true tearsのエロ小説スレ エロい涙 2滴目

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1名無しさん@ピンキー
1月5日から放送が始まったtrue tearsの エロ小説を書くスレです。
※本編に関する議論は本スレ及びアンチスレで行ってください。

アニメ公式サイト http://www.truetears.jp/

作品紹介のHP
http://anime.goo.ne.jp/contents/news/NAN20071113_81/

http://anime.biglobe.ne.jp/news/HC00000735.html

http://event.yahoo.co.jp/bs11/anime/otona2.html
2名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:38:46 ID:Ekh/Wwpy
1otu
3名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:49:22 ID:aK4HQD2p
>>1
4名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:15:35 ID:jWhTG+Fp
いきなりエロばっかりで申し訳ない。前スレ660-663の後日談です
比呂美がちょっとエロい子になってますが、ご容赦下さい
5いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:16:03 ID:jWhTG+Fp
バタンッ、ガチッ。少し乱暴にドアが閉じられ、鍵がかけられた。
「ん…、ちゅっ…ちゅ…くちゅ…、ちゅぱ…んくっ…ん…ん」
その途端に始まる激しいキス。この日はお互いに忙しくて、あまり顔を見ていなかった。
夕食は眞一郎の家で食べる予定だが、昼食後に1時間だけ授業があって下校となった日。
十分に時間がある。二人とも期待していた。
それで鞄を持ったまま、片手を背中に回してのキスが始まってしまったのだ。
「ん…ちゅぱっ…、落ち着け、落ち着けってば、…ん」
「ん…、だめぇ…ちゅ…」
このままでは何もできないと思った眞一郎がキスを止めようとしても、比呂美が追いかけてくる。
眞一郎の唇を貪るようにしていた。いつもより激しい。バン、鞄を落として両手で頭を掴んだ。
「ちゅっ…んちゅ…くちゅ…、んくっ…んくっ…んん」
数日間何もできないでいた、さらに今日こそという日に忙しかったことで、比呂美は我慢できないようだ。
しかも、待ちに待った安全日。
バン、眞一郎も鞄を落として片手を自由にした。そのままスカートの中に手を入れる。
「んっ!…んんっ!…ん…」
比呂美がびくっとして逃げようとしたが、進入は拒めなかった。
そして、弱点を突かれた。
「ちゅぱっ…、あっ!…だめぇ…、んあっ…ああっ!…」
眞一郎の指がショーツ越しに、ある一点を攻めていた。すでに愛液でびっしょりだ。
「やっぱりなー」
口の周りをお互いの唾液で濡らしながら、笑顔で言った。
「だって…、あん…あっ…あっ…くっ…」
頬を染めて顔を横に向け、恥じらう。弱点を攻められては何もできない。
体から力が抜けて腰が砕けそうになると、指を強く押し付けそうになり、びくっと体が何度も跳ねた。
「くぁっ!…あんっ!…、おねがぁい…んあっ!…ゆるしてぇ…」
甘えた声を出して目を見ている。
「うん、わかった」
「はぁ…、あん…、眞一郎くんだって、大きくなってるよ?」
ズボン越しにペニスを触りながら言う顔は、とても可憐だが淫らな雰囲気も漂っていた。
誘うというよりも、心から求めているような視線だ。
「当たり前だろ? 比呂美とキスしたんだから」
「うん、私もだよ?」
誤魔化すように言ってみるが、見破られてしまう。
「えー、嘘っぽいぞ、それ」
抱き合いながら、いつものじゃれあい。
「ちっ、違うよっ! キスしたからなのっ!」
必死に弁明する顔も可愛いなぁなんて、思いながら眞一郎が言う。
「ふ〜ん?」
「ほっ、本当だよ? ねっ?」
「まぁいっか…、脱がしっこする?」
深く追求しないでおくと、後で比呂美が何を言うか分かっている。
「うん、私を先に脱がして?」
「おっけー」
6いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:16:28 ID:jWhTG+Fp
二人はようやく靴を脱いで玄関から上がり、手を取り合っていつもの言葉。
「比呂美、好きだよ」
「眞一郎くん、大好き」
付き合い始めてから月日は経っているのに、未だに日に何回も言い合う。
学校では見詰め合ったりしている。いつもお互いの信頼を確かめるように好意を伝え合っていた。

「脱がしちゃうぞ〜」
眞一郎は手をわきわきと動かしながら、
「いやぁ〜ん♪」
比呂美は手で頬を挟んで、これはたまに興奮している時にふざけながら使われるやりとり。
眞一郎が制服を脱がしていく。
「じ〜」
「ああ〜ん」
ホックを外してチャックを下ろした。手馴れた感じで脱がす。
そのままストンとは落とさず、手で支えてから、
「はい、腰を振り振り」
「えいっ! えいっ!」
比呂美が腰を振って制服を落とす。
「ははっ」
「あははっ♪」
実に楽しそうな二人。
「次は上を脱がしちゃうぞ〜」
「きゃあ〜♪ 助けて〜」
ふざけていても、興奮は高まっている。比呂美の声は色っぽく、目は潤んでいた。
「ボタンを外そうかな?」
「うん…、あっ!…それっ…あっ!…違う…ん…ん…んん…」
眞一郎の指は服の上から乳首を探し当てて、弄っていた。
「これだよな?」
「あっ、だから、それは…違うの…あん…」
「何だー、こっちか?」
「あっ、もう…ん…そんなボタン…無いよ?」
今度は乳房を揉んでいた。
「さてと、おっぱいを楽しんだから、脱がそうかな?」
「直接触ればいいのに…」
ボタンを外されながら、少し抗議してみた。相変わらず二人は見詰め合っている。
「服の上からってのがいいんだよな〜」
「ふ〜ん、変なの〜」
ブラウスの前がはだけられ、ブラジャーが見えた。
「これって肩の紐は外せる?」
「うん」
「全部脱がさない方がエッチだよな?」
「え?、うん…」
「それでは、と」
7いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:16:51 ID:jWhTG+Fp
「あっ!…あんっ!…あ…眞一郎くんのエッチ〜♪…あん…」
比呂美の首筋に顔を埋めて背中に手を回し、肩紐を見つけて外した。
背中のホックも外す。その間は首筋にキスをしている。
「はい、ばんざい」
「ばんざ〜い♪」
両手を上げるとブラジャーが落ちる。ついでに、眞一郎の頭を抱えるようにした。
腰を引き寄せられ、半裸で密着。
「ん…、ちゅ…んく…」
キスをしながら、腰を押し付けあう。比呂美の興奮がさらに高まった。
「ちゅぱっ…、ねぇ…おちんちん…舐めたいの…」
ショーツが濡れていないことを深く追求しない理由は、これだった。
比呂美はフェラチオが大好きなのだ。
「うん、俺もしてもらいたいな」
「やっぱりね〜、そうだと思ったの♪」
上機嫌な笑顔に淫らな雰囲気。スイッチが入るといつもこうなる。
半裸で跪いた。
「わ〜い♪」
ベルトを外し、ボタンをとり、チャックを下ろしてズボンを脱がす。
「すりすり♪」
トランクスの上から頬でペニスに愛撫する比呂美。
「うわぁ、エッチだな、それ」
髪を撫でてあげながら、眞一郎が言った。
「ん?、でもね、大好きなの…。すごく興奮しちゃうの…」
「アイスと同じくらい好き?」
「う〜ん…、内緒♪」
そう言ってから、トランクスをささっと下ろし、ペニスとご対面。
「うわっ! こんなになってる〜♪」
既にいつでも挿入できるぐらい勃起していた。
「分かってたくせに、今更何言ってんだか」
「んふふっ♪ いただきまぁす♪」
8いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:17:15 ID:jWhTG+Fp
比呂美のフェラチオが始まった。
「すん…すん…、うわぁ、この匂い…。やだぁ、興奮しちゃう…」
片手を添えて、匂いを嗅ぐ。もう片方の手は眞一郎の腿にあてる。
「ちゅ…」
軽く亀頭にキスをする。
「れろっ…」
そして、ひと舐め。
「もう…だめぇ…、ね? 私がしたいようにしていい?」
「後で俺も比呂美に好きなようにしていいか?」
「うん、いいよ…」
自分でどうなるか分かっていたが、今は目の前のペニスのことで頭が一杯だった。
「手加減…してね?」
「了解」
「我慢できないの…、ちゅ…れろっ…」
ペニスの根元から愛撫が始まる。愛しい眞一郎のペニスを、アイスを舐めるようにしている。
「れろっ…れろっ…、んちゅ…んちゅ…くちゅ…」
舐めたりキスしたりを繰り返しながら、亀頭へ近づく。
「れろっ…んくっ…」
裏筋に垂れたカウパー液を舐めて飲み込むことも忘れない。
亀頭以外のあらゆる場所に愛撫を繰り返す。その度にペニスがびくびくと反応する。
それを比呂美は夢中になって楽しんでいた。
「ちゅ…ちゅっ…、れろっ…れ〜ろっ…れ〜ろっ…、んちゅぅ…」
ついにペニスの先端へたどり着き、鈴口を咥えこんだ。少し吸いながら、舌を使う。
「うひゃぁ…、それ、気持ちいいなー」
その言葉で眞一郎の顔を見た。比呂美の目が細まる。
自分の愛撫で喜んでくれたことを嬉しいと表現したのだ。舌がさらに動く。
「んん…ん…んぁ…、んくっ…んく…」
「おおお」
「んふ…、ちゅぱっ…。気持ちいい? 眞一郎くん?」
「ああ、さすがアイス好きだよな」
「関係無いよ…、そんなの…」
恥らいつつ、視線が亀頭を捉える。
「今度は、ぱくっとするね?」
「出そうになってしまうかも」
「いいよ、飲みたいし…んぁくっ…」
「くぅ」
口を開けて亀頭だけを咥えた。比呂美の口の中はとても暖かく、やわらかい。
少しだけ吸いながら、舌で愛撫をする。
「んぁ…んん…、ん…ん…ん…」
口の中ではれろれろと舌が蠢いている。
「ううぅ」
眞一郎のペニスがひくひくと小刻みに反応している。比呂美はより一層舌を動かす。
ゆっくりと手を動かして、しごくことも忘れていない。
9いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:17:38 ID:jWhTG+Fp
「んぁ…、んくぅ…んくぅ…んぅ…、」
「あっ、出そうだ」
「じゅぱっ…、はぁ…、そんなに気持ちよかったの?」
「ああ、何かびりびりする」
「出して? 眞一郎くん…」
「いいのか? この間だって…」
「我慢できないの…、飲みたいの…。じゅ…じゅ…ぐじゅ…」
今度は口の中へ唾液まみれのペニスを、できるだけ奥深くまで飲み込んだ。
「うおぉ」
比呂美の可憐な口に自分のペニスが入っていく様子に、眞一郎が興奮する。
「ちゅぱ…じゅぱ…ちゅぱ…ちゅぱ…ちゅぱ…」
口の中の様々な場所に亀頭を擦りつける様にして、頭を前後していた。
「ちゅぱっ…じゅぱ…ちゅぱ…ちゅぱっ…ちゅぱ…」
それまでに散々愛撫されていたので、射精感が高まる。
「出そうだ」
「んぐ…」
一つ頷いてから、速度を上げた。
「ぢゅぱっ…ぢゅぱっ…ぢゅぱっ…ぢゅぱっ…ぢゅぱっ…」
「くぅ…ううっ」
射精が始まる。
「んぐっ!…んんっ!…、じゅぼっ…、ごほっ、ごほっ…ぐほっ」
比呂美は少し咳き込んでしまった。
「だ、大丈夫か?」
「んぐ…んぐ…んぐぅ…、んく…」
眞一郎を潤んだ目で見ながら、精液を飲み込んでいた。
口の端から唾液と精液が交じって、垂れている。
「くはぁ…、うわぁ、やっぱりすごい味…」
「何も飲まなくても…」
「だって…、飲みたいんだもん…、眞一郎くんのだから、飲みたいの…」
「…」
「口を濯いでくるね? 喉の奥にからんでるから」
「ああ」
洗面台に比呂美が向った。うがいではなく、水を飲んでいるようだ。
10いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:18:06 ID:jWhTG+Fp
「おまたせ♪」
白いブラウスとショーツだけを着た比呂美が、半裸で立っている。眞一郎が抱き寄せた。
「あんっ!、なぁに?」
「比呂美、綺麗だな。ほんとに」
「もう、嬉しいな…」
「めちゃくちゃにしていいか?」
「うん、私もされたい…眞一郎くんなら…」
ペニスの熱さを下腹部に感じて、比呂美が腰を少し動かした。
「俺の好きなようにしていいんだっけ?」
「うん、して。でも…ちょっとだけ手加減してね?」
「しない」
「いいよ、ん…ん…」
お互いの背中に手を回して、抱き合いながら軽くキス。
「んく…ちゅ…ちゅっ…」
そして深いキスを繰り返す。
「ちゅぱっ…、はぁ、こっち来て」
「うん」
「脱がすぞ?」
「うん…」
ショーツを脱がし、比呂美を椅子に座らせた。
「え? 何?」
「脚、開いて?」
「そんな、恥ずかしいよ…」
より一層頬を染めた比呂美だが、快感を期待する表情だった。
「次は比呂美が気持ちよくなく番だろ?」
「でも…」
「俺が気持ちよくしてあげたいんだから、いいだろ?」
「うん…」
恥ずかしさに少しだけ震えながら、ゆっくりと脚が開いていく。
眞一郎が座り込んだ。
「あっ! ちょっと! そんなに見ないで…」
「俺のも見ただろ?」
「それとこれとは、あっ!…」
眞一郎の指が愛液でぬらぬらと光る性器に触れた。
「ここも綺麗だよな、比呂美って。毛も柔らかくて触り心地いいし」
「もう、恥ずかしいんだよ?」
「気持ちよくして欲しい?」
「…欲しいの」
眞一郎の舌が弱点にいきなり愛撫を始めた。
「あっ!…そんな…、くぁっ!…くぅ…んん…ん…ん…」
比呂美の弱点はクリトリスだった。眞一郎は知らないが、人並みとは言いがたい大きさだ。
それを舐め始めた。
「んあぁ…あぁ…あぁ…あっ…」
ぺろぺろと舐めたり、舌先で突ついたり。
11いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:18:31 ID:jWhTG+Fp
「あひぃ…あん…、あっ…だめぇ…」
指が包皮をめくる。
「あっ!…だめっ!…、そんなことしたら…、あああっ!…」
舌が直接クリトリスを舐める。腰が痙攣する程の快感が比呂美を襲う。
「あっ!…あっ!…あっ!…くあっ!…」
唇をすぼめて、クリトリスを吸う。
「あっひぃ…ん…あん…くぅぅ…ぅ…ぅ…っ…」
比呂美は声も出せない程になってきた。さらに吸いながら、舌を使う。
「ぁ…ぁ…ぅ…、あぁうぅ…」
眞一郎の頭を両手で掴み、快感に打ち震える比呂美。きつく吸い上げて、強く舌先で愛撫。
「くあぁ…ぁ…ぁっ…ぁっ…」
既に悶絶気味になっていた。比呂美はあごを上げて、快感に翻弄されている。体が桜色に染まった。
内股が振るえ、脚を閉じることもできない。たった一箇所の愛撫に全身が支配された。
あっという間に絶頂が近づく。
「んあっ!…だめっ!…きちゃう!」
眞一郎の指が締まる膣をこじ開け、Gスポットと呼ばれる部分を突いた。
「あっひぃぃ…、ふあぁ…、ああっ!…くぅ…ぅ…ぅっ…ん…」
わずかな愛撫で比呂美が絶頂してしまった。強烈な快感で大きな声も出ない。
「はぁ…ひぃ…、はぁ…ひぃ…」
「比呂美って、ほんとにここが弱いよな?」
「はぁ…はぁ、もう…んん…んっ!…だめぇ…、ちょっと休ませてぇ…」
話しかけておきながら、挿入された指を動かす眞一郎に、甘えた声を出した。
「だめ、好きなようにする」
「でもぉ、あっ!…くっ!…」
「気持ちよかった?」
「うん、すごいの、そこをされるとっ!…ああん…、恥ずかしいよぉ…」
「もっとして欲しいか?」
「う、うん。して…あっ!…くぅぅ…」
眞一郎がまたもやクリトリスへの愛撫を始めた。比呂美が悶絶する。
何度か絶頂してから、ようやく開放された。
12いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:18:53 ID:jWhTG+Fp
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…、もう…ひどいよぉ…」
比呂美は涙目で抗議する。しかし、甘えた声だった。更なる快楽を求めている。
眞一郎は立ち上がっているので、ペニスが目の前にあった。
「ごめんごめん、だって、気持ち良さそうだったから、つい…」
「もう、知らないんだからね…んっ…」
少しでも股間を動かすと、クリトリスの痺れがよみがえり快感が湧き上がった。
「でも、まだまだ、だよな?」
「もっと…もっと…して…」
体力には余裕がある。体を鍛えていた甲斐があったのかどうか…
「次はどうして欲しい?」
「入れて欲しいの…」
「うん、俺も入れたい。めちゃくちゃにしちゃうぞ〜」
「きゃあ〜♪ して〜♪」
「ははっ」
「あははっ♪」
二人ともこれから得られる快楽を想像しながらも、ふざけ合う。
「おいで、比呂美」
「うんっ」
眞一郎が大きいクッションに座って、胡坐をかく。
「さっ、おいで」
「えっ!? でも…」
「おいで」
「うん…」
比呂美が両手を眞一郎の肩に置き、腰を支えられながら脚を開いて跨った。
ペニスの先端が膣の入り口に触れるくらいになって、一度止まる。
「自分で入れる?」
「うん…」
ずぶずぶとペニスが挿入され始めた。
「あっ…あん…、熱ぅい…ああっ!…」
ゆっくりと自分を焦らすかのように腰を落としていく。
「くあっ!…あっ!…届いちゃうぅ…」
根元まで挿入され、腰が密着した。
「くっ!…ああぁ…」
比呂美はこの対面座位が好きだった。が、快感も大きい。あまり声も出ない。
「ぁ…ぁ…ぁ…ぁ…ぅぁ…」
膣に力が入り、挿入されたペニスを締めつけた。
「おおぉ、すごいなぁ。比呂美の中、すごく気持ちいいぞー」
「ぁ…ぅぁ…、んん、いいの?…嬉しいな…あん…眞一郎くんを…気持ちよくしたい…、
 んぁぁ…、でも…だめぇ…私…気持ち良すぎて…、来ちゃいそう…」
「キスしようか?」
「うん…、ん…んん…んっ!…ん…ん…ちゅぱ…ちゅ…」
13いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:19:13 ID:jWhTG+Fp
股間から全身に広がる快感で、キスをしても眞一郎の舌と唇に為すがままの比呂美。
両腕に力を込めて、必死に抱きつく。胸を擦りつけてしまい、乳首にも快感が走った。
比呂美の体は、眞一郎にされると感じやすい。
学校で、友達にふざけて同じように胸を揉まれた事があったが、くすぐったいだけだった。
愛しい眞一郎にされれば、どんなことでも気持ちよくなってしまう。
比呂美はそんな自分の体が恥ずかしかったが、嬉しくもあった。
特にペニスを挿入されてからは何もできなくなるが、それですら喜んでいる。
「んんぁ…ちゅ…ちゅば…くちゅ…くちゅぅ…」
舌を吸い出されても、抵抗できずにいた。さらに眞一郎が腰を動かす。
「んん!…んあぁ!…あぁ…ぁ…」
何とかキスから逃れ、口を半開きにして快感に打ち震える。その表情は快楽に溺れていた。
股間からはぐちゅぐちゅと淫らな音が聞こえてきた。
眞一郎は比呂美の腰を掴んで前後左右に少しだけ動かしながら、自分の腰を連動させている。
「あっ…ひぃ…、くぅ…ぅ…ぅ…ぅ…」
比呂美の声が小さくなり始めた。絶頂が近いことを示すように、体を反らす。
「んぁぁ…ぁ…ぁ…」
眞一郎がそれに気付き、動きを止めた。
「ぁ…はぁ…はぁ…んん…だめぇ…、止めないで?」
「気持ちいい?」
「う…うん、あぁ…すごく…いいの。気持ちいいの…もっと…して欲しいの…」
「いいのか? めちゃくちゃにするよ?」
「うん…」
その返事に眞一郎の右手が動く。クリトリスに触れた。
「あっ!、そんなぁ…」
包皮がめくられた。すかさず腰が押し付けられる。
「くあっ!…ひぃ…、あっ!…だめぇ…、来ちゃうぅ…」
ぐぐっと背筋が伸びる。眞一郎は、快感に蕩けた比呂美の可憐で淫らな顔を見ている。
「あっ!…見ないで…、あっ!…来たぁ…あっ!…くぅぅ…」
ペニスを挿入された状態で、弱点であるクリトリスに刺激が加わって軽く絶頂。
「くぁっ!…、ふあぁ…はぁ…はぁ…、もう…エッチ♪」
「エッチなのは、比呂美だろ?」
「ちっ、違うっ!…あっ!…もん…んっ!…んあぁ…」
話すことも困難なくらいに、快感が連続して比呂美の体を襲った。眞一郎が動き始めた。
「ひぃ…ぃ…」
先程よりも強く比呂美の腰を振り回し、自分もペニスを深く突いた。
クリトリスに陰毛が刺激を加え、大きな快感が比呂美を嬲る。
眞一郎は、そんな様子に興奮してますます動きが活発になっていく。
「くっ!…ぅ…ぅ…ぅ…ぁ…ぁ…あっくぅ!…」
比呂美はまともに声も出ないほどに悶絶し、何度も絶頂していた。
14いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:19:38 ID:jWhTG+Fp
「はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」
大きく胸を上下して呼吸を整える比呂美を、眞一郎が見守っていた。
「すごかったか?」
「うっ、うん。すごかっ…たっ…」
「もっともっと、めちゃくちゃになりたいか?」
「許して…くれないの?」
「比呂美が気持ち良くなるのを見るのが、嬉しいし」
「エッチだね…眞一郎くんは…あっ…んっ…ん…」
「まあね。お互い様」
「うん、して? 眞一郎くん…私を…めちゃくちゃに…して?」
比呂美の眞一郎を求める目は快楽に支配されていた。
「恥ずかしいのに?」
「いいの…、眞一郎くんなら…」
「今度は、比呂美が動く番だな」
「う、うん。でも、あんまり気持ちいいと、止まっちゃいそう…」
「その時は俺が無理矢理してあげるよ」
「もう、エッチなんだから…」
そう言って比呂美はペニスが抜けない様に体を動かし、M字開脚のような姿勢になる。
「動いてくれる?」
「う、うん…」
脚に力を入れ少しだけ腰を浮かせてから、落とした。
「くあぁっ! ひぃっ!」
膣の中をペニス、特に亀頭に擦られ、子宮に衝撃が走る。
おまけに剥き出しのままになっていたクリトリスにも刺激が加わり、悲鳴を上げた。
「もっと動かして?」
「あっ…ひぃ…、うん…。くぁぁ…」
今度はペニスが抜ける寸前まで腰を浮かせた。そこで、一休み。
「はい、すとん」
一気に落下する。
「あああっ! くうっ!…ぅ…」
比呂美はあまりの快感に体の力が抜けてしまい、眞一郎にすがりついた。
「あひぃ…だめぇ…、気持ち良すぎて…もう…だめぇ…んあぁ…」
「う〜ん、出したいな。よし、俺が持ち上げてやろうな?」
「えっ!? そんなこと…いやぁ…」
有無を言わせずに、眞一郎が比呂美の尻を持ち、動き始める。
「あっ!…ぁ…ぁ…ぁ…ぅ…っ…、ああっ!…くぅっ!…」
何度かの上下の間に絶頂を挟んでいた。ペニスへの締め付けも強烈で、射精感を促す。
しかし、比呂美は声も出せずに、悶絶していた。
「ぁ…ぁ…ぁ…っ…ぁ…ぅ…」
そんな表情に興奮した。比呂美の唇を塞ぐと、わずかに震える舌が差し出された。
受け入れた舌を労わるように、優しく舐めてあげる。
「ん…」
射精が始まる。
15いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:20:02 ID:jWhTG+Fp
「ん!…んんっ!…ん…」
どくどくと子宮に熱い精液が流し込まれる度に、比呂美の膣がそれを受け入れるように蠢く。
体を強張らせて射精がもたらす大きな絶頂に耐える。
「ちゅぱっ…はぁ…はぁ…」
射精後、キスを終えてから比呂美の顔を見ると、涙が浮かんでいた。
「そんなに、すごかったか?」
「はぁ…ふぅ…、う、うんっ!…んっ!…」
股間にくすぶる快感で、まだまともに話せないようだ。
「抜かない方がいいんだよな?」
「う…ぅ…、ん…」
痙攣するようにして言葉が返ってきた。ひくひくと上半身を震わせ、膣を締め付けている。
比呂美は涙目で眞一郎を見詰めながら、少しずつ収まっていく快感を名残惜しむようだ。
力の入らない腕でしがみついている。眞一郎が支えなければ、倒れてしまう。
「もう…、ひどいよぉ…こんなに…あん…しちゃうなんて…あっ…」
「可愛くって、エッチだったよ?」
「恥ずか…ぁ…しいんだ…ぁ…よ?」
「でも、もっとしたくなってしまうな〜」
「でも…少し休みっ…あん…たいな…」
「そうだな。汗を流すか? 裸も見れるし」
「だから〜、エッチだよね? 眞一郎くんって」
やっと、元の比呂美に戻ってきた。
「比呂美限定、な?」
「うん、嬉しい。私も眞一郎くん限定♪」
「シャワーをかけっこ?」
「うんっ♪ するする♪」
「よし、抜くぞ?」
「うん…あっ…あっ…んあっ…」
にゅるっとペニスが抜ける。そこで、比呂美が思い出したように言った。
「あ…あの…、おちんちん…綺麗にしてあげるね?」
「ティッシュで拭くのか? どうせシャワーするのに…」
しかし、興奮冷めやらない比呂美の言葉は違った。
「ううん、私が舐めてあげる♪」
言いながら、股間に顔を近づけていく。意味が分かった眞一郎は、
「う〜ん、なら、俺は精液が垂れるところを見ようかな?」
「えっ! ちょっ! やだぁ〜」
比呂美の腰を掴んで、股間が見える位置にもってきた。シックスナインに近い状態。
「おお、見える見える。エッチだけど、やっぱり綺麗だな」
「もう! ホントにエッチだね!」
怒った風に言いながら、ペニスを舐め始めた。
「れろっ…れろっ…」
自分の愛液と精液にまみれているが、気にしていないようだ。
「れろっ…んちゅぅ…ちゅぱ…れろっ…れろっ…」
萎え始めたペニスを熱心に舐めたり、キスしていた。
「あっ…、だめぇ…小さくなっちゃう…だめぇ…」
どんどん小さくなっていくのを見て、泣きそうになっていた。
16いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:20:39 ID:jWhTG+Fp
「おっ、垂れてきた」
垂れた精液をティッシュで拭いている。
「あっ…だめぇ…見ちゃ…、恥ずかしいよぉ…、ああっ、小さくなっちゃうぅ」
比呂美は必死になって、ペニスへ愛撫する。綺麗にすることは忘れたようだ。
「れろっ…ちゅっ…れろっ…、ああん、大きくなって…お願ぁい…、れろっ…
 ちゅ…んく…、ぱくっ…ん…ん…ん…」
とうとう小さくなった亀頭を咥えこんで、舌で愛撫。
「あっ、こらっ。まだ復活しないってば」
そんな抗議も聞かず、比呂美の愛撫は止まらない。
自分が舐めても大きくならないことが許せないらしい。しかも、股間を晒している。
興奮するでしょ?、そう思いながら必死の愛撫だ。
「んぁ…んぁ…、ちゅぱっ…、くちゅぅ…ちゅっ…、大きくなってぇ…ねぇ?…
 眞一郎くんのおちんちん、れろっ…ちゅ…ちゅ…んくっ…んく…」
腰を振り、体全体を動かしたペニスへの愛撫が功を奏して、勃起し始めた。
「ああっ!…やったぁ…あん…ちゅ…ちゅ…、大きくなったぁ…嬉しいぃ…
 れ〜ろっ…れ〜ろっ…、くちゅ…んく…、じゅ…じゅぱ…じゅぱ…じゅぱ…」
「ああ、もう。俺を休ませない気だな?」
「ちゅばっ…、れろっ…ちゅ…ちゅ…ちゅ…、うん、おかえしだよ♪」
口からペニスを開放して、笑顔で答えた。
「よし、上でもう一回、今度こそめちゃくちゃにしてやるぞ〜」
その挑戦に応える。
「いやぁ〜ん♪」
17いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:21:03 ID:jWhTG+Fp
二人はひょいひょいと梯子を上がっていった。比呂美に眞一郎が覆いかぶさる。
「覚悟はいいかな?」
「もう…どうにでもして♪」
笑顔のやりとりは、始まりの合図。
「と、その前に。今日はおっぱいをたくさん可愛がってないな」
「うんっ♪ 可愛がってあげて?」
「よし!っと」
比呂美の膝の裏を腕で持ち上げて、両手で抱えた。
「えっ!? ちょっと! なんで?」
「押し付けながら、おっぱいを可愛がってあげようかと…」
「う、うん…あっ!…ひぃ…」
ペニスの裏側を性器に押し付けた。未だに包皮からはみ出ているクリトリスに刺激が加わる。
「おっぱいさん、こんにちは」
眞一郎が乳首にしゃぶりついた。吸い付きながら舌で転がす。
「あっ…ん…、あっ!…ひぃぃ…んあぁ…んんあぁ…」
乳首への愛撫と同時にペニスが少し動いて、クリトリスから快感が走る。
比呂美が言葉を失い始めた。
「あっ…そんなことしちゃ…あん…、だめ…なのにぃ…ぁ…ぁ…ぅ…あっ…」
眞一郎は、乳首の他の場所も吸い付きながら舌で愛撫している。
18いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:21:26 ID:jWhTG+Fp
両方の乳房を堪能した後に聞いた。
「比呂美、欲しい?」
乳房を開放しても、相変わらずペニスによる性器への愛撫は止まっていない。
「あっ…くぅ…、ぁ…ぁ…ぁ…」
声も出ないくらいに快感を感じていた。何度も絶頂した性器は敏感すぎた。
「返事がないなぁ。でも、しちゃおう」
比呂美の目を見て言うと、潤んだ目で「うん」と返事が返ってきた。
「それっ」
ペニスの先端を膣の入り口にあてる。ようやく比呂美が少し余裕を取り戻した。
「ぁ…ひぃ…、はぁ…はぁ…眞一郎くん、きて…」
「どうしようかな?」
少し焦らす作戦。
「あん…だめぇ…欲しいの…、お願い…犯して」
その言葉で、一気にペニスを奥まで挿入する。…ぐじゅっ
「くああっ!」
いきなり子宮の入り口まで到達する挿入に、軽く絶頂。比呂美の体が跳ねた。
「やっぱり、比呂美の中は気持ちいいな」
膣の中は暖かく、やわらかい。それなのに強烈に締め付けてくる。
「ああん…、すっごい…気持ちいいよ…、眞一郎くん…」
「比呂美、好きだよ」
「私も大好き…、私の眞一郎くん…、私を…めちゃくちゃに犯して?」
強烈なピストン運動が始まる。渾身の動きだ。比呂美がまたもや悶絶する。
「くあぁっ!…あっ…くぅ…ぁ…ぁ…ぁ…ぅ…ぁ…っ…っ…っ…っ…」
既に2回出しているので、簡単に射精感は来ない。
結果的に比呂美が強烈な快感で襲われることになる。
「あっ…ひぃ…あっ…きちゃうぅ…、くあっ!…あっ!…あっ!…」
比呂美が絶頂しても眞一郎は止まらない。
「だめっ!…ああっ!…待ってっ!…んんあぁ…ひっ!…ぁ…ぁ…ぁ…」
絶頂後の敏感な性器を、縦横無尽に容赦なくペニスが往復した。
「ああっ!…だめぇ…、おっ…おかしくっ…なっ…ああっ!…ちゃうぅ…
 あっ…またぁ!?…きちゃう…、くっ!…くぁっ!…ひぃぃ…んん…
 ぁ…ぁ…、くっ…お願い…ちょっとだけ…あっ!…くぅ…ぁ…ぅ…っ…」
比呂美の息も絶え絶えな懇願を無視して、眞一郎が動いた。
目を見詰めながら、ぱんぱんと腰を打ちつけている。
お互いに相手を信頼し求め合う、激しいセックスだ。
「あっ!…また…きちゃうぅ…ああぁ…、んっ!…んんんっ!…、くっ…
 あひぃっ…あひぃっ…、うっ…くっ…ひっ…ぁ…ぁ…っ…」
「出るよ!」
「あっ!…きっ…きて!…出して!」
「くぅ!」
射精の瞬間に体を思い切り抱きしめた。
「あっ!…ああっ!…くあぁぁ…ぁ…ぁ…ひっ!…ん…」
比呂美は脚を大きく広げ、つま先まで突っ張って深くペニスを受け入れた。
どぴゅどぴゅと精液が子宮に満たされていく。
「あっ!…あっ!…あっ!…」
「ふぅ」
射精を終えて、一息つく。
19いくつかさせました:2008/03/24(月) 23:21:50 ID:jWhTG+Fp
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
抱き締められながら呼吸を整えていたが、時折びくびくと体を痙攣させていた。
「どうだった? 大丈夫か?」
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…、す、すごかった。頭が真っ白になったの…」
少しだけ体を離して、見詰め合いながら話していた。
「犯してって、言い過ぎだろ〜」
「一度言ってみたかったの♪」
「あのねぇ…」
「興奮した? あっ…んっ…んっ…」
「少し…」
「うそだぁ〜、私…あっ…大変…んん…だったよ?」
「比呂美に言われちゃあ、な?」
「眞一郎くんだから、言ったの…」
「うん、嬉しいよ。でも、比呂美をいじめてるような気分になることもあるんだよな…」
「そんなことないよ…、私はいっぱい可愛がってもらって、すごく嬉しいよ?」
「可愛がったんだろうか?」
「そうだよ、すごかった。またしてね?」
「今度はいきなり押し倒そうか?」
「ええっ、いやぁ〜ん♪ 助けてぇ〜♪」
「ははっ」
「あははっ」
次第に興奮が収まってきた二人は、いつもの調子を取り戻していく。
「「ん…」」
軽くキスをしてから、体を離した。
「あっ…すごいことになってる」
「ほんとだぁ、エッチだね〜♪」
「比呂美がね」
「眞一郎くんでしょ?」
二人でシャワーのかけ合いをして汗を流してから、制服を着て出かけていく。

眞一郎の家で夕飯を食べた。帰りに送ってもらって、
「離れたくないの…」
「俺だって…」
「じゃ、また明日ね♪」
「おおっ」
二人の信頼関係を表すような短い言葉。
「「ちゅっ」」
お決まりのやりとりをした後、比呂美は風呂を済ませた。携帯電話を見るとメールがきている。
深夜遅くまでずっと電話で話していた。
20名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:41:17 ID:WZrIuVfa
比呂美がエロというかアホの子に見えるww

>「はい、腰を振り振り」
>「えいっ! えいっ!」

>「はい、ばんざい」
>「ばんざ〜い♪」

なんか吹いたww


でもGJなんだぜ!バカップルめが!
21プレデター:2008/03/24(月) 23:59:01 ID:y4CWbIm+
     ,. - 、    〈〉     
    彡`壬ミ   ||      
   用ノ哭ヾ二=G    <>>1乙、とかいったりする
   〈_〉〉=={   ||      
   {{{.《_甘.》   ||      
    {_} {_}   ||      
   ム' ム  
22名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:10:23 ID:4vR3YhGu
比呂美がエロすぎてワロタ
眞一郎が余裕すぎてワロタ

どんだけ仲いいんだよこいつら
こっちが恥ずかしくなるわ
23名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:43:17 ID:cZV8Xb3V
全く想像できなくてワロタwww
いいんだけどこれだとキャラ比呂美である必要ないようなw

やっぱ比呂美は初々しい感じがいいかも
嬉しすぎて泣きだしちゃう感じ?
24名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 08:24:55 ID:N4K3ZQM0
>>23
> 嬉しすぎて泣きだしちゃう感じ?

そういう初体験を迎えたあと、やりすぎてはっちゃけちゃったんだよ。
25名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:52:50 ID:cZV8Xb3V
例の保管庫ってどこ?
26朋与男:2008/03/26(水) 02:02:46 ID:5VPk525T
「ある日の比呂美」が放置状態なのにアレなんですが…
自分の精神安定の為に、仮想最終回「乃絵と比呂美のあいだに」を書き始めてしまいました。
内容は……

・比呂美ENDの最終回です。乃絵派の方にはお薦めできません。
・12話までの眞一郎の行動を、最大限好意的に解釈しています。
・非エロです。エッチなシーンは全くありません。
・「ある日の朋与」から繋がる世界です。朋与が無駄に活躍します。
・思わせぶりな題名に意味はありません。適当に付けました。

7割くらい書けてますので、本編より先に結末へ辿り着けると思います。
殆どの方は興味ないと思いますので、どうぞスルーしちゃって下さい。
27乃絵と比呂美のあいだに 1:2008/03/26(水) 02:04:18 ID:5VPk525T
救急病院の待合室に、石動純が駆け込んでくる。
眞一郎はその姿を見つけると、ソファーから立ち上がった。
「乃絵の…乃絵の様態は?」
純の動揺はかなりのものだったが、それでも乃絵の携帯を使って連絡した時よりはマシだった。
「大丈夫。雪がクッションになってくれたから、奇跡的に軽い打撲だけで済んだ」
ただ頭を打っているので、検査のため入院が必要な事と、今日は面会できない事を、眞一郎は純に伝えた。
「そうか……すまなかった」
純は眞一郎に深々と頭を下げると、入院の手続きを済ませ、東京で働いているという母親へ連絡をつけた。
眞一郎は特にすることも、出来ることも無かったが、黙って純の横についていた。
一人でいるよりはマシだろう……そう考えたのだ。
手続きやら、担当医の話やらが終わると、二人は病院を後にした。
とりあえずは乃絵が軽傷らしいという事で、付添い人の宿泊は認められなかったのだ。
…………
…………
海岸通りを、会話も無く歩く眞一郎と純。
途中の自販機で、純はショート缶のコーヒーを二本買うと、ひとつを眞一郎に投げて寄こした。
どちらからともなく、砂浜へ降りるための円形階段に腰を下ろし、コーヒーを煽る。
「お前には……謝らなきゃならない……」
唐突に、純が話を切り出す。
乃絵と付き合えと言ったこと、比呂美と付き合ったこと、その裏に隠してきた己の真意。
妹を……実の妹を愛してしまったことを……。
「おかしいだろ?……でもな……気持ちだけは……自分じゃどうにも出来ない……」
純は乃絵に『禁断の告白』を口にしてしまった事を白状し、自嘲気味に笑う。
だが眞一郎は笑えなかった。もし、自分と比呂美が本当の兄妹だったら……。
そう考えると、純の苦しい胸の内が痛いほど理解できた。
「だから……もう、契約は終わりだ」
もういい、お前の気持ちも、比呂美の気持ちも、知っていて自分はそれを踏み躙ってきた。
許して欲しい。そして自分たちの本当の気持ちに、お前たちも向き合って欲しい……そう純は言った。
コーヒーの残りを一気に飲み干すと、眞一郎は力強く告げる。
「俺、比呂美が好きです」
でも、乃絵とも契約だから付き合っていたんじゃない。乃絵は比呂美とは別の、大切な何かであると。
その乃絵が自分に向けてくれる好意と向き合い、自分の気持ち伝えなければならない……。
それを眞一郎は、比呂美に対するのと同じく、「ちゃんとする」という表現で純に伝えた。
純は暫く羨望の眼差しで眞一郎を眩しそうに見ていたが、フッと笑うと、自分もコーヒーを飲みきった。
「乃絵がお前に惹かれた訳……なんとなく分かった気がする」
そう言うと純は立ち上がって、空き缶を海に向かって投げた。
眞一郎も立ち上がり、それに習う。いけない事だとは思ったが、なぜかそうしたい気分だった。
真っ暗な闇の中に、波音だけが静かに響き、そこが海なのだと知らせている。
その中で立ち尽くす二人の少年は、さっきまで互いに嫌悪していた相手に、今は奇妙な友情を感じていた。
28名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 02:04:25 ID:rzLa5zYl
>>26

楽しみに待ってます。
29乃絵と比呂美のあいだに 2:2008/03/26(水) 02:06:09 ID:5VPk525T
眞一郎は比呂美を置き去りにした場所に戻ってきた。
祭りの喧騒は消え、もう誰もいない。
戻ってきても比呂美がいない事は承知していた。
だからこそ、眞一郎は戻ってきたのだ。
……自分の選択を、もう一度、自らの心に問うために……。
…………
「打ち上げに行く」と言った自分の嘘を、比呂美は見抜いていただろう。
乃絵に会いにいった事も、分かっているに違いない。
きっと傷ついている……泣いている……。
そして比呂美は誤解するだろう。自分は捨てられたのだ……眞一郎は乃絵を選んだのだと……。
(こんなやり方しか出来ない俺を、比呂美は許さないかもしれない……)
恐ろしかった。比呂美を…一番大切な人を失うかもしれないのだから。
……一番……大切な人を……。
(だから……一番大切だからっ!!)
今はまだ、比呂美と向き合うことは出来ない。
乃絵に自分の気持ちを告げるまでは……『ちゃんと』出来るまでは……その資格はない。
自分の覚悟をしっかりと再確認した眞一郎は、踵を返してその場を立ち去ろうとする。
「?」
視線の端に、見覚えのある何かが映った。
(……これ……比呂美の履いていた……)
先端がビニールカバーに覆われた婦人物の下駄が、片方だけ比呂美の立っていた場所に残されていた。
拾い上げて両手で包み込む。
比呂美の温もりが残っているはずもないが、彼女の悲しみは確実に残留している気がした。

…………置いてかないで…………置いてかないで…………

耳残る幼い日の比呂美の泣き声。眞一郎には、それが今もハッキリと聞こえる。
(ゴメン、比呂美。……すぐに……すぐに戻るから……)
眞一郎は駆け出す。
今までの様に、何かから逃げる為に走るのではない。
比呂美の元に、少しでも早く戻る……そんな願いを両脚に込めて、眞一郎は走った。
30乃絵と比呂美のあいだに 3:2008/03/26(水) 02:07:41 ID:5VPk525T
祭りの翌日、比呂美の姿は麦端高校の体育館にあった。
たった一人、ジャージに着替える事もせず、ひたすらシュートを放ち続ける比呂美。
周りには何十個ものバスケットボールが転がり、比呂美のその行為が長時間に及んでいる事を示してた。
身体に充満した苛立ちを少しでも吐き出すため、比呂美はボールを放ち続ける。
(…………置いてかないで……)
気を緩めると、すぐに頭に浮かんでしまう、その言葉…………
外見の鬼気迫る様子とは裏腹に、比呂美の精神は崩壊寸前だった。
麦端踊りの時に見せ付けられた、二人の気持ちの繋がり……
自分を置き去りにして、石動乃絵を追いかけていった眞一郎の姿……
乃絵は、自分と眞一郎が積み重ねてきた『時間』など、苦もなく飛び越えてしまった……
……そして、眞一郎も……
悲しみ、怒り、妬み……比呂美に内在する不の感情が溢れ出し、その手元を狂わせる。
もう何十本もシュートを打っているのに、リングを通過したのは、ほんの僅かだった。
…………
「全然ダメじゃん。フォームが目茶目茶……」
その声にハッと我に返る。入口に顔をしかめて腕組みしている朋与が立っていた。
「いつから居たの……全然気づかなかった」
「連続で五本はずして『クソッ』って毒づいた辺りから」
やれやれ、という風に軽く笑いながら、朋与は散乱したボールを片付け始める。
誰にも今の自分を見られたくない……そんな風に考えていたつもりだったが、
唐突に、自分の真意がそうではなかった事に気がつく比呂美。
体育館にいれば朋与が来てくれる。無意識に、その事が分かっていたのかもしれない。
(朋与に訊いて欲しかった……私…朋与を待っていた……)
一通り片付けを終えると、朋与は無言で視線を向けてくる。比呂美が話し出すのを待っているようだった。
「昨日の麦端祭り……来ればよかったのに……面白いものが見れたよ……」
「?」
醜く歪む比呂美の口元。比呂美は自分で自分を笑っていた。
祭りでの出来事を、比呂美は朋与に話し始める。
踊りの前から眞一郎の様子がおかしかった事。石動乃絵に眞一郎との別れを懇願した事。
麦端踊りの事。眞一郎がその時、誰の為に踊り、誰の為に舞ったか……気づいてしまった事……。
「……フラれちゃった……」
手にしたボールを構え、出鱈目なフォームでシュートする。当然のごとく、ボールはリングに掠りもしない。
「もう信じられないってこと?仲上くんのこと」
眞一郎を信じるとか、信じないとかではない。問題は自分自身……眞一郎に頼りきっている……自分の弱い心。
「私ね…こんな自分…嫌なの…………こんなの……もう……」
…………
暫しの沈黙の後、朋与はボールを手にした。
二、三度ドリブルの真似事をしてから、胸の前に構える。パスの合図だった。
比呂美が構えると、迷いの無いパスが一直線に飛んでくる。
(……朋与……)
素早く身体をバックボードへと向ける比呂美。
全身を一旦沈み込ませ、そして飛び上がる!膝から……そして左手は添えるだけ……!
フェイダウェイ気味に放たれるシュート。
そして……朋与の強い意志を載せたボールは、美しい弧を描いてリングへと吸い込まれていく。
シュッと心地いい音を立ててネットを通過すると、ボールはそのまま下に落下し、数度のバウンド経て動きを止めた。
静寂が訪れるのを待って、朋与が口を開く。
「言うのよ比呂美。その口で。仲上くんに『好きだ』って」
朋与の態度は真剣を通り越して、もはや脅迫の域に達していた。
だが、そんな親友の真摯な姿を見ても、比呂美はまだ逃げることを止められない。
「無駄よ……だって眞一郎くんは…」
「無駄でも言うのよ!じゃなきゃ変われない!!」
朋与は比呂美の胸倉に掴みかかった。
「アンタいつもそればっかり!自分の気持ちくらい……自分で決めてケリつけなよ!!」
怒りに任せて比呂美を突き放すと、朋与はその場から去っていく。
期待していた朋与の慰めを得られず、また一人になった比呂美は、ただその場に立ち尽くしてた。
31乃絵と比呂美のあいだに 4:2008/03/26(水) 02:11:17 ID:5VPk525T
黄昏の病室で、乃絵は空を見ていた。
海に近い事もあり、目線の高さに海鳥が数羽、潮風に煽られながら飛んでいる。
一人でいる時、自分にはする事が何も無いな、と改めて思う。
アブラムシの唄を口ずさむ気分でもない。
……ただ……時が過ぎていくのを……流れていくのを見ているだけ……
何も分からない、何も気づかない、何もしない自分なのだから、そうしているのがお似合いだ……
そう乃絵は思った。

…………コン、コン…………

ドアがノックされた。乃絵が返事をすると、扉はゆっくり開き、眞一郎の姿が眼に入ってくる。
「……眞一郎」
「よぉ。…………二つ目の約束……果たしに来た……」
眞一郎の手には、もう見慣れたスケッチブック…「雷轟丸と地べたの物語」が握られている。
赤い実の木から飛び降りた自分を助けてくれたのが眞一郎であることは、兄から聞いて知っていた。
そして眞一郎が、そう遠くない日に乃絵の病室を訪れるであろう事も……。
二つ目の約束が果たされた時……自分と眞一郎がどうなってしまうかも……乃絵にはハッキリと分かっていた。
一つ目の約束……麦端踊りの舞台に立つ眞一郎を見た時に……嫌というほど分かってしまったのだ……。
「描き上げたんだ……『雷轟丸と地べたの物語』……お前に見て欲しい……」
無言でそれを受け取り、縛られた紐を解く乃絵。
表紙を開き、噛み締めるようにページをめくって、乃絵は絵本を読み進めていく。
…………
…………
雷轟丸が飛んでいた。
自分の意志で、誰のためでもなく、自分自身の思いのままに、力いっぱい、大空へ…………
…………
…………
乃絵は絵本を閉じると、暫くその余韻に浸るように、目を閉じて静止していた。
「どうだ?」
「……飛べたね……雷轟丸…………」
そして眞一郎も……そう言いかけて、乃絵の唇は動きを止める。
まだだ……眞一郎が本当の飛翔を乃絵に見せるのは……これから……。
(でも……私は……)
怖い。飛ぶのが怖い。そうしなければならないのに、選ぶのが怖い。進むのが怖い……。
目を閉じて震える乃絵。そんな彼女の耳に、眞一郎の柔らかな囁きが届く。
「乃絵……お前も飛べる。……だってさ……俺と雷轟丸を飛ばせてくれたのは……お前なんだから……」
「…………」
優しい声に、乃絵の瞳がゆっくりと開いていく。
窓辺に立つ眞一郎はオレンジの入射光をその身に纏い、まるで金色の翼を広げている様に、乃絵には見えた。
「俺と一緒に飛ぼう、乃絵」
傍から見れば、それは愛の告白のように聞こえたかもしれない。
だがそうではない……乃絵にはそれが分かっていた。
「…………えぇ、私も眞一郎と飛びたい」
飛ぶ……眞一郎と飛翔する……。泥のようにまとわり付いてた恐怖が、心から洗い流されていく。
それは乃絵が子供だった自分に決別した瞬間だった。
32乃絵と比呂美のあいだに 5:2008/03/26(水) 02:13:57 ID:5VPk525T
湯浅比呂美を愛している……ずっと昔から……。そう眞一郎は乃絵に告げた。
その声色は優しく、柔らかで、眞一郎の比呂美への想いが、そのまま音になったようだった。
乃絵は視線を逸らさずに、黙って聞いている。
眞一郎は淡々と話し続ける。これまで比呂美との間にあったことを……。
幼い日に胸に刻まれた思い出、そして二人を隔てた大きな壁、
それでも……障害に阻まれても消えることが無かった互いの気持ち……。
…………
残酷なことをしている……その自覚が眞一郎にはあった。
でも止める事はできない。そう自分で決めたから。
真剣な想いを向けてくれる少女に、自分の真剣な…正直な気持ちで応える。
それが『飛ぶ』ということ……
自分で決めて、前へと進む勇気を持つ……眞一郎が見つけた『飛ぶ』という事の答え。
…………
…………
「だからもう……乃絵には逢えない」
眞一郎の告白が終わると、乃絵は少しのあいだ目を伏せてから、再び向き直る。
笑顔だった。初めて出会ったときよりも眩しい、輝くような笑顔だった。
「次は、私の番!」
乃絵の想いは簡潔だった。
眞一郎が好き。大好き。
赤い実の木の上から、初めて眞一郎を見てから……『好き』がどんどん積み重なっていった。
どんどん、どんどん、どんどん…………
乃絵が好きだ、と言ってくれた時……石文字で書いてくれた時……凄く嬉しかった……泣きたいほどに……
でもすぐに気がついてしまった。
自分が……自分の事しか見ていない子供だということに……。
純の気持ちにも、比呂美の気持ちにも、…………眞一郎の本当の気持ちにも気づかない…子供だったことに。
どうすればいいか分からなかった。何をすればいいか知りたかった。
…………つい、さっきまでは…………。
でも今は違う。眞一郎と雷轟丸が、どうすれば『飛べる』のかを教えてくれた。
答えは最初から乃絵自身の中にあったのだ。
相手の気持ち、周りにいる…自分を包んでくれる人たちの想いを真心で感じて……そして自分で決める。
それが乃絵の辿り着いた『飛ぶ』という事の答え。
…………
…………
「私も……もう眞一郎には逢えない」
眞一郎に真っ直ぐに向けられた乃絵の表情には、迷いも、諦めも、後悔もない。
乃絵は誰かのために、自分の想いを犠牲にしたのではない。
それは乃絵が自分の意思で、自分の為にした決断。
愛する人の……眞一郎の本当の想いを遂げさせたい……それが乃絵の、偽りのない気持ち。
「行って、眞一郎。あなたが『本当に』飛ぶところは……ここじゃない」
眞一郎は黙って頷くと、出口へと向かった。
「眞一郎!!」
乃絵の呼びかけに、扉を横にスライドさせた眞一郎の動きが止まる。
「…………ありがとう」
眞一郎は振り返らなかった。前に向かうだけだった。
その姿が視界から消えても、乃絵は何度も「ありがとう」と遠ざかる背中に向かって呟き続けていた。
33乃絵と比呂美のあいだに 6:2008/03/26(水) 02:16:13 ID:5VPk525T
「雷轟丸……あなたにもお礼を言うわ……ありがとう…」
そう言って、乃絵は眞一郎の書いた題字を指でなぞる。
「でも、あなたは飛ぶ事を選んだんだから、ここに居てはいけないの」
乃絵はベッドから立ち上がると、ハンガーに掛けてあった赤いコートを羽織った。
眞一郎が残していったスケッチブックを再び開き、そのページを一枚一枚、丁寧に剥がしていく。
(雷轟丸……空へ……空へ帰るのよ)
バラバラになった絵本を、乃絵は一つ一つ、心を込めて折り上げていく。
ベッドの上は、あっという間に沢山の紙飛行機でいっぱいになった。
窓を開けると、病室の中に海からの風が『雷轟丸』を手招きするように吹き込んできた。
海鳥たちが上昇気流に身を任せて滑空している。
それもまた、「早く来いよ」と『雷轟丸』を呼んでいるかの様に、乃絵には感じられた。
「さぁ、飛びなさい!雷轟丸っ!!」
乃絵は紙飛行機…いや、『雷轟丸』を金色の大空へと飛び立たせた!
次々と『雷轟丸』たちをオレンジが落ちていく世界へ送り出す乃絵。
『雷轟丸』は風に乗り、どんどん遠くへと飛んでいく。
それらは不思議と墜落することもなく飛び続け、海鳥たちと共に雄大な飛翔を乃絵に見せてくれた。
…………
風が頬を優しく撫でてきた時、部分的に体温が奪われる感覚がして、乃絵は自分が泣いていることに気がついた。
いつの間にか、暖かな雫が乃絵の頬を伝って、次々と零れ落ちている。
それは無意識のうちに閉じ込めていた自分の心が、開放された証なのだと、乃絵にはすぐ分かった。
羽織っている赤いコートの襟元を、まだ幼さの残る掌でギュッと掴む。
「お婆ちゃん……眞一郎が……ううん…みんなが……私に涙をくれたわ……」
乃絵は暫くのあいだ、流れる涙を拭うこともせずに窓際に立ち、離れていく『雷轟丸』と海鳥たちを見ていた。
担当の先生と話をしていた純が戻ってきたことにも気づかず、黄昏の世界に見入っている。
純は黙って、その乃絵の背中を見つめた。
昨日までの乃絵とは違う……漠然とだが、純にはそう感じられた。
きっと仲上が来たに違いない。そしてアイツが乃絵を変えた……変えてくれた……。
乃絵は今、泣いている。気高い涙を流している。昨日までの乃絵は……もう居ない……。
自分が愛した少女が消えてしまったというのに、何故か純は悲しくなかった。
みんな変わる……変わっていく……そして自分も……。その事が純には良く分かっていたから……。
(……婆ちゃん……俺も……)
天国の祖母に呼びかけようとして、純は自分もまた泣いていることに気がついた。
悲しいわけではない……なのに涙は止まらなかった。
《乃絵は大人になったの……それを喜んであげなさい……》
そう呟くお婆ちゃんの声がする……そんな気が、純にはしていた。
34名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 09:27:23 ID:xT3n4mQ4
眞一郎〜のおちんちんにもあぶらむし〜♪
35名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:43:29 ID:T1cBArF7
神SSすぎだろ・・・
4番の補完も完璧な形だし
続き待ち
36名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:30:53 ID:lkfnA4gQ
この流れなら“成長物語”としてのTTを存分に楽しめるな。本編はどうなることやら・・・

どうでも良いことだけど、「オレンジが落ちていく」って表現があるが、サントラにある曲とかけたのかな?
まあ普通に思いついたのかもしれないけど、あれ個人的には大好きだから、もしかけたのならちょっと嬉しかったりw
37名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:29:09 ID:rod3JEtK
神が降臨する瞬間を目の当たりにした!。続きが楽しみです。
38名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:23:48 ID:KeZFoJ6o
ttp://www39.atwiki.jp/true_tears/pages/111.html
つーわけで、保管庫できました
お待たせしてすいません^^;
一応抜けはないつもりですが、ありましたらご一報ください
39名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:35:24 ID:EPzy22/5
お疲れ様です。
おいらの駄作までちゃんと保管されてて、むしろ抜いておいてほしいくらいです(///)ハズカチー
40名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:36:17 ID:R5mnoAEU
乙っす
41名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:36:17 ID:t6kTGtPQ
>>36
本編は比呂美の中の人が最終回収録後のコメントで
「静かに終わった」「ハッピーエンドではなかった」と
暴露しているので、このSSとはまるで正反対の展開で
乃絵メインで比呂美はほぼ放置の最悪な展開で
眞一郎が乃絵に「君の涙を〜」と言って眞一郎×乃絵になって
乃絵ENDになり比呂美は強制的に自立ENDになり
バカヤローな展開と結末になってしまい
眞一郎はキミキスの光一を超える糞最低主人公と
叩かれるだろう。
42名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:04:08 ID:T1cBArF7
ハッピーエンドはなかったなんて言ってない。
「三角関係で始まったので、ハッピーエンドはないなーと思ったのですが」
だよ
これだとむしろハッピーエンドと読み取れる
なんか静かに終わりそうってのも釣りっぽい
もの凄く盛り上がる未使用のBGMがサントラに2曲残ってるし
一曲は最後にかかるとして、
もう一曲は比呂美の元へ戻ってきた眞一郎が再び比呂美に向き合うシーンにかかるのでは
ちゃんとしてくれると思うぞ
てか、「乃絵と比呂美のあいだに」が最も正しい形だと思うw
こんな感じになってほしい
43名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:04:35 ID:2RF79ct0
すげえ大作がw

今、乃絵が眞一郎の背中を押してやって比呂美ENDって以外のパターンを考えてるけど、
ぜんぜん上手く行かない・・・
最終回放送までに完成しそうにもないぜ。くそっ
44名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:05:32 ID:T1cBArF7
ネタにマジレススマソwww
45朋与男:2008/03/26(水) 21:29:49 ID:5VPk525T
>>35>>36 >>37
ありがとうございます
でも、本編は私の駄文など、軽く飛び越えてくれる……そう信じてます
「オレンジ〜」はご指摘の通りです
気づいて頂けて、こちらこそ嬉しいです 
>>38
管理人さま、保管庫作成お疲れ様でした
お手数ですが、ちょっとお願いがあります
「ある日の朋与」なんですが、実は「1」を間違えて2回投下しちゃってまして…
冒頭の部分が重複しておりますので、そこだけ消していただけると助かります
46乃絵と比呂美のあいだに 7:2008/03/26(水) 21:59:24 ID:5VPk525T
眞一郎と乃絵が黄昏の中で邂逅していた頃、比呂美はひとり、仲上家へと向かっていた。
「比呂美ちゃ〜ん」
後ろから聞き覚えのある声がする。
振り向くと、手を振ってこちらへ駆けて来る愛子の姿が見えた。
同じ街に住んでいながら、何年も顔を合わせなかったというのに……。
祭りを境に、また縁が結ばれたのだろうか?
自然に自分の横に並んでくる愛子を見て、比呂美はそんな事を考えていた。
「うわ〜大きな風呂敷。何それ」
「お祭りの時に着てた着物。眞一郎くんの家に返しに行くの」
祭りの話はしたくなかったが、疎遠になっていた愛子とは、麦端祭りの事しか話題が無い。
着物や自分たちのした仕事の話でお茶を濁そうとする比呂美だったが、それは無駄なことだった。
愛子は躊躇い無く、比呂美が触れられたくない所に斬り込んで来る。
「眞一郎と……付き合ってるって言ってたよね、昨日」
「…………」
彼女は私です……そう比呂美は愛子に言った。
でもそれは事実ではなく、比呂美がそう思いたかっただけ……。
黙り込んでしまった比呂美を見て、愛子は三人の関係がまだ、複雑に絡みあったままなのだと気づいた。
そして比呂美は恐れている。どうすればいいかは分かっているのに……もたらされる結果が怖い。
(ちょっと前のあたしだ……)
眞一郎にフラれる前の、三代吉とやり直す前の自分が……今、比呂美の姿をして目の前にいる。
だとしたら……する事はひとつしかない…………愛子はそう思った。
…………
「諦めるの? 眞一郎のこと」
「!!」
思わず愛子の顔を睨みつけてしまう。認めたくない答えをあっさり示されて、比呂美は不愉快だった。
「……眞一郎くんの気持ちは……石動乃絵さんにあるの……彼女は……凄い娘だから……」
眞一郎と比呂美のあいだに流れた大切な時間……それを無かったことに出来るほど……乃絵は魅力的だった。
素直で、純粋で……天使のような娘……。勝てるはずが無い……比呂美はそう思った。
…………
「それがどうしたの?」
「!?」
搾り出すように吐露した苦悩に『それがどうした』と切り返されて、比呂美は心底驚いた。
愛子は自分の話を聞いていないのだろうか。
再び口を開き、乃絵がどれほど眞一郎の心を掴んでいるか説明しようとする比呂美。
だが、愛子がそれを遮る。
「そうじゃなくて……比呂美ちゃんは『どうしたい』の?」
愛子が放つ追及の刃は、容赦無く比呂美の心へと突き刺さっていった。
47乃絵と比呂美のあいだに 8:2008/03/26(水) 22:01:40 ID:5VPk525T
眞一郎が自分から離れていく……その予感を感じた時から、比呂美はずっと考えていた。
一体どうすればいいのか…自分は何がしたいのかを……。
「私……私は……」
比呂美は朋与が指摘したとおり、眞一郎にちゃんと『想い』を口にした事はない。
不意打ちでキスを奪ったことはある。……でもそれは……『想い』を伝えたことになるのだろうか?
眞一郎の告白を誘うための……ズルいやり方ではなかっただろうか?
…………
思えばいつも、自分は眞一郎の手の届くところまで近づいていって、彼が見つけてくれるのを待つだけだった。
それではもうダメな事は分かっている……変わりたい……そう思っている……。
…………でも…………怖い……。
…………
答えを口に出来ない比呂美を見ても、愛子は責める気にはならなかった。
簡単に決断できるほど軽い想いなら、比呂美がこんなに苦しむはずがない。
(分かるよ、比呂美ちゃん……あたしも……そうだったから)
自分の役目はここまでだ、と愛子は思った。
この後、比呂美が自分で決断するか、それともまた誰かが小石を投げ入れて波紋を起こすのか……。
それは神様だけが知っていること。三人の運命に、自分はこれ以上、口出しするべきではない。
…………
そろそろ店に着くな、と思い視線をあげる愛子。店の前で待っている三代吉が目に入る。
「それじゃ比呂美ちゃん、あたしここで!」
愛子は、自分だけの世界に入り込んでしまった比呂美から離れ、三代吉のいる方へと駆けていく。
そのまま離れていくかと思われた愛子の脚が、店と比呂美の中間で止まった。
比呂美の方に振り向き、大声で叫ぶ愛子。
「比呂美ちゃん!」
思考の深遠に嵌まり込んでいた比呂美の意識が、愛子の声で現実に引き戻される。
そして愛子は比呂美の瞳を真っ直ぐ見据えて言った。
「自分で決めるのよ。眞一郎が決めるのは眞一郎の事だけ。自分の事は自分で決めるの」
それだけ告げると、愛子は再び三代吉に向かって駆け出した。


「ごめ〜ん、待った?」
一応謝って見せるが、少しくらいの遅刻で三代吉が腹を立てるわけが無いと、愛子には分かっていた。
三代吉が何か訊きたそうにしていたが、無視してポケットをゴソゴソと漁り鍵を探す。
「一緒のいたの湯浅さんだろ?……何…話してたの?」
我慢できずに三代吉が口を開く。きっと眞一郎に関係があると思ったのだろう。彼はいつも眞一郎を気に掛けている。
愛子は三代吉のそんなところが大好きだったが、こればかりは話す訳にはいかなかった。
「女同士の話。……いから、入ろう!」
店の中に三代吉を押し込むと、愛子は比呂美のいた方を見た。
(がんばれ!比呂美ちゃん!)
乃絵には申し訳ないが、やっぱり眞一郎は比呂美と結ばれて欲しい……。
愛子はそう願って、心の中でエールを送った。
48乃絵と比呂美のあいだに 9:2008/03/26(水) 22:04:38 ID:5VPk525T
「ごめんください」
比呂美が戸を開けると、「はぁ〜い」と愛想のいい声がして、おばさんが顔を見せる。
が、相手が比呂美だと分かると、おばさんの顔はすぐ不機嫌になった。
「紛らわしいわね。お客様じゃないんだから、向こうの玄関を使いなさい」
「え……は、ハイ……」
また怒られてしまった。比呂美はそそくさと来客用の玄関を出て、家人用の玄関へと廻る。
おばさんが自分を家族として見てくれている……それは嬉しい事だった。
比呂美の顔が自然にほころぶ。
だが喜びに気持ちが緩んだのもつかの間、比呂美の表情はすぐに悲しみで曇った。
眞一郎との関係が終われば、この家に来る事も出来なくなる……。
それもまた、比呂美の決断を鈍らせている原因のひとつだった。

「これ、ありがとうございました」
居間に入り、風呂敷包みをおばさんに差し出す。
貸してくれた着物は、おばさんが若い頃に着ていたお気に入りの物らしい。
「あげても良かったんだけど……やっぱり、ちゃんとした箪笥がないとね」
着る時はどうせ私が着付けるんだから、とおばさんは笑う。
「あの……すみませんでした。下駄、片方なくしちゃって……」
頭を下げ謝罪する比呂美。
……本当は無くしたのではない。わざと置いてきたのだ。
あの幼い日の思い出にすがれば……眞一郎が見つけてくれる……そう思い込みたかったから……
(そんな魔法みたいなこと……あるはず無いのに)
滑稽だ。自分で自分が嫌になる……。
そんな事を考え、比呂美が気分を沈ませていると、おばさんは意外な事を言った。
「あぁ、あれなら眞ちゃんが持って帰ってきたわよ。境内にあったって」
「え……」
眞一郎が下駄を見つけた……眞一郎が……あの場所に戻ってきた……。
辻褄の合わない事実に、激しく揺さぶられる比呂美の心。
眞一郎は乃絵のところへ行ってしまったはずなのに……どうして……。
…………
「比呂美、どうしたの?」
おばさんの呼び掛けでハッとする。また混乱して思考が停止していたらしい。
「なんだか変よ。今お茶淹れるから、少し待ってなさい」
「いえ、私…今日は……」
席を立とうとする比呂美だったが、おばさんの有無を言わせぬ態度に押し留められてしまう。
「話したい事もあるし……ちょっと位いいでしょ」
おばさんは台所へと向かってしまい、結局、比呂美は退出するタイミングを逃した。
49乃絵と比呂美のあいだに 10:2008/03/26(水) 22:09:28 ID:5VPk525T
(何してんだろ……私……)
比呂美は不思議な気分だった。
あれほど憎いと思ったこの人と、自分は今、差し向かいでお茶を飲んでいる。
ささくれ立っていた気持ちが、僅かに潤った気もするが、
土砂降りの雨が小雨になった、という程度で、やはり晴天には程遠い。
「顔…凄く怖いわよ」
「え……そうですか?」
おばさんと二人だと、やっぱり緊張します…などと言って誤魔化そうとする比呂美。
だが……相手はそれほど甘くはなかった。
「捨てられた女の顔ね」
「!!!!」
言われた瞬間、比呂美は幻聴を聞いたのかと思った。
だが、目の前のおばさんの顔は氷のように冷たい。……そう、最初にこの家に来た時の……あの顔……。
間違いない。この人は言った。比呂美は捨てられた女だと。
全部知ってるんだ……どうやって知ったかは分からないが……おばさんは知っている!
(……敵だ……この人はやっぱり敵なんだ!……)
比呂美の内部に蓄積されていた怒りに火がつき、瞬く間に爆発する。
「……元はといえば…………全部おばさんのせいじゃないですかっ!!!」
ガタッと音を立てて立ち上がり、おばさんを見下ろす体勢を取ってから、溜めていた思いをぶちまける。
「私がっ……眞一郎くんの事、好きなの知ってて!!……兄妹だなんて言うからぁっ!!!」
心の中を全て搾り出したような比呂美の叫び。
そう……おばさんがあんな嘘を言わなければ……自分と眞一郎は……もっと自然に触れ逢えた……。
石動乃絵なんかに……割り込ませたりしなかった!!
「全部おばさんが悪いの!おばさんが邪魔しなければ…私っ!……私はっ!!!」
おばさんは目線を逸らさない。そして涼しい顔で訊いてくる。
「『私は』……何?……どうするの?」
……どうする……おばさんが…邪魔しなければ……自分はどうした……というのか……
一瞬で比呂美の毒気は抜け去ってしまった。
ハァ、とため息をを吐き、比呂美を見つめ直したおばさんの顔は、『昔』ではなく『今』のものだった。
「私には本音が言えるのに、どうして眞一郎には言えないの」
……のせられた……。全て比呂美の本心を引き出す為の芝居だったのだ。
再び席に着き、俯いてしまう比呂美。……恥ずかしいというより…情けなかった。
「……傷つくのが…怖いの?」
「え!?」
図星をつかれて、比呂美はハッと顔を上げた。
50乃絵と比呂美のあいだに 11:2008/03/26(水) 22:13:12 ID:5VPk525T
「怖いです……眞一郎くんに捨てられたら……ここにも、もう来れないし……」
「屁理屈はおやめなさい」
おばさんはどこまでも厳しかった。
比呂美と眞一郎がどうなろうと、比呂美が『仲上』の子供である事は変わらない……
そう断言して、比呂美が持つ『最後の逃げ道』を断つ。
「で、でも……」
この期に及んで、まだ比呂美の心の壁は抵抗を止めない。
おばさんはまた、深くため息を吐くと、呟くように言った。
「かわいそうね……あなたの『想い』……」
比呂美には意味がよく分からなかった。『想い』がかわいそう?
「だってそうじゃない。その気持ちは、この先もずっとあなたの中に閉じ込められたままなんでしょ?」
大事に育ててきたのに……どこにも出られず……感じてもらえない……
それはとても哀しいことだ、とおばさんは言った。
「……でも……眞一郎くんには……もう私の気持ちは邪魔なだけ…」
「眞一郎は関係ありません」
またしても、バッサリと斬って捨てられる比呂美の言い訳。
「あなたの『想い』はあなたの物よ。眞一郎がどう応えるかは関係ない。あなたがその『想い』をどうするか」
…………関係ない…………眞一郎の気持ちは………
…………
「あなたは……抱え込み過ぎるのよ」
吐き出してしまえばいい。自分に向けて、そうしたように。
道が開かれるか閉ざされるかは、やってみなければ分からないことなのだ。
「言ってしまいなさい。自分の正直な気持ちを。……それで駄目なら……」
その時、また二人で考えましょう…そう言っておばさんは微笑んでくれた。
比呂美に……比呂美だけに向けられた柔和な笑顔。
…………
(あぁ…………そうか……)
比呂美はようやく理解した。朋与の、愛子の言いたかったことを。
相手の気持ちは関係ない。眞一郎が今、誰を愛していても関係ない。
(私は今、眞一郎くんを愛している)
そうだ…自分の想いは偽物じゃない。眞一郎を愛している。愛しているんだ。
傷ついてもいい。目茶目茶になってもいい。ボロボロになってもいい。でも…このままじゃ終われない。
大切に…大切に育んできた眞一郎への気持ち……こんな形で終わらせる事は……それだけは出来ない!
…………
「あの、眞一郎くんは……」
「お友達のお見舞いだって出掛けて行ったわ。たぶん病院じゃない?」
病院……友達……石動乃絵
「だいぶ前に出掛けたから、そろそろ帰ってくるでしょ。待つ?」
比呂美は首を横に振った。
「私、行きます」
そう、とだけ言って、おばさんはまた湯飲みを口に運んだ。立ち上がり、居間の戸に手を掛ける比呂美。
「……おばさんは……凄いですね」
「あなたより二十年以上も永く『女』をやっているのよ。当たり前でしょ」
振り向く比呂美。その顔は先程までとはまるで違う『晴天』の顔だった。
「凄いです。尊敬……しちゃいます」
「そぉ?…………ありがとう」
おばさんの微笑みに背中を押されて、比呂美は駆け出す。
止まらない気持ちを解放するために!眞一郎へ向かって!
51名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:29:43 ID:F4hU/rov
うーん、うまいなぁ。
非常にきれいにまとまってるなぁ。TV版とは大違いだ。

頑張れ、朋与男さん
52名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:51:30 ID:b2u+3wHs
朋与男さん乙です!

