目の前で赤くなったり青くなったりと、なにかと忙しい、そんな彼女を、ノイエは不思議そうにみていた。
それから、すぐに得心したように頷いて、言った。
「わたしがまだ子どもだから、不安なのですね?」
王国にとって今夜の儀式は真に重要なものだ。
その主祭祀が自分のように頼りない小娘だから、不安で動揺しているのだろう、と少女は考えたのだ。
「――え?」
すぐには意味が理解できず、問い返してから、アンナははっとなった。
「そ、そんなわけでは――!」
だが、少女は構わず続けた。
「気持ちは、わかります。わたしが貴女の立場でも、きっと不安に思うでしょうから。――でも、大丈夫。
わたしはきっと、うまくやります。
皆が言うように、わたしの技術はまだまだ未熟ですけれど。それでも、この儀式だけは、必ず成功させて
みせます。だから、安心して見ていてください」
そういって、少女はにっこりと微笑んだ。
気負いのない笑みだった。
凍りついていたアンナの心が、その笑みにじわりと蕩ける。
少女の推理はまったくの見当違いだったが、だからといって、アンナがこの時まで、少女が執り行う儀式
の成功を信じて疑っていなかったかというと、そんなことはなかったのだ。
むしろ、少女の言う通りだった。
先の戦での歴史的大敗。
その逆境を挽回する為に、今回、王国神殿騎士団長バフマン・オードの指揮で行われる、今回の防衛戦。
その要である今夜の儀式は、《聖王国》の長い神術の歴史の中でも例のない、大規模な儀式になると言わ
れていた。
それを、以前からその才を認める声は聞かれていたものの、まだ年若い14の少女が執り行うことに対し
て、王国の重臣たちの中にも反対意見が多かったという。
結局のところ、ノイエがこの儀式の主祭祀を任されたのは、他に人がいない、という一点の理由からきて
いるのだ。
この部屋に入ってからは、少女に美貌に見惚れてしまって、そんなことはすっかり忘れてしまっていたが、
少女に指摘されたように、アンナもまた、王都に住む他の人々と同様、今回の儀式の成功に大きな不安を
持つ者の一人だったのだ。
だが――、それも、少女の笑顔をみたらきれいに消えてしまった。
欲情も、後悔も、何もかも一緒に。
少女につられて、アンナもまた、心からの笑みを浮かべた。
信頼の言葉が、自然と口をついてでる。
「信じておりますとも。そして……、無力ながら応援しております。だから、どうか、頑張ってください
ませ、ノイエ様」
「まかせてください」
きっぱりとアンナに答えて、少女が細い腕に力こぶを作ってみせる。
そのポーズがあまりに似合わなくて、アンナは思わず吹き出してしまった。
その華奢な身体に、王国の期待と不安を一身に背負って。
想像もつかないほどの重圧を感じているはずなのに――。
目に涙を浮かべて、くすくすと笑いながら。
アンナは、こんな状況でも人を気遣う余裕を忘れない少女を、心から敬愛した。
そんなアンナをみて、ノイエは気を取り直したように言った。
「さあ、それでは着付けの手伝いをお願いしますね。急がないと遅れてしまいそう」
少女に言われて、アンナは自分の役目を思い出し、大慌てで着付けの準備をはじめた。
王国の命運を決する儀式が、今、始まろうとしている。
これは良い百合
この不自然な改行は何?
いや、確かに改行不自然だね。俺も気になった。
文字数が統一されてるわけでもないし文脈や文節で改行してるわけでもない。
まあ取り合えずインデントを入れたほうが見やすくなると思う。
え?内容?すまねぇ。百合は判らんのだわ(´ω`)
調教に期待しますよ。
なるほど、改行は適当に気分でやってました
次があれば気をつけます(・ω・)ゝ
こういうのが趣味なので自分で書いてはみたけども、うーむ難しい…
グランヴァル家本館の扉が開いて一組の男女が姿を現した時、もう既に朝日は昇りきって
いた。
二人は肩を並べて本館の建物を回りこむように歩を進め、ゆっくりと厩に向かっていった。
ミラルバ王国の貴族の中でも最も由緒ある名門の一つ、アンツォン家嫡男、レオナールは、
先日自分の銀行で起こった取り付け騒ぎの話をしていた。
「…全く庶民とは愚かな生き物だよ。やはり誰かがきちんと手綱を握っておかないと、で
たらめに走り回ったあげく、勝手に谷底に落ちてしまいかねないね。ハッハッハッ!」
と笑いながら、彼は隣を歩くほっそりした女性に目をやった。
胸元まで伸びたうっすら青みを帯びたプラチナヘアーや、常に冷静さを失わないアイスブ
ルーの瞳から、まだ若干16歳にしてすでに「青の魔女」の異名を持つアマリア・グラン
ヴァルは、やはりいつものごとく無表情だった。
レオナールは内心『やれやれ…』とため息をつきながらも、彼女の怜悧な美貌につい目が
釘付けになる。
『この取り澄ました顔が、ひとたび俺のアレを捻じ込まれるとトロトロに溶けちまうんだ
からなあ…』
レオナールは、昨晩のベッドでの彼女の激しい乱れ様を思い出し、ついニヤつきながら歩
いていると、突然「ドカン!」という大きな音とともに、彼らが向かっていた厩の入り口
から、大きな図体をした男がゴロンゴロンと転がり出てきた。
