628 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 12:51:30 ID:1fIzdtYs
保守あげ
保守がてら、スヤチヨ投下します。
・巣山がやや手フェチ+妄想過多の痛い子。
・大して続いてないけど、一応
>>247-250の続き。
・ちょっとした切り傷シーンがあり、血液の描写があります。
・何回かに分けて投下予定。今回投下分に、エロはありません。
以上、苦手な方はスルー願います。
630 :
スヤチヨ 1:2008/10/20(月) 22:31:18 ID:ibHEi1FD
初めて会った頃から、きっと気になっていたと思う。
明るくて、優しくて、いつも笑顔で気安く話しかけてくる。
こちらが舌を巻くほどの野球好きで、対戦相手のデータ作りなんて面倒で大変な仕事も、
嫌な顔一つせずこなしてくれる、一生懸命なマネージャー。
きっかけは、思い出せない。
ただ、いつからか毎日のように思い描くようになった。
篠岡の細い体を抱きすくめ、その温もりを確かめたい。
胸も腹も腰も、その体のずっと奥も、篠岡のすべてを触れてみたい。
いつもそう思っていた。
けれど巣山は特別な好意を覚えて以来、実際の篠岡に一度も触れたことはない。
頭の中で何度も堪能した、細く表情豊かな指先を掠めることすら避けてきた。
篠岡の、温もりに触れたい。
その感情が大きく膨れ上がるほど、自分自身の感情に強く蓋をした。
一度でも触れてしまえば、多分、自分の感情を隠し切れなくなる。
もっと、もっととその先が欲しくなる。
付き合うとか、そんなこと飛び越えたもっと先。
体の奥から焦がれるような切実な情動、突き上げるような欲求に抗えなくなる。
それがわかっているから、決して近づかなくなった。
無意識に篠岡を追おうとする視線を、なにげなく逸らして。
距離を置いていることに気付かれないよう、あくまでさりげなく。
自然に、なにも他意はないという振りをして。
――だけど、自制もそろそろ限界だ。
*
練習の始まる少し前。グラウンドに、小さな声が響いた。
「痛…」
声のした方に反射で振り向くと、篠岡がベンチの間に立っていた。
「どうした篠岡」
俯いた背が動かないのに、花井が軽く腰を浮かせる。
篠岡は、はっと気付いたように振り向いて、小さく首を振った。
「あ、ごめん。なんでもないの!」
「なんでもないって声じゃなかったぞ」
「えっと、虫がいたから驚いて。ちょっと手ぶつけちゃって、それだけ」
照れたように笑うと、篠岡は開いた左手をひらひらと振った。
「どれ」
「平気。もうどっか行っちゃったし。ありがとう」
篠岡の笑みには少しも陰りはない。
訝しげに首を傾げていた花井は、なんでもないと重ねて言われて納得したらしい。
「驚かせてごめんね」
篠岡は話を打ち切ると、ぱたぱたとベンチ脇の用具倉庫に走って行った。
少し離れたところでストレッチしていた巣山は、部員の輪の外から、皆の様子をさりげなく確かめた。
部員の意識は既に篠岡から離れている。
巣山はそっと篠岡に視線を遣った。
631 :
スヤチヨ 2:2008/10/20(月) 22:34:40 ID:ibHEi1FD
篠岡はこちらに背を向けたまま、なにか探しものをしているらしい。
左手をカゴの中に無造作に突っ込んで、覗き込んでいる。
右手は、きゅっと小さく握られたまま、カゴの縁に乗せられている。
片手だけでの探しものは、どこかぎこちなかった。
ぎこちなく見えるのは、多分、それが左手だからだ。
篠岡の利き手は右手だったはずだ。だから酷く不自然に映るのだろう。
なんてことのない仕草だったが、巣山は知らず表情が渋った。
握られた篠岡の右手を後ろから凝視する。
それが不自然に強張って見えるのは、多分自分が篠岡の手を篠岡以上に気にしているからだ。
だから不自然に見えるのは――怪我をしたと思うのは、多分気のせいなんだろう。
過敏なほど神経質になる自分を、巣山は充分自覚していた。
けれど、もし気のせいでなかったら?