TV本編で翻弄されまくりでヤサグレた心、
しっかり療養させてもらってます。
朋与男さんがいれば、最終回どんな結末でも
向き合える感じがします。
これからもし^−^)よろしくです。
53名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:32:08 ID:qapYibaV
さすがです。感服しました。
比呂美の下駄を眞一郎が「見つける」、これは本編でも是非見たいが・・・・
54名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:39:08 ID:M5Ti1U0p
みんなして比呂美シフトで、ちょっとサポーティブすぎる気もするが、
比呂美もこれまであれだけ抑圧されていたのだから、このくらいいい目を見てもいいよね。
何にしても幸せになってほしいよ。
55名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:49:06 ID:jk08hXrW
そういえば本スレに
その後の「のえがすきた」の件が話題になったこと
あったな。鳥小屋まえのやつ。

どなたかそれネタに後日談書いてほすい。

クロミ女郎蜘蛛の巣にかかった眞一郎トンボの
物語、読んでみたい。

56truetearsVSプレデター(39:2008/03/27(木) 01:00:45 ID:k/vD7bYb
ここでムードを邪魔して再開するのがプレデターなんだな。
>>38保管庫さん、どうもご苦労様です。それから朋与男さん、前スレでネタ拾ってくれて乙。
もー終わらせたい、って気がする。


夜中にお使いに出た湯浅比呂美はレイプ集団に襲われるが、死闘の末勝利する。
近くまで来ていたプレデターは、その勇敢さを称えて、ちょっと挨拶に現れるが、
そこにプレデターを追って、日系企業ユタニ社の軍隊が登場。
熾烈な争いの渦中に比呂美も巻き込まれ、撃たれてしまう。

一方、眞一郎の母は丁稚とカーセックス。
眞一郎は、安藤愛子の乱交現場を目撃したショックで愛子を強姦。
幸い三代吉の活躍で未遂に終わるが、同時に友情も終わった。

そのころ、プレデターの仲間に乃絵は爆弾をつけられ、
純も寄生生命体を植えつけられて‘ヴェノム’に改造されてしまう。
それは純をプレデターの敵にするためだった。

ユタニの軍はプレデターの仲間によって駆逐されつつあったが、
最後に‘強化外骨格’なるものを投入していた。

そして比呂美はプレデターに協力を提案するが、
その矢先、落とし穴に落ちて、早くも足を引っ張ることに。
ユタニの残存兵力が集結するなか、プレデターは比呂美を守って闘うことになる。

(ここまでが前回までのあらすじ)

路地の真ん中で、針の落とし穴に落ちそうになる比呂美をギリギリで支えたまま、
プレデターは前後から注がれる砲火に応戦する。
「グゥウッ・・・!」
彼の怪物が自己の生死さえ貧窮している極限で、比呂美の命を救う義理立てなどない。
というか、そうでなくても助けることはなかったし、
実際比呂美がレイプ犯に囲まれたときも手を出さなかったくらいだ。
しかし、今はまさに命がけで彼女の体を支えている。

「・・・ごめんなさいっ!」
比呂美がプレデターの小指に掛かった自身の命綱を、身を揺すって振りほどく。
「クァア!」
彼女の自殺行為に、プレデターが心外、といった声を上げる。

生きたい。本当に死にたくない。
その思いが強いからこそ、同じく懸命に足掻くものの邪魔をしたくなかった。
一分一秒でも長く呼吸するのではなく、意思を持って前進することが生きることだ。
だからその志をせめて、同じ渦中にある戦士に託すことが、
比呂美なりの生存欲求、運命への抗いといえた。

それでも、その英断は自身を永遠に喪失するのを代償としたことに変わりない。
ほんの一瞬、しかし四肢を突き刺される確実な苦痛。その恐怖を歯を噛締めてこらえる。
後悔などしない。いや、どうせ手遅れだからしてもいいか。
瞬きにも満たない刹那の間に、
比呂美は高潔な決断と、気の抜けた諦観を同時にやって、自身の最期をやり過ごすつもりだった。
57truetearsVSプレデター(40:2008/03/27(木) 01:12:57 ID:k/vD7bYb
ヒュー ガキッ
「っ?・・・へ」
プレデターの片腕から発射されたネットランチャー・・・本来、獲物を縛り上げ、その体をサイコロステーキのように、
解体する殺傷道具が、比呂美を落とし穴の壁面に貼りつけ、死に至るのを阻止していた。
「あ・・・あぁあ・・・」
途端に比呂美の肌を、電気のように生きている悦びが駆け抜ける。

「グゥウオッウ!」
しかし彼女に注意を向けた怪物の背に、太い杭が打ち込まれる。
その先端は鉤状になっており、鉄線を編んだ太いワイヤーが
それを引き寄せて深く肉に食いこみ、ガッチリと拘束して引き寄せる。
「「ガァアアアッッッ!!」
プレデターは決心すると、そのまま敵に突進していった。
直進すれば、それだけ的に晒されて、集中的にやられてしまう。
事実、今まではなんとか肌を掠める程度だった攻撃が、もろに前面に注いでくる。
一歩進むだけでも、窓にぶつかる虫のような足掻きだったが、それでも止まらない。

プレデターが比呂美を助けようとしたのは、ほんの気の迷いだった。
自身に向かって懸命に協力を訴える少女が消えそうになったとき、つい手を出しただけだ。
このモンスターに干渉や後悔の類は縁がないが、一方で、リスクに左右されるような迷いや躊躇もしない。
助けようとしたのだから、手向かわない限りは最後まで助ける。
つまり比呂美に何かを期待したわけでもなかった。
だから、あれほど懸命に足掻いていた彼女が自分のために動いたこと、約束を守ったことが嬉しかった。
孤軍のなかに射した、ほんの小さな光。それが力になった。

ドシュッ!ガキィッ!メチッ!
「ひいいいいぃぃぃ!」
それでも兵隊の束に、自らを槍として叩き込み、その懐にもぐりこんだプレデターは五体を振り回して、応戦する。
たった今、小さな少女が見せた勇気、それが怪物の攻勢に向かう意思を目覚めさせ、発揮させた。

ユタニの兵たちはもう殆ど肉体的にはプレデターを殺していた。
事実、かつての歴史でこの種族を単身で打ち破った人間のように、冷静かつ捨て身で挑めば、倒すことができた筈だった。
しかし、手負いの獣が見せる悪鬼そのものも蛮勇に気圧され、結果として逆に死ぬこととなった。

気付けば残った最後の一人が、背を向けて逃走する。
「・・・ルウゥゥウッ・・・」
プレデターも満身創痍極まる感じで、追おうとしても水漏れのように、膝から力が抜けていく。
だからノロノロと背に突き刺さった杭を引き抜くと、欠けたリストブレイドでワイヤーを丁度よく切断すると、
カウボーイのように腕に携えてそれを振り回す。
すでに敵は通りの向うに消えていたが、化け物じみた(?)感覚で、位置を把握すると、
目に届かない向うに杭をぶん投げた。
「ごひゃっ!?」
目の届かない通りの向うで断末魔が弾け、それっきり静かになる。

轟音で溢れかえっていた戦場はいつの間にか、かすかに焼けつく炎の音だけになっていた。
気がつけば、濁った雨はやんで、静かに雪が降ってきている。
「終わった・・・んだ」
ネットを半分だけ剥がして、足場にし、穴から外を覗いた比呂美はホッと息を吐く。
フラフラのプレデターが応えるように彼女を振り返る。そのとき、
58truetearsVSプレデター(41:2008/03/27(木) 01:24:58 ID:k/vD7bYb
シュバァッ!
ドグォオオオオオンンンッッッ!!!
空から青い閃光が轟き、プレデターのいた地面を吹き飛ばした。
「グゥオァッ!?」
手負いの怪物に対する不意打ちの効果は絶大で、受身も取らず宙に飛ばされると、
瓦礫に跳ね返って地面を転がった。
「この醜い化け物が・・・っ!皆殺しにしおってからに」
空から重厚な排気音を響かせて、巨大な鉄の塊が降りてくる。
驚いたことにそのデザインはまるで、展覧会に出品されるような洗練されたルックスと圧倒的な重量感、
攻撃的かつスタイリッシュなフォルムは最新鋭の工業製品であることを示している。
「ロボット?」

3m以上はある真っ白い鉄の塊が、人の姿をしている。
胴体からは2対の小さな─全体から比べればであり、そのサイズは大人の腕と変わらない─腕が生えた
四本腕使用で、それは巨大な腕と連動しているらしく、指先まで同じ動きをする。
全身は無骨さを感じさせない美しい稜線で構成されていて、美しくすらある。

「仇は討たせてもらうぞ・・・貴様だけでは足りないがなぁ!」
しかし、デザインから逸脱した乱暴な台詞が、ノイズのないスピーカーから出ると、
グッタリと伸びたプレデターを蹴り上げて、浮き上がった背中に肘を叩き込む。
「グォオオッッアァア!?」
プレデターもしがみつくようにして、強化外骨格にパンチを打ち込むが、
わずかに胴体が揺らいだだけで、逆に押さえ込まれると、足を掴まれてジャイアントスイングをかけてきた。
「おらぁあああっっ!!」
止めとばかりに、その図体を大地に投げ落とす。とても機械とは思えない自然で滑らかな動きだ。

外企業のウェイランド社が未来の兵器市場に並べるべく開発したそれは、
歩兵に「ゴリラも容易く倒せる怪力」と「戦車並の装甲」と「戦闘車両並の重武装」と
「要塞並の環境適応力」と「戦闘ヘリ以上の機動力」を持たせた装備である。

最大の特徴は「マスター・スレイブ方式」、
即ち着用した人間の動きをそのままフィードバックして動かせる点であり、
従来の搭乗兵器から格段に飛躍した操作性を誇っている。
文字通り手足の如く、だ。

さらに内蔵されたシステムは、ヘルメットのサイバネティックインタフェースで読み取られた
脳波パターンによってコントロールされている。
人工知能をベースにしたオペレーティングシステムを備えた非常に洗練されたもので、
様々な戦術的な情報を提供し、内外のセンサーを使って常にスーツの状態をフィードバックしている。
思考そのものがマシーンと同化した、といってよい。

故に武器を交えた総力戦ならともかく、肉弾戦に限定すればプレデターに互角以上の勝負も可能なのだ。

参考画像→http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/digitamin/cabinet/timg4/t8685.jpg
59truetearsVSプレデター(42:2008/03/27(木) 01:35:05 ID:k/vD7bYb
憔悴した眞一郎は駅前にある、多様な店舗を内包した
若者向けの総合施設、コンプレックスで暇を潰していた。
「・・・どこもかしこもカップルばっかですか・・・」
愛子を強姦未遂した今となっては比呂美に合せる顔がない。
だから、もしもう家に戻ってるんじゃないと思うと、帰る気にはならなかった。

それに愛子も三代吉も警察に話す風には見えなかったが、
友情が決裂した今となってはそれも甘い観測でしかない。
案外、警察と父がが泣き叫ぶ母をなだめてるんじゃないかと考えると、胸が締めつけられる。

「ん・・・今日、発売日だったか」
三代吉が購読している漫画雑誌の最新号が並んでいる。
もう借りられないのだから、立ち読んでしまうか。
パラリとページを捲って、適当に読み進めていく。
気が滅入っている時は意外と、関係ないことにハマリやすい。
「・・・」
新人賞の作品紹介ページが目に入る。
物書き(志望)の端くれの眞一郎としては、まぁ参考になることも色々とある。
それに同じように頑張る人間を知るというのは励みになるのだ。

(大賞出たんだ・・・って、富山県民じゃん!)
何気なく視線を移したページで、彼の指が止まる。
多分野であっても同郷というのはどこか誇らしい。
しかしやがて・・・心臓さえ止まったかと思った。

(あれ・・・なんかこれって・・・)
最初は何か奇妙なデジャブの感覚、しかしそれはゾクゾクと背筋を這い回る悪寒となって、
終いには歯の根が震え、喉は擦れて、膝が踊ってしまうほどの衝撃が身を貫いた。
「『轟天号と地べた』・・・って、何だこれ?」
よく分からんタイトルだが、どことなく覚えがある。
というか、少ない紹介ページから分かるその内容は、何か気になった。
それに作者名─‘石垣 純太郎’─って、な〜んかすごく誰かに似てる気が・・・。

たまらずレジで雑誌を買うと、逸る血気を抑えて付近のネットカフェに入ってPCを起動し、
出版社のサイトの新人賞のページを開く。大賞以下何人かはその内容を閲覧できるはずだ。
そこに描かれていたのは・・・
「パ・・・パクリじゃん・・・」
「雷轟丸と地べた」。仲上眞一郎が製作している絵本の内容そのままのものが、
しかし漫画の文法にそって、非常に大胆かつ情感溢れるスタイルでそこには描かれていた。
(・・・ど、どうして?・・・盗まれたのか!?)
作者のプロフィールを読めば大まかに経歴は分かる。縁深きひとならそれで身元は知れるのだ。
「石動 純・・・だ」
突発的な事態、自分と同じ顔をした誰かが世に出歩いていて、こっちの自分が嘘といわれたような不安に襲われる。

「ここ、これが噂の・・・アレなのか・・・?」
創作活動において‘内容が被る’実は意外と珍しくもない。
というよりも長く続けていれば、必ずぶつかる自然現象だ。
物語の快感則は定型化しており、作り手の増加と読み手の好みを反映すれば、多少似通うのはもはや当然だ。
そもそも石動乃絵をきっかけとして始まった物語が、石動純の知らぬはずもない。
やつに作家の才があるならば、日常の話題が被るのはあり得ることだ。
60truetearsVSプレデター(43:2008/03/27(木) 01:45:50 ID:k/vD7bYb
「あいつ漫画まで描けるのか?」
一見意外と思えるが、豊かな社会性、スポーツを中心とした経験の深さ。
不幸な生い立ちに、変人の妹まで抱えてるのかだら内から湧くネタには困らないだろう。
嫌味にもてるルックスも、タレント化した流行のクリエイターといえば納得だ。
コネと謗る気はないが、出版不況のご時勢、彼なら恰好の話題にもなる。

いや、別に非難する云われもない。
てっきりスポーツ進学でもするかと思ったんだが、無茶な志望に出てやがる。
それとも漫画賞は即、大金の入るチャンスだから、そっち目当てなのかも。
自分のように創作に将来をかけてる人間には信じがたいが、
そーいう利だけでパッと動いて、チャチャッと稼ぐヤツもいるらしいじゃないか。

「でも・・・なんで俺がこんな目に・・・」
それらはあくまで条件を揃えた、仮定の可能性を埋めただけの話。
実際こんな事態になるなんて、そうそうはあり得ない。
つまり、誰かの幸せのアオリを意味も無くひっかぶる、ということをだ。
眞一郎はガックリと膝を落としてキーボードに突っ伏す。

「・・・これじゃあ永遠に、発表できるわけない・・・」
今後、どこに出しても‘パクリ’疑惑、いや一蹴されるだろう。
精魂込めた作品の発表機会を失う、これはとても痛い。
それに同様の想いを込めた作品を生み出さない限り、長く後悔が緒を引くことになる。

一線の作家ならまだしも、耐性のないデビュー前に
これを喰らうと、日の目も見ないまま引退なんてこともある。
と聞いたことはあるが、体験するのとはまた別物だ。
こと眞一郎のように、深い挫折を経ずなんとなしに、しかし強く創作を拠り所にした人間は、
ストレスに向き合えず、作ることへの情熱を捨ててしまうのだ。
(なんか・・・すごく面倒臭くなってきたなぁ・・・)
さっそく彼のメンタルも、お定まりの諦めムードに移行する。
61名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:53:42 ID:oHLkLKGQ
空気を読まず意図も読まず投下

好きな人が出来ました 1/2

>>55
   ;;;   :::: ...        ::::: ::;;
;;;; ,,, 、、   ,i' ` , `      :;;::.,,:
      ヾヾ
i;;;::::′~^        `   ` , `       ;;; ″~  ~   キャッキャ
ii;;::iヽ /      `               ゞ:,,,:: ヾ 〃::;:
iii;::i `            ∧∧ `         ii;;;;::: ::
iii;;::i     `     ∧ヘ(゚Д゚,,)     `      iii;;;;::: ::   眞一郎「のえが……」
iiiii;;::i       `   (*゚ー)  つ┓  `       iii;;;;::: ::   乃絵「……すきたw」
iii.,ii;;::i       _ (,, ,っ,,,  ) 冊冊        iii;;;;::: :::
iiiii゚i;;:i         ,;' UU, (/ γ ⌒ヽ  `       iiiii;;; ::: ウフフ
iiiiiii;;::i        ゝ_゜ノ    ゝ_゜ノ         ||iiii;;;;::::
iiiiiii;;::::ヽ;;,,';;"'';;";;""~"`"`;.";;""'"~"`~"''"~"`~"''"~"`~"''"~;,,';;"'';;";;
iiiiiii;;::;';;"         ;,,';;"'';;";;    ;,,';;"'';;";;


比呂美「私も眞一郎くんとあんな風になりたいナ」|電柱|´Å゚*) ̄ ̄
バク「願いを感じるゾナー」
クロミ「あんたの願いをかなえてやるよ、そーれ開け夢の扉」

ビクッビクッ 何だこの感情……でも
「眞一郎、どうしたの?」
「乃絵、ゴメン……俺本当の気持ちに気付いたんだ」
62名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:54:37 ID:oHLkLKGQ
「え?」
「比呂美、後ろに乗ってくれ。言いたい事があるんだ!」
「うん!」


   /           、.:.:.| |         .:.:.:.:.:.:.ヽ          :: ─ :: :: -
   \          ヽ:/_,| /      .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,l r,    r,      :: - :: :: -
    `ヽ、_ _,............、_  / ̄T-';;;'∠、_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./,/./ /.!/ .:|     _,:: ─ :: - ::
       ,-/::::::::::::::::::`:丶":~::::::::::::::::::ヽ`_.:_.:;.:.:ノ:| .!..|_|  ! .:.!、r, // :: - :: :: :: -
     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ 、::::|  ヽ!  .:.:.: !:...::.:.:ヽ_:: - :: - ::
─=_':::"::::::::::::::::::::::r;:::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::r、:::>i \!  .  . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`-.、─ :: ::     比呂美、今すぐとは言わないけどさ
   フ::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::::;::ヽ、:::::::::::::::::::::\丶   :.:  :.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-.:ヽ、 :: -
  /:::::::::::::::::::::::/ !::;:::ト:::::::::ノヽ:ト ヽ:、、:ヽ;> ̄ ,,,....__ :.   .:.:.:.:.:__.:,;,;,;,-;、_:: -:ヽ     何、眞一郎くん?
∠;;;-‐フ:::i::::::::::::|、  !ヽ:|ヽ::/  ` , -‐-、!~フ /    >, , r, r、 rヽ    -  i.:-.:.:ヽ
     !/ |:;:::::::::! r' ̄丶 "     _ ._  / /   _   !/ !  ! `   _  ─ |.:.:.:.:.:.:-  俺がいつか一人前の酒造後継者になったら
      ' "ヽ:::ヽ   r',.=.、     'r::ヽ`| |  /   \     /    ヽ   |.:.:.:-.:.:|
        /:::::`, ' (::.ノ       、:丿 ! .|              __  - |.:.:.:.:.:.:|  糸吉 女昏 してくれないか
      /:::::::::i`、 ,,,,"   , ,    ,,,,,,,ヽ|,, / ̄ _~_~ヽ,     / _ _  ヽ,- |.:.:.:.:.:- ::
     /:r::::::::::::::! ,i            ヽ;|   / ,.::.、` ,|   i  'r::::、ヽ  |、,|.:.:.:.:/   ……うん、いいよ
     !' |:r;::;::::::::ヽ|    ,.-‐ '" ヽ    };|   (:::..ノ ,|,==、|,  !::::ノ    i` i/"ヽ_-::-─-、_
       '" !'゙‐-:;;'、 __ ヽ__  ノ _ -'' ''| `、.   ー  /', , `、_  ‐   ノ / / i:::-:::::::    .`::─..、
           r''":::::   ̄ .::::: ̄"  :::::::ヽ T ー─ '"       ゙̄ " " - :: ::  /:::-:::::   :::::::::::::::
          |:::::::::::   .::::::::   :::::::::::::ヽ|               ::   ノ::-::::::::::   ::::::::::::::::
          |:::::::::::   .:::::::::::          |    _, .. -──-- 、   - :/ " :: -     :::::::::::::::
         _ -|:::::::::::   ::::::::::::        i   ヽ ` _ =====".、i  : /─ :: ::     :::::::::::::
      ,r '"  |:::::::::::    ::::::::::::       ヽ   ヽ/:::::::::::::::::_, - ──- 、_    ....   :::::::::::::
 : : l : : : : !: l : l : :|::l:::::::::   :::::::::::.   ::::::::::::::::.....`..、  ` ゙゙̄フ"          `ヽ、:::::::::   ::::::::::::
 : l : l : l :|: : : : : !::l::l::::l:.. : : ::l:::::::::.  ::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、, "               `、:::::   :::::::::::
:  : l : : | l :  : : \::::::l::::.. : l  ::::l:::::l:. : l :  . l . ::::::l:::/                ヽ.....  ::::::::::::
   : l : | l : : ヽ、 _\:::l::::l:::..l : l _:l -‐ l: \  : l : : :i                  `,:: .r- ‐t、 __ 好きな人が出来ました 2/2

割り込みしていたらすみません
63名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:41:39 ID:rT8Mc1pD
ここまで保管。

>>45
対応しました。
本編もこんな風にさわやかに終わってくれるといいんですけどねえ
私は比呂美エンドになると信じてますが。。。
64名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:13:57 ID:taXapEqd
空気を読まずに容量を無駄に浪費する巨大AAを投下するとか、もうね……
65名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:47:16 ID:qapYibaV
続きに期待
眞一郎、男を見せてくれ!
SSでも本編でも
66truetearsVSプレデター(44:2008/03/27(木) 23:32:56 ID:k/vD7bYb
しばらくttキャラが出てこないけど勘弁



強化外骨格=アームスーツの豪腕がプレデターの顔面を狙う。
「おらぁああ!!」
ガゴォッ!
腕を十字に交差してプレデターも受けるが、衝撃を抑えきれず、
そのままなぎ倒される。
「クウゥオオッ!」
空中に吹き飛ばされるプレデターだが、その勢いのまま腰を回転させてアームスーツの
頭部に斬るような回し蹴りを打ち込む。が、
「そんなものかぁあ!」
風を裂くような攻撃を、超AIの驚異的な処理速度が上回り、予知したように片手でガードされた。

「醜い化け物がぁああああっっっ!!」
そしてもう片腕を鞭のようにプレデターのボディに打ちつけた。
「グゥアアアツッッッーーー!!」
大地に叩きつけられ、衝撃が余って弾かれた怪物の体躯はボールのように転がってゆく。
そのまま、撃ち捨てられた装甲車のドアに、衝撃でその鉄板を歪ませるほどぶつかって停止する。

ギギギ・・・ブゥンッ!
アームスーツは片腕づつトライアルバイクを軽々と持ち上げ、2台いっぺんにプレデターにブン投げてきた。
「グ・・・クゥアッア・・・」
ブーメランのように飛んでくる二つの巨大な鉄の塊に気付いたプレデターが、間髪スレスレに避けて駆け出す。

ジャキンッッ!
そのままシミターブレイド─物干し竿のように長い大型剣─を両腕から伸ばして
アームスーツへ矢のように突進するプレデター。
「無駄な足掻きをおおっ!」
アームスーツの巨大な両椀がドリルのように回転して、竜巻のような破壊券となる。

ガキイイィゥイーッ!

2対のシミターブレイドと、回転椀が激突して火花が弾ける。
そのまま両者引かず、パワーが拮抗した鍔迫り合いになるが・・・
「貴様ごとき殺人狂いの化け物がぁっ!」
アームすーツンの機動力ががプレデターの腕力を上回って、押しのけた。
「人類科学は最先端の結晶でぇ・・・」
プレデターも隙を与えず、千手観音のようにシミターブレイドを高速の連撃で応戦する。
が、スピードにおいても戦闘システムの対応力が、精緻に合せ、空中で、腕が幾度も交差する。
「選ばれたスペシャルなオレ様にいっ!」
腹に潜り込んだと思ったプレデターのブレイドを、アームスーツの指が掴んでいた。
「敵うわけがないっっ!!」
そのまま、もぎ取るようにしてシミターブレイドを根元からぶち折った。
「クゥアアッア!?」
67truetearsVSプレデター(45:2008/03/27(木) 23:36:38 ID:k/vD7bYb
正面からの決戦に勝機を見出せない宇宙のハンターは、後ろに振り返ると一気に距離をとった。
そして、付近に建っている送電線用の50mはある鉄塔まで退避すると、
その壁面をジャンプするようにして、どんどん上に駆け上がっていく。

狭い場所の方が、体躯の大きい敵を向かえやすいし、
足場の少ない高所であれば獣のプレデターのほうが動きなれているからだ。

だが、
「あらゆる環境に対応し、制限されない・・・」
アームスーツのロケットパックが噴射すると、高熱が唸るように吼えて、3mはある大型機械が浮き上がった。
「それが強化外骨格たる所以っ!」
そのまま、獲物を狙う鷹のように天空に飛翔すると、ミサイルのように鉄塔に向かう。


「うそ・・・」
巨大ロボット(正確には異なるが)と巨大怪獣のぶつかり合いを呆然と見つめる比呂美。
下手に動けば、巻き込まれかねないと、
さっきまで出ようとしていた落とし穴の淵にしがみついて隠れるしかない。

しかし、工学には素人とはいえ、人の作った象のようにデカイ機械の性能たるや。
金メダリスト体操選手のように軽やかに動き、果ては天使のように(見たことはないが)浮き上がるとは、
目の当たりにしても信じられない。今宵はそればっかだけど。

「とても、勝てないわよ・・・」
プレデターに自分たちは翼だ、といったがあくまで比喩だ。本当に、飛ばざるものを飛ばしてしまう力があるなんて。
あんな禍々しい兵器が、しかし夢に描いていた天空を制する翼なのか。
あれは自分を殺すものだ思いつつも、その強大なパワーに比呂美は惹かれていた。


「なんだ、あれは・・・」
石動 純─寄生生命体と同化して、黒体の怪物となった青年はアームスーツの力に驚嘆する。
あんなマシンはプレデターの博士─プロフェッサーから知らされていない。
心身を強化され、尋常でない力を備えられたからこそ分かる力量の差。
少なくとも自分の牙や爪が、あの分厚い装甲版を貫くとは思えない。

「しかし、あいつがプレデターを殺してくれれば‘試練’である俺の手間も省けるのか?」
孤軍のプレデターを人類に捕獲されないために仲間たちが助けるハンデとして、
自分は改造され使わされた。従わなければ乃絵の腕にある装置が派手に吹き飛ぶ。
「何にせよ、もうしばし静観するか・・・」
この寄生体を無理やりとはいえ、譲渡されたのだから相応の働きは要求される筈。
となると、自分があのアームスーツと闘う展開も十分あり得る。
ならば、少しでも両者を消耗させといて損は無い、と冷静に判断する。
しかし、肉と鉄がぶつかり合う激しい戦いに、血が騒ぎ始め加わりたい衝動も感じていた。


68朋与男:2008/03/27(木) 23:57:48 ID:3sN9+YyA
プレデターさん乙です
もうガンダムが出てきても驚かないぞ

で、こちらは一応クライマックスができました
クライマックスに……なってるかなぁ?
つまらなかったらゴメンなさいです

>>63
管理人さま、ありがとうございます
お手数お掛けしました
69乃絵と比呂美のあいだに 12:2008/03/28(金) 00:00:07 ID:3sN9+YyA
病院へ行くには、竹やぶのトンネルを抜けて海岸通りに出るのが一番早い。
(眞一郎くん!!)
逢いたい、今すぐ眞一郎に逢いたい!!
比呂美の両脚は普段以上の力を発揮して、悪路を駆け抜けていく。
……その時……
…………ガサガサッ…ガサッ……ザザッ…………
右側の竹やぶが不穏な音を立てて揺れ、何か塊の様なものが滑り降りてくる。
「!!」
バスケで鍛えた反射神経が反応して、頭が命じるより早く、比呂美の身体は止まった。
塊は人だった。見覚えのあるライトグリーンのコート…………
「比呂美っ!!」
息も絶え絶えの眞一郎が、比呂美の視界に飛び込んでくる。
突然のことに呆然としている比呂美を抱きしめようとする眞一郎だったが、
何かが彼の心にブレーキを掛け、その動作を止めさせる。
比呂美には、それが眞一郎の答えだと思えたが、もう決意が挫けることはなかった。
「母さんが…ハァ、ハァ……比呂美が…血相変えて…飛び出していったって……」
どうやら、おばさんが眞一郎の携帯に連絡して、遭遇を演出したらしい。
(おばさんったら……)
心遣いが嬉しかった。
最短距離を疾走してきたのか、眞一郎はまだ息が整わない様子である。
眞一郎の回復を待っている間に、ふと、辺りを見回す比呂美。
(……そういえば……)
偶然か、それとも必然か……この竹やぶは比呂美の恋が始まった場所だ。
終わるなら……ここが一番ふさわしいかもしれない。
…………
「石動さん……お加減どうだった?」
「…………」
荒い呼吸が治まってきた眞一郎に問い掛ける比呂美。だが返事はない。
ただ真っ直ぐに……眞一郎は視線を比呂美の両眼に合わせてくる。
「比呂美っ!俺!!」
「待って!!!」
眞一郎の叫びを、もっと大きな比呂美の絶叫が遮る。
眞一郎は『ちゃんと』するつもりだ。どんな形、どんな結果にせよ、約束を守って『ちゃんと』してくれる。
…………でも…………
眞一郎に『してもらう』のは、もう駄目だ。自分が……自分から『ちゃんと』しなければ!!
…………
声の迫力に気圧されて絶句している眞一郎に、比呂美は静かに、だがハッキリと告げる。
「眞一郎くん……先に……私が『ちゃんと』したい」
70乃絵と比呂美のあいだに 13:2008/03/28(金) 00:02:53 ID:AvdoMVBI
「眞一郎くん……私ね……」
比呂美は静かに、秘めていた想いを……本当の自分を眞一郎に向けて解き放ち始める。
夏祭りの日、見つけてくれたあの日から……眞一郎に頼りきっていた自分……
それが当たり前なのだと、考えていた自分……
何もしなくても、眞一郎が助けてくれると思っていた…ズルい自分……
だから…眞一郎に何かをしてあげられる乃絵が嫌いだった。
『兄妹』かもしれない、という壁に阻まれている自分を尻目に、
どんどん眞一郎の中へ入り込んでいく乃絵が憎かった。
眞一郎が『乃絵となら飛べる』ことに、気がついてしまうのが怖かった。
……置いていかれるのが……怖かった……

「……比呂美…」
「4番にね…『仲上に付き合えと頼まれた』って聞かされた時……辛かった……死んじゃいたいって思うくらい…」
比呂美の部屋に、初めて眞一郎が入ったあの時……別の何かを期待していた。
でも裏切られて……自分の嘘が原因なのに……悲しくて……
自棄になって……好きでもない人と付き合って……
そうしたら、また眞一郎が遠退いていって……もっと悲しくなって……

「おばさんにお母さんの事で責められて……私、ホッとしてた……これで眞一郎くんから逃げ出せるって……」
「…………」
でも眞一郎は必死で追いかけて来てくれた……抱きしめてくれた……
……嬉しかった……嬉しかった…………本当に…嬉しかった……
兄妹でも構わない、この人の側にいたい……ずっと…ずっと一緒にいたい……そう願った。
その後すぐ、血の繋がりなど無いと知らされて、想いは止まらなくなった。
でもまだ……自分から飛び込むのは怖くて……眞一郎に追いかけさせる、ズルいやり方を選んでしまった。

「勝ったと思ったの。石動さんから眞一郎くんの心を取り戻したんだって…………でも……違った……」
「…………」
部屋で二人になっても、海に散歩に出掛けても、……唇を重ねても……眞一郎の中から乃絵は消えなかった。
手遅れだったんだ……そう気がついても、待つことしか知らない自分には何も出来なかった。
そして麦端祭り……
二人の絆を見せ付けられて……置いていかれて…………思い知らされた……。
自分で決める『フリ』だけして……全部、眞一郎に決めさせてきた……飛べない自分に罰が下ったんだって……


眞一郎は身じろぎもせず、比呂美の想いを受け止めていた。
こんな自分に、眞一郎は真剣に向き合ってくれる……それだけで、比呂美の心は充分に満たされた。
……あとは……この『想い』を……大きくて、持ちきれない……消せない愛を、眞一郎に……伝えたい……

「こんなの……もう意味は無いんだって分かってる……でもね……やっぱり眞一郎くんに聞いて欲しい……」
比呂美の震える唇が、彼女の心の全てを載せた言葉を紡ぎだそうとする。
それは、比呂美が本当の意味で、自分の意志で道を選んだ瞬間だった。
「…………私…………私、眞一郎くんのことが!」
その時、話を聞いていた眞一郎が、比呂美との距離を一気に詰め、その身体を抱きしめた。
「!!!!」
抱擁で告白を遮られた比呂美は、刹那、絶望した。……自分は……想いを伝える事さえ許されないのかと……。
だが、悲しみに沈みかけた比呂美の心に、眞一郎の穏やかな声が、まるで福音のように響く。
「……その先の言葉……ちょっとだけ待ってくれ。……俺が、比呂美に『ちゃんと』してから……聞きたい……」
自分自身に向き合い、答えを見つけた比呂美を目にし、眞一郎は思った。
次は自分の番だと。比呂美に全てを……自分の全部を見せる!
……そして、想いを伝えるのは……ふたり一緒でなければ意味がない。……そう、眞一郎は確信していた。
71乃絵と比呂美のあいだに 14:2008/03/28(金) 00:05:41 ID:AvdoMVBI
一旦身体を離し、比呂美の目を見つめ直すと、眞一郎は話し始めた。
「ここだよな。あの時の場所……」
その短い言葉だけで、比呂美には眞一郎が何を言いたいのか分かった。黙ってコクリと頷く。
「俺……ずっとお前に謝りたかった」
あの時のこと……ちょっとした悪戯のつもりだったのに……自分は比呂美の心を深く傷つけた。
…………泣かせてしまった…………
下駄を探しに行く事は許してもらえなくて……おぶって歩く力は、まだ無くて……
どうしたらいいのか分からず……比呂美と同じように、片方を裸足にして歩くことしか出来なかった。
……でも……比呂美はそれを喜んでくれた……笑ってくれた……

「あの時……俺は決めたのかもしれない……比呂美を…ずっと笑顔にするんだって……」
「…………」
なのに……現実は逆だった。
笑顔になんて出来なかった……自分には何の力も無かったから……
涙を流さず泣いている比呂美を、ただ見ていることしか出来なかった……
本当は出来たのに……出来ないと思い込むことが、余計に比呂美を泣かせている事にも気づかなかった。

「そんな時に、アイツが…乃絵が現れたんだ」
「…………」
最初は変な奴だと思った。頭がおかしいに違いないと。
でも、親しくなるにつれて、深く話していくにつれて、乃絵への感情は変わっていった。
乃絵が口にした『飛ぶ』という単語が、心に引っ掛かった。
……そして……比呂美に乃絵の兄貴が好きだと聞かされて……
嫉妬して、苛立って、……でもそれが比呂美の望みなら、と思い直して……
なのに4番との仲立ちをしても、比呂美は笑ってくれなくて……
おまけに突然、比呂美と兄妹かもしれない、なんて言われて……
自分の気持ちも、周りの状況も、どんどんグチャグチャになって……

「混乱してる俺を見て、乃絵は『一緒に考えたい』って言ってくれた」
「…………」
その頃から、乃絵が自分に向けてくる感情に気づきはじめた。
自分のために用意してくれる弁当。自分のためにした比呂美との喧嘩。
そして、それが確信へと変わったとき……自分が乃絵を大切に思っていることにも気づいた。

「俺は乃絵が好きなんだ…………そう…思うことにしたんだ……」

黙って耳を傾けていた比呂美の表情が曇り、唇が噛み締められた。
自分はあと何度、比呂美を悲しませるのか……それを思うと、僅かながら決心が揺らぐ。
だが、これは避けられない事。比呂美と本当の意味で向き合う為には必要な事なのだ。
気持ちを奮い立たせ、眞一郎は話を続けた。
72乃絵と比呂美のあいだに 15:2008/03/28(金) 00:09:27 ID:AvdoMVBI
「でもさ……お前を…お前を諦めることなんて、出来るわけなかった」
比呂美が4番のバイクに乗って消えた時……家を出るといった時……
……夢中だった。何も考えずに後を追った。
絶対に手放したくないモノ、それが何なのか……思い知った。
…………なのに…………
比呂美と気持ちが通じ合った後も、乃絵が自分の中から消えなかった。
自分は比呂美を一番大切に想っているはずなのに……
……どうしても……乃絵の事が頭から離れない……
自分の気持ちが自分で分からない……自分に向き合うことが出来ない……
…………向き合うことが…怖い……

「ちゃんとするって言ったのに、何もちゃんと出来ない。……でも……それは俺だけじゃなかった」
祭りの前夜、いなくなった乃絵を見つけた時……聞いてしまった。
自分は飛べない……そう力無く呟く乃絵の声を……
「アイツは……とっくに気づいてたんだ、俺の本心に。そして乃絵も、決める事を怖がっていた……」
………家に帰って考えた……比呂美のいた部屋で……考えて……考えて……考えて……
…………
「分かったんだ。俺が本当にしたいこと。俺がアイツにしてやれること。しなければならないこと」
……それは自分が『飛んで』みせること……
自分が何に向き合って、自分が何を選んで、自分が何を決めたのか……見せること。
乃絵自身にもそれが出来るのだと……飛ぶことが出来るのだと……彼女自身に分からせること。
…………
……約束を果たそう……そう思った。乃絵とした二つの約束を。
その時、『雷轟丸と地べたの物語』のラストが見えた。
麦端踊りの本番……乃絵のために、舞の全てに魂を込めると決めた。
乃絵のお陰で自分は飛べた!その事を見せたかった!
……比呂美を傷つける……それを承知の上で…………その方法しか、自分には無かったから……


黙って聞いていた比呂美の口から、吐息のように声が漏れる。
「……石動さんは……『飛べた』の?」
眞一郎は、優しい眼差しでゆっくりと頷く。
「……飛べた……俺も一緒に『飛んだ』。…………さよなら……したんだ。二人で」
乃絵との終焉を告げる眞一郎の言葉に、比呂美の心が激しく揺れる。
「俺は……不器用だからさ……乃絵と『ちゃんと』するまでは、お前と向き合えなかった……」
「…………」
消えると思っていた恋が……終わると覚悟してた愛が……また…繋がっていく…予感……
比呂美は胸を震わせて、眞一郎の言葉を聞いていた。

「俺、『ちゃんと』した。……ちゃんと出来たんだ……
  だから……俺が何を決めたか、何をしたいか……お前に……比呂美に聞いて欲しい……」

一陣の風が吹きぬけ、竹のトンネルをサワサワと鳴らす。
その隙間から差し込む蒼い月光が、両眼いっぱいに蓄えられた比呂美の涙を、キラキラと光らせていた。
73乃絵と比呂美のあいだに 16:2008/03/28(金) 00:13:21 ID:AvdoMVBI
「引越しの前に見た絵のこと……覚えてるか?」
身体を喜びで震わせながら、頷く比呂美。
忘れるはずがない。……比呂美が初めて目にした眞一郎の絵……とても奇麗な絵……
赤く染まった空……とても広い空が、大粒の涙を流して泣いていた……
そして、その空を見上げる少女の後ろ姿…… きっと……きっと泣いている…少女の……
彼女は自分なのだと、比呂美には分かっていた。
何度も、何度も塗り重ねられた絵の具と紙の傷み具合……
それが自分を見つめ続けてくれた、眞一郎の時間の長さを物語っていた。
書き添えられた文章も、ハッキリと思い出せる。
…………
「……ぼ…僕の……中の…き、君は…………いつ……いつも泣い……グスッ………泣いていて……」
浮かんでくる言の葉を紡ぎだそうとする比呂美だったが、こみ上げてくる嗚咽が、その声を詰まらせる。
眞一郎はその後を引き受け、自分の『想い』を比呂美に告げた。
「……君の涙を…………僕は…拭いたいと思う……」
比呂美の頬に眞一郎のしなやかな指が伸ばされ、零れ落ちる透明な雫を優しく拭った。
「……君の…………比呂美の…涙を……」
「!!!!」
互いの身体全体をぶつけ逢う様にして、眞一郎と比呂美は抱き逢った。
どちらからともなく求め逢う……相手の唇……
溶け逢い、交じり逢う……眞一郎と比呂美の気持ち。
伝え逢う、お互いの存在と温もり……
……そして……二人の内側からこみ上げ、溢れ出す、気持ち…………
「……比呂美…愛してる……ずっと、ずっと前から…お前が好きだった」
「……私も……私も…ずっと前からあなたが好き……眞一郎くん……愛してる……」
…………
…………
風に揺られる笹の葉の音が、柔らかいメロディとなって二人を包み込む。
世界が奏でる優しい音楽を聞きながら、眞一郎と比呂美は、時間を忘れて抱き逢った。
もう決して離さない……もう決して離れない……
誰かにではなく、自分たちの心に宣言する揺ぎない決意。
…………二人で向き合い、二人で決めた…………
それが仲上眞一郎と湯浅比呂美が共に見つけた、『飛ぶ』ことの答えだった。
74朋与男:2008/03/28(金) 00:17:29 ID:AvdoMVBI
スミマセン……
Gガンダムの最終回みたいでスミマセン……
私の脳みそでは、これが限界でしたorz

朋与が無駄に活躍するエピローグも半分くらい出来てますので
なんとか本編放送前に投下できるように頑張ります
75名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:23:20 ID:gDtz/Xl3
眞一郎がちゃんとして、二人は同時に心を通わせることができたんですね。
自分はtrue tearsは凄く感動的な最終回を見せれる作品だと思うんです。
下地はもう出来上がってるし。
朋与男さんの作品はその素晴らしい一例を見せてくれました。
本編にも期待してます
76名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:26:34 ID:agGsuxnm
>>74
お疲れ様
エピローグにも期待しています
しかし本編はこれを超えるどころかキミキス以上の糞作品になる可能性大なんですよね
本当に深夜アニメのシナリオライターで良作書ける存在は貴重だよなぁと最近よく感じたり
77名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:41:31 ID:MjCZrHAm
>>74
お疲れさまでした!
初めてカキコさせてもらいます!
朋代男さんの作品は全て拝見させていただきました!
この作品も含め全て素晴らしい出来だと思います!
比呂美のやつの続きも待ってます!
暇な時にご執筆よろしくお願いします!
78名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:35:26 ID:gDtz/Xl3
>>76
それはちょっとtrue tearsを蔑みすぎでは・・・w
本編また全部見ましたが、かなりいい脚本だと思いますよ
後は最終回に全て収められるかどうか、それだけが気掛かりではあります
79truetearsVSプレデター(46:2008/03/28(金) 01:38:51 ID:3m3PufWX
朋与さん、完結オメ〜!でももうちょっと続くそうで、よきかなよきかな。
でもお体は大事にしてください。



空も吹雪いてきた上に、碌な持ち合わせもない眞一郎は
仕方なく、だがどこか納得して帰宅を決めた。
結局比呂美を見つけるどころか、愛子を傷つけ、三代吉を失い、
純に殴られ、新作も頓挫し、乃絵の期待を裏切ることしかできなかった。
そんなあまりに何もできない自分が可笑しくて歌ってしまう。

「しんいちろ〜は くつ〜のそこの アブラムシ〜♪」

帰り道、眞一郎は思いに耽る。

両家の一人息子であるのが疎ましかった。
が、何不自由なく、というか一般家庭よりずっと贅沢に過ごし、
周囲の大人たちが好意と敬いを込めて「坊ちゃん」と呼んでくれる。
そんな身分に知らず自惚れていたんだろうか?
‘オレは大した男だ’と。

彼らは仲上眞一郎という人格を慕っているのではなく、
‘仲上家’という威光、資産、あるいは父の功績を称えていたのだ。
もちろん彼らに悪意があるわけはない。
人が社会的に営んでいる以上、それに即した付き合いをするのは当然であり、
むしろ個々の人格や資質のみで付き合うヤツがいたら、それは余程の大物かでなきゃ馬鹿者だ。

それに家柄やコネもまた、才能のように親から継いだ財産であり、
世間における自分の一部に他ならない。
実際、高い功績を残す偉人たちは、自身も優れた出自であったり、特別な環境であることが多い。
‘坊ちゃん’が仲上眞一郎であることに何の不具合があるか。
まぁ、噂のとはいかぬまでも、相応しい振る舞いはしてきたつもりだ。

が、そこまで。
夢を追う自分も、友としての自分も、男としての自分も未熟だった。
‘坊ちゃん’と呼ぶ人たちには強くても、‘眞一郎’と呼ぶ人には何もできやしない。
無論、これは世間一般男子に特別劣ってる意味ではない。
思春期の思い上がりも、反抗も、諦観も、死にたくなるような葛藤も、大人への通過儀礼だ。
そう、普通なのだ。

だから、普通な自分にこんな異常事態は対応できない。
非常識な性癖を露呈した幼馴染み、それを受け入れた勇敢な(元)親友、
一見清楚なれど心を縛りつけた才女と、普通と言いがたい少女。
でもってその兄にしてこの世の黄色い声援と、輝かしい経歴を一身に浴びる美少年がライバルときた。

こんな関係を、凡人に折り合えたら、それこそ理に反してる。
無理。それが真理。
通念上、今までの混乱が自分にあるとしても、現実的には収拾不可なのだから気に病むことはない。
適当に後悔と懺悔の表明だけはしておくが、だ。
これからは仲上眞一郎としての分をわきまえ、適度に周囲を頼っておとなしく過ごすが吉。
それが自分と、ひいては公益なのだ。

そう結論に至った彼は、雪原の公道を、途中で買った傘を差しつつ、自転車を転がして帰路につく。
その足取りはどこか悠々とすらしていた。
少年特有の世間に対する無力感、それを受け入れることで
葛藤に苛まれていた眞一郎の心は平静を得たのだ。
80名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:25:15 ID:4l8ShKWJ
>>74
乙です
初カキコします
自分が予想してる告白シーンがそのまま来た感じビックリしました
お互いのダメところを言い合って愛してくれるか?って展開
公式の13話あらすじの「恋はドラスティックに人の内面を曝け出す」があるだけに
本編でも期待したいです
81名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 07:33:57 ID:/JtSdLUi
本編には期待していない。
と言うより、監督、脚本はわざと無難な結末を外そうとしている意図が感じられる。
批判されようが、視聴者の想像どうりには終らせないぞ、と。

リスク承知でそんな事をする理由は・・・まぁ、色々と想像はできるけどね。
82名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:38:16 ID:v2bzC2o1
>>81
俺はそのような釣り(今回で言えばいきなり比呂美を捨てて乃絵に走ったあたり)をしておきながら、
結末は案外予想通り(絵本、友情では乃絵だが恋愛関係では比呂美)に落ち着くんじゃないかと思ってる
最終回に向けて一応視聴者にどうなるかわからせないようにしたってだけで

まあ確かにその釣りがちょっと多すぎて、脚本が前半に比べ荒くなってるのは否めないと思うけどな
83名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:59:38 ID:tWcD6tIP
陵辱モノ貼りづらい雰囲気だな・・・
84名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 14:15:58 ID:H4FzV6lx
バッチコイ!
85truetearsVSプレデター(47:2008/03/28(金) 16:53:56 ID:3m3PufWX
>>83
むしろ次スレ一番乗りのチャンスだぞ



鉄塔の壁面を駆け上がるプレデターを、獲物を狙う鷹のようにアームスーツが迫る。
ヒュバッ!ヒュバァッ!
プレデターの肩口からプラズマキャノンの閃光が奔った。
「うわぁっ!」
アームスーツのパイロットは、航空に専念する隙を衝かれ、回避が遅れる。しかし、

ヴィイイッオオオォォォン!
アームスーツのAIが、通信制御用のアンテナを展開して、各種電磁波を放出。
強力な干渉波フィールドを展開して、プラズマ光線を無効化した。
「す・・・すごいぞ!こんな性能はなかったはず!」
バイオニューロンを搭載した自己進化型の戦闘補助システムは、
プレデターの能力を自ら分析して対処法まで構築する成長を見せていた。
「ガウアアウゥッア!」
プレデターもビームの圧縮率を変えて応戦するが、弾道を読まれて避けられるか、
フィールドの周波数も変化して拡散されてしまい、時間稼ぎ程度しかならない。

「今より選手交代だな」
アームスーツが鉄骨の間を縫うように飛び、プレデターの背後に回る。
振り返ったときには、その頑強な腕が、怪物の首を締め上げた。
「貴様が獲物でぇっ・・・」
そのまま額を鉄骨に押し付けて、上へ滑空していく。
ギギギギギギギギ!
プレデターの額は皮がさけ、マスクが擦れて火花が弾ける。
「オオオオエアアアアエエァァァァア!!!」
鉄塔の天辺までたどり着いたアームスーツは、プレデターの体を軽々と放る。
「オレ様がハンターだっ!」
そのまま飛び上がると、プレデターの肩膝を鉄塔の天辺に突き刺す形で踏み潰す。
ドシュッ
「ギャオオオアアアアーーーーッッッ!!!」

足を鉄骨で串刺しにされて、宙吊りにされた怪物が悲鳴を上げる。
ドクドクと黄緑色の体液が流れ、鉄塔を伝い落ちていく。
「捻り潰したいのは山々だが、貴様から得る情報は正しく宇宙的価値があるからな。
まぁここで引き裂かれるより、実験場で死ぬこともできず解体されるほうが苦しかろうて」
グリグリと巨大な足で、瀕死の怪物を踏みつけ嬲る。

ピピピッ
「んん?まだ生存者がいるのか?いや、これは・・・」
プレデターの全能力の観察に集中していたアームスーツのAIが、
周辺の環境をスキャンしたとき、ある反応に気付いた。
「民間人の女が紛れたという報告があったが、あれか」
アームスーツの望遠カメラが、彼方で穴に隠れている比呂美を、睫毛の先まで鮮明に捕らえた。
「目撃者は生かしておけんなぁ・・・」
86truetearsVSプレデター(48:2008/03/28(金) 18:25:29 ID:3m3PufWX
「こっちに来る・・・?」
落とし穴に隠れていた比呂美からは、鉄塔の頂上にいる強化外骨格とプレデターは
ゴマ粒のようにしか見えなかったが、それでもモンスターが追い詰められたこと。
そしてマシン兵器がこちらを向いたのは分かった。
「まずいっ!」
トカゲのように穴から這い出す比呂美。しかし、寒さと出血のせいで、
四肢に力が入らずに、くてりと座ってしまう。
ヒュンッ
「?」
それに合せたようにず頭上を風が抜け、髪を撫でた。
ドォオオアアアッッン!
そのとき、さっきまで比呂美のいた穴が派手に爆発して、
中に埋まっていた棘やら死体やらを粉塵にして舞い上げる。
「うううわあっ!?」
偶然倒れていなければ、首ごと持っていかれていた。
慌てて雪の上を這い転がって、立ち上がると駆け出す比呂美。

「おしい」
砲を外したアームスーツがバルカン砲をセットする。それが放たれれば
比呂美がチーターのように走れても、たちまち鉄の雨で刻んで、
親だって彼女の名残を見つけられなくしてしまうだろう。
キュィィィ・・・ガガーッッ!
「な、なんだ!?」
しかしそれが発射される直前、足下にいたプレデターが腕のブレイドを
ボウガンのように飛ばして、バルカン砲の先端を吹き飛ばし破壊した。
せめてあの少女だけは守る。それは情でも優しさでもなく、彼らの間で交わされた誓いだった。
「きっさまぁぁ!」
鉄骨に刺さったプレデターの足を乱暴に引き抜くと、アームスーツはボールのようにその体を下方に投げる。
いくつもの鉄柱にぶつかりながら、重態の怪物は落下していき、
20mほどパチンコ玉のように弾いて下ったあたりで、手をひっかけて停止した。
しかし、それで精一杯。比呂美のいる彼方に手を差すが、何もできない。

その眼前に噴射で悠然と浮遊してアームスーツが降りてくる。
「あの少女に何か秘密でもあるのか・・・それとも、美女と野獣の真似か?
そこで股から真っ二つに裂く様を見てるがいい」
ィィィイイイ、ドウゥッ!!
空中でマシンのロケットが吼えると、ミサイルのように比呂美に突進した。
「カウゥッア!」
鉄柱にしがみついたプレデターが、2枚のレイザーディスクを取り出すと、
その巨大な背中に向けて、手裏剣のように放る。
獰猛な宇宙生物の皮膚もチーズのように斬るそれなら、電磁波バリアーも通じないはず。
ガキッガキイッ!
だが宇宙ハンターの背後からの強襲も予期していたAIは、各種全身のマイクロセンサーで
円盤のコースを計算し、軽業のようにかわす。
「無駄無駄ぁっ!」
大軍を単身で蹴散らした狩猟戦士さえ、圧倒する性能に酔いしれるパイロット。そのとき、

「いや、そうでもないな」
87truetearsVSプレデター(49:2008/03/28(金) 18:34:11 ID:3m3PufWX
人体の声を選別して再生する集音マイクが空気に溶けてきえる呟きを拾った。
「?・・・なっ!!」
ベトオオオッッッオッゥゥーーー!
突然、空を掻っ切るアームスーツを真っ黒い網が包み込んだ。
固く、それでいてしなり、貼りつき、どこまでも伸びるそれが、巨大マシンを捕らえる。
そして網の両端は、プレデターが投げた2枚のレイザーディスクにガムのようにくっつく。
「うおおおおっ!?」
ディスクが渦を巻くように強化外骨格に向かって回転し、グルグルとタコ糸を巻くように縛った。
さらに全身を縛られ、空中で姿勢を保とうとするアームスーツに向かって真上から黒い塊が飛んできた。
「ぉぉぉおおおらぁあっ!」
「ぬあっ!?」
全身を黒く染めた怪人が、巨大マシンの頭部に膝蹴りを叩きこむ。
その衝撃で短い間だが、モニターにノイズが走って真っ逆さまに地上へ転落した。

「ま、まだ仲間がいたのか?」
すぐさま立ち上がって、肩から小型キャノンを出そうとするアームスーツ。
黒い怪人はその背中に蜘蛛のようによじのぼって、武器を蹴り上げてもぎ取った。
「バカヤロウ!富山一の出世頭、石動純があんなマザーファッカーでたまるかよ!」
比呂美の足が止まり、何倍もある機械を踏みつける怪人を振り返る。
「え・・・えぇ・・・?あ、あんなキャラだっけ?」

「が・・・生憎とこの口裂け面じゃあワカンネェか。そうだな・・・オレ様は悪を以って悪を滅する毒薬・・・」
寄生生命体と同化した石動純はギラリと輝く牙を開くと、奇声とともに名乗りを上げた。
「ヴェノムだ!」
88乃絵と比呂美のあいだに 17:2008/03/28(金) 21:22:54 ID:AvdoMVBI
幾日かの時が流れ、麦端の街に春が近づいていた。

眞一郎たちは一学年を修了し、今は春休みである。
だが、黒部朋与の姿だけが、どういう訳か人気の無い校舎内にあった。
(あぁ……やっと終わった……。これで何とか進級できる……)
数Bの授業時間、その殆どを大口を開けて眠りこけていた朋与は、当然のごとく、期末試験で赤点を取った。
本来なら、もう一度一年生をやるべきところなのだが、担当教師の温情もあり、休み中の補習で免罪となったのだ。
(それにしても、あの二人……許せん!)
自分の愛らしい寝顔を見て、眞一郎は比呂美に、あろう事か『封印された妖怪』と報告したらしい。
その話を、比呂美がうっかり口を滑らせてあさみに喋ったのが運の尽き。
あさみから真由へ、真由から美紀子へ、そしてまた別の生徒へと伝わる内に、
学年中に『大口妖怪・黒部朋与』の名が知れ渡ってしまった。
(その妖怪と『あんなこと』したくせにっ!ム・カ・ツ・ク!!)
……と、内心で毒づいてみたものの……やっぱり眞一郎は嫌いになれない……
そんな風に考える自分自身が、朋与はちょっとだけ好きだった。
(さて、用も済んだし、アホな事考えてないで帰ろ)
渡り廊下を通り、玄関へと向かう。
フッと眼を向けた鶏小屋の前に、朋与は見覚えのある赤いコートを見つけた。
(…………石動……乃絵……)
麦端祭りの日に、赤い実の木から転落した乃絵は、ついに学年の修了まで、学校に姿を現さなかった。
最初は軽傷と診断されたが、検査の結果、頭部にダメージが発見されて、入院が長期化したのだ。
最終的には問題なしとなったらしいが、結局、終了式にも間に合わなかった。
おまけに、就職が決まった兄にくっついて、東京に転校してしまうらしい。
(しかし……ほぼ無関係だった私が、これだけ情報を得てるってのも凄いわね……)
石動乃絵の噂は千里を走る……なんだかんだ言って人気者だった……という事なのだろう。
(また鶏に餌をあげてんのかな?)
確か『地べた』とかいったか。
凄い名前だよね〜、などと考えて乃絵を見ている内に……朋与は何やら、乃絵に話し掛けたくなってきた。
驚かさないように、慎重に乃絵に近づく。
「石動乃絵……さん」
しゃがみ込んでいた乃絵が、朋与の声に反応して、ピョンと立ち上がる。
振り向いた乃絵の顔を見て、朋与は少し驚いた。表情が……全然違う。
「黒部さん、こんにちわ!」
信じられないことに、乃絵は朋与の名を『さん付け』で呼び、ニッコリと微笑んだ。
89乃絵と比呂美のあいだに 18:2008/03/28(金) 21:25:19 ID:AvdoMVBI
(目つきだ……目つきが全然違う……)
朋与は乃絵の眼が大嫌いだった。
超然と人の上に立ち、他者を見下ろして値踏みするような……そんな眼をしていたのに……
固まっている朋与に、乃絵は屈託の無い笑顔を向けてくる。かつて、眞一郎だけに向けていた笑顔を。
「ちょっと意外……私の名前、覚えてたんだ?」
「湯浅さんに紹介してもらったじゃない」
と、乃絵はまた笑う。あれだけ敵意を剥き出しにしていた比呂美にも『さん付け』だ。
(どうなってんの?)
朋与は自分の中に、僅かに残っていた乃絵への悪意が、スッと抜けてしまうを感じた。
思わず友達に訊く様に、素直に質問をぶつけてしまう。
「石動さん……凄く変わった。なんで?何があったの?」
乃絵は笑顔のまま、「いろいろ」とだけ答えた。
(いろいろ……いろいろ…か……)
自分は『それ』を訊いては駄目なんだろうな……そう朋与は思う。
きっとその『いろいろ』には、眞一郎と比呂美のことが沢山含まれている。ほとんど全部かもしれない。
……自分は眞一郎を『諦める』ことを選択した。
その自分が三人の……三人だけの秘めた出来事に嘴を突っ込んではいけない……
…………
朋与は少し開きかけた心の鍵を閉めなおし、気分と話題を切り替えた。
「転校……しちゃうんだってね……」
「えぇ。これからすぐ出発だから、地べたにお別れを言いに来たの」
「そう……って!これからすぐ?」
乃絵の話では、荷物は既に引き払ってしまい、4番のバイクでツーリングがてら、東京に向かうとの事。
一緒に行くとはいっても、向こうに着けば乃絵は母親と、4番はひとりで暮らすらしい。
「兄妹で最後のツーリングなの。凄く楽しみ!」
…………
どうしてか朋与には、乃絵が無理にはしゃいでいる様に見えて仕方なかった。
地べたに会いに来たなんて言っているが、本当は……本当は別の誰かに逢いたかったのではないのか?
「…………いいの?……逢っていかなくて…」
思わず、朋与は訊いてしまった。刹那…乃絵の眼が昔の魔女めいたモノに変わったが、すぐに元に戻った。
少し俯いてから、ちょっとだけ悲しみを混ぜ込んだ笑顔を朋与に向ける乃絵。
「眞一郎は…………眞一郎は、私が飛べるって…教えてくれた。だからもう、いいの」
飛べる……眞一郎が『あの時』言っていた言葉……
(そうか……)
朋与は理解した。乃絵が変わった理由、眞一郎と比呂美が、どこか以前と違う理由を……。
(……みんな……飛べたんだ……)
何がどうなったのか、朋与は知らないし分からない。
ただ、三人が何かを乗り越えて、一歩前に踏み出せた……
それを知る事が出来たのは……嬉しい。朋与は素直にそう感じた。表情が……自然と柔らかくなる。
その様子を見て、突然、乃絵が朋与の前に回り込んだ。
朋与の左手を、その小さな両手で包み、祈るように目を閉じる。
なんだろう?とは思ったが、悪い感じはしなかったので、朋与はそのまま乃絵のしたいようにさせた。
90乃絵と比呂美のあいだに 19:2008/03/28(金) 21:27:39 ID:AvdoMVBI
「ありがとう。……あの時、眞一郎を助けてくれたの……あなたでしょ?」
一瞬で朋与の顔が茹でたタコのように真っ赤になった。
口をパクつかせ、何かを喋ろうとするが、言葉にならない。
そんな朋与を見て、乃絵の顔も真っ赤になってしまう。
「ご、ごめんなさい!その…詳しく知ってるわけじゃなくて!あの……」
二人の少女は手を繋いだまま俯き、硬直してしまった。
先に気持ちが落ち着いてきた朋与が、乃絵の様子を伺う。
小さな唇を真一文字に結んで赤くなっている様子は、カエルみたいで可愛かった。
思わず吹き出して笑ってしまう。そして乃絵も、朋与の笑い声に釣られて、大声で笑い出した。
…………
…………
「お礼が言いたかったの。……私には、出来ない事だったから……」
笑い疲れてまだ呼吸を荒くしている朋与に、乃絵は静かにそう呟いた。
乃絵の真剣な感謝の気持ち……でも、そのまま返すのは……ちょっと照れくさい。
「男ってさぁ……」
「?」
「……面倒くさいよね〜」
また笑い出す二人。朋与も乃絵も、相手が同じ男の顔を思い浮かべて笑っていると知っている。
(…………)
何だろうか、この不思議な気持ちは…… あれほど嫌いだった乃絵に、自分は共感している。
もしかすると自分の気持ちは、比呂美より乃絵に近いのかもしれない……そんな風に朋与は感じ始めていた。

「乃絵ーもう行くぞぉー」

声のする方に視線を向けると、4番……石動純が乃絵を呼んでいた。
今行く!と叫び返すと、乃絵は朋与に向き直る。
「行くわ。…………最後に会えたのが、あなたで良かった」
そう言うと、兄のいる方向へ駆け出す乃絵。
「ちょっ……待ってよ!!」
朋与もその後を追って駆け出す。
結局、朋与は麦端高校の校門から出発する石動兄妹を見送ることになった。
91乃絵と比呂美のあいだに 20:2008/03/28(金) 21:30:45 ID:AvdoMVBI
ビッグスクーターのアイドリング音が辺りに響く。
出発の準備をする石動兄妹を見ながら、旅といっても普段とあまり変わらないんだな、と朋与は思った。
「あんた……9番だったよな」
「え?」
4番が自分の存在を気にしていたとは意外だったので、朋与は少し驚いた。
「フリースローの時、重心が右にブレてる。気持ち、左に寄せて打ってみろ。……もっと入るようになる」
そう朋与にアドバイスを送り、「見送りの礼だ」と言って4番は笑った。
「準備できたわ、お兄ちゃん」
ヘルメットとゴーグルをつけた乃絵が、タンデムシートに跨る。
「たまには地べたに会いに行ってやって。寂しがるから」
乃絵は振り返って朋与を見ると、そう告げた。
「……うん、わかった」
「……じゃあ……黒部さん……」
苗字で呼びかける乃絵に、朋与は首を横に振った。
「『朋与』だよ。……友達は下の名前で呼び合う事。……分かった?」
満面の笑顔で喜びを表す乃絵。
ゴーグルの奥がキラリと光ったように見えたが、それは朋与の気のせいだったかも知れない。
「さよなら!朋与!」
「うん、元気で!乃絵!」
排気音が大きくなり、ビッグスクーターは滑るように走り出す。
東京へ……乃絵と純の新天地へ向かって。
徐々にスピードを上げていく車影。その姿は見る見る小さくなっていく。
「乃絵ぇぇ〜!!」
遠ざかっていく赤いコートに向かって、朋与は両腕を振り回して合図を送った。
乃絵も純にしがみついたまま、左手を朋与に向かって振り続ける。
……そして……ふたりは春の訪れを告げる暖かな風にのって、麦端の街を旅立っていた。
…………
…………
「……行っちゃった」
フッとため息を吐いてから、つくづく朋与は思う。なんと慌ただしい人生なのだろうと。
眞一郎との四時間だけの恋愛…… 乃絵との十五分だけの友情……
(私、役に立ってるのかな……)
などとガラにもなく考えかけて、すぐに止める。
ウジウジするなんて自分には似合わない。そんなことは比呂美に任せておこうと。
……比呂美に…………比呂美?
朋与の脳みその中にある電球が、ピカッと輝いた。
携帯を取り出し、アドレスから比呂美の番号を素早く呼び出す。
(アイツら最近、調子にのってるからな〜。ここらでチョットお仕置きだべぇ〜)
受話口に耳をあてながら、乃絵の話をしたら二人にどんな波風が立つだろう、と想像を膨らませる朋与。
……でも、本当は知っている。もう眞一郎と比呂美の間がひび割れる事が無いのを……朋与は知っている。
だからこれは、ほんの些細なイタズラ。二人に『妖怪』にされたのだ。この位はしたっていいじゃないか。
《ハイ、もしもし》
「あ、比呂美?アタシだけど〜」
比呂美と話しながら朋与は、乃絵の去っていた方向に眼をやった。
……彼女の向かった新しい場所が、優しい世界でありますように……
そんな気持ちを視線に込め、朋与は『十五分だけの親友』に暫く思いを馳せていた。
92朋与男:2008/03/28(金) 21:35:46 ID:AvdoMVBI
乃絵(と朋与)のエピローグです
このあと眞一郎と比呂美のエピローグが入ってお終いの予定
だらだら長くてスミマセン

>>83
ここはカオスです……
書き物の投下なら、どんなジャンルでも良いのではないでしょうか
皆さん待っていると思いますよ
93名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:38:11 ID:oDI83icz
乙です
俺こういうの大好きなんだ
やっぱエピローグあってこそだよな
94名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:48:45 ID:Fiz8e42X
これだけ創作がよい出来だと最終話がたるくなるな〜
現にここ2話はどうでも良かったりする
95名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:31:27 ID:agGsuxnm
>>92

どうやら本編も比呂美エンドっぽいけど、今までの比呂美エンド予想SSを超えれるか微妙だよね
何か作画とBGMで無理やり感動しやがれこんちくしょーって感じになりそうw
眞一郎と比呂美のエピローグも期待してます♪
96名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:51:10 ID:fRSs6MbP
>>95
山本寛がシリーズ構成・脚本の岡田を
「その手腕には脱帽です」
と言って褒めてるくらいだから、まあ大丈夫じゃね?
97名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:11:22 ID:/ozvb0aQ
true tearsのエロ小説スレ エロい涙 1滴目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199606085/

まだ落ちてはいませんが一応前スレ貼っておきますね。
98名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:39:41 ID:xNyhgT3d
>>92
乙です
朋与と乃絵を友達にする展開は斬新だった
大抵は比呂美と乃絵って構図が多いだけに
本編でも比呂美と眞一郎が結ばれて乃絵が二人を応援するなエンドだといいなぁ
99名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:05:38 ID:YoIziCqS
>>92
相変わらず素晴らしいSSですね。もうこっちを本編にしても問題なさそう。

で、一寸気になったのですが眞一郎の両親の名が分からないのは、
SS書きの諸氏にとって、ちと不便ですよね。

100名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 03:26:30 ID:Y7mWswVY
あくまでも朋与と眞一郎が関係を持ったことが前提であるのが
朋与男さんらしいなw