男はしばらく地面に転がったまま「痛ててて…」とうめいていたが、やがてゆっくり立ち
上がって粗末な服のホコリをパンパンと払う。その尻のど真ん中には、くっきりと馬蹄の
あとがついていた。
「何だよアドリア、昨日の餌は気に入らないみたいだから元に戻したのにさぁ…」
と言いつつのっそりと厩の中に戻っていく男の様子を見て、レオナールは思わず噴き出す。
「アハハハハ…あいかわらず君のところのデカブツ君は愉快だねえ…ハハハ…」
レオナールの爆笑にも、アマリアは眉一つ動かさない。
「…しかしなんだね、いくら奴隷とはいえもうちょっとマシなのをおかないと、魔術界の
名門、グランヴァル家の名に係わるんじゃないかな」
アマリアの眉がピクリと動いたが、花びらのごとき唇から流れ出た声は、いつものごとく
涼やかだった。
「ダグ、レオナール様がお帰りになります。馬をお出しして」
入り口から、ダグと呼ばれた男の顔がひょっこり覗いた。
岩山のような体つきだが、その田舎めいた純朴そうな顔はまだ青年のものだった。
「ありゃ、お早うございますレオナール様、お嬢様。今すぐお出しします。」
やがてダグは栗毛の見事な馬を引きながら現れ、馬を止めるとその脇にひざまずいた。
レオナールは「フン」とあざ笑いながら、その大きな背中に足を掛ける際、わざと乗馬ブ
ーツの踵をきつく食い込ませる。
だが頑丈なだけが取り柄のダグは小揺るぎもしない。レオナールはやや興ざめした表情で
馬に登り、そのままアマリアに軽く手を振って走り去っていった。
彼女は相変わらず無表情のまま彼を見送ると、やがてクルリとダグに向き直った。
「あれぇ、お嬢様、何でご機嫌斜めなんでしょう」
付き合いの長い彼には、一見判で押したように変わらぬ彼女の表情を読む事など容易い事
だった。
アマリアの青い瞳がほんのわずか細められ、次の瞬間ダグの着ていたシャツの袖口がプス
プスと燃え出した。
「あ、熱ッ!や、やめてくださいよお嬢様ぁ!」
と、ダグはあわてて袖をパタパタはたく。
「いい加減馬と馴れ合うのはやめなさい。つけあがらせるからあんな醜態を晒すのです」
氷のように冷静に聞こえる言葉にも、彼はかすかな苛立ちを感じ取っていた。
「あー、そのー、ご命令とあらば頑張りますけど…」
と言いながら彼はクルリと向きを変える。
「いいかお前達、片付かんからさっさと餌を食っちまえ!もたもたするな!」
と声を荒げながらダグが厩に入った次の瞬間、ドガガガン!という音とともに、今度は全
身に蹄の跡を5つほどつけた彼が転がり出てきた。
アマリアはほっそりした腕を組み、思わず小さなため息を漏らした。
朝食後の紅茶を飲みながら、グランヴァル家当主にしてミラルバ王国5大魔術師の一人で
あるロドルフが口を開いた。
「分かっているだろうが、今夜は『大盾』だから少し遅くなる」
「はいお父様」
とアマリアが答える。
『大盾』とは、王宮最上階に設置された、遠隔呪術等を防ぐための魔術装置で、3ヶ月に
一度、ミラルバ王国を守護する魔術師5家の代表が魔力を充填する儀式を行う。
「そういえば、お父様は幾つの時から『大盾』をされてらしたんでしたっけ?」
との彼女の問いに、昔を思い出しながら彼は目を細めて言った。
「18だったかな。だがお前は私より才能が有るからなあ、どうだ、次回あたり試しに」
「ご冗談を。私などお父様にはまだまだ遠く及ばないのはご存知のくせに」
「いやいや、そんな事はないぞぉ、ハッハッハッ!」
朝日の差し込む食堂に、朗らかなロドルフの笑い声が響き渡った。
アマリアは、王立魔術院付属学校に通っていた。
彼女が2時間目の歴史の授業を受けていると、突然事務員が教室に駆け込んできて彼女の
名を呼んだ。クラスが不穏な雰囲気にざわめいた。
はたして、事務室で聞かされた知らせは良くないものだった。
王宮に忍び込んだ暗殺者が王の命を狙い、ロドルフが身を挺してそれを防いだものの、失
敗を悟った暗殺者は自爆、ロドルフは傷を負ったらしい。
アマリアが蒼ざめて病院に駆けつけると、そこには既に王宮の関係者が多数詰め掛けてい
て、口々に彼女に声を掛けてきた。それによると、ロドルフの傷は浅くはないものの命に
別状は無いとの事。彼女は思わずその場にへたり込みそうになるが、次期当主としての矜
持がそれを許さなかった。
面会が許され、思わず小走りでベッドに駆け寄るアマリアを「おいおい」とたしなめるロ
ドルフは、包帯だらけではあったが思いのほか元気そうだった。
彼は、涙をグッと堪えて毅然と振舞う彼女の様子に満足げに頷くと、心配をかけた事を詫
び、続けて彼女に言った。
「朝の話が予言のようになってしまったが、まあ確かにお前なら大丈夫だろう」
「何の事ですかお父様」
「なんだ忘れっぽいな。今夜の『大盾』だよ」
アマリアの顔から血の気がさっと引く。
「なあに、儀式自体は本当に簡単だ。まあそれなりのオドが必要にはなるが、お前なりに
まあ、そちらの準備も出来ているようだしな…」
とロドルフはやや苦笑いを浮かべた。
ダグが鼻歌交じりに馬の水桶に水を足していると、突然アマリアが厩に駆け込んできた。
