キングダムハーツでエロパロ3

このエントリーをはてなブックマークに追加
746名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 19:48:51 ID:55UNTMxM
わたしはロクサスのソレの根本をしっかり握って、口に含みます。
なるべくロクサスに上目使いをしたいけど、もう舐めるのに夢中で…。わたしはロクサスに喜んでもらえるように一生懸命、舐めます。
うまくできたらロクサスはわたしの頭をなでなでしてくれます。その時はとっても嬉しいです。
ロクサスが、声を漏らしはじめました。わたしが舐めているおかげで気持ちよくなってきたみたいです。
ロクサスは夢中で、わたしの喉奥までぐいぐい突っ込んできます。ちょっと苦しくてむせそうになるけど、ロクサスのために…
ロクサスはわたしの頭を抱きしめ、それからいっぱい精液を、わたしの口に出します。わたしはそれを溢さないよう一生懸命飲み込み…
747名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 19:59:29 ID:55UNTMxM
「ここにいたのかロクサス……! お、おい何やってんだラクシーヌ!!」

あっ………
見つかっちゃいました。
748名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 20:35:40 ID:9HRns1TL
終わり?
ラクシーヌはツンでも素直でも奴隷でもかわいいな
749名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 20:39:11 ID:dvqEi21g
ネタバレ







シオンが戦闘時に言ってる台詞って、
好きにしてあげる?それとも、楽にしてあげる?
好きにしてあげるならエロくてシオン攻めもいいなあと思って
750名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 22:48:12 ID:UoiHRbe8
>>749
「もっちりしてあげる」と聞こえたけど・・・
751名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 00:19:02 ID:Al8s7+Oi
シオン「もちもち(・ω・)」
ロクサス(くっ俺にポンデ耐性は無いのに…!)
752名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 07:55:03 ID:tOVE84yW
もちもち

ポンデリング

ドーナツ

穴がある




このスレのロクサス的な思考
753名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 20:34:52 ID:YfSH6r5Z
ねぇよww

久し振りにアクラク読みたい
754名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 20:51:03 ID:0xZd2nET
>>752
奇才すぎwww



つまり
ロクサスがシオンの鍵穴をキーブレードで開けるということですね
755名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 01:22:15 ID:s3qvKIZx
ロクサス思考

ノーバディ⇒心がない⇒良心がない⇒平気でレイプとかする⇒エロ
ハートレス⇒本能的⇒情も常識もない⇒容赦なくレイプとかする⇒エロ
キーブレード⇒鍵⇒鍵穴に突っ込む⇒突っ込むもの⇒エロ
キングダムハーツ⇒心⇒欲求⇒性欲⇒エロ
シーソルトアイス⇒しゃぶる⇒エロ
ごほうび⇒エロ
シオン⇒コートの下はノーパンノーブラ(多分)⇒エロ
ナミネ⇒肌着一枚⇒エロ
ラクシーヌ⇒ボディラインくっきり⇒エロ
その他女キャラ全般⇒エロ
756名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 10:11:22 ID:X3gWwbd7
ロクサス思考
DS⇒タッチペン⇒おさわり⇒エロ
雲⇒白い⇒精液連想⇒エロ
太陽⇒暑い⇒体がアツイ⇒エロ
夏⇒が胸を刺激する⇒愛撫⇒エロ

世の中のもの⇒大体エロ
757名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 11:09:04 ID:EXNpiXm7
>>755-756
www
758名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 16:48:41 ID:b3WOLus2
759名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 19:16:48 ID:1MHiozKK
本編プレイしててシグバール×シオンに目覚めた
シグバールは間違いなくロリコン
760名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 23:08:59 ID:oXPSgJhr
ここのロクサス半端ねぇw
761名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 23:34:47 ID:z4Swy76Z
ロクサスキャラ崩壊wwwwwww
762名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 01:24:16 ID:XYm72cpw
逆にゲーム中のロクサスに違和感を感じるようになってきた
763名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 11:10:12 ID:PUYLjGzV
「マールーシャが俺を呼び出すなんて珍しいな。どうしたんだ?」
「ロクサス、私にいい提案がある。ちょっと聞いてほしい」
「?」
「最近のお前の活動には目に剰るものがある」
「あっ、最近ハートレスとかいっぱい倒してるとか?」
「それのことではない。機関内での話だ。いわば…性活動とでも言うのか。シオンやラクシーヌに手を出しているようだな。」
「うん、それで?」
「機関内ではお前は極度の変態と認識されつつある。性欲が有り余った結果だろうが、どうも微笑ましいとは言い難い。そこで…」
「そこで…?」



「去勢したらどうだ?」
764名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 12:01:50 ID:QKVxzZWb
アンセム化リク「性欲をもてあます」
ナミネ「あっ…いやんっ!!」
765名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:45:00 ID:82te9P8W
ダメだこのロクサス。早くなんとかしないと(某新世界の神)。
ってわけで投下。

ロクサス×シオン。
相当長い。
容量的にギリギリやから、終盤書き込めないかも。
ネタバレ微妙にあり。
766名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:46:03 ID:82te9P8W

 デスティニーアイランド。どの世界よりも澄んだ海があり、自然豊かな風景があちらこちらに見える世界。
シオンは、この世界の小島によく来た。
待ち合わせている人が見えるほど遠くまで見渡せることや、失った記憶が関係しているのかもしれない。
理由は彼女自身も分からないが、トワイライトタウンの次にこの世界に来ていた。
 浜辺を歩いて、パオプの木に登り、誰かと競争しているように木から木へと飛び移って星型の岩にタッチする。
動き疲れたら、青い海の前で佇む。変わらない波の押し引きを眺める。
何の変哲もない貝殻を拾って、耳に当てる。風の音が波の音となる。
不思議と、心が癒される。
 記憶がないのに、体が覚えているように懐かしくて、涙が一筋、彼女の頬を伝った。

 毎日のように課せられる任務、記憶がなく不安定な自分、
何かに支えられていないと、シオンはとてもやっていけなかった。
緊張を緩和する一つが、友達であるロクサスとアクセルとの付き合い。
トワイライトタウン駅屋上に座り込み、シーソルトアイスを食べる。しょっぱいけど、甘くて美味しい。
口に入れながら何気ない話を語り、夕陽を眺めるのが、彼女の癒しになっていた。

 ある日、巨大ハートレスに手間取ったシオンは、遅れてトワイライトタウン駅屋上に向かった。
遅れた侘びとして、アイスを三人分買って。ところが、屋上には誰も居なかった。
既に屋上からの景色は、夕焼けの赤から夜間の黒へと変わりつつあった。
「こんな時間じゃ、誰も居ないか……そうだよね」
シオンは、座り込み、沈む夕陽を見ながらアイスを口に含んだ。
巨大ハートレスを倒した自分へのご褒美として、三人分。任務で疲れた体に、しゅわわ〜と染み渡る。
 二本平らげて三本目……というときに、夕陽が完全に沈んだ。
帰ろうかなと思って、移動手段である闇の回廊を出した。
渦のような空間に手を入れて、トワイライトタウンから出ようとしたとき、視線が町へと降りた。
電燈があちこちの建物を色取り、一つの巨大な芸術となっているような風景に、シオンは見惚れた。
「トワイライトタウンの夜って、綺麗……。光がさんざめいて、星が芽生えているみたい」
 ふと思った。
「デスティニーアイランドの夜って、どんななんだろう……行ってみようかな……」
 機関の本拠地へ行くのをやめて、デスティニーアイランドへ向かった。
 アイスは少し溶けかけている。
767名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:46:44 ID:82te9P8W

