携帯くらい持ってるんじゃね?
ゲームではルート次第でゆたかからメール来るし
…まぁあくまでゲームの話だけど
ゆたか両親なりそうじろうが安全の為に持たせる筈、に一票
>>567 「携帯はあるけど、みなみと話すときに携帯だと、ついつい長電話になってしまうから
電話代がとんでもないことに…」というのを想像した。
みなみから電話かけることは滅多になさそうだから
ゆーちゃんが受けの場合はあんまないだろうしね
573 :
565:2008/03/15(土) 22:43:47 ID:yQLosJPp
>>566 いや、俺文才無いですから(苦笑)
思ったんだけど、みなみがヤンデレでゆたかにベタぼれなSSとかって今まであったっけ?
574 :
567:2008/03/15(土) 23:09:18 ID:G/wFC2jJ
みんな、ありがとうww
参考になったwww
>>525 両作品とも可愛らしくて萌えたw
かがみはその指輪を結局どうしたんだろう?
>>559 すまん・・・こういうの苦手なんで途中から読めなくなった orz
こなた辺りかがみを助けてあげて・・・
>>573 結構多いと思うよ
俺が強烈に覚えてるのは鈍色プライオリティーとかかな
577 :
まだry:2008/03/16(日) 00:59:50 ID:j3IlqdaT
短いですが続き投下します。
えーと…
かなたxそうじろうxこなたになるのかな?
非エロです。
(いや〜〜〜しかし、身動き取りづらい空気ですなこれは。恋人モードに突入ですか。空間が隔離されてますよ〜
まぁ見てても悪くはないんだけど、この後が困ったな。ここから動けないじゃん…どうしたものかねぇ〜)
片付けもほぼ終わったこなたが、さて、どう声を掛けたものかと思案しだす。
(しょうがない、邪魔するのもなんだし、そろ〜〜と二人の後ろを抜き足差し足忍び足って感じで…)
持ち前の運動神経の高さを発揮して、そろりと二人の後ろを抜けて、開けっ放しのドアからそのまま逃げ去りが成功した、
と思った時に、かなたに見つかってしまった。
「あ、あら、こなた…ご、ごめんね…その…ついね、えへへ…」
少しバツが悪そうに、でも幸せそうな笑顔でこなたを呼び止める。
「あちゃっ、見つかっちゃったか。とりあえず、お邪魔虫は退散するよ。先にお風呂でも入ってるからさ」
「あ、ちょっと待って。お風呂ならわたしも一緒に入るわ」
かなたが、あわてて立ち上がろうとする。
そんなかなたを制するようにこなたが
「いや〜わたしは昨日一緒に入ったしさ、今日はお父さんと一緒に入ってあげてよ」
「へ?そ、そう君と?……」
虚をつかれたようにキョトンとしたあと、言葉の意味を理解して一気に赤くなる。
「ちょっちょっと…べ、べつにそんなに気を使ってくれなくても…ねぇ…」
あたふたとしつつ、後ろのそうじろうの顔を覗き込む。
「あははは………お、おれは……」
覗き込むかなたに対して、ちょっと目線を外しながら
「……かなたと、入りたいかな……」
恥ずかしげにほほの辺りをぽりぽりとひっかく。
会話が続かず二人とも黙ってしまう。
「「………………」」
沈黙が恥ずかしさを加速させたのか、頭から湯気でも出てきそうな勢いで二人とも赤くなって固まってしまう。
(あらら〜〜ま、放っときゃ治るかな?)
「んじゃ、先にお風呂入ってるね」
逃げるようにこなたが出て行く。
残された二人。
しばらく、無言で固まっていたが
「…はははは…一緒に入りたいだなんて、ちょっと調子に乗り過ぎちゃったかな?」
そうじろうが話し出す。
「…ううん…そんなことは…………」
下を向いたままのかなた。
再び、長い沈黙が空間を支配する。
かなたを引き寄せるように抱きかかえている腕に力を込める。
「………かなた…」
「そう君……」
頬寄せるそうじろうにそのまま背中をあずけされるがままになる。
そこへ、風呂上がりでほくほくなこなたがひょいっと顔をだす。
二人をにまーとなめるように見た後に
「お風呂空いたからどぞー」
とだけ言って立ち去ろうとする。
「…おいおい、随分と早いな」
そうじろうが、なんとか返事をする。
「んあ〜シャワーしか浴びてないしね、二人の時間を無駄に使う訳にもいかないしね。わたしはしばらく部屋で
ゲームでもしてるからさ、わたしのことなんて気にしないで二人で入ってきなよ。そいじゃ〜ね〜」
それ以上の会話を受け付けないように、素早く立ち去っていくこなた。
しばらくして
「そ、そいじゃ、お言葉に甘えて、ふ、ふろに、いこうか?」
ロボットのようにカクカクとしながら言い終えて、かなたを膝上から降ろし立ち上がる。
「さ、先に入ってて、そう君。わたしは後から行くから」
「あ、あぁ〜〜うん…じゃ、先に入ってるよ」
そうじろうがぎくしゃくとしながら、一人風呂へと向かっていく。
さっさと身体と頭を洗い、湯船につかり、ふぅ〜と一息いれる。
「うーんなかなかこないな…まさか、水着に着替えてるとか?……いや〜さすがにそれはないか……」
ぼーーーと特になにを考え込む訳でもなく、入り口付近を見ていた。
と、そこへ人影が写りこむ。
「そ、そう君?…いい?」
ためらいがちに、少し小さな声が掛かってきた。
「!!!!」
瞬間、ドキッと心臓が止まり、鼓動が一気に激しくなる。
「あ あ あ あ ど、 ど、 ど う ぞ」
ぎこちなく返事をする。
スッと風呂のドアが開きかなたがお風呂へと入ってくる。
胸元から太もものあたりまである長めのタオルで前側を隠してはいるが、一糸まとわぬその姿。
はずかしそうに、そうじろうの方をちらっと見るも直視できず下の方に顔を向けてしまう。
「………………!!」
その姿に心を奪われてしまい見とれる。
(………う、お、あ、や、やばい、か、かわいい!!かわいすぎるぞ、かなた!!とっとと声を掛けるべきなんだろうが、
し、しばらくこの姿を見ていても、いいよな?な?な?…そんなのいいに決まってるじゃないか!!そうだよな、俺!!)
自分に許可を求め、自分でOKを出す。
(………ってあ、あれ?なんだこの既視感は……初めてじゃ……ないな……前にもこんな感じの記憶が…
あ!あああ〜そうだ、初めて一緒に入った時もこんな感じだったな…ん〜〜〜これは、ものすんごく……)
「懐かしいな……」
思わず言葉が漏れる。
「え?」
ちょっと想像していなかった言葉にそうじろうを見つめる。が、すぐに気恥ずかしくなり、またうつむいてしまう。
「ん?いや、なに、昔かなたと一緒に初めて風呂に入った時もこんな感じで、今のかなたの仕草とダブって見えてさ
おもわず、懐かしいなって口から漏れちまったよ、ははは」
「そ、そう?」
「そうそう、その恥ずかしげな仕草とか…もう、そのまんまじゃないかな?ん〜〜なんにせよ、かわいい!!
