戦隊シリーズ総合カップルスレ 7

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
こちらは戦隊シリーズの総合カップルスレです。
現在放映中の『炎神戦隊ゴーオンジャー』、前年度放映の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』等々、

戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなで幸せハイウェイまっしぐらに行きましょう。

【ネタバレについて】
特撮板本スレに準じ、放映日当日・映画公開終了までのネタバレは控えてください。
もしスレ住人からの要望により、映画等のネタバレを投下する場合、
投下前にネタバレであることを明記し、NGワード用タイトルをつけること。
バレを見たくない人はあぼん推奨。
2名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 09:15:52 ID:pFamjauC
前スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187689343/

過去スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 5 (dat落ち)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176541347/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 4(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161010229/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 2 (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114938210/
戦隊シリーズ総合カップルスレ (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105953664/
【S.P.D】デカレンジャー総合カップルスレ【S.E.X】(dat落ち)
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080011602/

戦隊シリーズ総合カップルスレ保管庫

戦隊シリーズ総合保管庫
ttp://sentaieroparo.blog100.fc2.com/

地球署の図書館
ttp://tfb.fc2web.com/index.html
保管庫の避難所
PC版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/index.htm
携帯版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/i/index.htm
3名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 12:32:40 ID:fbHrjgeq
>>1
このスレも活気づく事を願って!
ちょっと気が早いけど、今年の映画楽しみだな。どんなネタが来るか。
4名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 21:58:27 ID:DeGhEXKG
>>1
遅まきながらボウVSゲキ借りてきたぞよ。
あと、保管庫ももうすぐ一周年だねぇ。
5名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 04:48:32 ID:dz7Bg3gQ
>>4
> あと、保管庫ももうすぐ一周年だねぇ。

あ、もうそんなになるんだ。保管庫の人には感謝です。

旧スレでゴーオンが盛り上がってる中過去戦隊話ですまないが
今個人的にアバレがブーム。
「竜人族は頬の爪を触れ合わせると互いの心を読み取れる」とか
かなりムッツリの幸人さんとか、女性陣もらんるジャンヌ(マホロ)
えみぽん等充実してるし。
特に青えみぽんでバカ話書いてみたい…
6名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 15:23:21 ID:rCzot3rT
>>5
ゆっくりで良いんで待ってる。青えみぽん好きだ!
7名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:28:23 ID:piK9IxX/
そういえばアバレのSSはまだ一つも保管庫にないね。
8名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 04:42:16 ID:O8zLIlTx
>>7
アバレは作品自体がマイナーだからこの手のスレではあまり需要がないのかな?
9名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 05:54:27 ID:vrC8+mFo
つーか元々デカの時にデカ単独スレで始まったから、それより前の作品て集まり難いんじゃないかな。
アバレ以前は、アバレに限らず作品数少ないよ。比較的多い光なんかも書いてるのは一人の職人さんだし。
10名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 14:34:38 ID:5Elz//95
光と鳥人は同じ職人さん。本人がそういっていた。たぶん、電磁と大戦隊も同じ人っぽい。
前スレの忍風は違う人かな。
大連は、初めての投下って書いてあったから違う人。
保管庫にある超獣と忍風は、保管庫ができる前からあった。

やっぱり昔の作品は、DVDでレンタルできる作品もまだまだだし少ないよね。

11名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 13:35:34 ID:YjkywP1c
来週念願の緑黄メインだ〜
今までコレといった絡みがなかったから楽しみだ〜
12名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:32:44 ID:eFkTsCMD
楽観的な範人と悲観的な早輝という設定だけで萌え広がってる>緑黄
13名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 19:09:35 ID:Zxdrolsk
>>12
> 楽観的な範人と悲観的な早輝という設定だけで萌え広がってる

緊張躊躇する黄と、自分も内心キンチョーしまくりなのに明るく
愉快に導いていく緑の初めて同士っすね、わかります。
14名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 02:04:51 ID:s1A7vfzg
ボウVSゲキ、100円で借りられてラッキーと思ったら、劇場版のボウケンジャーだったorz
そっちも見ていなかったから、まぁ良かったけど、まだ新作だろうにおかしいと気づけよ>自分
15名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 06:39:38 ID:BIOaTtga
舞い上がってる時ってそんな感じよね
16名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:02:07 ID:k4qh6ZLV
SS書き始めた者ですがハリケンジャーの原作カップル
クワガライジャー(一鍬)とハリケンブルー(七海)がラブホに行く話しを書きたいと思います。

それからここは合意Hのみですか?
17名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:38:27 ID:tzkypu8F
>>16
> それからここは合意Hのみですか?

それは保管庫のSS読んで判断したらどうだろう。
1816:2008/04/10(木) 00:46:31 ID:HNNA+xBF
「忍風戦隊ハリケンジャー」巻之二十六「弓矢と海水浴」の後日談です。

タイトル「忍風戦隊 藍青」 某漫画に掛けてます。
1916:2008/04/10(木) 00:47:27 ID:HNNA+xBF
七海「ごめんなさい。こんな所で待ち合わせして。軽蔑したでしょ。」 一鍬「軽蔑などしていない。」
俺が指定された待ち合わせ場所に着くなり七海が現れた。
七海は俺の腕を引っ張ってこの奇妙な建物に入り、そそくさと前金を払い受付を済ませた。
通されたこの部屋も見たことが無い作りだった。
「わたし最近顔が売れて来ちゃったんだ。だから。あぁ変装すればいいのか。忍者なのにバカみたい。」
「何の話だ?」 「いきなり男の腕を引っ張ってなんてガッツいてるね。みんなやってるのかな?」
「さっぱり話が見えないのだが、ここはどう言う所なのだ?」「やっぱり。」

七海が一旦俯き、そして顔を上げ潤んだ瞳でじっと俺の方を見る。
「白状します。わたしは貴方がここをどういう所か知らないだろうと思って誘いました。」
一歩、二歩と俺に間近まで近づいて来た。明らかに頬が紅潮して息遣いが荒れているのが分かる。
「ここは男と女が愛し合うところです。」「そうか。」

俺は自分でも驚くくらい落ち着いていた。自分なりに為すべき事をしたという自信があった。
「そうかって。もしその気がなければ帰ってもいいのよ。呼びつけておいてなんだけど。」「帰るはずがない。」
「良かった。本当に帰られたらどうしようと思ってたの。女の子のプライドボロボロになっちゃう。」
「七海にそんな思いはさせない。それよりこういう場所は本来、男が用意するものだろう。済まなかった。」

「ううん、急な海外の仕事が入ってしばらく会えなくなりそうなの。だから、こんなみっともないことを。」
「そういうことか。何がみっともないものか。俺の方こそ七海に会わねばならないのにグズグズしてて済まなかった。」
俺はすぐ前の七海を両腕で引き寄せギュッと抱き締めた。
「この間のことをずっと詫びたかった。心から本当に済まないと思っている。どうか許して欲しい。」
「何のこと? 詫びることなんて何も無いよ。許すも許さないも無い。」 七海は涙ぐんでいた。
あの夏の日の夜から俺たちの時間は止まっていた。
2016:2008/04/10(木) 00:49:29 ID:HNNA+xBF
<9月になったばかりのある日の日没前>
一甲「どうした一鍬? 明日の仕事は早いぞ。最近どうしたのだ? 元気が無いぞ。」
「兄者、俺は取り返すのつかない過ちを犯してしまった。」 「あやまち?」 「七海とだ。」
ブフゥーッと兄者が口に含んだ物を噴出し、むせ始めた。「大丈夫か兄者?」 俺は兄者の背中をさすった。
「お前ら一体何を?」「済まない。食事中にする話では無かった。」「そんなことはどうでもいい! 話してみろ。」

「8月終わりの夏祭りの夜。俺と七海は一緒に歩いていた。だんだん周りの人気が無くなって抱き合って接吻したのだ。」
「接吻って、お前らそんなとこまで!?」
「七海は実に愛らしい浴衣を着ていたが俺は七海が下着を着けていないことに気がついた。」「(ボー然)」
「それからどちらとも無く。気づけば七海は泣きじゃくり、俺は七海と結ばれる前に終わっていた。」「(ア然)」
「兄者! 聞いているのか?」「…あぁ、早過ぎるんじゃないのかなぁ。」
「あぁ早過ぎる。俺は忍びとしても男としても余りにも未熟過ぎる。本来七海を抱く資格などまだ有りはしない!
なのに獣のように七海を襲い、傷付け、悲しませたのだ。俺はどうすればいい? 兄者!」
「え!? あぁ、お前はどうしたいのだ?」

「まず七海に心から詫びて許しを請う。そして償いをしたい。七海は中途半端に傷つけられて泣いていたのだ。」
「そうかお前の心構えは分かった。でも償いとは何だ?」
「俺は男として為すべき事をしたい。だが七海とうまく結ばれる自信が無い。七海が痛がって泣き喚いていた顔が忘れられない。
 それに七海は魅力的過ぎる。俺は何度やっても七海と結ばれる前に終わってしまう気がしてならない。どうすればいい? 兄者!」
「…俺に聞くな。」「兄者!?」 「書物を読むなり人に頭を下げて教えを請うなりしてから死ぬ気で考えろ。どうにでもなる。」
兄者は席を立ち、夕日に向かって歩いて行った。兄者の影が長く伸びる。
「俺が兄として、いや男として言ってやれることは一つだ。先ほどお前は『どちらともなく』と言ったな。」「あぁ。」
「…二度とそう言う物の言い方はするな。」「なぜだ? 兄者。」
「真実なのだろうがそんなことはどうでもいい。男と女の間に起きることは全て男に責任があるのだ。」「兄者ぁ!」兄者の影がデカく見えた。
「これは俺自身が思うことだ。」「いやその通りだ! 俺は男としてやはり兄者の足元にも及ばない。」「…」
兄者が戻って来て俺の肩に掌を置いた。「足掻け、足掻けるだけ足掻け一鍬。だが七海はいつまでも待ってくれんぞ。」「ありがとう兄者ぁ〜」
2116:2008/04/10(木) 00:52:32 ID:HNNA+xBF
<数日後>
俺は書物を読み漁った。古来の物は紙も墨も貴重で写真も無いので抽象的な心構えのような内容が多い。現代の物は分からない言葉が多かった。
鷹介「どうしたんだ一鍬? 最近寝てないみたいだな。何か悩みでもあるのか?」「鷹介…」
「仲間だろ。何でも話してみろよ。力になるぜ。」「実は解決の糸口も見つからない問題が二つあるのだ。知恵を貸して欲しい」
「吼太も呼んでいいか?」 とある食堂で俺は鷹介と吼太に洗いざらい話した。話の後、二人は顔を見合わせていた。
鷹介「…」 吼太「…」 「何か知恵は無いか? 七海が痛がらず。俺がすぐに終わってしまわない方法が! どうか教えて欲しい。」
鷹介「えっ!? あぁ」 吼太「キスまで行ってたんだ…」 「あぁ七海からすぐに求めて来た。」
二人「七海からぁ〜!?」 「今では会う度にしている。」 鷹介「うそぉ!」 吼太「あの七海が…」 分かった兄者そういうことか。
「違う。俺から七海に頼み込んでさせてもらったのだ。」 吼太「そうなんだ。」 鷹介「分かった。」
吼太「でも下着を着けてなかったってのはどう考えても…」 鷹介「だいたい人気の無いとこにっていうのが…」
「七海はそんな女ではない! 浴衣の下に下着を付けないのは常識だ! それに人気の無いとこに出たのは偶然だ!」
鷹介「分かった、分かった一鍬。」 吼太「立ち上がるなよぉ〜」

吼太「…早く終わるのは事前に一本抜いときゃいいんじゃないかな。」 鷹介「おぉそれそれ! 分かるか? オナニー。」
「馬鹿にするな! 千擦りのことだろう! いや済まん。」 俺は二人に教えを請う立場なのだ。つまらぬ意地を張ってはならぬ。
鷹介「じゃ一つ目は解決。」 「でもそれは小手先だけのごまかしではないか。それに男としてどうかと思う。」
吼太「何言ってんだよ! 最初からうまく行く訳ないだろ。前に進めないときは一歩下がって次に二歩進む方法を考えるんだよ。」
「一歩下がって次に二歩進む。」 吼太「そう。何が大事か考えろ! つまんねえプライドなんかドブに捨てろ!」
「分かった。では七海が痛がって泣き喚くのはどうすればいいのだ?」 吼太「それは…」

鷹介「長くいっぱいすると痛くなかったって聞いたことある…」 吼太「ペッティングか!」 「何のことだ。」
鷹介「ええと前戯って言えば分かる? とにかく長く念入りにすると女は濡れ…って分かる?」「それは書物で読んだ。」
吼太「現代のも読んだ方がいいよ。」 「読んでいるつもりだ。」 鷹介「女性の裸の写真とかも…」
「あぁ見ているが七海の体はこれまで見たどのおんなよりも美しいぞ。」 二人「!!!」
「異国の女のようでもあり、それでいて幼女のように無垢なのだ。」 鷹介「いこく…」 吼太「ようじょ…」
「それでいて肌は日本の女の木目細やかさだ。それに何とも言えない甘い良い香りがする。」 二人(腰をモゾモゾ)

吼太「じゃ前戯を長くするってことで二つ目解決。」 「待ってくれ。それでも七海が痛がったらどうするのだ?」
鷹介「そのときはそのときだ。失敗を恐れずにまずベストを尽くすことが大事だ。」 「ベストか」
鷹介「もしそのとき出来なくても出来る限りのことをすれば七海はきっと悪い印象は持たない。何度やってもダメってことは絶対に無い。」
「だが具体的にはどうすればいいのだろう?」 吼太「それは… 館長にって怒鳴るだけだろうな。シュリケンジャーが居れば」
鷹介「英語使ってたしな! 御前様…」 吼太「何言ってんのお前。」 鷹介「500年生きてたんだし…」
吼太「俺は聞けないね。命がいくらあっても足りねえ。」
「いや後は己の力で何とかする。ありがとう。やはり持つべき物は友だ。兄者もお前達も男としても素晴らしい考えを持っている。俺だけ取り残されて悔しい。」
二人「…」 背後の老紳士(頑張れ一鍬。俺はずっと影ながら見守っているぞ。)
2216:2008/04/10(木) 00:58:15 ID:HNNA+xBF
<再びラブホ>
俺が腕を解くと七海が瞳を閉じて顔を上に上げた。俺は背を傾けると七海が爪先立ちした。長い接吻のあと七海は歩くのも気だるそうだった。
俺は七海の膝の裏とうなじに腕を掛け抱き抱えた。「わぁ〜 お姫様だっこ♪」 七海が急にはしゃぎ出した。
「暴れるな七海。」「一鍬〜^0^」 再び七海が接吻を求めて来たので軽くした。
そしてベッドまで運んで行き静かに降ろすと三回目を求めて来た。俺も接吻は好きなのだがなぜこんなに多く求められるのか分からない。
「脱がしっこしようよ。ジャンケンポン☆」 つい手を出すと俺が勝った。交代で上着を脱がし合う。七海の服は脱がしにくいので教わりながら脱がした。
七海がブラジャーだけになった。思わず手を伸ばそうとすると 「待って。」 俺のYシャツとネクタイを引き寄せた。
「一鍬こういうの着るんだ。」「面接に良く着ていくな。」「それじゃ、これどお?」
七海が俺のYシャツを羽織ってネクタイを首に掛けた。男のかっこのマネだが俺は胸が高鳴り七海にむしゃぶりつきたくなる衝動に駆られた。
「『萌え』かな?」「『萌え』とはよく聞くがこう言うことなのか。分かった気がする。」
「ブラジャーは後回しにして一鍬の下の方脱がして行っていい? わたしが先下半身全裸だとちょっと…」「分かった。」
七海がベッドから降りて俺はベッドの端に座った。七海が俺のベルトを外し始める。俺は男根に痛いくらい力がみなぎるのを感じた。
「しまった!!!」 俺は吼太に教わった事前に一本抜くことをまだしていない。 「どうしたの一鍬?」
「いや何でもない。」「もしかして気が変わった?」 七海の表情に落胆が見えた。
(どうする? 構わず続ければ七海の魅力の前にすぐに終わってしまうのは目に見えている。七海に愛撫しながら…馬鹿な、そんなことできる訳ない。)
「どうしたの?」 泣きそうな顔をしている。このままでは退くことも進むこともできない。恥を忍んで言うしかない。
「笑わずに聞いて欲しい。実は…」 七海はポカァ〜ンとしながら聞いていた。「トイレかと思った…」
「そうだ便所だ。急いで済ますから済まないが少しだけ待っていて欲しい。七海のことを考えればすぐ終わる!」
「プッ、アハハハハハッ〜^0^」 七海が笑い転げ始めた。自分でも情けない事を言っていると思ったがやはり男子の面目丸潰れだった。
「ゴ、ゴメン。そうね。するタイミング無かったね。ここでいいよ。」「七海の目の前でか? それはいくらなんでも…」
七海が再び笑い転げる。(すまん兄者、鷹介、吼太。せっかく悩みを聞いてもらったのに。俺は男としてもうダメだ。)
「おかしいの一鍬。殿方はそのようなことはなさらないで下さい。わたくしめが致します。」「七海が!? それはどういうことだ?」
「失礼致します。」 七海は俺のズボンの指でつまんで下ろし始めた。
2316:2008/04/10(木) 01:00:11 ID:HNNA+xBF
続きます。

これから少しずつHにして行きますが長くなってしまうかも知れません。
内容的に多分大丈夫だと思いますが保管庫を拝見させていただきます。
2416:2008/04/10(木) 01:22:35 ID:HNNA+xBF
すいません。
22<再びラブホ>の最終行 
「七海は俺のズボンのファスナーを指でつまんで下ろし始めた。」
の間違いです。

いろいろ読み難いみたいなので次は改善したいと思います。
25名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:23:57 ID:tzkypu8F
ワロタwwwwww
続き気長に待ってるYO
26名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 17:13:04 ID:5kkdS9VV
すごく面白いよ!!
GJ!!
27名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:22:30 ID:3yx0ZX/t
一鍬×七海、本編の頃から大好きだ!
続き待ってますよ〜
28名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 07:28:43 ID:N7k3yPlD
彼女いない歴=年齢ズがカッコ良すぎです。特に一甲は神。
29名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:24:11 ID:Vv2U5mMD
じゃあ 一甲×おぼろ

あとサンダールが格好よすぎ
30名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:40:03 ID:/SGKEsPK
>じゃあ 一甲×おぼろ

趣味悪すぎなんだよクズ
31名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 08:20:29 ID:Jp90BdQw
いくらなんでもやりすぎだろw>今日の緑黄
思ったよりも、緑の対応が大人だったのが意外だった。
32名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 09:10:53 ID:+JjdQZAN
>>31今日のシチュはなかなか使えるよなw
33名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 09:35:40 ID:HoWZ7nNK
緑がケーキ大量に食ってたのはきっとあの廃バスでコトに及んだことで体力がいやなんでもない
34特撮板・ゴーオンスレより:2008/04/13(日) 10:23:52 ID:RMgF9i+K
334 :名無しより愛をこめて:2008/04/13(日) 10:21:55 ID:hv8aCrMg0
黄色と緑が異世界で二人きりになったとき、
「二人しかいないから結婚するしかないよね」と言い出すんじゃないかとひやひやした
ふー よかったよかった
35名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 15:52:37 ID:ig0I+3Tl
ジャンクワールド内で、
範人「あれやろうよ、あれ。」

をやってくれる神はいないか?
36名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:48:33 ID:nw+UHQ2s
>>32
シチュはいいけど、どうしてもナマになっちゃうよね。
それで、お互い初めて同士とかにしたら、緑が走輔にぶん殴(以下ry
37名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 05:38:46 ID:pW0zqpmd
早輝が範人に「すっごく頼りになるんだから!」って言った後の赤青黒の「へ〜」が
「お前らなんかいい雰囲気だな」って言ってるように見えた。
38名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 06:19:41 ID:oBZEYIo3
見えた見えたw
しかも青の顔が微妙そうに見えたオレ末期orz
39名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 09:33:00 ID:WDZ69NNW
>>38
自分は赤が微妙そうに見えたw
黄色がいないところで、年長三人に事情聴取される緑が目に浮かぶ。黒が後ろで腕組んで立って、赤が机叩いて脅して、青が記録すると。
40名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 09:59:40 ID:E11IckK5
>>39
おいおい取り調べだなwwwカツ丼の代わりが黄色のケーキ?
41名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 20:34:18 ID:IxfWs1re
そこは連お手製の玉子丼で
42忍風戦隊 藍青:2008/04/15(火) 03:14:25 ID:Mn51IHvC
「まさか!?」 「フフッ、さっきまで一鍬すごくカッコ良かったのにw 本で読んだだけで初めてだけど頑張る!」
「すまん段取りが悪くて。七海にしてもらえるとは。」 「ううん、そんなに硬くならないで」 「…無理だ。」 
「あははw ふんどしとかじゃないよね?」 「今はブリーフだ。」
「良かった。あぁドキドキして手を入れるのが怖い。『箱の中身はな〜んだろな♪』ゲームみたい。」 「何だそれは?」
「箱の中に手を入れて触って中身を当てるゲーム。私もやらされたの。実演してみるね。」
七海が俺のズボンのファスナーの中に両掌の白い指を入れる。一物が柔らかくスベスベした指に包まれた。
(これが一鍬の「アレ」、温かくてドクドクって脈打ってる。やっぱり大きいんじゃないのかなぁ…)

「ううっ、七海…」「じゃ始めるね。」 七海が目を閉じて小首を傾げながらしきりに指を動かし中の物を探り始めた。
「すんごく硬い物が… 棒みたいに長くて… 先の方が… 丸くなってて… 下の方が… ちょっと凹んでる…」
「ああ…! うっ」 ふぐりの方も軽く握られ中身を調べられ始めた。
「その下に柔らかい… プニプニした嚢があって… 中に… グニグニッとした… 丸いものが… 二つ…」 
「うぅぅ…」 「丸いものには… ひもみたいなのが…」 「つぅっ!」 「あぁっ、ごめんなさい」 七海が慌てて両掌を外に出した。
「調子に乗り過ぎちゃった。男の人の大事な物をおもちゃに。」 「気にするな。俺も楽しかった。」

「優しく外に出そうと思ったけどファスナーのギザギザが当たっちゃうよ。」
「もう一枚ずつ脱ぐか。」 「あぁ、私が」 俺はズボンを脱がされたあと七海のスカートの方をちらと見た。
「うっ、催促の視線。何だか恥ずかしい。」 俺は立ち上がり立ったままの七海の前に行って片膝を着いた。
七海の腰に腕を回しさり気なく豊満な胸元を覗き込んだ。(やはりあるなぁ。)
最初に見たときは本当に驚いた。こんなにあるのかと。異国の女のように前に突き出ている。
「フックを探すふりしておっぱいの谷間ジロジロ見てぇ。分かってるくせに! 真面目なようでエッチなのね。」
俺はフックを外し体を沈めながらスカートを降ろしていく。目の前に可愛らしい下着が見えて来た。
パンティなのかショーツなのか俺には分からんが派手さが無い慎み深い下着だった。
さらにスカートを降ろし、「アレ」が包んでいる三角の部分をじっと見つめた。
「手を離せば床に落ちるからもういいでしょ。ベッドに戻って!」 俺はすごすごとベッドに戻って端に座った。 
43忍風戦隊 藍青:2008/04/15(火) 03:15:19 ID:Mn51IHvC
「失礼致します。」 七海が跪いて俺の前に進んで来た。期待と不安に俺の胸は高まった。
七海の掌がブリーフの前から中へ入り俺の一物とふぐりを優しく慎重に採り出した。七海は両掌で口元を押さえながらもじっと観察していた。
(気のせいじゃなくて一鍬の「アレ」本当に大きいんじゃないかな。どうしよう。)
「そんなにじっと見ないでくれ」 「申し訳ございません。ご主人様。」 「ご主人様!? 先ほどから口調が変だぞ。」
「最近の流行なの『メイド言葉』。それに男の人に女の子がサービスするのを『ご奉仕』っていうから。」
「そう言うのは聞いたことはあるが、色々知ってるのだな。もし逝かなかったときは途中から俺が自分で…」
「ダメ! 私が居るのにそんなことして欲しくないの。女として屈辱だもん。」

七海は一物を軽く握ってしごき始めた。自分でするよりずっと心地よいのだが逝く気がしない。途中ふぐりを優しく揉み始めたが同じだった。
段々七海の乳の方が気になってきた。こんなことをさせておいて増長してる気がするが思い切って言ってみた。
「ブラジャーを外していいか?」 「…どうぞ。」 俺は七海の背中に手を伸ばしてブラジャーのフックを外した。
ピンと弾けるようにしてブラジャーが七海の膝の上に落ちた。その反動で乳がフルフルと揺れた。
大きな乳に似つかわしくない幼女のように淡い色をした乳首が現れた。七海は瞳を閉じて恥ずかしそうに言った。
「どうぞご自由にお触り下さい、御主人様。」 「その口調はもういいぞ。何だか申し訳なくなってきた。」
「いいの。一鍬を逝かせるって決めたから。」 一生懸命さが七海の掌から伝わって来る。でも痛いくらい勃起していたが全く逝きそうになかった。
 
俺は両方の腕を伸ばし七海の両乳を下から指ですくうように持ち上げ乳首に触れないように揉み始めた。
スベスベで指を押し返すような心地よい感触だった。七海の呼吸が段々弾んで来た。
「一鍬ってちっとも早くないんじゃない。 それとも私が下手?」 「自分の手よりずっと心地よいが何故か逝かないのだ。」
七海の乳首に変化が起きて来たので指の間に挟んで揉み続けた。七海がときどき感じたように身をよじる。
「ああっ。何だか悔しい。おっぱい触られてる私の方が簡単に感じて来ちゃった。私、男の人ってもっと簡単に逝くんだと思ってた。」 
「抜かなくても大丈夫な気がしてきた。こんなことをさせてすまなかった。ありがとう。」
「わたくしめが致しますって言ったもん。ここまで来たら意地でも一鍬を逝かせたい。」 七海は意地っ張りだ。
44忍風戦隊 藍青:2008/04/15(火) 03:16:01 ID:Mn51IHvC
「こうなったら怖いけどお口でする!」 「口淫のことか? そこまで無理しなくても…」 
「口が淫らなんて言わないで。腰を上げて。」 俺が腰を浮かし七海がブリーフを抜き取った。七海はやはり抵抗があるらしく躊躇していた。
「恥ずかしいから絶対口元を見ないでね。見たらおチンチンに噛み付いて、タマタマ握っちゃうからね!」 「分かった。」 
七海は意を決して俺から口元が見えないように片手を添えて一物を咥え、しゃぶり始めた。
温かい、経験したことが無い心地よさだった。一物の付け根の中にある男の芯のようなものに刺激がビリビリ響く。
瞳を閉じた七海がその唇と舌でピチャピチャと音を立てて歯を当てないように一心不乱に「奉仕」していた。
(七海があの可愛らしい唇で俺の一物を咥えている。) 俺は七海の口元が気になって仕方なくなった。

身を乗り出して横から七海の掌で隠された光景を覗こうとしたとき、(うぅっ!)  一物を甘噛みされた。
(何だ今のは、ひょっとして「警告」か? うっ!) 七海が上目使いでチラっとこちらを見た。目が怒っていた。
(本気だ。口元を覗いたら俺の一物に噛み付いて ふぐりを握るつもりだ。それに今ので七海の怒りをかってしまった。)
七海は普段はうるさいくらい喋るが怒ると黙り込むようになる。一物を咥えてるから黙っているのは当然かも知れないが俺は生きた心地がしなかった。
ピチャピチャと湿った音のみが響く。男として余りにも無防備なこの状態で何かのきっかけで七海の怒りが爆発したら… (そうだ)
「七海ちゃん、頭ナデナデしていいかな?」 七海の頭がコクッと動いた。
接吻のとき頭をナデナデされると心地よいと七海が言っていたことを思い出した。これで七海の機嫌が直るだろう。
七海の黒い濡れたような光沢のある細く張りのある髪を触りながら頭をナデナデした。俺は一物に意識を集中させた。

「七海、逝きそうだ。」 「じゃ、これも。」 七海が一物から唇を離しリスのように両掌で持ってしごき始めた。
ふぐりに接吻して片方の玉を口に含んで飴玉のように舌で優しく転がし始めた。 そして唇を軽く結んで軽くクイックイッと玉が引っ張られた。
「おおっ」 もう片方も同じようにされ、俺はこらえ切れなくなった。 「七海、逝くっ!」
七海は再び一物を咥えて頬を窪ませ激しく吸って頭を前後に振り始めた。ふぐりを優しく揉んで射精を促しながら。
「七海、唇を離せ、そのままでは… うぅぅ…」 七海の柔らかい掌の中で俺の玉が蠢き始めた。「七海ぃ〜!」 「…!!!」 
俺は七海の口腔にドクドクと射精した。 「あぁっ!」 放出の余韻に浸っていると七海の掌が優しくふぐりと一物を揉む。
一物を軽く吸って舌で先端を舐めた後、七海は唇を離した。涙目で口元が歪んでいた。 「ん、んんっ〜」
「七海無理するな! 吐き出せ!」 俺は七海の口元に掌を差し出したが七海は首を横に振り、やがてゴックンと喉を鳴らして飲み干した。
「はぁっ、はぁっ…」 七海は肩で息をしていた。頑張り屋でときどきこういう無理をしてしまう。
45忍風戦隊 藍青:2008/04/15(火) 03:16:53 ID:Mn51IHvC
「一鍬ぅ〜!」 七海に飛び掛られ俺は押し倒された。接吻を求めているのだ。俺は首を横に逸らしかなり必死で逃げた。
「止めてくれ〜、七海ぃ!」 「うぅっ!?」 七海が口元を掌で押さえて洗面所へと駆け込んで行った。水を出しうがいをしきりにする音が聞こえる。
しばらくして七海はべそをかきながら戻って来た。 「一鍬ひどい。あんなに頑張ったのにキスを拒むなんて」 「すまん、でも無理し過ぎだぞ。」
「自分で出したのに… 歯が当たらないように気を付けたからお口がすっかり疲れちゃった。こんなに男の人を逝かせるのが大変だなんて。」
「すまなかった。ありがとう。」 さっきは死ぬほどイヤだったが口をゆすいだ七海とベッドに座りながら抱き合って接吻した。

「七海…」 俺は身を乗り出した。残るは七海の下の下着だけだった。 「待って。」 七海が布の包みを取り出した。
妙齢の女性が持つような七海には似つかわしくないものだった。七海が布を開いていく。 
「これ…」 「!!!」 俺にはそれが何であるかすぐ分かった。

[続く]
46忍風戦隊 藍青:2008/04/15(火) 03:27:21 ID:Mn51IHvC
第一弾は原作が神エピソードだったので一気に書けました。
一鍬が七海に牛をプレゼントしたときは笑い転げたことを覚えてます。

第二弾は七海が初めてなのに一鍬にご奉仕する展開なので中々しっくりしませんでした。

如何に頑張り屋で意地っ張りでも男性をラブホに連れ込むくらい思いつめていても
初めての女性が男性を射精まで導けるものかなと。
初めて同志のHではこんなことは無理かなと思うのですが。

第三弾はSSでは見かけない展開になります。
第四弾で完結予定です。なるべくHにします。 でわ。
47名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 14:21:34 ID:C4SZ9b6l
GJです!
一鍬は七海で味をしめて
ウェンディとかフラビとかやっちゃえばいい
48名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:17:05 ID:1ucReVyk
悪役だけどサーガイン×フラビとかサタラクラ×ウェン読みたい
49名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:19:53 ID:GrNfrQYE
早輝を巡って連と範人が対立する
そんな昼ドラみたいな話読みたい
50名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:02:33 ID:3lZkqPY3
>>49
[MAD]ゴーオンジャー ファンタCM
ttp://www.youtube.com/watch?v=kXc_KKn_WKQ

これの「3年H組昼メロ先生」を思い出したw
51名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:26:14 ID:0bbEAeXN
轟音緑黄です。
例によって、予告の時点で萌えが広がり、範人を小悪魔にしてジャンクワールドでアレする話を書いていたんですが、
本編を見ると範人が意外と紳士でエロを盛り込む場所がないのと、どうしてもハッピーエンドにならなくてつまってしまいました。
>>39は自分ですが、自分で書いておいて、事情聴取ネタは使えると思い、GP−9の後日談という形にしました。
・6レス消費予定です。
52轟音緑黄「オトナノ階段」1:2008/04/16(水) 00:27:19 ID:0bbEAeXN
ジャンクワールドから脱出し、みんなで仲良くケーキを食べた夜――
「範人くぅん、説明してもらおうかなぁ?」
走輔が猫なで声で、範人の肩を組んだ。
危険を察知して逃げようとした範人だったが、
「おい!軍平!連!」
息のあった連携プレーで、待ち構えていた軍平と連に取り押さえられた。
野外のギンジロー号で行われた異例の取り調べ。
机は二つ。
範人は軍平に連行され、走輔と向かい合わせで座らされた。
奥のテーブルでは、記録係の連が難しい表情で横顔を見せている。
監視役の軍平はというと椅子には座らず、範人の横に腕を組んで立っていた
夜に使うスタンドが、まるで刑事ドラマで使われているアレのようで、範人は何もしていないのに容疑者になった気分だった。
「ねぇ、みんな信じてよ…。早輝とは本当に何も…」
年齢も身長も自分より上の三人に囲まれて、範人は恐る恐る走輔に言う。
「だったら、早輝のあの態度はなんなんだよ!お前のことしか見てなかったじゃねぇか!」
刑事気分のノリでバンッと机を叩く走輔を見て、
「ドラマの見すぎだ」
と呆れる元刑事の軍平。でもだからといって、走輔を止めるようなことはしない。
 そして、いつも範人の味方をしてくれる連も、今回ばかりは助けてくれない。
――みんな、早輝のことが好きなんだね…。
それがわかったからこそ、罪悪感を感じていたのだ。
「範人。」
走輔が身を乗り出す。気のせいか軍平と連が息を飲んで見守っているようにみえた。
「早輝と……。ヤったのか?」
53轟音緑黄「オトナノ階段」2:2008/04/16(水) 00:29:04 ID:0bbEAeXN
その時――。
「ちょっと!何やってんのよ!アナタたち!」
ギンジロー号のドアから、甲高い声が響きわたった。
さすがの走輔たちも、全身をわなわなと震わせて睨み付けている早輝に手も足もでないようだ。
「大の大人が三人で、よってたかって範人をいじめて…。」
「いやね、早輝ちゃん違うんだよ。これはね、男と男の大事な話し合いで…。」
取り繕うとする走輔を間に挟んで、軍平と連がうんうんと頷く。
でも早輝の怒りは頂点に達したようだった。
「今度ばかりは、アッタマきた!行こう!範人」
と、強引に範人の手を引っ張る。
「ま、待ってよ、早輝」
飛び出すように走って出て行く早輝を、あわてて追いかける範人だった。



「早輝、帰ろうよぅ。ゴーフォンもシフトチェンジャーも充電中で持ってないじゃん。もし蛮機獣が現れたら…。」
「蛮機獣だって夜は寝てるでしょ。」
ボーリングバンキは夜活動していたが…。そこまで言う気分にはなれなかったのは、早足で歩く早輝に着いていくのに精一杯だったからだ。
「大体干渉し過ぎなのよ。征爾君の時だって、尾行だけじゃなくて、軍平使って読唇術までさせてたんでしょ。今度は取り調べなんて信じらんない!」
「それは、早輝のことが心配なんだよ。」
「どうして範人が、走輔たちの肩もつのよ!」
「ごめん…。」
早輝の動きがピタッと止まった。
周りを光景を見て範人は絶句する。
二人を優しく照らす繁華街のネオン。
二人がたどりついた場所は、補導はされないだろうが、どうみても場違いだった。
…たくさんのラブホテルの看板が、範人の目に映った。
54轟音緑黄「オトナノ階段」3:2008/04/16(水) 00:30:54 ID:0bbEAeXN
部屋に入ると、早輝は無言で黄色のジャケットを脱いで、ポロシャツ姿になる。
「さ、早輝。マズイよ。マジでヤバいって」
「どうしてよ。そういう風に思われているなら、したって構わないじゃん。何遠慮してるのよ。範人もさっさと脱げば?」
早輝が強がっているのは分かっている…。でも…。
範人は、直立不動のまま、どうすることもできずにうつむいていた。
自分の過去を範人にさらけ出して遠慮する必要がなくなったのか、早輝は以前から気にしていたことを口にする。
「…範人がクレープ屋でバイトしていた時だってそうよ。」
「え…?」
早輝は、驚く範人と向かい合うように立つと、真正面からぶつかっていった。
「ゴーオンジャーよりバイトが楽しかった理由が『同じ年頃の女の子と話せたから』って、じゃあ『同じ年頃』の私はなんなの?」
「だって、早輝は仲間だから…。」
「仲間って何?仲間だったら、女扱いされないものなの?」
「違うよ!」
今まで早輝に押され気味だった範人が、初めて大きな声を出した。
「好きな女の子と異次元に飛ばされたら、意識するに決まってるだろ!」
「範人…。」
「脱出方法がわからなくても、なんとかなると思ってた…。」
「…。」
「だけど…、早輝と一緒にいると、胸がドキドキして…チューとかしたいなって思うようになっちゃって…
でも自分の気持ちを押さえなきゃって脱出できないよりつらかった…。
だって、僕が早輝を守らないと―。」
一瞬のことだったが、唇を塞がれた。びっくりして早輝の方を見ると、下を向いていて表情が見えなかったが、明らかに顔を真っ赤にしている。
「…抱いて。」
震える声だったが、確かにそう聞こえた。
異次元に飛ばされた時でも、抑えることができた範人の自制心が、音をたてて崩れていく…。
「範人が…好きなの…。お願い…。」
それだけ言うのが精一杯な早輝だったが、気がついた時には、両肩をしっかりと掴まれていた。
範人の熱い息が近づいてくる。早輝が目を閉じると、先ほどの一瞬重ねただけのとは違って、柔らかいものがゆっくりと押し付けられていった。
55轟音緑黄「オトナノ階段」4:2008/04/16(水) 00:32:17 ID:0bbEAeXN
 リードしていたのは範人の方だ。
 ベッドに移動して、改めて唇を重ねると、薄目だった範人の瞳も閉じる。
少し唇を離して、目をつぶったまま顔の向きを変えても、重ねる唇の位置は外さない。
 チュッチュッ…と何度か重ねているうちに、早輝の唇が半開きになっていくと、舌を覗かせて、彼女の濡れた下唇をなぞるように舐めた。
「ん…、あぁ…。」
 上唇も同じようになぞるが、口の中までは入れるようなことはしない範人を、早輝は不思議に思った。
そして、範人の背中に手を回したとき、ほんのわずかだが身体が震えているのを感じて、ようやく出した一つの結論。
――範人も緊張しているんだ…
 リードして手馴れた感じを装っているが、実は範人もいっぱいいっぱいだった。それが分かると、今度は早輝の方が、お姉さんぶりたくなる。
「範人…。」
 にっこりと笑って起き上がると、早輝の方から唇を重ね、おそるおそる歯列をなぞっていく。
 突然の「反撃」に驚いたようだったが、舌もOKと分かるや否や、すぐに迎え入れた。
 急にスイッチが入ったかのように、今度は、範人の方が上になる。
 早輝の口内に侵入してきて、存分に堪能すると、早輝の方は最初こそ反撃したものの、後はされるがままに、舌を絡めていた。
――これが…大人のキス?
 うまく飲み込めずに口の周りをつたって行った唾液も、自分の口の中をうごめく舌も、…決して嫌ではない。
 ようやく範人が唇を離すと、二人の唇をつなぐ細い糸のようなものが、つーっと一瞬だけ伸びて消えた。
56轟音緑黄「オトナノ階段」5:2008/04/16(水) 00:34:27 ID:0bbEAeXN
部屋の明かりを消すと、範人の身体がどんどん下がっていく。
ミニスカートの中を侵入した指が、下着越しに早輝の弱点を捉えた。
最初は慣れない動きで、全体を上下にさすっていたが、下着が濡れる出所をさぐりあてると、そこを集中的に攻め立てていく。
「や…やだ…。」
声ではそう言ったものの、力がどんどん抜けていく。感じている顔を見られたくなくて、手で顔を隠した。
「…かわいい。大好きだよ、早輝。」
一旦スカートの中の手が離れて、ポロシャツを捲し上げる。
中に入った手が、背中のホックに手を掛けたとき、早輝は無意識に背中をあげていた。
ようやく範人の目にさらされた二つの小さな頂。ごくり、と小さく飲みこむ唾の音
範人の大きな手に包まれて、先端を軽く甘噛みするように含まれた時、たまらず高い声が出てしまった。
もう片方の手は、またスカートの中に侵入していき、今度はダイレクトに下の突起も捕らえる。
「あっ…あ…あぁ」
こんな気持ち初めて…。それに、なんだかすごく身体が火照ってくる…。下は気持ち良くて、でも上はちょっとくすぐったくて、どう体勢をとっていいか分からない…。
全身の力を抜くように、抱きしめていた両腕をばたっと下に下ろすと、くすぐったかった胸も段々気持ちよくなっていき、気がついたら、範人の指先から、くちゅくちゅといやらしい音が聞こえてきた。
「気持ちいい?」
「…意地悪。」
早輝は耳まで顔を真っ赤にして、それだけ言うのが精一杯だった…。
57轟音緑黄「オトナノ階段」6:2008/04/16(水) 00:36:26 ID:0bbEAeXN
「早輝…。もう限界なんだ…。」
わざと音を立てながら、つぶやくように言う。
早輝が小さくうなずくと、範人はもどかしそうに服を脱ぎ始めた。そして、ベッドに設置してある備品に手を伸ばす。
早輝は恥ずかしくて目を瞑ったままだったが、やがて両足を持ち上げられ、起立したものがあてがわれるのを感じた。
こんなのが入るの?ヤダ、怖い…。
思わず身を硬くすると、「力抜いて」と言われる。
どうやって力抜くかなんて分からないよ…。
さすがの範人も、自分自身に対しても相手に対しても余裕がなくなってきた。
「ああっ!」
想像以上の異物が侵入してきて、思わず足に力を入れてしまう。
範人の方も、あまりにもの狭さとキツさに、焦って無理に入れようとしたが、緊張と恐怖で全身をこわばらせている早輝を見て、ようやく我に返った。
少しでもリラックスさせようと唇を重ねると、早輝が頭を鷲づかみするように指を絡めて、貪るように吸ってくる。
早輝も唇に意識が集中したのか、両足の力が解けていった。
焦らず…。少しずつ…。時間をかけて…。
さすがの若い範人も、全身汗びっしょりで呼吸が荒くなる。でも早輝の表情が、さきほどより硬くないのを確認すると、ゆっくり腰を動かし始めた。
「あっ…。」
はっきり言って、早輝にとっては気持ちいいものではなかった。本当は今すぐにでもトイレに行きたいくらい。
でも、それ以上に範人とつながれているのがうれしくて、声もだんだん甘い喘ぎ声に変わっていく。
範人の抽送の動きも大きくなった。ものすごい締め付けに、頭の中が真っ白になって意識がなくなりそうになる。
早輝が我慢できなくなる前に早く−−。

動きが止まった。ほっとしたように息を吐く範人の声。そして、この日何度目か分からないくらいのキス。
58轟音緑黄「オトナノ階段」7:2008/04/16(水) 00:38:04 ID:0bbEAeXN
「うふふ。また帰ったら取調べが始まるかな?」
ぴったりと素肌をくっつけるように腕枕された早輝は、範人の胸板に「の」の字を書きながら、いたづらっぽく笑った。
範人はしばらく考え込んでいたが、
「まぁ、明日は明日の風が吹く。きっと、なんとかなるっしょ。」
と、明るく言った。
「明日って、もう日付変わっているよ。」
「あ。」
「範人って、ホント調子がいいんだから。」
クスクス笑う早輝に、範人は体を起こして上になると、ドキっとするような笑みを浮かべた。
「あきらめなければ、うまくいくもんなんだよ。」
「あっ…。」
早輝のまぶしい裸身に、唇を這わせていく。
範人の重みと温もりを全身に感じながら、早輝は満たされた表情で瞳を閉じた。


【おまけ】
一方、ギンジロー号に残された走輔たちは…。

「走輔、いい加減に諦めて手伝え。」
二人を追いかけようとした走輔を、軍平が後ろから頭をはたいた。
「イテッ」
走輔が振り向いた先には、机を片付けはじめる連と軍平の姿がある。
「撤収っス。」
連がちょっと寂しそうに微笑んだ。
「フン!…ガキはガキにくれてやっただけだよ。」
と、強がりを言う走輔に対して、軍平が片付けながらニヤリと笑う。
「そうだな。未成年もいないことだし、今夜は思い切り…」
ドンと机の上に置かれたのは、軍平が隠し持っていたブランデーだ。
「軍ちゃーん、いいの持ってるじゃない。よっしゃ、今夜は酒盛りだー。」
「俺、つまみ用意してくるっス」

翌日、朝帰りした範人と早輝だったが、三人は二日酔いでそれどころじゃなかったのは言うまでもない…。

<おわり>
59名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:41:58 ID:0bbEAeXN
以上です。自分の中では、黄色の初めての相手は青だったんですが、、
あまりにも本編で二人がいちゃいちゃしているので、こうなってしまいましたw
色のコンプリートができるかどうか分かりませんが、本編の内容次第では、色々投下したいです。
60名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:07:06 ID:gdhvoVQm
おおGJ、緑黄いいね!

ゴーオンいまいちこのスレ的に萌えないと思ってたけど、これはモエモエだあ。
いい燃料ありがとう!
61名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 04:18:24 ID:FPUMfEBg
忍風戦隊 藍青も楽しみだし
炎神戦隊 黄緑もいい感じだし、出だしからいいね。
62名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:47:27 ID:fkfE3BfM
>>48
なんつーかビビッときたので書いてみました。組み合わせはちょっと違ってサンダール×ウェンディーヌです。

・凌辱シュチュですが結局和っぽいのであちらでなくこちらに投下
・携帯からなので投下間隔開きます。最悪途中で千切れるかも。


特に苦手な方はスルーよろしくお願いします。
ではよろしくお願いします。
63性(さが)01:2008/04/19(土) 00:52:35 ID:fkfE3BfM
 ウェンディーヌは躰に感じる甘い痺れに目を覚ました。
(ぁん、何かしら、これ…… )
 状況を把握しようと身を起こそうとしたが
「ぅんん! ふぅっん!!」
 股から驚くほどの快楽が駆け抜ける。思わず叫んで口に轡を噛まされていると気付いた。そして腕は後手に緊縛されていることにも。
「んっ…… んぅうん」
 ぱさりと倒れると、柔らかい床に寝かされているとわかる。腰に鈍くじんじんと来る感覚をやり過ごそうと眉根を寄せ白い乳房を上下させながら、苦しい中でも轡の間から息を吐く。少しでも動けば股間に咬まされている何かが彼女に喰い込み、悩ましくも甘く責め立てるのだ。
「お目覚めかね、ウェンディーヌ」
 癇に障る、穏やかさを湛えた声が耳に響いた。
(!! サンダール…… !)
 状況が見えた。ウェンディーヌは声のする方へ身を捩り(少し喘いでしまったが)その男を鋭く睨む。

 片眼を悪趣味な眼帯で覆う以外の立ち居振る舞いは、完璧だ。その完全さが暗黒七本槍の中でも色々な意味で異色な男── 七の槍、サンダール。
 女の勘で、当初から腹中に何を飼っているのかと怪しんでいたウェンディーヌだったが、サーガインの死でその疑いは確信に変わった。
 呼び出して問いつめたのだが、のらりくらりと交わされる。最後にはその慇懃さ胆の太さに、暗黒七本槍四の槍を名乗る彼女ですら背筋に薄ら寒いものを覚えた程だ。
『尋問はこれで終わりかな、ウェンディーヌ』
 そう言って背を向けたサンダールに隙を見出し、思わず斬りかかってしまったのは不覚だった。かわされたと思った瞬間から記憶がない。
 そして気が付けば今、このような形で彼に囚われているのだった。
64性(さが)02:2008/04/19(土) 01:01:04 ID:fkfE3BfM
「気分はどうかな── と聞いても、答えられないだろうね」
「ん────!!!」
 股に廻された何か紐状の物を、サンダールが尻の方へぐいと引く。ウェンディーヌは弓なりに仰け反り、躰をビクンビクンと波打たせた。
 それは生き物のように蠢いている。薄く柔らかいタイツ越しに彼女の肉芽を、花弁を、菊花をうねうねと嬲る。
甘く焦れた布越しの刺激を絶え間なく送られ続け、ウェンディーヌの秘所は体液をとめどなく垂らし続け溢れ染み出し、それをぬるりと滑らかにして一層悩ましく責め立てられる。
 一体何がどうなっているのか、気の狂いそうな快楽に蕩けてしまいそうで、憎いこの男に痴態を晒す屈辱と怒りが辛うじて彼女の理性を保っているだけだ。
「これは君のサーガインが開発した、玩具さ。一種の拷問具だよ。君も楽しみ給え」
「んぅ、ふぅん…… んんんん!!!」
 サーガインの名が出て、ウェンディーヌは不自由な身ながら思わずサンダールに飛びかかろうとして、果たせなかった。サンダールがまた紐を引き、彼女の躰が跳ねて倒れた。
65性(さが)03:2008/04/19(土) 01:05:58 ID:fkfE3BfM
 快楽はしかし彼女をけして登りつめさせることはしなかった。股を揉まれ捏ねられじりじりと盛り上がる波は、弾ける寸前で動きを止めるそれにすうっと引いてしまうのだ。
 暫くそのままで放置され、火照った豊満な肉体が打ち震える様子を眺められる。サンダールは彼女の痴態に動ずる気配もなく、ただその隻眼を鈍く光らせていた。
 何度も繰り返す波の満ち引きに脳の随まで焼かれそうになり、ウェンディーヌは知らず快楽を求めて自ら腰をくねらせ始める。
 イキたい。その想いだけが強くなる。サンダールにいいようにされている、その屈辱ですら彼女の躰を良くしていくだけになる。
「いいコだ…… ようやく本来の君に戻って来たんじゃないのか」
 サンダールは彼女を抱き起こし、その隻眼で覗き込む。ウェンディーヌは何見てるのよという反抗とまたアレを引っ張ってくれないかしらという期待を混ぜて、サンダールを見返した。
「サーガインのような馬鹿に影響されて、君も随分情が厚くなったようだが…… 本当のお前はそうではない。違うか?」
 一層低い声が耳元で囁く。息が耳朶をかすめそれが彼女を焦らした。
(本当の、わたくし……?)
 轡でも止めきれぬ涎を垂らしながら、沸騰しそうな頭でぼんやりと考える。
「蛇の性を持ち、情などなくあるのは快楽と嫉妬、利己。そこを見込まれてタウザント様に七本槍に加えて頂いたというのに、忘れてしまっては、困る」
 まして敵討などと呟いて、サンダールはウェンディーヌの大きく開いた胸元に手を差し入れた。
 ざりざりとした鮫肌が対照的な白く柔らかな肉塊を揉みしだき、思うままに形を変える。ヤスリのような指で頂を磨られその刺激に総毛立ち、感じたことのない快楽がずんと下腹に響いた。
(あ、あ…… あ…… あああああああ!!)
 カタカタと腰を震わせ股から体液が滴り落ちる。ふっと力が抜けるがそれも一瞬で、顔を上げ潤んだ瞳はサンダールにあらゆることを懇願していた。
 最早サーガインの敵を取ろうとしていた彼女はいない。快楽に包まれ目前の男だけをひたと見つめ、ただイキまくりたいだけの雌がいる。

66性(さが)04:2008/04/19(土) 01:14:26 ID:fkfE3BfM
 隻眼が満足そうにゆらめいた。胸元から衣装を引き裂き、豊満な乳房が露わになった。
腕の戒と涎でぐちょぐちょになった轡が外され、ウェンディーヌの鼻先に突き出されたのは──
 サンダールが仁王立ちで立ちはだかっている。びくびくと脈打ち赤黒くぬめるそれをうっとりと見つめ、ウェンディーヌは歓んで口に含んだ。
 口膣に吸い付けちゅうちゅうと吸い上げる。舌で脈を、筋を感じながら、これが自分のあそこへ捻じこまれめちゃくちゃにされることを想像して彼女は更に発奮した。
 口を離すとバネ仕掛けのようにぷるんと上へ向く。顔を傾け根元と袋を丁寧に舐め上げながら、彼女の手は自身の胸へ、股へと延びていった。
鼻をつく雄の臭いを胸一杯に吸い込む。たまらない。
 未だ股間に取り付けられている器具を上から抑えると、それはビクンと彼女を締める。カクカクと腰が揺れるのは止めようがない。
胸の頂を弄る自分の指はサンダールのそれと比べて刺激が少なく、彼女はそれを不満に思いながらきゅうきゅうときつくこねくり廻した。
67性(さが)05:2008/04/19(土) 01:18:31 ID:fkfE3BfM
 サンダールがその様子に気付き、口淫を止めさせる。ついと躰を離すと眼だけで彼女に続きを促した。
 床の上でM字に開脚し、さすがに少し恥じらいつつ、ウェンディーヌは再びサンダールの目前で自慰を始めた。
器具をぐいぐいと上から押さえつけ腰を揺らし、手で胸をもみくちゃにする。その遠慮のない動きを彼が小馬鹿にしたように鼻で笑ったのがわかったが、それが却って子宮にきゅんときてしまう。
 大胆に弄り幾度か達したところでふと気付くと、サンダールが乳房に手を添えていた。
またあの指でイイところをざりざりしてもらえるのかしらと期待がふくらむが、しかし彼は豊満なそれをぐいと上に押し上げ、言った。
「舐めてみろ」
「!?」
 上気した顔を一瞬きょとんとさせたウェンディーヌだったが、直ぐに意味を理解した。
自らきゅうと押し上げた乳房の先を、顎を引き舌を伸ばしてぺろりと舐める。
 乳首をなぞる自分の舌が、暖かくてとても良い。くらくらする興奮のままに、ちうと吸い付いてみた。
「ぅんん、んん────っ!!」
68性(さが)07:2008/04/19(土) 01:29:57 ID:fkfE3BfM
 ヒク、ヒクと腰が揺れる。
 やん凄い。こんなの初めて。
 夢中で己の乳房を吸い手は股間で忙しく動かしていく。
ウェンディーヌはかつて経験したことのない興奮で登りつめまた快楽を盛り上げていくことを、幾度も幾度も繰り返していった。
 時折ちらとサンダールを見ればちゃんと自分を観察してくれているようで、それがまた彼女を駆り立てる。
 白い滑らかな肌に玉の汗が踊り、粗相のように吹き出る体液が床に染みいる。
イってもイっても止めどがない──

 ちゅぱ、と乳房に吸い付いていた口を抜かれ、そこにまた先程のモノを強引に捻じ込まれた。
太く固く巨大なそれを喉奥にまで押し込まれウェンディーヌは少し咽せたが、その無理矢理さもまた彼女の興奮を高めていく。
 ひしと腰に縋りつき顔ごとゆらゆらと前後させ、サンダールに濃厚な御奉仕をし始めた。彼女の股間の器具はその間も休まず、じりじりとした快楽を与え続ける。
69性(さが)08:2008/04/19(土) 01:34:27 ID:fkfE3BfM
 ウェンディーヌの口膣に根元から先まで吸い付かれたストロークは、さすがのサンダールをも冷静ではいられなくさせる。
息を荒げ彼女の頭を掴み、桃色の髪を引き千切らんばかりにくしゃくしゃにしながらぐいぐいと激しく腰を打ち付けてきた。彼女の手に包まれた陰嚢が、次第に張りを増していく。
 ああん、来る。そう思って彼女が一際強く吸い付くと、先端から生温い体液が弾け出た。
心得たように喉を鳴らして吹き出す端から飲み下し、口中でビクンビクンと跳ねる感触を楽しみながら、張りを失っていくそれの尿道中のものまで逃さぬよう、ウェンディーヌは口に含んでちゅうちゅうと吸い続ける。
 もちろんそれは、これで終わらせぬ為でもあった。
70性(さが)09:2008/04/19(土) 01:42:45 ID:fkfE3BfM
 暫く口に含むうち、それが再び力を取り戻し始めてくる。十分と思えるまで口に入れた後、ウェンディーヌはサンダールを見上げて口を開いた。
「ね…… もういいでしょ、コレ外して頂戴」
 未だ股を甘く苛む器具を指さした。
「外してどうする?」
「どうするって…… ぁあんっ」
 また乳房の先をざりざりと磨られた。そこは感じすぎてしまうのに。
「言い給え、それを外してどうしたいんだ?」
「はぁっ、あぁっ、はっ……は、ずして……」
 胸を揉まれ弄られながらなので、ウェンディーヌはうまく言えない。
「はずしてから、これっ、を……」
 言いながら彼女は彼の股間に勃ち上がったそれをきゅっと掴んだ。
「あたくしに…… んんっ、挿れてっ、いっぱい、奥まで、めちゃくちゃにしてぇっ!」
 最後まで言うと手の中でそれがぴくりと動いたが、サンダールの口調はあくまで冷静だった。
「君は、サーガインにもそんなに淫らであられもないところを見せていたのか?」
71性(さが)10:2008/04/19(土) 01:44:57 ID:fkfE3BfM
 しかしウェンディーヌはもうその名に反応しなかった。ただ胸を揉みしだかれ欲に浮かされ、潤んだ瞳はひたすらサンダールを求めているだけだ。その様子に再び隻眼が満足そうにゆらめいた。
「いいコになった…… 御褒美をあげよう」
 器具が外され、彼女の体液で濡れそぼったそれがぴちゃりと落ちる。服は全て脱がされて、紅潮した躰全てがサンダールに晒された。
 床に四つん這いになるように言われ、ウェンディーヌは素直に従う。足を開かれ、赤く腫れ涎を垂らしてヒクヒクとしているところを後ろから覗かれた。
「随分愉しんだようだね。彼も作った甲斐があっただろう」
 言いながら肉芽をざりざりと磨られ、ウェンディーヌはひぃっと叫んだ。弄られ続けて敏感になり過ぎたそこは、サンダールの指に触れられただけで脳天まで電流を走らせる。
 ねぇはやくぅと涙声で呟きながら、白い双丘が彼の目前でゆらゆらと揺れる。それを再び鼻先で笑うと、サンダールは一気にそこを貫いた。
72性(さが)11:2008/04/19(土) 01:47:13 ID:fkfE3BfM
 きゃあと叫んで背を反らし震えたウェンディーヌの肉壷は、口膣より遙かに柔らかく強くサンダールを喰わえ込む。熱い体液を纏った肉塊が生き物のように彼にくい込み、一突きしただけでそこが極上の器と知れた。
 顎を引き一瞬強く堪えた後、望み通りに無茶苦茶に突く。突きながら乳房に、肉芽に手をやり弄ると彼女の胎内は面白い程うねり蠢いて、彼に射精を促し続けた。既に搾精器と化したウェンディーヌのそれに、それでも抗い続け突き続け、彼女の口から卑猥な言葉が出るに任せる。
 蛇の性を持つ彼女相手に、簡単に終了というわけにはいかないのだ。それでは彼女を矯正できない。自分の言うことを聞かせることができない。底なしの彼女を十二分に満足させてこそ、彼女の全てを支配することが出来るのだ。
 少しずつ、ウェンディーヌの反応が鈍ってきた。潮時と判断し内部の一点を徹底的に責め抜いていくと、再び膣が収縮し始める。
「っっ!! ぅうっ!!」
 ウェンディーヌの尻に腰を激しく叩き付け、サンダールは彼女の中に己の全てをぶちまけた。
 ビクビクと震える結合部から、呑み込み切れぬ白濁液が溢れ流れ落ちていく。
73性(さが)12:2008/04/19(土) 01:49:03 ID:fkfE3BfM
 ウェンディーヌは意識を失い、床にはたりと崩れ落ちた。だらしなく液を垂らした秘部も露わに、行為の臭いを放つ只の肉塊となった彼女を放置し、サンダールは自身の身を整える。あれ程激しいまぐわいの後だというのに疲労の跡も見せず、彼は満足そうに呟いた。
「まずは一人…… 手駒が増えたな」
 タウザントなどの為ではない。己のためにアレを手に入れ、宇宙忍者の支配者となる、その為に手段は選ばない。
 胸に野望を滾らせた男がひとり、やがて音もなく闇に姿を消していった。
<終>
74名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 12:10:25 ID:LZkIRgxw
おっ!サンダール!
GJです!
75名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:42:08 ID:nudxLHIK
初投下です。轟音赤黄を書いてみました。
赤が自分の独占欲の下に突っ走ってしまっています。
苦手な方はスルーしてください。
76独占欲と一途な乙女1:2008/04/20(日) 00:43:10 ID:nudxLHIK
 それは、ほんのささいなきっかけに過ぎなかった。
 夜、走輔は誰よりも先に眠りについていたが、一人目が覚めてしまった。喉が渇いたの
でギンジロー号のキッチンに行こうとし、ボンパーが空間を歪めて作った部屋の前を通った
時だった。
「あのね、連。あたし、好きな人がいるの」
 早輝の小さな声が、突然その扉の向こうから聞こえてきたのだ。その言葉があまりに衝
撃的であったため、走輔は目の色を変え、次の瞬間には扉にぴったりと張り付いていた。
 扉の向こうから、くぐもった連の声が聞こえる。
「そうか。それで、俺に言ったってことは、何か相談したいってことなんスね?」
「うん。連になら、話せるかなと思って……」
 このまま入っていって、早輝に問いつめても良かった。だが走輔はそうしなかった。そ
うできないほどの衝撃が脳からつま先までを駆け抜けていき、走輔の体から力が抜けてい
った。その先の二人の会話すら、耳に入ってこなくなるほどだった。
 やはり、早輝には好きな男がいたのだ。それはごく自然なことで、取り立てて何か言う
ほどのことではない。だが改めて告白しているのを聞くと、衝撃を感じずにはいられなかった。
 以前早輝を問いつめた時は、いるわけがないと言っていたはずなのに。征爾とのことに
しても、自分の勘違いで済ませられたのではなかったのか。
 走輔はその場を離れ、自分の寝室へと戻っていった。その姿は、普段の走輔からは想像
も出来ないほど、気の抜けた姿だった。
77独占欲と一途な乙女2:2008/04/20(日) 00:44:08 ID:nudxLHIK
 次の日。
 座って鏡をテーブルに置き、髪の手入れをしている早輝を、走輔は立ったままじっと見
つめていた。
 いつもと何も変わらない、早輝の行動。だがそれさえ、走輔には怪しく見えた。
 好きな男ができると、女は綺麗になるという。早輝がいつも髪型に気を遣って手入れを
しているのは、そのせいなのかもしれないと走輔は思った。寝癖が酷いからとかなんとか
言っているが、そうしているのは好きな男のために違いない、と。
 走輔があまりにじっと見つめていたので、その視線に気付いた早輝が、怪訝そうな顔で走輔を見上げた。
「どうしたの、走輔、さっきから。あたしの寝癖、まだ直ってない?」
 走輔が何故自分を見つめているかということを知るはずもない早輝は、無邪気な瞳で走
輔を見ている。走輔は突然、彼女がとてつもなく憎らしく感じられた。俺は知っているんだ。お前に好きな男がいるってことを――
 走輔は黙っているのに我慢ができなくなって、早輝の腕を強い力で掴んだ。
「ちょっと来い!」
「な、何するの、走輔!」
 走輔はそのまま、早輝を引きずってギンジロー号の中へと連れて行く。外にいた他のメ
ンバーたちが驚いた表情をしているのが見えたが、走輔は気にも留めなかった。
 早輝を自室まで引きずっていき、早輝の腕を掴んでいる方とは反対の手でドアを閉める。
「ちょっと、痛いじゃない走輔! 何するの!?」
 早輝が怒ったような声を出した。走輔はぐいと早輝に詰め寄り、早輝に負けないくらい
の強い声を出す。
「お前、好きな男がいるのか!」
「な、なんで……!?」
 走輔の予想もしない言葉に、早輝の目が大きく見開かれる。走輔はその勢いのまま、言
葉を続けた。
「お前が昨日、連に話してるのを聞いたんだよ!」
 早輝があっ、と小さな声をもらす。何のことか、すぐに気付いたようだ。
「き、聞いてたの、走輔!?」
「なあ、どうなんだ。答えろよ、早輝!」
 問い詰められた早輝は、泣きそうな顔をしていた。なかなか話し出そうとしない早輝に、
走輔は苛々した。
 早く吐いてしまえばいい。相手さえ分かれば、後はその男を引っ張ってきて、早輝にふ
さわしいかどうか確かめてやるだけだ。くだらない男なら、どんなことをしてでも早輝と
の関係を断ってやる。そんな男に、早輝をやるわけにはいかないのだ。
 早輝は唇を噛んで、未だに話し出そうとする様子は見られない。走輔はますます苛々し、
机をバンと叩いた。怯えたように、早輝の肩が震える。
 そんなに、言いたくない男なのか。それほどまでに、大切な男なのか。走輔は唇を噛ん
だ。そんな男がいる気配なんて、微塵も見せたことはなかったのに。
「答えられないのか。そんなに好きなのか、その男が!」
「ちょっと、待ってよ! お願いだから怒らないでよ、そんなに……」
「いるのか、いないのか、はっきりしてくれればいいんだ!」
 怒鳴り続ける走輔に、早輝はしばらく戸惑った表情を見せていた。視線を彷徨わせ、ど
うするか迷っているようだった。
78独占欲と一途な乙女3:2008/04/20(日) 00:45:12 ID:nudxLHIK
 だが、突然その表情が変わった。今度は早輝の方に、怒りの表情が浮かんだのだ。逆に
早輝の方が走輔を睨みながら、詰め寄ってきた。
「そうだよ、いるよ!」
「何っ!? 本当なんだな! どんな奴なんだ、そいつは!?」
 走輔は少し圧され気味になりながらも、強い口調で尋ねる。それを受けて、早輝も負け
じと言い返してきた。
「走輔なんかより格好いいし、走輔なんかより優しいし、走輔なんかより乙女心ちゃんと分かってる人!」
「な、何だとぉ……!?」
 全ての要素について自分と比較され、走輔の苛立ちは最高潮に達した。
 それでも、そこで早輝に突っかかることはしなかった。早輝に突っかかったところで意
味はない。走輔がこの怒りをぶちまけるべき相手は、その早輝の好きな男だ。
 走輔は質問を変え、再び早輝に詰め寄った。
「それで、その男とはどこまでいったんだ。まさか、キスもしたのか!?」
「な、何聞いてんのっ、バカ! そんなの、するわけないじゃない!」
「本当だな!?」
 早輝は真っ赤になりながら、強く頷く。
 今は早輝の言うことを信用するとしても、これからその男とそういう行為に及ぶことも
あるだろう。好きな者同士なら、そうならないわけがない。走輔は苦々しい顔で早輝から
顔を逸らし、呻いた。
 早輝の青春を邪魔する権利は、自分にはない。そんなことは最初から分かっていた。征
爾とのことがあった時も、走輔はそう言って早輝を応援すると決めていたくらいなのだ。
 だが、今の走輔は頭に血が上っていた。そんな余裕を見せることもできないくらい、心
が追い詰められていた。
 早輝が他の男に奪われてしまう。そんなことを、許しておくわけにはいかない。
 走輔は早輝と真っ直ぐ向き合った。早輝の強い視線と出会ったが、走輔は負けじと視線
を返す。
 ふと、走輔の頭にある考えが浮かんだ。走輔が平常心なら、そんなことを実行するのは
躊躇われただろうが、今の走輔に躊躇う余地など残っていなかった。
「なら、俺で練習しておけ!」
「ち、ちょっと、走輔……!」
 走輔は強引に早輝を引き寄せると、その唇を奪った。まるで強く跡を残すかのように、
早輝の柔らかな唇にむしゃぶりつく。早輝は苦しそうに、途切れ途切れに息を漏らした。
「や、はぁっ、は……」
 それが更に、走輔の興奮を煽った。
 走輔はついに早輝の口内に舌を入れた。早輝の舌に触れると、それはぴくりと引っ込め
られた。それでも走輔は諦めず、早輝の舌を求めて侵入した。早輝の唾液が走輔の舌にま
とわりつく。
 やがて、早輝の舌が弛緩したまま走輔の舌の前に現れた。それを感じた走輔は、待って
ましたとばかりに自分の舌と早輝の舌を絡めた。
 しばらくして早輝から顔を離すと、早輝は苦しそうな表情で荒く息を吐いていた。目に
はうっすら涙が浮かんでいる。それさえ可愛らしく見えて、走輔の心臓は高鳴った。
 早輝はまだ荒い息をしながら、走輔を睨んだ。
「バカ、走輔のバカ! いきなり、何、するの!」
「耐えられねえんだよ! お前が、別の男のもんになっちまうのが!」
 走輔の激しい声が飛んだ。早輝はえっ、と戸惑ったような表情になり、走輔を見つめて
きた。走輔の中にあった熱い感情が、先程の言葉で全て放出されてしまったような感覚が
襲った。
「そ、すけ、それ、って……」
「俺は、お前のことが好きなんだよ! だから!」
 その言葉は、走輔の口から躊躇いもなく出てきた。早輝が微かに口を開け、走輔を驚い
たような目で見つめた。
「だから、お前が別の男のものになる前に、俺が、全部奪ってやる」
 早輝の目が見開かれる。走輔はもう一度早輝の顔に近づき、唇を塞ぐ。早輝の唇は柔ら
かく、今までに感じたことのない感触だった。
79独占欲と一途な乙女4:2008/04/20(日) 00:46:09 ID:nudxLHIK
 同時に、走輔は早輝のスカートの中に手を入れる。
「ん、んんんーっ……!」
 嫌がる早輝を力で押さえ、ショーツの上から早輝の秘所をなぞる。
 すると驚いたことに、既にその場所は濡れていた。しっとりと水分を含んだショーツが、
走輔の指にぴったりとくっつく。走輔は驚いて、早輝から離れた。
「早輝、お前……濡れて……」
 早輝は涙をいっぱいに溜めた瞳で、走輔を見た。
「あたしが、誰を好きかなんて、走輔に分かる訳ないよね……」
 早輝はスカートを軽く払ってから、続けた。
「あたしの気持ちも考えないで、いきなり、こんなことしたりして……そんな走輔に、あ
たしが走輔のこと好きだって事、気付けるわけないよね!?」
「で、でも早輝、お前の好きな男は、俺より格好良くて、俺より優しい奴だって……」
「そんなの、嘘だよ。走輔があまりにもしつこく聞くから、あたしもムキになって……」
 走輔は今までの高まった気持ちはどこへやら、気の抜けた顔で早輝を見つめていた。早
輝は目尻に溜まった涙を拭い、唇を噛んで怒ったような目で走輔を見つめた。
 そう、全てはまた、走輔の勘違いだったのだ。早輝が好いている男が誰かと考えた時、
その候補の中に自分を含んで考えたことなどなかった。早輝をその架空の男に渡すまい、
渡すまいとだけ考えてきた。
 だが、早輝が向けていた好意は、誰でもない、走輔へのものだったのだ。
「連に相談したら、走輔は絶対気付いてないだろうから、はっきり言った方がいいって言
われたの。でも、なかなか決心がつかなくて言えないでいたら、走輔が、いきなり、こんな……」
「早輝、ごめん。本当に、ごめんな……」
 走輔はしゅんとなって、早輝にただ謝り続けていた。罪悪感が走輔の心に重くのしかか
った。自分はどうかしていた。本当に、その通りだ。何故早輝の話をちゃんと聞いてやろ
うとしなかったのだろう。そうしていれば、こんなふうに早輝を傷つけることもなかった
のに。
「でも、もう、いいよ。もう、あたしの気持ち、走輔に分かっちゃったし……」
 早輝は下唇を噛んだ。そんな彼女の様子を見ながら、走輔が罪悪感に苛まれ続けている
と、早輝は突然走輔の胸の中に体を寄せてきた。とくん、と走輔の心臓が跳ね上がる。そ
うして早輝は、潤んだ目で走輔を見上げた。
「いいよ、走輔、続き、して……」
「で、でも」
「いいの。あたし、走輔が好きだから……」
 罪悪感は残っていたが、他に走輔を縛っていた理性の糸が、音を立てて切れていくよう
な気がした。自分でも気付かぬうちに、走輔は早輝を抱きしめていた。
80独占欲と一途な乙女5:2008/04/20(日) 00:46:44 ID:nudxLHIK
 走輔は早輝を、自分のベッドに寝かせた。
 早輝の黄色のジャケットを脱がせると、白いポロシャツが現れる。走輔は下から手を入
れ、早輝の胸に触れた。先端に触れると、早輝が小さな声を上げた。
「や、ん……」
 走輔は右手で先端を弄びながら、ポロシャツを脱がしていく。少し手間取ったが、早輝
を覆っていた白い布がなくなって、早輝のブラジャーが現れる。走輔は後ろに手を回し、
ブラジャーのホックをゆっくりと外した。ついに早輝の胸が顕わになって、早輝は恥ずか
しそうに胸を隠す。
「や、走輔、見ないで……」
「なんでだよ。お前からして、って言ったんだぞ」
 走輔は早輝の手をゆっくりと払って、桃色の先端に口付ける。
「あっ……」
 早輝の口から小さな声がもれ、走輔はそれに動かされるようにして乳房に吸い付く。走
輔が先端を舌で転がし、吸い付く音と一緒に、早輝の声が漏れ続ける。
 走輔は一度乳房から離れると、空いている手を、今度はスカートの中に入れた。ショー
ツが先程よりも湿っている気がして、走輔は早輝の上気した顔を見つめた。
「ずっと、感じてたのか?」
「言わないで、そんなこと……」
 早輝はふるふると首を振る。その仕草が可愛く見えて、走輔の更なる興奮を煽る。ショ
ーツの中に手を入れ、走輔の指は早輝の敏感な部分に直に触れた。愛液が滴り、走輔の指
に絡みつく。秘所を指で愛撫することで、早輝の下半身からいやらしい音が響いた。
「んっ、だめ、走輔……」
「嫌なのか? 早輝」
「変に、なっちゃう……」
 真っ赤な顔をして熱い息を吐く早輝は、走輔にとっては可愛いとしか言いようがなかっ
た。走輔は胸から口を離し、早輝のスカートを脱がせ、ショーツもはぎ取ってしまった。
 早輝の顔は既に上気していたが、体もそれに負けぬくらい、赤く火照っているように感
じられた。走輔は右手を秘所のひだに沿わせたまま、早輝の唇を塞ぐ。舌を入れ、先程よ
り抵抗しなくなった早輝の舌を絡め取る。
 同時に、秘所のひだに沿わせた指を動かす。いやらしい音を立てるたび、早輝の背がの
けぞるようにしてぴくぴくと動いた。愛液が溢れだし、走輔の指を伝っていくのが分かった。
 顔を離した後、走輔は少し呻きながら、ズボンの中で張り詰めた自分のモノを見る。そ
れは逃れたいとでも言うように、大きく存在を誇張していた。走輔の額から、汗が滴った。
 ――もう、限界だな……
 走輔は手を止め、ズボンを下ろす。下着も脱ぐと、その大きくなったモノを、早輝の十
分に濡れた秘部に沈め込んだ。
「ひ、いやぁっ、そ、そうす、け……!」
 早輝が顔を歪め、体をよじらせる。走輔は優しくせねばならないと心の中で分かっては
いたが、あまりに頭に血が上ってしまっていて、本能と戦えるかどうか、不安があった。
それでもなるべく気を遣いながら、自身をゆっくりと沈めていった。
「早輝、お前が、好きだ……」
 囁くように言うと、早輝も顔を歪めたまま、こくこくと頷いた。
「あた、あたしも、好き……走輔……」
 走輔はゆっくりと腰を動かす。その度に早輝が声を上げ、走輔はあまりの気持ちよさに
眩暈がしそうになる。自身が、早輝の中に入っている。やっと、早輝と一つになれたの
だ――それだけで、走輔の興奮は最高潮に達していた。
 自分はずっと、こうなることを求めていたのだろう。早輝を心配するふりをして、手を
出す男に敵意を見せていたのは、きっとそういうことだったのだ。本当は、早輝が自分以
外の男のものになることを、誰よりも恐れていた。
 そんな独占欲が暴走した結果、こうなってしまった。
 独占欲、それは勝手な自分の欲望。
 それを早輝は受け入れてくれたのだから、自分は最高に幸運な男と思うべきだろう。今
コイントスをしたら、きっと表が出るはずだ。
「早輝、もう俺、駄目だ……」
「やぁっ、そ、走輔、ああぁぁっ……」
「早輝――!」
 走輔は早輝の名前を叫びながら、達していた。早輝の方も絶頂を迎えたのか、叫んだ後
にくにゃりと体を横たえていた。
81独占欲と一途な乙女6:2008/04/20(日) 00:47:29 ID:nudxLHIK
「走輔のバカ」
 衣服を再び身につけながら、早輝が呟く。走輔は自身も脱いだズボンを穿きながら、え、
と言った。
「いくら自分のものにしたいからって、奪っていいものと、よくないものがあるんだからね」
「わ、悪かったよ……」
 それを言われてしまうと、走輔は何も言い返せなくなってしまう。話も聞かず、勝手に
思いこんで、先に手を出してしまったのは自分なのだ。もし早輝が、本当に自分以外の男
を好いていたのだとすれば、どうなっていただろう。最悪の事態は、免れなかったはずだ。
「でも」
 早輝は黄色のジャケットを羽織ってから、走輔の方を向いた。
「ちょっとだけ、嬉しかった。走輔がそこまであたしのこと思っててくれたんだな、って思って」
 ふふ、と、早輝はいつもの笑顔を見せる。その笑顔を見て、走輔はほっと息を吐いた。
とりあえず、最悪の事態は免れたようだ。
「連たち、変に思ってるかな。走輔があたしのこと、いきなり部屋に連れ込んだから」
 早輝に言われて、そういえば、と走輔は気付く。早輝をギンジロー号の中に連れ込んだ
時、連も範人も軍平も、自分たちの方を見て驚いた顔をしていた。このまま出て行ったら、
何か問い詰められるかもしれない。
 特に連は要注意だ。早輝の気持ちを知っているのだから、自分たちの先程の行為を想像
する可能性も、ないとは言えないだろう。
「どうしよっかな。あたし、走輔に変なことされたって、言おうかな」
「お、おい、早輝!」
「冗談だよ、冗談。そんな恥ずかしいこと、みんなに言えるわけないでしょ」
 早輝はいたずらっぽい笑みを浮かべる。走輔は安心して、再びほうっと大きな息をついた。
 何か、早輝に重大な弱点を握られてしまったようだ。否、ようだ、ではなく、実際に握
られてしまったのだろうが――。
「言い訳、考えとかなきゃね」
 早輝は余裕ともとれる笑みを浮かべながら、走輔を見る。走輔はただ困った顔をするこ
としかできず、早輝から目を逸らして、はぁ、と大きな溜息を吐いた。
 今コイントスをしたら、裏が出るかもしれない――そんなことを、走輔はぼんやりと思っていた。