 夜の海は不気味だった。視線の果ての、空と海の境界線が分からない。
いざなうように、波が押し引きを強めている。
波に足を持っていかれると、その瞬間に自分は底の無い穴へと落とされ、
無限に広がる闇へと連れて行かれるのではないかと、シオンは怖がった。
 何度闇の中を通って仕事していても、やはり闇は怖れるものだ。
彼ら機関員は全員黒いコートを常時纏っているが、これは闇から身を守る防護服。
闇の回廊を開き移動する彼らとて、闇を使いこなせていない。
 夜の海は、何かが向こうからやってくるような恐怖と、
自分が常世へと連れて行かれてしまうような恐怖、二種類があった。
 強烈な潮風にあおられ、シオンは体勢を崩した
――チャプ――手にはめたグローブが海水に付くと、すぐに引っ込めた。
手についた海水を払う。なかなか取れないから、強く振る。
飛沫が顔にかかり、頬を伝って唇に触れる。しょっぱい。甘くない。
 っと、その味で自分がアイスを持ってきていたことを思い出した。
 三本目のアイスを開けると、溶けかかっているから急いで食いついた。
塩気がいつもより強い気がする。雲に覆われた下で食べるアイスは、
コートも無駄なほど寒さをもたらす。足元を凍結させられるのとは違う、
体の中から徐々に冷やされ、自分が氷の塊になってしまうんじゃないかと思ってしまう恐怖すら混じっていた。
 シオンは、心を持たないノーバディ。だが心とは無縁に、体は恐怖というものを本能で覚えている。
 風が止んでも、手が震えた。
「あっ!」
 アイスが、棒から切れるように落ちた。砂浜に零れ、砂粒と混ざる。
一瞬自失したものの、すぐに慌てて手を伸ばすが、彼女の手よりも先に波に襲われた。
一振りごとに侵食され、その体を溶かしていく。既に、食品ではなくなっていた。
 自分に出来ることはない。砂と海にアイスを食べさせてしまった。それだけのことだ。
無い心は堪えない。ただ、空しくなった。ぽっかりと、穴が開いたように。
心臓が抜けてしまったように。
 むき出しになったアイスの棒には、何か書いてあった。
「あ……れ?」
 手にとってよく見ると、棒の先端部分に、けち臭いインクの字で、王冠のマーク。
その下には三文字、あたりと書かれている。
「本当に当たるんだ」
 過去、ロクサスとアクセルと、三人で数百本食べ潰したのに一度も当たらなかった。
もはや都市伝説と化していたあたり棒に、胸が躍るほど驚いた。
 気が抜けたようにぽけ〜っとしていた。
はっと意識が戻っても、三文字を何度も見て、にやける。
今日の自分の任務で、何か運気が上がることでもしたのかと、かすかな記憶を振り返る――っと、人の気配がした。
機関員は人と無用な接触を好まない。後々の行動がしにくいし、
全員が同じような外見なので、一人が見つかると全員に迷惑がかかるからだ。
 シオンは咄嗟に隠れる場所を探した。自分の周りには、物陰がいっぱいある。
ありすぎて一つに搾れない。桟橋の下、小屋、木の上――色々ある中で、シオンは洞窟を選んだ。
岩の裂け目のようになっていて、周囲のどの場所よりも暗く、
黒いコートを着ている彼女なら保護色になると思ったのだ。

768名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:47:15 ID:82te9P8W
 フードをかぶり、顔の上半分を隠し、下半分を、グローブをつけた手で隠す。
ほんの少しだけ洞窟から顔を出して、相手の様子を探る。
(回廊、出しっぱなしにしなきゃよかった)
 と自分のおっちょこちょいを悔やんでも意味が無い。
今はただ相手が去るのを待つだけ……と、彼女の目が見ていたのは、ロクサスであった。
同じ機関員で、最大の信頼を寄せている相手。
 シオンは安心して、洞窟から出てロクサスに声をかけた。
彼もシオンに気付くと、すぐによってくる。表情は、心が無いのに楽しげだ。
「シオン! 心配したんだぞ。サイクスに聞いたら任務から帰ってきていないっていうし、
今日の任務は巨大ハートレスだって言うし!」
「ごめん……ロクサスは、どうしてこの場所に?」
「どうしてって言われても。シオンを探しに、手当たり次第に行ったら、ここに」
「そうじゃなくて、どうやってこの世界にこれたの? 
ロクサスはこの世界のこと、知らなかったでしょ?」
「ああ、これを持っていたら何となく、来れた」
 と、ロクサスはポケットから貝殻を出した。
ずっと前に、シオンが寝たきりだったロクサスの枕元に置いていった貝殻。
耳に当てると、風の音が波の音に聞こえるもので、ロクサスもお気に入りだった。
 その世界から持ち帰ったものがあるからといって、闇の回廊で行き来できるようになるわけではない。
だが、ロクサスは自分の存在そのものがデスティニーアイランドと繋がっているようにやってきた。
 シオンは、口元に手を当てて笑った。
「感心しちゃうな」
「え? 俺、何か凄いことした?」
「したような、してないような。
ただロクサスがここに来て、嬉しいって思ったのは間違いないよ。
そしたら、自然と顔が笑ってさ」
「なんだよそれ」
 といいながら、ロクサスもシオンにつられて笑った。心を持っていないのに、気分が良くなった。

 和んでいると、また人の声が聞こえた。機関員ではない、この世界の人の声だ。
 ロクサスは慌てて、シオンの手を引いて洞窟の奥へと進んでいった。
勿論、奥に行くほど真っ黒。目が慣れないと、黒いコートを着ている彼らはお互いに全然分からない。
姿も、顔も。洞窟の壁には、何かが書いてあるということは分かったが、
それもうっすらとあるだけで見えない。シオンは、そちらに目を行っていて、足元がおろそかになった。
「キャッ!」
 石に躓き、ロクサスの腰に頭突きを入れてしまった。
ロクサスが悲鳴をあげて、洞窟の中を転げまわる。シオンは謝りつつも、
気付かれてはいけないと、ロクサスの口を手で塞いだ。グローブ越しに、熱い息が洩れている。
 シオンが患部を擦っていると、ロクサスは、次第に気を落ち着かせてきた。
二人の呼吸の音も、次第に冷静を取りもどしていった。

769名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:47:49 ID:82te9P8W

「行った?」
「そうみたいね……はぁ〜、びっくりした」
 シオンはほっとして、ロクサスを起こした。顔を壁に強打したロクサスは、額を切っていた。
「拭いてあげる」
 シオンはポケットから、黒いハンカチを取り出した。ツバをつけて、彼の傷口を拭く。
「や、やめろよ、くすぐったい!」
 ロクサスは嫌がるが、シオンは続ける。額の出血が止まると、
シオンは女性の目ざとさから、ロクサスの別の場所に目をつける。
「腰は大丈夫?」
 ロクサスは擦って痛みを確かめる。ジクジクとした痛みこそあれど、
それは触らなければ出てこない痛みであった。
「大丈夫かな。シオンこそ、俺の腰に頭をぶつけて大丈夫?」
「そんなにあたしって、ヤワじゃないけど?」
 とクスクス笑う。ロクサスもあははと笑う。
穏やかなムードの中、ロクサスの目が、固く握られているシオンの手に行った。
さっきからずっとそのままであった。
「シオン、手、どうしたの?」
 シオンはその瞬間に、酷く狼狽した。
血の温度が一度ばかり上がり、体中が汗を滲ませた。
心臓が高鳴り、息が荒くなる。
「べ、別に何もないよ!」
 手を自分の後ろに隠し、さらに、握られているものを石の下に隠した。
隠す必要など全くなく、むしろ今見せるのは絶好の自慢・喝采のときなのだが、
ロクサスの話の降り方に、つい隠してしまう。
「見ちゃダメ!」
 覗きこもうとするロクサスの顔をバチンと挟み込んで、自分と目をあわせた。
息がかかる近距離で、動悸はますます高まった。
「ヒ、ヒオン。ほうひはほ(どうしたの)?」
 頬を挟まれているロクサスは、まともに声を出せない。
シオンもまた、緊張のあまり取り乱した声を、視線をあちこちに振りまきながら出す。
「べ、別に、何も、ないんだよ! ちょっと、け、任務で怪我をしてるから。
……自分で、治さするから、心配ない、よ!」
 シオンの目があちこち動くと、隠したものが薄っすらと見えることに気付いた。
急ハンドルをきるように、強引にロクサスの顔を捩じった。
首が変な音を鳴らす――それとは別に、外から人の声がした。
まだ、島の人間がいたようだ。シオンは驚きのあまりロクサスに向かって倒れこんだ。
彼の顔を胸に埋めて、全神経を耳に向ける。
下では、ロクサスが酸欠を起こして死に掛けているが、今はそれどころではない。