かわいいよ!!かなた!!そして、きれいで美しい。もう一度拝むことができるなんて!!あぁ〜生きててよかった…」
はらはらと涙を流す。
「もう…大袈裟ね」
だいぶ緊張もほぐれ堅さがなくなってきたかなたが、椅子に腰掛けシャワーを浴び始める。
そんなかなたを、ついつい食い入るように見てしまう。
(こうして、一連の動作を見ているとほんとに昔に戻ったみたいだよなぁ〜)
髪の毛を洗う仕草、身体を洗う仕草、当たり前なのだがその全てが当時のままであり不思議な感覚がする。
(まるでタイムスリップしちまったみたいだな。ここまで来たらもはや夢オチでも構わんな。良い夢見れたぜ。てな。
ま、夢じゃないけどな……いや〜〜でも夢みたい。そういや、髪を伸ばし始めたこなたに髪の毛の手入れ方法というか
洗い方として教えたやり方は、かなたがこうしてたなぁと思い出しながらだったんだよなぁ〜〜意外と覚えてた自分に
驚いたもんだったな)
かなたが髪をクルクルっと頭の上にまとめ始める。
(おっ!?そろそろ、終わりが近いか…)
タオルを手に立ち上がり、前側を隠すようにして浴槽の方へと近づいていく。
「そんなに見つめられると……なんか…やっぱり……ちょっと、恥ずかしいわね…」
浴槽を跨ぐ時に、タオルの隙間から内股やら小さく膨らんだ胸元などがちらりと見えた。
一瞬ではあったが、そうじろうにとって破壊力は抜群だった。よくある漫画なら鼻血大量出血もの。
(チラリと見えるのがこれまた、たまらんなぁ〜ああああああもう〜萌え死にそ)
湯船につかりタオルを畳んで浴槽に置き、以前していたように、そうじろうに背中を預けるような格好で寄りかかる。
そうじろうも、かつてと同じように、寄りかかってきたかなたを後ろから抱きしめる。
「なんにも変わってないな…あの当時と…俺が年を取ったくらいか…」
「でも、あそこは年を取ってないみたいね……んもー、あたってるわよ?おちんちんが」
「あはは、いやーー、まぁ久しぶりだしな、コレばっかりはしょうがないさ」
「ばか…やっぱり、したかったの?」
「あった棒よ!!」
「確かに、棒ね…はぁ…したかったんなら、昨日、あんな格好つけた事言わなければ良かったのに。
今日はもう時間的にも無理でしょ?」
「いや、いいんだよ。俺の性欲なんかより、こなたの方が大事なんだから」
「ほんとに?」
「ああ。こなたにお前との想い出を持ってもらう方がよっぽど大事さ。こなたには無かった訳だからさ、今まで。
持ってて欲しかったんだ、母親の記憶を、想い出を」
「………そう君ってばやっぱり、ちゃんとお父さんできてるよね。ちょっとうらやましいかも」
「ははは、そうか?ちゃんとお父さんできてるかな?」
「ええ、ちゃんと」
「そうか…良かった、安心したよ俺」
ふぅ〜と安堵のため息をつく。
「ねぇねぇ、そう君、いつぐらいまでこなたとお風呂入ってたの?」
何気にかなたが質問する。
「うーん、小5辺りかなぁ〜いや、6年生の途中までか?いまいち覚えてないけど、ま、そこら辺だ」
記憶をたどりながら返答する。
「こなたからもう入りたくないって言われたの?」
「いや、俺からだ。そろそろ、こなたも子供の女の子から大人の女性になりつつあるんだ、いつまでも
一緒はまずいから、そろそろやめようか?ってな」
「へぇ〜そう君からっていうのが意外というか、なんというか」
「ん、まぁ、俺の理性というか、息子がだな、反応寸前になってきて危険だっつーのもあったんだがな」
少し申し訳無さげに語る。
「まっ!!そう君ってば。年端もいかない実の娘に欲情してどうするの!!」
きゅ―――――っとそうじろうの息子を握る。
「ちょ―――――っま―――――イテ――――――――!!だってしょうがね――――だろ―――――!!」
顔を苦痛に歪めつつ
「かなたにそっくり過ぎなんだよ、こなたは!!」
そのセリフに、はっ!となり、きゅっとにぎっていた物を離す。
「そうね…わたしも、自分でビックリしちゃうくらい似てるものね…まるで鏡でも見てるみたいだったもの…」
「だろだろ?不可抗力ってやつだよ。だから、早めにけじめをつけたんさ」
ほっと一息のそうじろう。
「………でも、やっぱりダメ!!ちょっとお仕置き」
袋の部分をきゅっとつねる。
「!!!!っぐがっつっ」
「ぷっふふふふ」
そのリアクションに、笑顔が戻るかなた。
「あたたたた…ひでーぞ、かなた〜」
「ふふふ…そう君のばーか」
そう言いつつ、目をつむりおもいっきり背中を押し付けるようにあずける。
「あぁ…ばかで結構さ…」
そうじろうも後ろからかなたを抱きしめる。
「バカだけど、オタクだけど…世界中の誰よりもかなた…お前のことを愛してる…これだけは誰にも負けない
誰にも譲れない!!」
熱く語るそうじろう。
ほぼ真横に位置しているそうじろうの顔にほほ寄せ
「…そう君…それはきっとわたしも同じ…誰よりもそう君のことを愛してる」
と、クルッと身体半分をひねり、すぐ横にあるそうじろうのほっぺに「ちゅっ」と軽くキスをする。
581 :
まだry:2008/03/16(日) 01:02:24 ID:j3IlqdaT
短くて申し訳ないです……
さて、この後の展開でどうしたものか…非エロで通すか微エロ入れるか……
悩みます……
>>559 ワッフルワッフル!!
>>581 あまああああああい!
なんという新婚夫婦……
つーかかなたさんに「おちんちん」とか言われたらドキドキが止まらない俺淫語属性。
個人的には微エロどころかガチエロでもいいくらいだけど、
書き手の側としては何か神聖なものに触れるみたいで凄く書きにくいよね(´・ω・)
俺は罪悪感で挫折しちゃったクチだしな……
とりあえず次回に期待
GJ!オヤジ格好良過ぎですw
話が面白いのであえて非エロでもいいかもと思いつつ
そうじろうにも少しは美味しい思いをさせてあげてもいいような・・・ダメかな?
>>581 夫婦の営みを! 甘く切ない夫婦の営みを要請します!
とりあえずぐっじょぶ。嗚呼、そうじろうさんがうらやましい。
何でこのスレのそうじろうさんは総じて男の中の男なんだ!!!