エピローグの続きも期待してます!
101乃絵と比呂美のあいだに 21:2008/03/29(土) 18:20:48 ID:T+MAickl
「ただいま」
朝からショッピングモールに画材を買出しに出掛けていた眞一郎は、昼食に間に合うように家に帰宅した。
玄関には見覚えのあるブーツ……というか、この家でブーツを履く人間は一人しかいない。
いつもは右に曲がる廊下のつき当たりを、左へ曲がって酒売りカウンターの方へ……
パソコンの置いてある所を覗いて見ると、やはり彼女はそこにいた。
「ただいま」
「あ…お帰り、眞一郎くん」
帳簿を打ち込む手を止めて、眞一郎に向き直る比呂美。
春休みになってから、比呂美は仲上酒造の経理を頻繁に手伝うようになっていた。
バスケ部の練習に行く以外は、ほとんど仲上家にいると言ってもいい。
誰に命令された訳でもないのに何故……と思わないでもないが、その事を比呂美には訊かない。
比呂美には比呂美の考えがあるのだろう。
開いてくれた心を受け止めるのが『愛』であって、無理に開かせるのは『束縛』でしかない……そう思う。
「朝からどこ行ってたの?」
「パボーレ。画材を買いに」
ふ〜ん、と少し不満げに言って、モニターに向き直る比呂美。
横顔が「なんで誘わないのよ」と訴えている。
(そんな顔されてもなぁ……)
画材店なんか一緒に行ってもつまらないだろうに。
自分だってバッシュ選びに何時間もつき合わされたら…………それはそれで楽しいかもしれない。
「今日は朝早かったからさ……次はふたりで行こう」
パソコンに向いたままの比呂美の口角がすこし上がって、囁くように「うん」と呟いた。
「もうすぐ終わるから、ちょっと待ってて」
「あぁ、先に居間、行ってるから」
昼飯のことだな、と思った眞一郎は自室に戻って荷物を置き、居間へ向かった。
…………
居間の戸を開くと、上座に父がひとりで座って新聞を読んでいる。
「ただいま」
そう挨拶する自分に一言、「あぁ」とだけ言って、父はまた新聞に視線を戻す。
(話すなら……今かな)
前から父に聞かれていた自分の進路。
学校に提出した進路希望ではなく、父に問われていた自分の進みたい方向。
絶対の自信があるわけでも、その道で食べていく覚悟が出来たわけでもない。
(でも、やっぱり父さんには聞いて欲しい)
眞一郎は座りを胡坐から正座に直し、父のいる方へと、その真剣な眼差しを向けた。
102乃絵と比呂美のあいだに 22:2008/03/29(土) 18:23:36 ID:T+MAickl
眞一郎の只ならぬ様子に気づいた父は、新聞を畳み訊いてくる。
「どうした?」
鼻から息を吸い込み、吐き出す。心を充分に落ち着けてから、眞一郎は話し始めた。
「父さん。俺、絵の勉強がしたいんだ」
漠然と……なんとなく描き続けていた自分の絵本。
そんな自分の絵本を見て、素敵だと言ってくれた人がいた。
奇麗だと言ってくれた人がいた。……泣いてくれた人がいた。
真剣な『想い』を込めた絵が、話が、誰かの心を感動させる喜び……それを知った。
自分の進む道はこれなんだ、と改めて思った。
自信も、覚悟もまだ完璧とは言えない……でも迷いはない。
絵を描きたい。話を書きたい。
自分にしか描けない絵本を沢山描いて、それで誰かを感動させる……そんな人間に、自分はなりたい。
そのために勉強がしたい。自分の知らない事、気づかない事がいっぱいある。
少しでも吸収したい。ちょっとでも己の物にしたい。……自分は……絵を学びたい。
…………
「お願いしますっ!!」
思いの丈を語り終えると、眞一郎は畳に手をつき、父に向かって頭を下げる。
眞一郎には見えなかったが、その時父は、めったに見せる事のない笑顔を浮かべていた。
それは若者の蒼さを嘲笑するものでも、諦観しきった大人が子供を羨むものでもない。
自分と同じ土俵に息子が上がってきた……それを見届けた父親の顔だけに浮かぶ、特別な笑みだった。
「顔をあげろ、眞一郎」
畳に額を擦り付けていた眞一郎が、その身体を起こして父に再び向き直る。
「お前のやりたいようにやってみろ。……お前のやりたいように」
「…………父さん」
父がそう言ってくれるのは分かっていた。父は眞一郎自身が見つけ出した道を、絶対に閉ざしたりしない。
だが、父にも聞いて欲しかった。息子が何を決め、何を選び、何に向かって進もうとしているのか。
…………
…………
「あら珍しい。男ふたりで内緒話?」
居間にやってきた母の姿を見て、眞一郎は重要なことを思い出した。
理解者である父はいいとして、この母をどう説き伏せたものか……
「心配するな。母さんはもう別の跡継ぎを見つけて、お前を家から叩き出す算段をしている」
先程とは違う、少し意地悪な笑みを見せる父。
「いやだわ。『叩き出す』算段なんてしてませんよ」
「????」
……何だかよく分からないが、もう母は障害ではない……らしい。
「眞ちゃん。何をするにしても、勉強をおろそかにする事は許しませんから」
「………う、うん」
完全に納得したわけではない、と告げる母の目。別の何かを企んでいる……のか?
……まぁ、とりあえず飯を食って、と思い直す眞一郎だったが、母は自分と父の分しか、お膳を運んでこなかった。
「俺のは?」
「ありませんよ」
…………ハイィィ??? 飯が無い?? なんで? 俺、なんかしたか??
何て言うか……最近の母さん、俺に対して酷すぎないか??
母の仕打ちに眞一郎が絶望していると、台所から比呂美が顔を出し、眞一郎に声を掛ける。
「眞一郎くん、行こ」
「?? どこに?」
比呂美は左手に持ったバスケットをチラつかせて、眞一郎を誘うように呟く。
「お・さ・ん・ぽ」
既に食事を始めていた父と母に「行って来ます」と短く告げて、比呂美は玄関へと駆け出す。
「ちょ……待てよ、比呂美!」
居間にいても昼食にはありつけそうもないと悟った眞一郎は、急いで比呂美の後を追いかけた。
103乃絵と比呂美のあいだに 23:2008/03/29(土) 18:26:39 ID:T+MAickl
坊ちゃん行ってらっしゃい、と声を掛けてくる従業員の少年の横をすり抜け、眞一郎は比呂美の姿を探す。
門を出ると、比呂美の姿はかなり離れたところにあった。
「比呂美!待てって!」
速度を緩める気はないらしい。眞一郎はちょっとだけ走って距離を詰め、比呂美の横に並んだ。
何か嬉しい事でもあったのか、比呂美の足取りは弾むように軽い。
「どこに行くんだよ」
「ん?……公園。天気もいいし、暖かくなってきたし、たまにはいいかな〜って」
手にしたバスケットを、また眞一郎の目の前にチラつかせる。
比呂美の事だ。抜かりなく、その中に眞一郎を満足させる、美味い弁当を詰め込んでいるに違いない。
(まだ花見って時期でもないけど……まぁ、いいか)
海岸通りへと続く坂道を並んで歩く。比呂美は終始ご機嫌だった。
と、突然、比呂美が走り出し、眞一郎から数メートル離れた所で振り返る。
「格好良かった、さっき」
眞一郎の頬に、サッと赤味が差す。父との話を聞かれていた。……まぁ台所にいたのなら当然だが……。

「聞いてたのかよ」
「聞こえたの」
眞一郎が追い付くの待って、比呂美はまた横に並び、悪戯な微笑みを眞一郎に向ける。
本格的な絵の勉強…… 志望は美大……それとも専門学校だろうか?
「まだ分からないよ……なるべく通える所って思ってるけど」
「ふ〜ん……」
眞一郎は夢を追いながらも、自分の事を気に掛けてくれる……
それは比呂美にとって嬉しいことだったが、やはり彼には、彼の求める勉学を追及して欲しいと思う。
それに、自分たちの関係が物理的距離に負けて壊れるなどとは、比呂美は微塵も考えていなかった。
…………
「そういえば比呂美は……経営か商学部志望なんだよな」
あからさまに「意外だ」という眼で比呂美を見る眞一郎。
だが、比呂美には比呂美の……眞一郎ほど輪郭のハッキリしたものではないが……ささやかな夢があった。

…………『仲上酒造の役に立つ自分になりたい』…………

今、比呂美はまじめにそう考えている。
おじさんとおばさんへの恩返しとか、眞一郎との将来を考えてとか、……そういう事ではない。
祭りの日、おばさんに付いてお酒を振舞った時に見た、街の人たちの笑顔……
楽しそうに……本当に楽しそうに『仲上のお酒』を呑んでくれる姿を見て、比呂美は知った。
おじさんとおばさん……いや、仲上酒造で働く人たち全部が、眞一郎と同じなのだと。
誰かの笑顔のために、自分に出来る何かをする……それが喜びとなり、生きる糧になるのだと。
自分もその輪の中に入りたい……他にも道は沢山あるのだろうけれど……
その道を……自分は知ってしまったから…………
…………
「私、早く『涙三景』呑めるようになりたいな」
「??……何だよ突然」
訳がわからない、という顔をしている眞一郎を置いて、比呂美はまた走り出す。
「ちょ…またかよ。お前に追い付くの……結構大変なんだぜ!」
そう愚痴りながらも、眞一郎は比呂美の姿を見失わない様に、公園へつづく道を駆け出していた。
104乃絵と比呂美のあいだに 24:2008/03/29(土) 18:30:31 ID:T+MAickl
公園のベンチに腰掛け、ふたりで比呂美特製のサンドイッチとおかずを頬張る。
「うん、美味い」
「そう?良かった」
眞一郎は食べ物に関しては、絶対にお世辞を言わない。
不味い物を口にすると、すぐ顔に出るし、変わりばえしない物の感想を聞けば「普通」としか返してこない。
眞一郎は本当に自分が「美味い」と感じた料理しか褒めないのだ。
だから今「美味い」といって自分の料理を口にしてくれる眞一郎を見て、
比呂美は、自分の内側が、何か暖かな物に満たされていくのを感じることが出来た。
(……幸せなんだ……私……)
……そう思う。
時々吹いてくる春風を受けながら、食事と他愛のない話を続ける二人。
その会話の中に織り込む形で、比呂美は自然と眞一郎に告げる。
「あのね、眞一郎くん。……石動さん、行っちゃったって…」
「…………」
地べたに別れを言いに来た乃絵に偶然会った、と連絡してきた朋与の電話。
それを比呂美は苛立ちも、躊躇いもなく、ごく普通に眞一郎に伝える。
「別人みたいだったって。お兄さんのバイクに乗って……笑顔で旅立っていったって」
「そうか……」
…………
眞一郎には分かる。乃絵が何をしに……そこへ行ったのか。
……『のえがすきだ』……そう書かれた石の文字…… アイツは自分でそれを消したかったに違いない。
飛ぶのだ、と自分で自分に宣言する為に……最後にアイツはそうしたかったに違いない……
確かめなくても分かる…… そう……眞一郎は確信していた。
…………
「お別れ…言わなくて良かったの?」
そう訊いてくる比呂美の顔は和らいでいる。その内側に何もない……透明な笑顔……
眞一郎もそれと同じ、透き通った笑みを比呂美に見せて……言う。
「いいんだ。アイツは……俺に飛ぶ事を教えてくれた。それだけで……」
朋与が言っていた『乃絵の言葉』が、比呂美の中で眞一郎のそれと重なる。
「改めて別れを告げる必要はない」……二人はそう言いたいのだろう。
眞一郎と乃絵の間にある深い心の繋がり……それを知っても穏やかでいられる自分……
(……変わるんだ……人は……)
変わる……変わっていく……眞一郎も、乃絵も、そして比呂美自身も……
…………
……でも……そんな自分を自覚すると……少し……少しだけ不安になる……
……もしも……もしも眞一郎への気持ちが……いつか変わってしまったら…………
…………
比呂美のその不安を、眞一郎は敏感に感じ取った。
スッと立ち上がり、それをキョトンとして見ている比呂美に笑顔を向ける。
そして澄みわたった蒼穹へ誓いを立てるように、眞一郎の口から言葉が紡ぎだされた。
105乃絵と比呂美のあいだに 25:2008/03/29(土) 18:33:35 ID:T+MAickl
「『疾風をきって走っていこう ずっと前を見て』……」
突然、詩のような幻想的な言葉を口にする眞一郎に驚き、思わず比呂美は訊いてしまう。
「……何?それ……」
そう問われた眞一郎は、自信に満ちた顔で比呂美に告げた。
「あの絵本……俺とお前だけの、あの絵本の最後に入れる……言葉」
それを聞いた比呂美の眼から、僅かに差していた不安の光が消えていく。
眞一郎は再び空に向き直ると、想いを紡ぎ始めた。

『 疾風をきって走っていこう ずっと前を見て
    もっと走る 走る 走り続ける 君だけを捜して

  疾風をきって走っていくよ 遠くなる前に
    すべて失っても その手で 触れる距離まで……

  ありのままの僕を…… 本当の…… 僕を見せたいから…… 』

眞一郎の想いを改めて受け止め、比呂美は思った。
この世界に変わらないモノはない……人の気持ちも、その周りを包む環境も……普遍ではありえない……
……でも……たった一つだけ……変わらない……変えられないモノがある……
……それは記憶……あの時……そして今、胸に刻まれた記憶……
……それがあれば……自分は捜せる。気持ちを見失っても……また眞一郎に辿り着ける……
……そして……そして眞一郎も…………


蒼穹を見つめる…満ち足りた眞一郎の横顔に向かって、比呂美は手を伸ばした。
……助けを求めるためではなく……救いを求めるためではなく……
……素直に……ふたりで手を繋ぎ、同じ様に歩く…………そのために…………
…………
眞一郎の手が差し出された比呂美の手を掴んで、その身体を引き寄せた瞬間、
強い風が二人に吹き掛かり、比呂美の長く美しい髪をサラサラと舞わせた。
眞一郎は咄嗟に庇うが、その努力も空しく、比呂美の髪は乱れてグシャグシャになってしまう。
が、それは眞一郎も同様で、頭髪はまるで爆発でもしたかの様な、酷い有様になった。
「ふふ、フフフフ……」
「はは、ハハハハ……」
髪を手櫛で直しながら笑い合う二人。
「?」
その時、風が比呂美の髪にくっつけた、何か小さな黒い物に、眞一郎は気づいた。
指で摘み上げてみると、どうやら鳥の羽根らしい。種類は……さすがに分からない。
引き込まれる様に、その羽根を見る眞一郎に、比呂美は優しく呟いた。
「雷轟丸」
ハッとなる眞一郎。その彼に向かって、比呂美はもう一度、同じ名前を呟き、そして微笑んだ。
その笑顔を目にして眞一郎は、それをどうすればいいのか理解する。
指で摘んだまま、天高く羽根を掲げて……次の風を待つ。
…………そして…………
さっきと同じ…いや、もっと強い風が辺りに吹き渡った時、眞一郎は羽根を大空へと解き放った。
風にのって、見る見る上空へと舞い上がっていく『雷轟丸』。
繋ぐ指先にお互いの存在を感じながら、二人は『雷轟丸』の飛翔を、長いあいだ見送っていた。
…………
…………

                      TO BE CONTINUED
                       「ある日の比呂美」へ
106朋与男:2008/03/29(土) 18:43:03 ID:T+MAickl
「乃絵と比呂美のあいだに」お終いです
読んで下さった皆さん、ありがとうございました
……それにしても酷い出来……パクリと流用のオンパレード……
恥ずかしい……
まぁ、あと6時間くらいで用済みですから、いいですよね

>>99
おっしゃる通りです
丁稚もですが、第三者視点が使えないので、非常に困ります
全キャラのフルネーム、早く公開してくれ〜
107名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:46:09 ID:WZOi7wOm
乙乙
108名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:52:56 ID:uMxz3fqg

最終回が朋与男さんのSS級の出来になるといいなぁ
本編終了後もSSには期待してます
109名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:14:59 ID:dxzy4zuf
比呂美派としてはこの一週間苦しい思いをしていたところに
朋与男さんのSSは救いとなった。乙です。

・・・まさか関係者が最終回のシナリオをリークしているんじゃないだろうなぁ(w

110名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:55:18 ID:Hkm4IImy
父の名はヒロシでいいよもう
111名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:14:49 ID:26/C9Wg4
乙です
最終回とどのくらいイベントが重なるか楽しみです

仲上夫妻や酒造の少年も設定上の名前は存在するらしいので、来週辺り明かされるんじゃないですか?
112名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:43:39 ID:beD83OVL
>>110
同感。公式設定もヒロシだったら笑えるが

キャラの誕生日やスリーサイズや血液型も未公表なんだよな
なんでだろ
身長を知りたいんだけど
113名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:56:34 ID:6NOVpPaJ
仲上家は丁稚も含めて名前は決めてあるらしいけどね
ちなみに仲上父がCV藤原なのは「しんちゃんの父親」なんて説もあったりする
114名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 21:41:15 ID:mgqCKM+Q
>>106
超おつかれさまです。素敵なラストに心癒されまくりです。

朋代男さんの素晴らしい物語に挿絵を入れる絵師を募って、
夏コミ合わせで同人誌を出したくなります。
115名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 21:50:12 ID:bwgz25GT
>>106

一気読みしたら暫く放心状態になった…
116勝手に最終回2の1:2008/03/29(土) 21:56:25 ID:1EDDKKmK
眞一郎語り

乃絵が退院したのを見とどけた後…
俺は富山を出た。
逃げだしたんだ…すべてから…
怖くなったんだ。父さんも、母さんも、乃絵も、比呂美も… すべてが…

出版社の人を勝手に頼って上京した。その人は以前、持ち込んだ絵本を見てくれた人。
かなり迷惑そうな顔をされちまった。まぁ当然だよな。でも追い返されることもなく、
保障人無しで借りられるアパートも紹介してもらった。
6畳風呂無し。ユニットのトイレとシャワー付きの木造の古いアパート。
違法滞在の外国人ばかりが住んでいる。まぁ環境としては最低な所だが、分相応だろう。

バイトを3件掛け持ちしながら、未練がましく絵本を描いている。
不思議なもので、恵まれた環境ではまったく描けなかった優しい話が、
この最低の環境で次々と紡げている。失った物を自ら求めているのだろうか?
時々思わず自嘲的な笑いが出ちまう。

そして先月ついに俺の本が出た。出版社の人が強くプッシュしてくれたらしく、
多くの書店で扱って貰えることになった。ありがたい事だ。
印税が入ったらもう少し環境のいい所に引っ越そうか…

コンコン

ドアがノックされた。
呼び鈴なんて物はない。また隣のフィリピンパブに勤めているお姉さんが、差し入れでも
持って来てくれたのかな?
なにかと可愛がられている。故郷に俺と同い年の弟がいるらしい。
俺は無用心にドアを開けてしまった事を後悔する事になる…
117勝手に最終回2の3:2008/03/29(土) 21:57:54 ID:1EDDKKmK
眞一郎の部屋は重たい空気に包まれていた。
向かい合って座る三人。
なかなか言葉が出てこない。

比呂美と乃絵は眞一郎の変わりように驚いた。
長い髪に無精ひげ。そして精気を感じられない瞳。
ドアを開けた瞬間、感動の再会とはいかなかった。

「………ねぇ、眞一郎君、みんな心配してる。いっしょに帰ろう?」

長い沈黙の後、比呂美がようやく言葉を発した。
眞一郎は俯いたまま、目を合わせようとしない。

「………私が…私がバカな事しちゃったから…ごめんね…ごめんね眞一郎…」
「眞一郎君、ほら、乃絵も元気だし、ね、いっしょに帰ろう」
「帰ろう、眞一郎。こんな所に居ちゃダメだよ…」

二人の必死の説得で、2時間後ようやく眞一郎は首を縦にふった。
比呂美と乃絵も安堵の表情を浮かべる。眞一郎の気持が変わらないうちに、そして、
また逃げ出さないうちに、半ば強引にその日のうちに富山に連れて帰る事になった。

比呂美と乃絵は、絵本の道具と原稿、少々の身の回りの品を鞄に詰め、アパートを出る。
大きい荷物は後日改めて取りにくればいい。とにかく帰ることが先決だ。

「………」

眞一郎はいまだ言葉を発さない。思いつめたような瞳。
比呂美と乃絵に引きずられるように、ようやく駅まで着いた。

「おばさんが、美味しい物いっぱい作って待ってるって」
「……ム……ツ…………アミ……」
「私も今日、二人の家に泊まってもいいかな?いっぱい話したいことがあるんだ」
「…ダ………………ム………」
「え?なあに?信一郎君?」

「………ナムアミダブツ」

比呂美の長い髪がゆれた。
乃絵のコートの裾がゆれた。
眞一郎はまるで軽いステップでも踏んだようにフワリとホームの端から消えて行った。
通過する列車。けたたましいブレーキの音。ホームに響く悲鳴と怒号。

「…し…ん………イ…ヤ…イヤ」
「うそ……うそ…う…」

「「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!!」」
                                   暗転

                        END  true tears製作委員会
118名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 22:01:18 ID:1EDDKKmK
何故か2の2が送信できない。
だいなしよぉぉぉぉ
119名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 22:06:07 ID:bw4dgZRh
同じ単語が20数回入ってたり、一行目が空改行だったり、文字の詰め込みすぎで1レスの容量オーバーだったりとか……
それでもGJですよ
120勝手に最終回2の2:2008/03/29(土) 22:09:31 ID:1EDDKKmK
「比呂美!!比呂美!!」

朝、比呂美の教室に、乃絵があわてた様子で駆け込んできた。

「乃絵?」

色々なわだかまりがあった二人だが、今では名前で呼び合う仲になっていた。
もちろん、眞一郎が居れば今の関係にはなれなかっただろう。
眞一郎が失踪してから2年。今ではお互い、一番腹を割って話せる仲だ。

「コレ見て!!」
「絵本? 白豚と黒豚とおひさまの土地? 田中大介? …これが?」
「これ、眞一郎の本だ!!」
「!!」

おもわずガバっと絵本を凝視してしまう比呂美。

「えっ? ええっ? でっでも、田中大介って…ええっ?」
「バカね、ペンネームに決まってるじゃない」
「………よく分かるわね、これが眞一郎君のって…」

絵本の事に関しては比呂美は乃絵に敵わない。比呂美は失踪直前まで眞一郎の、
絵本をまともに見た事がなかった。
対して乃絵は絵本が眞一郎との最大の絆だった。

「間違いないわ」

乃絵が確信をもって力強く答える。
もう、比呂美も納得するしかない。

「比呂美、わたし、今からこの出版社に行ってくる」
「う、うん、私も」

居ても経っても居られない二人は教室から飛び出した。
帰宅し、着替えだけすませ、あわてて東京行きの特急に飛び乗る。
比呂美は列車のデッキの電話で出版社に電話をし、作者の事を問い合わせる。

「…間違いないわ。眞一郎君よ…」
「あ…」

普通なら手を取り合って喜ぶ所だが、今は二人とも会うのが怖い。
失踪の原因が自分達にある事を、うすうす感じていた。

出版社に立ち寄り、眞一郎の担当編集者からアパートの場所を聞き出した二人は、
眞一郎のもとへ向かう。
勢いでここまで来たが、部屋の前に立つと、やはり躊躇してしまう。
しかし今更引き返す訳にもいかない。
意を決してドアをノックする…
121名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 22:11:36 ID:1EDDKKmK
一行目が空白だったorz

根性で最終回に間に合わせたのに・・・

だいなしよぉぉぉ(声 千和)
122truetearsVSプレデター(50:2008/03/30(日) 00:20:42 ID:6qle7Ywi
う〜ん、最終回までに終わらんかった。
っても私の地域ではまだずっと先なんで気にしない。



真っ白く連なる雪原の道で、一人の少年が自転車を転がしている。
空からキラキラと輝く結晶が舞い、辺りの家々ははシンシンと静かに眠っていた。
と、彼の背中を眩いライトが黄色く照らす。
「あら、眞ちゃん?こんな遅くに出歩くなんてダメじゃない」
ミニバンが少年の隣まで来ると、運転席の窓から女性が顔を出した。
その容姿はまだ20代といっても通じる美貌を維持しており、妖艶とさえいえた。
「送ってあげるから上に自転車載せなさい」
言われるまでもなく、助手席から坊主頭の少年が降りてきて、
眞一郎のハンドルをとる。
「ささ、どうぞ、坊ちゃんは助手席に。後は自分がやります」
自転車というのは、転がすには容易にできてるが、実はかなり重い。
しかし、普段から力仕事をこなしてる故か、軽々とそれを持ち上げ、
荷台にスルリと載せてしまう。

「・・・ん?」
ふと、眞一郎が違和感を覚える。
どこか何かがズレたような、だが確かにひっかかりを覚える。
「どうしたの眞ちゃん?」
「何か不味かったですか坊ちゃん?」
二人が口々に尋ねるが、なにか不快なことがあるわけではない。
長いあいだ、寒空の下を彷徨ってきたのだから、
いまようやく家族と会えてとてもホッとしているのだ。
それなのに、どこか合点のいかないこの感じ。
「比呂美がいないんだけど・・・知らないかな?」
様子から察するに期待はできないが、一応聞いてみる。
「さぁ、見つからないわ。明朝まで戻らなければ警察に連絡してみましょう」
「そっか・・・」
やはり見つかっていない。が、あの母が彼女を探しにでてくれただけでも嬉しいことだ。
それにもし危ない事件に遭遇したとして、
最近の子が一晩戻らないだけで警察はすぐには動いてくれないだろうし、
自分なりの当ては散々探したのだ。ここはやはり、一度家に戻って体勢を整えたほうがいい。

「じゃ、ほら早く乗りなさい」
「うん、・・・あ」
助手席に回ろうと丁稚の横を通ったとき、さきほどの違和感に気付いた。
彼の体から母親の臭いがするのだ。
香水などの類ではなく、普段慣れしたんで意識もしない、肉親独特の香り。
「どうかしました?」
丁稚が怪訝な顔をするが、それには応えず眞一郎はしばし熟考する。
一緒の車で、一緒に動き回っていたから臭いが移った、などという冤罪裁判のような言い訳は信じない。
というより、その‘気付き’に達した時点で十中八九結論は出ていた。
123truetearsVSプレデター(51:2008/03/30(日) 00:23:44 ID:6qle7Ywi
「母さん・・・悪いけど、先帰っててくんない?」
当然、驚く母親。雪はどんどん積もり、気温はますます低くなっていくというのに。
「あの子をまだ探すの?じゃあ私たちと一緒にいきましょうよ」
てっきり引き止められると思っていたのに、この提案は驚いた。しかしそうもいかない。
「え〜と・・・その、つまり、ちょっとまだ気になってるとこがあってさ・・・」
「じゃあ車で行きましょ?ね?」
「坊ちゃん?」
参ったな。お世辞にも口が回るタイプではない。が、天啓というべきか丁度いいひらめきが降りてきた。

「学校の友達に聞いたんだけどさ、その、ストリップ・バーで比呂美に似た子がいたとかいないとか。
で、もしかしたらって思ったんだけどやっぱりあーいうとこは、女性がいくと不味いでしょ。
俺も心細いんだけど、彼(丁稚)とだったら大丈夫かなって。
あ、もちろん入らないよ、入れないし。ただ近くの喫茶店とかで張ってたらいるかもしれないでしょ?
いや、いないと思うけどね。だから、万が一分の万が一だけど、イチオー行ってみようかと。
だから母さんはこないでね」

「・・・・・・」
眞一郎の長々しい話に呆気にとられた母だったが、比呂美を大事にしている眞一郎が
彼女の名誉を傷つけるような嘘はつかないと思ったのか、渋々といった感じで了承した。

役にたたない自転車は車で持って帰ってもらい、眞一郎と丁稚は夜道を歩く。
「でもまさか・・・いるわけないですよね?」
「・・・というか、あれは全部嘘」
「・・・?え、えぇー!?」
眞一郎を清廉潔白な正直者とも評していないが、あんな弁舌があるとは思わなかった丁稚が驚く。

「ははは・・・流石坊ちゃん。物語りの才がありますね」
「いやまぁ・・・うん。それはさておき」
「え。てことはホントに色町に行きたくて?・・・しょうがないっすねぇ。じゃあ今日はとっておきの・・・」
「あ、いや・・・じゃなくて」
とっておきの何なのか気になったが、もっと気になることを片付けておきたい。
「もし間違ってたら大変失礼なんだが・・・俺の勘違いだと思うし・・・非常に言いづらいんだが」
言葉をつっかえつっかえしながら、なんとか搾り出す。今ならまだ引き返せる・・・
そう、それに言ったところで俺はまたいらぬ混乱を作るだけ・・・

「おれ奥さんと寝てるんです」
「え?」
124truetearsVSプレデター(52:2008/03/30(日) 00:26:38 ID:6qle7Ywi
眞一郎が喉まで出掛かった疑問を押さえ込んだとき、丁稚の少年が心を読んだように言葉を発した。
「・・・って、言ったら信じます?」
「あ・・・いや・・・その」
言葉に詰まる眞一郎。

二人の仲を疑ったのは何も体臭だけのことではない。その服のよれ具合、汗や髪の微かな乱れ、
仕事とは別の目線の呼吸、そういった仕草がどこか親密なそれを思わせたのだ。
なにも街中をゆくカップルの交際度判定ができるわけではない。
ただ、日常ごく親しい間柄の人たちにも、今まで自分が見ていたのとは別の側面があるのでは、と思い始めたのだ。

記憶を辿れば、丁稚と母はよく一緒にいる姿が浮かぶ。
それほど親しいとも思っていなかったが、逆にそんな素振りもないのに妙に連携がとれているというか。
子の贔屓目もあるが、同世代の親に比べて、眞一郎の母はとびぬけて美しい。
これは授業参観なり、出入りする業者たちの密やかな話からも確信しているし、内心自慢でさえあった。
が、この丁稚は我が家と近しい付き合いをしてるとはいえ、そんな美人妻に対してなんら青い性の欠片も見せないのだ。
淡白といえばそれまでだが。

ただその推理は半端としても、車内の2人の雰囲気が若干怪しかったのが決め手だ。
以前の自分ならそんなサインは、朴念仁のように見過ごしたろうが、
愛子の痴態を見たあとだと、致した直後の男女の気まずさのようなものが、読み取れるようになっていた。
その代償は大きかったが。

「信じるよ、というかそう思ったんだし」
眞一郎は平静にいった。内心、そう穏やかでもないのだが、どこか諦めてる節があったのもある。
ああ、またオレの知らないとこであった話か、という諦めが。
「驚きました」
「ん?何が」
「普通は殴ったり、怒鳴ったり、怒ったり、誤魔化したりするかと思って。・・・お父さんに似てるんですね、やっぱり」
父に似ている。そういわれるのは少し嬉しい。
顔は母に似てるとたまにいわれるが、からかわれているようで不遜だったからか。
「実はちょっとカルチャーショックがあって。しかもそれで失敗したせいかな。どうすればいいのか分からないんだ」
眞一郎の困ったような物言いに丁稚も少し戸惑う。何か計算があって告白したわけではない。
ただ、疑われた以上、下手に勘繰られるよりは自分が罪を引っ被るほうに仕向けられれば、と思っただけなのに。
125truetearsVSプレデター(53:2008/03/30(日) 00:27:59 ID:6qle7Ywi
「オレが知らなかっただけなら、知ったところで、
それは今までとなにも変わってないってことだもんな」
「坊ちゃん・・・」
「母さんが浮気してるなんてかーなーり、ショックさ・・・でも、だからって」
みんな大切なひとたちだ。比呂美や乃絵、愛ちゃんや三代吉もそうだったのに。
でもあのバスケットマンは例外だな。オレから何もかも奪いやがってからに。
まぁでも、それがあいつの欲してるもので、得ようと努力してるなら譲ってもいい。比呂美も乃絵も。
「そんなことで俺はいちいち変わりたくない」
「あ、あの坊ちゃん、なんかヤケになってません・・・?」
青臭かった眞一郎があまりにクールになってしまったので気味悪くなる丁稚。

「オレには他人の恋路にわけいって止めたり指南したり、なんてとんと縁がないし、素質も無い
そんなやつが端から勝手気ままに何かいってどうなる。黙るのだって言葉のうちだ」
「坊ちゃんは何もできないひとじゃないっす」
「もちろん。でも、オレにはせいぜいこの穏やかな生活を守れるよう精進するのが限界で、
それにおれ自身、あくせく縛られて愚痴たれるのが割と好きなんだろう」
「愚痴るのがいいんすか?」
「いいんだ。いっちゃなんだが、母さんや比呂美は、きっと面倒ごとを愛してるんだろう、
そうと知らずゆえにか。
オレにとっては面倒は面倒でしかない。うまく収めるなんてできない。やっても掻きまわすだけだ」
「はは・・・まぁちょっとそうかも・・・」

「オレはオレの考える分かりやすい日常を見て、過ごして、守って、それが全部だ」
そこまでいって、父さんは丁稚と母さんがデキてるのを知ってるのだと気付いた。
丁稚と母さんはうまく隠したつもりだろうけど、全部知ってて黙ってる。
責めるような目つきも態度もせず、家族と部下を真摯に愛して、落ち着いた生活を守り続ける。
それが自分にあった生き方なんだ、というその考えはパズルの最後のピースがハマるようにしっくりときた。
126truetearsVSプレデター(54:2008/03/30(日) 00:30:00 ID:6qle7Ywi
そのとき、目を焼くような閃光と、地を揺るがす轟音が2人に向かってきた。
母さんが戻ってきたのかと思ったが、それは運送用の大型トラックだった。
キイィィィィィーーーーッッ!
「眞一郎!」
「乃絵・・・?」

トラックが道路の真ん中で止まると、ドアからなんと石動乃絵が出てきた。それも運転席側からだ。
厚手のコートと、右腕になにかおもちゃのような機械をつけているが変人だから気にしない。
「おまえ大型免許なんて持ってたのか?」
「そんなのいいから、早く乗って!湯浅比呂美の危機よ!」
女子高生が、雪道の無免許運転、恐れ知らずと責めるべきか、大した才能と褒めるべきか。
しかし、その顔には一点の悪ふざけのなく、真剣の一色だ。
「坊ちゃん?奥さん呼びますか?というか呼びましょう」
「だめよ!下手に動いたら殺されるわよ!」
「へ?な、なんすか?」

女子高生が‘殺される’なんていっても漫画も真似にしか見えない。だが眞一郎はそれを信じた。
「いったい何があったんだ乃絵?比呂美を知ってるのか?」
「いーかーらっ!早く乗っててばぁ!もう手遅れかも知れないのに!
お兄ちゃんがあの女を殺すかもしれないんだってばぁ!」
「な、なんかヤバイ事件ですかね?警察行きましょう?」

丁稚の提案には応えず、眞一郎はトラックの助手席に向かう。
「母さんにはストリップ見てたって、伝えてくれ!」
「ちょっと?ストリップ見に行く気だったの?」
乃絵が頬を膨らませて食いかかる。
「あー、そういえばいいとこあるって言ってたなぁ・・・。すまん、説明だけしてくれないか?」
丁稚の台詞を思い出して、逡巡する眞一郎。露骨に嫌悪の顔色をする乃絵。
「みないとどうせ信じないわ」
「おまえがいうかね、そんな人並みな解説を。いいから話せよ、全部信じるから」
どこか落ち着いた眞一郎に妙な違和感を覚える乃絵だが、
いわねば動かないようなのでここは折れる。
「どこから言ったらいいのか・・・」
信じるというからには、嘘八百並べようかとも思ったが、一分一秒も惜しいのでなくなく真面目に徹す
127truetearsVSプレデター(55:2008/03/30(日) 00:33:14 ID:6qle7Ywi
「プレデターっていう宇宙人、こいつらは狩りをすることが大好きなモンスターなんだけどね。
そいつが今、ユタニっていう会社、ほらたまに聞くあの有名なやつの。
そのプレデターとユタニの秘密軍隊が今、あっちの山の向うで戦争やってんのよ。
あ、プレデターは一人なんだけど。
で、仲間のプレデターが武器を奪われたくないから、助けにきたんだけど、
掟がどーやらかーやかいって、いきなり家に押しかけてきて。
お兄ちゃんに確かシンビオート?黒くて気持ち悪いネバネバの宇宙生物を合体させて、
それはプレデターじゃないんだけど。
お兄ちゃんはハイになって、仮面ライダーの真似するし。
あ、そうしないと私のコレ(といって腕のガントレットをかざす)、
が爆発するの。無理にとっても腕を切り落としても爆発するんだって。分かった?」

矢継ぎ早に捲くし立てる乃絵。傍で聞き耳を立てていた丁稚は呆れていたが、
眞一郎は内容をじっくり租借する。
「それで、比呂美はいつ出てくるんだ?」

思い出したようにハッとする乃絵。
「そう!プロフェッサー?お兄ちゃんを改造したプレデターなんだけど、そいつが見せてくれた映像に湯浅比呂美が映ってたの」
その言葉には強く反応する眞一郎。
「そこに偶然居合わせて、巻き込まれたってことか?」
「えっと、切れ切れでよくは分からないけど最初はそんな感じだった。
でも、プロフェッサーがいうには、なんかすごく仲良いんじゃないかって。
プレデターって種族は平気で人殺すくせして、友情とかを感じると凄く大事にするそうで、今一緒に闘ってるらしいの」
「比呂美VSプレデターってことか?」
「じゃなくて、比呂美&プレデターみたいな。いや、一緒には闘ってないんだけど、一緒にいるのよ今」

「じゃあアニキにそう言えばいいだろ。倒すのは比呂美じゃないんだし」
その言葉には頷きつつ、悩む乃絵。
「そうなんだけど・・・お兄ちゃんもプレデターになっちゃうかもしれないの」
暗闇を覗くものは注意しなければならない。何故ならば、暗闇もまたこちらを覗いているのだから、だっけか。
「湯浅比呂美がプレデターの仲間になったら、2人とも殺しちゃうよ、きっと」
なんか既に比呂美は、平気で人殺して喜ぶ怪物の仲間として話が進んでる気がするが・・・。

「分かった?信じる?信じなくていいから早く乗って」
「信じるよ」
眞一郎の言葉に目を丸くする乃絵と丁稚。その言葉は冗談めいた雰囲気は一切無く、清らかに真っ直ぐだった。
「じゃあ・・・!」
「だが断る」
128truetearsVSプレデター(56:2008/03/30(日) 00:34:31 ID:6qle7Ywi
「え」
一瞬、ノリ突っ込みかネタかと思ったが、車体から離れる眞一郎に乃絵は慌てる。
「ちょ、ちょっと!だから信じなくていいからっ」
「信じる。だから行かないんだ」
どういうことだ。湯浅比呂美の危機とあらば、色々厄介ごとを起こす彼が、なんか迷いもなく断ってきてるんだが。
「分からないの!?どうなってもいいの!?命の危機なの!」
必死に訴えるが、どこまでも眞一郎の顔は冷静そのものだ。
「分かるし、そりゃどうにかせにゃ、な事態だが俺には何もできない」
「え?ちょ、ちょっと坊ちゃん?行ったほうがいいですよ!」
乃絵の話は信じないが、緊迫した雰囲気に偽りはない。いま、ついていくべきだとは丁稚も思う。
「いや、俺がいってもまた困らせるだけだよ」
「んな弱気なっ・・・!」
「弱気じゃない。分かるんだ。俺に比呂美は救えない、まして4番など論外」

乃絵がようやく理解したように、重く哀しく彼を見つめる。
「眞一郎。いま行かないと、見つからないよ・・・?」
「もう見つかったよ。比呂美は御淑やかで人気者で綺麗な幼馴染み。だから俺は家で待ってる」
「そんな女いないじゃない・・・そんな女じゃないって知ってるでしょ!!」
乃絵の激昂も眞一郎は受け流す。それは馬鹿にするでも揶揄するでもなく、ただ淡々と自分の考えを述べているだけだ。
「俺には比呂美を助けられないんだ。
でも帰ってきたら、血で汚れたアイツと今までと変わらずに過ごしたいと思ってる」
「いま、必要なのは待つことじゃない!動くことよ!」
「俺は待つしかできない。動いても大事なものを置き去りにして、取りに行ったものだってあとで捨てちまう」

「違う・・・そんなの、眞一郎じゃない・・・雷轟丸じゃないよ・・・」
乃絵の目じりに熱いものがこみ上げる。そんな気がしたが、そこからは何も流れなかった。
悔しい。とても悔しかった。
裏切られたのでも、見捨てられたのでもない。
眞一郎は籠の中を選んだのだ。翼はいらない、と決めたのだ。
湯浅比呂美が好きだ、といってくれたほうがずっとずっとマシだった。
そんな風に思うときが来るなんで思わなかった。
飛ぶことを諦めたのでも、逃げたのでもない。そもそも飛ぶことに興味がないのだ、眞一郎は。

(バッチコイ!)

あのとき、地べたで自分を受け止めてくれた瞳はもう見えない。また、孤独になってしまった。

「分かってくれたか、乃絵?」
乃絵は応えず、助手席のドアを閉じると、ハンドルを回し、強引に元きたコースに戻っていく。
「いいんすか?」
あれほど大きかったトラックが、今は吹雪に包まれ、視界の遠く向うに消えていった。
「よくもないんだが・・・これが最善だよ」
哀しげに眞一郎が呟くと、つま先の方向を変える。
「で、さっきのとっておきだけどさ・・・」
129プレデター:2008/03/30(日) 00:56:26 ID:6qle7Ywi
と、今夜はここまで
いろいろ散々な目に遭ってきたけど、眞一郎パートはおわりっす
ちなみに乃絵と一緒に行ってたら、紆余曲折あってラスボスにさせるつもりだったので、
ここで別れて正解だったり。

>>106
最後のシーンは「人生はチョコレート箱のようなもの」ですかな?
長い間、ほんとお疲れさまです
こんだけ大作で〆切守るとか、脱帽です
130朋与男:2008/03/30(日) 01:41:53 ID:o0wZ6zf5
……良かった……「乃絵と比呂美のあいだに」が無駄になって本当に良かった……
本編の方が全然イイ!!
さぁ、こうなったらエロエロな妄想を膨らませるッスよ!

>>106
あぁ……そんなこと全然考えてませんでした(笑)
適当に書いてますから、ホントに
131朋与男:2008/03/30(日) 01:44:01 ID:o0wZ6zf5
スミマセン
シラフじゃ観れなかったものですから、かなり酔ってます
下はプレデターさんへのレスです
132名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:16:20 ID:pmDphLxA
最後に乃絵は友達も出来て普通の明るい子になったよね。
あと乃絵は泣かないのかと思ったら
スタッフロールの最後で泣いたね。
133名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:36:11 ID:vi9GPCcJ
あ、エロパロスレのSS職人の皆様に言っておきたいことがあるのですが・・・
今からえろいの書くときは

強めの比呂美

でお願いいたしますー。
134名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:36:23 ID:w5CcdjLY
>>130
朋与男さんも本編に満足されたようで一安心です
やっぱ、プロの方は流石ですね
短時間でこれだけのSSを書き上げてしまう朋与男さんも決して引けをとらないと思いますが
まさに本編のサイドストーリーとしてエロエロな妄想SSを大期待しております
(あれだけ実在感のあるエロスの香りを漂わせるキャラは久しぶりです>比呂美)
135名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:42:09 ID:1AwDwSYp
朋世男さん、よかったですね
まあ、先週はあれでしたので、比呂美好きの俺は涙目でしたが、
最終回は最高でした。
のえENDはここの人が保管してくれてるを期待します。

書き手さん、いつも乙&GJです
放映は終わりましたが、これからも期待しています。
スタッフの皆さんも乙でした
136名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:44:27 ID:OyYWKT3s
八話以降見らんなかった俺は、先週と今週のみんなの温度差について行けなくて涙目です。
DVDはやく出ないかなー
137名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:56:02 ID:DjU1wriU
最後に眞一郎と比呂美が抱き合ったシーンのあとのことを
補完する小説を誰か頼みます。
138名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 08:48:41 ID:7bZQvIsa
関西なので、まだ最終回を観ることが出来ずにいるのですが、
朋代男さんが絶賛なさるほどのラストだったなら、まずは安心です。

ヒマになる呪いの効果が現れてからでよいので、
「ある日の比呂美」シリーズもよろしくお願いします。
139名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 11:34:20 ID:/JZUubyc
正直、テンション下がった。
まとめ切れてない上に薄味で印象に残らない最終回だった。
TTのSS書くのも終了・・・
140名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 12:56:06 ID:7fcito64
静かに終わったなあ。
ほっとしたけど、きれいにまとまりすぎて、放心状態。
何もする気が起きない。
141名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:24:44 ID:1BcYaKD6
なんかそのまんま終わったって感じだった・・・
142名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:35:57 ID:10jZzhkn
最終回は尺との勝負だったから焦点を絞るしかなかったんじゃね
後1話あれば完成度が上がったんだろうな勿体ね
143名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:44:38 ID:s9oeaKNR
まあ結果的に普及点以上の作品だったと思うが。
正直12話のあの落とし方には納得いかんがな、製作者の予想以上に多くの人が釣られちゃったからなぁ。
っていうかAmazon爆上げワラタ
144名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:51:00 ID:2OLMRTDb
及第点と言いたかったのか…?
145名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 01:02:06 ID:41rgSEQD
爆上げってことなら確かに普及点だわwww
146truetearsVSプレデター(57:2008/03/31(月) 01:45:51 ID:3R6OGbED
さて番組が終わってもカキコカキコ


「こんなとこで宇宙人を引っ掛けてるとは思わなかったぜ、流石富山の好色小町」
ヴェノム=石動純が地面に半分のめり込んだアームスーツの上から、舌を伸ばして比呂美に問いかける。
「そんなコスプレしてるひとよりはマシだと思うけど」
と強がったものの、内心はとびつきたい程嬉しかった。
疑問はつきないが、この状況で知った人間が助けに来てくれるとほど嬉しいこともない。
4番は伊達ではないということか。
「ははっ!なかなかイカした恰好だろ、ってうぉわっ!?」
足元の強化兵器がジャンプするように立ち上がると、純の片足を掴んで真上に放り投げた。
花火のように垂直に上昇して、その影はたちまち小さな黒点になる。
「砕けて燃えちまいなぁ!」
続けてアームスーツが背から煙を上げて空き缶サイズの弾頭を3発打ち出すと、
それが美しい放物線を描いて、鳥のように純目がけて飛んでくる。
一発でも喰らえば大気の塵となって富山の空と同化してしまうだろう。
「純君っ!」
比呂美が咄嗟に名前を叫ぶ。

「やぁばいっ!!」
空中で体を絞るように撓って最初の一発を紙一重でかわし、同時に両手首から黒い糸を放出した。
それで2発目と3発目を縛り上げてぶつけ、一編に爆発させると、ターンして背後の天空から一発目が戻ってきた。
超感覚─スパイダーセンス─で察知し、振り返って弾丸のように固めた糸を高速発射してそれも爆発させる。
「近すぎっ!!」
しかし爆風の衝撃で叩かれて、純の体は紙のように吹き飛ばされ、地面に埃を巻き上げて落下した。

「うわぃ!?」
慌てて踵を返した比呂美の鼻先に、後方にいたはずのアームスーツが降り立って視界を埋めた。
「ただの子どもにしか見えないが・・・あの化け物たちを惹きつける何かがあるのか?」
彼女の胴体をまるまる掴めそうな手の平が迫る。
「あ・・・ああぁ・・・う」
そのパワーとスピードを目の当たりにした比呂美は無抵抗しか最善の選択が浮かばない。

「ヴェノム・ウェブスロー!!」
そのとき、つんざくようなバイクのエンジン音が走ってきた。
体中に鉄や石の破片が突き刺さったままの黒い筋肉、赤い口の怪物純ヴェノムだ。
寄生体の一部を分離させて槍の形にし、それをアームスーツに撃ちながら向かってくる。
「効かん!!」
蚊が当たる程度にしか感じない鎧は、さらりと槍を受け、二の腕からグレネード弾を発射してくる。
「おれ様も効かん(当たらなければ)!」
純ヴェノムは雨粒を避けるような繊細なハンドル捌きでそれを潜り抜けると、
外れた弾頭が起こす爆炎を背に、天空に向かって高い稜線を描いてジャンプした。
「ヴェノム・トルネェエドッ!」
「ジャンプするだけか?」
上空の純に注意を惹かれる強化外骨格。
しかし、彼の腕から伸びた蜘蛛糸はバイクの車体に結ばれていて、振り子のようにその鉄の塊がアームスーツへ叩き込まれた。
「フン」
しかしアームスーツの腕がドリルのように回転すると、竜巻さながらのパンチをそれに打ち込む。
クレーンのように飛んできたバイクは中央から真っ二つに割れ、糸伝いに衝撃を受けたヴェノムはまた吹き飛ばされた。
それでも大地にペシャリと叩きつけられる寸前、猫のように身を返してからくも着地する。
「他愛ないわ」
147truetearsVSプレデター(58:2008/03/31(月) 01:49:27 ID:3R6OGbED
ドウッドウゥッ!
そのとき、遥か離れた鉄塔の真ん中辺りから、ぶら下がったプレデターがプラズマキャノンを撃ち込んだ。
アームスーツのセンサーは一瞬で干渉波クローを展開して、電磁バリアーで光線を綺麗さっぱり消滅させてしまう。
「まだまだぁっ!」
ビームに注意が及んだその短い隙に、大地を滑るように駆けてきたヴェノムがマシンの太い足にスライディングをかまして、
巨大なボディを大地になぎ倒すことには成功した。
そのとき、プレデターやヴェノムさえ予期しないほうから攻撃が追加された。

「おおおあああぁぁぁっっっ!!」
その隙に比呂美が純の放った寄生体を固めた槍を拾って、背の低くなったマシンに駆け寄る。
無論、彼女の腕力では、その強靭な槍を以ってしても、頑強な装甲を貫けるわけがない。
が、そこから生えた電磁フィールドを作り出す幾本ものアンテナのひとつ。その根元に、ズブリと黒い槍を突き刺す。
ドグォオンッ!!
「づぁああ!!?」
プレデターのプラズマ砲を防いでいたシールドのバランスが崩れ、
コントロールを失った熱エネルギーが暴れて、丸太のように太いアームスーツの右腕を根元から千切れ飛ばした。
本体から切り離され、大地に投げ出された腕は、ミミズのようにのたうち回り、獲物を求めてあさっての方向を引っ掻く。

「ひぅっ!!?」
しかし、その瞬間比呂美はパイロットの放つ、視線だけで殺せるような凍る憎しみを装甲ごしに受けた。
「おっと・・・って!」
触れただけでミキサーのように獲物を分解する腕をヴェノムがよけてる隙に、
胴体部分から蟻の足のように生えた2本の腕、パイロット自身の腕が比呂美の顔を掴んだ。
「ふぐっ!」
錠を噛まされたようにがっちりと締めてくる腕を外そうと、もがく比呂美。
プレデターも下手にキャノン砲を撃てば彼女に当たるため、照準を定めようとして撃ちあぐねる。
「もらっていくぞ、この女」
ロケットパックがオレンジ色の炎を輝かせ、空気を震わす排気音を通して、
アームスーツの巨体がふわりと宙に舞い上がる。
「ふ、ふぐぅーーっっ!!」
ヴェノムもプレデターも空は飛べない。逃げの一手をかまされたら防ぐ手は無い。

「石動ヴェノム・ファングゥ!!」
が、背後から跳びあがった黒く巨大な牙を揃えた口が鰐のようにガブリと喰いついて、強化外骨格を逃さない。
「石動ウェブ・クラッシュ!!」
そしてヴェノムの全身を覆う寄生体を限界まで膨張させ、
自らを巨大な網に変形させてアームスーツの全身をグルグルに包み込み、空中で拘束してしまう。
バリバリバリバリバリィッ!!
アームスーツが装甲表面から高圧電流を放出して、ヴェノムを引き剥がそうとする。
「うえええっ、ぐぉおおっがが・・・!」
電気には耐性のあるシンビオートだが、あまりの熱にびっくりして、元の人型に戻ってしまうヴェノム。
それでも、その間に比呂美をパイロットの腕から引き剥がして、感電し炭の塊になるのを防ぐのは間に合った。
「きゃぁあっっ!」
落ちればぺしゃんこになってしまうという、高度に対する原始的恐怖で悲鳴を上げた比呂美だが、
美青年の面影がない純の首にしがみつくだけの冷静さはあった。
が、アームスーツは蜘蛛のように張り付く純から、比呂美を狙って手を伸ばしてくる。

148truetearsVSプレデター(59:2008/03/31(月) 01:54:22 ID:3R6OGbED
「これはてめぇの女じゃねぇぇええっっっ!!」
ヴェノムがマシンの顔面に膝蹴りを刺すと、
右手首から蜘蛛糸を発射してアームスーツの胴体を縛りあげる。
さらに遠く鉄塔にいるプレデターに向かって自身と繋ぐように左手首からも蜘蛛糸を発射すると、
その怪物が横たわっている鉄柱へ幾重にも巻きつけた。
プレデターと純の視線だけが交わされ、生涯を寄り添った夫婦のように思考が通じ合う。
「死んでも振り落とされるなよ比呂美・・・・・・きばれマザーファッカアアッ!」
「カシャァアオォオエエエエエッッ!!」
プレデターの豪腕が柱に巻かれた蜘蛛糸をグイと掴むと、それを渾身の力で引っ張った。

プレデターの怪力がブラックホールのように鉄塔へアームスーツを吸い寄せられる。
純も糸が切れないよう、全身の筋肉の隅々まで力を漲らせて、寄生体と一体化する。
「俺の妹は富山一スウィイングウウウウウウッッ!!」
プレデターとヴェノムのパワーが合わさって、蜘蛛糸はバネのように撓んで収縮する。

「ううううううううううううううっっ!!!???」
比呂美は自分が回りすぎてバターになってしまうのではないかと考えた。
まるで洗濯機の中にいるような、この勢いなら自分の残像が見れるのではないかとさえ思った。
ジェットコースターのような振り回される遠心力で、純の首から引き剥がされてしまいそうだったが、
ヴェノムの首周辺の寄生体がガムのように彼女の腕をくっつけていたので助かっていた。

アームスーツは高い高い鉄塔の中間までその周辺をグルグルと回転しながら引き寄せられていく。
「キシャァアッッツ!!」
どちらからともなく合図の発した奇声。
蟻地獄のように鉄塔に向かっていくアームスーツがぶつかる直前に、
純の黒いボディがその身を離れて、宙に飛んだ。比呂美もその腕に抱えて。

「待たせたな・・・っておまえか」
一瞬、体にしがみついて腕に抱く感触から、妹を思い出した純だが、比呂美の顔を見て心底うんざりする。
一方、不覚にも声がよく聞こえない比呂美は、ヴェノムの裂けた赤い口と、牙のような白い目に、
その真っ黒い筋肉にお姫様だっこされて少し胸が高鳴ってしまった。

ゴガァラガアアンンッッ!!
耐震強度の保障された鉄骨が曲がるほどの衝撃で、アームスーツのボディが叩きつけられ、
鉄塔が貧乏ゆすりのようにブルブルビリビリと震動する。
この連携攻撃には強化外骨格も相当なダメージを受けて、動きが固まる。



と、今宵はここまで。
149名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 03:51:23 ID:Bz41Lj06i
4番かっけぇwww
グレンラガンやら覚悟のススメやらパロディもいろいろ豊富で楽しいわー
150名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 16:19:39 ID:/EXOlpos
投下なくなっちゃったなあ
なんでよ、もう冷めちゃった?
むしろいまこそ、比呂美のイチャラブがみたいんだぜ
151名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 17:31:06 ID:AsPYRFmU
綺麗に終わりすぎてるからじゃね?w
152名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 17:54:06 ID:9HeW2jRA
やはりアニメにしろ漫画にしろパロするものが終わってしまうと、
スレが冷めるのはしょうがない。それは結構ある現象。
っていうか、その逆に熱くなるスレが珍しいと思うよ。
それでも、書き手さんが来てくれればいいスレだぞ。
まあ、終わり方が綺麗すぎて、妄想しずらいというのもあるとは思うけど・・・
153名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 18:01:24 ID:kNPfiZsP
比呂美のバスケユニフォーム姿に興奮した眞一郎が
練習終了後更衣室で求めてエッチ、というような話を読みたい。
どなたか書いてけろ。
154名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 19:58:24 ID:RMvss/is
なんつーか燃え尽き症候群みたいな感じになってるわ。
ゆっくり書いていこうと思う。
155名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 20:31:18 ID:5Cquq8jc
ヒロシの中の人が言うようにキレイに締めたからね
でもまぁいろいろ妄想することも出来る終わり方だったしこれからもSSには期待
ラジオは続くみたいだし、ドラマCDとかは出るかもしれないね
156名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 20:42:42 ID:4ououEb4
SSに期待が高まりまくるwww
変に性格改変しなくても
そのままの性格で自然にHなシチュできるからなwwww

濃厚で、かつ2人らしいのを期待してます
現状はあさみの願いとある日の比呂美待ち
157名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 23:30:34 ID:ulYCU32R
12話終了時でこのようなSSが書ける朋与男氏に感服した。
最終回見終えて、初めてこのスレに来たんだけど内容は結構ニアピンじゃない?
本編でももうちょっと後日談が欲しかったなぁ。
158名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:58:05 ID:s23ITJMt
プレデターvsTTは一体何処へ行こうというのか
159truetearsVSプレデター(60:2008/04/01(火) 02:29:16 ID:GzvYaLXJ
>>149
外骨格ネタは攻殻機動隊からだけど、残酷描写はそっくり山田作品の影響受けてます
>>158
比呂美の成長劇が書きたかったんです・・・


ゴイイイイイィィィンンン!!!
アームスーツが鉄塔に激突し、重く鈍い金属音が辺りに響き渡る。
「ッッィシャァア!!??」
突然、比呂美を抱えて鉄骨に着地した純=ヴェノムが甲高い悲鳴を上げた。
「ど、どうしたの?」
わけがわからず動揺する比呂美。

ヴェノムの体表がハリネズミのように触手を伸ばしてもがく。
純の頭にもトンカチでガツンと割られるような痛みが奔っていた。
金属の衝突による音のショック。
シンビオート=寄生体の弱点、その超短波を間近で浴びてしまったのだ。
「クルルゥッ?」
歴戦のプレデターには、それがすぐさま寄生体の弱点だと気付く。

が、その観察はプレデターだけに止まらなかった。
アームスーツのシステムがダメージから回復すると、足元の鉄骨に高速の拳を打ちつける。
ガアアアァァァアン!!!
「キャシャオォォーーーッッ!!!」
とうとう純の全身を包んでいた黒い寄生体が金属音に堪えきれず、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
爆発するように辺り全体に拡散すると、ドロドロと固まって鉄骨を伝い、音から必死で遠ざかろうと流れていく。
「うわあああぁぁ!お、おれの体がぁ・・・っっっ」

「いったいどこにいるの・・・?」
純には止められたものの、心配に突き動かされ現場に来てしまった乃絵。
彼女がたどたどしい手つきで、トラックを停車させてると、兄たちはどこにいるのか探す。
が、そこから見える光景はひたすら壮絶としかいいようがない。
雪が一面に積もる真っ白な世界に、赤黒く歪んだ点々があちこちにある。
それはおびただしい戦場の爪痕、かつては生き生きと動いていたはずの物体の残滓だ。
「・・・ぅおっえっ!!」
思考が情報に耐え切れず、肉体が拒否反応を起こした。
咄嗟に胃の内容物が逆流してくるのを抑える。
肝が据わってるのが石動乃絵の長所とはいえ、年若い少女がおよそ正常を保てる世界ではない。

・・・ィィィィィ・・・

「あそこ?」
この光景から意識を遠ざけてくれるならなんでもいい。
微かに聞こえた共鳴音を辿って、その方角に目を凝らすと、送電用の巨大な鉄塔が目に映る。
「あれは・・・黒い?」
視力はいいほうだ。明かりが少ないので、鮮明には分からないが、鉄塔の真ん中あたりで何かが激しく動いている。
2・・・3、全部で4つの人影だ。
一つがやたらとデカすぎる。熊どころではない。あれは象か?
もう一つもNBAのバスケ選手ほどはある。それにあのガタイ、あれはきっと依頼された目標のプレデターだ。
で、あの黒いのがお兄ちゃん・・・おかしい。
兄の全身に寄生したはずの不気味な生命体が、踊るように暴れている。
隣にいるのは湯浅比呂美でFAだろうが、もうかなりどうでもいいことだ。
「お兄ちゃん!」
乃絵はギアを入れると、もはや慣れた動作でトラックを鉄塔に向けて走らせた。
160truetearsVSプレデター(61:2008/04/01(火) 03:00:14 ID:GzvYaLXJ
「があぁ・・・げえぇお・・・」
寄生体が消え去った跡に比呂美が見たものはミイラのように憔悴しきって蹲る石動純だった。
寄生体と生命を共有していた彼はダメージを激しく受けた上に、
その力を殆どシンビオートに奪われてしまったのだ。


「ウガァアオオオッッゥ!!」
純の苦しむ様に怒りを覚えたプレデターが咆哮する。
片膝を破壊された怪物は、しかし腕立てをするように鉄骨に手を着くと、
両肩の筋肉を風船のように肥大化させアームスーツに飛び掛った。
「おっとっ!」
そうはさせじと強化外骨格のロケットパックが噴射し、その巨体はたちまち空に離脱する。
捕まえそこなったプレデターは、地上に真っ逆さまで諦めなくても試合終了だ。

「雷轟丸っ!」
誰の声かと思った。そもそも誰を呼んだやら、とも思った。
違う。今のは自分の声か。
そう、湯浅比呂美が咄嗟に落ちゆくプレデターに呼びかけたのだ。
なぜ?彼女にも分からない。もっともそれに思索する余裕もなかった。

空を飛ぶどころか、足も壊されジャンプさえできない異形の戦士。
地べたに這いつくばる怪物が天を自在に舞う鋼鉄のマシンに飛びかかったとき、
その失敗しかない試みに勇気だけで挑んだとき、それに該する名詞が浮かんだのだ。
自己の限界を明らかに上回る、挑戦といえるかすら危うい行動。
それを無謀と笑うか、冒険と称えるか。そんな外野の評価など無意味だ。
ただ、動いたのだ。

比呂美自身は鶏の雷轟丸が狸に食われたのは、単にそれの本質が陳腐だったからと思っている。
生死の境において、餌に選ばれる宿命。それは相手に爪でなく、背を見せたことに他ならない。
が、しかし‘雷轟丸’という名へ込められた思い、そのものは別だ。
絶対的に飛べぬものが、それでも飛ぼうとする勇士には雷鳴轟く感動を覚えただろう。
その意味にあって、ただひたすらに死闘に挑み続ける眼前のプレデターにこそ、あの名は相応しいのだ。

比呂美はイギリスの女王が偉大な働きをした徒に騎士の称号を与える心地で、
そうプレデターを名づけていた。‘雷轟丸’と。

プレデター=雷轟丸が鉄骨に座り込むアームスーツに飛びつく寸前に、その巨体は空に浮き上がった。
ので、一瞬の差で間に合った雷轟丸の爪がマシンのつま先に引っかかる。
「なにっ!?」
下方に消えるプレデターを想起していたパイロットに動揺する。
「・・・あぁ!」
一方、同じ予想をしていながら、それが外れた比呂美の表情は花が咲いたように明るくなった。

そのまま怪物はヤモリのように素早くよじ登ると、コクピットとなる胴体部分にしがみついた。
「落ちろ化け物!!」
マシンの片腕がプレデターをボディから叩き落とそうと動くが、
シュバァッ! ドグシャァッ!
肩のプラズマ砲がそれより早く動いて、巨大な腕を根から吹き飛ばした。
とうとう機械の両腕はなくなって、全体からすると小さな2本腕だけになるアームスーツ。
絶大な戦闘力を半減させたことになる。
161truetearsVSプレデター(62:2008/04/01(火) 03:34:32 ID:GzvYaLXJ
「やったぁ!」
ガッツポーズをとる比呂美。嬉しい!チョー嬉しい!心が沸き立って脳の快感物質がフィーバーする。
純ヴェノム、プレデター雷轟丸、それに自分。
一人では到底敵わない相手でも、協力すれば報いることができる。できるんだ。

さっきまでは、ずっとずっと一人だった。
いや、いつだって自分は一人だったのだ。
周りのせいではない。周囲の人間には恵まれていると自信をもっていえる。
環境のせいでもない。不幸に底はなし、孤児院一直線だったはずが地元の名士に拾われるなど通常ありえない救い。

それでも孤独だった。心を開けなかった。否、開きたくなかった。
自我の奥深く、遥か光の届かない闇の底。
多大な才能を備えた肉体と知性、これを以って存分に、
一切の容赦なく外の世界にぶつけてしまったらどうなるのかという恍惚な期待。
出してはならない。考えてもいけない。気付くことすら許されない。
もしそんな獣じみた、いや野獣そのものの湯浅比呂美を作ってしまえば、行き着く先はただ破滅のみだ。
誰にも理解されず、分かり合えず、これまで築いてきた全てを断ち切ってしまう。

だからひっそりと、どうあっても本来の欲求を出すことなく生きていく。、
ときおり下らない怒りをぶつけ、おざなりな折衝をして、最後は男の肩によりかかる。
望めるなら仲上眞一郎と結婚するのがいい。
彼が酒蔵を継げばお上さんとして世話しなく働きまわり、面倒見のいい奥さんになる。
子どもも3人は欲しい。
作家を目指すなら、自分も働くだろう。OLとして事務をこなし、家事も献身的にこなす。
休日は朋与たちと旦那の愚痴を肴に、甘いものを梯子する。
地域のクラブに入って、バスケットを続けるのも面白い。
石動 純と付き合ってたのも、いいネタになりそうだ。
或いはその石動 純と結ばれてもいいのだ。
冷めたとこがよく似てるし、互いの汚い面を理解し合っているという意味では眞一郎を上回る。
案外、そーいう気安さがあると長続きしそうではないか。
石動乃絵が妹になる、というのがしんどいが。
とにかく、そーいう俗な女になりたかった。大人になりたかったのだ。

だけど、自分は巡り合う。
地獄の釜の底の底。悪鬼羅刹の巣窟で、
たった一つの小さな命、それをとことんぶつけ合う。
そんな無茶ができる仲間に会えたのだ。
もう寂しくないのだ。

「カァッ」
しかしプレデターは機械の腕を吹き飛ばしたのを後悔した。
背後に風を受けた瞬間、咄嗟に反応して攻撃してしまったが、そのビームでパイロットを撃っていれば。
たとえそのパンチで我が身は平らに潰されようと、長い闘いは終わりにできたのに。
次にパイロットを狙えばよいわけはない。できないのだ。
雷轟丸が一撃を放てば、そのすぐ後にはアームスーツが攻撃してくるのだから。
162プレデター:2008/04/01(火) 03:36:02 ID:GzvYaLXJ
今夜はここまでもう寝るか
163名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 03:58:21 ID:vS7oay16
>>159
「比呂美の成長劇」でプレデター持ってくる貴方の才能が恐いw
164名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 04:04:27 ID:RD3ijGX9
プレデターさんのまともな比呂美SSが読みたいですw
165名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 04:18:26 ID:kUlu+22/
>>159
強化外骨格は攻殻ネタですか
「たわいない」の台詞辺りに覚悟のススメ色を感じたのですがw

てか成長物だったのかwww
166名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:57:58 ID:n2P74gro
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d347292.jpg
このシチュにあった甘いSSを書いてほしいわけですよ
167名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 21:25:55 ID:Rui/4TSE
ちょっと私用でバタバタしており、復帰まで時間がかかりそうです。

待ってくれている皆さんに申し訳無いと思っています。

復帰したらすぐ上げられるよう書き貯めているので気長にお待ちください。
168名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 21:34:38 ID:w8OTuZvX
ヽ(´ー`)ノバンザーイ
マッテルヨ!
169名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 22:37:23 ID:DQfg/HKg
>>167
どなたかわからないが期待
170生でやるっていってんだ!:2008/04/02(水) 01:06:34 ID:N8AqqIl8
「ダメ、絶対!」
比呂美が眞一郎の申し出を撥ね退けた。
「えぇ〜!そんな覚醒剤のコピーみたいなこと言わないでさぁ」
これだ。彼の眼差し。
夜明けの湖のように静かで透き通った瞳に何度自分は開かれてきただろう。心も体も。
が、しかしコレばっかりは例外だ。例外でなくてはならない。
「だ、だって・・・今までずっと、シテたじゃない」
「だぁかぁらぁ、今日だけ。今日だけなんだって、ね?」
あぁ、なんてくぁあいらしいの!そんな!卑怯よ!
そんな風に、初潮も迎えてない少年のように囁くくせに、いざコトが始まったら豚が餌にがっつくように
私の骨の髄までむしゃぶるんでしょう!というか、むしゃぶって!・・・・・・って、いかん、いかん
「だって私たち、まだ学生なのよ」
むぅ、我ながらなんてテンプレートな反論。が、使い古されたが故の信頼度ともいえる。
「・・・でも、もうすぐ卒業だし・・・」
そう、卒業なのだ。これからは同級生の猥雑な視線を受けることもない。
誰憚らず、所憚らず彼と甘い言葉を交わし、蕩ける口付けを交わし、そして・・・おっと、そうはいかんざき。
「卒業だから?18歳以上だから?だからなーに?」
「いや、だから・・・・・・って待てよオイ。別に俺はそういうことじゃなくてさ。
ただ一度くらいつけなくてもいいだろってことをさ?ちゃんと外に出すよ」
「当たり前じゃないっ!」
「ひぅっ!」
キャーびびちゃってる!リスいたいに縮こまちゃって、またいぢめたくなっちゃう!
そうよ、もっと怯えて。私の被虐心をビンビン突きまくって!ついでに私の子宮口も・・・っと危ない危ない
「・・・っていうか、学校で習ったでしょ。中で出さなくても妊娠しちゃうって」
「だってさぁ〜、俺たちもう2週間もしてないんだぜ?」
「・・・・・」
171生でやるっていってんだ!:2008/04/02(水) 01:07:00 ID:N8AqqIl8
2週間してなければ、生でできる。なんてチャレンジを出した覚えはないが、確かに一理ある。
眞一郎くんはしばらくコンクールに向けた作品制作でもうずっと作業場へこもりっぱなしなのだ。
絵本のことはよく分からないが、彼曰く「1分1秒でも多く描きたい」らしい。
とにかく、これは彼の将来に対する重要な試練であり、その成績如何で周囲の理解も
変わってくるのだから何としても、高き門を突破したかった。
と、いうわけで一時は猿のように朝、昼、夕、夜とギネスを目指すように淫行していた私たちが
悟りを開いたように、最近は指も触れなければ、口数も減っていたのだ。
「ようやく提出が終わって、比呂美とできると思ったのにさ」
「別に私は・・・そんなの」
「まーたまーたぁ?」
彼の細い指が私の髪を撫でるように梳き、温かい吐息を耳たびにそっと吹きかける。
それだけで心臓に蜂蜜を垂らされたように、私の鼓動は桃色の音色を奏でてしまう。
「だっ、だって・・・それとこれとは・・・べ、別でしょう?」
「別じゃないよ」
「え・・・っ!」
髪を撫でていた彼の右腕が、蛇のように首筋から私の胸元へ潜り込んだ。
「だって、俺はスゴクしたいんだよ・・・比呂美と、生で。比呂美の膣内へ、生で」
「そ・・・そんな、2回もいわなくたって・・・ひぅ!」
唾液をたっぷりとまぶされた彼の舌が私の耳の裏を舐める。
そのまま、ナメクジのように体液の道標をつけて、私の頬の軽く触れる程度に、チュッとキスをした。
「なぁ・・・比呂美だって欲しいだろコレが?」
「!!」
私の臀部に生温かく、ゴワゴワとした棒状の塊が押しつけられた。
布越しではあるが、張り裂けんばかりに反り返って漲ったその感触は、私の淫行スイッチを強制的にONにさせてしまう。
「ちょ、ちょっと・・・んんっ」
振り返った私の唇を彼の唇が塞いだ。
「んん・・・ちゅっ・・・んっ・・・ぷぁ・・・っん」
そのまま蛸のように吸い付いたそれは、ドクドクと喉に彼の熱い唾液を流し込んで嚥下させてくる。
「んくっ・・・ん・・・くっ」
一方で、舌でSEXをするようにして、私の舌を引き出し、絡め、味わい、誘導する。
「んんっ・・・あんっ・・・ちゅぱっ・・・あぁ・・・ふぅ・・・あ」
ゾクゾクと私の股間から蕩けるような甘い痺れが脳に伝わってくる。
ロブスターを殻の裏まで味わうように思いっきり彼の口を喰ってやろうとしたとき、
空を泳ぐようにあるはずの唇が消えてしまう。
「あっん・・・どうしてぇ・・・?」
眞一郎君が子猫をあやす様に私から唇を離したのだ。
私たちの間にはか細く輝く唾液の糸が、つり橋のようにかかり、その切なさを物語る。
「なぁ比呂美ぃ・・・」
彼は粘土のようにグニグニとまさぐっていた私の乳房から手をどけると、
背後から全身で温かく包み込んで、そっと囁いた。
「いいだろ?・・・しても?」
「・・・・・ん」
「ん?」
「・・・眞一郎君がどうしても、どうしてもしたなら・・・」
「ナニを?」
「もうっ!」
あまりに焦らすので、厚い彼の胸板をポカポカと叩いてしまう。
「あはっはっはっ・・・っっ、げっほ」
「あ、ごめん!・・・」
「ごほっ・・・いいよいいよ。ごめん。からかいすぎたな。で、いいよね?」
私は促されるように、しかし実は自ら待ち望んで同意の言葉を吐いた。
「うん・・・眞一郎君のオチ○チンを・・・生で私のオマ○コに、いっぱいいっぱい入れてください!」
172名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 01:12:08 ID:N8AqqIl8
久しくエロってないのでかいてみた
173名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 01:40:08 ID:vbA4WqRw
おいおい、生殺しですか?
本番ないのかよ!
174名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 02:14:59 ID:ZQM6awV8
ぜひ続きを。
なんというか、あなたの書く発情比呂美は、実にエロくていい。
175名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 06:53:46 ID:hudDBsoy
エロエロの比呂美、いいっすね!(丁稚風
176chin一郎:2008/04/02(水) 11:40:05 ID:MHQdBRxp
「や、やめろっ、愛ちゃん……乃絵っ」
「いいじゃない。付き合ってくれないんだったら、おちんちん見るくらい
 ………乃絵ちゃん、眞一郎の体しっかり押さえといてね」
「動かないで、眞一郎」
「眞一郎のおちんちんがどうなってるか、お姉ちゃんがた〜っぷりと見て
 あげるからね……………それっ」