「やあお嬢様、お館様は大事無くてよかったですねぇ」
との彼の声も全く耳に入らぬげに、彼女は周囲をキョロキョロ確認すると、厩の大戸をギ
ギーッと閉じてしまった。
「ち、ちょっとお嬢様、どうしたんですか」
整った顔をキッと上げてダグを見つめたアマリアのブルーの瞳は、彼が今まで見た事がな
いほど揺らいでいた。
「これから私が言う事は、絶対人に漏らしてはなりません」
「え?あ、はい!」
とダグは思わず直立不動の姿勢をとったが、即断即決が信条のアマリアが、なぜか青い瞳
に煩悶の色を浮かべたまま、次の言葉をなかなか口にしない。
「…あのぉ…お嬢様?」
「お黙りなさい!」
「は、はいっ!」
そしてまたしばしのモジモジの後、やっと彼女が口を開いた。
「オドを…」
「はい?」
「お、お前のオドを私に提供しなさい」
「…………ええぇっ?!」
生体エネルギー「オド」は、全ての魔術の元になる力である。誰でも大なり小なり持って
はいるが、一般人のそれはあまりに量が少なく、ましてそれを魔術として使う事は不可能
だった。
しかし魔術師であっても、大きな魔法を使おうとする場合は自前のオドでは足りないのが
常で、何らかの方法でそれを補う必要がある。
いくつかの術やアイテムが存在するが、実は女性魔術師であれば、男性との肉体的接触で
直接相手からオドを得る、つまり「セックス」が一番効果的な手段だった。
それゆえ、常日頃から複数の男性と性的交渉を重ね、自分と波長のあう男性を探しつつ、
オドをどんどん体内に貯めていくのが、女性魔術師の重要な心得の一つであった。
ダグが頭をポリポリかきながら言う。
「えーとお嬢様、その為にほぼ毎晩、レオナール様とかアンドレ様とかクロード様とかジ
ョルジュ様とか…」
「お、お黙りなさいっ!グランヴァル家の大事、あれだけでは全然足りないのですっ!」
彼女が珍しく狼狽した様子を見せる。
「もしや、もしやイヤだとでもいうつもりですか!」
もちろんダグに異論のあろうはずも無い。
長年憧れ続けてきた美しい女主人を我が手に抱けるなど、命と引き換えてもまだ釣りが来
る位だ。
彼は躊躇無くアマリアのほっそりした体を抱え上げると、厩の奥の一角に連れて行く。
奴隷である彼には無論自分の部屋などない。厩の奥、干し草を積み上げ、大きな布を一枚
かぶせた物が彼のベッドだった。
彼はその脇に彼女を立たせ、そのほっそりした体を強く抱き締め唇を重ねようとする。
彼女はそっと目を閉じかけたが、途中でハッと気付いたかのように青い目を見開き、頬を
染めながらプイッ!とそっぽを向いてしまう。
「ど、奴隷の分際でどういうつもりっ?!お前はオドを補給する為のただの「道具」なの
ですっ!さっさとする事をすませなさいっ!」
「確かに」とダグは苦笑しつつも、興奮を隠しきれない様子で、しかし思いの他手際よく
自分と彼女の服を脱がせてしまう。
素裸にされた彼女は、すぐ目の前に立つ、岩から掘り出したような彼の体をなぞる様に視
線を落としていったが、突然その青い瞳が激しい驚きで見開かれる。
彼の股間から、彼女の想像をはるかに超える、雄々しく逞しいモノが反り返っていた。恐
らく彼女の小さな手では、両手でも扱えないほどだろう。
「…あ…こ、こんな…こんなのって…」
彼女は思わず後ずさろうとするが、彼の丸太のような腕にきつく抱きすくめられてしまう。
彼女の背は彼の胸元くらいまでしか無い。二人の体に挟まれた逸物が、彼女の白くなめら
かな腹部から、まだ小振りだが形よく膨らんだバストにかけ、カチカチに反り返ったまま
押し当てられ、ドクン、ドクンと激しく自己主張する。
「わ…私、お前に…こんなので犯されてしまうの…」
胸苦しげに浅い息をつく彼女の耳にダグはそっと囁いた。
「もちろんです。しかもお家の大事ですから、1度ではダメです。何度も、何度も、この
愛らしいところに…」
と、後ろから彼女の股間に手を差し入れ小さな合わせ目を指でなぞると、ヌルリとした感
触がはっきり伝わってきた。
「あ、違いますっ!これは、これはっ!」
と狼狽する彼女にかまわず、彼はぬるついた合わせ目にズブリと太い指を押し込んでしま
う。彼女はビクンと細い腰を震わせ、思わず彼にしがみ付く。
ダグは、指を締め付けてくる強い圧力や、その指を動かすと微かに聞こえる『くちゅっ、
くちゅっ』という淫らな音をしばらく楽しんだ後、彼女を干し草ベッドに横たえ、細く白
い両腿をつかんで大きく拡げてしまう。
「…あ…ぶ…無礼なっ!」
とアマリアは真っ赤な顔で抵抗を試みるが、岩山のようなこの男には薄絹のカーテン1枚
ほどの障害にさえならない。
控えめに群れる薄青い繊毛や、桃色の濡れた合わせ目、その上部の薄皮に包まれた小さな
突起や、一番下の小さな薄茶色の窄まりさえも、男の舌は隈なく念入りに蹂躙する。
彼女が恥ずかしさに思わず上げた呻き声は、いつしか甘く湿ったものに変わっていた。
ダグが既に汗まみれの彼女に体を重ね、パンパンに張った巨大な先端を彼女のぬるついた
合わせ目にグニュリと押し当てる。
彼女は思わず息を飲み、不安さを隠しきれない声で言った。