とにかくGJ!続きに期待しまっせ!
586 :
(=ω=.):2008/03/16(日) 03:40:27 ID:qQnhLpX8
>>581 もちろんガチエロを望みます。
だってさ、おとーさん、男手一つで
私を虐待も育児放棄もすることなく、
非行に走らせず……まあヲタだけどwwww
この歳まで育てたんだよ。
それも、30代前後のヤリタイ盛りってときにさwwwwww
だからさあ〜たまにおとーさんにも、いい思いさせてあげよーよ、ね!
いや、リアルで「ゆうべはおたのしみでしたね」と一度いってみたいんだよwwww
かなた「こ・・・こなたっ!?」
>>548 こんな鬱を待っていた...
描写が丁寧だし、展開に説得力があるし、徒に悲劇的にしないし、
後味もそんなに悪くない。素晴らしいっす。
>>581 朝から何てものを見せてくれるんだ
罰として非エロでも微エロでもいいから夫婦の営みを書いてきなさこい
準備されている方がいなければ投下するのですよ。
「ゆーちゃん対策委員会♪」
※ ゆたか×つかさ(他、全般)
注意事項
・続き物
・微エロあり
・ゆーちゃん注意
メイド服姿のみゆきが立ち上がって挨拶する。
「みなさん。おはようございます。それでは『第5回 小早川ゆたか対策委員会』
通称、『ゆーちゃん対策委員会♪ 』を開催いたします。
前回に引き続いて、柊つかささん、お願いいたします」
「いいけど…… ゆきちゃん、その服どうしたの? 」
「気分です」
「そっか、じゃあ始めるね」
〜報告7 始め〜
「ゆたかちゃん、駄目だよう」
ゆたかちゃんは、私の制服のスカーフをそろりと抜き取りながら、にっこりと微笑んだの。
「つかささん。動かないでくださいね」
「で、でも…… 」
ゆたかちゃんは私より身体が小さいのに、何故か逆らえないんだ。
「次は、両手をあげて、バンザイしてくださいね」
反射的に両手をあげると、ゆたかちゃんによってセーラー服が脱がされてしまった。
素肌が冷たい空気に晒されて、からだが震えちゃう。
「さ、寒いよ〜 」
「私が、暖めますから…… ね」
ゆたかちゃんは、私をベッドに押し倒して、ぎゅっとしてくれたんだ。
体温が私より高いみたいで、まるでゆたんぽを抱いているみたい。
それにとても柔らかくて、気持ちいいんだ。
「つかささんも、あたたかいですよ」
少し前に感じていた不安は遠ざかって、身体を重ねていることに安心しちゃうんだ。
「ゆたかちゃん…… くすぐったい」
私の脇をくすぐっているゆたかちゃんが悪戯っぽい瞳を向けてくる。
きらきら光っている瞳はとても魅力的で、こなちゃんやみなみちゃんが、
ゆたかちゃんに夢中になる理由がよく分かるよ。
でもね。
ゆたかちゃんにはとっても悪いんだけど、小悪魔って表現がぴったりくる。
外見はいかにも護ってあげたいって感じだけど、本当はすごく強引なところに惹かれちゃうのかなあ?
「つかささん。何を考えていたのですか? 」
「えっ、えっとお…… あ、あはは」
私は、笑ってごまかしたけど、ゆたかちゃんは見逃してくれない。
「えっちの最中によそみしないでください」
風船のようにほっぺたを膨らませる、ゆたかちゃんはとっても可愛いな。
月見だんごだと、ピンク色かなあ?
「つかさ先輩、ホントに、今何を想像しているんですか? 」
ううっ、ゆたかちゃんが睨んでくるよお。かわいいけどちょっと怖いなあ。
「あのね。ゆたかちゃんが月見だんごの何色かなってこと」
「…… 何色だったんですか? 」
ゆたかちゃんが、呆れたような顔つきになっている。
「うん。やっぱりぴんくかなあ。とっても甘くて美味しいの」
「つかさ先輩って、本当に子供っぽいんですね」
「あうっ」
自分より、小さくて、童顔のゆたかちゃんに言われるととてもショックだよ。
だけど、ゆたかちゃんだって、スイカの種の話はこどもっぽいと思うんだけど。
「それ…… 誰から聞いたんですか? 」
「田村さんからだよ」
ゆたかちゃんは、恥ずかしそうにして顔を赤くした。
「でもゆたかちゃん可愛いと思う。私だって流れ星にお祈りするんだ。願い事が叶いますようにってね」
「とってもロマンチストなんですね」
「こなちゃんには夢見がちって言われたよ」
私はちょっと微笑んだ。ゆたかちゃんとは案外似ているのかなって思ったから。
暫く沈黙が二人を包んでから、ゆたかちゃんはポツリと呟いた。
「先輩ってとても優しいんですね」
「そんなことないよ」
お人よしとか天然とかは言われたことはあるけれど、優しいって言われたことはなかった。
ゆたかちゃんは首を振ってから、私の瞳を見つめながら聞いてきたんだ。
「つかさ先輩、私のしている事をよく知っているのに…… どうして天使のような態度でいられるんですか? 」
「それはね、ゆたかちゃんが本当は寂しがりやで、いい子だということを知っているの」
「でも…… 私、酷い子なんです。寂しくて、でも素直になれなくて。
こなたお姉ちゃんや、みなみちゃんや、かがみ先輩や、田村さんや、黒井先生に酷い事をしてしまったんです。
だから…… 絶対にいい子じゃなんかありませんから! 」
小さな両手を握り締めて、ゆたかちゃんは自分が悪い子だって訴えかけるの。
それはそれで凄く可愛いのだけど、反論しなくちゃいけない。
「ううん。みんな、怒ってなんかいないよ。だけどね。ゆたかちゃんの事、とっても心配しているんだ。
もしかして、すごく疲れているんじゃないかって」
私の言葉に、ゆたかちゃんは反論した。
「だけど、わたし、わたしっ、今更いい子になんかなれません。もう後戻りなんかできないんです」
華奢な身体を震わせて、あふれそうになる涙を必死に堪えている、。
「だから、つかさ先輩にも酷いことしようとして…… でも、つかさ先輩はとても優しくて」
ゆたかちゃんは、私に顔を埋めて泣いた。
「ごめんなさい。つかさ先輩。ごめんなさい…… 」
私は、ゆたかちゃんの震える背中をずっとさすり続けた。
「本当にごめんなさい。つかさ先輩」
ゆたかちゃんは頭を深く下げて立ち上がった。
「ゆたかちゃん、何処に行くの? 」
「家に帰ります…… 」
力なく微笑むとゆたかちゃんは、鞄が置かれている場所まで歩き出す。
しかし、私は立ち去ろうとするゆたかちゃんの手を掴んだ。
「だめだよ」
振りほどこうとするゆたかちゃんを抑えながら、言葉を続けた。
「だって、ゆたかちゃん…… 寂しそうなんだもん。一人にしないでよって心の中で言っているもん」
「放っておいてください! 」
激しく叫んで、私の手を離そうと力を込める。でも離してなんかあげないよ。
私は強引にゆたかちゃんを引っ張って、ベッドに押し倒したの。
ゆたかちゃんの身体の感触が伝わり、匂いが鼻腔をくすぐった。
「どうして、私なんかに構うんです? 」
ゆたかちゃんは、全てをあきらめたような表情を見せてから、形だけの笑みを浮かべた。
「ゆたかちゃん。我慢は身体に悪いと思うんだ」
私は、ゆたかちゃんに近づいてゆっくりと唇を塞いだ。
「ちゅっ…… 」
ゆたかちゃんの唇はとっても柔らかいの。ぷりぷりと弾力があってぞくぞくしちゃうんだ。
「んっ、んんっ」
微かにゆたかちゃんの喘ぎ声が聞こえる。
ゆたかちゃんの髪はとってもいい匂いがするんだよ。
こなちゃんに言わせると私は動物なら犬だそうだから、敏感なのかなあ?