770名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:48:27 ID:82te9P8W

「おかしぃなぁ〜。だーれもおらんよ?」
「なんか、人の声がした気がしたんッスけどね〜」
「ま、ティーダの勘違いは今に始まったことじゃないからな。
さっさと食いもん拾って本島へ帰るか! この辺り、最近は幽霊が出るっていうからな」
「黒のコートを着た、ひょろひょろの女の幽霊ッスね」
「うう……そ、そういう話、しんといてほしいな」
 少年二人と少女一人、と思しき声が、洞窟から遠ざかっていく。
シオンはようやく気が緩んだ――自分の胸に、変なものを感じていた。
「ひ、き、ャアアアッ!」
 力任せに、ロクサスの事を突き放した!
シオンは本能のような速度で自分の胸に手を当てて、ほぐすように擦る。
「ロ、ロクサス! 何したの!」
 シオンは目を細めて、ロクサスを見た。
彼は、血の気のない白い顔(暗闇でもそう見える)で、喉をごほごほと鳴らしていた。
「く、苦しいから、シオンから離れようとして。手が使えなかったから、顔を使って何とか離そうと」
「それで、あたしの胸をぐいぐい押したの!」
 胸に置いていないほうの手で、彼女の武器であるキーブレードを出して、
ロクサスの鼻先につける。ロクサスはちょっと驚いた様子を見せつつ、
顎に手を置いて、冷静に答える。
「顔で触った限り、あまり柔らかくなかったから、そんなに触っていない、と思う」
 っと言うロクサスの頬には、コートの凹凸模様がスタンプされていた。
よほど強い力がかかっていたことが分かる。
 シオンの頭が、急に働く。
 顔にコートの模様→強い力→そんなに強い力で胸に押し付けられ、
なおかつロクサスが脱出しようと押し返すことで倍の感触を受けていた
→曰く、あまり柔らかくなかった→あたしは貧乳、貧乳、貧乳…………貧乳……。
「ううぅ……ショック……」
「って、シオン、シオーン!」
 膝から地面に崩れた。キーブレードが光になって空気中に拡散していく時、
シオンは気分を暗黒にして深く沈みこんでいた。目から、涙がぽろぽろ零れ落ちていく。
こんな一瞬で人は泣くことができるのだ、と記録に残せるほど早い。
 ロクサスがシオンの顔を覗きこむが、ビンタで出迎え、謝罪の代わりに往復ビンタ。
なおかつロクサスは離れない。シオンは、目頭熱く彼を睨んだ。
「薄々思っていたけど、比べる対象がいないから封じ込めることができた事実だったのに。
貧乳って突きつけられたの、こんなにショックなんだ……」
「そんなの一言も……」
「否定できるの!」
「全然できない!」
 ロクサスは正直だった。そして、シオンを気遣う気持ちも、言葉と同じく正直なようだ。
見つめられていて、シオンは悪い気がしない。
「…………支えてくれると、助かるかな」
 シオンは、ロクサスに亡骸のように依りかかった。

771名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:48:55 ID:82te9P8W
 ロクサスは、戸惑っている。シオンという異性が自分の腕の中に収まっている。
確かに胸の膨らみは小さい。ハチに刺されてでも大きくした方がいいのではないかと思うほどに。
しかし、そんなことをいったら月までぶっ飛ばされてしまいそうだ。
「シオン、小さくなんて無いよ」
 さりげなく、彼女の胸に手を当てる。
「ロ、クサス?」シオンは驚いたが、拒絶することなく受け入れた。
自分の手も胸に当たっているが、それが邪魔になりそうな気がして、下ろした。
 ロクサスのグローブと、シオンのコートが生の感触を妨げる。
しかし、完全に遮断はできていない。布地の奥には、魅惑の感触が確かにある。
確かめるように、何度も触る。
「うん、やっぱり小さくなんてない。むしろ、大きいよ……シオンのおっぱい、大きい」
 ロクサスはこういうが、客観的に見たシオンの胸は、
貧乳界貧乳門貧乳綱貧乳目貧乳科貧乳属貧乳種の、天地神明に誓っても罰は当たらぬ貧乳だ。
だが、ロクサスは女性の胸に触ったことはなく、
目視で比肩できる対象がシオンよりずっと年上のラクシーヌしかいない。
しかもラクシーヌと行動を共にしたのは短期間で、熟視していないので記憶はあやふや。
だから、直接触り、なおかつ意識しているとあって、未知のものに対する過大評価により、
「シオンの胸は大きい」と判断されたのだ。
 客観的に見ればおかしいが、ロクサスは本気で思っており、その瞳も嘘をつかない。
シオンは、和やかに微笑んだ。胸に当てていた手を下ろした。
「ロクサスに言われると、なんか嬉しいな」
「そうかな?」
「あたしとロクサスって、似ているからね。
ロクサスが認めてくれるってことは、自分自身が認めたって気がして」
「うーん、よく分からないな」
 会話の最中も、ロクサスの手は休むことは鳴く、彼女の小山を撫で回す。
コートの手の周辺には渦皺が出来て、ロクサスの手の動きが強くなっていることを示している。
次第に、感触がロクサスの手を通じて、心の奥底から情念がむらむらと湧き起こっていた。
今すぐにでも、シオンの胸元に手を突っ込み、直接柔らかな感触を味わいたい
――僅かに残った自我で、懸命に耐える。欲望が触手を伸ばして自分に絡みつき、
ぃ一緒にィ行こうぉォと言っているが、スライドターンして避ける、避ける。
しかし、「気持ちいいね」シオンの一言で、欲望がパワーアップし、回し蹴りでロクサスの自我を薙ぎ払った。
「俺……もうシオンを」
 先ほどと合わせ絵図になるように、シオンの顔を掴み、自分の胸へと抱き寄せた。
胸から手を離したにも関わらず、より彼女と密着が強まる。
シオンは息苦しさにもがくが、それがかえってロクサスの気分を昂らせる。
「シオン、こっち向いて!」
 強引に彼女の顔を上げさせると、驚いた彼女の唇に、自分の唇を押し付けた。
酸っぱいレモン味なんかしない。しょっぱくて、でも甘いアイスの味がした。