<終わり>
82名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 08:25:45 ID:EfP6On/X
赤黄GJ!
轟音はこのスレだと需要がないのかなぁと思っていたからうれしかったです。
今日は赤黄でがんばって戦っていたから、余計に萌えたです。
83名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 09:57:40 ID:2xDZzPPV
赤黄GJGJ
84名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 20:33:19 ID:JRcJxV4y
赤黄GJ!
赤黄読みたかったけど父娘になりそうで自分じゃ書けなかった
今日の二人でのがんばりも良かったな

でも久々の「連、かっこいい!」にも萌えた自分は節操なし
黄のエプロンが青のだったのにも萌え
さらになんとなく緑黄の距離が縮まってたのにも萌え
85名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 21:49:55 ID:GL0kV8l1
赤黄テラGj!
86名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 17:57:58 ID:amqcpluv
轟音イイっすね〜
黄は誰と絡めても違和感なさそう
まだ出てないのは黒黄?
つか、初回見て黒はてっきり黄目当てで、
轟音になりたがったと思ったんだが
87名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:21:47 ID:8En2WN4/
黒黄は、世間一般の女心は分かるつもりの黒が、実際の女性である黄色に振り回されて
「女ってやつは理屈じゃないな……。だがそれもいい」ってなるとかどうだ
88名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:39:50 ID:Ree752nB
黒は世間一般の女心は分かっているつもりなんだけど、
あの不器用ぶりを見ていると童貞じゃないかと思ってしまう。
他は非に見えるんだけどね。
89名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:34:00 ID:HAWWl8Wd
「…ガキじゃないもん…」
と言う黄に押し倒される黒というのも面白そうだ。
90名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 16:25:42 ID:gkPIKHrJ
轟音は、スマイルスマイルってほっぺつねったりとか、肩に手置いたりとか、やたらとスキンシップが多いような気がするっす。
だから、みんな仲良くじゃれあっているように見えるのかな。
91名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:53:49 ID:6ZD4m+ll
レスキューフォースはここでいいのかな?
92名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 16:15:56 ID:kYEvik2j
個人的にはここでいいように思えるけど。
どうなんでしょう?
93名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 20:27:52 ID:pP00zSkZ
投下自体は構わないと思うけど、スレタイが特撮じゃなくて戦隊だから、レスキュー好きの人がさがしづらいんじゃないかなぁ
94名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:25:29 ID:6ZD4m+ll
なるほど。ありがとう
95忍風戦隊 藍青:2008/04/29(火) 00:22:02 ID:5G+BIRHi
「そっ、コンドーム。知ってる? 窮屈になっちゃうんだけど…」 「すまん七海! それは男である俺が用意すべきものだ!!!」
俺はベッドから降りて七海の足元の床に土下座した。 「えっ!?」 七海が驚いて降りて来た。
「止めて、男の人が土下座なんて! 私から誘ったんだし一鍬が用意できる訳ないじゃない。」
「俺は書物でそれを知っていたのだ。それなのに俺は… 俺はお前をうまく抱けるかだけを心配していたのだ。」
「泣いてるの一鍬。ピンと来なかったんでしょ。だから、ねっ、ねっ、顔を上げて。」
「俺はガキじゃない、大人の男だ。いや大人の男であらねばならん。女を抱けば子ができることがあるくらい分かっている。
 あの時にお前と結ばれていたら、お前に子ができたら俺は一体どうするつもりだったのだ〜」
「一鍬… ホント言うとあの時のことは私…」 「言うな七海! そんなことはどうでもいい!」
俺は顔を上げて両手を七海の両肩に乗せまっすぐ七海の目を見た。
「男と女の間に起きることは全て男に責任があるのだ。」 「!!!(キュン)」

「すまん、俺は全然なっていない男だ。お前を抱く資格はない。」 俺は再び七海に頭を下げた。
「一鍬… これだけは聞いて。コンドームを渡してくれたのは実はおぼろさんなの。『七海と一鍬くんのためや。絶対持ってき!』って。」
「おぼろさんが…」 「どうしたらいいか分からなかったから色々相談したの。ごめんなさい。」 「…」
「『初めてだから自然な形でしたい。』って言ったらすごく怒られた。私もなっていない女なの。だからこっちで一緒に座ろう。」
七海に促されてベッドの上で二人並んで座った。 「一鍬、さっきの言葉…」
「あれは兄者の受け売りだ。俺には吐く資格は無い。俺はその意味を履き違えていた。」
「すごい一甲… 今の世の中にそんなセリフを吐ける男の人がいるだなんて。まだ胸がキュンキュン鳴ってる。」
「兄者はこう言いたかったのだ。『七海との間に起こることに全て責任を取るつもりでいろ』と。 それなのに俺は…」

気まずい雰囲気が流れた。 「うぅっ… あいこだね一鍬。どっちもどうしたら分からなくて相談したんだ。」 七海が俺の膝の上に座った。
「すまん、俺は鷹介と吼太にも教えを請うたのだ。」 「えっ!?」 七海の表情が曇った。
「すまん…」 「うぅん、いいの。きっとこれからも変わらずやっていけると思う。」
「二人とも男として本当に成長していた。俺だけが男として未熟なまま取り残されていたのだ。」 「そうは見えないけど。」
「兄者は男として俺より遥か高みにいる。俺には生涯追い付くことはできないだろう。しかし一歩でも近づきたい。」 「うん、頑張ってね。」
96忍風戦隊 藍青:2008/04/29(火) 00:24:11 ID:5G+BIRHi
「…キスしてもいい?」 「あぁ」 七海が俺に寄りかかるように接吻をした。俺の股間に掌を伸ばし一物を触り始めた。
「すっかり元気無くなっちゃったね…」 「実は事前に一本抜くことは吼太からを教わったのだ。」 「そうなの。」
「吼太には『つまらないプライドは捨てろ』『一歩下がって二歩進め』と教えられた。」 「だったら、ねっ!」
七海は俺の一物をしごき始めたが力は戻らなかった。 「ダメなの? どうしてもダメなの?」 涙ぐみ始めた。
「すまん七海、俺はお前を自分の物にしたいとしか思ってなかった。」 「そんな、そんなことないよ。」
「だが今は決してお前を失いたくないという気持ちが芽生えているのだ。」 「あぁっ、一鍬〜!」
「俺はようやくお前を抱く覚悟ができた気がする。」 「一鍬〜」
七海が俺を押し倒し上になって貪るようにキスを始めた。七海の掌の中で俺の一物が力を取り戻していった。

「もうすっかり元気になったね! コンドーム付けてあげる。」 「あぁ、すまん。」 七海が封を切ってコンドームを取り出した。
「ええと… あれ? ゴムだけど全然伸びないよ。あれれ!?」 「どうしたのだ?」
「ムリ! 見るからにムリ。一鍬の大き過ぎて入らないよ! もっと大きいサイズのじゃないと。」 「な、なに!?」 
「ここまで来て! なんで? どうして? やっぱりダメなの!?」 「落ち着け七海、コンドームはどこで売っている?」
「薬局とか… でも大きいサイズが置いてあるかな。分かんない。」 「俺が駆けずり回ってきっと買ってくる。待っていろ。」
「あぁっ、ホテル代は?」 「そんなもの俺が立て替える。」 バタバタと俺が服を着ようとしたとき
「そうだ。待って一鍬! フロントに電話してみる。」

「あの… 思ったよりずっと大きくて… その…」 七海が恥ずかしがりながらホテルの者と電話している。
「洗面台の引き出しに大きいサイズのが入ってるって。あぁ恥ずかしかった。」 「これか?」
「どんなの? うあ、『スーパービッグボーイ』だって!? お馬さんの絵が描いてある… ロコツ過ぎるw」 「俺ってそんななのか?」
「おぼろさんに『一鍬ってこーんななの』って相談したの。』 七海が両掌の指であからさまに大きさを表現する。
「でも、『まぁそういうのもおるけどな。怖がってるから大きく見えるだけや』って取り合ってくれなかったの。」
「大きくても良いとは限らんらしい。痛いだけとも書いてあった。」 「ううん、大丈夫。付けてあげるね。」
97忍風戦隊 藍青:2008/04/29(火) 00:27:28 ID:5G+BIRHi
「一鍬〜(はぁと)。気のせいじゃなくてホントに大きいんだ。さっき色々して怖くなくなったと思ったのに。」 
七海がコンドームを付けた俺の一物にほお擦りを始めた。
「私も覚悟を決めて来たんだよ。どんなに痛くても『ヤメテ』って言わないって。泣いたり喚いたりしても絶対言わないって。」
「そうか(泣くのと喚くのも止めて欲しいのだが…)。 でも無理はしないでくれ」 「だって女から誘ったんだもん。男の人に失礼過ぎるわ。」
「俺は鷹介から教わったのだ。『ベストを尽くせ』とそして『決して諦めるな』と。」 「ベストって?」
「愛撫を念入りにすると処女でも苦痛が和らぐそうだ。俺は書物で覚えたことを全て試すつもりだ。」
「ええっ!? そ、そう…」 「それでも一つになる時に耐えられない苦痛があればいつでも『ヤメテ』と言ってくれ。俺はそこで止める。」
「いいの、一鍬? 優し過ぎるよ。」 「今夜ベストを尽くすがダメでも俺は決してお前を諦めない。何度でも逢う機会を作ろう。」

「嬉しい、ありがとう。でもダメなの。」 「何故だ? 俺には七海しかいないぞ。」
「私も一鍬しか考えられない。あの日から寝ても覚めても気が付くと一鍬のことばかり考えてるの。何にも手につかないの。」 「七海…」
「だから貴方をここに連れ込んだの。もし断られたら… 土下座はしないけどw 取り乱しちゃったと思う。
だから今夜結ばれなかったら心も体もバラバラになっちゃう気がする。」
「そんなに思われているとは思わなかった…」 「ごめんなさい。プレッシャーをかけるようなことを言って。」
「いや、俺はいま根拠はないが何故か自信があるのだ。うまくできるような気がする。俺を信じて身を預けてくれ。」
俺は七海を寝かせ最後に残った下着に手を掛けた。七海は両手で顔を覆い腰を浮かせた。

最終話につづく。
98忍風戦隊 藍青:2008/04/29(火) 00:31:00 ID:5G+BIRHi
すいません。遅くなってしまって。
ほぼ最初からの予定通りだけど全然エッチじゃないですね。
一本抜くのとコンドーム付けるので2話かかってるし。
最終話はマジメにコンドーム付けてますがなるべくエッチにします。
99名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:06:32 ID:npO6vU9z
GJです。
土壇場で避妊で揉めるとこがリアルっぽいですね。
スーパービッグボーイ検索しました。
ttp://www.okamoto-condoms.com/condoms/bigboy-super.html
私には縁が無いものですが笑わせて頂きました。
ビッグボーイの鼻も何なんだ。
100名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:03:44 ID:pZK9NCgR
エロ要素はいいんだが、全体的にちょいと読みにくいな…
セリフの適度な改行と、あと(はぁと)はヤメてくれたのむ
101名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 21:44:06 ID:LIPYB4vF
おぼろさんが出てメインキャスト総動員ですね
一甲がカッコ良すぎです。
原作でも終盤丸くなってたし戦いの後はきっとモテタと思います。
102名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 02:05:10 ID:UKMdCeKt
ここ数ヶ月、保管庫の更新が無いけど、何かあったんだろうか。
細かく更新される方だったから、ちょっと心配。
単にリアルが忙しいだけならいいんだけど。
103名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 04:01:25 ID:MJHVdGU6
本気で心配なら、書かぬが吉なんじゃないかな。
人間色々と事情もあるし、更新の有無を引け目に感じて頂きたくはない。

この書き込みも負担になってしまいかも知れないけど、どうか気になさらないで頂きたい。
本当にいつもありがとうございます。
何かお手伝い出来ることがあれば仰ってください>管理人様
104名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 20:27:52 ID:j94zNbx5
今週は赤だったけど黄が風邪引いてもあんな感じで看病するのかな?
105名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 23:14:53 ID:HkYXtjEP
黄が風邪ひいたら、ボンちゃんと青以外立ち入り禁止ッスね
106名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 23:15:52 ID:fb01mP6y
おじや、ネギ、アロマ(誰がするんだろ)
それに愛の乾布摩擦でしょうか?
107名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 23:56:16 ID:HkYXtjEP
○ーメン療法ッス!
108名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:06:46 ID:sCPW7L7C
まず呼吸が楽になる塗り薬を胸元に塗りこんで
ネギをしかるべきばしょに挿し込むんだな
109忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:13:33 ID:kinkmEnP
下着を抜き取った後、七海は脚を閉じなかったが両掌で顔を隠したままだった。
顔を近づけると気配を察したのか七海の両脚がピクッと動いた。
「七海、これは…」 「…」
乾いた指でいきなり触ってはならぬ、触るときは指先を唾で湿らせてからとあったが
指を一本伸ばし七海の膣口から湿り気を借りて、微かに触れるくらいに下から上に陰核をなぞった。
七海が両膝がピクッピクッと動かし、上体をイヤイヤするように揺すった。
本当に嫌がってはいない、むしろかなり効いている感触があった。
俺は考えていた予定を飛ばしてベッドに這うようにして七海の真下から股間に顔を近づけた。
鼻の頭を膣口に付けて湿り気を付けた後、指と同じように陰核を刺激した。
そして膣口の匂いを嗅いだ。良いとも悪いとも何とも言えない思考が麻痺するような濃厚な匂いだった。
鼻を離して舌で下から上に膣口から陰核まで一気に舐めたその時、
「!? いやぁ〜っ!!!」 七海が突然腰を上げて後ろに飛びのいた。俺は顔を蹴られてしまった。

「あぁ、一鍬、ごめんなさい。でも舐めるのはヤメテ。」 「七海も俺のを口でしてくれた。だから俺も…」
「ダメ! 恥ずかしいの。顔を近づけて欲しくないの。 それに今、匂いを嗅いでたでしょう…」
「それならば指で念入りに…」 「ゆ、指でなんて…」 「時間をかけて丁寧にじっくりと…」
「見たでしょ? 私の状態。貴方とここに来てから情けないけどずっとああなの。」 「…」
「もう指なんて欲しくない。 おかしくなっちゃう。 違うのが欲しいの〜!!! うぅっ!?」
七海が再び両掌で顔を隠してしまった。今度はきつく両脚を閉じてしまった。
俺は七海の状態を察することができなかった。ただ書物に書いてあることを全部しようと思っていた。
何より七海の羞恥心がこれほど強いとは全く考えもしてなかった。俺は七海の隣に臥して耳元で囁いた。

「済まない七海、もうお前の嫌がることはしない。だから顔を隠さないでくれ。」 「…」
「接吻もダメか?」 七海が両掌を離してくれたが瞳は閉じたままだった。
俺は七海に軽く唇が触れるくらいの接吻をした。徐々に唇を重ね合う度合いを多くしながら何度もした。
やがて胸元にあった七海の両腕に力が無くなり、俺は体重を掛けないように上体を重ねていった。
舌を絡め合う頃になると七海の両脚からも力が無くなり、俺は下半身を七海の両脚の間に割り込ませた。
そして抱き合いながら互いの舌を絡め合い貪るように時間を掛けて接吻をした。
110忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:14:30 ID:kinkmEnP
「もっと、あっ…」 俺が上体を起こすと七海は今の状態に気づいて少しうろたえたようだった。
「七海、俺はお前や周りの人たちに何もかも頼り過ぎだ。最後くらいは絶対に決めてみせる!」
「うん、おぼろさんも女は力を抜いてリラックスして男の人に身を任せるしかないって言ってたよ。」
「あぁ、俺を信じて身を任せてくれ。」
「あとね、一鍬君はクソ… ううん、マジメだから楽しかったときの話でもしろって。」 「…何があるかな」
「ええといっぱいあるけどさっきのお馬さんのマークの『スーパービッグボーイ』♪ ぷぷっ。」
「あぁ、あれはひどいな。人のことを何だと。 フフフッ。」
「それから凄く一鍬カッコ良かったのに、いきなり自分でするって! アハハハハハッ。」
「うぅっ、あまり笑わないでくれ、俺は真剣だったのだ。」 
「そう! 真剣に思い詰めた顔で言うの! キャハハハハハッ!」
「ありがとう。俺も緊張がほぐれた。でもそんなに腹の皮がよじれるほど笑っていいのか?」
「あぁ、ゴメン。 ちょっと待って。ハァハァ。お待たせ。」 七海が観念したように瞳を閉じた。

俺は一物の先端に七海の膣口の湿り気を付けて上の陰核を優しく刺激した後で再び膣口にあてがった。
少し突き入れてみたが一物の先端が半分も入らない内に異物を排除するように押し戻された。
そして陰核と膣口の往復を何度かしてみた。いきなり突き破るのではなく騙し騙し入れていこうという方法だ。
七海の膣口の周りは特に柔らかくスベスベしていた。先端に温かな温もりと心地よい弾力を感じる。
周囲に次第に『女の匂い』? が充満してきて思考力が鈍るようだった。
いい方法だと思ったがもし一本抜かずコンドームを付けずにやっていたらたちまち逝ってしまっただろう。
しかしいつの間にか七海の膣口からは血が滲んできた。見ると七海はシーツをギュッと握り締めている。
そのうち一筋の血がシーツに流れ落ちた。騙し騙しではやはり無理なようだ、決断しなければ。

俺は上体を倒して七海のくびれた腰の下に両腕を回した。「痛いだろうが我慢して欲しい。」
「いいよ、一鍬。ブスットやっちゃって。 もっと近くまで来て。」 
七海が上体を起こして俺の背中に両腕を回した。 「行くぞ。」
俺は思い切って一物を七海に突き入れた。 七海が俺の背中に爪を立てる。
「あぁ〜っ! うぅっ… 痛くないよ。」 七海が瞳にいっぱい涙を溜めて言う。
一物が半分くらい七海の中に入って下に血溜りができていた。さらに根元まで入れようとすると
「一鍬ぅ〜。ちゅっちゅしよ〜」 接吻を求められ鳥がじゃれあうように軽くした。
「裂けて血が出たけど思ったより痛くなかったよ。」 「いや、まだ全部入っていないのだ。」
「ウソォ、さっき『コツン』って感じがしたよ。」 「もう半分行くぞ。」
俺は一物を根元まで突き入れた。 今度は七海に背中をガリガリと掻き毟られてしまった。
「引っ張られる!? うぁぁ〜」 「しばらく慣れるまで動かないから耐えてくれ。」
111忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:16:06 ID:kinkmEnP
それから二人で初めて一つになった感触を静かに噛み締めていた。
「温かくて凄く気持ちいいぞ、七海。 まだ痛いか?」
「血が出たとこがジンジンするけど落ち着いてきた。皮を引っ張られるようなお腹の中を圧迫される感じがする。」
「苦しいのか?」 「うぅん、あそこの中を一鍬のアレで占領されちゃった感じだけど大丈夫だよ。」
「もう動いてもいいか?」 「いいよ。」 「手の両指を重ね合おう。」 「うん。」
七海は自分の指に血が付いていることに気が付いた。
「ご、ゴメンなさい。背中大丈夫!」 「気にするな。」
俺は七海と体を密着させたまま体重をかけないように静かに上下に体を動かし始めた。

「うぅっ、あぁっ…」 痛みがあるのかときどき七海がこんなに力があるのかと思うくらいの力で俺の掌を握る。
俺は下腹部を密着させて陰核を刺激しながら「の」の字を描くように腰を動かし始めた。
七海の指に力が入らない範囲で腰の動きを次第に大胆にしていった。
「中で一鍬のアレがドクドクしてるよ。お臍の下に心臓があるみたい。温かいよ。」
「そう言う感じなのか。」 俺も気持ち良かったがこれでは逝く気がしなかった。
一本抜いたこととコンドームをつけたせいもあるだろうが何となく気持ちが昂ぶらなかった。
思ったより一体感が無かった。七海の体の中に上がり込んでただ暴れていじめているだけのような気がした。
七海に苦痛を与えず自分も逝ける方法を探さなければ… 少しずつ俺は焦り始めていた。

「一鍬ぅ〜。ちゅうしよ〜」 「あ、あぁ」
七海も女としては長身な方だが一物が全部入ったとき、俺のあごあたりに額が来ていた。
(一度入れたら抜いてはいけない。) 俺は先端だけ七海の中に残して接吻ができる位置まで下がった。
餌を待ちわびるヒナのように七海が身を乗り出して何度か軽く接吻した。
(三浅一深というのをやってみるか。) 俺は3回浅く突いたあと深く根元まで七海を突いた。
「はぁっ!?」 七海の体が激しく反応した。両膝がピクピクと動き、背筋が弓のようにしなった。
しかし掌はあまり強く握られなかった。2度3度と繰り返した。
「一鍬、それ凄くいいよ。次に来るって分かるから心の準備ができるの。」 「そうか!」
112忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:16:49 ID:kinkmEnP
俺は時々接吻したり乳首を吸ったり変化をつけながら三浅一深を繰り返した。
深く突くたびに七海はピクピクと反応し、声にも悦びがこもって来たようで俺の気持ちも昂ぶって来た。
何となく七海の中が一物を異物として排除ではなく歓迎してきているような気がした。
「一鍬、とまって。」 「!? あぁ、そうか…」 俺は七海から離れかけた。
「違うの! もうじき私、訳が分からなくなりそうだから聞いて欲しいことがあるの。」
俺が腰の動きを止めると呼吸を整えてから七海が喋りだした。
「おぼろさんから一鍬に絶対言っとけって言われたことがあったのを思い出したの。」 「おぼろさんが…」
「終わって離れるときに女の子の中にコンドームを忘れて来ちゃう男の人が多いんだって。」 「!!!」
「もしそれをされたら… わたし…」 「どうすればいいのだ!」
「簡単、終わったらすぐにコンドームの口を押さえて漏らさないように気をつけて離れるの。
 すぐしないとダメよ。いつまでもしないとアレが小さくなっちゃって取り出せなくなっちゃうことがあるんだって。」
「分かった絶対にしくじらない! 安心して身を任せてくれ。」

俺は三浅一深を再開した。七海の声も反応も深く突かれるときを期待しているようになってきた。
深く突いたとき七海の中が射精を促すように一物を締め付けるようになってきた。
一物の根元が段々熱くなるのを感じた。限界がすぐそこまできている。 「七海、逝くぞ。」
七海はもう聞こえていないようだった。俺は続けざまに激しく深く、深く七海を突いて一番深いところで腰の動きを止めた。
射精の律動が始まって七海が掌を強く握ってきた。
次の瞬間七海に包まれた俺の一物の中をいつもより数倍気持ちがいいものが通り過ぎていった。 (うぅぅ!!!)
七海の両手が脱力して俺の手から抜け落ちた。俺もあまりの気持ちよさに気が遠くなりそうだった。
今まで体重を掛けないようにしていたのに脱力して七海の上にのしかかってしまった。

(い、いかん。早くコンドームの根元を押さえねば) 頭では分かっていたが体が動かなかった。
このまま七海を抱き締めて余韻に浸りたいという狂おうしいばかりの欲求があった。
七海は焦点の定まらない目で口を半開きにしてぐったりしていた。 (七海は動けない。俺がやらねば…)
俺はようやくの思いで上体を起こし、コンドームの根元をしっかり押さえた。
(ここさえしっかり押さえれば七海の中に留まってられるのでは… いかん、七海を早く安心させねば。)
俺はコンドームをしっかり抑えて七海から離れた。そしてベッドの端に座って一物からコンドームを抜いてその口を縛った。
(ふう、分かっていたからできた。知らなければ俺も間違いなく余韻に浸ってしまってしくじっただろう。
113忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:17:52 ID:kinkmEnP
「いっぱい出たね♪」 「あぁ、気がついたのか。」 「うん。もしかしたら感じちゃったかも。凄く優しかったよ。」
七海は身を起こして俺の隣に座った。そして二人抱き合って接吻をした。
「そのコンドームと血の付いたシーツを記念にとっておきたいね。」 「いやダメだろ。それより痛くないのか?」
「当分がに股っぽくなっちゃうかな。でも大丈夫だよ。」 「そうか、でも喋りながら俺の一物を触らないでくれ。」
「触り心地いいんだもん♪ あれれ、大きくなって来たよ。どうして?」
「気分がノレば5回以上してしまう日もある。」 「男の人ってそんなにできるの!?」
「あぁ、それよりこれからどうする?」 「いつの間にか延長料金取られる時間になってる。お泊りしょう☆」
「料金は俺が建て替えておく。」 「いいのに… それよりどうかなぁ?」 「どうかなぁって、何がだ?」
「うぅぅ、コンドームまだあるよ。」 「お前こそ大丈夫なのか? 処女を失ったばかりだろ。」
「さっきみたいに優しくしてくれれば。」 「俺は忍者だから徹夜くらい平気だが。」 「私も忍者よ♪」
「そうか…」 もう一度抱き合って接吻をした。
「シャワーを交代で浴びよう。ベッドからスケスケで見られるんだよ。まず私から。」
変な作りだと思ったがそういうことか。七海がシャワーを浴びてる姿を見ていたら俺の一物にまた力がこもっていった。

[完]
114忍風戦隊 藍青:2008/05/07(水) 01:23:05 ID:kinkmEnP
遅くなって申し訳ありません。以上で完結です。
そのうち別なのも書くかも知れないので宜しくお願いします。

それから「はぁと」は激黄がダウンタウンの番組で
「せんたん(はぁと)」 「イレティ」とやってる映像を見て思わず書いてしまいました。
個人的に激黄はパスだったのですが再評価中です。
激中あれだったのにそれ以外では天然で可愛いです。

轟音も好評な割りに視聴率にまだ反映されてないとか。
何とか頑張ってくれないかなと思ってます。でわまた
115名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 06:56:58 ID:7EM4f/uJ
>激黄再評価中
あいこたんと同じ路線になるかわからんが
本編不遇でも見捨てちゃダメですな、特に黄色は。
116名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 09:24:52 ID:1pyn0FxE
ゲキ黄もアバレ黄も好きなんだけどなー。
頑張り屋の優等生なんだけどわりと天然ってけっこー萌え。
117名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 13:41:23 ID:zYzY7a6C
アバレ黒×黄って結構好きなんだ
118名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 14:16:33 ID:X/qjl/ZW
今日発売のジョンの予告写真の青に軽くめまいがした。
119名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 21:34:07 ID:Q2q8gHWO
そろそろデカの緑×桃が読みたいんですけど
120名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 02:14:43 ID:U9ueHZfp
忍風戦隊 藍青の人GJです。
ラブラブの二人がキスばかりしててエッチです。

それからおまえらクレクレいいすぎじゃねえの
ここってそう言うところなのか。
121名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 06:28:30 ID:hXhRz29c
変わった釣針だな
122名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 09:09:46 ID:AQ0dP4/g
朝っぱらからすみませんが轟音青黄です。
7レス消費。
ゴーオンゼミナールでメモを取られた青がかわいかったので、思わず書いてしまいました。
本編のイメージと違いすぎていたらすみません。
123轟音青黄「秘密ノレシピ」1:2008/05/08(木) 09:11:52 ID:AQ0dP4/g
「う、うーん。俺よりきれいに焼けるんだから、後は味付けなんだけどねぇ…。」
「えー?どうして〜。」
 早輝は納得していないようだったが、正直これほどまでにひどいとは思ってもみなかった。
 料理の特訓をしてほしい、と相談されたのは昨晩のことだ。人のいい連は「ズバリ感激っす」と快諾したが、肝心の味見役の三人が…。
「お前は、アイツの料理を食べていないから、そんなに暢気なんだ!」
と走輔に拒絶され、
「これ以上早輝の甘い料理を食べるなら餓死したほうがマジだ」
と甘いものが嫌いな軍平が悲壮な顔でいい、
「ごめん、連。協力したいけど、明日は日雇いのバイトなんだ」
と申し訳なさそうに範人に断られた。

「もう、みんな知らない!」
3人の様子を報告すると、案の定早輝はムクれたが、そこはまぁまぁとなだめる。
「こうなったら、3人をぎゃふんと言わせる料理を作って見せるといいっす。俺もそばについているから。」
 それに、妹みたいな早輝に、こうして頼られるのも悪くはない。
 メンバーの食事を作るのは苦じゃないが、女の子の手料理を食べてみたいという憧れもあった。
 こうして、オカン指導のもと、もう一度オムライスを作り始めたのだったが…。
「だから、どうして、ソースにチョコレートと砂糖を入れるんすか!」
 さすがの連も、早輝の暴君ぶりに、微笑と困惑が入り混じった顔をしている。
「もう、いいよ。連。やっぱり、あたしだと、うまくいかないのよ…」
 カタンと調理器具を置いて、ため息をつく早輝を見て、さすがに焦りすぎたと反省した。
 元々味音痴なことにコンプレックスを感じているのだ。自分を頼ってくれたということもあり、放っておくことなんて連にできる訳がない。
「わかったっす。こうなったら、秘伝のソースを伝授するっす」
「え?ほんと?」
「レシピを書くから、その通りにやってみるっす。」
 早輝の肩をポンと叩いて元気づけると、青いメモ帳と青いペンを取り出して、何かを書き始めた。
「ねぇ、連っていつもメモ帳持ち歩いているけど、どんなこと書いてるの?」
「え?そんな大したこと書いてないっすよ。」
「いいじゃない、見せて見せて〜。」
 早輝がいきなり飛びかかってきたので、びっくりして連は思わず手を離してしまった。
 青いメモ帳が開かれた状態で床に落ちるのを、すかさず早輝が拾う。
「ダ…ダメっす〜」
「いいじゃない。…わぁ、蛮機獣の似顔絵そっくり。−−え?」
「うわぁ」
 強引に奪おうとしたが、問題の部分を早輝が読み上げたので、頭を抱えるしかなかった。
124轟音青黄「秘密ノレシピ」2:2008/05/08(木) 09:14:57 ID:AQ0dP4/g
 
「『今日の早輝。いつもより肌が荒れている感じだ。もうちょっと野菜を多くしたほうがいいかな』
 『早輝の作ったケーキ、おいしかった。でも、最近範人と仲がいい。やっぱり同じ世代の方が話が合うんだろうな』
 『早輝があんなに落ち込んだの、初めて見た。走輔は父親ぶっているけど、やっぱり早輝のこと好きなんだろうか?』
 連、これって…。」
「…すまないっす。」
 連は、顔を真っ赤にしてうつむいたまま、ポツリと話し始める。
「最初はみんなのこと書いていたけど、気がついたら、早輝のことばかり書くようになって…。ただ…そばで見ているだけで満足だったんだ…。」
−−そばで見ているだけで…。
 これは、連の正直な気持ちであった。
 サーキット場で出会ってから、いつも一番近くで早輝を見ていた。
 早輝の笑顔に救われたことも何度もある。
 大切な仲間であり、妹のように愛しい存在であるが故に、連は自分の気持ちを表に出さず、ずっとメモにしたためていたのだ。
 早輝は、メモを閉じて汚れを払うと、連の手を取ってメモを握らせた。
「ありがとう。勝手に見たりしてゴメンネ」
「え?怒ってないんすか?」
「どうして?嬉しかったよ。それに連の方こそ、勝手に見たりして怒ってないの?」
「…いや、早輝が怒ってないから、嬉しかったっす。」
 二人はなんとなく見つめあったが、そのうち、プッと吹き出すように笑った。
「本当に、あんなの見られて嫌われたかと思ったっすよ。」
 大事にメモをしまう連だったが、自分の秘密を知られて、かなり動揺しているようだ。
 普段は面倒見が良くて落ち着いているのに、あたふたとしている連がかわいくて、…でもさすがに
ちょっと可哀想になったのか、早輝は話題を変えた。
「それにしてもさぁ、連の腕って、ホント細いよねぇ。あたしなんか持ち上げられないよね?」
 ポロシャツから伸びた細い腕を、まじまじと見つめる早輝に、
「何言ってるんスか。…捕まって。」
 と言いながら、早輝の脇の下と膝の下に手を入れると、横抱きに持ち上げた。
「キャッ」
 首筋を捕まえる早輝の顔が、予想以上に近くにあって、でも笑顔で見つめてくれるのが嬉しい。
「ガレージランチャーに比べたら楽勝っす」
「ありがと。連カッコいい♪」
 二人は、またお互い見つめあいながらニコニコ笑う。でもすぐに早輝の笑顔は消えた。
「…びっくりして落とさないでね。」
「え…?」
 連はもちろん、落とすようなことはしなかった。早輝の顔がどんどん近づくと、まっすぐ見つめたまますべてを受け入れる。
 瞳を閉じると、唇に早輝のやわらかい感触が伝わっていくのを感じた。

125轟音青黄「秘密ノレシピ」3:2008/05/08(木) 09:16:29 ID:AQ0dP4/g
「本当にいいの?」
「今じゃないと、みんな帰ってくるよ。」
「…そうっスね。」
 アロマオイルとクマのグッズに囲まれたベッドで、お互い正座するように向かい合う二人。
 早輝は、うつむく連の喉元に手をかけると、ポロシャツのボタンを外し始めた。
「ほら、ばんざーいして。」
 メンバーのオカンが、ここでは素直に両腕をまっすぐ伸ばし、早輝に言われるままにポロシャツを脱がされている。
 少々手こずったが、ようやくポロシャツから出された連の顔は、前髪が額を全部隠して、普段と違って、かなり幼く見えた。
 連も覚悟を決めたのか、早輝のポロシャツに恐る恐る手を伸ばすと、ボタンを外しにかかる。
「いいよ、連。自分でやるよ。」
 早輝は背を向けて、自分でポロシャツを脱いだ。そして立て膝をついて、スカートも脱いでいく。
 下着姿になっていく早輝をぼんやりと見つめたが、背中のホックが外れると、急に我慢できなくなって、自分でも驚くくらい強引に、背後から抱きしめていた。
「あっ!」
 肩からずれて用をなさなくなった下着をもどかしそうに剥ぎ取ると、早輝の胸に両手を収めて、わざと先端を尖らせるように揉みしだく。
 せつなげに喘ぐ早輝の声が聞こえると、さらに興奮して首筋に唇を当てて強く吸おうとした。
「や…やだ…っ。跡がついちゃう」
 早輝は連の頭を、無理やり引き離そうとするが、
「じゃあ、見えない所ならいいっすか?」
 耳元で低い声で囁くと、早輝は全身の力が一気に抜けたように連に、もたれかかってきた。
 早輝の長い髪を横に払うと、連は肩に顔をうずめたまま強く吸っていく。
 すでに固くなった先端は、親指と人差し指で形づけるようにこねると、早輝は自分に体重を預けたまま、素直に反応していった。
 されるがままに瞳を閉じている早輝を見ると、より彼女の女の部分を開花させたくなるのはなぜだろう?
 連は唇を外した。…腕の中の彼女は、首の付け根に自分がつけた跡を残し、ぐったりとしている。そんな早輝の後姿を見つめる連の目に、いつもの柔和なまなざしはなかった。
 
126轟音青黄「秘密ノレシピ」4:2008/05/08(木) 09:18:32 ID:AQ0dP4/g

 連は、どちらかというと恋愛に関しては、奥手な方だった。
 女性経験がないわけではない。ただ女性を抱く時、いつも心よりも頭の方が先に動いて、薀蓄に頼ったマニュアル的な愛し方になってしまった。
 どんな時でも分析してしまう悪い癖−−。
 相手を思いやって優しくすることはできても、自分の本心をさらけ出して人を愛することができない。
 薀蓄や小手先のテクニックじゃなくて、不器用でも心をこめて相手を愛せばいい…と、頭では分かっているのだが、自分の気持ちを抑えるのに慣れてしまって、結局恋愛に対してはいつも受け身だった。
 実際、早輝に対しても、妹として見ることで、今まで自分の本当の気持ちから逃げていたのだ。
 ただ、あの時…。早輝にメモ帳を拾われた時、腕づくでも取り返さなかったのは、どこかで自分の気持ちに気づいてほしかったのかもしれない。
 本能のままに人を愛せなかった男が、早輝にだけは大胆に攻めている…。そんな自分に連自身が驚いていたが、なぜそうなのか答えはなんとなく分かっていた。
−−早輝だけは…誰にも渡したくない。
他の男なら、まだ我慢できる。だけど…走輔たちには…。

 連は、右手だけ下にずらすと、彼女の手首をそっと持ち上げて顔に近づけた。
 二の腕から手首にかけて、唇をすべらすように舐めると、指先も絡めるように口に含む。
 そして、足首から太ももにかけて、肌の感触を確かめるように愛撫すると、下着越しに右手を侵入させた。
「あっ…、連…。あぁ…。」
 より高い声をあげる早輝の唇を、背後から唇で塞ぐ。今度は下着の横から直接繁みに触れると、もう十分に濡れているそこに中指を入れてみた。
 第一間接くらいだったが、思わず唇を離してよがる早輝に、連は無表情で指をさらに奥に進める。
「もう、だ、めぇ…っ。ず…ずるいよ…。連ばっかり…ずるい…。」
 左手は、固くなった胸の尖端をもてあそびながら、愛液で覆われた中指の速度を早めると、腕の中の彼女の顔はすっかり上気していて、トロンとした目で見つめていた。
「…俺のこと、嫌いになったっすか?」
 表情を変えずに、指を抜こうとしたら、泣きそうな目で彼女に首を振られる。
「好きな人にしか…カッコイイなんて言わないよ…。」
 今まで恋愛に対して消極的だった自分に、ここまで征服欲があったとは…。
「あぁっ!」
 改めて中指を奥まで入れ、親指で彼女の一番敏感な場所にある突起をはじくように動かすと、一際高い声が響いた。
「や…やだ…ずるいよ、連…。」
「だったら、やめる?」
「や…やめないで…。」
 固く身をこわばらせて耐えていた早輝の身体が、突然ガクッと反るように崩れ落ちる。
 後ろにいた連は、肩で呼吸をしている早輝の身体をそのまま受け止めると、ゆっくりと彼女の下着に手をかけた。

127轟音青黄「秘密ノレシピ」5:2008/05/08(木) 09:20:26 ID:AQ0dP4/g
 ベッドに寝かせると、顔にかかって乱れた長い髪をきれいに直す。
 連は、自分でズボンをぬぐと、こんなこともあろうかと用意しておいたものを装着し始めた。
「うわっ!」
 ここに来て、初めての早輝の反撃。
 気がついたら、早輝に両肩を強く掴まれ、ベッドの上に押し倒されていた。
「今度は、あたしの番ね。」
 普段のスマイル満開とは違う微笑みを浮かべたまま、自分を見下ろす早輝は、男を知らないと思えない一人の女になっていた。
 いるかいないかもわからないのに、そこまで調教した男に、少しだけ嫉妬する。
 すでに限界になっている屹立したものに手を添えて、早輝は膣口に導いていった。
 腰を落とす途中で、少し苦痛に顔をしかめたものの、根元までくわえると、ゆっくりと前後に腰を動かし始める。
「連…」。
「早輝って、付き合った男の人っているの?」
 野暮だと思ったが、やっぱり気になって聞いてしまった。
「教えなーい。」
 ぷいっとそっぽを向きながらも、指と指を絡めるように連の手を握り、健気に腰を動かす彼女を見たら、あまりの気持ちよさに、そんなくだらない嫉妬などどうでもよくなっていって…。
 彼女の動きが大きくなっていき、今まで無表情に攻めていた連も、深く目をつぶり、荒い呼吸を繰り返す。
 早輝は、連の上に覆いかぶさるように前に倒れた。
「あたしを、こんな風にしたのは、連のせいだからね。」
 さっきのお返しと言わんばかりに、首筋から鎖骨へと、唇を這わしていく。
 自分は特に動いてないのに、すっかり汗ばんだ身体を早輝に愛撫されると、気持ちよさ以上に照れや恥ずかしさの方に軍配があがってしまう。
 早輝が顔を上げる前に、照れくさかった感情を消し去ろうとしたが、少し遅かったようだ。
「ふふふ。かわいい。」
 妖艶な微笑みで、自分を見下ろしている早輝の表情は、普段とは別の次元で綺麗だと思った。
128轟音青黄「秘密ノレシピ」6:2008/05/08(木) 09:21:31 ID:AQ0dP4/g
「夢見ているみたいっす。」
 結合部が外れないように、連は上半身を起こすと、早輝の背中を抱き締めた。
 早輝はいたづらっぽく笑うと、「スマイルスマイル」と連のほっぺを両手でつねる。
「どう?夢だと思う?」
「夢じゃないっす。」
 先ほどの妖艶な表情とは違い、いつものスマイル満開な笑顔だった。
 今まで妹のようにしか、見ていなかったのに…。
 そんな早輝が余計いとおしくなって、彼女の顔にかかる長い髪の毛をきれいに直した。
「連…?」
 早輝の後頭部に手を回して固定させると、軽く開いたままの唇を押し付けるように重ねる。
 弱弱しく絡んでくる舌を、深くねじ込むように押し入れて、早輝の口内を堪能していった。
 離したくない…。
 その一心で、やわらかい唇を貪るように吸っていく。
 唇を離すと、早輝は首筋を絡みつけるように連を抱き締めて、腰を浮かすように動かし始めた。
「あぁ…。あん、あっ…」
 時折唇を交わしたりなどして、共に頂上を目指して…。
 連は再び仰向けになると、今度は早輝の腰に手を添えて、自分から突き上げていった。
 早輝の身体が、弓なりにそったかと思うと、今度は身体を前に倒してくる。
 その時に舞った長い髪の毛が、連の顔をムチのように当てたが、痛いどころか彼女の乱れた姿に興奮して、さらに突き上げる動きが激しくなった。
 お互いに息遣いや喘ぎ声が激しくなっていき、連も段々と頭の中が真っ白になってくる。
「さ…早輝…。」
「連…。」
「早輝…。愛してる…。」
 全てを放出した後、つぶやくように言った、いつもの語尾がない言葉。
 …初めて心から言った素直な気持ちは、果たして彼女に届いただろうか?
「あたしもだよ、連。」
 上に重なるように、連の胸板に顔をうずめたのが届いたサイン。
 連は、安堵の表情で腕を回すと、彼女の髪の毛を優しく梳いていった。
 
129轟音青黄「秘密ノレシピ」7:2008/05/08(木) 09:23:14 ID:AQ0dP4/g
「ねぇ、どうしよう。みんな、そろそろ帰ってくるよ。」
「確かに、今からぎゃふんと言わせる料理を特訓するのは難しいっすね。」
 あの後、すぐに二人ともいつもの服を着がえ、台所に戻る。
 正直言うと、快楽に身をゆだねすぎて、早輝の特訓のことなど、すっかり忘れていた。
 自分が作るべきなんだろうが、チョコレートソースなどで散乱している現場を見ると、余計に料理をする気力をなくしてしまう。
「あっ!そうだ。究極のレシピがあるっす!」
 連は、何かをひらめいたらしく、青いメモ帳を取り出すと、サラサラと書き始めた。
 早輝は、今度は奪うことはせずに、じっと連の書く様子を見守っている。
「気になるっすか?これっす。」
「わぁ!究極のレシピって、ズルい〜」
 早輝に自分の書いたページを見せると、彼女はプッと吹き出して、胸元をポカポカ叩いた。
 そんな早輝の姿がかわいくて、思わず抱き締めると、
「ダメだよ〜。みんな帰ってくるって〜」
と言いながらも嫌がってはいないようだ。
「今回は仕方ないっす。でも、これからは、愛のムチで料理の特訓っす!」
「じゃぁ、あたしの料理、愛のチカラで全部食べてね」
 チョコレートソースに手を伸ばそうとする早輝を捕まえると、すかさず唇を重ねて返事を避ける。
「フフフ。連って、やっぱりズルいよ。」
 なんだか「好き」よりも「ズルい」の方が、たくさん言われている気がするが…。
 でも、確かにコレは、究極のレシピにはズルいのかもしれない。
 机の上に置いたメモ帳に書いてある「dokidokiピザ」の名前に苦笑すると、連は改めて早輝の身体を抱き締めた。
<おわり>
130名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 09:32:19 ID:AQ0dP4/g
以上です。あと、ここに書くべきことじゃないかもしれませんが…。
保管庫の管理人さん、いつも更新お疲れ様です。
この書き込みも、負担になってしまうかもしれませんが、自分が投下した轟音に関しては、
初期で連を「僕」とか書いたりして手直ししたいので、後日修正したものをメールしますね。
全部の戦隊を管理するのは大変だと思いますが、保管庫の存在には本当に感謝しています。
もちろん気長に待ちますので、今後ともよろしくお願いいたします。
131名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 14:18:21 ID:tZ6VVDZK
轟音青黄GJでした!
この二人は、本当可愛いなぁ。ほのぼのするっす!
積極的な連も良い!
132名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 18:10:52 ID:MF+g4ECV
どっちも積極的で良いなぁ。
途中の攻め気味な黄色がエロ可愛い。GJ!
133名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 13:41:38 ID:JZw1WvsZ
>>130
つ【保管庫コメント欄】
管理人さんがお忙しい場合レスを一個一個見てないことも有りうるので、
やっぱここで業務連絡するのはアレかと思う。
134130:2008/05/09(金) 23:57:38 ID:2qhAvsM1
>>133
この場をお借りして、ちょっとお礼を書ければと思ったんですが、
欲張りすぎて業務連絡まで書いてしまい大変失礼しました。
ご指摘ありがとうございました。
135名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 12:04:47 ID:WmK/DdON
そろそろボウVSゲキのも読みだいな
136名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:58:51 ID:BC2x8O55
>>135
ゲキはCPがおもいつかん

冒険はいろいろあるが

もしかして戦隊を超えた愛が…
あるわけないか

確かに読みたいな
自分は書けないけど
137名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 07:02:48 ID:LSiIDn5v
何と言う良スレ。喜びに乗じて個人的な好みカプを全戦隊分書いてしまう強攻。
もし神々の琴線に触れるものがあれば幸い。

秘密緑桃、JAKQ赤桃、BFJ二代目米受け、電子赤桃、太陽赤白薔薇(百合)、大黒桃、
科学桃受け、超電赤桃、電撃黒白、超新緑黄、光赤黄、超獣黄青、高速赤桃、
地球赤桃、鳥人黒マリ、恐竜グリラミ、大連赤桃、忍者赤白、超力赤黄、激走青黄、
電磁黒黄、星獣騎士桃、救急青桃、未来赤桃、百獣白受け、忍風藍青、爆竜青黄、
特捜緑桃、魔法桃受け、轟轟青黄、獣拳青黄、炎神黄受け

趣味が偏ってるので、所々変な組み合わせもあるが笑って許してくれ。長々すまんかった。
138名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 08:35:41 ID:5+Mwseyg
おはようございます。
そのうちいくつかは既出なんで過去スレとか保管庫とか探してみて下さい。
SS投稿の切れ目にまとめて感想とか書いてもらってもいいですよ。
139名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 10:56:39 ID:m96UAUjV
>>137
忍者赤白と未来赤桃は読みてえええええ!

ごめん自分で書けばいいんだが
さすがに資料ないと書けないorz
おかねためて忍者と未来全話買うの待っててorz
140名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:42:01 ID:IrQcMN3D
>>137
君とは話が合いそうだ
特に特捜以降全部
141名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:43:24 ID:IrQcMN3D
連続になるが
今日、早輝、微妙に妬いてたよな?
142名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:24:14 ID:erqLs7J7
>>141
青が優しくしてたから?それとも赤がお前みたいな明るいやつ好きだぜ!とか言ってたから?
143名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 23:14:54 ID:sIYCJFIw
>>137
自分は電子赤桃が是非読みたいです。
今テレ朝チャンネルで本編が放映されているので、これから増えて欲しいけど。

…自分では未だにこちらに投下できるような話が書けませんが…orz
144名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 05:46:39 ID:LBswi6Zc
>>141
黄×緑派の俺としては来週、ケガレシアにデレデレの範人に早輝が嫉妬するという展開を期待してしまう
145名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 06:28:23 ID:dbnoCr2q
>>144
自分もエロ女教師コスのケガレシアにデレる範人の早輝の反応に
超期待しているぜ!
というか黄×緑って早輝が攻めですかw

そうだケガレシア×早輝×範人で3Pすればいいじゃないか。
146名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 12:50:55 ID:OPc3gGYX
取り敢えず、ケガレシア×さきを範人の前で繰り広げて、辛抱堪らなくなった
範人にがっつり二人共頂かれちゃえば良い!
147名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 13:55:31 ID:69EFCugK
予告や赤のブログの人の感じだと、来週は赤緑と、青黒黄に別れるみたいだね。
黒と黄色が一緒になることも少ないから、結構楽しみだ。
148名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:07:32 ID:+wFbb/Mw
俺はゴーオンを
緑×黄:高校生カップル
青:黄に気がある担任の先生
ケガレシア:緑を誘惑しようとする保健室の先生

と妄想して見ている
149保管庫の人:2008/05/13(火) 00:19:15 ID:J2weJ8dS
どうもお久しぶりです。
心配するレスなど書いていただき本当にありがとうございます。

まず更新が止まっていた言い訳を。。。
簡単に言うと専ブラの板更新を怠ったため、
最後の更新以後一切レスを見れていませんでした。
それを現在までにスレに書き込みがないとずっと勘違いしたために全スレの650以降のレスを見ていません。

先日、たまたまメールを頂いて、
「もしやスレが別にあるのでは」と思って検索にかけて今日始めてこのスレを見つけた次第です。

本当に最低な管理人で申し訳ありません。
もし、どなか前スレのログを頂けてたら、細々ですが更新を再開していこうと思います。

みなさまには本当にご迷惑をおかけしました。
なんとか追いつこうと頑張りますので、温かい目でご覧いただけたらと思います。
150名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 04:05:58 ID:5OuBRClr
>>148
余った赤と黒が本命ですね。分かります。

>>149
そんな時こそスマイルスマイル。
151名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 12:44:25 ID:OHUPHNCD
>>149
管理人さん、いつも乙です。
しかし自分も過去ログはなし、どなたか御協力を…
152名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 13:31:59 ID:zATvVRDy
>>149
>現在までにスレに書き込みがないとずっと勘違いしたために

ナカーマw
自分もつい10日ぐらい前に気付いたよ
153名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 19:20:40 ID:UcLLadgv
www3.uploader.jp/dl/DATup/DATup_uljp00003.dat.html

役に立つかもしれん
154名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 22:10:29 ID:mMGvnxYe
>>148
赤:黄の父親代わりで溺愛する兄
黒:保健の先生に気がある緑の兄
はどうでしょうか?


>>149
管理人さん、ご無事でなによりです。

>>153
GJ! 世の中には便利なもんがあるんだぁね。
155名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 23:28:36 ID:U41z1XNZ
156保管庫の人:2008/05/15(木) 00:19:16 ID:cFp7kf7b
>>153 >>155
ありがとうございます!
これでなんとか保管できそうです。

それと取り急ぎ現行スレ分を更新しましたのでお知らせします。
また気長に見てもらえればと思います。

轟音職人さんの作品については、修正が届き次第更新しますね。
157名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:31:23 ID:EyttbYQ1
保管庫管理人様、いつも本当にありがとうございます!
これからも楽しみにしています。
どうぞまったりとお続けくださいますよう、お願いいたします。

VS超力を下敷きに、忍者赤白を書いてみました。
本編38話頃の出来事との話もあるようですが、最終回後の設定にしてしまっています。
忍者はリアル以来なので、色々と違うところもあるかも知れません。すみません。
実質未遂のエロなしですが、次回に続けられるかなと目論んでいます。
よろしければ、暇つぶしにでも読んでやってください。
158忍者赤白「姫様の忍」:2008/05/16(金) 22:31:58 ID:EyttbYQ1
階段を昇りきると、木の香り漂うゲストルームがあった。
「わ、広い」
風を通すために窓を開けると、買い出し部隊の男たちを乗せたネコマルが、意気揚々と走り出して行くのが見える。
「いってらっしゃーい」
残された鶴姫は小さく手を振り、しばし爽やかな高原の風に目を閉じた。

あちこちでクレープを売り捌き、稼ぎに稼いだ夏。
途中、ふとした偶然で超力戦隊と名乗る集団と共闘したりと、5人の生活は相変わらずのドタバタぶりだった。
宵の風に冷たさが混じり、街に夏を見送る淋しさが漂い始めた頃、持ち上がった慰労の旅。
普段は贅沢など許されないところであるが、この夏は頑張ったからアリではないかと誰ともなしに言い合い、話は決まった。
こういうことになると、本当に実行の早い連中だ。結局口を挟む間もなく、このコテージに連れて来られてしまって。
「ま、いっか」
常に行動を共にしていても、旅行ということになればまた別だ。仲間たちの違う面が見えて、それはそれで楽しいかも知れない。
内心わくわくする気持ちを抱えつつ、夕方前に一通り室内の換気をしておこうと、鶴姫は次の部屋へ向かった。

「って、何でいるのあんた!」
「ここまで寝ずに運転して来てやったんだ。少しは休ませてくれ」
早口で言い返しながら、サスケはベッドの上で大の字になる。
ネコマルは妖怪なんだから、運転なんて大それたもの必要ないじゃない!そう心の中で毒づいてみるものの、荷物を運び込むよりも先に休み始めているあたり、本当に疲れているのかも知れない。
「ま…窓開けるわよ。湿っぽいでしょ」
ベッドの脇を抜けて雨戸を開くと、室内が光で満される。吹き込む風にシャツを捲られそうになって、慌てて胸元を押さえた時、鶴姫の中に一つの記憶が蘇る。
「ねぇ、まだ怒ってんの?」
まるで思考を読んだかのように、タイミングのいいサスケの発言。
が、その口調は完全にスカしたもので、心から関心を抱いている風ではなかったことが、鶴姫の苛立ちに火をつける。
「当たり前でしょ、このドスケベ!」
乱暴にドアを抜け、どすどすと音を立てて階段を降りきった。

あれは、超力戦隊と出会った日のこと。
受けた攻撃を吸収し、跳ね返しながら暴れ回る妖怪・オンブオバケへの対抗策として、サスケは美女を生贄に見立てておびき寄せることを提案した。
水着になり、河辺ではしゃぐオーイエローとオーピンク。その目を見張るほどのナイスバディを、サスケは水に潜って警備しつつ、実に楽しそうに眺めていて、鶴姫の怒りを買ったのだ。
『だってちゃんとあるんだよ…胸。いいなぁ、女って』
引き上げて説教をしたが、返って来たのはそんなぼやき。
じゃあ自分の存在は一体どうなるのかと問いかけた鶴姫に、サスケは答えにくそうに口篭っただけだった。
趣味嗜好を制限する権利はない。だがあの状況で、ああいう場において、していいことと悪いことがあるとは思わないのか。
まして、彼女たちと比べて劣るなどと言われれば…いくら強靭な自分とて、それなりに傷つく。
鶴姫は、深い深い溜息をついた。
サスケは自分の気持ちを、とうの昔に知っているはずなのに。
159忍者赤白「姫様の忍」:2008/05/16(金) 22:32:57 ID:EyttbYQ1
鶴姫の実の父親は、参謀・白面郎として妖怪界に君臨していた。
部下の命を救い、敵の弱点を探るという目的があってのことだったが、それを知るまでは娘である鶴姫にとって、まさに苦しみと葛藤の日々だった。
敵の術中に嵌って父の命を絶とうとした時、襲い来る敵をなぎ倒して鶴姫を止めに来たのは、他でもないサスケだった。
手から離れない刃を払い、動揺して感情を溢れさせた自分を受け止め、ぶっきらぼうに抱きしめてくれた腕。その深い優しさを、鶴姫は今でもありありと思い出すことが出来る。
無鉄砲で馬鹿で身勝手な癖に、突然冷静な大人の仕種で敵に相対し、メンバーをまとめ上げる。
そんなサスケを分かりづらい奴だと思うのは、分かりたいという気持ちの裏返しに違いない。

そっと指折り数えてみる。自分から、彼へと続く年月を。
「離れてる、よね」
自分がいかにリーダーとして奮闘しても、年齢差は埋めようもない。
次に鶴姫の手は、胸元へと伸びる。
豊かな肢体を晒していた、二人の女性隊員。成長途中であることを差し引いても、今後自分の胸は、あんな風に育つ見込みは薄そうだ。
触れてみると、鈍い痛みが走る。まだ未完成な身体、それすらも切ない。「大人」な彼には、身も心も、まだまだ遠く及ばな過ぎる。
結局は、好きになる資格すらないということなのだろうか。

「さすがに子供っぽかったかな…」
徐々に落ち着きを取り戻す鶴姫に、先ほどのサスケとのやりとりを振り返る余裕が生まれて来ていた。
少し迷い、その場をぐるぐると歩き回る。結局、買い出し部隊が戻る前に謝っておこうと決め、再び階段を上がって行った。

飛び出して来た時に、中途半端に開いたままになってしまったドアから、室内を覗き込む。
サスケは背を向けている。眠ってしまったのだろうか。静かに近づき、真横に立った。
「…サスケ?」
いつも賑やかに旅をしているから、誰かと二人きりの時にふさわしい声量が分からなくて、妙な掠れ声になってしまった。
小さく咳払いをしてみたが、背中は動かない。寝ているらしいと分かって一気に気が抜け、鶴姫はベッドの空いた部分に座り込んだ。
「あーヤダヤダ、もぅっ」
自らの感情を持て余し、軽く八つ当たりのゲンコツを喰らわせると、サスケは不満気な唸りと共に寝返りを打つ。そのまま、座っている鶴姫の腿に頬をくっつけて来たではないか。
「ちょっ、あんたって寝てても、誰にでもそうなの!?」
答えの代わりに、無意識に得た心地好い柔らかさに、うへへと笑う幸せそうな寝顔。
呆れるやら恥ずかしいやら腹が立つやら、色んな感情が一気に渦を巻く。彼を見下ろし、もう一発お見舞いしてやろうかと思った鶴姫だったが、今度は何もせずに拳を引っ込めた。
160忍者赤白「姫様の忍」:2008/05/16(金) 22:33:56 ID:EyttbYQ1
結構、睫毛長いな。髪も伸びて来たし。て言うか、髭が当たって痛いよ。手って、こんなに大きかったっけ?日焼けの仕方も、あたしとは全然違うや…。
いつの間にか観察を始めた鶴姫の中に、湧き起こる衝動。――触れてみたい。
そぅっと手を伸ばし、髪へ。意外と柔らかいのに切断面は粗く、ざらついた感触を指に残した。頬を掠め、立派な耳たぶを摘んでみる。
体内の血が、静かにじわじわと沸騰して行く感じ。
それは緊迫感、いや、もしかしたら興奮と言うのかも知れない。まるで変態のようだと認識しつつ、服の上から彼の胸に手を置いた。
心臓は、ここ。
心は一体、どこ?
「どう思ってるのよ、あたしのこと…」
我知らず洩らした問いに、鶴姫はハッとしながら口を押さえる。まったくどうしたんだろう、こんなに弱くなるなんて。
鼓動の激しさはピークに達して、呼吸が苦しくなった。
情けなさと恥ずかしさに、素早く身を剥がして立ち上がろうとする。

「――!!!」
その時、手首を強く掴まれ、身体が軽々とベッドに投げ出された。
「お前、一体何考えてる?」
厳しい男の声。天井を見たまま青ざめる鶴姫を囲むようにして、その主がのしかかって来た。

「やっ…、サスケ!」
両腕と足の動きを同時に封じる、実に見事な押さえ込み。
免疫のない体勢を、一番羞恥を煽られる相手に取らされて、鶴姫は動ける限り全身で抵抗を試みる。
「襲われてんのかと思った」
面白がってすらいそうな、サスケの不気味な余裕。本能が揺さぶられて、鶴姫の闘争心が掻き立てられる。
「冗談でもやめて。巨乳の女が好きなんでしょ、したいなら他所でして来なさいよ」
「そうだよなぁ。いいねー綺麗なお姉さん、実に楽しそうで」
分かってはいたが、ここまで飄々されると苛立ちも極まる。

「離して、何でこんなことするのよ!胸がないだの子供だの、散々馬鹿にしてた癖に!」
「やっぱり気にしてたんだ?ホンットにガキだな、めんどくせー」
いつも通りの減らず口。なのに最後のひと言は、凄まじいまでの破壊力をもって鶴姫の心を切り裂いて行った。
「はな…し、て…」
所詮子供扱い。こんな体勢にも、きっとサスケは何も感じていない。
崩れる表情を見られたくなくて背け、震えを悟られたくなくて声を潜める。
気を抜くと泣いてしまいそうで、鶴姫は必死で下唇を噛みしめていた。

「面倒に決まってんだろ。進もうとした途端、世の掟にも運命にも邪魔される」
片方の戒めを解き、サスケの掌が鶴姫の頬に触れる。導かれるままに再び彼を見て、鶴姫はその瞳の色に釘付けになった。
「鶴姫、幾つになった?」
「…16」
戸惑いつつも素直に答えると、サスケはそうか、と小さく呟いた。
乱暴な気配はもうない。残るのは、果てのない切なさ。
「先祖の時代は、16って言ったら立派な大人だ。嫁にだって行ける…のは、今も同じか。でも、現代においては16の女に手出すのって、犯罪だもんな」
サスケの声は段々と小さくなり、頷く隙もない。
「だから、早く育ってくれ。お前が綺麗なお姉さんになりゃ、万事解決なんだ」
「…え?」
「何だよその目は。待っててやるってんだ、感謝しろ感謝」
「待ってるって…」
悪戯っぽく笑う顔に、頬をくすぐる指先に、鶴姫はサスケの言葉を反芻する。
161忍者赤白「姫様の忍」:2008/05/16(金) 22:34:27 ID:EyttbYQ1
「ま、簡単じゃないのさ。そっちは姫様だしな、一応」
心臓をわし掴まれたような気がした。鶴姫はサスケの気まぐれに追い詰められ、真っ直ぐさに救われる。
年齢差。身分の違い。
嫌いだったからでも、無関心だったからでもない。むしろ逆だからこそ、想いと欲求が募る前に閉ざさざるを得なかった。
それは、足らぬならなくしてしまおうの心境から来たものだったのだ。

「でも、毒を食らわば皿までってことで、腹決めたから。…いい?」
嘘みたいだ。力強く頷いて腕を伸ばし、サスケの肩に巻きつけた。
糊の効いた、硬いシーツの上。
顔を上げると、生まれて初めての柔らかな感触が唇に宿る。
浅く軽く、噛みつくような危うさの後、背筋に寒気にも似たくすぐったさが走った。
僅かに目を開くと、あり得ないほど近くにサスケの顔と、閉じられた瞼がある。
そっか。キスって、目を閉じてするんだよね…。鶴姫は実感し、再び闇を引き寄せた。
見えなくなるというのは、本当はとても怖いことだ。その怖さに飛び込めるのは、相手を信じているからに他ならない。

重なった唇を熱い舌が掬い、静かに口内を探り始める。
「ん、ふっ…」
苦しさに耐えかねて呼吸をしたら、零れた自らの甘い声に、心底驚いた。
「キス、初めてした?」
「…あんたは、慣れっこなんでしょうけど」
「俺はいつでもファーストキスだって」
すかさず背中を叩いたら、サスケは困ったように眉を寄せて笑った。
「サスケ」
「ん?」
にんまりと笑う、いつもの表情。そんな彼に、幸せな気持ちを与えられているだろうかと、鶴姫は思う。
自分が嬉しいようにサスケも、本当に歓んでくれているだろうか。後悔させたりしないだろうか。
溢れんばかりの愛情が、逆に鶴姫を惑わせる。
何と言ったら伝わるかも分からないままで、口を開いた。