「ちゅっ、くちゅっ…… ちゅ」
唇が触れ合う音が微かに聞こえる。ゆたかちゃんが唇をもぞもぞと動かしていて、とっても気持ちいいの。
「くちゅ、ちゅばっ、うむぅ」
だいぶ気分が出てきて、ゆたかちゃんの制服を脱がしていく。薄いブラウスもついでに脱がしちゃえ。
膨らみかけの胸と白い飾り気の無いブラが、外気にさらけ出される。
「ゆたかちゃん。とっても綺麗だよ」
ゆたかちゃんのお腹に手のひらをあてると、とてもすべすべして触り心地がいいの。
「ひゃん」
くすぐったいのか、ゆたかちゃんが身を捩る。
私は反応を確かめながら、指先を動かしてブラを絡め取る。
「い、いやです。つかさ先輩」
「駄目だよ。ゆたかちゃん。純情そうなふりをしてもね」
私は悪戯っぽい笑みを浮かべてから、ブラのホックを外した。
ゆたかちゃんを護る布地がシーツに堕ちて、薄い桜色の突起が小さな膨らみの上に乗っているのが見えた。
「とっても可愛い色だね」
「言わないでください! 」
ゆたかちゃんの怒った顔もとっても可愛くて、愛しくてたまらない。
「ゆたかちゃん。もう食べちゃうからね」
乳首に歯を当てると、凹凸が少ない身体を微かに振るわせる。
「あくぅ、せんぱい…… 」
切なそうな悲鳴が耳に届く。
「ちゅばっ、くちゅっ、ちゅぶっ」
私は、とってもいやらしい音をたてながら、ゆたかちゃんの乳首とそのまわりを丹念に刺激していくんだ。
「ひゃん、んんっ、くぅ…… いやあっ」
舌の先端で乳首をつつく度に、ゆたかちゃんの嬌声が聞こえてきて、なんだかぞくぞくしちゃう。
ほんとうに変態さんになっちゃったのかなあ。
「んんっ、つか…… さ…… せんぱいっ、んあ」
ゆたかちゃんの身体から汗が噴き出しはじめている。
私は、ゆたかちゃんの乳首からゆっくりと舌を這わせて、鎖骨、首筋、そして耳を丁寧に愛撫していく。
「だ、だめ、そこ弱いんです! 」
駄目といわれると、どうしてもやりたくなるのはどうしてなんだろう。
「ゆたかちゃん。耳たぶ、感じるんだね」
「駄目、駄目です。ひゃああ」
ゆたかちゃんが悲鳴を浴びてしがみついてきた。
「えへへ…… 気持ちいい? 」
舌をちょびっと出しながら、耳元で囁く。
「つかさ先輩のいじわる…… 」
うーん。かわいいなあ。みなみちゃんが夢中になる気がよくわかるんだ。
「ホント、ゆたかちゃんは可愛いね」
「私、子供じゃありません」
ゆたかちゃんは頬を膨らませて抗議するけど、それがまた可愛いの。
こなちゃんが、歩く萌え要素って言っていた気持ちが凄く良く分かるよ。
「ううん。ゆたかちゃんは絶対、絶対に可愛いんだから」
私は断言すると、ゆたかちゃんの唇を塞いだ。
ゆたかちゃん。今日はこなちゃんの家に返さないからね。
〜報告7 終わり〜
「これは…… ハッピーエンドなのか」
かがみは、難しい顔で考えている。
「終わりよければ全て良しって、ちょっと都合よすぎっス」
ひよりは、納得いかねーと言い出しそうな表情をしている。
「うーん。天然ドジッ娘が攻めとは意外だねえ」
こなたは、腕を組みながら首をかしげている。
「…… ゆたか、どうして」
みなみは、顔を青くしながら手元にあるぷちぷちをひたすら潰している。
「ゆたかちゃんは本当はとってもいい子なんだよ」
つかさは、いつもと同じのほほんとした笑みを浮かべて満足そうにしている。
「さて、『第5回 小早川ゆたか対策委員会』はこれにて終了させていただきます。
申し遅れましたが、これにて最終回とさせて頂きます。
長らくお付き合い頂きまして、誠にありがとうございます。これにて散会させていただきます」
皆が席を立って、次々に会場を後にしている中――
「ま、待ってクダサーイ、ワタシの出番アリマセンヨ! 」
金髪碧眼の留学生が、ひとり絶叫していた。
(おしまい)
読んでくれた方ありがとです。
今回の話は、これにて終了です。
何故か、つかさ攻めの話になってしまいましたが、これはこれで。
ではでは。
哀れパティー!
まさかのつかゆたEND
対策らしい対策はなかったものの
手綱を握る人ができたみたいでよかったね
>>559 ちゅ。
「かがみん……ガラムとは通だね」
というわけで、俺も救済編キボン。
>>581 ワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワッフルワ(ry
そうじろうの息子さんで遊ぶかなたさんにハァハァ
そして、そう君立派に父親だよそう君
>>596 攻めつかさGJ!
最終回なんて言わないで、ここから攻守逆転で全員ルートを!
そしてゆーちゃん覚醒へw
>>596 最後に天然は勝つのか。ていうかこれなんて北風と太陽?