「い、いいですか…ゆっくり、ゆっくりです…私が止めろと言ったらすぐに止め…あ!あ
ああああっ!!」
彼女が不意に絶叫し、細い体を激しく仰け反らせた。
ダグがその大きな手で彼女の小ぶりな尻をギュッと掴み、濡れた小さな入り口にいきなり
巨大な先端部分を捻じ込んでしまったのだ。
彼女は気が狂うほどの激痛に一瞬気を失いかける。
「…あ…ひどい…なんで…ゆ、ゆっくりって言っ…あ!…あ!あぐううぅぅ…」
彼女のしなやかな体が、串刺しにされた魚のように激しく痙攣する。
彼の体重が十分に乗った灼熱の太杭が、狭い肉洞の抵抗など全く無視したまま、一気に彼
女の最奥まで突き刺さっていた。
実はアマリアは処女だった。
2桁に上る男達とベッドをともにしていながら、どうしても自分の体を任せる気にはなれ
ず、彼らに淫夢を見せる術をかけ、勝手に彼女のベッドの上で悶えるに任せていたのだ。
その様は、こう言っては悪いがただただ滑稽でしかなかった。
だからセックスがこれほど残酷で、激しくて、狂おしいばかりの愛情に満ち溢れたものだ
という事など知る由も無かった。
アマリアは、この男が恐らく合った瞬間からずっと深く彼女を愛し続けている事などとっくに気付いていた。
奴隷の分際で、国内有数の名家の次期当主に一方的に懸想をし、彼女と夜をともにしたき
ら星のような男達に分不相応な嫉妬を抱く。たまたま転がり込んだまさに千載一遇の機会
に野良犬のようによだれを垂らして飛びつき、思いやりや繊細さなど一片の欠片も無く、
凶悪な欲望を相手が壊れんばかりにぶち込んでくる。
別にどうでもいい事だ。
この蛮人にとってどうであろうが、彼女にとっては、これは儀式の為にオドを得るための
ただの手続きに過ぎない。
何も考える必要は無いのだ。
なぜ彼が他人から愚劣な扱いを受けると彼女が燃えるような怒りを覚えるのか。
なぜあんな汚いモノを押し当てられ、股間をいじられただけで、失禁したかと思うほど大
量の蜜を溢れさせてしまったのか。
なぜ今自分から彼の唇を求め、差し込まれた舌に夢中で自分の舌を絡めているのか。
なぜベッドの上で一人悶える男達の姿をせせら笑いながら、自分はといえば、熊のような
大男にケモノのように後ろから貫かれる妄想に浸りつつ自らの股間に指を埋めていたのか。
考える必要は無い。いや、考えるのが怖い。
激しく喘ぐ彼女の細い体を一段と強く抱き締め、彼は張り詰めた先端を彼女の最奥さえ突
き破らんばかりに押し込んでくる。
彼女は、灼熱の鉄杭が本当に心臓にまで刺さって来そうな感覚を覚え、恐怖と、脳が痺れ
るほどの快感に襲われる。
やがてその鉄杭が一段と太くなったかと思うと、ついに大量の精を噴出させた。
焼け付くようなエネルギーが、膣を、子宮を、全身を、破裂させんばかりの勢いで満たし
ていく。
彼女は、自分の腰が激しく痙攣しながらも、なお貪欲に彼を飲み込もうとしているのを感
じつつ、完全に意識を失った。
気付くと、ダグが穏やかな目で彼女を見つめていた。
いまだ彼の分身は彼女の奥深くに突き刺さったままで、ドクン、ドクンと力強いリズムを
伝えてくる。
「…大丈夫ですか」
との彼の優しげな問いかけに急速に意識が目覚めるのを感じながら
「当然です。これ位どうという事はありません」
と毅然と答えたつもりだったが、舌が甘くもつれてうまく話せない。
「そうですか、よかった」
とニッと笑いながら、彼が彼女の胎内に収まっているモノをズルリと引き出そうとした。
「あ、ああっ!」
と、彼女はあまりの喪失感に狼狽し、逃がすまいとでもするかのように思わず腰が浮いて
しまう。
ダグが目を丸くしたのに気付き彼女もハッとしたがもう遅い。
「あ…これはその…別に…あっ!ばか違う、ん、んんっ、ああっ…」
ピンと立った小さな乳首を吸われながら、また極太の肉杭が激しく突き込まれ始めたのを
感じ、彼女は「違う…違う…」とイヤイヤをしながら、男の逞しい体に夢中でしがみ付い
ていた。
あやうく彼女は『大盾』の儀式に遅刻するところだった。
何となく離れるに離れがたく二人で汗まみれの体で戯れるうち、結局あのケダモノに5度
も精を注ぎ込まれてしまったからだ。
儀式自体は大成功に終わった。というより、オドがオーバーフロウを起こしかけるほど蓄
積が進み、次回は3ヵ月後ではなく、6ヵ月後でよかろうという結論にさえなった程だ。
長老格のホルガーが「いやあ若いというのはいいのぉ、有り余ってるのぉ」とアマリアの
ほっそりした体を上から下までとっくり眺めて彼女を赤面させてしまい、ご意見番のイザ
ベル女史に杖で引っぱたかれていた。
『大盾』に供出してしまった分のオドは、当然また補充しなくてはならなかった。
『し、仕方ないわ。お父様が退院するまでの間、当主代行としての当然の勤めですもの。
でも、どうやって補おうかしら』と一応考える振りをしてはみるものの、実は補充方法は
一つしか思い浮かべていない、アマリア・グランヴァル、16歳の夏であった。
終わりざんす
you何か投下するんならしちゃいなyo!
いい感じに埋まったら俺が次立ててやるze!