「離れないで、…ぎゅっとして」
それは、彼の努力すら吹き飛ばす言葉。そう分かっていても、止められなかった。
「は?」
「あたし…ちゃんと、サスケのものになりたい」
覗き込む彼の顔に、はっきりと困惑が浮かぶ。
「さっき言ったろ、ダメだって。別にこのままでも気持ちは減りやしないから、心配するな」
「分かってないわね。あたしのが減るのよ」
「…マジ?」
そんな訳がない。どんなことがあったって、サスケへの想いが変わることなんてあり得ない。
だが、鶴姫は自身の発言が真実であるかのような顔をして、サスケの袖を強く掴む。
どうしてこんなに必死になっているのか、自分でもよく分からなかった。
ただ懸命に、確かな何かを掴みたいと足掻く。
それを知ったら、サスケのことをもっと素直に愛せそうな気がして。
162忍者赤白「姫様の忍」:2008/05/16(金) 22:34:53 ID:EyttbYQ1
「あの、姫様。俺の身体、今かなり逼迫してるの知ってる?」
段々と悲痛さを帯びて来る声に、鶴姫の顔が赤くなる。花も恥じらう少女に、わざわざそんなことを知らせないで欲しい。
「優しくしてなんて言わないわよ。好きなようにどうぞ」
ためらいを吹き飛ばすかのような強気。しおらしい態度なんて、自分には似合わない。
「こらお前、本当に初心者か?肝据わり過ぎだって」
乙女ぶりと意地っぱりの対比に、我慢の限界を超えたらしい。サスケの手が裾を潜り、直に皮膚に触れて来る。
「ひっ!」
突然の行動に鶴姫は顔を引き攣らせ、手足を強張らせた。
「最後まではしないぞ。ほんのちょっと、だからな…」
今更誰への言い訳かと突っ込む間もなく、シャツを捲り上げられ、視線が下着越しの胸に寄せられる。

どうせまた、ボリュームが足りないだの何だの言うに違いない。鶴姫は反論の態勢を取り、恥ずかしさを追い遣る、が。
「めっちゃキレー…」
予想外のコメントと共に、ブラと肌の境の部分にツーッと指が伝い、次に胸全体を掴まれた。
「ぎゃーっ!」
鶴姫の悲鳴が噴出する。
「急に触んないでよ!」
「触らないでどうしろってんだ!」
一瞬の攻防。緊迫感とは裏腹に、互いの体温はすんなりと溶け合い、混ざり合う。

恥ずかしくてたまらないのに、微笑みが浮かんでしまう不思議。サスケの表情に、鶴姫の中に愛しさが溢れ出す。
大丈夫だと、強く思った。
彼なら、サスケになら、どんなことをされても変わらずにいられると。
夕方近い室内は、徐々に闇に沈みつつあった。
鶴姫は緊張と恐れを抱きつつ、その暗さを味方につけようとする。
サスケの手が背中に回り、ホックを外された。

見られること、触れること。それぞれに覚悟を固めて、再び唇を重ねた瞬間。
「着いた着いたー!」
「タダイマね〜」
「あれ、いない。鍵開けっぱで何処行ったんだぁ?」
階下で響いた声は、まるで狙いすましたようなタイミング。
「ウソ、ちょっと!」
「ぐわっ!」
慌てて起き上がる鶴姫に、頭突きをかまされたサスケが吹っ飛んだ。

その後、リビングにて。
「あー痛い。痛いなー。何でこんな怪我したんだろうなぁ俺。昼寝してただけなのになー」
物凄く白々しく、あさっての方向を見ながら言い放つサスケ。
「…何か、あったの?」
鼻血&眉間に痣のコンボの彼を介抱しつつ、サイゾウが問いかける。
「知らないわよっ。ベッドから落ちたんじゃないの!?」
不機嫌極まりない、鶴姫の一睨み。
「つーか鶴姫こそ、片付け全然出来てないじゃ、…すみません、何でもありません」
不穏な空気に、セイカイの愚痴もあっさり収束した。
何となくやりとりを理解し、とばっちりを避けるべく遠巻きになるジライヤ。
「A little knowledge is a dangerous thing…(生兵法は大怪我の基)」
その呟きが全てを物語っていることを、誰も知らない。


〈終〉
163名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:53:52 ID:3QkRQstD
>>157-167
GJ!
鶴姫の反応が可愛い過ぎる
164名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 01:06:30 ID:WYG1LAhX
>>157-162

……芸が細かくて泣くか抜くかどっちがいいかと迷ったよ!
GJGJGJ。ごめんなさい>>139です。
赤白とはリクしたものの、他の面子も大好きだったんで
ラストのドタバタが懐かしくて泣きそうになった。うまいなー。
もちろん赤白セリフには鼻血もの。
オーレンも好きだったんでつい笑ったり。

寸止めでこれかー。続編来たら死ぬかもしれん。
165名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 09:05:15 ID:7lSxLu2g
ゴーオン青黄も、カクレン赤白も、大変ぐじょぶ。
堪能いたしました。

新旧戦隊ともに、投稿が活発でいいねーいいねー
166名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 19:19:23 ID:NBuqv1f9
>>157
GJ!!
続編期待しちゃっていいっすか
167名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 21:48:12 ID:L5rgAFVE
なかなか今日の話は美味しかったZE!
168名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:36:49 ID:aKYL1doW
緑ケガレシアフラグが立った
それと同時に青黄がまた甘酸っぱいムードを出し始めたなw
169名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 22:56:54 ID:QLdSDeNi
緑×黄派の俺にとっては今日の話はちょっとショック

でもまだまだ2人の絡みは今後もあると思うからあきらめない
170名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:00:08 ID:5qnakbb4
緑の恋バナにも、寛容だったのが意外というか、ちと寂しがった>黄
まだ先週の青に対しての方が嫉妬していたように見える。
171百獣戦隊 銀白:2008/05/19(月) 01:16:51 ID:GnkupqvD
補完庫に今まで投稿SSが無い作品なので挑戦してみます。

作品の最終盤にガオホワイト(大河冴)はガオシルバー(大神月麿)と
「戦いが終わったら二人で温泉旅行に行きましょう」と約束しますが
劇中実際に達成されたか触れられていないのでずっと気になってました。

平安時代の風俗とか改めて調べてみると怪しいことが多いのですが
そんなものかと流して下さいねw
それから某所で本編や終了後のOVAをチェックしましたが
銀が白を名前で読んでるシーンは無しです。あったら間抜け過ぎるw

台詞ばかりですがエピローグなので(汗)
冴視点にせざるを得なかったのですがエロ可愛くしたいと思います。
172百獣戦隊 銀白:2008/05/19(月) 01:17:39 ID:GnkupqvD
エピローグ

オルグとの最終決戦のあと私は月麿さんとの約束通り二人で温泉旅行に行きました。
私自身この旅が生涯忘れられないものになるとは思っていませんでした。

「ありがとう。この温泉は万葉集にも詠われているのだ。俺も千年前に入ったことがある。」
「そうなんですか! 私そんなこと全然知らずに予約しました。」
あの口数の少なかった月麿さんとは思えないほどバス内での会話は弾みました。
月麿さんは博学で色々なことを知っていて意外な一面を見られて本当に楽しかったです。

「月麿さんは私のこと全然子供扱いしませんね。私みんなから子供扱いされていたから嬉しくて。」
「あぁ、平安時代の女は身の丈5尺もあれば大きかった。あの… ホワイトは5尺あるのだろう。」
「はい、じゃあ月麿さんはかなり大きかったんですね。私は身長も低いけど年齢も一番下だったし。」
「あぁ、身の丈6尺は大男だった。あの… ホワイトは17歳なのだろう。平安では結婚してる大人の女だ。」
月麿さんは私に名前を呼ばれるたびに少し恥ずかしげでした。それに私のことを「冴」と呼んでくれませんでした。

私達ガオレンジャー6人はそれぞれ名前と過去を捨てて地球の命を守るために戦いました。
しかし最終決戦のときにお互いの本当の名前を名乗り合いました。そのことが今でもお互いの絆を深めています。

「月麿さん、どうして私のことを『冴』と呼んでくれないのですか? それに私に名前を呼ばれることがいやですか?」
「いや、それは、あの…」 
「他の4人は私のことを名前でちゃんと呼んでくれます。それに他の4人に名前を呼ばれるときは平気ですよね。」
「それは貴女が女で、俺が平安人だからだ。」
「えっ! それはどういう?」
「平安の世では親子でない場合、男と女が本当の名前で呼び合うことは夫婦であること、または本気であることを意味したのだ。」
「それって!?」(お互いに本当の名前を知らずにあだ名で呼び合う源氏物語の世界…)

「だから俺は貴女を名前で呼ぶことはできない。」 「でも今さら『ホワイト』は…」
「『大河殿』ならどうだろう?」 「せめて『大河さん』にして下さい。」 「分かった。」
「私が『月麿さん』と呼ぶのは駄目ですか?」 「いや、女性に名前を呼ばれると少し照れてしまうが構わない。」
私は胸の中にチラチラと火が点るのを感じました。

「ごめんなさい、こんなこと聞いて。月麿さんはもしかして千年前に色んな女の人達とあだ名で呼び合って…」
「戦いの無いときは毎晩そればかりしていた。今のように楽しいことが多くなかったからな。」
「えっ!? そうなんですか…」 自分でも何故落胆するんだろうと思いました。
「じゃ女の人と本当の名前で呼び合ったことは… ヒッ!?」
月麿さんの目が急に狼のように怖くなって私は身がすくんでしまいました。
「済まない。そのことは聞かないでくれ。」 「私の方こそ失礼なことを聞いてごめんなさい。」
それから話題を変えて目的地まで楽しく会話ができました。
でも私の胸の中ではユラユラと炎が燃えていました。 何も知らない私にもそれが何であるのかはっきり分かりました。
173百獣戦隊 銀白:2008/05/19(月) 19:15:17 ID:dMU6ob9B
ごめんなさい。
エピローグとプロローグ間違えました。プロローグです。
174名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 06:21:14 ID:Wt3OpRl1
よくそういうとこに目が行きますね。
細かいミスをあげつらうバカはいないのでエロ重視でどうか。
175名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 12:22:34 ID:Jeid8hPp
>>171
掴みはいいと思うよ。
でも、最後に「続」なり「終」なり書かないと、後の人がレスを付けにくいと思うよ。
あとエロなしなら、前書きで書いてもらいたかったかな。
エロがあるつもりで読んじゃうから。
176百獣戦隊 銀白:2008/05/21(水) 00:53:56 ID:99+NvL4K
すいません。以後気をつけます。
それにOVAではなくVシネマですよね。

前編は導入部で非エロです。
中編(小エロ?)、後編(並エロ?)に続く予定です。
177百獣戦隊 銀白:2008/05/21(水) 00:56:08 ID:99+NvL4K
前編(172の続き)

旅館に着くとまず温泉に入りました。まだ早い時間だったのでは他に誰もいませんでした。
嬉しそうな月麿さんと壁越しにお話しながら私は念入りに体を磨いてました。
浴衣に着替えて和気藹々と向き合って食事をしながら無い知恵を絞って作戦を立ててました。
そのあと私はフロントに行って退路を断ってきました。体一つでぶつかるしかないという結論でした。

「大河さんどこに行っていたのだ? 寝るにはまだ早い。あの卓球というものをしたいのだ!」
月麿さんが少年のような目をして私の手を握ってしきりに引っ張って行こうとしました。
「色んなことに興味を持つんですね。それより私と部屋で今夜しかできない遊びをしませんか?」
「何の遊びだ?」 「部屋に着くまで秘密です、月麿さん。」
手をつないで部屋まで廊下を歩いて行きました。私の胸は幸福感と不安感で押し潰されそうでした。

「先ほど食事した部屋だが布団が二枚敷いてあるぞ。もう一つ部屋を取ったはずだが。」
「もう一つはキャンセルして来ました。布団は一枚しか使いませんけど。音は外に漏れないそうです。」
私は布団の上まで行ってニッコリしながら手招きしました。 「どうぞ。」
「大河さん、悪ふざけが過ぎるぞ!」 「バスでの話を聞いたらお困りじゃないかと思って…」
「余計な気を回さないでくれ!」 「テトムの代わりにはなりませんけど私と遊びで…」
「違う! 俺の思い人はムラサキ殿だ。」 「そんな千年も…」 私は慌てて口をつぐみました。

「千年封印されてた俺には未だに忘れられないのだ。」 「…テトムは?」 恐る恐る聞きました。
「俺がテトムにムラサキ殿の面影を重ねずに居られるようになった途端、テトムは俺と距離を置き始めたのだ!」
月麿さんとテトムの間には誰にも割って入れないような雰囲気がありました。
私が月麿さんにちょっかいを出せるようになったのも二人の間の微妙な変化があったからです。
「ガオの巫女と戦士は決して結ばれぬさだめなのだ。」 私はここで退いてはいけないと気持ちを奮い立たせました。

「体の欲求はありますよね? 良かったら私で…」 「要らぬ心配だ。本当に困ってなどいないのだ。」
「貴方なら声を掛ければ、黙っていても…」 「勘違いするな。俺は封印を解かれてから一度も女と寝ていない。」
「ええっ!? 現代の女性はお気に召さないのですか?」 「今は写真があるからな。動くのもある。」
「それって、自分で!?」 「最近インターネットも始めたぞ。あれがあると本を読みに行かずにすむ。」
今思えば月麿さんの現代への適応の速さは異常でした。でもいくらでも相手は見つかりそうな人なのに…
178百獣戦隊 銀白:2008/05/21(水) 00:57:15 ID:99+NvL4K
「でもお嫌いではないのですよね?」 「あぁ、でも正直めんどくさいのだ。」
「めんどくさい!?」 「それに俺は貴女を女として見たことはない。」 
「貴方までそんな風に私を〜!」 「貴女は女を捨てたのだろう?」
「違います! 捨ててません!!!」 「すまん。あいつと同じだと思っていたのだ。」
私の脳裏に平安時代の武士の格好をした細身で小柄な人のイメージが一瞬浮かびました。
「でも決して浮ついてたわけではありません。私は必死で戦いました。」 「分かってる。とにかく駄目だ。俺は野宿する。」

絶対に断られるだろうと思ってました。でもまさかこんな屈辱を受けるとは。私は怒りで体が震えてきました。
「貴方は堕落しています!」 「堕落だと! 俺は今でも戦士としての鍛錬を欠かしていない!!!」
「いえ、今の男の人が…」 「俺が見たところ今の日の本の男は堕落などしていない。平安人よりずっと働いてるぞ!」
「えっ、そんな!?」 私はあっという間に気圧されてしまいました。
「あぁ電灯があるから昼も夜も無く働いている。休みもろくに取らぬ者も多い! これで夜の務めなど出来る訳が無い!」
「…でも貴方は別の思い人を見つけた方が…」 「黙れぇ〜! 思い人が何人も居るものか!!!」

私は月麿さんの戦士の誇りと胸にしまってある大事な物を傷つけてしまいました。怖いときの月麿さんにタジタジでした。
「貴女と寝ても空しいだけだ! 帰るぞ!!!」 「うぅっ…帰らないで下さい…」 「大河さん!?」
「空しい」と言葉が胸に突き刺さり、私はポロポロと涙を流してました。月麿さんは慌てて私のいる布団の上まできました。
「すまん大河さん。言い過ぎてしまった。どうか泣かないで欲しい。」 「…空しいだなんて…ひどい…」
後から後から涙が溢れて頬を伝いました。月麿さんはただ困った顔をしてオロオロとしてました。

「でも貴女と寝たことが皆に知れたら俺は皆に合わす顔が無い。」 「絶対口が裂けてもいいません。」
「テトムに悟られたら、俺は…」 「大丈夫です。心配無いですよ。」(テトム、ごめんなさいね。)
もう絶対ダメだと思ったのに。今も昔も涙は女の最大の武器のようです。後は望みを叶えられればと思いました。

【続く】
179百獣戦隊 銀白:2008/05/24(土) 10:47:43 ID:HoDI7vHf
すいません。
所用ができてしまって残りの投稿が日曜日の夜くらいになります。
スレをストップさせているみたいですいません。
次は何日くらいになると書くべきでした。
ゴーオンの話題や他のSSがあると思いますのでどうかお気遣いなく。

白の人は可愛らしかったのに主役回が少なくて残念でした。
赤相手に拗ねるエピソードが印象に残っていて
どうかなと思ったのですが泣き落としという落ちにしました。
銀の人も現代に馴染めずにボケをかますエピソードがもっと欲しかったです。
それと原作終盤ではもうちょっと意識してた気がするので失敗してしまったかも知れません。
180百獣戦隊 銀白:2008/05/25(日) 19:40:48 ID:XBagtf+b
中編です。挿入前の全身サービスなので微エロくらいだと思います。
何度か書き直しをしたけれど正直難しかったです。

後編は百獣合体にするか別にするか考慮中です。2日後くらいになりそうです。
並エロくらいにしたいと思います。
181百獣戦隊 銀白:2008/05/25(日) 19:41:22 ID:XBagtf+b
「そうじっと見つめられると照れてしまう。電灯を消してもよいか?」
「ごめんなさい。私は月麿さんの顔が見えないと不安です。」
「そうか。昔は暗くて夜這いの先をよく間違えたのだ。」 「えっ! どうなるんですか?」
「決まって 『女に恥をかかせるのか!』と迫られてしまうのだ。」 「ププッ」
月麿さんを逃すまいと必死な人のイメージが浮かんで思わず笑ってしまいました。自分も泣いて困らせたのに…
「はっ! それでは無理やりされてしまうこともあるのでは!」 
「それをやったらどこへも出入り禁止だ。地位も危うくなる。互いの同意が得られたときは向き合って礼をするのだ。
 それで身分の上下も世俗の因縁もなしになる。そしてそのことは他言無用だ。」 「はい、分かりました。」

「では、宜しくお願いいたします。」 月麿さんは正座して私にペコリとお辞儀をしました。
私は慌てて座りなおして三つ指を付いて返礼しました。 「こちらこそ。ふつつか者ですが宜しくお願いいたします。」
これでいいのかなと顔を上げると月麿さんはもう浴衣を脱いでいて、引き締まった体に私はドキリとしました。
素早くにじり寄られ互いに両膝を付いたままギュッと抱き締められ、あっという間に初めての唇を奪われました。
「うぅ、んっ〜」 舌を入れられてジタバタしながらも思わず口を閉じそうになるのをこらえました。
浴衣を脱がされながら私の舌はあっという間に捕まって嘗め回され全身がガクガクと震えました。

「はぁ、はぁ、ええっ!」 いつの間にか付けてたはずのブラジャーを外されていて思わず両腕で胸を隠しました。
「大河さんはやはり生娘なのか… 大丈夫、何度か相手をしたことがある。」 月麿さんは少し大変だなという顔をしただけでした。
私は自分に自信がありませんでしたが処女だから月麿さんが喜んでくれるのではないかと淡い期待をしてました。
でも平安人にとって処女は価値が無いのかも知れません。そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

「ごめんなさい。無理なお願いをして。でもまた『風を感じた』とどこかに行ってしまうのでしょう?」
「そういうことは忘れて存分に楽しもう。礼を交わした以上は貴女のことだけを思ってきっちりやることはやるぞ。」
どこかに行くことを否定してもらいたかったのですが私は今夜だけチャンスがあるとプラスに考えることにしました。
「分かりました。平安時代にもキスはあったのですね。」 「人前でする者は居なかったがな。仰向けに寝てもらえないか。」

胸を隠さないようにしてその通りにすると月麿さんは私の頭の上の方に回りこみました。何をされるのだろう…
二度目のキスをされました。ただ目の前にあるのは月麿さんの喉仏で私の舌にはさっきよりもずっと強い刺激が走りました。
舌の表と表、ザラザラした方が火が出るように激しくこすり合わされて舌に電流が走るようでした。
舌の付け根ばかりか首の後ろの方まで痺れて、私は両手で布団をギュット握り締め、脚を指の先までピンと伸ばしてしまいました。
月麿さんが離れても私は唇と舌が痺れて、それに思考が麻痺して言葉を発することができませんでした。

それから月麿さんは布団の方に戻り私の首筋や鎖骨の辺り、耳の後ろなど普段自分でも触らない部分を舐め始めました。
一度唾液がついた部分は指で優しく撫でられ、私は声も出せないまま歯をカチカチと鳴らしてピクピクと反応しました。
手の指を一本ずつ、肘の内側や脇の下まで丹念に舐められ、私は体を念入りに磨いておいて本当に良かったと思いました。
胸の辺りもその頂点を除いて舌と指でくまなく。乳首にはいつ来るんだろうと私は期待で震えてました。
「お、お上手なんですね。」 ようやく痺れが取れて私は喋れるようになりました。
「夜になると暗くて他にやることが無く、こればかりしていたからな。誰でも場数を踏めばこれくらいできるのだ。」
182百獣戦隊 銀白:2008/05/25(日) 19:42:51 ID:XBagtf+b
そればかりではないと思いました。唇と指の動きが笛を吹くときを思わせる繊細な動きでした。
それに私がピクッと反応した部分を全て覚えていて全体の構成を考えたり緩急をつけたりしているようでした。
私はビリヤードの球のように月麿さんの思いのままにあっちにコロコロ、こっちにコロコロと転がされてました。
片方の乳首を指で転がされ、もう片方に吸い付かれて舌で転がされると胸の先に火が点いたように熱くて私は首を左右に振って悶絶しました。
背筋を弓のようにしならせていると、月麿さんはもう片方の手の指を一本、私のお臍の中に入れてコネコネし始めました。
たちまちお腹の辺りが気持ちよくなりましたが、その気持ち良い指がお臍を離れ辺りを撫で回しながら下の方に降りていきました。

「月麿さん! 声を大きく出す女ははしたないですか?」 たまらない気持ちになって思わず聞いてしまいました。
「今も昔も人それぞれだと思うぞ。大河さんの声は可愛いから我慢することはないぞ。」 安心しました、少し嬉しかったです。
月麿さんは私のお臍の中を舐め始めました。 たまらなく気持ちよくて私が腹筋をピクピク震わせて反応していると
いつの間にか履いていたパンティを脱がされていて大事な部分が無防備になってました。
月麿さんは片手で私の片脚を抱えて脚の裏やその指を一本一本嘗め回し始めました。もう片方の腕は私の両脚の内股辺りを撫で回してます。

脚もたまらなく気持ち良かったのですが、私は月麿さんが私の脚の間をチラチラと観察していることに気づきました。
恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかったのですがもうじき指と舌があそこに来ると思うと… お臍でもあんなに気持ち良かったのに…
自分がどうなってしまうのか不安でしたが遂に月麿さんの指が私の大事な部分のほとりを優しく撫で回しました。
そして私の膝の後ろや内腿辺りを嘗め回していた月麿さんが顔を離して私のもう片方の脚に移ったのに一瞬気を取られたときに
一本の指が私の中に入ってきました。私は思わず声を張り上げてしまい体を激しく揺すってしまいました。

「ご、ごめんなさい。」 私は月麿さんが脚を舐めているのを邪魔しないように体を動かすのを必死で我慢しました。
私の大事な部分はクチャクチャとだらしのない湿った音を立ててました。月麿さんは私の内腿あたりを舐めながらその音を聞いています。
グチャグチャに濡れているあそこをもうじき味覚で観察されてしまうと思うと私は消え入りたいほど恥ずかしかったです。
月麿さんが私の両太腿を両腕で抱えると、私は思わず両手で顔を隠してイヤイヤを始めてしまいました。
月麿さんは私の大事な部分の下を丹念に舐め始ました。そして徐々に上の方へ移り、入り口の周辺を舌の先で一周二周となぞりました。

私の大事な部分は月麿さんの唇で塞がれました。月麿さんの舌が私の小さな突起を下から上に数回舐め上げたあとその下に潜りました。
ザラザラした温かい濡れた物が這い回る感触に私は手足をジタバタさせて人の声にならない鳴き声を何度も張り上げました。
思わず腰を振って月麿さんを振りほどこうとしてしまいましたが逃れることはできませんでした。
「ピチャピチャ」と猫がお皿のミルクを舐めるような音を立てて月麿さんは私のあそこをじっくりと舐め続けてました。

月麿さんが私の股間から顔を上げたとき、私は全身がポカポカと温まり、大事な部分には温かい水が溜まっているのを感じました。
次は指や舌よりももっと凄い、私の全てを書き換えてしまう物が来ることが分かっていました。
私は顔から両手を離し、両目を閉じて胸の間に両手を静かに重ねて来るべきときを待ってました。
「大河さん、そこに四つん這いになってくれないか?」 「えっ!? それって、もしかして後ろから…」
「そうだ。どうしても先が入るときは痛いが貴女の背中を舐めたりしてなるべく痛みを感じないようにするから心配しないで欲しい。」
「背中…」 期待で背筋がゾクゾクっとしました。でもどうしてもその体勢は抵抗がありました。

【続く】
183名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 14:44:19 ID:pPUPj4Em
KY
184名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 08:09:46 ID:Svcg0ddV
もう書かないでいいよ
185名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 11:01:55 ID:L48vy+yx
なんというか、英文を翻訳したような文だな
もうちょっと砕けて書いたほうが読みやすいかもしれん
186名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 11:56:36 ID:PFo9t1zo
この作品が百獣白の一人称の話というのを抜きにしても、白の言葉遣いや地の
文でのモノローグが何か丁寧すぎて、本編を見ていた者としてはどうも違和
感も…。
あとは>185に同意で、もうちょっと砕けた文章にした方が読みやすくなるの
ではないかと思う。

ともあれ中編のままで未完になってしまっても消化不良になってしまうので、
>>180には後編まで書ききってもらいたいが。
187名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:14:02 ID:YYWzCtnn
>>185
そういうレベルの問題じゃないと思った。
余所からのコピペですまんが↓の意見がぴったり来るなあ。

> SSだって絵と同じだよ。書けない人は本当に書けない。

> 例えば、よくバラエティ番組とかで見るとおもうんだけど、
> 絵の書けない人って、対象の特徴が全く反映されてないような絵を描くでしょう?
> それは、視覚情報の中なら、その対象を表すのに必要な部分がどこなのかかを選び取ることが苦手だからだと思うんだよね。

> それと同じように、SSを書けないって人は、
> 話を語るのに何が必要で何が不要なのか、情報の取捨選択が出来ないんだよ。
> だから必要な情報を限りなく削ぎ落とした台本形式になったり、
> 逆に冗長すぎて日本語が破綻した文章になったりするんだと思う。
188名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:23:51 ID:XPW3yRhD
おいおい、いくら何でも雰囲気悪すぎだぞ。
他に投下待ちの方もいるかも知れないんだし、これじゃいい方向に進まないだろ。
とりあえずみんな、もちついてマターリ汁。
スマイルスマイルだ。
189名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 12:51:55 ID:L48vy+yx
空気悪くするのに荷担したようですまん。
ただ、描写は丁寧なのに書き方で損してるな、と思ったんだ
190名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:29:27 ID:L48vy+yx
一つ一つのエピソードが面白くて上手にストーリーができているけど
残念ながら詰め込み過ぎな感じもする。
男女二人しかいないのでそこまで丁寧に書く必要もない。
分からない奴、曲解する奴は気にしないつもりで書いていいと思う。

ガオホワイトは色んな意味でもったいなかった。
本編でも目立つシーンが少なかったし、いつも同じ服装だった。
ハリケンブルー以降は全員芸能活動してるのに。
191190:2008/05/27(火) 19:55:00 ID:L48vy+yx
189は俺じゃないのだけど。ID一緒になることがあるのかな。
192名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:26:51 ID:9VyqWQHd
俺は、こういう丁寧な文体好きだよ。
百獣は通して見てないけど、引き込まれた。
むしろ分割投下するなとまでは言わないけど、1レス、2レス、2レスに分けて投下されると、他の投下待ちの職人さんがやりづらいと思う。
後編がどのくらいの量かわからないけど、五レスくらいなら書き上げてから投下してほしいな。
193名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:47:56 ID:9Dvuw4os
ここは何だか定期的に荒れるねぇ。
でも今回は結局のところ>>192に尽きるかな。完成後の投下であればこういう流れにはならなかったんじゃないか。

だけど、読み手にも責任はあると思う。
こんな流れだとこの短時間でも意見投下されまくりなのに、それに比べて職人さんへのGJコールが毎回少なくないか。
本体が長いシリーズだから、贔屓作品のSSがなかなかないってのはあるかもしれないけど、
もう少し互いに盛り上げて行きたいよ。

最後に職人さんへ。
ガオ白は見たことないけど、思いの描写が丁寧でイイと思います。
ぜひ思いを叶えてほしいので、すぐじゃなくてもいいので投下待ってます。
194名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 07:16:27 ID:lQyWIFdp
丁寧過ぎる感じはあるけど
女の子の日記を盗み読みしたら全身リップされたことが書いてあったみたいだ。
違和感がある人はガオホワイトの日記だと思って読めば。
舌の表と表のキスは試してみたいが相手がいない。
195名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 18:15:00 ID:g7DZBnIR
>>190
ガオホワイトの中の人はたしか冴やったおかげで注目されすぎてそれがプレッシャーになって辞めてしまった
という主旨のインタビューが特撮誌に載ってた覚えが
196名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:40:06 ID:C0Gpq/WM
えっ、みおたん辞めたのか
197名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 20:27:28 ID:aJSw6meq
マジレスなのか?
ガオ撮影中からストーカーに悩まされてたという噂もあった。
一年くらい心身の不調を理由に自宅療養したが残念ながら復帰せず。
タイムピンクのでき婚と同じくらい特撮好きの間では話題になったはずだ。
こんなに冴の話できる人がいるならレスつけたのに。誰もレスつけないから遠慮してしまったよ。
鮮烈の銀狼と麗しの白虎の百獣合体激しく希望。
198名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:21:44 ID:C0Gpq/WM
灼熱の獅子の中身もストーカーに悩まされてたらしいよな
199名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 05:44:35 ID:ZGfuxKH0
なんだガオホワイトについて語れるROM(非書き手)こんなにいたのか。
荒れたときだけ出てくるな。まさに後の祭り。
これでは他の作品の投下もしばらく無いぞ。
200名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 06:32:57 ID:lC6bHml1
SS読むより空気読むのを重視してる読み手が多いのに驚いたよ。
いいと思ったらGJする、これって当たり前じゃなかったんだ…
201名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 12:12:47 ID:ACM1PXYt
一つ書き切ってみないか?
202名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 13:05:52 ID:uaqrndsy
>>193
>こんな流れだとこの短時間でも意見投下されまくりなのに、それに比べて職人さんへのGJコールが毎回少なくないか。

単純に二年前に比べて住民が少なくなったかと思ったんだけど、そうでもなかったんだね。
正直、他のスレと比べて投下があるだけでもありがたいと思っている。
過去戦隊はもちろん、轟音も金銀加入でカップリングが増えるから、これから少しでも盛り上がるといいな。

203名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:02:52 ID:vyR4JMvY
言い訳をさせてもらうと
原作をよく見てそうな書き手だとレスをためらっちゃうんだ。
凝った設定ならなおさら、下手なことは言えないと思ってしまう。
大丈夫、乞食ばかりになると働いてみようかという乞食が出てくるって良く言うじゃない。
失敗すると他の乞食に笑われるんだ。
204名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 23:15:13 ID:MFdWs+91
言ってる意味がわかんない
とりあえず銀白書いた人は原作は見てるんだろうけど
まずは半年ROMれと言いたい。
205名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 05:34:50 ID:h7CXz5GS
銀白だけど、〜ました。が多かったので読みにくいかな。
206名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 08:07:11 ID:YWwNHffU
「私」の視点で書くなら、キャラの口調を真似る感じがいいと思う。
207名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 23:03:03 ID:yLpNY/eC
>>204
> まずは半年ROMれと言いたい。

その半年の間に本を100冊読むといい。ケータイ小説やラノベは読むなとは言わないが、その枠外でよろしく。
208名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 09:33:55 ID:1qXnmWE/
黒と黄が異性の組み合わせの場合、何らかの展開を期待してしまう自分
ウナギのシーンで黒の後ろに隠れてた黄に萌えてしまった
209名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 10:44:02 ID:aX0rwkme
来週登場の金銀兄妹に期待
210名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 12:43:43 ID:fsH5V/TM
本スレにあったけど、ギンジロー号のラブワゴン化にワロた
211百獣戦隊 銀白:2008/06/01(日) 23:55:37 ID:SMJaq3j5
完結させます。
すいませんでした。
212百獣戦隊 銀白:2008/06/01(日) 23:56:45 ID:SMJaq3j5
私が四つん這いになると月麿さんが後ろから近づいて尾てい骨の辺りから舐め始めました。
両手を私の体の前に回して片方は下腹部の辺り、もう片方は胸の周囲を優しく撫でています。
背筋を舐めてからその周辺という流れで徐々に私に覆いかぶさってきます。
ウエストの辺りに来たときはお臍に指を入れられて前後から愛撫される形になりました。
「あぁっ、どうしてお臍ばかりクリクリするんですか?」 「触り心地が良いからな。」
もう前の方は気持ち良い所を全て知られているようでした。
脇腹の後は背筋から肋骨に沿ってと普段触らない所、神経が通っている所を舐められ
腋の下に来てからは私は両腕に力が入らなくなってしまいました。
胸の先端と脚の間に指が来て、うなじをツーツーと舌先で下から上に何回もなぞられ、
更に耳たぶや耳の後ろ、その中を舐められたときは悲鳴に近い声をあげてしまいました。
指で胸の先端を転がして、私のあそこを優しく揉みほぐすようにしています。
いよいよと言う時に脳裏に布団にあごをつけ、お尻を高く上げて鳴き声を上げている自分の姿が浮かびました。

「ごめんなさい、後ろは怖くてダメ。月麿さんの顔が見えないと不安です。」
「そうか。昔の女はあれのときに顔を見られるのを嫌ったのだ。裾をまくればできたし。」
「私が仰向けに寝てその上から…」 「それでは背丈が違うから顔が見えないな。いいのがあるぞ」
月麿さんはあぐらをかくように座りました。 「さぁ、正面からまたぐ様に。怖がらないで大河さん。」
膝の上に座りましたが私のあそこの前に物々しい武器のような月麿さんの大事な物あってすくみました。
「あんまり見つめないでくれ、手元が狂ってしまう。」 「はい、これなら安心です!」 
お互いの顔が近くにあって本当に安心感がありました。
あちこち舐めたり触ったりして私の気を紛らしながら背中をさすって徐々に私を引き寄せていきます。
これだけ色々してもらえたのに話に聞いた唇の端を裂かれるような痛みがあって目に涙が溢れました。
私のあそこは傷つき血を流しながらも月麿さんの先端を受け入れました。
「フッ、フフッ、ウフフフフッ…」 脳裏にあるイメージが浮かんで思わず笑いだしてしまいました。

「済まない。入れ過ぎてしまったかな、大河さん?」 「大河さんじゃありません…」
私は顔を上げて涙目のまま、心配そうに見つめる月麿さんに向かってニッコリ微笑みました。
「『冴』と呼んで下さい。月麿さん。」 「あ、遊びだったはずだが…」
「私は最初から本気でした。だって貴方の名前を呼んでいるから。名前の話を聞いて気づいたんです。
 自分の本当の気持ちに… 『月麿さん』って呼ぶたびにたまらなく幸せな気持ちになるから…
 私、自分でも気づかない気持ちを何度も貴方に伝えてました。」
「ダメなのだ。貴女もテトムも同じことだ。共に戦った戦友だから思い人にはできないのだ。」
「フフッ、一つになったとき知らされました。千年前の私も貴方のことが好きだったそうですよ。」
「まさか! あいつはそんな素振りは一度も見せなかったが…」 
「あいつだなんて可哀想、千年前の私。でもそんな昔の人の思いなんてどうでもいい!
 どうしてもっと早く知らせてくれなかったの!! もっと少しずつ色んなことができたのに…
 私、月麿さんに嫌われるところだった〜!!!」
私は月麿さんにしがみついて嗚咽しながらすすり泣きを始めました。
「貴女の思いはよく分かったから泣き止んでくれ。今夜は大河さんのことだけを思うから。」
213百獣戦隊 銀白:2008/06/01(日) 23:57:20 ID:SMJaq3j5
月麿さんはゆったり動き始めました。熱くて硬いものが少しずつ私の中に入っていきます。
なるべく苦痛を与えないよう、ガラス細工のように大切に扱われてる気がしました。
半分くらい入った辺りでどうしても声が出てしまうようになりました。
何もかも上手にリードされて、私にできるのはもう声を上げることだけ と思った時
「久しぶりで疲れてしまった。済まないがしばらく上になって欲しい。」 「えっ!?」
月麿さんは私と両手を合わせて布団に寝そべってしまいました。呼吸が乱れ、汗を大分かいていました。
「これって、もしかして!?」 「それ以上入れないようにしてゆっくり動いてくれ。」
男性を組み伏せて上になるなんて… でも自分の思いのたけをぶつけてみようと思いました。

私は月麿さんの物を全部自分の中に取り込み、勢い良く前後に動きました。
「そんなことをして痛くないのか、大河さん?」 「大丈夫です。私ばかりいい思いをしたからお礼です。」
「血がいっぱい出てしまうぞ。」 「貴方に気持ちよくなって欲しいんです。どうしたらいいか教えて下さい。」
私はあそこにできるだけ力を入れて、横に動いたり、体を反らしたり屈んだり、のの字を書くように捻ったり
髪を振り乱して精一杯早く動きました。あそこに痛みが走るときは月麿さんの名前を何度も呼んで。
息が上がって汗だくになりながら膝を使って上下に体を動かしていたとき月麿さんが下から腰を動かし始めました。
カスタネットが鳴るようなパンパンという弾けるような音がして、目の前に星が瞬くような強い刺激があって
私は自分の体を支えられなくなって月麿さんの方に崩れました。

月麿さんは私を乗せたまま上体を起こして正座をするような姿勢をして動き始めました。
途中かかとを大事な物の付け根の下に敷いたのが見えました。そのため私の中で更に硬く大きくなっています。
再び声を出すだけになった私には月麿さんが今まで気を使ってくれてたことがはっきり分かりました。
先ほどのあぐらをかくような体位が私を深く貫いてしまわないためだったこと、
女性の体重が全てかかってしまって男性には辛い姿勢であること。後ろからなら大変ではなかったのに…
「ごめんなさい。私としても気ばかり使って楽しめないですよね。」 「そんなことはない。楽しんでいるぞ。」
「でも、さっき気持ちよくならなかった…」 
「あれはあまりに良かったので下から動いてしまったのだ。また動いてくれないか? 冴さん!」
「あぁ、嬉しい… 嬉しいです! でも『さん』は余計です。」 「それはもう一頑張りしてからだ。」

それから私は月麿さんの首の後ろに両掌を組んで、お互いに呼吸を合わせて動きました。
見詰め合いながら名前を呼び合って、お互いを確かめ合うように。
あそこに加わる衝撃が直接頭に響くようで私はたちまち気が遠くなり動けなくなりました。
月麿さんは私をギュット抱き締めて、耳元で 「冴!」、「冴!」と囁いてくれました。
私を何度か激しく突いた後、その動きを止め、唇を合わせて舌を絡め合っていたとき
月麿さんの振動が私のあそこに伝わって、お臍の下に温かなぬくもりが拡がりました。
214百獣戦隊 銀白:2008/06/01(日) 23:58:00 ID:SMJaq3j5
プロローグ

「大河さん、気がついたか?」 「月麿さん…」 目を覚ますと私の体は全てきれいに拭かれていました。
「処女の血は不浄と言われていてな。それより気休めにしかならないが水で洗っておいた。」
「あっ…」 月麿さんをしっかり受け止めた感触が残ってました。
「大河さんには大変申し訳ないことをしてしまった。寸止めをしくじってしまった。」
「あぁ、私も貴方にしがみついてちゃったから…」
「剣術同様、真剣でないときは寸止めすることになっているのだ。
 もし困ったことがあれば例のビリヤードの店のマスターに伝えて欲しい。」
「はい、分かりました。」 「くれぐれも遠慮などしないように。俺は… 逃げも… 隠れもしないぞ。」
月麿さんは私と目を反らして少しオドオドしたように言いました。

「やっぱりどこかに行ってしまうのですか?」
「あぁ、まだ微かだが風を感じるときがあるのだ。弱いがオルグが発生するかも知れん。」
「私も一緒に連れていってください。足手まといにならないよう精一杯頑張ります。」
「大河さんは他の四人同様普通の生活をしてくれ。風を読む力は俺だけにある。一匹狼の宿命なのだ。」
「月麿さんはもう思い人を探さないのですか?」
「この世から破壊の衝動が無くなればな。テトムが眠りに入ったのだから無くなることは無いのだろう。
 あちこちで色んなことをしながら温泉に入ったり、うまいものを食べたりの気ままな旅だ。
 今は負ける気はしないが、いつかこの身が老いて何処かで朽ち果てるだろう。」

「それに今夜一晩と言ったが貴女とは一度限りにしたい。」 「一度だけ… 分かりました。」
「俺は野宿する。」 「そんなことしないで! フロントの人に頼めば今からでも隣の部屋を貸してくれます。」
それから壁一つ隔てて休みました。次の日はお互いに昨晩のことには触れず終いで、別れ際
「次はいつ逢えますか?」 「分からんが千年後かも知れぬ。貴女とはきっと何度も巡り合っているのだろう。」

それから私は困ったことが起きることを期待して日々を過ごしました。
あの人を一匹狼の宿命から解放させられるのではと… しかしその期待はあっけ無く裏切られました。
ビリヤード店に何度か足を運ぼうと思いましたができませんでした。優しいあの人を驚かすようなことは…
でも千年は待てません。いつか逢えたときはずっと「冴」と呼んでもらえるように思いを伝えるつもりです。

【完】
215名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 01:06:36 ID:dSuwQNiY
せっかく轟音で話が流れたと思ったのに…。
この状況で、よくめげずに最後まで書き上げたと思うけど、
最後までエピローグとプロローグを間違えているようじゃ…┐(´へ`)┌
今度投下するときは、>>100とか>>206等の意見を参考にしてほしいね。
216名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 09:34:45 ID:yuYEY0Pk
エロパロがファンタジーだというのは百も承知の上で言わせてもらうが…
痛がる処女を対面座位って、いくらなんでも無理過ぎないか??
217名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 13:06:19 ID:RzO163yV
確かにそれはムリだ・・・
218名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 13:56:20 ID:U2GIJcjt
とりあえず最後まで書き終えた>>211には乙。

しかし作品の出来や過程に無理があるか(あと×プロローグ→○エピローグの
間違い)以前に、やはり百獣白のモノローグが丁寧すぎて違和感が拭いきれ
なかった。
>>194の彼女の日記と思って読めば、という意見には目からウロコ百枚だった
が、それでももう少し口調などキャラを似せる努力をして欲しかった(日記
の文体にしても丁寧すぎるし…)。
いっそ「女流作家の書く一人称小説風の文体で書かれたパスティーシュ的な
百獣銀白エロパロ小説」とでも割り切った方がいいのかもしれないが。

白の心情の流れや描写自体は良いとも思うだけに、また何か投下する事が
あったら>>190>>206の意見を参考にして、もう少し読みやすい話にして
ほしい。
219名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 01:59:39 ID:yVS2+FO7
>>216
「銀が実は鬼畜だった」と考えるとアラ不思議、その後の上から御奉仕シーンまでおいしくいただけます。
220名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 17:06:59 ID:R21Y4sK7
轟音赤黄、投下させていただきます。GP-14後の設定です。
最初ほんの少しだけ、緑→ケガ様要素があったりしますので、
苦手な方はお気を付けください。
221快楽の夜1:2008/06/03(火) 17:08:31 ID:R21Y4sK7
 カマバンキとの戦いを終え、五人はギンジロー号に戻ってきていた。
「さ、今日はオムライスだよ」
「よっしゃ!」
「やったぁ!」
「ふ、やっとか」
 その夜、いつものように腹を空かせていた走輔、早輝、軍平の三人は、連がオムライス
の皿を持ってきたのを見て大喜びした。連はその反応を見て嬉しそうに笑うと、皆の座る
テーブルに夕飯のオムライスを並べ始めた。
 その途中で、連が走輔に尋ねた。
「そういえば。修行って、どんなことしてたんッスか?」
 カマバンキの温泉の誘惑に打ち勝つため、範人は今日まで山奥で修行をさせられていた。
走輔はその修行に興味を持って一緒についていき、藤尾の教えに従って範人を指導してい
たのだが、他の三人は軍平の制止により同行しなかったため、修行の内容を知らないので
ある。
 連の問いに応えて、早輝も身を乗り出してきた。
「あたしも気になるー。何してたの?」
 問われた走輔は既にスプーンを持って食べる準備万端だったが、その手を止め、少し考
えるような仕草をした。
「そうだな。薪割りとか、滝にうたれるとか、かな」
「いかにも修行、という感じだな」
 軍平が微かに頷く。へえ、と連と早輝も納得した表情になった。
 そんな四人とは少し離れた場所で体育座りをし、一人浮かない顔をしている者がいた。
「はあ、冷奈さん……」
 それは範人である。範人は先程からこうして、ずっと冷奈という女性の名前を呟き続け
ているのだった。
 範人が失恋のショックに打ちひしがれているのを最初は同情的な目で見ていた四人も、
こう何時間もへこんだままでいられると、うんざりしてくるというものである。呆れた顔
をして、範人の隣に座っていた早輝が言った。
「いつまでもうじうじしてないの。ほら、スマイルスマイル」
 言いながら、早輝は範人の頬をつねる。範人はつねられた瞬間は痛そうな顔をしたが、
早輝の言う通りに笑顔になる気配は見られなかった。
 範人の前に最後のオムライスの皿を置き、今度は連が優しげな視線を向ける。
「そんなに落ち込むことないッスよ、範人。はっきり断られたんじゃないなら、まだ望み
はあるって」
「はぁ……」
 連の言葉にも、大して救われた様子はない。だが範人はやっと足を崩し、テーブルの方
まで来て、オムライスの前に座った。それを見て、四人は安心したように息をつく。
「そうそう、修行といえばさ」
 走輔はオムライスを頬張ったまま、言葉を発した。
「冷奈さんも俺たちと一緒に寝てたんだよな、範人?」
 衝撃的な言葉が、あっさりと走輔の口から飛び出る。場の空気が一瞬固まった。
 それを再び動かしたのは範人だった。範人はそのことを思い出したようで、先程とは一
転し、とろりとした幸せそうな目つきになった。
「そうそう。僕、ドキドキして、なかなか眠れなかったなぁ」
「ち、ちょっと待て、お前ら、女と一緒に寝たのか?」
 軍平が驚きの声を上げる。走輔はああ、と、なんでもないことのように頷いた。
「修行の一環だよ。師匠と弟子は寝食を共にするべきなのだ、って、先生が言ってたしな」
「ええーっ……」
「寝食を共にって言ったって、何も同じ場所で寝なくても……」
 早輝は走輔と範人を非難するような目で見、連も呆れたように言った。
「あとは雑念を捨てる意味もあるとか言ってたけど……あれで雑念を捨てられるのか?」
 走輔が本当に全く分かってなさそうに言うので、連、早輝、軍平の三人は同時に溜息を
ついていた。男女が同じ部屋で寝ることの意味を、この男はまだ知らないのだろうか。そ
れとも、知っているけれども、この状況で意識することはなかったのか。走輔の様子から
はそこまで読みとることはできなかった。
 走輔の発言によって場が妙な雰囲気になってしまったが、当の本人である走輔は全く意
に介した様子もなく、範人はその時のことを振り返っているのか終始にやにやとしっぱな
しであった。
 当事者ではない連、早輝、軍平は顔を見合わせ、互いに困ったような表情を浮かべていた。
222快楽の夜2:2008/06/03(火) 17:10:22 ID:R21Y4sK7
 夕食を終え、走輔はシャワーを浴びた。今日も一日戦って、その後にこうして汗を流す
のは、この上ない快感であった。自分が一仕事終えた、という気分になれる。
 部屋に戻り、走輔はパンツ一丁のまま、ベッドに座り込む。片手には真っ白のバスタオ
ルが握られ、走輔の髪全体を覆っていた。いつも逆立てている走輔の髪の毛も、この時は
水の重みで垂れ下がっている。といっても普段だろうがシャワー後だろうが自分の姿など
とっくに見慣れているので、大して気にも留めぬまま、走輔はバスタオルを細かく動かし
て髪の水気を取っていた。
 その時、部屋の扉がノックされる音が響いた。走輔は手を止めぬまま、答える。
「はーい」
 来るのは、連だろうか。それとも範人か軍平だろうか。走輔の頭の中には、男がやって
来るという予想しかなかった。だが次の一声で、その予想はどれも破られてしまった。
「そ、走輔。入っても、いいかな」
 走輔は手を止め、思わずその場に立ち上がっていた。
「早輝? 一体どうしたんだ?」
「ちょっと……あの、とにかく、入ってもいい?」
 理由をはっきり言わないので怪訝に思いながらも、走輔はいいぜ、と扉の外に声を飛ば
した。
 するとゆっくりと扉がスライドし、早輝の姿が扉の向こうに現れる。早輝は既にクマの
絵が入った黄色いパジャマに着替えていた。早輝は走輔と目が合うと照れたようにさっと
目を伏せてしまったが、その伏せた先にあるものを見て、悲鳴を上げた。
「き、きゃあっ!」
 早輝が素早く背を向ける。一体なんだ、と自分の姿を見て、走輔は気付いた。そういえ
ば自分は、パンツ以外何も身に纏っていない。
「ま、待った。今着るから、外で待ってろ」
 扉が再び閉まり、走輔は慌てて部屋の中からパジャマを探す。やっと部屋の隅の大量の
洗濯物に埋もれていた赤い縞のパジャマを探し出し、身につけた。その後で、走輔は改め
て早輝を迎え入れた。
「もう、びっくりしたじゃない」
「悪い悪い。いっつもシャワー浴びた後はこうだからさ。で、何か用か?」
 走輔が謝った後で尋ねると、早輝はびくりとしたようにその場に立ち止まった。走輔は
怪訝に思いながら、早輝の顔を覗き込む。早輝は顔をほんのり赤らめていた。
「どうしたんだ、早輝。熱でもあるのか?」
 早輝は黙ったまま、首を横に振った。その後で、思いがけないことを口にした。
「あのね、走輔。今晩……ここで寝てもいい?」
 走輔は心臓が飛び出るかと思うくらい驚いた。
「い、いきなり何言い出すんだよ、早輝」
「い、いいじゃない。どうせあたしたち、同じギンジロー号で寝食を共にしてるんだから」
 どこかで聞いたことのある言葉だ、と思いながら、走輔は厳しい顔で首を横に振る。
「何言ってんだ。お前、分かってんのか? 男と女が一緒に寝ることが、どれだけマズい
ことなのか!」
 走輔が叱るように言うと、早輝も怒ったような顔をして、負けじと言い返してきた。
「そういう走輔は分かってたの? 昨日、冷奈さんって人と一緒に寝たんでしょ」
「いや、それとこれとは話が違うだろ。あれは修行だったんだ」
「そうかもしれないけど、でも、一緒に寝たことは変わらないでしょ?」
「それはそうだけどな……」
 走輔には、どうして早輝がここまで食ってかかってくるのか分からなかった。藤尾の修
行の一環という説明も納得できていたし、走輔と冷奈が二人きりで寝ることになったなら
まだしも、あの場には範人も藤尾もいたのだ。それに範人ほど、冷奈を異性として意識し
ていたわけでもない。
「だから、あれには修行以上の意味なんかないんだよ。何も変なことはなかったんだぞ?」
「でも、それでもさ……」
 早輝の言葉の勢いがなくなってきた。反論する言葉を失ったのだろうか、それとも納得
してくれたのだろうか、と考えながら走輔が次の言葉を待っていると、早輝は下唇を噛み、
目を伏せた。いつの間にか、悲しそうな表情すら浮かべていた。
223快楽の夜3:2008/06/03(火) 17:11:12 ID:R21Y4sK7
「ごめん。あたし、なんか変だったのかもしれない……」
 先程までの食ってかかりようも解せなかったが、今の悲しげな顔の理由も、走輔にはよ
く分からなかった。表情をころころと変える早輝が、不思議でたまらなかった。
「どうしたんだよ、早輝。さっきから……」
「あたし、その冷奈さんって人に嫉妬してたのかもしれない」
「え……」
 思いがけない言葉だった。走輔は目を丸くしていた。
「走輔とその人が一緒に寝てたって聞いて、すごくもやもやした気持ちになって……気づ
いたら、ここに来てたの」
「早輝……」
「あたし、わかんないけど――」
 早輝はそこで一旦言葉を切り、すうと息を吸い込んでから続けた。
「もしかしたら、ほんとは、走輔のこと……」
 そこで言葉を途切れさせ、早輝は潤んだ目で走輔を見上げてきた。その表情に一瞬どき
りとする。すると早輝はそのまま走輔の胸に寄りかかってきた。走輔は何がなんだかわか
らないまま早輝を受け止めたが、直後、早輝の髪から漂ってきたシャンプーの匂いに、心
臓の鼓動は速まっていった。
 そういえば、早輝は既にパジャマ姿だった。髪は乾いているが、自分と同じく、風呂に
入ったばかりに違いない。そう思うと、頭が沸騰しそうなくらい熱くなるのを感じた。
 早輝は、言葉の続きを言わなかった。だがその答えは、早輝の行動が教えてくれている
ような気がした。
 しばらくして、早輝は自分から離れた。そして照れたような笑みを浮かべ、走輔に言った。
「ごめんね、走輔。あたし、何言ってたんだろ」
 あはは、とどこか悲しそうな顔で笑う早輝を、走輔は何故か見ていられなかった。
「ごめん。もう、部屋に帰るね。じゃあ、おやすみなさい」
 そう言うと、早輝は目を伏せ、くるりと背を向けてその場から立ち去ろうとした。
「待てよ!」
 だがそんな早輝の片手を、走輔はとっさに掴んでいた。早輝は驚いたように振り返る。
早輝の目を見つめながら、走輔は言った。
「ここまでしといて、逃げるのはなしだろ」
「そ、走輔……」
「俺のこと、どう思ってんのか、最後まで言ってくれよ」
 走輔は早輝の手をぐいと引っ張り、再び自分の胸に引き寄せた。早輝は小さな驚きの悲
鳴を上げたが、抵抗する素振りは見せなかった。早輝はゆっくりと手を自分の胸に添わせ
ながら、小さな声で、呟くように言った。
「……好き、なの」
「本当か?」
 早輝は顔を真っ赤にして、こくこくと頷く。それがたまらなく可愛らしくて、走輔は早
輝の背に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
 ずっと、早輝の兄貴になったつもりでいた。だが、それは“つもり”であって、本当は
そうではなかった。いつか早輝にボーイフレンドという存在が現れるかもしれないという
可能性を認めていながら、しかしどこかで、それを認めない気持ちが残っていたらしい。
だからこそ早輝にふさわしい男かどうか確かめるなどと言って、その男の存在を排除しよ
うとしてきたのかもしれない。
 その思いは、間違いなく、早輝に対する愛情で――
「俺も、好きだ。早輝」
 静かな声で呟きながら、自身の顔を早輝の顔に近づけてゆく。
 早輝の驚く表情が目に入ったが、そんなことはお構いなく、早輝の唇にキスを落とした。
その柔らかな感触と、口の中に広がる甘美な香りに、思わず酔ってしまいそうになる。い
つも笑みの形に曲げられた唇は、この時だけは、走輔のものだった。
 走輔が顔を離すと、微かに唾液が糸を引き、それはすぐに互いの口に吸い込まれた。
 早輝が潤んだ目で、こちらを見ている。それは決して拒絶ではなく、逆に、走輔を今以
上に誘っているように感じられた。
「いいのか、早輝。今晩は、一緒で……」
「うん……」
 早輝の答えを聞くか聞かないかのうちに、走輔は再び早輝の唇を塞いでいた。走輔はそ
のまま早輝をベッドへと導き、ゆっくりとその体をベッドの上に寝かせた。
「そう……すけ……」
 呟くように発せられた早輝の声に、隠れていた走輔の本能が揺すぶられるのを感じた。
224快楽の夜4:2008/06/03(火) 17:13:16 ID:R21Y4sK7
 いつも着ているジャケットなら苦労したかもしれないが、今日はお互いパジャマだ。早
輝の体からその薄い衣服をはぎとってしまうことくらい、容易なことだった。走輔は早輝
のパジャマのボタンを一つずつ丁寧に外していく。全てのボタンが外された後、早輝の胸
が露わになる。早輝は反射的に胸を隠そうとしたが、走輔はその手を阻んだ。
 早輝のその手を抑えながら、走輔はその突起に舌を沿わせる。
「あぁっん……!」
 早輝が高い声を上げる。走輔はその桃色の突起を唇で銜え込み、舌で何度も愛撫した。
ちゅぷと唾液の音が響くたび、早輝の体がよじられ、声が上がる。その声を聞くのがたま
らなく心地よく、走輔はその声が聞きたいがために舌を動かしつづけていた。
「あ、っんっ、ああぁっ……」
「気持ちいいのか、早輝?」
 尋ねてはみるけれど、早輝は顔を真っ赤にしたまま、何も言わない。単に恥ずかしいだ
けなのか、それとも既に快楽に溺れそうになっているのか――後者であればいい、と走輔
は思った。
 少しして、走輔は突起から口を外し、早輝の顔を真上から見つめた。
 早輝はしばらく熱い息を吐き続けていたが、ふと手を上げ、走輔のパジャマのボタンに
手をかけた。ん、と走輔が反応を見せると、早輝はボタンをひねるようにして、それを外
してしまった。
「走輔も。いいでしょ?」
 早輝がふふ、と笑う。走輔は微かに戸惑ったが、そのまま早輝の手が動くのに任せてい
た。最後のボタンが外されると、止められていた二つの布が下へはらりと落ち、走輔の筋
肉質な胸もあらわにされた。早輝は手を伸ばし、走輔の胸の突起に触れる。その行為に微
かに走輔が反応を見せたのを、早輝は見逃してくれなかったらしい。
「ここって、男の人も気持ちいいんだよね」
 そう言うと、早輝は突然走輔の首にぐいと掴まった。
「っわっ!?」
 突然体重をかけられ、走輔は体のバランスを崩して倒れこむ。幸い早輝を押しつぶすこ
となく横に倒れられたが、早輝はチャンスとばかりに、走輔の胸に顔をうずめた。しまっ
たと思ったが時すでに遅し、早輝の舌は先程の走輔と同じように、走輔の胸の突起を捉え
ていた。
 ぺちゃぺちゃという早輝の舌の音が聞こえ、走輔はぞくぞくとした快感が下半身からせ
りあがってくるのを感じた。抑えようとしても、抑えようがない。
「っつ……く……っ」
 知らぬ間に歯を食いしばっていたのを、早輝に見つけられてしまった。早輝はふふと笑
うと、顔をあげて走輔を見た。
「走輔、気持ちいい?」
「っ、早輝、お前、どこでそんなことを覚え――」
「さあ? 秘密」
 早輝はいたずらっぽい笑みを浮かべ、言った。
「これで、おあいこね」
 そうは言われたものの、走輔はこれ以上に、早輝に仕返しをしてやりたくなった。自分
の興奮がこの上なく高まっていたことも、その思いに拍車をかけていた。
「じゃあ、次は俺の番だな」
 言うが早いか、走輔は早輝の唇を奪い、舐めまわした。そうしてゆっくりと、早輝の口
内に舌を侵入させる。早輝の舌と自身のそれを絡め、息が続かなくなるまで、早輝の唇を
貪っていた。
「っ、はぁ、はぁっ……」
 離れた後、お互いに荒く息をつく。そうして互いの口から引いた唾液は、先程よりも濃
くなっているように感じられた。
225快楽の夜5:2008/06/03(火) 17:13:51 ID:R21Y4sK7
 間髪を入れずに、走輔は禁断の場所に手を伸ばした。その場所に触れた途端、早輝が小
さく声を漏らした。
「あっ……」
 早輝は反射的にきゅっと足を閉じてしまった。走輔は起き上がると、早輝のパジャマの
ズボンに手をかけ、一気にそれを引きずりおろしてしまった。続けて、ショーツも同じよ
うに脱がせてしまう。
「や、走輔、そこはだめ……」
 早輝の足はぴったりと閉じられたままだったが、それをゆっくりと開いてやりながら、
走輔は既に濡れているその繁みの中を愛撫し始めた。
「あっ、んあぁっ……」
 蜜の溢れだす場所に指を入れると、早輝の身がいっそうよじられた。くいと関節を曲げ
て中を刺激してやると、早輝の声がより高くなった。
「ひぁっ、ああんっ……!」
「ここがいいのか?」
 すると早輝は、顔を赤らめたままこくこくと頷いたのである。走輔は同じ場所を、何度
か刺激してやった。そのたびに早輝の体がしなり、いつもの彼女なら決して見せないよう
な乱れた姿を見せるのだった。
 走輔が一度その手を止めると、早輝がはっとなって走輔を潤んだ目で見つめてきた。
「走輔、いや……止めないで……」
「もっとか? もっとして欲しいんだな、早輝?」
「ぅ……ん、もっと、お願い、走輔ぇっ……」
 早輝にこんな一面があったなんて、誰が想像できただろうか。いつもスマイル満開の彼
女が、今、走輔の前でこんなにも淫らな姿を見せている。それは衝撃的なことであり、同
時に走輔の興奮を深く駆り立てるものでもあった。
「あ、ああっ、んぁっ……!」
 走輔が愛撫を再開すると、早輝はますます高い声を上げた。そんな早輝が、本当に愛し
い存在に思えた。いつも近くにいたのに、どうしてこんな可愛さに気付かなかったのかと
思うほどだった。
 刺激に震える彼女の姿と、先程の早輝の『仕返し』とが相まって、走輔の自身ははち切
れんばかりに大きくなっていた。走輔は早輝の敏感な場所を愛撫してやりながら、同時に
自分の一物をパジャマの上から軽く触れる。少しでも刺激すれば、射精してしまいそうな
感覚に陥っていた。
 走輔は手を止め、パジャマのズボンと下着を下ろした。走輔のそれは立派にそそり立ち、
いつになく肥大していた。走輔は指で早輝の秘所から溢れる蜜を掬いつつ、早輝に尋ねた。
「早輝、入れるぞ」
「はぁん、うぅ、ん……」
 早輝は喘ぎながら、こくこくと頷く。
 走輔のその熱いものは、ゆっくりと早輝の快楽の波へと沈みこんでいった。
「ふ、あぁっ……つ……」
 時折彼女に締め付けられ、走輔は顔を歪めたが、それはやがて彼女の中へすっかり溺れ
てしまった。ふと早輝を見ると、快楽のためなのか、それとも苦痛のためなのか、同じよ
うに顔を歪めていた。
「痛いか、早輝?」
「う、うぅん、へいき……」
 早輝はふるふると首を振る。その様子が健気に見えて、走輔はまた、煽られる。
 頭がこれ以上ないくらい熱くなっている。このまま沸騰して、気を失ってしまいそうだ
った。快楽の波が、予想以上に強いのだ。ゆっくりと腰を動かして、熱くなったそれを、
早輝の秘部から出し入れする。そのたびに、敏感な場所はいやらしい音を立てるのだった。
「ぁっ、そ、すけ、あぁぁっ――!」
 早輝の体が、今まで以上にしなった。走輔が果てたのも、それと同時だった。
 どくどくと精を吐きだしながら、走輔の頭はくらくらとした。まるで魂だけが、体から
ごっそり抜けたようだった。
 達して力の抜けきった早輝に覆いかぶさるようにして、走輔はベッドに身を横たえた。
226快楽の夜6:2008/06/03(火) 17:14:40 ID:R21Y4sK7
「走輔」
 早輝の声が、部屋の中に響く。
 既に部屋の中を暗くしてしまったので、早輝のことが手の感触でしかわからない。それ
でも次第に目が慣れてきて、早輝の顔くらいならぼんやりとわかるようになった。
「一緒にいると、あったかいね。なんか、ほっとする」
「そうだな」
 走輔は背に回した手で、早輝をもう少し近くまで引き寄せる。早輝に触れる面積が広が
って、ますます彼女の温もりを感じた。早輝は走輔の胸に思い切り顔をうずめた後、顔を
上げて走輔を見た。
「ね、もう一回やってあげよっか。ここ」
 言いながら、早輝が走輔の胸の突起に触れたので、走輔は思わずうっと呻いた。
「何やってんだよ。もう今日はなしだ、なし」
「えーっ。走輔すっごく気持ちよさそうだったじゃない。あの顔、もう一回見たいなー」
 なんとなく早輝の瞳が輝いているような気がして、全く困った娘だと、走輔は内心ため
息をつく。
「だいたい、こんなに暗いんじゃ、俺の顔なんか見えないだろ」
「いいよ、声だけでも。ね、走輔」
「いいや、今日は駄目だ」
 走輔はきっぱりと言い切った。早輝はえーっ、と抗議の声を上げたが、諦めたのかすぐ
に手を下げ、再び走輔の胸にぴたりと顔をくっつけた。
「ふふっ。でもさ、修行の成果、ぜんぜん出てないよね」
「俺がか?」
「うん。範人のことバカにできないよ、走輔」
 確かに、と走輔は思った。範人は冷奈に恋焦がれながらも、昨夜、決して手を出そうと
しなかった。だが走輔は違う。先程早輝と思いを通じ合わせたばかりだというのに、いき
なりこんなところまで関係を深めてしまった。
「そうだな。でもよ、お前のせいでもあるんだぞ、早輝」
「え? どうして?」
「お前が先に俺に迫ってこなきゃ、こんなことにはならなかった。だろ?」
 すると、早輝は一度黙ってしまった。彼女の次の言葉を待っていると、早輝は突然、走
輔の顔にまでぐっと首を伸ばしてきた。
「そうかも。やっぱり、気持ちいいことなんて、捨てられないよね」
「ああ……そうだな」
 答えた後、早輝が唇を求めてきたのを感じ、走輔はそれに応える。再び甘い香りが、口
腔の中に漂った。
 こんな会話を軍平辺りが聞けば、たるんでいるだのなんだのと言われそうだ。だがそれ
でもいい、と走輔は思った。快感に溺れるのは良くないが、適度な快感はむしろ力になる。
こうして早輝と一緒にいることで、自分は幸せを感じていられる。それが無駄にしかなら
ないということは、決してないはずだ。
 まあ、この快感は、適度なと言うには強すぎるのだけれど――
 口付けを終えた後、走輔と早輝は、お互い包み包まれあうようにして、深い眠りに落ち
ていった。

<終わり>
227名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 21:51:58 ID:2aPyT8DA
轟音赤黄が!GJ!
赤黄も最初の緑→ケガ様も実にいいよ!
職人様乙。
228名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 06:13:43 ID:xamCSJHn
GJ!!
229157:2008/06/06(金) 22:58:27 ID:C/5jlDXZ
忍者赤白、成就編を投下させて頂きます。
二人の関係が進んでしまってキャラのイメージと遠ざかっているかも知れない上、
少々長くなってしまって恐縮ですが、よろしければ気楽に読んでやってください。
230姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 22:59:05 ID:C/5jlDXZ
『日曜空けとけ。そっち行くから』
「へ!?」
たったひと言を告げ、サスケからの電話は切れた。

妖怪を封印して2年。
自宅に戻った鶴姫は父と共に、仲間への感謝を感じずにはいられない日々を過ごしていた。
サスケはと言えば、変わらず旅をしているために滅多に会うことは叶わず、たまの電話が精々。せっかちな性格は嫌と言うほど知っているから、素っ気ない対応に悩むのも馬鹿らしい。
けれど次の日曜日は、普通の日とは少し勝手が違う。鶴姫が18歳になる日なのだ。
気づいていないとは思いたくないが、この順序とこだわりのなさ、いい加減どうにかならないものだろうか。
「今更、よね」
脳に伝わるノイズに耐えかねて、鶴姫は携帯を閉じた。

そして日曜日、午後10時。
「来るとは聞いてたわよ、一応はね。けど時間も決めないで押し掛けて来て、あんたは全く!夕飯食べたの?」
「親父さんに会わせろ」
「は?」
勝手知ったる何とやらと言うほど頻繁に家に上げたことはない筈だが、サスケは要求だけを通し、つかつかと廊下を進んで行く。
「ち、ちょっと!何…」
「サスケ、入りなさい」
二人のやりとりに気づいたらしい鶴姫の父・義輝の、荘厳ながらも優しさに満ちた声に導かれ、奥の戸を開け放つ。
「お久しぶりです」
「ねぇ、何なのよもぅっ」
いつになく丁寧な口調のサスケを解せないまま、鶴姫は彼の袖を引く。
「お茶を頼むよ鶴姫、温めにな」
気がかりではあったが、言い渡す父の言葉の拒否出来ない強さに面喰う。
更に、サスケが一瞬懇願するように目配せして来たことも手伝って、結局鶴姫は渋々部屋を後にした。

残される男たち。それぞれに違う形で、違う道筋で鶴姫を思う二人が、卓を挟んで相対する。
「久しぶりだなサスケ。益々立派になって、頼もしいことだ」
「お願いがあります」
既に何かを悟っているかのような義輝の表情に、サスケはまだるっこしいことはなしだと腹を括った。
目の前にいるのは、悪ではない強敵。それも永遠の。
広がる一瞬の緊迫感に、空気すらも怯んだように静まり返っていた。
「鶴姫を俺に下さい」
一気に言い放ち、畳に向かって真っ直ぐに頭を下げる。
「この2年間、俺なりにきちんと線引きをして来たつもりです。許されないことかも知れない。けど、間違った付き合い方はしてない。その自信はあります」
「そうか。鶴姫も、同じ気持ちでいるのかな?」
「…。いえ…」
目の前の青年の頭上に、肩に、動揺が降り積もって行くのが見えるようで、義輝はゆっくりと微笑んだ。
「ならば、まず二人で話し合いなさい。私の答えはその後だ。君たちが…」
231姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 22:59:45 ID:C/5jlDXZ
「ちょっと!さっきから二人とも、なんて話してるのよ!」

いつから聞いていたのか。踏み込んで来た鶴姫の声は衝撃に彩られ、はっきりと分かるほどに震えていた。
力加減の出来なくなった手で、やや高めの位置から下ろされたお盆。ガチャンと音を立てた湯呑みに、すかさずサスケの手が伸びる。
中身を飲み干す横顔に光る汗の粒で、父が温めのお茶を用意しろと言った理由が分かったが、そんなことはどうでもいい。
「ゆっくりして行きなさい、サスケ」
暗に場を鎮めろと命ずるような気配を漂わせて、義輝は立ち上がる。
「ありがとうございました」
許可を得た訳ではない。
だが大らかな人柄と、あたたかな余裕の与え方に感謝を込め、サスケは再び深く頭を下げ、義輝の後ろ姿を見送った。