つかゆたGJでした。
>>596 この展開を何て表現するか喉に引っかかってたけど、そうか、北風と太陽か。
これはこれで想像の膨らむオチでした。
これから投下します。
・6レス(全体で約250行)
・ひよりメイン
・オリキャラ(ひよりの兄・次男の方)登場。オリジナル設定満載
・非エロ
601 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:40:47 ID:mCyUkNRw
「ん、んー……」
朝日を受けて目を覚ました。枕元の時計を見ると、時刻は朝の十時。
いつもに比べるとかなり遅い時間だけど、夜中の二時まで原稿をやっていたから、そこ
から数えれば八時間睡眠をとれたことになるわけで、十分に寝たということになるのかも。
まだまだ寝たりないけど、私も女子高生の身でいつまでも寝転がるわけにはいかないよね。
とりあえず眼鏡をかけて起き――
「兄さん! 何やってんの!?」
不法侵入者こと兄さんの手から、昨晩仕上げた原稿を取り上げた。
「妹の部屋に同意なしに入り込んでしかも原稿を勝手に読むなんて!」
「ノックはしたんだけど起きてなかったみたいだから。心配しなくていい、寝顔を眺める
ことと原稿を読む以外には何もしてないから」
「それでも十分問題だよ!」
まったく、自作の漫画を身内に読まれるなんてこの上なく恥ずかしいことなのに……。
え? 寝顔を見られたことのほうがよっぽど恥ずかしいって? そんなことはないっス。
兄さん曰く『妹の寝顔を見られるのは兄の特権』らしく、もう慣れたっス。
「ひより、最近百合ものが増えたよな。オレとしちゃその方が嬉しいんだけど」
「うん、まあ……」
それはいいモデルがいるからなんだけど……言っちゃまずいよね。
ちなみに私たち兄妹は漫画や小説の蔵書をある程度共有してて、私が百合ものを読むよう
になったのは、兄さんが百合にハマっていったからだったりする。『マリみて』のような入門
編や、『トリコロ』や『苺ましまろ』みたいな萌え漫画、『百合姫』のような専門者向けの
漫画、『バニラ』のようなややマイナーなライトノベルまで取り揃えてある。
一部の蔵書は共有してないんだけど、それは多分……私の描くものと同類のものが。
「……ってごまかしてもダメだよ!」
「オレも今起きたところだから、朝飯食おう。パンでいい?」
うわ。またごまかした。
「それとさ、食ったら散歩行こ。今日はいい日和だからさ」
兄さんは中指で眼鏡の位置を直した。時々やってる癖だ。
「いいよ。疲れてるし面倒だし」
「おまえ、高校生だろ……」
「いいよね、兄さんは気楽で」
「三月の大学生ほど暇な人種はいないからね」
朝食のパンを食べながらごねたりしたけど、結局散歩に行くはめになった。
602 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:42:03 ID:mCyUkNRw
「陽光を遮る雲はなく、空は爽やかな青一色だった。通りを行く人々の装いはその彩を鮮やか
にしている。それは暖かくなったそよ風や小鳥の囀りと共にもうすぐ訪れる春の息吹を感じ
させるものであり……あー鬱陶しい!」
私たちの見ている風景を言葉にするなら、兄さんが読み上げたような感じだったと思う。
「鬱陶しいと思うんならなんでそんなことやってたの?」
「よく小説とかで長ったらしい情景描写があるじゃん。文豪気取りで無意味に表現を詳細に
する奴がよくいるんだけどさ、実際やってみたら鬱陶しいだけだなって思ったんだよ。まあ、
主人公が感じている退屈さを読者に共有させるために冗長な文章を書くってのは一つの手法
ではあるんだけど、明らかにそうする必要のない場面で話の進行を止めてまで情景描写で
引き伸ばすのは作家の怠慢だと思うんだ」
「ふーん……」
純文学を読まない私にはよくわからない。ぶっちゃけどうでもいいと思う。
ただ、小説で散歩のシーンを書くとしたらやっぱり情景描写は必要なんだとも思う。散歩
の目的は、その景色を体で感じることなんだから。
私が見ているものを言葉にするとしたら……以下略。
「でも、兄さんの言ってることってお兄ちゃんの仕事を全否定してない?」
私には二人の兄がいて、上の兄をお兄ちゃん、下の兄を兄さんって呼んでる。お兄ちゃんは
物書きとして仕事をしているはずなんだけど……。
「お兄ちゃんがやってるのはゲームのシナリオライターだよ。純文学じゃない」
お兄ちゃんは私が小さい頃、自分をお兄ちゃんと呼ぶように躾をしていた。そのせいで、
兄さんまで自分の兄をお兄ちゃんって呼ぶようになった。お兄ちゃんは弟にはお兄ちゃんって
呼ばれたくなかったみたいだけど、『お兄ちゃん』の呼び名を奪われたことの当てつけを
含めて、昔からの呼び名で通してる。説明すると随分ややこしい話だ。
それはともかく、今はお兄ちゃんの話だった。
「今やってる仕事でそのへんのことで揉めてるみたいで、なんか愚痴ってた」
お兄ちゃんがそんな苦労をしているなんて初耳だった。っていうか……。
「お兄ちゃんがそんな仕事をしているなんて初耳だったよ」
「いや、それは……ひよりには教えられない仕事だったんだよ」
……どんな種類のゲームなのかなんとなく察しがついたけど、これ以上追及しないほうが
いいのかな。
「今回は堂々と内容を言えるゲームだったから、気合入ってるみたいだった。今日も原画家
と打ち合わせかなんかあるらしいよ」
携帯で、お兄ちゃんとのそんなメールを見せてくれた。
ちなみに兄さんのメアドは『メガネっ娘全力LOVE』をローマ字にしたものらしい。
最初は『メガネっ娘』、次は『メガネっ娘LOVE』、次は『メガネっ娘激LOVE』に
しようとしたけど、どれも先に使われてたとか。世の中広いなぁ。
603 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:42:49 ID:mCyUkNRw
「まあ今までの仕事も好きでやってたんだけどね……むしろそっちの方が好きっていうか」
それじゃあ、私の漫画がそっちの方に行っちゃうのは……血?