あの指先が傷むのは、許せない気がした。
白く細い指。薄い手の甲。
整った爪や、ほんのりと桜色に色付く指先。
かすかに節だった関節はなめらかな動き、いつだって軽やかに巣山の目を奪う。
あの指先が、自分の知らないところで傷付き、汚れていくのは、想像するのも不快に感じる。
自分でも正体のわからない、苛立ちのような強い感情が、腹の底で渦巻く。
こんなのは、異常だ。わかっている。けれど。
巣山はそっと立ち上がった。
「手、見して」
いきなり呼びかけると、篠岡は驚いて振り向いた。
元々大きな目が、更に大きく見開かれている。
「え、巣山くん? なに?」
「手の怪我。さっきぶつけたって言ったろ。見して」
「ああ、あれは大丈夫…」
答えながら、篠岡は右手を胸元に隠すようにした。
巣山はその手を追うように手を伸ばした。
「大丈夫なら見せられるだろ」
真っ直ぐに目を見て言い切る。
篠岡がこころなし目を伏せた。自分から視線を外すのは珍しい。
巣山は不意に奇妙な意地悪さが滲んできそうになるのを、かろうじて堪える。
それを抑えようとして、いつも以上にぶっきらぼうになっていく。
黙って篠岡に近寄ると、腕をぐいと引っ張った。
篠岡は唐突なことで、よろけながら立ち上がった。
バランスを失った篠岡を、そっと受け止めて支える。
軽い身体、手首の細さを初めて知った。
自身の意識とは無関係に、なにか特別な情動が湧き起こる。
力を入れたら壊れそうな頼りない手応えだと、他人事のように思う。
握られた拳も小さく、自分の掌の中に簡単に納まってしまう。
怯えたように縮こまり、きつく折り曲げられた指。
巣山は強引に開かせて、掌に広がる赤い色に溜め息を吐いた。
右手の中指の先に赤い傷口がある。
流れたらしい血が他の指や掌のあちこちに付いて、瞬間ぎょっとするほど手全体が真っ赤に染まっていた。
ここまでとは思わなかった。驚くよりは呆れた。
「…これのどこが『大丈夫』」
「ちょっと切れただけだから、ほんとに大したことないし」
確かに傷口自体は、さほど大きいものではないようだ。
けれど、痛いのを堪えて。手当てもせず。
つまらない嘘を吐いて、一体どうしたかったのだろう。
巣山の中に、苛立ちに似たものが沸々と泡のように次から次と湧き上がる。
632 :
スヤチヨ 3:2008/10/20(月) 22:37:11 ID:ibHEi1FD
「……」
「大丈夫だよ?」
口許に笑みを湛える篠岡に、かえって苛々とした。
洩れそうになった舌打ちをぐっと堪えると、篠岡を乱暴に引っ張った。
*
「待って。巣山くん」
肩越しに、保健室に連れて行ってくると言うと、巣山はグラウンドを出た。
篠岡本人の了承も、他の誰の返事も待たず、本校舎への細い道をどんどん歩いていく。
篠岡は後ろから、手当てならここで自分で出来ると言う。
けれど巣山は篠岡の腕を取って、前だけを睨んで進んだ。
自分の利き手を自分で手当てするのは、多分難しい。
後ろを気にする素振りもない巣山に、篠岡は殆ど小走りで付いて来た。
「ねえ。もうわかった。引っ張らなくても行くから、だから、手」
「……」
「巣山くん。…手、痛い…から」
巣山ははっとしたように立ち止まった。
悪い、と小さく呟いて、やっと手を解く。
篠岡は握られていた手首を、左手で撫でた。
傍目に見てもはっきりと、指の跡が残っていた。
「あそこのベンチ、古いから背の部分が少しヒビ入ってるんだね」
「あれに引っ掛けたのか」
「うん。虫に驚いて。慌てて手を突いたら、ちょうどヒビのところで…」
言い掛けて、突然、篠岡が足を止めた。
「あ、大変! 私、みんなにベンチのこと注意してって言ってない!」
「必要ない。部員はもう皆知ってるから」
「え。知ってて放っておいたの?」
「悪い」
「ううん。これまで誰も怪我しなくてよかったぁ…」
ベンチのヒビのことを篠岡が知らないなんて、思いもよらなかった。
部員は当たり前のように知っていることだ。
なんとかしないとと、以前から皆言いながら、日々の練習の忙しさに取り紛れて、放っておいた。
それで、篠岡がこんな風な怪我をするなんて。
「…平気にしてたつもりなんだけど。どうして、わかっちゃったんだろう」
ひとりごちるように言うから、巣山は内心で自嘲を浮かべた。
あれだけ篠岡のことばかり考えて、意識していれば、嫌でも気付く。
視線を逸らしたまま呟いた。
「どうしてもなにも。バレバレだ」
「そっか…」
篠岡は俯いて、ゆっくりと右手を開いて見せた。
緩く結んでいた右手の指先。
傷口から指の付け根の方まで血が伝って、赤い線が伸びていた。
掌や指の付け根に付いた血は、少しずつ乾いていたが、指先はまだ赤い色が鮮やかで、巣山は思わず顔を顰めた。
633 :
スヤチヨ 4:2008/10/20(月) 22:38:34 ID:ibHEi1FD
巣山は噛み締めた歯の間から、重い息を押し出した。
口中に苦いもの感じる巣山に、篠岡は場凌ぎに照れ笑いを浮かべた。
――そのふわりとした表情に、気を取られる。
腹の底で熱い、強い、大きく荒れた感情が込み上げて、巣山は奥歯で舌をきつく噛んだ。
その痛みが、どこか他人事のように遠い。