「どういうことなの」
「……。」
「サスケ!」
問う鶴姫に、彼はゆっくりと頭を上げようとするものの、途中で気が抜けたように卓に伏せた状態で固まった。
自分の中の混乱を逃すべく、鶴姫は更に口を開く。
「説明して。ここに来た訳も、お父さまに言ったことも。あたしが知らないなんておかしいじゃない」
「18歳だな」
遮り、サスケは呟いた。
「長かったような、あっという間だったような、な。でも俺、ちゃんと約束守ったぞ?そこは素直に讃えろよな」
突っ伏したまま横を向くと、笑った顔が卓に押し潰されて歪む。
「解禁になることに浮かれてられっか。ただ楽しむばっかでいい訳がねぇ」
若干生々しい言葉選びではあったが、突っ込む気にもならない。
「俺らしくねぇ、こんなグダグダするなんて。悩むくらいなら、いっそハッキリさせちまいたい。だから…」
今度こそ身体を起こし、サスケは鶴姫を見据えた。
「俺のところに来い、鶴姫」

どうしてこのタイミングで。突然のことにびっくりして、ただ呆然として。
「黙って聞いてりゃ、勝手なことばっか言ってくれて…」
震えている鶴姫の身体。それが怒りから来るものだと悟ったサスケは、反射的に身構えた。
「だったら尚のこと、先にお父さまのところに行くなんて卑怯よ!あたしはもう、迷うことすら出来ないじゃない」
「知らない所で勝手に決めて、報告だけして許してくれなんて、親父さんに悪ぃだろ」
「二人で決めたんじゃないことを言った所で、お父さまだって返事のしようがないでしょ!」
現に義輝は回答を保留しているのだし、間抜けもいいところだ。

鶴姫の苛立ちの原因は、ある種の悔しさにある。
まるで自分が、一も二もなく承諾するくらいサスケに夢中なのだと思われてる、それが納得いかない。
勿論、彼の言葉が嬉しくない訳がない。夢のようで、こんなに凄い運命があるのかと圧倒すらされている。
けれどここで歓んでしまったら、もうサスケなしでは生きて行けなくなりそうな気がする。
当たらずとも遠からずな現実があるにしても、逡巡は形だけだったとしても、引き返せなくなった時に苦しむ訳にはいかないのに。

「――もう、もう、もーうっ!この大バカッ!」
「血も涙もねぇ女だなお前、分かっちゃいたけど」
諦めた風に呟きながら、自嘲気味な笑顔を見せるサスケ。
その様子に、鶴姫は一瞬良心の呵責を感じたが、次の瞬間立ち上がった彼に見下ろされ、言葉を失う。
「今日はとりあえず帰る。お前もだ」
「はぁ!?…って、ちょっと!」
手を掴み、絶対引かない構え。こうなると、猿が猪へと変化したかのように歩みを止めないのは明らかだ。
鶴姫は抵抗も虚しく、そのまま夜の街に連れ出されることになった。
232姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:00:36 ID:C/5jlDXZ
辿り着いたのは、戦いの日々を過ごした懐かしいテント。サスケにとっては今も寝起きし、生活している大切な家だ。
「まぁ適当に座れ。寒くないか?」
「大丈夫よ。ホントにあんたは、人の話なんて聞きゃしないんだから…」
ただでさえ狭い内部に、無造作に置かれた荷物の山。今はサイゾウたちとは別行動だが、週末になるとクレープ屋を手伝いに来るため、物置を兼ねてしまっているらしい。
空と自分との間にある闇の色は、鶴姫を和ませる。不便で不自由な生活だったが、それも含めて楽しんでいたのだと実感させられる時。
顔を上げると、ペットボトルのお茶を振舞われた。機械的に含みつつ、狭さのために随分近くに座ったサスケに、懐かしい想いを告げようとする。
と、その時突然、テントを激しく叩かれる気配がした。
「!?」
容赦なく殴りつける物々しさに揃って息を呑み、殺気を漲らせる。揺るぎない緊張感。
が、その正体が雨音であると気づいた瞬間、自分たちの妙な初々しさに、思わず顔を見合せて笑った。
邪魔をされるのが怖くなるのは、近づくことに慣れていないからに違いない。
「可笑しいよな、俺たちって。結構長いこと一緒にいるのに、食えねぇ関係だよ」
「長く漬け過ぎて、しょっぱくなった胡瓜みたいな感じかもね」
「でも古漬けって美味いぞ?飯何杯でもいけるし」
ボケにはボケで返す。結局いつもシリアスでいられない、二人の空気。

「ま、結局のところはさ」
サスケはぽんと腿を叩き、鶴姫へ膝を寄せた。
「ずっと一緒に飯食っていられれば、俺はそれだけでいいってことだったんだけど」
さりげなくも真剣な口調で呟き、荒っぽく引き寄せる腕。
強引な接触に慣れない鶴姫は、どきどきしながらその胸に額を付け、答えた。
「うん、…あたしも」

体温と鼓動の近さに眩暈を感じながら、柔らかなシャツの感触と腕の熱さに酔い痴れて、少女は一つの覚悟を決める。
男と女の関係を深めるための手段は、明確だからこそ一筋縄ではいかない。それを知っていたから、サスケは2年もの間待っていてくれたのだ。
決して楽ではなかったはずだ。鶴姫もジレンマを感じたことがあるから、それは嫌でも分かる。
離れないようにするには、きっともうこうするしかないに違いない。
「しょうがないから、解禁にしてあげるわよ」
素っ気ない突然の言葉の重みに、サスケは度肝を抜かれる。
真っ直ぐさと動揺が入り混じる瞳には、悲愴さすら感じさせる独占欲が渦巻いていた。

「…いいのか」
確かめる声は、詰問するような低さ。
当然の疑惑をくぐり抜け、鶴姫は彼のシャツのボタンを外し始めた。
「正面からだとやりにくいわね、って、一体何枚着てるのよあんた。いつものことだけど暑くないの?」
シャツの下に更にシャツ。重ね着マニアにも困ったものだと言いたげな早口に窺える、押し込めた恐怖。
「無理すんな。始めちまったら、もう泣かれても止まれないぞ、俺」
忠告しつつ、額に唇を寄せて頬に落とすが、思いつめたように深呼吸をしただけで、鶴姫は比較的冷静にそれを受け取っているように思えた。
233姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:01:30 ID:C/5jlDXZ
サスケは腕を伸ばし、小さな身体を抱き上げる。
「上乗れ、つか狭いぞここ。いいのかホントに…」
答えの代わりに鶴姫は、腿に跨って肩に顎を乗せ、力いっぱい抱きついて来た。普段想いを素直に口にすることがない分、離さないで欲しいと懇願している細い腕。
鶴姫の頭を包んだサスケの掌が、ぽんぽんとあやすように軽く弾む。それは、慈しむ時の彼の癖。
薄い耳にそっと舌を這わせ、吐息を送り込む。髪を分けて首筋を舐め、肩をずらして唇を押しつけた。
「う…」
くすぐったいのか、鶴姫は僅かに腰を捩りながら、居心地悪そうな声を洩らした。時折笑い出しそうに息を吐き、サスケの後ろ髪を引く。
徐々に上がるテンションに、心臓は痛いくらいに高鳴る。血液が早回しのように集まり、貧血の直前の如く眩暈を感じた。

1枚、2枚、3枚…一体どれだけ着てるんだと問いたげな視線に晒されながら、サスケはシャツを脱ぎ始める。
鶴姫は真っ赤になり、衝撃を隠す余裕すらない。その初々しさにそそられて、彼女の服に手を伸ばす。
「え、あ、あのっ」
「今更慌てんな。止まれないって言っただろ」
さすがは猿だ。鶴姫は唇を噛み締め、これから訪れるであろう羞恥への覚悟を固めるしかなかった。
繊細な服の生地を壊さないように懸命に扱い、サスケはようやく鶴姫の肌を見る。薄闇の中に、仄白く浮かび上がる肩と腰、二の腕は、全て壊れそうに細い。
胸元を隠そうとするのを払い、上半身を抱えながら背中のホックに手を伸ばす。
「さーん、にー、いち」
「きゃあぁぁっ」
両手首を掴んで上半身を開くと、控えめな乳房が露になった。
「へぇ、一応揺れる程度にはあるんだな。ちょっと成長した?」
殴り倒すことも出来ず、怒りと恥ずかしさに頬を染めながら睨みつける鶴姫。サスケは苦笑しながら、ゆっくりと背中を引き寄せた。

「サスケ、熱い…」
「熱くもなる。それよりお前、力抜いてちゃんと俺に身体預けろ。腕伸ばしてくっついて、しっかり抱いてくれ」
鶴姫が避けているのは、恐らく身体の間で滾っているサスケのもの。
「格闘技なんだよ、これは。どんな夢見てるか知らないけどさ、絶対的に綺麗なもんであるはずがねぇんだし」
「…そうみたいね」
分かっているのに生々しさを受け入れられないのは、まだ夢を捨てきれていない証拠かも知れない。
「でもま、大丈夫だ。その、何と言うか…優しくするから」
とはいえ、普段の行動が格別に荒っぽいので、優しくしてやっと人並み程度なのだが。
234姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:02:32 ID:C/5jlDXZ
「触っても怒んなよ?」
サスケの手がゆっくりと上がって来る。
「な、なに急に!」
反射的にがっしり受けとめると、意外なことに彼は笑った。
「素直で結構」
そのままキスをされ、容赦なく口内を乱された。
気後れする間もなく舌を引き出され、柔らかく潰して絡める。奇妙な感触は、鶴姫の理性をゆっくりと揺らした。
「どんな感じだ?」
長い睫毛を伏せて頬を染め、ぼぅっとしているところを見ると、問うまでもないこと。なのに聞かずにいられないのが、サスケ独特の悪ガキ気質。
「分かんないわよ、そんなこと!」
「だよな。じゃあ教えてやる」

目前の膨らみに手を伸ばし、包み込みんで揉みしだく。先端が掌に擦れると、忽ち形を成して行くのが分かった。
「…ん…」
先の読めない不安と、与えられる行為への好奇心の狭間で溺れそうになる鶴姫。
サスケはその身体を膝を立てて持ち上げ、薄闇にも鮮やかな突起に吸いついた。
「やっ!」
「バカ暴れんな、噛んじまうぞ」
ゆっくり、且つ小刻みに舌を動かし、小さな蕾を味わう。もう片方は指で摘んで転がし、様子を窺った。
「ぅ、あ…」
奇妙なぬくもりとくすぐったさに、鶴姫は背を震わせる。
先端を刺激される度に、頭は麻酔を打たれたようにぼんやりして来るのに、心地好さはどんどん鮮明になって行った。
「くすぐったい?」
「ん、違…。何か、…ぁんっ!」
導く方向は間違っていないらしいので、与える刺激を強めた。
処女という天然遺産。責任が重い分、とことん楽しみ尽くしてやろうと企みながら。

「!!」
飛び退きかける身体を固定し、後頭部を引き寄せて更に深く貪った。そのまま僅かに腿を開き、隙間を作って指を奥へと忍ばせる。
「…う、ん、んぁ…」
苦しげに喉から上がって来る声。苦悩に満ちた甘さと唇の合わせ目から零れ落ちる銀の雫に、溶け合う熱が高まる。
キスに惹きつけさせたまま、サスケはショーツの脇から指を侵入させた。くすぐるように触れ、敏感なところを探り当てる。
「あっ!あ、…うぁ、ん…」
力加減に気をつけながら芽を摘み、転がすように動かすと、鶴姫は肩に額を乗せて嬌声を上げた。 
耳元に響く声に、サスケの鼓動が弾み出す。
指先だけで感じてしまいそうなくらい、甘くぬかるんだ感触。
高まる興奮を隠せずサスケが熱い息をつくと、それは鶴姫の耳へと吸い込まれ、艶めかしく彼女の背中を撫で上げる。
235姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:03:20 ID:C/5jlDXZ
普段は飄々としてる癖に、何でこんなに慣れてるの?
ふとよぎる嫉妬と共に疑問を呑み込むと、鶴姫の感覚は鋭敏さを増し、官能的な声が嘘のように自らの喉を通り抜けて行く。
その度にサスケの呼吸は荒くなり、抱きしめる腕に力が篭る。嬉しくて恥ずかしい、居たたまれない感情がまた、鶴姫の想いを深いものにした。
「さ、すけ」
「ん…?」
優しく受け止めてくれる眼差し。ここに二人でいることは間違いじゃないと、鶴姫はサスケの名前を呼び続ける。

その身体の奥へと指を沈めると、千切れんばかりに圧迫され、弾き返されそうになって驚いた。
「あっ…ん、あ…!」
予想以上の締め付け。やはり簡単にはいかなそうだ。
何処かに痛みを和らげられる鍵はないかと、探りながら動かし続けているうちに、サスケは怖がっている自分自身を実感した。
得るものはたくさんある。快楽だけじゃなく、表立って鶴姫を独占出来るようになれる歓びは大きい。
けれど同じくらい、失うものもあるのではないか。それを彼女が感じてしまったら、一体どうしたらいいんだろう。
迷いながらも内を探る指は止まることなく、入り口解すように広げ、柔らかく掻き混ぜた。
「んっ、ふ、あ…あぁ!」
サスケは顔中にキスをして、最後には首筋に噛みついてもどかしさを昇華させる。
やがて、声すら失う鶴姫。不器用な愛撫ながら、細い腰を弓なりに反らして高まったその姿は、白く罪深い残像を残した。

息を荒げながら、鶴姫は目を伏せる。
「やだ、もぅ…やだ、触らないで。見ないでよ!」
まったく、混乱すると無茶なことを言うところは昔から変わらない。
「バカヤロ、遅いっつの」
「変よ。こんなの違う、あたしじゃない。怖い…」
胸を押し退けようとするその手に、力はまったく篭っていなかった。
「何処もおかしかないぞ。変わってもない、お前はずっと」
人間年を経れば、変わる方が簡単なのだ。なのにそれをしない一途な姿は、切なくすらある。
「俺はそういうとこに…あの頃から惚れてんだよ。今だけだぞ言うの、惚れっぱなしだ。触るなって言われたって、触りたい時はどうしたらいい?」
顔を覗き込むと、突然正直に想いを告げたサスケを、鶴姫はそれこそ珍獣を扱うような視線で見ていた。
「散々あたしを放っといた癖に。ひと言で片付けようなんて甘過…」
可愛げのない答えを遮り、サスケは鶴姫を抱きしめた。
236姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:03:46 ID:C/5jlDXZ
やがて燻る炎が、最後の扉を開く覚悟を決めさせる。
荷物の山のテントは狭く、床は固く、まともに横たえてやる空間すら見つけられないままだ。
本当にこんな状況でしてしまっていいのかと気が咎める部分はあるが、ここまで来てやめられるほど人間は出来ていないのも事実。
かなり苦痛を与えることを承知で、下半身を折り畳むようにどうにか鶴姫を下にして、サスケはじっと顔を見た。
傷つけることへの責任はすべて、死ぬまで負う決意を秘めて。

「ん、う…」
気丈な鶴姫は危機をものともせず、熱を帯びた背中に指を這わせた。
感じるサスケの汗に、ぎりぎりで踏ん張る男の辛さを見る。
付き合ってからの2年間、いや、それよりも前から。ひたすら大切にされて来たんだと信じられる瞬間。
力を抜き、サスケの導くままに寄り添っていれば、絶対に大丈夫。
鶴姫は、鍛えられた肩に頬を寄せてから身体を浮かせ、ショーツを脱がせにかかる手を助けた。
パンツと下着をずらし、ようやく高まった自身を開放すると、サスケは興奮と安堵の溜息をつく。
再び軽く頭を叩きながら、髪を梳いてやった。
「怖いか」
「平気…」
答えた瞬間、小さく狭い突破口が開かれ始めた。
繋がり始める場所が、これ以上ないほど強引に押し広げられる。

刃物で容赦なく切りつけられるかのような痛みは、鶴姫の中にある潜在的な闘志を呼び覚ます。
だが、荒く小刻みなサスケの呼吸が知らせる切なさで、それは恐怖心と溶け合って消えて行った。
「んんっ、う、ぅん…」
サスケの身体を伝った汗は、鶴姫の身体へと零れ落ちる。喉に向かって貫かんとする熱い塊が、お腹の内側の更に奥を突き進んで来た。
激しい痛みに歯を喰いしばるも、これがサスケのものになるために必要なことならば耐えられる。

「サ、スケ…、や…あぁんっ!」
腰を掴まれ、静かに揺さぶられて、鶴姫は声を上げた。
「は…ん、あ、ぁっ」
サスケに翻弄され、強過ぎるあまりに最早境がなくなった痛みの層。
腰は砕けてしまいそうに重く、腿はあり得ない状態まで広げられ、軋みを上げる。
こんな風にめちゃくちゃに暴かれることなど初めてで、振られる頭から、恥と常識と理性が一緒くたに吹き飛んで行った。
代わりに満ちる砂糖の甘さはサスケの熱に煽られ、カラメルになって鶴姫の中に溢れ出す。

サスケは身を屈め、汗ばむ額を鶴姫の胸に擦りつけると、先端を含んで転がした。
焦れる身体は、既に我慢の限界に達している。余裕のなさの罪滅ぼしのように唇を重ね、深く侵して行った。
「すげ、気持ちい…」
「ん、っ…ホント…?」
濡れた睫毛の奥の瞳は、なんて色っぽいんだろうか。
色香なんて無縁な子供だと思っていたのに、今、自分はこんなにもとろかされそうになっている不思議。
引き寄せられるままに抱き、乱して縋って貪って、逃れられない恋に落ちる。いつでも、何度でも。
「サスケ…サスケ、大好き…!」
うわ言のような愛の言葉。
柔らかなその声に導かれ、サスケは天の世界へと舞い上がった。
237姫様の忍〜夢一夜:2008/06/06(金) 23:04:18 ID:C/5jlDXZ
さわさわと鳴る雨と風の音で、サスケは目を覚ました。荷物に寄りかかり、いつの間にか眠ってしまったらしい。
「ん…?」
しょぼつく薄い視界の中で、見慣れた自分のシャツに包まった鶴姫を探し当てた。振り返らない背中は照れているのか、それとも怒っているのか。
「どしたよ姫様。やけに大人しいな」
耳の後ろで呟かれて、鶴姫は心底困った顔をした。
ついに致してしまったという事実に加え、感情が昂った結果、かなり恥ずかしいことを言ってしまった記憶に苛まれる。

火照りを鎮めようと自らの頬を包み込んだとき、首に絡む何かに気がついた。
「え?」
触れてみる。柔らかなレザーの先で揺れるチャームは、小さな鶴の形をしていた。
「作ってやったんだ、大事にしろよ」
「手作り?どうして、今までこんなこと…」
驚き、畳みかける鶴姫に手を伸ばし、サスケは乱れた髪を整える。
「色々考えたけど、指輪なんかは柄じゃねぇからな」
目を細める輝きは、不器用なサスケの、世界で一つの約束のしるし。
穏やかな眼差しと、涙ぐみながら笑う瞳。その満ち足りた交差に、幸せが溢れ出す。

「今度こそ、ちゃんと親父さんに挨拶しないとな」
「三太夫のお墓にも行かなくちゃ。あたしとあんたがこんなことになるなんて、きっと大笑いね」
その言葉で、サスケはふと、最初の頃に三太夫に言われたことを思い出す。
――『幻城で、鶴姫様が待ち兼ねてるけん』。
なんてことない、その場の状況に沿った言葉の一つ。けれど、こんなにも運命を言い当てていたような気がする今が不思議だ。

「それにしても、お前が嫁に来るとなったら、いつまでもネコマルで旅してるって訳にもいかないよなぁ」
未来予想図、鶴姫と二人の生活。くっついてはしゃいで、喧嘩をしたとしても、なかなか悪くなさそうだとサスケはほくそ笑む。
が、その時突然、鶴姫の冷静な突っ込みが炸裂した。
「何言ってんのあんた。うち婿養子派よ。ついでにお父さまとブンも同居だからね。当然でしょ?」
「…えぇっ!?」
基本的な主従関係は先祖の代から変わっていないのだから、よく考えたら分かりそうなものなのに。
と言うか世が世なら、自分は姫をたぶらかした罪人扱いなのではないだろうか。それを考えれば、状況は遙かにましと言えるのかも知れない。

広がって行く、現実的なビジョン。
性格的には大人しいながら、やはり妖怪ゆえ神出鬼没なブンの目を盗んで寄り添い、察しが良過ぎる父に冷や汗をかいて、休みには仲間たちがひっきりなしに出入りし、邪魔をして行くであろうドタバタ邸宅…。
「ははは、は…」
「頑張ってね、サスケ」
鶴姫の笑顔に、代わりが効かない相手なら仕方がないか、と思うしかないサスケ。
住めば都。こうなったら誰でも何でも、どんと来いだ。

「とりあえず、もうちょっと寝ようぜ。あとのことは…起きたら考えりゃいいや」
サスケは荷物を掻き分け、無理やりにスペースを作って足を伸ばした。
手近な服を引っ張って毛布代わりにし、鶴姫を抱いて目を閉じる。
雨は、いつの間にかやんでいた。


〈終〉
238名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 00:12:56 ID:uRofmNJ+
GJ!
サスケ空回りしてるし、これから大変だな鶴姫w
239名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 21:33:13 ID:ejNoXPxU
忍者赤白続き超GJ!!!
240名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 08:29:25 ID:Ys2XmMNz
GJ!
鶴姫のツンっぷりかわええw
241名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 21:36:41 ID:MScD0Hnc
GJ!続きが読めて嬉しい
242名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 11:02:33 ID:E9/HEI5O
今度の放送で赤と銀にフラグ立つかな。
243名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 18:47:49 ID:leSmVWsy
赤銀のフラグ
金銀の妖しい雰囲気
ヒロピン状態の銀

いや〜明後日が楽しみだ。
244名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:34:36 ID:XTAjnTjc
赤→黄は完全に父娘状態だからな>さきちゃん、メッ!!
黄が誰かとフラグ立つ日はくるんだろうか
245名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:18:19 ID:nwtxnKA5
>>244
緑は冷奈さんラブだし、黒は堅物そうで戦隊内恋愛などとんでもない!って感じだし、
消去法だと青かねぇ。青黄メイン回も温存しているし。
黄→金もあるかな?出会いは最悪だけど。
246名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 12:34:52 ID:d9O3yCuQ
青ともオカンと娘状態だからなあ・・・
247名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 15:24:47 ID:LYh+kyTS
マジレンが兄妹だったからエロ方向は難しいかなーと思ってたけど、
ゴーオンも同等かそれ以上に何故か難易度が高い気がする

金銀兄妹に期待
248名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 18:27:56 ID:/Wy5AQev
萌え要素はたくさんあると思うけど、ギンジロー号で共同生活だし、
出先だと相棒がいるし、そういう意味での難易度は高い罠
249名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:00:35 ID:/E3o9L08
ケガレシアとキタネイダスに期待w
250名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:09:39 ID:8DVumkqt
じゃあ、黄色と金で黄金カプに期待
251名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 05:30:38 ID:8frBI5RZ
むしろ金は銀と近親相姦で
252名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 12:07:47 ID:ggwS7QSS
これから話が進めばどう転がるかわからんが
既に自分は金銀近親相姦カプが脳内に刷り込まれているw
253名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 22:51:51 ID:1I2a4oRN
おまいは鶏かw
254名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 23:36:24 ID:HngMKg6Z
銀は何かとアニアニ言い過ぎの真性ブラコン妹で、
金はその期待に答えてくれる(銀談)立派な兄貴らしいからな
近親相姦フラグは銀が勝手に立ててくれそうだwww
255名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:20:40 ID:eG5gp6Er
赤銀に萌えた
予告の期待を裏切らなかった…
256名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:50:36 ID:n6tKKQr8
何気に青が金銀来てから、オカンなのに二枚目路線になっている気ガス
257名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 01:52:35 ID:PchBxuAT
>>255
自分も。基本的にどんな組み合わせでも萌えられる自信があるけど、
今の所、赤銀の組み合わせが一番好きかもしれん。
駄目だししまくりのブラコン銀と、こいつ気に食わねー!って感じの
赤の組み合わせが非常によかった。成り行きとはいえ二人で渋谷行ったり、
銀が捕まったら人質変わりになるとか言い出すし、一緒に変身するし。
あと赤みたいな恋愛鈍感キャラに銀との組み合わせが来たのも
個人的によかったなあ。
258名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 00:21:18 ID:ns/ZIzWl
轟音銀×黄が見たい
259名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 02:27:05 ID:JA1Q60l0
汚レシア×金が見たい

ブラコン銀の目の前で、濃厚なのを見せ付けてほしい
260名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 04:24:18 ID:2msZObOs
GP-18であまりにも萌えたので、早速赤銀書いてしまいました。
美羽の性格が掴み切れていないところもあるかもしれませんが、
よろしければ読んでやってください。
261名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 04:29:43 ID:2msZObOs
 ギンジロー号のシャワー室で一日の汗を流した走輔は、白いシャツと真っ赤なトランク
スだけ穿くと、バスタオルで髪の水分を拭き取りながら自室へ向かっていた。
 こうしてシャワーを浴びた後は、いつも清々しい気分になれる。走輔は上機嫌で鼻歌ま
で歌いながら、やがて自室の前まで来た。部屋の前に立つと自動的に扉がスライドし、走
輔は部屋に一歩足を踏み入れる。
 と同時に、走輔は目と口を大きく開いた。心臓が飛び出るかと思うほどの驚きが走輔を
襲った。
「お、お前、美羽!」
 なんと、走輔の部屋の中には美羽がいたのである。美羽は走輔のベッドに座っており、
入ってきた走輔に向かって満面の笑みを見せた。
 走輔は今、下着しか着ていない状況であったが、美羽は大して気にしていないらしく、
表情を変えない。驚いて何も言えずにいる走輔に、美羽はなんでもないことのように自然
な口調で言った。
「あ、走輔。おかえりなさい」
「お、おかえりなさいじゃねーよ! お前、いつからここにいるんだ!?」
「いつからって、さっきよ。こっそり忍びこんじゃった」
「忍びこんじゃった、って……」
 走輔は頭を抱えた。厄介なことになった。
 美羽は兄の大翔いわく、『野良犬を放っておけない性格』らしい。そしてその『野良犬』
にあたるのが、走輔たちゴーオンジャーであるという。そのせいで、美羽はゴーオンジャ
ーの五人と知り合って以来、何かと五人の世話を焼くようになっていた。
 中でも、特に目をつけられたのが走輔だった。美羽は何かあるごとに走輔を連れ出し、
買い物に付き合わせたり、走輔の日常の態度に関して苦言を呈したりもした。走輔は余計
なお世話だと何度も言って抵抗したが、美羽は大して聞く耳を持たなかった。
 今、その美羽がついに、走輔の部屋にまで侵入してきたのである。ギンジロー号にいつ
の間にか入り込んでいたことは何度もあったが、走輔の部屋まで入ったことは一度もなかった
はずだ。それなのに何故今、こんな時間に彼女がここにやって来るのか。走輔は美羽の意
図が掴めず困り果てた。
「それで、何しに来たんだよ?」
「走輔のこと、観察しに来たのよ」
「観察だと?」
 美羽は頷いて立ち上がり、走輔の目の前を歩きながら言った。
「そう。あなたに似合う服とか、あなたの好きな食べ物とかはよくわかるようになったけ
ど、衣食住のうち、残りの住だけはまだ分からないから。だから来たの」
 美羽はにっこりと笑う。勘弁してくれ、と走輔はため息をついた。これではまるでスト
ーカーではないか。
「あのなあ、だからって、夜に男の部屋に忍び込むのはマズイだろう……」
「どうして? 私、ここで走輔を見てるだけよ?」
 きょとんとする美羽を前に、走輔は頭が痛くなる。この女は、男の部屋に入ることが一
体どういう意味を持つのか、本当に知らないのだろうか。色恋沙汰には鈍感とさんざん言
われてきた走輔でも、それがまずいことくらいは知っている。ましてや二人は、恋人同士
でもなんでもないのだ。
「とにかく、帰れ。俺はもうこれから寝るんだ。来るならまた明日にしろ」
「何言ってるの、その姿を観察しに来たんじゃない。いいわよ、寝ても。私、ここにいるから」
 走輔はなかなか理解しようとしない美羽に苛々とした。タオルの上から髪をかきむしり、
走輔は美羽を睨み付けた。美羽は微かに驚きの表情を見せたが、それでもなお、動こうと
しなかった。
「お前、本当に分かってないのか?」
「何が?」
 美羽は不思議そうに首を傾げる。本当に何も分かっていないようだ――走輔はため息を
ついて視線を下げた。その時、偶然にも美羽の太股が走輔の目に飛び込んできた。
 走輔は思わず唾を飲み込んでいた。こんなにじっと、美羽の太股を見たことはなかった。
黒いホットパンツから伸びた、白く美しい脚。このような状況と相まって、走輔の興奮を
呼び覚ますには十分な刺激を持っていた。
 恐れていたことが起きそうだ――走輔は内心まずいと思いながら、だが、その衝動は簡
単に止められるようなものではなさそうだった。
262夜の来訪者2:2008/06/18(水) 04:31:14 ID:2msZObOs
 走輔は焦った。早く、彼女を部屋から出さねば。しかしこれ以上言葉で説明して、彼女
は分かってくれるだろうか。その可能性は低い、と走輔は思った。
 口でどう遠回しに言っても分からないのなら、直接分からせるしかないかもしれない――
そんなことを考えているうちに走輔の中で焦りと興奮とが入り混じり、それはついに頂点
に達してしまった。
 走輔はタオルを後ろに放り投げ、美羽のほうにずいと寄ると、ベッドに向かって美羽の
体を押し倒した。
「きゃあっ!?」
 美羽は抵抗することもできぬまま、ベッドに押しつけられる。走輔は美羽の体にまたが
るようにして両足をベッドの上に置き、真上から彼女の顔を見つめた。突然のことに、美
羽の目は微かに怯えの色を宿していた。
「な、何するつもりなの!?」
「まだ分かってねえみたいだからな、もう一回言っておくぞ。俺はお前の“アニ”じゃねえ」
「そ、それが、なんだって――」
「いきなり家族でもなんでもない男の部屋に忍び込んできて、こんなことされても文句は
言えねえってことだよ!」
 そう言うと、走輔は一気に美羽の唇を奪った。美羽は嫌がるように顔を動かして抵抗し
たが、走輔は決して美羽の唇を離さなかった。
「んっ、んんーっ……!」
 美羽が苦しそうに口内で声を漏らす。それでも走輔は、美羽の唇を貪った。美羽の口か
らは、不思議と甘い香りがした。走輔は警告の意味を込め、少しだけのつもりであったが、
その香りの良さに、離れたくなくなるほど引き付けられていた。
「ふっ、んんっ……」
 やがてあまりにも苦しそうな息が続いたので、走輔は自身の欲望を殺し、体を美羽から
引きはがした。
 美羽はけほけほと咳き込み、涙目になりながら、走輔を睨んだ。だが走輔はそれ以上に
厳しい目を向けて、何か言いたげな美羽を遮り、言葉を発した。
「これで分かっただろ。これ以上何もされたくないなら、黙って出て行け。お前は何も分かってないんだよ」
 走輔が突き放すように言うと、美羽は唇を噛みながら走輔を睨みつけた。
「最低……アニなら、アニなら絶対こんなことしないわ!!」
「だから、いい加減に俺とお前の兄貴を混同するのはやめろ。俺は“アニ”と違うって言って
るだろ?」
「でも、いきなり、こんな……」
 泣きそうな声だった。確かに、警告にしてはやりすぎたかもしれないと、走輔は内心反
省していた。
 だが、自分の中の衝動がもう抑えられなくなり始めているのに、走輔は薄々感づいてい
た。先程必要以上に美羽の唇に執着したのも、その衝動のせいだ。抑えられなくなる前に、
美羽を部屋から出さなければ。走輔は本当に焦っていた。
「いいから、早く出て行け。本当にどうなっても知らねえぞ」
 もう一度、走輔は強い口調で言った。美羽はうっすらと浮かんだ目尻の涙をぬぐったが、
起き上がる様子は見られなかった。走輔は怪訝に思い、もう一度強く言うことにした。
「聞こえないのか!? いいから、早く――」
「責任、取って」
「は、はあ?」
 唐突な言葉に、走輔は目を丸くする。美羽は再び、強い口調で言った。
「私、初めてだったのよ、さっきの……だから、責任取ってくれる?」
「ち、ちょっと待て、それってどういう――」
「だから!」
 美羽は怒ったような口調で言いながら、顔を微かに赤らめた。
「アニが言ったの。初めてのキスは、本当に好きで、結婚したい人にあげるべきだって。
だから……」
「け、結婚だあ!?」
 いきなり大きな話になったので、走輔は思わずのけぞっていた。
 しかしこの兄妹、何という古臭い考えの持ち主なのだろう。どこか世間とずれているよ
うだということを認識しつつ、走輔はとんでもないことをしてしまったかもしれないと思
い始めていた。
「ちょっと待てよおい、まさか俺にお前と結婚しろとか言わないよな?」
「でも、それぐらい好きじゃなきゃだめってこと! 走輔は私のこと、何とも思ってない
のにあんなことしたの? だったら……だったら、許さないからね」
 美羽はぷくりと頬を膨らませて走輔を睨んだ。走輔は思わず頭をかいていた。
263夜の来訪者3:2008/06/18(水) 04:31:57 ID:2msZObOs
 確かに、あんな強引なことをする必要はなかったかもしれない。口で説得することもで
きたはずだ。だが、それは本当だろうか? あれほど言ったつもりなのに、美羽は一向に
部屋から出て行こうとしなかった。つまり走輔の行為はそれに強く抵抗した、一種の正当
防衛で――
「ねえ、どっちなの。私のこと、好きなの、そうじゃないの?」
 美羽に迫られ、走輔は返答に困った。考えれば考えるほど、訳がわからなくなりそうだった。
 そうして走輔が何も言えないでいるうちに、いつしか美羽は視線の鋭さを緩めていた。
目に涙をいっぱいに浮かべて、走輔の方に手を伸ばしてくる。その行動を意外に思いなが
ら、走輔は伸ばしてきた手の指に自分のそれを絡めた。
「な、なんだ?」
「好き、なの」
「は……」
 走輔は美羽の口から飛び出してきた言葉を、すぐには飲み込めずにいた。やっとそれが、
自分に向けられた言葉らしいと悟って、走輔は再び体をのけぞらせた。
「す、好きって、ええええ!?」
「だ、だから! 私は、ずっと、走輔のことが……」
「お、お前、それ、マジで言ってんのかよ」
「こんな恥ずかしい嘘、つくわけないでしょ!」
 美羽は完全に顔を赤くしていた。その言葉がどうやら本当らしいということは、走輔に
も分かった。
 しかし、納得がいかなかった。事あるごとに走輔と兄大翔を比較し、走輔に文句を言って
いた美羽。買い物に付き合うのを拒否すれば「アニは黙って付き合ってくれるのに」、美羽
の提案に興味のない素振りを見せれば「アニならもっと乗ってくれるのに」――走輔はそ
のたび、自分は大翔ではないのだと、さんざん言い返してきた。そのやりとりを二人の間
で交わすのが、次第に日常のことになり始めていた。
 そんな美羽が自分のことを好いていたとは、一体どういうことなのだろうか。
「でもお前、あれだけ俺にアニとは違う、アニとは違うってぶつぶつ言っておいて、何で
好きになるんだよ。訳がわかんねえよ……」
「私だって、訳、分かんないよ。でも、好きになったんだもん……」
 美羽は恥ずかしくなったのか、走輔から顔を逸らす。走輔は困った顔のまま、頭をかいた。
 確かにさんざんいがみ合ってはきたが、そのやりとりも、最近ではさほど不快には思わ
なくなっていた。その上ここまで言われて、嬉しくならないわけがなかった。
「走輔は? 走輔は、どうなの?」
 美羽に改めて聞かれて、走輔は迷いながらも、それに答えた。
「俺だって、好きでもない女にキスなんかしねえよ」
 美羽がはっと目を開いた。走輔は美羽から少し目を逸らした。
 余計な世話ばかり焼く、鬱陶しい女だと思っていた。だがその感情は、走輔も知らない
間に変化していたらしい。いつしか彼女と共に過ごすことが、嫌ではなくなっていた。彼
女に引っ張られてあちこち店を回るのが、苦痛ではなくなっていた。
 それは一緒にいる時に見せる、美羽の笑顔やちょっとした可愛らしい仕草が、走輔を知
らず知らずの間に惹きつけていたせいかもしれない。
「美羽……いいのか。このままここにいたら、俺、歯止めがきかなくなっちまう」
 美羽はじっと走輔を見つめた後、小さく頷いた。
「うん……」
 走輔の中の理性がすうっと溶けていき、砂のように零れ落ちる。
 走輔は美羽の桃色の唇に、ゆっくりと口付けを落とした。
264夜の来訪者4:2008/06/18(水) 04:37:25 ID:2msZObOs
 二度目の口付けは、一度目よりも強い甘さが漂ってきた。走輔はゆっくりと舌を入れ、
美羽のそれに絡める。美羽は戸惑っていたようだが、やがて走輔に全てを委ねた。
 走輔は口内に残った強烈な甘さを感じながら、美羽から離れる。そうして美羽の銀のジャ
ケットに手をかけ、ジッパーを下ろす。ぶかぶかのジャケットの中に隠された、美羽の双
丘が露わになった。走輔は思わず唾を飲む。
「お前の、こんな形してたんだな」
「あ、あんまり、見ないで……」
 美羽が頬を紅に染めて胸を隠す。走輔はその手をゆっくりと払って、彼女の上半身を覆って
いるTシャツを脱がせる。走輔の手はこんな時だけ器用に動いて、胸を隠していたブラジャー
まで、あっという間に取り払ってしまった。
 走輔は首筋、肩と口付けの痕を残しつつ、その桃色の丘の頂に食らいつく。
「あ、っん……」
 美羽が小さな声を漏らす。走輔はその突起を、ちろちろと舌で転がした。美羽の胸は美
しい形だった。走輔はその感触を、舌で思う存分に味わった。
 胸から口を離し、走輔は下半身を覆っているものも素早く脱がせてしまう。
「あっ、ち、ちょっと、走輔……」
 美羽は生まれたままの姿になり、戸惑った様子を見せながら、ぴたりと足を閉じた。だ
が走輔はそのわずかな隙間から手を侵入させて、繁みの中に手を入れた。敏感な部分を手
でなぞってやると、美羽が体をよじらせた。
「ああ、っあん……!」
 美羽の中から、温かい体液が零れ出す。それは美羽の敏感な部分を潤し、走輔の指を伝って
いった。
「や、ん、ああっ……」
 美羽の羞恥の表情が、たまらなくそそる。きっと初めてなのだろう。何せ美羽の理想の
男は今まであの兄貴だったのだ。どんな男も、美羽の眼中には入りもしなかったに違いな
い。
 そんな美羽が、初めて恋愛対象として意識した男性が走輔だったとしたら。それはなん
という幸せなのだろう。
「ア、アニは、絶対、こんなことしないわ……」
 ふと、幾度となく繰り返されてきたその台詞が、この場面になっても飛び出してきた。
走輔は驚きながら、劣等感を刺激されて少し苛々とした。
「だから、俺はお前のアニとは違――」
「でもね」
 走輔の言葉を遮り、美羽は微笑んだ。
「アニと違うから、私は走輔が好きなの……」
「美羽……」
 美羽の口からそんな言葉が飛び出すとは思えなくて、走輔は目を丸くした。何があって
も、アニ、アニと言って、大翔の言動を全ての価値基準としてきた美羽が、その価値観を
捨てるかのような言葉を口にしている。今までの美羽からは、全く考えられないことだった。
 そのことに対する驚きの感情は、徐々に美羽に対する愛情へと変化していった。走輔は
美羽を見つめながら、そっと美羽の髪を撫でた。
「俺も、好きだ、美羽」
「うん……嬉しい」
 笑った美羽の唇に、走輔はそっと口付けを落とした。
265夜の来訪者5:2008/06/18(水) 04:38:24 ID:2msZObOs
 唾液の滴るような濃厚な口付けの後、走輔は再び繁みの中に忍ばせた指を動かした。花
弁をいじるたび、美羽は顔を上気させて声を漏らした。
「あ、ああっん……へ、変に……」
「でも、気持ち良くないか?」
「へ、変なこと、言わないで……っ」
 美羽が首を縦に振らなかったので、走輔は十分に濡れたことを確認しながら、美羽の中
へと指を滑り込ませる。
「いっ、あ……っ!」
 異物の侵入が怖かったのか、美羽に強く締め付けられ、走輔は顔をしかめる。
「つ……お前、やっぱり、初めてなんだよな」
「あ、当たり前でしょ! こんなこと、するの……」
 美羽は唇を噛んでいた。
 だからといって、このままやめるわけにもいかない。走輔の下半身は、とっくに張り詰
めて下着の中でもがいていた。これをそのままにしておくことはできそうにない。
 走輔は指をゆっくりと動かし、美羽の中をかき混ぜた。甘い蜜が走輔の指に絡みつき、
襞が指を撫でる。
「あ、ああんっ……! や、あんっ……!」
 美羽が淫らな声を漏らす。美羽の中が弛緩してきて、走輔にも少し余裕ができた。
「な、気持ちいい、だろ?」
「や、あ、そんな、こと……」
「違うなら、やめてもいいんだぞ」
 意地悪なことを言ってやる。すると美羽ははっとして、走輔を切なげな目で見つめてきた。
「そ、そんな、の、なし、でしょ……」
「俺はお前が嫌がることはしたくないんだよ」
 今更何をと言われそうな白々しい台詞を吐く。美羽はくっと唇を噛んで悔しそうな表情
をしていたが、既に全身に回ってしまった快楽には勝てなかったようだ。再び切なげな視
線を、走輔に向けた。
「お願い、走輔……つ、つづけて……」
「いいのか、美羽?」
「う、うん……」
 哀願する美羽の目が、とてつもなく愛おしい。彼女は今、ただ、走輔を求めてくれている。
 こんなに可愛らしい女だっただろうかと思いつつ、走輔は指を動かし始めていた。
「あ、あああっ、変、なんか、ああっ……」
 再開したばかりだというのに、美羽がもう激しく体をのけぞらせた。快楽はもう既に、
ギリギリにまで達していたらしかった。
266夜の来訪者6:2008/06/18(水) 04:39:29 ID:2msZObOs
 走輔は指を止めた。彼女が快楽の園に行くつもりならば、自分も共に行きたい。
 走輔が止めたのを悟って、美羽が再び切なげな目で見る。
「や、なんで、やめ……」
「美羽、悪い。俺ももう、限界なんだよ。……いいか?」
「え、そ、それって……」
「お前の中に、入りたい」
 美羽の瞳が微かな不安に揺れる。走輔はその不安を和らげてやるように、美羽の髪を撫
でる。
「大丈夫だ、なるべく、優しくしてやるから……」
 言いながら、走輔は身に纏っていたものを全て脱いだ。頭は既に沸騰しそうなほどに熱
く、下半身も煮えたぎっている。どこまで彼女に言ったことが実行できるか、不安であった。
 泉のように愛液が溢れ濡れたそこに、走輔は自身をあてがう。そのまま、美羽を貫くよ
うにして中へと侵入させた。
「いっ、ああっ……! つうっ!」
 美羽の顔が苦痛に歪められる。
「い、痛いか?」
「い、痛……や、優しくするって……」
「悪い、加減がちょっと、分からなくて……」
 そうは言ったものの、加減をしていられる余裕も、そろそろなくなりそうだ。走輔は再
び、激しく美羽の中を突き上げた。美羽は痛みに顔を歪めながら、それでも甘く息を吐き
だした。
「ひぁんっ、ああっ……!」
「っ、み、美羽……」
 野生にとりつかれたような男の息と、苦痛と快楽の狭間で激しく揺れる女の息が混じり
合い、淫らな空間が作り上げられていた。走輔は達しそうになるのを感じながら、もう一
度美羽の奥へと突き上げた。
「あっ、あぁぁっん、だめ、走輔……!」
「好きだ、美羽……!」
 強い声で彼女の名を呼びながら、走輔は熱いものを全て放った。
267夜の来訪者7:2008/06/18(水) 04:40:02 ID:2msZObOs
 行為の後、走輔は激しい眠気に襲われ、美羽の横で眠りに落ちた。あまりに深い眠りに
落ちていたのか、もういつ眠ったかさえ覚えていないのだが、その眠りは突然発せられた
鋭い声によって遮られた。
「走輔、起きて!」
 目を覚ました走輔が初めて見たものは、美羽の怒った顔。
「な、なんだよ……」
 言いながら、走輔はベッドの向こうに置かれた時計を見る。短針はまだ、4と5の間を指
していた。走輔は眠い目をこすり、ため息をつく。
「おい、まだ四時じゃねえか。よくこんなに早く起きられるな……」
「何言ってるの。早くに起きたんじゃなくて、あなたのいびきがうるさすぎて眠れなかったのよ!」
 美羽の怒りの声が飛ぶ。そういえば、と走輔はぼんやり思った。走輔のいびきのうるさ
さは他の四人も迷惑に感じているらしく、連などは走輔のいびきの大きさを80デシベルと
表現していたくらいだった。
「それに、寝相も悪いし。どれだけ蹴飛ばされそうになったか……」
 全ては寝ている時の行為なので、走輔にはその実感がほとんど湧かないのだが、一応謝って
おくことにした。
「わ、悪かったよ」
「もう、こんなんじゃ駄目ね。あなたの“住”は、よく分かったわ」
 冷やかな視線を投げる美羽。既に彼女は、走輔の胸の中で甘い声を出して啼いていた美
羽ではない、いつもの美羽であった。走輔の手の中にあったはずの美羽が一気に砂と化し、
手からこぼれ落ちていくような感覚を味わう。
「とにかく、他の人たちに見つかったらまずいし。私、もう帰るわ」
「お、おう……」
 走輔はまだ頭がはっきりしていなかったが、立ち上がって送り出すことにした。だがそ
の走輔の姿を見て、美羽は驚いた表情をし、さっと目を逸らした。
「ち、ちょっと。そのままはやめて。せめて下着くらいは着てよ」
「え? あ、そうか」
 言われて、初めて自分が裸のままであったことに気づく。走輔はどこかに脱ぎ捨てた下
着を身に着け、ついでにいつも着ているゴーオンジャーの服一式も着た。
 そうして部屋を出る美羽についていき、走輔は彼女とともにギンジロー号を出た。
 美羽は走輔の方を振り返ると、少し怒ったような表情で言う。
「と、とりあえず。今度までに、いびきと寝相は直しておくこと。いい?」
「んなこと言われてもなぁ……」
 走輔が困ったように頭をかくと、美羽は横を向いて小さな声で呟いた。
「じゃなきゃ、私、走輔の横で寝られないじゃない」
「は、お前、今なんて……」
「とにかく、いいわね!」
 美羽はごまかすように強引に話を終わらせ、走輔の頬に軽くキスをする。突然の行動に、
走輔は驚いて美羽をまじまじと見つめたが、美羽は微かに顔を赤らめたまま、すぐにその
場を去って行ってしまった。
 走輔は美羽の背を見送りながら、そっと美羽の口付けの痕に手を触れた。
268名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 04:41:17 ID:2msZObOs
以上です。
一番上、「夜の来訪者1」とタイトルを入れるのを忘れていました。すみません。
269名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:40:42 ID:vrVMwr9s
GJ!
美羽かわいいよ美羽!
270名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:03:28 ID:cg5HgfvN
GJ!
271名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:16:34 ID:+M1W8YwN
>>260
なんというツンデレ!禿萌えたGGGGGGGJJJJJ!!
「アニと違うから好き」って…ブラコンキャラだけにとんでもない殺し文句だよハァハァ

二人の仲に感づいたアニの反応も知りたいかも、勘がいいからすぐわかっちゃうんだろうなw

272名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:35:22 ID:dNfvOLXe
超GJ
まさにこういう赤銀を求めてた。
273名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:36:13 ID:yaZ+oCCj
>>271
兄にはやさぐれた弟もいるからほっといていいよ
274名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:31:02 ID:EBI8SV6G
昨日久々にケガレシアの中の人のDVD引っ張り出して見た。やっぱり良い!
生徒二人相手にヤってたやつだったから、範人と走輔に変換してみた。
修行の回の時、師範の前で範人と走輔とヤってたりとか、夜コッソリとかでも面白い。
275名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 08:40:30 ID:XD65sdhp
来週は金銀の近親フラグですか?
276名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:21:17 ID:h3pyzUtb
金銀フラグキタ!
モテモテ兄さんに嫉妬妹なんて…おいしすぎる!
美味しい餌は、一週間おあずけですが…orz
277名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:59:55 ID:0aQDb0z0
あっち向いてホイしてる青黄に萌えた。
つくづく仲が良いなこの二人は。
母と娘っぽいと言われても、自分はやっぱり青黄を推したい。
278名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 10:41:54 ID:pRrRtGFK
>>277
むしろ母娘みたいだから萌える。
ほのぼの仲良しっていいね。

金銀フラグもキター!
来週の話の流れ、一番ツボかもしれんww
279sage:2008/06/22(日) 11:13:19 ID:6pxYikYZ
いやいや予告後のQ&Aコーナーで赤にオンブしてもらってる(ってか操縦してる)銀を
忘れてもらっては困るぞ
280名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 13:25:42 ID:GVvb0/1n
>>277
黄→金もありそうだけど、母娘だからこそ、今後ほのぼのスキンシップがあるんじゃないかと期待している。
つうか来週も青が黄色の肩を抱いて避難していたし。

>>279
赤銀のおんぶ萌えた!
銀の人がわざわざ髪を染めたのは、黄との差別化もあるんだろうけど赤に合わせたのかと思ったよ。
後はキタケガ最高。
平目投入でここまでラブラブを見せつけられるとは。
281名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 13:30:24 ID:GVvb0/1n
来週休みなんだよね。orz
二回潰れるよりはマシだけど待ち遠しいなぁ
282名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 17:38:14 ID:z8+K2arC
金銀フラグの人が自分以外にも沢山いて嬉しい。
最初から金銀金銀言ってたからメチャメチャ楽しみなのに
ここで1週お預けとは。
283名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:52:04 ID:8errQxWh
公式の予告の写真見ると、兄妹なのをいいことに、炎上の中でハグしそうな雰囲気だったな。
284名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 16:47:34 ID:4gcDmZYV
ハグどころか、「アニのバカ!」とか言いながら妹から抱き付いて、
そのままキスしたって良いと思うw
285名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 11:03:29 ID:gogNVS7a
レストランの青の暗い表情を見たら、青銀にも萌えた。
銀が卵料理を食べて「庶民の食事もいいじゃない」というシーンとかやってくれないかな。
286名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:29:43 ID:UkluqFhU
最近初めて冒険観た。シズカちゃんかわいいな・・・
287名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 22:58:56 ID:1PRw+nNK
なつきも可愛いよ
288名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 23:58:24 ID:wMoo3quJ
いや、姐さんだろ。
289名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 11:12:32 ID:i75Lp3gm
>>286
是非保管庫の青×風を読んでくれ!
290名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 12:09:16 ID:+xBJH5Th
刃や月光様相手も良いでよ。
291名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:43:27 ID:3amEevnT
うちの子はボウケンジャーを最後に戦隊ものから卒業した。
「ゲキレンジャーなんて保育園の子が見るんだよ。」ていってた。
普通の子てみんなこうして卒業するのかと妙に感心してしまった。
戦隊オタの自分にもまともな子供て育つんだなぁ。  旦那に感謝しよ。
292名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:10:40 ID:ZsnVGtY0
>>291
スレ違い…。
293名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:10:26 ID:81/sOndC
久しぶりに魔法を見た。
金青にニヤケが止まらない。
誰か良いネタ受信させて下さい
294名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:54:58 ID:+Qe8qjV2
>>292
いえ板違いです。
295名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:03:21 ID:IogiVF+K
>>294
一瞬>>293がゴーオンの話かと思っちゃう流れだったよw
296sage:2008/07/05(土) 00:13:34 ID:tjWxI24l
どうしても、このカプが気になって仕方なく
生まれて初めて書いてみました。
お目汚し、失礼します。
金×銀お嫌な方はどうぞスルーでお願いします。
297名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:15:47 ID:tjWxI24l
ああ〜
緊張のあまりあげちゃった。
すみません、勉強しなおします。
298名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:23:19 ID:ZxcFoKxj
>>296
…轟音だよね?>金銀
冒険金銀だと板違いだしwww
気にしないで、投稿ガンガレ!
299名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 00:50:17 ID:QpAIC35L
>296
金銀飢えてたんだ…!
気が向いたら投下お願いします。
300名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:09:47 ID:tjWxI24l
轟音ですw
期待するようなものではないですが
よろしくおねがいします。
301眠レナイノハ、誰ノセイ:2008/07/05(土) 01:10:41 ID:tjWxI24l

「美羽、一緒にトレーニングしないか?」
…また、いない。
さっきまで花をアレンジしてたのに、またあいつらのとこに行ったのか…
最近、頻繁にいないことが多くなった妹に、小さな苛立ちを感じる。嫉妬…?


小さい頃から、俺の後をくっついてきた妹。お互いを必要として、
たくさんの時間を一緒に過ごしてきた。
大人になった今も「アニ、アニ」と、誰よりも俺の名を呼ぶことが多い。
なのに最近、奴らと知り合ってから、少しずつ知らない時間が増えてきた。
それとともに、美羽が『アイツ』の話をすることも多くなった。
それは無意識の様だったが。


「アニ、久しぶりに一緒に寝ていい?」
小さい頃のまま、1つのベッドで寝ることも少なくなかった。二人しかいなかったから。
最近ではあまりなかった。俺の方がさりげなく避けていた。
美羽は無邪気なままだったから。
俺がする行為を、それと知らずに受け『眠くなるおまじない』と信じて…

「アニ…眠れないの。」
黙って隣で目を閉じていたから、眠ったと思っていた。
「ん?」
「おまじない、して…?」
そう言って俺に背中を向ける。日中はポニーテールにしている髪は、
シャンプー後下ろしたままだ。後ろからだと表情は見えないが目を瞑っているだろう。
俺の興味と欲望で教えこんでしまった『おまじない』…
罪悪感と、美羽への今までとは違う感情が芽生えたことで
しばらくしていなかった、避けていた『おまじない』。
しかし。
『アイツ』への優越感に浸りたかった。言い訳か。
302眠レナイノハ、誰ノセイ:2008/07/05(土) 01:15:03 ID:tjWxI24l
髪を撫でる。さらさらとしたストレートヘアは俺の指を優しく刺激する。
その髪の上から耳に、触れるか触れないかで口づけをする。
「ん…」
美羽の肩が少しだけ動く。
なだらかなウエストから線に沿うように尻を撫でる。
小振りのヒップは横向きに寝ているせいで、手を簡単に割れ目に沿わせることができる。
「ふぁ…」
美羽は小さな声で息を逃す。
長くすらっとした足を片方ぐっと掴むと、間に自分の足を滑り込ませる。
パジャマの中に手を入れ下着の上から触れてみると、柔らかい感触が感じられる。
「あっ…」
そのままゆっくりと往復させる。指を一本にしてみたり、
二本にしてみたりしながら。何度も優しく。
303眠レナイノハ、誰ノセイ:2008/07/05(土) 01:16:11 ID:tjWxI24l
「あっ…は…ぁ…」
零れるような小さな声は、そのまま美羽の小さな昂ぶりを感じさせる。
下着の中に手を入れ、下げようとすると、美羽は何も言わずに自分の腰をあげ、
俺の動作をスムーズにする。いつものように。
「気持ちよくなると眠れるんだよな。」
暗闇の中、俺の声は以外と響いた。同時に身につけているものを滑らせるように脱がす。
「…うん。」
美羽のそこはすでに濡れそぼっていた。下着の上からでも相当感じてしまっているようだ。
そっと人差し指と薬指で開き、外気にさらすと小さな水音がする。
「あぁ…」
無駄に大きな声は出さない。自分の中で感覚を堪能しているのだろう。
中指でそっとあたりをさぐってもそれはたいしてかわらない。
そうこれは、俺の手を遣ってオナニーしているだけのことだ。
今まで一度だって、最後まで繋がったことは、ない。
妹を大事にしたい。その気持ちは欲望より強かった。
304眠レナイノハ、誰ノセイ:2008/07/05(土) 01:16:57 ID:tjWxI24l
左右の襞を優しく撫で上げる。中から染み出てくる蜜をすくいとり、花芯になすりつける。
「あっ…!はっ、あ…」
優しく、ゆっくりと。
乱暴なことは絶対しない。拒絶されることのないように。
花芯の真ん中より、周りを円を描くように沿ってやると、悦ぶ。
小さめの花芯が、でも固さを増してくる。
そのまま反対の指で、そっと中指を美羽の中に入れる。
まだ男のものを知らない美羽には、指全部は入れてやらない。
ほんの第一関節ほど。優しく抜き差しする。
「はぁ…ぁ…ん…アニ、もっ…と…」
後ろから抱き締めるような状態で、美羽のその部分を悦ばすことだけが自分に許した、甘い、苦しい行為。
美羽の切な気な顔を見ることも、大きくはないが柔らかそうな乳房に触れることもない。
これは罰か。
「んんっ…あ…に、きもち…い…」
俺の名を呼ぶ。俺を求める。
それが俺を満たしてもくれ、切なくもさせる。
305眠レナイノハ、誰ノセイ:2008/07/05(土) 01:17:30 ID:tjWxI24l
「あっ…んっ、あっ…」
だんだん息が荒くなる。声は変わらず漏れ出る程の大きさだが、本当に気持ち良さそうだ。
指の動きを、早くしたり強くしたりはしない。
このままの動きでも、山を登るように快感が増してくるのがわかる。
「は…ぁっ、あぁ…お…にぃちゃ…んっ」
登りつめそうになると、子供の頃のように呼ぶ。後で聞いてみると無意識だと言う。
普段はかっこつけてんのかと思うと、可笑しくも可愛い。
「んっ…ぁ。ぃく…」
体をのけぞり身を固くする美羽の姿に喉がごくりとなる。
その言葉に俺の物も痛い程に反応する。
身動きできないそれはあとで何とかするしかない。
美羽には気付かれないように。
長く細い脚をぴんと伸ばし美羽は達する。
「あ…あぁあっ…!…うすけ」
『?!』
瞬間頭を殴られたのかと思った。
あまりにも小さくてその声は全てを聞き取ることはできなかったが、
今確かにあいつの名前を呼んだ。『走輔』と…。
体をびくつかせる美羽を後から睨むように見つめながら、
俺の頭の中で何かが切れる音を聞いた。

306名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:21:34 ID:tjWxI24l

以上です。

読みづらかったらごめんなさい。
自己満足でしかないです。
307名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 08:17:44 ID:JXslbjDo
うおおおお朝からいいもん見た!>>301-305超GJ
アニの優しさと切なさに全俺が泣いた

さあ、早くその続きを書く作業に戻るんだ!
308名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 14:22:58 ID:GRDBT2CE
うおおおお昼間っから(ry
GJGJ!!!

切れたアニのその後をkwsk
309名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 22:08:57 ID:Ddr/YTet
うげー
310名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:35:48 ID:T96A8t5B
GJ!
わっふるわっふる。
311名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 11:05:33 ID:fdzd5IRW
GJ!!!!!
今日の放送で金銀兄妹に萌えたぎってたので読めて嬉しい
312名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 15:35:59 ID:rVB9Eo8J
>>301-305で禿萌えてたところに今日の話はストライクど真ん中

「上でも下でもry」は堪えたのに
「アニが(炎神)合体好きだったなんて!」で野菜ジュース吹いたwwwwww
313名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 16:38:36 ID:n6BOOICm
しかし今回放送で、美羽が走輔の「マッハで〜」を横取りしてもいるという!
まあ、兄への思いから出た言葉ではあるんだが。

……三角関係として妄想考察進めると鼻血出そうだw

ともあれ>>301-305さんGJ!続きを、どうか続きを!
314306:2008/07/07(月) 23:01:14 ID:6Kh+A6au
GJいただきまして嬉しいです。
ありがとうございます。

昨日のはまだ見てないのですが、急いで続きを書いてみました。
そしたら、無駄に長い上に強姦気味です。

お嫌な方はスルーでお願いします。轟音金×銀です。
315熱キ鼓動ノ果テ:2008/07/07(月) 23:10:22 ID:6Kh+A6au
俺は何も言わずにベッドサイドの灯りをつけた。

いつもなら闇の中、そのまま俺の腕の中で眠らせる。
荒くなった息が落ち着く頃に、それが寝息に変わっていることが多い。
しかし、いくら登り詰めた瞬間とは言え、自分が誰の名前を口にしたかは気付いたのだろう。
そんな自分自身に驚いたのかもしれない。
そして俺への気まずさからゆっくりと振り向き、俺の顔を伺う。
「ア…ニ…!?」
開いたその唇を塞いだ。今まで触れたくても触れなかった薄紅色をした唇。
息ができない程に口中を吸う。舌を己のそれでひっぱりだすように、自分の口中に誘い入れる。
甘い唾液が零れ落ちそうになるがそれも全て飲み干す。
「んっ…」
最初は、驚いた顔で目を見開いていた美羽が、苦しさに目をきつく瞑る。
全ての表情が見たくて俺は目を閉じられない。
「かはぁっ!はぁ…」
離してやると、慌てて体に酸素を送るように息を吸い込む。
「アニ…どうして…」
息苦しさからだけでなく、目に涙を浮かべた美羽に、何も答えず首筋に口づけをする。
俺の目に怒りを見つけた美羽は、それ以上聞けずに抵抗する。
両腕で俺の胸を押しやるように、顔を横に背けながら。
一度達した身体は、いくら鍛えているとは言え、俺に適うはずもなく、その抵抗は俺にとっては何の効果もないのに。
首筋を這うように舐めると、それまで上半身を隠していたものを勢いよく捲り上げる。
白いブラジャーの中に、形良くおさまった胸。その中に下から手を入れそのままずりあげる。
「やっ…」
腕で隠そうとするが、それも俺の手に止められ顔を左右に振るしかできないでいる美羽。
手の中にすっぽりとおさまる膨らみをやわやわと揉みながら、もう片方に口を近付ける。
「やっ…アニ、だめっ」
薄桃色の小さな頂きを舌で舐める。
316熱キ鼓動ノ果テ:2008/07/07(月) 23:12:00 ID:6Kh+A6au
…モウトマラナイ

舐めとり、吸い上げ、口に含む。歯で甘咬みする。
「はっ…やっ…だめ…」
両の胸を味わいながら、零れる言葉に俺の欲情は高まり、その口をも指で愛撫する。
歯に親指をなぞらせる。舌を指で摘み出す。手の平で頬を撫でる。
「んっ…」
臍へ舌を下ろしながらウェストラインを片手で抱えるように撫でる。
「あっ…はっ…ぁ」
腰を引き、胸を仰け反らせ感じる美羽は、予想以上に女の顔をしていた。
さっきさんざん弄り、その手が形を憶えているそこに、初めて顔を近付ける。
柔らかい毛をさわさわと触りながらもう一度、美羽の顔を見る。
さっきまできつく瞑っていた目は、その瞬間、また見開き、俺を宥めるように、懇願するように俺の目を見つめる。
「アニ…だめ…だよ…」
でも俺には、甘く俺を誘う欲情した『女』の目に映る。
「俺じゃなく、誰にしてほしいんだ?」
その声にかなり怒りが含まれていると気付く。美羽も、俺も。
「やっ…違う。そんなんじゃ、ないっ」

めちゃくちゃにしたい。

全て俺のものにしたい。

アイツになど触れさせない。

さっきまで、さんざん弄りまるで己の体の一部かのようにくっついていた美羽のその部分に顔を近付け息を吹き掛ける。
美羽はそれを留めようと、俺の頭を押さえる。残念ながらそれはかなわず、
その姿勢がかえって自分の胸を寄せあわせ、煽情的なポーズで俺を刺激する。
「だめっ…はぁっ」
さっきの名残か、今の愛撫か美羽のそこは溢れるように濡れていた。
「きれいだ…」
思わず低く呟いた声に、美羽の身体はびくと反応する。
脚を、腰を、押さえつけているせいで手が使えない。
舌で襞をなぞり、時々それをはむようにしゃぶる。中から溢れる蜜を舐めすする。
「あっ…やっ…はぁっ」
身体をくねらせ、初めての感触に逃げようとする。
しかしその動きに、拒否が見られなくなってきたのをいいことに、片方の手を使い隠れている蕾を顕にする。
可愛らしい蕾は赤くぷっくりと腫れて、俺を誘う。
舌でちろと舐め上げる。
「うっ…やぁんっ…」
手でやるよりも、更に柔らかい舌の感触に美羽の身体は抗う力をなくしたようだ。蕾を舌で遊び、中に指を挿す。
でももう優しく出来ない。
それまでほんの入口程度しかゆるさなかった侵入を、一気にずぶずぶと奥まで入れる。
きついが、潤っている壁は俺の指を拒まない。
「ひっ…やっ…あぁんっ!」
奥のざらざらとしたところを、二本の指で引っ掻くように擦ると、声をいっそう上ずらせる。
(こんなの、知らない…)
美羽の声が聞こえてくるようだ。
317熱キ鼓動ノ果テ:2008/07/07(月) 23:14:20 ID:6Kh+A6au
「あっ…んっ…あっ…」
感じている。蜜口は僅かだが開き、そこは俺を待っている。
自分の勝手な解釈を鼻で笑い、気付かれないように自分の下着を下げ、そそり立つものを解放してやる。
「みう…」
指を挿したまま、身体を起こし耳元で低く囁く。美羽の手首を握り、俺のモノを触らせる。
「!?」
指を上からくるみ、握らせる。美羽の細い指の感触に思わず声が出る。
「くっ…」
嫌々をしながら手を離そうとする美羽に構わず、その手を動かせる。
「これ以上、我慢できないんだよ…」
俺の行為を予測した美羽は目を開き、もっと首をふる。
「ごめんなさいっ…あに…ゆるしてっ」
そのまま美羽の手ごと、そこに近付ける。
「ゆるさない。」
何をゆるさないのか、誰にゆるしてほしいのか、ゆるされたいのは俺なのか。
完全に冷静さを失った俺は、一気に貫く。
「やっ!!ああぁっ!!」
めりめりと音をたてるかと思うほど、そこは痛いくらいきつく俺を締め付ける。
「くぅ…はっ…」
痛みから顔を歪め、美羽の目から零れ落ちる涙は、すでに筋になっている。指で膨らんだ蕾も触ってやる。
「美羽……」

お前のことを一番理解しているのは誰だ?

お前とともにいるのは誰だ?

お前を一番愛しているのは誰だ?

思いの丈をぶつけるように、烈しく動く。
「あっ…はぁっ…はぁぁっ」
息の逃し方を見つけた美羽の中が、少しずつとろんとなるのがわかる。
「みうっ…」
想像以上の快感に、呆気なく達してしまいそうになる。俺のモノが硬さを増す。
「はぁっ…ぁ…ん…ぁあっ」
「くぅっ…!」
最後の最後に少しだけ残った理性で、引き出したモノを美羽の下腹に擦り付けると勢いよく精を放つ。
美羽の白い腹に、胸に、顔に。
「ひゃっ…」
最後まで美羽を汚してしまった俺は、美羽の上に被さり息を調える。
「すまない…」

デモワタシタクナイ。

俺の中に積み重なった闇がまだ広がり続ける…
318熱キ鼓動ノ果テ:2008/07/07(月) 23:20:56 ID:6Kh+A6au

以上です。

アニの性格違っちゃったかも、です。
すみません。
319名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:23:50 ID:tFOl6HOy
リアルタイムktkr!

>318
GJ!
ブレイク限界しちゃったんだなアニ…
320名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:22:06 ID:K2OVIz3U
GJ!何という期待を裏切らないブレイク限界……
321名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:21:40 ID:Xti2kqvk
GJ!アニ、良い!
金銀は和姦でも強引でも良い!良いもんをありがとう!
322名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:19:56 ID:pPCC+6E2
GJ!
先週の放送見て、改めて思ったんだが、アニの声ってエロイよな
323名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:36:17 ID:5szHNVAZ
>>318
GJすぎる…!
アニは黒いし、美羽はエロいわでハァハァ
GP-20見た後の>>318にますます期待w

>>322
はげどう
あの押し殺した声で脳内再生されるから困るw

金銀兄妹は走輔たちよりもアダルトな雰囲気だから妄想が膨らみやすい
赤銀も好きなのでいっそ3Pとかも見てみたいんだっぜ!
324名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 00:53:13 ID:SzNR8nlF
美羽は走輔たちと精神年齢は同レベルっぽくね?
早輝とも女の子同士仲良くしたそうだったし
だけど「クールで正しくてカッコいい、世界一キラキラな自慢のアニ」と
一緒に戦うのに相応しい戦士になる!あたしもうオトナだもん!

