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 09:43:08 ID:WM25BDYl
『行き場のないSSお預かりします』はどうだろう
468名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 11:25:26 ID:L0Bb2odJ
『お察しくださいスレ』
469名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 11:29:24 ID:L0Bb2odJ
『ちょいと訳あり職人の吹き溜まりスレ』
470名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 22:12:30 ID:MR4tQ7eZ
スレタイ案ここまでにしておこうぜ
まだ残り容量あるとはいえ、いちいいち案出してちゃ決まるもんも決まらん
471名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 22:43:10 ID:OCpyqa7I
スレに投下し辛いSS/迷うSS【元・追い出され】

おもな意見を合わせてこんな感じでいいんじゃない。
で次の次から【】をなくす。
>>470ごめんね。
472名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 23:05:54 ID:hRXiKsV9
お察しくださいがちょっと良かったんだけれど良いんじゃないかなw
473名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 23:27:46 ID:mTiC9TpO
お察しくださいは確かにちょっと良いねw

スレに投下し辛いSS/迷うSS【元・追い出され】を
スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】にしたら
文字数が少し減ると思うんだけど
474名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 04:04:01 ID:YwUYReLH
「元・追い出し/追い出され〜」はいらんだろ……
それだと結局抵抗感を拭い切れるかわからんし
>>1の3種のSSを対象にしてるからその全部を「お察しください」でくくるのも微妙だなあ
スレタイは「スレに投下し辛いSS/迷うSS」あたりにして
>>1で「諸般の事情でスレでは書けなくなったけど、それでも誰かに読んで欲しいSSも投下対象」
とか、はっきり名文化して追記した方がいいかも
475名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 06:02:52 ID:Vc0oo3y3
上の方読めよ
476名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 07:01:06 ID:S33j8AqW
もうなんでも辺りに移動するのが正解かもな。
ここまで来ると>>474みたいな気質のエロパロ板特有のクレーマーの問題に見えてきた。
このレベルのログ読まない脊髄反射の因縁付けがあるのも
ここにSSが追い出される大きな理由なんだし。
477名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 07:08:45 ID:iySzNyda
もうクレーム付けて混乱させるのが目的にしか見えんよな
478名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 11:11:32 ID:YwUYReLH
>>474です。クレームのつもりでもなく、>>473以前の上も理解して書いたんですが、悪意的に取られてしまったようですね。
非常に申し訳ない。
479名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 11:21:07 ID:algQjuSb
読んでいてそれなら、理解力があまり無いようだし
こう言う論争に口出さない方が良いよ…

元、なら抵抗受けることはないと思うぞ
なぜなら、スレの性質が変わったからスレタイが変化して
前のスレタイに元、とつくことなのだからね
なので情緒は無いけれど機能優先で>>437

スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】

がいいかな
自分も「お察しください」や「迷えるSS」が好きなんだけれどねw
480名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 11:21:16 ID:NRR3HI7/
>>467
に一票。
喪黒っぽくていい
481名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 11:27:33 ID:Vc0oo3y3
喪黒www
行き場のないSSお預かりします【元追い出され】
文字数どうかな。

何故スレタイに入れたいかというと、1に書いてもやっぱり読まない人の方が大半なんだよね
たとえばTSスレの1に「2次の『元々女である』と言う設定SSでもおk(要約)」と書いてあったとしても
最初から女であるSSはすれ違いだ、女になってしまって戸惑う描写がないとおかしい…等言ってくる厨や
誤爆スレの1に「雑談おk」と書いてあっても、レスにレスすると「ここは誤爆スレだ
レスするなんて質も落ちたな、雑談するな」厨が湧く。
ようは1に明言してあっても大抵は読んでない気に留めてない人が多いんだよ。
あとスレタイに元を入れるわけはスレタイ検索する元々の住人のためでもある。
482名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 12:02:45 ID:xC/3+pOg
「お預かりします」よりは「投下するスレ」のほうがいいと思う
一時預かり所というわけでもないし

なので>>471>>473あたりの案が良いかと
483名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 12:13:04 ID:HWXfMeYU
【迷う】既存スレには投下しづらいSS・3【遠慮】

