人材はいませんよ、と続けようとしたシャマルは、つい先日隔離解除が順次行われる予定の、戦闘機人の姉妹達の事を思い出した。
「うん、そこや。あのナンバの子達の隔離期間、短縮が決まってるやろ?もし仮に任に付くとしたら、その頃には自由に使える可能性もあるんや」
「なるほど。それで上手く成果を上げれれば、続けていく事も可能に?」
「うーん、もしそれで上手く行ったとしても厳しい気がするな……なんせうちはある意味一部のお偉いさん方からすれば目の上のたんこぶもええところやからなぁ」
あはは、と乾いた笑いを浮かべる主に、シャマルも同じように仕方なさそうな笑みを浮かべるしかなかった。
本局の秘蔵っ子で、元グレアム提督の被保護者でカリムの妹分で3提督の大のお気に入り、現段階でも20そこそこの年で二佐、挙句の果てに防衛長官にまで居座られた日には
はらわたは煮えくり返るどころでは済まず、反発もかなりあるであろうことは想像に難くない。
とはいえ、基本的に登用に関してはほぼ完全に能力主義に近く、年齢、性別を問わない時空管理局という組織である。
チャンスであることには違いはなかった。
「今のところ、防衛長官はレオーネ相談役が暫定処置として代行しておられるんやけど……人の選びようがないから、そんな形になってるだけやし」
「チャンスといえばチャンスですが……火中の栗もいいところですね」
「せやね。本局と武装隊はハラオウン家となのはちゃん、騎士団はカリム、地上本部はうちらでー、なんてのはそりゃあ夢やけどな……」
はやては時空管理局、と呼ばれる組織の中での思うようにならなかった、歯がゆい年月を思い出して、膝の上で手を組んで力をこめる。
聡く察したシャマルも素直に同意した。
「ですね……そうなれば確かに理想ではありますが、ですが、正直早すぎると思います」
「うん。わかってる。うちもそう思ったんやけど、シャマルの意見が聞きたくてな」
「いえ、恐縮です」
そこでらしくなく堅く答えて、らしい笑顔で微笑まれて主の表情もほぐれた。
「うん、ありがとうな……まあ返事はすぐに出す必要はない言うてたし、ちょっと仕事しながら様子見ようかな、と」
「ですね。事件のごたごたも少し残っていますし……ほとんど片付いてはいますけど。
あ、そうそう、今局に行ったらびっくりしますよ?はやてちゃん、局内で――特に地上ではかなりの英雄扱いされてますから。これだけさぼってるのに」
あはは、とそこで照れ隠しに頬をかく仕草に、一瞬だけあの人を思い出して、誰にも気づかれない寂しさをシャマルは薄く瞳の色に乗せたが、
もちろんはやてがそれに気づくはずがなかった。
入浴を済ませたはやてが白い寝巻き姿でクライドの部屋へと向かうと、かの人もベッドの上でぱらぱらと新聞をめくってぼーっとしているところであった。
部屋に入ったはやてが、クライド、と呼びかけるとおもむろに立ち上がってお互いになんの断りも無く唇を重ね、抱きしめあう。
ついでにクライドは遠慮なく首に貪りつき、大きくなったものをしっかりと体の間で押し付けたが、勿論うっとりと浸るだけで拒む様子は欠片もなかった。
そしてそこで先程の電話の内容を思い出した彼は、一度愛撫を止めて髪を優しく梳きつつ改めて問いかける。
「しかし、二階級特進とはな……俺もそうだったとは思うが」
「んふ」
そう言ってじっと見つめるクライドの瞳の奥に、何かの終端の気配が見えてしまったはやては、それが言葉になるのが死ぬほど怖くてもう一度唇を重ねた。
翌日からは休暇前と変わらない、局での日常が――朝っぱらから抑え切れなかったはやてが、キッチンのテーブルにうつ伏せになって
クライドと交わっていて、事後に仏頂面でシャマルが塩を撒いていたりしたこと以外は普段の日常が――再開された。
休暇明けで若干の後ろめたさを持って出勤した先の事件の英雄さんであったが、出向いてみればなんのことはない、
冷たい視線どころかむしろ体は大丈夫なの?と方々から心配され、あまつさえ二階級特進の話が広がっているらしくお祝いムード一色であった。
なんや申し訳ないな、と騎士達と苦笑いをしながら家路に着き、一日が終わり、翌日も同じように平和に過ぎ去っていく。
ただ、いつの間にか住み着いた2匹の野良猫にシャマルがミルクをあげながら、遠くの空を見つめて呆けている姿が何度か目撃されはしたが。
勿論、家にいる間ははやてはクライドにべったりで、ベッド以外では情事にこそ至らないものの馬鹿が付きそうな程のカップルぶりであったが、
一日、一日、日と過ぎていく度に若干の異変を主に騎士達は感じるようになっていた。
そしてはやてが家に戻ってきてから5日目の朝、朝食を取りながらシグナムもついにその異変の原因に思い当たる。
(クライド殿の存在が――薄くなってきているな……)
にこやかに隣同士の席で笑いあっている2人に、一見そんな影は見えようはずもなかったが、時折、一瞬視線を外す主の瞳に宿る確かな陰鬱から推測すれば、
その事に最も側にいるはやてが気づいていることはほぼ確実であった。
医療担当に念話で話を振ってみる将。
(シャマル、気づいているか?)