それから十年。
ケンダルは、ディアント領地を離れ首都にいた。
神殿の奥深くに住み、滅多に人前に姿を現さない神々の御子と、その御子により
選ばれた王に仕えることを学ぶためである。
父親に連れられて首都に来たのは、魔女がディアント領地を去った直後。
ディアント領地の子のみならず、地方で育つ貴族階級や領主階級の子弟は、そうやって
若い時期の何年かを首都で過ごすのが慣例だと、ケンダルの父親は語った。
「フェイの病気が気がかりだという気持ちも分かるが、それならまずたくさんのことを
身につけ、成長し、そして責任を負うことを学ばなくてはならない」
ケンダルの父親は、息子が魔女に会いに行ったことを暗に咎めてそう付け加えた。
まだ二、三年は先になるはずの遊学だったが、そのような理由で早まったのだから、
ケンダルは父の言葉に黙ってうなずいた。
首都マナウルは、うっそうとした森を擁する小高い丘を背後に、すっと天へ伸びる
白い建物――父が言うには御子の住まう神殿――が最奥にそびえ立ち、そこから
赤茶けた家々が扇状に広がって、なだらかな斜面を埋め尽くしていた。
その遠望は圧倒されるような迫力があったが、ケンダルのがっかりしたことに、
見た目の華やかさとは逆に、都市の内部は道が狭くごみごみとしていて、
行き交う人々の人いきれで、馬に乗っていても息がつまりそうになった。
それから首都にいる間はずっと、風通しの良いさわやかな空気を求めるように、
ケンダルは心のどこかでディアント領地を恋しく思っていた。
「おい、セラン。こんな話は聞いてないぞ」
そして、十九歳になったケンダルは、今日も同じようにディアント領地を恋しいと思った。
たくさんの女たちの香水と脂粉の匂いは最悪だったし、それらに混ざった隠しようもない
生臭さはもっと気分を悪くさせた。
座高の高い丸椅子に座ったまま、落ち着かずに足踏みする。
その気はないつもりなのに、女たちのひらひらした服装が劣情をそそり、思わず半身を
前かがみにして、ひざの上で両手を組む。
「お前の言っていた、おれを連れていきたい場所ってのが、こんなところだって
知っていたら……」
首都の山の手と下町とを分ける大通り、酒場や賭場が軒を連ねる歓楽街の一角に、
その娼館はあった。蝋燭をふんだんに使った一階部分の酒場も兼ねたサロンでは、
ケンダルの見知った顔がやはり二、三人の娼婦に取り囲まれている。
それら娼婦たちのくすくす笑いに囲まれて、ケンダルは所在無く膝の上のこぶしを握り、
セラン・イリューズの燃えるような赤毛頭をにらみ付けた。
首都でケンダルが世話になっているイリューズの一族、その跡取りであり、同い年の
親友であるセランは、娼館の女主人の乳首の見えるぎりぎりまで肌を露出した胸に、
そばかすだらけの顔を埋めている。
夕方、時間があるなら面白いところに行こうと誘った親友の言葉に、一も二もなく
乗ったケンダルだったが、こんなことのために遊学したのではないのだし、
最近のセランの秘密めかした夜の外出を考え合わせて、行き先をはっきり聞いて
おくべきだったと後悔する。
「なんだよ、ケンダル。そんな仏頂面することないだろ? せっかく、こんな天国の
ようないいところに来ているのに」
セラン・イリューズが胸の谷間から顔を出し、大きな口の端を丸めるように上げて、
にっと笑った。
ケンダルはそれを見て、そういえば初めてこいつに会った時も、こんな悪ガキの
ような笑い方をしていたな、と思い返す。
父親に連れられて初めて入ったイリューズの屋敷の、整然としたしつらえの書斎で、
ケンダルの父親とセランの父親が昔話をしている時だった。
ふと視線を感じたケンダルが廊下に続く扉へ顔を向けると、隙間からのぞくセランの
期待に満ちた目と、愛嬌たっぷりの笑みがあった。
このイリューズの一族は、王に選出されうる八つの家系のうちの一つにあたり、
ディアント領地からだけでなく、さまざまな地域から貴族の子弟を受け入れている。
その中でも、ケンダルとセランは年の近いこともあり、無鉄砲でいたずら好きという点で
気が合い、いつもつるんで行動をしていた。
机を並べて同じ師に学び、剣術や馬術を競い合う。一緒に悪さをして怒られたことも
あったし、お互いに励まし合ったり、相談相手になったりもした。
イリューズの屋敷に預けられた当初、寂しい思いをしていたケンダルを慰めて、
元気づけようとしてくれたのもセランだった。
(なあ、そんなに落ち込むなって。そうだ、俺の秘密を教えてやるよ。だから元気出せって)
(秘密? お前の秘密なんて、せいぜい厨房からお菓子を失敬した程度だな)
(言ったな、ケンダル。……まあ、聞けって)
セランは辺りを見回して人気のないのを確認し、声をひそめて続けた。
(見ての通り、この屋敷と御子さまの神殿は地続きだろ?
で、そこの茂みをくぐると、塀の崩れているところがあって、神殿の中が見えるんだ。
神殿に御子さまに仕える女官は美人揃いだぞ。今度一緒にのぞきに行こうぜ。
もしかしたら代替わりしたばっかりの御子さまも見られるかも知れない。
お前はまだ、御子さまにお会いしたことないだろ? 御子さまはまだお小さくて、
すごく可愛いんだ。ケンダルは会ったことがなくて残念だよ)
(御子さまがなんだよ。おれは魔女に会ったことあるんだぞ)
得意げに御子さま御子さまと繰り返すセランに対し、わけのわからない対抗意識に
駆られ、ケンダルは応酬した。
(アディアは、妹の病気や犬の怪我も治すことが出来るんだ。御子さまは神殿の
奥にこもってるだけじゃないか!)
(御子さまは神々の言葉を人に伝えているんだ。御子さまは偉いよ)
(魔女の方が偉いよ!)
むっとした表情のセランと言い合いになり、最後は顔を見合わせて同時に
吹き出した一場面。
――だからといって、こんないかがわしいところに誘うことないだろう?
相変わらずにやにや笑いを崩さないセランに、しかめ面をするが通じるはずもない。
「なんだ? 初めてだからって怖いのか?」
「この野郎。そんなわけないだろ。呆れているんだよ、馬鹿」
見栄を張っても仕方がないが、セランに怖気づいたと思われるのもしゃくに障る。
「女と寝るくらい……、分かったよ」
覚悟をきめて宣言し、個室のある二階に続く階段を横目でちらっと確認するも、
その誘い込まれるような隠微な薄暗さに、ケンダルはすぐ目をそむける。
「さあさあ、イリューズの坊ちゃん。あんたも初めてここに来た時には似たり寄ったり
じゃなかったかね」
館の女主人はさすがに、セランがげらげら笑うのを鷹揚にいなして、ケンダルへ
顔を向けた。
「それで、まあ一応、聞いておくよ。あんたはどんな娘がお好みだい?