これならスレ趣旨を間違われることもないかなぁ。
ただし文字数の問題で「元追い出され」が入らない気がする。
この板のスレタイ制限て何バイトだっけ?
484名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 12:57:54 ID:DBK2q4b3
なんだかたくさんの意見が出てるけどこのスレ、結構いろんな人が見てるんですね。

ちなみに自分はこのスレにPart1からちょろちょろと投下していますが別にスレタイ変える必要がない、
むしろ変えてほしくないと思ってたりします。
最近は見てないけど書き手スレでもスレが荒れるようなSSはここに落とせば、って話は良く出てましたし。

まあ自分のように、投下してたスレを心底嫌い憎み見捨てた人間としてはこれくらいのスレタイの方が
気持ちいいんですがまあそれは個人的な事情ですので。

どちらにしても「元追い出され」みたいな表現は残ってほしいなと思います。
485名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 13:53:43 ID:dmM57BEW
>>474>>478
sageもできない糞厨房は死ねよ
絶対このスレ潰そうとしてるだろお前
486名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 14:24:55 ID:iySzNyda
あんまり過剰に叩くな
487名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 16:29:58 ID:NE4MzGe8
>>484
484だけが投下するスレじゃないからね
他の人が投下しやすいように、という前提で話が進んでいるんだから
投下し続けてきた人間の意見を聞いてくれみたいな態度にもとられかねんよ

誘導しやすいように次スレは元追い出されを入れて
その次から外す方向は決定でいいんじゃないだろうか
488名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 16:32:16 ID:SZ8SV+QB
色んな案が出て中々まとめ難そうなんで、今までの投票は白紙にして下の番号での再投票でどうだろう?
それでよければ485KB過ぎくらいに票数まとめるので、見落としあったら付けたし頼む

他に案があるようなら17から順に番号ふって出して、投票したい人はその番号へ
あと案を出した本人分は票数に数えないので、自分に投票の場合はそれも記入で
これじゃ駄目っぽかったらスルーで


1 迷子のSSを預かるスレ
2 スレに投下し辛いSSを投下するスレ
3 ジャンル横断SSスレッド
4 迷えるSS投下スレ
5 【迷】スレに投下し辛いSSを投下するスレ【追】

6 【元】迷えるSS投下スレ【追い出されたスレ】
7 どこにするか迷う&投下し難いSSスレ
8 迷った時に投下するスレ
9 スレに投下し辛いSSを投下するスレ【元追いスレ】 (>>436は字数オーバーっぽいんで>>465でまとめ)
10 行き場のないSSお預かりします

11 お察しくださいスレ
12 ちょいと訳あり職人の吹き溜まりスレ
13 スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】 (勝手な判断で>>471>>473の方でまとめ)
14 行き場のないSSお預かりします【元追い出され】
15 【迷う】既存スレには投下しづらいSS・3【遠慮】 (2?)

16 スレから追い出されたSSを投下するスレ (これも捨て難い人いるみたいなんで一応)
489名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 17:29:12 ID:xC/3+pOg
んじゃ13に一票
490名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 21:24:04 ID:iySzNyda
迷ったが2
491名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:41:10 ID:lHjBPjf6
15で宜しく。
492名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:43:03 ID:algQjuSb
「追」がついていたら何でも良いよ
493名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:45:52 ID:/OHqSU6J
13かな。
494名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:53:25 ID:IlAzz3hM
2 です。
495名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:57:30 ID:qpz5+kVP
2かな
13もいいんだけどね
496名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 22:58:41 ID:3j4QGP2i
13がいいな。
497名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 07:19:39 ID:vp1Ig4io
ジョージ!思ったとおり「匿名掲示板で多数決とか笑わせんな」って感じになってきたわ!
498名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 07:45:21 ID:XzSabOeq
15で
「迷う」だけじゃなく「遠慮」がある方がいい
499名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 10:54:44 ID:zzA2lFkg
さてあげるか
俺は12
500名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 15:34:00 ID:1FCAqYbG
>497
そんなことどうでもいいから投票しなよ、さあ!