(ええ……もう、かなり薄くなってきてる。もってあと3日、というところかしらね……)
(そうか……主は、大丈夫だろうか)
(わからないわ。私は、そんなに依存していないから平気だけど、はやてちゃんは……)
(うむ……)
2人の笑顔が、仮初の笑顔のように見えて仕方が無いシグナムであったが、如何ともし難くいつも通りに局に出向く。
だが、その日の夜――ずっと影を抑えて来た守護騎士達の主の心が、ついに破綻を迎えてしまった。
夕食を終えて、仲良く寄り添いつつ皿を片付けていたクライドとはやてであったが、片付け終わった後、
一緒に座ってTVを見ていたところまでは日常であったのだが、抱きついたまま離れようとしない。
何度クライドが諭しても優しく促しても全く離れようとせず、小さい子供のようにただをこねるのである。
いい加減諦めて無理矢理離れて立ち上がったクライドであったが、部屋の外に出る前に追いすがったはやてに手を取られ、振り返ってみれば
驚くほどの悲しみがその双眸に満ちていた。
「はやて、いい加減に――」
恋人というより父親に近い表情で再度諭そうとした彼であったが、その台詞が終わる前に激しい叫びに遮られる。
「いやや!」
「はやて……」
「いやや、お別れなんて、絶対にいやや!もう、もう、リインのときみたいな、悲しい想い、しとうないんや!」」
「はやて……そうはいってもな」
「今からでも遅くない、ユーノ君に頼んで、なんならロストロギアでも何でも使って、絶対逝かせへんから!」
「それは、駄目だろう?自分の欲求の為だけに、ロストロギアや違法な技術に手を染める事は――」
「かまわへん、クライドと一緒にいられるなら、うち、なんもいらへんから」
「はやて……あのな」
完全に冷静さを失っている事は、部屋にいる騎士達全員はリィンも含めて痛いほど判っていたが、
全てをクライドに託して動く事はなかった。
「もし、もし、それでも駄目なら――、うちも、クライドと一緒に――」
その言葉を聞いた刹那、泣きつかれていた人の表情が険しいものに変わり、振りあがった片手がはやての瞳に映った。
――え?
ほいではまたノシ〜
あーあ。
>>750 GJ。もう少しまとめて投下してくれるとありがたい。
もうくるなよ〜ノシ
自分のことを某とか書いてる時点で、反省なんかしてねぇな。
とうとう◆kd.2f.1cKc氏には直接謝罪してねぇし。
地の文が伸ばせないならそれこそ◆kd.2f.1cKc氏の作品でも参考にしろよ。
ちょっと過去ログ読んでくるかな。
クライドの二階級特進でちょっと笑った
GJ
物凄い粘着荒らしがいるな…
春って嫌だなぁ…
投下乙です。
このまま100回は連載を続けられるのでしょうか?(恐らく可能ですよね?)