みたいな感じだったら萌え
325名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 19:23:09 ID:9izieYuX
>>324
こないだの話はまさにそんな感じだったな。
326名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 23:52:20 ID:SxAYzbvF
>>322
アニはクールな演技をしながら、
妹相手のときだけ、優しい声を心がけているらしいぜ!
327名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 09:52:30 ID:F/wHOqSs
>>326
やっぱりそうだったのか!
妹にだけ甘い声で話すから、ニヤニヤしてたぜ!
328名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 12:17:19 ID:fTNq7ytN
もう、金銀での食事風景は、銀が
「はい、アニ、あ〜ん」
とかナチュラルにやってそうだ。もちろん、金も、
「美羽、付いてるぞ」
とナチュラルに口の端に付いたものを指で掬うのコンボで!
329名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 19:08:47 ID:kAIFoZRF
金銀で盛り上がっているところ、失礼します。
轟音赤銀投下させていただきます。苦手な方はスルー、お願いします。
330轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:10:42 ID:kAIFoZRF
「あっ、あぁんっ……」
「よっしゃ、俺の勝ちな」
 走輔が嬉しそうな声を上げるのを聞いて、美羽は悔しさから走輔の背に爪を立てた。
「痛っ! やめろって」
「こんなこと、して、私に勝ったつもりなの? こんなの、フェアじゃない」
 必死に強い口調で言おうとするが、それでも涙声になってしまうのが、また悔しい。走
輔はへっと小さく笑って、再び指を動かし始めた。
「そっちこそフェアじゃねーだろ。俺のこと、無理やり買い物に付き合わせるばっかりで。
お前が俺に付き合ってくれたことなんてあったかよ?」
「ぁん……あ、あるじゃない。ひゃ……そ、走輔の、服選び、あぁん、付き合ってあげた
もん」
 快楽に抗えず、情けない声が出てしまう。
「あれも俺が付き合わされたんだよ。俺が付き合わせたんじゃねえ」
「でもっ、ぁっ、あぁぁっ……」
 再び言い返そうとしたが、言葉にならなかった。美羽は唇を噛み、走輔の背に回した腕
の力を強めた。
331轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:11:45 ID:kAIFoZRF
 いつものように、美羽はギンジロー号にやってきていた。無論、走輔を買い物に付き合
わせるためだ。
 そう言って誘うたびに走輔は激しく嫌がったが、そんな走輔を最終的に屈服させ、荷物
持ちにさせることで、いつも美羽の優越感は大いに満たされていた。
「走輔! 早く、買い物行くよ!」
 美羽が明るい声で言うと、走輔はいつものように嫌そうな顔をした。
「はあ!? やだね、俺はもうお前に付き合うのはうんざりだっつってんだろ!」
「ふーん。じゃあ、今日もこれ、使おっかなー」
 美羽はそう言って、切り札のウイングトリガーを取り出す。途端に、走輔の表情が変わった。
 以前、これを走輔の頭にセットし、走輔を操って買い物に連れて行ったことがあった。
なんでも操縦できるとは聞いていたが、その能力は予想以上のものだった。
 それ以来、美羽は切り札として、これを使うことにしていた。走輔も恐れをなしている
のか、見せるだけで表情を変えるようになったからだ。
 走輔は美羽をなだめるようにしながら、言った。
「わ、分かった。分かったよ。行くから、なっ」
「そうそう、それでいいの」
 美羽は得意そうな表情をして、頷いた。
 今日はあっさりと屈伏してくれた。少し物足りない、とも思ったが、そこまで言うのは
贅沢かもしれない。とにかく、走輔が付き合ってくれさえすればそれでいいのだ。
 だが、今日はそれで終わらなかった。
 完璧に降参した様子だった走輔が、急ににやりと笑ったのだ。美羽が首を傾げると、
走輔はぴんと、人差し指を真っ直ぐに立てた。
「ただし、一つだけ条件がある」
「条件?」
 走輔は頷いて、続けた。
「俺と勝負しろ。それにお前が勝ったら、今からも、これからもずっと何も言わずに付き
合ってやる」
「ふうん……」
 美羽は腕組みをして考えた。
 効力が今日だけなら面倒だと言って却下したかもしれないが、今後も文句言わずに付き
合ってもらえるというのはおいしい。
 それに、勝負事と聞いては黙っていられない。自分がゴーオンジャーに負けるなんてあ
りえないと、美羽は完全に思いこんでいた。その力の差を示すためにも、この勝負の話に
は乗るべきだろう。
「いいわ、その勝負、受けてあげる」
 美羽が余裕の表情で言うと、走輔の目がきらりと光った。なおもにやにやと笑い続ける
走輔に、何故か妙な感覚がしたが、気のせいにすることにした。
 走輔に連れられて、美羽はギンジロー号の中に入った。そのまま連れて行かれたのは、
走輔の部屋だった。走輔の部屋までは入ったことがなく、美羽は物珍しそうに見まわした。
「へえ、こういうふうになってるんだ。走輔の部屋」
「ああ。まあ、とりあえず座れよ」
 殺風景な部屋に一つだけ置いてあるベッドに、美羽は腰を下ろした。走輔は立ったまま、言葉を続けた。
「さて、勝負だな。じゃあ、ルールを説明するぜ」
「ええ。一体どういう勝負なの?」
 美羽が尋ねると、走輔は再びにやりと笑った。
「俺の部屋から出るまで、一切何も喋らないこと。これだけだ」
 てっきり変身して戦うとか、そういうことだと思っていた美羽は拍子抜けした。ただ、黙っているだけでいい勝負なんて、聞いたことがない。
「何かと思ったらつまんない。そんなの、勝負って言えるの?」
「まあ、いいじゃねえか。簡単だろ?」
「それは、そうだけど」
 確かに、体力を消費するわけでもなし、簡単といえば簡単だ。張り合いはないが、それで走輔を一生付き合わせてやれるのなら、安いものだと美羽は思うことにした。
「いいわ、分かった。じゃあ、今から?」
「そうだ。それじゃ行くぜ、よーい、スタート!」
 美羽は口をつぐみ、決して開けないようにした。走輔も同じく、口を閉じた。
332轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:12:38 ID:kAIFoZRF
 部屋に、静寂が訪れていた。
 美羽はベッドの上に座ったまま、走輔はその前に立ったまま、ぴくりとも動かない。た
だ、睨み合って、互いに屈伏する気がないことを主張していた。
 だがその空気を破り、おもむろに走輔が動きだした。
 走輔は美羽の座っているベッドに乗り込んできて、美羽にこちらに来るよう、手招きし
て合図してきたのだ。
 美羽は怪訝そうな顔をしながら、これも勝負の一種なのだろうかと思い、それに従って
膝を立て、走輔に近づいて行った。
 それが、全ての終わりだった。
 走輔は突然、美羽の背に手を回した。美羽は咄嗟に抵抗したが、その力は意外にも強く、
抗えなかった。
 走輔はそのまま美羽を自分の方に引き寄せたかと思うと、美羽の唇を強引に奪った。
 一体何の冗談なのだろうと、美羽は思った。必死に抗おうとするが、声が出せないのが
辛い。そもそも唇は走輔に塞がれていて、言葉を発することはできないのだが――。
 その口付けの最中に、下半身に妙な感覚が走った。美羽がそっと下を見ると、走輔が
美羽の腰に巻いたベルトを外していた。
 ――いや、何するの!?
 じたばたするが、思うように体に力が入らない。そうしている間に、美羽のベルトは
外され、走輔の手は器用に動いて、ホットパンツまで脱がされてしまった。
 やっと唇が外されたかと思えば、今度は下半身だ。美羽はいやいやと首を振ったが、
走輔はそんなこともお構いなしに、美羽の股に手を入れた。そのまま走輔の手は駆け
あがって行って、下着の上から、美羽の秘所に触れた。
 ――いや、ぁ……
 びくんと、美羽が思った以上に体が跳ねた。嫌だ嫌だとばかり思っているのに、走輔の
指が動くたびに快楽に身をよじらされ、温かな蜜が溢れだしてくるのを感じる。
 ――あ、あ、ああぁっ……
 次々と下半身からせりあがってくる快感の波に、ついに美羽は耐えきれなくなった。
 勝負のことを一瞬忘れ、思わず、声を出してしまっていたのだった――
333轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:12:57 ID:kAIFoZRF
「うわっ。すっごい、濡れてんのな……」
 走輔の手が止まり、ぽつりとそんなことを漏らされたので、美羽はきゅっと足を閉じた。
「変なこと言わないで! そ、走輔のせいじゃない、こんな」
「でも、興奮してるってことだろ? 美羽も」
 美羽はもう一度、走輔の背に爪を立てる。
「痛っ! だから、やめろって」
「何よ! いきなり、こんなことして、こんな――」
 言いかけたところで、再び、走輔に唇を塞がれる。
 下半身からの快感を味わった後のせいか、先程よりも甘く感じられ、美羽の頭がとろけ
そうになった。それに思ったより、走輔の口付けは優しかった。美羽は思わず、走輔に
ぎゅうと抱きついていた。
 唇を離した後、美羽はされるがままの自分が悔しくて、それでもどこかに走輔を求める
気持ちがあるのに気づいて、頭の中がごちゃごちゃになった。真正面にある走輔の顔が、
まともに見られない。
「美羽……」
 自分の名を呼ばれて、たまらなくなり、美羽はゆっくりと走輔の方へ体を傾けていた。
 ずっと、気になっていた。美羽が理想としてきた兄大翔と全く違う、この男が。だから
こそ走輔を、何度も外に誘った。自分の優越感を満たすためだけではなかったのだ。
 気になって、気になって、気になって――気付いたら、走輔のことばかり見ていた。
 ――私、走輔のことが……
 こんなところで気付かされなければならないのが、たまらなく、悔しい。
「……好き……」
 その言葉が口から、自然に飛び出す。走輔は驚いたような声を出した。
「お前、今、何つった?」
「な、なんでもないんだから……っ」
 美羽は急に恥ずかしくなって、ふるふると首を振る。
 走輔は美羽の言葉が分かったのか分かっていないのか、美羽の耳元に唇を寄せると、
そっと囁いた。
「俺も、……きだ」
 えっ、と美羽は訊き返す。何か、よく聞こえなかったが、自分と同じようなことを
言ったように、聞こえた。
「なんて、言ったの?」
「なんでも、ねーよ」
 走輔も、美羽と同じように返してきた。美羽は鼓動が高まるのを感じ、ぎゅっと走輔に
抱きついた。
334轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:13:58 ID:kAIFoZRF
 今度は、走輔のもう一方の手が美羽の双丘を捉えた。ジャケットを脱がされ、Tシャツの
上から愛撫される。ぴたりと体に張り付いたTシャツの上からでも分かるほど、美羽の胸
の突起は立ち上がっていた。
「あ、ん……」
 いじられるたびに、ぴくぴくと体が動いてしまう。
「美羽……」
 耳元で名を呼ばれ、キスをされると、どうしようもない甘さにとろけそうになる。
 いつの間にか、走輔の手はブラジャーのホックに伸びていた。するすると上下の下着を
外され、Tシャツも脱がされ、美羽はいつの間にか一糸まとわぬ姿にされていた。
 再び、下半身に刺激が走る。繁みの中に手を入れられ、美羽は声を上げずにはいられ
なくなる。
「あっ、ああぁんっ……」
 身をよじる。そのたびに走輔の指が自身の敏感な場所に絡みつき、深い興奮を呼び
覚まされる。
「……あっ、んっ……」
「やべえ……すっげえ濡れてるぜ、美羽」
「やっ、あ……だめ……」
 唇を噛むことも、もう快楽の制止にはならない。
 もう、勝負のことなんて、頭から吹っ飛んでいた。美羽が先に声を出した時点で、美羽
の負けは確定しているのだが、そんなことはどうでもよかった。今はただ、この快楽に身
を任せていたかった。
 花芯の部分を弄られ、美羽はいっそう高い声を上げた。もっと、もっと。美羽は自然に、
走輔の指を自分の中へ誘いこんでいた。
「いいのか、ここ」
 ちゅぷん、と中に指を沈められ、美羽は微かに頷く。それを確認した後、走輔はもっと
中へ指を侵入させた。痛みを感じないではなかったが、それ以上の快感が、美羽の敏感な
部分を痺れさせていた。
「あっ、ああぁっん……!」
 美羽は甲高い声を上げて達した。それを見て、走輔は満足そうな顔をした。
335轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:14:21 ID:kAIFoZRF
「なあ、俺の方も……いいか?」
「え?」
 どういうこと、という目で見ると、走輔は上のジャケットを脱ぎ、鍛え上げられた上半
身をさらけ出した。
 兄に勝るとも劣らぬほど、その肉体は艶めかしくも美しい。美羽は思わず頬が熱くなる
のを感じた。
 続いて走輔は、自身の腰に纏っているベルトを取り外した。そして黒いズボンも下着も
脱いで、そそり立った己を解放する。
 初めてみるその“モノ”に、美羽は微かな悲鳴を漏らした。男性のそれが、こんなもの
だとは知らなかった。
「ど、どう、するの……?」
「痛いだろうけど……、ちょっと我慢してくれ」
 そう言うと、走輔は、それを美羽の秘所にあてがった。妙な感覚がする、と思った途端、
それは美羽の中へと沈み込んでいった。
「ひ、いっッ……あぁっ……!」
 破られるような痛みと、慣らされた快感とに板挟みになり、美羽の体は激しくのけぞる。
そのままベッドに倒れこむと、走輔が覆いかぶさってきた。
 つながったまま、走輔にキスを落とされる。美羽は下半身の痛みに耐えるように、走輔
の唇に激しくむしゃぶりついた。甘い痺れが頭を満たしていく。
 眼前に現れた走輔の顔が、火照っているのが見えた。走輔も自分と同じように興奮して
いるのだと思うと、心臓が高鳴った。
 否、同じように、ではなかった。走輔は、自分以上に興奮しているようだった。
「いい、か、美羽、動くぜ……」
 走輔の雄に激しく突き上げられ、美羽は高い声を上げる。
 何度も、そうされた。ずるりと抜かれては、中に溺れていく異物の感覚に、美羽まで
溺れそうになる。
 堪えられぬような痛さだ。それなのに、もっとして欲しいと思ってしまうのは、何故な
のだろう。
 苦しく息を吐きだしていると、走輔がその息に自分のそれを重ねてきた。
「美羽、俺、もう、どうにかなりそう……っだぜ……」
「はぁっ、んっ、そ、うすけ……っ」
 もう一度繋がったまま口付けをして、舌を絡める。まるで麻薬のようだと美羽は思った。
どうあっても、この甘くも激しい快感からは、逃れられそうにない。
 唇を離すと、走輔がいっそう激しく突き上げてきた。腰を揺らされ、くらくらとし、美
羽の体は震え始めた。
「あぁっ、も、だめ、走輔っ、ああああっ……!」
「美羽……っ!」
 絶頂に達した美羽の中へ、走輔の熱いものがどくどくと流れ込んでくる。
 ぐったりとしたまま、同じように絶頂を迎えた走輔を見つめ、美羽はゆっくりと微笑んでいた。
336轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:15:01 ID:kAIFoZRF
「じゃあ、お前の負けってことでいいよな、美羽」
 服を着ている最中に、突然そんなことを言われた。勝負のことなどすっかり忘れていた
が、美羽は思わずかっとなって言い返した。
「何よ。走輔があんなことしたせいじゃない!」
「するな、ってルールは、なかったはずだろ」
 にやりと笑う走輔を見るのが悔しくて、美羽は顔をそむける。
 どうして、こんな男を好きになってしまったのだろう。やることなすこと無茶苦茶で、
立ち止まって考えることもしないし、描いていた理想の男性の面影などどこにもない。
 だが、逆にそういうところに興味を持ち、惹かれていったことに、美羽は気づく。
 好きになったら、全てが終わる。今まで嫌な部分として映っていたところさえ、良く
見えてくるのだから、本当に不思議だ。
「今日はもういいけど、今度は付き合ってよね」
 美羽が怒ったような声で言うと、走輔はへっ、と笑った。
「いいぜ、お前がもっと強くなったらな」
「な……何よ、ゴーオンジャーのくせに! いいわ、あんたのことなんか、ボコボコに
してやるんだから!」
 美羽は最後に来ていたジャケットをひっつかむと、くるりと走輔に背を向けて部屋を出
て行った。
 扉が自動的に閉まった後で、美羽はジャケットを抱きしめた。悔しくてならなかった。
 今までなら、絶対に自分が優位に立っていたはずなのに――美羽が築いていたはずの
その優位は、走輔に、いとも簡単に崩されてしまった。
 今度は負けない。そう決意したはいいものの、体の中にまだ甘い痺れが残っていることに、
美羽は気づいた。自然と、胸が切なくなる。
 だが美羽はすぐに首を振って、それを振り払おうとした。
「弱気になっちゃダメ! 絶対、勝ってやるんだから!」
 怒ったような顔で、外へ向かって歩いて行く。
 帰ったら早速トレーニングをしようと、美羽は固く誓った。
337轟音赤銀「勝負ノアト」:2008/07/11(金) 19:16:06 ID:kAIFoZRF
以上です。
途中、改行がおかしくなっていました。見苦しくてすみません。
それでは失礼しました。
338名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:02:06 ID:iA749Bg+
GJ!
金銀加入してから、轟音も盛り上がってきたなぁ。
339名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 08:17:21 ID:IL+/aojR
今日の二人っきりの時の金銀の雰囲気と金の銀に対する声のかけ方が良かった。
340名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 12:45:03 ID:qRCX9Anx
今回の鏡見合う緑黄だったり
手を取ったり取られたりの緑黄だったり
前回の膝に座る黄、手を添える緑だったり…

とりあえず緑黄に萌える自分は少数派なのか?
341名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:05:07 ID:nymJZSB3
>>340
ノシ
自分も緑黄萌えだよ!高校生らしくてかわいいよな。
今日もさりげなくじゃれ合ってて萌えたよ。
342名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:06:00 ID:rdBhTUmP
↑俺も
やっぱ緑にはケガレシアより黄のほうがお似合いだと思う
343名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:13:19 ID:VTJQC5zr
>>340
前回の膝に座る黄、手を添える緑だったり…

そんなシーンあったのか?見直さなきゃw
青黄も好きだが、緑黄も大好きだ。
何度も書かれていると思うけど、基本的に黄色は横に誰を並べても絵になるからいいね。
344名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 21:01:14 ID:qRCX9Anx
>>343
スマン、ちょっと大袈裟に書いたw

冒頭で5人で金のことを見たと言っている時、
思いきり立ち上がった赤に押された黄が緑の上に倒れてる。
で、倒れてきた黄に緑が手を添えるようになってる。
膝の上ではないかもだが、かなり密着はしてる気が…
345名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 23:18:36 ID:bTplMojd
>>329
赤銀GJでした

最近赤銀が好きだ
スピンオフネットムビー1話で銀→赤を妄想した
346名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 23:55:54 ID:NjFa0uBA
緑汚好きなんでこの流れに涙目
公式の及川さんインタビュー読んだら
映画もちょっと緑汚っぽいらしいし楽しみだ
347名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 09:17:56 ID:Z44FSQmw
汚様には金と絡んで欲しがったんだけどな。
金の中の人が早生まれだから、学年は一緒なんだよね。
まぁ設定上無理だし、なんか番組が違っちゃいそうだけどw
348318:2008/07/14(月) 21:52:30 ID:ZFgJaNAu
遅ればせながら、GJいただきましてありがとうございます。

自分も兄のエロい声が脳内変換してしまいます。
スピンオフネットムビー1話の金→銀の
「なんで?」に禿しく萌えております。
349名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 22:06:50 ID:q/N8nr4Y
>>329-337
Gj!赤銀は燃えるし萌えるなぁ
>>347
あの二人タメだったのか…
金汚だとなんかもう卑猥すぎてアレだけど見てみたいw
350名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 13:35:04 ID:/eUccU3u
なんというアダルティカプw>金汚
351名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 15:04:12 ID:RrKcccEw
ここで流れを読まず、

黒黄の蜂コンビに萌えてやると言ってる!
352名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 19:25:31 ID:YjMI2A2l
黒黄は最近よく一緒にいるよな(*´Д`)
353名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 23:10:57 ID:rl8+YiR9
黒×黄が異性の場合、特別なつながりがこれまではあったよな?
轟音でそれが止まるとは思えないからどうしても期待してしまう
354名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 09:58:42 ID:9q+rt1u0
自分は、黄が異性の場合は青黄の組み合わせが好きだ。
特にデカ以降は全部。
355名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 13:57:17 ID:Esx2Usxd
カプの好みはよく話題になるけど、シチュの好みってある?
自分は女の子責めが好きだ。個人的に、責める子no.1は早輝、no.2は菜月。
前スレで、自分の発想になかったさくら責めSSもえがった!
356名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 18:40:58 ID:CKYlf2gZ
女から誘惑して葛藤しながらも最後には落ちる男。

男がアヤセやハヤテタイプだったら尚よし。
357名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 19:17:11 ID:DR78N7x0
>>356
ハヤテを墜とすシェリンダハァハァ
358名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 22:52:50 ID:KPk5ahJQ
えんじんぶろぐで、金銀萌えの自分にはとてつもなく美味しいネタが
展開されているwww中の人自重www
359名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:01:22 ID:ycb/rF+D
兄貴は自分とこのブログでもあんな感じだ。
引っ越しネタもすごかったが、「教官・・・バスケがしたいです」が非常に
ヤバヤバだったwwww<あにぶろぐ
360名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 12:45:10 ID:OoQOnK+T
金汚
タメだし見てみたいなぁ、汚は言わずと知れてるが
金もなかなか凄そうだし大人の濃厚な…を。
361名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 13:35:41 ID:4nrFuEee
これはシチュになるのかわからないけど、
自分もタメってだけで三割増で萌えられる。
362名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 00:39:42 ID:ijDRZnQj
もう汚レ×轟音ボーイズでいいよ
363名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 00:25:55 ID:cz/CRTWV
それは良いな…
364名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:50:44 ID:i5zkp2cJ
>>360
面白そうなカップルだwwwwでも結構いいな、
その組み合わせ。ちょっと見てみたい。
しかし(敢えて言うなら組み合わせでは赤銀が一番好きだけど)
今年のキャラはみんな萌えるな。戦隊は毎年楽しんで見てるけど、
今年は誰のどんなシチュでもおkだ。
365名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 15:05:00 ID:o3Ips/Ne
金黄とかマイナーだが、どうだ?
366名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 16:07:37 ID:57vhNl5+
それなら黄金で見たいな
367名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:44:13 ID:w1PktVY4
轟音青黄投下します。
緑と黒は、本筋にほとんど絡んできません。
長い上にシリアスで、未遂ですがレイプもあるので、苦手な方は「ミエナイ悪意」でNG登録をお願いいたします。
368轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-1):2008/07/22(火) 01:47:15 ID:w1PktVY4
きっかけはささいなことだった。
いつものように、ギンジロー号の前にテーブルをセットして、みんなで朝食を食べる。
連お手製のスクランブルエッグにパンとサラダ。
でも、いつもと違うのは、最近走輔たちの会話に、新たに仲間になった兄妹の名前が頻繁に出てくることだった。
特に美羽の方は、ギンジローに何度も足を運んで、一緒にショッピングに行ったり、レストランでご馳走してくれたりした。
昨日も、「ゴーオンジャーも、もっと人間らしい食事をしなきゃダメよ。」と言って、さっさと連の台所を借りると、レストランに出てくるような豪勢な料理を作ってしまったのだ。
「うわーっ!久しぶりの肉だっぜ!」
これには、大食漢の走輔も、肉には目がない軍平も、育ち盛りの範人も大喜びで、テーブルの上の皿まで食べてしまいそうな勢いで平らげた。
昨日の余韻を引きずっていたのか、今朝の朝食では美羽を絶賛する声で持ちきりだった。
「美羽って、料理はおいしいし、なんでもおごってくれるし、冷奈さんみたいにきれいな人だよね。」
「あの狭いキッチンで、ちゃんとレアで焼けるから大したもんだ。」
「確かになぁ、お節介で一々うぜぇけど、料理はうまいし、太股とか色っぽいし、スタイルもいいよな。」
ただ一人、料理担当の連は、
「そんなこと言うもんじゃないっす。」
と走輔たちをたしなめていたが、あまりにも美羽の絶賛ぶりに、早輝はだんだんいたたまれなくなっていた。
「ごちそうさま。」
ほとんど料理に手をつけず、早輝はその場を離れる。
「早輝!」
連が立ち上がって追いかけようとした。
「なんだ?アイツ。俺、別にアイツのこと何も言ってねぇぞ。」
きょとんとする走輔に、連は一旦引き返すと、めずらしくキッと怒った表情を見せる。
「みんな、デリカシーなさすぎっス。美羽のことを褒めるのはいいけど、あれじゃぁ早輝がかわいそうっス!」
走輔たちも追いかけようとしたが、連にそのように言われたせいか、「やめとくか」と気まずそうに座った。


ギンジロー号から数十メートル離れた広場は、朝早い時間のせいか、人気はほとんどなかった。
早輝は軽くため息をつきながら、ぼんやりと歩いていた。
ふと振り向くと、自分を追いかけてくる青いジャケットの姿が見える。
「連……。」
あちこち探していたのだろうか。
少し息を切らせながら、早輝の元に駆け寄ってきた。
「早輝、全然食べてないっすよね?みんな反省しているみたいだし、早く戻ろうっす。」
「反省って、別に全然気にしてないよ。だって……、あたしガキだもん。美羽みたいに、お金持ちじゃないし、料理もできない。胸だって……。」
うつむくと、そこにあるのは美羽に比べるとあまりにも凹凸が少ない自分の胸。
「色気なんか全然ないし、どうせ、みんなあたしのことなんか女扱いしないで娘みたいに思ってるんでしょ?しょうがないよ。」
もちろん、知り合ってまだ日が浅い美羽に、そこまでコンプレックスを感じているわけではない。
――ただ、甘えたかっただけだ。
当たり前のように、ギンジロー号で共同生活を送っていた日々。
ギンジロー号に、気軽に出入りするような女性は、今まで誰もいなかった。
そこに現れたのが、お姉さんのような存在の美羽だった。
最初こそ、ゴーオンウィングスと対立していたものの、次第に仲間として共闘していく彼らに、うれしさと同時に寂しい気持ちになっていたのも事実だ。
――どんどんなくなってしまう、あたしの場所。
だから、甘えたかった。
一言、「そんなことないっすよ。」って言ってくれれば、それだけで居場所を確保できる気分になれるのに……。
そんな軽い気持ちで吐いた愚痴だが、それは一番言ってはならない相手だった。
369轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-2):2008/07/22(火) 01:52:18 ID:w1PktVY4
「本当にそう思う?」
「えっ?」
一瞬、自分の気持ちを見透かされたかと思って、連の方を見る。
「本当に、みんなが早輝を女扱いしていないと思ってる?」
どうやら違ったが、いつもの語尾がない厳しい口調に、早輝は思わず後ずさった。
「大事な仲間だから、暗黙の了解で、家族の振りをしているって考えたことなかった?」
「連、それって……。」
「当たり前のように一緒に生活しているけど、みんな早輝をゴーオンジャーのメンバーとして大切に思っているんだよ。」
「ゴメン。あたし、何も考えていなかった。」
なんとなくこの状況に耐え切れなくて、即座に謝ったが遅かったようだ。
「でも……早輝だって同じじゃないか。」
「え?」
「女扱いしていないって言うけど、早輝だって……俺のことオカンとしてしか見てないじゃないか。」
反射的に後ろを向いて逃げようとしたが、両肩を強く掴まれて強引に前を向かされると、あっという間に唇を塞がれてしまった。
顔をそむけようとしたが、首筋を固定され、逃げることもできない。
突然の行為に、目を閉じることも忘れてしまう。
キスという甘いものではなく、本当にただ唇を重ねただけ。
両手で強く押して抵抗しようとすると、あっけなく解放された。
連も正気にかえったのか、さきほどの落ち着いた口調はどこへいったのか、視線が定まらず、きょろきょろしている。
「……すまないッス」
視線を合わさないまま、連は逃げるように走り去って行く。
早輝は、そんな後ろ姿を、唇に指を当てたまま呆然と見送っていた。


「ボンボン!ガイアーク出現だよ、ボンボン!」
こんな時にでもガイアークは現れる。
我に返った早輝は、ゴーオンイエローに変身すると、すぐに現場に向かった。
現場には、すでに変身した走輔と範人と軍平がいたが、連の姿はない。
「早輝、さっきは悪かったな。お、シャレじゃねぇぜ。」
走輔の謝罪の言葉が一瞬なんのことか分からなかったが、すぐに軽くパンチの真似をする。
「そうだよ、みんな美羽のことばっかり。ここにもレディはいるんだからね!」
おどけるような口調で、精一杯明るく言ったら、走輔たちがほっとした表情をしているのがメットしていてもわかった。
「何が私のことばっかりなの?」
いつのまにかゴーオンウィングスに変身した美羽と大翔も現場に到着している。
「走輔が美羽の太股の話ばっかりするの。」
意地悪く言ってやると、美羽は絶句し、走輔は、
「早輝、お前何言ってるんだよ!」
と、あわてて抗議していた。
そこに、連が「遅くなったっす」と言いながら合流してきた。
「連!てめぇ、遅すぎだぞ!今まで何してたんだよっ!」
連が何か言いかけようとしたが、
「コラーっ!お前たち、おいどんを忘れるんじゃねぇてばさ!!!」
堪忍袋の緒が切れた蛮機獣が、ウガッツを召集する。
「こうなったら、マッハでやっつけるぜ!」
エンジンオーG9を手に入れた今の彼らは無敵だった。
スーパーハイウェイバスターで一気にやっつけると、サンギョーカクメイした巨大な蛮機獣にも、あっさりエンジンオーG9で倒した。
「本当にマッハでやっつけたぜ!」
蛮機獣を倒したのに、早輝の心は曇っていた。
コックピットの中で、なんとなく右側に視線を走らせる。
喜ぶゴーオンレッドの向こうで、拒絶すら感じる見えない壁。
ゴーオンブルーは、現場に到着してから、一度も早輝を見ることはなかった。
370轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-3):2008/07/22(火) 01:54:33 ID:w1PktVY4
「美羽ならともかく、一体俺に何の用なんだ?」
大翔は仏頂面で、コーヒーに口をつけた。
以前金髪美人と一緒にいた河辺のカフェテラスで、思いつめたような表情で座っている早輝を訝しげに見る。
……蛮機獣を倒した後、ギンジロー号に戻ったが、連はやはり早輝の方を見ようとしなかった。
昼食の時も会話がない訳ではないが、連は極力範人や軍平と一緒にいて、早輝と二人になることを避けていたのだ。
「だって……、走輔はデリカシーないし、範人は子供っぽいし、軍平は朴念仁だから、こんなこと相談できる大人の相手って大翔しかいなかったんだもん。」
「フン。連に何かされたのか?」
「……!」
目を見開いて驚く早輝を見て、大翔は小馬鹿にしたように鼻で笑う。
「お前バカだな。そんな言い方したら、アイツしか残ってないだろ?」
「連が……、あたしの目を見て話してくれないの。」
「はぁ?」
くだらないと思ったが、運ばれてきたケーキに手をつけず、うつむいたままの早輝を見て、大翔の表情が鋭くなる。
「他の連中は気づいてないみたいだったが、確かにさっきの戦いでも、よそよそしい感じはしたな。」
「やっぱり、そうだったんだ。あたしのせいだ。あたしが美羽に嫉妬したから……。」
「なんでそこで美羽が出てくるんだ?」
妹の名前が出て、とたんに大翔の顔つきが変わった。
早輝は、最近美羽がギンジロー号に出入りすることで、自分の居場所がなくなっていくような寂しさを感じたことや、自分が子供っぽいから女扱いされてないことなどを大翔に話した。
「そのことを連に愚痴ったの。連はやさしいから、いつもみたいになぐさめてくれると思った。……大翔、どうしたの?」
「何でもない、続けろ」
「でも、あたし……、連のこと傷つけちゃった。」
「なんで、それが傷つけたことになるんだ?」
「えっ?」
さすがに、キスのことは話せなくて、早輝は口ごもる。
大翔は、そんな早輝のことを刺すような目で見つめていたが、やがて口を開いた。
「いいか、よく覚えて置け。」
まるで妹に分かりやすく、噛み砕いて説明するような口調だった。
「男ってものは性欲の塊だ。だから、安心しろ。あれぐらいの年で、お前に性的感情を持たない奴がいたら、そいつは馬鹿か幼稚か女に興味がないか……、まぁそんなもんだ。」
ストレートすぎる言葉に早輝は言葉も出ない。
「もちろん、そこは理性で抑えている訳だがな。――お前が誰を好きだろうと知ったことじゃないが、好きでもない男になぐさめてほしいと思うんだったら、男の方はたまらないだろうな。共同生活という逃げられない場所で、もしその男がお前を好きだとしたら、尚更地獄だ。」
俺みたいにな、と小さく付け加える。
「そんな……。あたし……。」
371轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-4):2008/07/22(火) 01:57:15 ID:w1PktVY4
そこにゴーフォンが鳴った。でも、大翔の反応を見ているとガイアーク出現ではなさそうだ。
大翔に断ってから、電話に出る。
「おっ、早輝か?今から、みんなで美羽と夕飯食いに行くんだけど、お前も行くだろ?」
電話の主は走輔だった。
「ごめん、もう食べてきちゃった。留守番するから、みんなで行って来て。」
もちろん嘘だ。
「おい、食べたって、何食べたんだよう。ったく付き合い悪ぃな。ギンジローで行こうとしたら連も行かねぇっていうし」
「えっ?連も行かないの?」
「あぁ。とりあえず俺たちは行ってくるから。連が帰ってきたら、後で迎えに来いって言っておけよな!」
走輔は不服そうだったが、余計な詮索はなく電話は切れた。
「走輔だった。今からみんなで美羽と食事に行くって。」
「フッ。あいつの悪い癖も治りそうにないな。」
「でも連は行かないって。あたしが行くと思って避けたのかな。どうしよう、あたし……。みんなと笑顔で食事なんかできっこないし、ギンジローにも戻れないよ。」
大翔は少し考えたが、まっすぐ早輝の方を見て言った。
「この際、きちんと話し合うしかないだろ。向こうは、お前のことが気になって仕方ないみたいだしな。」
「え?」
「お前が電話に出る少し前にゴーフォンと同じ着信の音が近くで聞こえた。」
「……。」
「偶然かと思ったが、今お前のゴーフォンが鳴ったから確信した。間違いない。全く同じ機種だ。それが何を意味するか……お前でも分かるよな?」
思わずストラップのついた自分のゴーフォンを握り締める。
この世に3つしかないゴーフォン……。
「まぁ、問い詰めたところで、素直に認めるとも思えないが。」
「あたし……、連と話し合ってくる。やっぱり、こんなの嫌だ……。」
早輝は立ち上がると、大翔に礼を言って出て行こうとする。
「ちょっと待て。」
「何?」
大翔は腕を組んだまま、相変わらず刺すような目をして言った。
「気をつけろ。お前がはっきりした態度をとらない限り、アイツは心を開かないぞ。」
「大翔、ありがとう」
答えが出たのだろう。吹っ切れた状態で早輝は駆け出していった。
大翔は、厳しい顔で残された伝票見つめる。
「……忠告はしてやった。」
低く聞こえないような声でつぶやくと、ウィングトリガーを取り出す。
「あぁ、美羽か?実はな…」
と、電話で話し始めた。
372轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-5):2008/07/22(火) 02:03:13 ID:w1PktVY4
ギンジロー号に明かりが点いているのを確認すると、早輝は覚悟を決めて中に入った。
テーブルでメモをとっていた連は、早輝の顔を見ると明らかに狼狽したが、すぐに笑顔を作る。
「お帰りっス。……あれ、美羽や走輔たちと一緒じゃないんだ?じゃぁ、急いでご飯の支度するッス」
口調はいつもどおりだが、台所に向かう時も相変わらず早輝の方を見ようとしない。
「ご飯はいいよ。さっき、食べてきたから。」
「あっ、そうか。大翔にごちそうしてもらったんっすね。」
「なんで大翔と一緒にいたのを知ってるの?」
エプロンをつける手が止まった。
「そ……それは……、あ、そうそう!ズバリ大翔から連絡があって……」
いつものズバリのポーズも、投げ捨てるように置かれたエプロンが動揺していることを表していた。
「大翔が言ってた。走輔から電話がかかってきた時、近くでゴーフォンと同じ着信音を聞いたって。もしかして範人か軍平からだったんじゃないの?食事に行こうって。」
「……。」
言葉はなかった。
目を伏せて、拳を握りしめたまま小さくついたため息が肯定のサイン。
「どうして?別に隠すことないじゃん。見かけたなら、そう言ってくれれば……」
「……。」
黙って早輝を横切る連の背中に、精一杯訴える。
「あたし、大翔に相談しに行っただけだよ。どうして何も言ってくれないの?」
「見かけたんじゃないっす……。」
ゆっくりと抑えたような話し方。
普段温厚な連が、苛立ちを隠しながら言っているのが背中でも伝わってくる。
「会う約束を聞いたから、最初から後をつけていったっス……。」
「連……。」
両手の拳を小刻みに震わすと、声のトーンが高くなった。 
「俺も、走輔と一緒で、誰と会うのか気になって仕方なかったッス!」
振り向きざまに吐き捨てるように言うと、ギンジロー号のドアに手をかける。
「また逃げるの?」
その挑発で、連の中で今まで抑えていた何かが壊れた。
「別に逃げてなんかない……。何から逃げてるって……?――馬鹿にすんな!」
振り向いたと同時に、早輝の身体に飛びかかってきた。
キッチンの前のスペースに早輝を押し倒すと、上にのし掛かるように体を重ねる。
倒れた反動で下に落ちたキッチン用具にも目をくれずに、連はもどかしそうに黄色いジャケットのファスナーを下げていった。
まだ前の金具が外れない内からポロシャツをたくしあげ、同系色のかわいいブラジャーがあらわになると、下から手を入れてずらすように揉んでいく。
空いた手で自分のベルトをカチャカチャと外し、スカートの中を脱がそうと太股を持ち上げた時だった。
「えっ?」
あまりの反応のなさに、思わず早輝の方を見る。
早輝は無抵抗だった。
固く目をつぶり唇を噛み締めるように耐えている。
「なんで……。」
連は呆然とつぶやきながら、持ち上げていた太股を元に戻した。
「ごめんね、連……。」
早輝は目を開けると、手を伸ばして連の上に重ねる。
「なんで、なんで早輝が謝るんだよ……。」
うわごとのように呟きながら、早輝の身体から離れようとしたが、左手をしっかり掴まれ逃げられなかった。
「あたしが馬鹿だったんだよね。みんなの――ううん、連の気持ち考えないで、いつまでもガキで、美羽がうらやましくって背伸びしようとしてた。」
連は抜け殻の状態で、床に転がった青いキッチン用具を見つめている。
「みんなで一緒に生活するようになって、連がいつもそばにいてくれて、いつのまにか頼ったり甘えたりするのが、自分の中で当たり前になっていたの。」
「……。」
「でもね、ここまで来て、前みたいに振舞おうとしたって、もう無理だよ。これ以上、連の辛い顔見るの嫌なの……。みんなのことばっかり考えて、無理して笑顔作って。」
「……。」
「このまま嘘の関係を続けるの、もうやめようよ。嘘をつくくらいなら、……連とちゃんと前を向き合いたい。」
そして、連の手を自分の頬にあてがうように持ってきた。
「だって、あたし……連のことが好きだから……。」
――そう。ウガッツたちが襲って来た時、あたし、この手にジュースを渡したんだよね……。
373轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-6):2008/07/22(火) 02:07:11 ID:w1PktVY4
二人は同じサーキット場に勤務していたが、広いサーキット場で部署も違うので、面識はなかった。
いつものように早輝が観客席で移動販売をしていると、ふと前の席で目を輝かせて観戦している青年に目が止まる。
最初は、カッコイイけど、なんか髪型がヘン…と思ったりしたが、胸の名札でここの社員だと分かると、いつの間にか今日は来ているかどうか目で探すようになってしまった。
バイト仲間は、レーサーの方に夢中で、それ目当てに働くようになった子もいる。
「ねぇねぇ、早輝はどのレーサーが好みなの?」
「えっ?あぁ、あのとんがった走りをしている赤いレーサーかなぁ。」
「誰、それ。ふふふ。ねぇ、早輝、それよりさ――」
時々好きな人の話題が出ても、さすがにヘンな髪型をしたカッコイイ青年のことは言えなかった。
ウガッツが襲撃した日も、彼の姿を目で探していた。
「いた……。」
今到着したらしい。制服姿で後ろの入り口に立って席を探しているようだった。
仕事を忘れて、彼が席に着くのをさりげなく追いかける。
「いつか自分でマシン作って、ここで走らせたいよな……。」
彼はうっとりとしながら、自分の夢をつぶやいていた。
なりたい夢は違うが、なんか嬉しくなって、思い切って売り物のジュースを彼に差し出していた。
「スマイルスマイル。このジュースを飲めば、夢が叶うかもよ。」

頬に置かれた左手の指が、ゆっくりと早輝の顔をなでていく。
早輝が見上げると、久しぶりに自分を見つめる視線があった。
「早輝……ごめん。許して欲しいなんて虫がよすぎるけど、でも俺……、初めて会った時から、早輝のこと好きだ…。」
「ありがとう……。」
優しい指の動きに、早輝は気持ちが良さそうに瞳を閉じる。
乱暴されかけたのが嘘のように、おだやかな時が流れたが、そんな二人の空間を急に現実に引き戻すように早輝のゴーフォンの音が鳴った。
「早輝……。」
あわてて身だしなみを整えると、早輝は呼吸を整えて電話に出た。
「おう!早輝か?ギンジローに戻ってるよな!」
あまりにも場違いな走輔の明るい声が聞こえてくる。
「うん、あ、そうそう。迎えに来てほしいの?」
「それなんだけどさ、結局レストランじゃなくて、ピカピカ兄妹の豪邸にいるんだよ。大翔の野郎が、めずらしく泊まれってさ。だから、遠慮なく泊まることにしたんだ。」
電話の向こうが少し騒がしくなって、しばらくして範人の明るい声が聞こえた。
「あ、早輝。聞いて聞いて。美羽んちのベッド、すっごくふかふかなんだよ。」
「肉も久しぶりに、もういいってくらい食った。」
「ボエールの話もつきないよ。ボンボン。」
軍平やボンパーの声も聞いた後、また走輔に変わる。
「そういうことだから、迎えはいいから。あっ、そうそう。連もいるだろ?」
走輔から、とゴーフォンを連に渡した。
「おい!連、コノヤロ。おめぇが帰ってこねぇから、ギンジロー使えなかったじゃねぇか。俺たちは豪邸に泊まるから、早輝の寝込みを襲うんじゃねぇぞ。襲ったら承知しねぇからな!」
「そ…走輔…。分かったから……。」
さすがに、これ以上は何も言えずに、そのまま早輝にゴーフォンを戻した。
「早輝か?連に襲われないように、寝るときは、しっかりと鍵かけておけよ。あいつ、意外とムッツリだからな。はっはっは。」
豪快に笑う走輔を「はいはい。」と言って、早輝は電話を切った。
「……だって。」
もう、すでに襲われたと知ったら走輔はどんな顔をするんだろう?
そう思うと、早輝は笑いが止まらなかった。
「早輝……、今からでも走輔たちのところに行こうか?」
「連は、そうしたいの?」
「えっ?いや……。」
やはり罪悪感があるのか、しょんぼりとしている連の頬をつねった。
「スマイルスマイル。じゃぁ、さっきの続きしようよ。ね。」
374轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-7):2008/07/22(火) 02:09:46 ID:w1PktVY4
濡らさないように髪を後ろにまとめて、シャワーを浴び終えると、バスタオルを巻いて、連の部屋に入る。
連は落ち着かない様子で、ベッドに腰掛けていたが、早輝のなまめかしい姿を目にすると、また顔を伏せてしまった。
「電気、消して。」
「う、うん…。」
明かりが消えると同時に、早輝はまとめあげた髪をほどいて素早くベッドの中に潜り込む。
「俺のこと怖くないの?」
連はうつむいたままベッドのそばで立ち尽くしていた。
「俺は怖いよ。自分のこと。また、抑え切れなくなって、早輝のことめちゃくちゃにしちゃうかもしれない。」
「怖いって言ったら?」
「えっ?」
「怖かったけど……、信じてたよ、連のこと。途中でやめてくれるって。戦いの時だって、いつも連のこと信じてるもん。だから、スマイル平気。――ねぇ、お願いだから、これ以上自分のこと責めないで。」
「早輝……。」
早輝は寝返りを打つと、背を向けてかすれた声で言った。
「でも……、今度はちゃんと……優しくしてね。」
背を向けたのは、こんなことを言うのが気恥ずかしかったから。
「ありがとう。」
連は、ジャケットのファスナーに手をかけると服を脱ぎはじめた。
脱ぎ終えてベッドに入ると、早輝の左肩に手を置こうとする。
緊張で身を強張らせていたのか早輝の肩がびくっとなって、連は一瞬ためらった。
それでも意を決して恐る恐る手を伸ばし、ようやく肩に触れると、感触を確かめるかのようにしっかりと掴んだ。
女の子の中では、決して小さい方ではないはずなのに、それでも十分すぎるくらい華奢な身体。
軽く手前に引いて、早輝を仰向けにさせると、ぴったりと上から合わせるように身体をかぶせていった。
「あぁ…。」
首筋に柔らかい感触を感じながら、早輝は連の背中に手を回す。
いつもポロシャツから伸びた細い腕しか見ていなかったので、背中のどこを触れても素肌なのが新鮮に思える。
お互い息を浅く吐きながら見つめ合う。
固めた前髪が早輝の額に届きそうなくらい距離が近い。
早輝が目を閉じると、連は軽く唇を開けて覆うように口づけをしてきた。
舌でぷっくりとした唇を舐めて、歯列をこじらせて深く入れると、たどたどしい動きながらも早輝は舌をからめた。
唇が離れると、今度は額や頬、顎など、顔中を軽く唇をつけられて、あまりのくすぐったさに身をよじる。
半日前にもキスされたのに、とても同一人物とは思えないくらい優しい舌使いに、ちょっと嫉妬を覚えて唇を尖らすと、にっこり微笑まれて軽くチュっとされた。
シャワーを浴びたときに巻いたバスタオルも、すっかり乱れて用をなさなくなったことに気づいた早輝はあわてて胸をガードする。
「や、やだっ。そんなに見ないで……。」
「そんなことない、すごくきれいだよ。」
無理やり腕をどかさない代わりに、いつのまに太股を大胆にまさぐっていた右手の細い指が、下腹部の敏感なところを捕らえていた。
「あっ……!」
思わぬところから来た快感に、早輝は腕のガードがほどけて左手の侵入を許してしまった。
連は下から持ち上げるように頂を作ると、すでに固くなった先端を潰すように舌をつける。
そのまま口に含み、軽く歯をあてたり、舌を絡めながら吸っていく。
右手の細い指は、恥丘の中を爪を立てないように上下にすべらせていった。
すっかり顔を出した突起にあふれた蜜をなすりつけられ、たまらず出してしまう甲高い声。
思わず足を閉じようとしても、連の片足が間に入っていて逃げられない。
蜜の出所に、中指が第一関節ほど侵入してくる。
「あぁ…」
あまりの恥ずかしさに手で顔を隠しながらも、身体の方はより感じる箇所を求めて、無意識に動いていた。
今まで感じたことがない痺れるような感覚に頭がぼおっとしてくる。
連が、顔を隠していた手をゆっくりどかした。
あっけなくガードが外れると、そこには黒目がちの目がトロンとした感じで連を見つめていた。
375轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-8):2008/07/22(火) 02:11:54 ID:w1PktVY4
濡らさないように髪を後ろにまとめて、シャワーを浴び終えると、バスタオルを巻いて、連の部屋に入る。
連は落ち着かない様子で、ベッドに腰掛けていたが、早輝のなまめかしい姿を目にすると、また顔を伏せてしまった。
「いい?」
主語はないが、もちろん分かっている。
早輝が小さくうなづくと、すでに限界にきている自分のものをあてがってきた。
大分入念に濡らしてくれたが、やはり指とは違うせいか、両足に力が入ってうまく挿入できない。
連は胸の先端に口をつけた。
足の力を抜かせるために、時間をかけることにしたようだ。
早輝も、力の抜き方が分からず、痛みをこらえるのでいっぱいだったが、気持ちよさの方に集中することで少しずつ足の力が抜けていく。
なんとか奥まで入れることができたが、連はそのまま動かさずに早輝の肩口に顔をうずめた。
本当は、今すぐにでも動かしたいのだろう。
荒く息を吐いて、気持ちを落ち着かせているようだった。
「連、いいよ。」
「えっ?」
「あたしは大丈夫だから…。」
実際は、それどころではなかった。
できることなら抜きたいくらいだったが、なんかここでダメになったら、連はこれからも自分を責め続けるような気がしたのだ。
「大丈夫だよ。だって……連、すごく優しくしてくれたもん。もう怖くない。」
「早輝……。」
一度奥まで挿入したものを、入り口まで引き戻すとゆっくりと奥まで突いていった。
「あっ、あぁ……。」
頭の中が真っ白になりそうで、連の背中に爪を立てるようにしてしがみついた。
連も、自分を抑えられなくなってきたのか、最初はゆっくりだったのが、段々動きが速くなっていく。
背中に肉が食い込むほど、強く爪を立てられたが、それに構わず腰を動かしていった。
早輝のあえぎ声がせつなく響く。
「連……あっ、あっ……大好き……。」
「早輝……」
連は、固く目をつぶるとすべてを放出した。


連の腕をまくらに、少しうとうとしていたが、ふと気がつくと、連がここでも指を立てて考えるポーズをしていたので、思わず吹き出してしまった。
「どうしたの?」
「いや……。何だか偶然にしては出来過ぎているなぁと思って。」
「え?」
「あの時…、食事の誘いを断って帰った時なんだけど、ボンパーは留守番していると思ったから、いなくてびっくりしたんだよね。」
「うん」
「まぁ電話したら、大翔たちの家に変更になったって分かったんだけど…。そうしたら、今度はみんな泊まるって言うし。なんだか……ズバリ、誰かが二人きりにしてくれたとしか思えなくて……。」
「大翔だ、大翔だよ、きっと。」
喫茶店でのやり取りを思い出して、身体を起こして叫んだら、連も同じ考えだったらしい。
「やっぱり、そうだよね。だったら……、何で大翔は、わざわざそんなことしてくれたんだろう?」
「うーん。」
思わず考え込んだが、早輝が上から覗き込むようにしてニコリと笑った。
「もう、そんなこといいじゃん。大翔には、相談に乗ってもらったし、後でお礼言おうよ。」
「そうっすね……。」
いつの間にかお互い見つめ合った。
早輝が顔を落とすように静かに口付けをする。
連は受け止めたまま、そのまま体勢を変えて上になると、改めて唇を重ねていった。
376轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-9):2008/07/22(火) 02:15:06 ID:w1PktVY4
あれほど賑やかだった豪邸も、今はみんな寝付いたのか、ひっそりと静まりかえっている。
大翔は、気だるそうにキッチンの前に立つと、コップの水を流し込んだ。
二杯目を飲もうとしたが、気が変わって、戸棚からウィスキーの瓶を取り出すと、慣れた手つきでオンザロックを作る。
グラスを揺らして氷が溶けるさまを見つめながら、大翔は深いため息をついた。
「そういえば、あれも今朝の話だったんだな。」
思い出すだけで、グラスを持つ手が震えてしまう。
蛮機獣が現れる直前、美羽はいつものようにフラワーアレンジメントをたしなんでいた。

「アニ……。」
美羽は出来上がったフラワーアレジメントを兄に見せたが、今回はお世辞にもあまりいいものではなかった。
「一体どうしたんだ?」
「なんだか、うらやましいなぁって。」
「え?」
「みんなで、わいわいキャッキャ楽しくキャンピングカーで過ごしてさ。」
ここのところ、美羽の会話からは、毎回のようにあのガキどもが出てくる。
これから一緒に戦うことになったのだから、あいつらの話題になっても仕方がないが、美羽が話す理由はそれだけじゃないことは分かっていた。
「早輝って、ホントかわいいよね。私と違って、長くてストレートな黒髪だし、いつもニコニコして、男の人だったらほっとけない感じ。」
「美羽は美羽、早輝は早輝。比べたところで、どうしようもないだろ。」
美羽は無言でハサミを入れる。
黄色いバラの花が、赤いバラの花から離れるように花瓶のそばに落ちた。
「走輔なんか、早輝のこと『おまえ』呼ばわりしているんだもん、本当に仲が良くてうらやましい……。」

かろうじて理性が勝った。
よほど美羽の両肩を掴んで、あの能天気なガキが好きなのか問い詰めようかと思ったほどだ。
そして返事を待たずに、妹の唇を奪って無理やり押し倒したかった。
なにより許せなかったのが、早輝への嫉妬を露骨に示したことで、兄に対してはそれ以上の感情を持ち合わせていないことがハッキリしたからだ。
もちろん、それが正常なのは分かっている。
おかしいのは俺のほうだ、と。
それでも、大翔は許せなかった。
――あんなヤツに妹を渡すくらいなら、いっそ俺の手で……。
自分でも、よく抑えられたと思った。
あの時ほど、蛮機獣の出現に感謝したことはない。

そのまま何事もなく、平穏に過ぎるかと思われたが、まさかカフェテラスで、あの時の感情が呼び起こされるとは……。
美羽の存在によって自分の居場所がなくなることを恐れた早輝。
早輝と走輔の仲を嫉妬する美羽。
お互いがお互いのことを脅威に感じ、それを自分が好かれているとも知らず、男に相談していた。
大翔の目に、ケーキの前で俯いている早輝の姿が美羽と重なる。
本当のことを言うつもりは毛頭なかった。
むしろ適当な場所に連れ出して、美羽の代わりにコイツを乱暴してやろうかと思ったくらいだ。
……でもそうしなかったのは、蛮鬼獣とは違った気配に見張られているのを感じたからだった。
暗くて悲しい気配。――もう一人の俺だ。
『なんで、それが傷つけたことになるんだ?』
あの時、早輝は口ごもってしまったが、それで大体の想像はついた。
俺は、ラッキーにも逃れることができたが、アイツは無理だったんだろう。
その時、邪悪な考えが閃いた。
――邪魔者が入らない舞台で彼女に問い詰められたら、お前ならどうする?
377轟音青黄「ミエナイ悪意」(10-10):2008/07/22(火) 02:19:25 ID:w1PktVY4
舞台を用意するのは簡単だった。
早輝がいなくなった後に、すぐ美羽に電話をした。
「みんなで食事に行くって聞いたが、せっかくだからウチに招待したらどうだ?」
突然のことで驚きを隠せない美羽だったが、大翔から言ってくれたのがよほどうれしかったらしい。
「わかったわ、アニ。」
と張り切った声が聞こえてきた。
問題は、どうやってボンパーをギンジロー号から追い出すかだったが、これもすぐに口実が浮かんだ。
「教官とボンパーと、今後のフォーメーションについて話したいんだ。ボンパーに来てもらえるように、お前の方から走輔に言ってくれないか?」
「走輔に言わなくても、私の方からお願いするから大丈夫。アニって、本当に合体好きなんだね。」
いたづらっこのように妹に笑われたが、うまくいったようだ。
まさかあの変な誤解がこんな所で役に立つとは……。
後は連中が来て、酒などを振舞って、頃合を見て泊まるように提案してみる。
酒が入って上機嫌だったのと、元々狭いキャンピングカーの生活に疲れていたのか、ヤツラは残されたメンバーのことなど深く考えずに快諾した。
未成年の範人も、修学旅行気分を味わっているのか、うれしそうにはしゃいでいた。
あと自分のしたことと言ったら、早輝にアイツを追い詰める材料を与えたくらいだ。
ゴーフォンの件は全くの偶然で、それがなかったら、見られていることを話すだけでよかった。
アイツが自分たちを見張っていたと分かれば、早輝は当然問いただすだろう。
真面目で大人しいヤツだけに、相当追い込まれていたのは分かる。
――さぁ、連。これでも耐えきれるか?
大翔の用意した舞台には、見えない悪意が潜んでいた。

「何やってんだ、俺は。」
オンザロックを一気に流し込むと、乱暴に机に置く。
早輝と連は、結局来なかった。
一つ誤算があるとしたら、それは最後吹っ切れたような早輝の表情だ。
子供っぽいと自分で言っておきながら、あの時の早輝は生意気にも女の顔になっていた。
もしかしたら、最初から抱かれるためにギンジローに戻ったのか。
だが……、今となっては、そんなことなどどうでもいい。
「俺は何もしていない。ただ家に招待して、あのガキどもたちに泊まるように言っただけだ。」
そして、またウィスキーをグラスに注ぐ。
「あの時、あの女が美羽の名前を出さなかったら……。」
美羽は、いつまでたっても子供っぽくて純真な性格だった。
大翔の気持ちなど、全く知りもせず、実のアニが理想のアニそのものであり、いつもまとわりついていた。
――それでも好きな男の前では、女に変わるのか?
「美羽……。」
大翔は、両手で顔を隠すようにため息をついた。

大翔の悪意に隠された複雑な感情。
それは早輝と連はもちろん、誰も知らない。

<おわり>
378名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 21:08:48 ID:as/Z8oDK
GJGJGJ…!
379名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 23:26:55 ID:kDDiA1Ib
なるほど!

377の後に、301〜を読み返すとイイ!
380名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 23:44:30 ID:0BlqykpF
GJ!
いろんな人の思惑が絡まってて面白かったよ!
381名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 04:51:04 ID:xW46RmED
兄黒いよ兄……。

今この金→銀→赤のラブトレイン状態から目が離せない……。
382名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 12:41:29 ID:2WqxYeHC
銀×黄×銀とかリクしても良いかな?
一緒にお風呂入ってて盛り上がって、そのままGO-ON!とか。
383名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 19:03:57 ID:wad732ty
>>382
ベタだけど、昔ながらの銭湯で女湯の二人が盛り上がって、
それを聞いた男湯の連中が悶々とするという図なら浮かんだ。
384名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 09:22:12 ID:a9DJVec6
GJGJ! 黒い兄好きだ
ただ青ってサーキット勤務じゃなくてバス運転手じゃなかったっけ?
思い違いだったらゴメン
385367:2008/07/27(日) 10:45:18 ID:so/gS6Ly
感想ありがとうございました。
青黄ですけど、影の主役は金で、>>301〜につなげるつもりで書いたのが分かってもらえてうれしかったです。

>>384
サーキット場の送迎バスです。
東映公式にも、サーキットでスタッフや客を運ぶ仕事をしていたときって書いてます。

あと、コピペ間違いで、>>375の最初の二行が、>>374の二行とカブってすみませんでした。
>>375は三行目の「いい?」から始まります。申し訳ありませんでした。




386名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 13:30:42 ID:wor4zLI7
スイカ食べてる時の青黄が、カップルにしか見えなかった。
387名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 15:35:04 ID:ZRrSRfZ3
最近のスレの金→銀→赤の流れに影響されて、書いてしまいました。
轟音赤銀です。苦手な方はスルーお願いします。
388内緒ノコトバ 1:2008/07/27(日) 15:35:48 ID:ZRrSRfZ3
「今日はアニが出かけていないから大丈夫。だから家に来て」
 美羽のそんな誘いを受けて、走輔は須塔家の別荘へやってきた。
 白い壁に囲まれた、大きくて広いその別荘は、いつも圧倒的な存在感を持って走輔を出
迎えた。見るたびに、走輔の口からため息がもれる。対する美羽はなんでもないことのよ
うな顔をして、走輔を中へと案内した。
 中に入ってから、走輔はずっと抱いていた疑問をぶつけた。
「なんで、大翔がいちゃ駄目なんだ?」
 すると、美羽は首を傾げた。
「さあ、私にもわからないの。ただ最近、走輔の話をしたら、急に不機嫌になるから……」
「そうなのか?」
 美羽はこくりと頷く。走輔も解せないといったふうに、首を傾げた。
「それはそうと、俺を呼んだ理由は何だ?」
 走輔が本題に入ると、そうそう、と美羽は手を叩いた。
「花を見てほしかったの。私が飾り付けをした花」
「花?」
 走輔が尋ね返すと、美羽はテーブルの上に乗っている、大きな籠に飾られた花々を指差
した。走輔はその花々をまじまじと見つめた。
 その花々の中でもひときわ目を引いたのは、真紅のバラだった。周りにはピンクのカー
ネーションや白いカスミ草も添えられているが、メインの花には見えない。
 走輔は自分の色が赤ということもあって、そのバラに好感を持った。
「綺麗でしょ?」
 美羽に訊かれて、走輔は素直に頷く。
「ああ、この赤いバラがいいよな」
「そうでしょ? 走輔とおんなじ色」
 美羽はにっこりと笑った後、言葉を続けた。
「このバラは、私から走輔に向けたメッセージなの。わかる?」
「メッセージ? このバラがか?」
 走輔はきょとんとした。いきなりバラがメッセージと言われても、分かるわけがない。
そんな走輔の様子を察して、美羽は付け加えた。
「ヒントは、花言葉」
 ヒントを与えられても、その花言葉に関する知識が皆無の走輔には、見当もつかない。
難しい顔をして頭をひねっていると、美羽は痺れを切らしたように小さな本を走輔に差し
出した。呆れたような顔をしていた。
「花言葉も分からないんじゃダメね。勉強しなくちゃ」
「おいおい、荷物持ちの次はお勉強かよ?」
「知っていて損なことはないわ」
 ぴしゃりと言って、美羽はその本を走輔の手に押し付けた。受け取って表紙を見ると、
そこには花辞典と書かれていた。
「そこに、書いてあるわ。引いてみて」
 走輔はぱらぱらとページをめくった。やがてバラのページにたどり着くと、そこには
バラの写真と、花の説明が載せられていた。
「花言葉、花言葉……と」
 走輔は小さい字の説明を飛ばし飛ばし読み進めていき、花言葉に関する記述に至った。
 そこに書かれていた言葉に、走輔は思わず目を丸くした。
「『あなたを愛しています』……」
389内緒ノコトバ 2:2008/07/27(日) 15:36:59 ID:ZRrSRfZ3
 美羽の方に目を向けると、美羽は走輔から目を逸らし、微かに頬を赤らめていた。
 それはあまりにストレートな言葉だった。同時に、美羽がその言葉を走輔に向けてきた
ということが、信じがたいことだった。
「嘘だろ?」
 走輔が言うと、美羽は顔を背けたまま、ますます頬を赤くしたように見えた。
「嘘じゃ、ないわ」
 美羽の答えに、走輔は口をあんぐりと開けた。
「あなたのことが、ずっと気になってた。なんで、こんなにダメなんだろうって。なんで、
こんなにアニと違うんだろうって」
 美羽は視線をそらしたまま、言葉を紡ぐ。
「気になって、ずっと見ていたの。でも、気づいたら……あなたのことしか、目に入らな
くなってた」
 そこで再び、美羽は走輔と視線を合わせてきた。だが走輔は思いもかけない美羽の告白
に驚きっぱなしで、反応することができなかった。
 美羽はいつも走輔の行動に苦言を呈すばかりだった。そんな彼女が自分に好意を抱いて
いたということがにわかには信じがたく、走輔は固まったまま美羽を見ていた。
 そんな走輔の様子を察したのか、美羽は恥ずかしそうに、花の生けられた籠を持ち上げた。
「今の、なかったことにして。誰にも言わないで」
 走輔の反応がないのを、ノーと受け取ったらしい。
 そのまま花を片付けようとする美羽の手を、走輔は思わず掴んでいた。美羽は驚いたよ
うに走輔を見た。
「な、何?」
「嘘じゃ、ねーんだろ」
 美羽は目を見開いた。走輔は言葉を続けた。
「俺の返事も聞かずに、なかったことにしろとか、やめろよな」
「で、でも……」
 美羽は戸惑ったように視線を下げたが、走輔は美羽の顔を持ち、視線を戻させた。そし
てそのまま、美羽の唇に自分のそれを重ねた。
 美羽の苦言は確かに鬱陶しいと思っていたが、だからといって、美羽自身を嫌いになっ
たことはなかった。最近では彼女の言動の中に、年相応の可愛らしさを見出すこともあっ
た。買い物している時や、ギンジロー号で早輝と話をして盛り上がっている時、美羽が見
せる嬉しそうな顔に、思わず見とれていたことさえあった。
 その彼女が、自分に思いを告白してくれた。確かに最初は驚いたが、それが過ぎた後は、
自然と心の中に美羽に対する愛しさが湧き出ていた。
 唇が離れた時、美羽の目は今まで以上に見開かれていた。頬も真っ赤だった。
「そ、走輔……」
「これじゃ、答えにならねえか」
 美羽に尋ねると、美羽は少し黙った後、微かに首を横に振った。
「美羽……好きだ」
 いつの間にか、自分の口からそんな言葉が飛び出していたことに、走輔は内心驚く。だ
が、偽りの言葉ではない。
 走輔はそのまま、美羽を抱きしめていた。
「走輔……」
 同時に、美羽の手の中にあった籠が、ぱさりと落ちた。
390内緒ノコトバ 3:2008/07/27(日) 15:38:01 ID:ZRrSRfZ3
 まさか、走輔に自分の気持ちを受け入れてもらえるとは思わなかった。美羽は顔も頭も
全身が熱くなって、どうにかなりそうだった。
 こうして今、走輔の腕の中に抱きしめられているということが、全く信じられない。
 走輔の腕の力は強くて、でも頼もしくて、優しかった。美羽も走輔の背に手を回し、
ぎゅっと力を入れた。
 再び走輔にゆっくりと顔を上げさせられ、そのまま唇を重ねる。
 と同時に、美羽のジャケットの中に何かが侵入してきた。
「ひゃっ!?」
 美羽は思わず声を上げ、唇を離してしまう。その時ちょうど、その侵入者が美羽の胸の
突起に触れた。今まで味わったことのない感覚に、美羽の体がぞくりと震えた。
「あ……」
「嫌、か?」
 走輔がゆっくりと尋ねる。侵入者の正体は、走輔の手だったのだ。
「やっ、だ、だって、こんなこと……」
「悪い、美羽……俺、なんか、我慢できそうにねえんだ」
 辛そうにも聞こえる、走輔の言葉。
 その言葉に心動かされたのか何なのか、再び動き出した走輔の手を、美羽は無抵抗で
受け入れてしまっていた。
 何より、その未知の感覚を手放したくないという、美羽の隠れた願望もあった。
「あっ、や……ん……」
 美羽がその感覚に夢中になっている間に、いつの間にかジャケットを脱がされていた。
そのまま、ゆっくりとソファに押し倒される。美羽は戸惑ったように、走輔の顔を見上げた。
 走輔の顔が降りてきて、何度もキスを落とされる。額、唇、首筋――
 やがて走輔がシャツに手をかけた時、美羽は思わず走輔の手を掴んでいた。
「だ、だめよ走輔、こんなとこで……」
「けど、大翔はまだ帰ってこねえんだろ?」
「そ、そうだけど、でも……」
 大翔はいつ帰ってくるか、はっきりと言ったわけではなかった。
 もし、こんな姿を大翔に見られたら。美羽は恐ろしくなって身震いした。想像もしたく
ない。あれだけ、美羽の口から走輔の話を聞くのも嫌がっていたのに――
 だがそんなことを考えているうちに、美羽はシャツを脱がされていた。
「ち、ちょっと、走輔……!」
 それでも走輔が手を止める様子はない。背に手を回されて、ブラジャーまで取り払われ
てしまった。美羽は悲鳴を上げて、反射的に胸を隠した。
「だ、だめって言ったのに……」
「大翔が帰ってくるまででもか?」
 訊きながら、走輔は美羽の手を払った。そのまま美羽の形良い胸を掴み、力を入れる。
突起を弄られるのとはまた違う感覚に、美羽は体の芯から何かが湧き上がってくるのを感
じた。
 ――こんなことしながら、訊くなんて……
 どうあっても、首を横に振れないではないか。
「なあ、ダメか?」
 走輔の再度の問いに、美羽は横を向いた。そして、小さく言葉を漏らした。
「ダメ……っ、じゃない……」
 ああ、言ってしまった。
 そっと走輔の方に顔を戻してみると、走輔の顔が笑っていた。再びキスを落とされて、
美羽の意識がぼんやりとする。
391内緒ノコトバ 4:2008/07/27(日) 15:38:31 ID:ZRrSRfZ3
 走輔の口は、今度は胸の突起へ向かった。双丘の頂に舌をつけられ、ちゅと音を立てら
れると、美羽の下半身からぞくぞくと快感がせりあがってきた。
「あ、ああっん……」
 走輔の舌が、美羽の桃色の突起を転がす。自分の体が今にも発火しそうなくらい熱く
なっているのを、美羽は感じた。
 あまりの快感に声を上げそうになって、美羽は思わず口を閉じた。こんな恥ずかしい声、
走輔に聞かれたくない。
 美羽は唇を噛んで、喉から出る声を阻んだ。苦しそうな息が、美羽の口から洩れた。
「んぅ、ん……」
「なんだ、美羽、どうしたんだ?」
「だ、だって、変な声、出ちゃ、……っあん!」
 話している最中に走輔が舌を動かしたので、美羽は思わず叫ぶように声を上げてしまった。
「いいじゃねえか。さっきの声、すごく良かったぜ。もっと聞かせてくれよ」
「あ……んんっ、ああっ……!」
 美羽は必死に口を閉じようとしたが、それは不可能であった。次から次へと声が溢れ出
して、止まらない。そして、下半身からの、蜜も。
「あぁっ、そ、走輔……っ!」
 走輔がちゅうと吸い上げた時、美羽の声も一段と高く上がった。
 やがて走輔の口が離れたかと思うと、今度はさらりと太股を撫でられた。美羽はぞくり
と体を震わせた。
 かちゃりとベルトの音が鳴り、それは床へ落ちた。そのままホットパンツを下げられて、
下着の上から、その秘密の場所に触れられる。その場所は、既に濡れそぼっていた。
「美羽、お前、もうこんなに――」
「や、だめ、恥ずかしいから……言わないで」
 こんなに自分が興奮していたなんて。美羽はふるふると首を横に振って、走輔の言葉を
遮った。
 走輔は下着を下げて、美羽の繁みの奥へ指を侵入させていった。
 自分の中に、異物の侵入を感じる。その異物が自分の感じる場所を探り当ててくるもの
だから、美羽は更に高い声をあげてしまう。
「あっ、ああっ……ん!」
 走輔の指は止まらない。美羽は身をよじり、声を上げた。体を傾けてきた走輔に、思わ
ず抱きついてしまったほどだ。
「美羽、嫌か?」
 走輔に尋ねられて、美羽は首を振る。
「うぅん、違うの……そうじゃ、なくて」
 言いながら美羽が手に力を入れると、走輔も指を引っ込めて、美羽の背を抱きしめてくれた。
 その時、美羽は気づいた。自分の下半身に、指とは違う異物が当たっていることに。
そっと下を向くと、そこにはズボンの上から張りつめた走輔の下半身があった。
 性欲をかきたてられ、興奮した男性がこうなることを、美羽はどこかで聞いたことがあった。
「走輔、ねえ……」
「なんだ?」
 美羽は顔を赤らめながら、尋ねる。
「走輔も、その……興奮、してるの?」
「あ、当たり前じゃねえか。なんで?」
「だ、だって、下……」
「下?」
 そこまで聞いて、走輔は美羽の言っている意味がわかったらしい。
「バレちまっちゃ、しょうがねえ」
 そう言うと、美羽をじっと見つめてきた。その真摯な瞳に、美羽は思わずどきりとした。
「美羽、いいか? お前の中に、入っても……」
 美羽の心臓が、とくんと高鳴った。走輔の指している行為のことが、なんとなくわかった。
 未知の領域へ踏み込む恐怖と、このままやめることはしたくないという思い。その二つ
がせめぎ合って、結果、後者が勝った。美羽は頷いていた。
「うん……」
「よし」
392内緒ノコトバ 5:2008/07/27(日) 15:39:20 ID:ZRrSRfZ3
 そう言うと、走輔は着ていたものを素早く脱ぎ始めた。
 走輔の全身が露わになると、自分のものとは明らかに違う、男の匂いのする肉体に、美
羽の心臓の鼓動が早まった。
 走輔は美羽を再び抱きしめ、唇を重ねた。濃厚な口づけ。走輔の舌が侵入してきて、美
羽は驚く。だがすぐに、その舌を彼のものと絡めた。舌も、唾液も絡まって、より濃厚な
味を残していく。
 甘い糸を引きながら、走輔は美羽の顔から離れ、自身を美羽の秘所へあてがう。美羽の
背が、ぞくりと震えた。
 正直、今の美羽の心を支配していたのは、恐怖心だった。このまま、自分がどうなって
しまうのか。そして、走輔が、どうするつもりなのか。あまりにもわからないことだらけ
で、予測の立てようもない。
「美羽、いいか、いくぜ……」
 それでも、引き下がるわけにはいかない。美羽はこくりと頷いた。
 再びソファの上に寝かされた途端、破られるような痛みが美羽の全身を貫いた。
「ひっ、いぁぁっ……!!」
「美羽、っ」
 痛すぎて、どうすればいいのか分からない。どうすればこの痛みが緩和するのかもわか
らない。のたうちまわりたくなるくらい、辛い。
 それでも美羽は、走輔の体が離れてしまうのが嫌だった。慌てた顔をして、体を引こう
としている走輔の手を、美羽はぎゅっと掴んだ。
「だめ、走輔、このまま、いて……」
「で、でもよ美羽、辛いんだろ?」
「へ、平気よ……こ、このくらい」
 強がってみるが、随分無理のある強がりになってしまった。走輔の顔は、なおも心配そ
うだ。美羽は更に強く、走輔の手を握った。
「だめ、いや、このままにして、走輔……」
「美羽……分かった」
 走輔はやっと頷いた。
 繋がったまま、走輔にキスを落とされる。自分の痛みを緩和しようとしてくれているの
だろうかと、美羽は思った。
 走輔はしばらくそのままでいてくれようとしたらしいが、それも辛かったようだ。
「美羽、駄目だ俺……やばいかも、しれねえ」
 美羽は走輔の手をもう一度握って、言った。
「いいよ、走輔、続き、して……」
「美羽、すまねえ」
「いいの。だって、私がいいって言ったんだもん……」
 頑張って、顔を笑みの形にしてみようとする。走輔はそれを見て頷くと、ゆっくりと腰
を動かし始めた。
「いっ、あぁっ!」
「美羽、大丈夫、か?」
「いいの、走輔、続けて、お願い……」
 痛みが走ったが、美羽は頷いていた。
 走輔は美羽の奥まで、自身を沈めた。そして、それをゆっくりと抜く。感じる部分全て
にそれが当てられて、美羽は高い声を上げる。
「あっ、ああん、やあっ!!」
 再び、走輔に貫かれる。今度は、素早く。痛みとともに、じわりとした快感が美羽の体
の中に残る。
「あ、ぁんっ、そ、走輔、っ……」
「美羽、好きだ、美羽……」
「あぁああっ……!」
 痛くてたまらないのに。それなのに、どうしてやめてほしいと思わないのだろう。
「好き、だから……」
 美羽は、その言葉をつぶやく。
 それが、全ての結論。
 あの赤いバラの花びらに託した、内緒の言葉。
「美羽……っ!」
「あぁん、そ、走輔っ――!」
 快楽の頂に、もう少しで上りつめようという、その時だった。
393内緒ノコトバ 6:2008/07/27(日) 15:41:04 ID:ZRrSRfZ3
 床に落ちた籠の中から、バラの花びらがはらりと落ちる。
 美羽の背に、鋭く冷たい感覚が走った。