13で
501名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 10:47:19 ID:RAAQkpLC
6に一票
502名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 21:21:35 ID:RrT43L/T
選択肢多いな
503名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 18:39:09 ID:E2L5cgHU
あげ
504名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 18:44:48 ID:mY+ifBz0
投票期間を日付で区切った方が良かったな
今さらだけどね
505名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 22:50:23 ID:bKC3sWX0
13に1票
で、part4からは【元・追い出され】は無くていいとオモ
506名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 23:00:15 ID:5MdWvLMW
16にPart3を付けるに一票
507名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 23:31:33 ID:ucGFroKU
7かな。
13で、次スレから【元・追い出され】を取るでもいいけど。
508名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 01:58:36 ID:uUmG8Lue
13は次次スレで【】を取るという前提込みの案だ。
一番妥当だと思うんで13に一票。
509名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 12:28:06 ID:ybgO52eB
510名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 13:29:19 ID:rTIhpd3G
16かな
名前変えなくていいでしょ
511名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 17:08:11 ID:Ex+X0xhC
16
512488:2009/05/10(日) 22:02:36 ID:w3UKq4zB
>>504
そっちのがよかったかもありがとう

>>509
付き合ってくれてる人もいるので盛り下がってる人には悪いけど集計は出す




485KB行かなそうならとりあえず12日で〆にする
513名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 22:17:26 ID:rAWv6qwx
集計するのはいいけど、>>488の中には「スレの趣旨が分かり辛い」と
言われてたのもあるよね。
そういうのが選ばれちゃった場合はどうするの?
514488:2009/05/10(日) 23:23:34 ID:w3UKq4zB
多数の人が入れたのかよほど気に入った人がいたのか判らないけど
判り辛くても最多数の票が入ったらそのタイトルにしたらいい思う
515488:2009/05/10(日) 23:28:34 ID:w3UKq4zB
としか言えない
516名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 23:57:06 ID:BSDt7Dd0
うんそんなたいそうな事じゃないでしょ
いんじゃないかな
それに今のところ平気だし
517名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 00:18:18 ID:V1df1F5R
名前に尻込みしてた人間なんで13に一票
518名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 07:04:11 ID:/HV+b0SW
とりあえず13かな
519名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 16:14:07 ID:05vFYluC
13。
520名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 15:00:57 ID:EmkgnI/j
う〜ん13かな
やはり元追い出されたスレだったというアナウンスはほしい
で、定着した次次スレでとる、と
521488:2009/05/13(水) 00:54:22 ID:NO/4bGD6
12日終わったので票まとめ
13 スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】が多数なよう
(周知が済んだら次の次のスレでは【元・追い出され】部分を外す案あり)


1 迷子のSSを預かるスレ…………… 0票
2 スレに投下し辛いSSを投下するスレ…………… 3票
3 ジャンル横断SSスレッド…………… 0票
4 迷えるSS投下スレ…………… 0票
5 【迷】スレに投下し辛いSSを投下するスレ【追】…………… 0票

6 【元】迷えるSS投下スレ【追い出されたスレ】…………… 1票
7 どこにするか迷う&投下し難いSSスレ…………… 1票
8 迷った時に投下するスレ…………… 0票
9 スレに投下し辛いSSを投下するスレ【元追いスレ】…………… 0票 
10 行き場のないSSお預かりします…………… 0票

11 お察しくださいスレ…………… 0票
12 ちょいと訳あり職人の吹き溜まりスレ…………… 1票
13 スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】…………… 10票
14 行き場のないSSお預かりします【元追い出され】…………… 0票
15 【迷う】既存スレには投下しづらいSS・3【遠慮】…………… 2票

16 スレから追い出されたSSを投下するスレ…………… 3票

他 追が入ってればなんでも…………… 1票
522名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 10:15:30 ID:nA/PyXGP
集計乙です
13強いな
523名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 10:33:11 ID:kWvjvOs4
集計乙ー!やっぱな結果だなw
524名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 00:20:49 ID:jkdFRDzT
つか、ここでの話し合いが全く無駄になるような新スレが立ってるんだけど
525名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 00:29:49 ID:T7682JlR
これだけ住人が議論して期日決めて投票してる事実があるんだから
アレは普通に削除依頼出せるだろう。証拠(こちらのレス)あるし通ると思うよ。