772名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:49:31 ID:82te9P8W
 ノーバディは元は人間、性格には心が抜けて抜け殻となった身体。
だから、人間であったときの体の癖はそのまま残り、緊張などの生理的反応は当然残っている。
 ロクサスの心臓は、バクバクと鳴っていた。心が無いが、体は覚えている。
あんなに女性の体を触ったら、当然反応が出てくる。
ロクサスと顔を近づけているシオンも、彼の体の異常に気付いた。
「ロ、ロクサス……もしかして、あたしのおへそに当たっているのって、ロクサスの……」
 それ以上は言えないとばかりに、シオンの口がぎゅっと閉じた。
 ロクサスは、自分の心の中の恣意的な要求を止められなかった。
 シオンのコートを脱がせようと、ジッパーに手をかけた。
シオンは、ロクサスを押し退けようと抵抗するが、ロクサスの方が強く、
またドタバタしているときに彼が「かわいいよ」と言ったことで、シオンは嬉しくなり、
拒絶の力が緩んだこともあって、すぐにジッパーの繋ぎが解かれた。
 コートの胸元が開くと、肌に吸い付く下地が外気に晒される。
より明らかとなった胸の隆起に頬を押し付ける。それだけでは足りず、手で膨らみを触った。
黒いコートに抑圧されていた火照りは、胸の脂肪をより確かな感触にさせて、
ロクサスの手に収まる。指に押されてたわみをつくり、指を包み込む視覚的な情報に、
ロクサスの胸がぐっと締め付けられた。痛みではなく、極度の緊張と、期待と欲であった。
 行為を受容するシオンの息は乱れつつあった。目を瞑り、唇をぎゅっと噛み、喉をならす。
苦しそうに、曇った息を吐く。額には汗が滲み、時間とロクサスの指の動きに比例して大きくなる。
「ロ、クサス……」
「だわっ!」
 彼女が呼ぶと、ロクサスは驚いて、シオンの胸を力の限り握った。処女でも母乳が出るんじゃないかと思うほど搾られ、シオンの顔が痛みに染まった。
「くぅ、うっ!」
「ごめん! 俺は」
 謝罪するロクサスの唇に、シオンは人差し指を置く。指一本で、静かになった。
きょとんとして、ロクサスの手が止まる。
 シオンはロクサスから身を起こして、彼の方を見た。
「こっちこそ、ごめんね。驚かせ……ちゃったよね」
 シオンは呼気荒いまま、自分のグローブを脱いだ。肩にかかっていたコートも掃った。
ロクサスがどきどき胸を高鳴らせている前で、シオンはアンダーズボンを脱いだ。
薄い黒色の下着が露わになる。
773名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:51:56 ID:82te9P8W
「シオン、何を!?」
「こういうこと、しないといけない気がするの。脱がせられるのは恥ずかしいから、自分で、脱ぐんだ」
 上半身を唯一包むアンダーシャツの裾を、手を交差させて掴む。
一呼吸、時間が空いた後、シオンは一気に脱いだ。シオンの小さな胸が露わになり、
しまりのいい腰が暗闇の中でも健康的な色でロクサスの目に映る。
シオンは、恥ずかしさに、体温の残るアンダーシャツを体に押し付けて、ロクサスへ背中を向けた。
「シオン……き、綺れ」
「ロクサス、ちょっとだけ待ってて」
 要求通りに、ロクサスはシオンに言いたいことを、生唾と一緒に飲み込んだ。
シオンの華奢な身体は、ロクサスには女性としての魅力を十分に見せ付ける。
ますます、彼の男としての部分を刺激していること数十秒、
シオンはぬいぐるみのように抱きかかえていたアンダーシャツを床に置いた。
手の平で胸部を隠しながら、ロクサスに振り向く。
 じっと、ロクサスの顔を見る。汗が、緊張を示す。
「もうここって、さっき脱ぐときに、見たよね?」
「み、見たよ」相変わらず素直に答える。
 シオンは一度見られていることで諦めをよくしたのか、胸を隠す手を下ろした。
つんと出た突起が、萌えたての芽のように初心しくそえる。
 ロクサスの方も、恥ずかしい思いでいっぱいになったのか、顔を手で覆っていた。
しかし、指の間は開けてあり、そこからチラチラと見えた。
シオンは「バレバレだよ!」と語気を荒めて知らせた。
 彼が見つめる中で、シオンの手は降りていく。下着の両サイドへとかかると、
勢いに任せるようにすっと下げた。女体最大の特徴である下半身が目に入る
――というときに、シオンの手が下着と共に上に戻った。
「あぁ〜……あ……」
 ロクサスは正直に落胆を示す。シオンは拝むように手を胸元で合わせながら、彼に声をかける。
「下は、もっと後でいい?」
 こんな態度で懇願されると、ロクサスも断れない。いや、たとえ命令口調であっても、
彼女の頼みなら聞き入れてしまうだろうが。ふぅと、息を吐くと、立ち上がった。
「地面、ごつごつして痛いからな」
 ジッパーを外し、上下セットの黒下着になると、羽織っていたコートを床に敷いた。
シオンも、それに倣う。二人分敷くと、広めの褥のようになる。
闇から二人を守る防護服、あまり長い間脱ぐことはできないのだが、
そんな大事なことも二人の頭にはなかった。今の二人には、緊張と、今後の不安や問題点、
要領を得ない解消法以外に考えを裂くことはできなかった。