「だめえっ!!」
 美羽は思わず大声で叫んでいた。
 走輔も驚いたようにびくりとし、同時に動きを止めた。
「な、なんだよ、美羽?」
「だめ、アニが、アニが帰ってきちゃう!」
「はあああ!? マジかよ!?」
 走輔も目を見開いて、信じられないという顔をした。美羽は身を起こし、おろおろとした。
「走輔、早く、隠れなきゃ! 服持って、私の部屋に来て!!」
「お、おう!」
 美羽も服を持って、そのままの姿で階段を駆け上がる。二階には大翔と美羽の部屋があ
る。美羽は自分の部屋のドアを開け、そこに走輔を入れた。
 服を着終わると同時に、大翔の声が階下から響いた。
「美羽、ただいま」
 美羽は慌てて部屋の外へ出ようとしながら、走輔の方を振り返った。
「走輔、絶対ここから出ないで。いい?」
「お、おう、わかった」
 美羽は確認すると部屋を出て、素早く階段を下りた。


 大翔はリビングにいた。今まで走輔と美羽がいた場所だ。しゃがんで、下に落ちた美羽
の作品を見ている。その後、やってきた美羽の方を振り返った。
「これ、お前のだな。一体どうしたんだ?」
「あ、ああ、さっき落としちゃったの。ごめんなさい」
 美羽は籠をさっと拾い、テーブルの上に置いた。大翔はそこに生けられた花々を見て、
そっと真紅のバラに手を触れた。
「『あなたを愛しています』……か」
「い、意味はないの。ただ、赤いバラが綺麗だったから、それで――」
「赤いバラ、な」
 大翔は薄く笑った。その兄の様子が何故か恐ろしく見え、美羽の背に冷たいものが走り
抜けた。
 まさか、アニは、何もかも――
「ロードワークしてくる」
 大翔が突然そう言ったので、美羽は驚いたが、慌てて頷いた。
「え、ええ、いってらっしゃい、アニ」
 そう言って送り出した後で、美羽は気づいた。
 大翔はいつも、ロードワークに美羽を誘っていた。美羽もそれにいつも応えていた。二
人一緒でない時なんて一度もなかった。それなのに、アニは――
 走輔のいる部屋に帰る気も起こらず、美羽はその場に立ちつくしていた。


 リビングに残った、濃厚な雄と雌の匂い。一方は美羽、そして、もう一方は――
「俺に隠せると思うなよ」
 大翔はもう一度薄く笑うと、外へ駆け出した。
 どす黒い感情が、自分の中に沸き起こるのを感じながら。

<終わり>
394名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 23:04:49 ID:wTLDkGBa
こわーっ!!!アニこわーっ!
この流れが好きだーっw

>>384
301を書いたものですが、つなげる気持ちでと言ってくださって
うれしいです。


395名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:53:51 ID:PzbZbpty
GJ!ダークアニキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━
何気に、赤いバラが、その前の青黄の話とつながっているのがイイ!
396名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 23:05:52 ID:1FCEWbYr
今日やっと、日曜日の分見た。
美羽に対しての言葉遣いが、5人に対してと明らかに違う大翔(・∀・)イイ!
頭ポンが最高に萌えた!この二人の身長差も良いな。
397名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 01:02:40 ID:1jr6BvYM
何気に予告でキタネイダスがケガレシアに抱きついていたような。
398名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 08:32:56 ID:KtGDki6X
>>397
全開抱き付いてましたねw
あの手の位置だと確実に乳掴んでるなw

しかし、金銀の怖がり方が可愛かった。
399名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 02:13:39 ID:gC8qa4A/
公式の高校生に扮装したメンバー+教師っぽい青を見て
>>148を思い出した。
黄緑がギャル+ギャル男だったけど、金銀と逆だったらカンペキだったのにね。
ていうか、緑のアレは、渡に対抗しているんだろうかw
400名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 23:31:57 ID:qa593VRj
映画の予告で、緑がケガレシア人間verの手を握っていたのに禿もえ

修行の話以来、緑×ケガレシアが見たくて仕方なかったから一瞬でも嬉しかったなぁ
401名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 20:44:20 ID:1lt+ZT1o
あげるついでに質問。…来週は黄色×銀でいいんですかね?
402名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 21:10:32 ID:dFO87avu
黄×銀でも銀×黄でもおK。自分は両方あり。なんだったら金に
乱入して貰っても全然OK!むしろ乱入希望。
403名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 22:46:38 ID:XQSLe0Pz
来週は銀虎×黄熊×害水王子じゃないの?
404名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 12:36:20 ID:acqk+545
流れに逆らって申し訳ない

魔法黄桃モノを投下出来る神は、
この世にいらっしゃらないでしょうか?
久しぶりにDVD観たら禿萌えて困ったことに
405名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 13:14:18 ID:uU4qxN9M
そういうときは自分で書けばいいのさ
406名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 15:02:43 ID:bfPZMpR2
>>404
んな事言ったら、俺なんかギンガマン見返してて、緑←貝なんてモンを想像しちまったんだぞ
しかもあれだけエロい格好してんのに、思いついたのがエロの欠片も無い歪んだ愛憎の心情話なんだから困ったもんだ……
407名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 10:52:11 ID:yrY7HNTI
>>406
よし、それを投下する作業に移るんだ
408名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 16:03:32 ID:i7m0xxGm
409名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 18:18:46 ID:3iWkkZLt
轟音 汚レさまが黒を調教するというお話があったら面白そう

生真面目な黒が汚レさまに脳内汚染され 汚レさまの僕になってしまう・・・
410名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 08:11:27 ID:ZoICsOuR
公式に銀赤確定ですな
411名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 09:16:42 ID:uqzfsw4K
百合回だと思ったらまさかの銀赤回で驚いたっぜ
412名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 15:14:38 ID:t4wJ0AgV
自分は全員揃った時に、さり気なく銀の頭を撫でた金に萌えた!
413名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 18:05:32 ID:DvLfvnuO
女の子二人でキャッキャウフフな回だと思ってたら、
「走輔!!うおりゃあああ!!」とか「何でこんなこと思い出すの!?」の銀→赤認定、
「アニに聞いてみないと…」とか「アニに新しい彼女ができたらすぐわかる」とかブラコン全開、
赤銀も金銀もおいしかった

そしてベアールから一番に逃げ出し、ギンジロー号に速攻隠れた兄にわろた
414名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 19:26:08 ID:9Awb8TKI
しかし後から来た銀にあっさりヒロインの座を取られた黄カワイソス
415名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 21:52:39 ID:gVPPtKmo
オカンと娘とはいえ、やっぱり青黄が好きな訳だが、
ここ3週のメインよりも、他の人のメインの方が仲がいいから複雑だw
416名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 10:02:59 ID:h1yDJkd8
青黄でメインやってほしすなあ。
417名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 11:11:31 ID:kTIiFyAP
黄色は軍平とだ
418名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 11:45:17 ID:+TKi10Ks
軍平は警察学校の頃から好きだった女の人とか、
刑事時代に惚れた関係者の女の人とかいそうな気がする。

419名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 12:16:05 ID:cDfk//OS
自分はやっぱ緑×黄だな。先週の夏休みの回でもじゃれあってたし
年上のお姉さん(ケガレシア)に憧れてても、最終的にはいつも馬鹿やってる同級生(のような)女の子を選ぶのを願っている。
420名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 13:13:21 ID:GkFnhpUt
>>419
予告で、他のメンバーが金を胴上げしている中、
早輝だけ振り返って範人を見ていたのが気になった。
421名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 14:02:25 ID:2kPAgY4q
保管庫更新記念あげ
422名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 15:08:01 ID:U1ooNPt5
自分は赤黄を期待しています
423名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 15:18:46 ID:DTtMg9ID
予告でぶつかり合って慌ててる青黄が可愛かった
424名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 23:03:36 ID:B+7A25ge
すまん、言わせてくれ

とにかく黒黄なんだ
二人でパタパタしていたときから、ここ最近
ひたすら黒黄に見えて仕方がない
海でもキャッキャしてたし、黒が黄の名前を呼ぶことが増えてる気がする

厨レスすまん
言わずにはいられなかったんだ
425名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 00:12:32 ID:4EvHCTKU
空気読まず


自分は緑黄ノシ
やっぱり一番しっくり来る
高校生カップルとか初々しくてもうw
426名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:04:08 ID:FWSGonFt
黒黄でエロって想像できないんだけど、逆にそこが良いのかな。
427名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 10:45:03 ID:saR7qsgB
基本的に赤が一人で何かしがちで、(金銀と絡んだり)
それを見守る四人がいるけど、青と緑が仲良しだから自然と黒黄が2ショットになるんだよね。そういうの多くて何か萌える。
428名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:30:56 ID:E36jsxfh
黄色は誰と一緒でもお似合いだよね。

赤黄…ケンカップル
青黄…ほのぼの母娘
緑黄…高校生カップル(設定は違うけど)
黒黄…バタバタ海辺でキャッキャ

>>427
自分は赤が1人で行動すると、黒と青のお兄さんコンビと、黄と緑のゆとりコンビに見えた。
特に最近の黒は、19話がなかったら緑よりも青と一緒にいるような気がする。
429名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 23:08:59 ID:5MX3WIrm
銀はいつ赤に告白するんだろね
430名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 01:05:28 ID:yjFF97ma
するとしたら 終盤になりそう…
431名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 04:43:10 ID:ZKbluWBp
公式ブログ情報より、
黄と緑が仲良く青をいじめてるらしいw

黒は金と超仲良し。。。


にしても、赤は黄の恋愛フラグを気にして
ストーキングしてたくらいだから

 銀→赤→黄

ってことになるのかね?
432名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 04:58:07 ID:7xnZXYqO
まーたVSシリーズでのろけるのかよ
433名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 06:37:36 ID:lnWLG2uI
写真集のネタバレになるが











赤黄、緑黄、金銀はすごいな
特に緑黄の大プッシュっぷりが
逆に青黄、黒黄、赤銀(銀赤?)はほぼ無し、かな
434名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 21:02:07 ID:/ErSTI0u
黒ベアールの種族を超えたカップルはやっぱダメかのぅ…


ベアールが何かの事故で擬人化、その世話を黒がする


そのうちに黒とベアールが惹かれあう……


すまない、妄想が過ぎたようだ…
435名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 00:15:13 ID:ZnOGTv4c
正直、ゴーオンは一話一話の繋がりがあまりないし、軽い作風だから、個人的には恋愛話やるんだったらわかりやすく笑いをとるような、一話限りの話をしてほしい。今の作風が保てるんなら恋愛は全然オッケイ。


ベアールと黒の話も確かに見たいな。黒のネタっぷりが特にww
436名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 08:34:51 ID:2YWRbiJC
金が予定通り崩れてきたけどw、ここのSSのダークなアニも好きだったりする。
金銀赤のラブトレイン最高〜
にしても黒熊は盲点だったな。
437名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 01:49:39 ID:SVSbxzvF
金銀赤のラブトレインを具現化してみた。
こういうSSは初めてなので 上手く行かないかもしれないけど、宜しくお願いします。
しかもかなりダークなので苦手な人はスルーしてください

「眠レナイノハ誰ノセイ」

ある晩 何故か胸騒ぎがした大翔は物音を耳にする
衣服を纏う布と肌の間接音がやけに響く
・・・美羽か?大翔は後を追うように覗く

いつものジャケットでは無く 今まで見たことの無い衣服を纏う、美羽は新鮮だった。
俺の目の前では決して そんな服は着ない少し洒落染みた色っぽい服を着て
ドアからそそくさと出て行く美羽を大翔は眺めていた。
美羽の作ったフラワーアレンジメントの籠から赤い薔薇を拾い眺める大翔。

「兄妹だから、しょうがないのかもしれない」
「しかし 誰よりも一番 愛していたの誰だ。」
「全部 オマエを分かっているのは誰だ。」
心に秘めた悪意に満ちた言葉が奥底に大翔の手を動かす いつの間にか薔薇は潰れ無残になっていた

「走輔!」
呼ばれて横を振り向く走輔。すると美羽の指は走輔の頬を突く
「・・・・子どもかよっ!待ち合わせ遅いぞ」
「ごめんごめん。アニを撒いて来るの大変だったから。」
美羽は笑いながら謝る。走輔もひと息いれて
「ま、いいか。・・・で今日は何処へ行く?」
走輔が切り出した。どうやら、毎日では無いが夜出かける日は走輔と会っているらしい
「走輔の好きなトコでいいよ」

俺の知らない美羽がここにいる。美羽であって美羽でないそんな気分だった。
二人は食事に出かける事になったらしく、肩を寄せ合い手と手を繋いでいる。
大翔は息を殺し、気配を消し、鋭い目で二人を睨む

いっそのこと 走輔をこの場で殺して自分も美羽と一緒に心中してやろうかと ひしひし思う
俺の美羽を奪い 美羽を美羽として奪った アイツが憎くてしょうがなかった
そして美羽も美羽だ。こっそりと付き合い そして俺に見せない愛しい顔をアイツに向ける
そう考えているウチに二人は食事を済ませ、ある建物に入る。

438名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 02:44:16 ID:SVSbxzvF
「眠レナイノハ誰ノセイ 2」

行為をするという事も知っていたが改めて突き詰められると、はっきりいって
頭に大きなトンカチで殴られ、無意識になるような気分だ
こっそり潜入した大翔は部屋のクローゼットで二人の様子を伺っていた。

互いにシャワーを済ませ、生まれたままの姿になる二人。
口と口が重なり、最初は触れるようなキスから少しずつ頬張るような口になり舌と舌を絡め
目をつぶりながら二人は求め合う。走輔は美羽の蜜に手をあてがい
美羽は走輔のモノを手でしこる。いやらしい音と匂いが充満してくる

美羽はそっと走輔のモノを口に含み、走輔は美羽の蜜に舌で舐める。69だ。
AVで見たことがあるが、実際に男女の性行為をみるのは大翔は初めてだった。
美羽は咥えるのを止め 吐息と甘い声を発する
どうやら気持ちがいいらしい。俺は自分のモノをいつの間にか自慰行為していた

「ああああああッ!イクッ!」
美羽は恍惚の顔して絶頂を迎える。そして、アイツは
「入れても・・・いいな・・・・」
「うん。いいよ。・・・・大好きだから。」

そんなやり取りを頭で自分に置き換えて、大翔は見ていた。
妹を犯す罪の意識。美羽は自分を兄以上の意識はしていないという事実を受け止めながら
自慰行為をする。

ベッドで体と体が求め合う二人。
「あああんッ・・・はあ・・・はあ・・・あん・・・ッ」
美羽の体に走輔のモノが絡みあう。
「好きよっ・・・・んっ・・・走輔ッ・・・あん・・・ああああッ」
「美羽・・・俺もだ・・・。いくぞっ・・・」
そして俺のモノも爆発寸前だった。

その中 突然 ウィングトリガーが鳴る。
流石の俺も想定外の事、慌てて直ぐにきった。
どうやら向こうも鳴り、二人は慌てて服を着て連絡に出る。

・・・・どうやらバレてないらしい・・・・

ガイアークの蛮機獣が暴れているという教官からの連絡だった。
二人が出て行った後を狙い大翔は窓から、飛んで居場所へ向かう
何時もの様にメンバーが揃い
何時もの様な顔する 走輔と美羽と俺。

敵を倒すのはあっという間だった。
二人の関係をつき壊したい・・・俺の手で美羽を取り戻したい
その一瞬だった。一度壊れてしまえば楽という言葉は確かだった。終わった二人の隙を狙い
俺は武器を使い奇襲する。そして、俺の手の中で息絶える美羽
そして血だらけになった走輔。・・・・・怒り狂う俺。
「もう、ゴーオンジャーもゴーオンウィングスも無いんだよ!」
439名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 02:54:18 ID:SVSbxzvF
「眠レナイノハ誰ノセイ 3」

・・・・・・・・・・・・・・・・・


そんな悪夢を毎晩見る。今日で何度目だ?
寝汗を掻きながら 眠れない日々を過ごす
明らかにおかしい、これはガイアークが発する何かが俺を狂わせているのか?
しかし 嫌な気配は微塵もしない。

ベッドからでて、ダイニングに向かう
水を一杯飲むためだ。冷静になれ・・・・ そうだ・・・・
俺は眠れない日々を過ごす原因となった美羽の部屋に行く
気持ち良さそうに寝息を立てる美羽にホットする。
「・・・・・・・・・・・好き・・・。」
寝言だろうか?
「・・・・走輔・・・・・好きだよ・・・・・私・・・。」

現実も悪夢も美羽は走輔を愛していた。
俺はただ ただ 何も出来ず部屋から立ち去っていく
アイツを打ちのめせば この悪夢から眠れない日々から
抜け出せるのかもしれない。
しかし、アイツは何も悪い事はしていない。
むしろ純粋に美羽を愛しているのは認めざる得ないのだ。

眠れない悪夢を見せていたのは 自分の中にある悪意だったのだ

・・・・美羽ヲ壊シタカッタンダロ?
違う!
・・・・走輔ヲ認メタク無カッタンダロ?
俺はそんな思いなんて無い!
・・・・美羽ヲ一人ジメシタカッタンダロ?
言うな!言うな!
眠レナイノハ自分ノセイノダヨ。

−了−
440名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 04:10:14 ID:ZTWRrc93
GJ。ダークアニってか、一瞬地獄兄貴になってましたがw
441名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 06:34:26 ID:SVSbxzvF
「もう、ゴーオンジャーもゴーオンウィングスも無いんだよ!」
これ言わせて見たかったです。中の人繋がりで・・・

サイコパスな内容でゴメン。アニキャラ崩壊でスマン。
エロ描写少なくてホンマスマン。orz
442名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 14:10:23 ID:e5u2Ygpt
一瞬>>301-を要約したのかと思った。
GJ!やっぱり金銀入ってから、盛り上がってるね〜

豚切りスマンが、予告でやっていた背中合わせにぶつかる青黄とか一緒に攻撃する青黄とかカットされまくりで青黄好きの俺涙目(´・ω・`)
443名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 15:11:09 ID:sxQ7vfll
さり気なく バラで話繋がっていないか?

GJ!
444名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 15:13:16 ID:RZAnNCVx
なら黒黄に目覚めればいいw
東Aハム式の黒黄がデートみたいで可愛い
445名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 15:50:49 ID:1luPs+ya
青黄カット残念だったね
二人メイン回とか、一回くらいはあるといいが


最後に爆弾発言して頬つねられるやさぐるまさん(旧姓)が可愛すぎた
446名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 23:35:33 ID:w5RyntGO
最近常に一緒に行動しているキタケガに萌えてしかたがない。
今回も「スゴイ!」「スゴイ!」言い合ってキャッキャしているのを観てて
微笑ましかった。

暫くヨゴ様は旅してて二人きりみたいだし、イロイロ妄想してしまうぜ。
447名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 22:57:50 ID:oWIAD6Fd
女装緑を見て不覚にも黄×女装緑というよくわからない世界に目覚めそうになった
銀黄×女装緑でもいいな……俺オワタ
448名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 17:31:35 ID:+DykD7gi
>>446
ヨゴ様がいなくなって、思いがけず距離が縮まり、なんとなく意識し出すキタ様。
そういえばウラメシが化けて出たとき、ケガちゃんについ抱きついちゃったっけ…
柔らかくて、良い香り(蛮機族的な意味で)がしたぞよ…と思い出し、真っ赤になるキタ様。
いや、ヨゴちゃんがいないときに、こんな気持ちになるなんて不謹慎ぞよ!
大体、職場恋愛は、失敗したらそりゃもうその後気まずいったらありゃしない
ものぞよ!と、独り悶々とするキタ様。
そんな同僚のジレンマも知らず、ヨゴ様不在でさみしいケガ様が今日も誘いに来る。
「キタさ〜ん。今日もわらわに付き合うでおじゃるよ♪」

このような妄想に、スピンオフ四話で他二人は「ちゃん」呼びなのに、一人だけ
「さん」呼びされて、「なんで私だけ「さん」なの?」と不満げだったキタ様の
様子を組み込めば、何かを閃きそうな気がしてございます。
449名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 22:51:28 ID:vAWWeSM0
>>447
安心しろ、おまいは正常だ
450名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:28:24 ID:M55tymZL
>>448
よし!良いぞ!そのまま突進んだ!
451名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:35:12 ID:S4dW69bZ
>>447
銀が買ってきた服で、
緑を着せ替え人形にして楽しむ銀黄を想像して萌えた
452名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:26:12 ID:zgiyrhHs
黄「あっ、ねぇねぇこの温泉良くない?今度一緒に行こうよぉ、団体割引あるみたいだし」
銀「あ〜いいね。でもこれ女性3人のコースだよ、誰か他に誘うあてあるの?」
黄「だぁ〜い丈夫、ちょっと考えがあるの」



女将「ようこそお越し下さいました。こちら、女性3名様でよろしいですか?」
黄・銀「はぁーい!」
緑「は…はぁ〜い…」
453名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 08:15:06 ID:Sghxm2qG
>>452
あげくの果てに混浴とみた!
赤と金涙目
454名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 00:28:36 ID:DEH5WUlC
黄「ねぇ、早く入りなよぉ〜」
緑「ダ、ダメだよ女の子と一緒にお風呂なんて…」
銀「私達は別に構わないんだけどなぁ〜」
455名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 16:30:29 ID:AdGcxYuQ
その後の展開

1・黄銀がソープ嬢のごとく緑にご奉仕「あ〜、おっきくなってる!かぁわいい!」

2・緑が黄銀にご奉仕させられる(でもヤッちゃいけない)

3・普通に入浴、普通に卓球、普通に就寝


どれを期待したらいいだろうか
456名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 17:15:45 ID:F9E80iux
他の男性が覗こうとして背中が見えたと思ったら緑だった

じゃね?
457名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 20:41:09 ID:DEH5WUlC
>>455
あえて3なら


全く男扱いされず普通に一緒に入浴、一緒の部屋で就寝も、
正直内心辛抱たまらん緑。二人が寝静まった頃、我慢しきれず一人手淫を。
しかし物音に気づいた黄が目を覚まし…

黄「ムニャムニャ…あれ、何してるの範人?」
緑「あ!!あ、こ…これはその…」
黄「あ…そうだよね、範人も男の子なんだよね…
 ごめんね、私ったら何も考えずに振り回しちゃって…責任、とってあげなきゃね」
緑「さ、早輝…」
458名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 21:44:25 ID:Ryi6nGQ7
その後の展開

1・緑が「だ、だめだよぅ」と言って、あっさり川の字で就寝。

2・緑が「だ、だめだよぅ」と言いながら、そのまま流される。

3・物音に気づいた銀が「仲間に入れて〜」と仲良く3P

なんかサウンドノベルみたいw
459名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:06:03 ID:4fY9KwpJ
バルカがイケ面化して美羽を寝取るのも面白いかもね

バルカ人間体「やめてよね、大翔が僕にかなうわけ無いだろ」
そう言いながら、美羽の前で大翔の腕をねじりあげる。
460名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:50:38 ID:qxR35x1r
最早女装関係なくなってきたな
…もしやスカート履いてるのか?
461名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:01:14 ID:B2DR3nyt
>>459
7人の中で一番強い大翔よりバルカが強かったらバランス崩壊するwww

あいつえっち中もアルデンテーとかチーズとか言うんだろうな…
462名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 12:24:32 ID:XlJAknl1
>>458
とにかく3でお願いしたい!

黄「…んっ…範人のおおきい…」
銀「本当…顔に似合わず…凄いね」

という感じで両側から昴ぶりを舐め上げて貰う範人が浮かびました。
可愛い顔の男が巨根なのは趣味です。すまん。
463名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:34:18 ID:n7OkR1l3
そういえばさ、炎神って
一番若いのがトリプターで一番おじさんはボエール何ですかね?

トリ>スピ=バル=ベア>ガン=ジェト>バス>ゲタ>>ボエ
こんな感じ?
464名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:47:41 ID:lzhVMNEL
自分は
トリ>>バル>スピ=ベア=ジェト>ガンパ>バス>ゲタ>ボエ
と思っていた。
トリが中学生くらいでバルは10代後半。
スピ&ベア&ジェットは20代くらい。
親父のバス&ガンパ
長老のゲタさんとボエール
って感じ。
465名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 10:36:39 ID:yudIwaX0
トリはがきんちょだと思ってたんだけど、
「ボエールのオジキ」って呼んだのを聞いて、意外といい年?と思った
子供は使わんよな>「オジキ」
「アニキ」といい、実は任侠系キャラ?w
466名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 01:12:01 ID:ALlaya1U
>>463-465
ゴーオンスレで話せばいいのでは…
467名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 04:51:34 ID:mCT9pczy
この話からガン×早輝やジェト×美羽はおkか否か(年齢的に)とかいう話題に
持ってくのかと思ったが違ったな
468名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 10:35:01 ID:Q+frHnM1
「あーん」や、ボロボロ銀、必死すぎる金、
来週はシスコンアニ話のようで楽しみ
469名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 10:55:15 ID:WJ/i5ajd
まさか、生で銀から金への「あ〜ん」が見れるとは!
いやいや長生きするもんだね。
470名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 14:28:42 ID:FHJiSGHx
今日の放送ではギャルの早輝とギャル男の範人のじゃれあいに萌えてしまった。
471名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 14:48:24 ID:+BVEqaG2
今回の学生服兄妹だけでも十分金銀補給できたが
来週は最初から最後までずっと銀を気にかける兄が見られるのかと思うと
今から楽しみすぎるwww
472名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 23:12:19 ID:cW550glR
来週の予告で
317の続きを書きたくなりました。
途中まで書いて方向性を悩んでしまいました。。。
とりあえず読んでもらってもよいでしょうか…

しつこく轟音金×銀です。
473野生ノエナジー:2008/09/01(月) 00:14:13 ID:8NHU9mcP
いつものように、美羽が花のアレンジをしている。
俺はサンドバッグに向かい、汗を流す。
以前と変わらないように見える沈黙に苦しくなり、自分から逃げた。
「…走ってくる。」
後ろから美羽の声が聞こえたが、振り払うようにダッシュで飛び出した。

あの夜、美羽は何も言わなかった。いや、あれ以来ずっと。
俺を責めるわけでも、泣き続けるわけでもなく、まるで何もなかったかのように。
俺は、何もなかったなんて思えるはずもなく、一度知ってしまった美羽の全てから、逃れようとしていた。
手をのばせば、また捕まえられる白い身体。丸い頬や細い首、スラリとした脚。
素肌が目に入るだけで、あの夜の感触まで体が思い出し、耐えられなかった。

理性の部分で二度とあんなことをしてはいけない、と思いながら、
感情ではアイツに渡したくない、自分のものにし続けたいと。


「おっ大翔!オレも走るぜっ」
…本当にいつも、能天気な奴だ。俺の気など知らず勝手にやってきては、俺から何かを学ぼうとしている。
(その屈託のない目で俺を見るのをやめろ!)
「最近オレもちょっとは周りを見るようになったんだぜ。」
「連が新しい卵料理作ったんだぜ。」
イライラしている俺のことなどこいつには分かるはずもなく、ペラペラと喋る。
「そう言えば、こないだ美羽に…」
「美羽がどうした?」
「また買い物つき合わされてまいったぜ。ったく、わがまま妹の買い物なんか兄貴がついてけばいいじゃねーか。
 仲間じゃなかったら口もきかないタイプだぜ。っと、わりぃ。」

この能天気は、美羽の気持ちに全く気付いていないようだ。
しかも、美羽のことは仲間以上の気持ちはないらしい。
美羽の想いだけなら、どうにもならないだろう。
釘をさしてしまえば良い…
「走輔は恋人とかいるのか?」
「なっ!?なんだよ急に。いねーよそんなの。今はスピードルがオレの相棒だしな。」
えへんとでも言いたそうな顔をして、俺を見る。
「ふうん…」
「なんだよっそういう大翔はいるのか?」
「まあ困らない程度にはな。」
「ほ〜…」
「つきなみだが守りたいものがあると強くなれるな。」
「えっ!そうなのか?…」
ほら、な。
「そう言えば、この間俺とお前が一緒にいたところを見た友人が、
 おまえを気に入っていたぞ。女性のな」口の端を少しあげる。
「えっ!?本当か?」
単細胞をだますなど簡単なことだった。
474名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 00:55:42 ID:aSkJRnqt
>>473キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
金銀いいよー金銀
475名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 20:30:27 ID:CK6xoWj0
「丸い頬」につい笑っちゃってサーセーンw
476名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:15:20 ID:m7xCs8Ol
轟音が盛り上がっている中、流れぶった切り大変すみません。

どうやらDVD化も迫っているらしいカクレン、冷めやらぬ熱に浮かされ、
再び赤白SSを書いてみましたので投下させてください。

時系列的には前2作からの続きになりますが、内容は特に引っ張っていません。
10レス消費予定です。
477忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:16:51 ID:m7xCs8Ol
ドアが閉まった途端、鶴姫は回れ右をして帰りたくなった。
狭い室内に、不釣り合いなほど大きなベッド。一つの目的のためだけに作られた部屋。
噂には聞いていたが、想像以上に凄まじいインパクトだ。

「空いてるとは思わなかったな。休み前で割高だけど、ま、いっか」
軽く言い、小さなテーブルに鍵を置くサスケ。
即物的なイメージを払拭するためか、多少内装や設備の凝った建物が多くなっているとは言うが、確かに必死だよなぁと思う。
所詮そんなもの、万人の邪な目的の前にはトッピングのさくらんぼに過ぎないのに。報われないものだと、見も知らぬ誰かに同情した。
出入り口のあたりでフリーズしている鶴姫の反応は、充分過ぎるほど想定内。だから特に構うことなく風呂を探し、明かりを点ける。
「おー」
室内のコンパクトさに比べると、無駄に大きな浴槽と洗い場。
まさに何でもヤリ放題。まぁどちらにしても、鶴姫が協力してくれるとは思えないが。

洗面台に備え付けのバスソープを持って来て、浴槽に垂らしてからお湯を張った。
依然テント暮らしのサスケにとって、風呂は唯一の娯楽。しかも泡風呂なんて、なかなか楽しめるものではない。
物凄く久しぶりにそれを試せるところへ来た、そんな証明にもなるような高揚感。
鶴姫とは初めて訪れた施設。妙に手慣れてるのは面倒な憶測を呼びかねないと今頃気付いたが、既に手遅れというものだろう。
「慣れてるのね」
戻りしな、案の定突っ込まれる。
「昔のことだろ」
相手のこととか、その頃に起こったこととか。鶴姫の中で、きっと驚くほどの勢いで膨らんでいるであろう疑念を、サスケは一緒くたに丸めて捨てるように、きっぱりと言い放った。

言いたいのはそんなことじゃない。鶴姫はもどかしさに足踏みしそうになりながらも、この状況では単なる嫉妬と思われて終わりそうだから、黙って飲み込むことにする。
女の感情が常に一つしかないと思っていたら大間違いだ。曖昧過ぎて、名前の付かないものだってたくさんある。
けれど、サスケには繊細な事情など分かるはずもないので、問答は無駄というもの。
気にしても仕方のないことばかり気にするのは、生まれ持った性別が抱える病みたいなものだから、所詮交わる訳もないのだ。
478忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:17:47 ID:m7xCs8Ol
「怒るなよ。朝まで喧嘩してたらツライだろ?」
まだまともに部屋にすら入っていない状態の鶴姫の前に立ち、サスケは手首を掴んだ。
「喧嘩したくないなら、怒らせなければいいのよ」
焦りを募らせる鶴姫は、意識もしないままただひたすらに反撃の言葉を探す。
「分かった。その代わり、お前も怒らない努力をしろ。俺は何も否定しねぇけど、比較なんかもっとしない。その点においては潔白の身だからな」
「別に何も言ってないじゃない、自惚れないで!」
様子を見るように、敢えて強気な言葉を叩きつけていたサスケだったが、やがて実感する。すれ違いは、触れ合えばまだ充分に修正出来る程度のものだと。
「そう睨むな。ま、割と嫌いじゃないけど…今はこうしてもらう方が嬉しいかな」
掌を鶴姫の瞼に当て、閉ざさせた。素早く壁際に追い詰め、背中が付くか付かないかくらいのところで唇を奪う。
「っん…、サ、…!」

僅かな隙間から舌を捻じ込み、鶴姫のそれに絡ませた。苦しそうな声と、肩を叩かれる感覚。
触れるだけのつもりだったのに、欲望は見事なまでの急上昇。止められない、求めずにはいられないから。
唇と舌、それぞれの持つ異質な柔らかさとぬくもりに、じわじわと気が緩み出す。
チョコレートのように甘く溶けて、一体何処へ連れて行かれてしまうのかと、サスケはぼんやり思った。
疲れたのか諦めたのか、次第に鶴姫の抵抗が弱まった。やがて背中に腕が回ると、キスを素直に受け入れ、求め返して来るようになる。
…マズイ。このままだとここでやっちまう。
ベッドまではたった数歩なのに、その移動すら待てないなんて、どれだけ飢えているんだろう。

初めて鶴姫と結ばれた夜から、既に2ヶ月が経っていた。
これまでも機会がない訳ではなかったが、鶴姫は二度とテントでは嫌だと言うし(求めて来たくせに)、ましてや彼女の自宅でという訳にはいかないし(誰が潜んでるか分からない)。
未来を誓い、きちんとした状態で事を果たすべきだとは思っていたが、こういうことは一度達成されて終わりという訳ではない。それに気づかなかったのは、もしかしたら盲点だったのかも知れない。
なまじ相手の身体を知ってしまうと、何もなかった時より余計に欲しくなるというのは、哀しい性のようなもの。
だから耐えた方だと、とサスケは自画自賛する。それ以前に2年も待っていたのだ、充分努力はしたと言えるだろう。
半ば無理やり引っ張って来てしまったが、ここは誰にも邪魔されない空間。
朝まで約半日。それをうんと大事に楽しみたいと思うのは、決して愚かなことではないはずだ。…と、信じたい。

「一緒に風呂入ろうぜ」
どうにか欲求を抑え込んで身体を放し、そう提案してみる。
「絶対イヤ」
即拒否。一瞬へこみそうになったが、今のキスで灯ったらしい官能の炎は、明らかに鶴姫を燃え上がらせている。
可愛いから許す。サスケは気を取り直し、先に入るよう促してやった。
479忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:18:25 ID:m7xCs8Ol
濡れ髪をタオルで豪快に擦りながら部屋に戻ると、鶴姫は背を向けたままベッドで横になっていた。
シャワーの音が止まった時から、緊張はピーク。覚悟をキープするのも至難の業で、座っているのもしんどくなってしまったのだった。
「ん」
差し出されたお茶を少しだけ飲み、目を合わせないまま返す。
緊張も交わりも、一進一退の攻防。色々込み入っているようなので、怒りっぽいのもまぁ仕方ないかとサスケは思った。
「眠い?」
ベッドにぺったりと座り直し、首を振る鶴姫。我儘を言う子供のような仕種が、彼女の心理を如実に表す。
困ったもんだ。口には出さないまま、サスケはベッドの端に腰掛けた。

「女って大変だな。けど、時には勢いだけで進むことも大事じゃねぇか?」
腕を伸ばし、引き寄せる。頬に当たる裸の肩の感触に、固まる鶴姫。
サスケは猫をあやすように、まだほんのり湿ったままの髪と背中を撫でてやった。
次第に丸くなり、強張りを手放す肩。その華奢さに切なさを煽られ、僅かにガウンをはだけると、そっと唇で触れてみる。
「…ッ!」
慌てて制止にかかる指先。サスケはそんな鶴姫を覗き込み、愛しげに微笑みかけた。
「大丈夫だよ」
騙されているのかも知れない。そう思いながらも、いっそその方が気が楽かとも思う。鶴姫は溜息をつくと、睨むように視線を上げてサスケを見つめた。
「あんたなんて嫌いよ」
言葉とは裏腹に、頑なな心を今すぐ鎮めて欲しいと求めるかのような視線。
「そりゃーショック」
崩れぬ余裕を漂わせたまま、サスケは細い身体を倒し、静かにのし掛かった。

額をぶつけて鼻を触れ合わせると、鶴姫は困ったように目尻を歪めたが、やがて腕が差し伸べられ、サスケはその中に入り込むことに成功する。
「お前、いい匂いする」
「同じシャンプーでしょ」
「そ…」
言い返そうとした途端、唇を塞がれた。内心驚きながらも受け止め、更に深く重ねて行く。緩く噛みつき、唇の上で踊るように軽く啄むと、鶴姫は苦しそうに身を捩った。
ねっとりと濡れた音を立てながら、舌を求める。掬い上げ、甘く交じり合い、二人の欲を高める感触。
角度を変え、軽く歯がぶつかり合うほど深く執拗に舌を絡めて、夢中になって。
480忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:19:08 ID:m7xCs8Ol
「ん!」
ガウンの上から一瞬撫で、すぐに隙間から手を差し込んで胸に触れる。狭さの中で数回擦ると、先端の小さな突起が起ち上がり、サスケの指を誘った。
摘み、優しく揺らす。ボリュームは控えめながら、充分な柔らかさを持つ胸全体を包み込み、先端を注意深く刺激して行った。
「あ…」
結び目をほどくと、これ以上ないほど眩い柔肌が露になる。
まだ刺激を受けていない反対側の胸に、サスケはキスをした。そのまま軽く吸い付いて、いくつかのしるしを刻む。
白い肌に、痛々しいまでに扇情的な紅い跡。俺のもんだ。そうとでも言いたげな強い色。
「ん…ふ、っ…」
先端を口に含み、赤ん坊のように吸う。悪戯心で歯を立てると、鶴姫は一瞬身構えるように肩を怒らせた。
「ごめん」
髪を撫で、軽いキスで詫びながら顔を見る。

艶っぽい瞳に、色づいた頬。サラサラとほつれる髪に、熱い呼吸を繰り返す紅色の唇。
制御を振り切ったサスケの指が胸を越え、脇腹を撫でて腿に触れ、その間に辿り着く。 下着越しでは飽き足らず、直接甘いぬかるみを指先で掬い取った。
「は…!急に、やだ…っ!」
慌てて押しのけ、閉じようとする足を、サスケはさりげなく阻止する。
急じゃなかったらどうだって言うんだ。揚げ足取りの意識が、その唇を歪ませた。
「じゃ、一晩かけて髪でも撫でてやりゃいいのか?」
冷徹にすら響く挑発に、鶴姫は驚いた顔を見せる。
「俺は足らねぇ、触るぞ。もうこの間より濡れてるし」
上から手を入れ直し、探りながら手首で少しずつ下着を脱がして行った。

「ちょ、せめて暗くして!こんな明るいままなんて嫌!」
鶴姫は半身を起こし、足をバタつかせながら拒否を示す。だが構う余裕は既になく、サスケは黙殺する。
「すげ…」
蜜を指に絡め、敏感なところに馴染ませる。
「ぁんっ…!」
堪えきれず声を洩らした鶴姫は、しまったという顔で口を押さえた。
「聞かせろ」
サスケはその手を外し、自分の指を鶴姫の舌に這わせる。反対の手では、無限の水源である鶴姫の中を目指し、蕾への愛撫を繰り返して。
「ん…、あぁ…」
くるりと円を描くように押し潰し、身体から余分な力が抜け落ちて行くのを確かめる。
「やっ、あ、ふぁ…」
いつの間にか下着を脱がされてしまったことにも気づかない様子で、鶴姫は熱い呼吸を吐き出した。
481忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:20:08 ID:m7xCs8Ol
下半身を持ち上げ、足首を掴んで開かせる。
こんなに綺麗なものがこの世にあるのかと思ってしまうくらいに、控えめな桜色。その色みに誘われるように顔を埋めると、サスケはそっと舌を這わせ始めた。
「…ひゃっ…あぁん!」
ぴちゃぴちゃと音を立てながら転がし、乱して行くと、蕾は目覚めたように脹らみ、蠢き始める。
唇で吸い付いていたぶると、鶴姫は背中を震わせてシーツを掴んだ。
「サ、スケ…!あ、あ…ぁ」
「気持ちいいか?」
「ん、あ…なん、か…、変に…な、あぁ…っ!」
唇で、舌で苛め尽くし、中へと指を進めて行く。
まだ若干の狭さはあるものの、甘い蜜は既に充分過ぎるほど滴り落ちていて、サスケの指すら溶かすかのように溢れた。

先の見えない、津波のような快感に怯えながら、鶴姫は既に逃れられなくなっているのを感じていた。
自分の一番恥ずかしいところを見られ、触られ、舐められるなんて、これ以上の屈辱はないと辟易しているのに、もっとして欲しくて堪らない。
これを欲望と言うなら、二度とごめんだ。理性で贖えないものを、どう許容しろと言うんだ。
「はぅ、ん…」
なのに、まるで他人のもののように途切れることなく、自らの唇から零れ続ける吐息。
行為の全貌を知った耳年増な思春期の初め頃、こんなものはすべからく女のつくりもの、男への一つの慈悲と奉仕だと思っていた。
けれど今は、それは少し違うと分かる。
女は男に、本能的に駆け引きをするよう仕向けるのだ。手管に応えるためじゃなく、相手と自分のために。
馬鹿げた一瞬の戯れ。なのにサスケの肌の感触はひどく心地好くて、柔らかな牢獄のようだと鶴姫は思った。

「はっ、あぁ、あっ…!」
充血しきった蕾。強弱を付けて舌を這わせ、奥に突き立てた指でかき回すようにした途端、鶴姫の足が跳ね上がり、力が篭った。指がぴんと張る。
「は…っ、ぁ…」
しばらく何かを堪えるように動きを止めた後、弛緩したようにぐにゃりとシーツに崩れる手足。息をつく度に震え、切なく戸惑った顔を肩に寄せる。
突然快感の大波を全身に受けて、周囲を窺う間もなく高みに押し上げられた。
それは鶴姫にとって、恐怖から興味に変わりつつあった感覚。
「大丈夫か?」
「…壊れそう…」
頭がぼぅっと麻痺し、四肢が重たくて仕方がない。
サスケが触れていたところには、まだ熱く湿った感触が張り付いているような気がした。
「いいな、なかなか色っぽくて」
讃えるように、しっかりと閉じられた瞼の上にキスをし、サスケは笑った。
482忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:21:03 ID:m7xCs8Ol
「うるさいよ…」
照れ隠しをする気力もなく、鶴姫は口先に精一杯の皮肉を乗せて答えるのみ。
快感を与えられているうちは薄まっていた羞恥心が、また襲って来ていた。
余韻に耐えるふりをして固く閉ざしたままの瞳に、消し損ねた白い明かりが容赦なく降り注ぐ。
「お前、目ぇ開ける気ねぇな?」
開けてどうなる、何か得があると言うのか。
聞こえなかった風にやり過ごして、鶴姫は眩しさを拭うように手の甲で目を擦った。

応じてくれるか分からないままだったが、情熱を引かせまいと唇に触れるサスケ。
優しく重ね、マシュマロでも食べるかのように噛むと、燻っていた火種に再び着火することに成功した。
「う…っん」
ゆっくり、と自制しながら、サスケは鶴姫の膝を立てさせると、再び指を入れて軽く内壁を揺さぶってみる。
やはりまだ中は狭く、余裕があるとはとても言えない状態。だが、入口は女の生態をまざまざと見せつけるように広がっていた。
「順調に進化中、か?」
呟きに対する鶴姫の答えは、合わさったままの唇では聞かれることはなかった。
サイドボードを手探りし、ゴムを掴む。気を逸らさないよう手早く下着を脱いで装着し、一際大きく足を開かせた。
潤みを湛えた桜色。身体はきっと待っているはずだと信じて、サスケは己の分身を鶴姫のぬかるみに充てがう。
「きゃ…や、あぁっ!」
先端から埋まって行く自身に、その奥の熱と潤いに、頭がくらくらした。
苦悶すら薄めるほどの妖艶さ。鶴姫の瞳は、今にも涙になって零れ落ちそうに濡れていて、いじらしさすら漂う。

「そんなにイイ?」
「痛いのよ、バカッ」
威勢の良さの一方で、肩を抱いて離さない掌。
断じて加虐に走るつもりなどないが、頼りなくも懸命なその力には、むしろ支配を欲しているんじゃないかと錯覚すら覚える。
サスケから冷静さが吹き飛ぶ。欲望が走り出しそうになる。
「痛かったら右手上げろ」
「なに、歯医者?だからもう痛…は、ぁんっ!」
爪で肩を引っかけられる気配があったが、構わず奥に向かって突き立てた。
探りながら前後に揺らすと、腰を浮かせて背中を捻る鶴姫。
圧迫を必死で堪えているのだろうか、白い肢体のさざなみは恐ろしく魅惑的で、サスケは快感を貪る。なんと言う罪深さ。
「んんっ、は、あぅ…」
ベッドはしっかりしているので、動き始めても軋みはそれほど響かなかった。
その分、高い衣擦れにサスケは煽られ、鶴姫はあらゆる羞恥を興奮に変えて行く。
483忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:22:10 ID:m7xCs8Ol
「ん、っ…!ね、起き、たい…」
「…え…?」
自らの汗の雫を行方を追いながら、サスケはゆっくりと顔を上げた。
「ぎゅって…して」
――サスケ。結びにそう動いた唇に、凝縮された時を見る。それは出会って恋をした、伝え合って歩んで来た、たくさんの時間たちの面影。
サスケは鶴姫の腰を掴み、身体を抱えた。
同じ高さになった視線が絡み合い、鶴姫はサスケの髪をかき上げて額に唇を寄せたが、すぐに僅かな呻き声を漏らす。
真っ直ぐ喉の奥まで抉られる鈍い重みは、座り込むことでより強まっていた。
本当はとても苦しんでいる。それを知っていながら、サスケは気付かないふりをする。
「あったかいな、お前」
代わりに頭ごとくるんで、鶴姫の背中に力強く腕を回した。
熱い壁のような肩に頭をぶつけ、胸に耳を付けて、鶴姫はいつもより速まっているサスケの鼓動を聞く。
それはやがて自分の高鳴りと重なって、わだかまりの全てが溶け出して行くような気がした。

どちらからともなく、交わし合う微笑み。
キスで繋がり合うのを合図に、再び動き始めたサスケの頬を猫のように舐め、自分がされたように首筋に華を咲かせる鶴姫。
そのまま軽く肩を噛まれたサスケは、さっき引っ掻かれた時に残ったらしい傷と合わさる痛みに苦笑した。
お返しと言う訳ではないが、腰を強く引き寄せ、細い身体が壊れんばかりに深く貫く。
「う、んっ…は、あぁっ…」
震えが走った。電流がビリビリと、痺れと紙一重の快感を連れて来る。
「だ…めっ、また…変、に、…あぁっ」
「イっていいぞ鶴姫。ここ、だな…?」
果てのない奥に向かって突き上げると、鶴姫は懸命に呼吸を整えながら首を振った。
「一緒に…お願い、一緒に来て、サスケ…!」
しがみつく腕が、跳ねる髪や飛び散る汗ごと、サスケを抱きしめて離さない。
「も…、お前ホント、すげーヤバい…」
一緒に。そんな誘いなら大歓迎だと、力を振り絞った。
「あっ、は…、ん、あぁあ…んっ!」
「は…ッ、…鶴、姫…!」
混ざり合った体温が、心に還る。未知なる光を実体の如く受け止め、二人は高みに昇った。
やがて全身で感じ取る、互いの存在の確かさ。
抱きしめ合う腕の強さが、その尊さの証になって沁み込んで行った。
484忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:23:03 ID:m7xCs8Ol
ベッドの足側に、数枚に渡って大きなガラス窓が嵌め込まれていることに、サスケは初めて気がついた。
「これ何かな?」
鶴姫は興味の赴くままに、枕元のボタンで部屋中の電気を着けたり消したりしている。
互いにまだ裸のまま、シーツだけを巻き付けている状態なのに、余韻のなさと言ったらない。最も、それは盛大な照れ隠しに過ぎないのかも知れないが。
ぱちん。一つのボタンが押された後、若干物々しい気配と共に、カーテンが両端へと向かって開いて行った。
「おぉっ」
「うわぁ」

やがて、一面に広がる夜景色。
大都会のスイートルームではないから、噎せ返るような光の洪水とはいかないが、夜空の近さと濃さに魅せられるには充分。僅かに瞬くイルミネーションには、逆に素朴な人々の営みが感じられた。
室内の照明が窓に反射するのが不粋に思えて、サスケは明かりを落とす。
鶴姫はその腕を引いて枕にし、彼の頬に額を寄せた。
二人はしばらく仰向けのまま、それぞれの胸に描く夜の世界を楽しむ。

「子供の頃、こんな風にお父さまと星を見たわ」
ふいに鶴姫が言った。
「へぇ。庭で?」
「寝ながらね。テントと天体望遠鏡を用意して、即席キャンプ」
鶴姫家の屋敷は広く大きい。庭なんてちょっとした公園並だから、それほどおかしな光景ではないかも知れない。
だが、サスケは吹き出してしまった。
名家の、誰よりも確かな血統の身なのに、この姫様は何故そんなにもテント生活に縁があるのだろう。
「何よ。そもそもあんたが封印を解いたりしなければ、あんな生活しないでも良かったんだから」
「ハイハイ、悪かったって。海より深く反省してます」
「何処の海よ、深さなんて分かってるの?ホント適当なんだから」
もう何度目かの愚痴の応酬に険悪さはなく、ただやりとりを楽しむレベルになっている。
それは、あの戦いの日々が既に遠ざかっている証拠なのかも知れない。
「けどあれがなかったら、俺たち出会ってないしさ」
「…そう?」
おや、とサスケは心を留める。何だか不満そうだ、と。
目を落とすと、ほの暗い闇にぼんやりと浮かぶ、小さな耳と頬。
白い肩と鎖骨のラインには、所々赤みがある。先程サスケが、支配の痕跡のように闇雲に刻んだしるしだった。
485忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:24:04 ID:m7xCs8Ol
「分かってたの」
鶴姫は探るような視線に気づき、くるりと背を向けた。
「自分の他にも子孫たちがいて、いざとなったら一緒に戦わなきゃって。だから、ずっと長いこと…知ってた、サスケのこと」
「え?」
初耳だった。サスケは身を起こし、鶴姫の言葉を追いかける。
「一番歳上だし、色々教えてくれる人かなって。なのに会ってびっくりよ、てんで頼りないんだもの。何も分かってなくて、妖怪は蘇らせちゃうし」
「……。」
まだ言うか。不可抗力とまでは言わないが、一応やむを得ない事情があったんだと言うのに。
だが本当のところ、それは言い訳にもならないだろう。
鶴姫の家が、代々背負って来た重い宿命。そんなものの前では、何も知らなかったことは既に充分罪なのだ。

「もっと早く生まれたかったな。一番上だったらあんたたちに釘差して、もっと早くから修行させたのに」
その言葉は半分本音だが、半分は嘘。本当の理由はそれだけじゃないはずだと、根拠もないままにサスケは実感する。
「意地でも全員を探し出すって訳か、お前は」
たとえ妖怪が現れず、接点が訪れなかったとしても、自らの手で引き寄せる。気の強さは、責任感の裏返し。
「そんなにも出会いたいもんかね、俺と」
軽口を叩き、腕枕から解放された掌に自分の頭を乗せながら、からかうように横顔を覗き込んだ。

次の瞬間、予想外なことが起こる。一瞬だが、鶴姫は首を縦に振ったのだ。
「あんたは、そうでもないみたいだけど?」
更なる挑発に、サスケは咄嗟に反応を返せなかった。上手い言葉が見つからない。
幾重にも連なる茨の向こうから、彼女がほんの少し微笑んでくれる。
それだけで自分は、こんなにも冷静さを失ってしまう。
彼の沈黙を、鶴姫は哀しい肯定と取ったらしい。髪をかき上げ、溜息代わりの呼吸が漏れる気配。
自嘲の笑いに、サスケの鼓動が暴れ出す。
「そんな…二十代も半ばを過ぎた男に、甘い言葉とか期待してくれんなよ…」

突っ伏すように顔を寄せた先は、鶴姫の首筋だった。
見えるところはマズイと思いつつ、衝動を抑えることが出来ずに、もう何個目になったか分からない痕を残す。
「ん…っ」
柔肌への甘い刺激に、鶴姫の身体がピクリと反応した。後ろから胸をまさぐりながら仰向けにし、唇を求めて近づくと、ふいと背けられる。
「サスケ、狡いよ」
だろうな、そう思う。身体だけで、行為だけで分かれなんて、傲慢にも程がある。
けれど、簡単に言葉にしたら嘘になってしまうような気がするのも事実。
486忍者赤白「乙夜の流れ星」:2008/09/03(水) 01:25:05 ID:m7xCs8Ol
「気持ちは、ちゃんとあるから」
どうにか発した言葉は、残念ながら必要以上に素っ気なかったらしい。だから期待するなと言ったんだ、そう思っても遅い。
「寝る」
拗ねた鶴姫は、頭まですっぽり布団を被ってしまった。
「何で怒んだよ」
珍しく素直な彼女を逃がすまいと、サスケは俄かに慌て出す。

「大人で落ち着いてて、物静かな人が理想なの。あんたとは正反対のね」
突然切り出され、封じられる悪あがき。
「けど今は違う。…ねぇ、あたしの気持ち乱して楽しんでる?あんた、一体何様のつもりなの?」
興奮と、募り過ぎた自らの想いに涙すら浮かべて捲し立てる鶴姫の前に、サスケは立ちはだかった。
「――お前に選ばれたがってる男だよ」
何故かすんなり出た言葉を閉じ込めるように、顎を掴んで無理矢理に唇を重ねる。
限界まで溢れ、やがて零れ落ちる鶴姫の涙の雫は、まるで流れ星のようだった。
「理想とは違っても、がっかりする時があっても、近くにいてくれ」
願うのはただ一つ、そんな想い。

「…バカ」
巻きついて来る腕に導かれ、止まれなくなるサスケは、再び鶴姫を求めて動き出す。
「ちょっ、と…まさか、また…?」
「言葉じゃ追っつかねぇ分が、山程あるんだ。あとは身体で知らせてやる…ほら」
先程の余韻か新たな昂りか、ゆらりと水のたゆたうそこに手を伸ばす。
「あ…、ん…」
すすり泣くような吐息に興奮を絡みつけて、静かに沈み、溺れ始めた。

撫で、さすり、時に荒っぽく走り出す指先と、探り、揺らし、与える舌が、洪水のように鶴姫の身体に知らせるもの。
それはサスケの、切ない慕情と不器用な恋心。

星のない空。
鶴姫は肩越しに、窓の向こうのささやかなイルミネーションが、溶けそうなぬくもりと幸せの涙で滲んで行くのを見た。


<終>
487名無しさん@ピンキー :2008/09/03(水) 02:05:42 ID:s6DupNTa
忍者赤白、ありがとう!
前二作も好きなので読めてうれしいです。
本編はまだ見たことがないけど、すっかり染められてしまいました。
DVD出るのと東映チャンネルでやるのとどっちが早いかなー。
488名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:41:45 ID:IpkhZv6n
489名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:42:59 ID:ANsHBdI+
>>476-486
GJ、鶴姫かわいいな!
DVDリリースが楽しみになって来た。

余談ながら乙夜って知らなかったので、調べてみて納得した。
勉強になったッスw
490名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:16:44 ID:roeIGmHM
GJ!エロ切ない…!
キャラがよく掴めてて作品への愛を感じるなあ。

小学生の時カクレンジャーが大好きで鶴姫が特に好きだったんだけど、
このスレ見て再燃した!

またサスケ×鶴姫書いてもらえると嬉しいな。

491名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 07:39:48 ID:q/UYxjKS
遅ればせながらGJ!!!超GJ!!!
492名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 13:37:43 ID:+m1VmTJC
GJ!!カクレン赤白の不器用な気持ちのぶつけ合いというか愛にあふれていてどうしようかと!
ごちそうさまです。
是非またお願い致します。
493名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 12:24:11 ID:bQ+Geqwh
やっぱり金はこうじゃなきゃ、と思ったw
494名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:28:09 ID:+/CEV4ow
銀が相当ボコボコにやられてたとはいえ、取り乱しすぎw
妹好きすぎてちょっとアブナイ精神状態なアニに萌えた
495名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:32:25 ID:8UMqC0WV
>>494
うん、なんかもう…バッタ型の変身アイテムが飛んできそうな勢いだったよな…


走輔が「美羽の側に居てやれ!」って言うのにも愛を感じたな…
本当は自分も居てやりたいけど美羽が兄大好きなの知ってるから、
もし側に居なかったら寂しがるって解ってるんだよな…そして、自分じゃ代わりなんて出来ない…

何故なら兄じゃなくて仲間(美羽にとっては気になる相手)だから…
なんてね〜
496名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:41:48 ID:Rxm66sT5
俺は走輔と早輝の可能性を諦めてはいない
497名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 21:42:56 ID:bQ+Geqwh
本スレのせいで、銀があんなに早く回復できたのは、
青がキューユソウルを挿入したせいだって妄想が止まらないです。
498名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:37:01 ID:EhbdSa0V
予告で流れていた
悪赤にたぶらかされてる銀、
しかも画面の後ろに必死になって走ってきた金を見たとき
一瞬幻想を見たのかと思って、ビデオを何度も見直してしまった。
来週が楽しみすぎます。
499名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 10:07:25 ID:Mka3XStJ
プリンに金黄を感じた。
500名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 11:56:52 ID:/5Y5jnU9
>>497
やはりそう言う事か!w
青が栄養満点の何か(食い物か否かはお好きに)を銀に与えたって訳か!
501名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 14:13:34 ID:HrKsQbKC
走輔が大翔に話すとき、「美羽」じゃなくて「妹」って言っていたのが印象的だった。

>>500
確かに卵は栄養満点だがw
502名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 15:19:33 ID:HB58lISW
>>499
黄色の「大翔さん」呼びは萌える。
もし呼び捨てにしたら美羽がブチ切れそうだけどな。

>>497>>500
見てきた。
なんか青ってああ見えて、誰よりも先においしく頂いてしまう悪い男に見えるんだよなーw
轟音始まった頃
あぁ、こいつが一番早く黄色のスカートの中に手突っ込みそうだと思ったしw
503名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 17:45:01 ID:jsnjcP6R
生身にマンタンガンを撃ったらたいへんなので、変身した青がロシアンルーレットみたいに自分のこめかみにキューユソウルを投入。
メットを脱いで銀に口移しでキューユソウルを挿入とか。
504名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 08:06:27 ID:otQILeXS
普通に連のマンタンガンを美羽に挿入すればおk
505名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 09:45:10 ID:PfLic1Lw
んで連のたんぱく質を美羽にキューユすれば満タン入りましたー!でおk
506名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 15:25:42 ID:FZKlG2jo
すみません、キューユソウルをマンタンチャージのお話に萌え転がってひとつ書きました。
赤銀、金銀情勢の中ゴーオン青銀です。イメージと違ったら申し訳ございません。
緩く見守って頂けると幸いです。
タイトルは『すり抜ける薬』です。駄目な方はNGワード設定でお願い致します。
507すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:26:59 ID:FZKlG2jo
「よし、できたっす!!」
連は顔を上げた。
大翔が暴走し、走輔、軍平、範人、早輝がそれを止めに行って
どれぐらいの時間が経ったか。
とにかく連はボエールとボンパー、
そして傷だらけの美羽の協力を得て、パワーソウルを完成させた。
「名付けてトウコンソウル!どうっすか?」
できあがった喜びに心沸き立ち提案すれば。
「うん!!」
美羽は嬉しそうな顔で頷く。
心の底からほっとしたような、本当に嬉しそうな顔。
連の心も一瞬和んだが、すぐ心を引き締めた。
「それじゃぁ俺、行ってくるっす!」
トウコンソウルを握りしめチェンジしようとする。
「待って、私も行く!!」
そんな連を引き留め、美羽は椅子から立ちあがろうとした。
次の瞬間、バランスを失ってぐらりと倒れそうになる。
「危ないっ!」
とっさに連は手を伸ばし美羽の体を支える。
ポニーテールが連の腕の中で揺れた。
「まだ無理っすよ!大人しく寝てるっす!
大翔の事は俺達に任せて。」
いつものおかん口調でなだめすかすけど
美羽は首を横に振るばかり。
「お願い、行かせて!!
兄は私のために無茶してるんだから!」
必死で懇願する。
「でも、そんなふらふらの状態じゃ・・・。」
ジェットラスの操縦桿を握るのも難しいのではないか。
体が戦闘に耐えられるとも思えない。
連としてはここで頷くわけにはいかないけれど。
「教官、ボンパー、何とかならない?
お願い、どうしても兄の所に行きたいの!
私が行かなくちゃ駄目なの!!」
連が駄目なら、と美羽はボンパーとボエールにすがった。
真剣な瞳が訴える。
ボンパーとボエールは顔を見合わせた。
その様子から美羽は直感する。
何か方法があるのだと。
「お願い!!」
最後の一押し。
508すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:28:31 ID:FZKlG2jo
すると何故かボンパーはあたりをうろうろし始め、
ボエールは大きな咳払いを三回ほど繰り返した。
そして、ボエールは美羽に気まずそうな表情を浮かべ、対峙する。
「あー美羽、まずその体調で戦場に向かうのは
我が輩としても賛成しかねるし許可できない。
だが・・・だがもし、もしも、の話なのだがね、
君の体が急速に回復し、戦う事ができる状態なら、
我が輩としても止める権利はなくなるのだが、ねぇ・・・。
そうだね、ボンパー。」
どこか濁した言葉。
一方うろうろしていたボンパーは
さらにうろうろの速度を速めつつ、言葉を紡ぐ。
「だから、その、できない事はないんだボンボン。
美羽の体のダメージをなくして
体力を回復させる方法・・・。」
「あるの!!教えて!!」
美羽は連の腕の中から転がるように離れると
ボンパーの前に座り込んだ。
「うん、できない事はないんだ・・・。」
おろおろとしてボンパーはちらっとボエールに視線を。
あんたが言え、というジェスチャー。
ボエールはさらに大きな咳払いをひとつ。
覚悟を決めたのかやや早口でひとつの提案を美羽に示した。
「要するに君にキューユソウルを注入するという事だ。」
「キューユソウル?」
「そう、連とボンパーが開発したあれだよ。
あのキューユソウルの原理というのは
マシンワールドに存在している炎神たちのエネルギーになりうる物質を
濃縮させたものを注入する、というものだね。
まぁそれと同じ事をするわけだ。」
「そんな事、できるんですか?」
美羽は顔を輝かせた。
そんな方法があるならもっと早く言ってくれればいいのに!
「お願い、今すぐ!!」
美羽はキューユソウルの持ち主である連に顔を向けた。
「ちょ、ちょっと待って欲しいっすよ!
あれは炎神向けであって、人間には理論上、使えないっすよ!!」
「そう、なんだがねぇ・・・。」
連の言葉にやや頷きつつボエールは一度言葉を区切り、
それでもなお、口を開いた。
「我が輩とボンパーの最近の研究では
女性に対してのみ、その効力を発揮する方法を見つけたんだ。」
「だったら!!!」
「美羽、落ち着きたまえ。冷静に最後まで話を聞くんだ。
まずキューユソウルを液体状の物質に変換したものがある。
私好みにブルーハワイ味にさせてもらったよ。
それを男性に飲んでもらうんだ。」
「どうしてですか?さっきは女性には効力があるって・・・。」
美羽は疑問符を浮かべる。
「だから美羽、最後まで話を聞きなさい。
キューユソウルはまぁ男性のとある部分で
男性の中で作られるある物と一種の化学反応を起こし、
さらに別の液体に変化する事で
人がそれを飲めばキューユソウルをマンタンチャージしたのと
同じ効力が得られるわけだ。」
「???」
509すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:29:13 ID:FZKlG2jo
随分遠回しすぎてよくわからない。
もう、本当にどうにでもなれとボエールは思ったらしい。
「つ、つまりだね、
ヒューマンワールドにおいて男性の生殖器から放たれる
白い液体を君の体に注入するわけだ。
もちろん口からでもそれ以外の部分からでも
どこからでもかまわないんだがね。」

本当に早口。
美羽は心の中で今聞いた言葉をゆっくりと復唱した。

それってつまり。

「・・・えっとこの場合、いそいでいるわけだから
対象人物はただひとりなわけで・・・ボンボン。」

ボンパーの声が遠くに聞こえる。

そう、対象人物はただひとりだ。

美羽はゆっくりと顔をあげ、その人物を見た。

その人は目を白黒させている。

「ちょ、ちょっと待つっすよボンパー、ジャン・ボエール!!
それって何かおかしくないっすか?!」

その動揺具合は凄まじく今にもボンパーを壊し
ジャン・ボエールに噛みつきそうな勢い。
「いやいや、真面目に研究した結果なんだよ。
なぁボンパー?」
「そうだよ、ボンボン!!」
ボンパーをボエールは否定するどころか
開き直って胸を張っている。
「でもっっ!」
連がなおもその方法に異論を唱えようとした時。
「・・・連、お願い・・・。」
連のジャケットを掴む細い指。
見上げる潤んだ瞳。
「美羽・・・。」
「お願い連、力を貸して。
無理、言ってるのはわかってるけど、お願い・・・。」
もう、覚悟は決めた。
そんな表情。
「お願い。」
砕けるのは、怖くない。
510すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:30:03 ID:FZKlG2jo
「・・・わかったっす・・・。」
その瞳の強さに連は根負けして、頷く。
そして紙コップをふたつ取り出した。
「ボンパー、こっちにキューユソウルを入れて欲しいっす。」
ひとつをボンパーに手渡せばなみなみと青い液体が注がれる。
連は改まって美羽に向き直った。
「ちょっと待ってるっすよ。なるべく早く終わらせるっすから。」
言い聞かせると紙コップ二つを持って自分の部屋へ。
意を決して青い液体を飲み干した。
ボエールが言った通り、海をイメージするブルーハワイの味。
大きく息を吐く。
これは即効性だと言っていたからあとは自分の液体を絞り出せばいい。
それをコップの中に出して美羽に飲ませるだけ。
それだけだけど。
「そうは言っても・・・。」
いきなりそうしろ、と言われても困る。
だいたい美羽がそれを待っているというのも
男としてどうかと思うわけで思わず逆に萎えても仕方ないと思う。
だからと言って躊躇っている時間はない。
走輔の部屋にでも行けばそれなりにそういう気分になれる何かが
あるかもしれないと立ちあがろうとしたところでドアがノックされた。
「ちょ、まだっすよ!」
今更ながらばたばたしてしまう。
そんな連をやや無視して美羽が連の部屋に滑り込んできた。
「・・・駄目、なの?」
ちょっとずつ連に近づきながら尋ねてくる。
「うーん、難しいっすね・・・。」
それ以外、言う言葉を見つけられず、連は苦笑いを浮かべた。
「ごめんね、連・・・。」
ベッドに腰掛ける連の前に美羽は床に膝をつく。
「み、う・・・?」
「手伝う、から・・・。」
美羽は連のベルトの金属に手を伸ばしそれを外す。
ファスナーもおろして下衣を臍より下の位置にずらそうと試みた。
511すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:30:52 ID:FZKlG2jo
「駄目っすよ、美羽!!」
驚きのあまり一瞬硬直していた連だが
はっと我に返ると慌てて美羽の手を振りほどこうとする。
「でも、何もしないで待ってるなんて嫌。」
涙目が連を見上げた。
「それはわかるっすけど・・・。」
「お願い、させて。
初めてだから上手くできるかわかんないけど・・・。」
「初めて、っすか・・・?!」
「うん・・・。」
今時は女性向け高級ファッション雑誌だって
その手の特集が組まれるのはよくある話。
どうすればいいのか、わからない事はない。
「頑張るから、ね・・・。」
切ない声。

わかってる。
これは大翔の為だ。
美羽は一刻も早く大翔の所に行きたくて、だから。

「・・・それじゃぁ頼んでいいっすか。」
連はなされるがままに。

こんな形でこの人とこんな風になるなんて
ついさっきまで思ってもみなかった。

いつもプライドが高くセレブな雰囲気を醸し出している彼女からは
想像もできない。

絶対に、自分の手には届かないと思っていたのに。
512すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:31:50 ID:FZKlG2jo
美羽は連の下着の中から硬くなりつつある一本を取り出す。
白い手でそれをおそるおそる握るとゆっくり上下に動かした。
とたんにその一本が小さく弾み硬さと大きさが増す。
「こんな風になるんだ・・・。」
小さな溜息は溶けるように甘く連の頭の中に響いた。
それだけで先端から白い液体が少し滲む。
「あ、出てきた。」
嬉しそうな声。
あ、と連が思う間もなく、美羽はそれを舐めとった。
滑った舌の感触が連の一本の先端にまとわりつく。
「足りない、かな?もう少し出そう?」
真面目に問うありえないほど無知で真剣な表情。
こちらの様子を伺う姿に眩暈がする。

今すぐ押し倒したいと思った。
そうなっても罪に問われない。
そう思うのは間違いじゃないはず。

このベッドに転がして、全部脱がせて
傷だらけの体が気に入らないほど赤紫の華を咲かせて
狂おしいほどに啼かせて、
最後まで貫くことができれば。
そうだ、そうしたっていいはず。
ボエールは口以外からでもいいと言っていた。
美羽に全てを注ぎ込むのは美羽の希望。
その上で。

愛を、囁く事ができれば。

今まで連の中で育っていた不確定な何かが形になる。
きらきらとした粒が粉々に砕けて熱を持ったら
白くふわふわとした綿菓子になったような気分。
513すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:32:36 ID:FZKlG2jo
「連、またおっきくなったよ。」
連の頭の中で自分がどうなっているかも知らず
美羽は連の一本をなで続けた。
「そう、っすか・・・?」
ようやくのところで理性を振り絞る。
こんなにも互いに追いつめ合った気持ちの中で
それを正義だと言えるほど、連はずるさを持ち合わせていなかった。
これを彼特有の優しすぎる部分と表現するのは酷かもしれないけど。
「ねぇ、こうしたらいっぱい出る?」
一方の美羽は舌で連の一本を舐め続ける。
一度そうしてしまえば気持ちは固まったらしい。
最初はちょろちょろと小さくあちこちに触れる程度だったのが
次第にしっとりと一本の縁や筋に張り付きこすりつけてくる。
いつのまにか唇で甘く先端に噛みつき、
そのまま自分の口内に含んだ。
「っっっっ!」
連は思わず目を閉じ、その快楽を堪える。
本当は出さなければいけない。
わかっている。
急がなくてはならないことも。
だけどもう少し。
もう少しだけ。

このままで。

美羽の髪を撫でる。
そっと耳を弄べばくすぐったいと小さく彼女は微笑んだ。

「美羽・・・。」
掠れた声で名前を呼べば、
応えるように彼女は口を上下し連の一本を唇で挟み込む。
ねっとりとした感触が連の一本に絡み
窮屈な程すぼめられた唇の所為でがくがくするほどの
放出感に見舞われる。
「美羽、駄目だ、美羽っっ!」
小さく連が叫んだ時。

必要性を失った紙コップが床に転がった。

連の白い液体はその放出口から直接
美羽の喉に流し込まれる。

互いに弾む息、額に流れる汗。

美羽はようやく連の一本から口を離した。
514すり抜ける薬(ゴーオン青銀):2008/09/10(水) 15:33:14 ID:FZKlG2jo
「美羽、どうして・・・。」
やりすぎだと思わずにいられない。
「だって、欲しかったの。」
その言葉の意味はただ薬が欲しかったという言い換えのはず。
「でも、いくら大翔の為だからって・・・!!」
手伝いの範囲を超えていると言いたい。
それなのに。
「・・・嫌、なんかじゃないよ。」
「え?」
「嫌だったら兄の為でもこんな事しない。
キューユソウルなんかなくたって這ってでも戦いに行く。
連、だからだよ。」

連が初めてだよ。

兄よりきらきらしたのは。

今回、ゴローダGTを作成するため、
どれだけの実験で兄が失敗したか、知っている。
兄ができなかった事をたった数時間でやり遂げた人。
それだけじゃない。
連の料理を馬鹿にした時も
その怒りをこちらにぶつける事なく流して、
どんな時だってみんなの為にひとり笑って立ち回って。
いつだってこちらが腹が立つぐらい優しすぎて。

「連にだったらこうしてもいいと思ったの。」

今回も、優しかった。

「自分の気持ち、うまく形にならないの。
こんな気持ち、初めてだから。」

だけどいつか。

「ちゃんと形にするから待ってて。」

潤んだ瞳に嘘なんかない。

「了解っす。」
連は微笑むともう一度美羽の髪を撫でた。

「さ、体調はどうっすか?」
「えっと喉が熱くてちょっと苦いけど
痛みはないし体全体が軽くなったみたい。」
「・・・凄い効き目っすね。でもまだ無理しちゃ駄目っすよ!」
「わかってる!」

ギンジロー号を飛び出して。

ふたりで行こう。

みんなの所に。
515名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 15:34:01 ID:FZKlG2jo
以上です。というわけで逃げます。青銀フォエバー!!
516名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:18:36 ID:ZBdTKST5
GJ!
美羽が連に自分の思いを伝えるところ、すごくドキドキした。
素晴らしいSSをありがとう!
517497:2008/09/10(水) 21:40:37 ID:7HLtyvbo
GJGJ!まさか、妄想がこうして形になると思わなかったので、うれしかったです。
薬の副作用とかで、続きもぜひぜひお願いします。
銀の回復力の異常さに、緑あたりがツッコんでくれないかな〜。
あと、エロDVDとか持ってそうなのは、赤じゃなくて黒のような気がしたですw
518名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:54:35 ID:qiwnPyCv
青銀いいな!萌えた!
GJ!
519名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:25:45 ID:zugeD7Zn


>>498
最近の回は金→銀要素が多くてうれしい。自分もあの場面をつい何度も見返してしまったw前回といい、シスコンっぷりが本当激しいな兄ww
520名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:43:20 ID:upX78PF4
青銀おもしろかった!
とくに教官とボンパーの遠回しな言い方がw
521名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 08:08:00 ID:Izqnt7W5
>>498
あの予告は、まるで銀をめぐって赤金でバトルしているように見えて萌えた!!!