気にせず13のタイトルで立てればいい。
526名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 06:45:56 ID:kZNAfbzS
結局多数決なんか不要

>気にせず13のタイトルで立てればいい。

この理屈でどんなスレでも立てられる
527名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 06:49:47 ID:iyjUOcM6
テスト
528名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 08:11:49 ID:KE3Q0zgN
似た感じで立ったスレでも
重複かそうでないかとか、必要、不必要で議論していたので
ちゃんと実のある議論しているからと削除されなかった事があったようだから
...言わずもがなか...
他に 2、3作品まで投下されたが結局続かず圧縮されたこともあるし

結局は、鳥の巣箱のように住人が居付くか居付かないかにかかると思う

投下待ちの書き手さんも居るようだから
そろそろお茶とお茶菓子を用意しないと...
529名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 08:17:32 ID:jkdFRDzT
要するに>>526のような自分の立案が通らなくて不満を抱いてる人が先手をうったと…

> 結局多数決なんか不要
ですよねー
530名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 08:32:44 ID:I801/hz9
でもアレでは話し合ったものがなにも取り入れられていないから
削除依頼に一票
そんなのがまかり通ったらしようがないよ
531名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 09:38:45 ID:Rw78zJKM
>>528
そうだな、あっちのスレもこのスレの次スレだとは主張していないわけで
逆にいえばこのまま13のタイトルでもう1つスレを立ててもかまわない

後は書き手さんが居着くかどうかに任せる手もある
532名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 11:24:21 ID:j3UjPItu
そんな心配しなくてもあんな感じで勝手に立てちゃったスレの末路なんてわかりきってるだろ
しばらくは一人で保守がんばるだろうけどな
こっちはこっちでテンプレ案考えて早くスレ立てしようよ
533名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 13:33:06 ID:grvSJ35b
GW中にまとめたかったところ
534名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 14:36:57 ID:EMEftYz1
今更ぐちぐち言うなら自分で動いてまとめりゃ良かったのに
535名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 19:37:32 ID:KE3Q0zgN
専用スレがあっても投下し辛いSSを投下するスレです。

・微妙にスレの空気からずれたSS。
・投下したら叩かれそうだなあと思うSS。
・どこに投下すればいいのか迷ってしまうSS。

そんな投下を迷うSSをとりあえず投下するための専用スレ。
うpロダ代わりにご利用ください。


■ 前スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/

■ 過去スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/

■ 関連スレ ■
【うpろだ】専用スレのないSS その2【代わり】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240477403/


――――――

みたいな感じでテンプレを考えてみたが
801誘導とか、注意書き必要項目(スカ、凌辱、ロリ、etc.)などを足すべきか
それともここはフリーダムな感じを尊重すべき?
関連スレに足すものとかは??

ちなみに次スレタイトルは

スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され】

のみ? Part3 とか 3 とか付けるの?
536名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 20:16:01 ID:jNWM0y9i
>>535
元・スレから追い出されたSSを投下するスレです、も周知事項として追加して欲しい
注意しなきゃならないものしか投下されないし、注意事項は自己判断でいいんじゃないか
タイトルは3とか付けずそのままで大丈夫だろう
537名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:16:09 ID:OBw13klS
投げるつもりだったのを無理矢理完成させた分、投下しても良い?
538名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:20:50 ID:SSi5KYz6
良いけどここ直ぐ落ちちゃうから継ぎすれたって殻が良いんじゃないかな
もったいないよ
んで、上のテンプレで良かったら今夜立てるけど!
パートは正規継続スレなんだから一応つけておこうよ
539名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:22:18 ID:OyXXartB
>>537
どうぞどうぞ
540名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:23:08 ID:SSi5KYz6
専用スレがあっても投下し辛いSSを投下するスレです。