774名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:53:39 ID:82te9P8W
 ロクサスが、シオンの肩に手を置いた。やや強く掴むと、シオンはびくっと震えた。
可愛らしい反応に、ロクサスの胸もきゅんと震える。感動のままに、手を滑らせて、
二の腕を通って肘へ、更に手首へと進む。胸を隠そうと内側に向いていたシオンの手を、
やや強引に上に持って行った。
 ポツンと、突起が目に入った。周囲の健康的な肌とは明らかに別物。
薄いピンクは、やがて生み出す赤子が糧を得やすいように、人を惹き付ける色をしている。
ロクサスの目が釘付けになる。頭の上の手に力が入る。ぎりっと、シオンの手首に皺が出来る。
「ロクサス、手ぇ、強く握っちゃ」
「あああぁ」気の入っていない返事をすると、ロクサスの手がシオンの手首から離れて、
再び肩に移動した。同じぐらい強く掴み、シオンの口からまた警告の言葉が出かけた――が、
「あう!」
 シオンの乳首に吸い付いた。ロクサスの吸い付き方が、
母乳を吸いだそうとする強引なものであり、シオンには快感よりも痛みをもたらしていた。
 すぐに、この方法では自分もあまりいい気分にならないと気付いたロクサスは、
飴を転がすように舐め始めた。くすぐったり、なでるように触れる。唾液をつけて、
舌先で転がした。小さく開いている穴を広げるように、執拗に頂に舌を当てて、穿る。
 一転して優しくなったロクサスの行動に、シオンは声が上がってきたが、喉に力を入れて堪えた。
しかし、同じ場所を弄られ続けていると、制止の壁もやがて崩れる。
ましてや、シオンは性行為が始めてで、この行為がどんな意味を持つものなのかも理解していない。
シオンが開発されていないのではなく、認識すらしていないのだ。
初めての経験が絶好のスパイスとなってシオンの快感に降りかかる。
「んふぅ、ぅう……」
 漏れてしまったシオンの声に、ロクサスははっとして唇を離した。
眼下の突起は、下の柔肉と共にピクンと震えると、次第に大きくなっていく。
ロクサスは、子供のように純真に目を輝かせた。パズルを完成させたように、
快感が震えとなって腹から昇ってくる。反対側の、いまだ小さく可愛らしい方にも手を当てた。
 ロクサスは舌でぺろりとなでると、親指と人差し指で、突起をつまんだ。ぶるっとシオンが動いた。
「うぅ……」
 シオンの頭に嫌な予感が通るが、制止の言葉が出てこない。視線を上げると、
ロクサスは犬の喉をなでるように、真剣でありながらどこか楽しみを持つ目をしていた。
「シオンのこれ、柔らかいけど、触っているとちょっと固くなるんだな。
ちょっと、ねじってみる。お、おお〜、半回転もするんだ! 
ん、ちょっとねじれが悪くなって着ているかな? 
あ、固くなってきた固くなってきた♪ ちょっと大きくなったし、色も赤くなって」
「実況、しないでよぉ」
 シオンはいじらしく、ロクサスから目を背けて言う。ロクサスの意識しない言葉攻めに、
無言のときよりもずっと感じて、股間が濡れているのを自覚していた。
「じゃ、口を塞いでおく」
 と、突起に口を当てると、そのまま弾いた。
すぐに戻ってくるが、ピンボールのように再度弾く。
「んあ、あっ、や、ちょっ、何し、て……あぁあ!」
 シオンは体をよじり、首に力を込めて精一杯声を堪える。
だが、如何ともしがたい快感に、声が口から漏れてしまった。
高まった快感を示す何よりも証拠が、ロクサスの気分をますます高まらせる。
775名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:55:23 ID:82te9P8W
 シオンから口を離すと、全体を見下ろした。二つの突起は、どちらもピンと立って、唾液に塗れていた。
それを一瞥して、顔の前で拳をぎゅっと握る。すぐに、視線を下ろす。
シオンの下着の蟻の門渡りが、水でも入れたように濃黒となっていた。
ロクサスの手が、自然とそこへ伸びる。
三本指をピタと当てた瞬間、シオンは大きく仰け反り、高い悲鳴をあげた。
 シオンは驚いてロクサスから離れようとするが、彼の手が素早く二の腕を掴み、引き寄せた。
「ロ、ロクサス……」
 二人の目が合った。
「目が輝いているけど、どうしたの?」
「楽しいんだ」
 頬に、ん〜とキスをすると、シオンともう一度目をあわせる。
彼女の目は、潤んでいる。やめてほしい、という類のものではなく、性的な刺激によるものであった。
 シオンは目を手で隠して、ロクサスに背を向けた。本泣きの体勢に入っていた。無言で、助けてと伝えていた。
「女の子の身体って、不思議なんだな」
 彼女の体を、後ろから軽く抱く。細くて、力を入れると壊れてしまいそうだった。
「へ、変になりそう。で、でも、これ以外のことが考えられない……どうしよ、どうしよう」
 本当に泣きそうになっていた彼女に、ロクサスは耳元で囁く。
「続けよう……終われば、もう緊張しなくて済むから」
 彼女の体を少し浮かせると、あぐらの上に降ろす。首筋に、強いキスをする。
内出血が、唇の形に出来上がる。
「下に、行くよ」
 先ほど触れただけであった股間の谷間に、人差し指を当てた。
数秒の沈黙の後、第一関節が、下着ごと入り込んだ。シオンの身体が強く跳ねて、
ロクサスに重みを感じさせるが、ロクサスはそれを不満に思うことなく、言葉をかけた。
「シオン、ここがいいのか? ここか?」
「ちょ、ちょ……っと、何聞いて、はぁう!」
 ロクサスは手を動かしながら、舌も動かす。
「この上のマメみたいなのがいいのか? それとも、周りの伸びるびらびらみたいなのがいいのか? 
それとも、もっと奥に、一番感じるものがあるのか?」
「わ、わかんっない! わかんないよ……わかんない……。
ぜんぶ、気持ちよすぎて、ど、どれがなんて」
「全部いいってことか! 衣服越しでこれだからな……」ロクサスが、怪しい笑いを浮かべた。
股間から指が離れ、骨盤の所へと昇ってくる。下着と体の間に、手が入り込む。
「直接、触るよ」
「ひゃあっ!」
 驚きと拒絶、ともとれるシオンの嬌声を無視して、ロクサスの指が下着を滑って、
先ほど攻めていた場所へと到達した。下着の上からも動きが分かるようにもぞもぞと動く。
「へえ、これってこういう風に谷間があってヌチュヌチュしていたんだな。
この液も、服越しだとヌルヌルするけど、直接触るとサラサラって感触なんだな」
「ん! ぁ、口に、だ、出さないで……よぉっ……」
「なんか、口に出した途端に、シオンのここがよく濡れるようになってきたけど?」
 大陰唇に手を当てて、つきたての餅のような安心する熱と感触を味わう。
何度かなでた後、中指と人差し指に愛液をまぶした。
「やっ、やめ」
 シオンが制止の手を伸ばしたが、ロクサスの指が一気に根元まで入り込んだ。
シオンの身体が電気を流されたように跳ねて、彼女のものとは思えない叫び声が洞窟の中で反射した。
776名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:56:10 ID:82te9P8W
 反響音が収まった。
 あまりに大きく、はしたない声を出してしまったので、シオンは落ち込んでいた。
 大声の原因となったロクサスの指は、相変わらず彼女の膣内で根元まで埋まっているが、動きは無い。
暴れることなく、彼女に存在感だけを知らせている。対照的に、ロクサスの口はよく動いた。
「シオンの今の声、聞いたこと無いね。そんだけ気持ちよかったの?」
「ううぅ……」
 ロクサスはシオンと目をあわせようと彼女の顔を覗き見るが、シオンは顔を背ける。
「すっごい感じたってことだろ? 俺だって、シオンの身体に触ったときの感動を、
大声で言いたいからな。シオンもそうだろ?」
「い、言えない!」
「言ってほしいな〜、じゃないと、もっと恥ずかしい声を出させるかもしれない」
 っと、ロクサスは彼女の下着に突っ込んでいた手を、力の限り下にずらす。
シオンの下着は、彼女の制止の声を振り切るように足首を抜けて、指に僅かにかかるだけとなった。
下半身は、完全に外気に晒され、愛液でてかりを見せる陰毛が上を向いていた。
「やっぱり、濡れてる……もう答えなくてもいいよ。もう分かったから」
 ロクサスは、シオンの顔を覗くように見た。てっきり泣いて悲しんでいるかと思っていたが、
吹っ切れたように、ロクサスを見つめていた。
「ロクサス……」
 と、シオンの方からロクサスの頬に手を伸ばし、固定した。そして、唇を重ねた。

 体をむき合わせ、しばらく唇同士を触れ合わせていたが、やがてロクサスの唇が、
シオンの唇から頬、首筋、胸、突起、腹部、骨盤、太股、性器へと下っていく。
性器の近くの茂みで、鼻先を濡らしながらロクサスは呟く。
「びちょびちょだな……俺は興奮してもこんなことにならないのに。
シオンって、不思議な身体だな」
「本当……不思議……。任務の最中に緊張したときも、こんなことなかったのに。
ロクサスと触れているから、かな?」
 シオンは、ロクサスの顔をまともに見れず、横を向いている。目は薄く開けられて、
手は軽く握って首筋に二つ置かれている。ロクサスが性器に舌を這わし、
くちゅくちゅと舐め上げる。気持ちよさに、小刻みに体が震える。
 ロクサスは、しばらくシオンの股座を舐めていたが、やがて顔を起こした。
シオンの半ば放心している目と、自分の目をあわせる。途端に、心臓が高鳴り、
寒気のような緊張が襲ってきた。この行為がまだ終わらず、
記憶とは無関係に人が求めるものが待ち構えているということを、体が知っているようだ。