「だから、ひよりがそういうの描くのを否定はしない。だけど、ひより自身の年齢を考えて
もう少し内容をなんていうか……な?」
「うっ……」
何て言いたいのか、わかる。分かり易すぎる。
兄さんはお兄ちゃんに比べてルールに厳しいところがある。私の持っていたBL漫画が
見つかったとき、兄さんは私に説教をして危うく家族会議になりかけた。お兄ちゃんが
『年頃の女の子はこういうのに興味を持つものだから』って説得したおかげで事なきを得た
けど……。
……そういえば、兄さんの本棚に百合ものが現れたのはそれ以降のような気が……。
気にしないことにしておこう。
「イベントの主催者によってはRやXに厳しいだろうから」
ちなみにRは15禁、Xは18禁のこと。私の年齢だとXの方に引っかかる。
私が昨晩描いたやつは……エロっスよ。それはもう、かなり濃厚な。
「だから、描くのは構わないけど見せる相手は選べよ」
兄さん、勝手に読んだのは兄さんっスよ。
ルールに厳しいっていうのはちょっと違うかもしれない。兄さんのスタンスは『悪いことを
するならしてるって自覚して行動しろよ』っていう感じだ。
兄さんの言いたいことはわかる。これを出版するのは流石にまずい。っていうかこれって
私の友達をモデルにしたものだから、万が一本人の目に触れたら……。
「うん……」
確かに、見せる相手は選ばないといけない。勢いだけでやっちゃいけないこともある。
例えば、男性アイドルを題材にした801同人誌は本人に見せてはいけないという掟がある。
それを守ることでギリギリ成り立っている危ういジャンルだから。誰かがそれを破ったら、
同ジャンルの人たちに迷惑がかかることになる。
「まあ、分かればそれでいいんだよ、な?」
「うん」
BL漫画の件以来、兄さんはキツイ言い方はしてこない。遠回しな表現を使って浅い角度
で本題に切り込んで、大事なことはいつも最後に言う。私が自分で理解するのを待ってくれ
てるんだよね。
604 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:44:23 ID:mCyUkNRw
「回避できるトラブルは回避しないとな。いつも言ってるけど、何かあったらオレたちに言えよ」
「大丈夫だよ。今んとこは」
同人業界はトラブルの種があちこちに転がってるらしいっていう話。
便利な通信手段の無かった時代から、その本に作者の住所や電話番号を記載するのが今も
習慣として残ってるけど、初めて自分の本を出した時にそれをやりそうになって、お兄ちゃん
たちに慌てて止められたことがあった。それがどんなに危険なことか、今はわかってる。
かと言って連絡手段がないと、知らぬ間に他人を騙る人が現れるらしい。誰かが私の本を
持って、『私は田村ひよりです』と名乗って悪いことをするとか。嘘みたいな話だけど、昔から
そんな事件はよくあるって聞いた。
サイトを持っている場合、同じように騙られるケースもある。悪質な場合だと、勝手にその
人のサイト上の作品を製本して売ってしまうとか。お兄ちゃんたちは、まだ私がサイトを持つ
ことを許してくれてない。
お兄ちゃんたちもそれを心配してるみたいで、いつも口うるさく言ってる。幸い、私はまだ
そんなことには巻き込まれてないけど。一応の妥協として、メールアドレスだけを私の本に
記載してある。
「せっかくひよりは才能を持ってるんだから、つまらないトラブルで躓いちゃいけない」
「才能なんて、そんな……」
「練習して絵が上手くなる人もいるけど、練習しても上手くならない奴だっているんだ。
努力できるってだけで、一つの才能だよ」
そういえば、兄さんの描いた絵って見たことがない。探せば黒歴史ノートがあるかもしれ
ないけど……今度探してみようかな。
「世の中には自分に才能がないからって才能のある人の足を引っ張るような連中がいるんだ」
そんな人たちがいろいろトラブルを起こすわけで……。
「オレにはそういう奴らの考えは理解できない。オレにはお兄ちゃんのような文才もなければ
ひよりのような画才もない。オレはただ羨ましいって思うよ」
「…………」
兄さんは手で顔を隠しながら、指で眼鏡の位置を直した。
「だから、オレはせめてひよりの助けになれれば……ってね」
「お兄ちゃんは?」
「いいよ、あれは」
ぶっきらぼうに言い捨てた。なんだかんだで仲いいのに。
「そういやお兄ちゃんは仕事が大詰めのときはボロボロになってたよ。ひよりはあんなんに
なっちゃダメだぞ」
「それは……」
無いとは言い切れないのが情けないところ。それもこれも、みんな締め切りが悪い。
……ごめんなさい、悪いのは私っス。ギリギリにならないと出来なくてごめんなさい。
「っていうかひよりもあんなんになりかけてた。あんまり無理するなよ」
「ごめんなさい……」
いつも反省してるけどやめられないんだよね。できるなら私もやめたいんだけど。
「まあ、その、なんだ……そういうわけだから、たまには外に出ないとなって思ったんだよ。
ずっと篭ってると心が淀んでくるから。今日は散歩にはいい日和だろ?」
……そうだ、兄さんはこんな風に私のことを気にかけてくれてる。自分ではいろいろ言って
ても、世間的にはいいお兄さんなのかもしれない。
「それに、ひよりと出かける口実が欲しかったし」
兄さん、小声で言ったみたいだけど聞こえてたよ?
訂正。あんまりいいお兄さんじゃない。
「まあ、せっかく散歩に出たんだから景色を楽しむとして――」
兄さんが辺りを見回して、私もそれに倣った。
「ひより、ここはどこだ?」
「……知らないよ」
いつのまにか、見覚えのない商店街に来ていた。
605 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:45:21 ID:mCyUkNRw
「来た道を引き返せば帰れるんだろうけど、あえて別の道を行ってみるのはどう? どうせ
目的地なんかないんだし」
「いいのかなぁ……」
来た道を覚えてないんだから、引き返せば帰れるっていう保証もないんだけど……。
回避できるトラブルは回避しろって、兄さんが言ったんじゃなかったっけ? ま、いっか。
今まで目的のなかった散歩に『知ってる道を見つける』っていう目的が加わっただけで、
さして切迫した状況でもないから別にいいのかもしれない。『景色を楽しむ』ことはしなく
なったけど、『景色を観察する』ことに力が入るようになった。
知らない道といっても、商店街の店舗のバリエーションがそれほど違うわけでもなくて、
総菜屋、揚げ物屋、八百屋、本屋、床屋、眼鏡屋と大した違いはないように思う。
漫画家として、観察することは大事なんだけど、それを楽しめるかといえばそうでも
なくて……。
「ひより、ちょっと眼鏡洗ってもいいか?」
「うん、いいよ」
兄さんは眼鏡屋の店先にある洗浄器で超音波にかけて、慣れた手つきで水を拭き取って
クリーナーをレンズに薄く塗った。その指で鼻当てや耳に当たる部分にもそれを塗る。
「こっちの方にも塗っとくと、劣化を防ぎやすくなるらしい」
「それなら、真ん中の部分も塗らないの? よく触ってるし」
「ブリッジは……そういえば、よく触ってるか」
そこ、ブリッジって言うんだ。
一通り塗った後は眼鏡拭きでさっと拭いて終わり。
「ひよりのも洗うぞ」
「あっ」
いきなり眼鏡を外されて、洗浄器に入れられた。超音波をかけるのに、一分待たされる。
その時間が暇なのはわかるけど、なんで私をまじまじと見てるんスか?