・微妙にスレの空気からずれたSS。
・投下したら叩かれそうだなあと思うSS。
・どこに投下すればいいのか迷ってしまうSS。

そんな投下を迷うSSをとりあえず投下するための専用スレ。
タイトルに注意書き必要項目(801、スカ、凌辱、ロリ、etc.)
フリーダムにうpロダ代わりにご利用ください。


■ 前スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208076450/

■ 過去スレ ■
スレから追い出されたSSを投下するスレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/

■ 関連スレ ■
【うpろだ】専用スレのないSS その2【代わり】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240477403/

んでタイトルは
スレに投下し辛い/迷うSS【元・追い出され3】
でどうよ
5411:2009/05/14(木) 21:54:06 ID:OBw13klS
 ボクの名前は月河繭(つきかわまゆ)。
 斎賀第三学園の教頭にして、義父の越村秋貴(こしむらあきたか)にある任務を受けた。
 この石ヶ見大付属高校に保管されている”校務禁録”を持ち帰ること。
 これを使い、義父はこの学校を乗っ取るらしいが、その手段まではよく分からない。
 そして釘木野春賀と名を変え潜入していたボクは、そこで先行し行方不明になっていた卜部雪鳴(うらべゆきめ)――篠原明日子が粛清されたことを知る。
 遺書はボクたちが任務に携帯し、処分を受けた際に第三者から詮索を受けるのを避ける為。
 けど、ボクは怖くなった。まさかに本当に殺すなんて――転入するまで全くそんな話は聞いていなかった。

 義父との連絡は任務中は取れないことになっている。特定される可能性はゼロに近い方が良い。
 そして監視役が誰なのか、ボクには知らされていない。任務完了――つまり連絡許可が下りた段階で初めて合流し、二人で学園に戻る。
 しかしそうしてこの場所に隔離されることで、混乱と疑惑を生む。雪鳴は一つ上だがボクの友だちだった。殺した奴が仲間だなんて、思いたくない。
 ただ任務を放棄すればボクだって同様に命を奪われかねない。だから由馬にわざと接触し、固い関係を培った。
 元学園組は四人。内三人は元々特定されるリスクを軽減する為の人形役で、こちらの事情は一切知らない。
 とりあえずこうしてポーズをとることで、由馬がそれならその気を散らし、それ以外であっても見えない場所からボクを監視する奴の目を誤魔化すことは出来る。
 そしてボクが記憶喪失中に覚えた違和感は、義父に抱かれた時のもの……もう身体を使うことなんて慣れたけど。

 記憶を消したのはあいつの提言だった。
『こんな夜中に……誰だよ』
『もしもし、釘木野春賀――いや、月河繭……か』
 ボクは戦慄した。訊けば義父でも監視役でもない、第三者だと言う。いつの間に情報が漏れたんだ?
 彼の話によると、ボクが今回の任務に不信感を抱いているのを理解し、謀反の手助けをしたい、と。
 その為に校内で密かに行っている実験の設備を借りて記憶を消し、一回マークを緩める。
『心配はいらない。監視役は標的が決定的な言動を見せない限り、行動には出ない』
 監視役が油断した頃合に記憶を戻し、そして即任務遂行。自分と合流し、学校を脱出する。
 このまま躊躇していても良くない。ボクは義父を裏切ることに決めた。

 学校には二つの情報入手手段がある。一つは生徒会資料室、もう一つは誰も行き方すら知らない、地下資料室。
 約一ヶ月に渡る調査と、この第三者のタレコミによって、その場所と進入方法は分かった。後はタイミングだったが、確かに今が一番かもしれない。
 そう思ったボクは密かに保健室を抜け出し、3F図書室へと向かう。
 人はいない。図書委員長――久実岬(くみみさき)を除いて。
「何か御用ですかぁ?」
 ボクは彼女に近寄ると、そっと耳打ちする。
「昨日持ち込まれた資料の一部が必要になったんだ。A9J64Mへの進入を許可してほしい」
 表情がやや引き締まる。
「……あなたが、ですかぁ? ……でも、それだけ知っていたら……分かりましたぁ。上段へどうぞ」
 そう言うと、奥へと引っ込む。
 がちゃ、と物音がしたと思うと入り口に鍵がかかり、上から梯子が下りてくる。
「黒之木先生に確認しておかないで良いかなぁ……?」
「代わりに後で元副会長が来るよ」
「! ……だったら、大丈夫ですかねぇ」