今後も貴方が◆kd.2f.1cKc様にとって有益な行いをされることを心より願っております。
>>750 GJ
毎回楽しみにしてます。
連レスすまぬ
なんでこんなにゆとりが多いんだろうな
ゲリラ兵氏はたしかに色々言いすぎだと思う。
けど◆kd.2f.1cKc氏の作品が原作に沿って書いてるから、原作に対する批判にしか聞こえない
◆kd.2f.1cKc氏は人を魅せる力があると思う
実際俺は◆kd.2f.1cKc氏のSSは好きだし
だからこれからどうなるか期待してる
ゲリラ兵氏もまた人に魅せる力があると思う
俺は二人に残っていてほしい
お互いに許せないやつもいると思うが、誰もが間違えるんだ
隣人を愛せよって感じで水に流そうよ
チャンスは誰にでも必要だよ
>ゲリラ兵氏
>◆kd.2f.1cKc氏
…2、3レスで投下はちょっと…
少しも悪いと思ってない、口だけって感じに写るよ…
長文済まなかった
言うべき事を言ってないから叩かれるんだろう。
それでも投下するって事は、5日ぐらいは余裕で叩かれることを覚悟してるんだろう。
>>750 GJでした!クライドの今後とはやての闇がちと怖いです。
ますます続きが気になります。
そして自分も◆kd.2f.1cKc氏が投下された際に、謝るのが良いかと
主義主張は違えど、このスレに集う職人さんなわけですから。
上記のような荒れたレスの連投も収束に向かうと思いますし。
二人共に言いたいんだが
ちょっとほとぼりが冷めるまで自重するとかそういう選択はないのか?
職人が自重する意味ってどこにあるの?
粘着してるやつらの方がよっぽど有害だわ。
後で粘着が持ち出してきてまた荒れるかもしれないから一応明文化しときたいんだが
ゲリラ兵氏から◆kd.2f.1cKc氏へ一言あればいいんだよな
荒れたことへの責任あるからスレ内皆に謝れとか言わないよな?
一言の内容にもよるんじゃない?
ゲリラ兵氏、
氏が他意はないにせよ、発言が少々行き過ぎだったと感じて謝罪されたのなら、私はそれで充分だと思います
おそらく、( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏もそれほど気にはなさらないでしょう
人間、思い返してみたら、やり過ぎたかなと思う事は、誰にでもあるはずです
そう何度も繰り返すのならともかく、たった一度の事ですから
それとゲリラ兵氏の
>>737や
>>745の謝罪を、私は状況から( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏宛と思っていますが、
氏のコメントだけを見ると、誰に対する謝罪なのか分からないので、誰への謝罪かをしっかりと書いておいたほうがいいと思います
昨日に続き、名無しが長々と偉そうな事を言ってすみません
ですが、私は氏の作品も大好きですので、皆さんに愛されるようになることを、切に願っています
そして、少しでも流れを和やかにするべく、私はデッキの中にある長ねぎを、納豆を吐くキシャーに与える!
つ納豆を吐くキシャー(長ねぎ装備型)
orz
コテハンでしかも自分の創作物をここで堂々と発表できるくらいなんだから、
自己顕示欲の化け物であることは間違いない。何かを作る人ってそんなもんだ。
ただ、今回のゲリラはその悪い面が全部出てるな。
おまえらはとにかく黙っておれの作品を読め、とでも思っているんだろ。
>>769 「行き過ぎた言葉」で済ませられるか?
( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏の作品を"否定"しちまってるんだから。
>>758が( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏を嫌いな事だけは分かった。
作品否定が有益とか頭が沸いてるとしか思えん
いや、あれを気にするなって言うのは相当無理があるような。
二次創作の根幹を否定することを言ったんだし。
( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏は以前の自己燃料事件で懲りてるから、単に何も言わないだけかと。
どこか外部板に毒吐き場を作らないか
正直当人同士でやればいいことに何か言ってる外野が一番ウザい。
その方が良いかもねー、何でもいいから毒はきたいようなのもいるみたいだし
したらばでも借りてきます?
>>724 特定しますたw
陵辱GJです!リアルが忙しいのにこのクオリティは凄い。
>>750 おつー
>>773 毒吐き場をつくることはメリットばかりとは言えないぜ。
某クロススレみたくなるのは勘弁。
個人的には気乗りがせん。荒らすやつは結局投下後に荒らしにくるだろうし。
もしつくるのなら、毒吐き場でのことには一切持ち込まないとか、
テンプレで厳しくルール付けしといたほうがいいと思う。現実の強制力はないにしろな…。
乙
乙
…にしても、ここ数日荒れてるなあ。前のマターリした雰囲気が懐かしいぜ…
>>724 アルカディア改めル・ルイエ氏ですよね・・・・・?
GJ!!