「眼鏡っ娘は眼鏡をかけていてこそ眼鏡っ娘であって、眼鏡を外すと可愛いっていうのは
邪道だって言うんだけど」
「そうなんだ……」
誰が言ったんだろう。
「例外もいるんだよね」
「そうなんだ……」
もうなんと言っていいやら。時々ついていけないことを言い出すのは、同じオタクの血が
流れてるからかもしれない。
「蝶番は緩んでないしクリングスは変な曲がり方してないし、大丈夫だね」
いつの間にか拭き終わったみたいで、その眼鏡をかけてくれた。
なんだかちょっと照れくさい。
「店員さんに言われたことあるんだけど、眼鏡は自分の眼と同じくらい大事にしろって」
その眼鏡を通して見ると、さっきまでとは比べ物にならないほど、視界が綺麗になった。
見上げる青空も、通りを行き交う人たちも、全てが鮮明に見えている。
今まで、自分の眼鏡がこんなに汚れてたことにも気付かなかったんだ……。
「世界は、なるべく綺麗に見えたほうがいいよ」
「うん……そうだよね」
606 :
おさんぽ日和:2008/03/16(日) 14:46:46 ID:mCyUkNRw
この商店街は、確かに『特徴が無い』の一言で纏められるかもしれない。
でも、よくよく観察してみれば、そんなことはない。
コロッケ屋の店の奥のテレビは、競馬番組が映っている。あのおじさんは仕事の合間を
縫ってレースの結果を待ちわびているのかもしれない。
八百屋の店主とおばさんが立ち話をしてる。単なる世間話かもしれないし、値段の交渉を
してるのかもしれない。
そこにいる人たちは、活き活きしてる。中にはそうでない人もいる。
それに気付くかどうか、世界がどんな風に見えているかは、私次第なんだ。
それは、なるべく綺麗に見えていたほうがいい。
美容院から出てきた若い女性は、恋人とのデートを待ちわびているのかもしれない。
さっきのコロッケ屋のおじさんが嬉しそうなのは、馬券が当たったからかな。
本屋から、高校生っぽい女の子二人が出てきた。今日は暖かいのに手を繋いで歩いてる。
……うわ、すごく嬉しそうに見詰め合ってるよ。なんか、左の女の子が右の子の耳に口を
寄せて囁いてるよ。あれは愛の囁きってヤツっスか? 『好きだよ』『何言ってんの』みたい
な感じで百合百合な睦言を交し合ってるんスか? それとも左の子が持ってる本は『カーミラ』
みたいなエッチな雑誌で、これから初体験をするためにその本を……。
二人きりの部屋、一緒にそれを読んで、文字通り手探りで互いの体を……
自重しろ、自重しろ私ー!!
いかん――こんな腐った目で世界を見てしまっては……。
「ひより、前から聞こうと思ってたんだけど……」
「へ?」
兄さんは、いつになく真剣な顔つきだった。
「問題は沢山あると思う。父さんたちも許してくれないかもしれない」
何を言ってるんだろう?
「オレも……正直、戸惑いはある。それでいいのかって」
いいから、本題に入って欲しい。
「だけど、ひよりがそれで幸せになれるっていうんならオレは受け入れる。何があっても
オレはひよりの味方だから」
「はあ……ありがと」
「正直に言ってくれ。ひよりは女の子が好きなのか?」
「ちょ、ちょっと! 何言ってるの!?」
「もしオレが百合ものを読ませたのが原因っていうなら、オレにも責任あるから……好きな
子はいるのか? アメリカ人の留学生か? 部活の先輩か? 真剣に愛し合っているんなら
オレは全力で応援する。どうせオレはひよりとは結ばれないんだから」
「違うって! しかもどさくさに紛れて変なこと言わないで!」
「まだ告白してないっていうんなら、経過をオレに逐一報告して……」
「兄さん、変なこと考えてない?」
「オレは別にやましいことなんか――ん?」
また急に辺りを見回したから、私もそれに倣うと、私たちの知ってる道だった。
「もしかして、いつもと通りが一本違っただけ?」
「……そうみたいだね」
それで迷子って……。
「……あははっ」
なんだか可笑しかった。笑いがこみ上げてくる。
「意外と身近に知らないところがあったんだな」
「そうだね」
……そんなことがあるから、たまには散歩に行くのもいいかもしれない。
「だからさ、オレもひよりのこと全部知ってるわけじゃないけど、それでも受け入れるから」
「だから違うって!」
でも兄さんと行くのはやめておこう。どうせまたどっか連れて行かれるんだろうけど。
今日はいい日和だ、とか言って。
−おわり−
607 :
3-283:2008/03/16(日) 14:49:31 ID:mCyUkNRw
オタクのきょうだいなら、きっと互いに影響している部分ってあると思うんですよ。
あまり語ることではないのですが、田村次男の設定として
・オタク
・百合好き
・大学生
・眼鏡をかけている
に加えてシスコンであり、それが行動や口癖に現れているということになってます。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
鬱からほんわか甘甘まで幅広さにワロタ
>>596 GJだが、みなみ涙目だなww
>>607 同人活動に詳しいですね
俺は全く知らない事ばかりで驚いた
兄がシスコンすぎてワラタw
埋め立て用SSを投下します。
「Inter Lude」 こなた&ゆたか
・Elopeの続き ・非エロ ・2レス使用
3月に入り、厳しい季節はようやく終わりを告げようとしている。
『仰げば尊し、わが師の恩〜 』
夜のローカルニュースでは、高校の卒業式を放送している。
私の卒業証書も、今日、埼玉から送られてきた。
三学期は、一度も登校していないのに卒業してしまったことに、とても複雑な気分になる。
でも、私はまだいい。
頭を痛めているのは、私の同居人のことだ。
「ゆーちゃん。バイトしたいの? 」
「こなたお姉ちゃんばかりに迷惑かけられないから」
バイト先から家に帰って食事をしている時に、ゆーちゃんがお願いをしてきた。
「でも、ゆーちゃんは、学校に行かないと駄目だから」
ゆーちゃんには、地元の学校に転校して欲しい。
幸いにして学力は十分なのだから、受け入れ先に困ることはないと思うのだけど、本人の意思が問題だ。
「私、お姉ちゃんを助けたいの」
「お金には困っていないから大丈夫だよ」
駆け落ちした恋人同士としては、ありえない事だけど、今のところ生活費には困っていなかった。
もちろん、仕送りにはなるべく手をつけないようにしているけれど、高校生のバイト収入だけで
生活することは、売春をしない限り不可能である。
小説家として一応の成功を収めているお父さんからは、かなりの額の仕送りが送られてくるし、
ゆい姉さんや、ゆーちゃんの両親からも、必要以上の額が口座に振り込まれてくる。
残念ながら、通帳に刻まれる金額を見る限り、私たちは駆け落ちをしているというよりも、
下宿しているといった方が正しい。
よって、ゆーちゃんが家計に貢献したいと思うのは自然なことだけど、今すぐ必要というものではなかった。
「うーん。でも、学業は大切だし」
数ヶ月前の自分からみたら仰天するような、真面目な事を考えていることに気づいて苦笑する。
見知らぬ土地であり、ゆーちゃんを護るのは自分だけだから、責任感みたいなものが強くなっているのだろう。
「私、ちゃんと高校に通うから。だからお願い」
ゆーちゃんは、両手をあわせて懸命にお願いしてくる。
「でも、高校に行って、バイトをするのは大変だよ。ゆーちゃん身体壊しちゃうかもしれないよ」
腕組みしながら逡巡する私に向かって、ゆーちゃんは必死に説得を続ける。
今日のゆーちゃんはやけに粘り強い。
「大丈夫だよ。お姉ちゃん。私、最近調子良いから。それにお姉ちゃんと一緒に働きたいの」
ゆーちゃんは、私と同じメイド喫茶で働くことを希望している。
たぶん、いや絶対に、ゆーちゃんが面接を受ければ、即採用だろう。
萌え要素のカタマリだし、性格も真面目で、仕事をこなすことはそれほど難しいことではない。
健康さえ維持できれば何ら問題がない。無いはずだけど。
「お願いっ、お姉ちゃん! 私、役に立ちたいのっ」
迷う私にむかって、必死の形相で懇願を続けて――
結局、私は折れざるをえなかった。
誰かの役に立ちたいと願う心と、自立したいという気持ちは、抑えてはいけないと思ったからだ。
「明日、店長に話してみるから」
「ほんと!? 」
ゆーちゃんの瞳が煌く。
「だけど、身体の調子が悪かったら絶対に休むんだよ」
「ありがとう! こなたお姉ちゃん」
「うわっ」
満面の笑顔を浮かべたゆーちゃんは、飛びつくように抱きついてくる。
ゆーちゃんの心底からの笑顔は、何にも代え難い貴重なもので、仕方がないなと思いながらも、
自然と頬がゆるんでいた。
ゆーちゃんが寝静まった後、私は、カーテンを開けて夜の空を見上げた。
街の中であり、決して見える星の数は多くないけれど、それでもいくつか見覚えがある星達が、
静かに己の存在を誇示している。
「甘い…… のかな? 」
春の星座を東の空に臨みながら、天空のどこかにいるお母さんに問いかけた。
(終)
>>612 がんばっているんだなぁ・・・二人とも
ぐっじょぶです!