こういう経験が初めてだっていうのなら、やはり初物ってわけにはいかない。
手慣れた相手がいいだろうね」
「好みの女? 好みって言われても」
「髪の色とかさ、何かないかい?」
「えっ……、髪の色なんて、何でも……。いや、それなら……黒で」
「黒、黒と。じゃあ、アイラが空いているね」
女主人はうなずき、ひらひらと手を振って若い娘を呼び寄せ、何事かを言いつける。
「すぐに用意が出来るよ。階段を上がって右側、二番目の扉だ。間違えなさんな」
「あ、ああ。ありがとう」
「何も考えないで楽しむんだよ。それが肝心」
ケンダルは、もうどうにでもなれと言う気分で立ち上がり、自分でも分かるほど
ぎくしゃくと階段に向かう。
「黒髪の女は知的な美人、頭はいいが情がない。金髪の女は豪華な美人、
見た目はいいがおつむはからっぽ。赤毛の美人は情熱的、だけど短気ですぐ怒る。
茶色の髪は気立てがいい、他には取り柄が何もないから」
セランが歌う巷間の戯れ歌を背にして、ケンダルは薄暗い階段を上った。
一階の華やかさから一転、階下から洩れる光だけが頼りの二階では、知らず知らず
のうちに忍び足になる。
――黒髪の女は情がないなんて、失礼なやつだ。
絶対にそんなことない。アディアの髪も黒だったし、自分が首都に来てから親切に
してくれた人にも、黒髪はたくさんいた。
憤慨しながら扉をノックし、答えがあると同時に開ける。
「あら、いらっしゃい。来たわね」
部屋の中には小さなろうそくの明かりが一つ灯っていて、出迎えた女の背が低く、
ふくよかな体型をしているのが分かった。
髪の毛は確かに彼の希望どおり黒々としていたけれども、その表面に艶がなく
両肩に乱れて落ちている様はだらしなく、五歳は年上と検討をつけた年齢よりも
少し老けて見えた。
ケンダルはどこか心の奥で失望したのを感じつつ、薄い下着のようなドレスに
浮き出る乳首と、そこから乳房の下に伸びる影に目が吸い寄せられる。
「あっ、ごめん」
思わず謝罪するが、ケンダルを招き入れる女の歩くに合わせて揺れる乳房から
視線をそらすのは、ひどく努力がいった。
「いいのよ。さ、どうぞ座って」
女に言われて見渡し、部屋いっぱいに占領するベッドに、ケンダルは途方に暮れた。
「えっと……、アイラ?」
椅子を探すのは諦めてベッドの隅に腰を掛け、女の名前を思い出す。
アイラはにっこりと笑って、ケンダルのすぐ隣に寄り添って座った。
「イリューズの坊ちゃんが友達を連れてくるって言うから、どんな男の子だろうって
みんなで噂してたの。名前はなんていうの? 年はいくつ?」
「ケンダル・オブテクルー。今年で……、十九」
乗り出すように体を傾けたアイラの胸が、ケンダルの肘に当たった。
谷間に二の腕を挟まれて、引っ込めようもなく押しのけるわけにもいかず、
弾力がありつつもやわらかな感触に、体の筋肉と別の場所が固まる。
ケンダルは意味もなく指を曲げ伸ばしし、気を紛らわせる。
「イリューズ家で預かる地方の領地の子? 首都で育ったわけじゃないわよね」
「あ……の、……」
彼女の肌から麝香に似た香りが漂ったかと思うと、そっと伸びてきた手がケンダルの
ふとももに置かれた。
「おれが生まれ育ったのは、ずっと北の方にあるディアント領地……で、その……」
膝頭が手のひらに包まれ、そのまま足の付け根まで這い上がる感触。
ふとももの内側にほんの少し差し入れられた指が、薄い皮膚の下の動脈を
うかがうように止まった。
「ディアント領地ってどんなところ?」
こころなしかアイラの口調が艶っぽい。
「首都に比べて人や建物は少ないけど、大きな森や沼地があって……うわっ」
ついにアイラの手がケンダルの股間に届き、先ほどから頭をもたげていたものを覆った。
ケンダルは小さく叫び、のどに張り付いた舌をはがして生唾を飲み込む。
「あら、もちろん。おしゃべりよりもこっちの方がいいわよね」
アイラがこの場にそぐわないほどさわやかな声でケンダルに言った。ベッドから
滑り降り、ケンダルの両足の間で膝をついて、ズボンをつかんで笑顔を見せる。
その無言の要求にケンダルはつられて腰を上げ、アイラがズボンを引っ張るままに
任せて下半身を露出させる。
そこから飛び出したものは、情けないほどに臨戦態勢だった。
「おれの、変じゃない?」
ケンダルの口をついで出た言葉がアイラの微笑みを誘う。
「立派なものよ」
「他の人もそう思ってくれるかな?」
「誰かにそう思って欲しいの?」
アイラは大げさに目を見開いてくすくす笑った。
「いや、そういうわけじゃなくって……」
ケンダルが口ごもるのをよそに、アイラは肘を伸ばして両腕を上げ、彼の上着を
やすやすと取り去る。
それからまた跪いて、ケンダルのものに手を添え、捧げ持つようなかたちに指を
巻きつけた。
両方の親指で縦筋に沿って上下した後、四本の指でかき鳴らすように愛撫し、
人差し指を立てて鈴口の周りを丸くなぞる。
「いっ……あ」
ケンダルは歯を食いしばり、何を言おうとしていたのかを忘れてしまう。
腰回りから背中にかけての肌が粟立ち、まとわりつく空気にじわじわと熱さが増す。
「じっとしててね」
アイラが言って、一息ついた。
じっとしていてと言われても、そもそもこの大事なところをつかまれていては
動くことも出来ないのに。ケンダルはそう思って彼女のつむじを眺めて苦笑し、
自分も小休憩とばかりに体の力を抜いた。
だが、彼が息を入れる間もなく、まぶたを伏せたアイラが顔を近づける。
並んだ白い歯の隙間から、濡れて光る赤い舌が出るのは見ていられたが、
それ自体が生き物のような動きで根元から一線で舐め上げられるのは、
目を閉じなければ耐えられなかった。
彼女の舌先が自在にうごめいて快楽を生み出す。ぐりぐりとうねるような
動きが彼の亀頭を刺激する。
あまりの気持ちよさに、こめかみで脈打つ血管が破裂しそうだと思った。
先端から透明な液が漏れ、アイラの唾液と絡まり垂れ落ちる。
こぶしを握りしめ、或いは開きを繰り返して、高まった射精感をごまかす。
「くっ、あっ……、アイラ」
腕を振り上げて揺らし、行き場のなくなった手を彼女の黒髪に潜り込ませる。
「我慢しなくていいのよ」
アイラがつぶやいた。彼女の口の端が妖艶に伸びたかと思うと、今度は大きく
唇を開けてケンダルのものを咥えこむ。
最初は確かめるようにゆっくりと、それから徐々に速度を上げて往復し、勢いをつける。
粘液にまみれた陽根が、口腔内でじゅぶじゅぶと音を立てる。
「んっ、んっ……、出してもっ……、あふっ、いいのよ……」