777名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:56:58 ID:82te9P8W
 ロクサスは、彼女のよがりで乱れたコートを敷きなおした。
足腰が立たない状態になっているシオンの体を持ち上げて、横にする。
ロクサスも衣類を全て脱ぎ、彼女と同じく全裸となる。
仰向けに横たわる彼女を跨いで、四つん這いになった。
「シオンの身体……綺麗だよ」
「お世辞は、いらない」
「お世辞じゃないよ。本当に、綺麗だ」
 顔を近づけ、唇を重ねる。
 離れると、ロクサスの手が下半身へと伸びた――匂いが立ち込める。
シオンが気になって、原因の方へ目を向けると、彼女の体の震えが止まり、
石化したように硬直した。彼女の視線の先では、ロクサスの性器が、
イチジクのように赤い亀頭を出していた。
 緊張すらも吹き飛ばす恐怖の硬直――怯え方が半端ではない彼女に、
ロクサスが安心させるように耳元で声を出す。
「シオン……力を抜いて。優しくする」
「…………」
 舌まで硬直しているのか、シオンは答えない。
「俺を、信じてくれ」
「…………し、信じるよ」
 硬直が解けて、声を搾りだした。
シオンは、「せめてこれぐらいさせて」とロクサスの手を掴むと、強く握った。
ロクサスも、シオンの手の汗や、握力の強さで、彼女の恐怖を何となく知った。
(……よく考えたら、シオンは俺みたいに楽しめるとは限らないんだ。
俺ばっかり楽しんでいたら、シオンに失礼だ。きっと、これは大切な時だ。
いい思い出にしよう)
 耳たぶにキスすると、指を彼女の性器へと伸ばした。
乾いていないか、大陰唇にそえて、左右に広げる。
指を挿入すると、出来上がりのバターのような液がかかり、指をぬらぬら輝かせる。
「問題ないかな」ぺろっと舐めて、手を自分の性器へと添える。
「いよいよ、だね」
 シオンはロクサスの手を一層強く握る。反対側の手も、腰の横で拳を作っている。
瞼を固く瞑る。呼吸が、深く、激しい。
778名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:57:37 ID:82te9P8W
「シオン…………行くよ」
 ロクサスが、性器を入り口に添えると、人差し指と中指で亀頭を押し、
沈みすぎというぐらいまで下げると、ゆっくりと上げた。先端に、熱い液体がかかる。
「大丈夫か?」
 シオンはうんうんと何度も頷く。安心したロクサスは、ゆっくりと腰を進める。
緊張で手が震えるものの、
順調な滑り出し――「ひっ、い!」シオンの顔が、明らかな苦痛へと変わった。
 二人の身体が結ばれるのを阻まんとしているように、処女の身体はロクサスの性器を拒む。
(くぁ、な、なんだこれ……ゴムみたいなのが。き、きつい、進まないぞ!)
 傷口以上に手荒に扱えない場所にしては、不条理なほど固い壁があった。
壁といっても、小さな穴はいくつか開いている。その穴の一つ一つを、強引に広げて、
この壁全体を破っていけばいいのだが、それは彼女の身体を傷つけることに他ならない。
ロクサスの侵入が、隠し切れない痛みとなって、シオンの顔に現れていた。
 既に、その顔は汗が流れていた、緊張だけでは汗は流れない。汗が流れたのは、苦痛あってこそだ。
(ゆっくりだ、ゆっくり……シオンを痛くさせないように)
 地盤のようにゆっくりと、確実に進めていく。
ロクサスの手と繋げているシオンの手の力が強くなり、爪が食い込む。
 やがて、ゴムのような弾力はなくなり、変わりに、薄くも重厚な何かが立ち塞がった。
一気に押し込めば、すぐに破けそうだった。だが、これは安易に進んではならないと、
彼の体は告げていた。
「シオ――」「全然痛くない……だから、一気に来ても平気」
 けほっと、泣き声を混ぜて咽る。
「ロクサスなら、受け入れ……られるよ。
あたしだって、進みたいって、思っているんだ、から」
 腰の横にあった手を、下半身に伸ばす。
破瓜の血が混ざる愛液を指につけて、半分ほど残っているロクサスの性器に塗りたくる。
「ロクサス……早く、早く来て」
 涙が零れた。痛くて怖くてメチャクチャ、早くこんな状態から助けて、と懇願しているようだ。
ロクサスは、彼女にキスすると、そのまま、腰を一気に押し込んだ。

 陰毛が触れ合う。性器の感触で、貫通したことを感じた二人は、溶け合うようにだらりとした。
ロクサスが覆いかぶさる重みに、シオンは苦しい顔をせず、ほのかな微笑みを見せた。
779名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:59:05 ID:82te9P8W
 ロクサスは、じーっと彼女を見る。
目が慣れたためか、洞窟の中でも、闇とは別のカラスの濡れ羽のような髪の色がはっきりと分かる。
甘酸っぱい匂いが、ロクサスを誘う。
 シオンは、暫く黙っていた。あれほどロクサスの侵入を拒んでいた処女膜は、
治らないほど引き伸ばされている。しかし、強い締め付けは変わらず残っており、
シオンに男性器の形を確認させていた。一瞬見たロクサスの性器の記憶と、
自分の身体が感じているものを照らし合わせて、どんな形のものが自分に入っているのかを考えていた。
 しばらくそのままであった。やがて、シオンから口を開いた。
「そろそろ、欲しいんだけど、いい?」
「欲しいって、もしかして」
「動いて欲しい」
「そ、それじゃあ」
 二人とも、期待と武者震いを隠せなかった。
 ロクサスが、腰を引いた。愛液まみれの竿部が出て、雁首の皺が見えるまで引くと、
再び奥へと押し込む。火で炙られながら胸の膨らみに挟まれるような、記憶に無い感覚に、
ロクサスから甘い息が洩れる。とろけそうな気持ちよさが、ねっとりと蜂蜜のように体に染みる。
その快感は、膣を動かせば井戸水のように湧いてくる。しかし、それを得ようと無理はしない。
シオンの痛みがまだ引いておらず、動作の一つ一つに彼女は顔を顰める。
ふわふわと、空中を漂っているような錯覚の中、優しく、滑るように性器を動かす。
 シオンの膣内は、優しく扱わないと、氷のようにバラバラになって腕の中で離れてしまいそうであった。
ロクサスは、彼女の気を和らげるように優しい手付きで、髪の毛をなでる。
なでたところに、キスをする。額に、瞼に、頬に、キスを降らす。
 緩慢な男性器の動きに、シオンは首を傾げる。
「ロクサス、もっと強く動かなくていいの?」
「動いたら潰れそうなんだ」
 彼の言葉に、シオンは手を伸ばして、栗色のくせっ毛をなでる。
「優しいところ、けっこう好きだよ。
でも、本当に痛みはそんなに感じないの。だから、いいよ……あたしも、その、感じたいし」
 言いながら、彼女は太股から尻にかけて力を込めた。
袋を絞ると、中のものも締め付けられるように、ロクサスの性器が、シオンの性器に包まれる。
「ぅあっ!」
 下を向いて、雷鳴の如き性感の、余韻を味わう。
頭の中が真っ白になった後に頭の中に訪れたのは、程好い圧迫と、
彼を歓迎してやまない潤いと彼女の思いのこもった熱であった。
それぞれがバランスよく、彼のものを包み込む。
全てが持ち味を生かした環境に、ロクサスはだらしなく涎を零し、コートに落とした。
780名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:59:29 ID:82te9P8W
 シオンは彼の首に手をまわすと、自分の方へ引き寄せた。頬と頬がこすれあう。
「ロクサス、きて」
 耳に息を吹きかける。ロクサスの我慢の堰が、断たれた。
 シオンの肩を掴み、ぐいっと腰を押し込んだ!
「は、ああっ!」
 シオンは声をあげて仰け反り、身体を跳ねらす。
今の一突きで、様々な感触と気持ちがシオンに入ってきた。
その中には破瓜に随する痛みがあり、同時に頭の中を真っ白にするほどの快感も来た。
内側からぽわぽわと毛糸でくすぐられているような感覚が、網のように集まって身体に流れて、
膣という敏感なところを中心に伸びる。ロクサスの決して大きくない肉棒が、
彼自身の熱を伴って動き、シオンの身体にずちゅっと流れる。
「シ、シオ……ン!」
 ロクサスの口から熱い吐息が漏れる。彼もまた、未体験の感覚が性器を中心に流れ、
衰えることなく頭部まで伸びてきた。髪の毛が逆立つ錯覚すら起きる快感に、
ロクサスの息が荒くなり、身体が更なる満足感を求めて、小さな胸を鷲掴みにする。
本能のままに腰を打ち込み、胸をもみしだき、首筋に口を当てて、
大きめのキスマークが出来そうなほど強く吸い付き、シオンの熱い身体を求める。
 愛液を性器で混ぜる音が鳴り始め、シオンの太股を伝ってコートに落ちる。
二人の腰の動きが繰り返すたびに、愛液の量が増して、次第に溜まっていく。
「はぁ、ふは、ん!」
「シオンの、熱い、熱いよ! 熱くて、俺のをぎゅうって包んで!」
「うく、ロ、ロクサスだから、ね……欲しいんだよ、ロクサスの、こと。
だから、もっと、う、動いて、強く動いて!」
 共に、前後運動で言葉に間隔を置きながら、相手のことを求める。
シオンが手をロクサスの背中にまわし、ロクサスもまた彼女の背中に回す。
貪るようなキスをしながら、二人の身体が密着する。身体を求め合う中、唐突にロクサスが唇を離した。
「シ、シオン……わ、悪いけど、俺、もう限界で……」
 彼の表情は、少しつらそうであった。汗をかいて疲れているというのとは別に、申し訳ないという感情が見える。
「だ、だけど、何があるのかわかんないんだ。このままだと、シオンの大切な場所に、出そうなんだ」
「ロクサス……」
 シオンは、何も言わず、潤んだ瞳で彼を見つめる。やがて、頷く。
 ロクサスは、最後とばかりに力いっぱい腰を押し込んだ。
射精間近となり、赤く変色し膨張した亀頭が、愛液に満たされた隘路を擦る。
強烈な締まりに、肉棒全体が敏感に反応し、ロクサスの口から本能のままの叫び声を出させる。
 膣内の最深部で、男性器は、性感の高まりによって達したという証のように震えた
――シオンは、声にもならない悲鳴をあげた。何かが吐き出される感覚を受け入れ、
放心状態でロクサスの身体に手足を絡ませた。
 一息ごとに、高まった性感が外に散っていく。忘れていた痛みが、急に蘇ってくる。