いや、昨日はリクエストした身でありながら途中で寝てしまって・・・・・・・実に申し訳ない。
やっぱ、貴方の書くクアットロは最高だわ。
>>745 一応は謝罪文があるんだし、反省はしてるんでしょう。
「投稿するな」ってのは、まぁ、
>>1の投稿する自由・書き込む自由に反するので
それも無視してかまわないでしょう。
ただ、
>罵詈雑言、罵倒、暴言、全て受け付けますので。こちらにお願いします
これはいただけないかと・・・・・。
この文章は「俺は悪くないけど毒吐きたいならご自由にどうぞ」といった意味で誤解されかねない。
無論、過敏に反応してるだけの方もいますけれども(自分もそうなのでしょうが)
そもそも、貴方の言動が原因なのだから、けして、罵詈雑言や罵倒、暴言だけではなく、きちんとした批判もあるはず。
まぁ、こんな細かい文章でも人によっては貴方へのマイナスイメージに繋がる
(私みたいな)人もいますから気をつけたほうがいいですよ、ということを言いたかっただけなのですが
>>778 乙です
春で人も多いんだろうし、荒れるのも仕方がないんだろうなあ
外野は当人同士の問題に首は突っ込まず、行き過ぎた毒は一人二人が
指摘してやればいいだけのことだと思うんだが
良い作品と、それに対する熱い感想でスレが埋まって行くようになってくれればと願っている
>>771 いえいえ、ゲリラ兵氏にはこのままダラダラと続けて ◆kd.2f.1cKc様の防波堤として役に立って欲しいと言いたかっただけなのですが。
そもそも ◆kd.2f.1cKcを嫌いというわけでは決してなく、それというのもこの板で読んでるのは氏の作品だけなのですから。
788 :
暗愚丸:2008/03/04(火) 10:35:33 ID:a4LJ9Z5A
えと、唐突ですが、埋めネタ投下します。
注 アリサメインで、オリキャラの恋人の名前(話には出てきませんが)が出てきます。
ほのぼのまったりな一日遅れの雛祭りネタです。
非エロです。
「……ん」
窓から漏れ込む日差しが顔にかかって、眩しさのあまりアリサは目を覚ました。
軽く頭を振って上半身を起こす。
「ふぁ〜〜、もう朝か〜〜。んー、まだ眠いなぁ」
ぶつぶつと言いながら布団をめくって、ベッドから立ち上がる。
いくら空調が効いているとはいえ、下着だけという姿は寒々しさを感じさせた。
それには頓着せず、けれど両親や執事に時折受ける注意を思い出して、苦笑を浮かべる
アリサ。
「……まあ、父さん達の言うこともわからないでもないけどね」
確かに最近の自分は、令嬢というより男装の麗人と言った外見や言動が多くなっている。
下着だけで眠ったりするのもその現れで。
「いつから、だったかな」
呟きながらも、答えは自分でもわかっていた。
今現在付き合っている佐伯裕也と出会った小学校の六年頃からだ。
物静かで優しく、女性的な顔立ちの男装少女と言われていた裕也と、付き合うようにな
って、まるでバランスをとるみたいにこうなってしまったのだ。
「てか、あれからもうそんな時間が経つんだ」
呟きながら、ふと今は遠くに行ったなのは達のことを思い出す。
お互いに平凡な日々を過ごして、時々けんかしたりしながら、それでも一緒にいられる
と思っていた小学生の頃。
一度思い出したことで懐かしさを刺激されて、アリサは服を着ようともせずにそのまま
机に向かう。
PCの電源を入れて、フォトフォルダを開いた。
「今日って、ひな祭りだったわね」
九年前、はやて達と出会って初めてのひな祭りの記念に撮った写真を引っ張り出す。
かなり大きなひな壇には、見事なひな人形が並べられていて。
……なぜか、みんなそろってひな人形と同じ十二単で、思い思いの姿勢で座ったりポー
ズを撮ったりしていた。
「今見ても、壮観だわ」
思わず苦笑を浮かべながらその光景に見入ってしまうアリサ。
すでに宴もたけなわ、アリサが用意してきたワイン用ブドウの100%ジュースや甘酒、
なのはが持ってきた翠屋のひな祭り用ホールケーキも半分がた、消費された頃合いで。
「このひな人形の着ている服、着てみたいですね」
その盛り上がった気分のままで呟いたのだろう。
どこかうっとりとした表情をひな人形に向けているシャマル。
「普通の和服なら、用意しようと思えばできますけど……」
「ま、映画の撮影所とかでもないと、おいてないんじゃないですか」
思わずすずかと顔を見合わせて、苦笑しながらシャマルに答えを返す。
普通の振り袖なら家に何着かあるけれど、十二単なんかそう簡単に用意できるはずがな
い。
そのつもりで言った瞬間、離れたところでなのはと差し向かいで飲んでいたはやてが、
にやっと笑うのが見えた。