616 :
35-215:2008/03/17(月) 00:03:13 ID:bXfCXB/T
いい2人ですなあ・・・
それに対してこっちのかがみなも同設定だけど、文章力がなくてうまく表現出来ないorz
「その前にさっさと完成させなさいよ!何別小説に浮気してるのよ」
「早く完成させないと・・・色々な人を敵に回す」
お二方のおっしゃるとおりですorz
「うおーっ!」
ああーっ、なんの前置きもなくかがみんが公園の池に!
「ブクブクブク あなたの落とした柊かがみはこの完璧超人で男前な柊かがみですか?」
ああーっ、そしてなんかお母さん? のような奇抜なファッションのが!
「それとも平々凡々なほうですか?」
「えっと。ツンデレで鹿の睾丸みたいなフェロモンだしてるほうです」
「貴方は正直者ですね……ではどちらも差し上げましょう ブクブクブク」
お母さんは池に沈んでいきました
そしてなんか二人ほど池から這い上がってきました
どっちもすごく……かがみです
「うぇ〜、水飲んじゃったわ。って何か居る! 私が居る!」
「ふぅん、こいつが柊かがみ(平々凡々)ね」
「(平々凡々)とか言うな!」
同じ顔をしたかがみが睨み合う間に挟まれましたよどーしましょ
「悪いけど今日からこのスレの主役はこの私……妃夷螺戯 華臥魅(ひいらぎ かがみ)が貰ったわ!」
うわーっ! 字柄まで煌びやか?に!!!!
そしてなんかドキドキ愉快のポーズとってる!? 馬鹿みたいだ!
「ふふふっ、私はあらゆる点でそこの平々凡々とは違うわ……見なさいっ!」
そう言うと無駄に服を肌蹴させ、無駄に背景に集中線が!
妃夷螺戯 華臥魅の秘密☆
・魔族の血を引く日本人とイギリス人のハーフ(髪は天然の金髪だ!)
・普段の瞳の色は右→紫、左→青
しかし怒ると両の眼が金色に光る!(魔族である母方の力)
・生まれ持ってのフェロモンで見たものを全て虜にしてしまう
・豊満で美しい彫刻のような体
・普段は隠しているが背に四つの翼が生えている
・魔族の力を持つゆえの辛い過去がある(でも負けないで強く生きてるんだ)
・スポーツ万能
・射撃の名手
・絶対音感の持ち主
・ソムリエ並みの舌
・ピアノもプロ級
・IQ350
「痛ぇえええええええええええええええええええええええええ」
「過ぎたるはおよばざるがごとしいいいいいいいいいいいいいいいい」
「黒歴史ッスううううううううううううううううううう」
ん? 何か多かった
「つ、捕まえて返品しようよ。あんなのとラブコメなんてごめんだよっ!」
「ええ、ほのぼのマターリがとんだ超設定よ!」
「ふふっ……私を止める気? そうはさせないゾ☆」
「はぅあっ!!」
華臥魅んのウィンクで私の腰が抜けた! 恐るべき鹿の睾丸!!
「ま、まだよ! 私には効かないわ!」
「あら、まだやる気?」
そう言ってとっくみあう二人
おおっ、さすがかがみん(凡)「凡言うなっ!」
自分の魅惑には負けな……ん?
「ど、どうしても通りたいなら……私ごと連れていけば、いいじゃない……!」
変なツンデレになった!!!!!!!!!!!!
く、くぅ……こうなったら仕方がない!
とうっ!!
「こ、こなたっ! 何で池に……」
「ゴボゴボゴボ、貴方が落としたのはこのスーパーヒロインな泉こなたですか?」
・微乳
・小食
・非オタク
・パンチラ
「こ、こんなのこなたじゃないわ! 私のこなたは……あのこなただけだよ!」
「貴方は正直者です、どちらもさしあげ……」
「お母さん邪魔っ!」
「ンゴブゥっ……うう、とうとうこなたにまで」
池から飛び出して、かがみんと抱き合う
やっぱり私の嫁、信じてたよ!
「よぅし、スーパーヒロインな私! 任せたよ!!!」
頷き、パンチラしながら華臥魅んに歩いていく私
「華臥魅……ここは私たちのいる世界じゃないよ」
「子鉈……」
私字面酷くねっ!? つーかまだパンチラしてるし!
「こんな世界も……あったのかもしれ」
「「てめーは黙ってろ!!!!!」」
「……うぐぅ、ゴブゴブゴブ」
諸悪の根源はやっと、池に帰っていきました
「さぁ、帰ろう……華臥魅」
「……うん、そうね」
おお、無意味な全裸発光!!
最終回の種っぽい!!!!!!
そしてVFXに包まれて、二人は帰って行きました
……池に
ん?
「ゴボゴボゴボ 貴方が今落としたのは
『もっと超絶すごい柊かがみ』と『もっと美し神々しい泉こなた』ですか?」
「「もういいっつうの!!!!!!!!!!」」
「……あなた達は正直者ですね、ごほうびに」
「「空気、嫁!!!!!!!!!!」」
「そうです」と言えば居なくなることに、小五時間ほど繰り返してから気がつきました
(終われ)