「………何コレ、ちっちゃーい。それに包茎だし。眞一郎ってば、こんな
 子供みたいなおちんちんのくせに、私のこと背が低いとか言ってからか
 ってたの?バカみたい。………こんな包茎おちんちん、比呂美ちゃんが
 見たら何て言うかな……『漫画とかでは見たことあるけど、実際にこんな
 の見たの初めて』とか言って、記念撮影とかしちゃいそう………ほらっ、
 乃絵ちゃんも何か言ってやりなさいよ。顔真っ赤にして、じ〜っと見てる
 だけじゃなくてさ」
「……………………」
「乃絵ちゃんにおちんちん見られて、眞一郎も顔真っ赤っ赤だね。恥ずかし
 くてもう声も出ないの?何か言ってよ、ねえ、眞一郎ってば」
「……………………」
「もうっ、私だけ喋っててもつまんないよ〜。………そうだ、乃絵ちゃん。
 結局、眞一郎とは何かあったの?…………エッチなこととか」
「な、ないわ、何もないわっ」
「裸を見られて『キャー、エッチ』とかは」
「ないわ、ないわっ」
「そーなんだ……ってことは、眞一郎は私や乃絵ちゃんの裸は見たことない
 のに、私たちにおちんちん見られちゃってるんだ。やだ、恥ずかしい〜。
 私も乃絵ちゃんも、眞一郎の彼女じゃないから、裸はとーぜんだけど、
 パンツとかもぜ〜ったい見せてあげないからね………ざ〜んねんでした。
 悔しい?眞一郎………ねえ、悔しい?」
177chin一郎:2008/04/02(水) 11:42:16 ID:MHQdBRxp
「……眞一郎の……だんだん………大きくなってる……」
「あっ、ホントだ。おちんちん見られただけで大きくしちゃうなんて、
 眞一郎ってば、やらしー。おちんちんヒクヒクしちゃってるよ………
 乃絵ちゃんに見られてるから、こんなに……」
「わ、私………私なの?」
「乃絵ちゃん可愛いから、眞一郎も興奮してる………触ってあげたら
 眞一郎、もっと歓ぶよ……ほらっ」
「わ、私はいいわ………や、やめて」


「………熱い、熱いわ。それに、すごくカタくなってきてる……」
「乃絵ちゃんの可愛いおててでナデナデされて、眞一郎のおちんちん、
 もうギンギンって感じね。それでも、まだ皮が被ってるけど……」
「大丈夫。眞一郎はムケるわ………こうすれば……」
「あははっ、赤いグミみたいなのが、ぷるんって出てきたね」
178chin一郎:2008/04/02(水) 11:43:33 ID:MHQdBRxp
「しんいちろーのサオの先にもあぶらむしー
 しんいちろーのタマの裏にもあぶらむしー
 しんいちろーのおしりの穴にもあぶらむしー」
「……もうノリノリね、乃絵ちゃん。でも、あんまりイジりすぎると、
 眞一郎………出しちゃうんじゃないかな」
「眞一郎は飛べる、飛べるわ」
「まあ、乃絵ちゃんがその気なら………私も見てみたいし……」
「しんっ、いっち、ろおー、おの……」
「乃絵ちゃん、眞一郎のおちんちんもう限界みたい………『出したい、
 出したいよーっ』って感じで、プルプルプルプルしちゃってる……
 もう、出しちゃうの?眞一郎。乃絵ちゃんのおててが気持ちよすぎ
 て、おちんちん我慢できなくなっちゃったの?」
「はい、どぴゅどぴゅってして」


「今日は、いいもの見せてもらったね、乃絵ちゃん」
「眞一郎は飛んだ………すごく高く飛んだわ」
「……三代吉のより先に見ちゃった」
「大きくて………たくましくて……気高い……」
「それじゃあ、また今度見せてもらうね。そのときは私がしてあげる
 から、楽しみにしててね…………チン一郎」
179名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 11:51:30 ID:rQ4W0Yq8
>>172
比呂美かわいいよ比呂美
そうはいかんざき吹いたwww

>>178
しんちゃん。・゚・(ノД`)・゚・。
でもワラタwwww
180生でやるっていってんだ!:2008/04/02(水) 16:09:08 ID:N8AqqIl8
「あぃや、待たれぃ!しばし待たれぃ!」
突然、部屋の戸がバネのように開かれる。
「うわぇっ!?」
「あら」
情事の熱気を吹き飛ばされ、呆気にとられる眞一郎、と冷静な比呂美。
「俺を差し置いて生とは千年早いわ早一漏!」
眞一郎の縮まった一物を糾弾するように指差す男。
「そそそ早漏ちゃうわっ!」
「まだ富山にいたんだ?」
動揺する眞一郎、と尋ねる比呂美。

ズカズカと室内に上がりこんでくるその男は・・・。
「とことん鍛えた鋼の体、見目美麗な甘い顔、富山一の好青年!
 石動 純たぁ、ア 俺のことだぁ〜!!」
バアァァーーーン!!と効果音と照明が轟きそうな名乗り。
「ししし知ってらぃ!」
「緑茶でいい?」
つい気圧される眞一郎、と台所へ向かう比呂美。

「フン。昼の日向にナニしてる輩に言われたくもねぇ。
が、何しにきたかと聞かれたら、そのナニしに来たに決まってらぁ!!!
 ・・・(ズズズ)うまい」
自分の股間を親指でかざして宣言する純。空いた手でお茶を頂く。
「おおおオマエは昔の男だろぅが!・・・昔の男だよね?」
「ありがと。お菓子もどう?」
自信のない眞一郎、と戸棚を開ける比呂美。
181生でやるっていってんだ!:2008/04/02(水) 16:09:28 ID:N8AqqIl8
「なめんじゃねぇえ!元彼だろうが、主人公補正だろうが関係ねぇ!
 てめぇの決めた穴をてめぇの決めえたヤリかたで突き破る!それが俺たち富山県民だっ!!
 ・・・(バリボリ)うまい」
ガラッ!と窓から三代吉が、バァンと押入れから眞一郎の父が入ってくる。
「みみみ皆何しに来た!・・・ナニしに来たの?」
「みなさんいらっしゃい。ささこちらへ」
キョロキョロする眞一郎、と席を勧める比呂美。

「愛した女を紹介されど、結局振られて、それも無駄。パロも少ないこの仕打ち」
三代吉がむせび泣く。
「せっかく育てた甲斐も無く、家は継がない、娘は出てく。父の威厳も丸つぶれ」
父もむせび泣く。
「友も親父も無視されて、晴らさでおくかよ、この恨みぃい!」
2人揃って眞一郎を睨む。それに純も加わる。
「比呂美は!俺たちが生でやるぜ!!!」






「あぁっ・・・も、もっともっとぉ!んちゅっ、ぷぁっ・・・んっ、んんっ・・・ふぁあ・・・はあぁあ」
父が比呂美の口に、黒い男根を出し入れする。
三代吉はバックから彼女の乳房をこね回しながら菊門に肉棒を出し入れしている。
純は横たわって下から比呂美の膣内に何度目かの白濁を流し込んだ。
彼らは連携して、もう絶え間なく全身に精液を注いでいる。
「いぃぃい!!いっぱい!オチンポひっぱいぃ!いっぱいぃさえてひもちよくなっひゃうぅうううう!!!」

「・・・ぐしゅっ・・・ひっくぐ・・・えぅう」
その傍らでは、コンクールの不合格通知を涙で汚しながら、眞一郎が握り締めていた。
純はは突如NBAチームの特待生枠としてアメリカに留学が決定。比呂美もついていくらしい。曰く、
「思い出は昨日までのもの。お金と名声は明日に繋がるもの。
 私、眞一郎君のこと忘れないわ。でも将来性のない初恋の男に尽くす、貞淑で清楚な女で終わりたくないの」
とのこと。眞一郎は明日から酒蔵の見習いとして丁稚の下で働くことになる。

「あんっ!おにいちゃん!もっと、もっとしてぇ!いっぱい精液注いで孕みたいのぉ!!」
「三代吉ぃ!どう?まだよ、もっと我慢して!また中で出したら許さないんだからっ!」
「いいわっ!あなたの中年チンポ最高っ!中田氏しまくって、頼りになる跡継ぎつくりましょぉおお!!」
「すごひぃい!4番のセックス最高!入れて、私の子宮に精子シュートしてぇ!!」
気がつけば愛ちゃん、眞一郎の母、朋与はじめバスケ部男女、丁稚や酒蔵の職人さんたちが集まり、
老いも若きも問わず、盛大な乱交パーティーが始まっていた。
淫欲に染まった夜はまだ続く・・・。

<end>
182名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 16:52:25 ID:YIvm5sDc
面白いとでも思ってる?
183名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:07:24 ID:jhP97dGe
いやいや、これはこれでアリでしょ…
184名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:16:56 ID:jT+cNRdd
怖w
185名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:18:42 ID:2C6iAEpF
まあなんだ、専ブラって便利なんだぜ。
186名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:26:47 ID:jT+cNRdd
活字苦手な俺が昨日やっとある朋読み終えたがやけど文章力?に圧倒されたちゃ
きっとたくさん文書いたりして修練を積んだのだろうねぇ
いんや素晴らしい素晴らしい
187名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 17:57:43 ID:Iz/Jsgr1
プレデターがでてくるぐらいだから、なんでもありかと思ってたw
気にいらんのはアボーンしてしまえよ
188名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 18:40:51 ID:dQ+R/bFR
警告なしに寝取られ書く奴は、嫌がらせとしか思えない。
アンチ主人公SS書くなら最初に言ってくれ。
主人公に限らず、登場キャラをむやみに卑下するSSは読んでて腹が立つ。
189名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 18:45:40 ID:1XLPl43a
>>188
>警告なしに寝取られ書く奴は、嫌がらせとしか思えない

…頭大丈夫ですか?
キミの嗜好に合わせてSSが投下されてるわけではないと思うのだが
190名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 18:48:11 ID:phbuLssV
ギャグでしょ
>>188には全面同意だが
特に後半
191名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 20:46:21 ID:3N1HAHaf
まあありだな。
でも最初に一言添えてほしいな。個人的にはかまわないが
文句言うやつがいるからな

"石動NBA"は笑える
192朋与男:2008/04/03(木) 01:37:11 ID:8AN9lEgB
>>166さんの紹介画像に刺激されて、短編を書いてしまいました
ハッピーエンドで終わる予定の、「ある日の比呂美」から数ヵ月後のお話です
くだらない内容ですが、よろしかったら読んでやってください
193ある日の比呂美・番外編 1:2008/04/03(木) 01:39:22 ID:8AN9lEgB
「……今日は……そのままして……」
そう言った瞬間の眞一郎の眼の輝きを見て、比呂美は思った。
(……今日は…きっと激しくなる……)
スキンを使わずに『ナマ』でセックスするのは、『初めての時』以来だ。
興奮するな、という方が無理だろう。
「ひ、比呂美っっ!!」
いつもは優しく行為をスタートさせる眞一郎が、今日はとても荒々しい。
落ち着いて、いつもみたいに優しく…と比呂美はブレーキを掛けようとする。
しかし眞一郎は、口先では「分かってる」「優しくする」を連呼するが、もう自身を制御出来ない状態なのは明らかだ。
(もう……しょうがないな)
心の中でそう呟きながら、比呂美も湧き上がる欲望と嬉しさを抑制できない。
…………子宮が……『眞一郎』を欲して……疼く…………
愛撫もそこそこに、比呂美の胎内に潜り込んでくる眞一郎。
「うっ」と軽い呻きを上げながらそれを受け入れた比呂美は、
普段とはまるで違う眞一郎自身のナマの感触を、膣肉全体で存分に楽しんでいた。


眞一郎の両親を困らせる事態は絶対に避けねばならなかったので、二人の交わりは常に、完璧な避妊が前提である。
だが、ここ数ヶ月間の生理周期の安定と、定期的な眞一郎との性交が、比呂美の中にひとつの欲望を生み出してしまった。
(……眞一郎くんに……また……注ぎ込んでもらいたい……)
それがどんなに危険な行為か、比呂美にも良く分かっている。
学生の身分ではまだ、眞一郎の子供をその身に宿す事は……絶対に許されない。
だが……一度『あの感触』を知ってしまった比呂美にとって、牝としての本能を抑える事は地獄の苦しみだった。
あの時、痛みと共に味わった、身体の奥が焼けつく様な感触……
胎奥に撃ちつけられる、真っ白で熱い飛沫…… 眞一郎の命そのもの……
何物にも遮られない……本当のセックス……
…………
比呂美は自らの欲望を満たすため、周到に準備を進めた。
基礎体温を測って、ほぼ完全な『安全日』を割り出し、その日に眞一郎をアパートへと呼び出す。
軽めのお茶と会話を楽しんだ後、交代でシャワーを浴びてロフトへ……ここまではいつもと変わらない。
もう充分に弱点を知り尽くしたお互いの身体を攻めあい、いよいよ、という時になって、比呂美は切り出した。
「あの……あのね……今日……付けないで……したい……」
「え!?」
驚きとも喜びとも取れる声を上げる眞一郎に、比呂美は自分の正直な気持ち、欲望を吐露する。
今日はどうしても……どうしても眞一郎と深く繋がりたかった。
「エ…エッチだなって……いやらしいなって分かってる……でも…………したいの……だ、だから……」
「…………」
そのままして、と告げた瞬間、眞一郎は眼をギラつかせて比呂美に襲いか掛かった。
落ち着けといっても、眞一郎は人参を目の前にぶら下げられた馬の様に言う事を聞かない。
組み伏せられ、秘部の潤いも不十分なまま、怒張を突き入れられる比呂美。
「んああああっ!!」
眞一郎は一気に膣を割り開き、子宮口に直接攻撃を掛ける。
華奢な比呂美の身体を、折れんばかりに抱きしめながら、陰茎を完全に埋没させ、子宮全体を押し上げる。
「比呂美っ……比呂美ぃぃ!!!」
「……っ!!……く……かはあああぁぁっ!!!!」
まだ注挿運動も始めていないというのに、子宮口への強い圧迫を受けただけで、比呂美は一度目の絶頂に達した。
194ある日の比呂美・番外編 2:2008/04/03(木) 01:41:28 ID:8AN9lEgB
パン!パン!パン!パン!

比呂美の反応など全く無視して、激しく打ちつけられる眞一郎の腰部。
「あ、あ、あ、……くふぅ……はあぁぁ!!!」
悦楽に歪み、嬌声を上げても尚、輝くほど美しい比呂美の顔を見下ろしながら、
眞一郎はひたすら、ただひたすら注挿運動を続けた。
敏感な部分を刺激しようとか、弱点を攻め上げようとか、そんな姑息なことを考える余裕はない。
(……比呂美の……比呂美の膣に……比呂美の……ナカにっ!……)
ただひたすら、牝の胎内に己の遺伝子を植え付けようとする牡がそこにいた。
腹筋と背筋をフル稼働させ、陰茎を膣内で前後させる眞一郎。
「比呂美っ……今日、体位変えない……いいか?」
注挿を続けながら、眞一郎は比呂美に告げる。
比呂美の顔を見て、抱きしめて、……そして中に出したい…… 眞一郎はそう思った。
その思いはすぐに伝わり、比呂美は壊れた人形のように、何度も首を縦に振る。
「うん……このまま……私もっ!…あぁ!!……このままがイイっ!!!」
投げ出されていた比呂美の四肢が眞一郎の身体を引き寄せ、拘束する。
眞一郎の腕も、再び比呂美の身体に巻きつけられて、胴体が密着した状態となる。
(…違う……いつもと……全然違う……)
悦楽の波に翻弄されながら、比呂美は考えていた。
スキンが無いだけで……ほんの数ミクロンの壁が無いだけで……なぜこうも違うのか……
眞一郎とはもう何度も身体を重ねているのに…… 普段のセックスでも、ちゃんと愛を感じ取れるのに……
(本物なんだ……これが……本物……)
愛情を確認する為だけでない……『生殖』を覚悟した交わり……
この先、眞一郎と長い時間を過ごしたとしても、そう何度も味わうことは無い……快楽……
そう思い至った時、比呂美は叫んだ。『とどめ』を刺して欲しかった。
「き、来てっ!眞一郎くんっ!!来てえええっ!!!」
「比呂美っ…………で、出るッッ!!!」
深々と突き入れられ、膣奥で固定される陰茎。その最後の膨張は、なぜかいつもより大きい様に比呂美には感じられた。
子宮に押し付けられる亀頭が、「口を開けろ」と命令してくる。
比呂美の全身がブルブルと震え出す。眞一郎の全身も、連動するように震え出す。
…………そして…………

    ドクン!!ドクン!!ドクン!!ドクン!!

腰を上下に跳ね上げるような眞一郎の動きと共に、比呂美の膣内に、熱湯のような熱さを持った精液が溢れかえった。
「はあああああああ!!!!」
二度目の絶頂に押し上げられながら、比呂美は感じていた。
直接、自分の胎内を焼くスペルマの感触を。半開きの子宮口に口付けて、精子を直に送り込もうとする亀頭の動きを。
「逃がさない」とでも言いたげに、自分を抱きしめてくる眞一郎の両腕。
肋骨が、背骨が、バラバラになりそうなくらい痛い。
だが今の比呂美にとって、その痛みと苦しみは快感を増幅させるスパイスでしかなかった。
「比呂美っ……比呂美っっ……」
自分の存在そのものを擦りこむように、尚も腰を送り込んでくる眞一郎。
(で、出てるっ!……眞一郎くんの…精子……いっぱい出てるっっ!……)
眞一郎の『命』を自分が直接受け止めている……そんな思いが、比呂美の意識を恍惚とさせる。
そして快感がピークを過ぎ、一気に襲い掛かってきた疲労感にグッタリとしてしまう比呂美。
生命力の全てを比呂美の中に搾り出した眞一郎も脱力し、その身体を比呂美に圧し掛からせてくる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
まるでフルマラソンでも走ったかの様に燃え尽きてしまった眞一郎と比呂美は、
お互いの呼吸が整うまで、しばらく身体を繋げたまま抱き合っていた。
195ある日の比呂美・番外編 3:2008/04/03(木) 01:44:16 ID:8AN9lEgB
乳房を押し潰す眞一郎の胸板……そこから伝わってくる鼓動が段々と緩やかになっていき、
眞一郎の興奮が治まり始めたことを比呂美に知らせる。
その眞一郎と同調するように、比呂美の昂ぶりも下降線を取り始めていた。
身体に起こったことを、冷静に分析する余裕が生まれる。
(…………凄い……なんか…量が多いみたい……)
下腹部に意識を集中してみると、陰茎に蓋をされた膣の奥に、普段より濃い精液が溜まっているのがハッキリ分かった。
ヌルッとした感覚を与えてくるそれを、とても愛おしく感じる比呂美。
そして、その物体から滲み出る温かさと優しさが、比呂美の心に牝としての根源的欲求を呼び起こす。
(…………妊娠…したいな……)
眞一郎の子供が欲しい……明確でなかった思いが、二度目の膣内射精を受けたことで、確固たる像を成しはじめる。
だが……今は無理だ。それは分かっている。
比呂美の排卵が予定より何週も早まるか、眞一郎の精子が胎内で平均以上に長生きでもしない限り、今回の受胎はありえない。
それに……やはりおばさん達を悲しませたくはないし、現状の二人では、子供を育てるのは難しいだろう。
…………
「比呂美、どうした?」
思索に耽っていた比呂美の眼を、眞一郎が覗き込む。
比呂美は返事をせずに、唇を半分ひらいて差し出した。
意図を察した眞一郎が、舌を差し込むように自分の唇を重ね、唾液を比呂美の口腔に流し込む。
深い…とても深いキスに溺れながら、比呂美は考える。
(……眞一郎くんは……どう思ってるんだろ……)
…………
比呂美は知りたくなった。もし……二人のあいだに『妊娠』という事態が起こったら、眞一郎はどうするのか。
……恐らく眞一郎は慌てふためくだろう。取り乱すに違いない。
それを「頼りない」と責める気は全くない。それが当然だと思うから。
何といっても、自分たちはまだ……高校生なのだから。
でも……それでも知りたい……眞一郎が自分と『命』を繋いでいくつもりがあるのか……その意志を…………
…………
「眞一郎くん……あのね……」
眞一郎は、比呂美が何か言いたそうにしているのに気づいた。
「? なんだ?」
沈黙…そして妙な『間』…… だが比呂美は眼を逸らさない。そして眞一郎の心の内側に探りを入れるように話し出す。
「…………今日ね……ホントは……危ない日だっていったら……どうする?」
「!!」
比呂美の予想通り、眞一郎の顔は驚愕に包まれ…………なかった。
その表情に変化はない。……いや、何かを冷静に考えているように見える……
「…………眞一郎くん?」
……返事が無い。「騙された」と思い、腹を立てているのだろうか……
不安が比呂美の顔を曇らせ始めた時、眞一郎は比呂美の眼を真っ直ぐに見て、きっぱりと告げた。

「俺、学校やめる」

そう言って、今度は力任せではなく、いつもの様に優しく比呂美を抱きしめる眞一郎。
(…………え?……何……今、なんて……)
意味が……眞一郎が言った意味が比呂美には良く分からなかった。
196ある日の比呂美・番外編 4:2008/04/03(木) 01:46:44 ID:8AN9lEgB
「学校やめて働く。親父に頭下げて、そんで酒蔵で使ってもらう事になるけど……」
お前と子供を食べさせなきゃいけないもんな、と眞一郎は微笑む。
まさか、こんな真剣な答えが返ってくるとは、比呂美は思っていなかった。
「学校やめるって……そんな……そんなことして……夢は?絵本はどうするの?」
「働きながらだって描けるさ」
汗で額に張り付いた比呂美の前髪を直しながら、「大事なモノの順番は間違えたくない」と眞一郎は呟く。
(…………眞一郎くん……)
馬鹿だ。自分は本当に……どうしようもない馬鹿だ。……そう比呂美は思った。
そうなのだ……眞一郎はいつでも自分を……湯浅比呂美を一番に考えてくれる。
分かりきっている事なのに……試すような真似をして……本当に…自分は……
…………
…………
はにかむ眞一郎の頬に手を添えて引き寄せ、もう一度キスをする。
そして眞一郎の眼を見つめながら、比呂美は悪戯っぽく言った。
「……嘘。そんな訳ないでしょ……フフ……」
おばさんをあの若さで『お婆ちゃん』には出来ない、などと、おどけて見せる比呂美。
「か、勘弁してくてよ〜。本気で人生設計の前倒し考えたんだぜ〜」
再び身体から力が抜け、比呂美を押し潰すように脱力する眞一郎。
その頭を「ゴメンね」と言いながら、比呂美は優しく撫でてやる。
一転してほのぼのとした雰囲気となった空気の中、比呂美は下腹部の異常に気が付いた。
(……あ…………また硬くなってきた……)
挿入したままだった眞一郎の陰茎が、また力を取り戻しつつある。
眞一郎は何事も『一球入魂』といったタイプで、セックスも殆ど『一回』に全力を投入してしまうので、
回復する、というのは非常に珍しい。
ふたり同時に結合部に眼をやり、そして顔を見合わせ、赤面する。
「…………もう一回……いいか?」
申し訳なさそうに訊いてくる眞一郎に、比呂美は囁くように答えた。
「……うん……いっぱい…して……」
唇を軽く重ね、正常位のまま再び注挿を開始する眞一郎。
徐々にスピードを上げていく前後運動に合わせて、比呂美の膣口から潤滑油が溢れ始める。
その中には、比呂美の子宮が吸い込みきれなかった精液も混ぜ込まれ、二人の結合部を白く濁らせていく。
「…ん…ん…ん…ん……」
陰茎の先端が子宮を突付くたび、比呂美の口から吐息が漏れ、声を上げるごとに意識が混濁する。
ぼやけていく思考の中で、比呂美は確信していた。
……いつか……いつの日か……眞一郎の子を……自分の身体に宿す時が来る……
それはまだ、当分先の事だろう。……でも……
(……眞一郎くんの赤ちゃんを産むのは私………… 私が…産む……)
そんな決意……きっと随分昔から、意識することなく胸に秘めていた願いを自覚する。
「比呂美っ……また……ナカにっっ!!!」
早くも、眞一郎の二度目の限界が、射精の瞬間が近づいていた。
比呂美の表情が、『染め上げられる悦び』にパッと輝く。
「……うんっ!…頂戴っ!!……眞一郎くんの…………いっぱい……いっぱい欲しいぃっっ!!!」
そう絶叫すると、比呂美は胎内を全て眞一郎に開放するために、そのしなやかな脚を限界まで開いた。

                         [おしまい]
197名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:57:15 ID:VitnOgrF
名前変えたらどの作品の誰にでも書き換えられそうだよ。
ひろみがウェンリィでもルナマリアでも時音でもいけるんじゃないの。
198名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 01:58:33 ID:VitnOgrF
あ、170のやつね。おもしろかったけどさ。
199truetearsVSプレデター(63:2008/04/03(木) 02:03:43 ID:YNIAgLoO
>>192
毎度乙です
 
偶然にも私もカキコカキコ
こっちは厨設定200%なのでみなさん要注意ですぞ(某ムック風に)



アームスーツのパイロットハンドがプレデターの胴体を抱えると、
有無を言わさぬ加速をかけて鉄塔に体当たりした。
「ゲハァッ!!」
強固なマシンと分厚い鉄柱の高速プレスに挟まれた雷轟丸が血を吐く。
胸部の骨は折れ、衝撃で脳がグワングワンと揺れている。
今がどこで、自分が誰なのか思い出せない。
そればかりか、その事実さえ今にも失われようとしていた。

「雷轟丸っ!!」
50mはある高所の鉄柱の上で、横たわる純を抱きかかえる比呂美。
「・・・オレの・・・体・・・オレの・・・」
その純は砂漠で水を求めるように、震える手を仰がせ、
パクパクと口を開けて呟いている。
が、黒い寄生体はもういない。
奇跡のような力。人間という枠から解放された高揚感。すべては過去だ。
「純君、立って!」

ズルリッ
目の光を失ったプレデターが、抱きつくように力なく倒れる。
糸の切れた人形のように、構えることなく鉄骨に体を打ちつけ、それに反発するそぶりもない。
完全にこと切れてしまったのか。
「ワン・ダウン」

アームスーツが比呂美と純を振り返る。
装甲ごしとはいえ、その視線は十分に比呂美を戦慄させた。
「純君、起きて!おねがい!」
あぁ、もういっそ身投げしてしまおうか。
この苦しみから、痛みから、恐怖から、葛藤から。
少なくともこれからこのマシンが与える暴力よりはマシなはずだ。
「落ちても無駄だぞ?貴様らが地面につくより速く拾うなど造作もない。その行為を救命とはいい難いがな」
アームスーツがわざとゆっくりと歩いてくる。飛び降りるのを期待しているのか。
絶望の底にある最後の希望。そこにすがった時、眼前で全てを奪うつもりなのだ。

「どこだ・・・どこだよ・・・?」
寄生体の弱点の超短波はとっくにやんでいる。なのに何故戻ってこないのか。
それは石動 純の闘争心が掻き消えてしまったからだが、そうあるゆえに気付かない。
「また・・・消えてしまった・・・」
いつもいつも大切なものは消えてしまう。
どれだけ努力しようと、戦おうと、逃げようと、そのどれも許さず現実はオレから奪うのだ。
足掻くだけ虚しいのなら、いっそ全部を諦めるしか・・・。
200truetearsVSプレデター(64:2008/04/03(木) 02:09:00 ID:YNIAgLoO
「やってみなさいよ」
比呂美は優しくそっと純を横たえると、アームスーツの正面に向き直った。
迂闊なことに何一つ具体的な武器を持ってないことを悔やんだが、
強化外骨格の装甲の前では蚊がなく程度の効果もないなと思い直す。

「虚勢で恐怖を和らげるか。しかし漫画と違って、精神の勇ましさは苦痛の前では何の役にも立たん」
チュンッ
「〜〜〜っっっ!!」
アームスーツから放たれた銃弾が、比呂美の右耳を掠めて血がパッと散る。
「まだ我慢はできる・・・が、苦痛そのものが消えるわけじゃないな」
比呂美の耳からはポタポタと血がしたたる。

「まずは手の爪、指、肘、肩、ついで足の指、膝の順に折る」
マシンが指折り数えていく。
「はぁ、ふぅーっ・・・とんだ下衆ね・・・はぁ、ふぅーっ・・・アンタは・・・」
できる限り、苦痛が顔に出ないよう努めて、睨み上げる。
「やがて脳神経はストレスでズタズタになって、殺害を乞うだろう」
チュンッ
「っあぁあ!!」
悪魔の正確さで小指の爪だけが撃ち抜かれる。
「そうなったとき、お前はこれまで全てと今の現実、
そして輝かしかったはずの未来を否定する。せざるを得ない」
チュンッ
「〜〜っっ!!」
ついで薬指だ。幾度も激痛が針のように神経を突き刺し、それが止むことがない。
「終わることの無い苦痛に絶望し、お前の自我が崩壊したとき初めて、
この責めは終わる」
チュンッ
 中指。
「そのときは自分の名も忘れているだろうがな。というより‘考える’行為そのものができなくない」
チュンッ
人差し指。
「関連付けから成る思考、つまり記憶を否定し」
チュンッ
親指。
「朝も夜も絶え間なく恐怖に苛まれ、幻に怯えて生き永らえる」
パンッ
「ぐぁあああっっ!!」
比呂美の右小指が第一関節から吹き飛ばされた。その先は空中に落ちて消えてしまう。
「やがて死ぬ」
パンッ
「ぎゃぁああっつ!!」
薬指が千切れる。
「これからは苦しむためだけに生きろ」

「はぁっはぁっ・・・確かに、あなたにいうことは・・・た・・・正しい・・・です・・・くぅっ」
比呂美が出血を塞ぎながら呟く。目は虚ろで、息も枯れている。
そのままゆっくりと膝をつくと土下座の体勢をとる。そして
「お願い・・・もう・・・もぅ許して・・・」
バンッ
「あぁぁああっっ!!」
比呂美の左耳に風穴が開く。
「言えば叶えて貰える。自己が尊重されると思っている」
終わらない痛み。出口のない地獄。
「おまえの願いは一つとして叶わない」
201truetearsVSプレデター(65:2008/04/03(木) 02:10:52 ID:YNIAgLoO
「お兄ちゃん・・・そこのロボット!ちょっと聞いて!」
「ん?」
鉄塔の根元までトラックを寄せた乃絵だった。
それに気付かないとは、アームスーツのセンサーが一部狂ってるようだ。
「私の手にはプレデターの爆弾がついてるのよ!お兄ちゃんが死んだら爆発するんだから!」
プロフェッサー・プレデターに装着された腕のガントレットをかざす少女。
「あれは・・・確かに宇宙生物の自爆装置と同じデザインだな」
スーツの中で思案したパイロットは乃絵にスピーカーで問いかける。
「出鱈目をいうな。この少年が死ぬと、何故おまえまで死なねばならんのだ!」
ハッとする比呂美。咄嗟に声をかけようとするが、
「いする・・・ぐぁっ!」
軽くこづくようにスーツのつま先が比呂美の喉を蹴り上げる。
が、それだけで呼吸ができないほどのダメージだ。

「お兄ちゃんが任務に失敗しないためよ!」
「そんな任務あるわけがない」
粗末な誘導だ。
しかし、切羽詰った乃絵は意識が回らない。思考を一枚重ねる余裕がない。
「そのプレデターを倒すことよ!やつらのルールなの!」
言ってから青ざめる乃絵。パイロットがほくそ笑む。
「こーいうことか?」
プレデターに銃座を向けた。

「のぉあっ!」
振り返ったアームスーツに雷轟丸が短剣をかざして飛び掛った。
ガキィッ!
硬質な宇宙生物の皮膚を改造して作った特注製だ。
その刃は頑強な装甲を突破してマシンのコクピットまで達した。
「ちぃっ!」
が、限界を超えて消耗していたプレデターの腕力では、中にいるパイロットの鼻先までしか届かなかった。

バァアンッ



202truetearsVSプレデター(66:2008/04/03(木) 02:13:05 ID:YNIAgLoO
バルカン砲が雷轟丸の顔面に火を噴いた。
あたり一面に脳みそと体液を撒き散らして、顎から上が消え去る。
ふとそのとき、比呂美はプレデターがマスクをしていなかったことに気付いた。
とうとう素顔をみることなく、彼は逝ってしまったのだ。
戦士の魂が眠る銀河の墓場に。

「・・・ぁぁぁああああおおおおお!!!」
比呂美がアームスーツの足に掴みかかる。せめて、せめてこのマシンを地上に落とすぐらいはしなければ!
「ぅあっ!!」
しかし、その行いは全く不可能だった。
電磁石を靴裏につけたマシンを動かすのは、大木を根から引き剥がすようなものだ。
比呂美の足首を持って逆さ吊りにする。

「どうした?まだ逆らうのか小娘がっ!!」
うっかり超貴重な宇宙生物を殺してしまった。
取り返しのつかないミスに激昂したパイロットは容赦なかった。
「どうしたの、このガンダム野郎っ!!それで勝ったつもり!?」
比呂美の怒りはそれ以上だった。終生の友を、心の根を共感できる半身をあっけなく奪われたのだ。
雷轟丸の痛みは自分の痛み。その怒りも、無念も、復讐も全て湯浅比呂美のものだ。

「ひ・・・ろみ・・・・?」
霞んだ眼で巨大なマシンに噛みつく少女。か細い、ほんの小さな少女だ。
オレは本当に馬鹿だった。いらないのだ、戦士であるのに。
宇宙怪人でなくともいい。寄生体も必要ない。ほんの小さな少女でもなれる。
なぜならば・・・
「なぜならば!本当の戦士は心に鎧を持っているのだから!」
感覚のない指を震わせ、穴が空いたように力ない膝を立たせる。
「シンビオート!それは心の鎧!プレデター!それは心の槍!」
純が、細い鉄骨の上をアームスーツに向かって駆ける。
「お兄ちゃん!!」
乃絵の声だ。来てくれたんだな。これが最後の試合だからな。
悪くない、とても悪くない。妹に見てもらえるなんて。
「真っ二つにしてくれるわっ!!」
アームスーツが手の平を掲げて、比呂美の心臓を突き刺す・・・!否、

ザシュッ

「・・・・・・純くん?」
比呂美の顔に注がれるドロリとした液体は純の腹から出ていた。
「・・・うそ」
ガックリと膝をつく乃絵。その顔からは表情が消えている。
「比呂美・・・おまえは全く・・・世話のかかる・・・ガブッ」
純の手がそっと比呂美の頬に触れ、掠めるようなキスをする。
「ふん」
「・・・純くん」
「ぐあぁああああっっ!!」
純の胴体を突き破ったアームスーツの腕が、高々と彼の肉体を持ち上げる。
「くっそ、こいつにも興味はあったんだが」
蛇口を捻ったように、口と腹から赤い滝を流す純が、マシンを見下ろす。
「さ、最悪の状況・・・っっ・・・で・・・シュートを・・・決める・・・そ・・・それが・・・」
鼓動が止まり、血液が殆ど失われる。しかし、これだけは言わねばならない。

「それ、がっ、4番・・・・・・・・・・・・シンビォオオオオオオオトッッッ!!!」
203truetearsVSプレデター(67:2008/04/03(木) 02:17:30 ID:YNIAgLoO
「キシャァアアアアアアッッッ!!!」
ドコに隠れていたのか、そこいら中から黒い液体が奇声を上げて集まってくる。
その行き着く先は、比呂美だった。
「馬鹿なっ?貴様ぁっ!!」
腕を振って、純の死体を空中に投げ捨てると、比呂美の頭を握りつぶそうとする。
ガシィッ!
「ぐぅっ!?」
しかしその腕を、真っ黒な手が抑えてそれを防ぐ。
そして足首を掴んでいた手を、蹴り上げると宙返りして着地した。
「ぬぅううう!!まだ抵抗するつもりか!?」
アームスーツがロケットパックを噴射して、空中に離脱する。
が、既にその背に黒い人影は捕まっていた。プレデターが突き刺した短剣を引き抜くと、
その背のロケットパックに思い切り突き刺した。
「のぉああっっ!!」
火花を散らして、下降するアームスーツ。なんとか角度を調節すると、乃絵が運転してきたトラックの上に
ドズンッと不時着する。
「あのアマァ・・・!!!」
パイロットが鉄塔を仰ぐとそこでは、プレデターの鎧を黒い生物が取り込んでいた。
やがてソイツは全身が鮮血を撒き散らすような赤い体表になる。

参考画像→http://www.heatwave-toys.com/gallery/modelkit/kit_chara/kit-carnage/b-carnage-1.jpg

「プレデター雷轟丸、石動 純ヴェノム、そしてここで散っていった命たち。
 全ての想いをこの身に纏い、無限の地獄で私は生きる。それが贖罪、それが復讐、そしてそれが戦士」
 隆起した筋肉を脈動する赤い粘液が包み、それを歴戦の証が刻まれる甲冑で覆う少女。
「私はもう泣かない。なぜならば、この鎧は仲間と、そして敵の涙で出来ているから」
スピアを伸ばして地に打ちつける。が、寄生体はビクともしない。
プレデターの偽装システムによる空気の反射によって、超短波を防いでいるのだ。

「私の名は 真実の涙  ‘TRUE TEARS’ !!!」
204プレデター:2008/04/03(木) 02:21:40 ID:YNIAgLoO
てことでまずはここまで。次回で終わる・・・といいなぁ
205名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:12:20 ID:P0A1jx23
>>192
くだらなくなんてないですよ!
画像貼ったの俺なんですけど、もう朋代男さんが書いてくれるなんて思ってなかったから、まじで感激です><
生々しい話ですけど、読みながら抜きましたw
ある日の比呂美の続編も期待してます!
206名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 08:52:43 ID:58kNUG/i
参考画像→
って文にめちゃうけるんですがww
たまんねーえw
207名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 12:23:56 ID:CXkpU5Nz
長かったプレデターもついに終わりか
208名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 15:26:26 ID:9ybXlXL1
前スレでちょこっと書いてたりしたものですが、また投下してみます
純×比呂美もので、ちょっと(?)NTR気味+比呂美が若干(?)壊れてる のでそういうのが嫌いな人注意
209レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:31:25 ID:9ybXlXL1
「あなたが好きなのは、私じゃない。あなたには、あの子以外のことはどうでもいいのよ。なぜ分からないの?」
「ッ!」
比呂美が純の無意識の心理を的確に当ててやると、純は驚いたようにのけぞった。
二人の関係が、終わった瞬間だった。
しかし、すぐさま帰ろうとした比呂美の手を、純は引き戻した。
「なに?」
比呂美は純を嫌悪するかのように睨みつける。
「……確かに、あんたの言う通りなのかもしれない」
純はしおらしく言った。
「分かったの? だったら――」
「あんた言ったよな? このままだと、また他の人を巻き込むって」
「……ええ」
純に強く握りしめられている手首が痛む。
「だけどあんたはこうも言った。俺には、乃絵以外のことは、どうでもいいんだって」
「……」
乃絵と口にした途端、純が全く別人に変わってしまったかのように見えた。
「俺は、自分が楽になりたいだけなんだ……だから、あんたのことだって、どうだっていいんだよ」
一瞬悲しそうに吐露した純に、比呂美は隙を突かれてしまった。
「んっ!!」
手首を思い切り引っ張られ、顔を寄せられると、強引にキスされる。
振り払おうとした顔を、もう一方の手で固定され、なすがままにキスを続けられる。
「い、やっ! や、めてっ!」
思わず叫んだ口に無理やり舌がねじ込まれる。
粘りついた軟体が口の中で暴れまわり始めた感触に、比呂美は背筋を凍りつかせた。
純は、一旦比呂美の手を離すと、そのふぬけた背中を抱きよせ、更に深く結合しようとする。
比呂美は、抱きしめられたせいで、逃げ場を失い、口腔をあお向け、犯されることしかできない。
(やっ、やだっ……気持ち悪い……助けて、眞一郎君!)
そう願っても、頼みの愛しい人はここにはいない。
比呂美は、自分で何とかするしかない。
一瞬、舌を噛み切ってやろうかという考えが過ったが、比呂美は純に少なからず同情を抱いており、それは躊躇われた。
そうこうしているうちに、呼吸を制されているせいで、比呂美の体力はなくなっていく。
脳に酸素が十分いかないせいで、眩暈を催し、そんな中、非現実的で官能的な行為を続けられるのだ。
(う……そ……)
比呂美の内に、快感が生まれだすのは、そう遅くなかった。
(い、や……いやだよ……眞一郎、くん……)
先程と同じ思考にも関わらず、その意味は全く別物だった。
比呂美は、自分の身体に生まれはじめた未知の感覚に恐怖していた。
純の舌が、比呂美の歯茎をなぞり、歯間をくすぐる。
その擦られる感触に、むずがゆくなり舌を動かすと、舌同士がふれあい、またもや喩えようもない快感が比呂美の身体に流れていく。
(こんな、キス……眞一郎君とだってしたことないのに……でも……でも)
ふと、純が比呂美の唇を解放したので、比呂美は大きく息を吸った。
そのせいで、さらけ出された比呂美の舌を、純はすかさず勢いよく吸った。
(!……すごっ……い)
じゅるじゅると音をたて吸われ、窄められると比呂美は小刻みに震えるほど気持ちが良くなった。
意識とは関係なく、舌を咄嗟に純の中で動かす。
(だ……だめ……)
純は、それに気を良くしたのか、舌の動きを小さくして、比呂美の挙動を見守った。
おそるおそる動く比呂美の舌を、手を引いていくかのように導いていく。
自然で優しい導きに、身の内の不安に戸惑っている比呂美が、ついていかないわけがなかった。
純はつかんだが最後放さず、徐々に歩む速度を上げていく。
(こんなの……だめ……絶対……だめ、な、のに)
数瞬後には、純と激しく口を貪りあう比呂美の姿があった。
傍目には、睦まじいカップルが、人目もはばからずに、お互いを求め合っているとしか思えないだろう。
(気持ち、いい……気持ちいいの)
その感情を認めてしまった比呂美は、夢中になって純の口元に吸いつきはじめた。
餌を求める犬のようになってしまった比呂美に、純は際限なく食事を与えた。
二つの口腔の間で、舌が濡れた糸のようにぐるぐると絡まり合っていく。
永遠に続くかのように思われたそれは、純の手が比呂美の胸に触れようとしたことで、終わりを告げた。
210レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:32:19 ID:9ybXlXL1
「!……ぷはっ……だ、だめっ!」
「ああ、そうだな、ここじゃあ流石に。じゃあ、あっちに行くか」
「そうじゃっ……なくて」
純は、呟く比呂美をぐいぐいと引っ張り、欝蒼とした茂みの中へと入り込んでいく。
その握られた腕には、すでにほとんど力は入っておらず、比呂美は逃げようと思えば逃げられたのに、そうしなかった。
「ん、何が?」
「私は、こんなこと……!」
それはつまり、肯定ということだった。
純もそれをわかっているのか、比呂美のつまらない抵抗を歯牙にもかけない。
「キスだけであんなに感じてたやつが、そういうこと言うのか?」
「あ……」
純は、恥ずかしそうに俯いた比呂美の、だらしなくよだれを流している口元を拭うと、今度は慈しむように軽くキスをした。
ちゅっと音をたて唇が振動すると、同様に、比呂美の心も揺れた。
上唇をちゅくちゅくと摘みながら、純は言う。
「したいんだろ?」
「……したくない」
純は言いながら比呂美の上着を脱がせたが、比呂美からの抵抗は言葉以外にない。
「じゃあ、叫びでも何でもすればいい。俺はするからな」
「あっ……」
太い木の幹に、比呂美を押しつけ、純はその胸をシャツの上からさすった。
誰にも触らせたことのない比呂美の豊満な胸が、揉みしだかれていく。
純は手を比呂美のシャツの中に入れると、ブラのホックをはずし、直接揉みしだきはじめた。
「っ!」
比呂美はただ木に背を預けながら、自分の肉が揉まれるのを感じる。
それは、否応なく自分がこれから犯されるのだということを予感させた。
「あんたの胸……最高だな」
「!」
比呂美のシャツをはだけさせながら、純は言った。面白いように形を変える片胸を揉みつつだ。
「お世辞なんて……いい」
「お世辞なんかじゃない。いろんな奴とやってきたけど、あんたが一番だよ。唇もすげー柔らかいし、甘い」
「んっ」
不意に、純は比呂美にキスをする。
もちろん舌も絡められるが、比呂美ももう抵抗したりせずに、自らそれに絡まっていく。
褒められたのが何となく嬉しく、できるだけ純にそれを味わってほしかったのかもしれない。
そんな様子を見て、純は言う。
「ここに来た時とはえらい違いだな」
「……うるさい。どうせ抵抗しても無駄だから、早く終わらせようとしているだけよ」
比呂美の憎まれ口に、はいはいと純は受け答えた。
「あんたの言う通り、俺はあんたのこと好きじゃないかもしれないけど」
比呂美の乳首を舌と指で遊びつつ、純は言葉を紡いだ。
「えっちで従順なあんたは結構好きかも」
ドキと、比呂美の心臓が変則的に動いた。
(……やだ)
その動きの訳を比呂美は知っている。だが、それは、あの人以外に催していいものではないはずだ。
恐怖と、乳房から伝えられる快感に、声が出そうになり、比呂美は思わず自らの手を噛んだ。
「どうした?」
こちらを気にした純の瞳がのぞくと、比呂美はつい言ってしまった。
純は、クールぶって、ひょうひょうとしているくせに、内心はどうしようもない孤独と恐怖におびえている。
それは、全く自分と似ていたから。
「……どうせ、するなら、優しくして」
「?……わかってるよ」
「うん。そしたら、私も優しくするから。……あの子のこと、忘れられるようにしてあげるから」
「!」
純は、あの話題を出され、少し引いたようだった。
が、少し思案したあと、比呂美を抱きしめて言った。
「あんた、やっぱりいい女だ。…………頼む」
二人はまた、密な口づけを交わし始める。それは今までとは全く違った種のようにみえた。
211レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:33:33 ID:9ybXlXL1
純はチャックを下ろすと、剛直を取り出した。そして、比呂美の手を取り、それに導く。
「あ……」
「してくれるんだろう?」
「……うん」
比呂美がおそるおそる剛直をこすり始めると、純も比呂美のスカートを下ろし、パンツの中に手を入れる。
すでに泉は布生地を濡らすほどに溢れかえっていた。
「エッチでもあるな」
「……うるさい」
比呂美は憎まれ口を叩きながらも、肉芽と膣口付近を愛撫されると、立っていられなくなるほどの快感に苛まされた。
純は、ずるっと腰が落ちていく比呂美を支えると、比呂美の空いた手をつかみ、自分の襟首に添わせた。
「つかまってろ」
「……うん」
そんな態勢で、しばしお互いの性器を愛撫し合うと、どちらともつかず荒い呼吸をしはじめ、寒天に白い息が舞う。
「純君の、凄い、熱いよ……」
ふと、比呂美は純を、今までのような代名詞でなく、名前で呼んでいた。
どちらともそんな変化に気づかないほど、それは自然になっていた。
「比呂美の指も……冷たくて、気持ちいい」
純も比呂美を名前で呼ぶと、自身を握っている比呂美の指に手を添える。
「さきっぽ……ぬぐって……まぶして」
純の手に包まれている安心さを感じながら、比呂美は導かれるままに、言うとおりにする。
溢れだしていた我慢汁が、肉棒全体に引き伸ばされていき、淫らな光沢を作った。
にちゃにちゃと、一層淫靡な音がしはじめる。
ますます気持ちよさそうに息を吐いた純を見ると、比呂美は股間に洪水を起こしそうになり、一刻も早く、握っているそれを、自身に招き入れたくなった。
「純君……」
比呂美がしごきを止めると、純もそれを把握したようだった。
「行くよ、比呂美……」
「……うん」
212レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:47:12 ID:9ybXlXL1
比呂美の両腕を自分の首に添えさせると、純は一気に比呂美を下から貫いた。
「あああああっ!」
文字通り身体を貫かれるような破瓜の痛みに比呂美は震え、純の身体にしがみつく。
充分に濡れそぼっていたとしても、やはり生娘。痛いものは痛い。
純もそれをわかっているのか、しばらく動かなかった。
しかし、そうしていると、みるみるうちに痛みが引いていき、代わりに何か別のものが比呂美を満たしていく。
「痛いか?」
「……ううん、平気」
バスケをやっていたせいで膣肉がほぐされていたのだろうか。意外にも比呂美はほとんど痛みを感じなかった。
「じゃあ、動いていいか?」
寧ろ、早くそうしてほしかった。内部でびくびくとひくついている陰茎がじれったくなるような快楽を比呂美に伝えていた。
比呂美が頷くと、純はピストン運動を開始した。
「あっ、あっ、あっ、あっ!」
パンパンパンと引き抜かれ、叩きつけられ、肉襞を擦られるたびに、比呂美は規則的に喘いだ。
重力を利用した体位のせいで、純の肉棒は容赦なく比呂美の膣に飲み込まれる。
「はっ! あぁんっ! んっ……!」
引き抜かれ、気持ちとともに緩んだ膣に、子宮口まで届きそうなほどに純の肉棒が侵入してくる。
その度に、比呂美は大口を仰のけ、喉に流れこんだ唾液を、嗚咽するように飲み干した。
213レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:47:48 ID:9ybXlXL1
純は一旦ピストンをやめると、腰を大きくグラインドさせ、押し広げるように比呂美を抉った。
「純君!…はっ!……んっ!…純君!」
比呂美は喘ぎながら、純の頭にしがみつき、名前を叫ぶことしかできない。
「比呂美……かわいいよ」
そんな比呂美をいじらしく思い、興奮したのか、純は比呂美の足を抱えあげる。
「はぁっ、んっ!」
宙に浮いた身体には純しか支えがなく、比呂美はより一層強く純にしがみついた。
膣は更に重力を増し、純を深部にまで受け入れる。
「しっかり、つかまってろよ」
それを合図に、純は凄まじい速度で腰を打ち出した。
「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ!」
比呂美の身体がガクガクと波打つように震動する。
マグマのような猛りが、比呂美の最深部の女巣をこじ開けるように、何度も突き刺す。
比呂美の意識も身体も、それを早く受け入れたくて、膣を幾度となく収縮させる。
「比呂美っ……中にっ……出すからなッ!」
「うんっ……出してっ! たくさんっ、純くんの熱い精液っ! たくさんだしてっ!!」
純が地面を踏みしめ、比呂美の腿を下向きに押さえつけ、股間同士をすき間なく密着させた時、鈴口から、大量の白濁液が噴出した。
びゅっ!! びゅるっ!! びゅるるるるっるるっ!!
「あっ……すごっ……いっ」
比呂美は上腕部に力を入れ、純とともに縮こまるように、身体を締め付けた。
その間も、激しく純の陰茎は脈動し、比呂美の子宮に、大量の精液を送りこんでいく。
「びゅっびゅって、いってる……あ、んっ!……」
比呂美は思わず腹に力をこめ、それを絞りだすように膣をしめた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
214レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:50:25 ID:9ybXlXL1

溢れだす精液をティッシュで拭った後、比呂美と純はとりあえず服を着た。
上着を羽織った比呂美の目に、柄にもなく、しゅんとしている純の姿が映った。
「その……すまなかった」
どうやら、比呂美に謝りたいようだった。
「……最低」
もちろん比呂美がそれを許すわけもない。
「あんたが、あんな事言うから、つい頭に血が上っちまって……」
「私のせいだっていうの?」
「いや、そうじゃなくって……」
215レッツねとられ:2008/04/03(木) 15:50:46 ID:9ybXlXL1
このまま、しどろもどろになっている純をいたぶるのも面白いだろう。
しかし、比呂美には、純を虐めるよりも、叱りつけるよりも、もっとしなければならないことがあった。
それは、教えることだ。
「『あんた』じゃない」
「……え?」
上半身全体を使って謝っていた純が、驚いたように顔だけ上げる。
それは世にも不可思議な顔で、比呂美はおかしくてたまらなかった。
そんな間抜けな生徒に、比呂美は教導する。
「私は『比呂美』。わかった? 純君」
未だ呆けたような顔をしている純の額に、比呂美は口づける。
「このお礼は、た〜〜〜っぷりしてもらうから、覚悟しておいてね」
やっとその意味を理解したように頬を引き攣らせた純は、きっと厄介な女を引きとめてしまったっと思ったことだろう。
こうして、珍妙な契約関係は、少しだけ姿を変え、まだ続いていくのであった。

終わり
216名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 16:00:37 ID:G4YfGjRP
>>208
とりあえず乙
まあでも、ぶっちゃけ11話分岐ルートだと、キャラ的にかなり無理があるな。
比呂美が本編とは完全な別人のビッチになっとる・・・
やっぱ、純×比呂美なら事故前の8〜9話分岐の方がいいような気ガス
217名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 16:17:55 ID:9ybXlXL1
終わりです。
自分が前に投下した頃は、比呂美の行く末を案じていたりもしましたが、
比呂美も無事幸せになってくれて嬉しい限りです。
それにしても、規制うざいっすね…変な分割になっちまった。

>>216
やっぱり、全部ちゃんとするから! の後にこれは無理がありますよね…
本当は、眞ちゃんがこの場面を目撃して、それを見た比呂美が四番に身を委ねるっていう
少しは説得力のある展開だったんですよ
ただ、そうすると重くて…
気分転換に書きたかったものなんでなるべく軽い感じにしました、ごめんなさい
218名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 16:42:15 ID:6KrVwkRH
>>217
面白かったよ

自分的には体は屈しても心は最後まで抵抗>事後に眞ちゃんと出くわして破滅のほうが良かったかな
暗いけど
219名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 18:25:30 ID:aM529oY8
>>217
とても興奮した。この二人の話好きなので書いてもらえて嬉しいです。
また比呂美でお願いします。
220名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:15:32 ID:CXkpU5Nz
落ちる過程を描かれてる寝取られは初投下じゃないか?良かったぜ
221名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:58:07 ID:U46qG6gv
何も知らないで保管庫の「ある日の比呂美1」見たらびびったw
急かすようで申し訳ないが、続き待っとります
222名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 22:06:43 ID:9RsBvvwr
>>192
朋与男さん、素晴らしいです。特に「眞一郎くんの赤ちゃんを産むのは私」
ここでゾクゾクしました
「ある日の比呂美」の本編も楽しみにしてます
223名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 23:27:30 ID:CzYfJVi1
三代吉×愛子も読んでみたい
224名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 23:55:10 ID:VPYF4NDC
>>192
エロくてかわいくていいね
やっぱりラブラブ和姦に限る!
ある日の比呂美も期待してます
225名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:02:42 ID:S/DYKR5T
>192
「からかってごめん」くらい言え、比呂美ww
眞一郎っていい奴なんだよなあ

優等生として努力し続けてきた比呂美は、どこか自分に自信がなくて
いつも誰かの承認を求め続けているのだろうか
周囲の人の気持ちを確かめ続けないと不安になるのだろうか
226名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:40:15 ID:FPsSSEV2
俺こういうのドストライク。
もっともっと書いてください。
227名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:51:27 ID:FKxrVV7Z
>>192

眞一郎がカッコよすぎるな、そして大分欲望に正直だw
本編の方も期待してますよ
228朋与男:2008/04/04(金) 01:16:25 ID:3Q+km/78
コメントを頂いた皆様、ありがとうございます
読んで下さる方々がいる、と思うと励みになります
もっとも『呪い』の効きが弱いらしく、比呂美の本編は進んでいないのですが。

あぁ……スレの看板作品『vsプレデター』がもうすぐ終わってしまうんですね……
残念でもあり、ラストが読めるのが楽しみでもあり……
とにかく期待してますので、プレデターさん頑張って!
229truetearsVSプレデター(68:2008/04/04(金) 02:32:34 ID:EvXXjdc8
>>228
大家からそんな風に褒めて頂けるとは光栄の至り
私のとこでは偶然にも今日がtt最終回だったのでそれに合わせて頑張る次第
では最終決戦前半から



「雷轟丸、石動 純・・・みんなの遺志は受け取ったぁああああ!!!」
炎のように猛った鮮血で丸出しの筋肉を覆ったような体躯。
白い翼を広げたような巨大な目と、顔の下半分を占める裂けた口。
しかし、残虐性の権化のような外見に対してその胸中は、真っ青な空のように高潔であった。
「真実の涙‘TRUE TEARS’!!!」


「・・・涙、お兄ちゃんの・・・」
乃絵はトラックの運転席から、鉄塔の中心にいる紅いモンスターを見上げていた。
しかし不思議と恐怖も嫌悪も感じない。むしろ湧き上がってくるのは・・・愛おしさ。
ずっと離れていた娘に、初めて会ったはずの母親が覚える母性のような。

兄は死んだ。もういない。
ロボットに胸を貫かれ、鉄塔から投げ捨てられ、原型を留めぬほどに地面へブチ撒けられた。
しかし湯浅 比呂美の心に、その肉に、ひとつに混ざって生き続ける。
少女は毒を以って狩人へ転生した。
その礎に兄がいることが嬉しかった。最高の4番だと思えた。


「たかが残骸を纏っただけで何をいうっ!!」
修復用のナノマシンで、ロケットパックを復活させたアームスーツが飛翔しTT(TRUE TEARS)に殴りかかる。
「っ!!」
鉄骨から飛び上がった怪物が、向かってくる高速の機体にしがみ付いた。
「亡骸の意匠を被って、自分が成長したつもりか!!」
鉄塔の中を細い支柱にぶつかりながら、グングンと天辺まで上昇していく2体。
「それこそが愚民の卑劣!矮小!傲慢!そして限界!」
「これは飾りじゃないっ!!」
あちこちに当たりながら、塔の内部に血管のような触手を張り巡らしてTTは巣を作っていた。
その張力が限界まで絞られると、勢いよく飛んでいたはずのマシンは空中にミチミチと引き止められる。
「貴様を倒す武器!その闘いを私は継ぐ!」
ゴム鉄砲の弾のように、地面へ垂直に弾き落とされるアームスーツ。
「おぉぉおおぅううう!!!???」
ドグワラガァアアアンンッッッ
隕石のように大地を抉って墜落するマシン。
しかし、その手にTTを抱え離さなかったため、彼女も相当な衝撃を受けた。
両者はもつれるように転がって、火花の路線を地に描く。
「人間を捨てて化け物に成り下がった裏切り者め!!」
TTの上に乗ったスーツが高速震動カッターを腕から展開して、首を狙う。
「それは違うっ!」
230truetearsVSプレデター(69:2008/04/04(金) 02:37:12 ID:EvXXjdc8
首の筋肉を変形させ、骨折気味に曲げてカッターをかわす比呂美。
刃は地をバターのように溶かして突き刺さる。
「どっちも守る!」
ジャキンッ
腕に仕込んだプレデターのリストブレイドを発生して、横凪に迫るカッターへ交差させる。
「人も!獣も!どっちも私!」
大陸プレートがせめぎ合うように超圧力でカッターとブレイドが拮抗する。
「理屈に押されて、嘘をつきたくない。力に呑まれて、今を逃げたくない」
アームスーツのマスクが比呂美の額を押し潰してくる。
「逃げるさ、何度でも。弱いんだからなぁ!」
カッターがじりじりと彼女のブレイドを圧迫して首筋に迫る。
「そう。私は大切なことから・・・逃げて、隠れて、忘れてきた」
TTの額がグッとスーツを押し返す。
「だけど今は一人じゃないっ!!」
ガキィッ!
TRUE TEARSのブレイドが強化外骨格のカッターを叩き折った。
「なにぃっ!?」

怪物の蹴りが覆いかぶさったアームスーツを跳ね除けると、
即座に立ち上がった両者がガッチリと組み合う。
「全部殺してやったわっ!誰もこのオレ様に敵いわせぬわっ!」
鮮血の涙に包まれた比呂美の爪を握り締める。
「みんなの記憶が、血が、涙が!今の私にはあるんだ!あんただって倒してみせる!!」
「そんなこと、出来るはずがないっ!!」
機械の豪腕が、比呂美の腕を宙に抱え上げ、投げ落とそうと振りかぶる。
「ぃやってみせるっう!!」
ハンマーのように地上に叩きつけられるはずだったTRUE TEARSは、
空中で渦を巻くようにして腰を回し、その勢いを返して、逆にアームスーツを背負い投げた!
「ぐおぁああああっっ!?」

雪の上を滑るように転がってゆく鋼鉄のマシン。
「ならば見せてやろう・・・強化外骨格の力!!」
立ち上がったアームスーツが全身から蜘蛛の足のようにアンテナ塔を突き出すと、
放出した高圧力電磁波の閃光が徐々に集まり、回転をはじめる。
「貴様のプラズマ砲を今さっき解析したのだ・・・分かるか?」
収束した光源は雷のように強烈な眩さを放ち、大気をブルブルと揺るがすように唸る。
「我が機体は進化する。それは光よりも速い、文明の輝きなのだ!」
医療用ナノマシンによって、破壊されたはずのロケットパックを修復すると、
花火のように一気に空へ向けて飛ぶ上がる。
「いっときの成長程度で追いつけるものでない!」
龍のように天空を駆け抜けるマシンは、雲を切り抜け遥か天空まで達していた。
そこまで到ると停止して、空中に浮遊したまま凝縮エネルギーを精製する。
「全て光となれ・・・」
アームスーツは金色のの粒子を気球のような大玉にして、頭上に高々と掲げる。
その輝きはさながら太陽のように世界を照らし、富山の夜空が日の出のように白く染まった。
「貴様ごとき小娘に、何ができるっ!?」
231truetearsVSプレデター(70:2008/04/04(金) 02:41:09 ID:EvXXjdc8
「なんすか、ありゃ?」
白い粉が舞う繁華街を先に行く丁稚が呟く。
「俺のデビューを祝ってくれたわけじゃなさそうだが・・・」
真っ暗だったはずの夜空が、突如山の向うから日が昇ったように明るくなったのだ。
「・・・比呂美・・・乃絵」
尋常でない現象。それがなにを意味するか知っている気がする。
「え?さっきのコそんな名前だったんすか」
「いや・・・それよりもう一軒行こう」

「綺麗・・・流星かしら?」
ベッドの上で横たわる愛子が囁く。
最初に男と交わったのは、もうずっと昔だ。
どれも技巧に長け、壺を心得た名器の持ち主だった。
なのに何故、経験も白紙同然、拙く幼い彼との触れ合いが、
今までのどんなSEXよりも満たされるのだろう。
「・・・愛ちゃんほどじゃないよ」
傍らで寝る三代吉が返す。お決まりのお世辞。が、彼がいえば価値は2000倍増しだ。
「んもぅっ!・・・ね、浮気しちゃヤダよ?」
「愛ちゃんに言われ、ゲフンゲフン!・・・大丈夫、俺競争率ないから」
彼の胸板に納まると、愛子は母の子宮に帰ったかのように安らぐ。
「そんなことないよ。ちょっと時代が早すぎただけなんだから」
「それ褒めてんの?」

「んん・・・UFO?」
眞一郎の母が、寝床から夜空に咲く光を見る。
夫はもう隣で寝息を立てているが、夜町に出た息子が心配で彼女は寝つけない。
ふと、いつも彼女の身の回りをかいがいしく世話してくれる少年のことが気に掛かった。
都合のいい、自分の衝動を満たすだけの相手。
母とてうぶではない。色町に行ったとなれば、どう言い繕うと、やることは明らかだ。
そんなことは勝手に致せばいいし、病気だけ気をつければ構わない・・・はずなのに。
丁稚が他所の女性の肢体に目を奪われている、それが何故か不愉快だった。
232truetearsVSプレデター(71:2008/04/04(金) 02:44:52 ID:EvXXjdc8
「できるわ!わたしたちならなんだって!!」
比呂美が宣誓すると、呼応するようにシンビオートが震える。
天空から来るおぞましい攻撃をどう迎え討とうか辺りを仰ぐと石動乃絵の姿が目に入った。
「来てたんだ。意外とタフね」
トラックの運転席まで近寄ると、彼女に語りかける。
「あなたもすごい顔だけど、それが素顔っていったら信じるわ」
乃絵も軽く返す。
言われて比呂美は自分が狂気を体現したような奇怪であると気付き、
恥ずかしそうに顔面部分の寄生体を解除する。
「なんだか・・・随分久しいわね」

「実に大した働きだぁ、湯浅 比呂美。いや、TRUE TEARS」
「あなたたちは・・・」
比呂美と乃絵の周囲に青白い電光が人影を描くと、そこから幾体ものプレデターが姿を現した。
比呂美が友情を結んだ雷轟丸と異なり、
彼─プロフェッサー・プレデターの日本語は洋画吹き替え(高木 渉)のように流暢だ。
「君の兄上もだ、石動 乃絵」
プロフェッサーが乃絵に頷く。沈鬱な面持ちになる少女。
比呂美はシンビオートが蓄えた純の記憶(断片的ではあるが)から、事情を察する。
「大分えげつないわね、あなたたちも」
プロフェッサーを睨む比呂美。奇生体がその憎しみに反応しかけるが、彼女はそれを抑える。
「そっちの価値観に立ち入る気はないけど。助けられたわけだし」
ポリポリと顎をかくプレデター。後ろの仲間に合図すると、彼らは透明になって退散していく。

「とにかくあのマシンは我らで処分する。宇宙船からビームでドッロドロにしてやんよ」
「やんよ?」
このプレデター、あんまり人間臭くて却って気持ち悪い・・・とか思う比呂美。
「ん、日本の大型webサイトで使われてたんだが?」
どこ見てんだか、と突っ込みたくなったがグッと押さえて続きを待つ。
「君らも一緒に退避させよう。狩りは終わりだ」
キィイイイイイイイイイインンンン
地上の航空機械とは全く異なる外観の小型船が空中に現れる。
その機動音もせいぜいクーラー程度と恐ろしいほど静かだ。プロフェッサーが船に向かう。しかし、

「まだ闘いは終わってない」
比呂美の顔を鮮血の寄生体が覆い、白銀の牙がニタリと笑う。
思考と感情を共有して力を与えるシンビオートが闘争に歓喜している、
比呂美の威信に一点の翳りもないという、完璧な証明であった。
「ま、いーけど。てこたぁ何かい?アレを倒さなくてもいーと?」
だ、だから・・・中に誰か入ってるだろ?といいたくなって頭を押さえる比呂美。
「え、えぇ・・・強化外骨格は私が倒すわ」
激しくシリアスな雰囲気を阻害されてる気がするが、気にしたら負けだ。
「ヤツの光線を喰らったら富山の土は向う百年ペンペン草も生えないよ」
「へ?」
古臭い表現と裏腹の凶暴な内容に、素っ頓狂な返事をしてしまう。
「負けたらキレイキレイ♪ってこと」

あのエネルギー球にそこまで破壊力があるって・・・。
望むところだ!といってやりたいが、自分だけならまだしも、
生まれ育った土地の全て、見知ったひとも、そうでないひとまでも巻き込む気にはなれない。
233truetearsVSプレデター(72:2008/04/04(金) 03:39:36 ID:EvXXjdc8
「闘って。そしてアイツを倒してきて」
声は比呂美の隣からした。
「石動さん・・・?」
石動乃絵。中学生と見紛う小さな少女が、しかしその決意の瞳は訴えるものがった。
「気にしないで・・・というのも無理でしょうけど、大丈夫よ」
そして比呂美にニッコリと微笑む。こんな笑みを向けて貰えるとは思いもしなかった。
「だってここで生まれたんでしょ?そしてずっとここで育った」
流れがみえないが、コクコクと頷く比呂美。
「そして、この場所に辿り着いたのがあなたなら、ここを背負う資格は存分にあるわ」
悪魔のようになった比呂美の手に、そっと自分の手を重ねる乃絵。
「私にもお兄ちゃんにも、眞一郎にも、市長だって県知事だってそんな無茶は許されないけど
でもあなたは戦った。闘って、たかかって(あ、噛んだby比呂美の心)・・・ここまで来た」
ギュッと、奪ってきた命で染まった紅い手を握り締める。
「努力賞とかじゃない。ここで育ったあなたが、ここで起きたことに関わって、挑んで、そしてケリをつける」
乃絵と比呂美の視線が合わさる。
「だったら当たり前じゃない。
これは始まりから終わりまで、富山の、富山人 湯浅 比呂美の戦よ」

どくんっ
「わたしの・・・?」
ゾクッときた。
屁理屈極まれり、といった演説だったが胸にストンと落ちるものがあった。
「そうよ。宇宙人なんかにおおとり持ってかれてなるもんじゃないわ」
そう、とられたくない。
「富山代表 湯浅比呂美」
復讐?けじめ?贖罪?どれも心を動かす要素だが、決定稿ではない。
「県民代表の後見人はわたし 石動乃絵」
この闘いは私から始まった。
あのとき、レイプ犯を殺さなければ雷轟丸とも出会わず、誰も死なずに済んだ。
「これが最後の闘いになるわ」
比呂美は天空を見上げる。目指す先には閃光の塊があった。
「地べたの鳥が飛べることを教えてきて」
あんなものが何だ。機械の羽に、真実の空は舞えない。
「あなたの翼を見せて・・・・・・比呂美!」
覚悟は決まった。

「行くわ、乃絵ちゃん!」
234プレデター:2008/04/04(金) 03:42:56 ID:EvXXjdc8
うぅ〜、終わらなかったぁ・・・次回こそ!
235(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:49:14 ID:xFCkZ+th
「ヤダ、ちょっと三代吉。そんなにがっつかないで」
「いいじゃん、愛ちゃん。久しぶりなんだからさぁ」
ベッドの上で、重なり合うふたり。10代の溢れ出す情欲は、すぐに
ふたりを生まれたままの姿にした。小刻みに軋みはじめるベッド。その
すぐ側には押し入れがあって、襖が僅かに開いていた。

石動乃絵は、押し入れの中から、ふたりの様子を覗き見ていた。
「今日は、乃絵ちゃんにいいもの見せてあげる」
安藤愛子にそう言われて、訳もわからないまま、押し入れに入った
乃絵であったが、まさかこんなことになるとは思いもしなかった。
「ひ、ひどいわ。私、こんなの見たくなんか……」
ドキドキと胸が波打ち、動揺を隠せない。乃絵は愛子を恨んだが、
逃げ出すわけにもいかず、想いとは裏腹に、目の前の光景から目を
背けることが出来なかった。

「愛ちゃんのおっぱいデケー、それにやわらけー」
「コーラッ、三代吉。恥ずかしいこと言うなっ」
「だってホントのことだしぃ(んむんむんむ……)ぷはーっ、愛ちゃんの
おっぱい、うめーっ」
「もうっ、三代吉ったら……」
どうやら野伏三代吉という男は、感動をいちいち言葉にしないと気が
済まないらしく、愛子はそれを恥ずかしく思いながらも受け入れていた。
「愛ちゃん………い、挿れるよ」
「いちいち言わなくていいっ」
三代吉のペニスの先端が、愛子の入口に触れる。そしてゆっくりと
それは、愛子のナカへと呑みこまれていった。
236(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:51:43 ID:xFCkZ+th
「ほ、本当にはいったの?あんな大きなのが………」
乃絵は大きく目を見開いて、その行為を凝視した。知識として全く
知らないわけではなかったが、実際にそれを目の当たりにすると、
俄かには信じ難かった。しかしそんな乃絵をよそに、ベッドの上の
ふたりは、そこから激しく動きはじめる。
「あ、あんなに動いて…………痛くないの?」
愛子のことを心配する乃絵。しかし愛子の顔を見遣ると、喘ぎ声なんか
あげて、むしろ気持ちよさそうだ。
「あーっ、愛ちゃんのマンコ気持ちいいっ」
三代吉のあけすけな言葉に、赤面する乃絵。この男は、さっきから
聞いていれば、いちいち恥ずかしいことを言って………女の敵だわ、
と乃絵は思った。
「もうっ……やめてよ三代吉………聞かれちゃうじゃない……」
「えっ……聞かれるって、誰に?」
「う……ううん………なんでも……ない」
それを聞いていた乃絵は、心臓が止まりそうになった。もし三代吉に
バレたりしたら、恥ずかしくてもう生きていけないと本気で思った。
「しっかし、眞一郎もバカだよなー。愛ちゃんのカラダ、こんっなに
気持ちいいのにさー」
「ちょっとぉ……こんなときに……眞一郎の話………しないで……」
不意に聞こえてきた「眞一郎」という言葉に、乃絵ははっとなる。急に
胸が締めつけられるような………甘く、せつなく、苦しい想いが甦って
きた。そしてふと、目の前でまぐわうふたりに、自分と眞一郎の姿を
重ね合わせてしまう。はしたなくもハダカで股を開いて、眞一郎のモノ
を受け入れる………乃絵は全身が沸騰したかのように熱くなった。
それは、もしかしたら、あり得たかもしれない未来………だが乃絵は、
それはもう望んではいけないことだと、よくわかっていた。
「いけないわ………もう、終わったこと……」
乃絵は想いを断ち切るように、ぶんと頭を左右に振った
237(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:53:38 ID:xFCkZ+th
「さ、最高だよ、愛ちゃんのカラダ………愛ちゃんとセックスできる俺は
……世界一の幸せモノだよなー」
感極まった三代吉は、少し涙声になっている。さすがに愛子も、もう
ツッコむ気も起きなかったが、内心では、私と比呂美ちゃん、どっちが
気持ちいいんだろうと、答えの出ない(出ては困るのだが)問いを投げ
かけていた。
「だ、出すよ、愛ちゃん………愛ちゃんの膣に出すよーっ」
「だから、いちいち言うなってばーっ」
三代吉の腰の動きが速くなる。こうも激しくペニスで膣を擦られると、
愛子も快感で頭の中が真っ白になってきた。横目でちらりと押し入れ
のほうを見る。僅かに開いた襖の隙間から、乃絵がこの一部始終を
見ているのだろう。乃絵にこんな恥ずかしいところを見られて………
「(わ、私……いつもより………興奮してる……)」
愛子の意識はそこで途絶えた。最後に三代吉が何か絶叫したよう
だったが、愛子にはよく聞こえなかった。


事後の空気は、先程までとはうってかわって穏やかだ。三代吉は、
右手を回して愛子の肩をやさしく掴むと、ぐいと抱き寄せた。
「よかったよ………愛子」
「あんたねー、何急にカッコつけてんの………似合わないよ」
愛子は思わず吹き出しそうになるのを堪えて、そう応える。
「そうかぁ?……じゃあ、いつも通りに明るく………いやー、愛ちゃん
のココは名器だね、サイコー」
「名器とか言うなー」
「俺のチンチン、気持ちよかっただろー、愛ちゃん」
「死ねっ、三代吉」
半身起き上がった愛子は、三代吉に思いきりビンタをくらわした。
238(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:55:49 ID:xFCkZ+th
三代吉が帰った後、愛子と乃絵はふたり並んで、ベッドの上に腰掛け
た。何とも言えない気まずい空気が流れる。
「ねえ、乃絵ちゃん………どうだった?」
乃絵はぷぅと頬を膨らませて、ぷいと顔を横に向けている。
「そんなに怒らないで。乃絵ちゃんだって、いつかは………ね」
愛子の言葉を振り払うように、乃絵はぶんぶんと首を左右に振り回す。
愛子はそんな乃絵の仕草を見て、かわいいと思ったのか、悪戯心が
ふつふつと湧いてきた。乃絵の股間を指差して、愛子は言う。
「三代吉のアレ……大きかったでしょ。あんなのが乃絵ちゃんのココに
はいっちゃうんだよ」
「知らないわ、知らないわ」
両手で耳を塞いで、俯く乃絵。その声は少し震えていた。
「知らないことないでしょ。さっきまで見てたんだから。乃絵ちゃんだって
高校生なんだし、いろいろ知ってたほうがいいよ」
そう言うと愛子は、乃絵のスカートの中に手を差し入れた。愛子のしなや
かな指先が、乃絵の薄布に包まれたふくらみに触れる。
「………あっ、濡れてる……」
「さ、触らないでっ」
バッと身を逸らして、逃げようとする乃絵。しかしうまくいかず、ベッドの上
に転がってしまう。
「なぁーんだ、乃絵ちゃんだって興奮してたんじゃない」
愛子が乃絵の上に覆い被さってくる。乃絵は足がすくんで身動きができ
ない。知られてしまった。愛子と三代吉の行為を見て、濡らしてしまった
ことを、愛子に知られてしまった。股間が熱くなって、何かを漏らしてしま
うあの感覚………初めてだったのに……知られてしまった。自慰の経験
すらない乃絵にとって、それはとてつもなく異常な、恥ずかしいことのよう
に思えて、ベッドの上でただ小動物のようにプルプルと震えていた。
239(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:57:27 ID:xFCkZ+th
「お姉ちゃんに任せて………お姉ちゃんが乃絵ちゃんの気持ちいい
ところ、教えてアゲル」
愛子はそう言うと、乃絵のパンツの中に手を入れて、濡れた性器を
直に触りだした。中指の腹で縦筋をなぞりながら、人差し指と薬指で
その両側のふくらみをぷにぷにと押して、感触を楽しむ。そうすると
割れ目から、また新しい液が湧き出てきて、指先を浸した。
「あっ……ああっ………あんっ……」
乃絵はぐったりと身を横たえたまま、今まで誰も聞いたことのないような
色っぽい声を漏らしている。乃絵が抵抗しないのを感じ取った愛子は、
いったん愛撫をやめて、乃絵のパンツを脱がせると、両脚を大胆に
開かせた。そして指で割れ目をパックリ拡げて、その内部を視姦する。
「乃絵ちゃんのココ、すごくキレイ…………うらやましいな」
羨望の眼差しで、まだ誰にも侵されていない乃絵の処女地を観察する
愛子。まるで降り積もったばかりの雪のよう………ヘンな喩えだけど、
何だかしっくりくると愛子は思った。
「見な……見ないで……」
何とか抗おうと声を出す乃絵。だが、まるで力がない。むしろ誘って
いるようにも聞こえる。愛子もそれを聞いて、興奮が高まった。
「すごくヒクヒクしてる………それにいっぱい溢れ出てきて……気持ち
いいんでしょ、乃絵ちゃん。かわいい小さな芽まで、ピョコンって飛び出
しちゃってるよ…………何だかおいしそう……」
愛子はそう言うと、誘われるように乃絵の性器に口づけた。そしてその
ナカに舌を差し入れると、ベロベロと遠慮なく舐め回し、さらに勃起した
クリトリスを上唇と舌で挟んで、じゅるじゅると吸い上げた。
ビクビクビクビクビクッ
まるで電流が駆け巡ったかのように、乃絵のカラダが跳ね回る。何だか
よくわからない金切り声をあげたかと思うと、乃絵は糸の切れたマリオ
ネットのように、がっくりと崩れ落ち、そのまま動かなくなった。
「スゴい………こんな風にイッちゃうことって……あるんだ」
気絶してぐったりとなっている乃絵を、愛子はびっくりして、大きく目を
見開いたまま、じっと眺めていた。
240(三×愛)(愛×乃):2008/04/04(金) 09:58:58 ID:xFCkZ+th
翌日、乃絵は学校の鶏小屋の前で、泣きそうな顔をしていた。
「どうしよう?地べた………私、おかしくなってしまったわ……」
昨日のことは、思い出したくなかった。あの後、気がついたら、自分の
部屋のベッドの上にいた。愛子が運んできてくれたらしい。起きてすぐ
に、風呂場に行き、シャワーを浴びた。そうすれば元の自分に戻れる
ような気がしたけど………そんな風には思えなかった。自分のカラダ
が、何かとてつもなくいやらしいものに変わってしまったような………
何だかもう取り返しがつかないような、そんな気がした。
「怖い……怖いわ……」
両腕で体を抱きしめ、震える乃絵。そのとき、背後から誰かの足音が
した。乃絵はビクッと飛びあがると、ゆっくりと振り向いた。

「あのさー、ちょっとお願いがあるんだけど……」
そこにいたのは、三代吉だった。乃絵の顔が蒼褪める。今、会いたく
ない男と会ってしまった。もしや、昨日のこと……知られてはいない
だろうか?…………まさか………まさか……
「おまじない………してほしいんだけどさ……」
三代吉の様子からすると、どうやら何も知らないらしい。乃絵は少し
ほっとした。
「言いにくいんだけど……俺がさ……その……精力絶倫にな……」
その瞬間、乃絵は思いきり右足を振り上げて、三代吉の脛を蹴り
飛ばした。痛みに悶絶する三代吉を尻目に、乃絵は頬を膨らませ
て、顔を真っ赤にさせたまま、大股でどすどすと校舎のほうへと
歩み去っていった。
241名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 19:38:17 ID:KlFlXUAw
比呂美が最初引き取られかかった家に息子がいて親子で強姦されていたのが
わかって、比呂美は悪くないのに鬼畜親子が逮捕されたあとも汚らわしい子扱いで
仲上家が引き取りに名乗りをあげた。ママンが「淫らな子」扱いしてたのもその所為とか

みたいな、かなり外道なSSない〜?