感情を殺そうと、篠岡から意識を背けようとするのに、どうしても目が動かない。
篠岡の細い指、白い肌と赤い血のコントラストが、視線を縫いとめたように捉えている。
巣山の付けた指の跡に、自分の指先を合わせている篠岡が、まるで子供のように無邪気で苛々する。
おそらくなに一つ深く考えられていないだろう仕草に苛々する。
なにげない仕草のはずなのに、巣山の意識を誘って根こそぎ奪っていこうとするようで苛々する。
どうして。
どうして、こんなに苛々するんだ。
自分のことがわからなくなる。
「巣山くん?」
「…なにが、大丈夫なんだ」
巣山は自分でも無意識のうちに篠岡の右手を取り、自分の目線まで引き上げる。
わずかに屈められた指先を、強引に開かせる。
指先にぬるりとした感触が伝う。
自分の親指を染める赤い色。
頭の芯が篠岡の血の色に塗込められていくようだ。
熱い。眩暈のしそうな、強い感情が襲う。
――これは、なんだ。
自分の思考を確かめるように、乾ききらない傷口を指の腹で強くゆっくりと辿る。
「痛…っ」
篠岡の小さな悲鳴。
傷口が開いたらしく、また新しい血が滲んでくるのがわかる。
止めなければ。
手を離さなければ。
わかっている。けれど。
篠岡の指先に絡めた手が、それを嫌がる。
まるで別の生き物のように、巣山の手は篠岡の指先を求めて絡みついていく。
自身を強く惹き付ける衝動に、しかし巣山は抗って、ようやく強く掴んだ篠岡の手を離した。
「巣山くん…?」
ごめんと謝って、なんでもない顔で笑えばいい。
行こうと、当たり前みたいに歩き出せば、今なら篠岡は、この違和感をいずれ忘れるだろう。
けれど、それがどうしてもできなかった。
視線を合わせられず、そっぽを向いたまま、ゆるゆると下ろした自分の掌を見る。
指先を擦り合わせると、少しずつ乾き始めた部分の血が、徐々にその色を褪せさせて、かすかにごわごわとした。
傷口を強く辿った親指の腹だけは、まだ乾かない。
べったりと付着した血液が、未だ生々しい赤色をしている。
濡れて、目に痛いような赤い鮮やかな照り。
ぬるぬるとした、その触感。
巣山は目を閉じる。
瞼の裏に差す、篠岡の血の色。
神経が甘く痺れる。
634 :
スヤチヨ 5:2008/10/20(月) 22:39:54 ID:ibHEi1FD
篠岡の傷口に、もし口付けたとしたら。
そんな仮定が脳裏に一瞬過ぎる。
乾きかけた赤い血の跡に、唇を押し付けるようにして舐めたら。
さっきまで手の中にあった、篠岡のさらりとした肌の触感と温度。
口の中に広がる鈍い鉄の味を思って、巣山は足元を睨んだまま小さく瞬いた。
オレはいつから、こんなにおかしくなった?
軋むほど握り締めた掌が、その思考のように徐々に重く痺れる。
…いや。最初から、真っ当じゃないのか。
思わず醜い自嘲が湧いて、冷たい笑みがかすかに口許を覆った。
「篠岡」
呼ぶと、篠岡はぱっと顔を上げた。
少し不思議そうな表情が、上目遣いでこちらを見上げる。
そう。この表情を、オレはいつからかずっと、歪ませてみたいと思ってきたのだ。
巣山は堪えてきたものが全て消し飛んで、強引に篠岡を引き寄せる。
腕を掴まれて、篠岡は戸惑ったように視線を揺らした。
「な…に…」
突然のことに逃れることもできず、篠岡は小さく身じろぐ。
咄嗟に胸元に寄せた腕を、巣山は苦もなく捉えた。
さっきと同じように、切り傷のある指先をもう一度開かせる。
「痛…いよ。巣山くん」
いやに喉が渇く。
無理やりに唾を飲むと、ごくりと喉が卑しく鳴る。
頭一つ近く低い篠岡に俯いて顔を寄せ、その掌にそっと唇を落とす。
一瞬、篠岡が息を飲んだのが、至近でした呼気で伝わった。
唇で優しく覆うように、口内に篠岡の指先を閉じ込める。
最初は舌先で、指の付け根の血の跡を舐めた。
「や…っ」
白い肌から染みを拭うように、傷から伝った血の跡に舌を這わせる。
それから徐々に傷に近付き、やがて舌全体でゆっくりと傷口を舐めた。
ぴちゃ。
水音に、篠岡は我に返ったのか小さく首を振って嫌がった。
舌の先を尖らせて、傷口をぐいと抉る。
「いっ…た…」
腕を引こうとするのを更に強い力で制す。
細い指の節を口腔全体で包むようにして、ゆっくりと舌で辿りながら唇から離した。
また水音が立った。
ごくかすかなのに、耳の奥まで届いて、鼓膜を内からとろかすような音だ。
今度は爪の形を辿る。
小さな爪はきれいなピンク色で、唾液にまみれて薄曇りの空の下で光る。
卑猥さに全身が粟立ちそうになる。
またすっぽりと指を口内に誘い入れ、傷口をそっとこじるように歯を当てる。
下顎を軽く揺らすと、篠岡がその顔を歪める。
「痛い…っ やめて…!」
口全体をすぼめるようにして、指を吸った。
血の味が巣山の意識をますます侵していく。
全身の熱が一点に集中していく。
635 :
スヤチヨ 6:2008/10/20(月) 22:41:33 ID:ibHEi1FD
「や…めて…っ」
篠岡はもがくが、腕を捉えられていて、わずかしかその身を離せない。
巣山の脳裏で、赤い色がシグナルのように明滅している。
奔流のような衝動。
今更、押し留められない。
「巣山くんっ!」