「それやったら、外見だけでもその形にしてみたらえーんとちゃう?」
『はやて「ちゃん」?』
一瞬、何を言い出したかわからなくて、皆の問いかけが見事にハモった。
「ふふふ、魔法で外見だけ変えるってことができるやん。ちょうど関係者だけやし、やっ
ても問題は起きへんって」
「では、主はやて。用事を思い出したので……、シャマル。なぜクラールヴィントで縛
る?」
抜き足差し足でリビングのドアに向かっていたシグナムの体に細い糸が絡みついていて。
その先をたどっていくと、シャマルの手に連なっていた。
「シグナムもたまには着飾ってみるのもいいんじゃないかしら?」
そのほほえみに怪しいものを感じて、アリサは思わず口元に苦笑を浮かべてしまう。
「そうやでー、逃げたらあかんよー」
くすくすと笑うはやてに、なのはとフェイトが困ったような笑みを向けていて。
何となく止めるつもりがないことだけは理解できた。
「ほな、みんな動いたらあかんで」
にっこりと満面の笑みを浮かべたはやてが、指をひらひらと動かし始める。
……なのはやフェイトの使う魔法とはやり方が違うことに訝りながら、視線を二人に向
けて。
二人も不思議そうに首をかしげていた。
『彩り綾にして妙なる姿、吾が望むままにそれぞれが身を飾り立てん』
「聞いたことない詠唱だね」
「……リインフォースさんが遺した魔法、なのかな」
なのはとフェイトのつぶやきと同時に、はやての眼前に四角い図形が浮かび上がった。
『吾の意に従い力を変えて、姿を偽る形とならん。Un vestito di cocktail』
そのつぶやきと同時に、リビング全体が白い光に包まれて、思わず目を閉じるアリサ。
しばしそのまま目を閉じ続けて。
「みんな、キレイです」
すずかの声に促されて目を開いた。
「あー、確かに」
そのすずかの言葉にこくんとうなずいて、アリサはそれぞれの姿に見ほれた。
なぜか髪型までひな人形と同じになっているのがおもしろくて、順番に視線を移してい
く。
さもおもしろそうに笑うフェイトになのは、にっこりと満面の笑みを浮かべるシャマル
とはやて、楽しそうなほほえみを浮かべるすずかに、そんなのは興味ないとばかりにケー
キにパクついているヴィータ。
みな愛らしかったりキレイだったりする中、一番目を引かれたのがシグナムだった。
「あ、主はやて。はやく、解除していただきたいのですが」
顔を真っ赤にしてうつむくシグナムの照れた様子は、見てるだけでも楽しくて。
「あ、ついでだから、このまま記念撮影しない?」
皆が一斉にこちらに視線を向けてくる。
「はやて、この服って写真とかにちゃんと写せるよね?」
「ん、大丈夫やと思うよ。てかそれめっちゃ名案や!」
ぐっと握り拳から親指を立てるはやてに、思わず苦笑が浮かぶ。
まだつきあいはそんなに長くないけれど、こういうお茶目な面は見てておもしろいから。
「それでは、私のデジカメで撮りますね。皆さん、用意してください」
すずかが脇からくちばしを挟んでくるけど、それもらしいなと、そんなことを思いなが
らも、カメラのフレームに入るであろう位置に移動して、ピースサインをカメラに向ける。
みんなも思い思いのポーズを取るのが見えて。
「……あの頃は、ほんっと楽しかったわね」
懐かしさとともに呟いて、アリサは大きく背伸びをする。
「ん、そろそろ出る用意しないと」
今日は午後から出ればいいけれど、午前中は裕也と遊びに行く約束をしているから、少
し急いだ方がいいかもしれない。
そんなことを考えていると、不意に携帯から着うたが響いてきた。
SEENAとピエトロ・カレーラスのDUOによるタイムトゥセイグッバイだ。
「これが噂をすればってやつかな」
思わず苦笑しながら机の端においていた携帯に手を伸ばす。
発信元は、なのは。
「おひさ〜、こんな時間にかけてくるなんて珍しいわね。……え、こんどこっちに帰って
くる? ふん……ふん…………すずかが喜びそうだわ。桃子さんとかも喜ぶんじゃな
い?」
そんな風に会話を交わしながら、アリサは思う。
今は遠く離れているし、会う機会も減ってはいるけど、やっぱり友達だと言うことに代
わりはないんだろうなと。
できれば、ずっと最後まで友達でいられるといいなと、そんなことを思っていた。
ラストはさまれ
792 :
暗愚丸:2008/03/04(火) 10:39:19 ID:a4LJ9Z5A
ってことで、忘れられた頃に現れる暗愚丸でした。
ふたフェイ、書いてます、はい。
次回はアルザフィのちょい甘エロ逆レイプ(ぉ)モードになる予定だったり。
次回は5〜6スレ後くらいにお会いできるかもしれません。
それでは、失礼。
お主らはおっぱいよりも討論が好きと申すか。