引き取った先の奥さんあたりが親戚連中に「あの子が誘惑したのよ」とか犯罪者家族にされた自分の
立場擁護と逆恨みであることないことうわさを流す可能性は十分にある。

これだと比呂美の眞一郎に偏った救済、やけに女、女してるところ、夏に引き取られた時に笑顔が無かった事
あまりに酷い境遇にただの友人だったヒロシが名乗りを上げなければならなかったことも、ママンの態度が
冷たかったことも、今の現実の社会の悲惨さに合わせた形で説明がつきそうなきがするんだが。

つまり比呂美は非処女。強姦のトラウマかかえてるから眞一郎と結ばれるにはまだまだ時間がかかるとか
二期構想も話はとことんドロドロになるが昼ドラ好きには受ける暗さができる。
二期頭で比呂美は自分の過去を眞一郎に話し、そのトラウマを取り除いてやる為に努力する。

もし、ここまで悲惨で生臭い設定だったら、一期乃絵ENDの場合、確実に人死にがでてただろうけどな。
242名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 19:49:56 ID:4nYC0m6R
ttp://www.gyahaha.net/upload/img/gyahaha628.jpg
寧ろ俺はこのシチュから襲う話を所望する
243名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:41:11 ID:4quxeN5R
>>241
そこまでやると…不幸すぎてちょっと引く
244名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:00:12 ID:4x6axs9q
>>243
なんか、こっちに貼られたようなので、ありえない裏設定書いた本人来ました。

幸せの黄色いハンカチってみなさんご存知?

べつに非処女ということにこだわらなくてもいい、睡眠中に引き取られた家のバカ息子
が比呂美の股開きかかってるところで気が付いて大声上げて発覚とか。
比呂美自身も自分が処女かどうかわからなくてなかなか眞一郎と体を重ねる勇気がもてない。
病院行って事実を知るのも怖い。でもそれ乗り越えて結ばれたときにシーツに赤い染みができて
ほんとうのハッピーエンドとか。

おれ、文書能力ないんで・・・ごめん。
245名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:34:01 ID:G+xO07vT
>>241
これはいいね。親子で強姦とか最高。比呂美にはこういう薄幸な役が良く似合う。
この娘はイジメられてこそ輝くと思うんだ。輪姦されるわ、それを皆に知られるわ、
犯人は無実を主張して比呂美が責められるわ、逆境の連続で耐える所が可愛い。
246名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:34:38 ID:G+xO07vT
あ、でも、妊娠、中絶は嫌だ。そこまで行くと、さすがの俺も引くw
247名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:44:38 ID:4nYC0m6R
おまえらどんだけ鬼畜なんだよw
248名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:49:50 ID:4x6axs9q
>>247
>>244は実際に某知人から相談された内容を一部加味してる。
現実は小説や、さすがにそれはないだろうと思うような事でもやってしまうのが人間。
それだけ酷い世の中だってこと。
249名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:51:36 ID:ebf/S/wI
本編で幸せだったからこそ
鬼畜パロディが見たくなるというもの
ということで男に襲われ、嫌がりながらも感じてしまい
最終的に心まで折れてしまう比呂美がみたい
250名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:53:49 ID:svAEa5yT
俺はみたくないわ
読み終わって暗くなるものは見たくない、個人的に
251名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:00:45 ID:024Tel2X
最初に一言NTRですとか鬼畜ですとかつけてくれればどうとでも
読み進めていく最中に自分で気づくとダメージがでかいから
252名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:01:42 ID:C1Nfh7Bs
エロい&面白ければ何でも来い
253名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:03:00 ID:ec4lj+GN
そね。一言あれば後は専ブラで
254名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:56:14 ID:t6YHYGUJ
>>240
三代吉がKYキャラにwwでもGJ
ただ、タイトルで一応はわかるけど、百合物は前置きが必要かも
255名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:58:04 ID:d4+kc9n1
>>249
同意
256名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 03:22:50 ID:SVCXlYd6
>>249
NTRはあまり好きじゃないが、そういう陵辱→堕落モノは結構好き
陵辱モノにしておいて、救いを入れようとハッピーエンド風にまとめるのが一番嫌いだw
257名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 04:12:10 ID:DYdUQZ/y
>>256
ある意味、本編アニメが嫌いということだなw
258名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 07:39:20 ID:YxmxIZfL
なんか純愛派と凌辱派に分かれてて面白いな
比呂美って虐めたくなる雰囲気と、守ってあげたくなる雰囲気を兼ねそなてるから困る…
俺はこっそり乃絵の話を期待しておこう
259名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 09:05:32 ID:u79pAACK
比呂美はラブラブ初夜に限る

想像しただけで鼻血出るwww
260truetearsVSプレデター(73:2008/04/05(土) 09:17:02 ID:HF/38RMy
んじゃ、多分ラスト連投いきま〜す



いくつかの下準備を終えた比呂美は、
強化外骨格が撃ってくるであろう荷電粒子球弾を破る最後の仕上げに入った。
「さてと・・・」
まずは鉄塔の麓に立ち、手首から赤い蜘蛛糸を天辺に向けて放出する。
2,3,4・・・と幾度も頂点に結び付けられた糸の束は綱引きの縄のように太く厚くなってゆく。
恐らくは戦車でさえ容易に持ち上げるほどの強靭な張力になったそれの強度をグイと引いて確かめる。
「・・・ぃよし」
それをもう片手で繰り返して鉄塔の先まで伸ばした荒縄を2本作ると、今度はプレデターの槍を展開させる。
「この糸をそのまま引っ張ったら腕が持ってかれちゃうからね」
スピアの両端に2本の糸束を結びつけると、上から更に糸を巻いて補強する。
タコ糸の束のようになった槍を、鉄骨に挟み込んで固定する。
「これで完成・・・。時間は?」

腕の機械をみるプロフェッサー・プレデター。
「一分かね。で、うまくゆくかな?」
宇宙船に乗り込んで半身を乗り出しながら空を見上げる。そこは夜明けのように眩しい閃光を放っていた。
「・・・・・・ん」
一緒に乗り込んだ乃絵も言葉を濁す。
出来ればここで全てを見守りたかったが、邪魔にしかならないのでプレデターたちとともに非難するのだ。
「ごめんね、純くんのこと」
比呂美が先に口を開いた。雷轟丸が殺され激昂した彼女を救うために純は死んだのだ。
その罪は告白せねばならない。
「・・・うぅん、お兄ちゃんは 帰ってきたよ」
雪の道に踏み出したかつての兄は、ヴェノムとなって戻ることはなかった筈だった。
「え?どうゆう・・・」
比呂美にはわけがわからない。今は語る時がない。
「そろそろ離れないと巻き込まれるぞ」
プロフェッサーが乃絵を促す。乃絵は比呂美に向き直った。
「ありがとう」
伝わらない。それでも伝えたい。自分の気持ちを。
「信じて」
寄生体を比呂美へ贈った叫びは紛れも無く、石動 純のものだった。
「お兄ちゃんは本当の4番になれたの、比呂美のおかげで」
視線が交錯する。形にならない感情が混じっては霧散していく。
一番いいたいこと。一番素直な気持ち。
「あなたに会えてよかった!」
思いっきり叫んだ。いい笑顔だった。
いいたい言葉を出す。そんなことがこんなに嬉しいとは思わなかった。
宇宙船が風を巻き上げて浮き上がり、ドアが重くのしかかるように閉まってゆく。
物理的に隔絶された壁は運命をも暗示しているようだ。

「さようなら」
261truetearsVSプレデター(74:2008/04/05(土) 09:23:11 ID:HF/38RMy
透明になった船がいずこへと消え去ってゆく。
いよいよ、風が吹きすさぶこの地上にいるのは比呂美だけになった。
「あなたもいたわね、ふふっ」
真紅の寄生体に微笑む。応えるように肩から牙を生やした口が生えて、奇怪に笑う。
「乃絵ちゃん・・・」
虚空をみつめる。もう影も分からない。
それでも、今もどこかで見守ってくれているだろう。
雷轟丸も、純君も、ここで奪われてきた皆が見ているのだ。
この結末を。
「じゃあ見てて・・・私の‘変身’!!」
大気を引き裂くような唸りを上げると、
紅い寄生体が比呂美の全身に血飛沫を浴びせるようにして包み込んだ。
全身を引き絞るように剥き出しの筋肉が隆起して、顔面を割るように白い牙が生えてくる。
白く歪んだ目が見開き、猛る炎のようにシンビオートはぐちゅぐちゅと蠢いている。
「TRUE TEARS!FINAL FORM!」

ナイフのように鋭くなった爪で、鉄塔に引っ掛けた槍を掴む。
重力が逆転したような張力がかかるが、グッと堪えると足を鉄塔に携えて全身に力を込める。
「〜〜〜っっっ!!!」
巨大な歯を食い縛って、限界まで槍を引き寄せる。
肩から腕にかけての筋肉がミチミチと音を立てて裂けるが、それでも糸束を張り詰める。
これ以上ない限界まで力が達したとき、TTは足を離した。
全身に降りかかった圧力は想像の遥か彼方先をゆく強烈さだった。
「っっ!!?」


「荷電粒子収縮率98%.限界値到達まであと20秒」
なだらかな女性の声(田中 敦子)のナビゲーションボイスが通る。
遥か天空。雲の上に立ち、太陽の日差しを浴びる強化外骨格。
その手には原発のように巨大な光球が浮かべられ、回転して輝きを増し、形を鮮明にしていた。
「さしものこの高所では手も足も届くまい。この土地ごと焼き払ってくれるわ」
既に十分すぎるほどのデータを回収し、
マシンの自己進化AIは奇跡ともいえる発達を遂げた。
目標の宇宙怪物の武器や標本を消し去るのは無念だが、
この功績だけでも人類史上、最高ともいえる働きなのだ。
「地上から高速の物体が接近。人間です」
「やつかっ!!」
アームスーツが身構える。
どうやって、この超高度まで?まだ見知らぬ装備があったのか?

「キシャァアアアアアアアアアオオオオッッ!!!」
雲の海を紅い人影が高速で突き抜ける。
比呂美は寄生体を鋼のように固めて、叩きつける風圧に必死で耐える。
大気がコンクリートの滝のようにぶつかり、眼球は破裂し、骨は粉々になりそうだ。
永遠にも思えるコンマの時間を耐え、耐え、なお耐え続ける。
鉄塔を銃座、蜘蛛糸をバネ、自らを弾丸にして、
今アームスーツのいる場所へ辿り着こうと必死で意識を保っていた。
262truetearsVSプレデター(75:2008/04/05(土) 09:25:27 ID:HF/38RMy
「あと10秒,9・・・」
高圧粒子の圧縮精製はクレーンで卵の殻を割るような作業だ。
完成するまではアームスーツもこの位置を移動することはできなくなる。
「7」
全財産を賭けた大穴万馬券の最終レース直前の心境で秒針を見守るパイロット。
「5」
あと数秒で助けがくると分かりながら、虎の檻に裸で正座する気分だ。
「3」
歯の根がカタカタと震え、汗が滝のように吹き出る。自分の鼓動が太鼓のように耳を叩く。
「・・・ィィィイイイシャアアアアアアァァァッゥ!!!」
雲の海をTRUE TEARSが突き抜けて、雄たけびを上げた。
糸を巻いた槍を、鉄棒に腕を伸ばすように乗る。
その目がアームスーツと巨大なエネルギー球を捉えた。
「見つけたぁっ!!」
しかしパイロットもニンマリと笑う。
「0. 精製完了」
コクピットのコンソールが表示した完了の証。既に照準は比呂美をロックしている。
「わざわざ的になるとはな」

「それは・・・どうかなぁ!?」
比呂美が叫ぶ。
そのとき、地上で青白い閃光が弾け、突風が大気を薙ぎ払った。
「地上で高エネルギー爆発を確認。大型の物体が接近中」
「なにぃっ!?」
パイロットが下方を仰ぐ、必要はなかった。
雲の海から潜水艦でも浮上するように、巨大な三角推の鋼鉄が姿を現したのだ。
「あれはさっきの鉄塔!!」

数分前、比呂美は鉄塔が大地に根を下ろす4本の足をプラズマ砲で焼き切っていた。
地面に立つだけになったそれの根元にプレデター伝家の最終兵器、高エネルギー爆弾を設置する。
爆発後、綿密な計算のもとにアームスーツへ向かって飛んでいくよう調整すると、
最後に自らがその巨大な槍の誘導係りとなるべく先行したのだ。

「消えろぉ!!」
アームスーツが荷電粒子砲を兆速発射する。
天に道を作るように光の渦が比呂美に向かって直進する。
が、彼女は猛烈なパワーを受けて跳ね上がってきた塔を、
先端に結び付けた蜘蛛糸によって方向を操った。
「いよっっとぉ!」
今度はその力に引き寄せられるようにして、鉄塔に吸い寄せられると、
その内側に潜り込んで、塵も残さぬ光球をかわした。
狙うは強化外骨格、その正面を捉えた。
「いっけぇええええ!!!」
いまや、天を突く鉄塔は比呂美の巨大な船と化した。
「甘いわぁっ!」
アームスーツの電磁波塔が輝くと即座に第二のエネルギーが集まり輝いた。
「回数を分けたんだよぉっ!」
月のように巨大な光が比呂美のいる鉄塔に向けられて発射された。
間をおかない連射で焼ききれる電磁波アンテナ。が、その一発で十分だった。
比呂美にはむろん方向転換などあるはずもなく、正しく飛んで火にいる何とやらだ。
ズズズズズズ・・・・・・・
「ハハハハハハハハハ!!!!」
自殺同然に火の玉に突っ込んで鉄塔の槍は消え、アームスーツに届くことはなかった。
光に消えるTRUE TEARS。
「勝ったぞぉーーー!!!!」
263truetearsVSプレデター(76:2008/04/05(土) 09:29:35 ID:HF/38RMy
「ん?」
ふと遮光バイザーから見る高圧粒子火球の輝きに、黒点が見えた。
「圧縮粒子率不安定。内部から干渉されています」
とのアナウンス。そのとき、青白い火花を散らせながら巨大な突針が飛び出した!!
「ぐぅぬあっ!?」
アームスーツを突き刺す正体不明な透明な塊。
頑強かつ柔軟な装甲によって串刺しは免れるが、太股に突き刺さった先端はドロドロに溶解して固まってゆく。
「い、いったいなんだ?」
慌てることはない。この箇所のパーツを分離させれば・・・が、その思考は眼前の光景に目を奪われた。
火球が前身して遠ざかり、徐々にその内部から姿を現した矛の正体は、
半透明になって青白く輝く鉄塔だったのだ。

「馬鹿なっ・・・!粒子エネルギーを中和する電磁フィールドを作ったのか!!」
そんな筈はない。透明化はやつらの擬態能力のためじゃなかったのか?
いや待て、この力はやつのプラズマ砲を無力化したアームスーツの進化と似通っている。
「まさか、本来の力はビーム兵器を防ぐためか!!」

電磁スクリーンによって空間を歪めて姿を隠す透明装置の本来の機能とは、
プレデター同士か同等の敵か、その技術が奪われたとき対抗するための防御線。
プラズマ砲を最強の矛とするなら、透明装置は究極の盾。
「この展開も宇宙生物たちは予期していたというのかぁっ!!」

比呂美が発想に到ったのは、アームスーツがプラズマ砲を防いでいたこと。
そして、シンビオートの弱点の金属音をプレデターの鎧が防いだことで、
空間を曲げる力に気付いたのだ。
しかし電磁スクリーンを纏っただけでは、巨大エネルギーの塊に包まれれば出力が足らず、
焼き焦げて塵も残らないだろう。
だから鉄塔を媒体に、プラズマ砲の火力を全てシールドに注いで巨大な要塞を作ったのだ。

「AIの知性に溺れて、考えることを怠ったんじゃない?」
透明スクリーンのなかから真っ赤な肉体が立ち上がった。
アームスーツを貫く鉄塔を守る出力が落ちて、幅の広い後方から溶けてゆく。
「万事を尽くして、絶命を克服する!それがプレデターなのよ!」
紅の怪物が鉄塔の上を走った!
そのまま一心に、その先端に固定されたアームスーツへ向かって駆けて行く。
後を追うように足場は崩れ、炎が迫る。

「所詮は浅知恵!進化するマシンに敵うわけがないっ!!」
アームスーツが全身の装甲を解放すると、小型ミサイル、機関砲、火炎放射、
全ての兵器を比呂美に注ぐ。まさに破壊の嵐だ。
「トゥルゥー・ティアァズ!マキシマムゥ!」
怪物の全身が爆発したように膨張した。
シンビオートが数千、数万か限りない触手を張り巡らすと、その一本一本が蛇のようにうなり
牙を並べて銃弾の雨を喰い尽し、炎の風を飲み込む。
「なぜ死なぬぅっ!?」
鉄塔が完全に崩れ落ちる。
そして寄生体の鮮血が波のように混ざった中から、武装した少女が飛び上がった。
264truetearsVSプレデター(77:2008/04/05(土) 09:31:38 ID:HF/38RMy
朝陽が昇り、輝く日の出を背負った少女は、ぼろ雑巾のようになった寄生体を被り、
手足にはプレデターの鎧を纏って、腕のリストブレイドを左右に掲げた。
「心の翼を折らない限り!!」
刃を伸ばして両手を広げた姿は、天空に翼を広げて飛翔する鳥を想起させた。
「闘い続けることができる!!」
しかし、強化外骨格のパイロットアームが左右から来るブレイドを殴り飛ばした。
刃は粉々になり、かばった比呂美の左肩が外れて、肘の骨が肉から飛び出した。

「そんなもの、力の前では無だ!!」
もはや殆ど寄生体が死んだ筋力では、完全に圧倒されてしまう。
ジャキキキンッ
力ない手の平に仕込んだレイザーディスク─円盤状のカッターを展開して手裏剣型にする。
「屈っしはしない!!」
CDをセットするように、回転する円盤をパイロットアームの手首に滑り込ませた。
「ぬぉあああっっ!???」
装甲がパンを切るように綺麗に剥がれて、中身がむき出しになる。

「どんな痛みも・・・」
糸が縮まって鉄塔の先端にくっついていた槍は、アームスーツの足に突き刺さっていた。
それをかろうじて動く右腕で拾うと、頭上で回転させて引き伸ばし構える。
「苦しみにも・・・」
全ての武器は破った。比呂美が牙を見せて、アームスーツに振りかぶった。
ガコンッ
マシンの胴体が口を開けるように上がり、スピアの先端が跳ね除けられた。
「なっ・・・」
と、比呂美。今まで激突してきながら姿を見せなかったパイロットが出てきた。
パンパンパンパンパンッ

比呂美の額に向かって拳銃が何発も火を噴いた。
通常の寄生体だったら防いげたが、布切れ同然の今では惨状となった顔を覆う程度しかできない。
悪魔の仮面に穴が空く。
「残念だったな、あと一歩、しかし一歩届かない」
筋骨隆々とした剥げ頭髭面の男がコクピットから出てくると、アームスーツにまたがったまま
立ちすくむ比呂美の亡骸を蹴り落とす。
「グッバイ♪」
地面に落ちてゆくそれを見下げるパイロット。
果てしなく広がる雲。その遥か下には大地。
265プレデター:2008/04/05(土) 09:55:38 ID:SzfSe29W
とここで規制入った、また後で    
266朋与男:2008/04/05(土) 11:27:15 ID:izsdCGqJ
ま、負けるなぁ!比呂美ぃぃ!!
という思いを込めて、僭越ながら支援させていただきます
267名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:00:03 ID:TIPKoidJ
連投規制に支援
268名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:00:14 ID:TIPKoidJ
さらに支援
269名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:00:42 ID:TIPKoidJ
続きを期待して支援
270名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:01:45 ID:TIPKoidJ
>>260,261,262,263,264
271名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 18:42:50 ID:3tfcJM4i
>>264
更新してるかなぁとざっとスレをみて「パンパンパンパンパンッ」なる擬音を見たら
おっプレデターさんついにエロかと期待する、ああ、銃声か残念だ
272プレデター:2008/04/05(土) 20:20:04 ID:HF/38RMy
解けたかな?
>>271
そうみえないか不安だったけど当たってしまったか・・・すまぬ
273truetearsVSプレデター(79:2008/04/05(土) 21:11:10 ID:HF/38RMy
では再開



いない。

「・・・?」
身を乗り出して窺うと、足元で少女の指がアームスーツのつま先を握っていた。
枝にスーパーの袋がひっかかるような儚さだが、確かに生きている。
「馬鹿なっ・・・不死身か!?」
ズルリッ
「あ、生憎・・・面の皮が厚く、て・・・」
比呂美の顔面に張り付いていた寄生体の残滓が崩れ落ちる。
そこにあったのはプレデター雷轟丸のマスクだった。
怪物のデスマスク。それが彼女の命を救った。
「ならこれで終わりだ」
パイロットが比呂美の手に狙いをつける。

しかし、それをこそ待っていた。
「いいえ」
バシュンッ!
比呂美の腕に備えたガントレットから、ネットランチャー、鋼鉄線の網を発射した。
「のわっあ!」
網に全身を包まれ、バリケードのようなワイヤーで皮膚が千切れるパイロット。
壁に打ち込むべき杭が、全身に突き刺さって網を巻き上げ、締めつける。
「ぎゃぁぁあああっっつ!!??」
ネットを完全には射出せず、ガントレットから伸びた網で捕らえたパイロットを確認すると
比呂美は空中に浮遊するアームスーツから手を離した。
たまらず、全身に食い込むワイヤーに裂かれながら比呂美の手を掴むパイロット。
「正気か貴様ぁっ!道連れに・・・ぐぁがっ!・・・死ぬなど・・・げぎぃ」

撃たれたショックで前後上下も不覚なのは比呂美にとって幸いだった。
高所に対する恐怖を感じることもなく、グラグラと身を揺すってパイロットをギリギリと苦しませる。
「あなたも泣くといいわ」
今度は振り子のようにブラーンブラーンと身を揺する。
「おおおれの、ぎぎぐ!働きはっ・・・人類の多大な、がばっ!は・・・発展に貢献、ぞるだ!」
パイロットの全身に十字の傷跡が刻まれてゆく。
「それが真実の涙」
転落の恐怖がパイロットを支えていたが、サイコロステーキになるのは止めようがなかった。
「こんな・・・ひひっ・・・筈ではっ・・・げむむ」
ワイヤーを伝って、パイロットの血が滴ってくる。
「それがTRUE TEARS」
骨まで線が達し、きりきりと悲鳴をあげる。
「無念の命」
だんだんと血の滴りが増してきて、パイロットの呻きが霞んできた。
ブルブルと震え、断末魔の準備が整う。
「じにだぐな・・・げげげ・・・ごろず!貴様っぼ!ずばばば!ぢぃいいふ!ぼぼぼううけん・・・・」
ミチミチと肉と骨をを刻む音だけが、アームスーツの上から聞こえてくる。
さっきまでは2人いた。今は一人になってしまった。

「あなたの哀しみも私が負うわ」

それは生き残ったものが背負い続ける死者の雫。
業はやがて抱えきれないほど溢れ、ゆっくりと私を溺れさせる。

「私の涙は・・・行き着く先もなし」
太陽が眩しい空の上でひとり呟く。
見渡す限り、誰もいない、本当に誰も。この世界で自分だけだ。
命を奪うことで得る充実。その引き換えに、勝ち続けたものが至る最期。
心を分かつものを奪いつづけ、たったひとり孤独のなか朽ちてゆく。
274truetearsVSプレデター(80:2008/04/05(土) 21:13:44 ID:HF/38RMy
もはや力を込めてるのか、筋肉が硬直してしまったのか。
手足の感覚はとうに消え、意識も半ば朦朧としてきた。

ブチッ・・・ブチブチブチブチチチッ

何かが断ち切れる音が続くと、頭上から赤いサイコロ片がポロポロと降ってくる。
重石が解体され、アームスーツにぶら下がっていた比呂美も解き放たれた。
人形のように足掻くことないまま、その身は宙に投げ出された。
戸惑いのない様は、他人がみたら熟練のスカイダイバーだと思っただろう。
気流の風が吹きつけ、体が持ち上がりながら落ちてゆく。

(・・・雷轟丸、純くん、乃絵ちゃん・・・私・・・勝ったのよね?)

眠い、なんだかとても眠い。
寄生体が吹き飛ばされたときに、自分はもう死んでいたのではなかろうか。
このまま、天空で息を引き取るのか、地面にぶつかって息絶えるのか、どっちが早いだろう。
できれば前者がいいなぁ、と思いつつ比呂美は眼を閉じた。





───22年後

「いらっしゃいますか〜?」
インターホンを鳴らす音。小鳥の囀り。
カーテンの隙間からさす朝陽。転がる目覚まし時計。
「はぁ〜い、待って待ってぇ・・・」
冷えた廊下をペタペタと裸足にスリッパで歩きながら、玄関に向かう。
「おはようございます、石動先生!」
嫌味なくらいに元気な挨拶。こっちは徹夜だってのに・・・。
「じゃあコレどうぞ・・・お願いします。お茶でも出したいけど、次の曲の〆が昼までなんで」
「お預かりします。ありがとうございましたー!」
バタンッ・・・
あー、帰った帰った、しっし

長い月日が過ぎ、日々の忙しさに右往左往する私には
あの日の、人生の分岐点を思い出すこともめったになくなっていた。
それほどまでに日々は移ろい、人も歳をとり、変わらないのは空だけか。

「ここ私の家じゃないんだけど」
「知らんがな」
そういってプロフェッサー・プレデターは私を母の家の玄関に置き去りにした。
そのときはまさか、もう富山の土を踏むことはない、などと思いもしなかった。
275truetearsVSプレデター(81:2008/04/05(土) 21:19:53 ID:HF/38RMy
<ということで突然ワープして乃絵の未来。
 ttVSプレデター世界後なので本編とは関連なしっす



仕方なく数日だけ世話になるつもりだったが、
兄は殺されていたし、その遺体の惨状はあの母ですら寝込むほどで、
とても帰る気にはなれなかった。
それにあとになって気付いたが、湯谷の会社に私のことが知られるのは不味かった。
命に関わるほどに。亡き後も兄は私を救ってくれたのだ。
結局、それからは隠れるように東京で生活することとなった。

「乃絵ちゃんだよね?かわいいなぁ・・・よろしくね!」
それから私は自分が平凡だと知った。
富山で奇人変人の名を欲しいままにしていても、こっちにくれば真っ当な部類らしい。
東京は冷たいが、変わり者には住みやすかった。

あれよあれよと友達を作り、予備校に通って、大学進学・・・ならず浪人。
数年はブラブラしたが、その間に趣味で始めた作曲と
進路希望の戯れに選んだ音楽の糸が繋がってきて、専門学校に入学。
世間ずれしないセンスが嵌ったのか、もちろん努力と根性も込みで、道を切り開いた。
「あなたの曲でいじめから立ち直れました!」
・・・気がつけばそこそこにファンと仕事もつき、野生児のようだった私も今では立派な社会人。

とはいえ結婚はまだいしていない。
・・・現在も処女記録を更新しつつあるなど、変わらない部分も結構あるわけで。
ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけじゃなし。
器なりに身をたてているのが今の私だ。

そうそう、当事のことを振り返ろうにも、
ここにいるとあの町の噂もとんと聞かなくて、忘れてしまうのを誰が責められようか。
かつては世界の全てだったあそこも、今は遥か遠い思い出だ。
まぁもともと交友関係も広くなし、悪い噂の身の上となれば、縁もなくなるというものだが。

ただ黒部 朋与、奇縁というべき彼女とは親密にしていた。

なぜかといえば、彼女は比呂美が失踪した縁で親しくなった眞一郎と結婚した、
・・・まではいいが、ある日離婚して何故か私の家にやってきたのだ、子連れで、しかも2人。
他にたくさん友達もいるだろうにと思ったが、そうでもなかったらしい。
仲上に一度盾突くと本家にはその気がなくても、その周囲が許さないのが名士たる所以。
友達からも村八分を喰らって、縁も所縁もないことには定評のある私に縋ってきたのだ。

以来、かつての険悪が嘘のように(女って分からないと同性ながらしみじみ)打ち解け、
朋与がこっちで再婚した今もよくさせてもらっている。
今では成人した彼女の子達もよく懐いてきて、我が子のように思っている。
276truetearsVSプレデター(82:2008/04/05(土) 21:23:31 ID:HF/38RMy
で朋与から聞いた話では、三代吉くんと愛子さんは結婚して子沢山とか。
仲睦まじくやっているようで何よりだ。
朋与親子が路頭に彷徨ったときも、彼らだけが助けてくれて、
東京の私を頼るよう助言したと聞く。
ていうか私には断りなしか。
まぁ聞いたら断っていて今の関係もなかったので感謝している。

眞一郎のお父さんは腎不全で死んだときく。私が富山を出て半年後に。
比呂美を失った罪悪感は相当だったらしい。
比呂美のことを伝えるべきだったかは今でも分からない。
お母さんのほうは、働きに来てた坊主の少年と結婚したそうな。

眞一郎は・・・絵本作家やデザイナーなどをこなしつつ、そこそこに生きているらしい。
一度、地元で作った彼のアニメの作曲オファーがあったが、それは断った。
それは何も当事私たちが微妙な間柄だったからだけではない。
彼を通じれば、富山に一度くらい戻れるかもと私も期待したのだ。
だが、朋与が眞一郎と別れた理由を聞いて幻滅した。

普通、昔の女を忘れないことでいざこざがあるものだが、
2人が別れた理由は彼女の留守に比呂美の荷物を全部焼き捨てたから、だったという。
思うところがあったんだろうが、それには憤慨した。

誰にも、朋与にさえいってないが、比呂美はみんなを守ってくれたのだ。
少なくとも、それを知っている私だけは仁義を通さねばならない。

そして、その比呂美にはやはり会ってないし、いま生きてるかさえ分からない。
兄さんを殺したのは彼女だ、なんて噂もあったらしい。
まぁ穿った見方をすれば一理あるわけだが。
品行方正な美少女の失踪なんてのは世間の喰いつきそうな事件だ。
ただ、多分湯谷とウェイランドが圧力を掛けたおかげ(?)で
早々に事件の火は消えたのが幸いだった。
一片の情報もなく、比呂美自身が天涯孤独となれば、世間はあっけなく忘れてしまう。
その風化の波は、真実を知ったはずの私でさえ例外ではなかった。

それでもときどきふっと思う。
この夜空の向う、あそこで輝く流れ星の光は比呂美なんじゃないかって。
そうして考えるのだ。
自分として生きようと闘った比呂美と、社会の一部として生きている眞一郎。
わたしはそのどちらにいるのか。
あのとき、彼らの立場にいたらどっちを選択したか。
しかし結局その思考も長続きせず、次の構想に入るころには全部忘れているのだった。
277プレデター:2008/04/05(土) 21:33:16 ID:HF/38RMy
これで本編はおしまい
終わるいっててまだ引っ張るのかよ!と自省してますが
あとエピローグ入れたらほんとに終わりますので容赦ください

てことでキリがいいので規制回避にしばらく空けます
278朋与男:2008/04/05(土) 22:16:46 ID:izsdCGqJ
な…なんという結末……
プレデターさんのハード&バイオレンスな世界には、ショック受けまくりだったのですが、
最大級の衝撃が最後に待っていようとは…… と、朋与……
「乙」はエピローグ終了まで取っておきたいと思います
ラストスパート、がんばってください!
279名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 23:26:26 ID:0Hv1cccM
続きが読みたいので続きが読みたいと書き込んでおく事にしよう

先生、続きが読みたいです
280名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:01:22 ID:ItboyGpF
なんで荷物焼き捨てたんや…
281名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 01:59:17 ID:dyhouFEW
保守
282名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 08:48:28 ID:+1iyNiAD
朋与男さんの新作待ち
283truetearsVSプレデター(83:2008/04/07(月) 06:14:21 ID:jzWi0Nyh
雲を突き抜けた比呂美に、何処からか温かいなにかが注がれる。
あたり一面が真っ白く輝いてくるのを、閉じた目の奥でも感じ、
ゆっくりと傍らに目を馳せると眩い閃光が向かってきた。

朝陽だ。
世界の反対からゆっくりとせり上がってくる大きな光の、
堂々とした輝きは、マシンが作り出した粒子火球とは比べ物にならない。
地平線に光が奔り、木々や建物が殻を破るように全容を表していく。
その陽光に降り積もった雪が反射して、
地面一帯が宝石を撒いたようにキラキラと煌いている。

戦いは終わった。
それを祝福するように天が彼女を照らす。
窮屈なプレデターのマスクを外して、胸に抱える。
「・・・綺麗・・・本当に・・・!」
心からうまれ出た言葉だった。
一生にこんな美しいものを、
こんな晴れやかな気持ちで見ることが2度あるだろうか。
全く生きるというのは分からない。

分からないからこそ、嗚呼、なんと素晴らしいのだ!



いくつかの偶然から数奇な歯車に巻き込まれ、激動の運命を辿ることになった比呂美。
その物語は、ここで一端幕を閉じさせていただく。
なぜならば、彼女はこのとき死亡したとも、生きながらえたともいえるからだ。

プレデターたちが墜落したアームスーツを回収したとき、中には比呂美らしき少女がいた。
損傷を受けたアームスーツは、パイロットの果汁を絞るようにして
その血をたっぷりと浴びた彼女を操縦者と誤認して救助したのだ。

しかしマシンは、比呂美の亡骸をその体内に残留していた寄生生物ともに修復してしまい、
復活した彼女はもはや、人間にも寄生生物にも納まるものでなかった。

その後の経緯については諸説あり、
地球に残って「TRUE TEARS carnage(大虐殺)」と名乗り裏世界で活躍したとも、
アルファ=ケンタウリ戦争で機械生命体軍と闘って散ったとも語られている。

最近の研究では、プレデターの惑星で雷轟丸の子を育てた人間の女性、
伝説の兄弟戦士、轟天号と翼丸の母親こそ比呂美ではないかというものもいる。
彼女は息子たちが成人したあとは地球に戻り、晩年は名高い女性作曲家とともに過ごしたらしい。

           <おしまい>
284プレデター:2008/04/07(月) 06:54:21 ID:jzWi0Nyh
ってことで完結〜!きゃーやっと終わったー!
スレ住人のみなさん、こんなわけのわからないのの連載を許していただき、
本当にありがとうございます。
やはり未完はつらいので、やり遂げられて気分爽快です。

一応パロなんでネタ元を解説なりしますと、
強化外骨格は攻殻機動隊。
スペックはむしろ、アップルシードのギュゲスか、アイアンマンですが。
ヴェノムはスパイダーマンに出てくる敵役(悪役でないのが味噌)。
TRUE TEARSと呼んでいたのは、ヴェノムの亜種で最狂の悪、カーネイジ。
アルファ=ケンタウリはトランスフォーマーの惑星があるところ。
湯谷とウェイランドは、エイリアンに出てくるわるい会社です。
ただ、勝手にあちこち設定改変してます。
エピローグは漫画版ナウシカっぽくしました。
エンディング候補が、いろいろあったので全部かいちゃえ!ってノリで。

それと気を害した方がいたらしく、申し訳ない。
眞一郎は比呂美と対比させたかっただけで悪意はないっす。
朋与はやはり、朋与男さんへのオマージュというかなんというか・・・
乃絵もプレデターに関わった以上、富山にはいられないなと思ったので、
その後の富山を伝える橋渡しとして助かりました。
本編に出すと悲惨な目に遭わせたくなるので、出さないでよかった(しみじみ)。

     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   ||  このAA使うのも久しぶりだなぁ
   用ノ哭ヾ二=G    <いつも槍の先端がズレるんだけどね
   〈_〉〉=={   ||      じゃあ長い間お世話になりました
   {{{.《_甘.》   ||      サヨナラ サヨナラ サヨ ナラ カルル・・・
    {_} {_}   ||
   ム' ム
285名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 08:15:35 ID:DHVDsuph

終わってくれてよかった
続きとか『2』とかが投下される心配がなくなったという意味で
286名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 12:25:14 ID:Tm3QEerq
>>285
同意せざるを得ない。
287名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 17:00:42 ID:zTZcDUFW
>>284
おつおつ
ちょwwwママンwww

斬新な切り口での次回作?も期待してる
288名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 18:27:37 ID:mbARLMtH
長かった
個人的にはほぼ流してたけど、最後の 「<いつも槍の先端がズレるんだけどね」はわろた
289朋与男:2008/04/07(月) 21:07:33 ID:10nWniUY
プレデターさん、本当に乙彼さまでした
4番を「純くん」と呼ぶ比呂美に胸を掻き毟られたり
ヘタレ街道まっしぐらな眞一郎に「おいっ!」とツっこんだりと、
目一杯楽しませて頂きました
小ネタも面白かったです 乃絵がバトーのごとく達観したりしてね
サヨナラなんて言わず、またあらぬ方向からボールを投げ込んで下さい
待ってますよ!
290名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 21:40:24 ID:x+n98ibf
朋与男さん続きまだなんスかwwwwww
もうずーっと待ってるっすwwwwウィースwwwww
291名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:34:16 ID:6VjvhJrD
プレデターは個人的に完全に出オチ作品だった。
最初にプレデター話に移行した時(1〜2話?)は、爆笑した記憶がある。
後の80余話は・・・。

まあ、それだけ書くだけでも大変だったでしょう。一応、乙。
292名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:37:08 ID:yV69Tody
あさみの人と遅筆の人はいなくなっちゃったんだろうか?
293名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:48:47 ID:740ayWtt
俺もいなくなったけど誰も探してないみたいだからこのまま消えますね(´・ω;;;
294名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:50:04 ID:JCew+bYz
>>293
おう、じゃあな!!
295名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:58:42 ID:PFOoX/1i
>>293
誰だかわかんないけど、続きかけよ!
296名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:01:45 ID:O4K2oG7Y
アパートでチュッチュの人も続編あるとか言ってたような…
楽しみにしてるんだけどな…
297名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:03:11 ID:PFOoX/1i
>>296
あれほんとよかった
本番の描写なかったのにかなり興奮した
まともな比呂美メインのヤツだったら俺はいくらでも絶賛するんだけどな
298名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:28:13 ID:71H1j0Q2
こういうの書かなくなって久しいけど、数年ぶりに書きたくなってきた。
らぶらぶえっちしか書けないのがむしろこれには向いてそうで…。
299名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:46:29 ID:740ayWtt
>>294
(´・ω;;;;;;;

>>295
(`・ω・´)
300名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:55:23 ID:PFOoX/1i
>>298>>299
かけかけ。どんどん書け
301名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:20:06 ID:X2+arK5p
>>296
Sな比呂美もいいよね!
302名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 03:11:04 ID:+2arpfON
保管庫であらためて愛ちゃんSSを読み直したがやはりいい
黒愛ちゃんたまらんな
愛ちゃん×眞一郎はいい
303名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 15:09:24 ID:HEq1YB7+
でも、乃絵と愛ちゃんは閲覧数低いよなー
いいSSが少ないってのもあるだろうけどね
エロ方面では人気ないんだろう
304ある日の比呂美 11:2008/04/08(火) 22:09:39 ID:lNeUYShD
アパートまでの道のりを、比呂美はひたすら走り続けた。
眞一郎の視線を感じると何故かもつれる自分の脚が、雪で覆われた悪路を難なく駆け抜ける。
……今、眞一郎は自分を見ていない……
全く転ばない事がその証明のように感じられて、比呂美の心に追い討ちを掛ける。
たどり着いた自室の前で、半分泣きそうになりながらポケットを漁る比呂美。
鍵を取り出してドアを開ける事すら、もどかしい。
部屋の中へと逃げ込んでブーツを脱ぎ捨てると、水道からコップに水を注ぎ、一気に飲み干す。
「…………ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……」
呼吸はなかなか整わず、精神と肉体の両方に、どんよりとした疲労感が広がっていく。
照明と暖房のスイッチはすぐそこにあるのに、手を伸ばす気にすらならない。
…………
…………
(……どうしよう……どうしたらいいの……)
突然、比呂美は人生の岐路に立たされてしまった。
眞一郎を許すのか、許さないのか。朋与との友人関係を続けるのか、続けないのか。
ふたりは比呂美にとって、今の生活の『核』と言っていい。
眞一郎との絶縁は、すなわち仲上家との繋がりを断ち切る事と同義である。
おじさんやおばさんが気を遣ってくれても、やはり自分の足は、あの場所から遠退くだろう。
同じ様に朋与を切り捨てるということは、学校生活での居場所を、ほとんど失う事に他ならない。
部にだって居ずらいし、あさみや真由、美紀子に対する人望も……きっと朋与の方が厚い。
……そして……それよりも重要なのは……
(眞一郎くんと別れたら……私、生きていけない……)
眞一郎との未来を奪われる……それは比呂美にしてみれば「死ね」と言われるに等しい。
そう遠くない将来に眞一郎の妻となり、仲上の家に帰る…… それは比呂美にとって予定ではなく決定事項だった。
…………
(……だから……か……)
比呂美は、朋与の嘘を薄々見抜いていながら、わざと無視してきた自分自身に今更ながら気がついた。
こうなる事が分かっていたから、自分は知りたくなかったんだ。
眞一郎と一線を越えることを躊躇ったのも、『して』しまえば、きっと朋与との事を確信してしまうから……
……だが……もう比呂美は知ってしまった。
(知らないふりをしていればよかった……気づかないふりをしていれば……)
あの時、体育館で朋与を捜さなければ…… 『おばさん』の話を聞かなければ……
眞一郎が帰ってくるまで待っていれば…… ふたりを見つけたとき、笑って「お帰り」と言っていれば……
きっと、今までと同じ日々が続いていったはずなのに……
…………
(……どうして……私……こうなの?……)
両脚から筋力が失せ、比呂美の身体は完全に床へとへたり込んでしまう。
冬の冷気で氷の様に凍結した床が、比呂美の内腿から熱を吸い取り、その心までも凍えさせる。
……もう……消えてしまいたい…… そんな風に比呂美が思いはじめた時……

    コン、コン

ドアがノックされる。チャイムではなく、二度のノック……それは比呂美と眞一郎が二人で決めた、来訪の合図だった。
「比呂美……いるのか?……いるんだろ?」
「!!」
眞一郎が来た…… 眞一郎が自分を追ってきた……
反射的に立ち上がり、レバーハンドルに手を掛けようとする比呂美。
……だが……
(……何を話すの……何を……)
眞一郎の話……それは決して愉快な内容ではないだろう。言い訳……弁解……いや、それならまだいい。
比呂美の想像の針はマイナスの方向に大きく振れ、身体の動きを止めてしまった。
305ある日の比呂美 12:2008/04/08(火) 22:11:07 ID:lNeUYShD
「ただいま」
玄関を開けた朋与が最初に目にしたのは、鬼の形相で仁王立ちしている母の姿だった。
当然である。何の連絡もせずに夜遅く帰宅した上に、朋与の格好は見るも無残なものだった。
制服とコートを泥で汚し、両手には薄汚れた紙袋と猫缶を入れたビニールを下げている。
そんな娘を見て、母の怒りが活火山の如く噴火するのに、さして時間は掛からなかった。
「な・に・を・し・て・い・た・のっ!!」
懇々と説教を垂れる母を適当な嘘でやり過ごし、
台所で愛猫ボーへ高級猫缶を振舞ってから、自分の部屋へ逃げ込む朋与。
テーブルに汚れた紙袋を置き、手早く服を着替える。制服は予備があるので、明日の心配はしていなかった。
軽い頬の痛みに気づき、鏡に顔を映してみる。
比呂美に平手打ちを喰らったところが、少し腫れていた。
「…………」
あんな事があったというのに、朋与の心は落ち着いている。
眞一郎が身体を抱きしめ、愚図りが納まるまで一緒にいてくれたお陰で、心身の回復は早かったのだ。
眞一郎の手が背中をさすってくれている間、朋与は泣きながら一年前の『喧嘩』のことを話した。
知るはずのない事を、比呂美が知っていた理由……
比呂美の本心を暴き立てるため、眞一郎との情事を『嘘』と偽って告白したことを……
(……信じていないと思ったのに……)
話を聞いた瞬間の比呂美は、朋与を殺しかねない激昂ぶりであった。
しかし時間が経って冷静になると、それは『ありえない可能性』として彼女の中で切り捨てられたはず……
そう朋与は思っていた。
あの頃の朋与と眞一郎には、『比呂美を通しての知り合い』以上の関係はなかったのだから……
(私の失敗だ……)
正直に言って、比呂美がこれ程までに自分と眞一郎の接近に神経を尖らせているとは思っていなかった。
買い物くらい許される……そんな甘い考えが、このような事態を招いてしまったのだ。
朋与には、眞一郎と比呂美の仲を邪魔するつもりは毛頭ない。ふたりには幸せになって欲しいと本心から願っている。
(なのに……私は……)
胸の奥が、何かに締め付けられる。
それは眞一郎への消せない想いなのか、比呂美への懺悔の気持ちなのか、朋与には分からなかった。
…………
(大丈夫かな……眞一郎……)
眞一郎は朋与が泣き止んだ後、泥まみれになったプレゼントを自分に預けて、比呂美の部屋へ向かった。
話せば分かる……などとは朋与も眞一郎も思っていない。でも……やはり話さなければならない。
…………
《送ってやれなくてゴメン》
それだけ言って、眞一郎は比呂美の去った方向へと駆け出していった。
……その後ろ姿が……朋与の脳裏に強い印象として残っている……
…………
…………
今、自分に出来る事をしよう…… そう無理矢理に気持ちを切り替える朋与。
目の前にある泥に汚れた紙袋から、中身を取り出す。
やはり袋と包装紙は、もう使い物になりそうもなかった。
包装紙を剥がし、内箱を確認する。
ビニールコートされた紙だったおかげで、汚れは内部にまでは及んでいなかった。
(うん、なんとかなりそう)
……眞一郎の大切なお金で買ったプレゼント……無駄にはさせない…… 必ず……必ず比呂美の元へ届ける……
改めてそう思った朋与は、代わりの包装紙を探すために、部屋を出て階下へと降りていった。
306ある日の比呂美 13:2008/04/08(火) 22:12:28 ID:lNeUYShD
「話すことない……帰って」
扉の向こうに立つ眞一郎が息を呑む気配。
追い返さなければ……そう比呂美は思った。
眞一郎がもし……もし自分の考えている最悪の言葉を口走ったら……
(いや……聞きたくない!!)
キッチンシンクにもたれながら目を閉じ、「帰って」と念じる比呂美。
……しかし……
「話を聞いてくれるまで……帰らない」
眞一郎も引く気は無いらしい。春が近いとはいえ、屋外でじっとしていられる気温ではないのに……
「す、好きにすれば!……部屋には入れないから!」
わざと大きな音をたてて鍵を掛けると、比呂美は部屋の奥へ引っ込み、照明とエアコンのスイッチを入れた。
マフラーと上着をハンガーに掛けてから座椅子へと腰を下ろし、眞一郎が去るのを黙って待つ。
…………
…………
居る……眞一郎はまだそこに居る…… ドアを隔てていても、比呂美にはそれが分かった。
(……眞一郎くん……きっと寒い……)
冷気に晒されて凍える眞一郎の姿が、はっきりとした映像となって脳裏に浮かび、消えない。
「…………… !!」
我慢の限界はすぐにやってきた。居ても立ってもいられず、比呂美は玄関に駆け出してドアを開ける。
「! ……比呂美……」
吐き出した白い息を口元に纏わり付かせ、小刻みに身体を震わせながら立ち尽くす眞一郎……
そのコートの袖を掴み、無言で中に引き入れる。
比呂美は突き飛ばすように眞一郎を部屋の奥へと追いやると、
眞一郎の体を温める飲み物を用意する為にお湯を沸かしはじめた。
…………
五分後、コートを脱いで自分の定位置に座っている眞一郎の前に、インスタントの紅茶が差し出される。
「……飲んで……」
聞き取れるギリギリの大きさの声で、そう呟く比呂美に促され、無言のままカップを口にする眞一郎。
二人は視線を絡めずに、相手の様子を探った。しかし、どちらも話を切り出すきっかけが掴めない。
気まずい沈黙が、二人の間に停滞した。
口を噤んでいても埒が明かない…… そう思った眞一郎が意を決し、重々しく喋り始める。
「言い訳……するつもりはないよ…」
普段より低く響く眞一郎の声に、比呂美の上半身がピクリと反応する。
(…………それって……どういう意味?)
眞一郎の言葉に裏は無い。そのままの意味……過去に朋与を抱いた……その事実を認めてるだけだ。
だが、朋与に『負けている』という思い込みに取り付かれた比呂美には、そうは聞こえない。
その思考は眞一郎の真意を飛び越え、論理が飛躍を始める。
話の中で眞一郎が『朋与』と親しげに名を呼び捨てている事も、比呂美のマイナス思考に拍車を掛けた。
(やっぱり朋与と続いてる……朋与に……眞一郎くんを…………盗られちゃう……)
眞一郎が『あの日』のことを懸命に話しているが、その内容は比呂美の心には全く届かない。
疑惑と憶測が脳内を飛び交い、眞一郎の発する単語の一つ一つの意味を曲解していく。
今、比呂美の頭を占めているのは「盗られる」という強迫観念のみだった。
「比呂美……俺、朋与と……」
朋与とはちゃんとしてる。ほんの一瞬だけど、ちゃんと恋愛して……そして、ちゃんと終わってる……
そう言いかけた時、比呂美が突然身を乗り出すと、両腕を眞一郎の肩に伸ばし、そのまま床へと押し倒した。
「っっ!……痛ッ!!」
予想もしていなかった比呂美の行動に眞一郎は対応できず、背中と後頭部をフローリングに打ち付けてしまう。
そのまま全体重を掛けて、両肩を押さえ付けてくる比呂美。
その光を失った瞳を見て眞一郎は、自分の気持ちが比呂美に全く伝わっていないことを悟った。
そして眞一郎の耳朶を、比呂美の震える声が鞭打つ。

「…………して…………私にも……」
307ある日の比呂美 14:2008/04/08(火) 22:14:10 ID:lNeUYShD
「比呂…むぐっ!!!」
肉食獣が獲物に噛み付くようにして、眞一郎の唇を塞ぐ比呂美。
それは何度も交わした、恋心を伝える甘いキスではない。
清楚で控えめな普段の比呂美からは想像もできない……獣のような口づけ。
眞一郎の体は麻酔を打たれたように、完全に動きを封じられてしまった。
長い吸引の後に唇を外すと、比呂美は眞一郎の鎖骨のあたりに額を擦りつけながら、消えそうな声で何度も懇願する。
「……して…………私にも……して…………」
朋与に負けたくない…… 朋与に渡したくない……
そんな焦りが、比呂美を『らしくない』行動に奔らせているのが、眞一郎にはすぐに分かった。
こんな形で結ばれる訳にはいかない。比呂美をこんな気持ちで抱くことは許されない。
…………だが…………
胸元に掛かる吐息…… 頬に感じる栗色の髪の艶…… 腹筋のあたりに押し付けられる二つの膨らみ……
接触してくる比呂美の存在そのものが、眞一郎の理性を破壊し、粉々に打ち砕いてしまう。
(比呂美が……比呂美が求めてる…………比呂美を…比呂美を……抱ける!!!)
『して』しまえばいい。身体を繋げてしまえば、誤解だってすぐに解ける。
身勝手な理屈を頭の中で構築した眞一郎は、身体を捻って体勢を入れ替え、圧し掛かっていた比呂美を逆に組み敷く。
艶やかな長髪が放射状に床に広がり、ほのかな香りを放って眞一郎の鼻腔をくすぐる。
比呂美は四肢を投げ出して全身の力を抜くと、桃色に染まった顔を背けて目を閉じた。
眞一郎の指が、比呂美の青いシャツのボタンに掛かり、それを上から一つ一つ外していく。
すぐに露になる比呂美の素肌…… そして眞一郎の眼前に、純白のブラに包まれた比呂美の乳房が現れる。
抱きしめた時に何度も味わった、あの柔らかさの源…… 比呂美の『女』を象徴する部分……
(……朋与より……大きい……)
ふと頭に浮かんだ考えを、眞一郎は慌てて打ち消す。
……何て事を考えるんだ……そんな……二人を侮辱するような事を…………
比呂美を抱けるのに…… ようやく……比呂美を…………
吸い寄せられるように比呂美の乳房へと伸ばされる眞一郎の指。
それは表面に触れると同時に、グッと強い力を込めて、比呂美の乳房の形を変えた。
「痛ッ!!」
突如加えられた痛撃に、比呂美の顔が苦悶に歪む。そして、それを見た眞一郎の顔は困惑で曇った。
(朋与は……朋与はこれで……悦んでくれたのに……)
またしても脳裏に浮かんでは消える『朋与』の存在。眞一郎の体と心がジワジワと凝固していく。
「……眞一郎……くん?」
眞一郎の異常に気づき、掛けられる比呂美の声。それは確かに比呂美の物なのに、眞一郎の耳には別人の声として響いた。

    《してあげる。仲上くんのして欲しい事、全部してあげる》
        《好きよ……眞一郎……大好き……》
    《うっ……はぁ、はぁ……き、気持ちいいっ……眞一郎ぉ……》
        《出してっ眞一郎!……私の中に……精子……いっぱい出してぇぇっ!!》

消えない……朋与が自分の中から消えない…… 比呂美に近づけば近づくほど、朋与の思い出が湧き出してくる。
普段と違ったあの優しい声…… 甘い香り…… 張りのある柔らかな肌…… 
その全てが、比呂美の痴態を触媒にして、鮮明に眞一郎の脳裏に蘇ってくる。
(…………朋…与……)
自身の内側に『黒部朋与』が厳然と存在していることに、眞一郎は気づいてしまった。
そしてそれは、触れ合った肌を通じて比呂美にも伝わっていく……
「……!!」
眞一郎が我に返った時には、もう遅かった。
比呂美は胸にあてられた眞一郎の手を払い除けると、覆い被さる身体から擦り抜けるように身を起こす。
シャツの前を両手で閉じ合わせ、曝け出した胸を隠してから、吐き出す様に比呂美は言った。
「…………帰って……」
今まで浴びた、どんな罵声よりも強烈で鋭いその一言が、眞一郎の心を刺し貫く。
背を向けて声を殺し、全身を震わせながら嗚咽をはじめる比呂美。
眞一郎は怯える小鳥のような比呂美の様子を正視する事が出来ず、コートを掴むと逃げるように部屋を飛び出していった。
308ある日の比呂美 15:2008/04/08(火) 22:16:25 ID:lNeUYShD
箱の角に合わせて包装紙に折り目をつけ、慎重にテープで止めつつ、四方からくるむ。
「ん〜ん、もう何でぇー?」
ネットで検索したやり方をそのまま真似ているのに、何度やってもシワが出来てしまう。
朋与は元々手先が不器用なので、『包装』などという細かい作業が大の苦手だった。
「え〜い、もう止めた!」
バッシュのラッピングは、別の方法を考えよう。調べれば何か簡単で見栄えが良いやり方があるはずだ。
そう思い直した朋与は、包装紙をグシャグシャに丸めると、ゴミ箱に放り込んだ。
身体を投げ出すようにしてベッドへ寝転がると、枕元に置いてある携帯が目に留まる。
(……連絡は……してこないよね)
眞一郎は比呂美に会えただろうか?比呂美は話を聞いてくれただろうか?
気になって仕方が無い。……だがこちらから電話することは、やはり躊躇われる。
悶々とした気分で携帯を睨んでいると、突然ランプが点滅を始め、枕に振動が伝わってきた。
(!! 眞一郎!)
液晶画面に表示される相手の名前を確認すると、素早く通話ボタンを押し、一呼吸おいてから話しはじめる。
「…………もしもし……仲上くん?」
眞一郎……とは呼ばなかった。自分はまだ、彼ほどには気持ちを割り切れてはいないから……
《…………朋与…………》
「うん…………比呂美と……ちゃんと話せた?」
すぐに返事が返ってこない。……眞一郎の様子がおかしい事に、朋与はすぐ気がついた。
上手く話せなかったのだろうか、と心配になる。
そんな朋与の心情をよそに、眞一郎は朋与の心の中を激しく掻き乱す、不用意な一言を突然口にした。
《……俺……やっぱりお前の事、忘れられない》
「…え……」
意味が分からない。なんで……なんで……そんな展開に……なんでそんな話が出てくるのか。
「な…なに言ってんの。そんな訳ないでしょ」
眞一郎が好きなのは比呂美。『仲上眞一郎』の一番は『湯浅比呂美』に決まっている。
内心の動揺を抑えながら、通話口に向けて何度もそう繰り返す朋与に、眞一郎は生気の抜けた声で切り返す。
《…………分かったんだよ……俺は……本当は比呂美より……》
眞一郎の口から漏れ出す甘美な言葉。心臓がバクバクと鼓動を早め、朋与の全身がカッと熱くなる。
(ダメだ!その先を聞いちゃいけない!!)
駆逐されかかった理性と比呂美への友情が警報を発し、朋与を激発させる。
「ふ、ふざけんなっ!!……私は……私はもうアンタの事なんか、何とも想ってないっ!!!」
そう眞一郎を怒鳴りつけると、通話ボタンを切って携帯を乱暴に投げ捨てる朋与。
激しい運動をしたわけでもないのに、呼吸が乱れ動悸が治まらない。
(…………眞一郎が比呂美より私を……そんなはず……そんなはずない……)
あの後、きっと『何か』があったのだ。眞一郎を狂わせる『何か』が。
それで眞一郎は血迷っている。
そしてまた、あの時のように二人の気持ちがすれ違ってしまった。すれ違ってしまったんだ。
…………
……でも……もしも…………眞一郎が言ったことが、彼の本心だとしたら……
…………
失った恋を取り戻せるかもしれない……そんな淡い期待が朋与の心を捉え始める。
比呂美から……眞一郎を……奪い取れるかもしれない…… 眞一郎の全てを……
…………
(何を考えてるの…… そんなのダメに決まってる!!)
動き始めた状況から逃亡するように、ベッドの中へと潜り込む朋与。
だが、その体内では『希望』という一滴の栄養を与えられた朋与の想いが、激しく膨張を始めていた。
厳重に鍵を掛け、鎖でがんじがらめにしてきた『想い』が、その全てを引き千切って大きく膨らみ始める。
(……嫌っ!出てきちゃダメっ!!……出てこないでッッ!!!)
朋与は眞一郎への想いを封じ込めようと心の中で絶叫する。
だが、溢れ出る気持ちを制御する事など、出来るはずもない。
……眞一郎なんか好きじゃない…… ……眞一郎なんか好きじゃない……
朋与は呪文の様にその言葉を唱え続けて眠りが訪れるのを待ったが、
その夜、彼女の元に睡魔がやってくる事は、遂に無かった。
309名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:16:45 ID:azZakGI3
保守
310朋与男:2008/04/08(火) 22:21:43 ID:lNeUYShD
忘れられるのも寂しいので、
少しだけ投下させていただきます
当分エロくはなりませんので、
「邪魔だな〜」と思われた方はNG指定なさってください
311名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:22:25 ID:HEq1YB7+
うあああああああああああああああああああああああああああああ
しんいちろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
てんめええええええええええええええええええええええええええええええええええ
ひろみをすてたらまじでゆるさねええええええええええええええええええええええええ
312名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:24:56 ID:WHh6F7Sn
比呂美がまた苦しんで泣いている
313名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:25:03 ID:qvCdFnH3
後ほど比呂美×眞一郎のらぶらぶせっくす貼ります
急いだほうがいい?
314名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:27:12 ID:EQ0hiX+j
>>308
うわああああああああああああああああああああああ
また眞一郎が7話の逃げ告白モード入ってるよ…。
315名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:33:46 ID:HEq1YB7+
リアルタイム投下だったから落ち着きを失っていた
「全然涙拭えてねえじゃん」とか思っちまった

>>310
とりあえず乙です!ぐいぐい引き込まれますねー
続き楽しみにしてますよ

>>313
急がなくてもいいから、しっかりしたのを頼むw
316名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:36:25 ID:TC6p1Bvc
>>310
先が気になりすぎるぜ!!
エロとか関係なく気になる!!!
317名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:39:00 ID:qvCdFnH3
>>315
OK。上手く書けたら貼ることにしよう…
318名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:41:39 ID:TC6p1Bvc
>>317
俺も期待してる
3割増しくらいで頼む・・
319名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:49:44 ID:J6rzqBDD
>>310
乙!乙!乙!

たのむ!最後までたのむ!

これで続きは忙しいのでかけましぇんは許さん!