今にも泣き出しそうな声と共に、頬に鋭い痛みが走った。
篠岡が闇雲に拘束を逃れようとして、その手が巣山の頬を叩いたのだ。
二人は一瞬、驚いたように動きを止めた。
やがて肩で息をするように篠岡が呟く。
「どうして、こんな…」
巣山は篠岡の手を唇からゆるゆると解放する。
「こんなの、おかしいよ」
「ああ。そうだな」
巣山は静かに肯定する。目の前が暗くなる。
篠岡の血の色が、巣山の押し隠してきた理性を剥奪してしまった。
たかが指先の先に出来た、小さな傷。
大して深くもない傷口一つに、こんなにも弄ばれてしまうなんて。
――欲情するなんて。
「おかしいんだよ、オレは」
巣山の指先が、柔らかい手首の肌に一層きつく食い込んだ。
篠岡の瞳の奥が音もなく竦む。
巣山はそれらを他人事のように見つめる。
「…すやま…くん」
「もうずっと、おかしかったんだ。篠岡」
その告白は、巣山自身の耳朶にも言い知れない情感を巻き起こした。
吐き出した息がみっともなく震える。うまく息が継げない。
目を閉じて、篠岡の肩口に縋るように額を付ける。
懸命に最後の理性を呼び起こして、巣山は篠岡の手を繋ぐ腕の力を緩めた。
いっそ汚いものでも見る軽蔑の目で、非難の言葉を投げつけられる方が救われる。
篠岡にかけられた巣山の手は、今はここになにかを繋ぎ止めるような力はなく、静かに触れているだけだ。
しかし篠岡は巣山の腕から逃れず、凍りついたように、その場にじっと立ち尽くしていた。
636 :
スヤチヨ 7:2008/10/20(月) 22:42:29 ID:ibHEi1FD
一体なにをしているんだろう。オレは。
巣山は急激に冷めていく自身に、また自嘲を覚える。
それまで煮えたぎるような熱にうかされていたのが、まるで嘘のようだ。
今は全身の血が足元から地面に流れ出した後みたいに、体中が冷えている。
一度、堰を切ったこの感情を、どうやって殺せばいい。
もしこの感情を押し留める方法があるなら、教えてくれ。篠岡。
自分が隠し続けてきた、篠岡への醜い感情も。
篠岡にした、この行為も。
もう、見て見ぬ振りも、なかったことにもできない。
もう、オレにもどうすればいいかわからないんだ。
自分の欲望を剥き出しにして、一方的に押し付けて。
この、みっともない自分を。
「――哂えよ」
胸が押し潰されたように痛んで、今はただ、苦しかった。
ちょっと長いので一時中断。続きは日を改めて投下します。
投下にいらした職人の皆さま、どうか遠慮なく投下願います!
ずっと前に考えたものなので、本誌設定を無視していて申し訳ない。
適当に読み流してもらえれば嬉しいです。
わ〜い、これからじっくり読みます!
GJ! 続きまってます
>>630-636の続きの、スヤチヨ投下します。
・内容は篠岡視点の一人エッチ(本番なし)
・篠岡が妄想気味のイタイ感じになっています。
上記がダメそうな方、
特に、篠岡にきれいな夢を見たい方は、全力で退避願います。
642 :
スヤチヨ 8:2008/10/21(火) 23:23:24 ID:QQHjWZD+
『しのーか、あんたホントに彼氏いないの?』
元ソフトボール部の先輩は、連絡をしてくる度、同じことを訊く。
実際いないのだから、何度聴かれても、いないとしか答えようがない。
すると先輩は納得がいかないというように、必ずこう続ける。
『でも好きな人くらい、いるんでしょ。誰? どのポジションの子?』
飽きもせず繰り返される追及に、篠岡はすっかり呆れている。
野球部の皆は、同じ目標を追う仲間だ。
篠岡自身はグラウンドに立つことは出来ないけれど、自分も一緒に戦っていると思っている。
彼等の目標を実現できるよう、一番近くで彼等をサポートする。
それがマネージャーとしての、篠岡の仕事だ。
少しでも役に立ちたい。そう思っていると、やるべきことは尽きない。
毎日野球のことだけで忙しなく過ぎていく。
恋愛にアンテナを立てる余裕なんか、あるはずがない。
あるはずがない、と思っていた。
*
『しのーか。ホントは好きな人、いるんでしょ?』
耳慣れた問いに、篠岡は一瞬胸がぎゅっと引きつれて、咄嗟に言葉が出なかった。
胸の奥が竦んだことに、驚いて目を瞬いた。
『お。今日は『いませんよ〜』って即答しないんだ?』
「…言い飽きちゃっただけです。先輩しつこいんですもん」
おどけて、笑った振りをした。
声がたどたどしい緊張を帯びたことに、先輩は気付いただろうか。
篠岡は全身を強張らせるように、携帯の向こうに神経を尖らせた。
『あーあ、つまんない! 一体いつになったら、しのーかの恋愛話が聞けるやら』
「たとえそんな話があっても、先輩にだけは喋りません」
『なにおう! 先輩が折角相談に乗ってやろうって言ってんのに!』
先輩の相変わらずの応答に、篠岡は少し安堵して笑みが浮かんだ。
先輩から電話が掛かってきたのは、そろそろ寝ようと思っていた矢先のことだ。
部屋の主照明は既に落としてあり、ベッドサイドのライトが間近で眩しい。
篠岡は寝転んだまま腕を伸ばし、ライトの角度をいじる。
指先を光にかざし、篠岡は、また、胸の奥がずきんと竦むのを感じた。
右手の指先、中指の腹から第一関節にかけて、一筋の小さな傷跡が残っている。