激情をぶつけるのはエロスだけにしとこうぜ、変態紳士諸君。
>>750 乙です
前から感じていたけれど、地の文ばかりが続くところと、会話文ばかりが続くところが若干目につきます。
会話文中に心象とか表情とかの描写をもう少し混ぜ込んでほしいかも。
あと、 エ ロ さ が足りない。
>>792 埋め乙
すごい久々・・・お帰りなさい
もう残り僅かなので埋めてしまいますね
_人人人人人人人人人人人人人人人_
/.:.:::::::::::::::::::::::::::::.::.::.> ゆっくりしていってね!!! <ヽ::::`\
|:::::::::::/:::::::::::_ -〜  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄::::::::::::::::ヽ
|::::::::::j::::::::/ _ -〜〜〜〜〜-、>'∠⌒´ / / \::::::::::::::::::::',
.,'"しく了::/ ;イ:/ /: : : : : : : : : : ヽ: :、⌒ヽ、. .// /{ } ヽ:::::::::●:::|
';, : : : ;' Y: : / !.:| / /7メ/ :/} }} 〉: \__>リi ⌒{.│j_ ∧|=:| ハ :::::::::::: |\/゙>
ー-'" {: :/ rヽ| :レぅ仆{ :/ /7メ/: ハ: : :ヽ /l: Yf沁ハ| W`メ|=:|》《|:::::::::::: 人 </゙>
.∨. :人^| :|込ソ ヽ{イ圷イ" /: :ハ: : | /:::| }_{:リ j/=ミ. | / ,':::::::::j:rヘ \ <
./: :/:/:.j | :|xx. ヒソ'厶/: :/}:ハ:│.〈:::::|八" Vイ /:::::::::/|:!_}::ヽ \ `ー┐
, ' ;斗<.ヽ| :| r -、' x./: /:// j/ ヾ|{ \`.ー "/ //^Y └─┘  ̄ ̄
// `ヾ、:l ‐'´ イ : ,'´ ∨!レ介ーrー/ /:/::::::_,ゝ―-、
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>>792 乙です、はやての魔法はオリジナルでしょうか?
魔法少女らしいひな祭りですね。
そういえば昨日は雛祭りに関する話題が全く出なかったな。
フェチ談議は盛り上がっていたがwww
現在498kb
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> ゆっくりして逝ってね!!! <
./ / / 、 、  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
/ / / / ∧ | ', 、 ∨ ハ /:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:ヘ\.:.:.:.: ヽ
| , ; / / / V l ! ! | 、 ヽ | l://.:.:/.:./ .:./ .:l.:.:,'.:.:{:.:.:.:.l.:.:ヽ.:.:.Vl:/ \.:.:.:.:',
| l | | ハ _|_| |_」...」 _| | :| | /.:.:/.:. l:.:.:.!>ト/{.:.ハ.:.:斗<:l:.:.:.l.:l.:.:.:.:.ヽ.:.:.l
| | |:イ:「ヘ∧| j/l /l./「 | | |∨ l.:.:/.:.:.:.|:l.: レ(ヒ_] ヒ_ン ) |.:.:l:|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
| | | |V(ヒ_] ヒ_ン l /| | ./ |:/!.:.:.: 从.:.{"". "" 'j.:.,' |.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
| | トゝ'" ,___, "' ノ/| |/|/ j:ハ.:.:..Wト :.ゝ ,___, /.:/レ|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: |
./ /| lヘ、 ヽ _ン ハ | ,.''; \:{ヽ|:小 ヽ _ン 彡'.:.|│l.:.:.:.:.:.:.:.:.|
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