お願いします。
320名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:23:38 ID:t08egDL3
>>310
朋代男さんのSSなら、別にエロくなくとも何の問題もありません。じゃんじゃん書いちゃってください。
321名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:23:52 ID:Af1FUxCq
>>310
さすが朋世男、読ませるねぇ
アー欝だ詩嚢
322名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:31:04 ID:tLzxljD9
眞一朗の糞さにはヘドが出るわい・・・
323名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 13:12:26 ID:IF8y1vqV
う〜本編より俺の胃にダメージを与える
>>ある日の比呂美って何なんだ〜

朋代男さん責任とって続きもよろしくたのんます。
324名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:10:46 ID:4B5m/VgW
>>310
すげー続きが気になる〜。
ただ一点疑問が。男は眼で(見て)女を犯すから比呂美捨てて朋与に走るのはありえん。
比呂美を抱いてみたら「ガバガバ」or「体の相性が最悪」でもない限りすぐには別れないんじゃ?
325朋与男:2008/04/09(水) 21:21:40 ID:wbX4BuuK
あわわ…… スレの反応が大変なことに……
比呂美の行く末を案じて下さる皆様に、一言申し上げたい

「落ち着け、そんな訳ないだろ」

先に番外編でエロエロラブラブにしておいたので、大丈夫だろうと思っていたのですが…
胃を痛めてしまった方には、心よりお詫び申し上げます
最後は間違いなく「比呂美」ですから、どうぞご安心ください
326名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:42:19 ID:xRLllR3u
そんだけ読ませる魅力があるってことだな
先に番外編読んでて解ってるけど、12話後のごとく
もしかしたら・・もしかしたら・・と言う考えがよぎる・・

しかし、ここからどうしてくるのかをめっさwktkして待ってますわ
327名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:10:04 ID:cgDqr7wx
>>325はきっと釣り
安心させてガクッと落とす作戦
328名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:45:53 ID:bxg9xT5u
>>304-308
いいね。乙です。
329名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:11:00 ID:K56++e9h
>>313マダー?
330"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:01:01 ID:R3xLZYJd
某キャラスレで書いている話のサービスシーンです。
比呂美と眞一郎がアパートで"少しだけ"します。
話が突然始まりますが、ご容赦を。しかも短くて申し訳ない…
あと、サービスシーンなので、比呂美にエロエロ補正をかけました。
あっさり加減です。
331"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:01:23 ID:R3xLZYJd
「比呂美」
手が腰に回り、体ごと引き寄せる。
「眞一郎くん…」
二人はバスタオル一枚だけ身に着けていた。
「まだ…明るいね?」
比呂美の部屋は角部屋だ、陽の光がカーテン越しに全体を明るくしている。
「あぁ、そうだな…」
「すごく、恥ずかしいなぁ…」
「比呂美の顔がよく見えるから、俺は嬉しいけど、な?」
体を密着させた。
「眞一郎くん♪、ん…んん…ちゅ…ちゅぱ…んく…、
 あっ!? ちょっ! 待って!…上で……あん………ぃゃ…」
比呂美からキスしてきた。眞一郎の手が乳房に伸び、バスタオルの上から揉み始める。
「我慢できない」
一度"おあずけ"されていたことで、興奮のあまり既にペニスは完全勃起状態。
我慢など考えられなかった。
「うん、いいよ…………んっ!…ああん…」
興奮しているのは同じなので、OKしてしまう比呂美。
乳房を少し強めに揉むとバスタオルがずれた。
「あっ……んっ…ああ…乳首…んあぁ…いいかもぉ…」
はらりとバスタオルが落ち、乳首が手の平に擦れて、快感が広がる。
「はぁ…はぁ…、ダメだ…我慢できない…、いいか?」
乳首をくにくにと弄ぶと、比呂美の上半身がひくひくと反応する、興奮がさらに高まった。
「んっ……うん…んん…んっ…んっ!」
「はぁはぁ…、付けるから、ちょっと待って」
用意しておいたコンドームを取り出す。
手近にあったクッションに腰に巻いていたバスタオルをかけ、座った。
「あ…、付けるとこ…見ていい?」
興味深々といった感じで股間を覗き込んでくる。
「あのなぁ…」
ペニスにコンドームが装着された。
眞一郎からは見えないが、比呂美の瞳に淫蕩な光が帯びていく。
332"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:01:45 ID:R3xLZYJd
「おいで」
胡坐の姿勢で引き寄せた。
「えっ!? こんな格好でする…の?」
逆らえずに眞一郎を跨ぎ、そのまま向き合った。
「うん、いいだろ? 我慢できないんだ」
さらに腰を引き寄せ、ペニスの裏側を性器に触れさせた。
「あっ…熱いのが…当たって……んんっ…んっ…ああん…ああっ…」
腰を動かして擦り付けると、喘ぎ声が漏れ始める。
「比呂美、お前…」
「あっ…見ないで…、ん…ちゅ…ちゅ…」
頭を抱え込む様にして、愛液で濡れている性器をキスで誤魔化す。
「んく…ちゅぱっ…、比呂美…もう入れたい…」
腰を抱え上げて、挿入の体勢を作る。
「えっ!? 本当にこのまま…するの…?」
羞恥と興奮で頬を染めながら、少しだけ逆らう素振りを見せるが、為すがままだ。
「うん…、早く…比呂美…」
目の前には綺麗な乳房があるが、顔を見上げて、じっと目を見る。
「眞一郎くん…」
いつもと違い見下ろす位置関係になる。
そのまま見つめあっていると、比呂美の心が言葉にならない愛おしさに満たされた。
(あぁ…)
胸が苦しい、心臓がどきどきする、繋がりたい、もっと深く、もっと、もっと深く。
「大好き…」
比呂美の体が少しずつ下がっていく。ペニスが性器に触れた。
「あぁ…熱い…、くぅ…ん…ん…んんっ!」
ずぶずぶとペニスが膣を押し広げて、中に入っていく。
「比呂美……好きだよ」
「眞一郎く………んっ!…」
遂にペニスが全て収まった。先端が子宮の入り口に到達した。
「あっ!……お…奥に…奥まで………熱い…んあぁ…あっ!…えっ!?」
体を密着させた時、陰毛に擦れ、包皮越しにクリトリスへ強い快感が走った。
「比呂美、動いて…いいか?」
力いっぱい抱き付かれているので顔は見えない。耳元で囁いた。
333"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:02:08 ID:R3xLZYJd
「えっ?…う…うん…して…、あっ…あっ…ああっ…ああっ!…」
眞一郎が動き始めると、比呂美の全身が桜色に染まり、汗がじわっと滲む。
「あっ…あっ…んあっ!…はぁっ!…あっ…んっ…あっ…くっ!…くあっ!」
ペニスが膣の中を往復すると、少しだけ体が離れ、乳首が擦れた。
「んんっ!…ひぃ…ひぃ…あっ…あっ…んん…くぅぅっ!…くぁっ!…ああっ!」
何度か往復すると、たまに眞一郎の陰毛にクリトリスが擦り付けられ、強烈な快感が走る。
その度に腰が砕けそうになるが、必死に腕に力を入れてしがみつく。
「あっ…ああっ…んあっ!…くひぃ…んん…はぁっ…あっ…あっ…あっ!…」
比呂美に余裕が無くなっていく、乳首、クリトリス、膣、子宮から快感が全身に広がる。
「おっ…おねっ…がいっ!…あっ…ちょっ…ああっ!…とっ…とめてっ!…」
あまりに気持ちよすぎて、自分の体がどうにかなりそうだった。
「ごっ…ごめんっ…、止まらっ…ない…」
眞一郎にも余裕はなかった、射精への欲求が体を動かす。
「そっ…そんなぁ…ああっ!…あっ!…だっ!…だめっ!…ああっ!…あっ!」
絶頂が近いことを悟り、快感を堪えようとするが、とても無理だった。
「あっ!…来ちゃう!…んあぁ…あっ!…くぅっ!…くっ!…はぁっ!…」
「比呂美!…比呂美!…で…出るぞっ!」
「きっ…きてっ!…」
眞一郎がぐっと腰を押し付けて、射精する。
「くっ!」
「ああっ!…あああっ!…んああああっ!…くあぁ…あぁ…ひっ!…」
精液がコンドーム越しに子宮へ熱を伝えた時、同時に比呂美が絶頂した。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「はっ…ひっ…はっ…ひっ……」
比呂美も眞一郎の呼吸に合わせるかのように、息を整える。
「はぁ…ごめん、ちょっと、やりすぎた?」
「はっ…ん…ん…、う…ううん…気持ち…よかった…よ…ん…んっ…」
「比呂美、キスしようか?」
「うん…、ちゅ…ん…くちゅ…ちゅ…ん…んく…」
二人は深く繋がったまま、長い、深いキスをした。
334名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 02:02:28 ID:R3xLZYJd
後始末してから少し休んでいると、比呂美が話しかけてきた。
「ねぇ…、眞一郎くん」
後ろからだっこされている状態だったが、体をずらして顔を見た。
「何? 俺はもっとしたいけど?」
「そうじゃなくて! さっき、私の顔、ずっと見てたでしょ!?」
火照ったままの体を押し付けるようにして、ちょっと抗議してみる。
「あ、分かった? すごく可愛かったぞ?」
「え? あ…あの……えと…、ほんと?」
手に力を込めて、胸を押し付ける。
「興奮した」
胸を優しく揉んでいる。
「う、うん…んっ…、でも、恥ずかしいんだけど…あっ…」
「エッチな顔だったけど、可愛かった」
「よ…喜べない…あっ!…かも…ん…ん…」
「やっぱ、比呂美はいろんな顔するよな?」
「色んな顔?…んぁ…あん…んん…」
眞一郎は会話したいので、乳首への愛撫はしていないようだ。
「そう、笑ったり、拗ねたり、怒ったり、エッチな顔したり…」
「ああん…もう…あっ…そんなの…んあぁ…」
乳房への愛撫で、比呂美の腰が動いている。
「笑った顔も好きだけど、全部、好きだよ」
「……あっ…あっ…んあっ…んあぁ…あん…」
眞一郎の顔を見つめたまま、愛撫へ身を委ねた。腰を動かし、胸を突き出す。
「比呂美?」
「……んっ…んっ…ん…ん…ちゅ…くちゅ…ちゅ…ちゅぱ…んくっ…」
何も言わずに、いきなり眞一郎の頭を抱え込んでキスを始めた。
「ちゅぱっ…、あっ…ちょっと…待って?…ね?」
優しく腕をどけて、胸への愛撫を止めてもらった。
「比呂美? どうした?」
「……眞一郎くんが悪いんだからね?」
少し拗ねたような、怒ったような口調だ。
「え?」
比呂美は立ち上がり、ロフトへ上がる為に梯子に足をかけた、全裸のままで。
「きて、眞一郎くん」
カーテン越しの陽の光に照らされた比呂美の肢体は、とても美しい。
「ちょ! お前! 見えてるって!」
性器が丸見えなのにも関わらず、とんとんと梯子を上がった。
「お願ぁい…きてぇ♪ 眞一郎くぅん♪」
姿は見えないが、明らかに誘う声で眞一郎を呼ぶ。
「分かったけど…。比呂美、どうしたんだよ?」
眞一郎がロフトへ上がった。
335"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:02:49 ID:R3xLZYJd
「比呂美…、どうしたんだよ?」
「寝て♪ 眞一郎くん♪」
比呂美は正座していた。
「え?」
「いいから、ほら…」
優しく眞一郎を寝かしつけ、その上に四つん這いで覆いかぶさった。
「比呂美?」
「眞一郎くんが悪いんだからね? 私、すごくエッチな気分になった」
「すごく?」
「うん…体が熱いの…、特に…ここが…」
そう言ってから、眞一郎の右手を自ら性器に導いた。
「え…お前……すごい、濡れてるぞ?」
「うん、眞一郎くんが私を喜ばせるから、悪いんだよ? もっと…弄って?」
「…いいのか?」
「気持ちよくして」
思い切り甘えて、色っぽい声を出す。ついでに腰を淫らに動かした。
眞一郎が性器への愛撫を始めた。
「ああん………気持ちいい……もっと…して…ああん…んあぁ…」
「比呂美…エロイなぁ…」
「んあぁ……、眞一郎くんが………ああん…私を…エッチに………したの…」
見つめたまま股間への愛撫に身をまかせ、甘えた声を出し、体をくねらせる。
「あっ…んっ…、キス…………しても…いい?」
「俺もしたい」
「んっ…ん…ちゅ…くちゅ…くちゅ…んく…んく…、ちゅぱっ」
キスを自ら止めて、もう一度見つめる。
「大きく…なった?……んあ」
眞一郎の右手の愛撫は止まっていない。
「もう少し、かな?」
「私、がんばる…んっ………んっ…………ちゅ……」
比呂美は唇から始めて、キスする位置を下に向って変えていく。
股間への愛撫が止まらないように、眞一郎の右手を押さえながら。
「ちゅ………あん………ちゅ…………あふぅ………ちゅ…………ちゅ………」
「比呂美、ちょっと…」
「眞一郎くん…ああん!…、右手…止めないでね?…んあ…私を気持ちよくして?
 私も……気持ちよく…あっ!……してあげる…から…ね?…ああん…ああん…」
快感に腰を少しびくびくさせながら、ペニスを目の前にして、色っぽい声を出した。
「いいのか? 俺は嬉しいけど…」
「私…したい…、今…すごく…エッチだもん…ああん…んぁぁ…、するよ?」
「ああ」
比呂美が始めて、口でペニスへの愛撫を行い始めた。
「ちゅ…」
「おっ」
亀頭に軽くキスした瞬間、眞一郎が声を上げた。
336"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:03:09 ID:R3xLZYJd
「気持ち…いいの?」
「うん」
「続けるね? ちゅ……あん……ちゅっ…くぅ………ちゅ……ちゅ…ちゅ…ちゅ…」
比呂美は股間への愛撫を受けながら、ペニスへキスを繰り返す。完全に勃起した。
「もう、大丈夫だけど…」
「ちゅ…あん…もう少し…する…んあぁ……ちゅ…んっ…ちゅ…くちゅぅ…」
ペニス全体のあらゆる場所にキスをしている。
「比呂美、入れたい」
「待って………付けるから……あん…あっ…あっ…」
少し震える手でコンドームを取り出して、ペニスに装着した。
「んあぁ……私も…欲しい…、手、綺麗にするね?」
今度は眞一郎の右手を股間から自分の口元へ導く。
もう一度覆いかぶさり、性器でペニスを挟んだ。
「れろっ……れろっ…あっ!…ひぃ…んあぁ………れろっ…んあっ…れろっ…」
眞一郎の右手についた愛液を舐め取りながら、腰を動かしてペニスへの愛撫。
クリトリスと性器が擦れる快感に溺れ、淫らに体を動かす。
「比呂美…」
圧倒され、為すがままになっていた。
「眞一郎くぅん…、欲しい…入れたい…………あんっ…」
「比呂美…、入れてくれ…」
「ああん……………気持ちいい……来ちゃいそう………んあぁ」
色っぽい声に、淫らな艶が加わった。
「比呂美」
「うん、入れるね?……ん………熱い…」
ペニスを優しく手で包み、性器にあてがった。
「比呂美、好きだよ」
「眞一郎くん…大好き…んっ…んあぁ………ぁ…………ぁ…」
腰を沈める度にずぶ、にゅちゃといやらしい音を立てながらペニスが挿入されていく。
「あっ…………くぅぅ…」
全て膣にペニスが収まった時、きゅっと締め付けてから、眞一郎に抱きついた。
「ああぁ………すごい…気持ちいい…」
「俺も気持ち…いいぞ…」
「うん、動く………ね?…」
「俺が動こう…か?」
「いいの……私…したいの…………あっ……くあっ!…」
腰を少し上げて、落とした瞬間びくびくと腰が跳ねていた。
337"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:03:29 ID:R3xLZYJd
「比呂…美?」
「もう一度……………んくっ……………んあああっ!」
またもや腰を下ろした時に腰が痙攣し、膣を締め付けている。
「あっ………だめ……気持ちよすぎて………………動けない……んあぁ…」
自分で跨っておきながら、強烈な快感で体に力が入らないようだった。
「比呂美、俺が動くからな?」
膝を立てて、腰を使い始めた。
「あっ!………ああっ!………ひぃっ!………くっ!……ひぁぁっ…ひっ…
 んはぁぁっ……………あっ…あっ………んっ……んっ…んあぁぁ………
 いやぁ……気持ち………いいっ!……ああん………くっ…くっ…くぁっ!…」
下から突き上げられる比呂美の体は、力が入らないのか上半身は完全に
眞一郎の胸板に乗ったままだ。腕に支えられた腰が跳ねる度に乳首が擦れた。
「くぁっ!……ああっ!……ああっ!……来ちゃう!……あっ!…あっ!…
 あっ!………来ちゃう!………あああああっ!…………くぁっ!……あっ!…
 だっ…だめっ!…………止めてっ!………んあっ!…くぅぅ…」
あっという間に絶頂したのが分かり、眞一郎が腰を止めた。
「ああん………んあ……、すごい…敏感で…………気持ち…良すぎて………
 おか……おかしく…なっちゃう……、だから……ちょっとだけ……休ませっ!…
 ああん………だめっ!……あひぃっ!……あひぃっ!……あひぃっ!……」
少しだけ休んでから、眞一郎が腰の動きを再開した。
「俺っ…がまんできない!」
「くあっ!……はっ……激しっ………くっ…てっ………ああっ!…ああっ!…
 んあぁっ!……ああっ!…ああっ!…あああっ!」
「比呂美! 比呂美!」
「くぁっ!…あっ!……またっ!……来ちゃう!……あああっ!……あああっ!」
「出すぞっ!」
「あひっ!………ああっ!…ああっ!…ああぁあああっ!」
「くっ!」
「はぁっ!…くっ!…ああぁんあああああっ!」
強く下から突き上げらたたまま、射精した。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
二人の荒い息遣いが静かな部屋に響いた。
比呂美は眞一郎に覆いかぶさったまま、身動き一つ取れない。
338"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:03:49 ID:R3xLZYJd
      ・
      ・
      ・

「なぁ、比呂美ってば」
「…」
比呂美は真っ赤な顔を眞一郎の胸に埋めたまま、何も話さない。
「ひ〜ろ〜み〜ちゃ〜ん、ってば」
「ぅぅ…」
抱き締められたまま、うなっていた。
「なぁ、恥ずかしいのは分かるけどさぁ、顔、見せなよ?」
「ぃゃ」
小さい、本当に小さい声でイヤの一言。
後始末をして、我に返った途端、あまりの恥ずかしさから眞一郎の顔を見れなかった。
「こちょこちょするぞ?」
「だめ…」
少しだけ声が大きくなったが、まだ顔は上げない。
「すごくエッチな比呂美も可愛かったぞ?」
「うそだもん、そんなの…」
眞一郎にしがみつき、決して離そうとはしない。そうしたら、顔が見えるから。
「キスしたいな」
「したいけど、できない…」
「どうしてさ?」
「顔、見られるもん…」
「じゃあ、俺が目を瞑ればいいか?」
「…」
339"いくつかさせました"より前の話:2008/04/10(木) 02:04:11 ID:R3xLZYJd
「はい、瞑ったぞ。キス、しようぜ」
「…」
「ん〜」
「…」
ちらっと顔を見て、また胸に埋めた。
「ほらっ、ちゃんと瞑ってるって」
「う゛…」
「お前が手で俺の目を押さえれば、絶対大丈夫だぞ?」
「う゛…」
ぱっと両手で眞一郎の目塞ぎ、やっと比呂美が普通に話し出した。
「眞一郎くん…、今日のこと…、忘れてくれる?」
「どうして?」
「恥ずかしいのっ! すっごく!」
「比呂美は比呂美なのに?」
「それでもっ!」
「う〜ん」
「眞一郎くんっ!」
「分かった、分かった。忘れる」
「約束だよ!」
と言いつつ、二人は一糸纏わぬ姿。
「比呂美のことが好きだから、キスしたいな」
「うん、大好き、ちゅ…ちゅぱ……くちゅっ……ちゅ……んく…」
比呂美はキスに没頭して、先程の淫らな自分の姿を忘れようとする。
両手で塞いだ手はそのままだった。


「もう、あんなことにならないよな?」
「知らないっ! 眞一郎くんのバカ!」
その日、比呂美の機嫌が直るまでにかなり時間がかかった。
340名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 02:04:44 ID:R3xLZYJd
ちょっと強引な展開です。書いていると何故か比呂美がエロイ子になってしまう…。
もっと描写に工夫して、とは思いますが今回はコレで勘弁…

ある日の比呂美に期待! お待ちしてます!
341名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 03:16:49 ID:Lye9zqPp
エロカワイイ比呂美いいね
てか、このバカップルがwwwww

自ら跨って腰を振る比呂美エロス
342名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 03:28:29 ID:LTGX4aOP
エロすぎるって
行為の最中は夢中になって腰振ってるのに、
終わったら急に恥ずかしがるとかかわいすぎだろ…

なんとなくこの画像を連想して、これを脇に表示して抜いたわけだが
ttp://www.imgup.org/iup590590.jpg

しかし、コンドームつけるとみるってことは、今後つけてあげる機会があるってことなんだろうか
そういうシチュっていいよね
343名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 03:34:18 ID:LTGX4aOP
勘違いしてほしくないから書くけど、
エロ過ぎるってのはいい意味だぜ?もっとやれ
ていうかもっと雌犬っぽくなるべき
眞一郎くんの前ではドMいう…

ちょっと自重しようか
344名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 10:12:02 ID:fFfvAfnx
>>340
乙!いやーらぶいのはやはりいい
和姦にかぎるな
345名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 10:45:55 ID:EO4IvMnX
>>340
(*^ー゚)bグッジョブ!!
346名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 12:52:13 ID:q9Pw7Xca
>>325
朋与男さんの作風は好きだし、楽しみにしてるけど
眞一郎がTVアニメ本編から何も学んでいない、何も成長してないようなのはどうかと…。
これが11話あたりの設定ならすごくリアルなんだけど、12話以降だとTV本編での成長を
全否定してるように見えるなあ。
完全に平行世界だとしても、乃絵と別れるまでにかなり学んでるはずだし。
347名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:05:12 ID:Ksr6UYfJ
物分りの良い主人公じゃ問題が起きずに話が終わるだろ
二次創作に野暮なツッコミするのもどうかと
348名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:40:20 ID:q9Pw7Xca
何らかの事情とかすれ違いその他で朋与の所に走って大問題になる展開その物はすごく
面白いんだけど、そのための理由づけで眞一郎のキャラが壊れちゃってるかな
と感じただけです。
おぎゃあ以降(もしくは乃絵振って以降)は成長著しいから、別の理由や過程で朋与の
所に走るんじゃないかなと。
二次創作に野暮なツッコミするのもというのには同意。すみません。
349名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 17:07:00 ID:dB19oIX8
横レスだけど、読んで面白い作品は面白い、つまらない作品はつまらないって言うのも
作者への礼儀かなと思ったりしてる。
設定への多少のツッコミは許されるべきじゃねえかと。あくまで参考意見として。
350名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:39:04 ID:bTc2ougr
351名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 19:11:27 ID:x4PewbFW
>>346
俺は違和感感じなかったけれどね。
「ある日の朋代」での一件が、各人の思考と行動とを束縛・誘導した結果、
「ある日の比呂美」の事件をひきおこしたということで納得できている。
352名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 19:17:20 ID:PwDSlegB
>350
頑張ったとは思うが、乳首は真っ直ぐ前を向いてないw
353名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 20:38:46 ID:oY2VgMVj
>>351
それに「ある日の比呂美」は一ヶ月前の
10話放送前から書き始めてるからね。俺も違和感ないな
354名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 20:43:57 ID:att0PPui
>>349に同意

良い悪い好き嫌いってのはおいといて、(二次創作に)多少の設定改変はよくある事。
そういうもんだと割り切って見るしかない、と同時に、読んで何か感じる事があったら、
遠慮せずあれこれ言うのも、作者への一つの礼だと思う。それが賛辞でなくとも。
355名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:22:21 ID:bTc2ougr
>>352
詳しいな…さてはおぬし、乳首マスターか!?
356名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 00:11:21 ID:ahHeVZDF
人体デッサンの本みりゃわかる話だ
357名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 14:39:20 ID:jLTV2oL+
眞一郎がこれ以上フラフラしていたら、ヘタレ主人公皇帝位・鳴海孝之を見てるようでヒロインが不憫なんだろう。







誠と同じとまではまだいわんが
358名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:03:42 ID:bC6ZbDQG
朋代の活躍?がみたい俺にとっては
スポットが当たるだけでうれしいぜ
359名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 02:42:54 ID:KtWfUbkx
360名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 15:23:41 ID:YxXYxJl7
なんだそりゃ?封印された妖怪か?
361名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 18:57:09 ID:rX01yRZN
どうしたんだ?1日レスがつかんとは
362名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:40:44 ID:vfx2dPTv
流れがどうなのかは分かりませんが、書いたので貼ります。
比呂美と眞一郎が、またしてもアパートで、です。短いですよ。
エロ描写少ないです。
363私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:41:15 ID:vfx2dPTv
学校からの帰り道。二人は手を繋いで歩いていた。
「今日、どうする?」
比呂美は少し頬を染めながら俯き加減で囁く。実は今更な質問で、アパートは近い。
「行く…。今日は、泊まるつもりだから…」
眞一郎は、きっぱりと言う。
「うん…」
耳まで赤くなってしまったが、嬉しいので"ふわっ"と握っていた手に力を入れた。
きゅ…。眞一郎も握り返す。きゅ…。
「…」
「…」
お互いに意識して、無言になる二人。
(今日は大丈夫な日だし…、嬉しいな…)
比呂美は期待しているが、眞一郎には"秘策"があった…

アパートに着いてから、二人で夕飯の材料の買出しをして、帰ってからはいつもの会話。
比呂美が準備をしている間は、眞一郎が絵本の下書きをしていた。
(な、何かこれって、ふ、ふ、ふう…、きゃ♪)
上機嫌でちらちらと眞一郎の姿を見ながら、楽しげに料理していた。
会話と食事が済んで、お茶の後、
「俺、先にシャワーするな?」
「うん…」
いよいよ、だ。比呂美はここまで結構我慢している。
自分で押し倒してしまいたいくらいだが、さすがにそれは恥ずかし過ぎた。
"大丈夫な日"である、期待するなと言う方が無理だった。
364私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:41:41 ID:vfx2dPTv
「じゃあ、私もシャワーしてくるね?」
比呂美はそそくさとバスルームへ歩いていくが、それを眞一郎が呼び止めた。
「あ、あのさ…。俺、ちょっと絵本のアイデアできたから、描きたくなった」
「え?」
「ごめん。ちょっと今日は…」
「う、うん。いいよ。絵本、大事だもんね? じゃ…」
「ああ」
(えぇ〜? 絵本〜?)

「…」
キィ…、比呂美が出てきた。眞一郎は絵本の下書きをしている。
テーブルの側で隣に座り、手元を覗き込む。殆ど鉛筆は動いていないが、真剣な横顔だ。
「…」
二人はバスタオル一枚なのに、何もしない。何も始まらない。
「喉が渇いちゃった…」
すっと立ち上がり、冷蔵庫へ向う。牛乳を取り出して、コップに注ぐ。
テーブルに戻り、また隣に座った。
「ん…こく…こくっ……………んく…ごくっ…んぐっ…んくっ…」
何口か飲んでから、わざと"白いどろどろした飲みにくい液体"を飲む様な音を出した。
眞一郎の反応を伺う。
「…」
声には出さないが、体は一瞬ぴくっとなった。
(あ、反応してる〜。もうちょっと…かな?…)
比呂美、完全にお誘いモード。そして、もう一口飲み、
「こく…んく………あっ!」
唇の端から、つぅっと牛乳をわざと垂らしてみた。
「眞一郎くん、舐めて?」
甘えた声でおねだり。
「あ、あぁ…分かった。ちょっと、こっち寄って」
「うん…」
肩を抱かれ、引き寄せられ、
「ぺろっ…ちゅ」
舐めてもらい、軽いキスをされる比呂美。顔、真っ赤。
「ごめん、今、いいところだから…」
眞一郎も少し顔が赤いが、普段通りの表情に近い、しかし内心では、
(ひ、比呂美のヤツ〜。すげぇ事すんな〜。危うく押し倒すとこだった…。
 一体何だよ…ごくって? あの瞬間、ホントにヤバかった…)
かなり動揺していた。"秘策"とは絵本を描くフリをする事だった。
いきなり最初の、牛乳飲み込む攻撃で陥落しそうになり、必死になっている。
あと1つか2つくらい…。それだけを考えて、なるべく比呂美を見ない様にしていた。
365私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:42:10 ID:vfx2dPTv
(むむ〜〜。これでもダメかぁ…。よし! それなら…)
膝で歩き眞一郎の後ろに移動。抱きついて胸を押し付ける。手元を覗き込む。
そして、耳元で囁く。
「どお? 調子は? 上手く…描けそ?」
全力で色っぽい声を出して、時折耳も舐めた。その度に眞一郎の体がびくっとなる。
「あ、あぁ、何とか…」
眞一郎、声を出すのがやっとだ。我慢の限界を超え始めた。
「うん…がんばって…。ちゅ………………あっ!…いやぁん」
もう一度全力で色っぽい声、耳へキス。バスタオルがずれて、乳首が背中で擦れた。
つっつん…。眞一郎の体がビクッと大きく反応した。
「かっ、勘違いしないでね! こ、こんな事したからって、
 べ、別に眞一郎くんにエッチして欲しい何て、思ってないから! ふんっ!」
比呂美は、どこで覚えてきたのかわからないフレーズを言いながらバスタオルを直す。
眞一郎の手はぶるぶると震えていた。

(ふふん、凄い動揺してるぅ〜。もう少し、かな?)
とてとてと冷蔵庫まで"可愛い歩き方"を使用し、小さめのバニラアイスを取り出す。
「アイス、食べよっと。れろっ…れろっ…ん…ん…んく…ちゅ…ちゅ…」
隣に座る。そして、どう考えてもアイスの舐め方ではない方法をとった。
ペニスを扱うように水平くらいに構え、わざと頭を動かして、舐めたり、キスしたり。
「くちゅ…ちゅ…れろっ…れ〜ろっ…れ〜ろっ…ん…んくっ…」
淫らなアイスの舐め方をしながら、眞一郎の顔を伺う。
「んふぅ…とっても…おいしい…………もっと…舐めたいなぁ…んく…ちゅ…」
色っぽい声で台詞も追加。眞一郎の体が少し震えている。
(んふふっ、これは効くでしょう?)
お誘いモードの比呂美は過激。
「あっ…いやぁ…………おっぱいに…垂れちゃったぁ……んふっ…冷たぁい…」
眞一郎、遂に降参。

「比呂美っ! 今日も俺の負け!」
後ろに回って、抱き上げ、自分の膝に座らせた。
「えへへぇ、眞一郎くん、弱いね? まだ、2つ残ってるよ? あん…」
上機嫌で勝ち誇る様に話していると、乳房に垂れたアイスの舐められてしまう。
「う〜ん、絵本なら、何とかなると思ったんだけどなぁ…」
悔しそうにしているが、笑顔で比呂美のバスタオルを剥ぎ取る。
「あっ…電気…消さないの?……興奮、した?」
「ほら、これ…」
比呂美の手をペニスに導いた。
「あっ…熱ぅい……おっきい。でも、絵本はズルイなぁ。描いてなくても…」
ペニスを握り、軽くしごきながら話している。
「ごめんな? もう使わない。でも、やっぱ比呂美に勝てないな…。アイス食べなよ」
乳房を愛撫しながら、話している。
「ん…ん…あん…うん、眞一郎くんは? ああん…ああん…」
「俺は比呂美を食べるから、いい」
「もう、そんな事言って…あっ!…あっ!…ああっ!…んあああっ!…」
眞一郎は猛然と胸を揉み、もう片方の乳首にしゃぶりついた。
366私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:42:37 ID:vfx2dPTv
実は二人で"誘惑ごっこ"をしていたのだった。
今日は比呂美が誘う番。眞一郎は一回も勝ったことがない。
気持ちいいところを触らない限りは、何をしても何を言ってもいい事になっているが、
眞一郎にとって勝利を収めることは難しい。
最初に提案したのが比呂美で、
「我慢できたら、何でもしてあげるよ?」
「な、何でも?」
から始まったのだが、眞一郎は一回も我慢できたことがない。
せいぜい今回の様に2つしかクリアできない。
しかも、比呂美はあの手この手で誘ってくる。勝てる訳がなかった。

そして、比呂美も勝ったことがない。
眞一郎が後ろから抱きつき、ペニスを押し当て「はぁ、はぁ」するだけで、
「もうだめぇ……お願ぁい…してぇ………眞一郎くぅん…ああん」
だから。二人とも勝てると思っていないが、"する"前のちょっとしたお遊びだ。

やっている事は、全然"ごっこ"ではないのだが、誘惑するのは恥ずかしいので、
比呂美が主張するのは「誘惑ごっこ、だよ?」だった。
少し首を傾げて言われると、眞一郎に逆らう理由はない。

「はぁ…はぁ…はぁ…」
何とかアイスを食べ終わる頃には、比呂美は乳房への愛撫で息を乱していた。
「もう…入れたい…」
眞一郎も興奮している。じっと目を見つめた。
「うん…私も…入れて欲しいな…はぁ…ふぅ…」
「跨って?」
「え…また? これ?」
「好きだろ?」
「う、うん…。じゃあ…」
比呂美が少しだけ腰を上げて、座っている眞一郎と向かい合う。
「い、入れるね?」
「ばっちこ〜い」
367私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:43:04 ID:vfx2dPTv
「もう……ん…んっ!…んっ!…んあぁ…ふあぁ…あっ!」
既に愛液で濡れている比呂美の性器は、にゅちゃにゅちゃ音を立てながら、
眞一郎のペニスを奥深くまで受け入れていく。
「あっ…、全部…んあぁ…………入った…、と…届いた…よ?」
子宮まで到達したことを教えると、頭にしがみついた。
「じゃ、動かす…からな?」
比呂美のお尻を両手で支え、腰を動かし始める。
「ふあっ!…ん…ん…んあっ!…あっ!…あっ!…ああっ!…」
お尻を揉まれながら腰を使われ、激しくペニスが往復する。
比呂美の膣の中が擦られ、かき回され、Gスポットが刺激された。
「くっ!…ふっ!…ん…ぁ…ああっ!…あああっ!…はぁっ!…」
興奮を表すかの様に、全身を桜色に染め、喘ぎながらも必死に眞一郎の顔を見る。
感じている時の顔を見られるのは恥ずかしいが、この体位の時は別だった。
(ああぁ…眞一郎くん…、もっと…もっと…気持ちよくして…大好き…)
愛しい男に支えられ、快楽を与えられ、目を見つめて心を通わせる。
簡単な言葉で言い表せないくらい、嬉しくてたまらない。とにかく嬉しい。なのに、
「んあっ!……ひぃっ!…んんっ!……あっ!…あっ!……だめっ!…あっ!…
 そこっ!…………気持ちっ!………いいっ!……来ちゃうっ!…」
喘ぎ声は色っぽく艶かしい。その声で眞一郎も興奮する。
「俺も……だっ…出したい………行くぞっ」
「うっ、うんっ!…きてっ!……あっ!…んっ!………出してっ!……ああっ!」
「くぅっ!」
腰をぐっと押し付けて眞一郎が射精した。
「あ…ぁ…ああああっ!…あぁ…」
比呂美は子宮の奥まで熱い精液を受け止め、絶頂する。こちらは力一杯しがみつく。
腰が細かく痙攣し、膣がペニスを強く締め付けた。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
しばらくそのまま二人は抱き合い、お互いの体温を感じていた。
368私と絵本、どっちなの?:2008/04/13(日) 19:43:52 ID:vfx2dPTv
「キス、したいな?」
「うん…」
「ん…ん…くちゅ………ちゅ…………んく…ん…ん…ん………ちゅぱっ…」
比呂美が唾液を流し込むと、眞一郎がこくこくと飲んだ。一度唇を離す。
「どお? 甘い?」
「うん、比呂美の唇はいつも甘いよ?」
この言葉で一気に顔が耳まで赤くなる。
「ちっ、違うのっ! さっきアイス食べたから、甘いか…聞いたのっ!」
眞一郎の勘違いに、照れまくってしまった。誤魔化すにはこれしかない。
「もうっ! ばかぁ………ん…ちゅ………くちゅ……ちゅ…ん…ん…んく…」
一心不乱でキスを始めた。舌を絡め、唇で唇を挟み、全力で愛撫する。
しかし、まだ一回の射精では満足できなかった眞一郎が腰を少し動かした。
「ちゅぱっ…あん……気持ちいい……んあぁ……熱ぅい…眞一郎くんのが…。
 え? 小さく…なら…ない…の?……あっ…あっ……だめ…いやぁ………
 すごい感じちゃう……また気持ちよく……んっ!……んっ!……あっ!…あっ!」
眞一郎がお尻を揉みながら、ぐいぐいと腰を動かす。
「あっ!……だめ……もうちょっと………あっ!…んあぁ……ふあっ!……
 くっ!…あっ!………んっ…んっ…んっ…」
股間を強く押し付けられて、比呂美のクリトリスにも刺激が加わった。
「こっ、このまま、もう一回!」
「えっ!…そんなっ!………あああっ!………だめっ!……あっ!……ひっ!…
 ちょっ!……んあぁっ!……」
今度はぐにぐにと腰を動かし、子宮の入り口を擦る。
「あっ!…だめっ……なのっ!………それっ!…あああっ!…あああっ!…
 くあっ!……くっ!…………ひっ!…ひっ!…ひぁっ!…くひゃっ!…」
比呂美は眞一郎に必死に抱きついて、快感に震える体を押し付けた。
ついでに乳首にも刺激が加わってしまい。もっと気持ちよくなってしまう。
「あひっ!………んっ!…んっ!…んっ!……あっ!……ちょ!……
 あっ!……来ちゃうっ!…すごいっ!……あああっ!……だめっ!……
 きっ…きたっ!………あああぁあっ!…」
比呂美がより一層強く腕に力を込めた時、またもや絶頂を迎えてしまった。
びくびくと腰が動き、膣が締まった。
「あっ!……はぁっ!…はぁっ!…はぁっ!」
呼吸の度に小さく絶頂しているようだ。腰が前後に動いていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…、比呂美、俺、まだ、出してないぞ…」
「はぁっ!…はぁっ!…、だっ…だってっ…すごい…んっ!…だもんっ!」
369名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:44:24 ID:vfx2dPTv
ここまで、です。このまま続きを書くか、迷い気味。
行為を始める過程を書いてみたかったんで…
370名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:08:40 ID:QZXPi9hI
比呂美と朋与にアイスを挿れる話だれかお願いします!!
371名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:09:42 ID:wCFdrQz8
またしてもアパートってことはちゅっちゅの人かな?
不覚にもおっきしてしまった…
続きはできれば書いて欲しいです
372名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:10:50 ID:3mtcJeo4
凄く良かったです
ぜひ続きをっ
373名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 21:33:59 ID:Ue0p0LZv
某2人目さんですね?www
イイヨイイヨー
流石です
続き希望
374名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:45:00 ID:vfx2dPTv
う〜ん、何で分かったんだろ…、文体?
今回はちょっと気分転換で書いたので、続きは…何日か後に検討、かな?

アイスはエロイことに色々使えるけど、"挿れる"って何させればいいんだろ?
375名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:53:17 ID:p7oAV5Fx
え、二人目さんだったのですか
アパートでチュッチュもそうなのかな
文体が違うような気がするけど
376名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:56:28 ID:vfx2dPTv
アパートでチュッチュは違うよ。あんなに上手くないって…
377名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:02:03 ID:gToOWhZW
是非続きが読みたい

まさかのツンデレに笑ってしまったw

3点リコーダーだっけ?「・・・」の使い方と
キスとかの感じ方の書き方に特徴がある・・かも個人的にだけど
378名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:10:32 ID:M5QOwuM+
>>374

本編?が休みの時はこっちで気分転換しているんですよね?
わかりますw
379ある日の比呂美 16:2008/04/13(日) 23:38:26 ID:1rjmH/05
翌日、眞一郎は最悪な気分で朝を迎えた。
時計を見ると、まだ起床時刻より三十分も早い。
だが、眠る事が出来ないというのに、これ以上ベッドに入っているのは苦痛でしかなかった。
気だるさの残る体を起こして目覚ましのスイッチを止め、一階の洗面所へと向かう。
歯を磨いている間、眞一郎は鏡に映る情けない男の顔を、苛立ちをもって眺めていた。
コイツをぶっ飛ばしてやりたい…… そんな衝動に駆られる。
(……また同じ事を繰り返してる……俺は……)
比呂美の涙を拭うと誓ったくせに…… 誤魔化して……また泣かせて……
欲望に負けて…… その上……錯乱して…朋与のことまで……
(…………なにが……『おぎゃあ』だよ……)
自分は何も変わってない……生まれ変わってなんかいない……
歯ブラシを動かす手が止まり、自分への怒りが身体を震わせる。
眞一郎が拳を握り締め、鏡の中の自分を殴りつけようとしたその時、ドアの向こうから母の声がした。
「眞ちゃん、いつまでやってるの? ご飯食べちゃいなさい」
「……あぁ……分かってる……」
口をすすいで口内の汚れと一緒に苛立ちを吐き出した眞一郎は、歯ブラシを放り投げると居間へ向かった。


今朝の食卓に比呂美は現れなかった。
母の話では、部活が忙しくなるので、暫く食事を食べに行けないと電話があったらしい。
バスケ部の練習時間が、そう都合良く変わるはずはない…… その話が比呂美の嘘である事はすぐに分かった。
(……でも……当然だよな……)
自分の顔など、比呂美は見たくもないだろう。当たり前だ。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま登校し、校門をくぐる眞一郎。
……どうしてこんなことになってしまったのか……
(俺の中に…………朋与への甘えが残ってる……からか……)
比呂美へのプレゼントを買おうと思ったとき、真っ先に朋与の顔が浮かんだのは何故か。
電車の中で、絡めてきた朋与の指を払い除けず、応えてしまったのはどうしてか。
比呂美の身体に触れたとき……朋与の肌を思い出してしまったのは……
(……朋与を……比呂美より……)
逃げ出して、混乱して、思わず掛けた電話で口走った言葉。「ふざけんなっ!」と一喝された、あやふやな気持ち。
そうなのだ。『仲上眞一郎』が愛しているのは『湯浅比呂美』……この事実が揺らぐことは決して無い。
夕べ眠れなかったのも、身体と心を震わせて泣く比呂美の後ろ姿が、瞼の裏に浮かんで消えなかったからだ。
比呂美を愛している。朋与の言うとおり、『仲上眞一郎』の一番は、変わる事無く『湯浅比呂美』だ。
……なのに……この朋与への気持ちは……一体……
…………
思いつめた顔で生徒用玄関へと向かう眞一郎の横を、覚えのある香りが通り過ぎ、思考を中断させる。
ふわりと風に舞う栗色の長髪と薄紫のコート。
それをまとった少女は、眞一郎に一瞥もくれる事無く、足早に自分の下駄箱のある方へと消えた。
「…………」
眞一郎の脚が、思わず止まる。それは比呂美に無視されたからではない。
(……あの顔……)
凍りついた横顔…… 一年前の『あの』顔に、比呂美が戻ってしまった……
しかも、そうさせているのは誰あろう自分なのだ……
…………
「うぃ〜っす、眞一郎」
眞一郎の姿を見つけた三代吉が肩を叩いて挨拶してくるが、すぐに反応出来ない。
「? ……どした?」
三代吉のセンサーは敏感だ。自分の大切な人たちの小さな変化を、彼は決して見逃さない。
(まずい)と咄嗟に思った眞一郎は、「何でもない」と短く言って、自分の下駄箱へ向かった。
380ある日の比呂美 17:2008/04/13(日) 23:40:03 ID:1rjmH/05
「地〜べた。ほら、ご飯だよ」
朋与が赤い実を鶏小屋の中に投げ入れると、地べたは喉をコッコッと鳴らしてそれをついばみ始めた。
鶏小屋の管理は用務員のおじさんがしているので、本来なら生徒が地べたの世話をする必要は無い。
だが、朋与と比呂美、眞一郎の三人は、麦端を去っていった乃絵との約束を守って、昼休みに交代でここを訪れていた。
赤い実は昨年の秋に、三人でストックした物である。
(楽しかったな……あの時……)
まるで子供の頃に戻ってしまったかの様な素敵な時間……
木に登り、枝を揺すって実を落とす眞一郎…… それをレジャーシートを広げて、比呂美と二人で受け止めた……
しゃがんだ姿勢で地べたの様子を見ながら、思い出にふける朋与。
……でも……今は…………
…………
(……乃絵……アンタならどうする?……)
助けて欲しかった。
乃絵なら、自分が今、何をするべきなのか、どう行動するのが正解なのか教えてくれる気がした。
しかし……それは叶うはずもない。
それに、石動乃絵ならば「自分の事は自分で決めて」と言うに違いない。
乃絵自身が苦しみの末に、自らの道を選択したように……朋与にも、そうするよう求めてくるに違いない。

《本当は分かってるんでしょ? 自分がどうすればいいか》

いつの間にか、こちらを見ていた地べたと目が合った瞬間、乃絵にそう言われた気がして、朋与はハッとなった。
地べたは朋与から視線を逸らさず、決断する事を要求してくる。
朋与は何かを吹っ切るように、フッと笑った。
(……うん……分かってる。……分かってるよ)
分かっているから……自分は今、この場所にいる。『あの時』選択した道を……貫き通すために……
…………
…………
近づいてくる足音に気づき、朋与は立ち上がった。
振り返った視線の先に、虚ろな表情でこちらにやってくる比呂美の姿が見える。
鶏小屋の前に朋与がいることに驚き、比呂美の脚がピタリと止まった。
今日は比呂美が地べたに餌をやる日で、朋与はそれを待ち構えていたのだ。
半開きだった唇がキュッと噛み締められると、比呂美の表情は見る見る険しくなっていく。
……まるで汚いモノでも見るかのように……
クルリと身を翻し、もと来た道を戻ろうとする比呂美に向かって、朋与は叫ぶ。
「逃げんのっ!!」
痙攣するように肩を震わせて振り向く比呂美。その目尻には醜い嫉妬がシワとなって浮かび上がっていた。
憎悪に燃える瞳が「誰が逃げるか」と訴えてくる。
睨み合ったまま互いの距離を詰めて相対する二人の少女。
手が届く位置まで二人の身体が接近した時、朋与の右手が空を切って、比呂美の左頬を張った。
「!!」
身体がよろける様な強い衝撃ではなかったが、予想外の先制攻撃を受けて、比呂美は出鼻を挫かれた。
「昨日のお返しだよ。私、比呂美に殴られるようなこと、してないから」
「な…!!」
思わず言葉を失う、毒針を突き刺すような朋与の口振り。
比呂美は体内を駆け巡る血液の温度が、一気に沸点まで上昇していくのを感じた。
381ある日の比呂美 18:2008/04/13(日) 23:41:54 ID:1rjmH/05
敵意むき出しの朋与の視線を真正面から受け止めながら、比呂美は腹わたが煮えくり返る思いだった。
なぜ、自分が叩かれなければ……責められなければならないのか!
糾弾されるべきは自分ではなく、目の前にいる朋与だ!人の男を寝取った『この女』だ!
「開き直るつもりっ!!」
負けてたまるか、という気持ちが、比呂美の声をついつい大きくする。
「私が眞一郎と寝たのは、彼が乃絵と付き合う前よ! アンタにとやかく言われる筋合いはない!!」
校舎から離れた鶏小屋の前ということもあり、朋与の張り上げる声も、比呂美のそれに釣られて大きくなる。
確かにそうだ。眞一郎と朋与が関係を持った時、自分は眞一郎の『同居人』でしかなかった。
しかも、形だけとはいえ石動純と付き合っていた時期…… 文句を言うのは筋違いである。
だが、朋与は自分の真意に気づいていたはず…… 気づいていたのに、眞一郎を!!
「そんな理屈!!」
認められなかった。眞一郎は……眞一郎の全ては自分の…『湯浅比呂美』のモノだ!
……過去も、今も、未来も…… 欠片だって他人に渡したくない!
「傲慢ね…… そんなの『愛』じゃない」
朋与の指摘は真理を突いていたのだが、比呂美は聞こえないふりをして話を逸らした。
「……横から割り込んで…………セックスするのは『愛』だっていうの?……笑わせないで!」
比呂美の唇が皮肉に歪み、ククッと下品な声が漏れ出した瞬間、朋与は顔を真っ赤に紅潮させて叫んだ。
「笑うなッッ!!!!」
内に秘められた殺気が音の形をとって、比呂美の全身に叩きつけられる!
「!!!」
……殺される…… 本気でそう感じた比呂美の身体は、硬直して動けなくなった。
「私の……私と眞一郎の大切な時間を馬鹿にすることは許さないっ!……たとえ比呂美でもっ!!!」
「…………」
比呂美は改めて思い知らされた。朋与の眞一郎に対する愛情の深さを。
負けている、とは思わない。……でも……朋与の『愛』も本物なのだと認識することは、比呂美には苦痛だった。
黙り込んでしまった比呂美に、今度は朋与が冷笑を浴びせかける。
「……もう信じられないんでしょ?……眞一郎のこと……」
怖じけて逸らしていた視線を戻すと、朋与は失望と侮蔑を混合させた鋭い眼で、こちらを睨んでいた。
「…………眞一郎は私が貰う」
「!!!」
好きだ、愛していると口では言いながら、その実、相手を疑ってばかりの女に、眞一郎は渡さない。
自分以外の女に触れた……その程度の事で気持ちが揺らぐ女に、眞一郎は譲れない。
「……その程度って……」
「『その程度』よっ!!!」
セックスなんて愛情表現の一手段に過ぎない。そんな物に拘って、本質を見失うなんて馬鹿げている。
そう朋与は言い切った。
「……でも…………でも……」
比呂美も、朋与の言いたい事が理解できない年齢ではない。
だが……理解はできても納得できない…… 比呂美の中の『少女』の部分が、そう訴えてくるのだ。
「だから…………アンタのそのガキっぽい価値観に殉じてあげるって言ってるのよ」
『初めて』を捧げ合った二人が結ばれるのだ、文句は無いだろう。
そう宣言すると、「部活では普通にしててよね」と吐き捨てるように言って、朋与はその場を離れようとする。
「ま、待って!!」
顔面を蒼白にし、ガタガタと膝を震わせながら、比呂美は朋与を呼び止めた。
「…………嫌……嫌よ……」
背中に突き刺さる悲痛な声に、朋与は脚を止めたが、振り向こうとはしない。
冷徹な拒絶のオーラを発散する朋与…… その彼女へ向けて、比呂美は懇願する。
「……盗らないで……眞一郎くんを…………盗らないで……お願い……」
それだけ言うのが精一杯だった。滝のように溢れてくる涙を隠そうと、比呂美は顔を伏せる。
……朋与の鼓膜を震わせる、比呂美の慟哭……
しかし、朋与はそれに構う事無く、氷の視線で一瞥すると、とどめの一言を浴びせかける。
「甘ったれないで。……私は二度も道を譲るほど、お人好しじゃない!」
「!!!」
昼休みの終わりを告げる鐘が鳴る中、絶望して立ち尽くす比呂美を置いて、朋与は立ち去った。
382ある日の比呂美 19:2008/04/13(日) 23:43:51 ID:1rjmH/05
朋与に会って話しをしなければ…… 眞一郎はそう思った。
(顔を見て話さないと……この気持ちが何なのかハッキリしない)
昼休みに校内を捜してみる。
だが、地べたの餌やり以外の日、朋与がどこで何をしているのか、眞一郎は知らなかった。
……間が悪い…… 朋与を見つけられない眞一郎の頭に、乃絵の時と同じ、見苦しい言い訳が浮かぶ。
だが、比呂美が居そうな所には顔を出し辛いし、そうなると接触のチャンスは自然と少なくなってしまう……
(…………理由をつけて逃げたいんじゃないのか……俺は……)
空しい自問自答……
結局、眞一郎は放課後も学校内で朋与に会うことは出来ず、不明瞭な想いを抱えたまま、家路に着いた。


オレンジ色に染め上げられた海岸通りを、一人歩く眞一郎。
その足取りは内心の陰鬱さを鏡に映したように、暗く重い。
「帰宅部のクセに、帰りが遅いんじゃない?」
突然、前方から掛けられた声にハッとなる。
防波堤に腰掛ける線の細いシルエット。金色の逆光に縁取られて顔は良く見えないが、誰なのかはすぐに分かった。
その影は「よっ」という元気のいい掛け声と共にコンクリートから飛び降りると、一瞬で眞一郎の目前まで距離を詰める。
「……俺を……待ってたのか……」
「うん。眞一郎を待ってた」
黒部朋与の笑顔…… 普段と変わらない微笑が、昨日までとは違う何かを孕んでいる……
朋与がこの一年、頑なに拒んできた『眞一郎』という呼び方を使ったことに、その『何か』が込められている気がした。
「昨日の電話……その……」
悪かった…… いきなり訳の分からない事を言って…… 眞一郎はそう言いかけた。
だが、朋与は戸惑いを見せる眞一郎に喋る間を与えず、先に口を開く。
「私と付き合ってよ」
「……え……」
いきなりの告白に固まってしまった眞一郎に、朋与は「驚くことないでしょ?」と笑い、言葉を続けた。
もう比呂美に遠慮なんかしない。だってお互いに気持ちが分かってしまったのだから。
『黒部朋与』は『仲上眞一郎』が忘れられない。『仲上眞一郎』も『黒部朋与』忘れられない。
……それはつまり……
「『終わってない』んだよ、私たち……」
「……『終わってない』……?」
オウム返しに訊いてくる眞一郎から視線を外し、朋与は繰り返す。
「そう……『終わってない』の…… だからこれは、やり直しじゃなくて……あの時の続き」
一瞬だけ絡ませてきた朋与の瞳の奥に、喜びや期待とは別のモノが隠されていることに、眞一郎は気づいた。
そして、その正体に思い至った時、『終わっていない』と言った朋与の言葉の意味と、自分のあやふやな気持ちが繋がる。
(そうか……そういうこと……か……)
行く道を見失いかけていた眞一郎の両眼に、また光が宿った。
……それを敏感に感じ取った朋与の顔が、もうすぐ訪れるであろう現実を予感して、僅かに曇る……
…………
…………
「明日の夕方、家に来て」
その朋与の誘いに、眞一郎は迷い無く「分かった」と即答する。
明日は『あの日』と同じ曜日…… 朋与の部屋は、あの時と同じ二人だけの空間になる。
そこで朋与が眞一郎に何を望むのか、何をしなければならないのか……もう分かっている。
飛ばなければならない…… 本当に大切な人と、ちゃんと向き合うために。
何も変われない『仲上眞一郎』のままだけれども……
自分のやり方で、また……飛ばなければならない……
……信じてくれる瞳が、そこにあるのだから……
…………
「……それじゃ、明日ね」
眞一郎に背を向けて歩き出した朋与の表情からは、明るい声とは裏腹に、先程までの笑顔が嘘のように消えていた。
「うん」と短く答えた眞一郎は、朋与の姿が見えなくなるまで、その場所で彼女を見送る。
暫くして、再び家路に着いた眞一郎の足取りは、そこへたどり着いた時とはまるで違う、力強いものになっていた。
383朋与男:2008/04/13(日) 23:53:08 ID:1rjmH/05
せっかく良い雰囲気のところ、申し訳ありません
スレの鬱担当です
空気読めなくてスミマセン、ホントに

ご意見いただきました「眞一郎の成長」についてなんですが……
言い訳はしません 今後の展開を見守ってやってください

>>374
二人目さん、比呂美スレでの朋与の活躍、楽しみにしてます!
384名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 23:59:04 ID:LumF+sAY
乙です、このシリーズ楽しみにしています
TOMOYOかわいいよTOMOYO
比呂美と朋与のビンタの張り合いとか修羅場スキーにはたまりません
385名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:14:12 ID:mWTD7F1b
朋与男キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

tt放送中は作品の鬱展開に泣かされ、tt放送後は朋与男さんのSSに泣かされ・・・
なんてttは罪作りな作品なんだ。

明日会社休む(w
386名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:19:29 ID:wJIqMlMH
>>383
乙です
何でもおいしくいただきますが
ストーリーがあるものも貴重です
眞一郎の成長を見守り続けますw
387名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:36:00 ID:Npmpzcn/
>>383
朋代男さんご苦労様です。
388名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 04:31:56 ID:vUbw8vMp
>>385
休むなww
389名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 05:33:53 ID:CeQDpO34
>>383
乙です

毎回楽しく読ませて貰ってます
比呂美がヤンデレ化寸前な気がしますがw

周りに左右されずに自分のペースで書き上げていって下さいな
390名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 09:55:17 ID:mWTD7F1b
>>388
やあ、休んだよ(w
もっとも前期忙しかったからという名目だがな。録画したものを消化しなきゃいけないし(w

しかしサービスいいなぁ、台本見放題だったって言うし。
391名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 22:22:32 ID:PwSdq+tX
>>383
軽鬱展開はttの醍醐味のひとつですから、どうぞ御遠慮なくやっちゃってください。
392名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 23:27:26 ID:t/w+5eV3
朋与とあさみが愛し合ってしまう展開のSSお願いします!
393金縛られ男 ◆2SiKnG0o0k :2008/04/15(火) 00:35:27 ID:LQCeqzQF
わっふるわっふる
394名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 01:31:27 ID:NHFwz1SD
やばい・・・朋与かわいすぎる・・おれも大学休もうっとw
395名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:45:50 ID:6S8vTG3j
あさみと真由って同一人物?
396名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:35:38 ID:eqzow5Qi
>>395
そんなわけないだろう
397小ネタ:アイスを二人で半分こ:2008/04/16(水) 00:26:45 ID:FUfd7fap
比呂美の部屋にて:
「アイス食べようか?」
食後、眞一郎が聞いた。
「うんっ、でも、たぶん一本しかないよ?」
「ホントだ。じゃあ、半分こな?」
「うんっ!」
アイスを取り出し、比呂美の後ろに座った。
「眞一郎くん?」
「おいで」
「う、うん…」
比呂美は眞一郎の腿に座る。腰を抱かれ、少し頬を染めた。
腕を首に回し、胸を少しだけ突き出し、ちょっとだけ"つん"する。
「どうしたの?」
いつもは服を着たままでこんなことはしない、比呂美はちょっと疑問に思った。
「半分こだろ?」
「うん…」
「ちょっと待って。はむ…ん………ほぉら」
眞一郎は小さめに口の中に含んで、比呂美の顔を見上げた。
「え?」
「ほぁやぁく」
「う、うん。…ちゅ…ん…んく…ん……ちゅ………こくっ…んくっ…ちゅぱっ…」
頬をさらに染めながら唇を合わせ、舌を入れてアイスを食べた。
「おいしいか?」
「うん…、すごく…おいしい…。もっと…食べたいの………もっと…」
熱い視線で見つめながら、色っぽい声を出していた。
「はむ……ん…ほぉら…」
またも、小さく口に含んで見上げる。
「いただきまぁす♪」
比呂美が上機嫌で顔を近づけてきた。
398小ネタ:アイスを二人で半分こ:2008/04/16(水) 00:27:05 ID:FUfd7fap
何回か繰り返していると、溶けたアイスが垂れた。
「……ん…んく…あ、眞一郎くん。手に付いてるよ?」
「ありゃ、やっぱこの食べ方は時間かかるな?」
「うん…」
「ティッシュあるか?」
「それよりもいい方法があるよ?」
「ん?」
「眞一郎くん…、手、出して?」
そう言ってアイスを持つ手首を優しく握り、自分の口元へ近づけていく。
「え?」
「私が綺麗にしてあげるね? ぺろっ……れろっ…ん…ん……ちゅ…ちゅっ…」
比呂美は眞一郎の手を、舐めたりキスしたりしながら、熱い視線を送る。
「はい…、綺麗になったよ? 今度は私が食べさせてあげるね?」
「あ〜ん」
「もう…、ちょっと待って…。あ、また垂れそう……れろっ……ぺろっ…ちゅ…」
比呂美はアイスを頭を動かして、淫らに舐めたりキスしたり。
「はむ………ふぉい………ん…ちゅ…………んく……こく……」
積極的に舌を絡ませ、眞一郎を愛撫する比呂美。
瞳は快楽を求めるように光り、腰を淫らに前後させながらキスする。
比呂美は何回も自らの口で眞一郎に食べさせた。
「おいしいね? アイス」
「うん、旨い」
「もっと、もっと、食べたいの…」
「でも、もう無いよ?」
「今度は、眞一郎くんの……熱いアイスが…いいの…」
「だめ」
一度断ると"おねだり"が始まることを知っていた。
「あぁ〜ん、お願ぁい、食べたぁいのぉ」
体を淫らにくねらせ、胸を顔に押し付けて"おねだり"。

そして…


小ネタなんで、続きはないです。
399名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:31:04 ID:ceUWYPoD
ズコー
400名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:50:31 ID:gAOY9d76
せっかく全裸になったのに
正座して待っとくか
401名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 01:03:47 ID:DFfTy/0A
ここはすばらしい変態紳士の社交場ですね。

俺も仲間に入れてくれ
402名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 23:37:41 ID:DklS4cNF
新作はまだかな?
403名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 01:42:37 ID:AQzdp7ZC
終わっちゃったしねえ
404名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:55:35 ID:AgGFkKSQ
比呂美の香りはレモンの香り
乃絵の香りはオレンジの香り
愛ちゃんの香りは大判焼きの香り
405名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:31:47 ID:EL1RjL8L
>>404
できたらクリームでお願い>今川焼き
406名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:33:49 ID:AgGFkKSQ
ああ、ここもさびれちゃったねぇ
ってことで1分以内にレスつかない場合は比呂美は俺の嫁
407名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:35:17 ID:o8dHuZtH
そうはいくか…せめて5分ならorz
408名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 04:28:58 ID:S1tUdKjE
ちょっとハッタリかませ過ぎたせいで、見てるときは実に楽しかったが、
後に残るものはあまり無かった的な。
409名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 06:15:45 ID:cdyu+98o
愛ちゃん、なんのために登場させたのか分からん展開だった品。
スクイズの二番煎じと言われようと、昼ドラ並みにドロドロにした方が良かったんだろうな。
410名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 07:44:04 ID:bW4T/pHU
スクイズの二番煎じの方が後に残らなかったと思うけど
411ある日の比呂美 20:2008/04/21(月) 02:00:38 ID:QzlB8ANh
《あら、お夕食もいらないの?》
「あの……練習試合が近くて……ミーティングが長くなりそうなんです」
比呂美は仲上の家に、夕食を断る電話をしていた。
おばさんに教わった料理の練習もしてみたいし、などと、もっともらしい事も付け加える。
《……わかったわ。もし自分で作る時間が無かったら言いなさい。おかずだけでも持って行ってあげるから》
ちゃんと食べるのよ、と最後に釘を刺し、おばさんは電話を切った。
(…………)
自分が嘘を吐いていることに、おばさんは気がついている。……そう比呂美は思った。
今までどれ程忙しくても、眞一郎の側にいる時間を削ったことのない自分が、
急によそよそしい態度を取れば、おかしいと思わないはずがない……
それでも……おばさんは素知らぬフリをしてくれる…… その心遣いが胸に沁みた。
…………
今、比呂美は噴水公園のベンチに一人で座っている。
午後の授業には出席したが、バスケ部の練習は誰にも連絡することなく休んだ。
……朋与から逃げたのだ……
おばさんに言ったことは全部『嘘』。
蛍川との試合はかなり先のことで、ミーティングなどありはしないし、
仲上の味を覚える練習だって、するつもりもない。……もう必要ない…かもしれないのだから。
(…………眞一郎くんの……好きな味…………)
眉間にシワを寄せながら、携帯の画面を見つめる比呂美。指が勝手に動き、アドレスから眞一郎の番号を呼び出す。
左手に洗顔フォーム、右手に歯ブラシを握って笑う眞一郎の写真。
恥ずかしいから別のにしてくれ、と言われたのが、随分遠い日のような気がする。
身体の……いや、『湯浅比呂美』の中心が締め付けられるように痛い。
…………
言われてみれば、朋与の言う通りだ。
『兄妹かもしれない』と思っていたあの頃に、眞一郎が誰と愛し合おうと、自分にはその事を糾弾する資格は無い。
黒部朋与や石動乃絵に愛情を傾けたとしても、それを理由に『今』の眞一郎を責める事は出来ない。
(……それなのに……私は……)
つまらない嫉妬と独占欲に囚われて、眞一郎と朋与の中に燻っていた小さな種火を煽ってしまった。
朋与が必死になって押し殺してきた想いを……燃え上がらせてしまった……
だが……後悔してみても遅い。全て自業自得……
決して消えることは無いと思っていた眞一郎との絆。それが自分自身の心の弱さが原因で崩れ去ろうとしている。
変われたと思っていたのに…… 何も変わってはいなかった……
自分はあの頃のまま…… 何も変わらない『湯浅比呂美』のままだ……
…………

    ぐぅ〜

胃袋が縮み上がって、何でもいいから食べ物を身体に入れろ、と要求してきた。
そういえば、朝も昼も食べ物を口にしていない。
(…………はぁ……)
比呂美は内心で溜息を吐き、自分の図太さに呆れかえった。
これほど……死にたい程に苦しんでいるというのに、食欲だけは消えないなんて……
…………
……でも思い出してみれば、両親が死んだ時も食事が喉を通らない、ということはなかった。
『あの頃』の一時期、石動乃絵を避けて昼食を取らなかった時も、後でちゃっかりパンをかじったりしていた。
食欲を満たすことで、精神の安定を保つ…… 自分はそういうタイプなのかもしれない……
考えが飛躍し過ぎな気もするが、それで少しの間でも忘れられるなら、それでもいいか、と比呂美は思った。
そういえば今日は、この地区で唯一の大型スーパー『セフレ』の特売日だ。
扇情的なものを想像させる名前が好きではなかったが、比呂美はよくそこを利用していた。
(何か買ってこなきゃ……)
最近は仲上の家で食事を採ることが多かったので、部屋には今、アイスとスナック菓子くらいしかない。
気持ちを強制的に切り替えた比呂美は、ベンチから立ち上がって、スーパーへと向かった。
412ある日の比呂美 21:2008/04/21(月) 02:02:24 ID:QzlB8ANh
ジャガイモ、人参、ブロッコリー…… 買い物カゴに次々と入れられていく野菜たち。
仲上家での『修業』の成果か、比呂美の食品を見分ける眼は確かだった。
値段と鮮度を天秤に掛け、一番良い物を的確に選び取っていく。
(何でもいい。他の事を考えていよう…… でなければ……)
自分はきっとおかしくなってしまう…… 恐ろしい事を考えてしまう…… それが……怖い。
内側から滲んでくる闇に呑まれるイメージが頭の中に広がる…… 気持ちの裏に潜んでいる闇に……
…………
「湯浅さん」
後ろから突然声を掛けられて、比呂美はハッと我に返った。
振り返ると、買い物カゴを下げた野伏三代吉が目の前に立っている。
「野伏君……あの……こんばんわ」
自分と同じく、食料品の買出しに来たようだ。手には山盛りの特売品が詰まったカゴを下げている。
「眞一郎は?」
一緒にいる、と思ったのだろう。キョロキョロと視線を巡らし、近くにいるはずの親友の姿を捜す三代吉。
「あの……今日は家で用があるって……」
比呂美は咄嗟に嘘を吐いた。
彼は眞一郎の親友ではあるが、自分とはそれほど親しい訳でもない。……適当にやり過ごそう…… そう思ったのだ。
「一人なの? ……だってさ……その山盛りの材料、どう見ても二人分だろ?」
三代吉に指摘され、比呂美は初めて気がついた。自分が無意識に眞一郎の夕食を用意しようとしていた事に。
新鮮な野菜と豚の角切り肉…… それに眞一郎の好きなメーカーのシチュールー……
(……私……何してるの……)
眞一郎の大好きなシチュー…… そんな物を作っても……無駄なのに……意味は無いのに……
…………馬鹿みたい…………
…………
「! ちょ…… ど、どうしたんだよ」
カゴを肘にかけたまま、俯いて大粒の涙を零しはじめた比呂美の様子に、三代吉は慌てた。
周りにいる買い物客たちが、チラチラと二人に視線を向けて、小声で「なにかしら」と話し出す。
「違います、違いますから」と通り過ぎる人たちに弁解しながら、三代吉はポケットからハンカチを取り出した。
そして、黙ってそれを比呂美に差し出す。
『親友の彼女』にしてやれる事はこのくらい、ということなのだろう。
ハンカチはちゃんと持っていたが、比呂美はそれを……三代吉の優しさを借りることにした。
「ご、ごめんなさい。眼にゴミが入っちゃった」
いぶかしむ三代吉に、量が多いのは一週間分買い溜めしているからだ、とまた嘘を言って誤魔化す。
すぐに泣き止んだ比呂美は、そのまま二人分のシチューの材料を買ってスーパーを出た。
三代吉も「もう暗いから途中まで送る」と言って、その後に続く。
比呂美はその申し出を丁寧に断ったのだが、三代吉は聞き入れなかった。
「何かあったら俺、眞一郎に殺されちまうよ」
そう言って、三代吉は比呂美の持つレジ袋をサッと奪い、一歩先を歩き始めた。
「…………」
そんな事ないわ、と内心で呟きつつ、比呂美もその斜め後ろについて歩き出す。
…………
…………
三代吉は何も訊いてこなかった。
ただ黙って比呂美の前を、眞一郎の代わりに盾となって歩いている。
ゴミが眼に入った、なんて見え透いた嘘を信じたとは思えない。
眞一郎との間に『何か』があったことは察しているはずなのに……
(…………野伏君に……話してみようかな……)
誰かに話せば……楽になれるかも…… ふと、比呂美はそう思った。
この問題には直接関係が無く、それでいて眞一郎の心に近い野伏三代吉なら……丁度良いかもしれない。
…………
「……あの……」
「ん? なんだ?」
訳の分からない事を言おうとしている。その自覚はあった。……それでも、話してしまいたい……
一人で抱え込むのは……もう限界だった。
413ある日の比呂美 22:2008/04/21(月) 02:03:47 ID:QzlB8ANh
「…………『友達』の彼氏がね……」
何の脈絡も無く始まる比呂美の話……
声に反応した三代吉が肩越しに振り向くのを見て、比呂美はあさっての方向へ視線を逸らした。
「……元カノと……寄りを戻しそうなんだって…………」
「…………ふ〜ん……」
三代吉が脚を止める。比呂美も立ち止まり、眼を合わせないまま話を続ける。
『友達』の事と偽って語られる、比呂美と眞一郎、そして朋与の今……
それを黙って聞く三代吉の瞳は、とても透明で穏やかだった。
そんな話には興味がない、といった風でも、聞かされても迷惑だ、という感じでもない。
比呂美が全てを語り終えるまで、三代吉は一言も発せず、真剣に耳を傾けていた。
…………
「話してしまえば楽になる」というのは本当なのだな、と比呂美は思った。
あくまで他人事を装ってはいたが、閉じ込めた秘密を解放することで、僅かながら心が軽くなった気がする。
(……でも……その後は……)
重たい荷物を少し下ろす代わりに、強烈な自己嫌悪がすぐに襲い掛かってくる。
……眞一郎に『あの秘密』を告げた時もそうだった……
(……もう止めよう……口にするべきじゃなかった……)
比呂美は話を切り上げるために、答えようが無い事を承知で、三代吉に訊いてみた。
「相談…されちゃった。…………野伏君なら……なんて答える?」
さぁな、とでも言って突き放してくれればいい。この話題は……もうお終いだ。
だが、比呂美の予想を越えて、三代吉の口からサラリと明快な回答が飛び出す。