もう完全にふさがった傷跡は、けれど触れると、ピリリと電気が走るような気がする。
『しのーか?』
「…先輩。先輩は今付き合ってる彼氏、なんで好きになったんですか?」
『なに、突然』
「別にどうもしませんけど。ただどうなのかなぁって」
『そうだなぁ。…そうやって改めて訊かれると、なんでかなぁ』
一瞬落ちた沈黙に、篠岡は聞き耳を立てた。携帯の向こうから照れを隠した声音が返る。
『まあ馬鹿で考えなしだけど、困ったことに憎めないイイ奴なんだよ。優しいしさ』
「優しいんだ」
『ちょっと、しのーか。あんた今日やっぱり変だわ。
ホントに誰か好きな人出来たんじゃないの? 正直に教えな!』
「いても教えませんって!」
即答して、いつも通りを装う。
共通の友人の話や近況に話をすり替え、他愛ない遣り取りをする。
しばらく話して、話し好きの先輩が満足した頃、通話を切った。
篠岡は携帯を放り出し、もう一度、右手の中指の傷跡をゆっくりと確かめた。
643 :
スヤチヨ 9:2008/10/21(火) 23:24:15 ID:QQHjWZD+
その傷は、しばらく前のものだ。
グラウンド脇のベンチが傷んでいて、知らずにヒビに指を取られてしまった。
大した怪我ではなかったが、それを見た巣山は篠岡を強引に保健室へと引っ張った。
そして、傷口を舐めたのだ。
掌に唇を付け、乾きかけた血の跡を舐め、
指の付け根にたまった血を舌先で掬い。
指を這い上がってきて、篠岡の指を口内へ引き入れた。
舌全体で指を包み、尖らせた舌先が傷口を抉ってくる。
痛みと共に襲う眩暈に、篠岡は最初、殆ど声も出なかった。
濡れされていく肌に伝わる、ざらりとした舌。
時折、粘膜の立てる、いやらしいかすかな水音。
あたたかい口内の、ぬめるような触感に、篠岡は体中が震え、頭が真っ白になった。
やめて、という言葉は、我ながらうわ言のようで、巣山の耳には届かない。
巣山の手から逃れられたのは、もがいた拍子に半ば引っ掻くように巣山の頬を叩いたからだ。
それまで呆然としていた篠岡は、はっとした。
混乱したまま、謝らなくちゃと思った。
けれど、口を突いたのは、嵐のように襲う疑問だった。
――どうして、こんな…
篠岡の問いに、巣山はやっと篠岡の手を離した。
――おかしいんだよ、オレは。
――もうずっと、おかしかったんだ。篠岡。
低く、今にも震えそうな声で。
痛みを堪えたような表情を湛えて。
――哂えよ。
巣山は、篠岡に向かって、小さく、笑った。
そんな巣山を初めて見た。
かすかに歪んだ頬が、引き攣るように尖った目元が、篠岡を捉えて離さない。
篠岡は魅入られたように言葉も出ず、体の重心を失ってその場に蹲った。
あの時、偶然遅れてグラウンドに来た栄口が、遠くから声をかけてくれなかったら。
自分はどうしていただろう。考えるのは怖い。
巣山は栄口が自転車でやってくるのを待たず、篠岡を保健室へ送ってくれと声をかけた。
「いいけど、どうしたの」
栄口は言いながら、すぐ自転車を降りてくる。
巣山は篠岡を振り返ろうともせず、自転車のカゴから栄口の鞄を引っぱりながら言う。
「ちょっと手、切って。チャリで送ってって」
「わかった。篠岡、大丈夫? …血見て貧血起こしちゃったかな」
栄口が覗き込んでくる。篠岡は俯いて首を振った。
右手をぎゅっと握る。左手で胸元に隠すようにして立ち上がった。
栄口の手がそっと背に添えられる。
「大丈夫。なんでもないよ」
自分に言い聞かせるように答えた。
自身の内に波立つ動揺を、悟られたくなかった。
怪我はなんでもなかった。
なんでもなくなかったのは、心の動揺の方だ。
あの時のことを思うと、今でも中指の先が熱く痺れる。
今ではかさぶたも取れ、肌にかすかな跡を残しているだけの傷跡なのに、どうして。
篠岡は息を吐いた。
あれ以来、巣山とは口を利いていない。
元々、巣山は無口な方で、篠岡とも特に親しいという訳ではなかった。
けれど、ここまでではなかったはずだ。
以前なら、当たり前に視線は合ったし、それなりに話はできた。
でも今は、視線も合わない。
巣山はあれ以来、完全に篠岡を避けている。
周囲にそれとわかるような避け方こそしないが、それとなく篠岡の近くから離れ、
篠岡の視線からふいと逃れていく。
あの時の行為の意味を聞きたかった。
そして意図的でなかったとはいえ、頬を叩いたことを謝りたいとも思った。
けれど、巣山を見ていると、距離を置かれていることすら、篠岡の勘違いのような気がしてくる。
巣山は終始、平静を貫いている。
部の練習も相変わらず集中していて、特に変化がある様子も見つけられない。
巣山はいつも通りで、なにごともなかったようにそっけなかった。
その横顔はまるで、あの時の行為を意識している篠岡の方が、よほどおかしいと言っているようだ。
篠岡はかすかに残った傷跡を、爪の先でそっと撫でた。
くすぐったいような感覚に、篠岡はゆっくりと目を閉じる。
あの時。
巣山の手が、自分の掌をどう掴まえ、どう引き寄せたか。
落とされた唇がどのように自分に触れ、指先まで這い上がったか。
濡れた口内のあたたかさ、かすかに触れた歯の硬さ。