…でも画面に映っていない青が、その間に銀をおいしくいただきましたにも見えて仕方がないw
522名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 13:20:41 ID:ivL/hU48
青銀GJ!
ボンパと教官のやり取りが逆に卑猥さを醸し出してて良い!
赤は雑誌派で黒は映像派で緑は実践派だと思うw
523名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:04:13 ID:wpxAp6kK
黒は二次派でもあるとみた
524名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 01:52:51 ID:jtSJBurP
保管庫の管理人様、更新ありがとうございました。
525名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 08:34:29 ID:lAODfFID
予想以上に美羽は走輔に惚れていたようだなw
赤銀萌え。大好きだ。
526名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 09:34:57 ID:NbXuHiIf
>>525
あれは
ちょwwwww美羽だめんずうぉーか〜wwwwって噴いた
アニの気苦労も絶えないな
527名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 09:36:42 ID:bY24yEtc
銀はダメ男に貢いで財産亡くすタイプだな
528名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 09:44:41 ID:1sx1iGEQ
最後のおいかけっこもよかった
青春してるバカップルみたいで
529名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 09:52:48 ID:SMZc8LXC
悪赤に指輪プレゼントされて喜ぶ銀…
それ、お金払ったの自分じゃんと突っ込まずにはいられなかった。
おいしい赤銀でごちそうさまでした。

ここを読んでいるせいか
「赤をあんなにカッコよくして・・・」と銀が言ったとき
青が満タンガンをぽろっと落したのを見て

オカンとして、あんなだめんずうぉーかーに育てた覚えはありません!なのか

銀がひそかに好きだったので、銀が赤を好きだと判明して、ショックだったのか

非常に悩む
530名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:36:15 ID:VErY66JZ
美羽は悪い男が好きなのか、それとも悪い走輔が好きなのかどっちなんだ!
…悪走輔×美羽もありだな。
531名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 10:57:12 ID:bUGeer4D
>>529
ご安心を。
あなたと同じことを悩んでいましたよ、香坂さん。
532名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 11:16:34 ID:v7Lv9xqR
>>529
お前は独りじゃない。
俺も一緒だ。
533名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:08:37 ID:zq4bpPsj
赤銀より赤黄が好きな俺はひとりだ
534名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:10:16 ID:KlYpShk9
いつのまにか黄色と青の間に距離ができたような(´・ω・`)
寝っころがっているときに、黄色からゴーフォン渡されたときも
今まではよく見詰め合っていたのに、黄色の顔を見もしないで受け取っていたし。
青よ、そんなに銀がいいのかw 望み薄だぞw

でも、最後どさくさにまぎれて、緑の足の上に座る黄色にも萌えたw
535名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:17:01 ID:/g01QX5a
>>530
あの走輔は悪いって感じだけじゃなくて…
クールで礼儀正しい感じだったじゃん?
(本当に悪そうなのはむしろ連)
おまけに兄を簡単に倒しちゃうしわ…

プレゼントも予想外だったぶん
嬉しかったんじゃない?
走輔がプレゼント何て想像つかないしさ…
536名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:55:01 ID:kWoR1mWU
確かに普段の走輔からじゃあプレゼントなんて期待
できないよなww
嬉しかったんだろうなあ、きっと
537名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:37:02 ID:5dZTW/O1
>>533
赤銀もいいけど赤黄も好きさ
本命は金銀だけどw
538名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:07:30 ID:HydwoPMy

なんだか今日のデレた銀に激しく萌えたので
思わず後日談を書いてみた ネタバレが含まれているので
未見の方はスルーして下さい。

「悪意ノムコウニ」

「走輔のバカ」
思わず口に出た。美羽は少し頬づえをつきながら指輪をいじる。
いくら蛮機獣に悪にさせられたって いくらその時の意識が無くても
まさか全部無かったことにされてしまったのは なぜかムカっときた。

・・・・嬉しかったんだけどな・・・・

ストロー蛮機獣の赤いパワーアップ液を浴びて
悪いことをするようになった走輔は今はスッカリ 元の走輔であった。
「あん時はホントごめん。」

「・・・・うん。」
思わず返事した美羽。それでも貰った指輪はこっそりポケットに忍ばせている。
あの時の走輔は確かにいつもと違った。
いつもなら、情熱的というか感情的で無鉄砲、そして単純かつ鈍感な走輔だが
ソレは全然違う、クールな雰囲気と知的な姿にドキドキしていた。
さらにアニのパンチを見事にいなし、さらっと去っていくいつもと違うギャップに胸は高ぶっていた。

素を取り戻した後、蛮機獣を倒しあちこちに謝罪し、盗んだお金を返しに行く走輔を見ると
残念なようでちょっぴり嬉しい・・そんな気分だった。

数分前、走輔は
「今までのことは無かったことにしてくれ」
と美羽に言ってきた。
「へ?」
「だから・・・・その指輪とか、その誑かすようなこととか・・・  ごめん!」
精一杯の謝罪の言葉、美羽は走輔が本当に誤っている姿を始めて見る。
美羽は少し悪い走輔のままでいて欲しいと思っていた。その方がもしかしたら、自分の気持ちに気づいてくれそうだったからだ
いつもの走輔は鈍感だ。きっと自分の好意も感じずにそのまま終わるのかもしれない。
クールな走輔が一番と感じていた。

走輔は走って去っていく、目で追いながら美羽は眺めていた。

539名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:58:01 ID:bUB0Qubd
来週も楽しみだな!
ケガレシア様までアイドルとかww
540名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:59:38 ID:HydwoPMy
「悪意ノサキニ」−2

ボンパーは連に話す。
「どうやら、あの液は人の悪意を増大させるだけじゃないポンポン」
「どういうことっすか?」
「・・・うん。どうも人の深層心理にある。本能や思いを具現化させ、吐き出す・・」
「つまり、本音がバリバリでる訳っスね。」
連は納得していた。確かに金銭苦でお金が欲しい本意がこんなカタチで出ることを
改めて液の恐ろしさを感じていた。

「どういう意味なのかしら・・・・?」

美羽は不思議とその会話に耳を立てていた。本音?
じゃあ・・・私にプレゼントとか・・・・?

そこに
「オイ!」
「きゃあっつ!?」
走輔の声にビビる美羽。

「そ・・・・走輔?・・・もう急に声かけないでよ。」
「あ・・・あのさ・・・・」
少し頬を染めて美羽に詰め寄る走輔。
「ちょっと来てくれ!」
グイと引っ張る走輔の腕、それは力強くて真っ直ぐな心の走輔の腕。

すると、美羽の手の平に指輪が光っている。

「ちょっと・・・コレって?」
美羽はビックリして走輔に詰め寄る。
「ああ・・・本当は誕生日に渡そうと思っていたんだけど、なかなか決心がつかなくてさ・・・
それにあの時、あんな状態で美羽にプレゼントしてたんだと思うとなんか、自分が情けなくって」

その言葉に美羽はハッとした。
本当に走輔が好きだったのは、そういう真っ直ぐで熱い走輔だったからだ

「ごめん!走輔ごめん」

思わずでた言葉。

「美羽?」

「私・・・自分勝手で・・・それに・・・私・・・」
涙を払いつつ走輔に話す。

「好きなの!いつもの走輔が好き」

突然の美羽のその言葉にビックリする走輔。
でもなぜか不思議と嬉しい。優しい顔になる

「俺もだ・・・・美羽。」

美羽の口と走輔の口は重なっていた。
口と口が互いに重なり合い、互いの唾液を交換しつつ
口を頬張りあう、走輔の手が美羽の頭を支え、美羽の両腕が走輔の頭を抱える。

もう二人に言葉はいらなかった。
541名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 18:42:20 ID:HydwoPMy
「悪意ノサキニ」−3
互いの唾液を交換しつつ、走輔の手は美羽の胸に伸びていた。
「あんっ・・・いや・・・」
「ダメか?・・・」
「ううん・・・・だめじゃ・・・・ない・・・・あっ・・・」
ジャケットの中から器用に胸の形を変えたり、持ち上げたり、乳首を刺激したりする。
「あっ・・・・あっ・・・うん・・」

すると、すこし体を伸し掛かりながら美羽のホットパンツを脱がす。
秘所に少し指をあてながら、また胸を刺激する。
それはゆっくりと美羽の快感を貯めさせるモノだ。
「あっ・・・」

右手で胸を刺激しつつ 左手で秘所を刺激する
すると秘所には蜜が少しでてくる。そこに指を入れ更に何度も出し入れする

「あああっ・・・あんっ!あああっ!」
上り詰める快感に美羽はもう何も考えてなかった。ただ
気持ちいいこと、走輔と一つになれる喜びだけが美羽の心になかったのだ
さらに、秘所に走輔の舌が入ってくる。これがまた美羽の秘所を上手に刺激するのだ

「い・・・・・イクっ!・・・・え・・・」
逝きそうな時、走輔は刺激を止める。
「ちょっと・・・・走・・・輔ェ・・・」
逝きそうなのに逝けない もどかしい気持ちで一杯だった。
「・・・・・・・・・せて・・・」
「何だ?」
ちょっと意地悪そうに聞き返す走輔。
「逝かせて!!」

すると走輔のそそり立つモノが美羽の秘所にあて、一気に貫く

「ああああああああああああああっ!」
果てしない快感が体全身に感電する。
自ら腰を動かし、口と口の唾液を交換し、求め合う二人。
もうHな事しか考えられなくなっていた。

―――――

「ねえ?」
美羽は疲れ果てた走輔に話かける。
「ん?」
「私からもこれ」
美羽は忍ばせていた指輪を走輔に渡す。
「おそろいだよ」
「・・・・ありがとな。」
「ねえ走輔?」
「ん?」
「これ、婚約指輪ってことにしない?」
「ぶっ!」

ビックリした走輔、でも何故か心地よい
ああ・・・・・そうだな・・・・・

そんな二人を眺めていた一人の影を知らずに
二人は愛し合っていたのである・・・・・・。つづく?
542名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 08:55:51 ID:2KnUdwB4
GJGJGJGJ!

最後のナレはボンちゃん?
543名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 19:10:48 ID:GhPOns4V
露骨に表面化してきたのは赤銀だが
ひそかに緑黄も推されてないか?
2人の2ショットが増えた気がする
それとも写真集を見たからかな
544名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 23:00:50 ID:BQqTfsWm
>>543
緑黄は確かに増えてきた気がする。
今回もスピードルINゴローちゃんの暴走のとき、
さり気に緑が黄を庇ってて萌えた。




でも青黄をあきらめきれません(笑)
545名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:08:45 ID:c+rqcJ4+
青黄も赤黄も諦めきれませんよ
546472:2008/09/16(火) 00:43:03 ID:ZF5SAUyX
473の続きです。
只今脱線しております。
轟音金×銀を書きたいがための赤×黄を。
お嫌な方はどうぞスルーでお願いします。
547君ノ中デ踊リタイ:2008/09/16(火) 00:47:28 ID:ZF5SAUyX
この一週間走輔は少し面食らっていた。
大翔に紹介された女性に会いに行ってみると、そこにいたのは早輝だった。
しかしもっと驚いたのは早輝の口から出た
「ずっと走輔が好きだったの。」
と言う言葉だった。
確かに早輝のことは初めて会った頃から可愛いと思っていた。がその時同時にゴーオンジャーになったので、
それ以上の感情は、知らないうちに打ち消していた。
と言うかゴーオンジャーになることで精一杯だった。
途中で現れた美羽の綺麗な脚や大きな瞳に、男としてひかれたことはある。
しかし、早輝の思わぬ告白により、意識しないわけにはいかなかった。
それに、大翔の言葉…
『守りたいものがあると強くなれる』
早輝と走輔が体を重ねたのは、その日のうちだった。もちろん、ギンジロー号の中などではなく…


メンバーにはもちろん秘密にしていた。なんとなく、後ろめたい気もして。
別々に外出して待ち合わせをして逢瀬をする。
そのスリルはなかなか楽しいものだった。

今日もガイアーク反応はなく、それぞれトレーニングやらメカの調整をして過ごしていた。
「今日は新作オムライスを作るっすよ。」
蓮の言葉をさえぎるように、
「あ、オレ今日飯いらねーや。ちょっと大翔んとこに行ってくる。」
なんとなく蓮の顔が見れずに断る。
「あたしも〜。買い物があったんだ。食べてくるね。」
にっこりと蓮にほほえむ早輝を見ないふりして、走輔は出ていった。

「走輔〜。」
待ち合わせの公園に現れた早輝は、さっきまでとは違い白いワンピースだ。
唇もピンクにキラキラしている。そんなとこを見ると、やはり可愛いと思う。
だが少し恥ずかしくもあり
「おっなんだ早輝。天ぷら食ったみたいな口だな。」なんて言ってしまう。
「も〜やだ走輔のバカ!」
すねて唇をとがらせている顔がまた可愛くて、素早くキスをする。
「んっ!?」
目を真ん丸にさせて、早輝が気付いた時にはもう離れていた。
「冗談だっての。このままここで食べたいくらいなんだからなっ。」
「もぅ…走輔のばかぁ…」
さっきの言葉と同じなのに、その声は甘ったるく響いた。
そんな声を出されると、ついもっとしたくなる。夕方の公園は人影も少なく、
少し木の間に入れば気配すらも消える気がした。

548君ノ中デ踊リタイ:2008/09/16(火) 00:49:30 ID:ZF5SAUyX
(ちょっとだけな)
早輝の手をひっぱりうまく木陰に入ると、しっかりと正面を見る。
早輝の頬がピンク色に染まり黒目がちな瞳で見上げる。その頬を右手で触れる。
心地よいすべすべととした肌は、そのもっと下のもっと柔らかいところを触りたくさせるには充分すぎた。
やはりまた素早く唇をあわせる。でもさっきより長く。走輔が舌を入れると早輝もそれに沿うように小さい舌を動かす。
「んっ…」
喉の奥から声を洩らす。
キスをしながら手を首におろしていく。親指で確かめるようになぞり、残りの指は包み込むように。
もう片方の手は早輝の後ろから回して腰の辺りを抱える。
背の高い走輔は密着することで、自然足が開き早輝の足を挟むような形になる。
するとすでに硬くなりはじめてる走輔のそこが早輝の太ももあたりに押し付けられる。
布ごしでもお互い意識するのは当然だった。
「やっ走輔…」
肩のところを両手で押し、唇を離すと早輝は恥ずかしさと押し留めるため、首を左右にふる。
「早輝があんまり可愛い声出すからわりぃんだぞ。」
耳元で囁くと真っ赤な顔ををする。そのまま耳たぶに吸い付く。
「あっ!…」
唇で食べるようにすると、力が抜けるように後ずさる。
「どっこもやらかいな。」
また耳元で囁きペロリと舐めあげると、我慢できずに声を洩らす。
「やぁんっ」
ずっと首を撫でていた手を、胸におろしていく。張りのある膨らみは、揉むと走輔の手をはねかえしそうだった。
「あっ…んっ…」
(やっべー止まんねー…)
首筋を舐めながら、走輔は反対の手もおろしていった。
柔らかいフレアのワンピース越しにそっと尻を下がり、直に足に触れる。
短いスカートの裾から撫で上げるように太ももを登っていくとツルツルとした下着に触れる。
そのラインを指で確認するように前に動かす。人差し指一本を使って下着の上から割れ目をなぞる。
「んんっ…」
「早輝も感じてんだな。濡れてんじゃん。」
そこは湿り気をおびていた。
「やっ、ちがっ…」
左手は何度もなぞりながら、胸に置いたままの右手もさわさわと揉みしだく。
「じゃあ確かめてみよっか。」
小声で囁くと同時に、左手の中指を下着の中に潜り込ませた。
549546:2008/09/16(火) 00:57:22 ID:ZF5SAUyX
まとめてなくてすみません。
続きはいずれ。
550名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 01:27:15 ID:KaYU4yJp
わっふるわっふる!
551名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:15:02 ID:fnxlT/Rf
>>549
寸止めとは何と言う焦らしプレイだ!けしからん!続き待ってます、半裸で。
552名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:16:30 ID:MFnq61Wz
誰か緑黄書いてくれないかな、自分は文才なくて書けません。
この2人で学園ドラマみたいな展開を希望
553名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 15:04:25 ID:SHKycxRo
金銀赤の投下が多くて嬉しいなw
来週はケガ様も一緒に行動ということで緑汚に大いに期待している!
あと最近密着が減ってる青黄の仲良しシーンを久しぶりに見たい
554名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 16:24:56 ID:Um9sBI+B
頭では分かっているんだが、「汚」とみるとヨゴシュタインかと思ってしまう…恐ろしい…
555名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:40:22 ID:WDVf9gdm
そうか、来週はケガレシア様も来てくれるんだよな!
緑ケガあったらいいな。
556506:2008/09/17(水) 08:16:01 ID:wBYkWjst
GP30視聴の上、前回の続きを投下させて頂きます。ゴーオン青銀です。
公式はさておいて笑ってほのぼのしていただけたらと。
エロなしちゅーどまり。でもちゅーでどこまでエロスを表現できるか研究中。
修行の身ですのであらゆる意味でご容赦を。緩く見守って頂けると幸いです。
タイトルは『離れない華』です。駄目な方はNGワード設定でお願い致します。


557離れない華:2008/09/17(水) 08:17:23 ID:wBYkWjst
「・・・というわけでちゃんとチェック項目に記入するボンボン。」
それはギンジロー号の中にて。
本日街で詐欺や強盗を働いた事をひたすらに悔い謝り
あちこちをお詫び行脚した連と走輔を待っていたのは
ボンパーとジャン・ボエールから手渡された書類だった。
ボエールいわく、ガイアクアというガイアーク製の薬を吸収したのだから
いくら元に戻ったとはいえ副作用やその他心身になにか不具合がないか
健康チェックしなくてはならないという。
「うーん、めんどくせぇなぁ・・・。」
頭を掻く走輔。
「仕方ないっすよ。大人しく書くっす。」
二人分のペンを用意しながら連は椅子に腰を下ろした。
走輔も渋々連の正面に座る。
揃って大人しく書き込み開始。
外では他の3人が連に代わって夕食の支度をしていた。
須塔兄妹も仲間に引き込んでカレーにするのだと張り切っている。
案の定カレーキングになる事も夢ではない男、大翔が
何やら言ってるようだが。
「よっし!俺できた!あとは頼むぜ、ボンパー!!」
早々にチェックシートを全て埋め、走輔は飛び出していく。
「・・・ボンパー、俺の設問シート、
走輔のものより多い気がするんっすけど。」
残された連はちらりとボンパーに視線を走らせた。
「連の場合はこの間キューユソウルも飲んだから
その影響についても調べるんだボンボン。
副作用はないはずだけど
ガイアクアを飲んだことで変化があったら困るボンボン。」
「そういう事っすか・・・。」
ボンパーの説明にある程度納得しつつ
連はひとつひとつの設問に答えていく。
がある項目が並ぶところで思わず動きを止めた。
558離れない華:2008/09/17(水) 08:18:10 ID:wBYkWjst
「・・・ボンパー。」
「もう、連は質問ばっかりだボンボン。」
あきれたようなボンパーだが連の顔はかなりひくついている。
「この設問はどういう意味っすか?」
ふるふると震えながら指さす文章。
「どれどれ?」
ボンパーはチェックシートをのぞき込んだ。
「えっと一番上は『性欲の増減はあるか?』で
これは連がやらしー気持ちになるのは
以前と比べて時間や回数的にどうかって事でその次は・・・。」
「いや、具体的に発言しなくていいっすから!!
そういう事はわかるっすから!
俺が聞きたいのはどうしてそういう事を書かなくちゃ
ならないかっていう事っす!!」
ボンパーの話を遮り連はやや興奮気味な声をあげた。
こういうプライベートな事はきっぱりすっぱり包み隠しておきたいものである。
それを明るみに出すのならそれなりの理由が欲しいと思う自分は
決して間違っていないはずだ。
そんな連に対してボンパーはけろっとした表情。
「だってキューユソウルを直接接種した事で
一番影響があったのってその部分じゃないか。
もしあれ以降何かあったとしたら僕とボエールの責任でもあるし。」
「それはそうなんっすけど・・・。
っていうかボンパー、開き直ってないっすか?」
あきらかに胸張ってえっへん状態であるボンパーは
もはや怖い物なしの表情。
仕方なく連は溜息をつきつつチェック項目に目を通し律儀に答えだした。
いくらかの設問を終えたその時。
「連、終わった?」
美羽がひょこっと顔を出す。
「ま、ままままままだっすよ!!」
慌ててシートを隠そうとするが逆に床に落としてしまう結果論。
「兄ってば今4人を連れてスパイスとか買いに行っちゃった。
もう一工夫するんだって。
だから連の様子見に来たんだけど・・・。」
そう言いつつ気遣いとして落ちた紙をを拾いテーブルに戻そうとした美羽は
中身をちらっと見てしまい、目を白黒させた。
「いや、これは、そのっっっっっ!?」
それを慌てて奪うように美羽の手から取り戻し連は冷や汗を浮かべる。
たくさんの知識も役には立たず、ただ数秒、時が流れた。
「・・・ボンパー、連を借りるから。」
静かな一言。
「わ、わかったボンボン。」
その言葉に言い尽くせないどんよりオーラを目の当たりにし、
思わずボンパーはこくこくと激しく頷く。
まるで自分は無関係とでも言いたげだ。
連は心の中で悲鳴をあげつつも美羽に背中を押され自分の部屋に。
559離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:19:25 ID:wBYkWjst
ばたん。

扉が閉まった。

狭い部屋に二人きり。
立ちこめる気まずさ。
男の生理現象を赤裸々に書いたマークシートを握りしめ
連は言葉を失う。

先日やっと美羽への自分の気持ちを自覚したその矢先に今日という日。
本当にもう、最悪すぎる。

悪色の自分を見られた。
金に執着する所を知られた。
汚い言葉遣いで罵倒してしまった。
その上大翔に軽く一発でノックアウトされてしまった。
戦闘の時もあっけなく泡の中に閉じこめられた。
いい所なんてまるでない上に
今のこの失態。
幻滅されても仕方ない。

きっと待っていて、と言われた言葉はなかった事にという言葉に変化するだろう。
それぐらい予想がつく。
もう、こちらが何かを言う余裕なんてない。
大翔という名前の温室で育てられているのだから
男に免疫なんてまるでないだろうし、理解も出来ないだろう。

それに。

『あんたのおかげで走輔が格好良く・・・』

ストローバンキと対峙した時の美羽の言葉。
思わずぽろっとマンタンガンを落としてしまうほどショックは突然の大波。

もう、完全に嫌われた。
そうでなくても恋愛対象外にはなっただろう。

「連。」

呼び声に覚悟を決める。

「なんっすか?」

思い切って真正面を向いた。

見つけたのは潤んだ瞳。
560離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:20:06 ID:wBYkWjst
「連、大丈夫なの?」
「へ?」
「その内容、よくわかんないんだけど・・・。
もしかして連、おかしくなったの?私の所為?
キューユソウルを飲んだから変になっちゃった?
眠れない夜もあるって・・・!」
「い、いやあの・・・。」

たしかにチェックシートの設問はいくつか選択方式で
例えば『性欲の増減はあるか?』の場合、増えた、減った、以前と変わらない、の三項目がある。
そしてその手の設問がずらりと並んでいる中、
連はほとんどの設問で『以前と変わらない』を選択していなかったのである。
眠れない夜があるのも事実。
そして美羽にとって内容うんぬんよりも、
というか内容の意味は分かっておらず、
むしろあの日以来、連の体調が変わったという事が
最重要なわけで。

「ごめん、連、ごめんなさい・・・。」

きゅっと唇を噛む。

「違う、美羽が謝る事じゃないっすよ!!」
慌てて連は美羽の言葉を否定した。

そうじゃない。
自分でもわかっている。
体の変化が薬の所為ではない事ぐらい。

恋心と欲情が混ざったからだ。

自分の部屋に戻る度に思い出す。
この部屋で先日行われた事。
それだけで情けないほど落ち着かない。
どうしようもない。

ただそれだけなのに。

目の前に泣きそうな顔。

「薬の所為じゃないっす・・・。」

全部、言わなくてはならないだろうか?

走輔の事を格好いいと言った彼女に?
大翔を心酔している彼女に?

勝ち目なんてないけれど、
誤解で悲しい思いをさせるのはもっと辛い。
561離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:20:45 ID:wBYkWjst
「好きなだけっす。」

言ってしまった。
ややうわずった声で。
それでもできるだけ怖がらせないように
穏やかさを必死で織り交ぜながら。

「美羽が好きで君の事を考えると
眠れなかったりしただけっす。」

嘘をつくことだって本当はできた。
適当な理由もなんとか導き出す事も可能だった。
だけど、今はそれをしたくなかった。

悪の心を引き出された直後に、
もう一度嘘なんて続けたくなくて。

誠実でありたくて。

美羽の目が大きく見開いた。

「本当に好きなんっす。
そうでなくちゃ自分の一番弱い急所を
握らせたり口に入れさせたりなんてできないっす。」

今更何を言っているんだ自分、と思う事まで言ってしまう。
でもその通りだ、と心の中のもう一人の自分が頷いてもいて。

「君が好きっす。」

もう一度、言葉を繰り返した。

美羽は連をじっと見つめたまま動かない。

「もちろん困らせるつもりはないっす。
これまで通り仲間でいてほしいっす。
これからも、ずっと・・・。」

安心させたくて、何も変わらないと言いたくて。
連は微笑む。

「何も心配しなくていいっすよ。」

宥めるような言葉。

美羽の表情が変わった。

少し怒った様な。

「嘘つき。連の嘘つき。」

「嘘って俺・・・。」
思わず奈落の底より深い所まで落ち込んだ。
自分の気持ちを聞いてももらえない。
信じてもらえない。
何も伝わっていない。
かなり痛い。
562離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:21:26 ID:wBYkWjst
「待っててっていったら了解って言ったくせに。」

・・・あれ?

「ちゃんと形にするってこっちが言ったのに。」

・・・確かに、そう言われたけど。

「連だったからあんな事でもできたのにっっ!!」

・・・という事は。

「これからもずっと仲間って・・・。
私、連の事あきらめなくちゃいけないの?
好きって言われたのに?」

怒りというよりも、さっきよりも、もっと泣きそうな顔。

「だけど、走輔の事格好いいって・・・!」
「そんなの早輝だって軍平や連にいっつも言ってるじゃない!
範人にだって可愛いって言うし兄の事も格好いいと思ってると思う。
私もそう思ってるんだから。
それと同じだって事ぐらいわかりなさいよっ!」

それじゃぁ・・・。

連は美羽に手を伸ばした。
一歩前に出て、抱き寄せる。
美羽は大人しく連の腕の中に収まった。

「連に何かあったらどうしようって思った・・・。」

彼女はきゅっと連にしがみついている。

暖かく柔らかくて壊れてしまいそうで、
力を込めたなら押し潰してしまいそうな体。
銀色にきらきら光る綿菓子のような恋、綿菓子のような彼女。
溶けないように、なくならないようにそっと包んだら
甘い香りがした。

食べてしまいたい。

そんな気持ちになる。
563離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:22:01 ID:wBYkWjst
美羽を抱き締めたまま連はベッドに腰掛けた。
自分の膝の上に彼女を横座りさせる。
そっと片手で頭を撫で肩に触れ、背中を支える。
もう片方の手のひらは美羽の頬に。

「美羽。」

名前を呼ぶと彼女は目を閉じた。
連も目を閉じる。

縮まる距離、瞬間的に触れる唇。
一度離れてもまた同じ事を繰り返す。
幾度目かの時に連は彼女を離さずそのまま小さく口を開いた。
ゆっくりと美羽の唇を自分の唇で軽く挟む。
彼女が連の真似をしてうっすらと唇を開けば
やや遠慮がちながらも舌を差し込んだ。
そうしながらも美羽の後頭部に自分の手のひらを重ね
ゆっくり彼女の体をシーツの波に漂わせる。
両方の手のひらを重ね指を絡め互いのジャケットのファスナーを触れあわせた。
連の舌が巻き上げるような形で美羽の舌を呼ぶ。
恋われ請われて美羽は自分の舌を差し出した。
合わさる唾液が二人の舌で水飴のように練り込まれ絡み取られて舐めとられる。
甘くしっとりと存在を残しながら緩やかに流れ落ちる蜜の味。
時折連は舌を尖らせては撫でるように美羽の口壁の粘膜を掬いつつ
強弱をつけて彼女の舌を吸い上げた。
鼻先を何度も互いに入れ替えつつ唇を離しても舌は離さず
また唇を重ね合わせる。
「ん・・・は・・・む・・・ぅん・・・く・・・。」
息苦しさと初めての口づけから伝わる優しい気持ちと
ほのかというには熱くたとえようがなく沸き上がる愛おしさ、
それに付随する小さく燃え立つ今まで知らなかった何かが全部混ざり、
それらが掠れる声になって美羽から零れた。
美羽の声が、舌が、暖かさが、連の芯を硬くして止まらない。
気が狂いそうになる。
思わず握っていた手に力を込めた。
564離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:22:46 ID:wBYkWjst
「連・・・?」

ようやく離れた唇の名残惜しさと握られた手の強さに
ゆっくり瞼を開ければ連のとても困ったような笑顔。
その意味を美羽も理解し、同じような笑顔になった。

名残は惜しいけどきっともうタイムアップ。
そろそろ5人が帰ってくるだろう。
ボンパーも部屋の中で何が起こっているのか解らず
きっとおろおろしている。
これ以上はいろんな意味できっと無理。
今すぐにと焦る必要はない。
永遠ほど長くはないけれど、
ふたりの時間は始まったばかりでこれからも続くから。

「ねぇ、みんなには・・・。」
「内緒っすね。」

くすくす笑いあう。
兄にも、仲間にも言わない秘密。
この恋の進展に一度鍵をかけて知らんぷり。
もう少しだけふたりだけの物でありたい出来事。
こういう所、凄く気が合う。

「でももう少しだけ。」
連はいたずらっぽさを瞳に宿すと自分の体をずらした。
美羽の片足を抱え足の間に顔を埋める。
「やんっっ!連っっ!?」
慌てて連の頭をその場所から引きはがそうとするけど
連は首を横に振った。
「ここなら人に見られる事もないし
脱がせる必要もないっすから。」
そう言うと真っ白な太股の内側、
ホットパンツの下に隠れるか隠れないかの微妙な位置に
強く吸い付いた。
「んんっっ?!ゃ・・・んっっ!!」
頭の中が焦がされる感触。
小さな痛みと一緒に初めて感じる熱さ。
くすぐったさとは少し違うそれはどこか甘い痺れを含んでいた。
それだけで頭の中の何かがちぎれて飛んでいきそうな気持ち。
「は・・・っっ、連っっ・・・!」
名前を呼んで連の頭をくしゃくしゃにかきむしればようやく顔が上がった。
「俺の物ってしるし、つけたっす。」
「え・・・?」
ぼんやりしそうな思考を必死でたぐり寄せ美羽は自分の左内股をのぞき込んだ。
くっきり浮かぶ赤紫の華。
その存在の意味を思い、美羽の心が高鳴った。
「我ながら子供っぽいって思うんっすけど。」
連は指で赤紫の華に触れる。
「これが消えないようにしたいっすね。」
「もうっっ!!」
怒ったふり。

でも、もう一度酔うような口づけを与えられたら
我が儘な独占欲にひたされたのが嬉しさとなってこみ上げる。

短い時間がもどかしい。
565離れない華(ゴーオン青銀):2008/09/17(水) 08:24:47 ID:wBYkWjst
あぁ、部屋の外でボンパーがこちらを呼んでいる。
行かなくては。

名残惜しさを交えて互いに離れた。
立ち上がり照れ笑い。

「行こうか。」
「うん。」

扉の向こう側では帰ってきたらしい5人の声。

美羽はドアノブに手をかけつつ動きを止める。
「どうしたんっすか?」
連がそう尋ねるのと同時に美羽は振り返った。
「まだ言ってなかったから。」

それは連の中で今更ながら巻き起こるラブリーセンセーション。

「好きよ、連。」
566名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 08:26:31 ID:wBYkWjst
以上です。それではずばり逃げます!!
567名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 09:32:28 ID:9i+LOpUL
グッショブ!
青銀いいなぁ

568名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 12:38:45 ID:vyZcTTE6
>>566
乙&GJ!
青銀は、少し大人な香りがする所が好きだ!これからの進展にwktkだ!
569名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 23:52:07 ID:6W48Wfac
青銀GJ!
GP-30を見たら、続きを期待するのは無理かなぁと思っただけにうれしいっす。
「勝ち目なんてないけれど、」の辺りが、連って、ほのぼのしてるけど、どこかせつないんだよね。
570名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 03:09:06 ID:wMWpJ47p
需要が果てしなく皆無だと思いつつ金黄です。
長すぎてしまったことも、前もってお詫びさせていただきます。

お暇つぶしによかったら読んでやってください。
571名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 03:12:46 ID:wMWpJ47p
「走輔は美羽と出かけたまま、まだ帰ってきてないっすよ」
呆れたような笑っているようなどちらともとれる表情で、連はオムレツを皿の上にすべり落とした。
「だからオムレツは4つでOKっす」
連の滑らかな手際を目で追いながら、早輝は両手のひらを彼に向けた。
オカンのお手伝いは嫌いではない早輝である。
「ケンカばっかりしてるけど、走輔と美羽は絶対仲良しだよね」
「ケンカするほど仲がいいってことっすよ」
連から皿を受け取り、テーブルへと運ぶ。
「美羽の理想は大翔さんなのに。走輔は大翔さんと正反対だよ?」
テーブルセッティングをしていた手を止めて、早輝は連を振りかえった。
連が大笑いしたので、驚いたのだ。
「スバリ! 正反対だから気になることもあるっす」
「そっか。でも美羽と大翔さんは仲良しすぎるほど仲良しだから、
大翔さん寂しくないかな」
「どうしてそう思うっすか?」
早輝は小首をかしげた。
「だって・・・連とか軍平とか範人に恋人ができたら嬉しいしバンバンお祝いするけど、寂しいもん」
「オカンだって早輝に彼氏ができたら寂しくなるっすよ」
「本当?」
「ホントホント。走輔も早輝がデートしたときは大騒ぎして尾行するわで大変だったでしょ」
あの時のことを思い出して、早輝はくすりと笑った。
「軍平の読唇術のおかげで大変だったよね〜!」
食事の支度を終えた連が、エプロンの紐を解きながらキッチンから出てきた。
「範人のバイトもそろそろ終わりのはずだから、飯にするっす。早輝、軍平呼んできて」
「はーい」
ギンジロー号から出ようとした早輝の背中に、連が優しい声をかけた。
「早輝は走輔がいなくて寂しいっすか」
言われて早輝は顎に人差し指をあてて、首をかしげた。
「オムレツが4つしかないと寂しいかも」
その答えに連が微笑んだ。
小さなキッチンでのこんなたわいもないやりとり。
ハナウタまじりで足取りも軽くステップを降りていた早輝はふと気がついた。
「大翔さんは今一人ぽっちなのかな」
だとしたらきっとすごーく寂しいよね。
572571-2:2008/09/20(土) 03:14:31 ID:wMWpJ47p

「そんなの心配しなくてもいんじゃない?大翔さん大人なんだから。
いくら妹思いだからって妹がデートでいないことで一々めげてたら体持たないよ」
範人の今日のアルバイトは肉体労働系だったようで、疲労困憊が顔に出ている。
「お疲れ、範人。いつもありがとう」
よしよしと頭を撫でてあげると、疲れていたはずの範人がニッコリのスマイル満開。
「バイトして帰ってきて、労わってもらえるってなんかイイネ。疲れも癒される感じ」
そこに連のゴーフォンに通信がはいったようで、連の改まった声がした。
早輝と範人は一斉に連に視線を集めた。
「二人ともいませんよ。門限なんてあるんすか?走輔の門限なんてあるわけないっす。はいはい、了解ッス」
通信を切った連に範人が好奇心全開で尋ねた。
「今の大翔さん?」
「ズバリ正解ッス」
「心配してるんだね、美羽のこと」
「過干渉過ぎる兄妹愛だよね」
「心配してくれる人がいるのは、ありがたいことっす。幸せなことだと俺は思うっすよ」
顔を見合わせた早輝と範人。
連は二人に微笑んで胸を叩いた。
「早輝と範人はおれが沢山心配してあげるっす」
「保護者の一人として俺も心配くらいしてやる」
「軍平」
範人と早輝の頭に手を乗せてくしゃくしゃと髪を混ぜてから、軍平は空いている席に座った。
「早輝の心配は俺だってするよ」
範人が屈託なく笑う。
意識せずとも笑顔で一杯になる早輝だった。
そん中ふと浮かんだ思いつき。
「大翔さん呼んだら来るかなぁ…」
一同、それぞれに驚愕の表情で一斉に早輝を見た。
ある者はあんぐりと口をあけ、ある者は目玉が飛び出しそうな顔で、ある者は眉をひそめて。
573571-3:2008/09/20(土) 03:16:20 ID:wMWpJ47p

「何の用だ」
連がダメで元々っすよねと大翔に晩飯食べませんかと連絡をすると、
意外にも大翔はあっさりOKで5分ほどでギンジロー号に現れた。
「何の用も何もメシ一緒にどうですか、と言っておいたはずだ」
軍平が言う。
大翔は連を見た。
「本当にそれだけで俺を?」
「そうっすよ」
大翔のクールな表情に一瞬疲れたような色が浮かび、重そうなため息をついた。
「あ、もしかしてご飯食べちゃった?」
「いや、それはまだ・・・」
範人がぴょん、と立ち上がり大翔の腕を掴んだ。
「それなら一緒に食べよう。僕らのオムレツは冷めちゃったけど、大翔さんのはできたてだよ!」
「冷めたオムレツも連のなら最高」
「持ち上げられてもオムレツしか出ないっすよ」
大翔は範人の勢いに押されるように椅子に座る。
早輝はそっと隣に座った大翔の顔をうかがった。
怒っているわけでもないらしい、ただ、戸惑っているというか。
どう反応したらいいかわからない、みたいな顔をしている。
「大翔さん、スマイルスマイル♪」
ニッコリとしみても、大翔は眉をひそめただけ。
後で思えば空恐ろしいことをしてしまった、自分でも思うけれど、
早輝は大翔のほっぺたをつまんできゅっとした。
走輔にやるみたいに。
「ほら、スマイルスマイル♪」
相手が女の子だったからなのか、大翔はされるまま。
表情はクールなままだったことが奇妙に笑える絵になり、
連 範人 軍平が固まってしまったのは言うまでもない。
574571-4:2008/09/20(土) 03:17:40 ID:wMWpJ47p

 わいわいとにぎやかに食事を終え、連が後片付けをし早輝がそれを手伝う。
範人や軍平のように戻る部屋のない大翔は、その様子を眺めていた。
「オカンと娘だな」
「えー? なんか言ったっすか?」
さわやかに連が顔をあげる。
「いや」
視線を移して大翔は娘のほうをみる。
娘は最愛の妹よりもさらに幼く、こちらがどう接すれば良いのかわからないほど無邪気だ。
先刻ひっぱられた頬を押さえて大翔はため息をついた。
俺は一体ここで何をしているのだ。
ここでこんなことをしていても時間の無駄だと大翔は腰を上げた。
「大翔さん?」
「帰る」
「美羽と走輔そろそろ帰ってくるっすよ」
うんざりだ。
こいつらのあっけらかんとしたこの物言いが、大翔の神経を逆撫でしまくるのだ。
「大翔の気持ちもわかるっすよ」
「なにがだ」
「走輔だって早輝がデートした時はみっともないくらい大騒ぎしてたっす」
「あいつと一緒にするな」
言ってから大翔はふと思いつく。
そして、皿を戸棚にしまっている背伸びした早輝の背中を見た。
テーブルに手をつき、大翔は連に尋ねた。
「イエローの門限は何時だ?」
連が首をかしげて大翔を伺う。
「なんでそんなこと」
「明日昼過ぎに迎えに来る」
あたし?
早輝が人差し指で自分を指すと、連がそうみたいっすよと頷く。
「大翔さんちょっと待って、明日って」
「なにか問題あるのか?」
問題と言われても・・・あるようなないような?
早輝がふるふると首を横に振ったことを了承とみなして、大翔は背を向けた。
まったく呑気な連中だ。
問題ないわけないだろう、未成年をデートに連れて行こうというのだから。
575571-5:2008/09/20(土) 03:19:10 ID:wMWpJ47p

翌日、ガイアーク反応もないまま時間は過ぎ。
大翔が昼過ぎに迎えに来た。
オープンカーにサングラス、なんとブルジョアな。
ギンジロー号の外では範人が洗濯物を干していた。
「空からじゃなかったんだね」
範人のからかい声に大翔は小さく笑った。
「こんな時にトリプターを使えるか」
そこに読書中だった軍平が、
「言わなくともわかっているだろうが、早輝に妙な真似はするな」
「するわけないだろう、アホか」
ジロリと大翔を一瞥してから軍平は読書再開。
「早輝、大翔と出かけるって?!聞いてねーぞ俺は!」
「デートっすよ、走輔。
走輔に言うとこんなふうに暴れるからみんなで内緒にしてたっす」
「デートじゃないよ、よくわかないけど」
「男と二人で出かけるなんて10年早えーーーんだよ!」
ババーンと勢いよくドアが開き、走輔が飛び出してきた。
大翔を見つけるとそのまま突っ込んでくる。
「おい、大翔! なに考えてやがんだ、うちの早輝に手ぇ出しやがって」
「出されてないってば、走輔!」
早輝は慌てて訂正しながら、今にも大翔に掴みかからんとする走輔の腰にしがみつく。
「早輝ちゃん、離せ離しなさいっ」
そんな騒ぎの中、洗濯物がはためく中、連は悠々と大翔の側まで近づき、
「ポルシェ911Sカブリオレ。街向けのチョイスっすね」
「オートマに乗るような奴について行っちゃいけません!
ドラテクは俺のほうがずーっと上なんだからな」
どーでもいいことを走輔が叫んでいる。
「5速あるんだから街乗りでは充分っす」
「連まで大翔の肩を持つ気かよ!」
早輝にしがみつかれて動けない走輔は尻目に、連は大翔に静かに微笑んだ。
「門限はこれといってないっすけど、大翔の大人としての良心に任せるっす」
「俺が妙な真似とやらをしたらどうする気だ?」
言葉に皮肉をのせて尋ねると、連はそうっすねぇととぼけたように空を仰いだ。
「大翔はそんなことしないっす・・・絶対に」
そして、大騒ぎする走輔の前に軍平が無言で足をだし、走輔は勿論早輝まで見事にすっころんだ。
「軍平何しやがる!」
「読書の邪魔だ。すまん早輝大丈夫か」
「自分だって美羽とよく出かけてるじゃない」
範人が走輔の肩を掴みながら言った。軍平もその反対側の腕を掴んで頷いた。
「ちっげーよ、アレは付き合わされてんだ、好きで美羽について行ってるわけじゃねー!」
いたたたた、と鼻を押さえて地面に膝をついている早輝の腕を掴み、大翔は行った。
「バカは放っておいて、さっさと行くぞ」
「は、はい」
「早輝! なんかあったらすぐにゴーフォンだからな!」
「わかったってば走輔。 い、行ってきます」 
576571-6:2008/09/20(土) 03:20:20 ID:wMWpJ47p
 落ち着かない。
自分から誘っておいて、大翔は何も話してくれないし。
助手席で膝を揃えて硬直していると、大翔がすっと腕を伸ばした。
その仕草に怯えてびくびくしてしまう早輝に、大翔が怪訝そうな顔をする。
「ルーフを開きたいんだ」
「え?」
「風が来るから髪を押さえていたほうがいい」
大翔がサングラスをかけているので表情がすべて見えないからなおさら、どうしていいか。
スイッチ1つでオープンされ、一気に風が早輝の髪を吹上げた。
一瞬だけ驚いたものの、風に吹かれていることが心地よいと感じる。
早輝は髪を片手で押さえて大翔に言った。
「これからどこにいくんですかー?」
「・・・・・・る」
「聞こえません!」
「その格好では行くところも限られるから、まず服を選ぶ」
ゆっくりと大きな声で大翔が言った。
早輝はキョトンとして自分の姿をしたから見て、大翔の横顔を見た。
いつものジャケットで来てしまった。
おしゃれしたりしていると走輔にばれると範人の忠告があり、着替えられなかったのだ。
「やっぱりおしゃれしてきたほうがよかったですか? ごめんなさい」
いや、と大翔は首を横に振る。
「させるのも悪くない」
「大翔さんの声小さくて聞こえないです」
テレパシーが使えないというのはここまで不便なものか。
美羽には何かを感じ取られ、朝からしつこく追求されて閉口したというのに。
隣で声に出した言葉さえ通じないとは。
「面倒だな」
577571-7:2008/09/20(土) 03:21:49 ID:wMWpJ47p
 
 美羽に連れられて何度か来た事のあるブティックだった。
大翔は店長らしき女性になにやら耳打ちして、早々にソファーに腰を下ろしてしまった。
「水族館と食事に行ける様なお召し物をと須塔さまが」
2人の店員が先に代わる代わるいくつものドレスやワンピースをあてていく。
着せ替え人形のように立ったまま、早輝は大翔に尋ねた。
「水族館?」
「遊園地という気分ではないから」
「大翔さん遊園地行くんですか?」
行かなくはない、と大翔は言う。
「美羽に付き合って行くこともある。そのドレスがいいね。靴のヒールは5cm以内で。よく転ぶから」
転ばないもん。
密かにブーたれている間にも、次から次へとアクセサリーなどを身につけさせられ、さらには別室に通され髪をセットされメイクをされ。
優雅な姿勢でソファーにかけたままの、大翔の前に連れだされたときには大変身していた。
「とても可愛らしいですよ」
そんな早輝を頭の上から下までゆっくり眺めた大翔は、無言のまま腰を上げた。
そしてあろうことか、手のひらを早輝に差し出したのである。
驚きで身動きできない早輝に大翔は苦笑する。
「歩きづらいだろうから手を貸すだけだ」
細い踵の靴なんて履いたことない。
たしかに歩きづらいだろうけど・・・おずおずと大翔の手に自身の指先を預ける。
「良い物を身につけ、良い物を観る。上等を知らなければ・・・」
「それが大翔さんの幸せ?」
大翔にリードされながら恐々足をすすめる早輝。
「外にあるなら教えてほしいものだ」
「あるよたくさん」
早輝はニッコリと大翔に笑いかける。
「でも、今日は大翔さんの幸せを教えてね?シンデレラみたいでワクワクする」
膝丈スカートの裾をつまんで早輝はくるりと回ってみせた。
578571-8:2008/09/20(土) 03:23:39 ID:wMWpJ47p
 
 車から降りる時ドアを開けてもらった。当たり前のように大翔が手をさしのべてくれる。
おずおずと促されるままに指を預けた。
まるで女の子のように扱われて早輝は戸惑う。
けれど、その戸惑いも水族館の中に入ってからは跡形もなく消え去った。
「すごい・・・すごいね大翔さん」
押さえ気味の館内の照明はそのまま深海の中にいるかのよう。
早輝の目の前には見上げても終わりが見えないのではないかと思われるほどの大きな水槽があった。
大きな魚がゆったりと泳ぎ、小さな魚が群れをなして進んでいく様はとても愛らしい。
慣れないヒールのまま走り出そうとして、バランスを崩した早輝の腕を素早く掴んだ大翔はため息まじりの呆れ声。
「まったくよく転ぶ」
「ごめんなさい」
「足元をよく見ろ」
しょんぼりとする早輝の側をカツオがターンしていった。
「おいしそう」
「コラ」
頭をコツンとやられて早輝はえへへと舌を出した。
そして、再び水槽へ意識を向けた。
「きれい・・・みんな生きてる」
早輝の呟きはさらに続いた。
「きれいな海や美しい緑を守りたい。生きているみんなが幸せでいられるように守りたいの。
ゴーオンジャーになるまでわたしなにも知らなかった。
ガイアークと戦うだけでは守りきれないなにかがあることもわかったけど、
わたしは力が全然足りなくてちっぽけで・・・ときどき大声で泣きたくなるんだ」
そっと大翔は早輝の頭に手をのせた。
美羽にやるように優しく撫ぜてやる。
「強くなればいい。身も心も」
「美羽みたいに優しくて強い女の子になりたい・・・もう少し見ててもいい?」
早輝は泣きたくなると言いながら、辛いときほど恐らくスマイルスマイルと笑っているだろう。
それが彼女の強さなのかと大翔は思う。
この細い肩に意外なほど強い想いを背負っているらしい。

走輔に一泡吹かせたいがために連れ出した。
案の定と言わんばかりの大暴れをしていた走輔の様をみて溜飲は下った。
罪滅ぼしのような気持ちもあり、今日一日早輝のために在ろうと大翔は思った。
579571-9:2008/09/20(土) 03:25:19 ID:wMWpJ47p
 
水族館の中庭には噴水があり、そこから浅い水路が続いている。
あちらこちらで幼児が水遊びをしていた。
その様を背中に大翔が何をしていたかといえば、早輝をベンチに座らせ足の靴擦れを診ているわけで。
「どうりでよく転ぶはずだ」
「おかしいなーいつもは平気なのに・・・ヒールなんか」
早輝はというと大翔に跪かれているようで、そわそわするばかり。
「せっかく素敵な靴履かせてもらったのに・・・ごめんなさい」
「いや、俺のほうこそ痛い思いをさせてすまなかった」
素足のまま早輝は足をつき、立ち上がった。
怪訝そうに見上げてくる大翔にニッコリ笑いかけた。
「気持ちよさそうだから、入ってくる」
「おい・・・?」
スカートの裾をつまみ早輝はすててててと水路に向かって走っていく。
枷の様だった靴を脱いで早輝は水を得た魚のように、水の中に踏み込んだ。
大翔は慌てて早輝を追いかけた。
「なにをしているんだ」
「水遊びだよ♪ 気持ちいいよとっても」
「みればわかる。わかるが子どもじゃないんだから」
ぱしゃぱしゃと水を跳ねていたつま先を止めて、早輝は大翔に言った。
「大翔さんもくればいいのに」
「俺はいい。そもそも靴擦れしている上に濡らしてどうやって歩くつもりだ」
早輝は陽気に笑い出した。
「このまま歩くから大丈夫」
大翔は短く息をついた。
「裸足で?」
「うん。ねぇ水を大翔さんにかけたら怒る?」
「ああ」
「それじゃやめる・・・」
つまんないのーと早輝が唇を尖らせたところで、大翔はすっと身をかがめた。
580571-10:2008/09/20(土) 03:26:14 ID:wMWpJ47p
 
同時に早輝の足元が地面から離れた。
「まだ遊びたいだろうが、食事の時間に遅れる」
早輝を抱えたまま大翔はすたすた歩き始めた。
本来ならばこんなことを男性にされては赤面せずにはいられないはずなのに、早輝の意識は別のところにあった。
「こういう場合お姫様だっこじゃないの、大翔さん。これはお母さんが小さい子にやる子ども抱っこなんだけど」
大翔がくすりと笑った。
「子どもなんだから仕方ない」
頬を膨らませて早輝は拗ねた顔。それでいながら抱きかかえられている不安定さのため大翔の肩に手をおいた。
遠慮がちにジャケットを掴む。
「美羽にも子ども抱っこなの・・・?」
少しの間のあと、大翔が答えた。
「そもそも美羽は靴で足を痛めたりしない」
「やっぱりわたしじゃ美羽の代わりになれないね・・・ごめんなさい」
「美羽の代わりなんて存在しない。言っておくが」
大翔は前を見たまま。
早輝はそんな彼の横顔を見つめて言葉を待つ。
「今は俺は楼山早輝とここにいる。美羽の代役は必要ない」
こんなことを言われては言葉を失う。
ふと、大翔が呟いた。
「ラベンダーか?」
「おまじないにつけてきたの。ラベンダーの香り。ベアールと選んだの」
「ベアールVは置いてきたのか?」
「ベアールが来てくれなかったの。野暮は嫌いって」
「野暮?」
大翔がまた笑った。
こんなに笑うのをみたのははじめてかもしれない。
581571-11:2008/09/20(土) 03:27:47 ID:wMWpJ47p

 怖い人なのかと思っていた。
冷たい人なのかと思っていた。
その一方で、
美羽のような素敵な女性が、理想であり尊敬していると言って憚らない人。
妹のためならどこまでも熱くなれる人。

「大翔さん、わたしマナーとかよくわからない」
「わからないことが気になるなら俺にきけばいい」
大翔がゆるく笑う。
こんな風に優しい表情を向けられるのははじめてで、緊張の理由のひとつは大翔だと思った。
以前デートした征爾さんとはもっとリラックスしていたのに。
いつもの早輝ならありえないことに、おいしそうなコースのメニューをほとんど食べることができなかった。
582571-12:2008/09/20(土) 03:29:58 ID:wMWpJ47p

「口にあわなかった? 連の卵料理には及ばなかった?」
柔和な大翔の問いに早輝はひたすら申し訳なくてうつむくばかり。
おいしかった・・・はず。
だけど、味がよくわからなかったの。
おなかは空いていたのに胸のほうが一杯で、食べられなかったの。
ポルシェの助手席に座る早輝の足元はスニーカーになっていた。
エンジンをかけようとした大翔が動きを止め、早輝のほうに向き直った。
「髪がひっかかってる」
「え? どこに?」
慌てて頭に触れる早輝を大翔はやんわりと制して、動くなと言った。
「ネックレスに。外してやる」
大翔が選んでくれたネックレスの鎖に髪が絡んでいる。
早輝は思わず目を閉じた。
大翔の手が指が首筋や耳に触れる。
大袈裟なくらい身体が震え、そのことがますます早輝の身を竦めさせる。
絡んでいた髪とネックレスが外れたはずなのに、大翔の手が早輝の髪を一房つまんでいる。
「な、なに?」
「いや」
摘んだまま、大翔は余裕綽々と言った風情で早輝を見る。
その目には悪戯っぽい色も浮かんでいるが、今の早輝には読み取れない。
「はなしてください」
「どうして」
「キンチョーするから」
「しなくていいのに」
「しなくていいかもしれないけど、しちゃうんだもん」
大翔が笑い出す。
「本当に緊張するから、言ったのに・・・!」
早輝はそこまでしか言えなかった。
あろうことか、大翔が一房の髪に唇を寄せたので。
ギョッとして見つめてくる早輝を上目遣いで見た大翔は、たまりかねたように笑い出した。
髪からも手を放す。
その途端に窓際に肩を押し付け逃げたものの、だんだんと腹が立ってきた。
「サイテーなからかい方!」
大翔はすまなかったといいながら、笑い続ける。
スマイルが身上の早輝だが、今はどうしても笑う気持ちになれず大翔を睨みつけるだけしかできなかった。
大翔の笑いが途切れた。
早輝は目をそらした。
「触らないで」
583571-13:2008/09/20(土) 03:31:14 ID:wMWpJ47p
やめてと手で彼の手を払っているのに、大翔の指は器用に早輝の目じりの涙をぬぐう。
「すまなかった」
そんな風に謝られると涙は一気に出てきてしまうのに。
「大翔さんのバカ」
くしゃりと大翔の手が早輝の頭を撫ぜる。
今までとは違う、困っているのがわかる大翔の顔があった。
涙一杯の目で見つめ返すと、大翔の手は優しくなだめるように早輝の髪を撫でていく。
「みんなには、内緒にしててね、泣いたこと」
「ああ」
「どうしてそんなに見るの?」
気がつけば大翔に追い詰められるような体勢になっていた。
助手席へと身を乗り出している大翔は腕を伸ばして、スイッチを1つ押した。
オープンになっていたポルシェのルーフが広がり、二人を隠していく。
髪を撫ぜていた手が早輝の頬を包む。
大翔の端正な顔が近づいてくる。
唇が瞼に触れた感触のその甘さに早輝は悲鳴をあげそうになった。
「や・・・大翔さん・・・いや」
早輝の頬に触れたままの唇が低く囁く。
「早輝の幸せって?」
「え?」
「今度教えてくれ、知りたくなった」
言いながら耳に髪をかける大翔の指先が心地よく、そう感じた自分に早輝は驚く。
それでも気丈に押し返そうと大翔の胸に手のひらを押し付けても、力なんて入りやしない。
大翔のキスはゆるく優しく繰り返され、早輝の瞼が落ちていく。
「きらい・・・大翔さんなんて嫌い」
唇が離れた一瞬キスの合間、早輝なりの精一杯の抵抗。
すると、大翔は言葉で答える代わりに早輝の身体を抱き寄せ、息もつけないほどの一層深いキスをする。
早輝はしがみつくように大翔の背に腕をまわした。

嫌いじゃないとダメな気がするの。
だけど、逆らえないよ。
584571-14:2008/09/20(土) 03:32:27 ID:wMWpJ47p
「早輝、おかえりボンボン」
「ただいま」
大翔に送り届けられた時間は、大人のデートにしては早すぎて子どものデートにしてはやや遅い時間だった。
早輝の着ている服が出かけたときと違うことと、いつもならばもっとはしゃいでいるはずなのに静かな様子に、ギンジロー号の中は微妙な空気が漂った。
「何かあったのか?」
走輔が早輝の顔を覗き込んでくる。
なにもないよと首を横に振って、早輝はニッコリと笑った。
スマイルスマイルと呟きながら。
「大翔になにか嫌なことでも・・・」
「違うよ、すっごく緊張して疲れちゃったんだ。セレブのデートは私にはまだ無理みたい」
「そ、そっか」
走輔の口許がへの字になっている。
その顔を見て早輝は言った。
「走輔!」
「あ?!」
走輔に抱きついて早輝は必死に涙を堪えた。
同じ大人の男性のはずなのに、どうしてこんなに違うのだろう。
走輔や連はこんなに安心をくれるのに。
きっと大翔はいつもと同じようにクールに接するだろう。
だってキスしただけだもの。
だけど、わたしは何もなかったみたいに振舞う自信がないよ。
「どうしたんだよ、早輝」
しがみつかれた走輔がおろおろとしている。
「早輝、これでも飲むっす」
連が手にしているのは温かいホットミルク。
走輔から離れて連に促されるままカップをうけとった。
甘くて温かい。


私ほどではなくていいから、少しだけでもいいから。
あの人の心も揺れていてくれたらいいのに。
585571:2008/09/20(土) 03:33:40 ID:wMWpJ47p
エロもないのに大量投下、申し訳ありませんでした!
これにてトンズラさせていただきます。
586名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 09:26:31 ID:YRje+rew
GJGJGJ!
いいものを読ませていただいた。
大翔と早輝が少しずつ相手を気にしていく過程がいい!
周りのゴーオンジャーたちの会話とかもそのまんまで面白かったよ!
587名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 12:46:33 ID:GfG5IRxE
571ありがとう!そしてGJ!金黄マジで萌えた!
黄の心の動きが堪らなく切なくて萌え転がった!
もう、自分の中では571はネ申認定です!黄→金から黄→←金になる話
待ってます!
588名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 19:01:35 ID:XgS/fl6F
571さんGJです!
なんかぐっときますね。
金黄は今まで考えたことなかったので、
なんかある意味、新鮮でした。
その後の展開が気になります・・・・!!
589名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 19:51:21 ID:PQges7V4
金黄GJ!
590名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:01:33 ID:MIFj8zBq
>>オートマに乗るような奴について行っちゃいけません!
ワロタwwww
金黄だけじゃなくてオカン・娘の青黄とかオトン赤黒黄とか仲良し銀黄緑黄とか
すっごい色々な栄養分もらった!
自分も571さんをマッハでネ申認定だぜ!
591名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:35:54 ID:JrqnHl2e
GJ!GJ!
早輝も文章も可愛いな。
続き待ってるんだからね!
592571:2008/09/23(火) 06:21:30 ID:6ifAHwSy
失礼します。
レスを下さった皆さん、ありがとうございます。
またも、長くなってしまいましたことをお詫びします。

お暇つぶしになれば幸いです。
593593-1:2008/09/23(火) 06:23:18 ID:6ifAHwSy

「どうもおかしいのよね」
突然の愛らしい来訪者はギンジロー号に上がりこむと、挨拶よりも先にそう言った。
住人である男どもは美羽の出現にさも驚く様子もなく、
「なにが」
と、答えたのだった。

「アニとデートしてから早輝の様子がおかしいと思わない?早輝がアニを避けてる・・・というより逃げてる」
走輔と軍平は眉を寄せて、わけがわからぬといった表情。
連は美羽に紅茶のカップを手渡して、
「おかしいといえばおかしいっすけどね。でも、もともと早輝と大翔はあまり話もしないほうだったし、今までと同じといえば同じっすよ」
紅茶の礼を連に告げた美羽は、頭を横に振りながら大袈裟にため息をついた。
「これだからダメダメゴーオンジャーは・・・女の子の気持ちもっとわかってあげないと!早輝は誰かを避けるようなことをしない子でしょ?
早輝は誰かがケンカしていたらスマイルスマイルって仲裁する子じゃない。そんな早輝がアニを避けているのよ。よほどのことだわ」
「やっぱり大翔がなにかしたってことか」
腕まくりで憤慨しはじめた走輔に美羽はぴしゃりと言った。
「アニが女の子に悪いことをするわけがないわ。アニはそういう人じゃない」
「それならなんだってんだよ。早輝が大翔を避けてるってんならそう考えるのが自然だろ」
「わからないからここに来たの!」
「ここに来たってわかるかそんなもん!」
「走輔と話に来たわけじゃないし!」
「なにい?!」
目の前で繰り広げられる言葉の応酬に、軍平と連は顔を見合わせた。
「仮に早輝が大翔を避けているとして、それが戦闘の障害になるのか? なるなら何か対策を立てるべきだとは思うが
・・・そうでなければほっとけ」
「軍平にしては至極まっとうな意見っすね」
「どういう意味だ」
睨まれて苦笑いで肩をすくめる連。
美羽はあたりを見回し、
「で、早輝はどこに行ったの?」
「小遣いがたまったからって買い物に行ったっす」
そこでまた美羽は唇を尖らせる。
「晴らしのショッピングね。そんな時こそわたしを誘えばいいのに・・・」
「とにかく!大翔の野郎を早輝が避けてるってんなら、お前から大翔に言っとけ。早輝に近づくんじゃないってな!」
「走輔はなにもわかっていないくせに、アニを悪者みたいに。早輝の気持ちをわかってあげようとしないで横暴だわ!」
「嫌いだから逃げてんだろ! 嫌いってことは嫌われるようことをしたってことだ!だから大翔は早輝に近づくなってこった!」
連が感心したように呟いた。
「走輔にしては見事な論理展開っす」
そこにただいまーぁー! と底抜けに明るい範人の声。
アルバイト帰りの範人は立ち上がって口論する走輔と美羽に、
「なにやってんのさ、チューでもするの?」
走輔と美羽が石の様に固まった。
言われてはじめてお互いの顔の近さに気がついたのだ。
「近づかないでよー!!!!!」
ゴーオンシルバーの必殺平手が炸裂、哀れ走輔のほっぺたには紅葉形の痕がくっきりついたのだった。
594593-2:2008/09/23(火) 06:26:45 ID:6ifAHwSy

「アニ、早輝を困らせるようなことをしたの?」
美羽の好奇心は正義感へと変化して、尊敬する大翔にまでそのような質問をしてしまった。
トレーニング中だった大翔は、サンドバッグを殴るのをやめ片手で揺れをおさえながら振り返った。
「なんの話だ?」
「アニはわかっているはず。早輝に避けられていること」
そんなことか。
大翔は改めて美羽に向き合った。
「避けられていることはわかっているが、身に覚えはない」
「アニに身に覚えがなくても、早輝を傷つけてしまったかもしれないわ」
身に覚えがないわけではない、身に覚えならしっかりある大翔である。
妹にその身に覚えを話したところで、いい方向に向かわないのは確かだ。
「イエローが俺を避けていたとしても、ガイアークとの戦いになにか問題でも?」
「そんなことじゃないの! 女の子を傷つけたら手当てしてあげなきゃダメでしょう?
ゴーオンジャーの連中は一緒に生活しているのに鈍感だし、原因かもしれないアニはアニでとぼけているし!」
「美羽はどうしたいんだ」
「早輝に心から笑って欲しいの。無理したスマイルで頑張る早輝を見ていられない」
グローブをつけたままの手で大翔は美羽の頭を撫ぜた。
やさしく言い聞かせるように声のトーンを和らげる。
「早輝を思いやる美羽の気持ちはわかる。けれど、他人が立ち入ってはならない領域があるのも確かだ」
「でも・・・」
大翔はため息をついた。
この妹にはどうしても弱い。
「近いうちに早輝と話してみよう。もしも原因が俺にあるなら謝るよ」
「ありがとう、アニ」
美羽がようやく笑顔になり、足取りも軽くその場を離れていった。
残された大翔はサンドバッグにグローブを軽く当て、どうしたものかと思案にくれる。


「何しに来やがった、キンキラ野郎」
腕組みして真っ向から大翔を睨みつけ、ギンジロー号には一歩たりとも踏み入れさせない構えの走輔。
対して、大翔は涼しい顔で言ってのけた。
「イエローに話がある。いるなら会わせてくれ」
「駄目だ!駄目だ! 駄目だ!」

 そんなやりとりが外で繰り広げられていることを知った早輝はキッチンで震え上がった。
「連、どうして大翔さんが来てるの?」
「早輝が大翔から逃げているからじゃないっすか?」
連は淡々としている。
早輝としては自然に振舞っているつもりだったが、こうもあっさり逃げていると言われてしまうと、
目の前が真っ暗になる思いだ。
「走輔が門前払いしてるのはどうして?」
「気分はオトンだからっす。本来なら大翔のほうが走輔に鬱憤が溜まっているはずなんすけど」
「・・・」
「難しいっすね。早輝は大翔に会えるっすか?」
「え? 会えるよー!別に問題なんてないしっ」
明らかにスマイルが引きつっている。
それでも連はニッコリ笑った。
「それならいいっすけど」

 ひらりと木の葉が一枚落ちた。
大翔は目を閉じ耳を押さえる。
「走輔、話は後だ」
「なんだと?てめ・・・」
大翔がウィングトリガーを手にした瞬間、走輔も表情を変えた。
「ガイアークか?」
「ああ」
ボンパーがあわただしくギンジロー号から叫んだ。
「ガイアーク反応だよ、ボンボン!」
595593-3:2008/09/23(火) 06:30:38 ID:6ifAHwSy