 梯子を上り、蔵書扱いの本棚の間を抜けて行くと、目の前にはエレベーターがあった。3・・・B2の直通。
 こんな誰も使わないような場所にエレベーター。おかしな話だけど、一般に触れない場所ではある。
 元副会長――交橋岳人。あの日電話をくれたのは確かに彼だ。そして記憶喪失中にも一回ボクを訪ねてきた。ちょうどその時は教室にいなかったが……。
 地下二階。出て早々暗証番号入力ときた。
「59697238」
 扉が開いた。
 確か公務禁録の在処は左から三番目の書庫。
 ボクは懐中電灯を取ると、暗い地下を進む。
「……」
 由馬はこの件とは無関係だ。出来れば巻き込みたくない。元々身体に刻んだ絆は偽り。
 これでもう、会うことはない。連れて来なくて良かったのだ。不安なんて、ない。
 倉庫に辿り着いた。
5422:2009/05/14(木) 21:55:57 ID:OBw13klS
 中に入り、少し周囲を見渡すとすぐに分かった。鍵のかかったガラス戸の中に、それはあると。
 ボクは予め作っておいたスペアキーを取り出し、それを開けた。
 実物を持ち出せば警戒される。だから形状を記憶し、作ることにした。勿論、そこまでには忍び込む作業を要したが。
 しかし、そういった斥候にも、ボクはそれなりに都合が良い。こうした人格になりきることによって、不必要に警戒されなくなるからだ。
 学園ではテニスをやっていたのも、その一環だ。元々生徒同士の繋がりは強い方ではないが、表向きには普通を演じる必要があった。
 戸を開け、中からそれらしき分厚い冊子を取り出す。
「これが……校務禁録――」
 ずっしりと重い。力に自信はあるが、片腕は完全に塞がる。
 ボクは戸を閉め、鍵を閉め、何事もなかったかのように倉庫を出る。出来るだけ、発覚は遅らせた方が都合が良いから。
 来た道を戻ると、エレベーターに乗る。

 図書室上段。エレベーターを出た先に、誰かが立っていた。
 交橋岳人だ。
「……態々迎えに?」
「ああ」
 彼はそう言うと、何やら外を気にする素振を見せた。
「行くか。外に乱駒が車を付けている」
「?」
「――言ってなかったが、彼女も俺の仲間だ」
 そうだったのか。ボクは少し、妙な気分になった。だけど、細かいことを気にしている余裕はない。
「平然と持ち歩いていたらヤバい。俺のバッグの中に」
 そう言うと、彼は中に禁録を入れる。
 下に降り、彼が図書委員長に目配せをし、入り口のロックを解除してもらう。
 と、人の気配がした。

 室外に立っていたのは――現副会長?
「見つけましたよ……交橋先輩」
「ちっ――撒くぞ!!」
 そう言ってバッグを投げ渡す。ボクはそれを受け取り、目前の第三者、有須井副会長の横を走り抜ける。
「俺のことは気にすんな! 真っ先に駐車場まで突っ走れ!」
 後は見ない。予期せぬ展開だけど、ある意味好都合だ。彼の目的も分からない今、その手を離れられるならそれが良い。
 乱駒先生も決して、全面に信用出来る相手ではないのだ。途中で車を下り、一旦姿を眩ます――走りながらボクは考えた。
 階段を降り、廊下を走り、そして外に出る。
 駐車場には計画通り、乱駒先生が立っていた。
「学校側に途中で! 交橋先輩は自分が囮になるから、先に行けと」
「そうか分かった。乗りな、すぐ出る」
 返事は意外と呆気なかった。