そして纏いつくように触れた舌の腹の柔らかさと、なにより尖らせた舌先の蠢きを、
篠岡は今でも鮮明に覚えている。
というより、時が経てば経つほど、その記憶は鮮明に蘇り、篠岡を困惑させた。
『しのーか。ホントは好きな人、いるんでしょ?』
さっき携帯越しに先輩に聴かれた言葉を思い出す。
無意識に屈めた右手を口許に寄せて、篠岡はそっと中指の先に口付けた。
先輩は付き合っている相手のことを、憎めないいい奴だと言った。
『馬鹿で考えなしだけど、優しい』。
好きというのは、きっとそういうことだろう。
多少不満があったとしても、優しいとか、尊敬できるとか、思えるから好きになる。
篠岡は唇を離し、もう一度、中指の傷跡を爪先でなぞる。
あの時のことを何度思い出してみても、篠岡の内に湧き上がるのは、困惑と、
あの時感じたわけのわからない恐怖だけだ。
だから、これは、「好き」じゃない。
「好き」ではないはずだ。なのに。
どうしてこんなに身体が熱くなるの――?
篠岡はぎゅっと目を閉じて、中指の傷跡をきつく噛んだ。
あの日、巣山がしたように、柔らかい掌の皮膚に唇を落とす。
今は無い赤い跡を、唇で掠めるように軽く吸い、血の溜まっていた指の付け根に舌先を捻じ込む。
強弱を付け吸い、濡れた音を立てて舐められた感覚が過ぎり、頬が紅潮するのを感じる。
篠岡の羞恥は、急き立てられるように脳裏に追いやられていく。
いやらしく舌を出し、舌全体で指を這い上がる。
中指の先に辿り着き、舌を尖らせて傷跡を舐める。
前歯で軽く甘噛みすると、身体の奥がじんと痺れた。
「ふ……」
甘い息が洩れる。
指を口に咥え、強く吸う。
震えに似た感覚が、徐々に身体中に広がってゆく。
切なさが膨れ上がり、胸がいっぱいになる。
篠岡は思わず胸を押さえた。
胸のふくらみはささやかで、掌に納まってしまう。
躊躇いながら、布地越しにかすかに指を這わせると、身体は敏感に反応し始めた。
苦しいような感覚を追って、篠岡は更に手を動かした。
弱い吐息が零れる。
柔らかいふくらみは、指を埋め、掌の中で形を変える。
胸の突起は主張するようにしこり、引っ掻くように触れると、篠岡の身体はひくりと震えた。
身体中が、どうしようもなく甘い波に襲われてゆく。
「ん…っ、は…ぁ」
全身が熱くなっていく。
はしたない。恥ずかしいと思いながら、止められない。
服の下に掌を差し入れ、直接肌に触れた。くすぐり、官能を煽る。
無意識に膝の内側を揺するように擦り合わせて、篠岡はいつしか奥底から溢れてくる快感を追っていた。
太腿の内側をゆっくりと撫でてゆく。
膝がしらず開いて、早くとその先をねだって腰が揺らめいた。
「んん…っ」
下着のすき間から、ゆっくりとそこに手をしのばせる。
少し触れただけで指が、くちゅ…と、いやらしい音が立った。
「は…」
躊躇いの残る指先は、濡れたそこに滑るように誘い込まれる。
あたたかい中に触れるのは、少し怖い。
指の先でぬめりを掬い、隠された突起を掠めると、身体がびくんと跳ねた。
「あ…っ、ぁ」
足元から頭の先まで快感が這い上がる。
全身が粟立って、篠岡は身震いした。
「んん…っ、ぁ…」
身体中が熱い。
浅ましく快楽を求めようとする自分が恥ずかしくて、堪えなければと脳裏では思っている。
けれど襲う官能と、もどかしさは篠岡を支配して、ただ何度も身体を捩らせる。
思考が奪われて、ただただこの先が欲しくて、仕方ない。
「はぁ、あ…、ん…」
掌は篠岡の意思を奪うように触れていく。
首。胸。腹。くびれた細い腰。足の柔らかい内側。
かたくなって敏感に反応を返す小さな芯。
そして、誰にも触れさせたことのない、柔らかく濡れた最奥。
篠岡の身体のあらゆる場所を、指先は這い回る。
まるであの時、巣山が掌に触れ、吸い、舐め、愛撫したように。
奪われる思考と反比例するように、官能は次第に昂ぶり、篠岡は自らを追い上げ、上り詰めていく。
「や…、あぁ、あ、あ…」
吐息を零す喉も、愛撫する手指も、がくがくと震えて止まらない。
真っ白になる思考に、不意に巣山の声が蘇る。
――おかしいんだよ、オレは。
鼓膜を溶かすような囁き。
まるで狂気に誘われるように篠岡の快楽は頂上に達し、びくんと爆ぜた。
「あぁ…、――っ」
*
あの時。痛くて、怖くて。どんな顔をしていいのか、どんな風に接していいかわからなくて。
頭の中がめちゃくちゃになった。
それなのに、篠岡は気が付けば、あの時のことばかり思い出している。
怖くて、思い出すのも今でも震えそうなのに。
巣山のことばっかり考えてる。
どうして、あの時、巣山くんはあんなことをしたのだろう。
巣山はなにもなかったように、平然としている。
自分ばかりが、今になっても、ぐちゃぐちゃにかき乱されている。
あの時のことを思い出して怖いと思いながら、訳がわからないと思いながら、
巣山の手が、唇が触れてくる想像をやめられない。
いやらしい行為を、また繰り返してしまう。
「…おかしいのは、私の方だよ…」
まだ整わない息を苦しそうに肩で継いで、篠岡は両腕で顔を覆った。
切りがいいので、ここで一時中断。また日を改めます。
次回は本番ありで、投下終了の予定です。微妙に長くてすまん!