 蛍の生息する山村でのガイアーク反応だった。
ウィングスの上空からの探索により発見されたのは、オイルバンキの進化系、ジュウユバンキ。
地上の水質汚染を目論み、まず水源である上流の沼を重油に変えてしまおうとしていた。
「危険なのは水だけではないっす、重油を山中にまかれて火でもつけられたら!
それ以前に重油は揮発性が高いっす!」
連の叫びにゴーオンジャーは息を飲んだ。
「山火事だ・・・!」
さらに重油は粘着性が高い。
一撃のオイル噴出でゴーオンジャーの脚の動きを封じることが可能である。
「前に連が作ったモップ持参! 範人手伝え!」

 蛍の生息する沼を狙っているに違いないという軍平について早輝は走った。
蛍は美しい環境の象徴だからだ。
必死で軍平を追いながら、早輝は思い出していた。
船舶事故による重油の流出により、オイルにまみれ黒くなってしまった海鳥の姿を。
「だめぇええええーっ! 絶対に許さない!」
上空ではジェットラスが旋回していた。
「早輝、軍平! 気をつけて! 黒い球体が向かっているわ!」
「恐らくオイルボールっす!」
その球体を狙撃しようにも大爆発させてしまう恐れがあるため、できないのだと。
球体事体は早輝の身の丈よりも小さい。抱え込めばできない大きさでもなかった。
「軍平!私が止めるから、空中に向かって投げるから、撃って!」
「無謀だ、早輝!」
「それしか方法が思いつかない!」
山頂から転げ落ちてくるオイルボールに向かって早輝は走った。
クソッ!と舌を打ちながら、軍平はマンタンガンとカウルレーザーを構える。
早輝はかなりの速度で落ちてくるオイルボールを受け止めることはできなかった。
接触直前に発射したレーシングバレットがオイルボールの下部をすくいあげ、進路を空中へと変えた。
しかし、その勢いは弱まることはなく、早輝の身体は轢かれるかのように弾かれ空を舞ったのだ。
軍平の弾は外すことなく、上空でオイルボールを爆破させた。
「早輝、サキーッ!」
軍平が早輝を呼ぶ。
早輝からの応答はなかった。

 軍平と美羽から早輝が負傷している恐れがあると聞かされたゴーオンジャーはまず、早輝を探そうとした。
しかし、それを止めたのは大翔だった。
まず我々にはやることがあるはずだと。
走輔たちを落ち着かせ、戦いに向かわせたのは美羽の言葉だった。
「早輝は怪我をしているかもしれないけれど、無事よ。私にはわかる。だからアニにもわかっているはず」
冷静沈着な大翔の言い分は正しい、しかし。
蛮機獣を倒した後、真っ先に飛び出していったのは大翔だったのだ。
先を越された形になった走輔はあわてて後を追う。
「くそっ」
ロケットブースターで飛ばれては走輔も追いつけず、走輔は美羽に通信をした。
「早輝の居場所はわかるのか?」
「わかるわ。わたしもアニを追う」


 早輝が目を覚ましたのは山中の薮の中だった。
変身も解除され、動こうとすると体中が痛む。
とりわけ足が痛かった。
倒れたまま早輝はわずかに見える空を見た。
星空だった。
自分はどれくらい気を失っていたのか、ジュウユバンキはあれからどうなったのか。
瞼が重かった。
もう少し眠ってもいいだろうか。
596593-4:2008/09/23(火) 06:33:09 ID:6ifAHwSy
 森の中に降り立った大翔は、あたりを見上げ、激しく折れている木の枝を見つけた。
その先には早輝のスニーカーが在った。
駆け寄り膝をつき、早輝の姿を確認する。
意識こそ失っているものの、大した外傷はなさそうだ。
安堵の息をついた大翔は、早輝の足首に触れ眉をひそめた。
折れた木の枝がクッションになり致命的な衝撃は受けずにすんだものの、足から着地したらしい。
「折れていないといいが」
手を伸ばし擦り傷を負った頬に触れると、早輝が小さく唸った。
メットオフした大翔はやるせない表情で早輝を見つめる。
あのまま蛮機獣が発したオイルボールが山中ではじけたり里までたどり着いていたら、大惨事になっていたことだろう。
しかし、あまりにも捨て身すぎる。
早輝の目がうっすらと開いた。
「・・・みんなはぶじ・・・?」
「ああ」
「やっつけた?」
「ああ」
よかった、と早輝は弱々しく微笑んだ。
よくやったと大翔は呟き、早輝の前髪を撫ぜた。
「大翔さん、どうしてここに?」
「そんなことは考えなくていい。救助を呼ぶからもう少しやすめ」
「寒い・・・」
大翔は腕を伸ばし、そっと早輝の頭を抱き上げようとした。
寒いというなら地面に寝かせておくよりは体温で温めたほうがいい。
「大翔さん、離して、やだ」
「非常事態だ、我慢しろ」
「でも、でも」
弱々しい声で早輝は大翔の腕から逃れようと身をよじり、痛みに顔をしかめる。
「足が折れているかもしれない、手当てをさせてくれ。今、美羽も到着した、誓って何もしない」
「大翔さん、いやっ」
ふと、大翔は背後に殺気めいたものを感じ、首をひねった。
美羽が5メートルほど向こうから怒りの形相で突っ走ってきたのである。
そして、ジャーンプ!
「信頼していたのに、アニのバカーッ!今すぐ早輝から離れなさい!!」

早輝を抱えていたし、攻撃の主が美羽では受け止めるしかなかった。
「にーちゃんに手加減抜きの飛び蹴り食らわせて気絶させたわけっすか」
駆けつけたゴーオンジャーの面々は、地面に倒れたままの大翔に心から合掌した。
気持ち的には黙祷を捧げたいほどである。
「大翔だから気絶程度で済んでいるが、相手によっては即死だぞ」
軍平が説教するあいだ、美羽は倒れている大翔を抱きかかえごめんなさいと何度も繰り返した。
アニなら避けると思っていたらしい。
美羽の飛び蹴りを目の当たりにした早輝は、驚きのあまりしばらくは声も出ず、ひたすら大翔の身を案ずるばかりだった。
しばらくして大翔が目を覚ました。
半身を起こし軽く頭を何度か振り、口許を手の甲で押さえる。唇の端があざになっていた。
「ごめんなさい、アニ」
「いいんだ」
大翔が目を覚ましたことで気を取り直した美羽は、しばらく早輝を預からせて欲しいと言った。
なぜだと強い口調で詰め寄る走輔に、きっぱりと言い放つ。
「早輝は怪我をしているのよ。その世話を誰がするの。例えば着替えは?お風呂は?」
男どもは顔を見合わせた。
確かに早輝の世話をするとなると男ではなにかと不都合がある。
「あたし、大丈夫だよ。怪我なんて慣れっこだし」
「だめよ。走輔、早輝をウチに運んでくれる? 大切に看病するわ。約束する」
大きな愛らしい瞳に真摯に訴えられては、走輔も頷くしかなかった。
「オカンにも限界があるっすね」
寂しそうに呟いた連の肩を範人が優しく抱き慰める。
そんな二人を軍平が苦虫を潰したような顔で見ていた。
597593-5:2008/09/23(火) 06:38:20 ID:6ifAHwSy
早輝の足は折れるまでにはいたっていなかった。
美羽に髪を洗ってもらい、シャワーをすませ、顔の擦り傷によく聞くのだという軟膏を塗ってもらった。
早輝の世話を焼く美羽はどこか楽しそうだ。
「私のパジャマでよかったら着て。サイズは合うはずよ」
「ありがとう、美羽」
それから、早輝の髪を乾かし丁寧に梳かしながら、美羽は言った。
「妹がいたらこんな感じかな」
痛み止めを飲み、早輝はいつもと違う大きくてふかふかのベッドに横になった。
「何か欲しくなったら、呼んでね」
「うん」
美羽の優しさが嬉しくて、早輝は笑顔で頷いた。
美羽が立ち上がり部屋の灯りを消そうとしたとき、大翔のことを思い出した。
「美羽、大翔さんは?」
「アニなら自室にいるわ。本人は平気そうにしているけど、ダメージがきているみたい」
あのとび蹴りは見事だったものね・・・。
発端はというと、介抱してくれようとした大翔を嫌だ嫌だと早輝がジタバタしたことである。
「後で、謝りに行ってもいい?」
美羽はきょとんとしたものの、早輝のしゅんとした様子に小さな笑みを浮かべた。
「いいわ。でも、無理はしちゃだめよ?」
「うん、わかった」

大翔の部屋の前まで足をひょこひょこ引きずりながら歩いていった。
ドアの前で躊躇すること3分半、思い切ってノックをしたものの返事がない。
やはり寝室を訪ねるのはよくないだろうと、前向きに考えて早輝が回れ右をしたとき、短い返事がした。
「どうぞ」
どうぞと言われてしまったからには、入るしかあるまい。
そーっとドアの隙間から中を覗くと、大翔はベッドに横になりだるそうに目を閉じていた。
早輝はドアの隙間からそっと声をかけた。
「ごめんなさい大翔さん」
「・・・聞こえない。何?」
「ごめんなさ・・・」
声のボリュームを上げて繰り返そうとした早輝に、大翔は言った。
「大声は頭に響くからやめてくれ。できればこっちに来て話してくれないか」
早輝が怪我した足を庇いながらベッドに近づくと、大翔は腕を目の上にのせたまま黙っている。
唇の腫れたアザが痛々しい。
「ごめんね、大翔さん。わたしのために痛いことになっちゃって・・・」
「足はどうだ」
「足? 痛いけど歩けるから大丈夫」
大翔が半身を起こし、腕を突いた姿勢で早輝を見上げた。
「座ったらどうだ?」
早輝は首を横に振った。
「大丈夫」
「大丈夫ではなさそうだから言ってる」
「・・・大翔さん」
「ん?」
「この間みたいにしない?」
「この間?」
逆に問い返されて早輝の頬が赤くなった。
大翔はずいぶんとだるそうだし、自分も怪我をしている。
この間のようなことにはならないだろうとたかをくくって、早輝は言われるままベッドの端に腰を下ろした。
「避けられていたから、外野がにぎやかだった」
「避けていたわけじゃないよ、あのね」
「避けていただろ」
「・・・うん」
素直に頷く早輝。
大翔はくすりと笑ってから腕を伸ばし枕を取るとそこに肘を突きなおした。
598593-6:2008/09/23(火) 06:40:26 ID:6ifAHwSy
「早輝は学習しないな」
「え?」
大翔の手が早輝の髪を一房摘んだ。
さらさらの髪を手にする大翔に、ポルシェの中でされたキスを思い出す。
どきりとした早輝は身をひこうとしタガあっけなく大翔の腕に阻まれた。
倒れこむように大翔の腕の中に納まってしまった早輝は、とんとんと大翔の肩を叩いて抗議した。
「やだ、またからかうんでしょ。だから嫌なのっ」
逃げようとして床に足をつき、ずきりとした痛みのためにそれもできず。
なによりも困るのはこの腕が優しいこと。
優しいのにどきどきさせること。
もっとこうしていたいと思ってしまうこと。
早輝の想いなどよそに、大翔は頬を傾け、前髪の辺りやこめかみにキスをしてくる。
「や、大翔さん、だめだよ」
大翔は人差し指を口許にあてた。
「騒ぐと美羽が来る。そうしたら今度は・・・」
殺されるかもしれないな。
それを言われてしまうと、早輝は黙るしかなく。
頬を赤に染めて身を硬くするのみ。
大翔の指が髪をすいていく。
時折、耳に髪をかけて、その耳に口付ける。
「大翔さ・・・」
「嫌いか?」
囁きは言葉と裏腹に過ぎるほどに甘い。
「俺が嫌いなら、そう言えばいい」
大きな声を出して美羽を呼べばいい。
そんなことできないこと、わかっているくせに。
薄く涙の浮かんだ目で早輝は大翔の金色の髪を見る。
「嫌いだよ、大翔さんなんか、嫌いなんだから」
か細い声で早輝は言った。
その唇を優しく塞いで、大翔は早輝の肩をさらに引き寄せた。
「美羽は呼ばないのか?」
大翔の手が早輝の背を撫ぜる。
もう片方の手で髪の中に指をさしいれられると、身体が震えてしまいそうで。
心がどこかに行ってしまいそうで。
「ひろと・・・さ・・・はどうして」
わたしにこんなことするの?
言葉にできない疑問が絶えず早輝の頭をめぐる。
その間に身体は横たえられ、手首がシーツの上で押さえられるようにつかまれていた。
わずかに覆いかぶさった大翔の身体の重さが怖いのに愛しい。
大翔の前髪が頬に触れる、大翔の指が首筋をたどり、襟元で止まった。
いつの間にか目を閉じていた早輝は、あえぐようにいやいやと首を横に振った。
そんな早輝をなだめるようにまたキスを落として、大翔は襟元のボタンを外し、その次のボタンも外していく。
「だめ、ひろとさ・・・ん」
早輝のかすれた声は聞こえているはずなのに、聞き流されているようだ。
「もうあんなムチャはするな」
ぼうっとした頭で早輝はその意味を考えた。
はだけられた鎖骨の上で大翔の唇が囁いている。
「戦士でいるなら、強くなってくれ」
やがて大翔が息をつき、顔をあげ早輝を見下ろす。
指を伸ばして口元のアザに触れると、その手をつかまれ指先に口付けられる。
「頼む」
こんな切なそうな顔をするこの人を見たことがない。
コクリと頷くと大翔は一瞬唇を噛み、早輝の肩に顔をうめた。そして、強く抱きしめてきた。
ありえないことだが、彼が泣いているような気がして、大翔の頭をゆるく抱きその髪に指を差し入れる。
「まいったな」
「え?」
早輝の上で大翔が呟いた。
「あと30秒で美羽が来る」
「・・・美羽が・・・えええ?!」
599593-7:2008/09/23(火) 06:41:50 ID:6ifAHwSy
今までの夢気分は吹っ飛び、早輝は大翔の身体を押しのけようとしたが、何を考えているのか大翔はどこうとしない。
「大翔さんどいて、見つかったら」
恥ずかしいし、叱られるし、なにより大翔の命が危ない。
ゆらりと身体を起こした大翔は、ベッドからはみ出していた早輝の足を慎重に抱え、布団をかけた。
「大翔さん、わたしベッドから降りたいのになにしてんの?」
「間に合わないから、もぐってろ」
「え?」
「あと5秒」
ぐいと引き寄せられ、頭から布団をかけられた。
この状況は間男ならぬ間女?
いや、そんなの!
パジャマ越しに大翔の体温が伝わってくる。
心臓が破裂しそうだ、なんでこんな目にあわなきゃならないの。
「アニ、早輝は来なかった?」
「いや」
大翔の声のトーンは冷静そのもの。
手を動かさないようにしながら、早輝の背を指先でとんとんとなだめてくれているというのに、この冷静さと来たら。
「アニの心が動いてる」
大翔の指が止まった。
「早輝のせい?」
問い詰める風ではなく、美羽の声はあくまでも優しい。
「なにが言いたいんだ、美羽?」
「自分が一番わかっているでしょう?」
「わからないな。それより、自分のことはどうなんだ?」
「わたしのこと?」
「お互いに今までかけがえのない者として生きてきた。その想いはこれからも変わらない。少なくとも俺はそうだ」
「アニ・・・」
「お前が選んだ人間ならそれでいい。お前の目を信じているから。だが、もしも悲しみがやってきたとしても俺がいることを忘れるな」
早輝は大翔のパジャマを掴んだ。
大翔は冷たい人なんかじゃない。
温かくて熱い人だ。
大翔の声が響くたび、ひどく心地よくて。
早輝はそっと息をついた。
目を閉じてその響きに気持ちを預けることにする。


ひろとさん、大好き。
600593-8:2008/09/23(火) 06:45:00 ID:6ifAHwSy

 大翔がなんともいえない表情で額を押さえた。
それを見て、美羽がくすくす笑い出した。
「早輝、ねちゃったみたいね?」
大翔は頷いた。
布団をめくり、自分にしがみついている早輝の頭を呆れたように見下ろす。
「ずっと前は私がそうしてアニと眠っていたのよね」
「今でも俺は一向に構わないが」
美羽は頬を染めて、大翔を殴る真似をした。
「アニ、ふざけすぎ」
大翔としては本気だったのだが、妹は本気にしてくれなかった。
それはそれで寂しいものだ。
「早輝のこと好きならどうして言葉にしてあげないの?」
口許に笑みを浮かべ、大翔は返事を濁す。
わからないのだから答えようがない。
「今回は見逃してあげるけど、あくまでも紳士でいてね、アニ? 早輝はまだ子どもなんだから」
「善処する」
美羽が肩をすくめて部屋を出て行った。
ドアの閉まる音を聞いてから、大翔は無邪気すぎる少女の頭を撫ぜ、その柔らかそうな頬に触れた。
額にキスをしてそして、改めて抱きしめた。
早輝がちいさく唸ったので、大翔は微笑む。

目を覚ましたとき、どんな顔をするのか楽しみだ。
601571:2008/09/23(火) 06:47:12 ID:6ifAHwSy
お目汚し失礼いたしました。
早々にトンズラさせていただきます。
602名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 10:02:20 ID:6rzXmDMw
>>601=571
今回もウルトラGJ!
やはり、あなたはネ申だった!
金銀的にも美味しいし、キャラが生き生きしているのが凄く良い!
次回も楽しみに待ってます!
603名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 11:38:51 ID:HVkxNg/I
金黄GJ!!
ただひたすら楽しく読ませて頂きました!
604名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 13:34:30 ID:G4mZO95K
気絶兄萌え☆
605名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 16:35:22 ID:5VTyQa2M
禿 萌 え た。
超GJ!
606名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 19:22:36 ID:mNGNhtPq
GJ!金黄萌える
607名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 19:32:14 ID:jNCxBY23
金黄で金銀で赤銀で銀黄とは美味しすぎる・・・・GJ!!!
608名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 22:11:25 ID:OeO0szMX
赤黄もちょっとあったぞw
青のオカンぶりもこれまたほろりとくる。
609wedaet:2008/09/24(水) 09:43:58 ID:zarCEsgb
赤黄銀とは‥ 三角関係の?
610名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 20:19:14 ID:gg/Ad307
GJです!!
またまたいいものを読ませていただきました。
611名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 20:51:52 ID:EXMi/rx2
G3プリンセスに
また会いたいと言ってたグリーンはケガちゃん狙いだと
俺は勝手に思ったんだけど…合ってる?
612名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 22:15:40 ID:9XXIbK5D
最初は轟音はみんなでキャッキャしてればいいって感じだったけど、
金銀加入で、ここまで量産されるとは思わなかったのでうれしい。
613名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 22:34:48 ID:NiRWekNK
>>612
同意
アダルト組投入でバリエーションが広がってうれしい
614名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 19:40:48 ID:hKx/T1bP
銀が赤の子を妊ってしまう話とか見たいな

そして子供は母似の女の子で
615名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 09:36:30 ID:1+u4GTyT
むしろ金の(ry
616546:2008/09/28(日) 23:30:18 ID:5YCOgAXJ
金黄すごいです!!
自分の中でなしだった金×黄がありになっちゃいました。
あまりの素晴らしさに自分の拙さが恥ずかしくなりました。
読み手オンリーに戻ります。
ぜひ、もっともっといろいろ読ませてほしいっす。
617名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 06:19:29 ID:KtI4iasy
ゴーオンで盛り上がっている所を失礼致します。
もうあらゆる意味で申し訳ございませんがひとつエロを投下しようかと。ぬるくてすみません。
以前もゲキを投下したのですが今回もゲキ青黄投下します。
ただし偽青(シユウ)を含めた3Pです。
でも無理矢理じゃなくて合意なのでこちらに投下します。
タイトルは『語る事ができない愛し方』。駄目な方はNGワード設定でお願い致します。
618語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:20:36 ID:KtI4iasy
「今日は散々だったね。」
シユウを倒したその日の夜。
ランは僕の部屋にあるベッドに腰掛けて苦く笑った。
「全くだよ。」
僕はふてくされつつその隣に据わる。
兄さんが何とかしてくれたものの、
そうでなかったらどうなっていたか。
それを考えるとぞっとする。
もしもあのまま鏡の中に閉じこめられていたら
僕はこんな風に今ランと一緒にいる事はできないわけで。
小さく溜息。
顔を上げれば机の上に鏡が視線に飛び込んできた。
身だしなみを整えたり、時には自分の体の一部などをスケッチするときに使っている鏡だ。
不機嫌な顔の僕が映っている。
何だか凄く見たくなくてそれを伏せようと立ちあがった時だった。

鏡の中の僕が、不敵に笑う。
明らかに僕の表情じゃない。
凍り付いて動けない。
「・・・レツ、どうしたの?」
僕の不自然な動きにランは不思議顔。
視線の先をたどりそして。

「何で・・・?」
掠れる声。

「何でって、そんな言い方ないんじゃないか?」

僕の声。
だけど僕はそんな事一言も言っていない。

もうひとつの存在。

もう一人の僕が、鏡の中から出てくる。
あの余裕綽々な表情で。

悪夢だってきっとここまで酷くない。
619語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:21:43 ID:KtI4iasy
僕とランはとっさにファイティングポーズ。
「ちょっと待った。そう興奮するなって。
闘いにきたわけじゃないんだ。
その証拠に鏡の中の世界に引きずり込んでいないだろ?」
まぁまぁ、なんて宥められたって信じられるもんか。
こいつはもう一人の僕だけど僕じゃなくて。
「落ち着けって。
俺はランに用事があるだけさ。
それさえ済めば無事にあの世におねんねするって。」
もう一人の僕の言葉に僕はますます警戒心を強めた。
ランもファイティングポーズを崩さない。
「私に、用って?」
ランにも身に覚えがないみたいだ。
「とりあえず、だ。今の俺の実体は幻獣拳の我が幻技のひとつで
魂を形どる技の一つ。
お前達に倒される直前に使ったんだ。
だから肉体は滅びたけどこうやって鏡という媒介を使い、
実体化できる。
それを解除する方法は俺の魂をあの世に送ればいい。
だが俺には心残りがある。
それを成し遂げないと俺は何があってもあの世には行けない。」
「随分都合のいい話すぎるんじゃないか?」
僕は口を挟む。
じりじりと間合いを取った。
絶対こいつには負けない。
「わかったわかった。もうひとりの俺はちょっと黙ってろって。」
もう一人の僕はうざったそうに僕を制する。
そして改めてランに微笑んだ。
「もう、解ってるだろ?俺の心残り。」
620語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:24:02 ID:KtI4iasy
「・・・。」
ランが黙りこくる。
どうしたんだ、ラン?
そんなランを愉快そうに見つめて。
「君は正直だろ?
俺の事格好いいって思ったのは嘘じゃないと思うけど?」
僕と同じ顔の、だけど微妙に違う男がランに問う。
ランは顔を真っ赤にして、だけど。
「だっ、だってあの時は貴方がレツだと思っていたから!!」
・・・否定、しないんだ。
いや、そういうランだから僕は好きになったんだけど、
でもこの状況だったら嘘でもいいから否定してくれないかな?
どよーんと僕の心は深い谷底に。
そんな僕を置き去りにふたりは勝手に話を進めていた。
「だから俺と『後で』っていう約束は守るべきなんじゃないか?」
「そりゃ、言ったけど、でも私は・・・。」
「ちょっと待って!」
僕は慌ててふたりの間に割って入る。
「冗談じゃないよ、いったいいつそんな約束を!?
っていうか『後で』って何?!」
言ってしまってから僕ははっとした。
真っ赤だったランの顔が急に真っ青になって、俯いて。
きゅっと白い拳が闘いとは違う意味できつく握られる。
そんな彼女にもう一人の僕はさりげなく手を伸ばした。
やけに優しく頬を撫でる。
「そうか、あの時鏡がなかったからもう一人の俺は知らないんだ。」
楽しそうに笑う顔が憎たらしい。
一方のランは小刻みに震えていた。
もう、聞くつもりなんてない、聞きたくない。
何も言わなくてもいい、と僕が言葉を紡ぐ前に
もう一人の僕は口を開く。
「恋人同士のボディコミュニケーション、でいいかな?」
621語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:24:47 ID:KtI4iasy
昼間のスクラッチ。
何も言葉を発さないもう一人の僕は
ランを誰もいない機材室に連れ込んで彼女を抱き締めたんだそうだ。
「もう、レツ、いきなり何よ?」
戸惑う彼女に、もう一人の僕は口づける。
唇を貪りながら彼女の舌を自分の舌で引き寄せて
吸っては舐めてを繰り返す。
軽く拒絶する彼女を宥めながら長い指はジャケットのファスナーを降ろし
Tシャツの裾から彼女の肌をつたう。
肌に優しいコットン素材のスポーツウーマン向き下着の
ゴム部分をかいくぐって彼女の胸の先端を軽く叩く。
「ゃっっ、レツ、駄目、ここでこんな事・・・っ!」
何とか熱い口づけから逃れランは首を振ったんだ。
でももうひとりの僕はランの言葉に対して全く真逆の事を。
散々に柔らかな胸を触り倒し先端を指で弄り倒した後
片方の手をランのスカートの中に。
ダメダメと繰り返す彼女に口づけながら
下着の中にまで指を入れて。
濡れてしまった彼女の芯とその周辺を指の腹で擦った。
「ぁ・・・は・・・んんっっ・・・っっ!」
いつ誰が来るかもわからない社内。
ランの心の緊張は体の神経と本能の隅々まで行き渡り・・・。
ようするに、かなり感じていたらしい。
もうひとりの僕にしがみついて服を着たまま声だけはもらさないように
それでいて体を揺らして指に翻弄されながらきゅうって。
だけど、ほんの少しの理性は残していたらしい。
「後でなら、いいから・・・。」
その言葉にもう一人の僕はにっこり微笑み
ランの愛蜜に濡れた自分の小指をランの小指に絡めたという。
約束、として。
622語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:25:32 ID:KtI4iasy
「というわけさ。」
にこにこしながらもうひとりの僕が言う。
やっぱり聞くんじゃなかった、と思う僕だけど
落ち込んだ顔なんて見せていられない。
「大丈夫、僕はこんな事でランを嫌いになったりしない!
ランは悪い事してないんだから!」
僕がした事だと思って感じてくれたんだ。
僕がした事だから、社内でそんなセクハラまがい・・・ていうか
もうそれ以上だったりするんだけど、許してくれたんだ。
僕だから、後で、なんてお強請り・・・。
あぁ、今更思い出した。
僕ランにそんな風に言われた事ないや。
思いっきり凹んでしまう。
でもそんな僕の態度や言葉をもう一人の僕は都合良く解釈する。
「嫌いにならないってさ。ほら、オッケーも出た事だし。
まぁしないならしないでもいいけど。
その代わり俺はずっと鏡の中から君を覗くし、
こうやってもう一人の俺と一緒にいる時は
鏡の中から出てくるぜ。」
それって強迫ていう奴だ。
僕は僕に向かってテンテン弾を繰り出す構えを見せる。
その時。
623語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:26:18 ID:KtI4iasy
「いいよ、しよ。」
ランはそう言うと潔く服を脱ぎ始めた。
あぁきっと彼女は約束を守るつもりなんだ。
それが彼女がオネストハートであるがゆえの清さで、
さすがラン・・・って言ってる場合じゃない!
「駄目だよラン!僕は嫌だ!!
いくら僕とでも僕以外の人とランがするなんて
ってあれは僕じゃなくてシユウなんだし、とにかく、
騙されていたんだからそんな約束最初からないのと一緒だよ!」
必死に説得する僕は常識人のはずだ。
「別にもう一人の俺を邪魔者にしようなんて思ってないさ。
一緒に楽しめばいいだろ?」
・・・そしてもう一人の僕は絶対非常識。
かなりイカれてる、どうかしてる。
「ランだって一緒がいいよな?
好きな人とするのは普通の事だろ?」
「・・・うん。」
ってラン、そこで頷かないで欲しい!!
ここ、そういう状況じゃないから!
と言いたいけれど潤んだ瞳が無言で僕に訴えてくる。
一緒にしよって。
そりゃわかるよ。
いくら僕とはいえもう一人の僕は僕じゃなくて
もし僕が今怒りにまかせてこの部屋を出て行けば
もうひとりの僕に何されるかわからないし、
だからそばにいてほしいって気持ちも理解できる。
きっと不安なんだろうけど、でも。

でも、好きなんだろ?
もうひとりの僕の事も。
そして僕の事も。

「いいさ今夜限りなら。」

ここで腹をくくってしまった僕は相当馬鹿だ。
僕は僕に嫉妬して最悪の状況を受け入れてしまった。
もう一人の僕と一緒に鮮やかに服を投げ捨てる。
624語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 06:26:55 ID:KtI4iasy
「へぇ、もう一人の俺もちゃんとやる気じゃんか。」
からかうような声。
人の物をじろじろ見るなんて最低だ。
というか萎えるよりか勃った方がプライドとしては成り立つから
ほっとしている僕ってどうなんだ?
いや、この場合やる気がないほうが理性として正しいのかもしれないけど
でもだからって勢いで裸になりつつも
やっぱり恥ずかしくってシーツにくるまり
僕たち二人の様子をおずおずと伺っているランの仕草は愛おしくて
その気になっても仕方がないと思うんだ。
「ラン、怖がらなくてもいいよ。僕がついてるから。」
頬に手を添えて小さく口づけたら可愛い頷きが返ってきた。
「そう、ちゃんと優しくするから。」
もう一人の僕も僕と同じ事をする。
見えない火花。

どっちが上手なんて聞くだけ野暮だ。
だってどちらも僕なのだから。

裸のランに僕たちは同時に貪りついた。
ランの体に二人分の僕の唾液が絡みつく。
指があちこちをなぞる。
手のひらが撫で回す。
625語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:44:09 ID:KtI4iasy
「楽しませてくれよ、ラン♪」
もうひとりの僕が美羽の胸にしゃぶりついた。
「!!」
ランは首を振りもがきながら声にならない声を。
「乳首固くなってるって。」
もうひとりの僕はそういうと胸の先端を指で捻る。
柔らかい肌に刺されたような小さな痛みを走らせて。
嫉妬に狂う僕と一緒に二人がかりでランの白い肌に
赤紫の華を刻んでいく。
「ゃっっ、レツ、レツ・・・っっ!」
二つの唇が胸の先端をそれぞれに含む。
片方は吸われ、舌で弄ばれる。
片方は唇で何度も捻っては時々軽く歯を立ててくる。
どっちがどっちかなんてどうでもいい。
・・・とは思って欲しくない。
僕のコピーだからって諦めることができるほど
僕は冷静でいられない。
独り占めしたいんだ。
626語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:45:02 ID:KtI4iasy
せめて焦っている所は知られたくなくて。
ランが怯えないようにぎゅっと手を握った。
空いている手はそろそろと下に。
気がつけば同じタイミングでもうひとりの僕も手を滑らせていた。
身悶える彼女を宥めて足を開かせて。
しとしとと控えめに、それでいてぐっしょりとなっている場所に
指をそっと押し当てる。
ちっちゃく尖った部分とくりくりと擦り合わせてこりこりさせて。
もうひとりの僕はと言えば柔らかで暖かいうねりの中に
中指を差し込んで前後に動かしていた。
「ゃっっ、ぁんん・・・っっっ!」
ランの腰が浮く。
それに合わせて僕たちの指も動く。
頭の中も、僕たちの指もぐちゃぐちゃになりそうで
興奮しすぎて狂いそうで。

でもそんな状況で冷たい水のような言葉。

「ラン、もう挿入れてもいいよね?」

もうひとりの僕の一言。

しかも僕の口調で。
627語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:45:57 ID:KtI4iasy
こいつ。

ふざけるな、って言いかける僕。
それを言わなかったのはランが僕にしがみついてきたから。

「駄目、それだけは!絶対に本当のレツだけなの!」

ちゃんとランは、どっちが僕なのかわかってくれている。
僕の胸でうずくまる僕の大切なラン。

僕はランを腕の中にかばうともうひとりの僕を睨みつけた。
「だってさ。もう十分だろ?
ランの体を散々いじりまわしたんだ。
もう成仏しなよ。」
「やれやれ。」
もう一人の僕は大きな溜息。
それを聞いてランはおそるおそる顔を上げた。
もうひとりの僕は参ったな、なんて顔をしつつ。

「いいよ、それじゃぁそっちは我慢するさ。
でも、こっちはもらっていいだろ?」
やれやれといった様子のもう一人の僕がランの唇をなぞった。
628語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:46:40 ID:KtI4iasy
それってまさか。
ランも自分が何を要求されたか理解したらしい。
躊躇う、迷う、困る。
様々な動詞のそれらは僕が願う方向にはなってくれない。
「ホントに、口だけでいい?」
「もちろん。」
「・・・わかった。」
僕から離れて。
ランがもう一人の僕の、硬く立ちあがった一本に口づけた。

悔しさがこみ上げる。
僕はランにあんな事させた事がない。
真面目で恥ずかしがり屋の彼女にあんな事してもらうなんて、
想像の中でしかないのに、
もう一人の僕は無理矢理こじつけた約束を盾に、
そして何よりも一番大切な部分を守るなんて言って
ランの初めての奉仕を簡単に手に入れた。
「へぇ、結構上手いんだな。大胆だし。最初から結構クル。」
もうひとりの僕がランの髪を梳く。
ふざけるな。
馬鹿な事言うな
上手いんじゃない。
どうしたらいいのかわからないだけだ。
舐める前に口に入れてしまっただけだ。
素直すぎて加減を知らないんだ。
そんな事も知らないくせに、ランを淫乱だと決めつけるような目をするな。
僕のランは、僕の、ランは・・・。
629語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:47:20 ID:KtI4iasy
僕のランは今、ベッドに肘をつきお尻だけ持ち上げた格好で
僕とは違う僕の一本をくわえこんで首を前後に動かしている。
自分の意思で。
そして僕はそれを止めることができない。
彼女が四つん這いになっているのを後ろから眺めるだけ。
僕の目の前には完熟の無花果。
きれいに盛り上がった柔らかく甘くて真っ白な肌の中心で
潤んだ紅が瑞々しい蜜を溢れさせている。
小さな種は硬く尖って剥きだしになって、僕は思わず唾を飲み込んだ。
「俺ばっかり気持ちいいのは悪いから
そっちでふたりとも気持ちよくなれば?」
まるで僕の欲情を見透かしたように
もう一人の僕が意地悪く言葉を紡いだ。
「言われなくてもそうするよ。」
そうさ。
僕はそうする。
「ラン、大丈夫だから。」
僕は四つん這いのランの上に覆い被さり彼女に囁いた。
もう一人の僕の一本をくわえたランが小さく頷く。
その仕草が僕を駆り立てた。
630語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:47:52 ID:KtI4iasy
絶対に譲れない。
ランの中に僕の一本を。
とたんにぎゅっと締め付けられた。
ぬるぬるとして滑り心地良くていくらでも奥に吸い込まれていくのに
その締め付けと、時々襲ってくる小刻みなうねりが
僕の動きを固めてしまう。
そう、ちょっとでも擦ったら不覚をとってしまいそうなほど気持ちよくて。
僕の一本がどんどん硬く強張っていく。
血管がちぎれそうだ。
ぎゅっと目を閉じて放出を堪えた。
絶対にもう一人の僕より先にはイかない。
だけど止まる事もできなくて。
「ランっっ・・・!!」
僕はいつのまにか夢中になってる。
僕が動けば動くほどランの中は熱く滑って僕の一本を包む。
ぎゅぎゅっと締め付けて擦れるたびに暴発しそうだ。
もうひとりの僕も時々目を閉じて掠れる声を時々零していた。
ランも。
ランもいつもより数倍増しに華やかに鮮やかにそして。

「「綺麗だ。」」

僕ともうひとりの僕は同時に同じ言葉を呟いた。
631語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:48:28 ID:KtI4iasy
僕たち二人に責められて時々喘ぎながらも全てを濡らしていくランは
今まで見た中で一番美しい。

もしかしたらもう一人の僕はシユウの残像なんかじゃなくて
僕の願望なのかもしれない。
僕はきっと思っていた。
ランがこうやって僕に責められている所を見たいって。
こんな風に一度してみたいって。
だって僕はもうひとりの僕とも繋がっている気持ち。
全てが混ざって、熱くなって。

ふたりの僕を受け入れるラン。
頭の中が混濁する。

不意に訪れるバイブレーション。
ランが大きくのけぞるともう限界で。

「「「っっっっ!!!」」」

多分僕たち3人は一緒に果てた。
ランが僕たちの一本をくわえたその場所から
白い液体がシーツを濡らす。

弾む息を整えたら、もうひとりの僕が笑った。

「サンキュ、ラン、そしてもう一人の俺。」

空気の中、消えていく。
632語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:49:54 ID:KtI4iasy
気がつけば鏡の中に呆然としている僕とランが映っていた。

だけど、何か別次元の体験のようで。
僕は自分とランに慌てて毛布を被せた。
彼女をぎゅっと抱き締めて無理矢理目を閉じる。
今のが夢であったらと願いながら。

そう。

朝になれば、ベッドの上には僕とランしかいなかった。
そう、ふたりだけの朝。
慌てて鏡を見たけれどそこにいるのは髪がくしゃくしゃになった
泣きそうな顔の僕であって
余裕の表情の僕じゃない。
あれは夢なんだ。
夢なのだと思いたい。

そうだよね、ラン。

「レツ・・・。」
「おはよう、ラン。」

目を覚ましたランに僕は口づけた。
633語る事ができない愛し方(ゲキ青黄):2008/09/29(月) 07:50:53 ID:KtI4iasy
以上です。それではファンタスティックに根性で逃げます。本当に失礼致しました。
634名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 00:46:46 ID:V0BRX3iT
ナイスファンタスティック。
こういう変化球も大好きだし、レツの心情が絶妙にリアルで、ツボりました。
635名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 08:51:25 ID:8TQb9CYQ
青黄は激萌えでGJなんだが
>>625の「美羽」で萎えた…
636名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 12:21:54 ID:G+BmueGd
GJ!
637名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 22:24:38 ID:NiViDXOb
流れ読まずにすまん。
BFJの青×初代桃が好き。普段は一緒におちゃらけているけど、
決める時は決めるコンビなところがいい。 
638571:2008/10/04(土) 03:58:42 ID:PGik6ab6
またまたエロがありませんので申し訳ないのですが、
懲りもせず、投下させていただきます。

お暇つぶしになれば幸いです。
639639-1:2008/10/04(土) 04:03:50 ID:PGik6ab6

なにげない日常の出来事だった。
はたからみれば何気ないなんてありえないのだが。

ゴーオンジャーの面々はことあれぱ、オカンだのみに走る。
そろいもそろって夏休みがとりたいとダダをこねたこともあったし、腹が減ったとなれば連くんごはん!! である。
この頃は当人もオカンを自称するようになり、わけのわからない話になっている。
家族といえば家族のようだが、所詮赤の他人のよせ集まり。
妹と暮らしている大翔からすれば、家族ゴッコにすぎなかった。


「ゴローダーGTの性能向上について大翔の意見を聞きたいっす」
そんなことで呼びつけられ、ギンジロー号のデスクでボンパーの動きを目で追いつつ腕組みをしていると、早輝が洗濯物かごを抱えて入ってきた。
「連、干し終わったよ!お天気がいいからきっとよく乾くね!」
明るい声に大翔の目がわずかに和む。
早輝も大翔がいることに驚いたようで、一瞬眼を見開いたが、満開のスマイルになった。
「大翔さん」
連がパソコンの画面から目を離さずに、
「早輝、お手伝いしてくれたご褒美があるっすよ。冷蔵庫みてみるっす」
わーい、と早輝はキッチンに行き、きゃあ、と愛らしい悲鳴をあげた。
「プリンだ! 1つしかないけどあたしが食べていいの?」
「いいっすよ。 そのかわり,みんなには内緒っすよ。わかったっすか?」
うんうんうん、と可愛らしく頷いた早輝は右手にプリン、左手にスプーンを持って連の傍らにやってきた。
相変わらず真剣にパソコンと向き合う連のそばで頬を傾け、
「ありがと連」
連の頬にキスしたのである。
早輝はそのまま、るんるんと離れていってしまったし、連は連で動じる気配もない。
しかし、それを目の当たりにした大翔はぽかんとしてしまっていた。
表向きの顔はいつものようにクールそのものだったが。
640639-2:2008/10/04(土) 04:04:55 ID:PGik6ab6

 作業が一段落した頃、大翔は連に尋ねた。
早輝はいつもああなのかと。
「ああって?」
連は大翔の質問の意味を反芻するように呟き、ああ、と手を叩いた。
「いつもってわけじゃないっすけど、時々感謝の印みたいにしてくれるっす」
「感謝」
「そうっす」
連もあっさりとしているので、本気でコミニュケーションの1つくらいにしか思っていないらしい。
「他の連中にも?」
「たぶん、俺だけっすね。なんてったって俺、オカンっすから」
飄々と答える連に大翔は何も言えず、腕を組みなおすしかなかった。


「なぁ美羽」
美羽の作ってくれた食事にナイフとフォークをのせ、大翔は言った。
「俺に感謝のキスできるか?」
美羽はキョトンとして大翔を見つめ、ナプキンで口許を拭くと、そっと立ち上がり大翔の頬にキスをした。
「こんな感じ? アニ。いつもしてるじゃない」
されてみればなんのことはない。
美羽だってこうしてキスしてくれている。
家族同様に暮らしている早輝と連とて、親愛の印くらいなものだろう。
しかし、
「ヤツらは他人・・・」
「どうしたのアニ、さっきから変よ?」
大翔は視線をさまよわせ口許を引き締めた。
「なんでもない」
641639-3:2008/10/04(土) 04:06:48 ID:PGik6ab6
 翌日は走輔が押しかけてきた。
てっきり美羽のところにでも行くのかと思い、そ知らぬふりでサンドバッグを殴っていると、
新しいフォーメーション考えようぜ!だのと大翔の周りでやかましいことこの上ない。
「美羽はどうした」
「さっきギンジロー号に来てたぜ」
「それじゃなんでお前がここにいる」
走輔はえっへんと胸を張った。
「俺は大翔に用があるって言ってんだろ」
「無意味に威張り散らすな、用はなんだ」
「相手してもらおうと思ってさ」
走輔は右手で拳を作り、大翔の前にかざした。
ふうん、と大翔は頷きながら薄く笑った。
「相手をすればいいんだな」
「おう」
「よし、相手になってやる」

公明正大に走輔を殴っていいとなれば、手加減などするものか。
早速腰を落として身構え、瞬時に走輔のボディに一発入れてやった。
走輔が腹を押さえてうずくまる。
歯を食いしばりながら、いきなりはきたねーぞと声を搾り出した。
大翔がグローブで手招き挑発すると、走輔はやおら立ち上がり、殴りかかってきた。
その動きと拳をかわしながら、隙をついてボディにまた一発。
今度は倒れなかった走輔だが、勢いがない。
「どうした?」
「うるせー!」
言うなり突進してきた。
がっつり腰からタックルされ 走輔もろとも芝生の上に倒れこむ。
とっさに受身をとっていた大翔は下敷きになりつつもダメージを受けることもなくすんなりと半身を起こし、走輔の頭を何度か叩いた。
「ボクシングでタックルかますバカがいるか」
「くっそー、イレギュラーマッチなら負けねーのに」
「俺の上からとっととどけ」
うーっと隣ながら走輔が横にごろんと転がった。
大翔は服についた芝を払いながら立ち上がる。
そして、走輔を改めて見下ろして言ったのだった。
「何をしにきたんだ、お前は」
642639-4:2008/10/04(土) 04:08:01 ID:PGik6ab6

身体を起こし、膝に腕をついた姿勢で走輔は大翔を見上げてきた。
「強くなんなきゃと思ってよ」
「それならまず、そこの砂浜を10キロ走りこんでくるんだな」
「アニ、ただいま」
美羽の声が響いた。
ご帰宅らしい。
「走輔、こっちにいたの」
「お・・・う」
走輔はなぜか美羽のほうを見ようしない。
美羽はそんな走輔に対しバツが悪そうに両手を合わせた。
「さっきは、ごめんなさい」
あやまられてますます走輔は美羽から顔をそらす。
大翔は腕を組み、傍観体勢になる。
「おじゃましまーす、美羽、走輔いた?」
振り返ると早輝が小走りに向かってきて、大翔を見つけて嬉しそうににっこりした。
「大翔さん、おじゃまします」
「ああ・・・」
しかし早輝は大翔の前を素通りして、走輔の前で立ち止まる。
そっぽを向いたままの走輔の腕をひっぱり、立ち上がらせようとする。
「走輔、なにやってんの、スマイルが足りないよ、ほらほらっ」
「なにって、何でもねーよ」
「美羽に投げ飛ばされちゃったぐらいで拗ねたらだめでしょ」
そんなことをしたのかと大翔が美羽を見ると、美羽はさらにバツが悪そうに頬を染めた。
「ちょっとした修練のつもりだったんだけど」
「ま、簡単に投げ飛ばされるほうに問題があるな」
「でしょう、アニもそう思うでしょ」
「女だと思って手加減してやったんだ」
ひっぱられても立ち上がる気配のない走輔。
早輝は手を放し柴に座り込む走輔の背中に回り、おんぶするように首に腕をまわしぺったりと張り付いた。
大翔と美羽の目が一瞬見開かれた。
「走輔〜、拗ねてるとカッコ悪いよ」
「早輝ちゃんは黙んなさい」
「だって、走輔のカッコ悪いとこみたくないんだもん。走輔はいつもマッハ全開でカッコよくなきゃ」
言われて走輔はまんざらでもなさそうな顔になる。
「そ、それはそうかもしれねーけどさ」
機嫌の直ったらしい走輔は笑顔で早輝に尋ねる。
「俺、カッコいいか?」
うんうんうんうん、と早輝は頷き、走輔から離れようとしたが、突然伸びてきた走輔の腕に頭を抱え込まれた。
「ヘッドロックかけないでっ、走輔ってばっ」
もがく早輝の頭をいよいよ抱え込んで、走輔はぎゅっと早輝を抱きしめる格好に。
「いいか、早輝は凶暴女になるんじゃねーぞ」
「誰が凶暴女よ!」
「苦しいよ走輔〜」
走輔の胸をぽかぽか叩く早輝の抵抗などものともせず、走輔はわははははと能天気に高笑いするのであった。
その様子を眺めながら、美羽が感心したように呟いた。
「兄の種類によっては妹も大変ね」
「・・・」
「私はアニが兄でよかったわ」
「それは光栄だな」
美羽には優しい声で答えたものの、大翔は思う。
コイツラ、他人だろ、と。
643639-5:2008/10/04(土) 04:10:15 ID:PGik6ab6

 レディに向かって凶暴女呼ばわりするならば、正々堂々勝利して御覧なさいよと美羽に言われ、単純な走輔は、美羽と海辺をランニングしている。
なぜそうなるのかよくわからないが、とにかく解放された早輝は疲労困憊もよいところで、テーブルに突っ伏して泣き言をぼやいていた。
「走輔のばかぢから」
大翔は組んでいた腕を解き、テーブルに歩み寄った。
「スマイルはどうした?」
からかう大翔の声にむっとした顔をあげると、早輝は乱れた髪をそのままに唇を尖らせた。
「大翔さんにはわかんないのよ、走輔のばかぢからにも負けないくらい強いから」
「確かに」
「走輔はねー、ううん、うちのみんなは私のことを女の子扱いしてなさすぎる!」
バン!と勢いよくテーブルを叩く早輝。
「走輔はいつもあんなだし、パンツ姿で私の前平気で歩くしっ、軍平は範人の女装はめっちゃ誉めたのに私がおしゃれしてもノーコメントだし、
範人なんかこの間おふろに間違えて入ってきたんだよ。なのに全然平気でね、ごめんごめんとかいってそれだけなんだよっ。
見たくないものまで見ちゃったよっ」
野郎ばかりのキャンピングカーに一人で生活している女の子という立場にすべての問題があるのではないだろうか。
「・・・連は?」
早輝が首をかしげた。
「連?」
「ああ」
「連はね、一応、女の子扱いしてくれてるけど、オカンだから」
不覚にもなんといえば良いのかわからず、大翔は口許を押さえた。
おまえらどっちもどっちだと、言ってしまえばそれでよいのかもしれないが。


走輔大暴れ、至急迎えに来られたし。
そんな通信を受けた連はギンジロー号を走らせてきたわけだが、来てみれば走輔は真面目にロードワーク中であった。
「そんなに暇じゃないっすよ、オカンは」
連にしては珍しく眉間に皺をよせ、文句をたれている。
「軍平と範人は?」
「範人はアルバイト。軍平はガンバードのお散歩中っす」
「ああ、あれも犬か」
大翔のつぶやきに連は首を横に振った。
「そんな言い方はないっす。ところで、ゴロちゃんのパワーアップに反比例して瞬発力が落ちる件なんすけど」
「ゴロちゃん?」
 大翔が連に問うたというのに、どこまで耳がいいのか、早輝がキッチンから返事をしてきた。
「ゴーローダーGTだからゴロちゃん」
美羽が短いため息をついていたような気がするが、気にしない早輝はキッチンから出てきて連にまとわりついた。
「連、大翔さんちのキッチンすごいよ」
「知ってるっす」
連が優しく答える様子は、大翔のそれを思わせた。
このところ恒例の胸騒ぎが大翔に起きる。
そんな大翔の胸騒ぎを美羽は感じ取ったのか、大翔の脇腹を指でつついた。
何事だと身をよじらせる大翔に、美羽は言った。
「ヤキモチ? アニ」
大翔はぽかんとした。
首をひねりゆっくりと美羽を見る。
「誰が誰にだ?」
美羽は肩をすくめ、大翔の背中をもう一度指でつついた。
「アニが誰かにやきもち焼いているのよ」
大翔は笑った。
「ありえない」
644639-6:2008/10/04(土) 04:13:02 ID:PGik6ab6
「みんないっぱい食べてね!」
腕によりをかけたのよ、と美羽は胸を張る。
なぜこういうことになったのか、須塔家で全員集合の夕食会となった。
ワイワイと盛り上がる様子を遠目から眺めて、大翔は手にしていたグラスに口をつけた。
「なんでこんなむさ苦しい連中と」
大翔のボヤキを聞きつけた早輝は愛らしく大翔を見上げ、
「あたしもむさくるしい?」
イヤ、と大翔は苦笑する。
早輝の場合、愛くるしいと言ったほうが正しい。
「珍しいね、大翔さんがお酒を飲むなんて」
「酒と言っていいのか。いつ出動があるかわからないから、香り付け程度にワインを落としてあるだけだ」
二人きりなのをいいことに、大翔はそのグラスを早輝に向けて傾けた。
「味見してみるか? ただの水だ」
うん!
と、早輝は目を輝かせて大翔手にするグラスに唇をよせた。
「ほんとだ、お水だね」
味見程度、なめた程度なのに、早輝の語り口はのんびりだった。
嫌な予感がして、大翔は早輝に訪ねた。
「早輝はパティシェール志望だったよな?」
うん、と早輝がうなずく。
のどが渇いた、とグラスを追いかけて大翔の手ごと包むようにつかむと、残りの水をこくこくと飲んだ。
「おいしい」
「パティシェールは・・・多少のアルコール類も使うよな?」
うん。
うなずく早輝はスマイル満開。
満開過ぎて大翔は思わず額を押えた。
空になったグラスをもてあそびつつ、ひたすらニコニコする早輝に大翔は苦笑い。
「悪いこと言わないから、ソファーで横になれ」
「なんで?」
「なんでかなぁ?」
645639-7:2008/10/04(土) 04:15:50 ID:PGik6ab6
ソファーで寝そべると早輝は大きな欠伸をした。
外では皆が楽しそうに食事する様子。
「おいしそう、でも眠いな〜」
「寝てろ。料理は取り分けておいてやる」
「ホント? アリガト、大翔さん」
無邪気というか、なんというか。
少しは警戒心を持って欲しいものだ。
大翔は背後の皆に注意を払いながら、目を閉じかけた早輝にキスをした。
突然のキスに驚いたものの、早輝はえへへ、と嬉しそうに笑い、大翔のジャケットをつかんだ。
「もう一回」
「だめだ」
「どして?」
「見つかるとうるさいだろ」
「うるさい・・・叱られる?」
「そんなところだ」
唇を尖らせて早輝はしょんぼり。
その様子を見て、大翔は思う。
連にするように自分からすればいいじゃないか。
日中の疲れも出たのか、早輝は目を閉じすう、と穏やかな呼吸を繰り返す。
この須塔大翔に対して、警戒心の欠片もありゃしないらしい。
「これじゃ、オトンオカンと同じだな」
大翔にとって美羽と早輝は全く別の存在だ。
血縁者とそうでないもの。
しかし、大翔とその他ゴーオンジャーの連中は早輝の中では同レベルの扱いなのではないだろうか。
特に連は。
咳払いをして、大翔は早輝の耳元に囁いた。
「オカンのことは好き・・・っすか?」
早輝は返事をせずにくすぐったそう耳の下にかかっていた髪を指ですいた。
その耳たぶを噛もうとして、早輝の肩口に顔を埋めた時、連の気配を感じて動きを止めた。
「接近しすぎっすよ、なにしてるっすか」
腕組みをしてこちらを見下ろしているゴーオンブルーの眼は笑っておらず、
冷ややかさえ浮かんでいる。
「うちの大事な箱入り娘にちょっかい出さないで欲しいっすね」
連はソファーの前に膝をつき、大翔からさらうように早輝を抱き上げた。
細身のくせに早輝を悠々と抱き上げ、大翔を見下ろして一言。
「半端なことはやめてほしい。早輝はそんな女の子じゃない」
連を見上げ、大翔は出方をうかがうように尋ねた。
「本気ならいいのか?」
連の表情は崩れなかった。
「美羽ほど愛せるなら」
睨み合うというにはあまりにも静か、それでいて隙のない二人の視線。
どちらともなく反らしあい、帰るっす、と連はいつもの口調に戻り、早輝を抱えたまま歩き出した。
大翔は筋の伸びた青の背中を見つめ、軽くうなずいた。
そういうことか。
646639-8:2008/10/04(土) 04:16:40 ID:PGik6ab6

ギンジロー号の中に入ると、連は重々しいため息をついた。
腕の中の早輝は無邪気そのもので、
そばにいる人間が大翔から連に変わったことも気が付いていないだろう。
「早輝、靴を・・・」
声を出したとたん、眠っている早輝が寝ぼけたのかニッコリと微笑んだ。
連のジャケットを弱い力でつかみ、甘えるように言ったのだ。
「大翔さん・・・もう・・・いっかい」
目を見開いた連はまたも重いため息をつき、早輝をベッドに下ろした。
前髪に指を伸ばし、そっと触れる。
「なにをもう一度すればいい?」
早輝の返答はなかった。
また夢の中だ。
早輝の寝顔を見つめながら、不穏な事を問いかけてしまった自身を連は恥じる。

「オカン・・・でいないとね」
647571:2008/10/04(土) 04:17:45 ID:PGik6ab6
それでは今回も全力でとんずらさせていただきます

失礼いたしました。
648名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 11:18:00 ID:CmCLkwAK
もうすっかり金黄の虜です

GJ!
649名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 12:28:24 ID:Ets7Slyb
>>639GJ!!
金黄はこれからが楽しみで、オラ、ワクワクすっぞ!
しかも、青黄要素まで盛り込むとは!美味い美味過ぎる!
650名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 20:32:12 ID:PsIPXTdH
GJGJ!
まさかオカンがさらって行くとは思わなかったので
萌え転がっています。
651名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 00:53:46 ID:D6889kho
金黄と青黄の三角関係とかー!ぐわあー!ぐわおー!
652名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 06:48:15 ID:WvAQ7JaV
黄を頂点に金と青の二等辺三角関係、イイっすー!
最近本編で微妙ににじみ出てくる青の黒さにハァハァしている者には極上の展開でした。ゴチソウサマ。
653名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 09:50:28 ID:OoD1GI9X
金黄神のおかげで金黄のらぶいちゃ夢を見てしまった……そのくらい萌えてる
654名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 14:19:21 ID:Kwjt9iVc
俺今赤銀、青黄で結婚後の小説を考えている
早すぎるけど戦いが終わった話

赤 無敵のF1レーサーとなる 娘や強い妻には何故か弱い
銀 走輔の奥さんとなった 娘は
青 観光バスの運転手で自宅の旅館までお客さんを運んでいる 
黄 旅館の女将になることに
軍平 FBIに入ることにしたらしく活動中
範人 老人介護施設のヘルパーに
兄貴 プロボクサー 妹の娘には走輔と同じくタジタジ
赤銀の娘(名前未定) 母似の女の子で父を「お父様」と母を「お母様」呼ぶ
青黄の息子(名前未定)  父親と母親の特徴が混ざった子で父親と同じく語尾に「ッス」と言う
ボンちゃん 赤銀夫妻の家に泊めさせて貰っている

と言うのを計画中
655名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 20:18:00 ID:tHCrZzZb
>>654
ふむふむ…楽しみにしてるね


来週は銀の焼きもちが見られるかも…
656名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 00:43:38 ID:jQxw8Vbj
金黄青GJ!
これはいいトライアングラー

さーきは誰とキスをするー
ひーろとそれともオカンー
657名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:19:24 ID:azmufWEe
先週といい今週といい、金が青に一目置いている感じなので、余計に禿萌えた。
っていうか、ハブとマングースというかゴジラ対メカゴジラというか、
頭がいい二人だけに、昼ドラ並みにドロドロしそうww
でも、黄色は何も知らないで無邪気に緑と遊んでそう。

次回は黒黄メインらしいけど、姉黄がどこまで黒とカラむのかね。
658名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 07:31:31 ID:SNbE+/G6
ゴーオンのメインは赤銀で決まり!!
659名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 17:35:36 ID:/IDKgqeA
>>658
つうか、君!IDがG6じゃないか!
まぁ、そう言わず皆で楽しく好きに萌えようぜ!
660名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 19:55:46 ID:Mb+ULYWe
>>659

そうなんじゃないかーいww


同じことを思っていた君に乾杯
661571:2008/10/07(火) 00:11:54 ID:ib9CGFjb
コメントをありがとうございます。
ズバリうれしくて楽しく書かせていただいています。

懲りずに金黄を書きましたが、
またも長くなってしまいましたので、数回に分けて投下させてください。

お暇つぶしになりましたら幸いです。
662662-1:2008/10/07(火) 00:13:30 ID:ib9CGFjb

 ガイアーク反応ではなかったのかもしれない。
事実、ボンパーはなんの反応も示さずだったからだ。



日課のロードワーク中、邪悪な者の存在を感じ取り、大翔は振り返った。
過去にガイアークの愚かな蛮機獣に後をつけられたことがあり、もしやまたかと思ったのだ。
「ただのバカならほうっておくが」
しつこいバカは始末が悪い。
このまま見逃したとして、標的が美羽になることを想定し、大翔は眉をひそめた。
足を止め、背後に迫る邪悪な気配に語りかけた。
「何の用だ」
 現れた姿は黒いコートを身につけた女だった。
彼女はフードをとると、妖艶に口元をつりあげた。
ゾクリと寒いものが大翔の背をはしる。
纏う衣こそ違えど、顔立ちその姿はケガレシアであったからだ。
しかし、ケガレシアではないと直感で悟った。
それではこの女は?
「わたしをどうして捨てたの?」
冷たい水が話しているようだった。
そして、蛮機獣ではありえない花のような香りが漂ってきた。
女は大翔のほうに手を伸ばした。
大翔は拳を固め腰を落として身構える。
変身するべくウィングトリガーを握る手から力が抜けたのはその時だ。
「わたしが何をしたの」
その言葉はいくつもの女の声が重なって大翔の耳に届いた。
「わたしたちが何をしたというの」
間合いを取り女に鋭い視線を送るしかできない。
息苦しさとは違う、甘い痺れに絡めとられるように大翔の自由は奪われていく。
女は大翔に歩み寄ってくる。
美しい人の形をしているが、白すぎる肌は柔らかみも温かみもない。
「あんなにかわいがってくれたのに」
「わたしたちはすてられた」
「わたしたちはみむきもされなくなった」
「いつもいっしょだったのに」
「どうして」
大翔は耳を押さえようとした。
押さえたところで意味がないのはわかっていたが、そうしないではいられなかった。
敏感すぎる大翔の意識の中に、いくつもの「声」が入ってくる。
これに拳では対抗できなかった。
腕が上がらず耳もふさげず、声が絶えず響く。
頭が割れるように痛んだ。
とうとう大翔はアスファルトに膝をついた。
唇をかみしめ、息を止めて言葉の洪水と全身を貫く甘い痺れに耐えた。
女はそんな大翔を見下ろしながら妖艶にゆったりと微笑む。
663662-2:2008/10/07(火) 00:17:37 ID:ib9CGFjb
「 trick or treat?」
「な…に…?」
大翔の前に女も膝をついた。
腕を伸ばし、大翔の首にまわした。
身動きの取れない大翔に女は不思議そうな顔をして尋ねた。
「お菓子をくれないの?」
「それならいたずらをしなければ」
「そうね、いたずらをしなければ」
女は大翔に口づけた。
触れられた唇の冷たさ。
同時に流れ込んだのは、たくさんの声、耳障りな笑い声、むせかえるほどの花の香り。
眩暈に襲われながら、大翔は女から離れようと渾身の力を拳に込めた。
しかし女は口づけながら抱きしめ、大翔の体をわが身を包む黒いコートに包んでいった。
「いたずらをしたわ」
「だって」
「お菓子をくれないのだもの」
「気に入ったわ」
「連れて行きましょう」
「もっといたずらをしなければ」



「アテンション!」
花の香りに酔わされ朦朧としていた大翔の意識が呼び戻された。
「アニから離れなさい!!」
この邪悪な者の気配を感じた美羽が駆け付け、ゴーオンシルバーの姿で銃の狙いを定めていた。
「ゴーオン!」
銀色の光は女の眉間を砕いた。
まるで陶器のように砕けていく女の顔。
頭の中から声が消えた。
砕けた破片とはらりと落ちた黒いマント。
その上に大翔は崩れ落ちるように倒れた。
「アニ!」
美羽の悲鳴のような声が聞こえる。
姿は消えても濃厚な花の香りが大翔を苛む。
駆け寄ってきた美羽に抱き起こされた時、大翔は完全に意識をなくしていた。
664662-3:2008/10/07(火) 00:19:16 ID:ib9CGFjb

 走輔に担がれ、ギンジロー号のベッドに寝かせられた大翔はまるで呼吸をしていないかのようだった。
お人形みたいだと早輝は思った。
大翔のジャケットなどから採取したわずかなガスから、連は沈静と催淫の作用があることを導き出した。
「このガスを大量に吸入した場合、身動きが取れなくなる上に、気分が高揚して身に迫る恐怖すら感じなくなってしまう」
「その隙に命を奪われるわけ?いくらきれいな人でも怖すぎるよ」
ぶるっと範人が身を震わせた。
「命を奪われたことすら本人には自覚できないかもしれないっすね」
「ある意味も幸せな死に方だ。苦しくもなく、あるのは快楽、いつの間にか死んでいるなんて」
軍平が眉をひそめている。
しかし、その大きな手のひらは先刻から黙りこくったままの早輝の頭にのせられ、不器用になぜていた。
「心配するな、寸でのところで美羽の機転で危機を逃れたんだ。こんなふてぶてしい奴が、簡単にやられるわけがない」
パソコン上のデーターを見つめながら、顎に手を当て連がつぶやいた。
「蚊が人を刺す過程と酷似しているっすね」
「蚊?」
「そうっす。蚊はもともとは樹液なんかを餌にしているもんなんすけど、メスだけが産卵期にタンパク質を必要とするために血を吸うわけっす」
「メスしか刺さないっていうのは聞いたことあるよ。それがかゆくなるモトなんだよね」
「吸血する際に唾液を注入するんすよ。メカニズムはややこしいから省くっすけど、血が固まらなくなるから吸いやすくなるわけっす
まず、唾液を麻酔のように刺して注入、吸血とともに蚊の体内に戻る。さらにその唾液の成分には感覚を鈍らせるものがあって、
刺されていることを生物に悟らせない作用があるっす。」
「ねぇ、蚊の中に戻ってしまうってことはさ、痒くなるモトは残ってないってことじゃないの?」
「忘れたころに痒みがくるのは、唾液が残っているからっす。中途半端に血を吸い切れなかった場合、唾液が体内に残るっす。
それが痒みになってあとからくるっすよ」
へーえ、と感心したように頷いた範人。
その二人の会話を黙って聞いていた軍平が難しい顔で腕を組み、連に言った。
「蚊の唾液と大翔が浴びたガスの作用は似ている、と」
連はうなずいた。
軍平は続ける。
「途中で助かった大翔の体内には・・・」
「毒ガスが大量に残っているということになるっす。あくまでも仮説っすけどね」
「蚊の痒いのもいつの間にかなくなってるでしょ?大翔の場合もこのまま休んでいれば大丈夫じゃないの?」
連は範人に微笑んだ。
「そうだといいっすけど。俺もそれを期待しているっす」
665662-4:2008/10/07(火) 00:22:23 ID:ib9CGFjb


「どうしてついてくるの?」
大翔が倒れてからの美羽は情緒不安で、すぐに声を荒げる。
そんな彼女のあとを追いながら、走輔は言った。
「お前、あん時の大翔に似てるからだよ。ハンマーバンキにお前がやられた時の大翔に!」
美羽は足を止めた。
拳を固め、強い声で言い放つ。
「許せないの!蛮機獣を倒しても、アニの意識は戻らない。アニにもしものことがあったら」
「喧嘩相手を探して、あてもなく街ん中を歩いているってわけか」
「違う!私には邪悪なものを感じる力がある!」
走輔は痛々しいと美羽に対して思った。
こんな時、気の利いた人間なら男なら、優しい言葉の一つでもかけてやれるだろうが、あいにく走輔はそんな言葉を持ち合わせていなかった。
「ちょっと、なにするの!」
突然手首を強い力でつかまれ、美羽は抗った。
「うるせーな、一人で突っ走ってんじゃねーぞ。
お前がそんなことじゃ、お前の相棒だって気が気じゃねぇはずだ。ジェットラスの声に耳を貸してねーだろ!」
怒鳴られて美羽は唇を引き締めた。
夜の街を彷徨い歩いたところで、何もならないことは美羽自身よくわかっている。
だが、居ても立っても居られない。
悔しそうに美羽は顔をうつ向かせた。そして、涙をひとつ、足元にまで落とした。
「暴走してばっかりの、走輔にそんなこと言われるなんて」
気丈な美羽が走輔の胸に寄り掛かった。
普段なら飛び上るほど驚く走輔だが、今は黙って受け止めることができた。
美羽の肩に腕を回し、言い聞かせるように何度も繰り返した。
「お前は一人じゃねぇぜ。俺たちで大翔を助けるんだ」
666662-5:2008/10/07(火) 00:23:57 ID:ib9CGFjb

 連は解毒剤ができないかと考えていた。
「自発的に抗体でもできればいいっすけど」
メカ相手なら百戦錬磨の連でも、生身の人間相手では勝手が違う。
さらに言えば、未知の生命体の発した新種の毒性など、現代医学でどうにかなるものだろうか。
ベッドの傍では早輝が無言まま椅子に座っている。
「スマイルが消えてしまってるっすよ」
自分のことを言われたと気がついた早輝は、弱々しい笑みを見せた。
「連、休んで。ずっとデーターと睨めっこしてたでしょ。大翔さんのことはあたしが見てる。
何かあったらみんなに知らせるよ」
「大丈夫っす。これくらい」
「休めるときに休んで。何があるかわからないし」
連は深く息を吐き、仕方なく頷いた。
「そうさせてもらうっす」
 連がいなくなり、部屋に静けさが増した。
大翔の寝息でも聞こえれば安堵できるのに、その呼吸はひどく浅い。
「大翔さん、目を覚ましてよ」
伏せられたままの瞼に金色の髪が束で落ちている。
そっと指で払い、早輝は切なそうに見つめた。
「毒りんごでも食べちゃったの?」
薄く眼を閉じながら大翔の閉じられた唇に自分のそれを寄せていく。
「起きて、お願い」
大翔の頬に早輝の黒髪がこぼれるように落ちる。
触れた唇は生きているのかと思うほどに冷たく、それが早輝を一層悲しませた。
「童話みたいにキスくらいで目を覚ますわけないよね」
大翔から離れようとした瞬間、痛みを伴うほどの強い力で両肩を掴まれ体が反転させられた。
何事かと顔をあげた早輝の身はベッドに転がされており、再び肩の痛みのために早輝はうめいた。
大翔が上にいた。
別人かと思うほど暗く鋭い目で、早輝を見下ろしていた。
瞳が青い。
肩に指が食い込むかというほどの強さで押さえつけられ、早輝は茫然と大翔を見つめた。
「意識が戻ったの?」
大翔が低い唸り声をあげた。
襟元に手をかけられ力任せにジャケットを剥がれた。同時に布で擦った首筋に鋭い痛みが走る。
叫ぼうとした唇をふさがれ、声は言葉にならなかった。
早輝は彼を振り払おうともがき抗った。
そんな抵抗をものともせず、早輝の脚の間に大翔の片足が割り込んでくる。
容赦なく差し入れられた舌が早輝の声を呼吸を奪う。
大翔さん、嫌、やめて!
逞しい肩を押し返しながら、言葉にできないながらに叫んだ。
必死だった。
突然、大翔の動きが止まった。
全身の力という力を弛緩させたように、どさりと早輝の上に倒れこんだ。
667571:2008/10/07(火) 00:25:38 ID:ib9CGFjb
今夜はこれにて失礼いたします。
668名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 00:47:01 ID:mKQzN6xD
GJGJ!
蚊のことは勉強になりました。
続きが楽しみです。

ところで>ALL
今498KBだけど、容量的にもう次スレだよね?
669名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 17:24:17 ID:efE+akEo
>>661
乙&GJ!いつも楽しませて頂いております!続きは次スレかな?

>>668
いつの間にか500kに近付いてたね。出来たらお願いしたい。
670668:2008/10/07(火) 22:28:13 ID:mKQzN6xD
>>669
立てますた。テンプレそのままコピっただけだけど。

戦隊シリーズ総合カップルスレ 8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223385863/l50
671名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 10:58:28 ID:q0ViAaji
埋め

現行戦隊はもちろんだが、時折投下される過去戦隊が楽しみでしようがない。
次スレでも盛り上がりますように
672名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 13:47:50 ID:nfuwvkbe
轟音、青黄が読みたいなあ〜。
673名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 18:25:23 ID:aolgB6+7
>>672
あきれた人
他人に頼ってないで
自分で書けば?

貴重な職人さんが消える><
674名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 09:24:37 ID:uEUDD0z8
埋めていこうぜ
675名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 13:38:48 ID:OVK5rjhJ
とりあえず直前で気づいて誘導した668GJ
676名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 10:32:22 ID:6MOWrcEr




677名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 11:30:09 ID:7IQDbt8N
保管庫の管理人さん、スレ6も終わってないのに、
もう8スレめなんて、心が折れないか、ちょっと心配。
ゴーオンだけ保管庫作って、管理人さんにはスレ6や他の作品に専念してもらってもいいんだけど。
678名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 17:46:00 ID:6MOWrcEr
や、スレ6終わってるよ
679名無しさん@ピンキー
>>678
こりゃまた失礼。
でもスレまたぐと、やる気そがれると思うよ。気長に更新してほしいっすね。