 今は車の中。やや煙草臭い助手席の後に、ボクは座っている。
 もっと警戒されるかと思った。例えばボクが、禁録を独占する為に彼らを利用する可能性だって考え付くはずだ。
 合流の予定が狂ったにしては、無風過ぎるような……。
「……最初から分かっていて、ボクに接していたんですか?」
 自然と問いかけてしまう。変な軋轢を生みかねないとしても、訊きたくなるのが人の性。
 ボクはこんな任務を受けるべきじゃなかったのかもしれない。
「……50/50(フィフティフィフティ)。騙すつもりはなかったんだけど、悪かったね」
 と、突然携帯が鳴る。
「はい――交橋か? どうなった? ……ああ、分かった。話はしておく」
 相手が何を話していたのかはよく聞こえなかったけど、明らかに声のトーンが下がった。まさか?
「あんたの言う通りだね。囮となって、捕まったらしい」
「そんな――!」
「今は監禁されているそうだ。幸いにも携帯は取られなかったらしいが、暫くは学校から出られそうもない――だと」
5433:2009/05/14(木) 21:56:56 ID:OBw13klS
 絶好のチャンスだ。上手く行き過ぎているかもしれないけど、動かない手はない。
「計画の主導は交橋だったんだ……何たら言う情報を盗み出す、ってのは聞いたんだが、私じゃどうしようもないな。とりあえず家まで行こうか」
「……」
 監視役の目を欺いた遂行を取った今、これを持ってボク一人で学園に帰ったとしても何らかの罰は免れない。
 しかし、このまま彼らに従っていてもボク自身の立場が危うい。
 ボクの目的は……。
「……やれやれ、交橋が言っていた『篠原明日子から続く負の鎖を断ち切る』――なんて本当に出来るんだか」
 ――そう。雪鳴の無念を晴らすこと。
 校務禁録と引き換えにしても、監視役と指示した人物に、奪った命の償いを。
 ボクはやっぱり、任務なんて受けるべきじゃなかったのかな。
「ボクはここで降ります」

 信号待ちの車の中で、そう言った。
「スマートじゃないね、本気かい? 今この車を出れば、私たちとも敵同士になるよ?」
「これはボクが、ボク自身の為に使いたいんだ。ごめん」
「……」
 慌てる訳でもなく、ボクをじっと睨む乱駒先生。その顔を一瞥して車を下り、そしてドアを閉める。
 走り出す。追って来るとは思えなかったが、それでも何処か、人目の付かない場所まで。
 走りながら、ふとバッグが交橋先輩のものであることに気付く。
 発信機でも付けられていたら――そう思ったボクは迷わずバッグを投げ捨て、禁録を脇に抱えてまた走った。
 途中、警察車が何台も横切っていくのを見た。
 何か、普通じゃない。このまま、逃げ切れるのかな……。

 どれほど走って来たのだろう。持久力にはそれなりに自信があるボクも、さすがに疲れてきた。
 見知らぬ町。辺りはすっかり日が暮れて、暗くなっていた。
 ここは駅の近くだろうか。ビジネスホテルを見つけた。今日はここに泊まることに決めた。
 ボクは部屋に入ると、そのままベッドに横たわる。
 疲れた――いろいろとありすぎた。
 そして不意に思い出すのは、毎晩の盛り。由馬と何度も……したこと。
 今思えば、睦まじく見せる為と心を誤魔化してはいたが、身体は何らかの繋がりを求めていたのかもしれない。
 記憶のずれを頭の中で繋ぎ合わせると、錯覚が頭を巡り、心を乱す。
 本当は違う――のに、由馬のことを、ボクは好きだったんじゃないかと。

 気持ちの高ぶりが、眠りを妨げる。物足りなさが、下からこみ上げてくる。
 でもダメだ。少なくとも明日までは制服も下着も一張羅。
 ……シャワー浴びよう。
 何を考えるでもなく、自己満足の快楽に溺れよう。
 そして全て洗い流す。そう、もう今日まで過ごしてきたボクには戻れない。
 覚悟は一度決めた。そして記憶を消すまでした。今更、何も怖れることはないんだ。
 今日だけは、最後の――。