781名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 13:59:56 ID:82te9P8W
 精液は、愛液とはほとんど混ざらずに、シオンの膣内に張り付いた。
ロクサスは、確かに何かを出したのだが、いつまで経っても膣から出てこないことを不思議に思っていた。
「ロクサス、どうしたの?」
 ちらちらと下半身を見るロクサスに、シオンは軽蔑染みた目を向けた。
「別に、何も」
 珍しく嘘を言うと、手うちわで身体の火照りを冷ます。
夜なのに、二人の身体は壮絶な熱さだった。熱いが、このままだと闇に飲まれてしまう。
敷きものとしていたロクサスの黒いコートを拾い、寄り添って二人の肩にかける。
彼女は行為中に激しくよがったためか、髪の毛が寝癖のように跳ねていた。
 後ろから軽く抱くと、耳元で声をかける。
「シオン、身体は大丈夫か?」
「ん、ん……」
 膣に手を当てて、陰唇をなでた後、軽く指を入れた。
破瓜の痛みが僅かに再発する。間もなく、熱くぬるっとした感触が指に当たった。
「ロクサスでいっぱいになってるんだ。
全然大丈夫、ちょっとピリってするけど、今すぐにでも立てそう!」
 元気よく言うと、ロクサスにもたれかかった。生き生きとした表情で、苦痛や後悔は見えない。
 ロクサスは、彼女の姿と言葉を受けてほっとしつつ、行為中のことを思い出してぽわっと胸が熱くなった。
女性が決して見せたがらないところに、自分の性器を入れるというだけでも十分凄いことなのに、
その中に欲望の固まりのように思えた何かを撒き散らしたのだ。
新大陸に自分の旗を立てたような征服感があれば、同じぐらい強い罪悪感もある。
(最初の方、調子に乗っていたよな……はぁ)
 ロクサスは頭を垂れて、シオンの肩に額を落とす。
当のシオンはそんな悲観的な考えはしていないらしく、鼻歌を歌ってご満悦な表情。
 ふわりと、彼女の右手がロクサスの頬に届き、彼の顔を起こす。
二人が横目をすると、視線が混ざる。見つめ合っていると、二人の顔は赤くなっていく。
一度終わった行為の余熱が噴出したように、お互いに股間が熱くなる。
これ以上やるつもりは二人にはないが、それでも二人は見つめあい、止まらない。
てへへと、ロクサスが髪の毛を掻いた。
「ね、ロクサスぅ」
 目をとろんとさせて、鼻をつんと上に向け、唇を少しだけ開けて、
頬肉を少々膨らませたたまらなく可愛い顔で、ロクサスの名前を呼ぶ。
ロクサスの唇に自分のそれを重ねた。離すのが勿体無いように、
シオンがロクサスの頬につけている手の力を強める。ロクサスも、彼女の肩越しに手を回し、引き寄せる。
 しばしの口付けの後、唇が離れた。
二人の胸の内に、ミッションコンプリートしたような光が差し込めた。
 ロクサスは、何かが言いたくなった。心を持たないノーバディでは、
本当に大切なものが伝わらない気がするが、それでも言うべき雰囲気な気がした。
「……シオン、あのさ」  緊張か、あるいは勇気の無さか、続く言葉は喉で止まり、出てこない。
 代わりとばかりに、シオンが口を開く。
「あたしたちの行動って、友達って感じじゃないよね。
もっと温かくて、安心できる感じ」
「じゃあ、親友だ!」
「きっとそうだね……きっと」
 シオンは彼の頬から手を離すと、もう一度もたれかかった。
先ほどよりも、ずっと体重をかける。ほとんど、ロクサスに寝転ぶ状態だった。
手で口元を隠すと、小さく欠伸をした。
「あたしたち、ずっと一緒にいられるかな?」
「そうだな! 俺達は親友だから、いつまでも一緒だ!」
「……本当に、そうなるといいよね。なんだろ、この感じ。嬉しいっていうのかな? 
ノーバディに心は無いはずなのに」
 シオンは、自分の胸に手を置く。ふぅと、息を吐いた。
その顔は、やけに眠たげであった。同時に、くしゃみをする。
「シオン、ここで寝たら風邪引くよ。帰ろう」
 ロクサスの言葉に、シオンは頷いた。
782名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 14:00:55 ID:82te9P8W

「シオン、本当に立てるか?」
「心配は嬉しいけど、本当に大丈夫だよ」
 彼女のいう通り、立ち上がって一人で歩く。
しかし、足は何かを挟んでいるかのように内股で、落ち着きがなくきょろきょろ見回している。
 ロクサスは、シオンの様子が普通じゃないことに気付くと、彼女を強引におぶった。
「あんな歩きかたしていると、俺まで不安になるよ」
「……じゃ、城に着くまでの間だけお願い」
「部屋まで連れて行くさ」
 ロクサスは、彼女の身体を考えてゆっくりと歩みを進めた。
シオンはロクサスの背中で眠たいようにじっとしている。
 出口に差し込む光を不思議に思い、空を見上げた――絶句した。満天の星空だ。
一つたりとも薄暗い星はなく、全ての星があらんばかりに輝き、空を彩る。
雲によって遮られ、色と景色を海と共有していたときの汚名を晴らすようにさんざめく。
 感動の琴線が震えたまま、シオンは言う。
「綺麗だね……」
 星空の下、シオンはロクサスに依りかかった。ロクサスの照れる顔を見て、クスクス笑う。
微笑みを顔に残したまま目を瞑る。間もなく、ロクサスの背中で眠った。心地よさそうに。
「おやすみ」
 シオンの寝顔を見ていたロクサスも、眠そうに欠伸をした。
眠気が爆発しないうちに、闇の回廊を潜った。
(何か、忘れているような気がするんだよな……)