うねうね動く舌と肉厚の唇とに挟まれて、暴力的とも思えるまでにしごかれる。
ケンダルの丸めた背中から、熱気と共にぬるりとした濃い汗が次々と噴き出して、
腰のあたりへ流れてとどまる。
と、アイラが突然動きを止めた。
ケンダルから口を離し苦しそうにあえぐと、唇を開いたままで深呼吸をする。
大きく吸って、ふうっと吐いた呼気がケンダルの限界まで来ていたものに直撃した。
その最後の一押しの快感に、経験のないケンダルはひとたまりもなかった。
ぞわぞわとせりあがる焦燥感は止めようもなく、ケンダルは本能のままに昇りつめる。
「……いっ、あ…………」
びくんびくんと震える先端に全てが集中する。
白い液体が断続的に噴出して、アイラの額に、まぶたに、鼻筋に降りかかる。
「うわっ、ご……ごめん」
ケンダルは行為の後に来た多少の気だるさを黙殺し、彼女の顔に飛び散った
精液を慌てて拭う。
「あら」
アイラがまぶたを揺らめかせて微笑み、ケンダルへ差し出すようにあごをくい、と
上げて目を閉じた。
「紳士ね。それに……若いのね」
ケンダルが自分の放った精液を始末して彼女の顔から手を離した後、視線を
落としたアイラはおかしそうに口元を緩ませた。
彼女の無防備な表情やこころなしか上気した頬、その肌のいくら拭っても
まとわりついて取れないケンダルの臭いに、彼のものがまたもや反応して
いたからだった。
「さ、これからが本番よ」
アイラがベッドの中央に指して促した。
「おれ、その……」
「いいから、大丈夫。まかせて」
彼女に気おされて、ケンダルは後ずさりするようにそちらに移動して寝転がる。
それを追ってにじり寄ったアイラは、ドレスの裾を片手で上げ、見せつけるように
腰を二、三度振った。
影になってよく見えない場所にもう一方の手を差し込み、人差し指と中指で
割れ目を開きながら、覆いかぶさるようにケンダルの腰にまたがる。
ケンダルの一番敏感になっている先端がそこに触れ、べちゃりという音でもしそうな
濡れた粘膜の感触がした。
そこはかとない嫌悪感に、一瞬、ケンダルの背中が総毛立つ。
「こっ、ぐっ」
続けて、アイラが一気に腰を落とした。
何か意味のある言葉を言う暇もなかった。
舌で舐められたのとは比べ物にならない衝撃がケンダルを襲う。
――気持ち悪い? 違う。
やわらかく、あたたかい肉壁にすっぽりと包みこまれ、快楽が全身に広がった。
脳髄やこめかみの血管が膨らんで、目がぐるぐる回るようだった。
こんな気持ちのいいことがあったのかと、獣の咆哮に似たうなり声をのどの奥から
かろうじて吐き出す。
アイラの手が何かを求めて空中をさまよい、手放したドレスの裾がケンダルの
腹部にふわっと落ちて重なった。
やがて彼女は両手を揃え、ケンダルのみぞおちの辺りに乗せ、二つの丘のような
乳房と、その間の深い谷間を両腕の中に収める。
膝を上げてしゃがみこんだ態勢のアイラが、その体を上下に揺さぶる。
ドレスの下に隠れた結合部から、ぐちゃぐちゃと水音よりも重い音が肌を伝わって
ケンダルの耳に届く。
「はっ、あなたも……、んっ、動いて」
肉と肉とがぶつかる合間、とぎれとぎれにアイラが甲高い声で言った。
ケンダルは要求に応えようと上半身を少し起こし、ずり上がったドレスの裾から
露出した白い太ももに手を伸ばした。
その滑らかな肌触りに驚いて、ますます血肉をたぎらせながら、確かめるように
手のひらを密着させ、腰を精一杯突き上げる。
上手く動かせなくて尻と腰が痛くなるが構わず、無我夢中で彼女の腰を振るのに
合わせ、集中して打ち付ける。
突然、彼女の動きが変わった。
ただの抜き差しではない。円をえがくように下半身を回し、ケンダルの雁首を
こそげるように膣壁をこすりつける。舐めるような肉襞のうねりがケンダルの
動きと相まって、より彼を駆り立てていく。
また、かと思うと、おもむろに浅いところで短く素早く抜き差しし、特に径の狭い
入り口できしむほどに締め付ける。
彼女の性技に翻弄され、ケンダルの忍耐は長く持たなかった。
目の前が霞んでちかちかと光り、その時を迎えたのを知る。
最後の深く強い一突きの後、彼はアイラの中に膨張しきった欲望を素直に開放した。
「アディア……」
ケンダルはそのまま彼女の奥までねじ込み、収縮した膣内にまたせかされて、
何度も精を吐き出したのだった。
*
鉄塊を体の中に詰め込まれたような疲労感に襲われて、ケンダルはベッドに沈んだ。
アイラが立ち上がって事の後始末するのをぼうっと眺め、一つの山を乗り越えた
という達成感と、無駄な体力を使ってしまったというむなしさとが、ないまぜになった
気分を味わう。
指一本動かないと思いつつも、このままずっとベッドに寝転んでいるわけにもいかず、
重い体をどうにか起こして座り込む。
「どう? 感想は」
アイラが水の入ったグラスを差し出しながらケンダルに話しかける。
「これで、セランに大きな顔をされずに済む……かな」
未知は既知となった。幻想は現実になった。
期待以上の快楽もあったが、終わってみれば部屋中に漂う生臭さが鼻につく。
「で、アディアって誰?」
含み笑いをしたアイラが、からかうような口調で言い、ケンダルはちょうど口に
含んだ水を噴き出しかける。
「私のこと、そう呼んだでしょう?」
「それは……、その……」
思い出して動揺し、言葉に詰まる。
「大事な人なの? ディアント領地に置いてきた恋人?」
「そんなんじゃないよ」
耳たぶと首が赤くなるのを自覚して、ケンダルはうつむいた。
「うん、でも……、いつかそうなったら……いいな」
「また、ここにいらっしゃい。あなたは最初の一歩を踏み出したばかりなんだから」
アイラの優しい声がして、ケンダルは顔を上げた。
「いいの?」
「ええ、もちろん。領地に帰って彼女と再会した時のために、もっと経験を積まなきゃね」
「……ありがとう。アイラ」
ケンダルはアイラに感謝の言葉を述べて部屋を出る。
館の女主人に黒髪を希望したのは、アディアとしたかったから。
アイラを見て失望したのは、彼女がアディアではなかったから。
でも、最後に絶頂を迎えた時、アディアを思い浮かべたのはひどく気まずく、まるで
彼女を汚したかのような罪悪感にとらわれて、ケンダルは、ほんの少し落ち込んだ
気分で帰路についたのだった。
以上です。すみません、10レスでした。
乙!
新スレ立ったのか、おつかれさん
何とも微妙な容量残ってるね
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.i;}' "ミ;;;;:}