 水圧が下腹部を、気持ち良いほどに刺激する。
 息が荒くなる。一層の力が欲しいと、水勢を強める。
「はぁっ……んっ」
 つい、口から恥ずかしい声が漏れる。
 でも良いんだ、我慢しなくて。
 これからは、ボクの身体はボクのものだ。何度抱かれた過去を追憶しようとも、それは変わらないんだ。
 涙が出てきた。悲しいのか嬉しいのか、分からない。
「あぁ……はぁ……っ!」
 胸を自らの手で揉む。いつ以来だろう、こんなことするのって。
5444:2009/05/14(木) 21:58:30 ID:OBw13klS
「はぁ……はぁ……」
 慰みの行為は本能に伴い、エスカレートする。
 ボクの両手は上と下、どちらも身体で最も感度が高いであろう部位を、激しく掻き回す。
 誰かに抱かれたい? 秋貴? 由馬? それとも誰でも良い?
 触れられる感触を、入れられる悦びを、求めたい?
「んんっ……あはぁっ……!」
 ボクは……本当に好きな人と、こうやって――。
「あぁんっ……はあっ……!!」
 こうやって――!
「――んんっ!!」
 ぴしゃ、という音とともに、下から何かが流れ落ちていく。
 そして身体から、一気に力が抜けていく。

 その夜、ボクは何度も自慰を繰り返した。
 自問自答――なんて澄ました意味はない。ただ欲求を発散させ、気持ちとともに外へ出した。
 全て終わって、もし人並に生きることが出来るようなら……それから探せば良いんだ。
 今のボクに欠けているもの――それを。
 その為に、ボクは逃げることを選んだ。ある意味、半分自由を掴んだと言って良いのかもしれない。
 しかし残り半分を手に出来るかは、明日以降にかかっている。
 初めは死ぬ覚悟だった。でも、ボクは生きてる。そして生きたい。

 深い眠りに誘われて、ベッドへと沈み込んだボクは、暫く空白の時間を描いていた。
 夢なんて見れたものじゃないし、一々思い出そうとも思わない。
 目が覚めた。違和感。
 思わず身体を起こすと、目の前には絶望の影。
「――そ、そんなことって……!!」
「よお」
 頭に浮かんだのは、”はめられた”の一言だった。
 交橋岳人。一番会いたくない奴が、そこにいる。
「希望と決意に満ちた朝をぶち壊してすまんが、チェックメイトだ」

 炙り出し、とでも言うのだろうか。
 ボクに謀反を起こさせるようにわざと仕向けた。交橋は学園側の人間だった。
 そして犯人を突き出した上で、誠意を示す。
 ボクは両手を縛られて、車に乗せられていた。隣にはそいつが座っている。
「第三者の癖に……何でっ!?」
「手柄が欲しいからだ……そして何故見つかったか、だろ? ったく、俺のバッグ放棄しやがって。あれには何も付いてなかったっつの」
「?」
「乱駒にお前が寝ている間、制服の胸ポケットへ発信機を仕込ませた。気付かないんだもんな――おかげ様で場所を特定出来たんだけどよ」
 そうか……ボクが迂闊だったんだ。
「仮にお前が気付いていたとしても、足取りは大方分かったんだけどな。どうしてか、知りたいか?」
 何だって言うんだ? そんな嬉しそうな顔をして。


「……お義父さん、もう――」
「もう良いでしょう。予定は狂いましたが、出て来られてはどうです?」
 男と、そして釘木野春賀の声が重なった。
「――ったく、とんだ邪魔が入っちまったもんだ」
 部屋の影から現れた、一人の青年。
 それは聞き覚えのある声。翔も灯子も、耳を疑った。
「交橋先輩!?」
 翔は思わず声を上げていた。
 死んだはずの人物がその場にいて、驚かないはずがない。
「今朝の朝刊に出ていましたね。おたくの男子生徒が自殺――上手くやったものです」
「……一体、どういうことなの?」
 困惑したまま岳人を見つめる灯子。
545名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:07:22 ID:OBw13klS
>>538
練習スレ行けレベルの殴り書きですから、それでも良いです
546名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:19:20 ID:SSi5KYz6
いやね、色々話していたんで容量も…

まいいや、もう容量無いから>>539で立てるよ
あと2レスぐらいでかけなくなるかも…
547名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 22:24:27 ID:PLTZKc9S
埋め立て荒し乙
548名無しさん@ピンキー
>>546
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