「待つしかねぇな」

……比呂美は呆気に取られてしまった。あまりに単純で消極的に思える、その答えに。
「だってさ、その娘が今、出来ることって……それくらいだろ」
彼氏と元カノがどうなるか、どうするか。それは二人の心の問題だから、『友達』が口を出してはいけない。
たとえ好きな相手でも、親友でも、二人の想いは二人のモノだから。
なら、今は自分自身が出来ることを考えればいい。
(…………)
そんな答え、納得できない…… だってそれじゃ……
不満そうな比呂美の顔を見て、三代吉は話の切り口を変えてきた。
「バスケってさぁ、敵が自分より強い奴だったら、試合止めちゃってもいいの?」
「……え……」
即座に返せない比呂美。三代吉は構わずに続ける。
1on1の勝負……敵は凄い奴だ。そいつはバスケを始めたのは遅いのに、今では自分より上手い。
……勝てない…… 間違いなく抜かれる!! そんな時、どうする?
「…………自分の力を信じて……自分なりのプレーを全力で……する」
比呂美の答えは、三代吉を満足させるモノだったらしい。三日月の様に細められた眼が「そうだ」と言っている。
「元カノはさ……その『友達』を抜き去って、今、シュート体勢に入ってる」
それを後ろから突き飛ばしたり、脚を引っ掛けたりするのって反則じゃね?と三代吉は言った。
シュートが決まるか、ボールがリングから零れるか…… ちゃんと見届ける。
「リバウンド、狙うのはそれからっしょ」
「…………」
比呂美の心の隙間に、三代吉が投げ込んだ答えがストンと嵌まり込んだ。
バラバラに断線していた思考が繋がり、想いが修復されて『あの頃』に戻っていく。
…………
比呂美は、眞一郎がなぜ、野伏三代吉を『親友』と呼ぶのか分かった。
……この少年は凄い…… 眞一郎が信頼を、愛子が愛情を寄せる理由が……今なら理解できる。
本当は分かっているのに……分からないフリをして…… それでいて、ちゃんと行く方向を教えてくれる。
…………
「凄いね、野伏君…… 話してみて良かった」
「惚れるなよ。俺、愛子一筋だかんな」
と、おどけて見せる三代吉。
「私だって……眞一郎くん一筋……だよ」
恥ずかし気も無く切り返す比呂美の表情は、スーパーにいた時とは別人の様だった。
414ある日の比呂美 23:2008/04/21(月) 02:06:38 ID:QzlB8ANh
比呂美は三代吉と途中で別れ、また誰もいない噴水公園に戻ってきた。
ベンチにレジ袋を置き、街灯を見上げる。
(……とりあえず、ここでいい)
大好きなあの漫画のように公園にゴールがあるといいのだが、贅沢はいえない。
暗闇をほのかに照らす明かりを背にし、何も無い空間に視線を向ける。
…………
……そこに浮かび上がる幻…… 『黒部朋与の幻影』が、ドリブルをしながらゆっくり近づいてきた。
比呂美の眼が鋭く輝く。
だがそれは、昼間のような憎悪に曇ったものではなかった。
『朋与』が体勢を低く構え、左右に動きながら接近する。
比呂美もそれに応じ、ディフェンスの構えを取った。
……抜かれる…… それは分かっている…… でも、勝負はそのあと!!
ダムッダムッというドリブル音が激しく脳内に響くと、『朋与』の体が比呂美を惑わすように揺れる。
(…………来いっ!!!)
比呂美が一段、腰を落とし込んだ瞬間、『朋与』が仕掛けた!
見事なフェイントで、比呂美の読みを裏切って、反対のコースを抜き去る!
(!!)
振り向いた時には、『朋与』は光の中心に向かってシュートを放とうとしていた。

    ヒュッ

両手首のスナップに押し出され、『朋与』から離れていくボール。
それは美しい放物線を描き、光のゴールに吸い込まれていく……かに見えた。
(まだっ!)
リングに弾かれるボール。比呂美と『朋与』は同時に飛び上がり、それに向かって手を伸ばした。
邪魔はしない。でも遠慮もしない。自分もあのボールが……眞一郎が欲しいから。
朋与に勝っているとは思わない。でも、負けているとも思わない。
…………だから勝負する……全力で……真正面から!!…………
…………絶対に……諦めたくないから…………
…………


着地した時、そこはもう公園に戻っていた。『朋与』の姿も消えている。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
呼吸が激しく乱れるほどの緊張。イメージの中の朋与との闘いは、比呂美を疲労させた。
しかし、答えを見つけたその顔は、どこか晴れ晴れとしている。
(……そうだ……私が揺らぐ理由は……何も無いんだ……)
眞一郎が好き…… 『湯浅比呂美』は『仲上眞一郎』が好き……
眞一郎が何をしていたとしても、これから何をしても、『想い』は変わらない。
自分の真ん中にある、この『想い』……それを糧にすればいい。
…………そして今は待つ…………
朋与が眞一郎と向き合うというのなら、眞一郎はそれに答えるだろう。
真剣に朋与に向き合うだろう…… その答えを……自分も待つ…… 今はただ……待つだけ……
…………
…………
重たいレジ袋に手を伸ばし、アパートへと比呂美は歩き出す。
その瞳には、取り戻した想いに裏打ちされた光が宿り、怯えと妬みは完全に消え去っていた。
415朋与男:2008/04/21(月) 02:09:49 ID:QzlB8ANh
スレを落とさないために頑張りたいのですが、
書くのが遅いので……役に立つかどうか、ちょっと自信ないです
援軍が欲しいですね……
「あさみの願い」の続きが読みたいなぁ
416名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:33:50 ID:MKWxIEXp
おお、神が舞い降りた!!おきててよかった(w
朋与男さん、ご苦労さんです
417名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:46:28 ID:Plvo4kl4
待ってましたです
乙です〜
418名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 06:53:04 ID:E7DGDJJo
朋与男さん乙
前回とはうって変わって比呂美が強さを手に入れましたか
419名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 12:44:46 ID:SvUKxg2P
(´;ω;`)ウッ…比呂美かっこいいヨ比呂美
420名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 13:44:29 ID:CrJeSMUa
強くあれ、若者たちよ
421名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 14:30:36 ID:BnINHkk/
三代吉かっこいいわ
422名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 18:51:08 ID:gxZSBpbz
「嘘を吐く」って刺のある表現に違和感感じるけど他はいいなー
ミヨキチの例えカッコよすぎるw
423名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 19:29:50 ID:ptmULvfh
>>415
いつもながら神がかっておいでです。
『友達』の彼氏がね…のやりとりにはちとワラタ。
424名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 22:57:03 ID:nYMJYpLk
>>415
乙!お待ちしておりました。
三代吉いいね。リバウンド 表現いいね。
続きも期待しております。

全然関係ないが、他スレでも神が降臨してた。
今日は投下ラッシュ。良い日だ!
425名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:21:30 ID:Cb1poAGS
>>415
乙です
ミヨキチかっこいい!!
次回は直接対決かな
426名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 01:40:40 ID:FprbVWRe
今日は神は現れずか・・・
保守保守
427名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 20:40:26 ID:LtvkM77p
朋与男さん
乙です

今回のピンチも比呂美、真正面から向き合えました。
光が光が見えてきましたよ!
428声を抑えて眞一郎の部屋で…:2008/04/23(水) 00:11:42 ID:qu226f5s
夕食後、次の日に早朝から出かける予定のある眞一郎の両親は、既に就寝していた。
まだ時間は早い。二人は眞一郎の部屋にいる。
机に椅子はあるが、ベッドに密着して座っていた。
「比呂美…」
「眞一郎くん…」
電気は消さない。万が一にでも疑われることがないように、念のため。
「でも、いいのか?」
「う、うん。して欲しいの…、今日、大丈夫な日だから…」
俯く比呂美は耳まで赤く染めていた。

なぜなら…、
「し、眞一郎くん…。して? 眞一郎くんの部屋で…」
と、自分から言ってきたのだった。

夕方"とても嬉しいこと"があり、初の"おねだり"をしてきたのだ。
しかも、まだこの部屋ではしたことがない。
「いや…でも…。お前、声…」
そう、比呂美は感じると比較的大きな喘ぎ声を出す。
両親が既に寝ているとはいえ、この部屋でするのは、危険な気がした。
「あ、あのね? 私の、弱いとこ、知ってるでしょ?」
顔を見られないように、胸に埋めたまま話している。
今日は、まだ風呂にも入っていない。そんな事をしたら、バレてしまう。
わずかに汗の匂いを嗅ぎ、眞一郎の頭が痺れる。
「うん…」
肩を抱く手に力を少しだけ強く入れた。
「…」
黙ってしまった。次の言葉を口にする決心がまだつかない。
「………………んく…、そこ、いっぱい、弄って…」
眞一郎の背中に回した手をぎゅっと握り、恥ずかしさを堪えて、体を少し震わせて囁く。
その恥ずかしさを押してでも、比呂美は求めていた、激しく。
「え? それって…」
いつも"その部分"を弄り始めると、途中で止められていた。
「………い、いいの。それなら…いっぱい感じて、声…出ないと思うから…」
自分では、"その部分"が強烈な快感を生む場所だと知っている。
知っていて、求めていた。アパートまで待てない。今すぐにでも欲しい。
気持ちが体の芯から熱くしていた。既に愛液がショーツを濡らしているのが分かる。
疼く、という言葉は恥ずかし過ぎて言えないが、股間が疼いていた。
腰が動きそうになるのを防ぐので精一杯。焦らされていると同じだった。
そんなお願いをしたことがないので、眞一郎が戸惑ってしまうのは分かるが、
どうしようもない。股間が熱くて、熱くて我慢できない。
(あぁ…眞一郎くん…、熱いの………すごく…熱いの………早く…早くぅ…)
心の中の言葉をそのまま表には出せない。
必死でしがみついて、"おねだり"する。勇気を出して、目を見て言う。
「し、眞一郎くん…。お願い………私を……いっぱい……気持ちよくして?」
真っ赤な顔で、目に少し涙を溜め、すがるように眞一郎に抱きつき、"おねだり"。
眞一郎がその姿に興奮する。
「今日、中で、いいのか?」
「出して。私の膣内にいっぱい出して。いいの、眞一郎くんなら…いいの…」
次々に"おねだり"の言葉が出てきた。
429声を抑えて眞一郎の部屋で…:2008/04/23(水) 00:12:05 ID:qu226f5s
「クリトリス、弄るぞ?」
既に眞一郎の手は、比呂美の制服を脱がしにかかっていた。
「んくっ……うん、いっぱい弄って。気持ちよくして…、声が出ないくらい…」
目を見て、脱がされる手つきに身をまかせ、体を動かしながら"おねだり"。
「ブラウスの前、空けるぞ?」
「うん…」
ボタンが全て外され、スポーツブラが見えた。眞一郎はここで、いじわる。
「それ、よく分かんないから、自分で上げて?」
「えっ!? う、うん…………………あっ!…うむっ…」
比呂美が自分でブラを捲り上げている間に、ショーツの中に手を差し入れた。
一瞬声を上げかけるが、慌てて口を塞いでから、ちょっと涙目で睨む。
「ご、ごめんな? 少しだけ、いじわる…」
比呂美の緊張を解すため、笑顔を作る。
「もう…、眞一郎くん…ってばぁ…」
笑顔には少し弱い。あまり責めることができない。
「やっぱ、ここの毛、柔らかいな…。脚、開いて?」
股間の陰毛を弄びながら、肩を抱き、なるべく優しい声を出していた。
「うん…………あっ…」
見つめながら、震える膝を少しずつ開いていく。
眞一郎の指先がクリトリスの包皮に触れた。
「比呂美…、すっごい濡れてる…」
股間は既にかなりの熱さを帯びていて、愛液でぐっしょりだった。
「………恥ずかしいの…言わないで…お願い…だから…」
さすがに視線を外してしまった。
「比呂美、キスしながら弄るぞ。こっち、向いて」
肩に添えた手に力を入れた。
「う、うん…」
おずおずと顔を向け、無防備に少し開いて、唇を差し出す。
「ほら、こっちの脚を俺の膝に…」
「…」
キスをせがむ表情のまま、比呂美が指示に従った。
「いいか? 感じすぎたら、知らせろよ?」
「(こくん)」
比呂美は、これから得られる快楽と、キスで頭が一杯。
指先に触れられた包皮が熱い。
「じゃ、始めるぞ?」
「……………ん…ちゅ………ん…ん!…んんん!…んんん!んんん!…」
眞一郎はキスと同時に、クリトリスへ刺激を加え始めた。
まずは、愛液をたっぷりとまぶして、包皮の上からくいくいと押す。
「んんっ!…んっんんっ!…」
比呂美の腰が動き出していく。
(ああっ! これだけでも、すごい気持ちいい…)
待ちに待った快感に、体が喜んでいるのが自分でも分かった。
声が出せなくて安心、しかし、体の反応は比呂美の予測を超えていた。
430声を抑えて眞一郎の部屋で…:2008/04/23(水) 00:12:30 ID:qu226f5s
「んんんっんっ!…………んんっ!んんんっ!…」
(あっ! 待って? 何で、おっきくなるの? あっ、めくれて…)
包皮がくいくいと押される動きから、縦に擦られ始めると、クリトリス本体が
勃起を始めた。次第に大きくなり、包皮がめくれていく。
「んんんっ!………んっ!………ん!…ん…ん…ん…」
勃起と擦られる動きで包皮が完全にめくれ、クリトリス本体に刺激が加わった。
比呂美の喉から声が次第に失われ、喘ぎ声はおろか吐息すら漏れない。
(あぁ… すごい、気持ちいい。眞一郎くん、もっと、もっと、激しく…)
指に翻弄されるかの様に、腰が淫らに動き、股間を少し開閉する。
「ん…ん…ん…ん…ん…ん…ちゅぱ…」
眞一郎は、感じていることが分かりキスを一度止めた。手は止めていない。
比呂美が快感と羞恥に頬を染めながら、見上げる。
「大丈夫か?」
「はっ…はっ…はっ…(こくん)…はっ…はっ…」
途中で首を縦に振って、大丈夫と答える。
「もう、いいか?」
「はっ…はっ…(ふるふる)…はっ…はっ…」
今の比呂美は、クリトリスへの刺激に支配されている。まだまだ、足りないようだ。
「キス、するぞ。もっと強く弄るからな?」
「はっ…はっ…(こくん)………ん!…ん!…ん!…ん!」
キスで口の中を愛撫されながら、激しいクリトリスへの刺激が比呂美を襲う。
(これ! すごい! もっと! もっと!)
腰を前後させて指の動きを助けると同時に、クリトリスへの刺激を大きくしていた。
くちゅくちゅと淫らな音が、比呂美の股間から漏れ始めた。
「ん!…ん!…ん!……ん!………ん!…………ん……………ん」
大きな快感が"声"をさらに奪っていく。喉から漏れる音も小さくなった。
(あぁぁ…、痺れちゃうぅ…、あそこ…、気持ちいい…)
最早、キスに応えることもできず、クリトリスの快感で支配されている。
口の端からはよだれを垂らし、股間から淫らなくちゅくちゅという音を出して、
腰を前後させている。手には満足に力が入らず、震えながら眞一郎にしがみつく。
「ちゅぱっ……ぁ………ぁ……ぁ……………ぁ…」
キスを止めて口を開放されても、声も無く快感に震えるだけ。
眞一郎が優しくベッドに寝かせ、本格的にクリトリスへの愛撫が始まった。
(あああっ! それ! 気持ちいい! もっと! もっと!)
擦ったり、こねくり回したり、押したりしている。それに合わせて比呂美が腰を動かす。
「腕、上げて?」
「…ぁ……ぁ…………ぁ…」
びくびくと腰を痙攣させながら、腕を上げた。
「脚、もっと、もっと開いて?」
「ぁっ…ぁ…ぃ………ぁ…ぁ…ぁぅ…」
震える脚が開いた。比呂美は"人の字"状態で、眞一郎の愛撫を受けている。
「おっぱい、舐めるぞ」
「…ぁぅ…ぁぅ…ぁぅ…………ぁ………ぁ………ぁぁ…」
声もなく、震える唇で「うん、うん、うん」と言っている様だ。
431声を抑えて眞一郎の部屋で…:2008/04/23(水) 00:12:50 ID:qu226f5s
「ほら、腕を俺の頭の後ろに…」
「…ぅぁ…ぅぁ…………ぁ………ぁ…ぁ…」
腕を眞一郎の頭まで上げる力も無く、クリトリスの刺激に翻弄される比呂美の体。
すでにショーツはびしょびしょになっていて、お尻まで愛液が垂れている。
(あぁ、すごい…、でも、私の体、何でこんなに感じるの?)
比呂美は自分の体に戸惑っている。弱点とは知っていたが、こんなに気持ちいいとは、
予想以上だった。
(でも、いい…。もっと、もっと、してぇ…)
股間への1点だけの刺激に、腰を蠢かす姿は、とてもいやらしい。
眞一郎は勃起したペニスを取り出して、聞く。
「やっぱり、もう、入れていいか?」
「…ぅ…(ふる、ふ、る)………ぁ………ぁ…ぁ…」
やっとの思いで首を横に振る比呂美。その快感を楽しむ表情は淫靡そのものだ。
「入れながら、おっぱい、舐めるから、いいだろ?」
「…ぅ…(こく、ん。こ、くん。)………………ぁ………ぁ………ぁ…」
ぶるぶるとしながら、首を縦に振った。
眞一郎がクリトリスから手を離し、力の入らない脚を持ち上げ、動かし、
ショーツを剥ぎ取った。
「いくぞ」
そして、脚を強引に大きく開く。比呂美の淫らな姿に興奮していた。
「…ぁ…………」
ペニスを性器にあてがわれた瞬間。比呂美の体が硬直する。快感への期待だ。
腕を頭の上にあげたままで、脚を大きく開くその姿は、眞一郎を受け入れている証拠だが、
あまりにも無防備な格好だ。しかし、興奮を煽るには十分だ。
ズブ、にゅっちゃっ、ズブ、にゅっちゃっとわざと自分自身を焦らすかの様に、
眞一郎がペニスを挿入していく。すでに胸への愛撫は忘れていた。
「…ぁ…ぁ…ぁ…ぁ…ぁ…ぁ…………ぁっ!…」
(ああっ! 熱い! 熱い! 熱い!)
比呂美は期待以上の快感に震えていた。
ペニスが子宮の入り口に到達した時、勃起したままだったクリトリスが眞一郎の
陰毛に擦られた。
「ぁぁぁっ…」
声にならない声を上げながら最初の絶頂が比呂美を襲った。
びくびくと腰を跳ねさせ、上半身を反らして、快感を受け止める。
「ぁぁ……ぁ…………ぁぁ……ぁ……ぁぁ……」
(おっ、おかしくなっちゃうぅっ!)
「う、動かす、ぞっ」
比呂美の淫らな姿に眞一郎は我慢できない。猛然と腰を前後させる。
にゅちゃ、ぐじゅ、にゅちゃっと股間から今まで聞いたことがない音が立つ。
膣の奥からはどんどん愛液が溢れ出していた。
ぱんぱんと音がしない様に、脚を持ち上げてペニスを出し入れする眞一郎。
ペニスが膣の奥を目指すとGスポットが擦られて、痺れるような快感に襲われ、
子宮の入り口に亀頭の先端が到達して衝撃が来ると同時に、クリトリスに電撃が走る。
眞一郎が腰を引くと、膣がペニスを離してなるものかと締め付け、亀頭のかりが襞を擦った。
「ぁ……ぁ……ぁ…ぁ……ぁ……」
悶える比呂美を容赦なく快感が襲う。
クリトリスへの集中愛撫は膣も敏感にしてしまっていた。
(敏感なのに! ああっ! だめっ! 壊れちゃうぅっ!)
眞一郎は興奮と強い膣の締め付けで、射精を我慢できない。
432声を抑えて眞一郎の部屋で…:2008/04/23(水) 00:13:17 ID:qu226f5s
「だ、だすぞっ」
「ぁぁ……ぁぁ…………ぁぁ…ぁ……ぁ……」
(だっ、だめっ! 今、出されたら!)
眞一郎は射精へ向けて、ぐいぐいと腰を使っている。射精が始まった。
「くっ」
「ぁ…ぁ………………」
呼吸すら止めて、あごを上に反らし射精を受け止める。びゅびゅっ、どくっ!
比呂美の体が痙攣し、同時に絶頂したようだ。
(あ、あ、あ、あ)
子宮に熱い精液を感じた瞬間、頭の芯まで快感が突き抜けた。
「はぁ…はぁ…はぁ…、だ、大丈夫か?」
覆いかぶさりながら、眞一郎が目を見て聞いた。
「ぁ…ぁ………………(こ、く、ん)…ぁ…ぁ…」


少しだけ休んた後、比呂美は驚いた。腰がまた動き始めたのだ。
(えっ? うそっ? 腰が、腰が止まらない…、気持ちいい…)
震える腕を眞一郎の背中に回し、目を見つめながら淫らな動きをする比呂美。
にゅちゃにゅちゃと股間から音が出始めた。
「え、比呂美?」
「ぁっ…ぁっ…ぁっ…ぁっ…」
(と、止まらないっ、気持ちいいっ)
クリトリスは勃起したまま。自らの愛液にまみれ、陰毛に激しく擦られている。
まだ萎えない熱いペニスが快感を倍増させていた。
「もっと、欲しいのか?」
「ぁっ…ぁっ………(こくん)…ぁ…ぁ…」
眞一郎も抱きしめたまま腰を動かし始める。前後させるのではなく、回すような動き。
(もっとぉ、気持ちよくして欲しいのぉ)
さらにクリトリスへの刺激が大きくなり、上半身を反らして快感を得ている
ことを知らせる。二人の腰の動きにつれて、乳首が眞一郎胸に擦り付けられた。
(ああっ! 全部気持ちいいっ! 気持ちいいっ! 気持ちいいっ!)
クリトリスには電撃の様な快感が走り、膣の中はぐにぐにとかき回される。
ペニスが往復するのとはまた違う快感に、体が喜んでいた。
「ぁ…………ぅ………ぁ…………ぃ…………………ぁ……」
比呂美は未だ声にならない声で喘ぐ。
淫らに体全体を蠢かし、股間から、乳首から快感を得て、打ち震えている。
にゅちゃっ、にゅちゃっと股間から音がする度、絶頂に近い快感を得ていた。
(あ、あ、あ、あ、あ)
思考は途切れ、ただ腰を眞一郎に押し付けて快感を得る、
比呂美の表情は幸せそうに蕩けていた。淫靡な影はそのままで、笑っている表情。
快感を与えてくれる眞一郎を愛しげに見つめ、体にしがみついている。
その後、もう一度射精を受け止め、セックスの快楽を知ってから最大の絶頂を経験した。

比呂美がは制服を着た後、こう言ってキスをした。
「ちょっとクセになりそう♪ ちゅ♪」
433名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:13:38 ID:qu226f5s
上手く書けなかった…。援護の為ということで、ご容赦を。
434名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:32:58 ID:yg9KNJn0
>>433

二人目さんかしら?
ここでも乙です
邪魔するのは野暮とかいいつつ
ちゃんと構想練っていたのねw
435名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:05:32 ID:2kp74i/d
>>433
乙っす。比呂美かわゆす。
言葉に表すのが難しいが、比呂美のエロさって大人のエロさではなく
背伸びをしたエロさのような気がする。

何やってやってもエロいけど、そのどことなくまだ子供っぽいというか気恥ずかしさが感じられる。

436名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 01:32:24 ID:vO6dCFqp
比呂美かわいいなあ
眞一郎リードしすぎw もっとどぎまぎしろ
437ある日の比呂美 24:2008/04/23(水) 01:40:52 ID:oG7Tk1os
眞一郎の口から吐き出された息が、一瞬だけ彼の周りを白く染めて、すぐに消える。
「……寒っ」
ブルッと身体を震わせて、手の平で肩の辺りを擦ってみるが、コートの上からではあまり効果は無かった。
……比呂美の部屋の前で彼女を待って、もう一時間になる。
夕食には来ないだろうと思っていたが、こんな時間までどこにいるのだろう……
……何かあったら……と心配になる。
だが、電話には多分出てくれないだろうし、闇雲に探し回っても出逢える確率は低いだろう。
(ここで帰ってくるのを待つしかない)
筒状になっているコートの襟に首を埋め、壁にもたれ掛かったその時、ポケットの中で携帯が暴れだした。
(! ……比呂美)
急いでそれを取り出し、開いてみる。
しかし、画面に表示されていた文字は「着信 野伏三代吉」だった。
落胆しつつ、通話ボタンを押す。
「……もしもし」
《眞一郎。お前、今どこに居んだよ》
三代吉の声は不機嫌で、電波の向こう側の態度は、明らかに喧嘩腰だ。
どこでもいいだろう、と返す眞一郎だったが、三代吉は引き下がらない。
《どこに居るって聞いてんだよ!》
「…………」
……まぁ、三代吉と喧嘩してまで隠すことではない。
そう思った眞一郎は、比呂美の部屋の前で彼女を待っていることを、素直に話した。
《……なんだよ……そうなのかよ……》
三代吉の態度が急に柔らかくなり、「だったら、まぁ、別に」などと話し方がトーンダウンしていく。
一体、何なんだ?と眞一郎が訝しんでいると、電話の向こう側が騒がしくなった。
《ちょ、愛子…よせって……》
《いいから貸しなさいっ!》
愛ちゃんが隣にいるのか……と思った瞬間、受話口から凄まじい絶叫が響いた。
《こらあああ!!しんいちろおおおおっ!!!》
反対の耳まで突き抜ける愛子の怒鳴り声。脳みそが振動するような錯覚を、眞一郎は覚えた。
《あんたっ!比呂美ちゃん泣かせたら……ウチの店、出入り禁止だかんねっ!!》
何故、自分が比呂美を悲しませていることを知っているのか?とは思ったが、
延々と続く愛子の説教を聞いていると、そんな事はどうでも良くなってしまった。
……三代吉と愛子が、自分と比呂美を心配してくれている…… それだけは、ちゃんと理解できたから。
《眞一郎!聞いてんのっ!! ……ちょっと、三代吉っ…まだ終わってな………》
どうやら三代吉が携帯を取り返したようだ。
《お〜い。耳、大丈夫か?》
普段と同じ三代吉の声。その後ろから聞こえる愛子の怒声。……なんだか勇気づけられる。
「三代吉…………ありがとな……」
ヘヘッと照れくさそうに笑ってから、三代吉は「俺たち『親友』だろ?」と言って電話を切った。
(…………ありがとな……二人とも……)
携帯を畳んでポケットに戻す。
待っている間はそれを握り締めて、勇気を少し分けてもらおう…… そう眞一郎は思った。

    カン  カン  カン  カン

スチール製の階段を登ってくる足音が聞こえる。
眞一郎が視線を廊下の奥に向けるのと同時に、そこに少女の影が現れた。
「…………眞一郎くん……」
無視されることを覚悟していた眞一郎は、比呂美が普通に自分の名を呼んでくれたことが嬉しかった。
と同時に、こちらを見つめる瞳の輝きに驚く。
いつもの比呂美に……いや、一年前に竹林で出逢った比呂美に戻っている。
「…………比呂美……」
今朝、生徒玄関の前ですれ違ってから今までの間に何があったのか……それは分からない。
でも、今の比呂美なら、自分の話を聞いてくれる……受け入れてくれる。
朋与とちゃんとするまで、全部は話せないけど……今、話せることは言わなきゃならない。
…………
眞一郎は壁から身体を起こすと、近づいてくる比呂美に正面から向き合った。
438ある日の比呂美 25:2008/04/23(水) 01:44:30 ID:oG7Tk1os
相手の雰囲気が違うな、と感じたのは眞一郎だけではない。
比呂美もまた、目の前の眞一郎が、昨夜、自分の前から逃げ出した彼とは違うことに気づいていた。
「合鍵あるんだから、入って待ってればいいのに」
「…………」
眞一郎は黙って首を横に振った。
……そうだった。眞一郎はそんな無神経な事が出来る人間ではない。
鍵を開けて「入ったら?」と誘っても、眞一郎は応じなかった。
「今日は……ここで」
「…………そうね……」
シチューの材料が入った袋だけを中に入れ、再び扉を閉めると、比呂美はそこに寄り掛かった。
「何?」
わざわざ来たのだ。話が……大事な話があるのだろう…… 比呂美は眼で眞一郎を促した。
刹那の躊躇いの後、眞一郎の唇が動く。
「明日、朋与と会ってくる」
視線を絡ませた状態で放たれたその言葉が、比呂美の鼓動を急激に早める。
……覚悟していたことなのに…… やはり、気持ちを完全に制御するのは難しい。
「……うん……」
そう短く返事をするのが精一杯…… それでも、比呂美は視線を逸らさなかった。
「ちゃんと答えを出してくる。……今は…それしか言えない」
比呂美は嬉しかった。
朋与に会って答えを出す…… この短い言葉を告げる為だけに、眞一郎が自分を待っていてくれた事が。
時々間違ったり迷ったりしても、『仲上眞一郎』は『湯浅比呂美』に、ちゃんと向き合ってくれる……
それを、改めて確認できた事が……
だから自分も言わなければならない。『湯浅比呂美』が何を望み、どう行動するのかを……
…………
「……一つお願いがあるの」
「?」
呼吸を整えてから、比呂美は今の想いを解き放つ。
「どんな答えでもいいの。答えが出たら……私にも言いに来て。待ってるから」
「……比呂美……」
「…………待ってるから……」
比呂美の顔には、何の色も無かった。涙も、笑顔も、苦しみも無い……透きとおった表情……
この決意に色を塗ることは反則だ…… 比呂美はそう思った。
朋与のシュートを邪魔したくない。卑怯な真似をしてはいけない。
眞一郎にもその気持ちは伝わったようだった。
「うん」とだけ返してきた眞一郎の顔もまた、内に秘めた感情を隠しているように見える。
…………
鎖のように絡み合った視線を、無理矢理に引き千切る二人。
眞一郎はそれ以上喋ることは無く、無言で階段の方へ向かっていった。
遠ざかっていく背中を、比呂美は見つめる。……帰ってこないかもしれない背中を……
(シチューは……明日にするから……)
心の中でそう呟き、目を閉じてささやかな『願掛け』をする。
(帰ってきて)……そんな切ない想いを込めて……
…………
「比呂美!」
その声にハッとして、比呂美は閉じていた目を開いた。廊下の端……階段の手前で眞一郎がこちらを見ている。
「……行ってきます……」
「!」
鼓膜を通して心へと響く、何気ないその言葉。
『行ってきます』…… 当たり前の挨拶が、比呂美には重い意味を持っていた。
(……だめ……泣いちゃ…………だめ……)
反則だ……フェアじゃない…… そう思っても、涙腺はいうことを聞いてはくれなかった。
溢れ出す涙と共に、比呂美の唇から漏れ出す『当たり前の挨拶』…………
「……行って……らっしゃい……」
小さな……とても小さな声で紡がれた想いは、眞一郎の耳に届いただろうか?
顔を伏せて階段を降りていった眞一郎の様子からは、それを推し量ることは出来なかった。
一人その場に残された比呂美は、また瞼を閉じて『想い』を心の中で唱えはじめる。
(……待ってる……私……待ってるから……)
離れていく眞一郎の気配……
カン、カン、と鉄の階段が打ち鳴らされる音が消えるまで、比呂美はその場から動かなかった。
439朋与男:2008/04/23(水) 01:48:48 ID:oG7Tk1os
ちょっとですが、区切りが良いので投下させていただきます
次は朋与のターンです

>>433
乙でございます
文章上手いし、書くの早いし……ホント、その才能が羨ましいです
440名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 03:18:56 ID:I55WRtpM
>>439 乙&GJ!!!
そこで「行ってきます」かー うまいな。さすが。

しかしホント三代吉いい奴だな。
なんか作中の人物(アニメ登場人物)の中で一番人間が出来てるようなw
441名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:00:40 ID:mGcd9IFk
>>439
乙です
眞一郎の答えは出てるけど朋与がどう動くか見物ですね
乃絵の時みたくすんなりにはいかなさそう
442名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:59:21 ID:H4cddjT8
>>431
あいかわらず素敵すぎるSSですね。
443名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 00:19:44 ID:WYUtUTeI
>>439
乙です。そして、GJ! 朋与の反応が楽しみ
444名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 19:20:14 ID:/oEewrpP
早く続きを・・・
445名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:47:56 ID:4RddKBEf
あさみの願いはまだかいな
446遅筆屋(@10) ◆3mclWd6jX. :2008/04/27(日) 01:32:51 ID:dRfiB7qi
ども。前作「少し〜」では読んで下さった方ありがとうございました。
後日談的なもの書き始めたので投下します。やっと10作目。
本当は完結してから投下したかったんですが、前作の倍の容量になりそうで……
出来たところから4回に分けて投下することにします。

「after tears これからのことを」・1
http://www7.axfc.net/uploader/93/so/File_5694.txt.html
一行が長い部分もあるので、携帯か保管庫から読んだほうが読みやすいかもしれないです。
続きの兼ね合いで後に修正版出すかもしれないけど、どうぞ。

2はGWが終わる頃には。3、4は1〜2ヵ月後になるかと。
最悪、ドラマCDが発売するまでにはなんとか。
あ、エロ分は3、4になると思うんでエロ期待してる方すいません。
「比呂美とベロチューしながら対面座位で中田氏したい」
を書きたいだけなのになんでこんな長くなったのかorz

朋与男さん等、他の職人氏作品の息抜きにでも読んでください。
447名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:38:28 ID:05bRTLkf
>>446
正直スルーしようと思ったが
>「比呂美とベロチューしながら対面座位で中田氏したい」
その心意気よし。
全裸で待ち受けようじゃないか!
448名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 01:59:07 ID:8Z4m+IpG
>>446
乙です。投下楽しみに待ってます。
>>447
おい、今から全裸待機は結構きついぞ。
449名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:00:26 ID:n3GlYpfJ
>>446
乙です
やはり比呂美スレでも半テンプレがしてるアレがきっかけですか?
450名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 09:49:10 ID:zGQr9pcr
実は今までこういうオフィシャル物でない、個人的な創作物ってかなり馬鹿にしてたんだけど意外と面白いな
比呂美スレSS保管庫のはすべて読み終えてしまったので早く続きをお願いしますだ
451名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 12:30:29 ID:IiqXsmXr
>>446
>「〜対面座位〜」を書きたいだけなのに
コーヒー吹いたw
452名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 18:25:59 ID:xEe4Zjjc
>>446
ワロスwwwwwwwwwwww
見た目と本質のギャップが源氏物語並みwwwwww
いいぞ、もっとやれ
453名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 18:44:39 ID:koevo6nc
454名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 14:25:19 ID:oGiHtGRg
続きも楽しみだが、エロも…
455名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:55:11 ID:FhXKsoOY
誰か、愛ちゃんネタを書いてくれないか?
456名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:47:24 ID:XX808INg
とりあえず揚げておく。
457名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 00:10:47 ID:OFxITsPn
あ〜GW突入で過疎ってルナ
458名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 22:21:15 ID:OFxITsPn
朋代スレに負けてるよ〜
がんばれ朋代男さん!
459ある日の比呂美 26:2008/05/01(木) 22:59:34 ID:IdMgxXeQ
眞一郎との約束の日は、この季節らしい曇天だった。
今にも雪が零れ落ちそうな……そんな空を、部屋の窓からボンヤリと見つめる。
朋与は今日、登校していない。
母が出勤したあとで、担任と部活の顧問に自分で連絡を入れ、『風邪』をひいたという事にしてしまった。
《湯浅が代わりに何とかするだろ。ちゃんと休んで、早く治せよ》
顧問の先生は、そう言葉で見舞ってくれるのと共に、比呂美が昨日の無断欠席を謝罪に来た事も教えてくれた。
(……比呂美は学校に来てる……)
……あれほど憔悴しきっていたというのに……
迷っている時のあの娘は、とても弱い。平気な顔で日常を営むことなど出来ないはずだ。
……比呂美も答えにたどり着いたのだな……と朋与は理解した。
分かるのだ。だって『親友』だから。
そして朋与は、『友情』という思考を閉じて、比呂美の事を考えるのを止める。
比呂美の想いを気遣って……などという言い訳はしたくなかった。
このあと起こる出来事に比呂美は関係ない。これは自分と眞一郎の問題なのだ。
…………
壁の時計に目をやる。もうすぐ眞一郎がやってくる頃だった。
(…………もう時間か……)
仮病の電話をしてからこれまでの時間、朋与は意図的に何もしないで時をやり過ごした。
テレビも観ないし、ネットも繋がない。漫画も文庫本も読まないし、音楽も聴かない。
時折、脚に纏わり付いてくる猫のボーも無視した。
何かに集中することで、時間が早く過ぎてしまうのが怖かったのだ。
もちろん、そんなことで物理的に時間が延長されるわけはない。
……それでも……朋与は自分の中で燻る『恋心』の要求を、完全に抑え込むことは出来なかった。
『終わりの始まり』を遅らせたい…… 少しでも長く、眞一郎を好きな自分でいたい……
…………
だが、現実はどこまでも朋与に対して残酷だった。
部屋の窓に切り取られた、彩度の失せた世界。その隅にライトグリーンの点が現れる。
何度か目にした事のある、特徴的なデザインのコート。
「変な趣味」とからかったことを思い出し、朋与は泣きそうになった。
(……なんで……約束どおりに来るのよ……)
少しくらい遅れて来れば良いのに。時間なんて守れない……いい加減な男になればいいのに……
…………いい加減な男に……なってくれれば……
そうすれば……比呂美と自分のあいだを……器用に立ち回って……そして……
…………
「ハハ……馬鹿じゃないの、私」
乾いた声を出して、間の抜けた妄想を笑う。
眞一郎がそんな男なら、自分も比呂美もこんなに彼を愛したりしない。
……こんな……胸の奥にある大切なモノが砕かれる苦しみを……味わうことはない……
…………
(……始めよう……)
朋与は窓から離れると鏡の前に立ち、今日の天気の様に曇った自分の顔に、ピシャっと平手で喝を入れた。
表情筋を想いとは逆に動かし、無理矢理に笑顔を作る。
自室を出て階段を降り、玄関へ。そしてチャイムが鳴るのを待っていると、ほどなく、眞一郎はやってきた。
朋与は呼び鈴と同時にドアを開け、満面の笑みで出迎える。
「……あ…」
眞一郎が口を開くよりも早く、その身体を中へ引っ張り込み、ドアを閉めてから乳房を押し付けるようにして抱きつく。
「……待ってたよ……」
眞一郎の反応は無い。平坦な表情を変えることも無く、朋与のしたいように身体を任せていた。
「来て、早く」と眞一郎の耳元で囁いて、一年前と同じ様に袖を引いて階段を上がる。
…………
朋与は気づいていた。
眞一郎が、自分と同じ様に感情を押し隠す『仮面』を付けていることに。
お互いに涙を隠す仮面を被って演じる、観客のいない二人だけのお芝居……
……そして……その仮面を外した時……自分と眞一郎は……
…………
(大丈夫……私は……大丈夫……)
覚悟はとっくに出来ている…… その固い決意とは裏腹に、笑顔の仮面の裏側で、朋与の心は泣いていた。
460ある日の比呂美 27:2008/05/01(木) 23:01:08 ID:IdMgxXeQ
(変わってないな……)
朋与の部屋は『あの時』のまま、時間が止まっているかのようだった。
その景色はまるで、無意識に凍結させていた自分と朋与の気持ちが、形になって現れたように眞一郎には思えた。
「さぁ、しよ」
ドアの側から動かない眞一郎を放置して、朋与は服を脱ぎはじめ、あっという間に下着だけになってしまう。
ライトグレーのスポーツブラに包まれた朋与の乳房が眼にとまり、思わず視線を逸らす眞一郎。
朋与はクスッと笑いながら「今更なに照れてんの」と、幾分成長した胸を持ち上げてみせる。
そして机の引き出しを開けて中を漁ると、小さな箱を取り出して見せた。
「じゃ〜ん!これ、買っておきました〜!」
誇らしげに眞一郎に突き出される、高級スキンの箱。
朋与のテンションは上昇を続け、ニコニコしながら手にした物の説明を始める。
「これ凄いんだって。『つけているのに、つけてない感触』らしいよ」
薄々だよ〜、きっと気持ち良いよ〜、などと上機嫌な様子の朋与に、眞一郎は意を決して近づいていった。
見るからに不自然な浮かれ方をしている朋与から、スキンの箱を取り上げ、部屋の隅に投げ捨てる。
射抜くような眞一郎の視線に捕らえられ、朋与の動きがピタリと止まると、その顔から笑みが消えた。
…………そして…………
目の前まで迫った眞一郎の胸に、もたれ掛かるように身を預ける朋与。
「…………いいよ……眞一郎がつけたくないなら……そのまましてもいい……」
好きにしていい…… また中に出してもいい…… 妊娠したって……構わない……
そう囁いて、朋与は腕を眞一郎の背中へと滑らせる。
だが、その手が眞一郎を抱きしめる前に、朋与の身体は強い力で引き離された。
「…………眞一郎……」
「分かってるはずだ。俺が……何をしにここへ来たか」
朋与の瞳の色が濁り、眞一郎の眼差しが苦痛だと言わんばかりに眼を逸らす。
「……分かんない」
「朋与!」
「分かんないよッッ!!」
再び向けられた朋与の双眼は、悲しみに満ち溢れていた。
「…………比呂美なんて……眞一郎に相応しくないじゃん……」
朋与の口から漏れ出す、比呂美を罵倒する口汚い言葉の数々。
ちょっと可愛いからって調子にのってる…… 先に眞一郎に出逢ったからっていい気になってる……
いつも眞一郎を悲しませるクセに…… いつも眞一郎を苦しめるクセに……
瞳を真っ赤に充血させて比呂美を罵る朋与を、眞一郎も悲しみに染まった眼で見つめる。
「……ひ…比呂美なんてッッ!!!」
「もうよせッ!!」
眞一郎の両手が朋与の肩を鷲掴みにして、正気に戻れとばかりに、その身体を揺さぶった。
「『俺に嫌われるための芝居』なんて、しなくていいッッ!!」
「!!!!」
朋与の唇が半分開いたまま止まり、小刻みに震え出す。
……眞一郎には分かっていた。黒部朋与は、そんなことを考える人間ではないと。
…………朋を与えると書いて『朋与』…………
その名のとおり、『朋』……友情を宝として、周りを気遣い、そして与え続ける…… そんな優しい少女……
それが眞一郎の知る『黒部朋与』だった。
……もう……彼女を自分のために苦しめてはいけない……彼女に甘えては……逃げてはいけない…………
「俺がちゃんとするから。……ちゃんと……『終わらせる』から……」
その眞一郎の言葉を聞いて、苦しげに顔を歪め「嫌だ嫌だ」と首を振る朋与。
言いたくない。聞かせたくない。朋与を傷つけたくない。
……でも…… 言わなきゃ飛べない。進めない。自分も、朋与も。
…………
眞一郎は覚悟を決め、朋与の心を切り裂くナイフを抜き放った。
461ある日の比呂美 28:2008/05/01(木) 23:02:59 ID:IdMgxXeQ
眞一郎が何か言っている…… 眼を潤ませながら、何か言っている……
目の前にある唇が動くたびに、頭から血の気が失せて、視界が黒く濁っていく……
(……あぁ……始まっちゃった……)
掠れそうな意識の中で、朋与は眞一郎の言葉を噛み締めていた。
二人が心の片隅に隠していた想い……その終わりを告げる言葉を。
鼓膜が働くことを拒否しているので、眞一郎の声自体は、あまり良く聞こえない。
でも何が言いたいのか……何を言おうとしているのか……それは分かる。
眞一郎の唇が生み出す優しい言葉たちは、最後に自分の想いを粉々にするだろう。
…………もう……二度と元に戻れなくなるほど粉々に…………
そして眞一郎は苦しみを一人で背負い込もうとしている。『自分を想ってくれる人を傷つける』という苦しみを。
(大丈夫だよ…… それ半分、私が背負ってあげるから……)
二人で始めた事だから、責任は半分づつだ。そして二人で終わらせよう。
眞一郎にだけ苦しい思いなんてさせない。自分も同じだけ苦しみたい。
……だって好きだから…… ……だって……愛しているから……
…………
…………
悲しみで靄の掛かっていた朋与の瞳が、スッと閉じられる。
そして、すぐに開かれた両眼には、萎えかけていた強固な意志が蘇っていた。
「……朋……」
突然、変化した朋与の様子に、眞一郎は一瞬だけ怯んだ。
朋与は肩に掛けられた眞一郎の手を払い除け、目線の高さにあるコートの襟元を締め上げるように掴む。
「!」
驚いている眞一郎を無視し、身体の反動を利用して、すぐ右側にあるベッドへ向かって眞一郎を投げ飛ばす朋与。
眞一郎の華奢な身体は突然の投げ技に逆らえず、無様にベッドの上で仰向けになってしまった。
「な、なにを…」
眞一郎が動転している僅かな隙に、朋与はブラとショーツを脱ぎ捨て、最後に髪留めを外し放り投げた。
壁に弾かれ床を跳ねる髪留めが、カツン、カツンと乾いた音を立てる。
眞一郎がその行方に気を取られた瞬間、朋与は眞一郎の腹に馬乗りになり、強引に唇を奪った。
「ッ!!」
眞一郎の口元全体を舐め回す様に味わったあと、朋与は唇を離してニヤリと笑う。
「ゴメンね……私、乃絵じゃないから……そんなのポエムみたいなこと言われても分かんない」
「……え……」
「それに……面倒くさいのも嫌い」
朋与の豹変ぶりに、眞一郎は言葉を失った。
そして乳房を眞一郎の目の前にチラつかせたまま、朋与は扇情的で下品な言葉の羅列を浴びせかける。

    《見て……おっぱい、大きくなったでしょ?》
        《眞一郎のこと考えて……ずっと一人でシテたの……》
    《忘れられないよ…… だって凄かったんだもん、眞一郎のアレ……》
        《ねぇ、しよ。もう濡れてるの…… 早く挿入れて……》

蛇が獲物を絞め殺すような動きで、自らの裸体を眞一郎に絡ませるはじめる朋与。
「しちゃおうよ…… そしたら全部忘れられるよ…… 比呂美のこともさ……」
舌で上下の唇をペロリと舐め上げ、フフフと笑う朋与が視界いっぱいに広がった時、眞一郎の心がキレた。

「やめろォォォォっっ!!!!」

絶叫と共に朋与の身体を突き飛ばして跳ね除け、眞一郎はベッドから転げ出る。
肺の中の空気を全て消費してしまったのか、呼吸がハァハァと荒くなっていた。
「…………」
起き上がり、体勢を立て直した朋与は、男を求める眼から一転して、侮蔑するような視線を眞一郎に向ける。
「なに格好つけてんのよ……本当はヤリたいんでしょ?」
「違うッッ!!」
即座に否定する眞一郎を、朋与はゴミでも見るかのように蔑み、そして笑った。
462ある日の比呂美 29:2008/05/01(木) 23:05:24 ID:IdMgxXeQ
「フフ……おかしい。チンチン硬くして、なに言ってんの?」
さっきから勃起しっぱなしじゃない、気づいてないとでも思ってる?と眼を細める朋与。
「…………よせって言ったろ。そんな芝居」
「芝居? 何のこと? 随分と私のこと買い被ってるみたいだけど……勝手な妄想は迷惑なのよね」
馬鹿じゃないの?と吐き捨ててから、朋与の『口撃』は尚も続く。
あの時、優しくしてやったのは、上手くたらし込めば玉の輿に乗れると思ったから。
仲上酒造といえば、麦端で一二を争う名家だ。
ちょっと早いかな、とは考えたが、金持ちの家に転がり込むチャンスは、そう何度もやって来ない。
相手は失恋したての童貞バカ息子。相談するフリをして近づけば、簡単に堕とせる。
いい具合に妊娠でもすれば、後の人生、左団扇で暮らしていける。
「上手く行けばって軽い気持ちで始めたのに、それがこんな面倒なことになるなんてね〜」
ハハハと乾いた笑いを漏らした朋与は、話を聞く眞一郎が全く表情を変えていないことに気がついた。
「!! ……な、何とか言ったらどうなのよッッ!!!」
瞬時に顔を険しくして、眞一郎に噛み付く朋与。
その朋与の様子を見て、眞一郎は両眼から大粒の涙を溢れさせる。
「! ……また……お、男のクセにッ!!」
もうこれで三度目…… 何度、自分の前で泣けば気が済むのか!!
そう声を荒らげて罵倒する朋与に、眞一郎は静かに言った。
「……じゃあ……お前のソレは……何だよ…………」
「!!」
頬の違和感に気づき、ゆっくりと顔をなぞった朋与の指先が、水分を吸ってしっとりと濡れる。
(……私……泣い…て…………)
いつからだろう…… いつから…… これでは台無しだ…… せっかく……上手く行って…………
眞一郎を…… 眞一郎を……解放して……
…………
「もういい……もういいから……」
泣きながら微笑む眞一郎の声を合図に、ゆっくりと壊れていく朋与の表情。
涙は眼球全体を覆いつくし、その眼に映る眞一郎の像を歪める。
「朋与……」
床に倒れ込んでいた眞一郎が、ゆっくりと立ち上がるのが、ぼやけて見える。
横隔膜が痙攣をはじめ、呼吸が途切れ途切れになっていく。
…………限界が近い………… 
そう感じた朋与は、眞一郎に向かって、声を絞り出すように懇願した。
「……言って……私…私が……壊れちゃう前に……ちゃんと!……言ってッッ!!」
その悲痛な叫びを耳にし、眞一郎は震える両脚を踏ん張り、拳を固く握り締めて朋与に向き合う。
そして……涙で透明に塗装された朋与の顔を真っ直ぐに見つめながら、眞一郎はその『想い』を切り裂いた。

    『俺が愛してるのは……『朋与』じゃないッ!『比呂美』だッ!!
          これから先、ずっと側にいて欲しいのは……『湯浅比呂美』だッッ!!!」

…………
…………
一瞬の……眞一郎と朋与にとっては、永遠とも思える静寂が訪れる……
……そして、それを破ったのは、地を這うような朋与の笑い声だった。
463ある日の比呂美 30:2008/05/01(木) 23:08:49 ID:IdMgxXeQ
「……ハハ……ハハハ……」
再び顔を伏せ、狂ったように笑いながら、朋与が眞一郎に向かって最初に投げつけたのは枕だった。
虚ろな表情のまま、破壊された心を表現する様に、ベッドの近くにある物を次々と眞一郎めがけて投げ続ける朋与。
文庫本、CDケース、ぬいぐるみ……朋与が手に取れる、ありとあらゆる物が眞一郎に向かって飛んでくる。
眞一郎は身体に命中するそれらを黙って、ただ黙って全身で受け止めていた。
「……ハハハ……そんなこと……そんなことね…………」
右手に目覚まし時計を手にした瞬間、朋与はグシャグシャに崩れた顔を眞一郎に向け、そして叫んだ。
「…………最初からッ…分かってるわよおおおッッッ!!!!」
弓のようにしなった朋与の右腕が、プラスチックの塊を放り投げる。
壁に叩きつけるつもりで投げたそれは、真っ直ぐに眞一郎の顔面に向かい、ガツッと音を立てて額に直撃した。
それは微動だにしない眞一郎の気力で跳ね返され、硬い床の上で部品を撒き散らしながら転げ回る。
「!」
眞一郎の額……その左側に赤いものが滲むのを見て、朋与はハッとなった。
瞬間、怪我を案じる表情を浮かべ、ベッドに沈みかけていた身体を半分立ち上げる。
「……あぁ……」と声にならない声を漏らしながら、朋与は手を眞一郎に伸ばしかけるが、瞳を伏せて思い止まる。
……もう……『眞一郎』に近づいてはダメ……触れてはダメ……
今度は……私が『眞一郎』を……解放してあげる番…………
…………
眞一郎に差し出した手の平をギュッっと握り締め、朋与はそれをベッドに向けて垂直に打ち付けた。
ドスッという鈍い音に反応して、眞一郎の視線が僅かに動く。
ベッドにめり込ませた自分の拳を見つめながら、震える声で朋与は言う。
「…………消えろ…………」
「…………」
動くことも、口を開くことも出来ずにいる眞一郎。
その気配を感じた朋与は、最後の涙を溢れさせて叫んだ。
「…………私の中から消えろッッ!! 仲上眞一郎ぉぉぉッッ!!!!」
朋与が眞一郎に向けて放った最後の言葉……
それに込められた悲しみと苦しみが眞一郎の『想い』を貫き、粉々に砕け散らせた。
そして眞一郎も最後の別れを告げる。
止め処なく流れる涙を隠すこともなく、拭うこともなく、顔を上げない朋与の姿を目に焼き付けながら……
……最後の言葉を……

「…………さよなら……『朋与』…………」

朋与からの返事は無い……
もう二度と呼ぶことはない『朋与』という名前……
眞一郎は身体に残った想いの断片を、その一言の中に全て込めた。
……終わったのだ…… ……もう自分はここに……朋与の側に居てはいけない……
眞一郎はもう一度、肩を震わせて心の崩壊に耐えている朋与の姿を脳裏に焼きつけて、部屋のドアを開けた。
「!」
戸口をくぐりかけた時、廊下に鎮座していた朋与の愛猫、ボーの睨むような視線に、眞一郎は捕まってしまった。
「シャアアアーッッ!!」
ボーは眞一郎の姿を確認するなり、全身の毛を逆立てて牙を剥く。
……朋与を泣かせる奴は、この家から出て行け!!…… そう叫ばれた気がして、眞一郎の胸は更に深く抉られた。
ドアを開けたまま固まっている眞一郎の横をすり抜け、ボーは主人の元へ急ぐ。
眞一郎が静かにドアを閉めると、中から朋与を慰めるような、ボーの甘い鳴き声が聞こえてきた。
そして……眞一郎がドアから離れ、一階へと向かう階段に脚を踏み出した時……
「……うぅ…うわあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
壁を突き抜けて、朋与の激しい慟哭が、眞一郎の背中に突き刺さった。
それに呼応するように、眞一郎の眼からもまた、大粒の雫が零れ落ちる。
「……うぅ……ううぅぅっ……」
声を堪えるのが精一杯だった。拭っても拭っても、その雫の噴出は止まる気配を見せない。
それはまるで涙腺が意思を持ち、『人が人を想う気持ち』の不可解さと尊さを、眞一郎に教えているかのようだった
464朋与男:2008/05/01(木) 23:13:06 ID:IdMgxXeQ
区切りのいいところまで書けましたので、投下させていただきます
「比呂美が出てねぇ!」というクレームは無しでお願いします

まぁ、トップエース・遅筆屋さんが投下されるまでの繋ぎってことで
465名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:57:49 ID:RafFJbDs
うは、連休中GJです。

いよいよ次から比呂美登場ですかね?何かエロパロっぽくないけど
楽しみだなぁ
466名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 00:28:42 ID:S6brTRU3
>>464
乙です
比呂美が出てねぇっなんて野暮なことは言いませんよ
人を振るのは人に想いを伝えるよりも勇気がいると感じました
467名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 05:56:19 ID:WhsLZQSa
俺まで泣きそうになった
468名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 08:42:06 ID:pOpFNRyn
>>458
朋与です><
469名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 20:06:33 ID:mQeFdCB8
>>464
朋与男さんGJです。
登場人物達の内面が剥き出しにされてゆく様が本編以上にすさまじく、
いつもながら息をのまされます。
470名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:30:35 ID:0my+KocP
あなたのパソコンを難病で困っている人の役に立てませんか?
詳しくは↓のスレで

【BOINC】書き手も読み手もマターリ参加 10【分散】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205449495/l50
471名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 08:14:47 ID:iLRMPJMG
>>朋与男さん
乙です。
ある日のシリーズ久しぶりに泣ける位引き込まれるSSに
出会えました。続き楽しみにしています。
472名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 20:51:52 ID:noBd5NnN

あさみの願いとafter tears これからのことをも早く続きが読みたいです
473名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 17:50:21 ID:oX2pW8+Z
ここの住人は比呂美スレのSSも読んでる?
それともエロありだけ待ち?
474名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:12:46 ID:VmgONBXC
どっちも
475名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 21:35:59 ID:4OAqgeJ8
なんというアンケート
476名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 21:36:59 ID:9aE/1dF2
俺も両方
477名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:23:59 ID:iNM68y1r
>>473
もちろん両方欠かさずチェックしてますよ。
478遅筆屋(@10) ◆3mclWd6jX. :2008/05/06(火) 00:37:20 ID:iMtEcE9h
ども。>>446の続きです。

「after tears これからのことを」・2
http://www7.axfc.net/uploader/93/so/File_6037.txt
後半の展開が比呂美スレSSの比呂美のバイトその4とかぶってしまった/(^o^)\
今思えばうpロダに上げる必要なかったんすよね。すいません。
管理人さんが保管しやすいということで。このシリーズはうpロダにしときます。

>>449 アレですw
>>473 全部じゃないけど、読めるだけ。
479名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:54:14 ID:gWRbF8Db
おつおつ
ここでは直接投下でもOKだけどね
480名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:07:01 ID:K8r1L6BR
>>478
遅筆屋さん乙です
そうかあなたも比呂美スレの住人でしたかw
481名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:34:36 ID:vjHN6Oqd
>>478
乙です
482名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 01:40:35 ID:MoKkzcCK
>>478

乙です。 続きも楽しみにしてます
13話の時の絵本は、一度紙飛行機にして捨てた奴だし
乃絵に見て貰うことで役目を果たしたから(これを比呂美に見せる
つもりはない?) 比呂美と竹林で合う前に捨てちゃったんじゃない
かなと想像したた
483名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 02:33:41 ID:wIXNVS2n
>>478
乙です

今開こうとしたらページが見つからないって出たので
後でじっくり読ませていただきます
484名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:46:06 ID:kpWnbmUg
ようやく春が訪れ、眞一郎と比呂美はちょっとずつお互いの距離を
縮めていっていた。そんな中、あることを切欠に二人の間に波風が
立つことになり。
比呂美を傷つけないと、自分に言い聞かせる眞一郎。
乃絵の笑顔のチカラに、心がざわめく比呂美。
母親として、比呂美を叱りつける理恵子。
比呂美に優しい眼差しを送るヒロシ。
「わたしたち、恋人ごっこの、ままだわ」
眞一郎と比呂美が、お互いの絆を深めるために取った行動とは。

「トゥルー・ティアーズ・アフター 〜春雷〜 」

本編のその後を描いた、こころ温まる物語。
……あなたの大切って、なに?

ttp://www7.axfc.net/uploader/93/so/File_6079.txt.html
485名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 02:09:04 ID:5jAVlRJq
>>484
乙です
浜辺での言い合いのところ凄く良かったです
二人が本気でケンカしてくれてほっとしました
486名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 02:33:28 ID:2b+SVFxO
>>484
よくやった。感動した。
次回作も期待してる。

てか、ちょっと前に比呂美スレでエロ有りは桶かどうか訊いてた人かな?
直接的な描写なきゃあっちでも大丈夫だと思うよ。
まあ微妙な場合はこっちが安心だとは思うけど。
487名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 03:44:04 ID:t0C2j+tA
>>484
二人の感情が激しいぶつかり合って再度思いが深まる、すばらし作品でした。
次回も期待しちゃいます。

直接的な描写もないし、比呂美スレでもよかったじゃないでしょうか。
488名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 19:21:48 ID:ieGe53md
エラーになって見れない件
489名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 19:26:03 ID:T1OSBtl4
エラーの人は携帯から見てる?
携帯からだとたまに見れないよね。
時間を置けば見れたりする。
490ある日の比呂美 31:2008/05/07(水) 22:18:31 ID:krq8WSYQ
比呂美が目を覚ますと、時計の針は七時を差していた。
シチューの仕込みを終えたあとで時間を持て余し、ウトウトし始めたのは六時過ぎ……
どうやら一時間ほど、テーブルに突っ伏して眠ってしまったらしい。
「………………」
覚醒しきらない頭に、先ほどまで見ていた夢の断片が浮かぶ。
……誰か……自分の大切な誰かが泣いていた……気がする……
(……眞一郎くん?…………それとも他の……誰か……)
それが何者だったか考えれば考えるほど、夢の記憶は心の内へと落ち込んで行き、やがて気にならなくなってしまった。
…………
すっかり暗くなっていた室内に明かりを点けようと、座椅子から立ち上がる比呂美。
ふと、窓の外を見ると、街灯に照らされて舞い降りる白いモノが目に入る。
(……雪……)
……またか、と比呂美は思った。
良くも悪くも、自分の気持ちを掻き乱す何かが起こる時、……必ず……必ず雪が降る。
冬の富山では、降雪など当たり前の日常なのに、比呂美にはそう思えてならなかった。
(また……嫌いになりそう……)
そう心で呟いて手を蛍光灯のスイッチに伸ばした時、テーブルの上に置いておいた携帯が震え出した。
「!」
眞一郎からの着信…… 何の疑いもなくそう思った比呂美は、反射的にそれを手に取って開く。
……だが…… 液晶画面に浮かび上がった送信相手の名前を見て、比呂美の身体は硬直した。
(……朋与)
……どうして…… 自分に連絡をしてくるなんて、一体どういうつもりなのか……
着信拒否に設定しておかなかった己の迂闊さを呪いつつ、比呂美は通話終了ボタンを押して受信を止める。
朋与と話しをするつもりはない。答えは眞一郎から聞きたい。……比呂美はそう考えていた。
しかし、電波の向こうにいる恋敵は、諦めるつもりはないらしい。
再び、手の中の携帯が振動し、ダイオードの青いランプが点滅する。
「…………」
何度切っても同じだ、と気づいた比呂美は、下唇をキッと噛み締めてから通話ボタンを押した。
「…………もし…もし……」
《あ、比呂美? 今、わざと切ったでしょ! ひ〜ど〜い〜!》
携帯から聞こえる明るい調子の朋与の声に、比呂美は面食らった。
「え?……あ、あの……」
一瞬で毒気を抜かれて戸惑う比呂美を無視し、朋与は機関銃のような勢いで話しはじめる。
《ちょっと聞いてよ〜 私さぁ〜今日フラれちゃった〜 アハハハハ》
最初の一言に衝撃を受けて、比呂美は黙り込んでしまった。それに構わず、朋与の告白は続く。
つい先刻、その身に起きた出来事を、まるで他人事のように……比呂美には関係ない事のように話す朋与の声。
《とどめにさぁ〜『俺が愛してるのは、お前じゃない!』とか言いやがってさぁ〜 ま…………参っちゃっ……》
軽快だった朋与の舌が、込み上げてくるモノに邪魔されて急停止した。
(……朋与……)
携帯の向こう側から聞こえるすすり泣きを耳にして、比呂美はようやく、何物にも代え難い親友の気持ちを知った。
夢の中のイメージが、自室で一人、涙に暮れている朋与と重なる。
…………今までのことは全て……全て…………
…………
「……朋与……あの…………」
伝えたい、自分の今の気持ちを…… そして……朋与から一番大切な人を奪い取る罪を少しでも……償いたい……
比呂美がそんな思いを音に乗せようとした時、気配を察した朋与の声がそれを遮る。
《やめて! ……謝ったら……謝ったら……私、比呂美のこと一生許さないから!》
私は私の恋に、自分自身で決着をつけただけ。比呂美のせいじゃない。比呂美は関係ない。
毅然とした声で伝えられる朋与の意志。それが比呂美の心を鷲掴みにし、震わせる。
……『謝る』…… それは朋与の想いを侮辱することなのだと、比呂美はすぐ気づいた。
「……ぅ……うぐっ……」
両手で携帯を壊れそうなほど強く握り締めながら、比呂美は泣いた。
《アンタが泣いて、どうすんのよ》と言いながら、朋与の声も再びうわずる。
……一人の少年に想いを寄せる二人の少女は、切れかかった友情の糸を再び繋ぎ合わせた。
「……謝らないよ……私……謝らない……」
《……うん……》
たった一言の……満足そうな朋与の声…… それが比呂美の耳朶を打ち、もう一滴、涙を頬へと流させた。
491ある日の比呂美 32:2008/05/07(水) 22:20:36 ID:krq8WSYQ
《捜してあげて、『仲上君』のこと》
朋与の部屋を眞一郎が去ったのは、かなり前のことらしい。
しかし朋与は、眞一郎はまだ比呂美の元へ帰ってはいないだろうと見抜いていた。
《仲上君はね、比呂美が思っているほど強くないの……》
分かって欲しい…… 眞一郎はいつでも、比呂美を捜せる王子様ではいられない。
彼は……比呂美と同じ、弱い一人の人間……
だから、今は比呂美が眞一郎を捜して、そして見つけてあげて欲しい。
…………傷ついた彼の心を……包んであげて欲しい…………
自分の知らない眞一郎を語る朋与の言葉。 きっと昨日までの自分なら、嫉妬で身を焦がしていただろう。
…………でも、今は違う…………
自分の為に眞一郎が流した涙を朋与が拭ってくれたのなら…… 今度は……
…………
「…………うん……ありがとう……」
短い単語に決意と感謝を込める。すると、朋与は的確にそれを読み取ってくれた。
「……それでこそ、私の『親友』!……」
朋与はグスッと鼻を啜り、「暫く休むから、部の方もヨロシク」と明るく告げて電話を切った。
比呂美は携帯を折り畳んだ後、それを胸の中心にあて、瞼を閉じて祈るように静止する。
それはまるで、朋与の想いを自分の身体に取り込む儀式のようにも見えた。
…………比呂美がそうしていた時間は、一分にも満たない。
コートとマフラーを手に取り、手早く身支度を整えると、比呂美は部屋を飛び出していく。
粒を大きくする雪にも構わず、比呂美は眞一郎を捜して駆け出した。


眞一郎の性格からして、そのまま自宅に帰ったとは思えない。
仲上の家への連絡は無駄だろうと比呂美は思った。
同様に、携帯にかけても、おそらく応答しないに違いない。脚で捜すしかないのだ。
思い当たる場所、眞一郎の居そうな所を片っ端から走って巡る比呂美。
学校の鶏小屋、海岸通り、神社、竹林…… どこにも眞一郎の姿はない。
(眞一郎くん…………眞一郎くん……)
走る、走る、走り続ける……眞一郎だけを捜して…………
……そして……
麦端高校一の俊足を誇る両脚に疲れが見え始めたその時、比呂美の眼の端に、明るい緑の点が捉えられた。
(!!)
噴水公園の奥……昨日、比呂美が座っていたベンチに、眞一郎はいた。
街灯の明かりが眞一郎の姿だけを、風景から切り取るように照らしている。
肘を膝にもたれ掛け、打ちのめされたボクサーの様にうなだれている眞一郎。
肩と背中に降り積もる雪にも、全く構う様子がない。
(…………)
雪が舞い始めてから、公園には眞一郎以外、誰もやって来なかったのだろう。
一面が白で薄く塗られ、足跡一つない道を、比呂美は呼吸を整えながら眞一郎に近づいていく。
ブーツが雪を踏み鳴らすサク、サク、という音が耳に入ったのか、眞一郎がハッと顔を上げた。
「……風邪……ひいちゃうよ」
赤く腫れた目尻から流れ出る涙…… それを隠すように、眞一郎は声を掛ける比呂美の視線を避けて、顔を背けた。
「に……人間ってさ……こんなに長く……な、泣いてられる……もんなんだな……」
所々、裏返ってしまっている声が、眞一郎から吹き出す悲しみの深さを物語る。
何も言うべきではない、と思った比呂美は、その眞一郎の言葉には答えなかった。
(……あ…)
眞一郎の額にある赤いものが、比呂美の目に留まる。
(……怪我……してる)
それは何かがぶつかった様な小さな裂傷だったが、外気の湿度が高いせいか、まだ生乾きの状態だった。
ポケットからハンカチを取り出し、その傷に当てようとする比呂美。
だが、その気配を感じた眞一郎は、咄嗟に視線を戻して、迫ってくる比呂美の手首を掴み、動きを止めた。
「っ!」
男の握力で思い切り握られた細い骨が軋み、比呂美の口から思わず声が漏れる。
それに気づいた眞一郎は、申し訳なさそうな顔をして力を緩めたが、掴んだ手を離しはしない。
「……ゴメン…… この傷だけは、お前に触らせる訳にはいかないんだ……」
そう、消え入りそうな弱々しい声音で呟き、眞一郎はまた視線を比呂美から逸らしてしまった。
492ある日の比呂美 33:2008/05/07(水) 22:23:44 ID:krq8WSYQ
比呂美はその理由を訊くことはしなかった。
なぜ触れてはいけないのかは……すぐに思い当たったから……
これは朋与を傷つけた証として、眞一郎が望んで受けた傷…… その事にすぐ気づいたからだ。
(…………)
少しだけ寂しい気持ちに囚われ、比呂美も眞一郎から目を逸らす。
だが、自分がそんな風に感じるのは、朋与の想いに失礼だと思い直し、比呂美は眞一郎に向き直った。
「……部屋……来て。……本当に風邪ひいちゃう」
まだ比呂美を見ることが出来ない眞一郎は、嗚咽を噛み殺すような声で言う。
「先に……行っててくれ……」
あと一時間……いや、三十分でいい。一人にして欲しい。
すぐに追いかけるから…… すぐにお前を……『湯浅比呂美』を見つける『仲上眞一郎』に戻るから……
「……頼む……」
そう言って、更に深く比呂美から顔を背けた眞一郎の耳に、比呂美の静かな声が届く。
「…………嫌……」
彼女は自分の願いを聞き届けてくれる…… そう思い込んでいた眞一郎は驚いて、泣き濡れた顔を比呂美に向けた。
「……比呂美……」
「嫌ッ!」
もう一度、今度は力強く言い放つと、比呂美は眞一郎の座るベンチ……その空いている所に積もった雪を払い除ける。
そして、眞一郎のすぐ横に腰を下ろすと、冷え切った眞一郎の掌を自分の手で包んで握り締めた。
尚も視線を泳がせて自分を見ようとしない眞一郎。その耳に、比呂美は今の想いを音にして送り出す。
「…………『僕の中の君は、いつも泣いていて……君の涙を、僕は拭いたいと思う』」
比呂美の口が紡いだそれは、かつて眞一郎が、悲しみの中で暮らしていた比呂美に送ったフレーズだった。
背けられた頬に、空いている方の手を添え、ゆっくりと眞一郎の顔を自分へと向けさせる比呂美。
その手を当てたまま、親指で涙に濡れている眞一郎の目尻をスッとなぞる。
「…………あなたの涙を……私も拭いたいと思う…………」
「…………」
眞一郎は比呂美の眼を真っ直ぐ見据えたまま、一言も発することはなかった。
その眞一郎に、比呂美は想いを込めてもう一度、言葉を重ねる。
「……あなたの……涙を…………」
「…………」
握られているだけだった眞一郎の手が、比呂美の手の中で向きを変え、意志を持って指を絡めてくる。
溢れる涙はまだ止まらなかったが、瞳の奥にある光が、また輝き出したように比呂美には思えた。
二人の間に空いていた隙間を埋めようと、眞一郎の側に身を寄せる比呂美。
ライトグリーンのコートに薄く積もった雪を払い、少し逞しくなった肩へ頭をもたれさせる。
「…………」
眞一郎も無言のまま、同じ様に冷えた頬を比呂美に預けてきた。
雪と冷気が全身に降り懸かってくる中で、眞一郎と比呂美は、黙って身を寄せ合う。
…………
(……私にも出来る……出来るよ……)
……眞一郎が辛い時、悲しい時、大切な人を想って涙を流す時……それを拭うのは自分……
もう、眞一郎に涙を拭ってもらうだけの『湯浅比呂美』じゃない。
助けを求めるだけじゃない…… 救いを求めるだけじゃない……
『湯浅比呂美』は『仲上眞一郎』と共に並んで歩く…… あの時に決めた……その誓いのとおりにする。
……眞一郎が自分にしてくれたように…………同じ様にする。
それが彼の救いになると信じるから。 自分自身がそうしたいから。
この先……眞一郎と歩む長い時間……こんな事が何度もあるのだろう……
間違い、迷い、傷つけ合って、自分たちは何度もすれ違うだろう……
…………でも…………
最後はこうして寄り添える…… 眞一郎と自分は寄り添える…… 
その思いに理由は無い。 それが二人の愛の形なのだと、訳も無く思うのだ。
僅かに接した眞一郎の肌から伝わる熱も、「そうだよ」と言っている。 そんな気がする……
…………
(……あ……)
空を見上げると、本降りになるかと思われた雪が、段々とその粒を小さくして弱まってきた。
「やんできたな」と呟く眞一郎は、もう泣いてはいないと分かる。……見なくても分かる。
……朋与の想いと思い出を心の中で消化して、眞一郎は、また高く飛ぼうとしている……
眞一郎の変化……いや、『成長』を彼の一番近くで感じる喜びに、比呂美は身体と心を震わせていた。
493朋与男:2008/05/07(水) 22:27:57 ID:krq8WSYQ
遅筆屋さんとカカさんの大作で盛り上がっているところお邪魔します
このあとエロとエピローグをやったら終わりますので、
もう少しご辛抱くださいませ
494名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:32:14 ID:C2H1xJZf
リアルタイムで遭遇するとは……
GJ過ぎですよ……
比呂美と朋与のやり取りで、自然と、涙が……ちょっと……