783名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 14:01:28 ID:82te9P8W
 数時間後、ロクサスは、機関員がよく集まる広間で、もう一人の親友アクセルと話していた。
帰ってシオンを寝せたら、なぜか眠気が飛び、眠気再来まで広間に居たら、アクセルがきたのだ。
 他愛のない話や任務の話から、先ほどのことへと話題が移った。
「――ってことがあったんだ。
あの時の俺、ちょっとおかしかった。嬉しいけど怖くてさ、手も震えた。
でも、今は全然怖くなくて、明日が来るのが楽しみでしょうがないんだ。
なんかさ、経験があればもっと上手くできそうな気がする。
これって、何だろう? 知りたいんだ」
 無邪気に、好奇心と探究心を持って聞いた。アクセルは苦虫を噛み潰したような表情で下を向く。
気のせいか、少しロクサスに敵意のようなものを向けている。
「アクセルなら、あれが何か知っているだろ? 教えてくれ!」
「あ、ああ、知っている。だがな、これは外で大っぴらに喋繰るもんじゃねえ。
もっとひそひそ、旅先とかで話すもんだ。今日は、寝ちまえよ」
 素っ気無く立ち去ろうとするアクセルに、ロクサスは彼のコートを掴んで詰め寄る。
「教えてくれってば!」
「いーや断る」
 ロクサスのくせっ毛をぐいっと押し退けて、アクセルは闇の回廊を開く。
「今日の俺は、慣れねえ調査で疲れたからな。一足先に寝させてもらうぜ」
「ひどいよ! 多分、俺とシオンの行動って、記憶がある奴ならみんな分かるんだろ! 
仲間外れにされるのは嫌なんだ!」
「んなこと言ってもなぁ〜」
 とことん断るアクセルに、業を煮やしたロクサスはようやく背を向けた。
「もういい、サイクスに聞いてくる」
「ばっ……あいつにだけは聞くな! い、いや、ゼムナスの方がもっとまじぃか。とにかく、やめとけ!」
「だったら教えてくれって言っているだろ!」
 勢いに任せて、キーブレードを出した。
アクセルは、ここまで夢中になるロクサスを見たことが無く、その思いをムゲにするのも忍びなくなってきた。
「じゃあ、簡単に説明すっぞ! ようするにだなあ、アレはものすごく仲のいい男女が、こう、
二人の間柄の深まりを確かめるために、布団とかでごそごそ話しながら、行うものなんだよォッ!」
 アクセルがガーッ! と剣幕を際立たせて言うと、ロクサスはおーと言いながら手をポンを叩いた。
「友情の握手みたいなものか! 俺とシオンは親友だから、毎日やっても問題ないんだな!
……でも、何だろう。親友同士の行動なのに、アクセルとシオンでああいうことはしてほしくない」
「俺だってお断りだ。お前と身体を繋げたシオンを横取りするなんてことは、
俺の無くなった良心に反することだ。それに、シオンの正体を考えれば……アッー! 
これ以上は言えねえ!」
 アクセルは炎を巻き上げて、ロクサスを驚かせた。
炎が消えたとき、アクセルは既に闇の回廊を潜り、逃げていた。
 ロクサスはキーブレードを担いで、消えていく闇の回廊を睨む。
膨らませた頬は、無いはずの怒りを表していた。

784ネタバレ注意:2009/06/07(日) 14:02:59 ID:82te9P8W






 数ヵ月後、ロクサスは元の人間であるソラへと還元した。既にロクサスの意識はほとんどなく、
何かの刺激で、幼い頃の記憶のように突発的に蘇ってくるだけとなっていた。
 ソラは機関を壊滅させた後、故郷であるデスティニーアイランドへと戻っていた。

 故郷の強い陽射しに疲れたソラは、洞窟に入っていた。
ロクサスとシオンが身体を繋げた、あの洞窟であった。
彼にとって、ここは幼い頃からの遊び場であった。それこそ年齢が片手で数えられるぐらい前から。
だから、思い出もたくさんある。幽霊がいると聞いて探したり、
当時の画力を振り絞って、自分と想い人の絵を描いたり、
更には1年前にその落書きにパオプの実を書き加えていたり。
 冒険に出ていたこともあってか、ここの思い出の全てが懐かしく思えた。
「あっ」
 ソラの目が、落書きに釘付けとなった。自分だけが向けていたパオプの実が、
相手の方からも向けられるように、落書きが付け足されていたのだ。
驚きとは別の感情が湧き起こった。嬉しくなり、ソラは顔を赤らめながら絵をなでて、
壁に頭をごつんと当てた。冷たい岩が、高揚感とちょうどよく混ざる。
「ん?」
 下を向いたとき、石の裏に何かがあることに気付いた。
 拾い上げてみると、木の棒であることが分かった。
「何か書いているけど、読めないな」
――その瞬間、自分の中のロクサスと、別の何かが蘇ってきた気がした。
「え、えっ!?」
 自分でも分からない感情。他人が自分の精神の奥にいるような気分になるのに、
不快なものではない。むしろ、嬉しい。親友が心の中にいつもいるようだ。

 洞窟を出ると、青い海の前で佇む。変わらない波の押し引きを眺める。
 何の変哲もない貝殻を拾って、耳に当てる。風の音が波の音となる。
 不思議と、心が癒される。
 胸が熱くなった。
 頬を、涙が伝う。
「シオン……」
 知らない名前を、呟いた。
785名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 14:04:56 ID:82te9P8W
オマケ。
780の後に続くはずだったが、推敲途中で消えた部分。






「シオン、終わったんだけど……」
「まだ続けて。あたしはまだ物足りない」
 シオンの言葉はロクサスに向けられたが、目は彼のことを見ていない。
彼がいる方向を、焦点を定めずに向いているだけであった。
それでもロクサスへ手を伸ばし、尻を掴むと自分へと引き寄せた。愛液がコートに零れる。
 自分に、奇妙で、切なく、優しい感覚をくれる彼のものを、シオンは愛しく思う。
それは次第に、彼そのものへの要求へと変わっていく。
もらえるものは全部もらってしまおうという考えが目立つように、彼を求める。
ロクサスとキスをし、口の中に舌を入れて唾液を舐めることや、
自分からロクサスの手を引いて胸に付けること、彼の体のあちこちに、
不必要なほどキスを降らせること、全てが嬉しく、楽しかったらしく、
彼女の微笑みはより輝かしいものとなっていく。
 やがて、ロクサスにもう一度限界が来て、大きく震えた。
膣内に、再び異物が流れ込み、先ほど吐き出されたものと混ざり合う。
自分の中が焦げそうな熱に襲われていることに気付いたシオンは、狂わんばかりに嬉しくなった。
「ロクサス……もう一回」
「もう、無理。シオンの頭突きで腰が痛いしさ」
 ロクサスはおどおどして、シオンから逃げるように抜き取った。
シオンはなんだかむかっとして、彼の肩に噛み付いた。歯形を残すと、ふふんと笑う。
 二度目の性行為は、心臓が脳の命令を受けずに動くように、勝手にロクサスを求めていた。
自分の意思の介入がない、本能のようであった。
 もう一度やりたかったらしく、シオンはロクサスに抱きついて、しばらく離れなかった。
「また明日やろうね。ロクサスの部屋か、あたしの部屋で。
あ、これ約束のお守りってことで、あげるね」
 四の五の言わせず、拾った貝殻を渡すと、勝手に約束をした。
ロクサスは彼女の恐ろしさを垣間見た気がした。
「それもいいかな」
 と頷く。
786名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 14:06:15 ID:82te9P8W
終わり。容量ギリギリ。
787名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 18:58:56 ID:1trnQdRm
GJ!
おっきした
788名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 21:35:51 ID:QKVxzZWb
GJ!!
ネタバレんところでじわっとなった
789名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 06:50:04 ID:ARFXBEVx

次スレ立てたから報告。

キングダムハーツでエロパロ4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244411285/l50
790名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 23:38:48 ID:qph7OBzZ
ロクサスはシオンの胸はでかいと思っていたが、翌日、ラクシーヌとのホログラムミッションを受け、ラクシーヌが敵にやられて気絶しているときに服を脱がした。そしたら、シオンの胸は小さいと、初めてわかったロクサス。
791名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 11:09:41 ID:kZ7tvEju
>>765
GJ!
このシオン可愛いな
そしてロクサスがまともだww
792名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 15:01:59 ID:5J54qD0M
できる
カイリ
アクア

できない
シオン
ナミネ
オレット
ラクシーヌ?

さあ、何ができないでしょうか
793名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 16:13:29 ID:LYKp9GAd
「この前ラクシーヌが寝てる間にやったら出来たよ。オレットも手繰り寄せれば…」
794名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 20:23:17 ID:Jd74l1gz
>>792
パイずり
795名無しさん@ピンキー
>>793
名前表記ないのにロクサスになってたwww
もう駄目だww