|} ,,..、_、 , _,,,..、 |;;;:|
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| ー' | ` - ト'{
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''"~ヽ \、_;;,..-" _ ,i`ー-
ヽ、oヽ/ \ /o/ |
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l:::::::::::::::::l ‐-l スレを埋める時は酢か塩を使ってみるといい。
l:::::::::(⌒ ‐-(
l::::::::::ヽ` ゝ
`、:::::::::) ーノ
`ー'| ┌‐' _ /\ .。,.
l´ ̄`ー-┬‐―-' .`ニi/ :;`. ・ 。 .:...
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l l .  ̄´ :* :; : `: :; ::
l l
曰
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ノ__丶(〃´Д`)_ < うぃ〜、ひっく
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_ ||本||| | .  ̄丶.)
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曰
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ノ__丶 ゚。゚ ._
||一|| ∧_∧ .|--¢、 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ ||人||γ(〃´Д`) ̄ 丶.) < 飲まなきゃやってられるか!
\ ||酒||L二⊃  ̄ ̄\ ̄ \____________
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__
r E)
∧_∧ / ./
( #´Д`) //
/ 二 ,r' 曰
./ | 愛 | | |
.( ( i /7 . | ノ__ヽ
ヽ、二つ .| ||日||
|/´ l /⌒l! ||本||
(  ̄ ̄/〜/ ノ| |! ||酒||
\ ヽ\/ ̄ .| | (<二:彡)
\`ヽ i__⌒) `ー‐‐‐´
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ウィーッス ∧_∧∩ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(´∀`*// < うめだ、うめ〜♪
⊂二 / \_____________
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口口/  ̄)
( <⌒<.<
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ゥィー
⊂ヽ ∧__∧ r''∋
〜 ヽ`ー(*´Д`)'/ |
〜  ̄ヽ イ ↓
〜 〉 / E田ヨ
〜 /⌒ 〈
〜 ノ /~`⌒> )
〜 (__ノ / .ノ
〜 (__つ
_,、,、,、,、__
*. ,Oニ二_.、っ___)
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|~~⊆二二 ~ ./ *
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(二フヽ \/ _ノ (二フ\ ヽ_ノ / 、__
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§ ギコ 点 §
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∬∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∬
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| ざぶとん一枚! |
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( ・∀・) ヽ/ | ( )( ) (・.・ )
( ⊃ (__∪∪) < ̄ ̄ ̄> (o o)
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(__)_) < ̄ ̄ ̄>< ̄ ̄ ̄>< ̄ ̄ ̄>
優良スレ 普通 クソスレ
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88彡ミ8。 /)
8ノ/ノ^^ヾ8。( i )))
|(| ∩ ∩|| / / <ココ!
从ゝ__▽_.从 /
/||_、_|| /
/ (___)
\(ミl_,_(
/. _ \
/_ / \ _.〉
/ / / /
(二/ (二)
クマスレ 優良スレ 普通 糞スレ
┝ - - - - ┿━━━━━┿━━━━━┥
∩___∩ /)
| ノ ヽ ( i )))
/ ● ● | / /
| ( _●_) |ノ / ここクマ――!!
彡、 |∪| ,/
/__ ヽノ /´
(___) /
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。 O / 。 u `ー、___
゚ 。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛ u / ゚
- ・。 / ; ゚(●) u⌒ヽ i @ 。
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゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o ,! ハ ハ !
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