続き、楽しみにしています
495名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:55:18 ID:cnUS8n+y
>>493
朋与男さん乙です
二人が本当の意味で同じ位置になったんですね
比呂美に涙の絵本の台詞のシーンで鳥肌が立ちました
496名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 22:57:59 ID:ObljJX7A
終わるのが惜しいですな・・・
497名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:22:16 ID:yMG45Cjs
ほんと、素晴らしいわ・・・・

SSの域を越えてるよ
朋与男さんはこれまでに何か筆を執ったご経験等があったのですか?
498名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 00:33:16 ID:E8ZMUsrc
朋与男さん、乙です。
そしてただひたすらGJです。

ある日のシリーズ、濃厚なエロと本編の石動 純シスコン設定を
なくして合体させれば、TTは心震わされるネ申作品になったと思う・・・
499名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 18:22:14 ID:1UviNoy2
朋与男さん、いつもながら心震える時間をありがとうございます。


500朋与男:2008/05/09(金) 00:03:06 ID:/JAfR3ee
コメントくださった皆様、ありがとうございます
ここはお前の日記帳じゃねえ!と怒られそうですが、
とりあえずお礼を申し上げます
終わりは近いのですが、残った「エロ」と「エピローグ」が長くなりそうなのと、
自分の筆が遅いのが原因で、完結はまだまだ先になりそうです
ホントにスミマセン

>>497
SSというか、小説っぽいものを書いたのは「ある日の朋与」が初めてです
アニメも普段はガンダムくらいしか観ないのですが、
偶然出逢ったttに心奪われて、現在に至ります
501名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 19:57:29 ID:putEB9xm
>>500
なんと!処女作にしてこれですか。
「実は○○文芸賞で入賞したことあります」といわれても納得できるんですけれど…。
もういくらでも待たせていただきますので。どうかじっくりたっぷり書き上げてください。

…あとは朋与男さんの文章に見合う挿絵師が現れたら完璧なんだけどなぁ。誰ぞ勇者はおらぬか?
502名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 21:02:33 ID:60t7pF6m
>>500
どんなに長くなってもおkです
つーか結末は気になるが、なるべく長く読んでいたいような気もする・・・
ひとえに内容が素晴らしいからだが
503名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 21:05:04 ID:GLjj9/yU
>>501
比スレの泣き絵師だったら最強だと思う
504名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 00:00:34 ID:Ox+5qiak
>>500
ガンダムくらいしか見ないって
アニメにそんなに関心ない人なのかな?
朋与男さんが一目置いているSS職人がきになってしまう
505名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 02:26:44 ID:7v+YM0Dd
他のパロスレでSSを書いてるものだと思ったけど
意外
506名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:49:28 ID:nIIv/AnU
ともよが猫を拾うところは秀逸だった。
507名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 23:59:03 ID:0xSYA2C8
カカさんは次回作の予定あるのかな?
デビュー作からいきなり大作だっただけに、次回作もかなり期待しているんだけど
508名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 07:07:54 ID:raEK7zFa
「〜春雷」を読んでくださった方、
感想を書いてくださった方、ありがとうございます。
続編「〜クローズド・キス」(仮)の構想に取りかかりました。
気長に待ってね。

……予告……

ずっと隠してきた愛子と眞一郎の「キス」
その報われなかった行為にピリオド打つため、
乃絵が眞一郎にある提案をする。

乃絵 「もっと、もっと、翼をひろげて」
眞一郎「邪魔されたくないときだってある」
比呂美「わたしを、おもちゃにしないで」
愛子 「あなたもキスを奪った女でしょう?」
今だからこそ眞一郎は、比呂美にラブレターを書く。

「トゥルー・ティアーズ・アフター 
        〜クローズド・キス〜 」(仮)

キスをめぐって、四人のガチンコ青春物語。
……私たちにファースト・キスはありえない……
509名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:16:31 ID:YlRjnatN
>>508
すごく楽しみに待ってますっ
510名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:59:27 ID:mMAmhLQS
>>508
今日中に書き上げるんだ
511名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:20:07 ID:KAeJ0n1g
>>508
やべーすげー楽しみ。
俺の携帯がうなるぜ
512名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 20:24:05 ID:1/9rdien
どうでもいいけどマルチポストはするなよ
513名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 21:49:42 ID:j64CKN6P
>>508
気長にお待ちしてます。
いろいろなSS職人さんがこの愛子とキスを料理してくれるので
楽しみです。
514名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:05:12 ID:0qsKoMuM
>>508
春雷面白かったです
今度はキスか
そして愛子の彼氏のはずのミヨキチが蚊帳の外なのか
515名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 22:28:19 ID:Cd0ZVLi/
ある日の比呂美・・・
516名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 22:49:00 ID:awvR5k2R
あさみの願い・・・
517名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 21:46:46 ID:8toktlCO
SS職人たちよ、早くネタを投下するんだ
518ある日の比呂美 34:2008/05/16(金) 00:21:25 ID:fAzR9nuo
眞一郎は、下着代わりのTシャツとトランクスだけを身に着け、バスルームから出た。
さっきまで点いていた部屋の明かりは消されていたが、真っ暗で何も見えないというわけではない。
弱まった雪雲の隙間から差し込む月光が、室内を蒼く塗装し、神秘的な雰囲気を醸し出している。
テーブルの上には、二人で食べたシチューの皿がそのまま……
そして部屋の隅に、先ほど自分が脱ぎ捨てた服がきれいに畳んで置かれていた。
「眞一郎くん」
頭上、斜め上の辺りから自分を呼ぶ声。
期待や喜びとは違う『何か』を秘めた透明な声音が、「来て」と短く告げる。
眞一郎も同じ様に「うん」と短く答え、ロフトへと続く階段を登る。
浴室から漏れた湿気とエアコンの暖気で、下よりも少し暖かな彼女の寝所。
たどり着いたその世界で、比呂美は眞一郎を待っていた。
「…………」
「? なに?」
「……あ……いや……」
ブラとショーツ……その上にパジャマの上着だけを肩に羽織って正座している比呂美の姿……
それを目にして、眞一郎は頬が火照るのを自覚したが、前に進む覚悟が萎えることはなかった。
……やはり恥ずかしいのだろう…… 目と目が合うと、比呂美も膝小僧の辺りに視線を落としてしまう。
だが、それもつかの間だった。
眞一郎が真正面に正座するのを感じると、澄み切った顔を上げて比呂美は言う。
「私たち、酷いことしようとしてるね」
「…………」
朋与は今、一人で傷の痛みに呻いている…… それなのに自分たちは……
愛し合っているから……求め合っているから…… それだけでは決して許されない、拭い去れない罪悪感。
それを比呂美も感じているのだろうか?
(……でも……それでも俺は……)
比呂美が欲しい。今、比呂美を抱きたい。今夜でなければ意味が無い。
許されなくてもいい。『最低』の烙印を押されても構わない。
弱い自分……情け無い『仲上眞一郎』を比呂美に見て欲しい。
そして……自分の隣を並んで歩いてくれる大切な存在を……比呂美をこの手に掴みたい…………
「比呂美…… 俺、こんな風にしか出来ない」
「……うん」
それでいい、と比呂美は言った。それがあなたらしい……私たちらしいと。
誰かを傷つけたことから逃げず、ちゃんと胸に刻みつけようとする眞一郎だから……私は愛しているのだと……
(……あぁ……)
誰に感謝すればいいのだろう。この人が……『湯浅比呂美』が自分の目の前に存在することを。
眞一郎はそう思わずにはいられなかった。
「……眞一郎くん……」
比呂美の両腕が、眞一郎を迎え入れる意志を示すように大きく広げられる。
肩に掛かっていただけの寝間着が背中の向こう側へと落ち、比呂美の滑らかな肌が露になった。
(…………きれいだ…………)
視界の左側から差し込む月の光線が、目前の少女の姿を蒼く染める幻想的な光景に、眞一郎は思わず息を呑んだ。
何度も……何度も求めた……心の底から欲する存在がそこにいる。
眞一郎は自分の二の腕を比呂美のそれに交差させるように身体を寄せ、その背中に手を回した。
比呂美の細い腕も眞一郎の後頭部を抱える形となり、熱を帯びた頬と頬が触れ合う。
Tシャツを脱いでおけば良かった、と眞一郎は悔やんだ。たった一枚の薄い綿の布がとても邪魔に感じる。
些細な障害を抜けて比呂美の体温を直接感じたいという欲求が、腕の筋肉に無用な力を込めさせた。
「……んぁ……」
胸を圧迫される形となった比呂美の口から、僅かに声と息が押し出される。
しまった、という軽い後悔を感じ、冷静さを取り戻す眞一郎。
だが、言葉で詫びるのは違うと直感し、腕の力を弱めてから、頬を摺り寄せて謝意を表す。
視界の外にある比呂美の口元が、ゆっくりと緩んでいくのが分かる。
絹糸のような栗色の髪をひと撫でしてから、眞一郎は少しだけ身体を離した。
自然とお互いの視線を求め合う二人。
「…………」
「…………」
もう名前を呼び合う必要すらなかった。
眞一郎と比呂美の唇は、磁石のNとSが引き合うように、自然と相手の側へと近づいていく。
519ある日の比呂美 35:2008/05/16(金) 00:23:20 ID:fAzR9nuo
チュッと軽く唇を重ねてすぐに離し、反射的に閉じていた目を薄く開く。
息が吹きかかるほどの距離にある眞一郎の顔…… それはほとんど間を置くことなく、また自分に向かってくる。
(……今度は……)
少し驚かせてやろう…… 内心でほくそ笑んだ比呂美は、前歯の間から舌を前に突き出した。
もう数え切れないほど重ねてきた二人の唇だが、『舌』を絡めたことは一度も無い。
カウントしたくない二日前のキスでさえ、お互いに前歯という壁を越える事は無かった。
このキスはいつもとは違うのだ、という大事な決意……その事を眞一郎にも分からせなければならない。
(今夜は私が教えてあげる…… 眞一郎くんに…教えてあげる……)
まるで『姉』にでもなったような……そんな不思議な気分……
だが、その思惟は触れてきた眞一郎の唇の動きによって、あっさりと覆されてしまう。
「んっ!!」
背中に回っていた眞一郎の腕が、髪の艶を遡るようにして後頭部に達し、そのまま押さえ付ける。
中途半端に差し出されていた比呂美の舌……その横を抜き去るように、眞一郎は内部に侵入してきた。
カッと目を見開く比呂美に、眞一郎は気づかない。……いや、気にしていない……というのが正しいか。
(……しん…い……ちろ…………)
眞一郎の唾液の味を、比呂美は充分に知り尽くしている……つもりだった。
しかし、口腔の内部を掘削するように暴れ、蹂躙する舌が流し込む『それ』は、全く違うものに感じられる。
……味覚だけではない。
まるで独自の意志を持っているかのように、変幻自在の動きを見せる眞一郎の舌。
自分以外の存在に『体内』を弄られる刺激が、これほどの官能を呼び起こすとは、比呂美は想像していなかった。
眞一郎の背中に食い込んでいた指から力が抜け、全身の筋肉も徐々に弛緩していく。
先制攻撃を仕掛けるつもりだった比呂美の舌は、もはや眞一郎の前に捧げられた生贄でしかなかった。
…………
「……はぁ……」
比呂美を味わい尽くした眞一郎が、唇を離すと同時に吐息を漏らす。
「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
苦しみとも快楽ともつかない状態から解放され、酸素を取り込もうと必死で荒い呼吸をする比呂美。
眞一郎は、悦楽の泉に比呂美が足を踏み入れ始めたことを確認すると、一旦、拘束を解いた。
脱力し、息を整えようとする比呂美を視界に入れつつ、邪魔だったTシャツを脱ぎ捨てる。
目の前に晒された眞一郎の肌を見て、比呂美の鼓動がまた一段早まった。
(……結構…逞しい……かも)
何も身に着けていない眞一郎の上体を目にするのは、小学校の水泳の時間以来だ。
体育の授業でしか身体を動かさないはずなのに、ちゃんと『男』を感じさせる部分に筋肉がついている。
見つめてもいいのだ、という思いと、恥ずかしい、と感じる思い……
相反する思いのせめぎ合いは、再びの抱擁によって、別の思考へとスライドしていく。
薄い綿の障壁が無くなったことで、接する肌の面積が増え、与え合う熱量が増大する。
「……あぁ……」
強い圧迫を受けたわけでもないのに、思わず比呂美は甘い声を漏らした。
鎖骨とブラに囲まれた三角形の空間に、ピタリと合わされる眞一郎の硬い胸板。
そのきめの細かい表皮から伝わる摩擦が、堪らなく心地良い…… 
だが、呆けてばかりはいられなかった。
眞一郎の口元がまた接近し、比呂美の唇をついばみ始める。
軽く吸い込むようにして上唇だけをめくり上げ、その奥にある前歯の艶を舌先で楽しむ眞一郎。
自分の鼻腔から「……んん……」と漏れる吐息が、眞一郎の顔に反射されるのを感じながら、比呂美は思った。
(…………されっぱなしじゃ……いや…………)
教えるんだ、出来ることを…… してもらうだけでは……いけない。
もう一度、勇気を出して歯の間から舌を伸ばしてみる。
眞一郎は特に驚くことも無く、差し出されたそれを、自分の舌で時計回りにペロリと舐めた。
そして比呂美の口腔に舌を戻そうとするように、自分の舌を深く押し込む。
眞一郎が限界まで舌を伸ばした時を見計らって、比呂美が攻撃に転じた。
わざと侵入させた舌を陰茎に見立て、口内の圧力と唇の窄まりで、それをチュルンとしごき上げる。
「ッッ!!」
眞一郎は、脊髄に電流が通り抜けるような快感を味わった。
ブルッと小さく身震いする眞一郎の様子を、比呂美は微笑みながら見つめる。
「……比呂美……」
予想していなかった積極性が、比呂美の中に隠れていたことに気づかされ、目を丸くする眞一郎。
対等なのだ、という強い意志が、相対する比呂美の瞳から滲み出ていた。
520ある日の比呂美 36:2008/05/16(金) 00:24:52 ID:fAzR9nuo
……主導権を握ることで、自分の中の欲望を制御する……
そんな眞一郎の目論見は、脆くも崩れ去ろうとしていた。
比呂美はまた、顔を交差させるように眞一郎に抱きつくと、「もっと…」と耳元に囁く。
その声音にふざけた様子は一切ない。
動揺しつつも、「答えなければ」という思いが、言葉を紡ぐより早く眞一郎の身体を動かす。
比呂美の腰の辺りに引っ掛かっている寝間着を横へと除けると、腕を大きく回して比呂美の身体全体を包み込む。
柔らかな拘束感に、比呂美の瞼が半分ほど落ち、トロンとした表情を作った。
軽めのキスを贈ってから、眞一郎は比呂美の上体をゆっくりと横たえていく。
ほとんど衝撃を受けずに、愛用の枕に沈み込む比呂美の頭部。
「……んぁ……」
痛みも何も感じないようにしたはずなのに、比呂美は官能的な吐息と共に、ピチャという粘着音を口から漏らした。
……わざとか?とも思う。だが、そんな事は問題ではない。
問題なのは……比呂美の小さな仕草が、自分の興奮の炎に油を注いでしまうことだ。
舌下に溜まった唾をゴクリと飲み下しながら、眞一郎は「冷静になれ」と自分自身に言い聞かせる。
暴走するな……比呂美を気持ち良くすることに集中しろ…… そう内心で唱え、気持ちを落ち着かせる。
そんな眞一郎の心の乱れを知ってか知らずか、比呂美は声を出さずに、唇を「は・や・く」と緩やかに動かす。
まじめかと思えば、すぐに小悪魔に変身する眼下の少女……
(…………比呂美ッ……)
眞一郎の心にある『自制』という鎖の一本目が、ピンッと音を立てて弾けた。
上下に割れた口のあいだで蠢く桃色の物体に誘い込まれるように、眞一郎は己の舌先を落とし込んでいく。


チョン、チョンと先端で挨拶を交わしてから、二匹の軟体動物は渦を巻くように絡まり合った。
くぐもった声とクチャという粘着質な水音が、二人の接触面から断続的に生み出される。
程よく開いた唇を直角に交差させ、互いの粘膜の柔らかい触感を求め合う眞一郎と比呂美。
(……眞一郎…くん……)
唾液の分泌量が多いのか、舌と舌の物理的摩擦はほとんどゼロに近い。
なのに、接する部分から何故か高い熱が発生し、体温を押し上げていくのを、比呂美は敏感に感じた。
眉間から頭頂にかけて、痺れにも似た感覚が張り付くように生まれて、思考が段々とぼやけていく。
意識的に操っていた舌の動きが……徐々に鈍ってくる。
(だめ……眞一郎…くんと…………同じにするの……)
せっかく逆転させた行為の主導権…… それを奪い返されまいと、比呂美は焦った。
先ほどと同じ手を使って、眞一郎を『しごき上げよう』と試みる。
だがそれは、タガが一段外れてしまった眞一郎の前では、無駄な抵抗でしかなかった。
ボクシングのカウンターパンチのように、比呂美の抵抗を逆手に取って、眞一郎は倍以上の快感を叩き返してくる。
窄めた唇の内周と歯茎をグルリと舐め回され、怯んでしまった比呂美の隙を突き、一気に舌を奥まで捻じ込む眞一郎。
「んッ!!」
新たな刺激に思わず上げた比呂美の声を、眞一郎は気にも留めない。
そのまま舌先を硬く尖らせて、比呂美の上顎の裏にあてがうと、微振動を送り込むように震わせる。
(ッッ!!!!)
脊髄を突き抜ける電流を、今度は比呂美が味わう番だった。
気持ちいい、という単語すら頭に浮かばず、思惟そのものが吹き飛ばされる感覚……
自らの身体が自らの意志に反して反応する…… そんな体験に、比呂美は軽い恐怖を覚えた。
眞一郎の肩に置かれていた手に力がこもり、反射的に首をねじって唇の拘束を解く比呂美。
「ん、はあぁぁ……」
欠乏した酸素を取り込みながら、閉じていた瞼を開けて、同じく息を荒くしている眞一郎に視線を送る。
「……苦し…かったか?」
すまなそうな眼をして訊いてくる眞一郎に、ふるふると首を横に振り、嫌だった訳ではないと告げる。
「……眞一郎くん…………上手……なのね」
朋与に教わったの?という言葉が喉元まで出掛かるが、それは音にせず呑み込む。
「そんなわけないだろ。……夢中なだけだよ……お前に……」
治まりかけた動悸を、また激しくする眞一郎の一言……
月光に染まった蒼の世界でも、お互いの頬が紅潮しているのがちゃんと分かる。
「比呂美……」と優しく名を呟いてから、眞一郎の手が比呂美の肌の上を滑り始める。
肩…… 二の腕…… 腹部…… 露出している部分を、もれなく撫で上げていく指先。
「……あぁ……」
五つの熱源が発する波動に反応し、下腹部に隠れる『女』が疼き始めるのを、比呂美は確かに感じていた。
521朋与男:2008/05/16(金) 00:29:28 ID:fAzR9nuo
スレ維持の為に週に一回は投下したいのですが、
その分、投下量は少なくなりそうです
しかも内容も極薄…… 申し訳ありません
522名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 00:41:43 ID:DWl6y/d2
>>521
GJ!!! 待ってました。
いやいや全然薄くなんか。充分濃厚…ってイミ違うw
523名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 02:15:05 ID:C4HqcsIj
GJ
トイレいてくるわ
524名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 07:31:09 ID:1tQ7hYns
>>521
乙です
朋与男さんのエロはエロイと言うより美しく感じる
525名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 09:41:58 ID:BAhKFZLT
>朋与男さん
乙です。
スレ維持なんて待ってる人たちがやればいいと思うんです。
自身のペースとクオリティを守る方向で。
息抜きで雑談したい時は遠慮なくいらして下さいなw

今回のは凄いです。グッと来るものがありました。ふぅ・・・
526名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:00:03 ID:Jt5u2WaP
ぐっどじょぶ!
官能的ですね
またお願いします
527名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:55:53 ID:YUu1ZCWK
>>521
濃厚でありながら、エロパロにありがちな下品さがなくて素敵です。
528名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 02:00:52 ID:lqlow/nw
あさみの願いはまだか
529名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 09:50:06 ID:yUDqqhOM
「あさみの願い」の職人さん、見てないですかー
530名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 09:47:24 ID:qcZrJ2hE
保守
531名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 17:47:56 ID:qcZrJ2hE
朋与スレが落ちちゃったよ
532あさみの人:2008/05/19(月) 22:16:36 ID:MIj3tWOY
お待たせして申し訳ないです・・・
私用で忙しい日々を送っていたため中々書くことが出来ませんでした。

近日中に何本か上げられると思うのでもうしばらくお待ちください。m(__)m
533名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 22:56:37 ID:UZgjpXWv
>>532
待ってます
534名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 23:54:01 ID:wbAzVRtQ
  ∧_∧
 ( ・∀・)  ワクワク
 ( ∪ ∪
 と__)__)  旦~
535朋与男:2008/05/20(火) 00:45:59 ID:nnkstUF+
帰ってきたら、朋与スレが落ちてました……orz
で、追悼の意味を込めまして、短編を投下させていただきます
時間軸は「乃絵と比呂美のあいだに」と「ある日の比呂美」の中間、
2年生の夏の終わりになります
勢いで書いたので、クオリティは低いです スミマセン

>>532
お帰りなさい
つづき、楽しみにしてます
536ある日の朋与・番外編 1:2008/05/20(火) 00:48:05 ID:nnkstUF+
「ふわぁぁ〜」
三日前に買った文庫本を三分の一ほど読み終えたところで、朋与は軽い眠気に襲われた。
しかし、目を閉じても全身に纏わりついた汗が邪魔して、快適な眠りは望めそうもない。
「それにしても…暑いなぁ……」
まぁ、真夏の昼間に冷房もつけず、ベッドでゴロゴロしていれば不快な思いをして当然なのだが、
母が下した『昼間はエアコン禁止令』を破る事だけは、絶対に許されない。
無駄な電気代使ったらアンタの小遣いから引く、という悪魔の宣言が、脳内で何度もリフレインする。
(……ママのけち!ママのけち!ママのけち!……)
出勤中の母に心で毒づいてから、お金の掛からない暑さ対策を思案していると、枕元に置いた携帯が振動を始めた。
「……あさみだ」
開いた液晶画面に表示される悪友の名前。通話ボタンを押して耳に当てると、開口一番にあさみは言った。
《ヒマか?》
「…………」
あさみのマイブーム、朋与が教えた刑事ドラマの中に出てくるセリフだった。
熱波に打ちのめされた精神に、更なる追い討ちを掛けるおちゃらけた声…… 正直、イラッとする。
《ちょっと朋与、ここは亀ちゃんみたいに『暇じゃありません』って返してくんなくっちゃ》
「ハイハイ、どうもスイマセンね〜。で、何か用?」
今の返事は『特○係の亀○』っぽかったな、と自分で思いつつ、朋与はあさみの話に耳を傾ける。
……あさみの用事は何ということもない。
終わりが近づく夏休み、その負の産物『宿題』を共に片付けないか、というものだった。
《図書館ならさ、冷房効いてて仕事もはかどるし》
と、共同戦線を持ちかけるあさみを、朋与は「パス」の一言で切り捨てた。
電波の向こうで「なんでよ〜」とむくれるあさみを無視し、「今、留守番中」と告げて電話を切る。
「…………」
鍵を掛けて出掛ければ済むのに、取り付く島無く断ったのには、ちゃんと理由がある。
(……図書館はダメなんだよ……)
心でそう呟くと、朋与の顔が一気に曇った。
……あそこは眞一郎と比呂美に遭遇する確率が高い……
出来れば用の無い時に、あの二人が一緒に居るところを見たくないと、朋与は思っていた。
今日のようにバスケ部の練習が無い日、比呂美は眞一郎を誘って図書館で勉強をしているはずだ。
比呂美がメールで『その事』を自分に知らせてきたということは、これはもう、無意識の牽制と考えるしかないだろう。
(……邪魔なんかしないっつーの)
予想外のきっかけで眞一郎のことが思い出され、朋与は苛立った。
開いたままの携帯を弄って、一度も掛けたことの無い眞一郎のアドレスページを呼び出す。
そこには何故か、比呂美の携帯と全く同じ眞一郎の画像が登録されていた。
(…………)
部屋に遊びに来た比呂美がトイレにたった隙を見て、赤外線送信で『盗んだ』眞一郎の写真……
朋与と比呂美の携帯はメーカーが同じなので、操作も送信履歴を消してしまうことも簡単だった。
「比呂美にしか見せない笑顔……か」
画像を凝視しながら思わず声にすると、苛立ちが更につのる。
(………ええいっ!)
ピッピッと慣れた手つきでボタンを操り、朋与は比呂美専用の笑顔を輝かせる眞一郎を、メモリーから消去した。
…………
(平気よ……私には、あの思い出がある)
朋与は携帯を閉じて放り投げると、またベッドに横たわった。
瞼をを閉じて想えば、すぐに浮かび上がる『自分だけの眞一郎』。
ブラもしていないTシャツの上から、少し乱暴に乳房を弄り始める。
(……眞一郎……また……)
『あの時』、眞一郎が行った指使いを反芻し、再現しようとする朋与。
荒々しく全体を掴んだかと思えば、人差し指で乳首だけを集中的に攻めたりもする。
「んんっ……ん……ふっ……」
朋与の口から漏れ出す甘い息……
そして滲み出す汗に、先程までとは違う物質が混じりだす。
(……………眞一郎……しよ……)
…………
部屋の中はすぐに、外から聞こえる喧しいセミの鳴声と、朋与のくぐもった嬌声に満たされていった。
537ある日の朋与・番外編 2:2008/05/20(火) 00:50:31 ID:nnkstUF+
妄想の中の眞一郎と交わり始めた朋与は、もう暑さなど感じていなかった。
そんなモノよりもっと『熱い』ものが、身体の中心から込み上げてくる。
(……眞一郎……好き……好きなのぉ……)
半年前の初体験…… 絶対に忘れることなど出来ない夢の時間……
比呂美のため……いや、眞一郎のために『無かったこと』にしたあの日……
だが、その思い出を触媒にして襲ってくる淫靡な感情には抗えず、朋与は時折、劣情に身を任せていた。
(欲しいの……い、挿入れて…… 眞一郎の…挿入れて……)
乳房を弄っていた手を片方、陰部へと向かわせる。
ホットパンツとその下に履いているショーツを抜け、指先が陰裂に達した。
「んん……はぁ、はぁ、はぁ、…………」
男性経験を経ても、朋与の自慰行為は基本的に変化が無かった。
胸を揉みしだいて性感を高めてから、指で陰裂を擦り上げて開花させる。
そして潤いが出てきてから、陰核を力の弱い薬指でグッと押し込み、円を描くようにゆっくりと刺激していく。
「……あ……あぁ……んんんんッッ!!」
脳内で眞一郎の姿を映像化し、その名を連呼しながら、朋与は体験前より進化した唯一の行動に入った。
以前は第一関節までしか入らなかった中指…… 
その中指と隣にある人差し指を、根元から直角に折り曲げる。……そして……
「んああああッッ!!!」
充分に濡れ、解きほぐされた膣に、二本の指を一気に潜り込ませる。
そして、眞一郎の陰茎に見立てたそれを、朋与は自分の胎内で存分に暴れさせた。
「はああっっ!!眞一郎!!眞一郎ぉぉ!!!」
眞一郎の愛してくれた場所、刺激してくれたところを思い出し、重点的に擦り上げていく。
恥骨の裏側……眞一郎の亀頭のエラが引っ掻いてくれた……最高に気持ちいい部分……
指先をクイッと曲げて、その場所を狙い撃つと、快感はすぐに頂点に達した。
「ああああッッ!!……し…んいち…ろ…………い、イクぅッッ!!!!」
絶頂が引き起こす身体の痙攣が、挿入している二本の指にも伝わり、それが『とどめ』となった。
膣を震わせる微振動が、射精前に陰茎が起こす痙攣に思え、朋与の意識を飛ばした。
背筋の収縮と共に頭の中が空っぽになり、また白い世界に包まれていく……
その中で朋与は、遠ざかっていく眞一郎に向かって手を伸ばしたが、
彼はそれに応えず、別の人影と共に、白い闇の中に消えていった…………
…………


ミンミンとうるさいセミの声が、朋与を幻想から現実に引き戻す。
全身汗まみれになり、ハァハァと息を切らせている自分を、朋与は無様だと思った。
(諦めたんだ……諦めたんだから……)
そう何度も心の中で繰り返す…… ……しかし……
とてつもない快楽を与えてくれる『眞一郎との情事』から、抜け出ることが出来ないのも、また朋与の現実だった。
埋め込んだままだった指を引き抜き、目の前にかざす。
それは全身で感じた悦楽を証明するかのように、胎内から分泌された体液で、惨めに白く塗装されていた。
(……最低……)
眞一郎から射出された白濁ならしゃぶりついていただろうが、自分の愛液など汚濁の象徴でしかない……
そう思った朋与は、枕元にあるティッシュを数枚取り出すと、汚らしい指を拭った。
身体を起こして、丸めた紙を少し離れた所にあるゴミ箱へと投げつける。
(……まったく……何やんてんだろ……)
ささくれ立った気分を、セミの合唱と股間の不快な潤みが更に逆撫でる。
セミ…本当にうるさいな……と朋与が思っていると、そこに別の雑音が混じってきた。
ドアをカリカリと引っ掻く爪の音…… 朋与はその主を黙らせるために、立ち上がってドアを開いた。
「にゃあ〜」
愛猫ボーの間の抜けた鳴き声。それは「腹が減ったぞ、朋与」という彼の意思表示だ。
自分のしていた事を見透かすように、視線を向けてくるボーに、後ろめたさからか、思わず朋与は言った。
「…………いやらしい目で見んな、バカ……」
朋与は汚れた衣服の洗濯と、薄汚い汗を洗い流すために、一階のバスルームへと向かう。
空腹のボーも、その朋与の後につづいた。
(…………ちゃんと吹っ切れるきっかけ……欲しいな……)
そんな事を思いながら、にゃあにゃあと纏わりつくボーを振り切ってバスルームに逃げ込む朋与。
何ヶ月か先……その悲しい願いが、とても残酷な形で叶えられることを、この時の朋与はまだ知らなかった。
538名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:24:25 ID:6I0AWmdh
>>535
乙です。
短時間でまた切なく濃厚なもの、すばらしいです。

>>532
忘れられていなかっただけでも、良かったです。
上がる日を心待ちにしてます。
539名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 13:53:27 ID:Se1yULaM
いいセンスだ
540眞一郎の習慣:2008/05/20(火) 16:43:26 ID:OaaQKjsW
午前0時、眞一郎は物音を立てないように忍び足で一階の洗面所へと向かった
洗濯機のふたを開け中から小さな布を探し出す
それは白と青の細いボーダーラインのパンツ、比呂美の下着だった
小さく丸めてポケットに押し込むと、自分の部屋へ戻る
ベッドの上で仰向けになり、比呂美のパンツを眺める
これは今日一日、比呂美が身につけていたもの
授業中も部活中も、ずっと比呂美の下半身を優しく包んでいた布だ
鼻に当ててゆっくりと深呼吸する
汗と尿が混ざり合って蒸れた比呂美の香りが、肺の中いっぱいに広がる
比呂美の名を呟きながら、目を閉じて比呂美のパンツを巻きつけた陰部を擦る
可愛くて、優しくて、成績優秀で、バスケ部のエースで、友達思いで、みんなから好かれてて…
眞一郎はそんな比呂美が好きだった
だから泣いている彼女の涙をぬぐいたいと思っていた
だけど今していることは、比呂美を傷つける行為に他ならない
「ハァ…ハァ…ハァ…ウッ!」
眞一郎は今夜もまた、比呂美の下着を白く汚してしまった

ティッシュで精液を綺麗に拭き取ると、再び階段を下りて洗面所へ行き
使い終わった比呂美の下着を洗濯機の底へ沈めた
『比呂美、ゴメン』
比呂美がこの家に来てから、何百回こうして心の中で謝っただろうか
襲ってくる罪悪感に後悔しながらも、何度も同じ罪を犯してしまう
「眞一郎君…?」
その声にハッとして振り向くと、比呂美が立っていた
「こんな時間にどうしたの?」
「そ、そっちこそ…」
「テスト勉強してたらこんな時間になっちゃって、今から寝るとこ」
「そ、そうか、明日はテストだっけ…アハハ。おやすみ」 「うん、おやすみ」
チラリと洗濯機のほうを見る、歯ブラシを動かす手が止まる
『眞一郎君…』
比呂美は心の中で泣いていた
(終)
541名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 19:24:10 ID:MbKkL8Rp
>>537
乙です。
夏の気だる感と朋与の気持ちと重なってるのが上手いですね
朋与吹っ切るまで時間がかかりそうだなー
542名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:47:28 ID:nYjPkSSL
>>537
本編が秋〜冬の物語だったので、夏の昼さがりというのがちと新鮮に感じます。
543名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:57:58 ID:aIXnhXBT
>>540
長編希望
544名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:33:13 ID:R1qckmVr
>>540
続編希望
545初めてのオナニー 1:2008/05/21(水) 03:29:27 ID:3+zy8/rA
比呂美は悩まされていた
夜、布団に入るとそれは突然襲ってくる
カラダが火照り“むずむず”してなかなか寝付けないのだ
それは中学生のころからあった
保健体育で習った【性欲】による、身体の疼きだということはなんとなくわかっていた
教科書通りにそれはスポーツで発散したり、勉強に集中することで忘れるようにしていた
だが高校生になってからは、日増しに“むずむず”が強くなっていて
バスケで汗を流すだけでは抑えきれなくなっていたのだ

このままじゃ勉強もバスケもダメになってしまう
そう思った比呂美は、思い切って親友の朋与に相談した
朋与は笑って答える
「気が済むまでオナニーすればいいじゃない」
「オ、オナ…!?」
「オナニー、したことないの?」
「…うん」
顔を赤らめて頷く比呂美、性に関しては奥手でウブなのだ
「じゃあしてごらんよ。スッキリするよ」
「で、でも…どうすればいいか…わからないから」
「へぇ〜、比呂美って意外とそういうとこウブなのね(笑)」

その夜、布団に入り電気を消すと、今夜もまたあの“むずむず”が襲ってくる
比呂美は目を閉じて、朋与に教わったことを思い出す
『まずは、片手で胸を触るの』
比呂美の左手は右の乳房に触れ、ゆっくりと円を描くように動かす
『慣れてきたら乳首にも触れて、摘んだり、転がしたり、気持ちいい触り方を見つけて』
パジャマのボタンを3つ目まで外し、人差し指で乳首を優しく転がす
『そ、そういうときって…何考えてればいいの?』
『う〜ん…やっぱりエッチなことかな。漫画のそういうシーンとか、好きな人のこととか』
真っ先に頭の中に浮かんだのは眞一郎、この手が眞一郎の手だったら…
比呂美の性的な興奮は高まっていく。無性に唇が乾き、小さく吐息が漏れる
「んっ…あ…」
自然と声が出てしまう。もしエッチな声を仲上家の人に聞かれたら恥ずかしくて生きていけない
部活用のスポーツタオルを取ると、それを口に当てて声が漏れないように噛んだ
546初めてのオナニー 2:2008/05/21(水) 03:30:30 ID:3+zy8/rA
次は…どうするんだっけ?朋与の言葉を思い出す
『気持ちよくなってきたら、もう片方の手でアソコを触って。最初は刺激が強いから下着の上からね』
右手をパジャマのズボンの中に滑り込ませる
下着の上から女の子の大切な部分をなぞるように指を動かす
『クリは一番敏感なところだから、そこもいじってみるといいと思うよ』
『栗?』
『クリトリス、陰核のことよ。比呂美って本当に何も知らないのね〜(笑)』
ジュワッと何かが溢れ出してきた。それは下着にエッチな染みを作る
パンツのゴムを潜り、柔らかな若草をかき分け、クリトリスに直接触れる
じんわりと気持ちよさが広がっていく。初めての感覚に戸惑いながらも比呂美は夢中になっていた
『あとは自分が気持ちいいように触ればいいのよ。簡単でしょ?』
『いつまですればいいの?』
『“イク”までかな』
『イク?』
『頭が真っ白になって身体がフワッて浮いちゃうような感覚』
『へぇ〜…』
『別にイクまでしなきゃいけないってことはないけど、アレは体験すると病みつきになるよ』

大胆に指を動かすたびに分泌液が泡立ち、クチュクチュと卑猥な音を立てる
「眞一郎君…眞一郎君…」
頭の中には眞一郎のことだけが浮かび、勉強、部活、悩み事、おばさんの嫌味、余計なことは消えていく
カラダが快楽だけを求めている証拠なのだろう
ココロもカラダの欲求を素直に受け入れる、もう比呂美の意思では指の動きを止められない
「んっ…あッ……あ……だ…だめっ…んんんっ…!」
頭が真っ白になり、腰がビクンビクンと何度も跳ね上がった

深呼吸を繰り返し息を整える。右手をみると指先がびしょびしょに濡れている
まるでお漏らしをしてしまったように、下着もぐっしょりと濡れていた
「私…イッちゃった…」

次の日の昼休み、朋与がニヤニヤと笑いながら話しかけてくる
「どう?やってみた?」
「うん…」
「どうだった?」
「うん…すごくよかった」
「でしょ〜!私も覚えてからは2日に1回はやってるよ(笑)」
「え?そんなにしてもいいの?」
「したいだけすればいいのよ。うちの弟なんて毎日やってるし(笑)」
「ま、毎日…」
「男子は毎日する人が多いみたいね。仲上君も毎日やってるかもね♪」

「ナイッシュー比呂美!」
放課後の体育館で、比呂美の放ったシュートはまるで魔法のようにゴールへ吸い込まれていった
―終―
547名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 05:09:15 ID:+xttTj94
GJ
でも「イッちゃった…」でちょっと吹いてしまいました
548名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 13:32:41 ID:OKMeaiaB
ついイッちゃうんだ
549名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:42:12 ID:YydZsFL9
>>546
眞一郎がたまたま見ていたシチュ追加はないですか?
550名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:34:24 ID:Y6FPhDcH
>>540>>545-546を合体させればいいと思うんだ

比呂美のオナニーを覗き見しながら縞パンでシコシコする眞一郎
551名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:35:33 ID:Y6FPhDcH
本スレに誤爆しちゃったよ
もう死にたい・・・
552名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:37:11 ID:AdMGnMai
もしやと思ってきてみたらやっぱりここだったか・・・w

>>551
まあ気にスンナw
553初めてのオナニー 番外編:2008/05/21(水) 21:36:10 ID:3+zy8/rA
>>549
「見ていた」というのは難しかったんで、「聞いてた」ってシチュで作ってみました
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眞一郎は雑誌の水着グラビアを見ながら、ペニスを握った右手を上下に動かしていた
ニコッと笑うグラビアアイドル。スレンダーな体型ながら、わざとらしく胸を寄せて谷間を強調している
元々アイドルなどには興味がなかった眞一郎だが、三代吉が雑誌を見せながら何気なく言った
「なぁ眞一郎、このアイドル、湯浅比呂美に似てないか?」
という一言をきっかけに夢中になっていった
普段は買わない雑誌でも彼女がグラビアを飾っていれば買ってしまうし
写真集とDVDもこっそりと机の奥に隠してある
以前は比呂美ですることに罪悪感のあった眞一郎だが
このアイドルと出会ってからは、オカズに悩まされることがなくなった
三代吉の言うとおり、確かに比呂美にそっくりだったのだ。顔も身体も…

「ふぅ…」
2度目の射精を終えた眞一郎は、喉の渇きを覚え、一階の冷蔵庫へ向かった
台所へ続く廊下、比呂美の部屋の前を通ったとき、何か物音が聞こえた気がした
『比呂美、まだ起きてるのか?』
そっと部屋のドアに耳を当てる

「んっ…あ…」
ドキンと胸が鳴る
苦しそうなうめき声にも聞こえるが、眞一郎にはその声が気持ちよさから漏れたものだとすぐにわかった
『比呂美…?まさか…』
目を閉じて神経を集中させ、部屋の中の気配を探る
…何も聞こえない。もしかしてさっきのは幻聴だったのかも…そう思ったとき
「…ぅ…んんっ…」
また小さな声が聞こえた。間違いない、比呂美はドアの向こうでオナニーをしている
2回も出したというのに、眞一郎のペニスは再び硬くなりはじめていた
ドアに耳を当てながら露出したそれを擦る

「あっ…あっ…んん……ハァ…ん…」
比呂美の喘ぎ声はわずかだがボリュームを増していき
ギシ…ギシ…とベッドが軋む音も聞こえてくる
眞一郎の右手も、それに合わせるようにスピードをあげていき射精感が高まっていく
「んっ…あッ……あ……だ…だめっ…んんんっ…!」
ミシッと大きくベッドが軋んだ後、何事もなかったかのように静寂が訪れる
「私…イッちゃった…」
その小さな声が聞こえた瞬間、眞一郎は尿道を駆け上がっていく快感に身を任せた
ビュッ!ビュルッ!ビュル!……尿道口から飛び出した精液はそのまま廊下を汚してしまった

翌朝、眞一郎は比呂美の顔を見ることができなかった
いつもと同じ朝、父は新聞を読んでいて、正面にいる比呂美は卵焼きを食べている
その口から漏れる喘ぎ声を聞きながらオナニーをした。たった数時間前の出来事だ
「今日は帰ったら廊下のふき掃除をしてちょうだいね」
母が比呂美に言う。廊下という言葉を聞いて心拍数が上がる
「廊下掃除なら俺がするよ…」
「眞ちゃんはそんなことしなくていいのよ」
「そうやって比呂美にばかり掃除を押し付けるのやめろよ」
思わず大きな声を出してしまう。朝食がまだ残っていたが、学校へ行くことにした
そうでもしないとこの空気に耐えられそうになかったから
―終―
554名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:53:05 ID:YydZsFL9
>>553
あなたが神か!?
555名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:10:48 ID:67IHSUTj
>>553
さらにその逆も頼む!
556名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 10:10:50 ID:zjXBAheC
逆は無いだろwww
557名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 10:53:23 ID:XJ/OLMBl
>>555
比呂美が眞一郎のを…というパターンですね
一応書いてみましたが、「見ていた」「聞いてた」とはまた別のシチュにしてみました
ちょっと長くなったので、連投規制に引っかからないか心配ですが上げてみます
558比呂美の好奇心 1:2008/05/22(木) 10:54:17 ID:XJ/OLMBl
「眞ちゃんの洗濯物、部屋まで持っていってあげてちょうだい」
おばさんに頼まれた私は、丁寧にたたまれた眞一郎君の衣類を持って部屋の前まで来た
「眞一郎君、洗濯物持ってきたよ……開けるね?」
部屋に入る。誰も居ない。どうやら眞一郎くんは出かけているらしい
そういえばこの部屋に入るのは初めてだ。初めて見る眞一郎君の部屋
男の子の部屋って散らかってるイメージがあったけど
整理整頓されていて意外と…と言っては失礼だがキレイだった
それに部屋に入ったときから、ふわっと男の子の香りがしていた
汗や体臭の匂いなのだろうか“男臭さ”という言葉がぴったり合うその匂い
好きな異性の匂いなのだから嫌悪感はない、というよりも…

洗濯物を置く。このまま部屋を出ようと思ったが、足が止まる
せっかく眞一郎君の部屋に入ったんだから……好奇心が私の子供心を刺激する
ちょっと探検してみよう。キョロキョロとあたりを見回す
目に入ったのは机の上のスケッチブック、手にとってみる
色鉛筆で描かれた絵本だった。タイトルは【雷轟丸と地べたの物語】
椅子に座ってペラペラとページをめくってみる
繊細で綺麗な絵と眞一郎君の文字、石動乃絵と世話をしている鶏の話だ
物語は途中までだった、まだ完成していない作品なのだろう

『机の中も見てみようよ』
子供の私がいたずらっぽく言う
『ダメ。他人のプライバシーを覗くなんてよくないよ』
大人の私がたしなめる
『眞一郎君のこと、知りたくないの?』
『知りたい…でも…』
『好きなんでしょ?』
『…好きよ…でも…』
『だったら見たいよね♪』
子供の私が、私の手を掴んで引き出しを開けさせる
中には……筆記用具と、東京の出版社からの手紙、他には…
ゴソゴソと引き出しの中を探す。私は悪い子だ…
奥のほうで何かを見つける。なんだろう?
それを見て私は驚いた。アイドルの写真集とDVD。眞一郎君もこういうのに興味があったんだ
そういえばこのアイドルは…ある日の教室での記憶がよみがえる
あれは野伏君が眞一郎君と見ていた週刊誌、そのグラビアのページを見ながら何か話してたっけ
あの時の眞一郎、目は興味なさそうなくせに口元がニヤニヤしててなんか嫌だった…
「眞一郎君、こういう女の子が好きなんだ…」
写真の中の彼女は、とびきりの笑顔で水着姿を披露している
「私と同い年か…スタイルいいな、胸も…私よりありそう…」
自分の胸に手を当てて、ため息をつく
私はこれ以上落ち込まないようにと、引き出しを閉めた
559比呂美の好奇心 2:2008/05/22(木) 10:55:52 ID:XJ/OLMBl
次に目に入ったのは、机とベッドの間に置いてあるゴミ箱
再び子供の私が話しかけてくる
『ねぇねぇ、ゴミ箱も見てみようよ♪』
『絶対にダメよ!ゴミ箱を漁るなんて変態じゃない!』
しかし私はゴミ箱の前に座り込み、中を覗いている。私は意志の弱い子だ…
中には丸められたティッシュがたくさんあった
一番上にあった新しいティッシュを手に取り、広げてみる
何も入っていない…ように見えたが、白いネバネバしたものが付着している
なんだろうこれ…鼻を近づけてみる…変な臭いがする…
その時、私はハッと気づく。朋与との会話を思い出す

「男子は毎日する人が多いらしいよ〜」
「うちの弟なんて毎日やってるし(笑)」
「溜まっちゃうと大変なんだってさ」
「仲上君もやってるかもね♪」

これは…眞一郎君の…精液…?
私はティッシュを持ったまま固まってしまう
「やっぱり、眞一郎君もシてるんだ…」
改めて鼻を近づけてみる…変な臭い、でも眞一郎君の匂い
大きく息を吸い込むたびに、眞一郎君の匂いが体の中に広がっていく
下腹部がジワッと熱くなる
『も、もうやめなよ〜眞一郎君に悪いよ〜』
今まで誘惑していた子供の私が、今度は私を制止する
『もうちょっと、もうちょっとだけ…』
ティッシュに付着したそれを、指ですくってみる。ネバネバ…ベトベトしている
私はその指を口元へ持っていく…
『ちょ、ちょっと!そんなの舐めちゃダメだって〜!』
子供の私が、腕を引っ張って止めようとする
それを無視して私は指を口に含む。味わうように舌で舐める
「これが…眞一郎君の味…」
本当は汚いものなのかもしれない。でも嫌悪感は全然ない
むしろ美味しい、だってこれは眞一郎君のものだから

トントントン…
誰かが階段を上がってくる音に、ボーっとしていた私は我に返る
ティッシュを丸めてゴミ箱に押し込む
あわてて部屋を出ようとしたとき、眞一郎君とぶつかりそうになった
「わっ!ひ、比呂美??」
「しし、眞一郎君!あ、あのね、洗濯物、持ってきたの!」
「そうか、サンキュー」
「う、うん!じゃあね!」
560比呂美の好奇心 3:2008/05/22(木) 10:56:55 ID:XJ/OLMBl
私は自分の部屋へと戻ったが、まだ心臓がドキドキしていた
逆転のチャンスで投げるフリースローよりもドキドキする。いくら深呼吸しても落ち着かない
先ほどまでのことを思い出す
私は眞一郎君の部屋に洗濯物を持っていった
そのまま部屋を出ればよかったのに、好奇心から彼の部屋を探検した
スケッチブックの絵本を見て、石動乃絵に嫉妬して
もっと彼のことを知ろうと思って、机の引き出しを開けた…今思えばここからがおかしかった
アイドルの写真集とDVDを見つけて、それから…ゴミ箱を見つけて…それから…ティッシュを……
顔が熱くなっていることに気づく。両手で触る、すごく熱い。鏡を見ると真っ赤だった
ベッドの上で膝を抱えて座り、ポツンと呟く
「眞一郎君もするんだ…」
ティッシュに付着した白いネバネバを思い出す
誰のことを考えてしたのだろう…やっぱりあのアイドルかな…写真集を見ながら…
「あの子、可愛かったからなぁ…スタイルもいいし…私はあんな風には笑えない…」

いつの間にか私の隣で、同じように膝を抱えて座っている子供の私
『そんなに落ち込まないでよ。男の子なら皆するって朋与も言ってたじゃん』
『違う。そんなことじゃない…』
『じゃあ何で落ち込んでるの?』
『眞一郎君は私よりもアイドルのほうがいいんだ…。当たり前だよね、私なんて…』
『…あのアイドル、お姉ちゃんに似てたよね』
『え?』
思わず隣のほうを見る。私を見てにこっと笑っている
『に、似てないよ…』
『そっくりだったよ〜!』
『そんなことないってば…』
よく思い出してみれば、髪の長さは違ったけど、身長とか、髪の色とか、目とか
ビキニでバスケットボールを抱えた写真とか…少しだけ似てたかもしれない
もしこの子の言うことが本当だったら、もしかしたら眞一郎君は私を考えてしてくれていたのかもしれない
確かめたい。眞一郎君の心の中に私がいるのか、確かめたい
561比呂美の好奇心 4:2008/05/22(木) 10:57:57 ID:XJ/OLMBl
朋与から聞いた。男の子は好きな女子の下着などに興味があるらしい…
私は“実験”してみることにした
「眞ちゃんの洗濯物、持っていってあげてちょうだい」
来た!次の日、早速チャンスはやってきた
私は一旦、自分の部屋へ行くと、タンスの中から下着が入っている引き出しを開ける
「どれがいいかな…」
これは地味すぎる…これはヨレヨレだからもう捨てなきゃ…これはちょっと派手かな…
結局、お気に入りの青と白の縞々のショーツを選んだ
さりげなく眞一郎君の洗濯物の間に挟む
彼の部屋の前まで来ると、落ち着くために深呼吸をした
「眞一郎君、洗濯物持ってきたよ」
「あぁ、サンキュー」
部屋にいた眞一郎君に洗濯物を渡す。もう後戻りはできない

翌朝、私は誰よりも早い4時30分に目が覚めた
「そうだ!確かめに行かなきゃ!」
布団から飛び出て、ボサボサ頭のまま、洗面所へ向かう
顔を洗って目を覚まし、洗濯機の前で大きく息を吸う
「よしっ」
洗濯機のふたを開ける。ない…。底のほうかも…手を入れて探す
…あった!昨日、眞一郎君の洗濯物に挟んだ私のショーツ
あのときのティッシュと同じ、白いネバネバがべったりと付着している
眞一郎君は私を異性として見てくれた、性の対象として見てくれた
嬉しくて笑みがこぼれる
『よかったね〜♪でもお姉ちゃんは変態さんだねぇ〜(笑)』
その声に振り返ると、子供の私も笑っていた

「おはよう眞一郎君」
「あぁ、おはよう…」
「昨日の洗濯物の中に、私のが間違って入ってなかった?」
「え?い、いや、俺は知らないよ…」
「そう、どこかで落としちゃったのかな」
眞一郎君は目を合わせようとしてくれない

私は眞一郎君の一番になりたい
あの写真集やDVDを、眞一郎君が捨ててしまうくらいの存在になりたい
いつかきっと…
―終―
562名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 12:54:57 ID:mAldK+xr
GJすぎる
563名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:44:21 ID:z4s6iO0f
>>557
リクに応えてくれてサンクス!
564名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 16:55:59 ID:zShvFq0K
>>540と話が繋がっているとは・・・
なんというクオリティ
565名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:38:58 ID:/K9f3V7d
朋与男さんから続くオナネタ連発に吹いた
比呂美の好奇心は切なさがありますね
566名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:38:08 ID:z4s6iO0f
この後、実際に激しいセクロスする関係になるとは
夢にも思わなかっただろうな。
567名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:12:52 ID:Gk6UHAmr
もう比呂美は何やらせても可愛い上にエロい
568名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 12:24:39 ID:hKaJzJKd
>>558
続きも期待したい
569名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 12:56:10 ID:eQQw0hTy
そろそろ、すれ違いじゃなくてだな…お願いします
570名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 13:57:40 ID:yFEE+387
こんにちは。最後に“―終―”をつけている者です
>>540 >>545-546 >>553 >>558-561

今日は6時か7時くらいに投稿させていただきます
(もしかしたらIDが変わってるかもしれません)
完成したものがいくつかと、浮かんできたアイデアもいくつかありますが
一日一話くらいのペースで投稿していこうと思います

続編などのリクエストにも応えていきたいのですが
それだけの実力がないので、できる限りで…という形で勘弁してください

最後に、読んでくれた皆さん、まとめwikiに載せてくださった方
本当に本当にありがとうございます。嬉しい限りです
もっと早くこのスレに出会っていれば……悔しいです
放送が終了しても、これだけ多くの方がスレやまとめwikiを維持してるわけですから
true tearsは素晴らしい作品ですよね

長くなって申し訳ありません。失礼します
571名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:16:02 ID:mRPLKh8A
>>570
眞一郎(比呂美)がしてるとこを比呂美(眞一郎)に見られて、お互い真っ赤に
だが眞一郎にはその場の勢いで押し倒したりなんてできるはずもなく、真っ赤になって逃げ出す比呂美を止められずに・・・
っての書いて書いてー

以後二人とも悶々と悩みまくる展開で
572名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:25:57 ID:ZzG92tuW
>>570
乙です
まあそんなに気張らずに
マイペースでいきましょ
573無邪気な天使 1:2008/05/23(金) 19:40:55 ID:yFEE+387
放課後、校門を出たところで、乃絵が嬉しそうに駆け寄ってくる
おそらく待ち伏せしていたのだろう
「眞一郎!一緒に帰りましょう」
俺は、蛍川高校の4番、つまり乃絵の兄に頼まれたのをきっかけに
二週間前から乃絵と付き合っている。最初は乗り気ではなかったが、乃絵といる時間は新鮮だ
ちょっと変わったところがあるけど、俺が考えもしなかった方向から物事を見たり
他人の気持ちをズバッと当ててしまったりする…不思議な女の子である
それに乃絵の兄には、交換条件として比呂美と付き合ってもらう約束をした
これで比呂美は好きな男と結ばれる。比呂美が喜ぶことなら俺はそれでいい…

二人で海岸沿いの道を歩いていたその時、乃絵が突拍子もなく、とんでもないことを言った
「ねぇ眞一郎、セイシってどんなのかしら?」
「セ、セイシ??」
「そう。男子は出すんでしょう?精子」
いきなりのとんでもない発言に、俺の思考回路は一瞬フリーズしてしまう
「な、なんだよ。からかってんのか?変な冗談はやめろ…」
「冗談なんかじゃないわ!真剣よ!」
乃絵の眼差しから、さっきの発言が冗談ではないとわかる
「私たちも生まれる前は精子だったのよね。中学のとき授業で習ったわ」
「…」
「つまり精子って“生命の種”なのよね。不思議で素敵だと思わない?」
俺にはお前のほうが不思議だよ…
「ねぇ眞一郎、“生命の種”見せて、出して」
「…そんな簡単には出せないよ」
「嘘!オナニーをすれば出るんでしょ?」
「…できるわけないだろ」
574無邪気な天使 2:2008/05/23(金) 19:42:42 ID:yFEE+387
乃絵は俺の手を掴むと、グイグイ引っ張って防砂林のほうへ連れて行く
「お、おい、どこ行くんだよ」
林の奥のほうまで行くと、乃絵は俺の前にしゃがみこみ、ベルトに手をかけた
「ちょ、ちょっと待てって!」
ベルトを外すのに集中していて、俺の声は聞こえてなさそうだ
ベルトを外し、ファスナーを下ろすと、ためらうことなく下着も脱がせてくる
俺のペニスを取り出すと、右手でそれを握り、動かし始めた
「私だって何も知らないわけじゃないわ。こうすると気持ちよくなって出るんでしょう?」
その通りだ。ひんやりと冷たい乃絵の小さな手は気持ちよくて、意思に関係なく勃起してしまう
「すごーい…大きくなってきた」
満足そうな顔で眺めている乃絵。目がキラキラしている

「どう?精子出そう?」
「うぅ…ぐっ…」
初めて他人に手で擦られる感触に、身体が支配されてしまう
「眞一郎、苦しいの?」
「ち、違う……続けて…」
乃絵は黙々と手を動かし続ける
射精感はすぐに訪れた。それはとても大きな波で、我慢という防波堤では止められそうにない
「乃絵…出そう…!」
「出して…見せて“生命の種”」
「乃絵…乃絵!乃絵!」
俺は乃絵の名前を叫びながら、絶頂を迎えた
勢いよく発射した第一波は、乃絵の顔を汚した
ビクン!ビクン!と大きく脈を打ちながら、射精を繰り返す
ブラウスの襟や、ジャンパースカートの制服、乃絵の全身を汚し続けた
「これが“生命の種”……素敵、この中に見えないくらい小さな精子がたくさんいるのね」
乃絵は顔や制服に付いた精液を指で集めて、まじまじと観察している
「舐めても平気かしら?」
汚いからやめろ…と言うより先にペロッと舌で舐めてしまった
「苦い…でも天空の実ほどじゃないわ。不思議な味」

その後、俺は制服を整えて、ポケットティッシュで乃絵にかかった精液を拭き取った
「ごめんな。制服、汚しちゃって…」
「ありがとう、眞一郎」
天使のような笑顔を見て、なぜか顔が熱くなる
気が付くと、日は傾き、あたりは薄暗くなっていた
防波堤の上を歩きながら、乃絵が歌う
♪しんいちろ〜の、精子の中にもアブラムシ〜♪
「バカ!そういうこと大声で言うな!」
「えへへ♪」
「…こういうこと、他の男にしちゃダメだからな」
「それくらいわかってますよーだ」
乃絵がほっぺたをぷくーっと膨らませて言った
こいつには本当に裏表がない。自分に純粋で、他人にも素直な気持ちをぶつけてくる
いつか俺が“気高い涙”を流すことができたなら、その涙を乃絵にもらってほしい
その一滴が天使を救い、羽ばたかせることができるのなら
―終―
575名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 21:39:02 ID:hKaJzJKd
>>573
乙です
>♪しんいちろ〜の、精子の中にもアブラムシ〜♪
ワラタww
576名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 22:21:59 ID:e3gXAq/a
>>573
乙です。
ここ最近では久し振りな乃絵の話、ちょっと感動です。

とてもすばらしい創作速度ですが、無理せず気長にして下さい・
577名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:14:59 ID:fiVyo3H1
べ、べつに乃絵のエロを書いてくれたって
嬉しくないんだから勘違いしないでよね!
578名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:29:16 ID:UbbEm1vP
>>573
ゴルゴンゾーラリゾット吹きそうになったwww
579名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 06:37:56 ID:HOEpHsqo
次はドSな比呂美が眞一郎を責める
「残酷な天使」ですか?w
580夫婦 1:2008/05/24(土) 16:39:04 ID:byY2Zhz4
畳の上に敷かれた二組の布団
くっついているわけでもなく、離れすぎているわけでもない
この微妙な距離が、この夫婦にとっての最高の距離なのだ
「今日のお前は、本当に立派だったよ」
いつもは寡黙な男が、天井を見ながら話す
「私、みっともなかったわ…」
美人な女は、目を閉じて呟いた

『比呂美は私たちの子供です。責任をもって育てます』
女の言葉は、男と比呂美の心に、大きくしっかりと響いた
今日は、どこかに刺さっていた何かが抜けた日だった
膿んだ傷口も、これから時間と共に癒えていくだろう

「お前が比呂美に冷たく接していたのは、俺の責任でもある」
「そんなことは…」
「“あの過去”がお前を苦しめたのだろう?」
「…」
今は亡きもう一人の女を含め、三人の間には共有する過去があった
それは美しいばかりではなく、哀しい過去でもあった
「たしかに比呂美は似ている。だがあの子に罪はない」
男は続ける
「それをお前も理解してくれたことが嬉しかった
 お前には辛い思いをさせたな。すまない
 だが、お前を選んだあの日から、俺が愛する女は生涯お前だけだ」
女は何も言わない。男が隣を見ると、女は泣いていた
「泣いているのか?」
「ふふ…嬉し泣きよ」
女が笑ったのは久しぶりのことだった
581夫婦 2:2008/05/24(土) 16:41:38 ID:byY2Zhz4
「そっちに行ってもいいかしら」
「…あぁ」
女は男に抱きつき、顔を上げて目を閉じる
キスを待つその表情は、少女のころから変わっていない
普段は髪を後ろで結んでいるからだろうか、髪を下ろした夜の顔はいつもより艶やかだった
「ちゅ………ぁ…んんっ…」
キスは徐々に激しさを増していく。同時に慣れた手つきで互いを脱がせあう
結婚してから十数年、初めて結ばれた日からは二十年も経つ
だが何百回、何千回と身体を重ねても、飽きるということはない
ゆっくりとしたリズムで動く、腰が動くたびに心地よい波が揺れる
「アッ…ああっ……ぅ…ん…んっ…ゃ……今度は…あっ…私が上にっ…」
男の上で腰を振る女
その肌は、とても三十代のものとは思えないほどハリがあり、
身体には無駄な脂肪は一切なく、美しいボディラインを維持している
愛される妻でいるために、陰ながら続けている努力の結果である
「綺麗だ…」
腰を突き上げながら、男が言う。その一言は女にとって最高のご褒美だった
「んっ…あ、あんっ……ひゃ…も、もうダメ…私、ああっ…イっちゃい…そ…です…」
「俺も…もう…っ……一緒に………くっ」
「ひゃ…ら、らめ…んん、イク!…イクッ!」
絶頂を迎え、ガクッと力が抜けた女は、男の胸に倒れこむ
抱きしめ合いながら、乱れた息を整える二人
額には汗が滲み、その表情からは満足感がうかがえる

「なでなでして…」
猫のように甘えた声で女が言う
男は女を抱いたまま、綺麗な髪を撫でてやると、幸せそうな笑みを浮かべる
普段の涼しげな眼や、クールな態度からは想像できない、意外な一面
二人っきりのときだけ、夫にだけ見せる、甘い笑顔
それを見て男は、改めてこの女だけを愛することを心の中で誓った
―終―


(おまけ)
「おじさんとおばさん、最近ラブラブだよね?」
家の前で雪かきをしながら比呂美が言った
「そうか?俺には変わらないように見えるけど…」
眞一郎も隣でシャベルを動かしながら答える
「あ、そっか、眞一郎君の部屋は二階だから気づかないのね」
「……え?どういうこと?」
「ニブい人にはわからないってこと」
「???」
―おしまい―
582名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:18:48 ID:pWTSMX2A
乙!
ママン達のギシアンを聞きながらオナニーしてる比呂美キボン!
583名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:25:08 ID:Gs3SEEy8
>>580
乙っ
あのママンから想像できないほど甘く熱いセックルですね
比呂美への豹変振りは夜の生活のお陰かな
でもママン達の部屋って確か二…
584名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:06:23 ID:gmfjUeSR
そこで、「おぎゃあ」ですか?
585名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:17:36 ID:byY2Zhz4
>>583
あれ?二階でしたか?…申し訳ありません
お恥ずかしながら、実は各話一回しか観てないので
細かい設定とか、不安な部分が結構あって、これからもボロが出るかもしれません
(関西人なので、「シャベル」を「スコップ」と表現しそうになったり…)
ご指摘、本当にありがとうございました

おまけの部分は、脳内でカットしておいて下さい(笑)
ツンデレっぽい美人なママンも大好きです
586名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:39:03 ID:+u/XvyFL
>>585
私は一階だと思ってた。
まー細かい事は気にしない、気にしない。
587名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:52:49 ID:Gs3SEEy8
pixivの2階図面見てたけど12話で比呂美の部屋のおぎゃーの声がママン達の寝室に届いてるからやっぱ1階かも試練
ごめんね
588名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:20:42 ID:AeeWwv+O
>>580
乙です
そういえば放送当時のバレスレ等で
9話からママンが急に丸くなったって疑問に
「夜だな」って説があったな
589名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:25:54 ID:gBR/NWt+
>>583
眞の部屋だけ2FでFA
590true☆tears 1:2008/05/25(日) 19:54:40 ID:7IhdMRuo
※この作品はかなりパロディーな味付けで、エロは微量です。ご注意ください

小鳥のさえずりと、窓から差す朝の光で、眞一郎は目を覚ました
「もう朝か…ふわぁ〜」
上半身を起こして伸びをする。何かがいつもと違うことに気づく
「ん?うわぁぁぁぁ!!!」
なんと隣で比呂美が寝ていたのだ
眞一郎の声で、比呂美も目覚める
「…あ、おはよう。眞一郎君♪」
「な、な、な、なんで比呂美が!?」
「なんでって、彼女が隣で寝ちゃいけないの?」
クスクスと笑う比呂美。眞一郎は起動したばかりの頭で必死で考える
『落ち着け…落ち着け、俺。…っていうか、いつから俺と比呂美は付き合ってるんだ???』
ガリガリガリ…と眞一郎の頭の中で、現実を処理する音が聞こえる
比呂美はベッドから起き上がり、ハンガーにかけてある制服を取ると
その場でパジャマを脱いで着替え始めた
「ちょ、ちょっと!何してるんだよ!」
「眞一郎君も早く着替えてご飯食べよう。遅刻しちゃうよ」
「自分の部屋で着替えろよ!」
「ここは私たちの愛の巣じゃない。変な眞一郎君(笑)」
ためらいもなく下着姿になる比呂美。眞一郎は慌てて自分の制服を取ると、部屋を飛び出した
『どうなってんだよ!なんかおかしいぞ今日の比呂美は』
「待ってよ〜眞一郎君〜」
階段を駆け下りる眞一郎を、比呂美が慌てて追いかける

ゼェゼェと息を切らしながら、居間に飛び込む
そこには新聞を読む父の姿があった。いつもと変わらない光景に眞一郎は安堵する
「と、父さん!比呂美が、なんか比呂美が変なんだ!」
そこへ大きな鍋を持った母がやってくる
「眞ちゃんと比呂美ちゃんは、今日も朝から仲良しね〜」
その鍋をテーブルの中央に置くと、今度は魚や野菜が入った皿を持ってくる
「え?母さん、朝ご飯は…?」
「わーい♪私の大好きな“ぶりしゃぶ”だ〜〜♪」
後ろから声がした。両手を上げながら喜ぶ比呂美が、ズサーっと畳の上へ滑り込んだ
「比呂美ちゃん、いっぱい食べなさいね」
「ありがとう、おばさん!」
「ふふふ」
母はいつもとは違い、穏やかに笑いながら比呂美に話しかけている
俺はポカーンと口を開けたまま固まってしまう
「あら?どうしたの、眞ちゃんも食べなさい」
「……朝からこんなの食えないよ…」
「好き嫌いはよくないぞ」
新聞を置いた父が口を開いた
「比呂美、美味しいか?」
「うん!おじさんの分もしゃぶしゃぶしてあげるね!」
子供のように笑う比呂美を、父はニコニコしながら見ている

『これは何かのドッキリ番組?カメラはどこだ?誰かが俺を陥れようとしてるのか?』
眞一郎はパニック状態になり、その場を飛び出した
「眞ちゃん!朝ご飯いらないの?」
「眞一郎君、待ってよ〜!一緒に学校行こうよ〜!」
591true☆tears 2
『くそっ!なんだよ!なにがどうなってるんだ!?』
眞一郎は自分の席につくと、頭を抱えて今朝の出来事を思い出す
まさか学校までも…と心配したが、先生やクラスメートはいつも通りだった
(キンコーンカンコーン)昼休みを知らせるチャイムが鳴る
今朝はあんなことがあったせいで何も食べておらず、眞一郎のお腹もグゥゥゥと鳴った
しかも家を飛び出したせいで弁当を持ってきていない。パンでも買おうと購買部へ向かうが財布を忘れてきたことに気づく
「チクショー、昼飯も抜きか…」
諦めかけたそのとき、廊下の向こうから小柄な少女が走ってきた
「しんいちろー☆」
その少女は走るスピードを緩めることなく、眞一郎に飛び込み抱きついてくる
「わぁ!な、なんだよ、乃絵…」
「一緒にお昼ご飯を食べましょう。眞一郎の分もあるのよ」
「本当か!助かった〜、サンキュー乃絵」

屋上のベンチに二人で座る
やっとありつけた食事だ、眞一郎は乃絵の弁当に期待を寄せる
「乃絵、どんな弁当を作ってきたんだ?」
「お弁当じゃないわ。今日のお昼ご飯はこれよ」
乃絵がコンビニの袋から取り出したのは“ね●ね●ね●ね”懐かしいお菓子だった
「マジですか、乃絵さん…」
「お水もちゃんと用意してあるわ」
小さな水筒も取り出す
「練れば練るほど色が変わるのよ」
「…うん」
「粉の番号と入れる順番を間違えないでね」
「…はい」
二人で仲良く練る練るして食べる
遠くに座っていたカップルが、こちらを指差して笑っていた
「美味しかったわ。やっぱりこのお菓子には、愛され続ける理由があるのね」
乃絵は満足そうな顔だったが、食べ盛りの男子である眞一郎には、明らかに少なすぎた

「ねぇ眞一郎、絵本を読んで♪」
「えぇっ?絵本なんて持ってないし…」
「これ、読んで♪」
そう言って乃絵が鞄から一冊の絵本を取り出す
タイトルは【ペンギンとダチョウの物語】…眞一郎が中学生のときに描いた絵本デビュー作だった
「ちょ、ちょっと待て!なんでお前がこれを!!!」
「いいから読んで♪」
仕方なく読み始める眞一郎、その肩に乃絵が頭を乗せ絵本を見ている
傍から見れば、幸せそうなカップルに見えるのかもしれない
だが眞一郎にとって自分の絵本を読まされるというのは、恥ずかしすぎる罰ゲームだった
「…ペンギンくんは言いました…どうして僕は速く走れないの?
 …ダチョウくんは言いました…だけど君は泳ぎが得意じゃないか、僕には…」
いつの間にか乃絵は眠っていた。眞一郎は絵本を読むのをやめる
『乃絵の髪って、いい匂いがするな…』
乃絵の顔を覗き込むと、口から垂れた涎が、眞一郎の制服にべったり付いていた
「お、おい!乃絵、起きろ。そろそろ授業が始まるぞ」
「……むぅ〜…こうやってつけて…むにゃむにゃ……」
体を揺らしても起きようとしない。眞一郎は乃絵をおんぶして教室まで送り届けることにした…