他に投下したい方がいれば、どうか遠慮なく投下願います!
>>647 おお、乙です。
でもあまり無理はしないでくださいね。
ところで現在488kbまできてる。つまりそろそろ新スレの季節。
なにも問題なければ自分が立てるつもりだけど、テンプレなりなんなりで
なんか変更しなきゃならんとことかある?
特に変更はいらないんじゃないかな。
650 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 16:09:07 ID:tSMuPYJh
≫647
乙
規制から復活できた・・・!
スヤチヨGJ!続きまってます!
埋めいきますか
田島が
誰と何処で何をどんな風に↓
千代と阿部がやってるところをのぞき
656 :
654:2008/10/27(月) 21:56:13 ID:nBin2D/P
657 :
654:2008/10/27(月) 22:51:38 ID:nBin2D/P
梅がてら
『田島が千代と阿部がやってるところを覗き』いきます。
苦手な人はスルーヨロシク。
658 :
田島ののぞき:2008/10/27(月) 22:52:55 ID:nBin2D/P
あんまり早弁すんのも考えもんだよなー。
昼休みには食うモンなくなっちまうんだもん。
こづかいもすくねーし、節約って言葉が身にしみる。
というわけで、その日は作ってもらった二つ目の弁当を食べてた。
目の前で浜田が嬉しそうに、なんか紙袋を泉に渡してた。
「ホ〜ラよ! 泉!」
「ばっか! 浜田! 堂々と出すんじゃねーよ!」
顔を真っ赤にした泉。中身はやらしいDVDだろうな。
そのまま黙って見つめてたら、泉と浜田が不思議そうにオレを見てきた。
三橋はひたすら食べてた。ナースネタ以外はどうでもいいもんな。
「なに?」
「田島、オメーいつもならもっと食いつくよな?」
泉の言葉に浜田がうんうんと頷いてた。
しょうがねーよ。だって最近ソレにお世話になってねーモン。
「にしし! まだ泉の好みねーんだわ! もうちょっと待ってくれよな!」
オレがそう言うと、泉がさらに真っ赤になった。
「それはもーイーんだよ! 昔のネタだっつの!」
うそつきだなー泉って。未だに好きなクセにー。
アンナコトしなければ、オレだって未だにDVDのお世話になってたんだろうな。
最近のオレのネタはいつだってあの時のアレだ。
今だって気を許したらアン時のこと思い出してチンコ反応しそうになる。
生まれて初めて後悔って言葉、覚えた。
きっかけはもう覚えてねー。
とにかく部活は先に終わって、篠岡はまそんときいなくって、後で戻ってくるってコトだった。
だから先にオレらは解散したんだけど。
何でびっくりさせたいと思ったか、とか。
何でロッカーに隠れようなんて思ったんだ、とか。
ナゾだらけなオレのアントキの行動だけど、今は心底しなきゃよかったって後悔してる。
とにかくオレは帰ったと見せかけてやがて戻ってくる篠岡を待って何故か部室のロッカーに隠れてた。
モクロミ道理、篠岡は部室に戻ってきたけど。
一人じゃなかった。
阿部と一緒だった。
659 :
田島ののぞき:2008/10/27(月) 22:54:08 ID:nBin2D/P
ロッカーからうっすら見えるドアのドアノブが回って、篠岡が来たと思った。
姿を見せた篠岡は、楽しそうに後ろを振り向きながら入ってきて。
続いて阿部が姿を見せた。
ほんの数ミリの視界で。
部室に入ってくるなりアイツラは。
抱き合ってキスをした。
完全に出るタイミングを失って、オレはどうしようかと混乱した。
とにかく、オレがいるのがバレたらヤバイ。
そう思って、ただ息を殺してた。
篠岡がすすんで阿部の首に手を回してた。
阿部は篠岡が自分を求めているのを確認してから篠岡の身体を抱きしめてた。
二人の唾液が絡みつく音が、ロッカーの中で息を殺してるオレの耳まで聞こえてきて
足元が音をたてて崩れ落ちるって言葉の意味を理解した。
それなのに、オレの目は二人から離れなくって。
ひたすら身じろぎすらせず凝視してた。
篠岡がまず阿部のシャツの下に手をもぐらせた。
なんか、阿部の胸を撫で回してた。
男の胸、撫で回して楽しいもんなのかな。
阿部の手が篠岡のシャツをたくし上げて、篠岡の白い背中が見えた。
さらにたくし上げるから、ブラジャーまで見えた。
手馴れたように阿部の手が篠岡のホックを外してた。
初めてじゃねーんだ。って思ったら、なんか胸が痛くなった。
「・・・久しぶりだね」
篠岡がそんなこと言った。
「溜まってるから、もう止まんねー」
なんだそれ阿部。久しぶりって篠岡。いつから二人そんなカンケーだったんだ?
そんな疑問がぐるぐる回って、ロッカーから飛び出したい衝動を堪えるのに必死だった。
胸が痛くって、悲しくって、叫びだしたくって。
ああ、オレしのーか好きだって思った。
なのに、篠岡はオレの目の前で阿部に抱かれてた。
そんな篠岡の姿にオレのチンコ、痛いほど反応してた。
「阿部くん・・・好き・・・」
なんで。しのーか?
なんで阿部?
こっちに背中を向けてる篠岡の綺麗なお尻から目を離せなかった。
阿部の裸なんて見たくもねー。
そしたら篠岡がこっち向いて。
光ってるようにな白い肌とか可愛い胸とか綺麗な色のチクビとか下のアレとか、なんか全部見えちゃって。
思わずその姿に釘付けになって息を飲んだら篠岡は、阿部に背を押さえてよつんばいになった。
篠岡の小さな腰を阿部のごつい手が抱え込むように掴んで。
阿部が腰を篠岡の腰に押し付けたら篠岡の顔が歪んで口が大きく開いて喘いでた。
「ああ・・・阿部・・・くん」
聞きたくねぇよ、篠岡。
そんな声、聞きたくねぇよ。
660 :
田島ののぞき:2008/10/27(月) 22:54:58 ID:nBin2D/P
「イーかよ、篠岡」
阿部がそんなこと言った。
うるせぇよ阿部。なんでソコにいるのがオマエなんだよ。
「イイよ・・・阿部くん」
聞きたくねぇよ! 篠岡!
なのに、オレは目を閉じれずに、ただ目の前の出来事を見ていた。
篠岡の返答を返事と取ったように阿部が腰を動かし出して。
その動きにあわせて篠岡が淫らな顔して喘いでた。
ああ、コンナ顔がミダラって言うんだ。
そんなことしみじみと考えてた。
篠岡の嬌声がひときわ高くなってった。
ひたすら阿部の名前、呼んでた。
タカヤ、タカヤって。
なんでユウイチロウって呼ばねぇの? 篠岡。
阿部もずっとチヨ、チヨって呟いてた。
黙れよ、阿部。何でオマエがその名前呼ぶんだよ。
二人がタっした時、オレのチンコからも出ちゃってた。
それ以来、DVDのお世話になってない。
だって、アン時のこと考えただけでタつし、ヌける。
フィニッシュの時、たまに阿部の顔が浮かんじゃって激しい自己嫌悪に陥るけど、
大体篠岡で終わってる。
でも、なんでかな。
毎回抜いた後、なんか涙が出てくる。
インポになったらどうしようって、たま〜に心配するけど。
でもま、今の所毎日タってるからいいんじゃね?
いつかユウイチロウって呼ばせて見せるって決めてるから!
終わり
661 :
654:2008/10/27(月) 22:56:29 ID:nBin2D/P
書いてて楽しかったっすー。
>>655すばらしい萌えシチュありがとうございますっすー。
じゃーまた会う日までさようならっすー。
GJ!
すげー田島っぽくて萌えた。
エッチに慣れたアベチヨもいい!
GJGJ!
まだ余ってるからもうちょっとゆっくりしてって!
残り6kか。
雑談で埋めちゃいますか。
埋めがてらにちょいと質問させてくれ
このスレでのねたばれ(コミックス未収録内容)に関する扱いってのはどうなってるの?
注意書きがあれば投下してもおkかなあ?それとも原作の展開に直結してるような内容はコミックス発売まで避けるべき?
注意書きがあればおkじゃないかな
コミクス発売まで年単位で寝かしてたら腐ってしまうぞ
本誌と単行本に恐ろしいほど開きがあるからなあ。
注意書きあればいいに同意見。
ネタバレ回避したいヤツはここにはこないだろ。
ほしゅ
ウメウメウッメー
保守
670 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 16:38:23 ID:ZYJ0SqUw
単行本って2年くらい前の内容じゃねーのか?美女と戦っててまだ1回とかどんだけ
アニメ2期はやらないのかな。
9巻以降がネタバレってことはさすがにないよな?
ネタバレの定義がわからん。
発売前の本誌ネタはここでは見たくないが
発売後なら問題ないような。
コミックス派が圧倒的に多い事実
9巻以降がネタバレって、アニメ化されてない部分のことか。
さすがにそれはないんじゃないか?
とりあえず自分は、発売前の本誌ネタバレ以外は気にならない。
本誌とコミックスとで結構開きがあるから
コミックス未掲載ネタのSS投下時には
一言注意書きがあると親切かな、くらいは思うけど。